ピンクの悪魔(亡霊)「・・・お腹がすいたわ妖夢」 (空たん)
しおりを挟む

#1

以前書いていたも二次創作のリメイクです


西行寺幽々子。

 

白玉楼の主にして冥界に住む亡霊の管理者。

 

由緒正しい我が西行寺家であるが今、大きな問題に直面している。

 

 

「どうしたのですか?幽々子様、食事の時間にはまだ早いと思いますが・・・」

 

 

妖夢の物言いに少しむっとしてしまう

 

 

「失礼ね妖夢、私が常に食べ物のことを考えているとでも?」ググー

 

・・・・・お腹すいた

 

「食事のことではないわ、ちなみに今日は何を作るのかしら?」

 

 

べ、べつに夜ご飯が気になったわけではないんだからね

 

 

「今日は洋食に挑戦しようと思いまして十六夜殿から学んできました」

 

 

洋食!いつもは和食だから新鮮だわ

 

 

「楽しみね、それとは別に大事な話があるの」

 

「食べ物以外の話をするなんてあなたは本当に幽々子様ですか?!」

 

「妖夢、私でも怒る事もあるのよ・・・」

 

「すみません」

 

 

笑顔で語りかけると素直に謝ってくれた

 

 

「わかればよろしい」

 

 

やっと本題に入れるわね

 

 

「今、西行寺家始まって以来の窮地に陥っているわ」

 

「そ、そんな!?、いったい何があったのですか!!」

 

「それは・・・」

 

 

妖夢は喉を鳴らし私の言葉を待っている

 

恐らく私の真剣な表情のせいで緊張感が増しているのね

 

 

「それは、食費が底をつきそうなの」

 

「え・・・」

 

 

ふふふ、事の重大さに言葉も出ないようね

 

妖夢は震えながら下を向いている

 

 

「幽々子様、たった、たったそれだけのことで西行寺家の窮地だとおっしゃりたいのですか!?」

 

「それだけとはなによ!私にとっては死活問題よ!!」

 

「死活問題って・・・私はともかく幽々子様は幽霊じゃないですか!

 

幽霊である幽々子様は本来、食事を必要としないのですよ!?」

 

 

事の重大さを理解していない妖夢は反論してくる

 

 

「そ、そんなぁ~。御飯がないと死んでしまうわ」

 

「もう死んでいらっしゃるでしょう!!」

 

「うう、いつから妖夢はこんなにも冷たくなってしまったの・・・」よよよ

 

 

泣きまねをするが妖夢の顔は険しいままだ

 

 

「泣きまねしたって食費はどうにもなりませんよ」

 

「そうなのよね・・・」

 

「やっぱり働くしかないのでは?」

 

「なん、だと」

 

 

この子は言ってはならないことを

 

 

「やーだー!働きたくなーいー!」

 

「はぁ~仕方ありませんねぇ」

 

「え?」

 

 

妖夢は深い溜息を吐く

 

 

「私が出稼ぎをしてまいりますので幽々子様は安心してください」

 

「妖夢・・・」

 

 

どことなく悲しげな雰囲気を醸し出している

 

 

「もしかして何かやりたいことでもあった?」

 

「ゔっ」

 

 

当てずっぽうで言ったけど本当だったなんて

 

 

「なにかしてみたい事でもあるのかしら?」

 

「じつは・・・学校に行ってみたいのです・・・」




ありがとうございました


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

#2

この物語は私の独自解釈で進めていきます

なので性格が少し違う部分があるかもしれません

それでもいいという方はどうぞ!



妖夢は気まづそうに呟いた

 

 

「学校?寺子屋ではなくて?」

 

 

学校・・・初めて聞く単語ね

 

 

「幽々子様のご友人である紫様にお聞きしたのです

『外の世界には学校という教育受けられる施設があるの』と

それ以来気になってしまって・・・」

 

 

外の世界ね・・・

 

 

「妖夢、もし外の世界に行けるとしたら学校に通ってみたい?」

 

「はい!・・・はっ!い、いえ私は幽々子様の従者であって、

 

それに食費だってなんとかしないと・・・」

 

 

ここは私が頑張ろうかしらね

 

 

「大丈夫よ、私がなんとかしてあげるわ

 

それに妖夢が初めて言ったわがままですもの、主として叶えてあげたいじゃない?」

 

今の私、すごくカッコいいわ!これがカリスマね!

 

「ゆ、幽々子様ぁぁぁ!!!」( ;∀;)

 

 

涙を流しながら私に抱き着いてくる

 

 

「可愛いな妖夢!」

 

 

私も優しく抱擁する

 

 

「聞いてるわよね?紫」

 

 

視線を上に移して紫を呼ぶ

 

 

「呼んだかしら?」

 

「ずっと覗いていたくせに白々しいわよ」

 

「あらそう?」

 

 

昔からの友人である八雲紫と軽口をかわす

 

 

「話は聞いていたとうりよ、白玉楼と一緒に私たちを外の世界に送ってくれないかしら」

 

「ふふっ、お安い御用よ

 

お金の方は1年分ほど用意してあげる・・・もちろん幽々子基準でね」

 

「あら、助かるわ」

 

「それと、幽々子にはとある場所で働いてもらうつもりだから

 

また連絡するわね」

 

「わかったわ」

 

 

私が働くことになるなんてね

 

妖夢から離れて縁側に座る

 

 

「記憶をなくす前の私は何をしていたのかしらね・・・」

 

 

私は西行妖を見ながら誰にも聞こえない声で呟いた

 

 

 

 

 

 

 

「幽々子様!」

 

 

紫と話をしていると妖夢からお呼びがかかった

 

 

「お食事の準備が整いました!」

 

「ありがとう妖夢、あと食事がすんだら出発するから準備しておいて」

 

「はい」

 

 

食卓に着き、並べられている料理を見る

 

 

「こ、これは?!」

 

 

普通の10倍はありそうな特大オムライス!しかも半熟だわ!

