かぐや様を語られる (ノリと勢い)
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済那水咲は語りたい



全巻読破記念。



かぐ告の二次創作書きたい……
でも原作が最大手すぎる……
でもかぐ告の二次創作は書きたい……




……………かぐ語のを書けば良いのでは?







という甘い考えのもと書かれたのがこの小説です。ご了承ください。そもそも原作が最高すぎるのが悪いんだよ…………
赤坂先生ありがとうございます…








 

 

 

「あっあっかぐやしゃまぁぁぁ!!!ウッ」

 

「ちょっと!?この写真どこで撮ってきたんですの!?えっ何円で買えますの?おっと鼻血が」

 

「ガチトーンやめろ。じゃあ5万でどう?」

 

「買いますわ」

 

「やめろ現金をしまえ冗談だよ。」

 

「買いますわ」

 

「ごめんって冗談だって」

 

「買いますわ」

 

「いや許し」「買いますわ」

 

 

さて。1人は気絶して1人は写真を見て暴走中。こんな頭がおかしい状況のおかしい2人は誰でしょうか。2人の名前をお答えください。

 

はい、ナマモノ大好き女(紀かれん)味噌女(巨瀬エリカ)ですね。

ある程度シリーズを知っているなら名前は当てられずとも姿は思い浮かんだと思う。

 

 

そして、そいつらが今俺の目の前で頭がおかしい言動をしているということで…………

はい、ご明察。

 

俺は『かぐや様は告らせたい』という漫画…

の公式スピンオフである『かぐや様を語りたい』の漫画の中に転生してしまったのですパチパチパチ。

 

 

しかもマスメディア部……

通称【マス部】にも入部してしまった、と。

 

と、いうのも、思い返せば十数年前。

俺は目が覚めると例のごとく知らない天井に気付き、周りを見回してみると前世とは似ても似つかない程に大きな部屋がありまして。

 

ドアから誰か入ってきたかと思えば知らない男女でそれはもう驚いたこと…………

 

まぁ両親だよねということで。

でなんとか今日も今日とてこの日まで生き抜いている訳ですが、この世界は巨大財閥がゴロゴロ居る狂った世界。しかも物語の舞台はその中でも上澄みの野郎女郎が揃う学園、秀知院。

 

さらに四宮やら四条やらに目をつけられれば命の保証すらも無いと来たので入りたくはなかったんだけども、幼馴染とも呼べる2人と両親によってその野望は崩れ去りました。あーあ。

 

 

そして秀知院に何才の頃かに入って何年か経った頃ふと気付いたのである。

あれ?幼馴染達って"エリカ"と"かれん"じゃね?

 

……と。

気付いた理由としては外見と言動。

カプ厨とかぐや狂が少しずつ進行してきた後に気付いたがためにもう手後れで、なんとか改善させようともがきはしたものの諦めて現在に至る。

 

ちなみに恋愛感情はありません。

幼馴染であったがために対象として見れない。

何故なら言動。

 

2人の事は、正直個人的にはかぐや様(白銀好き好き女)なんかよりもずっと美人だし綺麗だと思う。が。前述した通り言動が……ね………

 

前世は『俺も語るくらいならできるし』みたいな感じであわよくば全然付き合えると思っていたが話は変わった。あれは良く理解っていなかった故の失言だ。既に取り消した。

 

家も近いし親同士も仲が良かったために共に育ってきたが、段々育ってきた奇行に他の友人は顔をしかめ、去っていった。

は?うちの幼馴染馬鹿にしてんのか?キレそう。

 

そんな事で去っていった奴は友人じゃないのでどうでも良く、ともかく2人のお陰で友人は0人。

 

"0"だ。その事実が重くのしかかる。

 

そんなこんなで高等部へ仲良く進学し奇人2人のお世話を焼き続けてきた俺はいつの間にかハイスペックお兄さんと化していたとさ。

めでたしめでたし。

 

めでたくないんだわ。

 

 

 

「ハァ??つまりかぐや様の写真に5万円の価値すら無いと言ってますの??キレますわよ??」

 

「違う。なら幼馴染割引だ。持ってけ。」

 

「いいえ!!!私の気が収まりませんわ!!

 10万円払わせなさい!!!」

 

「額が増えてる………だと……!?」

 

「え?落ち着かないの?大丈夫?味噌汁飲む?」

 

「ちょっと黙ってなさいエリカ。」

 

「ひどくない?」

 

「じゃあ俺は豚汁で。」

 

「は?味噌汁じゃないの?

 いや味噌使うから許すか。りょーかい!!」

 

「交渉中ですわよ!!

 注文しないでくださいまし!!」

 

「そんな校則は無い。なのでOK。」

 

「無ければ良いって訳じゃありませんわよ!」

 

 

 

 

 

許してくれ。俺は味噌汁も好きだがどちらかというと豚汁の方が好きなんだ。

 

ちなみに先程チラつかせた写真は弓道中のかぐや様の写真だ。許可は取ってる。

詳細は省くとするが『白銀会長に頼まれまして』と言ったら快く承諾してくれた。チョロいもんだぜ、へへっ。これがマス部の恩恵かぁ……

 

本人に問われた時の事も考えて、会長にも『俺を口実にしてもいい』と言質は取っているからな。じゃなきゃ撮らん。そんなんで撮ったらとっくのとうに東京湾に沈められてるって。

 

そして元々白銀会長に分け前として渡す筈だったのをもう一枚現像したのがこの手に持っている物です。勿論最高画質&最高品質の紙だぞ☆

 

 

 

「うぅ……!!なら私は50万出す!!

 くれ!!!!!!!!!」

 

「おいかぐや様信者。額上がりすぎな?」

 

「……くっ!!では私は……

 100万ですわ!!!!!!!!」

 

「競りじゃねぇんだわ!?!?」

 

「競りじゃ無かったのですか!?!?」

 

「じゃあなんでそれ1枚しか無いの?」

 

「あっ、もう1人分刷んの忘れてた」

 

「「……………………デュエル……」」

 

「「スタートよ/ですわ!!!」」

 

「120万!!」

 

「125……130万!!!」

 

「135万!!」

 

「140万!!」

 

「150!!!」

 

「160!!!」

 

 

「……………もう1枚刷ってくるか……」

 

 

 

 

 

………こんな感じの日常だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

本日の勝敗          

 

エリカとかれんの勝ち      

(かぐや様の写真を手に入れたので)

 

 

 

 

 

 






気に入って頂けたでしょうか。
高評価・お気に入り登録・感想などどうかよろしくお願いします。

それはともかく、だ。
君たちは…………
かれんさんとエリカさんどっちが好き?

俺はね、部長派。






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紀かれんに語られる



【エリカ】様と【かれん】様に倣い、
この小説本文内では水咲を【ミサキ】と表記するので以後よろしゅうお願い致す。



雫さんがさぁ!!
ふとした瞬間に笑顔になるやん!!??
「ニコッ」て!!「にへらぁ」って!!
見るやん??笑顔、見るやん??

