▼なぞのTS LBXプレイヤーが あらわれた! (ArK56)
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実質0章
前編 テンプレ通りのアレ
絶対にマネしないでください。
「・・・・・・」
カタカタ、と音が薄暗い部屋を満たす。音を立てている少女は、パソコンの前に座りいつものようにネットの海を漂っていた。
「(あ、小説新しいの投稿されてる)」
平日の昼間から少女の見ているサイトはいわゆる「ライトノベル」と分類される小説投稿サイトだ。9歳の少女が見るには早熟過ぎるな気もするし、そもそも普通なら小学校に居るはずの時刻。簡単に言うと少女は「
だが、同級生と話が合う事は殆どなかった。周りは子供向けのアニメや子供らしい噂話などで盛り上がるが少女はもっと「
自分だけ周りと違うと思い悩む。ただ両親は物事を強制する教育方針ではなかったので「・・・学校、行きたくない」と言って自分の言い分伝えると、勉強はちゃんとやる事を条件に学校行かない事を渋々ではあるが許してくれた。
こうして、家に引きこもる9歳が出来上がったのである。
(んぅ・・・、流石にそろそろトイレ行こう)
小説を一気に読み切りたい少女は、先にトイレに行こうとゲーミングチェアを後ろに引き、少女は立ち上がる・・・
「ッ!」
が、ずっと椅子に座っていたせいで足が痺れ、バランスを崩しパソコン台に向かって盛大に転ぶ。ぶつかる直前にひどい
「・・・・・・ゥ~~ン?」
知らない天井・・・でも無いな。この天井は知ってるぞ?あれ?どうゆうこと?てか頭イタッ、マジで頭痛がイタイ。あっ、厨二的な
いや、マジで何があったっけ?え~と、たしか『
Q.貴方のお名前は?A.
Q.貴方の年齢は? A.
Q.貴方の性別は? A.
????なるほどね~。うんうん、そーゆーことかー。()
まだ頭打ったダメージが残ってるのかな?つまり落ち着くまで寝てればいいんだね!(思考放棄)
ヨシッ、寝よう!お休みなさーい!眩しいから誰か電気消しといてー!
うん。眠れない。頭痛いからね。と言っても少しはマシになってきた。記憶もだいぶ鮮明になってきたけど、どうやら「男」と「女」どっちも本物の記憶な気がしてきた。ふふん、俺はラノベを
前世
オタク。大学受験が終わってはっちゃけてた。秘蔵
死因はパソコンで動画漁ってたら「ダンボール戦機」の公式アニメを見つけ、懐かしく思い、視聴する前にトイレに行こうとして、転んで床に放置していた鉄アレイに頭をぶつけ死亡(多分)
今世
オタク。不登校。多分前世の記憶のせいでうまくクラスに馴染めなかったのかな?
前世の記憶が思い出した原因は、前世と似たシチュエーションで頭を打ったから?
まあ、こんな感じかな。あれだね、まるで成長してないね、こいつ。ちゃんとトイレ行けよ。膀胱炎になるぞ。あとHDD。あと個人的には憑依じゃなくて忘却系転生で良かった。前の人格あるとちょっと複雑だしね。それとHDD。
そんなことを考えているとドアをノックする音が聞こえた。
初投稿です。(初投稿)
勢いで書いた。エタらないとは言ってない。
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後編 空前絶後の説明カイ(テストに出ます)
「失礼します。お医者様をお連れいたしました。」
そう言って開けられたドアから、銀髪メイドさんと白衣を着たおじいちゃんが部屋に入ってきた。
「エファッ!?」
ちょ、待てよ。油断してたから変な声出たじゃん。なんだよ「エファッ!?」って。てか誰この綺麗な銀髪メイドさん。まぁね、おじいちゃんの方は分かるよ。白衣着てるし、銀髪メイドさんが医者を連れて来たって言ってたから、俺の頭を診に来たんでしょ。誰がイタイ奴だコラ。
そんなことをより何だあの銀髪メイドさん、身長170cm弱もあり、女性らしくも引き締まった体にクラシカルメイド服がよく似合う。銀色のポニーテールに顔はクール系で整った顔立ち、目は憂いを帯びた海のような蒼色、優雅な所作に思わず見とれてしまいそうだ。と言うか見とれていた。
「・・・? どうかなさいましたか?」
「ア、イエ、ベツニ。」
くそう、見とれてたのがバレて顔が熱い。まてまて、DTしてる場合じゃない。結局、あの魔性の銀髪メイドさんは誰なんだ?ん、んーー今世の記憶に答えがある気がする。もうちょっとで思い出しそうなんだけど、ギリギリ出てこなくてムズムズする。ハイハイ、おじいちゃん診察ね、ちょっと待ってね。
「あ!」
思い出した!魔性の銀髪メイドさんの名前は「
「ぅう・・・・・・」
おじいちゃんの「別に気にしてないよ」オーラに顔がまた熱くなりつつも、俺は診察を受けた。
あれから一週間が経った。
『ドキ!ワク!ほーこくかい!』
まずは俺の事から!名前は
あと前世の記憶のせいで学校に馴染めず、半年位引きこもってるらしい!ユキねえにも素っ気ない態度をとってたらしい(勿体ない)!
体力・クソ雑魚 筋力・ナメクジ 知力・優秀(馬鹿じゃないが?)
次にユキねえ!ハイスペックだ!大体何でも出来るっぽい!一家に一人ユキねえだわ!あと顔に出ないけど感情豊かっぽい!ちょっとシスコン気味かも?でも血は繋がってない。両親が海外で拾って養子にしたらしい。(唐突シリアス)恩返しでメイド兼俺の世話係をしてるらしい。
体力・未知数 筋力・高そう 知力・勝てない
我が家!マイホーム!一軒家だし普通にでかいから、六人くらい余裕で住めそう。(小並感)両親は海外でバリバリ稼いでるらしい!おかげで家は金持ち!ヤッホゥ!
そして最後に
この世界「ダンボール戦機」の世界らしい
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伝説の始まり(自称)
2046年、強化段ボール発明によって、世界の物流は革新的な進歩を遂げた。あらゆる衝撃を吸収し、殆ど「無」にしてしまう。革命的な未来の箱が輸送手段の常識を覆した。しかしその箱はやがて全く別の目的で使われる事になる。ストリートで行われる少年たちの戦い、ホビー用小型ロボット「
って説明をアニメOP前に流していた前世で好きなアニメ、もちろんゲームもクリアした。その「ダンボール戦機」の世界が今世らしい。控えめに言って凄く嬉しい。ゲーム一作目は前世の2011年発売だったので画質も操作性もそれ相応に良くなかった。発売当初は別に気にならなかったが、数年ぶりにプレイすると、記憶よりも
だが!今はリアルに存在するから、高解像度でハイスペックなLBXがあると思うと、テンションがブチアガる!アキレスかなーやっぱW 主人公機は愛着湧くし、デザイン好きだし。
あ、そう言えばキャラとかどうなってるんだろ?個人的に「
『LBX発明者 山野 淳一郎含む研究者数名 太平洋上空で行方不明』
そんなのニュース記事が一番上にあった。他に何か無いかと調べたが、山野博士が○○開発した くらいしか出てこなかった。
「うそん・・・」
知ってた。別にアニメや、ゲームではそうゆうシナリオなのは知ってはいた。だがそれはストーリー開始前の話であって、ストーリーが進まないとアキレスが出てこないし、「アルテミス優勝者の山野 バン」は居なくてただの「山野 バン」しかいない。
一番大変なのは、ストーリーでバン達に倒される予定の「イノベーター」なる悪の結社がご存命なのだ。あいつらは洗脳、誘拐、暗殺、人体実験とか普通にやる組織なのだ。もし目を付けられたら厄介だし、あいつらがいるとLBXで遊ぶ所では無くなる。
よし、決めた。今世は
『LBXで遊びつつ、
これを目標にする。
目標を決めたはいいが、やり方が分からん。親玉の「
やはり主人公達に潰してもらうのが安定か?今何年だっけ・・・2046年・・・強化ダンボールができる年か。強化ダンボールがないとLBXが『危険な玩具』判定だから、そもそも遊べないやんけ。確か主人公がストーリーで優勝するアルテミスが2050年なので、うん。4年かかるわ。そんなに待てん。いや、待てよ・・・せっかく原作知識あるし、4年間も
『ウスユキ』視点
私が東奏夫妻に拾ってもらった恩を返す為、この家でメイドとして働き始めて三年以上経つ。最初は恩を返すために働いていたが、東奏夫妻の暖かさとヨミ様の花の様な可愛らしさに絆され、今やすっかり東奏一家の一員だ。
だが、ヨミ様が不登校になり、私とも距離を置くようになってしまった。東奏夫妻に助けられたようにヨミ様を助けてあげたいが、上手くいかずヤキモキしていた。
今日ヨミ様の部屋の前を通り過ぎる時、「ゴヂンッ・・・バタッ・・・」と音がした。嫌な予感がした私は部屋のドアをノックする。
「ヨミ様?大丈夫ですか?」
「・・・・・・・・・」
返事がない。危機的状況だと判断し、ドアを開けるとヨミ様が倒れていた。すぐに脈と呼吸を調べる。脈もあるし呼吸もしている。音から察するに頭を打って失神しているのだろう。頭を揺らさないよう静かにベットに寝かせると、すぐにかかりつけ医に電話した。
「失礼します。お医者様をお連れいたしました。」
「エファッ!?」
お医者様を連れて部屋に戻ると、ヨミ様が飛び起きて奇声を挙げ、私の事をじっと見ている。
「・・・? どうかなさいましたか?」
「ア、イエ、ベツニ。」
・・・?どうなさったんだろう?いつも家にいない人が部屋に来たら警戒するだろうが、お医者様の方はほぼスルー。
「あ!」
ヨミ様が唐突に声を出す。そして私の方を見た。私は、未だ意味が分からず呆けているとヨミ様はお顔を赤くし、俯いてしまった。可愛い。
あれから一か月が過ぎた。ヨミ様はあの後から変わった。まるで
まず自分の事を「俺」を言うようになり、独り言も増えた。私の前で「お・・・私は~」なんて言う事がよくある。それとトイレ(小)をたまに漏らしてしまった。流石にお漏らしはショックだったらしく、自主的にトイレトレーニングをして改善されてきた。
極めつけは学校に行くようになった。学校に行く代わり、LBXをねだって来た。凄く可愛らしかった。ただLBXは危険で販売停止していたので、ヨミ様のおねだりでも聞いてあげる事は出来なかった。「危険なので」と断るのが心苦しい。ヨミ様は「それじゃあ」とルールを提案してきた。
『戦わせない・
『ユキねえの監視下で遊ぶ』
『遊び終わったらユキねえに渡す』
この三つのルールだ。流石に私一人で判断出来ないので、海外で働いている東奏夫妻に相談した。夫妻はヨミ様に甘いので、『危険だと、
『ヨミ』視点
「ただいまー」
「お帰りなさいませ」
ふっ、精神年齢(18+9=)27歳の俺にかかれば学校なんぞちょろいわ。っておい、30歳行きそうだぞ、まだ
~30分後~
宿題も終わらせ、ユキねえを家事を手伝い、許可を貰った。楽しい楽しいLBXタイムの始まりだー!ちなみにLBXは「ウォーリアー」だ。初心者向きでいいね!と言っても、LBXで遊ぶ上で作ったルールのせいでバトルはおろか、武器すら無い。じゃあ何も出来ないじゃん。と思うかもしれないがそんなことはない!操作の練習、KARATEを行うのだ。素手縛りはしない。つまり、「攻撃」「回避」をする上で身のこなしは上手い方がいいに決まってる。そのためのKARATE・
武器解放まであと 99日
オラァ!3000文字だぁ、喜べぇ!
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無償の愛
強化ダンボールが発明された次の年に、強化ダンボール製のバトルフィールド「Dキューブ」が発売された。これさえあれば安全にLBXバトルができる。長かった。マジで長かった。三か月も待たされた。まさか2047年になるとは思わなかったぜ。待ちに待ったDキューブ発売をもう一度確認したら、晩御飯の時間に『
「ねえー、ユキねえ最近お・・・『私』、学校頑張ってると思うんだ~?//」(←恥ずかしい)
「ッ!?そう、ですね(媚びようとしてるけど恥ずかしがって顔が真っ赤でカワイイ)」
「あのね、Dキューブって物が欲しいな~?って?(心頭滅却すれば火もまた涼し、うおぉぉ!)」
「・・・(なるほど、そういう事ですか)」
「貰えたら、もっと頑張れそうだから、その、ね?」
「・・・・・・(これは利用できるかもしれません)」
「えっと・・・その・・・なんか言ってほしいな~?」
「わかりました」
「やった!ユキねえ、ありがとう!」
「ただし、質問に答えてください」
「・・・?いいけど?」
そう言うと、ユキねえは真面目な顔でどんどん近づいてくる。思わず後ろに下がるが、やがて壁に追い込まれ、顔の横を手が勢いよく通過する。
『ドンッ!』
「ッ!?」
所謂、「壁ドン」だ。
何で俺が壁ドンされてんだ!?俺が男だし、俺がするべきなのでは!?でも今はユキねえの方が背高いし、現に今だってユキねえが屈んで壁ドンだし!?てか、顔近い!なんかドキドキする!?メス堕ちはしない予定だから!?あれ、この場合ユキねえ女性だしノーマル? あばばばば!?
「
「・・・へ・・・?」
「
「えっ・・・その、あの・・・」
これは俺の負けだ。正直に答えるしかないだろう。最悪嫌われるかもしれないが。
「分かったから・・・ユキねえ、『
「・・・ッ!」
意図して『俺』と言った事を気づいたのだろう。ユキねえは無言でこちらが話すのを待っている。
「俺は、あの時――――――――
「それでは、あなたは最初から『
「そうだと思う。感覚的な話だけど・・・」
「・・・そうですか。『ヨミ』と言う名前の由来を知っていますか?」
俺の名前?両親なんか言ってたか?そもそも、なんでこのタイミングで聞いてくるんだ?
「・・・うーん、知らない、かな?」
「・・・・・・わかり、ました」
答えを間違えたか!?
「・・・今日はもう休みます。少し頭を整理させてください・・・おやすみなさいませ」
何かを考えこんでいたユキねえ。もしかして『ヨミ』って名前に何か大事な意味があるのか?・・・・・・もしかして俺、ユキねえに嫌われたのかな・・・
「・・・おやすみ」
俺はユキねえの部屋のドアに声をかけ、食器を洗い、風呂に入って寝る他にできる事はなかった。
「・・・あさ、かー・・・・・・」
正直よく寝れなかった。昨日の事を頭の中で考え続けていた。ユキねえに嫌われたらどうしよう・・・でも、仕方ないよなユキねえを騙してた様なもんだし。時計を見るといつもより一時間早く起きたらしい。寝なおす気にもならないし、もう起きるか・・・ユキねえになんて言えばいいんだろ。拒絶されても文句言えないよなぁ。
なんて考えながら、いつもの朝より五割増しで重い体を動かす。
「おはようございます」
「・・・おはよう」
こんな時に限ってすぐ鉢合わせる?
「いつもより早い時間ですが、朝食にしますか?」
「あー・・・うん、食べる」
今の俺、ぐちゃぐちゃな顔になってるんだろうな・・・
「わかりました。直ぐに用意します。・・・食べ終わったら、お話したい事があります」
ユキねえの
味のしない朝食を食べ終え、食卓の向こうにいるユキねえと向かい合って座っている。先に沈黙を破ったのはユキねえだった。
「昨日の話について、私なりに考えたのですが、私にとって東奏家の皆様は家族同然だと思っています」
「・・・うん」
あぁ、この話の先を聞きたくない。捨てられた子犬の様な顔で「嫌いにならないで」って言いたいけど、俺が騙してたんだ。そんな事できない。
「もしも、私が記憶を失っても、東奏家の皆様ならば、記憶の無い私をまた家族の様に扱ってくれる人達だと知っています」
「・・・・・・うん」
「そんな優しい『家族』の一人の記憶が戻っても嫌いになる訳ないじゃないですか」
「・・・グズッ」
「ヨミ様、貴方が誰であれ、私の家族ですよ」
限界だった。記憶が戻って半年未満とは言え一緒に過ごした家族だと思った人に拒絶されるのが怖かった。受け入れられた安心感に歯止めがきかず、溢れた感情が涙と嗚咽になって零れ落ちる。
そのまま泣き疲れた俺は『姉』の腕の中で寝てしまった。
オハヨーゴザイマス。精神年齢27歳のくせに、ギャン泣き寝落ちしました。今の時間は10時位です。3、4時間位寝てました。恥ずかしさで死にそうです。耐えられず寝ていたソファーの上でタオルケットの饅頭になっていると、俺の醜態を見せつけた人物に気づかれた。
「おはようございます」
「骨は拾ってくれ・・・」
「縁起でもない事言わないでください。それと・・・『ヨミ様』これからも、よろしくお願いします」
「ッ!・・・こちらこそよろしくおねがいします、『ユキねえ』」
俺の言葉を聞いたユキねえは軽い足取りで家事を終わらせに廊下に消えていった。
「クソッ、また目頭が熱くなってきた・・・」
ここまでダンボール戦記要素ふりかけよりなくね?
ちなみにユキねえの辞書には「恋」などはありません。壁ドンは尋問方法だと思っています。
追伸
ウィキ見たら強化ダンボール製のフィールド、2047年って書いてあった。まあ誰も気づかなかったみたいだしセーフ!()
ついでにいつからDキューブあるのか分からんから一緒に出来た事にしてしまえ!
参照「ダンボール戦記ウィキペディア LBXマガジン」
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メイドはメイドとメイドについて
あとキャラ崩壊注意!
オリキャラのキャラ崩壊とか意味わかんねえな。
前世カミングアウトから一週間が過ぎた。毎日がたのしい。思ったよりも素の自分をユキねえに肯定してもらえて嬉しいらしい。
「すー、すひゅー、すー♪」
吹けない口笛も楽しく感じる。そんな帰り道、ようやくちらほら見かける様になった小さなLBXプレイヤー達(見た目は自分の方が小さい)を尻目に、今日の晩御飯やLBX空手について思いを馳せる。Dキューブ様様でLBXの市場が大きくなり商品がどんどん増えていくだろう。・・・?なんか忘れてないか?教科書、ある。宿題、ある。プリント、ある。あぁ、おつかいで牛乳頼まれてたんだアブナイ、アブナイ・・・
「ちがああぁぁぁーーーーーう!!」
「俺のDキューブはぁーーどぉこだーー!!」
『ドゴン!』
「ただいま!」
「おかえりなさい。もう少し静かにドアは開けてください」
「あ、はい。すいません・・・じゃあなあぁーーーーーいぃ!!」
「うるさいです」『ベチィッ!』
「痛い!」
デコピンされた。ちょー痛い。全く、クールメイドは一体何処に行ってしまったのか。ヒリつくおでこをさすりつつ、
「ユキねえ、Dキューブ買ってくれるって言ったじゃん!」
「Dキューブ?あぁ、言いましたね、そんな事」
「今週の休みに買いに行こ!」
「いいですよ」
「ついでにユキねえもLBXやってみない?」
「何が『ついで』ですか・・・まぁ、考えておきます」
「今週の休みだからね!忘れないでね!」
「わかりましたから・・・そう言えば牛乳は?」
「・・・あ!」
「・・・・・・」
「・・・頭冷やすついでに買ってきます。・・・」
やってきました、
テーマパークに来たみたいだぜ テンション上がるな~
やっぱり、オタクの聖地は独特なエネルギーが満ちている!一応説明しておくと今世のアキハバラは
「本当にメイド服で接客しているんですね・・・」
「ユキねえも毎日着てるでしょ」
「あれは作業着でもあり、制服でもあるんです。あんな破廉恥なメイド服とは違います!そもそも――――
おおぅ、めっちゃ語るじゃん・・・あれか?水着メイド服とか「メイド服」の括りに入れるの許さない系か?
メイド服について熱く語っている
ちなみにユキねえの今着ているのは私服の、青い花の刺繍がある白い襟付きシャツと、ジーンズと言うお気楽ファッションだが、モデル体型だし銀髪蒼目美人なので、着飾る必要など最初からないのだ。俺はもちろん、チェックの襟付きシャツにジーンズとリュックサックだ。抜かりない。シャツは流石に白地に黒のチェックしかなかった。同じ種類の服を着ているのにモデルとオタクになっているのはなんでだろう?
そんな事を考えつつ、メイドの心得まで語っているユキねえと歩いていると「アキハバラ最大」を自称しているホビーショップに着いた。
「ほら、目的地に着いたしメイドの話はまた今度ね?」
「む、まあいいでしょう。それではLBXコーナーに向かいましょう」
そこは正に宝の山だった。
棚一面にLBXや武器、各種パーツなど前世で見た「ダンボール戦機」の世界そのものだったのだ。
蛍光灯に群がる蛾のように吸い寄せられるが、ギリギリ踏みとどまる。先にやっておく事がある。LBXコーナーの隅に、本格的な作業台の前に座る
「LBXのメンテしてください」
「あん?ああ、いいぜ。随分ちっちゃいLBXプレイヤーだな」
「ふふっ、LBXは大きさでは無く、強さを競う遊びですよ?」
「言うねぇ・・・よし、嬢ちゃん気に入った!
「ありがとうございます。それよりもメンテの仕方を教えてください」
「ふっ、ますます気に入った。教えてやるよ。とりあえず嬢ちゃんのLBXをみせてくれ――
最後におすすめの工具を教えてもらい、ユキねえの所戻る。
「
「
「いえ、別に何でもないです」
「そう?それでいいの見つかった?」
「この『クノイチ』にしようかと思っています」
マジか。クノイチの女性人気はやっぱ凄いわ。
「わかった。俺も欲しい物一通り持ってくるわ」
色々見て回りたいが全部買いたくなるだろうし、そもそも時間が足りない。まずは、Dキューブ、次に工具とグリスなどの消耗品、弱くてもいいから
ゲームやった人なら、何でバッテリー買わんの?と言うだろうが、アニメ版の設定だと確かコアメモリに戦闘データが蓄積されるらしいから、コアメモリは買うし、CPUはLBXの反応速度に関係してくるから欲しい。モーターは種類によって動きが変わるらしい。加速に優れているとか、最高速度が速いとか、そう考えると色んなモーターを試してみたかったから買った。
バッテリー?別にバッテリーで苦労した事無いからいらんやろ。目的の物をぽいぽい籠に入れる。
買い物籠を見てユキねえが若干引いてた。これでも厳選した結果なんだが?
「別に今に始まった事では無いですし・・・」
「・・・買うもん決めたからさっさとレジ行くよ。ユキねえ」
帰ってきたら遅い時間だったから、戦利品の整理は後回しで晩御飯にすることにした。晩御飯はロールキャベツだった。うまうま。
「そういえば、家のLBXルールの変更をお願いしたいんだけど」
「・・・なぜですか?」
「Dキューブで安全を確保したからその中で武器を使いたいんだよね」
「分かりました、相談しておきます」
「
「行儀悪いのでやめてください」
念願のLBXの武器だ!楽しみでしょうがないね!
ユキねえがLBXを初めて一週間になるが、成長スピードが半端ない。
「
「
・・・そろそろ
頑張っても3000文字にしかならない呪い
P,S
プロットってなぁに?
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ナニかが起きるはずもなく・・・
ウスユキ視点です
ちなみにヨミちゃん小4になってます。
「あ、そう言えばそろそろ始まる時間だ」
晩御飯の素麵を食べていたヨミ様がまた唐突に声を出す。この人は衝動的にしか生きられないのだろうか?
「何ですか?またLBXの事ですか?」
「ん、いや、今日ホラー番組をテレビでやるらしくてさ、クラスの人が話してたのを聞いて久しぶりに見たくなったんだよね」
「珍しいですね。ヨミ様がニュースとアニメ以外にテレビを見るなんて」
「ほら、夏だし。こうゆう季節関連のイベント好きだし。ユキねえも一緒に見ようぜ」
「ふむ、たまにはいいでしょう」
私はホラー系など怖がる質では無いが、たまには夏らしい行事も悪くない。
「オッケー、怖がるなよ?」
「ぜ、全然大したことなかったな!」
「?・・・そうですか?なかなか面白かったですけど」
部屋の照明を点けたヨミ様は、少し顔色が悪く見える。そのまま、そそくさとお風呂に向かうヨミ様。
番組は良く言えば王道、悪く言えばベタな内容だった。大きな音や、勢い良く出てくる怪物、無残な姿で見つかる友人など特筆すべきものは無く、大して怖くもなかった。
それは『ヨミ様』だ。
奇声に奇行を日課にしているようなヨミ様に比べれば、児戯にも等しい。そんな
ヨミ様の後にお風呂に入って来ると、リビングにお気に入りの枕を持ったヨミ様がいた。
「い、一緒に寝てやってもいいぞ!」
「・・・」
何を言っているんだこの少女は。見た目
「ベットが狭くなるので一人で寝ます」
「俺、ちっちゃいから大丈夫だもん!」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「ヨミ様、人にものを頼む時には、それ相応の態度があると思うのですが」
「ユキねえ・・・いっしょに、ねて・・・ください」
勝った!私は勝った!ヨミ様は真っ赤になってプルプルしながら睨みつけている。そんな顔した所で可愛いだけなのだが。
「仕方ないですね。いいですよ」
勝利の余韻と
私は部屋に入り、燻る加虐心に従ってみる。
「ベットで寝るのなら『ウスユキおねえちゃん』と呼んでください」
「・・・ヤだ」
「呼んでくれますよね?」
「・・・ウスユキおねえちゃん」
「もっとしっかり、具体的に言ってみてください」
「ッ!・・・ウスユキおねえちゃん、いっしょにねて?」
あの傍若無人なヨミ様が、こんなにも可愛くおねだりしているギャップに背筋がゾクゾクする。思わずヨミ様を抱きしめ、そのままベットに入り頭を撫でる。
「ちょ、ユキねえ!」
「・・・」
「ユキねえってば!」
「・・・」
「・・・ウスユキおねえちゃん、なでるの止めて」
「嫌です」
力で勝てないヨミ様は諦めたのか、大人しくなったので頭を撫で続ける。しばらく撫でていると、寝息が聞こえてきた。ヨミ様を見ると穏やかな顔で寝ていた。
「おやすみなさい、ヨミ様」
額に軽く唇を当てる。ヨミ様の可愛い寝顔を見ながら、私はゆっくりと眠りについた。
脊髄で書いてるから話が進まないンゴねぇ!
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一章 (プロローグ説)
二年過ぎたが刮目して見よ
ところで、7話目に原作キャラが登場する小説があるらしい。とゆーかこいつかよ
(約4,500文字クラスは)初投稿です。
「俺、東奏 ヨミ!小学六年生で来月12歳になるTS美少女なの♡」
「キモチワルイので止めてください」
死ぬ、死ぬぅ、止めるからヘッドロックしないで、あばばばば
「はぁ~・・・進級おめでとうございます。ヨミ様」
「ぐ、ゲホッ、・・・ちょっとふざけただけじゃん」
「付き合わされる気持ちも分かってください」
そしてそろそろ『
その前に現状確認をしよう。身長は142cm、体重36キロ、
LBXはいまだにウォリアーだが、めっちゃやりこんだので、プレイヤースキルは
ちなみにユキねえは見た目が変わらない。マジで変わらない。化粧とかで誤魔化してるとかも思ったけど、風呂上りに見ても変わってない。
うん、現時点ではかなりいい感じじゃないか?ただ、LBXはもっと強いのに変えたいし、クレジットを稼ぐ手段もほしい。そこで考えた作戦はズバリ、
『オタクロスとお友達になればいいんじゃね?』大作戦だ。
は?とか、手遅れだったか・・・じゃなくてね?彼くらいしか知らないのだ。
やっぱりさ専用LBXほしくない?ほしいよね。(世の真理)みんな大好きタイニーオービットもいいけどアキレス作った時に荒れてたし、そもそも作って作ってくれなさそう。ゆえに『話のわかる』オタクロスがいい。それに美人に弱いから最悪泣き落としでもすればいい。
まあ、問題はこっちから接触するのは難しい事くらいかな。その辺もちゃんと考えてある。
・・・ぐへへ。
「ユキねえ聞こえてる?」
「・・・聞こえたくなくなってきました」
「問題なさそうだね。じゃあ頑張って行ってみようー!」
ユキねえは今、アキバツリーに行ってもらっている。俺は家だけどね。
天才かな?天才だね。それに俺が『説得』をやりたくないからね。代わりにユキねえに頑張ってもらおう。ちなみにユキねえには「手伝って欲しい事があるんだ。もし手伝ってくれたら、俺もなんかやってあげるからさ」と
「本当にメイド服を着る必要があったんですか?」
「もちろん。さあさあ、移動してください」
ユキねえにはアキバツリー内のトイレでメイド服に着替えてもらった。作戦の成功率を上げる大切な事だ。ユキねえは次に『まきばホール』に行ってもらう。今日は予定もなく人は居ない。
「じゃあ、あげたスーツケースに入ってるパネル出して」
「わかりました。・・・何ですか、コレ」
「出したら監視カメラに向けて」
「断っておけばよかったです・・・」
ユキねえが持っているパネルには『さくら☆零号機のファンです!』と書かれている。さくら☆零号機はオタクロスが溺愛している自作LBXだ。彼の性格上、美人メイドが自分のLBXのファンとまで言われたら何かしらのアクションを起こすはず。
「・・・次はなんですか。逆立ちでもしますか?」
「ちょい待ち・・・」
「そこのメイドのお姉さん、さくら☆零号機の良さが分かるとはいい趣味してるデヨ!」
お、釣れたにみたいだ、。ユキねえの近くにあるディスプレイを経由して喋っているのだろう。
「・・・頭がおかしくなりそうです」
「ユキねえ、スピーカーにして」
「メイドのお姉さんの名前はなんていうデヨ!?」
『こんにちは。オタクロス』
「オヌシ、誰デヨ?」
『ワタシは・・・イザナミ、そう、イザナミだ。貴方と
「帰っていいですか?そもそもなんですか、そのボイスチェンジャー」
ちょっと!ユキねえ、場の雰囲気壊さないで!
「うむ・・・イザナミとやら、何を企んでいでるデヨ」
『とりあえず、中に入れてくれないか?』
「・・・怪しい、怪しすぎるデヨ!」
『貴方もLBXプレイヤーだろう?だったらLBXバトルしてから怪しいかどうか決めたらどうかな?それにこんな本格的なメイドを一目見ない手はないだろう?』
「うむむ・・・わかったデヨ。入るデヨ」
よし!とりあえず第一関門突破!ススメ!ユキねえ!
「
「本当になんなんですか、ここは」
『まあ、気を楽にしなよ』
「はぁ~~~・・・変人の相手は疲れます」
『変わってるからね、彼』
「・・・人の事言えないでしょう」
『ほら、そろそろエレベーターが上に着くよ』
「話を逸らしましたね」
エレベーターが開く音がする。オタクロスの部屋に入ったのだろうか?
「なんですか、この汚部屋」
無事にオタクロスの部屋に着いたらしい。段ボールの山がオタクロスの部屋の主なインテリアだからね。
「おひょ~!ホンモノのメイドさんじゃ~!!」
「
『部屋に入れてくれてありがとう、オタクロス』
「ええのぅ、ええのぅ!やはり、ナマで見るとテンションあがるの~!!」
「早く『
「ダメデヨ!先にLBXバトルで見極めてからデヨ!」
「それでは、早くバトルしてください」
『ワタシはやらないが?』
「は?」
『ヒィ!』
『そ、そもそもワタシのLBXそこにないだろ?あってもこっちの設備が悪くて、まともに戦えないから』
「じゃあ、なんであんな事言ったんですか!!」
『
「
『いける、いける、ワタシのお墨付きだから』
「はぁ、もういいです」
「結局バトルする、でいいデヨ?」
「はい、バトルします」
「うむ、せっかく試作機が出来上がった所じゃ、動作テストに付き合ってもらうデヨ!」
ちなみに俺はユキねえのクノイチのカメラからバトルを見ている。何かの参考になるかもしれないからね!
「試作機じゃし、破壊無しでいくデヨ。・・・バトル、スタァートじゃぁ!!」
オラ、ワクワクすっぞ!ステージは市街地。オタクロスのLBXはビビンバードだ。試作機ってこれかぁ。
だが、オタクロス相手には通用しない。
「ッ!」
「そのクノイチに、その武器、もしや・・・」
どうやらオタクロスは気がついたらしい。クノイチは武器も機体も、一切カスタマイズや調整をしていない事に。機体の性能差が出すぎて万が一にも
非情だが、それも含めてLBXバトルなのだ。
引導を渡すため、ビビンバードがクノイチに切りかかる。ギリギリで防御するが、
二機はぶつかる直前に剣を振るい、同時に斬られ
「引き分け、ですか」
「いや、ワシの負けデヨ」
『これで話を聞いてもらえるかな?』
「ウム、とりあえず聞いてやるデヨ」
『二つあるけど、一つ目はLBXを作ってほしい。』
「メイドさん用のLBXか?」
『まあ、そっちも追々作ってほしいとは思ってたけど、まずはワタシのかな』
「欲張りな奴じゃな・・・二つ目の話はなんデヨ?」
『LBXの仕事を回してほしい。もちろん、人道的にいい物だけだけど』
「・・・両方出来なくはないがの。そう易々と聞いてたらオタクロスの名折れデヨ」
こうなるのも織り込み済みだ。ここで切り札を切る。
『もちろんタダで、とは言いませんよ。スーツケースに
「どうぞ」
「メイドさん、ありがとデヨ。これは猫耳と尻尾、これはチェキ・・・デヨ?」
『そこのメイドさんに付けて、写真を撮っていいですよ』
「ナヌ!?」
「何を言ってるんですか!?」
『お好きでしょ?そうゆうの』
「・・・だが、無断撮影はNGデヨ!」
『ダイジョブ。ダイジョブ。メイドさんとは、
「・・・ぐっ・・・確かに言いましたけど。私が帰るまでに覚悟をしておいてくださいね」
CCM越しにユキねえの物凄い怒りを感じる・・・俺、帰って来たユキねえに殺されない?
『・・・ト、イウ訳ダ。サッサト撮ッテクレテイイヨ』
「・・・オヌシの方こそ大丈夫デヨ?』
無事、交渉成立して連絡先を交換し、ユキねえはオタクロスからおさがりのLBXパーツを貰っていた。羨ましい。
「気を付けて帰るデヨ~」
「オタクロス様、最後にコスプレショップの場所を教えてもらえますか?」
『え、まさか目覚めたの?』
「ふふっ、まさか。
『え、それって・・・』
「ウフフフ・・・
「何点かメールで送ったデヨ。・・・イザナミ、グットラックデヨ」
『ちょっ、待って、助けてオタクロス様あぁーー!!』
「すぐに買って帰りますから待っていてくださいね」
その日、蛇に睨まれた蛙のコスプレ撮影会が行われた。
一日三話投稿とか頭おかしいな(過去の自分)
ヨミに『押されているふり作戦』でいいようにボコられたのを根にもっていたので、ユキねえはこんな作戦を思いつきました。よっぽど悔しかったんだろうね。
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おれのかんがえたさいきょうのLBX
アニメやウィキ見ながらだとしょうがないんや・・・
「うぅ、穢された・・・もうお婿にいけない・・・」
「まだ言ってるんですか。そもそも女じゃないですか」
「イヤじゃ!人の子など産みとうない!」
ユキねえに着せ替え人形にされたショックからまだ立ち直れていない。俺はスカートとか女々しい服は殆ど着ていない。着たら可愛いのは知っているけど、自分の姿は見れないし、鏡の前でポーズを決めても虚しくなるだけだ。
『オンドゥルルラギッタンディスカー!オンドゥルルラギッタンディスカー!』
「なんですか、その音」
「あ、オタクロスから電話だ。ンン゛ッ」
「ワシじゃ、オタクロスデヨ」
『どうしたんだい、オタクロス。何か問題でも起きたかい?』
「違うデヨ。頼まれてたドローンが出来たから、取りに来るデヨ」
ドローンは自分の『活動』のサポートアイテムだ。配達用のドローンを改造した物でLBXの移動・CCMの電波の中継・物資の輸送に使う予定だ。『正体不明のLBXプレイヤー』がホイホイ姿の見せる訳に行かないので、ドローンでLBXの移動・中継・回収を行うのだ。気分はまるで
『思ったより早いじゃないか。LBXの方はどうだい?』
「まだデヨ。そもそも一からLBXを作っているんじゃ、あと一か月はかかるデヨ」
『ふむ、そうか。気長に待っているよ』
「あと、仕事も何件かあるデヨ。詳しい事は来た時に話すデヨ」
『わかった。すぐ行くよ』
「要件はこれだけじゃ。じゃあな、イザナミ」
『ありがとう。オタクロス』
通話が切れる。またユキねえにアキバツリーに行ってもらおう。
「と言う事だから。ユキねえ、アキバツリーに行ってオタクロスからドローン貰ってきてよ」
「イヤです」
「そこをなんとか」
「それでは、今週中は『ウスユキおねえちゃん』と呼んでください」
「・・・クッ・・・背に腹は代えられないか。いいよ。呼びますよ」
「言質は取りましたからね」
「わかったから、早く行って来てよ」
「よく来たデヨ~!メイドさん!」
「こんにちは。オタクロス様」
「やはりメイドさんはええのぅ~!萌えるのぅ~!」
『それで、ドローンは何処だい?』
「・・・全く、せっかちな奴デヨ。メイドさんと再会を喜んでいたのにのぅ。ホレ、あれじゃ」
みかん箱くらいの箱がついたの黒いドローンだ。うん。注文通りみたいだね。
『問題なさそうだね。それで、仕事のことは?」
「うむ、それはの――――
要約するとオタクロスが専用アプリで依頼を出すからそれを受注して、依頼をクリアすると報酬としてクレジットと
「ホレ、チュートリアルクエストを出してあるからやってみるデヨ」
アプリを開き『依頼』のページを開く。『アプリの使い方をマスターするデヨ!』を受注する。概要は『OPショップでオートマチックガン改を交換するべし!』と書かれている。今度は『OPショップ』に移動し、
「やり方は理解した様じゃな。報酬やOPショップのアイテムはここに来るか、ドローンで回収するデヨ」
『使いやすいアプリだね。ありがとうオタクロス。それと報酬のハンドガンは
「いいんですか?」
『うん。オタクロスもそのつもりだったでしょ?』
「うむ、いかにも。前のバトルの時に使っていたハンドガンの強化版じゃ、すぐに使える様になるじゃろう」
「ありがとうございます。オタクロス様」
「別にいいデヨ~!綺麗なメイドさんのためなら、このくらい軽いもんデヨ~!」
『ワタシには?』
「オヌシは、OPショップで買うデヨ」
それから毎日、依頼漬けの毎日だった。依頼の内容はLBXバトルの助っ人や、腕自慢の奴が「俺を倒してみろ」的な依頼が殆どだった。たーまにLBXレースとかもあったけどね。かなりの数の依頼をこなしたから、大分OPも貯まってきた。ちなみにLBXは作ってもらっているが、OPと交換しないといけない。(ケチだな)俺が失踪したら、LBXはどうするつもりだったのだろう?まあOPあるから問題ないけど。
『ウゾダドンドコドーン!ウゾダドンドコドーン!』
「お、噂をすれば」
『やあ、オタクロス。LBXはまだかい?』
「毎回それを聞かないといけない病気にでも罹っているデヨ?今回こそLBXが出来たお知らせデヨ」
『おお!ようやくか!いや~長かったね~』
「こんな変わったLBXは今まで見た事も聞いたこともないからの。少し手間取ったデヨ」
『よし、じゃあ次は武器を作ってもらおうかな』
「イヤデヨ」
『なんで!?OPも余裕があるからいいじゃん!』
「疲れたんデヨ!ドローン作ったせいで、メイドさんも来なくて萌えも足りないデヨ!」
『我儘だなぁ』
「オヌシに言われたくないデヨ!」
『まあ、いいや。じゃあドローン行かせるからよろしく』
「イヤじゃ!メイドさんがい『プツッ』
さーてと。ドローン飛ばしますか。
「ニヤニヤし過ぎて、気持ち悪いです。」
「ねえねえ、ユキねえ、知りたい?なんでか知りたい?」
「いえ。結構です」
「実はオタクロスに頼んでたLBXが出来たらしいんだよね」
「知りたいと言ってません」
「ハハハ、嫉妬するな」
「ウザイです」『ベチィッ』
「イタァ!馬鹿になったらどうすんのさ!」
「馬鹿が治るかと思いまして」
ユキねえの
ドローンを回収しLBXを取り出す。これが、俺専用のLBX・・・!!
夜のような黒と彼岸花を思わせる赤い柄の着物の様な見た目で、弓道の胸当ての様な装甲、全体的に軽めに設計され、デザインもクノイチやパンドラの様に女性らしいシルエットのLBXだ。
名前は『イザナミ』だ。偽名の方が後付けだったりする。
「全く、オタクロスは最高だぜ!」
すべてが注文通り、いやそれ以上の出来栄えだ。
このLBXを作ってもらう時に、いろんなギミックを仕込んでもらった。左腕に移動用のフックショット、煙幕などのグレネードのホルダーを腰につけている。背中には装甲が変形し、専用のブロック状荷物を背負えるようになっている。だがこのLBX最大の特徴は『
「なかなかいいですね」
「そうでしょ!ユキねえもこの魅力がわかるとはLBXの腕を上げたね!」
「LBXの力量とは関係ないでしょう。それとヨミ様、オタクロス様と同じような事言っていますからね」
おほ~^もう我慢できねえ!早速動かしてみよう!
「こいつ・・・動くぞ!」
「動かなかったらダメじゃないですか・・・」
反応速度、パワー、どこをとっても、もうウォーリアーは使えないぜ!
今までありがとうウォーリアー・・・
今日は久しぶりに一方的にボコってあげるからね、ユキねえ。
『ミソラタウンの少年』視点
「知ってるか?『黒いLBX』の噂」
「黒いLBX?知らないなぁ」
「あぁ、あれね。都市伝説の奴でしょ?存在してるかわからない、眉唾ものじゃない」
「それが、俺のクラスで会ったって言ってる奴がいたんだよ」
「そもそも、そのLBXってなんだよ?」
「ネットで仕事を受けてるLBXらしいんだが、こいつが滅茶苦茶強いらしい。それに有名なLBXプレイヤーのバトルに乱入して誰も倒せたことがないらしいぜ。そして誰もLBXプレイヤーの事を見た事がないってウワサだ」
「そのせいで、どこかの大会優勝者とか、戦闘AIを積んだLBXとか言われて、胡散臭い都市伝説になってるんじゃない」
「本当にいるなら俺もバトルしてみたいなー!」
「ムリムリ、お前の懐事情じゃ仕事の依頼は無理だし、LBXも持ってないから乱入もあり得ないって、『
ちなみにLBXのイメージは『Ghost of Tsushima』の忠頼公の装束「花月」のイメージです。あと背中のブロック状荷物はデスストをイメージしてくれればいいです。
あと、ユキねえのLBXが思いつきません。たすけて
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「黒」の極秘任務
あとこんなに小説を読んでもらったり、感想を貰えるとは思っていませんだした。ありがとうございます。ハーメルンあったけぇな・・・
ちょっと短めなので初投稿です。
ああ、神よ、俺をこの世界に転生してくれた事、感謝します。俺専用LBX、イザナミ無双が楽しすぎる。敗北を知りたい。最近、修行の一環で強いLBXプレイヤーのバトルに乱入してるけど、負ける気がしない。相手LBXの性能が高いからそれなりに楽しめるけど、テクニック面も含めるとユキねえの方が強いんだけどね。そんな事してると黒いLBXのウワサが出来た。まあ、強いと有名なプレイヤーを倒して回ってるからね。逆に俺が乱入すると、一定の強さが認められた事になるらしい。やりにくいから止めてほしい。でもそのおかげか、依頼も少し増えたけど迂闊に依頼を受けられない。だんだん雁字搦めになってきた。
そんな悩みから目を逸らしつつ、オタクロスにイザナミのメンテをしてもらうべく、ドローンの準備をする。
「また辻斬りに行くんですか」
「辻斬りなんて人聞きの悪い」
「オタクロス様からも止めさせる様に言われているんです」
「そもそも
「メンテしたらまた行く気ですね」
「う~ん、どうだろ?オタクロスに嫌われたくないし、
「事情?どうゆう事ですか」
「まだ内緒~」
「はぁ~、わかりました。これ以上聞いてもどうせ教えてくれませんよね」
「さっすがユキねえ。話がわかるぅ!じゃあドローン飛ばしてくるわ」
「・・・・・・はぁ」
『よ、大将やってる?』
「オヌシはやってなくても来るじゃろう」
ちなみにドローンにスピーカーとマイクを付けておいたのでこうして簡単に会話できる。
『ヒドイなぁ。それで、
「それじゃがの。丁度完成したところデヨ」
『お、いいね。じゃあドローンに入れて』
「所でオヌシ、今日はなんの用デヨ?」
『忘れる所だった。イザナミをメンテしてほしいんだ』
「また、バトルに乱入したデヨ?」
『ハハハ、察しがいいね。でも、例のブツがあれば流石に減るよ』
「そのまま、きっぱり止めていいデヨ」
『それはないかな』
しばらくして、イザナミのメンテが終わったのでご機嫌でドローンを家に向かわせた。
「今日は夏野菜カレーです」
「おぉ!ウマそう!」
「それにしても機嫌がいいですね。例の
「ふふん!そうだよ、そうなんだよ!カレー食べ終わったら教えてあげるからね!」
「・・・大丈夫なんですか。それ?」
「ムグムグ・・・信用ないなぁ~。絶対いい事だからね!」
ウマッ。見てろよ、ユキねえ。カレーウマ。驚かしてやるからな。・・・オカワリ!
「はー、美味かったー」
「お粗末様でした。それで
「ちょっと待ってて」
例のブツ取とりに、一旦ダイニングを出る。例のブツを後ろ手に隠し持ってダイニングに戻る。
「ユキねえに渡す物があるんだ」
「?」
「ごまだれ~♪」
例のブツをユキねえに見せつける。下ネタじゃないよ。
「白いLBX・・・ですか?」
確かに白いLBXだけどアキレスじゃないよ。
「ユキねえ用のLBXだよ。名前は『モルフォ』だよ」
「私のLBX・・・ありがとうございます」
ふっ。流石のユキねえもこれには驚いただろう。そう、オタクロスにもらった
基本的には俺のイザナミと同じで、フックショットにブロック状の荷物を背負えるギミック。グレネードのホルダーの代わりに、マガジンポーチが付いている。このLBXはイザナミの『遠距離特化仕様』なのだ。そのため、『ハンター』にも負けない狙撃補助システムが組み込まれている。イザナミとの最大の違いは、やはり白をベースに青い花の様なペイントだろう。
「ヨミ様とお揃いですね」
「少し変えたけど、やっぱり同じだね。」
イザナミと並べるとよくわかる。だがなんだろう。この既視感は?
「あーー!二体でプリキュアだ!!」
「なに言ってるんですか?」
「くそっ、まあいい。それと一緒に武器も作ってもらったよ」
「私は狙撃銃ですか。・・・ヨミ様は槍、ですか?」
「モルフォは遠距離主体だからね。機体も遠距離仕様になってるよ。だけど、俺のはただの槍じゃないよ?」
イザナミに装備させ、左手に少し反った槍を持つ。右手は
前世の記憶にある、とある剣聖を真似たものだ。
「・・・なるほど、そういう事ですか」
「いいでしょ!かっこいいでしょ!『
イイ!凄くイイ!!やっぱ、オタクロス天才だわ!!
「ちなみにユキねえの銃の名前は『
「私の武器には何かあるのですか?」
「特にないけど、ユキねえはシンプルな方が好きでしょ?その代わり、特殊弾が数種類あるよ!」
「『通常弾』『徹甲弾』『炸裂弾』『炸裂徹甲弾』『電気ショック弾』『煙幕弾』『電磁パルス弾』、これですね。案外種類がありますね。」
「ちゃんと銃にも拘ってるから構えてみてよ」
「・・・風速に、目標距離、発射角度もわかるんですか」
「狙撃は後日、オタクロスと調整してもらうとして、新しいLBXでバトルしてみない?」
「いいでしょう」
その日のバトルはかなり白熱した。
殆ど会話だね。
武器はMGRとSEKIROとMGS5の奴の名前です。
ちなみにユキねえのLBX『モルフォ』はMGS5のクワイエットから「蝶」になりギンイロモルフォ(標本一個45,000円)から『モルフォ』になりました。個人的にシアンちゃんとモルフォちゃんが好きだったのもありますが。
それと、花の柄はエーデルワイス、セイヨウウスユキソウです。
ユキねえのモデルもこの花です。ドイツ語で直訳すると『気高い』『白』になります。花言葉は『大切な思い出』、『勇気』、『忍耐』などです。
作者もこんなにエーデルワイスにぴったりなキャラになるとは思いませんでした。
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これってデート?
「こんにちは。オタクロス様」
「おお~!メイドさん来てくれたデヨ~!」
『ワタシの時はそんなに丁重にもてなしてくれないのに』
「オヌシは来る頻度が高いし、よく面倒事を持ってくるせいデヨ」
心外だね。すこーし思い当たる節はあるけど、今日ユキねえがオタクロスの所に居るのは俺のおかげだというのに。
「オタクロス様、LBXと武器を作って頂き、ありがとうございます」
「メイドさんのためなら、軽いもんデヨ!メイドさんが望むなら、あと10体くらい作ってやるデヨ!」
『お、いいねぇ。それなら―――「イヤデヨ」
「オヌシに関わると面倒な事になるデヨ」
『ひどいなぁ。まあ、軽い冗談で、作って欲しい物は今はないけどね』
「冗談にしては、質が悪すぎるデヨ」
「それでオタクロス様、今日伺った用件なのですが」
ユキねえがわざわざオタクロスの所に行った理由はユキねえのLBX、『モルフォ』の調整だ。オタクロスの方が上手く調整してくれるだろう。なんたって開発者だからね。それにいつもオタクロスに世話になってるから、オタクロスが会いたがっているユキねえと久しぶりに会わせてあげた。おかげでウッキウキでモルフォの調整を手伝っている。
だが、俺には別の目的があるのだ。
『それでね、
「メイドさんは美人だから、会いに来てくれれば
『ちょっと!
「本当ですよ。
『それはそれ。これはこれ。それにモルフォの特殊弾もOPで交換するんだからね!?』
「結局なにが言いたいんですか?」
『依頼を手伝ってよ!』
モルフォと武器の製作でOPが吹き飛んだ。おかげで今月若干ピンチなのだ。それにユキねえと戦うばっかりで、共闘することが無いので連携の練習もしたい。それに狙撃できた方が依頼もラクできそうだし。(本音)
「またパシリですか」
『違う、
「まあまあメイドさん、ちょいとシャクじゃが、イザナミの言う事も一理あるデヨ」
「・・・どういう事ですか?」
「LBXバトルは十人十色、千差万別じゃ。イザナミくらいとしかバトルしていないのはあんまり良くないデヨ。依頼を通じて色んなLBXプレイヤーとバトルするのもいい経験になるじゃろう」
『そゆこと、依頼も無事終わったら貯めてたクレジットで飯奢るからさ!』
「・・・いいでしょう。
・・・なんか不穏な事言ってた気がするけど、人手が増えるからいいか!
7月16日天気は晴れ、絶好の依頼日和だ。
いや~、ユキねえの初依頼だからね。厳選したら数日経ってしまった。依頼内容を要約すると、LBXバトルで一緒に戦ってほしい。と言うものだ。この依頼にした理由は3対1の状況らしいからだ。俺とユキねえが参加したら3対3のイーブンになる。出来るだけユキねえには自力で戦ってもらうつもりだ。
「それじゃあ、今日の依頼を説明するね。3対1のバトルに参加して、相手の3体倒せば依頼は完了だよ!」
「わかりやすくていいですね」
「ただし、俺から二つ条件を出します」
『俺は基本、攻撃をしない』
『狙撃銃の弾は通常弾のみ』
「通常弾のみ、というのは分かりますが、『攻撃をしない』はなぜですか?」
「ユキねえが今どのくらい通用するのか確かめたいからかな。流石に、状況によっては多少は攻撃するけどね」
「なるほど、わかりました。ではそろそろドローンを準備しますか?」
「あ、今回は徒歩で行くよ。試したい物があるんだ」
ここは指定された場所から400mほど離れた路地裏だ。フム、ここでいいかな。
「じゃあユキねえ、LBX出して」
「出しましたが、どうするんですか?
「もちろん分かってるよ。いいから付いてきて」
フックショットでイザナミがどんどん上に行く。三階の屋上、この辺りでここより高い建物はない事を確認し、背負っていた
「なんですか、それ?」
「ちゃんとそっちもフックショット使えてるね。これは中継器だよ。ドローンに積んである奴の小型版」
オタクロスに作って貰っておいた。今後ドローンだけだと行けない場所もあるだろうしね。まあ、コイツがOP家計にトドメを刺したんだが。
「大体500mくらい中継できるよ。設置できたし、指定場所に行こう」
建物の上をフックショットを使いつつぴょんぴょん飛んでいると、指定場所に着いた。Dキューブの周りに4人居る。ここで間違いないだろう。
「じゃあ、行こうか。マイク切ってあるから喋っても大丈夫だからね」
「わかりました」
それじゃ、Dキューブの中にのりこめー^^・・・よっと着地はしっかりね。転んだらダサいし。
「うわっ!マジで呼んだのかよ!?」
「実在したんだ!?ウケる~」
「だが私たちを倒す事は不可能だ・・・」
ふんふん、相手は『クノイチ』『ムシャ』『カブト』か、うん?この独特なペイントは『戦いたいリスト』に載っている・・・だれだっけ?だが載っているのは確かなため、
「ユキねえ、あいつ等俺の『戦いたいリスト』に載ってるLBXプレイヤーだ」
「そんなもの作ってたんですか・・・それ完全に『被害者リスト』じゃないですか」
「あれ・・・白いのLBXもいるなんて知らないぞ?なんでもいいから、早くあいつ等を倒してください!」
「ほら、依頼者っぽい人もこう言ってるんだから、お仕事して?ユキねえ」
「はぁ・・・」
「あーー、うん。終わったし撤収しようか」
フックショットで屋上に上り、中継器も回収した。
「時間もいいし、お昼にしようか。約束道理奢るよ」
「それでは、寿司屋に行きたいです。もちろん回らない方でお願いします」
「遠慮ないね・・・まあ、いいけどさ」
CCMで付近の寿司屋を探す・・・300m先によさげな寿司屋があるらしい。
「ここでいい?」
「はい」
「じゃあ、行くかー」
あ?バトルはどうなったって?そりゃあ酷かったよ。俺は条件通りに攻撃しないでいたけど、正直俺いらんかった。
ちなみに寿司の値段は「時価」だった。怖い。
長距離狙撃なら『ハンター』の方が上だから(震え声)
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「彼」または「彼女」の罰
R15タグ付けます。
定期的に哲学的なタイトルしないといけない病にかかりました。
「買い忘れないよね?」
「はい、大丈夫です」
「なら、ヨシ!」
今日はユキねえと大型ショッピングモールに来ている。たまには荷物持ちでもして、ユキねえの好感度を稼がないとネ!
「そういえば、さっき福引券を貰いました。ヨミ様、引きますか?」
「来た時にあったね、たしか。せっかくだし引いてみようかな?」
福引か・・・前世も含めて当たった事ないけどね。どうせティッシュだと分かっていても、引く時はドキドキするよね。
「お!そこのメイドさんとお嬢ちゃんも引いてくかい?」
「はい、一回お願いしますね」
猫かぶりも板についてきたってもんよ。それにしてもやっぱり、福引の人はテンション高いな。福引も一種のエンターテインメントなのか。
「ヨミ様はどれが当たってほしいですか?」
うん。景品を見てなかった。当たる気もしないし、出来るだけ上の賞がでればいいとしか考えてなかった。景品、景品・・・と
『一等 有名温泉旅館ペアチケット』
『二等 国産和牛ステーキ』
『三等 商品券3万円分』
『四等 商品券1万円分』
・
・
・
『はずれ ポケットティッシュ』
「俺の二等のステーキかな。ユキねえは?」
「私は三等の商品券ですね」
「ウチって結構お金持ちじゃなかったっけ?もしかして、節約してる?」
家計がヤバいんだったら、俺が依頼で稼いだクレジットあげるけど・・・
「節約は大事ですが、商品券を使うと言う名目でヨミ様にかわいい服でも買おうかと」
「うへぇ・・・三等は当てないようにしないと」
三等が出るならポケットティッシュにしてください。願いを込めて抽選器に手を添える。
いざ、尋常に勝負!
ガラガラ・・・コロン・・・
「おめでとうございます!」『チリンチリンチリン!』
「え、マジ?ンン゛・・・何等が出たんですか?」
「一等だよ!お嬢さん!可愛い子にはカミサマも甘いんだね!」
え、マジすか?・・・俺のステーキは?
やってきました!温泉旅館~!
歴史を感じさせる木造の旅館だ。一旦荷物置きに来ただけだけどね。予定は一泊二日で一日目の今日は、食べ歩きと、旅館の温泉を楽しむ。これだけ高級そうな旅館なら、晩飯も期待できそうだぜぇ・・・!ひとまず荷物を置いて身軽になる。さあ、食べ歩きの冒険に出かけようぞ!
「ふぃー、食べた、食べた」
「食べ過ぎです。まったく、何処にそんな入ってるんですか」
ひどい言い草だ。温泉まんじゅう、揚げかまぼこに和菓子etc・・・どれも美味しかった。ついでに足湯も入ってきた。今は、旅館に帰ってきてゆっくり温泉に浸かる事にしたため、露天風呂があると言う浴場に向かって、旅館の廊下を歩いている。
「ここですね。ここの温泉には美肌効果もあるので、ヨミ様もしっかり浸かるといいですよ」
『ゆ』と書かれた暖簾が青と赤の二つある。これぞ、ジャパニーズONNSENN!
「先に上がったらここで待ってるよ」
「なぜ、男湯の方に行くんですか?」
「え?俺はもう小6だから流石に保護者と女湯にいかないでしょ」
「・・・は?」
「へ?」
「・・・ヨミ様は今女性でしょう。男湯に行く方が問題です」
「え!?イヤでも、流石に異性の裸はその、なんていうか、緊張するから・・・」
「だから今は
「だから、その、ね?今なら男湯誰もいないかもしれないし・・・ね?」
「もういいです」
「ぎゃー!助けてー!」
ユキねえは俺を脇に抱え、女湯に進む。やめろ!心は殆ど男なんだ!もしバレたら社会的に死ぬ!それにその先は、DTの俺には刺激が強すぎる!ヤメロー!シニタクナーイ!
ユキねえにコスプレ撮影会で身に着けたらしい早業で、俺は速攻脱がされた。前回とは違い下着も取られたので、余計に恥ずかしい。思わず両手で股間を隠す。・・・あれ?胸も隠した方がいいのか?でも、それって男としてどうなんだ?
「ほら、行きますよ」
「ちょっと待って!まだ心の準備が!」
「そんな物いつまで経ってもできないじゃないですか」
いつの間にか服を脱いだユキねえに捕まり、脱衣室から連れ去られる。待って!お胸の『たわわ』が当たってる!・・・これが女性の胸の感触・・・ふむ、ユキねえは着痩せするタイプなんだな・・・じゃなくて!胸にあてているタオルがお腹を通り、股も隠している。くぅぅーー見えない方が逆にエロいんだよ!刺激に耐え切れず手で目覆う。ユキねえが先導しているので、何かにぶつかる心配はない。そのままシャワーに連れて行ってもらった。
「先に体を洗ってください」
「リョウカイ、シタゼヨ!」
「・・・なんで土佐弁なんですか?」
クソォ、平常心だ。平常心、へいじょうしん、ヘイジョウシン・・・それにしても、ユキねえのたわわ凄かったな。というか俺のおっぱいDT取られたんじゃね?ハジメテがあの大きさとか勝ち組なんじゃね?ヘェーイ、おっぱいDTのみんな!俺はこんな大きい胸を触ったぜ!・・・少しならお胸をチラ見してもバレないよね?そもそも今は俺、オンナノコだしちょっとくらい見ても、問題ないよね。・・・うん。桃源郷だ。
「体を洗い終わったのでしたら、露天風呂に行きましょう」
「ハ!?ハイ、イイエ!」
「どっちですか、それ」
「逝きます!ユキねえと露天風呂、逝きます!」
いいお湯だった。色々な意味で。心なしかお肌がツルツルになった気がする。今は温泉浴衣を着て、部屋でまったりしている。長風呂だったせいかユキねえは体が若干赤く、浴衣から覗くうなじが色っぽい。これはこれでイイな・・・
「ヨミ様」
「ん?なに?」
「お風呂で私の事、チラチラ見てましたよね」
『ウスユキ』視点
「ッ!?イヤ、そんな事ないヨ」
「ヨミ様、知っていますか?女性は
少し嘘を吐いた。胸を見られている気がしただけで、確信はしていない。だがもし、やましい事があるなら嘘を吐くのが下手なヨミ様は引っかかるだろう。
「・・・・・・気のせいじゃない?俺は
「やっぱり、胸を見ていたんですね・・・」
「・・・あ!」
私は「見ていた」としか言ってなく、「胸を見ていた」なんて一言も言っていない。やはりヨミ様は詰めが甘い。さて、どうしてくれようか。
「嘘を吐いて人の胸を見ていたんです。お仕置きが必要ですね?」
「ユキねえ?・・・目が怖いよ?」
ヨミ様にじりじりと詰め寄る。怯える様に後へ下がるが、ヨミ様の背中は壁にくっ付いて逃げれなくなった。
「・・・・・・・・・」
「ユキねえ・・・?」
怯えた様な表情を浮かべ、上目づかいで私を見ているヨミ様。・・・よし、決めた。くすぐりの刑に処そう。
「あっ!?・・・んん!」
「・・・」
「ちょ・・・うひぃ!・・・ユキねえ?」
「・・・・・・」
「ユキ、くっ、はぁ、ねえ、・・・ってば」
「・・・・・・・・・」
「んん~!ちょ・・・やめ、て・・・おね、くぅんふふふ!?おねが、いだからぁ」
少しくすぐっただけで、顔を真っ赤にして笑い声を堪えるヨミ様。自分の手でこんなにもヨミ様が悶えている。そう考えると、得も言われぬ背徳感を感じる・・・
「キ、キツ、い・・・から・・・う、ふふふ・・・くふふふふ!?」
「ふう・・・」
少しやりすぎましたかね?・・・日頃の仕返しと言う事にしておきましょう。
「ハァーー、ハァーー」
ヨミの浴衣がはだけ、酸欠で朱を帯びた体、しっとりと汗ばむ肌、肩で息をする姿は完全に
「ハァーー・・・」『カシャッ』
とりあえず写真に撮った。少し興が乗ったので、脱力しているヨミ様の腕を掴み、目元が隠れるように置く。こうした方がムリヤリ・・・いえ、深い意味はないです。
「ハァーー・・・」『カシャッ』
「中々悪くありませんね・・・」
ちなみに、旅館の晩御飯でヨミ様の機嫌は治った。
いつの間にか、ユキねえがノンケじゃない気がする。最初はノンケのつもりだったのに・・・
まあ、いいか!
場所は多分熱海です。
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ニ章 Xデーの後
小さなマシンとの出会い
反省したから、許してネ!
それと今回からアニメ1話の時間軸になります。
最近ヨミちゃんが発狂してないと思ったので初投稿です。
2050年、4月。中学生になった。普通の人は新しい環境、一緒の学校に進んだ友達や新しい交友関係に一喜一憂するのだろう。だが、俺は一切の曇りなく喜んでいた。
「フゥ~~!!Lマガの発売日だ~!!出かけてくる!!」
「またですか・・・うるさいので早く行ってください」
「ヒャッハー!!行ってくるぜー!!」
別に、頭がおかしくなった訳ではない。ゼッタイにない。Lマガとは、LBXマガジンの略で、LBXの週刊誌だ。ホログラムがある世界で紙媒体が残っているも不思議な気もする。
俺がこんなにも
停留所で、バスに乗り込み5つ先のミソラ駅で降りる。ここから徒歩でミソラ商店街の『キタジマ模型店』近くに行く。ここからイザナミを店に忍びこませ、店内を盗み見る。もちろん不慮の事故を考慮して変装している。アンパンと牛乳もばっちりだ。
中を様子は~っと。ピンクの服に異常に短いミニスカート、白いロングソックスを履き、太腿の絶対領域が形成されている少女、アミと、ミント色のジャケットの中に鎖骨を見せつける様に胸まで白いYシャツを開き、赤いネクタイを緩めにつけた少年、カズヤだけが店に居る。
これはいい傾向だ。もしかしたら今日こそ『Xデー』かもしれない。・・・改めて見ると二人とも中学一年生に見えない卓越したファッションセンスだ。
すると、オレンジ色と紺色のジャージを着た少年が店に飛び込んで来た。お前だけレベル低くね?だが、この少年こそが主人公の山野 バンなのだ。
「遅れてゴメン。さあ、やろうぜ!」
「バン、遅いよ」
「何してたんだ」
「ゴメン、ゴメン。Lマガの今週号が出てたからさ、本屋に寄ってきたんだ」
「しまった!今日発売日だったけ」
お?これはもしや、今日が『Xデー』なのか?・・・む?店の奥の扉から誰か出てくる。
「バン、いらっしゃい」
「今日は遅かったな」
「店長、早希さん、こんにちは」
この人達はキタジマ模型店の店長、北島夫妻だ。店長で夫の北島 小次郎は髭の生えたガタイがいいけど穏やかな顔つきの人で、その妻、北島 早希はどこか勝気な雰囲気の女性だ。上半身は
「バン、アミ、カズ、こっちに来てみろ。おもしれ―モンがあるぜ」
「見ろ、今日入荷した新型だ」
そう言って店長は、カウンターに持っていた箱を置く。
「アキレス・・・!」
なにィ!?アキレスだと!?(♪閃光)と言うことは今日は『Xデー』で確定じゃないか!FOOOOO!!思わず声を出しそうになるのを堪えて、とりあえず牛乳とアンパンで乾杯!ちなみに、初めてキタジマ模型店に来た時に狂喜乱舞していたら、警官に声を掛けられたのでそれを反省し、声を出さないように牛乳とアンパンで口を塞ぐ。ムグムグ、Xデーに食べるアンパンは最高だぜ!
「・・・アレ?バン達は?」
どうやら、喜びの舞を舞いながらアンパンを食べている内にLBXバトルが終わり三人とも帰ってしまったようだ。だが、まだあわてるような時間じゃない。どこに行けばいいのかは原作知識がある俺にはわかっている。原作知識を
夕方、向こう側の河川敷に、バンが草の上で寝転んでいる。8年前のバンの父親とLBXの事を回想してんだろうなぁー。
しばらくしてバンが立ち上がると、
別におねショタではなく、『AX-00』もとい『
あ、
たしかこの後でバンは家に帰ってイノベーターに襲撃されるんだよね・・・
イイ事、思いついた。(ニチャァ)
『山野 バン』視点
「母さんー、居ないのー?」
電気を点け、リビングから母さんを呼ぶ。
「出かけてるのか・・・」
とりあえずアタッシュケース机に置いて、お気に入りのカバンをソファに下ろす。
「この中に何が入ってるのかな?」
机に置いたアタッシュケースに向き合う。アタッシュケースをくれた女の人は、『これが世界を救う鍵になる』って言っていた。世界を救うってどうゆう事だろ?それに、『貴方が持っておくべき物』とも言ってた。
「まあ、いっか・・・」
考えた所でわかんないし、俺が持っているべきなら開けてもいいよね?ケースを倒し、留め具を外す。ケースを開けると―――
「LBX・・・!」
「AX-00・・・」
中には青いLBXの下に『AX-00』と書かれたプレートがはめ込まれている。それにCCM、説明書みたいな物が入っていた。青いLBXを手に取って、よく見てみる。
「どこのメーカーかな・・・」
『ユーザー認証、開始』
「うわ、なんだ!?」
突然青いLBXの胸のパーツからレーザーが出てくる。
『ユーザー確認中・・・』
『認証完了。使用ヲ許可シマス』
「えっ・・・」
どういう事だ?こんな機能が付いたLBXなんて見た事ないし、なんで俺が認証完了できたんだ?とりあえずケースの中に入っている他の物も見てみる。CCMに、LBXの武器・・・長い棍棒かな?槍としても使えそうだ。説明書みたいな物の他には何も入ってない。
「あの人・・・どうしてこれを俺に・・・」
手に持っている説明書みたいな物をパラパラめくってみる。やっぱりAX-00の説明書だった。少し読んでみる。
「凄い、きっと最新型だ!」
「でも、動くのかな?」
『ズバババババ!!』
「うわっ!」
いきなり単眼のLBXが俺とAX-00の間に、銃を撃ちながら飛び込んできた。
「なんだ、このLBX!?」
単眼のLBXは威嚇する様に天井に向かって銃弾を撃ち込む。俺は慌ててソファの裏に隠れる。
銃声が止んだ。ソファの背もたれから、そっと単眼のLBXを見る。そこにはLBXが追加で二体、合計三体でAX-00を囲んでいた。
「目的はあのLBXか!こうなったら戦うしかない!」
CCMを手に取り、必死に操作する。
「動いてくれ・・・!」
AX-00が動き始めた。
「よしっ!」」
AX-00に単眼のLBXが攻撃してきた。そばにあった長い棍棒を手に取り回避し距離をとると、最初に部屋に入ってきた単眼のLBXがAX-00に銃を撃ってくる。
「凄い反応速度だ!」
いとも容易くを銃撃を回避し、そのままソファの後ろに隠れる。だが、このままでは防戦一方だ。AX-00を家具の後ろに隠れさせ、急いで説明書を読む。・・・・・・これだ!
読んでいる間に近づいていた単眼のLBXの攻撃を避け、ソファの背もたれの上に陣取っている銃持ちのLBXの銃撃を避けながらソファの陰に隠れる。
ソファの背もたれを伝ってきた銃持ちのLBXの前から飛び出し、胸に棍棒を突き刺す。その場から飛び去り、銃持ちのLBXの爆発から回避する。
「こいつ、凄い!」
「あと二機!」
数では負けてるけど、一体の性能はこっちの方が上だ。このまま倒す!
「・・・なんだ!?」
もう一体LBXがやってきた。黒いLBX・・・?だけど、こっちに攻撃してこない。
「敵じゃない、のか・・・?」
わからないけど、とりあえず単眼のLBXに向かい合う。一対一の状況。武器を構え、突撃してきたLBXを迎え撃つ。棍棒を突き出し、単眼のLBXを貫く。棍棒を引き抜き、離れると単眼のLBXは爆散した。黒いLBXの方を見ると、既に単眼のLBXは倒された後だった。
「助けてくれたのか・・・?」
黒いLBXはこっちを見た後、すぐに何処かへ行ってしまった。
「なんだったんだ・・・」
「ただいまー」
まずい!母さんが帰ってきた!LBXが暴れ回ったから、部屋がめちゃくちゃだ!
