ユクリパ "綴られる歴史" (ユクリパ)
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ユクリパ綴られる歴史銃火器と航空機 資料
2022/01/17短機関銃追記
まず初めに この世界での単位や物理法則は地球世界とは異なるが、これを読者諸君にわかりやすくするため地球世界の単位に変換して、表記していることを念頭に置いて、ご視聴いただきたい。
地上兵器
歩兵用銃
帝国軍正式採用 57年式連発機構搭載型歩兵銃
性能
口径:7.7mm
使用弾薬:7.7mmx60帝国標準弾
銃身長:85cm
全長:138cm
作動方式:ボルトアクション式
銃口初速:820m/s
総重量:4,658g
解説:57年に採用され、今もなお実戦配備され続けている歴戦の歩兵銃、当時としては画期的な機構と他の銃火器と共通の弾薬を用いたことで、飛躍的に広まることとなる。
帝国軍正式採用 55年式騎兵銃
性能
口径:7.7mm
使用弾薬:7.7mmx60帝国標準弾
銃身長:73cm
全長:112cm
作動方式:ボルトアクション式
銃口初速:800m/s
総重量:3,925g
解説:従来の銃火器では取り回しが悪いとの、騎兵からの多数の要望を反映させ、開発された比較的取り回しの良い騎兵銃。
帝国軍正式採用 57年式狙撃銃
口径:12.7mm
使用弾薬:12.7mmx115帝国重機関銃弾
銃身長:98cm
全長:179cm
作動方式:ボルトアクション式
銃口初速:835m/s
総重量:5,633g
解説:設計運用思想は対人用で在り、装甲目標を攻撃することは考慮されていない。
短機関銃
帝国軍正式採用 75年式歩兵短機関銃
口径:7.7mm
使用弾薬:7.7mmx60帝国標準弾
銃身長:294mm
全長:950mm
作動方式:シンプルブローバック方式
銃口初速:412m/s
連射速度:480発/m
装填方式:ドラムマガジン式(65発)
総重量:3,250g
解説:帝国で75年に採用された短機関銃、取り回しが良く弾をばら撒けることが騎兵や、閉所での戦闘が多い警備隊などに好評で優先的に配備されている。
機関銃
帝国軍正式採用 46年式水冷軽機関銃
口径:7.7mm
使用弾薬:7.7mmx60帝国標準弾
銃身長:71cm
全長:115cm
作動方式:ショートリコイル式
銃口初速:791m/s
連射速度:480発/m
装填方式:ベルト給弾方式
本体重量:32kg
解説:帝国標準歴57年に採用された歩兵銃は、この46年式水冷機関銃と同一の弾薬を使用しており、前線での弾薬共用や生産効率の向上へ役立っている。
帝国軍正式採用53年式空冷軽機関銃
口径:7.7mm
使用弾薬:7.7mmx60帝国標準弾
銃身長:85cm
全長:130cm
作動方式:ショートリコイル式
銃口初速:795m/s
連射速度:560発/m
装填方式:ベルト給弾方式
本体重量:30kg
解説:46年に開発された46年式水冷機関銃の航空機への、搭載時の不便さを延々突かれ続けた開発元が新たに開発した空冷式の高性能*1軽機関銃。
帝国軍正式採用53年式空冷機関銃
口径:12.7mm
使用弾薬:12.7mmx115帝国重機関銃弾
銃身長:156cm
全長:252cm
作動方式:ガス圧作動方式
銃口初速:810m/s
連射速度:520発/m
装填方式:マガジン式
本体重量:42kg
解説:53年式空冷軽機関銃と同一の開発元で開発され、同様に航空機用として用いられた機関銃であったが、マガジン式にしてしまったのが非常に不評で在り、現地でコレを降ろして、53年式空冷軽機関銃に乗せ換えた例まである。
帝国軍正式採用62年式空冷機関銃
口径:12.7mm
使用弾薬:12.7mmx115帝国重機関銃弾
銃身長:158cm
全長:250cm
作動方式:ガス圧作動方式
銃口初速:800m/s
連射速度:570発/m
装填方式:ベルト給弾方式
本体重量:40kg
解説:散々ぼろくそに言われてきた、53年式空冷機関銃を大幅に改良し再設計し直した事で、連射性能の向上及び弾数の増加に成功した。
試製77年式空冷機関銃
口径:12.7mm
使用弾薬:12.7mmx115帝国重機関銃弾
銃身長:110cm
全長:225cm
作動方式:ガス圧作動方式
銃口初速:840m/s
連射速度:915発/m
装填方式:ベルト給弾方式
本体重量:37kg
解説:77年時点ではまだ正式採用はされていなかったが、70年式水冷機関銃よりもはるかに軽量で、連射速度・銃口初速が非常に高いバランスで纏まった、素晴らしい機関銃だと言えるでしょう。
帝国軍正式採用70年式水冷機関銃
口径:12.7mm
使用弾薬:12.7mmx115帝国重機関銃弾
銃身長:100cm
全長:202cm
作動方式:ショートリコイル方式
銃口初速:800m/s
連射速度:430発/m
装填方式:ベルト給弾方式
本体重量:52kg
解説:70年に採用された水冷式機関銃なのだが...前線の兵士からは余り評判は良くない。
帝国軍正式採用70年式空冷機関銃
口径:20mm
使用弾薬:20mmx150帝国標準汎用弾
銃身長:137cm
全長:216cm
作動方式:ガス圧作動方式
銃口初速:780m/s
連射速度:650発/m
装填方式:ベルト給弾方式
本体重量:46kg
解説:比較的良好な性能とコストにより幅広く用いられており、地上部隊は勿論、戦闘機の主武装や爆撃機の防護銃座、果ては海軍の対空機関銃としても派生型が用いられている。
機関砲及び小口径砲
帝国軍正式採用70年式空冷汎用機関砲
砲身長:65口径長
口径:35mm
使用弾薬:35mmx230帝国標準機関砲弾
全長:425cm
作動方式:ガス圧作動方式
砲口初速:1080m/s
連射速度:300発/m
最大射程:5300m
装填方式:ベルト給弾方式
本体重量:218kg
解説:70年代に一斉採用された70年式の中でも最も帝国軍に、期待されていた機関砲であり、実際に実戦でその期待に大きく答えた。
帝国軍正式採用72年式軽対戦車砲
砲身長:72口径長
口径:35mm
使用弾薬:35mmx230帝国標準機関砲弾
全長:468cm
作動方式:ガス圧作動方式
砲口初速:1150m/s
連射速度:150発/m
最大射程:5500m
装填方式:ベルト給弾方式
本体重量:195kg
解説:70年に採用された70年式空冷汎用機関砲を陸軍前線部隊からの要望を取りまとめ、軽装甲目標を破壊できるように改修した軽量級の対戦車砲である。
帝国軍正式採用75年式対戦車砲
砲身長68口径
口径:50mm
使用弾薬:50mmx480徹甲溜弾
全長:685cm
砲口初速:1080m/s
連射速度:10発/m
最大射程:9700m
装填方式:手動
本体重量:982kg
解説:75年に正式採用されてから長く前線の対戦車兵器として愛用され続けた。
中口径砲
帝国軍正式採用68年式野砲
砲身長45口径
口径:95mm
使用弾薬:95mmx890各種弾薬
全長:924cm
砲口初速:1080m/s
連射速度:6発/m
最大射程:14600m
装填方式:手動
本体重量:2985kg
解説:68年に採用された95mm砲弾を使用する野砲であるが、3年後の71年には後継機に取って変わられた。
帝国軍正式採用71年式野砲
砲身長50口径
口径:95mm
使用弾薬:95mmx890各種弾薬
全長:967cm
砲口初速:1090m/s
連射速度:7発/m
最大射程:15300m
装填方式:手動
本体重量:3142kg
解説:68年式野砲を改良し射程距離を伸ばし、連射性能を僅かに向上させることに成功した新型野砲である、残念ながら75年に開発された75年式野砲によって駆逐された。
帝国軍正式採用75年式野砲
砲身長52口径
口径:95mm
使用弾薬:95mmx890各種弾薬
全長:970cm
砲口初速:106m/s80
連射速度:10発/m
最大射程:15000m
装填方式:手動
本体重量:2820kg
解説:従来の95mm野砲から得られたデータや、前線の将兵の意見を参考に構造の見直し、徹底的な軽量化を実施し従来よりも軽く運用しやすく改善された。
帝国軍正式採用42年式榴弾砲
砲身長10口径
口径:150mm
使用弾薬:150mm各種砲弾
全長:792cm
砲口初速:860m/s
連射速度:4発/m
最大射程:11700m
装填方式:手動
本体重量:3620kg
解説:42年に正式採用されその後も使われ続けたが、前線からは度々不便だという報告が来ていた。
帝国軍正式採用43年式カノン砲
砲身長35口径
口径:150mm
使用弾薬:150mm各種砲弾
全長:1,258cm
砲口初速:920m/s
連射速度:3発/m
最大射程:17200m
装填方式:手動
本体重量:6360kg
解説:43年に採用された150mmカノン砲、一部改修され海軍でも運用されたが、海軍では直ぐに廃用になってしまう。
帝国陸軍正式採用45年式カノン砲
砲身長38口径
口径:150mm
使用弾薬:150mm各種砲弾
全長:1,472cm
砲口初速:900m/s
連射速度:5発/m
最大射程:19500m
装填方式:手動
本体重量:7520kg
解説:43年式カノン砲の欠点を洗い出し射程を従来よりも延長して、更に連射性能を向上させることに成功した一品、尚海軍では不採用になった。
帝国海軍正式採用44年式汎用砲
砲身長26口径
口径:150mm
使用弾薬:150mm各種砲弾
全長:1,150cm
砲口初速:910m/s
連射速度:4発/m
最大射程:15000m
装填方式:手動
本体重量:6800kg
解説:陸軍が採用し続ける物とは異なり、海軍の要求は単純明快であった、それは船体に搭載可能で且必要最低限の火力と射程だけである、それらから導き出されたこの44年式汎用砲は同時期の中口径火砲としては、異例の高俯角、高初速、高火力となっていたが、代償として生産コストが上がり陸軍はコレを不採用にしてしまう。
帝国軍正式採用56年式共用砲
砲身長32口径
口径:150mm
使用弾薬:150mm各種砲弾
全長:1,320cm
砲口初速:920m/s
連射速度:7発/m
最大射程:16500m
装填方式:手動
本体重量:7150kg
解説:帝国陸軍と帝国海軍が新型150mm砲の採用で、揉めに揉めて最終的に親衛軍や警備隊も巻き込んだ乱闘騒ぎの、妥協の結果として全軍に採用された新型の汎用砲である。
帝国軍正式採用52年式重砲
砲身長20口径
口径:300mm
使用弾薬:300mm各種砲弾
全長:1,650cm
砲口初速:680m/s
連射速度:2発/m
最大射程:19700m
装填方式:手動
本体重量:12,620kg
解説:陸軍としては最大規模の牽引可能な重砲、これよりも大型の火砲となると最早列車砲か、海軍の火砲しかない。
帝国軍正式採用67年式重砲
砲身長24口径
口径:300mm
使用弾薬:300mm各種砲弾
全長:1,780cm
砲口初速:750m/s
連射速度:4発/m
最大射程:23300m
装填方式:半手動方式
本体重量:14,620kg
解説:52年式重砲で培われた経験と、海軍で運用されていた火砲の装填機構を一部模倣し、簡易的ながら半自動装填機構を備えることに成功、これにより連射速度は毎分4発にまで向上した。
帝国海軍正式採用65年式艦砲
砲身長28口径
口径:300mm
使用弾薬:300mm各種砲弾
全長:1,980cm
砲口初速:820m/s
連射速度:7発/m
最大射程:18500m
装填方式:自動
本体重量:21,850kg
解説:帝国海軍で65年に正式に採用された、同年代としては最先端技術の粋を集めて製造された強力な300mm艦砲、基本的には連装か3連装で用いられる。
大口径火砲
帝国陸軍鉄道部正式採用52年式重砲
砲身長30口径
口径:300mm
使用弾薬:300mm各種砲弾
全長:2,680cm
砲口初速:750m/s
連射速度:5発/m
最大射程:24800m
装填方式:半自動
