ありふれない人間?は世界最恐 (紅しげる)
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プロローグ

俺は死んだ。なぜ死んだかは覚えていない。だが、わかることがあるとするなら、ゴジラシリーズ、ガメラシリーズ、ウルトラマンシリーズの全てのDVDを買いに行っていたということだけだ。クッソ!ウルトラマントリガーの映画まだ行ってないのに!!

 

そんなことを言っていると、目の前に一人の女性と少女が降りてきた。女性は美人で、スタイルもよく、地球だとアイドルになってても可笑しくないほどだった。少女の方は見た目はクールという感じで金髪だ。その少女に俺は一目惚れをした。彼女いない=年齢26歳の俺が恋をした。

 

「はじめまして、まだ死なぬ運命を持っていた少年よ…」

 

あ、はじめまして……え、まだ死なない運命だった?どういうことですか?

 

「はい、私の隣にいるこの子が誤って貴方の命を消してしまったのです」

「ごめんなさい…」

 

へ?

 

俺は少女によって死んだらしい。クールな見た目で完璧美少女のような彼女に殺されたようだ。

 

「これは神々の中でもかなりの失態です。本来なら、彼女は魂ごと消されていました」

 

魂ごと消す?!

 

俺は女性の言葉に困惑した。初恋の相手が消されようとしていたからだ。

 

「はい、ですが……ふふふっ面白いですね。神が一人の男性に恋をするというのは……」

 

え?どういうことですか?

 

「ふふふっ…この子は貴方に恋をしています。だからなのか……この子はあなた以外の人の人生を管理しようとしませんでした。それに、貴方もこの子に恋をしているようで……。貴方は神によって死んでしまいました。ですので、転生できます。その特典の一つとして彼女をお渡しします。どのように使っても構いません。人の命を奪ってしまいましたからね………さて、本題に入ります。転生するにあたって貴方にはいくつかの特典を差し上げます。何がいいですか?」

 

えっと……じゃぁ…全てのウルトラマン、ウルトラ怪獣、ゴジラ怪獣、ガメラ怪獣、グリッドマンやダイナゼノンの力をください!変身する力も!!

 

「まぁ…いいでしょう。彼女にも力を与えることができますが………なにか与えたい力などありますか?」

 

えっと………じゃぁ…モスラやイリス、ジャグラスジャグラーの力を与えてください!

 

「いいよ、それじゃぁ転生させるね」

 

そうして俺は少女と共に新しい世界に転生することになった。最後に女性が笑顔で俺らを送ってくれた。

______________________

次に目が覚めると、1つの家にいた。その家には俺と少女しかいないようだった。目の前に文字が出てきた。

 

《今の君たちは二人共3歳だよ。安心して、授業料とか学校行くお金とかは私が全部出すからね。そうそう、あなたの名前は八雲蓮(ヤクモ・レン)だよ。彼女の名前は小泉未来(コイズミ・ミク)ね。あ、この世界は一夫多妻が許される世界だから!》

 

そうして文字が消えた。




主人公:八雲蓮
能力:ウルトラマンやウルトラ怪獣、ゴジラ怪獣、ガメラ怪獣、グリッドマン、ダイナゼノンの力
好きなもの:未来、未来の手料理、未来の笑顔、ラーメン、コーヒー、蛾
嫌いなもの:未来の涙、天之河、檜山
特徴:未来や恋人以外の人や、心を開いていない人をフルネームで呼ぶ。蛾や蝶が周りに集まってくる。青と赤のオッドアイ。

メインヒロイン:小泉未来
能力:初代モスラ、二代目モスラ、平成モスラ、新モスラ、レインボーモスラ、水中モードモスラ(アクアモスラ)、鎧モスラ、鎧モスラ・エターナル、イリス、ジャグラスジャグラーの力
好きなもの:蓮、蓮の顔、お寿司、蛾
嫌いなもの:蓮の怒った顔、天之河、檜山
特徴:金髪のロングヘア、アホ毛、蓮の逆で赤と青のオッドアイ。


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原作開始前1

あれから数年、俺達は小学3年になった。そんなある日のことだ。クラスメートの八重樫雫が涙目で校舎裏へと走っていった。

 

「………」

「あれ?今のって、八重樫さんだよね?涙流してなかった?」

「……行くぞ」

 

俺は未来を連れて校舎裏へと八重樫雫の後を追った。なにか、このままでは駄目だと思ったからだ。俺には未来という最高の彼女がいるが、だからといって困っている人を助けないのとは違う。

校舎裏に行くと八重樫雫がしゃがんで泣いていた。

 

「八重樫雫、何をしている?」

「…っ?!…八雲くんに小泉さん?どうしたの?みんな帰ってるよ?」

「それはこっちのセリフだ。泣いて走るお前を見つけて来てみれば………涙を流して何をしているんだ?」

「それは……」

 

そう言うと八重樫雫が黙った。こうなったら、もう見離せない。

 

「何があった?」

「実は―――」

 

そこから聞いた話はイジメだった。八重樫雫のその話が胸糞悪かった。男のような髪、男っぽい、人気の幼なじみといるという理由でイジメを受けているとのことだった。

 

「ふざけたことをするような奴らだな……」

「ふむ……だったら、俺がお前の道場に通い、同じ道場という理由でお前が俺と関わりを持てば…ソイツらの少し変わるだろう。俺にヘイトが向けばいい」

「でもそれだとあなたが…!」

 

まぁ、相手は女子。男である俺がやっても変わらないだろうが……やってみてもいいだろう。

 

「明日の9時だ…お前の家に行く。未来、それでいいか?」

「明日は何も用事ないから大丈夫、手加減はしたほうがいい。対戦相手が誰であれ…怪我人が出る」

「そ…そこは大丈夫だと思うよ。多分、戦う相手は私か…天之河くんだと思う」

 

八重樫雫なら手加減するだろう。天之河光輝という男が相手なら死なない程度に怪我させたほうがいいだろう。

 

そうして今日は家に帰った。八重樫雫を家まで送り、俺達は家に帰って女神様(未来の母親)に道場に通えるように頼んだ。

すると、すぐにOKという返答が来た。

______________________

翌日、俺は八重樫雫の道場に来ていた。理由はもちろん、イジメを止めるためだ。

 

「八重樫鷲三、八重樫虎一、八重樫霧乃。突然申し訳ない。俺と未来をこの道場に通わせて欲しい」

「ふむ……それは何故?」

 

俺がそう言うと八重樫虎一が俺の目を見て聞いてきた。

 

「俺は、目の前で人が悲しむ姿を見たくない。だから、強くなりたい」

「……では隣の少女は?」

「蓮に頼ってばかりなのはもう嫌だから…」

「そうか……では、君達がどれだけの実力か知りたい。雫、彼らの相手を頼めるかな?」

「…はい」

 

八重樫雫と戦うことになってしまった。こうなったら、俺は手加減を全力でしないといけない。

 

俺は武具を着て、竹刀を持った。

 

「…本気を出すのは……剣道では難しい」

「……それはなぜだ?」

「俺の構え方が剣道と程遠いからだ」

「そうか…」

 

そうして俺と八重樫雫の一騎打ちが始まった。だが、俺の圧が八重樫雫やその家族を倒してしまった。八重樫雫、八重樫霧乃、八重樫虎一の三人が尻を着いた。ゆいつ、八重樫鷲三だけ圧に負けずに立っていられた。だが、その顔を見ればギリギリだったということがわかる。

 

「っ!……すまない、戦おうとするといつもこうなってしまうんだ……」

「………これでは勝負にならない。お主らとはまた今度茶を飲んで出して話をしたい。いいかな?」

「あぁ、いつでも空いている。いつ呼んでもらっても構わない」

 

そう言って俺は八重樫雫に近づいて手を伸ばした。

 

「すまない、八重樫雫。手加減をすると約束したのに……情けない。約束を守れないとは……」

「だ、大丈夫!八雲くんは悪くないよ、」

「だが……」

「本当に大丈夫!」

「………わかった、今日は帰ろう。未来、帰るぞ」

 

俺と未来は道場をあとにした。八重樫雫達には悪いことをした。これでは俺も恐怖の対象になってしまう。



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イジメの原因

あれから日を改めて道場に来た。その時は八重樫虎一の部屋だった。

 

「雫からお前がここに入ろうとしている理由がわかった。だが、何故雫を助けようと思った?雫と知り合ったのも最近じゃろ?」

「あぁ、確かに今までは話したこともない。……だが、話したことがないだけだ。助けないという理由にはならないだろ」

 

俺は目の前で泣く人を見たくない。

 

「……だが、助けたとして、お前にどのようなメリット……お前にとっていい事というのはあるのか?見返りを求めたり「俺は見返りを求めない。見返りなんて物を要求するぐらいだったら、助けない」………変わったやつじゃな…」

 

そんなに俺は変わった男なのだろうか。

 

「普通なら、見返りぐらい要求すると思うのだが……」

()の俺に欲しい物はない。欲しい物があったら要求していただろう」

「そうか……」

 

俺は八重樫虎一に言った。

 

「この件は俺に任せてほしい。一つ、欲しいのができた」

「………その欲しい物とは?」

()()()()()()()()()()()()()だ」

 

そう言うと、八重樫虎一の目が俺を睨みつけてくる。

 

「自由になった雫の笑顔……」

「あぁ、今のアイツは………何かに囚われてるみたいだ。囚われているせいで、アイツはイジメを受けてるんじゃないか?」

 

俺は八重樫虎一に話した。男のような服や、髪をしているため、イジメを受けているんじゃないかと。

 

「ふむ…そうか……わかった。イジメの件はお主に任せる。見返りは…雫の笑顔……どうする気だ?」

「イジメが終わった次の日にでも未来と雫の二人で買い物に行けばいい。そこで未来が雫の服やら何やらを買うだろう。あぁ、金は心配するな。未来の親が金持ちなんでね……」

「…………少し気になったことがある。お主、本当に雫と同い年か?」

 

突然、八重樫虎一がそんなことを、言ってきた。

 

「あぁ、そうだ」

「………何処か、大人びた感じがしてな……」

「…気のせいだ」

 

そう言って、俺は道場を出た。出てすぐに未来と一緒にイジメをしていたヤツらを探した。何をするかは言わないが、報いは受けさせる。

______________________

調べていてわかったことがあった。まず、イジメの原因が八重樫雫の幼馴染みだ。ヤツはイケメンで人気らしい。人気ゆえか、周りに女子が集まる。イジメの主犯達だ。

ヤツは何気ない気持ちなのか知らないが、八重樫雫に話しかける。それが羨ましくて主犯共は八重樫雫に危害を加えるのだろう。

やはり人間とは欲の塊だな。欲を満たすために他を落とす。好きな人物がいるなら尚更だ。その人にとっての()()になりたがる。

ヤツはそんなことを知らず八重樫雫に話しかけ、イジメがエスカレートしていくようだ。



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雫の笑顔

あれから、イジメの主犯達にずっと悪夢を見る呪いをかけた。かけて数日、八重樫雫へのイジメがなくなったらしい。なくなるどころか、家にまで謝りに来たとかなんだとか。

イジメが完全になくなってから数週間、雫は笑うことが多くなった。

 

「良かったねー!」

「あぁ、スマイルが一番だ」

「そうだね!スマイル、スマイル♪」

 

未来とそうやって話していると、八重樫雫がこっちに来た。

 

「八雲くん、小泉さん!」

「あ、雫ちゃん!」

「…八重樫雫。どうした?」

 

八重樫雫は笑顔で未来と俺を買い物に誘った。前よりも笑うことが多くなっている。

 

「えっと…ふ、服を…選ぶのを手伝って欲しくて…だめ……かな?」

「別に駄目じゃ「いいよ!オススメのお店とか、教えてあげる!雫ちゃんなら似合う服いっぱいあるよ!大丈夫、お金の心配はないよ!だって、ここにお金(無制限)持ちの蓮がいるから!」……結局俺が払うのか………それで、いつにする?」

「えっと…明日とか……いい?」

「大丈夫!いつも暇だから、用事ができて嬉しい!!」

 

俺達は明日、八重樫雫と服を買いに行くことになった。未来がカワイイ服を着て行こうと、服を選んでいた。

 

「ねぇねぇ、これどう?」

「ふむ……はぁ、可愛すぎる…年齢とか無視して、もう結婚して」

「ふぇ?!///」

 

あ、反応カワイイ。

 

「さ、流石にまだ早いよ〜………あぅ…////」

 

未来のカワイイ反応を見ていると、目の前に文字が出てきた。

 

《うちの娘は年齢的に結婚できません!!ちゃんと、大人になってからまたプロポーズしてあげてください》

 

