漆黒のイーグル (アクア=オプキ)
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1話

皆様はじめまして、アクア=オプキです。
誤字脱字があると思いますが優しく教えてくださると嬉しいです。



犯罪組織に対抗する為、武力で問題の解決にあたる探偵、通称"武偵"

俺はその学校に通う普通の高校生とは少し違った学生だ。

武偵にはランクがあり、S.A.B.C.D.Eといった順でありSランクだなんて

そうそうなれるものではない。

その中でも俺は落ちこぼれに分類するランクE

余り良い感じでないが割と俺にあっているかもな。

そんな俺は今は布団の中だ。

 

 

「……ちゃん…………ちゃんってば!………………」

 

「うっう~ん」

 

「もう!“双ちゃん”!朝だよ!起きて!」

 

「あと、五分……………………」

 

「起きて!」

 

「ぐはぁ!?」

 

突然、腹部に痛みが走る。

どうやら腹を殴らたらしい。

 

「いってなぁ~もっと普通に起こしてくれよ望海!」

 

「なら、自分で起きて下さい!ほら!遅刻しちゃうから顔洗って朝ご飯食べて!」

 

「わっわかったよ。」

 

コイツは幼馴染みの篠原望海(しのはらのぞみ)、訳があって一緒に暮らしている。

家事全般は全部まかしている。

 

「あっそうだ、双ちゃん今日私帰り任務で遅くなるから!」

 

「了解~流石、Aランク武偵だな。落ちこぼれの俺とは違うわ~」

 

「皮肉ばっか言わないの!双ちゃんだって本気だせばすぐだよ!」

 

「そうかな、Eランクって事はそういう事だよ。」

 

「でも双ちゃん」

 

「ほら、遅刻するんだろ?支度しろって。」

 

「うっうん」

 

「いただきます。」

 

俺はテーブルに付き朝食を食べる。

朝から煮物か何時から起きてるんだ?望海の奴。

俺の好きな味付けだし。

 

「ご馳走様」

 

「はいお粗末様。双ちゃん、防弾ネクタイ曲がってるよ。」

 

「おっサンキュー」

 

望海がネクタイを直してくれる。

 

「あと、ホルスター?と銃だよ」

 

「ありがとう。あと、いい加減、装備の名前ぐらい覚えろよ」

 

「だってゴチャゴチャしてて良く分らないしそれに私は“コレ”の方が好きだし。」

 

そう言い望海は腰に着けている“日本刀”を見せる。

望海は銃の扱いが一切できないだけではなく装備系の名前と物が一致しない。

よく、Aランクになれたな本当。

 

「正に武士だな」

 

「違うよ!皆してすぐそう言う!」

 

「日本食ばっかだし。」

 

「オムライス大好きだもん!」

 

「なら子供だな。」

 

「違うもん!」

 

「ほら、その何々だもん正に。」

 

「いじわる!双ちゃんなんて知らない!事件に捲き込まれても助けてあげない!」

 

「おいおい、縁起悪い事言うなよってかそこは助けろよ。」

 

「武偵なら自分でどうにかして!」

 

「んな事わかってるよ。今日ケーキ買って来てやるから機嫌直せって。」

 

「本当!?プリンチーズケーキ忘れないでね!」

 

「あいよ」

 

そのケーキ美味しいのかと聞きたかったが面倒だから止めておいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[武偵高]

 

「それじゃね双介君」

 

「あぁ、またな」

 

俺と望海はそれぞれの教室に向かう。

学校じゃ双ちゃんと呼ばない約束だ。

 

「はよ~」

 

教室の中に入る

 

 

 

 

「ちっEランクかよ」

「どうどうと入ってくるなよ」

「落ちこぼれが」

 

周りの野次が聞こえる。

まぁ、当然ちゃ当然か。

なんせEランクだからな。

 

 

 

 

「……………………」

無視をし席に着く。

 

「ソウスケ!おはようネ!」

 

「おはよう、“カユゥ”」

 

コイツの名前は“リン・カユゥ”日本人と中国人のハーフで席が隣だ。

装備品を売買していてお世話になっている。

 

 

「ソウスケ、聞くネ!新しい弾薬が入ったネ!買うネ!」

 

「こないだ買ったばっかだから無理」

 

「そんなの聞いてないネ!」

 

「だろうなネットで買ったからな。」

 

「ダメネ!ネットのは当たり外れアルネ!」

 

「間に合わせで買ったんだよ。」

 

「イケナイネ!」

 

などと騒いでると

 

 

「ちょっと!朝から五月蝿いんだけど!」

 

教室に入ってきた一人の女子が言う。

すると、周りの声も静かになる。

 

「全く…………」

 

 

「おはよう“有川”」

 

「はぁ?話かけないでくれる?落ちこぼれがうつるんですけど?」

 

「はいはいすまんな」

 

「ふん……………………」

 

すると俺の席の前に座る。

 

「姫!おはようネ!」

 

「だから五月蝿いって言ってんの!」

 

「ハイハイ、それよりそんなにイライラして生理カ?」

 

「違う!」

 

カユゥと話してる女子の名は有川姫(ありかわひめ)このクラスの中心的

人物でAランクの武偵。

このクラスは有川に逆らえない。

コイツも一般で入ってきた一人、ちなみに同じ中学だった。

Fカップらしい

 

「何!?いやしい目で見ないでくれる?」

 

「みてねぇよ」

 

「姫短気ネ、カルシウム足りテルカ!」

 

「足りてる!ってか五月蝿いって!」

 

「それより聞くネ!ソウスケがネットで弾薬を買ったネ!」

 

「はぁ?私に関係ないし落ちこぼれが何をしようか知らないんだけど?」

 

「姫は冷たいネ!」

 

「何でそうなるのさ!?」

 

「これだからギャルはダメネ。」

 

「ギャル関係ないでしょ!?」

 

「ヤレヤレネ!」

 

「はぁ……………弾薬ぐらいきちんとしたの買えば…」

 

「おっ!ツンデレネ!」

 

「違うっつうの!」

 

 

 

 

[放課後]

 

「ふぁ~眠い」

 

訓練が終わった俺は帰る支度をし外に出た。

 

「ソウスケ!待つネ!工房によってくネ!」

 

「大丈夫だから任務あるしまたな!」

 

「チョ!ソウスケ!」

 

逃げるように走って行く。

説教されるのは御免だからな。

 

「せめてメンテだけでも!…………………逃げ足速いのね。大丈夫かしら。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁっはぁっさてと迷子の猫探しでもしますか」

 

今日の俺の任務は迷子の猫探しだ。

Eランクの任務はこういうのが多いでも俺はそれが良いと思っている。

落ちこぼれでも役にたてるし尚且つランクが高い武偵だとまず受けない。

なぜなら、報酬が少ないしランクが高い武偵はそれなりの報酬がかかる。

現に俺も望海の報酬で生活がなりたっている。

俺なんてせいぜい弾薬代を稼げるぐらいだし。

 

「サファリアちゃん~どこかな~」

 

30代主婦からの依頼でオスのシャム猫のサファリアちゃん。

部屋の掃除中に窓から脱走したらしい。

居なくなって半月捜索も打ち切りになってしまった。

なので武偵に依頼を出した。

大切な家族何だ、絶対に見つけてみせる。

 

俺は今河川敷の下に居る。

そこで似たような猫の目撃情報があったからだ。

 

 

 

 

 

「居た!」

 

間違いない写真と全く一緒だ!

それに首輪も同じだ。

 

 

「ほら~怖くないよ~おいで~」

 

「にゃーん」

 

少しすり傷があるが元気そうだ。

 

「君のママが心配してたぞーお家に帰ろうな」

 

「にやぁ!」

 

「ははっ良い返事だ」

 

 

 

 

 

 

 

「本当にありがとうございました!」

 

「いえいえ、無事に届けられて良かったです。」

 

「せめてお茶とかでもっ!」

 

「報酬もいただきましたし大丈夫ですよ。」

 

「でもっ!」

 

「また何かあったら依頼を出してくれれば大丈夫ですから!」

 

「本当にありがとうございます!ほら、サファリアもお兄さんにお礼言って!」

 

「にやゃぁ♪」

 

「それでは奥様、戸締りしっかりですよ!」

 

「はい!いつでも遊びにいらして下さいね!」

 

「えぇいつか必ず」

 

 

ふぅ一件落着

 

「さてと望海のケーキ買って帰らないと!」

 

いつものケーキ屋が閉まるまであと、一時間か。

 

「少し急ぐか」

 

 

 

 

 

[商店街]

 

「ふぅ~残り10分って事か…………ん?」

 

何やら周りが騒がしいぞ。

あれは銀行からか

 

 

 

 

「これ以上来るな!コイツがどうなっても良いのか!!!」

 

「ひっ……お巡りさん…助けて…」

 

「どうします?これ以上近くとあの犯人本当に人質刺しますよ?」

 

「くっ…………総員!一旦下がれ!」

 

包囲していた警察達が下る。

 

どうやら銀行の入口で事件は起きてるみたいだ。

まずいな犯人は酷く昂奮状態だ。

放っては置けない!

 

 

「武偵です!」

 

俺は近くに居た警察に手帳を見せた。

 

「Eランク?要請したのはAランクのはず」

 

「そんな事言ってる場合か!武偵に変わりはないだろ!」

 

「はぁ?お前な歳上に向かって」

 

「やめろみっともない」

 

上官らしき人物が言う。

 

「しっ失礼至しました!“矢島”警部!」

 

「俺に言わずそこの武偵に言え!……ったく……下がれ」

 

「すまんな坊主」

 

「いえ、状況はどうなってます?」

 

「ふがいないばかりに小一時間程緊迫状態だ。犯人は突然男に

 刃物を突き付けこうなったらしい。上層部の奴、何をしぶってるのか

 発砲許可がおりず威嚇射撃すらできない。」

 

「そうなんですね。威嚇射撃か…………」

 

「できそうか坊主?」

 

「えぇ……ただ…まぁ俺の獲物は…コイツなので本当に

 威嚇射撃しかできそうにないっすね。」

 

そう言い俺は腰にぶら下げて居る“デザートイーグル”を見せる。

 

「そんなもん良く使ってるな」

 

「ははっですよね。近くの看板に射撃しますので皆さんに伝えて下さい。」

 

「あぁ!」

 

警部は無線で状況を伝える。

 

「警部、何があっても僕に構わずに!あんまり使い慣れないんで!」

 

「あぁ!任せておけ!」

 

「行ます!」

 

<<ドカァァァァン!>>

 

「なっなんだ!?」

犯人は驚いて手に握っていたナイフを落す。

 

「総員!突撃!!!!!!」

 

警察が一気に犯人を取り押さえる。

 

 

 

「ぐっ!?……………くぅ!…………………」

 

俺が発砲した後肩に強烈な痛みが走る。

肩を抑え蹲る。

 

「おい!坊主!?」

 

「ぐぅっ……つぁっ…!…」

 

「坊主!しっかりしろ!おい!救急車呼べ!坊主!坊主!」

 

やべぇ猛烈にいてぇ意識が遠くなりそう。

 

 

 

「Aランク武偵2名到着しました!あれ?双ちゃん!?」

 

「…………の……ぞ…みっ…」

 

「肩が変に外れてる!姫ちゃん!双ちゃんを抑えてて!」

 

「うっうん!板倉!しっかりしろっ!」

 

「いくよっ!せい!」

 

<<ゴキッ>>

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

「暴れるな!板倉!」

 

「双ちゃん!しっかり!」

 

「………くっ……………」

 

「きゃっ……ちょっと!板倉!駄目気絶した。」

 

「双ちゃん……一体何があったんですか?警部?」

 

「あっあぁ坊主に威嚇射撃をしてもらったんだが撃った直後こうなったんだ。」

 

「威嚇射撃………まさか!?………この馬鹿は!」

 

「え?何?姫ちゃん!?」

 

「この馬鹿はネットで買った弾薬を使ってカユゥに見てもらわずに発砲したんだよ!」

 

「うーんと何がいけないの?」

 

「つまり!不良品を使って怪我したって事!

 きちんとしてれば起こらなかったの!自業自得ってわけ!」

 

「え?嘘!?もう!双ちゃんの馬鹿!!!!!」

 

「マジかよ坊主…………そりゃないぜ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………うっ……うーんと……ここは?……………病院?」

 

「そうです!病院です!」

 

「望海?それに有川と警部もどうして?」

 

「どうしてもこうもありません!!!!!」

 

「何そんなに怒ってるんだ?」

 

「怒ってません!双ちゃんの馬鹿!」

 

「はぁ~そのままくたばれ落ちこぼれ」

 

「坊主、協力してくれたのは助かったが厄介事増やすなよ。」

 

え?何で怒られてるの?俺?

 

「双ちゃん!ネットで弾薬買ってカユちゃんに

 メンテさせないで銃を使ったって聞きました!」

 

「え?そうだけど?何が?」

 

「ちっ…………とっとと死ね落ちこぼれ!」

 

そう言い残し有川は病室を出る。

 

「坊主、あんな………不良品を使って暴発気味に発砲して自分で怪我したんだよ。」

 

「え?マジですか」

 

「あぁマジだ。…ったく後は嬢ちゃんに任せる。はぁ~始末書かかねぇと」

 

警部も病室を出た。

 

「えっえーと望海さん?」

 

「はい!なんですか!」

 

「すまんケーキ買ってない」

 

「馬鹿!!!!!!!!!!」

 

「病院だから叫ぶなよ。」

 

「もうっ…………心配したんだからっ……………………」

 

「すまん…………」

 

「決めました!双ちゃんを強襲科に転科させます!」

 

「はぁ!?いやっそれは!」

 

「文句は一切聞きません!双ちゃんを強襲で鍛えます!

 そして落ちこぼれなんて言わせません!」

 

「でもっのぞっ」

 

「おだまり!」

 

「いってぇ」

 

デコピンされた。

理不尽

 

「返事は?」

 

「イッイエスマム!」

 

「違う!」

 

「承知至しました!篠原お嬢様!」

 

「あってるけど違う!」

 

「わかったよ望海」

 

「よろしい!」

 

はぁ~俺の学園生活はどうなる事やら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでくださり誠にありがとうございます!
感想などくれるととても励みになります。


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2話

※この物語はフィクションです実際に存在する事件など関係ありません。




かくして俺のヘマで強襲科に転科する事になってしまった。

どんな生活が待ち受けてるのやら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[自宅]

 

「いてて…そりゃ完治はしてないか」

 

「当たり前だよ!昨日今日で治る怪我じゃないんだから!それより朝ご飯食べてね!私、もう学校にいかないといけないから。」

 

「わかってるよ。あれ?望海早いんだな今日は。」

 

「うん次の任務で色々あってね。あと、双ちゃんの転科の手続きしないとだし。」

 

「おっおうそうか気をつけてな。」

 

「うん、双ちゃんもね!いってきます!」

 

そう言い望海は慌ただしく家を出た。

にしても転科は免れないのか。

 

「俺もそろそろ支度しないと」

 

防弾制服を着て朝食を食べる。

今日は鯖の味噌煮か本当日本食だな。

手が凝っててとても美味だ。

 

「にしても武器携帯できないのは心細いな。」

 

俺のデザートイーグルはカユゥに修理してもらってる為、手元にない。

ナイフとかもないので丸腰だ。

まぁ、あってもこの怪我じゃ何もできないか。

 

「さて、そろそろ行くか」

 

少し余裕を持って登校するか。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いってて~」

 

「ソウスケ待つネ」

 

「うわぁっ!?吃驚した~何だよカユゥ」

 

「失礼ネ、ちょっと工房までよってくネ!拒否権はないネ。」

 

「わっわかった」

 

間違いなく説教だよな。

トホホ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[カユゥの工房]

 

「さてソウスケ!何で呼出しされたかワカルカ?」

 

「えっと~デザートイーグルについての説教っすよね?」

 

「説教とは失礼ネ!」

 

「すいやせん」

 

「はぁ~双介!アンタ自覚あるの!?」

 

「カユゥ、言葉戻ってるぞ」

 

「うっさいわね!工房にいる時ぐらい良いじゃない!」

 

「はっはい」

 

圧に負けてしまった。

カユゥは元々普通に喋れる。

あえて片言で会話してるみたいだ。

俺の他にも知ってる奴はいる、望海とかな。

 

「双介!聞いてるの!?だいたいね!ネットで弾薬買うとか論外よ!

 メンテもしないで逃げるし!アンタそれでも武偵なの!?」

 

「すまん」

 

「武偵憲章1条!仲間を信じ仲間を助けよ!私の事信じてないの!?」

 

「いやっ信じてるよカユゥ」

 

「じゃ!何よ!?」

 

「言い訳すると説教されたくなかった」

 

「今されてるじゃない!馬鹿!」

 

「すまんかった」

 

「何の為の装備科よ!……………………心配したんだからね」

 

「悪かったよカユゥ」

 

「馬鹿双介…………はい、直したわよ」

 

「ありがとうカユゥ」

 

修理してくれたデザートイーグルを渡される。

 

「大事な銃なんでしょこんな事で修理させないで」

 

「あぁ、気をつけるよ。」

 

「さて、双介アンタ怪我大丈夫なの?」

 

「望海が休ませてくれなかったのと“医者”から若いんだからすぐ治るって言われた」

 

「あぁ~理解できた。無理そうならすぐに言うのよ」

 

「あぁ、そうするよ。」

 

「なら、学校に行くネ!」

 

切り替え早いな。

俺とカユゥは工房に出て学校へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

[学校]

 

「ふぅ~着いた」

 

「近い距離ネ、ソウスケは体力ナイネ。」

 

「いきなり走るからだろ」

 

「そうしないと間に合わないネ」

 

「いやいや!十分間に合ったって」

 

「そんな事より教室入るネ」

 

「わかってるよ…………はよう~」

 

息を整えて教室に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっ!間抜けな落ちこぼれが登校してきたぞ~」

「お前が事件解決したとか嘘じゃね」

「怪我も仮病だったりしてw」

 

複数人の男子からの野次がとんでくる。

 

「ソウスケは本当に怪我してるネ!言いがかりはやめるネ!」

 

「あ?ウルセェぞ中国人!」

 

「きゃっ」

 

一人の男子がカユゥを突き飛ばす

 

「おい!やめろ!」

 

「何だよ板倉ぁコイツに抱かれでもしたか?」

 

有川はまだ登校してないか

 

「は?何言ってんだ?お前」

 

「あ?板倉のくせに口答えすんなよ!」

 

いきなり胸元を掴まれた

 

「つぅっ」

 

「何痛がってんだよ!」

「肩やったって聞いたぜ」

「いいじゃん確認しようぜ!へい!」

 

「ってぇテメェっ!」

 

流石に我慢できそうにないな。

少し反撃するか顔面でもいいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「双介君お弁当渡すのわすれっ………………………今すぐその手を放して」

 

望海が教室に入って俺の姿を見て言った。

 

 

「!!!!?」

「ひっ!?」

「……あっ……あぁ…………」

 

望海が殺気を放った。

 

 

「!!!望海!やめろ!」

 

「ん?何が?」

 

「俺は大丈夫だから!やめろ望海!」

 

「でもこの人手放さないしカユちゃん突き飛ばされたみたいだし、周りの人も止めないよ?」

 

望海がゆっくり刀に手をかける。

まずい、完全に殺す気だ。

どうにかして止めないと!

 

「あぁ、大丈夫だよ殺しはしないから…………ただ、五体満足とは限らないけど」

 

「のっ望海ちゃん!私もソウスケも大丈夫ネ!刀から手放すよ!」

 

「そうだ!望海!大丈夫だから!」

 

 

「なら、先にその人が双介君から手を放してよ」

 

「は?何で俺が言う事きかねぇと」

 

コイツ馬鹿なのか?

望海の殺気に気づいてない?

周りを見て見ろよ皆震えてるぞ。

 

「そう?ならいい残す事は?」

 

「は?ねぇよ。さっさと刀抜けよ板倉を盾にしてやるよ!」

 

「ならいっか…………月龍……いくよ……」

 

更に殺気が強くなる。

 

「望海やめっ」

 

覚悟決めるしかないのか。

 

 

 

 

 

 

 

「やめんか!ど阿呆!」

 

「いったーい!何するんですか!“先生”!」

 

「何もどーもない!何してるんや!篠原!こんな教室で殺気放つ奴何処にいるんや!」

 

「でもっ!」

 

「でもやない!それに殺気放つんやら周りじゃなく限定せぇ。この様になぁ」

 

「ひっ!?」

 

俺の胸元を掴んでた手が離れた。

 

「板倉ぁ大丈夫かぁ?」

 

「はいっ」

 

「おぉそうかそうか。これで一件落着やなぁ。“松野”ぉ後で指導室こいやぁ。」

 

「…えっ…あのっ……」

 

「ん?返事はどないした?」

 

「はっはい!“獅子堂”先生!」

 

「おぉ、えぇ返事や。ほな!皆席つけぇ、篠原も自分の教室戻りぃ。」

 

「はーい」

 

「篠原ぁ、次の訓練倍なぁ。」

 

「えぇ~それはないですよ~先生~」

 

「えぇ~やない当然や。」

 

「ちぇ。またね!双介君、カユちゃん!」

 

望海が教室を出ていった。

先生のお蔭で何とかなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「げ?獅子堂何で此処に!」

 

「有川ぁ先生をつけぇ。遅刻やぞ?」

 

「は?まだチャイムなってっ」

 

「有川ぁ、訓練倍になりとうないなら。はよう席につけぇ。」

 

「はい!すみませんでした獅子堂先生!」

 

有川が大人しく聞くなんてやっぱすげえな。

 

 

獅子堂蓮(ししどうれん)この学園の教室科(マスターズ)で元軍人。

強襲科を担任しているあとは体育の教師だ。

年齢は27とまだ若い。

昔はヤンチャだったらしい。

 

 

「えぇ~皆も驚いてるとおもうが“佐冶”先生が体調崩してしもうてなぁ、変わりにきたって訳や。“医療学部”担当なのに笑ってしもうたわ。

 ほな、出席とるで~」

 

獅子堂先生が出席を取り始めた。

HRが終わった。

 

 

 

 

「ソウスケ大丈夫だったカ?」

 

「あぁ、カユゥは?」

 

「ちょっとぶつけただけネ。大丈夫ヨ。」

 

「は?何が?」

 

前の席で聞いて居た有川が聞く

 

「実は……………………」

 

カユゥが説明する。

 

「ふ~ん………………………絶対許さん…………………」

 

「まぁ!獅子堂先生のお蔭で解決ネ!」

 

「ふーんで?そこの落ちこぼれは何でいるのよ病院でくたばったんじゃないの?」

 

「すぐ退院だ、望海と有川の応急処置のお蔭様でな。」

 

「あっそう居なくて清々するって思ったのに。」

 

「素直じゃないネ。」

 

「五月蝿いっての。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[放課後]

 

怪我もあってか探偵科の授業は免除されたので

普通の授業が終わった俺は帰る支度をする。

 

「ソウスケ、ゆっくり休むネ!」

 

「あぁ、ありがとう」

 

「何かあったらすぐ連絡するヨ!」

 

「俺は子供か!」

 

「変わりないネ。保護者の望海ちゃんは任務の準備でいないネ。」

 

「大丈夫だよ、何かあったらすぐ連絡するし流石にこの怪我じゃ撃てないしな。」

 

「そもそもソウスケはあんまり銃扱えてないネ。」

 

「うるせぇって。また明日な」

 

「バイバイネ!」

 

俺はカユゥと別れの挨拶をした。

寄り道しないで帰らないとな。

 

 

 

 

「今日の飯はなんだろうな~っとアイツは」

 

確か松野だっけか?

俺の数歩先に歩いてる。

絡まれたくないから別の道行くか。

方向転換しようとすると

 

 

「板倉!テメェのせいで!Cランクになっちまったじゃねぇか!」

 

くそっ案の定絡まれた。

俺のせいじゃねぇよ!と言いたい。

 

「そいつは悪かったな」

 

「あぁ!?ふざけんな!ちょっとこい!」

 

松野に連行される。

畜生厄日だ。

連絡はできそうにないか。

 

 

「ってぇ懲りないなお前」

 

「あ?ウルセェ板倉の癖に!おいやっちまえ!」

 

物陰から取り巻き連中が現れた。

暇人かよ。

校舎裏って人目が付きづらい場所なんだよな。

どう切り抜けるか。

 

「ぐぁ!?」

 

いきなり発砲だと!?

イカレてやがるコイツ。

 

「安心しろって訓練弾のゴム弾だよ!」

 

「松野さぁん次俺いいっすか!」

 

「おう!好きにやれ!」

 

取り巻き連中からも発砲させる。

 

「ぐぁ………っく……………くっう」

 

下手に躱す事もできないか。

くっそ、防弾制服着てるからって

普通に痛いんだぞ。

 

 

 

 

 

 

[望海サイド]

 

「先生!アレ!」

 

「こりゃ、いかんなぁ。松野の奴全然反省してへぇんなぁ。」

 

廊下の窓から双ちゃんが集団リンチにあってるのを目撃する。

 

 

 

「やっぱり今朝絞めとくんだった!止めにいきます!」

 

「息の根をかぁ?やめときぃ。それに屋上みてみぃ。」

 

「屋上?えっ?“姫ちゃん!?”」

 

「お前さんと同じぐらい腹立てる奴がいたんやなぁ。篠原、任務の準備せぇ」

 

「でもっ!双ちゃんが!」

 

「大丈夫や。有川に任せといて現場いってこい」

 

「…………わかりました。」

 

納得はいかないけど姫ちゃんに任せておけば大丈夫かな。

 

帰ったら双ちゃんを一杯甘やかそう。

 

 

 

 

 

 

[姫サイド]

 

「うん…………もぅ、“春樹”ったらちゃんとママのお手伝いするのよ?」

 

今日は訓練も任務もない日

学校の屋上で“愛しの弟”と通話中

 

「うんそれで?っ!」

 

下の方から発砲音が聞こえる。

 

「え?大丈夫だよ春樹!ごめんちょっとお姉ちゃん用事できた!またね!」

 

春樹との通話を切り発砲音を確認する。

あれは落ちこぼれの板倉と松野と取り巻き!