 

 

「えへへ、前に食べたいとおっしゃっていましたので作ってみました」

 

 

頭をかきながら照れている妖夢・・・可愛い

 

 

「あら?私にも用意してくれたの?」

 

 

横を見ると紫の分(普通サイズ)が置かれていた

 

 

「はい!どうせならご一緒したいと思いまして」

 

「そう、ありがとう」

 

 

全員が席に着いたのを確認し、合掌する

 

 

「では、いただきましょう!」

 

「「いただきます」」

 

 

トロトロの半熟卵にスプーンを入れ、一口分をすくいとると口に運ぶ

 

 

「美味しい・・・」

 

 

半熟卵がケチャップライスを包み込み酸味を抑えつつ甘みを引き出している

 

 

「美味しいわね」

 

 

どうやら紫の口にもあったらしく私は鼻が高くなる

 

 

「妖夢の料理は美味しいでしょ!」ドヤァ

 

「貴女が作ったんじゃないでしょ」

 

「あはは、ありがとうございます紫様」

 

 

そのまま食は進んでいき私が一番早く食べ終わった

 

 

「2人ともゆっくり食べすぎじゃない?」

 

「「幽々子(様)が早すぎるのよ(です)」」

 

 

なんで私がせめられるの

 

 

 

 

 

 

 

 全員が食べ終わり、一息ついたところで時間がきたらしい

 

 

「じゃあ外の世界に送るけど準備はいいかしら?」

 

「はい!かまいません!」

 

「私からは一ついいかしら?」

 

「いいわよ」

 

 

どうしても聞きたいことがある

 

 

「私たちを外に送って何がしたいの?」

 

「それわね・・・」

 

 

紫は扇子で口元を隠して微笑んだ

 

 

「ひ・み・つ❤」

 

 

そう言うと私たちは隙間に呑み込まれ、気づいた時には外の世界だった

 

 

「・・・紫には困ったものだわ~」

 

 

次会ったときは絶対に殴ってやると決意して

 

外の世界をふみだs ググゥー・・・

 

 

「妖夢~お腹すいた~」

 

「先ほど食べたばかりじゃないですか」

 

「む~けち~」

 

「私が悪いのですか!?」

 

「こうなったら、このわた飴みたいな白いの食べようかしら」

 

 

妖夢の半霊を掴み、口元に持っていく一度食べたいと思っていたのよ

 

わた飴みたいで美味しそうだったのよね

 

 

「わかりました!今すぐ用意しますので半霊を食べるのは冗談でもやめてください!」

 

 

冗談ではなかったけれど

 

 

「しかたないわね」

 

 

半霊を離すと素早く妖夢の元へ逃げて行った

 

心なしか涙を浮かべているように見えるのは気のせいだと思いたい

 

 

まぁ、世界を見て回るのは明日からでもできるわよね

 

 

 

 

 

 

 

 

そっと目を閉じ、料理ができるのを待った

 

 

 

 

 

 

 

 




ありがとうございました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

#3

この物語は私の独自解釈で進めていきます

なので性格が少し違う部分があるかもしれません

それでもいいという方はどうぞ!


こちらの世界に来てから一週間、未だに紫からの連絡が無い

 

そして、最近の妖夢は楽しそうにしているし

何を聞いても「秘密です」の一点張りなため諦めた

 

とにかく紫からの連絡が来ない限り何も出来ないため

おやつを食べながらのんびり過ごす日々が続いている

 

「幽々子様、お茶のご用意が出来ました」

 

「ありがとう」

 

 

目の前に置かれたお茶を飲む

 

 

「・・・あら?」

 

 

いつもより美味しい?

 

 

「妖夢・・・お茶っ葉を変えたのかしら?」

 

「いえ、いつもと同じものを使用してますが、どうかなさいましたか?」

 

「何も無いわよ?ただいつもより美味しかったから」

 

「そうですか」

 

 

妖夢はどこか嬉しそうに机を挟んで向かい側に座った

 

 

 

 

二人でまったりとした時間を過ごしていると妖夢の横に隙間が出現した

 

 

「久しぶりね幽々子」

 

 

隙間から姿を現し、当たり前のように座る

 

 

「妖夢、お茶を入れてあげて」

 

「はい」

 

「それで、何をしに来たの?」

 

「仕事を持って来てあげたのに態度が大きいわね・・・ありがとう妖夢」

 

「私は何をすればいいの?」

 

 

記憶をなくす前は知らないが今まで仕事なんてした事がない

四季映姫から冥界の管理を任されているがほとんどすることはなく

暇を持て余しながらお茶を飲むぐらいしかしていない

 

 

「ふふっ、貴女にピッタリの仕事よ

幽々子には『遠月学園』という学校で教師をして欲しいの”食べる”専門のね」

 

「食べる専門?それは仕事になるの?」

 

「えぇ、貴女は料理学校で美味しさの評価をするだけでいいの

しかも、それ以外は何もしなくていいわよ」

 

「料理を食べるだけでお金が貰えるなんて、そこは天国かしら」

 

「ちなみにその学校に妖夢を通わせる予定だから」

 

「妖夢が料理の勉強をするなんて、今まで以上に美味しいご飯が食べられるのね!」

 

 

楽しみだわ!

