バカと鈍感な戦闘狂と面白き学園生活 (サイコロさん)
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第"漢"章 二年F組―!風神先生―!!
二年F組ー! 風神先生ー!! ~今さら聞けない先生の特徴、特性編~


この物語は、この『バカと鈍感な戦闘狂と面白き学園生活』の設定などを風神先生が教えてくれる。まさに超エキサイティングな画期的方法なのだ!

(※これはフィクションなのです。そこを理解した上でのご覧ください)


今、此処はFクラス、普通ならうるさい野郎共が集まり、静かに座って待っている。そう…あの先生を!

 

 

「ガラガラ よ~し、授業を始めるぞ」

 

 

「ちょっとまったぁー!」

 

 

「どうした?明久、今は授業中なんだから静かにしろ」

 

 

「何で、颯人が先生なの? てか何を勉強するの!?」

 

 

「やれやれ、明久よ。こんなに野郎共が静かなのはそれだけ重要なことなんだ。ここは黙って聞いてくれ」

 

 

「うーん。わかったよ」

 

 

渋々ながらも座ってくれた明久を見て、俺はチョークを使って(Eクラスの友達がくれた)大きく書いた。

 

 

~ドキドキッ! 迫るあの先生の秘密!?~

 

 

「よし。今から「はーい」どうした明久?」

 

 

「文字面からおかしい気がします」

 

 

気のせいだ!

 

 

~ちょっと待ってね~

 

 

 

「よーし、試験召喚戦争では勉強も大事だが、先生選びも大事なんだ。そこで明久を手伝っていた俺が先生の特徴、特性を教えていきたいと思う」

 

 

「だが、まずは教科の説明だ。これがないと理解しにくいからな。まず、教科は現国、古典、数学、英語、英語W、日本史、世界史、化学、物理、保健体育の10教科だけどよ。最近、不健康な人間が増えているから、せめて知識面でもという理由から家庭科が追加された。そして教科に入らないが総合科目がある。合計12科目が試召戦争の科目だ。」

 

 

そして俺は、黒板に書いた先生の名前を指しながら喋り始めた。

 

 

高橋先生 学年主任

 

主な科目 総合科目 他の科目 全部

 

特徴、特性 ビシッと眼鏡とスーツを決めて出来る女の感じを出している先生。話して分かったのがかなり速く採点し、間違いには厳しい人 

 

 

西村先生 生徒指導担当兼補習担当

 

特徴、特性 いかにもガタのいい体格、いかにもスポーツマン然とした先生。話して分かったのが厳しいけど優しい。科目がないのは補習担当だから。(一年生の時に、放課後の時の予習、復習、補習を手伝ってくれてお世話になりました)

 

 

竹中先生 国語担当

 

主な科目 古典 他の科目 現代国語 物理 

 

特徴、特性 眼鏡とヅラだと一目で分かるほどの合っていない感の髪の先生。話して分かったのがヅラがずれているとついついトイレに行ってしまうこと。(最近、髪の毛を増やし方を相談されている)

 

 

長谷川先生 数学担当

 

主な科目 数学 他の科目 特になし

 

特徴、特性 眼鏡を決めた若い先生。話して分かったのが何故か自分だけ召喚可能フィールドが20メートルぐらいあるらしい。(最近、とある生徒に点数を置いて抜かれそうになっていることが不安らしい)

 

 

布施先生 理解担当

 

主な科目 理解 他の科目 物理 化学

 

特徴、特性 いつも白衣を着ている先生。話して分かったのが明久の逃走行為に困っていることらしい。なので基本的、俺が雑用している。(たまに討論し合っている)

 

 

船越先生 数学担当

 

主な科目 数学 他の科目 特になし

 

特徴、特性 眼鏡をかけた結婚願望がある先生。話して分かったのがマジで生徒でもいいから結婚したいらしい。(後、合コンのセッティングを俺がしている)

 

 

竹内先生 国語担当

 

主な科目 国語 他の科目 古典 現国

 

特徴、特性 綺麗な茶髪を伸ばした先生。話して分かったのが明久が手伝ってくれないので困っているらしい。後、何故か? 風神君は乙女心は理解しているけど恋心は鈍感です。とよく言われている。

 

 

遠藤先生 英語担当

 

主な科目 英語 他の科目 英語W

 

特徴、特性 何かおっとりしている先生。話して分かったのがめっちゃ優しく、寛容なので多少のことは許してくれる。最近、 風神君は鈍感ですね……と苦笑いされている。何故だ?

 

 

木内先生 数学兼理科担当

 

主な科目 数学 他の科目 物理

 

特徴、特性 きっちりしている先生。話して分かったのが厳しい。自分にも他にも厳しく!がモットーな先生。

よく、苦手な数学の予習復習にお世話になりました。

 

 

大島先生 実技体育兼保健体育担当

 

主な科目 保健体育 他の科目 特になし

特徴、特性 スポーツマン風な体格と黄色いジャージを着ている先生。話して分かったのが、良い先生なことと下手したら特殊部隊やアスリートも顔負けの運動能力を持っている。

 

 

五十嵐先生 社会担当

 

主な科目 社会 他の科目 数学 化学

 

特徴、特性 逆らって上がったように見える髪型のド派手な先生。話して分かったのが、演劇部の顧問でよくお世話になりました。最近、演劇なら鈍感じゃないのに……なんでこうなるんだ……後、君がいると三人がヤバい。助けて。って肩を掴まれ、涙目と涙声で話されている。(後ろの部員達も何故か目で訴えてきた)

 

 

松村先生 保健室の先生兼補習担当

 

特徴、特性 一目見れば某荒野からきた強者な先生。話して分かったのが心は乙女な先生。後、この先生の補習を受けた生徒がオカマになることから、オカマ先生と呼ばれてる。よく"風神は鈍感だから、かなりアプローチしなさい!"と俺の友達によく言ってる姿が多い。

 

 

永井先生 家庭科兼実技芸術、音楽担当

 

主な科目 家庭科 他の科目 古典 現国

 

特徴、特性 長く美しい濡羽色の髪をストレートにした。豊満なスタイル、氷のような薄い水色の瞳を持った先生。その美貌と優しい性格から生徒達から『お母さん』と呼ばれている。そして俺のことを慕ってくれる後輩のは母親で隣に住んでいる。何故か? 目を合わすと顔を赤くしたり、他の先生に相談している姿が多い。

 

 

「以上、戦争での役にたちそうな先生達だ。」

 

 

「突っ込みどころが多いけど、代わりに雑用してくれたの颯人だったんだ」

 

 

「そうだ。という訳で、明久は一緒に着いてこい」

 

 

「ん? どこに?」

 

 

「永井先生のところだ。二人より三人だろ?」

 

 

「……一応聞くけど何って呼ばれてるの?」

 

 

「確か……あ、あの風神君! 少し着てもらっていいかな?少し手伝って欲しいの... と顔を赤くして言ってた」

 

 

「さっさと行け。この鈍感が!」

 

 

「殴るぞ」

 

 

結局、俺一人で手伝いました。何故か体を押し付けたり、脱いでいたけど……終わったら何故かショックを受けていた永井先生でした。(その後、色んな先生に泣かれたり、怒られたり、鈍感って言われました。解せぬ)




皆は気づいているかな?
実はコレ! 第9話の"あの授業"なんです!
風神は教えるのが上手いのでよく講師されたり説明係になったりしてるんです。そのために賢い!後、明久の代わりに雑用をやってるので明久をおとしめれるなら、おとしめたいと思ってしまうけど本音は優しいやつなんです。許してやってください!!!(筆者土下座中)


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二年F組ー! 風神先生ー!! ~恋する乙女達の相談ラジオ~ (※主人公の過去が明るみになります)

このラジオは、数奇なる運命と彷徨える恋心が突如ぶつかりあう奇妙な話である!

(簡単にいうと、本人が本人に恋してる人に向かって相談していること)


そこは文月学園。学力志向主義であり、学を求め、学に愛された者共が集う魔境。文月学園は部活も実力主義であり、結果を残したら待遇は上がるが残せれなかったら待遇は下がる。そんな魔境にいる強者どもにも興味をひく面白いものがある……それは放送部が率先してやっている―――

 

 

「風神と♪」

 

 

「新野の♪♪」

 

 

「玉野でー♪♪♪」

 

 

「「「恋の相談ラジオー!!」」」

 

 

――――恋ばなである。

 

 

「さぁ今日も始まりました。文月学園放送部によるラジオ。パーソナリティーを務めさせていただきますは二年C組新野すみれです。そして―」

 

 

「はい。恋の相談役の玉野美紀と「何故か呼ばれた風神颯人」です よろしくね」

 

 

「はい、このラジオでは校則や国の法則に関係なく色んな質問ができます。例えば…同性愛、禁断の恋などですね」

 

 

「よし。まず一人目いこうぜぇ!」

 

 

「おぉー!」

 

 

俺と玉野が手を挙げてノリノリな雰囲気でやっている。

 

 

「まず一人目からのご相談です。『僕はとある女子生徒と付き合っています。それなりに仲良くやっており夢に向かっているんですか……異端審問会と呼ばれてる謎の覆面集団に邪魔をされています。どうしたら良いでしょうか?教えてください』この質問に対して何かご意見はあるのでしょうか?教えてください」

 

 

「よし、とりあえず俺が異端審問会を全治一年程の怪我を負わせる。そしたらしばらくは邪魔されないはずだ」

 

 

「はい。かなりデンジャラスな意見をありがとうございます。以上『邪魔してくれたなぁ……コロス(16)』さんからでした。」

 

 

帰ったらとりあえず、武器を用意しないとな。

 

 

「続いて二人目のご相談です。『Dear! 愛する我がマイハニーに、愛のプロポーズをした! しかし断われ続けられている……そこで合法非合法関係なく、我が物にする方法を教えてくれる参考書が欲しい! 是非とも教えてくれ!』だそうです。何かご意見はあるでしょうか?教えてください」

 

 

「えっとね。確か…風神君がお金集めで書いている『轟け! バカな俺のハードな愛を―! ~バカで憎めないアイツと~』と有名な作品だとね。確か……『伝説の木の下で貴様を待つ』かな~」

 

 

「ちなみにどんな感じてすか?」

 

 

「んッとね。『轟け! バカな俺のハードな愛を―! ~バカで憎めないアイツと~』はね。純愛かつハードな内容で最初は悪友だと思っていたけどいつの間にか恋に落ちていて、アキちゃんが女装することで自覚した愛を何とか伝えたい気持ちでいっぱいでね。そしたら監禁、洗脳、暴力などの重い行動がいっぱいだったり、結婚できない現実の残酷な描写が多いけど最後にはそんな困難を乗り越えた純愛の力でハッピーになってみせる作品で、私もオススメだよ~ また、『伝説の木の下で貴様を待つ』はね。どうしても愛を受け取らないユウジに向かってナオキが鈍器を使って殴りにいくというシーンから始まり、数々の難関や敵、さらにはユウジの思いが駆け巡るシーン、ナオキがモテモテになるシーンがあるけど最後には幸せになる作品だよ~ふたつの作品はオススメだから是非とも読んでね~後、『轟け! バカな俺のハードな愛を―! ~バカで憎めないアイツと~』は同性愛でも、小説としても良いから読みやすいから、特に読んで欲しいな!」

 

 

「お申し込みは風神颯人までに、後日に配達します。尚、お申し込みする際は住所を書いた紙と税込580円を払いください」

 

 

「はい。素晴らしいほどの説明と商人魂でした。以上『須川!愛してるぞ―!(17 ボディビルダークラブ所属)』さんからでした」

 

 

須川……お前を愛してくれるやつはいたぞ……よかったな。キラーン

 

 

「続いてのご相談は『わしには恋してる人がいるのじゃが、わしのことを男と見ている。普通なら嬉しいんじゃが……その人がそう思っているとわしと付き合えないことを示しているようで心が痛む。わしを助けてくれて…わしの側に居てくれて…わしの側で泣かせないようにしてくれる……どうか教えてくれ!わしはおかしいのか!わしの思いは段々膨れ上がっているのじゃ!わしはこんなに愛してるのに付き合えないか!! わしはどうすれば良いのかのぅ……』「……風神さん、あなたの意見を教えてください」

 

 

俺か、俺はなぁ……

 

 

「俺はなぁ、愛することも愛されることも知らねぇクソガキだ。けどよ…俺は性別とか関係無く愛していいと思う。俺は旅しているから色んな考えや感覚を持っている。だから俺からすればそんなもん同性婚を認めている国に住めばいい話だから…俺からすれば…人種性別年齢関係無く愛して、恋していいと思う」

 

 

「……ありがとうございます。以上『演劇男子(17)』さんからでした。(ボソッ 良かった…本当に良かったですね……グスッ」

 

 

「頑張ってね。私たちは応援しているから、諦めちゃ駄目だよ。恋は敗けを認めたら終わりだから!」

 

 

いい話だ。俺は愛することを尊重する。そうすることで俺みたいなのが減るから……

 

 

「続いての相談です。『私は恋をしてます。そしてその本人は気づいて貰えません。しかし、私は先生です。相手は生徒です。私の子供も彼に恋してます。おかしい話です。前に痛めつけてくる旦那から守ってくれて、色んな相談だったり、メンタルケアをして貰う内に恋をしてしまったんです。この恋は片想いで終わらすべきですか?また、私の息子も恋を諦めるべきですか。教えてください』……風神さん、また返答をください」

 

 

………………………俺は

 

 

「関係ねぇ! いいか、よく聞け! 俺はなんかは親が捕まった時に言われたのがなぁ――」

 

 

 

 

「――"お前なん愛さなかった方がよかった"だ!」

 

 

「俺もあんたも!息子さんも!!どうせなら最後まで粘れよ!愛せよ!俺みたいになるんじゃねぇぞ!!俺みたいに過去に心を壊れて、愛を、恋を忘れては人生苦しいだけだ!最後までやりとおせよー!!諦めたら終わりしかないんだよー!!!」

 

 

俺は大声で話してた。いつの間にか興奮していたのか、頭がグルグルして気持ち悪い。

 

 

「…はい。意見をありがとうございました。以上『恋する先生(34)』さんからでした」

 

 

「これで最後にしたいと思います。『私には悩みがあります。それは愛してる人が愛してくれることを忘れていることです。私、いや私たちは愛してます。彼が愛されていることをどうか伝えれないでしょうか?教えてください。これ以上、苦しむ姿は見たくありません!お願いします』……これに玉野さん、風神さんから意見はあるでしょうか?」

 

 

「んッとね……やっぱり愛し続けることだと思うの。確かに愛は通じないけどね。だけど私だって男同士の恋が好きなように、そして愛し続けてるの。そうすればきっと通じると思うからね。愛を止めたら、愛することを忘れちゃう!愛はど根性だよ!頑張ってね」

 

 

「……すまねぇ、俺は何とも言えない。けどよ。俺だったら愛して欲しいな……」

 

 

俺は…愛して欲しい……かもな。

 

 

「……ありがとうございます。以上『恋する戦女神(17)』さんでした。これからもいろんな相談を受け付けます。ではまた会いましょう。さようなら~」

 

 

「「さようなら~」」

 

 

こうして、恋の相談は終わった。そうして風神は...

 

 

「ほらほら、頭撫でてあげますよ~♡」

 

 

「いらん」

 

 

「大丈夫、いつでも甘えていいからね」

 

 

「必要ねぇ」

 

 

「わしも甘やかしたいのじゃ!」

 

 

「お前ら、どうした!? 今日は変だぞ! 何故か先生から熱っぽい目線くらうは、後輩から奢られかけられるは、友達がいつもより優しくなるわ、明久達から殺されかけるわ!……これは普通か。何が起きているんだ!?」

 

 

そういうとため息をついて、愛菜達は言った。

 

 

「「「やっぱり鈍感ね。(じゃ)(ですね)」」」

 

 

「何故だー!!」

 

 

放送した日からだいぶ優しくなった幼馴染みと友達でした。




彼が口悪いのはおわかりですか? 彼が鈍感なのがわかりましたか? 彼が本当は何望むのか、わかってくれましたか?


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第零章 嵐前の静けさ
プロローグ 運命の日の前


ノリと勢いで書いた。 後悔も反省もない。こんな作品で楽しんでくれば嬉しいです。


冷たい風が吹き終わり、だんだん温かくなってきた頃、

僕らは最後のまとめをしていた。

 

 

「よーし明久 テスト前の小手調べだ!」

 

 

「[三権分立]は[司法]と[立法]ともう一つは何で成り立つか?」

 

 

今、問題を出したのは坂本雄二(サカモトユウジ)" 僕の悪友だ。

身長は180強くらい、やや細身であるが華奢なわけがではない。むしろボクサーのような機能美を備えた細さを感じる。そして顔は意思の強い目とライオンを表すような短い髪の毛がツンツンと立っていてまるでたてがみのようだ。

 

 

「ふ……あまり僕を見くびらないでくれよ。雄二…………二つまでは絞れる」

 

 

「ほう」

 

 

「[憲法]か、[漢方]のどっちかだったはず……」

 

僕はキメ顔でそういった。確かにどちらだったはず。雄二は呆れながら、

 

 

「……[行政]だ。この馬鹿が」

 

 

「なんだと! そっちこそ馬鹿のクセに生意気な!」

 

 

「んだとごらぁ!決着つけるぞ!」

 

 

そう争っていると、女子の声が聞こえた。

 

 

「あんた達、何してるのよ」

 

 

「あ! 島田さんだよ。雄二挨拶しないと、その手を僕の頭かぎゃあああああああ!!」

 

 

雄二のアイアンクローを受けて悲鳴をあげる僕、決してテスト前では絶対観れない光景だろう。

 

 

~少々お待ち下さい~

 

 

「なるほどねぇ…」

 

 

今、考え事をしているのは"島田美波(シマダミナミ)" 僕の天敵だ。

身長は150強くらい、勝ち気な目とポニーテール、さらに髪を結んでいる黄色く大きなリボンが目立つ。そして何よりの特徴は鉄壁の胸部が本♡☆◇○☆♡◇◇!!??

 

 

「吉井…今、何を見て思ったかしら。(ニコニコ)」

 

 

~全然進まないので処刑シーンはカットします。処刑シーンを楽しみにしていた皆さま、大変申し訳ございません~

 

 

「あ それじゃウチからも~!」

 

 

「では基礎問題! [CH3COOH]とは何でしょう?」

 

 

島田さんはそう言って、僕の方を向いた。そして僕は、明後日の方へ向いた。

 

 

「吉井?」

 

 

「………英語は苦手なんだ」

 

 

誰だって苦手なものはある。仕方ないよね。

 

 

「え……?これ英語じゃなくて「じゃあ僕 こっちだから!」化学……」

 

 

急がないと、遅れたら失格扱いされるもんね。

 

 

「そういえば、師匠は、どこにいるの?」

 

 

「さぁな、俺も知らん」

 

そんな二人の小言を聞こえてきた。そういえばアイツが遅れているのは、おかしいな?まぁ今は、自分のことに集中しないとね。

 

 

 

 

 

場所変わって、教室の中はペンが走る音しかしない中、僕は……

 

 

(これが難しすぎて、壊れた人間が多いと噂の振り分け試験か…)

 

 

(確かに難しいけど問題ない……この程度なら十問に一問は解ける!)

 

 

勝利を確信していた!

 

 

(これなら20点は堅いな)

 

 

勝利を確信し、勝利の酔いに酔いしれていた時、

 

 

ガターン 誰かが倒れてた音がした。

 

 

「姫路さん!」

 

 

僕は声を出し、駆け寄った。

 

 

「はぁ…はぁ…」

 

 

姫路さんが苦しそうにしていると先生が近寄ってきた。

先生は口を開けて、こういった。

 

 

「試験中の途中退席は無得点扱いになるがいいかね?」

 

 

「ちょ、ちょっ先生! 具合を悪くなって退席するだけでそれは酷いじゃないですか!!」

 

 

「試験前に体調管理を疎かしたのが悪い。 そしてこれは規則だ。 吉井、お前達も早く席に戻りなさい」

 

 

「確かにそうだけど、そうだけど……」

 

 

だからってこれは酷いじゃないか!

 

その時、誰かが席から離れる音がした。

身長180強くらい、だが雄二よりも高い身長、一見細身に見えそうだが、雄二に余裕を持って勝つほどの筋肉、技術を持つ 髪の毛は黒髪のショートとアホ毛 そして100人見て100人は怖がるだろう目つき 暗緑色の瞳 一目見てヤクザの若頭だろう。

 

        

そして僕の悪友"風神颯人(カゼカミハヤト)"だ。

 

 

~吉井SIDE終了~

 

 

~風神SIDE~

 

 

まったく、素直に黙って観ていたが、さすがに耐えれなぁ。俺のダチが頑張っているんだ。ここで一肌脱ぐしかねぇ! 

 

 

「先生、失礼します。」

 

 

「どうした、風神 お前も席に着かないと無得点扱いになるぞ」

 

 

「いやぁ、か弱き女子生徒を庇う勇気ある男子生徒を見まして、動かなくてどうする」

 

 

「しかし、規則に乗ってある上の判断をしただけ、この後はどうも出来ん」

 

 

俺は愛想笑いを作り、先生に一つ申す。

 

 

「いやいや、その女子生徒を運ぶことは出来ますよ」

 

 

「しかし、それでは規則に乗っ取り、お前も無得点扱いとなる。」

 

 

「勘違いしないでください。俺は規則を理解した上での判断……先生は規則を守り、その上での判断をしただけ、俺も、俺の意思を貫くのみ」

 

 

「……わかった。風神も無得点扱いとす」

 

 

「では明久!」

 

 

「え!?何何?」

 

 

「後は任せろ!」

 

 

俺はそういって、教室から出た。姫路をおぶったまま、

 

 

 

 

 

場所変わって保健室

 

 

「はい。これで大丈夫」

 

 

「そうか」

 

 

保健室の先生に姫路を任せ、少し立った頃。既に試験は終わって夕方だろう。さて今晩の献立はどうするか?

 

 

「………ん…ん…」

 

 

おっと姫路さんの目が覚めて来たようだ。

 

 

「ここは…何処ですか?」

 

 

「あら、ようやく目覚めたのね。ここは保健室よ」

 

 

「へぇ,あぁ…そうでした。 でもどうして、此処に?」

 

 

「グッドアフタヌーン 姫路」

 

 

「風神君! どうして此処にいるんですか?」

 

 

「姫路さんが倒れていたから、連れてきただけ、そんだけさ」

 

 

「そんだけって、二度と試験を受けれなくなるんですよ!」

 

 

確かに、文月学園では二度と試験が出来ないだろう。

規則に厳しい学園長のことだ。慈悲はないだろう。

 

 

「構うもんか、それで自分の信念を曲げるくらいなら受けない方がいい」

 

 

「風神君……ありがとうございます」

 

 

「それに……」

 

 

「??」

 

 

「恋する乙女を応援して何が悪い。ニヤニヤ」

 

 

「かかかみ、風神君なななな何のことでしょう」

 

 

「あら、私も混ぜてちょうだい。安心して全て聞かせて貰うかしら。ニヤニヤ」

 

 

「松村先生も、何言っているんですか!?」

 

 

その後、一人の女子をからかう二人の男性の影が残っていた。




女の子を救うために、試験を捨てた漢 風神颯人 彼が行く先はFクラス。そこでは、いったい何がいるのか!

次回 俺と先生と幼馴染み達


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第1話 俺と先生と幼馴染み達

第一問 以下の問いに答えなさい。

『調理の為に火にかける鍋を製作する際、重量が軽いのでマグネシウムを材料に選んだのだが、調理を始めると問題が発生した。この時の問題点とマグネシウムの代わりに用いるべき金属合金の例を一つ挙げなさい。』


姫路瑞希の答え「問題点……マグネシウムは炎にかけると激しく酸素と反応する為危険であるという点。 合金の例……ジュラルミン」


教師のコメントー正解です。合金なので『鉄』では駄目という引っかけ問題なのですが、姫路さんは引っかかりませんでしたね。


土屋康太の答え「問題点……ガス代を払っていなかったこと」


教師のコメントーそこは問題ではありません。


吉井明久の答え「合金の例……未来合金←(すごく強い)」


教師のコメントーすごく強いと言われても。


風神颯人の答え「問題点……材料が…なかった。(T_T)」


教師のコメントーわざわざ顔文字まで描いて伝えなくてもいいです。 


(※今回、凄まじいキャラ崩壊があります。ご注意下さい。あと読んでくれた方々に圧倒的感謝を!)


俺がこの文月学園に入学して二回目の春が訪れた。学園に続く坂道の両側には花満開の桜が咲き誇っている。爽やかな風が吹き、花びらが舞う。これほど素晴らしいモノはないと思う。そんな中…俺は……

 

 

 

 

 

 

 

 

「くらえぇぇぇぇえ!!! ライダァァーキックウゥゥ!!!」

 

 

教師に向かって、攻撃していた。そして、教師と俺の足がぶつかる直前、世界が止まった。

 

 

「風神、そんなに俺を倒したいのか?」

 

 

教師はため息をついていた。 バカな、俺のライダーキックを片手で掴んだと、しかも余裕の感じがする。これが先生の力…!

 

 

「流石は西村先生ですね。まだまだ自分の愚かさが解ります」

 

 

「そう思うなら、攻撃を止めんか。お前は優秀なのにこういうクセを治さないのか?」

 

 

「戦闘こそ我が生き様、まだ見ぬ強者に勝ち続ける。そのためにはあんたの屍を越えなければいけない」

 

 

「よかろう。補習室送りにしてやる。いざ…覚悟しろ! 風神!!」

 

 

気配、オーラ、何と例えれば分からない 何かに満ち溢れている。ただ一つだけ言えることがある。

 

これは本気だ!

 

「西村先生、いざ……覚悟おおお「ふん!」ふぉおおおお!

 

 

この痛み この感触 間違いない。これはハリセン!トンカチで殴られても平気な頭をこんなにダメージを与えるとは!

こんなにハリセンを上手く使えるのは一人しかいない!

 

 

「優子! また邪魔をするのか! なぜだ。なぜなのだ!!」

 

 

そう俺の邪魔をしたのは、幼馴染み5人衆の一人 "木下優子(キノシタユウコ)"。小柄な体で、肩にかかる程の長さの髪をきっちりとまとめた感じだ。そしてツンデレ←(これ大事

 

 

「決まってるんでしよ。あんたが西村先生に迷惑をかけているから止めただけ」

 

 

「そうじゃぞ。颯人は強者を見ると戦いたくなるからのう」

 

 

何か爺口調で話す…独特な言葉使い……ハッ!

 

 

「秀吉、お前もいたのか」

 

 

「うむ お主に会いに行こうとしてのぅ。そしたら姉上と一緒の時間になったのじゃ」

 

 

幼馴染み5人衆の一人、唯一の男性"木下秀吉(キノシタヒデヨシ)"演劇を愛し愛された男、演劇一筋の男ぜよ。見た目は優子を男にした感じだな。

 

 

「なるほどなるほど、まぁそれはおいといて、西村先生」

 

 

「うん、どうした風神?」

 

 

「俺のクラスはもちろんあそこですよね」

 

 

「あぁ、あそこで合っているぞ」

 

 

その時、何故か優子が威張っていて秀吉が悔しそうにしていた。

 

 

「さて、一緒に行きましょ。颯人♪」

 

 

「? いったい何処へ?」

 

 

「決まってるじゃない。私たちAクラスの教室よ♪」

 

 

「颯人よ。寂しいが、また遊びに行くからそのときは遊んでほしいのぅ」

 

 

優子が嬉しそうに声を上げて、瞳をキラキラさせているに対して、秀吉は今にも泣きそうな表情で俺を見送る。

あれっ……?勘違いしていらっしゃる?

 

 

「あー 木下兄弟よ。実はなぁ…「先生 言わなくても分かりますからご安心を♪」「ぐぬぬ、勉強を…勉強さえ出来れば……わしは…わしは……」風神はFクラスなんだ」

 

先生は俺の封筒を開けて、Fクラス行きの紙をペラペラ と動かしながら見せた。

 

 

「「え?」」

 

 

その間、木下兄弟はフリーズをしていた。

 

 

 

 

 

「「えええええええええええええええええ!!!!」」

 

 

そして、普段の二人から想像もしない。声の大きさに驚いた。

 

 

「お前ら、もう少し静かにしろー!だいたいお前ら「ナンデナンデナンデナンデナンデナンデ…」「あぁ神よ。 私は今、あなたに感謝をしています。…神は実在していた!」……大丈夫か?」

 

 

優子は壊れたように繰り返し発言し、ハイライトのない瞳になっている。一方秀吉は神様を褒め称えているように見える。まるで狂信的な信者のごとく。

 

 

「ヘルプミー。西村ティーチャー」

 

 

「無理だ」

 

 

先生は無慈悲だ。

 

 

~ちょっと待ってね。~

 

 

「先生…どうしてFクラス何ですか。ナンデナンデ…」

 

 

木下兄弟に向かって、Fクラスになった理由を教えると

 

 

「待ってね。今すぐその教師の生首持ってくるから」

 

 

「いや、止めんかい」

 

 

どうしてこんなった。秀吉も秀吉で

 

 

「あぁ神よ、あぁ神よ!これは神が与えた希望ですね。わしはこれを必ずしも必ずしも、無下にしないようにして見せます。どうかわしにも力……」

 

 

あれ?どうした。薬でキメたのかなぁ。

 

 

「どうしてこんなった」

 

 

「風神よ。本当に鈍感なのか……」

 

 

先生に悪口言われた。ショボーン

 

 

場所変わってFクラス前、その前にAクラスまで優子を送ったのはいいが、また幼馴染み5人衆の二人に問い詰められた…そんなに俺がAクラスじゃないのが可笑しいか?後、何でAクラスという豪華なクラスになったのに三人ともお通夜みたいな雰囲気になってるだ?

 

(どんくらい豪華というと、教室は広い、個人用のノートパソコン エアコン 冷蔵庫 リクライニングシートなどがあり、さらにお菓子やドリンクが飲み放題←これ大事   まさに高級ホテルも真っ青な設備だ)

 

 

(まぁ…前から来ていたけど、そういえばあいつらは…Aクラスしかないな)

 

 

俺の3年の知り合いもものすごく賢いからな。多分大丈夫なはずた。

 

 

「颯人よ…颯人よ…」

 

 

考えていたら、秀吉が声をかけてきた。

 

 

「どうした? 秀吉、お前らしくないぞ。いつもの男らしい秀吉は何処に行った?」

 

 

「いや、しかしのぅ。見るからに廃墟なんじゃが………」

 

 

秀吉が、うろたえる理由がよく分かる、Fクラスは、ぼろぼろ、まるで戦争後のごとく、ぼろぼろだ。風は吹き、2ーFのプレートも落ちかけている。こっちもこっちで真っ青になる環境だ。

 

 

「まあまあ、住めば都とか言うだろう。それに俺は旅しているときはバイクの上とかで寝てる分、まだ良い方だ」

 

 

「うむ、そうじゃのう。確かに住めば都じゃから、気にせずいくのう」

 

 

秀吉と俺は、そう思い教室へ入っていた。ここからいったいどんな出会いや体験が、待っているだろうか。俺は思いを抱き、日々を楽しみにしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「早く座れ、ウジ虫野郎!…………あっ」

 

 

俺はラリアットするため走った。




出会い頭なのに即罵倒!? そんな非常識な奴らが集うFクラス、そこには伝説の存在が、いた!……後、筆者は後先考えているのか?