クッソかわいい。(語彙力喪失)


少し失礼かもしれんけど、自分の貧乳度を恥ずかしがってくれているとなると尚最高。
気にしなくても大丈夫だ。
さらに下は居るんだからうわなにをするやめ








 

 

「……………というストーリーですのよ!!」

 

「ほーう…………対価は?」

 

「これですわ!」

 

 

バァァァン!!!(迫真)

 

と、眼前に居るかれんが迫真のドヤ顔で披露してきた"対価"とやらは、某人気ドーナツチェーン店のポンデリングである。

 

俺が好きなドーナツNo.1を年中陣取るこのドーナツは主に子供や女性が好きな傾向にあり、買い手もその分女性や子供に偏っている。

 

そのため現男子高校生の俺が買いに行くのは少々気が引けるがために、"対価"としてかれん、もしくはエリカに頼んでいるのだ。

 

 

「に、しても。毎回こんな物で良いのですか?

もっと高価な物を頼んでも許しますし、そもそも自分で、なんなら自分の従者に買ってきてもらえばいいのでは?」

 

「ばっ、お前そりゃなんか恥ずかしいだろ…

主人がポンデリング好きだと知ったら、俺が従者なら100%舐め腐るぞ。陰で笑うぞ。」

 

「性根も大分腐ってますわね、大丈夫です?

答えは知ってますが、女性の友人に頼む事には抵抗が無いのですの?」

 

「主に言動のせいかな。」

 

「何か文句でもありますの?」

 

「いや、なんでもありませんわよー。

んで、注文を聞こうかナマモノ同人作家さん。」

 

「その呼び名はやめてくださいまし!?!?

注文はR15辺りで日常、堅め、序章ですわ。」

 

「了解。ざっと70分待機で。」

 

「承知しましたわ。」

 

 

さて、皆気になっていただろう事を話そう。今の会話で察した人は察したと思うが…………

俺が作画担当だ。

 

理由は絵が上手いから頼まれただけである。

幼馴染だからこその秘密の共有とは便利なものなので、俺もポンデリングの入手のため働いているのである。

 

これも幼馴染の定め……、か………

簡潔に言って友人が妄想したナマモノを脳内に取り込んだ上でそれを自分の筆で表現するというのはとても。とてもきついが。

 

なんだかんだで俺もみゆ✕かぐ派なので付き合ってやっているのだ。それと毎度書かされているお陰で自分の絵のスキルも上がるばかりである。

 

自分の筆が穢れながら成長していくのを喜べば良いのか、それとも後悔すれば良いのか………。

 

その証拠に、先日pixiv(魔境)に宣伝を投下した某イカのアクションシューティングゲームの同人誌の売上がなんと70万円を突破した。なにかおかしい。

 

この世界がおかしい事なんて何度も身に沁みて分かっているがこれもちょっと良く分からない。

同人誌がこんなに売れる世界も大分異常だし…

 

やはり皆恋愛物語に夢を馳せているのだろうか。そういえば原作で会長がかぐや様に生徒会長の推薦役を頼む時の学園全体の盛り上がり様も異様だったし、この世界の人間そのものがそういうネタを求めているのかもしれない。(思考放棄)

 

あと、俺がかぐや"様"呼びしている事に関しては何も言わないでくれると助かる。この呼び方を強要されていたからこうなってるだけなのでな。

 

今となっては『かぐや様』呼びじゃないと体が拒否反応を示すところまで来てしまった。それもこれも全てエリカとかれんって奴らのせいなんだ。

 

 

………まぁ、とりあえず書っ……

 

 

 

ッバァァァァンッッ!!!(迫真)

 

 

 

 

…ッッ…………!!!

 

 

 

 

「たのもーーっ!!!!

 味噌汁はいらんかねーっ!!!!!」

 

 

「…………ビビりましたわ……」

 

「安心しろ、ただの味噌女だ」

 

「それもそれで怖いですわね……」

 

 

 

一応あなたの幼馴染兼親友ですけどね。

 

 

俺が書こうとした原稿用紙とかれんが出したネタ帳は一瞬の内に仕舞ったのでおそらく見られてないだろう。味噌女だけなら知られても問題無い気はするが………拡散力の高い女子に知られれば少なからずリスクがある。

 

幼馴染ともいえど、親友2人がナマモノを共同制作しているとなれば引くのは免れないだろう。

俺ならドン引く。

 

…いや、どうだろう……

大分毒されて……いやいや、流石に引く。うん。

 

 

それはともかくだ。

 

 

「ん〜…?……ハッ!!ミ○ドのポンデリングだぁぁー!!!ねぇねぇ、これ食べていい?」

「駄目」

「即答!?……まぁミサキポンデリング大好物だもんね。しょうがないよね。」

 

「ええ、しょうがないですわね。」

 

「おい、そんな目で見んなって。

 生暖かい目になるなって。」

 

 

 

「……あなた達、じゃれあうのは良いけどノルマ分の記事書けてるんでしょうね?」

 

 

居たのか雫さん。

 

 

「ヒェッ」

 

「ウワァ…」

 

「俺はもう終わってますぜー。」

 

「よろしい。」

 

 

マスメディア部部長、"朝日雫"。

この人が居るからマス部は動いているくらいの優秀さで、俺が尊敬に値すると判断した人物。

 

ただ、エリカとかれんまでこの人に任せると俺にも罪悪感というものが生まれてくるので、2人の制御は俺に任されている。

 

仕方ねぇよ、だってエリカとかれんだもの。

 

 

「でもこの記事なら出来てますわよ?ほら。」

 

 

かれんが指を差したのは、部長が手に持っている原稿。多分数分前に出すと言っていたノルマ分の記事である。ただ……

 

 

「………会長がいかに会長足りえるかを延々と語っている記事を、学年の新聞に載せろ、と……?

却下です。」

 

「何故ですの!?」

 

 

☆こ☆の☆始☆末☆

 

 

「この下り既に3、4回くらいやってませんでしたっけ?前にも言った通りですよ。」

 

「ご、ご無体な……」

 

 

デジャヴを感じた。

そう、なんとこの流れの会話はこれで5回目である。何度言われれば学ぶのか、それとも学んだ上で間違えているのか。審議は分からないがまぁ取り敢えずかれんは有罪だろう。

 

 

「なら私のは!?!?」

 

「…かぐや様、かぐや様、時々味噌………

 さっきの会話を聞いた上で良く出せましたね。凄いですよ。却下です。」

 

「なん……だと………」

 

「草。」

 

 

いやほんと草。

下書きは事前に俺に送ってきやがってたので俺は知っていたが、本当にかぐや様と味噌の事しか書かれていなかった。色んな意味で凄えよ。

 

きゅうりに味噌付けたやつおいしいよね。

 

 

「………はぁ……明日までには終わらせてあげてくださいね、ミサキさん。」

 

 

え?