本体重量:33,850kg
解説:帝国陸軍鉄道部で採用された列車砲、帝国の鉄道網を縦横無尽に走り抜け、必要な時に必要な場所へ、砲撃支援を行えるようにとの陸軍の要求を受け開発、配備された。
帝国海軍正式採用57年式500型艦砲
砲身長43口径
口径:500mm
使用弾薬:500mm各種砲弾
全長:4,970cm
砲口初速:680m/s
連射速度:0.4発/m
最大射程:51,700m
装填方式:半自動
本体重量:82,940kg
解説:帝国史上最大最強の大口径砲、実戦配備され量産された火砲の中では最も大きいクラスの火砲といえるだろう、だがその分配備できたのは、重量・製造コスト・運用の為の大型船体等の、様々な制約を乗り越えたごく一部の大型戦艦か、主要都市近郊等の限定的な要塞に要塞砲として、設置された物のみである、しかしその火力は抜群であり、一切合切の立ち塞がる敵戦力を殲滅することは容易だろう。
帝国海軍正式採用68年式500型艦砲
砲身長45口径
口径:500mm
使用弾薬:500mm各種砲弾
全長:5,260cm
砲口初速:760m/s
連射速度:0,5発/m
最大射程:52,300m
装填方式:半自動
本体重量:85,210kg
解説:従来の57年式500型艦砲を最新の技術で改良し、射程距離と連射性能の向上に成功したとても素晴らしい500mm砲である!この68年式500型砲であれば従来の57式よりも安全距離を保ちながら、57式よりも早い連射性能でもって敵戦力を撃滅するのは間違いない。
試製420mm超重砲
砲身長37口径
口径:420mm
使用弾薬:420mm試製専用砲弾
全長:1,823cm
砲口初速:520m/s
連射速度:0.1発/m
最大射程:32500m
装填方式:手動
本体重量:29,520kg
解説:該当兵器に関する解説は帝国治安維持局によって”検閲済み”であることを保証する。(帝国治安維持局)
当420mm試作超重砲は仮称アビスと呼称される団体によって開発・製造され、”帝国標準歴56年度帝国軍新型兵器採用コンペ”へ応募されたとみられているが、帝国内に置ける大型兵器製造許可証交付済み団体及び小型兵器及び軽火器製造許可証交付済み団体リストには、該当する名称の団体は確認できず、本拠地があると応募シートに記載されていた地点へ実際に担当官が訪れ、確認を取った物の該当する”アビス”なる団体は確認できなかった、当兵器には帝国非標準規格の弾薬及び口径が用いられており、帝国各軍はこれを不採用とし分解して構造を確認したが、帝国由来の技術が何一つ使用されておらず、未確認の”魔術”?が用いられていることが確認された。(文書の裏に何か書きなぐってあるようだ)一体全体どこの間抜けが、こんな意味の分からない物を持ち出して、実際にこんなデカブツに混ぜ込んだって言うんだ!?
戦闘機
YYF-1A
用途:戦闘機
分類:戦闘機
開発者:ユクーリ・ウェアプルメッシ(yukuri・yexaplmexhi)
運用者:帝国陸軍航空隊・親衛軍航空団
初飛行:帝国標準歴52年15月2日
最高速度:315km/h
航続距離:420km
実用限界高度:3800m
武装:46年式水冷軽機関銃 1門
乗員:1名
概要:ユクーリ・ウェアプルメッシ(和訳 ユクーリ航空機)が開発した帝国最初の実用戦闘機なのだが、搭載火器は46年式水冷軽機関銃が1門のみと非常に非力であったため後継機が出現すると直ぐに練習機になった。
YYF-1B
用途:戦闘爆撃機
分類:戦闘機
開発者:ユクーリ・ウェアプルメッシ(yukuri・yexaplmexhi)
運用者:帝国陸軍航空隊
初飛行:帝国標準歴53年3月27日
最高速度:310km/h
航続距離:420km
実用限界高度:3800m
武装:46年式水冷軽機関銃 x1・50kg通常爆弾x2
乗員:1名
概要:YYF-1Aを改修し爆撃能力を付与したモデルではあるのだが、そもそものYYF-1自体が非力であったため、親衛軍からはもう二度と持ってくるなと拒絶され、陸軍航空隊からは既存のYYF-1Aを改修する事で漸く受注できたとの逸話がある。
YYF-2
用途:戦闘機
分類:戦闘機
開発者:ユクーリ・ウェアプルメッシ(yukuri・yexaplmexhi)
運用者:帝国陸軍航空隊
初飛行:帝国標準歴55年8月30日
最高速度:360km/h
航続距離:340km
実用限界高度:3500m
武装:53年式空冷軽機関銃 x1・53年式空冷機関銃 x1・50kg通常爆弾x2
乗員:1名
概要:YYF-1AとBの両方で得られたデータと軍からの要求に徹底的に現時点での、もてる技術の総てを注ぎ込み、機体形状の見直しからエンジンの換装迄徹底的に行い、軍の要求を上回る性能を叩き出した ユクーリ・ウェアプルメッシの最高傑作である。
YYF-2s
用途:戦闘機
分類:戦闘機
開発者:ユクーリ・ウェアプルメッシ(yukuri・yexaplmexhi)
運用者:帝国陸軍航空隊
初飛行:帝国標準歴55年9月26日
最高速度:356km/h
航続距離:320km
実用限界高度:3500m
武装:53年式空冷軽機関銃 x4
乗員:1名
概要:航空隊の更なる火力と弾幕を張れるようにとの、要望に応え爆撃機構を取り外し、不評であった53年式空冷機関銃を撤去し53年式空冷軽機関銃を増設したモデル。
YYF-3
用途:戦闘機・偵察機
分類:戦闘機
開発者:ユクーリ・ウェアプルメッシ(yukuri・yexaplmexhi)
運用者:帝国陸軍航空隊
初飛行:帝国標準歴58年15月18日
最高速度:425km/h
航続距離:372km
実用限界高度:3600m
武装:53年式空冷機関銃 x3
乗員:1名
概要:従来のYYF-2等は、複葉機であったがYYF-3は革新的な単翼に切り替え、更なる高速化を実現したが、53年式空冷機関銃を採用してしまったことにより、前線では専ら偵察機としてしか使われなかった。
YYF-4
用途:戦闘機
分類:戦闘機
開発者:ユクーリ・ウェアプルメッシ(yukuri・yexaplmexhi)
運用者:帝国陸軍航空隊
初飛行:帝国標準歴64年3月5日
最高速度:462km/h
航続距離:460km
実用限界高度:4500m
武装:帝国軍正式採用62年式空冷機関銃 x2
乗員:1名
概要:YYF-3の純然たる発展型といえるであろう非常に優秀な性能の戦闘機、武装に12.7mm機関銃を2丁搭載し瞬間火力自体はYYF-3よりも低下したが、継戦能力及び連射レートはYYF-3よりも遥かに良好であると言えるだろう。
YYF-4s
用途:戦闘機
分類:戦闘機
開発者:ユクーリ・ウェアプルメッシ(yukuri・yexaplmexhi)
運用者:帝国陸軍航空隊
初飛行:帝国標準歴64年8月3日
最高速度:445km/h
航続距離:420km
実用限界高度:4500m
武装:帝国軍正式採用62年式空冷機関銃 x6
乗員:1名
概要:YYF-4に62年式空冷機関銃を4丁増設し、更なる火力の向上に努めた機体だが、火力向上の代償として最高速度及び航続距離が低下している。
爆撃機
YYB-1
用途:爆撃機
分類:前線爆撃機
開発者:ユクーリ・ウェアプルメッシ(yukuri・yexaplmexhi)
運用者:帝国陸軍航空隊
初飛行:帝国標準歴55年6月24日
最高速度:345km/h
航続距離:630km
実用限界高度:3500m
武装:53年式空冷軽機関銃 x3・連装53年式空冷軽機関銃 x2・250kg通常爆弾x2
乗員:6名
概要:ユクーリ・ウェアプルメッシが帝国陸軍へ繰り返しセールスし、受注を受けることに成功した爆撃機、さすがにというべきだろうか、最低限の性能は満たされている。
YYB-2
用途:爆撃機
分類:前線爆撃機
開発者:ユクーリ・ウェアプルメッシ(yukuri・yexaplmexhi)
運用者:帝国陸軍航空隊
初飛行:帝国標準歴57年14月21日
最高速度:342km/h
航続距離:620km
実用限界高度:3500m
武装:連装53年式空冷軽機関銃 x3・250kg通常爆弾x6
乗員:4
概要:防護能力をほぼ据え置きで、爆撃能力の向上に成功した双発前線爆撃機。
MRB-1
用途:爆撃機
分類:長距離爆撃機
開発者:モォン ノフォ ロルメッシ(mxon xo rolmexhi)
運用者:帝国陸軍航空隊・親衛軍航空団
初飛行:帝国標準歴65年13月2日
最高速度:380km/h
航続距離:1250km
実用限界高度:5000m
武装:連装53年式空冷軽機関銃 x2・帝国軍正式採用62年式空冷機関銃 x6・500kg通常爆弾x2・250kg通常爆弾x2・100kg通常爆弾x6
乗員:8
概要:モォン ノフォ ロルメッシ(和訳 月の軍事器機)がユクーリ・ウェアプルメッシ(yukuri・yexaplmexhi)に対抗して開発した長距離爆撃機、ユクーリ・ウェアプルメッシ(yukuri・yexaplmexhi)の爆撃機と比べて航続距離と搭載能力で圧倒しているが、生産コストは高く物理的にも大型になっている。
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ユクリパ綴られる歴史 戦車 資料 開戦前迄
帝国
軽戦車
LT-1
兵装:12.7mm 帝国軍正式採用53年式空冷機関銃 x1
携行弾数:500発
正面装甲:10mm
側面装甲:5mm
背面装甲:5mm
最高速度:32km/h
乗員数:3名
重量:3.2t
製造期間:帝国標準暦56~62年
配備先:帝国陸軍・親衛軍・郷土警備隊
後継機:LT-2
解説:帝国で採用された軽戦車という名の豆戦車。小型で比較的軽量な事、機関銃を備え付け最低限の装甲を装備し、この時期の周辺国としては比較的早い段階で、配備された装甲車両。
LT-2
兵装:12.7mm 帝国軍正式採用62年式空冷連装機関銃 x1
携行弾数:800発
正面装甲:15mm
側面装甲:5mm
背面装甲:0mm
最高速度:35km/h
乗員数:2名
重量:3.3t
製造期間:帝国標準暦62~65年
配備先:帝国陸軍・親衛軍・郷土警備隊
後継機:LT-3
解説:LT-1で、得られた経験を用いて全体的に設計を見直して、正面に装甲を重点的に配置、連装機関銃を搭載することで更なる火力の向上に成功した。
LT-3
兵装:20mm 帝国軍正式採用70年式空冷機関銃 x1
副兵装:12.7mm 帝国軍正式採用62年式空冷機関銃 x1
携行弾数:250発
副兵装携行弾数:400発
正面装甲:20mm
側面装甲:10mm
背面装甲:5mm
最高速度:30km/h
乗員数:3名
重量:4.9t
製造期間:帝国標準暦71~82年
配備先:帝国陸軍・親衛軍
後継機:LT-4
解説:全体的に装甲を増強し、主兵装に20mm重機関銃を搭載、同軸に12.7mmも搭載して、軽戦車としては比較的強力な火力を確保した。
中戦車
T-1
兵装:12.7mm 帝国軍正式採用62年式空冷3連装機関銃
携行弾数:1300発
正面装甲:27mm
側面装甲:15mm
背面装甲:10mm
最高速度:16km/h
乗員数:3名
重量:8.6t
製造期間:帝国標準暦60~69年
配備先:帝国陸軍
後継機:T-2
解説:前線の配備された部隊からは"物置"と呼ばれ親しまれたが、帝国標準暦71年に後継車両が開発され配備されるとあっという間に予備役に送られた。
T-2
兵装:35mm 帝国軍正式採用70年式空冷汎用機関砲
携行弾数:680発
正面装甲:40mm
側面装甲:25mm
背面装甲:10mm
最高速度:16km/h
乗員数:4名
重量:21.5t
製造期間:帝国標準暦71~79年
配備先:帝国陸軍・親衛軍
後継機:T-2後期型・T-3
解説:従来のT-1とは比べ物にならないほどに、重量・装甲・火力が増大。主砲として取り付けられた35mm汎用機関砲は、非常に良好な性能を発揮しこの時期ちらほら各国で運用され始め、前線でも出没し始めた航空機の撃退にも成功している。(そこ!中戦車でやることじゃないって言うな!)
