転生DxD (ぺへ)
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0章(転生のゲームスタート)
1話


どうも、皆さん。初めまして!私は兵藤聖と言います!早速ですが、私は転生者です!テンプレの1つである、神様のミスで転生を果たした1人で、もちろん転生特典もあります!その転生特典とは…!

 

・マイティアクションXガシャット

 

・マイティアクションXXガシャット

 

・マキシマムマイティX

 

・ハイパームテキ

 

・プロトマイティアクションXオリジン

 

・デンジャラスゾンビ

 

・ゴッドマキシマムマイティX

 

・仮面ライダークロニクル

 

・ガシャットギアデュアル

 

・ゲーマドライバー

 

・バグルドライバー

 

・バグルドライバーII

 

・覇王色の覇気

 

・武装色の覇気

 

・見聞色の覇気

 

・檀黎斗の才能

 

コンテニュー機能

 

残機∞

 

この特典を頂きました!流石にブチギレられるかなって思ったけど、何故かニコニコして快諾してくれたんだよね〜。まあ、こんな超バグキャラで転生させて頂きました!

そして、功績はと言うと、僅か4歳でマイティアクションXを生み出してそれが大ヒット!ガッポガッポ儲けて、最少年で人気ゲームを売り出したという事で、ギ〇〇世界記録も更新!その後、テレビ出演も果たして更にガッポガッポ!チャリン、チャリンという音が止まらなかったわ!その後もヒット商品を連発して、今では私の名前を知らない人の方が多いほど!

…というのは、嘘だけど。ギ〇〇までは本当だけど、テレビ出演は全て断った。なんでかって?身バレが怖いんだよ〜…。この世界、まさかまさかの『ハイスクールDxD』なんだから…。

まあ、そんな情報統制を破ってきた人がスポンサーになったけど…。しかも堕天使総督のアザゼルから直々に契約を結んで欲しいって来るなんて予想外過ぎる…。しかも、「アイディアや資金を提供する代わりにうちに入ってくれ。」とかいう、私にしか得の無い状況を作り出されたし…。

そんな訳で、僅か4歳で神の子を見張る者(グリゴリ)所属のゲームクリエイターになったけど…。やっぱり、アザゼルって天才でした。私が悩んでいる時にアイディアを提供してもらったけど、どれも求めていたものばかり!いや〜、流石は神器(セイクリッド・ギア)オタク!そんな私は今…

 

聖「兄さん!私、先に行ってるから!」

イッセー「ちょ、待てって、聖!俺も行くから!」

 

兄さんと駒王学園に通ってる2年生!しかも、原作主人公の双子の妹という設定!まあ、原作通りエロガキだけど…。

 

松田、元浜「死ね、イッセー!!!!」

イッセー「グホォ…」

聖「毎日、毎日飽きないねぇ〜。あ、愛華、おはよう〜!」

桐生「おはよ、聖。にしても、あの3人は飽きないわね〜。」

聖「ね〜。はっ!も、もしかして、裏ではいちゃラブを…!!」

桐生「ほんと、あんたが兵藤と兄妹だって事がよく分かるわ。あんたも大概だからね。」

聖「これくらい、普通でしょ。」

 

こんな感じでゆる〜く始まりゆる〜く終わる。そして、放課後。いつもなら兄さん達と下校するのだが今日は違う。理由ははぐれ悪魔を見つけたからだ。私は廃墟へと向かう途中、ゲーマドライバーを装着し右手に黒色のガシャットを持つ。

 

はぐれ悪魔『今日は女かぁ〜…。喰う前の楽しみが出来たなぁ!!』

はぐれ悪魔『おい!俺も使うんだから壊すんじゃねえぞ!!』

聖「はぐれ悪魔コルト、はぐれ悪魔カンドル。お前達は他者を弄び殺すと言ったことを嬉嬉としてやるクズ共だ。私が削除する。」

マイティアクションX!

はぐれ悪魔『神器所有者だと!?』

はぐれ悪魔『それに、俺たちを狙っているということはバウンティハンターか!?』

聖「グレード0。変身!」

 

【ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!

マイティジャンプ!マイティキック!

マイティ〜アクショ〜ン!X!

はぐれ悪魔『そ、その姿はまさか…!!』

はぐれ悪魔『紫の戦士…!!』

聖『我が名はゲンム。さあ、コンテニューしてでもクリアする!』

ステージ!セレクト!

 

ステージセレクトで、廃墟から草原へと変わる。よし、これで周りへの被害は大丈夫か。それじゃあ、サクッと終わらせてゲーム作ろ〜っと!

 

ガシャット!キメワザ!

マイティ!

クリティカルストライク!

 

私は飛び上がり2体に喋らせる暇も与えずライダーキックをかまして、爆発霧散させる。良し!とっとと帰ってゲーム作ろう!

ゲームエリアから抜け、変身を解いて帰ろうとしたら奥の方で紅色の光が見えそこからリアス・グレモリーが現れた!?え、嘘!?本物じゃん!!それに、姫島朱乃に木場祐斗に塔城小猫もいる!うわぁ〜!!凄い!

 

リアス「ここにはぐれ悪魔がいると聞いたのだけれど…。あなたが倒したのかしら?」

聖『はい!』

 

ガッチョーン!ガッシューン

 

リアス「その制服はうちの学校のものね?あなた、名前は?」

聖「はい!私、兵藤聖って言います!堕天使勢力に入ってます!」

リアス「なんですって!?」

聖「あ、と言っても、形式上ですよ?実際には、出資やアイディア提供をしてもらってるだけです。」

朱乃「あらあら、それをどう信じろと?」

聖「あ、確かに…。じゃあ、聞いてみます?」

木場「聞く?」

聖「ちょっと待っててくださいね〜。」

 

一触即発の空気だけど、あの人なら多分大丈夫っしょ!暇そうだし!私は携帯である人に電話をかけ、二三言話しスピーカーにする。

 

アザゼル「あー、聞こえてるか?」

リアス「あなたは…」

アザゼル『俺はアザゼル。堕天使共の頭をやってるもんだ。』

小猫「アザゼル…!」

リアス「な!?何故あなたが!?」

アザゼル『なに、このバカとのか「誰がバカじゃい!このプリン頭!」んだと、てめぇ!今、お前の実権を握ってるのは俺なんだよ!いいから、黙ってろ!』

 

こんの、プリン頭がぁ〜!クッソ腹立つ〜!!

 

アザゼル『とりあえず、こいつが言ってるのは本当だ。俺たちグリゴリが出資及びアイディア提供をしてるだけで、そこまで関わってるわけじゃねえ。なんなら、ここで除名にしても「除名!?それは困るんだけど!そっちの超高性能パソコンが使えなくなっちゃうじゃん!」お前は証明したいのか、したくないのかどっちなんだよ!』

リアス「いえ…。もう、充分です。その…何となく分かりましたから。お忙しい中、ありがとうございました。」

アザゼル『そうか…。そいつは助かる…。』

 

そう言ってアザゼルおじさんから電話が切られた。っていうか、本当に除名されないよね!?超高性能パソコンがマジで使えなくなるんだけど!?

 

リアス「とりあえず、貴方のことは信用するわ。今から私達の根城に来てくれるかしら?」

聖「あ、それは、無理です。今からゲーム作るので。」

小猫「ゲーム…!兵藤先輩はゲームを作っているんですか!?」

聖「うん。マイティアクションXとかタドルファンタジーとか。」

小猫「も、もしかして、天才プログラマー『GOD』なんですか!?」

聖「嘘!?知ってるの!?」

小猫「は、はい!他にも、ときめきクライシスやバンバンシューティング等もやりました!」

リアス「マイティアクションX位なら知ってるけど、他のゲームは分からないわね…。というより、あれをあなたが?」

聖「はい!やっぱり、ゲームは後で作るので行っていいですか!?!?」

リアス「え、ええ…。」

 

よ〜し!小猫ちゃんから沢山の意見を貰うぞ〜!



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2話

リアス「ここよ。」

聖「ほへ〜。なんで旧校舎を潰さないのか疑問でしたが、ここが根城だったからなんですね〜。」

朱乃「あらあら、とりあえず、お座り下さい。紅茶をお入れしますわ。」

小猫「・・・こちらのお菓子もどうぞ。」

聖「ありがとうございます!」

リアス「さて、とりあえず、あなたはどこまで知っているのかしら?」

聖「えっと、神話なんかの生物がいるってことですね。」

リアス「他には?」

聖「え?知らないですけど?」

リアス「・・・はぐれ悪魔を討伐したのにかしら?」

聖「あれは、倒したらおじさんがお金をくれるって事だったので。まあ、そこまで大した額じゃないですけど。まあ、お小遣い稼ぎですね。」

リアス「そう。なら、あなたは堕天使の中ではどれ程の立場なのかしら?」

聖「さあ?私が、堕天使の本部に行くのなんてゲーム作りに行く時位なので。」

リアス「ち、ちょっと待って。本当に何も知らないの?」

聖「はい。まあ、別に興味無いですし。知ったところで私にとってはどうでもいい事ですし。」

リアス「・・・とりあえず、あなたの事は上に報告しなければいけないの。何も知らないとは言え、堕天使勢力に所属しているのだから。」

聖「別にいいですよ?まあ、私の家族に被害が及ぶようでしたら、襲撃に行くのでよろしくお願いしますね。」

リアス「嘘は感じられないのが怖いわね・・・。分かったわ。グレモリーの名に賭けて約束は守るわ。それと、これは提案なのだけれど、悪魔にならないかしら?」

聖「いえ、なりません。」

リアス「そう。なら、オカルト研究部に入らないかしら?」

聖「それなら、いいですよ。ただし、条件があります。」

リアス「条件?」

聖「はい。冥界で最新かつ、超高性能なパソコンが欲しいです。後、大きなテレビも。」

リアス「まあ、構わないけど・・・。何に使うの?」

聖「パソコンの方はゲーム開発の方に使います。テレビの方は、私の作ったゲームを皆さんにテストプレイして欲しいんです。もちろん、完成したゲームはお譲りします。」

リアス「分かったわ。その条件をのみましょう。」

木場「いいんですか?部長。もしかしたら彼女が嘘を付いている可能性もあります。」

朱乃「確かに…。私もまだ、確実に信用は出来ませんわ。」

リアス「なら、魔術を使って彼女の本心を暴きましょうか?あなたもそれでいいかしら?」

聖「ええ。大丈夫ですよ。」

 

そう言うと、リアスさんは手に魔法陣を展開する。それを見た瞬間、なにか変な感覚に襲われた。ヤバい、なんか気持ち悪・・・。吐きそう・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リアス「これで大丈夫よ。さあ、兵藤聖さん。あなたの本性を表しなさい。」

聖「ふふふふ・・・。クックックックッ・・・」

朱乃「あらあら、何がおかしいのかしら?」

木場「部長、さが「ヴェーハッハッハッハッハッハ!!!!!!!!」!?」

小猫「兵藤・・・先輩・・・?」

聖「ヴェーハッハッハッハッハッハ!!!!!!!!この私こそが!!真の神だァァ!!!!」

リアス「えっと・・・。兵藤聖さん・・・よね?」

聖「当然だ。リアス・グレモリー。私こそが神の才能を持つ兵藤聖だ!」

木場「え〜っと・・・」

朱乃「あらあら・・・。これでは、証明も難しいですわ・・・」

リアス「そうね・・・。とりあえず、解除しましょうか。」

 

 

 

 

 

聖「・・・あれ?私、今何してました?」

リアス「ごめんなさい、聖さん。その・・・あなたの潔白は証明は難しかったわ・・・」

小猫「・・・その代わり、凄いものを見ました。」

聖「え?え?私、何したんです?」

木場「うん・・・ちょっと・・・」

朱乃「あれはなんと表せばいいか・・・」

聖「?まあ、良く分かんないですけど、これからよろしくお願いします!」

「「「「(不安だわ『ですわ』「だな」【です】・・・)」」」」



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3話

あの後、解放された私は普通に家に帰り、ゲーム製作中、寝落ち。そして、翌朝は遅刻というコンボを発動しました!っていうか、起こせよ!!先生にはめっちゃ搾られて課題を増えるという更なるコンボを発動。本当に最悪すぎる・・・。そんでもって、今は旧校舎。リアス先輩に渡された入部届けを書き提出しに行ったはいいんだけど・・・。なんか、めっちゃ面倒くさそうな爺がいる・・・。なに、その爺?テロリスト?

 

リアス「聖さん。申し訳無いのだけれど、昨日の続きよ。あなたの記憶を読み取らせて欲しいの?」

聖「き、記憶!?」

朱乃「昨日は私達も納得出来るものではありませんでしたから。なので、専門家の方に来てもらったわのですわ。」

聖「あ、あの〜・・・。出来れば記憶の方は・・・」

木場「何か不都合が?」

聖「ありまくりですよ!だって、まだ、開発していないゲームのアイディアとかありますし!」

小猫「・・・それなら大丈夫です。守秘義務がありますから。」

聖「本当に?」

リアス「ええ、本当よ。」

聖「・・・なら、皆さんを信じます。その代わり、約束を破った場合は、暴れん坊になるのでお願いしますね。」

リアス「ええ。では、お願いします。」

老人悪魔「はい。では、こちらにお座り下さい。」

 

はあ・・・。てか、本当に盗られないよね・・・?盗られたら、『ゴッドマキシマムマイティX』で蹂躙しなきゃ・・・。爺は手に魔法陣を展開させて、何やら驚いたり、頷いたりしている。え?何を見てるの?

 

老人悪魔「ありがとうございました。リアス姫とその眷属の皆様。彼女が言っている事は真実です。確かに堕天使勢力へと所属はしておりましたが、我々の事をそこまで知っているわけではありませんでした。」

リアス「そう・・・。今日はありがとうございます。」

老人悪魔「それでは、失礼します。」

 

そう言って爺は帰っていったけど・・・。え?終わり?マジ?つまり、普通に接してくれるって事?

 

朱乃「聖さん。疑ってしまい、申し訳ありませんでした。」

木場「僕からも。申し訳ありませんでした。」

聖「いえいえ。特に気にしてませんからいいですよ。それよりも、リアス先輩。これ、入部届けです。」

リアス「ありがとう。それと、本当にごめんなさい。」

聖「本当に大丈夫ですよ。それよりも、私が欲しいのは謝罪よりもパソコンとテレビですから。」

小猫「・・・強欲。」

聖「人間、欲が無きゃ単なる置物だよ?なら、強欲に欲張りに生きなきゃ。」

リアス「心配しなくてもいいわ。もう、届いているもの。でも、組み立てはこちらでやるみたいなのだけれど・・・」

聖「全然大丈夫ですよ。組み立てるのは得意なので。」

リアス「そう。それは良かったわ。それと、1つ聞きそびれたのだけれどいいかしら? 」

聖「?なんですか?」

リアス「最初に会った時のあの姿は?堕天使の新しい装備かしら?」

聖「ああ、あれは私にしか使えないものです。このライダーガシャットとゲーマドライバーで変身出来るものです。」

小猫「・・・マイティアクションX?」

聖「そ。私が作ったはずなんだけど、作り方を忘れちゃって。」

朱乃「聖さんしか使えないと言うのは?」

聖「私以外が使えば死ぬからです。」

木場「死ぬ?なら、なんで君は?」

聖「これ、死ぬ原因がウイルスなんだけど、私が作ったウイルスなの。ちなみに、私が死なないのは自分に感染させて抗体を作ったから。」

リアス「自分で感染させたって・・・」

聖「まあ、どうなるか気になりましたし。何十回か死にましたけど。」

小猫「死んだ・・・?」

聖「うん、死んだ。」

朱乃「ですがあなたは・・・」

聖「まあ、コンティニューしましたから。なら、実際に見てみます?」

リアス「もし見られるのなら見てみたいけど・・・」

聖「分かりました。」

 

ガシャコンブレイカー!ジャ・キーン!

 

聖「うっ・・・」

リアス「ちょっ・・・!」

 

私は自分の心臓部分にガシャコンブレイカーを突き刺しそのまま前のめりに倒れる。この時、きっとGAME OVER・・・なんて、音声が流れるんだろうな・・・

 

木場「そ、そんな・・・」

小猫「本当に死んだ・・・?」

 

テッテレッテッテッテ~

 

「「「「「え?」」」」」

 

私はおそらく、リアス先輩の机と思われる場所から紫色の土管から現れる。

 

聖「トウッ!よっと。」

小猫「ほ、本当に先輩なんですか・・・?」

聖「本当だよ。なんか、おじさんが言うには神器ってやつなんだってさ。まあ、能力はコンテニューのみ。」

リアス「そ、それでも、凄いわよ!回数もあるのかしら?」

聖「一応、禁手(バランス・ブレイカー)とか言うらしく、コンテニューの回数は無限です。」

木場「何かデメリットとかは・・・」

聖「いや?特には何もないけど。」

朱乃「それは凄いですわね・・・」

聖「まあ、ただ復活出来るしか脳が無い神器ですよ。」

リアス「それ自体が凄いのよ・・・」

聖「さて。説明も終わったし、パソコンを組みたてていいですか?」

リアス「え、ええ。構わないわ。」

聖「なら、スペースの一角借りますね〜。」

 

そうして、私はパソコンを組みたてつつ、今作成しているゲームをどう難しくするかも考えた。まあ、仮面ライダークロニクルなんだけど。



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1章(旧校舎のディアボロス)
4話


私が入部して1週間ほどすると、兄さんが美少女に呼ばれたらしい。・・・確か、これって死の宣告だよね?そんでもって死ぬかもだよね?確か原作なら、リアス先輩が悪魔に転生させて助けるけど、私がいる時点で原作と違う・・・。なら、付いてくしかないか。は〜あ。今日はゲームを詰めようと思ったけど仕方ない。

 

イッセー「そ、それで?夕麻ちゃん。話って?」

レイナーレ「・・・上からは危険な神器かもしれないって言われたけど覚醒すらしていないなんてね。」

イッセー「え?」

レイナーレ「ねえ、イッセー君。1つ、お願いがあるんだけど。」

イッセー「な、なにかな?俺が出来ることなら!」

レイナーレ「そう。なら、死んでくれないかな?」

イッセー「え?」

 

堕天使が兄さんを槍で貫く。

 

ズッ・ドーン!

 

前に私が堕天使の腕をガシャコンスパローで貫く。当然、ゲンムに変身して。

 

レイナーレ「うぐっ・・!貴様ぁ!!崇高な私によくもぉ!!」

聖『今すぐ消えろ。今なら見逃してあげる。が、やると言うなら、お前を殺すぞ。』

レイナーレ「ふざけるな!!」

聖『なら、終われ。』

 

 

 

ガシャット!キメワザ!

マイティ!

クリティカル!ストライク!

 

聖『ハアッ!!』

レイナーレ「きゃあああ!!」

 

堕天使に回転蹴りを喰らわせて、爆発霧散する。へっ!汚ぇ花火だ!っと、兄さんは・・・。良かった、生きてる・・・。

 

イッセー「な、なんなんだよ、お前・・・!!」

 

ガッチョーン

ガッシューン

 

イッセー「ひ、聖!?い、今のはなんなんだよ!?て、てか、夕麻ちゃんは・・・」

聖「とりあえず、今すぐここから離れるよ!」

 

私は腰を抜かしている兄さんの手を取り、駒王学園の旧校舎まで走り出す。だって、普通そうするでしょ?あそこには、他にも複数の気配があったし!クソ面倒くさい!

 

イッセー「お、おい、聖!ど、どこに向かって・・・!」

聖「いいから黙って着いてくる!死にたくなかったら、走って!見えてきたから!」

 

私達はすぐさま駒王学園へと入り、旧校舎へと駆け込む。私はドアをぶち破り、兄さんは顔面から落ちた。ってか、疲れた・・・。ひ、久しぶりにこんなに走った・・・。やば、吐きそう・・・

 

リアス「ち、ちょっと、聖さん!あなた、何を・・・って、あら?この子は・・・」

聖「わ、私、ハアハア、の兄、ハアハア、です・・・。うっ・・・お昼ご飯が・・・」

リアス「ち、ちょっと!あぁもう!朱乃!袋を!小猫は水を持ってきて!」

朱乃「ええ。分かりましたわ。」

小猫「・・・はい、部長。」

イッセー「お、おい、聖!な、なんで、リアス先輩達が!」

聖「堕天使が、ハアハア、兄さんを、ハアハア、殺そうと、ハアハア・・・」

木場「堕天使・・・。だとしたら、彼も?」

リアス「その可能性は高いわね。聖さん、あなたはその堕天使に見覚えは?」

小猫「お水です。どうぞ。」

聖「あ、ありがとう・・・。ングングングング。ぷはぁ・・・。まず、リアス先輩の質問から答えるとNOです。見た事も無いので下級ですね。次に兄さんの質問だけど、リアス先輩は悪魔だから。ちなみに、おじさんは堕天使の頭。まあ、会社で言えば社長みたいなもの。」

イッセー「い、いやいや。お前、急に何言ってるんだよ!そんなのいるわけ・・・」

聖「明日になったら全て分かるから。」

リアス「聖さん、兵藤一誠君。とりあえず、今日はあなた達を護衛させるわ。また、明日来なさい。」

イッセー「は、はあ・・・」

聖「分かりました。とりあえず、今日は帰ろっか。家で私が知ってる事は話すから。」



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5話

翌日の放課後、私は兄さんと旧校舎に向かっていた。やはり、誰もレイナーレの事を覚えてはおらず、松田君と元浜君も覚えていなかった。無駄に仕事が出来るやつらめ・・・。ちなみに、帰ってからは兄さんに全て話した。こういう事もあろうかと、一応はリアス先輩に聞いていたので特に違和感は無いはず。多分!

 

聖「こんにちは〜」

イッセー「お、お邪魔します!」

リアス「来たわね。昨日は大丈夫だった?」

聖「はい。特に何かあるわけじゃ無かったので。」

リアス「そう。とりあえず、座って。」

イッセー「は、はい!」

聖「一応、裏のことは大方話してますけど、兄さんが理解してるか分からないので、お願いしても?」

リアス「分かったわ。」

 

それからは長〜い説明タイム。1度聞いた事なので、私はおじさんから貰った新品のパソコンデスクの組み立てに入る。これがまた面倒で面倒で・・・。まあ、30分では組み立てたけど。その後はモニターを繋いだり、パソコンを乗せたりで超疲れた・・・。椅子は、堕天使が襲撃してきたと言えば、いい物をくれるだろう。あ、ちょうど終わった。・・・って!

 

聖「兄さん、悪魔に転生したの!?!?」

イッセー「おう!」

リアス「というより、あなたは何も聞いてなかったわよね?」

聖「まあ、組み立てたりに夢中でしたし。」

朱乃「あらあら、うふふ。あなたのお兄さんはやはり神器持ちでそれを狙われたのでしょう。」

木場「兄妹で神器を持ってるなんて珍しいね。」

聖「そうかな?」

イッセー「え!?お前も持ってるの!?ど、どんなやつなんだよ!」

聖「私のはコンテニューだよ。まあ、応用すれば奇襲位にはなるけどそれだけだし。」

小猫「・・・異常な神器です。」

リアス「それじゃあ、イッセー。あなたにも、オカルト研究部に入ってもらうわ。それと、明日の朝5時から走り込みに行くから。聖さんも来てね。」

イッセー「ご、5時!?」

聖「え〜・・・。」

リアス「さ、じゃあ、今日の部活を始めるわよ。」

 

そんなこんなで部活が始まり、私はめっちゃゲームを作った。お陰でかなり捗り、仮面ライダークロニクル完成までもう一歩。休憩がてら、私は外に出て電話をかける。

 

アザゼル『おう、今回は悪かったな。』

聖「いいよ、別に。それで?何かわかった?」

アザゼル『ああ。今回の事件は俺たち上層部も知らなかったもんだ。首謀者は3人。レイナーレ、カラワーナ、ドーナシーク。何をするかまでは分からんが、面倒な事をするのは確実だろう。だから、今日限りを持って、奴らをはぐれとした。』

聖「そう・・・。なら、討伐するから報酬としてめっちゃいいゲーミングチェアをよろしく。」

アザゼル『はあ!?おい、そいつは自分「じゃあ、あとは任せて。」ちょ、待・・・』

 

よし!ゲーミングチェアゲット!!しかも、自分で金出さなくていい!!あれ、いいやつだと、マジで高いしな〜・・・。さ〜て。堕天使狩りに移りますか〜。

 



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6話

リアス「あら、戻ったのね。」

聖「はい。あ、それと、今回の事件ですが、おじさんを含め上層部は誰も知らなかったみたいです。」

朱乃「独断ですか・・・」

木場「部長、どうします?」

リアス「厄介事を起こすのは間違いないわね・・・。朱乃、祐斗、小猫。あなた達は・・・って、聖さんは何をしているの?」

聖「え?堕天使狩りの準備ですけど?」

イッセー「いや、お前、何言ってんの!?さっき、リアス先輩が言ってただろ!?悪魔と堕天使は仲が悪いって!」

聖「でも、おじさんからは討伐していいって言われたし・・・」

小猫「・・・それは本当ですか?」

聖「うん。今日限りではぐれ堕天使とするって言ってたし。なら、倒しても私、悪くないよねぇ?」

リアス「・・・そういう事なら今日の夜にしましょうか。それまでに敵の戦力を調べておくわ。」

聖「は〜い。なら、私はゲーム作っときますね〜。」

木場「そう言えば、今はなんのゲームを作っているんだい?」

聖「ふっふっふっ・・・。良くぞ聞いてくれた・・・!今、私が作っているゲームは過去現在未来、誰も超えることの出来ない正しく神のゲーム!!その名も・・・仮面ライダークロニクルだぁ!!」

リアス「仮面ライダー?」

朱乃「クロニクル?」

小猫「か、仮面ライダークロニクルって、まさか、あの伝説の・・・!!」

木場「知っているのかい?小猫ちゃん。」

小猫「は、はい!9年ほど前にタイトルが発表されて以来、なんの音沙汰も無かったゲームです・・・!普通ならデマで終わるのですが、製作者があのGODならと、ゲーマー界隈では未だに熱い期待の作品です!それに発表の際、『これまでのゲームのレベルを遥かに凌駕する超高難易度ゲーム』という事で、その期待は未だ収まっていません!」

朱乃「あらあら。普段、無口な小猫ちゃんがこれ程までに熱く語るなんて・・・」

リアス「よっぽど凄いものなのね・・・」

イッセー「てか、いい加減教えてくれよ。どんなゲームなのか。」

 

はあ〜。仕方ないな、兄さんは・・・。まあ、でも、そろそろ完成するしいいか。

 

聖「分かった。でも、ここだけの話にしてよ?特に兄さんは口が軽いから。」

イッセー「俺、そんなに軽くないけど!?」

聖「仮面ライダークロニクルは、プレイヤーがコントローラーを実際に持たず、仮想世界で戦うゲームなの。まあ、その分値段も張るけど、実際に倒した感触を味わえる今までに存在しないゲーム。当然ダメージを受ければ痛みもあるけど、ちゃんとON/OFFも出来るし。もちろん、現実世界との時間の進みは同じ。」

リアス「そんなゲームを今の人間に持たせたらどんな事が起こるか分かったものじゃないわ!もしかしたら、暴れ回ったりするかも!」

聖「ちゃんと考えてますよ。分解や改造をすれば、運営に即通知が来て機能を停止させます。それをデータベースに個人情報を入力し、再購入を禁止するようにプログラムしましたから。とはいえ、違法に入手する者も現れるでしょう。その場合は即警察へ通報が行くようにも細工しましたから。」

朱乃「警察って・・・。つまり、国との連携あってのものだと?」

イッセー「それでも掻い潜って来るやつは出てくるんじゃないのか?」

聖「その場合は、私が直々に『削除』するから。特に異形の手に渡れば尚更ね。」

リアス「削除・・・。怖い単語ね・・・」

聖「という訳で、完成まであと一歩なので集中しますね〜。」

 

そして、私はまたパソコンと睨めっこをする。ふふふ・・・。この私の神の才能を全世界に見せつけてやるわ!!



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7話

真夜中。人々は寝静まり、朝の賑わいとは打って変わって音一つ無い世界。そして、夜は人ならざるものが騒ぐ時。な〜んて、厨二病全開で思ったけど、眠らない街なんて言われてる所もあるのに音一つ無いとか、いつの時代だよって感じ。

まあ、なんで、こんな事を思ったかと言うと、当然堕天使狩りだから。リアス先輩は約束通り調べあげてくれて、人数は堕天使3人。はぐれ悪魔祓い(エクソシスト)が100余り。でか、レイナーレって生きてたんだ・・・。あの時、滅ぼしたと思ったのに・・・。ちなみに、兄さんとアーシアのイベントは朝終わってたらしい。リアス先輩に怒られてるのを見て面白かったけど。

 

リアス「さて。今回は奇襲よ。朱乃。教会内部の地図を。」

朱乃「はい、部長。こちらですわ。」

イッセー「どうやって手に入れたんですか?」

木場「兵藤君。時には知らない方がいい事もあるんだよ。」

小猫「・・・知れば生きて帰れなくなることも。」

イッセー「いや、怖い!なに、その脅し!?」

聖「地図を見る限り地下があるんですね・・・。それに、さっきの兄さんの話だとシスターがこの町の教会に赴任してきたって言うのもあるし・・・。もしかしたら、シスター関係?」

リアス「ええ。シスターを使っての儀式があるという情報もあるわ。」

木場「神器(セイクリッド・ギア)を抜き出すのかもしれませんね・・・。」

イッセー「あの・・・。神器(セイクリッド・ギア)を抜くとどうなるんですか・・・?」

アザゼル「そのまま死んじまうのさ。」

リアス、朱乃、木場、小猫「!?」

聖「あ、おじさん!」

アザゼル「よお、聖。イッセーも久しぶりだな。」

イッセー「は、はい!」

リアス「あなたがアザゼル総督・・・。お初にお目にかかります。私はリアス・グレモリーと申します。何故ここへ?」

アザゼル「なに、うちのバカ共に現実を見せてやろうと思ってな。まあ、本来なら不干渉なんだが、今回は許してくれ。」

朱乃「まさか、堕天使総督が直々に来るなど・・・」

聖「じゃあ、そろそろ行きますか。」

 

私は腰にゲーマドライバーを巻き薄ピンク色のガシャットを取り出す。正直、異形相手だとこっちの方がいいんだよね。

 

マイティアクションX!

 

聖「変身」

 

ガシャット!

レッツゲーム!メッチャゲーム!

ムッチャゲーム!ワッチャネーム?

アイム・ア・仮面ライダー!

 

私は3頭身しかない、《仮面ライダーエグゼイド レベル1》へと変身する。性能はほぼ一緒だけど、ひとつだけ違う点が存在する。それは、《相手の異物を取り除く力》。つまり、バグスターウイルスはもちろんのこと、悪魔の駒(イーヴィル・ピース)や呪い、毒でさえも取り除ける力を持つ。そして、移植した神器も同じく取り除ける。

 

小猫「可愛い・・・!!」

アザゼル「ったく・・・。毎度思うが、なんだよ。そのゆるキャラは・・・」

聖『うっさいな〜。とっとと狩りに行くよ〜。』

リアス「聖さんの言う通りね。さあ、私の可愛い下僕達!いくわよ!」

朱乃、木場、小猫、イッセー「はい!部長!」

アザゼル「さて、俺も少しは暴れるか。」



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8話

聖『どーん!!』

「!?」

 

わ〜お。皆、ビックリしてら〜。まあ、当然か。だって、天井が破壊されたと思ったら、こんなゆるキャラみたいなのが出てくるんだから。

レイナーレ「その腰のもの!!貴様、この間の!」

アザゼル「どうやら、本当だったらしいな。」

カラワーナ「な!?」

レイナーレ「な、なぜ、貴方様が!」

アザゼル「なんで?お前らが余計な事をしようとしてたからな。ったく、面倒な事をしてくれやがって・・・。」

レイナーレ「わ、私は貴方様の力になろうと!彼女から神器(セイクリッド・ギア)を貰い受ければ!」

聖『論外ね。アザゼル、先輩達と悪魔祓い(エクソシスト)を消して。堕天使は私が受け持つから。』

 

ステージ!セレクト!

 

イッセー「あれ?聖は!?」

リアス「消えたですって!?」

アザゼル「心配すんな。援護してやるから片付けな。」

朱乃「堕天使からの援護とは・・・」

木場「なんとも言えないけど。」

小猫「・・・警戒しながら行きましょう。」

悪魔祓い「くっ・・・!どうせ我々は死ぬんだ!なら、悪魔たちを滅ぼしてやれ!!」

リアス「さあ、みんな!!行くわよ!!」

 

 

 

《ゲームエリア》

 

レイナーレ「な!?」

カラワーナ「なんだ、ここは!?」

ドーナシーク「これは幻覚か!」

聖『さ〜て。とっとと、終わらせるか〜。大変身!!』

 

ガッチャーン!レベルアップ!

マイティジャンプ!マイティキック!

マイティ!マイティ!

アクション!X!

 

レイナーレ「その姿はやはり!」

聖『さあ、堕天使3兄妹!ノーコンティニューで、クリアしてやるわ!』

ガシャコンブレイカー!ジャ・キーン!

カラワーナ「我々を!」

ドーナシーク「舐めるな!!」

聖「はっ!」

 

それからは一方的。こいつら、経験値が少なすぎる。どうせ、自分達は至高だ〜とか言ってなんの鍛錬もしなかったんだろうな。とっとと、楽にしてやるか。

 

ガシャット!キメワザ!

マイティ

クリティカル!フィニッシュ!

 

聖『はあっ!!』

 

ガシャコンブレイカーのガシャットスロットに、ガシャットを差し込んでの必殺技で2人の堕天使を斬り絶命させる。あとはレイナーレのみ。でも、これはまだ私がやる事じゃない。場所を教会へと戻すと、はぐれ神父共は全員倒れていて、兄さんの隣にはブロンドの髪を持つ美少女!ま、まさか、あれは、アーシア!?か、可愛い!!正に主神級!!

 

アザゼル「そっちも終わったか。」

レイナーレ「ひっ!」

イッセー「夕麻ちゃん・・・」

レイナーレ「助けて!イッセー君!!」

「「「「!?」」」」

レイナーレ「わ、私は、言われて仕方なくやったの!お願い!あなたとのデートも本当はとても楽しかったわ!ほ、ほら!あなたが買ってくれたシュシュだって!」

聖『・・・おい。』

 

自分でも驚く程の低い声が出てしまった・・・。でも、仕方ないよね?だって、私はブチ切れ寸前なんだから・・・

 

聖『人の家族を殺そうとして・・・』

 

ガッチョーン!ガッシューン

 

聖「何甘ったれた事言ってんのよ!!!!」

 

私は武装色で硬化し覇王色を纏った利き腕でレイナーレの頭にゲンコツをかます。レイナーレの頭は地面にめり込みそのまま動かなくなった。

 

聖「このクソビッチが・・・。」

アザゼル「おぉ、怖。本当、誰よりもお前を怒らせたくはないぜ。」

聖「・・・リアス先輩、兄さん。私、先に帰ります。では。」

リアス「ち、ちょっと、聖さん!」

イッセー「聖!」

 

私は2人を無視してある場所へ向かう。さっきからジロジロと見やがって・・・。そいつでストレス発散出来るといいけど多分無理だよね・・・。

 

ガシャコン・バグヴァイザー

ガッチャーン

 

左手に、《ガシャコン・バグヴァイザー》を召喚し、バレないように後ろから近付きウイルスを注入する。これは、単なるバグスターウイルスでは無く私が改良に改良を重ねたものであり、注入した瞬間に消滅する特別品。

 

???「ウグッ・・・アッガァ・・・」

 

貴族っぽい男・・・(多分)ディオドラ・アスタロトは消滅した。これで、物語はかなり変わるだろうけど、彼女達が真相を知る事は無い。

 

聖「・・・今日は帰ってそのまま寝よ・・・」

 

私は帰った瞬間、ベットへダイブし眠りへと誘われた。



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2章(婚約騒動の最弱フェニックス)
9話


結局、アーシアさんは悪魔になったらしい。・・・てか、なんか堕天使の人数が足りなかったような・・・。まあ、いっか!はあ〜!これで、兄さんとアーシアのてぇてぇが生で見られる!!ああ・・・。薄い本が分厚くなってしまうわ!!でも、どうせなら木場×兄さんも見たい・・・!見た過ぎる!!こうなりゃ、生徒会室に凸るか!?凸るしかないのか!?凸って新作を書いてもらうしかないのか!?

そんな事を考えながら部室へ行くと、なんか銀髪のメイドさんとリアス先輩が深刻そうな顔をしていた。

 

リアス「あら、聖さん。早いのね。」

聖「あ、はい、どうも・・・。あの、その超巨乳銀髪美女メイドさんはどちら様・・・?」

「お初にお目にかかります。私はローゼン・ルキフグスと申します。以後、お見知り置きを。」

聖「あ、どうも。私、兵藤聖って言います。一応、なんちゃって堕天使所属です。」

ローゼン「存じております。アザゼル総督からも事前に聞いておりますのでご安心を。」

聖「それで何かありました?深刻そうな顔をしてましたけど・・・」

リアス「・・・みんなが来てから話すわ。」

聖「わ、分かりました。じゃあ、私ゲーム作ってるので。」

 

そして、私はPCの前に座り作業を始める。もう、数時間も要らない・・・!!既に完成間近!!それから私は作業に没頭した。

 

リアス「・・・みんな揃ったわね。部活を始める前に大事な話があ「いよっしゃァァァァァァ!!!!」!?」

イッセー「うおっ!ビックリした!」

聖「遂に・・・!遂に完成したぞ・・・!!私の最高傑作がぁ!!やはり、私こそが神だァ!!!!!!ヴェーハッハッハッハッハッハ!!!!」

 

ようやっと・・・!ようやっと、完成した!!長かった・・・!!その長い道のりを得て私は!!!!

・・・しかし、私のこの喜びは一瞬で散りとなかった。え?何故かって?突然炎が巻き起こり、仮面ライダークロニクル(血と涙と汗の結晶)が燃えたから。

・・・は?え?は?う、嘘だよね・・・?これって夢だよね・・・?いや、でも、熱いし・・・。は?こいつって、確か自称婚約者の?え?なに、こいつが私の最高傑作を?なら・・・殺しても悪くないよねぇ?

 

ライザー「ふう・・・。やは「死に晒せぇぇ!!!!このクソ外道がァァァァァ!!!!!!!!」グホォっ!!」

 

私は武装色で固めたパンチでぶっ飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

イッセーside

 

や、やばい!やばい!やばい!ひ、聖がマジギレしてる!てか、なんか殴り飛ばした!!俺はすぐさま取り押さえる!だって、あの人絶対死ぬから!!

 

イッセー「聖!落ち着「離せぇぇぇぇ!!!!奴をぉぉ!!奴をミンチにぃぃぃぃ!!!!」皆!!今すぐ聖を押さえてください!!じ、じゃないとあの人死にます!!」

リアス「っ!お、落ち着きなさい、聖!!」

木場「流石にそれはマズイよ、聖さん!」

朱乃「聖さん!落ち着いて!深呼吸ですわ!!」

小猫「気持ちは分かります!それでも落ち着いてください!先輩!!」

聖「黙れぇぇぇぇ!!!!奴の元へ行かせろぉぉぉ!!!」

ローゼン「炎へと姿を変えるフェニックスの一族を殴り飛ばした・・・?いえ、そんな事出来るはず出来るはず・・・!」

 

なに!?あのメイドさん!!何をそんなに考え込んでるの!?ってか、力強!?お、押さえきれない・・・!

 

ライザー「貴様ァァァ!!たかが人「死に晒せぇぇぇ!!」「ウォォォォ!!!!」っ!グハァ!」

 

お、俺を投げて攻撃って!アイツ何考え「ウィィィィィン」って、チェンソー!?!?待って、あいつ、今どっから取り出した!?

 

聖「兄さ〜ん・・・そこどいて〜・・・そうじゃないと、兄さんのチ〇コも切り落とすよ〜?」

イッセー「は、はい!ひ、聖様に従います!!」

 

俺はすぐさま立ち上がり横にズレる!だって、そうだろ?相手はどこからともなくチェンソーを取りだしたんだぜ?そりゃあ、逃げるよなぁ!?え?ひよってるって?なら、お前も体験してみろよ!!マジで怖いから!!

 

ライザー「き、貴様ァ!!一度ならず二「フンッ!!」へ?」

 

あの、ホストみたいな人も驚いてる。そりゃあ、そうだよ!他人に躊躇なくチェンソーを振り下ろすって悪魔でも出来ねぇよ!!ホストみたいな人はだんだんと汗が流れ遂には逃げ出した!?

 

聖「待てや、ゴラァァァァァァ!!!!」

イッセー「いや、お前が待ってぇぇぇぇぇ!!!!」

 

そうして、チェンソーを躊躇なく振り回す女から逃げるホストとその女を追いかけるという本当に意味の分からない構図が完成した。



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10話

ライザーside

 

な、なんなんだ!?あの人間は!お、俺はリアスに会いに来ただけなのに!俺たちフェニックス家の悪魔は不死身で、炎にも姿を変えることの出来る唯一の悪魔なのに・・・!!警戒してなかったとはいえ、たかが人間に攻撃を貰うなど!!そ、それに、汗が止まらない・・・!!な、なんなんだ、この恐怖は!!

俺はリアスの根城を抜け、新しい校舎の方にある教室へ逃げ込んだ。ふ、震えが止まらない・・・!こ、こんな事今まで・・・!!そ、そうだ!け、眷属の者を!

 

レイヴェル『・・・なんですの?あなたと会話「い、今すぐ助けてくれ!!は、早く人間界に!!」はあ!?行くわけありませんわ!私が寝むっている間に眷属にした者の助けになど!私は忙しいのですわ!もう二度と掛けてこないでください!この種まきゲス野郎!!』

ライザー「ま、待って「どこですかぁ?私はあんまり、かくれんぼは好きじゃないんですよぉ?今なら許してあげるので、早く出て来て下さぁい・・・」ヒイッ!」

 

ま、マズイ・・・!!お、俺は死ぬのか・・・?い、嫌だ!し、死にたくない!そう思い、必死に息を殺すが、教室のドアから真っ黒なチェンソーの歯が見える。ま、マズイ・・・!俺は空気、俺は空気、俺

 

聖「見ぃ〜つ〜け〜た〜。」

ライザー「ヒィッ!!」

 

俺は必死に教室から抜け出して再び走り出す!クソっ!な、なんで、人が居ないんだ!!そ、それに、あいつは人間のはず!なんで、俺にもう近付いてるんだ!!あ、あれは、出口!あ、あそこへ転移魔法陣を展開すれば!!・・・しかし、現実はそうもいかなかった。なぜなら。躓いてしまったからだ。ま、マズイ!あ、足が

 

聖「や〜っと、観念したんですねぇ〜。」

ライザー「ヒイッ!ま、ままま待て!お、俺はお前に何をした!?た、ただ、リアスに会う為にここへ来ただけだ!!」

聖「へぇ〜。人の命より大事なものを燃やしておいてよくも、そんなことを言えますね〜。」

 

人間の女は近付いて来て、やがて馬乗りになる!あ、あぁ・・・!い、いやだ!し、死にたくない!死にたくない!!

 

聖「覚悟は出来てますよねぇ〜?」

ライザー「い、嫌だ!嫌だァ!!!!」

 

そこで、俺の意識は途切れた。

 

 

 

聖side

 

・・・やっべ。やり過ぎた。怒りに任せて、この(不確定)ライザーを殴った挙句、兄さんを砲弾としてぶん投げて、チェンソーで追っかけ回す・・・。ど、どうしよう・・・!お、おじさんから死ぬほど怒られる・・・!!と、とりあえず落ち着こう。深呼吸・・・。吸って〜・・・

 

イッセー「聖!!」

聖「むぐっ!?あ、え〜っと〜。これはその〜・・・」

リアス「これは・・・。ライザーが泡を吹いて気絶する程だなんて・・・」

朱乃「・・・とりあえず、アザゼル総督を呼びますわ・・・」

木場「これはちょっと、庇いきれないかな・・・」

小猫「・・・同感です。」

アーシア「は、はうぅ・・・。こ、怖いです・・・」

ローゼン「・・・とりあえず、フェニックス家の方もお呼びしましょう。」

 

スウッ・・・終わったわ、これ。ジ・エンドだわ。詰み確演出だわ。



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11話

この馬鹿野郎がァ!!!!

 

聖「ヒイッ!ご、ごめんなさい!ごめんなさい!!」

 

さて、初手大声で怒鳴られた私。前の話、見てくれた人にはもう分かるよね?・・・絶賛、超説教中です・・・。しかも、フェニックス家の人に魔王様までいる。こ、こんな、ゲームは流石にクリア出来ない・・・!!

 

デルトロ「ま、まあまあ、落ち着いてくだされ。総督殿。」

ルイラ「その通りですわ。今回、悲があったのはうちの息子ですわ。」

アザゼル「フェニックス卿・・・それに、夫人。この度は、うちのバカが大変申し訳ありませんでした。」

サーゼクス「しかし、ものすごいものだね。あのフェニックスに恐怖を植え付けるとは・・・」

ユーベルーナ「・・・奥様。あれ・・・主は如何しましょうか?」

ルイラ「とりあえず、起こしましょうか。」

ユーベルナ「承知しました。」

 

そう言って、おっぱいの大きい女の人が思いっきり水をぶっかける。ってか、あれ?確か、あの人ってライザーの女王(クイーン)じゃなかったっけ・・・?あ、ライザーが起きた。

 

ライザー「んっ・・・?お、俺は・・・?た、確か「あ、あの〜」ん?っ!?」

聖「さ、さきほ「ヒィィィィ!!」へ?」

ライザー「く、来るなぁァァァ!!こ、ここから、出してくれぇ!!」

ユーベルーナ「こ、これは・・・」

ルイラ「あのライザーが・・・」

デルトロ「確か、聖さんと言ったね?どういう経緯があったか聞いても?」

レイヴェル「お待たせ致し・・・って、GOD様!?な、何故!」

聖「え、『L』!?あ、あなたこそなんで!?」

ルイラ「レイヴェル。彼女を?」

レイヴェル「は、はい!冥界でも有名なゲームである、マイティアクションXやタドルクエスト等、あらゆるゲームを生み出した、天才プログラマーGOD様ですわ!」

ルイラ「あなたが・・・。ライザーをああしたのも、ゲームが関係しているのかしら?」

聖「あ、あの・・・その・・・はい・・・。な、長い時間を掛けて作り上げたゲームをものの数秒で燃やされてしまい、つい・・・」

デルトロ「ちなみに、方法を聞いても?」

聖「え、えっと・・・。顔面パンチして、兄さんを投げて、チェンソーで30分程、校舎を追いかけ回しました・・・」

「「「「「・・・」」」」」

 

いや、皆、無言にならないで!!怖いから!!お願いだから!!た、確かに、私も悪いよ!?で、でも、最初はそっちからだし!!

 

ライザー「怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い」

ルイラ「兵藤聖さん。」

聖「は、はひ!!」

ルイラ「今回の件ですが・・・。お咎めなしとさせていただきますわ。あなたもそれでいいわよね?」

デルトロ「ああ。」

聖「へ・・・?」

サーゼクス「私もその意見に同意です。」

レイヴェル「私を勝手に眷属へ加えた罰ですわ。正直、清々しましたわ!GOD様!感謝致しますわ!」

聖「あ、あの・・・なんで・・・」

ルイラ「正直、ライザーはバカをし過ぎたのですわ。雇っているメイドへの暴力、眷属の強制。親として警告をしましたが、それを無視。当然の罰だと思っています。」

聖「し、しかし、私は・・・」

ルイラ「ライザーも分かったことでしょう。理由はどうあれ、他人を本気で怒らせるとどれ程怖いのかが。」

聖「・・・」

ルイラ「それでは、失礼致しますわ。私達はこれから、グレモリー家へ向かいますので。失礼致しますわ。」

 

そうして、ルイラさんとデルトロさんはライザーを持って去っていった。

 

聖「よ・・・良がっだァァァァァァ!!!!うわ〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!兄ざ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!」

イッセー「お、おう・・・。お、俺も改めて、お前を怒らせたらマズイって分かったから良かったわ・・・」

リアス「本当ね・・・」

アザゼル「サーゼクス・・・。今回は本当に済まなかった!」

サーゼクス「構わないよ、アザゼル。今回の縁談は破談だろうが、彼にはいい薬になったはずだ。・・・まあ、とんでもない劇薬だったようだけどね。」

 

良かった!!本当に!!死ぬかと思った!!こうして、婚約パーティ編は目玉であるゲームをせずに終わった。まあ、その後、シェムハザさんにも死ぬほど怒られてコンテニューしたのはまた別のお話。



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12話

聖「どうも〜。」

リアス「あら、聖さん。早いわね。」

聖「あはは〜。壊された仮面ライダークロニクルを早急に直さなきゃいけなくて・・・」

レイヴェル「全く、あの人ったら・・・。よりにもよって、伝説の仮面ライダークロニクルを燃やすなんて、信じられませんわ!」

 

昨日、私はたっぷりと絞られたあと、また更におじさんとシェムハザさんから絞られて、夜中位までずっと怒られてた・・・。なんなら、コンテニューしたし・・・。ま、マジで怖かった・・・。ちなみに、なんでレイヴェルさんがいるかと言うと、昨日の1件でライザーとの縁をすっぱり断ち切れた為、来週から学園に来るらしい。うん、原作崩壊してますわ。

 

聖「じゃあ、私は作業に入りますね〜。」

リアス「ええ。どれくらい時間がかかりそうかしら?」

聖「プログラムは全て終わっているので、あとはそれを投影するだけですので・・・。1時間あれば。」

リアス「分かったわ。みんなが来てからも伝えるけれど、明日から10日間は合宿にしたからよろしくね。」

レイヴェル「が、合宿?」

リアス「ええ。正直、私達の戦闘は前の堕天使討伐位だったから。それに、イッセーやアーシアも加わったから連携の確認もしたいし。」

聖「分かりました〜。あ、じゃあ、明日からここ使わないんですよね?だったら、旧校舎丸ごと借りていいですか?仮面ライダークロニクルを転写したいので。」

リアス「ええ。許可するわ。」

聖「ありがとうございます。・・・よし、これで後は・・・。すみません、ちょっと準備してきまーす。」

レイヴェル「わ、私もお手伝いしますわ!」

聖「え!?本当!?助かる〜!じゃあ、行こっか。」

 

それから私とレイヴェルさんは、グリゴリと共同開発した《ガシャット転写装置》を旧校舎全体に設置し、何も描かれていないガシャットを1時間掛けて全てに挿した。あ、そういえば・・・

 

聖「ねえ、レイヴェルさん。昨日、寝てる間に眷属にされたって言ってなかった?」

レイヴェル「え?ええ、そうですわ。」

聖「・・・もし悪魔の駒を取り除けると言ったらどうする?」

レイヴェル「っ!そ、それは、本当ですの!?」

聖「うん。まあ、痛いだろうけど・・・」

レイヴェル「ぜ、是非ともお願いしたいですわ!」

聖「じゃあ、作業も終わったし、一度部室に戻ろっか。」

レイヴェル「わ、分かりましたわ!」

 

そうして、私は部室へ戻ったけど・・・。や、やばい・・・!レイヴェルさん、いい匂い過ぎる・・・!!も、モフりたい・・・!!てか、おっぱいデカ!?わ、私、B位しかないのに・・・!も、揉みしだきたい!!いや、でも、昨日、やらかしたばっかだし・・・。こ、ここは我慢・・・。我慢・・・!部室に戻ると全員集合していた。

 

リアス「あら、終わったの?」

聖「は、はい!」

レイヴェル「それにしても、かの伝説の仮面ライダークロニクルをようやくプレイ出来るなんて・・・!とても楽しみですわ!」

小猫「分かります!ゲーム性も聞きましたが、とても面白そうでした!」

聖「あ、そうだ。レイヴェルさん。早速やる?」

レイヴェル「は、はい!」

朱乃「あらあら。何か始めるのですか?」

聖「悪魔の駒を取り除こうかと。」

木場「悪魔の駒を!?」

リアス「それをやったら彼女は!」

レイヴェル「リアス様、大丈夫ですわ。私は、聖様を信じます!」

聖「それじゃあ、始めるよ。アーシアさん、回復の準備をお願いね。」

アーシア「は、はい!」

 

マイティアクションX!

ガシャット!

アイム・ア・仮面ライダー!

ガシャット!キメワザ!

マイティ!

クリティカル!フィニッシュ!

 

聖『はあっ!!』

レイヴェル「きゃあぁぁ!!」

 

結果、レイヴェルさんから悪魔の駒が排出され、無事にただの上級悪魔となりましたとさ。めでたし、めでたし。



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13話

拝啓、天国のおじいちゃんへ。オカルト研究部に入って約一週間ほど、色々な事がありました。堕天使をぶっ飛ばしたり、悪魔をチェンソーを持って追いかけ回したり。そして、今もまた・・・

 

リアス「イッセー!早く上がって来なさい!」

朱乃「ここのお水はとても美味しいですわよ〜!」

イッセー「は、はいぃ・・・」

聖「ほらほら、兄さん。早くしないとアーシアさんがエッチなシスターになっちゃうよ〜!」

アーシア「はぅ!ひ、聖さん!わ、私はエッチじゃ///」

聖「何言ってるのさ〜。昨日の夜だって、し・・・」

アーシア「だ、ダメです!///い、言わないでください!///」

レイヴェル「この暑さは辛いですわね・・・」

小猫「・・・というより、聖先輩。荷物は・・・?」

聖「え?木場君に持たせたけど?」

 

現在、兄さんと木場君は山道を登っている途中。なんでも、この先にリアス先輩の実家が所有する別荘があるらしい。なんでも、大自然を感じながら修行をすればやる気も上がるとか。私にはよく分からないけど、いつかは分かるだろう。多分。

そして、2人が追い付き、皆で少し進むとまるでお高い一軒家が見えてくる。なるほど、あれか・・・。

 

リアス「さ、荷物を置いて着替えたらすぐに修行よ!」

イッセー「す、すぐ!?そ、そんなぁ・・・」

レイヴェル「な、なんだか、ワクワクしますわ!」

聖「ほら、兄さん頑張って。模擬戦もあると思うけど、そうだなぁ・・・。私に1回でも勝てたら、ストリップで脱いであげようかな〜?」

イッセー「ま、マジで!?ウォォォォ!!やる気が漲ぎってきたぁぁぁぁぁ!!!!」

 

そう言って兄さんは猛ダッシュで建物の中に入っていく。うん、バカだね。あれは。

 

アーシア「はうぅぅ!///」

レイヴェル「その、聖様・・・?よろしいのですか・・・?」

聖「何言ってるのさ〜。私は脱ぐとは言ってないし、そもそも兄さんが私に勝つなんて死んでも無理だよ。あ、1回転生してるから死んでるのか。」

木場「聖さんは、意地悪だね。」

聖「希望を与えたって言って欲しいな〜。それと、荷物ありがとう。木場君。」

木場「大丈夫だよ。」

 

そう言って、木場君も着替えに行く。私達女子組も着替えを済ませたけど・・・。あれを楽園っていうんだろうなぁ〜・・・。皆、美少女だったから、体もやはり美少女だった!そして、全員ジャージに着替えて外に出ると、木場君と兄さんは既に準備運動をしていた。

 

リアス「さて、始める前に聖さん。あなたの本気の強さを教えてくれるかしら?ゲームで例えてね。」

聖「む、難しい・・・。まあ、1番低いレベルでゲンム・・・紫のあれですね。」

朱乃「あれのレベルは幾つなのですか?」

聖「0ですね。」

小猫「0・・・?」

聖「そう。で、1番強いのですが、2種類あって・・・」

イッセー「2種類!?そ、それで、レベルは!?」

聖「まず1つは『ハイパームテキ』。レベルは無し。名前の通り、無敵状態を維持する力。もう1つは、『ゴッドマキシマムマイティX』。こっちはレベルがあって、そのレベルはビリオン。つまり、10億。」

レイヴェル「じ、10億!?」

アーシア「10億・・・?」

リアス「・・・まさか、そんなものを。使いこなせるのかしら?」

聖「はい。なんなら、今から模擬戦します?」

朱乃「あらあら、うふふ。10億の力、気になりますわ。」

木場「確かにね。」

リアス「決まりね。お願いしても?」

聖「分かりました。アーシアさん、神器の準備はいい?」

アーシア「は、はい!」

 

私はゲーマドライバーを装着し、ステージセレクトを行う。まあ、現実世界でやったら後がクソめんどいし。

 

ゴッドマキシマムマイティX!!

 

聖「グレードBillion・・・。変身!」

 

マキシマムガシャット!

ガッチャーン!不滅〜!!

最上級の神の才能!!

聖!GOD!!聖!GOD!!

 

聖『フンッ!』

 

私はゴッドライズスイッチを押してゴッドマキシマムゲーマーを装着し最後の音声と共に変身を完成させる。

 

ゴッドマキシマ〜ム!X!!

 

聖『さあ・・・!コンティニューしてでも、クリアする!!』



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14話

リアス「それが、10億・・・!」

朱乃「確かに、とんでもない力を感じますわ・・・!」

木場「それになんだか、禍々しいオーラを感じるね・・・!」

小猫「神のオーラも感じます・・・!」

イッセー「てか、なんだ!?今の歌!?」

レイヴェル「か、勝てる気がしませんわ・・・」

聖『さ、いつ来てもいいですよ。』

イッセー「なら!神器(セイクリッド・ギア)!」

《ブースト!》

リアス「イッセー!待ちなさい!」

 

先輩の言うことも聞かず、殴り掛かるってくる。《HIT!》というエフェクトは表示されるもののそこまで大したダメージは無い。まあ、まだ赤龍帝の篭手(ブーステット・ギア)に覚醒してないってのもあるだろうけど、そこまでの脅威は感じない・・・。世話のやける兄さんだな〜。いっちょ、覚醒させてやるか〜。

 

聖『ほらほら、どうしたのさ〜。そんなんじゃ私を倒せないよ〜?倒せたら裸だけじゃなくて、卒業式もさせてあげようと思ったのに〜』

イッセー「そ、そそそ卒業式!?!?い、いや、それはダメだ!妹と一緒に卒業式を迎えるなんて!」

聖『え?迎えるのは兄さんだけだよ?』

イッセー「え?」

聖『え?』

 

え、何この空気?怖いんだけど。なんで、兄さん黙ってるの?てか皆、状況飲み込め無さそうな顔してるし。アーシアさんとレイヴェルさんなんて、なんの話してるかわかってない顔だし。うん、2人はそのまま純粋でいて欲しいな。

 

イッセー「・・・だ。」

聖『え?』

イッセー「誰だぁ!!俺の可愛い妹に手を出したのはァァァ!!!!」

Welsh Dragon!!

Balance Breaker!!

 

リアス「な!?」

朱乃「まさか、赤龍帝!?」

木場「イッセー君が・・・!!」

小猫「・・・なんとも言えない状況です。」

 

大丈夫、小猫さん。私も同じだから。まあ、手を出されたって言うか、私が手を出したんだけど。

 

『Boost、Boost、Boost、Boost、Boost!!』

イッセー「はあっ!!」

聖『よっと!』

 

私と兄さんの拳がぶつかり、辺りが一瞬でクレーターが出来る。が、ダメージを受けたのはやっぱり兄さん。まあ、こんな面白い見た目だけど、能力やばいし。

 

聖『ビックリしたけど、これは覚醒した兄さんへのプレゼント!きっちり、受け取ってよね!!』

 

私は手を上にかざすと、上から隕石が大量に落ちてくる。まあ、今の兄さん達は無理だろうけど、いずれは超えてもらわなきゃ。

 

イッセー「グアアァァ!」

 

ガッチョーン カミワザ!

ガッチャーン!

ゴッドマキシマム!

クリティカルブレッシング!!

 

聖『はあっ!!』

 

私は、ゴッドマキシマムゲーマー(長いからゴマ君)から飛び出し、ライダーキックをかます。まあ、兄さんの鎧は解けて気絶したけど、まさか、バランス・ブレイカーになるのは想定外過ぎた。

 

リアス「アーシア!今すぐ回復を!」

アーシア「は、はい!」

聖『頑張った兄さんにはプレゼントをだよね。』

 

回復

 

アーシアさんが回復して、私もついでにエナジーアイテムを使って回復させる。さ〜て、どう物語は変化するかな〜。



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15話

10日間は早いもので既に最終日。え?修行内容を見せろって?やだよ、めんどくさい。まあ、何があったかを言ったら、兄さんを追いかけ回したり、兄さんに全裸にされたり、イタズラで兄さんを誘惑したらアーシアさんが怒ったりしたくらい?

てか、兄さんがあんなにシスコンだったとは思わなかったなぁ・・・。まあ、嬉しいんだけどさ。え?私がどんな修行をしたか?してないよ、強いんだし。・・・まあ、全部借り物の力なんだけど。「神の才能」とかいっても、あれは檀黎斗の才能だし。

とにかく、私は沢山遊んだ。アーシアさんや小猫さん、レイヴェルさんを着せ替え人形にしたり、おじさんが作った性転換装置で木場君を女の子にして着せ替え人形にしたり。それはもう、色々遊びまくった。そして、現在・・・

 

聖「ほ〜ら、兄さんどうしたの〜?私を裸にひん剥いた時のやる気は〜?」

イッセー「も、もう、動けません・・・」

 

兄さんとの素手での殴り合い。もちろん、ライダーの力は使ってないよ?・・・武装色と見聞色は使ったけど。兄さんもバランス・ブレイカーに慣れ、ドライグとの会話も出来るようになった為、ドライグはとてもいいサポーターになっていた。

 

リアス「皆、そろそろ帰るわよ。」

聖「は〜い。ほら、早く立ってね〜。」

イッセー「も、もう少し、休ませて・・・」

 

それから、1時間後に駒王学園に着きそのまま解散。だったんだけど・・・

 

聖「な、なに、この荷物・・・?」

イッセー「と、とんでもない量のダンボールが・・・」

アーシア「そ、その、一部は私のなんですが・・・」

レイヴェル「その他は全て私のものですわ。」

 

おぉっと!?まさかの同居!?同居なのか!?兄さんはアーシアさんだけでなく、レイヴェルさんも落としたのか!?

 

聖「良かったじゃ〜ん!兄さん、これで念願の美少女と同居だね!しかも3人!」

イッセー「え?3人?」

聖「は?私だって、美少女だろうが。ぶっ飛ばすぞ。」

イッセー「は、はい!も、申し訳ございません!」

レイヴェル「それでは、聖様。お手伝いよろしくお願いしますわ。」

聖「は〜い。兄さんの部屋に運ぶね〜。」

レイヴェル「え?何故、イッセー様のお部屋に?」

聖「え?だって、兄さんに惚れたんじゃ・・・」

レイヴェル「ち、違いますわ!わ、私が好きになったのは!え、えっと・・・その・・・」

 

おや・・・?な、なんか、雲行きが怪しいぞ・・・?え、待って。兄さんに惚れてないのに、なんで家へ?いやまあ、とりあえず運ぼう。うん、凄い邪魔だし。

 

聖「たっだいま〜!可愛い可愛い娘が帰ってきたよ〜!」

聖奈「あら、聖。おかえり。それと、イッセーも・・・って、い、イッセー!?そ、その2人の女の子は・・・!?」

イッセー「あ、この2人はぶか「父さん〜!!わ、私達に孫が見られるわよ!!」って、聞けよ!てか、孫!?」

 

なんやかんやあり、2人がホームステイをする事が決まった。決まったんだけど・・・

 

聖「あの、レイヴェルさん?何故、私の部屋に荷物を?部屋、貰ったよね?」

レイヴェル「あら、簡単ですわ。聖様と片時も離れたくないからです。」

聖「なんで!?そこは、私じゃなくて兄さんじゃないかな!?」

レイヴェル「?何故イッセー様のお部屋へ?あちらには既にアーシアさんがいますが・・・」

聖「いや、そういう事じゃなくて・・・ってか、アーシアさんは兄さんの部屋なの!?」

レイヴェル「ええ。まあ、いいではありませんか。・・・それにしても、聖様のお部屋には沢山の本があるのですね・・・」

 

そう、私の部屋には大量の本がある。と言っても、九割はBL、GLといった大人向けだけど・・・。プログラミングの本は0.5割、勉強の本が0.5割。もちろん、『ハイスクールKxH』も持ってるし、たったの5冊しか幻の『駒王式森羅万象(ハイスクール)』もちゃんと持っている。あれは、ドチャしこだったな・・・。まさに、神の才能を持っていないと作れない作品!

 

レイヴェル「ひ、ひひひひ聖様!?こ、ここここんなものをいつもお読みに!?」

聖「うぇ!?ち、ちょっと、勝手に読まないで!いい、レイヴェルさん!レイヴェルさんにはまだ早いから!みんなが許してもお姉さんは許しませんよ!?」

レイヴェル「は、はい!」

 

そうして、私の性癖はレイヴェルさんにバレましたとさ。本っ当に恥ずかしい!!



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3章(聖剣奪還のエクスカリバー)
16話


レイヴェルさんに私の性癖がバレた次の日のオカルト研究部。今日は特にゲームも作らずのんびりとした時間を過ごしている。今はリアス先輩とチェスの最中。そして・・・

 

リアス「くっ・・・。私の負けよ・・・」

聖「ヴェーッハッハッハッハ!!やはり、私こそ神だァ!!」

朱乃「あらあら・・・。リアスが負けるなんて珍しいですわ。」

木場「だね。勝てるのなんて、ソーナ様位なのに。」

イッセー「ソーナ様?」

小猫「部長の親友です。」

レイヴェル「ソーナ・シトリー様。シトリー家次期当主で、かなり聡明な方だと聞きますわ。」

聖「ソーナ・シトリー・・・。リアス先輩、もしかしてその人って・・・」

 

私が言いかけた所で突然ノックされる。リアス先輩が「どうぞ。」と伝えると、この学園の生徒会長である『支取蒼那』会長と愉快な仲間たちが入ってきた。

 

ソーナ「失礼します。」

イッセー「せ、生徒会長!?な、なんで!」

聖「兄さん、今度はどこで覗いたの?今なら反省文で済むかもよ?」

イッセー「いや、俺、やってねえよ!最近は!」

ソーナ「大丈夫ですよ。兵藤君。反省文は書いてもらいますが、今日はその事ではありません。」

聖「ドンマイ、兄さん。私は隣で爆笑してるから頑張ってね。」

イッセー「煽りか!?」

聖「当然。」

イッセー「あぁぁぁぁ!!ムカつく!この自称神が!!」

聖「はぁぁぁ!?私は正真正銘の神じゃい!この(自主規制)が!!」

 

私と兄さんの喧嘩が始まりそうになった所で、リアス先輩からのゲンコツを頂きました。とんでもなく痛い・・・。頭、割れそう・・・。

 

リアス「全く・・・。ごめんなさいね、ソーナ。」

ソーナ「構いませんよ。リアス、彼女が?」

リアス「ええ。アーシア、イッセー、聖さん。挨拶を。」

アーシア「あ、アーシア・アルジェントです!よ、よろしくお願いします!」

イッセー「ひ、兵藤一誠です!よろしくお願いします!」

聖「兵藤一誠の妹の兵藤聖で〜す。リアス先輩との関係はヒモみたいな感じで〜す。」

リアス「聖さん、真面目にやりなさい。」

聖「ヒィッ!り、リアス先輩とは協力関係であります!」

ソーナ「ソーナ・シトリーです。こちらは、匙元士郎。新しく入った兵士(ポーン)です。」

匙「匙元士郎です。よろしくお願いします。」

イッセー「へ〜!お前も兵士(ポーン)なのか!」

匙「俺はお前と同じ兵士(ポーン)だと言うことに、酷くプライドが傷ついたがな。」

イッセー「なにを!?」

聖「小さいプライド〜。あっ、やべ。」

 

私はすぐに口を塞ぐが時すでに遅し。一瞬の静寂の後、匙君の顔が真っ赤になる。うわ〜、ゆでダコ〜。

 

匙「・・・聖さん。今、なんて言った?」

聖「いや〜その〜・・・。お願い、兄さん!助けて!!」

イッセー「いや、今のはお前が悪いだろ!?」

ソーナ「匙、よしなさい!」

匙「いえ、会長!俺はこいつを許せません!」

リアス「はあ・・・。匙君って言ったわね?どうするつもりかしら?」

匙「一騎打ちを申し込みます!」

聖「別にいいけど・・・。ソーナ先輩は?」

ソーナ「・・・正直、匙の気持ちも分かります。しかし、あなたは・・・」

聖「人間だから。ですか?なら、問題ないですよ。ね?リアス先輩。」

リアス「ええ、そうね。いいんじゃないかしら?でも、聖さん。ビリオンは禁止よ?」

聖「分かってますよ〜。それ以外で倒せるんで。」

匙「なにを!?」

ソーナ「匙、後で話し合いです。・・・ですが、やる以上は勝ちなさい。」

匙「はい!」

聖「許可が出たところで・・・」

 

ステージ!セレクト!

 

匙「な!?」

ソーナ「変わった!?」

聖「さて。最初に謝っとこうかな。さっきは言い過ぎたね。ごめんね、匙君。」

匙「・・・」

聖「でも、勝負は勝負。だから、まあまあ強いやつで行かせてもらうね。」

 

ガシャコン・バグヴァイザー

デンジャラス・ゾンビ

 

ソーナ「デンジャラス・・・」

椿姫「ゾンビ・・・?」

リアス「初めて見るベルトだわ・・・」

朱乃「まだ、あったのですね・・・」

アーシア「な、何か、怖いです・・・」

小猫「私もです・・・」

木場「鳥肌が立つね・・・」

イッセー「な、何する気だ・・・?」

聖「グレード10・・・変身!」

 

ガシャット!バグルアップ・・・

 

デンジャー!デンジャー!

ジェノサイド!

デス・ザ・クライシス!

デンジャラス・ゾンビ!!

Woooo!!

 

私は目の前に現れたゲーム画面をぶち破りポーズを決めたあと、ゾンビの様な動きをする。さぁて・・・。この私に挑んだ事を後悔するといい・・・!



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17話

匙「な、なんだよ、それ・・・!?」

聖『これは、デンジャラス・ゾンビ・・・。さあ、思う存分攻撃しなよ・・・!!』

匙「っ!やってやるよ!!」

 

そうして、匙君は殴ってくるけど、正直そこまでのダメージは無い。まあ、生身で殴ったところでねぇ・・・。お?魔力を拳に溜めてるねぇ・・・。よし、せっかくだし、デンジャラス・ゾンビの力を見せてやるか〜

 

匙「らあっ!!」

聖「ぐふっ・・・」

 

私はあえて攻撃を受けて吹き飛ぶ。その際、腕はあらぬ方向へと曲がり、足も同様だった。

 

匙「あっ・・・」

ソーナ「匙!あ、あなたはなんてことを・・・!!」

リアス「な!?」

朱乃「あれは・・・」

椿姫「か、会長!あ、あれを!」

ソーナ「え?」

匙「な!?」

 

そりゃあ皆驚くだろうねぇ・・・。だって、折れ曲がった手足を元通りにしてゾンビの様に復帰する。いや〜。その表情が見れて満足だぁ〜。

 

小猫「あ、あれは・・・!」

リアス「何かわかったの?」

レイヴェル「皆様。聖様の左胸の方をご覧下さいまし。」

草下「左胸・・・?」

仁村「あれ?なんか、ゲームの体力みたいなのがあるけど・・・。なんか、おかしくない?」

由良「ライフが無く、ヒビ割れている・・・?」

レイヴェル「・・・これはあくまでも仮説です。が、確信でもありますわ。あの、『デンジャラス・ゾンビ』というガシャットには、体力が設定されていないのではないでしょうか?」

木場「体力が設定されていない・・・?」

 

おや?流石はレイヴェルさん。デンジャラス・ゾンビの力に気付くなんて・・・。敵にならなくて本当に良かった。

 

小猫「・・・なるほど。だから、ゾンビなんですね。元から死んでいる存在を殺すことが出来ないから・・・」

ソーナ「つまり、どんな攻撃も致命傷にはなり得ない・・・?」

レイヴェル「ええ。そして、我らフェニックス一族と違う点がありますわ。我々、フェニックス一族は心を折られるか自分よりも遥かに格上の存在から攻撃をされれば簡単に落とせます・・・。しかし、聖様にはそれが効かない。そもそも、聖様の心を折ることなど不可能ですし、あのガシャットの力で何度も蘇ります。例え、神クラスの力があったとしても、撃破は難しいでしょう。」

聖『流石はレイヴェルさん。パーフェクトだよ。その通りよ。さ、まだやる?やるって言うのなら、あなたに待っているのは死のみだけど・・・』

匙「っ!・・・俺の負けです。」

 

ガッシューン・・・

 

変身を解いて風景を元の部室へと戻す。さて、1つ目の後片付けは終わり。それじゃあ、ご褒美タイムだ・・・!!

 

聖「真羅椿姫先輩!お願いがあります!」

椿姫「な、なんですか?聖さん。」

聖「私、あなたの大ファンなんです!どうか、サインをください!!」

 

そう言って、私はグリゴリ印の『四次元ポケット』から色紙とペンを取り出し、頭を下げる。これには、皆固まっている様子だった。でも、私はあんな素晴らしい作品に会えたのだから下げない訳には行かない!!

 

椿姫「な、なんの事でしょうか・・・?」

聖「惚けても無駄です!椿姫先輩はあの幻「分かりました!書きます!書きますのでそれ以上言わないでください!」っ!アザース!!」

ソーナ「・・・椿姫。後からお話を聞かせてもらいます。」

椿姫「っ!は、はい・・・」

 

なんか、怒られそうな雰囲気だけどいっか!私はサイン貰えたし!あは〜、今日は快眠だ!

 



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18話

サインを貰えたその日はやっぱりルンルンで帰った。だって、あんな偉大な先生から貰えたんだよ?そりゃあ、テンションぶち上がりよ!例のごとく、私は兄さんとアーシアさん、レイヴェルさんと共に帰っていたのだが、家の近くまで来ると異様な気配を感じ取った。なに、このオーラ・・・?ま、まさか、聖剣!?つまり、次の章に入った!?

 

イッセー「な、なんだよ、これ・・・!!」

アーシア「か、体が震えます・・・!」

レイヴェル「ま、まさか!?」

聖「今すぐ家まで急ごう!」

 

私達は急いで家に入る。原作では殺されはしなかった。でも、ここでは分からない!なんせ、私という異物(イレギュラー)がいるんだから!

 

イッセー「母さん!!」

聖奈「あら、イッセー。どうしたの?血相変えて。」

イッセー「いや、えっと・・・」

聖「あれ・・・?もしかして、イリナちゃん!?」

イリナ「え!?嘘、聖ちゃん!久しぶりね!」

 

私は栗毛のツインテールの女の子、紫藤イリナちゃんを見て抱きついた!彼女とは兄さんと共に小さい頃遊びに遊びまくっていた。なんなら、他のグループへ襲撃なんかもした。5歳か6歳の頃に海外へ行ってしまったけど、また再開出来るなんて!そ、それに胸が私よりデカい・・・!!なんで!?イリナちゃんには成長期が来たというのに、私には何故来ない!?

 

イリナ「イッセー君も久しぶり!・・・でも、お互いに随分と変わっちゃったね。」

イッセー「っ!」

ゼノヴィア「・・・イリナ。そろそろ失礼しよう。」

イリナ「そうね、ゼノヴィア。じゃあね、聖ちゃん!アーメン☆」

 

そう言って2人は帰って行った。てか、片方はやっぱりゼノヴィアか・・・。こりゃあ、近いうちに会談かぁ〜・・・。その後、リアス先輩からメールで「明日は部活に来なくていい。」というメールを頂きました。うん、正直ラッキー過ぎる。

 

聖「ふう・・・。さて、明日は何しようかなぁ・・・」

 

仮面ライダークロニクルも順調にコピーが進んでるから特にやる事も無いし、グリゴリに行ってもなぁ・・・。と考えていたら、おじさんからのお電話です。え?なに?もしかして除名?

 

聖「も、もしもし?」

アザゼル『悪いな、急に電話をかけて。今、1人か?』

聖「え?まあ・・・。え、なに?厄介事?」

アザゼル『ああ。コカビエル・・・つっても、お前は知らねえか。うちの幹部がやらかしてなぁ・・・。教会から『エクスカリバー』をくすねたんだよ。』

聖「エクスカリバー?それって、アーサー王物語の?でも、あれって確か、騎士ベディヴィアによって湖に返還されなかった?」

アザゼル『ああ。が、教会と言えば真っ先に思いつくのは?』

聖「ドス黒い狂人の集まり?」

アザゼル『お前はどんなイメージを持ってんだよ・・・。天使、神、天界、聖剣だろ、普通・・・』

聖「あ、そゆこと。要は体裁の為に粗大ゴミ(デッドコピー)を作ったって訳か。」

アザゼル『そう言うことだ。』

聖「んで、そのコカトリス?コケコッコー?とかいう幹部が盗んだと。」

アザゼル『コカビエルな。ま、そういう事だ。お前さんにはあのバカの始末を頼みたい。出来れば生け捕りが好ましいが、お前じゃ無理だろ?』

聖「まあ・・・。私の他には?」

アザゼル『一応、ヴァーリを向かわせる。というより、俺も駒王町にいる。』

聖「なら、自分で・・・は体裁的に不味いのか。まあ、頑張ってみるよ。」

アザゼル『悪いな。頼んだぞ。』

 

そう言って電話は切られた。さ〜て・・・とりあえず、本物のエクスカリバーを借りに行くかな〜



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19話

さてさて、やって来ました!こちらはイギリス某湖!そこには、エクスカリバーが眠っているという噂があります!それでは、早速参りましょう!

 

ガシャット!ガッチャーン!

レベルアップ!

マイティーアクショーン!X!

 

変身した途端、湖の精霊、ヴィヴィアンが姿を現す。

 

ヴィヴィアン「・・・また、貴様か。ゲンム。何の用だ?」

聖『エクスカリバーを一時的に貸してほしい。』

ヴィヴィアン「何故だ?」

聖『バカを斬り殺すため。』

ヴィヴィアン「では、対価に何を渡す?」

聖『これを。』

 

そう言って私は仮面ライダークロニクルを渡す。勿論、クロノスへ変身する為のものでは無い。量産タイプの方。これを見てヴィヴィアンは酷く驚いた顔をする。うん、その顔、最高。

 

ヴィヴィアン「か、完成したというのか!?」

聖『ええ。ちなみに、まだあなたしか持っていないわ。どうする?』

ヴィヴィアン「・・・良かろう。期限は3日。良いな?」

聖『充分だ。感謝する。』

 

こんな感じで、ガチモンのエクスカリバーをゲッチュ!さて、帰るとしようかな〜。え?どうやって帰るかって?『プロトジェットコンバットガシャット』ですが?プロトタイプのガシャットは全て作成済みだから、しっかり11本揃っている。そんなこんなで、日本へ帰還。途中、戦闘機とかに追われたけど上手く撒けて良かった。そして、そのまま部室前まで行き、変身を解く。

 

聖「こんにちは〜。」

リアス「聖さん!?あなた、どうして!?」

聖「あ、ガシャット取りに来ただけなのでお構いなく。よし。それじゃ。」

ゼノヴィア「待て。何故、君から聖剣を感じる?昨日は感じなかったはずだ。」

聖「わざわざ話す必要があります?」

ゼノヴィア「ああ。聖剣は全て天界が管理しているはず。なのに、何故持っているんだい?」

聖「わざわざイギリスまで行って借りてきたんですよ。」

イリナ「ち、ちょっと待って!は、話についていけないんだけど!?」

イッセー「てか、イギリスに行ったってどういう事だよ!」

聖「まあ、訳は後で話すよ。」

ゼノヴィア「とりあえず、君の持っている聖剣を渡せ。それは、我らが主の持ち物だ。」

聖「はっ!悪いけど、これはあなたの大好きな神様のじゃないの。それとも、力ずくで奪っちゃう?今から、コカビエルを探して倒さなきゃいけないのに?」

リアス「ちょっと待って。聖さん、何故あなたがそれを?」

聖「おじさんから頼まれたんです。対処しろって。」

リアス「つまり、これはコカビエルの独断・・・。かの堕天使は戦争狂という噂もあるほど・・・。つまり、彼は過去の大戦を再び起こそうとしているの・・・?」

聖「んじゃ、今日は・・・」

ゼノヴィア「私を無視するな!!」

 

ゼノヴィアさんは躊躇なく破壊の聖剣(エクスカリバー・ディストラクション)を振るってきたら、私は指に武装色を纏い止めた。まあ、みんな驚いてるけど、某海賊漫画でもやられていた技術だし。

 

聖「分かったでしょ?私とあなたとの差を。じゃあね。」

木場「・・・待ってくれ、聖さん。」

聖「ん?なに、木場君。」

木場「・・・なんで君が聖剣を持っているかは知らない。でも、その剣は破壊させてもらうよ。」

聖「はあ・・・。リアス先輩、後から沢山怒られるんで暴れますね。」

リアス「はあ・・・。後から言われても知らないわよ?」

 

ステージ!セレクト!

 

ゼノヴィア「なに!?」

イリナ「な、なにこれ!?」

木場「・・・」

聖「イリナちゃん、木場君、青髪の人。とっとと獲物を抜きなよ。叩き潰してあげるから。」

イリナ「ああ、主よ!かつての友が悪魔にこれ程までに侵されているなんて・・・!これも1つの試練なのですね!それでも、私は乗り越えます!さあ、行くわよ!擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック!)

ゼノヴィア「いいだろう。後悔させてやる。破壊の聖剣(エクスカリバー・ディストラクション)!」

木場「聖さん、残念だよ。魔剣創造(ソード・バース)!」

イッセー「ちょ、ぶ、部長!」

リアス「手を出してはダメよ。悪魔が聖剣に斬られれば最悪消滅するわ。」

イッセー「で、でも!」

聖「さ、遊ぼうか。行くわよ、勝利を約束されし剣(エクスカリバー)!!」

 

私は本物のエクスカリバーを取り出し構える。うん、やっぱり軽いわ。

 



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20話

ゼノヴィア「え、エクスカリバーだと!?」

イリナ「う、嘘よ!!だ、だって、私達が持っているのと!」

木場「っ!エクスカリバー!!」

聖「さあ、エクスカリバー!共に大暴れと行きましょう!」

 

エクスカリバーは喜んでいるかのように、とんでもない量の聖なるオーラを垂れ流す。・・・うん、なんか、BLとかGL読んでる時の私みたい・・・

 

ゼノヴィア「そんなまがい物!!」

イリナ「はあっ!!」

聖「よっと。」

 

本物と偽物のエクスカリバーが触れ合う手前で、2人の粗大ゴミ(紛い物)が粉々に砕け散る。おぉっと!?ちょっと、やり過ぎかな!?エクスカリバー君!?

が、異論を唱えるがごとく聖なるオーラが輝きを増す。え?なになに?『あんなゴミと同等にされてプライドが傷付いた。だから、絶版にした。』って?それ、どこの神と檀正宗を融合したのさ。いや、神様みたいな剣だけどさ。

 

イリナ「嘘っ!?」

ゼノヴィア「エクスカリバーが折れた!?」

木場「はあっ!!」

 

今度は木場君か。まあ、今の彼は復讐に夢中で全てがデタラメ。うん、前の方が良かったのに。彼の持っている魔剣が振り下ろされた私は、エクスカリバーの刃では無く、頭の部分で防ぐ。

 

木場「なっ!」

聖「これが私とあなたとの差よ!!」

木場「っ・・・」

 

私の最大の武器はエクスカリバーなんかじゃない。なんなら、剣なんてさっき握ったばっか。それでも、生身でここまでやれる。まあ、5歳位からずっと戦う機会があったから当然か。覇王色の覇気で木場君を気絶させた後、2人に向き合う。

 

ゼノヴィア「くっ・・・!まさか、エクスカリバーが再び折られるとは・・・!!」

イリナ「ど、どうしよう・・・!!お、怒られる・・・!!」

ゼノヴィア「その剣は返してもらうぞ!来い、デュランダル!!」

 

異空間から鎖で繋がれたデュランダルがゼノヴィアの手に持たれる。うっそ、あれがデュランダル!?なに、あの登場の仕方!厨二病みたい!!

 

リアス「デュランダルですって!?」

朱乃「伝説の聖剣がこうも揃うとは・・・!」

アーシア「す、すごいです!」

イッセー「ってか、木場は!?」

小猫「・・・祐斗先輩は無事です。」

レイヴェル「先程から嫌な汗が止まりませんわ・・・」

 

あはは〜。確かに、純血の悪魔からしたら辛いよねぇ〜・・・。え?『あの剣、なんか調子乗って腹立つ』?いや、どこのヤンキー君なの?君。え?もしかして、ヴィヴィアンに虐められてたりしたの?え、待って。なんで、頭の部分が光ってるの?何を作りかえているの!?てか、それ、ガシャットスロットじゃない!?なんで!?『お前が気に入った』?え、まさかの認められたの!?私!?

 

ゼノヴィア「行くぞ!!」

聖「ああ、もう!訳わかんないけど、やけくそじゃい!!」

 

デンジャラス・ゾンビ

ガシャット!キメワザ!

デンジャラス!

クリティカルVICTORY!!

 

必殺技音声が流れると、地面から大量のデンジャラス・ゾンビが現れた!?しかも、なんか、聖なるオーラ纏ってません!?そんでもって、エクスカリバーからは、聖なるオーラと負のオーラを感じるし!え、何が起こるの!?怖いんだけど!!

 

ゼノヴィア「な、なんだ、こいつらは!?や、やめろ、離せ!!」

 

やっぱり訂正。ゾンビに犯されそうになるヒロインみたいでシコれる!!ありがとう!デンジャラスゾンビ!!あ、ゼノヴィアさんがやられた。

 

聖「さて、私の勝ちぃ〜。もう、帰って良いでしょ?」

リアス「・・・ダメよ。あなたには聞くことが出来たんだもの。そのまま答えてくれればいいわ。先程、イギリスへ行ったと言ったわね?その剣はそこで手に入れたのかしら?」

聖「はい。と言っても、借り物なんですけど。湖の精霊ヴィヴィアンから借り入れました。」

朱乃「ヴィヴィアン・・・。確か、アーサー王物語に登場する精霊ですわ。」

小猫「つまり、本当にエクスカリバー・・・?」

イリナ「ま、待ってよ!じ、じゃあ、私達が持っていた剣はなんなのよ!」

イッセー「た、確かに!それに、さっきエクスカリバーは折れたって!」

聖「いやいやいやいや。折れるわけないじゃん。伝説の聖剣が折れたら名折れだし。てか、仮に折れたとして、なんで1本に復元しないわけ?」

レイヴェル「た、確かに・・・。つまり、教会が持っているものは・・・」

聖「そういう事。」

ゼノヴィア「ふざけるな!!そっちが偽物のはずだ!!」

聖「信じるもよし。信じぬもよし。まあ、信じないのであれば、2人の持っているエクスカリバーは、紛い物のエクスカリバーに折られたって事になっちゃうね。」

イリナ「っ!」

ゼノヴィア「そ、それは・・・」

 

私は背景を部室に戻し、『四次元』ポケットにエクスカリバーを仕舞う。さて、じゃあ、お仕事再開っと!