 

 

「俺…だと………!?」

 

「すいませんが、狂人を相手できるのは狂人だけなんですよ………。申し訳ありませんね。」

 

「いや、まぁ慣れてるし良いですけど…狂人?」

 

「そうですか。なら「狂人って」なら「…了解しましたー。」頼みました。」

 

 

狂人扱いは不本意だが、実際、勢いが付いている状態のこの幼馴染達は俺か生徒会の民以外には止められないくらい暴走するので仕方の無い事。

 

あと教室に居ても友人と呼べる存在自体があまり居ないため、面倒を見ると同時にぼっち状態の回避も行えるのだ。まさに一石二鳥。まるで将棋。

 

 

「……あ、いっそ皆でこれ食べます?

 ○スドのポンデリング。」

 

「えっ!?!?あのミサキが……???」

 

「明日は雪でしょうか……?それとも雷雨…?」

 

「解せん誤解が判明した様だな。

 で、エリかれも要るんか?」

 

「その呼び方だと……………いえ、なんでもありませんわ…………。頂きますわ。」

 

「やった!無料(タダ)ポンデ!!」

 

「はい、部長。ポンデ嫌いとかあります?」

 

「いえ、好物です。貰いますね。」

 

 

いやぁ〜〜、ほんと、食べ物食べてて無口な時は普通に美少女なんだけどなぁ〜〜〜………

 

部長はいつも美少女。俺知ってる。

 

やっぱ食事時が一番癒やされるわ。

 

ポンデリングは犠牲になったのだ…

美少女の笑顔の犠牲にな……

 

あいつも本望だっただろう……

 

 

 

 

 

 

 

……おっと、

そろそろ本格的な部活が始まる時間だ。

 

 

んじゃ、今日もやるとしますかねぇ…。

 

 

 

 






かぐや様の貧乳設定考えた方は天才。神。
つまり赤坂先生は神。

Oh My God。

頭が約束のネバーランド。


さぁ、あなたも赤坂先生を称えなさい。


どけ!!!俺は四条眞妃の彼氏だぞ!!!
うわなにをするやめ




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TG部は遊びたい



どうも。

妖怪ウォッチのキャラの中で、
"ズッキュンシー"とかいうドマイナーキャラが好きなこの俺ノリと勢いなぁんだおぉ(ネットリ)

妖怪ウォッチ自体が妖ウォシャドウにより廃れてきた時期に登場した(といってもアニメは出演していない)このキャラは妖ウォ4(Switchソフト)に出てくるキャラである。

そもそも妖ウォ4の売り上げがバカ低いのにアニメ出演無いとかマイナーじゃないわけないだろふざけんなよ馬鹿野郎!!!と叫びたいところだが我慢して調べてみてほしい。

きっと心が穢れているあなたは調べただろう。人によっては((この作者のことだからどうせエッなキャラなんだろ俺は知ってるぞ…さてと姿は…))と思いながら検索したのだろうと思う。


あぁ、その通りだ。賢いね。
………いや、過シコいと言うべきだろうか。

その姿を見てもらえば分かると思うが、とてもとても尖っているキャラデザをしているだろう。因みにこの妖怪を見てキュンっとなったら死ぬらしいぞ。(事実)

俺は既に死んでいたのでノーダメージです。

おっと、スクロールしないでくれ。
大事な話なんだ。

というか何にも関係ないこのかぐ語の小説内で何話してんだという質問………は無視しようか。

答えは簡単。性癖を語りたいからだ。

諸君も語り給え。


貧乳、虚乳、巨乳………何が好きだい?
言ってごら………おっと、誰か来たようだ。

特に!世の中には崖が好きな人間も一定数居るということは肝に命じうわなにをするやめ





 

 

 

 

 

「……はぁ…………」

 

 

 

説明は省くがとても面倒な事になった。

 

 

それは────────

 

 

 

 

「四の五の言わずに始めましょ!!」

 

「せぇーのっ!!」

 

「「「グルグルパッゲーム〜!!!」」」

 

「いぇーい……」

 

「どぉしたんです?始めますよー?

 テンションもっと高く高くー!!」

 

 

 

いぇーい。

じゃねえんだわ。なぁ。おい。

 

訳が分からねぇ……

俺はさっきまで真面目に仕事をやっていた筈なのに、気付けばマス部室の中に進軍してきたTG(テーブルゲーム)部に占拠され謎のゲームが始まろうとしていた。

 

は?意味わからん。

 

ほぼほぼ終わっているとはいえ、明々後日に提出する筈の仕事が、3日前提出を心がけているというのにまだ終わっていないのだ。

 

言い訳をしよう。あの二人(味噌とカプ厨)のせいです。

 

しかもその二人はもう逃げている。

きっと今はマス部に管理を任されている空きの教室に入り談笑している事だろう。

 

というか今になって思えばだ。

元々一緒に仕事をしていたのに急に二人が焦ったように席を立った時点で気づけば良かった。

 

焦りが判断を鈍らせるとは良く言ったものだ。

まさにその通りだった。

肝に命じておかねばなるまい。

 

さらに、よりによって今日はマス部の部室長の当番が、()と、()()()と、()()()の日である。なのであの二人はその当番をすっぽかしているともとれるのでもう何らかの罰を与えても良いと思う。

 

一応あの二人のために弁解しておくと、いつもこんな不真面目な感じなのではない。TG部が来たから逃げたのだ。……と思うことにしよう。うん。

 

 

さて、今俺の目の前でふざけ合っている仲良し三人組はマッキー先ハイとやらとメガ子だかギガ子だかテラ子だか知らんがそんな感じの奴。と、同部で活動している我等が藤原千花である。

 

【藤原千花】の名の通り、頭の中が謎解きと恋バナとその他諸々のハッピーに包まれている不思議ちゃんな脳内花畑女である。

簡潔に言って脳カラ大食い系女子。

 

またの名を脳内ピンクとも言う。

 

 

して、そんな三人はうちの部室へ遊びに来たらしい。つくづく思って申し訳ないが、真面目に他の人が担当している日に来れなかったのか。

 

来てほしくなかった……

 

 

「ほらほら〜!もっとえ・が・お!!

 ですよ〜副・部・長!!」

 

 

言い忘れていたが、俺は2年生の身でありながらも、一応副部長をやらせてもらっている。

 

それはまぁ、別に良い。

副部長の名に期待し面倒事を押し付けてくる輩が居なければの話ではあるが。

 

 

ちなみに今副部長と呼んだのは恐らくマッキー先ハイだと思われる奴だが、こいつがとても馴れ馴れしい。俺らほぼ初対面だろ。

というか俺の方が学年上なんだが?

せめて最低限の節度を保て。ここは秀知院ぞ。

 

おい。頬を引き伸ばすな。

「思ったより伸びる〜」じゃねぇんだわ。

地味に痛いの腹立つなぁこいつなぁ…

でもエリかれに比べたら………まぁ……うん……

相手すんのは楽かなぁ………

 

 

 

「では説明です!!

