短編集(仮) (くまたいよう)
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ガンダム系
本当の~~を知った戦士
プラント、嘗ての故国にアスランは偽名を使い、カガリ・ユラ・アスハの付き人として赴いていた。
最近、プラントに移民した元オーブ市民がプラントの軍次関連に関わっていると言う・・・・それが問題視されて、現議長との会談を求めた。そして、簡潔に言えば取り決め等は無く、難民となった同胞はあくまで自分の意思で最後の選択をしていると返され、まして今年度のザフトアカデミー首席卒業生は元オーブ市民の少年だと言う。
そこで、アスランは自分が直接、その少年に会うことにしたのだ。
「・・・・君が、今年度のザフトアカデミー首席卒業の元オーブ市民・・・・シン・アスカか?」
「はい」
「おれは『アレックス・ディノ』聞いていると思うが、オーブ代表が元オーブ市民の扱いについてプラント議長に物申してな・・・・その」
アスランとしては思うことが無い訳ではない、カガリの要求が通る事はたった二年の間に国から焼き出されて、移民した先の軍アカデミーを卒業した激動の日々を無とする事を意味するのだ。これは他の軍次関連に縁がない仕事に就いた元オーブ市民にも形を変えて言える事だ、最も、ギルバード・デュランダル現議長から指摘されてから気付いた自分達に何が言えるのかは答えは出ていないが。それでも話を進めてしまった以上は会わなければならない事態なのだ。
「・・・・」
「?何か・・・・聞く事は、無いのか?」
「そちらの話がまだ終わってないでしょう?」
「そ、それは・・そうだが(な、何だ?この落ち着き過ぎと言うより、機械的な態度は・・・・話によると、かなり気性が粗いハズ)」
アスランの得ていた情報は入学後間も無くの時期であり、頭角を現し始めたシンを妬む一部からのものだった。そしてシン・アスカが何故こうも大人をやれるようになっているかの理由にしてアカデミーで首席を取るまでの一因になったかに思いを馳せなかったのが、彼の過ちだった。
「失礼します。議長からの通達でシン・アスカの後継人が是非に話に参加したいと」
「後継人?そんな人がいるのか?」
「ザフトアカデミーの成り立ちについては、ある程度御存じでしょう?元オーブ市民が入るにはそれなりの人物がいるのが自然です。ああ、今到着したようです」
淡々と告げるのは、シンの同僚であり今年度次席卒業のレイ・ザ・バレルであった。
???「失礼します」
アスランは声を聞いた瞬間に心臓を掴まれ、喉元に刃を突き付けられた心境であった。
知っている!
自分はこの声を知ってるのだ!
「な・・・・あっ!?」
声の主が姿を現した瞬間、滝のような冷や汗が流れてしまう。
記憶にあるより、やつれている。その理由を自分は誰よりも知っている!深縁のウェーブが掛かった髪に年齢にそぐわない若さの見本のような顔立ち・・・・何よりも、自分がプラントにいた頃の無二の親友にして兄弟分であった少年の面影がある。
「初めまして・・・・『アレックス・ディノ』さん?私・・・・『ロミナ・アマルフィ』と申します。シン・アスカ君とは『前大戦で亡くなった身内』の残したものの処置について、奔走していた際に出会ったのが縁で親交を結び、アカデミーに入る際に後見人とならせて頂きましたが、何やらオーブの方の問題でお話があると聞きまして、ならば関係者である私も立ち会う必要があると思いまして、同席させて頂いて、お話を伺って宜しいですわね?『アレックス・ディノ』?」
アスランは事実を認められずに、理解出来なかった。
これこそがシン・アスカが大人をやれるようになった理由だった・・・・義理の母も同然の女性が味わった悲劇を聞かされ、例えばその女性の夫から願いを託されたアスランは何をしたか?真っ先にその願いを無視する形で始めた戦いの末に英雄視をされる形で終戦を迎えたが、その後は?今の自分が答えだ。自分以外の人が戦争でどういう事を味わっているか?それを考える事と耐える事を学んでしまったのだ。
アスランは自分が前大戦で右往左往してた時に逆戻りする以上の愚を犯し始めた事を気付くか否かの機会に最も厳しい形で直面したのだ。
原作後の二次ネタとしてはシンのプラントでの保護者や後継人として結構出てた御方のご登場・・・・なんだけど、本編開始直後辺りに知ってしまったアスランってのは知る限り無かったから試作したのだが、アスラン視点では恐怖なんてレベルじゃないなコレ。
サブタイの~~に入るのはご察しと思います。
て言うか、初期に改編されてシン達の味方のままになる場合ならともかく、知っていて原作基準のままだったら幾ら何でも気の毒だよなと思う今日この頃。
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軍神の星の大地より乾いていた世界
私、ルナマリア・ホーク。
元々プラントに居たけど、今は火星にいます。
理由は・・・・ザフトアカデミーの落第生ってやつだからよ、姉妹揃ってね・・・・だから、勘当されたようなものよ・・・・ザフトアカデミーに姉妹揃って入るような家が大失敗したのに甘いワケが無いのを考えてもいなかった。
アカデミーには、今思えば浮かれてた?って気分で入ったんだけど?
周りには大戦で家族を無くしたりして、その復讐から志半ばで散った身内の無念を晴らす為とかのばかりで私みたいな場違いなのは次々と切り捨てられたわ。
・・・・浮いた奴ってなら、オーブからの移民だったシン・アスカってのは、周りに似た境遇が多かったせいか衝突したり何だりして段々とそいつらと打ち解けてメキメキ頭角を表した・・・・今は主席か次席を争ってるらしい、私みたいに遺伝子検査で歌手の才能があったからってのよりやりがいあるんだろうなあ。
改めて言うけど?私みたいに、例えば前大戦の有名人を目の当たりにしたらミーハー振りを表すようなのが元々異端なんだ。
プラントはクラインでもザラでもない派に属した議員が議長になった。
そう言えば、例のクルーゼ隊の一人は脱走しただの何だので、丁度クラインでもザラでもない立場な父親が本来は議長も夢じゃなかったのに・・・・とか聞いたわ、親不孝した私には他人事じゃないわね。
今、プラントは火星同様に遺伝子レベルでのハローワーク統制を敷いているって聞くわ・・・・当然ね、前大戦でどれだけ被害が出たと思ってるのよ?それやっても復興までにどれだけ掛かる事やらだわ。
地球側にしても、只でさえエイプリルフールクライシスで消耗してるのにアラスカでサイクロプスなんか使ったり全面核攻撃に失敗して月の基地を潰されたりしたんだから説明不要ね、そもそも月基地にだって核が残ってたハズよ、それが基地内で爆発したんじゃ月がどうなったかなんて言う必要ある?