次回 俺とFクラスとキング·オブ·バカ


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第2話 俺とFクラスとキング·オブ·バカ

第二問 問 以下の意味を持つことわざを答えなさい。

『(1)得意なことでも失敗すること』
『(2)悪いことがあった上にさらに悪いことが起きる喩え』




姫路瑞希の答え 「(1)弘法も筆の誤り」 「(2)泣きっ面に蜂」


教師の答えー正解です。他にも(1)なら「河童の川流れ」や「猿も木から落ちる」、(2)なら「踏んだり蹴ったり」や「弱り目に祟り目」などがありますね。


土屋康太の答え 「(1)弘法の川流れ」


教師のコメントーシュールな光景ですね。


吉井明久の答え 「(2)泣きっ面蹴ったり」


教師のコメントー君は鬼ですか。


木下秀吉の答え 「(1)風神が暗殺失敗」 「(2)風神のデート中に姉上にバレて、皆にバレてしまう。」


教師のコメントー解らないからって幼馴染みのことを書かないで下さい。


前回のあらすじいぃぃぃぃ!!

坂本雄二が、木下秀吉と風神颯人に悪口いった。そして雄二、死す チーン

 

 

~雄二復活中~

 

 

~木下SIDE~

 

 

雄二が、復活するのを待っている間、わしはFクラスを見渡した。まず目に入ったのが風神颯人……ハッ!違う違う わしはFクラスを見るんじゃ。よし……OKじゃ!

 

ちゃぶ台

 

座布団

 

窓と壁

 

坂本雄二と風神颯人

 

 

わしは目をこすり、もう一度見回した。きっとわしは疲れておったんじゃ。そうに違いない。

 

古びたちゃぶ台

 

いかにも綿がはいってない座布団

 

壊れてビニール袋とセロハンテープだらけの窓

 

落書きとひび割れしかない壁

 

坂本雄二にジャーマンスープレックスをしようとする風神颯人

 

 

ふむふむ…………なるほどなるほど

 

 

「いくらなんでも酷いんじゃ!! 後、これ以上やったらさすがに雄二が死んでしまう。颯人!!」

 

 

まずは友達を救わなければいけないのじゃ!

 

 

~木下SAID終了~

 

 

~風神SIDE~

 

 

なんやかんやらありまして、少し落ち着いていると、雄二が口を開いた。

 

 

「はぁはぁ…し、死ぬかと思ったぜ。颯人」

 

 

「いや、これでもかなり手加減したつもりだぞ。みぞおちに10発じゃなくて1発済んだだけで、良かったと思え」

 

 

「いや、だからといって音速並みのパンチは出さなくてもいいだろう!」

 

 

「いやぁ、すまんすまん。何卒手加減が出来ぬ所で‥」

 

 

「そのたまになる古くさい喋り方を止めんか!……それはそれとして、颯人」

 

 

「どうした?」

 

 

「お前もFクラスなのか?」

 

 

「如何にも、Fクラスの暴れ牛とは俺のことよ」

 

 

「入ったばかりだろうが、しかし予想外の戦力が手に入ったな」

 

 

「「??」」

 

 

木下と俺が首をかしげていると、とある人物が来たようだ。

身長165 サイドの跳ねた茶髪の髪を持つ男 バカっぽい面 そして何より女装が似合う!そうこの者の名は!

 

 

「すみません、ちょっと送れちゃいまちた♡(テヘペロ」

 

 

「「「「「死ねぇええええええええええ!!!!吉井明久さぁぁぁ!!!」」」」」

 

 

そう 天下一の大馬鹿者"吉井明久(ヨシイアキヒサ)"である。現になめ腐った態度で、入ってきた……男のテヘペロに価値は無に等しい。

 

 

「ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

さて、待ちますか。

 

 

 

 

「ふぐぅ、おぶっううぅぅうう、はぁはぁ」

 

 

吉井が死にかけていたので、湿布を貼って助ける俺、人生何起きるか、わかんねぇな。

 

 

「おはよう、明久。手厚い歓迎どうだった」

 

 

「この世から去るところだった…」

 

 

まじで死にかけてんなぁ。すると吉井から声をかけた

 

 

「颯人もFクラスなの?」

 

 

「そうだ。如何にもFクラスの「二回もやらなくていい。」………風神颯人だ」

 

 

ちくしょう!こいつ嫌いだ! そう嘆いていると明久が、雄二に話しかけた。

 

 

「雄二…そういえば、何で教壇の上にいるの?」

 

 

「一応、このクラスの代表からな、兵隊の確認していたんだ。」

 

 

「ウソだ。絶対ウソだ! 雄二にそんな賢いはずが「ドン 次は当てる」そうです。世界一雄二様は賢いです。なので慈悲をお慈悲をぉー!!」

 

 

「うむ、素晴らしいほどの手のひら返しじゃ。流石明久じゃ」

 

 

「うん…この声は……秀吉じゃないか!」

 

 

「お前…本っ当に男好きだなぁ」

 

 

「颯人! デマ情報に騙されてはいけない。僕は正真正銘女の子が好きなんだー!」

 

 

「では、一つ問おう。秀吉は男か?」

 

 

「何言ってるんだ。秀吉は秀吉でしょ」

 

 

「島田 ヤれ」

 

 

「何言ってるんだ。それじゃまるでぇぇいやぁぁぁ!!!」

 

 

「イエス、マスター、そして、はろはろー」

 

 

「「島田、おはよう(じゃ)」」

 

 

あいさつしている時、何かが通りすぎたそして島田さんの下に留まった。そういえば、こいつはアレだったな

 

 

「おはよう、康太」

 

 

「……見え………見え「やっぱりな」そうで見えない…………」

 

 

土屋康太

身長160くらいか? 本人があまり公開してくれないからわかんねぇな。幼い顔立ち、小柄だが、引き締まった筋肉、桁外れな運動神経 そして、

 

 

「ふおぉう!(ブシシャァァァアー!!」

 

 

「ムッツリーニーー!!」

 

 

ものすごくムッツリであること。こいつの異名は後々話そう。そうしていると、先生がやってきた。

 

 

「そろそろ、席についてください。HRを始めます」

 

 

そう聞こえたので、俺は明久の前の席に座り、前を向く。そして先生から声が聞こえた。

 

 

「えー、おはようございます。二年F組担任の福原慎です。よろしくお願いいたします」

 

 

え? チョークがないだと…後で貰うか。

 

 

「皆さん全員に卓袱台と座布団は支給されていますか?不満があれば申し出てください」

 

 

不満しかない。

 

 

「せんせー、俺の座布団に綿がほとんど入っていません」

 

 

「あー、はい。我慢してください」

 

 

「先生、俺の卓袱台の脚が折れています」

 

 

「木工ボンドが支給されていますので、後で直してください」

 

 

「センセ、窓が割れていれ風が寒いです」

 

 

「わかりました。後でビニール袋とセロハンテープを支給の申請します」

 

 

ふむふむ、なるほど………なら俺も、

 

 

「福原先生、後ろにいる明久の頭を何とか出来ませんか?」

 

 

「Aクラスでも、学園長でも、神様でも不可能です」

 

 

「ねえ、今ヒドイこと言わなかった?」

 

 

知ってた。

 

 

「続いて自己紹介でもしましょう。廊下側の人からお願いいたします」

 

 

「はい、柴崎巧です。好きなタイプは、ドS貧乳ロリです。よろしくお願いします」

 

 

「「「同士!!」」」

 

 

自己紹介で、性癖を話す人 初めて見た。そして同意してる人がいた。これが……Fクラス。

だんだん自己紹介が進んでいき、俺の知り合いも発表していた。

 

 

「木下秀吉じゃ。演劇部所属しておる。宜しく頼もう」

 

 

「「「「「好きだ!結婚してくれ!!!」」」」」

 

 

「御断りしますのじゃ」

 

 

「………土屋……康太………」

 

 

「島田美波です。一年間よろしくお願いします。趣味は、吉井明久をぶん殴ることです。あと外国育ちで日本語を喋れますけど、読み書きが苦手です」

 

 

「ちょっと待って、今さらりと流したけど恐ろしくかつピンポイントかつ危険なことを言っていたよね」

 

 

よし、いっちよいったるか。

 

 

「風神颯人だ。特技は絵描き、料理、喧嘩、暗殺などがある。趣味はバイクに乗って旅することだ。そして島田さんの趣味を全力でバックアップしたいと思う。よろしく」

 

 

明久は泣いていた。何故だ?

 

 

「吉井明久と言います。「危険を予知、耳を防げ!!」ダーリンと読んでね♡」

 

 

「「「「「「ダァァーーリィィーーン!!!!!!」」」」」」

 

 

むさ苦しい男たちからの最愛の言葉、普通の人なら絶対欲しくないだろう、やはり明久は男好きか。

 

 

「………すみません、普通に呼んでください」

 

 

明久もやられかけているなぁ。

そのとき、誰かが障子を開けた音がした。

 

 

「あの、遅れて、すいま…せん……」

 

 

「「「「えっ?」」」」

 

 

まぁ普通は驚くだろう。ありもしないことが今、起きているからな。

 

 

 

「丁度よかったです。今自己紹介しているので、姫路さんもお願いします」

 

 

「は、はい!あの、姫路瑞希と言います。よろしくお願いします」

 

 

さてさて、ここからどうなることやら、俺はこれから起きることを楽しみにしていた。




圧倒的イレギュラー登場! 姫路瑞希
そして雄二が言う兵隊の意味とは?
そして筆者は、フォントの使い方を解ることが出来るか!

次回 俺と代表と試験召喚戦争


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第3話 俺と代表と試験召喚戦争

第三問 問 以下の英文を訳しなさい。

『This is the bookshelf that my grandmother had used regularly.』



姫路瑞希の答え「これは私の祖母が愛用していた本棚です。」


教師のコメントー正解です。きちんと勉強してますね。


土屋康太の答え「これは             」


教師のコメントー訳せたのがthisだけですか。


吉井明久の答え「☆●◆▽♡♪*×……」


教師のコメントー出来れば日本語で。


風神颯人の答え「うちのばあちゃんは、電子書籍です!」


教師のコメントーあなたのばあちゃんではありません。


(お気に入りが7件、UAが315件、皆さん 本当にありがとうございます。そしてこれからもよろしくお願いします。゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚)(※今回、長いので目を休めながら気をつけてください。)


前回のあらすじいぃぃぃ(略

姫路 襲来。

 

 

 

それを例えるなら、嵐前の静さ、誰も予想していない人物が来ており、皆が動かず、喋れず、目線のみが動いていた。そう。

 

 

(お前ら、ここは俺だろう!お前らじゃ姫路さんに合うわけねぇだろうが!)

 

 

(いやいや、ここは『ナンパしたい男No.1』の福村、つまり俺に任せろ!)

 

 

(ふ―ん、ここは『あなたの心を鷲掴み♡』がキャッチコピーの、この原田啓太に任せろ!)

 

 

誰が姫路さんと喋るかっと醜い争いをしていた。ところで姫路瑞希のプロフィールを伝えよう。 

姫路瑞希

慎重155ぐらい、髪の毛は、なんかふわふわしていておる。見ただけなら、優しく真面目で清楚で可憐で品行方正な性格。しかし運動が苦手なところ。後胸デカイ。以上から守ってあげたいという気持ちが出てしまうらしい。

そこで俺は声をかける。

 

 

「おい姫路、何でここにいるのか。教えてあげな。皆気になっているぞ」

 

 

「は、はいわかりました。えっと…その…」

 

 

野郎共は絶対聞き逃さないように姫路の方を見る。姫路は少し緊張していた。

 

 

「熱が…出てしまったたので、途中退席をしたんです」

 

 

「「「「あぁ、なるほど。(ポン」」」」

 

 

野郎共は納得をした。そう文月学園は厳しい、カンニングはもちろん、遅刻や途中退席したら強制的に全部0点となり、そして試験は一度だけという鬼畜な規則となっている。

 

 

「俺も熱(の問題)が出たせいでFクラスに」

 

 

「ああ、化学だろ?難しかったよな」

 

 

「てか、お前らごときじゃ、どんな問題も駄目だろ」

 

 

「俺は、慕ってくれる妹が事故に遭ったと聞いて心配心配で……」

 

 

「黙れ一人っ子、エロゲーのせいにすんじゃねぇ」

 

 

「前の晩、彼女が寝かせてくれなくて…」

 

 

「今年一番の大嘘ありがとう。そして黙れ、年齢=童貞野郎が」

 

 

ひどい…いくらなんでも(頭が)ひどい連中だらけだなぁ、おい。

 

 

「で、では、一年間よろしくお願いしますっ!」

 

 

そして視線から逃げるように明久と雄二の隣の空いている卓袱台に座ろうとしている。明久は嬉しさのあまりに顔がにやていた。

 

 

「あのさ、姫路さ「姫路、これからよろしくな」……………(ギリギリ」

 

 

明久は邪魔された雄二を恨んでいる。効果は微妙だ。

 

 

「えっと、えー何て読めば良いですか?」

 

 

「坂本雄二 このクラスの代表だ。坂本でいいよろしく頼むな」

 

 

「あっ姫路瑞希です。よろしくお願いいたします」

 

 

雄二はフレンドリーみたいな感じ 姫路はお辞儀をしていて上品みたいな感じ 挨拶は人を表すんだなぁと思った。

 

 

「ところで、体調は大丈夫なのか?」

 

 

「あ、それは僕も気になる」

 

 

明久が乱入、人の話している間に話しかけるとは、やっぱり馬鹿だな。

 

 

「よ、吉井くん!?」

 

 

恋する乙女あるある―好きな人が急に現れるとびっくりする。

 

 

「姫路、明久がブサイクですまん」

 

 

「そ、そんな!目もパッチリ、顔のラインも綺麗だし、それに……」

 

 

「姫路さん、ありがと…」

 

 

「何より女装が似合いますから、可愛いですよ!」

 

 

「「よかったな、吉井(ニヤニヤ」」

 

 

俺も参戦。こんなに弄れる場面 参加しなくてどうする!

 

 

「……あっ………ありがと……」

 

 

吉井は姫路に精神ダメージをくらった。効果は抜群だ!

 

 

「そういえば、俺の知人にも明久に興味を持っているやつがいたな」

 

 

「え?それって「そ、それって誰ですか!?」

 

 

恋する乙女あるある―ライバルの情報を早めに知りたい。 っていうか俺の知り合いにいた気がする。確か…久保ーー

 

 

「ーー利光だったな。」

 

 

明久は上を向いて泣いていた。

 

 

「おい明久。声を殺してさめざめと泣くな」

 

 

「違うぞ。雄二、明久は嬉し泣きをしているんだ。間違いなく!」

 

 

「いや、違うからね!!僕は悲しくって泣いているからね!!」

 

 

「すまんすまん。半分は冗談だ。」

 

 

「「えっ?」」

 

 

明久って男が好きじゃないの?

 

 

「えっ残り半分は何?」

 

 

「姫路、体調は大丈夫か」

 

 

「それは俺も気になるなぁ?」

 

 

「はい、大丈夫ですよ。坂本君、風神君」

 

 

「ねぇ、残り半分は何!?教えてせめて教えてくれ!!?」

 

 

明久がギャーギャー喚いていると先生が注意しようと教卓を優しく叩きながら注意していた。しかし…

 

 

「はいはい。そこの人たち、静かにしてください」

 

 

「「「「あ、すみませ――」」」」

 

 

バキィッ バラバラバラ……………

 

 

突如、音をたてて崩れた教卓……バンバンじゃなくてパンパンなのに壊れる。風前の灯ぐらいの耐久力しかないんだなぁ。俺たちが呆気にとられていると先に動いていたのは先生だった。

 

 

「……え~替えを持ってきます。その間、自習とします。少々お待ちください」

 

 

そう言い、教室から出ていった。するとだらけだらけるわFクラスの皆、中にはゲームをするやつ、エロ本読むやつ、鎌やノコギリの手入れしてるやつがいる。そう思っていると、明久に呼ばれた。

 

 

「颯人、話がある」

 

 

「ん?どうした?誰かを暗殺して欲しいのか?」

 

 

「まあ、ついてきて欲しい」

 

 

場所は変わり、廊下(Fクラス前)そこには明久、雄二、風神の三人しかいない。最初に口を開いたのは雄二だった。

 

 

「んで、話って?」

 

 

「この教室についてなんだけど………」

 

 

「ああ、Fクラスのことかぁ。確かにこの環境は訴えれば勝てる案件だなぁ」

 

 

「颯人もそう思う?雄二は?「もちろん、同じ気持ちだ」そう……Aクラスの設備は見た?」

 

 

「ああ、凄かったな。あんな教室は他に見たことがない」

 

 

「高級ホテルでも真っ青だなぁ」

 

 

「そう……」

 

 

明久は何かを決心したように見えた。そして口を開いた。

 

 

「そこで僕からの提案。折角二年生になったんだし、『試召戦争』をやってみない?」

 

 

試召戦争

学園長がオカルトや化学を混ぜて生まれたシステムである。テストの点数に応じた強さを持つ『召喚獣』を出しあい、戦い、競ういわば賢いやつが強いゲームである。

革新的なシステム、前例にない授業内容、まさに先行く新しい学校である。

 

 

「「戦争、かぁ(だと)」」

 

 

「うん。しかもAクラス相手に…」

 

 

「………何が目的なんだ」

 

 

「いや、だってあまりにひどい設備だからこそ、勉学に励む「嘘つくな」自分にとって、最後まで言わせてよ!颯人!!」

 

 

「嘘をつくな。まったく勉強に興味がないお前が、今更勉強用の設備なんかの為に戦争を起こすなんて、そんなことありえないだろうが」

 

 

「そ、そんなことないよ。興味がなければこんな学校に来るわけがーー」

 

 

「お前がこの学校を選んだのは『試験校だからこその学費の安さ』が理由だろ?」

 

 

「あー、えっ~と、それは、その……」

 

 

ふむふむ、設備目的……明久じゃない……本来来ないやつのため……となると(ニヤリ

 

 

「まあまあ、雄二さんよ。明久のためにも一肌脱いであげましょう」

 

 

「颯人、わかってくれるのか」

 

 

わかったわかった、お前の気持ちがなぁ。

 

 

「大好きな姫路さんのためにも、男として頑張りたいよなぁ」

 

 

「うん!大好き………ハッ 違う違う何言ってるんだ。颯人!!僕が「はいはい、言い訳しなくていいわけ」本当に違うてっば!」

 

 

「ほう…(ニヤニヤ」

 

 

いやぁ、明久は初心ですなぁ。

 

 

「まぁ、気にするな。お前に言われるまでもなく、俺自身Aクラスに試召戦争をやろうと思っていたところだ」

 

 

「え? どうして? 颯人ならともかく雄二だって全然勉強してないよね?」

 

 

「世の中学力じゃないって、そんな証明をしてみたくてな」

 

 

雄二はまるで過去を思い出すように目をつぶった。

 

 

「それに、Aクラスに勝つ作戦も思いついたし――おっと、先生が戻ってきた。教室に戻るぞ」

 

 

「さて、自己紹介はー坂本君、あなたが最後ですね」

 

 

壊れた教卓の替えて、新品の教卓にしたことで、(ボロい)気を取り直してHRが再開される。坂本が歩く姿にはいつもの馬鹿馬鹿しい雰囲気は見られず、代表として相応しい貫禄が見に纏っているようだ。

 

 

「坂本君は、Fクラス代表でしたよね?」

 

 

鷹揚にうなずき、認める雄二 

 

 

「Fクラス代表の坂本雄二だ。俺のことは代表でも坂本でも、好きなように呼んでくれ」

 

 

Fクラスとは、馬鹿の集まりつまり学力主義の学園では学園の恥しかいない。その中から比較的成績が良かっただけ、他から見れば五十歩百歩といった存在 なのに自分から代表と堂々と言った。まるで誇りであるように。

 

「さて、皆にたった一つ聞きたい」

 

ゆっくりと、全員の目を見るように告げる。全員の視線は雄二に向けられる。それなのに、緊張もない様子でいる。 皆の様子を確認した後、雄二は教室内の各所に移りだす。

 

 

 

かび臭い教室

 

 

 

古く汚れた座布団

 

 

 

薄汚れた卓袱台

 

 

 

つられて見るクラスの皆、Fクラスの設備を……

 

 

「Aクラスのは冷暖房完備の上、座席はリクライニングシート、さらに冷蔵庫まであるらしい……」

 

 

たった一呼吸置いて 雄二は言った。

 

 

「不満はないか?」

 

 

「「「「「「「大ありじゃぁ!!!!!!」」」」」」」

 

 

皆叫んだ。顔には出さなかった心に隠していた本音を、魂からの叫びを!!

 

 

「だろう?俺だってこの現状は大いに不満だ。代表として問題意識を抱いてる」

 

 

「そうだそうだ!」

 

 

「いくら学費が安いからって、この設備はあんまりだ!改善を要求する!」

 

 

「そもそもAクラスだって同じ学費だろ?あまりに差が大きすぎる!」

 

 

「俺たちがいくら勉強してないからって、これは酷い!俺たちをなんだと思ってやがる!!」

 

 

クラスメートたちから溢れ出てくるのは、怒り、不満などの言葉。まるで洪水のごとく溢れ勢いを増す。

 

 

「みんなの意見はもっともだ。そこで」

 

 

皆の反応に満足したのか、自信に溢れた顔に不敵な笑みを浮かべて、

 

 

「これは代表としての提案だが―――」

 

 

雄二は、未来の戦友に野性味満点の八重歯を見せ、

 

 

「―――FクラスはAクラスに『試験召喚戦争』を仕掛けようと思う。」

 

 

代表は戦争の引き金を引いた。俺は、悪魔のように笑った。未来のことを考えながら狂ったように笑った。




第一次AF戦争勃発! 雄二の作戦とは!? そして風神たちはAクラスに勝つこと出来るか!

次回 戦争とFクラスと野郎共の決意


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第4話 戦争とFクラスと野郎共の決意

試験召喚戦争のルール

一.原則としてクラス対抗戦とする。各科目担当教師の立会いにより試験召喚戦争システムが起動し、召喚が可能となる。なお、総合科目勝負は学年主任の立会いのもとでのみ可能。

二.召喚獣は各人一体のみ所有。この召喚獣は、該当科目において最も近い時期に受けたテストの点数に比例した力を持つ。総合科目については各科目最新の点数は和がこれにあたる。

三.召喚獣が消耗するとその割合に応じて点数も減算され、戦死に至ると0点となり、その戦争を行っている間は補習室にて補習を受講する義務がある。

四.召喚獣はとどめを刺されて戦死しない限りは、テストを受け直して点数を補充することで何度でも回復可能である。

五.相手が召喚獣を喚び出したにも関わらず召喚を行わなかった場合は戦闘放棄とみなし、戦死者同様に補習室にて戦争終了まで補習を受ける。

六.召喚可能範囲は、担当教師の周囲半径10メートル程である。(個人差あり)

七.戦争の勝敗は、クラス代表の敗北をもってのみ決定される。この勝敗に対し、教師が認めた勝負である限り、経緯や手段は不問とする。あくまでもテストの点数を用いた『戦争』であるという点を常に意識すること。


(※この話から、文章が長くなります。今後もよろしくお願いします。)


前回のあらすじ

ついに雄二からの戦争提案!? そして風神が笑う理由とは……

 

 

 

 

 

AクラスVSFクラス これを意味することは、最強対最弱と言う意味である。普通じゃ絶望的だろう。現に。

 

 

「勝てるわけない!あいつらは伝説のAクラスなんだぞ!! もう駄目だ……おしまいだぁ…」

 

 

「これ以上設備を落とされるなんて嫌だ」

 

 

「姫路さんがいたら何もいらない」

 

 

悲鳴と弱音しか聞こえてこない。(一部プロポーズ)さて、ここからどうするんだ?坂本。

 

 

「そんなことはない。必ず勝てる。いや、必ず勝たせて見せよう!」

 

 

「何馬鹿なことを」

 

 

「不可能だぁ」

 

 

「根拠無いくせに、出きるわけないだろう」

 

 

そもそも戦力差が違う。Aクラス一人でFクラス四、五人は相手はできるほどの力は持つ。Aクラス代表なら、十人くらい余裕で勝てるほど力はあるだろう。そんな中、雄二はクラスを見回した。

 

 

「勝てる根拠ならあるさ。このクラスには試験召喚戦争で勝つことが出来る要素が、揃っている!」

 

 

雄二の言葉を聞き、さらにざわめくクラス、雄二は不敵な笑みを浮かべていた。

 

 

「それを証明してやる」

 

 

「まず一人目……おい、康太。畳に顔をつけて姫路のスカートを覗いていないで前にこい」

 

 

「……………………………(ブンブン)」

 

 

「は、はわっ」

 

 

必死になって顔と手を使って否定しているが、畳の後が論より証拠となっている。

 

 

「土屋康太。こいつがあの有名な、『沈黙なる性識者』(ムッツリーニ)だ」

 

 

「………………(ブンブン)」

 

 

そう、こいつの異名『ムッツリーニ』は、自分の欲望を満たすために自分の全てをかけた漢だ。究極のエロを求める姿から男子から畏怖と尊敬、女子から軽蔑されている。

 

 

「ムッツリーニだと…?」

 

 

「バカな、ヤツがそうだと言うのか?」

 

 

「よくみろ!あいつがさっきまでやっていたことを思い出せ!明らかな覗きの証拠を隠そうとしているぞ………」

 

 

「ああ、ムッツリーニの名に恥じない姿だ」

 

 

「?? 何のことでしょうか?」

 

 

姫路さんは分からないようだな。そのままでいてくれ。

 

 

「姫路のことは、説明しなくても、その強さは知っているだろう」

 

 

「えっ? わ、私ですかっ?」

 

 

「ああ。ウチの主戦力の一人だ。期待している」

 

 

「そうだ。俺たちには姫路さんがいるんだ!」

 

 

「彼女は確か、次席のはず…確かにAクラスにも引けをとらない」

 

 

「ああ。彼女さえいれば何もいらないな」

 

 

姫路さんはかなり賢い。なぜならこの学年で2番目に賢いからな。後ラブコールやめぃ。

 

 

「島田美波と木下秀吉もいる。作戦の要にはなると思う」

 

 

「おお……!」

 

 

「確か、演劇部のホープと非公式なら女子の中で一番強いことから「絶望」と呼ばれるあの………!」

 

 

秀吉は、声帯模写、変装メイクなんだもござれの演劇男子、そして俺の弟子である島田は、レスリング、空手、プロレスなどの文月学園男女混合異種格闘試合では勝ち続けている。そのため、反射神経、運動神経、場数の差が桁外れだ。そして歴戦のオーラがただよっている。(後隠れファンがかなり多い。)

 

 

「当然俺も全力を尽くす」

 

 

「確かになんだかやってくれそうな奴だ」

 

 

「坂本って、小学生の頃は神童って呼ばれていたよな?」

 

 

「つまり、実力Aクラス並みが二人もいるのか!」

 

 

「そして、俺たちはこいつを忘れてはいけない。こいつが居れば打倒Aクラスも夢でなくなる。島田の師匠であり、学問もAクラスの漢がここにいる。」

 

 

「えっ?誰だ?」

 

 

「そんな化物いるのか?」

 

 

「颯人、前に出てきてくれ」

 

 

はいはい。俺はそんな返事をして、前にきた。野郎共は視線が集まるなか、雄二が先に言った。

 

 

「お前らは知らないが、この異名なら知っているだろう。こいつの異名は『戦闘凶人』(バーサーカー)だ」

 

 

「「「「なぁぁぁにぃぃぃいー!!!!」」」」

 

 

クラスの至るところから驚きの声が聞こえた。しかしそんなに驚くかね。

 

 

「あの…凶器を持った五十人をたった十分で全滅させた、あの……!」

 

 

「Aクラスのほとんどが彼に勉強を教えてもらっているというあの………!」

 

 

「我々、異端審問会の天敵がここにいるとは……!」

 

 

全部、本当のことだけどね。そこまで驚かなくてもいいじゃない。

 

 

「でもこれなら、いける、いけるぞ!」

 

 

「不可能が、可能に…!」

 

 

いけそうだ、やれそうだ、そんな言葉が飛び回り、そう例えるならボルテージが灼熱のごとく、マグマのように熱くなっている!そう。気が付けば、クラスの士気は確実に上がっていた。

 

 

「それに、吉井明久だっている」

 

 

 

………………シーンーー

 

 

氷点下まで下がった。

 

 

「明久、お前のせいで士気が駄々下がりじゃないか、おい!どうするんだ!!?」

 

 

「えっ!? ちょっと雄二!どうしてそこで僕の名前を呼ぶのさ!全く必要ないよね!」

 

 

「誰だ? 吉井明久って?」

 

 

「聞いたことないぞ?」

 

 

まったくお前ら馬鹿かハァー 教えてあげなければいけないなぁ。

 

 

「お前ら、さっきダーリンと呼んでくれと懇願したドMな男好きな奴だ」

 

 

「ねぇ、違うよね。明らかに違うよね。冗談だよね?「「「「ああ、アイツか(ポン)」」」」これは誤解だああ―!」

 

 

「お前ら、知らねぇから教えてやる。こいつの肩書きは『観察処分者』だ」

 

 

「………それって、確かバカの代名詞だよな」

 

 

「ち、違うよっ! ちょっとお茶目な十六歳につけられる愛称で―――」

 

 

「そうだ。バカの代名詞だ」

 

 

「肯定するな、 バカ雄二!」

 

 

「あの、観察処分者って何ですか?」

 

 

「簡単に言えば、教師の雑用係だ。力仕事を主にした雑用を、特例として物を触れる機能を持った召喚獣でこなす。こんな感じだ」

 

 

「そうなんですか? それって凄いですね。召喚獣はって見た目と違って力持ちって聞きましたから、そんなことができるなら便利ですね」

 

 

姫路はキラキラした目で明久を見る。そして明久は苦笑いしている。

 

 

「姫路、あんさんは知らないけどフィードバックというものがあって、それが相当ひどいものでなぁ」

 

 

そう。観察処分者には、教師と違ってフィードバックがある。これは召喚獣の疲労やダメージが何割かは本人に戻ってくる上、教師の監視下しか動かせない。まさにデメリットしかない。観察処分者は成績不良かつ学習意欲に欠けた生徒の戒めである。 そう説明していると野郎共から声が出てくる。

 

 

「坂本、少しいいか?」

 

 

「ん?どうした? 確かあ……」

 

 

「須川亮だ。 それならばAクラスじゃなくてもいいじゃないか? さっき言っていたDクラスでもここと比べたら良いぞ?」

 

 

「確かに……」

 

 

「言われてみれば、勝てる確率が高い方がいいな」

 

 

野郎共から、そんな声が聞こえる。野郎共の言い分はよく分かる。人間は確実に勝ちたい生き物だ。けどそれじゃ面白くない。それは雄二も同意見だろう(ニヤリ

 