 

「くそっ!アイツ!」

 

良く見たら落ちこぼれがリンチにあってる。

 

「何してんのよ!“板倉”!アンタなら躱せるでしょ!」

 

馬鹿正直に全弾喰らってるし。

 

「あぁ!もう!見てられない!」

 

今の装備はグロックだけか。

 

「いや、十分か。世話かけんなよ板倉!」

 

私は屋上から飛び降りるのだった。

 

 

 

 

[校舎裏]

 

「はぁっ…………はぁっ」

 

「おい!もうバテたのか!これだから落ちこぼれは!」

 

「ぐぁぁぁ!」

 

肩の痛みさえなければ…

まずい意識がなくなってきそうだ。

 

 

 

「じっとしてろ!“板倉”!」

 

空から声が聞こえる。

 

 

「ぐぁ!」

「うぁ!」

「ぐはぁ!」

 

取り巻き連中が次々と倒れた。

 

 

「は?弱すぎるんですけど?落ちこぼれこんな奴にも負けんの?」

 

「ありっ…………かわっ…」

 

取り敢えず助かった。

センキューな有川

 

「もうくたばれ“板倉”」

 

俺の意識が遠く

マジで厄日だ。

 

 

「さて、松野!アンタ覚悟はできてんだろな!」

 

「あっ有川!俺は別に!」

 

「はぁ?全部この目で見たんですけど?」

 

「ちっ!くそっ!」

 

「遅い!」

 

松野が発砲する前に避け腕を掴み銃を取りあげる。

 

「アンタ、マジでクズだわ。」

 

「ウルセェ!テメェだって!落ちこぼれって馬鹿にしてんじゃねぇか!」

 

「武偵憲章1条 仲間を信じ、仲間を助けよ。

 そして、3条 強くあれ。但し、その前に正しくあれ。

 松野、アンタこの意味わかる?」

 

「はっんなもんわかってる!」

 

「わかっててやんな!このクズ!」

 

掴んだ腕を強く捻じる。

 

「ぐぁぁぁっ放せ!」

 

「良い?この落ちこぼれはアンタ何かより強いの!何故Eランクか考えた事ある訳!」

 

「は?弱いからじゃっいてて!」

 

「本当クズね!」

 

<<パァン!パァン!パァン!>>

 

「ぐぁ!?」

 

私は取りあげた銃で松野を撃つ。

 

「ゴム弾よ。死にはしないわ。」

 

<<パァン!パァン!>>

 

「ちっ弾切れか。」

 

松野はその場で悶えてる。

 

「良い!松野!私の仲間に手を出して見なさい!次は実弾でするわよ!」

 

「はぃ…」

 

「そこの倒れてる取り巻き!松野を医務室に運びな!早くしないと撃つ!」

 

 

「はっはぃ!」

「今すぐに!」

 

取り巻き連中が松野を運んでいく。

 

「熱くなり過ぎたし汗でベトベトだし最悪。」

 

気持ち悪い早くシャワー浴びたい。

 

 

「これだから落ちこぼれは世話の焼ける。」

 

板倉を運ばないと学園内は人が多過ぎるから近くには

 

「あそこしかないか最悪…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[???]

 

「…いってぇ………ここは?どこだ?」

 

有川が来てそれからどうしたんだ?

全く知らない部屋だぞ。

 

 

「目、覚めた?落ちこぼれ。」

 

「有川!?何で!?」

 

「何でもこうもないわよ!この私が落ちこぼれを助けたんじゃなない!」

 

「すっすまん。助かった!で、ここは?」

 

「私の部屋よ…マジ最悪」

 

「え!?どうして!?」

 

「治療できそうな所が他になかったからよ!」

 

「あっありがとうございます!」

 

良く見たら包帯やらついてる。

有川が手当てしてくれたのか。

 

「本当にありがとう“姫”いや!有川!」

 

「次その名で呼んだら殴るわ。」

 

「すまん。」

 

「はぁ~で?板倉、アンタ何で避けなかった?」

 

「いやっそれは~すぐ終わるかなってハハハ。」

 

「この馬鹿!そのまま永眠しろ!」

 

「すまん。」

 

「望海ちゃんから連絡あって迎えに来るまでいろってわかった?」

 

「お邪魔してます。」

 

「はぁ~板倉食欲は?」

 

「ありますはい」

 

「そう、なら作るから。焼きそばで良い?」

 

「大丈夫。ありがとう」

 

「ねぇ、板倉。アンタ本当に強襲科に来るの?早死にするわよ。」

 

「望海の強制命令だ。それに自分の身ぐらい守れるようにならないと。」

 

「あっそう…………せいぜい足引っぱらないで」

 

「あぁ、努力するよ」

 

「アンタ、アレルギーは?」

 

「特にないよ」

 

「そう」

 

会話が途切れ有川の調理する音だけが聞こえる。

良い音だ。

良くみるとここ、有川のベットか。

何か良い匂いする。

これが女子の匂いって奴か望海とは違うんだな。

 

「板倉!アンタ本当に死にたいの!?」

 

「っ!?」

 

嘘だろ見えてないのに気づかれた。

これがAランク武偵か。

数分たつと

 

 

 

 

「できたわよ。」

 

「ありがとういただきます!」

 

めっちゃ美味そう!

 

「めっちゃ美味いぞ!有川!」

 

「落ち着いて喰えっての。」

 

よく見たら有川のエプロン姿可愛いな。

 

「何?殺すわよ」

 

「いや!何でもないっす!」

 

俺は残りの焼きそばを黙々と食べるのであった。

 

「ご馳走様」

 

「はい、お粗末様。」

 

有川が食器を片づける。

 

「本当に助かったありがとう有川」

 

「ふんっ私が無償でするとでも?」

 

「マジかいくらだ?」

 

「後で請求するからよろしく」

 

金足りてるかな。

望海と相談しないと。

 

「痛み止め飲んどけ」

 

有川から薬をなげ渡される。

 

「センキュー…………ふぁ~」

 

ねむたっ、この薬速攻制過ぎないか。

 

「寝たか…完食してくれてありがとう。早く直しなさいよ。」

 

 

 

<<ピンポーン>>

 

「はーい」

 

多分、望海ちゃんね。

 

「姫ちゃん!双ちゃんの事ありがとね!双ちゃんは?」

 

「寝てる」

 

「あっそうなんだ!姫ちゃん何か良い事あった?嬉しいそうな顔してるよ?」

 

「別に何もないし。」

 

「なら、双ちゃんを運ぶね」

 

「うん。そうして」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁ~良く寝た~」

 

 

次目が覚めると自宅に帰っていた。

 

「あっ双ちゃん起きた?今晩御飯できるからね!」

 

「望海」

 

「ん?なぁに?」

 

「迷惑かけたな」

 

「大丈夫だよ~怪我直ったらいよいよ強襲科だね!」

 

「そうだな…………」

 

強襲科か俺もやる気出さないとな。

こうして俺の変った一日が終わるのだった。

 

 

 

 

 

 




最後までお読みいただきありがとうございます。
よろしければ感想いただけると幸いです。


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3話

※この物語はフィクションであり、実際に存在する団体などは一切関係ありません。

お待たせいたしました!3話です。
最後まで読んでいただけると幸いです。


[???]

 

「それはそれは苦労したでござるな“双介氏”」

 

「本当だよったく。“有飛”コーラ貰うぞ」

 

「良いでござるよデュフフ」

 

「ぷはぁ~やっぱコーラは美味いな。」

 

「当たり前でござるよ、双介氏」

 

「有飛、頼んだデータもらえるか?」

 

「しばし待たれよ。」

 

「あいよ」

 

「できたでござる」

 

「サンキュー」

 

「にしても双介氏が、強襲科に人生何があるかわからんでござるな~」

 

「マジでな。色々準備も必用だし。」

 

「まぁ、なる様にしかでござるなデュフフ」

 

「あぁ、そうだな」

 

「双介氏がランク上がったら拙者も上がるでござるよ」

 

「何もそこまでしなくても」

 

「拙者達は同じEランク、上がる時も一緒でござるデュフフ」

 

「有飛ありがとな」

 

「デュフフ」

 

コイツの名前は竜胆有飛(りんどうゆうと)

俺と同じEランク武偵で情報科の1年。

見た目は皆が想像するオタクだ。

迷子の猫探しの時に情報をくれたやつだ。

 

 

俺は今、有飛のパソコンルームにいる。

とある依頼をしていたからだ。

 

 

「それにしても双介氏、怪我は大丈夫でござるか?」

 

「あぁ、医者にも完治って言われたしな。」

 

「それは良かったでござる。」

 

「サンキューな有飛、今度遊びにこいよ!」

 

「気がむいたら行くでござるデュフフ!」

 

俺は有飛の部屋を後にする。

 

 

「双介氏“強襲”の危険人物なんか見てどうするのやらデュフフ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[自宅]

 

「ただいま~」

 

「あっお帰り、双ちゃん!朝ご飯できてるよ~」

 

「ありがとう望海、今日は何?」

 

「今日はおでんだよ~」

 

「そうか。」

 

朝からおでん!?

しかも作ったのか。

 

「嫌だった?」

 

「いや、好きだけど大変じゃないか?」

 

「ん?そうかな~私は作るの好きだから何もだよ~」

 

望海は食卓におでんの鍋をおく。

 

「今日からいよいよ強襲科だね!準備できてる?」

 

「あぁ、できてるよ。」

 

「そっか!良かった~楽しみだね双ちゃん!」

 

「そうだな。いただきます。」

 

正直言って楽しみではないんだが、我儘言ってられないか。

 

「双ちゃん、訓練頑張ってね!」

 

「あぁ頑張るよ。この大根美味いな」

 

「でしょう!仕込みはりきっちゃった!」

 

自慢気に胸をはる。

 

「そこまでしなくても」

 

「良いのっ!私が好きでやってるんだし。ほらほら!早くしないと間に合わない時間になっちゃうよ!」

 

「あぁ、わかってるって」

 

おでんを堪能しつつ、朝食を食べ終わるのだった。

 

「双ちゃん、ネクタイまた曲がっるよ。」

 

「そうか?普通だとう思うけどな。」

 

「全然違うよ~。はいっ直ったよ」

 

望海がネクタイを直してくれる。

そんなにきっちりしなくてもな。

 

「そろそろ行く時間だね双ちゃん。」

 

「あぁ、そうだな。忘れ物はないよな」

 

「うん、必用な物は全部このバックにしまったから大丈夫だよ双ちゃん。」

 

「ありがとう望海」

 

「何もだよ双ちゃん。じゃ、いこっか。」

 

「あぁ。」

 

望海と俺は部屋の鍵を閉めて学校へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

[学校]

 

「また強襲科でね!双介君。」

 

「またな望海」

 

望海と別れ俺は教室へと入る。

 

「はよう~」

 

「おはようネ!ソウスケ!」

 

カユゥが挨拶をしてくれる。

他の奴は目を逸らす。

松野もちらっと見ただけで目を逸らした。

まぁ、良いや。

 

「ちょっと入口に突っ立つな。落ちこぼれ」

 

「あぁ有川、おはよう」

 

「早くどけろっての。」

 

「すまんな。」

 

そう言い俺は席に座る。

 

「本当、これだから落ちこぼれは!」

 

「姫そんなにイライラしてやっぱり生理カ?」

 

「だから何でそうなるのよ!」

 

「イライラは健康に毒ネ!ミルク飴あげるヨ。」

 

「いらないわよ!良くそんなの喰えるわね!」

 

「普通のミルク飴ヨ?」

 

「濃厚過ぎんのよ!その飴は!」

 

「濃いの好キ、女子は特にネ!」

 

「黙れ痴女」

 

「それだけで痴女扱いオカシイネ!」

 

カユゥと有川が口論しはじめる。

 

「ふっ」

 

思わず笑ってしまう。

 

「何笑ってるのよ!この落ちこぼれ!」

 

「ソウスケもやっぱり姫がオカシイって思ってるネ!」

 

「すまんすまん。そろそろチャイムなるぞ。」

 

「ふんっ」

 

「私の勝ちネ」

 

それぞれ席に座る。

HRが終わり普通の授業へと進み時間が過ぎるのであった。

 

 

 

 

 

 

[放課後]

 

「強襲科は確か此処だよな」

 

普通の授業を終えた俺は強襲科の施設に着いた。

今まで探偵科だったから此処に来る事なんてなかったしな。

手帳の地図にも書いてあったから間違いないだろう。

 

「すぅ~はぁ~」

 

緊張してきたので深呼吸する。

 

「よしっ!行くか…………失礼します!」

 

気合いを入れ中に入る。

 

 

「おっ!きよったな!板倉!」

 

「あっ!双介君!」

 

獅子堂先生と望海が挨拶する。

周りの人からもジロジロ見られる。

 

「皆!注目しぃ!コイツが今日から転科してきた」

 

「1年Eランクの板倉双介です!よろしくお願い至します!」

 

「そう、固くならんでええ。今日からコイツ等がお前さんの新しい仲間や。」

 

「はっはい!」

 

って言われてもな上級生の先輩方もいるし凄ぇ見られてて緊張がとけないんだが。

 

「緊張するか?最初はそんなもんや。板倉、お前さんがEランクであろうと関係なぃ。ただ強くなる為そして人の為に強くなるや。武偵であるかぎりなぁ。此処はそういう場所や。わぁったか?」

 

「はい!」

 

「えぇ返事や。ただまぁ~訓練はめっちゃ厳しいで~そこんとこ忘れんでな。」

 

「わかりました!」

 

事前準備である程度知ってるしな。

 

「よしよし、最初は小手調べに近接戦闘を見たぃ。初歩的な事でかまへん。できるか?」

 

「はい!できます!」

 

「ほな~素手での戦闘やから~そうや“有川”ぁ!お前さん相手してみぃ!」

 

「はぁ!?何で私がやらないと!」

 

筋トレをしていた有川が言う。

 

「同じクラスやろう~ええからやってみぃ」

 

「別の奴でも良いじゃん!」

 

「有川ぁ、そんなに訓練増やされたいんか~そうか~なら他の奴は~」

 

「いえっ!喜んで引き受けます!」

 

「なら、良かったわ~」

 

「……………ちっ………」

 

不機嫌そうな有川が近くに来る。

 

「先生!何で私じゃないの!」

 

「篠原ぁ、お前さんは加減できないやろ~」

 

「できますよっ!双介君相手ならっ!」

 

「いや無理やな~」

 

「何でですか!?」

 

俺もそう思う。

望海は若干の戦闘狂だから加減ができるなんて考えられん。

相手すると怪我再発しそう。

 

「よっよろしく有川」

 

「ふんっ…………速攻終わらせる…………」

 

「よしよし!なら初めるで~。板倉ぁ!拘束されたらどんな手使ってもえぇ解くの心がけぇ~」

 

「はい!やってみます!」

 

「よーい!初め!」

 

俺は戦闘体勢に入る。

対する有川はまだ入ってない。

 

「ねぇ、板倉。アンタ怪我とかは?」

 

「ばっちり完治した。」

 

「そう…………ならっ!手加減なしねっ!」

 

「!」

 

有川が戦闘体勢に入り間合いを責めてくる。

 

「くっ!あぶねぇ!ぐぁっ」

 

初段のパンチはミスリードだったのか避けた所を殴られる。

 

「しゅっ!」

 

鋭いパンチを繰り出す有川。

素早い。

 

「ぐはぁっ」

 

一撃一撃が重い。

これがAランク武偵の力か。

 

「ほら!ほら!避ける事もできない!流石落ちこぼれっ!」

 

「くぅっ」

 

畜生

 

「ムッツリ板倉!これで終わり!」

 

「ふっ…………」

 

「なっ!?」

 

何とかかわせたか。

 

「はぁっはぁっムッツリ言うなっ!」

 

反撃する為、有川に足払らいする。

 

「ちっ!とっととくたばれ!」

 

「ぐぁっ!」

 

有川が飛び上がり俺の首を太股で絞める。

これ初歩的な事だったか?

 

「ぐぅ………ぁっ…」

 

「落ちろ!」

 

マズいどうにかしないと!

どんな手でも…………そうか!

 

「くっこっの!」

 

有川の靴を脱がす。

 

「は?…………ひぁんっ!」

 

そしてそのまま足をこちょばす。

 

「今だ……はぁっ……はぁっ」

 

拘束を解けた隙を見て体勢を整える。

 

 

 

 

 

 

「あちゃ~やってもうたか~」

 

「双介君…………」

 

え?何その反応?

周りの人達の空気も凍ってない?

 

 

「い~た~く~ら~!」

 

「うわぁ…」

 

何か凄いオーラでてる様に見える。

怒りの頂点迎えた様な。

髪黄色になりそう。

スーパー○○○人!みたいな!

 

「え?高っ」

 

有川が高く飛び上がった。

 

「あっ水色…」

 

スカートの中が見えてしまい声に出してしまう。

 

「永眠しろぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

<脳天カカト落し!>

 

「グェっ」

 

綺麗に喰らった俺はその場に崩れ落ちる。

 

「はぁっ……はぁっ………殺す!」

 

 

「そこまでや!有川、もうやめぃ見てみぃ綺麗に落ちてるわ。」

 

「双介君!?大丈夫?双介君!」

 

「板倉~どんな手って言ったが、乙女の逆鱗に触れたらアカンで~。篠原~医務室連れてきぃ」

 

「はい!双介君!しっかり!まだ死ぬ時ではないよ!」

 

篠原が板倉を抱え医務室に連れて行く。

 

 

「他に私の下着見た男子!潰すからでてこい!上級生とか関係ない!」

 

周りの男子は全力で首を振る。

触らぬ神に祟りなし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[医務室]

 

「つっつぅ~」

 

ここは医務室か流石にわかる。

 

「双介君起きた?」

 

「あぁ。望海が運んでくれたのか?」

 

「そうだよ~。それよりも双介君!女の子にアレは駄目だよう!」

 

「いやっそれしか思いつかなかった。」

 

「あぁいう時は後ろ向きに倒れこんで相手にダメージを与えるの!」

 

「そうなのか」

 

全く考えつかなかったな。

 

「それにね強襲科では姫ちゃんにこちょばしはタブーなんだよ!」

 

「そうなのか?」

 

「うん!前に上級生の先輩がからかって、姫ちゃんにこちょばしをしたんだけどね、その場にいた男子全員絞めたの。」

 

「そうだったのか。」

 

他の人達大丈夫なのか?

 

「今日は獅子堂先生がいたから被害は最小限だと思うけど。」

 

「最小限って確定なのかよ。」

 

「じゃないと姫ちゃん収まらないから。」

 

うわぁ、覚えておこう。

次会うの怖いんだが。

 

「ちゃんと姫ちゃんに謝るんだよ。」

 

「あっあぁ。」

 

「それじゃ、私は強襲科に戻って双介君が起きたって報告してくるから、もう少し休んでてね!」

 

「了解」

 

望海は医務室から退出する。

にしても水色か有川あぁいうのも持ってるんだな。

前目撃してしまった時は黒が多かったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこの変態起きてる?」

 

「有川何で!?」

 

「獅子堂に今日の訓練は良いから板倉の面倒見れって言われたんだよ。しかも、命令な。」

 

明らかに不機嫌な有川が言う。

 

「そうなのか…………」

 

「まだ、10人しか絞めてないのに…………」

 

もう、10人が犠牲に。

俺の所為で申し訳ない。

 

「で?アンタ起きて大丈夫なの?」

 

「あぁ望海が看病してくれてたから大丈夫だ。それより、有川」

 

「あ?何?」

 

「その…………すまんかった」

 

「ちっ………………イチゴ牛乳」

 

「え?」

 

「私の気がすむまで毎朝イチゴ牛乳買ってこいって言ってんの!わかった!?」

 

「わっわかったよ!」

 

「ふん…………」

 

「…………」

 

沈黙が続く。

 

「アンタってさ最近気絶し過ぎじゃない?」

 

「そっそうか」

 

俺も最近思ってたよ。

結構図星なんだよな。

 

「落ちこぼれだからか…………」

 

「違うと言いたい。」

 

「まぁ、私に関係ないけど…………良くかわしたわね。」

 

「たまたまだ…………」

 

「あっそ」

 

「あと俺はムッツリでは」

 

「ムッツリでしょアンタは。いや、ドスケベか」

 

「いや違う!」

 

「私が知ってる限りそうでしょ」

 

「…………」

 

何も言い返せん。

悔しくて泣きそう。

あの頃の俺を憎むぞ。

 

「元気そうだしもう帰って良い?」

 

「いや俺に言われてもな。」

 

「は?アンタも帰るんでしょ?獅子堂が言ってたし」

 

「それ初耳なんだが。」

 

「今言ったから良いでしょ。早く支度してこい。」

 

「了解っす。」

 

帰り支度をすべく俺と有川は医務室を出た。

 

 

 

 

 

[自宅]

 

「ふぅ~ただいま~」

 

勿論、望海はまだ帰ってきてない。

 

「夜飯、流石に作らすのは申し訳ないな。」

 

家事ができない訳ではないので今日は俺が作るか。

 

「オムライスでも作ってやるか」

 

食材は望海が常に買ってくれてるから十分にある。

望海が帰ってくるの楽しみだな~

 

 

 

 

 

 

「ただいま~双ちゃん!ごめんね少し遅くなっちゃった。

 すぐに夜ご飯の支度するね!」

 

「お帰り、ご飯できてるよ」

 

「え?双ちゃんが!?あっ!オムライスだ!」

 

望海が飛び跳ねる。

小学生かよ。

 

「ありがとう!双ちゃん!」

 

望海がとびっきりの笑顔で言う。

 

「まぁ、たまにだけどな」

 

こんなに喜んでくれるのなら良かった。

 

「あっそうだ双ちゃん。単位足りてる?」

 

「あっやべ足りてねぇ」

 

「もう、ちゃんと管理しないと駄目だよっ!」

 

「すまん。依頼探すよ」

 

「うん!」

 

明日依頼探ししよう。

こうして今日の一日が終わるのだった。

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

お気に入り登録してくださった方、誠にありがとうございます!
とっても嬉しいです!

それではまた次回!


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4話

金曜日に投稿できなくて、申し訳ございませんでした!