・・・・これでアッサリと再び開戦なんてやれると思う奴なんか嘗ての私でも及ばない馬鹿よ・・・・嗚呼、つくづく空しくなるわね・・・・私って言うより、人は自分の意に従うままに生きられるような身分じゃないわ、フリーダムに乗ったり強奪して雲隠れした英雄様達は例のラウ・ル・クルーゼとかが黒幕とか言ってるしいけど、そのクルーゼはヤキンの時にプレヴィデンスに乗って地球軍相手に奮戦の末に戦死したらしいけど、それすら擬態だとか言ってるとかで、不味いのは元々成り上がりで疎まれてたから体よく泥を被せたがってるとまで言われてる。そんなこんなで国家予算レベルの賠償金要求されて雲隠れしたらしい、税金がどれだけ使われてると思ってたのよっ?て言う気にもなれないわね、例の三隻同盟は戦争を終結に導いたつもりなのだろうけど、見方を変えれば?
『引き分けに持ち込んじゃった』
とも取れるしね。
さて、どう生き抜くかしらね。
設定や外伝が一応は本編とは足の引っ張り合いや破綻の嵐だったからが元。
て言うか、身も蓋もない現実を認知するのって別に不幸とは思えない気がする。
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運命までの足掻き。
諦めたくない、このまま終わりだなんて思いたくはなかった。
けど、何をどうしろって言うんだよ?
MSとか特機とかなんか、人間の浅知恵程度にしかならない軍勢。
・・・・流れ弾みたいなので月が真っ二つにされて、相手を殴ったりな余波だけで核かなんかに匹敵する衝撃や天変地異が起きまくる戦い・・・・デーモンとデビルマンの戦いは、俺達人類がその余波だけで壊滅状態だ・・・・人間が外で喧嘩してる時に足下で巻き添え食らってる虫の気持ちを重い知らされてる。
ああ、俺がフリーダムの流れ弾で家族を失って・・・・ガンダムに乗ってから、いつの間にか何の力も無かった側の気持ちを忘れてないようで、わかっている側のつもりになっちまったのを嫌でも理解しちまったさ。
有り合わせを何とか形にした武装を遮二無二振り回しながらそいつらに無駄な抵抗を続けてるのが今の俺達。
切っ掛けは覚えている。
デーモンの長と判明した飛鳥了・・・・サタンの流した映像に恐怖心を煽られた人々は旧時代の魔女狩りみたいな事を各地で行って見境なく悪魔と関わったり、それっぽいのを惨殺していった。
犠牲になった中には、今デビルマン軍団の指導者となった不動明さんの・・・・俺達と一緒に戦ってたデビルマンの家族同然の牧村家の人々。
怒り狂った明さんは魔女狩りを行ってた人々を皆殺しにした。
・・・・けど、何よりショックなのは?何人かは人間を殺した明さんを責め出す始末だった事だったよ、結局のところ俺達は・・・・いや、人間は自分達に都合良い存在を求めてただけだったのだろうさ、だから悪逆な専制主や唐突過ぎに公開された遺伝子操作の情報に飛びついちまうんだ。
何年か経ったけど、明さんは俺達を殺さないだけまだ人間に最低限の情があるのか……それは、もう関係無いな。
バナージの口癖である
『それでも』
これを明さんみたいな目に遭っても言えってのか?
最愛の人の生首を棒先に差し込んで、残った身体も八つ裂きにして同じように掲げて笑う奴等を殺すなとかに使うのに言えって?
明さんは悪魔になったが心は人間だ。人間がなろうとしたってなれない域に達している人間だ。明さんみたいに悪魔になってまで人間を守ってる人が、それについて有りがちな何か言われて・・・・そんな時にこそ言うべきな言葉なんだよ。
『それでも』ってのは。
安っぽく使いすぎちゃいけないんだよなあ。
俺は・・・・戦う!明さんに馬鹿な事をやらかしたり言い放ったりしたのを守ってしまったり、一緒に戦わざるを得なくたって・・・・口に出せなくなった事を思いながらさ。
カミーユやセツコさんがいるってだけで充分だよ!
明さんにとっての美樹さんは、俺にとってこの人達なんだ。
二人はNT能力やスフィアの負荷でボロボロだ。それでも戦おうとしてるんだから、泣き言は駄目だよな。
願わくば、勝ってくれよ・・・・勝って、もう一度顔向けしたいんだよ、俺がなろうとした先にいる存在の貴方にさ・・・・俺、最後まで戦うから、勝って来てくれたら・・・・凱旋の際に焼き殺されかねないけど、帰って来て欲しい場を守らせてもらうぜ。
俺は、録に動くかわからないくらい損壊してるデスティニーを今日も動かす。それだけが、今俺がやるべきことだった。
スパロボ補正でも生半可は許されない展開が今後どうなるかな考えの産物。
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ガンダム系の溜まり物。
スパロボα(無印)
ダカール前のシャアVS坊や達
VSカミーユ
「貴方はリリーナ王女と共に歴史の表舞台に立つべき人なんです」
「・・カミーユ、私はシャア・アズナブルと呼ばれた男だ。リリーナ王女絡みでは、ゼクス・マーキスが彼女の兄として名乗り出たらどうなるかを応用してものを言うべき男だぞ・・・・いい加減にアングラの出版物と現実の違いを認めるんだ」
VSジュドー
「大尉がそんなだからハマーンも苛立っているんだ」
「君の言う事では答えの半分以下だ。ハマーンは私が表舞台に立つにしても、ザビ家を傀儡として再興しつつアース・ノイドを粛正する道を取らねば納得はしないのは君が一番わかっているだろう」
VSウッソ
「無意味な戦いを止められる力を持っている貴方がなにもしないのは卑怯だと思いますよ」
「止められると思っているのなら君が如何にシャアである私を理解していないかの証明だ。私はジオンの赤い彗星と呼ばれ、積極的に戦争をして名を上げた男だ。寧ろ、地球圏の内部抗争に一勢力として名乗り出るだけになる。君の願いとは真逆の道に入るが、それで良いのかね?」
そもそもシャアへの認識がズレまくりだった。
シャアへのクリスクロス。
シャア「アムロ、決着を付けるぞ!」
・・・シャアがネオ・ジオンに戻ってから、連戦連勝だが?