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21話

イッセーside

 

 

 

現在、部室はとてつもなく重苦しい雰囲気になっている。何故か?それは・・・

 

ゼノヴィア「エクスカリバーは本物じゃなかったのか・・・」

イリナ「ど、どうしよう・・・!ど、どうやったら怒られずに済むの・・・!」

朱乃「あらあら、なんというか・・・」

小猫「・・・はい。なんか、同情してしまいます。」

レイヴェル「小猫さんに同意ですわ・・・」

アーシア「せ、聖剣は偽物だったんですね・・・」

リアス「はあ・・・。全くあの子は・・・」

ゼノヴィア「・・・行こう。イリナ。済まない、リアス・グレモリー。邪魔をした。」

リアス「いえ、構わないわ。その・・・あの子がごめんなさいね。」

イリナ「いえ・・・その・・・はあ・・・」

 

そう言って帰っていく2人の背中はとても小さく見えた。うん、とりあえず、帰ったら聖を土下座させよう。

 

木場「あのエクスカリバーが本物なのだとしたら、僕達はなんの為に・・・」

イッセー「木場・・・。部長、木場に何があったんです?」

リアス「・・・ここでは言えないわ。今日、あなたの家にお邪魔しても?」

イッセー「は、はい。」

 

それから、俺たちは家に帰り部長から壮絶な木場の過去を聞くこととなった。ちなみにだけど、聖の部屋には「ゲーム制作中の為立ち入り禁止。勝手に入ったら追いかけ回す。」という張り紙が貼られていた。いや、怖ぇよ!!

 

 

 

 

 

 

 

聖side

 

私は現在、エクスカリバーにプラグを繋ぎパソコンに入力している。理由は新しいガシャットの開発。私はまだエクスカリバーに振り回されているだけの小娘。でも、扱うには時間が余りにも足りなさ過ぎる。そこで行き着いたのが、『フルフルラビットタンクフルボトル』。あれはハザードトリガーでの暴走を制御出来ないことから、制御する為に作ったボトル。なら、私もそうすればいい。

 

聖「出来たァ!!やはり、私は神だァ!!ヴェーハッハッハッハッ!!」

 

ようやく出来た・・・!!作り始めて半日・・・!!って、やば!遅刻寸前じゃん!!

私は性能を試すこと無く急いで準備をして家を出る。だって、遅刻したらまた怒られて課題増やされるし!先生怖いし!もう、全力ダッシュよ!!そして、その結果・・・!

遅刻してまた課題を増やされました。チックショー!!後!後五分早ければ間に合ったのに・・・!!

 

桐生「聖っち〜。今日も絞られてたね〜。」

聖「言わないでよ、藍華・・・。私だって、好きで遅刻した訳じゃないから!」

桐生「どうせ、ゲーム作ってたんでしょ〜?それで?今度はどんなゲームを作ったわけ?」

聖「まあ、まだ試してはないけど・・・これ!」

桐生「『ソード・オブ・ラビリンス』?どんなゲームなの?」

聖「ある探検家が脱出不可能と言われている迷宮を探索する、一人称式のゲームだよ。迷宮にはあらゆる武器が眠っているって言う設定で、当然番人やボスなんかもいる。」

桐生「なんか、面白そうね。問題なさそうなら、1番にプレイさせてよね。」

聖「当然。藍華はいい意見をくれるからね〜。」

 

そんなこんなで授業が終わり、私は部室へは寄らずコカビエル探しを続行する。さ〜て、どこにいるのやら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と思っていた時期もありました。まさかまさかの、今日の夜に学校で大規模術式を発動させて、この町を吹き飛ばし戦争を起こすらしい。ふざけんな!!私が一生懸命探して出てこなかったのに、諦めて帰ってきたらなに出てきてるんじゃい!



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22話

時刻は真夜中。私は現在、1人で学園に向かっています。当然、コカビエルを処分する為。今回の手持ちは、『勝利を約束されし剣(エクスカリバー)』と、『プロトガシャット』11本、『マイティーブラザーズXX』、「マキシマムマイティX」、「ゲーマドライバー」、「ガシャコンバグヴァイザー」。念には念を入れましたね。え?仮面ライダークロニクルとバグヴァイザーII?それだと、兄さん達の活躍が減るでしょうが!!あ、リアス先輩とソーナ先輩達だ。

 

リアス「聖さん!」

イッセー「聖!?な、なんで!」

聖「仕事〜。」

ソーナ「・・・つまり、堕天使総督から直々に?」

聖「はい。消していいっても言われてます。」

朱乃「あらあら。すごい自信ですわ。」

聖「まあ、おじさんから聞いただけですが、ゲームのレベル的にも多く見積って15〜20位だと思いますし。」

レイヴェル「ですが、聖様のゲームに換算すればものすごいレベルですわね・・・」

匙「お、俺たちのレベルってどれくらいなんだ・・・?」

聖「まあ、後で教えて・・・ん?」

 

私がそう言いかけた所で数十人程の堕天使が現れた。え、なに?刺客?って、跪いた!?

 

リアス「・・・敵意は無いと?」

堕天使「はい。我々はアザゼル様より命を受けた者達です。」

朱乃「あらあら、それをどう信用しろと?」

堕天使「ごもっともな意見です。故に、聖様。こちらを。」

聖「え、何これ。」

 

私は謎の機械を手に取ると、上空に映像が映し出されおじさんが見える。あ、録画か。ずっとスタンバってたのかとおもった。

 

アザゼル『よう、すまないな。またうちのバカがやらかして。サーゼクス達にも連絡入れてる。俺からの謝罪の気持ちとして兵を送った。』

リアス「・・・いいわ。信じましょう。」

匙「いいんですか!?だって、相手は!」

リアス「私が信じるのは聖さんよ。あなた達、堕天使は完全に信用出来ないもの。」

堕天使「構いませぬ。」

 

あら?なんか、勝手に出されてる?え、裏切ったら、神器封印されて殺されたりする?いや、まあ、その時の為の復活手段はありますが。って、魔法陣?え、何が出てくるの?

 

セラフォルー「ソーナちゃん!無事!?」

ソーナ「お、お姉様!?」

ローレン「リアス、無事ですか?」

リアス「お、お義姉様!?な、何故!」

ローレン「流石にあなた達だけでは死ぬわ。そちらの彼女は別だろうけど。」

セラフォルー「ええ!今、サーゼクスちゃんが討伐隊を編成しているけど、私達だけ先に来ちゃった☆」

 

うわぁ〜お。うん、物語は変わったけどいっか。生き残る確率が増えたし。

 

リアス「イッセー。祐斗と連絡は?」

イッセー「いえ・・・。ですが、あいつは絶対に来ます。」

リアス「そうね。ソーナ。彼らと結界をお願いしても?」

ソーナ「・・・分かりました。お姉様もいいですね?」

セラフォルー「当然よ!それに、私は彼らを信用してないもの!」

堕天使「当然の結果です。」

聖「さて、じゃあ配置も決まった訳ですし、そろそろ行きましょう。私、早く帰って寝たいので。」

イッセー「本当にお前はいつも通りだな・・・」

 

さァ〜てぇ〜。クソ鴉に思い知らせてやるかぁ〜・・・。この私を相手にした事を。



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23話

私達が結界へ入り運動場の方へ行くと、光の柱を中心に大型の魔法陣が展開されていた。あれ、何してんだっけ・・・?あ、聖剣の統合か。そして、上空には玉座に座るクソ鴉。あ、やば。めちゃめちゃイラついてきた。

 

コカビエル「バルパー。あとどれ位だ?」

バルパー「5分も要らんさ。」

コカビエル「さて・・・。よく来たな。リアス・グレモリーとその眷属。そして、ローゼン・ルキフグスに1人は人間か。サーゼクスが来るまで時間稼ぎをする訳か。」

リアス「コカビエル!お兄様達が来るまで、私達が!」

 

リアス先輩が言いかけた所で、極大の槍が体育館を破壊する。うわぁ〜・・・。あれ、直すのダルそ〜・・・。裏方さん、ファイトだよ!

 

コカビエル「くだらん・・・。力の差も分からないガキ共が・・・。まあ、いい。余興にはなるだろう。」

 

コカビエルが指を鳴らすと、魔法陣から5匹のケルベロスが現れる。うっわ、きんも〜・・・てか・・・

 

聖「可愛くない!!もっと愛嬌があって可愛いのにチェンジ!そんなんじゃ、ヘソ天しても何も癒されない!!」

イッセー「いや、お前、何言ってんの!?」

聖「いや、兄さんこそ何言ってんのさ!見てよ、あんな取って付けたような2つの首。てか、そもそもなんで顔が2つもある訳?絶対、要らないじゃん。なんなら、お互いに喧嘩しまくって絶対仲悪いよ。なんなら、餌代も倍掛かるし!」

イッセー「いや、お前、今の状況分かってる!?いいか!?あれは、俺たちを喰い殺そうとしてるの!ほら、見ろよ!あの牙!今まさに・・・って、あ、あれ・・・?」

 

あ、あれ?なんか、よく見ると、ちょっと目がうるうるしてない?てか、首同士、なんか話し合いしてません?え、なにあれ。

 

小猫「・・・多分、聖先輩の容赦ないダメだしにショックを受けているんだと思います。」

レイヴェル「な、なんか、可哀想に見えてきましたわ・・・」

聖「や、ヤバい・・・。泣きそうになってる顔が凄い可愛い・・・!!え、嘘!?さっきまであんな、ブサイクに見えていたのに、泣き顔だけでこんなに変わるなんて・・・!!」

朱乃「あ、あらあら・・・」

リアス「・・・聖さん。あなた、絶対にペットを飼わないで。」

ローゼン「本当ね・・・」

コカビエル「なに?『初めてのダメだしで心が傷付いて戦いどころじゃない』だと!?ふざけるな!!」

 

鴉の激怒は止まらぬも、それを無視してケルベロス達は帰っていく。・・・うん、まあ、戦闘が減ってラッキーだね。

 

コカビエル「クソっ!使えぬ奴らめ・・・。まあ、いい。」

バルパー「おぉっ!遂に!遂に完成だ!!」

 

あ、やっべ。忘れてた。でも、ここは木場君のイベントだしな。と、木場君とゼノヴィアさん登場。イリナちゃんは予定通りやられたか・・・。ま、いっか。

 

イッセー「木場!それに、ゼノヴィア!」

木場「お待たせしました。」

ゼノヴィア「少し遅れたな。赤龍帝。」

フリード「うひゃひゃひゃひゃ!おぉ、おぉ!こいつが、俺様の新しいエクスカリバーちゃんですか!いいね、いいねぇ!これで、悪魔共の首チョンパが楽になるわぁ!」

木場「・・・」

ゼノヴィア「リアス・グレモリーの騎士よ。まだ、共同戦線は続行かい?」

木場「ああ。でも、いいのかい?」

ゼノヴィア「あれは紛い物と断定されたんだ。それに、あれは異形の剣。なんの迷いも無いさ。」

木場「バルパー・ガリレイ!僕はあの実験の被験者だ!」

バルパー「ん?ああ、因子を抜きだす実験の事か。まさか、この地で出会う事になるとは。君達にはお礼を言いたい。なんせ、実験は成功したのだから。」

木場「成功だと・・・?」

バルパー「ああ。君たちのおかげで、因子のみを取り除く事が出来た。これを成功と言わずなんと言うのだ。ほれ、あの時の余りをくれてやる。こんなものより、よっぽど高純度の物が作れたのだからな。」

 

そう言ってバルパーは木場君の前に因子を投げ捨てる。・・・なんだ。やっぱり当たってたじゃん。教会の印象は。私は今すぐ殺したい気持ちを必死に我慢する。これをやるのは、私じゃない・・・。

 

木場「皆・・・。僕は考えていたんだ・・・僕だけが生き残って良かったのかって・・・」

 

『当然だよ。』

 

木場「え?」

 

『私達はあなたに生きて欲しかったんだもん。』

 

木場「でも・・・!僕より生きたかった子が大勢いたのに、僕は・・・!」

 

『大丈夫。』

 

『泣かないで。』

 

『私達を受け入れて。』

 

『私達はどんな時でも・・・』

 

木場「うん・・・!1つだ・・・!!」

 

木場君が聖剣の因子を取り入れた瞬間、オーラが爆発的に変わる。至ったんだね。さてと、後は2人に任せるとして、私とローゼンさんは・・・

 

コカビエル「ほう・・・。貴様達が相手か。」

ローゼン「あなたを絶対に止めるわ。」

聖「とりあえず、あんたは絶版ね。」

 

私とローゼンさんは、コカビエルに向かっていく。



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24話

三人称side

 

バルパー「な、なんだ、それは!?」

木場「バルパー・ガリレイ。僕は聖剣への復讐を断ち切った。それでも、あなたをここで生かせば第二、第三の僕達が出てくる。だからこそ、あなたを倒す!」

バルパー「ふ、フリード!!そいつらを斬り殺せ!!」

フリード「はいなぁ!!」

木場「そんな剣で!!」

 

フリードと木場は互いの剣を重ね合わせるも、所詮は模造品。三本の力を合わせた聖剣は、木場の禁手(バランス・ブレイカー)、『双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)』の前に砕け散り、ゼノヴィアのもつデュランダルでフリードは真っ二つに両断される。

 

バルパー「せ、聖と魔が入り交じるだと・・・!?そ、そうか!それなら、説明が付く!!魔王だけでなく、神」

 

そう言いかけた所で、少し遠くの方で爆発音が響く。全員がそこに目を向けると、先程まで玉座に座っていたはずのコカビエルが倒れていた。

 

聖side

 

聖「とりあえず、あんたは絶版ね。」

 

ローゼンさんは悪魔の翼で飛び上がり、私はオリジナルアイテム『飛翔』を使い飛び上がり、真正面から蹴りを入れる。

 

コカビエル「ぐっ・・・!」

聖「もういっちょ!」

コカビエル「喰らうか!」

ローゼン「そこよ!」

 

私は蹴りの体制からもう1発放とうとするもカウンターを決められそうなところをローゼンさんの援護で、被弾することなく回避。しかし、厄介・・・。あ、それなら・・・。私は複数枚のエナジーアイテムを取りだし、コカビエルに投げつけ、2枚をローゼンさんへと投げつける。。

 

高速化!×5

マッスル化!透明化!高速化!

 

ローゼンさんはパワーアップした上、透明に。コカビエルにはわざと高速化を5枚投げつける。うん、やっぱり気付いてない。バカだ。私はさっきよりも素早く攻撃するがコカビエルは軽く避けるつもりだったのだろう。しかし、エナジーアイテムの効果でとんでもない速さになっている為、正しく神速と化すも制御出来るはずも無く、コカビエルよりも強いであろうローゼンさんは、その神速にも対応し、コカビエルを撃ち落とす。

 

コカビエル「ぐふっ・・・!!」

「「「「「!?」」」」」

聖「よっと!ローゼンさん、ナイスコンボォ!!」

ローゼン「さっきのコインのおかげよ。」

コカビエル「貴様らぁ・・・!!」

バルパー「クックックッ・・・。アッハッハッハッハッ!」

リアス「な、何?」

ゼノヴィア「追い詰められておかしくなったのか・・・?」

バルパー「デュランダル使い!!そして、悪魔共ぉ!!私は真実へとたどり着いたァ!!」

朱乃「真実・・・?」

バルパー「そうだ!!何故そこの失敗作が聖魔剣等という歪を発現出来たか!!それは、魔王だけでなく神も死んでいたからだァ!!」

ゼノヴィア「な!?何をデタラメを!!」

コカビエル「クックックッ・・・!まさかその考えに至ったとはなぁ・・・!!」

リアス「お、お義姉様!ほ、本当なのですか・・・?」

ローゼン「・・・ええ。」

アーシア「そ、そんな・・・!で、では、私達に与えられる愛は・・・!!」

コカビエル「そんなものあるはずが無いだろう!!神は既に死んでいるのだからな!!」

 

そう言って、アーシアさんとゼノヴィアの教会出身者が膝から崩れ落ちる。そして、私と兄さんは見逃さなかった。アーシアさんの涙を。その涙を見た瞬間、私達兄妹の中で、何かが切れた。

 

イッセー、聖「「・・・コカビエル。俺(私)が最も嫌いな事がある。」」

聖「・・・私は、作ったゲームを馬鹿にされることにキレる。」

イッセー「・・・俺はイケメンや覗きを邪魔をしてくるやつにキレる。」

コカビエル「なに?」

聖「でもね。それ以上に嫌いな事があるの。」

イッセー「それはなぁ・・・!!」

聖、イッセー「「仲間や友達、そして家族をバカにされる事!!」」

 

BoostBoostBoostBoostBoost!!

 

ドライグ『コカビエルよ。貴様は選択を間違えた。片や、俺というドラゴンを宿す小僧を。片や、死ぬことの無い人間の娘を怒らせた。その怒り、しかと体感するがいい。この世で最も怒らせてはいけない相手・・・。それが『ドラゴン』と『人間』だと言うことを身をもって知れ!!』

 

マキシマムマイティX!!

 

私はベルトを装着し、兄さんはカウントダウンを開始した。そして、私と兄さんは語りかけるように2人に伝える。

 

イッセー「アーシア。確かにもう神様は居ないのかもしれない。だとしても、居ないのなら俺がアーシアの神様になってやる!だから、泣かないでくれ。」

アーシア「イッセーさん・・・!」

聖「確か、ゼノヴィアさんって言ったよね?あなたの信仰はそんなものなの?例え神が死んでようが、あなたの中では生き続ける!あなたが忘れない限り、ずっとあなたの中で存在し続ける!だから、涙を拭いて。」

ゼノヴィア「私の・・・中で・・・!!」

 

マキシマムガシャット!

ガッチャーン!

レベルマアァァァッッックス!!!!

最大級のパワフルボディ!!

ダリラガーン!ダゴズバーン!

 

聖『行くよ!兄さん!!』

イッセー「おっしゃ!!ぶっ飛ばすぞ、聖!!」

聖『マックス大変身!!ハアッ!』

イッセー「バランスブレイク!!」

 

マキシマァァァムパワー!!

エェェェッッックス!!!!

 

Welsh Doragon !!

BalanceBreaker!!!!

 

コカビエル「赤龍帝だと!?」

バルパー「な、なんなのだ、それは・・・!!」

聖『兄さん!』

イッセー『ああ!』

聖、イッセー『『超協力兄妹神プレーで、クリアしてやるぜ!!』』



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25話

BoostBoostBoostBoostBoost!!

 

イッセー『うっしゃあ!行くぞ!!』

聖『私も負けられない!!』

 

ガシャコンエクスカリバー!

 

私はエクスカリバーを召喚し、兄さんと共に駆ける。狙うはクソ鴉ただ1匹!エナジーアイテムの効果も切れてるだろうけど、その方が都合がいい!私は兄さんよりも先に到達し剣戟を始めるが、流石は本物!光の槍を簡単に破壊し片翼を全て切り落とす!

 

コカビエル「ぐぅっ!きさ『おらぁ!!』ぐほっ!『そぉら!』ウガッ・・・『はあっ!!』ぐふっ・・・」

 

16年一緒にいる兄妹の絆を舐めんな!!兄さんのグーパンから、マキシマムマイティ君を装着した私の腕を伸ばしての追撃からのまたしても兄さんの怒りの鉄槌。そして、私と兄さんはエナジーアイテムを取るのを忘れない!

 

イッセー『ゲームと言ったら、アイテムだよなぁ!』

聖『当然!』

 

高速化!

 

高速化のエナジーアイテムによるスピード上昇で私と兄さんからの更なる追撃!こいつに攻撃の隙を与えない!私の大切な家族を泣かしたこいつを潰す!!

 

聖『兄さん!!神器(セイクリッド・ギア)は想いの力で進化する!!その意味、分かるでしょ!』

イッセー『ああ!ドライグ!俺にもっと力を!!アーシアを泣かせたあいつを余裕でぶっ飛ばせる力を貸してくれ!!』

 

Welsh Doragon!!

X(エックス)Revolution!!

 

赤龍帝の篭手(ブーステット・ギア)は紅色に輝き、形状が変化する。兄さんは新たな領域に達したんだ・・・!!赤龍帝の篭手(ブーステット・ギア)の右篭手には『キメワザホルダー』の様なものが追加され、ガシャットを差し込めるようになっている!これなら・・・!!私は分身のアイテムを自分にではなく、『マキシマムマイティXガシャット』に使い、ガシャットを2つに分身させて、兄さんに投げる!

 

聖『それを、赤龍帝の篭手(ブーステット・ギア)に!!』

イッセー『おう!』

 

ドラゴニックガシャット!

キメワザ!!

ドラゴニックマイティ!!

クリティカルBooster!!

 

マキシマムガシャット!キメワザ

マキシマムマイティ!

クリティカルVictory!!

 

兄さんは赤龍帝の篭手(ブーステット・ギア)に、私はガシャコン勝利を約束されし剣(エクスカリバー)にガシャットを差し込み、互いに必殺技を発動させる!私はコカビエルを目にも止まらぬ早さで斬りつけ、兄さんは一心不乱に殴る。その後、兄さんは上に飛び上がりながらコカビエルを蹴りつけ、私は足払いでそれぞれの場所をスイッチしてまた同じ事を繰り返し、最後は互いにクロスするようにすれ違う。

空中に浮かんだコカビエルは手足があらぬ方向へ曲がり、顔はとんでもない程に腫れ上がっているもののまだ意識はあるようだった。でも、これで終わるわけない!!

 

聖『フィニッシュは必殺技で決まりでしょ!』

イッセー『しゃあ!!やってやらぁ!!』

 

ガッチョーン ガッチャーン!

キメワザ

マキシマムマイティ!

クリティカルFinish!!

 

ガッシューン

ドラゴニックガシャット!

キメワザ!!

ドラゴニックマイティ!!

クリティカルBooster!!

 

コカビエル「お、俺はァ・・・!!堕天使を最強の種族にぃ・・・!!おのれ、赤龍帝!!おのれ人間!!」

聖、イッセー『『ハァッ!!!!』』

 

私と兄さんは再び挟み込むようにライダーキックをコカビエルにぶつける。私1人なら、威力を逃されて逃げられたかもしれないが挟み込んでいるためそれは不可能!威力は逃れることを知らず、お互いの100パーセントをコカビエルにぶつける!そして、私と兄さんが着地し、互いの拳を合わせると『PERFECT!!』というアイコンが浮かび上がりコカビエルは爆散する。

 

最強の一撃!!

完全大勝利!!



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26話

バルパー「そ、そんな・・・!!こ、コカビエルが下級悪魔と人間に・・・!!ヒイッ!!」

 

私はマキシマムゲーマー君から飛び出し、勝利を約束されし剣(エクスカリバー)を持って、今回の主犯格の目の前まで来る。私の仕事はコカビエルを消すこと。それは達成した為、あとは好きにやる。さぁて・・・。こいつはどれだけ役に立つか・・・。そんな事を考えた時、張り巡らされていた結界が破られ、白く輝く彗星のが現れる。そう、ヴァーリ君だ。

 

ヴァーリ『まさか、コカビエルをこの世から消すとは、恐れ入ったよ。流石は兵藤聖とその兄であり、赤龍帝でもある兵藤一誠だ。』

イッセー『だ、誰だ、お前!そ、それにその鎧は・・・!』

聖『遅かったね。ヴァーリ君。』

リアス「聖さん、知っているの!?」

聖『彼は白龍皇です。そして、私の初めての相手でもあります。』

イッセー『な!?て、てめぇ!!』

ヴァーリ『・・・兵藤一誠。君には言いたいことがある。』

イッセー『な、なんだよ!』

ヴァーリ『君の妹は・・・君の妹はどんな育て方をしたらそうなるんだ!!』

イッセー『へ?』

朱乃『聖さんの・・・』

木場『育て方・・・?』

小猫『・・・どういう事です?』

ヴァーリ『忘れもしないさ・・・!!3年前のあの日を!!彼女に部屋に閉じ込められ俺はあんな辱めを・・・!!』

イッセー『え?え?』

小猫『・・・何をしたんですか?聖先輩。』

聖『え?ヴァーリ君を拉致って、逆レして三日三晩搾り取っただけだけど・・・』

『「「「「・・・」」」」』

 

え、なに、その無言。怖いんだけど。てか、デジャブじゃない?これ。いや、そりゃあそうでしょ『据え膳食わぬは男の恥』なんて言葉もあるし。なら、女の子である私が食べても悪くないよねぇ?

 

イッセー『本っ当にウチのバカがすみませんでした!!』

ヴァーリ『・・・いや、俺も君に言いすぎたな。それにしても、君は面白し進化を遂げたようだな。戦うのが楽しみだよ。』

聖『ヴァーリ君、ホモっぽい発現だよ。まあ、私は助かるけど。』

 

そう言って、怯えるバルパーの胸ぐらを掴みヴァーリ君に投げ渡す。ヴァーリ君もヴァーリ君で、受け取ったらすぐに帰っていった。

 

イッセー『てか、お前、本当にヤバいな・・・』

聖『いやいや、ヤバいのは兄さんの方だよ。リアス先輩、兄さんがもう時期倒れますよ。』

リアス「え?で、でも・・・」

イッセー『何・・・言って・・・あ、あれ・・・?』

 

鎧は強制解除され、兄さんは地面に倒れそうになった所をアーシアさんが上手くキャッチした。ごめんね、兄さん。本当なら、兄さんの夢であるはずのハーレムを私が崩しちゃったかも・・・。

 

ガッチョーン ガッシュー

アーシア「ひ、聖さん!い、イッセーさんが!」

聖「大丈夫だよ、アーシアさん。兄さんはあれだけの力を出したんだから、体力が持たないのも無理はないし。ん?」

 

ふと、私は兄さんの近くに落ちていたガシャットを拾い上げる。っ!!が、ガシャットが変化している!!ま、まさか、兄さんの中にあるものが遂に・・・!!

こうして、聖剣事件は幕を閉じた。そして、変異したガシャットにはこうラベリングされていた。

ドラゴンマイティーX



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27話

イッセーside

 

イッセー「んっ・・・?あ、あれ・・・?俺、いつの間に寝たんだ・・・?」

アーシア「い、イッセーさん!め、目が覚めたんですね!」

木場「イッセー君!」

イッセー「お、おう・・・。あれ、俺、あの後倒れてそれで・・・」

リアス「イッセー!起きたのね!体は大丈夫?」

イッセー「は、はい!俺、結構寝ちゃったんだな・・・。でも、なんか、体が妙に軽いというか・・・」

朱乃「あらあら、うふふ。イッセー君は力を使い果たして、1日眠っていたのですわ。」

イッセー「い、1日!?」

ドライグ『本当さ。あの、ガシャットとかいう物を使った影響の方が大きいがな。』

イッセー「そ、そうか。そう言えば、聖とゼノヴィアは?」

リアス「聖さんなら、堕天使領へ向かったわ。なんでも、調べたい事があるらしいの。何をするかまでは教えてはくれなかったけど。」

子猫「・・・ゼノヴィアさんは一度教会へ戻りました。ですが、神の不在を知った事から追放されるかも。」

イッセー「ま、マジか・・・」

リアス「大丈夫よ。彼女の事は任せなさい。」

イッセー「は、はい・・・。アーシアと木場は大丈夫か・・・?」

木場「・・・僕はもう神と敵対する者だよ。まあ、ショックでは無いと言ったら、嘘になるけどね。」

アーシア「・・・私もです。でも、イッセーさんは言ってくれました。「神様になる」って。だからこそ、私はイッセーさんにずっとついて行きます!」

イッセー「アーシア・・・!ああ!俺たちはずっと一緒だ!」

アーシア「はい!」

レイヴェル「リアス様!大変ですわ!」

リアス「どうかしたのかしら?」

レイヴェル「さ、三大勢力で首脳会談が行われるらしいです!」

リアス「な、なんですって!?」

朱乃「・・・恐らくコカビエルとの戦いだとは思いますけど・・・」

木場「僕達も呼ばれる可能性は高いね。」

子猫「ですね。実際に戦いましたから、証言という形になりますが、イッセー先輩と聖先輩は撃破した張本人として確実に呼ばれます。」

イッセー「うぇ!?ま、マジかよ、大丈夫かな・・・」

 

三大勢力での首脳会談か・・・。どうなるんだろ・・・

 

 

聖side

 

私は現在、堕天使領の研究所の一部屋を丸々不法占拠して、パソコンに繋がれている双眼実体顕微鏡でとあるものを見ていた。そのとあるものは兄さんからこっそりと採取した血液。

 

聖「やっぱり・・・!完全に適合してる・・・!それに、天龍であるドライグの遺伝子も織り交ざっての遺伝子に変異してる・・・!!」

ヴァーリ「何をそんな熱心に見ているんだ?」

聖「ひゃあっ!!??ヴ、ヴァーリ君!?なんで居るの!?ま、まさか、あの三夜の続きを・・・!!」

ヴァーリ「そ、そそそんなはずあるか!!///お前が不法占拠したと、研究員から苦情があったから追い出しに来たんだ!」

聖「なぁ〜んだ。それなら、もう出て行くから安心してよ。」

ヴァーリ「それで?何をそんなに興奮していたんだ?」

聖「兄さんの血液よ。見事に混ざりあってるからね。実質、あのクソ鴉に勝てたのはこれのおかげと言っても過言じゃない。」

ヴァーリ「ほう、それは興味深いな・・・」

アザゼル「おい、聖!!!!お前は何、研究室を不法占拠してんだ!!」

聖「ひいっ!ま、待って、おじさん!不法占拠したのは謝るけど、とっっっても大事で急用だったの!こ、これを見たらおじさんも分かってくれるから!!」

 

結局、ゲンコツをもらって説教された後、私はおじさんとヴァーリ君に説明し、おじさんは驚愕の顔を見せ、ヴァーリ君は戦闘狂らしい笑みを浮かべていた。・・・兄さんにも話さなきゃだよなぁ・・・



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4章(とんでもだらけのリーダーミーティング)
28話


ゼノヴィア「と、言うわけで、今日からリアス・グレモリーの眷属になった。よろしく頼む。」

イッセー、アーシア「「えぇ!?」」

リアス「これで、祐斗とゼノヴィアの騎士の2人が揃ったわね♪」

イッセー「いや、揃ったわね♪って!てか、聖剣はどうしたんだ?」

ゼノヴィア「しっかりと返したさ。紛い物とはいえ、返しとかないと流石にヤバいからね。・・・兵藤聖。」

聖「ん?なに、ゼノヴィアさん。」

ゼノヴィア「私は君の言葉に救われた。あの言葉が無ければ、正直立ち直れなかっただろう。この恩は一生忘れない。本当にありがとう。」

 

そう言って、ゼノヴィアさんは頭を下げてきた。いや、ありきたりな言葉でそんなに感謝されても・・・。いや、でも、ここまで言うなら受け取らない方が無礼か。

 

聖「もし、また迷った時は私を頼ってよ。助けになれるかは分からないけど、アドバイス位は出来るから。」

ゼノヴィア「ああ。そうさせてもらう。」

リアス「さて・・・。聖さん、そろそろ教えてくれてもいいんじゃないかしら?何を調べていたのか。」

イッセー「あ、そ、そうだよ!」

聖「それについては今から話します。でも、その前にやる事が。兄さん。」

イッセー「な、なんだよ・・・?」

 

私は兄さんの前で跪き、頭を地面に叩きつけるという、日本の伝統である『DOGEZA』をする。これには皆驚いていたけど、やっておかなきゃいけない。

 

聖「本っ当にごめんなさい!」

イッセー「い、いやいやいや!いきなり土下座されても困るんだけど!?」

ゼノヴィア「それは確か、『DOGEZA』だったか?日本では最大限の謝罪方法と聞いた事があるが・・・」

リアス「・・・どういう事かしら?」

聖「・・・リアス先輩。私が自作のウイルスに自ら感染させたって言う話はしましたよね?」

リアス「え、ええ。」

木場「それが、調べていた事に関係するのかい?」

聖「えっとですね・・・その・・・誠に言い辛いのですが、兄さんも感染していまして・・・」

「「「「「はあっ!?」」」」」

聖「いや、でも、誤解しないで!あれは故意にした訳では無いことを理解してほしいの!」

イッセー「ま、まさか、漏れだしたのか!?」

聖「いや、その、なんていうか・・・。仮面ライダークロニクルを作る際に、純日本人で人間の血液が必要になって、兄さんが寝てる間に頂戴した事があったんだけど、その時に注射針を間違えてしまいまして・・・」

イッセー「いや、お前、どんなドジやらかしてんだよ!!え、俺、下手したら、死ぬところだったの!?」

聖「ま、まあ、結果的に言えば・・・。で、でも、これだけじゃないの!今はもう、死ぬ確率はゼロだから!」

レイヴェル「どういう事ですの・・・?」

聖「私の作ったウイルス・・・バグスターウイルスって呼んでるんだけど、兄さんが完全に適合して抗体を持ったの。」

子猫「・・・つまり、先輩は聖先輩と同じ力を使えると?」

聖「篭手限定だけど・・・。まあ、そういう事に。」

ゼノヴィア「・・・なるほど。そのバグスターウイルスとやらの抗体を持っていたからこそコカビエルを圧倒出来たという訳か。」

聖「そういう事。そして、兄さんにしか使えない未知のガシャットまで誕生した。・・・まあ、今は私が預かっとくけど。」

イッセー「はあ!?なんでだよ!それがあったら、俺はみんなを」

聖「いやいやいやいや。渡せないよ。前は変異した直後だった上に激情してたからなんとかなったけど、今の兄さんがこれを使ったら完全消滅だよ?」

アーシア「か、完全消滅・・・?」

聖「そう。それどころか、下手をすれば兄さんだけじゃなくて、この世界の半分は滅びる。そうでしょ?赤い龍帝さん?」

ドライグ『お前の言う通りだ。そのガシャットとやらは、強制的に覇を纏う。つまり、今の相棒が使えば即暴走という訳だ。』

子猫「・・・即暴走。」

リアス「確かに、それは使わせられないわね・・・」

レイヴェル「使いこなす方法はあるのですか?」

聖「ないことは無いけど・・・。正直無理ゲーかな。」

ゼノヴィア「方法を聞いても?」

聖「おじさんから聞いたのは、赤龍帝の篭手(ブーステット・ギア)には覇龍(ジャガーノート・ドライブ)っていう、負の感情で動く力があると言うこと。まず、この負の感情をどうにかしないといけない。でも、兄さんに負の感情を支配下に置くことは出来ないし、そもそもそれは兄さんのやり方じゃない。」

リアス「と言うと?」

聖「兄さんは所謂、覇道とは逆の道である王道を歩む存在。王道とは、周りを助け助けられる道を歩む者。」

朱乃「つまり、私達と共に強くなるしかないと?」

聖「そういう事です。・・・まあ、別の方法も無いわけじゃないけど。」

木場「どんな方法だい?」

聖「簡単だよ、兄さんだけの覇龍と同等のものを作る。」



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29話

木場「覇龍(ジャガーノート・ドライブ)と同等なもの・・・?」

聖「そう。まあ、流石に私の技術でも出来ないことは無いけど、それは兄さんの強さに直結は出来ないし。」

サーゼクス「実に面白い事を考えるね。君は。」

 

ん?どっかで聞いた事あるような・・・?後ろを見ると、魔法陣から魔王様とローゼンさんが現れた!?え、なんで!?って、あ、会談か。あ、リアス先輩とゼノヴィアさん以外が跪いた。

 

イッセー「ちょ、ひ、聖!お、お前何やってるんだよ!早くみんなみたいに!」

聖「なんで?私、悪魔陣営ではないし・・・。まあ、だとしても、やらないけど。」

サーゼクス「はっはっは。彼女の言う通りだ。今日はプライベートだから楽にしたまえ。」

リアス「お、お兄様!何故こちらへ?」

サーゼクス「なにを言っているんだ?授業参観があるのだろう?」

リアス「な!?お、お姉様ね!」

ローゼン「私はグレモリー家のスケジュールを任されていますから。」

聖「あ、そういえば、そうだ。母さん達も来るのかな?」

イッセー「多分、アーシア達を見に来るんじゃないか・・・?前にすごいやる気出してたし・・・」

聖「あ、そうだ。魔王様!もしお時間がある時で良いのでこれをやって貰えませんか・・・?」

 

私は四次元ポケットから『PERFECT PUZZLE』のガシャットを取り出す。これは、ギアデュアルではなく、普通のガシャットに転写した最新作!まあ、発売はまだ先だけど。ちなみに、完全なるぷ〇ぷ〇ですね。

 

イッセー「お、おい、聖!」

サーゼクス「ふむ・・・これは、君が作ったのかい?」

聖「はい。PERFECT PUZZLEと言う名前で、名前の通りパズルゲームです。」

サーゼクス「パズルゲームか。これは複数でも出来るのかい?」

聖「ええ。個人も対戦も両方出来ます。」

サーゼクス「分かった。是非とも遊ばせてもらおう。それと、リアス。私はこの学園で会談を行おうと思っているんだ。」

リアス「こ、この学園で!?」

サーゼクス「ああ。未知の成長を遂げる赤龍帝に、本来なら混ざり会うことの無い聖魔を有する剣を持つ少年、伝説の聖剣デュランダルに選ばれし少女に、全くの未知と言っていい力を持つ少女。私はこれを偶然ではなく必然と捉えている。そして、そのウネリを加速させているのは、ここにいる兵藤兄妹だと思っているんだ。」

リアス「・・・わかりました。魔王様がそう仰るなら、私も従います。」

サーゼクス「ありがとう。では、私達は行くよ。授業参観を楽しみにしているよ。リアス。」

 

そう言い残し、魔王様は帰って行った。プレイしてくれると嬉しいな〜♪



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30話

聖「ま、待って、レイヴェルさん・・・!そ、そこは・・・!!」

レイヴェル「うふふ・・・。聖様はここが弱いのですね。なら、も〜っと虐めてさしあげますわ。」

聖「だ、ダメ・・・!お、お願い、許して・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

KO

聖「がぁぁぁぁ!!また負けた!!」

レイヴェル「おほほほほほ♪この、天才ゲーマーLに勝つにはまだまだ先ですわ♪」

リアス「本当に仲良しね、あなた達。」

朱乃「あらあら、うふふ。楽しそうでなによりですわ。」

木場「でも、聖さんの作るゲームはどれも面白いね。遂、時間を忘れてのめり込んじゃうよ。」

子猫「・・・先輩は天才ですから。」

アーシア「わ、私もやりましたが、とても面白かったです!」

ゼノヴィア「私はやった事がないからな・・・。今度、貸してもらおう。」

イッセー「てか、レイヴェルさんのゲームの腕、ハンパじゃないな・・・」

 

私達は現在、部室で寛ぎ中。まあ、特にすることもないし。ちなみに、仮面ライダークロニクルは無事に販売する事が出来た。当然、どのお店でも最高潮の売上で、ニュースにも取り上げられるほどに大人気。そして、私の懐にはとんでもない額のお金が入ってくるし。う〜ん♪みんなが楽しんでプレイ出来てなにより♪

 

レイヴェル「しかし、流石は仮面ライダークロニクル・・・。待った甲斐がありましたわ。それに、我々異形にとっても、いい戦闘訓練にもなります。」

子猫「難易度もやはり高くて、攻略のしがいがあります。」

聖「まあ、ネットではクソゲーなんて呟かれてるけど、私は最初から超高難易度って言ってるし。」

リアス「私も少しやってみたけれど、かなり面白かったわ。」

木場「僕達の様な存在には、実戦トレーニングにもなるしね。」

聖「ま、ラスボスを攻略出来たら教えて下さいね。新しいパッチを作るので。」

イッセー「いや、俺もやってみたんだけど、難しすぎないか・・・?チュートリアルのボスですら強すぎて倒せないんだけど・・・」

聖「そんなんじゃ、ラスボスなんて遥か夢の彼方だよ。」

ゼノヴィア「そのラスボスとやらは、どれくらいの力なんだ?」

聖「ま、普通にプレイしてたら一生攻略出来ないかな。だって、体力は5000億なんだから。」

イッセー「はあ!?ご、5000億!?」

聖「簡単にしたらつまらないでしょ?でも、当然攻略法もあるよ。それは、プレイヤーに見つけさせるけど。」

レイヴェル「うふふふ・・・。天才ゲーマーの名にかけて、絶対に攻略してやりますわ!」

子猫「私も負けません!」

リアス「私は出来る気がしないわ・・・。」

 

こんな感じの戦闘も無い平和な日常を過ごす私達でした。



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31話

とうとうやって来ました、授業参観!他のみんなもなんかソワソワしています!そりゃあ、そうだ!だって、親が来てるんだから!ちなみに、母さんと父さんも来てて、私は授業そっちのけでしっかりとピースを送った。まあ、今は英語の時間なんだけど・・・

 

先生「それでは今、配った紙粘土で各々好きなものを作ってください。世界にはそういう英会話もあります。それでは、Let’sTry!」

 

いや、初めて聞きましたが!?これ、アニメ見てても思ったけどなんなん!?バカか?バカなんか!?てか、皆、順応早くない!?って、やば!作ってないの、私だけじゃん!ど、どうしよう・・・!好きなもの、好きなもの・・・!あ、あれ・・・?私が好きなものってなんだ・・?や、やばい、虚無りそう!・・・あ、好きなものと言えば、新羅先輩はいつになったら新刊を更新してくれるんだ・・・?私、早く、木場×兄さんを見たいんだが?あのてぇてぇをガン見したいんだが!?ま、まずい!授業中なのに、てぇてぇを摂取したい・・・!!いや、でも、ここで四次元ポケットを使えば必ず怒られる!主におじさんとシェムハザさんから!!

 

先生「ひ、兵藤一誠君!それに、聖さん!」

イッセー「え?」

聖「ふぇ?」

男子生徒「な!?ひ、兵藤が作ったのって、まさか聖ちゃんか!?」

男子生徒「し、しかも、胸やクビレまで再現されてるぞ!?」

女生徒「ひ、聖さん!そ、それって、もしかして、兵藤と木場君!?」

女生徒「う、嘘・・・!!こ、こんなに忠実に再現されているなんて・・・!!」

 

あ、あり・・・?私、いつ作った・・・?てか、兄さんはリアス先輩じゃないんかい!あ、でも、兄さんが裸を見たのって私だけか。てか、何全裸で再現してるの!?うわっ、恥ずかし!っても、私も木場君と兄さんが抱き合っている所を作ってるんだけど。

え?その後?女生徒からは私の作品を売ってくれと言われ、兄さんは文句を言われながらも男子生徒から売ってくれと、軽く教室はオークション会場と化したとさ。

 

 

 

 

 

リアス「全く・・・。2人して、何をしているのよ・・・」

聖、イッセー「「す、すみません・・・」」

アーシア「む〜・・・。イッセーさんは私より聖さんの方が・・・」

朱乃「それにしても、2人ともよく出来ていますわ。」

木場「でも、なんで僕とイッセー君なんだい?それに、抱き合っているようにも見えるけど・・・」

子猫「祐斗先輩、気にしたらダメです。」

レイヴェル「そ、そうですわ。木場さんが知ってはいけないことですわ。」

 

うん、レイヴェルさんの言う通り。それ以上は闇だから。と、こんな話をしていたら、なんか男子達が「魔女っ子」がどうのこうのと言って、体育館へ走っていった。なんだあれ?てか、魔女っ子?あ、セラフォルー様か。

 

リアス「魔女っ子・・・?ま、まさか!」

朱乃「あらあら、うふふ。」

 

うん、その反応は当たりだね。そんな訳で私達もいざ体育館へ。舞台では、黒髪ツインテールで魔法少女のコスプレをした超美人なセラフォルー様が色んなポーズを取ってた。うん、にしても、あの胸はヤバいな!!是非とも揉みしだきたい!

 

匙「お前ら!!何やってんだ!解散しろ!」

男子生徒「ふざけんな、生徒会!」

男子生徒「横暴だぞ!」

匙「公開授業の日に要らん騒ぎを起こすな!」

 

あ、超残念そうな感じで教室に帰ってく。まあ、あんな美人がコスプレで来たらそうなるわ。なんなら、私もスマホのカメラを起動させてるし。

 

セラフォルー「あ!リアスちゃん☆」

リアス「セラフォルー様。先日はお世話になりました。」

セラフォルー「いいの、いいの。気にしないで☆」

 

うん、やっぱり、私はこの人大好きだわ。だって、語尾に☆が付いてる人なんて初めて見たし。それに、胸もでかい。大事な事だから3回言うけど、『胸がデカい』。あ、3回か。

 

セラフォルー「あら?あなたは確か、堕天使勢力の子だったわよね?」

聖「はい!兵藤聖です!赤龍帝の妹です!」

セラフォルー「よろしくね☆リアスちゃんから聞いた時はビックリしたけど、問題なさそうね☆」

聖「アザっす!ほら、兄さんも!ちゃんと自己紹介!

イッセー「ど、どうも!赤龍帝やってる兵藤一誠です!」

セラフォルー「うんうん♪よろしくね!私の事は、レヴィアたん♪って呼んでね☆」

聖「はい!では、早速、レヴィアたん♪様!写真撮ってもいいですか!?」

イッセー「いや、お前は早速なんてお願いしてるの!?」

聖「いやいや、考えてもみなよ!魔王様のコスプレなんて、一生の内にどれだけ見れると思ってんの!?てか、その衣装って余ってませんか!?レイヴェルさんに着せたいんですが!」

セラフォルー「いいわね、それ!なら、レイヴェルちゃんの衣装を私が作ってあげるわ!」

聖「いいんですか!?良かったね、レイヴェルさん!」

レイヴェル「な、何を仰っていますの!?わ、私は着ませんわ!」

???「また、同性へセクハラですか?聖さん。」

聖「ん?ゲッ、シェムハザさん・・・」

リアス「な!?そ、それは本当なの!?」

セラフォルー「シェムハザ・・・」

シェムハザ「お久しぶりですね、セラフォルー。」

セラフォルー「何をしに来たの?あなたも戦争を起こそうとする気?」

シェムハザ「立派な仕事ですよ。アザゼルから、彼女を見張れと指示がありまして。それで?何か言い残すことは?」

聖「いや、あの・・・。コンテニューだけは避けたいな〜って・・・。いえ、すみません!焼きそばパン買ってくるんで許してください!!」

 

結局、私はシェムハザさんの圧に耐えきれず、とてつもなく綺麗で無駄のない土下座を披露する。ふふふ・・・やり過ぎて、『日本土下座選手権』があれば、楽々と1位を狙えるね・・・。

 

シェムハザ「フェニックス嬢、うちのものが大変申し訳ありません。」

レイヴェル「い、いえ!い、いつもの事ですから。」

シェムハザ「いつも?」

 

あ、やっば。終わったわ、これ。結局、学校が終わった後に、説教コースへと直行で何度もコンテニューを繰り返したとさ。ちなみに、3大勢力の首脳会談には必ず出ろとお達しも受けた。クソめんどくさ!!



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32話

あっという間にその日はやってきた。私はヴァーリ君とおじさんの護衛として後ろにいる。やっぱりと言っていいのか、ヴァーリ君はカッコつけて腕を組みながら壁に背を預けて、私はと言うと立ちながらパソコンを弄ってます。

まあ、ぶっちゃけると、私にとって誰が何処と喧嘩しようが戦争しようがどうでもいいし。私の家族や友人に手を出さなければだけど。ちなみに、ギャスパー君の封印はまだ解かれないらしい。まあ、共闘とはいえコカビエルを倒したのは、半分私の力だし。堕天使勢力は一応、ケツは自分で拭いたということになったそうな。あ、リアス先輩達が入ってきた。始まるな〜。ちなみに、参加している首脳陣は原作とそこまで変わらないけど、天使勢力の方はイリナちゃんではなくこれまたおっぱいの大きい絶世の美女。多分、あれがガブリエルさんなんだろうな。

 

サーゼクス「それでは、これより三大勢力首脳会談を始める。この場にいるものは神の不在を認知しているとして話を進める。」

 

そこからは、難しい政治話ばっかり。まあ、別に聞こうが聞かなかろうが私にはなんの問題もない。

 

アザゼル「もう、まどろっこしい話は無しにしてとっとと和平を結ぼうぜ?」

ミカエル「まさか、あなたから進言されるとは・・・」

サーゼクス「しかし、和平を結ぶという点は賛成です。」

セラフォルー「私もです。このままではお互いの種を絶滅させるだけですから。」

アザゼル「それじゃあ、和平を結ぶ前に神をも降す二天龍とたった1人で世界を滅ぼせるだけの力を持つうちのバカ共の意見を聞こうじゃねえか。」

ヴァーリ「俺は強いヤツと戦えればいいさ。」

イッセー「俺は、大切な友達や家族を守るために力を使います!」

ミカエル「あなたはどうなのですか?」

聖「まあ、ぶっちゃけると私も兄・・・赤龍帝と同じです。世界の覇権とか征服とかには興味無いので。」

ガブリエル「あなたの話は聞いています。死ぬ事の無い神器を持ち、それに留まらず堕天使の幹部を降す力を持つ人間。本当に興味無いのですか? 」

聖「はい。ありません。私から手を出す事は決してありません。ですが・・・」

サーゼクス「なんだい?」

聖「私の家族や友人を傷付けるのであれば、天使だろうが、堕天使だろうが、悪魔だろうが、ドラゴンだろうが、種族ごと『削除』するのでそのつもりで。」

 

私は脅しとして、弱〜い覇王色の覇気を解放する。私がどれだけ本気かを伝えるにはいいくらいだろう。私に質問したガブリエル(仮)さんも少し冷や汗を見せてるし。

 

アザゼル「おい、聖。今から和平結ぼうってのに、なに威圧してんだよ、お前は。」

聖「あ、そっか。すみません。」

 

私は覇王色を収めると同時に、突然の爆発音!うるさ!鼓膜破れたらどうする気なのかな!?

 

サーゼクス「どうやら、襲撃のようだね。」

リアス「会談の時を狙ってくるなんて!」

アザゼル「まあ予測出来てた事だ。ほら、窓の外を見てみろよ。」

 

リアス先輩達は驚きながらもなんとか頭を切りかえた。ふむふむ、ギャスパー君の情報は漏れてないのか。

 

ガブリエル「あれは、魔法使い!?」

ミカエル「恐らくはぐれでしょうが・・・彼らの襲撃の理由は?」

アザゼル「テロさ。大方、俺たちトップの首を狙ってるんだろ。それに、俺たち独自の調査の結果、無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)オーフィスが頭を張る組織だろう。」

セラフォルー「な!?彼の龍神が!?」

イッセー「龍神?」

レイヴェル「無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)オーフィス・・・。無限そのものと言われていますわ。そして、この世界での絶対です。」

アーシア「そ、そんなドラゴンが!」

ゼノヴィア「テロリストとはね・・・!」

 

説明ありがと。私は裏のこと、何も知らない設定だし適当に相槌を打つ。と、またまた知らない魔法陣が。ってあれ?これって、確かカテレア登場か?

 

カテレア「その通りよ。そして、あなた達には死んでもらうわ!!」

 

登場した瞬間、爆発攻撃を行ったもののおじさん達は即座に結界を張りリアス先輩達を庇った。うん、それで、先輩達は怪我ないよ?でも、それなら私も守ってくれませんかね!?おかげでコンテニューする羽目になったわ!



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33話

カテレア「ふん!3大勢力のトップが共同で結界を張るとは情けない・・・」

セラフォルー「カテレアちゃん!どうしてこんな事を!」

カテレア「どうしてだと・・・?巫山戯るな!!セラフォルー!あなたは私からレヴィアタンという地位「こんの、クソプリン頭!!」なんだ!?」

アザゼル「なんだ、ようやく戻ってきたのか。」

聖「はあ!?普通、こんな美少女を除け者にして結界張る!?!?」

アザゼル「うるせぇな・・・。それよりも、今の状況を考えろよ。敵の大将が出張ってきてるんだよ。」

聖「こっちの方が大事じゃい!あんな、歳を考えず黒ギャルになった露出狂のクソババアより!」

カテレア「なっ・・・!き、貴様!!今なんと言った!!」

聖「うっせ!この露出ババア!歳考えろ!ばーか、ばーか!」

 

私は怒りに任せて思っている事を素直に吐き出した。え?だってそうじゃん?コンテニューがあるからといって、普通仲間はずれにする?しねぇよなぁ!!あ、おばさんの額に青筋立ちまくってんじゃん。てか、なんで、みんなは顔を伏せて震えているの???おじさんは何をツボってんの??

 

アザゼル「アハハハハハハ!わ、笑いが止まらねえよ!アハハハハハハ!」

カテレア「貴様ら!!グレイフィア!!でてきなさい!!」

グレイフィア「・・・お呼びですか?」

ローゼン「な!?グ、グレイフィアお姉様!」

グレイフィア「・・・久しぶりね。」

サーゼクス「グレイフィア・・・。君がそっち側だったとはね。」

グレイフィア「・・・勘違いしないでもらえるかしら?」

聖「か、かっこいい・・・!!」

 

なんかみんなが驚愕の事実を知ったっていう顔をしているけど、私にとってはどうでもいい・・・!!だって、生のグレイフィア・ルキフグスだよ!?あんな美人な上に良い声も持ってる上に、おっぺぇも凄い!もう、超理想の女性じゃん!!

 

聖「あ、あの!グ、グレイフィアさん!い、今暇ならお茶しませんか!!」

グレイフィア「・・・は?」

イッセー「いや、お前、状況分かってる!?あのお姉さんは敵なの!てか、暇なわけないだろ!今から戦おうとしてんのに!」

聖「うっせぇ!あんな二次元にしかいなさそうな人を見たら、ナンパしたくなるやろがい!」

レイヴェル「ひ、聖様!?私というものがありながら、他の女性に手を出そうとするのですか!?そ、そんなの、絶対に許しませんわよ!?」

 

え、なんで怒られてるの!?てか、この反応って、レイヴェルさんは私の事が好きって事!?え、なんで!?

 

カテレア「この人間風情が!!私を罵倒するだけではなく、無視するなど!!」

聖「うるせぇ!!今、こっちは緊急なの!!あんたみたいな年増に構ってるほど暇じゃないわけ!」

カテレア「貴様ァ!!」

リアス「はぁ・・・。全く・・・」

朱乃「あらあら・・・」

木場「あ、あはは・・・。聖さんらしいね・・・」

小猫「・・・一切場の空気を読むつもりありませんね。」

ゼノヴィア「なるほど、これが兵藤聖か。」

サーゼクス「ふふふ、中々に面白い子だね。」

セラフォルー「本当ね☆政治にもこんなノリが必要なのかしら?」

ソーナ「政治にそんなものを持ち込んでは、1日も持たずに崩壊します!」

ミカエル「人間とは怖いものですね。過去の大戦を生き残った彼女への暴言とは。」

アザゼル「なんだ、ミカエル。欲しかったらやるぞ?その代わり、1日も持たずに全員堕天するだろうがな。」



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34話

聖「それで、お返事は!?」

グレイフィア「・・・私に勝てたら付き合ってあげるわ。」

聖「しゃあ!!」

カテレア「巫山戯るな!!グレイフィア、私に逆らうというのか!!」

グレイフィア「・・・もう疲れたのよ。あなたのような無能に仕えるのは。私は自由になるわ。」

カテレア「っ!!どいつもこいつも!!」

 

わ〜お。どうしよ、盛大に寝取っちゃった。にしても、あのおばさんはやっぱり人望が無いんだな。よし、とっとと潰すか。邪魔だし。

 

聖「さあ、時代遅れのクソババア!あんたを斬り刻んで、部室のオブジェクトにしてやるわ!!」

ガシャコン・エクスカリバー!

ミカエル「エクスカリバー!?」

ガブリエル「何故、彼女が!」

カテレア「人間がァァァァァ!!!」

 

そこから始まるのは単なる単純作業。私は神器の力で死ぬ事は無いから基本はノーガードだけど、たったそれだけで相手が勝手に戦慄してくれる。うん、実に楽だ。斬り易いし。

 

カテレア「何故だ!!私は真の魔王のはずなのになんで!!」

聖「ほらほら、どうしたのかな!!そんなもんなの!?」

 

私は攻めて攻めて攻めまくる。ちょうど、イラついてたし。お、リアス先輩達もちょうど魔法使い達を全滅させた。って!なんか、似たオーラが増えた!?まさか、旧魔王の派閥全員来たの!?私は攻撃を察知して、おばさんを盾に使った。うん、これは外道。すんごい外道。でも、近くにいたのが悪いし。

 

カテレア「カハッ・・・き、貴様・・・!!」

聖「近くにいたあんたが悪いのよ。人間の外道さを舐めんな。」

クルゼレイ「カテレア!下等生物!!」

シャルバ「下等生物らしく、薄汚い真似しか出来んようだな。」

アザゼル「おいおい・・・旧魔王派の集合かよ・・・。」

聖「旧魔王ねぇ・・・。つまり、ヴァーリ君のお友達ってわけだ。」

サーゼクス「なに・・・?」

リアス「どういう事なの・・・?」

アザゼル「こいつの本名はヴァーリ・ルシファーだ。」

 

みんなの顔に衝撃が走る感じが本当に面白い。でも、おばさん達はなんかニヤニヤしているところから見ると、やっぱり入ってるかな?まあ、そうだとしてもお仕置すればいいし。

 

ヴァーリ「・・・確かに俺はルシファーの血も継いでる。なんなら、オーフィスからの誘いもあったさ。」

アザゼル「つまり、加入したって訳か・・・」

ヴァーリ「ああ。だが、俺と彼・・・今は彼女か。世界の覇権だの、なんだのには興味が無くてね。それに、いずれは彼女を超えるつもりでもある。」

ミカエル「超えたあとはどうするつもりです?」

ヴァーリ「決まっている。オーフィスとグレートレットはあくまでも兵藤聖を超えるための通過点に過ぎないからね。」

シャルバ「なんだと・・・?」

アザゼル「確かにな。シャルバにクルゼレイ、カテレア。いい事を教えてやるよ。今、お前たちの目の前にいる人間こそ、この世界で唯一、オーフィスとグレートレットと対等にやり合える生物だ。」

 

ちょ、何言ってんの!?あの、プリン頭!?いや、確かに、ハイパームテキを使えばいけるかもだけど、やらないからね!?

 

シャルバ「何をふざけた事を!」

クルゼレイ「たかが人間ごときがオーフィスと対等だと?巫山戯るな!!」

カテレア「こんな小娘がそんなはずはない!!」

聖「はあ・・・余計なこと言っちゃって・・・。それで?ヴァーリ君も私とヤリたいわけ?」

ヴァーリ「ああ。君を超えたいさ。」

聖「しゃーない。なら、遊んであげる。せいぜい、私の心を踊らせてよね?」

 

私はガシャットギアデュアルを取りだし、アクチュエーションダイヤルを回す。さ〜て。超がつくほど楽しいパズルゲームでもするかな〜。

 

PERFECT PUZZLE

what's the next stage?

 

そして、出ました!ゲーム画面!そこからは大量のエナジーアイテムが排出されランダムに置かれる。ふふ、驚いてる。驚いてる。

 

レイヴェル「これは、パーフェクトパズル!」

サーゼクス「前に渡されたゲームか。」

アザゼル「おいおい、まだ隠し持ってたか。」

聖「変身。」

 

DUAL UP!

Get the glory in the chain.

PERFECT PUZZLE

 

カテレア「な、なんだそれは!?」

シャルバ「そ、そんなもので!」

クルゼレイ「真の魔王である私達を超えるだと・・・!?」

聖『私はパラドクス レベル50。せいぜい、私の心を踊らせてよね。』



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35話

カテレア「真なる魔王である私達よりも上だと・・・!!巫山戯るな!!」

聖『ほらほら、とっとと来なよ〜。』

クルゼレイ「っ!!なら、望み通り殺してやろう!!」

 

そう言って、優男みたいなのが突っ込んで来るものの、何あれ?遅くない?てか、レベル換算したらコカビエルと同じくらいじゃん。これなら、まだヴァーリ君の方が強いな・・・。ヴァーリ君のレベルは25位だし。とりあえず、私はパズルのピースが重なったような障壁で身を守り、エクスカリバーで優男の腕をぶつ斬りして、t級はあるキックでおばさん達の所へ吹き飛ばす。

 

クルゼレイ「ぐあぁぁぁ!!腕が!俺の腕がァァァ!!」

カテレア「な!?おのれ、人間!!」

聖『ちょっとぉ〜。もっと本気出してよ〜。全然面白くないんだけど〜。』

シャルバ「っ!カテレア、クルゼレイ!蛇を使うぞ!!」

カテレア「ええ!それしかなさそうね!」

 

蛇?それって確かオーフィスの?って、ヴァーリ君はなにやってんの!?私が何となく後ろをむくと二天龍の戦いしてる!?はぁ!?ふざけんな!私もすぐに入らなきゃ、データが取れない!って、なんか、おばさん達の魔力がちょっと上がった?

 

カテレア「うふふふ・・・さあ、人間!!貴様には最大限の苦しみを与えて!」

聖『はあ・・・もういいよ。あんたらは。』

 

私は、マテリアライズショルダーでエナジーアイテムを操作して、おばさん達にエナジーアイテムを譲渡する。これで終わりね。

 

マッスル化!×3

 

カテレア「?なんのつもり?そんなも・・・の・・・ゴホッ・・・」

シャルバ「な、なに・・・をした・・・!!」

クルゼレイ「か、体・・・が維持・・・出来な・・・!!」

聖『あなた達にやったのはエナジーアイテムの『マッスル化』。簡単に言えば取得者の力をアップさせるもの。私は、それをあなた達の中にいる蛇とやらに使った。色々調整したんだろうけど、意味無かったね。』

 

私はそのままトドメを刺さずに変身を解いて、おじさんの元へ向かう。ちょうど、兄さんが白龍皇の宝玉を移植していた。

 

アザゼル「お?戻ってきたな。」

ガブリエル「まさか、3人を・・・」

聖「はい。消滅しました。というより、そこまで強くは無かったです。それよりも、グレイフィアさん!お茶、一緒に行ってくださいね!」

グレイフィア「ええ。分かったわ。」

レイヴェル「聖様!!帰ったらお仕置ですわ!!」

 

お、お仕置!?れ、レイヴェルさんから!?ど、どんなお仕置が・・・!!ハッ!ま、まさか、エッチなお仕置!?う、嘘!た、楽しみすぎる!!

 

聖「えへへへぇ〜・・・」

小猫「・・・いやらしい顔です。」

イッセー『ふざけんなぁァァ!!!!みんなのおっぱいを半分にするだとぉ!?!?ヴァーリ!!てめえだけは絶対に許さない!!』

 

おぉっと!?妄想にふけってたら何事!?って、リアス先輩の顔が赤くなっているって事は、おじさんがあの言葉を言ったわけだ。にしても、我ながら本当に実の兄だと納得できるわァ〜。私でもキレるし。あ、ヴァーリ君が落ちた。それと同時に兄さんの鎧も解けた。

 

イッセー「はあ・・・はあ・・・」

ヴァーリ「くっくっくっ・・・!!君たち兄妹は本当に面白い!!これなら、覇龍(ジャガーノート・ドライブ)を見せてもいいかもしれないな!」

アルビオン『よせ、ヴァーリ。あれは、まだ完璧ではない。』

ヴァーリ「我、目覚めるは、覇の断りを神より奪われし二天龍なり。」

アルビオン『自重しろ、ヴァーリ!』

ヴァーリ「無限を妬み、夢幻を想う」

アルビオン『覇に翻弄されるのがお前か!!』

ヴァーリ「我、白き龍の覇道を極め」

 

あ、あれ・・・?確か、ここでお猿さん登場じゃなかった?え?早く来てくれないかな?もう、後1句だけなんだけど????

 

ヴァーリ「汝を無垢の極限へと誘おう!!ジャガーノート・ドライブ!!」

 

おいおいおい!!唱えきっちゃったんだけど!?!?何遅刻してんだよ、あのクソ猿!!



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36話

聖「もうっ!!」

リアス「ちょ、聖さん!!」

 

私はエクスカリバーを地面に突き刺して、龍化したヴァーリ君がとんでもない化け物オーラ攻撃を兄さんに発射した瞬間に兄さんの目の前に立ち、両腕に武装色を纏い、覇王色でコーティングしてなんとか逸らそうとするけど・・・!!お、重い・・・!!

 

イッセー「ひ、聖!!」

聖「ぬぅぅぅおおぉぉっしゃい!!!!」

ヴァーリ『ほう・・・。まさか弾くとはね。でも、その体じゃ戦うのは無理だろう?』

 

ヴァーリ君の言った通り、私の右腕は弾け飛び、左腕も骨が見えて使い物にならない・・・。兄さんだけでも逃がすしかないか!!

 

聖「リアス先輩!!へい、パース!!!!」

イッセー「ぐうぇぇぇ・・・」

 

腕が使えなくとも足がある!!私は主に兄さんの息子辺りを狙って蹴りを入れてリアス先輩へパスする。普通なら外道に見えるだろうけど、先輩は悪魔だし大丈夫っしょ!え?兄さん?多分、大丈夫じゃない?

 

リアス「ちょっ!イッセー!無事!?」

イッセー「い・・・た・・・い・・・」

アーシア「イッセーさぁぁぁぁん!!!!死なないでください!!!!」

 

やっべぇ・・・やり過ぎたわぁ〜・・・。ま、そんな事は後回しにして・・・

 

聖「ゼノヴィアさん!!エクスカリバーを本気で投げて!!」

ゼノヴィア「っ!ああ!!受け取れ!!」

 

ゼノヴィアさんは流れるような動きでエクスカリバーを抜き私の方に投げ、ピンポイントで私の胸に刺さった。

 

聖「うっ・・・」

ゼノヴィア「あ・・・」

木場「ち、ちょっとゼノヴィア!?」

レイヴェル「殺してどうしますの!?」

ゼノヴィア「い、いや!彼女に全力で投げろと言われたから私は投げたんだ!」

グレイフィア「なにかしら?あの土管は?」

聖「とぅ!」

 

よし!完全復活!!私はマイティアクションXオリジンとゲーマドライバーを取り出し変身する!よっし!OK!!右腕に、ガシャコンバグヴァイザーIIを装着!

 

ヴァーリ『なるほど、一度死んで体勢を立て直すとはね。君らしい。しかし、そんなもので今の俺に勝てると?』

聖『お褒めにいただきどうも。別に勝てないことはないよ!!』

 

私は高速化のアイテムを取得して、ヴァーリ君に接近するも、あっちの方が速いか!難なく、攻撃を受けて、ライフが残り2本!?うぇ!マジか!!でも、あれの為なら・・・

 

聖『くっ・・・!』

ヴァーリ『流石の君でもこれには勝てないか。』

 

今のヴァーリ君は油断しまくり・・・!なら、チャンスは1回しかない!これを逃せば二度と取れない!ヴァーリ君が最後のトドメを刺そうとした瞬間、鋼鉄化のアイテムを獲得して弾き返し、倒れた所へ白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)へ直接、ガシャコン・バグヴァイザーを刺して、とあるものを抜き出す!これで!!

 

ヴァーリ『ぐおぉぉぉぉ!!』

アルビオン『お、俺にまで来るだと・・・!!』

聖『神である私をォォォォォォ!!!!舐めるなぁァァァァァァァァァァ!!!!』

 

ほとんど吸収出来た頃合で、ヴァーリ君に振り落とされ、その衝撃で私の変身も解けてしまう・・・。でも、これで・・・ふふふふふ・・・。あ、ヴァーリ君の覇龍も解けた。

 

ヴァーリ「な!?何をした、兵藤聖!!」

アルビオン『ど、どういう事だ!歴代の悪意が全て消え去っているだと!?』

聖「クックックッ・・・・あはははははは!!ヴェーハッハッハッハッ!!ようやく!!ようやく手に入れたァ!!!!」

アザゼル「なるほどな。歴代の悪意のみを抜き取ったわけだ。」

ソーナ「どういう事です?」

アザゼル「神滅具(ロンギヌス)の中の魂を封じたものには、さっきヴァーリがやったように悪意で動くものがあるのさ。しかし、原動力である悪意が抜かれれば形態を維持出来なくなる・・・が、あいつの言動からしてずっと狙ってたようにも見えるな・・・」

聖「その通ぉぉぉり!!私はずっとこの悪意が欲しかった!!そして、ようやく手にした!!長い間、溜めに溜め込まれた最高級の悪意を!!」

 

私はガシャコン・バグヴァイザーを檀黎斗の様に口に咥え、全ての悪意を飲み込んだ。うふふふふ・・・これで、あのガシャットが誕生するぅぅぅ!!!!



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37話

ミカエル「な!?」

ガブリエル「まさか、悪意を取り込んでいるのですか!?」

セラフォルー「うぇ!?嘘!?」

リアス「そんな!ダメよ、聖さん!!」

アザゼル「よせ、リアス嬢!殺されるぞ!!」

リアス「でも、聖さんが!!」

レイヴェル「い、嫌・・・!ダメですわ!!聖様!!」

アザゼル「ああなったあいつは誰にも止められねえよ・・・自分の欲を優先するあいつはな。」

 

うふふふ・・・。全ての悪意を吸収出来た・・・確かに凄まじい力ねぇ・・・でも、私を取り込もうなんて数億年早い!!!!私は手元に今までとは形状の違うガシャットを作り出す。

 

ヴァーリ「な、なんだ、それは!」

聖「新しい力よ。このガシャットを創るには、どうしても悪意が必要だったの・・・。だからこそ、あなたの中にあった大量の悪意を貰ったわ。アルビオン。」

アルビオン『なんだと!?』

 

ゲンム無双!

 

ヴァーリ「グレード無双・・・変身!」

無双ガシャット!ガッチャーン

無双!レベルアップ!

掴み取れ!最強の強さを!

漆黒の天才クリエイター!

グレード無双〜!ゲンム〜!!

 

木場「あれは!?」

小猫「ビリオンよりも禍々しい・・・!!」

レイヴェル「ふ、震えが・・・!」

ガブリエル「な、なんという禍々しさ・・・!!」

グレイフィア「アザゼル。彼女は本当に人間なの?あれは人間というより・・・」

ローゼン「邪神・・・」

アザゼル「マズイな・・・あれは、誰にも止められねえかもしれねえぞ。」

 

ふふふ、みんなビビってる。まあ、言ってしまえばこれは私のジャガーノート・ドライブだけど、特に寿命を削るわけでも無ければ、私の意識が乗っ取られる訳でもない。まさしく、私の凄さが証明された!!

 

ヴァーリ「ぐっ・・・」

聖『さあ、ヴァーリ君。お・し・お・き・だ・ぞ☆』

ヴァーリ「な、待て!」

 

ポーズ!

 

ふふふ、止まった。止まった。私はヴァーリ君を殴っては蹴りを繰り返す。ある程度繰り返して、私は再び時を戻そうとした瞬間、視線を感じた。ここは止まった時間のはず・・・何故視線を・・・?私が見回すと、黒い服を着て乳首にはバッテンのテープを貼り付けた幼女がいる!?はあ!?あれ、オーフィス!?え、なんで!?

 

オーフィス「・・・お前、何者?何故時を止められる?」

聖「いやいやいや!なんで、あんたは動けるの!?ここは、私しか動けないはずなのに!」

オーフィス「我からも聞きたい。何故、そんなに禍々しい?」

聖「じゃあ、私からも。どうしてあの一瞬で?」

 

うん、知りたい答えが何もわからん。てか、マジでなんで・・・いや、無限が関係してるのか・・・?ビリオンみたいな感じ?ダメだ、考えてもわかんね。とりあえず・・・

 

リスタート!

 

ヴァーリ「グフッ・・・」

サーゼクス「な、何が起きたんだ!?」

アザゼル「つか、あれはまさかオーフィスか!?」

ゼノヴィア「ま、まるで、時間が止まったように・・・!!」

レイヴェル「さっきのポーズとはまさか!!」

木場「何か分かったのかい?」

レイヴェル「・・・ゲームでは、いつでも自由に時を止める事が出来ますわ。」

ソーナ「時を・・・」

ガブリエル「止める・・・?」

小猫「まさか、ポーズって!」

グレイフィア「なるほど。止めた様にではなく、実際に止めたと。」

レイヴェル「はい・・・!仮定かもしれませんが、それ以外に考えられませんわ!」

聖『それで?そもそもあんた誰?私は兵藤聖。』

オーフィス「我、オーフィス。お前、グレートレット倒すの手伝う。」

聖『やだ。』

オーフィス「何故?」

聖『倒したところで何も得られないから。』

オーフィス「我の蛇をあげる。」

聖『要らないわよ。そんなもの貰ったところで得ないし。』

 

ガッチョーン ガッシューン

 

美猴「よっしゃ!ようやく入れた!って、ヴァーリ!?めっちゃボロボロだな!?てか、オーフィス!?」

ヴァーリ「美猴か・・・悪いが、立てそうになくてね・・・」

美猴「おいおい、マジかよ・・・とりあえず、帰るぞ。」

ヴァーリ「兵藤聖・・・次は勝たせてもらう・・・!」

 

そう言って、ヴァーリ君とクソ猿は消えてオーフィスもいつの間にか消えていた。ん〜!終わったぁ〜!

 

レイヴェル「聖様!!」

聖「うぉっ!どうし」

レイヴェル「どうしたじゃありませんわ!!あなたが・・・!!あなたが死んでしまうと思って私は・・・!!」

聖「あ、えっと・・・ご、ごめんなさい・・・」

レイヴェル「さっきのあの力は二度と使わないでください・・・!お願いしますから・・・」

聖「は、はい・・・」

アザゼル「ったく、全く無茶するな。」

聖「あ、あはは〜・・・」

ミカエル「それよりも、あなたは大丈夫なのですか?」

聖「はい。悪意は全て、私の管理下に置いたので問題有りません?あ、そうだ。おじさん。」

アザゼル「ん?もう何も買わねえぞ?」

聖「それじゃないよ。私、今日限りで堕天使勢力辞めるから。」

アザゼル「おいおい、どんな心境の変化だ?」

聖「今まで入ってたのは、悪意を吸い取るための装置を作ったりする為だったけど、私の目標は全て達成したからね。それに、世界一周旅行もしたいし。」

アザゼル「はあ・・・分かったよ。今を持って、兵藤聖を神の子を見張るもの(グリゴリ)除名する。ま、関係は今まで通りさ。」

聖「ありがとう。さ〜て。帰るかぁ〜。」

 

途中アクシデントはあったものの会談は終了し、以降は三大勢力での争いは禁止された。そして、この協定を『駒王協定』と名付けられる。 まあ、私にはそこまで関係ないけど。それに、そろそろ夏休みだし、前々から計画していた取材旅行にでも行くかぁ〜。



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38話

聖「・・・で、なんでいるわけ?」

アザゼル「なに、サーゼクスに頼んだらすんなり行けたのさ。これからはここの教師だ。全員、アザゼル先生と呼べ。ちなみに、グレイフィアとガブリエルも教師になったぞ。」

イッセー「マジですか!?」

リアス「グリゴリと天界はどうするのかしら?」

アザゼル「兼業さ。それと、サーゼクスからはある課題が課せられた。」

木場「課題?」

アザゼル「ああ。お前たちを強くすることだ。なに、この俺にかかれば、お前達を強くするなんて朝飯前さ。ちなみに、聖。」

聖「え、なに?」

アザゼル「お前さんは、夏休みに冥界に行ってもらうぞ。」

聖「はあ!?いやいやいや!無理ですが!?もう、予定を組み終わって、旅行準備も始めてるんだけど!?」

レイヴェル「そ、それは本当ですの!?そもそも、どこに行かれるのですか!」

聖「え?北欧やインドや冥府とか・・・?」

アザゼル「冥府だと!?お前、何考えてんだ!!」

聖「ヒィっ!だ、だって、旅行って言っても取材旅行だし・・・」

リアス「あなた、冥府がどんな所か分かっているの!?下手をすれば、魂ごと刈り取られるのよ!?」

聖「だ、だから、グリゴリを辞めたんです!こればっかりは絶対譲れません!」

アザゼル「許せるか!このバカが!」

イッセー「あ、あの。冥府ってどんな所なんですか?」

アザゼル「・・・魂の管理場所だよ。死神が徘徊してて、いつ行っても不気味な所さ。」

イッセー「お前、そんな所行こうとしてんの!?」

聖「ええ、そうですがなにか!?別に死に方を探しに行くわけじゃないですから!!単なる取材ですから!!なら、おじさんに聞くけど、死神の生まれ方は知ってんの!?どうなんですか!!」

アザゼル「いや、それは知らねえが・・・」

聖「ほら!なら次の質問!死神はどうやって魂を管理してるの!?はい、リアス先輩!」

リアス「わ、私!?た、確かに、気になるけど・・・」

聖「ですよね!?だからこそ、それを聞いて私はゲームにするんです!」

イッセー「結局ゲームかよ!?」

聖「当たり前でしょ!?なんで、単なる旅行で何も無さそうな所に行くわけ!?バカか!?バカなんか!?兄さんの脳みそはお花畑なんか!?」

イッセー「はあ!?ふざけんなぁ!何がお花畑だ!」

聖「やんのか!?」

イッセー「ああ、やってやるよ!」

アザゼル「待った!!分かったから、怒りを抑えろ!冥府に行くのは許可してやるが、それはイッセー達の修行の時だ!それ以外は冥界に居てもらう!これでどうだ!」

聖「・・・それならいいけど。」

アザゼル「ったく・・・。んで?冥府へはどうアポを取るつもりだ?」

聖「あ、それなら大丈夫。友達いるから。」

レイヴェル「と、友達!?死神(グリム・リッパー)に友人が!?」

聖「う、うん。なんなら、冥府の主神であるハーデス様と会った事もあるし・・・」

 

そう。実を言うと私、冥府に行ったことがあるんです!当然、生きた状態で。数年前におじさんから頼まれた仕事で、たまたま負傷している死神(グリム・リッパー)を発見、治療を行い冥府まで同行。その後、人間の奥さんに感謝された。そして、その死神というのが、最上級死神のオルクス様だったのです!いや〜。まさか、ベンニーアのパパだったとは!運命、何があるかわかんね!

 

アザゼル「マジかよ・・・。」

イッセー「ハーデスって、俺でも聞いた事あるぞ!?」

リアス「意外な所で知り合いなのね・・・」

聖「はい!という訳で、アポは今日で取ろうかと!」

アザゼル「はあ・・・ったく。とりあえず、聖を除いたグレモリー眷属は俺が鍛える。レイヴェル、お前さんはどうする?」

レイヴェル「当然、私もやりますわ!それに、試したい事もありますので。」

アザゼル「そうかい。なら、お前さんのトレーニングメニューも組んどいてやる。」

レイヴェル「はい!」

 

こうして、夏休みの予定は全て決まったのでした。さ〜て、企画書作らなきゃな〜・・・



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5章(取材旅行のスカル・or・ゴッド)
39話


そんな訳で、今日は待ちに待った夏休み!私は貰ったその日で宿題を終わらせて、後は取材のみ!と思ったけど、魔王様からは若手悪魔の会合に出て欲しいと言われ、私がムカついたら塵も残さず殺す事を条件にOKした。うん、なんでグリゴリを辞めたのにこんな事してるんだろ・・・。

そんな訳で、真夜中に駒王町の駅に来た。クソ眠・・・。私の荷物は滞在用に、キャリー3つにセカンドバッグ1つ。当然、全て兄さんに持たせた。だって、『か弱い女の子』だも〜ん。

 

リアス「来たわね・・・って、凄い荷物ね・・・」

聖「まあ、夏休みの大半は冥府にいますし。」

イッセー「お、重い・・・」

アザゼル「お?来たな。ほら、とっとと乗るぞ。」

イッセー「あの、冥界に行くのに駅なんですか?」

朱乃「ええ。人間界と冥界は1つの壁で区切られていますわ。魔法陣等を使わずに来るには、電車で来るしかないのです。」

イッセー「へ〜。そうなんですね。」

聖「良かったね、兄さん。生きてるうちに地獄に行けて。そのまま、閻魔様に舌抜かれたら?」

イッセー「お前、怖いこというんじゃねえよ!?」

木場「部長、連れてきました。」

リアス「お疲れ様。」

アーシア「ダンボール・・・?」

 

なんだ、あれ?てか、連れてきた?つまり、ギャスパーかな?あ、なんか、モゾモゾ動いてるわ。絶対、ギャスパーだわ、あれ。

 

リアス「イッセー、アーシア、レイヴェル、聖さん。紹介するわ。私のもう1人の僧侶(ビショップ)のギャスパー・ヴラディよ。」

イッセー「あのダンボールが!?」

ギャスパー「ヒイッ!ご、ごめんなさい!ごめんなさい!」

聖「ちょっと、兄さん!なに、怖がらせてるのさ!デリカ・・・それだぁ!!!」

木場「?なにか思いついたのかい?」

聖「ええ!とりあえず、お礼を言わなきゃ!!」

 

私はガバッとダンボールを開けて、中にいた金髪女装の子の手を握る。

 

聖「ありがとう!!あなたのおかげでいいアイディアが浮かんだわ!!」

ギャスパー「ヒィィ!し、知らない人!」

イッセー「おぉ!金髪美少女!」

リアス「イッセー、この子は男の子よ。」

イッセー「・・・へ?」

聖「シャア!早く冥界へ行きましょう!とりあえず、めちゃくちゃ急いで行きましょう!!」

 

みんなをめっちゃ急がして列車内へ。ああ・・・。早く衣装を完成させなくちゃ!私は席に着くなり、すぐさま衣装を作り始める。とは言っても、おじさんから教えてもらった制作の魔法をちょっと弄っただけだけど。

 

レイヴェル「聖様。一体何をお作りに?」

聖「ん〜?レヴィアタン様に頼まれた衣装〜。レイヴェルさんとアーシアさんのものも一緒に作るからね〜。」

レイヴェル「い、いいのですの!?」

聖「当然!なんなら、レヴィアタン様も並んで一緒に写真を撮りたい位だし!」

アーシア「ま、魔王様とですか!?」

レイヴェル「そ、そんなおこがましい事など出来ませんわ!」

聖「大丈夫、大丈夫〜。レヴィアタン様もOKしてくれたし〜。あ、そうだ。兄さん、これ着くまでに全て読み終わりな〜?」

 

そう言って、私はテーブルマナーの本を渡す。だって、当然でしょ?今から行くのは貴族階級のお城だよ?

 

イッセー「テーブルマナー?なんでまた・・・」

聖「なら、聞くけど、兄さんは超高級料理店に行った時、「ナイフとフォークは使い慣れてないから箸をください。」なんて言うわけ?まあ、要らないっていうなら・・・」

イッセー「いえ、いります!是非とも読ませていただきます!」

聖「よろしい。」

アザゼル「聖、リアス、レイヴェル。ちょっと話があるから来てくれ。」

リアス「ええ、分かったわ。」

レイヴェル「わかりましたわ。」

聖「ほいほ〜い。」

 

私は一度魔法を中断し、2人について行く。ここは確か、タンニーン襲撃だっけか?まあ、レイヴェルさんは当然として、何故リアス先輩まで?こういう時って、眷属とその主を見極めるんじゃないの?

 

アザゼル「リアスには話したが、今からリアスを抜いたグレモリー眷属を襲撃させる。あくまでもどれほどの力を持っているか把握する為だ。」

聖「へ〜。いいんじゃないですか?」

レイヴェル「確かに、実力が分からなければ、トレーニングのしようもありませんし・・・」

アザゼル「そういうこった。もう時期、転移が始まる。備えておけよ。」

聖「へ〜い。」

レイヴェル「はい。」

リアス「・・・分かったわ。」

 

それから5分もしないうちに強制転移が始まり、兄さん達の前に巨大な元龍王が現れるのでした。

 



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40話

ん〜・・・。やっぱり、今の時期はまだまだ弱いな〜・・・。まあ、活躍を奪っちゃったからって言うのもあるだろうけど、タンニーンにギリギリまで揉まれてる・・・。小猫さんなんて、突撃かまして速攻リタイア。木場君と兄さんはバランス・ブレイクしたものの決定打を与えられず・・・。朱乃先輩とゼノヴィアさんも似たような感じで、ギャスパー君は論外。

 

アザゼル「それで?どう見る?」

聖「言葉を選ばないで言うと論外かな。あのドラゴンよりも強い存在なんて、テロリストにはうじゃうじゃしてるだろうし、何より足を引っ張るだけ。まあ、プラスに見れば伸び代しかないって感じだけど・・・今は慰めにもならないよね。」

リアス「・・・そうね。私が加わったとしても何も変わらないわ。」

レイヴェル「自力を鍛えていくしかなさそうですわ。」

アザゼル「今までは聖も一緒に居たが、レーティングゲームではそうもいかん。なんせ、こいつは人間だ。」

リアス「分かっているわ。だからこそ、私達は強くならなくちゃいけない。」

アザゼル「さて、そろそろ止めるか。おい、タンニーン!もういいぞ!」

イッセー「あ、アザゼル先生!それに、部長に聖にレイヴェルさんまで!」

 

おじさんとリアス先輩はそのまま下に降りていき、フィードバックをしている。まあ、厳しい事を言われてんだろうな〜・・・。まあ、私が言ったことと似たようなことだろう。多分!そこで、私は突然閃いてしまった。こう、アニメだと電球が付くような感じ?

 

聖「ねえ、レイヴェルさん。」

レイヴェル「?どうかされましたか?」

聖「もし、私と同じ力を使えるかもって言ったらどうする?」

レイヴェル「え!?」

聖「当然確実じゃない。でも、命を落とす事は絶対ないけど。どう?乗ってみる?」

レイヴェル「・・・お話を聞かせてください。」

聖「簡単だよ。聖さんに超微力のバグスターウイルスを投与して、抗体を得るの。」

レイヴェル「確実では無いというのは?」

聖「誰しもがゲーマドライバーを使えるわけじゃないんだけど、レイヴェルさん専用のをなんとか思い出しながら作ってみるよ。でも、もしかしたら反応しない。なんて事も充分に有り得る。それに、抗体が出来るまでは結構時間がかかっちゃうから、すぐに変身出来るわけでもない。それでもやる?」

レイヴェル「はい!是非とも受けたいですわ!」

 

まあ、レイヴェルさんなら大丈夫でしょう。檀正宗の様には使わないだろうし。・・・使わないよね?信じてるからね!?

激辛のフィードバックを受けたのか、みんな少し落ち込んだ状態で迎えのリムジンに乗せられてリアス先輩の実家へ。やっべ!リムジンなんて初めて乗ったからなんか興奮するわ!

 

聖「リムジンって凄いね!めっちゃ、座り心地いい!」

イッセー「いやお前、なんでいつもと同じテンションなの!?今から行くのは部長の家なんだぞ!?なんで、そんな普通なんだよ!」

聖「いやいや。緊張してるよ。・・・主にやらかした事とか・・・」

「「「「「あっ・・・」」」」」

 

うん、お願い!見ないで!気を紛らわせるためにやってたけど、私を見ないで!正直、会って早々「死に晒せぇ!!」とか言われて、コンテニュー地獄かもとか思ってるから!!正直、バカくそに怖いから!てか、兄さんは自分の心配してろってんだい!

あ、リムジンが止まったってことは着いたかな・・・?

全員でリムジンから降りて、主に私と新人悪魔である兄さん達は固まってしまった。いや、知ってたよ?しっかり知ってたけど・・・

 

イッセー「い、家っていうか、城じゃねぇぇぇかぁぁぁ!!」

アーシア「はうぅ!き、緊張します!」

ゼノヴィア「こんな城、廃墟でしか見た事無かったが・・・」

聖「うん、貴族、怖い」

リアス「ほら、早く行くわよ。」

 

はい、やっぱり、貴族は異常ですね。レイヴェルさん以外、みんな苦笑いだし。ってか、小猫ちゃん元気無さそうだな・・・。やっぱり、お姉さんの事かな。まあ、こればっかりは私じゃ何も出来ないし。てか、グレイフィアさんは1人でプチ旅行って・・・。まあ、冥界に帰ってきても気まずいだけだろうし。

そんな感じで、私達はリアス先輩の後を追う。



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41話

ローゼン「お嬢様。眷属の皆様。お帰りなさいませ。そして、聖様。ようこそ、歓迎致します。」

 

入った瞬間に、メイドと執事軍団に突然頭を下げられる。うん、本当に帰っていいかな?マジでいたくないんだけど!マジで場違い感が凄いんだけど!!