親?公認になっていた。うちの彼女最高

______________________

次の日、俺と未来は八重樫雫よりも先に集合場所に来ていた。

 

「八雲くん、小泉さん!お待たせ!」

「あ、雫ちゃん!私のことは未来でいいよ!蓮のことも、蓮でいいよ!」

 

未来が話す隣で俺は手に乗ってきた綺麗な蛾を見ていた。

 

「…それじゃ、行くぞ」

「あ、うん!」

 

俺達は店に入って服を選んだ。

 

「ふむ…八重樫雫、まずこれを着てみろ」

「え、うん」

「未来、このスカートとかどうだ?」

「ミニスカがいい!」

「………なら、これとかどうだ?」

 

八重樫雫が試着室に入って、少し経つと出てきた。

 

「え、えっと…どうかな……」

「「最高…」」

「私にこんなカワイイ服似合う?」

「「似合ってる」」

 

そこから、いくつかの服を買って店を出た。

 

「いやぁ〜、蓮ごめんね!いっぱい買っちゃって!」

「女の子の服選びは大変だということは知っている。これぐらい平気だ」

「ありがとうね!次何処行く?」

「えっと………」

 

何処に行こうかと話していると、一人の男が俺らの方に来ていた。

 

「お前だな!雫をたぶらかしているのは!」

「は?」

「「え?」………天之河くん

「最近、雫がよそよそしいと思っていたら、お前のせいだったんだな!今すぐ雫から離れろ!!」

 

八重樫雫の顔を見ると、物凄く嫌な顔をしていた。

 

「……なんでここにいるのよ。天之河君」

「何でって、雫を助けに来たに決まってるだろ!」

「私は別に、助けを求めてないし…………ただ友達とお買い物しているだけなんだけど?」

「いや、そんなぱっとしないヤツが()()()()なわけない!!」

 

男がそう叫ぶせいで、蛾や蝶が驚いて飛んで行ってしまった。

 

「別に、私が誰と友達になろうと…仲良くしようとするのは私の勝手でしょ?それを天之河くんが決めないで!蓮くん、未来さん。予定通りあのお店でご飯食べよ?」

 

そう言って歩き出そうとしたら、男がまた言った。

 

「待ってくれ雫!俺達は幼馴染みなんだ!そんな男とじゃなくて、俺と居るべきだ!そんなヤツが選んだお店なんかよりも、俺が選んだお店のほうがいい!!」

「「………は?」」

 

俺と未来が決めた場所は、知り合いの園部優花の親が経営している洋食レストラン《ウィステリア》だった。俺達は男が言った言葉に怒りを覚え、この男には絶対心を開かないと決めた。



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ストーカー

俺達は変な男と遭遇した。イケメンなんだが、八重樫雫は物凄く嫌っていた。

 

「俺のことをぱっとしないだのなんだの言うのは勝手だ………だが、アイツらの店を悪く言うのはやめろ。それに八重樫雫に鬱陶しいぞ」

「なっ?!なんなんだ君は!初対面の相手に言う言葉か?!」

「テメェの《ぱっとしない男》も初対面の相手に言っていい言葉じゃねぇんじゃねぇか?」

「そ、それは…だがっ!」

 

そこで俺の手を引っ張った人がいた。未来だ。

 

「約束の時間過ぎちゃうよ!()()()()ほっといて、早く!」

 

時計を見ればもうすぐ予約をしていた時間だった。

 

「マジだ…未来、八重樫雫。行くぞ」

「「はーい!」」

「待て!雫と彼女を巻き込むな!どうしても雫と彼女を連れていくというのなら、俺も連れて行け!」

「………ストーカーか?キモいぞ?」

「なんだと?!」

「まぁ、店に入るのは勝手にしろ。だが、自分の金で行けよ?俺らはお前と無関係だからな」

「雫は俺の幼馴染だ!関係あるに決まっているだろ!!」

 

ストーカーがそう言うと、八重樫雫が誰でもわかるほど嫌な顔をしていた。例えるなら、女性が黒光りするGを見たときと同じ顔とだけ言っておこう。

 

「優花も待ってるし、早く行こうよ!」

 

そう言われて未来に引っ張られてお店の方へと行った。お店に入ると園部優花が満面の笑みで接客してくれた。

 

「あれ?後ろの人は?」

「俺はあm「あ、無関係!私達とは別のお客さんね!」なっ?!」

「園部優花、予約席に案内してくれ」

「あ、うん!こっちだよ!」

 

ストーカー男とは別の席に案内された。座ってすぐに園部優花が三人分+一人分の水を持って来た。全員の前に置いて、最後に八重樫雫の隣に水を置いた。

 

「どうした?」

「私も一緒に食べようかなって…駄目かな?」

「別にいいが、自分の分は自分で払えよ?」

「……だ…大丈夫、お小遣い…あ、あるから………」

 

園部優花が少し涙目になっていた。そこへ園部優花の両親の園部優理と園部博之が来た。

 

「はい、注文の料理だよ」

「あら〜、蓮くん恋人増えたの〜?優花もついでに貰っちゃってもいいんだよ〜?」

「お母さん?!」

「園部優理、八重樫雫は彼女じゃない。俺の彼女は未来だけだ」

 

未来と園部優花の顔がりんごのように真赤になった。それから、店で話をしながら飯を食った。園部優花も楽しく食べていた。会計を済ませようとしたときにはストーカーはもういなかった。店の外に出るとストーカーがいた。

 

「……しつこいぞ」

「黙れ!お前、まさか雫に払わせたんじゃないだろうな!!」

「んなわけ無いだろ。俺が払ったんだよ」

 

そこへ園部優花がお店から出てきた。

 

「蓮!鞄忘れてるよ!」

「あ、すまん」

 

そう言って鞄を受け取り、ストーカーを置いて帰った。ストーカーが何か叫んでいたが、何も聞こえない。園部優花があの後ストーカーがナンパしてきたと言ってきた。次の日、俺は謝りに行った。



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原作突入
原作突入1


夜中のFPSゲーム大会に出ていた俺は次の日の朝、一人で起きれなかった。いつもは俺が最初に起きているのだが、今日は起きれなかった。

 

「蓮が遅く起きるなんて珍しいね!」

「だが、いつもと同じ時間に学校に行けている」

 

言っても十分とかだ。家を出て未来と話ながら小走りで学校に向った。

いつもと同じ時間に学校に着いた。教室の前まで行くと、いつもの四人組がいた。

 

「よぉ〜キモオタ!どうした寝不足か?どうせエロゲで徹夜だろ?」

「うわ〜!エロゲで徹夜とか、キモすぎ!」

 

何やら勘違いしていたため、俺はスマホの画面を見せて言った。

 

「俺は昨日ゲーム大会の夜戦に出てたんだが?これのどこがエロゲで徹夜なのか、百文字以内に言え。檜山大介」

 

そう言うと場が悪そうになったためか、顔を青ざめて何処かに行った。

そんな檜山達を無視して俺達は教室の中に入り、自分達の席に座った。座ってすぐに一人の女性が来た。

 

「八雲くん、小泉さんおはよう!今日も時間ギリギリだね!もっと早く来ようよ!」

 

白崎香織。高校生になってから突然関わり出した。聞けば八重樫雫の親友らしい。

 

「香織、おはよう!ごめんね、早く着たいんだけど色々と事情があってね…!」

「おはよう。白崎香織、俺の事情(嘘)でこの時間にしか来れないんだ。だから、未来を悪く言うのはやめろよ?」

「あ、そうなんだね!ごめんね、知らなくて」

 

どこぞのストーカーと違い、ちゃんと謝れるのはいいところだ。

白崎香織と話していると、()達が来た。あの一件以来、雫が何度か告白してきた。未来という彼女がいるのだが、と思っていたら未来がいいよと言った。そのため、ストーカーが知らない間に八重樫雫も彼女になった。ちなみに雫に俺と未来のことは話しているため、

 

「おはよう、蓮、未来!」

「香織と未来はまた彼の世話をしているのか?優しいな」

「全くだ。そんなやつに何を言っても無駄だと俺は思うがな」

 

脳筋、コイツも高校になってから一方的に関わり始めた男だ。白崎香織とは違い、ストーカーと一緒で俺を嫌っているようだ。

 

「おはよう、雫ちゃん!」

「あぁ、おはよう雫。また、3人で()()のお店に行かないか?」

 

そう言うと、優花が後ろから声をかけてきた。

 

「やっと、名前で呼んでくれたんだ!ありがとう!あとおはよう!」

「おはよう。お前後ろにいたのか、だから周りを見渡してもいなかったんだな……」

「あ、そうだ。三人共、お弁当持ってきた?一緒に食べよ!」

 

優花の提案により、俺達は一緒に飯を食うことになった。



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原作突入2

単刀直入に言う。俺は寝ている。授業中だが寝ている。夢を見ているのだろう。だが、目の前の夢に俺は驚いている。

目の前にあるのは燃え盛る街、数多の怪獣。それと向き合うように立つ多くの巨人。

 

『グァアア!!!』

『シュエアァ!!』

 

1匹の怪獣と1人の巨人の声によって全員が衝突しようと前に走る。その衝突が起きようとした時だった。空から一つの何かが降ってきて、それが地面に落ちたのと同時に、輝きとともに全てが吹き飛んだ。

 

「星ごと吹き飛んだ…?!」

 

しばらくすると、光が消えて一体の怪獣だけがいた。

 

「見たことない…怪獣…」

 

見た目も薄っすらとしか見えないが、複数の怪獣が混ざったような感じだった。

 

『グワァァァン!!』

 

そんな鳴き声と同時に、俺は目が覚めた。教室でみんながお弁当を出そうとしていた。

 

「大丈夫?」

 

隣にいた未来が優しく声をかけてくれた。

 

「あぁ…大丈夫。大丈夫だから、鱗粉出さないでくれ…」

 

未来の前には俺と未来の弁当が置かれていた。

 

「変な夢を見たが…気にしなくていいだろう。さぁ、飯を食おう」

 

そう思い、弁当を開けようとしたら雫と優花が来た。

 

「朝言ったじゃん。一緒に食べようって」

「あぁ…悪ぃ、忘れてた」

「「酷っ?!」」

「まぁまぁ、ほら!揃ったんだし食べよ!」

「あれ?みんなが教室で食べてるなんて珍しいね!一緒に食べようよ!」

「いいよ!」

 

そこに白崎香織が加わり、5人で弁当を開けて食べた。

 

「これ未来が作ったの?凄いね!家で働いてみない?」

「これは蓮や雫ちゃんと優花以外の人にはあげないの〜」

「そっか〜」

 

そうして話しているとストーカー男がこっちに来た。

 

「香織、雫、優花、未来。こっちで一緒に食べよう。八雲は寝足りないみたいだし、そんな眠たいのに未来と優花の手料理を食べるなんて……()()()()()()()?」

「え?私の料理じゃないんだけど?これ、蓮が作ったお弁当なんだけど……蓮は自分で作ったお弁当を食べちゃ駄目なの?」

「え?なんで天之河の許すがいるの?」

「ブフォッ!」

「ちょ、雫大丈夫か?!」

 

優花が言ったことに雫が吹いてしまった。

 

「あ?」

「「「「え?」」」」

 

雫の背中を擦っていると天之河を中心に謎の魔法陣が展開された。

 

「未来、雫、優花!」

 

俺は両手で未来と雫、背中から一本の触手を伸ばして優花の手に巻きつけて引っ張り、教室から出ようとした。だが、俺よりも先に魔法陣のほうが早く、間に合わなかった。魔法陣が輝き始めて俺らの意識が落ちた。



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元女神兼我が嫁と愉快な仲間と異世界に来ました。

気づくと変な広場にいた。俺は触手を伸ばしていることを思い出してすぐに触手を消した。幸い、まだ誰も起きていなかった。

 

「未来!雫!優花!起きろ!」

 

未来達の体を揺さぶると、未来が起きて続くように他のみんなも起き始めた。

 

「クソッ…何処だここは……フラッシュグレネード類じゃなかった……まさか、本当に異世界…?」

「待て!八雲……あれはなんだ?」

 

突然天之河光輝がそんなことを言った。それに周りのみんなは天之河が何を言っているのかわからなかった。

 

「あれ…とは?」

「恍けるな!ここに来る前、お前が園部さんに何かをしたことはわかっているんだぞ!」

「え?何を言っているの?私、何もされてないんだけど……」

「天之河光輝、お前混乱しているだけではないか?お前の勘違いで俺達を困らせるな」

「いや!あれは勘違いなんかじゃない!!」

 

よりにもよって天之河光輝に見られるとは最悪だ。

そこに一人の爺さんが来た。俺は身構えてしまった。

 