今週の金曜日も難しい為、2話連続投稿致します。





[自室]

 

今日は学校が休みの日だ。

しかし、任務を探す為に学校に行かなければならない。

学校のネット掲示板を見ても良いんだけど後手続きが面倒だから俺は直接行く。

 

「双ちゃんおはよう!朝ご飯できてるよ~」

 

「おはよう望海。今日は?」

 

「今日は鮭のホイル焼きとあさりの味噌汁と蟹の炊き込みご飯だよ~」

 

「おっそうか。」

 

まさかの海鮮づくしだったか。

にしてもまた手のこったのを。

 

「いつもサンキューな望海」

 

「え?別に普通だよ~学校行くんでしょ?」

 

「あぁ、そうだよ。」

 

「私も一緒に行って良い?」

 

「別にかまわんが任務探すだけだぞ?」

 

「うん、わかってるよ~」

 

「なら、いただきます。」

 

「はいめしあがれ。」

 

俺と望海は朝食を堪能したのだった。

 

 

 

「よし、そろそろ行くか」

 

<<ピロン>>

 

「ん?有川からだ」

 

「姫ちゃん、何て?」

 

 

<アンタ学校よる前にカユゥの店にきなさい。拒否権ないから。>

 

 

「だとよ」

 

「なら、行かないとね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[カユゥのお店]

 

「ついたか…………ん?定休日?」

 

 

「本当だ~」

 

表ドアには定休日と貼紙がしてある。

おかしいなやっているはずなんだかな。

 

「いらっしゃネ、ソウスケ、望海ちゃん。こっちヨ」

 

立ち止まっていると裏口からカユゥが出てくる。

俺達はそのまま裏口から入店した。

 

 

「板倉遅い!…………あれ?望海ちゃんもきたんだ。」

 

「うん、駄目だった?」

 

「いやっむしろ好都合よ。」

 

入ってきた早々、有川に遅いと言われる。

普通だと思うが。

 

「んで何の様だよ有川」

 

「板倉、アンタ任務探しに学校へ行くんでしょ?コレ受けなさい。」

 

一枚の紙を渡される。

なになに

 

 

 

 

{ショッピングモールの警備}

 必用ランク:E以上

 人数:2~4人

 報酬:現金

 内容:店内の警備

 

 

「ほう…………日程は…………今日!?」

 

時間は15時か今が12時だから後、3時間か。

カユゥの店からだと急いでも一時間かかるか。

 

「いやそもそも人数が…………」

 

「ここに4人いるじゃない!」

 

「マジか」

 

「望海ちゃんは大丈夫よね?」

 

「うん!大丈夫だよ!双ちゃんと一緒に任務するの初めてだね!」

 

「あぁ…………カユゥも受けるのか?」

 

「えぇそうよこのお節介焼きに言われてね。」

 

「誰がお節介焼きよ!」

 

「姫以外誰がいるのよ。」

 

カユゥが普通の口調で喋る。

 

「折角、営業しようとしてたのに姫が双介の為に任務受けたって連絡きてね。

 急遽臨時定休よ。」

 

「はぁ!?誰が落ちこぼれの為って言ったのよ!」

 

「ツンデレギャルが言ったのよ。」

 

「んだとこの猫かぶり乳女!」

 

「ふんっ負けおしみ?」

 

「何がよ!」

 

「胸の大きさよ」

 

「はぁ!?デカければ良いって訳じゃないでしょ!」

 

「あら、私は形も良くってよ。」

 

「私だって良いし!」

 

有川とカユゥが白熱してる。

 

「ねぇ二人共、私の前で胸の話題?」

 

「「あっ」」

 

二人が静かになる。

 

「どうしたの?二人共」

 

「ごほんっ!板倉アンタ、プロテクター買いなさい。」

 

話題を逸らした有川が言う。

 

「プロテクター?どうしてだ?」

 

「自分で考えろ」

 

「今回の任務は私服なのよ。防弾制服じゃないからね。」

 

有川の変わりにカユゥが答えてる。

 

「私服なんだけど望海ちゃんある?」

 

「あるよっ姫ちゃん。カユちゃんの所に!」

 

「そうね双介のも確かあったはず。」

 

「何であるのよ?」

 

「五月蝿いわね、いちいち突っかからないで。」

 

「でもっ」

 

「それよりも姫、双介に言う事あるんじゃない?」

 

「そうよっ!板倉、アンタ新しい銃手に入れなさい!」

 

「は?どうしてだよ」

 

「今のアンタじゃ“デザートイーグル”を使いこなせないからよ。別にそれしか使うなって言われてないでしょ?」

 

「そうだけどよ…………でもな~金もないし」

 

「アンタでも使えそうな銃があるのよカユゥ。」

 

「はいはい。双介まずは見てくれるハンドガンにしては珍しい銃なの。」

 

カユゥが一丁の銃を渡す。

 

「これは?」

 

「これはね、lMl社の“ジェリコ941”って言って

 通称“ベビーイーグル”って呼ばれる銃なの。」

 

「ベビーイーグル…………」

 

何というか良い響きだ。

 

「しかもこの銃バレルとマガジンを変えるだけで色んな弾が撃てるのよ。」

 

「ソイツは凄い!」

 

「えっと~どう凄いの?」

 

「それはだな望海!簡単に言うと鞘を変えるだけで切れ味が変わるって事だ!」

 

双介が昂奮気味に言う。

 

「へぇ~それは凄いね!」

 

「だろ!あっでも…………」

 

「どうしたのよ?」

 

有川が聞く。

 

「いやっ金が…………」

 

「双ちゃん!お金なら心配しないで!こうゆう時の為に貯めてたから!」

 

「でもっ!望海」

 

「良いんだよ双ちゃん。この先も必用となってくるかもだし、それに双ちゃんがこんなに嬉しそうなんだもん遠慮しないで!」

 

「だって板倉。良かったわね」

 

「双介心配しないでそこまで高くないわ。」

 

「ありがとう望海。カユゥいくらだ?」

 

「それはこれくらいね。」

 

「なるほど…………」

 

少なくともデザートイーグルよりは普通に安いな。

 

「カユちゃん今払うよ!」

 

「え?後日で良いよ望海ちゃん。安いって言っても大金に変わりないもの。」

 

「ううん大丈夫だよ。はい」

 

望海はカバンからお金を出す。

 

「え?こんな大金持ち歩いてるの!?」

 

有川が驚く。

 

「うん万が一の為にね。」

 

そうだったのか知らなかった。

 

「うん丁度ね。双介、弾はどうする?」

 

「なら、9mmで頼む。」

 

「わかったわ。少し待ってね」

 

カユゥが工房へ入って行く。

 

「サンキューな有川」

 

「別に前みたいになられるのが嫌なだけよ。着替えてくるわ。」

 

有川は更衣室へと入っていった。

 

 

「望海も本当にありがとうな。」

 

「ううん。気にしないで双ちゃん。」

 

 

「お待たせ。はい双介」

 

カユゥがベビーイーグルを渡してくれる。

 

「これはっ!」

 

「好きでしょう?この色」

 

「あぁ!」

 

ベビーイーグルは塗装されて居てデザートイーグルの色と同じ漆黒だ。

 

「カユゥまさか…………」

 

「双介なら欲しいって言うかなって思って塗装してたのよ。」

 

「試し撃ちしても良いか!まだ時間に余裕あるし!」

 

「えぇ、使い方はわかるわよね?」

 

「あぁ!」

 

双介は射撃場に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「男の子だね~カユちゃん。」

 

「そうね望海ちゃん。」

 

「カユちゃん。ありがと」

 

「喜んでくれて良かったわ。」

 

 

「あれ?板倉は?」

 

「射撃場よ。」

 

「はぁ?子供かっ。」

 

「まぁまぁ、姫ちゃん。双ちゃん、喜んでるから。あっ!姫ちゃんの服可愛い!」

 

「そう?ありがとう」

 

「あからさまに男受けを狙ってる格好ね。」

 

「あ?何?いちゃもん?」

 

「別に~。私も着替えてくるわ。望海ちゃんは?」

 

「私も着替える!」

 

カユゥと望海はそれぞれ更衣室に行く。

 

「後は、板倉だけか」

 

(あんな嬉しいそうにする何て)

 

「良かった…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ~。ん?二人は?」

 

「着替えてる。板倉も早く着替えてこいっての。」

 

「あぁ、すまん!」

 

俺はカユゥの工房へと入って行き着替えをすませる。

 

 

 

「私の服装についてはノーコメントか…………」

 

「あら?褒めて欲しかったの姫?」

 

「カユゥ!?アンタ何時の間に!」

 

「今来た所よ。」

 

「アンタも男受け狙ってるじゃない!胸元空いてるし!」

 

「生憎こういうのしかサイズないのよ。」

 

「いやっ!絶対あるから!」

 

「あらそう。そういう事にしとくわ。」

 

「コイツ…………」

 

「もう!すぐ喧嘩する!駄目だよ二人共!」

 

「だってコイツがっ!」

 

「姫が勝手に突っかかってくるからっ!」

 

「ふ・た・り・と・も!」

 

「「すみませんでした」」

 

「もうっ。」

 

 

「着替え終わったぞ………おぉ…………」

 

着替え終わった俺が見たのは私服姿の三人だった。

カユゥの服装ヤバイな詳しくは言わんが動く度に凄い揺れてる。

最高じゃないか。

 

「もう!双ちゃん!すぐそうやってカユちゃんの胸ばっかり!」

 

「双介ったらエッチ」

 

「ふんっこのムッツリ」

 

「いやっ俺はだなぁ!」

 

「それより皆コレを後、武器は見えないように。カムフラージュして。」

 

有川が小型の無線を渡す。

 

「コレなら髪に隠れるから大丈夫なはず。ボタンも押さなくていいやつよ。」

 

「了解」

 

皆それぞれ無線などつけ装備を整える。

 

「双介、予備マガと弾薬よ。今回はサービスしとくわ。」

 

「すまない助かる。」

 

揺れる。

 

「エッチ」

 

「あっいや」

 

「ちっ…………ふんっ!」

 

有川に叩かれる。

 

「いってぇ!何すんだ!有川!」

 

「知らんムッツリ」

 

「双ちゃんったらもぅ。」

 

「皆!準備できたわね!」

 

「あぁ」

 

「えぇ」

 

「うん!」

 

有川は手下げカバンに銃を入れ、俺はリュックに銃を、

カユゥは見た目が扇子なので腰に、望海は刀なので楽器ケースにいれている。

 

「出発ね!カユゥ!」

 

「はいはい。皆車に乗って」

 

「はーい!」

 

カユゥが用意してくれた車に俺達は乗る。

ちなみに助手席に有川、後部座席に俺と望海が乗った。

 

いよいよ警備任務の開始だ!

 




読んでくださりありがとうございます!
よろしくれば評価、感想お待ちしております。


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5話

続けて5話です~。

個人的には望海ちゃんが好きです。

少し長めです。


[ショッピングモール]

 

「着いたわよ。」

 

カユゥの車が駐車場に止まる。

 

「いよいよか」

 

「そうだね!」

 

「ねぇ、姫。私も行かないとだめ?」

 

「何よ急に」

 

「あの喋り方疲れるのよ。」

 

「なら、やめれば?」

 

「事情知ってる癖に………はぁ~。よしっ!皆行くネ!」

 

少し間が空いてからカユゥが気持ちを引き締める。

 

「まずは依頼人に状況確認よ。」

 

有川が先頭になってお店に入っていく。

複数人での任務は初だからヘマしないようにしないとだな。

 

 

 

「武偵4名ただいま到着至しました!」

 

「良く来て下さりました!私マネージャ―の沢渡と申します。」

 

スーツ姿を身にまとった30代前半の男性が答える。

 

「依頼内容はご依頼した通り店内の警備に当たっていただきたいのです。」

 

「畏まりました。」

 

「本当なら警備強化をすれば良い話なのですがすみません。」

 

「いえいえ!私達は武偵法を反しない限り何でもするそれが武偵ですから。」

 

有川がこんな言葉使いする所なんて激レアだな。

 

「助かります…………本当何も起きなければ良いのですが。」

 

「何かご心配事でも?」

 

「いえっ耳にした話なんですがショッピングモールを狙った、愉快犯がいると聞きまして」

 

「愉快犯ですか…………聞いた事はないですが警戒に当たります!」

 

「お願い致します。」

 

「はいそれでは失礼致します。」

 

 

 

「猫被りネ」

 

「何か言った?」

 

「別にネ」

 

「それじゃ、カユゥは1階のフードコートを望海ちゃんは2階の楽器屋付近を板倉は3階のゲーセンを私は4階の洋服屋付近を担当するわ。何かあれば無線を。決して1人で向かわないで以上!」

 

俺達はそれぞれが担当する場所へと向かう。

 

 

 

 

 

 

[カユゥサイド]

 

私が担当するのはフードコートか。

土曜日だからか人が多いわね。

これじゃ何かあってもわかりにくいじゃない。

そもそも何で私がフードコート担当なのよ、お腹空くわね。

 

「姫お腹空いたネ」

 

<は?真面目にやんなさいよ…………まぁ、自腹切るのなら良いわ。

 食いながらやんなさい。警備って事忘れないでね。>

 

「言われなくてもわかってるネ。キチンとこなすアルヨ。」

 

姫との無線を切る。

手軽に食べれて見晴らしが良い所に座らないと。

そうね…………全体を見るのならあの当たりか。

 

 

 

 

 

 

 

[望海サイド]

 

「2階に到着っと。」

 

私は楽器ケース背負ってるから当然違和感がない。

楽器屋付近だよね。

良く良く見ると種類多いんだね。

楽器なんて琴ぐらいしかできないよ~。

ギターとかできる人凄いな~。

周辺を見渡しても何か異変がある訳ではないしな~。

 

「おかしいな~」

 

「何かございました?」

 

近くの店員さんに声をかけられる。

 

「あっいえ!見てただけですのでっ!」

 

「左様でございますか。何かあればいつでもお声がけ下さい。」

 

「はい!」

 

ふぅ、どうにかなった。

おかしいって言ってしまったのは何か胸騒ぎがするから。

でもこの階じゃなさそうだし明確に説明できないけど姫ちゃんに無線をいれよう。

 

{姫ちゃん。}

 

{どうしたの?望海ちゃん。}

 

{あのね上手く説明できないんだけど胸騒ぎする。}

 

{胸騒ぎ…………望海ちゃんが言うんだもん信じるわ。}

 

{ありがとう。また何かあったら連絡するね。}

 

{了解。}

 

双ちゃんやカユちゃんは大丈夫かな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[双介サイド]

 

俺は3階のゲーセンにやってきた。

ここのゲーセンは普通のより少し広いから全体をまわるのは苦労しそうだな。

学生やら家族連れが多い。

土曜日だもんな。

武偵高の生徒いそうだな。

 

「あっいた」

 

間違いないあの後ろ姿は

 

 

「何してんだよ“優飛”」

 

「そっ双介氏!?なるほどそうでござったか。」

 

「ん?どういう事だよ?」

 

「双介氏が此処にいる理由でござるよ。あの紙打ち出したの拙者でござるよ。デュフフ」

 

「そうなのか。で?お前は何してんだ?」

 

「見てわからんでござるか?フィギュア採集でござる。」

 

良く見ると足元には取ったであろうフィギュアが置いてある。

 

「こんなに取ったのか?凄いな。」

 

「そうでござろう?デュフフ。」

 

「あんまり取り過ぎるなよ、出禁になるぞ。」

 

「心得てるでござる。」

 

「俺は向こう見るからじゃな。」

 

「またでござるデュフフ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[姫サイド]

 

私は4階の洋服屋にやってきた。

ブランド物ばかりのお店が沢山。

 

「あの服着れば褒めてくれたのかな…………」

 

ぽつりと呟やいてしまう。

この感情が辛い。

 

 

「いけない任務に集中しないと。」

 

 

愉快犯か…………

私は怪しい人物がいないか辺りを見る。

するとカユゥから無線が入りその後すぐ望海ちゃんから無線が入った。

 

 

「喰いしんぼうめ…………ったく…………それにしても胸騒ぎか…」

 

望海ちゃんが言う事はまず当たる。

一緒にペアになって何度経験したことか。

一体このショッピングモールで何が起きるの。

 

 

<<ドカン!>>

 

下の階から爆発音が聞こえた。

板倉の所!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[双介サイド]

 

「痛ぅ…………」

 

「大丈夫でござるか双介氏!」

 

「なんとかな…………」

 

向こう側を見に行った途端、近くにあった両替機が爆発した。

 

 

 

 

 

 

「ひゅーう!人に当たりましたぜ!“アニキ”!」

 

「派手で良いじゃねぇか!」

 

 

謎の二人組が物陰から出てくる。

 

 

「金もゲットできて最高っスね!」

 

 

 

 

 

「なんだよアイツ等…………そうだ無線!」

 

幸い爆発した煙でコチラには気づいてない。

 

「くそっ!壊れてる…………」

 

イカれてしまったらしい。

 

「双介氏これを使うでござる、拙者の高性能無線。チャンネルは合わせたでござるっ。」

 

小言で優飛が自分の無線を渡す。

 

「助かるっ…………{こちら板倉!ゲーセンにて両替機が爆発、

 謎の2名が飛び散った金を拾ってる!応援頼む!}」

 

 

{今向かう!望海ちゃんとカユゥは!?}

 

{私もいけるよ!}

 

{すまないネ、コチラでもトラブルよ金属バットと銃を持った3人組が暴れてるヨ}

 

{ちっ!2箇所同時か…………望海ちゃんは1階に!私は3階に向かわ!}

 

{了解!カユちゃんすぐいくから無理しないで!}

 

無線でのやりとりが終わる。

 

 

「おい!お前等何者だ!」

 

 

「アニキ!何か出てきましたぜ!」

 

「あぁん?んだテメェ」

 

「武偵だ!器物破損及び窃盗の罪で逮捕する!」

 

「ぶっ武偵!?アニキどうします?」

 

「はっどうって事はねぇよただのガキに何ができる。」

 

アニキと呼ばれた男が銃を取り出す。

 

「テメェ等!これ以上騒いだら撃つぞ!」

 

周りの人達が静まる。

くったれ…………人質か避難を優先させるべきだったか。

 

「で?ガキ俺達をどうするって?」

 

銃口を向けられる。

 

「くっ……………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

[カユゥサイド]

 

「なっ!?」

 

フードコートで肉マンを食べていたら入口から

3人組がバットと銃を持って堂々と入ってきた。

 

 

 

「おら!おら!金目になる物全て置け!」

 

「はやくしろ!」

 

1の男がバットでテーブルや椅子を破壊する。

騒がしくも賑やかであったフードコートが冷えきった。

そこで双介からの無線が入った。

 

{こちら板倉!ゲーセンにて両替機が爆発、謎の2名が飛び散った金を拾ってる!応援頼む!}

 

{今向かう!望海ちゃんとカユゥは!?}

 

{私もいけるよ!}

 

{すまないネ、コチラでもトラブルよ金属バットと銃を持った3人組が暴れてるヨ}

 

幸い入口から遠くに離れた席に座っていたので連絡ができた。

 

{ちっ!2箇所同時か…………望海ちゃんは1階に!私は3階に向かわ!}

 

{了解!カユちゃんすぐいくから無理しないで!}

 

そうは言ってもね望海ちゃん…………私放っておけないのよ。

 

 

 

 

 

 

 

「やめるネ!こんな事して何なるカ!」

 

 

「んだぁ?おっ良い体してんじゃんお姉さんこっちこいよ!」

 

「きゃっ///」

 

私はワザと捕まる。

こうして捕まれば少なくとも人質がとられる可能性は低いはずだ。

 

「マジででけぇ」

 

「やんっ///」

 

もう一人の男が私の胸を揉む。

そうそのまま揉んでろクズが。

 

「やっやめるネっ」

 

「おぉすげえ」

 

「おい!後でいくらでもできるだろ今は金だ。」

 

リーダー各の男が言う。

ちっくそったれ。

 

「おっそうだったそうだった。お姉さん後でたっぷりね!」

 

「おいおい使い物にならなくなるだろお前がしたら。」

 

「言えてる言えてる。」

 

「可愛いがるだけだろぎゃはは。」

 

どんな使い方する気よ。

本当クズ以下。

 

 

3人組は色んな人からお金を巻き上げる。

 

 

どうしようか…………強行突破する?

 

 

 

 

 

 

 

 

[双介サイド]

 

「ちっ!そのまましゃがめ!板倉!」

 

上の方から声が聞こえる。

 

<<パァン!>>

 

「うおっあぶなっ」

 

咄嗟にしゃがむ。

頭かすった気がするんだが!

 

 

「ぎょえ!?アニキ何処からか撃ってきやした!」

 

「ちぃ!おいずらかるぞ!」

 

「させるかっ!」

 

<<パン!>>

 

俺はリュックからベビーイーグルを取り出し威嚇射撃をする。

 

「ひょえぇ!アニキどうます!」

 

「くそっ!おいお前も撃て!」

 

「わかりやした!!」

 

2組はコチラに発砲してくる。

 

素人の発砲だかわす事ができるが。

 

「あぁ!拙者のフィギュアが!」

 

「五月蝿い、キモオタ。喋んな。」

 

「有川!」

 

「酷いでござるよ~姫ぇ!」

 

「喋んな豚」

 

有川が優飛のフィギュア達を投げ全て的にした。

 

「板倉、何でキモオタがいるのよ」

 

「遊んでたみたいだ」

 

「あっそ…………キモオタ!一般人の避難をしろ!」

 

「承知でござる姫ぇ!」

 

優飛は有川に言われた通り一般人を避難させてる。

 

「マジキモ…………板倉、良くあんなのと友達できるわね。」

 

「良い奴だぞ優飛は…………」

 

俺と有川は喋べりながら銃を構え2組へとの距離を縮める。

 

 

「あっアニキ!ぐえ」

 

「お前盾になれ!俺は逃げる!」

 

「かっこ悪い兄貴分ね」

 

<<パァン>>

 

容赦なく有川は逃げようとした奴の足元を撃つ。

 

「大人しくしろ!」

 

「ぎょえぇぇ」

 

俺は下っ端みたいな奴を取り抑える。

 

「せやぁ!」

 

「ぐぉっ…………」

 

有川は兄貴分へ回し蹴りをし気絶させる。

 

「姫ぇ!避難完了でござる!」

 

「あっそ。キモオタ手伝え」

 

「承知でござる」

 

「板倉、キモオタと一緒にコイツ等頼むわ。私は1階の援護に行く!」

 

「了解!気をつけろよ!あとっ!似合ってるぞ!その服!」

 

「うっさい!(今言うんかい。言うのが遅いっての。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

[カユゥサイド]

 

「ちっ3万しかねぇのかよ」

 

老夫婦からもお金を巻き上げている。

いよいよ動くかそう思っていると

 

 

「お兄さん楽しそうだね私も混ぜて♪いっぱぁいご奉仕するから♪」

 

楽器ケースを背負った望海ちゃんが現れた。

そんな演技できたのね知らなかったわ。

 

「おっ!マジで!」

 

ころっと騙されてるし。

男って単純ね。

 

 

「うん♪」

 

男が望海ちゃんに近く。

 

「はいご奉仕だよ♪」

 

「ぎゃゃゃゃゃゃゃ!うっ腕が!」

 

近づいてきた男の腕を掴み無理やり間接を外す。

男は悶絶してる。

 

「なっ!?」

 

「てってめぇ!」

 

リーダー各の男が驚き気性の荒らい男がバット振り被りながら

望海ちゃんに突っ込んでいく。

 

「やだぁ怖い」

 

「は?え?」

 

男が持っていたバットが真っ二つになる。

そして尻餅をつく。

 

「もう危ないでしょお兄さん♪」

 

何時の間にか楽器ケースから刀を出していた望海ちゃん。

やだぁ怖い。

そんな事考えてる場合じゃない!

望海ちゃんをとめないと!

 

「もう少し待っててよ後でご奉仕してあげるからさっ!」

 

悶絶していた男の腕を蹴る。

 

「あ゛ぁぁぁぁぁ!」

 

「ねぇお兄さん痛い?痛いでしょ!」

 

更に刀の棟の部分で追撃。

 

「ぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

「こっこの!」

 

リーダー各の男が発砲する。

 

「…………」

 

望海ちゃんは刀で銃弾を切る。

うわぁ凄い初めて見たわその芸当。

うん、私が止めに入るの無理ね。

周り捲き込みそうだし。

避難優先ね。

 

「今の内に逃げるネ!早くしないと怪我するヨ!向こうから逃げれるネ!」

 

私は一般人に向かって叫んだ。

 

 

「もう、せっかちなお兄さん。ちゃんとご奉仕しにいくから待っててよ。」

 

「あっあぁ」

 

リーダー各の男も尻餅をつく。

 

「痛いよね!苦しいよね!泣きたいよね!」

 

「ゆ゛る゛じてぇ」

 

「お兄さん達を見てピンときたよ……………………

 窃盗や強姦を繰り返し起こっているチーム名はSZだっけ?」

 

「い゛だぁいい゛だぁい」

 

「痛いんだ?でもね!今まで襲った女の子達はこんなんじゃ済まされないの!!!」

 

刀の棟を何回も振りおろす。

 

「私はね!貴方方が襲った女の子達を見てきたんだよ!精神が壊れた子!言葉を話なくなった子!ショックで意識不明な子!色んな子を皆!この目で見てきた!私はね!親御さん達からの依頼でね!貴方達を懲らしめて欲しいって!そして二度と表世界に出さないでくれって!優しいよね!大事な子供を傷つけられたってのに!誰も殺してって言わなかったんだよ!のこのこと現れてくれて助かったよ!探す手間がはぶけたし!ねぇ!聞こえてる!」

 

悶絶してた男は泡を拭いて気絶してる。

望海ちゃんはゆっくりと気性が荒らかった男に近く。

 

「そのバットで脅してきたんでしょ?」

 

「ひっひぃ!」

 

「答えてよ!」

 

「あ゛ぁ゛ぁぁぁぁぁぁ!」

 

手の平を刀で貫く。

 

こんな望海ちゃんは初めて見た。

私は恐怖心でその場にたちすくむ。

依頼受けていたんだ…………

 

 

「誰か助けて!お願い!何でもしますから!許して!ってほら!言ってみなよ!」

 

刺していた刀を抜く。

 

「血が!血がぁ!いてぇ!ぐぁぁぁ!」

 

「その手で女の子達を殴ってきたんでしょ?被害にあった子がね辛いのに一生懸命勇気を出して話してくれたの。何回も殴られて大人しくなった所を無理やり襲われたって。その手があるからいけないんだよね?」

 

望海ちゃんはもう一つの手の平を貫く。

 

「づぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

そして引き抜く。

 

「ねぇ?楽しかった?気持良かった?抵抗できなくなった子でモテ遊んで?」

 

「はぁ、はぁ。」

 

「私はね超楽しいよ?だってそうでしょ?

 超楽しいって言ってやりまくったんだもんね!」

 

血が出てる両手に追い討ちをかけるかの様に刀の鞘で叩く。

 

「大量出血で死んじゃうね!そう言い放った子もいるんだよね?

 それ以上の苦しみを私が与えてあげる!」

 

刀の峰で何度も何度も頭蓋骨を叩く血が出るまで。

そして男は倒れる。

 

「もう終わり?これからなのに。」

 

リーダー各の男にゆっくりゆっくり近く。

 

「ご奉仕にきたよお兄さん。貴方が計画をたててあの人達にやらせてたんだよね?」

 

「あぁっあっ…………」

 

恐怖で会話ができなくなってる。

 

「女の子のお友達の前で酷い事してたんでょ?どう?自分が見る側は?」

 

「あ……の……」

 

「ん?なぁに?聞こえない!」

 

望海ちゃんは男の顔面に蹴りをいれる。

 

「こうやって!見てた子に質問して聞こえないって言って顔を蹴ったんだよね!」

 

髪を掴み顔面を更に蹴る。

 

「女の子の髪や顔はね!命と同じぐらい大事なの!貴方にわかる!!!!!」

 

「ごぉほぉ」

 

「一体どういう生き方をすればこんな事できるの!!!

 貴方達に少しも良心はなかったの!

 自殺しようとした子がいたの!!!

 悲しんで!苦しいんで!そういう決断になった子がいるの!!!!

 貴方達に!アンタ等みたいなゴミに!わかる!!!!!!!」

 

望海ちゃんは刃を向けて男の首を狙う。

 

「駄目っ!望海ちゃん!」

 

私はなんとか声を振り絞って叫んだ。

間に合わない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<<パァン!>>

 

「そこまでよ!望海ちゃん!」

 

「姫ちゃん?どうして邪魔するの?」

 

「望海ちゃんを人殺しにしたくないからよ。」

 

姫がきてくれた…………良かった。

 

「でもっ!姫ちゃんだって一緒に被害にあった子を見てきたでしょ!」

 

「えぇそうよ。武偵憲章2条!依頼人との契約は絶対に守れ。

 依頼忘れたの?それに武偵は人を殺してはいけない。

 許されてるのは武装検事だけよ。」

 

「そうだけど!でも!」

 

「もう十分でしょ?それにカユゥが怖がって漏らしてるわ。」

 

「もっ漏らしてないわよ!」

 

何でわかったのよ。

 

「でも姫ちゃん!」

 

「望海ちゃん…………まだ収まらないなら私が相手になるわよ?」

 

「…………ごめん……………………やっと冷静になれた。」

 

「さ、コイツ等を裁く為に病院に搬送させないと!

