こいしという名のさとり妖怪少女IF伝奇 (神木龍夜)
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まず注意事項だけど、この作品はあくまでも個人的解釈と、キャラ崩壊が起きても何も不思議じゃないのであしからず。主人公は古明地こいしなので嫌いなら帰ってください。
文句を言われても困るのでなるべく温かい目で見てください。あと、これの更新は不定期なので。一応週一は頑張る。
???「あれ?」
???「どした?龍夜。」
龍夜「ちょっと面白い世界を見つけた。兄さんは興味ある?」
???「俺は仕事以外で世界に干渉しない。」
龍夜「たとえそれが、別の幻想郷でも?」
???「当たり前だ。」
龍夜「もったいないな。創造者なら見ておいて損はないのにな。ちょっと行ってくるね?」
???「まったく…」
???「龍も大変ね。」
龍「見てたなら止めてもらってもいいと思うんですが?紫さん。」
紫「面白いからいいじゃないの。飛べないくせに…」
地底にある地霊殿
地下に住む妖怪、その中でさとり妖怪と言われている古明地姉妹の姉、古明地さとり、妹、古明地こいし。二人は現在地底に住んでいる。
さとり「こいし~?どこにいるのかしら?」
「ばああああ!」
さとり「いやああああああ!」
こいし「お姉ちゃん。びっくりしすぎだよ。ちょっと後ろから驚かしただけなのに~。」
さとり「いたずらが過ぎるのよ!能力の制御が出来るようになったのはいいけれど、何を考えているのかは全然わからないんだから。」
こいし「ええ~、別にいいじゃ~ん。第一、お姉ちゃんはどうしてそこまでその能力にこだわるの?人間なんてみんな妖怪が怖いと思ってて当然なんだから心を読む必要なんてないのに…」
さとりもこいしも妖怪。当然人間から怖がられ、嫌われ、蔑まれた過去があった。にもかかわらず、さとりは自身の力を手放さず、こいしは心を読むのをやめ、サードアイを閉じた。
さとり「人にも色々いるように、妖怪にも色々いるのよ。私たちはさとり妖怪。心を読むことができる妖怪。だからこそ手放さないのよ。」
こいし「わかんないよ…」
こいしはつぶやき、さらにこう言った。
こいし「妖怪と人間とを一緒にしないでよ!人間なんてみんな一緒だよ!」
そういいながらこいしはどこかに行ってしまった。
そうして長い距離を走っていると地上に出てしまい、来た道もわからなくなってしまった。
こいし「はぁ…はぁ…ここ……どこだろ?」
すると近くの草むらから音がしたためこいしは能力を使い、隠れた。
???「なー、本当にこの辺にいたのか?」
子供が二人出てきたが、その時、上から声が聞こえてきた。
龍夜「あ、ごめんね。まさか木に剣ごと挟まるとは思ってなかったから…」
???「あの位置じゃ俺たちじゃ無理だぞ?」
???「一真の弾幕なら助けられると思ったんだけど。」
一真「あのな優樹、お前のやさしさと頭脳と目はすごいが、さすがの俺にもできることとできないことがあるぞ?」
優樹「ん~…」
こいしは未だに動かず、話しかけもしなかったが、優樹と目が合ってしまい、少し動揺した。そして…
優樹「妖怪のお姉ちゃんならできるかな?あそこに正確に弾幕を当てること。」
こいしはさらに動揺したが、優樹はこいしの肩を捕まえたため、バレていることが判明した。なので能力を解除した。
こいし「私は妖怪よ?どうして怖がったりしないの?あなたたちをそのまま殺していてもおかしくないのよ?」
一真「まあ、その時はドンマイってことでお互い死んでたな。」
優樹「うんうん。でも殺されてないし、死んでもないから大丈夫でしょ。それにお姉ちゃん優しいでしょ?」
こいし「そんなことない…もん…」
こいしは初めてよくわからないタイプの人間に会ったため、困惑などの色々な感情が渦巻いてしまい、どう対処すればいいかわからなくなったが、
優樹「まずはあのお兄さん助けてあげて?そのあとにお話しません?」
こいしはその誘いに頷いておいた。
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龍「あのバカ…なんで早速対象と会っているんだよ…」
紫「座標設定は相変わらず苦手なのね。」
今回龍夜は地下から行こうとしていたが、高さの座標をミスったため、地上…というよりちょっとした高さから落下し、剣が木に引っかかったために動けない状態に遭ってしまったところ、偶然人里の子供、それも程度の能力を持つ少年に見つけてもらったのであった。
龍夜「ごめんごめん。本当に助かったよ。」
優樹「いえ、たまたま見つけただけなので。」
一真「そうそう。お礼ならそこにいるお姉ちゃんに…ってあれ?」
こいしは龍夜を助けた後、能力を使って姿を隠してしまった。
優樹「お姉ちゃん…もうどこかに行っちゃったのかな?」
龍夜「多分近いうちにまた会えるんじゃないかな?」
龍夜がわざわざここにやってきたのには理由があった。
それは古明地こいしという名のさとり妖怪がこれから起こるかもしれないことに深く関わる可能性があること。または逃れられない運命、逃げることが出来る選択…そのすべてに関わるかもしれない…そんな話。
「ばあああ!」
こいし「きゃあああああ!」
木の上から急に驚かしてきたのは龍夜だった。
こいしは能力で姿を消していたため、安心しきっていたが故に不意打ちを喰らったように驚いてしまった。
