転生したら存在しない筈のヴィ家の長男だったので、悪逆皇帝になることにしました。 (Dullahan)
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序章
思いついちまったんだからしょーがねーダルルォ!?
てことでコードギアスで二次創作です。
うp主のIQは-53万なのでルルーシュが、主人公がおバカになるかもしれません。(૭ ᐕ)૭
悪しからず。
それでもいいよって方はごゆっくり。
序章な上に2000文字ぐらいしかありませんけど。(おいこら)
「アルヴェルト兄さん、チェスをしませんか?」
そう言って黒髪の少年が僕を誘ってくる。
チェスには自信があるが、いつも彼の手には驚かされる。
今思えば奇想天外な手を打って戦略で帝国を震撼させた稀代のテロリストの片鱗がもう既にこの時からあったのかもしれない。
「いいよ、ルルーシュ。今回は負けないからね。」
これまでの僕とルルーシュの戦績はちょうど五分五分。
いつもギリギリの戦いになり、そして勝ったり負けたりする。
前回は負けたので今回勝てば正真正銘、五分五分の戦績になる。
ルルーシュに連敗したら、その分を取り戻す為に僕が連勝する。
それが僕とルルーシュのチェスだ。
「今回は、僕の勝ちだね。」
僕がそう言うと悔しがるルルーシュ。
僕はこの時間を楽しみ、愛した。
ルルーシュとのチェスが、この世界に転生して初めての娯楽だった。
ルルーシュとチェスを楽しみ、ルルーシュに『兄さん』と呼ばれる日が来るとは思ってもなかった。
対局する度に、この平和が何時までも続けばいいのにと何度も思った。
だけど僕はこの平和に終わりがある事を知っている。
何故なら僕は転生者。
元々の名前は最早分からないが、
僕が転生者だと言うことはこの世界に来た時になんとなく感じた。
前世で死んだ時の事も記憶にない。
家族に見守られながら死んだのか。
1人寂しく死んだのか。
ただ、前世において死んだという実感はあったし、死んでいれば感覚が戻ることはないから、これが転生なのだと理解するには簡単だった。
目覚めた時、やたらとふかふかのベッドの上で、見渡せば豪勢な家具や壁、床が広がっていて、ここが何かの西洋的な屋敷かなにかというのはすぐに理解した。
体を起こし、姿見があったのでその前に立つと、転生した僕の姿があった。
黒に近い暗い栗色の髪に藤色の瞳。
どこかで見た事のあるような風貌だった。
僕の好きな作品の皇族の象徴である藤色の瞳。
ここは、この世界はコードギアスの世界なのではないかと。
そして、この世界がコードギアスの世界だと決定付ける出会いをした。
そう、ルルーシュとナナリーの存在だ。
前世で愛した作品だから間違いようがないと思う。
ただ、自分がヴィ家の長男だと言うのには違和感を感じた。
もしかするとコードギアスの世界で間違いは無いが、パラレルワールドとか言われる、その類か何かかと思う。
だから僕は覚悟を決めた。
原作の終わり方には納得はしていたが、一つだけ、ルルーシュが作り上げた平和な世界でルルーシュだけが居ないという世界が悲しくて仕方がなかった。
劇場版三部作も見たし、『亡国』も見たし、『復活』も見た。
だけどこれは僕の物語。
『僕が.....悪逆皇帝になるとしよう.....。』
決意を胸に、姿見に写る自分を睨みつけた。
─────────────────────
─アルヴェルト・ヴィ・ブリタニア─
これが今世における僕の真名。
いずれ"あの事件"で捨てることになる名前。
......はて、マリアンヌ暗殺事件って今からどれくらい後の事なんだろうか。
そう身構えながら暮らしていると、その時は案外すぐに訪れた。
僕が転生して数日が過ぎた。
1週間も経っていなかったと思う。
母、マリアンヌが死んだ。
原作通り、ルルーシュは僕の静止を無視して真相と責任の追求のために父シャルルに直訴しに行ったが、当然一蹴された。
ただ一言、
『弱かったから』と。
冷酷に切り捨てられた。
そして僕達3人は日本に人質として送られることになった。
異母兄弟たちは僕たちを見るだけ。
別れの言葉もない。
そして、間もなく神聖ブリタニア帝国は日本に侵攻。
呆気なく日本は敗れ、エリア11となった。
その混乱に乗じて原作通り、本国には僕達は死んだ事にした。
あんな世界をこの身を以て体感すれば、それはそうなると僕は思った。
─────────────────────────
そして僕が転生してからの怒涛の数日から8年の月日が流れた。
僕が18歳、ルルーシュは17歳、ナナリーは14歳になった。
今はアッシュフォード家の庇護の元、日本....いや、エリア11で暮らしている。
ルルーシュたちはマリアンヌの旧姓のランペルージを、僕はあの親の真実を知っているので名乗る気にはなれず、ルーベンに無理を言ってアッシュフォード家の養子となった。
ミレイの両親にまで迷惑をかける訳には行かないので、暮らすのはルーベンの元であるが。
誕生日がミレイより早かったのもあり、戸籍上はミレイの義兄となる。
学園ではルルーシュとナナリーとは生き別れた兄弟という設定で通してある。