 このゲームは2人ずつに別れて行います!

何組でやるかにもよりますが、まぁ今回は2チームなので問題無いですね。」

 

 

唐突だなぁ……(白目)

 

 

「そして、2人組を作ったら、両手を正面から繋いで一緒に回ります〜!勢いがついたまま手を放して、一番ふっ飛ばなかった人が他の人達に命令できる、というゲームです。」

 

「勿論、えっちなのは駄目ですよ〜?」

 

 

………………チッ…

 

しっかし…よくもこんなクソゲー臭がするものを毎度作ってこれるな。流石はTG部。

ぶっちぎりでイカれた女達だ。面構えが違う。

 

さらに因むとこれは俺達の学年が2年生になってから4回目の進軍である。来すぎじゃね?

 

 

「それでは、チーム分けくじ、スタート〜!!」

 

 

「やった〜」

 

「コロンビアぁぁー!!」

 

「うっ…私が別ですか、…良いでしょう!」

 

 

即 オ チ 2 コ マ

 

 

やかましいわ。

 

ってか今「うっ」って言ったか?

今「うっ」って言ったんか?おぉ?

自分らから来た癖にどうも偉そうだのぉ?

 

 

「……さっさと始めてくれ。」

 

「おっと?やっっっっとやる気を出してくれたみたいですね………正直遅いですよ?」

 

「ノリが悪いぞ先ぱーい」

 

 

……なんだろう、すげぇイラつく。

前世なら美少女三人とゲームするってだけでかなり陽キャの部類に入るのに、なんだろう、これ。

全くドキドキしない。

 

………さて。

女性への暴力はしない主義である俺が完膚無きまでにこいつらの精神をへし折るにはどうすれば良いものなのか………………

 

……勝ってから考えれば良いか。

 

 

 

「それでは、ゲーム開始ィー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

「な……なんという事………」

 

「くっ…!強すぎる……!!」

 

「実にあっぱれでした……んぐっ…」

 

 

 

はい。今俺は机の上に座って足をクロスしたアニメシーンの一瞬みたいなポーズで2人(と自分の横で菓子を勝手に食べている1人)を見ています。

 

因みにこいつらの敗因は、俺の三半規管の強さが化け物レベルである事を知らなかった事。

 

幼少期はこの世界が"何かおかしい"って事しか分からなくて、とりあえず身体能力諸々を鍛えていたらこんな風になりました。やったね。

 

 

「さて……約束の時間だなぁ………」

 

「くっ…殺せ!!!」

 

「えっちなのは…駄目って…言いましたよ…?」

 

「したら社会的に死ぬからやらんて。」

 

「社会的に死ななかったらするんですかぁ〜?」

 

()()()()()を命令したかもな。」

 

「っ〜男の人っていつもそうですよね!!」

 

「お前それ言いたいだけだろ分かるぞ」

 

「一生に一度言ってみたかったんですよ」

 

「へー。」

 

 

 

…いやぁ…ほんと、何を命令すれば良い意趣返しになるのやら…脳内ピンク軍団に響きそうな事…

 

 

 

 

 

………………あ………

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、今回は特別例としよう。命令は唯のクイズに解答してもらう事だ。」

 

「えっちなのは」「駄目だろ知ってる。」

 

 

「………それでは、問題。」

 

 

「「…………(ゴクリ)…」」

 

 

「あっ、このお菓子おいしいですね………」

 

 

黙ってろシリアスブレイカー。

 

で、問題は……

 

 

 

「『道端に子猫が入った段ボールが捨てられています。その中には何匹入っているでしょう。』」

 

「………え?それだけ?」

 

「怪しいわ……」

 

「ミサキ君!そんな質問で良いんですか!?」

 

「じゃ、藤原さんもやってみろ。

 ……………"そんな質問"なんだよな?」

 

「えっ………わ、分かりましたよぉ!!!」

 

 

 

計画通り……!!(ニチャア)

 

 

 

「ほい、まず黒髪の……えー、マッキー。」

 

「先ハイつけてね。

 そうだねぇ………多すぎても飼うのに困るし、

まぁ一匹とか二匹とか、そのくらいかなぁ…」

 

「次、ソフトバンク。」

 

「ギガ子ね〜……。

 うーん…猫は可愛いし、お金にも余裕はあるから…まぁ、五匹くらいじゃないかしら?」

 

「次、アホリボン。」

 

「私はぁー…ってあだ名酷くないですか!?

不治ワラです!!不治ワラ!!!!」

 

 

……そのあだ名もどっこいどっこいだと思うが、さらに面倒になりそうなので言わないでおく。

 

 

「っはぁー………………次、不治ワラ。」

 

「私はですねー!一匹だけとかだと、姉と妹と取り合いになっちゃうかもなのでー…三匹とか、六匹とか、九匹とか……三の倍数が良いですね!」

 

 

………さて、無事全員の回答が終了したのだが…

どうすればより屈辱的にこの答えが表す答えを教えられるのかが次なる問題だ。

できるだけ反応を楽しんでみたい。

 

 

……………やってみようか。

 

 

「はい、これで全員の回答終了っと。ほらほら、遊びは終わったんだからさっさと散れ散れ〜。」

 

「え"ぇ"ー!?!?答え言わないんですか!?」

 

「………言ってほしいか?」

 

「そりゃあ、知らなかったらモヤモヤしたままになっちゃいますし………教えてくださいよー!」

 

 

掛かったな。(確信)

 

 

「うんうん、なら答えて差し上げよう。答えた子猫の数は『将来欲しい子供の数』でしたー!!」

 

「…………ッなっ……」

 

「え、えっちなのは駄目って言ったじゃ」

 

「ん?んん???……“えっちなのは”?」

 

「………へ?…あっ……」

 

「へぇー、ふぅーん。そうなんですかー。

マッ、キー、せーん、ハーイ、もしかしてぇー、

欲しい赤ちゃんの数聞く事をえっちだって言いました?

 

「っ〜〜〜〜〜///」

 

「他の2人もですよ。何で赤面してるんです?

 ねぇ〜、答えてくださいよぉ〜。」

 

 

「ハッハッハッハぁー………」

 

 

 

 

あっやばい、からかうの楽しい!!

なんか目覚めそう!!!

 

今まで散々からかったり仕事のちょっとした邪魔をしてきたりされた相手の揚げ足を取ってからかい尽くすのが楽しくてしょうがねぇや!!!

 

 

…いやいやいや駄目だ駄目だ、俺は保護者。

狂人じゃない。ならない。エリかれの保護者。

正気を取り戻せ。奴らと一緒にはなるな。

 

 

 

 

……ふぅ〜……………落ち着いてきた。

 

 

 

 

 

…………あー………

 

 

 

 

「…………えーっと………ごめんね……?」

 

 

 

「…………先輩のいじわる。」

 

 

 

ゴハッ(会心の一撃)

 

い、いや、違う。確かに目元に涙と思われるものを浮かばせてしまったのは俺だが、元々元凶は彼女らのせいであって俺では…俺のせいでは……

 

 

 

 

【パシャッ】

 

 

 

 

 

 

…………パシャ?