『ヨミ』視点
あーー!愉悦!これでバンは今夜、俺の事を考えまくるに違いない!「ああ、あの黒いLBXは、なんだったの・・・」ってなるに違いない!まるで恋する乙女だな!ガハハハ!まあ、ボロボロの部屋の後片付けを丸投げしてゴメンね。俺も一緒に戦ったから、俺にも責任あるんだけどね・・・
「ヨミ様!もう遅い時間なので早く帰って来てください!」
「・・・ハイ、スミマセン。すぐに帰ります」
結局オカンには勝てないってこと。
それで主人公の前世の名前、『小田 光忠』だけど
小田→おだ→織田 織田になり武将、織田 信長が元になります。
光忠は織田 信長が好んでいた刀工からつけました。
つまりどゆこと?って言う人に分かりやすく言うと
「織田 信長の好きな刀のブランドが元ネタだよ」ってことです。
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死してなおも輝く
若干下ネタ回です。(下ネタに逃げるな)
次の話はちゃんとやるから・・・
前回のあらすじ☆アニメ本編が始まり、主人公のバンが謎の女性からLBXを貰って、そのLBXを狙ってきた悪の組織のLBXを、バンと一緒に謎の『
次の日、つまり今日は、キタジマ模型店にバンがアキレスを貰いに行くけど、『
別に今回はチョッカイ出さないけど、アキレス初お目見えだし、ぜひ、
そう、行けない。昨日の自分をぶん殴りたい。
「帰るのが遅かったので、罰として今日一日付き合ってもらいます」
昨日バンにチョッカイ出して帰るのが遅くなってしまい、ユキねえを怒らせてしまったのだ。
罰として一日付き合う事になったけど、恋人的に付き合うだったら、いかに良かったことか。目の前の現実から目を逸らす。
「それでは、まずこれを着てください」
「・・・・・・ハイ」
ユキねえからスリットが入った赤い
「早く着替えてください。全部終わりませんので」
「マジでそれ全部着るの?」
「当然です」
そう言うユキねえの後ろには、前回なかったコスプレ衣装が10着以上ハンガーに掛かっている。憂鬱だ・・・
「視線こっちに向けてください」
「・・・ハイ」
「もっと柔らかい表情にしてください」
「・・・ハイ(ニコ)」
「・・・まあいいでしょう」
ユキねえの指示道理にポーズを決める。て言うか、扇子とか小っちゃいバッグとかそうゆう小物、前回なかったじゃん!
「次はこれを付けてください」
「・・・えっ」
ユキねえの手には猫耳と尻尾があった。しかも、装着するとピコピコ動くタイプのようだ。
「マジ?」
「オオマジです。前、私に付けさせたじゃないですか」
「いやでも、ユキねえのは動かなかったよ?」
「いいから、早く、つけてください」
クソッ!なんで俺がこんな辱めを受けねばならんのだ!幸い、服の上に貼り付くタイプのようだ。
「猫耳チャイナ少女・・・いいですね」
「よくないよ・・・」
ちなみに身長は小6から止まっている。142cmのままだ。ちっちゃい。
「それでは、手を猫の様に丸めて両手を顔の近くに持っていき・・・片足を上げて跳躍感を出して、ネコのポーズをしてください」
「キツい・・・」
「動かないでください、それと無表情で少しジト目でお願いします」
「・・・クッ!」
「いいですね・・・そのままキープです」
このポーズ維持するのキツい。片足上げてるから、ちょっとふらつく。
「・・・ととっ・・・うわぁ!」
バランスを崩し、盛大にこける。イテェ。尻イテェ。
「!!」
「・・・ユキねえ?」
「ヨミ様、そのまま動かないでください」
ユキねえが一心不乱にシャッターを切る。目がちょっと怖い。確かに今のポーズはドジっ子ぽい感じだろうけど、そんなに一心不乱に撮るほどかな?
「やはり、パンツまで拘っておいて正解でした・・・」
「ッ!パンツ見えてる!?」
NOOOOO!!確かにパンチラしてるぅ!黒いレースの付いたちょっと大人っぽいパンツ撮られた!クソッ!やっぱりやめとけば良かった!パンツも履き替えたって嘘ついとけば良かった!やっぱり男でも異性にパンツ見られたらハズいよ!しかもこんな女物パンツだから尚更ハズい!
「・・・・・・イイ・・・」
「ぜっんぜっん良くない!いいから消して!」
「絶対に消しません!」
「この鬼畜!鬼!悪魔!ユキねえ!」
「・・・ほぉ?ヨミ様のくせに、なかなか言いますね」
「ピィ!?」
「それでは、次はパンツを脱いでみましょうか。自然な表情で写真が撮れるそうですよ?」
「嫌ぁ!ノーパンはイヤァ!」
「しょうがないですね。脱がしてあげます」
オレのそばに近寄るなああーッ!
「シクシク・・・シクシクシク・・・」
「これで撮影は終わりです」
制服、アイドル衣装、魔法少女服、軍服、バニーガール、etc・・・最後にメイド服を着せられ、ようやくパンツを履かせてもらえた。ちなみに猫耳と尻尾はまだ付けさせられている。
「撮られた・・・ノーパン撮られた」
「大丈夫です。履いているか、履いてないか、わかりませんよ。その代わりに、
「・・・シテ・・・コロ・・・シテ・・・」
「駄目です。まだやってもらう事があるんですから」
今世のお父さん、お母さん、それと前世のお父さん、お母さん元気ですか?
俺は今、猫耳尻尾とメイド服を着て、買い物をさせられています。
俺に、羞恥プレイは、合わないようです。ですが、スーパーで卵、ケーキ屋さんでケーキを買うまで、帰れません。泣きたいです。
周りの人の視線を感じます。ツラいです。スーパーで卵を買った時、レジのおばちゃんの憐れむ様な顔が頭から離れません。
「ママ~あの人ヘンな恰好してるよ~」
「・・・うーん。どんな服を着るのも自由だから、あんまりそんな事言ったらいけません」
「うわっ、なにあの子めっちゃカワイイんだけど!」
「スミマセン~、写真一緒に撮ってもいいですか?」
「・・・もうやだぁ、お家かえるぅ」
おぉ、神よ。なぜ、このような試練を俺に課したのですか?・・・・・・空が青いなぁ・・・
「ショートケーキと、チーズケーキください・・・」
「・・・はっ!?ハイ、ショートケーキとチーズケーキですね!?」
くそぅ。気になるからってそんなにチラチラ見ないで店員さん。
「あの~お客様?どうしてそんな恰好――「え?なんですか?」
「いや、その~。猫耳とか――「え?なんですか?」
「・・・何でもないです。こちらケーキです。」
「ありがとうございます」
「・・・またお越しくださいませ~」
・・・カズ、俺も大切な物を失ったよ。
次の日、俺は熱を出して一日寝込んだ。
R-15タグを付けた作者はムテキだぁ!
オ――綾地さんスコ。ゆずソフトはいいぞぉ。
ちなみにヨミちゃんは寧々った(動詞)事は今世ではありません。DTだからね。
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前編 多分赤字の青い猫
あと、今回はアニメ五話にあたります。
俺、ふっかーつ!
さぁ、今日こそ『
今日はイノベーターに対抗する組織『シーカー』から、カズが『ハンター』貰ってバン達が財前総理暗殺計画を聞かされて、阻止するのを手伝う事になるはずだ。
ちなみに、アキレスの回収を郷田に命じたのもシーカーだったりする。シーカーのせいでカズのLBXが壊され、シーカーのおかげでハンターが手に入る、と言うなかなかのマッチポンプじみた事になっている。ワルい大人たちだ。
とりあえず今日、俺がやりたい事はシーカーとバン達の会話の盗聴、暗殺計画場所の周辺の下調べだ。
「お出かけですか?」
「うん。あ、それとゆきねえ、明日の予定空けといて」
「わかりました。いってらっしゃいませ」
「いってきます!」
来たのはミソラ商店街。
まずは、コーヒーショップ『ブルーキャッツ』にイザナミを潜入させる。バン達とシーカーの人達はここで会話するから、今の内に待機させておく。念のため中継器も置いてきた。俺エライ。
次に、俺がキタジマ模型店が見える所で待機する。店内は今頃・・・
「新しいLBXは○○がいいんじゃない?」「うーん・・・」
「××がいい」「うーん・・・」
って感じでカズが「うーん・・・」botになっているはず。で、結局決められずバン達がキタジマ模型店から出てきた所で、シーカーの一員
「やっぱり使い慣れた、ナイトフレームがいいんじゃない?」
「うーん・・・どれもなんかピンとこないんだよなぁ」
「山野 バン君だね」
「そうだけど・・・」
で、で、出たー。もしもしポリスメン?怪しい大人が中学生に声を掛けてますぅー。
「俺は宇崎 拓也。優秀なLBXプレイヤーの君たちに、見てもらいたい物があるんだ」
ハイ、完全に事案です。「おじさん、珍しいLBX持ってるんだ。見せてあげるから、一緒に行こう?」って言ってるのと変わらないんだよなぁ・・・
『コト・・・』「奢りだ」
「あ、ありがとうございます」
うん、お礼言ってる場合じゃないよね。結局、拓也についていき、今バン達はブルーキャッツにいる。イザナミから音声しか拾えない。でもこれ以上近づいたらバレそうだし・・・
「えーと・・・」
「この店のマスター、
「ありがとう、檜山さん」
「いただきます」
『ずずっ』
て言うか、バン達コーヒー飲めるんだ。俺は前世ではブラックでも飲めたけど、今世だとまだ子供舌だからか、甘ーくしないと飲めない。コーヒー結構好きだったんだけどな・・・
「君のLBXを、見せてくれないか」
「え?あぁはい・・・」
「触っても、いいかな?」
「え、うん・・・いいけど」
「・・・・・・」
「アキレスって言うんだ」
「素晴らしいLBXだ」
「え!?見ただけで分かるの?」
「ああ、パーツは最新式、機体のバランスもいい、それにメンテナンスも十分にしてあるようだな」
「うん、コイツは凄いんだ。やっと手に入れた、俺のアキレス」
バン、LBXの話題になったらめっちゃ喋るやん。その前は緊張のせいか、よそよそしかったのに。やっぱりLBXオタクじゃん。(ブーメラン)
「好きか?LBX」
「うん。大好きだよ!」
「そうか」
ここの
靴の音がする。どうやら、店の奥に行っていた拓也が戻って来たみたいだ。
「君たちに見せたい物と言うのは、これだ」
「・・・LBX」
「名前は『ハンター』。パーツも装備も最新式、かなりの性能だ」
「『ハンター』・・・」
「・・・スゲェ、このLBX」
「組み立ててみるか?」
ここで矛先が向くのは、LBXが壊されたばっかりのカズだ。
「え、いいの?」
「ああ」
「やる!」
のるなカズ!!!戻れ!!!
少年組み立て中・・・
「カッコいいね」
「うん」
わかるけどさぁ、ハンターをダシに暗殺計画を止めさせるのは、オカシイと思うんですけど・・・
「・・・君たちに来てもらったのは、単にこのLBXを見せるためではない」
「「「?」」」
「これから話す事は他言無用、絶対に秘密にしてくれ。分かったな?」
「「「・・・」」」
誰も返事してないけど。
「新しい総理大臣の就任記念パレードが明日あることは知っているな?」
長いから簡潔にまとめると、明日のパレードで総理大臣が暗殺されるよ。組織の勢力が警察にも入り込んでるから、警察は頼れないんだ。暗殺にLBXが使われるからLBXで対抗するしかない。らしい。
「LBXに対抗するには、LBXが最も有効だ。その為には君たちのような優秀なLBXプレイヤーが必要なんだ。『山野 バン』、『川村 アミ』、『青島 カズヤ』。もちろん非常に危険が伴う。断られても仕方がないが、ぜひとも君達の力を貸してほしい」
「「「・・・・・・・・・」」」
「俺、やる。」
「「!!」」
「やってくれるのか、危険な任務だぞ」
ほんとだよ。バン君?殺されてもおかしくないんだよ?
「うん。でも俺・・・LBXを使って悪い事をするのは許せないんだ!だから・・・」
「私も、やります。バンだけに行かせる訳にもいかないでしょ。友達なんだから」
アミちゃん・・・優しい!抱いて!
「アミ・・・」
「
「・・・俺は、ちょっと・・・だって俺のLBX壊れちゃって今持ってないし・・・」
「協力してくれたら、このハンターを君にあげよう」
♰悪魔の取引♰だぞ!そいつ等のせいでカズのLBXが壊されたんだぞ!
「え?これを?」
「・・・・・・・・・」
「うん、なら俺、やってもいいかな」
あーあ、言っちゃった。LBXで釣られるなんて・・・俺だってそうする。
「そうか、ありがとう。明日の朝九時、ここに集合してくれ。それからさっきも言ったように、この件は誰にも話さないでほしい。もちろん家族にもだ、危険に巻き込まれる可能性があるからな」
ま、俺はユキねえを巻き込む気満々だけどね。
さて、潜入させていたイザナミも回収したし、暗殺計画場所の下見に行きますか。この時点でこの『ダンボール戦機』世界はアニメ版で確定だと思う。ゲーム版だとパレードに現地集合だからね。
となると、ガラス張りのビル越しに狙撃する出来るように、暗殺用LBX、『アサシン』の
一旦、家に帰ってからドローンで下見にいきますか。直接見に行ってもいいけど、鉢合わせたらマズいしね。近くまでドローンで行って、そこからLBXで下見しよう。
ほうほう、ここがこうで・・・こっちが・・・それじゃあ、あそこはどうだろう?
前後編だから、ブツ切りでも許される・・・よね?
今更、特殊タグの有用性に気付きました。
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後編 ねぇねぇ今どんな気持ち?
さてと、話を続けるごとにTS要素が薄くなることを危惧しています。
「開けろ!TS要素保護警察だ!」
ヨシ!下見完了!後は予告状を出して、オタカラ・・・じゃなくてそうだな、時間もあるしオタクロスの所でも行くか。ついでにLBXのメンテもしてもらおう。
「ユキねえ~、オタクロスのとこ行くからモルフォ出して~」
「いいですけど、前のメンテナンスからあまり使っていませんよ?」
「いいから、いいから。OPも俺が出すから、ね?」
「どうぞ・・・あまりいい予感がしませんね」
酷いな。明日大変だから気を遣ってあげてるのに。ドローンどこだっけ・・・あったあった。
「すひゅー、すー、しゅぅー」
口笛まだ吹けないな。ドローンにイザナミとモルフォ、武器も入れとくか。いけー!オタクロスの所へ!
ドローンをオタクロスの部屋にシュゥゥゥーッ!!超!エキサイティン!!
『ツクダオリジナルから』
「はぁ~~、またオヌシか、イザナミ」
『よ、元気してた?』
「一週間もオヌシが来なかったから、伸び伸びできたデヨ」
『それは良かった。じゃ、LBXと武器のメンテよろしく』
「ぬ?武器もメンテするとは、珍しいデヨ」
『だって武器の改良もしてほしいからネ!』
「・・・帰るデヨ」
『へ?』
「イヤデヨ!また、あれこれ注文を聞くのはイヤデヨ!」
うわぁ・・・オタクロスが地団太踏んでる。今も昔もストレス社会は変わらないのか。
『ほーら、いい大人がみっともないぞ?それに今回は一個だけだし』
「大体、その一個が無理難題レベルの注文だからイヤなんデヨ!」
『あらら・・・こりゃ、重症だ』
「イザナミ、オヌシのせいデヨ!」
『それで、今回なんだけど「イヤだと言っているデヨ!」メイドさんの狙撃銃用に
「・・・それくらいなら・・・
『しょうがないなぁ・・・LBXもまとめて明日の・・・八時くらいに取りに来るから』
「・・・まぁ、いいデヨ」
『ヨロシクね~』
ついでにドローン置いとこ、家に帰す理由もないしね。
「と、言うことで明日までLBXはありません!」
今日の晩御飯はカツカレーとサラダ。王道こそ、正義。
「問題ありませんが・・・ヨミ様は大丈夫なんですか?」
「?・・・なにが?」
「一晩LBXが無くても」
「・・・別に、俺はLBX
てかなんだよ、LBXジャンキーって、
「あ、あと明日、財前総理の就任記念パレードあるじゃん?」
「ありますね」
「明日、そのパレードで暗殺阻止するから・・・ドレッシング取って」
「どうぞ・・・って、は?」
「ユキねえ、どうかした?」
どうしたんだろ?ドレッシングを渡したまま動かない。うぐぐ、ドレッシングが抜けない。
「ユキねえ、手、離して」
「・・・・・・・・・」
『パシャ』
ドレッシングを手渡す美女・・・なんだこの写真。
「ヨミ様、今なんて?」
「『ユキねえ、手、離して』?」
「その前です」
「『明日、そのパレードで暗殺阻止するから』?」
「・・・どういう事ですか?」
今日見聞きした話を簡潔に伝えた。バン達がアサシンをなんとかするから、別に俺とユキねえがなんかする必要ないけどね。
「・・・本当なんですね?」
「多分ね。阻止するって言っても、バン達の支援くらいしかやる事ないけどね」
「・・・その山野 バンと言う少年のこと、信用してるんですね」
「ユキねえの次にね」
「はぁ・・・やります。やればいいんでしょう?」
「おぉ!ありがと!」
「どうせ、止めても勝手にやるんでしょう?」
「・・・えへ♡」
『こちらは、財前総理大臣の就任記念パレードが行われる、メインストリートです。休日と言う事もあって、ご覧の様に総理の姿を一目見ようと、大勢の人が集まっています』
ほぇ~、めっちゃ人いるね。知ってたけど。とは言え、情報収集は必要だ。テレビしかないけど。
「こちら、モルフォ。指定のポイントに到着しました」
「オッケー。とりま、待機で」
「了解しました」
作戦はこうだ。ハンターがアサシンに狙われている時に、モルフォでアサシンに攻撃し、アサシンのタゲの管理をするだけ。
作戦と呼べないレベルだけど、本当にすることがない。万が一にも、アニメ違う展開にならないかぎり、これ以上やることがない。
タゲ管理をして、ハンターを操作するカズの危険を下げる事だけだ。
俺一人でもなんとかなるだろうけど、バン達の成長の機会を奪い、アニメと違う展開にしたら何が起こるかわからない。
それに『なぞのLBXプレイヤー』やりたいし。(本音)
と言う訳で、ユキねえを本物のアサシンの居るはずの『ホリデイビルディング』が狙える位置に待機させておいた。まあ、ハンターとアサシンの撃ち合う距離の半分くらいの距離だけどね。流石に長距離狙撃用のLBXには勝てないし、わざわざ遠くから撃つ必要もないからね。
俺はダミーのアサシンの居たビルから、直接本物のアサシンを狙撃するため、一人でビルに残ったカズに声を掛ける予定だ。
『なぞのLBXプレイヤー』のお披露目だ!・・・戦力外じゃないし、暇人でもないし。
『たった今、財前総理の乗った車が、エクセレントビルの駐車場から姿を現しました』
ようやくパレードが始まったか。バン達は・・・お、居た。移動を始めたって事はダミーのアサシンを見つけたみたいだ。こっちに走ってくる。まだ隠れときますか。
ビルに入ったバン達はカズを先にダミーのアサシンの所に行かせて、バンとアミがイノベーターのLBX、デクーを倒した。頑張ってるね。そこに居るの偽物なのに。
俺?別にやる事ないよ。バンとアミは別に苦戦しないし、カズに付いて行ってもやる事ないし。じゃ、片付いたしバン達の後ろについて行きますか。
クソッ、あいつ等エレベーター使いおって。こちとら、LBXで階段じゃあ!数段飛ばしで行けるけど上に着いたときには、エレベーターが下に行ってたぞ。もうバンとアミ下に行ってるじゃん!大人しく下で待ってればよかったヤツじゃん!
ちゃんとアニメ道理に、カズがハンターでここからアサシンを狙ってる。何気にアサシンまでの距離、数キロあるけど大丈夫なんだよね?
「モルフォ、もうすぐ目標ビルの屋上で爆発が起きるだろうから狙っておいて。」
「わかりました」
「撃つタイミングはこっちで指示するから」
ちなみに、依頼などの仕事中はユキねえをモルフォと呼ぶことにした。身バレ防止だね。
それにこっちの方がコードネームっぽくてかっこいいし。
「よぉし!やったぁ!」
あ、カズ君もう撃ってたの。ちゃんと狙撃銃に命中したみたいだね。おめでと。
「うん、爆発したね。煙が消えたらアサシンが撃ち始めるから、撃っていいよ」
アサシンはもう一丁狙撃銃を持っているはず。
「了解しました」
「ただし、牽制程度で当てないでね。注意が逸らせればいいから」
『ダァン!』『ダァン!』『ダァン!』
やっぱりもう一丁持ってた。カズとハンターに向かって撃ってきた。
「嘘だろ?マジかよぉ・・・」
「射撃開始します」
もー、カズ君。語彙力が無くなってるぞ。
「射撃中断しました」
「よし、いいぞ。いい流れだ」
ほら、カズ。もう一度だ。
ハンターがもう一発・・・撃った!そして外れた!知ってた!つくづくアニメ道理だね。
「しまった!」
『ダァン!』
「バン、俺の腕じゃやっぱりムリだ。お前がアサシンを止めてくれぇ!」
なに言ってんだい、このヘタレ!仲間に励ましてもらいな!
「暇だし、もう一回撃っていいよ」
「わざと外すの、結構嫌なんですが」
「・・・ゴメンて」
「はぁ、射撃開始します」
「あ、もういいわ」
「どっちですか!」
ハンターが構えて・・・撃った!命中!これも知ってた!
「やったぜ!!」
これでカズの出番は終わりだね。ここからは『なぞのLBXプレイヤー』の出番だ!
『青島 カズヤ』視点
よっしゃ!見たか!バン、アミ!この距離を当ててやったぜ!やっぱりハンターはスゲェ!
「いい狙撃だったわ・・・『ハンター』、『青島 カズヤ』」
「ッ!?誰だ!」
「誰だ、お前は!あいつ等の仲間なのか!?」
「ふふっ。どうかしらね・・・」
その時、黒いLBXの後ろから、下にいたのと同じLBXが三体、黒いLBXに襲い掛かってきていた。
「危ない!」
思わず叫んだ。敵かもしれないってのに。
「ありがとう。教えてくれて・・・でもこの程度、敵じゃないわ」
一瞬で三体のLBXが破壊された。なんだあの黒いLBX。でもあいつ等を壊したって事は敵じゃないのか?
「お前もしかして、バンの言ってた『黒いLBX』か?」
「・・・あぁ、山野 バンのこと?彼にも会ったわ」
「・・・なぁ、お前はなんなんだ?何が目的なんだ?」
「名前は・・・まだ言えない。私は
「なんだよ、それ!全然答えになってねえじゃねえか!」
「そうかもね・・・・・・でも、ここに居続けるのは危険よ。安全な所まで、一緒に行ってあげる」
「・・・そうかよ」
仕方ねえ、とりあえず拓也さんの所に行くかぁ。
『ヨミ』視点
うおぉーーーー!焦った!狙撃し終えたカズの所に敵は来ないはずなのに!もしかしてバンの家で俺も一緒に暴れたせいでちょっと物語が変わった?
まあいい。結果良ければすべてヨシ!『なぞのLBXプレイヤー』ムーブもいい感じだったしな!
ちなみにボイチェンは使わなかった。こっちの方がミステリアスでしょ?
ビルを出た所で、カズの前から消えたけど、安全そうな所まで陰からちゃんと見守っておいたし!
うん!これは百点満点の大勝利ヨミちゃんでいいんじゃない!?
ちなみに
「お疲れ、ユキねえ!先にドローンの所に行っといて!俺もすぐ行くから!」
少し遠くに停めておいたドローンにイザナミを向かわせる。
今夜は盛大に打ち上げだ!
世界の運命や他人の命を娯楽と思っている主人公が一番の『悪』だと思います。
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最強の敵
それはそうと5000文字ですわ!何故か増えましたの!今回はアニメ七~九話ですわ!
「クソッ・・・チクショウ!」
財前総理の暗殺を阻止した次の日、つまり今日の朝から、俺は物凄い
「なんですか・・・こんな朝早くから」
「マズい・・・このままじゃ・・・」
「!・・・まさか、昨日の事ですか!?」
「そんな事じゃない・・・もっと大事な事だ」
「一体なんですか!?」
「俺達の
「・・・・・・はぁ~、くだらなそうで安心しました」
「そんな事ない!!」
今日は、主人公のバン達が敵の工場『エンジェルスター』に突撃して、敵の罠にハマりピンチになると
そう、『キャラ被り』だ。LBXもちょっと似てるし。
下手すると、
「早く食べないと学校に遅刻しますよ」
「ムグ・・・一体どうしたら、ゴクッ、いいんだ?」
「食べながら喋らないでください。汚いです」
「・・・いっそ、パンドラを潰す?」
「食べる方を優先してください」
俺は・・・俺はどうすればいいんだーーーーー!
うーむ・・・思いつかない。学校でもずっと考えてたけど、全然いい案が思いつかない。
『案一』バン達と仲良くエンジェルスターを攻略する。
これは却下。『なぞのLBXプレイヤー』を安売りしたくないから。
『案二』パンドラの代わりにバン達を助ける。
これも却下。パンドラはアミのLBXになるため、ある程度フラグは建てておきたい。
同じ理由でパンドラの破壊も無し。
『案三』とりあえずバン達について行って臨機応変に対応する。
敢えて計画を立てない計画。
・・・よし!案三でいこう!なんとでもなるはずだ!(パンドラだと!?)
とりあえず家に帰ってLBXの準備するか!
「ユキねえ、デートしよ♡」
「・・・今度は何を企んでいるんですか」
「別にぃ、
「そうですか。ではLBXを一晩、オタクロス様の所でメンテナンスしておいてもらいましょう」
「待ってくださいお願いします」
ユキねえに、今夜バン達がエンジェルスターに侵入することを説明した。
「昨日のあんな事したのに、またですか?あの少年達は」
「・・・それはそう」
そうだよね。アキレスを手に入れてから一週間も経ってないから、かなりのハードスケジュールだと思うんだけど。これが若さなのか?
「今回は室内戦がメインだけど、ユキねえにもガンガン戦ってもらうからね!」
「弾の代金はヨミ様持ちならいいですよ」
「クッ・・・いいよ、しょうがない」
最近、オタクロスの依頼こなしてないから結構辛いなぁ・・・気持ちを切り替えて準備しますか。
「それじゃ、この辺にドローン停めておくか」
エンジェルスター正門前にドローンを停め、隠しておく。エンジェルスターまで結構遠くて、ドローンのバッテリー切れる可能性があったから近くまで来ている。今俺とユキねえが居るのは、一駅隣のカフェの個室席だ。ずんだオレ美味しい。ユキねえはフラペチーノだ。後で一口貰おう。
「フラペ・・・じゃなくて装備の最終チェックしておこう」
武器、持った。グレネード、持った。中継器と道しるべ用の光る棒が入った箱、背負った。
・・・よし、大丈夫そうだね。
「
「はい、問題ありません」
そう言ってモルフォが狙撃銃のコッキングレバーを動かしていた。なにそれ、めっちゃ
モルフォの装備は道しるべの箱の代わりに、特殊弾用の大きな弾薬箱を背負っている。最初は小さい弾薬箱をたくさん付けていたけど、取り出し辛いとユキねえにクレームを言われたので、自動販売機のように欲しいマガジンを取り出せる大きな弾薬箱をオタクロスに作って貰った。作れるんだから文句言わずに作ってくれればいいのに。それにユキねえの物なんだから、俺に文句を言うのはオカシイと思う。思い出したら腹が立ってきた。
「ズズッ、ずんだオレ美味しい・・・ユキねえのフラペチーノ一口ちょうだい」
「ヨミ様、例の少年達が来ましたよ」
「え、マジ?」
おお、来た来た!それでは行きますか!
暇だ。タイクツである。
バン達の後に隠れて入り、通路横のダクトを通ってバン達を追っているだけ。一応、帰る時に迷わないように光る棒を置き、たまに中継器を置いているが、暇だ。
「・・・代わり映えしませんね」
「・・・それを世間一般では、退屈または飽きたと言う」
・・・ん?なんだか前の方になんか居るぞ。
・・・あれはAIを積んだ自立LBX『インビット』だ!やっと刺激が味わえる!
「ユキねえ!ユキねえ!アレ敵だよ!ヤっちゃおう!」
まだ強LBX扱いのインビットなら、俺を楽しませてくれるんじゃないか!?
「ここは私に任せてください」
「うん?いいけど・・・AI積んでて結構強いよ?」
ユキねえにインビットが倒せるかな?まだ起動していないようで、動く気配がない。
『パシュ!』 『ガキン!』
インビットは装甲が厚いからそう簡単に倒せないぞ!サプレッサーで若干威力が下がってるしな。
「成程、中々の装甲ですね」
「だからね、肩のカメラを―――「なら、これでどうでしょう」
そう言い、徹甲弾をリロードする
「いや、だからね?『パシュ!』 『ドゴォン!・・・』
「やはり、徹甲弾なら貫けますね。後は電気ショック弾とAIで動いているのなら電磁パルス弾も効きそうですね」
「・・・・・・・・・」
「ヨミ様?どうかしましたか?」
「・・・ううん、なんでもない。行こうか」
しばらく進むと、やっとアキレス達がダクトに入り、インビットと戦い始めた。
「ほら、ユキねえあれが、本来の攻略方だよ」
インビットの装甲が硬いから、装甲のない肩のカメラアイを壊して無力化している。
「そう言うヨミ様だって、普通に倒してたじゃないですか」
ウルサイな。試し斬りのつもりだったんだよ。まさかスパッと切れるとは思ってなかったんだよ。
「ほら、バン達エレベーターで下に行くよ。エレベーターの上に乗りたいから急ぐよ」
「逃げましたね・・・」
また、暇である。
一回デクーがアキレス達に向かって行ったのを、
ホントにここ、イノベーターの工場なんだよね?
「・・・ふあぁ~~」
「・・・緊張感ないですね」
「流石に暇すぎてね。そういえば、フラペチーノ・・・」
ない!
「・・・グスン・・・・・・おや?」
バン達の進行方向にインビットが二体居る。こんなの僕のデータにないぞ!?
これも俺が介入したせいで起こったのか?今のバン達にはキツいだろう。
だが、コイツ等ほど
「ユキねえ、やるよ」
「わかりました」
「それとバン達とは俺が話すから」
それじゃ、『なぞのLBXプレイヤー』出陣じゃー!
「お困りのようね」
そう言ってバン達の前に出る。モルフォはまだ後ろで隠れてもらっている。
「こんにちは。山野 バン、青島 カズヤ・・・貴方は初めまして、ね。川村 アミ」
今日も『なぞのLBXプレイヤー』はクールだぜ。
「アイツ等が邪魔なのでしょう?私達が片付けるわ(ほら、モルフォ出てきて!)」
モルフォが暗いダクトから姿を現す。ダサいから弾薬箱とかは一旦置いてきた。
アキレス達はスピーカーを付けていないから会話が出来ないけど、一方的に喋り続ける。
「・・・今回は貴方達に用があった訳じゃないの。用件は済んだし、もう帰る所なのよ」
嘘です。バン達の観察に来てました。帰るつもりもありません。
さて、ボロが出る前にインビットを倒しますか。
「(先に俺が倒すから、その後に倒して)」
「(了解しました)」
インビットに素早く接近する。撃ってくるがこの程度、簡単に避けられる。
まずは槍で軽く打ち上げて・・・適切な角度で刀で斬る!ね、簡単でしょ?
同時に、モルフォが徹甲弾を横に居るインビットに撃ち込み、二体のインビットが爆散する。
きたねえ花火だ。てか、サラッとモルフォが炸裂徹甲弾を使いやがった。あれ高いんだよ・・・
「・・・こんなものね。それじゃあまたどこかで逢いましょう、山野 バン(高い弾使いおって)」
「(何の事ですか?全くわかりません)」
くそぅ、とにかく撤収だ!
「ちょっと、ユキねえ無駄に高い弾使わないでよ!」
「別にいいじゃないですか。弾はヨミ様が出してくれますし」
「だから言ってるんだよ!」
「それとヨミ様?なんですか、あの口調は」
「え?カッコいいでしょ?」
「いえ、別に」
「・・・とにかく!俺はあんなカンジでいくの!邪魔しないでよね!」
「・・・まあいいです。それで、本当に帰るんですか?」
「いや、帰んないけど」
「・・・・・・もういいです」
まだやりたい事あるしね。せっかくここまできたんだし、パンドラを見ておきたいからね。
やっとバン達が制御室から出て行ってくれた。無駄に長かった。さーてと、一応エンジェルスターの地図をダウンロードしときますか。帰る時に最短ルートで帰れるかもしれないし。
ダウンロード完了っと。さて、行きますか。
エレベーターは・・・流石に間に合わなかった。暇だけど待つか。
「このエレベーターはどこに向かっているのですか?さっきダウンロードした地図には載っていませんが」
「密造した兵器の格納庫じゃない?多分」
エレベーターが来たので乗り、一番下のボタンを押す。
「知らない?神谷重工は兵器密造の噂があるんだよ」
「・・・この証拠を世間に公表しないのですか?」
「無駄無駄。どーせどこかで握り潰されるし、その内シーカーがやってくれるでしょ」
こんな話をしている内に最下層にご到着。シャッターをくぐって・・・シャッターが閉まってる。
やらかした!!バン達を逃がさない為に閉まるの忘れてた!!クソッ!パンドラが見れない!
なにか手は無いのか・・・!待てよ?エンジェルスターの地図があれば、またどこかのダクトから入れるかもしれない!
「ユキねえ!この部屋に入れそうなダクトを見つけて!」
どこだ?どこからなら入れる?こんな事なら、バン達にピッタリついて行けば良かった!
「見つけました。ここから入れそうです」
「ナイス!ユキねえ!」
急げぇーーーー!結構時間使ってしまったぞ!
「ここを右、次は上、後は道なりで・・・」
『ソレ』はいきなり現れた。白いLBXだ。
やべぇ、パンドラに会っちゃったよ。ここに居るって事はもう『
「ユキねえ!止まって!」
荷物のせいで少し遠くに居るモルフォを止める。これでパンドラに気付かれる事はないだろう。
「はじめまして、パンドラ・・・それとも
パンドラの正体は宇崎 拓哉の兄でタイニーオービット社長、宇崎 悠介だ。いきなり自分の正体を言い当てられて警戒しているようだ。
「私は『イザナミ』よ・・・貴方には個人的に少し恨みがあるけれど、
俺のポジションを奪い取りやがって!腹いせにワザと『計画』を強調して言った。
うーん。どうしよ?折角だし、パンドラとバトルして戦闘データを集めておくか?
「・・・ふふっ。でも気が変わったの。少し
大胆不敵に武器を構える。さぁ、乗ってこい・・・!
キターーー!パンドラも武器を構えた!正体を知られている以上、逃げても意味ないからこっちの情報を少しでも集めようとするよね!
祭りだーー!小手調べに、軽く刀を振るう。う~ん、防戦一方で反撃してこない。と言うか反撃する余裕がないって感じかな?でも性能はかなりいいね!単純な力押しなら勝てそうもない。大体分かったから、今回はこの辺で。
「・・・・・・時間ね。楽しい時ほど早く時間が過ぎるものね。また逢いましょう。パンドラ
(今です!イザナミの足元に煙幕弾撃って!)」
指示道理にイザナミの足元に命中し、周りが煙幕で満たされる。こっちが見えなくなるタイミングを見計らって持って来ていた煙幕グレネードを全部投げる。これで時間が稼げるはずだ。
「ユキねえ!全速力で帰るよ!」
「はあ!?」
「いいから早く!」
だってあっちの方が機動力高いし、マウント取った後にトボトボ帰るの見られたら、恰好つかないからね!ちゃんと中継器も回収しなきゃ!
脱兎の如く逃げ帰った。
作者はゲーム版でここで躓いて前のステージのビルの中を徘徊してました。
おかげでイジテウス撃破時のバンのレベルは60超えでした。
そんな思い出もあって今回のタイトルを『最強の敵』にしてます。
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(ポロリは)ないです。
一回迷走しそうだった。
また5000文字になったぞ。
・・・なんで?
どうも、『なぞのLBXプレイヤー』こと皆のアイドル、ヨミちゃんです。
エンジェルスター潜入の時に使った装備の補充と、パンドラのデータを元にLBXのアップグレードをしようとしたら、OPが足りなかった。最近、バン達の相手をして依頼やってなかったからしょうがないけど。早急にOPを稼がないといけない。
『と、ゆーことで報酬がいい依頼が欲しいなぁ。オタクロス?』
「・・・自分で探すデヨ」
『そこをなんとか~。長期的な依頼でもいいから~』
「イヤデヨ!そもそも誰がLBXのアップグレードをやると思っているデヨ!」
『メイドさんの写真あげるからさ~』
この前撮ったドレッシングを差し出すユキねえの写真だ。勝手にあげたのがバレたら、殺されるかもしれないが。背に腹は代えられないしね!
「受け取ったのがバレたらワシも殺されるデヨ!・・・高い報酬の依頼が、無くもないデヨ」
『受けます!受けます!OPの為ならいくらでも!』
今は多少時間があるとは言え、手っ取り早く稼げるなら、難しいでも依頼受けて立つ!
「・・・・・・帰りたい」
「受けてしまった以上、しっかりやり遂げてください」
・・・憂鬱だ。俺とユキねえは今、前世で『沖縄』と呼ばれていた場所にいる。
なんでも、タイニーオービット社が夏に向けてポスターを作りたいらしく、綺麗な海をバックにLBXとモデルの写真を撮りたいので、ユキねえをモデルをしてもらうと言う話の
――――数日前――――
「ユキねえ、依頼ついでに旅行にいこう!」
その日、俺はオタクロスから聞いた仕事を少し濁してユキねえ話した。
「と言う事で、先にタイニーオービットが仕事を依頼した事務所に行かないといけないんだ」
「これが例の依頼ですね・・・わかりました。簡単な履歴書を用意しておきます。」
「・・・?うん、よろしく」
なんでこの時俺は気付かなかったんだ・・・
次の日、なぜか俺はユキねえに連れられ、事務所を訪れた。
「LBXのポスターの件で、オタクロス様から紹介頂きました東奏です」
「・・・オタクロス?あぁ!先方の会社が言っていた人ね!フム・・・なかなかキレイじゃない。
どうぞ、二人共入って」
そう言って、丁度受付の所にいた人に客室に案内される。
「こちら、履歴書です」
「ありがと。あんまり堅苦しいの好きじゃないからもうチョイ、ラクにしてくれていいよ。
あ、これ私の名刺ね」
ラクにしていいと言いながら、丁寧に俺にも名刺をくれた。
「うんうん、ヨミちゃんにウスユキちゃんね。あなた達、LBXは好き?」
「はい。好きですよ」
「私もヨミ様に誘われて、好きになりました」
「ダイジョブそうね!見た目もいいし、肝も座ってる。よし、二人共合格!」
「・・・へ?
「人にやらせておいて、自分はやらない気ですか?ヨミ様?」
「へ?・・・いや・・・その~・・・」
「どうしたの?モデル、やるんでしょ?」
「やります。ね?ヨミ様?」
「・・・・・・ハイ、ヤラセテ、イタダキマス」
どうやら前日、俺がユキねえに依頼の話をする前に、オタクロスがユキねえに教えていたらしい。
だからユキねえがすんなり受け入れたんだ。裏切り者め!
「じゃあ、明日から行ってもらうからね。詳しい事はメールするから!」
―――――――――――
こうして今に至る。
後悔しても、もう遅い。しかも水着撮影だぜ!?
俺はフリルが付いたビキニっぽい黒い水着だ。俺は黙ってたら大人っぽい雰囲気になるらしいけど、それにしても中学一年にはセクシーすぎね?ユキねえは青いビキニに白くて所々透けてるカーディガン?を羽織っている。モデル体型だね。特に胸のあたりがそうだよね。
俺はかなり控えめだ。大きくなっても自分の胸じゃ複雑だけど、もうちょいあってもいいと思う。まだ13だからね。これからですよ。
「ヨミ様そろそろ行きますよ」
「ええぃ!こうなりゃヤケだ!やってやらぁ!」
俺は簡易テントから飛び出した―――
「ヨミちゃーん、そこで微笑むカンジでー」
「・・・こうですか?」
「いいね!カワイイよー!」
『パシャ!』『パシャ!』
「ヨミ様、手をもう少し自然な形にしてください」
「わかりました」
「お、それいいね!」
『パシャ!』『パシャ!』
・・・ってなんでユキねえがポーズの指示出してんの!
「オッケー。大体撮ったから休憩していいよ。おつかれ~」
「はい、お疲れ様です」
「お疲れ様です。ヨミ様」
疲れた。早く簡易テントに戻って美少女の仮面を取りたい・・・もう一人モデルの子いるけど、
まだ撮ってるらしい。流石に本職は違うね。
「はぁ~~疲れた。大体なんでユキねえも指示出してんのさ」
「妥協は許しません・・・とは言え、私も少し疲れましたね」
「凄いな・・・俺なんかクタクタ――「アナタなかなか見込みあるじゃない!どこの所属なの!」
いきなり黄色のセパレートを着た女の子が簡易テントに飛び込んできた。なんだコイツ?
「えっと、私はヨミです。どこにも所属してないですよ。知り合いの伝手でモデルの仕事を
手伝っただけです。あの、どちら様ですか?」
「ワタシは
金髪よりも黄色に近い髪、緑の目、綾瀬 リン・・・どれも思い出す物はない。
「・・・ユキねえ、知ってる?」
「最近話題になっている子役です。モデルもやっているとは知りませんでした」
「へぇ~・・・それで綾瀬さん、私に何か用ですか?」
「だから話し方戻していいわよ!じゃなくて!アナタ、ワタシと表紙を賭けて勝負しなさい!」
「・・・どゆこと?ポスターじゃないの?」
「写真を見て、気に入ってくれた編集者さんがいたから雑誌に載せてもらえるの!だからワタシとLBXでバトルしなさい!」
「ヤだよ。表紙に興味ないし、LBX今持ってないし」
一応荷物の中に入ってるけどね。断る理由にさせてもらおう。それに黒いLBXなんて噂があるし、迂闊に他人に見せられない。
「えっ!?表紙よ!?それにLBXなら、撮影に使ったのを貸してもらえるわ!」
「ヨミ様。さっさとバトルした方が早そうですよ」
はぁ。しょうがないな。ワザと負けるのはシャクだけど、勝ったら無理やりにでも表紙にされそうだし負けてやるか。『なぞのLBXプレイヤー』は大人だからね。子供に合わせてあげよう。
「はいはい、やります。やればいいんでしょ」
「言ったわね!ワタシ、結構やるんだから!」
リンのLBXは『アマゾネス』か。俺は・・・折角だし『クノイチ』使ってみようかな。
「それじゃあ、バトルスタートよ!」
アマゾネスの武器は
まずは、牽制程度に撃ちますか。それそれ~。
「あははっ!甘いわ!LBXバトルも出来る女優を目指しているワタシに、そんな攻撃は当たんないわ!」
あ、自己PRありがとう。でも口だけじゃなくて案外やるな。鍛えればアニメの準レギュラーくらいなら行けそうな程には上手い。おっと、そんな事思ってたら、目の前まで来てる。
「それなら!」
ライフルを持ったまま蹴りを放つ。ライフルしか警戒してなかったのか、盛大に喰らった。
「アナタ・・・いいえ、ヨミ!やるわね!」
そうゆうのイイんで。そろそろ終わらせよ?そら、ライフル弾の雨を喰らえ~。
「だけどワタシも負けないわ!」
よし、そのまま近づいて来い・・・さっきよりも威力とタイミングを緩めて・・・
「何度も同じ手は通用しないわよ!」
計画通りに蹴りが躱され、槍を避けずに喰らい、
「ワタシの勝ちね!表紙はもらったわ!」
「ヨカッタネ。オメデトウ」
これには周りの大人も苦笑いしている。俺くらいになれば接待プレイもお手の物だ。
「ヨミも強かったわ!そうだ!ワタシが戦い方を教えてあげる!」
「えっ?ちょっ!ユキねえ、ヘルプ!」
助けを求めてユキねえを見ると顔に『私には関係ありません』と書いてあった。
「え、えーと。それより―――
何かないのか?『なぞのLBXプレイヤー』がこんな子供にLBXを教えて貰うのは解釈違いなんだ!
「それより―――海。海で遊ぼう?」
「それもそうね!」
ちょっ!引っ張らないで!こっちは疲れてるんだーー!
酷い目にあった。死ぬ。死んでしまう。俺はぐったりしているのになんでリンは元気なんだ・・・
「ねえ、ヨミ。・・・・・・ワタシと友達になってくれない?」
「え、いきなりどうした?」
「ワタシ、芸能活動が忙しくて友達が居ないの。でも今日ヨミと一緒に遊んで楽しかったから、友達になってほしいの・・・」
まあリンはクセが強いし友達少なそう。とは思ってたけどね。俺は
「一緒に遊んでLBXバトルもしたのに、友達じゃないの?」
「それって・・・!」
「俺で良かったら友達になるよ。ただ俺も忙しいからあんまり会えないかもだけど」
「ありがと!ヨミ!」
あばばばば!抱きつかないで!こっちは死ぬほど疲れてんだから!
・・・ん?この感触・・・俺より膨らんでる!?
「あら、リン?友達が出来たの?」
「あっ、ママ!友達のヨミよ!」
ママ?あぁ、リンの母親か。リンは『ママ』って呼ぶのか。ふーん。
「ヨミちゃんね。リンと仲良くしてあげてね。ほらリン、ホテルに帰るわよ」
「えー、ヨミともっと居たい」
「別に同じホテルなんだから、後で会えばいいじゃん・・・」
「それもそうね!またね!ヨミ!」
「あぁ。またな、リン」
ユキねえと晩御飯を食べて、ホテルに戻ってきた。ちなみに、ソーキそばを食べた。美味かった。
「ふぃー、疲れたー」
「お疲れ様です、ヨミ様。もう寝ますか?」
「いや、リンに会ってくる。確かめたい事があるからね」
「またLBX絡みですか・・・あんまり遅くならない様にしてください」
「分かってるって。いってきます!」
『リン』視点
ヨミが二人きりで話がしたいってメールがきた。なんだろう?友達になったら、やらなくちゃいけない事ってあったっけ?そんな事を考えている内に待ち合わせの娯楽室に着いた。
「ヨミ、来たわよ!」
他に誰も居ない娯楽室のDキューブの前にヨミは居た。
「リンに聞きたい事があるんだ」
なんだろ?ヨミの聞きたい事って?
「リンにとってLBXってなに?」
「みんなと友達になれる物よ!」
すぐに答える。ワタシはLBXが好きだから。
「バトルだから勝ち負けがあるし、負けたら悔しいけど、戦えば戦うほど友情が深まるの。だからワタシはLBXが好き!」
「・・・・・・・・・」
「ワタシの夢は大女優になるのと、LBXの大会アルテミスで優勝してみんなと友達になる事よ!」
「・・・・・・ふーむ」
「あ、でもアルテミス前回優勝者を倒した『黒いLBX』とも友達になりたいわ。でも、ワタシがまだ弱いから、黒いLBXに会った事ないの」
「ふふっ、あーははははは!リンは面白いなぁ!」
笑うなんてヒドイ!ワタシの立派な夢なのに!
「いいね、リン。友達として、俺の秘密を一つ教えてあげるよ」
「ヨミ・・・そのLBX・・・」
ヨミの手には、噂で聞いていた通りの
「イザナミ。それが黒いLBXの名前だよ」
「イザナミ・・・・・・」
「俺とイザナミが
「あ~あ、負けちゃった」
ホテルの部屋に帰ってきたワタシは勢いよくベットに倒れ込む。
負けて悔しいけど、それ以上にヨミと
「リン、おかえり。寝る前に着替えておくのよ?」
「ねえ、ママ?」
「なあに?」
「ワタシ、黒いLBXと友達になれると思う?」
「黒いLBX?前にリンが言っていたわね。リンなら友達になれるわ」
「・・・ありがと、ママ」
ヨミが友達だから教えてくれた秘密だもんね。ママでも教えてあげられない。
『ヨミ』視点
リンと
リンは槍を使っていたが、二刀流の方が性に合ってそうだな。クレジットに余裕があるし、今度プレゼントしてみるか。
『キーンコーンカーンコーン』
やっと授業終わったー。さて昼休みだな。
「ヨミ!同じ学校だなんて知らなかったわ!」
・・・マジかよ。俺もまさか先輩だとは思ってなかったわ。
キャラの名前、丸パクリでスマン・・・作者はネーミングセンスないんや。
どけ!!!俺はチューナーだぞ!!!
この小説の温度差で風邪をひかないか心配です。
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三章 TS美少女奔走編
Welcome to Underground
あと、お嬢様口調で言えば薄っぺらい事もそれなりに聞こえる気がしますの!
ふとんがふっとびましたわ!
どうも、雑誌デビューした『なぞのLBXプレイヤー』、ヨミです。
今度は時間がありません。たすけてください。
必死にOPを数日間稼いだのに、LBXのアップグレードに三日掛かると言われた。三日後には破壊の祭典と呼ばれている大会『アングラビシダス』の日になってしまう。大会自体には出場しないから問題ないけど、アングラビシダスに向けて特訓をしているバンに、ちょっかいを出したい。具体的には、大会
その為、今日はオタクロスにちょっかいを出す時に欲しい物を作ってもらう。明日の夜までには完成するらしいので問題なし。ただ、それを作ってもらうと、またOPが減るので、明日の夜まで、また依頼漬けにされる事になる。
「はぁ・・・早く帰らないと」
今日は依頼を最低五件は終わらせないといけない。そんな中、学校に行くのは時間的にも、体力的にもツラい。
「ヨミ!今日はワタシの仕事ないから、放課後一緒に遊びましょう!」
「リン、悪いけど俺は依頼が忙しくて・・・」
時間が足りないのだ。リンになど構ってあげる暇はない。
精神的に俺の方が年上なので、リンに先輩呼びはしてない。「こっちの方が友達っぽいわ!」ってリンは喜んでたし。
「依頼って黒いLBXの?」
「そ、沢山やるから今日はムリ」
「ワタシ、ヨミが依頼をやってる所見てみたいわ!」
「・・・いいけど、面白くないと思うけど。今日は効率重視だから、見栄えも悪いと思うし」
「それでもいいわ!ヨミと一緒に居たいもの!」
やめろ、顔がいいんだから、そんな事言いながら近づくな。DTしちゃうから。
「・・・じゃあ、家に来てよ」
「いいの!?ワタシ、友達の家に行くの初めてなの!」
だからDTしちゃうからやめて。・・・とりあえずユキねえに連絡しておくかぁ。
「ただいまー」
「お邪魔します・・・」
リンを連れて家に帰って来た。リンが緊張してて面白い。
「おかえりなさいませ、ヨミ様。それとリン様、いらっしゃいませ」
「リン、この家には俺とユキねえしか居ないから、そんなに緊張しなくていいよ」
「両親は居ないの?」
「海外に住んでるらしいよ。・・・ユキねえ、リンをリビングに連れていっておいて。俺はドローン取って来るから」
「こちらです。リン様」
さてと、ドローン取りに行きますか。
結局今日は、時間の大半をお喋りに費やした。ドローンを見て興奮したリンから質問攻めにされたり、そもそも依頼に使う殆どの時間が移動なので、ずっとリンと話してた。
依頼?そんなの全部バトル系の依頼にして、瞬殺してただけだよ?大体は
「俺とバトルし――『ドゴォン!』
「僕の代わりに――『ズシャァ!』
「お前に倒され――『バコォッ!』
って感じで変わり映えしない作業だったからね。マジで面白味がないからね。
サラッとリンも一緒に晩御飯を食べた。ポキ丼だった。ご飯と魚はやっぱり合うね!
最終的に、リンママがリンを車で連れて帰った。いつまで居る気だったんだ・・・
「またね!ヨミ!」
「・・・あぁ、またね」
楽しかったが流石に疲れた。今日はもう寝よう・・・
アングラビシダス開催二日前の今日、依頼を少し消化してからオタクロスの所に来た。
「ホイ。持っていくデヨ」
『ありがとう。オタクロス』
オタクロスに作ってもらっていた物を受け取る。
作ってもらったのは特製のDキューブだ。普通のDキューブの四分の一程のサイズで中のジオラマは『道場』になっている。これはバトル用じゃなくて練習用に作ってもらった物だ。LBXを二体入れて、組手を行う事を目的にしているから、普通のDキューブ程大きくなくていい。
「ワシもオリジナルDキューブを作ってみようかの・・・」
『お、いいんじゃない?』
闘技場とか、闘技場とか、闘技場もいいと思うな。
道場のDキューブをイザナミに背負わせる。いいね!ジャストサイズ!
「イザナミ、この前の依頼の写真を見たデヨ」
『え゛っ』
まあ、普通見るよね。依頼くれた人だし。
「誰デヨ!あのミステリアスな黒髪の美少女は!まさかオヌシ、ハーレム作っているんデヨ!?」
『・・・いヤ、あれハ、メイドさんの知り合イの子らしイよ。綺麗ダよね、彼女』
「なぜオヌシ、少しカタコトになっているんじゃ?」
『気ノせいじャないかナ。オタクロスくん』
「まさか、イザナミ・・・いや、ないデヨ。黒髪美少女がこんな、傍若無人なワケないデヨ」
『酷いなぁ!ワタシはそんなんじゃない!じゃあね!オタクロス!』
あんまりこの話を続けるとボロが出そうだから、怒ったふりをしてここから逃げよう。
次は本命のバンのお家に行きますか!
すっかり遅くなってしまった。ドローンで行ってるから、俺は家にいるけどね。たしかバンの部屋は二階だったよね・・・一部屋だけ明かりがついてる。多分この部屋だ!カーテンの隙間から覗くとバンがAX-00の素振りをしていた。計画道理だ。
『コンコン』
窓をノックする。いいから早く開けて?俺を待たせてるから。
・・・窓が開いた!行け、イザナミ!ダイナミック不法侵入だ☆
「うわぁ!LBX!?」
「山野 バン、貴方がアングラビシダスで負けると、私にとって都合が悪いの・・・だから私が、貴方のことを鍛えてあげる」
喜べバン!黒いLBXが来てあげたぞ!ちなみにアキレスは今、メンテ中で代わりにAX-00をバンは使っている。
「えっ!?どういうこと?」
察しが悪いなぁ。ほら主人公だろ?覚悟決めてさっさと鍛えられるがいい!
イザナミに背負わせていた小型Dキューブを展開し、中でバンを待つ。
「私から攻撃しないわ・・・そうね、一回でも私に攻撃を当てられたら合格にしてあげる」
ちゃんと武器はドローンに置いて来たから。いいから早く~。
「・・・・・・待たされるのは嫌いなのだけれど」
「・・・わかった。やったやる!」
AX-00が
「一旦止めて・・・山野 バン、貴方は武器に頼りすぎている。今度は素手で来なさい。私も素手で相手してあげる」
「・・・普通、武器を使って戦うものじゃないの?」
「いいから、来なさい・・・」
AX-00が拳を振りかざして―――ここだ!そぉい!
「投げ飛ばされた!?・・・もう一度だ!」
今度は拳を受け流し・・・バランスが崩れた所でキック!
「LBXは人を模して造られているわ。だから体術も出来るの。・・・また武器を使っていいわよ」
「武器があれば今度こそ!」
って思うじゃん?言ったよなぁ?
「だから言ったでしょう?体術も出来るって。武器を振り回すだけじゃなくて、受け流しや弾き、蹴りも覚えた方がいいわ」
あーーー!!気持ちイイ!!主人公にマウント取るのキモチィーー!!!
「・・・分かった。俺に教えてくれ!強くならなくちゃいけないんだ!」
「ふふっ・・・いいわ。教えてあげる。だけど、優しくは教えてあげられないわよ」
しょうがないなぁーー!!そんなに教えてほしいのかーー!!
結構な時間、組手をした。もう十時だよ。一時間くらいやってるよ。流石主人公と言うべきか、成長スピードが半端ない。教えた分強くなるから、教えがいがある。あんまりやりすぎるとアニメのシナリオとかけ離れるから、これくらいにしとこう。
『世界を救う前に主人公をレベル99にしてしまった~ラスボスのレベルが53なんだけどどうすればいい?~』みたいなラノベ的な展開は期待していないのだ。
「今日はこれまでね。これ以上やると明日に響くわ・・・これなら店長さんも倒せるかもね」
「・・・!?店長のこと知ってるの!?」
なにも言わずに、Dキューブを回収して部屋を去る。そう易々と情報を渡すか。
アニメ見てたから知ってるだけだけど。バン達は昼間、キタジマ模型店の店長に鍛えてもらっている。アニメでは明日、店長を倒して『シグマDX9』をもらう。タイニーオービット社製の最新高速モーターらしいけど、ゲーム版だと異常に弱く、『産業廃棄物』だとか呼ばれている。アニメ版なら結構強いらしいから、この世界がアニメ版でよかったね。
さて、やりたい事出来たし、撤収しますか。
「いよいよ明日ね・・・さあ、山野 バン、今日こそ合格して見せてちょうだい?」
「やってやる!いけ、アキレス!」
アングラビシダス前日の夜。また来ちゃった♡
今日のバンの機体はアキレスだ。この動き・・・シグマDX9も積んでるみたいだね。動作が軽快に見える。
「甘いわ・・・それじゃあ『箱の中の魔術師』には勝てないわよ」
「!見てたの!?」
よかった。ちゃんとアニメ道理『箱の中の魔術師』こと
「ふふっ。どうかしらね・・・」
見たかったですぅ~。忙しくて見れなかったんですぅ~。
「明日はアングラビシダス当日・・・あんまり夜遅くまでは出来ないわ。次がラスト。私が教えた事を全部出し切ってみなさい」
「やるぞ!アキレス!」
アキレスが盾を構え、突っ込んでくる。手元を見せない様にして攻撃を読ませないつもりか。
盾の左側から槍がイザナミ目掛けて突き出される。このくらい簡単に受け流せる。
なるほど、そういうことか。
槍を受け流す。簡単に受け流せた。
すると盾の右側からアキレスが蹴りを繰り出している。
槍を囮にして、盾に隠れて蹴りを入れる。そうゆう魂胆か。
まあ、避けようとすれば避けれるけど、バンの成長を祝して掠るくらいはしてやるか。
「・・・おめでとう。山野 バン」
「それって・・・!」
「掠っただけだけど、私に攻撃が当たったのは事実。合格よ」
「やったぁ!!」
「・・・合格祝いに私の名前を教えてあげる。『イザナミ』よ。また逢いましょう。山野 バン」
イザナミはクールに去るぜ。撤収!撤収じゃあ!
それは偽名だろって?いいんだよ!『なぞのLBXプレイヤー』はイザナミだし!今はヨミちゃんモードじゃないんですぅー。
「最強のLBXプレイヤーを目指し、存分に腕を振るい、ブッ壊してやれ!」
「「「「「FOOOOOOOOOO!!!」」」」」
FOOOOOOOOOOO!!!ようやく始まった!アングラビシダス!!山野 バンのライバル枠の
「なんですか・・・この野蛮そうな大会は」
ユキねえの言う事も一理ある。観客の半数が世紀末みたいな恰好だもんね・・・
俺とユキねえはLBX越しに大会を見ている。直接見に行かないのはパンドラこと宇崎 悠介がこの大会に変装して来ているからだ。改良しているであろうパンドラのデータが欲しいので、後で喧嘩を売るつもりだ。
「・・・居た。あの白いスーツとサングラスの男だよ」
「あんまり目立って見えませんね・・・」
世紀末や柄の悪そうなファッションの中では目立たない。街中だったら二度見するくらいには凄い派手な変装なんだけどね。
「只今から、第一回戦Aグループを行います」
予選はここくらいしか見どころないんだよね。仙道のバトルとバンのバトルがあるからね。ジンのバトルはすぐ終わるから見応えない。バンの対戦相手は首狩りガトーだ。世紀末ファッションの人だ。いけー!バン!世紀末ファッションなんかやっつけちゃえ!
あれ?なんか結構押してね?アニメだと、もうちょっと苦戦してなかった?・・・あ、スタングレネード喰らった。これでアニメ通りに戻ったね。よかった。腕を切り落としてもらわないと、仙道に負けた郷田のハカイオーの腕をアキレスに付けて、バンが仙道を倒さないと敵討ちにならないからね。
あ、片腕だけになったアキレスがガトーのLBX、ブルド改を倒した。
準決勝、バンの相手は仙道だ。ちゃんとアキレスにハカイオーの腕が付いてるね。
がんばえ~バン~。修行したと言っても、やっぱり押されるのね。
多少の事なら修正されて、元の世界のストーリーに戻るのかな?
「ユキねえは仙道が決勝に進むと思う?」
「その言い方、誰が勝つか知っているみたいですね」
アキレスがVモードになった。Vモードとは性能が格段に上がるが操作を受け付けず、勝手に攻撃する困ったちゃんなのだ。
「なんですか、あのLBX。強化された様ですが、動きが単調になってますよ?」
「なんか、ああなると操作出来ないらしいんだよね」
ほら、仙道にパターン読まれて、アキレスがピンチですよー。パンドラさん助けてあげてー。
お、アキレスの動きが変わった。無事にパンドラの助けてもらってVモード中も操作できる様になったみたいだね。
「いい所だけど、作戦開始するよ」
「わかりました」
作戦はパンドラを持った悠介を追いかけて、適当にバトルをする。以上!
よしよし、他に人気がないぞ。一応近くにモルフォに待機してもらっている。
「変装にしては、派手すぎじゃないかしら?パンドラ?」
パンドラだ!!パンドラだろう!?なあパンドラだろうおまえ データ置いてけ!!なあ!!
「・・・君は、一体何者なんだ?」
「そんな事、どうでもいいわ。ねえ、パンドラも改良したんでしょう?私のイザナミも改良したのよ?またどっちが強いのか比べてみましょう?」
パンドラを改良したかなんて知らないけどね。多分してるだろう。
イザナミは改良してないです。時間がなかったので・・・
「もし貴方が勝ったらさっきの質問に答えてあげる」
「・・・本当だな?」
「貴方は、私の言葉を信じて戦うしかないのよ」
「・・・クッ、行け!パンドラ!」
ひゃっほー!!バトルだ!!血祭にあげてやるぜぇ!!
と言っても改良したって見栄を切ってしまった以上、前回より頑張らなくちゃいけない。
・・・どうしよ。とりあえず刀と、前回使わなかった槍も使って攻撃するか。
距離を詰めながら槍を振るい、刀で斬る。パンドラが一旦距離を取ろうとしたところで、また槍を振って行動を阻害し、刀で追撃する。相手に行動する隙を与えず押し切る。これがイザナミの基本の攻撃スタイルだ。まあ、ユキねえにこの攻撃だけやっても勝てないけどね。
大体三分弱やってるけど、パンドラはまた防戦一方だ。同じで芸がないね。データも集まったし、このくらいで勘弁してやるか。
「・・・ふん、そう。分かったわ・・・・・・興が削がれたから、見逃してあげる」
「どういう事だ・・・?」
テキトーに言ってるから、俺にもわかんない。見逃すって言ってるんだから行けよ。
「私の気が変わらない内に行った方がいいわ・・・それとも続きがやりたいの?」
そう言ったら、悠介はパンドラを回収して、出て行った。そろそろタイニーオービット社からのヘイトが溜まって来てるかもね。あれ、もしかしてオタクロスに口止めしてない?タイニーオービット社とオタクロスそれなりに仲良かったよね?・・・
マズい!社長の悠介が、オタクロスに俺の事聞いたら、一発でバレる!!
『もしもし!オタクロス!?』
「なんデヨ、イザナミ。うるさいデヨ」
『三千万クレジットあげるから、誰に聞かれてもワタシの事喋らないで!!』
「ナヌ!?三千万クレジットデヨ!?」
こんな事をしている内にアングラビシダス決勝戦は終わっていた。
CCMを高速で操作するジン君が腱鞘炎になりそうで心配な作者です。
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前編 すてるすみっしょん!
「・・・・・・はぁ~~・・・」
「いつまでもため息つかないでください」
「だって~~~・・・」
俺の気持ちは沈んでいる。アングラビシダス決勝戦、バンとジンの初バトルを見れなかったんだから。クソッ!これも全てパンドラと悠介が悪いんだ!俺は悪くねぇっ!
フッーー、フッーー、フッーー・・・落ち着け、俺は『なぞのLBXプレイヤー』だ。こんな簡単に動揺してはいけない。くーるだうん、そうくーる、だ。
「スー―、ハーー、スーー、ハーー」
・・・よし、落ち着いた。今どうなっているか、状況を整理しよう。まず、アングラビシダスでバンが優勝したのは間違いない。バンがジンに勝ったらバンの父親、山野 淳一郎の居場所をジンが教えてくれる。その場所はイノベーターの親玉の屋敷『海道邸』だ。
場所はわかったけど、警備が厳重でいけないよー。ってなった所に、バンにLBXを
海道邸侵入イベントを踏む為に、俺が関われる事はないだろう。だってバン達は今頃、海道邸の構造図を詳しく解析するために、
「ウスユキおねえちゃん~♡ヨミね?明日の夜にぃ、お出かけしたいな~~♡」
「なんか違うので止めてください。・・・それにまたLBX絡みですね」
「何が違うって言うんだよ!」
「・・・・・・恥じらい?ですかね?」
「そんなの俺に求めないでよ!!」
「それで、明日何をしたいんですか?」
「それはね――――
バン達が明日の夜に海道邸に侵入する事、同時刻にシーカー本部がイノベーターに襲われる事を
ユキねえに説明する。バン達が初めてシーカー本部に行った次の日にはシーカー本部が襲われ、無くなってしまう。バン達は二回しか行かない。出番がなくて可哀そうなシーカー本部。
「・・・そんな情報どこから手にいれたんですか?」
「んーー、色んな所からかな?」
アニメで見てたから、とは言えないから誤魔化す。
「・・・とりあえず、それはいいです。もし本当にそうなるとして、ヨミ様はどうするんですか?」
「俺はバン達と一緒に、海道邸に行くかな」
「それで、私は?」
「ユキねえはシーカー本部の方に行ってもらいたいかな」
「二手に分かれても大丈夫なんですか?」
「多分なんとかなるでしょ。詳しい事は明日説明するよ」
「はぁ・・・わかりました。おやすみなさいませ、ヨミ様」
「おやすみ、ユキねえ」
明日は大変だからね。今の内にしっかり休んでおこう。
「すみません、ちょっと
「あぁ・・・行ってこい」
女の子の日だと思ったか!担任め!俺にそんなものは来ていない!今夜は長丁場だから今の内に寝ておくぜ!・・・・・・生理来てないけど大丈夫なんだよね?病気だったりしないよね?
とりま、保健室にGO!
「すみませーん・・・」
なんだ、保健室に誰も居ないじゃん。まあどっちでもいいけど。ベット、ベット~。
『ボスン!』
誰も居ないから、勢いよくベットダイブしても怒られない。埃とか舞うからよくないんだけどね。
ああ~^オフトゥンが気持ちええんじゃ~。今夜どうしようかなぁ、なんてバン達に声を掛けようか。そういえば、アングラビシダス決勝戦見てないからバンとジンのバトルを見るの初めてか。
・・・生理来たらどうしよう。おれが、こどもをうむとか、そうぞう、できないなぁ・・・・・・
――――――――――
「ヨミ!体調が良くないって聞いたわ!大丈夫なの!?」
「ぐふぅ!?」
なんだ!?なにが起きている!?俺に
「リン、保健室で大声を出したり、飛び込んできたら駄目でしょ」
「ヨミが心配で・・・ごめんなさい・・・」
「ま、仮病の俺が言えた事じゃないけどね」
「ちょっと!ヨミ――「しーー」
「なんでヨミは仮病なんて使ったのよ?」
「今日の夜、大切な仕事があるんだ。だから体力を温存しておこうかなって」
海道邸に不法侵入する大切なお仕事だ。誇りを持って行わなければならない。
「むーー。だからってズルはダメよ」
「午後の授業はちゃんと出るって。あと今度埋め合わせするから。ね?」
「しょうがないわね。それで許してあげるわ!」
チョロいな、リンは。こんな純粋な子が芸能界に居るとは信じられないね。
とは言え、午後の授業に出なくちゃいけなくなった。ダルいなぁ・・・
「ユキねえ、準備はいい?」
「大丈夫です。問題ありません」
バン達シーカーが海道邸に侵入する日の夜、俺とユキねえはグレースヒルズ近くの駐車場に車で来ていた。
バン達は海道邸に入る為、海道邸近くのグレースヒルズの中にある隠し通路を通って侵入する。
海道邸内で非常事態が起きた時に逃げる為に作られたらしい。
イザナミで隠し通路を通るバン達に、隠れながらついて行く予定だ。
ユキねえは横に居るけど、ドローンを使ってトキオシアデパートにモルフォを送り込んでもらっている。つまり俺一人でバン達について行かないといけない。
モルフォをトキオシアに送った理由は、今夜イノベーターにトキオシアの地下にあるシーカー本部が襲われるからだ。アニメだと死傷者が居ないけど、俺が関わった事で何かが変わり、死傷者が出ないとも限らない。だからモルフォを送り込んでシーカーの人達が逃げるのをサポートしてもらう。
「・・・正直言ってユキねえの方が不確定要素が多くて心配なんだけど」
「大丈夫です。ヨミ様が弾薬代を出してくれたので、特殊弾が沢山ありますから」
「それが一番心配なんだよ!無駄に高い弾使わないでよね!?」
「ヨミ様にコスプレ撮影会をさせてくれたら、そんな事しませんよ」
「それって脅しだよね!?」
「もちろん冗談ですよ」
「嘘だッ!あわよくば本当にしようとしてる眼だった!」
「ヨミ様も冗談がお上手ですね・・・」
ヨミちゃんの貞操の危機を感じる。ユキねえの目が座ってて怖い。これ以上の恥辱を受けたら本当にお婿に行けなくなってしまう。
ハッ!グレースヒルズの隠し通路がある噴水にバン達がやって来た。この話題に逃げるしかない!
「バ、バン達が来たから、俺はイザナミの操作に集中するね!」
「・・・逃げましたね」
ヨミちゃんはメス堕ちしないです。予めご了承ください。
追伸
生理ネタが女性蔑視などにならないか心配です。
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中編 機巧少女は迷わない
この小説を書いてなかったら、グラビティデイズにTSオリキャラぶち込んでたかもしれない。ハーメルンにグラビティデイズの二次創作なかったんだけど・・・
・・・フム。これは中々・・・
隠し通路のスイッチは噴水の水の中だ。里奈がスイッチを押す為、袖を捲り手袋を外す。手袋を外す動作に大人の色気を感じます!
『ゴゴゴゴゴゴ・・・』
噴水手前の石畳が動き、下へ続く階段が現れる。結構、俗っぽい仕掛けだね。誰の趣味でこうなったんだろ?如何にも『隠し通路です!』って感じで嫌いじゃないけどさ・・・
ちなみに、今ここに居るメンツは里奈、拓也、レックスの大人三人と、バン、カズ、アミに郷田とバンのクラスメイトのミカとリュウの中学生六人だ。ミカちゃんカワイイ!・・・郷田デカくね?三年生とは言え、大人と変わらない体格ですけど。
「ここよ。持って来たゴーグルを付けて行きましょう」
そう言うと、シーカーの面々が暗視機能付きゴーグルを付ける。里奈とレックスは眼鏡にゴーグルだ。あれ付け心地悪いんだよね。って言うか、ただでさえゴーグルが薄い黒なのに、サングラスも付けてるレックスおかしくない?あれちゃんと見えてるのかな?
あ!置いて行かないで!俺もついてくからーー!