 

 

「お任せください幽々子様!」

 

「じゃあ幽々子、ついて来てちょうだい、遠月学園に連れて行くわ」

 

「えぇ」

 

 

紫は隙間を開き中に入るよう促す

 

 

「お留守番お願いね」

 

「任せてください」

 

 

隙間に入り目を閉じる

 

 

「着いたわよ」

 

 

相変わらず便利な能力だと思いつつ目を開ける

 

 

「ここは?」

 

「遠月学園、総師の部屋よ」

 

「いかにも儂が総師の薙切仙左衛門じゃ」

 

 

仙左衛門に続き私も自己紹介をする

 

 

「西行寺幽々子、料理は出来ないけれど食べるのは大好きよ」

 

「うむ、時に西行寺殿」

 

「何かしら?」

 

「白玉楼に所縁ある者だろうか?」

 

「よくわかったわね、私は白玉楼の主人をしているわ

どうして知っているかお聞きしても?」

 

「知っているも何も我が家の隣に突然現れたではないか」はっはっは

 

「それは初耳だわ」

 

 

紫にジト目を向ける

 

 

「あら?知らなかったわ」

 

「白々しい」

 

「して、お主を教師にするにあたって一つテストをしたいと思う

おーい持ってこい!」

 

 

仙左衛門は扉に向かって叫ぶ

すると扉が開きメイドらしき人たちが料理を運んでくる

 

その量はかなり多い

およそ大きなテーブル五つ分ってところか

 

 

「遠月には多くの生徒が在籍しておってな、1日に大量の料理を食さねばならん

そこで、ここにある料理を全て食べ切ってもらう」

 

「この量を?」

 

「そうじゃ、無理はせんで「ごちそうさま」もいいぞ・・・え?」

 

 

部屋いっぱいにあった料理が一瞬にして消えたことに仙左衛門は冷汗をかいている

 

 

「ご、合格じゃ今年度から教師として迎えよう」震え声

 

「意外と簡単だったわね」

 

こんな量でいいなら楽勝だわ

 

「ゆ、紫殿

よく食べるとは聞いておったが一瞬であの量が消えたぞ」コソコソ

 

「よく食べる子でしょ?」クスクス

 

 

む〜声が小さいからよく聞こえないわ

 




ありがとうございました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

#4

この物語は私の独自解釈で進めていきます

なので性格が少し違う部分があるかもしれません

それでもいいという方はどうぞ!

今回は妖夢sideとなっています


「ここが試験会場」

 

初めての経験に胸の鼓動が治らない

しかし、こういった学校に通うチャンスをくれた幽々子様の為にも必ず受かってみせる

 

「そこで何やってんだ?」

 

「うえ?!」

 

 

自分に喝を入れている最中に突然声をかけられた為

変な声を上げてしまった

 

 

「お前も試験受けんのか?」

 

「そ、そうだが・・・」

 

「なら一緒に行こうぜ」

 

「わ、わかった」

 

 

どうやら同じ受験者だったらしい

 

 

「俺、幸平創真、よろしく!」

 

「魂魄妖夢です」

 

「魂魄ってなんか呼びずらいな妖夢でいいか?」

 

「構いません」

 

「じゃあ妖夢、行こうぜ」

 

 

どうやら悪い奴ではなさそうだ

 

入り口のドアを開け道を進んでいく

試験会場と思われる場所に着くと教室を埋め尽くすほどの人がいた

 

 

「こんな受けんのかすげぇな」

 

「そうですね、やりがいがありそうです」

 

「お前って意外と熱い奴なんだな」

 

「別に普通だと思いますが」

 

 

幸平と雑談を交わしていると急に生徒たちが雪崩のごとく教室から出て行った

 

もう試験が始まったのか?と思いながら周りを見渡すが

まだ始まってはいないようだ

 

 

「受験者は”0”ね

緋紗子、今日は試作のスイーツを作ろうと思うのだけれど試食を頼めるかしら」

 

「はい、喜んで!」

 

 

どうやら私たちに気づいていないらしい

 

 

「あ、あn「あの〜試験受けたいんだけど?」

 

 

私に被せるように幸平が試験官らしき女性を呼ぶ

 

 

「私が試験官と知って試験を受けようとするなんてよほどの自信家なのかしら?

