反逆の翼 (タルト・タタン)
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第一R 開催!プリティーフロンティアカップ

転生してから早10年…この世界には面白いものがゴロゴロ転がってる。


俺の名は白刃赤祢(しらはあかね)いや…シルヴァーレヴェルだ。


ここは俺の前世の世界とは寸分違わぬがウマ娘と言う種族が存在していると言う事、そして競馬いや、競バが大人気だと言う事だ。そしてそう言う俺もウマ娘だ。

俺は前世では競馬というものに全く触れていない、だが、馬の名前くらいは聞いたことある。ハルウララとかシンボリルドルフとか…
あーあとコイツの名前も…「ナニタソガレテルノー」

おっ来た来た
トウカイテイオー、コイツは隣町のレース(小学校低学年の部)で俺にアタマ差で負けたヤツだ。それから何回も競争して仲良くなり、ウチと隣町の間の公園でよく遊んでいる。前世でチラッと名前を聞いていたから名前を知った時はなんかピンときた。


話が変わるが、二度目の小学生というのは思いのほか苦痛だな。テストでは毎回100点、天才と持て囃されるのもいいものだがいかんせん、小学4年生のの問題解いた程度ではあまり達成感がない。

コ○ンくんもこんな気持ちだっのだろうか…
今日も放課後は例の公園に行って体力づくりだ。

初代イナ○マイレ○ンをリアタイで見ていた俺は円○守のタイヤ特訓を放課後毎日、日が暮れるまでやっている
テイオーもたまにやっているが、幾らウマ娘とはいえまだ小学生、よく吹っ飛ばされては鼻血を出したり、擦り傷を負ったりしてしまう。その度母親に叱られるが最後は頑張れと言ってくれる。前世の母親も優しく、時に厳しい素晴らしい親だと思った。父親?まぁまた今度だな…「ダカラナニタソガレテルノー!?」


おっと、忘れてたw


 

テイオー「そうだ!シル、これ見てよ!」


シルヴァー「んーなになに?『プリティーフロンティアカップ[日本1の小学生ウマ娘決定戦!]』?盛り込みすぎじゃねーか…」


テイオー「低学年の部と高学年の部があるんだよーだからボクらは高学年の部に出るんだ。5年生や6年生の人達と…」ワクワク


シルヴァー「ふむ、面白そうじゃん」


テイオー「うん!絶対優勝しよう!!今度は負けないよーシル!」


シルヴァー「おう!中央トレセンで輝くためだ、日本イチくらいの称号持ってないとな!」

 


だが、まだ俺たちは知らなかった…この大会が俺たちの人生…いやウマ生を大きく変える事になるとは………

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

シルヴァーレヴェル現在小学四年生

転生したオッさんがウマ娘になった姿。

髪: 銀色

眼: 銀色

髪型:ミディアム

流星:無し

リボンの位置:左耳

耳の長さ: 普通

しっぽの長さ :長め

性格:熱血大雑把で自称文系 脳筋でかつ、策略家

 

 

白刃赤祢

23歳独身のオッさん

転生神がねるねるを作っていた時、シルヴァーソニックを乗せたトラックに轢かれてしまい人間として転生するはずが、シルヴァーソニックのウマソウルとねるねるしてしまったためウマ娘として転生した

 

白刃赤祢=シルヴァーレヴェル

 

トウカイテイオー 現在小学4年生

隣町のレース以来親友ポジになったウマ娘小学生時代はアプリ寄りの性格

中央トレセンに入ってからはアニメテイオー




新作連載…もうそろそろどれか終わらせようかな…


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第二R 親友との買い物

プリティーフロンティアに出るために俺たちは朝早くに起きて走り込みや筋トレを行った。年度末に大会が開催されるので、冬休みはテイオーの家に泊まって朝から晩までトレーニングをするつもりだ。俺も体力には自信があったが、流石に小学生女子の体力についていくことは出来ず、途中でバテてしまった。だがその分成長しているようで、息切れこそすれど2400mを走り切れた。しかし俺はウマ娘の身体能力に慣れていないためか、どうにも足腰のバランスが悪いらしく、テイオーに比べて無駄な動きが多いようだ。そうして毎日を過ごしているうちに年が明け、3学期が始まった。そして始業式当日、俺はいつも通り学校に行くと、隣の席の子に声をかけられた

 

モブ子「そいえばシルヴァーちゃんってプリティーフロンティアに出るの?」

シルヴァー「あぁ出るよ」

モブ子「へぇ〜じゃあ私応援しちゃう!」

シルヴァー「おう!ありがとよ!」

 

この子は結構気さくな性格をしている。ちなみに彼女は俺のことを『シルヴァー』と呼んでいる。なんでも名前呼びの方が仲良くなれそうな気がするという理由らしい。

そんなことを話しながら授業を受けていくとあっという間に放課後になり、今日もまたテイオーの家に向かった。するとそこにはもう既に準備万端といった様子のテイオーがいた。

 

テイオー「遅いぞー!ボク待ちくたびれたんだからね!?」

シルヴァー「すまんすまん。ちょっと用事があってな……」

テイオー「むぅ……まあいいけどさ……。それよりほらっ!早速走ろうよ!!」

シルヴァー「そうだな。それじゃあ行くか!」

 

2人で軽くストレッチをして体を温めると、そのままコースへと向かっていった。

 

テイオー「ねぇねぇ!今度のレースは何賭ける?やっぱりお菓子とかかな?」

シルヴァー「おぉいいぜ!その代わり負けた方は勝った方の好きなお菓子とジュース奢りな!」

テイオー「いいよ!あ、でも合計で300円だからね!」

シルヴァー「よっしゃ!白ブドウジュースとカード付きウエハースは俺のもんだ!」

 

こうして始まった今回の勝負。今回走る距離は2000mなので、俺にとっては丁度良い距離だった。テイオーの方を見ると、やはり余裕があるのかニコニコしていた。

 

テイオー(ふふん♪今回は勝てるかも?)

シルヴァー(よし、俺の切り札は超末脚だ…落ち着いてスタミナをーーー)

 

スタートラインに立つと、俺は前傾姿勢を取りながらスタートした。最初のコーナーに差し掛かるところで、テイオーは既に加速しており、一気に差をつけられてしまった。

 

シルヴァー(まじかよ!!めっちゃ速いじゃん!!!)