 

「お前ら、それはなぁ「雄二、任せろ。」颯人…」

 

 

「お前らに一つ言いたい」

 

 

野郎共は俺の話を聞いていない。当然だ、俺には何の肩書きがない。しかし俺は知っている。ここに来てわかったことがある。俺は小さく呟く。

 

 

「(ボソッ)……モテるの可能性を捨てるのか……」

 

 

「「「「「「「詳しく、聞かせろ!!」」」」」」」

 

 

野郎共は非リア充だ。

簡単な話だ。秀吉に告白したからだ。秀吉は男なのに、可愛らしい姿をしていおり、(優子を男にした感じ)そして告白する者が絶えずにいる。そしてほとんどが少年か、非モテ野郎からだ。(しかも理由が一目惚れ。)

 

 

「お前ら、モテる奴の特徴を知ってるか?「「「「「「知らん!!」」」」」」」なら教えてやる…モテる奴の特徴は―――」

 

 

「………………(ゴクリ)」

 

 

野郎共は真剣な眼差しで俺を見る。(何故か、明久も康太も見ている)俺は真面目な顔で言った。

 

 

「―――一つに集中し、やり遂げたことだ!」

 

 

「「「「「「「!!?」」」」」」」

 

 

「サッカー部のエースにバスケ部のエース、さらに成績上位者 さらには隣のクラスの山下君までモテている。何故だ!」

 

 

「……それは簡単だ。そいつらの共通点は成し遂げた者だからだ。部活、勉学一筋で頑張ったからだ。自分を磨き、積み重ね、色んな経験をしてきた。努力するその姿を美しいと思わない人間などいるのか!! お前らはどうだ? 誰でもいいから誇れるものはあるのか?」

 

 

野郎共は下にうつむいた。その表情は自分の愚かさを恨み、後悔しているようだ。

 

 

「お前らは何もしていない!駄目野郎の集まりだ!だから――――」

 

 

俺は大きくかつはっきりわかるように言った。

 

 

「――――モテないんだぁぁぁあ!!!!!」

 

 

「「「「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあああああー!!!」」」」」」」

 

 

野郎共は泣いた、自分の愚かさを知り、自分はモテる幻想が壊れたことに気がついた。野郎共から 後悔 懺悔 自分への怒りなどの感情がクラス中に広がった。そして俺は優しく微笑み、希望を持たせるように言った。

 

 

「…………だからこそだ。……」

 

 

「何だよ!もうやめてくれ!もう頭がぁ!頭がああ!」

 

 

「俺は…俺は……(グズッ)」

 

 

「――俺たちはやるしかないんだろうがぁ!」

 

 

「「「「「「「!!?」」」」」」」

 

 

俺は、力強く真面目な声で言った。

 

 

「俺たち、FクラスがAクラスに勝つことで『戦争』をやり遂げることができる!最弱が、最強を穿つ時、それはどういう意味を表すか!」

 

 

「考えてみろ。想像しろ。Aクラスに勝った自分たちを、色んな人達に 女子にキャーキャー言われる自分を!」

 

 

「おお……おおおおおー!」

 

 

「このオレガ、俺ガ………この俺がモテている!!」

 

 

野郎共は希望が、瞳に宿りはじめ声が大きくなってきた。

 

 

「お前達、モテたいかぁ!「「「「「「「モテたい!」」」」」」」ならやろうじゃねぇか!戦争を、打倒Aクラスをおおお!!!」

 

 

「「「「「「「おおおおおおおおおおお!!!!!!!」」」」」」」

 

 

野郎共は希望を持ち、声を高らかに挙げた。まさにAクラスしか眼中にないみたいだ。

 

 

「雄二、これはどうだろうか?」

 

 

「最高じゃねぇか。(ニヤリ)」

 

 

さぁ始まるだろう戦争よ、戦いよ。俺の血が疼いてたまらん。さぁ、諸君 戦争しよう。




野郎共を持ち上げた風神。 今度こそ雄二の作戦が分かるのか!? あと筆者は書きたいもの書けて大満足です。(о´∀`о)

次回 第一次AF戦争の初め~幼馴染みとの再会~


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第壱章 第一次AFクラス大戦
第5話 第一次AF戦争の初め~幼馴染みとの再会~


第四問 問 以外の問いに答えなさい。

『(1)4sinX+3cos3X=2の方程式を満たし、かつ第一象限に存在するXの値を一つ答えなさい。

(2)sin(A+B)と等しい式を示すのは次のどれか、①~④の中から選びなさい。

①sinA+cosB  ②sinA-cosB  ③sinAcosB  ④sinAcosB+cosAsinB




姫路瑞希、木下優子の答え 「(1) X=π/6  (2) ④」


教師のコメント――そうですね。角度を『°』じゃなく『π』で書いてありますし、完璧です。あと木下さんの答えから凄まじい何かを感じます。まるで好きな人と同じクラスになるためのような……


土屋康太の答え 「(1) X=およそ3」


教師のコメント――およそをつけて誤魔化したい気持ちもわかりますが、これでは回答に近くても点数はあげれません。


吉井明久の答え 「(2) およそ③」


教師のコメント――先生は今まで沢山の生徒を見てきましたが、選択問題でおよそをつける生徒は君が初めてです。


前回のあらすじいいぃぃぃぃ

野郎共 覚醒!

 

 

野郎共の士気はMAX!そんな動きを見逃す程にうちらの代表は甘くない。

 

 

「さて、お前らの力を証明するために、まずはDクラスを征服する。吉井明久は、その誉れ高いDクラスへの宣戦布告の使者となってもらう。無事大役を果たせ!」

 

 

「…………下位勢力の宣戦布告の使者ってひどい目に遭うよね」

 

 

「そんなのドラマや映画の話だ。大事な使者にそんなことするわけないだろう」

 

 

「でも…………」

 

 

ここであと一推しますか。

 

 

「明久、お前が聞いた情報は嘘だ。これは下位勢力からの宣戦布告を受けたくない上位勢力からの臆病風が生み出したモノだ。明久、俺は信じてる。お前は出来る奴だと…」

 

 

「颯人……うん、行ってくるよ」

 

 

明久は歩きだした。その姿は俺たちの意思を背負っているようだ。明久が出てから雄二が何か言ってた。

 

 

「明久ほど、生け贄にしやすい存在はいねぇ」

 

 

同意見である。

 

 

 

 

「いやああぁぁぁぁぁぁぁ--!!!」

 

 

 

 

~明久帰還中、明久帰還中~

 

 

「暴行されないのって嘘じゃないかぁ!」

 

 

明久の姿は見るに悲惨だった。制服は破れかけ、顔には落書きがされてあった。

 

 

「「やはり、そうか」」

 

 

「知った上での判断か! 少し悪びれろ!」

 

 

「「吉井(君)、大丈夫(ですか)?」」

 

 

「姫路さん、島田さん 大丈夫だよ。ほとんどかすり傷だからこのとおり「良かった、ウチが殴る余地はまだあるんだ…」ああ、もう駄目!死にそう!110番を誰か誰か!」

 

 

明久は女子の心配を承けとるべきだ。あと救急車は119番だ。

 

 

「そんなことよりミーティングに行くぞ」

 

 

「了解」

 

 

「あーはいはい」

 

 

「吉井、挨拶は一回!」

 

 

「へーい」

 

 

「……一度、Das Brecher―――ええと、日本語はだと…………」

 

 

「…………調教」

 

 

「そう調教の必要がありそうね。」

 

 

「調教って、せめて教育とか指導って言ってくれない?」

 

 

「じゃ、間とってZüchtigen―――」

 

 

「………それはわからない」

 

 

「たしか、折檻だ」

 

 

「悪化してるよね?」

 

 

「そう」

 

 

なかなかバイオレンスな環境で過ごしたのか?……俺みたいに…………

 

 

「というか、ドイツ語をなんで知っているの?」

 

 

「「一般教養」」

 

 

「颯人とムッツリーニの一般教養の意味が違う気がする」

 

 

旅していると自然に身に付くものよ。そう話しているといつの間にか屋上にたどり着いていた。春風とともに陽光に目を細める。俺が持ってきた卓袱台を置き、皆はその回りに座っていた。

 

 

「明久。宣戦布告してきたな?」

 

 

「一応今日の午後1時から開戦予定と告げてきたけど」

 

 

「よし、腹ごしらえ兼作戦会議をしよう」

 

 

腹減っては戦出来ぬ、何事も準備から始まる。そして明久は……

 

 

「そうなるな。明久、今日の昼ぐらいはまともに食べろよ」

 

 

「そう思うなら奢ってくれると嬉しいんだけど」

 

 

「えっ? 吉井君ってお昼食べないんですか?」

 

 

「いや。一応食べているよ」

 

 

「ウソ言うな。お前のまともな食事の定義が壊れてるくせに」

 

 

「………あれは食べていると言えるのか?」

 

 

俺と雄二は明久の食事事情を知ってるからこその発言。明久はお気になさらなかったのか、反論してくる。

 

 

「何が言いたい?」

 

 

「いや、お前の主食って―――水と塩だろ」

 

 

「酷い時は、公園の水だよな」

 

 

「失礼な。きちんと砂糖食べているさ!」

 

 

「あの、吉井君。水と塩と砂糖って、食べるとは言いませんよ………」

 

 

「舐める、が表現としては正解じゃろうな」

 

 

「し、仕送りが少ないんだよ」

 

 

他の皆からの優しい目線は逆に辛いよなぁ。仕方ねぇ。

 

 

「俺が作ってこようか?明久」

 

 

「「「「ゑ」」」」

 

 

「どうやって発音したんだ。お前ら?」

 

 

何故か、明久だけじゃなく島田や姫路(何故か秀吉まで)が変な声を出した。

 

 

「いいの!?久しぶりだよ。固形物を食べるのは!!」

 

 

どんな人生を送ったらそうなるんだ?俺みたいなわけねぇしい……あの人がそんな愚行を許すわけないし……

 

 

「まぁ、お前を見ていると……思い出すんだよ。昔の俺を…「(ガチャッ) 颯人、ここにいたのね」

 

 

あの時の自分を思い出しかけた時、ドアが開く音がした。そこには俺の幼馴染みが二人いた。

 

 

「「「「えっ?」」」」

 

 

あ、そういえば説明していなかった。

 

 

「紹介する。こいつらは…俺の幼馴染みの――」

 

 

「星川愛菜です。よろしくお願いいたします」

 

 

「星川凜です。よろしくお願いしますね♪」

 

 

「「「「ええええええええええええ――!!」」」」

 

 

うるせぇ。

 

 

~風神SAID終了~

 

 

~吉井SAID~

 

 

まさか……こんなことが起きるなんて……

 

 

「は~い、あーん♡」

 

 

「一人で食えるわ。箸を返せ」

 

 

「まあまあ、最近会えないし甘えたらどうかしら」

 

 

「学校ならな、家では毎日来るだろ。ハァー」

 

 

「わ、わしもあーんじゃ」

 

 

「お前らは何競っているんだ」

 

 

まさかラブコメを見せつけられるとは(グギギ)しかも

Fクラスのアイドルの秀吉だけじゃなく『白銀三姉妹』の二人にされるなんて………

『白銀三姉妹』

文月学園にいる三人のことを表す。しかも三姉妹でありその影響か、皆凄くデカ……魅力的な姿である。さらに文武両道でありAクラス代表とは違う神々しさを備えてある。そのために一人ずつにファンクラブがあるほど人気である。

 

星川愛菜

三姉妹の次女であり、『アルビノ』という体質である。本人はコンプレックスだと思っているが、逆にそれが特別感を出している。身長170弱、雪のように白い肌、もはや人工的に再現不可能な白くサラサラな髪、姫路さんと島田さんの良いところをとったスタイル、(3桁越えのバスト)そして真紅の瞳はまるで情熱的な心を表している。女子テニス部のエースであり運動神経抜群!そのため、校内外にファンがいる。 さらに得意科目なら先生並みの賢さである。見た目と活躍から『白の戦女神』『令和のアフロディーテ』と呼ばれる。

 

星川凜

三姉妹の三女であり、誰とも仲良く慣れるコミュニケーション能力を持つ。身長160強、輝いて見れるじゃないかぐらい綺麗な銀髪(アホ毛を何故か直さない。)、姉譲りのスタイル、可愛らしい童顔、何よりの特徴は覗いたら吸い込まれそうなマリンブルーの瞳だろう。次女ほどの賢さや運動神経はないがその代わりに家庭のことなら何でもござれと言う程上手い。誘いかたやからかい等が、あまりにも上手なことから『銀の小悪魔』『凜ママ』と呼ばれる。

 

 

あと一人はおいおい、説明するとして……

 

 

「あら? 颯人兄さ~ん、ソースついてますよ♡」

 

 

「ん?ああ、ありがとう。凜」

 

 

「「!!?」」

 

 

凜さんが、風神の頬っぺたに付いていたソースを指でとり、それを舐めた。……ふむ ポク ポク ポク ピカーン

 

 

「ムッツリーニ!! 今すぐ、隣のクラスの山下君に錆びたナイフを1ダースを調達「……既にしてある……(グギギ!)」そしたら、クラスの皆に伝達を「オラァ!(ギュルン)」ごふぅ!」

 

 

おのれ……我等の………天敵が。

 

 

~吉井SAID終了~

 

 

~風神SAID~

 

 

まあ、色々なことが、あったけど(姫路が弁当を作る発言や明久の変態発言、そして雄二が弄ろうしてたのでエルボーを喰らわせたこと)ようやく本題に入ってきた。

 

 

「雄二よ。一つ気になっていたんじゃが、どうしてDクラスなんじゃ?段階を踏んでいくならEクラスじゃろうし、勝負に出るならAクラスじゃろう?」

 

 

まあ、予測出きるが……

 

 

「あ、確かにそうですね。どうしてでしょう?」

 

 

「色々と理由はあるが、Eクラスを攻めない理由は簡単だ。戦うまでもない相手だからだ」

 

 

「え? でも、僕らよりはクラスが上だよ?」

 

 

「ま、振り分け試験の時点では向こうが強かったかもしれないな。けど、実際のところは違う。お前の周りにいる面子をよく見てみろ」

 

 

明久は見回している。何故か睨んできた?

 

 

「美少女三人とバカ一人とムッツリ一人、そして戦闘狂一人がいるね」

 

 

いろいろおかしい。

 

 

「明久、女子の数が足りないんじゃか?」

 

 

「えっ? 姫路さん、島田さん、秀吉で合っているハズだけと」

 

 

「男だといってるだろ「秀吉は可愛いのは認めるが、男なんだ。これが女だったら付き合いたいほど可愛いけど」…………(ボソッ……女でもいいかのう」

 

 

なんか言った?

 

 

「まあ姫路や颯人が、点数を補充さえ出来ればEクラスなど相手にならない。Aクラスを狙うなら、戦わなくもいいからな」

 

 

「それだと、Dクラスだと真正面にぶつかると厳しいということ?」

 

 

「ああ、確実に勝てるとは言えないな」

 

 

「それだったら、Aクラスに挑もうよ」

 

 

「明久、そんなに簡単じゃないものなんだ。戦争とは作戦、戦術など色々と考える必要がある」

 

 

「颯人の言う通りだ。それに初陣だし、派手にやって今後の景気づけにしたいだろ? それに打倒Aクラスの作戦に必要なプロセスだしな」

 

 

そういえば、作戦をまだ聞いていなかったな。そう思っていると姫路が珍しく、大きな声を出した。

 

 

「あ、あの!」

 

 

「ん? どうした姫路」

 

 

「えっと、その。 吉井君達は前から試召戦争について話し合っていたんですか?」

 

 

「「ああ、明久から姫路のためにって相談されて―――」」

 

 

「それはそうと‼️」

 

 

恥ずかしがらくてもいいじゃない。

 

 

「そもそもDクラスに勝てるの?」

 

 

「大丈夫だ。いいか、お前ら。 うちのクラスは―――」

 

 

「―――最強だ」

 

 

何の根拠も無いのに堂々と言い張った。荒唐無稽な夢かもしれない、実現不可能な絵空事だろう。 しかし、これに賭けてみたいと思った。

 

 

「いいね、 やってやりましょ!」

 

 

「………………(グッ)」

 

 

「はい、頑張ります!」

 

 

「うむ、心得た」

 

 

皆の賛同をうけて、俺たちは雄二の作戦に耳を傾けた。




本日、13:00 Dクラス対Fクラスの試験召喚戦争が開戦されました。この戦いは今後、どのような影響を与えるでしょうか。 (学園長承認済み。)

次回 俺と島田とDクラスの狂犬


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第6話 俺と島田とDクラスの狂犬

~島田美波の武勇伝~

一つ.戦闘凶人に弟子入りする。

二つ.ムッツリ商会を襲撃、その時に歯向かった異端審問会A~D部隊を壊滅。(理由は盗撮された写真の回収兼商会の壊滅)

三つ.第30回文月学園男女混合異種格闘試合に優勝 異名『絶望』と呼ばれるようになった。(この頃からファンが増えてきた。)

四つ.FFF団のプールの更衣室襲撃からの防衛戦、そのときのMVPの一人である。(なおMVPは5人しかいない。)

五つ.男装し、ムッツリ商会主催の男女装コスプレ大会の優勝(女装部門は、吉井明久 秀吉部門は木下秀吉)(尚、この頃から女性ファンが圧倒的に増えてきた。)

六つ.変態を撃退。変態からコメントが、「お前らに、独り身の辛さがわかるかぁあ!!」(この頃からファンクラブがあった。)


前回のあらすじ

風神の幼馴染みがスゴい人物だった(by明久)

 

 

 

 

~吉井SAID~

 

 

只今、午後1時10分 Dクラスとの戦争中、先行していた木下部隊がそろそろ交戦しているだろう。するとポニーテールをピコピコと揺らしながら、島田さんが駆けてきた。

 

 

「吉井! 木下達がDクラスの連中と渡り廊下で交戦状態に入ったわよ!」

 

 

島田さんをこうして改めて見ると、背は高く、手も脚も綺麗なのに 何処か女性の魅力に欠けている。一体何が足りないんだろう?

 

 

「ああ、胸か」

 

 

「アンタの指を折るわ。小指から綺麗に順番にね」

 

 

マズい。何とかしなければ

 

 

「そ、それよりホラ、試召戦争に集中しないと!」

 

 

僕たちがいるのは中堅部隊、今 前線にいるのは木下秀吉が率いる先行部隊。先行部隊が退避したときに僕たち中堅部隊が代わりに戦う。そのために戦場の雰囲気を感じないと、そして僕は耳を傾けた。

 

 

『ヒャッハー! 死にてぇヤツからこい! Fクラスの柴田が相手してやる!!』

 

 

『モテる俺は……モテる俺は強いんだぁぁぁあ!』

 

 

『星川愛菜様、どうか俺に勝利の力おおぉぉぉおー!』

 

 

流石、颯人だ。 級友をここまで焚き付けるとは恐るべし手腕だ。

 

 

『さぁ来い! この負け犬が!』

 

 

『て、鉄人!? 嫌だ! 補修室は嫌なんだっ!』

 

 

『あらぁ、駄目よ。 捕虜は補修室に送られるのがルール、終戦まで何時間待つか分からないけど、それまであたしとト.ク.ベ.ツ講義よお♡』

 

 

『オカマ先生まで、!? 頼む!見逃してくれ! 鉄人とオカマ先生の補習には耐えれねぇ! あんな拷問は人間の業じゃない! 頼みます。見逃してください!!』

 

 

『『拷問? そんなことしない。 趣味は勉強、尊敬するのは二宮金次郎といった理想的な生徒にしてやろう。 さぁ、連れていけ。』』

 

 

『それは洗脳と言うんだ!嫌だ!助けてく『イエッサー。』頼む――誰かぁ誰かぁぁぁ――!!助け『ガチャ バタン』』

 

 

補習担当の教師に連れていかれる級友……ふむ、なるほど みんなに報告しないと。

 

 

「島田さん、中堅部隊全員に伝達を」

 

 

「ん? 作戦? 何て伝えんの?」

 

 

「即時退避して、Fクラスで籠城―と」

 

 

「この意気地無しが。(ブスッ)」

 

 

「ぎゃああぁぁあ!!目がぁ、目がぁぁあ!」

 

 

「目を覚ましなさい。この馬鹿! アンタは部隊長でしょ! そんな弱腰でいてどうするのよ!」

 

 

その目に激痛が―! せめて、ビンタかグーパンで殴った後に言って欲しいです。

 

 

「ウチ達の役割を忘れたの。ウチらは先行部隊の補充している間の前線を維持すること。 ウチらが逃げたら木下達は戦死してしまうわ」

 

 

そうだ!秀吉をあんな地獄に送ってたまるもんか!ここは男らしく立ち向かうしかない。ありがとう、島田さん。自分の間違いに気がつけたよ。

 

 

「うん そうだね。僕が間違っていたよ。ありがと「島田、明久! 先行部隊が後退してるぞ!」「総員退避よ。文句ないよね?」……よし、逃げよう。僕らには荷が重かった」

 

 

「そうね。ウチらは頑張ったわ」

 

 

逃げるが勝ちという言葉があるんだ。逃げても大丈夫だ。180度回転すると、本陣(Fクラス)にいた横田がいた。何でここに?

 

 

「ん? 横田じゃない。どうしたの?」

 

 

「風神より伝令があります」

 

 

横田がハキハキと皆に聞こえるように話した。

 

 

『逃げたら地獄を見せちゃうぞ☆』

 

 

「「総員突撃いぃぃぃいい!!!!」」

 

 

駄目だ、逃げたら補習よりも酷い目に遭う!ならばここで死ぬ!すると島田さんも同意見なのか、敵軍へ全力疾走していた。やっぱり風神の恐ろしさを知っているのか………

 

 

すると敵に向かって薙刀を振る秀吉の召喚獣がいた。…………やっぱり秀吉は可愛いな。

 

 

「明久、島田よ。援護してくれるのか!」

 

 

「秀吉、大丈夫?」

 

 

「うむ。なんとかのう……やはり点数差が響いており、もう厳しいのぅ」

 

 

「わかったわ! 秀吉を含む先行部隊は補充試験へ行って! ここはウチらが食い止めて見せるわ!!」

 

 

「「「了解」」」

 

 

そういい離れてくる先行部隊のみんな、数が少ないのは補習室に行った(逝った)せいだろう。

 

 

「アンタ達、ここが正念場よ。死んでも相手を食い止めなさい!!」

 

 

「「「イエス.リーダー!」」」」

 

 

僕より島田さんの方が適任な気がする。

 

 

~時間経ち、そろそろ仕掛けてもおかしくないだろう。すると島田さんから報告がきた。

 

 

「吉井、連絡部隊から報告! 化学教師の五十嵐先生と布施先生がDクラスに呼び出されたわ!」

 

 

なるほど……今は総合得点の学年主任の高橋先生のフィールドだけだから勝負に時間がかかるけど、立会人を増やして一気に片をつける気か!

 

 

「島田さん、化学に自信は?」

 

 

「Fクラスにそんなこと聞く? 全くなし。60点台常連よ」

 

 

すると、Dクラスから変化があった。

 

 

『そろそろ、終わらせてやろうか。……お前ら、"お嬢"をだすぞ!』

 

 

『何ぃ! "お嬢"を呼ぶのか!』

 

 

『これはFクラス……終わったな。』

 

 

何だ……お嬢とは? よく分からないけどヤバそうだ。

そのとき、Fクラスの氷室君が吹き飛んだ。

 

 

「ぐはぁー!!」

 

 

「邪魔……邪魔です。美春の邪魔するヤツは……死あるのみです!」

 

 

そこにいたのは修羅となった女子生徒だった。オレンジの髪をツインテールにして、ドリルにした髪型。しかし顔がこの世の生き物とは思えなかった。目には瞳が光り、口からは湯気が出ており、涎が落ちた場所からジュージューなっている。

 

 

「お姉さま……お姉…さ……ま 何処ですか?……「島田さん、隅の方へ移動しよう」……美春は……美春はお待ちしていま………す。お姉「わかったわ」お姉ぇぇさまぁぁあ―!! 先生、こちらにHARRY、HARRYYYY!」

 

 

チッ、島田さんに反応しやがったか。すると島田さんが助けを懇願してきたが……

 

 

「ディア·マイ·ハニイイイイイイイイ!!!」

 

 

…………うん。

 

 

「島田さん、後は任せた。 僕は先急ぐよ!」

 

 

「えっ!? ここは一緒に戦うか、『ここは任せて、先に行くんだ!』じゃないの!?」

 

 

「それは、現実では通用しない!」

 

 

「このゲス明久、ゲス久めぇ!」

 

 

なんとでも言うが言い、自分優先なのから。

 

 

「「試験召喚獣 試獣召喚(サモン)!」」

 

 

二人が五十嵐先生のフィールドで呼び出した。

島田さんの召喚獣はサーベルを持った軍服姿で80cm程の『デフォルトされた島田美波』で、美春と呼ばれていた女子生徒?は昔のギリシャにありそうな鎧と剣を持っていた。

 

そもそも装備はどうやって選ばれているのか?それは本人の性格、周囲の評価、何より今までの点数で決められる。そしてクラスごとにその装備の傾向が分かる。

 

Dクラスはヨーロッパにありそうな武器や鎧を着けており、遠距離の攻撃は魔法のような格好をした召喚獣が主に攻撃してくる。例えるなら昔の洋風な格好の召喚獣が多い。

 

一方、僕らFクラスは……酷い。これに限る。ひのきぼう、ピコピコハンマー、何か先についている棒(後から聞いたけど、普通なら槍の練習用の道具らしい)遠距離は紙飛行機などのへっぽこ装備だ。例えるならお笑い芸人や不良の格好をしている召喚獣が多い。

 

 

そうしていると、剣がぶつかり合う音がしてきた。すでに戦闘は始まったようだ。

 

 

「お姉さま…美春は、悪魔に邪魔されており、お姉さまに会えない日々が過ぎていました。 しかし、もうそんなクソ悪魔もいないのです! これは天命です! 美春と一緒になりましょう!」

 

 

「ごめんね、ウチには好きな人がいるの…」

 

 

「お姉さまは騙されています!」

 

 

島田さんの召喚獣に向かって大きく横ふりの攻撃がきた。

 

 

「お姉さまは、美春を愛してます。間違いなく愛してます!!」

 

 

「ウチは男が好きなの。 美春の気持ちは嬉しいけどゴメン!」

 

 

島田さんの召喚獣は大きく飛び、島田さんの召喚獣を一刀両断しようとしたとき、

 

 

「甘いです!」

 

 

美春の召喚獣は、剣を横にして受け止めた。そしてつばぜり合いの状態となった。

 

 

「クッ……諦めなさい、ウチは男が大好きなの」

 

 

「嘘言わないでください! 美春は信じてます。お姉さまは美春のことを大好きであることを!!! 美春はお姉さまに捨てられから、一日千秋の気持ちで待っておりました。そして今、お姉さまと一緒になる時がきたのです!」

 

 

「……(ボソッ)このわからず屋」

 

 

この状態から島田さんが勝つのは難しい。何故なら…

 

 

化学

Fクラス 『島田美波 53点』 VS Dクラス 『清水美春 94点』

 

 

点数の大きさは召喚獣の強さ、このままだと負けるだろう。(53点ってサバ読んでいたな。)そして島田さんの召喚獣のサーベルが弾かれた。

 

 

「クックッ…美春の勝ちです」

 

 

「このままだと、補修室送りね……」

 

 

「お姉さま、甘ったること言いますね。…(無言で保健室に向く美春)………今日は誰もいません、美春と寝れない1日を過ごしましょう」

 

 

「くっ…吉井、援護お願い!」

 

 

島田さんの援護要請だ。しかし……

 

 

「小童が……絞めますよ」

 

 

 

そこに行く勇気はない!

 

 

「島田さん、アンタの犠牲を忘れない! 必ず武勇伝に書き残して見せる。だから安心して!」

 

 

「ちょっとおぉ! 吉井ぃ!」

 

 

逃げようとすると、突如、清水さんの召喚獣がぶっ飛んだ。

 

 

「「「えっ?」」」

 

 

あっけに取られてると、そこにいたのはバイクのライダースーツとデニムジーンズを着て、赤黒いコートを被り、腰には手榴弾、ワイヤー、リボルバー、鈍く光るナイフを装備しており、背中には大きく長方形の少し曲がった盾と大きな斧槍とハンマーを背負っている。顔には目しか空いてない白い仮面をしている。そして全体に血塗れていており、赤く見える。例えるなら殺戮者だろう。

 

そう思っていると、この召喚獣の名前と召喚者が出てきた。

 

 

Fクラス 『風神 颯人―――』

 

 

「よぉ、大丈夫か?」

 

 

それは僕の悪友だった。たったそれだけ、それだけだった――――

 

 

(ッ!!? 殺気!?)

 

 

清水さんから怒り、殺意のオーラが漂い始めた。

 

 

 

 

「がぁあああぁぁあおぉォォォおオー!! このクソ悪魔があぁぁああ!!」

 

 

普通なら出せないだろうその声に僕は恐怖を覚えた。初めて会ったときより怖さが増して、もはやバケモノだ…

 

 

「おぉおぉ、怒っていますなぁ。(ニヤリ)」

 

 

「師匠、遅いですよ。おかげで死ぬかも知れませんでした」

 

 

「すまん、数学、英語W、古典の順番に補充していたからなぁ。さて―――」

 

 

「もういいですよ。さてと――」

 

 

「「かかってこい!」」

 

 

二人の背中がカッコよく見えた。




島田&風神VSDクラスの狂犬 清水の戦い勃発! このDクラスに対する雄二の作戦とは…… 後筆者は、このグダグダ展開速度を何とかすることに出来るのか!

次回 俺と放送と雄二の作戦


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第7話 俺と放送と雄二の作戦

第五問 問 ( )に入る正しい言葉を入れなさい。


『光は波であって、( )である。』




姫路瑞希の答え 「粒子」


教師のコメント――よくできました。


土屋康太の答え 「寄せて返すの」


教師のコメント――君の解答はいつも先生の度肝を抜きます。


吉井明久の答え 「勇者の武器」


教師のコメント――先生もRPGは好きです。


風神颯人の答え 「正義の象徴」


教師のコメント――(ポン)ああ、確かに。でも間違いです。



前回のあらすじ

清水の天敵、風神登場!