T-2後期型
兵装:35mm 帝国軍正式採用72年式軽対戦車砲
携行弾数:550発
正面装甲:40mm
側面装甲:25mm
背面装甲:10mm
最高速度:18km/h
乗員数:4名
重量:21.4t
製造期間:帝国標準暦73~79年
配備先:帝国陸軍
後継機:T-3
解説:T-2の主砲であった35mm汎用機関砲を改良し正式な対戦車火器である、35mm 帝国軍正式採用72年式軽対戦車砲に換装したモデル。わずかに軽量化にも成功、エンジンを換装したことにより速度が16km/hから18km/hにまで向上した。
T-3
兵装:50mm 帝国軍正式採用75年式対戦車砲
携行弾数:210発
正面装甲:40mm
側面装甲:25mm
背面装甲:10mm
最高速度:17km/h
乗員数:4名
重量:22.7t
製造期間:帝国標準暦77~82年
配備先:帝国陸軍・親衛軍
後継機:T-4
解説:T-2のシャーシを流用し設計の簡略化を行い、帝国初の砲塔を搭載した戦車として生れ出た強力な中戦車。
Object774
兵装:50mm 帝国軍正式採用75年式対戦車砲
携行弾数:72発
正面装甲:30mm
側面装甲:15mm
背面装甲:10mm
最高速度:40km/h
乗員数:3名
重量:20.7t
製造期間:不明
配備先:帝国陸軍技術試験部戦車研究運用隊
後継機:無し
解説:帝国標準暦77年に試作された、快速中戦車だが、この頃の技術ではかなりの無理をしていたようで、陸軍からは不採用となり更なる試作は、同時期に開発されていたT-3へのリソース優先により中止になる。
人民共和国
軽戦車
TM1
兵装:45mm戦車砲
携行弾数:85発
正面装甲:30mm
側面装甲:20mm
背面装甲:15mm
最高速度:43km/h
乗員数:3名
重量:12.9t
製造期間:不明
配備先:人民共和国 人民軍
後継機:不明
解説:帝国標準暦70年(中央共通暦260年)から、国境で確認されていた人民共和国の戦車 帝国では中戦車と誤認されていたが、実際のところは軽戦車である。
中戦車
TMA2
兵装:85mm戦車砲
携行弾数:51発
正面装甲:95mm
側面装甲:40mm
背面装甲:35mm
最高速度:32km/h
乗員数:5名
重量:31t
製造期間:不明
配備先:人民共和国 人民軍
後継機:不明
解説:帝国標準暦78年(中央共通暦268年)には既に、国境で確認されていたが帝国軍上層部は、これを僅かに生産された重戦車だと勘違いしてしまい、開戦後その大きすぎる代償を支払うことになった。
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ユクリパ綴られる歴史 戦車+航空機 開戦後
クラムアン帝国
軽戦車
LT-4
兵装:20mm 帝国軍正式採用70年式連装空冷機関銃 x1
副兵装:12.7mm 帝国軍正式採用62年式空冷機関銃 x1
携行弾数:400発
副兵装携行弾数:400発
正面装甲:30mm
側面装甲:10mm
背面装甲:5mm
最高速度:27km/h
乗員数:3名
重量:5.4t
製造期間:帝国標準暦79~80年
配備先:帝国陸軍
後継機:LT-5
解説:人民共和国のTM1へ対抗するために、LT-3に装甲を増設し主兵装を連装化した新型である。しかし、車体はLT-3と同一であるために、乗員の居住スペースはさらに劣悪になり、弾薬数は増えたものの1門辺りの弾薬数でみるとLT-3よりも少なくなっているという欠陥品。
LT-5
兵装:35mm 帝国軍正式採用70年式空冷汎用機関砲
副兵装:12.7mm 帝国軍正式採用62年式空冷機関銃 x1
携行弾数:180発
副兵装携行弾数:300発
正面装甲:30mm
側面装甲:15mm
背面装甲:15mm
最高速度:27km/h
乗員数:4名
重量:6.8t
製造期間:帝国標準暦79~82年
配備先:帝国陸軍
後継機:LT-6
解説:LT-3の頃から開発が進められていた正統なLT-3の後継機であり、主砲として、35mm汎用機関砲を搭載し正面装甲を十数度に傾斜させた装甲配置により、被弾経路を多少考慮、わずかではあるが生存性が上昇している。
LT-5M
兵装:50mm 帝国軍正式採用75年式対戦車砲
副兵装:無し
携行弾数:32発
副兵装携行弾数:0発
正面装甲:30mm
側面装甲:15mm
背面装甲:0mm
最高速度:20km/h
乗員数:5名
重量:7.5t
製造期間:詳細無し
配備先:帝国陸軍
後継機:無し
解説:LT-5を前線の部隊が独自に、現地に存在した50mm75年式対戦車砲を無理やり積み込む改造を行ったタイプ、代償として背面装甲が見事に消滅、速度も低下し継ぎはぎだらけではあるが、付近の部隊からは非常に重宝され大切に使われたらしい。
LT-6
兵装:35mm 帝国軍正式採用70年式連装空冷汎用機関砲
副兵装:無し
携行弾数:450発
副兵装携行弾数:0発
正面装甲:30mm
側面装甲:15mm
背面装甲:15mm
最高速度:26km/h
乗員数:4名
重量:6.9t
製造期間:帝国標準暦79~81年
配備先:帝国陸軍
後継機:LT-7
解説:LT-5の主砲を、対空戦闘においても実績のある連装化を実施したら更に、強力になるはずだという考えに基づき設計改良された車両、残念ながら砲塔部が無理に詰め込んだために不格好に車体からはみ出ており、せっかくの傾斜装甲が寧ろ自滅につながるということが実戦ですぐに判明した。しかし、一部の部隊にて、自走式対空砲としての運用が、非常にうまく行ったため81年まで生産が継続された。
LT-7
兵装:50mm 帝国軍正式採用75年式対戦車砲
副兵装:無し
携行弾数:192発
副兵装携行弾数:0発
正面装甲:35mm
側面装甲:25mm
背面装甲:15mm
最高速度:32km/h
乗員数:4名
重量:7.7t
製造期間:帝国標準暦80~87年
配備先:帝国陸軍
後継機:LT-8
解説:人民共和国から鹵獲した戦車をリバースエンジニアリングし、根本的に設計を見直しして、エンジンも新型を搭載。中央諸国にも通用する様にと、徹底的に設計を模倣・改善して開発された帝国の最新鋭軽戦車。
中戦車
T-4
兵装:50mm 帝国軍正式採用75年式対戦車砲
携行弾数:180発
正面装甲:65mm
側面装甲:32mm
背面装甲:15mm
最高速度:19km/h
乗員数:4名
重量:24.6t
製造期間:帝国標準暦79~81年
配備先:帝国陸軍
後継機:T-5
解説:T-3をとにかく重装甲に再設計して開発された、開戦序盤に現れ虚しく散っていった中戦車。
T-5
兵装:95mm 帝国軍正式採用75年式野砲
携行弾数:42発
正面装甲:60mm
側面装甲:35mm
背面装甲:30mm
最高速度:17km/h
乗員数:5名
重量:29.7t
製造期間:帝国標準暦79~83年
配備先:帝国陸軍
後継機:T-6
解説:人民共和国との戦争中に最も多く生産され、最も多くのバリエーションが派生した傑作中戦車の初期型。
T-5B(80)
兵装:95mm 帝国軍正式採用75年式野砲
携行弾数:42発
正面装甲:70mm
側面装甲:40mm
背面装甲:30mm
最高速度:19km/h
乗員数:5名
重量:30.2t
製造期間:帝国標準暦80~83年
配備先:帝国陸軍
後継機:不明
解説:T-5に増加装甲を増設、履帯側面にも保護装甲を配置することで、履帯の破損率を僅かに抑えながら防御力の向上に成功、更にエンジンを新型のより高出力な物に換装したことで、速度はむしろ上昇した。
T-5-A150
兵装:150mm 帝国軍正式採用42年式榴弾砲
携行弾数:17発
正面装甲:60mm
側面装甲:35mm
背面装甲:30mm
最高速度:8km/h
乗員数:5名
重量:35.6t
製造期間:帝国標準暦79~80年
配備先:帝国陸軍
後継機:無し
解説:砲塔を車体に固定された物へ取り換え、150mm榴弾砲を明らかに大きいにもかかわらず、無理矢理乗せた自走砲らしき何か。当然運用側からは待ち伏せくらいでしか使えない、と散々言われたが開発側は、"現在われわれは少々不利な状況であり防衛戦が主である、故にこの車両は人民共和国の戦車を一撃でスクラップにする事が出来る持って来いの物であるのは間違いない"と発言し、多少の反感を買ったものの、実際に運用してみると待ち伏せでは非常に凶悪な性能を発揮できた。
T-5-B150
兵装:150mm 帝国軍正式採用56年式共用砲
携行弾数:17発
正面装甲:40mm
側面装甲:25mm
背面装甲:20mm
最高速度:6km/h
乗員数:5名
重量:34.7t
製造期間:帝国標準暦79~80年
配備先:帝国陸軍
後継機:無し
解説:56年式150mm共用砲を縦長の砲塔に搭載したタイプ、機動性はT-5-A150よりも劣悪で装甲も薄いが、火力は抜群である。(しかしなんだって中戦車に150mm砲を、搭載しようって言うんだ?)