あるいはただの馬鹿かしら?」

 

「は?知らねぇよ、妖夢は知ってるか?」

 

「私も存じ上げません、すみません」

 

「貴様ら!薙切えりな様を知らないと言うのか!!」

 

 

御付きと思われる女性がすごく怒っている

 

 

「すみません」

 

「うん、知らね」耳ホジホジ

 

「貴様ら!!」

 

「緋紗子、いいわ試験を受けてあげるわ

内容は先ほど言ったとおり”卵”を使った料理で私を唸らせたら合格よ」

 

 

卵・・・何を作ろうか迷うな・・・

しかも試験ということは普通の品を出せばいいというものではないだろう

 

ならばあれしかないな!

 

作る料理を決め食材に手を伸ばす

 

 

 

作業をすること數十分先に完成したのは私のようだ

 

完成した品を試験官の所に持っていく

 

 

「これは?」

 

「出汁巻卵です」

 

自分の料理を自信満々に差し出す

 

「・・・あなた、私を舐めているの?こんな庶民料理、食べる価値もないわ!」

 

「え?!そんな、困ります!」

 

「そんなこと私には関係ないわ」

 

「・・・わかり、ました」(´・ω・`)

 

 

私は料理を下げる

 

すみません幽々子様

折角のチャンスをモノにできませんでした

 

 

「何してんだ?」

 

「幸平・・・私は不合格だった」

 

「不合格って食ってすらねぇじゃん!それっておかしくね?」

 

「いえ、私の実力不足ですのでお気遣い・・・なく」

 

 

話している最中、我慢できずに涙が一つ流れてしまった

 

 

「・・・ちょっと待ってろ」

 

「え?」

 

 

幸平はそう言い残し、試験官の元へ向かった

 

ここからでは遠くてよく聞こえないが

身振り手振りを見るに幸平が煽っているようにも見える

 

そこから料理を食べさせるように促していった

 

 

「おあがりよ!」

 

 

薙切殿は渋々お茶碗を手に取り一口食べた

 

すると目を見開き勢いよく掻き込みだした

 

幸平がニヤニヤしながらその光景を見ている

・・・意地の悪い

 

そして気になる判定は・・・

もう確信しているだろう幸平は笑みを崩さない

 

 

「不味いわよ!!」

 

そういって去ってしまった

 

「嘘ぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

え?あれだけ美味しそうに食べて置きながら?

 

幸平はこちらに振り向き

 

 

「すまん、俺も落ちた」ヘラヘラ

 

「ふふ、何ですかそれ」

 

 

試験が終わり、片付けはしなくていいといいと言われていたので

そのままにしておく

 

荷物をまとめて外に出る

 

 

「では、私はこっちの道なのでここで失礼します」

 

「おう!じゃあな!」

 

 

幸平と別れことにより、今まで抑えてきたものが溢れ出てきた

 

 

「情けない、情けない!情けない!」

 

あれだけ私に期待を寄せて下さったのにそれに応えることができなかった

 

滝のように涙を流しながら自分を責める

 

 

「半人前な私では荷が重かったようです、幽々子様」

 

「何が重たいの?」

 

「?!幽々子様!!何故ここに!?」

 

いつの間にか幽々子様がすぐ後ろにいたことに驚いてしまった

 

「さっき教師になる為の試験を受けていたの、妖夢は?」

 

「私は・・・編入試験があり、ここまで足を運んでいました」

 

「へ〜結果は?」

 

「・・・・・です」

 

 

聞き取れなかったらしく聞き返してくる

 

 

「ん?」

 

「不合格です!」

 

 

そう言って、私は逃げるように駆け出した

 

 

「妖夢?!」

 

 

 

 

 

 




わたしは少し後悔していた

幸平創真に煽られて彼の料理を食べたが彼女の、
魂魄妖夢の料理に手をつけなかったことに

試験官としてそれはしてはいけないことだと自覚していた

彼らが出て行ったのを見計らい出汁巻卵が残っているのを確認する

「よかった・・・」

少し冷めてしまっているが一切れつまみ口へ運ぶ

「こ、これは!!」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

#5

この物語は私の独自解釈で進めていきます

なので性格が少し違う部分があるかもしれません

それでもいいという方はどうぞ!



 

 

 

あれから妖夢をなんとか落ち着かせ不合格の理由を聞き出した

 

 

「紫・・・私許せないわ」

 

「幽々子・・・私も同感よ」

 

「「お仕置きが必要のようね」」ふふふふ

 

 

二人して不気味な笑みを浮かべる

 

 

「明日が楽しみね」

 

「ええ」

 

 

 

翌日

 

 

「行くわよ、隙間を開けてちょうだい」

 

「もうできているわ」

 

「「カチコミじゃ!!!」」

 

「紫様!幽々子様!おやめください!」

 

「止めないで妖夢、ちょっとO・HA・NA・SIしてくるだけだから」

 

「私は大丈夫ですから落ち着いてください」

 

「・・・仕方ないわね」

 

 

妖夢に止められ仕方なく計画を中止する

 

 

「あら?やめてしまうの残念ね」

 

「妖夢がいないときに行くわよ」ぼそぼそ

 

「わかったわ」ぼそぼそ

 

 

「んん・・・本当にいいの?」

 

「はい、元々は私の不甲斐なさが生んだことなので

もう気にしてません」

 

 

あきらかに気にしているようだが妖夢がいいって言うのだもの

主人として我慢してあげないと

 

 

「わかったわ、ただし、今日のご飯は豪華にしましょう!」

 

「わかりました」

 

 

 