 私達の任務と被ってしまったのは予想外だけど。」

 

「姫ちゃんごめん」

 

「別に。謝るのは私にじゃなくてカユゥにでしょ?

 ここは私一人で十分だからカユゥのケアをしてあげて。」

 

「うん…………カユちゃんごめんね怖かったよね?立てる?」

 

「うん…………」

 

「まずは着替えないとね…………歩けそう?」

 

「ごめん膝が笑って歩けそうにないわ。」

 

「そっかならおぶってあげる。よいしょっと。」

 

「のっ望海ちゃん!服汚れちゃう!」

 

「これくらい何ともないよ!」

 

私は望海ちゃんと共に女子トイレに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

[女子トイレ]

 

「ちょっと待っててね!着替え調達してくる!」

 

「うんありがとう望海ちゃん。」

 

本当に怖かった。

友達のあんな場面もそうだし人があんなにも血が出てるのは初めて見た。

私だって武偵だから耐性あるはずなんだけどそれすらこえてしまった。

望海ちゃんがマジギレしてるの初めて見た。

 

 

「はぁ!はぁ!お待たせ!サイズはバッチリだと思う!」

 

「ありがとう望海ちゃん。」

 

私は望海ちゃんから着替えをもらい服をぬぐ。

本当下着までぴったりね。

 

「カユちゃん!そのごめんね!あんな姿見せちゃって!怖かったよね?」

 

「うん…………望海ちゃんのマジギレ初めて見た…………」

 

「あはは………その………マジギレではなかったんだ……

 私、本気になるとこうじゃないから…………」

 

「え!?そうなの!?」

 

あの上があるの!?

 

「ごっごめんね!」

 

「望海ちゃんの本気なんて見る日くるのかな?」

 

「え?それは絶対に見せないから!約束する!」

 

「うん約束」

 

着替え終わった私はドアを開ける。

 

「わぁ!カユちゃん似合ってるよ!」

 

「うん…………」

 

私は望海ちゃんに抱きついた。

 

「よしよし……怖かったね………ごめんね………良い子良い子」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[双介サイド]

 

「ふぅ~後は尋問科に任せるか」

 

謎の2組を警察に明け渡す。

途中悲鳴が聞こえたが有川達は大丈夫かな。

 

「双介氏~ここは拙者に任せて行くでござる。デュフフ」

 

「すまん!助かる!」

 

俺は有川達がいる1階へと向かった。

 

 

 

「何だコレ?」

 

1階のフードコートを見て言った。

男達が病院に搬送されてるのを目撃する。

 

「あぁ板倉来たんだ。運ばれてるのは犯人達よ。よく見な」

 

「切傷……………………まさか!望海が!?」

 

「えぇそうよ。後一歩遅かったら一人の首飛んでたんだから。」

 

「望海達は!?」

 

「トイレ」

 

「おっおう。」

 

何故にトイレ?

 

「板倉アンタさぁ、ブレーキ役になってくんない?」

 

「おいおい、超暴走機関車侍ノゾミだぞ?俺にはとても」

 

「ちっ使えないやつ。アンタそんな風に思ってたの?家事全部やってもらって最低。否定できないのが悔しいわ。」

 

「悪かったな役ただずで……俺に止められる訳ないだろ……」

 

「ふんっ…………本気……出せば?……」

 

「無理だよ俺は。」

 

「あっそ」

 

 

 

「姫ちゃんお待たせ!あっ、双ちゃん…………」

 

「よぉ…………ん?カユゥ何で服装変わってんだ?生理か?」

 

「おっ女の子には色々あるのよ!あと違う!」

 

望海にひっついでいるカユゥが言う。

 

「無神経」

 

「双ちゃんデリカシー!」

 

「は?今のでか?」

 

乙女心はわからんな。

 

取り過ずなんとか事件解決をするのであった。

まぁ、色々と問題は山積みだけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




戦闘シーンって難しいです。
精進します。


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6話

投稿遅くなりました!
すみません。

誤字、脱字がありましたら教えてくだると、幸いです。

それでは本編をどうぞ!


[双介サイド]

 

二箇所同時事件が終わった俺達はそれぞれ自宅に帰り翌朝を迎えた。

今日は日曜日だ。

細かい報告は有川と望海がしてくれた。

俺は用事があるので今は優飛の家にいる。

 

「優飛コーラ貰うぞ」

 

「良いでござるよ~」

 

俺は冷蔵庫を開け冷えたコーラを飲む。

やっぱ美味いな。

 

「それで優飛どうだったんだ?」

 

「あの二人組の事でござるな~。」

 

「あぁそうだ。」

 

優飛も一緒に報告しに行っていたので聞いた。

有川と望海は今日忙しく結果をきけてない。

 

「一週間前からショッピングモールを狙っていたみたいでござるな。

 ルーレットで場所を決めていたみたいでござる。

 尋問科に連れて行ったら簡単にはいたでござる。」

 

呆気ないな。

それにしてもルーレットか。

本当遊びみたいに犯行をしてたのか。

 

「楽しいのか?捕まるのに。」

 

「愉快犯なんてそんなものでござるよ。問題は三人組の方でござる。」

 

「三人組?どんな問題だ?」

 

「現在も病院にいて重傷でござる。」

 

「なっ!?」

 

重傷だと!?

望海の奴そこまでやったのか。

一体何が?

 

「まぁ、望海殿の方で任務を受けていたみたいでござる。

 “たまたま”犯人があの場にいてそうなったでごさる。」

 

「そうだったのか…………たまたま何て事あるか?」

 

俺には何かが引っかかる。

愉快犯の方はわかるとして三人組の方はわざわざショッピングモールに行くか?

 

「拙者もそこが気になって調べたでござる。デュフフ。」

 

メガネをクイっとあげて優飛が言った。

 

「流石だな。」

 

「照れるでござるよ~。えーとっ!?」

 

<<パン!>>

 

「どうした!?」

 

優飛が突然テーブルに置いてあったコルトパイソンでパソコンを破壊した。

 

「ハッキングされたでござる!」

 

「ハッキング!?」

 

「そうでござる!“何者”かが拙者のパソコンをハッキングしたでござる!」

 

「なんだと!?」

 

パソコン破壊するレベルって一体。

このタイミングで起こるのは普通ありえない。

これはなんだか

 

「きな臭いな…………」

 

「そうでござるな…………拙者達を狙ってのタイミング…………」

 

「おかしいな…………俺学校に行ってこの事を報告してくる!」

 

「頼むでござる!双介氏!」

 

「ん?何だ?」

 

「拙者達スキルアップした方が良いかも知れないでござる!胸騒ぎするでござる!」

 

「あぁ!俺もそう思っていた所だ!じゃな!」

 

明らかにおかしい。

黒幕が居るに違いない。

それにこの胸騒ぎは何だ?

 

 

 

 

 

「拙者もこうしてはならんでござるな…………本気出すか。」

 

 

 

 

 

 

[カユゥサイド]

 

「はぁ~憂鬱ね」

 

お店は休みにしてるし昨日の件で疲れたわ。

お店開けた方が気分転換になったかも。

 

「はぁ~私戦闘向きじゃないもの…………」

 

護身ぐらいならできるけど望海ちゃんの様な動きはできない。

それに私が強かったらあんな

 

「あんな風に恐怖で動けない事なんて無くなるのに…………はぁ~」

 

武偵として情けないし悔しい。

そして友達を止める事が何よりできなかった。

姫が来てくれなかったら

 

「あの人の首飛んでたのかしら…………」

 

想像するだけで怖い。

 

「はぁ~」

 

いけない!

こうしても駄目だわ。

 

「双介は“デブ”の所にいるし望海ちゃんは学校だし…………」

 

あといるのは

 

「姫しかいないわ!」

 

私はスマホを取り出し連絡する。

 

『姫、今何処にいるの?』

 

『はぁ?ハンバーガー屋だけど?』

 

『今から行っても良い?』

 

『なんでよ?』

 

『お願い』

 

『好きにすれば?』

 

『やった(*>∀<*)』

 

「ありがと、姫。」

 

私は支度をしハンバーガー屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

[姫サイド]

 

「マジ疲れた」

 

昨日の件でまだ疲れがとれない。

報告もだるかったしデブもいるし望海ちゃんの暴走の件で私が怒られるし

犯人は重傷だし元々は板倉の為に受けた任務なのに私達の任務とブッキングしたし。

色々と疲れた!

何か爆発しそうだったので私が大好きなハンバーガー屋にきた。

疲れた時はここが一番ね。

 

「いらっしゃいませ~店内でおめしあがりですか?」

 

「店内でアボカドチーズバーガー3つとビーフステーキバーガーが2つ

 照り焼きチキントマトバーガー2つハンバーガー1つポテトL2つナゲット特大1つ

 イチゴシェイクが3つイチゴ牛乳が5つでお願いします。」

 

「かっかしこまりました!以上でよろしいですか?」

 

「はい」

 

店員が驚いていた。

何か変だったかな?

態度?

 

会計を済ませて席に座る。

 

「ふぅ~ん?」

 

携帯を見ているとカユゥからメッセージが入った。

アイツ暇なの?

 

 

 

 

 

 

 

「おっお待たせしました!」

 

「どうも」

 

店員は驚きを隠せない顔をしていた。

何が変なの?

わからない。

 

「何から食べようかな~」

 

「姫!お待たせネ!」

 

「え?マジ?早っ。」

 

「普通ネ。座るヨ?」

 

「はいよ。」

 

私は荷物をずらす。

 

「ありがとネ!」

 

「ちょっ隣じゃなくても良いでしょ!」

 

「え?駄目アル?」

 

「普通は前に座る!」

 

「…………別に良いじゃない」

 

「アンタ声戻ってるわよ。」

 

「これだけ騒がしいなら大丈夫でしょ…………」

 

「くっつくなって!」

 

「嫌よ」

 

「はぁ?意味わからん。」

 

「別に良いじゃないのよ…………姫のケチ」

 

「アンタねぇ」

 

 

 

「お待たせ致しました。」

 

「ありがとネ!」

 

「…………で?暇なのアンタ?」

 

「暇と言えば暇よ」

 

「歯切れ悪いわね。」

 

「…………人に会いたかっただけよ。」

 

「あっそ…………用件は?」

 

「普通に会いにきただけじゃない。」

 

「アンタ鏡見たら?」

 

「そんな冷たくしないでよ。」

 

「ちっ…………さっさと話なさいよ。食べながらだけど。」

 

「えぇ。ねぇ、姫?」

 

「何よ?」

 

「貴方コレ全部一人で食べるの?」

 

「そうだけど文句ある?」

 

「いやっないわ。ごめん気にしないで。」

 

「変なの…………ん~美味しい♪」

 

「…………はむっんっ!美味しい!」

 

「当たり前よここのハンバーガーは全部自家製だもの。」

 

「そうだったのね…………ねぇ姫。」

 

「何よ?」

 

「姫は怖くて動けなかった時ってある?」

 

「はぁ?どういう意味よ?」

 

「そのままの意味よ。ある?」

 

「人間だものそりゃあるでしょ?」

 

「どう対処した?」

 

「足掻いた。」

 

「どうやって?」

 

「人それぞれでしょ?」

 

「そうだけど…………」

 

「何?アンタまさか昨日の事?」

 

「うん…………」

 

「怖かったとかそういう?」

 

「…………うん…………姫~」

 

「うわっちょっ泣くなっての!あぁ~もう!

 今テイクアウトにしてもらうから待ってろ!」

 

私は袋をもらう為レジに向かった。

全く世話の焼ける。

 

 

「はい!行くわよ!」

 

「行くって何処に?」

 

「私の家よ!アンタ歩き?」

 

「車…………」

 

「運転できる?」

 

「うん…………」

 

「じゃ行くわよ。」

 

「うん!」

 

私はカユゥの車に乗り自宅へと帰るのであった。

 

 

 

 

「ほら、上がって。」

 

「うん。お邪魔します。」

 

カユゥを部屋に招きいれた。

 

「はい此処でなら大丈夫でしょ?」

 

「うん……姫ぇ…ひっく…」

 

「我慢すんなっての」

 

「姫ぇ~……うぇぇぇん……怖かったっ!……

 何もできなかったのっ!……うわぁぁぁん!」

 

「うん…………そっか。」

 

「血がっ…沢山でっ………望海ちゃんがっ……怖くてっ…でもっ……

 …着替え用意…してくれてっ…嬉しかったっ…………」

 

「沢山だったね。怖かったの?超暴走機関車ノゾミだからね~」

 

「ひっく………なぁにっ……それぇっ……ひっく…」

 

「板倉が言ってた。超暴走機関車ノゾミは俺にはとてもって」

 

「そうすけが?」

 

「うん。馬鹿でしょ?アイツ。」

 

「うん!そうすけらしい!」

 

泣きやんだか。

 

「姫ぇ私強くなりたい!」

 

「別にそのままで良いでしょ?」

 

「でもっでもっ!」

 

「格闘技だけよ?私が教えるのは。カユゥには銃とか似合わないわ。売ってるほうが似合ってるわ。」

 

「本当!?ありがとう姫!」

 

「はいはい。食べて良い?お腹空いてるんだけど?」

 

「うん食べよ!」

 

私とカユゥは食事を再開するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

[望海サイド]

 

私は今、昨日の件で教師科に呼び出せれて学校に来ている。

 

「篠原ぁ、お前さん何で呼び出せれたかわかかるか?」

 

「はい。」

 

「…………まぁ、正直お前さんは良くやぁったって先生は思ってるが“コイツ”がたいそうおかんむりでなぁ。せいぜい絞られてやぁ~。」

 

そういい残し獅子堂先生は反省室を出ていった。

 

「失礼します。」

 

一人の生徒が入室してくる。

 

「こんにちは望海ちゃん。」

 

「はっはい!こんにちは“桃華”先輩!」

 

「望海ちゃん、正座」

 

「はい!」

 

私は先輩に言われた通り椅子から降りて正座する。

 

「ここで質問です。何故私がここにいるでしょうか?」

 

「それは…………えっとっ私にありがたいご説教してくれるためです!」

 

「うん、正解だよ。」

 

背筋が凍る。

どうしよう。

 

目の前にいる先輩は東城桃華(とうじょうももか)先輩。

衛生科の2年生で1年の前半まではSランクで現在はBランク。

争い事を嫌い普段はとても温厚な性格。

私と姫ちゃんが入学当初からお世話になっている。

その先輩が何で怒っているかでいうと

 

「望海ちゃんまた重傷人出したでしょ?」

 

「はいすみません。」

 

「いくら任務だからといって望海ちゃんの場合はやり過ぎなの。わかる?」

 

「はいわかります。」

 

だってそれしかできないんだもん。

 

「望海ちゃん。聞いてるの!」

 

「はっはい!聞いてます!」

 

「いつも言ってるよね?やり過ぎは駄目だって。」

 

「はい。」

 

「望海ちゃん、そうやって不貞腐れされないの!」

 

「…………はい」

 

だって重傷ぐらいで皆大袈裟なんだもん。

犯罪者だよ?

 

「ねぇ望海ちゃん。一回潰されてみる?」

 

「いえ!遠慮しておきます!」

 

笑顔で何て事言うんだ先輩は。

温厚な性格何処に消えたの。

 

「望海ちゃん、次はないからね?」

 

「はい!すみませんでした!」

 

やっと解放される。

 

「正座」

 

「はい!」

 

まだ終わってなかった。

 

 

 

 

 

 

 

[双介サイド]

 

「はぁっはぁっ先生!」

 

「なんや板倉ぁそないな息切れしてどないした?」

 

俺は学校を猛ダッシュで行きついた。

 

「実は…………」

 

俺は優飛の家で起こった事を説明した。

 

「なるほどなぁ…………よしわぁった他の先生方にも伝えておくわ。」

 

「ありがとうございます!あのっ先生!」

 

「なんや板倉まだなんかあるんか?」

 

「あのっ今の俺に足りない事を教えて下さい!」

 

「そないな自分で考えって言いたい所やが…………考えた上での目やなぁ~。」

 

「お願いします!教えて下さい!」

 

「せやな~。体力と筋肉…………話はそれからや!」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

俺は先生との会話を終え外に向かう。

 

 

「がんばれや…………板倉双介。」

 

 

 

 

 

 

[外]

 

「体力と筋肉か、走り込みと筋トレしないとな~ん?あれは…………」

 

 

「いたたたっ足の感覚ないよ~もう桃華先輩の鬼~」

 

「よっ望海!大丈夫か?」

 

「うえ!?双ちゃん!?大丈夫だよ!平気平気!」

 

「そっそうなのか?とてもそうには」

 

「大丈夫だよ!うん!あっそうだ!今日のお夕飯は手抜きでもいい?」

 

「あぁ、大丈夫だ。出前でも大丈夫だぞ?」

 

「作るから大丈夫だよ!さっ帰ろう!」

 

「あぁ。」

 

こうして俺達は自宅へと帰るのであった。

 




ここまで読んでくださりありがとうございます!

そしてお気に入り登録をしてくださっている方も誠にありがとうございます!
とても嬉しいです!


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7話

土曜日になってしまった。
第七話どうぞ!




[自室]

 

「双ちゃん。行ってらっしゃい!」

 

「あぁ、行ってくる。」

 

「2時間後には朝ご飯できてるからね!」

 

「それまでには戻ってくるよ。」

 

「ペース配分と水分補給忘れないでね!」

 

「わかってる。」

 

「あとっあとっ」

 

「俺は望海の子供か。」

 

「だって心配なんだもん。」

 

「ジョギングしてくるだけだぞ?」

 

「うん…………美味しいご飯作って待ってるからね!」

 

「ありがとう」

 

望海に見送られながら俺は外に出る。

昨日俺と優飛におこった事を望海、有川、カユゥに話した所。

 

〔そうだったんだね!私も気をつける!〕

 

〔ふ~ん。まぁ、頭の片隅にでもいれておく。〕

 

〔私も警戒しておくわね。双介も気をつけてね。〕

 

と返事していた。

望海に体力と筋肉をつけると言ったら

 

「うんわかったよ!朝早起きするんだね。私が起きる時間に起こすね!体力つく料理も作らないとね!」

 

とても協力くれるみたいだ。

 

 

 

「うしっ!やるか!」

 

準備体操を終えジョギングを開始する。

ジョギング何て中学の最初の頃以来だな。

 

「ふっ…ふっ…ふっ…」

 

息使いは大丈夫そうだな。

毎日の積み重ねが大事なんだよな。

 

「ふっ…ふっ…あれは?」

 

見覚えのある後ろ姿だな、でも髪型違うから人違いか?

 

「なんかよう?」

 

「いやっ何でもねぇよ。」

 

「あっそ。」

 

やっぱり有川だったか。

 

「アンタ、ジョギングはじめたの?」

 

「まぁな。」

 

「そう……………ついてこい…………」

 

有川がダッシュする。

 

「ちょっおまっ!」

 

俺もあとについていく。

それ走り込みだろってか速いんだが!

 

「はぁっ!はぁっ」

 

「遅っ」

 

「お前が速過ぎんだよっ」

 

「ほら次!」

 

「ちょっ!」

 

マジかよ休憩できてねぇよ。

体力お化けか

 

「アンタ失礼な事考えた?」

 

「いやっ何も!はぁっはぁっ」

 

「体力なさ過ぎでしょ…………ダッサ」

 

「はぁっ……はぁっ………有川が………速過ぎ何だよっ」

 

「普通だし」

 

「いやいやっ絶対普通じゃねぇっ」

 

「ふん…………こんぐらいで根あげるならやめれば?」

 

「やめねぇよ」

 

少しでも強くなりたいからな。

 

「あっそ。次行くわよっ!」

 

「くっそ!」

 

有川のポニーテールを必死に追いかけたのだった。

 

 

「んじゃ私はこれで」

 

「はぁっはぁっあぁっ。」

 

有川は一切ペースを落とさなかったし息切れもしてない。

これが強襲科のAランクか。

少しでも追いつかないとな。

俺は息を整えながら帰宅した。

 

 

「お帰りなさい!双ちゃん。」

 

「ただいま。シャワー浴びてくる。」

 

「うん!背中流す?」

 

「何当たり前みたいに言ってんだよ。ご飯大盛りで頼む。」

 

「えへへ。はーいわかったよ~。」

 

俺は汗を流す為、風呂場に向かった。

ふぅ~継続しないとな。

 

「さっぱりした~望海今日は?」

 

「今日はね、新鮮な焼き鮭と若布の味噌汁、白菜の漬物だよ。」

 

流石が望海だな。

きちんとバランスがとれる食事だ。

 

「新鮮?」

 

「うん!朝市場で良いのあったから買っちゃった!さぁ、めしあがれ。」

 

「いつもサンキューな。いただきます。」

 

俺は朝食を食べ学校へ行く支度をする。

 

 

「さて、行くか」

 

「うん!あっ、双ちゃんまたネクタイ~」

 

「いや、曲がってないって。」

 

「曲がってます~…………はい直ったよ。」

 

望海が俺のネクタイを正してくれる。

自然と胸元を見てしまう。

何というか頑張れ。

 

「もう双ちゃん!」

 

「いっ行くぞ!」

 

「頑張れってどういう事!?あっ、逃げた!」

 

望海は戸締りをしっかりと確認し俺を追いかけてくる。

声漏らしてないんだが!

あっヤバイ速いぞ。

体力もたん。

 

 

 

 

 

 

[教室]

 

「おはよ~」

 

俺は教室に入る。

 

「おはようネ!ソウスケ!どうしたカ?その頬?」

 

「あぁ、おはよう。別に何でもねぇよ、カユゥ。」

 

「そうアルカ?腫れてるネ。」

 

「大丈夫だ…………有川おはよう」

 

「は?何話かけないでくれる?」

 

「ほらよお姫様」

 

「よろしい。誰がお姫様か!」

 

「姫がツッコミしたネ。」

 

俺は有川にイチゴ牛乳を渡す。

それにしても頬が痛い。

 

「アンタ、望海ちゃんに何かした?」

 

「別に…………」

 

「望海ちゃんに何したカ?ソウスケ?」

 

「何もしてねぇって気にするな。」

 

「嘘ネ、ソウスケ。」

 

「何したのよ?」

 

「マジで何もしてないって!…………ん?」

 

胸の事思っただけだし。

一件のメッセージがくる。

 

『双介氏~連絡でござる~』

 

『どうした?優飛。』

 

『拙者、ただ今家の都合で学校をお休みしてるでござるデュフフ』

 

『そうなのか。わざわざ連絡ありがとうな。』

 

『それで2、3日連絡できそうにないでござるよ~』

 

『わかった。大丈夫か?』

 

『全然問題ないでござるよ~ではではデュフフ。』

 

優飛とのやりとりを終えた。

2、3日連絡できないか。

本当に大丈夫なのか優飛。

問題事に捲き込まれてないと良いが。

 

「誰からネ?」

 

「優飛からだ。」

 

「デブ!?ソウスケ、まだ友達続けてたでアルカ!?」

 

「そこまで言うか普通?」

 

「カユゥに同感ね。」

 

「俺には友達なんだよ。」

 

キャラ濃いからか?

優飛がかわいそうだと思う。

 

 

 

 

 

 

[昼休憩]

 

「ソウスケ!屋上行くネ!」

 

「あぁ、今行く」

 

昼休みになり俺は弁当を持ちカユゥと屋上に行く。

 

「お待たせネ!姫、望海ちゃん!」

 

「あっカユちゃん!……………………居たんだ双介君。」

 

「おっおう。」

 

うわぁ、望海まだ怒ってるのか。

 

「ソウスケ、本当に何したネ?」

 

「さぁな。」

 

「さぁな。じゃないよ!聞いて姫ちゃん、カユちゃん!今朝ね。」

 

望海が二人に今朝の出来事を話す。

やっぱりそうなるか。

 

「うわ、最低…………」

 

「ソウスケ!それは言っては駄目ネ!」

 

「別に言ってねぇし!そもそも小さいとは言ってないし!思ってもねぇよ!」

 

「でも、双介君!頑張れって言ったもん!」

 

「だから、言ってねぇって!思っただけだって!」

 

「それはもう言ったと同然ですぅ!」

 

望海がプンプンしてる。

 

「だいだいね!Dは小さい訳じゃないんですぅ!姫ちゃんやカユちゃんがデカいだけなの!いや!デカ過ぎ!」

 

「え?望海ちゃん!?」

 

「とっとばっちりネ!」

 

「だってそうでしょ!双介君、カユちゃんと姫ちゃんのおっぱい見てから私を見るもん!」

 

「いやっ!決してそういう事では!」

 

「バレない様にカユちゃん、姫ちゃんを見てから私を見てるもん!」

 

「うわ、引くわ~」

 

「ソウスケ、男なら堂々とするネ。」

 

「違うって!俺は見てねぇって!」

 

「男の子は何!?この胸に夢や希望でもあろの!?」

 

「ひぁん!望海ちゃん!やめっ」

 

望海が突然、有川の胸を揉む。

 

「隣じゃなくて良かったネ」

 

「ちょっ助けなさっ………やぁん!」

 

「何を食べたらそんなに大きくなるの!」

 

「しっしらないっ……やぁっ…だめっ………みっ……見んな板倉!」

 

「てぇっ!」

 

有川が自分の箸箱を投げ俺のオデコにクリーンヒット。

俺が悪いのか?