 

内心焦っているものの、まだ序盤ということもあり、ペース配分を考えつつなんとか食らいついていった。しかし中盤に入る頃にはテイオーとの距離を詰めることが難しくなり、結局差は縮まらずにゴールインしてしまった。結果はテイオーの勝利で終わったのだが、正直悔しかった。

テイオーは嬉しそうにしてこちらに向かってきた。

 

テイオー「やったー!ボクの勝ちだね!」

シルヴァー「くそっ……あと少しだったのになぁ……」

テイオー「えへへ〜♪だってボク最近負けてばっかなんだもん。たまには勝ってみたいんだよ〜」

シルヴァー「ははっそりゃ残念だ。んじゃ約束通り好きな菓子奢ってやるよ」

テイオー「やったー!ありがとう!」

 

その後俺たちは近くのコンビニで買い食いをした。テイオーはしっかり計算して300円ぴったりになるように選んでいた。そして帰り道ではまた明日も競走しようと誘われた。

 

テイオー「次も勝つからね!」

シルヴァー「おう!いつでもかかってこいや!今度は負けねー!」

 

それからというものの、毎日のようにテイオーと競走をしていった。そんなある日のこと、テイオーから俺の家に遊びに来た時のことだった。

 

テイオー「ねぇねぇシル!プリティーフロンティアまで時間あるしさ、久しぶりに遠くに遊ぼうよ!」

シルヴァー「ん〜……別に構わないぞ?」

テイオー「ほんと!?なら行こうよ!ボク行きたいところあるんだよね!」

シルヴァー「わかった。準備してくるから待っとけ」

テイオー「はーい!」

 

テイオーが元気よく返事をすると、俺の部屋から出て行った。俺もすぐに出かける支度を済ませると、玄関へと向かった。

 

シルヴァー「お待たせ。それじゃあ行くか?」

テイオー「うん!行こ行こ!」

 

俺たちが向かった先はテイオーの住む街の隣町。俺から見れば隣の隣の街だな。まず最初に新しくできたショッピングモールに向かった。なんでもここではかなり品数が豊富なウマ娘用のグッズショップがあるらしく、そこで色々見たいとの事だったので、俺もそれに同意した。そろそろ新しい靴が欲しかったところだ。

 

テイオー「見てみて!これ可愛いでしょ!?」

シルヴァー「おぉ確かに。テイオーが履いたら似合いそうだな。買うか?」

テイオー「うぅ〜どうしようかな……。あっコッチも欲しいしなぁ……。」

シルヴァー「なぁ色違いで同じ種類のシューズ買おうぜ!お揃いってのも良いだろ?」

テイオー「それ賛成ー!じゃあボクはこの黄色と白のシューズね!」

シルヴァー「じゃ、俺は赤と白のシューズにするか」

テイオー「お会計お願いしまーす!」

店員さん「かしこましました!5800円が2点で合計11600円になります!」

シルヴァー(高ぇ!!!)

 

小学生のお小遣いってのはしょぼいもんだ後は昼飯を食う金くらいしか残ってねぇ!昼飯を抜いて電車で急いで帰るか…?

 

テイオー「大丈夫だよ!お金はパパから貰ってきたからさ!さっき電話でね、今日は遅くなるかもって言ったらね、『分かった。楽しんできなさい』だってさ!」

シルヴァー「流石金持ち……太っ腹だな……」

 

そんなこんなあって買い物を終えた俺たちはそのままゲーセンに向かった。そこにはたくさんのクレーンゲームがあった。テイオーはその中の一つの前で立ち止まった。

 

テイオー「ねぇコレやってみようよ!」

シルヴァー「おぉいいぜ!どれ狙ってるんだ?」

テイオー「あのパカぷち!ボクあれ取りたい!」

シルヴァー「おっしゃ任せとけ!」

俺もテイオーもこういうのは得意な方なので、あっさりと取れてしまった。

シルヴァー「ほれ、プレゼントだ」

テイオー「わぁ!ありがとう!」

シルヴァー「気にするなって。それより次はどこに行くんだ?」

テイオー「そうだなー……

 

 

テイオー「あー!楽しかったー!」

シルヴァー「あぁ満足はしたが、走った後とは違った疲れが…」

テイオー「あはは……ごめんね。でもシルと遊ぶの楽しいからつい夢中になっちゃったよ!」 

シルヴァー「ま、俺は全然構わんけどな。お前の笑顔を見れただけで十分だしよ。」

テイオー「えへへ〜♪ありがとシル!」

 

それから俺たちは帰路についた。帰り道の途中、テイオーがふと何かを思い出したように話し始めた。

 

テイオー「そういえばシル。最近調子はどうかな?」

シルヴァー「ん〜。悪くはないぞ。ただちょっと物足りない感じはある。」

テイオー「む〜、勝者の余裕ってヤツ?勝ち数が多いからって油断は禁物だよー?今度も勝っちゃうからね!」

シルヴァー「おう、お前相手に油断なんかするもんか。それ以外は油断ではなく余裕というわけだがな」

テイオー「まぁこの辺のウマ娘でボクたちに勝てる子はいないからねー」

シルヴァー「そもそもウマ娘の数が少ないんだ、俺たちは一握りの強者ってわけだ!」

テイオー「選ばれた戦士ってヤツー?なんかシルって男の子みたいな事言うよねー」

シルヴァー「え!?い、いやこんな可愛い男の子がいてたまるかっての!ハハ、ハハハハ…」

テイオー「…可愛いって自分で言う?普通…」

 

なんだこの気まずい空気ぃ!

 

シルヴァー「そ、それじゃあまた明日学校で会おうぜ!」

テイオー「うん!バイバーイ!」

 

テイオーに別れを告げて家に帰った。

 

 

⁇?「何が選ばれた戦士だ…絶対に負けないぞ、トウカイテイオー、シルヴァーレヴェルッ!!」

俺たちを見つめる謎の影には誰も気づかなかった。



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第三R 地方予選開幕!

プリティーフロンティアカップ(PFC)の内容は大規模でまず、一月末に地方で上位5着以内の者が次のステージに進める。俺たちは来週PFC地方予選に出るために猛特訓を続けている。

 

シルヴァー「よし、今日の練習は終わりだ!」

テイオー「あーもうヘトヘトー」

シルヴァー「おいテイオー大丈夫か?」

テイオー「だいじょーぶー……」

シルヴァー「じゃあ早く帰って寝ろよー?」

テイオー「わかってるよー……。それじゃお休み〜」

 

テイオーはフラつきながら帰っていった。俺はそのあと一人で自主練を兼ねて帰り道を重りつきで走っていた。すると、一人の男が話しかけてきた。

 

男「君、少し良いかな?」

シルヴァー「はい?」

男「君はトウカイテイオーと仲が良いようだね」

シルヴァー「えぇまぁそれなりには。それがどうしましたか?」

男「いや、君も彼女と同じレベルの強さを持っているようだね。PFC、期待しているよ…」フリフリ

 

といって男は立ち去った。雰囲気的にどっかの偉い人だろうか?テイオーのことも知ってたし、URAの人か?それともテイオーのお父さんの知り合い?

考えてもわかんねぇ、早く家帰って寝よう。

 

そして迎えた週末、ついにPFC地方予選当日となった。会場であるレース場に着くとそこには大勢の観客がいた。テイオーの姿もあった。

 

テイオー「あっ!シル!やっと来たー!遅いよー?」

シルヴァー「悪い、ちょっと準備に手こずっちまってよ」

テイオー「もしかして緊張してる?」

シルヴァー「まぁ多少はな。でも楽しみでもあるぜ?」

テイオー「ふぅん。まぁボクたちなら楽勝だと思うけどね!さ、行こっ?」

シルヴァー「おう!」

 

俺たちは控え室に向かった。そこにはロックな格好をした長身のウマ娘がいた。

 

⁇?「ん?私の部屋に何か用か?敵城視察というわけじゃなさそうだな」

 

シルヴァー「…えっとー「待てッ!皆まで言うな、分かっている…雑誌モデルである私を訪ねてきたんだ、サインだろ?」キラッ☆

 

わかるぞ、コイツ………話が通じないヤツだ!