「ようこそ、トータスへ。勇者様とその同胞の方々…よくぞ来られました。歓迎致しますぞ。私は聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ。ささ、立ち話もなんですし、席にお座りください」

 

そう言われてみんなが座る。未来、雫、優花、白崎香織が天之河光輝に隣の席に来るように言っていたが、無視して俺の隣の席に来た。畑山愛子も俺の隣だ。

 

「あなた方を召喚したのは『エヒト様』です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にして、この世界を創られた至上の神。おそらく、エヒト様は悟られたのでしょう。このままでは人間族は滅ぶと。それを回避するためにあなた方を喚ばれた。あなた方の世界はこの世界より上位にあり、例外なく強力な力を持っています。召喚が実行される少し前に、エヒト様から神託があったのですよ。あなた方という『救い』を送ると。あなた方には是非その力を発揮し、『エヒト様』の御意志の下、魔人族を打倒し我ら人間族を救って頂きたい」

 

つまり、未経験多数の子供に戦えと言うことだ。

 

「ふざけないでください!!この子達に戦争をさせる気ですか?!許しません!えぇ、先生絶対に許しません!!早く帰してください!貴方達がしていることは、ただの誘拐です!親御さんも心配します!早く帰してください!!」

 

畑山愛子はプリプリと怒って言った。それで帰れるかも知れないと誰もが思っただが、イシュタル・ランゴバルドの次の言葉で全員が絶望に叩きつけられる。

 

「お気持ちはお察しします。しかし……あなた方の帰還は現状では不可能でございます」

「ふ、不可能って……ど、どういうことですか!?喚べたのなら帰せるでしょう!?」

「先ほど言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間に異世界に干渉するような魔法は使えませんのでな。あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様の御意志次第、ということになりますな」

「そ、そんな……そ、そもそもですよ?!神様か何かは知りませんが、我々の同意もなしに連れてきて帰れないじゃないですよ!責任持って私達を帰してください!無責任ですよ!神様でも許しません!えぇ、先生絶対に許しません!!」

 

なかなか凄い事言っている気がするが、帰れないということ現実は変わらない。

 

「うそだろ?帰れないってなんだよ!」

「いやよ!何でもいいから帰してよ!」

「チクショォォォォォォ!!」

「こんなところにいられねえ!俺は夢から覚めてさせてもらう!きっと、次はガチャでLRが出るんだ!さぁ、夢から覚めてくれ!」

「この世界は元々残酷だ……」

「俺は聞いたんだ!この戦争で散った者たちの無念の叫びを!!」

「こんな幼気な子供に戦争ってか?!たく………お前ら!RPGの貯蔵は十分か?!!」

「「「黙ってろプロサバゲーマー遠藤!!テメェはピストルとスナイパーライフル1丁だけ装備しとけっ!!」」」

 

カオスだ。遠藤はプロサバゲーマーだ。ちょっと教えてやると自身の影の薄さで一人でサバゲーマー二十人に勝てる実力がある。そんなときだった。天之河光輝が畑山愛子のように机を叩いて立ち上がった。

 

「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。……俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放って置くなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。……イシュタルさん?どうですか?」

「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無碍にはしますまい」

「俺達には大きな力があるんですよね?ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」

「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」

「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」

「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。……俺もやるぜ?」

「龍太郎……」

「それじゃ、二人で頑張ってね。私は戦わないわ」

「え、えっと…雫ちゃん達が戦わないなら私も戦わない!」

「なっ!?何故だ?!!この世界の人達が困っているんだぞ?!まさか……八雲ッ!!お前、彼女達に何をした!!」

「何でもかんでも蓮のせいにしないで!!」

 

天之河光輝達が揉めているときに、俺は気になったことを聞いた。

 

「イシュタル・ランゴバルド、質問いいか?」

「八雲ッ!!」

「はい、何でございましょうか」

「そこの中二病は置いといて…主に2つだ、まずその魔人族とはなんだ?」

 

さっきの話では魔人族という敵と戦っているしかわかっていない。

 

「はい、魔人族とは大陸の南側一体に住まう種族で、魔物の上位種でございます。人間よりも魔法に優れております。そして、突如として魔物が魔人族に従い始め、戦場の形勢が逆転させられました」

「そうか…そして最後にもう一つ、この世界は重婚は大丈夫なのだろうか」

「重婚……ですか?それは何故でしょうか…」

「我々の世界では重婚は認められていてな…こちらでは重婚が認められていないのなら…少し気をつけないといけないからな」

「なるほど。ご安心ください。重婚は認められております」

「そうか。それが聞けて安心だ」

 

そして麓の国に行くことになった。

 

「彼の者へと至る道、信仰とともに開かれん…【天道】」

 

イシュタル・ランゴバルドについていくときも天之河光輝は白崎香織と雫を何度も戦争に呼びかけたが、断固拒否していた。




席順はこうです。左から雫、未来、蓮、愛子先生、優花、香織という順です。
今更だけど、天之河のここに来てから妙に力が漲っている感じがしますって中二病じゃない?大丈夫?


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怪獣要素が一瞬で消えた。

転移されて翌日の話だ。異世界組の俺達は訓練場に集められた。騎士団長メルドは全員が集まったことを確認すると、全員に変な板と針を渡された。

 

「俺の名前はメルド・ロギンスだ!これから戦友になろうってのに何時までも他人行儀に話せるか!敬語なんていらん!なんでも相談してくれ!」

「早速だが騎士団長メルド、この針と板は?」

「あぁ、このプレートの一面に魔法陣が刻まれているだろ?そこに一緒に渡した針で指に傷を作って、魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。 《ステータスオープン》と言えば、表面に自分のステータスが表示されるはずだ。あ、原理とか聞くなよ?そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」

「アーティファクト?」

 

天之河が聞き慣れない単語騎士団長メルドに聞き返す。

 

「アーティファクトって言うのはな、現代じゃ再現できない強力な力を持った魔法の道具のことだ。まだ神やその眷属達が地上にいた神代に創られたと言われている。ステータスプレートもその一つでな、複製するアーティファクトと一緒に、昔からこの世界に普及しているものとしては唯一のアーティファクトだ。普通は、アーティファクトと言えば国宝になるもんなんだが、これは一般市民にも流通している。身分証に便利だからな」

 

俺はプレートに血を垂らした。

 

______________________

八雲蓮 17歳 男 レベル:1

天職:光の巨人(ウルトラマン)・闇の巨人・怪獣使い(レイオニクス)闇黒帝王(エンペラ星人)銀河帝王(ウルトラマンベリアル)怪獣を操る者(レイブラッド)・超獣・怪獣・怪獣王(ゴジラ)モンスター0(一つにして無数)守護神(モスラ)髑髏島の巨神(コング)死と破壊の王(デストルドス)コスモイーター(ルーゴサイト)時空魔神(エタルガー)虚空(グリーザ)超獣を操る者(ヤプール)・サイバー怪獣・機械獣を操る者(ビートスター)U(ウルティメイト)F(フォース)Z(ゼロ)D(ダークネス)5(ファイブ)・ダークザギ・ノア・宇宙恐魔人(ゼット)・魔王獣・成長する脅威(イフ)科学者(ウルトラマンヒカリ)不死鳥(ウルトラマンメビウス)・錬成師

筋力:不明

体力:無限

耐性:無限

敏捷:不明

魔力:無限

魔耐:無限

技能:光の巨人(ウルトラマン)・闇の巨人・怪獣使い(レイオニクス)闇黒帝王(エンペラ星人)銀河帝王(ウルトラマンベリアル)怪獣を操る者(レイブラッド)・超獣・怪獣・怪獣王(ゴジラ)モンスター0(一つにして無数)守護神(モスラ)髑髏島の巨神(コング)死と破壊の王(デストルドス)コスモイーター(ルーゴサイト)時空魔神(エタルガー)虚空(グリーザ)超獣を操る者(ヤプール)・サイバー怪獣・機械獣を操る者(ビートスター)U(ウルティメイト)F(フォース)Z(ゼロ)D(ダークネス)5(ファイブ)・ダークザギ・ノア・宇宙恐魔人(ゼット)・魔王獣・錬成・怪獣使役・怪獣召喚・怪獣擬人化・空間操作・変身・自己蘇生・自己再生・進化・成長・学習・念動力・隠密・物体操作・全事象耐性・衝撃波・魔具精製・毒物耐性・瞬間移動・異空間収納・隠密・剣術・銃術・闘術・魔力操作・限界突破・上限突破・言語理解

______________________

 

「………」

 

俺は何かに巻き込まれそうな感じがしたため、隠蔽することにした。

 

______________________

八雲蓮 17歳 男 レベル:1

天職:錬成師

筋力:5

体力:5

耐性:5

敏捷:5

魔力:5

魔耐:5

技能:錬成・科学者・学習・言語理解

______________________

 

怪獣要素一瞬で消えた。そこから騎士団長メルドの説明後、全員でステータスを見せあった。俺はプレートで遊んでいると未来達が来た。

 

「蓮はどんな感じ?」

「こんな感じだ。未来は?」

 

未来は俺にステータスプレートを見せると、満面の笑みを俺に向けてきた。

 

______________________

小泉未来 永遠の17歳 女 レベル:1

天職: イリス

筋力:5

体力:5

耐性:5

敏捷:5

魔力:5

魔耐:5

技能:怪獣の女王・魔力分解・変身・学習・鱗粉結界・邪神(イリス)・無幻魔人・言語理解

______________________

 

「同じだな」

「そうだね」

 

そして雫達もこっちに来て喋ろうとしたときだった。騎士団長メルドの声が聞こえた。どうやら天之河のステータスプレートを見て驚いているようだ。

 

______________________

天之河光輝 17歳 男 レベル:1

天職:勇者

筋力:100

体力:100

耐性:100

敏捷:100

魔力:100

魔耐:100

技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解

______________________

 

「ほお、流石勇者様だな。レベル1で既に三桁か……技能も普通は二つ三つなんだがな……規格外な奴め!頼もしい限りだ!」

「いや~、あはは……」

 

天之河が見せてから、他の人も見せていった。残りは俺と未来だけだ。

 

「残りはお前ら二人だぞ」

 

そう言いながら騎士団長メルドが来た。俺らはステータスプレートを見せた。

 

「あ…あぁ〜………錬成師か。あれだ…錬成師というのは………鍛治職のことだ。鍛冶するときに便利だとか」

「おいおい、八雲。もしかしてお前、非戦系か?鍛治職でどうやって戦うんだ?メルドさん、その錬成師って珍しいんっすか?」

「…いや、鍛治職の十人に一人は持っている。国お抱えの職人は全員持っているな」

「八雲。お前、そんなんで戦えるわけ?」

 

そう言って檜山が煽ってくる。俺はそれを無視して、未来にそこらへんの手頃な石で作った宝石を渡した。

 

「「「綺麗……」」」

 

それを見た女性陣がそう言った。

 

「ありがとう♪」

「当たり前だろ。俺はこれをしたくてこの天職を願ったまであるんだから…お前にはこの色が似合ってる」

「えへへ…ありがと…あ、蓮の研究に私も手伝うね!どんな研究も…」

「ありがとう…お前自身が必要な研究も在るんだ」

 

俺は騎士団長メルドから未来と俺のステータスプレートを返してもらい、早速部屋に帰ってアクセプター、グリッドマン、キャリバー等、ダイナソルジャー等の研究を始めた。



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蓮のプロポーズ?!

