arrive or die 二百年の空白編 (蒼淵の暁)
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初陣
広大な空を・・・6機の機体が駆ける。
ふと、コックピットのフルモニター越しに周りを見渡す・・・どこかへ向かう鳥が飛び、雲が風と共に駆け抜け、太陽の光が水に反射し輝いている・・・ここだけ見ればただの平和な世界でまるでリゾートのような感じだった。
しかし、その平穏は一発の
機体が撃破された時の爆発も悲鳴もなかった。
今この場で「5人編成だったか」と聞かれて「6人だった」と言っても信じてもらえないだろう。何故かって?そいつがいたと言う事を証明する証拠がないからだ。文字通り消えてしまったから。
「アルファ5ロスト!!気をつけろ!あのレーザーに当たったらまずいぞ!」
リーダーであるアルファ1がそう叫ぶ、言われなくてもわかる・・・
「
今回が初めての実戦である
「攻撃接近!!各機避けろ!!」
砲弾、砲弾、砲弾、たまにレーザー、弾幕の量が激しく熱烈歓迎(物理)と言った様な感じで迎撃を受ける。彼らはその攻撃を尽く避けていく・・・
しかし、
ガギン!
彼らのうち一機が被弾する。推力が失われていき空から落ちていく。
「推力が・・・隊長。後は・・・頼みます!」
それを逃さない様に機体に砲弾が直撃する。
「アルファ4ロスト!」
アルファ4が撃墜されたのを皮切りにアルファ3、アルファ2までが撃墜されていく、残ったのは
敵の予想外部迎撃範囲を潜り抜けしばらくの安全区域へと入る・・・
「アルファ6・・・少しいいか。」
「なんですか?隊長」
「お前さんは、「希望の光」という話を知ってるか?」
「希望の光ですか?」
「そうだ。旧世代・・・まだ、ストレングスハーツが無かった頃石油とかの化石燃料を使って戦争やってた時代の話だ。ある一つの国があってその国の敗北は必然的に決まっていた、首都に攻められもはや全滅という時にただ一人敵軍に突っ込んでいった奴がいた。そして敵を殲滅し無傷で帰還した。そこからその国は巻き返し戦争に勝った。そして人々はその英雄を「希望の光」と呼んだんだ。」
「もう何世紀も前の話じゃないですか。なぜ、その話を?」
「・・・・何でだろうな。」
彼はハッとした声でなぜその話をしたのかを自分自身に問うていた。
「何でだろうな。」その言葉から少しして答えが聞けた。
「わからないな・・・何故この話をしたんだろうな・・・」
「わからない」自分自身でもわからず曖昧な返事だった。だけど深く聞かない方がいいのかもしれない。なぜかそんな気がした。
「そうですか・・・!隊長、もうすぐ近距離迎撃範囲に入ります。行きましょう!」
「そうだな・・・行くぞ!!!!」
ここで、状況確認をしておこう。
まず、今回の目的は洋上に浮かぶ旧連邦軍の船の確保が目的だ。
この船の周りには精密な対空砲が存在しており真上から直接侵入ができない。その為対空砲の射程外である角度からストレングスハーツを用いて一気に接近、武装システムを無効化してから付近で待機してる輸送隊が張り付き船を確保輸送するという流れである。
また、この船には遠距離撃墜用の砲台と近距離撃墜用の砲台が存在している。彼らが安全地帯といった場所は本来遠距離撃墜用の範囲なのだが幸いにも付近には「アプター粒子」という万能な物質が蔓延しておりこれをうまく利用すればレーダーから消えることができる。遠距離迎撃用はレーダーを用いている為安全地帯ができていたのだ。
安全地帯を超え敵艦が見えてきた・・・
「で、デカい・・・これ、本当に鹵獲できるんですか?」
その船の大きさは異常・・・・とまではいかないが最大サイズの原子力空母を二隻繋げたような長さで全面に主砲と思しきものが三つ。副砲や対空砲、さらにはミサイル砲までなんでとありだった。中央部に艦橋らしきものがあり、その背面には大きな箱に包まれた装置があった。おそらくあれが武装システムだろう。この船を例えるならまるで十四万八千光年の彼方を目指したとある宇宙戦艦のような感じだった。この船一隻あれば敵を蹴散らせると思えるほどに。
だからこそ今この船を見てわかった・・・あの火力があの熱烈歓迎(物理)を生み出していた訳が、そう考えると少し手が震えていた・・・怖気ついたってわけじゃない。ただ・・・死んで行った仲間の為にもこれを必ず鹵獲しなければと言うプレッシャーが重くのしかかっている・・・
そんな時だった。
「ルーキー!」
「は、はいなんですか!!隊長!!」
「機に臨み変に応ずる・・・あと、虎穴に入らずんば虎子を得ずと言う言葉がある、意味わかるか?」
「それ「ことわざ」ですよね。
「そうだ。今から俺達はたった二機であの戦艦に挑む・・・あれは一度上が大規模な鹵獲部隊を降下させて鹵獲しようとしたが・・・部隊は全滅している。唯一生き残った舞台が語るにゃ「あの船は動く要塞」だと。これまでに、アルファ2、アルファ3、アルファ4、アルファ5が散った・・・・普通の奴らならこれが玉砕特攻にしか見えないだろうな・・・」
「はい、ですが我々は玉砕はしません。必ず生きて帰るのです!人類の未来のために!!!!!!!!」
「よく言った!!!さぁ、行くぞ!!」
「了解!!」
・・・・はい、どうも。最後までご覧頂きありがとうございます。多分ね。みなさんね。こう思ってると思う。「え?半年かけて溜め込んだストーリーたったこれだけ?」みたいなこと思ってると思うの。
安心して下さい。半年のデータは消えましたが変えが残ってます。
まぁ、なんと言うかね久しぶりすぎて感覚忘れたよね☆ そんなことは置いといてですよ。
私ね。今悩んでて今回試験的に「台本風」?ってやつから外して見たんですよ。知り合いにですね「台本風って邪道だよ」って言われたんですよね・・・でも、そうでもしないとキャラの把握しづらくないか?・・・うーん、うーん・・・と言った感じなんですよね。
まぁ、多分次回は台本風かなぁ?。そういえば、私キャラだけ作って放置してる奴もいるので次回あたりに前書き後書きに連れて来ようかな・・・っと!話が逸れてしまいますね!それでは!!また次回をお楽しみに!!過度な期待はしないで下さい!!