 

 

 

 

 

 

 

 

ギ、ギ、ギ、ギ……

 

 

錆びついた様な首をぎこちなく回した後の視界には、手元にカメラを構えドン引きした目でこちらを見ているエリカとかれんが………

 

 

 

 

 

「………………ギガさん。」

 

「えっ、あっ、私?」

 

「部室から…早めに出て行っといてくださいね。」

 

「あっ……はい………」

 

 

 

 

そして、俺の高性能な脳はその一瞬で最適な解答を導き出した。

 

 

 

 

「…………待ってくれないかエリかれ?」

 

「待つとお思いですか…?」

 

「ですよね。」

 

 

 

 

追いかけっこの始まりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

おまけ

 

その頃一方、エリカとかれんは……

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、そろそろTG部員達帰ったんじゃない?」

 

「そうですわね……」

 

 

申し訳ないですけど、ミサキには犠牲となって貰いましたわ………合掌。

 

………ん?何やら声が聞こえますわね……

 

 

「……まだ帰ってなかったっぽい…どうする?」

 

「…一回だけ、どんな感じか見てみましょう。」

 

 

なんだかんだ、あの三人が進軍してきた時はミサキが毎回宥めてくれてましたわね………その手腕を外からじっくり見物させてもらいましょう。

 

一応賄賂のポンデリングも買ってある事ですし、きっと大丈夫ですわ!さて、どんな会話を………

 

 

…………女子が一人、泣いている……?

 

………ミサキが泣かせたのでしょうか……?

 

 

「…………かれん。」

 

「………ええ。分かっておりますわ。」

 

 

 

【パシャッ】

 

 

 

「!? え、ちょっとかれん!音!音!」

 

「あっ!?消し忘れてまし………あ。」

 

どうしたのかれ………あ。」

 

「……見られてますわよね?」

「うん。完全に。」

 

 

「…………待ってくれないかエリかれ?」

 

 

……………

 

 

「待つとお思いですか…?」

 

「ですよね。」

 

 

 

 

 

(追いかけっこの………!!)

 

 

 

(始まりですわ……!!)

 

 

 

 

 

 






ちなみに、この追いかけっこの続きは書かないです。要望多かったらまぁ…うん…その時で。

ミサキ君は親もですけどテンションの上がり下がりの差が激しいです。そこも狂人たる所以か……

狂人同士は惹かれ合う………




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須那水咲は謝りたい



どうも。
友人と行ったROUND1で太鼓の達人やったら右手の人差し指の付け根の皮がイカれました。

まぁ難しいのを5曲フルコンした代償と考えればしょうがな……くは無いんですけどね??
クッッソ痛いんすけど??

ちなみにその位置は箸持つときにもシャーペン持つときにもクリーンヒット。終わってる。

6曲目の分の金が無駄になっちまったよ…

でもまぁ楽しかったのでOKです。







 

 

 

 

俺は今、あのTG部室の前に居る。

なぜかと聞かれればそれはひとえにエリかれに『謝ってこい』と言われたからである。

 

……いや、うん、涙ぐませてしまったのは俺が悪いんだけども。それはわかってるけども。

でも100%では無い……無い………?

 

…………早く謝って帰ろ……

 

 

 

コンコン

 

「おじゃましまー「何者だYO!」あぶねっ!?」

 

 

恐ろしく早いドア開け……

俺じゃなきゃ見逃しちゃうね………

 

ドアを開くのはドアの前に人が居るかどうかを確認してからって親に言われなかったのか?俺は言われてないけど。

 

 

「……ん?ってあぁ〜っ!!

 例のどS君じゃないですかYO!!

 どんな用で来たんだYO!!」

 

「あー、一応、あの件で謝罪に。

 それとその喋り方どうしました?」

 

「なるほど…マッキーちゃんにですか…YO…

 この喋り方の原因は人生ゲーム~崩落~で負けてしまったのでこんな口調にされてしまったのです!YO!」

 

「BADENDが濃そうな人生ゲーム名ですね…」

 

「不治ワラちゃ〜ん、何やって…ひぇっ!?」

 

「あ、マッキー先ハイ、今この人がマッキーちゃんに謝りに来てくれたらしいですよ。」

 

「それマ!?ハッ!!控えおろう!!!

 我は被害者であるぞ!!加害者はひれ伏せ!」

 

「さてはあんま気にしてなかったのでは?」

 

「いやいや、強がりですよ〜。

 さっきまでその事でうじうじしてましたし〜」

「不治ワラ」

「ごめんなさい。」

 

 

どうしよ…本格的な菓子折りとアクセセットを賄賂として持ってきちゃったけどどないしよ……

まぁ渡してはおくかぁ…

 

 

「はい、これ謝罪の品」

 

「あ、これはどうもどうも〜………

 うわこれめっっっっちゃ高いやつやんけェ!」

 

「そうだね、プロテインだね。」

 

「食べたかったけど高くて諦めてた最高峰パティスリーのモンブラン^〜…とうわぁ……(恍惚)」

 

「うちの母がそれも持って行けと……」

 

「良い趣味をお持ちで……

 というか先輩の家って服飾関係だった…?」

 

「そうだね、プロ「えぇ!?意外!!」グハァッ!!」

 

 

やめてくれマッキー後輩。その言葉は俺に効く。

子供の頃から10数年。初対面で親の職業や自分の特技を話すとほぼ確実に意外だと言われる事が心残りです。絶対許さん。

 

ちなみに俺の特技は裁縫と家事全般と美術………

特にデザインする事です。

 

意外だと思ったそこの君。

あとで時計台のてっぺんに集合だゾ♡

オエッ。

 

ちなみに自分だけで女装もできる。

というか母による英才教育(ガチ)のせいで女子のアレコレソレや髪の結び方を始めとする服飾関係の事象を()()暗記させられたのである。

 

これもエボンの賜物だな…(現実逃避)

 

 

それと、父は世間的にも数が少なく珍しいと言われる男のネイリストである。なので俺もネイルを施す事が出来るし知識も大体ある。

 

 

信じられるか?

早坂さんはこれ含めたほぼ全部の技術がプロ並みだそうだよ?

 

チートじゃねぇか!努力と金と人間のチートじゃねぇか!!そりゃそうだよな四宮家幹部の娘だもんな!!!

 

 

 

話を戻そう。

【世界の全てのスイーツを司る】とかなんとか言われる超有名&高級パティスリー"フレスベルグ"の数量限定モンブランをオーダーして作ってもらったのがこれです。あと同封していたアクセもオーダーメイドの髪飾りです。まぁこっちはそんな高くないけども。

 

やはり金…!!金はすべてを解決する…!!!