T-5C(81)
兵装:95mm 帝国軍正式採用75年式野砲
携行弾数:42発
正面装甲:100mm
側面装甲:40mm
背面装甲:30mm
最高速度:17km/h
乗員数:5名
重量:33.1t
製造期間:帝国標準暦81~83年
配備先:帝国陸軍
後継機:T-6
解説:事実上のT-5シリーズの最終形態、これをもとにT-6の開発が行われた。
重戦車
HT-1
兵装:95mm 帝国軍正式採用75年式野砲
携行弾数:25発
正面装甲:70mm
側面装甲:40mm
背面装甲:20mm
最高速度:15km/h
乗員数:4名
重量:30.8t
製造期間:帝国標準暦79~80年
配備先:帝国陸軍
後継機:HT-2
解説:クラムアン帝国で、最初の重戦車であったが性能はそこまで良好とは言い難く、人民共和国の中戦車や重戦車には蹂躙されてしまった。
HT-1-150
兵装:150mm 帝国軍正式採用56年式共用砲
携行弾数:16発
正面装甲:70mm
側面装甲:40mm
背面装甲:20mm
最高速度:13km/h
乗員数:4名
重量:35.5t
製造期間:帝国標準暦79~80年
配備先:帝国陸軍
後継機:無し
解説:HT-1の砲塔を取り外し、T-5-B150と同様に縦長の砲塔を取り付け、150mm56年式共用砲を搭載したモデル。尚、エンジンや装甲はHT-1と全く同一の為に、機動性は悪化し被弾面積も増えた。
HT-2
兵装:115mm CAT-115A戦車砲
携行弾数:17発
正面装甲:95mm
側面装甲:50mm
背面装甲:30mm
最高速度:19km/h
乗員数:5名
重量:38.2t
製造期間:帝国標準暦80~82年
配備先:帝国陸軍
後継機:HT-3
解説:人民共和国の重戦車に搭載されていた、115mm砲を鹵獲解析し開発されたCAT-115A戦車砲を搭載し、装甲配置を見直し被弾経路を重視。これにより全面に傾斜がある特徴的な形状になった。尚CAT-115A戦車砲は非常に良好な性能を発揮し、エンジンも大出力の物を搭載したため重量からすると、比較的良好な機動性を発揮することになる。
HT-3
兵装:115mm CAT-115B戦車砲
携行弾数:25発
正面装甲:132mm
側面装甲:95mm
背面装甲:50mm
最高速度:38km/h
乗員数:5名
重量:49.5t
製造期間:帝国標準暦80~85年
配備先:帝国陸軍
後継機:HT-4
解説:装填機構を改善したCAT-115B戦車砲を搭載、全体的に非常に分厚い装甲を保有しながらも、魚雷艇に用いられるエンジンを搭載したことにより、重戦車とは思い難い圧倒的なスピードを発揮した。
超重戦車
SHT-1
兵装:115mm CAT-115B戦車砲
副兵装:50mm 帝国軍正式採用75年式対戦車砲x2
補助兵装:20mm 帝国軍正式採用70年式連装空冷機関銃x5
携行弾数:38発
副兵装弾数:75発
補助兵装弾数:2000発
正面装甲:315mm
側面装甲:200mm
背面装甲:180mm
最高速度:7km/h
乗員数:12名
重量:230.8t
製造期間:帝国標準暦80~81年
配備先:帝国陸軍・親衛軍
後継機:無し
解説:求められたのは、一切合切を薙ぎ払い、敵の如何なる攻撃をも跳ねのける頑強な防御の二つで在った、それらを見てからこのSHT-1を見てみよう。
総重量230.8tの鋼鉄の塊だ、最早戦車という物ではなく自走トーチカ・陸上巡洋艦という構想の元、設計開発が行われ、開発された時点での最新鋭技術を根こそぎ注ぎ込み、陸軍と親衛軍の惜しみない技術と、資源の大量投入によって完成した帝国史上最大最強の超重戦車である。
更に主砲塔を車体中央部に据え、車体の前方と後方の2か所に50mm75年式対戦車砲を砲塔配置、そして側面と上面をカバーする様に20mm70年式連装機関銃を計5基10門を備え付ける非常に強力な火力を有するだけではなく、その防御も今までの常識では計り知れない異常なまでの頑強さを有する。
更にエンジンは、魚雷艇に用いられる高出力エンジンを3基並列で搭載することで、この余りにも重い車体を動かすことに成功しており、弾数も比較的多いことで継戦能力が高い。
更にこれだけの巨体であるがために、前線における簡易的な司令部機能をも備え付けており、前線での非常に頼もしい指揮所となり、人民共和国との戦争では数百両が生産され、実際に活躍していた。
尚、これほどまでに重く、最新鋭の技術を積み込んだがために、コストが非常に高くなり帝国のほとんどの地域の道路を、自走するだけで破壊してしまうという致命的な欠点が、存在したが圧倒的な性能を前にそれらの欠点は見えなくなった。
自走式対空砲
AAT-1
兵装:20mm 帝国軍正式採用70年式連装空冷機関銃
副兵装:無し
補助兵装:無し
携行弾数:1500発
副兵装弾数:0発
補助兵装弾数:0発
正面装甲:25mm
側面装甲:10mm
背面装甲:10mm
最高速度:35km/h
乗員数:3名
重量:13.4t
製造期間:帝国標準暦79~80年
配備先:帝国陸軍
後継機:AAT-2
解説:人民共和国の航空機に対処するために、急造された自走式の装甲対空砲。
さすがに、対空専門に開発されただけあり、其れなりの対処能力は有ったが、対人攻撃へとも使われた。
AAT-2
兵装:35mm 帝国軍正式採用連装70年式空冷汎用機関砲
副兵装:無し
補助兵装:無し
携行弾数:580発
副兵装弾数:0発
補助兵装弾数:0発
正面装甲:25mm
側面装甲:10mm
背面装甲:10mm
最高速度:33km/h
乗員数:3名
重量:13.5t
製造期間:帝国標準暦79~82年
配備先:帝国陸軍
後継機:AAT-3
解説:車体はAAT-1から据え置きで、砲塔と装備を35mm70年式連装機関砲に変更したモデル、防空用には非常に有用である。
クラムアン帝国
航空機
戦闘機
YYF-5
用途:戦闘機
分類:前線戦闘機
開発者:ユクーリ・ウェアプルメッシ(yukuri・yexaplmexhi)
運用者:帝国陸軍航空隊
初飛行:帝国標準歴78年13月25日
最高速度:475km/h
航続距離:400km
実用限界高度:5000m
武装:12.7mm 77年式空冷機関銃 x4
乗員:1名
概要:全布製で単翼の、高い機動性を保有した非常にコンパクトにまとまった戦闘機。
YYF-6
用途:戦闘機
分類:前線戦闘機
開発者:ユクーリ・ウェアプルメッシ(yukuri・yexaplmexhi)
運用者:帝国陸軍航空隊
初飛行:帝国標準歴79年5月3日
最高速度:528km/h
航続距離:320km
実用限界高度:5000m
武装:12.7mm 77年式空冷機関銃 x4
武装:20mm 帝国軍正式採用70年式空冷機関銃 x2
乗員:1名
概要:クラムアン帝国初の、全金属製単翼戦闘機である。
基本設計自体は、YYF-5から引き継いでいるが、金属化に伴う再設計や、20mm機関銃を2門搭載するという更なる火力の増強を実現した。
攻撃機
YYA-1
用途:戦闘機・攻撃機
分類:汎用攻撃機・前線戦闘機・迎撃機
開発者:ユクーリ・ウェアプルメッシ(yukuri・yexaplmexhi)
運用者:帝国陸軍航空隊
初飛行:帝国標準歴79年1月2日
最高速度:472km/h
航続距離:670km
実用限界高度:4000m
武装:12.7mm 77年式空冷機関銃 x8
武装:250kg通常爆弾 x2
乗員:1名
概要:ユクーリ・ウェアプルメッシが送り出した傑作攻撃機である。
非常に強力な弾幕を張ることができ、250kg通常爆弾を2発搭載したことで、装甲目標などへの攻撃も可能になった。
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初期ユクリパシリーズ歴史背景や地理等
帝国標準暦
この帝国標準暦というのは、帝国が成立した年を帝国標準暦元年として帝国によって制定された暦である。
これ以前の暦や帝国勢力圏外での暦はそれぞれの勢力によって異なっており、総ての暦を理解するのは非常に難解である。
以下に帝国標準暦を示す。
1月35日
2月35日
3月35日
4月30日
5月35日
6月35日
7月35日
8月35日
9月30日
10月35日
11月35日
12月35日
13月35日
14月30日
15月35日
上記のように一月は基本35日であるが4月,9月,14月のみ一月が30日である。
これは帝国が暦を制定する際に帝国勢力圏内のバラバラであった暦を、それぞれできる限り1年間の日数のズレを削りながら、調節していったことに寄る為である。
尚、1日は25時間で在り、1時間は60分である
地理
帝国は中央大陸西部に位置しており、帝国南部は大海に囲まれて漁業等が非常に盛んであるが、帝国北部は冷たい氷と白銀の雪に閉ざされた極寒の地すれすれに位置しており、冬季になると北部からの冷たい空気によって帝国北部地域は非常に低温になり、最低温度は帝国北部最大の都市で-49℃を観測、帝国北部限界国境線での観測地点では、最低気温-92.7℃を観測したこともあります。
一方帝国西部は、いくつかの小国家群を挟み西部大海へと面しており、西部方面にも常に軍が警戒状態で配備されています。
また、帝国東部には、王国と共和国という2大国が存在しており、帝国は設立当初から豊かな東部へと勢力を伸ばそうとしてきましたが、そのたびに王国か共和国のどちらかに、時には両方に阻止されてきました。
尚この星(世界)には中央大陸の他に西方大大陸・南方大陸・北方諸島群が存在していますが帝国が帝国標準暦100年迄で知りえる領域は僅か、中央大陸西部と中央大陸中央部、中央大陸南部の西側半分だけで在り、非常に狭い範囲であるかのように思えますが、そもそもの大陸のサイズが地球とは異なり非常に大きい為であるのと、文明レベルや軍事力等の要因から帝国は、まだ中央大陸西部の西部中央に閉塞させられているのです。
文明分布
==================
中央大陸
・中央大陸西部
帝国の元となったほぼ同一の文明圏だが、領域が広いために同じ中央大陸西部でも大幅に言語が異なる。
尚王国や、共和国も帝国と同じ文明から派生した。
・中央大陸北部
そもそも、文明と呼べるレベルの物が存在していない、氷と雪の白銀の死の世界、どこを見渡しても生命の息吹がほぼ存在しておらず、この領域に生息しているのは、この余りにも過酷な白銀の世界に適応し進化してきた一部の獣と、其れを喰らい生きてきた屈強な亜人種のみである。
・中央大陸南部
中央大陸北部とは打って変わり、余りにも広大な熱帯雨林が広がっており、中央大陸南部と中央部から西部を縦断する、厳しい崖や巨大で険しい山脈などによって隔絶された、水と緑に覆われた大地。
ところどころに集落が点在していたりはするものの、主に狩猟生活で在り、文明と呼べる規模の物は存在していないが、その分この大地に生息している知的生命体は俊敏な狩人であり、外部への警戒心が非常に強い。
・中央大陸中央部