 

リアス「ええ、ただいま。みんなの荷物は?」

ローゼン「既にお部屋の方へ。」

リアス「ありがとう。」

聖「・・・ねえ、兄さん。」

イッセー「・・・なんだよ。」

聖「私の場違い感凄くない・・・?」

イッセー「大丈夫、俺も同じ事を考えてたから・・・」

 

うぅ・・・!心の友よぉ!!いやまあ、兄妹なんだけどさ・・・。てか、まじで広いな・・・。それに、高そうな絵画に彫刻。やっぱり、貴族の趣味は分からん。

 

ミリキャス「リアス姉様〜!!」

リアス「ミリキャス!大きくなったわね。」

イッセー「あの、部長。その子は・・・」

リアス「この子はミリキャス。お兄様の子よ。」

イッセー「えぇ!?」

アーシア「魔王様の子供!?」

ゼノヴィア「ふむ・・・正真正銘のプリンスって訳か。」

 

この子がミリキャス・グレモリーか・・・。めっちゃショタだわ。これで、私が襲ったらリアルおねショタに・・・!!うん、やめとこ。悪魔勢力が一斉に殺しにかかってくるわ。絶滅させたら、全世界から狙われてちょっと面倒な事になるわ。てか、なんか、めっちゃガン見されてない?え、人間ってそんなに珍しい????

 

リアス「ミリキャス?」

ミリキャス「あっ!す、すみません!み、ミリキャス・グレモリーです!」

イッセー「は、初めまして!兵藤一誠です!」

アーシア「あ、アーシア・アルジェントです!」

ゼノヴィア「ゼノヴィアだ。」

聖「兵藤聖で〜す。さて、ミリキャス坊や。しっかりと挨拶出来たから、ご褒美をあげよう。」

 

私はポケットから棒付きキャンディを取り出して、ミリキャス坊やにあげる。意外と棒付きキャンディって成長しても食べたくなるのなんでだろう・・・?たまに、死ぬほど食いたくなるし。

 

ミリキャス「い、いいのですか!?」

聖「え、う、うん。」

ミリキャス「あ、ありがとうございます!」

 

え、なんか、テンション高くね?てか、レイヴェルさんにもちゃんとあげるから、そんな悔しそうな顔はしないで。大人気ないよ?あ、奥の階段から誰か出てきた。ってか、エロ!?なに、そのドレス!?てか、胸!!え、襲えってこと!?夜這い待ちってこと!?

 

ヴェネラナ「初めまして。リアスの母のヴェネラナ・グレモリーです。以後、お見知り置きを。」

イッセー「え!?部長のお母さん!?お姉さんじゃなくて!?」

ヴェネラナ「ふふ、嬉しいことを言ってくれるわね。それで、あなたがそうなのかしら?」

聖「はい。お初にお目にかかります、ヴェネラナ様。兵藤聖と申します。この度はお招きいただき、ありがとうございます。それと同時に、ご息女様の婚約に関しまして深くお詫びします。申し訳ございませんでした。」

 

今回は土下座ではなく、しっかりと頭を下げた。てか、なんで、みんな超驚いてんのかな?殴っていい?いや、ガチで。

 

ヴェネラナ「ふふ、その事に関しての謝罪はいらないわ。それよりも、リアスがご迷惑を掛けてないか心配なのだけれど・・・」

聖「それに関しては大丈夫です。リアス様とその眷属方は優秀なモル・・・テストプレイヤーとして手を貸して貰っています。逆に申し訳ないくらいです。」

リアス「・・・今、モルモットと言いかけたわね?」

聖「気のせいですよ。」

ヴェネラナ「面白い子ね。リアス、これから食事よ。眷属の皆様と聖さんを案内して。」

リアス「はい、お母様。」

 

そう言って先にどっか行ったけど、疲れた・・・。普段、こんな敬語まみれじゃないからもう帰りたい・・・。

 

イッセー「ひ、聖。お前、あんな言葉遣い出来たんだな・・・」

聖「いやいや。異常みたいに言ってるけど、兄さんもちゃんとした言葉遣いや礼儀作法覚えなよ。ここ、貴族の家だからね?」

イッセー「あ、ああ・・・」

木場「イッセー君の言ってることも分かるよ。いつもはかなりラフな感じだし、アザゼル先生にもそこまで変わらない態度だしね。」

朱乃「確かに。いつもとは違う印象でしたわ。」

聖「ちょっと、そんなに褒めないで下さいよ〜。私からあげられるものなんて、キス位しかないですよ〜。あ、今この場でやります?」

木場「いらないかな。」朱乃「結構ですわ。」

聖「うわ〜ん!レイヴェルさ〜ん!2人がいじめるよ〜!」

レイヴェル「ふふ、大丈夫ですわ。私が癒して差し上げますから」

 

優しい!なんだ、この優しさの塊は!!天使か!?天使なんか!?そんな感じでふざけつつ、食堂へと向かうのでした。



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42話

ジオティクス「初めまして。リアスの父のジオティクス・グレモリーです。」

聖「兵藤聖です。今日は人間である私をお招き頂き、ありがとうございます。」

ジオティクス「ははは。そう硬くならず結構だ。聖さん。」

聖「じゃあ、素で行きますね。」

 

現在、グレモリー当主とのお食事なんだけど・・・

 

アーシア「うぅ・・・む、難しいですぅ・・・」

ゼノヴィア「あまり使った事がないからな・・・」

イッセー「もっと読んどくべきだった・・・」

 

はあ・・・。まあ、兄さんは想定内として2人はなぁ・・・。ギャスパー君なんて、ダンボールから手を生やして食べてるし・・・

 

聖「ちょっと、兄さん。そもそも、フォークとナイフの持ち手が逆。右利きなら、右手にナイフ。」

イッセー「そ、そうなのか・・・」

聖「それと、音は立てない。背筋は真っ直ぐ!」

イッセー「うごっ!」

ジオティクス「はっはっは。こういう場所は初めてかい?」

イッセー「は、はい・・・す、すみません・・・」

ヴェネラナ「ふふ、仕方ありませんわ。ですが、そのままというわけにもいきませんよ?」

イッセー「は、はい・・・」

ミリキャス「ひ、聖様はどこで覚えたのですか?」

聖「え?本で読んだだけだよ。ミリキャス坊やは小さい頃から教えられてるだけあって、上手だね〜。どこかの兄さんと違って。」

リアス「聖さん。その辺にしておきなさい。」

聖「は〜い。っ!!」

 

私は隣の兄さんを引っ張って思いっきり後ろへ飛び退く。兄さんのいた場所には弾痕らしき後。もう少し遅かったら・・・!

 

聖「ほら!とっとと立つ!」

リアス「ど、どうしたのよ、急に!」

聖「狙撃です!」

 

ステージ!セレクト!

 

悪魔「な!?なんだ、ここは!!」

ヴェネラナ「これは・・・」

ジオティクス「君は確か、旧魔王派の子だね。このような事をしてただで済むと?」

悪魔「うるせぇ!!兵藤聖!!貴様はカテレア様達を消し去った!」

聖「・・・離れてて。と言っても、囲まれてるみたいだけど。」

 

周りを見回しても、悪魔悪魔悪魔・・・。だっる・・・。プロトガシャットを試すにはいいか。

 

リアス「あなた達!行くわよ!」

「「「「「はい、部長!」」」」」

聖「レイヴェルさんも、手伝ってあげて!私はあいつをぶっ潰すから!」

レイヴェル「分かりましたわ!」

 

さて、私の目の前には数百の悪魔。リアス先輩達の前にも数百の悪魔。ミリキャス君は、ヴェネラナ様とジオティクス様に任せるか。

 

バンバン!シューティング!

 

私は花家大我のように、ガシャットをクルクルと回す。うん、これ、なんか楽しいな。

 

イッセー「新しいやつか!?」

朱乃「あらあら、うふふ。お手伝いしますわ!」

聖「大丈夫です!離れてないと怪我しますよ!変身!」

 

ガシャット!

レッツゲーム!ムッチャゲーム!
メッチャゲーム!ワッチャネーム?

アイムア仮面ライダー!

 

悪魔「なんだ、あの姿は!?」

悪魔「そんな姿で勝てるとでも思っているのか!?」

聖『うるさいな・・・。ちゃんと順次は必要でしょうが。マイナス第弐戦術。』

 

ガッチャーン!レベルアップ!

ババンバン!バンババン!(YEAH!)

バンバンシューティング!

ガシャコン・マグナム!

 

私は、黒いスナイプ・・・仮面ライダープロトスナイプとなって、銃を手に取り構える。この数なら5分要らないかな?まあ、厄介なもんを持ってなきゃだけど。

 

悪魔「やつを殺せ!!!!」

悪魔「「「「「うおおぉぉぉぉ!!!!」」」」」

聖「ミッション・・・開始!!」

 

私はとりあえず撃ちまくる。油断を誘うために。この形態では銃しか使えないと思わせる為に。Bボタンを3回押して、そのまま連射!よし!数十人は削れた!っと、ヴェネラナ様達の方へも行った!でも、問題なし!私はそのまま撃ち落とし、また掃討作戦続行!

 

レイヴェル「聖様!!私にも武器を貸してくださいな!」

聖「はいよ!これ、どうぞ!!」

 

私はそのままガシャコン・マグナムを投げ渡し徒手空拳に切りかえる。よっし、このまま!

 

悪魔「化け物が!!」

悪魔「っ!おい、あのダンボールを狙え!!」

リアス「ギャスパー!!」

 

っ!マズイ!あの距離は私以外間に合わない!ガシャットを起動する時間もないし・・・!ああ、もう!!私はスナイプの脚力を活かして、ギリギリギャスパー君の入っているダンボールまで来た!やば、持ち運ぶ時間が・・・

 

聖『目をつぶって!!』

ギャスパー「ひぃぃぃぃ!」

悪魔「死ねぇぇぇ!!!!」

レイヴェル「聖様!!」

リアス「ギャスパー!聖さん!」

 

私はギャスパー君を身を呈して守る。でも、攻撃力が無駄に高いからヤバい・・・!攻撃が止むと、私のライフは残り2本・・・。ギリギリか・・・。

 

ギャスパー「あっ・・・な、なん・・・」

聖『大丈夫・・・。あなたは悪くない・・・。先に避難させなかった私の責任・・・ごめんね、怖い思いさせちゃって・・・』

悪魔「しぶとい奴が!!」

ローゼン「させません!!」

 

ローゼンさんの援護でなんとか危機を脱したけど辛い・・・。いや、投げ渡すか・・・!

 

聖『ローゼンさん!お願い!!しっかり捕まって!!』

ギャスパー「ひぃぃぃぃ!」

 

私はすぐさまダンボールごと投げ渡す。動かなきゃいけないから、クソめんどい!・・・いや、あれなら・・・!

 

聖『レイヴェルさん!!バイクはお好き!?』

レイヴェル「こ、こんな時に何を!!まさか、爆走バイクですの!?」

 

さすが、天才ゲーマー!私はプロト爆走バイクを取り出しての起動!!

 

爆走バイク!

ガッチョーン ガッシューン

 

聖「マイナス二速!変身!!」

 

ガシャット!ガッチャーン!

レベルアップ!

爆走!独走!激走!暴走!

爆走〜バ〜イク!

 

「「「「「えぇぇぇ!?!?」」」」」

聖『ほら、レイヴェルさん!早く!』

レイヴェル「ツッコミたい事は沢山ありますが、失礼しますわ!!」

聖『ほいじゃあ!!ノリノリで行っちゃおうか!!』

 

レイヴェルさんはクラッチは無理だろうから、クラッチは私が操作してレイヴェルさんは左手にガシャコン・マグナム、右手でアクセルをマックスにして動きながらの狙撃だけど、全てパーフェクトを出す!

いや、エイムやばくない!?え、私でも無理なんだけど!?

 

レイヴェル「かなり、数も減ってきましたわ!」

リアス「このまま叩くわよ!」

聖『兄さん!!私の腰に刺してあるガシャット起動して!』

イッセー『こ、腰!?こ、これか!?』

 

ギリギリ!チャンバラ!

ガッチョーン ガッシャット!

 

聖『ノリノリで行っちゃうよ〜!マイナス三速!』

 

ガッチャーン レベルアップ!

爆走!独走!激走!暴走!

爆走〜バ〜イク!アッガッチャ!

ギリ!ギリ!バリ!バリ!

チャンバラ〜!

 

私はバイクゲーマーから変形して、チャンバラバイクゲーマーへとレベルアップ!うん、やっぱりバイクゲーマーはなんか疲れるわ・・・

 

聖『よ〜やく人型〜。さ〜て、後1人は貰うよ〜。』

 

 

ガシャコン・スパロー!

ガシャット!キメワザ!

ギリギリ!

クリティカルストライク!

 

聖『ハアッ!!』

悪魔「おのれ、人間がァ!!」

 

そのまま必殺技を放ちなんとか勝つことは出来た・・・。いや、クソ疲れたわ・・・



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43話

ガッチョーン ガッシューン

 

聖「いてて・・・」

イッセー「おい、大丈夫か、聖!」

レイヴェル「聖様!無理をなさってはいけませんわ!こちらに座ってください!」

聖「ごめん、ごめん・・・」

ギャスパー「ぼ、僕のせいで・・・ご、ごめんなさ・・・」

 

ふむ・・・このままだと本当に使い物にならなくなるな・・・そうなると、物語が大きく変わりすぎるし・・・。てか、制服せっかく新調したのに、もうボロボロ・・・

 

聖「ギャスパー君・・・こっちに来て・・・。レイヴェルさんも・・・」

ギャスパー「は、はい・・・」

レイヴェル「は、はい!」

 

うん、超震えてんな。え、そんなに怖いか?私、そこまで怖がられてる?まあ、いいや。私は2人を優しく抱きしめる。

 

レイヴェル「ふぇ!?ひ、聖様!?」

ギャスパー「え!?」

聖「よ〜し、よし。ごめんね、2人とも〜・・・。怖い思いをさせちゃったね・・・。もう、大丈夫。」

ギャスパー「お、怒らないんですか・・・?ぼ、僕のせいでこんなに・・・」

聖「私の配慮が足りなかったからって言ったでしょ?だから、自分を責めないで。君は何も悪くないんだから・・・」

ギャスパー「うっ・・・ありがとう・・・ございます・・・。ひっく・・・」

聖「うぐっ・・・」

レイヴェル「ひ、聖様!?ど、どうされたのですか!?」

イッセー「おい、聖!どうした!?」

リアス「聖さん!」

ヴェネラナ「ローゼン!今すぐ病院への手配を!」

ローゼン「はい!」

聖「だ、大丈夫です・・・。リアス先輩、1回コンテニューします・・・」

リアス「っ。分かったわ・・・。」

 

GAME OVER・・・

 

ギャスパー「あ・・・そ、そんな・・・ぼ、僕のせいで・・・」

ジオティクス「・・・」

聖「とぅ!よっと。」

ギャスパー「ふぇ?」

ミリキャス「え、い、今・・・」

聖「ん〜!全回復って感じ!」

ジオティクス「なるほど、それが君の神器か。」

ヴェネラナ「リアスからの情報通りなのね・・・」

リアス「はい。ギャスパー。彼女の神器は無限の命よ。」

ギャスパー「そ、それでも、僕のせいで!」

聖「違う、違う。ガシャットのせいだよ。」

木場「ガシャットの?」

朱乃「どういう事ですの?」

 

私は幾つかあるうちの1本のプロトガシャットをみんなに見せる。

 

アーシア「でも、普通のガシャットじゃ・・・」

ゼノヴィア「いや、シールの部分が白黒だな・・・」

イッセー「確かに・・・。なんでだ?」

聖「これは、プロトタイプ。つまり、テスト用ってこと。普通のガシャットより火力は出るけど、その分リターンも多い。ちなみに、使いすぎると死ぬ仕組み。」

レイヴェル「なるほど・・・。制御が効かないのですね。」

聖「そういうこと。ハイリスクハイリターンだけど、私には関係ないし。」

ヴェネラナ「無茶な事をするのね、あなた。」

ゼノヴィア「確かに、私が投げた聖剣も胸に刺して死んでいたな。」

聖「まあ、コンテニュー便りですけどね。それに、そこまでいい事じゃないですよ。死ぬのに慣れるって。ギャスパー君。」

ギャスパー「は、はい!」

聖「あなたがなんで引きこもってるかは知らない。でもね、外を知るのも楽しいよ。色んな人と会えて色んな人と話して色んな事を経験する。だから、一歩だけ勇気を出してみない?」

ギャスパー「で、でも、僕なんか・・・」

レイヴェル「ギャスパーさん。そんな事を言ってはダメですわ。あなたがどんな方か私は知りません。ですが、私達と一緒に頑張りましょう。」

ギャスパー「はい・・・!はい・・・!ありがとう・・・ございます・・・!」

 

さて、一応これで大丈夫。修正も入れたし。はあ、やる事いっぱいだなぁ〜。会合に出て、冥府に取材しに行って、レイヴェルさんの適合手術もして・・・。なんで、こんなに忙しいわけ・・・?



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44話

あの後、1日休めと強制されてレイヴェルさんとギャスパー君の3人で寝たんだけど・・・2人ともいい匂い過ぎない?どれだけ襲いたくなるのを我慢したか・・・。2日目は、兄さんとゼノヴィアさんとアーシアさんはお勉強で、残りはグレモリー領の観光。これが中々面白くて、食べ物も美味しかった!まあ、今から会合なんだけど・・・

 

リアス「随分と嫌そうなのね。」

聖「そりゃあ、そうですよ・・・。だって、会合ですよ!?なんで、私が出るんですか!?単なるか弱い人間の女の子なんですよ!?」

イッセー「いやいや!お前をか弱いって「は?なにか文句でもある?」いえ、ありません!!」

木場「まあ、すぐに終わるはずだからさ。」

聖「じゃあ、すぐに終わらなかったら木場君を追いかけ回すからね。」

木場「そ、それは、勘弁して欲しいかな・・・」

小猫「・・・」

レイヴェル「?どうかされましたか?」

ギャスパー「な、なんか、小猫ちゃん、元気無いけど・・・」

アーシア「心配ですね・・・」

ゼノヴィア「だが、私達が不用意に聞いてはいけないはず。そっとしておこう。」

朱乃「部長、そろそろお時間ですわ。」

リアス「分かったわ。行きましょうか。」

 

そんでもって、またもやリムジンで移動ですか。いや、座り心地はいいんだけど、一般庶民からしたら驚きもんだし・・・。数十分の移動の末、またもや豪華そうな建物へ着く。はあ、やだやだ。どうせ、上層部のクソ悪魔共は仮面ライダーの力を手に入れようと躍起になってるんだろうな・・・。

 

リアス「あら、ソーナ。それに、サイラオーグ!」

ソーナ「リアス、それに聖さんまで。」

聖「どうも〜。おぉ・・・すっげえ筋肉ですね。」

サイラオーグ「久しぶりだな、リアス。この2人が?」

リアス「ええ、そうよ。」

サイラオーグ「初めましてだな。赤龍帝にその妹よ。俺は大王家次期当主のサイラオーグ・バアルだ。」

イッセー「兵藤一誠です!」

聖「兵藤聖で〜す。てか、なんで、廊下に居たんですか?」

サイラオーグ「くだらない喧嘩が始まったからだ。」

リアス「くだらない喧嘩?」

 

ちょっと、それはフラグ・・・って、うるさ!って、やば!壁が突然爆発したと思ったら、私の方にクソデカ壁が飛んできた!?やっべ!

 

サイラオーグ「フンッ!!」

聖「あ、ありがとうございます・・・」

サイラオーグ「構わんさ。君は魔王様から直々に招待を貰ったと聞いているしな。」

ゼファードル「だから、てめぇの様な堅物は一生処女だろうから、俺が開通式やってやるって言ってんだよ!」

シーグヴァイラ「今、あなたを殺しても上には咎められないわよね?ゼファードル。」

リアス「そういう事ね・・・」

サイラオーグ「だから会合等要らぬと言ったのだ・・・」

 

おや?かなりご不満のご様子で。まあ、それは私の方なんだけど。とりあえず、アイツらぶっ飛ばす。

 

聖「待ってください。サイラオーグさん・・・様?」

サイラオーグ「さんでいい。どうかしたか?」

聖「あのクソ餓鬼共、ぶっ飛ばすのは私がやります。」

リアス「ちょ、聖さん!何を!」

ゼファードル「あ?おいおい、なんでこんなところに人間がいんだよ!」

サイラオーグ「よせ、ゼファードル!彼女は!」

聖「ギャーギャーやかましいわ。発情期なんか?このクソダサタトゥーの短小野郎が。」

ゼファードル「・・・今、なんつった?」

リアス「聖さん!やめなさい!」

聖「クソダサタトゥーの短小野郎。」

 

おや?キレた、キレた。この程度でキレるなんて雑魚同然。

 

ゼファードル「死ねぇ!!!!」

聖「変身。」

イッセー「聖!」

サイラオーグ「よせ!!」

 

ヤンキー君からの魔力攻撃は全て私の方に来るが、その前にパラドクスパズルゲーマーへと変身し、全て真正面から受け、辺りには煙などが立ち込める。

 

ゼファードル「たかだか人間如きが!!思い知ったか!!」

サイラオーグ「ゼファードル!!貴様、魔王様の招待客へなんてことを!!」

レイヴェル「サイラオーグ様。心配ありませんわ。」

サイラオーグ「何を言っている!」

リアス「はあ・・・。後が大変になるわね・・・」

ソーナ「そうですね・・・」

 

Get the glory in the chain.

PERFECT PUZZLE

 

ゼファードル「な!?お前、神器持ちか!それに、なんだ、このオーラは!!」

聖『それはあんたが弱いからよ。ちょうどいいや。ここで、リアス先輩やソーナ先輩達のレベルも教えてあげる。』

リアス「私達の・・・」

ソーナ「レベル・・・?」

聖『シトリー眷属が実際に戦ってる所を見た事が無いからオーラ換算だけど、ソーナ先輩と眷属の全員のレベルは4。小猫さん、ギャスパー君、アーシアさんも同じくレベル4。木場君と兄さん、リアス先輩と朱乃先輩、ゼノヴィアさんはレベル5。もちろん、2人はバランス・ブレイク込みでね。レイヴェルさんはレベル6。そこのメガネの人はレベル4で、サイラオーグさんはレベル10。そして、そこのクソダサタトゥー短小野郎はレベル2。言ってしまえば、雑魚キャラなのよ。』

レイヴェル「私のレベルは6・・・。まだまだですわね・・・」

ゼファードル「ふ、ふざけるな!!俺がバアルの無能より、弱いはずは無え!!」

???「いや、お前はサイラオーグ・バアルよりも弱いよ。」

 

え、誰、あのスキンヘッド。あんなん、居たっけ・・・?上層部の誰かか・・・?

 

リアス「アスモデウス様!」

聖『あ、アスモデウス!?つまり、魔王様!?』

ゼファードル「兄様・・・!」

ファルビウム「私はファルビウム・アスモデウス。兵藤聖殿だね?サーゼクスから聞いているよ。この度は、愚弟が済まなかった。」

ゼファードル「お、おい!なに、人間に頭なんか「彼女は旧魔王派の筆頭であったカテレア・レヴィアタン、シャルバ・ベルゼブブ、クルゼレイ・アスモデウスを同時に相手にして圧勝している。」な!?」

 

いや、何故に知ってる!?あ、ルシファー様やレヴィアタン様か。まあ、あれはちょっとした裏技使っただけなんだけど・・・。いやまあ、簡単に勝てるけどさ。

 

聖『・・・アスモデウス様。頭を上げてください。本当なら、そいつをぶち殺したい所ですが、今回は我慢します。なので、しっかりと教育の方をお願いします。』

ファルビウム「感謝する。聖殿。」

ゼファードル「ふざけんじゃねえ!!!!」

 

バカは私に攻撃して、火花が散るが特に意味はない。所詮はレベル2。カス同然。にしても、せっかく1つしかない命を捨てるなんて・・・

 

聖『はあ・・・あんまり、私の心を滾らせるなよ・・・』

ゼファードル「っ!?な、なんだよ、このオーラは・・・!!」

聖『あんたはせっかくものにしたチャンスを逃した。そのまま引っ込んでおけば死にはしなかったものの・・・。なら、教えてあげるわ。敗者にふさわしいエンディングを・・・』

 

私はマテリアルショルダーを起動させ、エナジーアイテムを操る。奴に最適なのは・・・これかな?

 

マッスル化!高速化!透明化!

 

ゼファードル「な!?消え『フンッ!』ごはっ!『はあっ!』ブハッ!『とぅ!!』ゴホッ・・・」

聖『さあ。死を楽しみなさい。』

 

マッスル化!マッスル化!マッスル化!

KIME WAZA

PERFECT!

CRITICAL COMBO!

 

ゼファードル「ヒィッ!ま、待て!お、俺はグラシャラボラス家の次期当主だぞ!!それに、俺は魔王の弟だ!!お、俺を殺せば冥界全土を敵に回すぞ!!そ、それに、和平が成立したなら、三大勢力がお前を潰しにかかるぞ!!」

聖『なら、その時は三大勢力ごと潰すから。ハアッ!!』

ゼファードル「や、やめろォ!!」

 

私はこのお坊ちゃんの鼻先寸前で拳を止める。というより、止められたが正解か。サイラオーグさんに腕を掴まれててるけど・・・。力やば。でも、確かこれでも力をセーブしてるんだっけ?

 

サイラオーグ「・・・聖殿。あなたの怒りも分かるがどうかこれで怒りを収めてくれ。まだ足りないと言うのなら、俺が相手になる。」

聖『元々殺すつもりなら、最初から殺してましたよ。今回の目的はこのお坊ちゃんに絶対的な恐怖を味合わせる事ですから。それと、あなたとは戦いたいです。良いデータが取れそうなので。』

 

私は変身を解き、サイラオーグさんに一礼してから魔王様達のいる部屋へと足を進める。これで、殺しにかかって来るやつが居たら楽なんだけどなぁ・・・



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45話

サーゼクス「ふふ、早速やらかした様だね。」

聖「ルシファー様にレヴィアタン様。まあ、先に攻撃されたので。」

セラフォルー「全くも〜!絶対に手を出すなって言ったのに!」

聖「他の悪魔にも言いました?特に今から会うお偉いさんには。」

サーゼクス「ああ。しっかりと全員に伝えた。しかし、聞く耳を持たずに君の力を奪おうとするだろうね。」

聖「その時はバグスターウイルスに感染する様、仕込みをいれますよ。」

サーゼクス「それは怖いものだね。」

セラフォルー「ねえ、聖ちゃん!頼んでいたものはどう?」

聖「もちろん、完成しましたよ。しっかり四着。当然、レヴィアタン様とソーナ先輩のサイズで。」

セラフォルー「やった☆ありがとう、聖ちゃん☆」

サーゼクス「君は私の隣だ。どうぞ。」

聖「ありがとうございます。ルシファー様。」

 

私は、バグスターバックルを巻き、魔王様の隣へ座る。目の前には、悪魔の老人共。こっちを見てなんかヒソヒソしてるし。嫌がらせか?あ、リアス先輩達が入ってきた。

 

上級悪魔「若手悪魔の会合だというのに、早速やらかしてくれたようだな。」

上級悪魔「特にそこの人間殿。いくら魔王様の客人といえど、勝手な行動は控えてもらいたいですな。」

聖「なら、ちゃんと教育してくれません?礼儀を重んじる貴族の称号は単なる飾りでは無いと思いますが?それとも、冥界での貴族の称号はそんなちっぽけなもんなんですか?」

上級悪魔「貴様!!たかが人間の「その人間に、旧魔王の子孫は殺されましたが、どう思います?」黙れ!!」

サーゼクス「静まりたまえ。この場は若手悪魔の会合の場であり、決闘の場では無い。」

上級悪魔「し、しかし!そこにいる人間は我ら悪魔を滅ぼしかねません!今すぐに力を取り上げるべきです!!」

聖「そんなに私の力が欲しいならあげるよ。」

上級悪魔「なんだと・・・?」

聖「それも、私の持っている力の中でもトップクラスのものをね。まあ、当然条件はある。変身して、変身解除、その後1分間死ぬ事が無ければ、生き残った方にプレゼントしましょう。」

サーゼクス「・・・本気なのかい?」

聖「ええ、魔王様。」

 

バグルドライバーII・・・

ガッチャーン・・・

仮面ライダークロニクル

 

聖「変・・・身」

 

ガシャット・・・バグルアップ!

天を掴めライダー!

刻めクロニクル!

今こそ時は極まれり!!

 

上級悪魔「っ!?なんだ、それは!!」

上級悪魔「そんなもの、情報には!」

聖『名はクロノス。ギリシャ神話に登場する神と同じ名であり、同じく時を支配する。こんな風にね。』

 

ポーズ・・・

 

私はバグルドライバーIIのボタンを押して時を止める。本当に、この能力はチートだよねぇ〜・・・。まあ、オーフィスやグレートレッドには効かないだろうけど。あ、でも、確かドライグには透過でアルビオンは反射があったな・・・。なら、生前の二天龍にも効かないか。私は入口の方へ歩いていき、時を動かす。

 

リスタート・・・

 

上級悪魔「な!?いないだと!?」

上級悪魔「どこへ!!」

聖『ここよ。お馬鹿さん達。』

上級悪魔「ほ、本当に時を止めたというのか!?」

 

ガッシューン・・・

 

聖「もし、さっきの条件をクリア出来たらこの力をあげる。でも、できなかった場合には死が待ってる。」

 

私はバグルドライバーIIとガシャットを置いてその場を離れると、我先にと老害上級悪魔共が奪い合う。うはは、面白〜。

 

セラフォルー「ちょっと、いいの?」

聖「大丈夫です。そもそも、誰も変身出来ないんですから。」

サーゼクス「どういう事だい?」

聖「あのドライバーとガシャットの中には、致死量を遥かに超える、バグスターウイルスが内蔵されているんです。装着した瞬間、一気に使用者の体に流れ込み抗体を持たない者はこの世から消滅します。」

上級悪魔「取った!人間!!貴様に思い知らせてやる!!」

聖「それに、もし適合者が現れたとしても、あれを超えるガシャットは完成していますし。」

 

1人の上級悪魔がベルトを巻いた瞬間、緋?に近い色の電流的なのが流れた。感染したか。もう、助からないな〜・・・。あ、消滅した。私はしっかりと死のデータを取る。はぐれだけじゃ足りないんだよね〜。正直。

 

上級悪魔「し、死んだのか・・・?」

聖「あ〜あ・・・消滅しちゃった。さ、次は誰?」

上級悪魔「わ、私なら!!」

 

お?チャレンジャーだな〜。まあ、無理だろうけど。・・・ほら、やっぱり。ガシャットを起動して数秒経たないうちに消滅か。リアス先輩達なんて、明らかに動揺してるし、老害共は更に動揺してる。私は2つを取り上げ、魔王様の隣へ再び着席する。

 

聖「すみません、魔王様方。早速、会合を始めましょう。今すぐ。」

 

お通夜の雰囲気で会合は始まり、本来なら悪態の1つでも付いたであろう老害共は一言も言葉を発する事無く、ソーナ先輩もバカにはされなかった。まあ、結果オーライか。会合が終わって部屋から出ようとした時、サイラオーグさんに声を掛けられた。

 

サイラオーグ「兵藤聖殿。」

聖「聖でいいですよ。サイラオーグさん。どうかしましたか?」

サイラオーグ「うむ、分かった。では、聖。何故、あの者達は消滅したのだ?」

聖「私の作ったウイルスに感染したからです。それも、異形でも耐える事の出来ない量の。」

サイラオーグ「初めから分かっていてやったと?」

聖「はい。とりあえず私の凄さを見せつけると同時に、恐怖心を与えました。私に歯向かえばこうなると。」

サイラオーグ「そうか・・・。人間への認識を改めなければいけないな。」

聖「確かに人間は非力で弱いです。でも、自分を守るためなら、どんなに卑怯な力だろうと、どんなに残酷な力だろうと迷いなく選択し相手を滅ぼします。リアス先輩は、前に「悪魔は欲を与え、欲を叶え、欲を欲する。」と言っていました。なら、人間は「欲を与え、欲を喰らい、欲に徹する」だと私は思っています。」

サイラオーグ「それが、お前を構成すると?」

聖「ええ。私は自分の欲の為なら命だって簡単に捨てますから。」

サイラオーグ「・・・そうか。済まなかった、時間を取らせて。」

聖「いえ。それと、私と戦いたいならいつでも連絡待ってますから。」

サイラオーグ「ああ。」

 

あの目はかなり怒ってたな・・・。多分、今にも殴り掛かりそうな目。まあ、命の尊さを知れって意味だろうけど、他人と自分の死に慣れた私に言うことでは無いよなぁ〜・・・

 



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46話

???「ほら、飲めよ!淫乱!」

???「あんたみたいな、ヤリマンにはご褒美でしょ〜?」

???「ほら、▲▲▲!とっとと、飲めよ!」

 

あれ?なんだこれ・・・?でも、何か知ってる景色・・・

 

???「お、お金さえ払えばヤラせてくれるって!お金はいくらでもあるから!!」

???「おい、尻軽。金やるから、とっととヤラせろよ。」

 

違う・・・!そんなんじゃ・・・!

 

???「てめぇが私の彼氏を取ったせいでなぁ!!」

???「この淫乱!!お前なんて死ねばいいんだよ!!」

 

わ、私はそんな事・・・!

 

???「ほら、どうした?とっとと咥えろよ!」

???「お前、誰とでもヤルんだろ?なら、とっととしろよ!」

 

違う・・・!私はそんなんじゃ・・・!

 

???「・・・あんたの事は友達だと思ってたのに。」

???「今、ここで殺してやる・・・!!」

 

違う・・・!やめて・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖「やめて!!」

 

え、あ、あれ・・・?い、今のは夢・・・?・・・ああ、そうか。私の前世か・・・。ああ、そうだ。私、やってもいない事をでっち上げられて、友達も皆離れて、最後は殺されたんだ・・・。

 

聖「はあっ・・・はあっ・・・はあっ・・・はあっ・・・!」

 

こ、怖い・・・!なに、この恐怖・・・!い、嫌・・・!い、行かないで・・・!も、もう嫌・・・!

 

レイヴェル「んぅ・・・?聖様・・・どうかされましたの・・・?」

 

多分、私の声で起きたであろうレイヴェルさんを私は強く抱きしめた。怖いよ・・・みんなが・・・みんなが離れていくのが・・・!!私はレイヴェルさんに抱きついて、しっかり居ることを体全体で感じる。

 

レイヴェル「ふぇ!?ひ、聖さま!?」

聖「ご、ごめんなさい・・・。で、でも、少しの間だけこうさせて・・・!お願い・・・!」

レイヴェル「ひ、聖様・・・?」

 

怖いよ・・・。また私から離れていく・・・!嫌だ・・・!わ、私は何もしてない・・・!なんで・・・?なんで、みんな信じてくれないの・・・?お願い!誰か私を・・・!!そう思った時、レイヴェルさんは私を抱きしめてくれる。暖かい・・・。なんで・・・?

 

レイヴェル「聖様。ご安心ください。私、レイヴェルはここにいますわ。だからこそ、しっかりと感じ取ってください。」

聖「わ、わた・・・私・・・!!」

レイヴェル「大丈夫。今は私しか見ておりません。他の方には見せなくて構いません。ですが、私にだけは、あなたの弱い部分をみせてください。」

聖「くっ・・・うぅ・・・。ヒック・・・。こ、怖いの・・・!みんなが・・・!みんなが私から離れていくのが・・・!1人がとっても怖いの・・・!!」

レイヴェル「大丈夫です。私はいついかなる時もあなたの傍に居ます。例え、あなたが先に死んでしまう事を分かっていても、私はずっとお傍にいますわ。」

聖「レイヴェル・・・!ありがとう・・・!ありがとう・・・!!」

 

あぁ・・・暖かい・・・。優しい暖かさだな・・・。私はレイヴェルさんに抱きつきながら、ゆっくりと意識をゆっくりと手放した。

 

 

 

 

レイヴェルside

 

聖様・・・一体どんな夢を見たのです・・・?あなたがこんなにも取り乱すなんて・・・。私がそんな事を考えていると部屋をノックされる。

 

ローゼン「レイヴェル様、聖様。お食事のご用意が出来ておられますが如何なさいますか?」

レイヴェル「ありがとうございますわ。しかし、聖様はかなりお疲れなようで動けなくて・・・少し、時間を置いてもよろしいでしょうか?」

ローゼン「承知しました。旦那様方には伝えておきます。」

 

ああ・・・。これは、お母様達に怒られてしまいますわね。貴族の娘だというのに、個人を優先してしまうなど・・・。それでも、今はこの時間を大切にしなければいけませんわ。私は眠っている聖様を撫でながらそう感じた。



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設定

《兵藤聖》

 

原作主人公である兵藤一誠の双子の妹であり転生者。元は堕天使勢力に所属していたものの、現在はフリーとなっている。

ゲーム制作を主にするが、使っている力ということもありゲームもよくプレイする。

欲望に忠実で、その為なら自身の命をも簡単に捨てられる異常者。現に、幼少の頃は自作したバグスターウイルスを自身に感染させ、幾度となくコンティニューをしている。

転生前はいじめを受けており、転生した今でもその際の記憶から悪夢を見ることもしばしば。いじめが原因で、孤独を酷く嫌う。

転生特典を複数所持しており、その内の1つが神器として顕現している。

 

《レベル》素の状態でレベル50であり、ライダーの力を使用しない際には、転生特典である覇気とエクスカリバーを用いて戦う。

覇気と仮面ライダーの力は併用する事が出来ず、ライダーになっている際は攻撃を受ける事もしばしば。

 

《神器》不滅の神々(ゴッズ・ライフ)

能力はコンティニューであり、ライフは99。

禁手(バランス・ブレイカー)永遠なる不滅の神(エターナル・ゴッド・ライフ)

ライフが99個から∞になった以外は特殊能力は無し。聖は発現した瞬間に禁手(バランス・ブレイカー)へと至っていた。新規の神滅具(ロンギヌス)認定をグリゴリ内で受けるも、他の研究者からは、「兵藤聖以外が使ったとしても、死の恐怖から廃人になる。」という意見もあり、神滅具(ロンギヌス)認定を取り消される。

 

《性格》非常に明るく誰にでも軽い感じながらも、礼儀や礼節は習得している。

兄であるイッセーとは時折喧嘩をする事はあるものの、あくまで兄弟のじゃれ合い程度。しかし、本気でキレると頭に血が上り、どれだけ格上の相手だろうと武装色と覇王色を纏わせたチェンソーを振り回して、落ち着くまで殺意の塊となって追いかけ回す。(ライザー・フェニックスがいい例。)

 

《趣味》ゲーム開発以外ならば、BL本やGL本等、大人向けの物を好んで閲覧している。現在は、転生特典に『地球の本棚』を追加しておけば良かったと酷く後悔している。

 

 

 

《レイヴェル・フェニックス》

 

兵藤聖のヒロイン。性格等は原作と同じながらも兄であるライザーを嫌っている。

人間界、冥界では、『天才ゲーマーL』としてその名を轟かせており、ゲームの腕は最上位に君臨する。

聖の事はゲームで知り、今までプレイした数多のゲームでも最高に難しく楽しいと感じ惚れ込む。その後、とあるイベントで声だけながらも共演を果たし、実際に関わっていくうちに心を奪われ、現在では誰よりも尊敬し心を許している。

レベルは6

 

 

 

 

《兵藤一誠》

 

原作の主人公。原作での活躍を全て兵藤聖に奪われているが本人は気付いていない。(そもそも気付くはずもない。)

しかし原作とは違い、禁手(バランス・ブレイカー)となるのも早く、その引き金は兵藤聖からの「初体験は既に済ませた。」というもので、魔王程では無いもののシスコンと化している。

幼少の頃、誤って兵藤聖にバグスターウイルスを感染させられるも、数十年という時を得て完全な適合者となった。

更に原作とは違い、リアスには惚れてはいないものの、しっかりおっぱい星人である。

最初はハーレムを形成しようとしていたものの、アーシアと再開を果たしてからはその目標は消え、今の日常を守ろうと必死になっている。

レベルは5(バランス・ブレイクした場合のみ。通常だとレベル2。)

 

 

 

《ヴァーリ・ルシファー》

 

ほとんど原作通りながらも、数年前に兵藤聖に拉致と逆レイプされ、一時期は女性恐怖症を患らいなんとか克服したものの、今は軽い兵藤聖恐怖症を患っている。

グレートレッドを倒す事を目標としているものの、それは単なる挑戦状としか思っておらず、恐怖の根源であり実質世界最強である兵藤聖を倒す事を1番の目標にしている。

レベルは25(バランス・ブレイクした場合のみ。通常だとレベル15。)

 

 

《レベル表》

1〜2『下級悪魔クラス』

3〜4『中級悪魔クラス』

5〜10『上級悪魔クラス』

11〜35『最上級悪魔クラス』

36〜50『魔王クラス』

51〜70『五大龍王クラス』

70〜80『神クラス』

80〜89『主神クラス』

90〜99『二天龍クラス』

レベルX『未知数』

10億『全生物の域を超えた存在』

 

《例外》

オーフィス、グレートレッド『レベル∞』

両龍、『無限』と『夢幻』を司る龍の為測定不能。

 

エグゼイドムテキゲーマー、クロノスクロニクルゲーマー、ゲンム無双『レベル設定無し』

元よりレベル制限が無く、使い手によって強さが上下する。

 

《バグスターウイルス》

本来なら人へと感染するウイルスでありストレスを与えられると『ゲーム病』となり『バグスター』が実体化する。

しかし、兵藤聖は特典のひとつである『檀黎斗の才能』をフル活用し自作。現在は消滅しないかつ、バグスターが実体化しないように改良中。



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47話

聖「むぅ・・・あれ・・・?私、いつの間に・・・」

レイヴェル「おはようございますわ。聖様。」

聖「あ、レイヴェル・・・さん・・・」

 

私はレイヴェルさんの顔を見てさっきの事を全部思い出してしまった。は、恥ずかしい!///や、やばい!あ、あんな、醜態を晒してしまった・・・!!

 

レイヴェル「さ、皆様は既に朝食を終えてトレーニングへ移るはずですわ。私達も参りましょう。」

聖「う、うん・・・」

 

私は寝間着から制服へと着替えるも夢が気になってしまう。なんで、突然あんな夢を・・・。もう、忘れたと思っていたのに・・・。あの記憶からは逃れられないの・・・?

 

レイヴェル「?どうかされましたか?」

聖「あ、う、ううん。平気だよ。さっきはごめんね。」

レイヴェル「何を仰るのです!怖い夢等誰でも見るものですわ!」

聖「う、うん・・・。ありがとう、レイヴェル。」

レイヴェル「っ!ま、また、いつでも私を頼ってください!」

聖「分かったよ。それと、私は今日で冥府に行くけど、大丈夫?」

レイヴェル「・・・本当は嫌ですわ。でも、私自身も強くならなければいけませんもの!次に会う時には、更にレベルアップしていますので楽しみにしてて下さいな!」

聖「ふふ、分かった。じゃあ、行こっか。」

 

私とレイヴェルは、みんなが居るであろう外へ向かう。あれ、なんでシトリーまでいるの??てか、ガブリエル様じゃん。

 

リアス「あら、おはよう。聖さん、レイヴェル。」

レイヴェル「おはようございますわ。」

聖「おはようございます。すみません、朝食に参加出来なくて。」

イッセー「お前が寝坊なんて珍しいな。」

聖「レイヴェルさんとイチャイチャしててね。それよりもなんでソーナ先輩達とガブリエル様が?」

アザゼル「俺はリアス達のサポートに付き合うんだが、ガブリエルはソーナ達の所だ。今から模擬戦してもらおうって思ってよ。」

ガブリエル「そういう事です。あなたは今日から冥府へ行くのですか?」

聖「はい。・・・あ、その模擬戦の相手、私達がやりましょうか?」

ソーナ「私達・・・?」

アザゼル「そいつはいいが・・・。大丈夫か?」

聖「はい。レイヴェルさんも参加してよ?」

レイヴェル「はい!分かりましたわ!」

 

さ〜て。久しぶりに使うけど、まあ大丈夫っしょ!私はゲーマドライバーを装着して2色に別れたガシャットを取り出す。よろしく、頼むよ!『私』!

 

マイティブラザーズXX

 

聖「変身!」

 

ダブルガシャット!

ガッチャーン!

レベルアップ!

マイティ!ブラザーズ!

二人で一人!

マイティ!ブラザーズ!

二人でビクトリー!

X!(エックス!)

 

ガブリエル「か、可愛い・・・」

ソーナ「まるでゆるキャラですね・・・」

聖「さあ、驚くなかれ!だ〜〜い変身!!」

 

ガッチャーン!

ダブル!アップ!

俺がお前で!

アザゼル「な!?」

お前が俺で!

(WE ARE!)

ガブリエル「そ、そんな!」

マイティ!マイティ!

リアス「う、嘘・・・!」

ブラザーズ!

ソーナ「そ、そんな事まで・・・!」

XX!

イッセー「ひ、聖が二人になったぁ!?」

 

聖R『ん〜!久しぶりに使ったな〜。』

聖L『ったく、こんな事に使うんじゃねえよ!ぶっ飛ばすぞ!』

聖R『それはおじさんにどうぞ。』

アザゼル「ま、待て待て待て!何がどうなってやがる!」

聖L『とりあえず、説明は後だ!神である私の時間を無駄に出来ないからな!』

聖R『じゃあ、ソーナ先輩の方をよろしく〜。私はリアス先輩の方だから!』

聖L『ああ。』

聖R、L『『超協力プレーでクリアする!!』』



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48話

聖L『ボサっとしてんじゃねえぞ!!』

ガシャコン・キー・スラッシャー!

ジャジャ・ジャ・キーン!

匙「おわっ!」

聖L『オラッ!!』

椿姫「くっ・・・!」

聖R『ちょっと!やり過ぎないでよ!』

聖L『神である私に指図すんじゃねぇ!!ぶっ殺すぞ!!』

 

こっわ。本当に私の半身?性格違いすぎない?まあ、いいや。私はグレモリー眷属+レイヴェルに目を向ける。

 

イッセー「な、何がどうなってんだよ・・・」

レイヴェル「ひ、聖様が二人に・・・!」

聖R『ま、私からも行くよ!!』

ガシャコン・ブレイカー!

バ・コーン!

 

聖R『よっと!』

イッセー「おわっと!行くぜ、ドライグ!バランス・ブレイク!」

Welsh Dragon!!

Balance Breaker!!

BoostBoostBoostBoostBoost!!!

木場「魔剣創造(ソード・バース)!」

ゼノヴィア「行くぞ、デュランダル!」

小猫「・・・!」

 

あ、誰よりも先に小猫さんが飛び出したか。まあ、一直線でフェイントも無いし、とりあえずカウンターで叩いた。あ、PERFECTじゃん。

 

レイヴェル「小猫さん!」

イッセー『行くぞ、聖!!』

木場「今回は負けない!」

ゼノヴィア「私もだ!」

聖R『ドンと来いやぁ!』

 

その後、支援組のリアス先輩、朱乃先輩、レイヴェルさんと前衛の兄さん、木場君、ゼノヴィアさんを同時に相手取る。当然、半身のフォローも忘れず、向こうもこっちをフォローしてくれる。まあ、自分で自分をフォローするなんて、病んでる人みたいだけど物理的にだし!

 

リアス「はあ・・・はあ・・・な、なんて、連携なの・・・!」

聖R『んじゃ、そろそろ!』

聖L『ああ!派手に暴れるか!』

 

お?テンション上がってんな、こいつ。まあ、いいや。私と『私』は場所を入れ替え、今度は私がシトリー眷属を。『私』がグレモリー眷属を相手取る。うん、意味わかんなくなりそう。

 

ソーナ「っ!みんな、来ますよ!」

匙「ラインよ!」

椿姫「追憶の鏡(ミラー・アリス)!」

 

確かあれは、威力を倍にして返すもの・・・。それなら!私は匙君の神器から伸びるベロを掴んでぶん回す。

 

匙「おわっ!ちょっ!」

聖R『それそれ!必殺!匙の鞭!!』

椿姫「っ!まずい!」

 

お、鏡が割れて、匙君がダメージを受けた。やっぱり、あれは鏡を割った者に来るわけか。ありがとう、実験に付き合ってくれて。

 

聖L『ほら、どうした!!そんなもんか!?』

イッセー『いや、お前、性格変わりすぎじゃね!?』

 

うん、あっちもかなり可哀想。んじゃ、私はちょっと遊びを入れるか〜。私はプロトガシャットを取り出す。遊びと言ったらこれだよね!

 

シャカリキ!スポーツ!

 

そして現れるのは、黒いBMX!私はそれに跨り、他の眷属へ漕ぐ!うん、これ、ダイエットにマジでいいかも。なんなら、近接系の人には相性いいかも。私は器用に自転車で攻撃し相手を蹴散らす。

 

翼紗「くっ!」

仁村「もう!近付き辛い!」

ソーナ「水よ!」

 

お?そう来ちゃう?なら、こっちはこれかな!

 

ガシャット!キメワザ!

シャカリキ!

クリティカルストライク!

 

BMXの後ろタイヤがどす黒いオーラとなり、そのまま私はBMXを投げつける。流石に魔力の籠った水も押し負けてソーナ先輩が吹っ飛んだ。所をガブリエルさんが何とかキャッチ。まあ、かなり威力を軽減したから特に怪我は無いだろうけど。

 

アザゼル「そこまでだ!もういい、聖。」

聖L『ああ。』

聖R『は〜い。』

 

ガッチョーン ガッシューン

 

こうして、また私は1人に戻る。ふぅ、疲れた・・・。あ、そうだ。私は四次元ポケットから注射器を取り出してレイヴェルの方へ行く。忘れないうちに。

 

聖「レイヴェル。腕、出して。」

レイヴェル「腕・・・?ああ、はい。どうぞ。」

 

私はそのままレイヴェルの腕に針を指して超微量のバグスターウイルスを投与する。まあ、悪魔は分かんないけど、人間よりはタフだし適合期間も短いかな?

 

小猫「聖先輩。それは?」

聖「あ、これ?私と同じ力を使えるようにする為のもの。」

小猫「っ!聖先輩!私にもそれを!」

聖「え?嫌だけど。」

小猫「な、なんでですか!」

聖「いやいや。言っとくけど、体に合わなかったら死ぬからね?」

ガブリエル「死ぬ・・・?何を投与したんですか!」

聖「バグスターウイルスです。」

アザゼル「お前、何考えてんだ!」

レイヴェル「アザゼル様!落ち着いてください!これは、私も家族も了承していますわ!」

アザゼル「だからと言って!」

聖「まあ、死ぬのは冗談だけど、バグスターウイルスなのは本当です。でも、量は0.001mgなので死ぬ事は無いです。ただ、抗体を作るだけなので。」

リアス「・・・ちなみにだけど、イッセーに誤って投与したのは?」

聖「え〜っと・・・多分2〜3mg・・・?」

イッセー「いや、お前、本当に何してくれてんの!?」

聖「だから、わざとじゃないったら!とにかく、小猫さんには投与出来ないよ。何を焦ってるのか知らないけど、今の小猫さんに入れても暴走するだけだから。んじゃ、冥府に行ってきますね。」

 

廃棄用の四次元ポケットに注射器を入れて、私はそのまま冥府へ旅だったのでした。



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49話

私は現在、草木は枯れ果て動物も全く見えない死の地を旅行バックを持って、キャリーケースを引きずりながら歩いている。そう、ここは冥府!え?迎えが来てくれないのかって?無理だよ、私そこまで好かれてないし。

私の特典って、魂の冒涜そのものだし。まあ、とは言っても過激派の人達とはバチバチだけど穏健派の人達とは簡単に挨拶する仲ではある。過激派はマジでめんどいんだよな・・・。

 

ベンニーア「あ、聖さ〜ん!お久しぶりっす!」

聖「やっほ〜。ベンニーア、久しぶり〜。」

ベンニーア「ささ、こちらっす。」

 

うん、やっぱ可愛い。人間のハーフって話だけど、ちょうど半々で受け継いでて、それでいて最上級死神の力を持ってるって。どんなチート?いや、それを言ったら私はチートの塊か。

私はベンニーアと軽く談笑しながら話していると、正面からは大勢の死神を連れた高位の死神が見えた。う〜わ、マジか・・・。まさか、ここで過激派筆頭のプルートに合うとか最悪・・・

 

プルート『ほう?これは、これは。人間の兵藤聖殿ではないか。冥府には何用か?我ら死神に魂を明け渡す覚悟が出来たか?』

聖「プルート様、お久しゅうございます。残念ながら、今回は単なる取材でございます。故に魂を渡すつもりはございません。」

プルート『貴様のような冒涜者には永遠の闇が必要であろう。なに、儂が介錯してやろう。』

聖「いえいえ。死に場所は自分で決めます。それに、私程度の魂を高名なプルート様に介錯させるのは無礼にも程がありますゆえ、遠慮しておきます。」

 

お〜お〜。皮膚が無いのにキレそうなのハッキリ分かるわ〜。私とベンニーアは一礼して再び歩を進める。ったく、マジでめんどいな・・・。てか、どこ向かってるの?あれ?なんか、この道見覚えんだけど・・・?

 

聖「ね、ねえ、ベンニーア?どこに向かってるか教えてもらっていい?」

ベンニーア「ハーデス様の書斎っすよ。」

 

What's!?いや、何故に!?確かに過激派以外って言ったけど、なんで冥府の主神直々なの!?つか、着いちゃったよ!

 

ベンニーア「ハーデス様。聖さんをお連れしました。」

ハーデス『そうか。入れ。』

聖「し、失礼します。」

 

私は覚悟を決め、自分の出来る最大限の礼儀を持って部屋に入る。おぉっ・・・相変わらず怖・・・。

 

ハーデス『久しいな。小娘よ。』

聖「お久しぶりでございます。ハーデス様。本日は取材を受けていただき、誠に感謝申し上げます。」

ハーデス『構わぬ。儂はこれでもお前の事を気に入っているのでな。小娘以外は部屋を出よ。』

上級死神『承知しました。』

ベンニーア「それでは、失礼します。」

 

うぅ・・・二人っきりって・・・こ、怖〜・・・。いや、頑張れ、私!これを乗り越えてレイヴェルさんに慰めてもらうんだ!!

 

聖「それでは、今回制作させて頂くゲームなのですが・・・」

 

私は今、自分が思い描いているゲームを、資料を使いながらのプレゼンテーションを行う。今回作ろうとしているゲームは、『グリム・オブ・ウィッチーズ』というゲーム。

死神と魔女が互いの生存を掛けて戦うサバイバルゲーム。死神は魔女を倒す事に力を1つずつ上げられ、逆に魔女は死神を倒すと力を5ずつ増すという、一件すれば魔女が圧倒的有利に見えるものの、死神の力は魔女10人分という力を持つ。その代わり、繁殖能力は低く戦争ゲームという事であらゆる場所から攻めてくる魔女を少ない数でなんとか死守しなければいけない。

まあ、まだデータが足りなさすぎて難しいけど・・・

 

ハーデス『ふむ、コンセプトは理解した。よかろう、儂が答えられる範囲で質疑を受けよう。 』

聖「ありがとうございます。では早速『その前に1つ話がある。』?お話ですか?」

ハーデス『うむ。近頃、カオス・ブリゲードなるテロリストが闊歩しているのは知っているな?』

聖「ええ。実際に戦いましたし。」

ハーデス『しかし、奴らは一枚岩では無い。つい先日、英雄派と名乗る人間の童共が、コキュートスに封印されている龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)を求めてきた。なんでも、グレートレッドを倒すために必要だのと言ってな。』

聖「それで、なんとお答えしたのです?」

ハーデス『検討する。そう返した。儂は三大勢力をそこまで好いている訳でもない。それを知ってか知らずか、聖書の神はこの冥府に無理矢理封印した。』

聖「そのドラゴン・スレイヤーというのは・・・?」

ハーデス『アダムとイヴの話は知っておろう?』

聖「はい。確か、蛇に誘惑されてリンゴを食べ、神に追放されるというお話でしたよね?」

ハーデス『そうだ。しかし、その話には続きがある。この蛇は、この事が聖書の神にバレ、神からの呪いを一身に受けた。『汝、隣人を愛せ。』と言っておきながら、流石の奴も裏切り者は愛せなかったようだが。そして、その蛇は存在そのものが龍殺しとなったのだ。名をサマエル。』

聖「サマエル・・・。ハーデス様。あなたは三大勢力がお嫌いと申しましたよね?そして、そのサマエルを貸せとカオス・ブリゲードに言われた。」

ハーデス『ああ。それがどうした?』

聖「1つ、作戦を思いつきました。しかし、この作戦はあなた自身にも私にも罰が降る作戦です。しかし、成功すれば、三大勢力への嫌がらせを行うことが出来るかつ、その英雄派とやらのマヌケ顔も見られるかもしれません。」

ハーデス『ほう?話してみろ。』

聖「そのサマエルという、龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)で・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私、兵藤聖を殺すのです。



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50話

ん〜!ようやく、取材も終わったぁ〜!思ったよりスムーズに終わったから、時間余っちったなぁ〜。

 

聖「ハーデス様。1週間という長い時間を頂き、ありがとうございました。」

ハーデス『よい。それに、儂も面白い話が聞けたからな。準備の方は進めておく。ベンニーアに送らせよう。』

聖「承知しました。何から何まで申し訳ない限りですが、お言葉に甘えさせていただきます。」

ハーデス『構わぬ。それでは、また会おう。』

 

私はハーデス様に深く頭を下げ、姿が見えなくなるまで下げる。さてと・・・後はベンニーアが来るまで待つだけか。今で、取材内容を纏めるか?いや、でもなぁ・・・あ、ちょうど来た。

 

ベンニーア「お待たせしたっす!」

聖「大丈夫〜。ごめんね〜、面倒な事させちゃって。」

ベンニーア「いえいえ、平気っすよ。んじゃ、行くっすよ。」

 

ベンニーアは器用に鎌を回して地面を叩くと、ギリシャ式の魔法陣が展開され魔法陣に引き込まれる。うん、慣れないわ、これ。でも、一瞬で着くんだよなぁ〜・・・。気脈を通ってるんだっけ?忘れたけど。

 

ベンニーア「さ、着いたっすよ。」

聖「ん〜!助かったよ、ベンニーア。今度、一緒に遊ぼうね〜。」

ベンニーア「もちろんっすよ。それじゃ失礼するっす。」

 

にしても、死神の転移って面白いよなぁ〜。だって、地面に潜って転移なんて。まあ、いいや。っとぉ!!私が避けると、大量の魔力弾!はあ〜・・・だっる・・・。

 

上級悪魔「見つけたぞ!!人間!!」

上級悪魔「下等な人間ごときが、私達悪魔に逆らうとどうなるか教えてやる!!」

聖「私、これでも魔王様から許可貰ってるんだけどなぁ〜・・・。」

 

はあ〜・・・めんどくさ。録画すっか・・・。そんでもって、証拠突きつけるか。私はゲーマドライバーにを装着して、仕込んだカメラを起動させる。そんでもって、私は防ぐだけ。防戦一方を装うだけ。

 

上級悪魔「死ねぇ!!」

聖「うおっ!」

上級悪魔「変身をさせるな!!」

聖「あぶね!」

上級悪魔「っ!こいつは、変身出来なければ弱いぞ!」

 

いや、よっわ。わざと苦戦しているように見せてるけど、攻撃を受ける箇所だけ武装色を纏い弾いているけどゴミだな・・・。力的には小猫ちゃんと同じか・・・?まあ、そろそろいいか。

 

上級悪魔「はあ・・・はあ・・・しぶといヤツめが・・・!!」

上級悪魔「しかし、これで終わ「ウザイ。」っ・・・」

 

私は覇王色の覇気を使い、全員を強制的に気絶させる。つか、こいつらはバカなんか?今のは完全に敵対行為だっつーの。ったく・・・。私はプロトレーザーレベル2に変身して、すぐさまレイヴェルさんの元へ向かうも何かおかしい・・・。ってか、仮面ライダークロニクルやってない?え、冥界に販売した覚えないんだけど?・・・いや、今持ってるのって仲間内で言えばグレモリー眷属とレイヴェルさんか。つまり、誰かが使ってる、もしくは奪われた?あ、ソルティじゃん。

 

ライドプレイヤー『これで、終わりですわ!ハアッ!!』

ソルティ『ぬぐぅ・・・!私は・・・!私はァ!!』

GAME CLEAR!!

 

あ、攻略した。マジか、一応レベル10だったんだけどな・・・。でも、あの動きはレイヴェルか。流石は天才ゲーマーってとこかな。私は変身を解除してレイヴェルさんに近付き、向こうも気付いた様で変身を解除した。うん、やっぱり可愛い。

 

レイヴェル「聖様!」

聖「やっほー。1週間ぶりだね〜。それと、ソルティの攻略、おめでとう。」

レイヴェル「あ、ありがとうございますわ!」

 

あぁ〜!可愛い〜!!ずっと骸骨と向き合ってたから余計可愛いよぉ〜!!やっぱり、人型最高!いやまあ、ハーデス様達も人型だけど、あれはちょっと・・・。当然、ベンニーアは別枠。

 

レイヴェル「ひ、聖様!い、今から一緒に実家へ行きましょう!」

聖「ふぇ?え、な、なんで・・・?」

レイヴェル「なんでじゃありませんわ!とにかく行きましょう!」

 

え、この子、こんなに強引だっけ・・・?え、何があったん?いや、マジで!てか、そんなに手を引っ張らないで!ちょっと痛いから!

そんな訳で、目の前にはフェニックス城。いや、デカ!?なんなん!?貴族は好きなんか!?城か!?アドバンテージは城なんか!?!?

 

レイヴェル「さ、行きますわよ!」

聖「え、マジで?心の「そんなもの必要ありませんわ!」あ、ウッス。」

 

うん、怖い。一言怖い。え、刺されない?特にライザーから。

 

メイド「レイヴェル様!お帰りなさいませ!」

執事「レイヴェル様!我らはずっとあなたのお帰りを待っておりました!」

レイヴェル「ええ、ありがとう。お母様とお父様は?」

メイド「現在、執務中でございます。ですが、ルヴァル様はいらっしゃいます。」

レイヴェル「そう、ありがとう。さ、行きますわよ、聖様。」

聖「あ、ウッス。」

 

はい、私はレイヴェル様に従います。てか、ルヴァルって長男だっけ?次男だっけ?え、まさか、紹介されないよね?いや、絶対されるわ。本当に嫌だ・・・。

 

ルヴァル「おや、レイヴェル。久しぶりだね。」

レイヴェル「ルヴァル兄様!お久しぶりですわ!」

ルヴァル「彼女がそうなのかい?」

レイヴェル「はい!」

ルヴァル「初めまして。フェニックス家次期当主のルヴァル・フェニックスです。」

聖「お初にお目にかかります。兵藤聖と申します。」

ルヴァル「そう固くなくて大丈夫だよ。妹は迷惑をかけていないかい?」

聖「はい。それどころか、毎回助けられてばかりで申し訳ないくらいですよ。・・・あの、ライザー・・・様?はお元気ですか?」

ルヴァル「ああ、愚弟の事か。今は部屋に引きこもってほとんど出てこないね。まあ、アイツにはいい経験だよ。」

聖「そ、そうですか・・・」

 

え、なに、この罪悪感。気まず!え、絶対私のせいじゃん!いや、マジで怖いんだけど!?

 

ルヴァル「今日はゆっくりしていくといい。父様と母様には私から伝えておこう。」

聖「ありがとうございます。」

 

こうして、ものすご〜く気まずい中、1日フェニックス家で過ごしました。・・・当然のごとく来客用の部屋じゃなくてレイヴェルさんの部屋に案内されたのは、諦めた方がいいんだろうな・・・。



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51話

ん・・・?眩しい・・・。もう、朝か・・・そう言えば、アラーム掛けてたから消さなきゃ・・・。私は携帯を置いた場所へ手を伸ばし携帯を掴む。

 

ムニュ

 

ん・・・?携帯ってこんなに柔らかかったっけ・・・?でも、なんか心地いいし・・・。あれ?私、今どこにいる?昨日は確か冥府から帰って襲われてレイヴェルと・・・

 

聖「はっ!」

レイヴェル「ぁん・・・聖様、ダメですわ・・・こ、こんなに朝早くからなんて・・・///」

 

私が掴んでたのってレイヴェルの胸!?いや、今までに何度かあったけど、またやっちゃった!・・・でも、レイヴェルの胸って柔らかいんだよなぁ・・・。

 

聖「ご、ごめん、レイヴェル。携帯と間違えちゃって・・・」

レイヴェル「ふふ、大丈夫ですわ。・・・ですが、胸だけでよろしいのですの?」

 

あ、可愛い。もう、ダメだ。

GAME OVER・・・

 

レイヴェル「ちょ、ひ、聖様!?」

聖「とぅ!くっ・・・まさか、レイヴェルの可愛さにやられてコンティニューする事になるなんて・・・!恐ろしい子・・・!!」

レイヴェル「も、もう!いきなり死んでしまわれたのでビックリしましたわ!」

 

コントみたいな下りを一通りした後、フェニックス現当主と夫人、ルヴァルさんと朝食を取り、今度はグレモリー領へ。いや、なんでこんなに忙しいん?いや、マジで。

 

アザゼル「ん?なんだ、帰ってきたのか。」

聖「まあね。おじさんはなんでここに?」

アザゼル「小猫がオーバーワークで倒れてな。ったく、俺が与えた課題以上をこなしやがって・・・」

レイヴェル「ですが、何か悩んでいるようにも見えましたわ・・・。もしかしたらそれが原因で・・・」

アザゼル「だろうな。まあ、今は朱乃が付いてるから大丈夫だろう。」

聖「兄さんには?」

アザゼル「伝えてある。昨日、見舞いに来てそのままトレーニングに戻ったよ。」

聖「ふぅん・・・。おじさん、確か匙君の神器って邪龍系なんだよね?」

アザゼル「ああ。黒邪の龍王(プリズン・ドラゴン)ヴリトラのな。それがどうかしたか?」

聖「兄さんと匙君のトレーニングに少しだけ付き合おうかと思って。」

アザゼル「お前が?なんの心境の変化だ?」

聖「会合の時、リアス先輩とソーナ先輩のレーティングゲームをするそうだし、片方だけにアドバイスってのもねぇ〜?」

アザゼル「分かった。どっちから行く?」

聖「兄さんの方から。匙君は後。当然、レイヴェルにもちゃんと付けてあげるから。」

アザゼル「分かった。今から行くか?」

聖「お願い。まあ、兄さんの方はすぐに終わるだろうけど。」

 

そんな訳で兄さんがいる山へ3人で転移。お〜、かなり虐められてらぁ・・・。あ、タンニーンが気付いて止めた。

 

タンニーン「む?アザゼル。どうした?」

イッセー「聖!?それに、レイヴェルさんも!」

アザゼル「なに、こいつがイッセーに教えてやりたいことがあるらしくてな。」

聖「大丈夫です?」

タンニーン「ああ。構わないが。」

聖「という訳で、兄さん。とっとと鎧を着る。」

イッセー「お、おう!バランスブレイク!」

 

Welsh Dragon!!

Balance Breaker!!

 

聖「それじゃあ、私も。」

 

バンバンシューティング!

ドラゴナイトハンターZ!

聖「マイナス第伍戦術。変身。」

 

ガシャット!ガッチャーン!

レベルアップ!

ババンバン!バンババン!

(YEAH!!)

バンバン・シューティング

アガッチャ!

ド・ド・ドラゴ!

ナ・ナ・ナ・ナ〜イト!

ドラ!ドラ!

ドラゴナイトハンタ〜Z!!

 

聖「ウグッ・・・!」

アザゼル「こいつは!!」

タンニーン「龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)だと!?」

イッセー『か、体が震える・・・!!』

ドライグ『相棒!奴の攻撃を決して受けるな!』

レイヴェル「ひ、聖様!」

 

私が変身した瞬間に体中にスパークが走る・・・!!とっとと、正規版を作らなきゃな・・・!!私が気合いを入れて叫ぶとスパークが止み、体がいつも通りとなる。さて、さっきタンニーンが言ってた通り、ドラゴナイトハンターZには龍殺しを付与して制作したもので、攻撃を与える度に龍限定で能力をダウンさせる追加機能付き。さて、遊ぶぞ〜!!

 

聖『ほら、いくよ!!』

イッセー『よ、よくわかんないけど来い!』

 

突っ込んで来る兄さんへ私はドラゴナイトガンを撃ち込む。やっぱ、ダメージ覚悟で来てるな・・・。私はコンティニューがあるからいいけど兄さんにはそんな都合のいいものが無い。だからこそ、徹底的に体に教えなくちゃ。私は兄さんのパンチが当たる寸前にドラゴナイトソードでカウンターを決め、たたき落とす。

 

イッセー『うぐっ・・・!なんだ、これ・・・!力が抜ける・・・!』

ドライグ『ドラゴン・スレイヤーは龍にとっては毒そのものだ!攻撃を受ける度に能力が下がるぞ!!』

聖『そういうこと!ハアッ!!』

 

私は兄弟にやるとは思えない攻撃を次々と与える!確か、原作ではドラゴンの修行は実践方式!なら、こっちも龍の力を使ってるし問題なし!それから、数分と経たずに兄さんは鎧を強制解除となる。

 

イッセー「はあ・・・はあ・・・」

 

ガッチョーン ガッシューン

 

聖「これがドラゴン・スレイヤーの力。突貫だけじゃ生き残れないよ。下手をすれば死ぬし。」

イッセー「な、なんでこんな・・・」

聖「別に突貫が悪いってわけじゃないよ。でも、兄さんは体力を付けると同時に技術も身につける。裏で生きてくなら尚更ね。という訳で、ドラゴンさん。兄さんをよろしくお願いします。」

 

私は頭を下げる。まあ、これくらいはしなきゃだよね。さて、次は匙君とレイヴェルか。2人に本当の粘着を教えてあげなくちゃね。

 



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52話

アザゼル「確かこの辺だったはずだが・・・」

レイヴェル「自然の多い場所ですわね。」

聖「ほんといい場所〜。今度ピクニックで使いたいな・・・」

ガブリエル「アザゼル?それにあなた達は・・・」

聖「どうも〜」

レイヴェル「1週間ぶりです。ガブリエル様。」

アザゼル「悪いな、ガブリエル。ソーナ達は?」

ガブリエル「それぞれの課題をこなしてもらっているところです。」

アザゼル「だそうだ。俺はガブリエルと話をしておくからとっとと済ませてこい。」

聖「ほ〜い。」

 

私はレイヴェルさんと手を繋ぎ先輩達がいるであろう場所へ向かう。一応、ソーナ先輩に話しておかなきゃ面倒だろうし。てか、今の状況ってデートみたいだな・・・。というか、レイヴェルさんは私の事が好きなんだよね?私自身はどう思ってるんだ・・・?レイヴェルの水晶の様に透き通った心、天才的なゲームプレイで頂点に立ち続ける所、私が他の女の子と話していると嫉妬してくれる所・・・。いや、私もめっちゃ好きじゃん。告白、してみるかぁ〜・・・。振られたら気まずいけど。

 

ソーナ「聖さん?それにレイヴェルさんも。」

聖「あ、やっと見つかった。ソーナ先輩、匙君ってどこです?」

ソーナ「匙なら山の方だと思いますが・・・」

レイヴェル「山ですか・・・。場所としては少し障害が多いですわね・・・」

聖「ありがとうございます。今から匙君に教えを授けようと思ってるんですがいいですか?」

ソーナ「構いませんが・・・」

レイヴェル「では、行きましょう。時間は有限ですから。」

聖「だね。心配しなくても大丈夫ですよ。悪いようにはしませんから。」

 

さて、今度は山か・・・一々面倒だけどこればかりは仕方ない。という訳で時間をかけて山へ到着。つか、足場悪いな・・・。やっぱり移動は必須か。あ、匙君見っけ。

 

聖「お〜い!匙君〜!」

匙「え?ひ、聖さん!?それにレイヴェルさんまで!」

聖「鍛えてあげようと思って。さて、匙君。ハッキリと言わせてもらうけど、今のまま修行期間を終えてもグレモリー眷属には勝てないよ。」

匙「・・・は?」

レイヴェル「ちょ、聖様!?」

聖「正直な話、シトリー眷属はバランスがいいと思ってる。でも、それだけ。力が全く足りてない。」

匙「・・・」

聖「あなた達の気負う気持ちも分かる。身分の関係ない学校を作り上げたいっていう夢も素敵。でも、今のままじゃ出来ない。」

匙「・・・俺たちが弱いから?」

聖「それもある。でも1番はそれじゃない。あまりにも覚悟が無いからだよ。」

匙「覚悟が・・・無い・・・?」

聖「「命を賭けて倒す。」「殺すつもりで目指す。」実にいい言葉だと思うよ。でも、実際に命を賭けるやつなんてほとんどいない。所詮は口・・・」

 

私は匙君に好き放題言ってると胸ぐらを掴まれて木に押し付けられる。あぁ・・・それだよ。今にも殺さんとするその眼・・・。これ以上は何も言わせないとするその眼。

 

匙「あんたは!会長を!俺たちをバカにしに来たのか!!」

聖「違うよ。私は事実を言っただけ。確実にあなた達、シトリー眷属は勝てない。」

匙「っ!ふざけんな!俺たちは強くなろうと必死に努力してんだよ!!」

聖「努力してるだけで勝てるなら誰も苦労しないんだよ!!」

 

私の急な怒声に驚いたのか力を一瞬緩めるのを見逃さず、逆に私が胸ぐらを掴み木に押し付ける。

 

聖「グレモリー眷属には、天龍を宿す兄さんに聖魔剣を持つ木場くん、デュランダルを持つゼノヴィアさん、小柄ながらもその短所を活かす小猫さんに回復能力を持つアーシアさん、グレモリーの才女と呼ばれるリアス先輩に雷を操る朱乃先輩!こんなにも格上の存在に、誰もが出来るようなトレーニングで勝てると思ってるわけ!?全くもって足りないのよ!」

レイヴェル「聖様!言い過ぎですわ!」

聖「・・・勝つ為に必要なのは異常なまでのしつこさ。「絶対に止める」という尋常なまでの粘り強さが必要なの。」

匙「粘り強さ・・・」

 

私は匙君の服を離してバグルドライバーを装着する。しつこさを叩き込むにはこっちの方がいいしね。

 

聖「立ちなさい。あなたに教えてあげる。尋常なまでのしつこさを。」

匙「やってやる・・・!やってやるよ!!兵藤達に勝つために!」

 

デンジャラス・ゾンビ

 

聖「グレード10。変身!」

 

ガシャット!バグルアップ

デンジャラス・ゾンビ!

 

聖『来なさい!己の命を賭けて!!』

匙「うおおぉぉぉ!!」

 

匙君が突っ込んで来たところで私は鳩尾に狙いをすましてパンチを繰り出し見事、匙君は吹き飛ぶ。さあ・・・とっとと立ち上がれ・・・

 

匙「ゴホッゴホッ・・・まだまだァ!!」

聖『そうよ!それでいい!!』

 

私はレイヴェルの事も忘れ、匙君に教える。執念深い事がどれ程戦いにおいて有効的なのかを。それを本能的には理解しているのか、私が数発殴っても一発は返してくる。そのひとつひとつに想いが乗り私は幾度と無く吹き飛ばされるもデンジャラス・ゾンビの能力で復活しては、また匙君に殴り掛かる。

 

アザゼル「っ!おい、聖!やめろ!!」

ソーナ「匙!やめなさい!」

ガブリエル「2人とも、そこまでです!」

 

おじさんやガブリエル様、シトリー眷属のみんなが止めようとするもその制止を聞かず私と匙君は攻撃を続ける。まだだ・・・!もう少し・・・!もう少しで・・・!!

 

匙「ゴホッ・・・」

聖「っ!ハアッ!!」

 

匙君が吐血したのを見逃さずに鳩尾を的確に拳で抉ろうとするも、数多の光の槍で貫かれ逆に吹き飛ばされる。鎧のあらゆる場所に穴が開き倒れるもすぐさま修復されゾンビの様な動きをしながら復活を果たす。

 

聖「はあ・・・はあ・・・」

ソーナ「匙!大丈夫ですか!?」

匙「俺は大丈夫です・・・!だから、手を出さないでください・・・!」

仁村「ちょっと、先輩!何を!」

匙「今、聖さんは教えてくれてるんだ・・・!!俺が兵藤に勝つために必要な事を!だから、お願いします!」

翼紗「元士郎・・・」

聖「さあ、来るなら来なさい!」

ソーナ「・・・わかりました。それなら、私達もご教授願いましょう。」

匙「会長!」

ソーナ「主としての命令です。・・・それに、あなただけが強くなりたいと願っているわけではないのですよ。」

椿姫「そうです。匙、ここからは私達とのコンビネーションも含まれてきます。」

翼紗「そうだ、元士郎。お前だけ強くなるなんて絶対に許さないぞ。」

仁村「そうです!」

匙「みんな・・・!」

聖『だったら、しっかりと一人一人に教えてあげる・・・!不死身だけがゾンビの能力じゃないのよ!!』

 

私は意志を持たない、デンジャラス・ゾンビを人数分量産し私は匙君に再度攻撃を仕掛ける。それから、夕方までずっと戦い続け執着が戦闘においてどれだけ重要かと言うことを直接分からせて訓練を終了した。後日、レイヴェルさんに今までに無いほど怒られたけど甘んじて受け入れた。



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53話

聖「ゴホッゴホッ・・・はあ・・・はあ・・・」

 

絶賛私は全身を痛ませての吐血中。何故かと言うと、先日使ったデンジャラス・ゾンビが原因です。言ってしまえば副作用。劇中の檀黎斗はなんともないような感じだったけど、それにしても不味い・・・。これ以上使えば特典関係なく本当に死ぬ・・・。でも、あの計画はまだ早すぎる・・・。それに、グレードXにも到達させないと。仕方ない、もう少し無理をするか・・・

 

レイヴェル「聖様、おはよ・・・って、聖様!?だ、大丈夫ですの!?」

聖「あ、おはよ、レイヴェル・・・・。ゴホッゴホッ・・・」

レイヴェル「と、とにかく医者を!」

聖「待って!大丈夫だから・・・!」

レイヴェル「しかし!」

聖「ガシャットを使い過ぎただけだから・・・」

 

うぅ・・・キツいけど立ち上がらなくちゃ・・・今日はレイヴェルに教えてあげる番だし・・・。いや、本当は昨日教えてあげるつもりだったけどすっかり忘れてたし・・・。私は壁を頼ってなんとか立ち上がる。はあ、怠・・・。とりあえず歯磨きしよ・・・

 

レイヴェル「ほ、本当に大丈夫ですの・・・?無理は・・・」

聖「大丈夫だって。ほんの一瞬だけだったから。」

レイヴェル「・・・では、そのお言葉を信じます。」

聖「ありがとう、レイヴェル。」

 

私は歯磨きとうがいを済ませ、とりあえず口の中をスッキリさせる。うん、血の味はもうしないな。これなら、何時でもレイヴェルとキス出来る。

私は念の為でゲーマドライバーと正規版のマイティアクションXとマキシマムマイティXを持つ。これなら何かあっても対応出来るし。いや、生身でも覇気があるからいけるけど念には念を入れなきゃだし。

 

聖「よし、それじゃあお願いね。」

レイヴェル「はい!お任せ下さい!」

 

レイヴェルが大型の魔法陣を展開すると、次の瞬間には広大な草原。うん、転移魔法って死ぬほど便利。私は持っていたバックを下ろして軽く体をほぐす。

 

聖「さて、レイヴェル。体術はどれくらい習得してる?」

レイヴェル「体術ですか?いえ、あまりした事はありませんわね・・・」

聖「おっけー。なら、私が教えられる範囲で、残り一週間を掛けて叩き込む。」

レイヴェル「はい!お願いします!」

 

え、何この子。本当にいい子・・・!!あぁ、やっぱり水晶のように純粋だぁ・・・!!や、やばい!私の中の檀黎斗が出てきそう!

 

聖「コホン・・・。さて、まずは・・・」

 

それからは体術の基本から教えたけど、この子吸収良すぎません?スポンジのように吸収しまくって、3日目なんて模擬戦も出来るようになったんだが?なんなら、4日目には武器の扱い方も教えたけど2日位で全てマスターしたんだが?え、天才肌過ぎない?私、3年位掛かったんだが?

 

レイヴェル「ふむ、なるほど・・・。この、ガシャコン・スパローというのはかなり使い勝手がいいですわね・・・。そして、次に使いやすいのが、ガシャコン・パラブレイガン・・・。両方をメイン武器として使え、サブウエポンとしても使える・・・。戦略の幅も広がりますわ。」

聖「ふむふむ。なるほど、なるほど。よし、レイヴェルが使うガシャットは決まったね。」

レイヴェル「え!?も、もうですの!?」

聖「この2つが使いやすいって言うならね。」

 

レイヴェルの得意なゲーム的にも、レーザーとパラドクスがベストマッチ・・・。私がやるべき事はガシャットの正規版の開発とギアデュアルの複製、ゲーマドライバーの複製、そしてレーザーターボになる為のガシャット・・・。うん、忙しい。でも、やれない事は無いし大丈夫っしょ。・・・多分!



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54話

イッセーside

 

タンニーン『うむ、これで終了だ。』

イッセー「は、はいぃ・・・」

 

絶賛、俺は地面に大の字でぶっ倒れている。おっさんも言ったように、ようやく20日間の修行が終わった・・・!この20日間が地獄だったけど、俺はなんとか乗り切った!!女の子と触れ合えないというのがこんなに辛かったなんて・・・!!でも、小猫ちゃんは大丈夫なのかな・・・?いや、きっと大丈夫だ。

 

タンニーン『俺の背中に乗れ。送ってやる。』

イッセー「ありがとう!おっさん!」

 

俺はタンニーンのおっさんの背中に乗ってグレモリー城まで送って貰った。途中で下ろしてもらい、沢山の荷物を持って歩いていく。ちなみに、修行前の俺の格好はジャージだったけど、今は上半身半裸でズボンはかなり破れている。まあ、あんなサバイバルを経験したらな・・・

 

アーシア「あ!イッセーさん!」

イッセー「アーシア!久しぶりだな!」

アーシア「はい!って、なんで裸なんですか!?」

イッセー「ああ、これ?実は燃えちゃって・・・」

アーシア「燃えた・・・?火事・・・?」

 

うん、絶対に言えない!ドラゴンに火を吹かれながら地獄の鬼ごっこをしてたなんて!

 

リアス「あら、イッセー。20日間、お疲れ様。」

イッセー「部長!お久しぶりです!」

リアス「ええ。ふふ、逞しくなったわね。」

イッセー「はい!何とか生き残りました!」

リアス「そう。帰ってきて早速なのだけれどいいかしら?」

イッセー「?何かあったんすか?」

リアス「・・・聖さんを部屋から出すのを手伝ってくれないかしら?」

 

部長の一言を聞いた瞬間、俺は目眩がした。あいつは、貴族の家で何してんだよぉぉぉぉ!!!!

 

 

 

 

 

 

レイヴェルside

 

レイヴェル「ちょっと、聖様!!いい加減、出てきてくださいまし!!」

 

・・・・・

 

はあ・・・。戻ってきたと思ったら部屋に籠るなんて・・・。聖様の事ですから、多分ゲームを作っているのでしょうが、流石にここはグレモリー家。追い出されても文句を言えません。あ、リアス様が戻ってきましたわ!って!!

 

レイヴェル「い、イッセーさん!?な、何故上を着てないのですか!!///」

イッセー「え?あ、いや、聖が閉じこもってるって聞いて急いでて・・・」

レイヴェル「は、早く服を着てください!///レディーの前で裸なんて!///」

 

バタン・・・

 

レイヴェル「え?」

リアス「い、今の音は・・・?」

イッセー「この部屋から・・・?」

アーシア「で、ですね・・・」

 

な、なんでしょうか・・・?も、物凄く胸騒ぎがしますわ・・・。ま、まさか・・・!!

 

レイヴェル「聖様!聖様、返事をしてください!!」

イッセー「おい、聖!」

リアス「今すぐこの部屋の鍵を持ってくるわ!」

アーシア「聖さん!返事をしてください!聖さん!」

 

だ、ダメですわ・・・!へ、返事がない・・・!私は嫌な想像しか浮かばない。当たって欲しくない想像しか・・・!り、リアス様が戻ってきた!

 

リアス「持ってきたわ!」

レイヴェル「聖様!」

 

リアス様が鍵を開けた瞬間に私はすぐさま部屋へ入った。嫌な想像を振り払い、いつもの様に笑ってくれる聖様を思い浮かべる。しかし、現実はそう甘くは無かった。椅子から落ちたのか、椅子と共に倒れている聖様を見た瞬間、私の頭は真っ白になった。な、何故・・・?あの赤い物は血・・・?

 

レイヴェル「い、嫌ァァァァァ!!」



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55話

聖side

 

???「ほら、飲めよ!」

???「なんだ、飲めねえのかよ!」

 

またこの夢・・・?

 

???「おい、寂しい弁当だなぁ!」

???「ほら、私達がカラフルにしてやるよ!」

???「あはははは!ちゃんと食べなよ!」

 

もう嫌だ・・・

 

???「あはははは!」

???「ほら、飛べよ!」

 

誰か・・・助けて・・・!

 

私がそう叫んだ瞬間、どこからか手が伸びてくる。白い・・・でも、どこか見覚えのあるて手。誰でもいい・・・!この地獄から・・・!!

 

 

私を救って・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖「はっ!!」

 

あ、あれ・・・?ここは・・・?私は確か戻ってきて、ゲーマドライバーをなんとか作り上げてそれで・・・。思い出そうとすると、突然気持ち悪さを感じる。胃の方から何かが物凄い勢いで上がってくる感覚・・・。抑えようとすると遅く、全て吐き出してしまう。シーツ等は全て真っ赤に染ってしまった。やば、怒られるかな・・・。そんな事を思ってるとドアをノックされた。

 

聖「はい・・・」

ローゼン「失礼します。聖様、お身体・・・の方は大丈夫ではなさそうですね。」

聖「あはは・・・す、すみません・・・」

ローゼン「今、誰か「聖様!目が覚めたのですね!」・・・レイヴェル様。彼女の側へ。私は他の方を呼んできます。」

レイヴェル「は、はい。ありがとうございますわ。ローゼン様。」

レイヴェル「聖様・・・」

聖「ごめんね、迷惑掛けちゃって・・・」

レイヴェル「本当ですわ・・・!なんで・・・!なんでそんなに無茶をするんですか・・・!!」

 

ああ・・・本気で心配してくれている・・・。私、何やってんだろ・・・。ひとりぼっちになるのが怖いくせにわざわざ自分からひとりぼっちになろうとして・・・。

でも、私はひとり。この、『ハイスクールDxD』という世界において、私以上の異物は無い。なら、もう消えてしまおう。私は所詮、たんなる害。みんなの記憶を消して居なくなってしまおう。・・・でも、レイヴェルだけには話しておきたい。こんな私を愛してくれているレイヴェルには・・・

 

聖「・・・レイヴェル。今からとっても大事な話をしていい?」

レイヴェル「え?」

 

ステージ!セレクト!