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初陣2
敵艦の射程外から一気に突入する・・・近距離まで張り付き武装をなるべく壊さぬよう打撃を与えていく。武装を壊してしまった場合敵に対する攻撃手段もとい反撃手段が減ってしまい別の武装を取り付けるまで時間を要するのだ・・・
『アルファ6!状況は!』
隊長からの通信だ・・・
「こちらアルファ6、左舷側の砲台の死角に回り込んで張り付いてます!さながらカメムシかセミか何かですね。」
ただ、今回ばかりはそれは失策だった・・・思った以上に敵の迎撃網が厚い上に
「それに加えて装甲厚すぎます!なんですかこの装甲の厚さ核戦争想定されてます!?」
武装システムを包んでいる外部装甲が思ったより強固で既に何十発も武装システムの外部装甲に弾をぶち込んでいる。ランチャーやライフル、マシンガンほとんどの武器は試した。しかし効果は全くないむしろ敵の攻撃が激しくなり攻撃するのが難しくなっている。
そして何より・・・
「それと隊長、こっちは予備兵装のアーマーシュレッダー以外武装がもうありません・・・」
『だろうな・・・こちらも同じだ。装甲がここまで分厚いとは思わなかった・・・』
「一度離脱した方がいいのでは・・・近くの基地で弾薬と武器を補充し再度挑んだ方が・・・」
『無理だ、あの弾幕を見ただろう。離れようにも後ろから狙い撃ちだぞ。』
「しかし、このままでは・・・」
そう言った時
ティロン!ティロン!
という機械音と共に
『よかった!!繋がった!!』
この通信は・・・
『本部!作戦完了まで無線は封鎖するはずでは!?』
作戦本部からの通信だ。隊長が言ったとおりに本来作戦完了を通知するまで無線は封鎖され本部と通信は取れないはずだった。これは「敵」に通信を傍受されないためでもある。
『アルファ2からアルファ5の反応が途切れたので急遽本部が無線封鎖を解除したんです。ですが通信がうまく繋がらず・・・状況はどうなってますか!?』
『状況?最悪だよ。電源の周りの装甲が思った以上に分厚すぎる。これで浮いてるのが不思議なくらいだ!!』
『それは最悪の状況ですね・・・少し待ってて下さい!』
『早くしてくれよ!!』
緊迫した状況の中通信を待つ・・・ここにいても見つかるのは時間の問題だった・・・いくら、砲塔の死角とはいえだ。
『遅れました!付近に展開している部隊に救援を要請しました!』
『なに!?どの部隊だ!!』
『レイヴン隊とウルフ隊です!!レイヴン隊は高速機動兵装を装備している為敵の撹乱が可能です。ウルフ隊は全機レールガンを装備しているため装甲を貫けるはずです!!協力して鹵獲にあたって下さい!!』
『彼らの残り到着時間は!?』
『残り・・・え?』
その時だった。数発の「光」が敵艦に着弾、兵装を一部吹き飛ばした。・・・いや、吹き飛ばしたのではない。「停止」させた。
なにが起こったのか一瞬理解できなかった。光が飛んできたと思ったら敵の兵装が停止していたのだ。まるで、「レールガンで発射できる電磁パルス弾」だった。しかし、それも少し違うようだった・・・
「まさか・・・徹甲弾の炸薬をEMPに置き換えた物で切ったのか?」
そうとしか考えられなかった。一発EMPが装填された弾頭を使い停止してる所を他のレールガンの弾頭ですぐに切り裂いた・・・というような感じだった。
唖然としているなか・・・
ティロン!
通信が入る。
『
「この声・・・まさか、姉さん!?」
出撃前に顔合わせをしていた時に声を掛けてくれた彼の姉・・・
『そうよ!よかった・・・無事で』
「なんで姉さんが!?」
『それは君のお姉さんがウルフ隊の隊長だからだ。』
そこに声をかけてきたのはウルフ隊の副隊長・・・と思わしき女性だった。凛々しくはっきりした声で俺にそう言った。
会話をしながら俺と同じ位置に数名が張り付く。うん、狭い(´・ω・`)
けど、弾が飛んでこないからマシだな。
「知らなかったです・・・姉さんコロニーじゃそんなこと話してなかったので・・・」
『弟君に心配かけられなかったから。黙っててごめんね?』
「いや、大丈夫ですよ。それよりも。あの箱どうやって破壊します?」
システムやらなんやらがぎっちり詰まってるあの箱の装甲をどうにかして割らなきゃ話にならない。レールガンですら怪しいが・・・さて、ウルフ隊の
『隊長、徹甲炸裂弾なら内部にダメージを与えられずとも外傷を与えることはできるはずです。』
副隊長が提案をするが
『いいえ、
『隊長!?まさか、例の!?』
副隊長が慌てるように聞き返す。
「(なんだ?使っちゃまずい兵器があんのか??今この状況の方がまずいと思いますが・・・)」
そう心に思いながらも口には出さない。この副隊長さん姉さんの事なんか変な偶像立ててそうだし。なんていうの?どっかの剣と剣が交差するオンラインの蛇が鞭になった武器持ってるお弟子さんみたいな感じにね。俺の事変に敵視しそうだしな。おー怖い怖い
こちらからの通信を切り深呼吸する。どんな指示が来てもいいように。
「隊長、大丈夫かな。」
ふと。そんな言葉が漏れてしまった。あれから一切の通信が無い・・・隊長。大丈夫だろうか。まぁ、反応は消えてないしレイヴン隊も到着してるだろうし・・・多分反対側で何かしらやってるのかな。
『
突然の姉さんからの通信、慌てて通信をオンにする。
「あ、はい!!」
『大丈夫??注意力が散漫してるようだけど。』
姉さんらしい心配だった。けど、それのおかげでまた集中力が出てきた。
「い、いえ。大丈夫です!!」
『隊長、仕方ありません。新兵にこの任務は厳しいと感じます。加えて隊長以外全滅しております。プレッシャーでしょう。』
「(あ、あれ?意外と・・・優しい?)」
先程の声の威厳?とギャップ?が違うような心配の具合おそらく根は優し優しいのだ・・・言い方が強いだけなのだろう。
『ボウヤ、まずいと感じたら直ぐに下がりなさい。ボウヤみたいな新兵はまだ死ぬべきじゃ無いわ。』
「肝に銘じておきます!!」
あぁ、この人は優しい。声や言い方は強いけどその奥には確かに優しさがある。この人と姉さん・・・上手くやってるんだろうなぁ。
『・・・念の為もう一度説明するわね?