・・・暇だ。中継器を置いたり、尾行がバレない様に気を付けてはいるけど、ただ永遠に地下水路を進むのは飽きる。こう、主人公達を見守ってピンチになったら現れる系の人達は、この苦痛とも言える尾行時間で何してるんだろ?・・・・・・つまり、今めっちゃ暇って事。
「キィ・・・キィキィ」
「なんだ?この音?」
「・・・キィ・・・キィーー!!」
「きゃああぁーーーー!!」
いきなり大画面に化物が写される。あばっあばばばば!?
「楽しそうですね。ヨミ様」
「楽しくないわ!!」
化物の正体は・・・ネズミだ!クッソォ!散れ、散れ!
そういえば、この地下水路にネズミが住み着いててアミちゃんが怖がるシーンがあった気がする。俺はLBXのカメラで見ているので、人間サイズの化物ネズミに見える。しかもハムスターの様な可愛らしさの欠片もない都会のきたないネズミだ。クソォ!バン達の尾行をしていなかったら、コマギレニシテヤル所だったのに!
不幸中の幸い、マイクをつけてなかったから、俺の
ヤベッ、バン達どこだ!?バン~~置いて行かないで~~!俺を置いて行ってるぞ~~!
・・・マズい。ヒジョーにマズい。
「・・・もしかしなくても、俺、迷子?」
はぐれた、ヤバい。一応海道邸の中には侵入出来たけど、バン達がどこにいるかもわからない。こんな事なら、一応持って来たマイク付き発信機を多少ムリしてでも、バンに付けておけばよかった!
しかもこの海道邸、『邸』って言う割には大きすぎなんだよ!そこら辺の城よりデカいじゃん!!海道城に名前変えろ!!
「フーーッ、フーーッ、フーーッ」
おい、そこ!顔真っ赤で草WWWとか思っただろ!全然そんな事ねぇし!あと草に
まだだ!まだ終わりじゃない!バン達の目的の場所は上の方だったハズだ!つまり上に向かえば、どこかでバンに会えるかもしれない!
どこだーー!バンーーー!俺はここにいるぞーー!!
あ、拓也達大人チームだ!・・・そんなに嬉しくない。この後でイノベーターに捕まってバンと合流するけど、その時にはもうバンとジンのバトルが終わってるからね。・・・一応、拓也に発信機付けとくかぁ。最悪バトルが終わってから会えるからね。音声拾えば、拓也達がどんな状況かわかるしね。
・・・気を取り直して、バン達を探しますか!
しばらく探したけど、どこにもバン達が居ない。早く見つけないとバトル始まっちゃうよ!
「侵入者だ!行け、行け!」
どゆこと?・・・もしかしてバン達が見つかった!?マズい!アニメだと警備に見つかったバン達がジンの部屋に隠れて、バトルをしないと警備を呼ぶってジンに脅されて、バンがジンとバトルするんだ!
つまり、もうすぐバトルが始まる!!急げば間に合うか!?
「オイ!ここにも侵入しているLBXが居るぞ!」
「へっ?」
もしかして、俺、見つかったヤツ?
「待て!!」
待てと言われて待つ奴がいるか!逃げろ!!対人装備なんて持って来てないよ!!
フックショット付けてて良かった!!昔の俺ナイス!LBX相手ならいくらでも倒せるけど、人間が束になってくると流石に逃げるしかない。
「まだ、俺は諦めんぞ!」
この目でバンとジンのバトルを見るんだ!――――
『ウスユキ』視点
ヨミ様が発狂していて、とても楽しそうですね。私は遠慮しますが。
・・・トキオシアデパートの前に軍用トラックが数台来た。これがヨミ様の言っていた、イノベーターの刺客だろうか。
「ヨミ様、こちらに刺客が来たようですが」
「クソ!
聞いていませんね・・・そもそもヨミ様は英雄ではなく、LBXの邪神あたりでしょう・・・
仕方ないので、自分の判断で動く事にしよう。・・・でもシーカー本部がどこにあるのか知らないから、シーカーの人員を守れない。・・・こうなったら、イノベーターの妨害に作戦を替えるしかない。
敵の戦力は軍用トラックが八台、すべて人員輸送車らしい。また、ヨミ様の予想が当たった。なぜこんなにも正確な予想が出来るのだろう?・・・ひとまず後回しだ。煙幕弾を装填し、トラックの扉が開くのを待つ。
『パシュ!』「敵襲だ!!」
トラックの扉が開いた瞬間に中に煙幕弾を撃ち込む。するとトラック内が蜂の巣をつついたようになった。
『パシュ!』『パシュ!』『パシュ!』・・・・・・
中に撃ち込めるトラックに、煙幕弾を撃ち込み続ける。合計六台のトラックに撃ち込んだ。
そろそろこっちの場所が特定されるはずだ。移動して残り二台のトラックにも煙幕弾を撃つ。
「ヨミ様、炸裂徹甲弾使いますね」
「やめてぇ!GMPが無くなっちゃう!」
GMP、とはなんでしょう?OPが減る訳ではなさそうですし、問題ないですね。
炸裂徹甲弾を装填・・・トラックのエンジン部分はこの辺だろう。
『パシュ!』『パシュ!』『パシュ!』
・・・壊れたか分からない。・・・あのトラックも電子制御だろうし、電子パルス弾も撃ち込んでみよう。
『パシュ!』
効いているか未だに分からないが、他のトラックにも撃っておく。決して、高い弾を撃ち続ける快感に目覚めた訳では、ないです。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
ヨミ様がいつもに増してうるさい。・・・静かな時などないが。
ん?遠くにグレーと青の制服の様な人影が見えた。あれがシーカーの人員だろうか。
「貴方はシーカーの人員ですね?」
とりあえず情報が欲しい。この人物がイノベーター側だったら即刻攻撃するが。
「ああ、そうだ。君が時間を稼いでくれたのか?」
「ええ、そうです。全員退避出来ましたか?」
「君が時間を稼いでくれたおかげでね。助かったよ。でも、なんで助けてくれたんだ?それに君のLBXはシーカーで見た事ない。君は一体・・・」
「助けた理由はそう指示されたからです。私はシーカーに所属していません。私は・・・モルフォと呼ばれています」
後でヨミ様に文句を言われたくないので、本名は言わない。なぜそこまで拘るのだろう?
シーカー全員の無事を確かめたので、ここで話す事続ける必要はない。妨害に戻るとしよう。
「それでは失礼します」
・・・シーカーの制服をアレンジして、ヨミ様に着せるのも悪くないかもしれない。
・・・おかしい・・・前後編にするつもりだったのに。
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後編 黒いLBX
ところで、前編だけ書いてあってエタってる小説見ると心がキュッってなる。ますわ!
『・・・ゾクゾクッ!』
敵か!?今、物凄い悪寒がした・・・どうやら違ったようだ。まだ
そういえば、拓也につけた発信機見てみるか。・・・ちょっと遠いな。盗聴もしてみよう。
「―――、――――――」
「――――――、―――――」
小声で話してるせいかよく聞こえん。音量マックスにしても聞こえない。うーん、動作テストしてないからなぁ。そもそも欠陥品だったか?しょうがない、盗聴は諦めるか。
さて、どうしよう?バン達はおろか、帰り道すらわからない。流石に一晩バッテリーが持たないだろうし、バン達の捜索を諦めた方がいいのか?でも、せっかくここまで来たのに、今更手ぶらじゃ帰れないぞ。
考えろ・・・何か方法があるはずだ・・・いっそ、その辺に居る警備員に刃物を
「・・・・・・うん?」
壁に穴が開いてる?隠し通路っぽいな?もちろん潜入した時のじゃないけど。・・・もしかしてこの先にジンの部屋がある!?たしか、バン達が追われてる時にここに入り込んでジンとバトルし、決着がつく前に警備員に見つかって、隠し通路から出ていくんだよね。まあ、本当にジンの部屋か分かんないけどね。入れば分かるさ!いざ、突撃!
「初めまして・・・海道 ジン」
ビンゴ!やった!これで助かる!神様、仏様、ジン様~!なんで?ってなると思うだろうけど、海道邸のイベントスケジュールは
1 バン、カズ、アミが目的地に着く。
↓
2 実は罠で、
↓
3 侵入していた他の仲間も既に捕まってた!ピンチ!
↓
4 ついでにバンの父親の山野博士も部屋に連れて来られた。ナンデ?
↓
5 拓也が頑張って義光を人質にする。ヤッタ!
↓
6 里奈に裏切られて再びピンチ!
↓
7 山野博士が部屋の天井を爆破して隙を作る。何気に危ないね。
↓
8 逃げる時にちょこっとだけジンが助けてくれる。
↓
9 海道邸脱出!
義光が調子乗って4をしなければ良かったんじゃ・・・?義光のお茶目さん!
なぜか知らんけど、さっきの6の所からジンが盗み見てて、義光の裏の顔を初めて知るのだ。少しずつ、義光が悪いヤツだと知ったジンが、バンの仲間になる。ライバルが仲間になるのイイヨネ!
長くなったがつまり、ジンについて行けばバン達と一緒に逃げれるのだ!ジンに声を掛けたのは、趣味です。
「もう少し山野 バンとのバトルを見ていたかったわ・・・」
嘘は言ってない。一ミリも見てないけどね。マジで見たかった・・・
「キミを何者だ」
「・・・私はイザナミ。彼らとは違う目的で動いているの」
「イザナミ、キミの目的とは一体なんだ」
「それは秘密・・・でも、貴方に見せたい物があるの」
ここで拓也の発信機のデータをジンにパス!俺、ここに行きたい!ジン様連れて行って?
「これは海道邸の中、か?」
「ええ、そうよ・・・ここに行けば見られるわ」
サァ、ナカマ二、ナロウ・・・コワク、ナイヨォ。
「・・・ボクが君の言う事を信じる理由がない」
えっ・・・そりゃそうか。普通に考えて、俺ただの侵入者だもんね。俺の言ってる事って「やあ!赤の他人だけど、君の家に面白い物があるんだ!見に行こうよ!」って事だもんな・・・
「ふふっ・・・そうかもね」
どうしよう・・・どうしよう・・・とりあえず笑って誤魔化しておいたけど、なんて言えばジンを誘導できる?・・・賭けだがこれしかないか!?
「・・・山野 バンと決着をつけたいでしょう?」
ジンはバンと決着をつけたがっているはずだ。ライバル枠だから、これでどうにかなりませんかね?
「・・・いいだろう。行ってやる」
「ありがとう、ジン」
やったー!なんとかなったー!!じゃ、早く行こうぜー!!
海道邸をジンと一緒に進む事数分。発信機の反応はすぐそこだ。ちなみに、ジンの白い執事っぽいお爺ちゃんは居ない。二人っきりだね・・・てか、俺とユキねえにモロ被りじゃね?ジンも俺もメインカラーが黒だし、従者の色も白。ヤベェ!またキャラ被りだ!流石に
今度こそ、役に立ってもらおうか!拓也につけた盗聴器!
『・・・・・・ガシャ!!!!』
「・・・・・・ゥグッ!・・・」
鼓膜破れるかと思った。音量最大にしたの忘れてた・・・思わずちょっと声出ちゃったよ。
「どうした!?」
「・・・・・・大した事ないわ・・・それより貴方は心の準備をしておくことね」
マジで大した事じゃないんです・・・多分、拓也が義光を人質にする時に発信機を強打しただけだと思うんです・・・そんな事より両親が亡くなってから、親代わりに育ててくれた義光の裏の顔を知る心の準備しててください・・・
「・・・着いたわね。中を覗いてみて」
まだ耳のダメージが残ってる・・・ホレ、はよう行きんしゃい。
「あれは、おじい様・・・?」
丁度今、義光が里奈がシーカーを裏切った理由をご機嫌で説明中だ。短く纏めると、お金の為に医療技術を独占してるよ。里奈の妹を助ける代わりにシーカーを裏切ってね。って事だね。これにはジン君も
――――――――――
話長いなぁ~、山野博士。要約すると、LBXの世界大会アルテミスの優勝賞品無いと
『ドゴォン!!』
キターーー!
「ジン!バン達にCCMを!」
「!ああ、分かった!」
義光に奪われたバン達のCCMを返してあげないとね。
ジン選手、最小限の動きで・・・投げた!絶妙なコントロール!見事バン達にCCMが投げ渡されたー!
この混乱に乗じて、俺もお暇しますか。
「じゃあね、ジン・・・もし、海道 義光と戦うなら八神と協力する事ね」
八神とは、
ジン、サラダバー!
――――――――――
キタキタキターー!!これだよ!!こーゆうのを待ってたんだよ!!!
目前には、イノベーターのLBX、デクーの大群。そこをなんとか突破しようと奮闘中のバン達。
これは『なぞのLBXプレイヤー』の出番ですね!
みwなwぎwっwてwきwたw
「ここは私に任せて行きなさい・・・」
叫ばないのがポイント。余裕かましてこそ、強者の風格が出るってもんよ!これって死亡フラグ?
「イザナミ!?なんでここに居るの!?」
「説明している時間はないわ、バン・・・早く行きなさい」
尾行してました、って言えないからね。完全にストーカー宣言だし。
それにしても、やはりデクーはいい!無双ゲーみたいだ!ヒャッハーーーー!!
アハハハハハハハハハハハハ!!
ふーーー、大分減ってきたな・・・アレ、バン達どこ?ヤベェ!帰り道知らないんだよー!!置いてかないでー!!
『山野 バン』視点
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
なんとか俺達は海道邸から逃げて、海道邸前のグレースヒルズ公園まで逃げ出せた。
父さんのおかげで逃げられたんだ。でも、俺は父さんのこと助けれなかった。それにイザナミって言うLBXにも助けられた。助けてもらってばっかりだ。こんな俺じゃあ・・・
「逢いたかったわ・・・山野 バン」
「え?」
声の聞こえた方を見ると、満月の光を受けて輝く黒い髪の女の子が居た。
「その声・・・イザナミなのか!?」
「ええ、そうよ・・・やっと逢えたわね・・・バン」
この子がイザナミ?思ってたより小さい女の子だ。でも彼女の手に
「山野 バン、もっと強くなりなさい。強くなって山野博士、いいえ、世界を救うのよ。貴方にしか出来ないわ」
「・・・・・・俺が父さんと、世界を救う・・・」
そうだ。父さんは俺にアキレスと
「黒いLBX!?コイツが例の!」
「イザナミ!君の目的はなんだ!」
「・・・少なくとも貴方達の敵じゃないわ。拓也、
そう言ってイザナミは公園の奥に消えて行ってしまった。
『ヨミ』視点
ヨシ!上手く『なぞのLBXプレイヤー』イザナミを演じきった!終わり良ければ総て良し!大勝利
見た目もちゃんと拘って、彼岸花が刺繍された黒いワンピースを着ている。イザナミと似たデザインにして、俺がイザナミを操作してましたよ~。とアピール出来るし、白い肌と黒髪に黒ワンピースが似合うってのもある。服を着た時は機嫌が良かったので、イザナミモードでユキねえに写真を撮らせてやった。
それに今回『なぞのLBXプレイヤー』の初顔出しだぞ!このタイミングが一番いいと思う!拓也とレックスも居たし、みんなでイザナミちゃんの事を考えながら眠るがいい!俺も家に帰って寝たいぜ!
「と、言う訳で、全速力で向かってます」
やっぱり『なぞのLBXプレイヤー』は突然現れ、忽然と消えてナンボだからね。ステルスの基本『ダンボール箱』に入って、全速力でユキねえの車に向かっている。・・・コレ、ノリでやったはいいけど、結構疲れるな。
今夜は・・・遅いからもう寝て、明日は打ち上げだ!!
一旦、ここで更新を止めます。
作者の充電期間と、書いてきた話の手直しをします。
すぐ戻って来るから安心して♡(フラグ?)
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映画館でーと(仮)
リンちゃんはサブヒロインくらいだと思ってたの。・・・ですわ!
「
『カキカキン!』
「まさか、ワタシまで呼んでくれるとは思わなかったわ!」
「友達だしね!」
海道邸侵入が終わった次の日の放課後、家で打ち上げ会を開催した。打ち上げ会にリンも呼んでいる。仮病使って休んでたのを黙ってもらっていたし・・・その時言った『埋め合わせ』をこの会で有耶無耶に出来ないか、とも思っている。別に俺は正義の味方じゃないからね。多少悪い事も考えるのだ!
「さあ、ドンドン食べようじゃないか!」
「友達の家でパーティーするのって、こんなに楽しいのね!」
「ヨミ様、リン様はこの後仕事があるんですから、調子に乗って食べさせ過ぎないでください」
「もちろん、わかってるよ」
この後、リンが出演した映画の宣伝?とか色々あるらしい。俺とは比べ物にならないくらい忙しいな・・・
「LBXを題材にした映画よ!ワタシはライバル役で出演したわ!ヨミとユキお姉さんにも見てほしいわ!」
「ほぇ~、そんな良い役貰えてたんだ。少し時間に余裕があるから、今度観に行ってみるよ」
次のバン達のイベントはアルテミスだからね。大体一か月くらい時間がある。まあ依頼やら、LBXのアップグレードやら、バン達にちょっかい掛けたりで暇ではないけどね。映画一本なら見る時間はある。って言うかLBXを題材にした映画なんてあるんだ・・・アニメだとそんな描写無かった気がするけど、こんなにLBXの人気があるんだから、別におかしい話ではないよな。
「それじゃあヨミ!ワタシ、アナタに依頼を出すわ!」
「ふへぇ?・・・どゆこと?」
「一週間後、映画の試写会があるんだけど、トークイベントの後に出演者がLBXバトルをするの!そこにイザナミとしてバトルに乱入して欲しいの!」
「ねえ、ヨミいいでしょ?報酬も出すし、それにヨミが仮病使ってた時に『今度埋め合わせする』って言ったじゃない」
「・・・そんな事してたんですか、ヨミ様」
「え、あ、ぐぅ・・・・・・わかりました!やりますぅ!やればいいんでしょ!」
くぅぅ・・・バンやジンに頑張って『なぞのLBXプレイヤー』を演じたのに、メディアの前に出たら、俗っぽいと言うか格が落ちそうな気がする。
「ありがとう、ヨミ!これでヨミとまたバトル出来るし、映画の宣伝にもなるわ!」
「いい様に使われましたね、ヨミ様」
誰だ!リンの事をチョロいとか、純粋とか言った奴!めっちゃ
「・・・うう~~~」
「リン様、そろそろ時間では?」
「もうそんな時間なの?それじゃあヨミ、監督さんやスタッフさんにも出てくれるって言っておくわね!」
「ちょっと!俺は顔出しNGだからね!?」
「わかったわ!またね!ヨミ!」
「マジでそこだけは頼むからね!またね!」
リンが忙しなく我が家から出て行った。見送りくらいゆっくりさせろよ・・・面倒な事を引き受けちゃったな・・・
来た・・・決戦の日が・・・
俺とユキねえは都内の映画館に来ていた。映画を放映してから、出演者が出てきて舞台挨拶をしてトークとバトルをする予定らしい。俺の出番は最後の方だが、リンが関係者席を確保してくれたので映画を観れる事になっている。ありがたいが、俺は緊張で映画を観ても頭に入らないかもしれない。
「ひっひっふー、ひっひっふー」
そうだ、『人』って手に書いて飲み込むと、緊張が解れるって聞いた事がある。少しでもこの緊張が減るならやってみよう。
「なにやってるんですか、ヨミ様?」
「おまじないだよ!ユキねえは緊張しないの?」
「別に私は出ないので。・・・それにもっと危険な事もしてきたじゃないですか。なんで今回だけそんなに緊張してるんですか」
「それってユキねえに無理やりコスプレ撮影された事?」
「それは安全です。海道邸侵入や、財前総理の暗殺阻止とかですよ・・・」
別にあれは結果がわかってるし。今回はテレビに出るかもしれないんだぜ!?どう考えても今回の方がヤバいだろ!
「仕方ないですね・・・緊張を解す為に猫耳つけますか?」
「アレ~~?ナンダカ、緊張シナクナッテ、キタナ~」
「・・・チッ」
今舌打ちしなかった・・・?流石に人前で猫耳つける程緊張してないよ・・・
「すーー、はーー、すーー、はーー・・・よし。行きますか!」
う~ん、面白い映画だった。引っ込み思案な主人公がLBXを通して成長し、LBXで日本一になる王道なストーリーだ。思わず主人公に感情移入して観てしまった。リンの演技も凄くて、普段のリンから想像出来ないほどの負のオーラを纏ったライバル役を演じていた。俺もイザナミモードの時のため、リンに演技を教えてもらおうかな・・・
「そろそろ出番ですよ」
「合点承知の助!」
と言っても、イザナミは既に舞台袖に隠しておいてある。俺が乱入する事は最低限の人しか知らない。元々リンとバトルする予定の主人公役の人にも伝えてないらしい。・・・てゆーか俺が乱入する事で、演者の
「もしかして俺、大分いい様に使われてる?」
「今更気づいたんですか?」
「それでは、主人公役のゴロウくんとライバル役のリンちゃんの、本気のLBXバトルです!」
ついに俺の出番がやってきた。いい様に使われてすこーしオコだが、これも依頼なのでイイ感じに場を盛り上げなくてはいけない。
「負けないよ、リン!」
「それはこっちのセリフよ!」
ウルセーーー!!ブチ壊せ!イザナミィ!!
フックショットと使って舞台上方から・・・ヒーロー着地ドーーーン!!
「おおっと、なんだーー!?いきなり黒いLBXが乱入して来たぞ!?」
えぇい、白々しい!司会のお姉さんもどうせ、俺の乱入を知ってたんダロォ!?
「なんだ!?このLBX!?」
「ゴロウ、知らない?黒いLBXの噂」
「・・・もしかして、コイツが噂のLBXなのか」
そうだよ!・・・っていつまでも荒ぶっていられない。落ち着け・・・落ち着いて素数を数えるんだ。アレ、1って素数だっけ?*1
・・・もういい!相手のLBXは・・・ウォリアーとクノイチを改造した映画で使用された機体だな。武器は映画と違って
「ほら!ゴロウ行くわよ!」
・・・グへへ、イイ事思いついたぞぉ
イザナミの武器をフィールドに突き刺し、素手にする。これで準備完了だ。
「クッ、ぜんぜん攻撃が当たらないわ!」
ハハハ!その程度の攻撃で俺を倒そうと言うのかね!
「ゴロウ!一緒に攻撃するわよ!」
「オッケー、リン!いくぞ!」
待ってたぜェ!!この
「ッ!?武器取られちゃったわ!」
「俺も取られた!」
右手に剣、左手にナックルを装備!この組み合わせやった事ないけど、単体なら使えるし上手い事組み合わせて使おう。
今度はこっちから攻撃させてもらいますよっと!近くに居たウォリアーに剣で切りかかり、ワザとナックルでガードさせる。がら空きの胴体にナックルで裏拳ドーーン!
「ぐわぁ!」
バランスを崩した所に蹴りを数発入れて、剣で斬って
「流石ね!でもワタシは負けないわ!」
威勢よく剣で攻撃してくる。ならばナックルでガードして、剣でカウンター!そのまま回し蹴りを――じゃないな。
「タダでやられてあげないわよ!」
クノイチは斬られた勢いを利用して、捨て身の回し蹴りを繰り出す。せめて一矢報いようと。リンはワシが育てた!・・・まあ、想定内ですけど。ジャンプして蹴りを避けて、蹴りの勢いが残っているクノイチに、後ろ蹴りで勢いをさらに追加!素晴らしい速度でクノイチが壁にぶつかって
「・・・負けちゃったね」
「そうね・・・」
イヤー、勝ってしまってスマソ!でも、手を抜く訳にもいかないじゃん?だから許してネ!
「ヨミ様、大人げないです」
「イザナミがそう易々と負ける訳にはいかないからね」
「やっぱり強いわね!ヨミ!」
「ありがと。でも、最後の蹴りはなかなか良かったよ」
無事試写会が終わり、リンと合流して一緒に帰る事になった。
「あ!それと映画良かったよ!映画自体も面白かったし、リンもまるで別人みたいで凄かった!」
「私も楽しめました」
「そう言ってくれて嬉しいわ!あと、ヨミ?依頼の報酬なんだけど・・・」
ああ、そっか。報酬あるの忘れてた。映画も観れたし、バトルも楽しめたから頭から抜け落ちてたわ。
「黒いLBXの依頼料ってこんなに高かったのね・・・宣伝費って事で監督さんからもお金出してもらったわ・・・」
「はぁ!?十五万クレジットォ!?」
オタクロスの仲介料とOPショップにお金かかってるとは思ってたけど、毎回一万クレジット前後しか貰ってないぞ!?・・・まあ、大半がOPショップに消えてると思うけど。
「・・・どうするんですか、ヨミ様。こんなに貰うんですか?」
「ムリムリ!依頼だとは言え、友達からこんなに貰えないよ!」
「でもヨミ?依頼なんだから、ちゃんと報酬は払わないと・・・」
だーー!止めろ!そんな目で俺をみるな!
「え~と・・・そうだ!クレジットの代わりにサイン書いて!」
「それってワタシの?・・・いいけど十五万クレジットの価値はないわよ?」
「ただ、『サクラ☆零号機へ』って一緒に書いてくれればいいから!」
「そうゆう事ですか・・・」
▼ヨミ は 『リンの特別サイン』 を だいじな物 に しまった!
ゴロウ君はタケムラ ゴロウがフルネームです。2077年のメインヒロインおじさんからつけました。
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過度な摂取はご遠慮下さい
アルテミス開催まであと一週間を切った。俺がアルテミスに出場する訳ではないけど、色々やる事があるから時間に余裕がある今の内に出来る事をやっておかないといけない。
『フーッ・・・フーッ・・・え゛る゛ひ゛ーえ゛っく゛す゛・・・フー』
「
「わかったから、落ち着くデヨ」
『ハ゛ヤ゛ク゛LBXを・・・ク、レェェーー!!』
イザナミとモルフォをオタクロスにアップグレードしてもらっていたのだが、三日もLBXがないとストレスが溜まって
「ホレ、アップグレードしたやったから、早く出て行くデヨ」
『あ゛ーーーー!!俺のLBX!!スーハースーハー!クンカクンカ!』
「
『感じる!CCMの向こうから新鮮なLBXの匂いを感じる!』
んんーーー!!キモチィーー!!早く直で
「ようやく落ち着きましたか・・・」
『取り乱してしまい、申し訳ありませんでした・・・』
LBX成分が足りなさすぎて、
「それで、どうしてメイドさんが直接取りに来たデヨ?」
『それはいつもお世話になってるオタクロスにプレゼント持って来たからだよ!』
ユキねえがオタクロスに『リンの特別サイン』を渡す。オラァ!今をときめく子役のサインだ!ドローンに積めなくもなかったが、傷つけそうだし見栄えが悪かったからLBXの受け取りついでにユキねえに届けてもらった。
「おお!これは『綾瀬 リン』のサインデヨ!しかも『サクラ☆零号機へ』って書いてあるデヨ!!」
『前にオタクロスからもらった依頼で仲良くなってね。映画の舞台挨拶に乱入した時に書いてもらったんだ』
「嬉しいデヨ!ありがとデヨ、イザナミ!・・・でも結局メイドさんはどうして来たんデヨ?」
『ドローンに載せると見栄えが――「LBX中毒者と一緒に居たくなかったからです」
『え!?』
「その気持ちわかるデヨ。メイドさんも大変だったんじゃな・・・」
二人とも酷いわぁ!俺がちょーっとご乱心だっただけで、そこまで言わなくてもいいじゃん!
『・・・そうだ、オタクロスくん?君に新しいお仕事あげようじゃないか』
「・・・イヤデヨ。仕返しにしてはやりすぎデヨ」
『まあまあ、そのサイン書いてくれたリンのLBXをカスタマイズして欲しいんだよね。オーダーメイドのパーツは要らないからさ』
「カスタマイズに使ったクレジットはイザナミ、オヌシが出すデヨ」
『しょうがないなぁ。わかったよ』
「それとイザナミ、最近オヌシの偽物が居るみたいデヨ」
『・・・・・・はあーーーー!?』
オタクロスから詳しく話を聞いていたら、思ったより時間がかかってしまった。晩御飯の準備する時間がなくなってしまったから、ユキねえへのお詫びを兼ねて俺の奢りで外食にする事にした。
「これより第一回パチモン撲滅会議を開く!」
「ヨミ様は何を食べるんですか?」
「俺はハンバーグセットかな」
今日来たのはファミレスだ。ユキねえの作るハンバーグもかなりおいしいけど、たまにファミレスとかのいつもと違う味を食べたくなるよね。それに会議を開くならファミレスじゃない?・・・会議?
「ってスルーしないでよ!」
「私はドリアにします」
「ん、それも美味そう。後で一口ちょうだい・・・じゃなくて!俺のパチモンを駆除するための会議をするの!」
「注文してからでいいじゃないですか」
まったく、ユキねえは事の重大さを理解してない。俺の偽物はバトルでLBXを破壊するし小細工をしまくっているらしい。俺はLBXの破壊は基本しないし、小細工は得意だがあんまりやらないようにしている。『小細工しなくても勝てる』と相手を圧倒したいからね。
要するに、パチモンのせいで黒いLBXが小物っぽくなる。
「ご注文はお決まりでしょうか」
「私はドリアをお願いします」
「・・・はっ!おれ・・・私はハンバーグセットをください」
「ドリアとハンバーグセットですね。少々お待ちください」
あぶねっ、美少女のガワが取れそうだった。大事な会議の真っ最中なのに店員を呼びおって・・・
「ゴホン、ちなみにユキねえはパチモンの事どう思ってるの?」
「あまり興味ないです。相手のLBXを破壊しなければ見逃してもいいです」
「やっぱ、そこだよね。俺も破壊に関してはパチモン関係なく嫌いかな」
バンやジンに通り魔扱いされたくないし。『なぞのLBXプレイヤー』は気高い存在なのだ。そんな野蛮な事はしないのだよ!
「じゃあユキねえも、パチモンにお灸を据えるに賛成って事でいい?」
「説得をして応じなければ
問題はどうやって接触するかだ。オタクロスもパチモンの正体を知らないらしい。何か妙案はないか?
「どうすれば会えると思う?」
「・・・罠を仕掛けるのはどうでしょう」
「罠って?」
「偽物に依頼を出して呼び出すんです。それから説得をして応じなければ・・・」
「ふむ・・・」
悪くないかも?上手く釣れそうかな?モルフォを近くで待機させておけば、もしパチモンが逃げても背中を撃てるだろうし、そもそも俺が簡単には逃がさないしね。
「よし、それじゃあ罠を仕掛ける作戦で行こう!」
首を洗って待ってろよ!パチモン!・・・・・・あ、ハンバーグセットは俺の注文です。
人気のない路地裏で偽物を待つ。オタクロスに偽の依頼を出してもらってあるから、もうすぐ来るはず・・・俺とユキねえは少し遠くからLBXを操作している。パチモン如きに姿を見せてたまるか!
「LBXの反応を探知しました」
「・・・ふっふっふ。愚かなパチモンに制裁を加える時だ!・・・どこに反応あったの?」
「南東方向からこっちに向かって来てます」
「了解。モルフォは気づかれないように少し遠くからついてきて」
さあ、俺の偽物とご対面!
あのLBXっぽいな。・・・よく見たら黒く塗装しただけの『アマゾネス』じゃん。全然イザナミに似てないじゃん。もうちょいクオリティ上げなよ・・・
『貴方が私の偽物ね。迷惑だから止めてもらえないかしら』
アマゾネスに直接メッセージを送信する。声も聞かせてあげないからな!ざまぁみろ!
お?アマゾネスが槍を構えたぞ?なんだやる気か?
「説得出来なかったからバトルするね!モルフォはいつでも援護射撃出来るようにしといてね!」
「説得が失敗したのに嬉しそうですね・・・」
来いよパチモン!槍なんか捨ててかかってこい!・・・ってあぶな!コイツ初手スタングレネード投げてきたぞ!俺じゃなきゃ当たっちゃうね。
にしてもコイツ動きが遅いな。この程度の奴が俺の偽物だったなんてショックだわ・・・
「射撃援護いつでも出来ます。・・・なんですか?あの爆弾魔」
「どうやらコイツが俺のパチモンみたいだよ?あ、グレネードを構えたらグレネードを撃って」
「サラっと難易度高い事を要求しないでください」『パシュ!』
とか言いつつちゃんと命中させてるじゃん。流石ワシの弟子!スタングレネードが爆発してアマゾネスがスタンしてるね。ねえねえ今どんな気持ち?自分のスタングレネードでスタンするのってどんな気持ち?
「ナイスショット!
「?私の名前はウスユキですけど・・・?」
そんな事言ってる内に、アマゾネスのスタンが解けて逃げ出した。
「あはは、待てぇーー♪」
どこへ行こうというのかね?イザナミの方が機体性能高いしフックショットもあるんだぞ?
「撃ちますか?」
「イヤ、このまま追いかけてLBXプレイヤーの所まで案内してもらおうか」
追跡してるのがバレない様にするの結構大変だな・・・
「クソッ!どうやってアマゾネスをスタンさせやがったんだ!」
この中年の男が俺の偽物か・・・さーて沢山懲らしめちゃうぞ☆
『逃がさないわ』
「ひぃ!」
メッセージと共にイザナミが目の前にどーーん!もう助からないゾ♡
「クソ!こうなったら破壊してでも、ボクのコレクションに加えてやる!」
うわぁ・・・黒いLBXの振りをしてLBXを破壊し、俺を釣り出してコイツのLBXコレクションにイザナミを入れる事が目的かよ。
アマゾネスが槍を持って襲い掛かってくる。流石にもうスタングレネードは使わないか。まあ、アマゾネスは破壊する事にしたからどっちでもいいけどね。
あ、そーれ!首をサクっと斬り落とす。・・・もちろんLBXのだよ!?
「へっ?・・・」
一瞬で終わったから状況が呑み込めてないのかな?オッサンの負けだよ?
「もしかしてあなた、イザナミ!?」
「へっ?」
名前が聞こえた方には・・・アミが居た。なじぇ!?
「黒いLBXが出たって聞いたから来てみたけど、ホントに居るなんて・・・」
もしかして、俺の偽物のせいでアミにバレた!?テメェ許さんぞぉ!
『次やったら容赦しないわ』
オラァ!帰れ!オッサンは邪魔だから、さっさとどっか行け!・・・さて、この状況どうしよう?
「どうしてここに来たの?川村 アミ」
「シーカーの人をあなたの仲間が助けてくれたって聞いたの。それに私達の事も助けてくれた。あなたなら拓也さんが今どこにいるか知ってるんじゃないかと思ったのよ」
あーね。海道邸侵入した時にシーカー本部と一緒にシーカーが無くなって、拓也とも連絡が取れなくなってるんだよね。
「・・・イザナミ」
「えっ?」
「私の名前はイザナミよ。『あなた』なんて呼ばないで頂戴。それと拓也がどこに居るかは知らないわ」
アニメで描写されてないからね。仕方ないね。
「それじゃあイザナミ、この雑誌の子はあなたなの?」
そう言ってアミが取り出した雑誌には、俺の水着写真が載っていた。
「そうよ。だけど私は普段モデルをやってる訳じゃないわ。目的のために必要だったから一回写真を撮らせただけ」
ヤベェ!俺の黒歴史予備軍がアミにバレてたなんて!それに雑誌に掲載されてたなんて『なぞのLBXプレイヤー』のキャラがブレる!
「話はそれだけ?・・・私急いでるの。それじゃあ、また逢いましょう。アミ」
「ちょっと、イザナミ!?―――
三十六計逃げるに如かず!逃げるが勝ち!つまり全力で逃げろ!!
次回からアニメ19話あたりになります。
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四章 TS美少女闇落ち?
前編 彼女が思いつく計画の為に
開けろ!ヨミちゃん警察だ!
『コンコン』
『ガラガラ・・・』「いよいよ明日ね・・・アルテミス」
間髪入れずに先制
「イザナミ!?どうして――「あら?折角私が応援に来てあげたのよ?もう少し歓迎してくれないかしら」
せっかくちょっかいかけに来てあげたのに!ついでに軽く稽古してやるぞ!
「アキレスを準備しなさい。貴方がアルテミスで優勝する程の腕前があるか、私が確かめてあげる」(訳・バトルしたいから相手して)
Dキューブも出して準備万端!さあ、来い!・・・急に部屋に押し入って何言ってるんだコイツ?ってなるかもしんないけど、いいんですぅー。俺はバンとバトルしたかったからいいんですぅー。
「いいさ、やってやる!」
「ふふっ、私の期待を裏切らないでね・・・」
ヒャッホウ!バトルだー!ちなみに、俺は剣と盾で戦う。
アルテミス決勝戦でバンとジンが共闘して
つまり、ジャッジを壊せないとユウヤが死にかねない。俺が関わった事でジャッジが強化されてるかもしれないから、ジャッジと
「くっ、この!」
「悪くないわ・・・ふふっ、楽しいわね」
前回バンの部屋に来た時よりも、アキレスの動きが格段に洗練されている。俺が教えた身のこなしも出来ている。・・・まあ、俺に攻撃は届いてないけどね!
――――――――――
・・・ふう、こんなもんかな?
「これだけ出来れば、アルテミスでもやっていけるわ」
「でも、アキレスの攻撃がイザナミに一回も当たってないけど・・・」
「ふふっ・・・私は
『
「これって・・・ディフェンダーIII!?こんな高い補助パーツ貰っていいの!?」
「この程度なら別にいいわ。(やべっ、高価なんて知らなかった!)その変わり、アルテミスで必ず優勝しなさい」
「・・・ああ!俺、父さんの為にも絶対アルテミスで優勝するよ!」
「期待しているわ・・・それじゃあまた逢いましょう、バン」
撤退!撤退じゃ!明日のアルテミス楽しみだなぁ~!楽しみすぎて今夜はなかなか寝付けないかも?
「ヨミ様起きてください」
「う、みゅ~~あと・・・五分~・・・」
『パシャ!』「ヨミ様が『明日は朝早く起きる』って言ったんですよ?」
「んん~~?・・・・・・ヤバ!起きなきゃ!」
今日はアルテミスだ!・・・だけど、他にもやる事が多すぎて時間が足りないくらいだ。だから苦手な早起きをするしかなかった。今は朝の四時。なんとか予定道理に起きられたな。
「寝顔は可愛いんですけどね・・・・・・」
「ユキねえ、なんか言った?」
「いいえ、なんでもありません」
・・・?変なユキねえ。さて、テキパキ準備しますか!
早朝、ユキねえの運転する車で『
・・・え?別に助けないよ?大きくシナリオから外れるし、義光はレックスの親の仇みたいな物だからね。・・・それに義光クン、結構な畜生だし。
そんな事は置いといて、ホテルに来たのは八神さんに会いたいのと、レックスにマウントを取りたいからだ。
「それじゃ、警備室にGO!」
「はぁ・・・」
警備室~♪警備室~♪八神さんやレックスのホテル内の動きを知るために監視カメラの情報が欲しいんだよね。だから警備室に行ってちょちょいとハッキングする。もちろん
「・・・お、ここから入れそう」
お邪魔しまーす。いや~、換気ダクトは侵入者の為にあるね。一応、警戒しながら進むけど。
「ホテルの内部構造を知ってるんですか?」
「え?知らないけど?警備室なんて見たらわかるからね、頑張って探そう!」
「・・・・私帰っていいですか?」
「お願い!一緒に探してよぉ~!一人じゃ流石に無理だよ!」
ユキねえの機嫌を取りつつ一時間探し回って、やっと警備室を見つけた。
「それじゃあ、映像を頂きますか」
アルテミスキター!フォウフォウフォウ!!
「ユキねえ!アルテミスだよ!アルテミス!」
「はいはい、そうですね。アルテミスですね」
LBX世界一を決める大会アルテミス!LBX好きの聖地だぜ!各LBXメーカーのブースに、記念グッズ売り場!どこから行けばいいんだ!?
「いい加減、落ち着いてください」『ベチィ!』
「ぎゃあ!」
ユキねえにデコピンされた・・・痛い・・・まあ、確かに舞い上がりすぎた。バン達もアルテミスに来てるから、こんなハッチャけた姿は見せらてはいけない。『なぞのLBXプレイヤー』のイザナミちゃんはもっとクールでミステリアスな子だもんね。
「・・・よし、落ち着いた。最初は受付に行ってみようか」
「受付ですか?ヨミ様は出場しませんよね?」
「ふひひ、理由はナイショ~♪」
受付のお姉さんの所まで来た。このお姉さんは実はアンドロイドで、アルテミス優勝賞品のCPU『メタナスGX』で動いている。確か、お胸の谷間がガバッと開いてメタナスGXが出てくるんだよね。
「・・・・・・」
「ようこそアルテミスへ。何の御用でしょうか?」
「・・・ヨミ様?」
うーむ、良く出来てる。人間にしか見えないなぁ。お胸のあたりも本当に良く出来てる・・・てか、なんで胸に入れたの?開発者の趣味か?流石にちょっと引くなぁ・・・
「・・・・・・・・・」
「あの、お客様?」
「はぁ~・・・」『べチン!』
「グワーッ!」
ユキねえに頭をチョップされた!ヒドイ!痛い!俺はメタナスGXの格納場所を見ていただけなのに!
「ヨミ様が公衆の面前でセクハラをする、
「違うもん!確かに胸部見てたけど、えっちぃ目的じゃないもん!」
「・・・性犯罪者は皆そう言うんです」
「だから、ほんとに違うんだってばー!!」
「だから違うって言ったじゃん!」
アルテミスのオープニングが終わった選手観戦エリアで、俺はユキねえに身の潔白を力説していた。
「確かにアンドロイドでしたが、だからと言って彼女の胸を凝視していい理由にはなりません!」
「だから、俺はアンドロイドの出来栄えとメタナスGXの格納場所を見てたの!メタナスGXを胸に組み込んだ人が悪いの!」
ぐぬぬ・・・ユキねえの分からず屋め・・・!自分だって凄いモノを持ってるくせに!俺はほとんど成長してないんだぞ!
「・・・ッ!ユキねえ、キャラ戻して!ヤツが来た!」
漫才をする為にここに居た訳ではなくて、俺のアルテミス大作戦に必要不可欠な人物を待ち伏せしてたのだ。その人物は――
「随分派手に恰好ね・・・マスクドJ、いえ山野博士?」
「おや、お嬢さんワタシは『山野ハカセ』と言う人ではない。人違いだ」
ウルセー!とぼけやがって!いいから協力しろよ!『なぞのLBXプレイヤー』が直接会いに来てやってるんだぞ!ちゃんと
「私は貴方と
プラチナカプセルはシーカーとイノベーターしか知らない物だ。これで俺がある程度の事情を知っている事をアピール出来る。
「そんなに警戒しないで頂戴。・・・そうね、私とバトルしてくれないかしら?取引はその後にしましょう」
この世界では肉体言語よりLBXバトルの方が相手を納得させられるからね。俺にとって都合がいい価値観だね。
「ハンデをあげる。・・・一分間に一度でも私に触れられたら、貴方の勝ちでいいわ。逆に貴方が私に触れられなければ私の勝ちにしましょう」
「・・・いいだろう。ただしワタシが勝ったら、キミの知っている事を話してもらおう」
「決まりね。ここでバトルすると目立つわ。移動しましょう」
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中編 モノの価値
マスカレードJ=LBX
ですわ!訳が分からなくなりそうですわね!
それと後編にするつもりでしたのに、9000文字になってしまいましたので、三部構成になりましたわ!
俺とユキねえは山野博士を連れて
「それじゃあ始めましょう・・・」
ホイッとDキューブ展開。軽く捻り潰して差し上げますわ!
「行け、マスカレードJ!」
「遊んであげなさい、イザナミ!」
口上は大事。古事記にもそう書かれている。て言うかさぁ、山野博士はイノベーターに捕まってたよね?どうやって逃げ出したの?
「そのLBX・・・キミがバン達を助けてくれた、イザナミなのか?」
「私の事を知っているなんて流石ね。山野博士」
なんで知ってんだよ。山野博士とは初めて会ったんだけど?しかも名前は結構出し渋ってたのに。こえーよ、ヤマジュン。
「早く攻撃しなさい。一分数え始めるわよ」(訳・早くバトル始めよ?)
お~キタキタ。流石ヤマジュン中々やるね。だが、
「クッ!・・・」
ん~、攻撃あたんないねぇ~。山野博士の勝利条件を『俺に触れる』事だから、ガードすらしてない。
・・・ここでもう一煽り、いきますか。
「その程度なのかしら?」
煽り台詞に、マスカレードJの攻撃をイザナミが
「・・・その回避は!」
「あと二十秒しかないわよ?」
おお!マスカレードJの動きが速くなった!これが山野博士の本気か!うおぉぉーー!!唸れ!俺の右親指!もっと速くCCMを操作するんだ!
『ピピピッ!ピピピッ!』
「時間ね。三分にしておけばよかったかしら?」
三分もやったら腱鞘炎になるから絶対にやらないけどね!もちろん煽りも忘れない。ともかく俺の勝ち!なんで負けたか明日までに考えといてね!
「まさか、これ程とは・・・」
「ふふっ、楽しかったわ。今度、山野 バンにもやってみようかしら?」
・・・ユキねえから「何やってるんですか・・・」ってオーラをビンビン感じる。別にいいじゃん!これで優位に立てたんだから!なんだったらこれからが本番ですよ!
「それで取引とは具体的には何だ?」
「私はプラチナカプセルを守ってあげる。貴方には
「・・・どういう事だ?」
「ッ!・・・・・・」
わかったから。ちゃんと説明するから。だからユキねえ無言の圧力止めて。
「
無理難題だけど、なんとかなるだろ?
「・・・信じがたいが、出来るだけの事はしてみよう。だが、プラチナカプセルを守るとはどういう事だ」
「このアルテミスでイノベーターはアキレスを破壊しに来るでしょう。
じゃじゃーーん!オタクロス製プラチナカプセル型記憶媒体!昨日オタクロスに作ってもらったヤツだ。
「それはプラチナカプセルか!?」
「よく出来てるでしょう?でも、これは偽物よ。山野博士、貴方にはコレが偽物だと気が付かれないように、ファイヤーウォールを組み込んでほしいの」
「それもワタシなら問題無くできるが、取引と言うにはキミのメリットが少なすぎるんじゃないか?それに、キミがイノベーターの仲間じゃないとは言い切れない。本物のプラチナカプセルをイノベーターに渡すかもしれない」
「ふふっ・・・ごめんなさい。あまりにも
マジ?それじゃあもっと欲張るよ?
行けーー!データ送信!!
「なんだこのデータは?」
「今送ったデータは『
「フム。中々複雑な構造のLBXだな・・・わかった。いいだろう」
「これで取引成立ね・・・お互い最善を尽くしましょう?」
や↑ったぜ!ついでにモルフォの設計図も入れといたぜ!フハハ!二体分の仕事を受けてくれるなんて優しいねぇ!
「私は用事があるからもう行くわ。何かあったら連絡しなさい」
じゃあね~。山野博士~。とりま、ファイヤーウォール入りの偽プラチナカプセルと会場の構造図を貰って部屋を出ていく。て言うか当然のように構造図持ってたね。マジでなんなの?あのヤマジュン。
「またLBXを強化するんですか・・・」
「ちゃんとユキねえの分もデータ渡しといたから安心して!」
「これだからLBX中毒者は・・・」
ヤマジュンの悪口を言うとは、不敬なユキねえめ!それに山野博士はバンのLBX、アキレスの後継機『オーディーン』の設計図持ってるから、イザナミの戦闘データを使ってオーディーンを強化してくれるかもしれないからね。不確定要素が増えてきたから、こうゆう地道な強化が大事。
「それで用事と言うのはなんですか?」
「そりゃあ、もちろんアルテミスの観戦でしょ?」
「・・・は?」
「だって作戦思いつかないし。どうせヤマジュンがなんとかしてくれるでしょ」
「ヤマジュン・・・?ああ、
だってさ?アニメだと死亡シーンとか極力カットでしょ。だから人が死んでも詳しい状況がわかんないんだよね。まあ、これまでもちょいちょい死んでるけど、情報が少なすぎて助けようがなかった。
「・・・ってそんな事じゃありません!ヨミ様はなにかしないんですか!」
「『しない』じゃなくて『出来ない』だからね。時が来るまで会場の構造図でも見てるしかないんだよね」
「ですが!・・・」
「落ち着いた?」
「・・・はい」
「別に殺そうとしてる訳じゃないし。むしろ助けようとしてるんだからね?」
まあ、
「ほら、我らのマスクドJがバトルしてるよ?」
俺がさっき真似した、踊るように攻撃を避けるマスカレードJ。
「あれはヨミ様の・・・?付け焼刃にしては動きが良すぎる気が・・・」
あっちが元で、俺がパクリだからね。頑張ってヤマジュン練習したんだろうね。あの言葉遣いとか・・・
『勝ったのはマスカレードJ、マスクドJだ!!』
あ、勝った。俺が後方腕組みしてる間に勝ってた。
「シニョーレ*1神崎・・・君はとても素晴らしい攻撃力を持っている。だが、それに頼りすぎて守備が出来ていない。これからは守備を鍛えるんだ。その攻撃力を活かす為にね。・・・それに、出来たら言葉遣いも直した方がいい、
「くっ、うるせぇ!」
「子供扱いが気に触ったかな・・・やれやれ」
なーにが『言葉遣いも直した方がいい』だ。ヤマジュンだってキャラ作ってるくせに!(特大ブーメラン)
「LBXが上手くなると人格がおかしくなるんですか・・・」
「流石にアレはキツいよね」
「ヨミ様も人の事言えないじゃないですか」
「・・・?どこが?」
「イザナミとして振る舞っている時です」
「俺が言いたいのは『あんなキツいキャラじゃなくて、もっとカッコいいキャラじゃないと駄目だよね』って事だよ!
俺の方があんなコスプレ親父より百倍カッコいいし!・・・絶対カッコいいもん!
そんなこんなでアルテミスは決勝戦だ。
え?
けどまあ、決勝戦はアニメ道理に
_人人人人人人人人人_
> 巻き込まれた
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
一応ね?オタレッドはオタクロスの弟子だからガチの一般人じゃない?・・・かな?
ひとまず不憫な一般ピーポーは置いといて、ここから『なぞのLBXプレイヤー』の出番だぜ!
アルテミス決勝戦は会場の中央ステージで行われる。そこでユウヤのサイコスキャニングモードの暴走と、その後にバンとジンの一騎打ちがあってバンが勝つんだけど、ジンのLBX『エンペラーM2』が自爆して
そこで俺がサクっとなんとかしてやるのだ!
「手筈通りお願いね。マスクドJ」
「分かっている」
イザナミをマスクドJに隠し持ってもらう。だって中央ステージ結構距離あるんだもん。悠長に舞台袖から行ってたら、間に合わないかもしれないじゃん?だからマスクドJに近くまで連れて行ってもらうのだ!
「別にヨミ様が出場して自分で行けば良かったのでは?」
「えぇ~~?面倒だからヤダ」
俺とユキねえは舞台袖で待機中だ。後の事を考えるとそっちの方が楽だからね。
『バトル、スタァート!!』
「ほら、決勝戦始まったよ」
舞台袖からステージの上にあるホログラムでバトルを観戦する。決勝戦だからなかなか見応えあるね!ヨミちゃん満足!
「灰原 ユウヤの恰好はなんですか?」
「ああ、アレ?CCMスーツとか言ったっけ?
「まともな服を着ているのは、山野 バンと海道 ジンだけじゃないですか」
「・・・う~~ん。否定出来ない」
あ、ユウヤがサイコスキャニングモードになった。
「髪色が変わりましたよ、ヨミ様」
「サイコスキャニングモードになったからね。なんで髪の色が変わるのかは知らん!」
いや~、激戦だねぇ。お、
「ごらん、ユキねえ。ヤマジュンがバンにデータを送り着けて妨害してるよ。LBXプレイヤーの風上にも置けないね」
「さっきヨミ様も散々煽ってたじゃないですか・・・」
『マスカレードJブレイクオーバー!マスクドJ敗退!!』
「おっと、イザナミ移動させなきゃ」
マスカレードJがジャッジの『
「お疲れ様、マスクドJ。それじゃあメタナスGXの警備員を守りに行って頂戴」
働けぇ!馬車馬のようにキビキビ働け!
「一人じゃ大変だと思うから
「・・・・・・(後でお仕置きですね?)」
「人手が増えるのはありがたいが、彼女は戦えるのか?」
「大丈夫。LBXの腕
「それなら・・・頼めるか?モルフォ」
「わかりました(ヨミ様?お仕置きが楽しみですね?)」
「頼むわね。二人共・・・(コスプレだけは止めてください!)」
行ったか・・・アルテミス終わったら、俺死ぬかもしれないなぁ・・・
『ビビンバードX敗退!!』
あ、暴走状態のユウヤにオタレッドもやられた。
ジンがユウヤを見て過去に同じ病室だった事、大人達に連れて行かれた事を思い出す。で、他にも色々あって義光がユウヤになにかした、とジンは思う訳だ。
ジンは
いい子だねぇ、ジンは。俺はもしも、
「いいか、奴のLBXを破壊する。ついて来い」
「それで助けられるんだな?」
「ああ」
バンとジンだけで盛り上がちゃって。あ~あ、俺もなんかしたいな~・・・でも俺が変な事してバンとジンの信頼関係が無くなったらヤだしなぁ・・・
てか、ユウヤ血涙出てね?ちょっと吐血もしてるし。なんかアニメより深刻な事になってない?俺も助けに行った方がいい・・・!?
あばばばば!?どうしよう!?
――――――――――
はい、俺が慌てている内にアキレスとエンペラーがジャッジを倒してくれました。ユウヤも顔がヤバい以外、大丈夫そうです。
・・・はぁ、俺の優柔不断のせいで、ユウヤが永遠に退場する所だったよ。バンに稽古つけといてよかった。にしても、ジンも思ったよりやるな。バンが強くなった分、ジンもライバルとしてより強くなったのか・・・?
「そっちはどう?」
ひと段落ついたし、ユキねえに連絡してみる。
「忙しいから後で連絡してください」
「電話切れた・・・」
まあ、ヤマジュンも居るしなんとかなるでしょ。
サイバーパンク2077がV.1.5を配信したぞ!
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後編 嵐の中で光る物
いけー!そこだー!そのまま押し込め!バンとジンの一騎打ちは見ててかなり楽しい!
『ケッチャコ・・・ケッチャコ・・・』
「うん?」
今いい所なのに!誰だ!こんなタイミングで電話してきたのは!・・・へへっ、ユキねえさんじゃないですかー。
「ハイ、ナンデショウ?」
「メタナスGXが奪われました。死亡者はいませんが、怪我人が多数出てしまいました」
「あー、オッケー。死んでないならヨシ!
「・・・本当に必要なんですか?」
「マジマジ、要るから必要だから!俺もそろそろ出番だから電話切るね。じゃあね~」
まったく、丁度いい所だったのに・・・って、バトル終わってるじゃん!?
あ゛あ゛あ゛ーーーー!!!見たかったのにーー!!・・・念のためテレビの録画予約してきたけどね。
でもさぁ!?やっぱりナマで見たいじゃん!ぐ、うぐぐ!!見たかった!見たかったよぉー!!
『ドゴオォン!!』
あああ!クソ!エンペラーが自爆しやがった!この行き場のない感情をどうすればいいんだ!
「アキレス!」
バンの叫び声が聞こえる。やっぱりアキレス壊された!クソォ、いい所を見逃したのもアキレスが破壊されたのも全部イノベーターが悪いんだ!卑劣なイノベーターめぇ!
『ざわざわざわ・・・』
停電!?・・・なーんてね!知ってたけどね!(ヤケクソ)
アキレスの破壊してから停電で照明を消して視界を奪い、破壊されたアキレスからプラチナカプセルを奪い去るのがイノベーターの計画だ。
だが、ザンネン!やっちゃえ!イザナミ!
照明が消えたタイミングでイザナミをバトルフィールドに侵入!偽プラチナカプセル・・・名前長いな。偽カプセルでいいか。
偽カプセルをアキレスの残骸近くに置いて、本物のカプセルを回収!今出て行ったら、イノベーターのプラチナカプセルを回収しに来たLBXと鉢合わせそうだし、バトルフィールド内に隠れておきますか。
・・・おほ~~。キタキタ。頑張ってアキレスの残骸を漁ってるねぇ!ほらほら、そこにあるよ?偽物だけど!あ、偽物でいいの?よかったねぇ、偽カプセルが手に入って。
・・・そろそろイザナミが出て行ったも大丈夫かな?焦らず迅速に脱出!イザナミ回収!ミッションコンプリートだぜ!
「こちらイザナミ!目標を回収!直ちに帰還する!」
「わかりました・・・なんですか?その口調」
「もう一仕事やったら今日の仕事は終わりだよ!」
「別にやらなくてもいいのでは・・・」
俺とユキねえは『
目的は八神さんとお話するのと、義光の暗殺帰りのレックスに本物のプラチナカプセルを渡す為だ。アニメだとレックスが
『どうも~。アンドロイド義光です!』
『持ち主のレックスです~!』
みたいな?・・・ないな。絶対面白くない。ブラックジョークしか言えなさそうだし。
「ムグムグ・・・ユキねえはなんか食べる?」
俺はコンビニで買ったアンパン・・・ではなくサンドイッチを食べている。お茶も買った。だってさ?毎回アンパンと牛乳は飽きるでしょ。
「いえ、私は遠慮しておきます」
「・・・さっきからなに見てるの?ユキねえ」
ずっとユキねえはCCMを眺めている。それに若干嬉しそうだ。俺はずっとホテルの代わり映えしない監視カメラの映像を見てるのに。
「これですか?今朝撮ったヨミ様の寝顔の写真です」
「・・・は?」
「寝顔は純粋そうで可愛いんですけどね。・・・待機時間が退屈なのでヨミ様は寝てていいですよ」
「嫌だよ!ユキねえが寝顔鑑賞会したいだけじゃん!それにその写真消してよ!」
「絶対に消しません。それと八神と言う人が来たみたいですよ?」
ほんとに八神さん来てる!八神さんが来た理由は、義光が警備員を殺してまでメタナスGXを奪った事に腹を立て、義光に抗議しに来たのだ。もう少しで八神さんもバン達の仲間になるぞ・・・まあ、ヤマジュンとユキねえの頑張りのおかげで死人が出てないから、ワンチャン来ないとも思ったけどね。八神さんが正義感の強い人で良かった。
「っとと、感傷に浸ってる場合じゃない。準備して行かなきゃ」
「知ったようね。海道 義光の本当の姿を」
「ッ!お前は誰だ!」
はーい。『なぞのLBXプレイヤー』こと
別に俺がメス堕ちした訳ではないぞ。なんていうか俺にとって八神さんは『男が惚れる漢』って感じかな。さらばだ、メス堕ち信者達よ。
「この
「イザナミ、なぜワタシの前に現れた。何が目的だ」
「そんなに警戒しないで。まるで路頭に迷った犬みたいよ?」
ここでイザナミちゃんが煽り&マウントを取ったー!状況はイザナミちゃんが優勢だ!!
「お前に何が分かる!それにお前はイノベーターの敵だろう!」
八神さんは義光の言っていた平和の為に戦ってきたのに、その義光が実は屑野郎だったからショックなんだろうね。おかげで語気が荒い。
「声を荒げないで」
「ッ!」
ここでイザナミちゃんの必殺技『威圧』だー!ユキねえの
ここで追い打ち!ユキねえに取って来てもらった
「これは!?」
「私達がいなければアルテミスの警備員は殺されていたでしょうね」
お土産とは、メタナスGXを奪いに来たLBXの残骸(血付き)だ!わざわざ警備員に血を貰って用意したんだぞ!
「よく考えなさい。
「ワタシは・・・」
「貴方なら答えを間違えないわ・・・また逢いましょう。八神 英二」
「待てッ!」
ふっと曲がり角を曲がって、置いておいたダンボールにIN!
「どこに行った!?」
すぐ近くにいますよー。あんな大胆不敵な美少女がダンボールに入っているなんて思わないらしい。
八神さんがどっか行くまで大人しく待機してますか。
結局、車に戻るのが面倒だったから、ダンボールに入ってレックスがホテルから出てくるのを待っていた。
「ユキねえ、ちゃんとカメラの映像見てる?」
「・・・見てます」
「今の間はちゃんと見てなかったって事だよね?」
「ん?今、映像が・・・」
「え!?なに、どうしたの!?」
「今監視カメラの映像が一瞬乱れたような気がしましたが、気のせいだと思います」
きっとそれだ!多分レックスも監視カメラに細工をしたんだろう。だから一瞬映像が乱れたんだ!
「どこの映像!?」
「南東の裏口ですが・・・」
ちょっと遠いけど急げば間に会うはず!ヨミちゃんダッシュ!!
――――――――――
「なんだこのLBX・・・まさかイザナミ!」
「探したわ・・・檜山 蓮それともレックスの方がいいかしら?」
ここでレックスからちょっと遠くの曲がり角から、イザナミちゃんが姿を現す!
レックスの相手は八神さんよりも慎重にしないといけない。レックスは1killしてる本日のキルリーダーだからね。あんまり煽るとレックスが2killするかもしれないからね。
「貴方がなんでここに居るかは知らないけれど、貴方に渡す物があるの」(訳・殺さないでください。お願いします)
ちなみに、レックス・心の距離・
受け取れー!レックス!
「これはプラチナカプセル!?」
「貴方達シーカーにはコレが必要でしょう?・・・山野 バンに返してあげて」
「なぜオレに渡す?バンに直接渡せばいいじゃないか」
アニメでレックスがバンに渡してたからだよ・・・
「その時になったらわかるわ。それじゃあ、また逢いましょう。レックス」
レックスの地雷を踏む前に逃げろ!イザナミにありったけの煙幕グレネードを投げさせる。うおーーー!!逃げろーーー!!!
誰にもつけられてないな?はぁーーー。死地を脱した・・・
「お疲れユキねえ~・・・これで今日の仕事は全部終わりだよ」
車に戻ってきた俺はもうクタクタだ。早起きしたし、今日は早く寝よう・・・
「いいえ、ヨミ様。まだ
「ヒィ!」
「ヨミ様はどんなお仕置きが嫌ですか?」
「今日は疲れたから、せめて明日にして~!!」
「それもそうですね。明日が楽しみですね?ヨミ様」
死地を脱したはずなのに地獄に向かっていたようだ――
気まぐれにヨミちゃんに多用している彼岸花の花言葉を調べたら『転生』があった。そこまで作者考えてなかったよ?彼岸花ってなんか厨二臭くてカッコいい!くらいしか考えてなかったよ?
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番外編 作戦コード「C2H6O」
今回は話のどこにも繋がっていませんの!
所謂IFルートですわ!それとR-15ですわよ!
西暦2050年2月14日月曜日
ヨミちゃんの反逆が、今始まる―――
とゆーことで、いつもお世話になっているユキねえに感謝の気持ち
・・・先に学校行くけどね。
ほら、女の子達?友チョコ交換してもいいんだよ?
・・・遠巻きにクラスの女子が見ているだけで、誰も俺に話かけてもくれない。やっぱり元男だから、本命じゃなくてもチョコは欲しい。チョコが、欲しい。(鋼の意思)
ソワソワしてる男子?俺は絶対に野郎になんかチョコをやらんが?
「
「ヨミさんがまたため息吐いてるよ。やっぱりバレンタインとかそうゆうイベント嫌いなんだよ」
「え~~、せっかくヨミさんに食べて欲しくて、アタシ頑張ってチョコ作ったのに~」
くぅぅ・・・周りの女子達がなんか小声で話してるよ。アレはボッチの俺への陰口だろ?学校では上手く猫被っているつもりなのに、友達がリンくらいしかいない。
まあね?流行なんか知らないから積極的にクラスメイトに話掛けないし、依頼やらLBXの練習で学校が終わったら即帰ってるから仕方ないけどね?
でもさぁ、自分で言うのはなんだけど、俺は顔が結構いいと思うんだけど?
「賭けだけど、ヨミさんにチョコ渡してみようかな?頑張って作ったんだし」
「ヤめときなよ。ヨミさんに気を遣われたらアンタ立ち直れないでしょ。それにヨミさんに迷惑掛けた事が
「そうだよね・・・でも物憂げなヨミさんも綺麗だな~」
周りの女子の俺を観察する視線が刺さってちょっと痛い・・・この様子だと昨日ユキねえと頑張って作ったガトーショコラを俺がせっせと食べるんだろうなぁ・・・考えてみろよ?誰かの為に作った料理を受け取ってもらえず自分で食べるんだぜ?虚しい以外の何物でもないじゃん・・・考えてたら悲しくなってきた・・・
「
それともいっその事、包み紙を数種類用意してガトーショコラを入れて、色んな子から貰った設定にして食べるか?・・・止めよう。それをやったら悲しくて死にたくなる。
「ヨミ!今日はバレンタインよ!アナタにチョコをあげるわ!」
おおおお!!神よ!リン様を遣わせて下さったのですね!感謝いたします!これで身内以外からチョコを貰えます!
「リン?教室には静かに入らなきゃ駄目よ。・・・でも、私にチョコを持って来てくれて嬉しいわ」
「美形が二人・・・てぇてぇ」
「リンのチョコは・・・フロランタンね。とっても美味しそう。そうだ!私もチョコをあげるわ。ガトーショコラよ。私とユキお姉さまで作ったの。お口合えばいいのだけれど」
これが女の子がくれたチョコ・・・!家宝にしなくちゃ!いや、家宝にするベシ!
「ヨミ?別にそんな口調じゃなくてもいいわよ?」
「その・・・
「つまり、二人きりの時だけヨミさんはリン先輩に・・・ゴクリッ」
「リンヨミてぇてぇ・・・」
「なんだと!ヨミリンこそ至高だ!」
「いいだろう!戦争じゃあ!」
「間に挟まりてぇ・・・」
「「
なんか周りがうるさいね。もしかしてリンのチョコが羨ましいのかな~?フハハ!芸能人のチョコだぞ!下人ども、ひれ伏すがいい!
「ヨミは他の友達とチョコ交換しないの?」
「皆さんあまり私にチョコをくれないの・・・私だけチョコを用意して舞い上がっていたみたいだわ・・・」
誰も!チョコを!!くれない!!!本当にリンだけが俺の癒しだよ~。
『ガタッ!!』
「ひゃ!?」
なに!?クラスの女子がいきなり飛び上がったんだけど!美少女モードだったから可愛い悲鳴出ちゃったじゃん!
「ヨミさん!私とチョコを交換してくれないかしら!?」
「あ、あの、ワタシも、チ、チ、チョコ交換し
「俺にもチョコください!」
「ちょっと待ってね?一人づつ対応するから」
お?お?まさか俺のハーレムがいつの間にか出来てたのか!?・・・あ゛?男にやるチョコはない。帰れ。
「ただいまー♪」
ホクホク笑顔で帰宅する。前世で貰ったチョコの合計よりも今日貰ったチョコの方が多い。俺の人生の絶頂気かもしれない!結局持って行ったチョコが足りず、半数くらい一方的に貰ってしまった。少し調子に乗って、冗談めかして王子様ごっこでお返ししたら、案外喜んでもらえた。やはり顔がいいと得をするらしいね。
・・・でもこんなに貰ったけどホワイトデーのお返しどうしよう。そもそも女同士ってホワイトデーになんかあげるの?でも俺は心は男、つまり紳士だし、なにかお返しを用意した方がいいよなぁ。
「お帰りなさいませ。・・・チョコを貰えて嬉しいのはわかったので、そのニヤケ顔を止めてください」
「妬いてるのかい?ユキねえ?モテモテな俺にもしかして妬いてるの?」
「違います」『ベチィ!』
「ぎゃぅ!」
すぐユキねえは俺にデコピンするんだから。
だがそんな余裕すぐになくなるだろうけどなぁ!
ふっふっふ。最後の
ユキねえへのチョコは晩御飯の後に渡す。ちなみに晩御飯は白菜と豚肉のミルフィーユ鍋だ。これでこの冬の鍋は食べ納めかな。
「そういえばヨミ様、あのチョコの量に対して、ヨミ様が持って行ったチョコの量だと足りなかったんじゃないですか?」
「あー、うん。結局持って行ったチョコの倍くらい貰ったからね。ホワイトデーとかでお返しした方がいいよね」
「当然です。ただでさえヨミ様は友人が少ないんですから」
「・・・グフッ!」
今のはなかなか効いたぜぇ・・・!
フッ、でも晩御飯を食べ終えた。ここからヨミちゃんの反撃が始まる!
「・・・ユキねえ、ハッピーバレンタイン!ユキねえにチョコあげるよ!」
「ヨミ様ありがとうございます。私もヨミ様にチョコをあげます」
Wow!ユキねえからチョコ貰っちゃった!これは・・・チョコケーキかな?
俺はチョコを二種類用意しており、先にあげたのは日頃の
「フォンダンショコラです。チョコケーキの中に溶けたチョコレートが入っています」
「ほえー。なんか美味しそう。早速食べてもいい?」
「どうぞ。ヨミ様のチョコはなんですか?」
「ボンボン?とか言ったヤツ。いい所のチョコだから美味しいと思うよ?せっかくだし、今食べてみたら?」
ウィスキーボンボンとはお酒が入ったチョコだ。その中でも飛び切りアルコール度数が高い物をプレゼントした。
ほら、ユキねえってクールビューティーじゃん?アナ――お尻とか、お酒に弱そうだからこのアルコールがん盛りチョコでユキねえに勝ってみせる!
「ムグ・・・美味い!流石ユキねえ!」(チラッ)
「・・・?では、ヨミ様のチョコを頂きますね」
・・・喰った!喰ったぞ!これでユキねえが酔ってヘロヘロになれば勝てる!
「ッ!?・・・なるほど、そうゆう魂胆ですか」
うん?あんまり効いてない?いや、まだだ。酔うまで時間がかかるのかもしれない。
「ユキねえどうかした?」
「ヨミ様?お酒入りのチョコで私を酔わせようとしてましたね?」
「へっ!?・・・ソンナ、コト、ナイヨー?」
やべぇ!めっちゃ疑ってる!なんとか誤魔化さないと!
「したましたよね?」
「・・・・・・ハイ」
嘘吐いても絶対バレる・・・ユキねえの目が怖い・・・
「・・・そうですね・・・ヨミ様もこのチョコ食べてみましょうか?」
「えっ・・・その・・・えへへ♡」
「問答無用です!」
ユキねえに羽交い絞めにされて口にチョコを押し付けられる。
おっぺぇが!当たってる!あばばば!?あばばっばばっっば!?
「ユキねえ、胸が!当たって――ムグゥッ!?」
ユキねえの指ごとチョコを口に突っ込まれる―――
「んぐ・・・
「
ようやくユキねえの指が口から引き抜かれた・・・なんかフワフワする?気のせいかなぁ?
あ・・・チョコが溶けてユキねえの指が汚れてる・・・
「むぐ・・・はぁ・・・れろ」
「ちょっとヨミ様!?」
「ふっ・・・ぷはぁ・・・ユキねえの指、おいしい♡」
舐めとって綺麗になったユキねえの指を口から出す。ユキねえはワタワタしてる。さっきの美味しかったなぁ。もっと食べたい・・・
「ユキねえ♡もっとちょうだい♡」
えへへ♡もっと♡もっと♡チョコの包みをとって・・・ユキねえの指と一緒に・・・いただきまーす♡
「んぁー、はむ・・・んちゃ・・・れろれろ」
「・・・え!?ヨミ様!どうしちゃったんですか!?」
「はっ・・・んへぇ・・・ぺちゃ・・・れろ」
ユキねえの指を一旦口から出して・・・指を見せつけるように舐めちゃお♡
「ヨミ様・・・やっ、止めてください・・・」
ユキねえがなにか言ってる?舐めるたびに指がピクピクしてるからキモチイイんだね♡
なんだか、ユキねえとユキねえの指が可愛い♡もっと舐めたら悦んでくれるかなぁ?