非常に豊かな大地が広がっており、鉱物資源も豊富に存在しているが、常にこの豊かな大地を巡って各国・各種族が激しい争いを繰り広げており、未だかつて中央大陸中央部を制した者は存在しない。
尚、中央部の最深部には、付近の原住民に伝わる伝承によるところによると、ドラゴンが巣食っているとか、実在するかどうかは文明各国からは疑われているが、伝承と同様の能力であった場合非常に危険な脅威であるのは間違いないだろう。
・中央大陸東部
中央大陸東部は、中央大陸中央部とは打って変わり岩と砂ばかりの、荒れた大地が一面に広がっているが、この大地には植物が非常に乏しい代わりに莫大な量の鉱物資源が眠っている。
中央大陸東部の文明圏各国は、採掘した鉱物を精錬・加工する治金技術に非常に優れ、中央大陸中央部の東部側の諸国によって度々技術者が攫われる事件が頻発している。
==================
北方諸島群
中央大陸北部よりも更に過酷な極寒の地であり、最早マトモな生命体が生存することは非常に困難。
だが、極一部の限られた生き物はこの地に住み着き、この余りにも冷たい地の特殊な環境によって生成された資源を用い、独自の発達を遂げているようだ。
==================
南方大陸
全体的に見て荒れた大地で在り、この大陸には植物が少なく、頻繁に争いが繰り広げられている。
鉱物資源も存在はしているが、加工できるだけの技術を保有した文明は未だ発生しておらず、青銅器などが最先端の武器・道具である。
==================
西方大大陸
・西方大大陸東部
緑豊かな草原と丘陵地帯が広がり地質的にも安定しており、騎馬民族に類する各民族の群雄割拠状態が続いている。
・西方大大陸北部
中央大陸北部と比べると格段に温暖ではあるが、冬季になると大河すら凍り付く。
この地には西方大大陸中央部や東部の争いから逃れてきた、人々が寄り集まって構成される共同体が多く存在しており、これらの共同体の団結は非常に固い。
・西方大大陸中央部
俗に言う、魔物や怪物等が徘徊する危険な領域、されどこれらの魔物や怪物等は非常に魅力的な特殊資源であり、討伐隊が結成されることもよくある。
最深部には魔物や怪物などの中でも上位種によって構成される国家が存在しているという、噂が存在しているが、確認しに向かった者は誰一人生きて帰ってきてはいない。
・西方大大陸南部
広大な灼熱砂漠が広がっており、水分が致命的に少ない。
中央部と同様に魔物が生息しており、この領域に存在する国家は非常に少数である。
・西方大大陸西部
中央部とは山脈で区切られており、山脈を超えた西部には比較的緩やかな大地が広がる。
この地には多数の国家が存在しており、一部の国家は帝国と同様の技術水準の物も存在しているほどだ。
==================
東部大海
何も語らずとも良い、見れば分かる巨大な海。
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共通暦270年頃の人民共和国側装甲車両
現在本編と外伝を製作中ですのでそのうち投稿できるかと思います。
人民共和国
軽戦車
TM2
兵装:45mm戦車砲
副兵装:7.62mm連装機銃
携行弾数:90発
副兵装携行弾数:3000発
正面装甲:40mm
側面装甲:35mm
背面装甲:20mm
最高速度:52km/h
乗員数:4名
重量:13.8t
製造期間:不明
配備先:人民共和国 人民軍
後継機:不明
解説:78年後半から徐々に前線で出没し始めた人民共和国の新型軽戦車である。
従来のTM1よりも改善された傾斜装甲と、より分厚くなった装甲に強化されたエンジンを搭載し非常に脅威的な存在となって帝国軍を脅かした。
中戦車
TMA3
兵装:85mm戦車砲
副兵装:7.62mm機銃
副兵装:12.7mm機関銃
携行弾数:60発
副兵装携行弾数:1000発
副兵装携行弾数:600発
正面装甲:100mm
側面装甲:70mm
背面装甲:40mm
最高速度:42km/h
乗員数:5名
重量:34.6t
製造期間:不明
配備先:人民共和国 人民軍
後継機:不明
解説:TM2同様78年後半から前線で確認された人民共和国の新型中戦車である。
従来のTMA2よりも重装甲化が進み脆弱出会った側面の装甲が増大し側面攻撃に高い防御力を発揮した。
更にTMA2から車体が大型化し副兵装として機銃2種を搭載している為歩兵が接近して撃破するのがより困難になった。
重戦車
TMH2
兵装:115mm戦車砲
副兵装:12.7mm機関銃
携行弾数:32発
副兵装携行弾数:600発
正面装甲:110mm
側面装甲:95mm
背面装甲:60mm
最高速度:31km/h
乗員数:5名
重量:46.5t
製造期間:不明
配備先:人民共和国 人民軍
後継機:不明
解説:人民共和国の重戦車であり、開戦当初から確認されていた。
車体に不釣り合いな不格好な砲塔の為弱点が多数存在しており、歩兵に接近されたり砲塔を横に向けていたりすると非常に撃破されやすかった。
TMH3
兵装:115mm戦車砲
副兵装:12.7mm機関銃x2
携行弾数:67発
副兵装携行弾数:1600発
正面装甲:130mm
側面装甲:100mm
背面装甲:60mm
最高速度:35km/h
乗員数:5名
重量:51.2t
製造期間:不明
配備先:人民共和国 人民軍
後継機:不明
解説:人民共和国の怪物TMH3、本車はTMH2を踏襲してはいるがさらに大型化した車体、そしておわん型の砲塔を採用したことによる高い防御力を保持する。
更にTMH2で洗い出された欠点を片っ端から潰していったことで出来上がった本車は正面は勿論側面でも非常に頑強な防御力を誇り、その主砲は相対する敵車両をたやすく打ち砕き接近する歩兵には車載されている12.7mm機関銃が火を噴く。
THAM1
兵装:203mm榴弾砲
副兵装:20mm機関砲
携行弾数:18発
副兵装携行弾数:500発
正面装甲:95mm
側面装甲:75mm
背面装甲:60mm
最高速度:17km/h
乗員数:5名
重量:47.3t
製造期間:不明
配備先:人民共和国 人民軍
後継機:不明
解説:これを重戦車と呼んでよいのだろうか?203mm榴弾砲を装備した怪物である。
発見された文書からは本来要塞やトーチカの攻略のための攻撃型重戦車と記されているが、実戦で目立った活躍はもっぱら幹線の大橋での防衛であった。
この橋を巡る戦いで取り残されたTHAM1数両は迫りくる帝国軍に対し大打撃を与えた上、橋をその圧倒的な火力でもって破壊してしまったのである。
駆逐戦車
THAT4
兵装:75mm対戦車砲
副兵装:12.7mm機関銃
携行弾数:27発
副兵装携行弾数:500発
正面装甲:120mm
側面装甲:50mm
背面装甲:30mm
最高速度:42km/h
乗員数:5名
重量:33.8t
製造期間:不明
配備先:人民共和国 人民軍
後継機:不明
解説:人民共和国の駆逐戦車。
砲塔をなくし固定戦闘室にしたことでスペースを確保でき、正面装甲を分厚くすることができた。
自走式対空砲
OHAA1
兵装:37mm連装対空砲
携行弾数:290発
正面装甲:5mm
側面装甲:5mm
背面装甲:5mm
最高速度:49km/h
乗員数:6名
重量:11.4t
製造期間:不明
配備先:人民共和国 人民軍
後継機:不明
解説:トラックに装甲を施した自走式対空砲。
OHAA2
兵装:37mm連装対空砲
携行弾数:384発
正面装甲:15mm
側面装甲:15mm
背面装甲:10mm
最高速度:36km/h
乗員数:5名
重量:11.9t
製造期間:不明
配備先:人民共和国 人民軍
後継機:不明
解説:装甲化されたハーフトラックであり、OHAA1よりも頑強な防御力あるよそしてより多くの弾薬を保持して更なる継戦能力を獲得しました。
OHAA3
兵装:57mm連装対空砲
携行弾数:418発
正面装甲:60mm
側面装甲:20mm
背面装甲:20mm
最高速度:32km/h
乗員数:6名
重量:30.4t
製造期間:不明
配備先:人民共和国 人民軍・連邦 人民赤色革命軍(赤軍)
後継機:不明
解説:TMA2の車体をベースに開発された大口径自走式対空砲です。
主兵装に57mm連装機関砲を採用したことで接近する航空機へ強い圧力を与え、対戦車用徹甲榴弾を用いた場合帝国のT-5中戦車を1000mの距離から撃破することが可能でした。
自走砲
SA4
兵装:76.2mm野砲
携行弾数:62発
正面装甲:95mm
側面装甲:40mm
背面装甲:35mm
最高速度:34km/h
乗員数:5名
重量:28.9t
製造期間:不明
配備先:人民共和国 人民軍・連邦 人民赤色革命軍(赤軍)
後継機:不明
解説:TMA2の車体をベースに固定戦闘室化して、76.2mm野砲を搭載した自走砲。
砲塔をなくしたことで軽量化とスペースの確保に成功し、車体ベースがTMA2の為直接戦闘の際にも防御力を発揮した。
SA5
兵装:122mm榴弾砲
携行弾数:34発
正面装甲:95mm
側面装甲:40mm
背面装甲:35mm
最高速度:30km/h
乗員数:5名
重量:30.2t
製造期間:不明
配備先:人民共和国 人民軍・連邦 人民赤色革命軍(赤軍)
後継機:不明
解説:TMA2の車体をベースに開発されたSA4を再設計し、122mm榴弾砲を搭載。
従来のSA4よりも圧倒的な打撃力を会得したが、代償として機動性の悪化とスペースが狭くなったことによる乗員環境の悪化が起きた。
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本編
ユクリパ綴られる歴史 第1話 ”トリガーを引かされた道化”
この世界での単位や物理法則は地球世界とは異なるが、これを読者諸君にわかりやすくするため地球世界の単位に変換して、表記していることを念頭に置いて読んでくれ。
帝国標準歴78年13月35日
帝国東部地域国境線
帝国軍東部軍管区第3軍第2軍団第3師団(以下第323師団と呼称)司令部
「プルゥヴ大佐...これは本当かね?間違いではないだろうな?」
少将は、戸惑いと苛立ちを隠しきれずに靴先で床を叩きながら、命令書を睨みつけつつ、再度確認する。
だがプルゥヴ大佐も、同じ気持ちのようで歯を食いしばりながら苦々しそうに、少将へ答えた。
「はい、間違いなく帝都から東部軍管区を経由して、我ら第323師団宛に出された指示で間違いありません、ですが...少将...本当にこの指示に...?」
大佐の返事を聞き終わってから、少将は苛立ちを隠しきれない様子で手に持っていた命令書を無意識のうちに握りしめ、忌々しそうに大佐へと投げ渡した。
「プルゥヴ大佐?我々は命令には絶対なのだよ...軍管区も承認した指示ということは、間違いなく上も覚悟を決めているはずだ...引き金を引く役をつかまされたのは腹立たしいが、我々は我々の為すべき職務を果たすだけだ...とにかくだ、各部隊へ準備をするように伝達してくれ」