「お願いします。」
『あの箱・・・システムボックスの装甲は私達の通常兵装じゃ貫けないわ。その為新兵器を使う。その為には
「・・・」
俺は黙ってその説明を聞く。
『まず、
「・・・こ、これは?」
驚きと・・・珍しさと・・・そんなものが色々と混ざっていた・・・
『今回、レイヴン隊と共にテストしてた「ラプトーンブレード」本来レイヴン隊が持ってるはずなんだけど・・・レイヴン隊の隊長に無理言ってこっちに渡してもらったの。嫌な予感がしたから・・・話を戻すわよ。
ウルフ隊の機体は弾薬や装甲と言った火力と防御力に重視した重装備仕様でありスピードがほとんど出ない。その為武装が全く無く極限までスピードが出せる状態の期待である響呀がやる必要があったのだ。
「え!?姉さん・・・・それ、本気!?」
その反応は当たり前だった。やろうとしてる事は特攻に近く命を捧げろと言っていたような物だった。だが、ストレングス・ハーツに乗ってこの
『ボウヤ、もし無理なら・・・』
「いや、やります!!やってやります!!」
副隊長の話を遮ってしまってまで彼は強くそう言った。彼の決意に満ちたその声に副隊長は「そう・・・」と、悲しくそして認める様な声で小さく呟いた。
『ふふ、
彼女自体・・・この命令を課すのにかなり精神的な負担があるのだろう。自分の弟の様に可愛がって、可愛がって、そして愛した
「大丈夫です。姉さん、俺は死なないよ。」
その返事は意外な物だった。「俺は死なない」そう彼は言った。普通は怒るのだろうか?それとも笑い飛ばしてそのまま実行するのだろうか?それとも、呆れを言い戦場を去るのか・・・それはわからない・・・だけど、彼はそう言ったのだ。「俺は死なない」と。
『っ!・・・・わかった。・・・みんな!行くよ!!』
「『『了解!!!!!!!!!』』」
隠れてる場所から一気に全員が飛び立つ。それと同時に敵艦の主砲、副砲、対空砲その他諸々がこちらを狙うが、EMPグレネードを投げ一時的に動きを止める。撃たれてる状態じゃまともにレールガン撃てないためだ。
レールガンに限った話ではないが基本的にストレングス・ハーツの武装は人類の銃と同じである程度真っ直ぐ飛ぶが弾のブレがある。今回使用しているレールガンは背中から肩部目がけて装着しておりそれが計2門、レールガンは一門のみでも威力が凄まじく機体のエネルギーを全て回さなければならない為停止状態になる必要がある。その状態は移動も他の銃器の使用もできない為完全な隙となる。その隙を埋める為にEMPグレネードを投げる必要がある。
『チャンスは一度キリよ!!!必ず決めて!!!』
「了解!!」
『ウルフ隊!!銃身焼け切れるまで弾が尽きるまで撃ちまくりなさい!!ルーキー君の道を作るわよ!!!放て!!』
『『了解!!』』
その合図と共に一斉にレールガンが放たれる。その全てがシステムボックスに当たる・・・そして、システムボックスに一部亀裂が走る。
その亀裂を見逃さない!!
「いい加減!」
ラプトーンブレードを正確に亀裂に当てさらに亀裂を広げる。何度も何度も切り裂き等々装甲が剥がれる。そして、装置が露出する!!
「くだばれやぁぁぁぁ!!!!」
その装置にラプトーンブレードを何度も何度も突き刺す。ついでに
「姉さん!!」
作戦にはない合図を姉に送る。だが
『わかった!!一斉砲撃!!よーい!!』
姉はその事をわかっていたかの様に命令をする。
ウルフ隊の全機が露出した装置に砲口を向ける。
『撃てぇ!!』
12門の砲門から放たれたレールガンの弾は的確にシステムを抉り、そして削る。次の瞬間。
ボォォォォォォォン!!!
システム装置は大爆発を起こす。船は無事だったが・・・システム装置の外郭も無事だったのである・・・
「硬すぎだろ。内部からのあの爆発にも耐えやがった。」
『硬すぎるわね・・・まるで未知の素材で作られた装甲板ね・・・・ボウヤ!お疲れ様!間違いなく今日のMVPは貴方よ!!』
「いえ。姉さんとウルフ隊と・・・隊長と・・・散っていったアルファ隊のメンバー達です。この場にいる全員が今回のMVPなんです。俺一人の・・・力ではおそらく・・・死んでいたでしょう。みんなで掴んだ勝利です!!」
敵砲台の撹乱をしていたであろうレイヴン隊とウルフ隊のメンバーがウォォォォォォォ!と叫ぶ。それと同時に隊長がこちらにゆっくり飛んできた。おそらくレイヴン隊と敵砲台の撹乱をしていたのだろう。
「隊長!!ご無事で!」
『あぁ、にしてもすごいな!ルーキー!今回の作戦被害は出たが大成功だ!・・・彼らに感謝と黙祷をしないとな。』
「隊長・・・・・、そうですね。」
道半ばで散っていったアルファチームの面々・・・彼らの犠牲に感謝しそして・・・黙祷を捧げなければ!
『ま、まずは後片付けが先だ。オペレーター聞こえてるな?』
『は、はい!!すみません。途中から戦闘に見惚れてました・・・いま、合図の信号を送りました!鹵獲本隊がそちらに向かってます!皆さんは先に甲板に降りて休憩していて下さい!作戦お疲れ様でした!!』
『オペレーターもお疲れさん、あぁそうだ。オペレーター』
『なんですか?』
『後で戦闘データをくれ、気になる事がある。』
『わかりました。それでは通信を終えます。また後ほど!』
声からでもわかる・・・このオペレーターさんと隊長、デキてる・・・
「(隊長って・・・恋人いたんだな。ここで聞かない方がいいか、嫌な予感する。)」
なんとなく、そんな気がした。よく聞く話だと戦場で恋人とか家族の話とか結婚の話とかをすると大抵その話した人は死んだりしている・・・「フラグ」ってやつなのかな。わざわざ建てさせるわけにはいかないもんな・・・。
『あ!そうだ!忘れる所でした!!アルファ5!貴方に指揮官から伝言です!『アルファ5、基地に戻り次第指揮官室に出頭するように!』です!改めてお疲れ様でした!』
通信が切られ、とりあえずは内心了承しこれからの為休憩する事にした。
休憩中・・・しばらくして・・・
アルファ隊の格納庫・・・
「隊長」
俺は隊長の近くによって話した。
「ん?どうした?」
とある事を・・・聞きたい事を聞く。隊長は機体のシステムチェックをしながら栄養ペーストを固形化しブロック化したもの咥えて答えてくれた
「隊長、食事が・・・・喉を通らないんです。」
「液体ペーストもか?」
「はい・・・何も・・・飲み込めなくて。」
隊長は意外でもなく驚きもせず俺の話を真剣に受け止めて聞いてくれた。
「・・・・そういえば君は元々
「はい・・・戦闘自体は覚悟してました・・・ですが、間近で・・人が死ぬと言う事を見てしまって・・・それに、その時のパイロットの記憶のような体験のようなものが脳裏にずっと浮かぶんです・・・恐怖が・・・怖いんです・・・誰かの死が・・・」
体が震える。恐怖が俺を包み込む。脳裏にずっと、ずっと、叫び声がこだまする。
「そうか・・・君は感受性が高い・・・・いや、高過ぎるのか。(他人の経験をあたかも自分が経験したように感じましてや隣で起きた事を脳が「自分に起きた幻の体験」と誤認してしまうのか・・・これは・・・)響呀君・・・一つ昔話をしよう。」
「昔話・・・・ですか?」
隊長は固形ペーストを食べ終え話し始めた・・・
「そうだ。昔、俺が若かった頃の話だ。まだ新米で当時の隊員達に迷惑をかけていた。俺の暴走や焦りのせいで隊員を殺してしまった・・・その時、俺を支えてくれたのは当時の副隊長だ。そいつのお陰で俺は成長出来た・・・」
「その、副隊長のお名前は・・・?」
「アルベルト、アルベルト・シュナーベルという。そいつのお陰で今こうして隊長を続けてる。」
「そうなんですか・・・ありがとうございます。気が楽になりました。」
「そうか、よかったよ・・・さて、休憩の時間はまだある。そのうちに飯でも食ってこい!十分休息を取れ!」
そういい俺の背中をバンっ!と叩く。勢いの割に不思議と痛くはなかった。そして、俺は飯を食べるべく食堂へと向かっていった。
「・・・アルベルト・・・お前のおかげ・・・か・・・」
服の内ポケットからある写真を取り出す。それはセピア色に染まり燃え後が残っていた・・・
「アルベルト、今も俺は思うんだ・・・一緒に生還する方法はなかったのかと・・・できる事なら・・・過去に戻りお前を救いたいよ・・・」
そう語った彼の顔から密かに涙がこぼれ落ちていた。
増援の助けもあり作戦の目標を達成した彼等は次の戦いに向け英気を養う事になる。しかし、鹵獲した船の中には誰もが思いも知らないものが眠っていた。
次回「眠し鳳凰」
はい、どうも。蒼淵の暁です。いやぁ、投稿遅れてすみませんでした!!言い訳というか理由を説明しますと。6月あたりから私入院しており闘病しておりました。あぁ。最近流行りのアレではないです。持病の悪化・・・というより経過観察という感じで入院してました。ちょくちょく院内で書いてはいたのですが、まぁ、速攻通信制限かかりましてね・・・ははっ!(YouTube見てたなんて口が裂けても言えない)それはともかく!おそらく今後も不定期になるとは思いますが応援よろしくお願いいたします。それと!前書きに書いてある二次創作かどうかですが一次創作にはいるらしいです。まぁそらそうだよね・・・それではまた次回!!