 

 

 

 

戦争しているなか、一ヶ所だけ静かなところがあった。

そこは怒号や悲鳴が駆け回る戦場で一つの可能性が懸かっていた…この戦争の勝つ可能性を…………

おそらく、"お嬢"とはこの子のことだ。Dクラスが自信満々に勝てると思ったのだ。確かに観察処分者の自分が見てもかなりの動きだ。雄二程度なら難なく倒せるだろう。しかし逆にもしも勝てたら…………そう考えてると、風神から声をかけられた。

 

 

「おい、明久」

 

 

「どうした?」

 

 

「お前は、指揮に集中しろ。このままだと不味い」

 

 

そういわれ、周りの様子を確認すると

 

 

『嫌だ、嫌だ! 死にたくなぁザクッ――ぎゃああー!!!助けて!! あああぁぁ…………バタン』

 

 

『お前ら、こっち開いたぞ! 守れ!!』

 

 

『ヤバいヤバい、『試獣召喚(サモン)!』どうすれば!!?…………サモン!?』

 

 

『知るか! とにかく応戦だ。耐え抜くしかねえだろ!!』

 

 

突撃されており、パニックなっているFクラスと…

 

 

『流石、お嬢だ! 皆、お嬢に続けー!』

 

 

『Fクラスがパニックになっている。こちらは焦らず、冷静に行こう。』

 

 

『お嬢の遊撃部隊が順調だ。遠距離部隊の用意―――撃てっ!!』

 

 

「「「「ぎゃああああああぁぁぁぁ!!」」」」

 

 

「戦死者は補習室に集合ー!」

 

 

マズイ、このままだと前線が崩壊する! しかし、清水さんを放っておくのは危険すぎる。

 

 

「「(吉井)明久、ここは任せろ(て)」!!!」

 

 

こんなにも頼もしい背中はないだろう。

 

 

~吉井SAID終了~

 

 

~風神SAID~

 

 

さてどうするかね。

 

 

「コロシマス…コロシマス…」

 

 

「島田、謝くちゃいけないことがある」

 

 

「えっ……何ですか?」

 

 

本当にすまねぇ。

 

 

「実は、早々にテストを終わったから、いつもの半分しか取れなかった」

 

 

「「!?」」

 

 

「フフフッ~ 美春の勝ち確定です!」

 

 

本当にすまねぇ……

 

 

Fクラス『神風 颯人 152点』

 

 

「「………これで半分……」」

 

 

「いつもなら300点ぐらいなんだか、すまねぇな「いけるわ!」「おのれ、ふざけております!」……?」

 

 

あれ、おかしいな。予想ならもっと落胆したり、勝ち誇った表情をしてると思ったんだが……(※普通ならB,Cクラス並みの成績です。)

 

 

「まあ、いいですわ。こっちにも作戦はありますから…(ニヤリ)」

 

 

そのとき、奥から何かキラリと光った。あれは――不味い!

 

 

「島田ぁ 伏せろおぉ!」

 

 

辺り一面が、爆発した。

 

 

Fクラス『神風 颯人 152点→107点』

 

 

島田さんを庇い、ダメージをかなり喰らってしまった。そうこれは…

 

 

「魔法のお味はどうかしら?」

 

 

清水は余裕のある態度、ぬかった!

そもそもDクラスとFクラスの戦力差がある。そのため普通より長い間、敵と交戦してしまい、足が止まってしまう。いわば動かない的、それなら操作が、上手くなくても 当てることなら出来る。 このままだと………

 

 

「皆、落ち着いて! 点数に余裕がある人と交代しつつ魔法が撃たれるときは必ず相手の召喚獣の杖が光る。それを合図として避けて! 後、藤堂君は諦めて!!」

 

 

「「「「了解」」」」

 

 

「頼む。もう限界なんだよぉ! 後9点しかねぇんだ!」

 

 

「「「「お前は元から14点しかねぇだろ」」」」

 

 

「この薄情者ぉー!!」

 

 

明久の指揮で何とかなっているが、不味すぎる。

 

 

考えろ、考えるんだ俺。 相手の気を引き、遠距離部隊にダメージを与える方法を! ポク ポク ポク チーン!

……何も浮かばねぇ。

 

 

 

「あぁ! 霧島さんのスカートがめくれているぞ!」

 

 

明久、何言ってる……そうだ!あの手ならいけるぞ!

 

 

「お前ら‼️ 星川愛菜さんのポニーテール姿を見たくないのか!!? いいからとっと向けぇ!(島田、清水、足止め)」

 

 

その瞬間、全員(明久も含む)Dクラスの方向に向き、探し始めた。今がチャンス!  清水は合図を受けた島田に足止めされて身動きとれない…ここに命をかける!俺は手榴弾(一個10点)を限界まで生成し、

 

 

Fクラス 『神風 颯人 107点→7点』

 

 

「爆ぜろおぉぉお!」

 

 

全力で投げた。(尚、敵味方関係なくダメージを受けます。)

 

 

「ドカァーンドドカァーンドカァーン!ドカァーン!!」

 

 

「「「「「「「ぎゃああぁぁぁぁ!!!!」」」」」」」

 

 

「うわぁぁぁぁぁああ!!」

 

 

「ぎょえぇぇえ、お姉さまぁぁぁぁああ!!」

 

 

そこら中に広まる悲鳴と明久が出した消火器の煙、爆裂音を背にして逃げた。

 

 

~場所変わって本陣(Fクラス)で~

 

 

島田と俺は、点数補充を終えて護衛になっている。ちなみに清水はモロに喰らって補習送り、Dクラスの遠距離部隊も壊滅。ほとんどが戦死らしい。(Fクラスも十何人かは死んだ。)そして島田は……

 

 

「吉井…やることが出来るのは……やられる覚悟を持った人間だけよ……」

 

 

覚醒してた。理由が窓を割ったり、スプリンクラーを発動させたり、消火器をぶちまけたことを島田さんのせいにしたから ………なんて同情できねぇ理由だろう。ここまでくると、尊敬できるゲスッぷりだ。そう思ってると須川が帰ってきた。

 

 

「坂本、風神よ。頼みがある」

 

 

「どうした? 脱走兵の暗殺か?」

 

 

「雄二 暗殺しなくても戦争のごたばたに紛れ、爆殺すればいいだろう」

 

 

「それもあるけど、本件がカクカクジカジカ…」

 

 

なるほど、時間稼ぎする目的がバレて、立会人が増やされてしまうから、先生を足止めできる嘘情報を流してほしいか……

 

 

「生半可な情報は流せない。なんとかできないだろうか?」

 

 

「出来るか、颯人?」

 

 

「任せろ!」

 

 

あの先生を利用すれば……明久には天罰を喰らってもらおうか。すると島田が近づいてきた。あの目は……

 

 

「師匠」

 

 

「何だ? 島田?」

 

 

「思いきりヤってね。(にこにこ」

 

 

「うん、わかった。(にこにこ」

 

 

あれは敵にしたくない程、恐怖を感じた(by雄二)  そうなると…………いたいた。

 

 

場所は変わり、須川を含む3人は放送室にきた。そして俺は『カンペ』を須川ともう一人に渡した。

 

 

「任せたぞ……須川たち……」

 

 

「………(グッ)…―――――

 

 

放送が入り始めた。

 

 

 

 

「ピンポンパンポン えー船越先生、船越先生 至急体育館裏に来てください。吉井明久君が人生の大告白をしたいそうです。後、吉井明久君からもらったボイスレコーダーから…「(吉井明久の声)船越先生、僕は貴女に対する本当の気持ちが判りました。スゥ――船越先生、貴女が好きだ!バカな僕でも判るほど、貴女の愛が大きい!! 今度こそ、機械を通してじゃなく貴女に直接言いたい!僕は、船越先生が大好きだぁー!!!………ハネムーンはどっかの温泉がある旅館で子供はサッカーチームを作れるほど欲しい…愛の勉強をエスコートしてください。そして愛してるよ。(チュ)」……さっさとくっつけ。そしてお幸せに~ピンポンパンポン」

 

 

船越先生、4○歳

須川の女教師バージョン 松村先生と西村先生と同じくらい男子に恐れられてる。

 

 

力強く、愛する思いでたっぷりな純粋な告白文だ。俺たちも満足いく程の出きっぷりだ。そして須川が俺たちに話しかけた。

 

         

「ナイスww風神、"木下"ww」

 

 

「あぁ、俺が考えた告白どうよ?最高だろう。」

 

 

「うむ、納得出来るほどの出気前じゃ……しかし、本当にこんなことしていいかのう」

 

 

そう!俺たちの演劇男子、秀吉に頼みこんで発言してもらった。(対価として演劇に付き合う)本当にボイスレコーダーなんて用意してない。そして秀吉は罪悪感に捕らわれているが………まだまだ明久の魅力に気がついてないな。ハァー

 

 

「秀吉、動物などを使った実験で一番の脅威は罪悪感なんだ。研究者も頭では理解してるが実際やると心が押しつぶれそうになっているんだ。何かの進歩には犠牲がある。必要なことだと分かっているが、押しつぶれそうになる。それを逃れる為に人間は逃げるんだ。酒、タバコ 、仮想世界などにな」

 

 

「つまり、何が言いたいのじゃ?」

 

 

俺と須川は口揃え、言った。

 

 

「「明久ほどの生け贄にしやすく罪悪感が湧かない存在はない。(ニヤリ)」」

 

 

「お主ら…鬼畜じゃのう………」

 

 

何故か、苦笑いされた。解せぬ。

 

 

『須ぅ川あああぁぁぁぁああ!!!』

 

 

そんな声が聞こえた気がした。

 

 

 

 

~風神&木下、帰還中~

 

 

 

 

「I'm back!」

 

 

「ただいまなのじゃ」

 

 

俺と秀吉(須川は隠れている)が帰ってくると、ご満悦の雄二と島田と充血した目の明久がいた。そして明久が話し掛けてきた。

 

 

「颯人、秀吉 須川君が何処にいるか、知らない?」

 

 

「それはのう。むぐっ「知らないなぁ。(秀吉、ここはは黙ってくれるか)」…………ッ!!わ、分かった。すまぬ、ぞん存じなくてのぅ」

 

 

俺が耳に囁くと、秀吉は理解してくれた。何故か顔を真っ赤にしていた。

 

 

「そうか……大丈夫…………ボクナラ…ヤレル!」

 

 

船越先生に追いかけ回されたことをそんなに恨んでいるの?

 

「大丈夫大丈夫………砂を詰めた靴下や家庭科室から盗んだ包丁、さらに代価を払い風神の契約で「明久………」デキルデキルデキルデキルデキルデキル…………ボクナラヤレル!!「明久、放送の実行犯は俺だけど」キシシャァァアアアアアアアアア!!!」

 

 

明久は砂が入った靴下を顔面に目掛けて投げた。そして明久はしゃがみ、避けたところを狙うように構えた。ぬるいわ!

 

 

「甘い!」

 

 

俺は靴下を明久の方向になるようにキャッチして投げた。

 

 

「シャア!! スパーン」

 

 

明久は靴下を振り上げた包丁で切った。切られた靴下と砂が舞うなか俺たちは睨み合う。

 

 

「死ねえぇえ「あ、船越――」退避いぃー!」

 

 

明久は掃除ロッカーに避難した。 俺はロッカーの前に卓袱台バリケードを作った。 雄二が動きを見せた。

 

 

「雄二よ。そろそろじゃのう?」

 

 

「よし、そろそろ頃合いか……野郎共! Dクラス代表の首を獲りにいくぞ!」

 

 

「「「「おうっ!」」」」

 

 

皆が教室が出ていくなか、俺は明久に声かけた。

 

 

「明久……船越先生が来たのは嘘だ」

 

 

ロッカーが揺れた音が聞こえた。

 

 

一方、戦場では下校する生徒に紛れ、敵に近づいて取り囲み倒す戦友たち、俺は……

 

 

「参るぞ。秀吉!」

 

 

「承知」

 

 

数学

Fクラス 『神風颯人 147点』&『木下秀吉 46点』VS Dクラス 『塚本琥太郎 150点』&『小玉あゆみ 96点』&『イキリ·クオゥーター 321→271点』……

 

 

苦手な数学でDクラスの主戦力を相手にしてた……何でこんなに強いの?

 

 

「お前ら、何でDクラスにいるんだ!? 特にイキリ·クォーター! お前Aクラス並みだろうが!?」

 

 

「フフーン、決まってマース」

 

 

「如何にも、当たり前のこと……」

 

 

「「他がひどいからだ!(デース!)」」

 

 

すげぇ、ここまで胸はって言われると尊敬できる。そのとき、ピンク色の髪が見えた。そのときの俺の行動がはっきりした。

 

 

「秀吉!「なんじゃ!」後は任せたぞ!!」

 

 

俺は神風特攻隊の如く突撃をした。そもそも何故時間稼ぎをしているのか?それは……とある人物の補充を済ませるためなのである。 俺は、司書の格好をした召喚獣を刺して先に進んだ。

 

 

『古川南美 42→0点』

 

 

「嗚呼……さらば、楽しき日々「ガチャ バタン」」

 

 

『ひぃ、助けてぇこのままじゃ、殺されるぅ!』

 

 

『なあ、あの仮面の召喚獣…笑っていないか?』

 

 

『気のせいだろ。そんな子供がトラウマになりそうな設定があるわ『ハッハッハハハッ!』けあります! なので助けてくれー!アアアア!』

 

 

『白倉春雷 23→0点』

 

 

あら、笑い声が聞こえる。その時、歓声が聞こえた。そう勝利の声が!

 

 

『Dクラス代表 撃ち取ったぞ―!』

 

 

結局、主役は俺じゃないな……




Dクラスに勝ったFクラス! そして坂本の言う対Aクラスのプロセスとは……風神が最後に呟いたことは……?

次回 俺と明久と恋心


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第8話 俺と明久と恋心

昔々、とある少年がいました。その子は病弱でした。その少年は正義感が強く勇者のような存在に憧れてました。しかし……その少年は…………


――――勇者になれませんでした。


親から殴られ、大切にしてたモノは壊され、愛することと愛されることがわからなくなり勇者になれなかった少年は、心に深い深い傷を受けました。そして、その少年は自分の野望の為に戦うことを選びました。


前回のあらすじ

第一次DF試召戦争 勝利!

 

 

 

 

戦争終了後、戦死していない生徒が歓声と悲鳴を出した声が響き、Dクラスはどん底に落とされたような表情でFクラスでは握手会が起きていた。

 

 

「スゲー! 本当に勝てるなんてスゴイよ!」

 

 

「坂本サマサマだな。握手してくれ!」

 

 

「姫路さん I love you」

 

 

雄二の周りには野郎共が集まり、握手してくれと言っている。すると俺のほうにも一人握手しにやって来た。

 

 

「風神、握手してくれ」

 

 

「おう、いいぞ。ガシッ」

 

 

「隙ありゃぁぁぁ「背負い投げぇぇえ!」ギャァァア」

 

 

明久の手を掴み、足払いして浮かせた後思いっきり投げ飛ばした。明久は星となった。するとDクラス代表の平賀がやって来た。

 

 

「まさか、姫路さんがFクラスに居るなんて……これは情報収集を怠った俺らの負けだ」

 

 

「あの……すみません」

 

 

「いやいいんだ。しかし、ルールに乗っ取り設備の入れ替えもといクラスを明け渡そう。今日は遅いし、明日でいいか?」

 

 

「いや、設備の入れ換えはいい」

 

 

「雄二、どうして「「「「吉井、ふざけるなぁ!!!」」」」……ゴメン」

 

 

その時、クラスメイトの怒号が響いた。まぁ俺が焚き付けたんだからこれほどの気合いが無くちゃ困る。すると須川が明久を悟らせた。

 

 

「吉井、忘れたのか? 我々がモテるにはAクラスに勝つしかないのだ!!」

 

 

「そんなんだから、近所の小学生に『馬鹿なお兄ちゃん』って呼ばれるんだぞ」

 

 

「………人違いです」

 

 

えっ?何々、どう言うことぉ?(ニヤニヤ)

 

 

「明久く~ん、どう言うことなのかなぁ?詳しく「そういう風神だって隣の美人なシングルマザーとその子供にモテモテなくせに!」おいおい、永井先生にはお世話になっているが、告白されたお前と「「「「ターゲットは吉井、殺せぇぇえ!」」」」「ちょっと待て、何で姫路さんも島田さんもぎゃあああああああ!!!」……スゲ~」

 

 

クラスメイトの団結力、容赦の無さの凄さに感動しているとこんなやり取りしてある間、代表同士で話をつけていた。

 

 

 

 

 

「あの、少しいいですか? 風神君」

 

 

「ん? 何だぁ、姫路」

 

 

時間が進み、放課後の教室には俺と姫路がいた。姫路が先に口を開いた。

 

 

「風神君に一つ聞きたいことがあります。この試験召喚先生を起こしたのは何でですか?」

 

 

「簡単な話さ、友人に頼まれたからさ」

 

 

「その友人はだれですか?」

 

 

「吉井明久だ」

 

 

「あの、吉井君が言い出した理由は何でですか?」

 

 

いつとなく緊張した雰囲気の中、決して普通ではみれない緊張した面で話す俺と姫路。俺は真剣な表情で、はっきりと伝えた。

 

 

「設備のためだ」

 

 

「そ、そうなんですか。「ただし、」えっ?」

 

 

「誰かさんの為にだ。」

 

 

「姫路よ。お前は気づいていなかったかもしれないが、我先とお前を心配していたのは明久なんだ。そして明久は情に厚く、誰かの為に頑張れるバカだ」

 

 

姫路は黙って俺の話を聞いていた。

 

 

「今回の戦争は、誰かの為に起こしたんだ。不憫で報われなかった誰かの為にな。姫路…お前ならわかるだろう。明久が戦争を起こした理由を…」

 

 

姫路は顔を赤く染める。そして嬉しさのあまりに顔がにやける。そりゃそうだ。まさか恋してる人が自分の為に行動し頑張っているからだ。そして姫路は目をつぶり、決心したように目を開く。

 

 

「私、決めました。 吉井君にラブレターを書きます!」

 

 

「それがいい」

 

 

姫路さんの自分の気持ちを伝えようとする姿は美しかった。

 

 

「姫路、お前の書きたいように書け! こういうのはお前の心を、魂を! そのまま書けば想いは伝わる!!」

 

 

俺は大げさに動いて、大声で教えた。下手に書くぐらいなら直球勝負。その方なら鈍感にも伝わるっていうと何故か笑われた。けどいい、恋する乙丸が笑う姿は綺麗だから……

 

 

~風神SAID終了~

 

 

~明久SAID~

 

 

もしも、これが夢なら早く覚めて欲しい。教科書を忘れて取りに来たら、楽しそうに喋る風神と頬を少し赤くした姫路さんがいた。そして次に目に写ったのは風神宛のラブレターのような手紙と風神宛先のラブレターをしまう封筒のような封筒があるけど何なのか分からない。

 

 

《あれはどう見てもラブレターだが?》

 

 

黙れ!僕に住む悪魔が!僕を不幸にしようとしてるけどそうはいかんぞ!

 

 

「風神さん、ありがとうございます」

 

 

「おうよ! こちらこそ!」

 

 

僕は反射で隠れてしまった。何故だ?何で隠れたんだ?とにかく、教科書を早く取らないっと。

 

 

《単純な話だ。今の風神が脅威に思えるからだ》

 

 

黙れ黙れ! 僕は騙されないぞ!!

 

 

「よ、吉井君!?」

 

 

僕が教室に入ると姫路さんの卓袱台には風神のラブレターと封筒に使いそうな可愛らしい便箋と封筒があった。何に使うんだろう?

 

 

《現実を見ろ。これは明らかにラブレターだ》

 

 

黙れ! 僕を虚言で騙そうとしているが、だいたい証拠はあるのか!!?

 

 

「これはあの、その、えっとー…」

 

 

「うんうん。わかっているよ」

 

 

「違うんです――ふあ!?」

 

 

便箋を隠そうとしていたけど、手が滑って落としてしまった。そしてたった一文大きく書かれていた。

 

 

『あなたのことが大好きです』

 

 

「違うんです。 違わないけど違うんです!」

 

 

《これ以上ない物的証拠だが?》

 

 

……………

 

 

《さぁ、諦めようぜ》

 

 

…………………………………

 

 

《現実を受け入れろ。そして友達を祝福しようぜ》

 

 

………………………………………………………………………………

 

 

「変わった不幸の手紙だね」

 

 

《こいつ、認めない気だ!!?》

 

 

危うく悪魔の虚言にやられちゃうところだった。危なかった。

 

 

「あ、あのそれはそれで困るんですか」

 

 

「そんなことしなくても、僕が手を下してあげるよ。 ああ大丈夫、武器は隣のクラスの山下君に頼むから」

 

 

「吉井君、これは不幸の手紙じゃないです」

 

 

「いや、これは不幸の手紙だ!……現に僕がここまで不幸になっているじゃないか……」

 

 

心が……折れそう……だ。

 

 

「それはクラスメイトに渡すの?」

 

 

「はい、そうです」

 

 

ボキッ

 

 

「そいつの何処がいいの?外見はあまりよくないよ」

 

 

「ああ、いや外見じゃなくて、ああ、外見もかなり良いですよ」

 

 

ベキッゴキッ……既に心は瓦礫の山となった。

 

 

「憎い。憎いっ! あいつが心底憎い!!」

 

 

「へぇ!? 吉井君どうしたんですか!?」

 

 

「外見に自信が無いから羨ましくて……」

 

 

「え? どうしてですか!? とっても格好いいですよ。 私の友達もそう言ってましたし」

 

 

「え? ホント?」

 

 

かなり酔狂な人だろう。

 

 

「はい。友達が『美少年な吉井君と逞しい坂本君が居ると絵になる』って」

 

 

「いい人だね。今後も仲良くしてあげてね」

 

 

「『お前らの絡みの薄い本や絵が売れるから、懐がぽかぽかよぉ』って――」

 

 

「すぐに縁を切って、通信拒否にしなさい」

 

 

「風神君がそう言ってました」

 

 

よし、コロスか。

 

 

「もちろん、中身も大好きですよ」

 

 

「確かに肝臓や内臓が高く売れそうね」

 

 

あの化け物だ。相当高値だろう。

 

 

「それは体の中身です」

 

 

「えっ?心の中のこと?」

 

 

「えっ、はい! 優しくて友達思いだったり…」

 

 

?優しくて友達思い??

僕を痛めつける趣味を全力でバックアップするアイツが? 僕を騙して、宣戦布告に行かせボコられても謝りしないアイツが?? 僕を生け贄にしても心が痛まないと公言したアイツが???

 

 

「姫路さん、メモの準備はいい?……医学ノーベル賞を獲ったことある有名な精神医者だから」

 

 

「別に気が変になったわけじゃありません」

 

 

いつもの姫路さんとは思えない強い声だった。

 

 

「優しくて、明るくて、いつも楽しそうで……私の憧れなんです」

 

 

そんな真剣な口調からは、茶化すなんてできそうにもない程の強い想いが感じた。こんなんじゃ、とても邪魔なんて出来ない。

 

 

「その手紙…」

 

 

「は、はい」

 

 

「良い返事が貰えるといいね」

 

 

「はいっ!」

 

 

嬉しそうに笑う姫路さんは本当に魅力的だった。

 

 

~吉井SAID終了~

 

 

~風神SAID~

 

 

昨日の姫路の言葉を聞いて大満足な自分、しかし絶賛謝罪中の俺、理由は簡単。とある約束をしてたけど戦争で忘れてたので通話だけど土下座しました。そして今は…

 

 

[そうなのね。そう……覚悟ある?ゴゴゴ]

 

 

死にかけてます。

 

 

[待てぃ、そんな横暴をこの[ふざけないで。]……はい]

 

 

ダメだ、圧倒的に不利じゃないですか。ヤダー

 

 

[私は、真由美の分まで怒る必要があるの……(ボソッ)何でFクラスなの……気軽に遊び行けないじゃない]

 

 

っつ! そんな声出されたら…あぁ……しょうがねぇな。

 

 

[……わかった。俺の家の場所を教えてやる。[えっ?]……何でそんな声をだす]

 

 

[だって、只でさえ家に凛ちゃんや優子ちゃんが突撃してくるって嘆いたじゃない]

 

 

[あのなぁ、お前らの悲しい声を聴くとこっちが悲しくなる。お前ら、美人なんだから笑顔でいてくれよ]

 

 

[………ちょっと待って、カチッ…もう一度言ってちょうだい]

 

 

[お前、何してるんだ!まあいい―――お前らは美人なんだから笑顔でいて欲しいんだ。悲しい声してるとこっちまで気分が下がる。だから、お前らは笑顔のほうがかわいい]

 

 

まったくあいつらと言ったら、そんな声されたら俺が困るんだよ。

 

 

[……あ、ありがとう。先生が来たから、じゃ、じゃあまた明日ねぇ。(ボソッ)皆に伝えないと……えへへ♡]

 

 

[皆に? どういう意味だ。おい、ちょっともしもし?もしもーし?]

 

 

最後の意味はどういう意味何だ?まぁそうしていると明久がやって来た。そして島田さんが殴った……明久のことは弁護しない。あんな酷いことをしたからな。すると島田が今の明久にとって最恐の名を告げた。俺は明久を捉えた。

 

 

「放して! 僕はまだ独身の自由を味わいたんだぁ!?」

 

 

「安心しろ……いずれ会う運命だ。大人しく船越先生と温泉旅館に宿泊しろ!」

 

 

「イィィイヤアァァァアアアア!!」

 

 

明久は船越先生に近所のお兄さん(三十九歳/独身……心は青年)を犠牲にして生き延びた。チッ 補充テストが終わり、(何故か、秀吉がポニーテールのほうが可愛いかのぅ?って聞いてきた。)昼休みになると雄二が召集をかけた。すると姫路さんが声を出した。

 

 

「あ、あの皆さんの弁当を作って来ました。 迷惑じゃなかったら食べて貰えますか?」

 

 

「迷惑なもんか! これで生きていけるさ!」

 

 

「おお、ありがとな。姫路」

 

 

「……ありがと………」

 

 

「誠に感謝!」

 

 

皆が感謝しており、(島田は睨んで、秀吉は料理が出来ることに羨ましがっていた。)……島田よ。気持ちはわかるがそれはアカンよ。そうこんなほのぼのした食事になるはずだった…まさかあんなことが起こるなんて……




明久の勘違い発生中! 風神が最後に思っていた言葉の意味は? 後、電話していた人物とはいったい誰なのか!?

次回 俺と姫路とFクラス最終化学兵器(FFF·ザ·アルティメットリーサルサイエンスウェポン)


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第9話 俺と姫路とFクラス最終化学兵器(FFF·ザ·アルティメットリーサルサイエンスウェポン)

第六問 問 以下の問いに答えなさい。

『ベンゼンの化学式に答えなさい』




姫路瑞希の答え 「C6H6」


教師のコメント――簡単でしたね。


土屋康太の答え 「ベン+ゼン=ベンゼン」


教師のコメント――君は化学をなめてませんか。


吉井明久の答え 「BーEーNーZーEーN」


教師のコメント――あとで土屋君と一緒に職員室に来るように。


風神颯人の答え 「C6H6 ※正しくはベンゾールと呼びます。訂正を要求をします!」


教師のコメント――ほぅ……上等です。かかってこいやぁ!


風神颯人のコメント――上等だ、必ず訂正させてやらぁ!


※その後、職員室で討論していた二人でした。


前回のあらすじぃぃぃいいい!!!

明久、絶賛誤解中。

 

 

 

 

ほのぼのとした陽光がサンサンと降り注ぐ中、心地よい春風が鼻をくすぐる。絶好のピクニック日和だ。そんな中俺たちは青いシートの上に座り、姫路の弁当をつばめのヒナの様にまだかまだかと待っていた。そして姫路が弁当を開けようとしていた。(尚、島田と雄二は飲み物を買いに行っていない)

 

 

「あの、自信はないんですけど……」

 

 

「「「「おお!」」」」

 

 

俺たちは姫路の弁当箱を見て、歓声をあげる。姫路の弁当箱には彩りの良いように盛りつけられた野菜、子供が大好きなハンバーグ、エビフライ、アスパラ巻き、おにぎりが重箱に詰められており、俺からみても満足出来る弁当だ。(俺の弁当は手作りなので(ドヤッ))

 

 

「………………(ヒョイ パクっ)…」

 

 

「あ、ずるいぞ! ムッツリ―――」

 

 

するとムッツリーニが自慢の速さを活かしてエビフライを口にいれ、

 

 

「……………………ブクブク(バタン)」

 

 

泡を吐いて、豪快に倒れた。 予想できなかった俺たちは動けなかった。

 

 

「あわわ、土屋君!?」

 

 

「…………(グッ)」

 

 

「あ、そうなんですか? 良かった」

 

 

ムッツリーニは手を挙げてサムズアップ。その姿は、沈みゆくとあるサイボーグのようだった。そして俺たちに向かって姫路は

 

 

「良かったら、どんどん食べてくださいね」

 

 

曇りなき眼で純粋に言った。すると明久が小声で話しかけてきた。

 

 

(ねぇ…風神、秀吉)

 

 

(どうした、明久?)

 

 

(あれは何で死んでいるか、解る?)

 

 

(明久、そんなんの解るわけなかろうが(おそらく、化学薬品を使っている。理由としては、毒草より入手が簡単で毒草ならもっと泡を吹いて顔を青ざめてから即死だからだ。また、ムッツリーニがハンドサイン出来るほどの余裕と身体の自由があるとすれば……中和したけどあまりにも不味くてお陀仏かな?)……風神、お主は一体何の勉強をしているのじゃ)

 

 

(明久、風神。 お主等、身体は頑丈か?)

 

 

(正直胃袋に自信はないよ。食事の回数が少なすぎて退化しているから)

 

 

(俺は頑丈けど、不安だな)

 

 

(ならば、ここはわしに任せてもらおう)

 

 

(そんな、危ないよ!)

 

 

(大丈夫じゃ。風神は知っているがわしは存外頑丈な胃袋をしていてな。じゃがいもの芽程度なら食ってもびくともせんのじゃ)

 

 

秀吉……お前…またやるつもりかよ。しゃあねぇな!おい!!

 

 

(秀吉、ここは俺に任せろ)

 

 

((風神!?))

 

 

(食って真実を伝える。それが一番犠牲が少なく助かる方法だ)

 

 

(そんな!? そんなことしたら姫路さんが傷つくよ!? そんなの駄目だよ!!)

 

 

(明久……お前は料理人にとって嬉しいことは何か、わかるか?)

 

 

俺は真剣な表情で明久に言う。

 

 

(えっ? そりゃ“美味しい"と思われることでしょ。 何いっているの?)

 

 

(明久、質問を変えよう。……お前にとって、姫路の料理は美味しいと言えるのか?)

 

 

(ハッ!!)

 

 

(明久、お前にとってこれは料理と言えるのか? 否、否! お前は既にこれを"料理"としていない。すなわちお前は既に姫路さんの料理を罵倒しているようなものだ! 真実を知ったときの姫路さんの気持ちを読み取れ。  あんなに純粋に“美味しい“と言われて作った料理が、本当は気を使われて言われた悲しさを! 皆に迷惑をかけてしまった罪悪感を! 自分の料理がこんな扱いをされていた苦しさを!!! それなら俺は、真実を伝える!怪我が少ないうちに伝えるしかないんだ。それが姫路の為だ……お前が犠牲になる必要はない)

 

 

(風神……ありがとう。(グスッ))

 

 

(秀吉も秀吉だ。俺との約束を忘れたのか!)

 

 

(なんじゃ、わ、わしも何もしておらん)

 

 

(ウソつくために演劇を学んだのか?)