「んっ・・・ヨミ様・・・ストップ・・・」
「んへへ♡あーむ♡んちゃ・・・へろへろ♡・・・」
「これ以上は駄目です!ヨミ様!」『ベチーン!!』
「ぐへぇあっ!?」
「・・・はっ!?」
ここはどこだ!?・・・俺の部屋か。しかも日付変わりそうじゃん。・・・んん?パジャマを着てるけど着替えた記憶がないぞ?
「目が覚めたましたか?ヨミ様?」
ユキねえが若干距離を取りながら聞いてくる。どうしたの?
「なんで距離取ってるの?あとユキねえが俺にパジャマ着せたの?」
「いえ、覚えてないならその方がいいです。おやすみなさいませ、ヨミ様」
「?・・・おやすみ?ユキねえ」
覚えてない?一体なんの事だ?
「イテッ・・・」
頬が痛い。鏡どこだっけ?あ、あったあった。
なんで俺の頬に
「ぎゃああーーーーー!!!」
思い出した!思い出してしまったぁーー!ユキねえを酔わせようとして俺が酔ってあんな痴態をーーー!!なんで俺は指フェ〇なんてしたんだァ!!
結局、ユキねえに感謝のチョコをあげ損ねた挙句、後悔に苛まれて次の日はずっと寝不足でクマが出来た。
最近ヨミちゃんの「わからせ」が足りねぇよな?
大分ふざけた回になったね。しかも前半は鈍感系主人公だしね。
作者の性癖に指フ〇ラもくすぐりも無いはずです。きっと。多分。
追伸
タイトルの「C2H6O」はエタノールの化学式、つまり酒です。
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おーぷん・ざ・○○?
もっとおやりなさい!(可哀そうですわ!止めて差し上げて!)
それと番外編でやった、学校の美少女ヨミちゃん設定を気に入ったので本採用ですわよ!
「はぁ~・・・・・・」
「今日はヨミさんずっと元気ないよね」
「肌もいつも以上に白いし、ヨミさんが小さい頃から難病に掛かってるってウワサ本当だったのかも」
ヤだなぁ~。シーカーがなんとかしてくれないかなぁ~。結構シーカー助けてあげてるし?ちょっとくらい俺の事も助けてくれてもよくない?
「ヨミ!昨日アルテミスに行ってたでしょ!」
「ああ、リンか・・・ん゛ん゛っ!いきなりどうしたの?リン」
あっぶね。気が抜けてたから一瞬素が出たわ。
「アルテミスよ!ワタシ、アルテミスの中継で副音声のお仕事してたの!」
「知らなかったわ。凄いのね、リンは」
俺がリンにLBXの指導したおかげか、リンにLBX関連の仕事が増えたらしい。にしてもアルテミスの副音声までやってたとはね。録画したのでも聞けるかな?
「えへへ、ヨミに褒められちゃった!それでね!お仕事で会場の映像を見てた時にね、ヨミがチラッと映ったの!」
「そんな事があったのね。でも、私は
「そうなの?でも、ヨミがアルテミスに出場したら優勝出来たと思うわ!それに、もしヨミが出場してたら、ワタシ応援したのに」
おバカ!教室のど真ん中で俺がLBXやってる事バラすなよ!しかも俺は『黒いLBX』のプレイヤー本人だぞ!身バレはしたくない!
「マジ?ヨミちゃんってLBXやってたの?全然興味ないと思ってた」
「私、ヨミさんにLBX教えてもらおうかな!?」
「LBXケッコー強いリン先輩が、ヨミちゃんなら優勝出来るって言ったよな?どんだけ強いんだよ」
ほら!周りがザワついてきたじゃん!LBX廃人のレッテル貼られたくないんだけど!
「そういえば、
「そうよ!今日はワタシ、久しぶりに放課後のお仕事がないの!ヨミ!一緒に遊びましょう!」
「え~と、そうね・・・私その、依頼があって・・・」
嘘です。依頼なんてありません。だってさ?外で遊ぶにしてもこの辺そんなに遊ぶ所ないし、我が家に呼ぼうにも
「ワタシはヨミが依頼をしててもいいわ!・・・それともワタシが居るのメイワクかしら?」
だぁーーー!ヤメロ!そんな捨てられた子犬みたいな目をするな!!
「そんな事ないわ。けれど・・・その、家がちょっと散らかってて・・・」
「大丈夫よ!ユキお姉さんに連絡したら『是非、来てください』ってお返事が来たわよ!」
ユキねえテメェ!どうすんだよ!外堀全部埋められたじゃん!しかもユキねえがOKしたって事はリンを家に連れて来いって事じゃん!
「クソッ!ユキねえめ!いいわよ。今日は私の家で遊びましょうか」
「ただいま・・・」
「お邪魔します!」
結局、リンと一緒に家に帰って来てしまった。なんとかユキねえを説得して、
「お帰りなさいませ、ヨミ様。リン様、お越しいただきありがとうございます」
玄関に入るとユキねえが邪悪なオーラを纏って出迎えた。・・・もしかして、今日俺は死ぬ?
「オタクロス様からリン様のLBXが完成した、と連絡が来たので受け取ってヨミ様の部屋に運んでおきました」
「お、もうできたのか。オッケー、カバン置くついでに持ってくるよ。じゃあリン、俺は部屋にカバン置いてくるから、先リビング行ってて」
「わかったわ!早く来てね、ヨミ!」
――――――――――
カバンを収納スペースにそぉい!リンのLBXは~っと。ってこれかよ。『綾瀬 リン専用アマゾネス・
ってこれ、自分で組み立てないといけないヤツじゃん!しょうがない、工具も持って行ってやるか・・・
――――――――――
「遅いわよ!ヨミ!それとこれ、前にワタシがテレビで食べたカステラなんだけどね?とっても美味しかったから、ヨミにも食べて欲しくて買って来たのよ!」
「おお~、なんか凄い美味しそうじゃん!交換じゃないけど、コレ、リンにあげるよ!」
じゃじゃーーん!オタクロスが無駄に拘ったパッケージごと、リンにプレゼントする。
「俺のイザナミを作ってくれた人にリンのLBXも作ってもらったよ!・・・まあ、完全オリジナルじゃないけどね」
「貰っていいの!?ありがとう!ヨミ!」
よかったな、オタクロス。リンがめっちゃ喜んでくれてるぞ。
「今日時間あるんでしょ?工具貸すから、今組み立ていいよ」
「それではリン様がLBXを組み立ている間に、ヨミ様は
え゛っ、今リンが家に居るんだから後でよくない?ついでにそのままフェードアウトしてもよくない?
「なにか問題でも?」
「ピギィ!・・・今リンが居るから・・・ね?後にしてくれないかな~・・・なんて、ね?」
「ヨミ?どうしたの?」
「なんでもありませんよ。ね?ヨミ様?」
「・・・ソウダヨ、ナンデモ、ナイヨ」
「すみませんがリン様、一人で組み立ていてください。すぐに戻りますので」
ああ、ユキねえの
「お待たせしました。リン様」
「・・・クッ!殺せ!」
俺はユキねえに連行されてリンの居るリビングに戻ってきた。
メイド服を着て、猫耳と尻尾を装着した状態で。
「LBXが丁度かんせい――って、ヨミどうしたの!その格好!?」
「ヨミ様は昨日アルテミスで私に悪の――「ユキねえ、ストーップ!」
「リンに
リンは有名人だからイノベーターに目をつけられて、見せしめに何をされるかわからない。それにリンのLBXの思想は
「わかりましたから。・・・ゴホン、これはヨミ様のお仕置きです。理由は言えませんが」
「・・・それでなんでヨミがメイド服を着るの?」
「こうするのが、一番ヨミ様は反省しますので」
「違うもん!100%ユキねえの趣味だもん!」
俺はユキねえに怒りを込めた目で睨めつける。そもそも、人命救助の為だったんだから俺がこんな辱めを受ける必要ないと思うんだけど!
「ほお?メイドが
「ぎゃあーー!!放せぇ!そもそも、この格好自体お仕置きじゃん!」
ユキねえが俺を小脇に抱えてソファに座る。そして俺はユキねえの膝枕――ではなく、ユキねえの膝の上に俺のお腹が置かれた。
「止めて!降ろしてよ!ユキねえ!」
「ちゃんとメイドらしく言ってください」
「・・・ごしゅ、じん様・・・お膝から、降ろしてください」
クッ・・・ここで言わないともっと酷い目に会うだろうから、勇気を振り絞ってなんとかお願いする。
「・・・ヨミのこんな姿・・・ゴクリ・・・」
「よく言えましたね。でも駄目です。躾をするのは決定事項なので」
「うわあん!ユキねえのバカァ!」
「ご主人様に暴言を吐くとは、追加で躾をしなくてはいけませんね」
『パシン!』「いひゃぁ!」
俺のメイド服のスカートがいつの間にか捲りあげられて、パンツが丸出しになったお尻をユキねえに叩かれた。
「ごしゅっ『パシン!』
『パシン!』『パシン!』『パシン!』『パシン!』
ユキねえにお尻を叩かれ続ける。そこまで痛くないけど・・・物凄く恥ずかしい。
不意にリンと目が合った。真っ赤な顔で食い入るようにリンは見つめていた。視線に耐えられず、俺は視線を逸らしてソファに顔を埋める。
『パシン!』『パシン!』『パシン!』『パシン!』『パシン!』
「ひっ・・・ぅぐ・・・」
ようやくユキねえの手が止まった。お尻も若干ヒリヒリするし、恥ずかしすぎて目が潤んできた。
「反省しましたか?ヨミ様?」
「反省しまし゛た!グズッ・・・だから゛やめてく゛ださ゛い!」
ユキねえが俺のお尻をゆっくり撫でながら話かけてくる。これ以上の恥辱は耐えられないからユキねえの言う事を素直に聞くしかない。
「はぁ・・・はぁ・・・ヨミ・・・」
やっと終わった。これ以上は全員キケンそうだからよかった・・・
「反省できてエライですねヨミ様。でも、追加の躾がまだ終わってませんよ?」
「・・・へっ?ヤダァ!止め――『パシン!』ヒグゥッ!」
さっきよりも強くお尻を叩かれる。お尻の痛みと恥ずかしさで頭がぐちゃぐちゃになる。
「ゴメンナ゛ッ『パシン!』サ゛イ゛!『パシン!』はん゛せ゛いじた『パシン!』から゛ぁ!」
『パシン!』『パシン!』『パシン!』『パシン!』『パシン!』
――――――――――
「これで終わりです。よく頑張りましたね、ヨミ様」
ユキねえに頭を優しく撫でる。頭を撫でられた心地よさと、恥辱が終わった安心感、そこにお尻の痛みと恥ずかしさが混ざりあって訳がわからない。
「ヨミ様?・・・ヨミ様!」
なんだかユキねえの声が遠くから聞こえる気がする――
「にゅーー?・・・ハッ!」
「ヨミ様、目覚めましたか?」
俺の目の前に
「・・・リンはどこ行ったの?」
「ヨミ様が気絶した後、お顔を真っ赤にして帰って行きました。『この事は忘れるから、ヨミも忘れて!』と言い残してました・・・」
うがーーー!!リンにあの痴態を見せてしまったァ!!完全に気を遣ってる言い方じゃん!ほゃぬーーーー!!
「・・・ヨミ様、その・・・やり過ぎました。ごめんなさい・・・」
ユキねえが珍しく意気消沈してる。流石に、今回のは反省したらしい。
「・・・ん・・・・・・もうやらないでね・・・」
「はい・・・」
『リン』視点
どうしよう!焦ってヨミの家から飛び出してしまった。だけど、しょうがないじゃない!あんな凄い事になってるヨミを見ちゃったんだから!
忘れるって言ってた来たし、ワタシも忘れようと思ってるんだけど、忘れようと思えば思うほど頭の中に
・・・白い肌なのに赤くなったお尻、叩かれる度に震える体・・・それに半泣きになってるヨミの顔・・・思い出すとなんだかドキドキしちゃう。
「・・・あんなヨミもカワイイかも・・・」
ダメダメ!こんな事考えてたら友達に失礼よ!それに今度ヨミと顔を合わせにくくなっちゃう・・・けどあんなヨミも――
ふぅ・・・(賢者タイム)
その、作者もやり過ぎたと思って反省してるんです・・・
これでもマイルドにしてて、ヨミちゃんのお尻を「叩く⇔撫でる」を交互にやるとか、ヨミちゃんに「お仕置きして頂き、ありがとうございます。ご主人様」とか言わせたりね?挙句の果てにリンちゃんにもお尻を叩かせる所だったんだよ・・・
出来るだけリンちゃんは純粋でいて欲しいんだよ・・・
それに作者はR-15を守りたいから、R-18な内容にしたくなかったんだ・・・
あと、作者の性癖が迷子です。
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彼/彼女は回避出来ない現象
「すーー、すぴゅーー♪」
「ヨミ様の機嫌がいいと大抵ロクな事がおきないんですよね・・・」
ふふん!ユキねえの
「ふんふん~すひゅーー♪」
俺はオタクロスに
『プルルルル・・・』「オタクロスは今忙しくて電話に出られないぞ!メッセージを残しておいてくれ!」
『やあ、オタクロス?居留守なんて酷いじゃないか。キミとワタシの仲なのに』
電話出たのはオタクロスが作った
『おーい、オタクロス居るんだろ?ワンコールで留守電になる訳ないよね?』
「・・・イヤな予感がしたんデヨ。今度はどんな面倒事を押し付ける気じゃ?」
『イヤ~、ハッハッハッ!面倒事なんかじゃないよ。この前くれたリンのLBXのお礼さ。彼女とっても喜んでくれていたよ』
オタクロスにデータ送信!送ったのはLBXとピースサインをする満面の笑みのリンの写真だ。もちろん、リンの許可を貰ってから送信したよ?
「リンたんはカワイイデヨ~~♡萌えるデヨ~~」
『それじゃあ、前置きはこれくらいにして本題に入ろうか』
オタクロス受け取って♡(暗黒微笑)
『これは後でいいから、まずは山野 バンのCCMをハッキングして盗聴と通話に割り込めるようにして欲しいな☆』
「あ゛あ゛あ゛あ゛!!!やっぱり面倒事デヨ!!イヤじゃ!やりたくないデヨ!!」
まーた、オタクロスが駄々っ子になっちゃた。困った子だね。
『まあまあ、とりあえずハッキングしてくれたら
「・・・ホントにイイ事デヨ?」
『モチ!モチ!・・・それに、
「これで万事OKだわ!」
「急にどうしたんですか、やはり頭がおかしくなっていたんですね・・・」
失礼しちゃう!
ゴホン、失礼。さて今日のイベントは大きく分けて四つある。
1・バンがレックスにプラチナカプセルを貰って、タイニーオービット本社で解析しに行く途中にイノベーターに襲われるけど、パンドラに助けてもらう。
2・アミがパンドラの正体は
3・プラチナカプセルを解析したら『
4・タイニーオービット本社にリニアモーターカーが突っ込んでくる。バンのオーディーンとジンの
まあ、イノベーターの研究所?で八神さんも色々やってるけど、バンの周りで起きるイベントは上の四つだ。
だが、ザンネン!俺がちょっかいを出せるイベントは1、4の一部だけ・・・
2、3はしょうがないとして、1で俺が暴れすぎるとアミがパンドラを貰うフラグが折れる。4は物理的にムリ・・・だってさぁ!?時速500キロのリニアだぜ!?電波の中継、LBXも500キロのリニアに飛び乗るなんて出来ない。だけど、オーディーンは
・・・つまり『なぞのLBXプレイヤー』はお呼びではないのだ。
だが、俺はなんとか食い込んでやる!
まず1にねじ込む為に、俺とユキねえは高速道路近くの廃ビル屋上にやって来た。ここからモルフォが援護射撃をするのだ。リニアの影響でコントロールポッドの通信が乱れ、パンドラが無防備になる瞬間がある。そこでモルフォに援護射撃で活躍してもらう。
「それじゃ、狙撃お願いね?」
「そもそも、本当に彼らが襲われるんですか?」
「・・・多分?」
一応ドローンでバン達がタイニーオービット本社に向かったのは確認したけど、イノベーターが作戦を変えてるかもしれない・・・
「こうしましょう。もしもヨミ様の
「・・・それってユキねえの?」
「ウフフ・・・面白い
マズい・・・マズいぞ!頼むイノベーター・・・!
――――――――――
「キターーー!!」
かなり遠いが、高速道路でバン達が乗った車をトレーラーが複数台で囲み込もうとしている。
「・・・チッ」
「今ユキねえ舌打ちしたよね!?」
「気のせいです。射撃するので、静かにしてください」
絶対誤魔化した・・・とは言え、走行中のトレーラーの上のLBXを狙う精密射撃だからね。ユキねえの邪魔は出来ない・・・
「言い忘れたけど、あんまりやり過ぎないでね?撃つタイミングは俺が教えるから」
「・・・なぜ――やっぱりいいです。どうせ答えてくれなさそうですし」
ちなみに、俺の服装はちゃんとイザナミモードの
お、やってる。やってる。トレーラーの荷台の上で
アニメだと二分四十秒に一回、リニアの影響でパンドラが動きが鈍くなる。だからそろそろ――
「ユキねえ!パンドラの周りのLBXを撃って!」
「急に!言わないで!ください!」
文句を言う割には、三発全部命中してるじゃん。てか、精度高くね?・・・あ、パンドラが復活した。俺も暴れたいなぁ・・・
「どうして、パンドラの動きが安定してないんですか?」
「遠隔操作してる機械が近くにあるリニアの電磁波に妨害されてるからだよ・・・暇だし、適当に撃ってていいよ」
「そんな致命的な弱点があるなら、リニアから離れればいいじゃないですか」
「・・・それは言わないお約束」
そんな事したらアミがパンドラの正体当てられないからね。仕方ないね。あ、またパンドラの動きが悪くなった。要介護LBXめ!
「ユキねえ、撃てぇーー!!」
「情緒不安定なんですか・・・」
「おお、ナイスショット」
うーーん。ユキねえ狙撃上手いな・・・財前総理暗殺の時に、ユキねえが
やべっ、ハンターがこっち見てんじゃん。顔をあげて直接トレーラーを見る。別にハンターが見える訳じゃないけどね。
目と目が合う~瞬間
そんな事をしていると、パンドラがトレーラーをハッキングしてバン達の乗った車の逃げ道を作った。さらばだ・・・カズ君チビッてないよね?
俺とユキねえは次の一手の為にタイニーオービット本社の近くに車を止めて隠れていた。
「イザナミ、ハッキングが終わったデヨ。あの強固な
『ありがと、オタクロス。あれは
急にオタクロスから連絡があったと思ったら、バンのCCMのアクセスプログラムを送ってくれた。
「それで、イイ事とはなんデヨ」
『ああ、それ?オタクロスにハッキングしてもらった山野 バンが明日あたりにオタクロスに会いにいくから。もちろんワタシの事は内緒ね』
「それのどこがイイ事な――『プツンッ』
うるさくなりそうだったから電話を切った。バン達がアポなしで行く所を『なぞのLBXプレイヤー』がアポを取ってあげたんだ。バンもオタクロスも俺に感謝してもいいと思う。
「・・・ヨミ様・・・」
ユキねえがジト~って視線を向けてくる。だから俺はアポを(ry)
ともかく、しばらく待機かな?一応、地下からイノベーターのLBX襲撃イベントあるけど場所わかんないし、このタイミングでアミがパンドラを貰うからね。
・・・それに
しばらくすると、タイニーオービット本社から人がわらわら飛び出してくる。4が始まったみたいだね。
詳しく説明すると、イノベーターはリニアモーターカーにLBXを送り込んで制御を奪い、リニアをタイニーオービット本社に衝突させて混乱している所に、襲撃部隊が侵入してタイニーオービット本社内にある新しいシーカー本部ごと制圧する計画だ。
アニメだとそもそも、バンとジンがリニアを止めたから計画が中止されるんだよね。
「モルフォは準備出来てる?」
「問題ありません。・・・先制攻撃してしまえばいいのでは?」
「逆に混乱が酷くなると思うから却下」
イザナミとモルフォは、イノベーターの襲撃部隊が乗っていると思われる軍用トラックの監視をしている。リニアが止められなかった時の保険だ。二手に分かれて監視してるけど、確かもう数台あった気がするんだよね・・・
お、オーディーンが飛行形態で飛んでった。・・・まあ、色々考えても仕方ないか。今はリニアを止めてもらう事だけ考えよう。
「・・・ユキねえ、オタクロスに貰ったプログラムの使い方わかる?」
「私が知ってる訳ないじゃないですか!」
「・・・どうしよ」
バンにありがたーいアドバイスをしてあげる予定だったのに。バンが負けるとは思わないけど、苦戦してリニアを止めるのが遅れたらマズい。アニメだと結構ギリギリで止まったからね。
・・・アレ?もしかしてピンチかも?
「あばばっっば!?ど、ど、どうしよう!?」
「・・・はぁ~」
ええぃ、こうなったら適当にやってみるしかない!届け!俺の想い!!
――――――――――
「やった!成功だぁ!!」
なんとかオーディーンの視界の共有と、バン達の通話に割り込めた!これで勝つる!
どれどれ~どんな状況かな~って、もうリニアの先頭車両でバトルしてるじゃん!しかもアニメだと『マスターコマンド』一体だったのに、追加でデクー改が二体居るじゃん!煙幕を使って時間稼がれてるし!
「くっ・・・早くリニアを止めないといけないのに!」
バンめっちゃ苦戦してるじゃん!オーディーンの操作感覚に慣れてないし、相手が三体だから当たり前だけどさぁ!
え~と、アニメではマスターコマンドを倒してブレーキを掛けるんだけど、ブレーキが壊されてたからリニアの浮遊装置を破壊してリニアを地面との摩擦で止めようとする。
つまり、浮遊装置さえ破壊すればリニアのスピードは落とせる。この事をバンに教えてやろうではないか!
「山野 バン!運転席の右下にある『超電導浮遊装置』を破壊しなさい!リニアを止めるにはそれしかないわ!」
正式名称がわからなかったから、ウィキペディアを見ながらバンに指示する。
「イザナミ!?どういう事なんだ!?」
「説明している暇はないわ!早くしなさい!」(訳・早くやれ!)
「わかった!これに賭けるしかない!」『アタックファンクション・グングニル』
オーディーンの
「スピードが落ち始めた!止まってくれ!」
頼む!止まるんじゃねぇぞ・・・!この後のジンの出番がなくなちゃう!
「イザナミ!何故バンを助けてくれたんだ」
おん?バンの通話に悠介も居るから、悠介にも俺の助言も聞こえてたのか。
「・・・貴方に教える筋合いはないわ」(訳・言い訳が思いつかないからカンベンしてください)
「悠介さん!このままではリニアが止まらず、タイニーオービット社に衝突します!」
よかった!ジンの出番が残ってた!
「なんだと!クッ、警報を出せ!」
『貨物リニアが後、百二十秒で本社駅に衝突する!残ってい者は衝突に備えろ!繰り替えす、衝突に備えろ!』
ほーれ、ジン君?出番だぞ?
『ピピッピピッ』
ここでジンも通話に入って来た!・・・どうやったの?
「海道 ジン!?」
「後はまかせろ」
遅いぞ!ジンのCCMは特別製で、一キロまでLBXを操作出来るくせに!
って言うかさぁ、LBXでリニア止めるとか訳わかんないよね。ジンの新しいLBX『プロトゼノン』がリニアに正面からぶつかって、ジェットスラスターで無理やり止めるんだよね。プロトゼノン頑丈過ぎない・・・?
さてと通話を切って、っとまだ盗聴はするけどね。
「ユキねえ、なんとかなりそうだから撤退準備初めていいよ」
「なんとかって・・・はぁ~、わかりました」
オーディーンのカメラで一応リニアが止まるのを確認する。・・・ちゃんと止まったね。それじゃ、バン達を盗聴しながらイザナミも撤退しますかね。
「ありがとうジン。でも、どうして・・・」
あ~~来たぞ。ジンが仲間になるイベントだ!
「僕はこれから、自分の考えで生きていく・・・おじい様を止めたいんだ。信じてくれとは言わない・・・だが、許されるなら・・・
「そうか!だったら、ジンは今日から俺達の仲間だ!」
「バ、バン、本気なのか?」
ウルサイぞ!そこのカズ!今いい所なんだぞ!
「拓也さん、お願いします。ジンは海道邸に侵入した時も助けてくれたんです」
俺がジンに指示したんだけね!
「・・・・・・」
「戦えるのか?相手は君のおじいさんだぞ」
悠介の鋭い指摘!お前のせいでキャラ被りしたの許してないからな!
静かに頷くジン。無言だけど覚悟が伝わってくるね。認めてやれよ、拓也~~。
「・・・分かった」
「!ジン、よろしく!」
いや~~、ダンボール戦機の名シーンの一つだと思ってるからね。感動的だねぇ~~。
イノベーターの襲撃部隊も帰ったし、俺も帰りますか!
「ユキねえ~♪帰ろう~~」
「テンションが高すぎてキモチワルイです」
「・・・ドローン?
ちなみに『なぞのLBXプレイヤー』の時はユキねえをモルフォと呼ぶ事にしているヨミちゃんですが、オタクロスの前だとメイドさん呼びで定着しています。
今週の金曜ロードショーで『チャーリーとチョコレート工場』やってたじゃん?作者は原作小説も読んでて、原作者の『ロアルド・ダール』さんの小説は日本語訳だけど一通り読んだよ。ダールさんが原作の映画『ファンタスティック Mr.FOX』『魔女がいっぱい』『マチルダ』を作者は視聴済みだよ。気になった人は見てみてね!
追伸
こんなの書いてる作者だが、ラノベしか読んでないと思ったか!
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何もない日常
「ユキねえ、俺とデートしてくれないか?」
「・・・デート先は病院ですか?」
「違うもん!多分普通のデートだもん!」
ただユキねえをデートに誘っただけなのに!それに俺の頭どこも悪くないし!
今日、バン達はイノベーターに奪われたメタナスGXにネット経由でアクセスする為、メタナスGXの
そう、
・・・話が逸れたね。つまり今日、バン達にちょっかいを掛けるにはオタクロスの前に出るしかない。でも『イザナミ』はバンとオタクロスの所ではキャラが違うから、下手をするとバン達に俺の本性がバレるかもしれない。
別に、一日中依頼をこなしてもいいけど、ヤマジュン設計のイザナミとモルフォが完成したらこれ以上改修はしなくても大丈夫だろうし、OPは問題ないからいっその事、今日はLBXの休憩日にする事にした。
だからユキねえをデートに誘った。ちなみにリンは仕事が忙しいらしい。なにかいい物があればお土産にしようかな?
「それでヨミ様の言う
「それはね―――
「デート先が空港って女性としてどうなんですか?」
「別にいいじゃん。それに結構面白いよ?」
ユキねえとやって来たのはトキオシティ国際空港だ。海外編が始まる訳じゃないよ?目的は空港内でウインドウショッピングだ。これがなかなか面白くて、外国人観光客向けに空港のショップエリアの一角が江戸時代の『日本橋』を再現しているのだ。お店も日本らしい和風で統一されていて、ぶらぶら歩くだけでも楽しい。
「ほら、ユキねえ!『江戸路地』に着いたよ!」
「・・・江戸の街並みを再現しているんですか。思ったより完成度が高いですね」
「ここら辺ぶらぶらしたいんだけど、いい?」
「いいですよ。せっかくデートですから、手でも繋ぎますか?」
「エッ!えーと、あっばばば・・・ヨロシク、オネガイシマス?」
「ふふっ・・・冗談です。ヨミ様慌てすぎですよ」
「・・・ナッ!?」
クソォ!DTを虐めやがって!こうなったらDTの底力を見せてやるゥ!
「・・・・・・///」『ぎゅ』
ええぃ!男は度胸!女も度胸!結局全部、根性論!
「っ!・・・ヨミ様・・・」
「・・・なに?」
「言っておいてなんですが、身長差がありすぎて、精々年の離れた姉妹にしか見えないと思うんです・・・」
「しょうがないじゃん!」
恋人繋ぎは身長差がありすぎて出来ない、そもそもユキねえの手が俺の肩くらいにあるんだから物理的に出来る訳がない。30cmの身長差はでかい・・・
結局、ユキねえと手を繋ぐのは諦めた。手を繋がなくてもデートは出来るし。
「見て、このTシャツ凄くない?」
「物凄く直球ですね・・・」
『姫』とでかでかとプリントされたTシャツをユキねえに見せる。和風の面白Tシャツを売っている店でユキねえとウインドウショッピングを楽しむ。いつもウインドウショッピングなんてしないが、変わった物が多くて見飽きない。
「これなんてヨミ様にピッタリじゃないですか?」
ユキねえの手には『おてんば娘』とプリントされたTシャツが握られていた。
「俺は『おてんば』じゃないし!それに心は男だから『娘』でもないよ!」
「そんな事ありません。きっと似合うと思います」
「じゃあ、これはユキねえに似合うと思う!」
俺が次に手に取ったTシャツは達筆で『愛』と書かれている。・・・にしても派手なTシャツばっかりだな、この店は。
――――――――――
Tシャツ屋の後に雑貨屋、本屋などに行って今はイートインスペースでユキねえとお茶を飲んでいる。
ずずっ・・・お茶を買った店は有名らしく、飲みやすくてシンプルに美味い。
「ずずっ・・・ふはぁ~、ほっとするね。一通り回ったし、国内線の方に行ってご飯でも食べる?」
「そうしましょうか。・・・そういえば本を買ってましたよね。なんてタイトルの本ですか?」
「ああ、コレ?じゃじゃーーん!
「なんですか?・・・ナウ?バカウケ?」
「・・・え?」
「・・・は?」
もしかして、通じてない?(1990年代)俺も世代じゃないけど、メジャーな単語だからこれくらいは知ってるよね?
「・・・チョベリバ?*2」
「だからその呪文?はなんですか?」
「1990年代はみんな言ってたのに知らないの!?」
「・・・はぁ~~、あのですねヨミ様。今は2050年ですよ?ヨミ様の両親ですら、2010年頃に生まれたんですよ?六十、七十歳のご老人しか知りませんよ?」
「そんな事ないもん!2020年台でも死語として親しまれてたもん!」
「その時点で死語じゃないですか・・・」
ジェネレーションギャップに打ちのめされながら、俺とユキねえは昼ご飯を探しに歩き始めた。
――――――――――
「揚げ物は外で食べると片付けがラクでいいね」
「ご馳走です。・・・ヨミ様が片付けた事ないじゃないですか」
昼ご飯はとんかつ定食を食べた。もちろん(精神的に)男である俺がお代を支払った。決してリーズナブルな価格ではなかったけどね。クレジットはまだまだ余裕があるから大丈夫。
「なんか俺、リア充みたいじゃない?」
「その発言がリア充っぽくないです」
「っと、そうだ。いい物があればリンのお土産にしたいんだよね」
「おや、私が居るのに他の女の話ですか?」
「・・・ユキねえ、揶揄わないで。リンにお土産を買う事に反対じゃないくせに」
「リン様にもヨミ様が迷惑を掛けてますからね。これくらいはお返ししませんと」
「・・・そこは仲良くしてもらって~~とかじゃないの?」
「それもありますが、迷惑の方が掛けてますからね」
そんな他愛ない会話をしながら色んな店を見て回る。
「ん?これなんかいいんじゃないかな――
ユキねえとデートが終わり、夜の家で俺は一人考え込んでいた。
ちなみに、リンのお土産は笛――クラリネットだっけ?のキーホルダーだ。リンはCCMになにも付けてないからね。空港のお土産としてどうかと思うけど、見つけた瞬間にコレだ!と確信した。・・・なんでだろう?
って違う、違う。こんな事を考えてた訳じゃなくて・・・よし、考えてても仕方ないし聞いてみよう。
『オタクロス~『バブル用語』って知ってる?』
「・・・こんな夜遅くに電話して聞く事じゃないデヨ」
『まあ、それは置いといて催眠術を掛ける機械とかってない?』
イノベーターのLBX『エジプト』は催眠機能があってカズが操られ、アキレスに喧嘩を売ってたからね。この世界に
・・・それにユキねえなら『催眠なんて掛かる訳ないじゃないですか』とか言いそうだからね。
「ジョークグッズの話じゃないようじゃな。危険な物デヨ、オヌシにはやれんデヨ」
『それって絶対に?』
「絶対にデヨ」
『やっぱり駄目かぁ。わかったよ。夜遅くに悪かったね、オタクロス』
「もうこんな時間に電話掛けるなデヨ」
・・・しょうがない、ただでさえオタクロスにLBXを作ってもらってるからね。これ以上頼み込むのも迷惑だろうし。もう寝ちゃおうかな。
『ウスユキ』視点?
「オタクロス様、さっきの話は本当ですか?」
「本当じゃが、危険な――
「用意、してくれますよね?」
「イヤ、でも悪用されたら――
「して、くれますね?」
「・・・・・・分かったデヨ・・・」
綺麗なまま終わる訳がないだろう!最後のは一体ダレなんだ・・・反転すれば・・・?
空港はまんま羽田空港です。『江戸小路』がコロナの影響で軒並み臨時休業してました(´・ω・`)
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前編 猫の為の鎮魂歌
『ウスユキ』視点
「ただいま帰りました」
「ユキねえお帰りー!!」
リビングに入った瞬間、ヨミ様が纏わりついてくる。いつもこれくらい可愛げがあればいいのだが。
「ユキねえ早く出してよ!ねぇ早く!」
ヨミ様がお預けを喰らった犬の様になっている。ヨミ様はネコのくせに・・・
かくいう私も少し期待があるので、あまりヨミ様の事は言えない。私が出掛けてきた場所はアキハバラに居るオタクロス様の所だ。LBXと
「ユキねえ、抜け駆けして見てないよね!?」
「してません。そんな事をしたらヨミ様がうるさくなるじゃないですか」
そこまでLBXが好きなら自分で受け取ってくればいいと思いますが・・・口に出すギリギリの所で飲み込む。言ったら最後、ヨミ様の謎の拘りについて散々解説される。
ヨミ様の視線が鬱陶しいから早く渡そう・・・
「どうぞ、ヨミ様」
「あひゃーー!イザナミ、お帰り!」
「・・・キモチワルイですね」
これだから
気持ち悪いヨミ様は放っておいて、私のLBXモルフォも改修してもらっているので、軽く操作してみる。
・・・反応速度にパワーも上がっている様だ。また練習する必要があるだろう。・・・それにしても、これだけも改修案をたった数日で送信してきた山野博士は本当に人間なのだろうか?
「・・・ハッ!いけない、トリップしかかってた!」
「ヨミ様はもう手遅れみたいですね」
「失礼な!ちょっとテンションアガり過ぎただけだし!・・・ゴホン、はい、ユキねえ新しい
そう言ったヨミ様から、モルフォ用の狙撃銃を受け取る。今までの狙撃銃よりも少し大きく銃身が短い。これでは前の狙撃銃よりも射程が短い・・・?
「そうそう、ユキねえ。その狙撃銃にギミックを仕込んでもらったんだよ。ちょいと貸してみて?」
「どうぞ」
ヨミ様はイザナミに装備させると、銃身の下部を前方にスライドさせてそのまま銃口に付ける。すると長身の狙撃銃になった。
「どう?前にモルフォが腰だめで撃ってたから、長さを変えられる様にしたのと、ボルトアクションからセミオートにして速射出来るようにしてみたよ。ちなみに下のパーツが付け替えられて、
イザナミから狙撃銃を渡して貰い、モルフォで動作を確認してみる。・・・ふむ、中々良さそうですね。
「イザナミの刀と槍も、なにか変わったんですか?」
「・・・俺のは性能が上がったのと、色がちょっと変わっただけかな」
「てっきり、また変な仕掛けでも組み込んでいるのかと」
「性能上がってるし・・・それに名前も変わったんだよ。『
「また、イタイ・・・物騒な名前ですね」
「狙撃銃は『
GREED・・・強欲ですか。恐らくヨミ様が命名したんですね・・・よく見ると銃身にも名前が彫られてある。
「早速バトル――っとと、その前にユキねえ、これ見て?」『キィィン・・・』
ヨミ様は、機械の様な音を鳴らす黒と紫色の画面が映し出されたCCMを私に見せる。・・・愚かなヨミ様。そんな偽物の
―――三十分前―――
「メイドさん、この画面を相手に見せれば催眠術が掛かるデヨ」
「わかりました。
数日前、ヨミ様がオタクロス様に催眠術を掛ける機械を強請っていたのを、私は偶然聞いた。どうせ、ヨミ様は私にイタズラでもしようと考えていたんでしょう。
逆に、私がヨミ様に使ってあげる事にしたのでオタクロス様に
「危険なシロモノじゃから、いくつか制限を掛けたデヨ」
「・・・妥当ですね。本当に催眠術なんて物があるなら相当危険でしょうし」
「制限は『一時間で催眠が解ける』『催眠を掛けた相手の記憶は絶対に消せない』『催眠プログラムは一度使うと自動で消去される』の三つあるデヨ。それと危ない事に使わないで欲しいデヨ」
「・・・大体理解しました。最後に関しても問題ありませんよ。
「一体、オヌシらはどんな関係なんじゃ・・・それとイザナミに偽の催眠プログラムを送信したデヨ。本物の催眠プログラムは、イザナミがメイドさんに催眠を掛けようとした時だけ使う様にしてほしいデヨ・・・まだイザナミに良心が残っているやもしれんしの・・・」
――――――――――
「・・・あれぇ?掛かってない?・・・やっぱりなんでもない!ユキねえ、バトルしよ!」
オタクロス様の期待を見事に裏切ったヨミ様には
「今度は私のCCMを見てください」
『ヨミ』視点
「早速バトル――っとと、その前にユキねえ、これ見て?」『キィィン・・・』
今朝オタクロスから送られてきた催眠プログラムをユキねえに掛ける。
けど、なんで送ってくれたんだろう?最初はあんなに嫌がってたのに。まあ、なんでもいいか!
ユキねえにどんなイタズラをしようかなぁ~?猫耳でも付けさせて語尾に『ニャン』って付けてもらおうかな?
「・・・あれぇ?掛かってない?」
って全然催眠効いてないじゃん!オタクロスめ!欠陥品送りやがって!
とりあえず誤魔化さなきゃ。ユキねえに催眠を掛けようとしていたのがバレたら、マズい事になりそうだからね。
「やっぱりなんでもない!ユキねえ、バトルしよ!」」
「今度は私のCCMを見てください」
・・・?急にどうしたんだろう?CCMを見せるなんて―――
『キィィン・・・』
「・・・おっ?おー?」
ユキねえのCCMを見た瞬間、頭がふわふわして体に力が入らない?
お尻が床に着く感覚がする。力が抜けたせいで立っていられない。
「・・・因果応報ですよ、ヨミ様?・・・それにしても凄い効果ですね」
「・・・っ、っっ・・・」
!?喋れないぞ!?それどころか体も動かない!まるで俺の体じゃないみたいに全く動かない!?
「そうですね・・・では、メイド服を着て猫耳と尻尾も付けてください」
「・・・はい」
ユキねえの命令に従わないと・・・誰がそんな服を着るか!って体が勝手に着替え始めてる!?
猫耳と尻尾も付けなきゃ・・・ユキねえの命令だから・・・イヤーー!動け、動け、動いてよ!今動かなきゃ、今すぐ外さなきゃ、俺が死んじゃうんだ!もうこんなの嫌なんだよ!
「・・・催眠とは素晴らしいですね・・・それではヨミ様。貴方は今から
「・・・わかりました、にゃ」
俺は
「ふむ・・・懐いた猫みたいに可愛くしてください」
「わかり、まし・・・わかったにゃ♡ヨミはご主人様の事がダイスキなんだにゃ♡」『ゴロン』
ご主人様ならお腹を見せてもいいにゃ♡オエッ!我ながらキモッ!俺の猫なで声キッツ!
「・・・そこまで指示してないのですが・・・まあいいでしょう。ヨミ様のお腹ナデナデしてあげますね?」
「あふぅ・・♡ご主人様のナデナデ、キモチイイにゃ♡」
「ビデオカメラを持ってきます。いい子で待っていてください」
「あ・・・ご主人様早く戻ってきてほしいにゃ♡」
お腹ナデナデ止めちゃった・・・もっとご主人様にしてほしかったにゃ・・・ひとまずこの地獄から脱出できた・・・だがユキねえが戻ってきたら映像で俺の痴態を記録されてしまう。今の内になんとかしないと!
『ピンポーン』
お家に誰か来たみたいにゃ。ご主人様の代わりに俺が対応したらご主人様褒めてくれるかにゃ?ぎゃー!!誰か来た!知り合いにこんなの見られたら死ぬゥ!ヤだ!ヤだ!イヤだァー!!
『ガチャ』
「イザナミ、君がこの家に――
「ご主人様は今出られないだにゃ♡代わりに俺が用件を聞くにゃ♡」
「・・・・・・」
「・・・へっ?」
「・・・ッ!?すまない人違いだった」
なんで海道 ジンがここに居るの?って言うか、俺の痴態がジンに見られた・・・のか?
「・・・う゛わーーーーん゛!!」
「!?急に泣き出すな!?」
「だって゛ジンに゛み゛られだーーー!!アア゛ーーーン!!」
キタネェ話ですね。せっかく猫の日になのにね。
『四章 TS美少女闇落ち?』じゃなくて『TS美少女の恥辱編』になってるね・・・
そもそも『作戦コード「C2H6O」』と『おーぷん・ざ・○○?』は書く予定がなかったからね。
それに四章は次話で四話に纏める予定だったんだよ・・・なんか増えたんだよ・・・
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後編 邪神の逆ギレとTS美少女の手料理
「ひぐっ・・・うぅ・・・」
「まさかこんな事になるとは・・・」
「・・・本当にすまなかった」
事故現場にユキねえが来てとりあえず、俺とジンをリビングに連れてきてくれた。俺はしばらくタオルケットに包まって落ち着いた。ユキねえもジンも俺に恥辱を味わわせる敵だからタオルケット君だけが俺の味方だよ。
どうやら、あの時俺は催眠術に掛かっていたが、幸か不幸かジンに見られたショックで催眠が解けたらしい。・・・見られた時点で不幸だな。
「どうぞ、ヨミ様。ジン様もよければどうぞ」
「・・・ずびっ、ユキねえ、ありがと・・・」
ユキねえがあったかいお茶が入ったマグカップをくれた。タオルケットの隙間から手を出してお茶をチビチビ啜る。
「それで、どうしてジン様は
「・・・『イザナミ』の事を調べていた。リニアが暴走した時にドローンと
ジンが床に正座したまま答える。
「つまり、ヨミ様が自分で蒔いた種じゃないですか・・・」
「・・・ぅみゅーー・・・」
そうかもしれないけど・・・だからと言って心の傷がなくなる訳じゃない。
それにこの事がバンを始め、シーカーの面々やオタクロスに知られたら確実に死んでしまう。それだけはなんとしてでも阻止しなければ。
「・・・ジン君、お・・・
「僕と、僕の執事くらいだ。イノベーターは知らないはずだ」
つまりジンの口さえ封じれば問題解決って事だなぁ?
「ジン君、その・・・トルして」
「・・・すまない、よく聞こえなかった」
「お・・・私とLBXバトルして!・・・もしも、私が勝ったら私の事は内緒にして!」
「それは・・・バン君にも伝えなければ――
「・・・女の子を泣かせたのに、責任取らないの?」
ユキねえが俺のしたい事を察して仏頂面になっているが、気にしちゃ負けだ。
「ぐっ・・・分かった。ただし、僕が勝ったら質問に答えてもらうぞ」
「・・・ホント?私とバトルしてくれるの?」
「嘘じゃない。
「言ったな!言質は取ったぞ!
「・・・そんな事だろうと思いました」
ユキねえウルサイ!元々ユキねえが俺に催眠なんか掛けたのが原因なんだからね!俺悪くないもん!(←全ての元凶)
「なっ!?イザナミの性格が変わったのか!?」
「ええぃ、これが俺の素の性格じゃい!コテンパンのギッタンギッタンにしてやるからな!ジンこの野郎!」
Dキューブを展開してイザナミを投下する。ジン、首を洗って待ってろよ・・・!
「ジン様、迷惑をお掛けしてすいません」
「いや、大丈夫だ。勝てば『イザナミ』から情報を引き出せる。・・・そういえば名前を聞いていなかったな」
「私は『東奏 ウスユキ』です。この卑怯なのは『東奏 ヨミ』です。私は養子の扱いですが、実質東奏家のメイドの様な物です」
「ちょっと、ユキねえ!なにサラッと本名教えてるのさ!」
「もうジン様に隠しても意味ないでしょう?ヨミ様も素の性格を出してるんですから」
「うぐぐ・・・ジン!早くバトルするよ!」
風向きが悪くなったし、いつまでもユキねえを説得しても意味ない。さっさとジンの口封じをしてしまおう。
「・・・プロトゼノン!」
イザナミが刀と槍を持ってゆっくりプロトゼノンに近づく。警戒しながらプロトゼノンが牽制程度にハンマーを振るう。
『ガキィン!』
まずは一発。刀でハンマーを受け流す。この程度でプロトゼノンの体勢は崩れず、続けざまにイザナミにハンマーが襲い掛かる。
『ガキィン!』『ガキィン!』『ガキィン!』『ガキィン!』・・・
刀と槍を使い、イザナミは攻撃を捌きながらプロトゼノンに接近し続ける。
するとイザナミが近いづきすぎたせいで、ハンマーを振る間合いを確保する為にプロトゼノンが一歩ずつ後ろに下がる。
「くっ・・・やりずらい!」
攻撃しているはずのプロトゼノンが、防御しているイザナミにジリジリ押されていく。
分が悪いとプロトゼノンが後方に飛び、距離を取るが――
「そこだぁ!」
プロトゼノンが着地する直前に、イザナミがフックショットをプロトゼノンに撃ち込んで引き寄せ、
「鉤爪が仕込んであるとは・・・」
「プロトゼノンだってジェットスラスター付いてるじゃん!」
「だが、動きは見切った。同じ手は食わない」
「言ったな?それじゃあ、第二ラウンド開始だ!」
イザナミが距離を取ると、プロトゼノンに向かって勢い良く突っ込む。物凄い速さだが、一直線で近づく為防ぎやすい。イザナミは攻撃するとすぐに距離を取り、また突っ込んでいく。
「さっきみたいに攻撃してみてよ!」
「・・・いいだろう!」
ヒット&アウェイで攻撃を続けるイザナミの速度に慣れ、プロトゼノンは突っ込んでくるイザナミを正面から待ち受ける。
「突撃!と見せかけて・・・!」
「ッ!?プロトゼノン!」
イザナミがプロトゼノンの前で急停止すると、刀を
だが、イザナミはサマーソルトでハンマーを躱し、プロトゼノンの頭部に蹴りを喰らわせる。
「なにっ!・・・そんな風に動けるのか!」
「流石だねジン。一回やったら対応してくるね・・・さてと、そろそろトドメといきますか!」
「来い!出来る物ならやってみろ!」
イザナミが槍をプロトゼノンに投げる。なんとか避けるがフックショットも迫ってくる。
「・・・!槍は囮か!」
「
(いや、違う。イザナミが刀を
とか思ってるんだろうなァ!
プロトゼノンの体勢を直し、蹴りにカウンターをする為――
「そーーーりゃあ!」
イザナミの撃ったフックショットがプロトゼノンに命中せず、後ろにある槍を掴みプロトゼノンの背中に突き刺す。
「とぉぉ↑おう↓!」
フックショットを巻き取り、イザナミがプロトゼノンの方に飛び込む。
(峰打ちだ!峰ってなんだ?とりあえず刃のついてない方で、そぉい!)
背後に槍を受けて体勢が崩れたプロトゼノンに、イザナミが刀に勢いを乗せて振り切る。渾身の一撃を喰らったプロトゼノンのLPが無くなり
「正義は、勝つ!」
――――――――――
「俺が勝ったから約束通り、俺の事は黙っててね!ジン!」
「・・・ああ」
ジンならこっちの動きを読んでくると思ったよ。裏まで読んでたみたいだけど、それだけじゃないんだよな~。
「ジン様、うちの
「ユキねえ酷い!俺は正々堂々戦って勝ったもん!」
確かにちょーとだけ搦め手を使ったけど、基本ちゃんと戦ったよ!それと振り仮名が逆になってるし!
「君がこれほどのLBXプレイヤーだとは思わなかった。どうして君はここまで強くなったんだ?」
「ちょっと!ジン君?俺が勝ったんだから、ジンが質問する権利はないよ!」
「・・・そうだったな。今のは忘れてくれ」
「ヨミ様のせいで遅くなってしまいましたし、ジン様も一緒に夕食を食べませんか?」
「・・・頂きます」
「えっ!なに聞いてんのユキねえ!?それになんでジンもOK出してるの!?」
「ほら、ヨミ様手伝ってください。ジン様に一番迷惑を掛けたのヨミ様なんですから」
ユキねえと一緒にカレーを作らされた。美味しく出来たけど、ジン君いい所のお坊ちゃまなんだよ?このレベルの料理出していいのか・・・?
祝☆100.000文字突破!(今更)
この小説も完結が見えてきたぞ!
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女の子のヒミツ
「ご馳走様でした」
「うい、お粗末様~」
結局ジンは普通にカレーを食った。義光に引き取られる前は庶民なんだっけ?・・・それとも美少女の作ったカレーだから食ったのか?俺だってこんな美少女が料理を作ってくれたらメシマズでも躊躇せず食べるからね。
「・・・って、なんで俺がこんな事してるんだ!!」
「ッ!?急にどうした!」
「・・・はぁ~、いつもの発作ですか・・・」『ベチィッ!』
「ブフゥ!・・・痛いじゃん!ユキねえ!」
「・・・何が起こっているんだ?」
くぅーー、ジンが居るのに俺にデコピンしないでよ。おでこ、痛い・・・じゃなくて!俺は『なぞのLBXプレイヤー』だぞ!?こんな
「バン達にちょっかいをかけたい!」
「・・・はぁ~、また始まりました・・・」
「次はたしか・・・『アキハバラキングダム』だな!なら・・・グフフ」
バン達はアキハバラキングダムで優勝してアキハバラの王になって、その権限でハッカー軍団に協力にしてもらってバラバラになったアクセスコードを修復してもらうんだったな。で、そのデータとプラチナカプセルがあればエターナルサイクラーが作れるんだよね。
「イザナミ、どういう事だ?」
「あ~、こっちの話だよ。それと、周りに人が居なければヨミって呼んでいいよ」
「ジン様、ヨミ様の悪だくみに巻き込まれる前に帰ったほうがいいですよ。もう外は暗くなっていますし」
「・・・その方が良さそうだな」
「
「ジン様気を付けてください。
「仕込みは万全!それじゃあ、一暴れしますか!」
「勝手にやればいいじゃないですか・・・私も巻き込まないでください・・・」
「そんな事言わないでくださいよ!へへっ、ユキねえの肩でも揉みましょうか?」
「なら、猫耳をつけてください」
「調子乗ってすいません。それだけはカンベンしてください」
ちょっと冗談言っただけなのに・・・俺とユキねえはアキハバラにある『ホコ天スタジアム』に侵入している。このホコ天コロシアムは普段、アキハバラの交差点の地下に格納されていて、大会開催時の時だけ出てくる。
今はまだ大会が始まってないから、地下にある。と言うか上に上がると侵入するタイミングがなくなるから今の内に侵入しているのだが。
「本当にこんな大きなスタジアムがあったんですね」
「中に入って隠れたら、しばらく待機かな」
中で一~二時間は待機しないといけないかな。ちゃんと生身で来てるから隠れてる最中にトイレなんか行けない。既にトイレに行っておいた。流石イザナミちゃん、完璧だ。
今日は『イザナミ』ちゃんが大暴れするのだ!アニメだと予選を突破し、アキハバラの王『マスターキング』と戦うのだが、そこで俺が一手間加えて『マスターキングとバトルしようと思ったら、マスターキングがイザナミにやられてました』って状況にしてやるのだ!
で、俺とバトルしてもらおう。ボス戦だと思っていたら、裏ボスがボスを倒しててそのまま裏ボス戦ーみたいなのいいよね。それに、マスターキングを倒したんだから実質俺がキングだしね。
「いや~、準備が大変だったね~」
「だったらこんな事しないていいです・・・」
―――ジンが家に来た次の日―――
「なんじゃ、イザナミ。ワシはアキハバラキングダムの準備で忙しいんじゃ」
「初めまして、貴方がオタクロスね?」
「オヌシ、誰デヨ!」
いいリアクションだね。俺はボイチェンを切って『なぞのLBXプレイヤー』モードでオタクロスに電話しているから当然っちゃ当然なんだけどね。
「私はイザナミ・・・なのだけれど、
マジで紛らわしい。美少女モードと謎の人物モードで名前を変えとけばよかったね。
「・・・もしや、雑誌のミステリアスな黒髪美少女デヨ!?」
「雑誌?・・・そういえばそんな事もあったわね」
しっかり覚えていますとも。もう二度とあんな事はしたくない。黒歴史と言っても過言ではないし。
「オタクロス、私はアキハバラキングダムの事でお願いがあるの。
「なんでも叶えてあげるデヨ~!」
オタクの妄想みたいなシチュエーションだね。オタクロスは美人に弱いからチョロくて助かる。
「それで、具体的にはどんなお願いデヨ?」
「それは―――
――――――――――
って感じでオタクロスに侵入方法を教えてもらったのだ!これの他にも用意する物はあって大変だった。
大変だった分、頑張って成功させなきゃね!さてとホコ天コロシアム内で隠れる場所はどこだ~。
「ヨミ様、ここじゃないですか?」
「マジで?」
隠れる予定の場所はメンテナンス用の作業エリアだ。・・・まさかこんなに狭いとは・・・一畳くらいしかない。ここに俺とユキねえは一~二時間居なくちゃいけないのか・・・
「狭いですね・・・」
「・・・そうだね・・・おお?」
『ゴゴゴゴゴゴゴ・・・』
この振動は多分ホコ天スタジアムが上がってるんだね。めっちゃ揺れる。
「ようやく始まったみたいだね・・・」
「乗り心地は最悪ですがね・・・」
「まあ、せっかくだし大会の中継でも観ようか」
CCMで大会を・・・っともう予選トーナメント表が出てる。・・・ちゃんとアニメ通りにバンチームとジンチームに分かれてるね。オタクロスがチーム分けをしたんだっけ?バンチームはバンと仙道、郷田だ。バンはいいとして仙道と郷田は犬猿の仲なんだよね。だけど、この大会を通してお互いにある程度認めあって喧嘩友達くらいに落ち着くんだよね。・・・お姉さま方が薄い本を厚くしそうな展開だね。
それは置いといてジンチームはジンとアミにカズだ。アミはジンをちゃんと仲間だと認めてるけど、カズは元々ジンが敵だったからか消極的なんだよね。それと、このチームのバトルは対戦相手が口上を言っている内に攻撃して倒してるんだよね。見応えがないね。
「なんですか、この魑魅魍魎は・・・ジン様もいるんですか」
「確かにね?
「思ったよりも・・・なんと言うか・・・見応えなかったな・・・」
バンのオーディーンが俺の想定よりも強くて、アニメより苦戦してない・・・バンチームだけがこの大会でまともにバトルしてるのに・・・俺達のアキハバラキングダムどこ・・・ホントにここ?
「・・・次は決勝戦ですし、バンチームとジンチームのバトルですから見応えありそうですよ?」
「・・・いや、やる事あるから観てる暇ない・・・行こ、ユキねえ」
肩透かし喰らった気分だ。ダメダメ、気持ち切り替えて行こう!気合を込めてヤクザキックで扉を開けてホコ天コロシアム内を進んでいく。
「静かに開けてください」
「ええぃ、カチコミに行って丁寧に扉を開ける奴がいるかぁ!」
このホコ天コロシアムの中にマスターキングが居て、優勝者の前に派手に登場する。まあ、俺がそうはさせないけどね!
この扉の先にマスターキングが居る。それじゃ、ご対面といきますか!
「初めまして、マスターキング?貴方を倒しに来たわ」
「ダレ?オマエ?ボク、このあとバトルしてやらなきゃいけないから、オマエなんかとバトルしてるヒマないんだけど」
よく言うぜ、このクソガキィ!五歳のくせに!お前だってオタクロスを騙してキングの座に着いたくせに!ブーー!ブーー!
「フフッ、流石キングね。勝てない相手を見極めるのがお上手なのね?」
「なんだと!ボクがオマエなんかに負けるワケないだろ!それにボクと戦いたかったら大会で優勝できるくらいに強くないとダメだぞ!オマエ見たことないし、ぜんぜん有名じゃないだろ!」
「・・・フフッ、マスターキング如きが私の事知らないはずがないわ」
黙れ、小僧!ここでイザナミをお披露目!ほーら『黒いLBX』だぞー?噂くらいは知ってるよなぁ?
「私が『黒いLBX』のLBXプレイヤーよ。大会優勝者が相手でも、このイザナミが負けた事は一度もないわ」
「・・・フッ、フン!でもボクが戦ってやる理由はないぞ!」
お?後一押しって感じかな?いい加減さっさと戦ってほしいんだけど。
「それじゃあ、まだイザナミは負けないわね。マスターキングは逃げたのだから。そもそも戦わなければ負けた事にならないものね?」
「ムッキーー!そんなにボクに倒してほしいんだ!三十秒で倒してあげるよ!」
「・・・それは楽しみね?(戦うまでの判断が遅い!)」
まったく、子供の
「最初からそのつもりでしたが?」
一言余計にユキねえが一歩後ろに下がる。
「二人でかかってきてもよかったんだよ!ボクの『アポロカイザー』ならまとめて倒せたよ!」
「言い訳されても困るもの。・・・そろそろ始めましょうか?」
Dキューブ展開!草原のフィールドだ。遮る物がないから、真向勝負になる。
「いけー!太陽神アポロカイザー!」
「屠りなさい、イザナミ!」
俺の口上ランキングの上位のセリフだ!聞けた事を光栄に思うがいい!
アポロカイザーねぇ・・・結局コイツは必殺技のゴリ押しなんだよね。まあ、それが一番強いんだけど。
「アポロカイザー!必殺ファンクション!」『アタックファンクション・神速剣』
やっぱり必殺技のゴリ押しできたね。ヨッシァ、こっちもやってあげましょうかね!
「格の違いを見せてあげる」『アタックファンクション・渦雲渡り双撃』
神速剣は名前の通り、物凄い速さで剣を振るい斬撃を飛ばす必殺技だ。イザナミのは刀と槍をアポロカイザーよりも速く振るう必殺技・・・斬撃は飛ばせないから劣化版とも言える。でも俺の方が強いし!
アポロカイザーの斬撃と全部撃ち落とした・・・ね。勝ったな。風呂なんてないけど。
「一発も当たってない!?」
「さようなら、マスターキング」
刀と槍を~♪駆動部に~♪刺すべし!装甲がないからここが一番ダメージ出るんだよね。しめやかに爆☆散!
神速剣は強力な分、撃つと一定時間動けなくなるんだよね。だから必殺技でイザナミの体勢を崩せなかった時点で負けなのだ!
「うええーーーん!負けちゃったよーー!」
『それではお待ちかね!アキハバラの頂点に君臨し、その華麗なるバトルで世界を魅了する天才LBXプレイヤーマスターキングの登場です!』
ナイスタイミング!俺と(元)マスターキングが乗っている床が上がってステージに登場するぞ。オラ、ワクワクすっぞ!
『海道 ジン』視点
僕達はバン君に負けてしまったが、バン君のチームならマスターキングに勝てるだろう。
『それではお待ちかね!アキハバラの頂点に君臨し、その華麗なるバトルで世界を魅了する天才LBXプレイヤーマスターキングの登場です!』
アキハバラの王、マスターキング一体どんな人物だろうか。ステージにスモークが焚かれ見る事が出来ない。スモークが消え、中から――
「えっ?」
「なんだ、あのオバサン?」
マダム、と呼ぶに相応しい風貌の女性が出てきた。彼女がマスターキングとは思えない。どういう事だ?
「オバサン!?全く失礼しちゃうわね!マー君出番よ!」
「・・・マー君?」
マダムの一声でステージから玉座が出てくる。あそこの座っているのがマスターキングと言う事―――
「ふええーーーーん!」
「イザナミ!?」
「マー君!?どうしたの!?」
玉座の周りには、マー君と呼ばれた小さな男の子と、ウスユキと鬼の様な仮面で顔を覆ったヨミ――いや、イザナミが居た。
「キングはもう居ない。私が
『波乱の展開です!突如現れた謎の少女にマスターキングが倒されていたーー!』
イザナミとウスユキが中央のバトルフィールドに歩いてくる。イザナミの目的はなんだ?バンとバトルしてプラチナカプセルを奪う事か?だが、彼女のLBXの腕前ならいつでも奪えたはず・・・
「三対一でいいわ。早く準備しなさい。貴方達にはキングにならないといけない理由があるのでしょう?」
「やってやらぁ!」
「俺を舐めると痛い目を見るぞ」
「・・・イザナミ・・・わかった、三対一でいいんだな!」
「ふふっ・・・あまり退屈させないでね」
『アキハバラキングダム、キング決定戦バトルスタァーーート!!』
――――――――――
『イザナミ、ブレイクオーバー!アキハバラの新しいキングは山野 バンだーーー!!』
イザナミが負けた。違う、あれはワザと負けたんだ。僕とバトルした時のスピードもテクニックも無かった。それでも
「流石ね・・・それとも、おめでとうと言った方がいいかしら?」
そう言ったイザナミは仮面を少しずらす。この会場に居る観客からは顔は見えないだろうが、正面に居るバン君なら彼女の表情が見えているはず。
「イザナミ、どうしてこんな事をしたんだ?」
「貴方にもいずれわかる日が来るわ・・・楽しかったわ、また逢いましょう、バン」
イザナミはそう言い残すとウスユキを連れて去っていってしまった。
「イザナミ・・・・・・」
この展開・・・もしかすると、彼女はただの目立ちたがりなのか・・・?
『ヨミ』視点
「それじゃあ、悪役イザナミちゃんに乾杯!」
「待ってください。ヨミ様」
なんだよ、ユキねえ?せっかく気持ちよく乾杯しようとしてたのに。
「私を巻き込んだ謝礼がまだですよ?」
「あ~~、ユキねえ、今日はありがとう!」
「その程度で済むとでも?」
「ひぃっ!コスプレは嫌だ、コスプレは嫌だ、スリザリンも嫌だ」
「ヨミ様?アキハバラにメイド喫茶と言う物があるそうですね?」
「・・・ハイ、アリマスネ」
「料理に愛情を込めるらしいですね?」
「・・・ソウ、ラシイ、デスネ」
「やってくれますよね?」
「・・・・・・」
そんな事出来る訳がない。俺は男だぞ!?それにメイドさんとやるんじゃなくて、俺がやってあげるなんて絶対にムリ!
「やってくれますね?」
「・・・ハイ・・・モエモエ、キューン」
「舐めてるんですか?」
「ピィ!・・・ご、ご主人様へのあ、あ、愛情を込めて・・・萌え萌えキ、キューン」(ガタガタガタガタ)
「・・・30点ですね」
ジン君正解!ヨミちゃんはLBX狂の目立ちたがり屋さんだぞ!
世界大会アルテミスよりレベルが高いアキハバラキングダムって一体・・・
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命の代償
それと今回曇らせ要素ありますわ!ご注意してくださいまし!
・・・注意ってどうすんの?
「ねえねえ、オレオレ。今ちょっと時間ある?どーしても頼みたい事があってさ!」
「・・・その手の詐欺はもうないぞ。イザナミ」
「冗談だって、それに今はヨミでいいよ」
アキハバラキングダムが終わった次の日、つまり今日バン達はアクセスコードとプラチナカプセルを持ってタイニーオービット本社に行ってエターナルサイクラーを作るけど、イノベーターに襲撃される。追加でバン君の曇らせ?要素もある。
まあね!この『なぞのLBXプレイヤー』こと、イザナミちゃんがサクっと解決させちゃうんだけどね!
「ねえ~ジンジン~?プロトゼノンの改修するんでしょ?終わったら俺と
「・・・今度は何を企んでいる?それにアキハバラキングダムでヨミがした事の説明もしてほしいんだが」
「・・・細かい事は、気にするな!そーゆう男は嫌われるゾ☆」
「ジン様、誘いに乗ってはいけません。こういう時は大体良くない事になりますよ」
ユキねえは全然わかってない。バンを曇らせたい派の人間か?それに今日行動しないと死人が出るしね。
「バトルに負けたジンジンに拒否権はない!それに、バンに協力しに行くだけだし、ね?」
「・・・分かった・・・車で迎えに行く」
「お~~、ありがとジンジン!」
「・・・それと、僕の事を『ジンジン』って呼ぶのを止めてくれ」
「オッケー、善処するよ!」
「「はぁ・・・」」
「ようやく『ゼノン』が完成したのね」
俺はユキねえを引き連れて『サイバーランス』って言うLBXメーカーに来た。なにを隠そう、ジンのLBXはサイバーランス製なのだ!「サイバーランスってモブ企業じゃん」って思った奴居ただろ!お馴染みのクノイチもサイバーランス製だぞ!馬鹿にすんな!
「ヨミ――「ん゛ん゛っ!」
「・・・イザナミ、待たせたな」
「いいえ、大丈夫よ。それじゃ行きましょうか、ジン?」
「・・・おや、ガールフレンドが居るとは知りませんでした」
そんなのじゃないし!誰だ、こんな事を言う不届き者は!お前は・・・サイバーランスの開発局長のたしか・・・西原、だっけ?
・・・イイ事、思いついたぞぉ。
「あら、ジン?私の事は西原さんに言っていなかったの?・・・お初にお目にかかります。私は『イザナミ』といいます。私もLBXは
「ワタシはサイバーランス社の主任研究員の西原 誠司です。ジンさんのガールフレンドですし、LBXの腕前もかなりの物でしょうね。・・・ジンさんも隅に置けないですね」
ユキねえがジトォ~って見てくる。
「馬鹿を言うな。彼女が揶揄って遊んでいるだけだ。それに、彼女があの黒いLBX『イザナミ』のLBXプレイヤーだぞ」
「ふふっ、予定があるので、私達はこれで失礼しますね(ちょっとジン!なにバラしてくれてんの!)」
「揶揄った仕返しだ」
――――――――――
俺が噂の『黒いLBX』って事を追求される前にサイバーランス社から逃げ出して、ジンの執事が運転する車に乗り込む。
「今日はタイニーオービット本社でデートだよ!」
「イザナミ、僕の執事も聞いているがいいのか?」
「大丈夫、ジンが口止めしてくれれば、絶対に他の人に言わないだろうしね」
このおじいさん執事は元々、義光の執事だったが今はジンの執事だもんね。この後イノベーターの施設に潜入する手伝いもしてくれるし。
「それでヨミ様?なぜ、タイニーオービット本社に行くんですか?」
「それは――「お話の途中ですみません。たった今、タイニーオービット本社にイノベーターが攻撃を仕掛けている、との情報が入りました」
ジンの執事めぇ!今俺がドヤ顔で説明しようとしてたのに!ジンにマウントを取る機会なくなったじゃん!
「・・・そう言う事だから。それじゃ、タイニーオービット本社に行きますかね」
うーーん、タイニーオービット本社に着いたはいいけど大騒ぎだね。まあイノベーターが攻めてきてるから当然なんだけど。
「イザナミ、どこに向かえばいい?」
「そうね・・・そこのお姉さん、少しいいかしら?」
丁度いい所にシーカーの制服を着たお姉さんが通ったので、道を教えてもらおう。・・・やっぱり女性の方がいいよね。もちろん、教え方が上手そうだからだよ?下心なんてない!
「えっ!私!?」
「そう、貴方よ。私達は応援に来たの。地下の坑道はどこから行けるのかしら?」
イノベーターは古い坑道を使ってLBXの大群を送り込んでくるからね。俺は場所しらないから聞くしかない。
「そこの通路の奥にある貨物エレベーターに乗れば行ける、けど・・・」
思ってたよりも
「ありがとう。助かったわ」
「キミ、どこかで見たような・・・?」
ヤベェ!感づかれてる!ちょっとだけ早歩きして、エレベーターに逃げ込め!
「ああーーー!!思い出した!あの子イザナミって言う子だ!!」
あっぶね、遠くから叫び声が聞こえる。俺の正体がバレて叩き出されるかもしれなかったね。
「ジンジン、今の内にシーカーと情報交換しといて」
「だから、ジンジンと呼ぶな」
「私はなにかした方がいいですか?」
「俺とユキねえは特になし!」
「イザナミ、この回線を使えばシーカーの通話に入れる」
「おお、サンキュ。ジンジン」
ジンから送られてきた回線にアクセス・・・っと。Wow、もう
「放っておけない、俺達で食い止めよう!」
「待てよ、あんなモンどうやって止めるんだ」
「近づくのも難しいわ」
ああん、もう!
「ここは僕達が引き受ける」
エレベーターが坑道に着き、扉が開かれる。目の前には|オーディーン、フェンリル、パンドラが居た。主人公トリオがコントロールポッドで遠隔操作してるんだよね。
・・・LBXの視点、つまりローアングルだから気を付けないと俺のパンツ見られる?
ほあああぁぁぁ!!ピンチ!今ヨレヨレパンツ履いてるんだけど!やっぱり今朝に勝負パンツ履いてくればよかった!
「僕とイザナミも戦おう」
俺は既に戦ってますぅ!!
「ジン、相手は戦車だ!」
「完成したこの『ゼノン』ならやれるさ。プロトゼノンのデータを元に、サイバーランス社が作り上げた次世代型LBX、そして僕だけの究極の専用機、それがこのゼノンだ。それにイザナミも居る」
「待て、イザナミ、君の事は信用出来ない」
戦車来てるのに、いちいちウルサイ
ちょっとパンドラに喧嘩売ったり、恨みが~だとか嘘ついたり、タイニーオービットがスポンサーのアキハバラキングダムで暴れただけ・・・アレ?もしかして俺、タイニーオービットに敵対してると思われてる?
いや、まだだ!まだ、なんとかなる!
「このLBXに見覚えないかしら?(ユキねえ!モルフォ見せてあげて!)」
「それはモルフォか!?旧シーカー本部に現れたLBXは君の仲間だったのか!」
拓也も知ってたか。と言うか知らなかったら、ドヤ顔でモルフォを見せた俺が大恥だよ。
「貴方は恩を仇で返すのかしら?それに、今は選りすぐりしている場合かしらね?」
「・・・分かった。ここはジン達に任せよう。バン達はレベル4研究室に向かってくれ」
ふぃーーー、よかった。なんとか説得できたね。シーカーは俺の事どう思っているんだろう?敵か、味方か・・・俺もよくわかんない!