 

私はゲーマドライバーを装着して特殊なステージへ移動する。その場所は何も無い真っ白な空間。エナジーアイテムでさえも存在しない特殊なステージ。

 

聖「・・・私ね。ここで生まれたんだ。」

レイヴェル「な、何を言っていますの・・・?」

 

それから私は全て話した。何もかも包み隠さずに。どうせ記憶を消すからレイヴェルは覚えていない。それどころか、仮の記憶を植え付けられる。悪いけど、こうするしかないの。

 

聖「・・・これが、私の全て。」

レイヴェル「わ、私達が物語の住人ですか・・・。」

聖「ごめんね、レイヴェル。私は所詮異物でしかないの。どこまで行ってもね。」

レイヴェル「・・・前に見た悪夢というのは、聖様の過去だったのですね。」

聖「・・・うん。私は弱いの。偉そうな事を散々言っておきながらね。」

レイヴェル「・・・そんなの、私も同じですわ。誰だって、弱いものです。」

聖「私は物語を知ってた。だから対処出来ただけ。言わば単なるカンニングだよ。」

レイヴェル「・・・だからなんだと言うのですか!あなたが、その転生者だったとしても関係ありませんわ!私は貴方という人間を好きになったのですから!」

聖「・・・無理だよ。私は「無理等ありませんわ!」え?」

レイヴェル「私はあなたが転生者だとしても愛します!例えこの世界が物語だとしても、現在を生きる私には関係ありません!この愛しい気持ちも、この悲しい気持ちも、書き手程度には分かるはずありませんわ!」

聖「でも、私は・・・」

レイヴェル「私はいつものあなたが大好きなのです!笑っている所も、誰に対しても態度を変えない所も、ゲームを作っているところも、大切なものを命をかけて守る所も!その全てが好きなのです!」

聖「なんで・・・?なんで私を拒絶しないのさ・・・!私は!」

 

私が言葉を発せようとした瞬間にレイヴェルは抱きついた。力強くも優しく、そして暖かい。あの時と一緒だ・・・。

 

レイヴェル「拒絶も否定も出来るはずありませんわ・・・!だって、そんな事をする理由がありませんもの・・・」

聖「わ、わた・・・私・・・!私は・・・!」

レイヴェル「・・・もしかすれば、今この瞬間も誰かが書き残した物語かもしれません。それでも、私達は今を生きているのです。この悲しみも私達だけのものですわ。聖様・・・いえ、聖。」

 

ずるいよ・・・。こんな時に名前で呼ばれたら消えれないじゃん・・・!

 

レイヴェル「聖、勝手に居なくなったりしたら承知しませんわよ?確か、日本にはこんな言葉がありましたわね。「地獄の底まで追いかける」。もし、あなたが居なくなったとしても必ずみつけてさしあげます。安心なさってください、私は悪魔ですから地獄を知り尽くしております。」

聖「分かった・・・。もう、私は居なくなったりもしない。この世界で過去を捨てて生きていく。みんなと一緒に。」

レイヴェル「そうですわね。・・・まだ、聖を抱きしめていても?」

聖「奇遇だね・・・。私もまだ抱きしめられたかったんだ。」

 

レイヴェルは私を認めてくれた。もう、私はこの世界の害なんかじゃない。私は、この世界でたった一人しかいない兵藤聖。もう過去は全て捨て去った。私はこの世界でみんなと道を歩む。絶対に。



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56話

私とレイヴェルは1時間程何も無いゲームエリアで過ごし、部屋に戻ってきた。おぉ、さっき吐血したシーツが綺麗になってる・・・。ごめん、メイドさん。

 

レイヴェル「では、リアス様達の所へ参りましょう。」

聖「だね。あ、私の事は秘密ね。」

レイヴェル「ふふ、当然ですわ。その代わり、きちんと私の想いに答えてくださいな。」

聖「分かってる。でも、心の準備はさせてね。」

レイヴェル「当然ですわ。」

 

こんな感じでイチャイチャしながらリアス先輩達の所へ向かう。うん、絶対怒られるわ。吐血してぶっ倒れて、起きたと思ったら居なくなってる。はあ、憂鬱・・・

重い足取りの中、とうとう到着してしまった。はあ・・・。意を決してドアを開けると、部屋の空気がとんでもなく重かった。え、なに?誰か死んだ・・・?

 

イッセー「ひ、聖!か、体は大丈夫なのか!?」

聖「うぇ?う、うん、まあ・・・」

アーシア「よ、よかったです・・・!こ、このまま死んでしまうのかと思ってました・・・!」

聖「あ、部屋の空気が重いのって私が原因・・・?」

レイヴェル「その通りですわ。全く・・・」

 

うわ、めっちゃ気まず。

 

リアス「とにかく、プロトガシャットは禁止よ。」

聖「いえ、それは出来ません。データが足りませんから。」

イッセー「お前!あんな目にあってまだ!」

聖「どうせ、私はもう1年も生きられない。なら、ギリギリまでデータを収集するよ。正規版を作る為にもね。」

アザゼル「お前は長生きしようとは思わねえのか?」

聖「あ、おじさん。別に興味無いよ。どうせ、人間の身だから100年も生きられないし。まあ、もう少し生きなきゃいけなくなったから生きるけど。」

アザゼル「だが、1年も生きられないんだろ?どうするつもりだ?」

聖「死んだ時の事も考えてるよ。まあ、人間じゃ居られなくなるけど、別に拘ってはいないし。」

アザゼル「はあ・・・。お前ほど生に対して興味を持たない人間はいないだろうな。まあいい。今日はパーティがあるから、護衛として出席してくれ。」

聖「は〜い。」

 

ここでアニメなら、黒歌と兄さんが戦っている時に悪神ロキが来るんだっけ?でも、小説だと特に何も無かったような・・・。いや、既に原作ぶち壊したから他が来るかも・・・。うん、とりあえずギアデュアルとマイティアクションXオリジンとプロトガシャット、幾つかの正規版、ゲーマドライバーでいいか。

 

レイヴェル「さ、聖。早速、参りましょうか。」

聖「え?どこに?」

レイヴェル「私の家ですわ。」

 

はあ!?なんで!?いや、前に行ったじゃん!え、何しに行くの!?

 

リアス「あら、フェニックス家で用意するの?」

レイヴェル「ええ。既に用意は終わっていますわ。」

聖「え、用意ってなんの?爆弾?え、体に爆弾巻くの?」

朱乃「うふふ、違いますわ。ドレスです。」

聖「ド、ドレス!?え、なんで!?別にせ「制服でいいと言うなら、叩きますわよ?」いや、酷くない!?え、いつからそんなに暴力的になったの!?」

リアス「アーシア達の分も用意してるから安心しなさい。」

アーシア「わ、私達もですか!?」

ゼノヴィア「ドレスか・・・そう言えば、着た事がないな・・・」

ギャスパー「ど、ドレス・・・!か、可愛いのがいいなぁ・・・!」

 

いや、なんで乗り気!?え、何故戸惑わないの!?てか、ギャスパー君は着る気満々なんだね!いや、似合うだろうけど!

 

レイヴェル「さ、早く行きますわよ。」

聖「い、いでででで!い、行くから!行くから耳を引っ張らないで!!」

 

そんな訳で耳を引っ張られたままフェニックス家へ連行された私。本当にずっと耳引っ張られてたんだが?とんでもなく痛かったんだが?まあ、廊下を歩いている今も引っ張られてるんだけど・・・てか、なんか、慌ただしいな・・・

 

レイヴェル「何かあったのでしょうか・・・?」

聖「まあ、普通の慌ただしさじゃないよね。」

メイド「れ、レイヴェルお嬢様!た、大変です!ライザー様が・・・!」

レイヴェル「・・・どうしましたの?」

メイド「ライザー様が自主鍛錬を始めたのです!」

レイヴェル「はあ!?」

 

え、何故に?確か、この頃ってまだ引きこもってたよね?え、なんで?

 

レイヴェル「な、ななな何がありましたの!?」

メイド「わ、分かりません!と、突然部屋から出たと思ったら木剣を持って素振りを始めたのです!」

レイヴェル「ぼ、木剣!?」

聖「え、私のせいとかじゃないよね・・・?」

レイヴェル「と、とりあえず、聖のドレスをお願いしますわ。私は様子を見てきますので!」

 

あ、珍しく走っていった。ドレスだからめっちゃ走り辛そうだけど、コケはしないかな。にしても、あのライザーが自主錬って・・・。後が怖いなぁ・・・。そんな事を考えながら私はメイドさんの後を着いて行き、衣装室らしき所に案内されてドレスを見せられたけど・・・。赤と至極色って・・・。絶対、フェニックスの炎とゲンムを意識したな?

 

聖「あ、あの・・・締めすぎてキツイんですけど・・・」

メイド「我慢なさってください!レイヴェル様のお連れの方だというのに、みっともない格好などさせられません!」

 

まって、ドレスってこんなにキツく締めるもんなん?それらしい理由言って、ただの嫌がらせじゃない?まって、マジでキツイって!

 

メイド「さあ、出来ました!とてもお似合いですよ!」

聖「いや、似合う似合わないは別にいいんだけど・・・」

 

マジでコルセットがキツイ・・・。本格的にイジメを疑うが?やっぱり、庶民には普通の格好が1番です。戻ってきたレイヴェルにはちょっと引く位感動されたのは別のお話。



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57話

聖「マジでキツい・・・。全身バラバラになる・・・」

レイヴェル「我慢なさってください。数時間で終わりますわ。」

 

そんな訳で現在は会場。兄さん達とは当然別で入る。つか、ハイヒールなんて履いたこと無かったけど、めっちゃ足痛い・・・。てか、何をそんなにジロジロ見てるん?え、なに、そんなに人間って珍しいか?あ、ミリキャス坊やじゃん。パーティにいたんだ。

 

ミリキャス「聖様!」

聖「やっほー、ミリキャス坊や。パーティに参加してたんだね。」

ミリキャス「はい!ひ、聖様の着ているドレスなんですが、とてもお似合いです!」

 

お、おぉ・・・な、なんか、凄い食いついてくんな、このショタ。

 

聖「あ、ありがとう。私、一応仕事で来てるからもう行くね。」

ミリキャス「あ、そ、そうですか・・・」

 

そ、そんな悲しそうな顔しないで貰えないかな・・・?レイヴェルなんて嫉妬の炎すら見えるし・・・。てか、こんなショタに嫉妬しないで貰えます?

 

聖「ごめんね、ミリキャス坊や。多分、色んな偉い人と会わなきゃいけないから相手が出来ないの。今度、来た時に遊んであげるからさ。」

ミリキャス「ほ、本当ですか!?や、約束ですからね!」

聖「う、うん。」

 

そう言ってミリキャス坊や他の悪魔達の所に行った。はあ、疲れる・・・。とりあえず、レイヴェルの頭を軽く撫でて私はおじさんの所へ向かう途中、見知った顔を見つけてしまった。

 

聖「あ、サイラオーグさん!お久しぶりです!」

サイラオーグ「む?聖か。会合以来だな。」

聖「はい!なんか、また筋肉大きくなりました?」

サイラオーグ「鍛えているからな。お前の方は大丈夫なのか?リアスからは吐血して倒れたと聞いていたが。」

聖「ああ〜、倒れましたね〜。まあ、単なる過労なんで気にしないでくださいよ。」

サイラオーグ「そうか。それにしても、面白いドレスだな。似合っているぞ。」

聖「ありがとうございます。フェニックス家が用意してくれたんですが、正直動き辛いんですよねぇ〜。まあ、私には文句を言う権利はありませんけどね。じゃあ、私、仕事があるので。」

サイラオーグ「ああ。それと、前の約束。いつまでも覚えている。俺とやりたいならいつでも連絡するといい。」

聖「はい!では!」

 

うん、やっぱりディオドラはいないな。やっぱりあの時のアイツはディオドラだったか。まあ、バレたら私がやばいんだけど・・・。あ、おじさん達みっけ。

 

アザゼル「おう、来たか。こっちの爺さんは北欧の主神のオーディンだ。」

聖「お初にお目にかかります。オーディン様。兵藤聖と申します。」

オーディン「ほっほっほ。よろしく頼む。それにしても、いい女子じゃのう。胸がもう少し「スパーン!」」

ロスヴァイセ「ちょっと、オーディン様!あなたは何を言っておられるのですか!」

聖「いえいえ、構いませんよ。言われるだけなら。触ろうもんなら、干からびるまで全て搾り取るので。」

 

ま、これで笑いは取れたやろ。って、あれ?なんで、少し顔を青くしてるの?私の中では面白い方のジョークだったんだけど・・・

 

アザゼル「おい、聖・・・。お前、それは笑えないぞ?前科持ちだってこと、忘れんなよ?」

聖「え、ごめん。なんで、私怒られてるの?てか、そこの銀髪のお姉さん可愛いですね!今からお茶しませんか!?」

ロスヴァイセ「な、何を言ってるんですか!あなたはまともだと聞いていたのに!」

聖「あ、そういえば、おじさん。私って誰の護衛するの?」

アザゼル「オーディンの爺さんの護衛だ。」

オーディン「まあ、儂の予想が正しければあのバカが来るだろうからのぅ・・・」

 

おや?これは確実にロキが来るのでは?あ、兄さんとリアス先輩が外に走って行った。イベントの開始か。私はいつでも動けるように見聞色の覇気を研ぎ澄ませ、右手にギアデュアルを持つ。ゆっくりと目を閉じその瞬間を待つ。

 

サーゼクス「それでは、オーディン様。問題が無ければ手を。」

オーディン「うむ。」

 

魔王様の長い話が終わりオーディン様が手をかざそうとした瞬間、遂に動き出す。殺意を全く込められていない魔法を感知し、私は足に武装色と覇王色を纏い上へ蹴り飛ばす。あ、天井を貫通した。ま、払ってくれるじゃろ。

 

アザゼル「おい、聖!お前、突然何を!」

聖「私は仕事をしてるだけだよ。ねえ、突然攻撃を仕掛けてくるこわ〜いおじさん?」

ロキ「ふむ・・・まさか、人間に見破られるとは思いもよらなかった。」

ロスヴァイセ「な!?ロキ様!」

オーディン「やはり、来たか・・・。このバカもんが。」

ロキ「オーディンよ。私は他神話との和平は反対だと強く意見したはずだが?」

オーディン「儂も言ったはずじゃよ。いい加減、引きこもるのには飽きたとな。」

ロキ「では仕方ない・・・今、この時よりラグナロクを開催しよう!いでよ、我が息子フェンリル!!」

 

魔法陣から超デカい狼が出てきた!?マジか、こんなのあったっけ!?てか、レベル50?おかしい・・・。確か、フェンリルって言えば、この世界でもトップ10に入る猛者のはず・・・力を封印されている?でも、何のために・・・。とりあえず!

 

聖「おじさん!魔王様!私があの狼とやるから手を出さないで!」

ロスヴァイセ「な、何を言っているんですか!あの狼は!」

アザゼル「ああ!頼んだぞ!アイツの牙と爪には気をつけろ!」

ロスヴァイセ「ちょ、アザゼル総督!?」

聖「変身!」

 

DUAL UP!

PERFECT PUZZLE

 

私はパズルゲーマーに変身して、すぐさまエナジーアイテムを操り、VIPの人達に鋼鉄化を付与する。これで、一度は大丈夫だけど・・・

 

フェンリル『アオォォォォォン!!!』

聖『うおっ!』

 

速!?え、こんなに速いの!?一応、カウンターを決めはしたけどそこまでのダメージじゃないな・・・。やっぱり、パーフェクトパズルだと相性が悪いか・・・。なら!私はギアデュアルを回し『KNOCK OUT FIGHTER』を選択する。そして、私の背景に新たなゲーム画面が現れる。

 

KNOCK OUT FIGHTER!

 

The strongest fist!”Round1″Rock & Fire

 

聖『大変身!』

 

DUAL UP!

Explosion Hit!

KNOCK OUT FIGHTER

 

後頭部の方に付いていた顔が反転し、胸のセレクテッドモニターは燃え盛る炎のような画面に変わり、肩に付いていたマテリアライズショルダーが腕の方に来て、マテリアライズスマッシャーへとなる。

 

セラフォルー「姿が変わった!?」

聖『パラドクスファイターゲーマー。ノックアウトファイターは、相手をKOするまで叩きのめす格闘ゲーム!さあ、狼!私の心を踊らせてよね!』

 

高速化!×2

 

私はたまたま近くにあった高速化のアイテムを2つ習得し、超高速でフェンリルとの接近戦をやり合う!やっぱり、こっちの方が相性いいね!マテリアライズスマッシャーで殴ると先程よりダメージが通って仰け反った!これなら!

 

KIMEWAZA!

KNOCK OUT!

CRITICALSMASH!

 

マテリアライズスマッシャーから燃え盛る炎が現れ、私は某スタンドの様に殴り続ける!ほらほら、どうした!「無駄無駄無駄無駄無駄!」って言ってみろよ!

 

フェンリル『キャン!』

聖『ふう・・・で、まだやる?』

ロキ「まさか、コピーとはいえフェンリルを倒すとは・・・ん?」

 

あ、ロキの体が魔法陣でグルグル巻きにされてどこかへ飛ばされた。後ろを見ると、凄い装飾を着た魔王様の手には魔法陣が展開されている。あれが、アジュカ・ベルゼブブか・・・。確かにイケメンだけどあんまりタイプでは無いな。そもそも、何考えてるのか分からんし。少しして、リアス先輩達も戻ってきた。やはり黒歌達が襲撃してきたらしいけど、なんとか撃退出来たみたい。良かった、良かった。



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58話

シェムハザ「いいですか!これは完全に悪魔側の失態です!」

 

ま〜た、始まった。シェムハザさんはああなったら長いしなぁ〜・・・。しかしどうするか···。多分、原作より強いな···。念の為、ハイパームテキを持っていくとして他は・・・いや、待てよ?レベル0のゲームエリアはバグスターウイルスを抑制する力を持つ。これに、神を抑制する機能を付けられれば!いや、時間が足りないな。まあ今後、過激派の死神ともやり合うだろうから、開発するに越したことはないか。

私が思考の海にダイブしてる途中、突然耳にものすっごい痛みを感じる!

 

聖「イデデデデデデ!」

シェムハザ「聖・・・。あなたは話を聞いているんですか?」

聖「ギブ!まって、ちぎれる!本当にちぎれるから!!」

シェムハザ「いいですか?あなたもアザゼルも・・・」

 

そこからは死ぬほど長〜い説教をおじさんと受けた。まあ、おじさんはとばっちりだけど仕方ないよね!ちなみに、魔王様方に助けを求めたけど、物凄い速さで目を逸らされた。うん、私じゃなきゃ見逃すね!(半ギレ)

1時間で一応の解放はされたものの疲れた・・・。つか、さっさとドレスを脱ぎたい・・・。

 

リアス「聖さん!」

聖「あ、リアス先輩・・・」

イッセー「だ、大丈夫か?お前・・・」

聖「大丈夫だと思うなら代わってよ・・・。何も大丈夫じゃないから・・・」

アザゼル「リアス、聖。悪いが今から作戦会議だ。」

聖「私はパス・・・とっとと、このドレス脱ぎたいから・・・」

アザゼル「残念ながらそうもいかん。人間界の時間に例えるなら、明日の午前0時には封印が解ける。」

 

そんな訳で再びクソ苦しいドレスを着たまま強制参加させられる私・・・。もうヤダ・・・。

結局、ドレスを脱げたのは作戦開始10分前。駒王学園の制服に袖を通してるけど、ヤバい!めっちゃ開放的!ああ···!!制服ってこんなにいいものだったんだ···!!

ちなみに今回は、仮面ライダークロニクル、バグルドライバーII、ゲーマドライバー、マキシマムマイティX、ハイパームテキ、バグヴァイザーです!え?なんでバグヴァイザーか?もし殺した時に死のデータとフェンリルをもらおうと思ってるだけですが何か?

 

リアス「みんな、準備はいいかしら?」

グレモリー眷属「「「「「はい!部長!」」」」」

ソーナ「これから戦うのは神です。しかし、誰一人として死ぬことは私が許しません。」

シトリー眷属「「「「「はい!会長!」」」」」

ロスヴァイセ「今回、ヴァルハラからは私が参加させてもらいます。指示はあなた方に従いましょう。」

聖「んじゃ、今日はノーコンティニューを目指すかな〜。」

 

ガッチャーン・・・

仮面ライダークロニクル

 

聖「変身!」

 

ガシャット・・・バグルアップ!

天を掴めライダー!

刻めクロニクル!

今こそ時は極まれり!!

 

ロスヴァイセ「な!?そ、その鎧はなんですか!?」

リアス「確か・・・クロノスと言ったかしら?」

聖『はい。さあ、そろそろ時間です。』

 

私達は時間になると強制的に特殊エリアへ転送させられた。ふむ、アニメと同じく岩が多いな・・・。あのクリスタルの中にロキ達がいるのか。あ、クリスタルが割れて出てきた。

 

ロキ「ベルゼブブめ・・・忌々しい結界を張ったものだ。」

ロスヴァイセ「ロキ様!今ならまだ間に合います!大人しく投降してください!」

ロキ「一介の戦乙女が神であるこの我に指図するとはな。行け!!我が息子達よ!!」

 

幾つか魔法陣が展開されると、魔法陣からは三匹のフェンリルとクソデカい蛇型の龍が現れた。確か、フェンリル、ハティとスコル、ミドガルズオルムだっけ?

 

リアス「まさに伝説の魔物だらけね。」

ソーナ「流石にコピーでしょうが、ミドカルズオルムまでいるとは・・・」

聖『二匹の狼は私が貰います。他はお願いしても?』

イッセー「分かった!部長、行きましょう!」

リアス「ええ、そうね。お願いするわ、聖さん。朱乃と私はミドカルズオルムをやるわね。ゼノヴィア、祐斗、小猫はもう片方のフェンリルをお願い。イッセーはロキの牽制を。でも、深入りはダメよ。ロスヴァイセさんだったわね?イッセーの援護をお願い。」

「「「「「はい!」」」」」

ソーナ「私と椿姫でリアス達のフォローをします。みんなは兵藤君のフォローとフェンリルの牽制を。」

「「「「「はい!」」」」」

聖『大丈夫。死んでも、私とおじさんでサイボーグにして甦らせるからね〜。』

「「「「「「嫌だよ!!」」」」」」

 

お、おう・・・みんなからの総ツッコミってこんなに煩いのか・・・。ま、作戦開始だね。私はバグヴァイザーIIをチェンソーモードで右腕に装着し、左腕にはビームガンモードでバグヴァイザーを装着。さて、クロノスの力が『ポーズ』だけじゃないってのを見せるか。襲ってくる二匹のフェンリル(多分、ハティとスコル)の攻撃避けながらカウンターを狙う。お、一匹に入った。

え?なんでポーズを使わないか?確かに使えば素早く終わるだろうけどそれじゃあ意味が無い。グレモリー眷属とシトリー眷属の株を上げつつ力を蓄えさせないと、後々の物語に影響が出てくる。絶対に。だからこそポーズは使わない。

まあ、流石に死にかけたら使うけどさ。

 

聖『ハァ!!』

ハティ、スコル『キャン!』

 

私の蹴りで片方のフェンリルを吹き飛ばしもう片方の牙を折る。うん、まあまあかな。あ、怒った。

 

ハティ、スコル『グルルルルル・・・』

聖『さあ、もっと楽しもうよ。命懸けのゲームを。』

 

私の言葉を皮切りに二匹は更に速くなる!けど、関係ないね!私はバグヴァイザーをチェンソーモードにして二刀流で挑む!フェンリルの爪を弾いて蹴りを入れようとするも躱されまたもや攻撃するも私が弾くという、攻防が1分程続き、両者共に離れる。でも、時間はかなり稼げた。クロノスのグローブとシューズには攻撃を与える度に変身者の攻撃力を10%アップさせる機能を持ち、時間経過と共に防御力をアップさせる機能もある。なんなら、100t以下の攻撃は全くダメージにはならないし。

 

聖『さて、そろそろ終わらせるか。』

 

ガッチャーン・・・

キメワザ・・・

クリティカル クルセイド・・・

 

ハティ、スコル『アォォォォォン!!!!』

 

何かを感じとり速攻で終わらせようと焦ったのか一瞬で距離を詰めてくるも、回し蹴りをモロに喰らって二匹共、ピクリとも動かなくなる。すぐさまバグヴァイザーで魂を回収。よし!これでいいペットが出来た!

そんな事を考えていると、硬い何かが地面に大きく打ちつけられる音がして見ると、兄さんが地面に叩きつけられてる!?っ!ま、マズイ!ロキが魔法を!!私はクロノスのシューズのおかげで兄さんの所でひとっ飛びで行け、倒れている兄さんの前に立ち、ロキの攻撃から守る!

 

聖『兄さん!無事!?』

イッセー『聖!フェンリルは!?』

聖『大丈夫。なんとかしたから。まだやれる?』

イッセー『ああ!』

ロキ「人間が二度もフェンリルを倒すとは・・・。貴様のような存在を放っておけば、我らにも害となるな。」

 

なんだ、あの魔法陣・・・?っ!!く、苦しい・・・!ロキの展開していた魔法陣を見た瞬間、私の胸は締め付けられるように痛みが広がる・・・!まさか、これは呪い・・・!!

 

ロキ「あと数分もしないうちに、我の呪いは発動し貴様の魂は消滅するだろう。解呪するには我を殺すしかあるまい。」

イッセー「な!?てめぇ!!」

ロスヴァイセ「ロキ様!そんなことをしては、北欧は!」

ロキ「これからラグナロクを起こすのだ。どうなろうと構わんだろう。」

聖『なるほどね・・・。手柄は兄さん達に譲ろうと思ったけど背に腹はかえられないか・・・』

 

私は変身を解除してゲーマドライバーを装着する。そのままマキシマムマイティXへと変身するも、呪いのせいで力があまり湧かない・・・。まあ、関係無いけどね・・・!!

 

ロキ「そんなもので我を倒せるとでも?ましてや、貴様のような人間風情が神を消滅させられるはずもない。貴様の死は既に決まっているのだ。」

聖『人間を舐めんのも大概にしなよ、神様・・・!!』

 

 

ハイパームテキ!

ドッキンーグ!

聖『ハイパ〜!大変身!!』

 

私がハイパームテキスイッチを押し込むと、マキシマムゲーマーごと私の体が黄金に輝き、 それを確認して飛び立つ。

 

パッカーン!

ム〜テ〜キ〜!!

輝け!流星のごとく!

黄金の最強ゲーマー!

ハイパームテキ!エグゼイド!!

 

私はマキシマムゲーマーから飛び出し、黄金に輝く最強の戦士へと変貌を遂げる。さて!

 

聖『さあ!ノーコンティニューで、クリアしてやるわ!!』

ロキ「呪いが消えただと!?あ、ありえん!!」

 

私は一瞬でロキに近付き連続のパンチを与える!防ごうが、躊躇なく殴り全ての防御魔法陣を砕いてロキにパーフェクトの攻撃をプレゼント!途中、ロキからの攻撃も来るけど受けてもなんともない。そりゃ、そうだ。なんせ、ハイパームテキはあらゆる攻撃も状態異常も無効化するんだから!!

 

ロキ「うぐっ・・・!なんだ、それは!!何故、神である私が!!」

聖『ハイパームテキは、ムテキの主人公が無双するゲーム!そして、私のムテキ時間は無制限!!』

ロキ「ゴハッ!!」

イッセー『ドライグ!!』

ドライグ『行け、相棒!!』

 

私が殴った直後に、兄さんは15回のパワーアップを遂げて、『ドラゴンショット』を放つ。ロキは上手く避ける事が出来るはずもなくモロに喰らい無様に地面に倒れ伏す。

 

ロキ「人間風情が!!薄汚いドラゴン風情が!!」

聖『フィニッシュは!』

イッセー『必殺技で決まりだ!!』

 

キメワザ!

ハイパー!クリティカル!

スパーキング!!

 

ガシャット!

キメワザ!

マイティ!クリティカル!

Booster!!

 

私は再びハイパームテキスイッチを押して必殺技を発動させ、兄さんは正規版のマイティ・アクションXを差し込んで必殺技を発動!って、なんで持ってるの!?私、貸した覚えないんだが!?まあ、今は置いとこう!とりあえず、こいつを!!

 

聖、イッセー『ハア!!』

 

私と兄さんは同時にライダーキックをかますも、当然防がれる。それを見越して、2人で連続蹴り、ラッシュ、頭突き等あらゆる攻撃を繰り出し、ロキの背後へ着地する。ちなみに、兄さんは盛大に転けた。

 

ロキ「ふっふっふっふっ・・・クックックックックッ!我も舐められたものだ!その程度の攻撃で倒せるとでも思ったか!!」

ロスヴァイセ「くっ・・・!やはり、効いていない!」

イッセー『う、嘘だろ!あ、あれだけの攻撃が!』

ロキ「人間よ!お礼というのはしっかりと返さねばなるまい!!」

聖『・・・その必要はないよ。だって、ゲームは終わったもの。』

ロキ「なに・・・?っ!!ゴハッ!な、なんだ・・・!?」

ロスヴァイセ「HIT・・・?」

 

ロキの周りからは時間差で1つのHITエフェクトが現れる。しかしその1つが現れた瞬間、全身のあらゆる場所からHITやGREAT、PERFECTのエフェクトが現れる。これこそが、ハイパームテキの力。まさに、チートそのもの。

 

究極の一発!!

 

ロキ「こ、この我がァ!!人間に負けるなどォ!!」

 

完全大勝利!!

 

ロキの体からエフェクトが消える頃には、ほぼ裸族の様になっており、完全に意識も失っている。私は変身を解いた瞬間に、フェンリルがこちらに向かってくるも、鼻先まで来た時全身を鎖でグルグル巻きにされフェンリルは地に落ちる。

 

黒歌「にゃはは〜。上手く釣れたにゃ。」

イッセー「な!?黒歌!!」

小猫「黒歌姉様!何故、ここに!!」

黒歌「私達のリーダーがフェンリルを欲しがったからねぇ〜。」

リアス「なんですって!?」

 

あ、リアス先輩達も来た。つか、ミドガルズオルムは死んだフリしてんな・・・。多分、隙を見て襲ってくるだろうけど覇王色で脅かすか。

 

聖「ねえ、黒猫さん!ヴァーリ君に伝言をお願いしたいんだけどいい?」

黒歌「にゃ?伝言?」

聖「あんまりオイタばっかしてたら、『姉さん』が来るって伝えて!」

黒歌「?どういう意味かは分からないけどいいわ。伝えてあげるにゃん。それじゃあ、see you。」

 

あ、黒歌が消えた。そして、戦闘終了の雰囲気が流れ、私以外が油断した瞬間、ミドガルズオルムが起き上がりリアス先輩とソーナ先輩を丸呑みしようとする。

 

イッセー「っ!部長!!」

匙「会長!!」

リアス、ソーナ「え?」

 

2人の目の前までミドガルズオルムが迫る寸前で突然ミドガルズオルムの動きが止まる。それは当然、私が本気で覇王色の覇気を解放してるから。ミドガルズオルムは恐怖にしがみつかれたように後退りし、その目は『絶対に勝てないという絶望』に染まっていく。

 

聖「・・・寝てろ。」

ミドガルズオルム『ぐ、グオオォォ・・・』

 

小さく泣いた後、そのミドガルズオルムは体を支えきれず、そのまま倒れ白目を向いて気絶した。呆気ないな・・・。てか、覇王色ってやっぱり雑魚狩りに適してんな・・・。

 

ロスヴァイセ「あ、あなた!い、今、何を!!」

聖「何って威圧しただけですよ。いつの間にか、出来てた技です。ちなみに、『覇気』って私は呼んでます。」

ソーナ「・・・あなたなら1人でロキ神達を屠る事が出来たのでは?」

聖「ええ、まあ。なんなら、最初にロキ神が出てきた瞬間にポーズを使って完全消滅させることも出来ましたよ。まあ、やらなかったのは欲しかったものを手に入れるためですけど。」

リアス「欲しかったもの・・・?」

聖「これですよ。」

 

私がバグヴァイザーを少し弄り、誰もいない所に向けると倒したはずのハティとスコルの兄弟が現れる。みんなは驚きながらも再び戦闘態勢を取った。

 

イッセー「お、おい!どういう事だよ!フェンリルは倒したって!」

聖「倒したよ。これは、言ってしまえばフェンリルのデータ。まあ、神殺しの牙と爪は健在だけど本物じゃない。なんなら、思考ルーチンを書き換えたから今では私のペットだよ〜。」

 

私がハティとスコルを撫でると余程嬉しかったのか、私の周りを二匹でしっぽを全力で振りながら回ってる。うん、めっちゃかわいい。まあ、みんなの顔は引き攣ってるけど。またいつもの微妙な空気でロキ戦は終了した。



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59話

そんな訳で、私達は特殊エリアから戻ってきた。ん〜!ようやく、休める〜!まあ、休む前にお仕置しなきゃだけど・・・。ちなみに、ハティとスコルはバグヴァイザーの中。まあ、アーシアさんとレイヴェルの使い魔にしようと思ってるけど。

 

レイヴェル「聖!」

聖「あ、レイヴェル〜!ただいま〜!」

アーシア「イッセーさん!」

イッセー「アーシア!」

 

私はレイヴェルと、兄さんはアーシアさんと感動の再開を果たしたかのように抱き合う。あぁ・・・レイヴェルのおっぱいは至高だ・・・!!あ、そうだ。引渡し忘れてた。いや、ロスヴァイセさんがやってくれるか。

 

聖「レイヴェル、お願いがあるんだけどいい?」

レイヴェル「?私に出来ることなら大丈夫ですわ。」

聖「じゃあ、私の部屋から色の着いたガシャットを持ってきて欲しいの。それと、兄さんはそのまま動くな。」

 

密かに逃げようとしていた兄さんを止め、レイヴェルが戻ってくるのを待つ。まあ、そこまで時間は掛からなかったけど。

 

聖「さて、兄さん。なんの事か分かるよね?」

イッセー「い、いやぁ〜・・・そ、その・・・す、すいませんでした!!」

 

わ〜、綺麗な土下座。でも、こんなんで許すほど私は優しくないんだよなぁ〜・・・。とりあえず、ゲーマドライバーを装着して正規版の爆走バイクを起動する。

 

爆走バイク!

 

リアス「聖さん!あなた、何を!」

聖「お仕置兼修行ですよ。0速。変身。」

 

ガシャット!ガッチャーン!

レベルアップ!

爆走!激走!独走!暴走!

爆走バイク!

 

私は倒れた時に開発させた、爆走バイクを使いレーザーターボへと変身する。確かに、リアス先輩に答えた通りお仕置兼修行でもあるけど、それと同時にレイヴェルに使い方を見てもらうということもある。

 

聖『それじゃあ兄さん。コンティニューしないように気をつけてね♡』

イッセー「ご、ゴメンなさあぁぁぁぁい!!!!」

 

それから私は兄さんをボコしにボコしまくった。みんなも止めなければと思う一方で疲れてる上に私には勝てないと分かっているようで申し訳なさそうな顔を兄さんに送っていた。うん、それでいい。だって、私のガシャットを勝手にパクった兄さんが悪いんだから。

 

聖「今回は手を抜いたけど、次は無いからね?」

イッセー「こ、これで、手を抜いたの!?」

聖「さて、お仕置も終わったし。レイヴェル、アーシアさん。2人にプレゼントがあるの。受け取ってくれる?」

アーシア「プレゼント・・・?」

 

私は再びバグヴァイザーからハティとスコルを顕現させる。まあ、2人なら大丈夫っしょ!

 

聖「この子達はフェンリルの子供でハティとスコルって言うの。2人にはこの子達と使い魔契約をしてもらおうと思って。まだ持ってないでしょ?」

レイヴェル「ふ、フェンリルを・・・」

アーシア「使い魔に・・・?」

聖「ボディーガードとしては破格だと思うよ?まあ、別に今すぐ決めろって訳でも無いけど。まあ、考えといて。それと、いつまでも物陰からじっと見てる訳?」

 

私が木の方を見るとぞろぞろと武装した悪魔が現れる。全く、勝てないくせして・・・。私はとりあえず、おじさんに秘匿用の連絡魔方陣を展開する。これで、会話は聞き取れるだろう。

 

レイヴェル「あなた方はなんですの?」

上級悪魔「レイヴェル嬢、リアス嬢とその眷属の方々、ソーナ嬢とその眷属の方々。我々は魔王様の命令でそこにいる人間を討伐しに参りました。」

聖「へぇ・・・。なら、ハティ、スコル。」

ハティ、スコル「アオオォォォォォン!!!!」

上級悪魔「たかだか犬ごときに我ら悪魔が負けるはずない!」

聖「みんなを守りなさい。」

上級悪魔「なんだと・・・?」

 

ゴッドマキシマムマイティX!!

 

聖「グレードBillion・・・。変身!」

 

マキシマムガシャット!

ガッチャーン!不滅〜!!

ゴッドマキシマ〜ム!X!!

 

私はゲンムレベルビリオンとなり、ゴッドマキシマムゲーマーに乗り込む。さて、叩き潰すか。二度と私に手を出そうと思わない程度に。

 

聖『コズミッククロニクル!起動!!』

 

私が手を上に翳すと悪魔たちは途端に構えるも特には起こらない。今はまだね。

 

ロスヴァイセ「コズミッククロニクル・・・?」

レイヴェル「おかしい・・・」

上級悪魔「あの姿は見掛け倒しだ!今」

 

あ、喋ってる途中に太陽に焼かれた。まあ、いいや。私は悪魔共に手を向けると、無数の小隕石に襲われほとんどが地面に倒れ伏している。

 

上級悪魔「ば、化け物が・・・!!」

聖『ゴッドマキシマムゲーマーは変身者の無限の想像力を具現化するもの。あんたら程度の雑魚が越えられるはずないのよ。』

 

ガッチョーン カミワザ!

ガッチャーン!

ゴッドマキシマム!

クリティカルブレッシング!!

 

上級悪魔「や、やめろ・・・!わ、私は上級悪魔だぞ!!」

聖『それが通じるのは悪魔のみ。私にとって、称号等塵に等しいのよ。』

アザゼル「やめろ、聖!!」

 

あ、おじさんと魔王様方が来た。超焦ってんじゃん。

 

上級悪魔「ま、魔王様!!お、お助け下さい!!」

聖『さて、魔王様。私はこの者らからあなた方から許可を貰い私を殺しに来た。そう、伺いました。それはすなわち、私への宣戦布告と捉えてもよろしいですね?』

サーゼクス「・・・いや。私はそんなことをを許可した覚えはない。その逆に絶対に手を出すなとは伝えたよ。」

聖『なるほど。つまり、こいつらが魔王様の名を勝手に使って攻撃してきたと。しかし、場合によっては敵対行動となります。今回は見逃しますがこれで2回目という事を頭にお入れください。』

 

私は変身を解除して、レイヴェルと共に借りているグレモリー城の自室へ戻った。



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60話

聖「ふへぇぇぇ〜・・・疲れたぁ〜・・・」

 

私は部屋に着いた瞬間、速攻に超フカフカベットへダイブ。ロキは北欧がなんとかするだろうけど問題はあの悪魔共なんだよなぁ・・・。

 

レイヴェル「・・・」

聖「?どうかした?」

レイヴェル「いえ・・・。あの、何故あんなに簡単に命を奪えるのですか?」

聖「・・・私にとって敵対者は排除しなければ気が済まないから。絶対の慈悲を与えず、奪われる気持ちを死ぬほど理解してもらわなきゃ。まあ、カッコつけたけど、私にとってははぐれ悪魔と同じだから。」

レイヴェル「そう・・・ですか・・・」

聖「ま、簡単に殺しちゃつまんないから蘇らせるけど。」

レイヴェル「え?」

 

私はバグヴァイザーIIを取り出し、Bボタンを長押しする。私の体内が熱く循環するのを感じる・・・。そして、私は再び認識する。私は単なる人では無いのだと。

 

リセット

 

レイヴェル「・・・?何をしたのですか?」

聖「時を戻したの。私達が帰ってきた時間までね。」

レイヴェル「時を戻した!?し、しかし、私達は・・・」

聖「ま、今頃、死んだ貴族達も驚いてるよ。だって、蘇ってるんだから。さ、レイヴェルも隣に来て。」

レイヴェル「は、はい・・・。」

 

レイヴェルは訳が分からないという感じではあったけど、私の隣に横になってくれた。あぁ、本当に可愛い・・・。てか、レイヴェルの目ってこんなに綺麗だったんだ・・・。私は我慢出来ず、レイヴェルにキスをする。嫌われたくはないけど、嫌われたなら仕方ない。唇を離すとレイヴェルは処理が追いつかずフリーズしちゃった。可愛いな、この子。

 

レイヴェル「な、え、な!」

聖「嫌だった?」

レイヴェル「そ、そんな事は!し、しかし、い、イキナリ過ぎてその・・・」

 

あぁぁぁぁぁ!!!!可愛い!!可愛すぎる!!なんなの、この子!!本当は悪魔じゃなくて天使じゃないのか!?ルイラさん!!ありがとう!!天使を産んでくれてありがとう!!

その後、色々と初めての事をレイヴェルと一緒にやった。そのスピードはレースゲームの車の様に。え?何をしたかって?それは、あなた方(読者のみんな)に任せよう。でも、とても気持ちよかったというのだけは伝えておこうかな。まあ、結果寝坊してリアス先輩に叩き起されたけど、悔いはない!

 

レイヴェル「うぅ・・・私とした事が寝坊してしまうとは・・・。」

聖「まあ、気にしないでいいじゃ〜ん。」

 

あぁ〜···。家に帰ったらまたやろうかなぁ〜···。色々と面倒な挨拶も終わったしようやく帰れる〜。でも、やっぱりそう上手い事物事が運ぶはずもない。

 

上級悪魔「おぉ、レイヴェル嬢!ようやく見つけましたぞ!」

レイヴェル「···またあなたですの?前にも言ったはずですわ。私はあなたとは婚約しないと。」

 

私とレイヴェルはグレモリー領を観光中、突然高そうな装飾を全身に付けたやつに会った。え、誰、この豚。てか、婚約?え、まさかのレイヴェルの婚約者?いやまあ、貴族の娘だし。つか、何こいつレイヴェルの体を凝視してるん?は?ぶち殺すぞ。それは私の特権だが?てか、なんかこいつの魔力混じってるなぁ・・・。ディオドラの代わりか?

 

上級悪魔「何を言っておられるのです!これは、あなたのご両親が決めたことでもあります!」

聖「ねえ、レイヴェル。これ誰?」

レイヴェル「『自称』私の婚約者ですわ。」

上級悪魔「おい、人間!!魔王様の客人だからと言ってレイヴェル嬢に話『グルルルルルル・・・』な、なんだ、この犬は!!」

聖「追いかけていいよ。」

ハティ『アオォォォォォン!!!!』

 

うん、マジでハティを連れてきて良かった。やっぱりレイヴェルのボディーガードに最適。まあ、殺しはしないだろう・・・。多分。あ、めっちゃ追いかけられてる。

 

聖「・・・フェニックス家、行こっか。」

レイヴェル「・・・はい。」

 

まあ、しばらくはハティの遊び相手(おもちゃ)になってくれるだろう。飽きたら帰って来るだろうし。本当に忠犬・・・いや、忠狼か。

そんな訳で二度目のフェニックス家。マジで、何故こんなに忙しいの?デートすら真面に出来ないんだけど。

 

ルイラ「あら、レイヴェル。それに、聖さん。」

レイヴェル「お母様。また、来ましたわ。」

ルイラ「はあ・・・。相変わらずしつこいのね・・・」

聖「あの豚・・・貴族は元々レイヴェルの婚約者なんですか?」

ルイラ「いえ。彼はアルベルト・バルバトス。公爵バルバトス家の次期当主ですが・・・」

レイヴェル「とにかく被害妄想が激しいのですわ。直接、バルバトス家に苦情を入れたこともあるのですが・・・」

聖「あぁ、なるほどね・・・しかし、次期当主とはねぇ・・・。」

ルイラ「何か問題が?」

聖「ええ、問題大ありですね。あいつ、カオス・ブリゲードと繋がってると思うので。」

レイヴェル「カ、カオス・ブリゲード!?」

ルイラ「何故そう思ったのかしら?」

聖「あいつの魔力に違和感を感じたんです。和平会談の際、襲ってきた旧魔王と同じ魔力の波長と同じものです。」

レイヴェル「まさか、オーフィスの蛇!」

聖「まあ、証拠を集めなきゃだけどね。」

ルイラ「確かに推測だけでは何も出来ないものね・・・。」

 

はあ・・・。また、仕事が増えた・・・。でも、実質レイヴェルは狙われてる様なものだし助けない訳にはいかないよなぁ・・・。こうして、また1つ面倒事を片付ける羽目になった私でした。本当にダルい・・・。



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61話

アザゼル《な!?それは、本当か!?》

聖「マジマジ。しっかり感知したから。」

アザゼル《ったく・・・。面倒な事だぜ・・・》

聖「まあ、お相手はレイヴェルをご所望みたい。多分、次のゲームでアクションを起こすと思うよ。」

アザゼル《何か対策を立てないといけないな・・・。分かっていて逃す訳にもいかん。しかし、もう1週間しかないな・・・》

聖「一応、方法はあるよ。そこでおじさん達にお願いがあるの。」

アザゼル《なんだ、言ってみろ。》

聖「ゲームが始まる1日前まで魔王様方とおじさんとで私の相手をして欲しいの。」

アザゼル《分かった。サーゼクス達にも一応は話しておこう。しかし、全員が参加できるわけじゃないぞ?》

聖「分かってる。目的はあくまでもデータ収集だから。」

アザゼル《レイヴェルに関しては当日、魔王とVIPしか入れない部屋での保護を取り付ける。当然、お前も一緒にな。》

聖「了解〜。」

 

私は秘匿用の連絡魔方陣を解除して、木場君とゼノヴィアさんに声を掛ける。タドルクエストはほとんど実戦データが取れてないから、この際剣術と一緒に習得してしまおうという魂胆。ちなみに、レイヴェルはフェニックス家でハティとお留守番。

 

木場「模擬戦?構わないよ。」

ゼノヴィア「私もだ。それに聖相手なら本気で行けるからな。」

聖「ありがとう、2人とも。早速だけど今からいい?」

木場「もちろん。」

ゼノヴィア「当然だ。」

 

私はゲーマドライバーを装着してステージセレクトを行う。今回のステージはデパートの中。まあ、練習には丁度いいだろうし。

 

タドルクエスト!

 

聖「術式レベルー2。変身!」

 

ガシャット!ガッチャーン!

レベルアップ!

辿る巡る!辿る巡る!

タドルクエスト!

ガシャコン・ソード!

 

ゼノヴィア「・・・またプロトタイプか?」

聖『そうだよ。正規版を作る為に必要なデータが揃ってないから。』

木場「レイヴェルさんに怒られても知らないよ?」

聖『怒られる事には慣れっこだから大丈夫!』

 

私はガシャコン・ソードを手に突貫する!最初に狙うは当然、木場君!彼のテクニックを勉強させてもらおう!

 

木場「氷の聖魔剣よ!」

 

木場君は刀身が氷で出来た聖魔剣を作り対応!のように見せかけての蹴り!?え、この子蹴りも使うの!?私はなんとか左手に着いてる盾、リヴァーサルシールドで防ぐもゼノヴィアさんが振り下ろしているのが見えて、ガシャコン・ソードで受け流すけど重い・・・!!それに、2人とも強くなってる!

 

ゼノヴィア「む?上手く行ったと思ったが・・・」

木場「聖さんは強すぎるからね。」

聖『2人も夏休み前より強くなってるじゃん。』

ゼノヴィア「聖から褒められるなんて、私も女子力を鍛えたかいがあったな! 」

木場、聖『「え?」』

ゼノヴィア「ん?なんだ?」

木場「ゼ、ゼノヴィア・・・?今なんて言ったんだい・・・?」

ゼノヴィア「む?だから、女子力を鍛えたかいがあったと言ったんだ。」

 

うわ、マジか〜・・・。いや、確かに『女子』の『力』と書いて女子力と読むよ?けど、腕力じゃないのよ・・・。

 

聖『あのね、ゼノヴィアさん。女子力ってのは腕力って事じゃなくて、女性らしさを表す言葉なの。』

ゼノヴィア「そ、そうなのか?しかしイリナは・・・」

木場「はあ・・・。」

 

うん、木場君の気持ちはめっちゃ分かる。まさか、ここまでおバカだったなんて・・・。さてと。そろそろ現実逃避はやめよう。レベル2じゃ歯が立たない。でも、データはもっと欲しい・・・。仕方ない、コンティニューしまくるか。レイヴェルに怒られるだろうけど、圧倒的にデータが足りないしね!

その後、私達は半日以上模擬戦をしまくってデータを集めまくった。ちなみに、コンティニュー回数は0回。意外となんとかなったけど強くなったなぁ〜。2人共。



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62話

聖「出来た!タドルクエスト!」

 

あの後、グレモリー家の客室に当然のごとく引きこもり数時間でタドルクエストの開発に成功!さて、後は『バンバンシューティング』と同時並行でのデータ収集・・・。しかし、同時並行というのが面倒・・・。いや、どっちかをレベル3スロットに差すか。そうすれば、何とかなるだろ。多分!あ、ちょうどおじさんからだ。

 

聖「はいは〜い。」

アザゼル《こっちは準備出来た。しかし、先のロキ襲来もあってそこまで時間は取れないが平気か?》

聖「問題ないよ。その分、濃密な時間を楽しむし。」

アザゼル《そうかい。とりあえず、転移魔法陣を設置したからそれに乗って来い。》

聖「は〜い。」

 

あ、魔法陣が来た。私は2本のガシャットとゲーマドライバーを持ち魔法陣で会場入りする。そこはコロシアムみたいな感じで、目の前にはセラフォルー様とオーディン様!?え、何故に神様!?

 

オーディン「ほっほっほ。驚いてくれて何よりじゃ。」

セラフォルー「ハーロー♪ロキの撃退お疲れ様♪」

聖「ど、どうも。というより、何故北欧の主神が・・・」

オーディン「なに、ロキの礼じゃ。アザゼルに頼んだらすぐ紹介してもらえてのぅ。」

 

おいおい、マジかよ!え、私、ギアデュアルβを作るためにお願いしたのに、『タドルレガシー』のガシャットまで作れる機会があるとか神か!?あ、このおじいちゃん、神だった!

 

聖「では、よろしくお願いします!」

 

タドルクエスト!

バンバンシューティング!

 

聖「術式レベル3!変身!」

 

ガシャット!ガシャット!

ガッチャーン!

レベルアップ!

辿る巡る!辿る巡る!

タドルクエスト!アガッチャ!

ガガンガンガガン!

ババンバンババン!

バン!バン!シューティング!

 

私は、ブレイブシューティングクエストゲーマーへと変身する。姿はブレイブが基本だけど、スナイプのように右は隠れ目になっていて、首からはマフラー。左手にはガシャコン・マグナム、右手にはガシャコン・ソードという出で立ち。

 

聖『では、行かせてもらいます!』

 

私はガシャコン・マグナムを連射しながらオーディン様に突貫!昨日も突貫した気がするけど、近接戦闘において突貫しないというのは無いからいいよね!ガシャコン・ソードはフェニックスの様に燃え盛るも軽々とオーディン様には防がれる。

 

オーディン「ほっほっほ。良い攻撃じゃな。」

聖『余裕そうに止めてるじゃないですか!』

セラフォルー「よっと!」

聖『うおっ!』

 

私はセラフォルー様の魔力ギリギリで避けるも何発か喰らってしまい、ライダーゲージが一気に半分まで減ってしまった。でも、これだと予定より早くデータが取れそうだな・・・。

 

セラフォルー「さあ、聖ちゃん!時間は有限よ!」

聖『ええ!存分にデータを取らせてもらいます!』

 

こんな感じでゲームが始まる2日前までずっと模擬戦及びデータ採取。オーディン様だけでなく、ガブリエル様も手伝ってくれたおかげで予定よりも早めに終わったおかげで、無事『ギアデュアルβ』を完成させられた。マジで感謝しかないね!



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63話

レイヴェルside

 

はあ・・・退屈ですわ・・・。私は現在、自室でハティにもたれてリラックスしているようにも見えますが、ただやる事が無いだけ。聖は私をあの貴族(変態)から守る為に、新たなガシャット制作をしていて1週間近く会えていない・・・。まだ、言葉として返事は貰えてはいませんがあの行動は返事そのもの・・・。彼女をほったらかしてゲームを作るなんて・・・。

 

レイヴェル「はあ・・・。ハティ、あなたが居てくれて助かりましたわ。」

ハティ『わふ!』

 

本当にこんな子が神殺しの牙を持っているのでしょうか・・・?どう見ても甘えん坊の子犬にしか見えませんわ・・・。しかし、可愛いのもまた事実。まあ、フェンリルを使い魔にできる日が来るとは思ってもいませんでしたが。

そんな事を考えているとドアがノックされる、侍女でしょうか?

 

レイヴェル「はい。開いていますわ。」

聖「お邪魔しま〜す」

レイヴェル「ひ、聖!?」

 

私は思わず立ち上がってしまう。なんせ、今日も会えないと思っていたものですから、かなりだらけていたので恥ずかしいですわ···!聖は大きめのアタッシュケースを持っていますが何が入っているのでしょう···。

 

聖「ごめんね、1週間も放置しちゃって···。」

レイヴェル「本当ですわ!どれだけ退屈だったことか···」

聖「お詫びといってはなんだけど、ゲームが始まるまでずっと一緒にいるっていうのはどう?」

レイヴェル「ほ、本当ですの!?し、しかし、それだけでは足りませんわ!」

聖「まあ、だよね〜。だからこそ、レイヴェルの言うことはなんでも聞いてあげる。それと、このプレゼントも。」

 

聖は私に持っていた大きめのアタッシュケースを渡してくれる。何が入っているのでしょうか···?っ!こ、これは!?私はアタッシュケースを開いた瞬間、驚きを隠せませんでした!何故なら、聖の使っているベルトに複数のガシャットが入っているんですもの!

 

レイヴェル「か、完成したのですか!?」

聖「なんとかね。それと、適合手術の時に私が言ったこと覚えてる?」

レイヴェル「え?確か、必ずしも変身出来る訳では無いでしたか?」

聖「あ〜、それもそうなんだけど、そこじゃないんだよね〜。抗体の方だよ。」

レイヴェル「抗体···?あ、すぐに出来ないという話ですね。」

聖「そうそう。あれなんだけど、よく良く考えれば私とレイヴェルって種族が違ったな〜って。」

レイヴェル「···抗体が出来る期間が変わると?」

聖「そういう事。だから検査してみてもいい?」

レイヴェル「は、はい!」

聖「あ、それと、忘れない内にこれも。」

 

そう言うと聖は、パーティの際に使用した特殊な形をしたガシャットを渡してくれる。アタッシュケースの中にも同じ形のガシャットがありますが、ラベリングが違いますわね···。『タドルファンタジー』と『バンバンシュミレーションズ』?

 

聖「これはギアデュアルβ。2つのゲームが内蔵されていて、1つは『タドルファンタジー』。主人公の魔王が勇者を倒して世界を征服するゲーム。2つ目は『バンバンシュミレーションズ。』艦隊を操って敵の軍を殲滅するゲームだよ。」

レイヴェル「魔王が勇者を倒すゲームですか···。」

聖「まあ、たまには逆もいいでしょ?一応、魔王リスペクトって意味も込めてだけど。」

 

魔王リスペクト···?聖が···?ま、まあ、いいですわ。とにかく、明日のゲーム開始まで聖と一緒に居られる!その後、検査をしてもらうと無事に抗体が出来ており変身もしっかり出来ましたわ。本当に良かったです···!



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64話

聖side

 

聖「さて、それじゃあ早速この間の続きでもする?」

レイヴェル「この間の続き?」

聖「デートだよ、デート。」

レイヴェル「し、しかし、今外に出てはまた・・・」

聖「だからこそ、こんなエリアも作ってみたの。」

 

私はゲーマドライバーを装着して、キメワザスロットでとあるステージを選択する。そのステージは雲一つない青空が広がり目の前には広大な海!やっぱり、夏と言ったら海だよね!

 

レイヴェル「こ、これは、海というものですか!?」

聖「そ、あまり来たこと無いでしょ?」

レイヴェル「は、はい!し、しかし、この格好で泳ぐというのも・・・」

聖「そこもちゃんと考えてるよ。さ、着てみたい水着を思い浮かべてみて。」

レイヴェル「水着をですか・・・?わ、分かりましたわ!」

 

レイヴェルは集中して思い浮かべる様にか目をつぶる。いや、そこまではしなくていいんだけど・・・。いや、まあ、いいか。次の瞬間、?のキャラクター選択スロットが現れ、レイヴェルが選択すると可愛らしいピンクのフリルの付いた衣装へと早変わり!レイヴェルがポッピーの様に、「 コスチュームチェンジ!」って言ってるのも見てみたいな・・・

 

レイヴェル「す、すごいですわ!わ、私が想像した水着と同じです!」

聖「ふっふっふ〜。これこそが神の才能よ!さ〜て、私もっと。」

 

私も同じように選択し、黒色のタンキニ水着を選択する。一度、着てみたかったんだよね、これ。よ〜し!それじゃあ!

 

聖「2人だけの独占ビーチで遊ぶぞ〜!」

レイヴェル「はい!」

 

その後はもう、凄い遊んだ。レイヴェルは初めての海に興奮しぱなっしでめっちゃテンション高くてめっちゃ可愛い!!当然、シュノーケリングもしたけどそれでもめっちゃ興奮してたな・・・。

本当ならBBQなんかもしたかったけど、2人だけっていうのはなんか違うから今度来た時にしよう。でも、ご飯を食べないという訳にもいかないので、予め作っておいた海の家で私が焼きそばを作って談笑しながら食べ、その後また海へ!

ゲーム時間と現実時間は同一な為、今は砂浜で一緒に座り夕日を眺めている。やば、めっちゃデートっぽい・・・!

 

レイヴェル「今日はとても楽しかったですわ。」

聖「それは良かった。頑張って作ったかいがあったよ。」

レイヴェル「2人だけというのもいいですが、やはりみんなで楽しくしてみたいものですわね。」

聖「なら、今度はみんなで楽しもうか。」

レイヴェル「ふふ、ですわね。」

 

私とレイヴェルは顔を見合せ、ゆっくりを顔を近づけて唇を重ねる。夏休みの中で、1番の思い出を作った私とレイヴェルだった。



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65話

とうとうやってきたゲーム当日。おじさん達には秘密裏に包囲網を敷いてもらったけど、なんたら・バルバトスは完全無視するように伝えた。あいつは私が直々にぶっ飛ばしたいし。

 

メイド「レイヴェル様。そろそろご準備の時間ですわ。」

レイヴェル「ええ、分かりましたわ。」

聖「待って、レイヴェル。」

 

レイヴェルが立ち上がろうとした時に、私はレイヴェルの手を取る。

 

レイヴェル「聖?」

聖「私が行くよ。わざわざ、レイヴェルが囮になることも無いし。」

 

私は1つのエナジーアイテムを取りだし、レイヴェルに取り込ませる。エナジーアイテムの名前はモノマネ。本来なら数分しか効果のないエナジーアイテムだけど、改良して任意解除するまで効果を持続させるものに改良済み。

レイヴェルは全身、私の姿になる。おぉ・・・。ドッペルゲンガーってこんな感じなのか・・・。私もエナジーアイテムを取り込み、レイヴェルへと変化する。

 

『聖』レイヴェル「おぉ・・・。む、胸まで大きく・・・!!」

『レイヴェル』聖「これはアザゼル先生達には・・・」

『聖』レイヴェル「え?言ってないけど?まあ、後から怒られるよ。」

 

私はメイドに付いて行ったけど、やっぱりキツくドレスを締められた!まあ、レイヴェルを守るためだから仕方ないけど・・・はあ・・・。

 

 

 

 

レイヴェルside

 

ま、まさか、私が聖の姿になれるとは・・・!!しかし、アザゼル先生達にも言ってないとなると、私も怒られる気がしてきましたわ・・・。聖が戻ってきたあと、少し言葉遣いをお互いに練習しましたが、絶対にボロが出ますわ・・・。

係りの者達に案内され、魔王様方のいるVIPルームへ案内されたものの、誰も気付いている様子はありませんわね・・・。まあ、あのエナジーアイテムには魔力すら真似る能力があるようですから簡単には気付かれないと思いますが・・・。

 

アザゼル「おう。こっちだ。」

『聖』レイヴェル「ありがとうございますわ。アザゼル先生。」

アザゼル「別に構わねえよ。聖。一応、お前の注文通りにした。頼むぞ?」

『レイヴェル』聖「う、うん。分かった。」

 

む、難しいですわ!ひ、聖はいつもこんな言葉遣いをしているのですか!?聖はアザゼル先生の隣に座り、私は聖の隣に座る。しかし、このゲーム、どちらが勝つか分かりませんわね・・・。グレモリー眷属はパワーで押しますが、シトリー眷属は搦手が得意・・・。どちらが勝っても不思議じゃありませんわ・・・。

ゲームが始まろうとしたその瞬間、隣の聖に魔力の縄が現れ、引っ張られた!?

 

『聖』レイヴェル「うお・・・キャアアァァァ!!」

『レイヴェル』聖「っ!?ひ・・・レイヴェル!!」

バルバトス「あははははは!ようやくレイヴェルを手に入れた!!おっと、力を使えば彼女は悲惨な事になるぞ?」

 

ひっ!あ、あんなに密着されて!も、もし、私が捕まっていたら!

 

サーゼクス「くっ!厳戒態勢!!」

バルバトス「もう、遅いですよ!それでは!」

 

私は微動だに出来ませんでしたわ・・・。ま、まさか、あそこまでアホだったとは・・・。し、しかし、作戦は一応成功。私はエナジーアイテムを解除し、ベルトを装着する。

 

アザゼル「な!?れ、レイヴェル!?お、おい、どういう事だ!?」

レイヴェル「説明は聖から聞いてくださいまし!」

 

爆走バイク!

ギリギリチャンバラ!

 

レイヴェル「三速!変身!」

 

私はレーザーチャンバラレースゲーマーとなり攻めてきた者達へ攻撃を開始した。

 



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66話

バルバトス「ぐふふふふ・・・!ようやく!ようやくレイヴェルを手に入れたァ!!」

 

私は現在、古城の様な場所で椅子に縛られている。いや、マジでレイヴェルに変装してて良かった・・・。あんな、クソデブにレイヴェルの体を触らせたくないからね!

 

バルバトス「ああ、無駄だよ。レイヴェル。そのロープは特別製でね。悪魔の力を抑制するのさ。君は今魔力も使えないしねぇ・・・。」

 

うっわ、キモ・・・。さっき肌をくっつけられた時もすんごい不快感があったけどやっぱ生理的に無理だわ。私は今すぐにでも地獄を見せるためにロープを引きちぎり立ち上がる。

 

バルバトス「は・・・?な、なんで!!そ、そのロープは!」

『聖』レイヴェル「あ〜、はいはい。悪魔の力を抑制するんでしょ。聞いた、聞いた。」

バルバトス「れ、レイグホォ!!」

 

私はレイヴェルの名前を呼ぼうとした豚に思いっきりパンチを喰らわせる。このクソったれが・・・。レイヴェルの変装を解いて、キツく締められたドレスを脱いで下着姿となる。

 

バルバトス「な!?お、お前!!」

聖「あんたみたいなクズが、気安くレイヴェルの名前呼んでんじゃないわよ。」

 

マイティアクションX!

 

聖「グレード0。変身。」

 

ガシャット!ガッチャーン!

レベルアップ!

マイティーアクショーンX!!

 

バルバトス「クソが!!まあ、いい!今から本物のレイヴェルを連れ去ればいいだけだ!!」

 

バルバトスのお坊ちゃんはフラフラと立ち上がり魔法陣を起動しようとしたのだろう。しかし、何も起こらない。

 

バルバトス「な、なんで!なんで魔力が使えないんだ!!」

聖『そりゃ、そうよ。レベル0は元々バグスターウイルスを抑制する機能しか無かったけど、あんたの為に新たな機能を付けたのよ。『全ての異能を抑制する』っていう効果をね。』

バルバトス「ふ、巫山戯るな!!」

 

バルバトスは激情し私に殴り掛かって来るが、動きはズブの素人。とりあえず、右腕を折ってtクラスの蹴りを腹に喰らわせて壁にめり込ませる。

 

バルバトス「いだい!いだい!!」

聖『あんたにはもっと苦しんでもらわなきゃ。』

 

ソード・オブ・ラビリンス!

 

聖『グレード04。』

 

ガッチョーン ガシャット!

ガッチャーン!レベルアップ!

マイティジャンプ!

マイティキック!

マイティーアクショーンX!

アガッチャ!

掴むは宝剣!

目指すはラビリンス!

ソード・オブ・ラビリィンス!!

 

ゲンムの鎧の上から、全身から抜き身の剣をイメージさせる様な刺々しい、ラビリンスゲーマーが装着され、完全装着された瞬間にあらゆる場所から様々な形をした剣が現れる。

 

バルバトス「ヒィ!」

聖『あんたはレイヴェルを怖がらせた。その恐怖を教えてあげる。』

 

私はその辺にあった剣を1本抜き、右肩から斬り落とす。斬り落としたと同時に煙があがりしっかりと聖なるオーラが流れ込んでいるのを確認出来る。

 

バルバトス「い、嫌だァ!!し、死にたくない!死にたくない!!」

聖『よっと。』

 

私はとりあえず、バルバトスを達磨にする。これで逃げられんだろう。念の為にさっき縛られてた縄でキツく縛り出口を探しながら引きずる。マジでここどっから出るんだ・・・?

 

 

 

 

 

 

 

レイヴェルside

 

もう!多すぎますわ!私はレベル3のままで撃退しているもののなかなか減る様子がない!早く聖の所に行きたいのに!!

 

レイヴェル『こうなったら!!』

 

私はもう1本の爆走バイクを取り出しレベル0へと変身する。しかし、その瞬間に敵に異変が起きる。魔法陣や悪魔の翼などで飛んでいた者達は地面に落ちたり、攻撃が出来なくなったことから混乱する者達が現れる。これは・・・?

 

アザゼル「力が下がっているのか・・・?」

レイヴェル『とにかく、チャンスですわ!』

 

シャカリキスポーツ!

ガッチョーン ガシャット!

ガッチャーン!レベルアップ!

 

レイヴェル『爆速!!』

 

爆走!独走!激走!暴走!

爆走〜バ〜イク!

アガッチャ!

シャカッと!リキッと!

めちゃコギ!めちゃコギ!

シャカッと!リキッと!

シャカリキ・スポーツ!

 

レイヴェル『そのまま終わらせますわ!!』

 

ガシャット!キメワザ!

シャカリキ!

クリティカルストライク!

 

私は肩に付いている車輪を取り外し、混乱している敵に投げつけると全てクリーンヒットして敵は爆散する!これで、ここは大丈夫ですわ!早く聖を探さなくては!!



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67話

イッセー「アザゼル先生!」

アザゼル「よう、お前ら。切り抜けたようだな。」

リアス「これはどういう事なの?」

アザゼル「テロだよ。レイヴェルを狙ったな。」

イッセー「れ、レイヴェルを!?」

レイヴェル『ほとんどのテロリストは排除出来たのですが、聖がどこにいるか・・・』

聖『あ!ようやく見つけた!』

レイヴェル『聖!』

 

良かった・・・!聖は無事ですわ・・・!聖はアザゼル先生に自称婚約者を引渡し、私達の方へ来る。

 

聖『リアス先輩、替えの制服ってありません?あの豚にドレスビリビリにされちゃって・・・』

リアス「ええ。まず、変身を解いてくれるかしら?」

聖「はい。ん?」

 

聖が変身を解除する寸前に何も無い所へ目を向けると、1つの魔法陣が展開され、そこからは死んだはずのシャルバ・ベルゼブブが現れた!?な、何故!

 

シャルバ「ようやく、見つけたぞ・・・!!人間!!」

聖『ありゃ?なんか、強化されてんなぁ・・・。』

アザゼル「遠路遥々、死の世界から蘇ってくるなんざ、相当好かれてるな。」

シャルバ「今の俺は魔王を超えた存在!貴様を殺し、冥界を潰す!!」

聖『はあ・・・。めんどくさいけどやるかぁ・・・』

 

ステージセレクト!

 

私達が立っているのはどこかの狭い駐車場。しかし、ここはお互いに不利な場所・・・。どう生かすかが勝利の鍵ですわね・・・。

 

聖『レイヴェル。新しいガショットを。』

レイヴェル『は、はい!』

 

私は受け取っていたガシャットを手渡し、皆さんの元へと戻る。どうなるの・・・?

 

TADDLE FANTASY

Let's Going King of Fantasy!

 

っ!ま、禍々しい・・・!な、なんで、聖は毎回のごとく、あんなに禍々しいものを作るのですの!?

 

 

聖side

 

あのクソ豚を引き渡したあと、感動とは言えない再開を果たした私と自称魔王。はあ、めんどくさいなぁ・・・。そして私の周りを飛んでいる禍々しいのは、魔王の力を持つ『ファンタジーゲーマ』。

 

デュアルガシャット!

 

聖「術式レベル50。変身!」

 

ガッチャーン!

デュアルアップ!

辿る巡るRPG!

タドルファンタジー!

 

シャルバ「な、なんだ、その禍々しさは!!」

聖『魔王の力よ。さあ、遊びましょうか。』

シャルバ「魔王だと!?貴様ごときが魔王を名乗るな!!ゆけ、我が下僕達よ!!」

 

シャルバがそう言った瞬間、100を超える下っ端が現れる。てか、なんかニヤニヤしててキモイな・・・。あ、一斉に来た。

 

聖『さあ、行きなさい。私の可愛い兵隊達。』

バグスター『キキィ!!』

 

私はマントを靡かせて、100は超える武装バグスターを召喚し下っ端と戦わせる。まあ、単なる虐殺だけど。とりあえず私は、シャルバの後ろへ瞬間移動し地面に落とす。うん、気分爽快だね。

 

レイヴェル「あれが魔王の力・・・!」

アザゼル「おいおい、サーゼクスでもあんなこと出来ねえぞ・・・。」

シャルバ「巫山戯るな・・・!!私は認めんぞ・・・!!」

 

シャルバは立ち上がると、オーフィスの蛇を3つ取り出し全て飲み込むと、魔力が異常なまでに膨れ上がりシャルバの体も変態していく。ドラゴンでクエストするオルゴ・デミー〇じゃん・・・。私はシャルバに手を伸ばし、とりあえず無効化する。そうすると、あら不思議!シャルバは元に戻っちゃった!

 

シャルバ「な!?何をした!!」

聖『オーフィスの蛇を無効化したのよ。名付けて《いてつくはどう》ってね。』

 

ガッチョーン

ガッチャーン!

キメワザ!

タドル!

クリティカルスラッシュ!

 

私は足元にオーラを溜めてそのままライダーキックをかます。「必殺技にスラッシュとか言いつつ、なんでライダーキック?」とか、ツッコんじゃいけない!絶対!!

とりあえず、加減はしたから死んではいない。ちゃんと、情報を根掘り葉掘り搾り取らなきゃだからね!

 

ガッチョーン ガッシューン

 

聖「疲れたぁ〜・・・。」

レイヴェル「全く・・・。なんでこんな・・・あ・・・れ・・・?」

 

レイヴェルも変身を解いた瞬間にふらついた為、すぐさまキャッチする。やっぱ、レベル0は早かったかぁ〜・・・。

 

リアス「レイヴェル、どうしたの!?」

レイヴェル「ち、力が急に・・・」

聖「レイヴェルには、レベル0は早かったみたい。まずは、レベル3まで使いこなせるようになってね。それまでは没収。」

レイヴェル「は、はい・・・」

アザゼル「聖。レイヴェルがそのレベル0ってのを使った時、カオス・ブリゲードの奴らが弱くなったんだが何か心当たりはあるか?」

聖「ああ、それ?レベル0には本来バグスターウイルスを抑制する力があるんだけど、これに『異能を抑制する力』を追加したの。まぁ、おじさんクラスならすぐには効かないだろうけど。」

アザゼル「また、とんでもない物を作りやがって・・・」

聖「ま、私は神だから。崇めてもいいよ。」

 

私はレーザーターボ用の爆走バイクとギアデュアルを取り上げて、レイヴェルをおんぶする。ちなみに後日、再ゲームを行いグレモリー眷属が勝利を手にしたものの、かなりの辛勝だった。ちゃんと、乳語翻訳(パイリンガル)も使っててめっちゃ笑った。



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68話

聖「・・・兄さん。私は今、夢を見てるのかな?」

イッセー「・・・聖。俺も夢見てるのかもしれないから1発殴ってくれ。」

聖「とぅ!!」

イッセー「おごぉ!」

アーシア「い、イッセーさぁぁぁん!!」

 

冥界から家に帰って来たはずなのに、なんでこんな高層マンションみたいになってんの?今、兄さんに蹴りを入れたから夢じゃないって言うのは分かるけど・・・

 

母「あら、おかえりなさい!」

聖「えっと、母さん?これ、なに?」

母「実はあなた達が合宿に行った後、フェニックスさんっていう方が来たのよ!それで、リフォームしてくれたの!」

 

私はすぐさまレイヴェルを見ると、少し気まずそうに目を逸らされた!?え、知ってたの!?嘘、なんで言わないの!?

 

イッセー「あれ・・・?フェニックスって、レイヴェルさんの所の?」

聖「・・・とりあえず、中に入ろう。それと、レイヴェル。後から少し話し合いね。」

レイヴェル「うっ・・・は、はい・・・」

 

そんな訳で家の中に入ったはいいものの・・・。広すぎでは?なんなら、全部屋にギングサイズのベットがあるんですが??つか、私の部屋のパソコンは!?え、まさか、撤去されたの!?あのパソコンの中には、バグスターウイルスの改良データとか大切なものが沢山あったんだけど!?と、そこへ、ルヴァル様からの連絡!

 

ルヴァル《やあ、聖さん。家は気に入ってくれたかい?》

聖「は、はい、まあ・・・。そ、それよりも、私の部屋にあったパソコンってどうしたんですか!?」

ルヴァル《心配しなくとも捨ててはいないよ。ベットの近くに小さな冷蔵庫があるだろう?》

聖「は、はい。しかし、パソコンとなんの・・・!?か、隠し通路!?」

 

私が冷蔵庫を開けるとその中には飲み物などではなく、階段があった!え、まさかの秘密基地!?

 

ルヴァル《その階段を降りると、君専用の研究室がある。好きに使ってくれて構わない。妹を守ってくれたささやかなお礼だよ。》

聖「あ、ありがとうございます!で、でも、いいんですか・・・?」

ルヴァル《当然だ。聞くところによると、今回のテロを予見していたとして魔王様方から直々に報奨もあるようだ。》

聖「ほ、報奨!?」

ルヴァル《ああ。それでは、これから1件仕事が入っているからもう切るよ。冥界に来た時には、是非また家に来てくれ。》

聖「はい!必ず!」

 

魔法陣が消え、私とレイヴェルは早速階段をおりて行く。少しするとかなりスペースのある開けた空間に出て私のパソコン以外何も無い状態。てか、これ、ビルドに出てきた秘密基地じゃん!って、そんなことより!私はすぐにパソコンを起動して全てのデータがあるかを確認する。当然、コピーされてないかも入念に調べる。

 

聖「よ、良かったぁ〜!」

レイヴェル「にしても、ここは凄いですわね・・・。」

聖「確かにね。さて、さっき言ってた報奨とやらがお金だったら、色々買うかなぁ〜。」

レイヴェル「確かに、その方が良さそうですわね。流石に殺風景過ぎますわ。」

聖「さて、レイヴェル。さっきの話だけど、なんで黙っていたの?」

レイヴェル「っ!そ、その・・・。実家の方から言うなと・・・」

 

口止めされてたのか。そりゃ、しゃーない。まあ、別に怒ってる訳でもないけど。てか、グレイフィアさんってどこに住んでるんだろ?もしボロアパートとかなら紹介しようかな。

こんな感じで残り少ない夏休みの一日をお家探索に費やした。え?宿題?そんなの、貰ったその日で全て終わらせたよ。兄さんは帰りの冥界列車の中で泣きながらやってたけど。



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69話

現在、私の目の前には漢服を着て槍を持ったイケメンとその他の人間達がいる。はい、皆さんお察しの通り英雄派です。さて、数分前に遡ろう。

家が(ある意味)違法建築された次の日、レイヴェルは仮面ライダークロニクルを攻略する為にフェニックス家に行ってしまった為、久しぶりの1人。なので、地下基地に置く家具などを探しにデパートに来たものの、入ろうとした瞬間、ヌルッとした感覚に襲われ、怪しい霧に包まれると全くもって知らない場所へ転移させられた。はい、回想終わり。

 

曹操「やあ、初めまして。兵藤聖さん。」

聖「誰かは知らないけど、やっぱり神である私は人気者だねぇ〜。んで、誰?」

ジークフリート「僕達は英雄派。さて、早速本題だ。僕達と共に世界に確変を起こそう。」

聖「は?」

 

それから、英雄派は長々と演説を始めた。「異形は滅ぼすべき存在」だの、「この世界は俺たち人間が守るしかない」だの。え、原作ではもっと知的で強者的な風格なかった?

 

曹操「君のことは調べさせてもらったよ。悪魔と付き合っているそうだね。しかし、君は洗脳されているんだ!異形なんて信用「は?」っ!」

 

・・・こいつ、今レイヴェルの事バカにした?え、マジで?よくもまあ、この私の目の前でバカに出来たな。

 

聖「・・・貴様らは私の恋人をバカにした。故に絶版とする。」

 

ガッチャーン・・・

仮面ライダークロニクル

 

聖「変・・・身・・・」

 

ガシャット・・・バグルアップ!

天を掴めライダー!

刻めクロニクル!

今こそ時は極まれり!!

 

ヘラクレス「おい、曹操!こいつを勧誘なんてやっぱり無理なんだよ!」

ゲオルク「彼女は既に悪魔に侵され過ぎたんだ。」

曹操「・・・残念だよ。同志が増えたと思ったんだがな・・・。」

 

ポーズ

 

聖『しー。審判の刻は厳粛でなければならないのよ。』

 

リスタート

 

曹操「ゴハッ!」

ジークフリート「グフッ!」

ゲオルク「カハッ!」

ヘラクレス「ブハッ!」

 

幹部クラスを吹き飛ばし、構成員は全て粒子と化した。当然、死のデータは回収する。まあ、曹操達には蹴りを放ち、構成員には『クリティカル・ジャッジメント』をプレゼントとして文字通り絶版とした。てか、ジャンヌは?BLトークしたかったんだが・・・。てか、いつになったらデンジャラスゾンビはグレードXに到達するん?

 

曹操「な、何をした!!」

聖『教えるバカはいないでしょ?さて、レイヴェルをバカにしたあんたらには神の裁きを与えてあげよう。』

 

あ、オリジンの効力が切れた。ゲオルクが何かに気付いたのかすぐさま逃げようとするも逃がすはずもない。バグヴァイザーIIをビームモードにして攻撃を当てる。やっぱり、原作より弱体化されてんなぁ···。てか、異形がどうたらって言ってたのにハーデス様からサマエルを借りようとしてんの?矛盾してんなぁ···。

 

ヘラクレス「ふざけんじゃねえぞ!!俺様は英雄ヘラクレスの魂を継ぎしもの!!こんな化け物に負けるはずねえんだよ!!」

聖『あんた人間なんでしょ?なのにヘラクレスの魂を継いでる?ヘラクレスってのは、ギリシャ神話の主神であるゼウス様の血を引く半神半人。つまり、あんたも化け物じゃん。』

ヘラクレス「う、うるせぇ!!」

 

え、なんで正しい事言ってキレられてんの?まあ、別にいいけど。ヘラクレスが突っ込んで来た為、回し蹴りでカウンターを与え曹操達に向き直るもいない···?あ、あれ?逃げたの?え、仲間じゃないん?まあ、いいや。こいつは何かしらの情報持ってるだろ。

 

キメワザ···

クリティカルジャッジメント···

 

ヘラクレスに極大のビームを放ち、黒焦げで倒れる。捕獲完了と。変身を解除してしっかり縛ったあと『四次元ポケット』へと入れる。買い物は中止だなぁ···。まあ、異世界へと接続できるガシャットも完成間近だし、そっちに集中するかぁ···



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70話

うふふ···。遂に···!!遂に完成したァ!!!

 

聖「あぁ···!こんなガシャットを作ってしまうなんて、私の才能が恐ろしい···!!」

 

きっと今の私を見れば十人中十人が美しいと答えるはず!私はパソコンしかない地下室で感動にうち震える···!!

 

聖「やはり、私こそが真の神だァァァ!!ヴェーハッハッハッハッハ!!」

 

バアァァァン!!

 

レイヴェル「うるさいですわ!!今、夜中の3時ですわよ!?近所迷惑になるので叫ばないでくださいな!!」

聖「あっスゥ-···ご、ごめんなさい···」

レイヴェル「聖も早く寝なさい!今日は始業式なのですよ!?」

聖「は、はい···」

 

うぅ···。最近、レイヴェルからの扱いが酷い気がする···。私は地下室から自室へ戻りベットに入ってレイヴェルを抱きしめる。あぁ〜···。レイヴェルはいつもいい匂いだなぁ〜。最近の私の日課は寝る前にレイヴェルの匂いを嗅いで幸福感に満たされながら眠る。これがもう最高なんだよなぁ···。

そして、この日課を始めてから私は早起きが出来た試しがない。故に···

 

聖「やっば!!後、10分で遅刻じゃん!!」

 

現在、死ぬほど焦っています。え?レイヴェル?起きたらいませんでしたが?起こしてくれたっていいのに!!とりあえず急いで準備をして独学で身につけた転移魔法陣を展開する。無事に部室まで転移完了!私は猛ダッシュで体育館へと向かい滑り込みのギリギリセーフ!あぶなかった!冗談抜きで!

 

桐生「おやおや〜。今日も遅刻ギリギリね〜。」

聖「はぁ···はあ···ま、マジで焦った···。てか、兄さん!起こしてくれたっていいじゃん!」

イッセー「い、いやぁ・・・。レイヴェルさんが起こさなくてもいいって言うから・・・」

 

Oh my God!こんな、いつも通りで時間は過ぎていき、午前中授業ということもあって場所は部室。私はパソコンの前で新しく作ったガシャットの調整を行っている。

 

ロスヴァイセ「うぅ・・・!なんで、置いていくんですかぁ!!どうせ、私は彼氏いない歴=年齢よ!一生処女なんだわ!うわあぁぁぁん!!」

レイヴェル「まさか、置いていかれるなんて・・・。神も痴呆になるのでしょうか・・・?」

小猫「レイヴェル。それ、悪口。」

イッセー「あ、あの、小猫ちゃん?なんで俺の膝の上に座ってるの・・・?」

小猫「だ、ダメですか・・・?」

イッセー「い、いや!全然いいよ!」

アーシア「むぅぅぅぅぅ!」

ゼノヴィア「ふむ、私も便乗した方がいいのか?」

朱乃「あらあら、うふふ。私も便乗しようかしら?」

アーシア「だ、ダメですぅ!イ、イッセーさんは私のなんです!!」

聖「終わったぁ〜・・・!!」

リアス「みんな、揃ってるわね。部活とロスヴァイセの事の前に伝えておく事があるそうよ。」

アザゼル「グレイフィアからだが、旅行中カオス・ブリゲードの英雄派に襲われたそうだ。」

イッセー「な!?大丈夫なんですか!?」

アザゼル「心配いらん。あいつは過去の大戦の生き残りだ。『銀髪の殲滅王』なんて2つ名を持つくらいだしな。」

 

ほへぇ〜。物騒な異名だなぁ〜。って、ん?英雄派・・・?

 

聖「あぁ!!」

レイヴェル「ど、どうしましたの!?」

聖「やば、忘れてた!アーシアさん、今すぐ回復の準備をお願い!超特急!!」

アーシア「は、はい!」

 

やばい、やばい、やばい、やばい!!めっちゃ忘れてた!!私は四次元ポケットから丸焦げになって縛られているヘラクレスを取り出す!良かった、まだ生きてる!

 

アーシア「ヒッ!」

聖「お願い、回復して!今すぐ!!」

ロスヴァイセ「よ、よく分かりませんが、私も手伝います!」

アザゼル「お前、一般人に手をだしたのか!?」

聖「ち、違う!違う!私、夏休み終わる1日前に英雄派に襲われたの!それで、こいつは幹部!」

イッセー「はあ!?なんでもっと早く言わないんだよ!」

聖「忘れてたの!」

レイヴェル「傷の治りが遅い・・・。仕方ありませんわ。アーシアさん、ロスヴァイセさん!回復は充分ですわ!フェニックスの涙を使います!」

 

レイヴェルは魔法陣から小瓶を出して1滴振りかけると、あら不思議!傷が一発で治った!あ、あれが、フェニックスの涙かぁ〜・・・。

 

アザゼル「お前ってやつは!!それで!?他には!」

聖「に、逃げられました・・・。で、でも、なんか霧に覆われた!」

アザゼル「っ!やはり、絶霧(ディメンション・ロスト)か!まさか、上位神滅具(ロンギヌス)が2つもテロリストに渡っているとは・・・。とりあえず、こいつはグリゴリで尋問する。どうせ、神器(セイクリッド・ギア)持ちだろうから、俺たちの方が適任だ。」

ガブリエル「こんにちは〜。って、あら?そちらで倒れている人間は・・・?」

アザゼル「・・・英雄派の幹部だそうだ。聖が今の今まで忘れてたんだとよ。」

リアス「全くあなたは・・・。」

聖「す、すみません・・・」

 

本当に思い出せて良かった!!これで、九尾の大将も連れ去られずに・・・ってあれ?これ、もしかして九重と出会う機会ないのでは・・・?



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71話

木場「そういえば、聖さん。さっきパソコンに集中していたけど何を作っていたんだい?」

聖「お?聞いちゃう?ふっふっふ〜。驚くなかれ!三大勢力と北欧神話の技術を流用し、私の神の才能を持って完成した傑作品!その名も『パラレル・トラベラー』!」

レイヴェル「どんなゲームなのですの?」

聖「チッチッチ。これはゲームなんかじゃないよ、レイヴェル。このガシャットは同じ時間軸にある平行世界、通称パラレルワールドに唯一アクセス出来るガシャット。」

アザゼル「パラレルワールドだと!?くうぅ!!聖!やっぱ、お前は天才だな!!」

聖「ヴェハハハ!やはり、私こそが絶対神なのだァ!!」

 

パラレル・トラベラー!

ガシャット!キメワザ!

 

私がキメワザスロットにガシャットを差し込むと、部室の天井にあらゆる古代文字の書かれた魔法陣が展開される!よっしゃ、成功!!って、あら・・・?

 

聖「え、兄さん。なんで、浮いてるの・・・?」

イッセー「え?」

 

私が疑問を投げた途端、魔法陣が私達だけを吸い込もうと、凄い吸引力が発生した!?嘘、失敗!?

 

イッセー「おわー!!」

聖「せっかく、成功したと思ったのにぃ〜!!」

 

結果、私を含めた部室にいた人たち全員が吸い込まれました。もう、最悪!