時間が経ち妖夢が作ったご飯に舌鼓を打ちながら

妖夢のこれからを紫と相談する

 

 

「遠月に通えないとすると他にどこがあるかしら」

 

「そうねぇ、私も妖夢が落ちるなんて考えても見なかったから

何も思いつかないわ」

 

「そもそも妖夢の料理の腕で落ちるほうがおかしいのよ」

 

 

思い出しただけでも怒りが噴き出してくる

 

 

「そうよ!妖夢でダメならこの世界の料理人はゴキブリ以下よ!」

 

 

紫の私の意見に賛成のようだ

 

 

「そ、そこまでの腕はありませんよ?!」

 

「妖夢は自己評価が低いのよ、もっと自信を持ちなさい」

 

「・・・はい!」

 

「・・・ところで、さっきから戸を叩く音がするけどいいのかしら?」

 

 

紫にそう言われ、耳を澄ますと確かに叩く音がする

 

妖夢との会話に夢中で気づけなかったわ

 

 

「妖夢、お願いできるかしら?」

 

「わかりました」

 

 

 

 

「幽々子様、薙切仙左衛門という方が会いたいと仰ってますが」

 

「わかったわ、通してちょうだい」

 

 

妖夢に案内された仙左衛門が私たちの前に現れる

 

 

「西行寺殿、こんな時間にすまぬな、急用がありここへまいった」

 

「急用?」

 

 

なにかしら?がっこには四月からのはずだし

何もすることはないはずだけれど

 

仙左衛門はかしこまった顔になった

 

 

「この度は儂の孫娘がそちらの魂魄殿に失礼を働いてしまった

誠に申し訳ない」

 

 

そう言って深々と頭を下げる仙左衛門

 

 

「あなたが謝ることでもないでしょう?

私は直接本人に会って謝ってもらうから」

 

 

「むう・・・わかった

それともう一つ魂魄殿の料理を食した結果じゃが、文句なしの合格じゃ

あれ程の料理を食べたのは久々じゃわい」

 

 

え?てことは・・・

 

 

「妖夢は学校にいけるってこと?」

 

「そうじゃ、これほどの才能を逃してしまうのは勿体無い」

 

「・・・そう」

 

「儂の用事は終わったゆえ、失礼する」

 

 

そう言って出て行ってしまった

 

 

「ゆ、幽々子様・・・」

 

「ええ・・・おめでとう妖夢」

 

「幽々子様ぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

妖夢は泣きながら抱き着いてきた

 

 

「もう・・・可愛いな妖夢!」

 




妖夢がいなくなった部屋にて

「紫いくわよ」

「わかったわ」


紫の隙間を薙切えりなとかいう小娘の部屋に繋いでもらう


「少し行ってくるわ」

「ええ、私はここで妖夢が来ないか見張っておくわ」


見張りを紫に頼み隙間に入る



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

#6

この物語は私の独自解釈で進めていきます

なので性格が少し違う部分があるかもしれません

それでもいいという方はどうぞ!



 

 

 

時間がたつのは早いもので、最近まで枯れ果てていた木々たちが

花を咲かせていた

 

「やっぱり春になってもこの桜は咲かないのね」

 

 

どれだけの年月が経とうとこの西行妖が咲くことがない

 

咲かせようと試みたことはあったけれど

 

こわ〜い巫女に阻止されてしまい失敗に終わった

 

 

「幽々子様〜!遅刻してしまいますよ!」

 

「ええ」

 

 

咲くことのない西行妖に見送られ屋敷を出た

 

 

 

・・・・・長い・・・入学式にどれだけ時間かけるつもりなの?

 

しかも仙左衛門が一人で長々と話しているだけだし

 

 

「さて、儂の話は終わりじゃ」

 

仙左衛門の話が終わり、会場に安堵の表情が見える

 

次に編入生の紹介に入った

 

赤髪の生徒が最初に出てきて何かいっているが

 

全てを無視して妖夢を記録する為に買ったビデオカメラを準備する

 

なぜか空き缶やらゴミなどを投げられていたが気にしても仕方がない

 

次は妖夢なのだから

 

妖夢が裏から出てきたところでビデオを回す

 

 

「はじめまして、魂魄妖夢です

私は学校なるものは初めて通うのですが

至らぬ点がございましたらご指導お願いします」

 

 

妖夢の演説に思わずウルッときてしまった

 

入学式も終わりこれから授業があるらしく教室に案内された

 

 

「西行寺殿は自分が思うように授業してくれればよい」

 

「わかったわ」

 

「料理が不味ければ容赦無く切り捨てて構わん」

 

「ええ・・・容赦しないわ」ふふっ

 

 

仙左衛門の言葉に思わず笑みが溢れる

 

教室に入り、まずは自己紹介

 

 

「私は西行寺幽々子、今年から入った教員よ

早速だけど今回のお題は〜うーん・・・・・『肉じゃが』にしようかしら」

 

 

これなら妖夢基準で評価できるはずだからね

 

 

「あともう一つ付け加えるわ、1人5人前作ってもらいます

 

1人前づつ別々に同時進行で作ってもらうわ

 

私を満足させる美味しさなら評価Aをあげるわ・・・

 

時間は1時間、調理開始!」パンッ

 

 