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眠りし鳳凰
快斗「アシスタントの快斗だ」
◇というわけで前々回出してないキャラを前書き後書きに追加しようかなぁという発言に対し選ばれたのは夜闇快斗くんです。
快斗「一つだけ言わせてくれマスター」
◇ん?
快斗「マスター、なぜ俺と言うより俺達の出番がなかった?夜闇家のキャラクターは合計三人だ。だがあんたは俺以外を覚えてないよな?」
◇・・・そうだな。
快斗「改めて俺の兄妹を作れ、それでこの問題はチャラにしてやる。」
◇わかった、それくらいは必要だろう・・・それでいいか?
快斗「あぁ、構わない。だが・・・」
◇?
快斗「次は無いと思え(ガチトーン)」
◇は、はい!!:(;゙゚'ω゚'):
快斗「それじゃ、読者の皆様続きを楽しんでくれ。そうそう今回から試験的に改行や場面の移り変わりその他多数を本格的に模索する為に色々やっている。違和感あったりする場所はおそらくその試験を試している場所だ。まぁ、元々からこの小説は見にくいってのがある。それを治す為の試験でもある。多めに見てくれると助かる。それでは、改めてどうぞ。」
飯を腹に入れる為食堂に向かう。不思議と鹵獲した船の艦内はまるで最近まで手が入ってたかなように綺麗で清潔に整ってた。不思議な事に食糧もそのまま、まるでこの船自体の時間が止まったような感じだった。
「この
そう、独り言のようにそんな言葉を呟いた。
「確かにそうね。この
そんな独り言に答えたのは。
「姉さん!」
彼の姉だった。ニコッと笑い彼に答える
「はぁい、
「いや・・・まだです」
「そうなのね・・・なら、私と一緒に食べない?私も、実はまだなんだ!」
「いいですね。久しぶりに姉さんと食事食べたいですし」
そう言い、2人は食堂へと歩き出す。
「姉さん、聞きたかったんだけど」
「ん?なぁに?」
「姉さんって何時頃からウルフ隊の隊長になったの?」
彼はつい先程できた疑問を投げた。彼等が同じ場所で過ごしていた間はそんなこと一言も言わなかったしそんなそぶりもなかった。それゆえに気になったのだろう。
「んー・・・・そうね。ほんの1、2年前くらいかしら丁度
「・・・・よく隠し通せましたね。父さんや母さん、それに僕からも。」
「それについては・・・そうねぇ、簡単にいうとウルフ部隊は秘匿部隊の一つというべき存在だから言う訳にはいかなかったの。」
「・・・・それ、言ってもいいんですか?」
そう、彼女が言った通りウルフ部隊は「秘匿部隊」の一つだった。決して口外してはならず口外した場合記憶処理や死刑は免れないであろう。
「ん?あぁ、大丈夫よ。この周りには誰もいないしこの会話を聞いてるのは私と貴方だけ。でしょ?」
確かに周りには見計らった様に誰もいない。だが何処に監視の目が潜んでいるかそれはわからなかった。
「確かにそうですが何処かで盗聴されてたりしませんか?」
「そんな強制言論統制みたいなことはないわよ。そんなことしたら崩壊するでしょ??それは無いわよ。それに・・・いや、これはまだダメね。」
「そう・・・ですか。わかりました。そうだ姉さん」
「ん?なぁに?弟君」
「また・・・一緒にいられて嬉しいです。」
「ふふっ、私もよ。さぁ、そろそろ行きましょ。あんまり遅いと隊長殿がうるさいわ。」
そう言い彼女は彼を連れて食堂へと向かう。
「あ、そうそう。一つ言い忘れてたわ。」
「なんですか?」
「これからよろしくお願いね、私の可愛いルーキー君♡」
そして彼らは食堂に入り食事を摂るのだった。
夕方、報告も兼ねて今回の作戦に立ち会った部隊の隊長が顔合わせを行なっていた。レイヴン隊の隊長、ウルフ隊の隊長である姐さん、そして・・・隊長と俺
『以上が本作戦の結果です。』
『うむ・・・見事であった。しかし貴重な人員を失ってしまった・・・致し方無しとは言え・・・今後の作戦に影響が出るかもしれん。』
「そうですね。我々も今後はこのような事がないように注意します。」
『そうだな・・・そうだ。ケイナ君、響呀君にはもう伝えたのかね?』
「総司令、例の件ですね。まだ伝えていません。」
とウルフ隊の隊長ケイナ・ナナミが答える。
『そうか、では早めに伝えるといい。それと、今後ともよろしく頼むぞ。期待している。』
「はっ!ありがとうございます!」
そう言い、通信が終わる。
「ふぅ・・・やっと終わったか・・・」
「お疲れ様、響呀君さて、それじゃあ早速本題に入ろうか。」
「え?本題ってなんです??」
「はぁ・・・今何を聞いていたの・・・?いい?今から言うことをよく聞いておきなさい。まず一つ目、貴方はウルフ隊に入隊したのよ。」
「・・・え???」
俺は一瞬何を言ってるのか分からなかった。入隊?俺が?ウルフ隊に?なんで?どうして?色々な思考が頭を駆け巡る。そんな中、彼女の話は続く。
「まぁ、混乱するのも無理ないわ。私だって最初聞いた時は混乱したもの。でも、これは事実よ。そして総司令からのお達しもあるわ。内容はこうよ。『これからはウルフ隊の隊員として励むように、君の姉君もいる事だし大丈夫だろう。』ですってさ。全く・・・人使い荒いわねあの人。」
「あの、姉さん、ちょっといいですか?」
「ん?なにかしら?」
「その、ウルフ隊に入るのはいいんですけど・・・僕なんかが入って大丈夫なんでしょうか?」
「何言ってるのよ、貴方以外に適任はいないわ。私が保証する。」
「そうですか・・・分かりました。姉さんがそこまで言うなら僕も頑張ってみます。」
「うんうん、それでこそ我が弟だわ!」
そう言うと彼女は嬉しそうに彼を抱きしめる。彼も少し照れながらも抱きしめ返す。まるで本物の姉弟のように。そうしてしばらく抱き合った後2人は解散し各々の部屋に戻った。
深夜・・・何かに呼ばれるように目を覚ました響呀。
「ん???誰かが俺を呼んでる・・?」
ミツケテ・・・・アナタガ・・・ミツケテ
ワタシヲ・・・・ミツケテ
「どう言うことだ・・・?」
脳内に響くその声に従い声が強く響く方へと足を進める。
そして辿り着いた場所は船の格納庫であった。そこにポツンと佇む一つ「箱」まるでその箱はストレングス・ハーツを格納できる大きさだった。しかしその箱を開封するボタンも装置もなくただただ黒い箱が置いてあっただけだった。しかし、何故か彼はそれがストレングス・ハーツだとわかった。理由はわからない、だが直感的にわかるのだ。