 

 

秀吉は目をそらした。しかし、俺は秀吉の顔を掴み、顔を向かせた。

 

 

(明久……秀吉は迷惑を懸けないように皆を騙していた頃があったんだ。 運良く俺が気づかなかったら秀吉は自殺するほどのイジメにあっていたんだ)

 

 

(えっ!!? 秀吉、本当なの!?)

 

 

(本当じゃ…あのときのわしはイジメられてたときがあったんじゃ)

 

 

(明久、秀吉は色んな男性にモテていて、その嫉妬に狂った女子にイジメられてたんだ。……俺とお前の約束を覚えているのか? 『自分を傷つける為に演劇をしない』だ)

 

 

(うむ……)

 

 

(秀吉、お前は傷つけるところだったんだぞ。昔俺に話したことを忘れたのか!『辛かったら頼って言いんじゃな?』って言った。傷つくぐらいなら俺に頼れ! 俺にとって辛いのはお前たちが傷つくことだ。だから―――)

 

 

俺は、秀吉を優しく抱いて力強く言った。

 

 

(―――俺に守らせてくれ!)

 

 

(……グスッ………ありがとう)

 

 

秀吉はうるうると瞳を揺らした。そして涙が出てた。

 

 

(じゃあ、逝ってくる)

 

 

(ごめん……ありがとう)

 

 

(すまぬ……そしてありがとうじゃ……)

 

 

「姫路、頂いていいか?」

 

 

「あの、いいですけど…何で木下君は泣いていて、吉井君は悔やんでいるんですか?」

 

 

お前を無意識だけど傷つけてしまった後悔をしているんだよ。

 

 

「んじゃ、いただきます」

 

 

モグモグ……ふむ、なるほど...カリカリした衣、ジューシーなエビ、そして此の世のものとは思えない何か...

 

 

「グハァッ!」

 

 

「ど、どうしたんですか!? 風神君!」

 

 

ヤバい…意識が朦朧としている。……漢、風神よ!耐えろ、耐えるしかないんだ!

 

 

「姫路、単刀直入に聞きたい。 何を入れたんだ?」

 

 

 

「えっと、 塩○化カル○ウムに水○化ナ○リウム、そして○○○○と⬛⬛⬛⬛⬛、後は☆☆☆☆☆☆☆☆☆です」

 

 

おかしい、後半はもう化学兵器や毒ガスに使う薬品何だが? あ…秀吉と明久が震えている。もう言うしかなぇな。

 

 

「姫路…薬品なんか料理に入れるな」

 

 

「えぇ!? で、でも、ちゃんと中和したから問題ないはずです!」

 

 

化学式とかそういうところなら問題ない。

 

 

「いや、俺が言っているのは味の方だ。下手したら死人が出る」

 

 

「そ、そんな...」

 

 

そうして、姫路は恐る恐るエビフライを一口食べた。

 

 

「~~~!!!?」

 

 

本人も不味すぎて悶える程か……

 

 

「わかってくれたか。……姫路」

 

 

「……はい。」

 

 

「次からよろしくな」

 

 

「「「え?」」」

 

 

「だって、わざわざ自分の分だけではなく皆の分を作ってきたんだろ? 弁当作りは大変なんだ。わざわざ作ってきたことは皆に食べて欲しい気持ちがあるからだろ? それに―――」

 

 

俺は笑顔で言った。

 

 

「―――見た目は美味しそうなんだし、ちゃんとした材料を使えば絶対うまい!」

 

 

「風神君…(うるうる)」

 

 

「それに…作り方がわかんないなら教えてやるよ」

 

 

「……はい!」

 

 

こうして連続殺人事件はムッツリーニの死だけで食い止められた。(なお、雄二が食べて生き残ったが、毒を盛ったって睨んで伝えたのでバックドロップボムしてやった)この後、姫路達には俺の五重箱弁当をおごり俺は姫路の弁当を全部食べた。…………えっ、何で食べるかって? 姫路が俺達に食べてほしくて作ったんだ。食べなくては姫路に顔向けねぇし、それに最高のスパイスは愛情だろ?

 

 

~腹休み時間中~

 

 

あれから全員が回復&満腹になって作戦会議となった。島田が雄二に疑問をぶつけた。

 

 

「そういえば坂本、次の目標だけど」

 

 

「ん?試召戦争のか?」

 

 

「うん」

 

 

「相手はBクラスなの?」

 

 

「ああ。そうだ」

 

 

えっ? ポクポクポクチーン マジかよ。あいつらがいるところじゃねぇか!?

 

 

「どうしてBクラスなの? 目標はAクラス何でしょう?」

 

 

「正直に言おう」

 

 

雄二が急に神妙な面持ちになり、

 

 

「どんな作戦でも、うちの戦力じゃAクラスに勝てやしない」

 

 

敗北宣言をした……まあ、無理もない。そんだけ戦力差が激しいからな。しかし今の戦力ならの話しだが...(ニヤリ)

 

 

「それじゃ、ウチらの目標はBクラスに変更ってこと?」

 

 

「いいや、そんなことはない。Aクラスをやる」

 

 

「雄二、さっきと言ってることが違うじゃないか?」

 

 

「お前ら、雄二は今の戦力で無理だが、逆に言えば戦力が変わればいけるって言いたいんだ」

 

 

「でも、テストの点数を上げるなんて簡単に出来ないよ...はっ!」

 

 

「わかってくれたか、明久…そうだ。お前が今思って「カンニングだね」そのどや顔を殴らせろ」

 

 

期待してた俺の気持ちを返せ。すると雄二が作戦を言ってた。

 

 

「クラス同士の戦いなら負けるが、一騎討ちなら俺に秘策がある。そのためにBクラスを倒さないといけない」

 

 

「何でですか?坂本君」

 

 

「明久、試召戦争での下位クラスが負けた場合の設備はどうなるか知っているよな」

 

 

「え? も、もちろん!」

 

 

(吉井君。下位クラスが負けたら設備のランクを一つ落とされるんですよ)

 

 

姫路さんバレてますよ。また…明久には補習が必要なのかな?

 

 

「設備のランクを落とされるんだよ」

 

 

「……まあいい、つまりBクラスならCクラスの設備に落とされるわけだ。」

 

 

「常識だね」

 

 

「では、上位クラスが負けた場合は?」

 

 

「悔しい」

 

 

「ムッツリーニ、ペンチ」

 

 

「雄二、ここは目立たないようにタバスコで我慢してくれ」

 

 

「ややっ。僕を全身をタバスコで味付けさせる動きがっ」

 

 

タバスコは辛い分、ヒリヒリ痛いぞ~。

 

 

(相手クラスと設備が入れ替えられちゃうんですよ)

 

 

明久…また"あの授業"をやらないといけないのか...

 

 

「つまり、うちに負けたクラスは最低のクラスと入れ替えられるわけだね」

 

 

「ああ、そのシステムを利用して交渉をする」

 

 

「交渉、ですか?」

 

 

「Bクラスをやったら、設備を入れ替えない代わりにAクラスへと攻め込むよう交渉する。設備を入れ替えたらFクラスだが、Aクラスに負けるだけならCクラス設備で済むからな。まずうまくいくだろう」

 

 

廃屋か、普通の大学の設備なら選ぶまでもないな。

 

 

「ふんふん。それで?」

 

 

「それをネタに交渉する。『Bクラスとの勝負直後に攻め込むぞ』といった具合にな」

 

 

なるほど…Aクラスと言えど、Bクラスをやった後は体力的にキツイ。さらにAクラスは格下の相手との戦争に時間を使うのは癪だろう。対してFクラスなら設備の不満とモテたい願望が原動力となり、士気が段違いだ。

 

 

「じゃが、それでも問題はあるじゃろう。体力としては辛いし面倒じゃが、Aクラスとしては一騎討ちよりも試召戦争の方が確実であるのは確かじゃからな。それに―――」

 

 

「それに?」

 

 

「そもそも一騎討ちで勝てるのじゃろうか? こちらに姫路がいるのは既に周知の上じゃろう?」

 

 

まあ、大丈夫だ……たぶん。

 

 

「そこで秘策があるんだ。心配するな」

 

 

「とにかくBクラスをやるぞ。と言うわけで明久…」

 

 

「ん?」

 

 

「今日のテストが終わったら、Bクラスに宣戦布告してこい」

 

 

「断る。雄「断ったら殴っちゃうZOY!」……待て、せめても話し合いの余地はあるか?」

 

 

「待て、颯人。それなら心理ジャンケンで決めないか」

 

 

「「OK。 乗った」」

 

 

「よし、負けたら行く。でいいな?」

 

 

「よし、僕はグーをだすよ」

 

 

意気揚々な明久……甘い甘い、雄二や俺がこんな公平なことを―――

 

 

「「お前がグーを出さなかったらぶち殺す(首をへし折る)!!」」

 

 

―――するわけねぇだろうが!

 

 

かくして明久はBクラスに宣戦布告(もとい死に)行ってきた。明久の目からキラリと光ったモノが落ちたが気にしないでいこう。




明日、13:30 Bクラス対Fクラスの試験召喚戦争が開戦されます。歴史的なFクラスの快進撃、果たしてどうなることやら...(学園長承認済み)

次回 俺とFクラスと根本の罠


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第10話 俺とFクラスと根本の罠

昔、昔の日々の話。

とある女子は勉強は出来てとても優秀な子だった。

しかし、とある女子は友達が多い弟を羨ましがった。

何で、自分には友達が出来ないの? 何で、自分には誰も仲良くしてくれないの?

何で、自分は勉強が出来るのに友達がいないの? 何で、自分の努力を認めてくれないの?


女子は妬み、苦しみました。そこでとある少年に相談しました。その内容は――


――あの弟を越える方法を教えて。


少年は女子の相談と教える日々が始まりました。そして疑問に思いました。

何でこんなに努力しているのにどうして猫を被るんだろう?

そこで少年は女子と話しました。しかしそこにあるのは罵倒と憎しみのこもった言葉だけでした。とある日、少年は女子に向かって言いました。


――お前は、猫を被り皆に本当の自分を隠しているから分からないんだ。本当のお前を愛してくれる人間はいる。なぜならここに一人いるからだ。


その結果、とある女子は段々友達が出来ました。そして今は少年に恋した乙女でした。そして……


――好きになったからこそ、いつまでも居たい。


そう言ったときの笑顔は綺麗でした。


前回のあらすじぃぃぃいいい!!!

雄二と風神は甘くなかった。(by明久)

 

 

明久を犠牲にして、テスト漬けの午前が終わり。午後からBクラスとの試験召喚戦争が始まろうとしているなか、雄二は教壇に上がって皆を奮い立たせていた。

 

 

「さて皆、総合科目テストご苦労だった」

 

 

「午後はBクラスとの試召戦争に突入する予定だが、殺る気は充分か?」

 

 

「「「「おおっー!」」」」

 

 

「今回の戦闘は敵を教室に押し込むことが重要になる。その為、開戦直後の渡り廊下戦は絶対に負けられない」

 

 

「「「「「おおっー!」」」」」

 

 

「そこで、前線部隊は姫路瑞希に指揮を取ってもらう。野郎共、きっちり死んでこい!」

 

 

「が、頑張ります」

 

 

「「「「「うおおぉっー!!」」」」」

 

 

なるほど、前線に数少ない女子を設置することで野郎共の指揮を最高潮にまで上げることが出来る上に姫路がいることで、前線の戦力UPを狙うか…やるな。すると戦争の鐘が鳴り響いた。

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

「よし、行ってこい! 目指すはシステムデスクだ!」

 

 

「「「「サー、イエッサー!」」」」

 

 

「お前ら! 俺は信じてる。モテモテになる為なら命をかけれる漢達だと…全力☆前進だ―!! 野郎共ー!!!」

 

 

「「「「ヒア、ウィーゴー!!」」」」

 

 

 

今回の先生は数学の長谷川先生を連れている。理由はBクラスは文系が多いのと、召喚可能範囲が広いからだ。

すると野郎共から声が聞こえてきた。

 

 

「いたぞ!Bクラスだ!」

 

 

「生きて返すなー!」

 

 

「ヒャッハー! 皆殺しだ!!」

 

 

そんな言葉から戦争が始まった。

 

 

総合

Fクラス『近藤吉宗 764→0点』 VS Bクラス『野中長男 1943点』

 

数学

Fクラス『武藤啓太 69→0点』VS Bクラス『金田一優子 159点』

 

物理

Fクラス『君島博 77→0点』VS Bクラス『里井真由子 152点』

 

 

ウチ弱すぎ!……いや、流石Bクラスだな。やるな。

 

 

「姫路、ここで下ろすがいいか?」

 

 

「は、はい。お願いします」

 

 

「good luck!」

 

 

俺はおぶっていた姫路を(姫路は体力が少ないからおぶってくれっと頼まれたから)降ろして参戦した。

 

 

物理

Fクラス『風神颯人 307点』

 

 

『何!? あそこのFクラスのヤツだけおかしいぞ!』

 

 

『あれは……風神君!? 何でFクラスに居るんだ!??』

 

 

『皆落ち着いて、風神のところに集中して攻めるぞ!』

 

 

やはり、教えてた奴らがいたか……雄二の言う通りに目立ってしまうか……するとBクラスから声が聞こえた。

 

 

『姫路がきたぞ!』

 

 

その時、Bクラスの雰囲気が変わった。それだけ姫路を警戒していることがわかる。すると俺の方に"あいつら"がいた。

 

 

「久しぶりね。颯人」

 

 

「本当だね? 颯人君」

 

 

「くそったれ、やはり現れたのか――」

 

 

そう、こいつらは俺が通話中に土下座していた本人ともう一人。その名もー

 

 

「――律子……真由美…やってくれるな、おい」

 

 

岩下律子と菊入真由美。俺が勉強を教えてた生徒の二人だ。

 

 

岩下律子

 

紫色の髪のでボブストレートみたいな髪型で何故か人妻な感じが出ている。出るところは出て、妖艶な雰囲気を身体中から放出しているように感じた。後、秀吉と同じ演劇部だ。

 

 

菊入真由美

 

青色の髪でベリーショートな髪型で活発的なオーラを感じる。スリムで健康的な体型をしている。後、秀吉と律子と同じ演劇部だ。

 

 

「当たり前でしょ。Fクラスの脅威と言えば姫路さんか颯人君しかいないんから」

 

 

「そう言えば……秀吉君との演劇の約束したって本当なの?」

 

 

「本当だけどよ、今関係ねぇ話ししないことオススメするぜ。かかってこいやぁ!……あ?」

 

 

物理

Fクラス『神風颯人 307→273点』VS Bクラス『岩下律子 201点』『菊入真由美 172点』

 

 

俺の召喚獣が彼方の星になった……本当にBクラスなの? そういえばあいつらの召喚獣は律子はウサギの耳がついた格闘家風の服装でデカイハンマーを持っている。真由美はリスの尻尾がついた騎士風の格好にランスを持っている。こうして観るとBクラスは上位者や上位職(騎士、賢者、玄人の狩人など)の格好や武器を持っているやつが多い。

 

 

「くっ…やるがこれならどうだ!」

 

 

俺は、大振りの攻撃した律子の召喚獣に向かって射とうしたが...

 

 

「私のこと、忘れてるね!」

 

 

「ちくしょ! 連携うめぇんだよ!」

 

 

真由美のランスが俺を突き刺そうとした。これだと大振りした攻撃の隙を狙えず、ダメージ上等だと即死、連携を崩さないからこれだと体力切れを狙うしかないな。……いや待てこれならいける!俺はニヤニヤしながら思った。

 

 

「とりあえず喰らっとけ!」

 

 

リボルバーで真由美の召喚獣に威嚇射撃する俺の召喚獣。しかしランスで防がれる。

 

 

「甘いよ! いくよ律子!」

 

 

「わかったわ!」

 

 

そして律子の召喚獣がハンマーを構え、後ろにランスを投げる構えをした真由美の召喚獣がいる。おそらく俺を吹き飛ばして身動き取れない俺の召喚獣をランスでK.Oするんだろ.....

 

 

「えっ!?律子!」

 

 

「動けない!?」

 

 

甘いわ! 威嚇射撃で気をとらせることで俺が投げナイフの応用でナイフを足に向けて投げたことで刺さって動けなくさせた。そしてこの一瞬、俺の行動は速かった。

 

 

「芸術は爆発だ!ポーイ」

 

 

ドゴォーン 手榴弾の爆発が二人の召喚獣を巻き込んだ。

 

 

Bクラス 『岩下律子 201→0点』『菊入真由美 172→0点』

 

 

二人は戦死した。よっしゃあ!

 

 

「悔しいぃぃい!!」

 

 

「まさか、あんなことをやるなんて...」

 

 

真由美は悔しがり、律子は驚いていた。そして俺は皆に伝えた。

 

 

「野郎共。Bクラス二人やったぜー!」

 

 

それで士気が上がる俺たち、反対にBクラスは驚いていた。

 

 

『What!? どういうことデース!?』

 

 

『姉御達がやられてるぞ!?』

 

 

『こんなに強いとは……僕たちは勝てるのか……』

 

 

やはり動揺はしているな。それもそうだろ、それだけFクラスに勝てる自信があるからな。指揮をとっていると明久に呼ばれた。

 

 

「颯人、ちょっといいかな?」

 

 

「どうした。明久?」

 

 

「一緒に教室に戻ってくれない?」

 

 

「どうしてだ?」

 

 

「Bクラスの代表があの根本なんだ」

 

 

根本恭二

俺たち二年生の間ではすこぶる評価が悪いことで有名だ。『球技大会で相手チームに一服盛った』だとか、『喧嘩に刃物は当然装備(デフォルト)』だとか、噂をあまり信じない俺でも信じてしまうくらい、黒い噂が絶えない。

それを聞いた俺は教室に戻っていた。

 

 

 

「うわぁ……これは…」

 

 

「チッ、ひでぇな。」

 

 

「地味に効果的な嫌がらせのぅ」

 

 

そこにあったのは無惨にも破壊された設備と勉強道具だったモノだ。 卓袱台は穴だらけ、シャープペンシルや消しゴムは折れていて使い物にならない。おそらく何らかの方法で雄二達が居なくなった後、破壊活動したんだろう。

 

 

「あまり気にするな。修復には風神がいるし、作戦に大きな支障はない」

 

 

たしかに俺は趣味でDIYしてるから修復できるし、最悪俺の圧倒的最強交渉術(土下座)をしたらなんとかなるが……何か気になる。

 

 

「それはそうと、どうして雄二は教室がこんなになっているのに気がつかなかったの?」

 

 

「協定を結びたいという申し出があってな。調印の為に教室を空にしてた」

 

 

「協定じゃと?」

 

 

「ああ。四時までに決着が着かなかったら戦況をそのままにして続きは明日午前九時に持ち越し。その間は試召戦争に関わる一切の行為を禁止する。ってな」

 

 

「ふーん、でもウチなら体力勝負の方が有利じゃないか」

 

 

「姫路以外は、な」

 

 

「あ、そっか」

 

 

おかしい、おかしすぎる。

何もかも甘い。それならわざわざ机や勉強道具を壊すのか?俺ならBクラスから奇襲部隊をつくり、隠れさせる。そもそも姫路以外はほとんど脅威じゃない。総動員して攻めれば勝てるのに……念のためにあいつらに……いや、先輩の方が落ち着いて対応してくれそうだな。スマホでメッセージを送った。

 

 

「じゃあ、この協定は姫路さんが明日万全な状態でいれるように引き受けたってわけなんだね」

 

 

「そう言うことだ。俺たちにとってもこの協定は都合がいいからな」

 

 

「さてと、俺はシャーペンや消しゴムの手配してくる」

 

 

「明久、颯人、とりあえずわしらは戦場に戻るぞい。向こうでも何かされておるかもしれない」

 

 

「わかった」

 

 

そして俺たちは戦場に向かっていると須川が声をかけてきた。

 

 

「吉井、風神! 大変だ!」

 

 

「どうした?」

 

 

「島田が人質にされている!」

 

 

「ええっ!?」

 

 

「おかげで相手は残り二人なのに攻めあぐんでいる。どうする?」

 

 

卑怯しかしていないじゃないか。俺らのクラスメイトさえ騙し討ちや脅迫しかしないのに!

 

 

「よ、吉井!?」

 

 

「そこで止まれ!それ以上近づくなら、召喚獣に止めを刺してこの女を補習室送りにするぞ!」

 

 

Bクラスの二人と捕らえられていた島田と召喚獣の姿があった。そして彼らの側にいるのは補習担当の松村先生がいる。くそったれ。このままだとうごけねぇぞ。どうするかなぁ?

 

 

「颯人、ここは僕に任せてくれ」

 

 

「………明久?」

 

 

何故か知らないが自信満々な明久。……なるほど、こいつとは腐れ縁だ。こんなに自信があるなら友として任せるべきだな。

 

 

「……わかった。お前に任せる」

 

 

「ありがとう」

 

 

並々ならぬ明久の雰囲気、いつもならありえないほどのオーラを出していた。そんな姿を見て、皆は身を構える。

 

 

「吉井……」

 

 

島田もそんな姿を見て、頬を真っ赤に染めていた。そんな明久の姿にこの場にいる者共も、明久の姿を注視しており、明久の声を聞くためなのか戦場にしては静かになっていた。そして明久は大きく息を吸い込み、学校中に響き渡る声量で叫んだ。

 

 

 

 

「総員突撃用意ぃ―――っ!!!」

 

 

「「「「.....」」」」

 

 

もうお前を信じない。

 

 

「ま、待って、吉井!」

 

 

戦場が氷点下までに下がった空気の中、我に返ったBクラスの一人が慌てて声をかける。

 

 

「お前、こいつがどうして俺たちに捕まったと思っている?」

 

 

「バカだから」

 

 

「殺すわよ」

 

 

瞬間、俺ですら恐怖を感じさせる殺気が明久を貫いた。

 

 

「こいつ、お前が怪我したって偽情報を流したら、部隊を離れて一人で保健室に向かったんだよ」

 

 

「な、なんだって!? 島田さん、それって……」

 

 

「な、なによ……」

 

 

Bクラスの言葉に驚愕した明久は真っ直ぐに島田を見つめ、島田は顔を真っ赤にしては口を尖らせた。そう、島田は暴力的なイメージがあるが、それって明久が失礼な発言や怒らせてしまうようなことをしているときだけなのだ!本当の島田はとても健気で一途な乙女なのである。そのために俺と松村先生はとてもにこやかに微笑んでる。いくら明久でも、流石にこの意味を理解できないわけじゃ…………

 

 

「怪我した僕に止めを刺すなんて、アンタは鬼か!」

 

 

もうダメだ。あいつは手遅れだ。

 

 

「ち、違うわよ!」

 

 

「島田美波、なんて恐ろしい子!」

 

 

殴らせろ。あいつの腐った頭を殴らせろ。

 

 

「ウチがアンタの様子を見に行っちゃ悪いっての!? これでも心配したんだからね!」

 

 

「えっ?...島田さん、それって本当なの?」

 

 

明久は目を丸くした。ようやく理解したか、彼女の本当の優しさを。ようやくこれで先に行けるかっと思ったのか、Bクラスが声を上げた。

 

 

「へっ。やっとわかったか。それじゃおとなしく…「総員突撃ぃ―――っ!!!」...えっ??」

 

 

絶句

 

 

「どうしてよっ!?」

 

 

「あの島田さんは偽物だ!変装している敵だ!」

 

.....

 

 

「おい待てって! こいつは本当に本物の島田だって!」

 

 

「黙れ! 見破れた作戦にいつま「試獣召喚(サモン)じゃゴルルァ!」ひでぶぅぅ―――っ!!??」

 

 

俺は明久を殴り、空中に飛ばせた後、召喚獣を召喚!明久はBクラスの一人にぶつかり転げ回った。驚いてるもう一人が冷静になる直前、俺は斧槍を投げて一体殺した。

 

 

英語W

Fクラス 『風神颯人 384点』VS Bクラス 『鈴木二郎 33→0点』

 

Fクラス 『須川亮 65点』VS Bクラス 『吉田卓夫 18→0点』

 

 

もう一人は須川によって戦死した。そして補習室に連行されるのを見送った後、島田の元へ駆け寄った。

 

 

「大丈夫か?島田?」

 

 

「……えぇ……ありがとうございます。師匠」

 

 

「それなら良かっ「颯人! そいつは島田さんの偽物だ! 離れるんだ!」……」

 

 

「よ、吉井、酷い……ウチ、本当に心配したのに…」

 

 

「まだ白々しい演技を続けるのか、この大根役者め! 取り囲め! Bクラスと言えどこの人数には勝てない!」

 

 

「本当に、『吉井が瑞希のパンツ見て鼻血が止まらなくなった』って聞いて心配したんだから!」

 

 

「包囲中止! 彼女は本物だ! そんな嘘に騙されるバカは島田さんしかいない!」

 

 

お前なら見た瞬間、鼻血を出すと思うが? 後、島田の特定の仕方が酷すぎる。すると明久が島田さんの近くにきた。

 

 

「島田さん、無事で良かったよ。心配したんだからね」

 

 

「………………」

 

 

俺は準備体操をする。

 

 

「教室に戻って休憩するといいよ。疲れているでしょ?」

 

 

「………………………………」

 

 

俺は二つの釘バットを用意する。

 

 

「それにしても、卑怯な連中だね。人として恥ずかしくないのかな?」

 

 

「…………………………………………………」

 

 

俺は周囲にいる野郎共を避難させる。

 

 

「あー.....島田さん。実はね――」

 

 

「なによ………」

 

 

沈黙になっていた雰囲気に耐えれなくなった明久は、彼女が目以外笑っていることに気づかす、最高の笑顔を作り、

 

 

「――僕、本物の島田さんだって最初からきづいていたよ?」

 

 

虐殺を始めた。




殺されかけた明久の末路はどうなるのか!? そして颯人は誰にメールを送ったのか? また内容とは? そして筆者は最近、主人公に設定で悩んでいるのでアンケートに答えて欲しいです!

次回 俺と先輩とCクラス


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第11話 俺と先輩とCクラス

第七問 問 以下の問いに答えなさい。
『good及びbatの比較級と最上級を答えなさい。』




姫路瑞希の答え 「good-better-best  bat-wores-worst」


教師のコメント――そのとおりです。


吉井明久 「good-gooder-goodest」


教師のコメント――まともな間違え方で先生驚いています。goodやbatの比較級と最上級は語尾に-erや-estをつけるだけではダメです。覚えておきましょう。


土屋康太の答え 「bat-butter-bust」


教師のコメント――『悪い』『乳製品』『おっぱい』


風神颯人の答え 「bat-Yuzi-Akihsa」


教師のコメント――友達の頭の悪さで答えるのはやめてください。


前回のあらすじぃぃぃぃい!!

Bクラスの圧倒的卑怯戦術!島田の件は……これは明久が悪い……

 

 

 

四時になったので、俺たちが戦場から教室に戻るとそこにはいつもの仲間達がいた。俺と島田は待機していると明久がようやく目を覚ました。

 

 

「ここは……どこ?」

 

 

「あ、気が付きましたか?」

 

 

看病をしていた姫路が安息の溜息を出して、安堵している。

 

 

「心配しましたよ。吉井君ってば、まるで誰かに散々釘バットで殴られた後、プロレス技がかけられていて頭から廊下に...例えるなら…ジャーマンスープレックスを受けたような怪我をして死にかけていたんですから」

 

 

姫路は将来、探偵になるべきぐらいの推理力を持っていると俺は思う。

 

 

「いくら試召『戦争』じゃからといって、本当に怪我する必要じゃないんじゃぞ」

 

 

秀吉よ.....あれは戦争じゃない。虐殺だ。しかし、このバカの自業自得だから同情しない。

 

 

「ち、ちょっと色々あってね……それで、試召戦争はどうなったの?」

 

 

「今は協定どおり休戦中だ。続きは明日になる」

 

 

「戦況はな、計画どおりだ。教室前まで攻めれたし、姫路のおかげで被害は予想より少なくすんだ」

 

 

けど酷いなっと俺は笑いながら伝えた。一見俺たちの圧勝と思えるが姫路の援護があってもほぼ全勢力を注いだ結果、全体だと決して良いとは言えない。

 

 

「ということは、ハプニングはあったけど今のところ順調ってわけなんだね?」

 

 

「まぁな」

 

 

雄二が頷くが、俺はどうしても気が落ち着かない。まるで魂、本能が叫んでいるような気分だ。一応遺言は残したし、大丈夫だと思いたい……するとムッツリーニがやってきた。

 

 

「……………(トントン)」

 

 

「お、ムッツリーニか。何か変わったことはあったのか?」

 

 

「………………(ヒソヒソ)」

 

 

「……なに? Cクラスの様子がおかしいだと?」

 

 

「……………(コクリ)」

 

 

ふむふむ、なるほどなぁ。Cクラスが戦争の準備を進めていることらしいな。ここみたいにAクラスと戦おうなんて考えているわけじゃねぇし、おそらくこの戦争の勝利者ーつまり、漁夫の利を狙っているだろう。

 

 

「どうする、雄二?」

 

 

「ふむ、そうだなー……」

 

 

時刻四時半、戦前の準備しているならまだ代表がいるなら当然だろう。雄二もそう思うのか、口を開く。

 

 

「……よし。ならCクラスと協定を結ぶか。『Dクラスを使って攻め込むぞ』とか言って脅してやれば俺たちに攻め込む気はしないだろうさ」

 

 

そうして、俺たちはCクラスに進んだ。途中、Eクラスの友達と出会ったが、俺たちはCクラスに行くだけだって言ったら納得したのか。気をつけてねって言われた。まぁとりあえず、雄二、明久、島田、ムッツリーニ、姫路、須川、俺を含む七名(秀吉は万が一に備えて行う作戦の為に待機)はCクラスに入る。だからこそ気がつかなかった。

――それこそが"奴"の狙いだと...

 

 

 

 

「Fクラス代表の坂本雄二だ。Cクラス代表はいるか?」

 

 

Cクラスは普通の大学の設備だった。普通の教室の二倍はありそうな大きさがあった。そしてCクラスの生徒が結構いた。ムッツリーニの情報は間違っていなさそうだな。

 

 

「私だけど、何の用かしら」

 

 

雄二の呼びかけに応えた一人の女子生徒、確か...先輩が所属している茶道部に所属しながらのバレー部のホープの『小山友香』だったかな。

 

 

「Fクラス代表としてクラス間交渉に来た。時間があるか?」

 

 

「クラス間交渉? ふーん……」

 

 

やっぱりFクラスの設備と比べると凄いなぁ。うん?あれは……!?

 

 

「どうしようかしら……ね、根本クン?」

 

 

「なに……!?」

 

 

間違いない!教室の奥の机に腰掛けていた一人の男子生徒に声を掛ける小山。皆が驚愕している。アイツは...!

 

 

「当然却下。だって、必要ないだろ?」

 

 

奥からこちらに近づく"彼" そいつはBクラス代表『根本恭二』

 

 

「協定を破るなんて酷いじゃないか、Fクラスの皆さん。試召戦争に関わる一切の行為を禁止したはずだよな?」

 

 

そういった瞬間、身を構える生徒はおよそ十人。そして勉強を教えている長谷川先生。姫路は数学を結構消費していたはずだ。つまり――――

 

 

「何を言って――」

 

 

「先に協定を破ったのはそっちだからな? これでお互い様だよな!」

 

 

―――ここで俺らを殺るつもりか!