シャア「ナナイ、アムロ・・旧ロンド・ベルやプリベンターはどうしたのだ?最近の戦いで姿が見えないのだが?」
ナナイ「はい、それが総帥がネオ・ジオンに戻ったのでアムロ・レイを始めとした総帥の旧知の仲のメンバーは内通を疑われたりで大半が拘束されたそうです」
???「いやはや、総帥が見限るワケですな、三輪長官と言う第二のティターンズを産み出すようなのを台頭させたお陰でボルテスチームのような異星人と縁のある者達を追い出したせいで地球上では新たな異星人達が好き勝手しているようです」
ナナイ「アムロ・レイは総帥と違ってパイロット以外の事はやれない男です。いつまでもそんな男と関わる場所から身を引いた貴方の判断は正しいですよ」
???「ははは♪さあ、次の作戦に移りましょう」
シャア「・・・・・・」
原作基準、アムロの実は大失敗まみれな先輩の在り方。
アッシマー撃破後。
ハヤト「本当に7年MSをいじってなかったのか?そもそも、輸送機で体当たりして無傷とか・・・・それに後ろに目を付けるんだって?そんなのカミーユは月でやってたって話だぞ、有り得ない程の描写や他キャラがやってた事を無かった事にしてまで自分の見せ場にする事はないだろ?後に悪影響が無ければ良いがな」
アムロ「・・・・・・」
GやWならともかく、当時は少数派と仮定されたハヤトの疑念は自分達のオマージュから後発の自分達にまで影響が出る形で現実となった。
オーブ政府内。
官僚A「ウ、ウズミ様!大変です!AAが我が国に入国している証拠写真(仮)がザフトから送られて来ました!」
ウズミ「な、何ぃっ!?」
官僚B「AAからストライクが我が国の工房に入っていくところも抑えれています!」
ウズミ「ば、馬鹿な・・」
ボスゴロフ級側。
艦長「は~~、あの隊長殿は潜入等とほざいたが、間者をまぎれさせているならこっちの方が楽だろ・・・・相手は表立って敵対してる国では無いのだぞ?直接オーブ内のAAを見たがる理由あるのか?他は無闇に突っ込みたがるしなあ」
副長「お偉いさんの坊や達にしてもどこかズレてますなあ?少しは大人になれば良いのに、ヘリオポリスの件でオーブ内の調査に力を入れたのは何の為で、そもそも誰のせいか考えて欲しいですわ、私達は戦争をやってるんであって?必ず主力兵器を見映え良く使わなければならないアニメとかの世界の住人ではないのですがね」
艦長「こらこら、危険な発言はやめなさい」
パロディ?
一昔前の人々は、旧作ファンの重圧に耐えて新世代作に乗り出た。
彼等は初見受けをする作風にこそ希望があると信じた。
時間を掛けねば理解出来ないドラマ性を重視する作風を受け入れない自分達を蚊帳の外に追いやった者達を憎むより、その方が余程建設的だと考えたからだ。
・・・・それすらを振り切った(切らざるを得なかった)時、人は新たなセンスを身につけた。
・・・・それが豊富な二次創作への開花の一因へと繋がったのだ・・・・・・そう言う意味では確かに新作を求める事に希望はあったのだ。
・・・・良くわかる話です。僕もその希望を見つけます。
違う小説でガンダムネタをパロったプロローグ?見て何となくやってみたが、上手く一色他には出来んな。
シュールやら、それ言ったらお仕舞いばっかり。
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RPG系
ドラクエ4女勇者、乾いた一人称
FC版や小説等が混ざって改編だらけです。
私は、シノン……地獄の帝王を倒す勇者……。
はっ、お笑いね……幾ら、子供でも?
育った村の皆。
義理でも本当の愛情を持って育ててくれた両親。
姉みたいな幼馴染み。
皆に捨て石に、身代わりになってもらって生き延びた私が?
勇者って何よ?人々の望む勇者と私が当てはまるの?
一応は訓練はしてもらってたお陰で、剣と魔法は戦いの中で多少はものになったわよ?
けど、遅いのよ……何をしても、私は勇者なんかになれない、やってる事は八つ当たりよ、私は肝心な時に無力だった私自身が一番憎いのよ。
そうして、導かれし者達として私は何人かの同行人が増えて世界を回った。
それにしても、お笑い草ね……。
『デスピサロ』
私の村を滅ぼした魔族の王。
この男の住んでた村に着いた私は見たわ。
デスピサロは人間にとっては倒すべき魔王。
けどね、村に住む多種多様な種族の皆からは心底慕われていた。
進化の秘法で喋れるようにして貰った動物、悪意なんか欠片も感じない魔物、ライアンさんが出逢ったホイミンってのと同じなのかしらね。
ああ、私は見たわ……キングレオ城でライアンさんに伝言を頼んだ吟遊詩人、あの吟遊詩人から感じた気で彼のこれまでを見た。
人間になるのを夢見たホイミスライム。
ある日、ライアンさんに同行して旅を続けて、戦いの中ライアンさんを庇って命を落としたホイミンさんは、マスタードラゴンから無傷な人間の肉体をあげようか?との誘いにこう答えた。
『それより、あの人間さんを助けてあげて』
人間として生きて行くのに相応しいとされてホイミンさんは人間として転生したのだ。名乗り出ないのは何かの代価かしらね?