零&蓮(結月)&リク「別世界から俺ら参上」
蓮(八雲)「誰だ?」
蓮(結月)「うわ、ここの主人公と名前同じか……だったら、今度からはユズって名前で呼んでくれ」
蓮「それでお前ら誰だ」
三人「別世界の主人公だ。カクカクシカジカの理由でここに来た」
蓮「なるほどな。じゃぁ前回のあらすじ、ステータス隠蔽したら怪獣とかウルトラマン要素一瞬で消えた」
零&ユズ「俺達よりも怪獣やってるじゃん」
蓮「んじゃ、せー「「「ありふれない人間?は世界最恐どうぞ!」」」……ウルトラショックだ」
零「そういえば紅しげる(以降紅)が元カノと再会してたあとの気持ちがどうちゃら〜とか言ってたぞ」
蓮「元カノねぇ〜」


翌日、早速未来を呼んで未来だけの装備を作ろうとした。

 

「二人でダブル機龍がいい!」

「未来の頼みなら…………身長とか測らないとだが「それは待ってッ!」……」

「ごめん、それは待って恥ずかしい…他に方法はないの?」

「あるぞ。ちょっと難しいが、ナノメタルを使って機龍を作れるぞ。一応聞くが、三式機龍と三式機龍改、どっちが「改!」わかった」

 

そこから魔法付与で耐性を爆上げし、ミサイルなんて危ないものをやめ、魔力弾を撃てるように改造した。もちろん俺の機龍も改造した。爆薬なんてこの世界では危なすぎる。

 

「あとは、ナノメタルで作れば終了だ。だが……」

 

作っているときも気になった物を見た。俺のベッドで寝ている未来を見た。

 

「………このままそっとしておくか」

 

未来がいる場所だけ防音の結界を張った。これで外からの音は聞こえないだろう。

俺はそのまま制作を続けた。続けること2時間、機龍が完成した。俺の機龍には少し、マフラーのような、フードのような物を着けた。なぜかって?未来の機龍と殆ど変わらないからだ。そして、俺は機龍を腕輪ぐらいの大きさにして、いつでも変身できるようにしようとした。

 

「………未来の手首ってどのくらいだ?」

 

調べようとしたが、断られたのを思い出し、腕輪だと風呂のときとかで邪魔かもしれないため、指輪にすることにした。

 

「…………あれ?俺、プロポーズするのか?……いや…でも……婚約ぐらい……いやいや、これは婚約指輪ではなくてだな………誰に喋ってんだ?」

 

そうして、俺と未来専用の機龍を指輪サイズのリングに帰ることに成功した。いざ、渡そうと思ったが、ここで大きな壁にぶち当たった。

 

「…………未来の寝顔カワイイ。起こしたくない」

 

寝ている未来を起こせない。そんな《残酷》なことできない。だが、起こさないと渡せない。

そこで俺はひらめいた。

 

「これは箱に入れるとして…未来が起きるまで一緒に寝ゲフンゲフン、待てばいい。うん、同じベッドで寝るとか夫婦かよ…………恋人だ」

 

それから椅子に座り、この世界の魔物の図鑑を見始めた。だが、その数分後に未来が起きた。

 

「あれ…?終わったの?」

「ちょうど終わった」

 

機龍に変身する指輪を渡すことになった。

 

「…………未来、これを受け取ってくれないか?」

「へ?………これって!!」

「あぁ、俺と結婚…いや、婚約してくれないか?」

「…………はい!」

 

あぁ、良かった。だけど、この指輪が機龍に変身するアイテムという物騒な指輪になってしまったが大丈夫だろうか……




零「大丈夫、大丈夫。護身用の物だろ」
蓮「護身用に機龍渡すか?」
零「俺は指輪に装着者に害を齎す物を弾く結界を着けたぞ。お前らは?」
ユズ「ナイトブレスを…」
リク「同じくナイトブレス、ガッツスパークレンス、Uキラーザウルスの触手」
零&ユズ&蓮「おい、最後ヤバい物渡してないか?!!」
リク「次回!《機龍は俺らのものだ!》お楽しみに〜」


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機龍は俺らのものだ!

蓮「前回のあらすじぃ!なんやかんやで俺ら専用の機龍を作ることに!そして未来と婚約!あ、ちなみに未来の読み方はミライじゃなくてミクね」
リク「知ってるわ」
零「なんやかんやで機龍を作るな」
ユズ「それでタイトルから察するにどうせ勇者だろ」
蓮「おい、そういうこと言うな」


俺と未来専用の機龍を作った。その後、未来に釣られるように同じベッドで寝てしまった。

 

______________________

〜雫〜

今日も訓練があり、みんなが訓練所に集まっていた。だけど、ある二人だけ来なかった。蓮と未来だけが来なかった。

 

「ん?おい、二人はどうした?」

 

蓮と未来がいないことに疑問を持ったメルドさんがそう言った。そしたら光輝が溜息を吐いていた。

 

まったく…すみませんメルドさん。いつも言っているんですけど…」

「あぁ、別にいい。私が呼んでこよう」

 

そう言ってメルドさんが蓮の部屋に行った。その後も光輝はメルドさんが帰ってくるまで、蓮の陰口を言っていた。

______________________

〜蓮〜

気持ちよく寝ていると、ドアを叩く煩い音が鳴った。俺はドアに向かって【ゼロキック】で開けた。

 

「んだゴラァ!誰ださっきからやってるヤツは!!近所迷惑だコノヤロー!」

「す、すまん。集合時間過ぎてもお前らが来なくてな…」

「あ?もうそんな時間か?ちょっと待ってろ」

 

俺は部屋に戻って未来を優しく起こして、すぐに服に着替えて訓練所に向かった。そこにはもうみんな来ていた。

 

「おい八雲!お前、未来に迷惑「あれ?!二人共、左手指に何をつけてるの?!」」

 

優花が俺らに左手についている物に気づいた。それを見た雫と優花は少し頬を膨らませていた。

 

「なにって…指輪だけど」

「指輪?!しかも左手の薬指って…もしかして、結婚指輪?!」

「「婚約指輪だよ!!」まぁ、指輪の見た目をしている武器だけどな」

 

俺がそう言うと、天之河光輝が俺につっかかってきた。

 

「お前!未来の弱みを握ってそんなことしたのか?!」

「おいおい、なぜそうなる?」

「そうよ!蓮は私の要望でこれにしたの!弱みを握ったなんて勝手なこと言わないで!」

「ちなみにどんな武器なんだ?」

 

メルドさんにそう言われた。俺は機龍を見せることになった。そして、俺は指輪からナノメタルを出して機龍を纏った。

 

「「「おぉぉぉ!!かっけぇぇ!!」」」

 

男子達が騒いでいた。

 

「え、じゃぁ未来も同じの持ってるの?」

「持ってるよ!蓮と少し違うけど、お揃い!」

 

ただ、この力は強力なため、制御できるまで時間がかかるだろう。G細胞とかもあるため、他の怪獣とかで慣れないといけないだろう。すると天之河光輝がまた俺につっかかってきた。

 

「おい八雲!あの鎧を俺達にも作れ!」

「は?嫌だよ。なんでお前らなんかに作らなければいけないんだ?」

「なっ…俺達は仲間だぞ!!それにお前だけそんなの使う卑怯だぞ!勇者である俺が使うべきだ!!さぁ、それを渡すんだ!」

 

ちょっと意味わからないことを言い始めた。それを聞いた未来は頬を膨らませながら言った。

 

「これは蓮と私だけのものなの!私と蓮の絆の証なの!奪わないで!」

「何を言っているんだ?!八雲がそれを作ったのだろう?なら、俺達にも作るべきではないか?!」

「いつも蓮の悪口言ってるの私、知ってるもん!そんなことしてるのに貰えるわけないに決まってるでしょ!」

「悪口?なんのことだ?事実だろ?」

 

天之河光輝がそう言うと、未来が機龍改を起動した。ナノメタルで出来た機龍改の腕からナイフを出して天之河光輝に向けた。

 

『蓮への悪口を言うのは良いって言うの?だったら私、この国の敵になるよ?敵になって蓮に付くからね』

「だ、だが「やめろ、光輝。彼女の言うとおりだろう」メルドさん…」

 

未来は機龍をしまってくれた。その後も、天之河光輝が俺に何度も作らせようとしてきた。あまりにも鬱陶しいため、射撃の的にしようとしていた。だが、その度に未来と雫と優花に止められていた。




蓮「やってもいいよな?」
ユズ「やっちまえ。後々うざくなる」
零「そうだな。やってもいいんじゃないか?」
リク「やってしまっても構わんのだろう?」
蓮「まぁ、いいや。次回!《ホルアドへ!》」


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ホルアドへ!

今回から後書きだけ書くことにしました。オリジナル設定、オリジナル技、オリジナルの物の説明や次回予告等だけ後書きに書くことになりました。説明等は零、蓮、ユズ、リクが引き続きやります。


俺達はメルドさんの騎士団員数名と共に、《オルクス大迷宮》へ挑戦する冒険者達のための宿場町《ホルアド》に来ていた。一日目は自由行動で二日目に《オルクス》に挑戦するらしい。

 

「雫、未来、一緒に「「蓮!あっちに面白そうなお店あるから行こう!」」……」

「お、おう。優花も行くぞ」

「あ、うん!」

 

未来と雫がそう言って走っていった。置いていかれた優花の手を引っ張って店に行くことになった。その際、天之河光輝と()()()()の俺を見る目が他の人とは違っていたが、気にしないで置こう。

その後、色々な物を買い、宿に帰って寝ようとしたときだった。ドアを軽く叩かれた。

 

「誰だ?」

『あ、蓮?ちょっと話があるのだけれど…開けてくれない?』

 

未来の声だ。扉を開けると未来の後ろに雫と優花と白崎香織がいた。

 

「おっ邪魔しまーす!」

 

そう言って未来が俺の部屋に入ってきて、ベッドに横たわる。未来に続くように雫達も入ってきた。

 

「で、どうしたんだ。天之河光輝が部屋にでも押し入ってきたか?」

「その時は躊躇なく蜂の巣にするから♪……じゃ、なくて!私達の話を聞いて蓮」

 

真剣な顔になった未来を見て、大事な話だとわかった。

 

「私達ね、さっきまで寝ていたんだけど…私達が見た夢が全部同じだったの」

 

夢の内容ははっきりと覚えているそうだ。未来達曰く、夢の中では体が動かせなかったらしい。そして、夢の中で未来達は燃え盛る街の空にいて、数え切れないほどの怪獣。それと向き合うように立つ多くの巨人がいたらしい。そして、二つの軍勢が衝突しようとした時だった。空から一つの隕石が降ってきて、それが地面に落ちたのと同時に、光と衝撃波ともに全てが吹き飛んだらしい。

 

「お前らもその夢を見たのか…」

「もって、蓮も見たの?」

「トータスに来る前に寝てただろ?その時にお前らが見たのと同じ夢を見たんだよ。何かが降ってきて、全てが吹き飛んだ。そこで俺の夢は終わった」

「そうなのね…私達はその後も夢は続いたの」

 

夢には続きがあり、光が収縮して、人と同じ大きさになった。その光が少しずつ見えるようになり、そこには俺がいたらしい。

 

「は?俺?」

「うん。それでね、その後名前を呼んだんだけど蓮は振り向かなくて…それどころか、どんどん遠くに行ってしまって…」

「最初はただの夢って思ったんだけど、雫ちゃん達も同じ夢で同じ結末だったから…遠くに行って帰ってこないような気がして…怖くて……」

「なるほどな…ただの夢にしては怖いな…まぁ、今日は夜遅いしお前ら部屋に帰れ」

 

俺がそう言うと、未来以外の全員が帰った。未来は何も喋らずに抱き着いてきた。突然なことに驚いていると、未来が顔を上げて俺の顔を見てきた。未来の目は涙が溢れそうになっていた。

 

「……約束して、絶対に帰る…って……私達のところに戻ってくるって!」

「………あぁ、約束する。絶対に未来達のところに帰る。みんなで一緒に地球に帰ろう」

「……もし、破ったら無理矢理蘇らせてでも地球に連れて戻るからね」

「そんなことしなくていいように戻るから」

 

俺がそう言うと、未来が涙を拭って、俺から離れた。部屋を出るときにいつもよりも満天な笑顔を向けて、部屋を出ていった。

俺がトータスに来る前に見た夢、未来達が見た夢。これらがただの夢ではないことは確実だ。だが、俺のときに出てきた怪獣が未来達の夢では出なかったことが少し気がかりだ。




蓮「次回!《挑戦!オルクス大迷宮!!》」


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挑戦!オルクス大迷宮!!

