ポケモンを貰ったのにポケモンの世界じゃないだと… (駄文兄貴)
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原作開始前
初めに貰えるのは、御三家だよな…



 久しぶりです。





 ?????

 

「あなたは死にました」

「は?」

 

 いきなり目の前の神っぽい奴から「初手、ギロチン命中(ハサミギロチン)」ならず死の宣告をされたんだが…

 

 

 ☆☆☆

 

「あなたは死にました。ですので、転生特典つけてさっさと転生させま…」

「おい」

「…人に話は最後まで聞くものですよ。で、なんですか?ないならすぐに転生させますよ」

 

 何故だか知らんが、注意されたが…これって俺悪くないよな。

 

「いや、『転生させますよ』じゃねぇよ。なんで俺がこんなところに居るんだ?」

「?何を言ってるんですか?死んだからに決まってるんじゃないですか?」

「いや、だからその死んだ要因を…もういいや」

「変な人ですね」

 

 お前じゃい。って思った俺は間違ってないと思う。てか、なんでここまで罵倒されないといけないんだ?初対面だよ?転生させるとか言ってたから、神様なりにすごい人だとは思うけどさぁ…

 

「…そうですね。話が早すぎましたねーーですので、簡潔ですが説明しますね」

 

 どうやら簡潔だが、説明してくれるらしい。

 

「ここは、転生の間みたいなところですね。別に覚えなくて大丈夫ですよ。ここは重要じゃないんで、それで、あなたがここに居るのは、死んだからですね。死因とかは、説明すると長かったりするので、しませんが」

 

 …なんか大事なところ(死因)が飛ばされたんだが…つまり、よくある異世界転生系みたいなもんか…実感湧かないなぁ…

 

「それでですね。あなたには、何処かの世界に転生してもらい第二の人生を送って貰います。理由とかは省きますが」

 

 トントン拍子で進んでいるが、やはり転生かぁ…

 

「理解できたでしょうか?」

「…よく分からないが、おおまかな内容はまぁ…」

「なら、話が早いです。さっそくしちゃいましょう」

 

 …絶対こんなトントン拍子で進まないだろ。ほぼほぼ、ゴリ押しになってる気が…だって、俺の思考ほぼ何も機能してないもん。とりあえず死んだ程度ぐらいにしか思ってないし…って、そんなことより、

 

「なぁ、転生特典ってなんだ?いや、特典だったことは分かるが、内容とか詳細を教えてくれ。」

「簡単です。ポケモンですね」

 

 は?何を言ってるんだ。コイツは?ポケモンだと…あのポケモンだと!(歓喜の声)

 

「ポケモンって、あのポケットモンスターか⁉︎」

「はっはい…なんかえらい食いつきぶりですが…

 

 まじか、やったね。冒頭でも思ったが、俺はポケモンが大好きな人だ。と言っても、廃人とかの領域ではなく、色違いを求めたり、ただただ、バトル用のポケモンを育てたりする。まぁ、ランクマとかレートはしないし、通称エンジョイ勢みたいな人だが…それでも、知識があるなら…

 

「…何やら、変なことを考えてそうですが…最初から強くなんてしませんよ。特典はポケモンで、初めにどれかもらえる御三家ですが…」

 

 まぁ、ここまでは想定内というか、最初から貰えるのは逆に安心するな。何もなかったら、幼少期とか大変だしな。二次創作でも将来の為に、ポケモンと触れ合ったりしてるし

 

「いや、大丈夫だが、その、最初のポケモンって選べるのか?」

「当然です。ゲーム通りですよ。さぁ何を望みますか?後、最初の三匹ならどの世代のポケモンでも良いですよ。…まぁ、どうせケロマツとかヒトカゲとかキモリだったりアニメ人気やゲーム人気のポケモンだとは思いますが…その選択もいいですけど…

 

 とりあえず、今までの御三家で強そうなのは「リザードン」か「ゲッコウガ」だよな…ゲームのXYでは、お世話になったしな…でもな、それもいいけど、なんか斬新さが欲しいな…逆張りたいじゃん?俺だけかもだけど…まぁ、一度使ってみたかったあの子でいいかな?強そうだし、可愛いし。

 

「決まりましたね」

「何かな?」

 

 そう女神に振られたので、俺は答える。

 

ワニノコです。」

「……」

「えっ?なんですか?ダメですか?」

「…いや、意外って思いまして、あなたみたいにポケモンに詳しい人はケロマツだったり、ヒトカゲが多いからね。逆に君が初めてじゃないかな。ワニノコなんて選ぶのは…」

「いや、ワニノコだってサトシくん使ってますよって…待ってください…俺以外にも転生者って居るんですか?」

「居ますね。勿論、選んだ人には思い出補正だったり、ただ単純に好きって人もいますが、…それとポケモンを知らない子には、別の特典とかあげてるけど…まぁ彼には関係ないか…

 

 …なんかボソボソ喋ってたが、…転生者っているのか…俺以外にも…まぁ、先輩みたいなものでしょ。…まぁポケモンマスターとかにはなれなくなったな…それはそれでいいけど。ポケモンマスターって大変そうだし…

 

「それと、言うの忘れてたけどーー

 

 ん?まだ何かあるのか…と言うかこの雰囲気は嫌な予感がするが、気のせいかーー

 

 ポケモンの世界じゃないよ?あなたの転生先は」

「wait⁉︎」

 

 英語が出てしまったが、それどころではない。俺の考えてたことが全て消え去った。じゃあ、気になることは一つ。

 

「えっ、じゃあどこなんだよ…転生場所」

 

「『ありふれた職業で世界最強』という場所ですね。」

「待ってくれ…」

 

 いきなり、ありふれた職業で世界最強…通称「ありふれ」が転生先と言われた。終わった…というか…

 

「第一、ポケモン以外の世界だからさ、ポケモンが使えないんだが…」

「一応、異世界だよ…転移されたら、だけど、まぁそれまでは、バレないように頑張れとしか言えないね…」

「しかも、ありふれってまじもんでやばいところでしょ?神とか出るし…」

「神っていても偽神だったりするけどね。それに、二次創作でもよくぞんざいな扱いじゃん?」

「いや、それでもやばいものはやばいでしょ…」

 

 ストーリー的には、主人公が裏切られて、魔王化(覚醒)して、仲間と共に神殺しをする一種の成り上がり系だが…

 

「そもそも、なんでポケモンというほぼ日常系な世界から物騒なところになるんだよ…」

「まぁ、ポケモンの世界に転生者を集中させても仕方ないじゃん。フラダリみたいに転生者(ポケモン)が多くなっても、それはそれで大変でしょ」

「…てか、第一にありふれってポケモン出ないやん…ワニノコ一体でどうにかなるのか…」

 

 これは、正直思った疑問だ。正直ワニノコ一体では絶対に転移されて即死だな。何せ、それまではファンタジーじゃなくて現代だから、ほぼワニノコが使えないんだし…トータスの時に、レベル5とかだと思うが…

 

「まぁ、現代だったり、異世界…トータスにポケモンが出たりするのは難しいなぁ…そこのところは、考えておくよ。」

「それなら、通信交換とかの特殊進化も考えてほしいな…」

「細かいところはこっちで考えるけど…あまり特典に慢心しないでね…ポケモンの世界と違って、ファンタジーなところだし、殺しの世界だからね。」

 

 まぁ転生者と言っても、元は人間だからな。知識や経験があるだけで、限界とかはあるからな。

 

「じゃあ、そろそろ転生しようか」

「一応聞くが、容姿とか性別はどうなるんだ?」

「性別は男だけど、容姿は…ポケモン世界じゃなくて、期待を裏切ったから、それのお詫びによくしとくよ」

「そんなに、顔面偏差値が良くても、嫌だから、ブスじゃない程度で、少しイケメン系で頼む」

「了解」

 

 そういって、神は転生の準備をする

 

「…最後に聞くが、()()()()()()()()()()()()()()

「…あまりにも酷くするようなら、次会う機会に覚えていてね。でも、基本的には大丈夫。それじゃあ、聞くこともなくなったし、お別れだね。…ありがとう。そして、次の世界では良い祝福を…」

「こちらこそありがとう。じゃあな…神様かつ

 

 そういうと、段々と意識が朦朧とし、呆気なく途絶えた。

 

 

 ☆☆☆

 

 彼がいなくなった後、

 

「…あっ、いうの忘れてた…というか思い出したけど

 

彼以外にも転生者がいるけど

 

…まぁ大丈夫でしょ」

 

 しかし、女神は予想も出来なかった。彼の他の転生者以外にもさらにイレギュラーがあることを…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 神様はこの回だけのつもりですので、口調とかは許してください。

 ポケモンで思い出しましたが、最近、録画したポケモンの過去のアニメを見たんですが、まぁサン&ムーンなんですが…

 第 35話の「カレーなバトル!ラランテスの舞‼︎」なんですが、ラランテス戦でサトシくん二体使ってずるいなと思ってました。もうぬしバトルじゃなくてダブルバトルやん…しかも、モクローとニャビーと言う最強パ…そりゃ初見で突破できるよ…(5〜6回敗れた人及びアシマリ選んだ民)

 まぁ、他にも言いたいことはありますが…今回は置いといて…

 話は変えますが、最初のポケモンは、ワニノコにしましたが、アニポケ無印ではサトシのポケモンで唯一のガンテツボールのルアーボールに入れてましたっけ?
 アニポケはあまり見ないからな…ワニノコは、アニポケで決めたわけではないですよ…

 そう言った理由もおいおい話すとして…

 今回はここまで。では!
 

 


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御三家と図鑑をもらうのはハッピーセットみたいに切っても切れない関係だよね

どうも。
長文になりました…申し訳ないです…


 

 やぁ!こんにちは。ポケモンを貰ったのに別世界に転生された転生者こと「|()()() ()()()()()()() ()()()()》」だよ。女っぽい名前だが男だからな…後、苗字が何処ぞの暗黒物質(ダークマター)と同じだが関係は一切ない。*1

 

 そんなことより今、俺は五歳。ようやく自我がつきはじめて、自分でも考えて行動できるようになった。そのため、早速、特典のポケモンとご対面したい訳だが…一つ問題点がある。

 

 そう、親の存在である。ここは、ポケモンの世界じゃないからな…他人に見られたら、即アウトだからな…

 

 だったら、ペットに似た他の御三家を選べよ…と言う声もあるが、確かに、ニャビーとかモクローとかならワンチャンあるかもだが…結局はポケモンだからな…品種は何というんですか?とか聞かれたら、終わりだし…何も知らない親にどう説明すれば良いのか…まぁ一人で自立まで対面は預けておくのも手だが…まぁ…ポケモンじゃん?一刻でも早く会いたいじゃん?ポケモンの世界じゃないとはいえな

 

 じゃあ何故、危なさそうなワニノコを選んだか…そう聞かれたら、まぁメジャーじゃないからというオタク特有の逆張りもあるし、ビジュアル的な見た目がすこだが、一番はゲームでお世話になったからな…HGSS*2でチャンピオン戦をぬるゲーにさせたからな…*3

 

 まぁ、結局の決め手の一手は思い出補正なんすよ。二次創作とかの多くは、カントーとかが多いからヒトカゲとかだし、一般家庭のやつだったら、好きなポケモンとかあるから。逆に考えれば、種族値的にも高い初心者ポケモンである御三家はなんやかんやチートみたいなもんだしね。

 

 で、話を戻そう。自我を持ったので、部屋中モンスターボールを探したんですよ。よくある机の中にモンスターボールとかがあるじゃないですか…そしたらですよ…

 

 …何もなかったんですよ。いや、当たり前だけどさ、机の中開けたらモンスターボールとか普通に考えて怖いし…

 

 まぁ、そのうち貰えるでしょ(脳筋思考)とりあえず、今は将来を見越して体を鍛えるぞ。(唐突な話題転換)とりあえず父さんに走り行こうと伝えることからだな

 

 

 ☆☆☆

 

 はぁ…はぁ…めっちゃ…疲れた…それと、父さん…いきなり昼過ぎに「外で遊ぼう!」と言われたから困惑してたな…なんか申し訳ない…

 

 まぁ兎にも角、今回は近くの公園まで行って、遊んだからな…と言っても遊具とかで遊ぶのは何かと恥ずかしさを感じるな…まぁ今は純粋な五歳だからね…中身は廃人のように腐ってるが…

 

 さて、話は飛ぶが、もう夕飯やら風呂に入り、就寝の時間だ…と言っても一人なんすよね…寂しい…ちなみに親は、仲良く二人で寝てますよ。おい、子供を見ろよ…

 

 と言ってもね。転生者特有の小さい頃は大人しかったとかあるからね。俺もその一つでどちらかと言えば大人しいしくしてるからね。

 

 少し語ってしまったが、今日はいきなりとはいえ、公園で遊んだからな…眠気が来てるんで…では、おやスミー…

 

 

 ☆☆☆

 

 ほのかに、懐かしい感じがする…それと同時に目が覚める。するとまず目に入ってきたのは…青空だった。

 

 は?と思うが、俺にもなんなのか分からなかったが…すぐに「」ということを理解した。

 

 ということは、ここから先は夢であって、現実ではないということ、その証拠に何故か声も出なくなっていて、自然とこの状況に慣れているのが今の状況だ。

 

 さて、起き上がると目の前には謎の小型の箱と手紙が添えてあった。周りは、木がいっぱいで、森のようになっている。何故かここら一帯だけ、何もない土地が広がっている。

 

 俺は、目の前の箱と手紙には今の状況と何か関係してるのだろうと思い、箱と手紙の方に向かい歩く。周りからは、なんの視線も感じず、逆に不安を煽られるが、何も起こらずに箱の前に立つ。

 

 何が入っているか気になるが…とりあえず手紙から見ていく。

 

 『これを見ていることは、自我をようやく持ちましたか?あっ煽ってるわけではありませんのでお気になさらず…ーー

 

 書き出しから見たくなくなった。はぁ…この煽りの書き方は神様だな…

 

 『兎にも角にも、貴方の転生特典ですが…?…まさかですが、部屋中探してませんよね…?』

 

 ⁉︎何故バレてるんだ⁉︎まさか…転生者はみんなポケモンを探すために、部屋中を探し回ってるのか?*4

 

 『貴方の行動がどうであれ咎めませんが、流石にポケモンもいない世界にポケモンを送るなんてことはしません。ですので、今ここに転生特典を与えます。どのように使っても貴方の自由ですが、これだけは言っておきますーー』

 

 と書いてあったため、次の言葉を見る。

 

 『ポケモンとはいえ生き物です。絶対に粗末に扱わないように…自分だけが使えるからといって、変な使い方…売買などロケット団のような行為をした場合…どうなるかわかりますよね…?』

 

 などと先程とは筆圧の違う文字で書かれていた…正直怖いと思ったが、まさに、その通りだ。

 

 ましてや、自分は転生者、原作を壊しても良いと一応、保険をかけたとはいえ、転生特典や知識に頼っているから、それがなければ周りと同じ…いや、それ以下になる…そんな中、縋り先の一つのポケモンたちをこの手で壊してはいけない。それは、自分が一番わかっている。絶対にそんなことはしないようにしようと心に決める。

 

 『理解の方が出来たら、特典をお取りください。勿論、ポケモンたちが大丈夫と通じた場合は、無理をさせたりしても構いませんが、あくまであなたはトレーナーということを頭に入れてください。そしてこの文を読み終えたらこの紙の文は消えてしまいますが気にせず…最後になりますが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 そう終わると先程まで、書いてあった文がまるで最初からなかったように白紙になっている。

 

「…あっあれ?声が出るようになってる?まぁ神の力があって声が出せなかったのかな?まぁどうでも良いか…さて、いよいよご対面だ…みんなポケモンをもらうときは、こんなドキドキするのかな?」

 

 さて、いよいよご対面の時だ…声も出せるようになったし、リアクションも取れる。箱を開けるとボール…「ルアーボール」が入っていた。ワニノコと言えばルアーボールだからアニメ意識かな?と思いつつ、手に取る。

 

 中に入っているポケモンが分かっているとはいえ、何故か緊張とも言えるように心拍数が多くなる。

 

 さて…

 

「出て来い!」

 

 ボールを開けると謎の光が出て、徐々に体をつくって、姿を表す。

 

「ワニワニ!」

 

 あの声だ。ゲームやアニメの声でしか、聞けなかった声が今聞こえる。声が聞こえた方を向くと水色の体で、ワニの姿をしているのに二足歩行をしているという生き物。ワニノコだ。

 

「…本当にワニノコだ…バーチャルとかじゃなくて現実だ…」

「ワニニ?」

 

 ワニノコは首を捻り、疑問浮かべているが、それ以上に今の俺は興奮状態だ。

 

「あ…あのだな…は、はじめまして…俺は、君のトレーナーになる…音波だ…つまらないものだが…よろしく…」

 

