ダブルクロス3rd the Edition~City~ (Kotatu)
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Crumble DaysⅡ
トレーラーとハンドアウト


かつて、U市では奇妙な事件が立て続けに発生した。

走行中のバスが爆発し乗客は2名を除いて全員死亡した爆破テロ事件。その数日後、町外れの廃ビルが轟音を立てて崩れ去った。

これは良からぬことの前兆か?現場に居合わせた目撃者は口を揃えて言う。

「人間の姿をした化け物がいた」

 

2ヵ月後、事件のほとぼりは冷めたものの『U市には化け物が存在する』、『化け物から市民を守る正義のヒーローがいる』という2つの都市伝説が残った。

 

『まだあの日は終わってない。昨日も今日も明日もオレはヒーローであり続けよう』

 

Crumble DaysⅡ

 

ダブルクロス…それは『裏切り』を意味する言葉

 

 

ハンドアウトPC1

【シナリオロイス】

丸谷 誠也 P自由/N自由

【ワークス/カヴァー】

高校生/高校生

 

君はごく一般の高校生だ。今日はクラスメイトの丸谷と夜遅くカラオケをし、家に帰る時間が遅くなってしまった。別れ際にこの市で広まっている『2つの都市伝説』について、クラスメイトの丸谷から話を耳にする。

家に早く着くためにも普段使う路地裏を通るが、既に君の帰路は『非日常』へと変貌していた。

 

 

ハンドアウトPC2

【シナリオロイス】

春日恭二 P自由/N自由

【ワークス/カヴァー】

UGN支部長/自由

 

君は新しくU市に転属したUGN支部長だ。予算が下りず構成員は君と今日所属される予定のUGNチルドレンのみ。

霧谷雄吾から2ヵ月前に2人の高校生を巡って起きた事件に関与していたFHエージェント 春日恭二がU市に潜伏している情報を得る。君の支部長初の指令はその春日恭二の撃退だ。2人しかいない人員の少なさ故に君は自らの足で現地調査を行うのだった。

 

 

 

ハンドアウトPC3

【シナリオロイス】

亡くなったUGNエージェント P自由/N自由

【ワークス/カヴァー】

UGNチルドレン/学生

 

君はUGNチルドレンとして長年働き続けてきた。今回君は霧谷雄吾からの2つの指令を受ける。

1つは新米支部長であるPC2をバックアップし、春日恭二を撃退すること。

2つ目はU市内で騒がれている都市伝説の究明。君が訪れたU市のUGN支部は2ヵ月前に解体されているにも関わらず、FHの動きは見られない。一見平和に見えるが、市内でジャームの目撃情報が入っている。U市に配属されていた君の先輩であるUGNエージェントがジャームとなり、遺体として発見された。これは只の都市伝説では済まされない。一刻も速くジャームの発生源を突き止めなければ…

 

 

 



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PC紹介

今回のPC3人のライフパスは全てダイスの女神様に託しました。


PC1

東川卓朗(♂)17歳

【ワークス/カヴァー】

高校生/高校生

 

【ブリード】

ピュアブリード

【シンドローム】

バロール

 

【能力値】

肉体Lv2

感覚Lv2

精神Lv6

社会Lv2

 

【技能値】

回避Lv2

運転:二輪Lv2

知覚Lv2

RCLv3

情報:噂話Lv3

 

【エフェクト】

コンセントレイト:バロールLv2

黒の鉄槌Lv2

ダークマターLv1

???Lv1

黒星の門Lv2

 

【一般アイテム】

コネ:噂好きの友人

 

ステータス

HP30

常備化ポイント4

財産ポイント3

行動値10

戦闘移動15m

全力移動30m

基本侵食値 29

 

【武器】

素手

 

ライフパス

出自 待ち望まれた子

経験 親友

邂逅 好敵手

覚醒 探求

衝動 加虐

 

シナリオロイスP/N

丸谷誠也 連帯感〇/不安

 