開始の合図で手を叩く

 

それを聞き生徒たちが動き出す

 

 

 

 

あれから40分程たっただろうかやっと一人目の生徒が料理を持ってきた

 

出された品を食べ進めていく・・・不味い

しかし出された料理を残すのは妖夢に怒られるから残すことはしない

 

5人前をあっという間に食べえたことで周りは唖然としていた

 

「美味しくない・・・」

 

「え、でも全部食べてるじゃないですか」

 

「私は出された料理は全部食べきるようにしているの

 

あなたの料理は食べていて苦痛すら感じたわ評価はEしかありえないわね」

 

「え?!まだ時間はあります!作りなおs「黙りなさい」」

 

「ここでは私が絶対よ、次の人来なさい」

 

 

それから不味い料理を出す者ばかりのため

 

50人全員に”E”評価をつけて初の授業は終わりを告げた

 

 

 

教室から出ていく生徒たちを見送っていると

 

「どうじゃった、初めての授業は」

 

 

仙左衛門が入ってきた

 

 

「どうじゃった」

 

「一つ聞いていいかしら仙左衛門」

 

「なんじゃ」

 

「ここは料理学校であっているのよね?不味い料理しか出なかったのだけれど」

 

「・・・・・あっておる、しかしこの学園の生徒99%は1%の玉を磨くための捨て石である」

 

「ならあの生徒たちはこの学校に必要ないわね」

 

 

その後幽々子が”E”評価を下した生徒たちは全員退学になった

 

 





「はぁはぁ・・・」

おかしい・・・なぜこんなにも身体がだるいのかしら

編入試験を終えたあたりからすごくだるい

「大丈夫ですかえりな様」

「ええ、大丈夫よ時期に治るわ」

緋沙子に心配をかけまいと平静を装う

そんな中でも事務作業はしかっりこなしていった



「やっと寝れるわ・・・」ぐったり

いつになったら治るのかしら
そう考えながら眠りについた部屋中に取り憑いている亡霊に気づかずに













亡霊は入学式前日に幽々子が回収しました


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

#7

この物語は私の独自解釈で進めていきます

なので性格が少し違う部分があるかもしれません

それでもいいという方はどうぞ!




 

 

 

丼研の食戟を受けることになった幸平創真は丼研の研究室でなにやら

考え事をしているのか上の空だった

 

「・・・・・。」

 

「大丈夫なのかよ?!幸平?!」

 

何故私が丼研の研究室にいるのかというと1日遡る必要がある

 

 

「おう、妖夢今から色々な研究会に見学行こうと思うんだけど

一緒に行かね?」

 

「幸平殿、研究会ですか?」

 

「おう、面白い所があったら入ろうかなって」

 

「あ、あの~ソーマくん、この人は・・・」

 

幸平殿の後ろから出てきた青みがかった黒髪をお下げ三つ編みにした

女子生徒が出てきた

 

「お~田所~こいつ魂魄妖夢ってんだ変な名前だろ~」ヘラヘラ

 

「どうも魂魄妖夢です」

 

「あ、ど、どどどうも田所恵てす」

 

「それでどうする?一緒に行くか?」

 

「そうですね今は幽々子様の間食まで時間がありますしついていきますよ」

 

 

・・・・・

 

 

それから丼物研究会に顔を出したところ幸平殿は

薙切えりなの派閥である水戸郁魅と丼物研究会の解体をかけた

食戟をすることになってしまった

 

「そ、ソーマくん・・・一旦気分転換をしたほうがいいんじゃ・・・」

 

「そうだぜ幸平、ずっと考えこんでもしょうがねぇ」

 

「・・・・・。」

 

食戟までの期間は一週間

これは長いようで実際はとても短いのだ

新メニューを作るのはうま味のバランスを考え試作に試作を重ねていく

それにこの学園では生半可な料理は意味をなさない

 

「・・・それもそうだな少し気分転換してくるわ」

 

そう言って幸平殿は出て行った

 

「私もここにいる意味がないので帰りますね」

 

「お、おう・・・」

 

 

 

取り残された二人はぽかんとしたままだった

 

研究室を出て幸平殿の後を追う

 

「幸平殿!」

 

「おろ?妖夢どうした?」

 

「少し極星寮の調理場を貸してくれないか?」

 

「なんか作んのか?」

 

「いえ、少し丼物の試作を思いついたので作ってみようかと」

 

「まじか?!いいぜついて来いよ!」

 

 

 

妖夢sideout

 

 

幽々子side

 

 

 

料理を食していくうちにこの学校のレベルが知れたわ

 

今のところ注目すべき生徒は数十人程度

その他は其処らの店レベルかゴミ以下だわ

 

見込みがある生徒も今のところ妖夢以下だし

そろそろ遠月学園の本領を発揮してほしいものね・・・

 

 

「幽々子殿」

 

考え事をしていると仙左衛門に声をかけられた

 

「なにかしら?」

 

「近々遠月名物の食戟があるようだ」

 

「食戟?」

 

「食戟とは生徒と生徒が己の料理の腕を競い合い

勝ったほうはその者の契約に従うといったもの」

 

「要は勝ったらいうことを聞かせられるということね」

 

なかなか面白い催しを開催しているじゃない

 

「今回の食戟で審査員をしてみんか?