 緊張もあって、途中で止まったりしたが、自己紹介する。ヤレユータンとか知的なポケモンに今の自己紹介をすれば、速攻見下されると思うが…

 

「ワニワニ!」

 

 まさによろしくと言わんばかりが鳴き声をあげる。ひとまずは、これで大丈夫だ…

 

「そっ…それでさ、早速目標があるんだけどさ…良いかな?」

「ワニ?」

 

 もう一度首を捻るワニノコ

 

「俺は、お前には生きてほしい。勿論、強くなってほしいが、無理をして体を壊したりしたら…いやだからな…我儘なことは分かっているが…お願いだ…」

「……」

 

 そう言って、返事を待つ。陽気なイメージで普段から騒いでいるイメージのあるワニノコが静かになり、考える。…初めてあって間もないのに、こんなに考えてくれるとは…やっぱり改めて思う、データ上のものではなく、はっきりとした生き物なんだな…

 

「……ワニ!」

 

 分かった!と言わんばかりに、声を上げるワニノコ。

 

「…ありがとな、そして、よろしくなワニノコ!」

「ワニワニ!」

 

 挨拶の握手のために手を出すと見よう見まねで発達していない手を出してくる。…少なくとも、俺の願いは伝わったな…ここは、ゲームやアニメの世界じゃないからな…ひんしとかはわからないが、なるべくさせたくないな…勿論、厳選なんてもってのほかだがな…

 

「さて、これからどうするか?」

「ワニワニ?」

 

 さて、挨拶というか志しというか…そんな臭いことをやったわけだが、次は何しようかなって…

 

「…なんだ?これ?」

「ワニワニ?」

 

 ふと、目の前にポケモン図鑑みたいなものが現れた。どうやら箱の中に入ってたそう。

 

『はじめまして』

「うぉ!喋った!」

「ワニ⁉︎」

 

 突如として喋る図鑑みたいなものに対して、驚く俺とワニノコ。

 

『私は、名も無き図鑑。ただの図鑑です。』

「…絶対…嘘だな…」

『そして、用件ですが、ワニノコとこの場所についてです』

「ワニノコとこの場所について?」

「ワニィ?」

 

 オウム返しをする俺とただ単純に自分の名前を言われて疑問を出すワニノコ。

 

『まず、ここはですが、あなたが夢の時だけ入れる空間です』

「つまり、「ハイリンクの森」的なものか?」

『具体的に言えばその通りです。別に呼び名とかは好きのように』

 

 ハイリンクの森。それは、bw又は、bw2*5の要素の一部であり、今では使用できないが、ポケモンドリームワールドというポケモングローバルリンクから行くことのできるインターネットの世界で、夢の世界でミニゲームをしてポケモンと仲良くなり、その後、ゲームの世界に送ることもでき、その時の送ってゲームで捕獲する時にハイリンクの森で捕獲が出来る。

 

『ハイリンクの森みたいなものですが、中身は全然違います』

『まず、この森にもポケモンが出ます』

「何だと⁉︎」

『ええ。これが、唯一のポケモン捕獲の方法です』

 

 この森にも、ポケモンが出るのか…まぁ考えるとそれが妥当か。他にどうやってポケモンを出すかって話になるし、

 

『次に、あなたのポケモンのワニノコについてです』

「ワニ?」

『単刀直入に言いますが…ワニノコは現時点ではこの世界から主人の世界には行けません』

「ワニィ⁉︎」

「だよな…てか、言葉わかるのか」

『一応、全ポケモンの言語が自動的に翻訳されてそのポケモンの言語に勝手に翻訳されます』

 

 化学の力って凄いっと思いつつ、ふと思う。あれ、俺まだこの世界の人間じゃないって言ってなくない?…そう思ったのも束の間…

 

「ワッ!ワニワニ⁉︎」

 

 まるで、「どういうこと⁉︎」って言ってるように語りかけてくるワニノコ。ふむ、一からちゃんと教えるか…

 

 〜少年説明中〜

 

 

「…つまり、俺はこの世界の人間じゃなくて、今ここにいるのは、寝ているから来れてるのであって…ごめんな…」

「ワニィ…」

 

 説明をするが、凄い落ち込んでいる。そりゃそうだよな…初めて、主人ができたのに、中々会えないって…

 

「なぁ…図鑑。俺がこの世界にこれる方法ってのは無いのか?さっき「現時点では」とか言ってたし…」

『まず、考えてあなたが寝ている間にこれる。これは確定ですね。他には、今の所は思いつきませんが、あなたが成長したりすれば、ゲームの通りいつでも入れたり、もしかしたら、あちらの世界にワニノコを連れて行ったり、出来るかも知れません』

「可能性がゼロじゃないだけ…まだマシか…まぁでも考えたら、これが俺たち以外にバレない方法の中でも安心策だよな…」

『代わりにですが、こんど来ましたら、遊べるところも増やして置きますよ』

「本当か⁉︎」

『ええ、と言っても最低限ですが、具体的には、「ポケリゾート」の施設を想像してくれれば』

 

 ポケリゾート。ポケットモンスターサンムーン又は、ウルトラサンムーンで行ける無人島でポケモンの遊び場みたいなものだが、その施設一つ一つが素晴らしく、温泉だったり、アスレチックで遊べたり、洞窟探検が楽しめるスポットだったり、きのみやポケ豆などを育てられるなど一つ一つの施設が意味のあるものであり、ポケモンが楽しめられるようなものになっている。

 

「ワニワニ!」

『どうやら、大丈夫と言ってるようです』

「ありがとう!それと、ごめんな…」

「ワニワニ!」

 

 俺が謝るとまるで「気にするな」と言わんばかりにドヤ顔で手を胸に二度あて、任せろみたいなことをしている。可愛い。

 

『では、決まったようですね』

「ありがとな、ワニノコ」

「ワニィ!」

「ーあ…あれ、段々意識が薄くなってたな…」

「ワニィ?」

『どうやら、そろそろ眠りから覚める時のようですね』

「…もうそんな頃か…一旦、お別れだな…」

 

 段々と夢から覚めるような…そのような感覚に襲われる。

 

「ワニィワニィ!」

『バイバイっと言ってるようですね。では、こちらもまたお会いしましょう』

「あぁ、またな!」

 

 そう言って、短い手を振るワニノコと音声を出す図鑑に対して、こちらも手を振り返す。そして、俺はこの夢の世界から元の現実に戻ろうとした。これが、俺とワニノコ+図鑑?との出会いだった。

 

*1
某帝督さんは好きですが、本作品とは一切関係がございません

*2
ポケットモンスター ハートゴールドソウルシルバーの略称

*3
カイリュー三体?飛行統一相手はこおりのきばで余裕…チコリータを選んだ方は…まぁドンマイです。ヒノアラシ?語ることない…ヒノアラシファンの方々申し訳ない…

*4
そんなことは決してない

*5
ポケットモンスターブラックホワイト又は、ポケットモンスターブラック2ホワイト2の略称




 知ってるか?この会話全て五歳の会話なんだぜ?
 それと、前回、神様登場しないって発言したのに対して、今回登場してしまいました…申し訳ございません。

 と言っても、容姿とかは書いてませんし、なんなら性別も一切書いてませんので…口調は…その…気分によって変わるとか言うご都合主義設定で…(必死の言い訳)

 それで、ポケモンの図鑑の設定ですが…(急な話題転換)
 イメージとしては、オメガルビーアルファサファイアの図鑑+XYのホロキャスターみたいなので…

 それと、作者はポケモンスタジアムなどのサブ作品はやっておらず、ほぼサンムーンなどしか分かりません。サブ作品でやり込んだのは、3dsのポケモンスクランブルですかね…ポケとるとかポケモントローゼもやってました。
 最近はミミッキュの色違いを出して絶好調ですが、テストが近づいてきたので二週間ぐらい書くのは一旦辞めようと思います。その後も、少し用事があるので…具体的には六月下旬頃から書く予定です。

 後、オリ主君の名前とかも適当に決めてます。何の伏線とかもありません。…フラグじゃないからね…

 忘れてましたが、自分はワニノコがお世話になったとは言いましたが、ヒノアラシ君はクリスタルで使ってますね。バクフーンがかみなりパンチ覚えるのが優秀。自分はオーダイルで、ワタルを倒しましたが、まぁ多分皆さんはストーリーでゲット出来る色違いギャラドスとか使って倒してるのかな?後はラプラスとかかな?

 と言うか、次は中村恵里と絡ませたいけど…どうしようかな…まだ決めてないけど…自分は個人的に好きなキャラだから優遇したいけどな…でも、ヤンデレかメンヘラぽっくいつも書かれているからな…何やかんや扱いが難しい人…

 長く書きましたが…今回はここまで。では!


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エリリンが出るだと⁉︎さらに幼少期⁉︎…グフッ

テスト終わった〜と思ってたら、またテストってま?


 

「音波?もう朝よ?」

「…はーい」

「朝ご飯出来てるからね」

 

 目覚めの一声は母の声だった。重たい目を開けると先ほどまでいた夢の世界とは一転して、現実に戻ってきたんだなと実感する。何気ない返事を変えると、母はリビングの方へ戻っていた。

 

「…はぁ朝か…」

 

 今は朝七時。本来なら五歳のため幼稚園なり保育園などの幼児施設に行ってるべきだから、今日は土曜日ということで、休みというわけだ。そのため、本日は何をしようかと悩んでいる。しかし、その前に朝食だな。そう思い、俺は着替えてリビングへ向かう。

 

「そういえば、あいつ飯とか食わなくて大丈夫なのか?」

 

 

 ☆☆☆

 

「…また昼からお酒?父さん?」

「…何処から覚えてきたんだ、その言葉…というか飲まん‼︎」

「そう言って、アルコール中毒になるなよ…父さん」

「アルコール中毒って…何処から覚えてるんだ?…父さん、息子が怖いよ…」

 

 今現在、俺は父さんと買い物をしている。経緯は、なんか知らんけど父さんが母にパシリにされてて、一人じゃ寂しいからと…これが朝食の風景なんだぜ?まぁ母は強しって言うしね。

 

 そんな中で軽口を言っていると、交差点に来た。車はあまり通っておらず、本当に交差点か?っていう程、車な音が全くしない。しかし、赤信号のため待機する。

 

「…何で土曜日から親父…父さんと二人で買い物しなきゃいけないんだ…」

「…息子よ…聞こえてるぞ…というか、五歳の息子が父さんの事を親父って…」

「まぁ家にいるよりかはマシだけどさ…」

 

 そんな軽い雑談を親としていると、後ろの方から人が来る。

 

「.…何で赤信号で止まるの?パパ?」

「それはね、"恵里"、今は車が走ってるからだよ」

「ふ〜ん。でも、今は車通ってないよ?」

 

 …どうやら、俺らと同じ子連れの父親らしき人だ。その子供は女の子のようで、"恵里"と呼ばれているから、そういう名前だと思うが…

 

「…ああいう純粋な子供が欲しかったけどな…父さん…」

「聞こえてるぞ、親父」

 

 しかし、見た感じいかにも"飛び出しそうな雰囲気"をしてるな…って、あの子“中村恵里"じゃねぇか⁉︎何で気づかなかったんだ⁉︎俺⁉︎いや、このままでは不味い!今すぐにでも、止めなければ⁉︎

 

 そう言ってるのも束の間、その女の子が飛び出しそうになった。

 

「⁉︎おい、何してる⁉︎」

「えっ?」

 

 女の子が素っ頓狂な声をあげるが、関係ない。咄嗟のことだったが、すぐに彼女の腕を掴んで、歩道の方に引っ張る。その瞬間、車が目の前を通過する。

 

「危ねぇ…危ねぇ…セーフ」

「えっ、えっ⁉︎」

 

 女の子は何があったのか分からず、混乱している。そりゃそうだ、父親らしき人も何があったのか分からずに慌ててるが、すぐに状況を理解したのか、女の子に駆け寄り叱りつける。女の子は訳がわからず、ただただ状況が分からず、怒られていた。

 

「てか、父さん何ボーッとしてんだよ…前で飛び出しが起こったんだぞ。大人でしょあんた」

 

 と言いながら、いつの間にか青信号になっていた信号を渡る。親父は、何があったのか分からず、ボーッとしていたので、勝手にスーパーに行ってたが、後から追いかけてきた。

 

「はぁ…はぁ…息子…はや…いぞ…少し…休憩させて」

「スーパー入れば、涼しいんだから行くぞ」

「息子が鬼畜すぎる件について」

「そんなこと言ってるなら、余裕だな…さっさとビールと酒のつまみ買うぞ」

「だから、昼から飲まん‼︎というか、さっきの子の親が探してたが良いのか?親としては、父さん不甲斐なかったが」

「…別に行ったところで…ただの恩着せがましい人って思われるし、ただの偽善行為だから…というか、不甲斐ないと思ってんならさっさとシャッキとしろや‼︎」

「…本当、父さん、息子が怖いよ…」

 

 

 ☆☆☆

 その日の夜。

 

 今日も、夢の世界に来たが…どうやら昨日の森のような場所ではなく、広い島が広がっていた。

 

 目の前には、どでかい木…ポケマメの木が立っている。それ以外には特に何も無い。

 

「なんだ…ここ?いかにも、"のびのびリゾート“みたいなところだが?」

『その通りです』

 

 ふと、何処かから図鑑の声が聞こえた。

 

『というより、ポケモンは出さないんですか?』

「えっ?」

『ここは夢の世界ですからポケモンは出せますよ。腰のところにボールがありませんか?』

 

 図鑑に言われたので、腰の辺りをチェックするとボールがあった。…気づかなかった…とりあえず、一日ぶりの再会とする。

 

「ワニノコ出て来い」

「ワニィ‼︎」

 

 本当に昨日悲しんでたのかと思う程、陽気な声を上げるワニノコ。そんなやつだが、目の前のポケマメの木を見ると一転、「なにこれっ?」みたいな顔で、木を見つめる。

 

「早速だが、説明宜しくお願いします」

『そうですね。では、早速説明しますねーー

 

 話の要点を纏めるとこんな感じだ。

 

 目の前の木はゲーム通りののびのびリゾートにある木と同じで揺らせば、ポケマメが落ちてくる。また、落ちて来なくなったも、翌日にならば、復活しているらしく、このポケマメがポケモンたちの飯ということ。つまり、夢にいるポケモンはこのポケマメを食べるから、食事管理とかは大丈夫らしい。

 

 そんなご都合の聞いた説明を受ける。

 

「というか…ポケリゾートの施設を開発してくれてるんじゃなかったのか」

『私は、ポケリゾートの施設を全て建てておきます。とは言っておりません。*1原作通り頑張って開発してください。』

「待ってくれ。その場合、ポケモンとかポケマメをたくさん集めないといけないが…そもそも、前回、ハイリンクの森らしきところにポケモンなんて一切居なかったが?」

『前回の所はですね、チュートリアル的な所ですからポケモンなんて居ませんよ。ポケリゾートの開発に関しては、ポケモンの管理も難しそうなので、ポケマメを一定数集めれば、開発できるようにしときます』

「優しいのか…優しく無いのか…」

 

 そんな事を呟いているとワニノコがポケマメの木に向かって走り出す。

 

「ワニィ!ワニィ!」

「こら、ワニノコずるいぞ…かっけこなら負けんからな」

『先程までの話はなんだったんでしょう…』

 

 なんか図鑑に飽きられているが、無視だ無視。

 

 ちなみに、この後ポケマメを集められる分だけ集めた。数にして、70個程。感想は、揺らすだけなのに、結構落ちてくんだなと五歳なのに揺れる木は一体?と思った。ポケマメの味は完全にマーブルチョコっす、普通に美味だった。それと、ワニノコの食べる姿なんてめっちゃ可愛かった。あんな一生懸命食べる姿は見てて和む。

 

 そんなこんなで、俺とポケモンの二日目は終わった。

 

 

 ☆☆☆

 

 六歳になった。

 

 今現在は、夕暮れ時。ましてや、六歳ぐらいの俺は、家に居ないといけないが、親父曰く、

 

『もう、息子といると疲れるよ。特に日課となってるランニングが。だから、走ってきてもいいが、必ず六時前には帰ってくる事。それと、息子は大人を通り越してよく分からない人だが、警察事とか、犯罪には巻き込まれないようにしてくれ…』

 

 っと、親とは思えんぐらいに放置されてた。仕方ないね、六歳の息子に親父とか言われてるからね。逆にその方が毎日ランニング出来て楽しいし。

 

 という事で、もうすぐ五時になるので、そろそろ帰ろうと家に向けて走る。

 

 帰り途中の橋を渡ろうとした時、橋の防護柵付近で黒髪の女の子が不審な行動をしていた。まるで、橋から飛び降りようと…って、ちょっと待て⁉︎俺は、今なんて思った?()()()()()()()()()()()()()()だと?よく見たら、中村さんやんけ⁉︎これは不味いですよ⁉︎(キャラ崩壊)

 

「…なにしてんだ?お前?」

 