……それに比べたら私は、私は……こんなになるまで放置された。天空人の母は本当の父と恋して私を生んだからマスタードラゴンの怒りに触れて……残された私は地獄の帝王を倒す為の都合良い掃除屋よ、もう私には何もないわよ……怒る気にもなれない……何故か私はわかる。あの神様は、今は良くても、いずれ取り返しのつかない過ちを犯すわ……シンシアが異種族との混血だからって事で聞かされた事も含めて、何かにどうしようって気がいつの間にか消え失せた。
そして、また嫌なものを見た。
ロザリー。
デスピサロが愛したエルフの娘は、魔族の手引きで人間に拐われて惨たらしく、いじめ殺された。
デスピサロには最早、人間を滅ぼす事しか頭に無い。
手引きをしたのは、ピサロ様に魔族の王の自覚を持って欲しかったとからしいんだけど、アホね……ロザリーってのが傍らに居ればデスピサロは魔族や異種族からしたら大層な名君だったでしょうに。
ロザリー・ヒルで皆は複雑そうにしてたわね、ロザリーさんに同情しようにもデスピサロに村を滅ぼされたり国の皆を消されたりデスピサロの手先になったバルザックに父を殺されたりな面子じゃね……皆が甘い考えをしてくれた要因はロザリーさんがエルフだって事かしら?旅の中で人間と異種族の確執は目の当たりにしたからかしらね、アリーナ姫のお父さんがエルフの蜜で失った声を戻したりとかしたのが幸いね。
そう、デスピサロを倒しても他の種族との争いの芽が消える訳じゃない……それが問題だって理解せざるを得ないからかしらね。
そうして、私達は耳にした。世界樹の花を……善良なエルフになら効くらしい都合良すぎなものを……ロザリーさんが生き返れば、デスピサロ様が思い直すハズとか村の老人からスライムに聞かされて、夢物語みたいに思ってたけど、立ちよった場で大きな穴が開いて?妙な場に迷い込んで、それを手に入れたからロザリーさんに使ってデスピサロの前に連れてった。玉子やら鳥やらで揉めてたのが道を開いてくれて天空の塔を昇るまでもなくデスピサロのとこに行く道が出来たりしたし。
大層な喜劇ね、マスタードラゴンは自身の長年の無能考えるのかしら?私達がこんな事をするキッカケになったホイミンさんとかに頭上がらないんじゃない、私達の伝説とやらの語り部にさせた真意が見物よ、デスピサロは私に言った。
『お前の眼は底無しの澄んだ湖のようであり、魔界のような冷たさだ』
詩的ね……吟遊詩人を装って村に入った私を見た時、恐かったと言った。
エビルブリーストってのを始末した後に、けじめとして最後、デスピサロと剣を交えて……敢えて一太刀浴びようとしたデスピサロ……いえ、ピサロに一撃見舞わずに私は皆の前から消えた。
ロザリーさんの傍にいりゃ良いのよ、そっちの方が苦痛でしょ、思うとこがあるなら精々苦しませる方を選ぶわ。
一連の行動がマスタードラゴンへの皮肉だろうと、私には関係無いわよ……私は、私自身を許さない為に……これから馬鹿な事を続けるだけなんだから。
他種族との確執とか、主人公の境遇とか、良く言えば人間以外の種族の上に立ってたデスピサロとか……少し使えばピサロ仲間展開の批判って無かった気がする気分からの産物、但しマスタードラゴンの失態度が浮き彫りになった。
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マガジン系
RAVEネタ ハルが出会った女性 ※超ハード?
消化不良から不満点をそれなりに盛り込んでます。
俺はハル・・・・ハル・グローリーだ。
今、俺は親父の墓の前にいる。
ここで何年過ごしてるのか、周りがどうなったかもわからねえ・・・・。
何でこうしてるか?
キッカケは忘れようが無い、魔導精霊力でエンドレスを倒す為に・・・・その目的を達成して自分は消えた・・・・。
目が覚めたら、あの星の記憶と同じ場所・・・・そこにはルシアがいた。
消えたハズのルシアは、サクリファーなんか比べようが無いくらいの狂暴さで俺に襲いかかった・・・・レイヴェルトが全然歯が立たねえくらいに強かった。
一方的にやられて死んだかと思った。
目が覚めた俺の目の前に女の人がいた。
その人は……。
『 アルシェラ・レアグローブ 』
シバの仲間から聞いてた。あの人が時間を巻き戻して世界はやり直せたけど、その代償としてエンドレスが生まれたってのは覚えていた。
そこでアルシェラ・レアグローブから説明された。あのルシアは平行世界の大半でそうなった姿だと。
何で考えなかったんだ?
何故、世界はアルシェラを残して滅んだか?
何故、世界を救ったハズのアルシェラが呪われたか?・・・・禁忌を犯したから?