翌日、俺達は騎士団長のメルドさんと【オルクス大迷宮】の入り口に来ていた。迷宮と言うからには、もっと危険そうな雰囲気を予想していたのだが、実際は逆に観光名所のような賑わいだった。

それから【大迷宮】に入り、一つ下の階層へと行った。降りてすぐに、メルドさんが迷宮の中で止まった。すると、壁と壁の間から灰色の魔物が湧き出てきた。それは二足歩行で上半身がムキムキのネズミ人間だった。

 

「よし、光輝達が前に出ろ。他は下がれ!交代で前に出てもらうからな、準備しておけ!」

 

メルドさんがそう言い、天之河光輝達が前に出て、俺達はメルドさんの後ろへと移動した。

 

「あれはラットマンという魔物だ。すばしっこいが、たいした敵じゃない。冷静に行けば子供でも勝てる!」

 

メルドさんがそう言うと、天之河が何も考えずに聖剣振りかざした。ラットマンは聖剣から出た光の刃に飲み込まれて消えた。それを見たメルドさんが少し頭を抱えた。

 

「あぁ〜…お前ら…今回は訓練だから別にいいが…倒した魔物が落とす魔石の回収も頭の隅に置いておけ。明らかにオーバーキルだからな」

 

そう言い、メルドさんがラットマンがいた場所にある魔石を取った。そして、下の階層へと進んでいった。そこからは、数名でクリアしていくことになった。そして、19階層に到達して俺と未来の番が回ってきた。

 

「お前達の機龍()の力を見せてくれ!」

「それは別にいいが…機龍は誰にも渡さんぞ」

 

 

俺はそう言い、未来と並んだ。そして、横にいた未来が手のひらを俺の方へと伸ばしてきた。俺はその手を取るように掴んだ。すると、俺と未来の左手の薬指の指輪からナノメタルが出てきて、俺達を包み込んだ。ナノメタルが形を変えていき、機龍の姿へと変わった。

 

「さ、行くよ!」

「あぁ、行くぞ…機龍!」

『『ギュアアァァァァン』』

 

2体の金属音のような鳴き声が迷宮内を木霊する。それを聞き、ラットマン達とは違うゴリラのような魔物が現れた。

 

「あれはロックマウント?!!なぜ20階層の魔物が?!」

「20階層?!八雲!未来!君達は下がるんだ!ここは俺が!」

 

天之河光輝がこっちに来ようとしていた。だが、そんな自己中に構っている暇などない。俺はロックマウントの腕を掴んだ。最初は痛かったが、腕のナノメタルがどんどん増えていった。そして、ロックマウントの腕を受け止めても痛くなくなった。

 

『蓮、離れて!』

 

俺が未来の後ろまで飛ぶと、未来が機龍の口の中にあるメーサー砲でロックマウントの顔を貫いた。そして、ロックマウントが倒れたことを確認すると、俺達は変身解除してすぐにタッチをした。そしてメルドさんについていき、下の階層へと行こうとしたらまた、天之河光輝に止められた。

 

「八雲、やはりそれを俺達にも作るべきじゃないか?そうすれば戦力も上がるし「断る」なんだと?!」

「俺は作らない。作りたければ自分で作れ、もちろん設計図もやらんし、素材もやらん。人に頼るな自分で探せ」

「そんなの無理に決まっているだろう!」

「だったら諦めろ」

 

そう言って、下の階層へと行った。




蓮「次回!《ロックマウント…ではなく、キングコング?!》」
新しく《ありふれた》の二次創作を書きました。よければ見てください↓
https://syosetu.org/novel/290318/


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ロックマウント…ではなく、キングコング?!

蓮「久しぶりだな。知ってる人はいるだろうが、作者からの伝言だ。『来週の月曜日から投稿する順番を変えます。
毎週月曜日『これがありふれてたらよかったのに』
毎週火曜日『ありふれない人間?は世界最恐』
毎週水曜日『ありふれない名も無き英雄は世界最強』
毎週木曜日『大切な人を守れる人間へ』
毎週金曜日は何かを投稿するかもしれません。休んでるかも
毎週土曜日『黄色いタコよりも早いスピードを出す人?がE組卒業してありふれた異世界へ』
毎週日曜日『異世界は怪獣とヒーローとともに』

時間はいつもどおり不明で、何話ずつ投稿するかわかりませんが1話は投稿する予定です。無理だったら活動報告で言います』だそうだ」


俺達は20階層にいるはずのロックマウントを機龍の初陣で倒して、下の階層へと向かった。その階層には岩がゴロゴロとあった。

 

「まるで岩山だな」

 

そう言いながら周りを見ていると、壁が崩れようとしているのか、欠けた石ころが落ちて音が鳴った。俺は機龍に変身してすぐに、機龍に付いている暗視機能を使って周りを見た。すると、暗くてよく見えなかったが、何かが迷宮の中で動いていた。

 

なにかいる?

 

目で追おうとするが、速すぎて無理だった。そこで騎士団長メルドが剣を抜き、周りを見た。

 

「本来なら、この階層からロックマウントが出てくるはずなんだが…お前達、警戒態勢に『来るぞ未来!』ッ!?」

 

俺がそう言うと未来も機龍になって身構えた。俺は両手に付いたレールガンと肩にあるバックパックの武器をいつでも発射できるように構えた。

 

「………なにも来ないじゃないか…八雲!みんなを怖がらせるような事を言う『グオオオォォ!!』ッ!?」

『キングコング?!!……いや、違う!』

 

茶色い毛が生えたロックマウントのような魔物が飛び出してきた。

 

『そこだ!』

 

俺は素早くレールガンを構えて、ロックマウントの顔を撃ち抜いた。ロックマウントの顔は弾けて血が飛び散った。

 

『未来は大丈夫か「「「「きゃあぁぁ!!?」」」」ッ!?』

 

振り返ると、なぜか空中にいるロックマウントが雫達がいる場所に飛び込もうとしていた。俺はすぐに雫達の前に移動して、メーサー砲でロックマウントを撃ち抜いた。

 

『大丈夫か?!』

「え?あ、うん!」

『ならいい。未来!好きにやれ!』

 

そう言うと、未来がこっちを振り向いて、一度だけ頷いて腕に付いているレールガンで残りのロックマウントを撃ち抜いた。

 

「やったよー!蓮、褒めアフッ!」

 

ロックマウントを倒し尽くした未来が変身解除してこっちに走ってきた。地面を見ていなかったのか、未来が顔から地面にダイブして、盛大に転けた。

 

「未来、大丈夫か?!」

「えへへ…うん、大丈夫だよ」

「ならいいが…」

 

未来を連れて雫達のところに戻ろうとしたときだった。天之河光輝がなにかブツブツ言っていた。

 

「よくも香織達を…!!」

「待て!光輝!!」

「「え?」」

 

振り返って見ると、天之河光輝の聖剣から伸びた光の刃が俺達に向かって振り下ろされていた。

 

「未来、危ない!』

「え?蓮?!」

 

俺は機龍に変身してすぐに未来を抱き寄せた。未来を庇って天之河光輝の光の刃に当たった。背中の部分が溶けて俺の生身の背中が露出した。背中には聖剣で切られた火傷のような跡があった。

天之河光輝は雫達の方を振り向いて、なぜか笑顔を向けた。

 

「みんな!もう大じょ「蓮、大丈夫?!」…え?」

 

俺は変身解除して背中に傷に触れた。

 

「……大丈夫だ、少し痛いが…お前が無事で良かったよ」

「蓮…ごめんね…」

「いや、お前のせいじゃないから…お前が謝る必要はない。それに、これぐらいの傷…!!」

 

ゴジラの再生力で背中の傷は一瞬にして消えた。傷が消えたのを見た未来は振り返って天之河光輝を見た。すると、未来は俺を守るように前に立って機龍になった。

 

『蓮に近づかないで!止めを刺しに来たわけ?そんなこと私がさせない!』

「い、いや…俺は八雲を心配して」

『そんなこと言って、蓮を殺す気なんでしょ!機龍を作ってもらえないからって、蓮にこんなことするなんて…最低!もう近づかないで!!』

「未来!聞いてくれ、俺はわざとやったんじゃな『喋りかけないで!!』…」

 

そう言うと、未来は変身解除してすぐに俺のところに来た。

 

「蓮、本当に大丈夫なの?」

「あぁ、お前も知ってるだろう?」

「そうだけど…」

 

そして俺達が出口の方へと向かおうとしたときだった。騎士団長メルドが声を荒げて何かを言った。すると、部屋全体に魔法陣が展開された。その魔法陣が光ると、俺達は意識を失った。



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暴走?機龍の力

光が消えて、気づけば一つの橋の上にいた。

 

「ここは…?…お前達!今すぐに階段へ急げッ!!」

 

騎士団長メルドがそう言うと、クラスメイト全員が階段へと走っていった。それを見た俺は階段とは逆の方へと向かおうとした。すると、俺が向かおうとした方に巨大な魔法陣が展開され、そこから巨大な魔物が現れた。階段の方からもおびただしい数の骨の兵士が現れた。

 

「アラン!生徒達を率いて《トラウムソルジャー》を突破しろ!!カイル、イヴァン、ベイル、全力で障壁を張れ!《ベヒモス》を食い止めるぞ!光輝、お前達は早く階段へ向かえ!!急げ!!」

「待ってくださいメルドさん!!俺達もやります。あの恐竜みたいな魔物が一番ヤバイでしょう!?なら、俺達も!」

「駄目だ!あれが本当にベヒモスなら、今のお前達では無理だ!!ヤツは六十五階層の魔物…!!かつて、《最強》と言わしめた冒険者達をして歯が立たなかった化け物だ!!さっさと行け!!私はお前達を死なせるわけにはいかない!!!八雲、お前も早く「断る」なっ!?頼む!俺の言うことを聞いてくれ!!」

 

俺は騎士団長メルドとベヒモスの間に立った。

 

「もう一度言うが、断るだ」

「お前にその鎧があったとしても!勝てない!!」

()()()をまだ見てないだろ?こんなデカブツ…すぐに終わらせてやる」

 

俺は機龍を纏い、ベヒモスを見た。ベヒモスは興奮しているようで、鼻息が荒い。

 

『グルァァァァァァァァッ!!!』

『ッ!!?』

 

ベヒモスが咆哮をあげたとき、俺の頭に何かが走った。すると、俺の体の奥底から何か、()()()()が体から出ようとしている気がした。その何かがわからなかったが、出してはいけない何かだと言うことだけはわかった。

 

『がっ…!なんだっ!なんな…んだっ…!!』

『グルァァァァァァァァッ!!!』

『っ!?』

 

再び、ベヒモスの声が聞こえた。その声が聞こえて、俺の中の何かが切れるような音が聞こえた。

 

『ギュアアアァァァン!!』

 

人間とは違う、機械のような声が出た。その声が誰なのか、すぐにわかった。それは俺の声だった。機龍の暴走、そう捉えた。

 

『グルァァァァッ!!!』

 

ベヒモスは赤く輝き、俺に向かって突進してきた。橋が揺れ、今にも壊れそうだった。俺にベヒモスの角がぶつかりそうになったとき、機龍の尻尾がベヒモスの顔に直撃した。

 

『グルァァァァァァァァ!!!?』

『ギュアアアァァァン!!!』

 

ベヒモスが俺を睨みつけてきた瞬間、機龍の全武装を一斉に発射した。

 

『グルァァァァァァァァ!!!?』

 

ベヒモスは避けれず、全て当たった。その結果、ベヒモスの角が折れ、橋に突き刺さった。突き刺さった角を見て、ベヒモスは怒った。

 

「八雲!下がるんだ!!ここは勇者である俺が!!!」

 

天之河光輝が後ろからそう言ってきた。天之河光輝に何かを言おう振り返って、ベヒモスに背中を見せてしまった。ベヒモスは俺が振り返った瞬間、もう片方の角で背中を刺してきた。

 

『うぐっ…!!これだと動きが鈍るな…だったら!アーマーパージ!!』

 

機龍のバックウェポンを外し、《重武装》から《高機動》へと変えた。高機動に変わってからすぐにメーサ砲をベヒモスに撃った。ベヒモスは未知の攻撃に後退った。

 

『もう終わりか…』

 

最後に、【アブソリュートゼロ】をベヒモスに撃った。ベヒモスは顔から凍っていき、完全に動かなくなった。その後、凍ったベヒモスは崩れていき、完全に死んだ。それを見て、俺は高機動を駆使して、階段の方へと飛んだ。階段の方ではまだトラウムソルジャーと戦っていた。その中で未来が無双しているが見えた。そこから少し離れたところでトラウムソルジャーが誰かに剣を振りかぶっていた。その先には優花がいた。

 

『優花、大丈夫か?』

「あ、蓮…うん、大丈夫!」

『そうか、なら…俺が階段までの道を切り開く。お前は馬鹿共を連れて進んでいけ』

「う、うん」

 

今日二度目の【アブソリュートゼロ】を階段までの道に撃ち、道を作った。

 

『行け!』

「みんな、こっち!!」

 

優花がそう言うと、他の奴らも優花の後を追って階段へと向かった。全員が着くまで周りのトラウムソルジャーを撃ち抜いた。全員が着くと、俺も階段へと向かった。途中で未来と合流して、階段へと跳んだ。

 

『よっと、お前ら大丈夫………って、わけじゃないみたいだな…」

 

解除しながらクラスメイト共に話しかけたら、天之河光輝が聖剣を抜いて俺に向けてきた。天之河光輝の目は化け物を見るような目で俺を見てきた。



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仲間割れ?いいえ、一方的な物です

階段に戻ると、天之河光輝が俺に向かって聖剣を向けていた。天之河光輝の目は化け物を見ているような、そんな目だった。

 

「未来、俺の後ろに下がってろ』

 

俺は未来を後ろに下げながら機龍へと変身した。ベヒモスの戦いでエネルギーの半分以上を奪われたが、まだ変身できるようだ。

 