 

「望海ちゃん私の胸で気がすむなら触るネ!姫がかわいそうネ!」

 

「ちくしょう!ちくしょう!」

 

有川の胸を揉むのをやめ、次はカユゥの胸を揉む。

 

「ンッ……望海ちゃん……激しいネ………あっ!…」

 

「はぁっ………はぁっ……はぁっ…………くっ…」

 

「デカい!デカいよぉ。ちくしょう!あんまりだ!」

 

凄いカオスな空間になってしまった。

 

 

「ブチアゲ!」

 

ん?今喋る猫?いなかったか。

気のせいか飯くわねぇと。

 

 

 

 

 

[放課後]

 

「満足!満足!」

 

すっきり顔の望海が言う。

 

「酷い目あったネ…………」

 

「えぇそうね…………」

 

対する有川とカユゥはぐったりしてる。

 

「私はここでバイバイネ。皆頑張るネ!」

 

カユゥは装備科の授業があるので俺達と別れた。

 

「じゃ、私達も訓練しないとね!」

 

「えぇ。」

 

「あぁ。」

 

俺達は強襲科に入る。

 

「おっ!今日は3人仲良くやな~ええでええで!先生そういうの好きやねん!有川どないした?具合悪いんか?無理は良くないでぇ。」

 

獅子堂先生が元気良く言う。

 

「いえ大丈夫です。少し疲れることがあったぐらいです。」

 

「そうかぁ~まっ、無理そうならすぐ言え~。」

 

「はい。」

 

「さっ、お前さん等もウォーミングアップせぇ。」

 

「はーい」

 

「はい!」

 

俺達は準備体操をし各自筋トレを開始する。

 

 

 

 

 

 

「よし!そこまでや!皆よーくきけぇ今日は特別授業や!篠原ぁ!板倉ぁ!」

 

「「はい!」」

 

「お前さん等二人で組手せぇ!」

 

「え?私と双介君がですか?」

 

「そうや!正しくは木刀でやけどな。…………板倉できそうか?無理なら素手でかまへん。」

 

木刀でか…………大丈夫だろう。

真剣でないなら俺だって。

 

「…………はい!できます!」

 

「双介君…………」

 

「そうかぁ!なら3分後にはじめるでぇ。皆もよぉ見とき。」

 

 

「Eランクの動きを?」

「そもそも組手になるのかな?」

「板倉大丈夫か?」

 

周りの人達がざわめく。

 

「静かにせぇ。黙ってみとき、訓練増やされたくなかったらなぁ~。」

 

 

「そっ双介君大丈夫?」

 

「…………すぅ~………ふぅ~…」

 

俺は深呼吸をし少しでもこの胸の高鳴りを抑える。

正直言うと怖い。

刀の形をしているだけで震える。

正格には“自分が刀を握る”のが怖い。

皆が見てるしいつまでも怖じ気づいてられないか。

大丈夫だ、木刀だ。

 

「双介君!」

 

「あ!?すまんどうした?」

 

「本当に大丈夫?素手でやったほうが!」

 

「いや!大丈夫だ。望海…………手抜くなよ?たたきのめしてくれよ?」

 

「うっうん!双介君の為に全力で行くよ!後、今朝の恨みも込めて!」

 

え?まだ収まってないだと?

有川とカユゥの犠牲は無駄だったのか。

可愛いそうに。

 

「ちっ…………」

 

ほら、有川に睨まれてるし。

俺が悪いのか?

 

 

「ほな!始めるでぇ~。篠原、板倉、準備ええか?」

 

「はい!」

 

「お願いします!」

 

「篠原は負けたら反省分な~。いくで~始め!!!」

 

獅子堂先生の合図が響く。

 

「え!?私だけ!?…………はぁぁ!」

 

言葉に動揺を見せるもすぐに切り替え一閃を放つ。

 

「つぅっ!」

 

一撃が重い。

流石は望海だな。

 

「へぇ~今の受け止めれるんだ結構本気だったんだけどなっ!」

 

「ふっ!」

 

望海の振りをいなす。

痛てぇ。

手がヒリヒリする。

 

「もう!流さないでよっ!せやぁ!」

 

「いつまでも逃げてられんからなっ!」

 

鍔競り合い。

純粋に力と力のぶつかり合いだ。

 

「鍛錬を続けてる私に勝てる訳がないでしょ!」

 

「そうだな、よっ!」

 

俺は望海に足払いをする。

 

「きゃっ!それは武士としてどうなの!」

 

「俺は武士じゃないからわからん。」

 

「もぉう!頭きたんだから!」

 

望海の目つきが変る。

 

「今朝の恨み!」

 

望海は突進しながら一閃を放つ。

ヤバイかな。

 

「はぁ!」

 

俺も一閃を放ち応戦する。

 

「やぁぁぁ!」

 

「つあっ!?」

 

俺の手から木刀が飛ぶ。

 

「そこまでや!板倉良い線いってたな~」

 

「やったぁ!反省文なしだ!」

 

「はぁっはぁっきつ」

 

神経すり減るぜ。

 

 

「マジかよ篠原とやりあっただと!?」

「本当にEランクなのか」

「一体何が起こったんだ?」

 

 

「ふん……遅いのよ全く(お帰り私の王子様)」

 

 

「皆よぉ見てたか。板倉はこんぐらいならできるんや。Eランクやからって馬鹿にしたらアカンでぇ。さっ!訓練再開や!」

 

獅子堂先生は皆に声をかけ訓練が再開した。

 

「う~ん消化不良~」

 

「おいおい勘弁してくれよ~」

 

「板倉どうやった?」

 

「結構キツイっす。」

 

「そうかぁ~。まっ、少しずつ馴らしていけばええ。」

 

「はい!頑張ります!」

 

こうして一日が終わるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!
感想などお待ちしております。


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8話

投稿がとても遅くなり申し訳ございません。
3話連続で投稿致します。

感想などいただけると励みになりますので宜しくお願い致します。


[???]

 

「ねぇねぇそろそろ我慢できないんだけどぉ~」

 

学生ぐらいの年齢の少女が言った。

 

「またれよ!主殿の命令が聞けんのか?」

 

忍者の格好をした男性が言う。

 

「だって普通のふりするの疲れるのー」

 

「そんぐらい我慢しろよ小娘」

 

40代前半の男性が言った。

 

「うっさいなぁ~おっさん達はすっこんでろ」

 

「某もか!?」

 

「はっはぁ。言われてやんの」

 

「言われてるのはそちらであろう?」

 

「二人に言ってんの!」

 

 

「賑やかですね。」

 

黒いスーツ姿の男性が言う。

 

「あっ!マスターだ!」

 

「主殿!」

 

「おっようやくきたのかよ。」

 

「待たせたね、いよいよ計画をおこないますよ。」

 

「って事は私暴れられる!」

 

「すまない君は少し待機だ。」

 

「えぇ~つまんなーい。」

 

「すまないね。やって貰うのは武器商人達のルートを我々の物にしたい。頼めるかい?“佐賀”?」

 

「御意!」

 

佐賀と呼ばれた忍者の男は姿を消す。

 

「いつみてもなれねぇな~本物の忍者ってのは凄いぜ。」

 

「おっさんは年寄りだからわかんないんだよ。」

 

「生意気な小娘だな~犯すぞ」

 

「できるもんならやってみな。ブツ切ってやる。」

 

「二人共よしたまえ。直に暴れられるさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

[外]

 

「はぁっはぁっはぁっ」

 

今日も良い天気だな。

絶好のジョギング日和だ。

 

「アンタまだ続けてたの?」

 

「有川!おはよう」

 

「ふんっやめると思ってたわ。」

 

「やめる訳ないだろ。続けられてるんだしそれに、毎朝有川が付き合ってくれてるからな。」

 

「アンタが勝手について来てんでしょ……板倉」

 

「あいよ。」

 

有川の後をついて行く。

俺の方は何も依頼がないまま3日が過ぎた。

優飛はまだ連絡がとれず望海が捕まえた3人組はまだ重傷らしく証言を聞けてない。

毎朝のジョギングは有川が鍛えてくれてる。

少しだがついてこれるようにはなってきた。

相変わらず速過ぎだけどな。

 

 

「遅い!もっとスピード出せっての!」

 

「…はぁっ……はぁっ…いっいつもより速くないか!?」

 

「はぁ?普通だし。」

 

「はぁっはぁっそうかよっ」

 

「まぁ、アンタにしてはマシね。」

 

「ありがとよっはぁっはぁっ~」

 

「ほら!次!」

 

「あいよ!」

 

今日も有川のポニーテールがなびく。

そろそろラストパートか。

頑張るか。

 

 

「んじゃ。イチゴ牛乳今日は2本」

 

「は?何でだよ。」

 

「私の髪を見ていやしい顔してたから後、胸ガン見してた。」

 

「見てねぇよ。」

 

「何?歯向かうの?別に変態って一生呼ばれるだけだから私は構わないけど?」

 

「3本にさせていだだきます!」

 

一生変態は困る。

女子からの目が怖くなる。

 

「よろしい。」

 

有川は自宅方向へと走っていく。

俺も帰るか。

 

 

 

 

 

 

 

[自室]

 

「ただいま~」

 

「お帰りなさい!双ちゃん!今日もお疲れさま。」

 

「あぁ。望海今日は?」

 

「今日はね~出汁巻き卵と手羽元の煮物、大根の味噌汁に栗の炊き込みご飯だよ~」

 

「今日もめっちゃ美味そうだな!急いで浴びてくる!」

 

「時間に余裕あるんだからゆっくりで良いよ~」

 

俺は急いでシャワーを浴びに行く。

 

 

「ふぅ~さっぱり」

 

「さぁ、飯あがれ!」

 

「いただきます!」

 

この出汁巻き丁度良い味付けだ。

手羽元の煮物も美味い!

望海の手料理は最高だな。

 

 

「あっ!双ちゃんあのねっ」

 

「ん?どうした?望海。」

 

「私今日の午後から何日になるか分らないけど実家に行かないといけないの。」

 

「そうなのかそれはまた急だな。」

 

「うん、お母様からの呼び出しでね。」

 

「おばさんからの?大丈夫なのか?」

 

「うん、大丈夫だよ~。用事があるついでに顔みたいだけだと思うから。」

 

「そうなのか、わかった。」

 

「それでね!今日から双ちゃんカユちゃんの家に私が帰ってくるまで泊まって欲しいの。カユちゃんの許可はもらってるから!」

 

「いやいや待て流石に年頃の男女二人の寝泊りはマズくないか?」

 

「私と双ちゃんは良いのに?それともカユちゃんと何かするの?」

 

「いやっする訳ないだろっ!」

 

「本当かな~双ちゃんカユちゃんの胸好きだしな~」

 

「そう思うのなら泊まらなくて良いだろ?」

 

「もう決定しました~。我儘言ってないでいう事聞いてっ!

 お泊りセットは用意してあるから!」

 

何時の間に…………ジョギング行ってる時か?

一人でも大丈夫なんだがな。

腹をくくるしかないか。

でも、不安だな。

大丈夫か俺。

 

 

「さっ!時間過ぎちゃうから食べて食べて。」

 

「あぁ。」

 

俺は望海にせかされながら朝食を食べ終わる。

着替えを済ませ準備する。

 

「双ちゃん私がいないと寂しい?」

 

「そういう望海はどうなんだよ。」

 

「あっ質問で返した~。私は勿論寂しいよ?でも、連絡もとれるしたまには

 良いかなって思って。」

 

「そっそうか。」

 

「あっ照れてる~。さぁ、出発しよ!」

 

「あぁ。」

 

俺はお泊りセットを持ち外にでる。

おもっ…………何々入ってるんだ?

 

「双ちゃん。」

 

「ん?どうした?」

 

「手、つなごっ!」

 

戸締りをすました望海が言う。

 

「いやっなんでだよ。」

 

「良いから良いから!」

 

望海に手を握られ学校に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[学校]

 

「着いた~」

 

 

結局つくまで手を放してもらえなかった。

周りの目が恥ずかしい。

 

「朝からラブラブネ!」

 

「あっカユちゃん!おはよう!」

 

「おはようネ!望海ちゃん。」

 

「今日から双ちゃんをお願いね!我儘言ったらすぐ連絡してね!」

 

「了解ネ!バッチリ任せるネ!」

 

「我儘言わんって。」

 

「どうかな~」

 

「怪しいネ、ソウスケ。」

 

俺を何だと思ってるこの二人は。

我儘言わないし。

 

 

「んじゃね!双介君!カユちゃん!」

 

「あぁ、気をつけろよ」

 

「気をつけるネ!望海ちゃん!」

 

望海は自分の教室に向かって走っていく。

 

 

「私達も教室行くネ!」

 

「あぁ。」

 

俺とカユゥは自分達の教室に行く。

 

 

 

 

 

 

 

[教室]

 

「およはうネ!ミンナ~」

 

「はよう~」

 

俺とカユゥは同時に教室に入った。

 

「…………」

 

有川にすげえ見られてるんだが。

朝機嫌良かったよな?

約束のブツ渡せば良いのか?

 

 

「有川おはよう…………いつものだ。」

 

俺はイチゴ牛乳を3つ渡さす。

 

「あんがと…………何?その荷物?」

 

「それは…………」

 

教えたらマズい気がする。

 

「それはお泊りセットネ!」

 

「はぁ?お泊りセット?」

 

「そうネ!ソウスケは今日から私の家にお泊りネ!」

 

「えっちょっ!」

 

言いやがった!?

カユゥ何を考えてやがる!

というか声がデカい!

胸も…じゃなく!

どうするこの状況、周りからも注目されてるし!

 

「はっ?えっ?えぇっ!?」

 

「どうしたカ?姫。(戸惑ってて可愛い。どう返してくる?)」

 

「板倉!どういう事よ!」

 

「そっそれはだな…望海が」

 

俺は有川の反応を見ながら説明する。

 

「望海ちゃんが実家行くのは知ってたけど!

 どうして板倉がカユゥの家に泊まるのよ!」

 

それは俺も思うよ有川。

 

「姫、嫉妬カ?」

 

「ちっ違うし!訳わかんないんですけどっ!」

 

「本当カ?(からかうの楽しいわ。)」

 

「………も…と……る!……」

 

「え?」

 

「ン?」

 

「私も泊まるって言ってんの!文句ある!?アンタ等も見てんじゃないわよ!撃つわよ!」

 

有川が教室の皆に言い放つ。

 

「もっ文句ないネ!喜んでくるネ姫!(あっやり過ぎたわ。まぁ、楽しくなるからいいか)」

 

「おっおう」

 

マジかよ…………どうしよう

年頃の男には嬉しいと思うイベントだが有川とカユゥだぞ?

この組合せは混ぜるな危険だ。

 

 

「はぁ…………憂鬱だ。」

 

普通の授業が終わりあっという間に訓練の時間になった。

 

 

「それじゃソウスケ!姫!終わったら連絡するネ!」

 

「あぁ、わかった。」

 

「ん。また」

 

俺と有川はカユゥと別れ強襲科に向かう。

 

 

 

 

 

 

[強襲科]

 

「全員揃ったなぁ~……篠原はそうか~今日休みやぁったぁ~

 ……今日は射撃訓練やぁ!皆準備せぇ!」

 

獅子堂先生が皆に号令する。

 

「有川ぁ!板倉の腕見てやれ~」

 

「はぁ!?なんで私がまたっ!」

 

「有川ぁ~」

 

「はい!わかりました!…………板倉!早くしろ!」

 

怒ってるし…………カルシウム足りてるか?

 

「板倉ぁ~」

 

「はい!」

 

「その得物改めて見るとかっこええなぁ~大事にせぇよ~2丁共なぁ~」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

デザートイーグルとベビーイーグルを褒められた何か嬉しいな。

 

「板倉!遅い!」

 

「あぁ!今行くよ!」

 

俺は有川がいる所へ走る。

 

 

「じゃ、まずワンマグ分あの的を撃ちなさい。」

 

「あぁ、わかった。」

 

俺はベビーイーグルをホルスターから抜き手にもつ。

マガジンを入れセーフティ―を解除して構える。

ベビーイーグルの装弾数は16+1だ。

16発何回的に当たるか。

 

 

<<タァン!タァン!タァン!>>

 

 

「3発中1!もっと良く狙え!」

 

「あぁ!」

 

<<タァン!タァン!タァン!タァン!>>

 

「4発中2!あんま変ってない!次!」

 

<<タァン!タァン!タァン!タァン!タァン!>>

 

「5発中2!落ちてる!もっと見ろ!」

 

くっ難しいな。

良く見て…………

 

<<タァン!タァン!タァン!タァン!>>

 

「4発中3!計、8発命中!アンタ良く見てんの!?」

 

「見てる!」

 

「ブレも目立つし!いい?良く見てなさい!」

 

有川は太股のホルスターからグロック18cを取り出しマガジンを装填。

有川の使ってるグロック18cの装弾数は19+1発。

 

「しっかり構えて!反動を抑える!」

 

<<パパパパパパパパパァン!>>

 

フルオートで的に撃つ。

 

「19発中17!?すげえ」

 

2発だけ外れたがその他は全弾的に命中した。

 

「ふぅ。わかった!?アンタもやってみなさい!」

 

「いやっ俺のフルオート撃てねぇよ。」

 

「あ…。うっうっさいわね!つべこべ言わず構え!」

 

「おっおう!」

 

俺はベビーイーグルを構える。

 

「腋をもう少し絞めて!きちんと突き出す!」

 

言われた通りに構える。

 

「その体勢をキープ!」

 

「あぁ!」

 

「………………………………よしっ!やめっ!」

 

「すぅ…………ふぅ~。」

 

「今の構えを覚えておきなさい!」

 

「あぁ!」

 

「3分休憩したら次やるわよ!」

 

「了解!」

 

 

こうして今日の射撃訓練が終了した。

 




最後まで読んでくださりありがとうございます。


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9話

続けて投稿致します。


[外]

 

『カユゥ終わったぞ。』

 

俺と有川は訓練が終わった為、カユゥに連絡する。

 

『何処で待てばいい?』

 

『二人共お疲れさま。校門の前で待ってて。』

 

『了解待ってる』

 

「ほら、行くわよ。」

 

「あぁ。」

 

校門へと向かう。

 

「二人共お待たせネ。」

 

カユゥが車で迎えに来てくれる。

 

「先に姫の家に向かうネ。」

 

「あぁ。」

 

「すぐ支度するから。」

 

車に乗りこむ。

 

「さて、行きましょうか。二人共暑くない?クーラーつける?」

 

普通の口調に戻したカユゥが聞く。

 

「いや、大丈夫だ。」

 

「私も大丈夫。」

 

「そう、なら良かったわ。少し飛ばすから気をつけて。」

 

「法定速度は守ってくれよ。」

 

「わかってるわ。」

 

「え?マジ?飛ばすの?きゃっ!」

 

スピードがどんどん上がっていく。

 

「ちょっ!?本当に守ってる!?」

 

「大丈夫、大丈夫。ギリギリよ。」

 

俺はカユゥの運転に慣れてるが有川は慣れてないらしい。

 

「板倉!アンタも何で平然としてるのよ!」

 

「双介は慣れてるから。」

 

「慣れてるってきゃっ!?」

 

「着いたわよ姫。」

 

急ブレーキをかけ有川の自宅に着いた。

 

「ごっ5分待ってて。」

 

有川は自宅に入っていく。

疲れてる様に見えたが気のせいか。

 

「双介、今日のお泊り楽しみね。」

 

「そっそうだな。」

 

これから地獄の空間にはいらないといけないのか。

忘れてた。

 

「どうしたの?訓練疲れた?」

 

「いっいや問題ない。」

 

「そう?何かあるならすぐ言ってね。」

 

「あぁ。」

 

「お待たせ!」

 

「荷物トランクにいれてね。」

 

え?量多くないか?

何日分あるんだ?

 

「何よ板倉、ジロジロ見んな変態。」

 

「いや、普通に荷物多くないか?」

 

「は?このくらい普通よ普通。ね?カユゥ」

 

「そうね、これくらい普通よ。」

 

「そうなのか。」

 

そういう物なのか。

望海は少なかったと思うが。

 

 

「しっかり捕まっててね。」

 

「また飛ばすの!?」

 

「勿論よ」

 

「きゃっ!?」

 

カユゥがアクセル全開で車を走らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[カユゥの工房]

 

「ふぅ、着いたわ。」

 

俺達はカユゥの華麗なるドライブであっという間に工房に着いた。

 

「双介、姫。ごめんね今日、お店開けないといけないの営業終わってから、夕食でも大丈夫?」

 

「俺は大丈夫だぞ。」

 

「私も問題ない。」

 

「なら、良かったわ。着替えてくるからリビングに行ってのんびりしてて、飲物とか自由に飲んでね。」

 

「ありがとな何か手伝うか?」

 

「大丈夫よ。ゆっくりしてて。」

 

「そっかそれじゃな。」

 

「んじゃ。」

 

「あっ待って姫。」

 

「ん?何?」

 

「あっ双介は先に行っててね!」

 

「了解」

 

どうしたのだろうか。

あの二人喧嘩しないよな。

大丈夫か?

 

 

 

「んで何よ?」

 

「リビングでおっぱじめないでね。する時は部屋でっ」

 

「誰がするか!人をビッチみたいに言うなし!」

 

「一応言ってみただけよ。望海ちゃんいないからチャンスよ姫。」

 

「うっさい!アンタそんな事言う為に呼びとめたんか!」

 

「ごめんごめん。夕食の仕込みをしてて欲しくてお願いできる?」

 

「了解。最初からそう言えっての。」

 

「でもチャンスよ?」

 

「しつこい!」

 

「ごめんって。今日は鍋にしようと思ってるの食材は冷蔵庫にあるから!」

 

「ん。じゃ、やってくる。」

 

「お願いね!……………………素直じゃないんだから。さて、着替えますか。」

 

 

 

 

 

 

 

[リビング]

 

「ふぅ、相変わらず凄い家だよな。」

 

1階がお店で地下に工房とリビング、部屋が2部屋ある。

 

「リビング広いし。ふぁ~」

 

荷物を置きのんびりしてると有川がきた。

 

「板倉アンタ手伝え」

 

「何をだ?」

 

「夕食の仕込み!今日は鍋だって。」

 

「わかった。何をすれば良い?」

 

「アンタは野菜のカットをやって。私は肉のカットと出汁をつくる。」

 

「了解。少し待ってくれ着替えるから。」

 

「ん…………私も着替えてくる。のぞいたら殺す。」

 

有川は荷物をもってカユゥの部屋に入っていった。

俺はリビングで良いか。

お泊りセットを開ける。

 

「色々あるな…………トランプにオセロ、ゲーム機まで望海、俺は子供か。」

 

半分修学旅行みたいな感じの荷物だ。

とっとと、着替えんと有川にどやされるな。

 

 

「あっ姫あとっ!」

 

「え?」

 

「双介?……………………あらやだ。」

 

「……………………頼む後ろ向いてくれ。」

 

パンイチの姿をカユゥに見られた。

 

「…………終わったぞ。」

 

「ごめんなさい…………」

 

「いや大丈夫だ………………………………大きいな…………」

 

「やだ!双介のエッチまた胸ばっかり見て!」

 

どうして俺が言われる?

先に見られたの俺だぞ?

カユゥの仕事着はチャイナ服だ。

髪はいつものお団子ヘアに青いチャイナ服だ。

胸が大きいから強調されてる。

サイズあってるか?

 

「そもそもチャイナ服は太股が魅力的なの!見るなら胸以外も見て!」

 

「すまんだがな!男はっ!?…………いてぇ」

 

「おい何をしてる?変態」

 

丸められた新聞紙で有川に叩かれた。

 

「で?男は何だって?」

 

「いえ何でもないです!はい。」

 

下手な事を言って叩れたくない。

男は皆そうって言いたかったけどな。

 

「カユゥはなしたのよ?」

 

「あっそうそう!お米も多めに炊いてほしくて。」

 

「了解。さっさとお店開けな、じゃないとコイツいつまでもアンタの胸見てるわ。」

 

「双介の馬鹿…………何かあったら呼びにきてね!」

 

カユゥはお店の方に登っていった。

 

「ほら、さっさと手洗う!」

 

「了解!」

 

有川に怒られながら俺は手を洗う。

これ以上怒らせたらヤバイな。

 

「ん」

 

「ありがとう」

 

有川から野菜を渡された。

さてと、何から切るか。

無難にネギからにするか。

 

「なぁ、有川」

 

「何よ」

 

「何人前あるんだ?コレ?」

 

「7人前」

 

「多くないか?」

 

「普通よ」

 

「そっそうか。」

 

7人前って普通なのか?

俺と望海で3人前で丁度なんだが。

有川もカユゥも大食いだったか?