少将は、怒りを抑えこみながら、自分に言い聞かせるかのように大佐へ淡々と語りかけた、そして覚悟を決めたのか、大佐へきっぱりと指示を下し、自らも準備を始めた。
大佐はそれを見て自らの思いに蓋をし、各部隊へ伝達するために司令官室を、退出した。
「...はい、了解いたしました、直ちに各部隊へ準備をするように伝達いたします」
==================================================
そして時をほぼ同じくして所変わり帝国中心部へ、場面は移る。
==================================================
同時刻帝国中央部帝都
帝国軍軍務省通信課
作戦発令室にて。
「...そうだ、この指示を東部軍管区へ、コッチは西部軍管区へ送れ。?!これは元帥閣下!わざわざこちら迄いらっしゃらなくとも私の方から出向きましたのに...」
作戦発令室内はかなり慌ただしく職員が各々の仕事をしている。
そこにふらっと元帥?がやって来たではないか。
一瞬職員らは元帥を目にとめ、元帥へ一礼し各々の仕事へ戻ったが通信課長は元帥の傍へ慌ただしくドタドタと、近寄って手もみをしながら元帥へ問いかけた。
「ん?うむ、別に良い、直接見るのが好きでな...して、東部への伝達はどうなっている?」
だが、元帥は通信課長を邪魔くさそうに一瞥し部屋に設置されたパネルを眺めながら、通信課長へ進捗状況の報告を求める。
「はい閣下、勿論定刻道理に東部軍管区へ伝達を完了させております。追加の指示も現在伝達中であります。」
それに対して通信課長は滞りなくすべて順調だと答えたが、元帥は疑わしそうな目で室内を見渡し、通信課長へ控えめな声で。
「うむ、ならばよいが...親衛軍の連中には絶対に気取られるなよ?連中に漏れるとちとまずいでな...」
と、話しかけた。
「?はい閣下勿論ご命令道理親衛軍には情報を一切伝達しておりませんが...本当に伝達しなくてよろしいので?」
通信課長は、不思議そうに首を傾げながら、しかし指示には従い親衛軍へ一切情報を流していないと返事をしつつ、疑問をつい元帥へ問いかけてしまう。
「くどい!貴官は与えられた職務に付いていれば良いのだ!余計な詮索は身にならぬ事を理解しているだろう?」
元帥は苛立ったように声を荒げ、通信課長を怒鳴りつけて通信課長のであろうデスクを指差し指示を下す。
「!はい閣下、私どもは勿論職務に忠実であります!」
「ならば早く仕事に戻れ!私の機嫌取りが貴官の職務ではないだろう!」
「はい!閣下直ちに! そこと、その書類はそっちだ!西部への追加書類は準備出来ているか!?」
通信課長は一瞬ビクンと震えたが、直ぐに元帥へ返答し部下へ指示を出し始めた。
それを見て元帥は満足そうにうなずきながら、室内を再び舐めるように見回してから、出口のドアノブに手を伸ばし。
「はい室長!書類一式準備完了しており何時でも送信可能であります!」
「よし!今すぐ西部軍管区司令部へ向けておくれ!いいな?」
「はい!」
一瞬何かを考え込んだのか、扉を開けながら顔を僅かに後ろへ向け、室内へ向けて声を発する。
「ふむ...順調なようだな、私は別の職務がある故ここらで席を外させてもらおう。諸君の働きぶりはしかと見た、人事にはよく言っておこう。」
「「!はい閣下ありがとうございます!」」
室内の職員たちは嬉しそうに元帥の方へ顔を向け感謝の言葉を元帥へ述べる。
それを聞いた元帥は満足そうに肩を揺らしながら、今度こそ部屋から間違いなく出て行った。
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ユクリパ綴られる歴史 第2話 "陸軍元帥の策謀"
帝国標準歴78年14月7日
帝国東部地域国境線
前線部隊
「たっく...なんだってこんなクソさみぃ時にわざわざ、演習なんてやるんかねぇ!」
と前線部隊の兵士の一人が舌打ちしながら装備の点検をしている。
それを、真横で同様に装備の点検をしていた年配の兵士が
「まぁまぁ...苛立っても演習が実施されるのは、変わりやしないんだから、とっとと装備の点検を終わらせちまって、朝食に行ったほうがよいだろ?なぁ?」
と苛立っている若い兵士に、宥め掛けた。
だがそれに対して苛立っている若い兵士は
「まったく...此れだから上の連中にはいはいって言うしか能の無いおっさんは嫌なんだよ...もうちっと自主性を出せないんかねぇ...ペッ」
と、地面へ唾を吐きながら年配の宥め掛けた兵士を罵っていたが、其れを偶々巡回していた将校に見られ。
「貴様ぁ!上層部と先任に対して不平を言うとは、何たる根性だ!今すぐその腑抜けた根性を叩き直してやる!歯ぁ食いしばれ!」
言うが早いか、腰に下げていた懲罰棒で若い兵士の腰を、勢いよく殴りつけ始めた。
其れを見て、年配の罵られていた兵士は複雑そうな表情を浮かべて、若い兵士を殴り続けている将校へ。
「少尉...そこまでにしてやってください...彼はまだ田舎から出てきたばかりで物を良く知らんのです。後は私が良く言って聞かせますので...どうかそこまでにしてやっていただけませんでしょうか?」
と将校へ若い兵士に教育的指導をするのを止めるように、懇願したが。
「ならん!そも、貴様も止めぬのが悪い!連帯責任だ、貴様もそこに直れ!」
明らかに苛立ちながら少尉は若い兵士を殴るのを一旦やめ、今度は年配の兵士を叩き始めた。
殴り始めて5分か10分経過して、満足したかのように、肩を上下させ少尉は
「うむ、これで貴様らも多少は根性が良くなっただろう!作業へ戻ってヨシ!」
という指示をして、再び巡回へ戻っていった。
その場に残されたのは、へたり込んでいる若い兵士と、鋼鉄の棒の様に真っ直ぐな年配の兵士だけである。
若い兵士は訝しむような声で
「なんで、おっちゃんが俺をかばったんだよ?あんなに馬鹿にしてたのに...」
明らかに消え入りそうな細い声で問いかけた。
それに対して年配の兵士は。
「なんでって...そりゃぁ仲間がやられていたら助けるのが仲間だろ?」
屈託のない笑顔で若い兵士に笑いかけたではないか。
其れを見た若い兵士は、何をどう感じたのか突然笑い始めた。
「アハハハハハ!そうか、そうだもんな!確かに仲間だな!さっきはごめんな。」
「なに、若いんだ、私にもそういう時期があって当時の先任にかばってもらったんだよ。ははっ」
お互いに笑いあっていたら少し離れたところから二人を呼ぶ声が聞こえてくる。
二人は顔を見合わせて、焦った表情で腕時計を確認した。
「「やばい(まずい!)!?もう朝飯の時間だ!いそがねぇと!(急がないと!)」」
======帝国領域の何処か======
???「彼らは此れから忙しくなるのでしょう、ですが今はまだ彼らにはあずかり知らぬことでしょうね...知る必要もないですしねぇ」
運命の日はじわじわと、確実に近づいてきていた。
一方その頃
323師団前線指令所
指令所として使われている小屋の扉を叩く音を、小屋の中で書類に目を通していた少佐は耳にした。
「うむ、入ってよし。」
返事を聞くが早いか、扉を開け一礼して入ってきたのは、先ほど若い兵士たちに教育的指導をしていた少尉であった。
「はっ!少佐、定時報告であります、我が隊は各員全員準備が完了しており、現在朝食中であります。尚第4班の兵士2名が上層部批判を行っていたため、教育的指導を実施いたしましたことをご報告申し上げます。」
テキパキと少佐へ向けて一連の報告をスラスラと、少佐へ報告する少尉だったが、報告をし終わり不安そうな表情で、少佐へ疑問を問いかけた。
「その...少佐、演習ですが演習にこれほどの冬季物資や、実弾が必要なのでしょうか...?それとも...」
そこまで聞いて、少佐は少尉へ
「私も知らないし、勿論君が知るべきことではないのだけは間違いないだろうね、君には君の任務があり、私には私の任務がある、私はそれぞれ割り当てられた任務だけをしていればよいと思うけども、それとも君は違うのかな?」
少佐は眼鏡の位置を治しながら、少尉の経歴が書かれた書類を見ながら少尉にそう問いかけた。
「はい、いいえ!私は少佐と同じく思っております!直ちに任務へ復帰いたします、失礼いたしました!」
問いかけを聞いた少尉は表情を一変させ、真っ青な顔で震えながら少佐へ返答をし、固い動きで小屋のドアを開けて退出し、ガタガタ真っ青なまま自分の班の場所へ戻る。
其れを一瞥した少佐は、少尉の経歴が書かれた書類に、何らかの文字をさらさらっと記入し、判を押してファイルの中へしまったようだ。
所変わり東部のとある小さな町の駅
「23日までに前線へ送る荷物はこっちだ!20日までの書類はこっちの貨物に入れろ!うん?その書類は25日発の汽車に積む荷物のリストだな、そこのデスクに置いておいてくれ。」
忙しなく駅の貨物場では、監督官と作業員たちがドタバタと、荷物の仕分けと貨物への搭載を行っていた。
そんな忙しい中へ駅の放送が突然鳴り響いた。
「”帝都発東部大管区第2管区エルテア市行き装甲列車が、本日の帝国標準時16時00分ジャストに到着します、各員は列車への物資補給の準備をお願いいたします。”」
其れを聞いた監督官は、腕時計を確認し、焦った表情で。
「後25分しかないじゃないか!どうなってるんだ!そんな話聞いていないぞ!?ええい!来るって言うならやるしかない、皆聞いたな!急いで燃料と給水塔に水を補充するんだ!」
作業員たちは、監督官のその言葉を聞き、今までしていた作業を区切りの良い所で留め、装甲列車を迎える準備を急いで始めた。
少し時を遡り、当の装甲列車はというと
「こちら帝都発第264号装甲列車、繰り返す、此方帝都発第264号装甲列車、エルテア鉄道指揮所返答お願いします。」
だがしかし、何度も何度もエルテア鉄道指揮所へ連絡しても、返事はびくりともせず...通信手は不安そうに、何度も何度も繰り返し定型文を通信機へ話しかけ続ける。
それを横目に、車長は外部確認用のハッチを開け、頭を出し手に持っていた双眼鏡で正面を見据えた。
「とにもかくにも、燃料と物資を補給せねばなるまいて、通信手、次の停車地に至急連絡を。」
車長はハッチを閉じながら、冷静に淡々と通信手へ指示を下す。
「車長...そうですよね...こちら帝都発第264号装甲列車、繰り返す、此方帝都発第264号装甲列車、第26番停車場応答願います。繰り返す、此方帝都発第264号装甲列車、第26番停車場応答願います!」
数度繰り返しただろうか、漸く第26番停車場の通信手へ通信がつながった。
「..こち...ら...第26番停車場..こち...ら...第26番停車場、第264号装甲列車返答願います。」
通信手は嬉しそうに通信機に向けて返答している。
「こちら第264号装甲列車!現在当列車はそちら迄30分の地点を通過した、至急燃料及び物資の、補給準備を要求する、繰り返す!現在当列車はそちら迄30分の地点を通過した、至急燃料及び物資の、補給準備を要求する。」
そして先ほどの駅の場面へと再び移っていくのであった...