考えてみりゃおかしいじゃねえか。
『世界を救ってくれた人』なんだぞ。
呪われたのもそうだけど、何でアルシェラの血筋はシンフォニアを憎む?あのシャクマのようにシンフォニアの人々を苦しめたいってだけで戦争起こすくらいに、そこまで憎む理由は何なんだ?って。
そして、アルシェラは俺に理由を見せた。
簡単だ。
アルシェラが時間を巻き戻したキッカケはシンフォニアの血筋だった。
丁度、DCを設立した親父のような不用意さで始めた政策ってのが原因だったと、俺は親父は悪くないと叫んだ!だけど、笑いながら返された。
『お前は身内や仲間を皆殺しにされたとして、そのキッカケ作った奴を悪くないなんて言うのか?』
それに反論出来ずに殴りかかったら返り討ちにされた。
そして、言われた。
『何故、ゲイル・グローリーは周りから責められなかったのだ?KINGにしても貴様や姉に手を出さないでいた理由は何だ?例えばドリューのように戦いを見てたのに、何故ゲイルがKINGと互角なんて言われる?』
・・・・そう、親父は周りから責められないし、KINGからしたら?いると分かれば殺すに決まってる俺達は無事にガラージュで育っていた。KINGを倒したけど・・・・プルーがいなければ勝てなかった。
そして、言われた『修正力』のお陰だと。
世界だって生きてるんだ。その世界が自分を揺るがす要素は排除しようとするからら、俺はそれが過剰に働いた世界のハルなんだって。
アルシェラ一人を除いて世界を滅ぼしたキッカケを作ったシンフォニアへの怒りを糧にアルシェラは時間を巻き戻した。
そう、自分が憎むシンフォニアが存在する世界へ。
時間巻き戻してもレアグローブの本能にはシンフォニアの憎しみは消えないままだ。
けど、逆を言えばアルシェラが憎悪を晴らすとしたらシンフォニアに靡いた世界を滅ぼすようなもので、世界の意志は再び滅ぶ事の無いように世界は辻褄を合わせるように力が働いた。
レアグローブは闇だ悪だとして排除させようと、一方でシンフォニアが正しいんだと、闇に対する恐れから来る歪み、または、自らを光と思い上がった人々の傲りでひでえ事になるに決まってる。そうドリューが光の裁きと言う名の暴行を受け続けたように。
だから、世界には認識された。
親父を責めないよう、本能的にシンフォニアが正しいと認識するように、それが修正力ってやつの賜物、その反面でシャクマみたいに肝心な事を言わないまま、ただシンフォニアを苦しめたいだけの歪んだ認識が出来ちまったんだって。
現にルシアだって、目の前で母親を殺されて長年幽閉されたのにキッカケになった親父については、一切触れなかった。
そして、俺は立場が逆ならお前は見境なくキッカケを憎むハズだ。そして、お前は修正力が無ければただの馬鹿にしかならんと言われて違うと答えた。
じゃあ、やってみせろ。
アルシェラは底冷えするような笑みで言った。俺は世界の修正力が過剰に働いた平行世界の一つに生きてたから正義面をしてられただけだ。
『他』を味わえと言われた。
そして、俺は飛ばされた。
修正力の無い世界にだ。
・・・・何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、数える事すら出来なくなった後も。
俺はアルシェラに言われた事が違うと証明しようとした。けど、物心ついた頃に・・・・姉ちゃんと一緒に殺されていた。
親父の・・・・DCを創立して無責任に悪に染めた男の子供達だから・・・・それと同じような事だけで、何度死んだかわからねえ。
どうにかシバが来るまで生きてた。
けど、RAVEを渡してくれないどころか両手両足の腱を斬られた事もある。王族の掟だからと。
親父を慕ったシェダも親父を庇ったばかりにディープ・スノーを怒らせて殺された時もあった。ディープ・スノーはKINGを父として慕っていた。その父にゲイルがどう言う仕打ちをしたかと言う事を聞かされ、シェダは絶望してから殺された。俺と違って、それなりに組織についての知恵があったからだ。
今の俺は親父の墓守をさせられている。KINGとの戦いの後に、死んだ親父の墓を壊されたくないだろ?ってアルシェラの思念体に言われた。世界がどうなってるのか?って考えようにも戦いで再起不能にされた身体じゃ歩く事もままならねえ・・・・いつか、元の世界に帰るんだって・・・・。
『帰る?帰りたいの間違いではないか?何をしても自分達が正当化してもらえる世界にな』
反論出来ねえ・・・・俺は・・・・俺は、ここで死んで、またやり直して・・・・その末にあの世界に帰るんだ・・・・俺達が正しい存在じゃなければ滅びる世界へ・・・・。
・・・・修正力に関してはさておき、ゲイルやルシアにアルシェラ絡みではどうしてもハルを正義とは見れなくなったなって気分な産物・・・・原作の連載同時期辺りに叩かれてたのはアニメではルシア役の声優がやってた例のガンダム主人公だが、はっきり言って、此方の方が遥かに酷いだろ。
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ジャンプ系
ドラゴンボールの私的なもしも。
殺伐したのばかりだから、悪戯詰め合わせ。
ドラゴンボールの私的なもしも。
まあ、地味な系統。
殺伐したのばかりだから、悪戯詰め合わせ。
ドラゴンボールで悟空が悟飯連れてカメハウスに来た時のZ放送当時の空気?ネタ。
「ちょ、ちょっと悟空さん・・・・良いですか?」
「何だよウリゴメ?」
「ウミガメです!あ、貴方・・・・子供の作り方知ってたんですか?」
(ドクタースランプでも、こんなのあった)
「ああ、亀仙人のじっちゃんのお陰でな」
「へ?」
「ああ、おめえは確か居なかったっけ、おらとクリリンが初めてじっちゃんに修行してもらった時な?朝飯から昼飯までの時間は勉強の時間だったんだ。そん時に教科書?ってのに載ってたぞ、子供の作り方♪♪おら、あん時は字が録に読めなかったから苦労したぞ♪♪」
(エロ本を国語の教科書にしてた亀仙人)
「仙人ともあろう御方が何て事をしてたんですかぁっ!?」
「い、いや・・・普通の学校でも保健体育で教えるじゃろ」
悟空VSターレス
「カカロット、サイヤ人の面汚しめっ!」
「面汚しって言える立場なんかぁ?おらの兄貴がサイヤ人は誇り高き宇宙一の強戦士族なんて言ってたけどよ?何故か宇宙で迷子になってたらツフル星ってとこに不時着して、住まわせてもらって、そこの人達に助けて貰った恩を仇で返して乗っ取った後にフリーザの下に就いて、地球で言う社畜?みたいにこき使われてたんだろっ!おら、子供の頃に頭打って記憶無くして地球人として暮らせて本当良かったと思ってんぞっ!地球やヤードラッドの皆をそんな風にしてたかもしれないなんて考えたくもねえっ!
「・・・・」
原作とアニメが混じって時空列を少しズラしたサイヤ人のトホホなルーツネタ・・・・悟空はこう言うかはさておき、煽りレベルは高いのは確かだ。
ナメック星でのベジータと遭遇した悟飯の地味なもしもだが、そもそもレーダー持って姿見せるなよな悟飯の後の湖に沈めたドラゴンボール回収しようとしたベジータ。
「無い!・・・・確かにこの辺りに!・・っ、あのガキと会った場は、此処と地球人の居た場の中間だった・・・・だが、どうやって!?・・・・っ!」
ベジータは重大な事に気付いた。
元々、ドラゴンボールの情報元はピッコロが死に行くラディッツへの皮肉代わりをスカウターで聞いていたもの。
そして、地球人達はドラゴンボールを使って悟空を生き返らせた事と、何より事前にどんな願いでも叶えられると知っていた事は?