 

 

 

 

原作世界side

 

数多にあるパラレルワールドの原初と言っていい時間軸。原作のオカルト研究部ではいつもの様にイッセーを取り合っていた。

 

リアス(原)「ちょっと、朱乃!イッセーは私のなのよ!」

朱乃(原)「あらあら、怖いですわ。イッセー君、守ってくださいな。」

イッセー(原)「えぇ!?」

アーシア(原)「はぅ!また、取られてしまいましたぁ!」

ゼノヴィア(原)「ふむ、なるほど。よし、アーシア!私を襲ってくれ!そうすれば、イッセーに守ってもらえる!」

小猫(原)「その考えはおかしいです。ゼノヴィア先輩。」

木場(原)「あはは・・・」

アザゼル(原)「ったく、相変わらず仲がいいな・・・。ん?」

 

いつも通りの日常。そんな日常の中、突然天井に魔法陣が現れ何かが落ちてくる。

 

イッセー「あべし!」

リアス、朱乃、アーシア、小猫、レイヴェル、ガブリエル、ロスヴァイセ「キャッ!」

木場「いてて・・・」

アザゼル「よっと。」

聖「ウブ!」

 

リアス(原)「な、なに!?」

朱乃(原)「あ、あらあら・・・。私達の偽物?」

小猫(原)「いえ、私達と全く同じです。なので、本物ですが・・・」

 

GAME OVER・・・

 

レイヴェル「あ、聖が死にましたわ。」

アザゼル「まあ、直に復活するだろ。にしても、本当にあったとはな・・・」

アザゼル(原)「おいおい、どういう事だ・・・?」

アザゼル「なに、俺らはパラレルワールドのお前さん達だよ。」

聖「トウ!よっと。しゃあ、大成功!!」

イッセー「どこが!?危うく死にかけたんだけど!?つか、お前死んだじゃん!」

聖「いやいや〜。本当の失敗だと、6等分になってあらゆる世界に飛ばされるよ〜。」

リアス(原)「ま、全く話が理解出来ないのだけれど・・・」

アザゼル(原)「まあ、あれだ。一応話を聞く限りだと別次元の俺たちって訳だ。」

朱乃(原)「別次元の・・・」

木場(原)「僕達・・・」

聖「まあ、そういう事ですね。さて、じゃあ帰りましょう!実験は終わったので!」

イッセー「え!?もう帰るの!?」

聖「なら、兄さんはここに居とく?私は別にいいけど?」

イッセー(原)「に、兄さん!?え、そっちの俺ってそんなに可愛い妹がいるの!?てか、そっちのアーシアが悪魔になってるって事はレイナーレに神器を抜かれたのか!?部長の婚約パーティはどうなった!?」

 

リアスの婚約の話になった瞬間、アザゼルは面白そうにニヤニヤし、事情を知らないロスヴァイセとガブリエルは頭に?マークを浮かべ、グレモリー眷属は全員が苦笑いする。そして、当の本人は全力で目を逸らす。

 

リアス(原)「まさか、ライザーとの婚約は元々無かったの?」

リアス「いいえ。話自体はあったのだけれど・・・その・・・」

レイヴェル「聖・・・イッセーさんの妹がお兄様の心を塵に等しく砕いたのですわ。」

イッセー(原)「あ、あのライザーを!?で、でも、君って人間じゃ・・・」

アザゼル「そっちのイッセー。こいつの強さは正直計り知れん。少なくとも、オーフィスより上だ。」

アザゼル(原)「な!?オーフィスとだと!?」

アザゼル「ああ。それに、こいつも神器保持者だが、そもそも能力がイカれてる。死ぬことが無い。その名も、『永遠の神の命(エターナル・ゴッド・ライフ)』。ゲームで言えば、残機が無限にあるプレイヤーだ。」

アザゼル(原)「なるほどな・・・。よし、お前ら!今から模擬戦ってのはどうだ?」

リアス(原)「向こうの私達と・・・?」

聖「まあ、いいんじゃないですか?お互いに弱点を知れるだろうし。」

アザゼル「なに、他人事の様に言ってんだ。お前もやるんだよ。」

聖「え〜。やだよ、欲しいデータ無いのにぃ〜。・・・いや、待てよ?あれの練習にはなるか?やっぱりいいよ。その代わり、部室にいる全員で来てください。」

朱乃(原)「あらあら・・・」

小猫(原)「・・・私達を嘗めてるんですか?」

聖「まあ、私の方が強いし。それに、全員来なきゃ練習にもならないし。」

レイヴェル「はあ・・・。聖、もう少し言い方というものがあるでしょう?まあ、本当の事ですが。」

聖「じゃあ、早速遊ぼうか。まずは、自分対自分って感じでいいんじゃないですか?」

アザゼル(原)「よし。大方決まったからやるか。そっちの俺とガブリエルにも結界は手伝ってもらうがいいか?」

ガブリエル「ええ。」

アザゼル「構いやしねえよ。・・・にしても、目の前に自分が居るってのも変な感じだぜ。」

 

こうして、自分対自分という本来なら起こりえない事態が発生した。無事、聖達は帰ることが出来るのか。



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72話

聖side

 

そんな訳で現在は旧校舎の裏にあるちょっとしたスペースで私やおじさん達以外が軽く準備運動をしている。え?私?空き教室から椅子持ってきてパソコン使ってますが?パラレル・トラベラーを再調整しないと、また怒られるし。

 

イッセー(原)「な、なあ、向こうの俺。兄妹が居るってどんな感じなんだ?俺、一人っ子だからよく分かんなくて・・・」

イッセー「俺よ・・・。そこまでいいもんじゃないぞ・・・。楽しみに取っておいたオヤツを横からかっ攫うし、逆に俺が取ったら今にも殺さんとする形相で襲ってくるんだぜ?それに、中学の時、母さんにエロ本見つかってすんげぇ怒られたのに、あいつと来たら母さんにエロ本見せて、見どころを熱弁してたんだよ・・・」

イッセー(原)「いやそれ、絶対普通じゃねえよ!?なに、エロ本を親に熱弁って!そんな、勇者見てえなこと絶対出来ねえよ!?」

 

いや、仲良しか?てか、エロ本を熱弁って、そんな事もあったな・・・。BL本を事細かに説明して、「このページのこのシーンは萌える!」なんてのを2時間やったっけ・・・。うわ、超懐かしい。今度、アーシアさんにやろっと。

 

アザゼル(原)「おし、そろそろ始めるぞ。最初は誰から行く?」

リアス(原)「私から行くわ。」

リアス「それじゃあ、こっちも私ね。」

アザゼル「ほう。リアスとリアスの対決か。まずは(キング)から行って、全員の士気を高めるって寸法か?」

聖「まあ、弱点を知るって言うのは中々受け入れられないしいいんじゃない?」

 

私は2人が向かい合っているのには目もくれず、パラレル・トラベラーの調整に集中する。正直、どっちが勝つかなんてあんまり興味ないし。レイヴェルは私の隣に椅子を持ってきて隣に座る。

 

レイヴェル「どうです?調整は上手く行きそうですか?」

聖「まあ、大丈夫かな〜って感じ。少なくとも、行きのようにはならないよ。」

アザゼル(原)「それじゃあ、始め!」

 

こっちの世界のおじさんが言葉を発した瞬間、お互いに滅びの魔力がぶつかり合い霧散する。力量差は同じか・・・。私はそれだけを見て、再度パソコンへ集中する。う〜む・・・。単に転移魔法陣の数が少ないのか?天使式、堕天使式、悪魔式、北欧式・・・。いや、待てよ?死神式を入れてないな。

すぐさま、死神式の転移魔法陣を入れ込むと今までに無いほど出力が安定した。おぉ、良かった。冥府とツテがあって。パラレル・トラベラーの調整も終わって、今度はブランクガシャットを差し込む。さて、どんなゲームにするか・・・。ふと顔を上げると2人のリアス先輩は魔力が切れたのか倒れていた。まあ、同等の強さを持ってればそうなるね。

 

アザゼル(原)「互いに魔力切れか。ま、そうなるな。さて、次は・・・」

 

パラレルワールドのおじさんが次を指名しようとした瞬間、結界が破壊され外から大量の悪魔、堕天使等の異形が流れ込んでくる。カオスブリゲードか。まあいいや。

 

悪魔「我らは誇り高き真なる魔王の「ねえ、ドライグ!」人間だと?」

ドライグ『『なんだ?』』

聖「天龍ってなんで喧嘩したの?」

イッセー(原)「いや、今それ聞くこと!?」

ドライグ『さあな。覚えてもいないさ。』

聖「なら、新しく作るか!ドライグとアルビオンは、胸か尻のどっちが尊いかで大喧嘩したってことで!」

トライグ『『ちょっと待て!!』』

聖「え?でも、ヴァーリ君はめっちゃ私のお尻見てきたけど・・・」

イッセー「え!?そうなの!?」

リアス(原)「ちょっと、あなた!今、どういう状況か分かっているの!?目の前にテロリストがいるのよ!?」

悪魔「リアス・グレモリーが2人・・・?ドッペルゲンガーというやつか?」

聖「よし!新しいゲームは、『乳龍帝VSケツ龍帝皇。性癖をかけた戦い』にしよう!」

ドライグ『ふざけるな!!乳龍帝だと!?』

ドライグ(原)『うおぉぉぉん!!こんな人間にまで乳龍帝と言われるなど!うおぉぉぉん!』

イッセー(原)「ちょ、ドライグに胸関係の話はやめてくれよ!」

リアス「はあ・・・。相変わらず空気を読まないわね・・・。」

悪魔「まあいい。我らの楽しみが増えるだけだ。ドッペルゲンガー達よ!貴様らは我々の言うことを聞くしかない!!こちらには、レイヴェル・フェニックスがいるのだからな!!」

 

・・・は?私がテロリストの方へ顔を向けると、魔力で縛られ、口も紐で縛られているレイヴェルを見せつけられる。あ、ヤバい、キレる。

 

アザゼル「おいおい、マジかよ・・・。おい、テロリスト共!今すぐレイヴェル・フェニックスを解放しろ!じゃなきゃ、全員死ぬ事になるぞ!」

悪魔「堕天使の総督『ザシュン!!』」

 

私はとりあえず、レイヴェルの周りにいる羽虫共をエクスカリバーで斬リ刻み、こっちの世界のレイヴェルを持って元の位置に戻る。

 

レイヴェル(原)「!?むーむー!!」

聖「・・・おじさん。解呪をお願い。レイヴェルとアーシアさんは、ハティとスコルを。」

アーシア「っ!は、はい・・・!わ、我が呼び声に答え現れ!スコル君!」

レイヴェル「はあ・・・分かりましたわ。我が呼び声に現れ。ハティ!」

ハティ、スコル『アォォォォォン!!』

 

2人が無事に呼び出せたのを見て、私はゲーマドライバーを装着する。手を前に出すと、ゲンム無双ガシャットが現れしっかりと握る。

 

アザゼル(原)「ハティとスコルだと!?何故、フェンリルの子供を使い魔に出来てるんだ!?」

イッセー(原)「フェ、フェンリルって、神様を殺せるって魔物か!?な、なんか、よくわかんないけどこれなら!」

アザゼル「やめとけ、こっちのイッセー。こっちのリアス達も手を出すなよ?一緒に殺されるぞ?」

リアス(原)「な、何を言っているのよ!1人であんな数を相手出来るはずないでしょ!?こっちにはアザゼル達もいるから!」

イッセー「いや、マジでダメです!こっちの部長!今のあいつ、マジギレなので本当に殺されますって!」

リアス「本当ね・・・。みんな、絶対に手を出さないように。」

オカルト研究部「はい、部長!」

リアス(原)「向こうの私まで何を言っているのよ!全員、戦闘準備を!」

オカルト研究部(原)「はい、部長!!」

 

何か騒いでるけど、どうでもいいや。例えどの世界だろうと、私の目の前でレイヴェルをあんな姿にするなんて削除される覚悟は出来てるんだろうなぁ・・・。

 

一人残らず削除してやる

 

ゲンム無双!

 

聖「グレード無双・・・変身!!」

 

無双ガシャット!ガッチャーン

無双!レベルアップ!

掴み取れ!最強の強さを!

漆黒の天才クリエイター!

グレード無双〜!ゲンム〜!!

 

私は飛び上がり、まるでプリ○ュアの様に姿を変え、髪をかきあげる様にするとゲンム無双への変身が完了し着地する。さぁて・・・。真なる恐怖を教えてやるとしようかァ・・・



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73話

レイヴェルside

 

はあ・・・。知らなかったとはいえ余計な事を・・・。「知らないのは罪」なんて言葉もありますが全くもってその通りですわ・・・。私はアザゼル先生達と共に解呪を手伝い、魔法陣は消え去る。

 

レイヴェル(原)「な、ななな何故私がもう1人いますの!?というより、何故イッセー様が2人!?」

レイヴェル「信じても信じなくてもよろしいですが、私達は異世界の者です。聖・・・あなたを助けた女性の実験で来たのですわ。」

レイヴェル(原)「じ、実験!?そ、それよりも、気を付けてくださいまし!そいつらは全員、蛇を服用し魔王クラスへとなっていますわ!!」

リアス(原)「なんですって!?」

聖『・・・所詮はカスか。』

悪魔「なんだと!?貴」

 

ポーズ!

 

その音声が聞こえた瞬間、目の前にいた大量のテロリストは僅か1人にまで減少する。聖はバグヴァイザーで何かを回収するとバグヴァイザーを仕舞いますが、いつも何を回収しているのでしょうか・・・?

 

悪魔「な!?お、お前たち!!どこに行った!!」

リアス(原)「な、何が起こったの!?私は瞬きをしてないのに!」

ロスヴァイセ「悪魔が消えた・・・?」

ガブリエル「これは前の・・・!」

アザゼル「始まったな・・・」

レイヴェル「ええ・・・。皆様、ここからは一方的な虐殺ですわ。アーシアさんとこちらの世界の方々は絶対に見ないように。」

木場(原)「虐殺だって・・・?」

悪魔「クソが!!こうなれば!!」

 

悪魔はポケットから小瓶を取り出し、中に居た蛇を飲み込むと更に魔力が膨れ上がる。なるほど、あれがオーフィスの蛇ですか・・・。しかし、聖ほどの脅威は感じませんわね。それどころか、あの悪意の塊に比べたら・・・

 

悪魔「クックック!!これで俺クボォ!!」

 

あら、叩き落とされてしまいましたか。こちらの世界のリアス様達は驚きで口が固まってしまっていますわね。まあ、当然ですわ。今、聖はテロリストの腕を引き千切ってはエナジーアイテムで回復させて元通りし、次は足を引き千切っているのですから。

 

アザゼル(原)「お、おい。あいつ、本当に人間か?てか、さっきの悪魔共は・・・」

アザゼル「・・・死んだのさ。時を止めて殺したんだろうよ。」

イッセー(原)「と、時を止めた!?そ、それって、男子憧れの時間停止ですか!?」

アザゼル「ああ。ちなみにだが、こっちのイッセー。いくらお前でも時間停止なんて出来ないからな。ギャスパーの神器でさえ、最大限に鍛えても30分程度だろうがあいつの時間停止は無制限だ。」

朱乃(原)「あ、ありえませんわ!神でさえ時を止めるなど!」

レイヴェル「そのありえないを覆すのが聖ですわ。聖は正直、頭がイカれてますもの。」

リアス「・・・確かに、初めて会った時も神器の能力を見せるために自殺していたわね・・・。あら、相手はギブアップね。」

悪魔「い、嫌だァ!!も、もう痛いのは嫌だァ!!」

 

テロリストはなんとか聖から逃げ出し魔法陣を展開しようとするも反応はない。恐怖から魔力を上手く使えないのですわ・・・。

 

聖『・・・逃がすと思ってんの?』

 

ガッチョーン

キメワザ!

 

聖『敗者は敗者らしいエンディングを迎えろ。ザコが。』

 

ガッチャーン!

ゲンム!!

クリティカルフィナーレ!!

 

聖が走り出した瞬間、あらゆる場所から聖が現れテロリストは逃げる場所も無く全ての攻撃を1分ほど喰らう。・・・なるほど。ゲンム無双はやはり、無双ゲームということですか。それにあの様子だとレベルは設定されていませんわね・・・。全てのゲンムが攻撃を終えて消えるとテロリストは爆散する。

 

PERFECT!!

 

聖『・・・』

リアス(原)「な、なんなのよ、あの力・・・!!」

レイヴェル「白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)から抜き取った悪意を取り込んだのですわ。ゲンム無双。私の予想では、あらゆる敵を屠り去る無双ゲームです。」

イッセー(原)「あ、悪意?つか、ゲーム!?ゲ、ゲームってあの!?そ、そんなもので勝ったの!?」

アザゼル(原)「おい待て!悪意を取り込んだだと!?単なる神器ならまだしも、神滅具の悪意なんてその身を滅ぼすんだぞ!?外面的に纏うならまだしも、取り込んだとなれば相当の寿命を失うぞ!!」

レイヴェル「その通りです。現に彼女の寿命は1年も無いと言われましたわ・・・。」

ゼノヴィア(原)「い、命が惜しくないというのか・・・!!」

イッセー「兄妹の俺が言うのもなんだけど、あいつは天才すぎる。だからこそ、自分の才能の為にあいつは簡単に命を捨てる。・・・聖にとって命ってのはゲームを作るための道具でしかないんだ・・・。」

 

全く・・・。あなたはいつも私を心配させますわね・・・。でも、私は聖の過去を知っている。転生者だと言うことを知っている。聖はもう何も失いたくがないために自分の命を削ってまで強力な武器を作り上げる。・・・でも、信じて欲しいですわ。恋人である私だけでも心から・・・



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74話

ガッチョーン ガッシューン

 

私は変身を解除しても全く怒りが収まらなかった。完全に頭に血が上るのを抑えているものの何かに当たり散らしたい。私は近くにあった巨大な木を武装色でコーティングして蹴ると、簡単に折れて少し遠くまで吹き飛ぶ。

 

小猫(原)「凄い・・・!」

聖「ふうぅぅぅぅ・・・。」

レイヴェル「聖?大丈夫です?」

聖「・・・うん。ごめんね、みんな取っちゃって。」

 

私は全ての怒りを飲み込み、レイヴェルの元へと歩を進める。とりあえず落ち着こう。じゃないと何も出来ん。

 

聖「あ、そうだ。ねえ、こっちの兄さん。」

イッセー(原)「え、に、兄さんって俺?」

聖「そうだよ。赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)を出してくれる?」

イッセー(原)「え?い、いいけど・・・」

 

こっちの兄さんが赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)を出した瞬間、私はバグヴァイザーを刺す。

 

聖「えい♪」

イッセー(原)「!?いででででで!」

ドライグ(原)『グォォォ!な、なんだ、これは!?』

リアス「ちょっと、聖さん!やめなさい!」

 

みんなに引き離される前になんとかドライグの力を複製する事が出来て、思いっきり後方に投げ出された私。え、待って、普通に痛いんだが?

 

リアス(原)「イッセー!大丈夫!?」

イッセー(原)「は、はい・・・。ドライグ、お前は?」

ドライグ(原)『痛みはあったがそれ以外は特に何も無いな。毒を入れられた訳でもない。』

朱乃(原)「あらあら、あなたはイッセー君に何をしたのかしら?」

聖「いてて・・・。純粋な赤龍帝のデータを貰ったんですよ。後は・・・っ!」

 

私は近くにいた2人の木場君の襟を掴んで後方へ飛び上がると、極大の魔力弾が落ちる。この魔力はヴァーリ君か。

 

ヴァーリ(原)「ほう?俺の攻撃を避けるなんてやるじゃないか。」

イッセー「な!?ヴァーリ!!」

聖「うふふ・・・ふふふふ・・・・アハハハハ!!今日は本当についてるね!!まさか、欲しいと思ったのが向こうから来るなんて!!さて、そっちの兄さんとヴァーリ君!2人同時に来なよ!私を殺せたら、何でも言う事を聞いてあげる!」

イッセー(原)「な、なんでも!?な、なら、おっぱいを見せてください!!」

リアス(原)「イッセー!!」

イッセー(原)「ひぃ!ごめんなさい!」

聖「見るだけでいいの?私なら、リアス先輩達が出来ないようなことをしてあげるのにぃ〜?」

レイヴェル「聖!!」

聖「ひぃ!冗談です!ごめんなさい!!」

小猫、小猫(原)「「変態です。」」

 

おぉ、こっちも仲良しか!?いや、まあ、いいや!私はバグルドライバーを腰に巻いてデンジャラスゾンビガシャットを取り出す。

 

ヴァーリ(原)「何の話かは知らんが、とにかく行かせてもらおう!バランスブレイク!」

イッセー(原)「よっしゃ、行くぜドライグ!!バランスブレイク!」

聖「グレード10!変身!」

 

Vanishing Dragon !

Balance Breaker!!

 

Welsh Dragon!!

Balance Breaker!!

 

ガシャット!バグルアップ・・・

デンジャー!デンジャー!

ジェノサイド!

デス・ザ・クライシス!

デンジャラス・ゾンビ!!

Woooo!!

 

聖『ヴェア!!』

 

私はゲーム画面を潜り、ガシャコン・スパローを選択して鎌モードにし、片方を逆手に持ち構える。にしても、なんだ?この違和感は・・・?今までと少し違う・・・。

 

イッセー(原)『シャアッ!!行くぜ!!』

 

BoostBoostBoostBoostBoost!!

 

聖『っ!ハアッ!!』

 

私は逆手の方で兄さんにカウンターを入れたあと、ヴァーリ君が来ているのが見えた為、兄さんの鎧をそのまま掴み盾とする。そのまま、ヴァーリ君が殴ったのを確認しバグヴァイザーをヴァーリ君に当てる。

 

イッセー(原)『ゴアッ!』

ヴァーリ(原)『グッ・・・!な、なんだ、この痛みは・・・!!』

アルビオン(原)『お、俺にまで・・・!!』

聖『悪いけど、白龍皇のデータは貰うよ!!』

 

ヴァーリ君から全てデータを取り終え、回し蹴りで距離を取ろうとするも突っ込んで来る兄さんに気付けなかった。

 

イッセー(原)『おおぉぉぉ!!』

聖『しまっ!グフッ!!』

 

私は後方に吹っ飛ぶもすぐさまデンジャラスゾンビの力で復活する。そう、ここまでは良かったんだけど、スーツ全体に紫色のスパークが一瞬入る。なに・・・?

 

聖『っ!アガァァァァァァァ!!!!』

イッセー(原)『な、なんだ!?』

ヴァーリ(原)『自滅か・・・?』

 

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!頭が!体が!全てが痛い!!こ、こんなこと今まで無かったのになんで!!そこで、私は気づく。最初の違和感の正体に。そして、確信する。とうとう至ったのだと。

 

聖『くふふふふふ・・・!!あぁ・・・!ようやく・・・!ようやく至ったァ!!』

 

ガッシューン

 

私が変身を解くと制服はほとんど破け、なんとか形を保っているだけ・・・。でも、どうでもいい!!なんせ、ようやくゴールにたどり着いたんだから!!

 

アザゼル「至っただと・・・?」

聖「長かった・・・!沢山の死のデータを集めてようやく・・・!ようやく至った!!『レベルX』に!!」

イッセー「れ、レベルX・・・?」

アザゼル(原)「Xってのは数学的に言えば未知数だ。しかし、レベルってのは・・・」

レイヴェル「・・・なるほど。全て繋がりましたわ。何故、戦闘が終わったあとにバグヴァイザーで何か回収する意味を。」

アザゼル「あいつは、自他が死んだ際のデータを取ってたってわけか・・・。ったく、相変わらず意味の分からないやつだよ・・・。」

聖「はあ・・・はあ・・・もう、デンジャラスゾンビを使う理由は無い・・・!!次のゲームを作る・・・!!」

 

私はバグヴァイザーを自身に差し込み、赤龍帝と白龍皇のデータを流し込む。これが結合すれば・・・!!

 

聖「アアァァァァ!!!!」

ドライグ『まさか、俺たちの力を!!』

アルビオン『人間が取り込めば死は確実。あいつは助からん。』

リアス(原)「な!?あなた、やめなさい!!そっちのイッセーも止めるのを!」

イッセー「その必要はないです。アイツは絶対にやり遂げます。」

木場(原)「何を言っているんだ!彼女が死んでもいいって言うのかい!?」

イッセー「んなわけねえだろ!!でも、俺が今の聖を信じてやらねえで、何を信じるって言うんだよ!!」

 

ふふ・・・。嬉しいこと言ってくれるじゃん・・・!!なら、その信頼に答えなくちゃね・・・!!私は自分の魂・・・ううん。細胞に意識を集中させる。聞こえているんでしょ?もう一人の私。そろそろ、一緒に暴れようじゃない!!



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75話

レイヴェルside

 

聖・・・!!私は無意識でベルトを装着しようとするも寸前で気付き手を止める。・・・これは聖の戦い。それでも、私は!!

私は聖の方へと走り出し手を握る。

 

聖「っ!レイ・・・ヴェル・・・?」

レイヴェル「聖!全て一人で抱え込まないでください!」

聖「わた・・・しは・・・!」

レイヴェル「私を!イッセーさん達を信じてください!」

ヴァーリ「これ以上は待てないな。」

 

白龍皇は手元に極大の魔法陣を展開させ、こちらのイッセーさん達が止めようとするも間に合わず、私達の方へ放たれる。ま、間に合わない・・・!私は聖を強く抱き締め痛みを覚悟するもいくら待っても痛みは来ない。恐る恐る目を開けると、聖が人差し指だけで止めていた。

 

聖『・・・随分といい女持ったじゃねえか。レイヴェルって言ったか?離れてな。』

レイヴェル「ひ、聖・・・?」

聖『なに、このバカにも響いてるだろうよ。こっからは『私達』のステージだからよ。』

 

聖の喋り方が変わったと思ったら、体から赤と白、そして黒紫のオーラが体から溢れ出る。一瞬、聖と目が合うと目が赤く光ったと思ったら新しいガシャットが生み出される。

 

マイティドラゴンズ!XX!

 

聖「『さあ、こっからはドラゴン同士の決闘よ『だ』!!』」

 

ダブルガシャット!

ガッチャーン!レベルアップ!

マイティドラゴンズ!

二匹のドラゴン!

マイティドラゴン!

二匹でVICTORY!X!

 

聖は3等身の体になるも、髪の色が違った。前は水色と薄いオレンジ色だったが、今は髪が赤と白になっていて白いスーツは薄紫になっていた。こ、これは・・・?

 

聖『更に!!ス〜パ〜!大変身!!』

 

ガッチャーン!ダブルアップ!

お前が強化で!あなたが弱化で!

WE ARE!

マイティドラゴン!シスターズ!

HEY!

XX!!

 

な!?へ、変身が解除された!?と、というよりも、隣の女性は誰ですの!?隣の女性は一般的なシスター服を身にまとっているものの口にはタバコ!?というより、何故彼女の腰にベルトが!?

 

聖「・・・こうして会うのは初めてだね。パラド。」

パラド「ああ、そうだな。聖。」

イッセー(原)『いや、今どこから出てきた!?』

ヴァーリ『君も俺と戦ってくれるのかい?』

パラド「ああ。遊んでやるよ、クソガキ。」

聖「レイヴェル、ありがとう。もう少し、頼るってことを覚えるよ。」

パラド「それじゃあ、いっちょ暴れるか!!」

聖「ええ!」

聖、パラド「「超強力プレーでクリアしてやるわ「ぜ」!」」

 

ガシャコン・ブーステッド!

ガシャコン・ディバイディング!

 

聖の手には、まるで赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)の様な篭手が現れ、パラドと呼ばれた女性の手には白龍皇と同じ真っ白な両刃のバトルアックスが握られている。ど、どういう事ですの!?あ、パラドと呼ばれた女性が白龍皇の元へ行きましたわ!?

 

パラド「おらよ!!」

ヴァーリ『っ!速いな!だが、楽しめそうだ!!』

聖「なら、私はこっちだね!」

イッセー(原)『っ!よし、来い!』

 

聖は篭手に付いているBボタンを5回程押し込む。すると、確実にオーラが高まっているのが分かります!ま、まさか!?

 

1、2、3、4、5!

5!倍加!!

BoostBoostBoostBoostBoost!!

 

リアス(原)「今のは赤龍帝の声!?まさか、物にしたと言うの!?」

聖「か〜ら〜の〜!武装色硬化!!」

 

聖の右腕は先程の様に黒くなり、私の目では捉えきれない速さで殴りかかった様で、イッセーさんの鎧は粉々に砕け散る!な、なんなのですの!?パラドさんの方へと目を向けるとちょうど攻撃が当たったようで、白龍皇が吹き飛ばされる!ま、まさか・・・!!私の予想通り、バトルアックスに付いているBボタンを連打するとどんどん力が溜まっていく。

 

1、2、3、4、5!

5!減化!

DivideDivideDivideDivideDivide!!

 

ヴァーリ『グッ・・・!まさか、アルビオンの能力まで!』

パラド「そういうこった!!おらよ!!」

ヴァーリ『ガハッ!』

 

パラドさんは容赦なく白龍皇を蹴りあげ、そのままバトルアックスで滅多斬りし鎧を破壊する。な、なんて強さ・・・!!

 

聖「そろそろ終わるよ!」

パラド「ああ!」

 

ガッシューン

ダブルガシャット!

キメワザ

ウェルシュ!バニシング!

クリティカルストライク!

 

篭手にはまるで龍の顔を模した幻影が現れ、バトルアックスの方には魔王様を超えるオーラが!

 

聖、パラド「ハアッ!!」

イッセー、ヴァーリ(原)「グアァ!!」

聖「よし!それじゃあ、そろそろ帰るよ!」

 

パラレル・トラベラー!

 

聖はキメワザスロットにガシャットを差し込むと、私達の足元に先程の魔法陣が展開され、気が付くと部室に戻っていた。も、もう、なんなんですの!?さっきから、驚きの連続でしたわ!

 



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6章修学旅行はパンデモニウム
76話


異世界から帰ってきて既に1週間。現在、私達は冥界にいます。何故かって?私はおじさんから大事な話があるって言われて、リアス先輩達はサイラオーグさんとの試合に向けてインタビューがあるのだとか。ちなみに、ロスヴァイセ(残念ヴァルキリー)さんは原作通り眷属入り。これで、リアス先輩の駒は全て埋まった。でも、イリナちゃんが転入してこないんだよなぁ・・・。もしかして、転生天使のシステムが導入されなかった?実際、兄さんもアスカロンを持ってないし有り得ない話でもない。

そんな訳で、私はレイヴェルにフェニックス家へ拉致され食事。その後、軽く世間話をしてリアス先輩達とテレビ局で合流。出番を待ちながら軽く話をしていると見慣れた人物が。

 

サイラオーグ「む?リアスか。」

リアス「サイラオーグ!あなたもインタビュー?」

サイラオーグ「ああ。俺は今終わったところだ。」

係員「リアス様とその眷属様方。お時間です。」

リアス「ええ。それじゃあね。レイヴェル、聖さんがやらかさないようによろしくね。」

レイヴェル「ええ。分かっていますわ。」

聖「私なんかやったっけ・・・?」

レイヴェル「はあ・・・」

 

はて・・・?私がやった事といえば、堕天使を倒して、ディオドラ(究極最低ド変態)を証拠が残らないようにバグスターウイルスで完全消滅させて、ライザーをチェンソーで追いかけ回して・・・。いや、めっちゃやってるじゃん。そりゃあ、ブレーキ役も付くわな。あ、思い出してる間にリアス先輩達が居なくなってる。

 

サイラオーグ「ふむ・・・。聖、もし時間があるのならお茶でもどうだ?」

聖「いいですよ。レイヴェルも一緒ですが大丈夫ですか?」

サイラオーグ「ああ。当然だ。」

 

という訳で、レイヴェルも一緒にテレビ局内にあるカフェへ。貴族も来るからなのか、凄い値段のスイーツ等も置いてある。貴族怖い。まあ、サイラオーグさんが奢ってくれると言うので欲を出して高いのを注文しようとしたら、レイヴェルに思っいっきりハイヒールで足を踏まれたけど・・・。私とサイラオーグさんはコーヒーを、レイヴェルとサイラオーグさんの女王(クイーン)は紅茶を頼み、4人分のエクレアを頼んだ。にしても、お高いシュークリーム・・・。めっちゃ、味が気になる・・・。

 

サイラオーグ「聖、聞きたい事があるがいいか?」

聖「?大丈夫ですが・・・」

サイラオーグ「何故、お前は戦う?」

聖「え?私の平穏を邪魔するから?」

サイラオーグ「平穏?」

聖「はい。今の私の平穏は、私の周りの人達が笑って過ごせる事です。正直な事を言うと和平を結ぼうが戦争をしようがどうでもいいです。みんなの笑顔を奪わなければの話ですが。あむ。ん〜!このエクレア、美味〜!」

 

いや、冥界のエクレア最高か?めっちゃ美味いんだが?こんなん食べたら、他のものを食べれなくなってしまう!あ、話題が途切れそうだから私も聞いとくか。

 

聖「サイラオーグさんはなんの為に戦うんですか?」

サイラオーグ「母上の為だ。」

聖「サイラオーグさんのお母さんですか?」

サイラオーグ「ああ。これでも、幼少の頃は虐められててな。悪魔だと言うのに魔力を持たずに生まれ、階級が低いものにすら虐められていた。生傷が絶えずよく泣きながら家に帰ったものだ。しかし、母上はそんな俺を見て厳しく諭してくれた『魔力の才能が無くとも腕力でも、知力でも良い。努力して結果的に素晴らしい力を得られればそれは何より尊いモノであると』な。」

レイヴェル「素敵な方ですわ。なら、初めてのレーティングゲームで勝利を飾った際は、『もっと精進しなさい』等のお言葉を?」

 

あ、レイヴェルが盛大に地雷をぶち抜いた。いやまあ、今の話を聞けば誰でもそう思うけど。・・・事情を知らなければ。それに、サイラオーグさんの目も一瞬悲しそうに変わったし、やっぱり『眠りの病』にかかってるんだろうな・・・。

 

サイラオーグ「・・・いや。俺はここ数年、母上と会話をしていない。」

レイヴェル「え?」

クイーシャ「サイラオーグ様、その話は・・・」

サイラオーグ「いや、構わない。2人に話したところで、俺の弱みになる事でもない。」

クイーシャ「申し訳ありません。出過ぎた真似を。」

サイラオーグ「いや、その心遣い。感謝するぞ、クイーシャ。母上は数年前から眠りの病に掛かっているのだ。」

レイヴェル「っ!も、申し訳ありません!し、知らなかったとはいえ・・・!」

聖「眠りの病?」

 

一応、ここは知らないフリをしとこう。レイヴェルにしか、私が転生者って事話してないし。

 

サイラオーグ「眠りの病。悪魔のみが発症する稀有な病でな。発症すれば眠り続けるのだ。病例が少なく、治療法も確定しない不治の病だ。」

聖「不治の病ですか・・・」

レイヴェル「も、申し訳ありません!知らなかったとはいえ、大変失礼な事を!」

サイラオーグ「構わんさ。例え母上の事が知れたとしても俺の弱みにはならないからな。」

聖「あの。もし良かったらでいいんですけど、私に検査させてくれませんか?」

サイラオーグ「なに?」

聖「気になるんです。何故、突然発症するのか。それに、もしウイルス性のものなら私の得意分野ですから。」

サイラオーグ「・・・わかった。担当医には話を通しておく。」

 

そう言ってサイラオーグさんは立ち上がり、カフェを後にした。でも、実際気になるんだよなぁ・・・。細胞が突然変異するとしても、何故悪魔だけなのかってのが。あ、おじさんも来た。という事は時間か。

 

アザゼル「待たせたな。っと、あの後ろ姿はサイラオーグか?若手とは思えない程の実力を持つ2人が仲良くお茶か?」

聖「いいじゃん、別に。おじさんも早く相手を見つけないと、置いてかれるよ〜。」

アザゼル「おい、今その話は関係ないだろうが!ったく・・・。こっちだ。」

 

私とレイヴェルはおじさんに着いて行くと、会議室に連れてこられたんだけど・・・。なんで当然の様に魔王様がいるの!?しかもお巫山戯が好きそうなサーゼクス様とセラフォルー様が!!

 

サーゼクス「やあ、聖さん。レイヴェル。先のテロ以来だね。あの時は本当に助かったよ。悪魔を代表して例を言わせてもらうよ。本当にありがとう。」

聖「い、いえいえ!あの・・・なんで私呼ばれたんですか・・・?」

セラフォルー「それについてはもうちょっと待ってね〜。そろそろ、赤龍帝君も来るから。」

 

え?兄さん?あれ?なんか、見覚えがあるな・・・。確かこれっておっぱいドラゴンのやつじゃなかった・・・?い、いやいや!レイヴェルも居るから気のせいだ!気のせいだよね?あ、兄さんも入ってきた。

 

イッセー「失礼します。って、聖!?というより、魔王様方も!」

サーゼクス「やあ、兵藤一誠君。座りたまえ。」

イッセー「は、はい!」

聖「あの・・・。話っていうのは・・・?」

セラフォルー「君たちの活躍は聞いているわ。特に兵藤聖ちゃんは、赤龍帝君とコカビエルの撃破、疲弊していたとはいえ白龍皇を退け、コピーのフェンリル、フェンリルの子であるハティとスコル、悪神ロキの撃破、テロを事前に予測してテロ鎮圧に貢献。

赤龍帝君の場合は、白龍皇を疲弊させて、SS級のはぐれ悪魔である黒歌の撃退、下級悪魔でありながらもロキを疲弊させて前回のテロでも冥界を守ることに尽力してくれた。」

サーゼクス「目覚ましい活躍だね。そこで、2人に提案があるのだが、君たち2人をモデルにした特撮番組を作ろうと思っているんだ。」

イッセー「と、特撮!?」

聖「はい!私とレイヴェルは悪役がいいです!」

レイヴェル「聖!?」

アザゼル「まあ、お前は正義のヒーローっていうより、悪の親玉って感じだしな。よし、それでいこう!」

 

よっしゃ!!これなら、檀黎斗を再現できる!!兄さんの意見はガン無視され、冥界を盛り上げるためのプロジェクトは開始された。その名も・・・!!

 

仮面ライダードライグ!



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77話

仮面ライダードライグなんていう、意味の分からない特撮番組をやる事になった次の日。今の時間は修学旅行の班決め中。ちなみにメンバーは決まっていて、私と兄さん、ゼノヴィアさん、アーシアさん、藍華、松田君、元浜君です!まあ、イリナちゃんの代わりに私ってだけなんだけど。でも、京都と言えば英雄派のテロだよなぁ・・・。今回は流石に未然に防ぐなんて出来ないだろうし・・・。どうするかなぁ〜。

 

桐生「どうかした?聖。」

聖「んぇ?ああ、別になんでもないよ。元浜君×松田君か、松田君×元浜君か悩んでただけ。」

元浜「聖ちゃん!?何を言っている!?」

松田「そこは、俺×アーシアちゃんだろう!?」

イッセー「はあ!?松田てめえ、ふざけんなぁ!!」

聖『うるせえなあ!!ぶっ殺すぞ!!』

ロスヴァイセ「ちょっと!あなた達はなんの話をしてるんですか!?今はどこを回るかの話なんですよ!?」

 

え、今のパラドなのに私が怒られるの!?そんな時、私達をぬるりとした感触が襲う。なるほど、学校でも関係ないってわけね。転移させられたのは、私と兄さん、木場くん、ゼノヴィアさん。何故アーシアさんとロスヴァイセさんは転移されてないのだろう・・・。まあ、いいや。

 

曹操「やあ、化け物。元気そうでなによりだ。」

聖「また、あんたらな訳?懲りないね〜。自称英雄君。」

イッセー「てことは、英雄派!?」

ゼノヴィア「まさか、こんな所で会うとは!」

曹操「兵藤聖。君にもう一度だけチャンスをあげよう。俺たちと共にこい。世界を異形から救おうじゃないか!!」

聖「興味無いからパス。世界が支配されようが破壊されようが、私にとってはどうでもいいし。」

ゲオルク「だから言っただろう?彼女は毒され過ぎたんだ。もう、手遅れだよ。」

曹操「・・・そのようだ。なら、死んでもらおうか!!」

 

曹操が前に出ようとした瞬間、とてつもない爆発音が響き渡る。放たれた方を見るとスーツ姿のグレイフィアさんが!!え、エロい・・・!!

 

グレイフィア「坊やたち。ここに入ってきたってことは死ぬ覚悟は出来てるんでしょうね?」

ジークフリート「お前はあの時の化け物!!またしても、僕達の邪魔をする気か!!」

グレイフィア「あれは、あなた達からでしょう?お馬鹿な『英雄』さん?」

曹操「っ!貴様ァ!!」

 

曹操達はバカ正直に突っ込んでくるけど、ゼノヴィアさんと木場君はジークフリート(多分)の剣を受け止め、グレイフィアさんはゲオルク(多分)の攻撃を弾き、私は曹操の攻撃を武装色で防いで兄さんが殴り掛かるもあっさりと避けられ、カウンターを入れられるところを私が弾き蹴りを入れる。てか、後ろのショタって誰・・・?

 

曹操「くっ!レオナルド!!」

レオナルド「っ!・・・!」

 

後ろのショタが手を前に出すと不規則な形をした魔物が大量に現れる。なるほど、あれが神滅具(ロンギヌス)の1つ、『魔獣創造(アナイアレイション・メーカー)』か。私は、メダルホルダーから一枚のメダルを取りだし、魔獣へと投げつける。

 

終末!

 

メダルが魔獣へ吸収された瞬間、突然地震が起こる。本来なら当然有り得ない。なんせ、ここは『絶霧(ディメンション・ロスト)』の異空間だから。まあ、エナジーアイテムには関係ないけど。

 

イッセー「じ、地震!?」

曹操「ゲオルク!どういうつもりだ!!」

ゲオルク「いや、僕じゃない!そもそも、僕の神器は地震まで再現出来ない!!」

ジークフリート「っ!兵藤聖!!何をした!!」

聖「私は神であると同時に、仮面ライダークロニクルのゲームマスターでもあるのよ?絶霧(ディメンション・ロスト)の異空間を、仮面ライダークロニクルのゲームエリアに転換することなんて朝飯前なのよ。」

 

私が喋り終えた瞬間、魔獣の足元からマグマが噴き出し全ての魔獣が溶けて霧散する。まさか、全部倒せるなんてラッキー。

 

曹操「くっ!こうなったら、ゲオルク!!」

ゲオルク「っ!そういうことだね!!」

 

またしても私達の周りを霧が包むと、元の教室に戻ってくる。しかし、武器を持った英雄派達も一緒って事だけど。やっぱ、クラスのみんなは驚くよなぁ・・・。だって、突然知らない人がどこからともなく現れるんだから。何も知らなかったら、私でもビビるわ。

 

曹操「やあ、駒王学園の生徒諸君。早速で申し訳ないが、君たちは騙されている!!この世界には俺たちの様な人間の姿をして騙す異形が存在する!!」

 

あ、こいつバカだわ。そんなん、普通信じないっしょ。どこの怪しい宗教なん?

 

桐生「ね、ねえ、兵藤・・・。あ、アイツ何・・・?」

イッセー「え、え〜っと・・・。そ、そうそう!聖の厄介なファンなんだ!」

曹操「な!?き、貴様!!何を!!」

聖「そうそう。私の作った、仮面ライダークロニクルを大好きみたいなんだけど、キモイんだよね〜。」

松田「わ、私の作った仮面ライダークロニクル!?」

元浜「あれって、聖ちゃんが作ったのか!?」

 

あ、やべ。別の意味で教室がざわめき始めた。曹操達なんて、蚊帳の外だし。・・・いや、これはこれで使えるな。宣伝として。

 

聖「そ。仮面ライダークロニクルは私が作ったの。そして、ラスボスは誰にも倒せない。」

村瀬「え、嘘!?」

片山「な、なら、永遠にクリア出来ないじゃん!」

聖「話は最後まで聞きなよ。当然、攻略法も用意してるよ。まあ、ちょっとした裏技を使えば、『理論上』攻略出来る力が手に入るの。」

 

ガッチャーン・・・

仮面ライダークロニクル

 

ゼノヴィア「聖!何を!」

聖「クラスのみんなにだけ見せてあげる。『伝説の戦士クロノス』の力を。変身!」

 

ガシャット・・・バグルアップ!

天を掴めライダー!

刻めクロニクル!

今こそ時は極まれり!!

 

聖『これこそ、仮面ライダークロニクルのラスボスであるゲムデウスを唯一攻略できる伝説の戦士。クロノス。』

曹操「っ!見たか!これこそ、兵藤聖の本当の姿だ!!化け物として姿を現した!!」

 

ば〜か。なんで、仮面ライダークロニクルの話を持ち出したと思ってる訳?当然、認識誘導の魔法も使ったけど。

 

ポーズ

リスタート

 

曹操「グハッ!」

ジークフリート「ゴハッ!」

ゲオルク「ゴフッ!」

聖『この様に、伝説の戦士の力には時を止める能力があるの。』

松田「な、ななななんだとぉ!?!? 」

元浜「と、とととと時を止める!?そ、それは、全男子が欲しいと願うあの幻の時間停止!?」

聖『そういうこと。さてと。って、あれ・・・?』

 

私が曹操達の方へ振り向くとまたしても居なくなっていた。ま、また、逃しちゃった!!その後、学校は不審者が現れたとして臨時休校。そして、私はクロノスの力を使ったとしておじさん達にしこたま怒られた。なぁんで、こうなるのさぁ!!



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78話

学校が臨時休校となり、アザゼル先生やロスヴァイセ先生、リアス先輩達から2時間程絞られた私。今、何処にいるかと言うと・・・。

 

聖「ん〜♪やっぱ、ハンバーガーは至福〜♪」

レイヴェル「は、初めて食べましたが、こんなに美味しいものだったとは・・・!!」

 

現在、私のお気に入りのハンバーガーショップでレイヴェルと絶賛制服デート中でした!いや〜、一度はやってみたいと思ってたけどこんなに早く念願叶うなんて思わなかった〜♪てか、レイヴェルが可愛すぎるんだが?制服姿もそうなんだけど、ハンバーガーを口いっぱいに頬張ってるんだが?あ、口にソース付いてる。こういう時は・・・

 

聖「レイヴェル、口にソース付いてるよ。」

レイヴェル「え?どこに・・・!?///」

 

私はレイヴェルの口をキスをしてソースを舐めとる。あ、驚いてフリーズしちゃった。固まってるレイヴェルも可愛いなぁ・・・。

 

レイヴェル「な、なななな!///」

聖「ニシシ。イタズラ成功〜。」

レイヴェル「も、もう!そ、外では辞めてくださいな!///は、恥ずかしいですわ!」

聖「は〜い。ん?あれは・・・」

 

私は窓の外に見知った顔を見つけた。それは当然兄さんだ。右側では塔城さんが兄さんの腕を組み、反対側の腕はアーシアさんが組んで睨み合っている。真ん中の兄さんはオドオドしてるけど。やば、両手に花じゃん。

 

レイヴェル「ふふ、どうやら3人もデート中みたいですわね。」

聖「あれをデートというかは微妙だけどね〜。まあ、他の男子が見たら処刑一択だろうけど。」

 

その後はのんびりしながら、レイヴェルの友達の話を聞いたり、仮面ライダークロニクルの進行具合を聞いたりなど、和やかにしていたもののやっぱり長くは続かない。

 

チャラ男A「ねえ、君たち。今、暇だったりしない?暇なら遊ぼうよ。」

レイヴェル「やはり、仮面ライダークロニクルにクロノスの力は必要不可欠ですか・・・」

チャラ男B「あれ?お〜い。今「なんなら、クロノスの力があったとしてもクリアは理論上。超高度なゲームテクニックが必要だよ〜。」っ!おい、話を聞けよ!!」

 

私達はチャラ男がなんか言ってるけど、全てガン無視して会話に花を咲かせる。それにキレた一人が私の胸ぐらを掴んでくる。

 

レイヴェル「聖!」

チャラ男A「おい、いい加減にしろよ!!今、俺たちが話っ!!」

 

私は掴んできた奴の顔面を掴みテーブルに思いっきり叩きつける。まあ、実際は『私』じゃないんだけど・・・。

 

チャラ男A「いっ!てめ、なにすんだ!!」

聖『それは、こっちのセリフなんだよ。見て分かんねえのか?こうすればわかんのか!!!!』

 

パラドはチャラ男の腕を折った!?おっと、それはやり過ぎかな!?一応、認識阻害は張ってるけど!ほら、チャラ男Bもビビってるし!って、私の体でチャラ男Bの股間蹴らないで!!

 

チャラ男B「くぁwせdrftgyふじこlp」

チャラ男A「う、腕が!!い、痛い!!痛い!!」

レイヴェル「ちょ、聖!って、あなたパラドですわね!?」

聖『あ?なんだ、バレたか。私がムカついたからやっただけだ。後処理はアザゼルにでも振っとけ。』

 

パラドは私に意識を戻して奥に籠った。え、やるだけやって、後丸投げ!?出すよりも片付けの方が面倒なんだけど!?とりあえず、クロノスに変身してポーズを使い、チャラ男2人を裏手のゴミ捨て場の方に放置してリスタート。そのまま何事もなく認識阻害を解いて何事も無くお店を出る。

 

レイヴェル「全く・・・。いくら認識阻害を掛けていたとはいえ大事にすればまた怒られますわよ?」

聖「いや、あれは私じゃないんだけどなぁ・・・。」

 

その後も私とレイヴェルのデートは当然続いていく。一緒に服や雑貨を買ったり、ボーリングしたり。なんならカラオケまで行った。レイヴェルも喜んでいたみたいだし良かった〜。



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79話

聖「う〜む・・・」

 

デートから帰ってきたあと、私は秘密基地に置いてあるゲームチェアに座り頭を悩ましていた。というのも、曹操達の性格改変の事だけど。一応ノートに纏めてみたものの・・・。

 

曹操原作→知的で極めて冷静。戦い方はテクニック重視で相手の弱点を瞬時に見極め突く戦法を好む。

 

現在→知的な要素と冷静さは皆無。猪突猛進型であり煽り耐性皆無。

 

ゲオルク原作→英雄派の魔法使い。絶霧を使いこなし多人数の転移が可能。こちらも知的で冷静でありあらゆる魔法を使える。

 

現在→魔法は扱えるかもしれないが絶霧の扱い方は雑。自分に酔いしれている部分あり。

 

ジークフリート原作→神滅具ではないものの、その剣の技術から六本の魔剣を使いこなす。

しかし、神器は龍の手であり、最強の魔剣と称される『魔帝剣グラム』を所持しているものの、龍殺しを付与されていることもあって本気では戦えない。しかし、残りの魔剣も伝説級。

 

現在→ほとんど同じながらもその実力は剣に振り回されている程度。原作では木場君やゼノヴィアさん、イリナさんの3人を1人で倒した実力があるものの、この世界ではゼノヴィアさんと木場君に余裕で止められる。

 

・・・明らかに弱体化してね?これで、九尾を誘拐なんて出来るの?え、ちょっと待って?私の計画がおじゃんになる可能性が出てきたな・・・。仕方ない、プランBにするか。ったく、手間の掛かる奴らめ・・・。とりあえずはアレを作ればいいか・・・。私が制作を開始しようとすると、レイヴェルに声を掛けられた。あ、もう、そんな時間か。

今日は何があるのかというと、『仮面ライダードライグ』の第1話の収録があり、それに私とレイヴェル、兄さんとリアス先輩が参加する。と言っても、見てるだけなんだけど。そこで、気になった所を指摘していいらしい。ちなみに、要望通り私は悪役。兄さんが主人公。なんで、演技してるのを見てるんだけど・・・。

 

聖「あのですね。女優さん。私の方はもっと怪しいかつお淑やかな感じっていいましたよね?舐めてます?私の事。やり直し!!」

 

こんな感じで私が演技の指導中。何を目指しているかって?当然、初期の檀黎斗よ!あそこからのキャラ崩壊が面白くて面白くて・・・。

ちなみに、女優さんは大ベテランらしいけど私が全てにダメ出しを入れるもんだから、最初はプライドが刺激されてやる気が凄かったけど今では半泣き状態だ。でも、お仕事だから仕方ないよね♪

 

レイヴェル「聖、そこまでですわ。あなたの中の構想はどうなっているのかは知りませんが、無理なものは無理なんです。」

聖「えぇ〜!でも、最初から頭おかしいってのもねぇ〜。」

女優「も、もう、私には無理です!!」

 

あ!逃げた!むぅ〜・・・。あれで大ベテランとか絶対嘘だろ・・・。そんな訳で、逃げた女優の代わりに私が本人役として出演決定。後で、リアス先輩達にとんでもなく怒られたけど、まあ大丈夫でしょう。

そして、撮影終了後にリムジンでグレモリー家へ。なんでも、眷属が全員集合したからその報告を家にするらしい。こんな事でも家に行くのかぁ・・・。面倒だなぁ・・・。あれ?そういやレイヴェルって悪魔の駒(イーヴィル・ピース)貰ってないよね?つまり、もう眷属探し始めてるのか・・・。

 

リアス「さ、ロスヴァイセ。好き場所を選んでちょうだい。その場所があなたの領地になるわ。」

ロスヴァイセ「えぇ!?り、りりり領地!?グ、グレモリー家の待遇は破格とは言っていましたがこんなレベルだったなんて・・・!!ヴァルハラと全然違います!」

聖「いや、前の職場と比べたらダメですよ。良し、完成っと。」

朱乃「あらあら。次はどんなゲームを作ったのですか?」

聖「『ジュージューバーガー』というゲームです。」

木場「ジュージューバーガー?」

聖「食いしん坊の『バガモン』というキャラクターの無茶な注文通りにハンバーガーを作って提供するアクションゲーム。ちなみに、ガシャットも完成済み。」

 

私は爆走バイクの色と似たガシャットを見せる。しかし、ここでギャスパー君が疑問を持ってしまう。

 

ギャスパー「で、でも、今の話を聞いただけじゃ、戦闘ではあまり役立ちそうに思えませんが・・・」

聖「まあ、確かにギャスパー君の疑問にも一理あるよね〜。実際、格闘系じゃないし。だからといって使わないという考えはしないよ。どんな武器であれ防具であれ知恵であれ特性であれ、より柔らかく、より卑怯に使った者が勝つんだから。」

 

あれ?私、今めっちゃいい事言ったんじゃね?え、やば!こ、この発言切り抜かれちゃう!!

・・・まあ、実際そうだとは思うけど。覇王色の覇気の雑魚減らしなんて相手からしたら卑怯だろうし。槍も持ち手を折ってしまえば二刀流にも出来る。兵法だって余程ひねくれてなきゃ思いつかないだろうし。

こんな話をしているといつの間にかグレモリー城へ着いていた。



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80話

所代わってグレモリー城。いつも通り食事なんだけど・・・

 

聖「・・・何故にグレイフィアさんがいる?」

グレイフィア「あら?いけないかしら?聖。」

聖「い、いえ!そのような事は!」

ジオティクス「私が招待したのだよ。彼女とも話をしてみたくてね。」

 

さいですか・・・。てか、なんで私の右隣はミリキャス坊やなん?そこはレイヴェルでしょ!いやまあ、いいんだけど・・・。レイヴェルは対面に居るけど、めっちゃ羨ましそうに見てくる。まあ、左隣は兄さんだけど。

とりあえず、まだテーブルマナーを覚えてなかったみたいだから、人差し指で太腿を強く押しといた。これが結構、痛いんだよなぁ〜。

 

ジオティクス「ロスヴァイセさんは教育事業に関心があるとか。」

ロスヴァイセ「はい。いつか、私の教え子からヴァルキリーを排出したいと考えています。」

ジオティクス「それはそれは。当主として楽しみですな。」

ヴェネラナ「聞いた話なのだけれど、聖さんはウイルス学を収めているのだとか。」

聖「はい。ウイルス作る過程で必要な事だったので。」

ヴェネラナ「もし時間があるのなら、冥界のウイルス学も学んでみる?」

聖「ええ。是非とも。しかし、その為にはまず冥界の医療の歴史から学ぶ事になりますが・・・」

 

うん、正直面倒だな。出来ることならやりたくない。いや、冗談抜きで。

 

イッセー「お前、昔から頭良かったからな〜・・・」

聖「まあ、当然。神ですから?それよりも、兄さんはとっととマナーを覚える!」

イッセー「っ!!いってぇ!!」

 

なんとなく兄さんを武装色で固めた拳でゲンコツする。うん、気分スッキリ。

 

リアス「全くもう・・・。仲がいいのか悪いのか・・・」

朱乃「あらあら、うふふ。」

レイヴェル「はあ・・・。聖、そこまでにしないと怒りますわよ?」

聖「は〜い。」

ミリキャス「ひ、聖様!聖様ってどれだけ強いんですか!?」

聖「え、どうだろ・・・。変身すればオーフィスレベルを倒せなくもないけど変身無しだと・・・魔王様位?」

ミリキャス「す、凄いです!」

 

え、なに、この子。めっちゃ、私に興味持つじゃん。え、恋でもした?まさかねぇ〜。

 

ミリキャス「あ、あの!聖様!こ、この後、僕とお茶等どうですか!」

 

おいおい、マジかよ・・・。え?なんで私?ほら皆、食事の手を止めちゃったし。レイヴェルなんて驚きすぎてフォーク落としちゃったよ!ローゼンさんなんて、目が点になってるしな!!え、何、そのキラキラした目は。

 

ミリキャス「だ、ダメですか・・・?」

 

め、めっちゃやりてぇなぁ!!お茶の後、夜の大運動会に発展させてぇなぁ!!でも、今の私はレイヴェルという彼女持ち!え?ハーレム?んなもん、出来るわけない!!てか、やりたくない!!そして、私の出した答えは・・・

 

聖「・・・ごめんね。ミリキャス坊や。今は色々とやることがあるからお茶は出来ないかな。」

ミリキャス「あ・・・そ、そう・・・ですか・・・」

 

ざ、罪悪感がァァァ!!罪悪感に殺されるぅぅぅぅ!!

 

聖「うっ・・・」

 

GAME OVER・・・

 

イッセー「あ、死んだ。」

聖「とぅ!うぅ・・・また、死にそう・・・」

ジオティクス「オ、オホン。ああ、そうだ。居住区にサーゼクスが戻っている。」

リアス「お、お兄様がですか?」

ジオティクス「ああ。一度顔を見せてくるといい。」

 

こんな感じで無理やり話題をねじ曲げてもらって食事再開。クッソ気まずかったけどね!!そして、魔王様へ会うために居住区へ。魔王様は見えてきたものの、もう1人見知った背中を見つける。

 

リアス「お兄様!それに、サイラオーグも!」

サーゼクス「やあ、リアス。」

サイラオーグ「テレビ局で会ったぶりだな。リアスにその眷属、聖。」

イッセー「はい!」

リアス「サイラオーグは何故ここに?」

サーゼクス「バアル領の特産品を届けに来てくれたのだよ。それと、次のゲームでは制限を外して欲しいと進言されたよ。」

リアス「っ!!こちらの全てを受け入れると?」

サイラオーグ「ああ、その通りだ。赤龍帝の技も時間停止も全て受け入れよう。」

サーゼクス「ふむ・・・。サイラオーグ、赤龍帝と殴りあってみないか?」

サイラオーグ「っ!願ってもないことです!」

サーゼクス「彼はこういっているが、リアス。どうする?」

リアス「お兄様・・・いえ、魔王ルシファー様にそう言われては断る事など出来ませんわ。イッセー。やれるわね?」

イッセー「は、はい!」

サイラオーグ「・・・サーゼクス様。もし、私のわがままを聞いてくださるのでしたら、私は聖とも戦ってみたいと思っています。」

サーゼクス「それは「いいですよ。」・・・良いのかい?」

聖「はい。私も試したいことは幾つかありますから。」

サーゼクス「ありがとう、聖さん。さて、それでは移動しようか。」

 

こうして突如として始まった殴り合い。ま、今回は私にとって1つの実験だし、ついでに若手最強と名高いサイラオーグさんと一戦混じえるとしよう。



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81話

そんな訳で移動した場所はコロシアム!グレモリー眷属と私、レイヴェル、ローゼンさんにグレイフィアさん、魔王様にミリキャス坊や!なんだけど・・・

 

ミリキャス「・・・」

パラド『(・・・おい、めっちゃガキから見られてるぞ。)』

聖「(いや、知ってるから。気付かないふりしてるんだから黙って。)」

 

さっきからめちゃめちゃガン見されてます。うん、集中なんて無理。というわけで、私は今制作中の新武器を完成させる為にパソコンを開く。

 

レイヴェル「?聖、これは?」

聖「新しい武器。アサルトライフルとメイスを使えるようにした、《ガシャコン・メデューサ》と鋼鉄の棍の《メタルシャフト》、遠距離をメインに戦うための《トリガーマグナム》だよ。」

 

まあ、皆さん予想通りのものを作っていくよ。え?世界線が違う?それは、檀黎斗の才能にどうぞ。作れるものは作らなきゃ、才能の無駄使いだよね!

という事で、メタルシャフトとトリガーマグナムに必要な素材を取り出し、制作を始める。まあ、兄さんの試合を横目で見ながらだけど。あ、また、勝手にガシャット使ってる。後で、殴らなきゃ。

私が入手出来る範囲の鉱石なんかを加工してる内に試合は終わってしまった。これ以上は勿体ないとかいうあれか。ま、後は組み立てるだけだしいっか。私は反射のエナジーアイテムをバレないように吸収する。

 

サイラオーグ「聖!待たせたな。」

聖「もうちょっと楽しんでも良かったのに。よっと。」

 

私は観客席から飛び出し三点着地、別名ヒーロー着地をする。ものの、これめっちゃ膝痛い・・・。デッドでプールするダークヒーローが言ったのは本当らしい。

 

サーゼクス「2人とも、準備は良いかい?」

サイラオーグ「構いません。」

聖「はい。」

サーゼクス「それでは、始め!」

 

その合図と共に、サイラオーグさんは地面にクレーターを作りながら一直線にこちらに向かってくる。が、私は腕を組みながらそのパンチを待つ。サイラオーグさんは闘気を纏わずに私に殴りかかって来た為、私は額を硬化させ受けると、サイラオーグさんの手から骨が見えてしまう。

 

サイラオーグ「うぐっ!」

聖「人間界のボクシングの原型と言われる、ベアナックル時代は基本と言われていた防御術です。ま、大方嘘っぱちですが。今回はあなたの力を反射させてもらいました。」

サイラオーグ「反射だと・・・?」

聖「はい。あなたは、自分で自分の拳を殴った事になります。まさか、ルール違反なんて言いませんよね?」

サイラオーグ「クックック・・・!当然だ!!」

聖「良かったです。それと・・・」

 

私は覇王色の覇気を全開で解放し威圧させる。

 

聖「まさか、手加減して私に勝てるとは思ってませんよね?」

サイラオーグ「っ!!そうだったな。兵藤一誠とは違い、お前とは次にいつ闘えるか分からん。ならば外させてもらおう!!」

 

サイラオーグさんの腕に紋様の様なものが現れた後、それが地面へ落下すると二つの大きなクレーターが出来る。さ〜て、ここからが本番だなぁ・・・。

私は両手に武装色を纏い、そこからは互いに殴り合う。でも、ガチムチな男と華奢な女。力の差は歴然でありすぐに吹き飛ばされる。

 

聖「ぐぇ!痛〜・・・」

サイラオーグ「・・・何故ベルトを使わない?」

聖「それだと、あなたが防戦一方になるからつまらないですよ。さてと、そろそろ私の裏技を見せますか。」

 

私はシャツのボタンを外して制服を脱ぎ捨て上半身だけ下着姿となる。正直、こっちの方が肌で感じ取れやすいんだよなぁ・・・。メダルホルダーから2枚のメダルを取り出し吸収する。

 

伸縮化!高速化!

 

メダルを吸収した途端、私の体から煙が出てオーラも薄紅色に変わる。私なりの『ギアセカンド』。まず、《伸縮化》で私の体をゴムに変え、《高速化》で血液の流れを倍にする。

 

聖「ギアセカンド・・・。私なりのね!!」

サイラオーグ「どこに・・・っ!上か!!」

聖「ゴムゴムの〜ジェットピストル!!」

 

私はサイラオーグさんの真上に飛び上がり、パンチを放つも間一髪で避けられ、地面に触れた瞬間にクレーターが出来上がる。まあ、腕も抜けなくなったけど問題なし!!サイラオーグさんの足が地面に着くまで約2秒だけど充分!!私は腕を戻しそのまま地面に激突するも、地中深くへと潜り覇王色を手から噴出させ、姿を現したと同時にサイラオーグさんに頭から突っ込む!

 

サイラオーグ「ゴハッ!」

聖「まだまだァ!!ゴムゴムのォ〜ジェットガトリング!!」

 

私はこの闘技場内で最も堅い場所にサイラオーグさんを吹き飛ばす。それは、地面でも建物でもない。それは、ローゼンさんの結界!!

 

バギャァァァァァァン!!

 

うっわ、痛そう・・・。まあ、絶えず殴り続けてるけど。てか、武装色を腕に纏っているのに反撃してくるんですが?なんなら、めっちゃいい笑顔なんだが?え、怖。もしかしてドMの方?流石に壁際はヤバいと思ったのか背中で壁を蹴りあげ地面に着地するも、その顔は漫画の様に腫れ上がっていた。あ、エナジーアイテムが切れた。

 

サイラオーグ「ハア、ハア・・・。楽しいなぁ!今まで格上とばかりやって来たが、その全員が魔力を使うものばかりだった!!こうして体術で追い詰められたのは初めてだぞ!!」

聖「ハアハア・・・・。楽しんでいただけて何よりですよ!」

 

今度は私が真正面から走りだし、サイラオーグさんは闘気を纏った貫手で構える。私が射程圏内に入った瞬間、突き刺そうとしてくるものの、私は見聞色の覇気で既に読み取っていた為、超ギリギリで躱し真っ直ぐ伸びた腕を武装色と覇王色を纏わせた足で蹴ると、サイラオーグさんの肩に突き刺る。それと同時に誰もが(私を含め)忘れていたであろう、エクスカリバーを召喚しその首を落とそうと・・・

 

サーゼクス「そこまで!」

 

する前に審判のサーゼクス様がストップを掛けた為、すぐさまエクスカリバーを異空間へ戻すも、勢いは止まらず私は壁に思いっきり叩きつけられる。

 

聖「ぐぇ!い、痛い・・・」

サーゼクス「サイラオーグ君、今回は君の負けだ。最後の攻撃、全く反応出来ていなかったね?」

サイラオーグ「・・・はい。腕を刺された際、一瞬そちらに気を全て向けてしまった為です。」

サーゼクス「聖さん、サイラオーグ、兵藤一誠君。いい試合だった。このような試合を見れた事を誇りに思うよ。」

アーシア「ち、治療します!」

サイラオーグ「済まない、アーシア・アルジェント。」

レイヴェル「聖!大丈夫ですか!?」

聖「大丈夫・・・とは言えないかなぁ・・・。」

リアス「いい試合だったわ。」

朱乃「ええ。特にあのゴムのように伸びるところ等、面白い発想でしたわ。」

木場「それに、最後のカウンターは素晴らしかったよ。」

小猫「・・・先輩以外には誰も真似出来ないですが。」

ゼノヴィア「それに、エクスカリバーで斬り付けようとした所もね。」

ロスヴァイセ「本当にエクスカリバーを持っていたとは思いませんでしたが・・・」

イッセー「聖・・・。お前、本当に人間か?」

 

いや、兄さんはクソ失礼だな!どっからどう見たって、ナイスバディな人間じゃい!え?胸が無い?おい、誰だ。そんな事言ったやつ。バグスターウイルスに感染させるぞ!!

 

サイラオーグ「兵藤一誠、聖。今回は俺の我儘に付き合ってくれて感謝する。」

イッセー「いえ!俺も楽しかったので!ゲームでは絶対に負けません!!」

聖「私もですよ。それと、腕刺してすみませんでした。あまりにも良いタイミングだったのでつい・・・」

サイラオーグ「はっはっは!なに、気にするな。俺たちがしていたのは戦いだ。どんな手を使おうと構わないさ。」

 

うぅ・・・優しいなぁ・・・。てか、私の制服は・・・って、あんなに土まみれ・・・。仕方ない、リアス先輩から服借りるか・・・。

 

サイラオーグ「聖、母上の件だが・・・」

聖「え?・・・ああ。どうかしましたか?」

サイラオーグ「これから見舞いに行くのだ。一緒に来るか?」

聖「っ!是非とも。」

 

そんな訳で一緒に行くことになったけど、私の格好があまりにも痴女という事と、土や砂が着きすぎという事で、グレモリー家の露天風呂へ連行。冗談でサイラオーグさんに一緒に入るか聞いたらレイヴェルから飛び蹴りを喰らって、サイラオーグさん大爆笑。結局、女子部員の皆と入ることになり、兄さん達も別の場所で露天風呂を満喫したそうな。



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82話

聖「いや〜。露天風呂、最高だった〜。」

リアス「ふふ。喜んでもらえてなによりよ。」

サイラオーグ「俺まで済まないな。リアス。」

リアス「構わないわよ。」

 

私達はグレモリー家の露天風呂を堪能した後、二台のリムジンでシトリー家にある『レヴィアタン記念病院』へ移動中。なんでも、シトリー領は医療が冥界で一番発展してるらしい。

 

サイラオーグ「・・・」

リアス「・・・大丈夫よ、サイラオーグ。聖さんなら、目覚めさせる事は出来ずとも切っ掛けをくれるかもしれないわ。」

サイラオーグ「・・・そうだな。一応、担当医に許可はとってあるが、彼は冥界一の医者だと自負しているらしい。」

レイヴェル「アルゴ・エストナス先生。確か、生まれは下級ですが、その才能から上級悪魔へと上り詰めた医療の天才ですわ。」

聖「医療の天才ねぇ・・・。」

 

うん、めっちゃ面倒くさい展開しか予想出来ねえわ。はあ・・・。だっる・・・。一応病院に着いたものの、人間の私はジロジロ見られると思い開発した『幻惑装置型ネックレス』を付けて、サイラオーグさんの執事の後を皆でついて行く。うん、誰にも見られてない。執事さんがドアを開けると、色々な機械に繋がれやせ細った女性がベットの上で眠っていた。

 

聖「これが眠りの病・・・。」

レイヴェル「ええ。私も初めて見ましたわ・・・」

サイラオーグ「母上。今日は俺の友人たちを連れてきました。リアスも一緒です。」

リアス「ミスラおば様。お久しぶりです。リアスですわ。」

 

2人がそう話しかけるも反応する気配もない。完全に昏睡状態って訳か・・・。私はベルトを装着してガシャットを差し込む。

 

聖「スーパー大変身!」

 

ガッチャーン!ダブルアップ!

マイティドラゴン!シスターズ!

HEY!

XX!!

 

私はパラドと分裂し、魔法陣から二台のパソコンと注射器を取りだし、眠っている女性の血液を少しだけ抜き取る。パラドは専用の機械を取り付けてくれており、パソコンの準備も完了。

 

聖「とりあえず、サイラオーグさんとリアス先輩、レイヴェルは、毒及びウイルスに関する医療書と、ウイルスのサンプルを集めてきてください。執事さんと兄さん達グレモリー眷属は毒草とここ十数年で採取禁止になった植物を出来るだけ集めてきて。それと、執事さんはついでにここ数十年のカルテと数十年前の細胞を探してください。是が非でも。」

イッセー「ど、毒草!?え、それって触って大丈夫なの!?」

パラド「いいから、とっとと行けよ!!そのまま地中に埋めるぞ!!」

イッセー「は、はい!わ、分かりました!!」

 

皆がパラドの威圧に負けてすぐさま部屋を出ていく。ちなみに、私とパラドの作業は全くの別。パラドは血液に毒かウイルスが無いか調べ、私はワクチン用のガシャットの作成。医療系に関してはパラドが上なんだよなぁ・・・。いや、私も勉強したから知識はあるよ?でも、こっちはそれ以上な訳だし。

 

パラド「・・・ふむ。超微量だが毒が検知出来た。」

聖「やっぱり毒か・・・」

パラド「ああ。だが、あまりにも少なすぎる。資料が無いから強くは言えねえが、これだけだとここまで衰弱する原因にはならねえ。それと、遺伝子の方も違和感を感じる。」

聖「違和感?」

 

私は作業を止めて隣のパソコンを覗き込むと、確かに微妙な違和感を感じる。いや、悪魔の遺伝子配列なんて知らないからこれが正常って言われたら終わりだけどさ。でも、確実に違和感がある事は分かった。

その後、兄さん達が戻って来るまではガシャットの開発に集中し、パラドの方は別で医療用バグヴァイザーの開発を始める。

よし、大元は完成っと。後は毒やウイルスのデータを入れるのみ。でもそれには・・・。あ、パラドも完成した。パラドが持っているバグヴァイザーGは、Vシネの『バグスターを作るぜ!』とは違い完全なる医療用器具。さて、既にやる事が無くなってしまった・・・。とりあえず、二人とも今できる事は全てやったので、『メタルシャフト』と『トリガーマグナム』の制作に移る。まあ、組み立てだけなんだけど。

組み終わって片付けがちょうど終わった頃、皆が戻ってくる。だいたい、2時間位か。

 

イッセー「と、取れるだけ取ってきたぞ・・・!」

リアス「私達も集められるだけ集めたわ!」

執事「な、なんとか、集めて参りました・・・!」

 

リアス先輩が魔法陣を展開すると、大量の資料が現れ、朱乃さんも魔法陣を展開すると大量の植物が現れる。とりあえず、私は全ての資料に目を通し、パラドの方は1つずつ丁寧に検査していく。ハズレだったものもデータ保存し毒草自体は纏めて袋に入れる。私が全てに目を通し終わると同時に、パラドの方も終わったらしいが全てハズレ。

 

聖「あぁ〜・・・全部ハズレかぁ〜・・・」

イッセー「な、何も分からなかったのかよ!」

パラド「んなわけねえだろ。彼女からは超微量ながらも毒が検出された。執事の野郎から提供された数十年前の細胞と照らし合わせたが、毒と完全に融合してやがる。」

サイラオーグ「つまり、母上は故意的にこうなったと言うことなのか!?」

パラド「いや、そこまでは分かんねえ。だが、この超微量の毒は長年摂取して、遺伝子に影響を与え今の状況になったって事は確かだ。」

朱乃「不治の病と言われた、眠りの病をこの数時間でここまで調べあげるなんて・・・!」

木場「冥界の医療に大きく貢献しているね・・・。」

 

う〜ん・・・。やっぱり故意なのかな・・・。いや、だとしたらどこから入手を?後天的に作った?それとも全くの新種?そんな事を考えていると、執事の方は花びらがオレンジ色の薔薇を花瓶に入れる。

 

聖「その薔薇は?」

執事「こちらは理の薔薇(リーゼン・ローズ)と呼ばれる、冥界の一部にしか咲かない薔薇でございます。奥様が大好きだったのです。」

 

へ〜。冥界の一部にね〜。つまり、稀少な薔薇って訳だ。にしてもオレンジなんて。不思議な色だけど綺麗だなぁ・・・。ん?綺麗・・・?

 

聖「綺麗な薔薇には・・・」

パラド「棘がある・・・。っ!!」

 

私とパラドはすぐさま目が会った瞬間、全てが繋がる。何故、超微量の毒を長年摂取する事となったのか。私の予測が正しければ・・・!!パラドは薔薇を1本取り、先程と同じように検査をして行く。棘、花びら、花粉。そして・・・

 

パラド「・・・ビンゴだ。」

聖「まさか、好きな花に侵されてたなんてね・・・」

 

パソコンには《100%match》と表示されている。新種の毒発見ってね・・・。私はすぐさまガシャットに今までのデータを登録し変身を解除してガシャットを抜きとる。私とパラドは再び1人となり、完成したガシャットをバグヴァイザーGにセットしてサイラオーグさんのお母さんに向けて発射する。少しするとワクチンが効いたのか、女性がゆっくりと目を開ける。

 

サイラオーグ「っ!母上!」

リアス「お、叔母様!」

執事「お、奥様!!」

ミスラ・バアル「ここは・・・?サイラオーグ・・・?」

サイラオーグ「はい、母上・・・!!ようやく・・・!ようやくお目覚めに・・・!!」

 

良かった・・・。私達が安堵していると、物凄い勢いで医者が入ってきた。てか、なんでそんな憤怒の顔してるん?

 

アルゴ・エストナス「ミスラ様が目覚めたというのは本当か!!」

執事「アルゴ様!ええ、このように「あ、ありえない!!何故だ!眠りの病は精神病のはず!」え?」

アルゴ・エストナス「ありえない、ありえない、ありえない!!何故だ、何故だ、何故だ!!」

 

え、なんなん?こいつ。アルゴとか言ってたから、さっき説明された天才お医者様か?そう思った時、突然パラドが私の体を乗っ取った。急には辞めて欲しいんだけどなぁ・・・。

 

聖『私が特効薬を作った。そもそも眠りの病は精神病じゃなく毒だ。』

アルゴ・エストナス「毒だと!?あ、有り得ない!!毒物は検出されなかった!!」

聖『・・・おい。』

アルゴ・エストナス「検査でも毒の成分は全く検出されなかった!!いや待てよ・・・?これは使えるぞ・・・!!」

聖『・・・お・・・い・・・!』

 

あ、やば、パラドがブチ切れ寸前だ。他の皆もかなりイラついてるご様子。止めたいけど、パラドがめっちゃ拒否してるから入れ替われないし。あーもう、私知〜らね。

 

アルゴ・エストナス「おい、貴様!!誰かは知らんがその研究を私に寄越せ!そうなれば私は更なごへぇ!!き、貴様!!このわた『フンッ!!』ふぇ?」

 

お〜い!!先生蹴飛ばすのはいいけど、なんで壁殴って貫通させてるの!?遅れてきた看護婦さんもみんなも目を丸くさせてるんだけど!?

 

聖『てめぇ・・・!!本当に医者か!!!!』

アルゴ・エストナス「あ、当たり前だ!!わ、私は冥界で最高位の医者『だったら、なんで患者が目覚めたことを喜ばねえんだよ!!』っ!」

 

パラドは腕を引き抜いた後、先生の胸ぐらを掴み無理矢理立たせる。

 

聖『医者だって言うなら分かるだろ!!命の大切さが!!命の重みが!!てめぇが一番分かってなきゃダメだろうが!!患者の痛みを!!二度と大切な人に会えないかもしれないという恐怖を!!それなのに、自分の位を上げる為にワクチンのデータを寄越せだと?ふざけた事抜かしてんじゃねぇぞ!!』

 

パラドはそのまま先生を壁に叩きつけ、それでも怒りが収まらないのか殴りかかろうとするもレイヴェルにすぐさま止められる。

 

レイヴェル「・・・パラド。そこまでにしなさい。先生を殴った所で、気分は晴れませんわ。」

聖『っ!!・・・暫く一人にしろ。それと、レイヴェル。こいつは先生なんて偉い奴じゃねえ。医者の風上にも置けない、砂利よりも価値のないクズだ。・・・お騒がせしました。』

 

パラドはサイラオーグさんのお母さんに頭を下げ、私の体を乗っ取ったまま病室を出て行った。



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83話

聖『・・・』

「(やっぱ、まだイラついてる?)」

聖『・・・たりめぇだ。あのクズは他者の命を、自分の位を上げるための道具としてしか見てねぇ。』

「(なら、私のことを見ててもイラつく?)」

聖『ああ、死ぬほどな。だが、変える気は無いんだろ?愛梨

「(・・・その名前で呼ばないで。)」

聖『・・・悪い。』

 

私達はそのまま歩いていると、病室のドアの前で泣いている男の子を見つける。ここで泣いてるって事は相当の難病かもしくは・・・

 

聖『・・・どうした、坊主。』

少年「ヒック・・・お、お姉ちゃん、誰・・・?」

聖『名乗る程のもんじゃねえよ。んで、どうした?』

少年「お、お母さんが知らない人と話しちゃいけないって・・・」

聖『確かになぁ。でもな、坊主。知らない人だからこそ、話せることだってあるんだぜ?』

少年「うっ・・・うっ・・・。お、お母さんが・・・!お母さんが死んじゃう・・・!!」

聖『・・・病気か?』

少年「うんっ・・・!か、体の中に悪いものがあってそ、それで・・・!!」

聖『・・・そうか。辛いのに話してくれてありがとな。よし、姉ちゃんが治してやる。』

少年「で、出来るの・・・?」

聖『私は神だぜ?だがその前に、お前の母ちゃんの中にどんな悪いのがいるか知らなきゃならねえからな。看護婦さんを呼んできてくれるか?』

少年「う、うん!」

 

そう言って、少年は看護婦のいる所に走っていったけど・・・。

 

「(いいの?あんな事言って。)」

聖『・・・毒やウイルスならさっきのを使えばいい。腫瘍やガンの場合、内部から取り除く。』

「(・・・なるほどね。バグスターの力を使って取り除くわけだ。)」

聖『ああ。医者がやらねえなら、私の様なウイルスがやるしかねえだろ。』

 

暫くすると看護婦が来て、怪しみながらも説明してくれた。なんでも、解毒剤がまだ未完成らしく打つ手が無いらしい。でも、聞かされた毒は先程ワクチン化出来た毒の一つ。事情を説明し、めっちゃ怪しまれながらも医者や数名の看護師がいる中、部屋に入らせてもらった。少年の母親であろう女性はやせ細り、起きているのも少しキツそうに見えた。

 

女性「あなたは・・・?」

聖『名乗る程のもんじゃねえよ。じっとしてろ。』

 

マイティドクターX!

ガシャット!

 

バグヴァイザーGにマイティドクターXを装着し、ワクチンを女性に散布する。三十秒程散布し、そのまま懐に仕舞う。

 

少年「な、治ったの・・・?」

聖『今、ワクチンを打ち込んだからな。1時間〜2時間後に再検査しろ。それと、先生。』

医者「な、なんですか?それよりも、あなたは一体何を・・・」

聖『正直に教えろ。アルゴ・エストナスってのは、本当に天才か?

医者「・・・確かに彼は天才です。しかし、その横暴な態度から好きなやつはいませんよ。

 

うわ〜。めっちゃ嫌われてるじゃん。うける〜。

 

聖『ありがとよ、先生。2時間後また来る。』

 

そう言って、パラドは屋上へ向かう。ああ、なるほどね。パラドはベルトを装着する。

 

マイティブラザーズXX

ダブルガシャット!

ガッチャーン!

ダブル!アップ!

俺がお前で!

お前が俺で!

(WE ARE!)

マイティ!マイティ!

ブラザーズ!

XX!

 

聖『よっと。私で八つ当たりって訳?』

パラド『・・・ああ。ダメか?』

聖『《俺がお前で、お前が俺で》。パラド、私達は一心同体でしょ?』

パラド『ふっ・・・お前ならそう言ってくれると思ったぜ。』

 

ガシャコン・エクスカリバー!

 

ガシャコン・キー・スラッシャー!

ジャジャ・ジャ・キーン!

 

私はガシャコン・キー・スラッシャーを。パラドはガシャコン・エクスカリバーを手に持ち構える。

 

ステージ!セレクト!

 

ステージは森。そして、互いに走り出し鍔迫り合いが起こる。これはあくまでパラドの八つ当たり。でも、手を抜くなんて論外!!

 

聖、パラド『『ハアッ!!』』

 

お互いに力は同じ。経験値も同じ。なら、勝負を決めるのはプレイングのみ!

 

聖、パラド『『くぅッ!』』

 

マキシマムガシャット!キメワザ

マキシマムマイティ!

クリティカルFinish!!

 

聖『ハアッ!!』

パラド『ガハァッ!』

 

私は剣モードでそのままパラドを斬りつけ、ライフを半分まで減らす。そして、《リ・プログラミング》の能力も忘れない!

 

パラド『っ!リ・プログラミングまでしたわけか!』

聖『当然!』

 

それからも私達の戦いは続く。こちらが斬りつければあちらに蹴られ、あちらに斬られればこちらは殴る。こんな感じで勝負は続き、お互いのライフが残り二本となる。

 

パラド『ハア・・・ハア・・・。』

聖『ハア・・・ハア・・・。そろそろ時間だよ?』

パラド『・・・だな。』

 

私達は変身を解き、私はパラドに体の主導権を渡す。少年の所に戻ると、女性はさっきより顔色が良くなっており医者からは、毒は完全に中和されたと聞いた。その後、重病者を全員治療しサイラオーグさんのお母さんの部屋に戻ると、ドアの前にレイヴェルがいるのみ。

 

聖『兄貴達は?』

レイヴェル「先に戻りましたわ。今、中にいるのはサイラオーグ様とその執事だけです。」

聖『そうか。なら、私達もとっとと帰るか。』

レイヴェル「あら?挨拶はよろしいのですの?」

聖『別に感謝される為にやった訳じゃねえよ。聖、交代だ。私は寝る。』「ん〜!ようやく戻れた〜。」

レイヴェル「では、帰りましょうか。」

聖「だね〜。あ、シトリー領の美味しいもの巡りしない?」

レイヴェル「いいですわね。そうしましょうか。」

 



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84話

病院から帰ってくると、私はそのままベットへダイブ。サイラオーグさんとの殴り合いの後、あまり時間を置かずにガシャットの開発、パラドとの殴り合いの後に病院の患者全員を治す為に動き回るという超激務で意識は消える。

そして、次に目が覚めた時には、空はオレンジ色。あ、あれ・・・?私、夜に寝たはずなんだが・・・?携帯で時間を確認すると、翌日の19時!?え、嘘!?私、1日寝てたの!?急いで下に降りると、普段着でアーシアさんと最近引っ越してきた塔城さんが兄さんの膝を取り合っていた。うわ〜、マジか〜・・・。マジで1日寝てるじゃん・・・。私はとりあえず部屋に戻り、冷蔵庫から地下へ行くとレイヴェルが本を読んで、ハティにもたれながら寛いでいた。

 

レイヴェル「あら、聖。ようやく目が覚めたのですね。」

聖「まさか一日寝るとは思いもしなかったよ。起こしてくれたっていいのに。」

レイヴェル「当然起こしましたわ。でも、起きませんでしたもの。寿命が尽きたと思ってアザゼル先生も呼んで調べさせましたのよ?」

聖「マジかぁ・・・」

レイヴェル「それと、あなたはかなりやらかしましたね。冥界は大騒ぎですわよ?」

 

え?やらかし?私なんかしたっけ・・・?顔に出てたのか、レイヴェルはため息をつきながら本を閉じる。

 

レイヴェル「病院の件ですわ。あの後、アルゴ・エストナスは病院を去り、爵位も手放した。これだけならまだいいものの、難病指定されていた患者全員が劇的回復を見せたと。そして、その奇跡の傍には必ず制服を着た女性が居たと、医者が証言していますわ。」

聖「あ〜・・・そっちか。」

レイヴェル「お陰で真面目な医者や学者はどうやって治したか知りたくて冥界中を探し回り、利益に目が眩んだ貴族は全員が血眼になって探していますのよ?リアス様やサイラオーグ様が黙ってはいますが、いつまで持つか・・・」

聖「え〜・・・。あ、なら、もう幾つか作ってソーナ先輩に渡すか〜。」

レイヴェル「よろしいんですの?」

聖「ま、名声なんて何の役にも立たないし。なんなら、厄介事しか持ってこないし・・・。ま、当然条件は付けるよ?流通先を絶対に漏らさないことっていう条件はね。」

レイヴェル「なら、今から学園に行きますか?これから悪魔のお仕事が始まるはずなので。」

聖「なら、そうしよう。話だけでもしとけばいいし。」

 

そんな訳で早速準備!と言っても、レイヴェルとお風呂に入って晩御飯食べて終わりだけど。バクヴァイザーGとマイティードクターXは魔法陣に入れたし、ドライバーも持った。新しく作った、メタルシャフトとトリガーマグナムもあるし多分大丈夫!