 

まぁとある理由でちょ〜っとだけ負けてもらえたのであまり金すらも使っていないんだけども。

 

 

「で、えーっと…」

 

「はよ言えマッキー!!」

 

「不治ワラうるさい!!

 わ、私もぉ…すみませんでした……」

 

 

なんで謝るのかは知らんけどまぁ照れ顔が可愛いから良しとするか。うん。ヨシ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

おまけ

 

 

「……あの人って結局何だったんですか?」

 

「ふっふっふ〜、教えてしんぜよう〜!!」

 

「ギガ子!!」

 

「呼ばれて飛び出てないけど来た〜!!」

 

「はろはろ〜!

 で、あの子はマス部副部長の須那水咲君ね。

母親は大手服飾店"シルクスコール"の社長、

父親は世界的なネイリストというサラブレッド。

父親の兄はパティスリー"フレスベルグ"の社長、

その弟は宝石店"深山颪(みやまおろし)"社長………

有名店に所属している親族はこのくらいかしら」

 

「………なんか凄そうですね…」

 

「あの人の家系って実はかなりチートでは?」

 

「否定はできないわね〜。」

 

 

 

 

 

 

 







店の名前を考えるのがァ!
疲れるんですゥ!!
ぬわぁぁぁぁぁんもう疲れたもぉ"ぉ"ぉ"ぉ"ん"


はい。


マッキーちゃんって打てば響く感じがとても好きです。でも四条の方のマキちゃんも打てば響くんだよなぁ………まぁ個人的には四条の方1択なんですけどね。


お気に入り高評価してもらうと〜?
デレレレレレレ……

あなたの髪の毛が触手になります。
強く生きてください。



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マスメディア部は語りたい





ついに本編。
なるべく矛盾のないように行きたいすねはい。


あとかれんの創作の手順としては

妄想

メモ用ノートに絵(同人漫画)を描く

ミサキに見せて本番の執筆をさせる

ぐへへへへへ(封印)


なので原作のイベントも問題なく拾っていけるはずです。責任は……まぁなんとかなるやろ…













 

 

 

「あぁ…あのお二方の微笑み…思い出すだけで恍惚としてしまいますわぁ……」

 

「そうですわ!あの煌めきを日記にしたためなければ!」

 

 

カリッ……

 

 

静かな部室内に、乾いた音がかすかに響き渡る。その音はより大きくなっていき、それは危険な領域へと到達してゆく────

 

 

カリッ、カリッ、カリッ………

 

 

「い………いけませんわ、私……

筆が乗ってしまって………あぁ!!!」

 

 

 

【紀かれん 白銀×かぐや派】

 

 

 

 

 

ガチャッ

 

 

「ッ──」バタァン!!!

 

 

 

 

その密室に新たなアホが一人追加される。

その入室音を認識したかれんは直ちにその禁書(ナマモノ)を閉じカモフラージュする。

 

 

 

「かれん、もう部室に来てたのね。」

 

「ッ…エリカ……どうしましたの?その鉢植え。」

 

「白椿よ。部室で育てようと思って!」

 

「白椿……!?もしかして………ッ」

 

「そう……!一月一日………かぐや様のお誕生日の誕生花……花言葉は……ッ!!!」

 

 

そう言い放ちながら白椿を窓際に置き、

ドヤ顔で振り向きながら誇るように叫ぶ。

とても声と顔がうるさい。

 

 

「完全な美しさッ!!!」

 

 

 

【巨瀬エリカ かぐや信者】

 

 

 

 

 

「……騒がしいぞ、お前ら。」

 

「ミサキは黙り過ぎですのよ!かぐや様の誕生花を前にして何故そんなに冷静なんですの!?」

 

「強いて言うなら脳を焼かれてないから。」

 

「私は焼かれてませんわ!」

 

「私も焼かれてないわよ!」

 

「え?」

 

「え?」

 

 

 

 

そんな2人を読書しながら観察しているのがこの俺

一般転生者こと………

 

 

 

【須那水咲 かぐや信者(穏健派)】

 

 

 

である。

 

できれば信者にはなりたくなかったが、周りの2人が教信者になってる中穏健派を維持しているのは褒められても良いだろう。

 

これもう洗脳だろ。

 

この十数年間生きてきた中で前世の…特に原作知識は記録したメモ帳が家にあるとはいえ大分忘れてしまったが、一話であるこの日は、何度も頭で反復して覚えている。

 

…まぁどうせ原作なんて俺が居る時点で崩れてるだろうし、余程じゃなければ好きに話していいだろうと思い関わっている。

 

 

 

「知らないの?かぐや様は全人類が崇拝し崇め奉るのが当然なのよ?」

 

「そうかな……そうかも……」

 

 

 

「きっと、天使の羽を思わせる白い花が咲きますわ!!」

 

「天使…素敵な例えね……」

 

「かぐや様こそ世が探し求めた天使(アンジュ)…!」

 

「そう…!あの輝きに人類は今日も生かされているの…!!」

 

「私…特に会長とかぐや様が並ぶお姿を見る度どうにも胸がときめいて………」

 

 

 

ガシッ…

 

 

大分強く掴んだなエリカ。

 

 

 

「会長とかぐや様の噂………

 私、解釈違いなんですけど。

 

聞き捨てなりませんわね……

 

 

 

 

始まったな……んじゃ本置いて…伸びして…

部室の机に置いておいた格闘技用のベル持って…

レディ…ファイッ!!

 

 

 

ッカーン!!

 

…とするのが割と日課だ。結構楽しい。

2人もなんだかんだ格ゲーみたいなポージングをしてくれるから続けているのである。

 

 

「皆さん、噂されてますわ!!会長とかぐや様がお付き合いされてるって!!」

 

 

これはマジ。一応俺もマス部の一員、しかも割と信頼もあるので、同学年の2人が機能してない分情報が回ってくるのだ。

メモにも書いていないくらい忘れていた原作の情報を穴埋めするのにとても役立っている反面、外面を取り繕うのにはかなり苦労している。

 

情報とは力。特に社会の最上位層が集うここ秀知院では顕著で、その人脈と情報を求め俺の元に金の種を落としてゆく………

 

というのが俺の立ち位置だ。

あれ?これ悪役側では?……まぁええか。

 

とはいえまぁ、所詮は噂。

勿論俺の元にもそういうのを求めて人が来るが、そういう場合は確証が無いと言って帰らせている。

 

……こんなんをしてると改めて思うが、俺の存在は四宮財閥の闇を知っている危険分子でもあるのだとひしひしと感じる。

 

閑話休題。

 

 

「きっと生徒会で甘美な愛を囁き合って…」

 

「ハッ!ないない!我が秀知院が誇る生徒会長と副会長よ?それが神聖な生徒会室で!色恋沙汰に(うつつ)を抜かす筈ないじゃない!」

 

 