そろそろ捨て駒の料理が飽きてきた頃合いであろう?」

 

「うふふ、出される料理はちゃんと美味しいのでしょうね?」

 

「むろんじゃ」

 

「それは楽しみね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ありがとうございました!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

#8

 

 

 

まずは鶏むね肉を一口サイズに切り分け

塩、砂糖、醤油、おろし生姜と水を混ぜ合わせたタレに

カットした鶏むね肉を数分漬け込んでいく

 

十分に味がしみ込んだら小麦粉と片栗粉をまぶし

170度の油で3分間揚げる

 

これでしっとりとした唐揚げの完成

 

次に玉ねぎ4/1、にんじん、ピーマン2/1を刻み

フライパンに水と料理酒を入れ

先ほど刻んだ玉ねぎとにんじんを入れて煮込んでいく

野菜が柔らかくなったところでピーマンを加える

 

それと同時に酢、トマトケチャップ、醤油、砂糖、摩り下ろした生姜を混ぜ合わせ

フライパンに加え片栗粉と水を入れてとろみをつける

 

最後に先ほどの唐揚げと混ぜれば

 

唐揚げの甘酢餡かけの完成

 

それを少し硬くあっさりとした触感のご飯によそう

 

 

「完成しました『唐揚げ丼』です」

 

「・・・おう」

 

幸平殿は何も言わず食べ進めていく

一口二口食べ進めていくうちにだんだんとかきこむスピードが上がっていく

 

「少し待ってくれ、まだ完全ではないんだ」

 

このままだと全部食べられてしまいそうだったため静止をかけた

 

「・・・どういう」

 

私は調理場から一つの小皿を取り出す

 

その上にはみじん切りにした玉ねぎを飴色になるまで炒めたもの

 

それを丼に加える

 

「さぁ、めしあがってください」

 

「・・・」ゴクッ

 

 

 

妖夢sideout

 

ソーマside

 

 

 

妖夢が出してくれた『唐揚げ丼』はハッキリ言って

試作のレベルを超えている

 

玉ねぎのみじん切りを乗せる前でさえ美味かったのに

乗せた後ではその美味しさはもうわかりきっている

 

しっとりとした唐揚げと餡かけがご飯と絡み合い

互いに調和し合っている

 

そして恐ろしく『丼』だった

 

この唐揚げ丼を出せば恐らく簡単に食戟を勝つことができるだろう

 

試作の段階で俺より圧倒的なレベルの違いを突き付けてきた

 

「どうでしたか?」

 

「・・・あぁ、すげぇ美味い」

 

「そうですか、よかったです」ふふ

 

小さく笑う妖夢の底知れぬ実力

まったく・・・恐ろしいぜ

 

「いい気分転換になったよ」

 

「それはよかった、お粗末様です」

 

このレベルの料理人がこの学園にはゴロゴロいんのか

普通こんなレベルの違いを見せつけられたら心が折れるってもんだぜ

 

だがな、俺がそんなことでくじけるわけねぇよな!

俄然燃えてくるにきまってんだろ

 

「では幸平殿、そろそろ幽々子様が駄々をこねる時間帯ですので

これで失礼します」

 

「おう!ありがとうな妖夢!ある程度形を思いついたわ」

 

妖夢は極星寮から出ていき調理場には俺一人となった

 

「おや、ソーマくん調理場で何をしているんだい?」

 

「おぉ、一色先輩ちわっす

ちょっと試作料理の味見をしてたところなんすよ」

 

「へ~、僕の分もあるかい?」

 

「多めに作っていたと思うんでありますよ」

 

俺と一色先輩はそれから意見の交換を日が暮れるまでおこなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ありがとうございました!

調理の説明はあまり得意ではないため
『衛宮さんちの今日のご飯』を参考に調理過程を書いています



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

#9

この物語は私の独自解釈で進めていきます

なので性格が少し違う部分があるかもしれません

それでもいいという方はどうぞ!



 

 

 

今日という日を待ちわびたわ

不味い料理から解放され、やっとましな料理が食べれると

聞いたのだ楽しみじゃないわけがない

 

「ご機嫌ですね幽々子様」

 

「ええ、今日の食戟、審査員として出ることになったの」

 

「そうなんですか?!」

 

「あら、言ってなかったかしら?」

 

「聞いてないですよ」

 

「けれど、妖夢には関係ないでしょ?」

 

「それはそうですが

一応知り合いと呼べる方が食戟をするので見に行こうかと」

 

妖夢の態度に素っ気ないと感じるかもしれないが

私たちは元々人の世から離れた存在であり

本来なら無関心であり知り合いだからといってかかわる必要はないのだ

 

「それじゃあ妖夢とは別行動のなってしまうのね」

 

「そうなりますね」

 

「最近、妖夢と過ごす時間が減ってしまっているようで寂しいわ」

 

「ゆ、幽々子様」(〃▽〃)

 

「けれど、妖夢がちゃんと成長しているようで安心したわ」

 

「はい!これからも精進をしていきます」

 

「それじゃあ、そろそろ時間だから行くわね」

 

「はい、お気をつけて」

 

 

妖夢との雑談をすませ白玉楼から出て学園が用意した黒い送迎車両に乗り込む

 

 

 

・・・・・・・・・

 

 

 

おそらく大きな催しをする施設であろう会場に大勢の観客が集っているた

少々騒がしいが、食戟とやらがそれだけ人気?であることがわかる

 

ステージ中央で司会らしき女子生徒がさっそく選手の紹介をする

 

『先に現れたのは!!!”ミートマスター”水戸郁魅!!!』

 

ステージ上にあるモニターに大きく名前が表示される

 

あの子あんなに肌を露出して・・・痴女なのかしら?