「・・地球人共は?ドラゴンボールの知識だけでなく実際に何度か使った事がある?と、言う事は、ボールのある場所を特定出来る何かがあっても不思議ではない・・・・ち、チキショー!チキショーっ!あのガキ共!ナメやがって!許せんぞぉぉっ!!」
またしても地味なフラグ回収系?
リクームとバータにわざわざトドメ刺した後のベジータに対し?
「どうやら、貴様は完全な超サイヤ人にはなりきれなかったようだな」
「?」
「な、何それ?」
「っ!そう言えば・・・・最長老さんがそんな事を言っていたなあ?」
「何?」
「カタッツってナメック星人の子、つまり神様の事だけど、ドラゴンボールを造り出せる龍族の天才がサイヤ人に殺された事に驚きながら、まさか・・そのサイヤ人は超サイヤ人では?とか言ってた」
「・・・・」
当時のベジータに対し、ナメック星人が超サイヤ人の事を知ってたのにはどう反応するか地味に気になってた。
ナメック星のドラゴンボールでは一人ずつしか生き返れないと判明した後・・・・。
界王「むむっ・・・・生き返れるのは一人ずつらしい・・・・」
ヤムチャ「えぇっ!?」
ピッコロ「・・俺に」
界王「そ、そうだっ!」
ピッコロ「!?」
クリリン「ナ、ナメック星のドラゴンボールは気前が悪いな」
悟飯「ど、どうしましょう?」
界王『クリリン、聞こえとるな?界王じゃ!』
クリリン「か、界王様?」
界王『事情は聞いた!今からワシの言う通りにせい!生き残っとるナメック星人とお前達や悟空に、確かブルマと言う娘をポルンガとドラゴンボールを全て地球の安全な場所、そうだ。地球の神の神殿にでもワープさせろ!フリーザとベジータは勿論除くんじゃぞ!』
クリリン「えぇっ!?」
界王『良いか、今から三つ叶えてる間か叶えた後にベジータかフリーザが来たら、お前達は殺されるに決まっている!そうなったらお仕舞いじゃ!地球にワープしてから残る願いで先ずはピッコロを生き返らせろ!そうすれば地球の神が生き返って、地球のドラゴンボールも復活する!フリーザについては、その後で対策を考えれば良い!』
クリリン「そ、そうか!デンデ、聞こえていたな?頼む!」
デンデ「は、はい!」
デンデ、ナメック語で言われた通りにする
ベジータ「貴様ら、俺を出し抜き・・・・」
フッ!(地球にワープ)
ベジータ「っ、ダニィッ!?」
界王様のスーパー意地悪(笑)
SF染みたのを多少見た時期のせいで?初見辺りにやはり、こんな冷めた事を考えてました。
悟空が心臓病で19号にやられ、戦いに餃子が参加してて悟飯が連れ帰った場合?
クリリン「な、なあ?ここは一旦退散した方が良くないか?時間がずれてるけど、悟空が心臓病で死んで、俺達全員やられて、悟飯だけがその時は逃げられたって、あの未来から来た奴が言ってんだろ?段々と、そんな流れになって来てるじゃないか?」
ヤムチャ「た、確かに・・・・悟空が生きてるからとか思ってたら・・・・何かSFとかで時々聞く歴史の修正力の一例が働いてるかもな・・・・」
天津飯「修正力?」
ヤムチャ「歴史改編とかしようとしたって、そう言うのが働いて結局は最終的に本来の歴史と同じになっちまうって理論があるんだよ・・・・」
クリリン「い、言いたく無いけど?これでもしも俺達がやられて、悟空が心臓病で死んだら正にそうですね」
餃子「じゃ、じゃあ悟空は・・・・家に着いて薬を飲んで回復しようにも、手遅れで死んじゃったりする可能性があるって事?」
ピッコロ「貴様等!縁起でもない事をごちゃごちゃ言ってんじゃない!」
クリリン「ピッコロ・・・・お前、かなり汗かいてるけど・・・・」
ピッコロ「こ、これは同化したネイルの奴の心配性のせいだ!」
ベジータ「・・・・」
↑
(勝つ自信はあるが、カカロットが死んだりしないか多少気になってる)
アニメオリジナル精神と時の部屋に入る前の悟空の腹拵えだが?
「ん~~っ、うめぇ!」
アニメでは、具の少ない山盛り牛丼みたいのを次々と平らげる悟空に気圧されてる悟飯だが?
「お父さん、やっぱり心臓病で寝た切りだった後だから、いつもより控え目ですね?もっと消化の良いものの方が良かったんじゃないですか?」
「でえじょうぶだ。ミスター・ポポが消化?が良くなるらしいリンゴも用意してくれたかんな、おめえもシッカリ食っとかねえと身体がもたねえぞ?」
「はい!」
↑そもそも、悟空の大食い知ってる側からしたら、身内があれくらいに気圧されるのがおかしいから、こんなのが正解なハズ。
老界王神様にその内、本当の女の胸や尻を触らせてやるからの下りでクズロット呼ばわりを加速させた悟空だが?
こんなんではダメだったのかな?
悟飯「お、お父さん?良いんですか、そんな事を言って?」
悟空「多分でえじょうぶだ。おらが子供の頃に亀仙人のじっちゃん相手に同じような事があったから、その時と同じ手を使うんだ♪」
悟飯「へ?」
悟空「牛魔王のおっちゃんの住んでたフライパン山の事は聞いてるだろ?フライパン山の火を消してもらう代わりにブルマの胸触らせてくれたらとか言って来てな?おら、その時に良くわからなかったから、安請け合いしちまったんだ。そん時な?ブルマはウーロンに自分に変身してもらって代わりに胸を触らせてやる作戦で上手く行ったんだ♪」
悟飯「な、成る程!でも、ウーロンさんやってくれますかね?それにバレたりしないでしょうか?」
悟空「なんか良くわかんねっけど?ウーロンの奴はブルマに変身した自分の胸触らせてやるんじゃなくて、確か『ぱふぱふ』?ってのをやって、バレねえどころか、じっちゃんがスゲエ幸せそうにしてたから、多分でえじょうぶかもしんねえ」
悟飯「ぱふぱふ?聞いた事ない単語ですね?」
悟空「だよなあ?おめえの方が頭良いし、知らねえ事を調べる方法詳しいだろうから、気になんなら後で調べてみたらどうだ?」
悟飯「そうですね」
その後、悟飯の運命は?