「蓮、大丈夫なの…?連続で変身したりして…さっきも【アブソリュートゼロ】撃ってたし…」

『気にするな、これぐらい…お前を守るためならな』

 

俺は天之河光輝にレールガンの銃口を向けて戦闘態勢に入った。このままクラスメイト全員と敵になり、この場で殺し合いが始まるか、それとも天之河光輝だけが敵になるか。

 

「八雲、未来をこっちに渡せ!未来、安心してくれ。すぐに八雲から解放させる!…さぁ、八雲!!未来を俺達に返すんだ」

 

天之河光輝がそう言ってきたため、頭に血が上り、レールガンだけではなく、バックパックウェポンも天之河光輝に向けた。

 

『未来はお前らの()じゃねぇ!俺の()だ!!勝手に決めてんじゃねぇぞゴラァ!!!』

「蓮、落ち着いて!私は蓮だけの女神だからね!?他の誰の女神でもないから!!?だから、レールガン以外はやめて?!雫や優花にも当たっちゃうから!!」

 

後ろから、未来がそう言って止めてくれる。未来にそう言われて、俺は我に返った。

 

「未来は君の嫁じゃない!弱みを握って、無理矢理婚約させただけだろう!!ここからは逃げられないぞ!!さぁ、未来を返せ!」

 

血管が破れそうな、そんな気がした。

 

『………未来』

「どうしたの?」

『お前を連れて下の階層に逃げてもいいんだけどさ…別にコイツらを倒してから逃げてもいいよな?』

「なんか、嫌な予感するからやめてよ?」

『…りょーかい』

 

俺は雫にアイコンタクトを送った。すると、雫はそれにすぐに気づいてくれたようで、天之河光輝に何か話し始めた。

 

「光輝、今は王城に帰るのが先よ?蓮が本当にそうしているのかは、後日聞けばいいじゃない」

「雫、何を言っているんだ。未来は今も無理矢理婚約させられて困っているんだ。今すぐに助けてあげないと「光輝、あなたいい加減にしなさいよ?」し、雫…?なにをそんなに怒っているんだ?」

「光輝、今までのことは目をつぶってたけど、人の恋路を邪魔するのは流石に見過ごせないわ。聖剣を今すぐに仕舞なさい」

 

雫がそう言うと、天之河光輝は渋々聖剣を鞘に収めた。雫のおかげで、クラスメイト全員を皆殺しにせずに済んだ。俺達は変身解除して、雫達のところへと向かった。

 

「雫、後で未来と一緒に褒美をやる」

「褒美?例えばどんな?」

「さぁ?女神様が決めるから、俺はわかんねぇな」

「……怖いのはやめてよ?」

「安心しろ。怖いのは未来も無理だから」

 

そして俺達は無事に帰還できた。そう、この時まではそう思っていた。



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秘密の実験をしたい…

俺達は《オルクス大迷宮》から無事に城に帰ってきた。天之河光輝は終始ずっと俺のことを睨みつけてきた。

 

なんで未来がアイツらの物になるんだ?俺には意味がわからん。

 

「れーん、私はクラスメイトの物じゃないから、気にしちゃ駄目だよ?」

「…わかってる」

「本当にわかってる…?」

「あぁ、わかってる。天之河光輝はいいけど雫と優花は殺すなってことだろ?」

「違うよ!香織達も殺しちゃ駄目だよ!」

「…わかった」

 

未来に言われれて、白崎香織達の存在を思い出した。雫達のように関わりが少ないから、忘れていたのだろう。

 

「あ、未来は雫達のところに行っててくれ。俺は少し部屋に引き籠もるから」

「えぇぇ…私も一緒に「駄目だ。俺がやろうとしていることは危ないから、未来は雫達のところに行っててくれ」うん…わかった」

 

未来が雫達に突撃しに行ったのを見て、俺は部屋に何重もの鍵をかけて、誰も入れないようにした。

 

「鍵はかかってるよな?……よし、なら…始めるか」

 

そうして、俺は自分の部屋で秘密の実験を始めた。

__________________

〜未来〜

私は蓮に追い出されたため、優花達のところに来た。

 

「むぅ!蓮の馬鹿馬鹿馬鹿!!」

「アハハハ…蓮には何か考えがあるじゃない?危ないことなんだよね?」

「うん…そうらしいけど…私も手伝いたいの!」

「………ねぇ、二人で雑談するのはいいんだけど、訓練場でやることじゃないと思うんだけど?」

 

私達の前で木刀を振っていた雫が私達の前にまで来た。

 

「ねぇ、未来って機龍なしでどこまで強いの?」

「あ、確かに見たことないわね」

「ふっふーん!なら、見せてあげる!私の力(神の力)!!」

 

私の首筋から槍のような先端の触手が出てきた。

 

「それが未来の力なの…?」

「う〜ん……その一部かな!さぁ、戦おうよ、雫!私の力を見せてあげる!!」

 

雫が木刀を構えて、私も触手の先端を雫に向けた。触手を雫に向けて打った。雫は木刀で素早く触手を叩き落とし、攻撃を防いだ。

 

「この触手って痛覚あったんだ…雫!あんまり痛いのは嫌だから、もう終わらせるね!」

「え?まだ本気とかじゃないの…?」

「うん!本気出しちゃったら蓮に叩かれちゃうから!特に雫や優花相手に本気出したらね!!それじゃぁ、行くよ!!」

「え?ちょ!待っ!」

 

触手で雫の木刀を奪ったあと、手足を触手で拘束した。

 

「ね、ねぇ…未来…この触手離してくれない…?」

「うん、そうだね。周りの男子の目がキモいからね、すぐに降ろ「おい未来」あ……れ、蓮…」

 

後ろから蓮の声がして、振り返ると、物凄い怒っている蓮がいた。

 

「れ、蓮!これはその「コラッ!」あぅ!ご?ごめんなさい…」

「チッ…優花に言われて来てみれば…未来!その力(イリス)は下手すれば雫が死んでたんだぞ!」

「あぅ…ごめんなさい……」

 

うぅぅ…怒られた…蓮に怒られちゃったよ……

 

「雫、未来は俺が連れて行くから、気にせずに木刀を振っててくれ」

「み、未来は悪くないわよ?私が未来に言ったんだから…」

「それでもだ。この触手は下手すれば雫の体がバラバラになっちまう」

 

そして私は蓮に手を引かれて蓮の部屋の中に入った。入ると、蓮がドアに何重もの鍵をつけた。

 

「ご、ごめんなさい…」

 

蓮は全く喋らず、私の頭に手を伸ばした。私は叩かれると思い、目を瞑った。でも、痛みは来ず、代わりに蓮の優しい匂いが近くに来た。目を開けると、目の前には蓮の胸があった。

 

「え…?」

「はぁ………たく、心配させんな…未来、お前は俺にとって命よりも大事なんだからさ…」

 

蓮の優しい温もりが私を包んでくれた。

 

「ごめんね…蓮」

 

私は蓮の温もりに包まれながら、蓮に体の全てを預けて、眠りについた。

 

__________________

〜蓮〜

正直焦った。優花が機龍なしの未来と雫が戦っていると言われて、すぐに実験をやめて未来達のところへと向かった。未来はまだ制御できていないイリスの力を使っており、拘束している雫から生命エネルギーの代わりに魔力を吸っていた。

なんとか自室に未来を連れてこれることに成功した。あのままでは雫の魔力が尽きていたかもしれない。

 

俺は目の前で寝ている未来の寝顔を見ながら、実験の再開をしようとした。

 

「……相変わらず、寝顔も可愛いな」

 

そう言いながら未来のアホ毛を突いた。未来が完全に寝ていることを確認して、未来をベッドで寝かせて実験の再開をした。



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未来は夢で

〜未来〜

 

あれ?ここってどこだろう…なんでここにいるんだろう…さっきまで蓮の部屋にいたはずなのに…

 

暗い場所。明かりも何も見えない。文字通り真暗な場所。

 

天界…?

 

違う。私がいた天界はもっと明るい場所。なら、ここはどこか。そもそも私が知っている場所なのか。それすらもわからない。

 

『グワァァァン!!』

 

!!?

 

轟音のような鳴き声が鳴り響いた。私は振り返ってその鳴き声の正体を見た。そこには一匹の怪獣がいた。ただの怪獣じゃない。この世に終焉を齎すと言われ、神々の中でも有名な怪獣で、誰も口に出すことを恐れていた。神々は怪獣をこう呼んでいた。破局怪獣《デスデロ》。

《デスデロ》の力は強大で、神々との戦いでは何かの国を丸々一つ、消してしまうほどの戦いだったと言われている。今では神々の中でも神話の怪獣とされている。理由は誰もわからない。《デスデロ》は神々との戦いの最中に姿を消し、それ以来、姿も何もない。あるのは《デスデロ》が神々と戦っていた時の映像だけ。私はそう聞いている。

 

()()ッ!…………え?()()

 

気がつけば周りの景色が変わっていた。街が燃え、多くの人々が血を流して倒れていた。

 

『グルルル…』

 

《デスデロ》は一点を集中して見ていた。

 

《デスデロ》はいったい何を…?

 

すると、突如として怪獣が現れた。その数は陸を埋め尽せるような、それほどの数だった。怪獣達が出てくるのを知っていたかのように、空を埋め尽せるほどのウルトラマン、光の巨人がいた。

 

『グルルル…グルルル…ガアアアァァァ!!』

?!!

 

《デスデロ》が急に天に向かって咆哮をした。すると、宇宙からいくつもの隕石が街、怪獣、ウルトラマン達を襲った。あちこちにクレーターが生まれ、そこから地下にあるマグマが吹き出してきた。

 

『ガアアアァァァ!!!』

 

その光景はまさに世界の終焉。そこへ、雲の隙間から光が差し込んできた。微かに感じるこの力、それは神々の力と同じ。

 

これは…神々と《デスデロ》の戦い?

 

多くの神々が武器を持ち、《デスデロ》に向かっていった。だけど、《デスデロ》に攻撃は届かず、触れる前に全員倒されてしまった。そこへ《デスデロ》の前に先程の神々とは違う光が降りてきた。それは私のお母さんだった。

 

おかあ…さん…?

 

お母さんは槍を持ち、《デスデロ》に向かっていった。お母さんは槍を振り上げ、《デスデロ》に向かって降ろした。だけど、《デスデロ》は槍を口で受け止め、後ろの方へと投げ飛ばした。

お母さんは武器を失い、《デスデロ》に殺される。私はそう思った。だけど、《デスデロ》は突然後ろに振り返り、何かを見つめた。その視線の先には―――

 

蓮…?

 

そう、()がいた。倒れ、血を流して死にかけているけど、まだは息していた。

 

『グルルル…』

 

《デスデロ》は蓮?に近づき、口を開いた。

 

ダメ!食べないで!!

 

私は口を開いて言いたかった。だけど、声が出なかった。

《デスデロ》は口を閉じて、蓮の体に何かをした。何をしたのか私にはわからなかったけど、呪いとかではないことだけはわかった。すると、《デスデロ》はお母さんの方に振り向き、咆哮を上げた。

 

『グアアアアァァァァ!!!』

 

その咆哮と共に、《デスデロ》は消えていった。その時の私は気づいてなかった。《デスデロ》が消えたときの粒子が蓮の体に集まり、蓮の体が傷一つない、血も出ていない体になっていたことを。

______________________

そこで目を覚ました。起きると、蓮の部屋で、蓮のベッドで寝ていたようだ。蓮は机の上でまだなにかしていた。

 

「ゆめ…?」

 

私は蓮に近づいた。

 

「ッ!?……って、未来か。びっくりした…驚かすなよ」

 

いつも通りの蓮…だけど、なにか違う。

 

「どうした?怖い夢でも見たのか?」

 

あぁ、わかった。さっきの夢は《デスデロ》とお母さんの戦い、そして蓮が簡単に怪獣の力を操れた理由なんだ。



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冤罪だ!冤罪だ!!