レイヴェルに転移魔法陣を開いて貰い、学園の生徒会室前までジャンプしてもらったけど、流石はフェニックス。転移する時、めっちゃ熱かった。

 

聖「ソーナ先輩、失礼します。」

ソーナ「聖さん?あなたが来るなんて珍しいですね。」

聖「ま、契約をしようと思って。二人だけで話をしたいんですがいいですか?」

ソーナ「・・・私でなければいけない程のものを?」

聖「はい。本来なら魔王様とかの方がいいんですけど、あんまり目立ちたくないので。」

ソーナ「分かりました。みんなは引き続き仕事を。それと、匙。今日は契約を取ってきなさい。」

匙「は、はい!」

ソーナ「では、会議室の方へ。」

 

そんな訳で、私とソーナ先輩は会議室へ。・・・やべぇ、ソーナ先輩めっちゃいい匂いする!こ、このまま襲いたい・・・!!内なる欲望と葛藤しながら会議室へ到着し椅子に座る。ちゃんと、防音と認識阻害を忘れずに。

 

ソーナ「ここまでする程のものですか・・・。やはり、病院の件はあなたですね?」

聖「あ、やっぱり、分かっちゃいます?」

ソーナ「当然です。と言っても、半信半疑でしたが・・・。確かにあなたの才能は素晴らしいですが、かと言ってあなたが自分の得も得られず人助けをするのは考え辛い。それが、私の認識です。」

聖「ま、合ってますよ。でも、今回は友人の為にやった事のついでです。」

ソーナ「友人ですか?」

聖「はい。本来の目的は、サイラオーグさんのお母さんです。病院にいた方々は気まぐれでやっただけです。そして、治療の為に使ったのがこのアイテムです。」

 

私は魔法陣から2つを取りだし、ソーナ先輩の前に置く。うん、めっちゃ怪しんでる。

 

聖「バグヴァイザーGとマイティードクターXガシャット。どちらかが欠ければ治療も何も出来ません。そして、制作出来るのも私のみ。マイティードクターXには冥界で確認されている毒やウイルスのデータが全て入っていて、バグヴァイザーGにはワクチンを生成する機能を取り付けています。」

ソーナ「・・・これがあれば、あなたはあらゆる地位や名声。それだけでなく爵位すら貰えるはずです。現に冥界では、貴方のことを探し回っている者も多い。」

聖「あなたは知っているはずです。私にとって、地位や名声、爵位や金なんてどうでもいいと。私が真に興味があるのは、私自身の才能ですし。」

ソーナ「・・・ならば聞きます。これを対価にあなたは私に何を求めるのです?」

聖「私が求めるのは沈黙です。幾つかこれを複製してシトリー家。いえ、ソーナ・シトリー様に献上します。その代わり、あなたは出処を黙っておけばいい。」

ソーナ「しかし、対価と願いが・・・」

聖「それにこれを所有した事によって、セラフォルー様の政治的株も上がり、あなたの夢実現にも大きく影響を与える。これ程、美味しい話は長い悪魔生でも一度あるかないかだと思いますが?」

ソーナ「・・・確かに。しかし、あなたは何かを企んでいる。私はそう感じているのですが?」

聖「これに関しては、何も企んでいませんよ。私はソーナ先輩を一人の友人だと思っていますから。友の夢を応援するのは間違っていますか?」

ソーナ「・・・分かりました。契約しましょう。私はあなたの事をシトリー家の名にかけて、漏らさぬと誓いましょう。そして、あなたは現存する最高位の治療薬を私に提供する。これでいいですね?」

聖「ええ。製作者はそうですね・・・。『檀黎斗』という名前にしましょう。では、数日以内に渡しますね。」

 

こうして、私の初めての契約は終わった。リアス先輩なら渋るだろうけど、ソーナ先輩の頭脳は私の事をよく分かっている。数日後、私は複製した物を弁当箱と一緒に入れてソーナ先輩にプレゼントした。これなら、怪しまれたとしても中を確認させろとまでは言えないだろうし。

聞いたところの話によれば、狙い通りセラフォルー様の株は爆上がりし、ソーナ先輩の株もかなり上がったそうな。それと、冥界の医療は数千年程先を進んだらしい。うわ、マジか・・・。



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85話

英雄派の襲撃から約4日後。学校が再度再開され、明日の修学旅行は予定通り行われることになっている。引率教師は、おじさんとロスヴァイセさん、ガブリエル様。本当はグレイフィアさんも行く予定だったけど、前回の襲撃から残る事に。ま、これでめっちゃ安心でしょう。例え襲撃されたとしても爆死必須である。

そんな訳で、今準備してはいるものの正直、ガシャットに迷う。ギアデュアルβはアーシアさんに渡すとして、マイティアクションXとジュージューバーガー、マキシマムマイティXは必須。後は、プロトマイティアクションXと正規品のガシャット、念の為仮面ライダークロニクルとバグヴァイザーIIだけど・・・。オリジンはどうしよう・・・。いや、レーザーターボ用を持っていこう。

・・・そういや、覇気ってあと一つなんかあったよな。なんだっけ・・・?りゅなんたらみたいな・・・。え〜っと・・・。あ、『流桜』とかいう名前だった気がする。でもどう使うんだ・・・?やべ、17年前だから覚えてねぇ・・・。最初の方が流れるって漢字だから身を任せる?でも桜はなんだ・・・?やべぇ、分からん。いや、そもそも覇気ってなんだっけ・・・?え〜っと・・・。万人がその素質を持ってて誰にでも使える可能性があるんだっけ?

 

聖「う〜ん・・・。」

レイヴェル「何を唸っていますの?」

 

私が覇気について唸っていると後ろからレイヴェルが抱きついてくる。いや、見聞色で分かってはいたけど。

 

聖「覇気の進化について模索してたの。」

レイヴェル「覇気・・・?あの手が真っ黒になるあれですの?」

聖「そうそう。他にも使えないかな〜と思って。」

レイヴェル「ふむ・・・。そういえば変身した時には使いませんわよね?なんでですの?」

聖「何故か生身でしか使えないの。『マイティードランゴンズ』の時は生身で使えるんだけど・・・」

 

まあ、実際使えたら誰にでも勝てるしな。う〜ん・・・。どうするか・・・。武器に纏わせるのはそこまでだし・・・

 

聖「纏わせる・・・」

レイヴェル「纏わせる?・・・それであれば、相手に覇気を纏わせたりは出来ませんの?」

聖「相手に?」

レイヴェル「はい。外面というよりは内面を攻める感じですわ。もしそれが出来るのだとしたら、鎧を着たイッセーさん等にも、かなりの有効打になると思うのですが・・・」

 

なるほど。案外、悪くないのかもしれない。もし防御が堅い奴が現れても有効打になる・・・。よし!

 

聖「ありがとう、レイヴェル!いい案を貰った!」

レイヴェル「ふふ、それは良かったですわ。今から練習を?」

聖「ううん。明日から少しの間会えなくなるだろうから、今日でレイヴェルを補充するぅ〜!」

レイヴェル「きゃっ!んもう、聖ったら・・・」

 

え?この後?そりゃあ、女だけの夜の大運動会よ。もちろん、ちゃんと防音魔法も張ったよ?誰にもレイヴェルのあんな姿やこんな姿は見せたくないし。

・・・まあ、最初は私が攻めて、いつの間にか攻守交替になってるけど。でも、明日は早起きする予定だから手加減してもらった。

そして、次の日は朝5時に起きてエレベーターで最下層まで行く。なんとこの家、訓練所まであったらしい!まあ、私は使わないから最近知ったんだけど。しかも、ある程度環境を変えられる為、森の中や建物の中なんかも出来る。いや、悪魔はなんでも出来るんか?

エレベーターが地下へ着くと、既にリアス先輩達が模擬戦を行っていた。いや、早いな。何時起き?

 

リアス「あら、聖さん。あなたがこんな早朝に起きてるなんて珍しいわね。」

聖「おはようございます、リアス先輩。たまにはスキルアップしようと思って。」

 

あ、兄さんが木場君に負けた。まあ、木場君は生粋のテクニックタイプだし、まだまだ突貫の兄さんには分が悪いか。

 

ゼノヴィア「聖!もし良かったら、私とどうだい?」

聖「朝から元気だねぇ〜。いいよ、たまにはやろっか。」

 

私はゼノヴィアさんと向かい合い、持ってきたアイマスクを付ける。当然、激しく動いても外れないように紐もキツめに縛ってる。

 

ゼノヴィア「・・・ふざけているのか?」

聖「まさか。真剣だよ。私の今の課題は感じ取る事。どうせなら木場君と塔城さんも来なよ。その方がお互いの利になるかもよ?」

小猫「っ!分かりました。」

木場「確かに君との模擬戦では得られるものが多そうだ。」

イッセー「なら、俺も!」

聖「そう来なくちゃ。」

 

4人は私を囲むように立つのがよく分かる。それと、リアス先輩達が呆れてるのも。そして、リアス先輩の合図と共に全員が一斉に仕掛けてくるも、出来るだけ同士討ちする様に避ける。兄さんは真正面から。ゼノヴィアさんは大袈裟、塔城さんは下からのアッパー、木場君は八文字・・・。

ああ、全て手に取るように分かる。私は兄さんの下をすり抜け避ける。木場君とゼノヴィアさんは緊急回避を行うも塔城さんは間に合わなかったらしく兄さんは盛大にアッパーを喰らったようだ。

 

イッセー「ぶべら!」

小猫「あ・・・」

聖「今の感じだとかなりのものを貰ったね〜。兄さん、可哀想。」

 

私が話ている間にもゼノヴィアさんと木場君は攻撃をしてくるが全て避ける。でも、ただ避けるだけじゃない。私は必死に思い出していた。覇気とはなんなのか。そしてたった1つだけ言葉を思い出した。

『疑わないこと。それが強さだ!!!』

この言葉で私はハッとした。私は今まで全てに対して疑いを持っていた。家族、友人、恋人のレイヴェルでさえ。・・・正直、今でもめっちゃ疑ってる。孤独は怖い。でも、目の前で居なくなるのはもっと嫌。なら、私は疑わない。私自身を。

武装色を纏い、覇気に身を、魂を任せる。すると、今までとは全く違う感覚に襲われる。・・・これが次の段階。私は躱しながら正面から来る兄さんの気配を感じとり、鳩尾辺りを狙って正拳突きを放つ。その際に覇気を流す。すると、少しの破壊音と私の顔に何かの液体が掛かるのを感じる。

 

木場「イッセー君!?」

ゼノヴィア「よ、鎧は少し砕けている程度なのに吐血を・・・!」

聖「え?じゃあ、これって兄さんの血!?」

小猫「イッセー先輩!」

 

私は急いでアイマスクを外すと、めっちゃ吐血してる!?マジか、レイヴェルの言った通りじゃん!

 

リアス「アーシア!今すぐ治療を!」

アーシア「は、はい!」

朱乃「聖さん。今、何をしましたの?」

ロスヴァイセ「イッセー君に攻撃が当たったのは分かりましたが、そこまで高威力にも見えませんでしたが・・・」

聖「覇気の可能性です。昨日、レイヴェルのくれたアドバイスを試してみたんですが・・・」

イッセー「いてて・・・。な、なんか上手く言えないけど、内蔵に直接パンチを貰った感覚だった・・・」

リアス「はあ・・・とりあえず今日はここまでよ。それと聖さん、その技は模擬戦では禁止よ。いいわね?」

聖「は、はい・・・」

 

この後リアス先輩から有難い折檻を受け、寝起きのレイヴェルを堪能しながら、私達二年生組は荷物を持って駅へと向かった。



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86話

駅から新幹線へ乗り、現在私達は暇つぶしの為お喋り中。メンバーは、私とゼノヴィアさん、アーシアさんに藍華のイツメン。兄さん達は少し離れた所で、誰が最初に覗き見するかを決めるためにトランプをしている。うん、めっちゃアホ。

 

桐生「全く飽きないね〜。あの三馬鹿。」

ゼノヴィア「私には覗きの何が楽しいのかさっぱりだ。」

アーシア「はうぅ・・・。わ、私もやった方がいいのでしょうか・・・」

聖「いや、アーシアさんが覗きやったら大変な事なるから。絶対やめな?」

 

こんなやり取りをしていると私の携帯に1件のメールが届く。レイヴェルからだと思いメールを確認するとまさかのハーデス様からだった。あれ?私、メル友になった覚えないんだが?文書は短く、(英雄は狐を好む)とだけ。なるほど、もう攫われた訳か。多分、サマエルを借したんだろう。とりあえず私は、(実は熟れれば熟れるほど美味しい)と返しておいた。

ハーデス様ならすぐに意味を理解するだろう。2時間程、新幹線に揺られていると目的地である京都へ到着。ほえ〜。ここが京都か〜。前世でも来たこと無かったけどすげぇ〜・・・ん?

私は一瞬視線を感じ上を見上げるも誰もいない・・・。確実に誰か見てたな。兄さんも気付いてたみたいで一緒に見上げている。

 

イッセー「・・・今、感じたよな?」

聖「誰かに見られてたね。ま、害が無いならいいんじゃない?」

桐生「ほら、とっとと行くわよー。邪魔になるから。」

 

違和感を感じながらもバスへ揺られること数十分。絶対に高校の修学旅行程度では泊まれないであろう、超高級ホテルに連れてこられる。名前は『セラフォルーホテル』って・・・。いや、もうツッコまないよ。

 

パラド『(おい、また見られてるぞ。)』

聖「(分かってる。多分、妖怪だから。)」

パラド『(何かあったら起こせ。手伝えることはやる。)』

聖「(ありがと。)」

 

ホテル内に入ると、もう諦めも着く。だって、ロビーでもうヤバいし。そして、荷物を持って注意事項等を聞く。一応、これが終わったらおじさんに伝えておくか・・・。ロスヴァイセさんの百均講座は割愛され、部屋が割り振られるも私は何故か兄さんと同じ部屋。いや、何故に?え?兄妹だから間違いは起きない?なら、起こしてやろうか!?

 

聖「おじさん、後で覚えといてね・・・」

アザゼル「いや、割り振ったのはグレイフィアで・・・」

聖「じゃあ、グレイフィアさんへの罰もついでに受けて。」

アザゼル「おい、それはおかしいだろ!?なんで俺なんだよ!」

聖「なら、逆に聞くけど、あんな超完璧巨乳美人に飛び蹴りとか出来ると思う!?かと言ってガブリエル様にやれば天界との和平は消えるし!なら、ロスヴァイセさん?グレモリー家に出入り出来なくなるわ!!」

アザゼル「だから俺ってか!?ふざけんな!!」

聖「後、駅で視線を感じた。兄さんも感じ取ったから気の所為では無いよ。」

アザゼル「っ!カオス・ブリゲードか?」

聖「そこまでは分からない。もしかしたら、妖怪サイドかも。まだ和平を結んでないんでしょ?」

アザゼル「ああ・・・。分かった。ガブリエルとロスヴァイセには俺から伝えておく。」

 

そして兄さんと一緒に部屋の方へ進んでいく。ドアを開けると、やっぱりオンボロ部屋。クソが!!はあ、ふざけんな!!よし、アーシアさんと夜に代わろう!

 

松田「ぶはははは!イッセー、なんだその部屋は!」

元浜「まさか、修学旅行費のしわ寄せがここに来るとはな。ざまあみろ、イッセー!」

聖「・・・それ私への嫌味で言ってる?」

松田「い、いやいや!なんでそうなる!?」

イッセー「だあぁぁぁ!!なんで聖と同じ部屋なんだよ!」

元浜「な、なんだと!?」

松田「い、イッセーと聖ちゃんが同じ部屋・・・!?」

聖「はあ!?それ、こっちのセリフなんだが!?なんで、朝起きたらすぐに兄さんの顔を見るわけ!?どうせなら、美少女の顔見ながらの方がいいんだけど!?」

イッセー「そんなん、俺が思ってるわ!!なんで、朝起きたら美少女の顔じゃなくてお前を見るんだよ!!」

聖「はあ!?やんのか!?」

イッセー「ああ、やってるよ!!」

 

互いに睨み合うもお互い不毛だと感じ、ため息を着く。どうせ、今更何かを言ったところで変わるわけでもないし・・・。お互い荷物を置いて、財布などを持ち観光の準備を始める。



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87話

聖「ほへぇ〜。これが清水寺かぁ〜。」

ゼノヴィア「す、凄いな・・・!!」

アーシア「は、はい!」

 

現在、教会コンビと清水寺に感嘆の声を出しています。でも・・・

 

聖「(ずっと見てるなぁ〜・・・。ウザイけど、覇王色を使えば怒られるし・・・。)」

 

とりあえず無視しよう。そう思っていた時期が私にもありました。なんせ、ずっと見てくるんだから!!ウザイ!!我慢・・・我慢・・・

 

桐生「?聖、どうかした?」

聖「ちょっとね・・・。でも、大丈夫。」

イッセー「ん?こんなに晴れてるのに雨?」

 

空は快晴の筈なのに突然の土砂降り。なるほど、これがいわゆる狐の嫁入りというやつか。あ〜あ、最悪・・・。と思ってたら、私の見聞色が反応する。

 

松田「雨?雨なんて降ってないだろ。」

イッセー、ゼノヴィア、アーシア、「「「え?」」」

 

やっぱりかぁ・・・。めんどくさいなぁ!!私達の目の前には、ちっちゃい狐耳と6つのフサフサな尾を持った少女を先頭に、大量の妖怪が現れる。

 

イッセー「よ、妖怪!?」

???「お主たちが京の者でないというのは分かっておる!母上はどこじゃ!!」

聖「いや、君のお母さんは知らないが?」

???「とぼけるな!!お主たち、タダでは済まさぬぞ!!かかれ!!」

 

少女がそう発した瞬間、一斉に襲いかかってくる。てか、あれって九重だよね?めっちゃ可愛い〜。私はメタルシャフトを取り出して構える。

 

聖「とりあえず、指揮は兄さんお願いね。」

イッセー「お、俺!?え、えっと・・・!よし、ゼノヴィアはアーシアを守ってくれ!俺と聖で蹴散らす!アーシアは部長に貰った代理承認カードを!それと、聖は絶対殺すなよ!」

アーシア、ゼノヴィア「「了解!」」

聖「よっしゃ、ばっちこーい!」

 

アーシアさんが代理承認カードをかざすと、兄さんの動きが突然速くなる。なるほど、ナイトにプロモーションしたわけだ。私はメタルシャフトで迎撃しながらそんな事を思う。それに、まあ素人らしいけど指示も良い。私はメタルシャフトで突き、薙ぎ、叩く。まあ、ちょっと重いけどいい感じ!

 

妖怪「くっ!なんだ、こいつらは!」

妖怪「強いぞ!」

聖「いいね、いいね!新しいゲームのアイディアが浮かびそうだよ!兄さん、百鬼夜行ってめっちゃ楽しいね!」

イッセー「お前、今の状況楽しめるってどんだけだよ!何にも楽しくねえよ!!」

 

こんなに囲まれていると言うのに律儀にツッコミを入れるなんて、兄さんも成長したなぁ・・・。前ならアワアワしてただろうに・・・。ハッ!まさか、これが母性!?

 

九重「くっ!お主ら、顔は覚えたぞ!覚悟しておれ!」

 

突風が吹いたと同時に結界も解除される。寸前、私達は武装を解除して何事も無かった様に務めるけど・・・。さてさて、事件が動き出したぞ〜。私達はその後も観光を続け、ホテルに戻ってきたと同時におじさん達へ報告する。

 

ガブリエル「妖怪からの突然の攻撃ですか・・・」

アザゼル「おい、聖。お前、妖怪サイドに何した?」

聖「まず、私を疑うの辞めてくれない!?今回はなにもしてないわ!!」

ロスヴァイセ「今回はという事は、それ以前に何かしたということですね・・・。」

ゼノヴィア「確か、白龍皇を逆レ?とかいうのをしていたと言っていたな。」

ロスヴァイセ「な、なななな!?」

アザゼル「後はグリゴリの研究施設を不法占拠してたな。」

ガブリエル「ぐ、グリゴリの研究施設を・・・」

イッセー「後は、レイヴェルさんの兄ちゃんを追い詰めたくらいか?」

聖「よーし、兄さん!今から兄さんの体を対ドラゴン用兵器に改造してやろう!!」

イッセー「いや、なんで俺だけ!?」

聖「そりゃあ、私の心の傷を抉ったからに決まってるでしょ!?」

 

こんな感じで、ホテルのロビーにて兄妹喧嘩が始まりおじさんからゲンコツを貰って蹲る私と兄さん。お決まりだね。え?他のみんな?苦笑いだったけど?その後は各自部屋に戻り、私はお風呂へ入る為準備していたものの、なんか兄さんがめっちゃソワソワしてる・・・。

 

聖「え、なに、どうしたの?まさか、ここでも覗きをやろうとしてる訳?」

イッセー「当たり前だ!修学旅行で覗かない男がどこにいる!」

聖「辞めといた方がいいと思うよ〜?生徒会メンバーに加えて、ロスヴァイセさんとガブリエル様が見張りに付くらしいし。」

イッセー「はあ!?厳重すぎないか!?てか、なんでそんなこと知ってるの!?」

聖「ま、神ですから?別に覗きは止めないけど、間違ってもガブリエル様を裸にしないでよ?天使側が即刻兄さんを討ち取りに来ると思うから。」

イッセー「そ、それ以外なら!」

聖「シトリー眷属の子を裸にされたら、ソーナ先輩に水責めかな?ロスヴァイセさんを裸にしたら三時間は説教じゃない?」

イッセー「よし!なら、ロスヴァイセさんを倒せばいい!」

聖「私、知〜らないっと。」

 

私は必要な物を持ってお風呂場へ向かう。途中、ロスヴァイセさんと出会って兄さん達が来る事を伝えておいたから多分、大丈夫でしょう。途中、松田君と元浜君が窓際から侵入しようとしてたから、匙君に丸投げ。そして、とうとうホテルのお風呂へ!正しく幻想郷という他無かった・・・。なんせ、女の子が全裸でキャッキャウフフしてたんだから・・・!!お風呂から上がり、脱衣場で着替えていると藍華に声を掛けられる。

 

桐生「あれ、聖。ブラは?」

聖「え?私、普段家では付けてないよ?」

村瀬「え!?なんで!?」

片山「へ、変態の兵藤がいるのに!?」

聖「え、だって、レイヴェルとすぐイチャイチャ出来な・・・あ、やべ。」

 

その瞬間、脱衣場の空気が固まる。別にポーズを使った訳では無い。その後の展開も予想出来てしまう。

 

村瀬「レ、レイヴェルって、最近転校してきた1年生の子!?」

片山「嘘!?一緒に住んでるの!?」

 

あー・・・やっちゃったー・・・。そんな訳でなんとか部屋に逃げ帰る。

 

聖「はぁ〜・・・。兄さ〜ん。次は男・・・子・・・」

 

そして今度は私が固まってしまう。なんせ、ロスヴァイセさんが全裸で上から制服を着ているのだから。しかも、ワイシャツ。いわゆる、裸ワイシャツですね。

 

ロスヴァイセ「ひ、聖さん!?こ、これは違いますから!こ、これは!」

聖「大丈夫です、ロスヴァイセさん!分かっていますから!兄さん。」

イッセー「は、はい!」

 

今の私はきっと温かい目で慈悲のある顔をしているだろう。なんせ、それだけ嬉しい事なのだから。

 

聖「私、三時間位そこら辺散歩してくるから。ちゃんと、避妊はしなよ。」

イッセー「ひ、避妊!?」

ロスヴァイセ「な、なななな!何も分かってないじゃないですか!」

聖「隠さなくていいですよ、ロスヴァイセさん。教師と教え子が修学旅行の夜に一つに・・・!あぁ、いいシチュエーション!んじゃ、防音魔法は張っておくから後はごゆっくり〜。」

ロスヴァイセ「ま、待ってください!違いますから!誤解ですから!!」

 

そんな訳で服を捕まれ無理矢理部屋に入れられる。そして、何故こんな格好をしているかの説明まで受けた。にしても全裸にされた事よりもジャージが大切か・・・

 

聖「なるほど、兄さんのあの技をねぇ〜。」

ロスヴァイセ「うぅ・・・。あのジャージ、1000円以下だったのに・・・」

イッセー「す、すいませんでした!」

聖「にしても・・・えっちだぁ〜・・・」

ロスヴァイセ「ふぇ?」

聖「よし!兄さん!ロスヴァイセさん!今から夜の大運動会を開催しよう!」

イッセー「よ、夜の大運動会だと!?」

ロスヴァイセ「ひ、聖さん!?あなた何を!」

聖「大丈夫です、ロスヴァイセさん。私もいますから。」

ロスヴァイセ「な、なんの解決にもなってませんよ!」

聖「兄さんも安心して!私は女の子を喜ばせる事に関しても才能の塊だから!」

イッセー「マジですか!?ひ、聖!いや、聖様!是非ともその恵みを!」

聖「ヴェハハァ・・・当然。なんせ、私は神なのだからなァ!」

 

こんな感じの漫才をしていると、突然部屋にアーシアさんとゼノヴィアさんが入ってくる。おや?これは・・・

 

ゼノヴィア「イッセー。む?ロスヴァイセも一緒だったか。」

アーシア「ロ、ロスヴァイセさん!?な、なんで!」

ロスヴァイセ「ち、違いますよ、アーシアさん!これは!」

聖「ちょうどいい所に!アーシアさん!今から兄さんとロスヴァイセさんが子供を作るって!」

イッセー「聖!?」

アーシア「っ!ダ、ダメです!イッセーさんは私のものですぅ!」

 

おぉ!アーシアさんが涙目で兄さんに抱きついた!しかも胸を押し付けて!な、なんと大胆な行動・・・!

 

ゼノヴィア「ふむ、子作りか・・・。よし、イッセー!私とも子作りしよう!」

ロスヴァイセ「ゼノヴィアさん!?あなたも何を言い出すのですか!」

イッセー「ほ、本当だよ!」

聖「でも考えてみなよ。初めてが4人なんて中々出来ない経験だと思うよ?ここは、欲望のままに喰っちゃえ!」

ロスヴァイセ「もう!!聖さん、いい加減にしなさい!!もう、本気で怒りましたから!!」

聖「でも、ロスヴァイセさん。想像してみてくださいよ。ドラゴンの血とヴァルキリーの血を引く二人の愛の結晶を!幼少の時は(僕/私、パパとママと結婚する!)とか言ってたのに、、青年になったら、(母さんと父さんは俺/私が守る!)なんて言われるんですよ!?それに、常日頃から言っていたじゃないですか!彼氏が欲しいって!なら、私は強く兄さんを推薦します!確かに中身は残念だけど一応優しいし

、気遣いも出来る!しかも将来有望!こんなに素晴らしい彼氏がいますか!?」

 

こんな感じでガヤガヤしてると、またしてもドアが開きおじさんが入ってきた。

 

アザゼル「楽しんでるところ悪いな、お前ら。俺たちにお呼びがかかった。」

イッセー「え、誰からです?」

アザゼル「魔王少女様からだ。」

 

その瞬間、巫山戯ていた空気が一瞬で変わる。どうやら物語がまた進んだらしい。はてさて、どう転ぶかな?



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88話

さっき着替えたばかりだけど、魔王様と会うなら仕方ない。私は再度制服を着ておじさんについて行く。場所はこれまた高そうな旅館。ここに魔王様が泊まってるのかな?中へ入ると浴衣に身を包んだ魔王様がお出迎えしてくれた。にしても、似合ってんなぁ・・・。元々顔が日本人っぽいって言うのもあるだろうけど。

 

セラフォルー「やっほー☆みんな、ごめんね。修学旅行中に。さ、こっちよ。」

 

今度はみんなで魔王様について行くと、シトリー眷属が先について座っていた。なるほど、やっぱり九尾の狐か・・・。

 

イッセー「あの、レヴィアタン様。それで、何があったんでしょうか。」

聖「やはり、九尾の狐ですか?」

アザゼル「何故、そう思う?」

聖「昼間の妖怪に襲われた際、指揮を取って居たのは、小学生位の子供だった。その容姿は狐耳に六本の尾。私の予想では、年を重ねる毎に尻尾の数が増えていくんだろうけど、あの子が九尾の狐の娘。そして、(母上を攫った)と言ってたから多分あの厨二病達が攫ったんだと思ってる。どうです?」

セラフォルー「ええ。その通りよ。元々会談予定だったのだけれど、その前に須弥山との会談が入っていたらしいの。でも、会場に姿を現さなかった。」

アザゼル「それで妖怪側が怪しいヤツらを徹底的に洗ったところ。」

ガブリエル「赤龍帝達がヒットしたということですね。」

イッセー「だからか・・・」

アザゼル「一応、明日俺たちで妖怪側に説明する。」

匙「あの、俺たちは・・・」

ガブリエル「何かあるまではそのまま旅行を楽しんでください。人生で一度しかない修学旅行ですから。」

アザゼル「だが、有事の際は動いてもらうことになる。悪いな、貧乏くじばかり引かせて。」

イッセー「いえ!そんな事は!それに、カオス・ブリゲードが攻めて来るんだったら倒すだけですから!」

 

わ〜。カッケー事言うようになったな〜。他のみんなも頷いてるけどその考え方は危ないな〜。その考えだと兄さんの敵は全て潰す!みたいにも聞こえるし。まあ、指摘はしないけど。

 

セラフォルー「真面目な話はここで終わり!さ、みんな食べて食べて!京都料理は美味しいんだから!」

聖「あざす!じゃあ、いただきまーす!」

 

そっからはみんなでお食事タイム!流石は高級旅館!めっちゃ美味い!兄さんが私に「そんなに食べると太るぞ。」っていうクソふざけた事を私に言ったから、ボコボコにしてホテルへ帰還。え?みんなの反応?「今のは兄さんが悪い」っていう顔してたけど?部屋に戻っても思い出してまたボコったけど。そして次の日は金閣寺、銀閣寺へ!ゼノヴィアさんは銀閣寺が銀で出来てないことにショックを受けていたけど、金閣寺では復活してた。アーシアさんと抱き合っているところを写真で収めレイヴェルへ送る。そして休憩で近くのお店へ。団子がめっちゃ美味い···!

 

聖「うま〜!」

アーシア「はい!とっても美味しいです!」

ゼノヴィア「金閣寺は金だったなぁ···」

桐生「ゼノヴィアっちはいつまで金閣寺に感動してる訳?」

松田「しかし、良い写真が撮れた!」

元浜「うむ!それに、京都のお姉様方の事も知れたしな!」

 

こんな話をしてたら兄さんに電話が来たらしく、誰かと話しをしている。多分、塔城さんかな?そして、藍華達が突然眠りにつく。これは、寝落ちって訳ではないよねぇ・・・。木陰等から囲むように妖怪も現れるし。兄さんとゼノヴィアさんも警戒し、私はベルトを巻いてガシャットを起動させる。

 

マイティアクションX!

 

聖「大変身!」

 

ガシャット!ガッチャーン!

レベルアップ!

マイティマイティアクション!X!

ガシャコン・ブレイカー!

ジャ・キーン!

 

ロスヴァイセ「待ってください、皆さん!!攻撃してはダメです!」

 

おや、ロスヴァイセさんだ。あ、狐の妖怪が頭を下げてきた。私達も一応は警戒を解き、妖怪たちの住む裏京都へと足を運ぶ事となった。



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89話

アーシア「はうぅ!よ、妖怪さん達があんなに!」

ゼノヴィア「本当なら斬り掛かりたいが・・・」

イッセー「マジで斬り掛かるなよ!?」

木場「あ、あはは・・・。でも、この裏京都って昔の城下町っぽいね。」

聖「まあ、味があっていいんじゃない?あ!おじちゃん!その美味しそうな串焼き1つ!」

妖怪「はいよ。にしてもお前さんらは迷ったのかい?」

聖「ま、そんなとこ〜。あ〜む。ん〜!この串焼き、めっちゃ美味しいね!」

妖怪「喜んでもらえてなによりだよ。ほら、200円だ。」

聖「この美味しさで!?なら、後三本ちょうだい!」

ロスヴァイセ「ちょっと、聖さん!?あなた、何やってるんですか!行きますよ!」

 

私は串焼きを受け取ってみんなの後をついて行くも、なんか案内役の妖怪、顔が引き攣ってたな。なにか、変なものでも見たのだろうか?かなり歩いたところで大きな屋敷が見えてくると、そこに見知った人達も見えてくる。

 

イッセー「アザゼル先生!レヴィアタン様にガブリエル様まで!」

アザゼル「よう。って、おい聖。手に持ってるもんはなんだ?」

聖「え?串焼きですが?」

ガブリエル「はあ・・・。あなたは本当にブレませんね・・・。」

ゼノヴィア「ん?そこにいる娘は・・・」

九重「私は京都を取り仕切る九尾の娘、九重と申す。その・・・。先日の襲撃は本当に済まなかった。」

 

九重達は私達に深々と頭を下げる。ま、子供のした事だから特には気にしてなかったけど。いや、兄さん達はしらないけどさ。

 

イッセー「大丈夫、俺たちは気にしてないよ。それに、九重は悪いと思ったから謝ったんだろ?」

九重「う、うむ・・・」

イッセー「なら、それでいいよ。みんなは?」

アーシア「わ、私もイッセーさんが言うなら!」

ゼノヴィア「ああ。私も特に気にしてないしな。」

木場「僕は直接襲撃された訳じゃないから。」

聖「わはひもほふひは(私も特には)。」

イッセー「いや、お前は食うのやめろよ!つか、食べながら喋るんじゃない!行儀悪いぞ!」

 

いや、そんな事を言われても・・・。本当にこの串焼き美味いんだから、私悪くないよねぇ?こんな感じで九重達は許され、私達は屋敷に上げてもらった。あ、ちゃんと、串焼きは外で全て食べたからね?お付きの人達にゴミ箱に捨ててもらったし。

 

アザゼル「今回の襲撃の件で、三大勢力側は一切関与してないこと、主犯はカオス・ブリゲードの英雄派であるということ。」

聖「私達は見つけ次第、叩き潰すって訳ね。」

セラフォルー「ええ。今回は妖怪側と協力よ。」

天狗「こちらが今回攫われた、八坂様です。」

 

天狗の人が巻物を広げるとおっぱいの大きいお姉さんが!兄さんも私と同じように思ったのか、厭らしい目で見ようとしてたから、とりあえず流桜で沈めといた。まあ、ちょっとミスったけど。う〜ん・・・。まだまだ未完成だな・・・。もっと練習するかぁ・・・

 

九重「私達がこんな事を言うのは間違っていると分かっている・・・。それでも、私は母上と一緒に居たい!だから、力を貸してほしい!いや、貸してください!」

 

九重を含め、この場にいる妖怪達は頭を下げる。いや、ここまでやられたらねぇ?私は全員を代表して言葉をかける。

 

聖「九重姫、妖怪の皆様。お顔をお上げください。あなた方の誠意はしかと受けとりました。私達でもお力になれる事があるのならば、ご協力させていただきます。」

 

みんなも元よりそのつもりだったのか、表情は柔らかい。こうして、妖怪たちとの会合を終えて私達はホテルへと戻った。



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90話

ホテルに着いて、私と兄さんは眠る準備をする。はずだったのに・・・!!

 

聖「なんで、布団が1つ無くなってるの!?」

イッセー「いや、俺が聞きたいよ!」

 

おい、ふざけんな!なんで高校生になってまで兄さんと一緒の布団で寝ないといけないの!?こうなったら!

 

聖「兄さん!私に布団を譲るのと、半殺しにされるのどっちがいい!?」

イッセー「なんだ、その二択!?絶対に布団は渡さないし半殺しも嫌だよ!」

聖「分かった!半殺しね!」

イッセー「いや、話聞けよ!?嫌だって言ってんだろ!?」

 

うるせぇ!私は絶対に布団で寝たい!

 

聖「武装色硬化!」

イッセー「いや、ガチじゃん!」

聖「そりゃあそうでしょ!なんで、旅行先で布団で寝れないわけ!?」

イッセー「こっちが聞きたいわ!」

ロスヴァイセ「ちょっと!何を騒いでいるんですか!」

 

私と兄さんの口論が激しくなりかけた頃にロスヴァイセさんが入ってくる。いや、それどころじゃないからね!?いや待てよ・・・?

 

聖「よし、兄さん!こうしよう!その布団は譲るから、ロスヴァイセさんと一緒に寝て!私がロスヴァイセさんの部屋で寝るから!」

イッセー「はあ!?」

ロスヴァイセ「ひ、聖さん!?」

聖「それが嫌なら私に布団を譲って!さあ、どっち!?」

ロスヴァイセ「なんで私が合意している前提で進めるんですか!?」

聖「いや、良いじゃないですか!ロスヴァイセさんがコンプレックスに思っている処女を解消出来るんですよ!?つまりは恋人になるんですよ!?」

イッセー「いや、暴論過ぎない!?」

 

結局、私と兄さんはロスヴァイセさんに怒られて一緒の布団に寝る事になった。その間に、アーシアさんとゼノヴィアさんが遊びに来たけど一緒に説教されて部屋へ逆戻り。私と兄さんは互いに背中を向けて横になる。

 

イッセー「・・・なあ、聖。お願いがあるんだけど。」

聖「・・・ゲーマドライバーなら作成途中だよ。」

イッセー「え!?なんで俺の心が分かったの!?」

聖「何年、一緒にいると思ってる訳?でも、一つだけ忠告しとくけど、兄さんの正義が全員の正義じゃないからね?」

イッセー「っ!で、でも、みんなが幸せになれる方が・・・」

聖「兄さんが思い絵が得いている正義は理想に過ぎない。正直な事をいうなら、正義だと、悪だと口にするのは無駄だよ。例え、何億年生きようとこの世の何処を探そうとも答えはないんだから。正義なんて、時代と共に生まれ変わる化け物。その時代毎に対応しないと、私達は老害になり変わる。」

イッセー「だからと言って、カオス・ブリゲードに屈する訳には!」

聖「分かってる。だからこそ、ゲーマドライバーを作ってるの。まだ、肩組しか完成してないけど・・・。

でも、絶対に完成させるから。」

 

本当に自分で言っててあれだけど、私が唯一勝てない敵は時代。カオス・ブリゲードを倒し切ったとしても『本当はカオス・ブリゲードが正しかったんじゃないか?』と思うヤツらも出てくる。まあ、だからと言って放っておくなんて出来ないけど。

私は兄さんが寝たのを確認して布団を抜け出す。

 

聖「パラド。私の代わりにお願いね?」

パラド『(ああ。)』

 

私がベルトを装着しようとした瞬間、赤と青の粒子が体から出ていき形を成す。って!

 

聖「じ、実体化出来たの・・・?」

パラド「まあな。んじゃ、私は寝る。」

 

そう言って布団に入ったけど・・・。なんでそれを早く言わない!?え、全く分からなかったんだけど!?こいつ、絶対わざとだ!心の中で愚痴りながらも、私は部屋の窓から屋上へと駆け上がる。



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91話

私が屋上へ着いた瞬間、突如として結界が張り巡らされる。それも、かなり古いタイプ。それに、かなりの緻密さでいくらおじさんやガブリエル様でもすぐには気付けないだろう。そして、私は結界を張った者へ一礼する。

 

聖「お初にお目にかかります。こんな脆弱な人間にどの様な御用でしょうか?『帝釈天』様。」

帝釈天「HAHAHA!お前の様なガキのどこが脆弱か教えて欲しいもんだZE。」

 

私の前に現れたのは、須弥山の最高神である帝釈天様、またの名をインドラ神。姿はスキンヘッドにサングラス、アロハシャツに短パン、ビーチサンダルとラフ過ぎる格好だが、オーラはヤバい。うん、マジで怖い。

 

帝釈天「お前、ハーデスと組んでるんだろ?何をする気だ?」

聖「それを言ってしまえば楽しみが無くなるのでは?」

帝釈天「HAHAHA!確かにな!確か兵藤聖って言ったか?うちに来る気は無いか?」

聖「ありません。」

帝釈天「即答か。何が欲しい?金か?男か?名声か?」

聖「そのどれも要りませんよ。金も男も名声も。その全てが必要ありません。私からも1つよろしいでしょうか?」

帝釈天「なんだ、言ってみろ。」

聖「今回の九尾の誘拐、情報を流したのは帝釈天様ですね?」

 

私の発言に帝釈天様は少し口を釣り上げる。やっぱりか・・・。そもそも、会談は極秘だったはずなのに、英雄派は何故その事を知っていたのか。裏組織からの情報だとしてもそこまで確実な情報じゃない。なのに、何故正確な位置が分かったのか。それは、帝釈天様自身が流した情報だから。

 

聖「最初はカオス・ブリゲードに所属している者達が紛れ込んで居るのかと思いました。しかし、必ずしも会談に参加出来るとは限らない。なら、妖怪側?それは無いでしょう。英雄派は人間こそが至高と考えていますから。なら、考えられるのは1つだけです。英雄派が動く理由になる情報提供者は、会談相手の須弥山の主神である帝釈天様しか考えられません。」

帝釈天「強引な考えだが、無いわけじゃない。仮に俺が流したとして、なんの為にやる?」

聖「神滅具(ロンギヌス)です。神をも殺せる13種の神滅具(ロンギヌス)が3つも手に入る上、そのどれもが上位クラス。なら、手に入れない理由はありません。私の予想では漁夫の利を狙う形で手に入れると考えています。」

帝釈天「HAHAHA!正解だ。ますます、お前が欲しくなったZE。」

聖「お断りします。それと、そろそろおじ・・・アザゼル総督達も勘づくはずです。今のうちに戻らないとややこしくなります。」

帝釈天「だな。また会う時があるだろう。それとアザゼルに伝えておけ。助っ人位は送ってやるってな。」

 

帝釈天様は神々しい光を放ち消えていく。それと同時に結界も消えて、おじさんとガブリエル様がドアを凄い勢いで開ける。私は安堵からその場にヘタレ混む。

 

アザゼル「おい、聖!無事か!?」

ガブリエル「このオーラは神・・・!それもかなり高位の!」

聖「帝釈天様です・・・。私に須弥山に来て欲しいみたいです・・・。」

アザゼル「インドラが・・・?あいつは確かシヴァと・・・」

ガブリエル「なるほど、インド神話との戦争を見てですか・・・」

聖「こ、怖かったぁ〜・・・」

アザゼル「お前さんでも怖いと思うもんはあるんだな。」

聖「当たり前でしょ?死ぬかと思ったわ。まあ、復活出来るけど、あれはマジでヤバい。」

ガブリエル「当然です。帝釈天殿は戦争を司る神であり、本人も相当の戦闘狂です。四大魔王が本気を出しても勝てる可能性は低いかと。」

聖「そりゃあ怖い訳だ・・・。あ、そうだ。帝釈天様からの伝言で、助っ人位は送ってやるっってさ。」

アザゼル「そうかい。お前もとっとと戻れ。またロスヴァイセにドヤされるぞ?」

聖「は〜い。」

 

はあ〜。せっかく覇気の練習をしようと思ったのに・・・。まあ、いいや。正直クソ疲れたし。私はパラドに戻ってもらい大人しく布団へ入りそのまま夢の中へと落ちる。



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92話

次の日の朝、何か物音がして目が覚めると兄さんがストレッチをしていた。

 

聖「んあぁ〜・・・おはよぉ〜・・・」

イッセー「あ、悪い。起こしちゃったか?」

聖「いいよ、別に・・・。んで、なんでストレッチ・・・?」

イッセー「軽く体を動かそうと思ってさ。いざと言う時にすぐ対応しなくちゃだから。」

聖「そういう事ね・・・。」

 

うん。それはいい心掛けだ。でもね?そういうのははだけた服を見ながら言うべきではないと思うのよ。私は服を着直して大きく背伸びする。

 

聖「体を動かしたいなら模擬戦でもする?その方が効率的だとも思うけど。」

イッセー「だな!じゃあやるか!」

 

私と兄さんは二人で屋上へ向かい、魔力の使い方が下手な兄さんに代わって認識阻害と防御魔法陣を展開する。え?ゲームエリアでやれって?めんどいじゃん。

 

聖「これなら、鎧を着ても大丈夫だよ。」

イッセー「しゃあ!じゃあ行くぞ!!バランス・ブレイク!」

 

Welsh Dragon!!

Balance Breaker!!

 

聖「んじゃ行くかぁ。」

 

私は武装色を使い兄さんと殴り合う。と言っても、見聞色で察知してギリギリで避けて流桜の練習台にしてるだけなんだけど。う〜ん・・・上手くいかないなぁ・・・。でもモノにしないとだし・・・

 

イッセー「はあ・・・はあ・・・あ、当たらねぇ!」

聖「ま、覇気を使ってるからね。」

イッセー「は、覇気って腕が黒くなったりするやつだろ!?なんでそれで当たらないんだよ!」

聖「覇気は私が確認しているだけで4種類。いつも腕を黒くしている武装色、今兄さんを練習台にしている流桜、相手の気配を読み取り瞬時に攻撃場所を把握する見聞色、相手を威圧する覇王色。兄さんの攻撃が分かるのは見聞色で先読みしてるからだよ。」

イッセー「な!?それ、ズルじゃねえか!」

聖「そんな事は無いよ。攻撃が来るのを分かっていても躱せるだけの反応速度が無いとダメだし。つまりは自力を鍛えなきゃダメなの。」

イッセー「・・・お前以外も使えるやついんの?」

聖「さあ?まあ、いるんじゃない?私は会ったことないけど。生前のドライグの時代にはいた?」

ドライグ『ああ。居たぞ。』

 

へえ〜。居たんだ〜。って、居たの!?え、マジで!?・・・いや、私が原因か!特典の覇気か!

 

ドライグ『戦いと死を司り邪龍最強と言われた龍、三日月の暗黒龍(クレッセント・サークル・ドラゴン)クロウ・クルワッハ。手こずったものだ。』

イッセー「邪龍って、サジの神器に宿ってるあれか?」

ドライグ『ああ。しかし、クロウ・クルワッハは既に滅んだと聞いた。会うことはないだろう。』

 

おぉい!!フラグ!!え、ここで立てるの!?てか、クロウ・クルワッハかぁ・・・。確か、原作では二天龍超えしてたよなぁ・・・。え、私、そんなやつと戦わなきゃいけないの!?絶対、今の私より強いじゃん!

 

聖「・・・まあ、滅んでるならいっか。さ、そろそろ戻るよ〜。」

イッセー「あ、ああ。」

 

私は部屋に備え付けられているお風呂で汗を流して制服を着る。さて、確か英雄派が来るのは今日だったし、警戒はしないとなぁ・・・。

準備を終えた私達は京都駅へと向かう。おじさんから、まずは京都駅へ向かってから観光に行くように言われたからだけど。

 

桐生「ねえ、なんで京都駅?」

聖「なんか、おじさんが案内人がいるって。」

松田「アザゼル先生の知り合いか?」

元浜「ま、まさか、着物美人か!?」

イッセー「な、なんだと!?」

 

変態達は何か盛り上がってるけど、確かここって九重が来るんだっけ?そんな事を考えていると九重の気配を感じる。ビンゴだ。

 

九重「む?私が最後か・・・」

イッセー「く、九重!?」

松田「おい、イッセー!誰だ、この幼ゴホゥ!」

元浜「ぶべら!」

 

あ、やべ。うるさくて思わずノックダウンさせちゃった。まあ、いっか。

 

桐生「ねえ、兵藤!聖!この可愛い娘誰なの!?」

九重「な、馴れ馴れしいぞ!小娘!」

桐生「お姫様口調なのがまたいいわね!」

聖「この子は九重。ガチのお姫様だよ。」

桐生「・・・マジ?」

聖「マジ。」

桐生「聖!私、あなたと友達で本当に良かったわ!」

 

ありゃ?逆に熱を上げちった。ま、いっか!こんな感じで九重姫案内の元、京都のあらゆる場所へ向かう。お昼休憩の為、九重姫のオススメの湯豆腐屋へ。入ると、おじさんとロスヴァイセさんがいた。

 

アザゼル「お?なんだ、お前たちも来たのか。」

イッセー「アザゼル先生!?なんでここに?」

アザゼル「なに、ちょっと休憩にな。お、来た来た♪」

 

めっちゃウキウキでお店の人から酒を受け取るおじさん。いや、ダメでしょ。

 

ロスヴァイセ「ちょっと!学生が居るんですよ!?教師が昼間からお酒を飲むなんて!それなら、もう私が飲みます!」

聖「いやいや、ロスヴァイセさんこそダメじゃん。ロスヴァイセさんだって未成年でしょ?という訳でも〜らい♪」

アザゼル「あ、おい!」

 

私はおじさんから酒を奪い取り一気に飲む。な、なにこれ・・・!!

 

イッセー「お、おい、聖・・・?お前大丈夫か・・・?」

聖「の、喉が焼ける・・・!おぉぉぉ・・・」

ロスヴァイセ「ち、ちょっと!あなた、何を考えているんですか!?」

 

こんな騒動があって、なんとかロスヴァイセさんの酔いを見せずに済んだ。やっば、ムカムカする・・・。一応、湯豆腐が来る前には収まったけど。

 

聖「ん〜♪湯豆腐ってこんなに美味しいんだぁ〜♪」

イッセー「本当に美味いな!」

ゼノヴィア「ああ。何度か買って食べた事があるが別格だな。」

アーシア「は、はい!本当に美味しいです!」

九重「うむ!そうじゃろう、そうじゃろう!」

 

良かった、良かった。九重姫も笑顔だ。しかし、そう幸せな時間は続かない。なんせ、あの気持ち悪い感覚と共に霧に包まれたのだから。



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93話

九重「こ、この霧は!」

アザゼル「絶霧(ディメンション・ロスト)か!」

聖「あぁ!!私の湯豆腐が無い!!」

イッセー「いや、そこじゃねえよ!今、曹操達が来てんだよ!」

聖「はあ!?あんの厨二病集団がァ!!」

 

私達は湯豆腐屋から出て木場君とも合流。私達以外の気配がする渡月橋の元へ。すると、橋の方には曹操達が!!私はエクスカリバーを召喚し、莫大な聖なるオーラを解放する!湯豆腐の恨み!!

 

曹操「やあ。化「聖覇!!」っ!」

 

曹操達にギリギリで避けられた!クソったれが!!じゃあ次じゃい!!今度は武装色を纏わせてから聖なるオーラを解放させる!

 

ゲオルク「おい!俺「覇聖!!」クソが!」

 

クソが!今度は霧で防がれた!あぁ〜!!ムカつく!!

 

イッセー「おい、聖!落ち着け!」

聖「うっさい!あんなに美味しい湯豆腐を全て食べきれなかったんだよ!?そりゃ、キレるわ!!」

ロスヴァイセ「絶対怒るポイントはそこじゃないですよね!?」

九重「た、食べ物でこんなに怒る者が居たのだな・・・」

ゼノヴィア「なるほど、やはり先手必勝は大事だな!」

アザゼル「ったく・・・。おい、英雄派!九尾の御大将はどこだ!!」

曹操「化け物に教えるのは癪だが、特別に答えてあげよう。九尾の狐には見せしめになってもらうのさ!俺たち人間の前に姿を現したのならこうなるとね!」

九重「な、なんじゃと!?」

 

うわ〜・・・。今ので冷めたわ〜・・・。つか、こいつら、私達の事を化け物って言ってるけどあんたらもだからね?仕方ない、現実を教えてあげるか・・・。

 

聖「あのさぁ〜、曹操君?私達の事を化け物呼ばわりしてるけど、あんた達も化け物だからね?」

曹操「兵藤聖!!また、俺たちを愚弄するか!!」

聖「いやいや、本当の事じゃん。なんなら、神器(セイクリッド・ギア)なんて異能を持ってる時点で一般人からすれば充分化け物っしょ?」

ジークフリート「っ!貴様ァ!!」

 

あ、ジークフリートが魔剣を持ってる突っ込んで来た。迎撃しようとする兄さん達を止めて、振り抜かれた魔剣を武装色で固めた人差し指だけで止める。ジークフリートは驚いているところを兄さんに思いっきり殴られ元いた場所に落ちた。

 

曹操「兵藤聖!!」

聖「あっれれ〜?おかしいぞ〜?英雄シグルドの末裔がこの程度のはずないもんね〜?あ、もしかして〜。ただ名乗ってるだけの偽物ちゃまかな〜?」

ジークフリート「兵藤・・・聖・・・!!」

 

え、こんなクソガキみたいな事言ってキレるん?アホじゃん。

 

曹操「レオナルド!!何をボサっとしている!!とっととアンチモンスターを出せ!!」

レオナルド「っ!・・・!!」

聖「あ、そういうの要らないから。」

 

混乱!

伸縮化!

 

少年がアンチモンスターを出した瞬間、私は少年に『混乱』のアイテムを、私自身に『伸縮化』のアイテムを取り込む。少年は頭を抱えながら蹲り、アンチモンスターは使用者のレオナルドが混乱状態の為か、曹操達に攻撃を始める。ふむ・・・。使用者に異常があれば、アンチモンスターにも同じ効果が出るのか。私はそう考察し、いつもの様に腕を伸ばしてレオナルドを確保、すぐさまレベル0の力を応用した、『対神滅具』用のロープで逃げられないように縛る。

 

聖「ロスヴァイセさん、催眠の魔法を。」

ロスヴァイセ「はい!」

 

ロスヴァイセさんが催眠魔法を掛けると、少年は眠りに落ちた。私は連れ去られないように四次元ポケットに入れる。

 

曹操「チィ!兵藤聖!化け物共!次はお前たちを殺す!!」

 

再び霧が発生し、元の場所に戻ってくる。絶霧(ディメンション・ロスト)には、時間にも関与する力があるのか、湯豆腐はまだ熱いまま!みんな宿に行ったけど私は一人湯豆腐を堪能しまくった。いや、本当に最高!!



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94話

アザゼル「おし、全員揃ったな。これより、九尾の狐奪還作戦だ。」

 

夕方、兄さんと私の部屋にグレモリー眷属、シトリー眷属、おじさん、魔王様、ガブリエル様、私が集まる。いや、こんな狭い所じゃなくて良くない?普通に暑いんだが?

 

イッセー「で、でも、先生!奪還っていっても、どうするんですか!」

アザゼル「問題はそこだ。しかし、アイツらは見せしめにすると言った。だから、裏のチャンネルを全神話世界に繋いでジャックするはずだ。そして、奴らが映った瞬間、諜報班で場所を探り当て乗り込む。正直、かなり厳しいがな。」

 

確かに、それは難しいな・・・。アイツらが招待する訳でもないだろうし・・・。あれ?待てよ?

 

聖「もしかしたら入れるかも。」

ガブリエル「入れる?」

聖「絶霧(ディメンション・ロスト)の中にです。」

セラフォルー「それは本当なの!?」

ゼノヴィア「どういう事だ!」

聖「いや、修学旅行前に襲われたじゃん?その時に仮面ライダークロニクルのゲームエリアにした訳だけど、あれは絶霧(ディメンション・ロスト)と同期してた訳。で、その接続を切ってないしあのバカ達も気付いてないだろうから、無理矢理こじ開ける事は出来るかもって事。」

アザゼル「なるほどな。しかし、それだとお前しか入れないだろ?」

聖「まあね。なんなら、別のガシャットも使えない。でも、それを入れる様にする為の方法はある。」

イッセー「っ!ゲーマドライバー!」

聖「正解!」

アーシア「で、でも、ベルトはレイヴェルさんしか・・・」

聖「だから借りる訳。今、パラドに取りに行ってもらってるし。」

 

言い終えると同時にパラドが粒子となって現れる。初めて見たシトリー眷属は皆警戒する。

 

匙「な、なんだ!?」

花戒桃「敵!?」

由良「カオス・ブリゲード!?」

パラド「あ?んなわけねえだろ。ほら、取ってきたぞ。」

聖「ありがと、パラド。あ、彼女は」

 

知らない人の為に説明しようとすると、みんなの前に突如モニターが現れ、英雄派が現れる!チッ、もうか!

 

聖「とりあえず、こじ開けるまで待ってて!それと、転移はグレモリー眷属だけ!残りは京都で念の為オフェンス!」

 

仮面ライダークロニクル

ガシャット

ステージセレクト

 

私はトリガーマグナムを手に異空間へ。英雄派が見えた為、そのまま撃ち込む!

 

構成員「ごわっ!」

構成員「うぐっ!」

曹操「なんだ!?」

ジークフリート「な!?兵藤聖だと!?何故!」

 

私は俯いている女性の周りにいる奴らを撃ち、守るように構える。

 

曹操「また、お前か!何度も何度も!!」

聖「そりゃあ、邪魔するの楽しいし。」

ゲオルク「だが、貴様だけで俺たち全員を相手に出来るはずがない!」

聖「確かに、私一人ならね?」

 

次の瞬間、パラドとグレモリー眷属が転移してくる。どうやら成功か。

 

イッセー「曹操!!九尾の御大将を返して貰うぞ!!」

曹操「どいつもこいつも!!何故分からない!!君も元は人間だろう!!俺たちの世界が化け物に侵食されているんだぞ!!」

ゼノヴィア「だからといって、逃すはずもない!」

聖「アーシアさん、スコルを!ロスヴァイセさんは、九尾の御大将を!」

アーシア「はい!我が呼び声に答え現れ!スコル君!」

スコル『アオーン!!』

ロスヴァイセ「こちらは任せてください!」

 

皆が武器を手に取り、すっかりやる気満々。あ、そうだ。

 

聖「ゼノヴィアさん!エクスカリバーを使って!」

ゼノヴィア「っ!ああ!感謝する!」

 

私はエクスカリバーを召喚してゼノヴィアさんに投げ渡す。最初は嫌そうだったが、使われないよりは使われるだけマシだと思ったのだろう。すぐに反発は無くなった。そして、ゼノヴィアさんはもう片方の手にデュランダルを召喚させる。

 

木場「イッセー君、聖さん。剣士は任せて欲しい。」

ゼノヴィア「私も付き合おう!木場!」

パラド「だったら私は構成員だな。」

イッセー「なら、俺は曹操だ!霧使いをお願いしていいか?」

聖「りよーかい!」

 

私達は一斉に飛び出す。さあ、お仕置の時間だ!



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95話

パラド「おらよ!!」

構成員「な、なんだ、こいつ!」

構成員「情報に無かったぞ!!」

 

パラドはメタルシャフトを振るい、構成員を薙ぎ倒していた。予期せぬ敵に英雄派の構成員は混乱状態に陥り、為す術なく次々と倒される。

 

構成員「クソ!こうなったら!!バランス「ぶっ飛べ!!」ゴハァ!」

パラド「どうした!こんなもんか!!」

 

パラドが無造作に武器を振るうだけで構成員は倒され、近付こうにも近付けなかった。

 

 

 

 

木場、ゼノヴィア「「ハアッ!!」」

ジークフリート「くっ!」

 

木場とゼノヴィアの方も優勢だった。ジークフリートが龍の手(トゥワイス・クリティカル)の亜種禁手(バランス・ブレイカー)である、阿修羅と魔龍の宴(カオスエッジ・アスラ・ヴィレッジ)を使っているにも関わらずだ。

 

ジークフリート「君たちに騎士道という文字は無いのか!こんなの卑怯じゃないか!」

ゼノヴィア「卑怯?それはお前たちの方だろう。九尾の狐を攫い、更には殺そうとする。」

木場「僕にも騎士道はある。だけど、それだけでは勝てない!」

ジークフリート「っ!こうなったら!!」

 

既に満身創痍であるジークフリートは懐から小瓶を取り出す。ゼノヴィアと木場が怪訝に思っていると、ジークフリートはニヤケながら丁寧に説明を始める。

 

ジークフリート「これは、裏ルートで入手出来るフェニックスの涙のコピーさ。コピーとは言っても回復力は本物と大差ない!」

木場「フェニックスの涙!?」

ゼノヴィア「異形を嫌うお前たちが異形の道具を使うとは、矛盾しているな。」

ジークフリート「黙れ!さあ、二回戦だ!!」

 

ジークフリートがフェニックスの涙を使おうとした瞬間、瓶が割れその破片がジークフリートの片目に直撃する。

 

ジークフリート「があぁぁぁ!!目が!僕の目がぁ!!」

聖「流石は天才聖ちゃん!戦いながらも援護出来ちゃう!これこそ、神の才能だよね!」

ゼノヴィア「聖!」

木場「ありがとう、助かったよ!」

ジークフリート「兵藤聖ィ!!!!」

 

こうして回復出来ない上、片目も失った状態で木場とゼノヴィアを相手取る事となった。

 

 

 

 

 

イッセー『曹操!!』

BoostBoostBoostBoostBoost!!!!

曹操「くっ!何故だ!!君だって堕天使に殺されかけたんだろう!?何故分からない!」

イッセー『確かに俺は殺されかけた!でも、悪魔や天使、堕天使にだって良い奴はいる!それを、無差別に殺していいわけないだろ!!』

ガシャット!キメワザ!

シャカリキ!

クリティカルbooster!!

 

イッセーは、また無断で借用したガシャットを使い、車輪型の魔力を複数出現させ、それが曹操を襲う。原作の曹操ならそれらを避けながら相手出来ただろうが、ここは多元宇宙(マルチバース)の1つ。全て躱す事は出来ず、幾つか喰らってしまう。

 

曹操「ガハッ!兵藤一誠ィ!!」

パラド「余所見は厳禁だ!!」

 

曹操が反撃しようとした時、パラドがメタルシャフトで突き曹操を吹き飛ばす。

 

曹操「ウグッ・・・!」

イッセー『パラド!』

パラド「加勢するぜ。兄貴。それと、こいつを使いな。」

 

パラドはイッセーにギアデュアルβを投げ渡す。

 

イッセー『これって!』

パラド「ギアデュアルを兄貴専用に開発した。悪魔の駒(イーヴィル・ピース)赤龍帝の篭手(ブーステット・ギア)との互換性を高めたもんだ。タドルファンタジーなら『騎士』に勝手にプロモーションし、バンバンシュミレーションなら『ビショップ』になる。」

イッセー『マジか!よっしゃ、行くぜ!!』

TADDLE FANTASY

デュアルガシャット!

タドルクリティカルbooster!!

 

イッセーの鎧は紅の色に輝き光が止むと、鎧は必要最低限の装甲となり、身軽さが上がっていた。

 

イッセー『軽い!これなら!!』

 

イッセーは音速にも届き得る速さで、真正面から曹操を殴りつける。パワーが落ちたとは言え曹操は人間。悪魔の力で殴られ、あらゆる箇所の骨が折れる。

 

曹操「ゴハッ!クソッ!」

 

曹操は懐からフェニックスの涙を取り出すも、粒子となったパラドに取られる。

 

曹操「な!?か、返せ!!」

パラド「断る。どうせ、闇市場(ブラック・マーケット)で手に入れたんだろ?」

曹操「ふ、巫山戯るな!!」

 

曹操は既に戦える体では無い。それでも、イッセーは気を抜かず構える。

 

 

 

 

聖「バキュン♪バキュン♪」

ゲオルク「くっ!」

 

対する聖はゲオルクを翻弄していた。ゲオルクが魔法陣を展開する場所を見聞色で読み取り、武装色をトリガーマグナムに纏わせて撃ち抜く。ゲオルクは魔法力を削られ劣勢に陥っていた。

 

ゲオルク「クソ!こうなったら!!禁手(バランス・ブレイク)!!」

聖「うぇ!?嘘!?」

 

ゲオルクの体から大量の霧が現れ、やがてゲオルク自身が見えなくなる。

 

ゲオルク『これこそが俺の禁手(バランス・ブレイカー)|霧に潜む狂人者《ディメンション・イン・ジャック・ザ・リッパー》!この霧こそが俺自身!俺たち英雄派に逆らった事を後悔しながら死んでいけ!!』

 

聖は思う。こいつは正真正銘のバカだと。しかし、能力は化け物じみている。神クラスでも手間取るだろう。()()()使()()()()()()

 

聖「よっと!」

ゲオルク『ゴハァ!』

 

武装色を纏い腕を思いっきり振るうと霧全体から苦しむ声が聞こえてくる。覇気は自然(ロギア)系能力者の実態を掴むことが出来る。故に、ゲオルクにも攻撃が当たるのは自然な事だった。

 

ゲオルク『な、何故・・・!!』

聖「ま、神ですから?」

 

混乱!

伸縮化!鋼鉄化!

 

混乱をゲオルクに、伸縮化と鋼鉄化を自身に取り込む。ゲオルクは霧を上手く操れず暴走気味となり、その間に聖は方腕を伸ばして、もう片方の指を噛み空気を入れる。

 

聖「骨風船!!」

 

伸ばした腕にどんどん空気が送り込まれ、次第に巨人の腕となる。

 

聖「ゴムゴムのォ・・・ギガントピストル!!」

 

武装色を纏った巨大な腕は再度霧へと突っ込み、その際武装色は決して忘れない。霧となったゲオルクが混乱状態から解けた時にはもう遅く、とてつもない威力で殴られ曹操の元へと吹っ飛ぶ。

 

ゲオルク「ゴハッ!!」

曹操「な!?ゲオルクの霧を破ったというのか!?」

ジークフリート「アグッ!」

ゼノヴィア「流石だな、聖。」

木場「あの大きな腕で殴られたら、かなりキツいね。」

 

ゼノヴィアと木場はボロボロながらも特に大きな怪我は無くほとんどがかすり傷程度だった。

 

イッセー「曹操!大人しく投降しろ!」

曹操「化け物共が・・・!!ゲオルク!!」

ゲオルク「ああ!この借りは必ず返す!!」

ゼノヴィア「っ!待て!!」

 

全員が走り出した時には既に遅く曹操達は綺麗さっぱり消え去っていた。こうして、英雄派との激闘を終えた聖達であった。



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96話

聖side

 

英雄派をきちんと逃がし、私達も現実世界へ戻ってくる。疲れた・・・。

 

九重「母上!」

 

九重姫が九狐の御大将の元へ行くが、何故か目を覚まさない。何故に・・・?私がロスヴァイセさんを見ると説明を始める。

 

ロスヴァイセ「・・・九尾の御大将の体内を調べたところ、大量の封印魔法や催眠魔法が検出されました。一般的な魔法ならば私でも解くことが出来るのですが、そのほとんどが禁術でした。」

アザゼル「クソ!だとすれば解呪するだけでもかなりの時間が掛かる・・・。」

イッセー「な!?だとすれば、この人は!」

ガブリエル「・・・最悪の場合は。」

九重「そ、そんな!嫌じゃ!嫌じゃ!」

 

みんな、容赦ねえな・・・。あれ?そういえば、ワンピースでも似たようなことあったな・・・?確か、レイリーが人魚の首輪ちぎったやつ・・・。あれって、もしかして流桜を使ってたんじゃ?でも、流桜は未完成だし・・・。いや、仕方ない。

 

聖「方法はあるよ。でも、私自身もまだ完全には習得出来てないから。」

九重「ほ、本当か!?た、頼む!母上を!母上を!!」

 

こんなに泣きそうになられたらやるしかねえよなぁ・・・。私は九尾の御大将の胸に手を置き武装色を纏う。

 

九重「な!?手が黒く!」

イッセー「聖!お前何を!!」

聖「集中するから黙って!」

 

私は自分の魂を覇気に委ねる。いくら未完成と言えど、ここまで集中すればあるいは・・・。いや、必ず出来る。決して自分を疑わない。私なら出来る。なんせ、私は神の才能を持つ転生者なんだから!!

 

聖「流桜!!」

 

覇気を一気に流し込み、禁術を全て破壊出来た感覚を掴む。・・・良し、前に兄さんを殴った時と同じ感覚だ。

 

聖「これで大丈夫だと思う。一応、検査の・・・方・・・を・・・」

 

そこで私の意識は途切れた。

 

 

 

 

イッセーside

 

イッセー「ひ、聖!?」

 

俺は聖が倒れそうになるのをギリギリで抱き抱える。な、なんで!?ま、まさか、寿命が!

 

聖「zzz」

ゼノヴィア「ね、寝てるのか・・・?」

イッセー「よ、良かったぁ〜・・・」

アザゼル「だが、なぜ急に・・・」

パラド「覇気の使いすぎだな。」

ガブリエル「覇気・・・?あの手を黒くしたものですか?」

パラド「ああ。覇気ってのは、『気合』『気配』『威圧』『殺気』等の精神的強さ及び意思の強さを武器として具現化させたものだ。こいつは、今日一日でかなり覇気を使ってる。兄貴との朝の鍛錬に、渡月橋での一戦、さっきの戦いに今。倒れてもおかしくはねえよ。」

 

そうか・・・。かなり、無理させてたんだな・・・。俺たちは聖に頼り過ぎてる・・・。

 

八坂「ん・・・?ここは・・・」

九重「は、母上!」

八坂「九重・・・。お前はいくつになっても泣き虫じゃな。」

 

良かった、こっちも目が覚めたんだな。九尾の御大将は周りを見て状況を察したのか、アザゼル先生達に頭を下げる。

 

八坂「アザゼル総督殿、ガブリエル殿、セラフォルー殿。此度はご迷惑をお掛けした。」

アザゼル「なに、気にすんな。つっても、今回の功労者は今寝てる奴だがな。」

八坂「この子が・・・。起きたら礼を言わねばなるまいな。」

木場「そうだ!京都は大丈夫だったんですか!?」

セラフォルー「ええ。問題ないわ。妖怪に加えて、天界の新しい戦力である、御使い(ブレイブ・セイント)も助っ人に来てくれたのよ☆」

アーシア「御使い(ブレイブ・セイント)・・・?」

 

な、なんだそれ?アーシアとゼノヴィアも首を傾げてるから、最近開発されたものなのか?

 

ガブリエル「御使い(ブレイブ・セイント)というのは、悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を元に作ったものです。」

ゼノヴィア「つまり、人から天使になれると・・・?」

ガブリエル「ええ、そうです。」

 

人から天使!?す、すげぇ!聖が聞いたら、絶対食いつくよな。それから軽く言葉を交わして俺たちはホテルへと戻った。聖は俺の背中で気持ち良さそうに眠ってるし。今日は二人分の布団があった為、聖を先に寝かせて俺も着替えてから眠りについた。



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97話

聖『ねえねえ、おじさん!』

アザゼル『ん?どうした、聖。』

 

あれ・・・?あ、夢かこれ。でも、なんか懐かしいな・・・。

 

聖『地震ってどうやって起こすの!?』

アザゼル『地震?そうだな。まず、海の下から新しいプレートが』

聖『違う!私が地震を起こすにはどうすればいいか聞いてるの!』

 

あぁ・・・。そういやこの時、白ひげのグラグラの実をパクろうとしてたんだっけ?でも、それには確か地震の起こし方が必要なんだった。

 

アザゼル『ブハハハハハ!お前が地震を?そいつは無理があるだろ!』

聖『真面目だから!いいから教えて!』

アザゼル『ま、出来るとするならば、大気を粉々にする事だろうな。』

聖『大気を粉々?』

アザゼル『ああ。大気を一度割れば自然は無理矢理にでも戻ろうとする。そんで、戻った時のズレが大きければ大きいほど、地震がおおきくなるだろうよ。』

聖『分かった!ありがとう、おじさん!早く結婚しないと、一生独り身になるからね!』

アザゼル『おい!最後の一言は余計だろうが!!』

 

はは、懐かしい。人間のままじゃ使えなかったから()()に組み込んだけど多分大丈夫だよね?その瞬間、私の体が物凄い勢いで上に上がっていくのを感じた。

 

聖「ん・・・ん〜!よく寝たぁ〜!」

 

あぁ〜・・・。こんなにスッキリして起きたの久しぶりだな〜♪つか、私っていつ布団に入った?てか、いつ寝た?・・・思い出せないからいいや。

 

イッセー「よお、おはよう・・・」

聖「あ、兄さん。って、何故にそんなボコボコ?」

イッセー「昨日、お前がぶっ倒れたからだよ!あの後お前をおぶって部屋に連れて帰ったのを誰かに見られて、ボコボコにされたわ!おかげで昨日は痛すぎて寝れなかったんだよ!」

 

へえ、ぶっ倒れたのか。あぁ、なんか思い出してきたぞ・・・。確か、禁術破壊する為に流桜使ったんだ。

 

聖「九尾の御大将は?」

イッセー「大丈夫。体力はかなり持ってかれてたみたいだけど元気そうだったから。一応、帰る前に挨拶に来るってさ。」

聖「へえ〜。まあ、私に関係ないだろうけど。それよりも、ご飯!お腹すいた!」

イッセー「まだ時間じゃないし、風呂でも入れよ。」

聖「はぁ〜い。」

 

まあ、昨日の制服のままだしな。私は替えの制服を持って大浴場へ向かう。まだ早い時間だからか廊下は誰もいなかったけど、大浴場へ入るとゼノヴィアさんと遭遇。

 

ゼノヴィア「やあ、聖。おはよう。体はもう大丈夫か?」

聖「おはよ〜。もう、元気だよ〜。」

 

ゼノヴィアさんの隣に立って服を脱ぐけど・・・。やっぱ、おっぱいデカイな!!やべぇ、揉みしだきたい!!いや、レイヴェルにバレたらヤバいな・・・。やめとこ。

 

ゼノヴィア「そうだ、エクスカリバーを返しておこう。」

聖「いいよ、別に。そんなに使ってこなかったから。」

ゼノヴィア「いや、しかしそれだと君の武器は・・・」

聖「ま、何か作るよ。それに、エクスカリバーは強いけど使いこなしてる訳じゃないから。ゼノヴィアさんなら二刀流もいけるでしょ?」

ゼノヴィア「行けはするが・・・」

聖「じゃああまり使わない私よりも、剣士であるゼノヴィアさんが持ってて。そして使いこなしてよ。」

ゼノヴィア「・・・ああ。なら、有難く受け取ろう。」

 

さて、作るとは言ったもののどうするか・・・。メタルシャフトとトリガーマグナムはあるけど、棒術とエイムを鍛えなきゃだし・・・。どうせなら、金棒でも作るか。あれなら、振り回しているだけでも相手からすれば脅威だろうし。

ゼノヴィアさんと洗いっこして、大浴場を満喫して新しい制服を着て食事場へ向かおうとするも、おじさんから呼び出しをくらってしまう。なんでも、九尾の御大将が直接礼を言いたいとのことだけど、私としては拒否したい・・・。

 

アザゼル「まあ、そういうな。お前はどこにも所属してないんだから繋がりを作って恩を売っとけ。いざと言う時の為にな。」

聖「えぇ〜・・・。やだよ、面倒くさい。」

アザゼル「ちなみに、今従わなきゃ拉致してでも連れて来いと言われたがな。」

聖「いや、強引過ぎない!?ああもう!分かったよ!行きゃいいんでしょ!行きゃ!」

 

このプリン頭が!いつか、『ネオア○ムスト○ングサイク○ンジェットア○ムストロング砲』に改造してやるからな!?そんな訳で、私とおじさん、ガブリエル様で裏京都へ。私の朝食が・・・・

 

ガブリエル「さ、着きました。」

聖「うぅ・・・旅館の朝ごはん・・・」

アザゼル「ほら、後でなんか奢ってやるから。」

聖「焼肉!焼肉奢って!!」

アザゼル「分かった、分かった。」

 

狐の従者に案内され前の部屋へ。今度は九重姫ではなく八坂の御大将が座っていた。美人でおっぱい大きいなぁ・・・。

 

八坂「お初にお目にかかる。兵藤聖殿。八坂と申します。此度は本当に助かりました。」

 

九尾の御大将に頭を下げられてもどうすりゃいいか分かんねえな・・・。

 

聖「恐縮にございます。頭をお上げください。八坂様。」

 

おじさんをチラッと見ると大丈夫そうだ。良かった・・・。

 

セラフォルー「今回、聖ちゃん達が活躍してくれたおかげで無事に同盟が結べたわ。悪魔を代表して、お礼を言わせて。」

聖「いえいえ。私がした事なんて、些細な事ですので。」

八坂「お主がそう思っていても、我々妖怪側にとっては不測の事態にございました。しかし、聖殿への報酬と言っても我々では思いつかぬような高価なものとなるでしょう。故に、聖殿への報奨は聖殿が欲しいと思うものになりました。なんでも申し付けください。それが例え寿命であろうと叶えましょう。」

 

おじさんめ・・・私の寿命が少ないことをチクったな?でも、欲しいものか・・・。私が欲しいもの・・・。

 

聖「あ、では、金棒が欲しいです。軽くて決して壊れないものが。」

八坂「金棒・・・?」

アザゼル「お、お前、正気か!?寿命でもいいって言ってるんだぞ!?」

聖「別に私は長生きしようとは思ってないよ。なんなら、人間のままじゃこれ以上強くなれないとも思ってるし。なら、今の最大項目は武器。それも、そこまで技術を必要としないものね。」

ガブリエル「あ、あなたは命をなんだと思っているのですか!?」

聖「コンティニューなんて、イカれた神器を持つ私にそれを聞きます?」

セラフォルー「っ!それでも!」

八坂「・・・分かりました。職人に手配致しましょう。」

聖「ありがとうございます。八坂様。」

 

今度は私が頭を下げる。おじさん達にはヤバい奴を見られる目を向けられながらも私は宿へ戻った。当然、朝ごはんは抜き。絶対、高い所に行ってやる・・・!!まあ、今日は最終日だから観光もしつつきちんとお土産も買う。ちなみに、捕獲した子供はしっかりとおじさんへ預けた。

楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、今は京都駅。にしても、襲撃が多かったな・・・。次は普通に観光したい。

 

八坂「皆様。此度は本当にありがとうございました。また、いつでもお越しください。」

九重「うむ!私も待っておる!」

セラフォルー「私はもうちょっと京都を満喫するわ☆悪い子が入ってきたらコテンパンにしちゃうんだから!」

 

なるほど、コテンパンという名の死刑ですね。お〜、怖。こうして波乱だらけの修学旅行は幕引きとなった。

 



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98話

修学旅行から帰って数日後。約束通り、おじさんと焼肉へ。しかし、おじさんの顔は変な顔になっていた。

 

アザゼル「・・・おい。なんで、リアス達までいる?」

リアス「聖さんから誘われたの。アザゼルが焼肉を奢ってくれるから一緒に来ないか?ってね。」

 

おじさんは物凄い形相で私を見るも、私はとっても良い笑顔で親指を立てる。

 

アザゼル「おい、お前だけじゃないのか!?」

聖「そんな事は一言も言ってないじゃ〜ん。私は奢ってくれるって言われたから誘っただけだよ。」

 

そう、おじさんは言ってないのだ。()()()()かを。なら、私が誘っても悪くないよねぇ?

 

聖「という訳で、今日はおじさんのお金で食べまくろう!」

オカルト研究部『おぉ!!』

アザゼル「ま、マジかよ・・・」

 

ま、自業自得でしょ。勝手に人のプライバシーを話したんだから。ちなみにお店は私が高いところを予約して、貸切にもしてもらった。だから、料金も倍になる。これで、勝手に人のプライバシーを喋る事はしないだろう。てか、ロスヴァイセさんと塔城さんの目なんてキラキラ輝いてるし。

私達は中へ入り席へ案内される。もう、内装だけでもヤバいな。ま、他人の金だから何も気にしないけど。

レイヴェルは物凄い速さで私の隣を確保。いや、前のどんだけ根に持ってるん?塔城さんなんて、物凄い目でメニューを見てるし。

 

小猫「最初は軽く2ページ分行きましょう。」

イッセー「いや、小猫ちゃん!?何も軽くないよ!?」

アーシア「はうぅ!わ、私も負けません!」

レイヴェル「や、焼肉なんて初めてで緊張しますわ・・・!」

聖「大丈夫、大丈夫。何も気にすることなんてないから。なんなら、緊張するのはおじさんだけだから。」

 

ほら、もうおじさんの顔全てを諦めてるし。とりあえず各々食べたいものを店員さんに注文して持ってきてもらう。

 

リアス「ふふ♪焼肉なんて久しぶりね。」

朱乃「ええ。去年、ソーナ達と行ったぶりだもの。」

木場「でも自分で来れる値段では無いね。」

ゼノヴィア「ふむ・・・。これだけ高いのだから楽しみだ!」

ギャスパー「うぅ・・・!念願だった焼肉ですぅ!」

ロスヴァイセ「た、偶にしか食べられないお肉・・・!!今日はいっぱい食べなきゃ・・・!」

 

いや、ギャスパー君?念願ってどれだけ引きこもりだったん?それと、ロスヴァイセさんはガチ過ぎて悲しくなる・・・。

こんな感じでみんな(一人を除き)で楽しんだ。レイヴェルなんて、肉を焼く時なんか感動してたし。

余談だけど、会計の時のおじさんを見たら少し泣いてた。



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7章 学園祭のライオンハート
99話


『ここでお前の悪事を止める!』

『おのれ、仮面ライダードライグ!覚えていろ!!』

 

私達は今、家のテレビで完成した仮面ライダードライグを見ている。うん、普通の仮面ライダーだわ。

 

リアス「お兄様も面白いものを考えたわね。」

朱乃「ええ。視聴率は50%を超えているようですわ。」

イッセー「ご、50!?」

木場「まあ、冥界は娯楽が少ないからね。」

小猫「・・・番組はレーティングゲームとニュースしかないと聞きました。」

聖「いや、少なくね?じゃあ、子供は外で遊んでこい!みたいな?」

アザゼル「そういうこった。それで言えば、人間界は恵まれてるよ。暇つぶしには事欠かないからな。」

 

ほへぇ〜。つまりは私のゲームも一部にしかウケてない訳だ。まあ、別にいいけど。

 

アザゼル「ま、これでお前たちの株もまた上がっただろうよ。」

聖「ま、私には関係ないだろうけどさ。別に評価が上がった所で私は人間だし。」

 

異形は人間を下に見る事が多いし。まあ、だからと言って認められようとは思ってもいない。なんなら、評価なんてものはどうでもいい。私は檀黎斗を超えるという目標がある。檀黎斗の才能を使いつつ檀黎斗を超える。それこそが私の夢。

 

ゼノヴィア「そういえば、英雄派との戦いの時に変身しなかったがどうしてなんだ?」

聖「え?まあ、理由は2つ。1つは仮面ライダークロニクルを使っていたこと。2つ目は私の寿命が無くなるから?」

リアス「で、でも、あなたの寿命はまだ···」

聖「確かに私の寿命は半年あります。でも、プロトタイプのガシャットは一回使う事に半年分の寿命が消えます。つまり、私は後一回変身すれば確実に死にます。」

 

みんなの顔が驚きに包まれる。まあ、そりゃ一回の変身に寿命半年は割に合わないだろうし。でも、普通に強いしなぁ・・・。

 

レイヴェル「半年・・・」

聖「大丈夫だって、レイヴェル。ちゃんと、復活出来る手段はあるんだから。それに、レイヴェルは私の心の支えだし。」

 

レイヴェルの頭を優しく撫でる。正直、この世界には悪魔の実なんて都合のいいものは無いし。作れない事は無いかもしれないけど、それこそ何千年と研究しないと出来ないだろうし。

 

聖「さて!プリン食べよ〜っと!」

 

私が立ち上がった瞬間、兄さんが一瞬ビクッと震える。

 

イッセー「お、俺は先に部屋に戻ろうかな〜・・・」

聖「兄さん。今ならまだ許してあげるよ?」

イッセー「すいませんでした!!」

 

わ〜。綺麗な土下座〜。マジでぶっ殺してやろうかな?いや、やってしまったんなら仕方ない。私の実験台にしてやろう。

 

聖「許してあげる代わりに技の開発を手伝ってよ。」

イッセー「え・・・」

聖「は?じゃあ、全身改造してやろうか?」

イッセー「いえ!是非とも御協力させていただきます!!」

聖「なら、とっとと下行くよ。それと、おじさん。普通の木製バット持ってきて〜。」

アザゼル「あ、ああ・・・。」

 

みんな苦笑い気味だけど、私は兄さんの首根っこを持って下へ行く。ちなみに、みんなも気になったのか着いてきたけど。

 

アザゼル「ほらよ。」

聖「ありがとう。ほら、兄さんも新しい力使いなよ。パラドからもらったんでしょ?」

イッセー「っ!なら!」

 

BANG BANG SIMULATIONS!

デュアルガシャット!

キメワザ!

バンバンクリティカルbooster!

 

兄さんの鎧は基本のタイプながらも、肩に二問、両腕に二問の砲台が現れる。足の方も踏み込める様に支えも出来てるし。

 

イッセー『行くぞ聖!!』

 

BoostBoostBoostBoostBoost!!!!

 

兄さんが私に砲撃を放った為、私はバットに武装色を纏わせて打ち返す。ちょっと重かったけど特に問題は無く兄さんに当たる。あ、ぶっ飛んだ。私は走り出しバットに覇王色のみを纏わせる。

 

イッセー『ゴハッ!この!』

 

私は地面を踏みしめ、握る力も最大にする。バットからは赤黒い稲妻が走り全ての準備が整う。

 

雷鳴!!!!

 

とんでもない音と共に兄さんの鎧は粉々に砕け散りまたしてもぶっ飛ぶ。まあ、バットは折れちゃったけど仕方ない。気絶した兄さんをアーシアさんと塔城さんに任せて、やりすぎとレイヴェルとリアス先輩、おじさんに怒られた。



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100話

聖「〜♪」

 

私は鼻歌を唄いながら金棒を振るっていた。八坂様に頼んでいたものがもう出来たのだ。注文通り軽くてめっちゃ頑丈。しばらくは壊れないだろう。・・・多分。あぁ・・・。後は鬼の仮面も買わなきゃ。般若がいいかな?

 

レイヴェル「とても機嫌が良さそうですわね。」

聖「まあね〜。なんせ、私の新しい武器なんだから!」

レイヴェル「まさか、伝説の聖剣を簡単に譲るとは思っても見ませんでしたわ・・・。」

聖「ま、いいじゃ〜ん。どうせそこまで使ってなかったし。」

 

私は四次元ポケットに収納して研究室へ行く。今、『神器抜き取り機』という恐ろしい装置を開発していてその最終段階に入るところだ。レイヴェルは、ようやく買った研究室のソファーに座って本を手に取り読む。これが私とレイヴェルの過ごし方。しかし、今日は違った。

 

レイヴェル「あら?ルヴァルお兄様からですわ・・・。え!?」

聖「え、何?そんな大声出して。」

 

やば、めっちゃ嫌な予感する・・・。

 

レイヴェル「ラ、ライザーお兄様がこちらに向かってるそうですわ!」

聖「え、なんで?・・・って、もしかしなくても私!?」

 

レイヴェルが頷く。おい、マジかよ!めんどくさいなぁ!!絶対、追いかけた事根に持ってるじゃん!!