にしても良く冷蔵庫に入ってたな。

 

「なぁ有川」

 

「何!」

 

「似合ってるぞエプロン姿」

 

「うっさい!黙って野菜切れ。」

 

髪をポニーテールにして猫が描かれてるピンク色のエプロンだ。

普段とのギャップが凄い。

黙々と作業を続けた。

 

 

「うし…………板倉味見」

 

「俺でいいのか?」

 

「早く」

 

「……………………少し薄いかな?」

 

「わかった。これでどう?」

 

「丁度良い」

 

「そっ…………」

 

「これで終わりか?」

 

「うん」

 

「なら上に行っても良いか?」

 

「カユゥの胸を見に?」

 

「ちげぇよ!射撃場に行たいだけだ。」

 

「どうだか…………現に私の見てるじゃない」

 

「有川が寄せて見せてくるからだろ!」

 

「変態板倉」

 

「うるせぇ!もう行くからな。」

 

「あーはいはい。」

 

俺は二階のお店へと登っていった。

 

「カユゥとサイズ一つしか変らないのに……どうしたら良いのかな……露出か……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっ繁盛してるか?」

 

「ソウスケ、ぼちぼちネ。どうしたカ?」

 

「射撃場使っても良いか?」

 

「大丈夫ヨ。弾薬足りるカ?」

 

「そんなに撃たないから大丈夫だ。」

 

「他のお客さんもいるから気をつけるネ。」

 

「了解」

 

 

「サテ、お仕事ネ」

 

 

 

 

 

 

 

[カユゥサイド]

 

双介も頑張り屋さんね。

ますます好きになりそう。

姫が泊まるのは誤算だったけど楽しいから良いかな。

 

「何してんの?」

 

「姫!?驚かさないでよ…………」

 

「普通に声かけただけだし。」

 

「そっソウネ普通だったネ。」

 

「で?今何してんの?」

 

「取引メールの確認ネ」

 

「ふーん。」

 

姫は私の隣に椅子を持ってきて座る。

 

「姫、一応ココ従業員しか駄目ネ」

 

「別に良いでしょ」

 

「ハァ~かまわないネ。お客さん睨まないデネ」

 

「わかってる。」

 

「というか姫、何ヨその格好」

 

露出が高い私服になってるし、少しイライラしてるわね。

 

「普通よ普通。」

 

「…………何したカ?」

 

「…………板倉をからかったら拗ねた。」

 

「素直じゃないネ。」

 

「うっさい……………………」

 

「姫も拗ねてどうするネ」

 

「ふん……………………」

 

本当、素直じゃないお姫様ね。

まぁ、そこが可愛いのだけど。

お仕事お仕事

 

「……銃のレート上がってるネ…………可笑しい…………」

 

値上がりする時期ではないはず。

問い合わせてみようかしら。

 

「姫、電話するからお客さんきたら頼めるカ?」

 

「ん、わかった。」

 

 

このメーカーの番号は

 

「……………………お世話になってるネ。銃の件で相談があるヨ…………は!?契約取消し!?…ちょっと!………」

 

電話を切られた。

一体どうして何がどうなってるのよ。

 

 

「カユゥどうしたのよ?大声だして。」

 

「なっ何でもないネ!{後で話すわ}」

 

「あっそお客さんくるわよ{了解}」

 

私はアイコンタクトで姫に伝える。

 

「いらっしゃいませネ!ごゆっくりネ!姫も言うネ」

 

「えぇ~…………いらっしゃませ♪」

 

「…………」

 

「何よ」

 

「あえて何も言わないネ」

 

そんな声聞いたの久し振りだわ。

入学の時以来かしら。

 

 

 

 

 

「ふぅ~終わったネ」

 

お店を閉めシャッターをおろす。

 

「お疲れ」

 

「姫もお疲れさま、手伝ってもらってごめんね。」

 

「別に泊まらせてくれるしこんぐらい」

 

「それにしても接客上手いわね。」

 

「別に普通だし。」

 

「メイド喫茶とか似合いそうよ?」

 

「ストレス溜まるからパス」

 

「あら、そう。双介遅くないかしら?」

 

「確かに。」

 

 

「すまん、遅くなった。」

 

「何かあったの?双介。」

 

「いや、夢中になってた。」

 

「あらそうなの。」

 

 

 

 

 

 

 

[双介サイド]

 

「で?スコアは板倉」

 

「スコアは……………………」

 

有川何でこんな服装なんだ。

 

「何よ…………変態」

 

「そういう格好の有川が悪いだろ!」

 

「あ?板倉の癖に!」

 

「やめっ首締まる!胸当たってるって!」

 

「胸、胸ってそんなに良いんか!このムッツリおっぱい星人!」

 

「くっくるしい!」

 

「姫、そのくらいにしときなさいな。お腹空いてるしご飯にしましょ。」

 

「ちっ命拾いしたな板倉」

 

「はぁっはぁっ助かった。」

 

「ほら二人共早くリビングに行きましょ!」

 

「わかったから押すなってカユゥ」

 

「ちょっとカユゥ何処触ってんのよ!」

 

「お尻よ姫、安産型ね。」

 

「このセクハラおやじ!」

 

カユゥに押されながらガヤガヤとリビングに降りていった。

 

 

 

 

 

 

[リビング]

 

「姫、双介仕込みありがとうね。」

 

「こんなんで良いの?」

 

「えぇバッチリよ!今準備するわね!」

 

「それより先に着替えてこいっての。板倉と準備しとくから。」

 

「ありがとすぐ着替えてくるわね!双介覗かないでね見るなら堂々とっ」

 

「はよいけ!この痴女!」

 

「痴女じゃないわよもう~」

 

カユゥは渋々部屋に入る。

 

「板倉!皿とか用意しろ!」

 

「了解」

 

「覗くなよ板倉」

 

「俺を何だと思ってるんだよ。」

 

「ムッツリ変態巨乳好き。」

 

「ちげぇよ!」

 

「くだらん事言ってないで手を動かせ!」

 

先に言ったの有川じゃねぇか。

言葉に出せないので心に止めておく。

 

「野菜運ベ板倉」

 

「はいよお姫様」

 

「あん!?」

 

おぉ、怖。

すぐ怒るな有川。

 

「ほら、皿も並べろ」

 

「わかったよ。」

 

言われるがままにお皿を並べて準備を整えた。

 

「お待たせ、姫、双介」

 

着替え終わったカユゥが部屋から出てくる。

 

「何よその格好寝間着?」

 

「部屋着よ可愛いでしょ?」

 

「そっそうだな。」

 

「何よ?変かな?」

 

「パンダのキグルミみたいな格好は変でしょ?」

 

「変じゃないわよ可愛いでしょ、もう。さぁ、食べましょ!」

 

鍋ができるまで俺等はだべったのだった。

 

 

「「「いただきます!」」」

 

「板倉、ご飯どれくらい食べる。」

 

「中盛りで」

 

「カユゥは?」

 

「特盛りでお願い。今日は沢山食べるから!」

 

「はい。バランス良く食べなさいよ二人共。」

 

「姫、何だかお母さんみたい。」

 

「誰がお母さんか!」

 

この肉美味いな。

野菜も染み込んでて美味い。

有川が作った出汁がとてもあう。

 

「う~ん♪美味しい♪姫に頼んで正解だったわ!」

 

「マジで美味いぞ!有川!」

 

「ほっほめても何もないわよ!」

 

「え?サービスシーンとかないの?ハプニングとか?」

 

「何、訳わからん事言ってんのよカユゥ…………ったく」

 

「あっ有川?」

 

「なに?」

 

「一味かけ過ぎじゃないか?」

 

「はぁ?普通よ。」

 

よそった鍋がみるみる赤くなる。

 

「ひっ姫?食べれるの?」

 

「???当たり前よ。」

 

訳が分らない顔をしてる有川。

それをしたいのは俺達なんだが。

 

「姫?味覚か痛覚おかしくなってない?」

 

「両方共、正常よ…………うん美味しい」

 

美味しいのか?

むせないか?

 

「そっそう。なら、いいわ」

 

「変なの…………」

 

変なのは有川ではないのか。

 

こうして楽しい鍋を食べ終わるのだった。

 



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10話

感想などお待ちしております。

では本編をどうぞ!


 

「はぁ~美味しかった~。」

 

「本当に美味しかったわ。ありがとね、双介、姫。」

 

「こちらこそ食材ありがとな。こんなに使って大丈夫だったか?」

 

「えぇ、大丈夫よ。望海ちゃんが食費渡してくれたの、私はいらないって言ったんだけどね。」

 

「そうなのか?」

 

「えぇそうよ、双介君が迷惑かけるからって言ってたわ。」

 

「板倉がいるだけで迷惑よ」

 

「私はそうは思わないけどね~」

 

「食費たりるか?」

 

「大丈夫よ。明日は何食べたい?」

 

「俺は何でも大丈夫だ。」

 

「そう?姫は?」

 

「包み焼きアボカドレタスハンバーガー」

 

なんだその食べ物聞いた事ないぞ?

 

 

「え?何それ?私聞いた事ないわよ?」

 

「検索したら出るっての。コンビニにも売ってる。」

 

「そっそうなの(姫変った物好むわね。)」

 

「何よ?」

 

「何にも言ってないわ。そうカリカリしないで」

 

「してないし。」

 

有川は不機嫌そうに携帯を見てる。

情緒が分らない。

 

「なら良かったわ。コンビニ行こうと思うのだけど来る?」

 

「行こうかな。有川は?」

 

「ん」

 

はいはい行くって事か。

 

「ってかその格好で行く気?カユゥ。」

 

「そうだけど変かしら?」

 

「パンダの格好はどう考えても変。はよ着替えてこい。」

 

「えぇ~可愛いのに~良いじゃないコンビニ行くだけなのに」

 

「はよいけ、尻軽痴女」

 

「そこまで言わなくても…………」

 

「なら普段から気をつけろっての。」

 

カユゥは部屋に着替えにいったのだった。

 

「板倉」

 

「ん?何だ有川?」

 

「銃忘れるなよ(何か嫌な予感がする)」

 

「了解」

 

俺達武偵は何があるか分らないからな。

準備を万全にしとかなければ。

 

「お待たせ~この格好なら大丈夫でしょ?姫。」

 

「いつもよりはマシ」

 

「もう!何なら良いのよ~あっ待っておいていかないでよ!運転するの私なのに~双介までっ!もぅ~」

 

カユゥはプンプンしながら俺達の後を着いてくる。

 

 

 

 

 

 

[駐車場]

 

「全く二人して酷いんだから!」

 

「すまんすまん」

 

「ふん…………カユゥ鉄扇は?」

 

「勿論持ってきてるわ。あと、デリンジャーもここに。」

 

谷間からデリンジャーを取り出し見せる。

アニメ以外でやる人初めて見た。

 

「ってぇ」

 

「鼻の下伸ばすなっての。カユゥ、アンタそれそこにしまって大丈夫なの?」

 

「大丈夫よセーフティかけてるし谷間にホルスターもあるから。」

 

そんなの存在するのか知らなかった。

 

「あっそ。ほら早く運転して」

 

「姫が聞いたんじゃない。」

 

カユゥは車のエンジンをかけ車を走らせた。

コンビニまでは車で7分くらいかかる。

 

「ねぇ、姫」

 

「何?」

 

「険しい顔してるけど車酔いした?」

 

「他の車のライトがまぶしいだけ。」

 

「そう?具合悪くなったらすぐ言ってね」

 

「ん」

 

「有川大丈夫か?」

 

「ん」

 

「そっか」

 

話かけるなと感じで返事された。

 

「カユゥ」

 

「どうしたの姫?」

 

「ファルマじゃなくてローサンが良い。」

 

「えぇ!?この付近のローサンだと20分かかるわよ?」

 

「ローサンじゃないと欲しいのない」

 

「わかったわよ……もぅ我儘なんだから。(で?姫何なのよ?)」

 

「うっさい(不審な人影が一瞬見えた。)」

 

「はいはい悪かったわよ(えぇ!?私にはわからなかったわ。)」

 

「板倉!後ろから私の鞄とれ。(一瞬だけよ。飛ばせる?)」

 

「鞄?わかった…………うわぁ!飛ばすなら言ってくれよ!」

 

「ごめんね!双介、トイレ急いでいきたくて!(割りとマジ)」

 

「板倉、鞄!(出る前にいけっての。)」

 

「ほらよ」

 

「ん」

 

んだけかよ。

何だ二人の様子が変な気がするな。

勘違いか?

 

「更に飛ばすわよ!捕まってて!」

 

「法速度守ってくれよ!」

 

「勿論!」

 

車のスピードがグングン上がる。

 

 

 

 

 

 

[ローサン]

 

あっという間にローサンに着いた。

そんなにトイレ行きたかったのか?

 

「トイレよるから先に買う物カゴにいれてて!」

 

カユゥは小走りで中に向かう。

 

「板倉、このメモに買いてあるの買っておいて。車酔いしたから外の空気吸ってる。」

 

「わかった。大丈夫か?水とか先に持ってくるか?」

 

メモを受けとる。

 

「大丈夫。心配どーも。」

 

「具合悪い所すまんがこの“ゴム”ってアレの事か?」

 

「ヘヤゴム!この変態!」

 

「すっすまん。」

 

理不尽だ。

きちんとヘヤゴムって書いてくれよ。

 

 

 

 

 

[姫サイド]

 

「ったくあの変態は。ふぅ~」

 

マジで車酔いするとは思わなかった。

運転荒らいのよカユゥは。

それにしても板倉の奴普通女子に聞く?

そういうのは男が用意するでしょ。

まぁ、女も持っていると思うけどさ。

 

 

「って!違う違う!」

 

考えてる場合じゃない。

怪しい人影は途中から居なくなったけど念のため周りを見とくか。

 

「あっヤバ」

 

適当に書いたメモだから変なの書いたかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

[カユゥサイド]

 

「間に合った~」

 

目的地変更すると思ってなかったから危なかった。

怪しい人影か…………双介は気づいてなかったし私もわからなかった。

流石、Aランク武偵ね姫。

 

「ん?あれは?」

 

双介が困った顔をして紙を見つめてる。

 

「どうしたカ?双介?」

 

「カユゥ、その有川が具合悪いからメモに書いてある奴買ってこいと頼まれたんだが物はわかるんだがその…………」

 

「そうなの?どれどれ…………あぁそれね。任せるネ」

 

姫、双介に何て物頼んでるのよ。

生理用品を双介に頼んじゃ駄目じゃない。

 

「これで安心ネ」

 

「すまん助かる。」

 

「後は何アルカ?…………え?ゴム?ゴム!?ごほん。」

 

私の家で本当におっぱじめる気!?

冗談だったのに!?

ってか私は!?目の前でするの!?

え?えぇ!?

 

「それはヘヤゴムらしい。」

 

「へっ!?そっそうアルカ?驚いたネ。ハハハ。」

 

ならヘヤゴムって書きなさいよ!

色々考えたじゃない!

絶対適当に書いたでしょ!

全く姫ったらこういうのは良い加減なんだから。

 

「うわ…………本当にあるんだ。」

 

「みたいだな。」

 

双介はあんまり驚いてなさそうね。

包み焼きアボカドレタスハンバーガー、正直言って姫しか食べないと思ってた。

コンビニにあるって事は需要あるのね。

姫見回り大丈夫かしら?

 

 

 

 

 

 

[姫サイド]

 

「さてと戻ってくる前に見回りを終わらせないと。」

 

見た感じコンビニの周辺は怪しい奴はいなさそうね。

あとは…………あの公園が怪しいな。

カユゥに連絡いれておこう。

 

 

『カユゥ』

 

『どうしたの?姫』

 

『コンビニの周りは見たから後は公園見てくる。』

 

『わかったわ!買い物終わったらそっちに向かうわ!』

 

『ん』

 

 

「さていきますか」

 

銃のセーフティを外し公園に向かう。

ぱっとみ、人はいなさそうに見えるが。

気配はある!

 

「出てきなさい!武偵よ!」

 

【それで出てくる者は愚か者でござる。】

 

姿は見えないが声が響く。

この響き方からすると上にいるな。

木の上辺りか?

 

「私達をつけていたのはアンタだろ!何が目的だ!」

 

【答える奴は愚か者でござる。】

 

「答える気はないか…………なら。」

 

<<パン!パン!>>

 

【そんな豆鉄砲無意味でござる。】

 

「ちっくそっ」

 

暗くて良く見えないのに相手にははっきり見えてるのがこんなにも厄介だとは。

 

【反撃でござる。】

 

「はっこんなもん」

 

クナイが私目がけて飛んでくる。

 

「当たる訳っしまっ?」

 

クナイはプラグ!?

液体がついていた。

毒!?

 

【安心なされよ毒ではないでござるよ耐性があればの話でござる。】

 

「はぁっはぁっ暑い…んっ………」

 

身体が段々火照ってくる。

これはまさか…………媚薬?

 

「くっ………あっん……くそっ……ひゃっん…」

 

耐性ってこういう事だったの。

駄目効き過ぎてる。

私…………もう…………

 

 

 

 

 

 

[カユゥサイド]

 

「遅いわね~」

 

姫から連絡もらってはいるけど。

 

<<パン!>>

 

「!?銃撃か!?」

 

双介が驚く。

 

「公園の方からね!双介!」

 

「あぁ!」

 

私と双介は公園の方向ヘ向かう。

間違いなくこの銃声は姫のグロックね。

大丈夫なのかしら?

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁっはぁっ姫!?」「有川!?」

 

私と双介は公園につき、地面に倒れこんでる姫を発見する。

 

「姫!?大丈夫!?」

 

「……はぁっ…あっ……まだっ……敵がっ………んぅっ///……」

 

「え?敵?」

 

「カユゥ!避けろ!」

 

「!!!」

 

私は双介の声で反射的に避けた。

 

【ほう今のを避けるでござるか。】

 

「カユゥ!有川を連れて逃げろ!時間稼ぎぐらいできる!」

 

【ふむ一瞬でござるよ。】

 

「そうかよ!」

 

<<ダン!ダン!>>

 

双介がベビーイーグルを抜き敵に射撃する。

 

「姫、行くわよ!」

 

「ちょっ……まっ……あんっ///」

 

「え?えぇ?」

 

姫の身体に触れた瞬間、可愛いらしい声を出す。

 

「んぅっ…あっぁ……はぁっ……媚薬っ……もらっ…れっ………たっ…」

 

「うそっ!?どうしようっ」

 

媚薬の解毒なんて知らないし、このままじゃ。

 

 

「くそっ当れ!」

 

<<ダン!ダン!ダン!ダン!>>

 

 

【無駄でござる。】

 

「まぶっ!?くっ!」

 

閃光の弾が地面に着地し光耀いた。

 

【これで二人目でござる。さて】

 

敵が姿を現わしカユゥ達の方向ヘ。

 

 

「双介!?来ないで!」

 

私は谷間からデリンジャーを取り出し銃口を向けた。

 

【そなたに用があるのでござる。】

 

「きゃっ!?」

 

デリンジャーを取り抑えられる。

 

【そなたが抱えてる武器全て渡すでござる。】

 

「武器を?渡す訳ないでしょっ!目的は何!」

 

なんとかして鉄扇を。

 

【そうはさせんでござる。】

 

鉄扇をはじき飛ばされた。

 

「貴方達は何者!」

 

【それは黙秘でござる。さぁ、我等に武器を!】

 

「誰が渡すもんですか!正体不明の奴等に!」

 

【それは残念でござるな。ならこの媚薬を使って弄んだ後にいただこう。】

 

「いっいやぁ!やめっ」

 

【クククク。楽しみでござるな~】

 

「いやっいやぁっ!」

 

【これで終いにっ何者!?】

 

『その手を話すでござるよ外道!』

 

「その声…………まさか…………」

 

男の手が離れる。

 

『怪我はないでござるか?カユゥ。』

 

「おっ…………お兄ちゃん…………」

 

嘘、本当にあの人が。

 



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登場人物紹介1

こんぺいとう**2メーカー様で作成したキャラクターです。
こんな感じのイメージです!
皆様も是非自分だけのキャラを作成して見てください!


名前:板倉双介(いたくらそうすけ)

年齢:16

性別:男

好きな食べ物:肉じゃが

嫌いな食べ物:納豆

使用武器:デザートイーグルブラック,ベビーイーグル

所属学部:探偵科→強襲科

武偵ランク:E

 

 

本作の主人公で東京武偵高の1年。

落ちこぼれの武偵でクラスではかなり当たりが強い。

元々は普通の学校に通う予定であったが訳あって東京武偵高に。

慣れない武器と環境のせいかなかなか昇格できない。

幼馴染みの望海と同棲している。

とあることがきっかけで強襲科に転科することになる。

望海、カユゥ、姫とよくつるんでいる。

一見ハーレムに見られるが尻に敷かれていてよく苦労をしている。

勉強はそこそこできるらしい。

刀がトラウマで扱うことができない。

 

 

 

 

名前:篠原望海(しのはらのぞみ)

年齢:16

性別:女

好きな食べ物:オムライス、プリンチーズケーキ

嫌いな食べ物:なし

使用武器:日本刀 月龍

所属学部:強襲科

武偵ランク:A

 

双介の幼馴染みで東京武偵高の1年。

実家がお寺で家の命令で武偵をしている。

基本は世話焼きな性格。

家事全般をこなし双介を甘やかす。

自分がお寺もあって日本食を好んで食べている。

優秀な武偵ではあるが戦闘狂であり、いつもやりすぎてしまう。

パートナーの姫はいつも後始末をしているらしい。

忘れられがちだが、これでもお嬢様。

本気になると巫女装束を着る。

 

胸はE

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

名前:リン・カユゥ

年齢:16

性別:女

好きな食べ物:チョコ肉まん

嫌いな食べ物:ねばねば系

使用武器:鉄扇、デリンジャー、護身術

所属学部:装備科

武偵ランク:C

 

双介と同じクラスで日本人と中国人のハーフ。

弾薬などの装備を売買しており武偵高の近くにお店を持っている。

ある事情でキャラ変をしている。

普段は大人っぽい感じである。

運転はとてもスポーツ向き。

本人曰く戦闘向きではなくあくまでサポート側。

結構、大食いらしい。

胸はG

 

 

【挿絵表示】

 

 

名前:有川姫(ありかわひめ)

年齢:16

性別:女

好きな食べ物:ハンバーガー

嫌いな食べ物:キノコ

使用武器:グロック18c、格闘

所属学部:強襲科

武偵ランク:A

 

双介と同じクラスの女子でクラスの中心的存在で委員長をつとめる。

いわゆるギャルと呼ばれるが本人は否定している。

双介に対して当たりは強いが会話?はしてくれる。

双介が大好きだが、素直ではないためツンケンしている。

なんだかんだで、最後まで面倒を見る性格。

望海の尻拭いを毎回している。

優秀なAランク武偵であるので周囲からは人気である。

弟が居て、激愛している。

変なものを好んで食べる。

胸はF

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?
イメージつきましたかね。
個人的には望海ちゃんが、好きです(笑)


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第11話

忙しすぎて更新が遅れてしまい申し訳ありません。
11話ですどうぞ!

やる気アップに繋がるので感想などお待ちしております。



[カユゥサイド]

 

「おっ……お兄ちゃん…どうして…」

 

『妹のピンチに来るのは当たり前でござるよ。拙者だけじゃなく』

 

【くっ!?】

 

「ちっ避けたか。」

 

「望海ちゃんまで!?」

 

「カユちゃんごめんね遅くなった!」

 

【何者!?】

 

「貴方なんかに話してないけど。まぁ、武偵高校一年!篠原望海!」

 

『同じく一年!竜胆有飛(りんどうゆうと)!』

 

『「仲間を助ける為に!いざ!参る!」』

 

 

 

 

 

[双介サイド]

 

「つぅ~」

 

やっと目が見えるようになったか。

 

「状況は………望海と………誰だ?……」

 

もう一人、武偵がいるが正体がわからん。

俺も加勢しないと!