ロイス

東川両親

慈愛/嫉妬〇

 

松沢秀人

友情/惨悟〇

 

黒崎岡道

好意〇/恐怖

 

 

自分が産まれた時に両親は顔をグシャグシャにして泣いて喜んだと言う。家は決して裕福ではなかったが不遇に思うことは一度もなかった。

小中学と同じ学校に通っていた松沢とは違う高校に通っている今でも連絡を取り合う仲になっている。

幼少期の頃から念じるだけで黒い球体を生み出すことができるようになっていたが、人前で披露することはせずひたすら隠し続けてきた。

ある日、卓朗はある男と出会う。

人通りの少ない裏路地を通る途中に全身血塗れの男を目撃する。その男は卓朗を一瞥すると「良い能力を持っているな。貴様の力はいずれ貰い受ける」とだけ言い残し、真紅の球体に吸い込まれるように消えてしまった。

自らの生み出す球体が何を意味し、何をもたらす物なのかは、彼はまだ知るよしもない。

 

 

 

 

PC2

神崎 敬太 (♂)25歳

【ワークス/カーヴァー】

UGN支部長C/ ドライバー

【コードネーム】

紫電

 

【ブリード】

クロスブリード

【シンドローム】

エンジェルハイロウ/ブラックドッグ

 

【能力値】

肉体Lv2

感覚Lv4

精神Lv5

社会Lv1

 

【技能値】

RC Lv3

意志Lv1

知識:オーヴァードLv4

情報:UGNLv3

情報:噂話Lv4

 

【エフェクト】

コンセントレイトLv2

光の弓Lv1

雷神の鎚Lv1

雷の槍Lv2

主の恩恵Lv2

 

ステータス

HP 29

常備化ポイント2

財産ポイント 1

行動値 13

戦闘移動 18m

全力移動 36m

 

【武器】

素手

 

ライフパス

出生 姉妹

経験 敵性組織

邂逅 秘密

覚醒 死

衝動 吸血

基本侵食値 35

 

シナリオロイス

春日恭二

P同情/N無関心〇

 

ロイス

P庇護〇/N疎外感

 

全滅した同セルのFHエージェント

P遺志/N憐憫〇

 

ローザ・バスカヴィル

P感服/N不快〇

 

 

表はドライバーとしてタクシー会社の若い社長として、裏は新米UGN支部長としてU市に転属。

かつて非オーヴァードでありながら豊富な対オーヴァードの知識と射撃の技術を持ち合わせたFHの構成員で、セル内では主に参謀の役割を担っていた。

ある日、所属していたセルはローザ・バスカヴィルによって、神崎も含めたセルのメンバーは皆殺しにされた。しかし、神崎だけが奇跡的に死の淵からオーヴァードに覚醒して生き残った。本人はこの件について、運が悪かったと割りきることにしている。

対オーヴァードの知識を持つことからローザに計らいによって履歴上は死亡したことにし、偽名を使うことでUGNの新米支部長として任命される。この事実はローザしか知らない。

肉親は妹ただ一人。レネゲイドについては無知な一般人。ローザの命令でUGNの監視対象に登録され、神崎の裏切りを抑制するための人質になっている。今日も彼はUGNの忠実な犬として、かつての同胞の敵となるのだった。

 

 

 

PC3

木原優子(♀)12歳

【ワークス/カヴァー】

UGNチルドレンB/中学生

【コードネーム】

狂気調整

 

【ブリード】

クロスブリード

【シンドローム】

ソラリス/オルクス

 

【能力値】

肉体Lv1

感覚Lv3

精神Lv3

社会Lv5

 

【技能値】

回避Lv1

射撃Lv2

RCLv1

交渉Lv3

情報:UGNLv5

 

【エフェクト】

力場の形成Lv1

狂戦士Lv2

オーバードーズLv1

導きの華Lv2

 