こいし「なななななんでわた、私のいる場所がわかったののの?」
龍夜「テンパりすぎだろ。まあ、理由は俺の瞳が特殊だからとしかいえないな。」
こいし「どういうこと?」
龍夜「俺は人間じゃない。そしてこの眼は龍の眼、真実を映すことができて例え透明人間であろうと、無意識に逃げようと目に入る景色をそのまま見ることができるわけ。つまりはどうしても意識の範疇に入ってしまうってことだね。」
こいしは啞然としていた。これでは逃げることも隠れることもできないわけだ。
龍夜「ちなみにあの子の中にも一人いたね。まぁ、能力で見えるわけだけど。それより迷子なんだろ?地霊殿に送るぞ?”古明地こいし”」
こいし「!!私名前なんて言ってないはず…どうして…」
龍夜「さて、なんででしょうね?」
龍夜はそれ以上のことは話さず、ただ感情を悟られないような不敵な笑みを浮かべたままこいしを地霊殿に送り届けた。
さとりとは会わずに送り届けたあとは元居た場所に戻ったという。兄、龍のいる場所へ。
カリカリカリとペンを走らせる音が響いた。
「今日は望んだわけではないのに、とても充実した一日になってしまった。お姉ちゃんと喧嘩した後、地霊殿を飛び出し、そのまま走り続けて帰る道がわからなくなってしまった。周りの景色を見る限り地上に出てしまったのはわかってはいたけれど、戻り方がわからなかった。その時、人里の子供に出会ってしまい、能力で隠れていたにも関わらず、見破られてしまってので、木に引っかかっていたお兄さんを助けてあげました。その後はすぐにその場から離れたのに、木に引っかかっていたお兄さんに急に驚かされてしまいました。今にして思えばあのお兄さん…どこか普通じゃない気がしました…この世に存在していいのかどうか…とても不気味な存在に思えます。あの眼は普通じゃない感じがしました…どこか…恐怖を立たせるような…そんな眼でした。そのお兄さんのおかげで帰ってくることは出来ましたがお兄さんはすでにいなくなっていました。でもどこかで見ていてすべてを知っているような気もします。明日はお姉ちゃんとお出かけです。フランちゃんと遊べるのが楽しみです。」
パタリとその日記帳は閉じられた。
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紫「龍なら紅魔館に向かったわよ?」
龍夜「やっぱり興味あるんじゃないか。」
紫「あなたも向かえば?」
龍夜「ま、しばらくその世界を観察かな?面白くなりそうだ!」
幻想郷の一角に位置する紅魔館
ここには吸血鬼の姉妹が統治する館がある。
こんなところに来るような奴は普通いない。…………人間は…だけどね。
レミリア「招かれざる客かしら?」
「妹の遊び相手になるって言ったら?」
美鈴「お久しぶりですね。」
さとり「お茶会に招かれたので通してもらえます?」
こいし「私はフランちゃんと遊びに!」
そうして二人は紅魔館の門を通ったのだが…いきなり時計塔の一角が吹き飛んだ。
美鈴「何事ですか?!?!」
美鈴が困惑していると、反対側の部屋の一角も吹き飛んだ
さとり「どうやら侵入者と間違われたのでしょうか?」
美鈴「誰も通していないはずなのですが?」
龍夜「あっちはあっちで何してんだ?」
部屋のほうから出てきたのは昨日会った変なお兄さんだった。外に飛ばされたのはフランドール・スカーレットこと、フランだった。
こいし「フランちゃん?!」
フラン「こいしちゃん?このお兄さん強すぎなんだけど?」
龍夜「その割には無傷じゃねーかよ。」
その瞬間龍夜の周辺にナイフが出て来た。
龍夜「おっと…ご挨拶だな…こりゃ兄さんやられても不思議じゃないな…でも…」
龍夜はそのナイフに当たることも触れることもなく避けた。
龍夜「捕まえた。」
いつの間にか空中に飛び上がり、ナイフを投げていたメイド、十六夜咲夜を捕まえていた。
事の始まりは館の中に直接来たこの兄弟に原因があるのだが、そこから戦闘が始まり、咲夜は龍と、龍夜は自分からフランの相手を申し出たという。
龍夜「にしてもなんで戦ってたんだ?」
龍「侵入者と勘違いされたからだろ?」
さとり「バカなのですね。実際侵入者なんですよ…」
こいし「変なお兄さんのお兄さん…」
こいしから見たらそういう認識でしかないのだろう。しかし、わからないのはなぜここに居るのかということだった。
龍夜「あー、能力の使用はオススメしないぞ。壊されたくないならな。」
それを聞いたさとりは能力を使いそうになったのをこらえ、対話で解決しようとした。
さとり「どうして能力を使ってはいけないのです?」
龍夜「まぁ、かなり強い力が作用するから。俺がここに来たのは遊びに。兄さんは?」
龍「観察ついでのお茶会の準備だ。」
レミリア「そんなことは必要ないわ。」
テラスから紅魔館の当主、レミリア・スカーレットが下りながらそう告げた。
レミリア「そもそもあなた達を招待したつもりはないのよ。」
まあそうだ…明らかに龍と龍夜はこの世界からすると流れ者なのだから。
しかし、レミリアは次の瞬間驚く発言をした。
レミリア「咲夜、招かれざる客用のカップを用意しなさい。」
龍夜「あ、俺アールグレイのアイスで。」
…図々しいやつである……
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