 

「望海!すまん!」

 

「双ちゃん!目大丈夫?」

 

「あぁなんとかな」

 

『双介氏~無理は禁物でござるよ~』

 

「は?えっ?有飛!?何だよその姿!?」

 

俺がいつも見てる有飛とはかけ離れ、凄い痩せててイケメンになってる。

 

『はっはっはっ。詳しい話は後で!双介氏これを姫に!媚薬の解毒薬でござる!』

 

「あっあぁ!」

 

戸惑いながらも薬を受けとり、有川の元へ。

 

「有川!打つぞ」

 

「いっ……いた…くらっ………見ないでっ………あっ♪……くぅっ…」

 

「すっすまん!」

 

薬を打ちこむ。

 

「あぁぁぁぁんっ……………ふぅ…ふぅ……後で殴る…………」

 

「いやっ俺は悪くないだろ」

 

「うっさい死ね!で、敵は?」

 

「望海と有飛が相手してる。」

 

「はぁぁ!?キモオタが!?なんで!?意味わかんない!?」

 

「俺もだよ。カユゥ大丈夫か?」

 

「ヘ?うっうん大丈夫よ。」

 

「そっか」

 

様子が変だな。

 

『カユゥ!二人を連れて車に行くでござるよ!早く!』

 

「うっうん!わかったわ!お兄ちゃん!」

 

「「お兄ちゃん!?」」

 

「とっ兎に角!車ヘ行くわよ!」

 

 

 

 

 

 

[望海&有飛サイド]

 

「これは後で説明が大変でござるな~」

 

「まぁ、無理もないよ有飛君。姫ちゃんが特に大変だよ~」

 

「参ったでござるな~」

 

【くっ!貴様等!邪魔をしよって!】

 

「有飛君」

 

「御意…………同じ忍者として外道は叩きのめす!でござるデュフフ」

 

「有飛君。キャラ崩壊だよ」

 

【くっ!?拙者の速さに追いつくとは!】

 

「このくらい朝飯前でござる!」

 

クナイ同士のぶつかり合いが繰り広げられる。

 

「速い速い~有飛君~助けいる?」

 

「望海殿~そんな殺生な~」

 

「冗談だよ。…………さぁて!行くよ“月龍”」

 

【ぬ!(この殺気は“アヤツ”に似ておる。)】

 

「おじさん避けないでよ~。せい!」

 

【くっ!?(コヤツも拙者の速さに)】

 

「有飛君~どっちが先にやるか勝負ね!」

 

「望海殿~殺生は御法度でござるよっと!」

 

「えぇ~腕一本!」

 

「駄目でござる。」

 

「じゃ、足?」

 

「望海殿~真面目に~」

 

「はぁい。」

 

【ぬぅっ(コヤツ等どんどん速度が速く!?)】

 

「五体満足って難しい~ありなら一瞬なのに。」

 

「どっちが悪かわからなくなるでござる~Aランク怖~」

 

「…………真面目にやるよ、もぅ。」

 

【ならば!】

 

大量のクナイの雨がふりそそぐ。

 

「せいやっ!」

 

【んな?拙者のクナイが!】

 

望海は刀で全て無力化する。

 

「流石、望海殿~」

 

「私一人に押しつけないでよ~…………決めるよ」

 

「承知…………“忍法!疾風刃!”」「疾風月龍斬!」

 

二人の風の刃が忍者男を遅う。

 

【ぐぅ!?不覚】

 

「大人しくお縄に…………逃げられた。」

 

「変わり身の術でござるか~ダメージは喰らったみたいでござるな~」

 

地面に落ちた血を見て言う。

 

「ねぇ有飛君♪」

 

「何でござるか?」

 

「しよ?」

 

「嫌でござる!死にたくない!」

 

「えぇ~消化不良~」

 

「皆の所に行くでござるよ!…………超特急暴走機関車…………」

 

「了解~え?今なんて?」

 

「逃げるが勝ちでござる!」

 

「あっ!姿消すの反則!見るのキツイのに!」

 

「普通は見えないんでござるよ!!」

 

「待ってよ~」

 

 

 

 

 

 

 

[双介サイド]

 

「それで一体どういう事よ!?」

 

駐車場についた途端、有川が聞く。

 

「えっと…………その……私っ……」

 

「まぁ有川、落ち着けって」

 

「ちっ」

 

「ごめん姫…………」

 

「はぁ~。んで買った物は?」

 

「えっあっ車の中…………」

 

「板倉!ハンバーガー」

 

「へいへい」

 

俺は車の中にあるハンバーガーを取り出し有川に渡す。

 

「あんがと」

 

「いってぇ!何すんだよ!有川!」

 

「後で殴るって言ったし。」

 

確かに言ってたけども。

手加減してくれよ。

理不尽だ。

 

「はぁ~。カユゥお茶」

 

「うっうん」

 

うちのお姫様は完全に女王様になったな。

 

「んで、私達は望海ちゃんがくるまで待ってればいいの?」

 

「うっうん…………」

 

「…ったく……怒ってないからオドオドすんなし。」

 

「ごっごめっ」

 

「だからっ」

 

 

「あー姫ちゃんがカユちゃんをイジメてる~お兄ちゃんの出番かなー?」

 

「望海殿、火に油を注がないで欲しいでござるよ。」

 

望海と優飛が俺等の元へ戻ってくる。

 

「取り敢えず、移動しよ?お話はそれからにしよ?」

 

望海が提案する。

 

「そうだな何処に移動する?」

 

「それはカユゥの家でいいでござる。」

 

「えっ!?お兄ちゃんもくるの?」

 

「拙者も居ないと説明できないでござるよ。」

 

「それはそうなんだけどでも~」

 

「は?何か不都合ある?キモオタが居るのが?」

 

「恥ずかしい……………………」

 

「はぁ!?何よそれ?」

 

「有川このハンバーガー美味いな」

 

「でしょ!……………………ごほん!勝手に喰うな板倉!」

 

「もう双ちゃんったらお腹壊すよ~」

 

「望海ちゃん!?何よそれ!普通のハンバーガーだし!」

 

「姫ちゃんくらいしかいないよ~変な味好むの~」

 

「いたって正常だし!普通の味だし!望海ちゃんも食べたらわかるって!」

 

「さーてカユちゃん運転お願いね。」

 

「うん…………」

 

俺達はカユゥの車に乗り移動

 

 

 

 

 

 

[車内]

 

運転手-カユゥ

助手席-優飛

後部座席-有川、望海、俺の順に座っている。

 

 

「姫ちゃん夜ご飯食べたんじゃないの?」

 

「食べた。」

 

「また太った~って言っても知らないよ~」

 

「運動するし。」

 

「なら良いけど~。もう!双ちゃんも夜ご飯食べたでしょ!」

 

「でも望海、腹減ったし。」

 

「え!?双介沢山食べたじゃない!」

 

「いやっ有川よりは喰ってない!」

 

「はぁ???板倉も同じぐらい喰ってたし!」

 

「一味だか七味だか沢山かけてただろ!」

 

「賑やかでござるな~」

 

「一味だし!キモオタ笑うな!カユゥも同じ量食べてたし!」

 

「私は普通よ!」

 

「姫ちゃん!また変な食べ方したの!?」

 

「あっヤバっ違うのよ!望海ちゃん!普通の量の一味をかけただけ!

 板倉が過剰表現しただけよ!」

 

「いや!半分ぐらいかけてたな。」

 

殴った仕返しだ。

 

「板倉っ!(絶対泣かす!)」

 

「ひーめーちゃん~」

 

「いやっそのっえっと…………」

 

世にも珍しい有川の焦り様。

ふっ勝った。

 

「いつも言ってるでしょ!変な食べ方しないのって!わかる?身体壊すんだよ?」

 

望海の説教が車内に響くのだった…………

 

 

 

 

 

 

[カユゥの自宅]

 

「車止めてくるから先に入ってて!お兄ちゃん鍵お願い」

 

「承知でござる~」

 

「う~ん眠たーい」

 

望海が背伸びをする。

 

「…………」

 

有川は少し落ちこんだ顔をしている。

やり過ぎたか。

 

「…………」

 

「つっ」

 

有川に蹴られた。

まだやる気なのか。

 

「どうしたの?双ちゃん?」

 

「何でもないぞ、うん。」

 

「皆入るでござるよ~」

 

鍵を開けた優飛が声をかける。

俺達はカユゥの家に入る。

 

 

 

 

 

 

「皆、お待たせ…………えっとどう説明したら良いかな…………」

 

「まずは、私と優飛君が助けにきた経緯から言うよ。

 私は数日前に優飛君から依頼を受けたの。」

 

「依頼?そもそもキモオタのコレ知ってたの?望海ちゃん?」

 

「うん、知ってたよ。入学当初からね。」

 

「そんな前からか?」

 

「そうだよ~。まぁ、ただならぬ感じだと思って出逢いがしらに切りかかったら、

 オタクっぽい太った優飛君に避けられてね。」

 

「あの時は死にかけたでござる。」

 

「私は不思議がってたら2、3日待ってくれって言われて

 痩せた姿を見してくれたんだ。」

 

「え?望海ちゃんいきなり切りかかってこの姿のお兄ちゃんに出逢えたの!?」

 

「うれ、それで真剣勝負して私の勝ちでそれからは色々情報とか提供してもらって

 交流してたんだ。」

 

「拙者はもうごめんでござる。」

 

「二人の出逢いはわかったけど、何でキモオタが痩せてるのよ!」

 

「それは姫~秘密でござるよ~」

 

「あぁん!?」

 

「有川落ちつけって。」

 

「板倉!アンタは何も思わないの!?親友だと思ってた奴に隠し事されて!」

 

「そっそれは」

 

痛い所つくな有川は。

正直ショックではあるが俺等は武偵。

人それぞれ事情がある。

 

「それに関しては申し訳ないでござる。だが!決して双介氏を

 騙しおとしいれようなど思ってござらん!」

 

「仮にそうなら私が優飛君を切り捨ててるよ。安心して双ちゃん。」

 

「俺は別に…………ただ優飛がイケメンなのに驚いただけだ。」

 

「照れるでござるな~」

 

「はぁ?」

 

「姫ちゃん、ステイ」

 

望海が蹴とばそうとしてる有川をなだめる。

 

「少しの冗談でござるよ……ふぅ……拙者が望海殿に依頼した内容は

 “カユゥを悪意から守って欲しい”でござるよ。」

 

「悪意って何よ?」

 

「姫殿達がこの前、解決したショッピングモールの事件を動かしていた

 組織でござるよ。」

 

「黒幕がいたのか!?」

 

「そうでござる。その組織がカユゥの工房、輸入ルートを独り占めしようとしてた

 情報があったでござる。なので望海殿に依頼したのでござる。」

 

「そんで?キモオタのその姿については?」

 

「これが本来の姿でござる。太った姿もでござるが。

 太ってた方が都合が良いのでござるよ~。」

 

「はぁ?理由になってないし!」

 

「見て分る通り拙者は忍者の末裔でござる。」

 

「ふーんそんで?」

 

「この後はカユゥ…………できるでござるか?」

 

「うっうん………すっー……

 幼い頃両親が再婚して…私と竜胆優飛は義理の兄妹なの……。」

 

「そうだったのか…………」

 

「でっでも!カッコ良かったお兄ちゃんは中学の頃からぶくぶく太って!

 あげくの果てに気持悪い趣味を好んで!

 だから兄妹だと思われない様に偽名を使って入学したの!

 喋り方も変えて!」

 

「気持悪くないでござるよ!」

 

「キモオタ…………黙れ」

 

「面目ない」

 

「それにママから武偵になると同時に商人になりなさいって言われて家を出てこうして お店をしてるの!なのにお兄ちゃんは好き勝手にしてて不満なの!

 大好きなお兄ちゃんがあんなゴミになって!お店で苦労してるのに!

 大丈夫の一言もないのにこうして助けにくるし!ほんとにっほんとにっ…ひっく…… 嫌い!…大嫌い!……うぁーんっ……」

 

カユゥの気持ちが爆発し子供の様に泣きだした。

 

「カっカユゥ!泣かないでくれ!お兄ちゃんが悪かったから!」

 

「うぇーんっ……もう知らないもんっ……お兄ちゃんの……ばかぁっ……」

 

「ちっ……板倉!キモオタ!外出てろ!」

 

「「はい!」」

 

有川に怒鳴られ俺と優飛は外に追い出された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぇぇぇぇんっ……お兄ちゃんの……ばかぁっ………えぇぇぇんっ…」

 

「カユちゃん泣かないで~はいティシュ」

 

「あ゛りがと………望海ちゃん………ひっく……」

 

「はぁ~アンタは泣き虫ね~」

 

「だって姫ぇ~」

 

「うわっぁ!?アンタまた鼻水つけて!望海ちゃん!ティシュ」

 

「はいはい」

 

「ひっくひっく………姫ぇ~……………」

 

「あぁもう!わかったから泣くなって!望海ちゃん!風呂お願い!」

 

「だろうと思ってもうしてるよ~カユちゃんの事お願いね姫ちゃん。」

 

「言われんくても…ほら……頭撫でてあげるから……良い加減……泣かないの…」

 

「でもねっでもねっ……っく……すん……すん……」

 

「はいはい、わかったから。もう泣かないの綺麗な顔台無しよ。」

 

「姫ぇ~大好き~」

 

「ちょっ!アンタまた鼻水つけてっ!もぅ…………(たまにはいいか。)」

 

「姫ぇ~」

 

「何よ?」

 

「何でもなーい。えへへ♪」

 

「なら呼ぶなっつの。」

 

 

「カユちゃ―ん、姫ちゃ―ん!お風呂入るよ~」

 

「「はーい」」

 

 

 

 

 

 

 

[双介&優飛サイド]

 

「追い出されちゃったな優飛」

 

「そうでござるな」

 

「なぁ、そのござるもアレか?」

 

「拙者は昔からこうでござるよ~」

 

「嘘つけ。さっき普通に喋べっただろ」

 

「良く聞こえたでござるな……今更元の口調に戻っても違和感でござるよ……」

 

「そうか…………何で俺等外に追い出されたんだろうな。工房でもいいのに。」

 

別に工房でも良かったはずだ。

不思議でたまらない。

 

「姫殿の言った事でござるよ。拙者にもわからないでござる。」

 

「まぁ、そうだよな。何時、中に入れるのか…………ふぅ。」

 

「気長に待つしかござらんな…………呼びだしが怖いでござる」

 

「だな…………どんな理不尽な事言われるかわからんしな。」

 

「…………双介氏は怒ってないでござるか?その…………」

 

「別に気にしてねぇよ。友達にはかわらんしな。

 ただ、優飛がこんな姿になれるとは思ってなかっただけだ。」

 

「そうでござるか…」

 

「でも教師科もお前の事理解してるのか?」

 

「そうでござる。ランクも誤魔化してもらってでござる。」

 

「そうか…………なぁ、優飛」

 

「何でござる?」

 

「肌寒いな」

 

「そうでござるな」

 

こうして俺と優飛が中に入れたのは一時間半後だった。

 




最後まで読んでくださりありがとうございます!


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12話

大変遅くなりましたが12話投稿致します。
不定期更新になりそうです。


[カユゥの工房]

 

呼び出された後、俺と優飛は風呂にいれられリビングで寝かされた。

布団を二つ用意されてて俺達はすぐに睡眠にありつけた。

疲れたな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すぅ…………すうぅ………………いってぇ!?」

 

気持ち良く寝てたら誰かに蹴られた。

 

「ぐふぅ!?」

 

優飛も蹴られたらしい。

 

「早く起きろ!男子共!」

 

「んだよ…………………げっ…有川」

 

「あ?何か文句ある?」

 

「いやっ何でもない!」

 

俺達を蹴った犯人はエプロンを着て髪を纏めてる有川だった。

エプロン…………なかなか。

 

「起きたなら布団畳め!邪魔!」

 

「ぐぇっ!?」「ごふぅっ!?」

 

また蹴られた。

ご褒美になるとでも!?

優飛ならともかく。

 

「拙者だって嫌でござる!」

 

心を読まれただと。

やるな優飛。

 

「何、訳わかんない事言ってんのよ!蹴るぞ。」

 

「もう!姫暴れないで!」

 

「はぁ!?アンタがコイツ等を起こせって言ったでしょ!」

 

「確かに言ったけど、普通に起こしなさいよ。」

 

エプロン姿のカユゥが有川に小言を言う。

カユゥのエプロン姿もなかなか…………。

 

胸の当たりが苦しそうに見えるのは俺だけか?

 

「拙者も思うでござる。」

 

また心を読まれただと!?

流石、優飛だ。

 

「え?何?…あっ………また胸ばっか見て!お兄ちゃんと双介の変態!」

 

胸を手で隠しながらカユゥが言った。

 

「拙者は見てないでござる!妹の胸如きで欲情するほど落ちぶれてござらん!」

 

「如きって何よ!お兄ちゃんの馬鹿!」

 

「ぐぇ!?」

 

「おぉ、グーでいった。痛そう~」

 

「私もグーでいこうか板倉?」

 

「はっはっは~…………遠慮しとく!」

 

俺はすぐさま飛び上がり、言われた通り布団を畳み始めた。

 

「ほら!お兄ちゃんも早く畳んで!というかグーパンチぐらいかわせたでしょ?」

 

「流石に妹がグーで殴るとは思ってなかったでござるよ。いてて。」

 

「え?ごめんお兄ちゃん。大丈夫?」

 

「大丈夫でござる~布団は何処に?」

 

布団を畳んだ優飛がカユゥに聞く。

畳むの早くないか?

忍者すげえ。

 

「忍者は関係ないでござるよ~拙者はいつも布団でござるからな。

 双介氏先に行くでござるよ。」

 

「おい!待てってー」

 

俺は優飛の後について行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

[カユゥサイド]

 

「もぅ、単純なんだから。さて、姫テーブルお願い。」

 

「ん」

 

あら?ちょっと姫拗ねてるわね。

双介に似合ってるとか言われたいのかしら。

 

「姫?」

 

「何よ?」

 

「エプロン、似合ってるわ。」

 

「は?何言ってんのよ。アンタは望海ちゃんの手伝いしてきなさいよ!」

 

「はーい」

 

機嫌良くなって良かったわ。

姫ったら可愛い。

料理をしている望海ちゃんの所に行かないと。

 

「望海ちゃん!お待たせ!ごめんね早くから!」

 

「あっカユちゃん!おはよう!大丈夫だよ慣れてるから!」

 

「そうなの?」

 

「うんそうだよ~。いつもより遅いぐらいだし。」

 

「え!?そんなに早くから準備してるの!?」

 

「うん。そんなに驚かなくても~。」

 

「望海ちゃんは疲れないの?任務とかあるのに?」

 

「全然だよ~。」

 

望海ちゃんは本当に凄いわね。

毎朝早くに朝食も作ってAランクの任務もこなしているなんて。

 

「双ちゃん達起きた?」

 

「えぇ、起きたわ。姫の蹴りで。」

 

「蹴りで!?姫ちゃんったらもう。」

 

望海ちゃんでもそういう反応するのね。

 

「それで何をしたら?」

 

「ならカユちゃんはツマを作ってくれる?」

 

「えぇわかったわ…………ツマ?」

 

「うん!ちょっと豪華なお刺身定食!

 カユちゃん家のキッチン広くて奮発しちゃった!」

 

「えぇ!!!魚裁いてたの?家にはなかったのに!?」

 

「うん!近くにお魚屋さんあったから買っちゃった!」

 

「おっお金払うから!」

 

「え?いらないよ~。私が勝手に買っただけだよ。気にしないで!」

 

「いやいや!そんな訳には!」

 

「何、喚いてるのよ。」

 

「姫!だって望海ちゃんが!」

 

「あっ姫ちゃんおはよう~。」

 

「おはよう。それで?」

 

「望海ちゃんがお金いらないって言うのよ!こんなに沢山買って!」

 

「沢山?何を…………魚…………え?魚?うわ、鮭一匹まんま。」

 

「兎に角!望海ちゃん受けとって!」

 

「えぇ~いらないよ~。姫ちゃん、お味噌汁はできてるからアワビの処理お願い。」

 

「えっうん。わかった。」

 

姫も驚ろいてるし。

 

「カユちゃん、凄い!上手!」

 

「そうかしら?」

 

「私でもこんなに綺麗にツマは切れないよ!刀でならできると思うけど。」

 

これ、ツッコミする場面?

姫助けて!

 

「望海ちゃん、手止まってるわ。新鮮なうちに処理しないと!」

 

「そうだね!ごめん!」

 

え?えぇー?

姫?助けて船ないの?

何でやる気まんまんなの?

良く見たら魚生きてない?

待って情報が多くてついていけない!

 

「のっ望海ちゃん?味噌汁の具って何かしら?」

 

「具?蟹の味噌汁だよ~。」

 

蟹!?

朝から蟹の味噌汁!?

 

「カユゥ、アンタも裁くの手伝いなさい。できるでしょ?」

 

「えっえぇ。裁けるわ。」

 

「なら、このイカやって。」

 

「えぇ。どうしたら良い?」

 

「うーんとイカそうめんにしてもらおうかな。」

 

「わかったわ。」

 

本当に凄い新鮮なイカ!

今度目利き教えてもらおうかしら。

 

「望海ちゃんアワビ終わった。」

 

「ありがと!姫ちゃんじゃ、次は…………」

 

順調に朝食作りが進んでいく。

 

 

「カユちゃん、鮭の切り身は冷凍庫にいれたから食べてね!」

 

「ありがとう望海ちゃん。それにしても豪華ね。」

 

「ふぅ…………よし。」

 

「姫ちゃんありがとう!二人のお蔭で早く終わったよ~。」

 

 

 

 

 

 

[双介サイド]

 

「お腹空いたな、優飛」

 

「そうでござるな~」

 

俺と優飛はリビングでのんびりテレビを

視聴している。

 

「いい匂いするな~」

 

「そうでござるな~」

 

キッチンからとてもお腹がすく匂いがする。

 

「まだかな~」

 

「そうでござるな~」

 

「二人共、お待たせ!ご飯できたよ!」

 

望海が声をかけてくれる。

 

「じゃーん!凄いでしょ!」

 

望海が持ってきたのは……船盛!?

デカくね?というか豪華!

 

「おっおう」

 

「な…」

 

俺も優飛も驚きすぎてあまり声が出ない。

これを朝早くから作っていたのか。

 

「お皿並べるの手伝え、男子共。」

 

望海の後ろから有川が声をかけた。

 

「あぁ。」

 

「承知でござる。」

 

有川に言われるがままお皿を並べる俺達。

 

「双介、お兄ちゃん、炊き込みご飯どのくらい食べる?」

 

炊き込みご飯ときたか。

 

「大盛りで。」

 

「拙者も同じく。」

 

「わかったわ。」

 

「望海殿、今日は何かのお祝い事でござるか?」

 

「ん?普通の朝ご飯だよ~」

 

「そっそうでござるか。」

 

わかるぞ、優飛。

俺も同じ気持ちだ。

 

「さて、食べましょうか」

 

カユゥが席につく。

 

「「「「「いただきます」」」」」

 

「美味い!」

 

箸が止まらないぞ。

 

「もう、双ちゃんったらよく噛んでね。」

 

「この蟹の味噌汁も美味しいでござる!」

 

「望海ちゃん私に作り方教えて。」

 

「私も教えて欲しい!」

 

「いいよーって言っても簡単だよ?」

 

女子達は作り方で盛り上がっている。

対する男子達はひたすら食べる。

 

 

 

 

 

「ふぅ~食った食った~」

 

「ござる~」

 

朝からとても幸福だ。

こんなに美味しい朝食をみんなと

過ごせるなんて。

 

「今日はみんなこの後どうするの?」

 

カユゥがみんなに聞く。

 

「拙者はここでのんびりするでござる~」

 

「え!?お兄ちゃん、居座る気!?」

 

「駄目でござるか(´・ω・`)」

 

「だっだめじゃないけど。」

 

「うわキモ」

 

「姫ぇ~キモキモ言わないで欲しいでござる!」

 

「痩せた所でキモオタに変わりないから。」

 

「そんなマジレスしないでござる~」

 

「ふん‥」

 

「俺は今日は家に帰ろうかな。」

 

「双ちゃん任務受けなくて大丈夫なの?単位とか。」

 

「大丈夫だ。望海は?」

 

「私はまだ用事あるから実家に帰るよ~」

 

「そうか。そう言えばカユゥお店は開けるのか?」

 

「う~ん、まだ取引先の件とかあるからしばらく開けれないかも。お兄ちゃん何かしてくれるんでしょ?」

 

「拙者はのんびりと……睨まないで欲しいでござる。大丈夫でござるよその件は拙者にお任せあれ。」

 

「なら良かった。姫は?」

 

「……」

 

「姫?」

 

「姫ちゃん?どうしたの?」

 

「依頼がたった今入った。」

 

「あら、良かったじゃない。」

 

「よくない!」

 

「どうして?姫ちゃん!」

 

「これを見て!」

 

 

〔一年強襲科 有川姫 依頼 一件〕

 依頼内容:メイド喫茶の接客本日のみ。

  

「これはこれは…」

 

「ござる……」

 

「あー頑張れ!姫ちゃん!」

 

「あちゃ~フラグ回収したわね姫」

 

「何がフラグか!なんで私がこんなことしないといけないのよ!」

 

「まぁまぁ姫ちゃん。依頼主との時間までもうないから急いだ方がいいと思うよ。」

 

「……っち」

 

思いっきり舌打ちをする有川。

 

「姫、送っていくわ」

 

「……ありがと。今日もアンタの家に泊まるからお迎えよろ。」

 

「はいはい、わかったわ。それじゃ、姫送っていくから。望海ちゃんは大丈夫?」

 

「うん大丈夫だよお迎えがくるまでここにいるよ。」

 

「ん、それじゃ。アホ男子共来たら殺す」

 

物騒なことを言い残していくなよ。

 

 

 

 

 

【姫サイド】

 

「なんで私がこんな依頼しないといけないのよ」

 

「嫌なら断ればいいじゃないの。」

 

運転しながらカユゥが言う。

 

「アンタ私が一件も断った事ないの知ってるのに言う?」

 

「なら文句言わないの。綺麗な顔台無しよ。」

 

「うっさい」

 

「にしても本当にメイド喫茶の接客をする事になるなんてね。できそう?」

 

「余裕。アンタが余計な事言わなければ来なかったかも知れないと思うと腹立つわ。」

 

「次はアイドルとかやったりしてw」

 

「殴るわよマジで。」

 

アイドルなんて絶対にやりたくないんですけど。

こないわよね?

 

「じゃ、姫終わったら教えてね。」

 

「ん。飛ばすなよ」

 

「はーい」

 

さてと、やりますか。

めっちゃ面倒くさいけども。

依頼されたし可愛い服着れるからいいか。

面倒だな…板倉こないよね?

きたらどうしよう。

 




よろしければ感想などお待ちしております。


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13話

皆様お待たせいたしました。
第13話どうぞ!


