テラドリーマーズ〜目指せ!有名プレイヤー! (シェキナー)
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ほんの小さな、燃え盛る火種


コロナ禍で予定がぶっ飛んだので初投稿です。


世は玉石混交、魑魅魍魎、混沌極まるストリーミング時代。

 

 

 

あるサイトに超人気の神配信者いれば、あるアプリには信者を量産する配信者もいる。

 

法律に真っ向から唾を吐くような動画投稿者や、趣味でやってるような奴も多いだろう。

 

そんな溢れんばかりの娯楽が生み出されているのは他でもない。

 

 

 

お金が生まれるからだ。

 

 

 

数多のの欲望と感情が詰め込まれ、また生まれる。それが今2040年の配信戦国時代…!

 

 

 

ピザの取り合いでいつかは崩壊すると言われてはや30年、ここまで続けば始めた時期なんて関係ない。

 

 

 

初め時はいつだって今しかない!

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、こっから有名になってやる!」

 

 

 

気合を入れるために独り言を呟いた俺は、空調の効いたマンションの一室であるゲーム…『テラドリーマーズ』のサービス開始時刻を待っていた。

 

 

 

2040年現在、VR・AR技術の発展によって人々の生活は変化しなかった。

 

かつてのスマホと同じように数々の利便性をもたらせど生活の根幹は変わらずにいた。

 

しかし、娯楽という1面においては大きな進歩を遂げている。

 

 

 

 

 

フルダイブ型のVR技術もそのひとつで、様々な娯楽を生み出した。

 

それはゲーム配信というジャンルにも大きな革新をもたらし、プロゲーマーの意味を大きく塗り替えた。

 

 

 

大会の賞金を得るプロに加え、ゲームをプレイし、その内容を配信する事で金銭を得ても『プロ』として扱われるようになったのだ。

 

金銭を得られるほどのプロゲーマーは必然、有名人になる。

 

その扱いは芸能人に近く、プロゲーマーという概念が生まれた頃から数十年後経ち、ようやく新たな憧れの職業として社会に浸透したのだった。

 

 

 

つまり伝手も技術も無い素人が有名になれる最短の手段のひとつになったって事だ。

 

そんな中、『テラドリーマーズ』という大型VRMMOタイトルが発表された。世界中のゲーム企業が合同で開発したという夢溢れるゲームだ。

 

あまりの規模の大きさに何らかの裏があるんじゃないかと疑う声も多かったが、全プレイヤーの自動俯瞰撮影、自動編集機能を備えた今の時代に最適化したゲーム性から大きな期待を持って発売日が待たれた。

 

 

時計の示す針が午後6時を指した。

 

世界中のゲーム会社が合同開発した超大型タイトル『テラドリーマーズ』のサービス開始時刻だ。

 

 

 

「いざ鎌倉ってな」

 

 

 

期待と緊張を解すために冗談を呟きつつ、俺はベッドに寝転びゲームのスタートボタンを押した。

 

 

 

 

 

これが始まり。たくさんの人に自分の事を知ってもらうというささやかな欲望。その火種を散らせた最初の一手だ。

 




後書きには小話と裏設定を書いていきます



『テラドリーマーズ』

各国の様々な企業が共同開発を行ったが、開発の依頼を出したのは各国政府。

電脳空間に適応した人材や特異な才能を持つ人材を欲しているとか欲していないとか。

優しい世界なので悪いことには使われないと思います。


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キャラメイクが1番楽しいまである

ふわっとした感覚とともに電脳空間に引きずり込まれる。

 

 

 

まっしろな空間でキャラメイク用のウィンドウが出現した。

 

 

 

まずは、キャラメイク。

 

有名になるのなら、見栄えのいい姿を作るべきだ。

 

だが、このゲームは後からでも条件を達成することで容姿を変えられるらしい。

 

ある程度ゲームに慣れるまでは現実の体から変えない方がいいだろう。

 

 

 

ってことで現実準拠の体にして、目元を少し吊り目にして、髪や目の色を帰ればかなり印象が変わるだろう。

 

うん、これでいいや。

 

 

 

性別は男性で、中肉中背。

 

髪の色と目の色は薄い赤褐色にした。

 

 

 

何かあれば見た目は変えればいいだろう。

 

 

 

次に選ぶのは初期装備だ。

 

 

 

キャラメイク時に試シリーズという武器種から2つを貰える。

 