知~~らない、知~~らないっと。
何故か妙に気になってる部分を色々弄った。
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ラノベ系
母の望み バッドエンド間際?
冥界。
日本の本土程もあるグレモリーの敷地にある屋敷の一つ、そこの一室に彼女はいた。
赤く美しい髪をなびかせる美女、リアス・グレモリー……が、その表情は暗い。
扉が開き、入って来たのはリアスの髪の色を亜麻色にして多少年上にしたような女性、姉妹とすら見間違う若々しさを保つリアスの母、ヴェネラナ・グレモリーである。
だが、リアスを見るヴェネラナの顔には母としての情は一切無い……ただ哀れむような、見下すような、落胆を隠せないと言うものだ。
「酷い顔ねリアス……」
「お母様、イッセーは……」
「イッセー君?……いい加減に現実を見たらどうなの?彼はあるべき所へ行っただけの事よ、赤龍帝が向かうべき場にね……」
そう、トライヘキサを倒す為の隔離空間に兄サーゼクスや各勢力の首領クラスは赴いた……そして、魔王に主神と言った層だけではない、若き世代もイッセーを始めとして、ヴァーリ、曹操、サイラオーグと、新世代の頂上を争う戦士達も数多く旅立ったのだ。
「まあ、細かいところはさておき、貴女の落ち度は流石に庇いだては出来ません」
そう、リアスの落ち度……兵藤一誠と言う最強の兵士を得る以前に彼女の眷属には稀少な者達ばかりが集った。
アザゼルが言うところの、稀少な駒を自分の元に引き付けて、集った者達にどこまでも情を深く注げて、ロスヴァイセのような薄幸な者に組織人として便宜を図れる類いの王としてリアスは一種の理想ではある。
だが、それこそが今回の事態を招いたと言っても良い。
何故、自分は考えなかったのか?
そもそも、自分はゼノヴィアが評した悪魔の囁きのような便宜を図る保険のお姉さん等ではない。
……『王』
イービルピースを持つ王として極端に言えば、あのセラルフォーのような立ち位置を目指してイッセーではなく自分がトライヘキサと戦う立ち位置に立つべき王なのだ。
そのような王として、リアスは落第点だった。
世間が評した。リアスは王ではない……『姫』なのだと。
『姫』……そう、ライザーとの婚約を自分で解決出来なかった時点で、今のリアスが決定づけられた。
イッセーと言う、自分に都合の良い男性を求めていた惰弱な姫……女としては有り得るのだろう。
しかし、自分は朱乃のようにそのような存在を必要とするような生い立ちは無い……単にワガママなだけ。
家の都合で恋愛の自由までは失いたくはない、今思えば当時からライザーのような不良要素があるのを除いても貴族系からサイラオーグのような尊敬に値する男ではなく、自分が世話を焼かなければならない男……自分の下僕で例えれば佑斗やギャスパーのような系統でもなく、それこそイッセーのような突き抜けたおバカでどこまでも勢いのあるようなタイプを求めていた。
せめて自分好みの男と結ばれたい……一見正当性のあるようだが、貴族の有り様としては論外、ヴェネラナが理解してくれたのは自分はジオティクスと言う夫と巡り会えたからリアスの願望を多少は考えてやる猶予は与えた。しかし、リアスは少なくとも自分の主義主張を認めさせる程の努力をしていなかった。
そもそも、イッセーが『禁手』に至ったのは思春期の欲望と同時に清々しいまでに自分を求めつつイッセーなりの忠義でライザーとの婚約を破談にしてくれたのだが、見方を変えれば自分のワガママのせいで本来は不用意に至るべきではない域に駆け足で上らせた。場合によっては最悪の事態を招いたかもしれないのだと気にしてはいたのに。
……それを考えたら、自分が戦いの場に置いて『スイッチ姫』等と揶揄された要素を除けば、役立たず振りを積み重ねてしまう日々の始まりであり、結果的にイッセーは自分の為に強くなってくれたが、これも見方を変えれば強く『なってくれた』ではなく『ならざるを得なかった』自分の甘えの為にだ。嘗て指摘されたように、リアスは自分のワガママの為に伝説のドラゴンを使役する姫としてスイッチ姫と揶揄されるのが幸せな域に入ってしまった。
リアスは決して甘えていたつもりはないが、情勢と立場を考えに入れて自分の主張とイッセー達を守りたいのなら、極端に言えば、ヴァーリやサイラオーグのように家を捨てたり捨てられたりな境遇に入り、身一つで自分に降り注ぐ全てを打ち砕けるような力を得る気概と努力が必要だったが、それをやる事も無かったのだ。
貴族に生まれた運の良いだけの姫君と揶揄されるべきな甘えた小娘なのだと重い知らされた。そして、自分の長所は大なり小なり生まれた家の恩恵に過ぎないのだと。
何より、周りは何故考えないのだと、一年に満たない期間の間にリアスに問い続けていたのだ。
ライザーの件以降、レーティングゲームからして、本来全くの経験不足なリアスが戦うべきではなかったサイラオーグとまで試合が組まれ、実戦においても……極端に言えば、兄サーゼクスを始めとするクラスが積極的に事態の早期解決に出向かないで自分達が派遣されていた真の理由を。
そう、簡単だ。
『トライヘキサとの戦いを想定していた』
だからこそ、真っ先に出向くべき者達が積極的には前線に出なかった。曹操の持つ槍を危惧したり等は決定打に程遠かった。戦力を温存せざるを得なかったのが真相だ。
そして、若手を積極的に前線に送った理由は……これまた簡単だ。
『戦力を育てる為』
その点に関してサーゼクスは有事の際には前線に赴くのも厭わないと断言するサイラオーグに対して、若い君達はこれからの冥界の宝だからと諌めたが、今思えば若手を今回のような戦いに赴かせる事を必要としながらも、出来れば自分達だけで済ませたいと言う二律背反の思いで躊躇していたのだろう。