少しくらいお涙頂戴設定があったっていいだろう。
学園での生活は友人にも恵まれ、充実したものとなった。
ただ1つ、自分が皇族であることを隠しているのが忍びないのだが。
せめて生徒会の皆にはいつか明かしたいなと僕自身は思っている。
僕の性格上、本当に信頼出来る人間には嘘をつきたくないというのがある。
尤も、ルルーシュがそれをいいと思うかはさておき。
僕はこれからについて考える。
ブリタニアに反逆し、世界を変える。
僕達が2人で優しい世界を作ると決めたからには何としても成さねばならない。
そのための力が必要だ。
ルルーシュは近いうちにC.C.と出会い、ギアスを手に入れる。
正直いって僕も欲しい。
コードもだ。
悪逆皇帝となり、討たれるまでが僕の計画ではある。
が、女々しいと言うかもしれないが、正直言って死にたくはない。
何とかしてギアスを手に入れ、コードも手に入れなければ....。
今やってるのも遅い上に完結もしてないので投稿頻度はお察しという事で。
投稿頻度に関しては一切期待しない方がいいと断言致します。
改:記憶違いが起こって時系列をミスっていたので直しておきました。
すみません。
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STAGE 01 黒き獅子が目覚める刻
これからも不定期ですがちまちま出します。
世界を変えると誓ったあの日から8年。
何事も無い...ことは無いが基本平和に学園での生活が送れている。
なぜこんな言い方をするのかと言うと、この8年この体でこの世界を生きてきて、気がついた事なのだが、相変わらず1度見聞きしたことが忘れられない。
と言うのも、転生する前の僕は"完全記憶能力"を持っていた。大抵の転生モノはチート+前世の記憶とかそこらだが、前世の記憶はおろか、前世の能力まで引き継いでしまったらしい。普通に生きてきた前世なら多少は耐えられたが、ここはギアス世界。正直心が持つか分からなくなってきた。
どうしてこんな事態に陥っているのか、僕にもはっきり分からない。肉体の記憶と魂の記憶は別物なのかとか、そういう哲学的な話になるという事だけは分かるので、これ以上掘り返すのはやめた方が得策だろう。
この世界線においてのアッシュフォード学園の生徒会は僕が会長、ミレイが副会長を、シャーリーやリヴァルなどは書記、会計はこの時点ではルルーシュとなっている。
目立つのにどうしてと問われれば、純粋にやりたかったから。
そもそも入学の時点で僕は変装しており、この学園で僕の素顔を知っているのは
お祭り好きのミレイが会長だった原作の世界線に乗っかり、ミレイが企てる催し物は大抵通すようにしており、兄妹揃ってお祭り好きのイメージが染み付いているというのがこの世界線のアッシュフォード学園である。
原作において序盤、ルルーシュがリヴァルと共に学校をサボってまで賭けチェスに興じているのは周知の事実であろう。この世界線でもそうである。
が、原作と違うのはそれが僕の指示で動いているという事である。さっきも述べたが、この世界線では僕が生徒会長である為、少なくとも表向きは真面目な会長を演じておきたいからだ。もう1つ原作と違う要素として、ルルーシュが賭けチェスで集めた資金の一部は僕が個人的に今進めている物の完成のために使う事になっている。それには莫大な資金がかかる為、平日はバイト、休みの日は僕もルルーシュと共に賭けチェスに興じる形で集めている。やはりどこの国でも肉体労働のバイトは羽振りがいい。ルルーシュと違い体力のある僕は肉体労働で金を稼いでいる。
そろそろ決着が着く頃だな、電話をかけておくとしよう。ちょうど休み時間だからな。
「終わった頃だと思って連絡したんだ、首尾はどうだい?ルルーシュ」
「あぁ、今日の貴族はかなり羽振りが良かったからな、かなり稼げた」
「そうか、相変わらず貴族共は金づるにするには丁度いいね」
ブリタニアの貴族共は無駄にプライドだけは高い。賭けチェスで金を払えないなんて周囲に知られたらそれだけで評判は下がる。つまり、なんとしてでも負ければ必ず払ってくれるのだ。その習性を僕達は利用している。
特権に寄生しナンバーズを弱者と見下し噛みつかれることを一切考えていない。それがブリタニアの貴族。僕達のカモだ。
「あぁ全くだ、兄さんの方は?」
「お陰様でいい感じだよ、計画開始の頃には間に合うんじゃないかな?というかもうほぼ完成してるしね」
「そうか、計画を練り始めた時にまさかあんな事を言い出すとは思わなかったけど、それを実現させてしまうなんて、さすがは兄さんだな」
「そうだルルーシュ、近いうちに日本人のテロリスト共が動くかもしれない。詳しい日時まではまだサーチ中だけど、どうやらブリタニアから毒ガスを奪取したらしいね。全くどっからそんなものを拾ってくるのやら」
「兄さん、それは本当か?」
「あぁ、僕の情報収集能力を舐めないで欲しいね」
「いや別にそんなつもりは....」
「あっ、そうそうこっちはモノ自体はほぼ完成しているし、あと調整だ何だって言った所だからね。上手く行けば計画を早められるかもしれないよ? 僕なら間違いなく早めるね」