 そう声をあげると、彼女も気付いたのかこちらを向いてくる。完全にブラックな面出てる…ヤベェ…めっちゃ怖い…

 

「…何かな?放っておいてほしいけど…」

「橋から自殺しようとしている方をそのままにしておくのはよくないだろ…倫理観的にも…とりあえず話だけでも聞いてやるよ…」

「…私は別に話ことなんてない…「無いならなんで飛び降りようとすんだよ…」…」

「…いいよ。少しだけなら…」

 

 渋々だが、とりあえず、なんとか話をすることが出来たが…

 

 

 

 

これ、どうやって説得すればいいんだ?(何も考えてない)

 

 

 

 

 

 

 

*1
書いてる途中に2話を見てきましたが、本当に『最低限ですが』っと書いていた。過去の俺ありがとう。




先程の誤投稿はすみません…

急いでいたので申し訳ございません…


《一部オリ主の台詞を編集しました。勝手ながら申し訳ありません。》


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【他者視点】救世主

 お久しぶりです。投稿が遅れてしまい申し訳ございません…理由としては、昨日まで蕁麻疹が出て安静にしてただけですが…

 申し訳ないですが、今回はポケモン要素は無い(無慈悲)


 

 私はいつから幸せだと感じていたのだろう。だから、あの選択をしなければならなかったのだろう…

 

 

 ☆☆☆

 

 私は、少し特別な家庭で生まれた。その理由は親だ。

 

 お父さんは私を愛し、お母さんも子供である私と同じぐらい愛してくれる程、人間として…親としては何も言うことがないどころか、私と親身になって遊んでくれる程優しかった。

 

 しかし、問題はお母さんだった。普段は穏やかな性格で、お父さんがいる時だけは、笑顔が眩しかったし、優しかった。しかし、お父さんが仕事で居なくなると、お父さんがいる時のようなあの笑顔も消えて、私には一切興味のない顔を見せた。私を愛しているのは夫の子だからみたいな考えが小さかった私にも分かるほどだった。

 

 いつぞやか聞いたお父さんの話によると、お母さんは元々いい所のお嬢様だったが駆け落ちしてお父さんと結婚したらしい。それは、お母さんの実家とも縁切りする程だったらしい。そのため、お母さんはお父さんに私でも引く程、依存していて、外で食事をする時は食事が美味しく無くなるほど、いつもイチャイチャしている程だ。

 

 それでも良かった。お父さんが居たから…

 

 そんな日常も…そんな私の楽しさも消えていった…

 

 

 ☆☆☆

 

 今日は土曜日。今日のお母さんはご近所さんと料理の勉強をしているから、お父さんが何処かに連れていってくれるらしい。それには、普段から感情を表に出さない私も今日という日に興奮を抑えきれない。

 

 何処に行くのかな?楽しいところかな?と思いつつお父さんと手を繋ぎつつ歩きを進める。

 

 そして、歩きを進めるうちに交差点に出た。そこには、私と同年代くらいの男の子とその子のお父さんらしき人が信号待ちをしている。どうやら、赤信号のようだ。幼稚園では、赤の時は止まって、青になったら進もうと言われているが…

 

 今日の私にとって、信号待ちをしている程時間は無い。しかも、車もあまり通ってないし、

 

「.…何で赤信号で止まるの?お父さん?」

「それはね、"恵里"、今は車が走ってるからだよ」

「ふ〜ん、でも、今は車通ってないよ?」

 

 幼稚園で教わったのと同じ通り"赤信号は渡ってはいけない"と私に言うお父さん。

 

「…ああいう純粋な子が欲しかったけどな…父さん…」

「悪かったな、親父」

 

 隣の人達は何か喋っているけど、関係無い。私はお父さんの言ったことを無視して信号を渡ろうとする。隣の男の子は私の顔を見ると"あっ⁉︎"と何かを思い出したような顔をしていた。

 

 それが、この後後悔するなんて思わなかった…調子に乗らずお父さんの言う事を守れば良かったと思う事を…

 

 

 

 咄嗟のことに周りは何の対応も出来なかった。お父さんは、何か起こったわからず、握っていた手を離していた。

 

 横からものすごいスピードで走る車が来ていることも知らずに…

 

 一瞬、何が起こったのか分からなかった。また、スローモーションとなっている気分だったが、今の状況を直ぐに理解した。

 

 私はここで轢かれて死んじゃう…のだと…

 

 そう思っても、車は待ってくれない。そして、轢かれると思った瞬間、

 

「おい、何してる⁉︎」

「…えっ?」

 

 素っ頓狂な声を出したのも束の間、誰かに肩を掴まれて、後ろに戻された。その瞬間、目の前でものすごいスピードで車が通過していった。

 

「危ねぇ…危ねぇ…ギリセーフ」

「えっ、えっ⁉︎」

 

 私は、隣にいた男の子に肩を掴まれて、轢かれずに済んだ。私が、混乱の声を上げているが、男の子は安堵の声を上げている。

 

「…赤信号で飛び出すと轢かれるって習わなかったか?…次から気を付けろよ」

 

 男の子が私に対して言ってきたが、ハッと理解したお父さんが私を怒鳴っていた。

 

「恵里‼︎危ないじゃないか‼︎なんで飛び出た⁉︎」

「…ごめんなさい」

「ごめんなさいじゃ済まされないぞ‼︎もし男の子が助けてくれなかったら、ただでは済まされなかったんだぞ‼︎」

 

 そこからは、一時間ぐらい説教が続いた。とても悲しかった。いつも優しかったお父さんが怒っているのは…でも、それ以上に自分がした過ちを理解した。本当に死ぬところだったと言う事を…ちなみに、さっきの男の子はいつの間にか何処かに去っていた。

 

 けれども、その後のお父さんは、怒りすぎてごめんねと言ってくれた。その時はただただ謝ってくれただけだと思っていたけど、実際私は謝って済まないことをしていた。…その事に気付くのはすぐだった…

 

 

 

 

 ☆☆☆

 

 その後の私の生活…日常は変わっていった。

 

 そう、お母さんの私を見る目が変わり、前よりも無愛想に…まるで大切な人を殺そうとしたような人を見る憎しみの目をするようになった。

 

 お母さんがお父さんと一緒にいる時は、今までと変わらない母の目、でも、お父さんが居なくなるとあの目になる…

 

 

 

 

 また、怒鳴ってきた…ただただお父さんにサプライズをしようとしただけなのに…あの時の目はまるで『また奪うつもりなの…私から?』という実の子供に向けるのかというレベルで、見てた…いや、()()()()()()()

 

 

 

 

 

 …お母さんの見る目だけではなく、遂に言葉に出して来た。「なんで…奪うの…?」だの「人殺し…」だの…私が何したって言うんだ…‼︎ただあの時浮かれてて、お父さんを殺めようとした…してしまった…でも、お父さんは謝ってくれた…お父さんは大丈夫、次から気をつけでねって…私は謝って反省した…それからお母さんのために、余りお父さんに構わなかった…だから…だからさーー

 

 

 

 …子供の私は後何をすれば許してくれるの…お母さん…‼︎

 

 

 

 …

 

 私がお父さんを殺そうとした時から一年が経った。今は夕暮れ時、そんな中私は橋の手すりを掴んで今の気持ちを思う…

 

 

 

 …もう子供の私には限界だ…どうやら周りからも変わったような雰囲気という理由に誰も近付いて…誰も助けてくれなかった…まぁ、助けてくれるのは望見過ぎかな…?…だって、私は女の子だもの…夢見てもいいよね?

 

 お父さんごめんね…あの時私のために叱ってくれたのに…私に生きるチャンスをくれたのに…そのチャンスも無下にしちゃうけど…でも、楽しかった…短い時間だけど、楽しいと思えた。家族という温かさを知れた……‼︎

 

 だから、お父さん…先に逝っちゃうけど…私が居なくなっても、お母さんを笑顔に…幸せにしてあげてください…

 

 お母さん…今まで、ごめんなさい…‼︎私のせいで幸せを奪っちゃって…だから、私は居なくなるから…お父さんと一緒に幸せに暮らしてください。何も出来なかった不甲斐ないお父さんとお母さんの子の願いです…

 

 そう思い、手すりから下を見る。川と河川敷が見える。河川敷には幸運にも遊んでいる人は居ない。このまま橋から落ちれば終わる、全てが終わるーーはずなのに…

 

「ッ…」

 

 いざ落ちるとなると自然と恐怖心が出てきた。当たり前だ。まだ六歳程の子供が自分の意志で死を選ぶことなんてそうそうない。そのため自殺をするのを戸惑ってしまった。

 

(なんで…踏み出せないんだ…⁉︎後一歩…後一歩なのに…⁉︎)

 

 そんな彼女は周りを見てなかった。必死に一歩を踏み出そうとする彼女に近づく人影があったことを…

 

 

『…なにしてんだ?お前?』

 

 その声は何処かで聞いたことのある声な気がした。声のした方を向くと、今まで走ってたのだろうか、私の自殺を止めようとしたのかこっちに向かってくる私と同年代ぐらいの男の子がいた。気のせいか、何処かで会ったのか面影のある顔だった。

 

 

 

 ☆☆☆

 

「…そうか、お前のお母さんは酷い人だな」

「…簡単に言わないで!そんな薄ぺっらい言葉で纏めないで!私の…私の味わった気持ちなんて…あんたに分かる訳ない!」

 

 目の前の彼は口調を変えのっぺらぼうに僕の今までの境遇を一言で纏めやがった!

 

「…じゃあなんで相談しなかったんだ…」

「出来るならしたよ!…でもそんなことしたら…お父さんにまで酷い人って思われちゃう…じゃない」

 

 今でも限界なのに…お父さんにまで嫌わられたら私はもう…

 

「…違う。そういうことでは無い」

「…?何が違うって言うの?」

「お父さんじゃなくても相談する人は居ただろ…園とかの先生だったり、一番は警察に言えばよかったじゃないのか?」

「…⁉︎」

「…お前の話を聞いてたが、考えが浅すぎ…もう少し周りを見て頼れよ…まっ、今のお前に言っても無駄だが…」

「…」

 

 完全に盲点だった…確かに彼の言う通り警察や先生に言えば終わりだったかも知れない…でも…

 

「そんなこと言っても、これ「子供が何言ってるんだ?とか思われる…だろ」なっ⁉︎」

「まっ確かにそれも一理ある。警察がいきなり子供に「お母さんが虐めてきます」とか言われても困るだけだからな…」

「なら…」

「だけど、事情とかは聞いてくれんじゃねえのか。そもそも、実の子をそんな扱いをしてる時点で家庭内暴力とかじゃない?」

「…」

 

 彼の言う通りよく先生やお父さんが友達を虐めたり、暴力を振るったら駄目だよって言ってた。でも…それでも…

 

「じゃあ何をすれば良いんだよ⁉︎」

「…」

「ただ、言ってるだけじゃなんも変わんないじゃん!」

「…」

「私だって考えたよ…⁉︎でも無理なんだよ…子供の私には…そんな簡単に…」

「…」

「…ねぇ…お願いだよ…」

「…」

「私を…助けてよ…」

「…」

 

 なんで目の前の彼に言ってしまったんだろ…私と同じぐらいな彼にこんな話をして…でもすぐに分かったーー私は助けて欲しかったんだ

 

 そう思うと今までの私の言葉に全て納得する。そっか…私も女の子だから…夢見ちゃってたのか…ロマンだよね…女の子を助けに来る王子様って…

 

「ごめんね…急にこんな話しちゃって…「まて」…?」

 

 急に彼の声がした。

 

「済まない…今の俺にはそんな重大な事をどうにか出来ない…本当に済まない…」

「…「でも」…?」

 

 そう言うと彼は一息置いて口にする。

 

「迷惑かも知れないが、俺はお前を救う…とまではいかないがどうにかその負荷をなくす方法を探すよ」

 

 その時の彼の表情は覚えてない…でも…とても人間味のある顔をしていたのは確かだった。

 

 

 

 

 ☆☆☆

 

 彼に助けを求めた後、お母さんの態度が一転して、今までのお母さんとは思えない様な態度になっていた。ありえないと思っていた。その事を彼に話すと、

 

「…俺は何もやってないんだよな…正確には俺の父さんのおかげだよ」

 

 と自分はまるでやってないと卑下した態度で私に言ってきた。確かに彼の言う通り彼のお父さんが助けてくれたのなら()()()()を伝えるのは違うと言うかーー間違っていると思う。

 

 それでも、もしあの時自殺を止めてくれなかったら、この出会いは無かったのかも知れない。それに私の重い話をちゃんと聞いて、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。正直女の子からしたら少しダサい様に感じるかも知れない…けど私はそれに助けられたーー救われた

 

「…なんだお前?そんなニコニコして…前自殺しようしてた前のお前とは大違いだな」

「なんでもないよ〜…って、それより私の名前は恵里って名前があるからちゃんと名前で呼んで‼︎」

「…呼び方なんてどうでもいいだろ…「良くない‼︎」…お前はお前なんだからよ」

「…そんなに言わせたかったらそう呼べる様な存在になって見ろよ」

「…えっ⁉︎」

「ま、言葉の意味は自分で考えるだな。…取り敢えず今は中村と呼ぶよ…お前だと流石に分かりずらいからな」

「…中村って苗字も多いと思うけど…」

「それを言われたらなんも言えねぇ…お前よりかはいいだろ」

 

 彼に名前を呼ばれられる存在…どんな存在なんだろう…やっぱ大切な人なのかな?それとも…ってなんで私こんな事考えているんだろう⁉︎

 

 でも、やっぱり彼に名前を呼んで欲しいな…と思う私がいるのも事実…ふむ…ぐへへ…

 

 はっ⁉︎いけない変なところを出してしまった…反省…反省…

 

(…なんでこいつ急に微笑んでしゃんと凹んでるんだ…情緒不安定な人か?…いや、原作で勇者に対してこんな暗黒面とか出してたな…余り近寄らんとこ)

 

 一部始終を観てた彼の表情はまるで頭のネジが数本なくなった人を見る表情をしてたが、今の恵里にはそんな表情は見えなかった。

 

 

 

 ☆☆☆

 

 僕が彼を意識し始めて数年が経ち、僕自身もかなりのことが変わった。特に一人称が僕になったことかな?しかし、それ以上に彼の周りには僕のライバルというべき存在が出来たということだ。しかも、僕の存在にも気づいて、この前は「負けないよ」だったり宣戦布告のような事もされた。さらに言えば彼の周りにはもっとライバルが増えそう。でも、僕だって幼馴染という長所がある。それに、彼とはたまに二人きりで話したりする。それに今の関係も中々悪くない。ライバル兼同性の友達みたいな感じで誰が彼とくっ付いても良いという様な関係だからね。だから待っててよ僕の救世主(垣根音波)‼︎

 

 …それと最近彼が笑顔…というか表情が派手ではなくなった…まるで()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 綺麗な恵里リンだ。やったね!(作者歓喜の舞)

 作者がヤンデレを書くのが苦手なため純粋?な恵里リンなため口調が多少違ったりしてますので…お許しを

 話は変わりますが、この作品の方針的にオリ主とポケモンの旅みたいなのを想定しています。
(具体的にはアニポケのサトシの様に成長と日常系)

 
《一部文章、台詞を編集しました。勝手ながら申し訳ありません。》



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第四話

 

 中村を救えたかは知らんが、これで原作の様に身内から裏切り者みたいな事はなくなったと思うが…

 それよりも親父凄いな…あの中村の母親を普通の親に戻したからな…マジ感謝しかねぇ…あの後、俺自身も怒られたんだがな。なんでこんな面倒臭い事案をもってくるんだって…怒るとこそこかよ…

 

 それはさておき、いつの間にかもう中学生…時間の流れって早いね…やってる事と言えば毎日の運動くらいだけど…

 

 …中学生と言えば、白崎が主人公に好意を持つところだっけ?原作の事とかもうそろそろ忘れかけてるんだよな…まっ、原作も壊したとまではいかないが、改変したからな…そういう知識もいらないと思うが。

 

 さてさて、そろそろ夢の世界に行くとしますかね…いつものように癒やして貰おうかな…

 

 

 ()()()()()()()に…

 

 

 

 

 ☆☆☆

 

 夢の世界

 

 最初に目に入ってくるポケマメの木…この景色も見慣れたもんよ…

 

『本日もようこそマスター』

「なんだ…その言い方」

 

 いつも何かと世話になっている図鑑がいつものように軽い口を叩く。そんな事を他所にポケマメの木の下に数匹のポケモンが見える。

 

『皆様あなたの事をお待ちしていましたからね♪』

「…余計な一言だ…」

 

 木の下に向けて歩く。あいつらも気付いたのか鳴き声を上げたりしている。

 

「待たせたな」

『ーーーーーー‼︎』

 

 そう言うと返事をするポケモン達。中にはポケマメを食ってたりする食いしん坊もいるが、それも含めて可愛いのがポケモンという生き物…

 

『…マスターっておこちゃまみたいですね』

 

 …なんか言ってるが、聞こえなかった事にしよう。取り敢えず軽い近状報告的な事をした後、疲れていたのでポケマメの木の下でぐ〜すか寝た。

 

 

 

 ☆☆☆

 

「ーーー」

「…ん?どうした()()?」

 

 木に寄りかかって寝ていた俺に近づいてきたのは、ピンク色をした小型なポケモン、『ピィ』耳が星のような形…星の鼓動さんの様…というか、同じ形をしていて、モチーフが星の様に見える。

 

『ピィ?』

「…遊びたいのか?」

『ピィ‼︎』

 

 そう‼︎と言わんばかりに、笑顔で抱きついてくる。重さも3kg程で余り感じない。*1

 

『ピィ〜』

「…人が気持ちよく寝てたのに…この野郎」(クシャクシャ)

『ピィ〜⁉︎』

 

 前髪を掴みクシャクシャにする。いきなりのことにピィは驚き、少し泣き顔になり、遂には泣いてしまう。

 

『ピィ〜‼︎』

「…ごめん…謝るから、マジで、本気って書いてマジの方』

『ガゥ‼︎』(ひのこ)

「熱ッ…『ガーディ』か…お前もごめんな?」

 

 ピィをあやしていると、突如として小さな火の玉が俺に対して撃たれる。撃たれた先を見れば、オレンジの毛皮に白っぽい体毛に覆われた特徴的なトサカを持つ犬型のポケモン、『ガーディ』見た目からはまるで忠犬の風貌を持っているように見える。

 

『ガゥガゥ‼︎』

「…ごめんなピィ…俺も疲れててよ…」

『…ピィ?』

「…なんだその目は…遊んでくれってか?…はぁ、仕方ねぇな」

『ピィ‼︎ピィ‼︎』

「やれやれ…でも可愛いから許す」

 

 なんやかんやピィに甘えちゃう。しかも、こやつなみだめしながら見るからな…てかピィってなみだめ覚えないだろ…何処から覚えてきたんだ?