[姫サイド]

うわ、キラキラフワフワしてて入りたくな。

私は恐る恐る入店した。

「すみません~本日依頼された有川です。」

店名はキラカワラグーン。

ラグーンか~センスな。

軽く調べたら人気店だった店名は気にしないのか。

 

 

「あっ!いらしゃいませ!来てくれてありがとう!私はここの店長の漣恋って言います!」

 

20代後半ぐらいの女性が挨拶をしてくれる。

 

「改めまして東京武偵高校1年の有川姫です。よろしくお願い致します。」

 

「姫ちゃん、素敵な名前!あっまずは詳しいお話をしたいから座って。」

 

言われる通り席に座る。

 

「まずは忙しいのに来てくれてありがとう!昨日突然辞めた子が多くて(・_・;)」

 

「そうなんですか。」

 

その顔文字みたいの何って思ったら負けかな。

 

「それで武偵さんは基本何でもやってくれるから。ダメもとで依頼してみたの!」

 

「確かにそうですけど、なんで私に。」

 

「実はここでバイトしている子が武偵さんでね。有川さんが一番女の子のなかでも凄いって聞いて。」

 

「はぁ。」

 

ここで武偵がバイトしているなんて情報なかったんですけど。

一体誰が。

 

≪ピンポーン!≫

 

「あっ!業者さんだ。ごめんね有川さんちょっと待ってて。」

 

「はい。」

 

人はよさそうね。

そもそも私ど素人なんだけども本当にいいのだろうか。

もっと他に人選あっただろうに。

 

「それはこっちにお願いします~」

 

「よいしょここで大丈夫かな?」

 

ん?この声は

 

「ふぅ、おや?姫ちゃんかい?どうしてこんな所に?」

 

「パ、パパ!?」

 

「あっお姉ちゃんだ!」

 

「春樹まで!?なんで?」

 

「あれ?あれ?あっそうか“有川商店”さんって同じ有川さんだったんだね!」

 

「そうなりますね。」

 

何という事だろう。

まさか、私の実家の“八百屋さん”がメイド喫茶に卸してるとは思いもしなかった。

 

「お姉ちゃん!お姉ちゃん!お仕事?」

 

「うっうん。そうだよ~お仕事。」

 

あぁ、もう愛おしいくてたまんない。

この天使の名前は有川春樹。

小学4年生で私の可愛い弟。

見ているだけで癒される。

お持ち帰りしたら駄目かな。

 

「そうか姫ちゃんお仕事か無理しないでね。」

 

この人は有川昌。

私が幼い頃にママと再婚した義理のお父さんだ。

主に野菜の配達を担当している。

 

「うん、パパも無理しないでね。お酒飲みすぎたら駄目だからね。ママによろしく。」

 

「大丈夫だよこのくらい。ハハ気を付けるよ。うん伝えとくたまには帰ってくるんだよ。それじゃ、また。春樹行くよ。」

 

「うん!お姉ちゃんまたね!」

 

「またね~」

 

もうだめ可愛い。

 

「お疲れ様です~。それで依頼の方なんだけども」

 

「やります!完璧にこなします。」

 

「本当!?良かった~。それじゃ、まず……」

 

私は一通り接客の仕方を教えてもらった。

ここのメイド喫茶はフードに力を入れているらしく比較的安価で食べることができて種類も豊富だ。

なんでメイド喫茶でやろうとしたのだろうか。

 

「とまぁ、こんな感じです。どう?できそう?」

 

「はい、問題ないです。人数は私達だけですか?」

 

「えっとあと一人くるよ!」

 

「おはようございます~…うわマジか。」

 

「は?なんでアンタがここに?」

 

「おろおろ?お知り合いだったの?」

 

「えぇまぁ。」

 

「……」

 

コイツか武偵でバイトしているのって。

 

「なんでアンタが」

 

「それはこっちの台詞よ。」

 

「もう、“咲良ちゃん”喧嘩はっめ!だぞ!」

 

「喧嘩じゃないですよ店長。挨拶です。」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「何よ有川。文句ある?」

 

「別に」

 

一応説明しておくとこの女の名は

浅野咲良、同じ武偵高の1年でクラスはC組の委員長。情報科でBランク。

ことあるごとに私に突っかかってくる女。

 

「制服についてなんだけど、ロングスカートとハーフスカートどっちにする?銃は見えても大丈夫だよ!」

 

「ロングスカートでお願いします。」

 

パンツとか覗かれたら嫌だし。

 

「もしかして有川、日和った?」

 

「は?日和ってないし!ハーフスカートでお願いします!」

 

「ハーフスカート?わかったよちょっと待っててね!」

 

漣さんは更衣室に入っていった。

 

「浅野一体どういうつもりよ、漣さんに私を紹介なんてして!」

 

「活躍している1年の女子を聞かれたから正直に言っただけだし!まさか有川に依頼するなんて思ってもなかったわよ!」

 

「仲いいね~」

 

「よくない!」「よくないです!」

 

なんでコイツとはもるのよ。

 

「はい、有川さん……姫ちゃんってよんでもいい?」

 

「大丈夫です。着替えてきます。」

 

私は更衣室に向かった。

 

なるほどこういう構造ね。

渡された服は通気性がよく可愛いデザインだ。

サイズもピッタリ。

銃も忘れずに携帯しておかないと。

 

「着替えました。」

 

「凄い似合ってるよ!姫ちゃん!お胸大きくて羨ましいね沙良ちゃん!」

 

「たっただの脂肪ですよ!いうて店長は小さくないじゃないですか!」

 

「えぇ~そうかな~」

 

漣さんは自分の胸を確認しながら言った。

 

「っく・・・・・・」

 

浅野は悔しいでしょうねぇ。

 

「何よ!有川!」

 

「別に肩凝らなくてよさそうだなって思っただけよ。」

 

「こんの・・・・・」

 

「咲良ちゃんもうオープンするから着替えてきて~」

 

「はい、わかりましたよ。」

 

浅野はしぶしぶ更衣室に行った。

ふん、ざまぁ。

 

 

 

【咲良サイド】

 

「別に良いじゃないの大きくなくて。」

 

有川の奴、勝ち誇った顔してムカつく。

Cカップで何が悪い篠原さんに言いつけるぞ。

あんなのただの脂肪なんだから!

ね!篠原さん!

 

 

 

「はっくしょん!」

 

「風邪?望海ちゃん?」

 

「誰か噂しているのかな~。あっお迎えきたから行くね!」

 

「はーい気を付けてね。」

 

 

 

 

いけないいけない早く着替えないと!

 

「でもまぁ、有川がいれば安心ね。」

 

一時はどうなるかとおもったけどこれで一安心、頼りにしているわよAランクさん。

 

 

 

【姫サイド】

 

「店長~お待たせしました。」

 

「うん!今日の沙良ちゃんも可愛い!あとはよろしくね!」

 

「はい、わかりました。」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「何よ有川」

 

「・・・・・・・・・・・さまになっているのね。」

 

「そりゃどうも。店長は今日は厨房だから私と有川が接客なんだけどできるの?」

 

「私を誰だと思っているのよ。」

 

「はいはい、Aランク武偵さんだったわね。」

 

「一つ質問」

 

「何よ?」

 

「なんでアンタはロングスカートなのよ!」

 

「ロングが好きだからよ!・・・・・・・・・・・はぁ、オープンするわよ準備はいい?」

 

「ん」

 

「だから“ん”は返事じゃないでしょ、ったく」

 

浅野はお店の看板をオープンにし、店内BGMを流す。

 

「しっかり頼むわよ、Aランクさん」

 

「言われなくても」

 

「お客様がお見えになるわ、いい?」

 

「「お帰りなさいませ!ご主人様!」」

 

いっちょ、やりますか。

 

「店長!ふわふわオムライス入ります!」

 

「漣さん!モリモリチャーハンお願いします!」

 

「は~い少し待っててね!」

 

普通に忙しいぞこのお店。

 

「すみません~注文いいですか~」

 

「はーい、有川あちらのご主人様お願い」

 

「ん」

 

「アンタはまた、んって言って」

 

浅野がとやかく言っているがいつもの事か。

 

「お待たせいたしましたご主人様!」

 

「お?新人さんかい?」

 

「1日体験なんです~」

 

私は笑顔で答える。

 

「そうなんだ後でチェキお願い、それと地獄ドリンクお願い。」

 

「かしこまりました!ご主人様!浅野さん地獄ドリンクお願い致します。」

 

「……わかりました!」

 

浅野が一旦フリーズした。

何よ私だってアンタにこんな声色で話したくないわよ。

 

「姫ちゃん、咲良ちゃんお料理お願い~」

 

漣さんが厨房から声をかける。

 

「有川さん、ふわふわオムライスお願い。」

 

「・・・・・・・・・・・お待たせ致しました!ふわふわオムライスです~」

 

「君可愛いね~新人?」

 

「はい!1日体験メイドなんです~。ご主人様絵は何書きますか?」

 

「う~んそれじゃ、大好きって書いてもらおうかな。」

 

「は~い」

 

私は心がこもってない大好きの文字をケチャップで書く。

 

「ありがとう~」

 

「いえいえ~ごゆっくりお休みください~」

 

顔に出てないよね少し心配。

 

「それ?本物?」

 

「きゃ!?お触りは厳禁ですよ!ご主人様!」

 

っち、八倒すぞおっさん。

 

「ハハ、ごめんよ。」

 

「私、武偵なので本物ですよ~」

 

「咲良ちゃんと同じ?」

 

「はい!同じ1年なんです~」

 

「咲良ちゃん学校ではどんな感じ?」

 

「そうですね~はきはきとしてて人気者なんですよ~私尊敬しちゃう!」

 

「へぇ~そうなんだ」

 

興味ないのなら聞くな。

 

「………(何よ浅野文句ある?)」

 

「有川さん、次の料理お願い(いや少し気持ち悪いなと。)」

 

「わかりました~(は?撃つわよ)」

 

「お願いね~(だってアンタがあんな事言うなんてね~)」

 

「は~い(言っておくけど本心じゃないから)」

 

「はいはい」

 

声出したらアイコンタクトの意味なくなるだろ。

 

 

 

 

「ふぅ、ひとまずピークは過ぎたね。姫ちゃん、咲良ちゃん」

 

「そうですね~流石に疲れました。」

 

「………ふぅ」

 

さっきまで忙しかったのに今はがら空きだ。

ずっと居座る客がいないのは意外だ。

 

「姫ちゃん、すごいね!流石、Aランク武偵さん!」

 

「別に普通です。」

 

「やるじゃん有川」

 

「アンタはもう少し愛想よくしたら?忙しくてもさ。」

 

「は?してますけど!」

 

「こらこら喧嘩はっめ!だぞ。」

 

「「してない!」」

 

「仲いいんだから~」

 

「よくないですよ店長」

 

「お腹空いた……」

 

「少し休憩しようか!……お帰りなさいませ!ご主人様!」

 

「お帰りなさいませ!ご主人様!」

 

休憩しようとしてるときに。

 

 

「3人なんですけど空いてます?」

 

「あら、リンさんお帰りなさいませ。」

 

は?カユゥ。

それにキモオタと………板倉!

 

「いってらっしゃいませ!お嬢様!ご主人様!」

 

「え!?姫ちゃん駄目だよ来たばかりなのに!」

 

「あら私ったらごめんなさい漣さん。ご案内致しますね!」

 

3人を席に案内する。

 

「ご注文はお水でいいですか?」

 

「まだ頼んでないでござるよ姫ぇ」

 

「………何しにきた冷やかしか?」

 

「有川、似合ってるぞ」

 

「姫、可愛い!」

 

「殺す」

 

「ちょっとお店で物騒な事言うなし有川。」

 

「・・・・・・・・」

 

「黙るなし!はろはろ、板倉君、リンさん、それに・・・・・・・・竜胆君だよね?」

 

「ちちち違うでござるよ!」

 

「戸惑い過ぎだぞ優飛」

 

「瘦せたらめっちゃイケメンだったんだ。意外」

 

「だって良かったわねお兄ちゃん………あ」

 

「お兄ちゃん?へぇ~なるほどなるほど。私の情報はあってたか。」

 

「え!?知ってたの?浅野さん?」

 

「まぁ、なんとなくね~深いことは聞かないわ。ご注文は何にする?」

 

「俺はふわふわオムライスで」

 

「私はキラメキパフェで!」

 

「拙者は~」

 

「いつものでしょ?」

 

「ござる」

 

「いつものっていつもきてるの?お兄ちゃん?」

 

「まぁそうなるでござるな」

 

「汗大丈夫か?優飛?」

 

「問題ござらん!」

 

「ご注文ありがとうございます!お嬢様、ご主人様!ほら有川!」

 

「ありがとうございます♪楽しみに待っててね♪」

 

「姫、顔引きつってるわよ」

 

「えぇ~そうですか~姫わかんない~」

 

絶対後で締めてやる!

 

「有川、ほらパフェ作るわよ」

 

「はーい♪」

 

 

 

 

 

 【双介サイド】

「なぁ、やっぱりやめたほうが良かったんじゃないか?有川のあんな声初めて聴いたぞ」

 

「私もよ双介。それにしても姫似合ってるわね~」

 

「そうだな~。後が怖いけどな。」

 

「まぁ、いいじゃないの。こんな姫中々見れないんだし。」

 

「だな。優飛?本当に大丈夫か?」

 

「だっだ大丈夫でござるよ何でもござらん!」

 

「顔色悪いわよ、お兄ちゃん。」

 

「気の精霊さんでござる」

 

 

【姫サイド】

 

「絶対に殺す」

 

「有川、声に漏れる」

 

「うっさい知ってるわよ。」

 

なんで来たのよあの3人!

来るなっていったのに。

 

「ふわふわオムライスできたよ~」

 

「はーい!ほら有川持って行って。私はパフェ持っていくから。」

 

「・・・・・・・・ん」

 

「ほんとそれ、返事なのアンタの。」

 

 

 

「お待たせいたしました!キラメキパフェです!」

 

「ありがとう!浅野さん。」

 

「お待たせいたしました!ふわふわオムライスです♪絵は何を書きますか?」

 

「お任せで」

 

「わかりました♪」

 

私はケチャップで文字を書く

 

「有川その・・・・・・・・すまん」

 

「え?何がですか?ご主人様♪」

 

「有川~アンタ何でご主人様に殺って書くのよ!」

 

「お任せって言われたので~」

 

腹の虫が収まらない。

板倉、アンタは締め落とすからな。

 

「はぁ~お待たせいたしました!竜胆お兄ちゃん!妹愛情ケーキです!」

 

「は?妹愛情?」

 

「キモ」

 

カユゥと私がほぼ同時に反応する。

 

「ここここれはその!ただのケーキでござるよ!」

 

「どうしたの?竜胆お兄ちゃん?ほらあーん」

 

「あーん」

浅野がキモオタにあーんをしている。

 

「美味しい?竜胆お兄ちゃん!」

 

「お美味しいでござる~はははは」

 

「お兄ちゃんねぇ~へぇ~」

 

「カユゥ!?これはその誤解というかそのでござるよ!」

 

「べっつに~お会計お兄ちゃんがしてくれるんでしょ?」

 

「え!?でも奢ってくれるって・・・・・・・・承知でござる。」

 

キモオタはカユゥの気迫に負けた。

ざまぁみろ。

 

「竜胆お兄ちゃんもうケーキいらないの?」

 

「浅野殿、もう勘弁してほしいでござる」

 

「あっはは。ごめんね!面白くて。リンさん大丈夫だよいつもはあーんしないから。」

 

「別に気にしてないわ。」

 

噓つけ拗ねてる顔のくせに。

なんだかんだ言ってキモオタの事

好きなのね。

いい兄弟じゃない。

キモオタの焦っている顔見て少しはマシになった。

 

「美味いなこのオムライス」

 

板倉アンタはよく食えるな。

殺って書いてあるオムライス。

 

「みんな武偵さんなの~?」

 

「あ、店長。そうですよ。」

 

「そうなんだ!姫ちゃんのメイド服可愛いよね!」

 

「はい!可愛いです!私も着てみたい!」

 

「本当に!?でもサイズあるかな~」

 

「あぁ~大きいからか。そうだったリンさんは向こう側の人間か」

 

「浅野さん?向こう側って?」

 

「乳デカ連盟」

 

「えぇ~」

 

カユゥが困った顔をしている。

 

「負け惜しみは見苦しいわよ浅野」

 

「はぁ!?誰が!」

 

「こーら!ご主人様達の前で喧嘩はめ!」

 

「「すみません」」

 

浅野のせいで漣さんに怒られた。

 

「板倉鼻の下伸ばすな」

 

「は?してねぇよ!」

 

「姫ちゃん!ご主人様にそんな口聞いたらめ!」

 

「はーいごめんなさい」

 

っち怒られた。

他愛のない会話が進んでいった。

 

 

「ふぅ、楽しかった!ご馳走様お兄ちゃん」

 

「すまんな優飛」

 

「大丈夫でござるこのくらい……」

 

「また来てね竜胆お兄ちゃん!」

 

「あ浅野殿!」

 

「ごめんごめんw」

 

浅野がキモオタに絡んでいると

 

 

≪バン!≫                    

 

入り口が勢い良く開き、複数人男性が入店する。

 

「漣さん~まだこんなちんけな店で営業してたのですか?そろそろ私の所で働きなさい。」

 

太った男が漣さんの腕を掴み引き寄せた。

 

「きゃ!?やめてください!その話は前に断ったはずです!近藤さん!」

 

「生意気な口を聞いていいんですか~。」

 

「みんな!逃げて!私は大丈夫だから!」

 

「おや~よく見れば可愛い子がいるじゃないですか~おい連れてこい」

 

「へい兄貴」

 

男の1人がカユゥに向かって接近する。

 

「これ以上近づいたらただじゃすまんでござるよ」

 

キモオタがカユゥの前に立ち、言い放った。

 

「はぁ?ただのガキが何言ってんだ!」

 

「っふ!」

 

「ぐあ!?」

 

キモオタが近くにあった飴を男の目にめがけて投げた。

 

「ねぇ、おっさんそろそろ漣さんを離してくれない?私の大事な人なんだけど?」

 

「おっさん!?この私におっさんだとぉ!おいお前等懲らしめて私の元に連れてこい!」

 

「な!待て!っち」

 

くそ漣さんが連れていかれた。

ざっと20人ぐらいかどうするか。

 

「姫!私達は大丈夫だから!店長さんをお願い!」

 

「カユゥでも!」

 

「有川大丈夫だ素人集団なんて俺達にかかれば余裕だ」

 

「Eランクのくせにいっちょ前に。はぁ・・・・任せた!私は漣さんを追う!」

 

まぁ、これも板倉の成長に繋がるからいいか。

 

「有川!アンタ一人で行く気?」

 

「そうだけど!せい!」

 

向かってきた男を蹴り上げる。

 

「連れていかれた場所なら心当たりある!私も行く!」

 

「あっそうアンタ、ついてこれんの?」

 

「当たり前!これでもBランクなので!」

 

「板倉!カユゥ!キモオタ!お店の残党まかせた!」

 

「行くぞお前等!ただのガキだ!」

「「「「「おー---!」」」」

 

「そんじゃ!お願いね3人とも!」

 

私と浅野は入り口を突破し、外に出る。

 

 

 

 

 

【双介サイド】

「なぁ、優飛競争するか?」

 

「拙者の圧勝でござるよ?」

 

「言ってろ!器物破損及び」

 

「誘拐の容疑で!」

 

「貴方達を逮捕します!お願い、

お兄ちゃん、双介!」

 

「カユゥは更衣室に!」

 

「えぇ、わかったわお兄ちゃん!」

 

カユゥが更衣室に入ったのを確認すると優飛は更衣室の前に瞬間移動する。

 

「な!?コイツ何者だ!」

 

「拙者はただの武偵でござる・・・よ!」

 

パイプ椅子で男Cをけん制する。

 

「くそ!これなら!」

 

男Dは拳銃を取り出す。

 

「双介氏~この勝負拙者の勝ちでござる!」

 

「っふどうかな!」

 

俺はベビーイーグルを取り出し構える。

男がうじゃうじゃと鬱陶しいからさっさと終わりにするか。

 

「ここは癒しの場だぞ?おっさんなんてお呼びじゃないんだよ!」

 

 

 

 

【姫サイド】

 

「有川!後ろ乗って!」

 

浅野がバイクに乗って言う。

 

「アンタ免許持ってたっけ?」

 

「待ってます!ほら早くメット被って!」

 

「はいはい」

 

「それじゃ飛ばすわ!」

 

「マジ」

 

どうして私の周りはこうも飛ばしたがるのか。

メイド服のまま出てきたから結構周りの目が集まるわね。

ニュースとかになってたら嫌だな。

 

「そんで漣さんが連れていかれた所はどこ?」

 

「新しくできたメイド喫茶よ!昨日辞めた子も引き抜きにあってね。それに違法に営業しているみたいなの」

 

「なんで警察は動かないのよ!」

 

「証拠がないからよ!私はある程度情報が持ってたからしってるだけ!」

 

「なら早く捕まえたらいいじゃない!」

 

「それができたらしてるわよ!でもこうしてのこのこと来てくれたから!チャンスって訳!アンタもいるしね!」

 

「あっそう!寒いんだけど!」

 

「知らないわよ!アンタがハーフスカートにしたのが悪いんでしょ!」

 

「アンタが言うなし!」

 

「なによ!」

 

バイクはみるみるスピードが出てあっという間に目的地に着いた。

 

「行くわよ!有川!」

 

浅野はロングスカートからグロック19を取り出す。

 

「指図すんなし!」

 

私は太もものホルスターからグロック18Cを取り出し新しくできたというメイド喫茶の中に入った。

 

「武偵よ!大人しくお縄につきなさい!」

 

「手下共はどうした!」

 

「たぶんくたばってるわ。」

 

「姫ちゃん、咲良ちゃんどうして……」

 

服が引き裂かれてる漣さんが言う。

くそ外道がなんでこうもこんな人間ばかりいるのか。

 

「漣さんは私の依頼者ですから。すみません、漣さんを危険な目に合わせて武偵失格ですね。」

 

「Aランクが一人いなくなるか~残念」

 

「ちゃちゃを入れるな浅野」

 

「はいはい。店長私達は武偵です。ですので依頼してください。私を助けてと。」

 

「何をごちゃごちゃと!お前等やれ!」

 

黒服の男がぞろぞろと現れた。

 

「ごちゃごちゃなのはアンタ等クズ共よ!漣さんお願いします!」

 

「・・・・・・・・・・・姫ちゃん、咲良ちゃん!私を助けて!」

 

「「かしこまりました!メイド長!」」

 

「器物破損及び」「誘拐の容疑で」

 

「「アンタ等を逮捕する!」」

 

「浅野!」「はいはい」

 

浅野は黒服の男達の相手をする。

 

 

 

 

 

【咲良サイド】

 

「さーてお掃除のお時間ですよ~」

 

店長、ごめんなさい。

私がもっとはやく行動に移せたのならこんな目に合わせずに済んだのに。

私がAランク武偵ならすぐできたのに!

 

「失せろ!雑菌共!」

 

≪ダァン!ダァン!ダァン!≫

 

私はグロックを照明めがけて発砲した。

暗くなったからやりやすい。

 

「この!」

 

黒服Aがナイフを持って突っ込んでくる。

 

「邪魔なのよ!」

 

スルリと躱し、首元をグロックで殴る。

 

「纏まってかかってきなさい!お掃除するから!」

 

「なんだと!」「このガキ!」「やっちまうぞ!」

 

安い挑発にのってくれて良かった。

 

「3,2,1ドカーンってね」

 

閃光弾を私の足元に落とす。

黒服の男達はまんまと引っかかる。

 

「それでも黒服?情けないわね!」

 

私は次から次へと黒服の首筋を強くグロックで殴り無力化をしていく。

 

「はい、お掃除完了」

 

後は任せたわよ姫!

 

 

 

 

 

 

【姫サイド】

「今なら怪我をしないで済むけどどうする?おっさん?」

 

グロックを構えながら近藤と呼ばれていたおっさんに接近する。

 

「こっこのアマ!また私をおっさんと言いやがって!これ以上きたらこの女の命はないぞ!」

 

「きゃ!?」

 

近くにあったナイフを漣さんに突きつけた。

 

「これ以上罪を重ねて・・・・・・・・・・・はぁ~」

 

「馬鹿にしやがって!どうなってもいいのか」

 

「おっさん、私が撃つのとナイフで刺すのどっちが速いと思う?」

 

「ナイフに決まって」

 

≪パン!パン!≫

 

「うわぁ!?」

 

私はナイフめがけて一発、足元目がけて一発撃った。

怯んだ隙に詰め寄り漣さんを救出する。

 

「ありがとう姫ちゃん。」

 

「遅くなってすみません。浅野!」

 

「はいはい。店長こちらです!」

 

浅野を呼び漣さんを近藤から距離を取らせた。

 

「っくくそぉ!覚えてろ!」

 

私達に背を向け情けなく走る。

 

「逃がすか!」

 

私は全力で走り後ろ姿の近藤目がけてラリアット。

 

「ぎょえ!」

 

「大人しくしろ豚が!」

 

転がった近藤に関節を決める。

 

「痛い痛い痛い!」

 

「そのまま寝てろ!」

 

「ぐふぇ………」

 

落ちたか。

 

「ふぅ。これにて終了。浅野!」

 

「もう警察呼んでる、というか自分で呼びなさいよ!」

 

「うっさいBランク」

 

「ふん。漣さん、他に何かされてませんか?」

 

「姫ちゃん達がすぐきてくれたから服を切り裂かれただけで済んだよ。あっでも少し口で」

 

「大丈夫です!言わなくて!」

 

「店長なんで平気そうなんですか~」

 

「昔ちょっとそういうお店で~」

 

「そうなんですか!?知らなかった。」

 

「えへへ」

 

えへへって。

人それぞれ色々あるから深くは聞けないか。

 

「とりあえずこれを。」

 

私はバスタオルを漣さんにかけてあげた。

メイド喫茶にバスタオルなんて何に使うんだが。

 

「にしても、メイド喫茶じゃないわね。シャワー室なんてあるし風俗店じゃないこんな雰囲気」

 

「アンタ行った事あるの?」

 

「ないわよ!」

 

「もう、すぐ喧嘩する~」

 

「してない!」「してないです!」

 

なんてやりとりしていると警察がきて近藤達を回収していった。

 

 

 

 

 

【キラカワラグーン】

板倉から連絡がきて片付け終わったみたいなので私達はお店に行った。

 

「有川、お疲れさん」

 

「ん」

 

「アンタはまたそういう返事を」

 

「で?なんでキモオタと板倉は正座してるわけ?」

 

「気にしなくていいわ姫」

 

「あっそう」

 

気になるけどどうせくだらない事か。

今回の件、望海ちゃんがいなくて良かった。

怪我人多数になってたと思うし。

 

「皆、ありがとうねお店守ってくれて」

 

「仲間を信じ仲間を助けよ。このくらい普通よ浅野さん」

 

「そうだね。あと浅野さんっていうより咲良ってよんで私もカユゥって呼ぶから。」

 

「わかったわ咲良」

 

「そんじゃ、私と有川は報告しないといけないからこれで。またね竜胆お兄ちゃん!」

 

「あ浅野殿!」

 

「さて私達も帰りますか行くわよ双介、お兄ちゃん」

 

「あ、板倉」

 

「なんだ有川」

 

「私のメイド服姿見たから今度締めるから。」

 

「なんでだよ!」

 

「アンタが一番見てたから!あと浅野の胸と比べた!」

 

「え!?そうなの?板倉君」

 

「双介、最低ね」

 

「なんでこうなるんだよ」

 

「南無でござる」

 

「キモオタアンタもな。」

 

「ござる!?」

 

メイド喫茶来た罰だっての。

ばーか。

 

 




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