「バン、行きましょう。エターナルサイクラーを守らなきゃ!」
「行こうぜ、バン!」
「いや、俺は残る。俺はジンとイザナミと一緒にあの戦車を食い止める!あいつを止めなければ、このビルは破壊される。そうしたら、エターナルサイクラーも守れない!」
「いいわ。モルフォ、山野 バンの代わりにレベル4研究室に行きなさい(命令口調でごめんなさい!お仕置きだけはやめてください!)」
「了解しました(なるほど、お仕置きがいいんですね)」
やっべぇ・・・どうしよう・・・ユキねえのヤる気スイッチを押した気がする。
とりあえず、この状況をどうにかしよう。とりま、オーディーンを拾って坑道に持っていくか。俺がオーディーンを持ってればパンチラの確立がグッと低くなる。美少女はヨレヨレパンツなんか履いてないからね。イメージ操作は大事。
「生身で来るバカが俺以外にも二人居るとはな。それじゃあ、ここは任せたぜ!」
先に坑道で戦ってた郷田にバカ呼ばわりされた。番長みたいな郷田には言われたくない。
オラッ、さっさと行けよ、郷田!それとユキねえ~~。お達者で~~。
それじゃ、俺達も行きますか。
「どうやって戦う?」
「バン、私に考えがあるわ。あの戦車はAIで動いているはずよ。オーディーンとゼノンが戦車の上部行ければ、ハッキング出来るわ」
「AIか・・・分かった、僕がハッキングしよう」
「ああ、それで行こう!」
そうと決まれば~♪スモークグレネードを~♪戦車のメインカメラにシュゥゥゥーッ!!
よしよし、動きが止まったね。
「今の内よ、行きなさい」
「ありがとう、イザナミ!」
ジンがハッキングしてる間暇だし、戦車の武装でも剥がしてますか。って言うかさ?たかがメインカメラがやられただけで相手を見失う戦車ってどうなの?インビットといい、この戦車といい、サブカメラとか付けた方がいいと思うけどなぁ・・・
「これで終わりだ」
おお~~、戦車の動きが完全に止まったね。やっぱり、ジンの新しいLBXのお披露目は乗り物を止めないとね。
「成功だ、ジン!イザナミ!」
「ああ」
「二人共よくやったわ」
ちゃんと褒めてあげる。俺は褒めて伸ばす教育方針なのだ!
「こっちも終わったぜ!」
「イノベーターのLBXの反応全て消失!撃退に成功したようです!」
ふーーー、これでひと段落だね。まだメインディッシュが残ってるけどね!
「ジン、オーディーンをバンに持って行ってあげて。エントランスに行けば会えるはずよ」
「ああ・・・イザナミ、なぜあの戦車がAIだと知っていた」
だーから、アニメで(ry
「バトルに勝てたら教えてあげる・・・」
「またそれか・・・だが、ゼノンもある。今度こそ勝ってみせる」
「ふふっ、それは楽しみね?」
エントランスに向かって歩きつつ、この後にある今回の目玉イベント『バン曇らせ?』について考える。
無事にエターナルサイクラーが完成するんだけど、霧島ってオジサンに奪われて、悠介が霧島に銃を向けられながらも、エターナルサイクラーを返すように説得する。
で、そこでイノベーターの青の部隊?がエターナルサイクラーを霧島から奪い去って、霧島をトラックでひき殺して口封じを図る。だけど、悠介が霧島を庇ってトラックに轢かれて死ぬ。
まあ、悠介が俺のキャラに被せてきた事をまだ許していないが、助けてやる。もうパンドラはアミのLBXだし、色もアミ専用カラーの赤になっている。それに見殺しは夢見が悪いしね。
だけど、イベント自体は踏む。バンの目の前で悠介が死ぬ事で、バンがイノベーターと戦う事を怖がるようになる。だが、ジンの説得で恐怖に打ち勝ち、バンが覚悟を決めて成長する。
つまり、俺がやる事は『悠介を助け、俺が助けなかったら悠介は死んでいた、とバンに説教する』だ。こうする他ない。
だが、加減がムズイ。一応『いのちだいじに』でやるけどね?そんな事を考えてたらエントランスに着いた。
「お、ジン!イザナミ!」
いい顔してるね。後少しでこの顔が曇るのか・・・はっ!曇らせに目覚める訳にはいかない!しっかりしろ、イザナミ!
「お疲れ様、バン」
「バン君、君のLBXだ」
「ありがとう、ジン」
「待て!待つんだ!」
よし、悠介もセット完了。一発勝負だ。気合入れてやりますか!
「悠介さん・・・?」
「何かあったのか?」
「行ってみましょう」
――――――――――
「貴方はそれが何なのか分かっているのか!」
ちょっと痴話げんかみたいだね。オッサン二人だけど。
「邪魔をするなぁ!」
おおーー!霧島ここで銃を取り出し、悠介に向けた!だが、この試合にルールはない!よって反則もないぞ!
悠介が説得中だけど、霧島ってオジサンについて少し解説するね。
霧島オジサンは強化ダンボールの開発者なんだけど、なんやかんやで工場が潰れて、工場が潰れたのはタイニーオービットのせいだと思って悠介に恨みを持っているぞ!・・・けど、霧島も結局イノベーターに騙されていた被害者寄りの人なんだよなぁ。そうじゃなきゃ、口封じなんてされないし。
「お前のせいで!ワタシは・・・ワタシは・・・!」
無人のトラックが動きだした。やっぱりハッキングで動かしてるね。イザナミに電磁パルスグレネードを装備させて・・・
おおっと!ここで物陰からスーツの男が現れ、霧島からエターナルサイクラーを奪い取った!霧島、追いかける!
「イザナミ!」
霧島に迫るトラック目掛けてグレネードを投擲!よしっ!トラックが逸れて霧島にも悠介にも当たらないコースに――
「う、うわあぁ!!」
「バン君!」
ギャアアーー!!マズい!!マズい!!バンの方行ってるゥ!!主人公死亡は洒落にならない!!しかも俺のせいじゃん!!
「バン!!」
間に合え!間に合え!間に合え!間に合え!!!ここで誰も死なせないからな!!
『ドガァ!!』
よ、かった・・・バンは平、気みたいだ・・・な、んで景色・・・上下さかさ、ま・・・に・・・
「・・・・・・ヨミ様?」
ユ・・・キ、ね・・・ぇ?
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ヨモツイクサ
『ウスユキ』視点
「・・・・・・ヨミ様?」
目の前で起こった事が理解できない。なぜ、ヨミ様が倒れている?なぜ、ヨミ様がトラックに轢かれた?
「ヨミ様!」
ヨミ様に駆け寄る。腕が曲がり、内臓が潰れたらしく口から血が出ている。
震える手で脈を調べる。殆ど脈を感じない。
ヨミ様の呼吸も調べる。呼吸をしていない。
「ヨミ様・・・?嘘・・・ですよね?」
死んだ?そんな事あるはずがない。ヨミ様はこんな簡単に死ぬような人ではない。きっと、いつものイタズラに違いない。すぐに起き上がって私に笑いかけてくれる。ヨミ様が死ぬはずがない。なにかの間違いだ。こんな事――
「ヨミ様?起きてください?・・・起きて・・・ください」
「・・・・・・・・・」
ヨミ様を揺する。ヨミ様が寝坊した時、いつもこうして起こしている。
「・・・・・・・・・」
「・・・ヨミ様・・・お願い、ですから・・・起きてください」
「・・・・・・・・・」
いくら揺すってもヨミ様が起きない。まさか、本当に――
『ヨミ様は死んだ』
嫌な想像が頭の中を支配する。
私の名前を呼んでくれるヨミ様が死んだ?
LBXの事になると周りが見えなくなるヨミ様が死んだ?
私と一緒に出掛けたヨミ様が死んだ?
謎の拘りを押し付けてくるヨミ様が死んだ?
お仕置きでコスプレさせたヨミ様が死んだ?
「――――!――――――!」
「――!――――――」
周りがうるさい。イノベーターのLBXが群がっているのが見える。
「ヨミ様?私はどうすればいいですか・・・」
「・・・・・・・・・」
ヨミ様は答えてくれない。LBXがどんどん近づいて来る。
眩暈と吐き気がする。ヨミ様と過ごした思い出が
「・・・わかり、ました」
ヨミ様の声が聞こえた気がする。敵を全て殺したら、またヨミ様が私の名前を呼んでくれるに違いない。
「ヨミ様、すぐ片付けます」
「―――――!―――――」
「―――!―――――――――!」
私の名前を呼んでくれるヨミ様は死んだ
LBXの事になると周りが見えなくなるヨミ様は死んだ
私と一緒に出掛けたヨミ様は死んだ
謎の拘りを押し付けてくるヨミ様は死んだ
お仕置きでコスプレさせたヨミ様は死んだ
ヨミ様の為なら、私はなんでも出来ますよ。
ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様ヨミ様・・・
ヨミ様の近くに、ヨミ様の血で赤黒くなった鬼の様な仮面が落ちている。
「ヨミ様の為なら、私は鬼にもなりましょう・・・」
仮面をつけると、ヨミ様と繋がりを感じる気がした。
敵を殺さなければ・・・全て、ヨミ様の為に殺してあげましょう。
「ヨミ様!貴方の為に!」
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五章 TS美少女の結末
「ヨミ」と「イザナミ」
「・・・・・・ハッ!ここはどこ・・・違うな。ここは誰!私はどこ!」
気が付いたら真っ白な空間に居た。病院でもないし、そもそも床も壁もない。
・・・マジでここどこ?
「今度は随分派手に死んだわね」
「ホワッツ!?」
声がした方を振り向くと、俺そっくりな
「カワイイ・・・」
「・・・混乱しているみたいね。一から説明して――
「当ててみせるから待って!」
アイキュー200のヨミちゃんに掛かればすぐわかるぜ!
1・俺の最後に記憶はトラックに撥ねられた事!
2・人が作ったとは思えない真っ白な不思議空間!
3・そこに現れた謎の人物!
つまり、この状況は・・・
「異世界転生ですね。わかります」
「・・・は?」
異世界転生モノの名物、トラック転生だね。この美人ちゃんが転生させてくれるカミサマなんでしょ?ラノベ読んでおいたから、すぐに理解できたね。
でも、チートを貰ってファンタジーな異世界に行くよりも、まだ『ダンボール戦機』の世界に居たいな・・・なんだかんだ気に入ってるし、もう少しユキねえとワチャワチャしたいからね。
べ、別に寂しいとかじゃないんだからね!異世界でもユキねえレベルの美人はそうそう居ないと思っただけなんだから!勘違いしないでよね!
「カミサマ~~、一応聞きますけど蘇らせたり出来ますかね~~?」
「はぁ~、ヨミ?今がどんな状況かわかってないわね・・・」
「わかってるもん!死んだから異世界転生するんでしょ!」
「・・・違うわよ・・・少し頭を冷やしなさい」『ベシィッ!』
「ひでぶ!」
頭チョップされた・・・アレ?痛くない?死んでるから?
「異世界転生なんてしないし、そもそも、貴方が死に切れていないからここに居るのよ?
「・・・ほえ?どゆこと?」
▼ヨミ は 混乱 している!
「最初から説明するわね。まず、私の名前は『ヨミ』よ・・・貴方と被って紛らわしいから『イザナミ』でいいわ」
「・・・なるほど!完全に理解した!」
我は汝、汝は我って事だな!(思考放棄)
『ベシィッ!』
「グエッ!」
「いちいち突っ込んでたらキリがないからこれで最後にして」
「痛くないけど、痛い気がするから止めて!」
『ベシィッ!』
「ベフゥ!」
なんだ、この暴力女!なんとかして訴えてやる!
「はぁ~、大事な話なのよ?ちゃんと聞いて」
「・・・は~い」
「ゴホン・・・私の魂は最初、『ヨミ』の肉体に入っていたの」
「うん」
「でも、私は産まれてからすぐに死んでしまったわ。所謂、死産ね」
「・・・う~ん?」
「本来なら、そのまま私の魂は肉体と一緒にこの世から消えるはずなのだけど、貴方の魂が『ヨミ』の肉体に入ったの」
「・・・・・・」
「そのおかげで『ヨミ』の肉体は生き続ける事ができたのよ」
???つまりどゆこと?
「長い!三行で!」
『ベシィッ!』「私が本来の『ヨミ』で!貴方は憑依系転生者なのよ!」
イタァ!・・・くない。イザナミちゃん『憑依系』とかラノベ用語知ってるんだ。以外だね。
「ほえ~、それで俺が死んだから体返せ、的なヤツ?」
「そんな事しないし、出来ないわよ。逆に感謝してるくらいよ。『ヨミ』を通じて色んな事を感じられたのだから」
「よかった~。元の体の持ち主が俺を恨んでなくて」
「そんな事があったから『黄泉帰り』から取って『ヨミ』って名前になったのよ。貴方は忘れていたようだけど、ウスユキお姉さんは覚えていたし、本当は貴方は憑依したと気づいているみたいよ?」
「・・・マジ?」
「オオマジよ」
ユキねえそんな事一言も言ってなかったじゃん・・・俺だけ知らなかったヤツじゃん・・・
「・・・それで俺はここで一生、イザナミちゃんと二人きりで暮らすの?」
「いいえ、貴方はまた黄泉帰ってもらうわ。貴方が死んでウスユキお姉さんが大変な事になってるのよ」
おお!空中に映像が出てきた!・・・けど、ダンボール戦機の世界だとホログラムくらい普通なんだよね・・・感動が薄い・・・
肝心の映像は――ってユキねえめっちゃ怖い!半狂乱になりながらモルフォを操作して敵味方関係なく攻撃してるじゃん!
「これは貴方が死んだ直後ね。その後の映像もあるわよ」
「あんまり見たくないなぁ・・・」
今度の映像は・・・ユキねえが病院?のベットに縛り付けられている。うわぁ・・・眼が虚ろでなんかブツブツ言ってるよ・・・
「ウスユキお姉さんを元に戻してあげて」
「・・・出来るだけやってみるけど・・・」
「それと、私の分も生きてね」
そう言ってイザナミが俺の背後に回り、背中を軽く押す。すると俺の体・・・魂?が透明になり始めた。なんかムズムズするね。
「俺にドーンと任せない!」
流石に空気を読んで力強く答える。
「ありがとう、そしてさよなら。『ヨミ』」
だんだん意識が戻ってくるのがわかる。生き返ったら最初になんて言おう?『私は帰ってきた!』とか?それとも『幽体離脱~』は・・・却下。『ここはどこ?アナタはだぁれ?』って言って記憶喪失のふりも捨てがたい・・・
ん?なんだか体に違和感が・・・
「痛゛い゛!!」
「ヨ゛ミ゛!!死んじゃイヤ゛・・・?アレ?生きてる?」
あがががが!全身がイ゛タ゛イ゛!!まさに死ぬほど痛い!!黄泉帰ってもダメージが完治してる訳じゃないの!?
「イ゛タ゛イ゛!!イ゛タ゛イ゛!!イ゛タ゛イ゛!!体イ゛タ゛イ゛ーー!!」
「ヨ゛ミ゛!!よ゛か゛った゛!!!」
「があああ!!!!」
リンが抱き着いてきて、さらに体が痛い!!!死ぬ!!死んでしまう!!
「ヨミ!?」
あ・・・ジンが部屋に入ってきた・・・駄目だ、意識が薄れてきた・・・
「ジン・・・助けて・・・ガクッ」
ぷはぁ!作者も空気を読んでずっと静かにしてたからね!やっと『ヨミ』の名前の由来出せた!イザナミちゃんは普通に女の子です。ノンケです。
実質的に前回と今回の話で一話になるかな。
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解呪
危なかった・・・一瞬意識が飛んだ・・・
あの後、普通に入院した。体がボドボドだったからね。鎮痛剤を打ってもらったけど、まだ痛ぁい・・・
「ジンジン!俺が生き返った事、誰が知ってる!?」
俺の病室には俺とジンとリンだけが居る。大事な話があるから医者は一旦出て行ってもらった。
「僕と僕の執事、悠介さんにリン・・・だったな。それだけだ。バン君にもすぐに知らせるか?」
「バッカ!バンにはまだ知られちゃマズいの!」
バンの曇らせに、ジンの説得の機会がなくなっちゃうじゃん!
「なぜだ?ヨミがバン君を庇ったせいで、バン君は塞ぎ込んでいるんだぞ」
「だからだよ!バンに戦う厳しさを教えてあげないといけないから!・・・だけどジンジン、バンを励ましに行ってあげて?」
「キミが行けばいいだろう・・・」
「俺じゃ駄目――「ヨミ!?戦うってどういう事なの!」
おおぅ・・・急にリン大声出すじゃん・・・びっくりした。
「あーー、色々あるの。けどまぁ、後少しで終わるから大丈夫だよ」
「ダメよ!またヨミ死んじゃうかもしれないわ!」
リンがまた抱き着いてくる。ちゃんと手加減してくれてるから痛くないけど・・・お胸が大きくなりました?
「ジンジン~、助けて~」
「散々彼女を悲しませた報いだ。甘んじて受けろ」
「えぇ~~、リン?結局俺死んでないし・・・それじゃあ、約束でもする?」
「・・・約束?」
「そ、『全て終わったら、リンとLBXでバトルする』って約束するよ」
「・・・でも・・・だったらワタシもヨミと一緒に戦うわ!」
え!?それはちょっと・・・危ないし・・・それに、これ以上アニメの展開から逸れたらどうなるかわからないし・・・
「危険だから駄目。もしリンが危なくなっても、今の俺じゃ助けられないからね(ヘルプミー!ジンジン!)」
「・・・ヨミの言う通りだ。下手に付いて来られる方がヨミも危険だろう」
「そゆことだから。気持ちだけ受け取っておくね?」
「むー・・・約束、絶対守ってね」
「わかってるって」
これで後には引けなくなったね。もう一回死ぬつもりなんてないけどね!・・・かなり痛いし。
「ヨミ!またね!」
「リン、ここ病室だから静かに・・・」
ってもう居ないし。ジンはまだ帰らないみたい。どっちでもいいけどね。
さーてと、悠介にクレームとお願いの電話でもしますかね。
「こんにちわ、悠介?元気にやってるかしら?」
「ヨミか!?今こちらに君が生き返ったと連絡が入った所だったんだ」
えーー、渾身の皮肉はスルーですか。イイ根性してるね。
「タイニーオービット社の労災はいくら貰えるのかしら?」(訳・テメェのせいで一回死んだんだけど!)
「五千万クレジットならすぐに出せる」
Wow・・・悠介さん太っ腹!よ、やり手社長!
「あら、私の命がたったの五千万ね・・・・・・ふふっ、冗談よ。貴方からお金を毟り取るつもりはないわ。その代わり・・・」
「君は霧島さんとバン君の命、いやタイニーオービット社の恩人だ。出来る限りの事はしよう」
ん?今何でもするって言ったよね?(言ってない)ならば、俺の願いはただ一つ!
「まずは私の事を外部に漏らさない事よ。もちろん山野 バン達にもね。それと悠介、貴方にはタイニーオービット社長を辞任してもらうわ」
「・・・それはどうしてだ?」
「一つ目のお願いは私個人の事だから詮索しないでちょうだい」
バンの曇らせもあるし、それにこんなインパクトがある面白そうなネタ滅多にないからね。
「二つ目のお願いはシーカーに関わる話よ。貴方も気づいてると思うけど、タイニーオービット社の幹部はほとんどイノベーターに買収されているわ。貴方だと簡単にクビに出来ないでしょう?そこで弟の拓也を社長にして、社長就任と同時に幹部連中をクビにしてほしいの」
アニメだと悠介が死んで、拓也がタイニーオービット社の社長になるんだよね。で、ついでに幹部の一斉解雇。血も涙もない男だね。俺が暴れた分のシナリオの修正したいから、なんとかなりませんかね。
って言うか、拓也は社長とシーカーの司令塔の二足の草鞋だったんだよね。八神さんもシーカーに入ったとは言え、両立してた拓也凄いね。
「社長を辞任した後の役職はなんでもいいわよ」
「一つ目はいいが、拓也を社長にするのはよく話し合ってからじゃないと無理だ」
「そう、流石にすぐには無理でしょうね。いい返事を待っているわ」
『ピッ』
言いたい放題言って電話切ってやったぜ!これぞ、クレームだね!
「ジンジン~、お願いがあるんだけど♡」
「ウップ・・・すまない、女性に対してこんな態度を取ってしまって」
「・・・別に女の子って柄じゃないからいいけど」
なんで
カワイイ美少女ってなんか、頭痛が痛い感じがしない?
「俺とユキねえを連れ出してほしいんだよね」
『ウスユキ』視点
「・・・ヨミ様・・・んん、ここは?」
目が覚めると自分の部屋にいた。ヨミ様が死ぬ夢を見ていた気がする。途轍もなく悪い夢を。
時計を見ると、既に十二時を過ぎていた。昼食を食べていないせいか物凄い空腹感を感じる。
「・・・起きよう」
ベットから体を引きずり出す。このベッドで今はもう死んだヨミ様と一緒に寝た事もあった。そういえばヨミ様は今なにをして――ヨミ様は死んだ
リビングに行くとソファに黒い後ろ髪を見つける。
「イテテ・・・お!ユキねえ、おはよう!」
「ヨ・・・ミ、様?」
声が掠れる。いつも通りのヨミ様のはずなのに。ヨミ様は死んだ
「そんな所で立ってないで、こっち来てよ」
死んだはずのヨミ様が手招きしている。今度はなにを企んでいるのだろう。断る理由はないのでヨミ様の隣に座る。
「・・・え~と、その・・・心配?って言うか手遅れだったけど、ともかく・・・ゴメンね、ユキねえ」
私の肩に頭を乗せ、体を寄せながらヨミ様は謝る。ヨミ様は死んだはず!
「ヨミ様・・・なんで謝るんですか・・・」
声が震える。なぜこんなにもヨミ様の温もりが心地いいのかわからない。ヨミ様は死んだはずなのに
「ユキねえ!」
ヨミ様が私の膝の上に乗って、私を抱きしめる。ヨミ様は・・・
「俺は
「・・・ヨ゛ミ様゛ぁ」
ヨミ様は死んでいない!ヨミ様を抱きしめると、自分の頬が濡れているの事に気が付く。
「ヨミ゛様゛!ヨ゛ミさ゛ま゛が死゛んで・・・私・・・わ゛たじ・・・」
「そんなに泣かないでよぉ・・・ぐじゅ・・・貰い゛泣きしちゃう゛じゃん・・・」
しばらくして私とヨミ様は泣き疲れて寝てしまった。
『ヨミ』視点
全身の激痛で目が覚めた。イダイ・・・アガガ・・・鎮痛剤の効果切れたんだ・・・
思ってたよりもユキねえがボロボロで取り乱してしまった。もっと、こう、スマートにやるつもりだったのに。でもユキねえもギャン泣き・・・って程でもないけど泣いてたし、俺の精神的ダメージはほぼゼロだぜ!
あばばっばばっば・・・全身いちゃい・・・寝っ転がった方がマシだけど、動くとマジ痛い。
「いっつつ・・・ひっひっふー、ひっひっふー」
「・・・ぅん・・・スゥーー、スゥーー」
あーー、痛い痛い痛い。ユキねえの寝顔でも見て痛みを誤魔化すかぁ。・・・ユキねえの寝顔ちゃんと見たの初めてかも?って言っても、大分泣き腫れてるけど。
・・・写真撮ろうかな。いや、バレたら俺が泣く事になるから止めよう。ヨミちゃんは賢いから過去の失敗から学習するのだ!
「・・・ん、ふあぁ~・・・ヨミ様、おはよう、ございます・・・」
「ユキねえ、おはよ。起きたばっかりで悪いんだけど、俺の部屋に薬があるから持って来てくれない?」
「・・・薬、ですか?・・・」
寝起きのユキねえレアだな。ポヤポヤしてる。まぁ!俺の体はズキズキジンジンしてるけどね!
ユキねえがフラフラしながら俺の部屋から薬を持って来てくれた。
「・・・どうぞ、ヨミ様・・・」
「ありがと、ユキねえ顔洗ってきたら?目も覚めるだろうし」
「・・・はい~」
マジ痛い、マジ卍。薬でかくて飲みにくいしマズい・・・これって『○○おっきくて口の中いっぱいだよぉ、それになんかヘンな味するぅ』だよな。いかん、痛すぎて変な事考え始めた。
「ヨミ様!その薬なんですか!」
「なにって、ただの鎮痛剤だよ?」
「なんで
―――TS美少女説明中―――
「って事がありまして、イザナミちゃんがしっかり治してくれなかったせいで俺が苦労してるって訳」
「こんな事してる場合じゃないですか!早く病院に戻りますよ!」
「ストーップ!その前にやる事があるの!」
区切り?ケジメ?が終わってないんだよ!またユキねえがヘラったらヤバいからね。
取り出したるは『ヨミちゃんの血が付いた鬼神の面』!もうこれ完全に悪鬼の面じゃん。
「よーし、これでいい」
「それでは行きますよ・・・それとヨミ様?まだお仕置きが済んでいないのを忘れないでくださいね?」
ユキねえ復活!ドンドンパフパフ!
それと大分今更だけど約九割のニキネキがスマホで読んでるっぽいね。通勤通学や休み時間に こんな 頭オカシイ小説読んでるとか頭オカシイね。
By.頭オカシイ作者
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俺は今■■■■にされている
嗚呼、体が痛い・・・
嗚呼、心も痛い・・・
イザナミちゃん、文句言ってスミマセンでした。どうか助けてくれませんか?
「ヨミ様の好きなアニメ観ましょうね~」
「・・・・・・ンムゥ」
俺は死んだ魚のような眼でユキねえに溜まっていたアニメを観せられていた。こんな事になるなら自宅療養じゃなくて入院しとけばよかった・・・
「ウフフ・・・よく似合ってますよ」
俺はユキねえに三歳くらいの女児が着るような可愛らしい服とおむつを付けさせられていた。追加でおしゃぶりもある。
買い物から帰ってきたユキねえが持ってきたのだ。どこでこんな物を買って来たんだよ・・・
『テネンバウムは君をだましてるんだ。あいつらは小さな女の子に見えるだろう。でも、見た目にだまされてはダメだ。君が生き残りたいのなら、ADAMを手に入れろ』
「・・・・・・」
アニメいい所なのに内容がまったく頭に入ってこない。ユキねえのお仕置きのせいだ。
って言うか、ユキねえのお仕置き癖が悪化してない?それとも、まだユキねえが正気に戻ってない?
「・・・チュパチュパ」
口に入っているおしゃぶりを無意識にしゃぶってしまう自分に嫌気がさす。おしゃぶりを口から出してる所をユキねえに見つかって「ソレが嫌ならコッチにしますか?」って猿轡を見せてきた。しかも、その猿轡は完全に
「あらあら、ヨミ様?アニメの気分じゃありませんでしたか?」
「・・・
他にする事がないし、他になにをされるかわからないから、アニメを観続けるしかない。
「・・・おしっこしたから、おむつがキモチワルイんでちゅね~」
「
わかってやってるよね!?ユキねえなんか嬉しそうだし!
クソッ!体が痛くて思うように動かない!
「・・・・・・ングッ、ズビッ」
抵抗虚しくおむつを取られ、俺の涙腺も崩壊した。
「って事でメンテよろしく!それとずっと家に居て暇だから、面白いゲームでも教えてよ!」
「はぁ~、ワシのミステリアスな黒髪の美少女が・・・」
地獄の赤ちゃんプレイの次の日、なんとかユキねえにお仕置きを止めてもらい、LBXの修理の為にオタクロスの所にドローンを飛ばしていた。
俺が死んでた時に、ユキねえが思いっきり『ヨミ』って言っちゃってたからオタクロスに俺の正体を教えた。流石に誤魔化せなさそうだし、言い訳を考えるが面倒だったからね。
オタクロスに教えてあげたら、かなりショックを受けていた。純愛モノのエロ本だと思って読んでたら、NTRモノだった時のオタクくらいショックを受けていた。
『ゴメンね、オタクロス・・・私、本当は黒髪美少女だったの♡』って事だね。脳が破壊されてそう。(小並感)
「お~い、大丈夫~?」
「ボイチェンを使ってほしいデヨ・・・こんなのがミステリアスな黒髪の美少女だと思いたくないデヨ・・・」
「面倒くさいからヤダ。それとヨミでいいよ。どうせ皆知ってるんだし」
しょうがないなぁ、ドローン経由でイザナミを操作してモルフォごと置いておくか。・・・モルフォがボロッボロだね。思い当たる事はあるけど深くは考えないようにしよっと。
「・・・ヨミ、これを持っていくデヨ」
「ほぇ?」
「ゲームが欲しいんじゃろ?オタクロスイチオシのゲームが入ってるデヨ」
そう言ってドローンにダンボール箱を積んでくれる。優しいね。やっぱり美人だとお得だね!
「ありがと、オタクロス!今度、リンでも連れてなんかお礼してあげるね!」
ドローンを回収した俺は家で遊び呆けていた。
だってさ、まだ満足に動けないし、バンの曇らせ期間中だからね。・・・それになんかして気を紛らわせてないと全身痛いし。
バンの燻製期間は悠介が死んでから六日間だったよね。俺が死んでから丸一日死んでたし、次の日はユキねえに陵辱された。そして今日から四日間、療養に専念する。っと言っても安静にしてるだけだけどね。だから暇でしょうがないんだけど。
「ヨミ様、今度はゲームをしているんですか」
「そうだよ。暇だって言ったらオタクロスが貸してくれたんだ」
「そうですか・・・どんなゲームをプレイしているんですか?」
「今やってるのは、モテモテになった男の子が迫って来る女の子を眼力で気絶させるレトロゲームだよ」
「なんですか、その頭のおか・・・独創的なゲームですね」
ユキねえ今『頭のおかしい』って言いかけたよね?
「まさに『
「やかましいです」『ベチ』
「ぐぎゃああ!!」
デコピンされた!俺重傷者なのに!イダイよぉ・・・
「クリアしたし、続編は・・・ないのか。それじゃあ『DEEMON』ってヤツでもやってみようかな?」
「その前に晩御飯です。今日は西京漬けですよ。ヨミ様、手に掴まってください」
「おお!いいね!・・・よっこいせっと」
生き返ったのはいいけど、一人で歩けないのは不便だね。
西京漬けに大盛ご飯・・・じゅるり・・・
アンケートあるからなんか書かなくてもいいよね。
追伸
資料の為、R-18なネットショップで赤ちゃんプレイ用のアイテムの名前とかを、真顔になりながら調べてたんだけど、『スマイルサーモメーター』なる物がR-18判定で売ってるのなんで?普通の検温器だよね?R-18な使い方が思いつかないんだけど。
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前編 という夢を見たのさ
『テネンバウムは君をだましてるんだ。(ry はホラー風FPS『バイオショック』リトルシスターの初レスキュー後の「恐縮だが」botのアトラスのセリフ。
『頭のおか・・・』はベルトスクロールアクション『蒼き雷霆ガンヴォルト』のトークルームのGVのセリフ。その元ネタは同じ会社のゲーム『ぎゃる☆がん』
『DEEMON』はリズムゲーム『Cytus2』の中で出てくる架空のゲーム。開発元の『Rayark』のリズムゲーム『DEEMO』が元。
ですわ!FPS・アクション・音ゲー見事にジャンルがバラバラですわね!
死んでから六日目の今日、『なぞのLBXプレイヤー』が復活するぜ!
「それじゃ、お願いね~」
「まったく、忙しないヤツデヨ」
手回し完了!オタクロスに頼んで追跡できないようにジンにメッセージを送信もらった。俺が送るよりそっちの方が面白そうだし。
『海道 義光の正体を暴け』
って送信してもらった。これでジンが義光はアンドロイドにすり替わっているのに気が付くはず。なかなかの曇らせ要素だと思うけど、ジンの鋼のメンタルはその程度じゃ曇らない。流石ジン。略して、さすジン。
とは言え、ここからが本番。一番難しいのはユキねえの説得だ。
「ねぇ~~?ユキねえ~、オネガ~イ♡ヨミね、後でタイニーオービット本社に行きたいな~?」
「・・・その顔はなにか企んでいますね。危険そうなので駄目です」
「いいじゃん!俺も少しなら一人で歩けるんだし!」
「お医者様には、後二週間は安静にしているように言われているんですよ!・・・それに、ヨミ様が死んでしまうかもしれません」
・・・そう言われるとキツいなぁ。でも、ここで諦めちゃダメだ!
「俺は俺らしく生きていきたいの!俺らしくないと死んでるのと同じだよ!」
ユキねえの目を見つめる。俺は本気だぞ!
「・・・・・・」
「・・・・・・」
静かにユキねえと見つめ合う。・・・二人は幸せなキスをして終了・・・なんちて。
「・・・わかりました。こうなったヨミ様は
「わーい!ありがと、ユキねえ!」
「この埋め合わせはキッチリしてもらいますからね」
「・・・エへ、エヘヘ・・・・・・」
借りを返しても返しても、なくならないなぁ・・・
『オレァクサムヲムッコロス!オレァクサムヲムッコロス!』
「また変な着信音にしてるんですね・・・」
お、ジンジンからだ。
「しもしも~、ジンジン?」
「あのメッセージはヨミが送ってきたのか?」
「ん?あのメッセージってなに?」
必殺!すっとぼけ!簡単に答えを教えちゃつまんないからね。
「違うのか・・・?そのメッセージには『海道 義光の正体を暴け』と書いてあったんだ。それでおじい様をよく調べてみたら、アンドロイドだったんだ」
「・・・そう、なんだ」
知ってた。ヨミちゃん迫真の演技。将来は女優さんになれるかも?なんてね!ガハハ!
「そうだ!ジンジン、バンの家に行ってバンに喝を入れに行こうよ!」
「僕はいいが・・・ヨミの体は大丈夫なのか?」
「あら?ガールフレンドの心配をしてくれるなんて、優しくなったのね?ジン」
「・・・少し手荒に扱っても平気そうだな」
「ああん!嘘です、冗談です!完治してないから優しくしてください!」
『ピンポーン』
俺とジンは、バンの家のインターホンを押して扉が開くのを待っていた。ユキねえは近くに置いてきた。大人数で押し入るのは悪いし。
「はじめまして、海道 ジンといいます」
「私は東奏 ヨミです」
ここで
「バン君、いらっしゃいますか」
「ええ・・・でも、バンは部屋に閉じこもっているのよ」
「会わせてくれませんか?」
バンのママ、テンション低いね。一体なんでだろうね()
それは一旦置いておいて、バンママが玄関を開けてくれた。それじゃ、お邪魔しまーす!
「・・・二人とも、バンのお友達?」
「・・・そうです」
「ジン、奥さんはバンが戦っている事を知っているわよ」
知った上でバンの事を応援してくれている。いいお母さんだねぇ・・・
「友人と言うより、共に戦う仲間です」
「そうなのね・・・バン、目の前で仲間が亡くなっちゃったらしくて、ずっと元気ないのよ。二人が来てくれたから、きっと元気になるわ」
「・・・・・・」
うーーーーん。ジンの貴重なジト目だ!誰が死んでバンを曇らせてるんだろうね?
バンママが二階に上がって行く。バンの部屋は二階なんだっけ。
「・・・先に行ってて」
ひーーー!歩けはするけど、階段はまだキツい・・・
「ヨミちゃんだったわよね。大丈夫?」
「・・・ダイジ、ョウブ、よ。ぜぇはぁ・・・それとジン、私は奥さんに話があるから、先にバンの部屋に行ってなさい」
「ああ、分かった」
ジン君、もう少し俺の事を心配してくれてもよくない!?一生DTになる
「ここがバンの部屋よ」
「ありがとうございます」
さてと、バンの部屋にジンを送り込んだし、俺もお話しようかねぇ・・・!
「それでヨミちゃん、お話ってなにかしら」
「コレを受け取ってほしいの」
療養中にネットでポチッた黒いポーチから茶色い封筒を取り出し、バンママに渡す。
このポーチ、黒ワンピのデザインを邪魔しないでオシャレに着けられるから結構気に入っている。
それに・・・べ、別にラブレターとかじゃないんだから!ただの慰謝料なんだからね!勘違いしないでよね!
「私が帰ってから開けて頂戴。貴方達にはコレを受け取る資格があるわ」
五十万クレジットくらい入れた。電子マネーだけどね。AX-00とデクーがバトルしてリビングが滅茶苦茶になった時と、バンの曇らせの慰謝料だ。
・・・もしかして俺、山野家にめっちゃ迷惑掛けてる?
「もう戦いたくない!みんな死んでしまう、LBXに関わった人達がみんな!」
おー、やってるね。バン君荒んでるぅ~。
「こんな物があるからヨミは・・・こんな物ーー!」
「・・・今、バン『ヨミ』って・・・」
ナンノ、コトカナ~~。チョット、ヨミチャン、ワカンナイナ~。
「君はお父さんの気持ちを無駄にするつもりか!『LBXは皆を笑顔にする為に生まれてきた』以前、君が言っていた事だ。今なら僕のもその気持ちが分かる。君はLBXを愛している。LBXが僕達に、そしてこの世界にとってどういう意味があるのか、君は分かっているはずだ。・・・だからお父さんは君に、大切なLBXを託したんじゃないのか」
「ヨミちゃん、あなた、もしかして・・・」
ギクゥ!ち、ちょっと待って!今、ジンジンめっちゃイイ事言ってるから!
「奥さんもバンを励ましてあげて。今のバンなら奥さんの言葉が届くはずよ」(訳・俺にタゲらないでください!)
・・・ほっ。なんとかバンママのタゲがバンに向いたね。こんなしょうもないバレ方はゴメンだからね。
ちょ、バンママ!ドア開けっ放しにしないで!バンに見つかっちゃう!
「バン、父さんがが一人で辛い戦いを続けているのは、生み出した物への責任を取る為だと思うわ。『エターナルサイクラー』『LBX』みんなを幸せにする為に生まれた物を、本来の姿に戻そうとしてる。それが戦う理由。父さんの本当の気持ち」
うん、うん。マスクドJのコスプレごっこもその為に必要だったんだもんね。いやぁ、ヤマジュンは凄いなぁ!
「でもね、母さんはバンが危険な目に合うのはイヤよ。本当に戦うのがイヤなら、もう止めてほしい。それがバンの本当の気持ちなら・・・」
「・・・・・・」
そりゃあ、ムリでしょ。『此の親にして此の子あり』ってヤツでしょ。バンもヤマジュンの血を引いてるんだもん。
『ピッ!ピッ!』
「拓也さんからだ」
お、来たね。アミ、カズ、郷田、仙道がエターナルサイクラーを(拓也の静止を無視して)奪い返しに、神谷重工の本社工場に侵入して捕まってるんだよね。
でもこれ、レックスがアミ達に侵入ルートを教えなければいいんだよね。流石ラスボス、やる事が回りくどいね。
「バン君、僕は行く」
「・・・待ってくれ・・・俺も行く!ヨミの死を無駄にはしない!」
よかった!無事にバンの説得が出来たみたいだね!てか、俺を殺さないで。
「それでこそ、山野 バンね・・・それと勝手に死んだ事にしないで頂戴」
「えぇ!?その声・・・ヨミ!?」
呼ばれて飛び出てヨミちゃん登場!人を死んだ事にした落とし前、どうやってつけてくれるんスかぁ?
「・・・・・・」
ジンジンの視線が突き刺さる。痛いから止めて。
「で・・・出たァ!!」
バンが顔面蒼白になって飛び上がる。死人扱いの次は幽霊かよ!
「・・・随分な態度ね?命の恩人に言う事がそれなのかしら?」
って言うか『
や神や神や神や神や神や神や神や神や神や神や神や・・・
「だって・・・それに、俺はヨミの死体だって見たんだ!」
「私が死体だと言いたいのね?」
オラ!もっぺん言ってみろ!血ィぶち込んで鬼にしてやるぞ!
「バン君、落ち着け。彼女は生きているし、本物のヨミだ。それに今はアミ達の救出が先だ」
「・・・それだったわね。早く、行きましょう」
「ああ・・・そうだな。そうだよな」
まったく、これだから乙女心がわからないバンはモテないんだぞ!
・・・と、なると・・・俺とジンジンとバンでDT同盟が作れるのか?
この小説ではオリジナルの名前を極力出さないでいます。
だって分かんなくなるじゃん!読者も!・・・作者も。
だから武器(ウェポン)の名前はフレーバーテキストになってます。
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後編 VSかみに愛された人物?
それと勝手に文字が増えましたの。ちょっと長いですわよ。
「それでゴライアス?には、どうやって潜入するの?」
いい質問だね。この美少女ヨミちゃんに考えがあるのだ!(アニメで見ただけ)
「ジン、貴方の執事は昔、義光の執事だったわよね?だったら正面から車で入れるはずよ」
「・・・それはそうだろうが」
だってジン君、海道邸から家出?みたいな事しちゃってるんだからね。「もうここに戻って来る事はない」(キリッ)って執事に言っちゃたんもんね~?「やっぱり助けて」な~んて言えないよね?
だが、他に入る方法なんて知らん!諦めろジンジン!
「それしかないわよ?」
「だが・・・・」
「頼む、ジン!アミ達を助ける為に必要なんだ!」
いいぞ~!もっと言ってやれ~!
「頼んでみよう・・・」
「ありがとう、ジン!」
あーー!なんてお願いするのか気になるなぁーー!『ねぇねぇ、僕、ジンだよ。あんな事言ったけど執事に助けてほしいの』とか!?是非とも見てみたいね!おおっと『なぞのLBXプレイヤー』のヨミちゃんはニヤニヤなんてしないからね。ポーカーフェイスはしっかりとね。
「ヨミ・・・さては知っていたな」
「あら、なんの事かしら?」
おかしいな。ちゃんと表情を誤魔化してたんだけどね。
「それと、ジン。コレを持って行って」
ほいっと。
そうすればゆっくり座ったままでいいし、一回コントロールポッドでLBXを動かしてみたかったんだよね。『LBXに乗り込んだみたい』との感想があるからね。かなり期待している。
「私はタイニーオービット本社に行って、コントロールポッドから操作するわ」
「了解した・・・だが、悠介さんがコントロールポッドを貸してくれるだろうか」
「・・・大丈夫よ」
多分、大丈夫・・・きっとなんとかなるさ。おそらく・・・
俺はユキねえの運転する車でタイニーオービット本社にやって来た。車の振動が体に響くから安全運転をしてもらってたら、思ったより時間が掛かってしまった。
「また階段・・・」
2050年だぞ!?もう少しバリアフリーを意識してよ!後でクレーム入れるぞ!
「ほら、行きますよ。ヨミ様」
「もうちょっと優しく――「もう来ていたのか、ヨミ」
「これでも遅くなった方よ。拓也」
あっぶね~。オフモードのヨミちゃんが拓也に見られる所だった。白スーツを着てるって事は拓也が社長になったんだね。・・・白スーツなんて『堂島の龍』以外に見たことないけどね。
「まさか、本当に生きているとはな・・・」
あ、その
「そんな事はどうでもいいわ。社長就任おめでとう・・・でいいかしら?」
素直に祝ってやらんぞ!『なぞのLBXプレイヤー』は気高い存在なんだからね!
「ウスユキ・・・さんも元気そうで良かった。病室からいなくなった時はヒヤヒヤしたが」
「・・・その節はお世話になりました」
拓也もユキねえの年齢わかんないんだ。だから『さん』付けするか迷ったんだね。
・・・殺気を感じるから深く考えるのは止めよう。
「私、コントロールポッドを使いたいのだけど」
「ジンから話は聞いている。ウスユキさんも使うのか?」
「いいえ、彼女は私の
「分かった。こっちだ」
話が速くて助かるね。ただでさえ、ここまで来るのに時間を食ったからね。
「ヨミ様、『コントロールポッド』とはなんですか?」
「スパークなんちゃら通信でLBXを遠隔操作できる機械だよ。ほら、
「?なんか言ったか、ヨミ?」
「なんでもないわ。・・・言い忘れてたのだけど、私がコントロールポッド使用中は貴方達への通話を切らせてもらうわ」
拓也達の受け答えするのが面倒くさいからね。まあ、ユキねえとは通話するけど。だって、一人は暇だからね。
「・・・何を企んでいる」
「乙女の秘密、とでも答えておきましょうか。貴方達の裏切るつもりはないわ。LBXのカメラ映像までは遮断しない。それなら私が怪しい素振りをしてもすぐに気が付くでしょう?」
ええ~、ダメェ~?なんとかなりませんかね?拓也のダンナ~?
「彼女の言う通りにしてやれ」
「・・・兄さん!」
あ、ご無沙汰してまぁーす。
心の中で喧嘩を売るのはこれくらいにしておこう。なんだかんだ俺の要望を聞いてくれたからね。パンドラの件は半分くらいは許してやるぜ。
「兄さん、
本人の前でそんな事言う?ヨミちゃんの心が傷ついたわーー!
「確かにそうかもしれないな。だが、
せやで。
「ッ!そうかもしれないが・・・」
「兄弟喧嘩は後にしてもらえないかしら?」(訳・はよしろ)
感じます!後ろからビンビン感じます!ユキねえの「元をたどれば、ヨミ様のせいで起こった喧嘩じゃないですか」ってオーラをビンビン感じます!
「すまない、こっちだ」
今度は悠介が案内するのか。立ちっぱなしで辛いから早くして・・・
「操作方法は大体分かったか?」
「ええ、問題ないわ」
多分。ちょっと自信ないけど。
「このポッドを使ってくれ」
おおーー!コントロールポッドだ!アニメで見た事あるけど、やっぱり実物を見るとテンション上がるね!
「ありがとう、悠介。シーカー本部から見ていて」
俺の活躍をなぁ!
ちなみに、ユキねえはコントロールポッドの横で待機してもらっている。乗り降りするのも手助けしてもらわないといけないからね。
コントロールポッドに搭乗!おほ^~まるでLBXになったみたいだ!家に一台欲しい!でも、まだ開発中なんだよね。売ってなんてくれないだろうね。
さてと、ここをこうして・・・これで通話が切れたのかな?ユキねえとの通話も・・・っと。
「聞こえるかしら。ウスユキ?」
「問題なく聞こえます」
よしよし、ユキねえとの通話は問題なさそうだな。お次はシーカーとの通話のチェックをするか。
「ピーーピーーピーー自爆シークエンスを開始します。停止する場合は停止コードを言ってください」
「・・・なに言ってるんですか、ヨミ様?」
「・・・・・・よし、ちゃんとシーカーの通話切れてるね。はぁーー、無駄に歩かされて疲れたよ」
「・・・下らない事で安心しました」
失礼しちゃう!しっかり確認してただけなのに!
それじゃあ、イザナミをジンのポケットから頭を出して、周りの状況を確認させますか。
「あ、ユキねえにも映像見えるようにしてあげるよ」
これでヨシ!バン達は~、おお!アンドロイド義光とバトルしてるよ!義光のLBXは『カイザ』だね。AIを搭載してて、相手の動きを学習する事が出来るLBXだ。で、今バンとジンは絶賛苦戦中って事。
俺も戦ってもいいけど、俺の動きを学習されたらバン達の勝ち目がマジでなくなりそうだし。
「戦わないんですか?」
「あのLBXは高度なAIを積んでるからね。俺の動きを学習させる訳にはいかないよ」
「なるほど・・・確かに、
「・・・え?どゆこと?」
そんな事を話してたら、オーディーンが『
神々しく光っててカッコいいね!・・・イザナミもなにか特殊モード付けてもらえないかな。
爆散したカイザがアンドロイド義光に命中し、皮が剥がれて機械部分が露出した。
『ジン・・・ジン・・・』
「ウッ・・・なんですか、あれ」
ユキねえとあっちではバンとジンもドン引きしてる。まあ、わからんでもないけどね。
「アンドロイドだからね。強い衝撃で壊れたらあんな風になるよね。ところでユキねえ?『アンドロイド義光』って芸名ありそうじゃない?」
「・・・ないです」
ないのか・・・やっぱりレックスも一緒に出さないとインパクトが足りないか?
『・・・行こう!バン君!』
『ああ!』
あーーね。ジンは少しショックだよね。予め知ってたとは言え、ジンにとっては恩人の義光がアンドロイドと入れ替わってるんだもんね。
「しばらくできる事なさそう・・・」
「無事に救出できた方がいいじゃないですか。ヨミ様の負担も減りますし」
「まあ、すんなり行く訳がないんだけどね」
『どこにいるんだ!グズグズしてたらアミ達が!』
乱暴されそうだよね。エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!
『バン君!焦ったからと言って、見つかる訳じゃない!』
二人共よく走るなぁ。実はこの世界がゲーム版で、プレイヤーが鬼畜の所業で休みなしで走らせてるのかな?
「ユキねえはこの状況どう思う?」
「それはヨミ様の事ですか?それとも、ジン様達の事ですか?」
「もちろん、ジンの方に決まってるじゃん!」
大分走りまわっているけど、人に合わずに行く先が行き止まりになっている事が多い。全部『神谷 コウスケ』のシナリオのせいだ。
コウスケ君はぁ、バトルしたいだけだよね。よく知らんけど。
『閉じ込められた。見つかったのかな・・・』
最初から見つかってた定期。
『誘導されたんだ・・・導かれたんだ。ここまで・・・』
あーー、ずっと座ってる。これはこれで辛いな。軽くストレッチでも――
「あだ!?イタタタ!!」
「ヨミ様!?大丈夫ですか!?」
「大丈夫・・・イタタ・・・足攣っただけ」
あーーばばばば・・・イッテー。マジイタイ。
「って、ヨミ様。いつの間にか、バン様達がアミ様達に合流出来たみたいですよ」
「・・・マジ?マジだ!」
感動のシーンを見逃した・・・って程じゃないね。生き別れた兄弟でもないし。
『そろったね。ネズミさん達が』
ミッ〇ー&フレンズの事かな?
『誰だ!』
『バン、ジン、気を付けて。あいつが私達をここに閉じ込めたの』
で、出たーー!上半身は上着?一枚で、腰パン野郎のコウスケだー!そのファッションセンスどうなの?・・・ああ!ゴメン!郷田の悪口じゃないから!郷田も大概だけど違うから!
「・・・これだけ奇抜な恰好ですし、相当強いんでしょうね」
「・・・ユキねえ?ヤバい恰好の奴ほど強い訳じゃないからね?・・・多分」
『海道 ジン、君だよね。海道センセの恩を仇で返した少年は』
ジン君はどっちかというと、義光に悪行を止めてほしい派じゃない?こんな真っ直ぐな子はそうそういないよ。
『当然、報いは受けてもらうよ・・・なぜならそれが世界のルールだからね』
コウスケがなにか言ってるよ。世界のシナリオに囚われているくせに!
『目的はバトルか。それにしては手が込んでるな』
『フッ、
コイツメンドクセェな。別にここでヤっちゃってもいいかな?シナリオもあと少しだし、多少手を出してもいいよね!
『さぁ、ここから出たければ、このボクを倒すしかないよ』
つまり、倒してしまっても構わんのだろう?
「ヒャッホウ!血祭にあげてやるぜーー!」
「・・・また、ヨミ様の犠牲者が増えるんですね」
コウスケが
『やるしかない。行くぞ!バン君!』
『ああ!――「その必要はないわ」
待たせたな!イザナミ☆見参!
『その声にそのLBX、ヨミなの!?』
『なんだと!?死んだんじゃないのかよ!』
好き勝手言ってくれるね。覚えてろよ!
マイク入れてっと。
「バン、ジン。ここは私に任せてくれないかしら?」
こんなナルシスト野郎、一瞬でボコってやりますよ!
『おい!お前、前にバンと戦って負けてるじゃんかよ。バンの方が強いだろ?』
張り倒すぞ?カズヤ君?今度はフェンリルを破壊してほしいんだね?ヨミちゃんにまかせなさい!
『いや、バン君、ここはヨミに任せよう』
『え?・・・でも』
「フフッ・・・私だって強くなったのよ?」
『別になんでもいいさ。どうせボクのLBX『ルシファー』が全て破壊するんだから!』
あーーもうめちゃくちゃだよ。問答無用でイザナミをDキューブに突入させる。
「少しだけ、本気を出してあげる。長引かせて
『・・・なんだと?醜態を晒す、だと?このボクが?』
釣れたね。コウスケは自称『神に選ばれた男』だもんね。もしかして神谷だけにって事?でも君のお父さん、頭寂しくなかった?
『舐めるなよォーーー!!』
ルシファーが突っ込んでくる。相手の武器は
『ガキィン!』
「この程度なのね。もっと、洗練された太刀筋だと期待していたのだけど」
見てから防御余裕でした。さて、ナルシストでプライドが高いコウスケ君は煽り耐性どのくらいなのかな?
『一発防いだくらいで調子に乗るなァ!』
『ガキィン!』『ガキィン!』『ガキィン!』
おお!素晴らしい連撃だ!もう少し遅くしてくれたら、ユキねえの練習相手にピッタリだね!ほらほら、もっと頑張らないと練習相手止まりだぞ?
「そろそろ、こっちからも攻撃させてもらおうかしら」
オラ!イザナミに勝てる訳ないだろ!いい加減にしろ!
『グ・・・グウウゥ!』
『凄い・・・アキハバラキングダムの時とは比べ物にならない・・・』
おやおや?防戦一方でお腹が鳴っているのかな?グーグー聞こえるぞ?
そろそろ、終わらせてやりますか!
「・・・期待外れね。終わらせてあげる」
槍から刀を抜刀!槍で体勢を崩して、刀で首チョンパ!そして爆☆散!
いや~、特殊モード使われる前に倒せてよかったね。絶対グダるもん。
『・・・有り得ない!ボクのルシファーがァ!!こんな美しくないヤツにィ!!』
美しいだろうが!ふざけんなよ!もう一戦やるかぁ!?
『約束通り、ここから帰してもらおう』
『フザケルナァ!ボクが負ける訳がない!』
駄々こねないでよ・・・みっともない。
「負け犬の遠吠えは美しいかしら?・・・これ以上、私を怒らせないで」
『・・・クソッ!そこから外に出られる!それと、これも持って行くがいいさ!』
そう言ったコウスケが、エターナルサイクラーとアミ達のCCMを出してくれる。約束守れる人なんだね。そこだけはイイと思うよ。
でもさぁ、その脱出用の通路ってダストシュートでしょ?ゴミ扱いはどうなのさ。俺でもそんな事しないよ。
「・・・聞き分けのいい犬は好きよ。それと
『クソがァ!ヨミと言ったな!この恨み、忘れんぞぉ!』
小物臭いセリフを言ってコウスケが出て行った。そんなに怒る事なくない?うわ・・・コウスケの煽り耐性、低すぎ・・・?
「終わったわよ。帰らないのかしら?」(訳・いつまでボーっとしてるの?疲れたし帰りたいんだけど)
『・・・ああ、そうだな』
「それじゃ、明日に向けて英気を養おう!カンパーイ!」
バン達が脱出した後、イザナミを回収せずに帰ってきた。イザナミはバンにタイニーオービット社に持って行ってもらってメンテしてもらう事にした。
体が治りかけだからか、すぐに疲れる。だが、明日は最終決戦。明日に向けて今日は早く休む。・・・晩御飯は食べてからだけどね。
「明日もなにかするんですか・・・」
「まあまあ、明日無事に終わったらしばらく俺も休むからさ。最後の一踏ん張りだよ」
「途轍もなく嫌な予感がしますね・・・」
ちょっと、ヨミちゃん~!コウスケ怒っちゃたじゃん~!謝ってよ!
それとここで一つ補完。
神谷 コウスケとバトルした後に『グラビティポンプ』やら『ドングリ』『フェアリーテイル計画』とかの説明してくれるんだけど、ヨミちゃんがカットしてしまったので、後でレックスがメールで教えてくれている・・・んじゃないんですかね?
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番外編 時空を超越したオタク
最近、『あれどこに書いたっけ?』って過去に書いた話がたまに迷子になりますの!
それと今回は『装甲娘戦機』も要素がありますわよ!装甲娘戦機はDMMピクチャーズが悪い(持論)と思いますわ!だって『なむあみだ仏っ!-蓮台 UTENA-』のアニメも結構ヤバかった記憶がありますの!
『なむあみだ仏っ!-蓮台 UTENA-』のゲームをやって作者は悟りを開きましたわ!
『ゲームをする、とは一体なにか。楽しいから遊ぶのか。データを積み上げるのが好きだから遊ぶのか。ゲームとは無理に遊ぶ物ではないのだ』って悟りを開きましたの!開帳・開悟は十尊くらいは全部しましたわ!
『ウスユキ』視点?
「・・・ねえ・・・ユキねえってば!」
「・・・ここは?」
どうやら寝てしまっていたらしい。目が覚めると森の中にいた。
「・・・なんですかその恰好。まさかヨミ様、LBX好きが高じてLBXのコスプレをしてるんですか?」
ヨミ様はイザナミをモチーフにしたと思われる装甲のような物を身に着けていた。・・・これも中々・・・悪くないですね。
「なに言ってるの?いいからテント片付けるよ」
「・・・はい・・・?」
ヨミ様がコスプレの事をスルーするのか?それにテント?あの引きこもりのヨミ様が?・・・とりあえずテントを畳むヨミ様を手伝おう。
「・・・・・・って、は?」
「どうしたの、ユキねえ?今日なんかヘンだよ?」
なぜ私もLBXのコスプレをしている?あまりにも着け心地いいから気が付かなかった。
「ヨミ様が私に着せたんですか?」
「ヒゥッ!してないよ!ユキねえが自分で装着したじゃん!俺は無実だよ!」
怯えているヨミ様をよく観察する・・・嘘は吐いてなさそうだ。と、なるとまさか本当に自分で着たのか?ヨミ様に着せるならまだしも、自分が着ようとは思わないはずなのだが・・・
「・・・・・・・・・」
「ほら、ユキねえ行くよ。あんまりグダグダしてると、また野宿する事になるからね?」
テントを片付けたヨミ様は、近くにあるボロボロになっている道路を歩いていく。
・・・イタズラにしては手が込みすぎているような?
しばらく歩きながらヨミ様と話していると、ヨミ様の考えた設定なのか、今の私の状況なのかわからないが、大まかな話の流れを理解できた。
どうやら、私とヨミ様はナニかと戦っていて、作戦行動中に本隊とはぐれてしまい、近くにある『装甲娘御用達の天才LBXビルダー』とか言われている人物の所を目指している・・・らしい。
そもそも『装甲娘』とはなんだ。LBXの『L』の字も入っていないではないか。『
「ヨミ様、本当になんなんですか・・・その設定」
「シッ!・・・前にミメシスが三体いる・・・無理に戦う必要ないし、やり過ごそう」
ヨミ様がいつになく真面目なトーンで喋っている。これは従っておいた方がいいようだ。
ミメシスと呼ばれているのは――ウッ・・・なんだアレは。金属製の昆虫のような見た目で、大きさは大型トラック程もある。なぜだか生理的に受け付けない。あんな見た目でお世辞にもカワイイなんて言う人間はいないと思うが。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
ヨミ様と息を殺して茂みに隠れているが、ミメシスがどんどん近づいてくる。このままでは見つかってしまうだろう。
「こうなったら、見つかる前に先制攻撃するよ。一撃で倒せばなんとかなるだろうし。ユキねえは念の為、ライフル構えといて」
私の返事を聞かずにヨミ様が飛び出す。ヨミ様がミメシスの頭部に槍を突き刺すと、ミメシスの動きが止まった。
今のヨミ様の動き、とても人間とは思えない程に速く、槍の威力も凄まじかった。・・・まさか『装甲娘』も『ミメシス』もヨミ様が考えた設定ではなく本当の事なのか?
「今の内に行っちゃおう」
「・・・そう、ですね」
「ようやく着いた~~」
あれから何回かミメシスをやり過ごしながら、なんとか目的地に着いた。日も落ち始め暗くなりつつある。野宿せずに済むのなら喜ばしいのだが、目的地には温泉宿にしか見えない建物しかなかった。
「早く入ろ~ユキねえ~~」
「ちょ、ちょっとヨミ様!」
思いの外強くヨミ様に手を引っ張られる。見た目は綺麗で人が居るのは間違いないだろうが、森の中に突然こんな建物があるのは怪しすぎる。もう少し警戒した方が――
ヨミ様が躊躇せずに扉を開く。中も温泉宿にしか見えない家具が並んでいる。
「一体なぜ・・・」
「おひょーー!美人さんが二人も来てくれたデヨ~!」
『ピピピ!ピピピ!ピピピ!―――
―――ピピピ!ピピピ!ピピピ!』
「はあ!・・・・・・ここは・・・」
目が覚めると自分の部屋のベットの上だった。
今のは夢・・・?妙にリアルな夢だった。目覚まし時計のアラームを止め、起き上がる。朝に弱いとは言え、今寝たら夢の続きを見そうだから寝たくない。
「変な夢・・・」
でも、ヨミ様のコスプレは良かった。オタクロス様に頼んで作ってもらうのもアリかもしれない。
おまけ
「はっ!ここはいつぞやの真っ白空間!・・・俺死んだの?」
「ようこそ。ヨミちゃん・・・
「・・・で?俺になんの用?」
「そんなにツンツンしないでよ。ただ作者はヨミちゃん
「ええ~~?この小説の作者が『遊ぶ』なんて嫌な予感しかしないんだけど」
「まあまあ、そんな硬い事言わないで。それじゃ、ヨミちゃんに特殊タグ『喘ぎ声ジェネレータ』追加!」
「なにい♡っそ♡ぉ♡お♡!のお゛お゛ぉヤバ!そ♡゛!う゛♡ぅう♡!なっ名っっ゛♡っ゛前!の♡゛ぉ♡゛タア゛ッグゥッ」(なにそのヤバそうな名前のタグ)
「おおー!凄ーい!文を入れたら喘ぎ声風の文に変換してくれるんだ!」
「止♡゛っっめえっろぉぉっ!゛俺♡♡っっっはぁ♡あこぉ♡ぉおっん゛っ!なああ事っ♡♡っ言♡♡♡っっうぅっキ゛゛ッィ♡ャラァァアッ!じぃ゛っっ♡゛っ!ゃっ゛!な♡ぁあ♡ぁ゛!いいっいい゛っ!!゛♡♡♡」(止めろぉ!俺はこんな事言うキャラじゃない!)
「イイネ!文字数稼げるし!」
「楽しそうですね?」
「ユウキッ♡ィィ゛ねぇええぇ゛゛!♡゛♡♡助゛♡♡けっ゛って♡ぇっ!゛♡゛♡!」(ユキねえ!助けて!)
「ウスユキにも
「作者と言えど、ヨミ様をこんな目に合わせたのなら容赦しません。[s]――
「[s]「その[S]ってなに?まあいい喰らえ!特殊タグ『喘ぎ声ジェネレータ』!」[/s]」
「やはり、私でも特殊タグを使えますね」
「[s]「ウスユキさん、作者の発言前にタグ置くの止めてください!」[/s]」
「ざ!まぁっっぁ♡゛っ♡!みっぃ゛ろ゛ぉおぉ作♡者♡゛っ♡!!゛♡♡゛♡ああり♡が゛とぉ、♡♡゛゛ユウ゛ゥ゛キイ゛イ♡!ね♡♡っえ♡!♡゛♡!こぉぉぉおおれ゛っ何とっか!し゛って!゛゛」(ざまぁみろ作者!ありがと、ユキねえ!これ何とかして!)
「まったく、ヨミ様を
「ぎ♡ぃゃっっ!あ♡ぁ♡っあ゛♡゛ぁ♡っ!リン♡ッ゛ッ♡゛でっ!も♡っ♡っ!ジィッ!ン♡ッで゛♡えもおおおおぉっ!い♡いぃ゛いいっっか゛あ♡♡らぁぁぁぁ助っ゛っけぇ゛゛っえ!てえぇ♡っ゛っ!♡♡♡♡♡」(ぎゃああ!リンでもジンでもいいから助けてぇ!)
なんだこれ
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なぞのTS LBXプレイヤーは
今回、めっちゃ長くなってしまいましたわ!(一万三千文字)
それとアニメ41~44話ですわ!最終話まで来ましたのよ!
「・・・なぁ~に、ジン?」
「ヨミ、イノベーターの計画が判明した。奴らはエターナルサイクラーを使って――「別に知ってるから~まだ眠い~~おやすみ~」
今は・・・朝の八時だよぉ。今日の夜に最終決戦があるから・・・昨日の夜に、ユキねえに学校を休む事とぉ・・・昼間まで寝るって、伝えといた。
つまり、今は・・・睡眠時間で、そんな時に電話をぉ・・・掛けているジンがおかしい。
「僕達は昨日の夜に知ったんだぞ!?なぜヨミが知っている!?」
「・・・ジンジン~、ウルサーイ」
計画ってあれでしょ・・・「ふぁあ~~あ」エターナルサイクラーを応用、して爆弾を作って、世界規模の発電所を破壊して・・・エネルギー飢饉になった所をエターナルサイクラーから生み出される無限のエネルギーを使って、世界とか?を支配するんでしょ。
「ほぁ~~・・・せっかく気持ち良く寝てたのに起きちゃったじゃん・・・」
「もう八時だぞ」
「・・・まだ八時じゃん」
昨日あんな事したせいで、疲れてるからいっぱい寝たいの。ん?・・・昨日なんか予定を考えてたような?
「ああ!思い出した!ジンジン、強めの強心剤を用意してくれない?クレジットはちゃんと出すからさ?」
行動するたびにいちいち痛がってたらキリがないからね。ここぞと言うタイミングで使う用だ。
「僕にそんな物を手に入れる伝手はない」
「ジンジンの執事なら伝手あるでしょ?なんでも出来そうだし」
「それに、僕がヨミの頼みを聞く理由がない」
キーー!ジンジン如きが俺に口答えしやがって!クリーク!クリーク!クリーク!
「昨日助けてあげたじゃん!・・・それに用意してくれたら、バンとジンをヨミちゃんが直々に指導してあげようかなぁー?」
「・・・・・・やらない」
ムキーーー!!ならこれでどうだ!
「だったらいいもん!バン達にジンの趣味が戦闘機に乗る事だってバラしちゃうもんね!」
「!・・・なぜそれを!」
いや、ジン君?戦闘機で登校して、アルテミス会場にも戦闘機で来てましたやん。逆になんでバレないと思ったの?
「これは『取引』じゃなくて『脅し』だからね!ジンジンに拒否権はない!」
「・・・仕方ない」
「あ!それとユキねえには内緒だからね!絶対止められるだろうし!」
「・・・・・・・・・分かった」
ジンジン、絶対ユキねえにチクろうとしてたな。まったく油断も隙もない。
「・・・三分遅刻よ。私を待たせるなんて随分度胸がついたみたいね?バン?」
それでこそ、山野 バンだ!DTも守れない奴が世界を守れる訳がないよな!三人ずっと
ちなみに、ユキねえはここに居ない。晩御飯?朝御飯?の買い出しに行ってもらっている。ご馳走を用意すれば無事に帰らないといけない理由が増えるからね。一時間くらいしたら迎えに来てくれる手筈だ。
「・・・ヨミ、LBXと例の物だ。LBXのメンテナンスはしっかり行った、と悠介さんからの伝言だ」
「ありがとう、ジン」
ジンからイザナミと薬が入った紙袋を貰う。
・・・たしかにさぁ、紙袋に入れれば軽率に覗かないと思うけどさ・・・俺まだ生理きてないんだけど?
「まあ、いいわ。早速始めようかしら。準備はいいわね?二人共」
「いつでも行けるぞ!」
「問題ない。始めよう」
Dキューブ展開!最初はそうだな・・・考えるのも面倒だし、早速実戦にしますか!強くなるには戦うのが一番だよね!
「まずは、バトルロワイアル形式でいきましょう。自分以外は敵よ」
「前みたいな特訓はしないの?」
バン、ごちゃごちゃ言わない!師匠の言う事は素直に聞いてればいいの!
「貴方達はもう基礎は出来てるわ。後は実戦を通して自分だけの技を磨きなさい」
「やってみよう、バン君。なにか掴めるかもしれない」
「そうだな。行け、オーディーン!」
――――――――――
「大体こんなものね。お疲れ様、二人共」
「バン君と
ぐわっはっはっは!そう簡単にヨミちゃんは負けん!俺に勝とうなんて・・・えーと、十八年早いわ!前世含めたら俺の年齢、三十一歳なんだよなぁ・・・
「ヨミ、アキハバラキングダムで俺と戦った時に、なんで本気でバトルしなかったんだ?」
「僕も知りたい」
クソォ!ジンも便乗して聞いてきやがって!『イイ感じに盛り上がると思ったから』なんて言えないよ。あーーー、なんて答えよう?
「・・・乙女の秘密はそう易々教えられないわ。それに本当に知りたいのなら、私を倒してから聞くことね」
「ヨミ様、迎えに来ました」
ナイスタイミング、ユキねえ!これ以上追及される前に俺は家に帰らせてもらう!
「もうそんな時間なのね・・・また逢いましょう、バン、ジン」
「またね!ヨミ!」
おおぅ・・・バンが挨拶を返してくれるなんて想定外だ。
「・・・ふふっ、またね。バン」
お返しに『なぞのLBXプレイヤー』がデレてあげよう。
「これが最終決戦に向かう前の、最後の自由時間となります。念のため、このタイミングでセーブデータを作成して保存しておくことをおすすめします」
「急にどうしたんですか?やはり、頭もお医者様に診てもらうべきでしたか・・・」
「俺の頭は正常だし!一応言ってみただけじゃん!」
夜の七時前、俺とユキねえはタイニーオービット本社に来ていた。最終決戦に参加したいからね。
と言っても、バン達はについて行かず、ステルス爆撃機『エクリプス』に乗りたい。どうせ、イノベーターの巨大ロケット『サターン』は発射は阻止出来ないんだし、その後のサターンに乗り込んでイノベーターと戦うんだからそこで暴れよう。
強心剤があるとは言え、使い過ぎるとよくなさそうだからね。出来る限り体力は温存しておきたいし。
それにエクリプスには三影 ミカと矢沢 リコも乗ってるしね。あの子達カワイイよね。ぐへへ・・・
「ヨミか?なぜここに居る」
八神さんじゃないですか。へへっ、あっしも微力ながらお手伝いしますよ。
「私達も一緒に戦うわ。きっと役に立つはずよ」
「・・・いいだろう。ならばバン達と共に――
「悪いのだけれど、それは出来ないわ」(訳・疲れるからヤダ)
「なにしに来たんですか、ヨミ様・・・」
「それはなぜだ?優秀なLBXプレイヤーのキミがなぜ断る?」
「本当に・・・知りたいのかしら?」
都合が悪いから圧を掛けて誤魔化しちゃお!いや~ユキねえ式圧力は便利だね。八神さん隠してるけど動揺してるもんね。
「・・・それではエクリプスで待機してくれないか。それ以上出来る事はない」
「ふん・・・いいわ。エクリプスの場所を教えてくれないかしら」
早くそう提案してくれれば無駄な圧を掛けないで済んだのに。
「ヨミ様?先程のは私の真似ですか?・・・覚悟、しておいてくださいね」
フッ、俺の圧もまだまだ未熟だな・・・やっぱり本物は段違いに怖いね・・・
「ヨミ!オマエも来たのか!」
「フン、貴様も居残り組か」
ユキねえと一緒にエクリプスに乗ると郷田と仙道が歓迎してくれた。・・・仙道はツンデレなだけだから。
「貴方達とちゃんと話すのは初めてね・・・そうだわ、仙道 ダイキ。私の運命を占ってくれないかしら?」
あれ見てみたいんだよね。タロットカードをシュバッ!って出すマジック。ぶっちゃけ占い自体には興味ない。
「コイツのタロットなんかを見たいって言うヤツいたのかよ!?」
「どういう意味だ、郷田・・・!まあいい。一度だけだぞ」
ダイキお兄ちゃんやっさしー!にしてもコイツら仲いいなぁ。ま、俺とユキねえ程じゃないけどね!