続く、かもしれない。
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ユクリパ綴られる歴史 第3話 "陸軍元帥 帝都に爆ぜる"
帝国標準暦78年14月29日
中央大陸西部 帝国中央部帝都
帝国陸軍総司令部
「帝国国営放送です、まずは本日の帝都の天気のコーナーです。 帝都は25日からの雪が未だ降り続いており、今後少なくとも5日は雪が続くでしょう。」
元帥は部屋に備え付けられたラジオを流しながら、椅子の背もたれに寄りかかりながら自らの執務室の窓から見える、帝国陸軍総司令部の広場を億劫そうに眺めていた。
そうして十数分は経過しただろうか、部屋の壁に掛けられている大きな壁掛け時計が、時を告げた。
その時であった、エントランスの方が何やら騒がしい。
「一体どうしたんだ?栄光ある帝国陸軍の総司令部で騒ぐなど、何という不埒者だ?うむ?あれは...親衛軍だと!?なぜ親衛軍が此処に...!?」
元帥は、部屋の窓から騒がしい広場を覗き見た、そこには数両の煌びやかに装飾された戦車と、同様に煌びやかではあるがよく訓練されているのが見て取れる数十名の兵士が、今にも頑丈な総司令部の正門をこじ開けて入り込もうとしていた。
「まさか...もうばれたのか!あの間抜けめ...あれほど絶対にばれないようにと釘を刺したというに!えぇい!此処にいないバカ者の事なぞ気にしている場合ではなか!焼却処分を急がねば...」
帝国軍東部大管区師団配置連絡書発:...元帥 宛:人民共和国 人民委員会人民委員長 殿
下記の地点に下記編成の部隊を配備した、指定時刻に一斉攻撃を...
元帥は非常に焦った様子で、乱雑に金庫を開け、中に入っていた書類束に勢いよく火を灯し証拠の焼却処分を始めた。
だが、その作業の最中に唐突に爆音が鳴り響き建物に衝撃が響き渡った。
「ケルヴェ元帥!貴官には軍事情報漏洩及び国家反逆罪で捕縛命令が出ている!これは警告射撃だ。即時手を頭へ当てて投降せよ、さもなくば我々親衛軍と治安維持局が突入する!そうなれば身の安全は決して保障できない!繰り返す、即時投降せよ!」
(くっ...事ここまで至ったら...だが計画はもはや止まらぬ!)
「愚かな親衛軍めが!私を捕縛だと?ほざけ!できる物ならやってみろ、真の愛国の士であるこの私を捕縛できるというならな!」
元帥はそう言って机の下から爆薬を巻いたチョッキを取り出し、身に着けて手には75年式歩兵短機関銃を持ち、割れた窓から眼下の親衛軍兵士と治安維持局員達へ銃撃を始めた。
「まだ抵抗するか!もう良い、職員の退避はすんでいる。全車照準合わせ!」
親衛軍側の指揮官はそう言い放つと、装甲車の中へ引っ込んでしまった。
「1号車、照準合わせよし。」
「3号車、照準調整完了」
「2号車、照準よし」
各車の車長が、無線機で照準を合わせたのを指揮官へ報告した。
其れを確認した指揮官は、各車へ指示を出す。
「よし、全車射撃せよ!反帝国主義者をこの世から抹消するのだ!」
その間も、銃撃を続けながら叫び続けている元帥は、マガジンを窓の外へ投げ捨て、素早く次のマガジンを銃へ差し込み射撃を続ける。
「私を消しても、最早止まれぬわ!帝国ばんざ...」
叫んでいる最中に戦車砲弾が直撃し、チョッキに巻いていた爆薬に誘爆して、ボロボロになった部屋に肉片と血しぶきを汚く撒き散らし、跡形もなく弾け飛んだ。
======帝国某所======
???「貴方の計画は、面白かったけどね。貴方が爆ぜた方がより面白いでしょう?えぇ、勿論、貴方の意志だと勘違いしていたモノは既に、潤滑に動き続けているのですから...」
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ユクリパ綴られる歴史 第4話 "人民共和国の野望"
中央共通暦268年15月
人民共和国首都ポーコ
統一人民委員会館 人民委員長室
「同志委員長、クラムアン帝国の元帥が親衛軍によって処刑されたようです。」
葉巻をふかしながら、ユラユラ椅子で揺れていた老年の男は、部下と思わしき中年の男にそう報告され、葉巻を灰皿へ放り口を開いた。
「残念だ...彼にはまだ利用価値があったというのに...だが、彼が最後に送ってくれたクラムアンの軍配置は、ありがたく使わせてもらおう。同志秘書官、さっそく宣戦布告の準備をしてくれ、あぁそれと宣戦布告は我が軍が攻撃を開始する5分前にしてくれたまえ。」
「同志委員長閣下、了承いたしました!直ちに準備に取り掛かります。」
秘書官はソレを聞き、待っていましたとばかりに準備に取り掛かる為、委員長へ一礼し部屋を出ていく。
それを眺めながら人民委員長は、自らの机の引き出しを開け中から一枚の古ぼけた写真を取り出した。
「あぁ...私の...我が親愛なる古き者よ...貴女様を必ずや、あの邪悪な蛮人共から解放して差し上げます...必ず...必ず!」
人民委員長は先ほどまでの、秘書官が居た時とは打って変わって、恍惚とした表情を浮かべながら写真へ向けて、何かにとりつかれたような気味の悪い声で誓いかけた。
=========数日後========
「我々...ルカーロ人民共和国は、これより邪悪で粗暴なる"クラムアン帝国"へと、宣戦を布告することを此処に広く宣言するものとする。全共和国人民は帝国の圧政に苦しむ数億の諸民族を、解放する事を統一人民委員会委員長の名において、確約する事を誓う!」
「・・・だが、クラムアン帝国はその邪悪なる統治でもってして、強固な抵抗をしてくるだろう、しかし!心配することはない!人民の解放者である我々統一人民委員会とその人民委員を選出した我々共和国人民の団結をもってすれば、必ずや極悪非道のクラムアン帝国は人民に膝を屈するのは間違いない!」
「えー以上、同志統一人民委員会委員長の宣戦布告及び全人民への宣言のお言葉でした、同志委員長ありがとうございます。」
ラジオ局のアナウンサーはそう人民委員長へと、感謝の言葉を述べた。
それに対して、人民委員長はにこやかに笑いかける。
「いやいや、同志アナウンサーこそ本日はありがとう。感謝するよ。では、私は次の仕事があるので後は任せたよ?」
そう言い残すと、人民委員長は足早にラジオ局を後にした。
========十数日後=======
人民共和国首都ポーコ
人民軍総司令部前
「これはこれは、同志人民委員長!わざわざご足労ありがとうございます。」
人民委員長へそう声を掛けたのは、大仰にポーズを取りながら近づいてくる人民軍大将であった。
「おや、同志ダールフォ大将、軍の状況はどうかね?順調にクラムアン軍を計画道理に殲滅できているかね?」
という、人民委員長の問いかけに、少々気まずそうにだがハッキリと、ダールフォ大将は人民委員長へこのように回答。
「残念ですが、同志人民委員長殿、一部の地域で帝国軍の予想以上と言える頑強な抵抗に会い、かなりの損害が出ているようです。ですが、作戦全体としてはほぼ問題なく遂行中であります。」
「ふむ...うん?ほぼ かね?実際の所、どれだけの損害が出ているんだね?」
ダールフォ大将の回答を聞き、訝しむように詳細を人民委員長は聞き出そうとする。
「はい、それが...既に歩兵4個師団が壊滅、2個装甲連隊が半壊しており、現在これ等の部隊を再編中であります。」
「4個師団と2個装甲連隊もかね!?帝国軍にはまともな配備がされていなかったのではないのかね?ダールフォ大将、これは一体どういうことだい?ことによっては...人民法廷で君を裁かないといけないことになるが、しっかりと教えてくれるかね?」
其れを聞き、一気に表情が強張り汗がどっと出始めたダールフォ大将は、それでも尚震えながら一語一句間違えないように、慎重に慎重に人民委員長へ返答した。
「はい...同志人民委員長、敵戦力は事前の見積もりでは、7個歩兵師団・1個装甲師団と見られていました、ですが国境を実際に突破し十数km程前進した地点で、複数の要塞とそれを守備する推定12~17個師団と接敵、何とか要塞は突破出来ましたが、突破するために2個装甲連隊が半壊、歩兵4個師団もこの戦い迄で損耗してしまい、現在後続部隊と合流し再編中であります。」
それを聞いて、人民委員長は僅かに表情を曇らせ、帝国の方向を恨めしそうに睨み付けたのであった・・・
======数分後=======
人民委員長は大きく息を吐き、ダールフォ大将をこれから肉になる家畜を見るような目で見ながら、口を開く。
「ダールフォ大将...残念だよ、君がそこまでに指揮能力が欠如していたとはね...ダールフォ大将...あなたを、国家資源の浪費及び無謀な作戦で人民の生命を無価値に打ち捨てた罪で解任する、後は人民法廷で判決を下そうじゃないか。」
「い...委員長!どうか...どうか人民法廷だけは!人民法廷だけはお許し下さい!私には、まだ価値があります!どうか...!」
人民委員長の発言を聞き、大将は打ちひしがれ大泣きしながら、惨めに這いつくばり人民委員長のズボンへと縋りついたが。
「私に触らないでください、薄汚い恥知らずな人民の敵が、人民の労力によって作られた私のズボンを汚すなど言語道断です、恥を知りなさい恥を!」
と、罵りながら元大将となった憐れなダールフォの頭を革靴で踏みつけ、護衛の兵にダールフォを一時的に収監するために引き摺り上げさせ、服の胸に付けられていた勲章を無慈悲にはぎ取った。