 

 

「長谷川先生! Bクラス芳野が召喚を「上等だ! Fクラス風神颯人が相手してやる! 試獣召喚(サモン)!」

 

 

数学

Fクラス『風神颯人 212点』VS Bクラス『芳野孝之 161点』

 

 

くそったれが! 数学は苦手なんだよ!

 

 

「雄二! 速く逃げろ!」

 

 

「ま、待ってよ颯人! 僕たちは協定違反なんかしてないじゃないか! だって「無駄だ! おそらく"戦争に関わる一切の行為を禁止する"を盾にしらを切る。現にこいつらが攻めているじゃねぇか!」」

 

 

「ま、そーゆーこと♪」

 

 

ぬかった! 俺たちはFクラスとBクラスの間だけと思っていたが、Bクラスからすれば"戦争に関わる一切の行為を禁止する"は明確に指定していないため、Cクラスとの協定を違反されば反論しようがない。すべて根本の手の上だった。

 

くそったれ! 魂、本能が叫んでいたのはこの事なのか!相手はおよそ十人。今回はいつもより取れたが……勝てる可能性はない。

 

 

「とにかく逃げろ! 遅れた瞬間、死だと思って逃げろ! 雄二が殺られたら全てがパァーになるぞ!!」

 

 

そして俺は、召喚獣でワイヤーを使い、敵の首を締め付けながら怒鳴る。

 

 

「颯人……必ず帰ってきてね!」

 

 

「颯人! お前の力が必要なんだ!! 秀吉を泣かせんなよ!!」

 

 

わかってるわぁ!っとぶっきらぼうに返事する。さてと

どうするかぁ……

 

 

「颯人……仲間を助けるためにこの人数差でも挑むのか...英雄だな。お前は」

 

 

俺はその言葉を聞き、鼻で笑った。

 

 

「ハッ。俺が英雄なわけねぇだろう。俺はそんな正義感を持ってねぇし、こんな面だ…ヤクザと間違われるんだぜ」

 

 

相手は侍、騎士、殺し屋などの近距離が八 賢者とスナイパーの遠距離が二かぁ……

 

 

「だけど失望したぜ……あの風神が最低クラスなんて、しかも雑魚のために命を落とすなんてな」

 

 

確かに言うとおりだ。点数だけ見ればの話だが……

 

 

「俺の評価がどうなっているのか知らねぇが関係ねぇ! そして俺の性格は知っているだろう……」

 

 

俺は悪役のような笑顔で言ってやった。

 

 

「来いよ! 血が煮えたぎり、心臓が踊るような戦いをしようぜぇ!!!」

 

 

さぁ、楽しき戦いをしよう!!

 

 

~風神SIDE終了~

 

 

~雄二SIDE~

 

 

俺たちはFクラスに戻ることが出来た。今、俺は対策を練っている。明久と島田はBクラスの伏兵と戦っており、ムッツリーニは情報収集している。そしてクラスの中には戻ることを願っているやつもいる。

 

 

「颯人……頼むのじゃ……帰ってきて欲しいのじゃ」

 

 

そう泣きそうな目と弱々しい声で言っているのは秀吉だ。颯人がBクラスの奇襲を代わりに受けてくれたおかげで生き残った……クソがっ!!

姫路がいれば良いわけあるか! あの馬鹿が!! しかし、このままだとヤバい。確かフィールドは数学、人数差は圧倒的だ。ただでさえ苦手な分野の上に相手はBクラスだ。帰還することは………そう悔やんでいると誰かが教室に入って来た。

 

 

「二年Eクラスの三上美子よ。風神颯人はいるかしら?」

 

 

「居ねーよ。てかお前は何だ?」

 

 

「私は颯人と親友よ。じゃあ、どこにいるか知っているかしら?」

 

 

隠したって意味ない。正直に話すと驚いたが予想内だったのか、落ち着いていた。

 

 

「ハァー……先輩が言っていることは本当なのね」

 

 

「どう言うことだ?」

 

 

「先輩から、颯人がこんなメールを送ってきたって確認したら……」

 

 

そう言ってスマホの画面を見せる三上(待受画面は颯人と三上のツーショット)俺はそれを見た。

 

 

[先輩へ、念のために送る。 もしかしたら俺は趣味は勉強、尊敬する人は二宮金次郎になるかもしれない。杞憂だといいが、放課後にメールが来なければ……………………ゴメンチャイ(・ωく)☆]

 

 

それを見て、俺は颯人の勘の鋭さに驚くが、疑問を抱く。どうしてここに三上がいるのかっと気になった。

 

 

「安心して、私は確認しに来たの」

 

 

「……颯人のことか? しかしどうにも出来んぞ」

 

 

「大丈夫。助ける方法はあるよ」

 

 

「本当な「本当かぁ!!!」…秀吉、落ち着け」

 

 

秀吉が興奮しているので落ち着かせると三上が

 

 

「安心して、きっと大丈夫よ」

 

 

そうウィンクしていい切った。

 

 

~雄二SIDE終了~

 

 

~風神SAID~

 

 

此処Cクラスは今、魔境と成っている。悲鳴と怒号が響き、先生によって連れていかれる生徒の泣き声や助けを訴える声を気にせず連行する姿は失礼だが未練ある魂を狩る悪魔や死神に見える。そんな中、俺は...

 

 

「楽しかったよ。ありがとな♪ザシュ」

 

 

『い、いやだ! 頼む…助けてくれ! 頼む頼む頼む!! 俺は俺でいたい! 助け(ガチャ バタン)ァァァァァァー!』

 

 

刺し殺した殺し屋の格好した召喚獣と生徒を地獄に送っていた。これで六人目♪ しかし援軍が来て人数が増えたせいでそろそろヤバイなぁ...

 

 

数学

Fクラス『風神颯人 107点』VS Bクラス『真田千尋 112点』&『近藤空 157点』&『勝田五郎岳 166点』……

 

 

Bクラスからも余裕な声が聞こえる。

 

 

『た、頼む! 死にたくない! 死にたくないんだぁ!!』

 

 

『皆落ち着こう...そう、深呼吸してこそ(ザクッ)ああああああああ』

 

 

『パニックなってる奴は後ろに! 精神的にも点数にも余裕ある奴らが相手しろ!』

 

 

このままだと…最後は自爆しかねぇな。そう思っていると根本から焦った声が聞こえる。

 

 

「お前ら、何やっている。相手は一人だ! 一斉に攻めろ!!」

 

 

そういった瞬間、相手の召喚獣の足腰に力が入る動作が見える。……さてと皆、すまなかったな……

俺は自爆覚悟で手榴弾を生成する。そしてお互い飛ぶ直前

 

 

「「失礼します」」

 

 

そこに現れたのは俺が知る先輩たちだった。そう……

 

 

「三年A組の小暮葵と申します」

 

 

「三年A組の星川アリナです」

 

 

「「「「ええええええええーっ!!」」」」

 

 

ここで先輩たちの説明しよう。

 

小暮葵

キリッとした目、ポニーテール?みたいに髪をひとつにまとめた髪型、制服の上からでも凹凸が分かるほどの艶っぽい身体のラインに、扇情的な仕種。艶かしい雰囲気を醸し出している。また学力も副代表になるほど賢い。(先輩が強引にナンパされている時、助けたら仲良くなった)

 

星川アリナ

『白銀三姉妹』の長女。小暮葵先輩の反対のジャンルである美人だ。少し垂れ目気味な優しげな明るい茶色の瞳、ウェーブの掛かったか肩までかかる程の長さの明るい茶色の髪。そしてワガママボディの極み。そして優しく慈悲を与えてくれる性格、そんなことから『第二のナイチンゲール様』や『大地の聖母』と呼ばれている。

 

以上、説明でした。(by明久)

 

 

場は騒然となる。そりゃそうだ。関係ねぇ人が来たら誰だって驚く。しかも……

 

 

「よろしくお願いします。チラ」

 

 

「最近、暑くなったよね。ヌギヌギ」

 

 

片方は短いスカートを摘まんでお辞儀して、もう片方はブレザーの第二ボタンまで開いておる。

 

 

「「「「…………………(ジィーッ)」」」」

 

 

その場にいる男子生徒(俺は除く)の視線は釘付けに、女子生徒は男子生徒に冷たい視線を向けた。しかしこんなことにどんな意味が...うん?

 

 

『卑猥なポーズと俺に向かってウィンクしてくる先輩たち』

 

『そんな先輩に釘付けな男子生徒』

 

『男子を冷めた目で見る女子生徒』

 

 

……ふむふむ、なるほど。俺の召喚獣が持っている手榴弾を全部敵に投げた。そして俺は逃げた。

 

 

「「「「「ぎゃああぁぁぁぁぁぁあ!!!」」」」」

 

 

よし!今がチャンス!

 

 

「葵、アリナ! 掴まってくれ!」

 

 

「「わかった♪」」

 

 

そして俺はアリナをおんぶして、葵をお姫様抱っこして痴話喧嘩している代表同士の声、爆発のエフェクトと音と悲鳴を後に廊下を走り駆けた。

 

 

「いいな……葵ちゃん」

 

 

「………♡」

 

 

何のことだ?

 

 

 

 

そして場所は変わって教室前、先輩たちを三年A組に届けたあとは(教室内から殺気が自分に飛んでいた。何で?)俺は隠れながら二年F組に戻った。

 

 

「教室よ! 私は帰って「颯人ぉーっ!!!」ぐふぅっ!」

 

 

帰ってきたら名言を言おうとしたら涙目の秀吉にラグビーのてっぺんが取れるぐらい強いタックルされた。………せめて、最後まで言わせて欲しい。ショボーン

 

 

「良かったのじゃ颯人。お主が殿を務めたと聞いて、 心配で、心配だったのじゃ! 正直生きた心地がしなかったのじゃ!!」

 

 

うるうると目を泣かしながら、ぎゅーっと抱きしめられて、頭を擦り付けた。

 

 

「無事で良かったぜ、颯人」

 

 

「本当に良かったよ。戻って来ないから心配したよ」

 

 

他のメンバーも心配してくれた。(明久が傷だらけだった)

 

 

「しかし、お前ら大丈夫だったか?」

 

 

「実は風神君が囮になってくれた後、伏兵に襲われましたが吉井君と美波ちゃんが戦ってくれました」

 

 

「でもアキったら、ウチのことも盾にしたり、囮にしようとしていたなのよ? 酷いと思わない?」

 

 

「やだなー。僕は美波のことを信用していたからこそ進んで生け贄に腕の関節が一つ増えてしまう程に曲げてええぇぇぇいやぁぁぁぁああ!腕が!腕がぁー!!」

 

 

明久よ…お前もFクラスの一人だな。そして"アキ"と"美波"かぁ。経緯は知らんが何かしら進展があったのかぁ。(ニヤニヤ)

 

 

「さてと。このままじゃ気がすまね! 奴らを後悔させてやる!!」

 

 

雄二はやる気満々だ。そして俺も楽しみにしてた。明日、どうなることやら。




明日、CクラスとBクラスVSFクラスの形になってしまったこの状況をどうするか!? 雄二が秀吉を残した理由は!? そして明久、颯人が...

次回 僕とラブレターと怒り狂う颯人


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第12話 僕とラブレターと怒り狂った颯人

第八問 問 以下の問いに答えなさい。
『女性は( )を迎えることで第二次性微期になり、特有の体つきになり始める』




姫路瑞希の答え 「初潮」


教師のコメント――正解です。


吉井明久の答え 「明日」


教師のコメント――随分と急な話ですね。


土屋康太の答え 「初潮と呼ばれる生まれて初めての生理。医学用語では、生理の事を月経、初潮の事を初経という。初潮年齢は体重と密接な関係があり、体重が1.5kgに達する頃に初潮を見るものが多い為、その訪れる年齢には個人差がある。日本では平均12歳。また、体重の他にも初潮年齢は人種、気候、社会的環境、栄養状態などに影響される」


教師のコメント――詳しすぎです。


星川愛菜、星川凛の答え 「恋(現に私はそうなりました!)」


教師のコメント――乙女の力ですね。


前回のあらすじ

先輩現れる。そして風神は戦に喜ぶ。

 

 

 

 

昨日の襲撃から次の日、つまり今日九時から戦争が始まる。しかしこのままだと連戦になってしまう。どうするのか? 雄二?

 

 

「昨日言っていた作戦を行う」

 

 

「えっ? でも、開戦時刻はまだまだだよ?」

 

 

「Bクラス相手じゃない。Cクラスの方だ」

 

 

「あ、なるほど……でもどうするの?」

 

 

「秀吉に"コイツ"を着てもらう」

 

 

そう言って出したのは文月学園の女子制服だった。赤と黒を基調としたブレザータイプで、他行にも"オトナノオトモダチ"にも大人気の物品だ。そして俺は問う。

 

 

「雄二……正直に答えろ。その制服は盗んだか、趣味かを」

 

 

「趣味だ……「ポチッ もしもし、ポリス――」おふくろのな……「…………すまねぇ(土下座する俺)」……いいんだ。キラーン」

 

 

雄二から一粒の涙が……まさかそっちだったのか。これは本当にすまねぇ。

 

 

「と、とにかくこれを着てもらい、木下優子としてAクラスの使者として装ってもらう」

 

 

なるほど。確かに昨日行っていたらバレる可能性があったかもしれない。そこまで考えているのか。すると秀吉が着替え始める。

 

 

「………」

 

 

「ん? どうしたんだ?」

 

 

「は、颯人。あまり見ないでくれぬか///」

 

 

「えっ? あぁ、わかった」

 

 

何で恥ずかしがるんだ?

 

 

「………………(パシャパシャパシャパシャパシャパシャ)」

 

 

ムッツリーニ、レンズが鼻血で汚れているぞ。

 

 

「よし、着替え終わったぞい。ん? 皆どうしたのじゃ?」

 

 

「さぁな、俺もよくわからん」

 

 

「おかしな連中じゃのう」

 

 

「おかしいのは前からだろう」

 

 

明久とムッツリーニは鼻血を出して悶絶しているし、島田と姫路は何故か負けた感じになっている。

 

 

「ところで颯人…」

 

 

「ん?」

 

 

「どうじゃ、この格好は大丈夫か。似合っておるか///」

 

 

何故、頬を染める? まあいっか。

 

 

「おうよ! ばっちし似合っているぜぇ!」

 

 

「そうか! 良かった」

 

 

作戦は変装で誤魔化すことが大事からな。俺ごときで間違えたら、失敗するかもしれない。

 

 

「よし、お前らCクラスに行くぞ」

 

 

「おうよ」

 

 

「了解じゃ」

 

 

「あ、僕も行くよ」

 

 

場所は変わって、Cクラス前。俺たちの勝敗にここに掛かっていると言っても過言ではない。

 

 

「さて、ここからは済まないが一人で頼むぞ、秀吉」

 

 

「気が進まんのぅ……」

 

 

そりゃそうだ。家族のことを悪く言いたくない気持ちはよくよく分かる。しかしこのままだと連戦になってしまう。だから頼む!

 

 

「そこを何とか頼む」

 

 

「むぅ…。仕方ないのぅ」

 

 

「悪いな。とにかくあいつらを挑発して、Aクラスに敵意を抱くよう仕向けてくれ。お前なら出来るはずだ」

 

 

「ハァー。 あまり期待はせんでくれよ……」

 

 

俺からも頼むか。

 

 

「秀吉、お前のことは俺が弁護する。だからお前はこの事を成功することのみ考えてくれ。俺はお前なら出来ると信じてる。頑張ってくれよ」

 

 

「うむ! まかせるのじゃ!! 例え姉上に叱られても必ずやり遂げて見せよう!!!」

 

 

あれ? さっき言ってることが違う気がする。

 

 

「雄二、秀吉は大丈夫なの? 別の作戦を考えておいた方が……」

 

 

「大丈夫だ。 秀吉を信じろ」

 

 

「秀吉はこれ一本頑張って来た男だ。それに友達なら信じてやりな」

 

 

「うん……」

 

 

「シッ 秀吉が教室に入るぞ」

 

 

秀吉が教室に入った瞬間。

 

 

『ドンッ 静かになさい、この豚ども!』

 

 

酷い悪口が聞こえた。……流石秀吉だ。こんなことを躊躇なく言うなんて…

 

 

「流石だな、秀吉」

 

 

「うん。これ以上はない挑発だね……」

 

 

『な、何よアンタ!』

 

 

『話しかけないで!豚臭いわ!』

 

 

豚は綺麗好きだよ…間違っているよ。

 

 

『アンタ、Aクラスの木下ね? ちょっと点数が良いからっていい気になってるんじゃないわよ!』

 

 

『私はね、こんな臭くて醜いアンタ達が同じ教室にあるなんて我慢ならないの! 貴女達なんて豚小屋で充分だわ!』

 

 

『なっ! 言うに事欠いて私達にはFクラスがお似合いですって!?』

 

 

豚小屋より酷いぞ!

 

 

『手が穢れてしまうから本当は嫌だけど、特別に今回は貴女達を相応しい教室に送ってあげようかと思うの。ちょうど試召戦争の準備しているようだし、覚悟しておきなさい。近いうちに私達が薄汚い貴女達を始末してあげるから!』

 

 

そう言い残し、靴音をたてながら秀吉は教室を出ていた。

 

 

「これで良かったのう?」

 

 

いい笑顔だぜ! まるで一仕事終えた人間のような笑顔だ。

 

 

「ああ、素晴らしい仕事だった」

 

 

『Fクラスなんて相手にしてられないわ! Aクラス戦の準備を始めるわよ!』

 

 

「作戦もうまくいったことだし、俺達もBクラス戦の準備を始めるぞ」

 

 

「あ、うん」

 

 

「了解だ」

 

 

そう言って俺達はFクラスに戻った。そして俺は優子に何かを買ってあげて、慰めることにした。

 

 

~風神SAID終了~

 

 

~吉井SAID~

 

 

「ドアと壁をうまく使うんじゃ! 前線を拡大させるじゃないぞ!」

 

 

時と場所が変わってBクラスの教室前、秀吉の指示が受けて動く僕たち。開始した時は調子良かったけど……

 

 

「……………」

 

 

姫路さんの様子がおかしい。声を掛けてみると……

 

 

「姫路さん、どうかしたの?」

 

 

「そ、その、なんでもないですっ」

 

 

「そういう反応はおかしいがなぁ?」

 

 

「ほ、本当になんでもないです!」

 

 

おかしい。比較的心が開いてる颯人さえ、なんでもないと主張する姫路さん。泣きそうな顔をしている。すると報告係から報告があった。

 

 

「右側出入り口、教科が現国に変更されました!」

 

 

「数学教師はどうした!」

 

 

「Bクラスに拉致された模様です!」

 

 

「くそったれ。明久! コードネーム【ヅラ、ズレ、ロッカー】だ!」

 

 

「了解!」

 

 

これは教師のことを理解してる颯人が考えた作戦だ。確か……僕は竹中先生に近づいて耳にささやく。

 

 

「……ヅラ、ずれてますよ」

 

 

「っ!? 少々席を外します!」

 

 

そして離れる竹中先生、そしてロープを持った颯人が近づいて、気を失わせて縛り挙げてロッカーに封印した。そして颯人が大声を上げた。

 

 

「古典の先生は封印したから安心しろ! そして現国で戦える奴らは右側へ! 消耗してる奴らは補充してこい! 後戦える奴らが少ねぇから早く来てくれ!!」

 

 

「「「「「おう!!」」」」」

 

 

「私が行きますっ!」

 

 

しかし奥を見た瞬間、うつむいてしまう姫路さん。奥には根本君の姿しか居ないけど……目を凝らして見ると...

 

 

「っ!!」

 

 

根本君の手には三日前に風神君に渡そうと書いていたラブレターがあった。

 

 

なるほど…初めからおかしいと思ったんだ。根本君がこんな対等な提案をするのかって思った。実際は既に姫路さんを戦えなくさせる算段は立っていたんだ。実に上手い戦略だ。それなら姫路さんが戦えなくなるとあの協定はBクラスが圧倒的有利だ。すると笑っている颯人が近づいて来た。

 

 

「おーい姫路よ。少し休んだらどうだぁ? というわけで命令だ。Aクラス戦に備えて少し休め」

 

 

本当に目以外は笑っている颯人が姫路さんを保健室に行かせた後、僕の方を向く。

 

 

「明久、お前は分かっているか?「分かっているよ」即答か……」

 

 

僕たちは目を合わした後、根本の方を向いた。

 

 

「「あの野郎、ぶち殺す!」」

 

 

姫路さんを泣かしたことを後悔させてやる!

 

 

~吉井SAID終了~

 

 

~風神SAID~

 

 

俺と明久は一旦教室に戻る。全てはあの下衆野郎を倒すために!

 

 

「「雄二っ!」」

 

 

「うん? どうした明久。颯人もか。脱走か? チョキでシバくぞ」

 

 

「話があるんだ」

 

 

「……とりあえず、聞こうか」

 

 

いつもと違う真面目な明久の声で真剣になる雄二。そして――

 

 

「根本君の着ている制服が欲しいんだ」

 

 

「……お前に何があったんだ?」

 

 

――台無しだよ。明久...

 

 

「雄二、明久が言いたいことは根本の着ている制服にあるものが欲しいってことだ」

 

 

「…品は?」

 

 

「言えない」

 

 

俺達が安易に言っていいものじゃねぇ

 

 

「まぁいいだろう。それくらい何とかしてやろう」

 

 

これで手紙の件はいいとして……

 

 

「で、それだけか?」

 

 

「いや、姫路を前線から外して欲しい」

 

 

「理由は?」

 

 

「理由は言えない」

 

 

これも簡単に口出しできない。

 

 

「どうしてもか?」

 

 

「ああ、どうしてもだ」

 

 

かなり身勝手な頼みなのは分かる。こんな鬼気迫る戦況の中、こんな自分勝手な頼みで戦争の勝率に著しく下がるのは分かるが…だからこそ、だからこそ――

 

 

「「頼む、雄二っ!」」

 

 

俺と明久が雄二に深々と頭を下げた。普段ならありえない行動だったのか。雄二は目を丸くしてた。

 

 

「……わかった。ただし条件がある」

 

 

「条件とは……何だ?」

 

 

「明久は、本来姫路がやるべきだったことをやってもらう!」

 

 

「……他の皆のフォローは?」

 

 

「ない。お前だけでやれ」

 

 

明久の点数の低さから、いくら一人でも操作に慣れてるとは言えど、そのアドバンテージはほぼ無いと言っていい。

 

 

「失敗したら……」

 

 

「必ず成功させろ」

 

 

つまり、Bクラス代表に奇襲をかける役割ということ。そして失敗は許されないのか、雄二は強い口調で言いきる。そして雄二は真剣な表情で俺に言う。

 

 

「颯人は、本来俺達でやる予定のBクラス代表の護衛、つまり近衛部隊を一人で相手してもらう! 無論、援護なしだ。必ず成功させろ!」

 

 

つまり、Bクラスでも上位の力を持つ部隊を一人で相手にするか……上等!

 

 

「任せろ、必ずやり遂げて見せる」

 

 

そして俺達が出ていく直前に何か言った。

 

 

「明久。点数は低いが、秀吉やムッツリーニみたいに秀でているところがある。つまり、お前にはお前しか出来ないことがある。俺はそれを信じてる。」

 

 

明久を褒めた後、

 

 

「颯人。お前なら出来る。何故ならばお前はこういう時に燃え上がり、最後までやり遂げるからこそ信じてる」

 

 

俺を褒めた後に雄二は言った。

 

 

「だからこそ上手くやれよ!」

 

 

そう言われたらやるしかねぇだろうが!

 

 

そうして戦場に戻るとそこには"あの先生"を連れてきた秀吉の姿がいた。

 

 

「颯人! 連れてきたのじゃ!」

 

 

「?? 何のことだ?」

 

 

「雄二が颯人の作戦に必要だって言っていたから、てっきり知っておるかと思ったんじゃが…」

 

 

雄二……アンタ、最高じゃねえぇかあ!!!

 

 

 

時は進み、午後二時五十七分のBクラス前。根本と雄二が会話をしていた。

 

 

ドンッ!

 

 

「お前らいい加減諦めろよな。ただでさえエアコンが止まって、昨日から教室の出入り口に人が集まりやがって。暑苦しいことこの上ないっての」

 

 

「どうした? 軟弱なBクラス代表サマはそろそろギブアップか?」

 

 

ドンッ!

 

 

「はぁ? ギブアップするのはそっちだろ?」

 

 

「無用な心配だな」

 

 

「そうか? 頼みの綱の姫路さんの調子が悪そうだぜ?」

 

 

お前のせいでな! 下衆野郎が!

 

 

「……お前ら相手じゃ役不足だからな。休ませおくさ」

 

 

「けっ! 口だけ達者だな。負け組代表さんよぉ」

 

 

ドンッ!

 

 

「……さっきからどドンドンと、壁がうるせぇな。何かやっているのか?」

 

 

「さぁな? 人望のないお前に対しての嫌がらせじゃないのか?」

 

 

「けっ。言ってろ。どうせもうすぐ決着だ。お前ら、一気に押し出せ!」

 

 

来たな!

俺は雄二と先生に目配せした。

 

 

「……態勢を立て直す!一旦下がるぞ!」

 

 

「どうした、散々ふかしておきながら逃げるのか!」

 

 

雄二は全員下がらせ

 

 

『あとは任せたぞ、明久、颯人』

 

 

「だぁぁ――しゃあぁぁぁあ!!!!」

 

 

壁の崩壊とともに走り飛び立つ俺と福原先生。ここで話は変わるが、自分は昔に生徒を教えていたっと言ったがその教科は何なの?ということ。それは……

 

 

日本史

Fクラス『風神颯人 620点』

 

 

『『『ええええええええええええええええっー!!』』』

 

 

社会だっ!!

 

 

「風神君、これは私だから出来ましたが他の先生は出来ませんよ」

 

 

そう言いため息をつく福原先生、やっぱり先生はすごい。

 

 

そしてリボルバーを乱射し、近づいて来たらナイフで刺し殺しながら根本に近づく笑う俺。

 

 

「根本おー! ぶっ殺させろやあぁぁぁぁあ!!!」

 

 

「ひ、ひいぃ……!」

 

 

そう怯え開いてある窓の壁の方に逃げた根本。チッ 逃がしたか...そう思っていると囲まれた。形勢が逆転したと確信した根本は一転して表情を元に戻した。

 

 

「ハ、ハハハハっ! どうやらお前の快進撃もここまでのようだな?」

 

 

ハァー。何で明久と俺が奇襲したのか、何で雄二が一旦引いたのか分かっているか? それはお前を無防備にする為なんだ。

 

 

ダン、ダンッ!

 

 

普通なら考えないだろ? ロープを使って窓から来るなんてなぁ。

 

 

「……Fクラス、土屋康太」

 

 

「き、キサマ……!」

 

 

「……Bクラス根本恭二に保健体育勝負を申し込む」

 

 

「ムッツリィニィーッ!」

 

 

「──試獣召喚(サモン)」

 

 

保健体育

Fクラス『土屋康太 441点』VS Bクラス 『根本恭二 203→0点』

 

 

ムッツリーニの召喚獣は手にした小太刀を一閃し、一撃で敵を切り捨てる。Bクラスは俺達を甘くみた。それが敗因だ!




ついにBクラスに勝ったFクラス! そして戦争の歴史もラストスパートになって来た! 果たしてこの戦争の末路とは!?

次回 俺と仲間と更なる決意


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第13話 俺と仲間と更なる決意

第九問 問 以下の問いに答えなさい。
『人間が生きていく上で必要な五大栄養素を全て書きなさい』




姫路瑞希の答え 「①脂質 ②炭水化物 ③タンパク質 ④ビタミン ⑤ミネラル」


教師のコメント――流石は姫路さん。優秀ですね。


吉井明久の答え 「①砂糖 ②塩 ③水道水 ④雨水 ⑤湧き水」


教師のコメント――それで生きていけるのは君だけです。


土屋康太の答え 「初潮年齢が十歳未満の時は早発月経という。また、十五歳になっても初潮がない時を遅発月経、さらに十八歳になっても初潮がない時を原発性無月経といい‥‥‥」


教師のコメント――保険体育のテストは一時間前に終わりました。


木下秀吉の答え 「①愛情 ②恋心 ③努力してきた今までの経験 ④真心 ⑤以下の四つを想って作る風神への弁当を食べた風神の笑顔」


教師のコメント――乙女ですね? 風神君は早く気づくべきですね。


前回のあらすじ

Bクラスに勝利イェーイ!

 

 

 

 

根本が討ち取られた後、俺達はBクラスに集まって代表同士の話し合いにFクラスもBクラスの生徒達は耳を傾ける。そしてBクラスの連中はものすごく落ち込んでいる。そりゃそうだ。何の努力もしてない奴らに自分達の努力の結晶を奪われると思っているんだろう。ちなみに俺は何しているかと...

 

 

「明久、無茶やりすぎだ。けどお前らしかったぜ」

 

 

「うぅ……痛いよ…痛いよう……」

 

 

明久の手に治療していた。いくら痛みが軽減するとはいえ、コンクリートを素手で破壊したんだ。痛さもバカにならないだろう。ちなみに明久の放課後は先生とのハートフルコミュニケーションで埋まった。(土下座して許しを求めたけどダメでした。by風神)

 

 

「流石明久じゃ。後先の事を考えず、自分の立場を追い詰める、男気溢れる素晴らしい作戦じゃな」

 

 

「………遠回しに馬鹿って言ってない?」

 

 

「ま、それが明久の強みだからな」

 

 

「まあ、明久は悪く言えばバカだが、良く言えばそれゆえ何でも出来るっということだ」

 

 

知識がつくと、段々常識に沿って考えてしまう。それゆえ明久みたいな常識はずれみたいな行動は出来ないし、考えないからな。こんな会話している中、雄二が口開く。

 

 

「さて、嬉し恥ずかしの戦後対談といくか。な、負け組代表」

 

 

そう言って、さっきまでの威勢がない根本は目をそらす。

 

 

「本来なら設備を明け渡してもらい、お前らに素敵な卓袱台をプレゼントするところだが、特別に免除してもやらんではない」

 

 

その言葉でざわつくBクラス生徒。一方Fクラスは落ち着いていた。

 

 

「ただし、条件がある」

 

 

「……条件は何だ」

 

 

「条件? それはお前だよ、負け組代表さん」

 

 

「俺、だと?」

 

 

よし、秀吉が持ってきた鞄は...あった。

 

 

「ああ。お前には散々好き勝手やってもらったし、正直去年から目障りだったんだよな」

 

 

Bクラス生徒はフォローはしなかったし、根本も自覚があるのか反論しなかった。

 

 

「そこで、お前らBクラスに特別チャンスだ」

 

 

「Aクラスに行って、試召戦争の準備が出来ていると宣言して来い。ただし、宣戦布告はするな。すると戦争は避けられくなるからないからな。あくまでも戦争の意志と準備があるとだけ伝えるんだ」

 

 

「………それだけでいいのか?」

 

 

良いわけねぇだろう。

 

 

「ああ。Bクラス代表がコレを着て言った通りに行動してくれたら見逃そう」

 

 

そう言って取り出したのはCクラスに行った作戦の時、秀吉が着た女子の制服……ぬるいな。

 

 

「ば、馬鹿なことを言うな! この俺がふざけたことを……!」

 

 

「そうだ。確かにおふざけにも冗談があるぞ。雄二」

 

 

その言葉でさらにざわつく周り、雄二達も目を丸くしている。

 

 

「颯人、どういうことなの?」

 

 

「風神……助けてくれるのか…」

 

 

俺は根本の肩に手をのせて、優しく微笑んだあと...