「・・・なに!?」『バサッ!』
「珍しい事もあるな。オマエがマジックを失敗するなんてな」
仙道クン思いっきりカードぶちまけてんじゃん。ちぇ、マジック失敗かぁ~。
「うるさい!郷田!カードが勝手に飛び出したんだ!」
「それを失敗したって言うんだろ」
「チィ・・・『悪魔』『星』『節制』『太陽』・・・カードに一貫性がない。一体どういう意味だ?」
「失敗した占いに意味なんてある訳ないだろうが」
夫婦漫才楽しそうだね。お腹いっぱいだから俺もう行くね。
「・・・二人の邪魔をしてしまったわね。私達はもう行くから安心して」
「「誰がコイツなんか!」」
やっぱり仲良しじゃん。
――――――――――
「ユキねえはさっきの二人どう思う?」
「どう、とは?」
「仲いいなー、とか薄い本が厚くなるなー、とか?」
ユキねえに
「・・・いつまで漫才してるんでしょうか?、くらいしか思わなかったですね」
「よかった~~」
「・・・?一体なんの事ですか?」
よかった。ユキねえは腐ってないみたいだ。俺に男なんて宛がわれたら発狂しそうだしね。
おや?通路の向かいから女子ズが歩いてくるじゃん。カワイイ。目の保養になるね。
「三影ミカに矢沢 リコね。まさかここで貴方達に会うなんて思わなかったわ」
いや知ってたけどね。ここに来てるの。
「なんでアタシ達の名前知ってるのさ?」
リコちゃん小っちゃくて可愛い。俺よりも身長低いじゃん!それにダボダボ長ランに背中に『大人』って書いてあるの可愛いすぎじゃない?
中学生だし、背が低いことを気にして『大人』なのかな?背伸びしたいお年頃なのかな?
「ふふっ・・・もしかしたら私はなんでも知っているのかもね?」
アニメ観てただけです。
「アナタ、怪しい」
「そうだとしても、今は同じ敵に立ち向かう仲間よ。・・・そういえば誰か探していたのかしら?そういう風に見えたのだけれど」
「・・・郷田さん、探してた」
「郷田 ハンゾウならさっき会ったわ。まだ遠くには行ってないはずよ」
この郷田推しの子はミカだ。このダウナーな感じがたまらないね。なんで郷田推しなんだろう?俺も郷田みたいに上半身見せびらかしてたらモテたのかなぁ?・・・今更気にしてももう遅いか。
「フゥム・・・リコ、少しいいかしら」
もう一人の俺が言っている!リコちゃんがカワイイと!なでなでしたい・・・!
「へ?・・・ひゃぁ!」
リコちゃんを引き寄せる。くるりと半回転させてリコちゃんの背中が俺にくっつくようにして抱きつく。
「ウフフ・・・小動物みたいで可愛いわね」
「・・・・!?へっ!・・・あぅ!?」
驚いてパニックになっているのか、口をパクパクしてるけど言葉が出てきてない。
「・・・ヨミ、意外と大胆」
「なにしてるんですか・・・」
あ~~~いい匂いしゅりゅ~~。全体的に体がぷにぷにしてて触り心地サイコ~。合法ロリの素質を感じる。こんなに可愛いのに演歌が好きってどうゆう事だよ。今は2050年だぞ。
「・・・あぁ!?や、止めろぉ!子供扱いするなぁ!」
再起動したみたいだね。これはこれで可愛いけど暴れないでほしい。そうだ!
「フゥーー・・・暴れないで頂戴・・・いい子ね。ご褒美に優しくしてあげるわ」
耳元に吐息を吹きかけ、大人の色気を意識して囁く。リコの体が『ビクッ!』って震えて大人しくなる。狙い通り。それにしても耳が弱点だったなんてね。可愛い。
「・・・あぅあぅあぅ・・・ーーー!!??だぁあああ!!こんなのダメェーー!!」
『バシィ!』
キャパオーバーになったのか、顔を真っ赤したリコが俺の拘束から飛び出し、逃げて行ってしまった。
「ちょっと、リコ・・・待って」
リコを追ってミカまで走って行ってしまった。・・・流石にやり過ぎたかな?
「ユキねえが俺を虐める理由がわかったかもしれない・・・可愛い子で遊ぶの楽しい」
「・・・違います・・・恐らく・・・それとヨミ様?今のセクハラじゃないんですか?」
「大丈夫だもん!女の子同士ならスキンシップだもん!」
「都合のいい時だけ女性にならないでください」
そんなこんなで時刻は夜の八時。俺はユキねえとエクリプスの空き部屋でくつろいでいる。
バン達はアニメだと
1・サターンの発射を阻止する為、イノベーターの研究所に潜入する。
2・なんとか指令室にたどり着くが、レックスに妨害されてサターンが発射されてしまう。
3・Nシティで開かれている首脳会談でテロを起こそうとするレックスを止める為、エクリプスからサターンに乗り込む。
4・レックスを倒してエンディング
だから少なくとも1までは終わっているはず。サターンが発射されたら2まで行った事になる。と言っても俺の出番は3以降だけどね。
「そうだ、ユキねえ。今の内に軽く食べとこうよ。ブロック携帯食か、ゼリー飲料どっちがいい?」
戦いが終わるの夜明け前だったよね?長丁場になるし、小腹もすいたし、それに暇だからなにか食べたい。
「・・・ヨミ様、聞きたい事があります」
「なに?両方食べたいとかは駄目だよ?」
「時々思うんです。ヨミ様がこれから起こる事を知り過ぎていると。シーカーの作戦、イノベーターの動向、全てを把握して立ち回っているように感じます。ヨミ様は未来でも視えているんですか?それとも全てヨミ様のシナリオ通りに――
「そうかもね。でも、俺は未来なんて視えない。それに明日から全て俺の知らない世界だよ」
まぁ、これだけ色々先回りしてれば俺の予知が当たりすぎだって気づくよね。
「それに未来うんぬんって言うんだったら、俺の存在の方がイレギュラーだからね。だからこの話はおしまい!」
「強引に話を終わらせましたね・・・はぁ~、もういいです。真実がどうあれ、ヨミ様はヨミ様のままですし」
「それって信頼してるって事?それとも呆れてる?」
「両方です」
うーーん、ちょっとフクザツ・・・まぁいいか!これからも俺は俺だもんね!LBXで遊んだり、ユキねえを巻き込んだり、お仕置きは勘弁だけど・・・全部俺だし、これからもそうやって生きていくつもりだもんね!
「よーし!それじゃあ、ユキねえにはゼリー飲料をあげよう!」
「なにが『それじゃあ』ですか・・・」
俺はブロック携帯食を食べるか。1960年あたりでは日本が世界に誇るダイエットフードだったらしいね。
「ムグ・・・ハグハグ・・・口の水分全部持っていかれる・・・」
「それくらい予想出来るでしょう・・・」
『サターンが発射された!作戦は失敗!繰り返す、作戦は失敗!』
無事に阻止出来なかったね。無事にってのもおかしい気がするけど。
エクリプスでバン達(追加でヤマジュンも)を回収してから一時間後、八神さんにブリッジに集められた。作戦が決まったから伝えるんだろうね。
「作戦を説明する。これより我々は、サターンのNシティ突入を総力をあげて阻止する。だが、サターンには無数の対空砲と『フェンス』と呼ばれる強力な対空防空システムが組み込まれている。その為、エクリプスで直接接近するのは困難だ。そこでLBXによる強襲降下作戦を行う」
正直言って俺は参加したくない。その作戦ほとんどのLBXが破壊されてるじゃん。こんなところでイザナミロストはキツイっすわ。
「諸君はエクリプス艦内のコントロールポッドを使って『フライトパック』を装備したLBXを遠隔操作、サターンに降下させる。途中、対空とフェンスを突破しサターンに着艦。そして制御室に入りシステムをハッキング。そして対空砲撃とフェンスを停止させる」
「中に入って攻撃を止めるって事か」
「対空砲撃はいいとして、どうやってフェンスを突破するんだ。強力な防御兵器なんだろう?」
いい所に気が付きましたね!
「『アンブレラ』を使う」
「
説明ありがとう、里奈。なんとこのビームガーター、今から三十分以内にご注文いただきますと、もう一個お付け致します!・・・なんちゃって。
そのビームガーターは強化ダンボールの開発者で、俺がタイニーオービット本社前で助けてあげたオジサン、霧島が作った物だ。俺にもなんか作ってくれてもよくない?命の恩人なんだよ?・・・別に盾なんて使わないんだけどさ。
「サターンに着艦出来たLBXは、各々の判断で制御室を目指し、一刻も早く迎撃システムを停止させてくれ。迎撃システム停止後エクリプスでサターンに接近、イノベーターに事実を伝え、サターンを放棄させる」
この時点でシーカーの人達は義光がアンドロイドでレックスが裏で操っていた事を知ってるんだっけ。ま、結局イノベーターが説得に応じずサターンに乗り込んでバトル事になるんだけどね。
「諸君、これは世界の夜明けを賭けた戦いだ。・・・これより本作戦を『オペレーション・デイブレイク』と呼称する。上る太陽を希望に満ちた物にする為にも、総員の奮闘を期待する!」
「「「「おおーー!!」」」」
八神さん演説上手だね。士気が高まってる。これがカリスマ性ってヤツなんだろうね。
――――――――――
「山野博士、聞いておきたい事があるわ」
八神さんの迫真の演説兼ブリーフィングの後にヤマジュンに話しかける。どーしても確認しておきたい事がある。
「ヨミか。アンブレラを組み込なくてはいけないから手短に頼む」
「フライトパックとそのアンブレラの事よ。イザナミとモルフォにその二つを取り付ける余裕があるのかしら?」
詳しい事はわからないけど、がっつり手を入れてあるよね?小型化と出来るだけパーツを詰め込んであったはずなんだけど。
「・・・正直に言ってかなり難しいだろう。だが、なんとか間に合わせてみせるさ」
「そのことなのだけれど・・・」
そんな無理してやんなくていいよ。俺だって乗り気じゃないし?そっかー、難しいのかー、じゃあ仕方ないね。諦めよう!
「私達は降下作戦には参加しない。これだけで終わる気がしないのよ・・・それに体も万全とは言い難いわ」
「そうか・・・それと、バンを助けてくれたと聞いた。本当にありがとう」
「貴方にそう言われるなんてね・・・それじゃあ、私達の事を他の人にも伝えて頂戴。私は奥の空き部屋で休んでいるわ。なにかあったら教えて」
「ああ、分かった」
さてと、撤退!部屋でダラダラしてますか。果報は寝て待てって言うし!・・・それに『せっかく来たのにコイツなんにもしてねぇな』とか思われたくないし。病弱設定だから!そっとしといて!
「ヨミ様?そんなに体の調子が悪いんですか?だったら、静かに家で寝てた方がよかったのでは?」
「そんなに悪くないよ?降下作戦がメンドイから言っただけ」
ちょっとだけ嘘を吐いた。まだ本調子じゃないけど、そんな事言って皆がサターンに乗り込む時に居残りさせらたくないし。
にしても、作戦まで一時間もあるらしい。また時間を持て余すね。・・・リコでも撫でようかな?
「オペレーション・デイブレイク、発動!」
「LBX部隊降下開始!」
始まったね。最後の戦いが。
ま、今すぐ戦わない俺とユキねえは優雅にティータイムを楽しんでるけどね!あーー!激闘を見ながら飲む紅茶は美味い・・・?
「なんか紅茶の味しなくない?」
「恐らく、気圧のせいで味覚が変わっているんでしょう」
「ふええ・・・俺の高みの見物ごっこが~」
「その『ふええ』を聞くと無性に腹が立ちますね・・・」
なぜ?こんな美少女が可愛く鳴いているのに。ふええーーー!ふええーーーー!!
おふざけはこれくらいにして、そろそろ強心剤でもキメますか。この後、サターンに乗り込むからね。薬がすぐに効くとは思えないし。
「ちょっとお花を摘んでまいりますわ~!」
「そんなに紅茶を飲むからです」
トイレで隠れてキメようね。ユキねえにバレたら止められるだろうし。便所メシならぬ便所ヤクかな?
強心剤は全部で三回分貰った。注射タイプなんだけど棒状で腕に当ててボタンを押すだけでいいらしい。一人でもお注射しやすいね。
「・・・いざ尋常に勝負!」『パシュ』
・・・うん。一瞬で終わったね。まあ時間掛けてやる事じゃないし。興奮剤とか鎮痛剤が入っているらしいんだよね。さてさて、どのくらい効いてくれるかな?
「・・・・・・うっぷ」
キモチワルイ・・・頭がクラクラする~~眩暈もする~~。
「おrrrrrrrrr」
おえーーー・・・薬強すぎじゃない?確かに・・・強いのが欲しいって言ったけどさぁ・・・あれか?成人男性に打つ量の薬を女の子の体に打ったからか?体格的に薬の量は半分でも足りそうだし・・・
「・・・ウォ・・・おrrrrrr」
―――都合により、番組を変更してお送りしています―――
「落ち着きましたか?」
「・・・うん、ありがと、ユキねえ」
「なんで離陸から二時間経って乗り物酔いになるんですか・・・」
ユキねえには飛行機酔いって伝えた。馬鹿正直に「ヨミちゃんね、強心剤打ったらキモチワルくなっちゃたの!」なーんて言えないからね。罪をなすりつけてゴメンよ、エクリプス。
「ヨミ!八神さんがブリッジに集合だって」
「すぐ行くわ、バン」
いよいよサターンに乗り込むのか。よっしゃ、やったりますよー!
「キャラの切り替え早いですね・・・」
ブリッジに行くと、シーカーのメンバーが既に集まっていた。俺が最後みたいだね。俺は別にシーカーなった覚えはないけど。
「これよりサターンに直接乗り込み、艦内を制圧、進路を変更させる。イノベーター達も激しく抵抗してくるだろう・・・よってバン達はこの場で待機」
「待ってください!世界の危機なんです!このまま黙って見ている訳にはいきません!」
バンの貴重な敬語だーー!郷田や仙道とか先輩にも苗字で呼び捨てする、
「僕も行く!」
「私達も行きます!」
アミに便乗する
「・・・・・・」
仙道に至っては無言だし。反対してないし、行くって事なんだろうけどね。仙道はツンデレだから仕方ないね。
「・・・・・・分かった。行くぞ!」
ひゃっほう!『なぞのLBXプレイヤー』の多分最後の舞台だ!ド派手にいくぜ!
たしか、ハープーン?なる物をサターンに撃ち込んでハープーンの中の通路を通るんだよね。なかなかのトンデモ兵器だね。ってか、なんで爆撃機にそんな物搭載したの?
「ヨミ、君も行くのか?」
なに?ヤマジュン心配してくれるの?オッサンがデレても嬉しくないんだけど。
「ええ、ここが正念場のようだしね。それと貴方のチームにウスユキを連れて行くといいわ。きっと助けになるはずよ」
「
「分かった。君も無茶はするな」
「そうね・・・善処するわ」
もうお薬ブチ込んで無理してるんだけどね。
「ぜぇ・・・はぁ・・・ぅぐ・・・」
無事にサターンに乗り込んだのはいいけど、ずっと走り続けている。強心剤が効いているとは言え、流石にキツイ。
なんでバンとジンは息が切れないんだ?・・・ああ!通路に電子ロックが掛かった扉が!一旦止まって休める!
「かひゅーー・・・かひゅーー・・・ゲホゲホ!」
「ヨミ!?大丈夫か?」
「平気よ・・・」
ムリ・・・シヌ・・・なんでお前らはピンピンしてるんだ・・・
『カシュ――』
ぎゃああ!扉が開いちゃったーー!もう少し休ませてよォ!
『ピロプロピロピン♪ピロプロピロピン♪』
バンのCCMに着信だ。相手はたしか、ヤマジュンだっけ?
「父さん!」
「真野さんがハッキングで、扉のロックを解除してくれている。一刻も早くコックピットまで行くんだ。サターンは行き先が変更出来ないようにプログラムされていた。Nシティを守る方法はただ一つ、サターンを自爆させるしかない。自爆指示が出せるのはコックピットだけだ。だが、恐らくそこには・・・」
「レックスが居る・・・」
流石ラスボス。いい所に居るね。若干、ヤマジュンにシナリオをコントロールされている気もするけど。
なにかあった時用に、自爆タイミングを少し遅らせてもらうか。
ヤマジュンにメールっと・・・『自爆プログラムを発動させてから自爆するまでの時間を延ばしてもらえないかしら』
これでよしっと。レックスが駄々をこねるかもしれないからね。保険は大事。
――――――――――
またしばらく走り、制御室にたどり着いた。中に入り、バンとジンはLBXを回収する。
そもそも、生身でサターンに来たのは妨害電波でコントロールポッドが使えなくなったからなんだよね。だから最後に操作していた場所にLBXがあるから、回収しないといけなかったんだね。
「よし!コックピットに急ごう!」
「待ちなよ!」
そ、その声はぁーー!
「神谷 コウスケ・・・!」
なんでコウちゃんがここに居るの?アニメだとコントロールポッドが使える内にボコられてたよね?
「オマエがヨミだなァ!散々このボクを愚弄した罰を与えてやる!ボクの新しいLBX『ルシファー・常闇』でなァ!」
うっわーーー・・・絶対☆裏切り☆ヌルヌルって事?それに、あの新しいルシファー完全にイザナミをパクってるじゃん。デザインとか似てるし。
「面倒くさ・・・バン、ジン、貴方達は先に行きなさい。彼の狙いは私だけよ」
「ああ!任せたぞ!」
「ヨミ、君なら心配いらないな」
いってらっしゃーい、二人共頑張ってねー!
「・・・これで邪魔は入らないわね・・・態度が悪い犬を躾てあげましょう」
「粋がっていられるのも今の内だ!ルシファー・常闇はオマエのLBXのデータを元に、ボクとダディが作りあげた史上最強で最も美しいLBXだ!今度こそオマエのLBXを破壊してやるゥ!」
おーおー、血気盛んなこと。真っ正面から突っ込んでくるよ。邪魔だしさっさと倒すか。
「死ねェ!」
あら、お口が悪いのね!お、前よりも太刀筋が良くなってる。頑張って練習したんだね。エライエライ。じゃ、さよなら。
剣を躱し、背後に回って足にフックショットを・・・命中!思いっきり引っ張ると、イザナミモドキが顔面から転ぶ。すかさず首をチョキン!
「前よりも強くなっていたわ。努力したのね?」
・・・煽るか。最近煽り足りない気がするし。
「キ・・・キサマァ!!」
「頭部のないLBXでここから逆転してくれるのよね?楽しみだわ・・・・・・どうしたの、早くしなさい」
危ない。思わず屈伸運動するところだった。
「調子に乗るなァ!!・・・ボクくらい顔がいいからってェ!」
ええ~?野郎に褒められても大して嬉しくないんだけど。
「・・・はぁ、せめて貴方が可愛い女の子だったらよかったのに」
あ、ヤベ。口に出てた。中身が男だからいいけど、傍から見たらレズ発言だよね。ヨミちゃんのうっかり屋さんめ!
「こうなったら、ボク自身の手でキサマを滅茶苦茶にしてやる!」
うわー、この程度のレスバで暴力を振るんですかぁ?
しょうがないぁ、コウスケ君はぁ。イザナミの対人スタングレネードを喰らえ!
『バリバリ!!』「あがががががが!!」
「・・・うわぁ」
初めて使ったけど、コレやばいね。一瞬で気絶したよ。って
――――――――――
「ヨミ!大丈夫!?・・・ッ!そこに倒れてるのは神谷 コウスケ!?」
しばらく途方に暮れているとアミとカズが来てくれた。神よ!二人を遣わせてくれた事感謝します!
「いいところに来てくれたわね。神谷 コウスケを連れて一旦エクリプスに行きなさい。私はバンとジンを追うわ」
「いいけどよ・・・お前は大丈夫なのかよ?体がボロボロだって聞いたぜ?」
「平気よ・・・それと、私の事を『お前』なんて呼ばないで」
前々から思ってたけど、カズ君は『なぞのLBXプレイヤー』に対する敬意が足りない。一回『わからせ』た方がいいのかな?
『ブルッ』「・・・い、行こうぜ。アミ・・・ヨミなら平気そうだしよ」
はよ行け!プンプン!いつかお灸を据えてやるからな。首を洗って待ってろよ、カズ!
いつの間にかイノベーターが降伏してた。ジンが義光を倒して、正体がアンドロイドだとイノベーターに知れ渡ったみたいだね。後はレックスだけだ!
ここで一つ注意しておかないといけない。バンを追ってコックピットに行くとヤマジュンが現れ、適当な理由を言われてエクリプスに連れて行かれる。そうやってジンはドナドナされるはずだ。さらば、ジンジン。
ということで、コックピットに近くの部屋に隠れている。ちょいちょい揺れるのはバンとレックスがバトルしてるからかな?
――――――――――
照明が赤くなった。バンがレックスを倒し、サターンを自爆モードにしたんだね。それじゃ、バンとレックスを迎えに行きますか!
「
フラフラしながら歩くレックスとレックスを支えるバンを見つけた。
あーー!!最終決戦見たかったなーー!!暴走した『
・・・まあ、タイマンでバトルするのが大事だから、横で俺が見る事なんて出来ないんだけど。
「ヨミ!レックスを支えるの手伝ってくれ!」
「その前にコレを使うわ」
じゃじゃーーん!強心剤!なーに、ちょっとチクっとするだけだよ。レックス大人だし、きっと打っても平気だよ。
じゃ、プスっとな!
『パシュ』
「ヨミ・・・何を使った」
「強心剤よ。効果が出るまで辛いだろうけれど、耐えなさい」
マジ辛いから。ゲロんないように頑張ってね!
よっこいせ・・・レックス重いね。成人男性だからこんなモンか?
「エクリプスに急ぐわよ」
『山野 バン』視点
後少しでエクリプスに着く・・・大変だったけど、ヨミがキョウシンザイ?って注射をレックス打ってくれたから治ってきたみたいだ。レックスはゆっくりとなら一人でも歩けそうだ。
「レックス・・・世界の人に送ろうとしていたメッセージってどんなものなの?」
「フッ・・・あれか」
確かにレックスは悪い事をしてたけど、本当は悪人じゃないと俺は思う。レックスがここまでして世界中の人になにを伝えたかったんだろう。
「『人は獣にあらず、人は神にあらず。人が人である為に、今一度考えるのだ。人とは何かを。何をするべきかを』」
これがレックスが伝えたかった言葉なんだ。だけど、俺にはちょっと難しすぎる。
「・・・『人は何をするべきかを』?」
「そうだ・・・賢くなりすぎた人間は、この世全てを管理し、支配しようとする・・・まるで『神』であるかの様に。・・・大きな力を手に入れた人間は弱者を喰らい、どんな残酷な行いも厭わない・・・まるで『獣』であるかの様に」
『獣』・・・海道 義光の事?・・・いいや、多分レックスは今までそんな風になってしまった人を沢山見てきたんだ。
「進歩し過ぎた人は、人である事をいつの間にか忘れてしまったんだ」
やっとレックスを連れてエクリプスのハープーンまで戻ってこれた。帰るんだ、レックスと一緒に。
「俺は世界の人々に考えさせたかった。人はどうあるべきか。人が人であるべきの『真実』の姿を」
レックスの言ってる事を全部理解できたわけじゃないけど、これだけはわかる。ジンやヨミ、それにシーカーのみんな。今までみんなと戦ってきた。その中で変わる事が出来た人もいるんだ。
「人は変われるさ。新しい世界はきっと作れる。大丈夫、俺が、
証拠はないけど、俺は信じてる。みんなを、この世界を!
レックスを見ると、満足そうにでも、少し諦めたみたいに微笑んでくれた。
『ドンッ!』
「うわぁあ!」
「ぐえっ!」
レックスがいきなり、俺とヨミを通路に押し込んだ。
「拓也!乗ったぞ!三人共無事だ!」
振り返るとレックスが拓也さんに連絡していた。まだレックスは乗ってないのに。
『ガシュゥ!』『ガシュゥ!』
「あぁ!?」
ハープーンが切り離されてレックスが取り残されている。なんでレックスは微笑んだままなんだ!せっかくここまで帰ってきたのに!新しい世界を見せてあげたいのに!
手を伸ばしても、レックスは動かない。
「Yaaaaaaaa!!!」
その瞬間、ヨミが飛び出した。
「貴方の思い通りになんてさせない!」
「なっ!?ヨミ!?」
このままじゃ、二人共サターンの自爆に巻き込まれて死んじゃうよ!
「ヨミ!!レックス!!」
風が吹きつけるけど、知るもんか!俺の手を取ってくれ!!みんなで帰るんだ!!
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エピローグ
舞台裏
ふーー、後少しでエクリプスに着く・・・大変だったけど、強心剤のおかげかレックスは元気?になったから、思ってたよりも楽だったけどね。
そして、ここからが一番の名場面だ!
「レックス・・・世界の人に送ろうとしていたメッセージってどんなものなの?」
「フッ・・・あれか」
来るぞ・・・!ダンボール戦機で一二を争う名言が!
「『人は獣にあらず、人は神にあらず。人が人である為に、今一度考えるのだ。人とは何かを。何をするべきかを。』」
FOOOOOOO!!!コレだよ!コレを聞きたかったんだよ!!なんとか声に出さないでポーカーフェイスをするんだ・・・!ここで叫んだら雰囲気が台無しだ!
「・・・『人は何をするべきかを』?」
「そうだ・・・賢くなりすぎた人間は、この世全てを管理し、支配しようとする・・・まるで『神』であるかの様に。・・・大きな力を手に入れた人間は弱者を喰らい、どんな残酷な行いも厭わない・・・まるで『獣』であるかの様に」
イイねぇ・・・深いねぇ・・・
「進歩し過ぎた人は、人である事をいつの間にか忘れてしまったんだ」
さて、ハープーン内の通路に入る前にワンポイントアドバイス!アニメだとレックスがバンだけ退避させて、レックスはサターンに残って自殺?ケジメ?するんだよね。そのせいで
つまり、ここでレックスを死なせなければ事前に防げるって事。そこに気付くなんてヨミちゃん天才!
レックス♡ずっと一緒だよ♡(ヤンデレ風)
「俺は世界の人々に考えさせたかった。人はどうあるべきか。人が人であるべきの『真実』の姿を」
「人は変われるさ。新しい世界はきっと作れる。大丈夫、俺が、
ここだ!必死にレックスにしがみつく。ここさえ突破すれば勝つる!逃がさんぞぉ、レックスゥ!
『ドンッ!』
「うわぁあ!」
「ぐえっ!」
イタタ・・・って、マズい!レックスに突き飛ばされた!このままじゃ、レックスがサターンと心中しちゃう!
「拓也!乗ったぞ!三人共無事だ!」
乗ってねぇ!クソッ!レックスに打った強心剤のせいで無駄に元気になっちゃたのか!?睡眠薬にしとけばよかった!
『ガシュゥ!』『ガシュゥ!』
「あぁ!?」
ああああ!!通路が切り離せれてるぅ!ええい!こうなったら、イチかバチか飛び移るしかない!!
「Yaaaaaaaa!!!」
一瞬の浮遊感。お股がヒュンってなった。・・・ちょっとチビったかも。
「貴方の思い通りになんてさせない!」(訳・テメェのせいで!めっちゃ怖かったんだぞ!)
「なっ!?ヨミ!?」
フゥーー、フゥーー、フシャーー!
・・・落ち着こう。
「ヨミ!!レックス!!」
バンが一生懸命手を伸ばしてくれている。いやでも、この距離は届かないよ。危ないから引っ込んどき。
「さようなら、バン」
よっしゃー!!キマった!!『なぞのLBXプレイヤー』ヨミちゃんのキメ台詞!!
いつもは『また逢いましょう』に対して今回は『さようなら』だからね!バンの心をガッチリ掴んだでしょ!
レックス、ゴメンな!見せ場取っちゃって!ガハハ!
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ヨミガエリ
「ヨミ!なぜ戻ってきた!オマエまで死ぬ必要はないんだぞ!」
「レックス・・・貴方言っていた事は素晴らしいと思うわ・・・でもね、貴方の言う通りだったら私は『獣』よ。強欲で自分の思い通りにならないと気が済まないの」
「ヨミ、一体何を言って・・・」
「簡潔に言うわね。つまり・・・・・・」
レックスの緊張が伝わってくる。口の中が乾いたのか、ゴクリと喉を鳴らしている。
「つまりね・・・・・レックスに生き残ってもらわないとマズいの!それにまだ死にたくない!!」
「ハァ!?」
「一回、黄泉帰ったとは言え、爆散して肉体がなくなったら流石に黄泉帰れないかもしれないし!脱出用のなんかないの!?レックスさまぁ!?」
絶対なんかしらあるでしょ!?それしか俺とレックスが生き残る道はないだよぉ!!
「ヨミ!?なんだその口調は!?それになぜオレに固執する!?」
「ええぃ!説明はあとで!いいからなんとかしてよ!!」
なぞかけみたいに悠長に喋ってたら時間切れで死ぬ!ヤマジュンにサターンの自爆タイミング遅らせてもらったはずだけど、余裕なんてない!!
色々約束して来ちゃったし!俺が死にかけただけでもどんなお仕置きされるかわかんないし!もしも死んだら今度こそユキねえ闇落ちするじゃん!!
「この先に脱出用ポッドがある!そいつを使えばいい!」
「ぎゃああーー!爆発してるーー!揺れてるーー!レックス早く連れてってよぉーー!」
小さな窓の付いた5mくらいの球体型脱出ポッドが並んでいる。これが俺達の希望・・・!
「着いたぞ!先に乗れ、ヨミ!」
「絶対ヤダ!どうせ俺だけ脱出させる気でしょ!俺、知ってんだからな!」
レックスから距離を取り、レックスが駄々をこねているの内にCCMを取り出す。ユキねえにSOSのメッセージを送る。
『だっしゅつ むかえきて じん、いしょに ないしょで』
箇条書きだけど、きっと伝わるはず!俺はユキねえを信じてる!・・・レックスは早く乗ってよ!
「いい加減乗れーー!!美少女キーーック!!」『べシャ!』
「グウッ!?」
渾身の蹴りでレックスごと脱出ポッドに体をねじ込む。スカートだから絶対パンツ見られた!マジで許さん!
「神妙にお縄に着け!もたもたしてたらマジで死ぬから!」
痛くないけど体がギシギシいってる気がする。強心剤の効果が切れてきた?あと少しで脱出できるから、それまでもってくれ!俺の体ぁ!
出入口を閉めてレックスが外に飛び出さないようにして・・・車に乗せた子供かな?
そして座席に座ってジェットコースターのアレ・・・安全バー?的なヤツを下ろして体を固定する。
「大☆脱☆出!!」『ポチッ』
ポッドの射出ボタンに人差し指を叩きつける。勝った!第三部!
『バシュゥ!』
『ガアアアン!!』
俺とレックスを乗せたポッドがサターンから飛び出す。次の瞬間、サターンが自爆し物凄いGが体に圧し掛かる。
「・・・へ?」
俺の手からCCMが滑り出して、俺の美少女フェイス目掛けて迫ってきた。
『ベキィ!―――
「ハッ!?」
ここは・・・真っ白空間!って事は俺死んだの?死因は?もしかしてCCMが顔面強打して死亡!?こんなところで
「なんでもう死んでるのよ!前死んでから十日も経ってないのよ!?」
イザナミちゃんが可愛いお顔を真っ赤にしてキャンキャン言っている。カワイイ。
でも、イザナミちゃんが居るって事は、やっぱり俺死んだのか。
あれだよね。自分よりも慌ててる人を見ると逆に冷静になるよね。今の俺、まさにソレだよね。
「ココはそうだな・・・よし、これで行こう・・・来ちゃった♡」
「喧しいわ!!さっさと帰りなさいよ!!」『ゲシッ!』『ゲシッ!』
「ブヘェ!?そんなに蹴らないでよ!照れ隠しにしてもやり過ぎだよ!?」
「照れてなんかないわよ!!」
「漂流一日目。オレは寛大なヨミ様のおかげでサターンから脱出する事が出来た。だが、強心剤を使った反動で一日中脱出ポッドの中でヨミ様と共に寝てしまったようだ。
漂流二日目。全能なるヨミ様からこの世界の真実を聞いた。ヨミ様はこうやってオレ達の行動を知り、先回りしていたのか。
漂流三日目。ポッド内に保存食と水があったが後数日でなくなるだろう。こんな事ならDTを卒業しておけば――『ゴチンッ!』イタァ!?」
「ヨミ、オレの真似をして変な事言うな。そもそもオレは女性経験あるぞ」
「イテテ・・・って嘘ぉ!?レックスDTじゃないの!?」
そんな・・・レックスに裏切られた・・・DT同盟が・・・
まあ、『漂流三日目』の件は嘘だけど、一日寝てたのとレックスに全て話したのは本当だ。
マジで全部話したよ?この世界にはシナリオがあった事も、一年後レックスの妹が世界征服をしようとする事も全部。だってヒマだったし。
「未だに信じられんな・・・オレはただの役者だったとはな」
「どうかな?俺が前世の世界に戻って、この世界『ダンボール戦機』の
そんな事ないと思うけど。あくまで可能性の話だからね。
「・・・そう考える事も出来るのか・・・?」
「要は深く考えるだけムダでしょ?それにこんな
もう
「はぁ~あ、レックスDTじゃないのかぁ~。俺だけ一生DT・・・・・・いや、待てよ?」
「ねえ、レックス!『オプティマ』?の技術があれば俺のムスコ作れるんじゃないの!?」
オプティマとは、神谷重工が発明したアンドロイドの・・・よく知らないけど、人体パーツを作る技術?の事だ。アンドロイド義光もオプティマの技術で作られてたはず。
そんな事はどうでもよくて、オプティマは医療にも使えるらしいのだ。つまり、俺の体にオプティマ製の性器が生やせる可能性が・・・!
「・・・あのなぁ、オマエは世界の危機を救った人間の一人なんだぞ?」
「だからなんだよ!?いいじゃん!『英雄色を好む』って言うし!」
「・・・・・・はぁ・・・やってみればいいじゃないか?まだ誰も試していないようだが」
よし!帰ったら・・・誰にお願いしよう?コネがないと出来なさそうなんだけど、宇崎兄弟には頼みずらいし、オタクロス・・・はそこまでコネなさそうだし、ジンジンは話を切り出しにくいし・・・ワンチャン、ヤマジュンか?
ヨミちゃん「オプティマの技術で私に男性器を生やせないかしら?」
ないな。ナニイッテンダ、コイツ?感が半端無いって!
ヨミちゃん「ちゃろー☆ヤマジュン!おねが~い♡オプティマでおち〇ち〇生やさせて~?」
だだ滑ってんじゃん。ないわー。普通にドン引きだよね。
って言うか、タイに行けば解決か?でもお股切り刻むのはちょっと・・・
「・・・ムムム、やっぱりどうしよう?」
「オレが知るか。そんなモン」
そもそも挿入たからDTじゃなくなるって訳じゃないらしいし・・・精神的DTってのもあるらしいじゃん?
イテテ・・・一回死んだせいでまた体痛い・・・強心剤、打っちゃおうかな?
『スッ・・・』
「・・・今度はなにをしているんだ」
「そろそろお薬の時間かなって」
「
「だって体痛いんだもん。いいじゃん。先っちょだけだから!空に浮かんでる雲でも数えてたらすぐに終わるよ!」
「バカヤロウ!その体には薬が強すぎるぞ!」
「大丈夫だって!一回打った事あるし!今度は加減して半分くらいしか注射しないし!」
レックスとのプロレスに夢中になりすぎて、近づいてくる一隻の船に気が付いていなかった。
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なぞのTS LBXプレイヤーが あらわれた!
「ヨミ様!」
「あ、ユキねえ!」
近づいてくる小型船からユキねえが身を乗り出している。小型船って言ってもあれだよ?中でパーティーとか出来るお金持ちな感じの船だ。ジンジンは戦闘機持ってるんだし、船も持ってると思ってたよ。操船は多分、ジンの万能執事がやってるんでしょ。
「ヨミ様、無事ですか!?・・・レックス、貴方まで生き延びていたんですか!」
え?え?なんでユキねえがレックスにガン飛ばしてんの?それに呼び捨てだし。なんも因縁な・・・くもない?もしかして俺が今回死にかけたのレックスのせいだと思ってる?あながち間違ってないけどさ。
「どうどう、ユキねえ。ステイ。多分大丈夫だから落ち着いて、ね?」
そんな事を言っている間に、船が脱出ポッドに横付けさせる。こっちが全然揺れないし、船とも距離も丁度ピッタリだ。この卓越した操船技術、操船してるのはジンの執事で決まりだね。
ユキねえがレックスに手を出す前に、俺がハグして愛のパゥワーで宥めてみせる!
・・・って船と距離があるから飛び移らないといけない。俺そこまで元気残ってないんだけど。いくら上手く横付けしても船の形的に限界がある。さて、どうしよう?
「・・・ユキねえ・・・ん!」
ユキねえに腕を広げて・・・すしざ〇まい!じゃなくて、抱っこ待ちのポーズをとる。
・・・別に三日会えなかったから甘えたい訳じゃないし。最善の行動をとったまでだし。照れてないし。
「ヨ、ヨ、ヨミ様!」『ガシッ!』
「ぎゃあああ!!」
ユキねえに
「ユ、キねえ・・・ギブ・・・ギ、ブ」
「ハッ!?すみません、ヨミ様!」
ユキねえの腕を必死にペチペチしていたら、意識が落ちる寸前で脱出できた。死ぬと思った。ヨミちゃん回生出来ないし。
「って、ユキねえ!鼻血出てる!」
もしかして竜咳!?・・・な訳ないか。美少女ヨミちゃんをハグして興奮したから出たんだね。いや~、カワイイって罪だわ~!
「取り乱しました・・・ところでヨミ様?手に持っている注射器はなにが入っているんですか?」
「・・・・・・てへっ♡」
やべ、見つかった。「ああ、これ?強心剤だよ?」なんて言ったら、死すら生温い
あーー、えーーっと・・・言い訳が思いつかない。もしかして詰んだ?
「レックス、貴様が・・・おじい様を!」
救世主ジンジン様がご降臨されたぞ!こっちに話を逸らすしかない!
って、ジンがレックスに銃向けてんじゃん!LBXサイズじゃなくて人間用のガチなヤツ!
そういえば、ジンジンの『レックスを前にしたら、
「ヨミ様!止めないんですか!?」
「いやぁ・・・ちょっと・・・」
だって俺、義光を見殺したしぃ・・・レックスの復讐を許可したみたいなモンだし・・・だったら、ジンの復讐も看過するしかないよね・・・?
「・・・クッ!」『ボチャン・・・』
「殺してもよかったんだぞ・・・オマエにはその権利がある」
ええ~~~?めっちゃ痛いから止めといた方がいいよ。
とは言え、ジンが銃を海に捨てた。つまり復讐はナシだね。頑張ってレックス連れてきたのが無駄にならなくてよかった。
「終わったね。それじゃ、帰りますか!俺達の世界へ!」
強心剤の話も有耶無耶に出来たし、大団円だね!
なんてことがあったのが、二週間前の出来事。
船に乗った後、眠くなったから寝たんだけど、そのまま俺は三日も寝続けたらしい。集中治療室に入れられそうにもなってたらしい。『へぇ~、そうだったんだ』って言ったらユキねえにしこたま説教された。解せぬ。
でもさ?俺の感覚だと、寝て起きたら病院のベットに寝てたんだよ?別にイザナミちゃんの居る真っ白空間にも行かなかったし。あ、病院で起きた時にちゃんと左腕もくっついてたよ?赤い義手は必要ないのだ。
「ヨミぃーー!!」
「だからね?病院だから静かにしてほしいんだけどね?リン、わかってる?」
「だって・・・ヨミ、すぐ危険な所に行ってボロボロになって帰ってくるんだもん・・・ワタシ心配なの」
「まったくです。ヨミ様はもう少し自分の命を大事にするべきですよ?」
耳が痛い・・・でも、俺だって好きでボロボロになってる訳じゃないもん!それに多少無理しても黄泉帰れるし!
「ヨミ様?」
「な、なんだよぉ、
「はぁ・・・」
なんで『コイツなんにもわかってないな』って思ってそうな顔でため息ついたの?これでも少しは反省してるもん!どの道、アニメ本編は終わったから暫くは平和だし!プンプン!
「そういえば、リンは仕事どう?最近テレビとかでよく見るし、忙しいんじゃないの?」
俺はずっと病院のベットに軟禁状態だから娯楽がテレビくらいしかない。おかげで、観た事ないドラマを途中から観てたりしていた。流石に病院でLBXは出来ないらしい。はーー、つっかえ。華々しい登場をしたいから、またバン達には俺が生き延びた事は内緒にしている。そのせいでリンとジンくらいしかお見舞いに来てくれなくて退屈している。ユキねえ?毎日来てくれてるよ?さすユキ。
「そうなの!忙しくてあんまりLBXバトルが出来ないの。LBX関係のお仕事はいっぱいあるのにね・・・あ!そうだわ!ヨミ、また一緒にLBXのお仕事しない?」
「うーーん・・・俺はあんまりメディアに露出したくないなぁ」
『アキハバラキングダムで堂々と暴れたのになに言ってるんだ』って?あれは・・・その・・・不可抗力だよ!俺の心が暴れたかったんだから仕方ない!
「ダメ?・・・それに今、お仕事貰ってるのは
リンには悪いけど、その仕事は無理だ。なんで宇崎兄弟の前に躍り出ないといけないのだ。それに『なぞのLBXプレイヤー』の格が落ちそうだからヤダ。リンと仕事するのがイヤって訳じゃないけどね?宇崎兄弟の仕事がイヤなだけ。
「ゴメン、リン。その仕事だけは無理。俺、タイニーオービットと仲が悪くってさ。代わりって言っちゃなんだけど、今度リンの仕事の見学でも行くからさ?」
「そう・・・見学の事忘れないでね?・・・」
oh・・・リンのテンションが下がった。しゅんってなった尻尾の幻覚が見えそうなくらいテンション下がってる。・・・早めに見学行っといた方がよさそうだね。『忘れてた』なんて言ったらリン泣き出しそうだし。
「しょうがないなぁ・・・ほい、リン」
腕を広げてハグの構えを取る。美少女ヨミちゃんがよしよししてあげよう。リンだけ特別だよ?
「絶対だからね!ヨミぃーー!」『ぎゅ!』
「むぎゅ!?」
おかしい。俺がリンを抱きしめる予定だったのに、なんで俺がリンの胸の中に居るんだ?リンの体あったかいね・・・それに柔らかい。どこがとは言わないけどね!
これってもしかして漢の夢『ぱふぱふ』か!?そう思ったらコーフンしてきた・・・なんだか甘いようなイイ匂いもするし・・・でゅへへ・・・
「楽しそうですね、ヨミ様?私もやってあげましょうか?」『バキバキ』
「あ、ありがとう。リン、けどもういいかなぁ~、なんて」
これ以上やってたらユキねえに殺される。なんで『ぱふぱふ』をする前に指をバキバキ鳴らしてるんですか?ユキねえ様?
「病室なんだから、もう少し静かにしたらどうだ?」
あ、レックス!どしたの?頬にガーゼなんて付けてるけど。
って、なんでレックスがここに居るの?俺の病室教えてないよね?・・・まあ、そこは大して問題じゃない。レックスが直接会いに来たって事はなにかしら用件があるって事だろうし。
「あーー、リン?このオジサンね、激甘コーヒーが好きだから下の売店で買ってきてくんない?お金は出すし、リンの飲み物も買ってきていいからさ」
「わかったわ!すぐ買ってくるわね!」
「走んなくていいからね~」
さて、リンには一旦席を外してもらったし、レックスのお話でも聞いてあげましょうかね。
「オレは二十八だぞ。まだオジサンって歳じゃない。それに甘いコーヒーは飲まないぞ」
「はいはい、それで?なんでわざわざ俺に会いに来たの?それにその顔どうしたの?」
転んでできた怪我とは思えないし。だってレックスにドジっ子属性ないからね。
「今日オレが来たのは別れの挨拶だ。オレは旅にでも出てみようと思う。バン達が信じた世界とやらを見て回るつもりだ」
「ほぇーー、大分思い切ったね。もしかしてそのガーゼと関係あったりする?」
「これか・・・オレが完治したすぐ後に海道 ジンにブン殴られた時にできた傷だ。オマエだって殴られてもいいと思うがな」
「まあね。でもそれだけで終わらせるジンもなかなか優しいね。一体誰の影響だろうね?」
十中八九バンのおかげだろうけどね。やっぱ主人公は強いね。
・・・
「それだけだ。じゃあな。ヨミ。バンや拓也には死んだとでも伝えといてくれ」
「ふーん、そっか・・・まあいいよ。伝えとく。
「・・・フッ、
またどこかで会えるはず。だってラスボスだからね。それにしてもレックスは大分丸くなったね。昔はねぇ~荒れてたんですよ。俺の努力のおがげで、こんなに穏やかになったんですよぉ~。
「・・・ウスユキ、ヨミがあの時持っていた注射の中身は強心剤だ。自分にも使ったらしいぞ」
「バッ!?最後の最後になにバラしてんの!?ちょ、レックスてめえ!!」
クソッ!逃げやがった!俺が満足に動けないのいい事に爆弾を落として行きやがった!マジで許さん。いつかLBXでボコボコのギッタンギッタンにしてやるからなァ!
「そうなんですか。ヨミ様?私、初めて聞きましたが?」
「・・・・・・へへ、えへへ・・・」
結局、リンが買ってきてくれた激甘コーヒーは俺が飲んだが、全然味がしなかった。
フゥーハハハ!
これより『なぞのLBXプレイヤー』復活の儀を執り行う!
ここまで長かった。本当に長かった。最終決戦から二か月も経ってしまった。主に療養のせいだけど。
今日の予定はバン、カズ、アミにジンを加えた四人の前に、ヨミちゃんが登場するのだ!
この日の為に、一週間前から依頼をこなして『黒いLBX』の噂を流しておいたのだ!だから今頃バン達は『サターンの自爆で死んだはずのヨミの黒いLBXが出現した!?』ってなっているのだ!
完璧な筋書き!万全の体調!リハビリの終わったLBX!非の打ち所がないとはこの事だね!
バン達は『キタジマ模型』でバトルしてるはず。いざ、突☆撃!!
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番外編 ヨミ・おん・すてーじ!
えーー、本日は3月4日、金曜日の放課後でございます。ホワイトデーが近づいてきたからそろそろお返しを決めたいんだけど、なかなか決められないんだよね。前世含め、あんなにいっぱいチョコを貰ったのは初めてだから、どうしたらいいのかわからない。
ユキねえに相談して、土日になにかいい物がないか探そうかなぁ?
「ヨミ!大事な話があるの!」
なんでリンは毎回俺の教室に飛び込んでくるんだろうね。パンチラしても知らないぞ。
「走ると危ないわよ。・・・それと大事な話ってなんの事かしら?」
え?『コイツまた猫を被ってるよ』って?しょうがないじゃん!辞め時がわかんないんだもん!ここまで来ちゃったし、いっその事、卒業するまで演じ切ってみせる!
「それはね!ヨミのホワ――・・・ここで言えないわ・・・どこか二人きりになれる場所知らない?ヨミ?」
「「「「キマシタワー!!」」」」
「そうね・・・リンが良ければだけど、私の家はどうかしら?」
「いいわね!ヨミの家に行くの久しぶりだし、楽しみだわ!」
もしかして!?告白イベント!?イヤ~ン、リンってば大胆~。それに女の子同士なんて・・・むしろそれがイイ!百合がうんぬんじゃなくて、俺の恋愛対象は女の子なだけだけど。・・・それって結局百合か?肉体的GLってヤツなのか?
でも、なんでこのタイミング?十日後にはホワイトデーだから、そこで告白した方が・・・
あーー!わかった!わかっちゃったぞ!
ホワイトデーで俺が女の子とイチャイチャするのがイヤだし、恋敵がいる?から先手を取って告白するのか!
ユキねえの名に懸けて!真実はいつも一つ!美少女探偵ヨミちゃんがまた難事件を解決してしまったな!ガハハ!
「ふふっ、それじゃあ早く帰りましょうか」
今夜はお赤飯でも炊いちゃおうかな!?俺のハジメテの彼女記念に!
「それで大事な話って・・・///」
うぇへ、でぃへへへ・・・なんだかドキドキするね。
リンを俺の部屋に連れ込んだから、ユキねえは居ない。二人きりだね///
「あのね、ヨミ」
待って。リンめっちゃ堂々としてるじゃん。なんか俺よりも男気ない?俺が緊張しすぎなのか?
「ヨミ、ホワイトデーにライブをしない?」
「でも・・・女の子同士だし・・・それでも――って、はい?ライブ?」
「バレンタインのお返しライブよ!ワタシとユキお姉ちゃんで考えたのよ!」
ん?・・・俺のハルは一体どこへ?
それにライブって?LIVE?わっつ?
「・・・バレンタインの?」
「そうよ!」
「・・・お返しに?」
「そうよ?」
「・・・俺が?ライブ?」
「そうよ・・・ね?」
「ええーーー!!!マジで言ってる!?なんで俺が!?」
っていうか、待てよ・・・ユキねえはこの話知ってたんだよね?一言も言ってくれてなかったよね!?
「ユキねえ!そこに居るんでしょ!ライブの事知ってたの!?」
どうせ盗み聞きしてるんだ!俺が告白されるって勘違いしてたのも気付いてたに違いない!
「知ってましたよ。ヨミ様はサプライズが好きですので黙っておいてあげたんです・・・ヨミ様、フフッ、告白でもされると思ってたんですか?」
クッソ!ユキねえめ!半笑いで言いおって!俺のピュアな心を弄びやがって!
「それにヨミ様、感謝してください?どうせ、お返しをどうするか決めてなかったでしょう?それにライブをする事で、効率的にお返しが出来るんですよ?」
「うぐぐ・・・そうかもしれないけど・・・」
「数曲歌うだけでいいわ!ヨミ、運動苦手だったわよね。ヨミはカワイイからダンスまでしなくても大丈夫よ!」
いや、その、でもさぁ?やっぱり俺にはそういうの向いてないと思うんだけど・・・
「ライブ、してくれますよね?」
「はい・・・喜んでやらせていただきます」
ユキねえがこうなったら俺に拒否権はない・・・あんまり乗り気じゃないけど、やってみるしかない・・・?
それからホワイトデーライブに向けて俺の過酷な修行が始まった。
リンの紹介で、有名らしいボイストレーナーに指導してもらい、家ではユキねえが俺の喉のコンディションを徹底的に管理された。喉が冷える、とかでアイス食べさせてもらえなかった・・・代わりに不味い飴を舐めさせられた・・・
「今日のトレーニングはここまで!」
「ありがとうございました」
はぁーー、やっと終わったぁ。鬼指導でキッツいわ。なんでこんなにガチの人の指導を受けてるんだ?
喉乾いた・・・けど、喉にいいとか言う、変な味のぬるいお茶しかない。キンッキンに冷えた炭酸系のジュースが飲みたい・・・
「ヨーミちゃん、久しぶり!」
仕方なくお茶を飲んでいると、部屋に入ってきた女の人に声を掛けられた。誰だっけ、この人?
「お久しぶりです・・・」
えーーっと、どっかで見た記憶が・・・んん?もしかして水着撮影をした時に知り合った橋本 ひかりって人だっけ?多分そうだ・・・と思う。
「・・・橋本さん、どうしてここに?」
「もしかして忘れてた?まあ、一回しか会った事ないしね。ヨミちゃんがここに通ってるってウワサを聞いて来たのよ」
まさかの俺目当て?前の仕事でなんかやらかしたっけ?でもそんな雰囲気でもないし?
「ええっと、私に用があるんですか?」
「ヨミちゃん、モデルを本格的にやってみない?前回の撮影の評判が良くってね。ウチに『あの黒髪の子は誰だー』って問い合わせが結構きたのよ。私から見ても中々良かったと思うし。どう?モデル、やってみない?」
わお、スカウトってヤツ?でもなぁ、ヨミちゃん今くらい自由なのが好きだから、あんまりモデルの仕事で忙しくしたくないかな。
「その、ごめんなさい。私はモデルは出来ません」
「そっかー。ま、ヨミちゃんならそう言うと思ってたけどね。惜しいなー、『アキハバラキングダム』であんなに堂々と出来る人なんてそうそう居ないのに」
「ッ!?私が出てた事知ってたんですか?顔を隠してたんですけど」
「背格好とか声も同じだったしね。知ったのはアキハバラキングダムが終わった後、ウチに問い合わせの電話がひっきりなしに鳴ったからなのよね。で、どうなの?本当に『黒いLBX』の正体はヨミちゃんなの?」
わーお・・・俺めっちゃ迷惑掛けてんじゃん。それに黒いLBXの噂まで知られてるし。ここまで迷惑掛けちゃったし嘘は吐けない。
「・・・そうよ。噂の正体は私よ。これをネタに脅したりするのかしら?」
別にそこまで問題ないけどね。できれば止めてほしいけど。
「しない!しない!だったら尚更、モデルにならないの勿体ないなぁー。話題性も十分あるのに」
「それと多分、ウスユキお姉さんもモデルにはならないと思うわ」
俺がモデルをやるならユキねえもワンチャンあると思うけどね。そもそも俺がやらないからワンチャンもないけど。
「私がどうかしたんですか?ヨミ様」
噂をすればなんとやら。でも、そんなに圧を出さなくてもよくない?悪口でもなんでもないんだよ?
「ねえ、ウスユキちゃんはモデルになってみない?」
「ふむ・・・ヨミ様はどう答えたんですか?」
「私はお断りさせてもらったわ」
「でしたら、私もお断りさせていただきます」
ほらね、ユキねえもやんなかったでしょ?俺にはすべてお見通しなのだ!
「ちぇ、二人ともダメかぁー。名刺はまだ持ってるよね?気が変わったらいつでも連絡してね。それじゃ、私は仕事があるから。バイバーイ」
「・・・マジでスカウトだけして行ったな」
「・・・帰りましょうか、ヨミ様」
3月14日。ついにきた。きてしまった。ホワイトデーが!
バレンタインにチョコをくれた人以外にも俺のライブを見たいモノズキが多くいたらしく、放課後の体育館でライブをする事になった。
と、言ってもチョコをくれた人を優先的に前の方のスペースに行けるから、そこまで問題はないらしい。必然的に女の子が集まるから俺的には嬉しいんだけどね。
「ああ・・・緊張してきた・・・人いっぱい居るし・・・」
全校生徒の六~七割は居るよね?それに俺の服はユキねえが用意した王道アイドル風の衣装だ。ヒラヒラしてるし、いつもこんな服着ないから落ち着かない。
「ちゃんと練習してきたんですから大丈夫ですよ」
「そうよ!それにヨミ、とってもカワイイわ!」
カワイイとかカワイくないとかそういう問題じゃなくない?
それと、確かに練習頑張ったけど・・・ボイトレと歌の練習に、ダンスまではいかないけど簡単な手の動きくらいは練習した。・・・十日間に詰め込み過ぎじゃない?よく頑張ったよね。俺。
「ヨミ様、そろそろ時間ですよ」
「頑張ってね!ヨミ!」
「・・・できるだけやってみるよ」
舞台の真ん中に立って幕が開くのを待つ。なんでこんな事になったんだ・・・
ゆっくり深呼吸をしてテンションを落ち着ける。よし。
「ホワイトデーライブに来てくれて嬉しいわ。拙い歌だけど楽しんでちょうだい」
「「「「ワアアアア!!」」」」
あ、俺の一言で皆がどよめくのちょっと楽しいかも。っていかん、いかん。曲始まってるし。
アレ?歌い出しってどこだっけ?あばばっばっばっっば!?
――――――――――
「次がラストの曲よ。最後まで盛りあげて!」
全力で歌ってるから結構疲れる。本業のアイドルはこれにダンスもやってるって体力オバケじゃん・・・
ふう、もう一踏ん張りだし、やってやるぜ!
――――――――――
「これでホワイトデーライブは終わりよ。最後まで聞いてくれてありがとう」
拍手に包まれながら幕が閉じる。
終わったーー。もうダメ。クタクタだ。
「ヨミ様、お疲れ様です」
「ありがと、ユキねえ」
ユキねえから水の入ったペットボトルを受け取る。喉もカラカラだ。でも全部出し切った感じがして清々しい気もする。
「しばらくは歌はいいや。もう満足したよ」
「そうですか?もう少し歌いたくないですか?」
なんの冗談だよ。もう十分歌って――なんか聞こえるぞ?
「「「「アンコール!アンコール!」」」」
「え?なんで?」
無理だよ?俺の体力残ってないし。
「ヨミ様、失礼します」
「ほぇ?」
ユキねえに衣装を掴まれたと思ったら、瞬く間に脱がされて別のアイドル衣装を着せられた。ワザマエ!じゃなくて!なんでもう一着用意してあるの!?
「これでいいですね。存分に楽しんでください、ヨミ様」
「ちょ!もしかしてこの展開もユキねえの思い通りになってるの!?」
「さっさと覚悟を決めてください。待たせてますよ」
ユキねえに舞台の真ん中に立たさる。うぐぐ・・・こうなったら仕方ない。腹をくくってやるしかない!あとで覚えてろよ!ユキねえめ!
「仕方ないわね。あと一曲だけよ!」
「「「「ワアアアア!!!!」」」」
クソゥ!やってやらぁ!どこからでもかかって来い!叩きのめしてやる!
「あ゛あ゛あ゛~~~~づがれだ~~~」
「流石にヨミ様も疲れましたか。今夜は穏やかに寝れそうですね」
ライブは大成功に終わり、家に帰ってきていた。ソファの上でとろけるのキモチイイんじゃ~~。
「ああ・・・ヤバい。このまま寝ちゃいそう」
「それとヨミ様。バレンタインのお返しをどうぞ」
ユキねえから渡された物は・・・リボン?なにこれ?
「ヨミ様?ヨミ様からはお返しはないんですか?」
「え゛、ライブじゃ駄目?他に用意してないんだけど」
「駄目です。ちゃんと私のお返しが要ります・・・用意してないのなら仕方ありませんね」
ユキねえにリボンを取られる。・・・なんかイヤな予感がするぞ?
「体で返してもらうしかないですね」
「ちょ、ま!ぎゃあああ!」
一瞬でリボンを俺の体に巻き付け、手足を縛られた。クソォ!最初からこうするつもりだったな!?ユキねえの卑怯者!おたんこにんじん!
『パシャ!』『パシャ!』『パシャ!』
「リボン縛りは王道ですね・・・」
「写真撮らないでよ!それと早くリボン解いて!」
「・・・これが『映え』と言うヤツですね」
「絶対違うよ!誰か助けてぇ!」
結局三十分以上写真を撮られ続けた。散々なホワイトデーだった。
裸リボンじゃないからヘーキヘーキ。
最終話からの落差が酷いね。それと思ったよりも長くなっちゃった。まあ、いいか!
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ツケの末路
エタった訳じゃないんですわよ!か、勘違いしないでほしいですわ!
『キーンコーンカーンコーン』
「ふぅ・・・」
やっと学校終わった~。疲れた~。最近、クラスでさらに浮いてきたんだよね。まあ、別に?俺はボッチでも全然平気だけど?・・・ヘイキだもん。
世界を救ったのはいいけど、二か月間の療養、その前に一回死んでた時も含めたら三か月くらいも学校に行ってなかったから、クラスで浮いちゃったんだよね・・・
しかも、アキハバラキングダムで暴れた美少女の正体が俺なんじゃないかって噂もあるみたいだし。まあ、俺で合ってるんだけど。
「・・・帰りましょう」
教室の居心地が悪い。遠巻きにひそひそ話をされるのって思ったよりツラい・・・
帰ったらどうしようかな・・・依頼でもやって気を紛らわせようかな・・・イノベーターも無くなったし結構ヒマなんだよね・・・
「ヨミー!」『ドスン!』
「ぐぎゃ!」
教室から出たところで、リンに
「イテテ・・・リン、いきなり抱き着いたら――
説教しようとリンの方を見ると、リンは俺の
なんか、その・・・
・・・って、違う!俺が上なの!俺が女の子をリードするの!男のプライド的に俺が受けなんて絶対にダメ!
「ヨミ?大丈夫?顔が赤いわ、熱でもあるの?」
「・・・はっ!?ゴ、ゴホン、リン一旦退いてくれないかしら。これじゃあ私が動けないわ」
クソォ!顔がいいからってとぼけやがって!第一、俺がリンなんかにドキドキさせられる訳がない!ないったらない!
立ち上がって服についた埃を払う。服を汚したら俺がユキねえに怒られるんだぞ。2050年になっても洗濯の大変さは変わらないらしい。
「リン?いきなり抱き着いたら危ないでしょう」
なんかこの
「じゃあ、ヨミ!抱き着くわね!」『ぎゅ!』
「ひゃぁ!」
全然わかってないじゃん!それに急に抱き着くからヘンな声出ちゃったじゃん!
「今ヨミさん『ひゃぁ』って言ったよね!?いきなりそんなカワイイ声出さないで!」
「リンヨミもいいな・・・」
くぅぅ!周りがなんかざわついてんじゃん!リンのハグに嫉妬してるのか!?俺のせいじゃないし!リンの方からやってきたんだし!
「リン・・・その、放してくれないかしら・・・他の人も見てるし・・・」
「ヨミはワタシに抱き着かれるのイヤ・・・?」
「イヤ・・・その・・・」
そんな目で見ないでよ!そりゃあ、俺だって抱き着かれるのは嫌じゃないよ!・・・だって、お胸の柔らかさがモロに・・・
「嫌って訳じゃないの・・・ただ、少し恥ずかしくて・・・」
「ヨミぃ!」『ぎゅうぅ』
あががが・・・首しまってる・・・ギブ、ギブ。
「あ!忘れるところだったわ!ヨミ、約束覚えてる?」
俺を解放したリンがそんな事を言い出した。約束?そんな事したっけ?
「ぜーー、はーー・・・約束?」
「全て終わったらワタシとLBXバトルしてくれるって約束してくれたじゃない!まさか忘れてたの!?」
「・・・ソンナコト、ナイヨ。ヨミチャン、ウソツカナイ」
そういえばそんな約束してたな。すっかり忘れて・・・ないからね?うん、覚えてた。一言一句覚えてたよ?
「ただいま~」
「ヨミ様おかえりなさいませ。今日はリン様も一緒ですか」
「久しぶりね、ユキお姉ちゃん!」
俺はリンを連れて家に帰ってきた。外でもバトルができる場所はあるけど、一般人にイザナミを見せられないし、それに家の方が口調に気を遣わずに済むしね。
「前から気になってたんだけど、なんでリンは『ユキお姉ちゃん』って呼んでるの?」
「私がリン様にそう呼んでもらうようにお願いしたんです。素直で可愛い妹ができたみたいでとてもいいですよ」
「・・・それってどういう意味?俺だってとっても可愛いよ?」
確かに俺はちょーっとだけ元気が有り余ってヤンチャする時もあるけど、リンだってタックルしてくるし、そんなに変わらないと思うけど?
「・・・むぅ、腑に落ちないけどいいよ。それよりもリン、早くバトルしよ!せっかくだし、負けたら罰ゲームとかしない?」
「それだとワタシばっかり罰ゲームしちゃうじゃない!」
「それなら私もリン様と一緒に戦います」
「えっ!?ユキねえも!?」
ッスーーー、それはちょっと・・・キツ過ぎじゃないかなぁ?リンだけなら大丈夫だけど、ユキねえ結構強いしぃ?俺とタイマン張れるのユキねえくらいだしぃ?
「問題ないですよね、ヨミ様?私に黙って
「うぐぐ・・・」
でも、一回しか使ってないもん!それに必要だったんだもん!仕方なかったんだもん!
・・・だけど、よく考えたら俺がユキねえとリンを倒せばなんの問題もないんじゃないか?それどころか、ユキねえを罰ゲームで辱めるチャンスなのでは・・・?
「よっしゃ!いいよ!二人まとめて倒す!俺が勝ったら二人で罰ゲームだからね!」
――――――――――
「やるぞ、イザナミ!」
「頼みますよ、モルフォ」
「アマゾネス、登場!」
あ~~、みんなで口上言うの楽しい。ダンボール戦機の世界にいるって実感するね。
さてと、
「リン様、正面からではヨミ様に勝てません。
「了解よ!」
ま、二体居るんだし、タイマンで俺には勝てないんだから、なにかしら作戦を立ててくるよね。その
「行くわよ、ヨミ!」
アマゾネスが剣を振るう。そこまで重い一撃じゃないし、イザナミだって刀と槍があるから手数も負けてない。
「っぶね!」
だが、反撃しようとするタイミングで、モルフォから銃弾が飛んでくる。動きにくくてしょうがない。
このままじゃジリ貧だ。なにか状況を変える一手を打たないと・・・
「これならどうです!」
「ホワァッ!?」
モルフォの弾が足元に当たると、煙が出てきて視界が遮られる。マズい、後手に回ってる。
次はなんだ?不意打ちか、それとも
・・・この煙を利用出来るかも。さっきアマゾネスは左に居たから、右から回り込んでモルフォに奇襲を仕掛ける。
「そこだぁ!」
煙から飛び出し、LBXに斬りかかる。そこに居たのは――
「掛かったわね、ヨミ!」
「ッ!ヤベッ!」
アマゾネスが刀をガードしたせいで、イザナミの動きが止まり、そこをモルフォが狙っている。
くっ、俺が突っ込んでくる事を読んでたのか!攻撃するしたから前のめりになっている。こうなったら押し切るしかない!
「で、りゃああ!」
「きゃっ!」
斬りかかった勢いを使い、アマゾネスを蹴り飛ばす。無理したから少し体制が崩れたが、まだいける。
「流石ですね、ヨミ様!」『ダァン!』『ダァン!』
「次はユキねえだよ!」
銃弾の中を搔い潜りながらモルフォに接近する。刀と槍で弾を受け流すが、体勢が崩れかかっているせいで衝撃を受け流しきれず、少しずつダメージが蓄積していく。
だが、もう十分モルフォに接近出来た。大きい狙撃銃なんて近づかれたら邪魔にしかならない。
「ユキねえ、覚悟ぉ!」
『ガキィン!』
ギリギリのところで狙撃銃で防がれる。だが、狙撃銃を吹き飛ばす事は出来た。
これでモルフォは丸腰。イザナミの体勢もほとんど崩れているが、構わず槍を構え、モルフォにトドメを――
「どうやら賭けに勝ったのは私達のようですね」
「ぴぇ?」
槍を振り下ろす前に、イザナミはモルフォに羽交い絞めにされた。イザナミは火力と機動力を重視した機体だ。そのせいで耐久力は紙装甲で、攻撃を避ける事を前提に設計されている。つまり『動けない=死』なのだ。
「チェックメイトです。ヨミ様」
「ちょ、放せ!こんなの卑怯だぞ!」
アマゾネスが吹き飛ばした狙撃銃を拾い、動けないイザナミに向かって銃口を向けていた。
「リン様、一思いにやってください」
「ぐ、まだだ!そもそも、その狙撃銃はモルフォ用だからまともに扱える訳が――
「一発で仕留めれば問題ありません。ちゃんと炸裂徹甲弾を装填しておきましたから」
「なぁ!?こんな紙装甲のLBXに撃っていい弾じゃないんだけど!?クソッ!放せェ!ヤメロォ!」
「いっけえぇーーー!!」『ダァン!』
「卑怯だぞオォォーーー!!!」
『リン』視点
罰ゲームの準備をするって、ユキお姉ちゃんがヨミを連れて部屋を出て行ってから二十分くらいが経った。
ユキお姉ちゃんはヨミにどんな罰ゲームをするんだろう?
・・・前のお仕置きよりもスゴイのかな。
「お待たせしました。ほら、ヨミ様諦めてさっさと部屋に入ってください」
「ヤだぁ・・・恥ずかしくて死ぬぅ・・・」
ユキお姉ちゃんに引っ張られて部屋に入ってきたヨミを見ると・・・ちょっとだけドキドキしてきちゃった。
だって、ヨミはビキニみたいな白い水着・・・だけど、ほとんど紐で、水着と言うには布が小さすぎるんだもん。
それに、ヨミの赤い顔を見てると、胸がモヤモヤドキドキして変な感じがする。
「さて、ヨミ様。おやつにしましょうか」『カシャン』
「?・・・って、なんで手錠かけたの!?」
暴れるヨミをよく見ると、背中のところで手錠がかけられていた。
「ホアァッ!ぬ、抜けろ!なんで抜けないんだよぉ!」『ガチャガチャ!』
「大人しくしてください。もっとキツく拘束してほしいんですか?」
「うぅ・・・」
ユキお姉ちゃんの一言でヨミは静かになった。
必死に暴れるヨミもそれはそれでよかったかも・・・?
「そういえば、ユキお姉ちゃん。おやつってどういう事なの?」
「・・・説明するよりやってみた方が早いですね。少しお待ちください」
ユキお姉ちゃんはそう言い残して、キッチンに入っていった。
当然だけど、部屋にはヨミとワタシだけになる。
「・・・く、ふぅ・・・」
ヨミは恥ずかしそうに体を揺らしている。いくら体を揺すっても、手が使えないから隠す事なんて出来ない。
ふと、ヨミにいたずらしてみたいって思った。魔が差すってこんな感じなのかしら?
『ツツーーー・・・』
「ひゃあ!?」
人差し指でヨミの横腹をなぞると、ヨミから声が出てくる。
なんだか面白くなってきちゃった。もう少しだけやってもいい・・・よね?
次はお腹の方を触ってみよう。
「ちょっとリン!あひぃ!くすぐったいから止めて!」
ヨミが身をよじってワタシの手から逃げようとする。なんだかじれったくなってきちゃった。
「あうっ!?」『ドサッ!』
ソファに押し倒してヨミの上に跨ってみる。
こうするとヨミがワタシの物になっちゃったみたい。これでヨミは抵抗できない。イヤって言っても逃げられない。
「んぅ・・・ん、ふぅ・・・ぁ!?・・・くひゅ・・・」
指先でくすぐるように、手のひらで塗り込むようになでる。すべすべでちょっとあったかくてキモチイイ・・・
それに、ワタシの手のせいでヨミの口から声が漏れだしてるって思うと、体がゾクゾクッてヘンな感じがしちゃう。
「お待たせしました・・・おや・・・前戯の邪魔をしてしまいましたか?」
「へっ!?これは違うの!誤解なのよ!」
ヨミにいたずらしているとこをユキお姉ちゃんに見られちゃった!?すっかりユキお姉ちゃんの事忘れちゃってた!それにゼンギ?なんてしてないんだから!