「この中に俺の相棒がいる・・・」
そう確信した瞬間、彼はその箱に近寄り箱に触れた・・・するとその触れた場所から箱が小さく・・・否、外装が剥がれていきそして外装の一部が剥がれ終わると剥がれた外装は小さいキューブ上のものになった。彼はそれを躊躇いなく手に取り自分の心臓部に近づけると吸い込まれるように入っていった。彼の脳内に声が響いた
《機体のパイロット認証完了 「オリジナルコード保持者「真川響呀」」アクティベート指示を待機、パイロットの指示を待機中》
「な、なんだこれ!?一体どうなってるんだ!?」
突然聞こえた謎の声に驚き戸惑う彼。そんな困惑してる彼にさらなる追い討ちをかけるかのように次の声が聞こえる。
《機体名登録要求:コードネームを決めてください》
「コード・・・ネーム・・・?フェニックス・・・」
咄嗟に出た名前それはかつて地球で伝説と呼ばれた不死鳥の名前だった。何故その名前が出たのか彼にはわからなかった。ただ何となく思いついた名前を言っただけに過ぎなかったのだがその声はこう答えた。
《・・・認証確認これより本機の名称は「フェニックス」となります。以後よろしくお願いしますマスター》 その瞬間、頭に響いていた声は聞こえなくなりいつの間にかキューブは形を変えに義手のように取り付けられていた。
「なんだったんだ・・・・?今の」
困惑する彼だったが突如警報が鳴り響く
。どうやら敵襲のようだ。だが、先の戦いで機体の回路は焼き切れ現状彼は動けなかった。しかしそんな状況でも何もしない訳にはいかず響呀は作戦室へと向かっていた。するとそこには同じく作戦室へと向かうウルフ隊の隊長であるケイナがいた。
「あら?どうしたの?貴方の機体は今整備中でしょ?」
「何もできないけど・・・せめて作戦室には行かないと!!機銃とか使えるかもしれないし!!」
「・・・はぁ、仕方ないわね。分かったわ、ついてきなさい」
そう言い彼女を後についていく響呀であった。道中で様々な疑問を投げかけたが彼女は答えてくれなかった。そうして作戦室の扉の前に着く。扉を開け中に入ると既に何人かのオペレーター達が忙しそうに作業していた。その中には見知った顔もいた。
「ん!!ルーキーじゃないか!」
「隊長!お疲れ様です!状況はどうなっていますか!?」
「いや、まだ分からん。レーダーにも映ってないし反応も微弱だ。もしかしたらステルス系の機体かもしれん」
「なるほど・・・確かにそれはありえますね。」
そんな会話をしていると一人の女性が声を上げる
「来ました!敵機影捕捉!数5!これは・・・デーモンです!」
「ちっ、よりによってデーモンかよ・・・おい、ケイナどうする?お前の弟もいるんだぞ?」
隊長である男はケイナに問う。それに対し彼女は答える。
「無論このまま戦闘に移るわ!各員配置について!ルーキー君は・・・退避ブロックに!」
「姉さん!?」
「貴方の機体はない!今は出撃できないのよ!!」
そう言い彼女は彼を突き放す。その時、通信が入る。相手はウルフ隊の副隊長であった。
『隊長!こちらは出撃準備完了です!!いけますよ!!』
「わかったすぐに向かうわ」
そんな時だった
「待ってください!!敵の数が・・・増えています・・・!!」
オペレーターが驚きの表情で言った。
「100・・・200・・・300・・・・500を突破・・・まだまだ・・・増えています・・・600・・・700・・・800・・・1000・・・敵の数は1000機・・・その全てが・・・・デーモンタイプです。」
オペレーターは絶望に満ちた表情でそう言った。デーモンタイプは簡単に言うとガ○ダムのビ○・○ムとエ○メスを合わせたような機体で全方位に射出できるピッドそしてコロニーすら撃墜できる火力を持ったレーザー砲を多数装備している。そんな強力な機体が千機もこの艦に襲来しているのだ。
「デーモンタイプが・・・・千機!?そんなのありえない・・・」
ケイナは驚愕し狼狽える。無理もないだろう、今まで確認された中デーモンを一機倒すのに使用されたストレングス・ハーツは50機以上しかも砲兵や艦砲射撃の援護があってこそ倒せたのだ。それなのに今回はたった数機で相手しなければならないのだ。勝てるはずがない。誰もがそう思った時、一人の男が声を上げた。
「おいおい、何ビビってんだよ!俺達なら出来る!そうだろうお前ら!」
その男はアルファ隊の隊長だった。彼の言葉により皆の心には希望の光が灯った。
『そうだ!俺達は強い!どんな奴が来ようと負けるはずねぇ!』
『やってやろうぜ!ここで逃げてちゃ男が廃るってもんだ!』
『俺も戦うぞ!あんな奴らに負けてたまるかよ!』
『やっちまえー!!』
などと士気が高まった頃、また通信が入った総司令部からだった。
『こちら総司令部、状況は確認してある。すぐにそちらに援軍を送る!それまで耐えていてくれ!!』
『了解しました!ご武運を!』
そう言い通信を切った直後だった。
警報が響く、それは接近警報だった。
「よし!みんな出撃よ!」
『『『了解!!』』』
そうしてみんなが出撃準備に取り掛かるウルフ隊のメンバーはすでに準備が完了していた為すぐに発艦していった。
そして俺は退避エリアに向かっていた・・・
「俺は・・・どうすれば・・・」
そんなことを呟いた。直後だった。
また頭に声が響いた。
ワタシヲ・・・ツカッテ
そんな声が響いた。
俺はそれに従うように義手を胸の高さまで持ち上げ腕時計を見るような動作で手に着いた装置を見る。
「そうか・・・あの箱に入ってる(と思われる)ストレングス・ハーツなら!!」
正直どんなストレングス・ハーツが入っているかわからない。本体は見えてなく少し箱の外装が削れこれになっただけだ。俺は急いで先程向かった格納庫に向かう。格納庫に着くとそこには整備士たちが慌ただしく動いていた。俺はなんとかして先程の格納庫に向かった。すると・・・
『敵ビッド!!急接近!!回避不能!!衝撃に備え!!』
敵のビットがピンポイントで俺のいる格納庫にレーザーを放ってきた。次の瞬間レーザーが被弾し格納庫の天井が爆発し瓦礫が崩れてきた。
「やばい!!避けられ!?」
瓦礫が落ちてきて避け切れず潰されると思ったその直後義手のような装置から淡い光が放たれる。まるで時間が止まったように全てが静止する・・・
「なんだ・・・・これ!?時間が・・・止まっている!?」
そう彼が呟くとまた頭に声が聞こえた。
アナタヲ・・・シナセルワケニハイカナイ
ワタシヲ・・・ツカッテ!