 

テイオー「え?あ、はい……?」

テイオーが引いてる…とりあえずここは俺の控室だし…

シルヴァー「あのーここはおr「だが待ってくれ!私のサインが欲しいと言う人は沢山いる…だから我慢してくれポニーちゃん…」

テイオー「」イラッ

シルヴァー「」イラッ

 

なんだこのウマ娘?勝手に話を進めやがって、しかもテイオーの顔を見てみろ。明らかに苛立ってるぞ!?

 

⁇?「おっと、自己紹介がまだだったな。私はエターナルメテオ。皆ご存知ビューティフルなウマ娘だ!」

 

エターナルメテオ?どこかで…

 

テイオー「あー!BeautyDerby(雑誌の名前)に載ってた人だ!」

シルヴァー「ホントだ!」

メテオ「ふっふっふっ、バレてしまっては…え?今気づいたの?」

シルヴァー「うん、そもそもここ俺の控室だし」

メテオ「え!?」ガタッ

メテオ「ええ!?」ガチャ

メテオ「ホントだぁぁぁぁ!!!」

テイオー「うるさいなぁ」

シルヴァー「なんでここにいるんです?普通に間違えたとか……」

メテオ「はっはっはっ!そ、そんなわけけけないい⤴︎じゃないかぁ……そ、そう!今回の一番の壁になるであろう君たちを見にきたんだ!」

 

ダウトだろ、冷や汗やべーし

まぁ自分の部屋だと思ってデカい態度とってたのに部屋間違えたとか…

恥ずかしすぎるもんな。

 

テイオー「へぇ〜そうなんだー。それじゃあお互い頑張ろうね!」

シルヴァー「俺たちは負けませんよ!」

メテオ「フッ、望むところだ!良いレースにしよう!」

テイオー「あ、もうすぐ時間だよ!」

シルヴァー「マジかよ!急ぐぞ!」ダッ

テイオー「ちょっ速いよー!」

 

レース場にて

 

実況『さぁ始まりました!PFC地方予選中距離部門!堂々の1番人気はは、エターナルメテオ選手です!』

解説『雑誌でも堂々の1番人気を誇っていますからね。彼女がただのモデルではないことを期待してます』

実況『さて人気も実力も負けておりません!2番人気はトウカイテイオーです!』

解説『[浜の帝王]の二つ名を持つ彼女が最も勝利に近いとネットでも言われてましたね。その名に恥じぬ圧倒的な走りを期待しましょう。』

実況『2番人気との差は僅か!3番人気はシルヴァーレヴェルだ!』

解説『トウカイテイオーと共に[白い隼]と呼ばれる程のスピードを持っています。彼女の超末脚に期待しましょう』

実況『さて続いてはーーー

 

 

パドックが終わってターフについた俺たちは誘導員の言うことに従ってゲートに入った。俺は7枠7番、縁起がいいこった!テイオーは6枠6番、これはまたフリー○メイ○ンとか言い出すヤツ居そうだな。

そろそろか、集中…ガコンッ

ヤベッ!遅れた!

 

実況『各バ一斉にスタートしました!まずは先頭に立ったのはエターナルメテオだ!その後ろにピッタリとついて行くのは、6番トウカイテイオー!そして少し離れて4番、3番、8番、10番、12番!シルヴァーレヴェルは後方集団に紛れ込んでしまったか?』

 

シルヴァー「くっ、出遅れたか!だが位置取りは悪くない!このまま様子を見よう!第4コーナーぶっちぎってやる!」

実況『さぁ第1コーナーを抜けて最初の直線に入りました!ここで仕掛けたのはやはりエターナルメテオ!ぐんぐん加速していく!しかしそれを見逃さないのがテイオー!一気に差が縮まる!』

テイオー「(ここだ!)うぉりゃああぁぁ!!」

シルヴァー「なっ!?(速すぎるぞ!作戦は先行じゃないのか!?)」

メテオ「what's!?先頭は譲らんぞ!」グンッ

実況『トウカイテイオーに迫られたまらずエターナルメテオ加速!』

解説『掛かっているかもしれません。冷静さを取り戻せると良いのですが』

 

内側でピッタリメテオの後ろをついているテイオーはプレッシャーをかける感じで走っている

 

観客席では…

 

スーツ男「これが小学生の走法か!?やはり彼女は素晴らしい!」

スーツ女「では特別枠は彼女に?」

スーツ男「いや、まだもう一人いる…彼女の末脚を見てみたい…!」

実況『さぁ大ケヤキを越え第4コーナーに差し掛かります!』

解説『ここが仕掛けどころです。誰が飛び出すのか!』

 

メテオ「まだまだぁ!!」

テイオー「負けるもんかー!!!」

 

シルヴァー「(ここだ!!)おらあぁぁ!!」

 

実況『シルヴァーレヴェルが来た!後方から猛烈な追い上げを見せる!!』

解説『すごい勢いですね』

 

テイオー「来た!」グンッ

 

実況『先頭をキープしていたエターナルメテオがついに抜かれてトウカイテイオーがハナに立ったー!』

 

メテオ「sit!」

 

解説『しかしシルヴァーレヴェルの前にはスタミナ切れしたウマ娘がいます。上手く避けれるでしょうか?』

3番ウマ娘「む〜り〜」

5番ウマ娘「キッツーイ!」

 

シルヴァー「二人!」

 

実況『抜いた!垂れウマ二人を巧みなステップで躱した!そのままトウカイテイオーに迫る!』

 

テイオー「(えっ?こんなに速く走れたっけ?)」

シルヴァー「追いついたぞテイオー!」

 

実況『トウカイテイオー逃げる!シルヴァーレヴェル迫る!最後の直線だ!』

 

テイオー「負けるかー!」

シルヴァー「クソッ!届かねぇ!」

 

実況『残り200m!先頭は変わらずトウカイテイオー!』

解説『シルヴァーレヴェルは間に合いそうにありませんね』

 

テイオー「ボクだって負けてられないんだ!勝つのはこのボクだよ!」

シルヴァー「テイオー!」

 

実況『トウカイテイオーゴールイン!シルヴァーレヴェルは届きませんでした!』

 

テイオー「はぁはぁ……」

シルヴァー「はぁはぁ……くそっ!」

 

実況『しかし何と言うことだ!3着のエターナルメテオと5バ身差だ!しかも3着と4着の差が18バ身!大差でゴールしています!』

観客「わー!!!」パチパチ

 

テイオー「ヤッタァー!勝った勝ったー!」

シルヴァー「負けた……俺の走り方じゃ勝てなかったのかよ。もっと特訓しねーとな…」

 

観客席「テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!テイオー!」

 

スーツ男「素晴らしい…彼女らがいなければエターナルメテオが圧勝だった…しかし彼女らはまだ『領域』を獲得していない、まだまだ成長の余地はある。見届けようじやないか、新時代の戦士たちを…」

 

実況『3番トウカイテイオー!見事一位になりました!』

解説『シルヴァーレヴェルとはクビ差でした。トウカイテイオーは良く頑りましたね』

観客席「テイオー!テイオー!」

 

テイオー「ふぅー疲れたぁ!でも楽しかったなぁ」

シルヴァー「おめでとうテイオー!やっぱりお前は強いな!」

テイオー「へへん♪まぁね!シルヴァーもナイスファイト!」

シルヴァー「次は負けないからな!」

テイオー「次こそ勝ってみせるさ!」

 

控室に戻る途中、エターナルメテオを見つけた

 

メテオ「Congratulations!素晴らしい走りだったなトウカイテイオー!シルヴァーレヴェルもあと一歩だったな」

シルヴァー「ありがとう、メテオも俺たちがいなければ大差で勝ってたのにな」

テイオー「そうだよ!メテオって結構速いんだね!」

シルヴァー「はっはっはっ!だが次は関東予選だ!地方予選から上がってきたまだ見ぬ猛者たちとの闘いのために英気を養おうじゃないか!それでは!」

 

メテオを見送り俺は関東予選について考えた

シルヴァー「次は関東予選だ、今よりももっとレベルが上がるはずだ!そうと決まりゃ特訓だ!」

テイオー「おー!」

こうしてPFC地方予選は幕を閉じた

 

          確定

1着 トウカイテイオー  2:38.09

2着 シルヴァーレヴェル クビ

3着 エターナルメテオ  5バ身

4着 コトリカモン    大差

5着 アヴェハート    3/4バ身

 



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第四R PFC地方予選〜後日談

???