蓮「久しぶりだな。知ってる人はいるだろうが、作者からの伝言だ。『2022年9月13日から色々変えました。
毎週月曜日『これがありふれてたらよかったのに』or『光の巨人(仮)』or何かを投稿
毎週火曜日『ありふれない人間?は世界最恐』or『やっぱりメカ最高(仮)』or何かを投稿
毎週水曜日『ありふれない名も無き英雄は世界最強』or『ヒーローよりのヴィランのほうが好き』or何かを投稿
毎週木曜日『大切な人を守れる人間へ』or『怪獣の力でヒーローに』or何かを投稿
毎週金曜日『光と闇はありふれる』or何かを投稿
毎週土曜日『黄色いタコよりも早いスピードを出す人?がE組卒業してありふれた異世界へ』or何かを投稿
毎週日曜日『異世界は怪獣とヒーローとともに』or何かを投稿します。時間はいつもどおり不明で、何話ずつ投稿するかわかりませんが1話は投稿したいです。もし、何も投稿されなかったら休んでるか、忘れている。もしくは非公開の《何か》を投稿していると思います』だそうだ」


未来が起きたのと同時に、俺がしていた秘密の実験がおわった。秘密の実験とは、体の一部だけを怪獣などに変えれるかの実験だった。そしてそれは成功した。片手をガイガンの鎌、片手をザイゴーグの棍棒のような右腕に変えることができた。そして俺は空間を割り、異次元空間に部屋の荷物を全て入れ、片付けを済ませた。

 

「さ、未来、実験も終わったし、雫とかのところに行こうぜ」

 

そう言って未来に手を差し伸ばすと、未来が自身の体を抱き締めるように防御態勢を取った。

 

「……蓮、私が寝ている間に私の体に手を出したりした?」

「いやいやいや!なんで?なんで疑われてるんだよ!!手なんか出さねぇよ!」

「それって…私に魅力ないって「んなわけねぇだろう。俺が一目惚れするぐらいの美女だよ」そ、そう…そっか…えへへ

 

そして未来を撫でようとした瞬間、俺の危機察知能力が何かに反応し、ネロンガの透明化能力を無意識に発動した。すると、それと同時に俺の部屋のドアが叩き壊され、複数の兵士と天之河光輝が入ってきた。

 

「未来、大丈夫か?!アイツに何もされてないか?!」

「え、ちょ、いったいなに?人の部屋に勝手に押し入るとか、どうかしてるんじゃないの?あと、近づかないでもらえる?」

「未来、混乱しているのはわかる。落ち着いてよく聞いてほしい」

 

そして次に発した天之河光輝の言葉に俺と未来は自身の耳を疑った。

 

「八雲は魔人族側に寝返った裏切り者なんだ!」

「え?」

 

俺は未来に念話で話しかけた。

 

『未来、それを誰が言ったのか聞いてくれ。その後、俺がお前を拐うようにお前の下の空間を割る。ちゃんと受け止めるから』

『う、うん。わかった!』

 

すると未来は震えた目で天之河光輝を見た。

 

「だ、誰がそれを言ったの…?」

「あぁ、教えてくれたのは檜山だ。八雲が何故あの機械を作れたのかわからなかった」

 

こちとらビートスターの知識あるんだよ。簡単に作れるに決まってるだろう。

 

「そこでわかったんだ。アイツは魔人族が地球に送り込んできたスパイ、そして人間に装って俺達に近づき、俺達を殺そうとしているんだ!」

 

実際テメェを殺してやろうか天之河光輝。

 

「アイツは今から指名手配になる。さ、今すぐここから出て安全な場所に行こう!」

 

そう言い、天之河光輝が未来に触れようとした瞬間、俺は未来が立っている地面を割り、異次元空間に連れてきた。そしてすぐに割れた部分を修復し、痕跡を消した。

 

「まったく、酷いね!私にまだ神の力が残ってたら、エヒトに成り代わって蓮の無実を広めるのに!!」

「いや、それはしなくていい。今はどうにかして雫達にこのことを伝えたい…そうだ、別に俺等じゃなくてもいいんだ」

「あ、なら、いい方法があるよ!私が手紙を書くから、それを雫達の部屋の置いとけばいいんだ!!」

 

そして未来が手紙を書き、それを雫達の部屋に置いた。これで伝わってくれたら嬉しいが、難しいだろう。俺が見るのは少しアレなため、未来が雫の部屋の中を見て、手紙に気づいたかどうか見張ることになった。



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姫誘拐

雫達に置き手紙を置き、俺は未来を一人で異空間に留守をさせ、ネロンガの能力を使い、一人で外を彷徨いていた。目的は姫だ。人質ではなく、天之河の暴論を打ち砕くために姫が必要だ。

 

「……と言いたいのだが」

 

俺は目の前の姫様の部屋の前にいる衛兵達を見た。数は十数人で、全員フル装備だ。中には元クラスメイトもいる。

 

え、なぜ元かって?檜山大介の発言を信じる奴は全員駄目だ。いつしか《魔人族》と乱闘して戦死するだろう。そんな奴は切り捨てるべきだろうな。

 

「……」

 

別に姫様要らなくね?コイツらと別れて地球に戻れる方法を調べて未来と優花と雫達を連れて帰ればいいのでわ?

 

俺はすぐさま振り返って、未来のところへと行こうとした時だった。天之河光輝が見えない俺に向かって横から攻撃を仕掛けてきた。

 

「なんで場所が…?!」

「俺達の罠だとも知らずにこの通路を歩いたな!この通路の床はみんなが仕掛けた罠があるんだ!見ろ、お前が歩いた場所を!」

 

俺は振り返って、自分が歩いてきた道を見た。そこには俺の足跡がクッキリとつけられていた。

 

「な…んだと…?」

 

俺はこの踏んだ感じが少し面白かったので、めっちゃ踏んでいた。なので、一箇所だけ足跡が沢山ついてあった。

 

ガキかな…これ後で未来に言われそうだ。

 

「さぁ、未来を返してもらおうか!」

あ?

「…やはりお前は邪悪だ。俺達クラスメイトにそんな殺意を向けるとはっ…!!」

 

ヤバい、そろそろこの勇者を地球の俺達のクラスのお前の席までぶっ飛ばしてやりてぇ…つか、未来のところに戻るか。

 

「はぁ…ふぅ…よし、落ち着け…………おいペテン師、信じたいことを信じないのは別にいいが、他の奴らを巻き込むな」

「なっ?!誰がペテン師だ!俺は勇者だ!お前のように人を騙したりしない!」

「……未来に聞いたが、俺が地球にいた頃からのスパイだとか言ったらしいな?」

 

俺がそう聞くと、天之河光輝が得意げに話し始めた。

 

「あぁ、お前が魔人族のスパイで俺達の情報を魔人族側に送り、その報酬としてあの機械を作った!そうだろう!!」

「………」

 

待って、この勇者はファンタジーを知らない?異世界、魔法と剣の世界、機械など存在しないに等しい。なので、本来俺が機龍を持ってるのはイレギュラーだ。俺自体がイレギュラーなんだがな。

 

「図星か?」

 

いいえ、呆れてます。未来、俺早く帰りたい。

 

「見た感じあの機械はない…アレがないお前など俺の敵じゃない!覚悟しろ!!」

 

そう言って天之河光輝が剣を振り翳そうとした瞬間、姫の部屋の扉が開かれ、中から金髪幼女が現われた。

 

「待ってください!」

「リリィ!」

「姫…」

 

天之河光輝は姫に近づいた。

 

「リリィ、出てきちゃ駄目だ!この犯罪者の目的は「蓮さん、逃げてください!」え…?」

「は?」

 

姫が何故か天之河光輝達の道を妨げるように俺の前に立った。

 

待ってこの姫なにしてんの?

 

「リリィ、君は何を「ミクは言いました」え?」

「ミクは私に言いました。私は私が思うままに生きればいい…なら、私は蓮さんを守ります!ミクと約束したんです!」

 

す、凄いなうちの女神とこの姫は…姫、相手勇者だぞ?流石に無理だぞ?俺が勇者の相手になろか?

 

「八雲、まさかリリィを人質に取るなんて…!最低だ!!」

「え、ちが、私は…」

「リリィ、安心してくれ。そんな卑劣な男をすぐに倒して救ってみせる!!」

 

そう言うと、周りの騎士達も天之河光輝についた。騎士達は俺を倒す気満々で士気があがっていた。

 

「そ、そんな…」

 

姫は俺に罪悪感を感じているのか、涙目になりそうになっていた。このまま逃げるのは未来に怒られると思い、俺は姫を抱き抱えた。

 

「え…?」

「なにをしているんだ八雲!!」

「天之河光輝、最後に元クラスメイトから一つ…あ、いや二つ助言だ」

「お前のようなやつからの助言などいらん!!」

「そうか、なら俺の独り言だ。お前はこの世界で機械を見て俺が裏切ったのか判断したのか?」

「な、なんだって?」

「もう一つ、しばらく姫借りるから」

「「「は?」」」

「え?……えええええぇぇぇ?!!!」

 

そう言い、俺は後ろに飛ぶのと同時に背後の空間を割って、未来が待っている異空間へと退却した。姫を抱き抱えた状態で。



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姫が仲間に加わった

昨日出せなかった分です


姫を連れて未来が待っている異空間に入った。抱きかかえている姫は周りの景色が変わった事に驚きいている。

 

「え、え、え、私…お城にいたはずでは…?「あ、リリィ!」ひゃわぁ?!み、ミク…!」

 

未来がこんがらがる姫に抱き着いた。すると、姫が少し面白い声で驚いていた。それに笑いそうになったが堪えた。

 

「どうしてリリィがいるの?」

「いや、勇者を止めるために姫が必要だったんだが…姫の話を聞かず、勇者が姫も人質に取ってるとか言い始めたから、あのまま姫を置いておくと大変だと思って、連れてきた」

「そうなんだ…リリィ、大丈夫?」

「は、はい!……ですが、今の皆さんは私の話ではなく、光輝さんの話しか聞かないかと思います…」

「こう…き…?………あ、天之河さんの名前ね。忘れてたわ」

 

そういう未来をチラッと見た。どうやら、本当に忘れていたらしく、苦笑していた。

 

「それで、これからはどうするの?」

「姫様連れて《オルクス大迷宮》に行く」

「え?ど、どうして《オルクス大迷宮》なんですか?」

「理由は一番近いからだが…一国の姫が《反逆者》の迷宮に入るのは嫌…とかか?」

「い、いえ…そもそも私は戦力外ですし…」

 

すると、未来が姫に覆い被さるように抱き着いて、物凄い速さで頭を撫で始めた。

 

「蓮、決定!リリィの役職は決まった!」

「………一応聞くが…なんだ?」

「《現場猫》ならぬ《現場姫》!私達みんなの癒やしキャラ!」

 

そう言いながらも抱き締める力を緩めない。

 

「れ、蓮さん…助けてくだしゃい…!」

 

そう言い、俺に救いの手を求める姫が可哀想になってきて、俺は姫の手を引っ張って未来から離した。

 

「姫、俺達の癒やしキャラとしてついてきてくれ。ここで城に返すと、お前は大変な目に遭うだろうし…何より、未来の悲しむ姿を見たくない」

「ぅうぅ…そう言われると困ります………あ、蓮さんと未来さんはご結婚してるんですよね…?」

 

突然そんなことを聞いてきた姫。俺達はお互いの顔を見て頷いた。すると、姫がその小さな手で俺と未来の手を取ってきた。

 

「私も……その…こ、婚約者に…入れてくだ「ちょっと待とうな」ひゃぅ!?」

 

突然変なことを言い出す姫を子供を持ち上げるようにして黙らせた。

 

「うん、リリィ。理由を聞いてもいいかな?」

「は、はい……私は今のお城の皆さんが怖い…です。蓮さんの《キリュウ》とやらも、《キカイ》と呼ばれる物もこの世界では1度たりと見たことない…です。ですが、光輝さんは《魔人族に情報を渡し、報酬として貰っている》と言っていましたが……今まで魔人族がそのような物を使っていた、持っていたという報告はありませんでした」

「あ、やっぱりないんだ」

「それで…その…蓮さんを魔人族の手先と言っている皆さんが信じられなくなってしまいました。家族も、騎士団の皆さんも……そして噂の出処を調べたら、それは檜山さんでした」

 

あ、あれってやっぱり檜山だったんだ。んで、そこから天之河光輝になって、城中に広まったと?