「やはりヨミ様は受けなんですね・・・」
けど、ワタシの下でプルプルしていたヨミはすっごく可愛かった。
小さい水着を着けた白くてしなやかな体が手錠のせいで隠せずに、少し震えながら潤んだ目になったヨミはちょっと、エ、エッチ・・・だったかも・・・
『ウスユキ』視点
「どうぞヨミ様」
「・・・・・・」『プイッ』
まったく、ヨミ様は強情ですね。いつもよりも高級なお菓子を用意してあげたと言うのに。
「どうしたんですか、ヨミ様?どうぞ」
「・・・あー・・・ん」
「美味しいですか?」
「ングング・・・おいしいけどさぁ!こんなの絶対おかしい!餌付けプレイなんてマニアックすぎるよ!」
なにを言っているんだ、このヨミ様は?罰ゲームをするなんて言い出したのはヨミ様なのに。
リン様は先に罰ゲームを楽しんでいたが、それだけで終わるはずがない。まだ私の分の罰ゲームをしていない。
動けないヨミ様を横に座らせ、ヨミ様の口にクッキーを入れる。それしかヨミ様がお菓子を食べる方法はない。もちろん、マイクロビキニと手錠は着けたままだ。
「そろそろ喉が渇きますよね?紅茶を淹れました。少し熱いから気を付けて飲んでください」
「ふーー、ふーー・・・ズズッ」
ヨミ様の口元にカップを持って行き、ゆっくりと傾けて紅茶を飲ませる。
雛鳥のように餌を貰うヨミ様。だが、その恰好は子供なのに酷く欲情的だ。このアンバランスさが堪らない。
「リン様もやってみますか?」
「えっ!?・・・そうね。やるわ!」
Sっ気の強いリン様ならやると思った。・・・私とヨミ様のせいで性癖を捻じ曲げてしまった気もする。
「その・・・ね?流石にリンにされるのは恥ずかしいって言うか・・・ね?」
「ヨミはワタシのクッキーは食べてくれないの?」
「う・・・あ、あーん」
あんな事を素で言ってしまうリン様はつくづく悪い女だと思う。まあ、もっと露骨に言ってもヨミ様はチョロいからいけると思うが。
「ヨミ、おいしい?」
「・・・うん・・・おいしい」
今日はようやくヨミ様を倒す事が出来たし、ヨミ様の可愛い姿も見られた。なんていい日なんだろう。
その後、ヨミ様がトイレに行きたい、と言ってきたので手錠の鍵をなくしたと嘘を吐いてみた。
私が責任をもって、ヨミ様の手伝いをしてあげた。
ヨミ虐回だね。それと今回が実質エピローグだよね。
エピローグで初めて敗北するTS主人公が居るらしい。
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番外編 彼女の初経験
てへぺろ♡ですわ!
「なんかダルい・・・」
今日は朝から調子が悪い。今日は学校に行けたけど、明日もこんな調子なら病院に行った方がよさげかなぁ?
「お腹を出して寝ているから風邪をひくんですよ」
「そんな事してないし!・・・ないよね?」
そんな子供っぽい事してないと信じたい。いや、きっとしてない!おそらく!多分!
「・・・とりあえず薬でも飲んで寝るか」
早めのパブ〇ン♪ってね。意外と2050年まで飲まれ続けてるんだね。
「ちょっと早いけど、もう寝るね。おやすみ、ユキねえ」
「おやすみなさいませ。ヨミ様」
今夜はあったかいオフトゥンでぬくぬく寝よう。
『???』視点
「―――ください。ヨミ様」
ウスユキお姉さんの声が聞こえる・・・いつもより布団が温かく、動いてほしくない・・・
『バサァ!』
「きゃぁ!」
「休日だからと言って、いつまでも布団に包まってないで起きてください」
ウスユキお姉さんに布団を剝ぎ取られる。反射的に布団にしがみつこうと手を伸ばす――手を?
「・・・ッ!?なんで私が動かせるのよ!?」
「寝ぼけているんですか、ヨミ様?」
「そんな事ないわよ!少し待ってちょうだい!」
おかしい。なぜ
まさか、ヨミは昨日の夜に死んで!?・・・そんな事ないわね。心、魂にヨミの存在を感じる。
「一旦落ち着きましょう。慌てても仕方がないわよね」
「よくわからないイタズラですね・・・」
「――と言う事なのよ。オカルトじみた話だけれど、本当の事よ。決してヨミのイタズラなんかじゃないわ」
「・・・なるほど。大体理解しました」
状況整理も兼ねてウスユキお姉さんに私の事を説明した。魂が――とか、胡散臭い話だけれど、とりあえず話を聞いてもらえた。
・・・そもそも、彼が重度の変人だから話を合わせただけなのか?
「こんな話すぐには信じられないわよね・・・証拠がある訳じゃ『グゥ~~』
「・・・ひとまず、朝食にしましょうか」
今の音って私のお腹がなった音!?確かに起きてからなにも食べてないけれど!私はそんなに食い意地張ってない・・・はずよ!
「ちが、別にお腹が空いた訳じゃ『グゥ~~』・・・うぅ・・・」
――――――――――
「んん~~♡美味し~~♡」
「これが『メシの顔』ってヤツですか」
食事がこんなにも楽しいものだったなんて!ヨミの感覚越しに大体の味は知っていたけれど、全ての感覚が共有されてはいなかったようね!五割増しで美味しく感じるわ!
「いつもヨミはこんなに美味しい物を食べてたなんて!ハム・・・グ!?ンググ!」
「そんなに急いで食べるから喉に詰まるんですよ・・・」
「ンン・・・ゴクッ、凄いわね!ちゃんと苦しいわ!これが生きてるって事なのね!」
「ヨミ様並みに残念な人ですね・・・そういえばなんて呼べばいいですか?ヨミ様ではないのでしたら、違う名前で呼んだ方がいいですか?」
なにか聞き捨てならない事が聞こえた気がするけれど、まあいいわ。今の私は機嫌がいいのよ!
「私の事は『イザナミ』と呼んでちょうだい。ヨミからもそう呼ばれているわ」
「わかりました。それでイザナミ様、ヨミ様は今どうなっているんですか?」
「感覚的なものだけれど、ヨミの魂は生きているわよ。一時的に私がヨミの体に入っているだけ。心配しなくてもその内元のヨミに戻るわよ」
それにしても、この体になにが起こったのかしら?一つの肉体に二つの魂が宿ってる時点でかなりおかしいけれど、肉体の主が変わるなんてそう起こる事じゃないはず。
私の気付かない所で、ヨミがなにかやらかしたのかしら?
「・・・わからない事を考えても仕方ないわね。せっかくだし、色々やってみようかしら」
「嫌な予感がしますね・・・」
「そんな事ないわよ。ウスユキお姉さん、私とデートしましょう?」
「ヨミ様と違って普通のデート先ですね」
私がデート先に選んだ場所は『トキオシアデパート』だ。ここには沢山のブティックがあり、ウインドウショッピングをしてみたかった。ヨミは基本的にオシャレに無頓着で、私としては不服だったのよね。
「ふふ、うふふ・・・マズいわね。頬が緩んでしまうわ」
「ヨミ様の顔でニヤつかれると不安になりますね」
始めて自分の目で見る世界は、どれも真新しくて刺激的に思える。・・・あ、あの雑貨屋の雰囲気カワイイ。
「って、いけない。あんまり寄り道していると時間がなくなってしまうわね」
後ろ髪を引かれる思いだけれど、目的の場所に急ぎましょう。他にもやってみたい事は沢山あるのだから。
――――――――――
「どう、似合うかしら?」
そう言ってウスユキお姉さんの前でポーズをとる。
「とても似合ってますよ」
黒い柄付きのオーバーサイズパーカーとショートパンツでちょっと不良のような雰囲気のコーデだ。この体は素材がいいから色んな服が似合って楽しい。
他には、レースブラウスとカーディガンでゆるふわコーデ、トレンチコートと伊達メガネで大人ファッションだったりと、ジャンルを問わず沢山見たり試着してみたりした。
「一通り試したけれど、全部買いたくなっちゃうわね」
「多少なら買えると思いますが、どうしますか?」
「うーーん・・・止めておくわ」
ヨミは無駄にクレジットを貯め込んでいるから、十着でも二十着でも買えると思うけれど、私の代わりに生きてもらっているし、流石に悪いわよね。
――――――――――
私が「下着を買いたい」と言ったので、次は下着売り場に来た。
ヨミは女性下着に耐性がないので、可愛い下着なんて持っていない。私は『もう少し可愛い下着を身につけたい』と常々考えていた。この際、可愛い下着を確保しておこう。
そもそも、ヨミは前世が男だったから女性下着に抵抗があるのは仕方ないとして、体育の授業の為、着替えている最中にクラスの女子達の下着をチラチラ見ていた時は怒りを通り越して呆れてしまった。だから童貞なのよ。
「思っていたよりも沢山あるのね。・・・これなんて可愛いデザインじゃない?」
目についた下着を手に取る。リボンがあしらわれていて可愛らしい物だ。これくらいイマドキ普通だと思うのだけれど、ヨミは無駄に顔を赤くしながら視姦するんでしょうね。これだから童貞は。
「これも可愛いわね。でも、私よりもウスユキお姉さんの方が似合うかしら?」
黒いレースのついた大人っぽい下着。大胆なデザインを見る限り勝負下着にする人が多そうね。
ウスユキお姉さんは綺麗なのだし、これだけ派手な下着でも似合うと思う。
「・・・そんな事ありません」
「確かに胸のサイズが合ってなさそうね。・・・店員さん、これのもっと大きいサイズありますか?それと試着したいのだけれど」
「ちょっと、イザナミ様!?勝手に話を進めないでください!第一、私には似合いませんから!」
「そんな事ないわよ。・・・それといつもヨミが迷惑掛けているし、これくらいはプレゼントするわよ?」
代金はヨミのポケットマネーで支払うのだが。私だっていつもヨミに振り回されているのだから、少しくらいクレジットを使わせてもらいましょう。(手のひら返し)
・・・『他の女の子の服を選んでみたかった』などの下心も多少はある。
「いい加減試着したわよね?」
「・・・いえ、まだです」
店員から受け取った下着をウスユキお姉さんと一緒に試着室に放り込んでから、かれこれにニ十分以上経つ。すっかり待ちくたびれてしまった。
「開けるわよ?それに一人だと付けられないのなら手伝うわよ」『シャッ』
「え!?あ、駄目です!」
試着室のカーテンを開けて中を覗くと、ウスユキお姉さんは既に下着を試着していた。私と目が合うと、耳が赤くなっているように見える。
「・・・なるほどね」
なるほど、なるほど。これは、これは。
「うぅ、似合ってないならはっきり言ってください・・・」
「そんな事ないわよ。よく似合っているわ。ちゃんと可愛いのだから自信を持って?」
スタイルがいいウスユキお姉さんにこの下着を勧めて正解だったわね。だけれど、中々にアダルティックでヨミには刺激が強すぎるわね・・・
「・・・脂肪が付く所が偏り過ぎじゃないかしら」『むにゅ』
「ひゃっ!?」
なんでこの体は胸が貧相なのかしら?ウスユキお姉さんと同じ物を食べているはず・・・絶壁ではないけれど、ささやか過ぎるのも寂しい。
「クッ・・・」『もにゅ、たゆぅ』
「ッ~~~!もう駄目です!おしまいです!」
ムネか・・・ムネなのか・・・ちぃ
再び閉じられたカーテンを尻目に、さっきまで手に感じた感触を思い出していた。
結局、私の下着だけ購入した。似合っていたから非情に残念だ。
――――――――――
「本当に
「必要です。下着売り場の仕返しも兼ねていますので」
カフェに入る前に動画を撮られた。かなり濃い内容の動画を。
「お待たせしました~」
注文した料理が私達の居るテーブルに届く。
昼食を取りに、美味しいパフェがあると言うカフェに来ている。ヨミはスイーツに関心が薄く、味わう機会が少なかった。
「これが、私だけのスイーツ・・・!」
「・・・そんなに頼んで食べられるんですか?」
「無論よ。甘い物は別腹って言うでしょう?」
たかがパンケーキ一皿と、ケーキ一個じゃない。それともちろん、デザートにパフェも注文したわね。これくらい女の子なら普通でしょう。
そう言うウスユキお姉さんはオムライスだけで足りるのかしら?
・・・足りなくても私の可愛いスイーツ達はあげないわよ。
「あー、はむ・・・はぁ・・・しぁわせぇ」
「ふぅ、満足したわ」
「本当に食べ切りましたね・・・あの量のスイーツはどこに入っているんでしょう?」
甘いものは人の心を豊かにするわ・・・
スイーツさえあれば世界平和が実現するんじゃないかしら。だってこんなにも美味しいのだから。
「次はどこに行くんですか?」
「確か、猫カフェがあったわよね。そこに行ってみたいわ」
――――――――――
「あ~♡可愛いでちゅね~♡よしよ~し♡」
「グルグル・・・」
猫ってなんでこんなにもモフモフでカワイイのかしら?
・・・食べちゃいたいくらいカワイイわね。
「ニ゛ャ!?フシュー!」
「きゃ!?待って!行かないでぇ!!」
私を置いて行ってしまった・・・さっきまで大人しく撫でさせてくれたのに・・・
「・・・なにしてるんですか」
「ウスユキお姉さん聞いて!いきなり猫が逃げちゃったのよ!」
私ただ猫を
「・・・猫の気持ちになって考えてみてください」
「猫の・・・気持ち?」
一理あるわね・・・でも、どうやって猫の気持ちになるのかしら?猫の気持ち・・・猫の・・・ネコ?
「あんな殺気を出したら――「そういう事ね!」
部屋の隅にある、あのアイテムを使え、と言う事ね!その為のアイテムだったとは気づかなかったわ!
「って、違います!こういう事じゃありません!」
「よし、行くわよ・・・!にゃーん♪」
「・・・ッ!?」
私は猫。私は猫。私は可愛い猫になったのよ!
「にゃ~ん、にゃにゃん♪」
猫ちゃ~ん、一緒に遊びましょう?怖くにゃいわよ~?ほーら、こわくにゃい・・・コワクニャイ・・・
「ニャ・・・ミ゛ャーー!!」
「ああっ!」
もう駄目なのね・・・私は所詮捨てられた女よ・・・
「・・・・・・はぁ」
まあ、いいわよ・・・猫は見ているだけで癒されるもの・・・
「次はウスユキお姉さんがやって、って、鼻血出てるわよ!?」
「・・・ハッ!す、すみません!」
一体どうしたのかしら?あのしっかり者のウスユキお姉さんがぼーっとしていたなんて。
それはそうと、猫可愛い・・・
『ウスユキ』視点
「イザナミ様?起きてますか?」
「・・・・・・もっと・・・スイーツ・・・むにゃむにゃ」
・・・寝てしまったようですね。一日中はしゃいでいたのだから仕方ないだろう。
帰って来るなりソファで寝てしまうなんて、小さな子供のようだ。
いや、イザナミ様はある程度は外の事を知ってはいても、初めての経験だったに違いない。
「とりあえず、ベットに連れて行きますよ」
イザナミ様を抱きかかえ、起こしてしまわないようにヨミ様の部屋に連れて行く。
「・・・ぅん・・・お姉ちゃん・・・」
・・・・・・落ち着け。今、鼻血を出す訳にはいかない。しっかりしろ、ウスユキ。
「・・・ふぅ」
なんとか耐えきった。不意打ちであんな破壊力のある事を言うのは反則だと思う。
腕の中の寝息を聞いていると、あっという間にヨミ様の部屋に着いてしまった。
扉を開け、ベットに寝かせる。静かに布団を掛ける。その姿はどこかのお姫様のようだ。
「おやすみなさいませ、イザナミ様」
そう声を掛け、ゆっくりと扉を閉めた。
『ヨミ』視点
「・・・んん~?ふぁああ~~ぁ」
朝か・・・ねむ・・・いつもより三十分早いじゃん・・・
って、トイレ行きたい。しょうがない、起きるか・・・
『グチョ』
・・・お股に猛烈な不快感を感じる。もしかして漏らした?
恐る恐るパジャマをめくる――
「ぎゃあああ!!」
血!blood!お股が血まみれになってる!?
あれか!?生理ってのがきたのか!?それにしても血の量多すぎない!?絶対どっかヤバい事になってるって!
「あばっば↑ばばばば↘!?ユキねえ!助けてぇ!」
「ヨミ様!?どうしたんですか!?」
「ユキねえ!俺もう先が長くないかもぉ!」
「落ち着いて説明してください!一体なにがあったんですか!?」
そう言うユキねえだって落ち着いてないじゃん!説得力ないよ!
―――TS美少女クールダウン&説明中―――
「大丈夫です。個人差はありますが、それくらい血が出るのが普通です」
「・・・ほんとぉ?病気じゃない?」
「大丈夫ですよ・・・あぁ、お赤飯を炊かなくては」
マジぃ?ホントのホントに大丈夫なの?ユキねえの事信じるよ?もしもこれのせいで死んだら祟るからね?
「それとヨミ様、昨日の事覚えてますか?昨日の出来事がトリガーになって生理がきたのかもしれませんし」
昨日は確か・・・調子悪かったけど頑張って学校行った日でしょ?それくらい覚えてるよ。
「覚えてるよ?昨日なんかあったっけ?」
「その様子だと覚えてなさそうですね。昨日撮ったヨミ様の動画があるので見てみてください」
ユキねえがCCMを見せてくる。昨日?俺は撮らせた記憶ないけど。まさか盗撮したんじゃないよね?
『わ~~♡パフェですぅ♡美味しそうですぅ♡甘々スイーツ♡ヨミ、甘々スイーツ大好き♡・・・なんでこんなこと言わないとパフェが食べられないのかしら』
「ぶふぅっ!?」
そこには頭のワルそうな事を頭のワルそうに言っている俺の姿が記録されていた。
「ちょっ!なにそれ!?とりま消して!」
「嫌です」
あんな物を残しておけるか!命に代えても消し去ってみせる!
「うおぉぉ!!消せぇーー!!」
しばらくユキねえの周りをぴょんぴょん飛び跳ねていたが、結局動画は消せなかった。
ゆずソ〇ト回になっちゃったんだよね。仕方ないよね。
それとイザナミちゃんのポンコツ化(ヨミちゃん化)が止まらないね。こんな予定じゃなかったのに。
生理の事は別に伏線じゃないです。そういえばこんな事書いたな。ってなって後付けした設定だからね。
ユキ×イザをすこれ。(唐突)
それと、一話完結で書いてほしい話があれば言ってね。作者がビビッとくれば書くかもね。(ネタ乞食)
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アフター? ・・・おや!? ヨミのようすがBBBBBB
2055年、ダンボール戦機ウォーズの話ですわよ!
IF的な?お話ですわ!
『とある女子生徒』視点
『キーンコーンカーンコーン』
「それでは授業を終わります。各自復習しておいてください」
ん、んっ~~~!やっと授業終わった~~。もうお腹ペコペコだよ~。今日のお昼はなっにかな~。
ん?アタシ?アタシは『神威大門統合学園』の2年6組、
「ユキせんせーも一緒にお昼食べませんか?カナエもどう?」
席を立つと、クラスの女子から声を掛けられる。
「アタシはいいよ!ユキ先生は?」
「ふむ・・・いいでしょう。昼食は皆さんとご一緒に食べましょうか」
やった!ユキ先生も一緒だ!せっかくだし、色々ば話を聞いてみたいな。ちなみに、ユキ先生はアタシのクラスの担任兼家庭科の先生で、アタシ達の所属するMSFの副司令官。
って、そんな話を今はどうでもよかったね。それよりも~お昼ご飯だ~♪
ユキ先生とクラスの女子数人で学園中央にある食堂に来た。
皆でご飯を受け取ってテーブルに行くと、ユキ先生がお弁当箱を持って席を確保しておいてくれていた。
「ユキ先生はお弁当なんですか?」
「はい、偶に自分で料理をするので、その時に作り過ぎてしまった余り物なんですが」
へぇー、でもお弁当とっても美味しそう!家庭科の先生なだけあって料理が上手なんだなぁ。アタシあんまり料理は得意じゃないから憧れちゃう。
「そういえばぁ~ユキ先生ぇは~、あのぉ『イノベーター』と戦ったって、ほんとですかぁ~?」
「本当の事ですが、ヨミさ・・・ゴホン、
「えっ!?本当!?アタシ初めて聞いたんだけど!それにバンってあの山野 バンのこと!?」
ユキ先生って昔そんな事してたの!?道理でLBXが強いと思った!でも、
「もしかしテ、
「「「「きゃあ~~!!!」」」」
アタシもその場のノリに合わせて黄色い声を上げる。ユキ先生の彼氏さんかぁ~。どんな人なんだろ!?
「違います。そんな浮ついた関係じゃありません」
「ええ~?じゃあどんなカンケイだったの~?」
彼氏さんじゃなければ・・・もしかして彼女!?MSFの女子の割合が多い理由ってユキ先生のシュミ!?
「だからそんな浮ついた物じゃないですよ・・・私の妹です・・・」
「って、ユキせんせー妹居たの!?」
これも初耳!ユキ先生の妹さんかぁ~~。やっぱりスタイル良くて綺麗なんだろうなぁ~!
「あんまり言いふらさないでください。ヨミさ・・・彼女から口止めされているんですから」
「それデ、センセイの妹ってドんな人なノ?」
「そうですね・・・一言で言うなら『傍若無人』ですね。いつも私は振り回されていました」
・・・え?思ってた答えと違う・・・
妹さんを思い出したのか、ユキ先生の眼から光が消えていた。
「へ、へぇ~そうなんだぁ。そ、そういえばぁ~あのウワサ知ってるぅ~?」
「あ、あれでしょ!『黒い髪の少女の亡霊』!」
あの話題はこれ以上深掘りしてはいけない。
それで『黒い髪の少女の亡霊』は最近、学園で流行ってる噂。神威島で死んだ少女が校内と寮を徘徊してるってヤツ。なんでも、その少女は息をするのを忘れるほど美しいって。
「・・・いえ、知りませんね」
「ええ~、ユキせんせー知らないの?殺された黒髪の女の子が島中徘徊してて、殺した奴に復讐するために誰かれ構わず襲うんだって!」
「そぉんな話だっけぇ?」
アタシが聞いた話もそんなんじゃなかった気がするけど?誰かが脚色したのかな?
「・・・あまり聞きたくないのですが、その少女の見た目は?」
「えエっと、ワタシ達くらいノ身長デ、黒いワンピースを着テる・・・だっケ?」
「はぁ~・・・ヨミ様ですね・・・わかりました」
話を聞いたユキ先生が目に見えて元気がなくなった。眼が死んでる・・・
「もしかして、ユキ先生って怖い話苦手だった?」
「いえ、平気です・・・きっとLBXの邪神でしょうし。それと知っていますか?邪悪な霊をから身を守るために、あえて怖い物を用意するんです。今度その霊に会ったら怖がらせるといいでしょう」
「あははは!LBXの邪神って!ユキせんせーも冗談言うんだね!」
『ウスユキ』視点
はぁ・・・ヨミ様は一体なにをしているんですか・・・
どうせ、『サプラーイズ!どう?びっくりした?』とかほざくんでしょうね・・・
一年前、ヨミ様が私をこの学園の教師にした後、『レックスが情報掴んだらしいから、ちょっと行ってくる!』と言い残し、私にMSFと言う仮想傭兵組織の運営を押し付けていなくなった。
それから私は苦労の連続だった。クラス担任、教師の仕事、MSFの副司令官、全て丸投げされたのだから当然だ。
それなのに、ヨミ様は私に謝りに来ないで島中をフラフラしている。
・・・これはお仕置きをしなくてはいけなせんね?
今回はそうですね・・・縄で縛って一時間程放置してみましょうか。縛る前に紅茶でもたらふく飲ませてもいいですね。
「ふふふ・・・私を怒らせた罪は重いですよ。ヨミ様・・・!」
『ヨミ』視点
「・・・っくし!・・・ずずぅ」
うーーん、風邪ひいたかなぁ?
ゴホン、あらためて・・・私、東奏 ヨミ!18歳!人知れず世界を救っちゃった♡きゃっ♡
うん、もう18なんだ。前世の年齢と同じになっちゃったんだよね。なのにいまだDT。それどころか12歳の時から成長が止まって合法ロリになりかけてる。お胸の大きさも据え置き。
こんな体でもエッチしてくれる可愛い女の子どっかにいない?・・・でもこんなロリボディで興奮するのってロリコンだけじゃない?ロリコンはちょっと嫌だなぁ・・・
くだらない話はさておき、ここまでのあらすじを説明しちゃうZO☆
結局『ディテクター』こと『オメガダイン』は出てきた。だけどレックスの妹、檜山 真実はいなかったけどね。おかげでガーダインをボコるだけだからラクに片付いた。
それと『アダム』と『イブ』のAIは消去せず、俺が責任を持って飼う事にした。
悲報・ミゼル編全カット。
で、『セカンドワールド』及び『神威大門・・・なんちゃらを創設する時に俺が一枚噛んで、アダムとイブのAIをセカンドワールドの管理AIにした。
だから人柱なんてないし、ついでに代理戦争もなくした。
ま、そのせいか『ロストエリア』じゃなくて『エデン』って名前になっちゃったけど。
それと、築いたコネとレックスに協力してもらって『ワールドセイバー』をボコった。
全て片付けて、俺は神威島に帰ってきた。これからはMSFの
↑
いまココ
って、感じかな。レックスが生き延びたおかげで大分イージーモードだったね。身の回りの世話もしてもらった。妹の真実の料理も思ったよりも美味しかったし。まあ、ユキねえには劣るけどね!がはは!
「・・・へっ、へくちっ!」
うぅ、ユキねえに俺が帰ってきた事を匂わせる為に、神威島の幽霊ごっこしてたけど、ワンピ一枚だけだとちょっと寒い・・・
それに夜の学校とか、ほんのちょっと、少ーーしだけ怖かった。雰囲気ありすぎでしょ。こちとら時差ボケで疲れてるのに。
『ブルブルッ!』
急に寒気が・・・だがまだだ!ユキねえがこの道を通って帰るのはリサーチ済み!美少女ヨミちゃんが華麗に登場する為にガマンだ・・・!
「随分楽しそうですね?ヨミ様?」
・・・おかしいなぁ。背後からユキねえの声が聞こえた気がするなぁ?
俺のカンが『後ろに振り返るな』って言ってるなぁ?
「あは、あははは・・・」
「ふふふふ・・・」
えっ?今からでも入れる保険があるんですか!?・・・ないですか。そうですか。
よし、逃げよう。ここで死ぬ訳にはいかない。
『ガシッ!』
「ヨミ様?逃げられると思いましたか?」
みんな・・・俺が生きてたらまた会おうな・・・
「たっぷりお仕置きしてあげますからね?」
「ヤだ!!死にたくない!!死にたくな―――
ふぅ・・・(賢者タイム)
これで作者が書きたかった話は全部書けたかな。
次の投稿予定は今の所ないです。気まぐれで書くかもしれませんがね!
それにしてもキタネェ終わり方だね。ヨミちゃんらしいっちゃらしいけど。
セカンドワールドに傭兵組織あってもよくない?ってなって、スラングまみれなヨミちゃんはこれくらいするでしょ。って思ったから書いた。(告白)
それと、冒頭女子四人の口調を頑張った!誰が喋ってるのか分かるようにしたかったの!名前はない!付けてない!
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メリー・クルシメマス!
「はああぁ~~・・・コタツしか勝たん・・・」
冬はコタツムリになるに限るわ~、ホント。
なぞの美少女としては0点だけど、コタツの魔力には勝てなかったよ・・・
「コタツに入ったまま寝ないでください。風邪をひきますよ」
「だいじょぶ、だいじょぶ・・・ふぁああ~~」
「既に大丈夫ではなさそうなんですが・・・そういえばヨミ様。今年のクリスマスイブはどうするんですか?」
「どうって?」
今のところ、まだ、来年は違うけど、カノジョがいないから家でユキねえと過ごすと思うけど?その他に選択肢あったっけ?
「どこかに行きたいとか、リン様も呼んでクリスマスパーティーをするとかです」
「ああーー、そういうことね。クリパはありだなー・・・明日学校で誘ってみよっかな?」
モデルやらなんやらで忙しそうだけど、ダメ元で聞いてみるか。
こういう行事に誘い忘れると、その後に捨てられた子犬みたいなテンションになるんだよなぁ。
『キーンコーンカーンコーン』
「っし、リン探しにいくか」
メールとかで聞いてもよかったんだけど、もしオッケーだった場合メールで予定の確認するのめんどいし。
だったら直接会いに行った方が早いよね。
リンの教室はー・・・上の階か。階段だる。
リンはあれでも上級生だから、教室のある階も違うんだよな。中三にしては落ち着きがないし、どことなーく犬っぽいし、先輩よりも妹っぽい感じ気がする。
・・・よく考えたら、俺の方が精神年齢高いじゃん。俺、お姉ちゃんじゃん?
っと、この教室か?ヨミお姉ちゃんがきたゾー。
・・・そういえば、リンの席どこだ?見てもわからんし、教室にいる子に聞くしかないか。さっかくだし女子に聞くか。男に聞いてもなんも嬉しくないし。
「そこの貴方、少しいいかしら?」
あ、学校だから美少女モードだぞ。
「キレイな子・・・じゃなくて、えっと、なに?」
「リンはいるかしら。彼女と話しておきたいことがあるの」
「ああ、リンちゃんのファン?学校だとあんまりファンサしてくれないよ?」
誰がファンやねん。どけ!俺はリンのダチだぞ!
って違う。どかすんじゃなくて、リンの席聞くんだった。
「私はファンに見える、そう言いたいのかし――「あ!ヨミ!ヨーーミィーー!」
「ぐべっ!?」
聞く手間は省けたけどさ・・・俺を見つけるとタックルする癖止めてほしい。マジで。そのうち骨折れる。
「・・・リン、その癖は治しなさい」
「だってヨミに会えたの久しぶりなのよ!」
確かにちゃんと会うのは久しぶりだけどさ。『だって』じゃないからね?マジで骨折れるからね?ワンチャン、骨折属性か・・・うん、ないわ。ただのカルシウム不足キャラやんけ。
「こんなことを言いにきたんじゃないの。・・・その、一緒にクリスマスパーティー、なんてどうかしら・・・?」
「ッ!!・・・ヨミ・・・ヨミ゛ィ~~~」
ふぁ!?なんで泣く!?今の会話に泣く要素あった!?
ってか、ちょっと待て。人目のあるところで泣かれると色々マズいんだけど!?もしも、俺がリンを泣かせたとユキねえに知られたら、どんな惨い
「ちょ、ちょっとリン。お、おち、落ち着いて?ほ、ほら、ここで泣くのは、ね?」
「ううっ、ヨミ゛・・・ヨ゛ォミィーー!」
だからなんで泣くんだよぅ!俺はどうしたらいいんだよぅ!泣き止んでくれないと、俺もユキねえに泣かされるんだよぅ!
「とっとと、とと、とりあえず!ぃ、移動しましょう?」
とりま、人目のないところに移動しよう!あんまり騒ぎが大きくなると、ユキねえに知られる可能性も上がるし!
お仕置き確定な、んてことは、絶対に避けなければ・・・
「ほっ、ほら、リン行くわよ・・・?」
「ごめんなさい、ヨミ。ワタシ、その・・・グスッ」
「わかってるから。もう泣かないで、リン」
マジマジのマジで。保険の先生がいるからできないけど、土下座してもいいから泣かないで頼むから。
「ほら、鼻かみなさい」
「う゛ん・・・ずびーーん!」
すっげー音出して鼻かむじゃん。リンも俺と同じくらい美少女なのに、そんな音出しちゃダメでしょ。
「・・・それでリン?どうして泣いてしまったのかしら?」
コレガワカラナイ。
「ヨミが、ワタシをヒック・・・誘ってくれたのが、嬉しくて」
「そう、だったの・・・?」
そんな理由でユキねえにお仕置きされたら、たまったモンじゃないけどね。まあ?リンだから特別に許してあげるけど。
「でも・・・ワタシ、24日と25日はお仕事があって・・・」
「いや待て・・・ゴホン、結論を出すのはまだ早いわよ」
あっぶね。美少女キャラが剥がれかけたわ。
「確かに、クリスマスパーティーのお誘いだけれど、クリスマス当日じゃなくてもいいの。最初からリンも忙しいと思っていたし、空いてる日があるなら、その日にすればいいわ」
「ヨミ・・・いいの?」
「私は最初からダメなんて言ってないわ。リンさえよければ、の話よ」
「ヨミーーー!」
「ごえっ!?」
だから・・・タックル止めろって・・・きれいに鳩尾にッ、入って苦しいッ・・・!
「ヨミ、ワタシ・・・ワタシも行かせてもらうわ!」
「わか、ったから・・・もうちょい緩めて」
わかったから、抱き着くな!
・・・やっぱ、もう少しこのままで。女の子のいいニオイするし・・・それにリンの成長途中の柔らかな山を感じるッ!無自覚系も、存外にイイ物だッ!
「ヨミー♪」
「・・・・・・」
ちょっともったいない気もするけど、そろそろいいや。ユキねえにバレた時が怖いし。や、でも、もうちょっとだけ・・・
「・・・・・・リン?」
「えへへ♪なに着ていこうかしらぁ・・・」
ちょっとリン?ギブアップなんですけど?
いい感じに俺の胸が締め付けられて、息が苦しくなってきたんだけど!?
「ギブギブ!ちょっ、リン!?」
その後、10分くらい圧迫されて、よくやく解放してもらった。
「ユッキねえー!たっだいまー!」
「・・・お帰りなさいませ、ヨミ様」
んん?なんかユキねえのテンション低くない?せっかく、クリパにリンも来ることになったのに。
「どったの、ユキねえ?」
「いえ、ただ単にヨミ様が上機嫌だと、大抵ロクなことが起きないので」
「流石にヒドくない?」
「・・・自分の行動を振り返ってから言ってください」
悪の組織と戦ったくらいでしょ?それくらいなら別によくない?
「って、そーじゃなくて!クリパよ、クリパ!リンも23日なら空いてるって」
「そうならそうと、最初から言ってくれたら、私も無駄に警戒しなくて済むんです」
そんな露骨に『安心したわ~』みたいな態度とらなくてもよくない?
第一、こういう流れで俺がユキねえを巻き込んだことなんて・・・
・・・まあ、今は過去のことなんてどうでもいいんだよ。
今大事なのは、23日にリンも呼んでクリパするってこと。
「・・・そういえば、ヨミ様。誘ったのはリン様だけですか?」
「うん?そうだけど?」
「・・・他に誘う友達いないんですか?」
「・・・・・・いるし。
なにをいってるんだゆきねえは。まったくこまったものだなぁ。
「でしたら、明日また誘ってみたらどうですか?」
「・・・それは違くない?それにほら、リンってそれなりに有名人だし、俺とユキねえだけの方が気楽かなーって」
「・・・・・・はぁ、それでいいですよ」
なんでユキねえが折れてあげた、みたいな雰囲気になるわけ?いるし!広義的に、長い目で、少しくらいは友達いるし!
「ユキねえはもっと俺のことを敬ってくれてもいいと思うんだけど?」
「すみません、ヨミ様。なにを言っているかわかりません」
あああ!屁理屈?*1ばっかり言いやがって!
この恨み、覚えとくからな!
「それとヨミ様。リン様になにかプレゼントするなら先に相談してください」
「・・・俺のセンスを疑ってる、ってコト?」
「完全に否定はしませんが、リン様のご両親からプレゼントの相談を受けたので、私に聞いてくれましたらプレゼントが被りませんので」
なんでリンの親は、リンと仲が良くて年の近い俺じゃなくて、ユキねえに聞いたんだ?
そこはフツー俺に聞いた方が正確じゃない?なーんか解せぬわー。
「ま、いいか。プレゼントあげるのは俺もいいと思うし。ちな、リンの親はなに用意してるの?」
「ちょっと待ってください・・・このLBXのコアパーツらしいです」
そう言ってユキねえがCCMの画面を見せてくる。
なになに・・・『RC-1ライガー』ってなにこれ?俺もLBXプレイヤーと端くれとして、コアパーツも一通りチェックしてるけど、こんなパーツ知らんぞ・・・?
「ちょいちょい、詳しく見たいからこっちにリンク送って」
「・・・?わかりました」
ふーーむ、販売ページは特におかしいところはナシっと。セールで若干安くなってるけど、それでも値段の割に性能がいいのが怪しいんだよなぁ。どっかにボロが出てるはず・・・
「むむむ・・・ムムッ!!」
「なに唸ることがあるんですか」
「フッ・・・この名探偵ヨミには、そんな手は通用しないぜ」
「・・・・・・」『ベチッ!』
「いったあ!?」
無言でデコピンするなよ!するならするって言え!と言うか、そもそもするなよ!
「すみませんヨミ様。イラっとして、つい」
「つい、じゃないよ!それで済んだら、ニューヨークポリスデパートメントは要らないだYO!」
「はぁ、それで、そのコアパーツがどうしたんですか」
スルッと話を逸らしやがって・・・この恨み(ry
「・・・多分これ、詐欺だよ」
「かくかくしかじかと言うわけで、オタクロスに色々調べてほしいんだよね」
「いやデヨ」
「もう一回だけ言うからね?このパーツ売ってるヤツを特定してほしいんだけど」
「丁重にお断りするデヨ」
チッ・・・頑固な老人ほどめんどいモノはないわ。
「・・・オタクロスが俺の
「・・・そんなものナイデヨ」
「その1、コイツの被害者にリンがいること」
「ム・・・」
「その2、オタクロスが
「それは脅しデヨ!この忙しい時期にそんなことをするなデヨ!」
脅しじゃないし。ちょっとした腹いせだから、脅しじゃないですしー。
どんな手を使ってでも、協力してもらうからなァ!
「だったら、俺の
「わかったデヨ・・・最悪の年末デヨ・・・」
まーまー、そう言うなって。俺とオタクロスの仲だろ?それにほら、いい事するって気持ちいいじゃん?
だから無賃労働くらい気にならないって。*2
「ヨミ様、今度はなにを企んでるんですか・・・」
「企んでなんかないって!俺は世のため人のためにだね」
「そのセリフからして、胡散臭いです」
一晩経った次の日の昼頃に、オタクロスが住所を特定して詐欺のデータと一緒に送信してくれた。
で、さっそく詐欺ヤロウの家にイザナミを乗せたドローンを飛ばしてるってわけ。
だいじょぶ、策はある!このヨミちゃんにどーんと任せとけ!
「・・・案外ぱっとしないなぁ」
大豪邸なんて期待してないけどさ。ちょい古めのマンションの一室で詐欺パーツを売りさばいてるっぽいんだよね。
今度こそ、ちゃーんと脅して、罪を償ってもらうからな!首を洗って、貯金残高を確認しておけよ♡
「げっへっへっへ・・・たんまり巻き上げてやるぜぇ!」
「どっちが悪者かわからないですね・・・」
侵入経路は・・・まあ、ダクトでいいか。LBXで潜入といったらダクトだもんね。
「こっちのはずーっと、ここっぽいな」
何やら工具が並んでる部屋発見!お、丁度パソコンもある。俺に許しを請う準備は万全だね。
テキトーに部屋の写真と撮って、証拠を集めつつ、イザナミで直接パソコンをハッキング!
オタクロスにハッキングしてもらってもよかったんだけど、脅しの材料として写真が欲しかったし、そこまでオタクロスにそこまで手間かけさせるのもよくないかなって。
やっぱ、良心が痛むっていうかね?
パソコンから情報抜いて・・・アプリ仕込んで、これでヨシ!もう逃げられないぞ♡
『ん?物音・・・そっちの部屋は!』
お、詐欺ヤロウも家にいたのか。後で連絡してやろうと思ってたけど、手間が省けるね。
『おい!誰だ!』
てってれー!本日から被害者になる、詐欺ヤロウ君でーす!・・・うん、ただの冴えないおっさんだな。
そいじゃあ、ハッキングしたパソコンから音声出力するか。そっちの方が音質いいし。
「・・・こんにちわ。哀れな詐欺師さん。先に言っておくけれど、これ以上私の機嫌を損ねない方がいいわよ」
『んだと!なにを勝手に!』
「はぁ・・・私、やかましい人は嫌いなの。それに貴方は物分かりが悪いようだから、単刀直入に言ってあげるわ。貴方、LBXのコアパーツで詐欺をしているでしょう」
『んな!?・・・なにを根拠にそんなこと言ってるんだ!』
うっせ!やかましいわ!部屋の物を見るに、どっかから安物パーツ買ってきて、外装だけ取り替えてるだけだろ!
「証拠ならもう全部集めたわ。パソコンにハッキングされている時点で気づけないのかしら?私がその気になれば、いつでも通報できるわよ」
『じゃあなんだよ、カネ返せってか?お前の分くらいは返してやるよ』
こんのクズヤロウ・・・よりにもよって、クリスマスの時期に小賢しいマネしやがって、今すぐ晒し上げて・・・
いや、落ち着け。このくらいクズの方が思い切りやれるってモンよ。ぐへへへ・・・今までやってきたことを後悔させてやんよォ!
「ふーー・・・貴方、救いようがないわね。いいわ、一つだけ貴方を許してあげる方法があるの」
『カネが足りねえってか。じゃあ、4・6で分け前やるよ』
カネカネカネうるせえ!いいから俺の話を聞け!
「はした金なんていらないわ。貴方に求める行動はただ一つ、貴方が騙した相手に『本物のコアパーツ』を無償で送りなさい」
『なんだって、俺がそんなことしないといけねえんだよ?』
「はあ、いちいち説明しないと駄目なのかしら?貴方の個人情報から検索履歴まで全てのデータが手元にあるのよ?・・・それに今ここで貴方を消すのも造作もないもの」
横で俺の演技を見てるユキねえの目がすっげー死んでる。空気呼んで喋ってないけど、すっげー死んでる。
「貴方だって、海の中で年を越すのは嫌でしょう?・・・明日までに答えを出しておくことね。それと、このマンションから出た時点で命はないものと思いなさい」
やっべ、適当言い過ぎた。あとで玄関のドア壊して、出られないようにしとくか。
『お、おい・・・俺はまだやるなんて・・・』
「貴方が愚か者でないことを、祈っているわ」
ここで通信を切って、っと。流石に命までは取らないけど、逃げられたら探し直すのめんどいからね。
まあ、マジで逃げたら通報するだけだし。
「やっぱり面倒ごとじゃないですか・・・」
「違いますぅーー、悪いヤツを懲らしめてるだけですぅーー」
ちょーっと悪役ムーブしただけでこれだよ。ユキねえもオタクロスも、俺を一体なんだと思ってるんだよ。
とりあえず、オタクロスにもう一つだけお願いしとかなきゃな。
『プルルルル、プルルルル・・・』
中々出ないな。もしかして寝てるとか?あとでかけ直すかなぁ。
「・・・なんの用デヨ」
「こんな美少女が電話してやってるんだから、ワンコールで出てよ」
「中身がオヌシでなければ、すぐ出たデヨ」
「お?やる気か?今すぐそっち行けるけど?」
「本気で止めるデヨ」
ま、冗談だけどね。そう、ほんのジョウダン・・・
「それはさておき、コアパーツの発注頼める?そこそこのヤツが大量にいるんだけど」
「クリスマス目前で、どこにもそんな在庫はないデヨ」
「そこをなんとか、ね?それにほら、ユキねえのコスプレ写真あげるからさ」
「それはぜひお目にかかりたいものですね、ヨミ様?」
「と、とと、ということだから!それじゃ!」
電話は切った。ひとまず、逃げるか。殺気をビンビン感じるしね。
「アー。チョット、ヨウジヲ、オモイダシタナー」
「奇遇ですねヨミ様。私も、とても大事な用事があるんですよ」
「あ、肩そんなに強く掴まないで・・・あ、ちょ――
昨日わ、マヂ大変だったわあ。ユキねえポヨにい、この世の終わ゛りみたいに、オコられたあ。マヂさいやく~。
マジで小1時間くらい正座させられて、説教された。リンを思っての行動だったのに。
まあ、オタクロスからコアパーツの当てがあるって連絡がきたから、まったくの無駄死にじゃないんだけどさ。
・・・それだったら、最初から俺が怒られる必要はなかったのでは?
やっぱ、ユキねえは美女の皮を被った悪魔なんやなって。
「・・・っ!?」『ブルブルッ!』
おかしい、ユキねえが近くにいないのに、悪寒が・・・
いや、きっと気のせいに決まってる。ほら、最近寒いから・・・
それよりも、今日も詐欺クズヤロウの答えを聞かなくちゃな。
念のため、イザナミも侵入させておくか。もし抵抗したら、いっぱいイジめちゃうゾ!
「ンン゛ッ!ン、ゲホッ!ゲホッ!ア゛ア゛ア゛!・・・よし」
のどのチューニングもオッケー!
「時間よ。答えを聞かせてもらうわ」
『答えはノーだ!誰がお前なんかのいうこと聞くか!』
死にたいらしいな^^
『お前はLBXを使って、俺のパソコンをハッキングしたんだろ!そんなチンケな手を使うヤツだ、どうせ昨日言ったこともハッタリだろ!』
怒ったかんな、許さないかんな、地獄の片隅でブザマに命乞いさせてやるかーんな!
『俺だってLBXには詳しいだ!お前のLBXくらいすぐに破壊してやるよ!』
「フッ、フフフ・・・いえ、ごめんなさい。私が思っていたよりも、貴方の頭の中が平和そうで、つい笑ってしまったわ」
冗談としては、100億万点だわ。『お前のLBXを破壊してやりゅ~』・・・って、いや~マジでウケる^^
「私にそこまで言ったのだもの。もしも貴方が負けたら、私の言う通りにしてもらうわよ」
『俺が勝ったら、証拠も全部消してもらうからな!』
「フフフ・・・そうね、貴方が勝てたら、ね」
イザナミを近くに待機させといてよかったわ。弱い者イジメは趣味じゃないんだけど、どーしても俺にLBXとプライドを壊してほしいみたいだからね。まったくしょうがないにゃあ。
『いけぇ!俺のズール!』
「いきなさい、イザナミ!」
詐欺クズお花畑ヤロウのLBXはズールか。色々イジってそうだけど、基本は変わらんからな。
あんな大口叩くから、見たことのないLBXを期待してたんだけど。
『そのLBXどこかで・・・いや、破壊してからゆっくり見ればいい!壊せ、ズール!』
ウェポンは槍と盾か。バランスはよさげだけど、それだけ。
元気に突っ込んできたところ悪いけど、相手してあげてるだけマシだと思ってくれ。
槍の刺突を避けて、足を引っかけて転ばせる。
相手のズールが地に落ちる前に、槍を奪う。
「・・・はぁ、時間の無駄ね」
床ペロしてるズールを、片足で押さえつけてヘッドパーツに槍先をかざす。
「次、舐めた真似をしたら、貴方がこうなるのよ」
槍を突き刺して、コアスケルトンごと一撃で破壊する。
や、普通に弱かったけど、なんであんなにイキってたの?
まあ、いいなりになってくれるなら何でもいいけど。
『う、うわああ!?』
あ、逃げ出してる。でも、逃がさないって言ってるだろ♡
奪った槍もいらんし、返してやるか。頭の真横、肌を斬るギリギリを狙って、投槍!
「心配しなくても、貴方のLBXよりも時間をかけて・・・フフッ、面白くなってきたわね?」
オラッ!命乞いするなら今だぞ!今すぐ許しを請わないと、お前のエロ動画の検索履歴をネットに流すからな!
『わ、悪かった!俺が悪かったから許してくれ!まだ死にたくない!』
だいじょぶ、最初から命までは取る気ないから。社会的には殺したかもしれなかったけど。
「そう。だったら今すぐ作業に取り掛かることね」
『い、いいのか・・・?』
「あら、不満かしら。・・・だったら」
『いや!なんでもない・・・昨日から考えてたんだが、本物のコアパーツを無償で送れって、どういう意味なんだ?』
ああ、そっか。昨日ちゃんと説明してなかったっけ。マグロ漁船よりかはよっぽどマシだから安心していいぞ。
「言葉通りの意味よ。・・・例えばそうね。貴方の詐欺パーツにCPUがあったわね」
『あ、ああ・・・』
「でも、実際のパーツは、商品説明で書いていた半分の性能しかないはずよ。そこで貴方には、商品説明と同格の性能のCPUを用意して、被害者に送ってもらうわ」
『は・・・?そ、そんなことしたら、俺の貯金がなくなっちまう!』
うん、そうみたいだね。ハッキングしたパソコンから確認してるし。ま、ギリ足りそうだからいいよね?
「そんなこと、私の知ったことじゃないわ。・・・もし足りなくても、私が貴方の臓器を買ってあげるわよ」
『そ、それに!お前がそんなことしても、得はないだろ!?』
は?(訳・は?)
「・・・その通りね。ただ私は、純粋な親子からクレジットを奪う行為が気に食わないだけよ・・・貴方のような、ね」
通報すれば、十中八九逮捕できるだろうけど、警察でもクリスマスプレゼントはどうしようもないからな。
と、言うわけで、詐欺ヤロウくんになんとかしてもらうからね!自分で蒔いた種だし!
『でもよぉ・・・この時期にそんな大量のパーツなんて・・・』
そぉーんなことを気にしていたのかい?ヨミえもんに任せろって!
「貴方パソコンに通販サイトを出しておいたわ。そこでパーツを買って、組み合わせて改良すれば問題ないはずよ」
オタクロスに探しといてもらったヤツね。中々ディープなサイトだけど、探せばあるもんだね。
『おいおいおい・・・組み合わせるって、今からか?クリスマスまで1週間もないんだぞ?』
「死ぬ気・・・でやれば間に合うでしょう?わかったら早くしなさい。飲み込みの遅い人は嫌いなの」
『マジか・・・』
よしよし、作業を始めたな。あとは定期的に監視して、ケツ叩けばいいだろうし。通話も一旦切って・・・
「ふぃーー、俺って役者向いてるかもな!がはは!」
あのビビりよう!チョー受ける!それでも、声に出さずにポーカーフェイスできるヨミちゃん天才!いや~自分の才能がコワイわー!
「やっぱ、最後に笑うのは、この俺だけよのォ!あっひゃひゃひゃ!」
「・・・・・・これだからヨミ様は」
~12月23日~
いやぁ~大変だったわ~。詐欺ヤロウくんのケツを蹴っ飛ばすのがさ!
目を離したらすーぐサボるんだもん。寝る間を惜しんで働かないと間に合わないのにさ。
俺の頑張りもあって、なんとか全員に配送が間に合ったけどね!ヤロウくんも頑張ったよ、ウンウン。
ま、それで罪が消えるわけじゃないから、警察に通報したけど(鬼畜)
被害者にちゃんとパーツ送ったから、ワンチャン無罪放免もあるかもね。知らんけど。頑張ってたのは認めて、エロ動画の履歴は消してあげた。せめてもの情けだ・・・
「もうすぐリン様が来る時間ですよ。ヨミ様も準備してください」
「え?大体準備できてない?」
部屋の飾りつけヨシ。料理もヨシ。安全確認もヨシ。
・・・もうリンが来るの待つだけじゃないの?
「衣装ですよ。せっかくのクリスマスなので、ヨミ様の分も服を用意しておきました」
「へんっ!結局はコスプレさせる気だろ!その手には乗らないからね!」
「・・・・・・いえ、ヨミ様だけだと着てくれないと思いまして、私の分もあります。それならフェアでしょう」
ユキねえのコスプレ・・・だと!?クリスマスだし、王道のミニスカサンタとか?ぐひっ・・・さぞ、お似合いでしょうなぁ(ニチャア)
「ユキねえも着るんだったら・・・ヌポォ、俺も着てもいいよ」
「なにか気色の悪い気配がしましたが・・・そういうことでしたら、着替えてきてください」
ユキねえから袋をもらって、自分の部屋で着替える・・・って、コレさぁ・・・
「コレさぁ!?なんで俺がミニスカサンタなわけ!?そこは普通ユキねえでしょ!?」
「それこそ変でしょう。ヨミ様が着た方がいいですよ」
ユキねえのたわわなバルンを見せつけろよ!そのための肉だろ!
この服もさぁ!ミニスカは百万歩譲っていいとして、ナマ足と腹!肌出しすぎ!布面積が水着と変わらないじゃん!
「それにさ!ユキねえコスプレしてないじゃん!」
「してますよ。ほら」
いや、頭にサンタ帽乗っけただけじゃん。それはコスプレとは言わない!
それは!コスプレとは!!言わない!!!
「『無理矢理サンタ帽を被せられた人』のコスプレです」
「絶対、今適当に考えたじゃん!それをコスプレ認定したら終わりだし!」
「私の服はどうでもいいんですよ。ヨミ様がコスプレしていることが大事なんです」
「はああ!?それってどういう――『ピーンポーン』
って、マズい!リンも来た!?着替える時間が・・・ユキねえ、こうなることをわかってて、あのタイミングで着替えさせたな!?
「こんな服で居られるか!俺は部屋に戻って着替えさせてもらう!」
「うるさいです。いいから出迎えに行きますよ」
「ちょ!HA☆NA☆SE!!」
身長と筋力の差で無理矢理連れてくな!羽交い締めなんかじゃなくて、もっと優しーく扱えよぅ!
「粉☆バナナ!」
「暴れないでください・・・はぁ、ヨミ様、背中を意識してみてください」
背中ァ?いつもより露出してるだけ・・・ムムッ!ナニか、柔らかいモノが押し付けられてるであります!あああば、あっばばばっば!!??
コイツァもしかして、もしかすると・・・ユキねえのππ!?
おっふ、背中におっふ、柔らか、おっふ・・・
「・・・・・・」
「童貞臭がキツいですね」
『ガチャ』「ヨミー!メリークリス、マ・・・ス!?」
「ほぁっ!リン!?いつの間に!?」
ちょ、ま!?み、見るなぁ!そもそも、コレはユキねえに騙されて着せられただけで!
「ヨミ・・・すっごくカワイイわ!」
「だからコレは可愛くて・・・じゃないわ!ユキねえに着せられたんだってば!」
「ユキお姉さんは着ないの?」
「この寒い時期に、こんな露出した服着たら風邪をひきますから」
は?おまっ・・・ユキねえ、テメェ!俺は風邪ひいてもいいんか!?
「ヨミ様なら大丈夫でしょう。何とかは風邪をひかない、と言いますし」
「はあ?ひくが?俺くらいになると、毎秒風邪ひいてるが?」
「ふぃーー、食った食った・・・」
用意した食べ物も食べ終えて、コタツムリに進化する。
「食べてからすぐ横になると牛になりますよ」
「よかったわねヨミ!お胸大きくなるわよ!」
「ええぃ、やかましい!誰がチ―牛だ!」
いやでも、胸はもうちょい大きくなってほしい・・・そろそろ大きくなり始めてもらわないと、一生まな板・・・
「リン様。クリスマスパーティーということで、プレゼントと用意しておきました。受け取ってください」
えっ?俺そんなの聞いてない・・・
「でも・・・ワタシ、ユキお姉さんあげられる物、なにも持ってないわ」
「いいんですよ。忙しい中、こうして家に来てくれたんですから。それだけで十分嬉しいです」
「えへへ・・・それじゃあ、ありがたく受け取るわ!あとで何かお返しするわ!」
「気にしないでください。いつもヨミ様が迷惑かけてる、お詫びみたいなものですから」
いや、リンにはそこまで迷惑かけてないが?なんなら、俺がリンの面倒見てやってるんだが?
「開けてみてもいいかしら!」
「ええ、どうぞ」
「・・・バスソルト?なんだかすっごいカワイイ見た目ね!」
「いわゆる、入浴剤です。贈り物としては少し無難過ぎた気がしますが」
「すっごい嬉しいわ!ありがと、ユキお姉さん!」
「喜んでいただいて何よりです。・・・ほら、ヨミ様も」
「エ、イヤ~~・・・アハハ」
やっべ、詐欺ヤロウに時間を取られて、なにも用意してねえ・・・
この流れで『俺からはないんだー』なんて言えるかよぉ!やっべぇ・・・まじ、やっべぇ・・・
「ヨミ様のことですから、忙しくて忘れてたのでしょう・・・リン様、代わりにこれをどうぞ」
「これって、カメラ・・・?」
「これでヨミ様を好きなだけ撮るといいです。・・・ヨミ様に媚薬を盛っておいたので、ノリノリで撮らせてくれますよ」
「はぁ!?びや、媚薬ゥ!?いつの間にそんなモン!?」
「いつって、さっきの料理にですが?」
当然のように言われても!?
・・・うぐぐ、言われてみれば、さっきから体の芯が熱いような・・・俺はっ!媚薬なんかに屈しない!
「ヨミ様は黙って撮られていればいいんですよ」
「ひゃう!・・・・・・し、写真を撮る・・・だけだからね」
「まかせて!カワイく撮ってあげるわ!」
「ちょ・・・リン?目がヤバ・・・あっ、ちょ」
いやー、ね?気づいたら1万文字超えてたよね。なんだだろうね。
ま、それはさておき、クリスマスに間に合ってよかったわ。
2日で、しかも『セイの6時間』の間も、一人でシコシコ、ブッ書いてたからね。
それと、媚薬うんぬんの話だけど、料理に生姜入れて、暖房の温度上げただけやで。
P.S
誤字あったらゴメソ。
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後書き
後書き
それと三話同時投稿ですので最初から読んでくださいまし!
どうも~作者ですよ~。
そうです。後書きです。つまり「▼なぞのTS LBXプレイヤーが あらわれた!」はこれで完結です。終われせといてなんだけど、なんだか少し寂しいね。
と、言ってもあと数話ちょこちょこっと投稿するつもりだけどね。
それと『完結』って言っておきながら『未完』じゃん?って思ったニキネキが居ると思うけど、ちゃあんと訳があります。
完全に作者の持論だけど、小説の登場人物は読者の頭の中で生きている、と思っています。
小説を完結させると、物語の中だけの世界しか無くなる。つまり最終話から次の日は訪れず、また一話に戻る、所謂ループモノに近い感覚?な気がします。
作者は、ヨミちゃんやユキねえを気に入っており、ここで殺したくなかったので『終わらない小説=無限の世界』にしました。
長いし口調が固いね。つまり、『ヨミちゃんは不滅だぁ!』って事かな?
とりま、グダグダ書きますか。
最終的に全45話になったね。アニメだと44話だから、45話『なぞのTS LBXプレイヤーが あらわれた!』で+αって感じで良くない?まあね、五章で44話にした方がいいか?とも思ったけどね。
大体、六週間で完結とか大分駆け抜けたね。それと45話で十六万文字以上も書くとはね。最初は6~7話くらいでエタる予定だったのにね。だって作者、読書感想文とかニガテだったし。だけど思いの外沢山の人が読んでくれたから、
読んでくれた人の為にも頑張って完結させなきゃ!と、思って完結まで続けられたね。それに作者、いいところでエタった小説を見ると発狂しそうになる難病に罹ってるし。
えーーと、感想ね。
『この主人公、しょうもねー』かな。あといっつも晩御飯食ってんな。
ヨミちゃんは最初のイメージだと、ここまでくだらないキャラじゃなかったハズなんだけどね。
読み返してみると、『何しょうもない事やってんだコイツ?』って作者も思うもん。
一応、作者の一部を拡大解釈したキャラなんだけど、いつの間にか暴走してたね。なんでだろうね?
『ヨミ』の名前は多分最初から思いついてたはず。行き当たりばったりで書いてたからちょっと記憶に自信がない・・・
ユキねえは作者の性癖に正直になったら出来た。
クール系とかダウナー系が好きなんだよね(唐突な性癖暴露)
お仕置きはまぁ、ね。どうしてこうなったんだろうね。どっかの後書きでも書いたけど、最初はノンケのつもりだったんだけどね。ユキねえ。
気付いたらSになってた。なんでだろうね?
けどまぁ、お仕置きは丁度いい感じにR-15になったんじゃないかな?R-18な内容も書こうと思えば書けたけど、作者はこれくらいが好きだからね。
それとリンちゃんね。ここまで出番があるとは思わなかったね。思いつきで増えたキャラだし。
そのせいで、見た目をしっかり描写してないんだよね。こんな事ならしっかり考えてから登場させればよかったね。
展開に困った時に出してたイメージかな。便利使いしてゴメンね。それとヨミちゃんのお仕置きに巻き込んで性癖歪みそうにしてゴメン。
オリキャラはこんなモンかな。お次は作者的に印象に残ってる回の話でもするか。
『実質0章』(1~6話)はそこまで言う事ないかな。だって書いたの結構前だし。それに最初の方だからたどたどしいし。
まあ、強いて言うなら6話『ナニかが起きるはずもなく・・・』で初めてヨミ虐(自業自得だけど)が始まった事かな?この時は恒例行事なるとは思ってなかったんだよね。
『一章 (プロローグ説)』(7~11話)でやっとダンボール戦機のキャラ、オタクロスが出てきたんだよね。後半に行くにつれて出番がなくなっていくオタクロスが。ていうか、最初のキャラがオタクロスとか濃いな。
それとここでチュートリアルと言うか、基本設定が出そろうんだよね。丁寧に設定を出すのも大事だけど、テンポよく進めるのも大事だよね。そう考えるとちょっと話の流れが遅めかな?
あと、11話『「彼」または「彼女」の罰』で作者がヨミ虐に目覚めたんだよね。『わからせ』は大事。NTRタグは多いのにわからせタグ少ないのなんで?
『ニ章 Xデーの後』(12~17話)からアニメ内容に関わっていくんだよね。この小説、アニメのセリフをまる流ししてたり・・・運営的にはあんまり良くないんだろうね。運営サマ許して♡
12話『小さなマシンとの出会い』と15話『後編 ねぇねぇ今どんな気持ち?』でバンとカズ視点を書いたんだけど、キャラの口調とか、考え方を真似するのが難しかったね。やっぱりオリキャラ最強だわ!
17話『(ポロリは)ないです。』からリンちゃん追加。この時さぁ、タイニーオービット社の仕事だから、この時点でヨミちゃんの本名が悠介にバレててもおかしくないとは思うけどね。ご都合主義のタグに抹消されたんだろうね。
『三章 TS美少女奔走編』(18~23話)は特に書く事なくない?ヨミ虐もないし。
『四章 TS美少女闇落ち?』(24~35話)は書く事いっぱいありますよぉ!番外編書いたりとかね。でも一番気になってるのは、11話って多くね?って事かな。他の章は5~6話なのにね。四章で二章分の量あるよね。
そして四章の目玉、34話『命の代償』の曇らせ!ここでヨミちゃんを殺そうと考えてたからね。33話の後書きで『次回、ヨミ死す!』とか書いておけばよかったとちょっと後悔。
35話『ヨモツイクサ』は漢字で書くと『黄泉軍』です。詳しい事は『イザナミ』とかでググれば分かると思います。
ちなみに、『
『五章 TS美少女の結末』(36~42話)全体的に駆け足だった気がするね。それと最終章にしようか迷ってたんだよね。
何と言っても42話!エセ最終話!ヨミちゃんのキメ台詞の『また逢いましょう』ってあるじゃん?あれって作者がその場のノリで決めただけなんだよね。エセ最終話であそこまで綺麗に纏まるとは思ってなかったよね。正直。
余談だけど、36話『「ヨミ」と「イザナミ」』から憑依タグが復活してます。
『エピローグ』(42~45話)は42話を投稿する時に、『ここで読者を騙せるんじゃね?』って思いついたから、しっかり一週間黙ってた。小説投稿サイトだから許される暴挙だよね。
内容についてはまぁ・・・読んだ通りだよね。うん。
これからのお話を少々。
ダンボール戦機Wの話は書く気はないです。
全然構想が思いつかないからね。書いてもエタるだろうし。同じ理由でウォーズも書きません。
一応、次回作は考えてあるよ。もっとまともで狂気な主人公になる予定。
とりあえず短編で書いてみるかな。って感じ。
設定とか詰める必要があるから時間が掛かるとは思う。
大体こんな感じかな?
よし、ここら辺で締めるか。
読んでくれてありがとうございました!評価、お気に入り、感想、誤字報告も励みになりました!またハーメルンのどこかで会える事を願っています!
P.S
ニキネキもTSモノを書いて♡
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始まらなかったW編
始まり、そして終わり(そもそも何も始まってなかった説)
気が付いたら、14000文字まで増えて・・・時間も過ぎてるんですわ・・・
それは置いといて、あけおめですわ~~!
「ヨミ様・・・本当に行かなくちゃいけないんですか?」
「あたりまえだのクラッカー!だって、こんな面白・・・世界の危機なんだよ!」
まあね、俺がサクッと世界を救っちゃうんだけどね。
これから起こる出来事は大体わかってる。世界を救うための次の一手は・・・
「いやー、海外旅行なんて初めて行くから、マジで楽しみ!」
「付き合わされる身にもなってください・・・」
そう!『なぞのLBXプレイヤー』の世界進出だー!
というのも、無印の『ダンボール戦機』だと、基本都心でストーリーが進むんだけど、次回作の『ダンボール戦機W』は世界各地を移動しながら巨悪と戦うのだ!戦うのだァ!!
そして、W編でも俺は『なぞのLBXプレイヤー』を演じたい!
具体的には『彼女は一体何者なのぉ!?敵なの?味方なのぉ!?』な立ち位置で、全力でW編をエンジョイしたい!
『なぞのLBXプレイヤー』を演じるにはどうしたらいいか、ヨミちゃんは考えました。
答えは簡単。先回りしたり、敵対したり、助言したりする!
そうすれば『なぞのLBXプレイヤー』のムーブができる!はず!少なくとも前回はそれで何とかなった!
「・・・だから、こうして先に海外に行く必要があったんですね」
「意味のわからない事を言っていないで、ヨミ様も荷物支度してください。忘れ物しても知らないですよ」
「わかってるって。・・・あれ、ユキねえは海外行ったことあるんだっけ?」
持ってく物のリストをユキねえが作ってくれたけど、ユキねえが家を空けたことあったっけ?
ここ数年・・・前世の記憶を思い出す前も、ずっと家にいて家事してた気がするんだけど。
「・・・・・ずっと昔のことです。十年以上前に一回だけです」
「ほぇ~」
十年って言ったら、俺が前世の記憶どころか、まだ0~4歳の頃か。そりゃあ俺も覚えてないはずだわ。
「ちな、どこ行ったの?」
「さぁ、どこでしょう?私もまだ幼かったので、よく覚えてないです」
なーんだ、つまらん。ユキねえも実質、海外旅行初めてみたいなモンじゃん。
・・・あれ?そういえば、俺とユキねえ、姉妹だけど血のつながりはないんだっけ。そもそもユキねえってジャパニーズ人なのか?
「・・・・・・ふーむ?」
銀色の髪、真っ白な肌に蒼い目。けっこう背も高いし、日本人っぽくはないんだよなぁ。
胸もデカいし、スタイルもいいと思う。それに胸もデカいし。
「・・・ムホホ」
「ヨミ様、目がいやらしいです」
「へっ!?イヤ、キノセイダヨ」
「・・・・・・」
めっちゃジト目で睨んでくるんだけど。
まあ、お仕置きもないからそこまで怒ってない・・・はず。
にしても、ちょーーーっとしかオパーイ見てないのに、バレるんだろ?マジで一瞬しか見てないのに。
『ピーンポーン』
インターホン?誰か家に来たみたいだけど・・・誰かを家に呼んだりしてないし、誰だろう?
「ユキねえ、なんか通販で買ったりした?」
「いえ、何も。私が対応するので、ヨミ様は荷物作っていてください」
ユキねえが行ってくれるならいいか。
あ、思い出したんだけど、今は2051年なのに、ちょっと前に訪問販売が来たらしいんだよね。
ここからが面白くて、訪問販売が来た日がちょうど俺のお仕置き日だったんだよ。
ユキねえはさっさと帰ってほしいのに、ぐだぐだ食い下がって時間を浪費する販売員に、ユキねえが殺気を漏らして販売員もちょっと漏らしたって話。
・・・まあ、そのあとイラついたユキねえの相手させられたのは俺なんだけど。お漏らし販売員は草W、だけどソイツのせいで俺が無駄に辱められたんだよ!思い出したらイライラしてきた。
「・・・さっきのはヨミ様のお客様でした」
お、ユキねえ戻ってきた。って客?俺にって――
「ヨミーーー!!」『ドスン!』
「ぐべらっ!?」
てっ、敵襲ーー!・・・じゃないわ。テンションバグった大型犬みたいなリンだわ。
抱きつきタックルがいつもより強くて、潰れるかと思った。
「ヨミ!明日から海外行っちゃうの!?」
「海外行くって言っても、引っ越しするわけじゃないから。あーー、ちょっとしたLBX修行旅行・・・みたいなヤツ?」
「ならワタシもヨミについていくわ!」
「い、いやいやいや・・・無理でしょ。リンは色々仕事もあって、修行も何日かかるかわかんないんだし」
それに『修行』なんて生易しいモンじゃなくて、世界を救いに行くんだよ?流石に、リンを巻き込めないって。
「それって、ヨミが行っちゃったら何日も会えないってことよね?お仕事はなんとかして、ワタシも行くわ!」
あーもう無茶苦茶だよ。
「ゆーてさ、今だって毎日リンに会ってるわけじゃないし、定期的に電話すればよくない?・・・ユキねえもそう思うよね?」
ユキねえ助けて。ユキねえお得意の口車で、リンを正気も戻して。
この子放っておいたら、仕事蹴ってでもついてきそうだから。リンはこういう時はホントにやりかねないから。マジで。
「今回ばかりはヨミ様の言う通りです。リン様にはリン様のやるべきことがあるはずです」
「むぅーー・・・わかったわ。ちゃんと電話してね、ヨミ!」
「モチのロンよ!・・・流石に毎日はムリそうだけど」
とりあえず、リンは落ち着いたな。
ちょいちょい俺にくっついてくるけど、俺の他に友達いないのか・・・いや、気にしなくていい。俺とリンはボッチ同盟だからな。ボッチも二人いれば、ボッチじゃないもんな。どんなに離れてもリンとボッチの絆でつながってるからな!
「代わりと言ってはなんですが、リン様今日は泊まっていきますか?」
「いいの!?えへへ~、ヨミとユキお姉ちゃん家でお泊り~♪」
「俺の許可はなしなの?っていうか、いきなり泊まるって言ったって、服とかどうすんの?」
リンは一応芸能人だし、服を着回しとか、俺のサイズが微妙に合わない服を着せるわけにはいかないよね。
それにほら、歯ブラシとか美容品?とかさ・・・
「こうなることを見越して、リン様の外泊セットを家においてたんです。私たちは暫く家を空ける予定ですので、外泊セットをリン様に返すいい機会です」
「・・・リンが泊まるのはいいんだけど、なーんかイヤな予感がする」
俺がユキねえにイジメられて、ついでにリンにもイジメられる予感がするんだけど。
「ヨミ様の感は妙に当たりますからね。今回もきっと当たるでしょう」
「それって犯行予告じゃん!二人掛かりでも俺は屈しない!」(キリッ)
「おかしい・・・ユキねえがなにもしてこない・・・」
なんかしてほしいわけじゃないんだけど、なにもしてこないと逆に不安になってくる。
これまでやったことと言えば、荷物作って、晩御飯を食べて、LBXバトルして、風呂に入ったくらい。
あとはもう寝るだけ・・・その前に一波乱くるのか?
ユキねえがどんな卑劣な策を用意していたとしても、俺は絶対に負けない!
いざ、ユキねえ大魔王とリンの待つリビングへ!
「風呂あがったよー」
「あ!ヨミ!聞いて聞いて!」
うん、リンが異常にハイテンションだ。今度こそイヤな予感がする。
「あのね!ユキお姉ちゃんが、ヨミをなんでも好きにしていいって!」
ん?今なんでもって・・・いや、なんでユキねえが俺の人権を握ってるわけ?
そもそも俺は許可してないよ?なんでもって言ってないからね?
「ユキねえ、今北産業!*1」
「イマキタ・・・なんですか、それは?」
「とにかく説明してってことだよ!」
「説明も何も、リン様はしばらくヨミ様に会えなくなるので、今夜だけでも堪能してもらおうかと」
「堪能ってナニを!?そんなこと俺は許可しないからね!」
ようするに、ユキねえの性癖を受け継ぎつつあるリンが俺で遊ぶってことじゃん!
「ダメなの・・・?ヨミ・・・」
「ぐうぅ・・・とりあえず、リンが俺にやりたいこと言ってみて。それを聞いてからダメか判断するから」
聞くだけ聞いてあげるから、その捨てられた子犬みたいなの止めろぉ!なんか悪いことした気分になってくるから!
「ワタシ、今日はヨミと一緒に寝たいの!・・・ダメ?」
「へ・・・?」
寝る?俺が、リンと、寝る?