 

シルクハットのウマ娘「で?見たところどうだった関東予選で壁になりそうなのは」

着物のウマ娘「特に気にするやつは…そうだなトウカイテイオーとシルヴァーレヴェルだな。あとは有象無象だったぜ」

金スーツのウマ娘「そんなこと言ってると足元掬われマスよ」

着物のウマ娘「うるせぇぞ!この金ピカ野郎が!」

シルクハットのウマ娘「おいおい喧嘩すんなって」

着物のウマ娘「チッ……ところで『スプリングボイラー』さんよぉ。アンタは問題ないのか?聞けばマチカネフクキタルなんかが注目されてるじゃねーか」

ボイラー「それこそ問題ない。ヤツのスピードは私より上かもしれねーが、コッチには『これ』がある…」

金スーツのウマ娘「本当にやるんデスね。まぁ目的のためなら仕方ないか」

 

謎のウマ娘『スプリングボイラー』の計画はもう動き始めていた…

 

15時30分

例の公園にはテイオーがいつも通り待ってるだろう。

学校で表彰されたり、校長先生のありがたーいお褒めの言葉を頂いてるうちにテイオーとの待ち合わせ時間を過ぎちまった!多分許してくれるだろうけど、申し訳ねぇな…

 

テイオー「ワカッタカライッキニコナイデヨー!」

 

な、何だか騒がしいな?ま、まさか…

 

男の子「昨日のレース見たよ!すごかったよテイオー!」

女の子「かっこよかったなーテイオーちゃんとシルヴァーちゃん!」

おじさん「アンタらはウチらの街の誇りだよ!」

 

おばさん「そういえばシルヴァーちゃんはまだ来ないのかえ?いつもならここで練習してるはずなんだけど…」

テイオー「あはは……みんなありがとう!ボクたちはこれからトレーニングだからまたね!」

俺が来た時には既に人集りが出来ていた。

そしてその中心にいるのはもちろんテイオーである

 

シルヴァー「テイオー、コッチ!」

テイオー「あっ!シルヴァー!」

 

俺はテイオーの手を引っ張り群衆から脱した。

 

テイオー「ごめんねシルヴァー、遅れちゃったね?」

シルヴァー「いいや大丈夫だ。それより今日はどこで走るんだ?」

テイオー「うーんとね、河川敷かな!」

シルヴァー「わかった、行こう!」

テイオー「うん!」

 

俺たちは河川敷に向かった

テイオーとは毎日のように走ってるが、毎回新しい発見があって楽しい。

しかしテイオーの人気っぷりよ

テイオーのレースを見てファンになった人たちがたくさんいるようだ。

いや、俺も同じ様なもんか…学校でも2着だったのにまるで優勝インタビューみたいに群がってきやがったからなー…

チヤホヤされるのは悪くねーけど……

一通りいつも通りの練習を終え、日が傾いてきた。

今日から重りをつけて特訓していたから疲労がすごい…これで家まで走って帰ると思うと気が滅入るな

 

冬の肌を刺激するような寒さの中汗を流しながら帰ると着込んでいたジャージが濡れてしまう。上着を脱ぎ腰に巻くとふと、腕から湯気が出ているのがわかった

 

シルヴァー(……ギア2!何つってw)

 

年相応の遊びをしながら家に帰った

今日は母が家に帰って来れない日だ。こうしてたまに仕事場の状況に応じて帰れる時間が変わるのだ。おそらく深夜あたりに帰ってくるだろう。

だが問題はそこではない。

 

シル父「…帰ってきたかレヴェル」

シルヴァー「父さん…」

 

親父が帰ってきていると言うことだ。



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第五R 父と友人の愛

シルヴァー「……ただいま」

シル父「地方予選、見せてもらったぞ」

シルヴァー「…ッ!」

 

やっぱりか…いやURAの職員なんだ、知ってて当然か

 

シル父「2着だったな、トウカイテイオーくんに負けて…」

シルヴァー「……」

シル父「…」スッ

 

親父の手が伸びてくる

ああ、またいつものか…もう嫌だなあ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

父「よーしよしよしよしよし!頑張ったなー!さすが私の愛娘だ!!」グシャグシャ

シルヴァー「………」アタマグワングワン

頭を撫でられるのは嫌いじゃない。むしろ好きだ。

ただ元おっさんだった俺がおっさんに撫でられて頬擦りされるんだぜ……?

優しい親の愛情だ、受け止めy…やっぱキツい

シル父「よくやったぞレヴェル!!お前はやればできる子だって信じていたぞ!!!」

シルヴァー「……ッ!……ぅ……ッ!」

 

前世ではこんな風に褒められたことなんてなかったし、そもそも父親が酒クズのタバコ野郎で母さんと俺に暴力振るって豚箱行きになったクズだったからな

この世界に転生してからも、ウマ娘としての生活は楽しかったが、やはりどこか

満たされない部分があったのかもしれない。だから、こうやって褒めてくれるだけで涙が出そうになるくらい嬉しいんだ。

 

シル父「どうした?嬉しくないか?」

シルヴァー「ううん……違うの!……ありがとうお父さん……!」ギュー

シル父「おぉ!おおお!可愛い奴め!」ナデナデ

 

俺は今、幸せだ ーーーーーー

 

1時間抱き合った後父さんがカルボナーラを作ってくれた

 

シルヴァー「いただきます!」モグモグ

シル父「うまいか?レヴェル」

シルヴァー「はい!とっても美味しいです!」

シル父「そうかそうか!いっぱい食べろよー!」

 

本当にいい父親を持ったもんだよ……

ご飯を食べ終えると、自室に戻りベッドに寝転がる

 

シルヴァー「はぁ〜……」

 

今日は疲れたな……早くねよう……

俺の意識は闇へと消えていった 翌朝目が覚めると体がダルかった

 

シルヴァー(あちゃー……昨日のアレが原因かな?)