 

「騎士団の方々や使用人達は最初は信じませんでした。ですが、光輝さん…勇者様がそれを強く主張し、みんな信じていきました。そして悪いのは蓮さんだけ、未来さんは何も悪くない、全て蓮さんが悪いと…まるで、蓮さんのことが邪魔だと言いたげな感じでした」

「それでみんなのこと信じられなくなって、唯一信じられる私達側に着こうと?そこで保険として蓮の婚約者に加わろうとしたの?」

「…未来さんの言う通りなのかも「じゃぁ決定ね!」……え?」

 

姫は予想外の言葉だったのか、驚いていた。すると、未来が混乱している姫の右手を取り、俺の左手と無理矢理繋がせた。未来は俺の右手と姫の左手と自身の両手と繋ぐ。そして円のような物が出来る。

 

「未来、姫が驚いているぞ?」

「えっと…こ、これはいったい…?」

「もう私達は家族ってこと!蓮もリリィのことはリリィって呼ぶ!」

 

そして姫、リリィが仲間に加わった。今頃、外の世界では俺がリリィを誘拐したと指名手配されているだろう。



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姫、初めての迷宮

俺と未来はリリィを連れて《オルクス大迷宮》に来ていた。一番近くて、戦闘訓練ができる場所がここだからだ。現在20階層、本来だったらここで遠征が終わっていた。

 

「さて、ここの魔物だとどれだけ戦っても強くなれないから…」

 

俺はあの日と同じように壁に向かってミサイルを撃つ。すると、前回と全く同じ場所に鉱石があった。《グランツ鉱石》だ。俺はそれに触れて罠を発動させる。

 

「リリィ、あんまり俺から離れるなよ」

「あのぉ…でも…少し近すぎじゃないですか…?…あぅ……」

「未来とはいつもこのぐらいだが…違うのか?」

「蓮って天然なの?それとも無自覚?それともわざと?」

「………まぁ、いいか」

 

そして魔法陣が光、俺達は65階層へと向かった。

______________________

来てすぐに、召喚魔法が発動される。

 

「ど、どどどどうするんですか?!」

「ん?あぁ、ちょっと待ってろ」

 

そう言い、俺はリリィを未来に渡した。そして《ゴモラアーマー》を装着し、後ろにいる《トラウムソルジャー》目掛けて【超振動波】を撃った。

 

「見ててねリリィ、これが私達の旦那様の力だから」

 

ちょ、ちょっと恥ずかしいな。よくスラスラとそんなこと言えるな、うちの女神様。

 

俺は機龍を纏い、【アブソリュート・ゼロ】を《ベヒモス》に撃った。すると、《ベヒモス》が原型を留めたまま氷漬けになり、動かなくなった。

 

「す、すごい…これが機龍……蓮さんの力…!!」

「でしょでしょ!?」

 

なんか機龍を見て、めっちゃはしゃいでいる未来とリリィを見てると、天之河なんてどうでもよく思えてくるわ。別にアイツらを消したかったら、城のど真ん中で《ブルトン》呼び出すだけだからな。

 

「あ、これからどうするのですか?」

「この下ってさ、真っ暗だろ?」

「そうですね」

「底が見えない場所って……なんか気にならないか?」

 

すると、未来がじっと俺の目を見てきた。

 

「……本当のこと話したら、お母さんに無理言って結婚を「下から強大なエネルギーを感じたからです!!」よく言えました」

 

ハッ?!俺はいったい何を?!!

 

「で、結婚って話は?」

「え?婚約って結婚と違うの?」

 

うっそ、うちの女神様、まさかの婚約と結婚が何か知らない?!

 

「あのぉ…降りないんですか?」

「あ、そうだったな。未来、リリィ、ちょっとくすぐったいかもだが気にするなよ」

「待って蓮!女の子の体は精密だから、優しく持ち上げて!」

「こうか?」

「ひゃッ?!れ、蓮さん…」

「いや、そう言われてもだな…」

「もぉ!私が持ち方教えてあげる!」

 

そうして、何故か未来をおんぶしながら、リリィを姫様抱っこすることになった。

 

「これで飛び降りるんですか…?」

「そうだな。リリィ、俺の首に手を回してろ。あと、絶対離すな。口も開けるな」

 

リリィが頷いたため、俺は橋の下へと飛び降りてた。



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ハロウィン限定の番外編!

ネタバレ注意!


今日はハロウィン。リリィを連れて地球に着ていた。リリィにこっちの文化を学ばせるためだ。

 

「それで…リリィ、お前のその仮装は?」

「あ、えっと…み、ミクさんに着せられて……」

 

リリィの仮装はThe姫様と言った感じのだ。しかも少し焦げてたり、破れたりしていた。

 

「み、ミクさん曰く…《お姫様ゾンビ》って言う仮装だそうです…に、似合ってますか?」

「あぁ、かわいいぞ。リリィ、今日はもう俺の家で一晩過ごすか?雫達も泊まりに来るし」

「え、いいんですか?!行きたいです!!」

「その前にだ。リリィ、こっちおいで」

「?はい」

 

リリィがスカートを少し持ち上げて、小走りで俺のところにまで来た。

 

「えっと…なんでんむっ!?////」

 

リリィにキスをした。顔が赤くなり、恥ずかしそうにそっぽを向く。

 

「レンさん!!////」

「ははは、かわいいぞ。リリィ」

「もぉ…!////」

 

そしてリリィをお姫様抱っこし、未来達がいる俺の家へと向かった。途中、リリィがほっぺにチューして来たときは思考回路が死にかけた。

 

「未来と違って、リリィはリリィでいいなぁ…」

「?私はミクさんじゃないので、ミクさんと違って当たり前ですよ?」

「そうだな…」

 

家につき、リリィを降ろした。すると、リビングへと一直線で向かった。俺もそれについていくと、リリィが雫の膝にダイブしていた。

 

「リリィ…俺にはしないのに…」

「レンさんの場合は夜です!」

「リリィ?もしかして蓮くんとそんなことをやってるの?………蓮くん、リリィとするんだったら、私が引き受けるわよ?」

「なに言ってんだ雫…」

「雫ちゃんが大人の階段を登ろうとしてる…!!」

 

そこへ扉を豪快に開けて未来が出てきた。

 

「確かに毎晩、私とリリィとでやってるけど、リリィは全然耐えてるから大丈夫!あと、雫も混ざる?!」

 

この女神はなに口走ってんだ?!!

 

「えぇ、混ざらしてもら「欲しい物やるから黙れ!!」…蓮からのキスが欲しい…////」

 

今日の雫は一段とキャラ崩壊を起こしている。

 

「って、雫が食べてるそのチョコなんだ?」

「ほへぇ?未来のお母さんが持ってきたチョコだけど?これ食べるとポカポカするぅ…」

 

そのチョコを見ると、物凄く小さな文字でこう書いてあった。《アルコール入り》と。

 

「雫、アルコールとか弱いんだな…」

「弱くないわよ!ちょっと本音が出るぐらいよ!!」

「雫、お前もう寝ようぜ…」

「なら、ベッドで寝ましょう?」

 

そうだな。ベッド寝ま……ん?寝ましょう?

 

「さ、早く!!」

 

雫に強引に部屋に連れて行かれた。俺はなにか嫌な予感がしたため、片手で未来の腕を掴み、巻き込んだ。未来はそれに驚き、リリィの腕を掴んでしまった。

そしてそのまま、部屋にベッドで四人仲良く寝た。

______________________

次の日、男女四人しかいない部屋。何も起こらないはずもなく。起きた雫が俺や未来達と一緒に寝ていたことに驚き、声にならない叫びを上げた。



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リリィ、本当にそれでいいのか?

俺は未来とリリィと一緒に降りていたはずだった。だが、いつの間にか寝ていたようだ。

 

「……」

 

俺の上で未来とリリィが寝ていた。見えるところに怪我などはない。

 

「ここは…最下層なのか…?」

 

調べようにも、二人がいて動けない。仕方ないので、二人を起こすことにした。

 

「おい、二人共起きろ」

「ん…ぅん…」

「……んぅ…」

 

声をかけても起きないので、頬を突いた。すると、未来に指を食われた。逆に、触手を伸ばして、頬を突く。すると、未来の体がバチッと赤黒い稲妻が走り、触手で突いたところから三日月型の赤黒い斬撃が触手を切った。

 

「……凄い防衛本能だな」

「ん…」

 

すると、ようやく口に違和感を覚えたのか、目を覚ました。覚ましてすぐに何故か口に突っ込まれている俺の指を見て、何が何なのかわかっていないようすだった。

 

「えっと…これ、どういうこと?」

「起こそうとしたら指を食われた」

「そ、そうなんだ…」

「リリィを起こしてくれ。全然起きねぇんだ」

「あぁー…わかったわ。ちなみに、リリィには何もやってないの?」

「流石にしねぇよ」

 

そして未来がリリィを起こし、俺の上から降りてもらった。

 

「《オルクス大迷宮》にこんな場所があるなんて…」

「ここは…最下層なの?」

「わからない。だが、まだ下がある気がする。さ、下への道を探すか」

「あ、待って!リリィを私達と同じ戦場に立たせるのは流石に死にに行かせるような物だから、ここで鍛えない?」

「へ?」

「それもそうか…」

 

少なくとも怪獣の力を一つは持たせたほうがいいだろう。

 

「う〜ん…姫…王女…」

「あ、私達と同じように、ロボット系とか?」「ありだ。よし、ここはリリィに決めてもらおうか。リリィ、この中で好みのとかあるか?」

 

そう言い、俺が覚えている中の全てのロボットを見せた。

 

「う〜ん…そうですね…あ、私はこれがいいです!」

 

そう言い、リリィが決めた物を見る。俺は少し驚いた。理由はリリィは選ばないと思っていた存在だったからである。

 

「《ガイガン》…それでいいんだな?リリィ」

「はい!」

「ちなみになんだけど、それを選んだ理由ってなに?」

「わかりません…でも、何かを感じたんです!」

「そうか…」

 

ガイガン、両手が鋭い鎌となっており腹には鋭い刃が並んでいる。これが動けば、殆どのものを切断することが出来る。

 

「それにしても…まさか《FWガイガン》だとは…」

 

リリィはコイツをちゃんと扱えるのだろうか。最初の戦いで恐怖を覚えて、泣かないだろうか。心配ごとが増えてしまったように感じる。




最初はジャンボットとかを考えてましたが、何故かガイガンに……


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起動ガイガン

めっちゃ短いです


『ギュルルアアアン!!』

「やっべ!生じゃん、生でガイガン見れるんじゃん!!」

 

生でガイガンを見れた俺は興奮していた。しかもガイガン通った道には血と細切れになった何かの残骸ばかりがあった。

 

「やめておけば良かったと後悔しています…」

「私も止めるべきだった…ごめんなさい…」

 

ガイガンを作り、すぐに試運転として周りの魔物に攻撃命令を出した。すると、案の定魔物の体は綺麗に別れた。それを見た俺は興奮し、決めポーズなんかも取らせて遊んでいた。

 

「次、次!次なにか出来るか?!あ、Dais○keポーズ取れるか?!」

『ギュルルアアアン…』

「おい何だその顔!まさかお前…女なのか?!」

『ギュルルアアアン?!』

 

ガイガンの手で俺は壁に叩きつけられる。手でツッコまれたのだと確信した。

 

「ガイガンに性別なんてないはずじゃ…」

「じゃぁいったいなぜ…」

「あの…ガイガンに何か名前をつけませんか?」

「ガイガンに名前だって?!採用、良さそうな名前を付けよう」

 

俺達はその辺りにあった手頃な岩で座り、ガイガンの名前を考える。ちなみにガイガンは本来の目的、リリィの護衛役としてしっかりとリリィのそばにいる。

 

「X」

『ギュルルアアアン…』

「ガイ」

『ギュルルアアアン…』

「それじゃレッド!」

「採よ『ギュルルアアアン?!』マジか…駄目なのか」

 

採用しようと思ったらガイガンに止められた。

 

「あ、それなら《ブラッディ》とかどうですか?」

 

リリィがガイガンに名前を付ける。ガイガンはその名前を気に入ったかのように鳴く。

 

「いい名前だ」

「ありがとうございます!」

「それならこれからはブラッディに載って迷宮攻略しよう」

「はい!よろしくお願いします。ブラッディ」

『ギュルルアアアン!!』

 

サイボーグに乗る王女様…ここから禁断の恋が始ま…………らせてたまるか。ブラッディ雄かどうかすら怪しいぞ。雌でもないかも知れないぞ。それでもいいのかリリィ!?

 

「それで、ここからどのくらい下まで行けばいいの?」

「取り敢えずリリィとブラッディの肩慣らし程度にやっていけばいい」

 

そう言い、俺達は階段目指して歩いていく。ガイガンの火力は凄まじいものだ。

 

だからと言って、だからと言って……

 

「だからと言ってこれは少し違くないか?」

 

階段を発見し、降りた先には巨大な扉。その前に二つの石像が置かれていた。現在、リリィことブラッディはその石像を叩き割ろうとしていた。

 

「未来さんから聞きました!これ絶対動く奴です!」

「動かない物もあるから?!」

「疑わしきは罰せよ!それが未来さんからの助言です!!」

「未来?」

「ご、ごめんね!悪気があったわけじゃないの!」

「悪気がなくても駄目だ「えい!」?!」

 

リリィは待てず、二つの石像を切り落とす。だが、何も起きずに切られた石像がただ落ちて崩れるだけだった。



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