その声は先程より鮮明にそして、はっきりと聞こえた。
「まさか・・・フェニックス・・・・・なのか?」
その声に対しフェニックスは何も答えない。しかし、少しだけ箱が動いた気がした。
「わかった・・・!行こう。フェニックス」
そう言い時が止まった中俺は箱に近づく。そして・・・それに触れる・・・すると
時間がまた動き出す、そして、箱が淡い光に包まれてストレングス・ハーツの形になる・・・その機体は独特なフォルムをしており背中には機械の翼のような物が付いておりまるで「鳥人」の様であった。機体はオレンジ色でシールドや武装もついていた。武装はビームライフルと思われるようなデザインをしたライフルで背中にの翼の中央部分に設置されるようにロケットランチャーが配備してある。シールドには何かの砲口がついており頭部にはバルカンと思われる発射口、腰部にはビームサーベルと思われるものが平く配置されておりおそらく抜刀の際には落下しそれを受け止めて使用するのだろう。
ふと体が浮く、導かれる様にコックピット部分で静止しコックピットが開く。そして乗り込んだ。
感覚の様で導かれる様な感じでボタンを押し操作する。すると
《システムアクティベート指示を確認、周辺状況の確認および統合を認識中不規則な揺れと非常警報発令を検出、初めましてパイロット、非定型統合認識システムL.Y.D.I.A起動しました。いつでも行けます。》
L.Y.D.I.A?なんなんだこのシステムは?そんな事を思っているうちにまた攻撃が始まる。今度は複数のミサイルだった、しかしそれを疑問に思っている俺をよそに勝手に機体が全て撃ち落とす。さらに同じ様に機体が勝手に相手のビットを破壊していく。
「L.Y.D.I.A君は一体・・・?」
《私は貴方をサポートする専属のAIです。私の使命はあなたをサポートし守る事にあります。ここにいては迎撃しかできません。格納庫に空いた穴から敵に向かいましょう。ご安心をこの機体での最初の戦闘です。サポートしますので気にせず戦闘してください》
何が何だかわからなかったが・・・L.Y.D.I.Aの言う事は理にかなっている。この場所では防戦一方だ。格納庫に空いた穴から飛び出しデーモンが来ている方向に向かう。
船から離れるにつれてどんどん敵が増えていく、だが関係無いと言わんばかりにこの機体は次々とデーモンを「一撃」で粉砕していく。気がつけば艦艇付近の敵は殲滅していた。そんな時に通信が入る。
『所属不明機!応答せよ!繰り返す!所属不明機応答せよ!貴官の所属と名前を述べよ!』
その声はアルファ隊の隊長であった。
「こちら、フェニックス、真川響呀。戦闘に参加します」
その声を聞き通信相手は動揺していた。
『ルーキー!?君なのか!?一体!?その機体は!?』
「後で説明します。それより今は目の前の敵を」
『あ、あぁそうだな、分かった!』
そう言って彼は通信を切る
「L.Y.D.I.A、行ける?」
《私の事を気にする必要はありません。先程申した通り私は貴方をサポートします。いつでもどうぞ。》
「・・・わかった!」
そう言い彼は再び戦場へと戻るのだった。
〜〜〜〜〜〜 その頃鹵獲した船ではブリッジと作戦室が慌ただしく動いていた。
現状アルファ隊の隊長は艦長となっており作戦指揮を取っていた。
「観測室!所属不明機を味方と識別する様信号を出せ!!管制室!!とにかく打ちまくれ!ありったけの弾を使ってなんとか耐えるんだ!!左舷!弾幕薄いぞ!!何やってるんだ!!」
彼は怒鳴りながらも的確に指示を出していた。そんな中オペレーターの一人が声を上げる。
「敵機捕捉!!数30です!」
「なんだと!?」
驚く彼だったが更に追い討ちをかけるように報告が来る。
「敵機増援を検知!!数60です!」
「くそがっ!!どんどん接近してきている!!」
悪態をつく彼であったがそれでも諦めず指示を出すが、敵の数が多く次第に押され始めていた。その時だった。
『待たせたな!!加勢に来たぞ!!』
通信が入る。
「本部からの増援か!!感謝する!!!」
『礼はいい!それよりも敵はまだいるのか?』
「まだいるぞ、恐らく数百機はいるだろう・・・」
そう言うと通信機越しにため息が聞こえた後こう言われた。
『ならいい、暴れるぞ』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『敵機捕捉!!数40です!!』
オペレーターの報告を聞きケイナは驚愕する。
「まだそんなにいるの!?」
その時、レーダーの反応が一気に消えた。それと同時に爆発音が複数響く・・・
「え?なに?なにがおきたの?」
ケイナはその状況に困惑する。
「ケイナ隊長!あれを見てください!!」
部下に言われその方向を見るとそこには信じられない光景があった。
先程までこちらに迫ってきていたデーモン達が次々に撃破されていたのだ。
「一体何が起こってるの?」
ケイナは困惑しながらその光景を見ていた。
〜〜〜〜〜〜〜
数分前・・・アルファ隊の隊長であり艦長である男は今目の前で起こっている事が信じられなかった。レーダーには今無数のデーモンがいたのだがそれらが次々と撃墜されていくのだ。それも一撃で仕留められるほどの火力を持った機体によってだ。その機体の名はフェニックスというらしい。そしてその操縦者は新人の筈なのだが既にベテランの様な動きで戦っていたのだ。彼の機体は特殊でバックパックから機械の翼状の物から「羽」が外れまるで敵兵器のビッドの様に飛び回っていた。そして両手にある「武器」で敵を葬っていた。しかも驚くべきはその連射性能だった。たった数秒で10発以上の弾丸を放ち1発で3機のデーモンを撃破していたのだ。しかもそれだけではない、なんと背中のバックパックから粒子を出しながら加速していたのだ。その姿はまるで鳥のようであった。そしてそのまま突撃して行きあっという間にデーモン達を倒していったのだ。
「こいつは・・・すごいな!!」
思わず声が出てしまうほどだった。そして数分後に艦艇の近くにいた第二波の殲滅が終わった。
『こちら真川響呀、これよりウルフ隊の援護に向かいます。』
「了解した、気をつけろよ!」
『了解!!』
そう言い彼はウルフ隊の方に向かって行った。
〜〜〜
ウルフ隊は苦戦を強いられていた。