それがありえるかも。

こいつあの2人のキスシーン見たら嫉妬と憤怒でぶっ倒れるんじゃねえかな。

 

 

 

「あのかぐや様の隣に相応しいのは白銀会長以外ありえません!!秀知院学園生徒会長白銀御行!質実剛健聡明英知!学園模試は不動の一位!圧倒的威厳を放つあの方です…ッ!さぞ知的で堂々たる告白をされた事でしょう!!」

 

 

出来てないんだよなこれがぁ。

つかよく噛まずに言えたなかれん。

 

 

「ふぅん……でもかれん、その理論には1つ致命的な穴があるわ。」

 

「何ですって!?」

 

「秀知院学園副会長四宮かぐや……あらゆる分野において華々しい成績を残す正真正銘の天才令嬢!!一般生徒にとって高すぎる高嶺の花!!告白は男性から……なんて一昔前の話。万が一にもかぐや様が会長の事をお慕いされているのなら………あのお美しい瞳で真直(まっす)ぐに熱烈な想いをお伝えしているでしょう!!」

 

 

出来てないんだよなこれがぁ!!

んでよく噛まずに言えたな(定期)。

 

 

「私はかぐや様から紡がれた言葉しか信じないわ!妄想である事ない事噂するのは失礼よ?」

 

 

お前が言っちゃあおしめえだろうよ……

 

 

「妄想……………かぐや様とのアレやコレやを妄想している人のセリフかしら……?」

 

 

お前も言っちゃあおしめえ………

いやこいつは壁になりたい派だったな。

謝罪を申し上げる。

 

 

「ひっ、人聞きの悪いっ!私はただ…かぐや様と優雅なティータイムがしたいって言っただけじゃない…ッ!いいでしょ!?そのくらいの願望…ッ!現実じゃかぐや様が目に入るだけで緊張して……ウッ…!!」

 

「部室で嘔吐なさらないで!!」

 

「良し来た」

 

「流石ねミサキうお"え"え"ぇ"ぇ"ぇ"……」

 

「…………うっっわ……」

 

 

お前…それでええんか…?

始まってすぐゲロイン化してんだが……

 

こんな事もあろうかと、学ランの内側に何枚か消毒ティッシュとただのティッシュとビニール袋を忍ばせておいたのさ!!これが慣れた末路です。

笑わば笑え。

 

 

 

「…あっ、そうですわ!」

 

「どした?」

 

「う"お"え"ぇ"ぇ"…」

 

「おー結構出るやんお前(白目)

 ………で?」

 

「裏サイトに噂調査依頼の投稿が来てましたわ」

 

「…またぁ?」

 

「……どうせくだらん与太話だろ?」

 

「そんな言い方をなさらないで?私たちマスメディア部は校内広報からSNS、裏サイトまで幅広い活動が求められているのですから…」

 

「えほっ…ならどうして私たち裏サイトの噂調査しかやらせてもらえないの?校内広報もきちんとするのに!例えばね!かぐや様の魅力について五千字程で軽くまとめたのだけど……」

 

「だから任されないのよ、エリカ?」

 

「駄目だこいつ早く何とかしないと…」

 

 

その作文スキルは天晴と褒めておこう。

ところでちょっとそれ見せてくれん?

ありがと。

 

 

「何事も偏向せず中立の立場から報道する!マスメディア部のポリシーでしてよ?」

 

「わ、わかってるわよ。どんな投書もバカにしないし私情も挟まないわ。」

 

 

おっとフラグが立ったぞ?

 

 

「で?どんな噂なの?」

 

「ええと……『四宮副会長は目で人を殺せるって本当ですか?』」

「バカバカバカンなワケないでしょ!?バカじゃないの!?!?」

 

 

嫌に覚えがある噂だな。どう思うエリカ?

 

 

「なんて馬鹿げた投書!!これは私が回答するわ!!」

 

 

だそうです。

あー原因は誰なんだろうなー(棒)

 

 

「かぐや様の宝石にも勝る輝きを秘めた瞳にそのような物言い万死に値します今すぐ死んで詫びなさい」

 

「私情を挟んだ回答はダメですわよ?」

 

 

…あ、かれんが回想中の顔してる。

 

まああの件やろなあ……

 

 

 

 

 

「…ミサキ……」

 

「…かれん。」

 

 

 

「「こいつ/この子には黙っとこう。/っておきましょう。」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 










"あの件"というのが良くわからない人は今すぐ本屋に行ってかぐ語シリーズを買うかもしくは1から読み直してください。

ただ大した事件じゃないよ。本当に。
エリカがぶっ倒れただけだから()





かぐや様への信仰度
エリカ>ミサキ>かれん

みゆ×かぐの信仰度
かれん>ミサキ>エリカ


良くも悪くも中間って感じ。
あとエリカは原作でも吐いてたと思うのでイメ損にはなってないはず。まぁ映ってないとこでも吐いた事くらいあるやろ(偏見)。やつはゲロイン(確信)。









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映画館デートを語りたい





映画回。(映画は出ない)

本来時間軸上では前話のさらに少し前にあった筈の話ですが、まぁかぐ語では2話なのでその順番で書いて問題無いですよね。


無いですよね?
ヨシ!!!













 

 

 

「ミサキの予定が空いていて本当に助かりましたわ。一人で映画というのも中々きついものがありますから…」

 

「そうか。チケットは奢りでよろしく。」

 

「ブレませんわね…………。少しくらいムードというものを作ってくださいませんこと?」

 

「残念ながら俺を選んだ時点でそんなもんは無くなったらしいぞ諦めろ。そして過去を悔いろ。」

 

「…………なんだか無性にポン・デ・リングを奢りたい気分になってきましたわー。」

 

「さぁ、一体どこの席に座るんだい、かれん?」

 

「随分と上等な面の皮を持ってますわね。」

 

「良いだろう?お前の面倒見てたお陰だよ。」

 

「……喧嘩なら買いますわよ?」

 

「ごめん、顰蹙(ひんしゅく)しか売ってないんだ。」

 

「誰が買いますかそんなもの。」

 

 

ここは映画館。

フィクションの集う場所であり、喜怒哀楽の感情を食い物にしている建造物の中でもある。

 

どうやらエリカは味噌作りの峠で手が離せないらしい上、かれん曰く恋愛音痴すぎて駄目だそう。なので俺が招集されたという訳だ。

 

味噌作りの峠とは。

 

 

そんなこんなで恋愛系の映画を見に来たのだが。今目の前に居る会長とかぐや様によってかれんの情緒はお陀仏に…………

 

 

「あっ、あわっ、あわ……え?」

 

 

なった。キョドってて草。

恐らく脳内では悪魔と天使が大乱闘をしているのだろう。そして多分いつもの様になんだかんだ悪魔が勝つことまでは予想できる。

 

 

「……ミサキ。」

 

「…ん?」

 

 

察した。

 

 

「お二人の貴重な休日に水を差す訳にはまいりません…………が、ですが!!!これは!!!