 

聖「え、なに、どうすればいいの!?」

レイヴェル「と、とりあえず冥界へ行きましょう!」

 

はあ・・・。という訳で数時間掛けて冥界のフェニックス領へ。運良くライザーとは行き違いになったようだ。良かった・・・。

 

ルヴァル「済まないね、聖さん。」

聖「いえいえ。・・・それで、ライザーさんは?」

ルヴァル「今頃、人間界を駆け回っている頃だろうね。」

レイヴェル「はあ・・・。」

 

いや、ため息を付きたいのはこっちだよ・・・。とりあえず話を聞くとやはり、あの時のトラウマを払拭させたいらしい。しっかりとした戦闘の場で。

 

レイヴェル「・・・聖。分かっておりますわね?」

聖「当然。二度と私に歯向かわないように徹底的に叩き潰すよ。」

ルヴァル「はははは!既に場所は準備しているよ。後はライザーが戻ってくるのを待つだけだ。」

 

そんな訳で帰ってくるまで待つ事に。まあ、1時間位で帰ってきたけどさ。

 

ライザー「兵藤聖!!貴様、誰の許可を得てこのフェニックス城へ来ている!!」

聖「うるさ!いきなり大声出さないでくれない!?」

ライザー「黙れ!!貴様を倒して俺が最強だと教えてやる!!」

 

本当にうるさいな!なんなん!?こいつ、マジでぶっ潰す!!そんな訳でフェニックス家が所有する闘技場へ。一年に一度領民を招いてパーティをしているらしい。他ではやらなさそうだな。

 

ライザー「兵藤聖!俺が勝ったら貴様は俺の奴隷だ!!分かったな!」

聖「なら、私が勝てばあんたはモルモットになってもらうよ。」

 

私はベルトを装着して、マキシマムマイティXとハイパームテキを取り出すもここでルヴァルさんからストップが入る。

 

ルヴァル「聖さん。ここは己の肉体のみでどうだい?」

聖「・・・ルヴァル様がそう仰るなら。」

 

私はガシャットをポケットに入れてメタルシャフトを取り出す。

 

聖「私だって暇じゃないの。とっとと来なよ。」

ライザー「っ!人間がァァ!!」

 

ライザーは突貫してくるも、私は軽々と避ける。まあ、スピードも上がってたけど対処出来ない程では無い。それから、何度か接近戦と遠距離を交互に攻撃してくるけど、どこからどんな攻撃が来るか分かっているのに受けてやる必要は無い。しばらく手を出さずに避けていると遂に激昂した。

 

ライザー「貴様、何故攻撃してこない!俺をなめているのか!!」

聖「当然。なんなら、攻撃しようとも思わないし。」

ライザー「巫山戯るな!!貴様のせいで俺の人生はめちゃくちゃだ!!リアスとの婚約も無くなり、眷属も俺の元から去った!あげく、俺のレイヴェルも貴様の元へ!!」

聖「・・・俺のレイヴェル?」

ライザー「ああ!そうだ!レイヴェルは俺のものだ!!」

 

ああ、そうかい。私はメタルシャフトを四次元ポケットに戻して代わりに金棒を取り出して肩に担ぐ。

 

聖「ライザー。さっきの言葉を訂正してあげる。あんたを殺す気で行くから、精々死なないようにね。」

 

私は肩から地面に金棒を落としてライザーの腹に一撃入れる。当然武装色を纏わせて。ライザーは盛大に血を吐きながら壁に思いっきり激突する。

 

ライザー「何故だ・・・!!何故、炎に変化してもお前の攻撃を受けるんだ!!」

聖「あんたに教えてあげる。レイヴェルはフェニックス家の物でもあんたの物でも、ましてや私の物でも無い。レイヴェルはレイヴェル自身の物よ!!」

 

私は地面を強く踏み込む。金棒には当然覇王色も流すけど、兄さんにやった時よりも高威力!やば、めっちゃ覇気を流しやすい!!

 

雷鳴八卦!!

 

日常生活では絶対に聞かないであろう爆発音ととてつもない威力の攻撃がライザーを襲い壁に激突した時には既に全身が丸焦げとなっていた。あ、まだ、生きてる。気絶してるけど。

 

ルヴァル「そこまで。勝者は兵藤聖さんだ。」

レイヴェル「聖!」

 

レイヴェルは終わるや否や私の方に抱きついて来た。私も抱きしめて優しく頭を撫でる。

 

聖「よしよし、大丈夫。大丈夫。さ、早く帰って家でのんびりしよ。」

レイヴェル「はい!」

 

ルヴァル様に一言挨拶を入れて私とレイヴェルは帰宅。ライザーは目に余る行動が相当多かったらしく、今ではフェニックス家の地下に監禁されてるそうな。レイヴェルからの信頼も少しは取り戻せそうだったのにあの発言で完全に消失したらしい。まあ、自業自得って事で。



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101話

聖「出来た〜。」

 

遂に完成した『神器抜き取り機』!まあ、銃型で神器所有者に撃てば無理矢理神器を抜きとる事が出来る。まあ、作るのは今回が最初で最後だけど。念の為、私に設定してっと。良し。私は誰にも見られないうちにアタッシュケースへ入れて四次元ポケットに仕舞う。流石にヤバいし。あ、ベルトとレベル0、デンジャラスゾンビも渡しておくか。後、ハイパームテキも。私はもう1つのアタッシュケースにベルト等を仕舞いこれも四次元ポケットへ。これで良しと。私が研究室から出てリビングへ行くと、なんか兄さんがソワソワしてる・・・。何故に?

 

聖「え、何かあった?」

イッセー「っ!な、なんだ、聖か。」

聖「え、なんでそんなにソワソワしてるの?ちょっとキモイんだけど。」

イッセー「それは酷くない!?」

アーシア「イ、イッセーさん!お待たせしました!」

 

私が後ろを見ると、普段のラフな格好では無く可愛らしいワンピースを着たアーシアさんだった。あ〜、そういうこと。

 

聖「なるほどね。だから、あんなにソワソワしてたんだ。」

イッセー「わ、悪いかよ!」

聖「べ〜つに〜?ま、楽しんできて〜。」

 

私は私服に着替えて部室に向かう。部室を開けると誰も居ない。まあ、今日は休日だからだけど。私はパソコンの前に座り、今までのガシャットのデータやゲームのデータをUSBメモリにコピーする。

まあ、一つ一つのデータが膨大だからかなり時間が掛かる。椅子に座って携帯を弄っているとリアス先輩が入ってきた。

 

リアス「あら、聖さん。どうかしたの?」

聖「こんにちは〜。私が居ない間に盗まれるかもと思って、今USBに移してる所です。リアス先輩は?」

リアス「サイラオーグとのゲームに向けてね。それと文化祭に何をやるか考えたくて。」

 

あ、そっか。もうそんな時期か。原作なら兄さんとギスギスしてるけど、どちらも惚れてないから何も無いか。

 

リアス「・・・ねえ、聖さん。」

聖「ん?なんですか?」

リアス「その・・・女性と付き合うというのはどんな感じなのかしら?」

 

え、どしたん?突然。あれか?幼なじみである朱乃先輩に恋心でも芽生えたか?

 

聖「・・・普通?」

リアス「そ、そう。」

聖「え、誰に恋したんですか!?朱乃先輩ですか!?」

リアス「ち、違うわよ!ただ気になっただけ!」

聖「またまたぁ〜。幼少の頃から朱乃先輩は一緒なんですよね?なら、恋心の一つが目覚めても不思議じゃないですよ〜。」

リアス「だから違うったら!」

聖「・・・ガチですか?」

リアス「ええ。」

 

な〜んだ。まあ、特に何も変わらんしな。

 

聖「まあ、私は男性と付き合ったことは無いので詳しくは言えませんが、特別変わったことは無いですよ。ただ、恋愛対象が女性ってだけで。」

リアス「・・・ねえ、聖さん。もし貴方が貴族の生まれだとして、断る事の出来ない婚約をさせられそうになったらどうする?」

聖「これまた難しいですね・・・。まあ、婚約相手を死んだ方がマシだと思わせる位ボコボコにしますかね?」

 

でも、それくらいしか思い付かないしな〜。まあ、そもそも私を婚約相手に欲しいかから始まるけど。一応、自分でも殺されても文句を言えないほど好き勝手しているのは自覚してるし。おじさんと過ごした時間も長いからなのか、研究や制作も好き。でも、その両方とも莫大な金が必要になる。貴族の家に生まれたならとんでもない金食い虫になっただろうね。

 

リアス「そ、そう。」

 

それから、リアス先輩と談笑していると紫色に輝く魔法陣が現れる。そこからはヴァーリ君と愉快な仲間たちが現れた。

 

リアス「な!?ヴァーリ!」

ヴァーリ「久しぶりだな。リアス・グレモリー、兵藤聖。」

聖「久しぶり〜。」

リアス「何故あなた達がここにいるの!」

黒歌「ん〜。私は知らないにゃ。」

 

黒歌は私の向かい側に座ってお茶菓子を食べ始める。いや、自由か?一応、敵対してるからね?

 

ヴァーリ「忠告さ。兵藤聖にね。」

聖「私?」

ヴァーリ「ああ。英雄派は知っているだろう?」

聖「まあ、やり合ったからね。」

美猴「その英雄派があんたを狙ってるんで、その忠告に。」

アーサー「私はアーサーと申します。以後お見知り置きを。次に英雄派以外からもあなたは狙われています。」

リアス「なんですって!?」

 

英雄派以外からか〜。やっば、心当たりあり過ぎて分からん。あれかな?三大勢力からかな?

 

聖「その英雄派以外というのは?」

ルフェイ「はい。伝説の邪龍であるクロウ・クルワッハからです♪」

 

クロウ・クルワッハかぁ〜。・・・ん?

 

聖「え、ごめん。今なんて言った?」

ルフィイ「ですから、クロウ・クルワッハから狙われています!」

聖「はあ!?」

 

え、なんで!?てか、ドライグは滅びたって言ってたよね!?バリバリ生きてんじゃん!!

 

リアス「クロウ・クルワッハですって!?かの龍は既に滅びたはず!」

ヴァーリ「俺たちもそう思っていたさ。実際に出会う前まではね。兵藤聖。君が覇気と呼んでいるあの技は俺にも使えるのか?」

聖「知るか!もうやだ!面倒くさい!どうせなら曹操を狙えよ!!」

 

もう、本当に最悪!つか、目の前の猫さんはずっと爆笑してるし!そのままイキ地獄でも経験させてやろうか!?いや、絶対私が経験する事になるからやっぱやめとこ!

 

黒歌「にゃははははは!お、お腹痛いにゃ!」

聖「はあ・・・。」

ヴァーリ「用事は後1つ。俺と今この場で戦ってくれ。」

聖「・・・どうせヤダって言っても来るんでしょ?」

ヴァーリ「まあね。」

 

この戦闘狂が・・・。私はベルトを装着してステージセレクトを行う。場所は天国のようにも感じる綺麗なお花畑。今から地獄に変わるんだろうなぁ・・・。私は金棒を取り出し肩に担ぐ。

 

ヴァーリ「変身はしないのかい?」

聖「しないんじゃなくて出来ないの。魂ごと消滅するし。」

ヴァーリ「残念だよ。バランス・ブレイク!」

 

Vanishing Dragon

Balance Breaker!!!!

 

私が金棒を持ち直そうとした瞬間、ヴァーリ君は以前よりも速いスピードで突貫してくる!ヤバっ!私はギリギリで、マトリックス回避を行うと同時に金棒でのカウンターを行うも持ち方が悪いからそこまでのダメージは与えられなかった。

 

ヴァーリ『やはり君は脅威的だな。だからこそ本当に残念だよ。3年前よりもかなり弱くなっている。』

リアス「ど、どういう事なの!?」

ヴァーリ『彼女の元々の実力は、ベルトを使わずとも中位の神クラスはあった。しかし、寿命を使い過ぎた結果だろうな。今では中位魔王クラスまで落ちている。』

 

チッ・・・。やっぱバレるか・・・。確かに今の私は弱体化してる。それもかなり。まあ、例えるなら白ひげかな?昔は強かったけど病で力が弱まった的な。おかげで覇気の排出量も変わったし。

 

聖「弱くなった私は論外って事?」

ヴァーリ『まさか。確かに君は弱体化したがそれでも脅威的だと言っただろう?君はアザゼルと同じ研究者タイプだ。戦うほどにやり辛くなって行く。』

聖「ま、おじさんとは結構長くいたからね!!」

 

私は金棒で思いっきり地面を殴り付けて地割れを起こすものの、即座の判断で上空に飛び立つ。やっぱりか。

 

ヴァーリ『今の君では俺には勝てない。新たに獲得した技があったとしても、今の攻撃速度では当たりもしないだろう。』

聖「・・・だろうね。」

 

私は金棒を地面に突き刺す。正直、今の私じゃサイラオーグさんにも勝てないだろうし。

 

聖「ヴァーリ君。今回は私の負けだね。認めるのは癪だけど。」

ヴァーリ『俺は悲しいよ。弱体化してるとは言え、目標が無くなってしまったからね。』

 

一々イラッとするけど事実だから仕方ない。私達はゲームエリアから出るものの、ヴァーリ君達は既に消え机の上には置き手紙があった。『サイラオーグ・バアルとの試合を楽しみにしている』と。



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102話

聖「サイラオーグさんが?」

レイヴェル「ええ。ルヴァルお兄様を通じて先程連絡がありましたわ。」

 

家に帰ってくるとレイヴェルから呼ばれた。なんでもサイラオーグさんがお礼を言いたいから明日空けといて欲しいそうな。いや、別にいらないんだけどなぁ・・・。

 

聖「でもなんでルヴァル様を通じて?」

レイヴェル「大王家は頭が固い者ばかりですから。それに・・・」

聖「?・・・ああ、特効薬か。」

レイヴェル「ええ。表向きはフェニックス家と交流を深めたいと言う風になりますわ。」

聖「うへぇ・・・貴族って面倒だなぁ・・・。つまり、明日は冥界に?」

レイヴェル「ええ。しかし万が一にもフェニックス家から情報が漏れるという事も考えられます。なので、会合は研究室でと言うことになりますわ。」

聖「え、だとしたら今から色々揃えなきゃじゃん。」

レイヴェル「そういう事になりますわ。」

 

うわ、マジかぁ・・・。まあ、でもこればかりはしゃーない。という事で、レイヴェルの伝手で貴族悪魔も買いに来る人間界の家具屋へ。うん、めっちゃ高そう。レイヴェルの目利きの元、あれよこれよとどんどん買っていく。ちなみに、今回は私とレイヴェルのポケットマネーから出る。まあ、当然っちゃ当然だけど。

 

レイヴェル「まあ、これで問題ありませんわ。」

聖「いや〜。レイヴェルが居てくれて助かったよ。ありがとう。」

レイヴェル「ふふ、構いませんわ。それに、あの部屋には家具が無さすぎますもの。」

 

ま、まあ、確かに・・・。購入したものは認識阻害を掛けて魔法陣で地下へ運ぶ。でも動かすのはこっちだから力持ちが欲しいところ・・・。という訳で。

 

匙「で、でっけぇぇぇ!!」

聖「ごめんね、匙君。いきなり来てもらって。」

匙「い、いや、それはいいんだけど・・・」

レイヴェル「匙さん。案内しますわ。」

 

という訳で私の部屋へ。てか、なんか緊張してない?

 

聖「え、なんで、そんなにガチガチなの?」

匙「い、いや。女子の部屋に入るの初めてだからさ・・・。て、てか、兵藤が居るんだからそっちに言えば・・・」

レイヴェル「イッセーさんとアーシアさんはデート中ですわ。呼び出す訳にはいきませんもの。」

匙「デ、デート!?う、嘘だろ!?俺、まだ会長と二人でどこにも行けたことないのに!」

聖「おやおや〜?匙君はソーナ先輩の事が好きなのか〜。うんうん、いいと思うよ〜。」

匙「し、しまった!た、頼む!これは会長には!」

聖「大丈夫だって。言わないよ。ほら、こっちだよ。」

匙「れ、冷蔵庫・・・?って、中に階段!?」

 

おぉ、いい驚きっぷりだ。中へ案内するとめっちゃ興奮してた。

 

匙「す、すげぇ!秘密基地じゃん!」

聖「その気持ち分かるわ〜。ロマンだよね!」

レイヴェル「談笑はそれくらいにして運びましょう。」

 

という訳でレイヴェル監督の元、匙君とソファーやテーブルを配置する。それと、パソコンルームの方には大きめのカーテンも設置。よし、これで問題無しと。

 

聖「ありがとう、匙君。本当に助かったよ。」

匙「いいよ、別に。その・・・リアス先輩達とのレーティングゲームでは世話になったからさ。」

聖「そっか。なら、お礼にこれを進呈しよう。」

 

私は匙君に2枚のチケットを渡す。本当は私とレイヴェルで行く予定だったミュージカルのチケットだけどレイヴェルに急遽予定が入ってしまった為、行けなくなってしまったものだ。

 

匙「い、いいのか?レイヴェルさんと行くんじゃ・・・」

レイヴェル「構いませんわ。私もその日外せない用事が出来てしまったのです。なので、ソーナ様と楽しんできてくださいまし。」

匙「っ!二人とも、ありがとう!」

 

そうして、匙君は上機嫌で帰っていった。匙君の恋が実るといいな〜。



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103話

翌日。私は制服で、レイヴェルはドレスでフェニックス家へ訪れる。いや、多くない?なんで、貴族の家にこんなに訪れにゃならんのです。はあ〜・・・。お腹痛い・・・。

 

執事、メイド『お嬢様!聖様!お帰りなさいませ!』

 

うん。もう、帰る。てか、本当に帰る。だから、レイヴェルは私の手をそんなに強く掴まないで!待って!折れる!折れるから!!

 

デルトロ「おお、レイヴェル。それに聖さん。よく帰ってきた。」

ルイラ「お帰りなさい。レイヴェル、聖さん。」

 

うぅ・・・。なんで私までお帰りって言われるのぉ・・・?その後、応接室へ案内され軽く言葉を交わしていると、サイラオーグさんととても若いお姉さんが現れた。あれ?サイラオーグさんってお姉さんが居たっけ・・・?

 

ミスラ「お久しぶりです。フェニックス卿。」

デルトロ「お久しぶりです。ミスラ殿。聖さん、レイヴェル。彼女はミスラ・バアル。サイラオーグ君のお母上だ。」

 

うぇ!?ガチ!?あ、待てよ・・・?確かこんな顔だった気もする・・・。ま、覚えてないしいっか!

 

聖「ご回復おめでとうございます。私は兵藤聖と申します。」

レイヴェル「お初にお目にかかります。私はレイヴェル・フェニックスと申しますわ。ご回復、心より嬉しく思いますわ。」

ミスラ「ありがとう、二人とも。」

ルイラ「レイヴェル。準備の方は?」

レイヴェル「既に整っておりますわ。」

 

すると、デルトロ様が魔法陣を展開する。やっぱり貴族は大変だ。

 

デルトロ「ミスラ殿、サイラオーグ君。魔法陣の中へ。」

ミスラ「え、ええ・・・」

サイラオーグ「はい。」

 

ミスラ様とサイラオーグさんが魔法陣に乗ったのを確認して、私とレイヴェルも乗る。魔法陣から炎が上がると転移は完了していた。

 

ミスラ「ここは・・・」

聖「私の研究室です。さ、お二人とも。どうぞ。」

 

私が席へ促すと二人は座り、私とレイヴェルで紅茶の準備。私達が座ったところで最初に言葉を発したのはサイラオーグさんだった。

 

サイラオーグ「聖。母上を助けてくれて本当にありがとう。」

聖「いえいえ!私はそんな大きな事をした訳じゃないですし!」

ミスラ「いいえ。そんな事はありませんよ。私を含め、沢山の悪魔が救われた。本当にありがとうございました。」

 

そう言ってミスラ様も頭を下げたけど・・・。私は本当に何もしてないしなぁ・・・。特典のおかげだし。なんなら、特典が無ければ既に私は死んでいる。

 

聖「頭をお上げください。では、こうしましょう。私はサイラオーグさんと契約しそれを果たした。後はサイラオーグさんが対価を払うのみです。実に悪魔らしい方法だと思いますが?」

サイラオーグ「なるほどな。分かった。俺が差し出せるものであれば全て差し出そう。何を望む。」

聖「・・・では、バアル領のリンゴを二玉下さい。」

ミスラ「え?」

 

うん、二人の顔がめっちゃおもろい。え?レイヴェル?普通に紅茶を飲んでいますが?

 

サイラオーグ「し、しかし、それでは聖の成果と引き合わない。」

聖「対価は願いを聞く者が決める。それが契約というものです。」

ミスラ「し、しかし・・・」

レイヴェル「サイラオーグ様、ミスラ様。これが聖ですわ。富、名声、地位には一切の興味を持たず、己の才能のみに興味を持つ。明らかに普通の人間とは違いますもの。」

 

うん、レイヴェル?君、私の事ディスってない?確かに興味は無いけど最後の一言は余計だよ?

 

聖「ミスラ様。私はただ友人の為に力を貸したに過ぎません。その他の成果は偶然の副産物です。なので、それ以上の対価を求めるつもりはありませんから。」

ミスラ「・・・そうですか。私は益々あなたという存在が分からなくなってしまったわ。」

聖「それでいいのです。他者が他者を理解するなど神であろうと出来はしません。ならば、分からぬまま、知らぬまま接した方が何事も上手くいくものですよ。」

サイラオーグ「しかし、本当にそれでいいのか?俺の伝手で寿命を延ばすことも・・・」

聖「サイラオーグさん。その秘密を誰に聞いたのか見当は付きますがここでは置いておきます。しかし、()()の私はこれ以上の強さを得られません。それに、生きるも死ぬも天任せ。ならば、私は次の一瞬を必死で生きます。」

サイラオーグ「・・・俺はお前を下に見ていたのかもしれんな。分かった。契約の対価はしっかりと支払おう。他にも欲しい物があるのなら言ってくれ。出来るだけ用意する。」

聖「ありがとうございます。サイラオーグさん。」

 

それから、1時間程の談笑を交えて私達は解散となった。帰ったあと、とりあえずおじさんに武装色で固めた蹴りを入れにも行った。



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104話

聖「疲れたぁ〜・・・。」

 

二人が帰った後、私はベットへ飛び込む。本当に疲れた・・・。レイヴェルもドレスを脱ぎ下着姿で飛び込んでくる。

 

聖「・・・珍しいね。いつもならやらないのに。」

レイヴェル「・・・私も疲れたのですわ。それとも、聖は私の下着姿はお好みではありませんか?」

聖「まさか!超大好き!」

レイヴェル「全くもう・・・」

 

こんな感じでイチャイチャしていると、恥ずかしくなったのかレイヴェルは部屋着へと着替える。私も着替えようとした所で感じ取ってしまった。今までにない程の敵意を。

 

聖「っ!!」

レイヴェル「ちょ、ひ、聖!?」

 

私はとにかく玄関へ向かった。いる!!とんでもない化け物が!!私が玄関へ着くと同時にドアが吹き飛ばされ、そこにはまだ夏時期だと言うのに黒のロングコートに黒のハットを被った男性がいた。でも、分かる。確実にコイツだと。

 

???「む?加減をミスったな・・・」

聖「ちょっと。ノックもしないで他人の家のドア壊しといてごめんの一言も無いわけ?」

???「お前が兵藤聖か。俺と戦え。」

聖「嫌だって言ったら?」

???「お前を襲うだけだ!!」

 

っ!速!!見聞色で読み取ってても完璧には避けきれない!私の左肩からは肉が抉れ血が吹き出す。ここじゃまずい!私はすぐさまベルトを装着してステージセレクトを行う。

 

???「む?場所が変わったか。」

聖「流石に家を壊すわけにゃいかないでしょ。んで、あんた誰?」

???「俺は三日月の暗黒龍(クレッセント・サークル・ドラゴン)クロウ・クルワッハだ。」

 

マジかよww。・・・何一つ笑えないんだが?私はメタルシャフトを取り出し、抉られた腕の痛みに耐えながら構える。・・・ほんと、今日はついてない。

それから私とクロウ・クルワッハの激闘が始まる。とは言っても、私からの攻撃は当たらず、逆に向こうからの攻撃が当たる上に一つ一つの攻撃が凶悪的な攻撃力の為、既に何度もゲームオーバーとなっている。

 

聖「ハア・・・ハア・・・」

クロウ「期待外れだな。俺と同じ力を持つと聞いたのだからどれ程のものかと思えば・・・。確かに普通の人間を逸脱しているが、ただその程度。弱すぎる。」

 

知ってるよ、そんな事。でも、私にとって収穫はあった。こいつは見聞色の極地に至っている。見聞色は使いこなせれば数秒先の未来も見える。つまり、見えていたのだ。今までの奇襲や攻撃も。

 

聖「私にとっては収穫アリだったよ・・・。アンタ、未来を見ていたんでしょ?だからこそ私の攻撃を全て避けきれた。違う?」

クロウ「ほう。この短時間でよく見抜いたものだ。」

 

あぁ、本当に最悪・・・。今の私じゃ届かねえじゃん・・・。私は攻撃を繰り出そうと踏み込むも足元がふらつき、またしても凶悪な一撃をガードする暇も無く貰い後ろの鉄骨に左胸を突き刺される。

 

聖「ゴ・・・ハ・・・」

 

あぁ、痛い・・・痛すぎる・・・。でも、これは使える・・・。私は全身の力を抜き完全に死んだように見せかける。通じるかは分からない。でも、やらないよりはマシ・・・。

 

クロウ「・・・死んだか。やはりつまらん。」

 

クロウ・クルワッハはゲームエリアを無理矢理に破壊してどこかへ飛び去っていく。・・・なんとか上手くいった・・・。でも、コンティニューは必須だな。私はなんとか保っていた意識を手放した。

 

GAME OVER



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105話

聖「いっ!」

 

私は痛みで目が覚めた。あぁ、知らない・・・所かめっちゃ知ってる天井だ。私は天井を見ながらゆっくり思い返す。・・・あ、そっか。クロウ・クルワッハとやり合ったんだ。でも、あの時確かにコンティニューしたはず・・・。なのに、なんでこんなに身体中が痛いんだ・・・?私は痛みに耐えながら無理矢理に身体を起こす。・・・なるほどね。コンティニューは連続ですれば完全に傷が治る訳では無いのか。多分、骨も折れてるだろうし、包帯もあらゆる場所に巻かれてるからアーシアさんでも完全には治しきれなかったのだろう。・・・やっぱ、人間の体はダメだな。とりあえず、喉乾いたし何か飲むか。ベットから出ようとした時、『ゴトン』と重いものを落とした音が聞こえる。振り返るとレイヴェルは信じられないと言った顔をして私に抱きついてくる。

 

聖「オゴッ!」

レイヴェル「良かった・・・!私も後を追ったらあなたが血塗れで倒れているので本当に心配しましたわ・・・!!」

聖「ご、ごめんね。心配掛けて・・・。それと、めっちゃ痛い・・・」

 

レイヴェルはハッとした顔になりすぐに離れてくれるけど・・・。とりあえずレイヴェルには何があったかを話す。流石のレイヴェルでもクロウ・クルワッハが攻めてきた事は想定外だったようだ。

 

レイヴェル「す、既に滅んだとされる邪龍が・・・!!」

聖「とりあえず、みんなに伝えておこう。みんな、どこにいる?」

レイヴェル「明日のサイラオーグ戦に向けて、部室で策を練っていますわ。」

 

なら、行くか。私は包帯だらけの身体から着替える。まあ、ブラをしなくていいのは楽だけど違和感がやばいな・・・。てか、体を動かすだけで辛い・・・。レイヴェルに魔法陣を展開してもらい部室まで来る。わ〜。みんな、めっちゃ驚いてる〜。

 

イッセー「ひ、聖!?」

リアス「良かった!目が覚めたのね!」

アザゼル「お前がそこまでの怪我をするなんて、誰にやられた!カオス・ブリゲードか!?」

聖「いででででで!おじさん、兄さん!離して!!死ぬから!!」

 

二人はさっきのレイヴェルみたいにハッとして、すぐに離してくれたけど・・・。ヤバい、傷が開いた・・・。

 

聖「いてて・・・。とりあえず襲って来たのはクロウ・クルワッハっていう邪龍です。」

リアス「な!?ほ、本当に生きていたというの!?」

ドライグ『ありえん!奴は確かに消滅したはずだ!』

聖「いや、言っとくけどドライグのせいだからね!?あんな盛大なフラグ立てやがって!!」

 

私は兄さんの左腕をブンブンと思いっきり上下に振るう。血が吹き出て辞めたけど。

 

レイヴェル「ちょっと!あまり無理なさらないで下さいまし!?あなた、本当は動ける体ではないんですのよ!?」

聖「い、痛い・・・」

ドライグ『その・・・なんだ。済まん・・・。』

 

今更謝っても遅いわ!!そう言おうと思って立ち上がると全身から血が吹き出てまたぶっ倒れる私。レイヴェルにフェニックスの涙を掛けて貰うも何故か回復せず、自己回復で治すしかないようだ。



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106話

結局、レイヴェルにベットまで連れてきて貰い、包帯まで変えてもらった上に着替えまでさせてもらった・・・。うん、めっちゃ情けねえ・・・。結局、レイヴェルとは別で眠ることになり久しぶりに一人で眠った。朝はまた痛みで起きたけどこればかりは仕方ない。・・・良し、傷はなんとか塞がってるな。私はアタッシュケースを2つ取り出し、片方をベンニーア宛に送る。当然、中には手紙も入れた。これで準備はOK。

私は1階へ降りて朝食を済ませる。母さん達に傷の事を聞かれるかと思ったけど、認識阻害が掛かっているのか、特には何も聞かれなかった。その後、身体がベタベタして気持ち悪かったのもあって軽くシャワーを浴びたけど、これがまた痛くて痛くて・・・。流石にこの傷では学校へ行けないので1日休み。まあ、兄さん達の応援には行くけど。1日でも早く治す為に、とにかく肉や魚を食いまくった。ちょっと欲を出し過ぎて食べ過ぎで気持ち悪いけど・・・。夕方になればレイヴェルが帰って来たので時間まで談笑して、オカルト研究部へと来る。

 

聖「こんにちはー!いてて・・・」

レイヴェル「もう、そんな大声を出してはまた傷が開きますわよ?」

リアス「さ、みんな揃ったわね。それじゃあ向かうわよ。」

 

という事で、リアス先輩が魔法陣を展開してくれてグレモリー領へ。そこから、リアス先輩達と私とレイヴェルは別行動で現地集合。フェニックス家お抱えのリムジンに乗って会場へと向かう。・・・うん、パパラッチが凄い多い。控え室の高級ホテルで合流して、ボーイ案内の元トレーニングルームへ向かっていると、とっても見覚えのある方達と出会う。当然、ハーデス様達だ。

 

アザゼル「これはこれは、冥界の下層こと冥府に住まう死を司る神、ハーデス殿。悪魔や堕天使を何よりも嫌う貴方が冥界まで昇って来るとは思いませんでしたよ。」

ハーデス『何、最近カラスやコウモリの羽音が五月蠅くての。視察に来たのじゃよ。出来る事なら戸締りしたいところだ。』

アザゼル「骸骨ジジイ。ギリシャ側の中であんただけ、勢力間の協定に否定的なようだな。」

ハーデス『ファファファ。だとしたらどうする?ロキの様に屠るか?』

 

その瞬間、死神達が凄まじい殺気を出して来る。何が一番可哀想かって、ボーイの人だよね。とりあえず場を和ませる為に、私は一歩踏み出し頭を下げる。

 

聖「お久しぶりでございます、ハーデス様。先の取材ぶりでございます。」

ハーデス『そうだな、小娘。それにしても邪龍に襲われるとは運の無いやつだ。』

聖「全くです。特に最近は運が底を行っておりまして。」

 

私とハーデス様が話していると、護衛の死神が高速で仕掛けて来る。が、当然分かっている攻撃を受けるはずも無い。とりあえず、顔の骨を掴み地面に叩き付ける。

 

聖「この様に、襲われる事が多いのが最近の悩みですわ。」

ハーデス『ファファファ。戦闘狂からすれば贅沢な悩みだ。・・・お前たちも静まれ。』

聖「兄さん達もだよ。相手は主神の一柱な上、今回は観客。手を出せば国際問題だよ。」

 

兄さん達と死神達は不服そうにしながらも戦意を収める。いい子だな。

 

ハーデス『小娘、最近趣味に困っていてな。相談に乗ってもらおう。』

聖「承知しました。みんな、先に行っといて。」

アザゼル「・・・ああ。」

 

リアス先輩達はガクブルのボーイさんについて行き、私はハーデス様の隣を歩く。各神話の神ごとに部屋があるのかめっちゃ豪華な部屋の前に着く。

 

ハーデス『お前たちは待っていろ。小娘と話をしたい。』

死神『『『『『ハッ!』』』』』

ハーデス『入れ。』

聖「失礼致します。」

 

ハーデス様に促され中に入る。中は豪華な作りになっていて、所謂VIPルームなんだろう。部屋に備え付けられていたティーセットを使い、ハーデス様に紅茶を入れて差し出す。

 

ハーデス『済まぬな。』

聖「いえ。こちらを。」

 

私は四次元ポケットから金棒と『神器抜き取り機』を入れたアタッシュケースを渡す。

 

ハーデス『これは?』

聖「片方は、私が最近から使い始めた武器です。こちらのアタッシュケースは英雄派に渡して欲しいものでございます。」

ハーデス『あの小僧共にか?』

聖『はい。私の開発した『神器抜き取り機』。一度しか使えませんが確実に一人、神器を抜き取る事の出来る装置です。使い方ですが、引き金を引くだけです。』

ハーデス『そういうことか。しかと渡しておこう。それと、計画の方は大丈夫か?』

聖「はい。多少の誤差はありますがほぼ成功します。しかし、本当に宜しいのですか?今ならまだ引き返す事も・・・」

ハーデス『構わぬ。今まで他の神話で睨み合って居るだけであったが、現在は同盟を結ぶ所もある。しかし、儂は古い神だ。そう簡単には考えを変えることは出来ぬ。しかし、それは儂『個人』だ。冥府も変わる時だろう。』

 

・・・なるほどね。この際、主神を降りて丸投げする訳だ。まあ、口出しはご法度だからしないけど。それからはガチで趣味探しの話を10分程して、私はみんなの元へと向かった。



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107話

聖「やっと着いたぁ〜・・・」

 

私はみんなの気配をたどってようやく合流した。え?案内してもらわなかったかって?当然やろうとしたよ。でも、パパラッチと間違えられて出来なかったんだよ!そのせいでどれだけ面倒だったか・・・。私がドアを開くと、みんなはそれぞれの方法で過ごしていた。

兄さんは軽く準備運動をして、木場君は太刀筋を確認する為にゆっくりと剣を振るう。ゼノヴィアさんはエクスカリバーと対話し、塔城さんは精神統一の為に座禅、ロスヴァイセさんとリアス先輩、朱乃先輩は何かの話をしている。多分、魔法についての話だろう。アーシアさんとギャスパー君はスコルと戯れているし。てか、ギャスパー君の方はとんでもなくビクついててない・・・?

 

アザゼル「戻ってきたか。んで?あの骸骨ジジイと何話してたんだ?」

聖「別に?普通に人間界にはどんなものがあるか聞かれたから、とりあえずゴルフとかオススメしただけだよ。兄さん、ちょっと。」

イッセー「な、なんだ!?俺、今ガシャットは持ってないぞ!?」

聖「・・・早く盗ったガシャットを返さなきゃバアル領にバラバラ死体で送るよ?」

イッセー「すいませんでした!!」

 

兄さんは私の方に腕を突き出して盗んだガシャットを返してくれるけど・・・。別に借りるのは構わない。問題は種類だ。片方は正規版のシャカリキ・スポーツだったけどもう片方はデンジャラス・ゾンビ。私はデンジャラス・ゾンビだけ受け取り、兄さんの鳩尾を思いっきり殴る。

 

イッセー「オゴッ!」

リアス「ちょ、聖さん!」

 

私は兄さんの胸ぐらを掴み無理矢理立たせる。

 

聖「別に兄さんが私のガシャットを勝手に盗ったとしても、もう怒りはしないよ。でもね、プロトタイプとデンジャラス・ゾンビだけは絶対にやめて。確かに火力は出るけど、リスクが大きすぎるの。特にデンジャラス・ゾンビは私やはぐれ達の死のデータを元に完成している。この意味が分かる?」

イッセー「い、いや・・・」

聖「デンジャラス・ゾンビを使っている間はあらゆる死の記憶が使用者を襲う。何千回と死ぬ経験をする事と一緒。使うならこっちを使って。」

 

私は兄さんに、ゲーマドライバーとマイティドラゴンズXX、そしてドラゴニックマイティXを渡す。

 

イッセー「こ、これって!」

聖「約束して。ドラゴニックマイティXはサイラオーグさんと勝負を決める時にのみ使って。それ以外は任せるから。」

イッセー「あ、ああ。」

聖「それと、これはゲームだとしても戦場に変わりは無い。だから、他のみんなもやられるかもしれない。兄さんに『心は熱く、頭は冷静に』なんて事は出来ないだろうから1つだけアドバイス。溜まった怒りや鬱憤は全てサイラオーグさんにぶつける事。分かった?」

イッセー「それだと、サイラオーグさんにおんぶにだっこだな・・・。だけど、分かった。そうする。」

聖「それでは皆さん、応援しているので頑張ってください。」

 

私は一礼してレイヴェルと控え室を出て自分達の席へ向かう。さて、兄さん達のゲームが始まる。



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108話

私とレイヴェルはごった返している中、席に着く。私の両手にはポップコーンとドリンク、レイヴェルも似たような感じだった。いやぁ〜、まさか、こんなものまで売ってたとはね!周りは若手最高峰と名高い二人が激突するのが楽しみなのか、ワクワクが止まらない感じだった。

 

レイヴェル「貴族席で観たことならありましたが、観客席では初めてですわ・・・!」

聖「うん、レイヴェル。感動する所は絶対にそこじゃないと思うよ。」

 

いつも通りの会話をしながら寛いでいるとようやく試合が始まる。はてさて、原作はかなり破壊してるしどうなる事やら・・・。

 

≪会場にお集まりの皆さま!長らくお待たせいたしました。いよいよ世紀の一戦が始まります!まず最初に東口ゲートから入場するのはサイラオーグ・バアルチームです!!≫

 

やはり凄まじい歓声だ。大王家次期当主というのもあるだろうけど、カリスマ性もあるんだろうな。

 

≪続いて西口ゲートより、リアス・グレモリーチームの入場です!!≫

 

遂にリアス先輩達も入場する。リアス先輩達の美貌に釘付けの人もいれば、木場君や兄さんに黄色い歓声を上げる人もいる。まあ、この世界では原作に比べてエロ発言はしてないし、顔は普通にイケメンだからな。

そして、司会・実況役にはナウド・ガミジン、審判(アピーター)役には転生悪魔にして、レーティングゲーム第7位のリュディガー・ローゼンクロイツ、解説役におじさんとレーティングゲーム現王者(チャンピオン)のディハウザー・ベリアルがそれぞれ自己紹介をする。いや、豪華すぎない?堕天使総督にゲーム王者、ゲームの7位って。ルールは原作と同じ『ダイス・フィギュア』。

 

ナウド・ガミジン≪ご存じでない方の為に改めて『ダイス・フィギュア』のルールをご説明させて頂きます。使用されるダイスは通常の六面ダイス。それを両陣営の『王』が振り、出た目の合計数字により、試合に出せる選手が決まるのです―――これは人間界におけるチェスの駒価値というものが反映されております!『兵士』の駒価値は1、『騎士』と『僧侶』は3、『戦車』は5、『女王』は9となっており、例えば出た目の合計が8だった場合はその駒価値を超えない範囲であれば選手を出すことが出来るのです。『騎士』ならば2人まで出せますし、『戦車』と『騎士』または『戦車』と『僧侶』なども合計が8となるので出場させることが可能です。なお転生する際に複数の駒を消費された眷属の方は消費した分だけの駒価値となりますのでご注意下さい。『仮面ライダードライグ』こと赤龍帝の兵藤一誠選手は転生に『兵士』の駒を8つ使われたとの事なので駒価値は8となる訳です≫

 

ふむ、脳筋の人達だと絶対に苦手だな。というより・・・

 

聖「もし私が悪魔に転生したら駒価値っていくら位なんだろ・・・?4くらい?」

レイヴェル「そもそも転生出来るか怪しいところですわ。それに、変身も加味すれば絶対に転生出来ませんわよ?・・・しかし、覇気や聖自身の強さだけならばそれくらいですわね。」

聖「まあ、私が王だったら一番最初に出るよね。」

レイヴェル「聖の様な常識の通じない王相手などやり辛いにも程がありますわ・・・」

 

ねえ、レイヴェル。君、もしかして私の事嫌い?ねえ、泣くよ?そんなにディスられたら。

 

ディハウザー≪なお、合計数字以下の選手が両陣営ないし片方の陣営に居ない場合はダイスの振り直しとなります。そして出場選手は連続してバトルに出る事は出来ない処もこのゲームの胆となりますね。≫

 

確かにそのルールが無ければ、評価を気にしない奴からしたら強いやつ出し放題だしな。

 

ナウド・ガミジン≪レーティングゲームの基本ルールに則り、『王』が獲られた時点でゲーム終了となりますが、その『王』の駒価値は事前の審査委員会の評価によって決定しております―――さあそれでは発表いたしましょう!リアス・グレモリー選手とサイラオーグ・バアル選手の駒価値はこのようになりました!≫

 

リアス・グレモリー/8

サイラオーグ・バアル/12

 

ナウド・ガミジン《おぉぉっと!!リアス・グレモリー氏が8、サイラオーグ・バアル氏は最大の12!!》

ディハウザー《サイラオーグ選手の方が高評価を得ていますが、逆を言えば目の値が最大でなければ出場出来ない。》

アザゼル《両陣営がそれを踏まえて、どんな采配になるのか気になるところです。》

ナウド・ガミジン《さあ、いよいよゲームスタートです!王は専用の台に赴きダイスをお取りください!》

 

二人の王がダイスを手に取る。さて、何が出るか・・・。

 

ナウド・ガミジン《それでは第一試合の選手を決めさせていただきます!ダイスシュート!》

 

掛け声に合わせて二人がダイスを振る。出た目は3。

 

レイヴェル「木場さん一択ですわね・・・。」

聖「ま、向こうも騎士を出すのは目に見えている上、厄介でもあるはず。ゼノヴィアさんだと相性最悪だろうしね。」

 

私とレイヴェルの予想通り、木場君とサイラオーグさんの騎士さんが馬に乗ってフィールドへ転移する。ローゼン・クロイツさんが試合開始の合図を伝えると、二人が高速で剣戟を行っている。・・・こう見ると、騎士の戦いってクロ○クアップだよなぁ・・・。いや、今の私なら作れるか?いや、やめとこう。もしタキオン粒子を作ったとしても使ってたら絶対ミスって内側から弾けそうだし。

あ、木場君が騎士さんを斬った。しかも聖魔剣で。騎士さんはリタイアの光に包まれて消えていく。木場君も強くなっていたのか・・・。よし、これが終わったら模擬戦をしよう。

 

ナウド・ガミジン《決着です!!勝者は木場祐斗選手!!》

アザゼル《木場選手の最大の武器は速さと剣の技術です。今のカウンターも見事なものでした。自身の武器を最大限に活かし掴み取った結果でしょう。》

ナウド・ガミジン《それでは第二試合です!ダイスシュート!》

 

続く第二試合の合計の目は10。塔城さんとロスヴァイセさんが出場し、向こうは僧侶と戦車。試合が始まると塔城さんは戦車さんと、ロスヴァイセさんは僧侶さんと対峙する。塔城さんはその身軽さを武器に戦車さんを翻弄して仙術で超連続攻撃を入れる。対するロスヴァイセさんは魔法陣で僧侶さんをゼロ距離で囲みフルバースト。エグイな、あの攻撃・・・。しかし、僧侶さんがリタイアに包まれる寸前、ロスヴァイセさん達を見ると塔城さんとロスヴァイセさんが突然跪く。

・・・確か重力に関する神器だっけか?戦車は無理矢理体を動かし近くにあった瓦礫でロスヴァイセさんを潰して二人はリタイアに包まれる。戦車の防御力があったからか大事には見えないけど意識を失っているのかリタイアの光に包まれた。

 

聖「ま、今のは二人が悪いね。戦闘が終わった後は決して気を抜いてはいけないのに気を抜いた。」

レイヴェル「しかし、サイラオーグ様の眷属を3人も屠ったのは大きいですわ。」

 

私とレイヴェルはポップコーンを食べながら感想を言うけど、何か物足りない・・・。やっぱ塩味はダメだな。ポップコーンはやっぱキャラメルだね。

第三試合の数字は8。メンバーを選出しようとした瞬間、サイラオーグさんが僧侶を出すことを宣言する。なんでも、兄さんの乳語翻訳(パイリンガル)を突破出来るらしい。兄さんは一瞬なんの事か分からなさそうだったけど思い出してその挑戦を受ける事に。

フィールドに移動して早速使用したみたいけど、とんでもなく困惑していた。なんせ、急にジャケットを脱ぎ出したのだから。僧侶さんは兄さんの反応を気にせずにシャツのボタンを一つ一つ取りその辺に捨てる。え、こんなに大勢が見てるってのに脱ぐって露出狂か?

 

ナウド・ガミジン《ご覧ください!コリアナ選手の突然のストリップショーと魅惑のポーズにより会場の男性客が無言で見つめております!!アザゼル総督、コリアナ選手の作戦は、男性には効果抜群ではありますが兵藤選手はどう対処するでしょうか?》

アザゼル《・・・・・・》

 

おい、仕事しろ。なに、あんたもガン見してんだ。

 

ナウド・ガミジン《えー。アザゼル総督は忙しい様なので王者はどう対処すると思いますか?》

ディハウザー《正直、兵藤選手だけでなく世の男性ならかなり対処は難しいでしょう。対処出来るとすれば、女性の身体よりも戦闘やその他の事に興味がある者しか対処できないでしょう。》

レイヴェル「ちなみに、聖ならあの様な戦法を取られたらどう対処しますの?」

聖「まあ、超絶リラックス出来るマッサージか今まで感じたことの無い程の快楽を与えるかな。女の子を気持ちよくさせるのには誰にも負けない自信があるし。」

レイヴェル「・・・確かに聖のテクニックは凄いですが・・・。その・・・他の方にはやって欲しくないですわ・・・」

 

か、可愛い!!!!こ、これが彼女からの嫉妬!!

 

聖「うん!絶対やらない!レイヴェル以外の女性は即殺する!」

 

これは仕方ない!!なんせ、レイヴェルが可愛いんだから!!試合に意識を戻すと、僧侶さんが下着姿でパンツから脱ごうとしたら、「そこはブラジャーからでしょうが!!!!」という理由でリタイアさせた。でも、分かるよ!兄さん!!やっぱ、脱がせる時はブラからだよね!やっぱり、私達は血の通った兄妹だ!!

第四試合の数字も8。流石に兄さんは出れない為試合に出るのはギャスパー君とゼノヴィアさん。相手は再び僧侶と戦車。ひょろひょろの方が戦車で、男の娘の方が僧侶らしい。え?なぜ分かったかって?ギャスパー君と同じ匂いがしたから!!

試合が始まった瞬間、ひょろひょろ戦車さんが龍へと変化しゼノヴィアさんがエクスカリバーとデュランダルで迎え撃とうとするも僧侶さんがゼノヴィアさんを封印してしまう。

原作ならギャスパー君に封印を解かれたけど、ゼノヴィアさんの持っているエクスカリバーは本物の上、自我が強すぎると言うこともあり、ゼノヴィアさんの封印を無理矢理解いてしまう。うん、私が使ってただけあるわ。あいつ、自我が強すぎる。ほら、僧侶さんも驚きのあまり一瞬固まってそこをゼノヴィアさんに取られた。その後、戦車さんはギャスパー君と協力して討ち取る。

 

レイヴェル「正直、デュランダルだけでは危なかったですわね・・・。」

聖「まあエクスカリバーは本物の上、あの子は駄々を捏ねる子供みたいな感じだし。てか、マシであの子自我が強い上に血を吸わせろっていう圧が凄いから・・・」

レイヴェル「・・・それなのに忘れていたんですの?」

聖「・・・途中から諦めたのか発さなくなったからね。」

 

うん、聖剣だって魂が宿っているんだから!!本物はめんどい!!次の目は9で女王同士の対決。でも、相手の女王は穴を開いて光のみを返して朱乃先輩がリタイアする。まあ、相性が悪かったんだろうな。そればっかりは仕方ない。さて、そろそろエンドゲームも近いな。

そして次の目は12。とうとうサイラオーグさんが出場する。グレモリー側は木場君にゼノヴィアさん、塔城さんか。さて、どこまで削れるやら・・・



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109話

木場side

 

巨大な湖を中心に造られたバトルフィールドで、僕とゼノヴィアと小猫ちゃんは既に臨戦態勢である。対するサイラオーグさんは腕を組み嬉しそうにしている。ここまででも威圧が凄いね・・・!この人を相手に勝った聖さんって・・・。いや、考えるのはやめよう。彼女の力はチートだと思えばいい。

 

リュディガー「始め!」

 

合図と共にサイラオーグさんから白く揺らめくオーラが現れる。・・・確か彼は魔力の代わりに体術を身に付けた。なら、あれは情報にあった闘気か。僕達もオーラを解き放ち、小猫ちゃんも猫耳と尻尾を出して臨戦態勢に入る。

 

サイラオーグ「お前たちは覚悟を決めた戦士だ!!加減はしない!!行くぞ!!」

 

そう言ってサイラオーグさんは突っ込んできた!くっ!なんて速さ!僕達は後ろに跳躍して避けたけど、僕達の立っていた場所には大きなクレーターが出来ていた。・・・はは。あんなのを喰らったら即死かな?

 

ゼノヴィア、木場「「ハア!!」」

小猫「やあ!!」

 

僕達はカウンター気味に攻撃をするけど、聖魔剣が闘気で粉々になってしまった。それどころか、ゼノヴィアのデュランダルも弾かれ、小猫ちゃんも吹き飛ばされる。こんなに強いのか・・・!!あまりの離れっぷりに僕とゼノヴィアも一瞬固まってしまい吹き飛ばされる。

 

木場「カハッ!」

ゼノヴィア「くっ・・・!強い・・・!!聖はよく勝てたものだ・・・!!」

小猫「・・・聖先輩は逸脱していますから。」

 

うん、本当にだよ。聖さんを見ていたら人間ってなんなのか分からなくなってくるよ。でも、今は彼に集中しなくちゃいけない。本当は使いたくなかったけど出し惜しみをしていたら後悔しそうだ。僕は聖魔剣を魔剣に戻す。

 

木場「禁手(バランス・ブレイク)!」

 

僕がそう叫ぶと僕の周りに騎士が現れ、その騎士は聖なるオーラを纏っている。これこそが僕の二つ目の禁手(バランス・ブレイカー)聖覇の龍騎士団(グローリィ・ドラグ・トルーパー)

 

サイラオーグ「二つ目の禁手(バランス・ブレイカー)だと!?・・・いや、その騎士からは魔のオーラが感じられないな。なるほど、聖と魔が融合するからこそ出来たということか。」

木場「そういう事です!」

 

僕達は再びサイラオーグさんに走り出す。彼を倒せるとは思っていない。でも、削ることは出来る!

 

サイラオーグ「聖なるオーラの騎士か!確かに悪魔には効果絶大だろう!しかし!!」

 

サイラオーグさんは高速で動く僕達を捉え、次々に騎士団を破壊して行く。僕も一発貰ってしまい吹き飛ばされ、近くの岩に激突してしまう。ぐつ・・・今ので何本か行ったな・・・

 

サイラオーグ「硬さが足りない。」

 

今度はゼノヴィアが先程よりも莫大な聖なるオーラを纏わせて斬りかかるも避けられ、そこに小猫ちゃんが殴り掛かりヒットするも直ぐに反撃を貰ってしまう。

 

サイラオーグ「小回りを生かした戦法ではある。しかし、威力が足りない。」

 

再び斬り掛かるゼノヴィアの一撃を余裕を持って回避してから数十を超える打撃を急所に当て続けゼノヴィアをも吹き飛ばす。

 

サイラオーグ「パワーがあり剣筋もいい。しかし、スピードが足りない。」

 

遠い・・・。あまりにも遠すぎる・・・。だからなんだ!!僕達は勝つためにここに居る!!想いはみんなも同じでふらつきながらも立ち上がる。

 

サイラオーグ「良い眼だ・・・!!来い!!」

 

僕達は再度飛び出す。ゼノヴィアはエクスカリバーとデュランダルを握り直し、二本も呼応するかのようにオーラが莫大になる!これなら・・・!!僕と小猫ちゃんで真正面から相対しなんとかして気を紛らわせようとする。一瞬。ほんの一瞬だけでも隙が出来れば・・・!!僕は咄嗟に口にも聖魔剣を創り横なぎに振るう。流石に予想外だったのか小さく切り傷を作る形に終わってしまったけど、サイラオーグさんの意識が一瞬僕のみを捉えた。ゼノヴィアはそれを見逃さず、サイラオーグさんの腕に斬り掛かる!

 

ゼノヴィア「うおおおおぉぉぉぉ!!!!」

サイラオーグ「っ!」

 

っ!これでもダメなのか!サイラオーグさんは腕に莫大な闘気を纏って聖なるオーラを防いでいる!いや、諦めるのはまだ早い!足りないなら付け加えればいい!!僕はデュランダルを、小猫ちゃんはエクスカリバーを握り力押しで遂にサイラオーグさんの腕を切断する!喜ぼうとしたのも束の間、僕達はさっきよりも高威力の力に吹き飛ばされ、この一撃で二人はリタイアしてしまった。クソッ・・・!

 

サイラオーグ「見事だった。お前たちは誇っていい。俺の腕を斬り落としたのだから。」

木場「・・・僕達の役目は終わりました。後は僕の親友がやってくれます。」

サイラオーグ「そうか。」

 

そう、短い返答を聞いて僕もリタイアの光に包まれる。イッセー君、後は頼んだよ。



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110話

聖side

 

聖「三人とも、かっこよかったな・・・」

レイヴェル「ええ。しかし、アタッカー三人が居なくなったのはリアス様にとってかなりの痛手。リアス様自身、戦えないわけでもありませんがサイラオーグ様には・・・」

聖「ま、届かないでしょ。可能性があるなら兄さんしかいない。」

 

・・・でも、それは本当の意味で覚醒した時のみ。今の兄さんは乳力(ニューパワー)なんていう意味のわからない力じゃなく、ガシャットを主に置いている。いやまあ、この世界からしたらガシャットもドライバーも意味不明だけどさ。

 

リアス先輩とサイラオーグさんがダイスを回し出た目はまたしても12。でも、サイラオーグさんは今出たから無理だとして、あの兵士(ポーン)も出る事はない。確か、あれは神滅具(ロンギヌス)の1つでかなり不安定だったはず。なら、ここで出すのは女王(クイーン)一択。リアス先輩の方もギャスパー君を出すことは無いと思うから実質兄さんで決定だろうし。

 

 

私の予想通りの二人が出てくるも、私は兄さんの姿を見てため息を付く。あのバカ・・・アドバイスをしたのに怒りに我を忘れて・・・。キレた兄さんは超突貫しているけど全て、アバドン家の特性である(ホール)で回避されている。

 

イッセー《クソッ!当たらねえ!》

クイーシャ《確かにあなたは脅威的ですが、当たらなければなんともありません。今のあなたでは私には勝てません。》

イッセー《今の俺・・・。っ!そうか!!聖に出来たなら俺にも!!》

 

マイティドラゴンズ!XX!

ダブルガシャット!

 

兄さんが赤龍帝の篭手(ブーステット・ギア)にガシャットを入れた瞬間、鎧にノイズが走り兄さんが踞る。

 

イッセー《ガアアアアァァァァァ!!!!》

ナウド・ガミジン《な、何が起こっているのか!兵藤選手が篭手に何かを入れた瞬間、ノイズが走りました!!》

アザゼル《あれは兵藤選手の妹の作ったものです。しかし、そのどれもが強力ですがデメリットもあります。それこそ、使えば使うほど死に至るものまで。》

クイーシャ《やめておきなさい。何をしようと私には勝てないわ。》

イッセー《確かに俺に聖の様な才能はない!覇気も持ってない!だからといって、足踏みする訳にはいかないんですよ!!だって俺は、聖の兄さんなんですから!!》

 

兄さんのバランス・ブレイカーは解除されたけど変化もある。多分私しか気付いていない変化。ノイズは続いているものの肉眼では確認出来ない、それどころか主神クラスで違和感を感じる気がするというレベルだろう。でも、私はしっかりと見聞色で感じとれている。今まで紅のオーラしか無かったのにうっすらと白いオーラが混ざっているのだ。

 

・・・全く、世話の掛かる兄さんだね。ここまでお膳立てしないと覚醒させられないなんて。でも、あまり嫌じゃないかな。それどころか嬉しい。・・・なんでだろ?

 

兄さんはガシャットを抜き、再び起動させる。すると今までは出ることの無かったゲーム画面が兄さんの後ろに現れる。画面には赤い龍と白い龍が睨み合い、真ん中にタイトルが描かれている。

流石にマズイと思ったのか、女王さんは攻撃しようとするも時すでに遅し。

 

ダブルガシャット!

キメワザ!《center》

《center》

ウェルシュ!

クリティカルBooster!!

バニシング!

クリティカルBooster!!

 

兄さんは再度鎧を纏うもこれだけでは終わらないのがダブルガシャット。兄さんから白い粒子が出たと思ったら超見た事のある真っ白な鎧が現れる。そう、白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)禁手(バランス・ブレイカー)、|白龍皇の鎧《ディバイン・ディバイディング・スケアメイル》纏った誰かが現れた。

 

ナウド・ガミジン《な、なななななんと!!ひ、兵藤選手からもう1人が現れた!!ア、アザゼル総督!こ、これはどういう事なのでしょうか!》

アザゼル《わ、分かりません!なんであいつからアルビオンの力を権限出来たんだ!?力を取り込んだ聖ならまだしも、イッセーは取り込んでないはずだ!!》

 

レイヴェル「あ、あれも、ガシャットの力ですの?」

聖「まさか。確かにマイティドラゴンズXXには白龍皇のデータも入っているけど、扱う為には先に白龍皇の力を吸収してなきゃならない。」

レイヴェル「そ、それなら何故イッセーさんは使えていますの!?」

 

ありゃ?あのレイヴェルが覚えてない?・・・覚えてないの私のせいじゃん。だって、白龍皇から悪意を抜き取ってゲンム無双を作ったし。

 

聖「和平会談の時をよ〜く思い出してよ。兄さんとヴァーリ君が戦ってた時のことを。」

 

レイヴェルと話していると、戦いはいつの間にか終わっていた。見逃したか・・・。でも布石は全て揃った。後は兄さんが自分でやるしかない。

 

兄さんがフィールドから帰還し、兄さんの顔を見てサイラオーグさんはとても嬉しそうにしている。そして、運営にこう問いかけた。『これ以上、この男を縛るのは酷だ。よって、次の試合は団体戦を強く希望する!』と。これには実況側も納得の様で運営もOKを出した。

 

フィールドにはリアス先輩と兄さん、サイラオーグさんとあのショタが転移する。さて、これこそが運命の分かれ道。兄さんが覚醒するか否かはここで決まる。でも、私は信じている。兄さんなら絶対大丈夫だと。

 

サイラオーグ《リアス。先に言っておく。お前の眷属達は皆妬ましく思えるほどにお前を想い、そして強かった。》

リアス《ええ。私にとって自慢の眷属よ。》

サイラオーグ《ふっ・・・。兵藤一誠。遂にだな。》

イッセー《ええ!今日、俺はあなたを倒します!》

ローゼン《それでは最終試合、始め!》

 

合図を出した瞬間、兄さんとサイラオーグさんは互いの顔面目掛けて拳を振るう。二人とも避けることはせずモロに喰らうも、そこからは只管にラッシュが続く。二人らしい。互いに魔力が苦手だからこそ持てるもの全てを使う。

 

突然、サイラオーグさんが一瞬ふらつき、兄さんがそれを好機と見て隠し持っていたであろうゲキトツロボッツガシャットを使いサイラオーグさんを吹き飛ばす。すぐ様ギアデュアルβを使い、僧侶へのプロモーションを果たして追い討ちを掛ける。サイラオーグさんは全身に傷を負い、兄さんが更に追い討ちを掛けようとするもリアス先輩の悲鳴でその動きは止まる。

 

カメラがリアス先輩を写すと、制服が破けほぼ半裸状態のリアス先輩と黄金の毛皮に身を包んだ獅子がいた。あれがネメアの獅子か・・・。つか、リアス先輩の体はやっぱエロいな!

 

ネメアの獅子は兄さんにフェニックスの涙を使うよう言い、リアス先輩が回復している間に自身を纏うよう進言しているものの叱責されている。しかし、兄さんが「本気のあなたじゃなければ勝っても意味が無い!!」と言い放ち、サイラオーグさんも覚悟を決めた目となり獅子を纏う。確か、獅子王の剛皮(レグルス・レイ・レザー・レックス)だっけ?

 

兄さんは完全に鎧を着込んだサイラオーグさんを見て、ギアデュアルβを()()()に装填する。すると、顔以外の鎧が分厚くなりそれでサイラオーグさんを殴るも片腕で止められ逆に殴り飛ばされる。そのたった一発で兄さんの鎧は解除されリアス先輩の元まで吹き飛んだ。リタイアは免れたものの意識は朦朧としているようだ。

 

サイラオーグ《これで終わりか?三分待ってやる。》

 

そう言ってサイラオーグさんは少し離れた所に立つ。

・・・兄さん。今こそ覚醒する時だよ。



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111話

イッセー「ん・・・?あ、あれ?ここは・・・」

 

気が付くと俺は真っ白な部屋にいた。しかも、目の前にはフードを深く被った老若男女が居る・・・。な、なんだここ・・・。

 

《今こそ覇龍になる時。》

《覇を纏わなければあの者を倒す事は出来ぬ。》

 

覇龍・・・?どこかで聞いたことが・・・。その瞬間、俺の中からあらゆる感情が出てくる。恨み、辛み、悲しみ、憎悪。その全てが吹き出す。あぁ、憎い・・・サイラオーグさんが。世界が。全てが。俺は歩を進める。この人達ならこの感情を消す方法を知っているかもしれない。でも、俺はあと一歩の所で誰かに引っ張られ元の位置に戻される。だ、誰だ!

 

???『覇に飲まれてはいけませんよ。』

 

顔をあげると、まず目に入ってきたのは大きすぎず小さすぎない、絶妙なバランスのおっぱいだった!こ、こんなに神秘的なおっぱいがあったのか・・・!!次に顔を見ると超美少女!服装はどこかの制服の様だけど、それも相まって超可愛い!こ、こんな訳の分からない所にこんな美少女がいるなんて!!

 

イッセー「は、初めまして!ひ、兵藤一誠です!」

???『ええ。知っていますよ。今代の赤龍帝でしょう?』

イッセー「っ!?あ、あなたは・・・」

???『私は10年間、あなたと共に居ました。今までの行いも活躍も見てきました。』

 

10年!?つ、つまり、この人ストーカー!?

 

???『ストーカーとは失礼な!あなたが弱すぎて顕現出来なかったんです!』

イッセー「なんで分かったんすか!?てか、そもそもここはどこ!?」

???『ここは赤龍帝の篭手(ブーステット・ギア)の深奥です。以前なら入れませんでしたがあなたが私を解放してくれたおかげで、なんとか入り込めたんです。』

 

ここが!?つ、つまり、あれは歴代所有者!?

 

《貴様、何者だ!》

《我々、天龍の邪魔をするなど!!》

???『私は一誠さんの中にいるバグスターです。さあ、一誠さん。時間がありません。とりあえず、アイツらをすり潰しましょう!』

イッセー「すり潰す!?なに、物騒な事言ってるんですか!てか、バグスターってパラドみたいな存在って事ですか!?」

 

お姉さんが何かを言おうとした時、何か声が聞こえてくる。子供の声・・・?

 

???『みんな、あなたの帰りを待っています。覇に飲まれればあなたは死に至ります。それは私も本意ではありません。』

《巫山戯るな!二天龍は覇を本懐とするのだ!!》

???《いいではありませんか。覇を纏わない二天龍がいても。》

 

っ!今度は誰だ!?声のした方を見ると、優男が歩いてくるけどそのオーラは真っ白だった。あれって!

 

イッセー「も、もしかして、歴代の白龍皇!?な、なんで!」

歴代白龍皇《それは、あなたがアルビオンの力を取り込んだからですよ。》

 

俺が!?え、いつだ!?全然覚えてねぇ!

 

Half Dimension!!!!

 

これは、ヴァーリの!あ、所有者の恨みとかを半減したのか!これなら!!

 

《ふざけるな!!》

《天龍は覇道と進むのが道理!!》

我目覚めるは覇の理を

神より奪いし二天龍なり

 

な、なんだ!?でも、ヤバい気がする!なら!

 

我目覚めるは覇の理を捨てし

赤龍帝なり!

 

無限を嗤い夢幻を憂う

 

無限の希望と不屈の夢を抱いて

王道を征く!

 

我、赤き龍の覇王となりて

 

我、紅き龍の帝王となりて!

 

汝を紅蓮の煉獄に沈めよう

 

汝を真紅に光輝く天道へ導こう!

 

《な!?未来を見せるだと!?》

イッセー「ああ!俺が!いや、俺たち全員で!光ある未来を見せてやろうぜ!!」

 

その瞬間、歴代の負のオーラが消え去った!よし、これなら!!俺は浮上する感覚と共に目覚めた。



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112話

・・・ちょうど三分か。子供達は泣き叫んでいる。ちょっとうるさい。サイラオーグさんは三分経った事を確認し残念そうな顔をする。

 

サイラオーグ《・・・残念だ。兵藤一誠。》

リアス《くっ!イッセーはやらせないわ!》

 

リアス先輩が滅びの魔力を撃ち込むも全て簡単に避けられる。まあ、リアス先輩も疲労困憊って感じだから全力じゃないだろうけど。その瞬間、兄さんから紅と白銀に輝く。

 

ナウド・ガミジン《お〜っと!!こ、今度はなんだ!?兵藤選手が突然、紅と白銀のオーラに包まれましたぁ!!》

聖「ようやくかぁ・・・」

レイヴェル「ひ、聖は知っていますの!?」

聖「ま、正確に言えば転生する前からあった力の覚醒だね。」

 

輝きが止むと兄さんは立っているが鎧は解除されていた。しかし、赤龍帝の篭手は装着しており、腰にはゲーマドライバーが巻かれて左手にはガシャットが握られていた。

 

サイラオーグ《っ!!ようやくか!》

イッセー《お待たせしました!部長、遅くなってすみません!》

リアス《っ!ダメよ、イッセー!それを使ったらあなたは!》

イッセー《大丈夫です!今の俺たちなら!》

ドライグ《『む!?なんだ、貴様!俺の宝玉に入ってくるなど!』》

???《『ちょ!狭いので暴れないでください!食べますよ!?』》

ナウド・ガミジン《おぉっと!篭手からは赤龍帝だけでなく少女の声まで聞こえてきました!!アザゼル総督、あの篭手には赤龍帝以外にも封印されているのですか!?》

アザゼル《いや、そんな話は聞いたことがない!いや、待てよ・・・?あいつは確かバグスターウイルスが体内に・・・。まさか!!》

ディハウザー《バグスターウイルス?》

アザゼル《ええ。兵藤選手の妹の開発したコンピュータウイルスです。兵藤選手はそれに偶然にも感染していました。そして、10年という長い年月を掛けて抗体を得た。そして先程、サイラオーグ選手の攻撃を受けたことで覚醒したのでしょう。》

ナウド・ガミジン《な、なんという偶然か!!その覚醒した力が兵藤選手の切り札となるのか!!》

イッセー《しゃあ!!行くぜ、二人とも!!》

ドライグ《『おう!』》

???《『はい!』》

 

ドラゴニックマイティX!

ドラゴニックガシャット!

 

イッセー《ドラゴン大変身!!》

 

ガッチャーン!

レベルマァァァックス!!

天空龍の最強ボディ!

ドライグ!ドライグ!

 

兄さんは再度鎧姿になるも、オーラは先程よりも上だがかなり不安定。そして、上空に稲光を纏った雲が現れたと思ったら紅と白銀に輝き、紅と白銀が混ざったマキシマムゲーマが現れる。しかし、普通とは違うのは龍の鱗の様にゴツゴツとしており顔の部分はマキシマムマイティ君の顔ではなく完全なるドラゴンの顔だった。兄さんがアーマーライドスイッチを押して乗り込むと不安定だったオーラが完全に安定し地面へ着地する。

 

ドラゴニックパワーX!!

 

イッセー《これこそ、俺の切り札!仮面ライダードライグドラゴニックゲーマーだ!!》

 

さっきまで泣き叫んでいた子供も試合を見守る大人達も一気に大歓声が湧く。まだ、完全には使いこなせないだろうけど、それも時間の問題かな。

 

サイラオーグ《ハッハッハッハッハ!いいオーラだ!兵藤一誠!!俺に全てをぶつけてみろ!!》

イッセー《ええ!!行きます!!》

 

兄さんとサイラオーグさんが互いに拳を突き出し衝突する。しかし、サイラオーグさんの拳は負け兄さんが押し込んで吹っ飛ぶ。多分、兄さんの形態はマキシマムマイティXとスペック自体は同じだろう。でも、マキシマムマイティXと違って、あちらはモロに赤龍帝の恩恵を好きなだけ受けられる。・・・使いこなされれば負けるな・・・。

 

そこからは只管に殴り合いだった。兄さんが殴ればサイラオーグさんが蹴り、サイラオーグさんが蹴れば逆に兄さんが殴る。そんな攻防が永遠に続くかのように見えたが突如、レグルスが『もういい。赤龍帝』と声を掛ける。そして、既にサイラオーグさんの意識が無いことを伝え兄さんはサイラオーグさんを抱きしめグレモリーチームの勝利が確定した。

 

レイヴェル「なんともすごい試合でしたわ・・・!」

聖「ま、グレモリー眷属とバアル眷属だからこそ見れた試合だろうね。」

 

私とレイヴェルは皆のいる病室へ向かい、いい試合だったと伝える。でも、やっぱり皆悔しそうだったから完治したらトレーニングに勤しむだろう。最後に兄さんとサイラオーグさんのいる病室に向かうと、ちょうど兄さんが中級悪魔昇格の話を貰っていた。

 

サーゼクス「「やあ、聖さん、レイヴェル。」

聖、レイヴェル「お久しゅうございます。サーゼクス様。」」

イッセー「な、なあ、聖!なんで、俺がヴァーリの力を使えたんだ!?」

聖「それは、兄さんが白龍皇の力を取り込んでいたからだよ。ほら、和平会談の時。」

イッセー「あの会談で・・・?あ!思い出した!」

 

いや、遅いな!このバカ!

 

聖「ほら、とっととガシャット返して!」

 

とりあえず鳩尾を殴りうずくまっている所をかっ攫う。これで良しと。アーシアさんが回復してくれたお陰で数時間で退院となり、部室でお疲れ様会を行った。

 

 

数日後、本当なら学園祭で賑わうはずだったが、運悪く台風が直撃して中止。皆、残念そうにしてたけどこればっかりは仕方ない。だって、自然現象だし。おじさんからは、通信でサイラオーグさんに付いていた上役の半分が去ったと聞いた。ミスラ様はかなりやり手らしく、まだまだ甘い汁を吸えると思った連中は残ったそうだ。

 

さて、後はメインイベントである中級悪魔昇格試験だ。原作では兄さんは死んで龍人へとなったけど今回も必ずそうなるとは限らない。だからこそ、なんとしてでも生かさなきゃ。



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113話

リアス「さあ、皆!今日は思いっきり遊ぶわよ!」

「「「「「はい!」」」」」

ソーナ「羽目を外すなとは言いませんが節度を持つように。」

「「「「「はい!」」」」」

青い空に広い海、そして女子部員の水着姿!私と兄さんはヨダレを垂らしながら食いつくように見ていると、レイヴェルと塔城さんに思いっきり殴られる。

 

イッセー、聖「「お、おぉぉ・・・」」

リアス「何してるのよ、全く・・・」

ソーナ「しかし、凄いですね・・・。この水着もそうですが、これ程のビーチを再現するとは・・・。」

聖「ま、まあ、私は神ですから・・・。あ、傷開いた・・・」

イッセー「アーシアァァァァ!!今すぐ聖を回復してあげてぇぇぇ!!」

アーシア「は、はいぃ!」

 

レイヴェルに殴られた私はアーシアさんに回復してもらうもやはり傷は塞がらず血が流れ続ける。

 

そもそも何故私達がビーチに居るかと言うと、学園祭の次の日も台風が停滞しており、学園も休校。アーシアさん達も残念そうにしていた為、学園祭の代わりに季節外れのビーチ開きをしようと言うことになった。

 

でも、普通の海だと大荒れだから行けず、だからと言って冥界に行ったとしても湖しか無い上、下級悪魔位なら簡単に食い散らかせる魚が居ると言うことで、前にレイヴェルとデートしたゲームエリアにみんなを招待した。

 

アーシア「ひ、聖さん、ごめんなさい・・・。わ、私の力不足で・・・」

聖「いいよ、いいよ・・・。私がバカした結果だから・・・」

レイヴェル「そうですわ、アーシアさん。それよりも、イッセーさんの事はよろしくて?小猫さんと海の方に行きましたわよ?」

アーシア「はうぅ!ま、待ってくださ〜い!」

 

見捨てられた!?いやまあ、別にいいけどさ・・・。あ、またアーシアさんと塔城さんが睨み合ってる。なんなら、兄さんはオドオドしてるし・・・。ったく、あのバカは・・・。胸でも揉んで「俺の為に喧嘩するなよ。」なんて風に言えば終わるのに・・・。

 

アザゼル「悪いな、俺たちまで。」

聖「ま、保護者という事で。てか、ロスヴァイセさんの水着姿、良いですね!今から岩場に行ってにゃんにゃんしませんか!?」

ロスヴァイセ「な、なななな何を言ってるんですか!」

 

うん、可愛い。とりあえず、レイヴェルに傷を抉られてクソ程痛かったという事だけ伝えておこう。

 

レイヴェル「はあ・・・。あなたという人は・・・」

聖「ご、ごめんなさい・・・」

アザゼル「あの、狂犬聖も首輪に繋がれるとは思ってもなかったぜ。ほら、ロスヴァイセとレイヴェルもとっとと遊んでこい。俺が見ててやるからよ。」

レイヴェル「わ、分かりましたわ。」

ロスヴァイセ「え、ええ。」

 

二人はおじさんが見ててあげるという言葉に不信感を持ちながらもみんなの元へ行く。あ〜あ・・・。こんな傷さえなければ、私も楽園(パラダイス)に混ざれたのに・・・。

 

そんな事を思ってると、うつ伏せで倒れている私の隣におじさんが座る。ちなみに、おじさんの格好は上着を羽織り下は短パンだった。ダンディだなぁ・・・。

 

アザゼル「さて、聖。単刀直入に聞くぞ。何を企んでる?」

聖「何それ。」

アザゼル「隠すな。お前さん、あの骸骨ジジイと何をやらかす気だ?」

 

やっぱ、感ずかれるか・・・。まあ、止められるはずないけど。

 

聖「まあ、企んでる事は認めるよ。でも内容は言えない。」

アザゼル「・・・場合によってはお前を拘束しなきゃならん。」

聖「したいならしなよ。私を拘束したところで、絶対に止められないから。でも、ノーヒントっていうのも面白くないからね。ヒントは、私が本当の神だと証明するって所かな。」

アザゼル「なんだと・・・?そんなもんに、あのハーデスが付き合うとも考えられん・・・」

聖「これ以上のヒントは与えられないよ。いてて・・・。これは謎解きでもあるし。」

 

私もコスチュームを選択して、黒紫色のビキニを選択する。

 

聖「大丈夫。これは、英雄派を瓦解させる為の作戦でもあるから。」

アザゼル「・・・本当だな?」

聖「もちろん。」

 

ま、その為だけに()()龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)を解放させるんだけどね。血も止まった為、私も合流してその日は1日、くたびれるまで遊びまくった。

 

余談だけど匙君はソーナ先輩の水着姿に見蕩れ、他の生徒会女子から頬を引っ張られたりしていた。まさかの匙君もハーレム枠かぁ・・・



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8章 昇格試験のウロボロス
114話


アザゼル「なに!?それは本当か!?」

《ああ。彼・・・いや、今は彼女か。兵藤兄妹に強く興味を持っていてね。》

アザゼル「お前さんがお人好しで動くとは思えないな。ロキの時の様に何か狙ってるのか?」

《相変わらず鋭いね。彼女を狙う者は多いが、今回は身内から出そうなのでね。》

アザゼル「・・・英雄派か。あわよくば奴らを潰そうという魂胆か?」

《流石、アザゼルだな。鋭過ぎて怖いくらいだ。》

アザゼル「ったく・・・。分かった。なんとかしてみよう。」

《助かるよ。》

 

面倒な事を持ち込みやがって・・・。だが、これはチャンスでもある。もし、アイツを説得出来たなら禍の団(カオス・ブリゲード)を内部瓦解させられるからな。ったく・・・。今回ばかりは俺の首を賭けるしかねえな・・・。

 

聖side

 

聖「うぅ〜・・・体中が痛い〜・・・」

レイヴェル「全く・・・大人しく眠っておけばいいのに・・・」

 

現在、レイヴェルに膝枕をしてもらいながら痛みと戦っている聖です。いや、本当にヤバいって。マジでなんで治らないん?あれか?邪龍の呪いか?

 

聖「・・・人間の体ってなんでこんなに脆いんだろう。」

レイヴェル「はあ・・・。そんな事を考えている暇があるならとっととお眠りなさい。ほら、寝る子は育つと言いますし。」

聖「え?私、今めっちゃバカにされた?あれか?胸か?胸なんか!?」

 

勢いよく起きるも痛みでまたもやレイヴェルの膝に逆戻り。うぅ・・・辛いよぉ・・・痛いよぉ・・・。

 

レイヴェル「そういう意味ではありませんわ。それにその・・・私は聖の胸は好きですし・・・」

聖「か、可愛い!また、尊死しそう!」

レイヴェル「だから、大声を出さないで下さいまし!また傷が開きますわよ!?」

聖「ご、ごめんなさい・・・。」

 

はあ・・・。誰かに代わって欲しい・・・。・・・いや、作るか?君○○は的な感じの装置を!あ、今なら眠れるわ。レイヴェルが頭を撫でてくれて、目を閉じて意識を手放す。

 

小猫「聖先輩。失礼します。レイヴェル、サーゼクス様が通信ですがVIPルームに来ています。」

レイヴェル「サ、サーゼクス様が!?」

 

ドサッ!

 

レイヴェル、小猫「「あ」」

聖「ぐおぉぉぉ・・・!き、傷がぁぁぁ・・・!」

 

や、やべぇ、死ぬ・・・!!い、痛過ぎて死ぬ・・・!!

 

とりあえず急ぎという事でレイヴェルと塔城さんはVIPルームへ。私はと言うと、レイヴェルから安静にしておくように言われた。いや、本当に痛い・・・。とりあえず、痛みを我慢して寝よう。うん、その方がいい。私は目を閉じて羊を数えることにした。大体、千匹位でまた眠気に襲われ、そのまま意識を手放す。次に目を覚ましたのは夜だった。

 

聖「ん〜!よく寝たぁ〜!」

 

私は1階へ降りていくと、オカ研みんなが居て兄さんと朱乃さん、木場君が勉強していた。てか、兄さんが勉強って珍しい・・・。まあ、リアス先輩とレイヴェルに教わりながらだけど。

 

レイヴェル「あら、聖。おはようございますわ。体は大丈夫ですの?」

聖「ま、あれだけ寝ればね。で、なんで兄さんは勉強してるの?」

兄さん「昇格試験と期末テストのだよ・・・」

聖「あ〜、ブッキングか〜。まあ、どっちかは諦めなよ。兄さんの頭じゃ無理だから。」

イッセー「んだと!?」

リアス「こら、イッセー。勉強に集中しなさい。それと、聖さんも煽らない。」

聖「は〜い。レイヴェル、昇格試験の参考書、1冊貸して〜。」

レイヴェル「ええ、どうぞ。」

 

私は参考書を1冊借りて読む。兄さんも集中して勉強に励む。そして、1時間後・・・

 

聖「ほら、兄さん。そこ違うよ。ヴァプラ家の司るものは『獅子』じゃなくて、正確には『グリフォンの翼を持った獅子』だから。サイラオーグさんの所のレグルスにイメージ持っていかれ過ぎ。こんなんじゃ、〇どころか△すら貰えないよ。」

イッセー「だあぁぁぁぁ!!なんで、1時間読んだ程度で俺より詳しくなってんの!?俺、マナーや悪魔文字と一緒に教えてもらったんだけど!?」

聖「んなもん、格の違いとしか言いようが無いっしょ。そもそも、バグスターウイルスやガシャットを作りあげた私に言うこと?」

 

あんなん、檀黎斗の才能があれば余裕っしょ。え?転生前?絶対無理だね。

 

リアス「でも、本当に凄いわ。」

レイヴェル「ええ・・・。聖の強さとその頭脳も合わせれば、数年以内には最上級悪魔どころか魔王になれそうですわね・・・」

聖「ならないしやらないよ。趣味の時間が無くなるし。」

 

ふと、塔城さんの方を見ると顔が赤い・・・。熱?いや、違うな。

 

聖「塔城さん。大丈夫?」

小猫「っ!は、はい・・・。」

イッセー「い、いや、でも、辛そうだけど・・・」

 

兄さんが塔城さんに触れると、正しく猫の様に鳴きその場にヘタレ混んだ。これって・・・

 

聖「・・・もしかして発情期?」

イッセー「は、発情期!?」

リアス「な!?た、確かに小猫は猫又ではあるけど、まだ先のはずよ!?」

聖「いやいや。妖怪だの悪魔だのの前に塔城さんは女の子なんですよ?意中の相手に発情してもおかしくはないですよ。」

イッセー「い、意中の相手・・・?」

 

私は兄さんの顔にイラっと来てしまった。なんせ、全く分かってなかったから。

 

聖「兄さんの事だよ!!この、鈍感男!!」

 

私は武装色で固めた足で思いっきり蹴りを入れる。

 

イッセー、聖「「いっ痛ぇぇぇ!!」」

 

結果は予想通り傷が開きます。治りかけの傷が複数箇所。おかげでリビングは殺人現場です。と、そんな最悪な事態の時に誰かが部屋に入ってくる。

 

アザゼル「よお、お前らって、うお!?な、なんだ!?何があった!?」

レイヴェル「・・・まあ、色々あったのですわ。」

リアス「それで、アザゼル?そんな深刻な顔してどうしたのかしら?」

アザゼル「あ、ああ。実はな。明日、この家に客を招きたいんだ。それで、この家の長男であるイッセーと主のリアスに許可を貰いに来た。」

リアス「許可・・・?そんなに大物なの?」

アザゼル「ああ。正直に言うと、お前たちは確実に不満を漏らす。」

イッセー「ま、まさか、英雄派じゃないですよね!?」

アザゼル「それは無い。頼みがある。そいつが見えても絶対に敵対しないでくれ。」

 

あのおじさんが頭を下げる。・・・確かオーフィス来襲だっけか?みんなは不思議そうにしながらも二人は一応の許可を出す。はてさて、どうなる事やら・・・。



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115話

翌日、私達は玄関前でおじさんの言ったお客さんを待っている。皆、少し緊張の面持ちではあるがまだリラックスしてるな。

 

チャイムが鳴り、兄さんがドアを開けると皆が絶句した。なんせ、オーフィスと黒歌、フェンリルとトンガリ帽子を被った金髪の少女がいたのだから。

 

イッセー「オ、オオオオオ、オーフィス!?!?」

オーフィス「ドライグ、久しい。」

 

兄さんも後ろに下がりいつでも撃退出来るように構える。みんなも同じなようだ。私は緊張を解す為に、メタルシャフトで兄さんの頭を軽く叩く。うん、今度は傷が開かなかったな。

 

アザゼル「おい、お前ら!敵対するなって言っただろ!」

イッセー「あだ!おい、何すんだよ!」

聖「何するも何もおじさんに言われたでしょ?敵対するなって。それと、挨拶されたらちゃんと挨拶を返す。常識だよ?オーフィス、私の事覚えてる?」

オーフィス「覚えている。兵藤聖、久しい。」

黒歌「いや、なんでそんなに冷静にゃん?普通、赤龍帝ちん達と同じ反応するでしょ。」

聖「わあ♪素敵な着物美人♪しかもおっぱいも大きい!」

レイヴェル「・・・聖?」

聖「すいません!なんでもないです!」

 

とりあえず、大魔王レイヴェル様に渾身の謝罪する。いや、しかしこれは仕方ない。

 

リアス「アザゼル!わかっているの!?これは協定違反よ!?堕天使サイドが魔王様や天使長ミカエルに糾弾されても文句は言えないほどの!」

聖「違いますよ、リアス先輩。誰よりも和平を望むおじさんだからこそ、自分の首を賭けてオーフィスを招いた。違う?」

 

皆が驚いた顔でおじさんを見ると、おじさんの顔はいつものふざけたノリでは無くとても真面目な顔だった。ほんと、こう見るとイケおじだよなぁ・・・。

 

アザゼル「・・・ああ。そうだ。俺は今現在、あらゆる機関や勢力を騙している。だが、この会合が成功すれば奴らを内部瓦解させられるかもしれない。だから、頼む!力を貸してくれ!」

 

またも、おじさんは頭を下げる。まあ、ぶっちゃけ私にとってはどうでもいいし、なんならオーフィスが暴れるのだとすれば私が止めるしか無い。

 

イッセー「・・・分かりました。俺は先生を信じます。」

ゼノヴィア「私も先生にはいつも世話になっている。デュランダルで真っ二つにしたい所だが我慢しよう。」

朱乃「実際、戦っても勝てる相手でもありませんし、今回はそちらの方が良さそうですわ。」

木場「僕も朱乃さんの意見に賛成です。でも、警戒だけはさせていただきます。」

ギャスパー「うぅぅ・・・ぼ、僕はダンボールに隠れていてもいいですかぁ・・・?」

アーシア「ひ、聖さんも普通に挨拶していましたし、悪い方では無いのかもしれません・・・。でも、最終的な判断は部長さんとイッセーさんにお任せします。」

リアス「・・・はあ。分かったわ。」

 

どうにかリアス先輩のOKも出て、いざVIPルームへ。まあ、どうせ話し相手は兄さんだろうから、私は関係無いかな。適当に椅子を引っ張ってきて座り、パソコンを開いて適当なサイトを開く。

 

オーフィス「ドライグ、天龍やめる?」

イッセー「え、え〜っと・・・」

オーフィス「今までの所有者と成長の仕方が全く違う。あんな鎧見た事が無い。ヴァーリもそう。今までに無い進化をしている。ドライグ、何になる?」

ドライグ『さあな。俺にも分からん。分からんが、面白い成長をしているのは確かだ。』

オーフィス「二天龍、我を無限、グレートレッドを夢幻として、『覇』の呪文に混ぜた。でも、我とグレートレッド、『覇』では無い。」

ドライグ『最初から強いお前には分からんさ。そこら辺の石を拾う様に得られる。オーフィス、お前はこの世界で何を得て何を持って戻りたいと思った?』

オーフィス「我も質問したい。ドライグ、『覇』を捨てる?その先になにがある?」

 

ヤバい・・・。なんか、眠くなってきた・・・。

 

ドライグ『さあな。それは俺の宿主も知らんだろう。しかし、知っているとしたら妹だろうな。』

オーフィス「なら、兵藤聖に聞く。兵藤聖、ドライグ、どうなる?」

聖「・・・ぐぅ。」

レイヴェル「ふんっ!」

聖「ふぎゃあ!!な、なに!?敵!?」

 

突然の足の痛みに、私は勢いよく立ち上がって周りを見渡す!ヤバい、うたた寝してて気付かなかった!でも、周りにはさっきのメンツしかない。あ、あれ・・・?てか、なんでオーフィスは私を見てるん?