 

 そう思う俺を他所にピィは俺を連れてく。そうしてピィに遊ばれる*2のであった。

 

 

 完

 

 

 

 ☆☆☆

 

 …とはいかずに疲れたのか、ピィが膝の上で寝てしまった。ガーディもピィに付きっきりのため、眠たそうにしていて、うとうとしている。

 

「ガーディもお疲れだろ?」

「ガゥ…」

「お疲れ。休んでくれ」

 

 そう言うと俺の隣に丸くなって座り込みそのまま寝てしまった。ちなみに、トサカの部分を撫で撫してる。マジ気持ちよくて、中毒になりそうぐらいの快感。多分犬を飼ってる人の気持ちがわかると思う。すると…

 

『フゥ〜ン』

『モノ〜‼︎』

「…何処から現れた…『デスマス』、『モノズ』」

 

 俺が再び眠りに入ろうとした時、突如鳴き声を上げてきた二匹のポケモン。

 

 一匹は全身が黒く、幽霊のように空中を彷徨っていて、()()のような粘土板を足のような部分で持っているポケモン、『デスマス』。…人間のように足と呼べるような部分を持ち合わせてはいないが…

 

 また、俺のデスマスは一般のデスマスとは違い、とある地方のみで確認されている通称『リージョンフォーム』と呼ばれていて、他の地方で見られる姿とは異なり、ゴーストタイプの力に加えて、地面タイプのような力を兼ね備えている。俺のデスマスで言うなら、『ガラルの姿』と言うべきだろうか。

 

 一方、もう一匹は全身が青色をして、黒の体毛に覆われ、まるでドラゴンの子供のように迫力がある四足のポケモン、『モノズ』。その見た目から分かるように、目が体毛で隠れていて、目が見えず、身の前にあるものを噛み付く習性を持つためかなり危険。

 

 二匹は、寝ようとする俺に近づくと、何もせずただ見ているだけの状態になった。

 

「…どうした?腹減ったのか?ポケマメならそこら辺に落ちてるぞ?」

 

 俺が寝ているのはポケマメの木の下。そのため自然と落ちてきている実がそこら辺にいくつもある。しかし、二匹は腹が減ってないのか、俺に首を横に振る。じゃあ、なんの用だ?と考えていると…

 

『モノ…』

『クゥ〜…』

 

 そのまま俺の横で寝てしまった。何がしたかったのかは分からなかったが、きっと遊んでた二匹に嫉妬したのだろうって…

 

『モノ…』(かみつく)

「痛ッ…おい手に噛み付くな…絶対嫉妬してるよな?」

『モノ…ノ…」

「違うとか言ってんのか?その割には強くなってる気がするが…」

『…〜ン」

 

 嫉妬って怖いね。*3

 

 

 

 

 ☆☆☆

 

「はぁ…酷い目にあった…まっ一種の愛情表現か」

 

 そう一人で納得する。現在、木に横掛かる俺に寄り掛かって寝ている四匹のポケモン達。ようやく寝れると思っていたが…

 

『ワニィ‼︎ワニィ‼︎』

『バフッ』

「…『ワニノコ』、『ヒンバス』か。みんな寝てるから静かに…」

 

 騒がしいのがきた。御三家にして俺の相棒ポケモン、ワニノコ。しかし、ワニノコの隣にはもう一匹のポケモンが居る。

 

 見た目は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()をし、大きい特徴的な目と完全に魚の見た目で、とある世界では『さかなポケモン』として分類されているポケモン、ヒンバス。

 

 その生態は、水のあるところなら何処でも住んでいけるようなポケモンで、特にこれといった特徴が無くただただ「普通のポケモン」と言われる不遇であり、とあるコイの王様と並ぶ程ありきたりなポケモンだが、

 

「どうした二匹とも?ごめんな今手が離せなくてよ…」

『ワニ…』

「おまえは寝るのか…」

『バゥ?』

「ん?どうしたヒンバス?」

 

 ワニノコは寝てしまったが、ヒンバスは違うらしい。どうやら何かを求めているらしいが…

 

「…あぁ、これか?」

「…‼︎バフッ‼︎」

 

 そう言って、持っていたシーグラスを渡す。海辺や浜辺とかに落ちてたから、たまに拾ってたが、ヒンバスがシーグラスーーというより綺麗なものが好きだからな、ちょうどいいなと思って少し集めていた。

 

『バフッ…♪』

「…そんな綺麗なもの無くてもヒンバスは綺麗だけどな」

『…バフッ⁉︎』

「照れてんのか?可愛いやつめ」

 

 こういったものがあるから、やはりポケモンは可愛い。

 

『あれ?私の出番は?』

 

 ごめん…マジで忘れてた…

 

 ☆☆☆

 

 いつぞやの休日の午前

 

 親父に買い物を頼まれた。まぁ、休日だもんねと一人で思いつつマイバッグと鞄を持ちつつ、スーパーまで足を進める。

 

 もうすぐ開店時間だな〜と思い、歩きを早めるが、後数分で着くなと言う時に事件が起こった。何やら道のど真ん中で観衆が集まっているが…これって…いや、多分主人公君が土下座してるさ…多分。そう思いつつ、人混みの中を進むが、横目に入ってきたのは、やはり原作通りの不良達とお婆さんとその孫と思わしき男の子と美しいDO☆GE☆ZAをする()()だった。

 

 

 …少女?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
Q.3kgってどんくらいの重さ? A.0.5ピカ様(6kg),

*2
ピィにくすぐるやうたうをされた。可愛い

*3
この後無事噛みつきから離してもらったとさ




 文才と語彙が欲しい作者。 
 
 多分オリ主君の手持ち (作者のそのポケモンのイメージ)

 ワニノコ       (物理の水技をレベル技で覚えてくれ)
 ピィ         (ポピパのボーカルさんの親戚か何か?)
 ガーディ       (フレドラレコード化ありがとうゲーフリ)
 デスマス(ガラルの姿)(ビジュアルめっちゃ好きだが進化は面倒)
 モノズ        (七世代までの大地の力は卵技or教え技)
 ヒンバス(色違い)  (出現率をもっと増やしてくれゲーフリ)

 こう見ると、普通の強いメンバーに見えてくる。それはそうと、メンバーに一匹の色違いって特別感あって良くない?
 …ちなみに、余談ですがデスマスは原種派です。デスカーン好きだが、ゲーチスお前は許さん…どくまも…残飯(bw2)…B145…D105…オマケの特性ミイラ…うっ頭が…《蘇るトラウーマ》
 また、メンバーのポケモンは最初五匹か六匹で迷ってましたが、ヒンバスいいなと思いまして入れました。後悔はしてない。色違いなのはなんとなくです。
 後、五匹だった場合は「俺が六匹目」にしてました。一応はこのメンツで決まりだと思います。
 と言うか、小説とはいえデスマスを入れてるの作者ぐらいですかね?

 安定の魔王様TS化。…許してくれ…俺には原作の魔王様を書ける気がしないんだよ…(苦しい弁明)
 …ちなみにヒロインが全然決まってません。オリヒロは確定として、恵里りんどうしよう…ヒロインぽっく描いちゃった…やっちゃったんだぜ☆

 とりあえず、ポピパのボーカルさんの誕生日が今月の14日と言う事で少し早いですが、誕生日おめでとう‼︎

 



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【他者視点】芽生え始める私の想い

 
 どうしたら小説になれるんですかね…?頭では浮かんでも文字にすると難しい…

 学生さんはそろそろ長期休みですかね?そうでなくともしっかり休みましょうね?お兄さんとのお約束ダゾ‼︎


 

 〜白崎視点〜

 

 彼を初めて見たのは中学生だった。

 

 休日というのもあり朝から一人で出掛けていた。…本当は雫ちゃんも一緒に行こうとしたんだけど、剣道の稽古があるから無理らしい…

 

 という訳で、今は一人で商店街を歩いてる。すると、何やら怒声が聞こえてきた。それも複数人の男の声。嫌な予感がする。声がした方を見ると予感が的中したのか不良らしき人達と困惑しているお婆さん。そして、泣いてる男の子が居た。よく見ると男の子はタコ焼きを持っていて、不良らしき人の一人のズボンにべっとりと付いていることから、男の子が不良にぶつかったのだろう。不良の怒声が大きかったのか、子供の泣き声が響いたのか辺りには、自分と同じくら揉め事を見にきたのだろうか、見物人が集まってきていていた。

 

(大丈夫かな…男の子…これだけの人がいるなら誰か通報とかしてるのかな…?)

 

 自分から助けにいきたいが、不良の雰囲気やら気迫やらで足がすくんで動けない。更に、生憎と今は通信機器は持ち合わせてない。かと言って公衆電話も近年携帯電話の普及で数を減らしているため、自分から通報する手段は無い。

 

 そう戸惑って居ると、お婆さんが財布からクリーニング代らしきお札を数枚取り出した。

 

(これで一見落着かな…でも男の子に対して申し訳ないなぁ…何も出来なかった私にも非はあるし…ムカムカする気分だし…もう帰ろう)

 

 そう思い方向転換をしようとして自分の家へと戻ろうとするが騒動はそれだけでは終わらなかった。

 

 クリーニング代を受け取った後、更に恫喝し最終的には財布まで取り上げていた。流石の周りの人も警察に追放する人も出てきたが時すでに遅く、恐喝のような類もするようになりエスカレートしていった。その時、

 

「えっ?」

 

 私は驚きの余り素っ頓狂な声を出してしまった。何故なら突然道の真ん中で土下座をする自分と同じぐらいの子が居たのだから。余りにも突然の事も余り周りも黙ってしまう。しかし土下座をしている子は姿勢を止めず、ただただ土下座をしていた。不良達も状況を理解したのだろう、「急に土下座してなんだコイツw‼︎」などの声が不良達から聞こえてきて、周りの見物人もなにしてんだコイツ…?のような冷ややかな目を向けているが、不良達も飽きたのか帰ろうとしている。それに時間的に誰かが通報していた警察も来る頃合いだろうと安堵していたが、それだけでは終わらなかった。

 

「…あれコイツよく見たら女じゃね?」

 

 突然不良の一人がそんな事を言い始めた。それに反応したのか他の不良もジロジロと見ている。

 

「ん?…おい立てや」

「えっ…キャッ⁉︎」

「キャッ⁉︎だと⁉︎待て、コイツ女だぞ⁉︎」

 

 なんと土下座をしていた子は女の子だった。確かに女の子って言われると、髪もそう長くなく、一見男の子と言われても間違えると思うほど、中性的な見た目だが…ってこんな事を思ってる場合じゃない⁉︎

 

 そう焦っていると、

 

 

「邪魔だ」

 

 そう言い放つ一人の青年が目の前に居た。

 

 

 

 ☆☆☆

 〜南雲視点〜

 

「おいおい、そしたら話は変わるだろう。嬢ちゃん?」

「ヒィ‼︎ごめんなさい‼︎」

「謝っても許さないぜ?とは言っても顔面偏差値は普通だな…まぁストレス発散にでもするか」

「…」

 

 私こと南雲ハジメは絶望した。たまたま偶然にも通りかかっただけなのに、不良達がお婆さんに対して恫喝した時、変な正義感なのか、つい体が動いてしまった。

 

 といっても喧嘩など全くの無縁の生活でもあり、ましてや女の私だが、不良の言う通り外見に関しては十人中五人が男性、もう五人が女性と思われる程中性であり、正直言って自分を女性だと言ってくれる人がいたらな〜と内心運命の出逢いを期待していたがそれは叶ったようだ…最悪な形として…

 

(お父さん、お母さん…親不孝な娘でごめんなさい)

 

 そう親に思った時事態は一転した。

 

「邪魔だ」

 

 これが私と彼の初めての出会いだった。

 

 

 ☆☆☆

 〜オリ主視点〜

 

「聞こえなかったのか?邪魔だと言ったが?」

「あ?誰だお前?せっかく人のお楽しみを邪魔しやがって」

「…街中で卑猥な事を言うな…アンタのが頭には倫理観というのがないのか…お婆さんとお孫さんは逃げてください」

「…いちいちギザな台詞でイラつくな…」

「イラつかせたのなら謝るが、イラつかせてるのはアンタだろ?」

「チッ…おいどうなってもしらねぇぞ‼︎テメェらやるぞ」

 

 「おう」と共に殴りかかってくる不良達。正直どうしてこんな事になったのか自分でも分からない。内心心臓が破裂する程鼓動が早くなっており、正直、【窮鼠猫を噛む】的な事が合ってこうなったとしか言いようがない…まぁ俺もあんな挑発紛いな言い方だからな…原因十割は俺の所為だな…まぁ、殴られるなり、リンチなり受けてやるさ、カッコ悪いけど。だって、今までしていた事なんて…毎日走って、ポケモンと触れ合ったことしかないからな…

 

「おい‼︎そこで何してる‼︎」

「あ?って、警察かよ⁉︎おい、お前ら逃げるぞ‼︎」

 

 おぉ…警察の方が来た。流石にこの騒ぎだからな。というかここまでの一連の流れ仕組んでるんじゃないかレベルでご都合主義的なの働いているから疑いたいんだが…

 

「全く…それよりも君は大丈夫かい?」

「…俺は何ともないが…この少女が性的被害…強姦紛いな事をされそうになったからメンタルケアを頼みたい。…それよりも逃げた人達は?」

「あぁ…最近悪名が広がって居る高校生達だ…流石に今回の案件は学校側に伝えとく…っと話が逸れたな。それじゃこの子を保護させて貰うが、君はどうする?」

「どうすると言われても…⁉︎」

 

 やべ…すっかり目的を忘れてたけど買い物に来たんだよな。少し速く家を出たとは言え、間に合うか心配だな…

 

「その反応何かあるのかな…本当なら重要参考人やら何やらがあるが…今回はそんな事態が重くなってないからね」

「人が強姦されそうになったんですが…それは「コホン‼︎」」

「じゃ…じゃあ君も気をつけてね?」

 

 上手く纏めたのかは知らんが少女を連れて去っていく警察。まぁ参考人で止められなかっただけまだマシか。と言うかこの出来事原作の何処かで見た気がするが…まぁ気の所為だろう。と言うかはよ買い物にgo toしなくては⁉︎

 

「…まっ…待って‼︎」

「…すまないが急いでいるのでな…」

 

 なんか女性の声が聞こえてきたが、無視だ無視‼︎事態は一刻を争って居るんだ。取り敢えず謝ったから大丈夫でしょ。許して(フラグ)

 

 

 

 

 ☆☆☆

 〜南雲視点〜

 

 あの後いつの間にか交番に居た。どうやら警察の方に保護されたらしい。警察の方の話によると、加害者の人達には強く言っておく。未遂とは言え、速く駆けつけられなくて本当に済まなかったなどの謝罪や不良達の処罰を聞かされた。それに両親に連絡してお迎えに来て貰う方になった。軽い事情聴取をした後、親が来るまで暇だったので少し聞いて見た。