 

確か昨日は風呂上がったあと髪も乾かさずに薄着で寝たからな…

俺はウマ娘になってから風邪をひいたことがない。

それどころか怪我すらしないのだ。

ウマ娘の体には人間の体の常識は通用せず交通事故の際も車側が大破するなんて漫画みたいなことも起こる

だがウイルスへの耐性や抗体はヒトとそこまで変わらんらしい

 

シルヴァー「ま、今日は学校休みだしゆっくりするか……」

 

そして、二度寝に入ったその時だった。

ピンポーン 家のチャイムが鳴った。

 

シルヴァー「誰だよ……ったく」

 

玄関に向かい扉を開けるとそこには……

 

「おはよ!シルちゃん!」

シルヴァー「……えっ!?」

 

そこには隣の席の子がいた

そ言えばあの時言ってなかったけど、この子の名前は『席隣子(せきりんこ)』

元気いっぱいで優しい子だ。

 

シルヴァー「ど、どうしてここに……?」

席「お母さんから聞いたんだけど、シルちゃんが風邪引いたって聞いて心配になってきちゃってさ!ほら、これあげるから飲んでみて!」

シルヴァー「これは……薬?」

席「うん!私が作ったの!効くと思うから試してみて欲しいなって思って!」

シルヴァー「作ったぁ!?」

 

科学者の娘だけに理科の化学実験とかすげー手際よくできてると思ったら、風邪薬開発する程とは…

まぁ一応貰っておこう、酷くなった時に最終手段として使おうか…

 

シルヴァー「ありがとう、助かるよ」

席「いえいえ!じゃあお大事にね!」

シルヴァー「ああ、わざわざありがとな」

席「うん!また明日学校で会えるといいな!」

シルヴァー「そうだな、またな!」

 

ガチャリ

シルヴァー「ふぅ……」

まさかあの子が見舞いに来るなんてな……

まぁもう一年近い付き合いになるわけだし。来年も同じクラスがいいな…そんなことを考えながら再び眠りについた。

ーーーーーー 翌日、体調が良くなったので登校すると……

 

席「おはよう!シルちゃん!」ニコッ

シルヴァー「ああ、おはよう」

 

席「大丈夫だった?」

シルヴァー「もう治ったから平気だぞ」

席「良かった……でも無理しちゃダメだからね!」ナデナデ

シルヴァー「……ッ!……うん///」

(隣子の手あったかいな……それになんか落ち着くかも……)

先生「ういーすお前らー席につけぇー。さもなくば俺の失恋エピソードPart24を聞かせるぞー」

「「「「」」」」ガタッ ガタッ ガタッ ガタッ

 

先生「…そんなに嫌か?先生泣いちゃうよ?」

シルヴァー(誰だっておっさんの失恋エピソードとか聞きたくねぇよ。つか、たまに普通の会話に混ぜて話してくるから厄介なんだよ)

 

ーーーーーー 放課後

 

シルヴァー「……よし、帰るか!」

席「シルちゃん!」

シルヴァー「ん?どうした?」

席「一緒に帰ろう!」

シルヴァー「(テイオーとの待ち合わせには時間あるしな)いいぜ!」

帰り道

シルヴァー「そういえば、昨日はありがとうな」

席「いいよ別に!友達なんだしさ!」

シルヴァー「……そうか」

席「……ねえシルちゃん」

シルヴァー「なに?」

席「……その、シルちゃんは好きな人っているの?」

シルヴァー「えっ……!?」

席「いや!変なこと聞いちゃってごめんね!ただちょっと気になっちゃって……」

シルヴァー(好きか……正直なところ俺にはまだ恋愛感情というものがよく分からない。前世ではそういうのとは無縁の人生を送ってきたからな……)

シルヴァー「……俺は……まだいないかな。そもそも恋ってどんな感じなのかも良く分かってないし」

席「そっか……なら、私が……いや、なんでもない!///」プイッ

 

 

 

 

シルヴァー(聞こえてますけどぉぉぉ!?え?なに?私が?うそ、隣子の奴まさか

いや、真実を確かめねば………)

「なぁ隣子は好きな子いるのか?」

 

席「へぇあ!?」

シルヴァー「おい、声裏返ってるぞ……」

席「べ、べつにシルちゃんのことが好きとかじゃないんだからね!?」

シルヴァー「」

席「あっ……ち、違うの!今のはその……えっと……!」

シルヴァー「……ぷっ……くくく」

席「……えっ」

シルヴァー「冗談だよ。隣子慌てると面白い反応するからついからかっただけだ」

席「……そ、そうなの?」

シルヴァー「ああ、そうだ」

席「……そっか……良かったぁ……」ホッ

シルヴァー「……隣子、一つ聞いてもいいか?」

席「……な、何?」

シルヴァー「俺が将来中央トレセンに行くって言ったお前は俺を見送ってくれるか?」

席「……ちょっと寂しいけどそれがシルちゃんの夢なら応援するよ!」

シルヴァー「………そっか、ありがとな///」

席(……この気持ち……胸の奥がきゅってなる感覚。やっぱり私、シルちゃんのコトがスキなんだ…)

シルヴァー(……隣子、俺はお前の思いには……)

 

ーーーーーー テイオーとの集合場所にて

 

シルヴァー(やべぇ、なんか心のモヤが晴れねぇ……どうしちまったんだ俺ェ)

 

テイオー「シル?元気ないねー?」ヒョコ

シルヴァー(こいつ、たまに突然現れるよな。)

シルヴァー「なぁテイオー。もし、もしもだ。俺がトレセンに行ったら……ずっと側にいてくれるか?」

テイオー「もちろん!だってボクもトレセン目指してるからね!トゥインクルシリーズで活躍しまくって皆んなに無敵のテイオー様って呼ばれるんだ!」

 

シルヴァー(……そうか、こいつは夢に向かって頑張っている。それに比べて俺は…………決めた。もう迷わない。俺は……

ウマ娘として、選手として生きていく)

 



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第六R 不穏なレース

PFC関東予選当日

 

ナレ『さぁ始まります、小学生ウマ娘日本一を決める大会『プリティーフロンティアカップ』関東予選!地方予選とは違いA・B・Cのブロックに別れてもらい、八名づつ出走してもらいます!今回は各ブロックの上位三名のみが次の最終予選に出場権が与えられます!』

 

シルヴァー「……よし、行くか!」

アナウンス「選手の皆さんは各ブロックに別れていただくためクジ引きをおこないます!」

 

テイオー「だって、行こう!」

シルヴァー「あぁ、なるべくお前やメテオさんと当たらない方がいいな…」

テイオー「そーだねー闘うなら決勝で闘いたいし」

シルヴァー(テイオーはともかく、メテオさんの実力は地方予選の時より遥かに上昇している…あの周りを焼き尽くさんとするオーラ、俺やテイオーでも勝てるか……)

テイオー「シル!シル!」

シルヴァー「ん?どうした」

テイオー「この前2人で買ったシューズ、コーティングしてきたんだ!今日のレースで使おうよ!はい、シルのシューズ」

シルヴァー「お、サンキューテイオー!」

テイオー「ふふん♪」

 

司会「では今からクジを引いてもらいます!引いた方は番号を見せてからこちらへ!」

シルヴァー「よし俺が1番だな……俺の番号は……B-5だな」

テイオー「どれにしよっかなー…これ!C-2だ!」

メテオ「私はA-1だ」

カモン「アタシはB-2!」

アヴェ「私はC-4ですね」

シルヴァー(綺麗に別れたな、一緒なのは前走4着のコトリカモン、そこまでマークしておく必要は無さそうだな)

 

司会「次々お願いしますよー!」

???「は〜い」ズッ

 

シルヴァー(うおっ!なんだこの…)

テイオー「うわーおっきい子。やっぱ6年生かな?」

???「いえ、5年生です〜」

テイオー&シルヴァー(えっ……?聞こえてた!)