ねればねるほど、色が変わって・・・こうやってつけて
「うまい!」(錯乱)
「ど、どうしよう!?ヨミがおかしくなっちゃったわ!」
「ヨミ様がおかしいのは前からです。叩けば直りますよ。こうやって・・・!」『ベシッ!』
「おびぇん!」
あががが・・・頭がぁイッタィ・・・
「って、リン本気で言ってる!?」
「その、やっぱり子供っぽいのはわかってるけど・・・」
「
「ヨミはイヤ・・・?」
あっば↑ば↓ば↑ば↓ば←ば→ば←ば→!?!?
まさかこのタイミングで童貞卒業!?HOOOOOO!!!神様仏様ユキねえ様ァ!あとついでにイザナミちゃん様!
据え膳食わぬは男の恥ィ!今夜はヨミちゃんのランスが超プラズマバーストするぜ!
「えへっへっへっへ・・・それじゃあ、リンちゃぁん、今日は俺と一緒ににゃんにゃんして寝ようねぇ」(ニチャア)
「ヨミ様史上最も気色悪いですね・・・」
「えっへへーー♪ヨミ、ヨミぃ~~♪」
「・・・・・・・」
やっべ。いざ俺の部屋まできたら、急に緊張してきた・・・
前世も含めて、こういうことスるのハジメテだし・・・
「・・・ひっひっふー、ひっひっふー」
「ヨミ、どうしたの?」
「あ、いや、なんでもない・・・あはは」
普段通りに、でもイイ感じの雰囲気で、余裕がある態度で・・・
「ヨ~~・・・ミーーー!」『ぎゅっ!』
「ひゃぁ///」
し、しょんないきなり抱きついてくるなよぅ!
「ベッドの中でお話しましょ!ワタシ、お話したいことはいっぱいあるの!」
「えっ!も、もうベッドいくの・・・?」
こういうのって、そんなすぐにベッドINするモンなのか?
他にナニするのか知らないけどさ。でも、なんかこう、ね?
「ほら、ヨミ!」
「あ、ちょ・・・」
不意にリンに引っ張られて、ベッドに体が落ちる。
薄暗いベッドから見上げるリンの目はとろんと柔らかい。
「ぁ・・・うぅ・・・」
「えへへ、ヨミぃ、ぎゅーー」
そのままリンの顔が近づき抱き着かれて、リンの高い体温を全身で受け止める。
「ぁう・・・ひゃあ!?」
耳に当たる寝息がくすぐったくて、つい声が――
って、寝息?
「・・・・・・リンさん?」
「すぅーー・・・すぅーー・・・」
寝ているだとッ!?この状況で!?俺に抱き着いたまま!?
「ヨミ様、リン様。起きてください。朝ですよ」
「ユキねえ、おはよ・・・」
結局、あんまり寝れなかった・・・
「昨夜は何事もなく、ゆっくり寝られたようでなによりです」
「・・・ユキねえ、ここまでわかってたから昨日なにも言わなかったよね」
マジで、リンと寝ただけだった。エッチなことはなにも!なんにもなかった!!
期待してた俺がバカみたいじゃん!
「ほらヨミ様、後で慌てないためにも早く起きてください」
「・・・だったら、このしがみついてるリンを剥がしてよ」
一晩中ずーーーっとリンが離れないんだよね。全身を抱き固められて動けなかったから、なんか逆に疲れた・・・
「はぁ、しょうがないですね・・・リン様、起きてください」
「んん、にゅぅー・・・あ、よみぃ・・・なんでワタシのおふとんにいるの・・・?」
なんでこんなことになってるんだろうね。俺も知りたいわ。
さあ!ということで!やってきました、トキオシアデパート!
ここからダンボール戦機Wの1話が始まるのだ!
まあ、うん。ここまでにもう4500文字くらい蛇足ってるのは気にするな!
いつだってプロローグは長いものだって!
さて、色々事件が始まる前に、これから起きる
その1!
ここ、トキオシアデパートでタイニーオービット社の新製品発表会が行われて、そこで出てくるのが『アキレス・ディード』。
で、『ディテクター』なる仮面の男のせいで、アキレス・ディードが突然暴れ出して、トキオシティ全体のLBXも暴走し始める。
その2!
バン、アミ、カズの無印主人公トリオが暴走したLBXと戦うんだけど、バンのオーディーンは破壊されて、アミとカズは敗北からのディテクターにドナドナされる。
その3!
コブラと名乗ったちょー胡散臭いオッサンから、バンは新しいLBX『エルシオン』を貰って、ダンボール戦機W編のもう一人の主人公『大空 ヒロ』と一緒に、LBXの暴走の原因になってる指令コンピューターを破壊しに行く。
その4!
なんやかんやありつつ、指令コンピューターを破壊して新たな戦いの幕が開ける!
・・・みたいな感じ。
この流れをアニメだと2話くらい使ってやるから、だいぶ端折ってるけどね。
俺の目的、『なぞのLBXプレイヤー』を演じるためには、ディテクター(ヤマジュン)に取り入るのがいいと思うんだよね。
っていうかさぁ・・・流石ヤマジュン。真の敵がどうこうってのもあるけど、回りくどいことするよね。
「ヨミ様?なんでこんな変なことをしているんですか?」
「ユキねえちょっと後にして!今大事な説明の途中なの!」
「説明してほしいのは私の方なのですが?」
「まったくしょうがないなぁ、ユキねえは。未来の勇者クンに俺から餞別をあげる。はい、説明終わり」
「・・・はぁ」『ベチィ!』
「おぐっ!?」
説明しろっていうから、説明したのに、なんでデコピンするわけ?
ユキねえっていつもそうだよね・・・!俺のことをなんだと思ってるんだよ!?
「だからなんでトキオシアデパートにいるんですか?今行くべき所は空港でしょう」
「その前にやることがあるの!」
未来の勇者クンこと、大空 ヒロに餞別を上げて、ついでに『なぞのLBXプレイヤー』のお披露目ってわけよ。
ここで一回会っておけば、次会う時に『あの時の優しい美少女だ!』みたいな?まあ、とにかく面白くなりそうな布石を打っておくってこと。
「ふっふ~~ん、宇宙戦士~、センシマーン」
あ、ヒーロ!うぁ・・・主人公とは思えないほどのオタクファッションだぁ・・・リュックの両側にポスターついてるコテコテのオタクなんて、アキハバラでも見ないよ。
「それじゃ、軽ーく挨拶してくるから、ユキねえはここで待ってて」
「ちょっとヨミ様!」
さーてと、久しぶりの『なぞのLBXプレイヤー』モードだからね!気合!入れて!いきます!
「貴方が大空 ヒロね」
「えっ?誰ですか?」
「私が誰かなんて、今はどうでもいいの。そう。貴方が大空 ヒロなのね」
うーーん、やっぱりただのオタク君にしか見えない。だけどこのヒロが最強のオーバーロード使いでもあるんだよなぁ。
「えっと・・・ぼくになんの用ですか」
「ああ、ごめんなさい・・・つい物思いにふけってしまったわ。貴方さっき随分
「センシマンカスタム形体フィギュアの良さがわかるんですか!?」
あ、ソレだけどソレじゃなくて。ゲーセンの景品のフィギュアなんだけど、コブラとかいう胡散臭いオッサンに中身をヤマジュン製LBX『ペルセウス』に入れ替えられてるんだよね。
俺が言ってるのは、センシマンじゃなくてペルセウスの方だから。だからそんなに語られてもわからないって。
「・・・そんなに熱く語られても、私にはわかりかねるわ」
早口オタク君の悪い癖だぞ。
「え?センシマンカスタム形体フィギュア以外にぼくが貰った物なんて・・・」
「まだわからなくて当然よ。私からは
厳選したイチ押しのコアパーツを詰めた箱を、ヒロに向かってシュゥゥゥー!!超!エキサイティン!!
「わ、わわ!?これって小さな・・・箱?」
「今の貴方にはまだ早いけれど、すぐに使えるまでに成長するはずよ。詳しいことは
「え?彼って誰のことですか?」
「すぐにわかるわ。一旦お別れね、大空 ヒロ。次に会う時に強くなっていることを期待しているわ」
優雅な動作で振り返って・・・ヒロがポカンとしている内に撤退!
「・・・ふぅーー、久しぶりだけど、上手くいってよかったー」
「・・・またヨミ様の被害者が増えるんですね」
やだなぁ、ユキねえ。こんなにも優しくしてあげてるのに、被害者が増えるだなんて・・・
「用が済んだなら行きますよ。飛行機に乗り遅れたくないので」
「え?まだ始まったばっかりだよ?」
ま、今すぐできることもないから、トキオシアデパートの中にある喫茶店に入って時間を潰してる。
ちなみに俺はホットココアで、ユキねえは珍しくホットミルクを頼んだ。
ユキねえは大体ブラックコーヒー飲んでるんだけど今日はホットミルクだし、なんかさっきから元気なさげ。
世の全てを憂う・・・みたいなテンション。この後、ユキねえに協力してほしいことあるけど、こんな調子で大丈夫なのかな。
「ユキねえー・・・だいじょぶ?テンション低いけど」
「・・・今更ながら、ヨミ様を引き留めておくべきだったのでは、と後悔の念に駆られているだけです」
「なんだ、ユキねえ元気そうじゃん」
「もはやツッコむ気すら起きません・・・」
あれ?やっぱり元気ない?これからテロが起きるのに、ユキねえが戦力にならないとなると、俺の完璧な計画を修正する必要ががが・・・
まあ、なんとかなるでしょ!なんたって、ヨミちゃんは最強だし!
「はぁーーーー・・・」
「ため息ばっかりついてると、幸せが逃げるって言うよ?」
「誰のせいだと・・・」
それにほら、ストレスは美容に悪いらしいし?物事を悪い方向にばっかり考えないで、ポジティブ☆シンキングだよ!
「・・・お、なんだか辺りが騒がしくなってきたね。それじゃユキねえ、会計して行ってみよ!」
「嫌な予感しかしないのですが・・・」
――――――――――
「きゃーーー!」
「こっちだ!早く逃げろ!」
「んほーーー!キタキタキターーー!」
「・・・混沌、とはこういう時に使う言葉なんですね」
そう!突如トキオシアデパートの、いや、トキオシア全体のLBXが独りでに動き出し、町を破壊し始めたのだ!
そこに颯爽と現れた俺が、イザナミで無双する!
なぁーーんて、中学生男子がヒマな授業中に考えるような妄想が、今現実となった!
「うひょひょひょひょ!ほらユキねえ!戦い放題、倒し放題だよ!」
「・・・状況についていけないんですが」
程よいサンドバックたちが、無限に湧いてくるんだよ!こんなん・・・サイコーじゃん!
「考えるよりもさ、ユキねえも一緒に戦おうよ!フヒ、フヒヒヒ!楽しいよォ!」
「ヨミ様、失礼します」『ベチィ!』
「ぐぅぅん!?」
これで今日二回目のデコピン・・・しかも結構ガチのやつ。痛い。
「これで少しは落ち着きましたか?」
「え、あ、うん。
まだ逃げ遅れた人いるもんね。このテンション見られるのはマズいよね。
「ゴホン・・・それじゃあユキねえ、適当に暴走LBXを倒しつつ、逃げ遅れた人でも助け行こっか・・・?」
「わかりました。・・・普通の人は逃げるか、人を助けに行くかです。この光景を見て興奮するのはおかしいです」
「あーもう!はいはい!俺が悪かったですぅー!」
そう言うユキねえだって、ぼーっと見てただけじゃん。ユキねえだってコッチ側でしょ。
「・・・何か?」
「べっべ、別に?なんでもにゃいけど?」
そ、そんなことより、今は暴走したLBXを倒すのが先じゃん?俺とユキねえだって襲われる可能性もあるんだし?ね?
「ほら、ユキねえもLBX出して。CCM握って・・・そいえば、こうしてユキねえと共闘するのも久しぶりかな」
最近はずっとタイマンでやってたからね。俺とユキねえが一緒に戦うくらい、強い敵もいなかったし。
って、また話が逸れた。ユキねえのLBXモルフォは、狙撃銃が主体の遠距離タイプ。広いトキオシアデパートで戦うなら、ガンガン狙撃するのが一番速いと思う。
だからといって、近距離主体のイザナミが撃破数で負けたくない!
うおおーー!いくぜーー!おりゃーー!
―――TS少女無双中―――
「ふぃーーー、だいぶ倒したな」
逃げ遅れた人を探して避難させつつ、襲い掛かってくるLBXを片っ端から細切れにしてやった。
「それでユキねえは何体倒した?」
「そんなの一々数えてません」
え、なにそのセリフ。ただならぬ強者感パネェ・・・今度俺も使おうっと。
「ヨミ様、どうやら私たちの他にも戦っている人物がいるようです」
「それは多分、バンたちだよ」
「彼らも来ていたんですね・・・ヨミ様がわざわざここに来た時点で、なんとなく察していましたが」
「うーーむ・・・暴走LBXの数も減ってきたし、ユキねえはアミかカズ探しといて」
この二人はこの後ドナドナされるからね。どっかに連れていかれる前に見つけておかないと。
「バン様はいいんですか?ヨミ様の一番のお気に入りでしょう」
「バンはいいんだよ。バンは他にやることがあるし」
バンには、LBX初心者のヒロをキャリーしてもらわんといけないからね。
『なぞのLBXプレイヤー』が手取り足取り、丁寧に教えてあげるのは解釈違いだし。
「・・・・・・アミ様を見つけましたが、数の差で押されて苦戦しているみたいです。援護射撃しますか?」
「いや、手出しはしないでおいて」
「いいんですか、ヨミ様?このままだと、アミ様のLBXも破壊されてしまいそうですが」
「それがさ・・・怒らないでほしいんだけど、アミは囮っていうか餌?」
アミがドナドナされる時なら、攫おうとしてるヤマジュンと話しができるはず。
今普通にヤマジュンに電話してもでないから、アミを餌釣り出すしかない・・・気がする。
「そのことをアミ様は知っているんですか?」
「全然知らないけど?」
「はぁ・・・でしたら、私だけでも助けに行きます」
「ちょちょちょ!?ダメだって!ここ外すと色々大変なんだよ!」
「囮にするにしても、先に本人の了承を取るべきです」
あ、ぐうっ・・・正論パンチ・・・
「・・・・・・とりあえず、アミの近くに行くよ!それでエロ同人しそうになったら助けに入るからさ!」
「ヨミ様・・・後で説教とお仕置きです」
「ポモュ・・・えへ♡えへへへへ♡」
「なんですかヨミ様?それだけでは物足りないんですか?」
「・・・イイエ、ナンデモナイデス」
「アミ様はこの辺りにいるはずですが・・・」
ユキねえについて行った場所は、戦闘音はまったく聞こえない。
「・・・もしもアミ様に何かあった場合、ヨミ様はどう責任を取るつもりですか?」
「ちょ!縁起でもないこと言わないでよ!絶対にダイジョブ・・・のはずだから」
もう攫われてたとしても、犯人はヤマジュンだし、ヒドイ扱いは受けないはず。
どっちかっていうと、俺の方がヒドイ目に合いそう(小並感)
「・・・・・・」
いや、普通にアミいるやんけ。
・・・ってうん?なんか アミ の様子が・・・!
「・・・・・・」
「アミ様の様子がなにか変です」
「あーー、なるほどねぇ」
アニメで、アミは睡眠ガス?みたいなのを不意打ちで吹きかけられて、意識が朦朧としる隙にアミのLBXパンドラが破壊されて、アミの意識もそこで途絶えてた。
その直後にシーンも切り替わってたから、誰がどうやって攫ったのかわからなかったんだよね。
真相はアミが気を失ってる隙に、つけた相手を洗脳して好きなように操れるチョーカー・・・用語を使うなら『スレイブ・プレイヤー』にして、アミの体がアミを攫ってた、ってことらしい。
「ヨミ様一人で納得してないで、ちゃんと説明してください」
「うーーんとね、簡単にいうと、洗脳されて連れ去られそうになってる?」
「なぜヨミ様がそれを知って・・・いえ、今はそんなことより、どうすればアミ様を助けられるんですか。ヨミ様はそこまで知っているんでしょう?」
「そりゃ知ってるけど・・・」
スレイブ・プレイヤーにされた人を元に戻すには、スレイブ・プレイヤーが操作してるLBXを倒せばいいんだけど・・・見当たらね。
というか、このまま洗脳されたままの方が色々と都合がよかったり?
「ヨミ様ッ!」
「へっ?うわ!?」『ダダダダッ!』
俺とアミの間に割り込むように、弾が撃ち込まれて黒いLBXが飛んでくる。
「アキレス・ディード・・・!」
このアキレス・ディードを操作しているのはヤマジュンのはず!俺の作戦通りにヤマジュンを釣り出せた!
「あのLBXを破壊すれば、アミ様を助けられるんですか?」
「その必要はないわ」
俺もちゃんと『なぞのLBXプレイヤー』モードで迎え撃つ!
「そもそも、この黒いアキレスは敵じゃないわ。私たちに怪我をさせるつもりもない・・・そうよね?山野 淳一郎博士?」
「・・・・・・」『ピロピロピロ!』
おっ、電話かかってきた。相手は・・・やっぱりヤマジュンか!
「劇的な再会ね。山野博士?」
「・・・ヨミ、どういうつもりだ」
「随分な言い様ね。山野博士の邪魔をするつもりじゃないわ。だからそんなに身構えないで頂戴」
「ヨミ、君の目的はなんだ?それに私の正体はどこで知った?」
目的は引っ搔き回して暴れること。ヤマジュンのことはアニメで。・・・とは言えないよね。
「山野博士のことは信頼できる筋から・・・としか言えないわね。
「・・・そこまで知っているのか」
「ただ知っているだけよ。・・・山野 淳一郎博士、取引に応じるつもりはないかしら?」
「・・・聞いてみよう」
「
「ふむ・・・その取引をせずに、君をスレイブ・プレイヤーにした方が手っ取り早いと思うが」
「あら、そんな簡単に私をスレイブ・プレイヤーにできると?・・・この取引で山野博士は損はしなはずよ」
いいんか?この取引しなかったら、俺はヤマジュンの予測できないくらい好き勝手に暴れるってことだぞ?
なんなら、取引を蹴られた腹いせに、オメガダインごとヤマジュンの計画もメチャクチャにするからね?
「・・・いいだろう。できる限り、ヨミたちのサポートをすると約束しよう」
「賢明な判断ね。ならさっそく頼みたいことがあるわ。アミだけじゃなくてカズも一緒に、飛行機にでも乗せて貴方の元に行かせるのでしょう?それに私たちも乗せてもらうわ」
「なんでもお見通しか・・・わかった。明日までに準備を済ませておいてくれ」
「そう。明日ね。思ったよりも早く貴方にも会えそうね・・・それじゃあまた明日ね、山野博士」『ピッ』
電話切って・・・アミとアキレス・ディードを見送ってっと。
これでやっと肩の力を抜けるーー。
「はぁ・・・こんなことを企んでいたんですね」
「だから事前に旅行の準備してたんじゃん。今日いきなり海外行くことになったら、ユキねえだって困るでしょ?」
「・・・それでヨミ様。お説教は追加するとして、お仕置きは何が嫌ですか?」
なにが嫌って・・・あれか。まんじゅう怖い的なヤツか。
コスプレはイヤだし、くすぐられるのもイヤだし、変なプレイをさせられるのもイヤだし・・・
あ、そうだ!イイこと、思いついたぞぉ・・・
「ユキねえがぁ、いつもは白い肌を真っ赤にしてぇ、恥ずかしがってるのがイヤかなぁ?」
「なるほど。ヨミ様を目一杯辱めればいいと」
「えっ?いやだから・・・」
「そうですよね?」
「あっはい・・・」
「それでヨミ様。アクシデントはもう十分味わったので、明日に備えてゆっくり休みたいんですが」
「あとこれだけだから。疲れたんだったらユキねえだけ先に帰ってもいいけど」
「それはできません。目を離した隙にヨミ様が何をしでかすのかわからないので」
俺の信頼度低くない?ちょっとLBXバトルするだけなのに。
今までだってそうだよ。よくわからない言い回しをして、LBXバトルしてるだけ。それのどこが信用できないのさ、ユキねえは。
「それと、いつまでバン様たちをコソコソ追い回すんですか?用があるなら、さっさと会いに行けばいいでしょう」
「タイミングってのがあるの!映画の演出とかと同じだよ!」
「面倒くさいですね・・・」
ちなみにバンとヒロの今の目的は、トキオシアデパート地下にある旧シーカー本部に設置された、LBXを暴走させてる指令コンピューターの破壊。
まあ、指令コンピューターを守ってるLBXに苦戦するんだけどね。
そこにイザナミが現れて、指令コンピューターを守ってるLBXを華麗に撃破して、『コイツ味方なのか?』って思わせたところで、バンたちにもちょっとだけ攻撃して『味方じゃなかった!』みたいする!予定!
あ?風間 キリトの役目だろって?それがさ!聞いてよ!キリト君、闇落ちしてないんだけど!?
俺の行動でなんかが変わったせいだと思うんだけど、キリトの恋人が死んでなくて、あの野郎、今はただのリア充なんだよ!
・・・いいことではあるんだけど。でもさぁ!?あんなヤツにカノジョがいて、俺にはカノジョがいないのが解せぬ!こんなの世界のバグでしょ!
あ゛ーーー!俺も可愛いカノジョがほしい!そしてカノジョとニャンニャンして脱☆童貞してぇー!
「ヨミ様、そろそろ最深部のようですが、どうするんですか?」
「あれ?バンたちは?」
「そこの梯子を上って行きました」
梯子・・・ってことは、この上に旧シーカー本部があるのかな。アニメだと梯子を上ると旧シーカー本部についてたし。
耳をすませば・・・戦闘してるっぽい音が響いてくる。バンとヒロはもう戦闘してるのか。なら俺も早いとこ準備しないと。
「あ、ユキねえは待機だからね。モルフォの分まで用意してないし」
「・・・そもそも、私もヨミ様と一緒に行きたいなんて一言も言ってないです」
も~素直じゃないんだから~。
それで準備ってのは、イザナミにちょっとした装甲をつけるだけ。
黒ベースのイザナミに、この若干アクシュミな金ぴか装甲をつける。コイツをつけることによって、バンに『イザナミだけど、俺の知ってるイザナミじゃない』って違和感を与えて、バンの味方だった『なぞのLBXプレイヤー』と差別化するのだ!
ほら、このあと出てくる予定の『ダークパンドラ』とかと同じ感じの、闇落ち機のイメージをつけるための、アクシュミ金ぴか装甲!
「・・・・・・でけた!」
ついでに軽く試運転・・・金装甲もできるだけ薄く、軽くしたつもりだけど、やっぱり若干重くなるね。いつもより慣性がある感じ。
そいであとは、イザナミからバンとヒロの音声を拾えるようにして・・・っと。あ、今回俺がバンたちに喋りかけたりはしないから。ミステリアス度を上げるためにね。
「ふひひ・・・!いけーー、イザナミ!バンとヒロの情緒をぐちゃぐちゃしてやれー!」
「最低ですね・・・」
――――――――――
『くっ、やるな・・・!』
『これは鬼強マックスですね・・・』
おっほ~~^イイ感じに苦戦してますねぇ!
・・・っていうかさ。調子に乗って指令コンピューターを守るLBXを強くしすぎたんじゃないの?ねえ、ヤマジュン?
相手は赤と青に塗装されたGレックスか。ここもアニメと変わんないね。で、上からアキレス・ディードが見物してると。
ここでちょっかいかけたら、後でヤマジュンから文句言われそうだけど、それはその時考えよう。
さてと、どうやって仕掛けようかな・・・お、ちょうどGレックス2機が背中合わせになってる。
すごーーーくヤりやすいですわー!助かりますわー!
2機の真横に着地して、首元狙って、刀と槍で交差斬り!
上手く首がポロリして、2機のGレックスがきたねぇ花火になる。
『これって・・・味方!?』
『このLBXは・・・イザナミか!』
ありがとう。ナイスなリアクションをありがとう、二人とも。
これで残りはアキレス・ディードだけなんだけど、一旦逃げるはず。ま、俺も逃がしてあげるつもりだけどね。
アキレス・ディードが片手銃を上に向けて、閃光弾を撃つ。光りにバンとヒロが怯んだ隙に、アキレス・ディードはどっかに飛んで行った。
その手口、イザナミとちょっと被ってるんだけど。パクリだパクリ!今思えば、カラーリングもほどほぼ同じだし!
『アキレス・ディードがいません!まだ遠くには行ってないはずです!後を追いましょう!』
『待つんだヒロ!先に指令コンピューターをどうにかしないと!』
あの~?もうちょいイザナミに対してないの?イザナミと指令コンピューター、どっちが大事なのよ!
・・・まあ、冷静に考えて、指令コンピューターの方が優先度高いけどさ。
なんかヤマジュンに負けた気がして腹立つし、俺が指令コンピューター壊しちゃいますか。
なーに、誰が壊しても変わらんよ!
あ、そうだ!コイツも演出に組み込んじゃお!
ヨミちゃん3分クッキング!
材料
・お手持ちのLBX ・お好みのウェポン ・指令コンピューター ・オーディエンス
1.お手持ちのLBXに、お好みのウェポンを装備させます。
2.装備したウェポンで、指令コンピューターをメッタ斬りにします。
(この際、できるだけしつこく、力任せに斬ることで、狂気的な印象をオーディエンスに与えることができます)
3.スクラップの出来上がり☆
『バンさん・・・あのLBX、様子がおかしくないですか?』
『ああ・・・それに、俺の知ってるイザナミとは見た目が少し違うんだ』
4.スクラップが完成したら、次はバンとヒロのLBX、エルシオンとペルセウスに、雑に斬りかかります。
『うわっ!?攻撃してきましたよ!?』
『イザナミ、いやヨミ!どうして攻撃してくるんだ!』
そりゃあ、俺がチョロい味方だと思われてるのが不本意だから。『なぞのLBXプレイヤー』はそんな簡単には仲間にならないぞ!
さてさて、だいぶイイ感じにショックを受けてくれたみたいだし、ここらで退散するとしますか。
フラフラ頼りない感じの足取りにして・・・上ってきた梯子の穴に落ちる!
ちゃんと着地も決めて、かんぺき~。
「よーし!これで全部終わったし、後は見つからないように帰るだけ!ほらユキねえ、早く帰ろ!」
「ヨミ様、先ほどの一連の行動で、さらにお仕置き追加ですね」
「なじぇ!?」
「当然でしょう。あんなに他人に迷惑かけておいて」
迷惑っていうか、ちょっとちょっかいかけただけじゃん?
あーー、『ちょっと』『ちょっかい』『かけただけ』って早口言葉みたいじゃない?(現実逃避)
「早く帰りますよ。
「えへへ♡ユキねえさま~♡俺・・・ヨミちゃんもね?ちょーーっとやりすぎちゃったな~って反省してるの♡だからね?」
「その程度でどうにかなると思わないでください」
「えへ・・・えへへ・・・・・・」
っべーーわ。
おい、君!そう、そこの君だよ!ニチャニチャ笑いながら読んでる君だよ!
一生のお願いだから、助け・・・
ウォーズ編↓
https://syosetu.org/novel/306059/
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ユキねえのにっき を だいじなものポケット に しまった!
今日ほどヨミ様の頭を心配した日はない。
唐突に「世界の危機!そして『なぞのLBXプレイヤー』の活躍のチャンス!」などと喚いたと思えば、次は「海外に行くから準備して!」と妄言を続けた。
流石に状況が呑み込めず、ヨミ様の頬を抓って夢を見ているのか確認してみたが、どうやら悪夢ではなく現実のようだった。
ヨミ様の話を詳しく聞いてみると、どうやらレックス様から連絡が来たらしく、世界征服を企む組織があるとか。
世界征服を阻止するためには、様々な国で戦う必要があるらしく、そのために海外に行く準備をしなくてはいけないらしい。
世界征服なんて悪事をしようとしているとは言え、ヨミ様に感づかれた以上、練りに練った世界征服計画が残酷なまでに蹂躙されると思うと、少し不憫に感じる。全く同情はしないが。
世界征服だとかの妄言は一度置いておくとして、一番の問題はヨミ様がどこまで海外旅行を本気で考えているのかだ。
もうヨミ様は寝てしまっている。後日改めて聞いてみる事にしよう。
『世界を救う』なんて無駄に壮大な海外旅行を本当にするつもりのようだ。
軽く脅しつつ何度も確認してみたが、ヨミ様の中では海外旅行は確定事項らしく、精一杯威嚇する子犬のように「ユキねえがなんと言おうと、海外行くもん!」などと言っていた。
ここはしっかりと叱って、海外などには活かせず家に居させるべきなのはわかっている。
だがこういう時のヨミ様の予感は大抵当たる。
それにヨミ様一人で、海外まで家出されてしまっては困る。変に暴走されるよりかはヨミ様の好きにさせつつ、一緒に海外に付いて行き、手綱を握っておいた方がいい。
ヨミ様の予定では、出国まで一週間はあるらしい。
一週間の猶予があれば、荷物を纏められる。そういった計画性はまだ残っていたようで良かった。それでも足りない物を買いに行く必要があり、急いで準備をしなくてはいけない。
出国前日、ヨミ様が海外に行って暫く帰ってこれない事を知ったリン様が家に押し掛けて来た。
最初はどうしようかと迷ったものの、ヨミ様がいつもお世話になっていて、突然会えなくなってしまうのも可哀そうだと思い、一晩だけだが家に泊める事にした。
ヨミ様がお風呂に入っている間、リン様がソワソワと落ち着かない様子だったので訳を聞いてみると、どうやら友人の家に泊まる事すら初めてで、同じ部屋で寝てみたかったらしい。
肝心なのはここからで、同じ部屋で寝る=一つのベッドで寝る、というのがリン様の考えだった。
ヨミ様なら寝るの意味を盛大に勘違いするのは想像に容易く、呆気ない程簡単に勘違いしていた。
想像と差異があった所と言えば、リン様の寝ると決めた時のヨミ様が想像よりも気色悪かった事くらいだ。
他にもリン様に振り回されるヨミ様の滑稽楽しそうな姿はあるが、日記に綴り切れる物ではない。もう明日に備えて寝る事にする。
ヨミ様は一年経っても全く変わらないようだ。これはもちろん悪い意味で。
思えば、引き籠りではなくなったあの日から、人に迷惑を掛けて悦ぶようになった気がする。一年どころか数年前の時点で手遅れだった。
今日のヨミ様はLBXの暴走を誰よりも喜び、騒動を止めようとするバン様たちに迷惑を掛けて回る。
それだけでも厄介極まりないのだが、あの謎めいた言いたい事がわかりづらいキャラ設定をまたやり出した。
そして、今日起こったLBX暴走の犯人が、一年ヨミ様が散々迷惑を掛けつつも共にイノベーターと戦った山野博士だった事。
それだけでも十分頭を悩ませる事ができるというのに、それを言い当てたのがヨミ様だという事。
山野博士が犯人だと知った経緯などはこの際いいとして、警察機関に突き出すわけでもなく、自首を促すわけでもなく、協力するように取引を持ち掛けた。
あろうことか、ヨミ様の口車に乗せられて山野博士は取引に応じてしまった。
取引の内容は、可能な限りヨミ様と私をサポートする、というもの。この取引のせいで山野博士は無理難題を押し付けられる事になるのだろう。
そこに私も巻き込まれると思うと、今から気が重い。
今日だけでも相当迷惑を掛けられたのだから、後日しっかりとお仕置きして躾ておかなければ。
悪い出来事というのは連続して起きるようだ。
山野博士の手配した飛行機に乗ってA国にやって来たのだが、飛行機に乗っていたのは私とヨミ様だけではなかった。
私達以外の搭乗者は、アミ様とカズヤ様だ。最悪な事に、その二人は本人の意志でそこに居るのではなく「何者かに攫われた」と思っている。
そんな飛行機に騙されて乗せられた挙句、A国に着くまでの間二人が逃げ出そうとして危険な事をしないように監視させられ、誘拐の片棒を肩がされた。
山野博士に納得出来る説明を求めたかったが、かなり忙しいらしく問い詰める暇すらなかった。
仕方なく、状況を知っているらしいヨミ様を尋問したところ、これからテロ紛いの行為をさせるため、ある種の催眠状態にして、アミ様とカズヤ様は利用されただけ、という体裁を保つためだそうだ。
なぜその二人ではなくていけなかったのか、なぜテロ紛いの事をしないといけないのか、などと疑問は尽きないが一番不穏なのは、ヨミ様はそこまで知った上で山野博士と取引をしたと事だ。
ヨミ様の奇行を止めさせる方法はないのだろうか。
催眠状態にさせられて虚ろなアミ様とカズヤ様と別れ、ヨミ様が「まだ時間があるし観光しよ!」と人の気も知らないで言い放った。
その時はヨミ様の生意気な態度に気を取られていたが、「まだ時間がある」その言葉の意味をしっかりと考えておけばよかった。
その言葉の意味を知ったのは、今日の昼にトキオシアと同じようにLBXが突如暴走を始めた時だった。
幸いにも数十分で暴走したLBXは動きを止めたが、ディテクターと名乗った男が提示した条件をA国政府が吞まなければ、数時間後に再度LBXを暴走させると脅迫していた。
ディテクターと名乗った男の正体が山野博士で、テロ紛いの行動をすると知っていたが、まさかここまで盛大にするとは思ってもみなかった。
国家の一大事にも関わらず、ヨミ様が「観光もちょっと休憩にしない?」などと言って、事態の収拾に全く興味を示さなかったくせに、事態の収拾に奔走しているらしき少年と少女に意味深なだけの態度で接触していたのが気に食わない。
山野博士がこうしてテロ行為をしているのは、強大な悪に対抗するためとヨミ様は言っていたが、もしかするとヨミ様こそが諸悪の根源だったりするのだろうか。
今日も散々な一日だった。
今日ヨミ様に連れて来られたのは、LBX管理機構であるオメガダイン。なんでもバン様達もここに来ているらしく、手助けついでに迷惑を掛ける腹積もりだった。
要するに、ヨミ様が悩みの種を蒔きに行くだけなのだが、いつもヨミ様が迷惑を掛けているバン様達が危機に瀕しているのであれば話は別だ。ヨミ様の計画に手を貸すつもりはないが、バン様達を助けに行くためにとヨミ様と共にオメガダインに行った。
オメガダインの施設に入ってしばらく彷徨っていると、タイニーオービットの社長でシーカーの指揮官の拓也様と出会った。拓也様が取り乱していたのをよく覚えている。
拓也様から詳しく話を聞くと、オメガダインに潜入したバン様達と連絡が取れなくなった、と。その事を聞いたヨミ様が「フン、仕方ないわね。貸し一つよ」などと宣い、私とヨミ様の二人だけでバン様達を助けに行くこととなった。
今日が散々な日となったのはここからだ。
拓也様の指示に従って、オメガダイン内部を進撃した。潜入や侵入なんて丁寧なものではない。行く手を阻むLBXを破壊し、職員らしき人を見つけると対人スタングレネードで無力化する。その道中は人を助けに行くとは思えない惨状だった。
とても長く感じたオメガダイン内部、職員らしき人物に追い詰められたバン様とジン様だけではなくユウヤ様を見つけた。
私達がバン様達を見つけると同時に、オメガダイン総帥アラン・ウォーゼンもその場に現れた。
三勢力により混沌とした場で、その状況を誰よりも楽しんでいたヨミ様がウォーゼンに取引を持ち掛けた。
取引の内容は、ヨミ様が取り出したUSBストレージとバン様達の身柄を交換。USBストレージの中にはオメガダインの機密情報が入っているらしい。
元々、バン様達がオメガダインに潜入したのはオメガダインの機密情報を調べるためだったようだ。
ヨミ様が取り出したUSBストレージのせいで、その場は更に混沌とした。
しばらく一触即発な雰囲気だったが、ウォーゼンが取引に応じ、誰一人欠ける事無くオメガダインから脱出する事が出来た。
ある程度予想していたが、バン様達に意味深な発言をしたヨミ様に連れられてバン様達と別れた。彼らと別れた理由をヨミ様に聞くと「まだ別行動してた方が絶対いい!」と言っていたがヨミ様が楽しみたいだけだろう。
余談だが、取引したUSBストレージの中にはオメガダインの機密情報などは一切入っていない、とのこと。中に入っているのはネットで適当に拾ってきたデータをわざと破損させて、無理矢理暗号化した物が入っているらしい。故にどれだけ必死にデータを調べても時間の無駄だと。
そんな悪意の詰まったUSBストレージを、ヨミ様はあと二つも持っていると言っていた。「なんか役に立つかな~、って作ったけど思ったよりも便利じゃない?」などと心底嬉しそうに言っていた。鬼だ。
ヨミ様の悪魔のUSBストレージの犠牲者が増えない事を祈るばかりだ。
近頃書いた内容を読み返してみたがネガティブなものしかない。残念ながら今日も似たような内容しか書けそうにない。
ディテクターもとい山野博士から、昨日ヨミ様が取引したオメガダインの機密情報が入ったUSBストレージについて詳しく聞きたい、と連絡があった。さも当然のように「そんな都合のいい情報は持っていないわ。あのUSBストレージは最初から偽物よ」などと言い放った挙句、山野博士にまた我儘を押し付けていた。そんな傍若無人なヨミ様の付き添いをしていると思うと穴があったら入りたい、いやヨミ様を埋めてしまいたい気持ちでいっぱいだった。
厚顔無恥なヨミ様が山野博士に要求したのは、Nシティに向けて出発するリニアモーターカーにLBXを忍び込ませる為の前準備だ。
そこだけ聞いても訳が分からない。山野博士の同じく困惑していた。
ヨミ様が独自に手に入れた情報によると、LBXを使った強盗団ワイルドバッチなる集団がリニアの貨物を狙っており、丁度同じリニアにバン様達も乗り込む予定で、強盗退治のついでにバン様達に稽古を付ける、らしい。
離れた所からLBXを操作せずともリニアに乗り込めばいいと思うのだが、バン様達に直接会うのは今は良くないとぬかしていた。どうせ「俺のキャラじゃないし~」とかそんなふざけた理由だろう。
ヨミ様はLBXに関しては敵なしなのだろうが、人に稽古する前に道徳を学んだ方がいい。
ヨミ様が稽古と称してバン様達に迷惑を掛けた所は省略する。思い出すだけで頭が痛い。
今日は久しぶりにとてもいい日になった。
次、ヨミ様に連れられてきたのは南国のリゾート地として有名なアロハロア島。透き通る海に囲まれた島、それに(ヨミ様が)山野博士に無理を言って取ってもらった高級ホテル。ここで数日の間休息を取る事となった。
この島で三日後にLBXの世界大会アルテミスが開催され、またヨミ様が良からぬ事を企んでいるのだろうが、今はそんな事は忘れて羽を伸ばすと決めた。
ヨミ様が言ったのだ「数日はヒマだし、ここで遊んでよ!」と。
そう。今ならヨミ様にお仕置きをする時間があるということ。せっかくアロハロア島まで来たのだが、先延ばしにしていたヨミ様のお仕置きの方が大事だ。
ホテルにチェックインした後、大きなベッドで飛び跳ねているヨミ様を捕まえて手首と足首を縛り、目隠しもした。抵抗むなしくベッドの上を這いながらキャンキャン吠えるヨミ様は、少しうるさかったが可愛らしものだった。
一時間もしない内にヨミ様も抵抗を諦め、充実していたルームサービスを駆使してホテルの一室で快適な一日を過ごした。
ヨミ様を縛り上げたまま、快適なホテルの部屋で一日を過ごした。
視界いっぱいに広がる青い水平線をただ悠然と眺めたり、観光パンフレットを流し見たり。それらに飽きたら横に置いたヨミ様を気まぐれにつつけば、退屈する事のない反応を返してくる。
そんな事を興じていると、あっという間に夜になってしまった。
もうお風呂に入り寝巻に着替えた。後はもう寝るだけなのだが、私が静かに日記を書いていたために縛られてベッドに放置されたヨミ様は、一人取り残されたと勘違いをして不安げな声色で私の名前を呼んでいる。
その姿は、親に甘えようと鳴く小動物のようで大変可愛らしい。いつもこれくらい可愛げがあればいいのだが。
私がここに居るかの最終確認のつもりなのだろう。ヨミ様が貧相な語彙で私への暴言を吐いた。立場をしっかりわからせる必要がある。
お仕置きをして少しは懲りたかと思っていたのだが、ヨミ様の辞書には反省の二文字は存在しないようだ。
今日はアルテミスの開催日だったのだが、運の悪い事に海を挟んだ向こう側でA国の大統領であるクラウディア・レネトン大統領の就任一周年演説も同時に開催されていた。
事の発端は今朝、ヨミ様が「ヤマジュンから電話きた!」と言ってきたところから始まった。
曰く、真の敵がクラウディア・レネトン大統領の演説中に暗殺を企てているらしい。運の悪い事に丁度現場近くに居る私達にも暗殺の阻止するために力を貸してほしいと。
ヨミ様からその事を聞いた時は意識が遠のいた。まさか人生で二度も暗殺計画に巻き込まれるとは思ってもみなかったからだ。
しかも、ヨミ様本人は何かをするつもりはないのに暗殺阻止の協力を承諾したらしい。最初から私の狙撃だけでどうにかするつもりだった。
現A国大統領の命が関わっている以上協力するつもりではあったが、ヨミ様の態度は心底腹が立つ。私が協力条件として、ヨミ様になんでも命令できる権利を手に入れた。
ここで重要なのはお仕置きをする理由ではなく、命令できる権利だということ。ヨミ様がやりたくない事もヨミ様自身の手でやらせる事ができるのだ。
だがその代償もそれなりに大きかった。
暗殺にはLBXが使われるのだが、開催側も防犯為にアルテミス会場以外のCCMの使用を禁止しており、無理にでもCCMを使えばすぐに足がつく。そこで暗殺者は演説会場から距離のあるアルテミスからLBXを操作するらしい。
通常ならば通信が届かず、暗殺おろか全く操作できない距離。だが暗殺者はその問題を解決する方法を持っていた。
その方法とは、通信を中継する特殊なLBXで離れた場所からLBXを操作するというもの。
その手口には覚えがある。ヨミ様が数年前からずっと使っているドローンで通信を中継する方法。この暗殺計画も、元を辿ればヨミ様が蒔いた種なのだ。だというのに私ばかり働かされたのには腹が立つ。
暗殺の阻止自体は然程苦労しなかった。いつのようにドローンで移動しながら、海中に潜む敵の通信の中継しているLBXを探す。見つけ出すまでに少し時間を要したが、見つけてからは速かった。
イザナミが海中にスタングレネードを投げ込んで敵LBXをあぶり出し、スタンするか回避しようと物陰から飛び出したところをドローン上から私の操作するモルフォで狙撃するだけ。
そこまでは順調だった。問題が起きたのは敵LBXを破壊し、撤収作業に移ろうとした時に私達と同じく通信の中継をしていたLBXを倒すべくやってきたバン様のLBXと鉢合わせてしまった。
バン様達のLBX専用飛行ユニット(ヨミ様はライディングソーサと呼んでいた)の方が私達の使っているドローンよりも速く、どうしても迷惑を掛け続けたいヨミ様が「追いつかれたくない」など「捕まったら俺の完璧なイメージが」と喚き散らす。
喚き散らすヨミ様はあまりにもうるさく、みっともなかった。その為についヨミ様を甘やかしてしまった。
ヨミ様に言われるがまま、バン様達のLBXを狙撃して振り払い、煙幕弾を使い追跡を逃れた。
今冷静に考えると、とんでもない事をしてしまった。いつになるかわからないが、ヨミ様と一緒に謝りに行かなくては。
早速ヨミ様にお仕置きをしようとしたのだが、どうしても外せない要件があるとゴネられてお仕置きを見送る事になった。
そしてヨミ様の言う要件のために、わざわざブリントンまで連れて来られた。「え~~とぉ、なんか次のブレインジャックはここでやるらしいから?またバンとかに構ってあげないとだしぃ?」などと言っていたが、ヨミ様は嘘を吐いている気がした。結局どんな嘘かはわからかったが、クネクネしながらあんな言い方をする時は大抵何か隠している。
ブリントンに着いてまず最初に向かった場所は、山野博士が勤めている研究施設ビルニッジ天文台。
バン様だけでは飽き足らず、バン様の父親である山野博士にまた迷惑を掛けるつもりなのかと警戒していたが、イザナミとモルフォの戦闘データを提供する代わりに、メンテナンスと出来る範囲での強化をさせるだけに止まった。
今までのヨミ様の行動を鑑みると、もっと無理難題を押し付けるかと思ったが、少しはお仕置きの効果があったのかもしれない。とても嬉しく思うものの少し寂しいような気持ちだ。子供の成長を噛み締める親というのはこういう気持ちなのだろうか。当然だが、前のような傲岸不遜な振る舞いに戻ってほしいわけではない。
今日は平和な一日だった。
ヨミ様が何かしでかそうにも、山野博士に私達のLBXを預けている。おかげでいつ爆発するかわからないヨミ様という爆弾に怯えずに、ゆっくりとブリントン観光ができた。
息を飲むほどの美しさと積み重ねられた歴史を感じさせる教会や宮殿などの様々な建築物を中心に見て回ったのだが、ヨミ様も荘厳な空間に感化されたようで大人しく観光していた。途中で飽きてしまうかと危惧していたがヨミ様も楽しめたようでなによりだ。
今回は時間を確保できなかったが、機会があれば郊外の方にも足を延ばしてみてもいいかもしれない。
それと食事が不味いとの噂を聞いていたが、覚悟して食べてみるとそこまで悪くはなかった。伝統や国民性もあるだろうがあくまで そこまで だ。感動するほど美味しい食べ物には巡り合えなかった。
だが紅茶はとても美味しい。それに見合った値段も付くが、日本に帰ってからも愛飲したいとも思えるほど。
とても上品で美味しい紅茶だったのだが、ヨミ様が言った「紅茶キメる」の意味はよくわからない。
昨日までの平和が嘘のようだ。
ヨミ様は人に迷惑を掛けるのと私を煽るに関しては右に出る者はいない。今までそう信じて疑わなかった。だが私を煽って怒りを買うという行動において、ヨミ様に並ぶ強力なライバルが現れた。
事の始まりはブリントンでブレインジャックが起こった所から始まる。
暴走したLBXは暫く暴れた後、仮面の男が十二時までに要求を飲まなければ攻撃を再開する、と。ここまではいつもの手法。
「念のため、指令コンピューターの近くに待機!」などと他人事のようにヨミ様は言い放った。十分人の神経を逆撫でする発言だが、普段のヨミ様と変わらない鳴声だ。
問題なのは、LBXを暴走させている指令コンピューターを止めに来た、バン様達の前に現れた二機のLBXだ。
そのLBXはヨミ様と私のLBX、イザナミとモルフォに酷似していたのだ。最初は山野博士に預けていた機体を勝手に使われたのかと考えたが、どうやら山野博士にとっても想定外の出来事らしい。
山野博士と猫を被ったヨミ様が導き出した答えは、真の敵であるオメガダインが作った模造品だと。
勝手に模造品を作られたのは少し不愉快だった。私が思っているよりも自分のLBXに思い入れがあったらしい。
姿形を似せた挙句、隙だらけの拙い動きに、一番腹が立ったのは偽モルフォの狙撃の命中率の低さだ。私が操作すれば機体性能が低くてももう少し命中させられる自信がある。質が低く本物を小馬鹿にした三流物真似芸人を見ている気分だった。
更に、追い詰められた時に逃げ足だけは速いのが癇に障る。
ヨミ様は「アレ、ゼッタイ、コワス」と言っていた。今回ばかりは私もヨミ様に賛成だ。
都合がいい事に、復讐の機会はその日の内に巡ってきた。
山野博士とバン様達の居るビルニッジ天文台が、LBXの大群に攻撃された。
その大群の首領が偽イザナミと偽モルフォだったのだ。逃げも隠れもせずに堂々と出てきた蛮勇だけは認める。私とヨミ様にとっても、ビルニッジ天文台を攻撃しているLBXの大群は見過ごせるものではない。それに私達にはバン様達に手を貸すという大義名分がある。
偽のイザナミとモルフォが率いるLBXの大群を蹂躙する理由はいくらでもあるが、見逃す理由は一つもないという事だ。
戦闘に移行してからは早かった。私もヨミ様も弾丸とグレネードの費用など気にせず、ただただ目の前に存在する自機の劣化LBXを一秒でも早く破壊する事だけを考えていた。
威力と値段の高い弾薬を何も気にせずに撃ち続けるのはとても爽快だ。偽モルフォを炸裂徹甲弾で撃ち抜き、爆散させるのはとてもいいストレス解消になった。
今朝ヨミ様が「次まで時間あるけど、そろそろヤマジュンと打ち合わせしとこっかな~」などと呆けたことを言い放った。昨日の今日で、もう山野博士に迷惑を掛けるつもりなのかと頭が痛くなり、こめかみを押さえ下を向いた。
丁度足元に落ちていた一枚のチラシが視界に入った。それは調子に乗ったヨミ様をお仕置きする、という天啓だと確信した。
そのチラシにはBCエクストラズと大きく見出しがあり、近々A国で開催される一風変わったLBXの大会の告知用のチラシであり、参加条件も書いてあった。
LBXを持ち込むこと、二人一組であること。ここまではよくある参加条件なのだが、三つの目の参加条件にコスプレをしていること、としっかりと書かれていた。
ヨミ様はLBXが好きで、私はヨミ様にコスプレさせるのが趣味と言っていい。BCエクストラズはそんな私達のためにあるような大会だ。
大会開催日までまだ数日ある。それまでヨミ様を泳がせておくことにした。
私がそんな事を考えているとは知る由もなく、無邪気に高笑いするヨミ様はとても愚かしく愛着すら湧いてくる。
少し余裕があるのなら、もう少しA国を見て回りたい旨をヨミ様に伝えてみたところ、特に疑われずにA国に戻ってくる事ができた。
一度入国してしまえば、いくらヨミ様と言えど簡単には出国できない。
A国に到着してすぐにBCエクストラズに出場すると言うと、案の定「俺のキャラじゃないー」とか「嫌な予感がー」とかほざいたものの、ヨミ様になんでも命令できる権利がある。
その権利を行使すると、「こんな時に使うとかユキねえの鬼!悪魔!コスプレフェチ!」と悪態をつきながらもヨミ様は出場をする事を了承した。
私に言わせれば、ヨミ様がバン様達に対して演じているキャラも大概だと思うが。
BCエクストラズに出場するためのコスプレは、元の作品はなく完全オリジナルでもいいとのこと。ならば私のメイド服の一着を、ヨミ様のサイズに手直しさえすれば問題ない。それだけでは味気ないので、猫耳メイドにしようと思っている。
それに合わせてヨミ様の振る舞いをメイドらしいものにするため、明日からしっかり指導する。せっかくBCエクストラズに出場するのなら中途半端なものにはしたくない。
運命などと不確かで曖昧なものを私自身信じていないと思っていたが、今日この日だけは奇怪な縁を感じた。
朝から逃げ出そうとしたヨミ様の首根っこを摑まえるところから一日が始まり、BCエクストラズの会場へとヨミ様を引きずって行った。
大会の出場条件として、二人一組であることとコスプレをすること。リン様がこの場に居ればリン様にも何か可愛らしい衣装を着せてヨミ様と一緒に出場させるのだが、生憎リン様は日本だ。ヨミ様と一緒に出場してくれるような物好きな知り合いはおらず、仕方なく私もメイド服に猫耳と尻尾をつけてBCエクストラズにヨミ様とペアになってエントリーした。
それにしても猫耳と尻尾を付けるだけなのに、ヨミ様は大騒ぎだった。確かに好き好んで付ける物ではないが、たかが装飾品に過ぎない。どうせヨミ様はネコのくせに。
紆余曲折ありつつ、エントリーが済ませてBCエクストラズが始まった。
どこかで見たようなMCが大会のコンセプトを説明するオープニングの後、トーナメント表が開示されたのだが、どうやらこの異端な風変りな大会にバン様の仲間である、ヒロ様とユウヤ様もエントリーしていたらしい。観客席に目をやるとバン様とラン様、丁度退出しようとしていたジン様を見つけた。
なぜBCエクストラズにアルテミスファイナリストが出場するのか疑問ではあるが、それ以上に変だったのはヒロ様とユウヤ様が別のチームになっていた事。しかもその二人と組んでいる相手が名のあるプレイヤーでもない。
大会が進むにつれてわかったのだが、どうやらヒロ様とユウヤ様の間でちょっとした喧嘩のようなものがあったようだ。
そんな状況のヒロ様とユウヤ様のチームが戦う事になるとすれば決勝戦だ。これも運命なのかと疑ってしまいそうになる。
流石のヨミ様もこの二人にちょっかいを掛けようとはしなかった。空気を読んだのか、それとも猫耳メイドの姿を見られたくなかっただけか。
私にとって一番肝心のヨミ様のコスプレ服もそうだが、みっちり仕込んだ丁寧な所作でより一段クオリティが上がった、ヨミ様の猫耳メイド姿はとても可愛らしく、会場も大いに盛り上がった。
特に丁寧な口調の後に、恥ずかしそうに声量を少し落として目を泳がせながら「・・・にゃん」ときちんと語尾をつけて喋るヨミ様はとても良い物だった。クール系のキャラで私と少し口調が被っているのが気になったが、些細な事と思えた。
私にはヨミ様のような愛らしさは備わっていないはずなのだが、一応の礼儀として語尾に「にゃん」とつけて喋ったみると、我ながらに義務的で愛想など微塵もなかったのにも関わらず、観客には歓声を上げていた。最早何でもいいのだろうか。
余談だが、BCエクストラズで優勝したのは私とヨミ様のチームだ。準決勝でヒロ様のチームを倒し、決勝ではユウヤ様のチームと戦い、激戦の末辛くも勝利した(実際にはそう演出しただけ)
優勝賞品の高級コスプレ衣装二着はヨミ様が他の出場者に譲ってしまい、もう一つの景品であるLBXの高性能メモリ、マイスターX3は手に入ったのだが、コアボックスに搭載しようにもイザナミとモルフォの物はかなり特殊な作りになっているらしく、マイスターX3を搭載する事は出来ないようだった。
使えないパーツを持っていても仕方ないので、半ば無理矢理ヒロ様とユウヤ様に押し付けた。彼らだったら有用に使ってくれるだろう。
日記を書き終えてもう寝ようとした時に、山野博士が何度も連絡してきていた事に気づいた。
山野博士に連絡先を伝えた覚えはない。怪しく思いつつも私の方から連絡してみると、山野博士曰く次の行動がターニングポイントとなる非常に大事な場面で、急ぎヨミ様にキャンベルンまで来てほしいらしい。
私に連絡をしたのは、私がヨミ様をキャンベルンに行くよう説得するか、ヨミ様の代わりに私にキャンベルンに来てほしいと。
正直な所、何がどうなっているのかわからない。ただ一つわかるのはヨミ様のせいで状況が複雑になり、それに私も巻き込まれているという事。
そして、そんなヨミ様の代理として私だけキャンベルンに行くというのはあり得ない。
すぐさまベッドで一人平和そうに寝ていたヨミ様を叩き起こして、山野博士が手配した飛行機に寝ぼけたヨミ様を引きずるように乗り込んだ。
キャンベルンに着くまで数時間あり、ヨミ様は飛行機の座席に座るとまた寝てしまった。
こうして日記を書く暇がいつあるかわからないので、日付は変わっていないものの続きを書いてみた。
ヨミ様が関わっている以上、すぐに片付く問題とは思えないが、出来るだけ早く終わる事を願う。
ようやくヨミ様との二人旅が終わったのだが、代わりに更に騒々しくなった旅が始まった。
キャンベルンに着いて山野博士から送られてきた指示に従って移動した先は、観光地として名高い水中ミュージアムだった。
バン様達がそこまで辿り着いたら、山野博士が今までディテクターとしてテロ行為をしてきた目的と、真の敵をバン様達に全て打ち明ける。それと一緒に、ヨミ様も敵ではない事を説明する為、私達もここまで来てもらったと。
水中ミュージアムが実はオメガダインのミサイル工場だった、などと多少紆余曲折はあったものの、それ自体は問題なく終わった。ヨミ様が大人しくしていればもっとスムーズに話が進んだと思う。
想像以上の話の重大さと、ヨミ様の飄々した態度への怒りのせいで大事な事を見落としていた。
それは、山野博士とヨミ様の誤解が解けた事で、バン様達と一緒に真の敵であるオメガダインの野望を打ち砕く流れになる、という事。
バン様達に手を貸すのとオメガダインの野望を打ち砕く、そこまではいい。
嫌なのは、常に回りくどい言い回しをするヨミ様が横に居て、それに私も付き合わないといけない事だ。
頭と胃がキリキリと痛む。それと気を抜くとすぐに溜め息が漏れてしまい、コブラと名乗った胡散臭いサングラスの男性に心配ついでに口説かれた。これも全てヨミ様のせいだ。
ヨミ様に付き合わされる度に「この世で一番振り回されている」と考えていたが、今日の出来事に比べれば今までのヨミ様の奇行など、せいぜい小石につまずいたようなもの。
そう断言出来るほどに悲惨な一日だった。
まず一つ目。通信衛星に偽装していた宇宙軍事基地パラダイスの機能を停止させるため、フューチャーホープ号という名のタンカーを制圧する事。
「敵の足止めをしておくから、先に行きなさい」などとヨミ様は言っていたが、それは建前でバン様達が居なくなると「いや~、ずっと『なぞのびしょうじょ』キャラ演じてるの疲れるわ~。別行動バンザイ!自由サイコー!」とかぬかしていた。一度大恥をかいてしまえ。
この時点で十分頭痛の種となるのだが、流石ヨミ様。それだけでは終わらなかった。
なんでも、パラダイスに搭載されているAIの開発者である大空 遥もフューチャーホープ号に乗っており、そもそも日本を出て海外を飛び回っていたのも、大空博士の作ったAIが目的だったらしい。
船内を散々荒らして回った後に、大空博士の研究室らしき部屋をヨミ様が見つけてしまい、例のごとく大空博士にゴチャゴチャと一方的に話をしていた。
大空博士がどんなAIを作っていて、ヨミ様がどんな目的なのかはよくわからなかったが、大空博士もヨミ様の被害者になる事だけはよくよくわかった。
二つ目。フューチャーホープ号を制圧している間に、オメガダインを影から操っていた黒幕アルフェルド・ガーダインの手によって、NICSのカイロス長官とクラウディア・レネトン大統領が誘拐された。
そのお二方を助け出す為、ガーダインの居る国防基地に向かう事となったのだが、さも当然のようにヨミ様と私も一緒に行く事になった。
確かにヨミ様以上に強いLBXプレイヤーはいないが、ヨミ様が関わると大抵ロクな事がない。こんな疫病神はどこかに置いて行った方がいいに決まってる。
何はともあれ、バン様達とヨミ様と私の十一人、現場で直接指示をする山野博士を始めとした大人が三人。それと後方支援をするオタクロス様と大空博士。
計十六人で、国防基地に監禁されたカイロス長官とレネトン大統領の救出作戦が開始した。
元の作戦はシンプルなもので、ダクトから侵入し、国防基地の最奥を目指すというもの。残念ながら、ヨミ様が関わった事で無駄な作戦が付け加えられた。
猫を被ったヨミ様が言うには「作戦自体に異論はないけれど、もしバンたちが警備に見つかった時は、私たちが警備を引きつけるわ」と。ヨミ様語を翻訳すると「潜入がバレたら、暴れてもいいよね?」という意味だ。
相手はA国の国防基地。当然のことだが、警備システムは生半可なものではない。途中までは上手く隠れながら進むことが出来たが、結局警備に見つかってしまった。
「計画通り、ここは私たちが引き受けるから、貴方たちは先に行きなさい」などとぬかしておきながら、いざ戦闘が始まると、時間を稼ぐどころか襲い掛かってくるLBXを薙ぎ払いながら基地内部を進撃する羽目になった。
そんな中、ヨミ様の前に立ちはだかる一人の勇者がいた。その人物の名はジャック・ジェラート中尉。
プロト・Iという高度な関節部を持つLBXを操作し、ヨミ様とほぼ互角にまで戦うその姿は、まさに勇者と呼ぶべき存在に見えた。
しかし、相手はLBXの邪神ヨミ様だ。善戦こそしたものの、最後はプロト・Iが過負荷によって動かなくなってしまい、そこをイザナミに攻撃されて呆気なく散ってしまった。
道中、私も少しは援護射撃をしたとはいえ、流石にやりすぎた。ヨミ様が戦ったのは訓練された兵士と軍用LBXだ。それでもヨミ様を止められないと事は、ヨミ様がその気になれば国の重要施設を一人で制圧できるという事。
この一連の事件が終わったら、次はヨミ様が世界征服を企みそうで今から気が気でない。
そんな事をしていた時、既にバン様達がカイオス長官とレネトン大統領を救出していたらしい。つまりヨミ様は必要以上に時間を稼ぎ、相手のLBXを破壊して回っていた事になる。
そのくせ、首謀者のガーダインに逃げられてしまった。首謀者に逃げられ、戦いが長引くという事は、ヨミ様の犠牲者が(私を含め)増えるという事だ。
追い打ちの三つ目。
ガーダインの逃げた先は、宇宙軍事基地パラダイス。その名の通り宇宙、大気圏の外まで逃げられてしまった。
逃げた敵の背をただ見ている、なんて選択肢はなく、飛行機を改修して宇宙まで追いかける事になった。
まさか、ヨミ様に引き連れられて宇宙まで行く羽目になるとは思いもしなかった。
本音を言えば帰りたい。家に帰ってヨミ様を弄んでいたい。なぜあの日ヨミ様を止めなかったのだろう。帰りたい。
特段宇宙が嫌いという訳はないが、行きたいとも思わない。正確には、ヨミ様のお遊びに付き合うためだけに宇宙にまで行きたくない。そんな所よりも我が家に帰って悠々と過ごしたい。
第一、相手が衛星に逃げ込んだのならば弾道ミサイルでも撃ち込んで、言葉通り地上から抹殺すればいい。どうして地上で一番自己中心的なヨミ様が、宇宙まで侵略するのを許可しているのだろうか。
あんな脳まで筋肉で出来ていそうな副大統領とかいう小物の相手に、この世の身勝手さを煮詰めた存在のヨミ様を向かわせるのだろうか。
目を閉じて、次に気が付いた時には自分のベッドで、最近の出来事が全て夢だったらよかったのに。
またヨミ様が世界を救うついでに権力者にコネを作り、作ったコネで更に荒らし回る。これを悪夢と言わずして何だというのだろう。
世界の危機などバン様にでも任せて、家でゆっくりヨミ様を着せ替え人形にしていたい。
宇宙に飛び立つ直前にLBXの大群に襲撃されつつも、何とか無事に宇宙船に改修したダックシャトルが飛び立ち、大気圏を突破する事が出来た。
今は最後の自由時間。もう引き返せない所まで来てしまったと悟ると、却って冷静さ取り戻せた。諦めの境地と言うのかもしれない。
「世界を救う為、宇宙まで行く」などと大変な事に巻き込まれてしまったが、その原因の一つとしてヨミ様の存在が大きい。無事家に帰る事が出来たなら、目一杯ヨミ様を可愛がろう、そう心に決めた。
最後に、初めて宇宙に来た感想を書き留めておく。「確かに地球は青いが、LBXの邪神は確実に存在する」
あれから忙しく、寝る時間すら満足に確保できなかったがようやく日記をつけるくらいには落ち着きを取り戻してきた。
あまりにも色々な事がありすぎて、どこから書くべきか悩んでしまう。今までの出来事を整理する丁度いい機会だと思って纏めてみる。
最後に日記を書いたのが、宇宙に飛び立ち宇宙軍事基地パラダイスに乗り込む直前。
パラダイスに乗り込む前と乗り込んだ後にも、敵LBXによる攻撃があったが、ヨミ様が破壊活動に悦んでいただけなので割愛する。
パラダイス内部の出来事と言ったらやはりあれだろう。
黒幕であるガーダインの元に辿り着くと、聞いてもいないのにベラベラと政治家らしいよく回る口で、理念や、己の過去、果てには計画の全容までわかりやすく説明してくれた。
一通り説明が終わると、ガーダインは「ゼウス」という白いLBXを取り出し、最後の戦いが始まった。
元軍人だろうが所詮は政治家。ゼウスの性能こそ高かったものの、バン様達だけで倒せる相手だった。
こんな壮大な計画を考えた張本人だけあって、ガーダイン自身が負ける事は想定内だったらしく「私自身の手で有終の美を飾りたかったのだがな」などと負け惜しみを言っていた。
LBXバトルもバン様達の優勢で、ヨミ様含め全員がそのままゼウスを倒す、そう思っていた。
だが、そこでゼウスの操作を引き継いだ人物がいた。その人物に手を出したのがガーダインの最大の失敗だろう。
ガーダインからゼウスの操作を引き継いだ人物は、日本に居るはずのリン様だった。
リン様はスレイブ・プレイヤーにされていて、バン様達だけではなく、私とヨミ様も敵対してきた。
普段からヨミ様に鍛えられているだけあってリン様もLBX腕は確かだ。ゼウス自体の性能はその場にあったどのLBXよりも高く、更に特殊モードも発動させた。圧倒的な力の差に一気に形勢は傾いた。
リン様の登場によって、バン様達のLBXはボロボロ。勝ち誇って大声で笑うガーダイン。だが、ガーダインは取り返しのつかないの過ちを犯していた。
それは、リン様を巻き込んだ事。
私にとってリン様は大事な友人で、ヨミ様もリン様の事をかなり気に入っている。
元々ヨミ様は遊び半分でパラダイスまで来ていて、私はそれに不本意ながら一緒に来ただけだ。
リン様を巻き込んだ事で、私とヨミ様でガーダインを本気で捻り潰す理由ができた。
リン様を救う為、バン様達のLBXを下がらせ、半ば暴走状態のゼウスとのバトルを開始した。
バトルの内容は大雑把にしか覚えていない。リン様を救おうと無我夢中だったのと、いつも以上に洗練されたイザナミの動きに合わせるので精一杯だった。
ヨミ様と私が本気で戦っていたのにも関わらず苦戦を強いられた。LBXの性能はどこを取ってもリン様の操作するゼウスの方が上だった。
それでも必死に食らい付き、一瞬の隙を突いて何とかゼウスを破壊してリン様をガーダインの支配下から解放する事ができた。
全ての障害を振り払い、後はパラダイスの機能を完全停止させるだけだったのだが、その場にはヨミ様が居た。そう簡単に話は進まない。
前から目を付けていたらしいパラダイスの管理AI、アダムとイブを消さずに残しておいてほしいと。
悠長に討論する時間はなかったので、アダムとイブは一時的に凍結するという事で落ち着いた。その時ヨミ様はAI相手に「またすぐに起こしてあげる」と口約束をしていたが、ただのAIにそこまで入れ込む理由がわからない。
最後に一波乱あったが、無事ガーダインを捕らえ、わざわざ宇宙まで連れて来られたリン様を連れて地球に戻る事ができた。
凱旋や勝利の余韻に浸る事より、ただゆっくりと休みたかったが、ここからが本当に大変だった。
ヨミ様がこの旅の間ずっと不可解な行動を繰り返していたせいで、私まで永遠と尋問を受ける羽目になった。いくら問い詰められようと、私はヨミ様の我儘に付き合っていただけ。私もヨミ様の被害者だというのに。
どんな誤解があったのか知る由もないが、やっと尋問が終わったと思った矢先、今度はヨミ様が強請ったAIの処遇についての議論に巻き込まれそうになった。別に私はそのAIがどうなろうと関係ない。ヨミ様に文句を言われる前にさっさと抜け出して、リン様のお見舞いに行った。
リン様の潜在能力を無理矢理引き出していたせいで、経過を見る為一ヶ月ほど入院する事になっていた。幸い、リン様はとても元気そうで安心した。
小一時間程リン様と話し込んでいると、中々進展しない会議に嫌気が差したらしいヨミ様がリン様の様子を見に来た。
流石のヨミ様も、最悪の形でリン様を巻き込んでしまった事を反省しているらしく、ヨミ様にしては珍しく真面目に謝っていた。
リン様は気にしていないようだったが、せっかくの機会だったのでリン様に「ヨミ様になんでも命令できる権利」を与えるに誘導し、リン様もヨミ様をなんでも命令できる権利を手に入れさせた。
ヨミ様になんでも命令できる権利、などと夢のような権利を手に入れたにも関わらず、リン様の命令は「日本に帰るまで、ヨミに毎日会いたい」それだけだった。
純粋なのは美徳だが、流石にそれは無欲が過ぎると説得すると、兄弟姉妹がいないリン様は私とヨミ様のような姉妹に憧れがあると打ち明けてくれた。そこでリン様の命令の内容を変更して、ヨミ様は毎日リン様に会いに行く事と、リンを姉のように扱う事にした。
照れながら「リンおねえちゃん」と呟いたヨミ様の姿を写真に収められなかったのは悔やまれる。
ようやく全てが片付き、家に帰ってくる事ができた。
最初は数日間の遠征程度だと思っていたが、結局半年間も海外を転々としていた。
こんなにも長引いたのはガーダインの世界征服のせいもあるのだが、ガーダインを捕らえた後にヨミ様が傭兵の真似事をして、多方から仕事を受けて日本に帰るのが無駄に長引いた。
ヨミ様曰く「コネは大事。古事記にもそう書かれている」とかほざいていた。私は各国要人のコネなどどうでもいいから、早く家に帰って以前の生活に戻りたかった。
こうして自分の部屋で日記を書いていたのも、遠い昔のように感じる。
そんな久しぶりの我が家に、新たな住人、立ち位置的にはペットかもしれない。
その正体は、大空博士の開発した宇宙軍事基地パラダイス用のAI、アダムとイブだ。
野球ボール程の大きさの多面体にアダムとイブを各々インストールし、独立したネットワークに隔離しているらしい。
詳しい事は知らないが要するに、フワフワと宙に浮かぶ喋る多面体だ。
独立したネットワークのせいで、機能は市販のAIスピーカー以下だが、自動で充電してくれるので生き物よりかは手間は掛からない。
宇宙軍事基地のAIをこんな玩具にした理由は謎だが、ヨミ様が気に入っているようなので深くは追究しない。
触らぬ神に祟りなし、だ。
「ふひひっ・・・これはユキねえの日記じゃあないですか・・・」
三割くらい俺の悪口が書いてあった気もするけど、もっとよく読めばユキねえの弱点とか、弱みを握れるかも。
「・・・・・・」
「もーーっとよく読んであげないとねっ!コイツはァ面白いことになってきたゼぇ・・・」
「楽しそうですね?何が『面白いこと』なのか私にも教えてくれませんか?」
「ピォッ!?」
あばっば、あばばん!?
いや、まだだ!まだ誤魔化せる!これが俺の処世術だッ!
「エ、ア、イヤ~~~・・・あ、あれだよ。新しいコアパーツがね?スッゴイ面白いなぁ~って?」
「いいから、その背中に隠した物を見せてください」
「へぇっ!?ナンニモナイヨ、ナンニモ」
「隠した、私の日記を、出して、ください」
ッスぅーーーー・・・ダメみたいですね。
そっと追加してもバレへんか・・・これ、ユキねえの日記風、W編ダイジェストね。
いやぁね?これ書くためにアニメ一週してきたから時間が掛かっちゃった。てへぺろ。
後はフォールアウトとかが忙しくて・・・わかるだろ?
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