 

「すみません…私が助けて貰った時、男性の方って居ませんでした?」

「…あぁ居たね。君と同じ歳ぐらいな子が。それがどうしたんだい」

「名前とかって分かりますか?」

「…済まない。個人情報とかは話せないんだ。彼は急いでいたから聴取みたいなものはせずに帰してしまったから名前とかも聞いてないんだ…というか先程の事があったばかりだけど大丈夫かい?」

 

 そっか…名前は分からないけど、私と同じぐらいな人か…って、頬が熱く⁉︎

 

「はい…大丈夫ですが…やはり…彼は…」

「…おや?その反応…あぁ彼に惚れたのかい?」

「…そ、そんな事有りません⁉︎」

「その言い方は認めて居るみたいなものだよ」

「だっ、だからなんですか⁉︎」

「年長者から一つ。もう少し素直になっても良いんだよ。女らしくとか可愛らしくとか」

「…はっはい‼︎」

「肯定しちゃった?まっ頑張りなよ、人生なんて一度きりで何が起こるか分からないからね全力を尽くして頑張れよ若者」

 

 その後、両親が迎えに来て心配されたが警察の方の説明や謝罪によって心配させちゃった。でも…それでも、

 

「ねぇお母さん」

「どうしたのハジメ?は‼︎まだあの時の事が…」

「それに近いんだけどーー

 

 いつの日だろうか、あの時の彼を思い出したので私はあの時の事を説明した。

 

「…てな事があってね…ってお母さん?」

「…貴方‼︎来なさい⁉︎」

「ちょ、お母さん⁉︎」

「どうした‼︎何があった‼︎」

「ウチの子…ハジメに春が来たのよ‼︎」

「なっ.…⁉︎お相手は誰だ⁉︎」

「あの時助けてくれた子らしいわ…そんな勇敢な子もいるらしいのね」

「なんでバラしてるのお母さん⁉︎」

 

 …お父さんにもうバレた。何やってんだお母さん…

 

「それで何がしたいのかしらハジメ?その子を落とす方法かしら?任せなさい、お母さんが教えてあげるわ」

「…お父さん、お母さんが暴走してるんだけど」

「…こうなった母さんは父さんでも止められない…飽きらめるんだ」

「味方が居ないよ…」

「恋なんてそんなものよ‼︎周りに味方なんて居ないわ‼︎全てが敵よ‼︎」

「お母さんは静かにしてて‼︎そんなことより私変わりたいの」

「「変わりたい?」」

「そう、…女の子らしい髪型とか…」

「「」」

「あっ、あれ?お父さん?お母さん?」

「…任せなさい‼︎少女漫画家で描いてきたヒロインの髪型を全て試すわ‼︎」

「こうなった母さんは止められないが、今回は乗り気だ。父さんの娘への愛?が試される時だ」

「お父さん?お母さん?ごめん…さっきの話は無かった事に…」

「「問答無用‼︎」」

「待っ、待って⁉︎二人とも⁉︎」

 

 この後滅茶苦茶にされました。

 

 

 ☆☆☆

 

「…えっ、これが私?」

 

 姿見を見るとそこには、ショート髪をした二次元の世界に居そうな美少女がいた。例えるなら普段から自分の机で読書をしている大人しめの子だが、実はアイドル顔負けの美少女的な感じの容姿。自分でも言うのもあれだけど十人中十人が可愛いと思う程。現に自分でも何この可愛い少女(自分)って思える。

 

「そうよ。ハジメこれが今の貴方よ…って貴方何実の娘にデレてんの?」

「…は⁉︎どうやら父さんは天国を見ていたようだ…」

「貴方?馬鹿なこと言ってないで何か言ってあげなさい」

「…二次元の美少女キャラは可愛いぜ…」ガクリ

「お父さん⁉︎」

「それより容姿に対してもっとないの?」

「…う〜ん。これが私でいいのかな…?」

「何を言ってんの?容姿も女の魅力の一部よ‼︎それにこう言うのは女から攻めないと‼︎盗られちゃうわよ‼︎」

「お母さんも警察の人みたいなこと言ってるし…でも…」

 

 それでもーーー

 

「?」

「ありがとう…お母さん」

 

 相談しなかったら、今の自分では居られなかっただろう…何より自分に自信が着いた。

 

 本当にありがとう‼︎お父さん‼︎お母さん‼︎

 

「…」

「…?お母さん?」

「…どうしましょう…娘が…ハジメが…」

「えっ、お母さん⁉︎どうして血の涙が出てるよ⁉︎」

「可愛すぎるわ‼︎」バタリ

「お母さん⁉︎」

 

 両親が倒れてしまった…ってこんな事言ってる場合じゃない⁉︎早くどうにかしないと…そして今思い出したんだけど…

 

 彼の名前ってなんだろう…?

 

 

 

 ☆☆☆

 

 その容姿の中学校生活は正に地獄だった。今まで読書好きで近寄りづらい雰囲気を出してたので友達とも言える存在が居なかったが、この容姿になって多くの男子がいつも見てくるようになった。中には告白して来る人もいたけど、私にはもう好きな人が居ると言えば、落ち込んだりして最終的には諦めてくれている。根はオタクだからね。

 

 そんな中学の生活も終わり、近くの共学の高校に入った。彼と出会ったのはこの町だから彼にも会えるだろうと思った訳だ。

 

 その選択は幸運にも当たり、彼ーー垣根音波くんと同じ高校に入れた。流石にそこで運を使い果たしたのか一年生の頃は別のクラスだったが2年生になって同じクラスになれた。しかし同時に問題もあった。そう、彼に好意を寄せている恋敵(ライバル)が居ると…

 

「なんだい、僕の親友(ライバル)の南雲くん?」

「別にハジメでもいいのに…中村さん」

「ハジメくんって言いづらくないかい?南雲くん」

 

 今話しているのは、中村恵里、私のライバルでも有り親友的存在。いつも彼の事を見ていた(ストーカー紛いな事をしてた)から、話しかけに行ったら私と同じで彼の事を想っていて、そこからライバル兼親友になった。因みに彼に惚れた理由は幼少期に自殺を止め、彼女の家庭環境を改善するキッカケになってくれたかららしい。なんとも都合良すぎじゃないと思うかも知らないが、彼女はライバルの中でも私と同等程度。それ以上に手強い恋敵(ライバル)が居る。

 

 それは…

 

「今日も()()さんは挨拶してたのかい?」

「うん。というか、いつも思うけど彼女は彼に好意を伝える前に周りに自分の気持ちを話した方がいいと思うけど…」

「まぁ…うん。それは僕も思うけど、彼女天然だからね…それは厳しいと思うよ…唯一の良点は雫ちゃんが香織さんの想いを知ってるぐらいじゃない?彼女いつも不憫で可哀想だけど」

 

 

 白崎香織

 学校では二大女神と言われ男女問わず絶大な人気を誇る同性の私達から見ても途轍もない美少女。腰まで届く長い艶やかな長髪、少し垂れ気味の大きな瞳はひどく優しげだ。スッと通った鼻梁に小ぶりの鼻、そして薄い桜色の唇が完璧な配置で並んでいる。

 

 また、容姿だけではなく性格も完璧でいつも誰でも微笑を見せており、非常に面倒見のよく責任感が強いため学年を問わずよく頼られる。それを嫌な顔一つせず真摯に受け止めるのだから高校生とは思えない懐の深さだ。

 

ああいう人(香織さん)って裏があると思うけど…」

「無いんだよな…チッ…羨ましいそして彼に対して色目使いやがって…」

「舌打ちしないの。心の音漏れてるよ…はぁ…でもやっぱり敵わないなぁ」

「おいおい彼の事を諦めるのかい?それなら君の敵もあってあげるけど?」

「勝手にリタイアさせないでくれない?そんな事より彼の近状はどう?」

「…僕をストーカーみたいに言わないでくれない?」

「でも事実でしょ?」

 

 そう確認を取るように聞くと彼女は溜息を吐きながら話す。

 

「はぁ…最近は()()()()()と話していたりしているみたい。内容やら理由とかは分からないけど…てかあの二人もスタイル抜群だし…何?僕へのあてつけかい…?…というかこういうのは席が隣の君がやる事じゃ無いのかい?」

「…だって…彼に話しかけるの恥ずかしいじゃん…それにあの二人も怖そうだし…」

「なんでそこは乙女なんだよ…男なら真っ直ぐぶつかりなよ」

「私は女だよ‼︎…よく周りから『ガツンと攻めろ‼︎』とか言われるけど、本当に無理だから‼︎」

「本当に振り向かせる気ある…?」

「…そう言う恵里だって中々話しかけないじゃん、ましてやストーカー紛いな事し始めるし…「うっ…」…意識して貰えてないのかもよ…というより助けた事を忘れてんじゃない?」

 

 そう意地悪ぽく言う。すると…

 

「うるさいな…「エリリン、はじめん何話してるの?…ハッ⁉︎この睨み合い⁉︎まさか恋愛系⁉︎」…なんだ鈴か」

「なんだ鈴かってひどくない⁉︎何々?私お邪魔虫だったかな?」

 

 なんでこんな微妙なタイミングで会話に入って来るかな谷口さんは…なんか気分悪いし、お仕置きとして谷口さんにも教えてあげようかな…彼との出逢いを…恋愛話好きそうだし、中村さんの方を見ると彼女も理解してくれたのだろう黒い微笑みを見せている。

 

「…中村さん」

「…うんそうだね」

「…あ、あれ…どうしたのかな二人とも…そんなにっこりした顔で…こっちに近づいてきて怖いよ?「「コワクナイ、コワクナイ」」…鈴用事思い出しちゃったから抜けて良いかな…」

「ダイジョウブ、ダイジョウブすぐ終わるから」

「はじめん⁉︎絶対嘘だよね⁉︎」

「鈴?私達は親友だよ?なら楽しい事を共有するのがって親友ってもんじゃない」

「恵里りん⁉︎…あわわ…」

 

 私と中村さんよりも身長が低い谷口さんは暴走している二人を止めるなんて事は出来ない。

 

 その後…

 

「「ーーというのが私と彼の運命の出逢いだったんだよ…って鈴?」」

「……」バタリ

 

 二人同時に話され頭がパンクしかけたが、最後の最後まで振り絞りどうにか耐える事が出来たが直ぐに倒れてしまった。しかし、その時の表情は乾いた笑顔だった。

 

(鈴は…嬉しい…よ…親友…二人に春が…来て…だから…許さないよ…二人を…こんな事にした…オトッチは…)

 

 その後、鈴はオトッチーー音波の事を親を殺されたような目を彼に向けるのだが…そこは我々のオリ主こと、音波くん。そんな目線にも負けないどころか一切気付かないのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 TSハジメちゃん
 強姦されそうになったのに直ぐ立ち直ったメンタルお化け。美少女TSハジメさんの容姿は涼宮ハルヒの憂鬱の長門有希をイメージしていただければ…異論は認める。
 後残りの中学生活と原作始まるまでの高校生活は親の過保護だったり顔が良くても身長やらで余り手は出されなかった(後付け設定)

 作者の一言
 …無口無表情系ショート髪の美少女…うん良いね。

 谷口鈴
 今のところこの作品の最大の被害者。原作では心におっさんを飼っていて時折暴走しがちだったが、本作品は逆に親友を暴走させてしまき立場が逆転。原作のいつもニコニコ問題とかも考えなければ…
  
 作者の一言
 可哀想だが時期に忘れてる。また、この設定が生きるのかも知らない。

 恵里とTSハジメのライバル関係
 原作より綺麗な恵里りんの誕生。恵里は病んでメンヘラにもヤンデレひもならない。同じくハジメも。
 どちらもヒロインにするかはまだ未定。なるとしたらハーレムだなっと考えている。(白い目

 作者の一言
 ショートって良いよね…(大事なことなので…
 
 転校生二人
 スタイル抜群な女子生徒。オリキャラ…の予定。

 警察官
 モブキャラ。無能警察そうだったが、ハジメさんの美少女化の一手をくれた。
*決して警察の対応が無能などの中傷は書かないでね(注意喚起)
 
 オリ主くん
 この頃から原作の知識が薄れ掛かっている。高校生頃には多分全て忘れていると思う。今回は白崎と南雲の初めて出逢いに関わったけど、ご都合主義が働いているなと思ってたりした。ちなみに、警察が来なかったら普通にボコボコにされてた。毎日走るだけじゃ歳上…ましてや不良には敵わない。人生舐めるなッス。
 

 おまけ
 そういえば原作の話ですが、原作の檜山さんは白崎嬢に話しかけてたのかな? 正直話しかけてなくて原作の展開だったらすね拗らせたオタクの所業なんだが…見た感じ話しかけられた感じで自分からは行かなかった感じだが…
 魔王様にオタクだの言ってたが結局檜山の最終的にやってる事は正に暴走したオタクのやる行動みたいだなっと薄々思ってました。だからって特に思う事とかはありませんけど。
 つまり、原作の恵里って怖いねと思ったのが原作初見時の私の真面目な感想。
 後、恵里の事をずっと恵里りんって書いてた。エリリンなのに…これは推しとしてあり得ない事なのでファン辞めます。(嘘です)


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第一章 原作の始まり
第五話 


 録画していたありふれ二期を一話から十二話まで全話観ました。(そこ‼︎視聴するのが遅いとは言わない‼︎)ちなみに、ありふれ二期の放送月は一月から四月と大体、四ヶ月程前…。
 
 視聴した感想はそもそも王都の様子が結構あって、それと同時に園部さん達(推しの奈々と妙子も)が結構声があって嬉しかった。
 後、雫の侍女のニアさん(雀斑があったメイドさん)が傀儡兵にされてて悲しかった。…web版の小説やありふれwikiで書かれてたから知ってたけれども…
 そして、レギュラーメンバーの推しのエリリンの出番がきましたわ〜。メガネ取った姿もすこ。声ももっとすこ。なお彼女は敵の模様。
 どうでも良いのですが、ヘリーナさん(リリアーナの専属侍女)はいつになったら出るんですかね?
 そして、ここまで一切触れないレミアママ…彼女はヤバい。
 ちなみに、どうでもいいですが、全話全て妹と一緒に観てました。(自慢にならない自慢)ちなみに兄妹仲は悪いです。


 

 〜夢の世界〜

 

「いよいよか…」

 

 日曜日の夜とも言うべき時間帯。そんな中俺は夜空を見上げなら呟く。無駄に輝いている星が眩しいのは気のせいだろうか。そんな事はさておき、今の俺は高校二年生。そう、原作到来の時期である。

 

「ここまで長かったようで…短かっ…いや普通に一七年は長すぎか?」

『何をブツブツ言ってるか知りませんが…そんな明日が楽しみなら早く寝たらどうです?』

「…」

 

 なんか某乙女ゲーのロストアイテムみたいな言い方だな…まぁこの際どうでもいいけど…

 

『それはさておき、今日でお別れですね』

「そうだな…って、えっ?聞いてないが」

『そりゃ言ってませんから』

「はぁ…とりま、reason」

 

 なんかこの電子機器突然変な事言い始めたぞ。

 

『…まぁ理由と言われましても、トータスとやらは偽神が管理しているのでしょう?普通に干渉とか無理だからですね』

「突然のお別れ」

『と言いましても、別に私如き居なくなっても大丈夫でしょう」

「…」

 

 なんか自分で言ってて悲しくならないのかな?…と思ったがよく考えたらコイツ人間じゃねぇや。

 

「そんなことより最後なんだから何かあるのか?」

『…そうですね。お別れという事で渡したいものがあります』

「…?」

 

 渡したいもの?検討もつかないな…

 

『はい、これです』

「…なんだこれは?」

 

 そう言って、指輪のような物を渡される。普通になんじゃこりゃ?

 

『はっきり言えば、宝物庫の様な何かです」

「…へ?」

『と言っても簡易的なものなのでそんな入りませんが』

「あぁ…うん…」(何か流れる様に貰っちゃったけど…)

 

 さらりと言ってたが、宝物庫ってオスカー・オルクスが持ってた指輪の事じゃないのか?