司会「はい『ヤマノイタダキ』さんですね」

ヤマノ「は〜いC-8です〜」

テイオー「ボクと一緒!?うわー1番の壁だぁ」

シルヴァー「心配すんな、何のためのタイヤ特訓だったんだ!こういう時に特訓の成果が活かされるんだ!」

テイオー「そ、そっか!じゃあ一緒に頑張ろう!」

シルヴァー「おうよ」

司会「はい、これで全員引けましたね?それでは各選手ブロック別の控え室に移動してくださーい」

 

Aブロックはエターナルメテオの圧倒的な威圧感の前に地方を勝ち進んだと言えどまだまだ小学生、萎縮して2着とは大差だった。

次は俺だマークすべきはヤマノイタダキと同じ出の『コヤマムスビ』だ。

コイツもデカイ…150cmはあるぞ?

ちなみに俺は134cmだ

コヤ「よろしくねー」

シルヴァー「あぁ、負けないぜ?」

コヤ「それはこっちのセリフだよー」

レース開始まであと少しだ。

コヤ「ねぇ君」

シルヴァー「ん?どうした?」

 

コヤ「レース中のボクには気をつけなよ?」

シルヴァー「……なに?」

 

実況『各ウマ娘一斉にスタートします!まず最初に飛び出したのはコトリカモン!そのすぐ後ろにコヤマムスビ、そして1番人気シルヴァーソニックは最後方中団ではミドリノバンチョーが他のウマ娘にプレッシャーをかけて前に出さないようにしています!』

 

シルヴァー(あの野郎……どういう意味だ?激突に気をつけろってことか?)

 

実況『ここで先頭集団に変化あり!コトリカモンが徐々にペースを上げていきます!これはレース展開に大きな変化があるかもしれませんね!しかし後続も遅れずについていきます!さぁどうなるか!最初のコーナーに差し掛かります!さぁ誰が仕掛けるのか!?おっとコヤマムスビがコトリカモンに近づいた!コヤマムスビがどんどん伸びていく!』

 

シルヴァー(いや違う、コトリカモンが落ちてきてるんだ!何をしやがった?

だが俺も仕掛けさせてもらうぞッ!!)

 

加速する!

 

シルヴァー(まだだ!もっと早く!もっと速く!)

 

さらに加速する!

 

シルヴァー(もうちょいだ!もう少しで抜ける!)

 

コトリ「……」

 

シルヴァー(よし抜けた!あとひと……)

コヤマ「調子に乗ってんじゃねぇぞチビが……

 

シルヴァー「ッ!?」ゾワッ‼︎(なんだ今の殺気は!やばい!このままだと……)

 

 

コヤマ「邪魔だ……消え失せろ……!」

 

 

シルヴァー「くっ……間に合えぇ!!」

 

ゴッ

シルヴァー「ぐぅ……ッ!」

 

実況『あーっとシルヴァーレヴェル勢いがつき過ぎたのか前を走るコヤマムスビに接触してしまったー!しかしまだ加速を続けています!一体どこにこんなパワーがあるんだー!?』

 

コヤマ「チッ……転倒は避けたか、運のいい奴だぜ」

シルヴァー「それが…アンタの本性…か」

 

コヤマ「ザコが俺様と競り合うにはちと小さすぎんだよ。だから簡単に吹き飛ぶ、ゴミが吹き飛ぶ様を見るのは心地いいぜ…」

 

???「ふざけんなやぁ!」

コヤマ・シルヴァー「「!?」」

 

実況『残り400mに差し掛かる!ここでミドリノバンチョーが先頭に並びかけてきたー!!』

 

コヤマ「な、なんだアイツは!」

シルヴァー(まさか……)

コヤマ「おいテメェ!なんのつもりだ!そこをどけやぁ!」

ミドリノ「暴力振るって勝つのは選手としてクズだ!名家で特訓したパワー見せちゃらぁ!!」

 

実況『さぁスリートップが並んだ!一番にゴール板をくぐるのは誰だー!?』

 

コヤマ「クソがぁぁぁぁぁぁ!!」

シルヴァー「……ッもう…一踏ん張りだ、とどけぇ……」

ミドリノ「ぬぁぁぁぁ!!!」

 

ドサッ

 

実況『シルヴァーレヴェルだーー!!シルヴァーレヴェル倒れ込んでゴールイン!!1着は1番人気『シルヴァーレヴェル』だ!!』

 

救護員「担架だ!急げ!!」

 

チクショウ……ギリギリ勝ちか

もっと……がん……ば………

 

ワーワー

シル~シッカリシテヨーシナナイデーウワーン

 

コヤマ「……チッ」

ミドリノ「ぬぅ、負傷者に負けたか…万全の状態なら完敗だったろうなッ」ギロッ

コヤマ「そんな顔で見ないでよー、ボクこわーい」

ミドリノ「………女狐めが」

 

実況『さてアクシデントはありましたが次に進みます!Cブロックの選手はパドックへどうぞ!』

 

「テメェはアイツの二の舞にならなきゃいいけどなぁトウカイテイオー……」

 



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第七R 目覚める力

係員「トウカイテイオーさん、早くして下さい!ほかの選手はもうゲート入り前ですよ!」

テイオー「シル、行ってくるね」

 

テイオーは負傷し医務室のベッドで眠るシルヴァーレヴェルの頭を撫でてその場を後にした。

 

係員「あ、そうだテイオーさん、コヤマムスビさんと同じ出のヤマノイタダキさんには気をつけてくださいね?彼女もまたレース中はかなり荒れますから……」

テイオー「…うん、絶対負けない」

 

 

実況『先程はアクシデントがありましたが、今度は皆さん無事に走り終えてもらいたいです!Cブロック出走バをご紹介します!まずは1番2番人気のヤマノイタダキ!その巨体はまさに壁!逃げの彼女を追い抜くことができる娘はいるのか!?続いてはアヴェハート!優雅な足運びで勝利を収めるか!?続いて……』

 

ヤマノ「……」

テイオー(あの子……すごく落ち着いてる。すごくレース慣れしているみたいだ)

ヤマノ「……あの野郎の前で無様を晒すわけにはいかねぇな」ボソッ

 

 

実況『そして1番人気!トウカイテイオー!やはり人気はこのウマ娘ですね!今回はどんなレースで魅せてくれるんでしょうか?他にはない末脚で勝利を掴むことができるのか!?まもなく出走です!』

 

ヤマノ「……」

テイオー「……ふぅ」

アヴェ「ゴクッ……」

 

実況『各バゲート入りしました!……そしてゲートが開かれ各バ一斉にスタート、ヤマノイタダキが早くも先頭を走っていきます』

ヤマノ「……ンッ!」

テイオー(速い!でも僕だって!)