 

 

俺が選んだのは普通の両刃剣の『試剣』と小盾の『試盾』だ。

 

 

 

防具は、見習いシリーズというものしか選べないからこれ一択だ。

 

 

 

後は名前を入力するだけでキャラメイクは終わる。

 

 

 

他のMMOと比べて決める事が少ないが 『テラドリーマーズ』はスキル制のMMORPGだ。

 

 

 

初期ステータスがレベルアップで上がることも無いし、そもそもレベルの概念が無い。

 

 

 

このゲームで強くなる方法は幾つかあるが1番は1つ。

 

『称号』タイトルを獲得する事だ。

 

 

 

『称号』を獲得し、称号欄にセットする事でその称号に関連するスキルを使用出来る。

 

 

 

確か、ノーマルタイトル、クエストタイトル、ユニークタイトルの3種類をそれぞれ10個ずつ。

 

つまり、最大で30個のスキルを同時に使用できるってことだ。

 

 

 

ってことでゲームを初めて最初にやるべき事は、様々なコンテンツを触ってスキルを30個集める事だろう。

 

 

 

プレイヤーネームは昔、動画投稿をしてた頃に使ってた『アルタイル』にしよう。

 

 

 

当時見ていた視聴者が気づいてくれるかも知れないしな。

 

 

 

さて、これでキャラメイクは終了だ。

 

地球丸々再現したマップは楽しみだが、次にくるアップデートまでは今住んでいる地域、

 

つまり俺が住んでる日本からは『ヒノモト』の『キョウ』 って所

 

要するに日本の中心にスポーンする。

 

 

 

最初は自分の国のマップを楽しめって事だな。

 

 

 

ゲーム内に再現された日本を楽しみに俺はゲームスタートと書かれたポップウィンドウを押した。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

━━━━━ステータス━━━━━

 

Name:アルタイル

 

種族:練人

 

所持金:5000テラ

 

HP:10000 MP:1000 STR:1000 AGI:1000 END:1000 VIT:1000 INT:1000 DEX:1000 LUC:100

 

武具:右手【試剣】左手【試盾】

 

防具:頭【】

 

上衣【見習いのシャツ】

 

下衣【見習いのズボン】

 

腕【】

 

鎧【】

 

脚【】

 

靴【見習いの靴】

 

装飾品:【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】

 

称号欄:

 

ノーマルタイトル

 

【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】

 

クエストタイトル

 

【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】

 

ユニークタイトル

 

【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】

 

スキル欄:無し

 

 

 

 




『称号』について

称号はゲーム内の様々な行動に応じて獲得します。

1つの称号にスキルが1つ紐付けられ、称号欄にセットする事で使用可能になります。



無数の称号が用意されており、リリース後のアップデートでさらに追加予定となっております。



『称号』の中にはとても珍しく、全世界で1人しか得られないようなものもあります。

これらの称号を『レジェンドタイトル』と呼びます。レジェンドタイトルを誰かが得た場合ゲーム内のワールドアナウンスにて全プレイヤーにお知らせします。同時にゲーム外でも『テラドリーマーズ』の公式サイトや公式チャンネルでも取り上げます。

公式チャンネルにお呼びすることもあるかも知れませんね。『レジェンドタイトル』の獲得はとても難しいですが、それに見合うメリットを御用意しています。是非皆さん求めてみてくださいね。


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屋根走りはオープンワールドの基本

 

新たな世界に降り立つ。

 

VRゲームをやる度に味わう感覚だが、やはり初めてのゲームをやる時はワクワクする。

 

 

 

そんな高揚した気分で降り立った場所は、1面の玉砂利で覆われた広場だった。

 

右上に示されたウィンドウには現在地の名前として『ヒノモト:キョウ』と示されていた。

 

鎌倉じゃなくて京都じゃねーか。

 

 

 

周りを見渡すと多くの光の柱が立ち並び、多くのプレイヤーがログインしてきていることが伺えた。

 

 

 

ピコンと目の前にウィンドウが出る。

 

 

 

〘初めてのログインありがとうございます。我々運営は貴方の来訪を歓迎致します。チュートリアルを開始しますか? はい・いいえ〙

 

 

 

運営からのメッセージの様だ。

 

チュートリアルはあとからも受けられそうだし、今は一足でも早くモンスターを倒したい。もしかしたら「世界で初めてモンスターを倒した」なんて称号を得られるかもしれないしな。