 まぁ…言っちゃえば、ポケモンにもブラックホールかよと言うべきバッグがあるからな…あんなのにきずぐすりとかが三桁入りきらないだろってレベルだからな…全然入らなかった初代と比べると今のポケモンのバックってすごいな。

 

『それと、ついでに剣盾の技マシン&技レコードを全て宝物庫に入れときました』

「…うん?今とんでもないこと言ってなかったか?」

『何でしょうか?何か特別な事は言いましたか?』

「うん言ったね。宝物庫的役割を果たす指輪は良いとして、技マシンと技レコード全てはおかしくないか…?」

『そう言うと思ってました。ですがご安心ください。「安心…?」ちゃんと制限も掛けておりますので』

 

『まず、技マシンがすぐ使えるかと言えば…そうでもありません』

「どう言う事だ…?」

『通常のレベル技と似た感じです。そのポケモンが技マシンの技を使えるぐらいのレベルになった時初めて使えます』

「まだ混乱する点はあるが…成程」

 

 つまりは、初めから有能な技だったり高威力技とかは使えないと…というか俺のポケモン達、100%実戦経験がない奴らだからな…覚えられたとしても使えないだろうな。

 

『理解が早くて助かります。後その他の道具ーー傷薬とかも入れときますね…それと』

「まだ何かあるのか?」

『これが私から…「ほのおのいし」と「つきのいし」ですね。ガーディ、ピッピを進化させるためのものです。使い所はあなたが決めてください』

「…分かった…ん?待ってくれ…石進化は分かったが他にも特殊進化は居るが?ヒンバスやらピィやら特にデスマスとか?」

『…ここで言ってもネタバレにしかならないですか?そういうのは楽しみにしておきましょう』

「…分かった…それもそうだな…」

『…さてこんなものですかね…そして、これがあなたのポケモンのモンスターボールです』

 

 そう言われると六つのモンスターボール…一つルアーボールだけども…が渡される。中身もちゃんと入ってるし、ちゃんと宝物庫に入れといてと…って、おや?

 

『…そろそろ夢から覚めますね…』

「別れの時間か…」

『ですが勘違いしないでくださいね。ここまではチュートリアルの様なもの。当たり前ですが、ここから先はリセットなしの…命懸けの旅路です』

「…そうだな」

『ここまでいろいろ特典以外にも差し上げましたから、あなたの思うものを掴み取ってくださいね』

「…」

『それでは…』

 

 そう言って消えかかる夢の世界。さて俺も頑張りますか。

 

『…一つ言い忘れてましたが…』

「…?」

『ポケマメも入れといてきました。ついでにポケモンのお菓子とか作れる道具やらもーー暇があったら作ってください』

 

 …なんか腑に落ちない別れだったな…ていうか最後の必要あったのか…?

 

 

 

 ☆☆☆

 

 夜が明け、月曜日。家を少し早く出た音波はコンビニに寄り昼飯を買おうとするが、月曜日=気分が良くないという式が経っている彼には昼にガッツリ食べたいという気分が湧かず、かと言って男というのもあって、軽い物では午後が持たないというのもある色々な意味で月曜日は面倒と思う。今日この頃。

 ちなみに、考えに考えた結果、お昼のお供はサンドイッチに決定。税込330円。

 

 昼飯に長考したせいか、どうやら始業チャイムがなるギリギリに登校してきたらしい。だが、どちらにせよチャイムには間に合っているのでどうでも良い。取り敢えず教室のドアを開ける。

 

 その瞬間待っていたのは男子生徒の舌打ちやら睨みのお返事(挨拶してないけど)が帰ってきたが、それを無視して自分の席に向かう。しかし、毎度のことながらちょっかいを出してくる者がいる。

 

「よぉ、珍しく今日は遅刻か?徹夜したのか?まさかエロゲでもしてたんじゃねぇのか?」

「キモ〜。エロゲとかマジキモいじゃん〜」

(なんやこいつら?…無視だ無視)

 

 どうしたら遅刻=徹夜でエロゲの理論が出来るのか知らんし、キモいとかいうワードしか言えないのか…語彙力無さ過ぎだろと内心思う音波。

 

 ちなみに、音波に絡んできた奴等は檜山大介と愉快な仲間達と言えばいいのだろうか?毎朝日課の様に絡んできては、ありもしない事や貶し言葉だのベラベラと話し、取り巻きが嘲笑ったり便乗して馬鹿にしたりする。…コイツら本当に高校生か?というのが音波の感想。

 

 しかし、遅刻した今日は兎も角、毎日の様にしつこく絡まれるのには理由がある。

 

 その答えが彼女だ。

 

「音波くん、おはよう‼︎今日はギリギリだったけど、何かあったの?私心配しちゃったよ‼︎」

 

 ニコニコと恋人並みの近さの話し掛け方をして微笑みながら一人の女子生徒が歩み寄った。

 

 名を白崎香織という。(説明は前回したので省略)めっちゃ人気でめっちゃ美人な人。そして優しい。

 

 ここまでの説明で分かった方も居るかも知れないが、そう、檜山は香織に好意を抱いているのだ。それも歪むような程の想い。具体的には白崎は俺のだ…あんな男よりも俺の方が似合ってる…と思っているぐらいの重症患者。

 

「…」(…触れないでおこ)

「あっ、あれ?無視かな?」

 

 そんな学校の華とも言っても良い彼女を無視して、席に座り身支度を済ませる音波。これには周りの男子生徒も「なぜ、あいつだけ‼︎」だの「香織さんの挨拶を無視するなよ‼︎」などと殺気を立てている。

 また、この素っ気ない対応をされた女神こと香織も困惑な様子を立てるが、未だに彼の席から離れようとせず「おーい、音波くん?」と彼に手を振って気付いてもらおうとしている。可愛い行動だな。

 

 そんな時、香織が彼に構っていると、三人の男女が近寄って来た。

 

「垣根君。おはよう。毎日大変ね」

「香織、また彼の世話を焼いているのか?全く、本当に香織は優しいな」

「全くだぜ、そんなやつにゃあ何を言っても無駄だと思うけどなぁ」

 

 三人の中で唯一朝の挨拶をした女子生徒の名前は八重樫雫(やえがししずく)。香織の親友だ。ポニーテールにした長い黒髪がトレードマークである。切れ長の目は鋭く、しかしその奥には柔らかさも感じられるため、冷たいというよりカッコイイという印象を与える。

 

 百七十二センチメートルという女子にしては高い身長と引き締まった体、凛とした雰囲気は侍を彷彿とさせる。

 

 事実、彼女の実家は八重樫流という剣術道場を営んでおり、雫自身、小学生の頃から剣道の大会で負けなしという猛者である。現代に現れた美少女剣士として雑誌の取材を受けることもしばしばあり、熱狂的なファンがいるらしい。後輩の女子生徒から熱を孕んだ瞳で〝お姉さま〟と慕われて頬を引き攣らせている光景はよく目撃されている。

 

 次に、些か臭いセリフで香織に声を掛けたのが天之川光輝(あまのがわこうき)。いかにも勇者っぽいキラキラネームの彼は、容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能の完璧超人だ。

 

 サラサラの茶髪と優しげな瞳、百八十センチメートル近い高身長に細身ながら引き締まった体。誰にでも優しく、正義感も強い(思い込みが激しい)。

 

 小学生の頃から八重樫道場に通う門下生で、雫と同じく全国クラスの猛者だ。雫とは幼馴染である。ダース単位で惚れている女子生徒がいるそうだが、いつも一緒にいる雫や香織に気後れして告白に至っていない子は多いらしい。それでも月二回以上は学校に関係なく告白を受けるというのだから筋金入りのモテ男だ。

 

 最後に投げやり気味な言動の男子生徒は坂上龍太郎(さかがみりゅうたろう)といい、光輝の親友だ。短く刈り上げた髪に鋭さと陽気さを合わせたような瞳、百九十センチメートルの身長に熊の如き大柄な体格、見た目に反さず細かいことは気にしない脳筋タイプである。

 

 龍太郎は努力とか熱血とか根性とかそういうのが大好きな人間なので、音波のようにやる気がなさそううな人間は嫌いなタイプらしく、現に今も、音波を一瞥した後フンッと鼻で笑い興味ないとばかりに無視している。生憎だが、音波が毎日ランニングとかしている所は一度も見たことがない。

 

「…」(クラスの奴は頭が逝ってる男子が多いのか…?なんで俺の席にわざわざ来て、挨拶じゃなくて貶されなきゃなんねぇだよ?)

 

 しかし、そんな挨拶を交わさなくてはならなそうな上位カースト組にも無視を続ける音波。「てめぇ、なに勝手に八重樫さんと話してんだ? アァ⁉︎」という視線が向けられているが、そんな視線も気にせず右手の小指に付けている指輪らしきものに集中していて気付いていない。

 そんな姿を見た我らが光輝くんは何事もなく終わると言うことも無く…

 

「おい、垣根。香織が挨拶をしているんだ、返事を返したらどうだ?」

「光輝くん?そんな強く言わなくてもいいよ?」

 

 そう問いかける光輝。彼の目には香織の挨拶を無視したという目。つまり、敵を見る目として映っている。

 

 流石に騒がしいなと気付いたのか、音波が目線を付けている指輪から香織達の方へ移す。

 

「…なんだ?俺に用でもあんのか?後ついでに雫オカンはお疲れ様です」

「おい、その前に挨拶を「誰がオカンよ⁉︎」し、雫?」

「あっ、ようやく気付いたんだね音波くん、おはよう」

「…あぁおはよう…で、そこの天之川?挨拶したから良いよな?」

「そういう事を言ってるんじゃーー「待ちなさい⁉︎さらりとついで扱いにされたけどオカンって何よ⁉︎どういう意味よ⁉︎」」

「自分の言動見直せば分かるだろ…百%。つまり、いつもお疲れ様という事だ」

「おい待て、まだ俺の話は…「労って言ってるの⁉︎ふざけて言っているの⁉︎どっちよ⁉︎」」

 

 今度は逆に雫に詰め寄られる事になった音波。朝から二大女神と会話をするだけではなく、構われている音波に周りは「…殺害方法どうする…」「自殺に見せかければワンちゃん…」だの言って重苦しい空間を作っているが、彼からしたら些細な事でありどうでも良い事だ。

 また、ようやく挨拶を返された香織は誰もが見惚れる程微笑んでいて、その重苦しい空間は何処かに行ったとさ。…なんか一人可哀想な事に話を遮られている人もいるが…どうでも良いだろう。

 

 

 ☆☆☆

 〜オリ主視点〜

 

 昼休み。俺は長考の末に決まったサンドイッチを取り出した。すると、昼食を食べようとする俺に三人の女子が近づいて来た。

 

「…ね、ねぇ、垣根君一緒にお昼食べない?」

「なら僕も」

「拒否権はないよ?」

「…仲良いな…キミら」

 

 上から紹介するが、まず最初に誘って来たのは南雲ハジメ。はい、原作主人公ですね。tsですね。分かりません。ちなみに俺の席の隣のお方です。

 しかし原作のようなthe・隠の者というような容姿ではなく。一言で言うなら二次元から来た美少女。だって、百六十〇センチ程の小柄なのにブラウングレーのショート髪で眼鏡をした少女。普通に可愛い。

 ちなみに風の噂で聞いた話だが、二大女神には及ばないがその見た目から隠れたファンがいるらしい。

 俺の憶測だが、ハジメーーというかハジメの容姿が好きそうな奴ってライトノベルとか好きそう。(小並感)

 

 続いてハジメに便乗したのは中村恵里。眼鏡をかけ、黒髪ナチュラルポップの少女。以前自殺しようとしていたところを止めて以降、本人も覚えていたのか高校生になって近づいて来た。まぁ、美少女が近寄ってくる事はね悪くない事だからね。

 ちなみに、何処か闇深系メンヘラ腹黒女子の様な気がするが…気のせいだろう。

 

 最後に拒否権を剥奪したのは谷口鈴。小柄でクラスのムードメーカーな少女でよく誰かも構わずにいつも笑顔を見せている。よく天之川の周りの八重樫や白崎と接している。流石陽キャ。また此奴は心の中に小さなエロおっさんを飼っていて、よく白崎らにセクハラを働いていたりしている。

 余談だが、最近谷口が俺に対して向ける目が変わった様な気がする…まるで信じていた親友が変わってしまった…お前のせいやぞ…恨むぞ…みたいな目。だからなのか、最近よく苦労人になってきている。可哀想だがそしたら全員暴走してるくねと思ったが言わないでおこう。

 

 三人は仲良し三人組と言える程の親友であり、よく俺も交流する事が多い。

 

「まぁ、良いけど」

「やった‼︎」

「おいおい、そんなに喜んじゃって…流石あざとくて…卑怯…」

「?何か中村の黒いところが見えた気がするが…」

「うん…鈴にも見えた…」

「…何か言ったかな?二人とも…?」

「…いいや」

「ナンデモナイヨ。ハイ」

「…どうしたの皆?食べないの?」

 

 ハジメの一声でそれぞれ弁当の準備をする。と言っても、俺はサンドイッチしかないけどね。

 

「音波くん⁉︎サンドイッチしかないの⁉︎」

「ん?これだけで大丈夫だろ…多分」

「多分って…」

「もう仕方ないな〜。特別に僕の分けてあげようか?」

「いや…大丈夫だ。というより、今は余り食欲が無くてな。だが、心配してくれてありがとな恵里」

「分かったけど、食欲ないの大丈夫?」

「…最近暑いからな…ちょっとバテてな…後ついでに今日月曜だろ?」

「百%後者でしょ…」

「谷口…少し辛辣じゃないか?俺何かしたか?」

「オトッチは良いよね…問題とか抱えてないし」

「女子は謎が多いな…」

 

 などと軽い雑談をしている。サンドイッチ?あぁ普通に食い終わったよ。すると南雲が俺の事を見つめてくる。

 

「?どうした南雲?そんなに俺を見て?」

「い、いや、その指輪は何かな?」

「まっ、まさか誰かと…結こーー「結婚はないだろ…俺まだ高校生だし」」

「…説明してくれるかな…?」

「説明と言われてもな…普通にオシャレとしか言いようがないし…というか俺にそんな人は居ないよ」

「と言いながら…「いないぞ」チェ…つまんないの」

「ほんとお前おっさんだな…」

 

 そんな軽い日常の会話を交わす。すると、

 

「音波くん達。何話してるの?私も混ぜてくれないかな?」

 

 悲報俺氏白崎に話しかけられた。なんだが周りの気温が一気に下がった気がするし…周りの奴らの目が怖ぇ…。というか絶対幼馴染同士で食ってればいいのに…なんでやたらと構ってくるんだろな?取り敢えず上手い感じに断らないと…

 

「…白崎。すまないが俺たちは喋っていてな…「白崎さんは天之川くん達と食べて来なよ」ちょ…南雲?」

「うんうん。香織さんは天之川くんと食べなよ」

「二人共?私は音波くんに話してるんだけど?」

「なぁ…谷口。俺は何を見せられてるんだ?って…」

「これは‼︎恋する女同士の争い⁉︎」

「…だめだこりゃ…」

 

 なんか勝手に揉めてるし…女子って怖いな〜(他人事)そんな時、救世主という名の、油を注ぎに来たお馬鹿さんが来た。

 

「香織。こっちで一緒に食べよう。垣根達は垣根達で食べてるみたいだしさ。香織を放ったらかしにするなんて俺が許さないよ?」

 

 何を言ってんだ………?…こいつ……。

 とまあ、天之川はよく分からないこと言って挙げ句の果てには放ったらかししてるとか言ってやがる。放ったらかしにされてるのは俺なんですけどね。

 

「え?なんで光輝くんの許しがいるの?そんなことより、私も仲間に入れてよ‼︎」

「え〜どうしようかな〜?」

「エリリンが…どうしてこんな事に…」

 

 素で聞き返され挙句の果てに、そんなこと扱いされて逆に可哀想に思えて来た。でもおもろ。(本音)だって、雫オカンも「ブフッ」と吹き出してる。「誰がオカンよ⁉︎」(本日二度目)…なんで見透かされてるんだろう…エスパーかよ。で、天之川は困ったように香織を説得しようとあれこれしてると…なんだこれ?