ヤマノ「……来ましたね」

テイオー「……ッ」

ヤマノ「お先に失礼いたします」ニコッ

テイオー「えっ?」

ヤマノ「フッ!」

ヤマノは一気に加速し、テイオーを突き放した。

ヤマノ「……」

ヤマノは後ろを見ることなく感覚のみで相手の位置を把握していた

そしてあまりのスピードに何が起こったか理解出来なかった者も多い中、テイオーは加速も減速もせず自分のペースを保つことに集中していた

モブ「くそッ!」

実況『おおっとここでモールスブラックが前に出た!』

解説『急加速したヤマノイタダキの影響で掛かってしまったようですね』

ヤマノ「……ッ!」

ヤマノは更にギアを上げていった

実況『ヤマノイタダキが後続を引き離そうとさらにスピードを上げた!まだ第二コーナー前ですが、これは正解でしょうか?』

解説『彼女の脚質やスタミナを考えると良いのかも知れません。しかし彼女を追わなければ逃げ切られ、追えばスタミナを切らしてしまう。さらに前に出ようとすればあの巨体を避けて行かなければなりません。外に回ればさらに体力が削られてしまいます』

実況『彼女だからこそできる作戦というわけですね!』

 

ヤマノ「……ハァ……ハァ……もう少し……上げるか」

テイオー「……ウソ」

(すごい、ホントに同じウマ娘なの……?)

実況『さぁ第三コーナーに入りましてヤマノイタダキがグングン差を広げていく!』

解説『恐ろしい才能ですね。今後の彼女やトレーニング内容が気になります』

ヤマノ「……まだまだこれからですよ」

テイオー(また加速した…)

実況『さあここで第四コーナーカーブ先頭は変わらずヤマノイタダキ、そして加速を続けていた1番人気トウカイテイオーが先頭を狙っている』

解説『絶えず自分のペースを保ち続けたことで余力を残して二番手に躍り出ましたね。しかし大きなバ体を持ったヤマノイタダキを躱すことが出来ればいいのですが』

ここでヤマノイタダキから発する赤い闘志が赤黒くなったのをメテオは見逃さなかった

メテオ(そうか…このレースに参加した『ヤマノイタダキ』『コヤマムスビ』そして私と走った『アカノセキ』こいつらは全員同じ作戦でカーブの後にオーラが黒くなった……)

???「気づきましたか」

メテオ「あぁ、そして同じように二番手の選手を潰しに来る…!」

ヤマノ「ククッ…さぁ来いよトウカイテイオー……シルヴァーレヴェルの様に病院送りにしてやる…!」

 

 

 

テイオー(あんなの避けれるわけが無い…でも諦めるの?シルは諦めなかった…フラフラになっても、走って1着を取った)

 

ボクにも

 

いや、ボクだけの力で

 

壁をこえる

 

 

 

 

"最強テイオーステップ"

 

 

 

ヒュッ

 

 

ヤマノ「は?」

実況『なんと!トウカイテイオー、ヤマノイタダキを躱し先頭についた!!』

テイオー「これが……ボクの……全力だぁぁぁぁぁぁ!!!!」グォォ!!

 

実況『トウカイテイオー!今ゴールイン!2着にはヤマノイタダキ!3着にサンダーウルフが入りました!』

「「「……」」」ポカーン

ヤマノ「……ッ」プルプル

テイオー「やったー!勝った!」

ピョン 実況『トウカイテイオー!見事勝利!見事な走りを見せてくれました!』

解説『最後まで諦めなかったことで勝利出来ましたね。しかしヤマノイタダキも素晴らしい逃げを見せてくれました。今後彼女がどう成長するのか楽しみです』

テイオー「う~ん!疲れたけど楽しかった!」

ヤマノ「くそっ……!この私が負けただと!?ふざけやがってぇ……ッ!」

テイオー「ぴぇっ…」

 

 

 

 

???「情けないねぇー」

ヤマノ「なッ!?」

???「体格、スタミナそしてあの状況…何もかもお前が優勢だったにも関わらず無様に負けた」

ヤマノ「う、うるせぇ!!あんなのナシだっ!俺が負けるわけねぇ……こんな…ガキにッ」

テイオー「えっと、誰……?」

???「お前さんは知らんだろうが私は知ってるさ。『トウカイテイオー』……巷で噂のウマ娘でPFCの優勝候補の一人」

テイオー「ボクってそんなに有名になったの?」

⁇?「あぁ、そして私の大ッ嫌いなヤツの一人さ…」

テイオー「…え?」

???「まぁ今は争うつもりは無いしな、お前はさっさとオトモダチの所にでも行ってきな」

 

ヤマノ「おい、俺を無視すんな!そもそもてめぇは何しにきやがった『スプリングボイラー』!」

スプリング「無様に負けたあんたにはもうお役御免ってこと言いに来たのさ」

ヤマノ「なッ!?どういう意味だよ!」

スプリング「そのままの意味さ。喧嘩ならやめとけよ?あんたが私に勝てる要素なんてないんだからな」

ヤマノ「なにぃ……!」

テイオー「……なんかよくわからないけど、喧嘩しないでよ!」

ヤマノ「ぐぬぅ……!」

スプリング「ほら、さっさと帰れよヤマノイタダキ」

ヤマノ「覚えてろよ……トウカイテイオー……!」

テイオー「……行っちゃった、あ!そうだ、シルー!」

 



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第八R 親友〜PFC関東予選後〜

メテオ「テイオーちゃん!無事かい?」

 

テイオー「うん!なんとかね!それよりシルは大丈夫?」

 

メテオ「あぁ、心配はいらないさ。貧血になってるだけさ。時期に目を覚ますと思う」

 

テイオー「よかった……本当に……良かった…グスッ」

 

メテオ「よしよし泣いてちゃダメだぜベイビー、シルヴァーちゃんが起きた時に心配してしまうからね」ナデナデ

 

テイオー「血を流して…倒れてるの、見たとき…もう一緒に…走れないんじゃないか…って…グスッ」

 

メテオ(そうか……こんなにも彼女のことを大事に思っているとは…)

 

テイオー(シルはいつもボクの傍にいて、一緒に笑ってくれる大事な親友なんだ。だから絶対失くしたくない!)

 

メテオ(レース中に感じたのはこの子の素質……そしてオーラの色…おそらく……)

 

シルヴァー「……んん」

 

メテオ「おっと、目が醒めたようだね。気分はどうだい?シルヴァーちゃん」

 

シルヴァー「あぁ、悪くはないさ……」ムクッ

 

テイオー「あ、起き上がっちゃ…!」

 

シルヴァー「テイオー……レースは?…勝ったのか?」

 

テイオー「う、うん……ボク勝ったよ!」

 

シルヴァー「……そっか、やったじゃん」ニコッ

 

テイオー「シル……!」ギュッ

 

シルヴァー「ちょ、テイオー!?」

 

テイオー「シルが倒れた時ボク……怖かったんだよ……シルがいなくなっちゃうんじゃ無いかって思って……ボク……ボク……!!」

 

シルヴァー「……ごめんな、テイオー。でも俺はここにいる。約束しただろ?また一緒に走るって」

 

テイオー「……うん」シルヴァー「それに、俺はまだ諦めたわけじゃない。必ず治してみせるさ」

 

テイオー「……本当?」

 

シルヴァー「あぁ、テイオーとの誓いを破るわけにはいかないからな」

 

テイオー「……わかった!じゃあ早く怪我なおさないとね!」

 

シルヴァー「おう!任せとけ!」

 

メテオ「私は先生に知らせてくるよ」

 

シルヴァー「ありがとうメテオさん」

 

テイオー「ふわ~眠くなって来ちゃった……」

 

シルヴァー「……ここ会場の医務室だぞ?オレはあとからウチの地区の病院に移されるからいいけど、」

 

テイオー「……zZZ」

 