 

 

 

いいえを押して走り出そうと身構えると

 

〘 称号【冒険の始まり】、【ヒノモトの民】、【片手剣見習い】【盾見習い】を獲得しました。空き称号欄に自動装着します〙といったメッセージが流れて来た。

 

 

 

これが称号か。自動装着って書いてるし詳細は走りながら確認しよう。

 

 

 

行き先は北にある比叡山方面。

 

初期スポーン地点から1番近いエネミーがリスポーンする場所だ。

 

 

 

同じ考えを持っただろう何人かと共に人がどんどん増える『キョウ御所』から走り出した。

 

 

 

走りながら、周りの景観やNPCを確認する。

 

木製の家屋に瓦葺、堀のある屋敷もある。まんま碁盤の目のような整然とした町だ。

 

何となくのイメージは平安時代の京都って感じだが、明らかに大正ロマンな格好をしてる奴や戦国時代みたいな鎧武者もいる。日本の色んな時代がごちゃ混ぜにになってる感じか。

 

この様子じゃ、日本の史実をヒントに攻略するってのも難しそうだ。

 

 

 

忘れない間に獲得した称号も確認しておくか。

 

 

 

まず1つ目は【冒険の始まり】ってやつだな。

 

獲得条件はテラドリーマーズにログインする事。スキルは〔初心〕今いる地点から最後に訪れた街の方向がわかるスキル。

 

このスキルがあるって事は迷うようなことがあるのか。

 

 

 

2つ目の称号は【ヒノモトの民】

 

獲得条件は『ヒノモト』に足を踏み入れる事。スキルは〔大和魂〕効果はパッシブスキルでHPが半分になるとSTRとAGIが1.1倍か。

 

これかなり強くないか?他の国でも似たようなスキルが配られたのかね。

 

 

 

3つ目、4つ目は似たような称号だった。【片手剣見習い】と【盾見習い】。案の定、剣と盾を装備する事が条件だった。

 

スキルは〔スラッシュ〕と〔 バッシュ〕

 

名前通り剣による斬撃と盾による殴打のスキルだった。

 

 

 

色々とステータスメニューを弄りながら走っていると目の前に大きな屋敷が見えてきた。山の方に向かうには迂回するしか無さそうだが…

 

 

 

この体の動きを見るに…っ!

 

 

 

「よっ…と!」

 

 

 

掛け声とともに屋根の上に飛び乗る。

 

1階建ての建物なら余裕で飛び乗れる身体能力はあるな。このステータスをプレイヤー全員が持っていて、獲得したスキルで差別化が起こるんだろう。

 

プレイヤー間の圧倒的なステータスの差は起こりにくそうなこのシステムだと、PvPが楽しそうだ。

 

 

 

よっほっはっと屋根の上を走る事で他のプレイヤーに差をつけた俺は数分程かかって建物が無い野原、つまりエネミー溢れる街の外へと辿り着いた。

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━ステータス━━━━━

 

 

 

Name:アルタイル

 

 

 

種族:練人

 

 

 

所持金:5000テラ

 

 

 

HP:10000 MP:1000 STR:1000 AGI:1000 END:1000 VIT:1000 INT:1000 DEX:1000 LUC:100

 

 

 

武具:右手【試剣】左手【試盾】

 

 

 

防具:頭【】

 

 

 

上衣【見習いのシャツ】

 

 

 

下衣【見習いのズボン】

 

 

 

腕【】

 

 

 

鎧【】

 

 

 

脚【】

 

 

 

靴【見習いの靴】

 

 

 

装飾品:【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】

 

 

 

称号欄:

 

 

 

ノーマルタイトル

 

 

 

【冒険の始まり】【ヒノモトの民】【片手剣見習い】【盾見習い】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】

 

 

 

クエストタイトル

 

 

 

【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】

 

 

 

ユニークタイトル

 

 

 

【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】【⠀】

 

 

 

スキル欄:〔初心〕〔大和魂〕〔スラッシュ〕〔バッシュ〕




ステータスについて

プレイヤーの基本的なステータスは固定であり、魔法や装備、そして称号によって変動する。

基礎ステータスでは凡そ一般的な人間の5倍程の運動量があり、1階建ての建物程度なら容易に飛び乗れる。鉄の鎧を装備していても激しく動き回ることが出来、通常の人間では出来ない動きも可能である。


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