「"アレ"ってもうそんなレベルまで来てたのか」
驚いてる驚いてる。
「無理もないよ、一切ルルーシュには進捗を見せてないからね」
「完成してからのお楽しみだって言ってたな、全く兄さんは」
「期待して待っていてくれたまえー」
「あぁ、また後で。何も無かったら次の授業には間に合うから心配しなくても大丈夫だよ」
「あぁ、」
プツッ
マスターの所からバイクで飛ばせば20分ほど....さて....それまでにルルーシュのやつがちゃんと帰って来れるかどうか......。帰ってこなければ今頃永田の運転するトラックの中かな...?知らんけど。毒ガスを奪取したという情報があるから可能性はありそうだな....。
「あれー?会長〜?こんな所で何やってたんですかー?」
そう声をかけてきたのはルルーシュの同級生で生徒会メンバーでもあるシャーリーだった。
どうしてこんなところに....。
「あぁ、ちょっとルルーシュと電話してたんだ」
「ルルはなんて言ってたんですか?」
「何も起きなかったら次の授業には間に合う、だってさ」
「そうですか.....」
「まぁ、相変わらず日本人たちのテロが収まらないからねぇ....巻き込まれたりしなけりゃいいんだけどね」
「会長はその....何でイレブンって呼ばないんですか?」
「ん?悪いかい?」
「悪いとかじゃなくて、ただ純粋に気になっちゃって」
「そうだな.....僕はさ、ナンバーズ差別って嫌いなんだよね。見てるとイライラするんだ。戦争に負けたからなんだって言うのさ。同じ人間に違いは無いのに、負けたら人としての権利が無くなるなんておかしいと思わないかい?」
.............
..........
........
.....
....
..
─ルルーシュSide─
一方その頃、リヴァルの運転で学校に向かうルルーシュたちはと言うと、後ろから来た大型トレーラーに煽られていた。
パァパァとクラクションが響く。
暫く進んだところで分かれ道が現れ、ルルーシュ達を避けようとトラックが道を逸れたが、その先に抜けれる道はない。トラックは通行止めを示すように置かれたカラーコーンを吹き飛ばしながら、あえなく工事現場に突っ込み、砂煙が立ち込める。
「なぁ、これって俺たちのせい?」
「まさか」
明らかに自業自得な事故だが状況を見て困惑するリヴァルに、そんなことないという風にルルーシュは返す。
しばらくして付近の建物から野次馬がぞろぞろと現れ、撮影を開始する。
『ちょっと、あれヤバくない?』
『誰か警察呼んだ方が....』
野次馬たちはそんなことを他人事のように口にする。
(どいつもこいつも.....!)
誰も助けようとしない姿に苛立ったルルーシュがトラックに向かって駆け出した。
「あぁ!ちょっと、ルルーシュ!?」
リヴァルの制止を無視して、だ。
ルルーシュは事故を起こしたトラックに駆け寄る。
「おい!聞こえるか!?」
ルルーシュが乗員の無事を確認するために声をかける。
『見つけた.....私の....』
(なんだ.....?今のは.....)
トラックの中の人物からの返事ではなく、返って来たのは頭に直接語りかけてくるような声だった。
....................
...............
...........
.......
...
アルヴェルトside
ルルーシュが連絡を寄越してから既に数時間がたち、もう部活動時間というところまで来てしまった。
外が、特に遠くの方が騒がしい。
ゲットーの方だな....
ということはそろそろルルーシュはギアスを手に入れてサザーランドでカレン達を手駒にして暴れている頃か?
「くっくっくっくっ.......動き出したかあいつめ.....」
弟が動き出したことを察し、僕もシンジュクゲットーへ向かう。
入り組んだ倉庫に"それ"があるからだ。
(ラクシャータ博士との共同開発で生まれた俺の機体......こいつがどこまでランスロットに対抗できるかだな......)
目的の倉庫に着き、シャッターを開けると、膝から下が肥大化した脚部が特徴的で、ランドスピナーが無い、所々金の差し色が入った漆黒のナイトメアフレームが姿を現す。
A6KM-00 "幻月"。それがこの機体に与えられた機体名だ。
「まさかもう動くとは思って無かったからなぁ....腕部の装甲を付けるのが間に合わなかったが....フレーム自体の強度を強めたから大丈夫なはず!それに最低限、スラッシュハーケンの基礎部分は覆ってる!行けるはずだ.....!」
そう言いながら整備ドックとの接続を解除し、タイマーで完全にドックから剥がれるようにセットして機体に乗り込む。
「幻月起動。各数値に異常なし、戦闘に支障はなし、OK、いい子だ。」
起動とともに幻月の2つのカメラアイが血のように赤い閃光を放つ。
「今行くぞ、待ってろよルルーシュ!」
俺は腰部のスラスターを点火し、飛び上がり、開けた道に出るとフルスロットルで倉庫街を抜けて激戦区へ向かう。
色々とすっ飛ばしすぎた気がしなくもない....
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