 

「南雲…ちょっと飲み物買ってくるわ…正直こんな所入れん…」

「あっ、うん。分かった」

「あっ⁉︎音波くん何処に行くの⁉︎」

「飯食い終わったんで…飲み物でも買いに行くんだが…って、うん?」

 

 そう言って、飲み物を買いに席を立つと…凍りついた。

 

 ふと教室全体の床を見ると、めっちゃ光ってる円環と細かくて複雑な幾何学模様、ようは魔法陣が現れた。発生源は天之川の足元の様だ。円環と幾何学模様により構成された魔法陣は、悪戯やドッキリで済ませられるようなものではないというのは一目見てわかる完成度。ついでに言えば真下から突風が吹き荒れる。涼しいけど、風が強い。突風だからね。

 

 そんな呑気な事を考える暇もなく、魔法陣は徐々に輝きを増していき、一気に教室全体を満たすほどの大きさに拡大した。周りからは硬直から解け悲鳴を上げる生徒達。教室で生徒達と昼を取っていた社会科の愛子先生が何か叫ぶが、それも虚しく、カッと魔法陣が一際明るく輝いたと思うと、光が教室を満たした。それと同時に視界が光っていて見えなくなった。

 

 光が収まって視界が明るくなったところで周囲を見渡す。そこは教室ではなかった。すぐに見えるのは目前にある巨大な壁画。そして、こちらを取り囲み、祈りを捧げるように跪く三十人程の人々。

 

 他にも何かないかと見渡すと、三十人程の集団の中から、煌びやかな衣装を纏い、烏帽子を被った七十代くらいの老人が進み出てきた。

 

 そして、今も訳がわからず混乱している俺を含めたクラスメイトたちに向かって、外見によく合う深みのある落ち着いた声音で言い放つ。

 

「ようこそ。トータスへ。勇者様、ご同胞の皆様」

 

 

 

 

 

 




 ようやく原作突入‼︎お待たせしました。ここまで前置きが長くなってしまい、すみません…。
 それと、ここまで見て貰えば分かるんですが…圧倒的ハーレム感。
 はい。普通にハーレムですね…。
 だけど…tsハジメちゃんとエリリンがヒロインって余りなくないじゃないですか⁉︎
 一応、恋愛的描写やらは余り書かないつもりですが…誤解されないように、タグを修正・変更をしたいと思います。
 そのため、ハーレム要素も入ると思うのですが…ご理解の方をお願いします。
 それと同時に一話と二話を書き直し又は、本編と合うように修正したいと思うんですが…相当時間かかりますので…一応、書き直すかもしれないという事を報告して置きます。

 それと私はありふれという作品に関しては余り詳しくないので、矛盾点やら細かい設定が分かりませんので…ここ矛盾してない?や疑わしい点などがありましたら報告をしてくれると助かります。寧ろ勉強になります。

 という事で八月になりますが…皆様、夏バテやら熱中症にはお気を付けてください。こまめな水分補給は忘れずに‼︎

 注意喚起もした事ですし、また次回‼︎
 


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第六話


朗報  シビルドンSV内定‼︎ お帰りシビルドン‼︎

地面に足をつくあの姿も見れた…俺は満足だ…。

その他にも、メブキジカやドンカラス、ムウマージ、ヘルガーなども内定決定。

嬉しい。

 

 


 

「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」

 

 そう言って、イシュタルと名乗った老人は、好々爺然とした微笑を見せた。

 

 

 

 ☆☆☆

 

 現在、イシュタルと名乗った老人に連れられ、十メートル以上ありそうなテーブルが幾つも並んだ大広間に通された。

 

 上座に近い方に畑山愛子先生と光輝達四人組が座り、後はその取り巻き順に適当に座っている。一方、我らがオリ主くんこと音波はクラスの最後尾に座った。左隣を恵里、右隣をハジメ、何故か鈴が音波の膝の上に座る。

 

 ここに来る道中誰も大して騒がなかったのは未だ現実に認識が追いついていないからだろう。イシュタルが事情を説明すると告げたことや、カリスマレベルMAXの光輝が落ち着かせたことも理由だろう。

 …その横で教師よりも教師以上に生徒を纏めていると愛子先生が涙目だったとさ。

 

 全員が着席すると、絶妙なタイミングでカートを押しながらメイドさん達が入ってきた。そう、生メイド。地球産の某聖地にいるようなエセメイドや外国にいるデップリしたおばさんメイドではない。正真正銘、男子の夢を具現化したような美女・美少女メイドである。

 

 こんな状況でも思春期男子の飽くなき探究心と欲望は健在でクラス男子の大半がメイドさん達を凝視している。もっとも、それを見た女子達の視線は、氷河期もかくやという冷たさを宿していたのだが……

 

 一方、音波と言うと…

 

「…スルーしないが、何故谷口が俺の膝に乗ってるんだ?」

「あっ、谷口さん⁉︎」

「鈴…何やってるの?」

「フッ…鈴は君たちに聞かされていた事(二人の願望)をやってみただけだよ」

「…何言ってんだ?というか中村と南雲は谷口に何を吹き込んだんだ?」

「フッフッフッ、気になるオトッチ?「いや、まったく」そんなこと言わずに⁉︎…それはね…どっちがオトッチの膝に座って甘えられ…「「ちょっと、鈴(谷口さん)ストップ‼︎」」ちぇ…」

 

 谷口の言葉を聞いて、慌てふためいている恵里とハジメ。

 

「…谷口も苦労してんだな。後、二人とも聞かなかったことにするから、余り谷口を苦労させんじゃないぞ」

「「はぁい…」」

「…はぁ、それと谷口は大丈夫か?」

「エリリンとハジメンに一泡吹かせられたから満足だよ‼︎」

 

 などとメイドなんて知ったことかと漫才的な事をしていた。これには、前の方で席についていた白崎が音波たちの漫才的なものを見て「良いな…二人とも音波くんの隣で…」と呑気な事を言っていた。

 …すぐさま八重樫が「あの状況を見て、良いな⁉︎香織大丈夫⁉︎」などと慌てていたが。

 

 全員に飲み物が行き渡るのを確認するとイシュタルが話し始めた。

 

「さて、あなた方においてはさぞ混乱していることでしょう。一から説明させて頂きますのでな、まずは私の話を最後までお聞き下され」

 

 そう言って始めたイシュタルの話は実にファンタジーでテンプレで、どうしようもないくらい勝手なものだった。

 

 要約するとこうだ。

 

 まず、この世界はトータスと呼ばれている。そして、トータスには大きく分けて三つの種族がある。人間族、魔人族、亜人族である。

 

 人間族は北一帯、魔人族は南一帯を支配しており、亜人族は東の巨大な樹海の中でひっそりと生きているらしい。

 

 この内、人間族と魔人族が何百年も戦争を続けている。

 

 魔人族は、数は人間に及ばないものの個人の持つ力が大きいらしく、その力の差に人間族は数で対抗していたそうだ。戦力は拮抗し大規模な戦争はここ数十年起きていないらしいが、最近、異常事態が多発しているという。

 

 それが、魔人族による魔物の使役だ。

 

 魔物とは、通常の野生動物が魔力を取り入れ変質した異形のことだ、と言われている。この世界の人々も正確な魔物の生体は分かっていないらしい。それぞれ強力な種族固有の魔法が使えるらしく強力で凶悪な害獣とのことだ。

 

 今まで本能のままに活動する彼等を使役できる者はほとんど居なかった。使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。その常識が覆されたのである。

 

 これの意味するところは、人間族側の〝数〟というアドバンテージが崩れたということ。つまり、人間族は滅びの危機を迎えているのだ。

 

「あなた方を召喚したのは〝エヒト様〟です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にして、この世界を創られた至上の神。おそらく、エヒト様は悟られたのでしょう。このままでは人間族は滅ぶと。それを回避するためにあなた方を喚ばれた。あなた方の世界はこの世界より上位にあり、例外なく強力な力を持っています。召喚が実行される少し前に、エヒト様から神託があったのですよ。あなた方という〝救い〟を送ると。あなた方には是非その力を発揮し、〝エヒト様〟の御意志の下、魔人族を打倒し我ら人間族を救って頂きたい」

 

 イシュタルはどこか恍惚とした表情を浮かべているが、用は今この世界ーートータスの人間族は滅びの危機を迎えていて、人間族の救いの為にあなたたちーー勇者様たちを召喚した。そして、あなたたちには強力な力があるから救ってくれ(戦え)。という事。

 

 ここまで聞いた人なら分かるが、普通に考えて、ツッコミどころ満載の言い分であり、それに加えて救ってという名の戦えとか誰がやるか⁉︎と逆ギレ問題だろう。

 

 当然、そのように思う人もいて反抗の意を表明する。

 

「ふざけないで下さい! 結局、この子達に戦争させようってことでしょ! そんなの許しません! ええ、先生は絶対に許しませんよ! 私達を早く帰して下さい! きっと、ご家族も心配しているはずです! あなた達のしていることはただの誘拐ですよ!」

 

 ぷりぷりと怒る愛子先生。しかし、低身長で童顔のせいか、本人は真面目に怒っているかもしれないが、〝愛ちゃん〟と愛称で呼ばれ親しまれているのもあり、大変微笑ましい光景が広がっていた。

 

 今回も理不尽な召喚理由に怒り、ウガーと立ち上がったのだ。「ああ、また愛ちゃんが頑張ってる……」と、ほんわかした気持ちでイシュタルに食ってかかる愛子先生を眺めていた生徒達だったが、次のイシュタルの言葉に凍りついた。

 

「お気持ちはお察しします。しかし……あなた方の帰還は現状では不可能です」

 

 場に静寂が満ちる。重く冷たい空気が全身に押しかかっているようだ。誰もが何を言われたのか分からないという表情でイシュタルを見やる。

 

「ふ、不可能って……ど、どういうことですか!? 喚べたのなら帰せるでしょう!?」

 

 愛子先生が叫ぶ。

 

「先ほど言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間に異世界に干渉するような魔法は使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様の御意思次第ということですな」

「そ、そんな……」

 

 愛子先生が脱力したようにストンと椅子に腰を落とす。周りの生徒達も口々に騒ぎ始めた。

 

「うそだろ? 帰れないってなんだよ!」

「いやよ! なんでもいいから帰してよ!」

「戦争なんて冗談じゃねぇ! ふざけんなよ!」

「なんで、なんで、なんで……」

 

 パニックになる生徒達。一方で、後ろ組は、

 

「三人はどう思う?」

「…転生もののありきたりな展開」

「自分勝手な神様だな〜ぐらい」

「鈴はよく分からないけど、余りあのお爺さんは信用したくないな」

「まぁ…そうだよな。というかあんな目をしてる爺さんの目はまさに、『あなたたちは選ばれた人ですよ…何故喜ばない?』的な感じだしな」

 

 既に落ち着いていた。というよりイシュタルを怪しんでいた。何故ならば、今のイシュタルは口を開かずにただただこちらを眺めているが、音波にはイシュタルの目の奥に侮蔑が込められているような気がした。

 

 そんな中、光輝が立ち上がりテーブルをパンッと叩いた。その音にビクッとなり注目する生徒達。光輝は全員の注目が集まったのを確認するとおもむろに話し始めた。

 

 「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。……俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。……イシュタルさん? どうですか?」

「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」

「俺達には大きな力があるんですよね? ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」

「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」

「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」

 

 ギュッと握り拳を作りそう宣言する光輝。無駄に歯がキラリと光る。

ギュッと握り拳を作りそう宣言する光輝。無駄に歯がキラリと光る。

 

 同時に、彼のカリスマは遺憾なく効果を発揮した。絶望の表情だった生徒達が活気と冷静さを取り戻し始めたのだ。光輝を見る目はキラキラと輝いており、まさに希望を見つけたという表情だ。女子生徒の半数以上は熱っぽい視線を送っている。

 

「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。……俺もやるぜ?」

「龍太郎……」

「今のところ、それしかないわよね。……気に食わないけど……私もやるわ」

「雫……」

「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」

「香織……」

 

 いつものメンバーが光輝に賛同する。後は当然の流れというようにクラスメイト達が賛同していく。愛子先生はオロオロと「ダメですよ~」と涙目で訴えているが光輝の作った流れの前では無力だった。

 

 そして、イシュタル教皇を見ると満足そうな笑みを浮かべていた。ここまでの流れをつくった光輝を観察していて、事情説明をする間、どの言葉に、どの話に反応するのか確かめていた。『彼は正義感があって影響力のある人』みたいに光輝の性格や人物像などを見抜いていたのだろう。

 

 結局、全員で戦争に参加することになってしまった。おそらく、クラスメイト達は本当の意味で戦争をするということがどういうことか理解してはいないだろう。崩れそうな精神を守るための一種の現実逃避とも言えるかもしれない。

 

 そんな中、ハジメが音波に聞いた。

 

「…言わなくてよかったの?」

「…こんな盛り上がっている中で否定の意を示したら、空気読めないにも程があるだろ」

「まぁ、普通に考えてこんないい雰囲気の中喋らないよ。…逆に鈴は天之川くんの宣言にノリノリかと思ったよ」

「エリリン?それ、どういう意味かな?」

「別に〜鈴みたいなムードメーカーなら真っ先に便乗するかと思っただけだよ」

「エリリン⁉︎」

「哀れ、谷口。ドンマイ」

「谷口さん、大丈夫?中村さんもそんなこと言わないの…」

「おいおい、南雲君。君も思っていることだろ?」

「……うん」

「ハジメン⁉︎」

 

 この後、イシュタル教皇の先導の元、この国の国王や王族、この国の重臣などが紹介されたが、ほとんど聞いてもないと同じだった。それよりも、国王がイシュタル教皇の手に軽いキスをしたのを見て、教皇…教会の方が立場が上という事。そして、『神』が国を動かしていると結論づけた。後、十歳ぐらいの子がなんかがチラチラ香織を見ていて、キモいな〜と思ったのは内緒だが。

 時間も経ち、既に夕暮れ時、どうやらこの後は、晩餐会が開かれるようだ。と言っても、何もないだろ(フラグ)と思う音波だったのだ。

 

 

 

 

 

 

 




鈴ちゃん可哀想。(小並感)

 そういえば、剣盾は最近プレイしてませんが、伝説・幻六体可能環境になるんでしたっけ?
 …インフレも加速したな。まぁ、どうせアイアントが環境に帰ってくる事はないんだろうけど…。つばめがえしを返してくれゲーフリ。後、関係ないがポケモントレッタも返してくれ。(突然のポケモントレッタ)
 てか、毎回ポケモンの話しかしてないなと思う今日この頃です。楽しいからいいよね。

 〜裏話〜
 恵里さん闇落ち回避ルートなので、王都侵攻(アニメ二期)の部分をどうしようかと悩んでいます。オリキャラもまだ出せてないのに、オリキャラ追加とかもな…。よくあるAnother(原作の世界線)の恵里を出すのもなぁ…。
 まぁ、結構先のほうだから考えつつ書こう。ついでに、モチベが上がらない…。


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第七話 金髪不遇系姫様との交流(メイドさんも一緒)


遅くなってすみません…。…書くのが面倒…いえ、モチベーションが上がらなくて…ガルパイベ疲れた…ゲフッ…ゲフッ。

…だが私は謝らな(ry)

〜お知らせ〜
…完結を目指してますが、すみません…自分のペースで書いていきたいので、投稿ペースは不定期になると思いますが、そこのところはお許しを…‼︎






 

 現在、大広間にて晩餐会が開かれた。出された料理こそ地球の洋食とほとんど変わらなかった。たまにピンク色のソースやら虹色に輝く飲み物が出てきたりしたが非常に美味だった。

 

 十歳ぐらいの子ーーランデル殿下がしきりに香織に話しかけていたのをクラスの男子がやきもちしながら見ているという状況もあった。まぁ、香織の殿下を見る目は幼い弟を見る様で好意としては受け取られてないけども。哀れ殿下。

 

 また、ランデル殿下の姉のリリアーナ王女(音波は名前を知らない)は雫や侍女さん達と会話で華を咲かせていたりもした。また、鈴は恵里を連れて、リリアーナ王女に突っ込んでいった。…その時の恵里の面倒臭そうな顔は正直ドンマイとも思うが、鈴もそれ以上に普段から苦労してるのは恵里には知らない。という事で、現在は南雲と共に晩餐を味わっているところだ。

 

 そんな中、音波はクラスの人達よりも少し早く晩餐を終わらせ、隣で食べていたハジメに伝える。

 

「南雲、少し外の空気を吸ってくる」

「ん?分かったけど…恵里に聞かれたらどうすれば良い?」

「一応、俺の居場所でも聞かれたら先に部屋に行ってるとでも言ってくれ」

「分かった」

 

 と言って、大広間から出て外に向かった。この後、明日から始まる訓練における教官達の紹介もされた。曰く、いずれ来る戦争に備え親睦を深めておけということだろう。ここには居ない音波には知り得ない事だが。

 

 晩餐が終わり解散になると、生徒達は各自に一室ずつ与えられた部屋に案内された。部屋は天蓋付きベットと豪華だった。落ち着かないという気持ちもあったが、大抵の生徒は怒涛の一日ということもあり、そのままベットにダイブすると共に意識を落としていくのだった。

 

 

 

 ☆☆☆

 

「おや?誰かが出ていきますね」

「ん?…本当ですね。…連れ戻して参りましょうか?」

 

 自分の侍女と話しているリリアーナは見た。…勇者様とその御一行の一人が広間から出て行く所を。それを見たリリアーナの侍女ーーヘリーナは連れ戻そうかとリリアーナに聞く。

 

 普通、晩餐中に立ち去って行くという事はあり得ないため、リリアーナは疑問を抱いた。何か隠したい事でもあるのかな?と…

 

「…ヘリーナ少し気になることができました」

「姫様?」

「今、広間から出て行った方なんですが…」

「姫様自ら行かれるんですか?」

「何か隠したい事でもあるのかと…」

 

 リリアーナが自ら行く事を伝えると、ヘリーナはやれやれといった表情で、

 

「…まぁ心配ですから、私ともう一人の侍女を連れて行きますね。ニア?少しいいかしら?」

 

 雫と話していたニアと呼ばれた侍女に姫様と一緒に同行の意を伝える。

 

「分かりました。…すみません雫様。少し姫様の方に行かせて貰います」

「あら、分かったわ」

 

 そう言って、リリアーナは国王に少し外に出る事を伝えると、二人の侍女と共に大広間から出て行った。幸運にも…大半の生徒は豪華な食事というものに目が向いていて、気付かなかった。

 

 

 

 ☆☆☆

 

「ここなら誰にも見られず、声も聞こえない場所か?…まぁいいか。取り敢えず出てこい」

 

 音波は、自分が召喚された所ーーつまり、巨大な壁画が見える台座のような場所に着くと、誰もいないとはいえ念の為に周りを確認する。そのあと、指輪からボールを六個取り出すとそのまま開ける。中からは…

 

『『『(ワニィ)(ピィ)(フゥン)(モノ)(ガゥ)(バフ)??????』』』

 

 この世界の敵対生物ーー魔物ではないが、この生物を知らない人が見たら確実に魔物と間違える謎の生物ーーポケモンが出てきた。

 

「静かにしてくれるか?何、今から飯は出してやるから」

 

 そう言うと、音波は再び指輪からハート型のお菓子ーーポケマメを数十個取り出し、何処からか出したボウルのようなものに入れる。それを見たポケモン達反応する。

 

「悪いが、静かに食えよ」

『『『‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎』』』

 

 彼がそう言い、ボウルを置くとポケモン達は一瞬で食らいつく。食いしん坊だなと思いつつ、音波は巨大な壁画に視線をやる。

 

 召喚された時は、混乱や周りの状況を見るのが精一杯ということもあり、詳しく見えなかったが、こうして再び見ると不審な点があった。

 

 まずはやはりその異常な程の大きさだろうか、縦横十メートルはありそうな壁画。この時点でも異常だと思うが、一番は描かれている内容だった。

 

 後光を背負い長い金髪を靡かせうっすらと微笑む中性的な顔立ちの人物が描かれていた。詳しく見ると、描かれている人物が両手を広げていて、その下には多くの民衆が神に祈りを捧げているかのように跪いている。それを見た音波は突如薄ら寒さを感じた。

 

(やはり、この国ーーいやエヒトとかいう神はおかしい…そもそも、あれだけ人が居るのにエヒトとやらの神しか信仰してないとか…唯一神なのか?…何よりこの国は神に縋りすぎだろ…自分達の意志は無いのか?)