「サーゼクスが、イッセー君が来てしまう事を危惧してた理由が良くわかるわね、きっとこうなる事を『前科』を含めて見透かしていたのよ……幸いなのは『いたちの最後っ屁』を目の当たりにしなかった事ね」
「……」
ヴェネラナの言う『前科』と『いたちの最後っ屁』。
あの冥界を魔獣が荒らし回った際に、リアスは……恐らく、サイラオーグに立ち直らせてもらえなければ塞ぎ込んだままだったであろう、グレモリーの跡取りな貴族がだ。
そして、あのリゼヴィムは死に際の際にその醜聞を広めた。一度、痛い目に遭わされたファーブニルに怯えた際にやぶれかぶれで立ち上げた揺さぶり策の一つはスキャンダルには及ばないが、僅かな揺さぶりとはなった。
が、結局はイッセーの実績と名誉あってのもの。
今のリアスは遠回しに父から謹慎を言い渡されているのだ。
「では、失礼するわね…他の事を知りたいなら少しは自分で考えてからになさい」
「……」
ヴェネラナに伝えられた事、実はサーゼクスやイッセーとは度々連絡は取れている。
サーゼクス達からしたら、特にイッセーとサイラオーグのひたすら真っ直ぐな気質には闘志を刺激されている。イッセーは必ずトライヘキサを倒してリアスの元に帰る事を目指して戦い続けていた。ヴェネラナとしたら、ただそれを伝えてはならないと、結局は今まで通りのリアスをイッセーには会わせたくはなかったのだ。
「…リアス、イッセー君に出逢えた事だけは感謝なさい、私が母として望むのはアナタが自力で這い上がる事…後は好きになさい…」
風呂敷広げすぎな悪戯書き。
つまるところ、トライヘキサ関連は若い連中ばかりに任せる風潮には上手い真相として使えそうな類いからの発想した頃の試作。
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木場佑斗の任務 ※日常系だけど閲覧注意?
木場祐斗です。
僕は部長からの密命を帯びています。
と言うのは、最近イッセー君が家から時折抜け出して帰って来て?暫く皆の前に姿を見せないのです。
説明不要な理由で暴走しそうな部長達を止めたのですが?代わりに僕がイッセー君の追跡を行う事になってしまったのです。
部長達は、またイッセー君が新しい女を作ったと勘繰っていますが・・・・見た感じは女の子と密会って感じではないですね、特にオシャレしてもいない・・・・ですが、何故か静かに覇気が漂っています・・・・って、何事でしょう!?
イッセー君とは別の方向から、ヴァーリ、サイラオーグさん、曹操!?
な、何だと言うんだ?
ま、まさか・・・・ライバル達が、定期的に集まって戦っている?
い、いや・・・・協定や情勢関連等がわからない面子ではない・・・・多分。
けど、仮にそうだとしたら・・・・何故、僕はあの中に入れないんだ?と、嘗てエクスカリバーの件で抱いたような暗さに迫る感情が僕の中に渦巻いて・・・・その間に四人は無言でどこかに歩き出した。
ちょっと待って?あの方向って、普通に住宅地か商店街とかしか無いんだけど・・・・とか考えながら追跡してたら?な、何だ?向こうから来てすれ違った人達から、久し振りに嗅いだような匂いが?
進む程に少しずつイメージが鮮明になって来て漸くわかった。
あ、そうか・・・・これって『ニンニク』・・・・ギャスパー君がいるから控えてるんだよね?以前にシトリー眷属とのレーティング・ゲームでしてやられたから多少混ぜたりな料理を食べたり特訓して徐々に克服の兆しは出てるけど、まだ普通にやるのは気の毒だ。
そう言えば、もう昼食時・・・・あれ?四人が小さめの店に入ったけど、店の名前は・・・・?
『ラーメン字朗』?
「何だ?グレモリーの騎士君かよ?」
後ろから来たのは『美猴』?何故かと問うたら今日は一人であの店にと行こうとしただけと、面白いから見てみるか?と誘われた。
そして、四人は食券を買って席に着いた。
『ニンニクは?』
そう店主?から問われて・・・・四人共に?
『ヤサイマシマシニンニクアブラカラメ』
何の呪文?と思っていたら、次々と皆の前にラーメンが並べられた?
・・・・って、何なんだ!?
あ、あの丼に遠目からでもわかる山盛りになった野菜、角煮みたいな厚さの肉がどっさりと?
四人が何か丼に箸を入れたら上下が入れ替わり?見えた麺は・・・・ラ、ラーメンと言うよりうどんじゃないか?
そして、戦いは始まった。
そう、戦い・・・・戦いだ。
四人はひたすら無言で麺を貪るように啜る。
あ、あの四人の周囲から漂う気は一体・・・・そして、僅差で・・・・イッセー君が勝った。
初勝利!と叫んだ。
豚が一枚程度の差で、サイラオーグさんに曹操にヴァーリと食べ終わっていた。
四人は明らかに再戦を誓う雰囲気を漂わせて、それぞれの帰路に着いた。
そして、覗き見てたせいでいつの間にか店に入ってしまった僕は初心者向けのミニの野菜少な目を美猴に勧められて・・・・?
食べた。食べてしまった・・・・。
旨いとか、不味いとかじゃない・・・・ただひたすら力強い味だった。
字朗は字朗なんだよと説明された。
ああ、そうか・・・・イッセー君が暫く皆の前に姿を見せない理由がわかった。
ニンニクだ。
ニンニクの匂いを漂わせてたら女子達やギャスパー君に悪い・・・・。
部長達には、事情を話す事は出来ない・・・・彼処は女が行ってはいけない・・・・多分男でもそうは来れない・・・・けど、それでも?悔しいけど、僕は男なんだな。
そして、後日・・・・何かに誘われるように僕は、再び・・・・途中でイッセー君に出会って、事情を悟った彼は僕にこう言った。
『ニンニク、どうする?』
説明不要な店が元ネタ、力強い味もたまには悪くない。
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