【ステータス】

HP25

常備化ポイント16

財産ポイント4

行動値9

戦闘移動14m

全力移動28m

 

【武器】

拳銃

【防具】

防弾防刃ジャケット

 

ライフパス

出生 名家の生まれ

経験 実験体

邂逅 恩人

覚醒 生誕

衝動 憎悪

侵食基本値 35

 

シナリオロイスP/N

誇りの血統(死んだUGNエージェント)

尊敬〇/脅威

 

ロイス

木原幻造

友情/不快感〇

 

研究者

信頼/恐怖〇

 

テレーズ・ブルーム

連帯感/偏愛〇

 

彼女は家系は、聞くものが聞けば身の毛がよだつほどの影響力を持つ一族だ。

産まれたときから優子の周りで奇妙な現象が起きるようになり、優しい親戚が彼女に近づいた途端に態度が豹変し、暴れまわっていた。その様子を見た父、木原幻造だけが彼女はオーヴァードになったのだと確信した。

1歳になった誕生日に優子は、父に勧められて健康診断と称したレネゲイドウイルスの適正検査を受け、ソラリスとオルクスのクロスブリードと判明した。しかし、その瞬間から彼女の平穏な日常は消え失せてしまった。

それからは、来る日も来る日も研究者達が少女を囲み、解剖し続けた。そして、物心がついた頃には自らが解剖されることにすら疑問を持たなくなった。

テレーズによって優子は木原の元を離れて保護される。当時は感情の欠片すら残っていなかったが、テレーズの指導によって喜怒楽程度の感情は表に出るようになった。性格だけは意外な方向に曲がってしまった…。




PC1、公式NPCが扱いにくい…
外見:バッカーノ!!のフィーロ
PC2、まさかのPC1向けの覚醒『死』。
外見:バッカーノ!!のロイ。生憎、大佐の方ではない。
PC3、名家で実験体…木原しか浮かばねぇ!!
外見:新約とあるの木原円周
各PCのライフパスが決定した時の作者の反応とイメージする外見


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オープニングフェイズ1『日常の終わり』

シーンプレイヤー
PC1 東川 卓朗

侵食値
+1D
29+3→32



 

「ストレスを解消するにはカラオケが一番ってな!」

 

木曜午後11時、誠也が最後の曲が歌い終わり、高校生二人は手足を投げ出している。明日も登校する生徒の行動とは言いがたい。

今日は早く帰ると両親に言ってしまった卓郎としては、一分でも早く家に帰らなくてはならない

 

「ったく…。憂さ晴らしもいいけど、程々にしとけよ。帰りが遅いと親父達に悪いからな。先行くぞ」

 

「おいおい、そう急ぐなって。そういやお前、近頃噂になってるこの町の都市伝説を聞いたことあるか?」

 

「ああ、この町に化け物が出没する話だろ?おまけにその化け物から市民を守る警官がいる。アニメや漫画じゃあるまいしそんなのデマだろ?」

 

「じゃあさ、化け物ってどんな奴だと思う?」

 

「………。」

 

卓郎は思わず言葉が詰まる。

幼い頃から自分は黒い球体のような物体を念じるだけできてしまう。果たして自分は目の前の友人と同じ人間と言っていいのだろうか?巷で騒がしてる化け物も実は、自分のように周囲から言わせれば超能力染みた力の持ち主ではないだろうか…。

 

(こんなふざけた力がそこらじゅうに溢れてたら、今頃世紀末みたいになってるっての)

 

現実離れした妄想を頭から追い出し、偽りの解答を答える。

 

「そりゃ、化け物っていうぐらいなんだから人間離れした外見してるんじゃないか?鉤爪や異常な量の筋肉とかそんなとこだろ」

 

「化け物は結局化け物ってことかぁ。俺も都市伝説のヒーローみたいな力があったらなぁ…。

悪いな引き止めちまって、じゃあな」

 

誠也はそう言い残して、自宅へ行ってしまった。

 