 

 そう思っていると、ポケモンの声が聞こえる。いつの間にか数分経っていたらしくどうやら食べ終わったらしい。見ると、みんな満足そうな顔をしている。

 

「…食えるだけ食っとけよ。後でちゃんと動いてもらうからな…と言っても、こいつら実戦経験ないけど…大丈夫か?俺もだけど…まぁ、今度考えるか。取り敢えず戻ってくれ」

 

 そう言い、ボールを取り出してポケモンを戻す音波。しかし先程とは違い、指輪に戻すのではなく、腰に付けていく。

 

「さて、そろそろ広間に戻るか…って、うん?足音?しかも数人だし…まさか…バレたか?」

 

 そう呟き、一人で焦っていると、暗闇から人影が…

 

「探しましたよ」

「「…」」

 

 怪しさ満点の三人ーー侍女らしき女性の二人と金髪碧眼の美少女が現れた。

 

 

 

 

 ☆☆☆

 

 場所は移り、王宮の中のバルコニーらしき場所。いかにもお茶会出来そうな四人席に案内され、座る。

 

「はじめまして。っと言いましても、先程皆様の前で紹介したので、私の名前はご存知だと思いますが…」

「…え?」

「へっ?」

 

 座ると早々リリアーナが自己紹介しようとするが、忘れてはならないのが、我らが主人公くん…そうあの時自己紹介をしていたのにも関わらず、聞いていなかったのだ。

 

「…先に謝っておきます。すみません。自分、貴方の名前をご存知じゃないんですよ…」

「へっ?」

「大変申し訳ないです。あの時少し考え事をしていて…唯一覚えているのが、十歳ぐらいの子?ーー君の隣に居た子が気持ち悪い視線で女子のこと見てたぐらいなんですよ」

「そっ、そうなんですか…ぐすっ、私王女なのに…名前を覚えられてないんですか…そうですよね、私なんて…」

 

 名前を覚えて貰えずに雑な扱いをされる。瞳の端には煌く何かが溜まっている。この対応に二人の侍女は「可哀想…とは思いますけど…」「この扱いが似合ってるなんて言えない…」と追い討ちをかけていた。これにはリリアーナも立ち直り、「ヘリーナ⁉︎ニア⁉︎どういうことですか⁉︎」と声を大にしていた。

 

「取り敢えず姫様?の扱いの件に関しては申し訳ないとは思ってる、うん」

「絶対思ってませんよね⁉︎「うん」…そっ、即答…」

 

 後日、二人の侍女に「私…王女なのに…この扱い」とむせび泣く王女がいたとさ。

 

「話は戻すが…なんだっけ?自己紹介か?」

「…私なんて…はっ‼︎自己紹介ですね。ゴホン、改めまして、私はリリアーナと申します。気軽にリリィとお呼びください」

「じゃあ、こちらもはじめましてかな?勇者御一行の一人、垣根音波と申します。呼び方はご好きなように姫様…いや()()()かな?」

「へっ?お嬢様ですか?いえ、私はそれ程でも…ふふ」

 

 明らかに機嫌が上がるリリアーナ。リリアーナは、王女と言っても普通の女の子だ。そのため、普段はその身分から姫様と呼ばれるが、お嬢様とは余り言われたことがなく、言われたのが異性というのもありので、新鮮感と共になんだか嬉しく感じた。

 

「お嬢様なんて…でもリリィでも良いんですよ?」

「まぁ、王族に対してそんな軽々しい言う度胸を持ち合わせてないので…」

「ふふ、可愛いところもあるのですね。これからよろしくですね。音波さん?」

「ああ、よろしくお願いしますね、お嬢様」

 

 呼び方に対して盛り上がる二人。これに対して侍女二人は「姫様がぞんざいな扱いを受けてない…」「何かの間違いでは…」と失礼な事を言ってたりしている。

 

「それじゃ、侍女さんも名前聞かせてくれるかな?」

「えっ、私たちもですか?」

「私たちなんて侍女という立場ですので…」

「いえ、二人も紹介してください。先程のいじりのおかーーいえ、姫様権限です」

「「姫様権限⁉︎…聞こえてたんですか…」」

(なんじゃそりゃ?)

 

 突如、姫様権限という謎の権力を振りかざし、侍女さんも自己紹介をしてと勧める。侍女の二人もやれやれと言った感じで自己紹介する。

 

「はじめまして、ヘリーナと申します。主にリリアーナ王女の専属侍女をさせて貰ってます。以後お見知り置きを…」

 

 まず、自己紹介してくれたのは、ダークブラウンの長い髪を揺らし、女性にしては高めの身長をスッと伸ばしている女性。見た目から分かるように、美少女よりかは美人って感じがする。具体的にはAPP17ぐらい。(リリアーナは一応APP18)後、母性が溢れ出ている。

 

「次は私ですね…はじめまして、ニアと申します。主に王宮の侍女をやらせて貰っています。今は勇者様御一行の一人の侍女をやらせて頂く所存です。ヘリーナと同じ言葉ですが、以後お見知り置きを…」

 

 次に自己紹介してくれたのはこれまた茶髪のパーマをした女性。異世界は美人か美少女しか居ないのかと疑う程、美少女寄りの美しさ。特徴的なのは頬のそばかすだろうか。どちらにせよ美少女ということには変わりない。

 

「こちらこそ宜しくお願いします。ヘリーナさん、ニアさん」

「…あっ、あの…名前でお呼びしなくても…」

「いや、侍女さんだったら分かり辛くない?それに名前の方が良いし…あっ、駄目でしたか?馴れ馴れしいというか…」

「いっ、いえ…」

「だっ、大丈夫です…」

((異性に名前で呼ばれたことなかったから…少し恥ずかしいですね…))

 

 何故か頬が紅くなっているのは…気のせいだろう。これを見たリリアーナは、「王女の前でいちゃつかないでください」という気持ちと共に「名前で呼ばれて良いな…私も名前で呼ばれたいのに…」という少し不満を持っていた。

 

「コホン、二人とも…何故そこまで満足そうなんですか…?」

「「ひ、姫様⁉︎」」

「はぁ、羨ましい…いえ…王女の前というのに…」

 

 少し本音が見え隠れしたが、侍女の行いを咎めるリリアーナ。

 

「さて、自己紹介も済んだことですし…俺に何か用があるのかな?」

「いえ…私は王女ですので、召喚された方々に挨拶を回ってるんですよ」

 

 当然、嘘だ。晩餐会の途中に抜けたので、何か企んでいるのではないかと疑っていた為である。

 

「そうですか…。俺はてっきり晩餐会の途中で抜けた訳でも聞いてくるかと思ってました」

「…」

 

 図星である。

 

「はぁ…その顔図星ですかね…。まぁ、分かりますよ。いきなり晩餐の途中に抜けたら怪しいですよね。本当に申し訳ないです。それと、言っておきますが、別に特にこれと言って目的とかはありませんよ。ただ外の空気を浴びたかったので、一応友人にもこの事は伝えてありますので」

 

「…それなら良かったです」

「良かったです…?まさか()()()()()()()()()()()()()()()()()()冗談ですけど」

「い、いえ、ただ気になってしまい…」

「それなら申し訳ない。お詫びと言ってはですが…」

「?」

 

 そう言うと、音波は指輪からお詫びのものであろうポケマメやポフレなどの菓子類を取り出す。

 

「「「⁉︎」」」

「どうぞ、ささやかなものですが、って…」

「…あなた、その指輪ーーいえ、その"宝物庫"はなんですか?」

「ちょっと、ヘリーナ⁉︎」

「ヘリーナさん⁉︎」

 

 いきなり、指輪から菓子類出てきたことに驚きを隠せない三人だったが、すぐにヘリーナがどこから取り出したか分からないナイフーーつまり暗器を取り出し、まさに脅しまがいな事をする。これにはリリアーナとニアも驚きを隠せない。

 

「なにって言われましても…ただの有能な指輪ですとしか…」

「ヘリーナ⁉︎まずそのナイフを…」

 

 リリアーナがヘリーナを咎めようとするが、

 

「姫様、彼が使っているのは、宝物庫です」

「ほっ、宝物庫?」

「ええ、宝物庫というのはですね、商人や王国もにとって喉から手が出るほどの品物でありまして、宝物庫一つがあれば、一生遊んで暮らせるだけ程の価値です。現に、この王国にも無いそんな貴重な物を持っているんですよ‼︎」

「…なんでこんなに詳しいのかしら…」

 

 後半は、ほぼ早口だったが宝物庫の価値を説明するヘリーナ。ニアは余りの情報量に頭がパンク中のようだ。リリアーナもヘリーナが何故そこまで詳しいのか疑問にもつが…

 

「へぇ…宝物庫って言うんですね。はじめて知りました。と言っても、この世界の品物では無いんですよ」

「…と言いますと?」

「召喚される前からつけてた物ですのでこの世界の物ではありません。というより貰い物ですので…というより先程からナイフを俺に向けてますが…おろしてくれないですかね…」

「えっ?…はっ‼︎…すみません⁉︎、ご無礼を働いてしまい申し訳ございません‼︎」

「私からも…申し訳ございません‼︎」

「…大丈夫ですよ。そんな貴重な物だったなんて知らなかった俺も悪いですし…そうですね、なら変わりに俺の話し相手にでもなってくれないか?」

 

 謝る二人に対して、話し相手にならないかと問いかける音波。

 

「へっ⁉︎」

「それなら良いでしょ?あっ、普段はお嬢様の侍女で良いので、時間があったら話し相手になってくれれば良いので」

「し、しかし、私は貴方様に疑いを…」

「…それなら、戦闘の基礎とか教えてくれない?」

「えっ⁉︎」

「正直に言うと、実戦経験皆無だからさ…。明日からの訓練が正直不安なんですよ…」

「それでも…私は自己防衛程度ですよ…というより、処罰とかないのですか⁉︎」

「そういうの考えるの面倒くさくないですか、ですよねお嬢様?」

「えっ、あっ、はい」

「それに幸いにも教会の人達とかには聞かれてないから、処罰とかは大丈夫だと思うしね」

「…本当によろしいのですか…?」

「良いよ良いよ。こんな事で処刑とか罰とかくだらなくない?それにーー姫様…いえお嬢様のご友人さんならお嬢様が悲しみますよ。…多分

「姫様…」

「…音波様本当にありがとうございます‼︎」

 

 リリアーナ姫が謝罪すると、音波は何か呟く。

 

「…思ったけど、別に俺はまだ勇者とか分からないし、なんなら俺は勇者じゃないと思うけどな…

「何かおっしゃられましたか?」

「…なんでもないよ。それより戻らない?」

「…そうですね。本当にありがとうございました」

 

 音波の提案によりお茶会?は御開きになった。

 

「では、また会えたら宜しくという事で。それと、その菓子類はご自由にどうぞ。毒とかの類は入ってませんが、心配なら捨てても構いませんよ。…あ…やべ…部屋何処だっけ?」

「音波様?」

「…すみませんが、俺の部屋って何処ですかね…?」

「え?」

「完全に忘れてたけど…部屋何処だ?」

「…ニア、いつまで頭をパンクさせてるんですか…」

「…は⁉︎私は…一体…」

「…早く音波様を部屋に」

「えっ?あっ、はい。かしこまりました。…それでは音波様私についてきてください」

「あぁ、ありがとうございます。それでは、お嬢様、()()()()

「⁉︎」

「はい‼︎では、また会いましょう」

 

 そう言うと、ニアに着いていく。すると、客室であろう部屋に連れてこられた。

 

「.…こちらが、音波様のお部屋です…他の皆様はもう就寝していると思いますので…」

「あぁ、最後までありがとうございます。()()

「はい…って⁉︎ちょっと待ってくだーー‼︎」

「では、お休みなさい」

 

 そう言って、部屋を閉める。…何か慌てていたが何かとんでもない事を言ってしまったのかな…?ニアって馴れ馴れしい言い方をしたからかな…次会った時謝っておこう。

 

 さて、明日からは訓練が始まる。…果たしてこの世界の奴らには、ポケモンが通じるのか…そして、俺自身は戦えるのか…。

 

 そう思いつつ、天蓋付きベットに入る。…今日は色々あったからな、異世界に転移なり、お嬢ーー姫様との会話だったりと人生の運を使い果たしたぐらい満腹だからな…。そんな事を考えている内に、俺は意識を落とした。

 

 

 

 




 執筆中思った事。
Q. なんでシビルドン好きなのに、シビルドンを登場させないんだ…?

A. 本当なんで出さなかったんだろ?作者にも理由は分からないけど、一応、今後も出す気はない。詳しい説明はいつかするとして…一番はこれ以上ポケモン出したら、作者が混乱するため。(というか、もう設定とか何それ?状態だけど。まぁ、早く一話や二話を書き直さなくては…直す気はほぼ無いけど)

 そのためにも、作者はポケモン(ゲーム準拠)の作品(二次創作)を作りたいと思ってる。しかし、長続きしないや登場人物の口調が分からない、そして何よりモチベーションの問題がある。
 …正直に言いますと、アニポケのアヤカさんというエリトレが好きなので書こうとした。理由は、アヤカがヒロインの小説見たことが無い…というか、エリトレとの二人旅が突如思いついた。

 頼みます。誰かアヤカさん…いや、xyのエリトレ(女)がヒロインの小説を書いてくれ。(他力本願)…めっちゃ見たい。(作者の願望)

 ☆☆☆
 〜この作品の裏話〜

 ありふれのメイドさんがめっちゃ可愛い。ヒロインにしたい。ヘリーナさんマジ神。アニメに出て欲しいぐらい。ニアさんは…アニメでは出演したものの…うん…悲しい事だった。取り敢えず、中村恵里…お前は絶対許さん。*1
 
 話は変わり、この作品のことになりますが、…ヘリーナさんとニアさんをヒロインにしたい。なんならメインヒロインにしたい。(欲望)というか、伏線というか…布石みたいなのを張ってしまった。しかし、問題もある。ヒロインを増やしたらな…大変というか…うん…まぁ…。

 というか、この作品とは別でヘリーナとニアがメインヒロインの作品を作りたい。しかし、これも話の構成やモチベーションやらの問題で…(ニ回目)

 というか、今も即興で考えているのに新しく執筆とか無理だ…(一応、この作品にはプロットとかは無い)

 ということで、誰かヘリーナorニアがメインヒロインの作品を作ってください‼︎(他力本願)めっちゃ見たい。(二回目)

 それと、原作ではヘリーナはリリアーナ様と呼ぶのですが、この作品では姫様にさせてください…。(多分一番重要)

 ということで、そろそろ夏も終わる頃ですが、皆様の体調はどうでしょうか?最後の最後まで気を抜かないようにしましょう。以上、作者の話は終わります。気をつけ……礼‼︎

*1
ちなみに、作者の推しは中村恵里です



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