 

 

「助けるわけねぇだろう。その程度で終わらせてたまるかっと言う意味のふざけるなだよ」

 

 

にっこりした表情で言った、

 

 

「……は?」

 

 

「ムッツリーニ! 秀吉! 準備は出来ているかぁ!」

 

 

「……………(グッ)」

 

 

「ああ。確かにこれであっている筈じゃ」

 

 

そう言った先にあるのはまるで撮影会の機材を最終確認しているムッツリーニととあるモノを入れた鞄を持ってきた秀吉。そして俺は中を出して確認する。

 

 

「ふむ、これで良いぞ。秀吉」

 

 

「おい……こ、これは……」

 

 

根本は怯えた表情で俺に問う。おかしいなぁ(ニヤリ)これは女子用の服装だから怯えなくてもいいのになぁ?

 

 

「止めてくれ! 流石にマイクロビキニやそんなに露出が多い服は無理だ! 頼む!」

 

 

ただし、露出度高めの服装以外とする。そして根本は暴れているので俺は根本の顔すれすれのところにナイフを投げて言う。

 

 

「ぐだぐだ言うな……次は当てるぞ(ギロッ)」

 

 

それは借金から逃げるニートと殺り慣れているヤクザだった(by明久)

 

 

「どっちがいいか? 答えろ。社会的の死か、物理的…………地下深くでおねんねするか」

 

 

「なぁ、それって隠したつもりかもしれないが、隠せていないぞ!」

 

 

おかしい? 何で隠せていないんだ?

 

 

「い、嫌だ! それなら教室を交換した方がマシだ!」

 

 

するとBクラス生徒から声が挙がる。

 

 

『Bクラス生徒全員で必ず実行します!』

 

 

『根本を差し出すんで、どうかご慈悲をぉ!』

 

 

『なので隠し持っている血がついた何かを出さないでください!』

 

 

『根本! 前から気にいらないし、根本一人で何とかなるからならとっと着がえろー!』

 

 

Bクラスからの声援が聞こえる。これで根本の評価が分かる。後、何でチョッパーナイフに気がついたんだ?

 

 

「く、来るな! 俺の側に近づくなぁー!「Go to hellデース!!」ぐふぅ!?………」

 

 

「とりあえずクラエル君が黙らせてくれました」

 

 

「……お、おう。ありがとな…」

 

何故か雄二が驚く。変わり身の早さに感心するべきと俺は思うがなぁ~。すると根本が起きかけてたので...

 

 

「……ぅ……うぐぅ……」

 

 

「おらぁ!」

 

 

「…………チーン」

 

 

殴ってKO! そして俺は根本に服を着替えさせていた。しかし問題発生!

 

 

「なぁ、どうやって着替えさせるんだぁ?」

 

 

「それは何故、僕に聞くの?」

 

 

明久なら女子の服の着方を知ってると思っていたが本人は知らなかった。このままだと俺は……そう思ってBクラスを見て考える。すると律子と真由美がやって来た。

 

 

「私たちに任せて」

 

 

「こう見えて、私達は演劇部だから自信があるの」

 

 

「そう? 悪いね。それじゃ、折角だし可愛くしてあげて」

 

 

「「無理。土台が腐っているから」」

 

 

根本の評価はこの二人からしても低い。そして俺は撮影会の準備をしていると明久から声がかかる。

 

 

「根本君の制服はどうするの?」

 

 

「ゴミ箱か焼却炉のどっちか」

 

 

「わかった」

 

 

そして駆け出す明久、その手には手紙がある……姫路に返すつもりだろう。そう思っているとどうやら終わったようだ。俺は命令を出す。

 

 

「よし! 野郎共はそのまま根本がちゃんと仕事しているか、監視しろ。俺とムッツリーニはこのまま撮影会の準備をして待ってるぞ!」

 

 

「「「「おう!」」」」

 

 

「ま、待て! そんなの聞いてないぞ! 頼む、誰か助けてくれぇぇ!!」

 

 

その後、ムッツリ商会主催の撮影会で作った写真本。『生まれ変わったワタシを見て!』と俺が金儲け兼趣味(文章づくりの方です)で書いた『ドキッ! 真のワタシが産まれた瞬間』は学園中に広まり、大人気になった根本でした。

 

 

 

 

今は、夕方のとある場所に俺は戦争の最終準備をしていた。

 

 

「久しぶりだな、ここは……」

 

 

ここはとある山にある開けた岩と石しかない場所、俺はここを『武芸場』と呼んでいる。飛び出ている岩と岩の間には赤い荒縄を巻いて即席のリングを造り、ここで武芸を極めていた場所だった。俺はここで瞑想を始める。

 

 

「………………………」

 

 

そして思い出されるのは昔の苦しく、そして忘れてはいけない思い出だった。

 

 

『ねえ……颯人……』

 

 

『………どうした?』

 

 

『私が……助けて欲しいって言ったら助けてくれる?』

 

 

『あぁ、助けてやるさ…だって俺はお前の――』

 

 

『お前の?』

 

 

『騎士だからな!』

 

 

何故あの時の俺はあんなことを言った? 決して守れる約束じゃないのに……そう思っているとどうやら客人が来たらしい。

 

 

「颯人……ここにいたのね」

 

 

「愛菜……」

 

 

まさかこんな所に来るとは思っていなかった俺は驚きを隠せなかった。愛菜が俺の前に座ると話しかけた。

 

 

「ねぇ…覚えているかしら?」

 

 

「何のことだ?」

 

 

「私を助けた時に言った言葉を...」

 

 

俺は黙る。そして沈黙が俺達の周りを漂い何とも言えない雰囲気になった。そしたら愛菜が話しかけた。

 

 

「昔、私がよく言ってたね。『私はお姫様! あなたは騎士ね! 騎士はお姫様を守ってくれるの、だから私を守ってね!』って、どう似ているかしら」

 

 

愛菜は微笑むが、それは愛菜にとって足枷になっている考えだ。俺はその認識を変えさせないといけない。

 

 

「愛菜……それは昔のことだ。今は違うんだ。俺はお前には幸せになって欲しいんだ。だから――」

 

 

「つまり、あなたもあの時の皆みたいに勝手に決めつけるの?」

 

 

それを言われて俺は何も言えない。しかし俺は、俺は....お前に幸せになって欲しいんだ。俺はわからないんだ!愛することも愛されることを!!なぜなら――

 

 

「――俺は幸せの価値を忘れたから...」

 

 

「…………じゃあ教えてあげる。あなたがこれまでにどんだけ愛されているのかを...」

 

 

そう言って愛菜は俺の頬に唇をつけた。...えっ?

 

 

「あなたは愛されることを忘れているけど、忘れたならもう一度教えてあげるわ。何回でも何回でも何回でも教えてあげる。だから――」

 

 

そして愛菜は立って、俺に向かって

 

 

「――あなたはもっと自信を持ちなさい!」

 

 

月の光が背景となり、その光に照らされた髪は輝き、そしてその笑顔は月に負けないくらい美しかった。俺は少し笑い言ってやった。

 

 

「わかった、けど今じゃないのは確かだ。お前は知っているか? Fクラスが戦争を起こした理由をなぁ」

 

 

「ええ、代表から教えてもらったわ。しかしその願いは叶わないよ! だって勝つのは私達だから!」

 

 

「上等だ! 負けても泣くなよ!」

 

 

そう言い合いながら帰っていく俺達。そして俺はこの戦争に、あいつに勝つ気持ちで明日に備えた。

 

 

 

 

そして今日、俺は教室の障子を開けるとそこにはいつもより闘志が漲っている皆がいた。

 

 

「遅いぞ、颯人。おかげさまで待ちくたびれたぜ」

 

 

「ああ、悪かったなぁ。けど待ってくれたんだろ」

 

 

「当たり前だろ。何故ならばこのAクラスに勝つにはお前達、全員の力が必要だからな」

 

 

そして周りを見渡す雄二。そして明久達が声をかけてくる。

 

 

「ついにやって来たんだね。最後の戦いに……」

 

 

「吉井君、まだ油断しちゃ駄目ですよ」

 

 

「そうよアキ。これからなんだからね」

 

 

「……ここからが、本当の勝負!」

 

 

「さぁ、準備は出来ておるぞ! 雄二!」

 

 

「楽しみだな、最後の戦いよぉ!」

 

 

「ああ、野郎共! 対Aクラス戦のミーティングを話す! 心として特と聞きやがれぇー!」

 

 

ついに終わる第一次AF戦争。これが俺達の終末戦争。俺達の戦いはついに最終決戦だ!

 

 

一方、とある所では……

 

 

「……………雄二は必ず、今日に宣戦布告してくる」

 

 

「うん、わかったわ。とにかく交渉は私がやるね。代表」

 

 

「いやぁ~、流石は颯人兄さんがいるFクラスです。凄いですね」

 

 

「まぁいいわ! 必ずしも勝つのは私達Aクラスだからなんだからね(フンッ)」

 

 

「愛菜姉さん、そんなに胸を張らなくても………」

 

 

「………でも、油断大敵」

 

 

「確かにね。でも勝つのは――」

 

 

「「「「私達だから!」」」」

 

 

恋する乙女が団結していた。




本日、10:00 Aクラス対Fクラスの一騎討ちが始められます。このような事態は文月学園始まって以来、初めてのことです。また、学園長からこのようなコメントも貰いました。


―フンッ。戦争のせいでガキどもが勉強に集中出来ないから、今日は一騎討ちの観戦にしていいさ。ただし、これが終わったらとっとと勉強しな。


学園長が承認したので、観戦したい方は午前九時半までに二年A組まで来てください。


次回 第一次AF戦争の決着戦~乙女に愛された男~


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第14話 第一次AF戦争の決着戦~乙女に愛された男~

これはとある生徒の昔の話...


「……ねぇ」


「ん? なんだ?」


「……さっき雄二が話していた、大化の改新っていつのこと?」


「三年生になって、まだそんなことも知らないのか? 翔子は馬鹿だなぁ」


「……まだ習っていない。雄二の頭が良すぎるだけ」


「覚え方は簡単だぞ? 『無事故の改新』で覚えるんだ」


「無事故?」


「忘れるなよ? 大化の改新は無事故で起きたから―――」


「うん」


「――"625"年だからな」


「……わかった。きちんと覚えた」


「よし。忘れるなよ」


「……大丈夫。絶対に忘れない」


(―追記― 書いていたものが消えてしまって、しばらくの間は投稿出来ませんでしたがこれからもよろしくお願いいたします。遅れてすみません!!)


前回のあらすじ

颯人は決意する。

 

 

 

 

俺達はいよいよお別れになるだろうFクラスで雄二の最後の作戦の説明を受けていた。

 

 

「まず皆に礼を言いたい。周りの連中には不可能だと言われていたにも関わらずここまで来れたのは皆の協力があってのことだ。感謝している」

 

 

「雄二……熱あるんか?」

 

 

「ゆ、雄二、どうしたのさ。らしくないよ?」

 

 

雄二なら絶対言わないだろうなの言葉を聞いて驚く俺達

 

 

「ああ、自分でもそう思う。だが、これは偽らざる俺の気持ちだ」

 

 

雄二は皆の方を向く。

 

 

「ここまで来た以上、絶対にAクラスにも勝ちたい。勝って、生き残るには勉強すればいいってもんじゃないという現実を、教師どもに突きつけるんだ!」

 

 

『おおー!』

 

 

『そうだーっ!!』

 

 

『俺達はモテるんだぁーっ!!』

 

 

そして団結していく野郎共。

 

 

「皆ありがとう。そして残るAクラス戦だが、これは一騎討ちで決着をつけたいと考えている」

 

 

そう言うとざわつく野郎共

 

 

『どういうことだ?』

 

 

『誰と誰が一騎討ちするんだ?』

 

 

『本当に勝てるのか?』

 

 

「落ち着いてくれ。それを今から説明する」

 

 

雄二が言うと真剣に聞く姿勢になる野郎共

 

 

「やるのは当然、俺と翔子だ」

 

 

代表同士の対決……ここに秘策があるのか?

 

 

「馬鹿の雄二が勝てるわけがなぁぁっ!??」

 

 

あの投げたカッターの速さ、正確性から考えると、凄い腕前だなぁ~

 

 

「次は耳だ」

 

 

団結は...こいつらにはないか。

 

 

「まぁ、明久の言うとおり確かに翔子は強い。まともにやりあえば勝ち目はないかもしれない」

 

 

明久には言われたくないのか。

 

 

「だが、それは今までの戦いも同じだろう? まともにやりあえば俺達に勝ち目などなかった」

 

 

「今回だって同じだ。俺は翔子に勝ち、FクラスはAクラスを手に入れる。俺達の勝ちは揺るがない」

 

 

「俺を信じて任せてくれ。過去に神童とまで言われた力を、今皆に見せてやる」

 

 

「「「「おおぉぉぉぉぉおー!!」」」」

 

 

雄二の言葉で野郎共は雄叫びを出す。どうやら確認しなくても良さそうだ。

 

 

「さてと作戦について話す。簡単に言えば、教科を限定した勝負で挑む」

 

 

「ん? それだと何の教科でやるの?」

 

 

「日本史だ。ただし、内容は小学生程度の方式は百点満点の上限あり、さらに純粋な点数勝負とする」

 

 

「なるほど、確か...戦争のルール第七条を利用することか。そしてお前の秘策はそこにあるんだろぉ?」

 

 

「そうだ。翔子はとある問題を間違って覚えている。そこさえ出れば必ず間違えるハズだ」

 

 

「その問題って何なの?」

 

 

「それは『大化の改新』だ!」

 

 

なるほど……小学生程度なら出てもおかしくない、いや出てくる必須問題だ。

 

 

「ちょっと待って、雄二。いくらなんでも大化の改新で間違えるわけがないよ。僕だって覚えてるのに…794年でしょ?」

 

 

明久...お前はどうしてたらそうなるんだ?

 

 

「………と、とにかくあいつは一度覚えたことは忘れないんだ。そこが落とし穴だ」

 

 

なるほど、一度覚えたことはずっと覚える為に間違ったことも覚え続けてしまう。…確かにこれならいけるな。

 

 

「それを利用して俺達は勝つ! そして俺達は――」

 

 

雄二が言う前に野郎共が言った。

 

 

「「「「モテモテだぁー!!」」」」

 

 

「あ、あの…ちょっといいですか?」

 

 

「どうした? 姫路」

 

 

「霧島さんと面識があるんですか?」

 

 

そりゃそうだろう。じゃなきゃ"あいつ"とか"翔子"とか呼ばないもん。

 

 

「ああ、あいつとは幼馴染みなんだ」

 

 

その刹那、時が止まった。いや誰も彼もがただ一人、雄二を睨んでいた...そして異端審問会の服装に着替えて、靴を構えるこの時間約0.0036秒

 

 

「「「「殺せぇぇえ!!」」」」

 

 

「な、なんだ!? 何でお前達は靴を投げる構えをしているんだ!」

 

 

「野郎…坂本! 貴様はここで終わらせてやる! 須川君、まだ靴下は早い…それより拘束器具を……」

 

 

「了解。隊長」

 

 

お前らノリがいいね。

 

 

「くっ…ならば颯人はどうなるんだ!? あいつはあの白銀三姉妹と仲良いぞ!」

 

 

「っ!! 颯人にも投擲準備を…「他にも色んな女子と仲良くしているぞ!」異端者颯人を殺れぇぇえ!」

 

 

「「「「野郎、ぶっ殺したらぁぁああっ!!!」」」」

 

 

そして俺に向かって靴を投げる構えをする野郎共、俺は回避する準備していると秀吉が前にきた。

 

 

「ま、待つのじゃ! お主等! 颯人を狙うのは止めるのじゃ!!」

 

 

秀吉……持つべきものは友達だな…

 

 

「秀吉に庇われるなんて...颯人の裏切り者め!」

 

 

『殺させろ! 俺に殺させろぉ!』

 

 

『ハッハッハッキミはここで終わるんだなぁ!』

 

 

『オマエコロス...オレハ…オレハァァァァア!!』

 

 

なんか暴走しております野郎共、俺は真実を言う。

 

 

「それなら明久に朗報だ。色んな女子から明久はどんな子なの?って聞かれるぞ」

 

 

そして明久にヘイトが向く。

 

 

「えっ!? 本当に!? よっしゃぁぁぁあクサァ!!▲◎■♡ウゴケナイ▼○◆ヤメテ♡☆■クサイ◇★ギャアァァ!???」

 

 

明久に向かって靴下を持ち、突撃する野郎共。そして姫路や島田さえ明久を抑えている。嘘は言ってない。あまりにも明久の悪評が多すぎて聞かれるんだ。

 

 

「とにかく俺達はこの後、Aクラスに一騎討ちを申し込む。そして俺達は勝ち、机は……」

 

 

「システムデスクだ!」

 

 

雄二は高々に宣言する。

 

 

 

 

「一騎討ち?」

 

 

「ああ、FクラスはAクラスに一騎討ちを申し込む」

 

 

そして雄二を代表にしたFクラスの精鋭部隊(いつものメンバー)でAクラスに交渉している。

 

 

「うーん、何が狙いなの?」

 

 

「もちろん俺達Fクラスの勝利が狙いだ」

 

 

堂々とした態度で言う雄二。

 

 

「面倒な試召戦争を手軽に終わらせることができるのはありがたいけどね、だからと言ってわざわざリスクを犯す必要も無いかな」

 

 

「賢明だな」

 

 

ここからが交渉に本番だ。

 

 

「ところで、Cクラスの連中との試召戦争はどうだった?」

 

 

「時間は取られたけど、それだけだったよ?何の問題もなし」

 

 

楽勝だった訳か。さすがAクラスだな。

 

 

「Bクラスとやりあう気はあるか?」

 

 

「Bクラスって……、昨日来ていたあの……ウプッ」

 

 

さすがにあれにはきつかったのか、頬がひきつっている。……皆、ごめんな。

 

 

「ああ。アレが代表をやっているクラスだ。幸い宣戦布告はまだされていないようだが、さてさて。どうなることやら」

 

 

「でも、BクラスはFクラスと戦争したから、三ヶ月の準備期間を取らない限り試召戦争はできないはずだよね?」

 

 

戦争に負けたら三ヶ月の間は戦争出来ないルールがある。何故ならば戦争の泥沼化を防ぐが……

 

 

「知っているだろ? 実情はどうあれ、対外的にはあの戦争は『和平交渉にて終結』ってなっているってことを。規約にはなんの問題もない。……Bクラスだけじゃなくて、Dクラスもな」

 

 

すべてはこの時のためだ。

 

 

「……それって脅迫?」

 

 

「人聞きが悪い。ただのお願いだよ」

 

 

雄二……お前が悪役だ。

 

 

「うーん……わかったよ。何を企んでいるのか知らないけど、代表が負けるなんてありえないからね。その提案受けるよ」

 

 

「え?本当?」

 

 

あっさり許可したのが意外だったのか明久が驚いて聞き返した。

 

 

「だって、あんな格好した代表のいるクラスと戦争なんて嫌だもん……」

 

 

やはりトラウマレベルにヤバいのか...

 

 

「でも、こちらからも提案。代表同士の一騎討ちじゃなくて、そうだね、お互い五人ずつ選んで、一騎討ち五回で三回勝った方の勝ち、っていうのなら受けてもいいよ」

 

 

「う……」

 

 

反撃して来たな。確かに無条件で飲むわけないよな。

 

 

「なるほど。こっちから姫路が出てくる可能性を警戒しているんだな?」

 

 

「ううん。貴方達がそうやって一騎討ちを提案することから、何らかの教科なら代表に勝てるっと確信してるんでしょ? 姫路さんもかなりやるけど、私からすれば一番の敵は……」

 

 

そうやって俺を見てくる優子。こう心理戦だと優子の方が絶対強いからなぁ。

 

 

「安心してくれ。うちからは俺が出る」

 

 

「無理だよ。その言葉を鵜呑みには出来ないよ」

 

 

「そうか。それなら、その条件を呑んでも良い」

 

 

「ホント?嬉しいな♪」

 

 

無邪気な笑顔で言う優子。流石幼馴染みの中ではみんなのリーダー役だ。

 

 

「けど、勝負する内容はこちらで決めさせて貰う。そのくらいのハンデはあってもいいはずだ」

 

 

「え?うーん……」

 

 

そう言って悩む優子。

 

 

「……受けてもいい」

 

 

「うわっ!」

 

 

とその後ろから霧島が現れた。その隠密性は忍者と同格だ。やるな…

 

 

「……雄二の提案を受けてもいい」

 

 

「あれ?代表。いいの?」

 

 

「……その代わり、条件がある」

 

 

「条件?」

 

 

「……うん」

 

 

「……負けた方は何でも一つ言うことを聞く」

 

 

「…………キラーン!(カチャカチャ)」

 

 

おい、ムッツリーニ。無駄に高いカメラと本場にありそうな撮影器具の用意してんじゃねえよ。負ける気か、お前。

 

 

「……それと」

 

 

「ん?」

 

 

なんだ?今度はこっちを見た?

 

 

「……勝負は五回じゃなくて七回」

 

 

「なっ!?」

 

 

その言葉に雄二が驚いた。なるほど俺を警戒してるのか。

 

 

「……嫌ならいい。別に私たちはどちらでもいい」

 

 

「く……」

 

 

引く気なしか。

 

 

「雄二、どうやらここまでのようだ。下手に粘って強制に話が終らされたりこれ以上条件が多くなるのはまずいぜ」

 

 

「だが……」

 

 

「大丈夫だ。任せてくれ」

 

 

そう言って雄二を見る。

 

 

「……わかった。提案を受けよう」

 

 

「ゆ、雄二!何を勝手に!まだ姫路さんが了承してないじゃないか!」

 

 

「心配すんな。絶対に姫路に迷惑はかけない」

 

 

お前はバカか? 島田ならともかくお前はもう少し他人から他人への好意に気づくべきだぞ。えっ? 何で俺は分かるって? 簡単な話さ、気づかないと恋ばな出来ないだろ?

 

 

「……勝負はいつ?」

 

 

「そうだな。十時からでいいか?」

 

 

「……わかった」

 

 

「よし。交渉は成立だ。一旦教室に戻るぞ」

 

 

「そうだね。皆にも報告しなくちゃいけないからね」

 

 

そう言って、俺達は教室に戻った。

 

 

「……必ず勝ってみせるわ!」

 

 

そんな自信満々な小声が聞こえた気がした。

 

 

そして只今午前九時半。俺達はAクラスで準備しておる。周りには...

 

 

·やる気満々の姫路や島田に雄二

·カメラと撮影器具の準備している野郎共(明久やムッツリーニも含む)

·落ち着いているが目には闘志が宿るAクラス生徒

·周りには観戦しに来た一年から三年までの生徒達

·見学しに来た学園長や先生達

 

 

...おかしい! 何故撮影器具の準備をしているんだ! っとツッコミを我慢していると誰かが声を掛けてきた。

 

 

「フフッ…そんなに緊張しないで下さい。颯人君」

 

 

「葵…いや小暮先輩。どうかしましたか?」

 

 

「いや、私だけじゃないですよ」

 

 

そう言われた直後に誰かが後ろに抱き着いてきた。

 

 

「先輩っ!」

 

 

「おぉ。不知火じゃねぇか! どうしたんだ?」

 

 

永井不知火

遺伝なのか長く美しい濡羽色の髪を一つにまとめて、ゆったりとさせた髪型。薄い水色瞳と目付きがクールだが可愛いところがある剣道部所属の後輩。ちなみに初対面ではよく女の子だと勘違いされやすい。一応言うが男だ。

 

 

「先輩っ! 今日は頑張ってください! 僕は先輩を応援していますからっ!!」

 

 

「おうよ! 勝ってやるからには俺の勇姿を目に焼き付けろよぉ!」

 

 

「はい! そのためにもビデオカメラと三脚立てを持ってきました!」

 

 

素晴らしい、素晴らしすぎる後輩だ。たまに熱っぽい視線が来るがそれは尊敬からの視線だろう。こんなに素晴らしい後輩を持てた俺は幸せ者だ……いつの間にか俺は不知火の頭の上に手を置いて撫でていた。

 

 

「フニャ~。気持ちいいです~」

 

 

「むぅ。私も撫でて下さい。颯人君」

 

 

何故か頬を膨らませる葵。何かした?

 

 

「はーい。選手の皆さまはご用意下さい。そろそろ準備が終わります」

 

 

どうやら撫でていると先生の声が聞こえた。そろそろ準備しないとな。俺は不知火と葵に別れをつけてFクラスがいる場所に戻った。途中知り合いや友達に応援されたからには頑張らないとなぁあ!(たまに怨みこもった目線を感じた)

 

 

「これよりFクラス対Aクラスの一騎討ちを始めます!」

 

 

さあ、最後の戦いだ! 存分に暴れてやろう!!




さぁ戦いは始まり、数々の修羅場から勝ち取りついに来たラスボス"Aクラス" 泣いても笑ってもここが戦争の終着地点だ!!

次回 第一次AF戦争の決着戦~大胆になる乙女達!~


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第15話 第一次AF戦争の決着戦~Fクラス! 魅せる最後の戦い~

第十問 問 以下の問いに答えなさい。
『家計の消費支出の中で、食費が占める割合をなんと呼ぶでしょう』




姫路瑞希の答え 「エンゲル係数」


教師のコメント――正解です。さすがですね。姫路さん
一般に、エンゲル係数が高いほど生活水準は低いとされています。



吉井明久の答え 「今週は塩と水だけです!」


教師のコメント――それで生きていけるのは君だけです。


風神颯人の答え 「動物を狩っているから実質0円です!」


教師のコメント――あなたのことは聞いていません。





Aクラス特有の高級そうな赤い壁と戦いを観戦する民衆に囲まれ、白く気高い人物の彫刻像が俺達の戦いを見届けているように見える。そんな中、凛とした声が聞こえた。

 

 

「では、両名共準備は良いですか?」

 

 

今からAクラスで決戦、高橋先生が確認をする声。そして各々の代表が前に出る。

 

 

「ああ」

 

 

「……問題ない」

 

 

高橋先生はそう二人が言ったのを確認した。

 

 

「それでは一人目の方、どうぞ」

 

 

「アタシから行くよっ」

 

 

向こうは優子か。初っぱなから攻めてくるね。

 

 

「わしがやろう」

 

 

こちら側は秀吉が出るのか……うん? ヤバくね?

 

 

「ところでさ、秀吉」

 

 

「なんじゃ? 姉上」

 

 

「Cクラスの小山さんって知ってる?」

 

 

「はて、誰じゃ?」

 

 

背後に怒り狂う赤鬼の霊がいるようなオーラ出す優子。しかし憐れにも秀吉は気づかなかった。

 

 

「じゃーいいや。その代わり、ちょっとこっちに来てくれる?」

 

 

「うん?ワシを廊下に連れ出してどうするんじゃ姉上?」

 

 

ガラガラガラ

 

 

そう言って木下姉弟は教室を出て行った。

 

 

『姉上、勝負は──どうしてワシの腕を掴む?』

 

 

 

『アンタ、Cクラスで何してくれたのかしら? どうしてアタシがCクラスの人達を豚呼ばわりしていることになっているのかなぁ?』

 

 

『はっはっは。それはじゃな、姉上の本性をワシなりに推測して──あ、姉上っ!ちがっ……! どうか弁明を!』

 

 

『分かってるわ。全ては颯人から聞いたからね』

 

 

『ならば……』

 

 

『けどねぇ……いくらなんでも限度というものがあるんじゃないかしらね!!』 

 

 

『ひいっ!!? あ、姉上! どうか、どうかお許しをぉぉおおッ!!!……………あっ』

 

 

ガラガラガラ

 

 

戻ってきたのは優子だけだった。そして何事もなかったような涼しい顔と手に付着した血をハンカチで拭いている様子が異常なまでに気になる。

 

 

「秀吉は急用ができたから帰るってさっ。代わりの人を出してくれる?」

 

 

……秀吉に贈ります……曲名は鎮魂歌(レクイエム)……

 

 

「い、いや……。ウチの不戦敗で良い……」

 

 

雄二が引いてるよ。

 

 

「そうですか。それではまずAクラスが一勝、と」

 

 

冷静な高橋先生に対して、俺は応急手当品を持ち、廊下を駆け出した。

 

 

生命活動

Fクラス『木下秀吉 DEAD』VS Aクラス『木下優子 WIN』

 

 

…あんたには人の情はないのか。

 

 

「では、次の方どうぞ」

 

 

「よし、島田。頼んだぞ」

 

 

「OK。任せなさい」

 

 

「雄二! 美波がAクラスに勝てる訳ないに指の関節がまるでポッキーみたいに折られてぇえええ」

 

 

明久が悲鳴をあげるが無視だ。

 

 

「後でどんだけでも明久を殴っていいからさ。今は我慢してくれないかなぁ?」

 

 

「………わかった」

 

 

そう言って島田は走って行った。

 

 

「ねぇ? さっき処刑宣言されたけど気のせいかな?」

 

 

「ん? なにがだ?」

 

 

俺の発言に明久の疑問の声が掛かった。そんな明久の疑問を気にしないで、対する相手は...げっ!? 凛じゃないか!??

 

 

オオォォーーーーー!!

 

 

凛が出てくると雄叫びのような大声が響く。どうやら星川三姉妹のファンクラブによるものだろう。

 

 

キャァアーーーーー!!

 

 

流石だな。島田も負けず劣らずに女子からの歓喜の声が響く。

 

 

「島田さん、ここは勝たせていただきますよ♡」

 

 

「ウチに勝てると思っているのかしら?」

 

 

そうやってお互いを見る姿は竜と虎のような雰囲気を出し、因縁の決闘を思わせた。...なんで島田は親の仇を見るような目なの?

 

 

『……なぁ、島田は凛さまの胸を……』

 

 

『ああ、間違いない……』

 

 

『お姉さまには関係ありません! お姉さまの水平線のような胸、つまりペッタンコがお姉さまの魅力を最大限までに引き出しているのです!』

 

 

あえて観客から聞こえた話は無視しよう。そして怒り狂う復讐鬼(島田)は、自分には持っていないものを持っている凛(巨乳の凛)に戦い始めた...

 

 

数学

Fクラス『島田美波 257→0点』VS Aクラス『星川凛 327→24点』

 

 

「これで0対2ですね。では、次の方どうぞ」

 

 

「じゃあ私が出ます。科目は物理でお願いします」

 

 

結果、島田はいつもより取れていたが(嫉妬は限界を無くす)、凛に敗れた。(まあ、アイツには良い先生がいるし) 次は誰が行くんだ……?