 

「お、おう…。俺も急がないとな」

 

少しでも早く家に着くためにも路地裏を通る。普段もよく利用する道で最短距離も頭に完全に入っている。

 

だが…今回に限って何かが違った

 

(なんだこの匂い…?しかも気持ち悪いし、寒気がする…)

 

卓郎は、違和感の正体に疑問を抱きながらも家路を急ぐ。曲がり角に差し掛かった所で横目に何者かが走ってくる姿が視認できた。

(早く家に帰らないと…)

 

注意を少しでも向けていればわかっていたかもしれない。

 

 

 

こちらに向かってくる『それ』の異常な速度と形質に

 

「がふっ!?」

 

『それ』から目を離した時点で卓郎の体は地面から離れ、サッカーボールのように容易く突き飛ばされた。

ノーバンウンドで建物の壁に叩きつけられ、身体中から嫌な音がなる。

 

(一体何が起きて…)

 

恐る恐る顔を上げると『それ』は卓郎の目の前にそびえ立っていた。

 

目測で2mほどの身長。ここだけなら人間の範疇と言えるだろう。

全身は剛毛に覆われ、地面に付くほど長い左腕。人間のものとは思えない鉤爪を持つ右腕。裂けた口からは犬歯だらけの口内が見え隠れしている。

 

都市伝説とばかりと思っていた化物がこうして自分の前に存在する。卓郎は壁に背を預け、化物の姿を見ることしか出来ない。

「う……あ……」

 

「ガ………ッテ」

 

対する化物は右手の鉤爪を突き出しながら卓郎に歩みを進める。

 

「来るな…」

 

化物の歩みは止まらない

 

「来るなよ…!」

 

化物の肩が微かに震える。それでもなお、右腕を卓郎に近づける。

 

「来るな!来るな!!来るな!!!」

目に涙を浮かべ、卓郎は差し出された腕を振り払う。

 

「お前みたいな化物なんて…」

 

卓郎の言葉に呼応し、背後に漆黒の扉が出現する。

扉が開くと隙間からは黒い球体が放出し、化物の右腕の周りに漂う。

 

「消えちまえよ……!!」

 

化物の右腕の周りに浮いていた球体は、共鳴するように振動し始める。

次の瞬間、化物の右腕は内部から引き裂かれるように崩壊した。

 

「ア、ガァァァァ!?」

 

化物は、右腕を抑えるが出血の量は収まることなく余計に酷くなるだけだった。

「……ア……ダ…」

化物は立つ力も無くなったのか膝を地に付ける。卓郎は、先ほどの力をもう一度行使すれば化物を絶命させることも出来るだろう。しかし、まだ高校生である卓郎はその一歩を踏み出すことは出来なかった。

 

「……………イ」

 

《知覚判定 達成値8》

2D+2→6 失敗

 

「?」

化物が何か言ったような気がしたが、声が掠れてよく聞こえなかった。

化物は立ち上がるとおぼつかない足取りで、卓郎から離れていった。

 

 

 

 

ズドン!!

 

まるでタイミングを見計らったかのように銃声が響き、卓郎の視界には頭部が吹き飛んでその場に崩れ落ちる化物の姿があった。

「えっ?」

 

化物のいた場所には大型拳銃を持つ一人の男性がいた。

「おやおやぁ、こんな時間に一人でいたら危ないって親さんに言われなかったかい?まぁ大事には至らなくてよかったよ」

 

「貴方は一体…?」

 

「足立 透。しがない一刑事だよ」




解説コーナー

シンドローム:バロール
主に魔眼を生成し、魔眼から発生する重力で相手を攻撃する。エンゲージから移動するエフェクト、射撃エフェクト、RCエフェクトもあり、白兵、射撃、RC特化のPCを作ることができ、扱いやすいシンドロームと言える。侵食率次第で時間を操るエフェクトも使用可能になる。

例 ブラゴ(金色のガッシュベル)


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