「あーもうっ!!数が多い!!」
ウルフ隊の面々は敵の猛攻になんとか耐えていた。しかし限界が近い状態だった・・・その時、空から赤い閃光が走ると同時に凄まじい轟音が響いた。直後大量のビットやデーモンが吹き飛んでいた。そこには赤き鳥のようなストレングス・ハーツが飛んでいた。
「あれは・・・ストレングス・ハーツ!?あんな機体見たことない!!」
隊員の一人が言った。そう、A.U.F.に登録されてる機体にフェニックスはなかったのだ。すると通信が入る。
『皆さん大丈夫ですか?救援に来ました!』
そんな声が聞こえる中一人の女性が声を上げた。
「ちょっとあなた何者!?所属と名前を言いなさい!」
そんな女性に対しストレングス・ハーツはこう答えた。
『Α.U.F.所属真川響呀!これより作戦に参加します!!』
そんな声が響き渡る中彼らは驚きを隠せなかった。何故ならその声の主こそが「響呀」でありあの箱起動できたただ一人の兵士だったからだ。
「え!?弟君なの!?嘘!?」
私は驚きを隠せなかった。弟で新人の響呀があの箱を起動させ既に操っているからだ。そしてフェニックスは次々とデーモンを倒していく。その戦いぶりはまるで歴戦の戦士のようだった。そしてフェニックスのパイロットたる響呀はみんなにこう言った。
『みなさん大丈夫ですか!?』
その声を聞いた瞬間私は安心したのか涙が流れてきた。
『坊や?貴方の方こそ大丈夫なの?』
『はい?自分は大丈夫です!!』
『そ、なら良かったわ、それと、助けてくれてありがとうね』
『いえ、当然の事をしたまでですよ、それより隊長これからどうしますか?』
「そうね・・・」
レーダーを確認しつつ周辺を見渡す。すると・・・
「敵のデーモンが・・・引いていく??」
レーダーを確認すると敵の動きが急に鈍くなったのが分かった。まるで何かから逃げるような動きだった。そうして敵が完全に撤退していった・・・
「勝ったの・・・?」
私がそう言うとみんなが喜び出した。
ふぅ・・・と、安堵の溜息が出る。
「それじゃみんな。戻りましょう。」
〜〜〜〜〜〜
その後我々は船に戻り補給を受けたのち解散した。俺はしばらく部屋でゴロゴロゆったりしていたら突然隊長・・・いや、艦長代理から呼び出しを喰らった。理由は明白だった。フェニックスの件だろうそして俺がなぜあの様な動きができたのかを聞く為に
〜〜〜〜〜
「さて、響呀くん。呼ばれた理由はわかるね?」
「ええ、自分が何故あそこまで動けたのか・・・そしてあの機体ですね。」
「そうだ・・・・単刀直入に聞こう、あの機体はなんだ。我々のデータベースにあの様な機体はないましてやデーモン級を一発で葬れる様な火力もない。あの機体はなんだ。」
俺は正直に答える事にした。別に隠す必要もないしむしろ知ってもらった方が後々楽だと思ったからだ。それにこの人は信用できると思ったからでもある。
「・・・分かりました、お話します。あの機体の名前はフェニックスと言います。デーモン級を一撃で葬った事に関しては・・・正直わかりません。引き金を引いたら敵が消えたとしか。」
「ほう、フェニックス・・・ソロモン72柱の37番目「不死鳥の悪魔」か・・・なるほど。そして、一撃で葬った事はわからないと・・・なるほど。」
「次に・・・あの動きはなんだ。まるでベテラン以上の動き方だった。何故あそこまで動けた。」
「それは・・・」
《私から説明しましょう》
腕についている装置からその声が聞こえた。
俺は腕を机の上に置き会話をさせる。
「君は・・・!?」
《初めまして、艦長代行殿私は否定系統合認識システムL.Y.D.I.Aです。マイスター響呀の戦闘サポートをしております。」
「・・・これは驚いた、戦術サポートAIとは・・・しかし、君のような高度なサポートAIは聞いた事も見た事もない。一体君は・・・」
《現時点でその質問には回答できません。極秘プロトコルに抵触します。》「そうか・・・機密事項と言うわけか。分かったこれ以上の詮索はしない事を約束しよう。それで君の目的は何だ?」《私はマスターである響呀様のサポート及び守護する事です》
「サポートと守護・・・つまり彼が危険な目にあった時に対処するという事だな?」
《その通りです》
「わかった、これからもよろしく頼むぞL.Y.D.I.A君、響呀、下がりたまえ」
《了解しました》
しばらくして入れ違いのようにケイナが入って来た。何やら報告があるようだ。
「それで・・・どうだった。」
「はい、艦長代行貴方に言われた通り調べました。戦闘データを解析した所通常の兵器と大差が無いレベルの威力が発射される瞬間破壊兵器並の威力に変わっています。これはランチャーやバルカン、ライフル全てに確認できました。それで、弾薬等を調べてみたのですが・・・」
ケイナは歯切れが悪く、一瞬躊躇った。だが意を決して報告する。
「弾薬が・・・その、規格が合わないんです。明らかに・・・装填ができないんです。」
それを聞いた瞬間彼は驚愕した、今までそんな事は無かったのだから当然だ。
「何!?ではどうやって射撃できたのだ!?」
「はい、そこは私も疑問に思いました。そして念の為再度企画を測定しました・・・そしたら・・・・どれも規格が合うんです・・・データは取ってあるので間違いありません。」
彼は驚愕していた。本来有り得ない事が目の前で告げられたのだ、無理もないだろう。
「明らかに「弾薬と武器」が勝手にそれも、自分の意思か何かで規格を変えた・・・としか・・・弾薬のサイズも変わっています。それに・・・戦闘中のデータもさらに細かく分析したのですが・・・出撃後直後の戦闘データと帰還直後の戦闘データを分析した所・・・出撃直後よりも帰還直後の方が装甲データも威力データも明らかに上がっています。明らかに・・・「機体が意思を持ち自己分析をしそして成長した」としか・・・」
「そんな馬鹿な事があり得るのか!?いや現にあり得ている訳なのだが・・・」
彼は頭を抱えていた。こんな事は初めてだった為だ。
「とにかく、調査感謝する。彼の事は引き続き見守っていくとしよう。下がりたまえ」
「了解、失礼します。」
ケイナは部屋から出て自室に向かう・・・足音が遠ざかっていくのを確認し彼は端末を開く・・・