 

 

「よし、明久行け!」

 

 

「え!?僕!?」

 

 

「大丈夫だ。俺はお前を信じている」

 

 

「そうだ! 明久じゃなきゃ誰が行くんだ! お前しかいねぇよ! 戦争でも、お前は色んなところで活躍してきた! 意味は分かるよな? お前なら出来るということだ!」 

 

 

雄二の信頼発言、俺の猛烈な鼓舞が明久に届く。

 

 

「ふぅ……。やれやれ、僕に本気を出せってこと?」

 

 

「ああ。もう隠さなくてもいいだろう。この場にいる全員に、お前の本気を見せてやれ」

 

 

「魅せてやれ! お前に対する世間の評価を、お前に対する認識を、此処にいる奴らにな!」

 

 

明久は本気になる。もはや隠す必要がないようだな。

 

 

『おい、吉井って実は凄いヤツなのか?』

 

 

『いや、そんな話は聞いたことないが』

 

 

『いつものジョークだろ?』

 

 

『でも、アイツが出ていることは……まさか!?』

 

 

どうやら、明久のことをわかってきている奴もいるようだ。

 

 

「吉井君、でしたか?あなた、まさか……」

 

 

相手は警戒しているように声を震わせる。

 

 

「あれ、気付いた? ご名答。今までの僕は全然本気なんて出しちゃあいない」

 

 

明久は袖をまくり、手首を振って雰囲気をだす。もうここからは本気のようだ。

 

 

「それじゃ、あなたは……!」

 

 

「そうさ。君の想像通りだよ。今まで隠してきたけれど、実は僕──」

 

 

大きく息を吸ってみんなに聞こえるように告げた。

 

 

「──左利きなんだ」

 

 

物理

Fクラス『吉井明久 62点』VS Aクラス『佐藤美穂 389点』

 

 

流石明久だ!! 俺達の期待通りだぜ!! 

 

 

「このバカ!テストの点数に利き腕は関係ないでしょうが!」

 

 

「み、美波!フィードバックで痛んでるのに、更に殴るのは勘弁して! アァ!? 待ってッ!! そこは何かの扉を開けてしまいそうでアァん!」

 

 

...佐藤美穂は両手に鎌を持った召喚獣で、明久は学ランに木刀という装備だった。佐藤美穂は明久を目に止まらぬ速さで、明久の体を切り捨てた。別に今さら装備の説明するのかは、明久が何かに目覚める瞬間から目を反らしたい訳ではない。

 

 

「よし。勝負はここからだ」

 

 

「応よ! ここでひっくり返したるでぇ! Fクラス舐めんよぉ!」

 

 

「ちょっと待った雄二、颯人! アンタ僕を全然信頼してなかったでしょう!」

 

 

「「なに言っている? 俺はお前が負ける方に信頼してたぞ?(いるぜ?)」」

 

 

「こッんの裏切り者がぁあッ!! アァ、アァアん!?? み、美波様! そ、そこだけはぁぁあっ!!…あ♡」

 

 

「では、5人目の方どうぞ」

 

 

「…………(スック)」

 

 

静かにムッツリーニが立ちあがった。

 

 

「じゃ、ボクが行こうかな」

 

 

対して向こうは……誰?

 

 

「一年の終わりに転入してきた工藤愛子です。よろしくね」

 

 

ごめん。知らないわ。

 

 

「教科は何にしますか?」

 

 

「…………保健体育」

 

 

ま、ムッツリーニに保健体育以外ないわな。

 

 

「土屋君だっけ?随分と保健体育が得意みたいだね?」

 

まあ、異名を名付けられる程だからな。

 

 

「でも、ボクだってかなり得意なんだよ?……キミとは違って、実技で、ね♪」

 

 

…ジョークとかなんだろうけど、どうなんだろ。

 

 

「そっちのキミ、吉井君だっけ? 勉強苦手そうだし、保健体育で良かったらボクが教えてあげようか? もちろん実技で」

 

 

てか、保健体育って色々ジャンルあるよな。

 

 

「フッ。望むところ──」

 

 

「アキには永遠にそんな機会なんて来ないから、保健体育の勉強なんて要らないのよ!」

 

 

「そうです! 吉井くんには金輪際必要ありません!」

 

 

男なら絶対泣ける一言だ。

 

 

「…………」

 

 

「島田。明久が死ぬほど哀しそうな顔をしているんだが」

 

 

そんな哀しそうな顔をしている明久の肩に手を乗せた。すると工藤さんがこちらに目をつけた。……うん?

 

 

「じゃあ、そこにいるかっこいいキミ。君はどう?」

 

 

「ん? え、俺?」

 

 

『!!』

 

 

かっこいいって言われたのにもびっくりした。普通じゃ俺のことをかっこいいと思う人なんていないからな?(風神の場合)...って、あれ? なんか数人ほど視線を感じる。

 

 

「おいおい、工藤さんよ。アンタは可愛いんだからそんなことをしちゃいけねぇよ。世の中には勘違い野郎もいるからそんな真似をしたら大変な目に合うぜ」

 

 

「へぇ…ボクのことを心配するんだ?」

 

 

「まぁな。誰だって可愛い女性にそんな真似したら、勘違いするぞ? 俺だったらとっくにお前を襲っているな。これは真剣(マジ)だからな」

 

 

「えへへ、褒めてくれてありがと♪」

 

 

まったく……気をつけろよ。そう思っていると高橋先生の急いだ声が掛かる。

 

 

「そろそろ召喚を開始して下さい」

 

 

「はーい。試獣召喚(サモン)っと」

 

 

「…………試獣召喚(サモン)

 

 

そうやって出てきたのは、ムッツリーニは小太刀とカメラを持った忍者の召喚獣。対してはセーラー服に―――

 

 

「なんだあの巨大な斧は!?」

 

 

――召喚獣の二倍はある巨大な斧を持っていた。そして片腕には"黄金の腕輪"を装備している。まさか400点以上なのか!

 

 

「実践派と、理論派、どっちが強いか見せてあげるよ」

 

 

そう言うと腕輪を光らせて、巨大な斧に雷光をまとわせ、ものすごいスピードでムッツリーニの召喚獣に詰め寄った。

 

 

「それじゃ、バイバイ。ムッツリーニくん」

 

 

「ムッツリーニっ!」

 

 

明久は叫ぶが、

 

 

「…………"加速(かそく)"」

 

 

ムッツリーニが呟くとムッツリーニの腕輪が輝き、召喚獣の姿がブレ、

 

 

 

「……え?」

 

 

 

ムッツリーニの召喚獣は工藤の召喚獣の後ろにいた。

 

 

 

「…………"加速"、終了」

 

 

 

ボソリと、ムッツリーニがつぶやくと工藤の召喚獣はX型に切られて倒れた。

 

 

保健体育

Fクラス『土屋康太 572点』VS Aクラス『工藤愛子 446→0点』

 

 

流石は総合科目の80%を保険体育で補う猛者だな。

 

 

「そ、そんな……!この、ボクが……!」

 

 

工藤が床に膝をついた。

 

 

「これで3対2ですね。次の方は?」

 

 

「それでは僕が行きましょう」

 

 

そう言って出てきたのは眼鏡がよく似合う知的な男子生徒。文月学園二学年次席、久保利光。

 

 

「あ、は、はいっ。 私ですっ」

 

 

対するのは、我らFクラスの懐刀、姫路だ。

 

 

「科目はどうしますか?」

 

 

「総合科目でお願いします」

 

 

すると勝手に決める久保。まだ俺達に科目選択権があるにも関わらず。

 

 

「ちょっと待った! 何を勝手に――」

 

 

「構いません」

 

 

「姫路さん?」

 

 

クレームをつけようとする明久を止める姫路。……大丈夫

だな。

 

 

「それでは、試合開始!」

 

 

高橋先生が同じように操作を行い、召喚フィールドが展開される。

 

 

そして、それぞれの召喚獣が喚び出されーー速攻で決着がついた。

 

 

総合科目

Fクラス『姫路瑞希 4409点』VS Aクラス『久保利光  3997→0点』

 

 

姫路による大剣の一振で、久保の召喚獣を真っ二つにした……成程。この点数差なら可能だな。

 

 

『マ、マジか!?』

 

 

『いつの間にこんな実力を!?』

 

 

『この点数、霧島翔子に匹敵するぞ………!』

 

 

『やはり姫路は可愛いなぁー……』

 

 

観客からは驚きの声で埋まる。(一部例外あり)

 

 

 

すると久保が悔しそうに姫路さんに尋ねる。

 

 

「ぐっ………! 姫路さん、どうやってそんなに強くなったんだ………?」

 

 

久保が悔しそうに姫路に尋ねる。つい最近までは互角に等しかった実力がここまで差がついているのだ。気になるのは当然だろう。

 

 

「‥‥‥私、このクラスの皆が好きなんです。人の為に一生懸命な皆のいる、このクラスが」

 

 

「Fクラスが好き?」

 

 

「はい。だから、頑張れるんです」

 

 

姫路さんの優しい台詞。それはおそらく好きな人がいるからだろう……

 

 

「これで三対二ですね。次の人どうぞ」

 

 

高橋先生にも若干の表情の変化が見られた。FクラスがAクラスとここまで渡り合っていることに戸惑いを感じているのだろう。そして、いよいよこの時が来た。召喚獣を用いての最後の戦い……そう!

 

 

「よっしゃっ!! 待たせたな! 風神颯人、参戦致す! 勿論科目は――」

 

 

「来たわね! 私が出ます! 科目は――」

 

 

そして愛菜と俺の声が重なり――

 

 

「「――総合科目です!(だ!)」」

 

 

互いの全力を出せる科目を選ぶ。そして高橋先生がフィールドを張り終わった瞬間、試合開始の発言後……

 

 

「試合、開始です!」

 

 

「「試獣召喚(サモン)!!」」

 

 

愛菜の召喚獣は、例えるならば氷の姫。薄い水色のドレスに、純白の鎧が最低限守るところを護っている。頭にはティアラが、右腕には青色の腕輪が飾られていた。

 

 

総合科目

Fクラス『風神颯人 4659点』VS Aクラス『星川愛菜 4701点』

 

 

『...えっ?』

 

 

「くそったれが、100点差は厳しいぞ!」

 

 

「まあね。全てはこの日のために頑張ったのよ。後で褒めて欲しいな……?」

 

 

「今は無理だな。後で褒めるから今は我慢しろ」

 

 

「...はぁーい(プクゥ)」

 

 

頬を膨らませ、いかにもご機嫌斜めな顔をする愛菜。そんな顔しなくてもいいだろ?

 

 

「いざ、出『ちょっと待てぇえええ!!』なんだよ!? 調子狂うわ!」

 

 

『点数が学年主席並みなんだけど!?』

 

 

『いつの間に取ったの!?』

 

 

『て言うか星川愛菜様の顔が激レアすぎるんだが!??』

 

 

まぁそんな疑問は後で……すると愛菜の召喚獣が手を出してきた。だが難なく避ける俺の召喚獣

 

 

「なんで簡単に避けるの!?「やーい、へたくそー!」うるさい! この鈍感天然女タラシが!」

 

 

あアァ!?

 

 

「テメぇ! それ言い出したら戦争だろうがッ!! 歯を食い縛れやぁッ!!」

 

 

そして互いに悪口を言いながらも、剣を避け、体術を仕掛け、一進後退のいい戦いをしていた。

 

 

総合科目

Fクラス『風神颯人 4659→3705点』VS Aクラス『星川愛菜 4701→4057点』

 

 

ちくしょ! ただでさえ点数が離れているのに! すると俺の気持ちを察したのか。愛菜が少し勝ち誇った笑みをする。

 

 

「ふふん。もう勝ちは確定したものね。さあ諦めなさい。そして絶望しなさい! "創氷(クリエイト·アイス)"!!」

 

 

そして大幅な点数の減少し、そして3体の氷の兵士が生まれた。………ほへぇ?

 

 

「私の能力は点数を消費した分、氷を創生出来る能力! 私にかなうかしら?」

 

 

ふーん...()()をやるしかねぇな。

 

 

「ならば魅せてやる! 最終奥義というものなぁ!」

 

 

「ま、まさか!?」

 

 

これが俺の能力!

 

 

「"英雄(ヒーロー)"!!」

 

 

すると召喚獣が黒い炎となり、俺を包み込む。そして黒い炎は手、足、体の順に炎が俺の鎧となる。そうこれは!

 

 

「只今参戦! 暗き夜に忍び、悪を穿つ! 我が大義を信じ、我が道を歩む! その名も――」

 

 

「――風神颯人、英雄状態(ヒーローモード)だ!!」

 

 

そして後ろで、大きく爆発する。お決まりのヒーローがキメポーズの爆発ですね!

 

 

「ふえっ?.....ふえっ?」

 

 

愛菜は混乱のあまりに、まだ理解出来ていないようなので、俺が説明しよう!

 

 

「俺の特殊能力は、召喚獣を黒い炎に変え、それに包み込まれることで、俺も戦えるようにする能力だ! まあ、ヒーローの変身だと思えばいいだろう」

 

 

それで理解したのか、愛菜は点数をさらに消費させた。なぜ!?

 

 

「ならば物量で押し潰すだけよ!」

 

 

総合科目

Aクラス『星川愛菜 3405→5点』

 

 

そして現れるのは34体ぐらいの氷の兵士、それぞれが俺を襲いかかる。

 

 

「舐めたりゃ痛ぇ目に合うぜぇ!!」

 

 

俺は氷の兵士に囲まれるが、注意を正面、左右を3、後ろに7の割り当て、決して追撃せず、カウンターを狙う。

 

 

「くっ……やっぱり身体面だと、颯人の方が一枚上手ね……!」

 

 

そりゃ武芸所を作る程ですから。

 

 

「しかし、これならどうかしら!」

 

 

すると態勢を変える兵士、どうやら一斉に襲うつもりか……甘いな。

 

 

「馬鹿だな! 必殺! 飛び行く炎の弾丸(ロケットパンチ)!」

 

 

そして俺の左手は飛んでいき、兵士達を巻き込んで爆発した。

 

 

総合科目

Fクラス『風神颯人 2796→2596点』

 

 

めっちゃ点数減るやん。まあ変身中も時間経過で減るけどさ。

 

 

「ッ! ええい! ならば耐久戦よ! 颯人の点数がなくなるまで戦い続けるわぁ!」

 

 

甘いな! お前はソフトクリーム並みに甘いぜ! 愛菜!

 

 

「おいおい! 忘れたのか!? ヒーローと言ったら……(ニヤリ)」

 

 

「ッ!! ま、まさか!?」

 

 

ヒーローならあって当然のアレがあるよな!?

 

 

「喰らいやがれ! 極炎魔神の一撃(イフリート·クリティカルナックル)!!」

 

 

そうして俺の背後から黒い煙が立ち上がり、そこから紫色の炎が燃え上がる。頭には闘牛のような二つの角に、鷹の爪を思わせるような鋭利な爪、猪のような太い足。例えるならば動物の良いところを集めたような姿だった。そしてただ命令を実行するように、静かに拳を握りしめて愛菜の召喚獣に向けて殴った。

 

 

総合科目

Aクラス『星川愛菜 5→0点』

 

 

グギャァアアアアアアアアアアアッ!!!

 

 

そして勝利の雄叫びを叫ぶかのように荒れたように声を出す極炎魔神(イフリート)。そして役目を終えたのか消えた。

 

 

「...! しょ、勝者、Fクラス!」

 

 

誰よりも先に冷静になった高橋先生が慌てたように、俺の勝利宣言を出した。そして俺は……

 

 

「ゴメン……も、もう無理、だ………ぁ」

 

 

俺は死にかけていた。

 

 

「え!? ちょっと待ちなさい! まだ意識を保って!「I'll……be…back……だから安…し……」ちょっ! 早く保健室まで行くわよ!」

 

 

~風神休養中~~風神休養中~

 

 

そして俺は保健室に運ばれた。どうやら俺の能力はフィードバックが強制的に発動してしまうらしい。後、異常なまでに体に影響を与えるようで、学園長が後々原因を調べるらしい。

 

 

「まあ...どうせ勝ち負けは決まっているしな……」

 

 

「? どう言うことかしら?」

 

 

「颯人。説明してもらうわよ」

 

 

「颯人兄さ~ん。いつの間にあんな点数を取ったんですか~(プクゥ)」

 

 

何故か幼馴染みがここにいることは無視して「「「無視しないの!(でください!)」」」はいはい……そう思っていると突然、誰かが保健室に入ってきた。

 

 

「颯人! 大化の改新が出たぞ!」

 

 

「そうか…」

 

 

「秀吉、いったいどういうことかしら?」

 

 

「そうよ。こちら側は話についていけないのよ」

 

 

「そうです! 情報を得る権利は私たちにあるハズですよ~だ」

 

 

幼馴染みがそう口を出してくる。

 

 

「優子に愛菜、凛よ。大化の改新は、唯一霧島が間違える問題だ。雄二がそれを利用して勝とうとしているんだ」

 

 

「ええぇっ!?」

 

 

「それはつまりー……」

 

 

「颯人兄さんの、Fクラスのー……」

 

 

「うむ。我らのー……」

 

 

「負けだな」

 

 

『え?』

 

 

俺の言葉に4人とも驚いていた。

 

 

「颯人、どうしてじゃ?」

 

 

「だって小学校の社会の問題だぜ。算数とかならともかく暗記モノだぞ。問題にもよると思うが、実際お前ら、どれくらい覚えてる?」

 

 

そう言うとみんなは気づいたような顔をした。

 

 

「し、しかし雄二がそんなミスを…」

 

 

ドドドドドドドド!!

 

 

『雄二ィィィィ-----!!』

 

 

「な」

 

 

そう言うと愛菜と凛は苦笑し、秀吉と優子はため息をついた。

 

 

「さ、行こうぜ。このままじゃ雄二が処刑されちまう」

 

 

そう言って俺達は保健室を出た。まあ教訓は"社会をなめたらアカン"ことだな。




雄二の呆気ないしょぼいミスにより敗北したFクラス、……えっ!? 霧島と風神はただならぬ関係って!? 久しぶりに投稿しているから早く感性を取り戻したい筆者であった。

次回 戦争の後始末


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第16話 戦争の後始末

第十一問 問 次の(  )に正しい年号を記入しなさい。
『(  )年 キリスト教伝来』




霧島翔子の答え
『1549年』


教師のコメント
正解。特にコメントはありません。


坂本雄二の答え
『雪の降り積もる中、寒さに震える君の手を握った1993』


教師のコメント
ロマンチックな表現をしても間違いは間違いです。


前回のあらすじ

雄二……お前はバカだ………

 

 

 

 

「4対3でAクラスの勝利です」

 

 

俺達も視聴覚室に行くと高橋先生がそう告げた声が高い聞こえた。

 

 

「……雄二、私の勝ち」

 

 

「……殺せ」

 

 

雄二…戦争だからってそのセリフはどうよ?

 

 

「良い覚悟だ、殺してやる! 歯を食い縛れ!」

 

 

「坂本ぉ! 潔さに免じて死刑にしてやる! 覚悟しやがれやぁあ! よくも、俺達の、モテる可能性を踏み潰してくれたなぁあアァ!!」

 

 

坂本に死を! 地獄を! 絶望をッ!!(デス! ヘル! サカモト――!!)

 

 

すかさず明久や暴徒化した野郎共(Fクラスのみんな)が雄二に襲いかかる。俺は雄二と明久達の間に立ち塞がるように横入りする。

 

 

「お前ら、後で雄二を煮るなり焼くなり殺すなり拷問するなりしていいから落ち着けよ」

 

 

俺は落ち着かせるように呼び掛ける。

 

 

「だいたい、53点ってなんだよ! 0点なら名前の書き忘れとかも考えられるのに、この点数だと──」

 

 

「いかにも俺の全力だ」

 

 

「この阿呆がぁーっ!」

 

 

雄二、堂々と言うな。そして明久、お前は人のこと言えんぞ。

 

 

「アキ、落ち着きなさい! アンタだったら30点も取れないでしょうが!」

 

 

「そうです! 吉井くん、落ち着いてください!」

 

 

「それについて否定はしないが、この殺気は収まらないんだ!」

 

 

こいつ等はどうしてこんなことを堂々と言えるんだ?

 

 

「なら坂本のこと責められないでしょ!」

 

 

「くっ! なぜ止めるんだ美波! この馬鹿には喉笛を引き裂くという体罰が必要なのに!」

 

 

「明久、それは処刑の分類に入るぞ」

 

 

一回、処刑と体罰の概念を教えるべきか?

 

 

「……でも、危なかった。雄二が所詮小学校の問題だと油断していなければ負けてた」

 

 

「言い訳はしねぇ」

 

 

つまりその通りだったと……まったくもう少し勉強しろよ。

 

 

「この阿保野郎が、せめて教科書を読み直しとかしろよ。油断大敵だぞ」

 

 

そう言って雄二に近づいた。

 

 

「……すまない」

 

 

「ま、俺は構わないがな」

 

 

「え?」

 

 

そう言うと雄二は驚いた顔をした。

 

 

「なぜだ?」

 

 

「俺は戦えたことで大満足だし、こんな形でAクラスの皆の努力の結晶を奪いたくないからな」

 

 

「……」

 

 

「だから、責めないし怒らないよ………」

 

 

「…そうか」

 

 

そう言うと俺達は何も言わなかった。

 

 

「……ところで、約束」

 

 

あ、そういやあったな。

 

 

「…………!(カチャカチャカチャ!)」

 

 

ムッツリーニが異常な速さで、撮影器具を組み立てる。おい明久と野郎共、手伝おうとするな。

 

 

「わかっている。何でも言え」

 

 

そうして霧島は意を決したように口を開けた。

 

 

「……雄二、私と付き合って」

 

 

『……へ?』

 

 

Aクラスの霧島代表の告白の言葉に全員が驚くが言われた本人の坂本は予想していたのか冷静に対応していた。

 

 

「やっぱりな。お前、まだ諦めてなかったのか」

 

 

「……私は諦めない。ずっと、雄二が好き」

 

 

「その話は何度も断ったろ?他の男と付き合う気は無いのか?」

 

 

「……私には雄二しかいない。他の人なんて、興味ない」

 

 

「拒否権は?」

 

 

「……ない。約束だから。今からデートしに行く」

 

 

「おい! いくらなんでもそれは横暴だろッ!! ……ちっ! くそがぁあッ!?」

 

 

「逃がすかぁッ!!」

 

 

雄二が逃げ出そうとしたところ、俺がスタンガンで動きを封じる。

 

 

「……ありがとう、コーチ」

 

 

「いいってことよ。さあさあ早く雄二(こいつ)人生の墓場(結婚式場)に送ってくださいな」

 

 

「おい! 颯人、貴様裏切ったのか!?」

 

 

「黙れ! 昔からずっと思ってきた、"雄二と付き合いたい"という霧島の思いを大切にしろよ! こんなべっぴんさんをほっといて、明久とギャーギャー騒ぐんじゃねぇ!!」

 

 

俺は今まで溜めていた思いを暴露する。

 

 

「お、おい! なぜお前がそれを知って「同じクラスになってからさんざん聞いておるわ! ボケがぁ!」!!?」

 

 

「俺は昔から、霧島にお前との惚気話をさんざん聴かされていたのに、お前はなんだ!? ……というわけでこちらをどうぞ。霧島」

 

 

そして俺は、霧島にとある映画のペアチケットを渡す。

 

 

「……! これは……!」

 

 

「『地獄の黙示録』という戦争映画でな、3時間ぐらいある映画なので、これで映画デートしてきな。……ボソッ……映画中では雄二にくっつくことが可能だぞ……

 

 

「……コーチ………!」

 

 

「おっと礼は要らないぜ。ただし雄二とのラブラブ写真を一枚だけでも送って欲しいけどな」

 

 

「……わかった。……必ず、送る。ジャラジヤラ」

 

 

霧島の愛には俺もお手上げよ。そして雄二は鎖に繋がれ、引きずられながら、幸せになった。

 

 

「ぐぁっ!放せ!やっぱこの約束はなかったことに──「バタンッ!」」

 

 

そしていつもより重厚な音を出して閉まった。呆然となるみんなだが、俺は……

 

 

「雄二と霧島に送ります……曲名は"幸せになれよ。雄二。(ハッピーエンド)"」

 

 

例えるならば愛の歌。陽気ながらも寂しく、悲しい恋の歌。だが愛は必ず幸せの結末(ハッピーエンド)にしてくれるだろう。

 

 

「なんで颯人は、ギターを引くの?」

 

 

「これはなぁ、雄二と霧島に対する幸せの歌なんだよ」

 

 

「さて、Fクラスの皆。お遊びの時間は終わりだ」

 

 

俺が明久に説明している時、西村先生が現れる。

 

 

「あれ? 西村先生。僕らに何か用ですか?」

 

 

「ああ。今から()()Fクラスに補習についての説明をしようと思ってな」

 

 

ん? 我が……ッ!! まさか!?

 

 

「おめでとう。お前らは戦争に負けたおかげで、福原先生から俺に担任が変わるそうだ。これから一年、死に物狂いで勉強できるぞ」

 

 

『なにぃっ!?』

 

 

なんと言うことだ……あの西村先生が担任なんて……!

 

 

「いいか。確かにお前らはよくやった。Fクラスがここまでくるとは正直思わなかった。でもな、いくら『学力が全てではない』と言っても、人生を渡っていく上では強力な武器の一つなんだ。全てではないからといって、ないがしろにしていいものじゃない」

 

 

ごもっともです。

 

 

「風神と吉井、それと坂本は特に念入りに監視してやる。なにせ、開校以来初の『観察処分者』とA級戦犯、そして学年トップに近い学力の持ち主だからな」

 

 

「ちょっっっと待ったぁ!! なんで俺まで!? 別に問題ねぇよな!?」

 

 

「風神、お前は本来の総合点は3600点ぐらいなんだぞ。これでは今までのテストは、手を抜いたではと思うだろ」

 

 

「……ッ!」

 

 

……やるじゃねぇか……!

 

 

「そうはいきませんよ! なんとしても監視の目をかいくぐって、今まで通りの楽しい学園生活を過ごしてみせます!」

 

 

「そうです! 明久や雄二を弄る面白おかしい学園生活を満喫してみせます!」

 

 

「……お前等には悔い改めるという発想はないのか」

 

 

ちくしょう! これはお手上げか!?

 

 

「とりあえず明日から授業とは別に補習の時間を2時間設けてやろう。風神はもとからそうだったから大丈夫だろ?」

 

 

えぇぇぇ……けど口で言われるとな~。

 

 

「さぁ~て、アキ。補習は明日からみたいだし、今日は約束通りクレープでも食べに行きましょうか?」

 

 

「え?美波、それは週末って話じゃ……」

 

 

ん? 明久はクレープを食べに行く約束もしていたのか。

 

 

「じゃあ、アタシたちも行きましょうか」

 

 

「さあ行きましょ♪」

 

 

「そうですね♪」

 

 

……?

 

 

「なあ優子。俺の目に狂いなければ、愛菜と凛が俺の肩を掴んでいるだが?」

 

 

「さあ、私たちも早く、映画館に行くわよ♪ だって『負けた方は何でも一つ言うことを聞く』って条件でしょ?」

 

 

…って俺も!?

 

 

「い、いや。それは代表たちの決めたことで…」

 

 

「『代表が』決めたんなら、クラスで決定したことでしょ。言い訳しないでね」

 

 

「ぐ………愛菜ぁ……」

 

 

「さ、行きましょ♪ 颯人兄さん♪」

 

 

そう言われ引っ張られていく俺。くそったれ、雄二め。ここに来ても俺を苦しませるのか……!

 

 

「あ、姉上達が行くならワシも行くのじゃ!」

 

 

「秀吉まで!?」

 

 

ヤバい! このままでは俺の財布がピンチに! 来週からはモヤシ生活に!

 

 

「に、西村先生! 明日からと言わず、補習は今日からやりましょう!思い立ったが仏滅です!」

 

 

「【吉日】だ、バカ」

 

 

「なんで仏滅なんて言葉がでてきた! このバカが!」

 

 

逆によく知ってたな!

 

 

「そんなことどうでもいいですから!」

 

 

「俺も! なんなら教える側もしてもいいぜ! こう見えてAクラス並みの成績だからな!」

 

 

「うーん、お前等にやる気が出たのは嬉しいが──」

 

 

と俺達を見渡した西村先生。

 

 

「無理することはない。今日だけは存分に遊ぶといい」

 

 

ニヤニヤとして言う西村先生。絶対面白がってる。

 

 

「おのれ鉄人! 僕が苦境にいると知った上での狼籍だな! こうなったら卒業式には伝説の木の下で釘バットを持って貴様を待つ!」

 

 

「斬新な告白だな、オイ」

 

 

「ならば! 俺は、西村先生の机にFクラスのみんなの靴下を詰めこんでやる!」

 

 

「地味な嫌がらせだな、オイ」

 

 

ちっ! 他の先生なら一撃なのに!

 

 

「アキ!こんな時だけやる気を見せて逃げようったって、そうはいかないからね!」

 

 

「ち、違うよ! 本当にやる気が出ているんだってば!」

 

 

「ちょっと颯人。まさかアタシの誘いを断って逃げないわよね」

 

 

そう言って良い笑顔をする優子。誘いなんてかわいらしいものじゃないよ。脅迫だよ。

 

 

「い、いや。そういう訳じゃないんだがな…」

 

 

「じゃ、行きましょ♪」

 

 

そうして近づいてくる優子、周りには詰めてくる愛菜と凛。 問題 Q風神は追い詰められたらどうなるでしょうか?

 

 

「クソがぁあッ!! 逃げるんだよぉおおおッ!!!」

 

 

「あ! こらっ、待ちなさい!」

 

 

A."逃げるんだよぉおおおッ!!!"でした。みんなはわかったかな? 

 

 

『アキ! こんな時までやる気を見せて逃げようったって、そうはいかないからね!』

 

 

『ち、違うよ! 本当にやる気が出ているんだってば!』

 

 

『吉井君! その前に私と映画ですっ!』

 

 

『いやぁぁっ! 生活費が! 僕の栄養源がぁっ! 離してぇええええ―――!!』

 

 

畜生ッ!! 明久はやられたか!!

 

 

『先輩! 僕もご一緒します!』

 

 

『律子、私たちも行くわよ!』

 

 

『了解! 遅れないでね、真由美!』

 

 

『え、えっ!? なら…私も……!』

 

 

ハンター増加。もはや絶体絶命。

 

 

「雄二めぇ! 霧島とのデートが終わったら覚悟しやがれやぁあ!!」

 

 

こうして、数日間に及んだ第一次AF対戦は終わりを告げた。Fクラスは鬼の補習"西村先生"が担任となり、一部の男子生徒は財布が軽くなり、雄二は幸せになった。

 

 

 

 

 

 

…………雄二だけズルくない?




そしてこの第一次AF対戦は、文月学園の歴史に載った。この戦争はいかに代表が頑張らないといけない重要さについて、書かれてあるだろう...

次回 俺と祭りと野球…?。


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