 

オーフィス「・・・」

聖「え、何?めっちゃガン飛ばすじゃん。」

イッセー「お前、何も話聞いてなかったな!?」

聖「ま、まあ、眠くなっちゃったし・・・」

 

え、なんでみんな苦笑い?リアス先輩とおじさん、レイヴェルなんて頭抱えてるし。黒歌なんて大爆笑だし。

 

オーフィス「兵藤聖。ドライグの宿主、何になる?」

聖「え?知らんが?」

オーフィス「ドライグ、兵藤聖なら知ってると言った。」

聖「いやいや。知ってるわけないじゃん。おっぱいドラゴンにでもなるんじゃない?。」

オーフィス「分からない。じゃあ、兵藤聖は何になる?」

聖「神。」

 

うん、オーフィスはちょっと面倒くさい。とりあえず部屋を出て仮眠しよう。私が部屋を出ようとするとオーフィスが服を引っ張る。

 

オーフィス「我、見てみたい。」

聖「勝手にしなよ。私、寝るから。」

 

私はオーフィスを引き剥がして部屋に戻ってベットに横になった。



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116話

レイヴェルside

 

来客があって数時間。再び、イッセーさん達との勉強が始まりましたが・・・

 

オーフィス「・・・」

 

な、何故あんなに見られていますの・・・?他のみんなもチラチラと見ていて勉強に集中出来ていない様子ですし・・・。そんな時、見た事のある方が降りてくる。

 

パラド「ふわぁ・・・眠・・・」

イッセー「パ、パラド!?」

パラド「あ?何してんだ?てか、なんでオーフィスがいるんだ?まあいいが。」

 

冷蔵庫から飲み物を2本取り、オーフィスに1本分け与え、パラドは私の隣に座る。

 

パラド「へえ、あの兄貴が勉強か。明日にゃ、世界崩壊するな、こりゃあ。」

イッセー「はあ!?どういう意味だよ、それ!」

パラド「無駄口叩いてないでとっととやれよ。んで、なんでカオス・ブリゲードのボスがいるんだ?」

 

はあ・・・。全く、この二人は・・・。とりあえず私は今までの経緯を簡単に説明し、パラドも理解したようでした。

 

パラド「なるほどな。んじゃ、聖の代わりに私が教えてやるよ。ほら、参考書貸せよ。」

リアス「え、ええ。」

 

それからは先程のデジャブの様に、パラドが1時間で読み込みイッセーさんを指導する。二人の頭は良すぎですわ・・・。にしても、聖は大丈夫でしょうか・・・?ふと、小猫さんの方を見ると、あちらも辛そうですし・・・。というよりも、イッセーさんは鈍感過ぎますわ!あんなにアプローチしてても気付かないなんて!もういっその事、イッセーさんが手を出せば・・・って、わ、私は何を考えていますの!?

 

パラド「なにしてんだ?お前?」

レイヴェル「な、なんでもありませんわ!」

パラド「つか、兄貴。」

イッセー「な、なんだよ。」

パラド「お前、なんであのチビっ子とシスターに手を出さないんだ?」

イッセー「お、お前、急に何言ってんだよ!」

 

パ、パラド!?き、急に何を言っていますの!?ほ、ほら!みんなも驚きで固まっていますわ!

 

パラド「急じゃねえだろ?つか、あのチビっ子とシスターは今までアプローチしてただろ。」

黒歌「だとしても、それは容認出来ないにゃ。白音は心も身体も未成熟。子供を宿せば母子共に死ぬ可能性高いし。」

パラド「ガキが出来なきゃいいんだろ?」

朱乃「そう簡単に済む話だとは思えませんわ。発情期なら特にです。」

パラド「ガキが出来る際、精子と卵子が結合する必要があるのは当然知ってるだろ?」

リアス「そ、それは知ってるけど・・・」

パラド「妊娠を防ぎたいならどちらか、もしくは両方を無効にしちまえばいいのさ。まあ、今回は兄貴の方になるだろうがな。」

木場「そうだとしても、簡単に出来るとは思えないけど・・・。」

 

た、確かにパラドの言ってることは正しいですが、木場さんが言ってる事も事実・・・。

 

パラド「簡単に出来るやつがいるだろ?兄貴と同じ位エロくて、無駄なもんばっか開発するやつが。」

 

そこで私を含めみんなが思い付く。そこに、階段を降りる音が聞こえてきた為、全員が振り返ると眠そうに目を擦っている聖が現れた。

 

聖「・・・なに?みんなして、私を見て。」

パラド「聖、ちょうどお前の力が必要だったのさ。」

聖「うん、全然分からんから1から全て話して。」

 

そこから、パラドが今までの会話を説明し、聖は眠そうにしながらも聞いていた。・・・というよりも、聖が出来ないはずもない。彼女は、イッセーさん以上には、破廉恥な行動も多いですし・・・

 

聖「なるほどねぇ〜・・・。いいよ、作ったげる。でも、それには兄さんの精子の情報が必要だね。という訳で、兄さん。出して。」

イッセー「いや、お前何言ってんの!?」

聖「大丈夫、大丈夫。誰も気にしないって。」

イッセー「俺が気にするわ!!」

 

ひ、聖も突然何を言っていますの!?よ、良かったですわ!イッセーさんがまだ常識的で!も、もし脱ごうものなら、丸焼けにしてしまう所でしたわ!

 

聖「んじゃ、冗談はさておき。」

 

聖はイッセーさんに魔法陣を展開し、そこから聖の周りの空中に幾つもの魔法陣が展開されるも、黒歌さんが驚くべき発言をする。

 

黒歌「ちょ、ちょっとあんた!限定的とはいえ、何禁術使ってるにゃ!?」

「「「「「き、禁術!?」」」」」

レイヴェル「ひ、聖!今すぐ辞めてください!」

聖「別に辞めてもいいけど、途中で中断したらレイヴェルと私以外、みんな死ぬんだけど?」

イッセー「はあ!?お前、なんてもん使ってるんだよ!」

リアス「と、途中で中断出来ないですって!?」

聖「ま、もう、出来たけど・・・ね!!」

 

聖は魔法陣をイッセーさんに投げ、イッセーさんの体に浸透した瞬間、イッセーさんがお腹を押えて苦しんでいる!?ど、どういう事ですの!?

 

イッセー「いってぇぇぇ!!」

小猫「ひ、聖先輩!や、辞めてください!わ、私は我慢するので!」

アーシア「イ、イッセーさん!し、しっかりしてください!」

 

アーシアさんが回復を行うと先程より痛みは引いたのか、少し楽そうな顔をしていた。しかし禁術ですか・・・?禁・・・術・・・?私はそこで思い付いてしまいましたわ。正直、フェニックス家として生まれなければ思い付きもしない強化方法を・・・!!

 

聖「これで完了っと。さて、レイヴェル手伝って。それと、パラドは3人を。」

パラド「ああ。」

レイヴェル「は、はい!」

 

私は階段を上がる聖について行くと空き部屋に来て、何重にも防音魔法を張るのを手伝わされましたわ。少ししてパラドさんが3人を連れて来るものの、イッセーさんは鎖でグルグル巻きにされ、アーシアさんと小猫さんは顔を真っ赤に。しかし、そこには4人では無く5人いた。

 

レイヴェル「ゼ、ゼノヴィアさん・・・?」

ゼノヴィア「なに、私も混ぜてもらおうと思ってね。まあ、行為自体は初めてだが知識はある。」

パラド「ま、そういうこった。」

聖「ふぅん・・・。じゃあこれは私からのプレゼント。」

 

聖はゼノヴィアさんとアーシアさんに魔法陣を見せると二人が突然座り込み、アーシアさんはともかく、ゼノヴィアさんの顔も真っ赤になっていた。これは・・・

 

ゼノヴィア「か、体が熱い・・・!」

アーシア「な、何をしたんですか・・・!」

聖「塔城さんと同じく発情期状態にしたの。んじゃ、後は楽しみな〜。」

 

私も顔を真っ赤にして、聖と共に部屋を出て扉を閉める。聖はそこから更に防音魔法を何重にも張っている。な、中ではきっと大変な事が・・・。イ、イッセーさん。が、頑張ってくださいまし!い、一応、イッセーさんが悪いのですし!

 

その後、二日ほど4人が出てくる事は無く、三日後にはイッセーさんが廊下で真っ白に燃え尽きているところが発見され、アーシアさんと小猫さん、ゼノヴィアさんの肌に艶が出ており、小猫さんの顔はまだ赤いですが、発情期は引いたそうですわ。

 

試験勉強はと言うと、聖とパラドがお詫びという事で付きっきりでイッセーさんに教えていましたが、間違える度にボコボコにされて、今ではリアス様の作成した小テストもほぼ満点に近い点数をたたき出していました。



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117話

兄さん達が新世界(意味深)に進出して1週間。遂に、試験当日。私達は二台に別れ、一台目にリアス先輩、木場君、兄さん、アーシアさん、ゼノヴィアさん、塔城さん。二台目に私、レイヴェル、おじさん、グレイフィアさん、黒歌、ルフェイ、オーフィス、フェンリル。ちなみにオカ研は私も含めて制服。

 

何故グレイフィアさんがいるかと言うと、ちょうど冥界に行く用事がありそのついでに乗ったとか。なんでも、今は教師をしつつエージェント的な仕事もしているそうでその報告だろう。

 

アザゼル「にしても、聖。お前の傷は治りが遅くないか?いくら邪龍と言ってもそこまで長くはないだろうに。」

聖「そんな事言われても知らないよ。これが邪龍の呪いなのか覇気によるものなのかも知らないし。」

レイヴェル「な、何故そこで覇気が出てきますの?」

聖「え?だって、クロウ・クルワッハも覇気使ってたし。」

 

そこで、リムジン内の空気が凍った様に感じる。あ、ありゃ・・・?も、もしかして私・・・。そこまで思った途端、おじさんから特大のゲンコツを貰う。

 

聖「〜〜〜〜っ!!」

 

それはもう言葉にならないくらいの痛さ。いや、待って。本当に痛いんだが?

 

アザゼル「この、馬鹿野郎が!!なんでそれを言わねえんだ!!」

聖「い、言ったつもりだったの!わ、わざとじゃない!!だから私は悪くない!!」

レイヴェル「悪いですわ!!」

 

そこからは二人からの怖いお説教。え?グレイフィアさん?笑ってましたが?

 

そんな感じで試験会場まで移動し、グレイフィアさんはルシファードに行くためにそのままリムジンへ乗って行ってしまった。そして、みんなはそれぞれ激励の言葉を送っているけど私だけは違う。

 

聖「兄さん。全てのガシャットを出して。」

イッセー「はあ!?なんでだよ!」

聖「だって使うじゃん。ドライグ、兄さんが本気を出さないようお願い。」

ドライグ『ああ。任せろ。』

イッセー「何言ってんだよ!本気で行かなきゃ試験に合格出来ないだろ!?」

聖「はあ・・・。このバカは・・・」

レイヴェル「イッセーさん。私達はこれまで誰と戦ってきたか、全て言葉にして言ってみてください。」

イッセー「いや、はぐれ悪魔にはぐれ神父(エクソシスト)にコカビエルに、禍の団(カオス・ブリゲード)の英雄派に、黒歌とロキ、サイラオーグさん達だろ?」

アザゼル「ああ、そうだ。お前さん達はあらゆる強敵と戦い勝利してきた。なら、逆に聞くがこの試験会場にいる悪魔達は、そんな強敵と戦ったか?」

イッセー「・・・あ。」

リアス「イッセー。聖さんにガシャットを渡しなさい。」

イッセー「せ、せめて1つだけでも!」

聖「それ以上、駄々をこねるなら試験に集中出来ないほどボコボコにするよ?」

 

私のその一言で、不服ながらも一応渡してくれた。念の為、兄さんが隠してないかのボディチェックもしたし、これで相手を殺す事はないだろう。

 

これで、「力加減をミスって殺しました。」なんて事があれば大変な事になる。だからこそ、これは徹底してやらなければいけない事だ。

 

兄さん達を見送ったあと、おじさんの魔法陣で高級ホテルへ。でも試験が終わるまでの数時間は特にやることもない為、ホテルの部屋で各自自由行動。

 

ゼノヴィアさんとアーシアさんと塔城さんは3人で話し合う事があるそうで部屋に行き、リアス先輩は最近忙しかったせいか疲れが溜まっているようで仮眠するといい、おじさんは黒歌さん達と話し合い。私はいつもの様にレイヴェルと一緒。てか、今更だけど・・・

 

聖「ロスヴァイセさんとギャスパー君は?」

レイヴェル「本当に今更ですわね・・・。ロスヴァイセさんは自身の強化の為に北欧へ戻り、ギャスパー君も強くなりたいと、1人でグリゴリの門を叩いたそうですわ。」

聖「何気にゲームの事、気にしてるんだなぁ・・・。まあ、強くなることはいい事だけど。それよりも・・・」

 

私は防音魔法を部屋に張り巡らせて、レイヴェルをベットに押し倒す。

 

聖「久々にどう?」

レイヴェル「全く・・・。で、でも、私も久しぶりにしたいと思っていたので・・・///」

 

あぁ・・・私の彼女が可愛すぎる・・・!!私達はシワにならないよう制服を脱いでそのままイチャイチャする。最初こそ私が攻めていたけど、数十分もしないうちに主導権を握られ、めちゃくちゃ虐められた。レイヴェルはドSなのかもしれない。いや、きっとドSだろう。

 

時間ギリギリまでイチャイチャして、二人で一緒にお風呂に入って、貸切にしたという高級ホテルへ。サラッとやるよなぁ・・・。

 

私達二人が最後だったらしく、試験組以外は集合していた。てか、おじさんなんてジョッキで飲んでるし。

 

アザゼル「お?熱々なお二人さんが来たな。」

聖「ま、未だに彼女の出来ないおじさんよりはいいでしょ?」

アザゼル「な!?んだと、お前!」

リアス「二人ともやめなさい。朱乃達は試験を終えて向かってるそうよ。」

アザゼル「お?そうか、そうか。ま、アイツらなら大丈夫だろうよ。」

 

そんな話をしていると魔法陣から兄さん達が現れる。うん、やっぱ、転移魔法って便利だな。

 

聖「お疲れ、兄さん。試験はどうだった?」

イッセー「あ、ああ・・・。筆記の方は一応大丈夫だけど、実技の方は・・・」

アザゼル「呆気なかったわけだ。聖がガシャットを取り上げた意味が分かったろ?」

イッセー「は、はい。俺、1度しか倍加を使ってないのにあっさり勝てちゃって・・・」

リアス「こればかりは仕方ないわ。イッセーは悪魔になってまだ半年。それに、強敵とばかり戦ってきたもの。これを機に学びなさい。」

イッセー「は、はい!」

アザゼル「ま、とりあえずお疲れ様って事で、美味いもんでも食って気持ちをリセットしろよ。」

 

おじさんの掛け声と共にみんなが座ろうとすると、何度も味わったヌルりとした感覚が肌に纏わりつき、薄紫色の霧が現れる。でも、1つ違うのは私の胸に何かが刺さった瞬間、体から何か大事なものが抜け落ち力が入らなくなったことだった。



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118話

レイヴェル「これは!?」

アザゼル「絶霧(ディメンション・ロスト)だ!!」

リアス「まさか、英雄派!?」

パラド「おい、聖!しっかりしろ!!」

 

パラドの叫び声を聞いてみんなで振り向くと、聖は口から大量に吐血し、パラドに抱き抱えられている状態だった。

 

レイヴェル「ひ、聖!聖、しっかりしてください!!」

アザゼル「ど、どういう事だ!何故聖が!」

曹操「アハハハハ!なんてザマだ!」

イッセー「曹操!!てめぇ、聖に何しやがった!!」

アーシア「聖さん、しっかり!」

 

目の前には情報で見た聖槍の持ち主である曹操と絶霧(ディメンション・ロスト)の持ち主であるゲオルクがいた。しかし、ゲオルクの手には独特な形をした拳銃が握られており、先端にはドス黒い何かが張り付いている。あれは・・・?いえ、それよりも!

 

私は聖にフェニックスの涙を振りかけるも効果が無く血を吐き続けている。な、なんで・・・!!

 

ゲオルク「クックック・・・。いくら回復しようとしても無駄だ!兵藤聖はもう助からない!!」

リアス「どういう事よ!!」

曹操「彼女から神器(セイクリッド・ギア)を抜き取ったからさ!!もう彼女が助かることはない!!」

 

聖から神器(セイクリッド・ギア)を抜いた・・・?な、何を言っていますの・・・?

 

聖「ハア・・・ハア・・・ゴハッ!」

ゼノヴィア「なんだと!?」

木場「ふざけるな!彼女の神器(セイクリッド・ギア)を返せ!!」

曹操「返すわけないだろう?心配せずとも、この神器(セイクリッド・ギア)は俺たちがバリィィィン!・・・は? 」

 

曹操が話している間に拳銃が壊れ、ドス黒い物まで消えてしまった・・・!!あ、あれはどこに!!

 

朱乃「消えた・・・?」

小猫「そ、そんな・・・!!」

イッセー「聖!おい、聖!!」

ゲオルク「クソッ!ハーデスめ!不良品を寄越したのか!!」

アザゼル「ハーデスだと!?あの骸骨ジジイはテロリストに手を貸したってのか!!」

 

そ、そんな!い、嫌ですわ!!

 

聖「ゴハッ!兄・・・さん・・・!」

イッセー「な、なんだ、聖!?」

レイヴェル「聖!」

聖「逃・・・げて・・・!!」

黒歌「チィ!アザゼル!手を貸すにゃ!!」

アザゼル「ああ!!」

 

アザゼル先生と黒歌が魔法陣を展開し攻撃するも全て霧に阻まれる!そ、そんな・・・!!

 

曹操「オーフィス!!俺たちは今日、ここでお前を殺す!!ゲオルク、呼び出せ!!最凶の龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)を!!」

ゲオルク「ああ!証明しようじゃないか!!俺たちが真の英雄だと言うことを!!」

 

床に魑魅魍魎(おどろおどろしい)魔法陣が展開された瞬間、この世のものでは無いようなものが召喚される。

 

巨大な十字架に磔にされ、全身を拘束具でぎゅうぎゅうに締め上げられ、釘でめった刺しにされた上半身が堕天使で下半身が東洋タイプのドラゴンの姿をした存在。それも全身から血を流し、あらゆる負のオーラを纏っている。な、なんなんですの、あれ・・・!!

 

ドライグ『な、なんだ!?こ、このドラゴンに向けられた負のオーラは・・・!!』

アザゼル「ま、まさか、サマエルか!?」

曹操「その通りだ!!サマエル、喰らえ!!無限を!!」

 

曹操がそう言った瞬間、私は誰かに押され倒れ込む。顔を上げた瞬間に生暖かい液体が顔に付き、私の目に写ったのは聖が触手に胸を刺されている場面だった。

 

レイヴェル「ひ・・・じり・・・?」

聖「ゴホッ・・・」

 

引き抜かれた瞬間、聖はそのまま前に倒れる。辺りには真っ赤な液体が池を作るように流れ、遂に私に触れる。

 

レイヴェル「イヤァァァァァ!!」

イッセー「曹操ぉぉぉぉぉ!!」

アザゼル「待て、イッセー!!」

イッセー「離してください!!アイツは聖を!聖を!!」

パラド「くっ・・・!!」

 

嫌!嫌!!嫌!!!嫌!!!!

 

曹操「何故あの化け物の方に攻撃が・・・?ゲオルク、どういう事だ!!」

ゲオルク「わ、分からない!俺はオーフィスに設定したはずなのに!!」

 

黒歌「このクソガキが!!」

リアス、朱乃「「ハアッ!!」」

ゼノヴィア「このぉ!!」

木場「ハア!!」

小猫「えいっ!!」

曹操「くっ!ゲオルク、引くぞ!!後は死神共に任せる!!」

ゲオルク「ああ!!」

イッセー「待ちやがれ、曹操!!!!」

 

英雄派は消え、この場には私達のみが残る。

 

聖「よか・・・た・・・。レイ・・・ヴェルが無・・・事で・・・」

レイヴェル「聖!嫌ですわ!だ、ダメです!」

聖「大・・・丈夫・・・。わた・・・しはしぶ・・・といか・・・ら・・・」

イッセー「聖、もう喋るな!おい、パラド!どうにかしろよ!!お前は聖とずっと一緒にいたんだろ!?」

パラド「・・・無理だ。私には出来ることが無い・・・。」

聖「レイヴェ・・・ル・・・。耳か・・・して・・・」

レイヴェル「嫌・・・!嫌ですわ・・・!!」

聖「この謎解きを楽しんで

レイヴェル「え・・・?」

 

聖は最後に私にキスをして微笑み、粒子となって消え聖のいた場所には血に濡れた爆走バイクが1本置かれているだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第三者side

 

兵藤聖が消滅した瞬間、研究室のパソコンが勝手に起動し、あらゆるコマンドが自動で入力される。しかし、誰も気付けるはずもない。数分後、パソコンにはこう表示される。

 

生成開始

 

 



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119話

リアス「そ、そんな・・・」

朱乃「聖ちゃんが・・・」

木場「死んだ・・・?」

アザゼル「クソっ・・・!!」

 

みんなが悲しみに暮れているも、私は困惑する事しか出来なかった。聖の最後の言葉。それはまるでわざとやられたかのような。私は血に濡れた爆走バイクを拾い上げる。

 

レイヴェル「・・・とりあえず、ここから出る方法を考えましょう。出なければ、私達も死ぬ事になりますわ。」

イッセー「っ!!なんでそんなに冷静なんだよ!!聖が死んだんだぞ!!」

レイヴェル「私だって辛いですわ!!それでも、行かなければいけないのです!それに、もしかすれば聖を甦らせる方法があるかもしれないのですわよ!?」

アザゼル「おい、レイヴェル。そいつは・・・」

レイヴェル「とにかく、一刻も早くここを出ましょう!」

 

『そうさせる訳にはいかぬ。』

 

声がした途端、私達の周りには大量の魔法陣が展開され死神達に囲まれる!面倒ですわね・・・!!

 

アザゼル「タナトスにプルートだと!?」

プルート『お久しぶりでございます。アザゼル総督。』

タナトス『和平を謳うあなたがテロリストと秘密裏に会合しているという噂を聞きましてね。』

イッセー「ふざけんな!!それはてめえらの方だろうが!!そのせいで聖が!!」

プルート『ファファファ!そうかそうか!ようやくあの人間は消え去ったか!』

タナトス『ああ、実に残念だ。この手で奴の魂を回収したかったのだがなぁ・・・。』

 

なんなんですの・・・!私の中にあらゆる憎悪が溜まっていく。こんな奴らのせいで聖は・・・!!一瞬、いつもとほんの少し違う感覚になったと思ったら、突如として周りの死神の半分が地面に倒れる。こ、これは・・・!

 

パラド「おいおい・・・。まさか、お前まで覇王色の素質があんのかよ・・・」

レイヴェル「こ、これが覇気・・・!」

プルート『っ!あの忌々しい人間と同じ力だと!?お前たち!あの悪魔を狙え!!』

アザゼル「お前ら!レイヴェルを守れ!!おい、黒歌!俺に付き合え!」

黒歌「面倒だけど仕方「悪いが私がやる!!」ちょ!」

 

パラドはメタルシャフトを握ると、黒く変色していく。あ、あれは覇気!?パ、パラドも使えましたの!?そのままプルートに攻撃を仕掛けるも鎌で防がれてしまう。

 

プルート『くっ・・・!貴様もあの人間と同じ力を・・・!!』

パラド「兄貴!!レイヴェルを守れ!!」

イッセー「っ!!ああ!」

 

イッセーさんはバランス・ブレイカーとなり、みんなもそれぞれの得物を構える。私もレベル0を使い変身する。

 

リアス「さあ、みんな!!行くわよ!!」

「「「「『『はい!』』」」」」

 

アザゼル先生はタナトスを相手取り、私達は配下の死神を相手取る。ですが、先程の覇気でごっそりと削れた為に負担は減っている!

 

パラドとアザゼル先生が近くに来た時には少しボロボロになっては居たものの大怪我は負っていない。しかし、それは相手も一緒。

 

パラド「ったく・・・面倒だな。」

アザゼル「な!?パラド、お前そいつは!」

 

パラドは懐からゲーマドライバーとギアデュアルを取り出す!腰にゲーマドライバーを装着して、ダイヤルを()()()に装着する。

 

デュアルガシャット

 

The strongest fist!

what's the next stage?

 

パラド「マックス大変身!」

 

ガッチャーン!

マザルアップ!

赤い拳 強さ!青いパズル 連鎖!

赤と青の差!

パーフェクトノックアウト!!

 

パ、パーフェクトパズルとノックアウトファイターズが1つに・・・!!

 

パラド『パーフェクトパズルとノックアウトファイターズ。二つのゲームが混ざり合った、パーフェクトノックアウト。今の私はレベル99だ。アザゼル、この空間を解析して転移魔法陣を作れ。私が時間を稼いでやるからよ!』

 

パラドはたった一人で二柱の最上級死神へと行く。・・・確かに聖からは、レベル99は天龍クラスと聞かされた。でも、今のパラドだけでは・・・!!なら、私のやるべき事は!私も走りだし、タナトスの方に蹴りを入れる。

 

タナトス『ゴハッ!』

レイヴェル『手を貸しますわ!』

パラド『・・・怒らないのか?』

レイヴェル『ご安心を。後から聖と一緒にたっぷり絞りますので。』

パラド『ふっ・・・。そうかい。』

プルート『貴様ら!!楽には殺さんぞ!!』

レイヴェル『アザゼル先生!術式を!!こちらはお任せください!』

アザゼル「だぁぁ!クソったれが!絶対、死ぬんじゃねえぞ!!」

パラド『んじゃ、行くか。』

レイヴェル『ええ。』

パラド、レイヴェル『『超協力プレーで攻略する!!』』



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120話

レイヴェル『はあっ!!』

プルート『甘い!!』

パラド『オラ!!』

タナトス『このっ!』

 

私とパラドはお互いに位置を入れ替えながら戦ってはいるものの、流石は伝説の死神・・・!ですが、ここで負けられませんわ!!

 

プルート『あの人間といい、貴様らといい、邪魔だてを!』

タナトス『しかし、貴様らは既にテロリストに加担したという事実からは逃れられぬぞ!』

パラド『だからどうした?高々、そんなくだらない事を言う為に来たのか?やっぱ、神ってのは暇人集団だな。』

タナトス『貴様!!』

アザゼル「二人とも!もういい!!」

 

アザゼル先生の声を聞き、私とパラドはすぐ様後ろへ下がり転移魔法陣で冥界まで戻ってくる。私とパラドは変身を解く。

 

レイヴェル「・・・アザゼル先生はこれからどうしますの?」

アザゼル「・・・とりあえずサーゼクスの元へ行く。今回の事を全て話すつもりだ。そして、イッセー、レイヴェル。本当に済まない。」

 

アザゼル先生はイッセーさんと私に頭を下げるも、イッセーさんはと言うと複雑な表情をしている。・・・いえ、それは私も同じですわ。確かに今回の事が無ければ聖は死ななかった。ですが、いつもお世話になっている先生を責められるはずもない。

 

イッセー「いえ・・・。でも、その、心の整理はしたいです・・・。」

アザゼル「本当に済まない・・・!」

レイヴェル「リアス様達はどうしますの?」

リアス「・・・私達もアザゼルに付いていくわ。」

ゼノヴィア「アザゼル先生。その・・・神器が破壊された際、持ち主の魂はどうなるんだ?」

アザゼル「それは・・・」

パラド「魂の完全消滅だ。神器ってのは魂と密接してるからな。抜かれただけじゃ、まだ魂とのリンクは切れていないが破壊されれば一瞬で死ぬ。聖のやつはかなり持った方だろうよ。」

アーシア「そ・・・んな・・・!」

 

・・・魂の完全消滅ですか。確かにそれだと、どんな禁術でも()()では復活不可能ですわね・・・。それに、最後の言葉通りならばヒントが隠されているということ。それも、私の身近に。

 

レイヴェル「私は兵藤家に戻りますわ。きっと聖を復活させる方法が残って居ると思いますので。」

 

私はリアス様達に一礼して聖の部屋の秘密基地への扉を開く。やはり昨日と何も変わっていない。

いつもならばら聖が何か作りながら私に顔を向けてきてくれるが今は誰もいない。それこそ、本当に聖が死んでしまった事を自覚させられる。

 

レイヴェル「ヒッグ・・・聖・・・!」

 

この部屋に入った瞬間、全ての現実を叩きつけられる。本当は分かっている。魂が完全に消滅すればいくら禁術であろうと甦らせる事が出来ないことも。例え出来たとしても私は死に聖に会うことは出来ない。

 

それでも私は聖の最後の言葉に縋った。あの言葉の真意を知る事が出来たならもしかしたら会えるかもしれない。

 

私が泣いているのを見てハティが慰めるように私を舐める。

 

レイヴェル「・・・ふふ。慰めてくれるの?」

ハティ「わふ!」

レイヴェル「・・・そうですわね。私が今やるべきは謎解き。天才ゲーマーとして絶対にクリアしてみせますわ!!」

 

 

 

 

 

聖side

 

・・・ありゃ?私、確か死んだはずだったけどなんで意識がある?てか、なんか見覚えのある景色だな・・・。

 

私は真っ白な空間で立ち上がる。ここって、もしかして私が転生した場所?

 

???《その通りだ。》

聖「あ!この声は神様!お久しぶりっす!」

???《・・・そうだな。君とは二度と会うことは無いだろうと思っていたが、まさかこんな形での再開になるとは。さて、君をこちらに呼んだのは他でもない私だ。しかし転生させる為では無く地獄へ送るためだがね。》

 

やっぱ、そうなるよなぁ・・・。まあ、あんだけ派手に好き勝手やれば強制送還だってされるだろうし。

 

聖「分かりました。それじゃあ行きましょうか。」

???《・・・反論は無いと?》

聖「ええ。あの世界は別に()が居なくたって回りますから。それに、兄さんや彼女たちなら大丈夫です。」

???《よっぽど信頼してるようだな。》

聖「当然です。仲間ですから。神様、ありがとうございました。こんなに楽しい時間をくれて。」

 

私は神様に一礼する。これは、当然の礼儀だ。なんせ、あの地獄の日々から救ってくれた恩人なのだから。

 

???《・・・では、転移を行う。達者でな。》

 

私の体は薄れて粒子となり次の瞬間には、正しく地獄と言っていい世界に辿り着く。もがき苦しむ人に快楽に酔った鬼。・・・ここが今日から私のお家って訳だ。ちなみに、能力も全て取り上げられたようで覇気も使えない。ガシャットやドライバーは流石に分からないけど大丈夫だろう。後は任せたよ、もう一人の()



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121話

レイヴェルside

 

レイヴェル「はあ・・・。ヒントがまるでありませんわ・・・」

 

1時間、探せる範囲を全て探しましたがどこにもヒントが無い。後、探してないと言えば・・・

 

レイヴェル「あのパソコンのみ・・・」

 

しかし、絶対にロックしてるはず・・・。でも、あれしか・・・。私はパソコンを起動すると意外にもロックは掛かってなかった。しかし、画面には《ALL SUCCESS》と表示されている。

 

レイヴェル「聖は何を作っていましたの・・・?」

 

私が表示を消すとそのままデスクトップに移動するも、1つのファイルしかない。そのファイルをクリックすると設計図が出てくる。

 

レイヴェル「な、何故、聖のパソコンにこれが・・・!?」

 

その設計図の完成後は、正しく曹操の持っていた拳銃を同じ。で、ですが、曹操はハーデスから受け取ったと・・・!と、とりあえず!私は設計図の写真を撮る。アザゼル先生に見せればきっと!私が立ち上がると同時にパソコンの本体がボンっと爆発し使用不可となる。しかし、それと同時にソファーが動き秘密の入口の様なものが現れる。

 

レイヴェル「い、いつの間にこんなものを・・・?」

 

私とハティは警戒しながらも中へ入る。中は真っ暗なものの、私達悪魔は暗闇でも目が効くためなんの問題もない。

 

階段を降り切ると1つの台以外には何も無く、台の上には白いガシャットがあった。

 

レイヴェル「メモリーオブストーリー・・・?」

 

これは一体・・・。しかし、なんとなくではありますが分かってきましたわ。

 

聖が攻撃を受けたのは恐らく転移した直後。しかし、聖から聞いた話では、見聞色の覇気で攻撃が分かると言うこと。それなのに避け無かった。私の予想が正しければあの襲撃自体を聖が分かっていたということ。

 

しかし、理由が分からない・・・。そこまで考えた時、私の頭に1つの可能性が過ぎる。これが本当ならば、聖を1発殴らなければいけませんわね・・・!!

 

私はガシャットを持ちすぐに冥界へと戻る。きっと、このガシャットが復活するための鍵ですわ!冥界へ着き、グレモリー領へ着くとアザゼル先生とサーゼクス様、そしてリアス様達がいた。

 

レイヴェル「サーゼクス様!」

サーゼクス「レイヴェル・・・。」

レイヴェル「もしかして、冥府へ行かれるのですか?」

アザゼル「ああ。あの骸骨ジジイには聞かなきゃならねえ事が沢山あるからな。」

レイヴェル「なら、私も連れて行ってください!」

リアス「な、何を言っているのよ!」

サーゼクス「その通りだ。君を連れて行く訳には・・・」

レイヴェル「我儘だと言うことは承知しています!しかし、お願いします!」

 

私は頭を下げる。これは本当に私の我儘でしかない。それでも、私も一度冥府へ行き本人の口から聞かなければ気が済まない。

 

ヴァーリ「いいんじゃないか?連れて行っても。」

イッセー「な!?ヴァーリ!」

オーフィス「ヴァーリ、英雄派捕まえた?」

ヴァーリ「いや、逃げられてしまったよ。レイヴェル・フェニックス。君が冥府へ行く理由は兵藤聖だろう?」

イッセー「な!?で、でも聖は・・・!!」

ヴァーリ「死んだのだろう?聞くところによれば魂も完全消滅したらしいね。だが、邪龍並にしぶとい彼女がただ死んだとも思えない。」

 

みんなは驚いた顔をしていますが、私もそう思います。しかし、白龍皇の『ただ死んだ』という言葉により、私の考えがほんの少し現実味を帯びたように思えますわ。

 

レイヴェル「お願いします!サーゼクス様!どうか私も・・・!!」

サーゼクス「・・・分かった。その代わり白龍皇。君にも来てもらうよ?」

ヴァーリ「ああ。俺もそのつもりだったからね。」

アザゼル「うし。じゃあ行くとするか。あの骸骨ジジイの所に。」

 

アザゼル先生が転移魔法陣を開く。・・・聖。私の推理が当たっているかの答え合わせですわ!

 

 

 

ハーデスside

 

儂は今、枯れ果てた大木の中にある階段を降りてとある場所に向かっている。それは、ベンニーアから「サマエルが消滅しかけている」という報告を受けたからだ。

 

あの小娘はまるで知っていたかの様に全てを語っていた。否、実際に知っていたのだろう。彼女の魂には普通の人間とは違うズレを感じた。直接聞いた訳では無いが恐らくはこの世界の住人では無い。

 

しかし、こんな事を考えるとは儂も毒されたな。そんな事を考えながら扉の前に来ると、扉は自動で重々しく開く。

 

普段は中に入ればまず目に入るのは絶叫を上げるサマエルだが、今では半透明となっており、その隣には小娘を動かして必死に服を着せているベンニーアがいる。

 

ハーデス『どうだ?ベンニーアよ。』

ベンニーア「特に大きな問題は無いっす。ですが、やっぱり魂自体は・・・」

ハーデス『構わぬ。では、お主も家に戻れ。もう時期、鴉共も来る。』

ベンニーア「で、ですがハーデス様は・・・」

ハーデス『構わぬ。元よりそうなる事を承知で協力したのだ。早く行くといい。』

ベンニーア「承知しました。ハーデス様。」

 

ベンニーアは儂に頭を下げ転移でオルクスの元へ戻る。儂も最後の仕事をする為に来た道を戻る。思えば色々あった。しかし、こことももう時期別れる事となるか。そんな事を思いながらも鴉達が来るのを待つこととする。



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122話

レイヴェルside

 

こ、ここが冥府・・・!す、全てが枯れ果てていますわね・・・。しかし、歩を進める事におかしい点が出てくる。それは、死神が()()もいないのだ。いくら未熟な私と言えど、これは異常だと言うのがわかる。

 

アザゼル「チッ・・・。薄気味悪い場所が更に薄気味悪くなってるな。」

サーゼクス「これもあの神の策略か・・・?」

 

更に歩を進めていくと負のオーラを纏った神殿が現れようやく一柱の死神が見えた。あれは確かハーデス様・・・?

 

ハーデス『む?ほう、鴉と蝙蝠だけだと思っていたが、よもや白龍皇まで来るとはな。』

サーゼクス「レーティングゲームぶりでございます。ハーデス様。此度の事前のアポ無しの訪問、お詫び申し上げます。」

ハーデス『構わぬ。・・・なるほど。そこの蝙蝠はあの小娘との約束を果たしに来たわけだ。』

レイヴェル「っ!」

 

目を向けられた瞬間、まるで心臓を鷲掴みされた感覚に陥る。こ、これが冥府の最高神・・・!!よく聖は親交を持てたものですわね・・・!!

 

サーゼクス「今回は『サマエルの事だろう?』・・・ええ。何故、全勢力で使用禁止されている蛇を解き放ったのです?」

ハーデス『儂はあの小娘に従っただけだ。それに報酬もしっかりと貰えたからな。』

アザゼル「報酬だと・・・?どういう事だ!!」

ハーデス『あの小娘からの報酬はお主らの悔しそうな表情だ。久しく笑ったわ。』

アザゼル「っ!!この骸骨ジジイが・・・!!」

レイヴェル「アザゼル先生!落ち着いてください!ハーデス様、私はレイヴェル・フェニックスと申します。発言をお許しください。あなたが協力したのは、聖が生まれ変わる事ですね?」

ハーデス『ああ。その通りだ。』

サーゼクス「生まれ変わる・・・?」

ハーデス『着いてくるといい。あの小娘はコキュートスにいる。』

 

ハーデス神は立ち上がり奥の大木へと足を進める。サーゼクス様達も訝しみながらもついて行くしか無いため、その後を追う。

 

ヴァーリ「ハーデス神。何故あなた以外の死神がいない?」

ハーデス『なに、たまの休みは必要だろう。』

アザゼル「こんなにブラックな所でも中身はホワイトってか?冗談は骨だけにしておけ。」

ハーデス『ファファファ!使い潰すよりは断然良かろうて。』

 

階段を降り切れば重々しく門が開く。そこには巫女服を着た聖と姿がほとんど薄れたサマエルがいた。

 

サーゼクス「あれがサマエルなのか・・・?」

アザゼル「おい、どういう事だ!何故サマエルがあんな状態になっている!」

ハーデス『あれは小娘の養分へとなるのだ。彼奴もようやく解放されるだろうて。存在ごと消えてな。』

 

そ、存在ごと!?次第にサマエルは粒子となり完全に消えた。そ、それにこの場にあったあらゆる負のオーラも一瞬で消えた・・・。しかし、聖は虚ろな目を浮かべその目は何も映していない。

 

ハーデス『フェニックスの小娘よ。後は貴様の仕事だ。』

レイヴェル「わ、私の・・・?」

 

一瞬なんの事か分からなかったものの、テーブルの上に置かれていたゲーマドライバーとガシャットを見て思いつく。聖の部屋にあったガシャットを。

 

私はベルトと白黒のマイティアクションXを取り、二つのガシャットを起動させる。

 

マイティアクションX!

メモリーオブストーリー!

ガシャット!

 

ガシャットを刺した途端、突然聖にノイズが走りあらゆる場所が震え出す。こ、これはなんですの!?ま、まさか、失敗!?震えとノイズが収まると聖は下を向く。

 

レイヴェル「ひ、聖・・・?聖なんですの・・・?」

 

正直怖い。私のせいでまた聖がいなくなる事が。でもこれしか方法は・・・!

 

聖「んッん〜!!完全復活〜!!」

アザゼル「な!?お、おい!本当に聖なのか!?」

聖「そうだよ〜。って、ヴァーリ君もいるじゃん。」

レイヴェル「聖!!」

 

私は思いっきり聖に抱きつく。聖が居なくなった時は本当に怖かった。本当にこの人は私を不安にさせる。聖は私の頭を優しく撫でてくれる。この優しさは聖そのものですわ・・・。

 

聖「ハーデス様。この度は御協力、誠にありがとうございました。」

ハーデス『ファファファ!まさか本当に蘇るとは思ってもいなかったがな。』

サーゼクス「・・・聖さん。話してくれるかい?何故この様な事をしたのかを。」

聖「ええ。最初からお話します。でもその前にレイヴェルに聞かなければならない事がありますので。」

レイヴェル「・・・あなたはあの時、わざと神器を明け渡し、自らサマエルの攻撃を受けに行った。その理由は、人間として死にパラドと同じ『バグスター』として新たな生を受ける為。」

聖「正解だよ。さて、経緯をお話しましょうか。」

 

聖は全て話してくれた。夏休みの際にハーデス神から英雄派の存在を聞いていたこと。その際、サマエルを使った自殺を思いついたこと。その為の下準備も全て。

 

聖「そして、今の私は兵藤聖であって兵藤聖ではありません。言ってしまえば『オリジナル』の兵藤聖の『コピー』です。『オリジナル』は魂が完全消滅しましたから。しかし、記憶や能力等は全て受け継いでいます。」

 

私はそこまで聞いて聖にビンタをする。今までの怒りや悲しみも込めて。

 

レイヴェル「もう二度と!!こんな事をしないでください!!するとしても一言言ってください!!」

聖「・・・分かった。ごめんなさい。」

 

聖は素直に私に頭を下げる。正直まだ言いたいことは沢山ある。それでも・・・

 

レイヴェル「また・・・会えてよかった・・・!」

 

私は再度、聖を抱きしめて温もりを感じる。



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123話

聖side

 

レイヴェルにガチでキレられた私。まあ、オリジナルの私は今頃地獄なんだろうなぁ・・・。それに、私にはやらなければならない事が山ほどある。まず、()()を使いこなし、新しい体に慣れ、英雄派を潰さなければならない。それに、サマエルから生まれた私は、その身にドラゴンスレイヤーを宿していると考えられてもおかしくは無い。

 

私は普通のバグスターとは違い、かなり人間寄りでもある。骨もあれば血液も流れ、内蔵もある。まあ、寿命は無くなったし、瞬間移動も出来るけど。そんな時、サーゼクス様の耳元に魔法陣が展開される。

 

サーゼクス「・・・それは本当かい?・・・分かった。頼むよ。」

アザゼル「どうした?」

サーゼクス「・・・英雄派が攻めてきたようだ。大量の死神を連れてな。」

アザゼル「な、なんだと!?」

ハーデス『恐らくはプルートとタナトスであろうな。』

聖「ハーデス様、ご準備は?」

ハーデス『先程、全勢力に通達した。問題は無い。』

聖「レイヴェル。とりあえず冥界に戻りな。私はやらなきゃいけないことがあるから後から行くよ。」

レイヴェル「・・・ええ。必ず来てください。でなければ、説教だけでは済ましませんわ。」

 

レイヴェルは魔法陣を展開し冥界へ転移していく。さ〜て、私も頑張るか〜。

 

サーゼクス「聖さん。悪いが、君を冥界へ行かせる訳にはいかない。」

聖「それは、私がサマエルを解放した極悪人の一人だからですか?」

サーゼクス「そうだ。」

アザゼル「流石に今のお前さんが行けば取り返しのつかない事になる。それこそ、永遠に封印されることだって・・・」

聖「いいよ、別に。私は大事な家族を守ることが出来ればいいんだから。」

 

私は手に真っ白な球体型のオーラを纏いそのまま虚空に振るう。すると、大気に思いっきりヒビが入り、少し遅れて地震が起こる。

 

アザゼル「な、なんだ!?」

サーゼクス「地震だって・・・!?」

聖「まだ調整不足か・・・。ま、少しずつ慣れるか。」

ヴァーリ「・・・今のは君がかい?」

聖「そのまんま復活する訳ないじゃん。それとも、勝負でもする?」

ヴァーリ「ハハハ!面白い!」

 

Vanishing Dragon

Balance Breaker!!

 

ヴァーリ君は突っ込んで来るけど、私はギリギリまで引き付けて、武装色で硬めた蹴りをカウンターとして鳩尾に当てる。・・・うん、体のだるさが一切ない。あ、鎧が一瞬で砕けた。

 

ヴァーリ「カハッ!」

聖「どう?また、私を目標に出来そう?」

ヴァーリ「ああ・・・!!以前の強さを取り戻しているとはね・・・!!」

 

うわぁ・・・。めっちゃニコニコじゃん、引くわぁ・・・。さて、ヴァーリ君でもう少し能力に慣れるとするかぁ・・・。

 

 

 

レイヴェルside

 

レイヴェル「さあ、避難所はあちらですわ!」

「あ、ありがとうございます!」

 

冥府から出て1時間。私は首都ルシファードでグレモリー眷属と共に一般人を避難させていた。冥府から戻ってきた時には街は破壊され、あらゆる建物が崩壊していた。

 

それに、首都の方へ巨大生物が向かっているという報告も受けている。

 

リアス「レイヴェル!こちらは終わったわ!」

レイヴェル「こちらもですわ!」

 

私がグレモリー眷属にロスヴァイセ先生とギャスパー君が居るのに気付いた。良かった、間に合ったのですね・・・!しかし、パラドは・・・?彼女はどこに・・・。そんな時、リアス様の耳元に魔法陣が展開される。

 

リアス「な!?分かったわ!すぐに向かうわ!!みんな、ソーナ達の元へ今すぐ向かうわよ!」

木場「何があったんです?」

リアス「ソーナ達の護衛していたバスが英雄派に襲われたらしいの!」

 

な!?英雄を名乗っておきながらどこまでも・・・!!少し離れたところで黒炎が見えた為、あそこなのでしょう。私達は急いで向かうとソーナ様達がバスを守る様に立っているものの、シトリー眷属、特に匙さんは大怪我を負っていた。そして目の前には英雄派と思わしき人間達と死神がいる。何故・・・?

 

リアス「ソーナ!」

ソーナ「リ・・・アス・・・?」

曹操「化け物と言えど所詮はそんなもの。俺たち人間には勝てないのさ。」

仁村「ふざけないで!!あんた達が子供達の乗るバスを襲ったからでしょ!?そのせいで元士郎先輩は・・・!!」

 

な!?そ、そんな事を・・・!!

 

リアス「・・・ソーナ。私達があとを引き継ぐわ。アーシア、ソーナ達の回復を。」

アーシア「は、はい!」

 

私とイッセーさんはベルトを装着して変身しようとするも邪魔が入る。

 

プルート『ご機嫌よう。蝙蝠共。』

タナトス『随分と面白い事になっているようだな。』

レイヴェル「プルート!それに、タナトス!!」

イッセー「てめぇら!!なんでここにいるんだよ!!」

プルート『あの忌々しい小娘のせいで追放されたからな。』

タナトス『その腹いせに冥界を潰そうと英雄派と手を組んだのだ。』

レイヴェル「・・・どこまでも本当に中途半端ですわね。」

曹操「なんだと?」

レイヴェル「中途半端と言ったのですわ。あなた方が我々異形を倒して英雄になる。そう聞きましたが、実際は異形の力を借りなければ何も出来ない子供ですわ。」

ゲオルク「っ!お前もあの女のように俺たちを・・・!!」

ジークフリート「いいだろう!!お前もあの女のように苦しみながら死ね!」

 

全員が構える中、1人だけ違う反応を見せる。それはギャスパー君だった。彼はまさか・・・

 

ギャスパー「ひ、聖先輩が死んだ・・・?う、嘘ですよね・・・!?」

リアス「ギャ、ギャスパー。聖さんは・・・」

曹操「ああ!死んださ!俺たちが殺した!!あの化け物は面白い程に苦しんでいたよ!」

 

ああ、そうか・・・。こいつらは知らなかったのですわね。それに、皆さんにも伝え忘れていましたわね・・・。私も人のことを言えませんわ・・・。そんな事を思っているとギャスパー君が突然狂ったように笑い出す。そして、ギャスパー君らしくない声でこう言い放った。

 

死ね

 

その瞬間、辺りに闇に包まれ、死神や英雄派の構成員達が闇から生まれた獣に喰われ始める。こ、これは・・・!?そ、それに、先程ギャスパー君から発せられた不気味な声は一体・・・!?

 

他のみんなも驚いている様で声が出ないようにも見える。英雄派の幹部やタナトスとプルートは逃げ延びたみたいですが、それ以外は全滅・・・。ギャスパー君も力を使い果たしたのか気を失ってしまう。ですが、これで集中出来ますわ!

 

そう思った矢先、聖に捕らえられたはずの大男が現れる。まさか、グリゴリから抜け出して・・・!!直後、男の体から大量のミサイルが現れバスの方へ!

 

レイヴェル「全員、防御魔法陣を!!」

 

私の声に反応して、リアス様達が防御魔法陣を展開する。私はと言うと腕を炎に変化させ、思いっきり踏み込み放つ。聖がサイラオーグ様との戦闘の際、腕を伸ばしていたのを見て思いついた、フェニックス家に生まれた者のみが使える技。

 

その名も━━━

 

火拳!!

 

握り拳の形をした炎がミサイルを捕らえ、全て爆発する。くっ・・・まだ、制御が完璧では無いですわね・・・!!

 

ヘラクレス「チィっ!!クソ悪魔が!!」

小猫「・・・凄い。私も負けない・・・!!」

朱乃「あらあら・・・私も負けられませんわね。」

ヘラクレス「なら、これならどうだ!!」

 

大男と魔剣を持つ青年は注射器のようなものを取り出す。あれは・・・?

 

ヘラクレス、ジークフリート「魔人化(カオス・ブレイク)!!」

 

自身の首元に刺した瞬間、血管が浮かび上がったと思ったら身体がどんどん変態していく。青年の方は大蜘蛛の様な姿になり、大男の方は全身にミサイルを纏い丸みを帯びる。子供達も恐怖からか泣いてしまっていますわね・・・。

 

曹操「これこそが俺たちの秘密兵器!異形を研究して作り上げた最高傑作だ!!」

リアス「本当、人間って悪魔より強欲だわ・・・。でも確かにレイヴェルの言う通り中途半端ね。」

パラド「それがこいつらだろうよ。」

 

声のした方を見ると、シスター服がボロボロになり、片手に何かが入った籠を持ったパラドが歩いてくる。

 

プルート『っ!忌々しい顔がお見えになるとは・・・!!』

タナトス『仕方あるまい。あの女の代わりに貴様の魂を刈りとるとしよう・・・!!』

 

パラドは二柱の言葉を無視して子供達の元へ歩いていく。

 

パラド「おい、ガキ共。これでも食ってな。怖いやつらは姉ちゃん達が倒してやるから心配すんな。」

 

パラドはそう言って子供達にお菓子を配る。まさか、この為に集めたと言いますの・・・?・・・ふふ、パラドったら、やっぱり優しいですわね。

 

プルート『っ!!無視をするなァ!!』

 

プルートが斬撃を!私達は防御魔法陣を展開しようとするも間に合わず、子供達に当たりそうになった所をパラドが弾く。子供達には風圧すら当たらなかった。

 

パラド「屑神が。てめぇらの相手は私がしてやるよ。」

タナトス『貴様ごときに私達を屠れると?』

パラド「ああ。()()なら余裕だ。」

プルート『私達・・・?』

ヘラクレス《死に晒せェ!!》

 

っ!しまっ!私達が大男の方を見た瞬間に、白い巫女服が金棒で大男の顔面を殴り付けていた。当然、赤黒い稲妻を纏って。

 

雷鳴八卦!!

 

大男は吹き飛び、全員が目を見開いている中、「カランッカラン」という下駄の音と共に着地する。顔には般若の仮面を被っているものの誰だか一瞬で分かってしまう。全く・・・。遅刻もいい所ですわ・・・。

 

パラド「遅かったじゃねえか。」

レイヴェル「全くですわ。何か言い訳でもあるなら今で聞きますが?聖。」

聖「ちょっと、デートの誘いが多くてね〜。」

 

仮面を外せばやはり聖の顔が現れる。本当、良い登場の仕方ですわね・・・。こうして、私達全員が揃った瞬間ですわ。



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124話

聖side

 

いやぁ〜。間に合った、間に合った。私は冥府から瞬間移動で冥界に来たはいいものの、街は半壊状態。たまたま黒炎がチラッと見えたから間に合ったものの、見えなかったらヤバかったな・・・。

 

曹操「な、なんで・・・!なんでお前が生きているんだ・・・!!」

聖「そりゃあ、私が計画したものだもん。生きてて当然でしょ?」

プルート『計画だと!?どういう事だ!!』

聖「はあ〜・・・。これだから馬鹿は・・・。そもそも、ハーデス様にサマエルを解き放つ事を進言したのは私だし、あの『神器抜き取り機』を作ったのも私。ま、英雄派があまりにも馬鹿過ぎて計画をかなり組み直したけど。」

タナトス『その計画はなんなのかと聞いているのだ!!』

 

はあ・・・。ここまで言っても分からないなんて・・・。低脳すぎっしょ・・・。そう思っていたところにレイヴェルが続きを話してくれた。

 

レイヴェル「聖の計画とは、人間からバグスターへ生まれ変わる事ですわ。神器を抜かせたのは、英雄派に「自分達の手で殺せた」という想いを作らせる為、サマエルを召喚したのはバグスターとして復活する為の苗床にする為。もっと簡単に言えば、手の込み過ぎた自殺ですわ。」

 

これまた皆がビックリ仰天。ま、こんなに手の込んだ自殺なんて普通は気付かないよなぁ・・・。つまり気付いたレイヴェルはヤバい。

 

バチィン!!

 

聖「痛った〜い!!え、なんで叩いたの!?」

レイヴェル「私に対するイメージが酷かったのでつい・・・」

 

え、なんで心読んだん!?いやまあ、それは置いといて・・・

 

聖「ま、私の自由な生活もこれで終わりだから最後の仕事はしなくちゃね。と、言う訳ではぐれ死神(グリム・リッパー)のタナトス、プルート及び英雄派を潰す。」

イッセー「・・・言いたいことはいっぱいあるけど、一旦抑える。」

リアス「ええ、そうね・・・。さあ、私の可愛い下僕たち!行くわよ!!」

「「「「「「「はい!部長!」」」」」」」

聖「パラドは子供達を守って。」

パラド「ああ。それと、聖。レイヴェルは覇王色の素質があるぞ。」

聖「・・・そう。報告ありがと。」

 

パラドは仮面ライダーパラドクスに変身し、『ガシャコン・パラブレイガン』を装備する。あ、そうだ。

 

聖「レイヴェル。これあげる。」

レイヴェル「っ!プロトガシャット!?な、何故!」

聖「そもそもレーザーターボは、プロトガシャットを使うこと前提に作ったの。レーザーターボでプロトガシャットを使えば、通常よりも倍の力を出せる。もちろん、魔力は消費するけど寿命までは行かないよ。あ、ちなみに、レーザーターボ以外だと死ぬからね。特に兄さん。」

イッセー「っ!わ、わかってるよ!」

 

絶対嘘だな。さ〜てと〜。いっちょやるかぁ〜。そんな事を考えながら金棒を担ぐとヴァーリ君がやってくる。

 

ヴァーリ「やっと追いついたよ。」

イッセー「ヴァーリ!」

ヴァーリ「やあ、兵藤一誠。兵藤聖、プルートは俺が貰おう。」

聖「どうぞ〜。」

黒歌「なら、私達はタナトスを貰うにゃん。」

 

後ろを振り向くと暴れたりないと言った様子のヴァーリチームがいた。てか、黒歌のおっぱいやべぇな!?めっちゃ、揉みしだきたい!!

 

聖「仕方ないなぁ〜。そこのお姉さんに免じて譲ってやろう!」

美猴「カッカッカ!ありがとな、姉ちゃん!」

アーサー「伝説の死神・・・。ワクワクしますね。」

 

うん、めっちゃ殺る気じゃん。漲ってんじゃん。なんなら、限界突破してんじゃん。近寄らないでおこ〜っと。

 

さて・・・なら、私は・・・

 

聖「リアス先輩。私は霧を潰すんで他をお願いしてもいいですか?」

リアス「ええ。任せなさい。祐斗とゼノヴィアは魔剣を、私と朱乃、ロスヴァイセはミサイルを、イッセーと小猫は聖槍を。レイヴェルはパラドと共に非戦闘員の護衛を。」

「「「「「「「了解!」」」」」」」

 

んじゃ、私も頑張るかぁ・・・。ちなみに私の能力は『グラグラ』、『ゴムゴム』、『バラバラ』『ヤミヤミ』『ウオウオ青龍』、『ソルソル』、『トリトリ不死鳥』『ヒエヒエ』を新たに追加した超チートバグスター!とは言っても、まだまだ詰めが甘いから完璧には使いこなせていないけど。

 

ヴァーリ「兵藤一誠!君は歴代を説き伏せたようだが俺は違う。俺は白龍皇としての力を極め、その先に向かう!今此処に、俺だけの『覇龍』を見せてやろう!」

 

『我目覚めるは律の絶対を闇に堕とす白龍皇なり。』

《極めるは天龍の高み!》

《往くは、白龍の最果てなり!》

《我ら無限を制して夢幻を喰らう。》

 

宝玉からあらゆる声が聞こえるのと同時にヴァーリ君のオーラがどんどん高まっていく。覇龍(ジャガーノート・ドライブ)の時の様に負のオーラでは無く、圧倒的なまでの闘争のオーラが。

 

『無限の破滅と黎明の夢を穿ちて覇道を往く。』

『我、無垢なる龍の皇帝となりて』

 

《『汝を白銀の幻想と魔道の極地へと誘おう!!』》

 

Juggernaut Over Drive!!!!

 

前に見たヴァーリ君の覇龍(ジャガーノート・ドライブ)は小型のドラゴンっぽかったけど、今は少しだけ有機的になっている。

 

てか、オーラがヤバいな。多分、今までは暴走を抑えるためにオーラを押さえ付けていたけど、危険性が無くなった今はその全てを戦闘力に振っているのか・・・。あれ?兄さん、勝てなくね?

 

プルート『ファファファ!蜥蜴程度恐れるに足らん!』

 

プルートはヴァーリ君にオーラの籠った鎌を振るうけど裏拳一発で破壊され、逆に腹に一発貰う。

 

プルート『ウグッ!』

ヴァーリ『《圧縮しろ。》』

 

Compression Divider!!!!

Divid Divid Divid Divid Divid!! !!

 

プルートは縦に横にと繰り返し小さくなっていき、最終的には豆粒の大きさで断末魔をあげることなく潰されてしまう。

 

タナトスはと言うと、黒歌は魔力と仙術魔法で、ルフェイは魔法で、美猴に仙術の拘束で雁字搦めにされ、アーサーとフェンリルに呆気なくやられる。可哀想に。アーメン。

 

曹操「っ!何故だ!!何故、俺たちの邪魔をする!!」

聖「は?んなもん、嫌いだから以外に理由はある?」

「「「「「『『『うわぁ・・・』』』」」」」」

 

え、なんで、そんなに引かれてんの?怖いんだけど。

 

曹操「っ!!巫山戯るなぁ!!俺たちは人間を救おうと「誰がそんな事を頼んだわけ?」っ!」

 

聖「確かに異形はヤバい奴ばっかだよ。悪魔は気に入った奴を勝手に眷属にするやつもいるし、堕天使は神器を持っているからという理由だけで、発現するかも分からない人間を殺したり拉致したりするし、教会は聖書の神以外は全て潰せみたいなスタンスだよ。でも人間は動かない。何故だと思う?」

 

ジークフリート「そ、それは力が無いからだ!」

 

聖「はい、0点。それどころか論外。答えは『自分には関係ないから』だよ。様々な意見や主張はあると思うけど、人間っていうのは『己さえ良ければどうでもいい』んだよ。」

 

私は武装色を両腕に纏わせる。実際、前世ではそうだった。「巻き込まれたくないから。」「自分は関係ないから。」私は散々周りに助けを求めたけど誰も助けてはくれなかった。そこで人間を知った。多分、神様転生が無くても私は自殺してただろうしね。

 

聖「正直言うけど、あんたらが今してる事は誰にも認知される事は無い。単なる無駄な行為だよ。」

ゲオルク「黙れぇぇぇ!!!!」

 

ゲオルクは私の周りに100を超える、あらゆる魔法陣を展開する。でも、その全ての術式が雑。今の私ならグラグラだけで全てをぶち壊せるな。

 

聖「ギア・セカンド」

 

私の体は赤くなり魔法陣をぶち壊して上に上がる。こいつらでは消えた様にも見えるだろう。

 

・・・正直、こいつらの気持ちが分からない訳でもない。もし出会い方が違えば、私もあっち側だっただろう。でも、それはifの話。

 

腕をの限界まで伸ばし、手が食い込む程に力を入れる。私は自分で死を選ぶ敗北者。そんな私をレイヴェルは受け入れ優しく包んでくれた。なら、私の戦う理由は1つ。

 

聖「私は!!愛する者の為に戦う!!」

 

その瞬間、私の手は燃え上がるも熱さを感じず、それどころか暖かささえ感じる。

 

聖「ゴムゴムのォ!!火拳銃(レッド・ホーク)!!!!」

 

私は伸ばした業火のパンチをゲオルクの腹に思いっきりぶち込み、受けたゲオルクはと言うと地面にめり込みそのまま気を失う。



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125話

私が新技を決め、地面にかっこよく着地する。ちなみに何故、内蔵や骨を残したかと言うと、ギアセカンドやギアサード、ギアフォースが使えないと思ったからだ。

 

まあ、せっかく強化出来るんなら使ってかなきゃね!

 

私はすぐさまレイヴェル達の元まで下がり防衛に加わる。一番厄介な霧使いは潰した。後は兄さん達だけで勝たなきゃ。だって、兄さん達は私と違ってヒーローなんだから。

 

イッセー『曹操!!』

曹操「化け物共がァ!!」

 

曹操は禁手(バランス・ブレイク)せず聖槍のままに兄さん達に挑む。と言うより、この世界の曹操は原作よりも弱く、人間としての誇りを持ちすぎている。だからこそ、自身の中に眠る神器(セイクリッド・ギア)の進化を拒んだのだろう。

 

・・・まあ、そのくせして死神に助けを求める辺り、その中途半端さが如実に現れてるけど。

 

でも、原作通りなら勝てなかっただろうなぁ・・・。あ、ジークフリートの魔剣が全て木場君に味方した。ジークフリートは終わりだな。それにヘラクレス(仮)も遠距離組にボコられてるし。

 

てか、マジでここは原作通りじゃ無かったことに感謝したい。正直、今の兄さん達なら確実に誰か死ぬし。

 

そして残るは曹操だけど、兄さんやサイラオーグさんと同じ突貫タイプなのか、神滅具(ロンギヌス)の力を使わずに仕掛けているけど結果は惨敗。

 

しかし、突然咆哮が聞こえそこを見ると一つ目の超巨大生物がいた。いや、デカくね?何メートル位あんの?五十メートル級か?あ、グレイフィアさんやルシファー眷属が来た。恐らく止められなかったんだろう。つか、グレイフィアさんのスーツ姿はエロい!!

 

そんなどうでもいい事を考えていると、超巨大生物の一つ目が私をギラりと睨んだ。あ、今のイラッとしたわ。

 

曹操「やれ!!化け物共を殺せ!!」

聖「なに、ガン付けてんのよ。」

 

私は曹操が喚いているのを無視して覇王色を完全に解放する。これでも、人間の時は中位の神クラスはあった。故に、覇気も0世代並だと自負している。いや、あの化け物海賊達がどれだけの覇気を纏っていたか知らないけど。

 

超巨大生物は私の覇気を受けて、1つしかない目を白目に後ろへ思いっきり倒れる。これには、シトリー眷属どころか魔王眷属も驚きのあまり目を見開く。

 

曹操「そ、そんな・・・!!」

聖「どれだけ強かろうと所詮は知能のある生物。曹操、教えてあげる。どれだけ強い武器を持とうが、どれだけ知力を活かそうが、最後に役立つのは己の強い意志よ。」

 

私はあらゆる禁術とグリゴリに所属していた時にパクった魔法陣を展開し、曹操とゲオルクの神滅具(ロンギヌス)を抜きとる。しかし、2人は生きている。

 

それは何故かと言うと、オリジナルの私が死ぬ直前にあらゆる禁術を用いれば、相手を殺さずとも神器(セイクリッド・ギア)を抜きとる方法を確立したからだ。

 

うん、流石は私のオリジナル!やっぱ天才!!

 

聖「ふっふふ〜♪上位神滅具(ロンギヌス)ゲット〜♪」

曹操「そ、そんな・・・!」

ゲオルク「か、返せ・・・!!」

聖「嫌に決まってるじゃん。ん?」

 

私が機嫌良くなっていると、ぞろぞろと悪魔の皆様に囲まれる。奥の方からはおじさんとサーゼクス様も現れる。時間切れか。

 

イッセー「サーゼクス様に先生!」

アザゼル「・・・よお。聖、分かってるな?」

聖「当然。お好きなようにどうぞ。」

 

私は聖槍と霧を四次元ポケットに収納して、降参と言うかのように両手を上げる。一人の悪魔が怯えながらも、私に手錠代わりの捕縛魔法をかけるがそこでリアス先輩達から待ったが入る。

 

リアス「お兄様!彼女は冥界を救ってくれたのですよ!?」

イッセー「そ、そうです!それに、こいつは何も!」

サーゼクス「・・・いや。彼女は間接的に英雄派へ手を貸していたのだよ。サマエルを解放させたのは彼女でもあるんだ。」

聖「そゆこと。あ、レイヴェル。私の金棒、預かっといて。」

 

私は腰に下げていた金棒を足で取り外して、レイヴェルの目の前に投げる。レイヴェルは金棒を魔法陣で収納して私の目の前まで来る。

 

レイヴェル「・・・聖。お説教は帰ってきてからですわ。」

聖「分かったよ。」

 

私はレイヴェルのおでこにキスをして悪魔に従う。こうして、冥界での英雄派襲撃事件は幕を閉じた。



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126話

イッセーside

 

イッセー「そ、総督を更迭された!?」

アザゼル「うるせぇな・・・。そりゃあ、全勢力を騙した責任は取らにゃいかんだろ。今はこの地域の監督だ。」

小猫「・・・総督から監督。」

アザゼル「ま、元々やるつもりだったさ。さて、報告する事は幾つかある。まずは英雄派についてだが、奴らの身柄は全員取り押さえた。今頃、各勢力から洗いざらい吐かされている頃だろう。」

リアス「英雄派は瓦解したって訳ね。」

アザゼル「ああ。だが、禍の団(カオス・ブリゲード)が完全に崩壊した訳じゃない。まだ、幾つかの派閥は残ってるだろうからな。さて、次だが、これは試験の結果だ。魔王サーゼクスに代わって俺が結果を発表してやろう。まずは木場、合格だ。おめでとう。」

木場「ありがとうございます。」

アザゼル「次に朱乃だが、余裕の合格だな。おめでとう。」

アザゼル「さて、最後にイッセーだが・・・」

 

え、なに、その言い方!?怖いんだけど!?も、もしかして落ちた!?

 

先生は真剣な顔からイタズラが成功した様な表情になる。

 

アザゼル「合格だ。中級悪魔昇進おめでとう。」

イッセー「や、やったぁぁぁぁ!!」

アーシア「おめでとうございます、イッセーさん!」

小猫「先輩、おめでとうございます。」

ゼノヴィア「おめでとう、イッセー。」

朱乃「あらあら、うふふ。みんなで合格出来るなんて嬉しいですわ。」

木場「本当ですね。」

リアス「流石、私の可愛い眷属達ね。朱乃、祐斗、イッセー。昇進、本当におめでとう。」

レイヴェル「皆様、本当におめでとうございますわ。」

 

よ、良かった!でも、本当にみんなのおかげだ!てか、あの地獄が無かったら・・・。

 

イッセー「あ、あの、先生・・・。聖って・・・」

 

その瞬間、みんなの表情が暗くなるが、唯一アザゼル先生は少し困った顔をしていた。も、もしかして、かなり伝え辛い事なんじゃ・・・

 

アザゼル「・・・まあ、それについては順を追って話す。まずはハーデスだが、条件付きではあるが半永久的に封印が決まった。後釜は最上級死神のオルクスだ。」

イッセー「あの・・・。条件付きっていうのは・・・?」

アザゼル「あの骸骨ジジイは、今回の事件以外にもその他の余罪は大量にあったんだが、長年冥府の主神を勤めていたんだ。あの野郎にしか出来ない仕事もあるのさ。」

 

そ、そうなのか・・・。でも、オルクスって死神はどんな奴なんだろうな・・・。も、もしかして、急に冥界を襲ってきたりなんてないよな・・・?みんなも同じ事を思っていたのか、少し苦い顔をするがアザゼル先生はその空気を感じ取ってか訂正する。

 

アザゼル「なに、冥府も一枚岩じゃない。オルクスは穏健派の筆頭だと聞くし、実際他神話との和平も乗り気だ。ま、今のところはだけどな。さて、本題の聖なんだが・・・」

 

アザゼル先生が次の言葉を発せようとした瞬間、部室の扉が勢いよく開く。

 

聖「たっだいま〜!超絶美少女の私が帰ってきたよ〜!!」

「「「「「「「は?」」」」」」」

 

流石の俺も固まってしまった。だって、悪魔の人達に連れて行かれた本人が居るんだぜ?そんなん、固まるに決まってる!それに、昔の海賊が被ってそうな紫色の帽子を被ってるし!

 

聖「・・・あれ?す、すみません。入る部屋間違えました・・・」

「「「「「「「待て待て待て待て!!」」」」」」」

聖「あれ?間違ってないじゃん。良かったぁ〜。」

レイヴェル「な、ななな何故聖が!?」

アザゼル「・・・実はな。首脳会談で、本来なら永久封印するなんて案も出たんだが、こいつの功績が異常過ぎてそうもいかなくなってよ・・・。あらゆるテロの鎮圧に一般公開はされていないが冥界の医療貢献。それに、神器の安全な抜き取り等と、異常なまでの功績があったんだ。今後のテロ妨害活動で役に立つという事で、全勢力の神クラスを収容する刑務所への1ヶ月服役になったんだが・・・」

聖「ま、私が入った初日に大脱走計画があってそれを潰したから出られたって訳。」

 

いや、訳わかんねえよ!!で、でも、正直聖が帰ってきてくれて良かった!!俺と小猫ちゃん達が『大人の階段』を昇った日からアーシア達が突撃するようになったしな!そんな訳で、オカルト研究部はまた全員が揃った。

 

最後にアザゼル先生から、英雄派に居た子供がパラド預かりになったって言うのはめちゃくちゃビビったけどな!



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番外編
最初で最後の刑務所勤務


新人刑務官side

 

私は今日配属された刑務官。それも、収容されている囚人は弱くて最上級悪魔、強くても中位の神クラスというかなりレベルの高い刑務所。

 

この刑務所にはらあらゆるエリート刑務官が集まる。それも、そのほとんどが魔王クラスの者ばかりだ。当然、能力による物もあるが、私は後者の『能力による才能』であらゆる困難極まる試験を突破してこの刑務所に配属された悪魔だ。

 

この刑務所は和平締結前から、才能のある者を採用するという異様な刑務所でもある。しかし、それは囚人のレベルが高すぎる余り、上も余裕が無いという事。そんな、高レベルの刑務所に私は配属された。

 

そして、運が良いのか悪いのか、本日新たに囚人が収容されるという。しかし、先輩から聞いた話では1ヶ月程しか居ないらしい。なんの為の収容なのだろうか・・・?それも彼女の為だけに作られた檻だとか。

 

私は今日配属されたと言うこともあり、後学の為参加させてもらえる事となった。そして、私は囚人の姿を見た瞬間絶句した。

 

当然、急遽渡された資料にも目を通している。なんでも、元人間の『バグスター』という新種の種族らしいが、運び込まれた際のあまりにも厳重過ぎる結界。

 

年端も行かぬ少女が、あらゆる魔術が雁字搦めで拘束されていたのだ。驚かないはずも無い。現に先輩達も絶句している様子だった。

 

私は幾つかの刑務所で働いた事があるが、そのどこも共通のルールが存在した。囚人に話しかけられても決して答えを返してはいけないということ。

 

声を掛けてしまえば、小さくとも情が生まれるからだそうだ。少女の名前は『兵藤聖』と言うらしい。犯した罪は『極秘』と書かれたていたがここでは日常茶飯事なのだろう。先輩方は誰も気にしている様子はなかった。

 

この刑務所には1〜10までのレベルがあり、数字が下がっていく事に危険度が増していく。そして、この少女のレベルは10。相当の大罪を犯したのだろう。

 

部屋への移送の際、彼女は喋りはしなかったものの、ずっと私・・・というよりは私の胸に視線を注いでいた。確かに私の胸は大きい方ではあるが、女性・・・それも少女に見られるのは初めてであった為、困惑はしたもののなんとか反応しないように頑張った。

 

そして、少女を収容したのだが、恐ろしいまでに素直だった。これまでの囚人は何かしらの抵抗はしてきたのだが、彼女はまるで家に入るかのように入る。それが不気味で仕方なかった。私達が出た後、電子の檻が降りて重々しい扉が閉まる。

 

少女を収容した後は、数時間に渡りこの刑務所のルールを学んでいく。

 

まず一つは、絶対に囚人のいる部屋を開かないこと。檻の中に居るとはいえ、1階層でも腐っても最上級悪魔クラスの化け物が居るため、決して開けるなと言われた。

 

次に仕事内容だが、廊下の掃除と見回り、記録に食事の用意、配膳がある事を教えられた。他にも細かい仕事がある事を先輩から教えられ、1時間程した頃、なんの突拍子も無く脱走のブザーがけたたましく鳴る。

 

私と先輩が急いで急いでフロアに向かうと、囚人が全員、廊下に出ていたのだ。この刑務所が出来て数百年。脱走犯な一人も居なかったこの刑務所にだ。

 

先輩刑務官「新人!!連絡室に行って、至急助けを呼べ!!」

新人刑務官「で、ですが、先輩は!?」

先輩刑務官「早く行け!!俺が食い止めておく!!走れ!!」

 

私はその言葉を聞き後ろを振り返らずに、先輩のいる場所とは反対方向に走る。しかし、他のフロアも脱走者がいたのか、囚人がうようよといた。

 

私は恐怖を覚え、無我夢中で走った。今、この場所が何階層なのかも分からず無我夢中で走った。

 

そして、開いていた檻の中へ入り、少しだけ扉を開けて一息着く。

 

まずい・・・。ここが何階層なのか分からない・・・。それに、もしかすれば通信室を通り越してしまったのかもしれない。

 

聖「ねえ、お姉さん。人の部屋に入る時はノック位するものだよ?」

 

私は背筋が凍った。あらゆる部屋が開いていたにも関わらず、まだ囚人が居たのだ。私はすぐさま後ろを振り付き、魔法で拘束しようとしたが、その囚人は私より早く動き口を抑えられる。こ、殺される・・・!!

 

聖「しー。静かに。何かしらの緊急事態なんでしょ?もしそうなら頷いて。違うのなら、首を振って。」

 

正直、私は言う通りにするしか無かった。ここで機嫌を損ねれば殺されると思ったからだ。優しい声の持ちの主の顔も見ずに、私は私は頷くしか無かった。

 

聖「そっか・・・。嫌な日に当たっちゃったね。でも、大丈夫。私がいるから。」

 

そう言って、女性は私を優しく抱き締めて頭を撫でてくれた。振りほどこうにも恐怖で振りほどけず、私はされるがままとなる。

 

撫でるのに満足したのか私を離して、私自身も恐る恐る目を開くと、今日収容された少女だった。悪魔である私が言うのも変だが、まるで聖女の様な微笑みを浮かべていた。

 

聖「さ、こっちのベットに座って、とりあえず深呼吸して。ほら。」

 

私はまだ恐怖で固まったままであったが、やはりされるがまま。ベットに移動し、座らさられ深呼吸するも、更なる恐怖が襲ってくる。なんせ、私の目の前にはレベル10の犯罪者が居るのだから。

 

新人刑務官「あっ・・・あっ・・・」

聖「・・・そっか。そういや、私は犯罪者だったね。」

 

少女は狭い牢獄ではあるものの、出来るだけ私から距離を取る。多分、彼女なりの優しさなのかもしれないが、もしかすれば油断させる為の罠かもしれない。

 

そう思った瞬間、牢屋のドアが破壊されたと思ったら大柄の男が入ってきた。あの顔は見た事がある・・・!!SSS級のはぐれ悪魔、カラサヌーワ!

 

自身の王や仲間を食い、討伐隊も食ったと言われる化け物・・・! それに、その後ろにいるのもSSS級のはぐれ悪魔・・・!!

 

カラサヌーワ『ほう。まさか、女が2人いるとはな。丁度いい、かなり溜まっていたところだ。』

新人刑務官「あっ・・・あっ・・・」

 

私は情けなくも恐怖から失禁してしまった。もう、この場で私は死ぬ・・・。そう確信したからだ。

 

しかし、囚人である少女ははぐれ悪魔の前に立ちはだかる。まるで、私を守るかの様に。

 

聖「・・・あのさ。ここ、今は私の部屋なんだけど?女の子の部屋にノックもしないなんて、どんな環境で育ったわけ?」

カラサヌーワ『なに、女は所詮、俺たち男の性処理道具だ。礼儀なんていらんだっ!?』

 

その瞬間、少女がカラサヌーワを殴り飛ばした。い、今、腕が黒くなったような・・・?

 

そして、私は気付いてしまう。これでも私は悪魔であると同時に魔法使いでもある。先程まで感じた、雁字搦めの魔法が一切感知出来ないのだ。

 

聖「この、ゴミ共が。ここがどの神話領域かは知らないけどあなた達に見せてあげる。冥界では見られない本当の地獄を。」

 

少女の手に真っ黒な球体が出来たと思ったら、カラサヌーワを含むSSS級はぐれ悪魔が闇に飲まれた。

 

少女は真顔で私に近付いて来る。しかし、私の体は動かず、それどころか声すら出ない。

 

聖「刑務官のお姉さん。別に私を信用しろとは言わないよ。でも、生き延びたいなら私に付いてきて。」

 

それだけ言って、少女も抜け出してしまった。

 

私は刑務官でありながらも大罪を犯してしまった。なんせ、恐怖からその少女について行ってしまったのだから。



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最初で最後の刑務所勤務②

聖「刑務官のお姉さんは今日が初出勤?」

新人刑務官「え、ええ・・・」

聖「そりゃ、災難だったね〜。んじゃ、まずは連絡からしとこうか。通信施設はどこにあるか知ってる?」

新人刑務官「い、いえ・・・」

聖「ま、そりゃそっか。」

 

彼女と共に移動して、体感数時間は経過しているものの、時間はまだ5分しか経ってない。その間に、先輩達が事切れて倒れているのを何十人も見てきた。それに、囚人達も襲ってくる。

 

それだと言うのに、少女はとても冷静に囚人達を圧倒して行く。囚人達は闇に飲まれ、蒼炎で燃え、完全に凍らされる。時に少女が囚人を捕まえると囚人達が少しもがき苦しんだと思ったらそのまま事切れる場面もあった。この少女は本当になんなの・・・?

 

思い返しながら歩いていると、突然少女に抱き抱えられる。

 

新人刑務官「な、なにをして!」

ロキ「チッ・・・外したか。」

聖「あんたもここに居たんだ。ロキ。」

 

あ、あれは、北欧の悪神ロキ!ま、まさか、彼も脱走を!?

 

ロキ「貴様のせいで、我が宿願のラグナロクは消え去った!!これより、神の鉄槌を下す!!」

聖「ったく・・・。過ぎたことをピーピー言うなんて、神ってのはみみっちいね。いいよ、受けてあげる。とっとと来な。」

新人刑務官「な、何を言っているのよ!逃げるわよ!あれはケタが違うわ!!」

聖「大丈夫、大丈夫。アイツ、ザコだから。」

 

悪魔ロキが手に魔法陣を展開した瞬間、彼女は私をお姫様抱っこしながら後退する。私達がさっきまで居たところに巨大なクレーターが出来ているため攻撃されたのは分かるが何も感じなかったし見えなかった!そ、それなのに、この少女は・・・!

 

聖「やっぱ、抱えながらはキツいか・・・。お姉さん、ちょっと我慢してね。」

新人刑務官「ふぇ?」

 

私は突然の浮遊感を感じる。さっきまで遠かったはずの天井が一気に近付く。そこで私は悟った。真上に投げられたのだと。

 

なんとなく少女の方を見ると、自身の体に手を突っ込んでいるのだ。

 

聖「ソルソル大転生!!」

ロキ「させぬ!!」

 

悪神ロキは極大とも言える炎を放つ。あぁ・・・こんな所で・・・。しかし、ふと見えた少女の顔は笑っていた。

 

聖「特別に!!私の(ソウル)をあげる!!さあ、喰いな!!」

 

手のひらにある白い何かを投げた途端、炎が神々しい光を放つ。しかし、悪魔には毒のはずなのに全く痛みを感じない・・・

 

???『うま〜い!!』

 

炎は表現するかのように自由に動き回る。な、なにそれ・・・!!

 

聖「初めまして!あんたの母は私だよ!あんたの名前はプロメテウスね!」

プロメテウス『はい、ママ!』

ロキ「ど、どうなっているのだ!」

聖「プロメテウス!今落ちかけているお姉さんを護衛して!!」

プロメテウス『は〜い!!』

 

私は燃え盛る神々しい炎の背中に乗せられるも全く熱さを感じない。これって・・・

 

聖「さあ、ロキ。破壊を受け入れな。」

 

彼女の手が白い球体に覆われ、一瞬動きの止まった悪神ロキの腹にぶち込んだ!?

 

バリバリバリバリ!!

 

次の瞬間、ロキ神の体にヒビが入る。いや、違う!あれは、大気事ロキ神を割っている!?

 

ロキ「ゴハッ!!」

 

ロキ神は血反吐を撒き散らしながら壁に叩きつけられる。た、大気を割るなんて・・・!!幾つもの禁術を使わなきゃ無理・・・いえ、割れたとしてもすぐに寿命が無くなって死ぬのにあの少女はそれを・・・!!

 

聖「名付けて、『グラグラ・大抜歯』ってとこかな。」

 

だ、ダメだ・・・。あ、あの少女を誰も止められない・・・。あの少女を止めるにはあらゆる禁術を使った封印を施さなければ・・・!!

 

聖「プロメテウス。そのままお姉さんを運んでね。」

プロメテウス『分かったよ、ママ!』

 

そして、私達は更に上へと進む。途中、少女は囚人の着ていたコートを奪い取って羽織り、パーティ用に置かれていた海賊帽とサーベルを組み合わせ、先程の様に手に白い何かを与えると、それも命を吹き込まれたように動き回り、少女の頭に収まる。

 

そこからも少女の蹂躙は止まらなかった。襲ってくる敵を凍らし、燃やし、割り、斬る。そして、とうとう通信設備のある部屋まで来れた。これで・・・!!

 

新人刑務官「私が通信するのでじっとしていて下さい!」

聖「はいは〜い。」

 

少女はそこら辺にあったパイプ椅子に座って寛ぎ始める。本当に囚人の自覚があるのかしら・・・?

 

新人刑務官「本部、こちら全勢力間刑務所!至急、増援をお願いします!」

《何かあったのか?》

新人刑務官「収容していた囚人全員が脱走!レベル10も含めて全員です!」

《おいおい、今日はハロウィンじゃねえぞ?嘘をつくならもっとマシな嘘をつけ。》

 

そ、そんな・・・!う、嘘じゃ・・・!!

 

聖「あーあー、もしもーし。」

《あ?誰だ、お前は。》

聖「私、本日よりレベル10に収監となりました、兵藤聖って言いま〜す。」

《な!?へ、下手な嘘をついてんじゃねえ!!》

聖「ま、嘘と思うならそれでどうぞ。その代わり、あんたらが今まで必死こいて捕まえた囚人が世に飛び出すのも時間の問題かもね。それじゃ。」

《おい!どうい━━━》

 

そこで通信は切れてしまった。いや、彼女が通信装置を壊したのだ。

 

聖「お姉さんはここで待ってて。掃除してくるから。」

新人刑務官「ちょ!ま、待ちなさい!!あなたも囚人なのよ!?」

聖「なら、2人でいつ来るか分からない恐怖に怯える?私はそれでもいいけど。」

新人刑務官「っ!わ、私も行くわ!あ、あなたの監視よ!」

聖「・・・お好きにどーぞ。」

 

それから、彼女は囚人を狩り始めた。まるで、最初からどこにいるか分かっているかのように。30分もしないうちにほとんどの囚人を狩り終えた。

 

当然、先輩方もみんな事切れていた。私と彼女は1箇所に亡くなった先輩方を集め、一人一人顔から布を掛ける。

 

囚人達は、少女が牢屋の中にぎゅうぎゅう詰めにして押し込んでいた。その光景に思わず胃の中の物を吐きそうになったがなんとか我慢した。いや、するしか無かった。

 

少女が全囚人を押し込め終わった後に、ようやく鎮圧部隊が来るが、この光景に絶句していた。

 

聖「よーやく来たわけだ。仕事が遅いね。んじゃ。」

新人刑務官「ま、待ちなさい!どこに行くの!」

聖「え?部屋だけど・・・。疲れたから寝るけど。」

新人刑務官「・・・分かったわ。私も最後の仕事としてあなたを収容する。」

 

私は少女を魔法で縛り彼女をレベル10まで送り届ける。鎮圧部隊はと言うと全く動けず、誰一人として着いてこなかった。

 

聖「助かったよ、お姉さん。正直、道を覚えてなかったし。」

新人刑務官「・・・いいえ。助かったのは私よ。本当ありがとう。あなたがいなければ、私は今頃死んでいたわ。私に出来ることならなんでも言って。」

 

私は囚人である彼女に頭を下げる。本来ならするはずの無い行為。それでも、ここで感謝を伝えないというのは無礼にも程がある。

 

聖「頭を上げてよ。そうだなぁ・・・。じゃあ、私が出所するまで一緒にご飯食べてよ。それと、毎日お風呂も入りたいかな。無理ならいいけど。」

新人刑務官「断れるわけないわ。分かった、その願いを受理するわね。」

 

私は彼女が部屋に入ったのを見届け、牢屋の扉を閉める。それから、1時間程で彼女の出所日が1ヶ月から1週間に短くなったという報告を聞き、それに合わせて新たに囚人と刑務官が配属されるようだ。

 

でも、私は彼女と共にここを出る。あの地獄を経験したのだから戻れるはずもない。本当に彼女には感謝しかない。

 

そして、出所日、私と彼女は刑務所を共に出た。刑務所の外にはリムジンが停まっていた。

 

聖「お姉さん、1週間お世話になりました。」

新人刑務官「構わないわよ。私もあなたも初日で大変な事を経験しちゃったわね。」

聖「ですね。・・・では、また会いましょう。」

新人刑務官「ええ。数百年後でも。」

 

私と彼女はそこで別れた。さて、次の仕事を探さなきゃ。今度は教師でもやってみようかな。

 

こうして、私の新天地での最初で最後の刑務官生活が終わった。

 

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いつも、ご拝読頂きありがとうございます。

 

現在、少しネタ切れを起こしている為、明日からお休みします。

 

新しく書け次第、投稿していく予定です。



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