「この勲章は、人民の裏切り者であるあなたには、相応しくないですね、同志そこの裏切り者を速やかに独房へ、私は人民法廷の用意がありますので。」
そう言い残し、ズルズルと蹴とばされながら引き摺られて行くダールフォを、蔑む目で見つつ自らも人民法廷の用意の為去っていった・・・
=====某所======
???「あらら、かわいそ...自分の酷い作戦とも呼べない物を最低レベルとはいえ、マシな作戦に作り直した優秀な人を勿体ない...にしても、あの子何処かで私にあったっけ...まぁどうでもよいかな...んふふふふ」
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ユクリパ綴られる歴史 第5話 "東部戦線に異状アリ"
帝国標準暦78年15月33日(中央共通暦268年15月33日)
帝国東部 人民共和国との国境付近
「うむ、各隊へ追加の毛布と薪を配給してくれ、私の指揮下で凍死者を出したくはないからな・・・しかし今年の冬はいつになく雪が酷い・・・プルゥヴ大佐もそう思わんかね?」
暖かい執務室の窓から外を、ゆったりコーヒーを飲みながら眺めていた少将は、プルゥヴ大佐へ問いかける。
一瞬大佐は、この人はいきなり何を言い出すのだという表情を浮かべたが、直ぐに普段の平坦な表情に戻り、淡々と同意し追加の物資の配給の為に必要な文書に記入を始めた。
「少将、残念な知らせと良い知らせがありますが、どちらからお聞きになりますか?」
文書に記入しようとして何かに気が付いたのか、大佐は少将に2択を投げかけた。
「うん?そうだな・・・残念な知らせから聞こうかね。」
「はい、残念な知らせなのですが、毛布の備蓄が枯渇しております、幸い薪と食料の備蓄は問題なかったのですが、良い知らせのお陰で不足しそうです。」
「一体どういうことだね?確か先週届いた分で、後2週間は持つはずだが。」
「それが、西部管区から15個師団が東部管区へ再配置になり、ここに2個師団が配備されるようです。」
「なんだって?私はそんな話は聞いていないが、一体いつの情報だね?」
「伝達時刻は、・・・30分前ですね。師団到着時刻は、本日14:00時とのことです。」
「大佐・・・今何時かわかってるのかね・・・?上層部は何で毎回毎回ギリギリになってから連絡を寄越すんだ!?もう少し早く連絡してくれれば、此方も準備が出来たものを!大佐、急いで補充の物資を・・・"ドォォォン"!?いったい何の音だ!?」
少将が大佐の報告を聞き、上層部への苛立ちを最早隠そうともせず靴全体で床を鳴らし、大佐へギョロリと目線を向け指示を出そうとしたその瞬間、遠くの方で爆発音が断続的に鳴り響き始めた。
その直後である、少将の机の上に置いてあった卓上電話が突然けたたましく鳴った。
少将は即座に、受話器を取り電話先に問いかける。
「少将閣下!大変です!共和国が、人民共和国が奇襲を仕掛けてきました!現在第2中隊以外との連絡が途絶しています!至急指示を!」
「なんだと?人民共和国が奇襲を!?先ほどからの爆発音はそれか!よし、そっちは第2中隊と合流してその近くのトーチカで反撃をしろ、大佐丁度良い、こちらへ向かっている2個師団に至急連絡を、"我人民共和国の奇襲を受けり" とな急げ!」
「はい、直ちに!」
少将の執務室は、一瞬で慌ただしくなり、窓の外では所々から黒煙が立ち上り、ちらほら爆発が見える。
大佐は扉を勢いよく開け放ち、通信室の方へ走っていった、一方少将は、受話器の先の部隊長へと指示を出しつつ現状把握に努めようとしていた。
「わかった、そちらの被害は確認したが、こちらに現在そちらへ送れる戦力は無い!現有戦力で何としてでも時間を稼げ!時間を稼ぐことが出来れば西部管区からの増援がまもなく到着する!それまで時間を・・・時間を何が何でも稼ぐのだ!いいな?よし、早く配置に付け!私は他の部隊の状況を確認する。」
=======十数分ほど遡る========
人民共和国西部 帝国との国境付近
「第12師団、第23師団、第24師団、第25師団、第28師団、各師団長より攻勢の準備が完了したとの報告が来ております、同志ダールフォ大将閣下どうなされますか?第21重砲兵連隊からも、砲撃準備が完了したとの連絡が来ておりますが。」
報告に来た部下の報告を、腕時計をちらっと確認しながら聞き終えた大将は、大仰にそれでいてある種の魅力ある動きで、部下たちへ指示を下した。
「同志諸君、我々はこれより人民を不当に圧するクラムアン帝国へ、正義の鉄槌を下す!だが、恐れることは無い、正義は我々で在り、我々は人民の鉾で在り盾である、諸君の奮戦に期待する!各員配置に付け!第21重砲兵連隊には即時事前砲撃を開始する様に伝えてくれ、第12師団と第23師団は10分後に攻勢を開始、残りの第24師団、第25師団、第28師団は第12師団と第23師団の援護をしつつ交代しながら前進せよ!」
「「「人民共和国万歳!人民に栄光あれ!」」」
ダールフォ大将は、言い終わると満足した様子で指揮所の中央に置かれたテーブルに目を向けた。
テーブルの上には国境周辺が描かれた地形図と、青と赤の駒が配置されている。
ダールフォ大将はおもむろに、赤の駒を手に取り青の駒の目前に降ろし、両翼からも押し込む形で配置し始めた。
これは、両軍のおおよその戦力配置を実際に表したものだろう、赤が人民共和国軍、青がこの場合はクラムアン帝国軍のようだ。
駒を配置してから何を思ったのか、ダールフォ大将は少し手を顎に当て考え込む仕草をした。
そして、おもむろに口を開き傍にいた部下に対して、問いを投げかけた。
「そこの君、第2航空師団は今どこにいるか確認してくれないかね?出撃可能なら即時前線へ出撃を要請してくれ。」
「はい同志大将閣下、直ちに確認いたします。」
=====数分後=====
「同志大将閣下、第2航空師団は何時でも出撃可能であり、現在前線へ急行中とのことです。」
「そうか、敵軍にはマトモな航空戦力が存在していないのは、確認済みだが・・・万が一ということがあるな、前線の師団に敵航空機が視認できないか、確認を取ってくれ。」
大将は、念には念を入れ実際の帝国軍戦力を更に詳細に見積もろうと、努力していた。
だが、そこへ帝国軍による予想以上の抵抗を受けたという報告が飛び込んできてしまう。
それにより、人民共和国軍前線指令部では、蜂の巣を突いたような騒がしさがまだまだ続く。
=====帝国某所=====
???「ふーん・・・そうなってたかぁ・・・でもまぁ、お互いに程よく損耗してくれた方が、後々都合がよいかもしれないし私としては何方でも良いのよね。ま、とっととケリがついたほうが、中央への進出が早くなって良いのだけれどもねぇ・・・」
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ユクリパ綴られる歴史 第6話 "高度3000mの洗礼"
帝国標準暦78年15月33日(中央共通暦268年15月33日)
クラムアン帝国と人民共和国国境上空
「こちら、第2航空師団師団長、繰り返す、こちら第2航空師団師団長、司令部返答願う。」
幾ばくかの間をおいて...
「こちら、司令部、第2航空師団どうした?」
「現在われわれは、クラムアン帝国領域に侵入した、事前情報では後数km進むと敵の航空基地があるはずだ、ッ!敵の迎撃機を捕捉!これより我が師団は交戦に入る。」
「こちら司令部、了解した幸運を。」
=====帝国某所=====
???「あらあら・・・帝国で最初の大規模航空戦がようやく・・・ようやく始まるのね!これから空の技術は加速度的に発達し、中央部の翼竜をも屠る日が来るでしょう・・・ですが、それはまだ遥か彼方の朧げな幻影・・・帝国の未来は導かれているのですから・・・」
====帝国東部国境付近上空====
「こちら陸軍第21航空隊、人民共和国軍機と思わしき編隊を捕捉!繰り返す!人民共和国軍の大規模な部隊と接敵!これより交戦に入る。」
「こちら陸軍前線指揮所、了解した。決して奴らを生きて返すな。」
「ッ・・・了解した、通信終わり!」
第21航空隊の隊長は、前線指揮所からの無茶ともいえる指示を聞き、無線機を睨み付けながら通信を終了した。
(生きて返されないのは、どちらなのやら!連中の方が明らかに早いぞ!)
「こちら隊長機、第21航空隊各機に告ぐ。これより敵航空集団との交戦に入る、各員奮戦されたし。」
====人民共和国軍第2航空師団視点====
「やっこさんら...まさかまだあんな旧式だとは...信じがたいな。
だが、そのおかげでこちらの損害を減らせるのならば問題なかろうて。
各員!訓練の成果を見せてやれ!」
そう無線機へ師団長が言い放つと、それにこたえるように各機からも返答が入る。
そして、人民共和国軍第2航空師団各機は、一気に上昇して帝国航空隊の頭上に陣取り、頑丈な機体特性を活かした人民共和国の伝統ともいえる、逆さ落としからの一撃離脱の鉄槌を下した。
その一撃を受けて、帝国陸軍第21航空隊はあっという間に、壊滅的な打撃を受けてしまった。
「ッ...なんて脆い機体だ...ッ...流石に慌て始めたか、各機落とされるなよ!」
だが、言ったそばから師団長機は帝国軍機の銃撃を受けたが...頑丈な人民共和国軍機の分厚い防御は帝国軍機の非力な銃撃を弾いてしまった。
尚も、空戦は両軍増援が到着し混戦具合を深めていくことになる。
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