「・・・・ゴエティア計畫・・・計畫中止、研究チーム解散、資金・資源凍結・・・か・・・はぁ・・・コーヒーでも淹れるか・・・」
そう言って彼はコーヒーを淹れ端末に戻ると・・・目を見開いた。
「な・・・!?これは一体!?」
先程までゴエティア計畫中止と書いてあったそれは「ゴエティア計畫完了、
「計畫が完了・・・?駆導者の起動待機・・・?どう言う事だ・・・待て・・・」
彼に嫌な考えがよぎる。それは
「後71機・・・フェニックスと同等・・・もしくはそれ以上の機体がある・・・?」
そう考えた時彼は背筋が凍り付いた。もし、それが本当ならば早急に確保しなければならない。仮に敵に渡ってしまった場合・・・人類に・・・勝ち目は無くなってしまうからだ。
「・・・今それを考えても仕方ない・・・が、対策は練らないとな・・・本部に掛け合ってみるしか無い・・・か」
〜〜〜〜〜〜一方その頃〜〜〜〜〜〜
「・・・・L.Y.D.I.Aいる・・・?いや・・・いないよねぇ」
そう独り言を呟く、すると・・・
《はい、なんでしょうかマイスター》
と返事が来るので思わずビクッとしてしまった。
「え、あ、いるの!?」
《?理解不能です。私は貴方の右腕に装備されてる端末に付属しています。適切な移動処理を行えばフェニックスや他の端末でも運用できますが基本的には私は貴方と共にいます。》
「あ、そ、そうだったのね・・・ははは・・・(まさか本当に会話出来るなんて思わなかった・・・それにしても・・・この子は一体なんだろうか・・・あんな高度なサポートが出来るAIなんて聞いた事もましてや開発されているというのも聞いた事がない・・・一体L.Y.D.I.Aは・・・まいっか。心強いしな!)」
そんな事を考えつつ響呀は風呂に入ろうとする。が、腕についた装置の外し方がわからなかった。
「え、待って!?これ外し方わかんないんだけど!?どうしよう!?」
《落ち着いてくださいマイスター、まずは深呼吸をしてください。そして装置の中央部分に手を触れて下さいそうすれば解除されます》
言われた通りやってみると見事に外れたのだった。そしてそのまま服を脱ぎ風呂場に入る・・・
「ふぅ・・・疲れたな・・・(宇宙から降りて来て船を鹵獲して防衛戦をして・・・・そして、フェニックスという機体に乗って・・・初陣とは思えない1日だった・・・フェニックス・・・どうなるんだろうな・・・もしかしたら、上に差し押さえられるのかな・・・まぁ、その辺りは今は考えても仕方ない・・・ゆっくり休むとしよう)」
そんなことを考えながら湯船に浸かる・・・
「はぁぁぁぁ〜いい湯だぁ・・・疲れが吹き・・・飛ぶわけないな・・・うん。」
「(そろそろ上がるか・・・)」
風呂から上がり体を拭き着替えてベッドに横たわると急に睡魔に襲われる。
「(ああ、今日はいろいろあったなぁ・・・明日から本格的な戦闘か・・・初陣として色々あったな・・・)L.Y.D.I.A、おやすみ・・・」そう言って彼は眠りについた。
L.Y.D.I.Aはそれを聞き「おやすみなさい。マイスター」と言いスリープモードへと入ったのだった・・・
導かれるようにフェニックスを起動した響呀
端末に表示された「ゴエティア計畫完了」を見つめる艦長代行
ただ、静かに佇むフェニックス
弟がウルフ隊に入り、フェニックスという機体を入手しこれからどうするかを考えるケイナ
様々な思惑や感情が交差しそして、新たな道を切り開いていく。
次回、arrive or die二百年の空白編
「紅の超兵士」
次回も見て行ってくれ!!
◇どうも。蒼淵の暁です。
快斗「アシスタントの快斗だ・・・じゃねぇんだよ。主、いうことあるだろ?」
◇そうだね。明けましておめでとうございます&進級おめでとうございます!!
快斗「違うだろ!!!!!!!!!!あけましておめでとうございますじゃねぇんだよ!!もう四月なんだわ!!!お前最後に投稿したのいつだよ。」
◇去年の10月っすね・・・・
快斗「この6ヶ月間何があった。半年も留守にして何があったんだよ。」
◇まぁ簡単に言うとリアル環境の変動のせいで小説を書く時間が極端に少なくなった
快斗「まぁ、だとしてもだ。近況報告くらいできたろ?それすらできなかったのか?」
◇「うんまぁ、そうなんだよね。近況報告すらできないくらい忙しくて・・・けどその分煮詰めることもできたよ。2、3ヶ月に一回のペースで投稿できたら・・・いいなぁ(遠い目)」
快斗「それにだ。お前さんもう一つの作品どーすんだ?」
◇あぁ、黒の剣士のマインクラフトと双翼の剣士ね。実はあれね実際にマイクラをプレイしてその状況を再現していく形で投稿していこうと思う。んで、状況的なのがMOD構成がまっったく違うのと私自身が剣より銃に興味が移り始めた。加えてバージョンは1.12.2なのよ。
快斗「つまり?」
◇タイトル変更・・に・・・なりますね。はい。
快斗「MODとかないのか?1.12.2にソードアートオンラインのMODとか」
◇あのね、快斗君。私のねMOD構成なんだけどね。メインに「ドルフロMOD」と「ゲリラMOD」加えていろんなMODを入れてるのよ・・・これ以上増やせないわ。あるにはあって見つけてはあるのよ。けどねまともに剣で戦えないっす。抜刀剣ですら雑魚的相手に死んだのよ!?無理よ!?弾幕の中を全部掻い潜っていけと!?!?戦車や戦闘ヘリ、機銃陣地が待ち構えている中に切り込めと!?!?」
快斗「わかった!俺が悪かった!!な!!そこまでにしようぜ!!」
◇「と、まぁ。いろんな事情があるんで多分ソードアート・オンラインとはついてますがほとんどガンゲイル・オンラインっぽくなりそうかなぁって感じがします。それに黒の剣士のマインクラフトは元々YouTubeで投稿されてる動画です。それをこちらが許可を取ったとはいえ完全な再現をすることはできません。それは単なるパクリですからね。あくまでYouTubeで投稿されている黒の剣士のマインクラフトとは違う。全くの別物とお考えください。この辺りの話は活動報告にも上げます。と言うわけで今回はここまでにさせていただきます。長い間お待ちしてくれた方々お待たせしました。本格的とはいえませんが活動を再開していきます。それではまたの!」
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