 

『続いて現れたのは、ただいま絶賛炎上中の噂の編入生!幸平創真くんです・・・』

 

 

彼の名前が呼ばれた瞬間、会場中にブーイングの嵐が起きる

そろそろ黙らせた方がいいかしら・・・

 

その他説明を聞くのは面倒くさいため聞き流しながら客席にいるであろう妖夢を探す

 

「あら?おかしいわねぇ・・・」

 

見に来ると言っていたのに姿が見えない

私が妖夢を見逃すはずがないのだけれど・・・

 

そうしていると、調理が始まったのか痴女が牛を丸々一匹を解体しだした

 

あれを全部食べられるわけではないのね・・・(´・ω・`)

 

調理について私はずぶの素人だから調理過程とか

ただ肉を焼いているとしかわからないが

しかし今までの授業を見てきた感じそこらの生徒よりは手際が良く見える

 

そうしていると会場に妖夢が現れた

妖夢は手に持っていたビニール袋を幸平に渡すと髪に包帯を巻いている

生徒の場所まで下がった

 

どうやら幸平に頼まれてお使いをしていたらしい

 

『ここで幸平くんが肉を出すみたいです

 さあ、水戸産のA5和牛にどう対抗するのか!』

 

そして出されたのはそこらのスーパーに売ってあるようなものだった

 

「ちょうど特売やっててラッキーだったわ~」あははは

 

そんな発言にまたもブーイングが起こり、さらには物まで投げ込んでいる

 

そんな中でも2人は着々と調理を進めていき

しばらく時間がたったあと、終了のゴングが鳴り響く

 

『そこまで!まずは水戸さんの料理から』

 

痴女が料理を審査員席に置いていく

なんとお肉で薔薇を作っているなんてしゃれてるわね

 

「どうぞ、A5和牛のロティ丼だ」

 

すると審査員の1人が急に叫びだした

 

「いい匂いすぎて腰が抜けそうやわぁぁ!」

 

それに続きもう1人も話し出す

 

「これだ!このズシリとした・・・」

「・・・・・」

 

黙ったまま待っていると私の方へ視線が集中する

これ、私もなにか言った方がいいのかしら?

 

「えーと・・・薔薇ね・・・?」

 

「で、では実食と行きましょう!」

「そ、そうですね」

 

「「「いただきます!」」」

 

まずはお肉を1枚口に入れる

 

すると口に入れた瞬間肉汁があふれ出すと同時に肉が舌の上で溶けていき

旨味が口の中に広がっていく

続いて、ガーリックライスと一緒に口に運ぶ

 

・・・これ別々に食べた方が美味しんじゃないかしら?

それからは肉を”おかず”にし食べ進める

「美味しすぎて腰が抜ける!!!」

「肉の繊維方向に対して直角に火を入れる」

 

審査員2人が感想を述べているため私もコメントを残す

 

「・・・美味しんじゃないかしら?」

『あ、あれ?それだけですか?』

「ええ」

『で、では次に幸平くんの品です』

「シャリアピンステーキ丼っす」

 

幸平が料理名を言うと審査員の1人が見下したように話し出す

 

「シャリアピンステーキねぇ安い肉を玉ねぎで柔らかくしたわけか」

 

それでも幸平は黙々と料理を並べていく

まるで料理を食べれば語ることはないとでもいいたげな顔だった

 

丼の蓋を外し、いざそれを見ると

審査員の2人は一瞬驚く

 

「まぁ、いただきますか」

「そうですね」

「・・・いただきます」

 

うん、普通に美味しいわね

隣の審査員を見るとさっきのロティ丼とは違い

ものすごい勢いで口の中へかき込んでいる

 

「肉の柔らかさもさることながら」

「・・・タレだ!!!」

「焦げおも調味料として深い味に!」

「肉もタレもしかりした味なのに食えば食うほど腹が減る」

「それはご飯に梅を練りこんであるんす」

「やはり、この後を引くさっぱり感は梅か!」

 

 

「「それぞれが互いの旨さを高め合っている!!!」」

 

あっという間に食べ終わってしまう

 

「おかわりは?おかわりはできますの?

ロティ丼も見事やったけど、より箸が進んだのはこっちの丼や」

「そうね、私もおかわりをもらっていいかしら?」

 

私たちのことを無視して痴女と幸平は話し出してしまった

そこへ妖夢がさり気無くおかわりを持ってきてくれた

 

どうやら痴女も幸平の丼を食べることになったらしい

痴女が一口食べるとしばらく放心し、座り込んでしまった

 

『それではどちらの料理が美味しかったかボタンを押してください!』

 

審査員全員幸平に票を入れた

 

『勝者はなんと!幸平創真!!!』

『うおおおおおお!!!!』

 

会場中が歓声を上げる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ありがとうございました!


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。