シルヴァー「寝るんかい!」

 

テイオー「……んん」

 

シルヴァー「……まったく、しょうがないな」

 

テイオーの頭を撫でながら微笑むシルヴァーレヴェル その顔はとても優しいものだった

 

「……ありがとなテイオー」

 

テイオー「……んフフ」スースー

 

シルヴァー「……可愛い奴だ」

 

テイオー「……すーすー」

 

シルヴァー「……おやすみテイオー」ウトウト

 

─────────────────────

 

 

メテオ「シルヴァー君、先生を……おやおや、これは」

 

先生「可愛らしいですね」

 

夕日が差し込む病室の中、ベッドで眠るシルヴァーレヴェルと、それに寄り添う様にトウカイテイオーがうつ伏せに眠っていた

 

 

 

 

【挿絵表示】

 



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閑話 バレンタイン(小学校①)

バレンタイン過ぎちゃったけどpixivで投稿したからこっちでも出しておこう


バレンタイン

それはリア充共が吐きそうな程甘い雰囲気を出し、非リア共が某ギャングのボスに負けないくらいの邪悪なオーラを醸し出す、そんなchaos daysである(個人の感想です)

そういうオレも期待していた時期があった。

そうそれは中学二年の頃…女の子との出会いを求めて勉強のできるインテリキャラになろうとしていた時期だった。

クラスで唯一仲良くしていた女子にチョコを貰えないか期待していた、だが放課後彼女はオレの前の席の奴に告白していたのだ。オレと仲良くしたのは、前の席の奴に近づくためだったのだ!

 

オレは泣いた、家に帰ると苦手なはずなのに、母が手作りチョコを用意して待っていたのだ!またオレは再び泣いた。

 

そして今世、ウマ娘となったオレは渡す側になってしまったのだ…

 

シルヴァー「よしっ父さんの分と隣子の分はできたぞ、あとはテイオーのだな」

 

シルママ「あらあらお母さんの分はないのかしら?」

 

シルヴァー「ちゃんと作るよ……余った分でねw」

 

シルママ「えーん娘が冷たーい!」

 

シルヴァー「冗談だよ!はいこれあげる」

 

シルママ「わぁーありがとう!シルヴァー」

 

チョコレート作りを終えバレンタイン当日オレは学校へチョコを持って向かった。

オレはいつも通り学校に行くためにバスに乗った。するといつもより乗客が多い気がした。

カップルやら女子同士やらがかなり多かった。

 

(この中に前世のオレと同じ境遇の人がいるんだろうな……)

 

そんなことを考えていると、急に後ろから声をかけられた。

 

「あの……」

 

シルヴァー「はい?なんでしょうか?」

 

振り向いてみるとそこには可愛らしい制服を着た中学生ぐらいの女の子がいた。

 

「その……応援してるね!これ受け取って!!」

 

女の子は顔を真っ赤にしてチョコを渡してきた。応援?PFCのことか?小学生の大会でもファンはつくものなんだな。

 

「頑張ってね!」

 

そう言って女の子はバスを降りていった

 

シルヴァー「…現役のウマ娘もこんな感じなのかな」

 

学校に着くと男子達は女子の方をチラチラと見ていた。中には何度も靴箱やロッカーを確認する子もいた。当然ウマ娘であるオレにも期待の目が少なからず向けられていた。

すると一人のクラスメイトの男子が近づいてきた。

 

「なーシルヴァーちゃん…チョコ作った?」

 

こいつは確かオレの前の席に座っている男だ。名前は……忘れた。まあいいか、とりあえず答えよう。

 

シルヴァー「そりゃあもちろん?」

 

「はぁ…貰える相手が羨ましいねぇ」

 

そう言って男は崩れ落ちた。

 

「ちくしょう……俺だって本命の子からチョコ欲しいよ……」

 

シルヴァー「そうか……ならくれそうな子に頼んでみればいいんじゃないか?」

 

「そんな子いないよ……」

 

シルヴァー「諦めるのは早いと思うぞ?」

 

「うぅ……今更仲良くなるなんて無理だよ……」

 

シルヴァー「確かに難しいかもしれないけど、何もしないで後悔するよりやって後悔した方がいいと思わないか?」

 

「……そうだな!ありがとよ!ちょっと頑張ってみる!ってことでチョコくれ!」

 

シルヴァー「断る」

 

「ちぇっやっぱりダメだったか」

 

シルヴァー「すまんな……」

 

「いいよいいよ、なんか元気出たし!サンキューな!」

 

そう言うと彼は自分の席に戻っていった。

それからというもの休み時間になると何人もの女子生徒がオレの元にきてチョコを渡しに来た。その中には隣のクラスの生徒もいた。

 

「はいこれ!私が作ったんだ!」

「私のもあげる!」

「PFCみんな応援してるね!」

 

などとたくさんのチョコを貰った。

 

シルヴァー「ハハハ、ホワイトデーが大変だな…」

 

ー昼休みー

 

シルヴァー「隣子、あのさチョコ作ってきたんだけど…貰ってくれるか?///」

 

隣子「ホントッ!?嬉しいー!シルヴァーちゃんの手作りなんて♡」

 

シルヴァー「喜んでくれて何よりだ///」

 

隣子「じゃあ私も、はいッ」

 

シルヴァー「ハート型…愛を感じるな…なんつって///」

 

隣子「もうッシルヴァーちゃんったら〜♡」

 

こうして無事に隣子とチョコを交換し終えると次はテイオーの番だ。

 

ーいつもの公園ー

 

テイオー「やっほーシルー!んや?その袋何かな〜?」ニヨニヨ

 

シルヴァー「揶揄うなよーほらチョコ作ってきたぞ///」

 

テイオー「まさか手作りー?ボクが本命なの〜?いやー照れるな〜」

 

シルヴァー「ばっか///友チョコだよ」

 

テイオー「ふーん……まあいいや!はいボクからもどーぞ!」

 

シルヴァー「おぉ!ありがとう!開けてもいいか?」

 

テイオー「うん!いいよ!」

 

シルヴァー「どれどれー……おっ!マカロン?」

テイオー「うん!チョコ味のね!シルのは〜?…蹄鉄型のチョコ?」

 

シルヴァー「在り来りかな…ウマ娘と言えばで考えたんだが…」

 

テイオー「もしかしてシル、渡すチョコによって意味が違うってこと知らないの?」

 

シルヴァー「え!?そうなのか!?」

 

テイオー「うん、だからね……」ギュッ

 

シルヴァー「ちょっ!急にくっつくなって!」

 

テイオー「このチョコは"あなたは特別な人です"っていう意味があるんだよ?つまりボクにとって君は特別だってことだよ?」

 

シルヴァー「マカロンってそういう意味なのか///」

 

テイオー「どう?ドキドキした?」

 

シルヴァー「ああ……凄いなお前……」

 

テイオー「あはは……実はね、朝からずっとシルのこと考えてたんだ……」

 

シルヴァー「///」

 

テイオー「シルってばさっきから顔真っ赤ー///」

 

シルヴァー「それはお前もだろー!?///」

 

テイオー「そうだね……ねえシル、これからもずーっと一緒だよ?」

 

シルヴァー「あぁ……オレたちはいつまでも親友だ!」

 

こうしてオレたちのバレンタインは終了した。案外バレンタインも悪くないな



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