マスメディア部としては恰好のネタ!!!

…………そうですわよね?」

 

「せやな。」

 

 

 

その瞬間、俺達の後ろへ通り過ぎていった筈の、金髪の()()()()がこちらへ振り向いた気がしたが、きっと気の所為だろう。

 

 

 

「ですのでこれはもうパパラッチしなくては無作法というものではないでしょうか?」

 

「せ…? ………………せやな。」

 

「まずは写真を撮ってから突撃インタビューをしてみましょう!!!」

 

「おう………おう?待て。1回待て。」

 

 

……なんだ?何かがおかしい。

本来ならばここでかれんは保身に走り直接本人達に会うのをダメだと判断す…………

 

 

ッ……なるほど。俺が居るからか。

正史では恋愛映画を独りで見ることをおかわいそうされることに日和り突撃を避けた。

 

すなわち、仮にも男女で来ているという事実からその点の弱みが無くなっている事に等しい。

 

 

……と、なれば。

 

 

 

「…………何故ですの?」

 

「考えてみろ。直接会ったらこちら側がデートだと思われる可能性がある。とはいえ独りで聞きに行ってもおかわいそうされるだろう。だから特攻はしない方が良い。」

 

「別にデートで良いですわよ?」

 

「急にデレんな調子狂うわ。」

 

 

そうだわ。言い争ってるとつい忘れるけど普通に裸とか既に見合ってる仲だったわ。今更デートとか意味無いわ。

 

えー、別の理由。

 

 

「もし変に刺激したせいで警戒されればこれまでより格段に情報がこちらに渡らなくなるだろう。そうすれば妄想しようにも"基礎"を更新できずに消化不良のまま書かねばならない。それは嫌だろう?」

 

「…そうですわね………。分かりましたわ。直接お会いするのは避けましょう。」

 

 

やったぜ。なんか素直に喜べねえ。

 

そしてチケット売り場に並ぶ会長とかぐや様。

それを陰から見守る俺達。

こちら(の前にあるペンたん)を見る会長。

勘違いし勝手にビビるかれん。

 

会長と俺は連絡先を既に交換済みのため、俺がここで『かぐや様は席をペンタン(C₅H₁₂)にする』とでもメッセージを送ればあの2人は隣同士で幸せになれるだろう。

 

 

……だが、俺はしない。否、できない。

 

下手をすればかれんが更にみゆ×かぐ信仰を強めるこのイベントが歪み、原作の取り返しがつかなくなる可能性すらある。

 

それを考慮するとできな………

…………悪化しなくなるなら良くね?

 

 

………いややっぱ我慢だ。

リスクが無ければ伝えられたものを……!!

 

まぁ仕方ないと割り切ろう。

そもそも原作がこうだった訳だし、赤坂様が正義なのである故に黙って見届ける。

 

 

と、かれこれ言う間に俺達もチケットを恋人割やらで買い上映室の扉を開ける。

 

するとかれんが再度挙動不審になった。

 

 

「なにやってますの!!みつかってしまいますわよ!!」

 

「……わーってる。」

 

変な所で心配しすぎな気がするんだよなこいつ。

面倒なので素直に従っておく。

するとかれんは熟考をはじ

 

「さすがは我が秀知院が誇る生徒会長と副会長…!!」

 

 

ほんまこいつ……

俺にどの口でバレるやら言ったんだよこいつ……

 

 

 

〈ビ──────────────〉

 

 

 

「ッ…始まりますわよ!座って!」

 

「お前にゃあ言われたかねえよ…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

ふむ、割と面白かった。

 

悲哀と歓喜が渦巻く恋模様をじっとりと表現した上で、ヒロインの快活さと演出で綺麗に纏め上げている完成度のとても高い作品だった。

恐らく2週目でこそ分かる小ネタも取り揃えているのだろう。良く練られているシナリオだ。

少し苦言を呈するならば、タイトルにもある通りのテーマであるリフレイン(繰り返し)というものを何度も全面に出しすぎていて少々くどい。

ランクとしてはA寄りのBもしくは只のBだろう。

 

 

「かれんはどうだった?」

 

「あれは全校生徒が自分の目で見るべき愛のカタチですわ。お二人の愛は秀知院の…………いえ、

日本の……宝………ッ!!!」

 

 

さてはこいつ映画よりみゆ×かぐ見てたな?

 

 

「なんて……尊い愛……ッ!!」

 

「ちょ、おま泣くな…っ………」

 

 

「あのコめっちゃ泣いてんだけど…」

 

「あの彼氏のせいじゃないかな…」

 

 

あ"ー風評被害い"い"い"い"………

 

 

「おい、早く出るぞ……」

 

「分かりますか!?こうっ!こうっ!

こうやってポップコーンを渡してるのがもう最高で!最高でぇ"ぇ"ぇ"ぇ"……!!」

 

「泣き止めってんだよ落ち着いてくれよかれん」

 

 

「ねぇ、あの子彼女泣かしてるんだけど…」

 

「うわ、ほんとだ。最低だねー。」

 

 

 

…………キレそう……(静かな怒り)

 

 

「ほーら、落ち着いて。涙で濡れてると、折角の綺麗な顔が台無しだよ?」

 

 

仕方ないのでいつものやり方をする。

磨き続けたこのイケメンフェイスで、出来る限りの爽やか感を演出する。どうだ…これが努力や…

 

これをすると毎回同じ表情と言葉で返してきてあっという間にどんな状態でも落ち着くのだ。

 

 

「キッッッッッッッ……ありがとうございます。お陰で落ち着けましたわ。」

 

 

……ほらな? ………は?キレそう。

 

そう、こいつ。

女子がしちゃいけない顰めっ面をするのである。

 

因みに続きに入る言葉は『ッッショ』だ。

………改めてキレていいか?

 

 

 

「………4箱。」

 

「……え?」

 

「ポン・デ・リング4箱だ。」

 

「別に良いですけれど……」

 

 

よっしゃ4箱だやったー。4日分だな。

え?怒り?

んなものは食欲の前では無力だから。

まぁ根には持つけど。

 

 

「家に着いたら早速今回のシチュを書いてくださいまし!!あぁ!妄想が!妄想が溢れて…!!」

 

「おう。望むところだ。」

 

 

 

とりあえず帰ったらエリカとOHANASIしよ。

何、悪いようにはしない。

少しだけ話すだけだ。

 

 

 

「……あ、ハンバーガー食って帰んね?」

 

「むっ、良いですわね。やはりダブチ…?

いやでも最近太っ………………フィレオですわね。」

 

「………そうか。……因みに理由は?」

 

「聞かないでくださいましっ!!」

 

「あいよー。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 









ミサキ君達は特別仲の良い幼馴染なので、小さい時から一緒に風呂にも誘われてましたし一日の3分の2を三人で過ごしてました。

はえー、だからこんなになったんすね。
尚エリかれ以外の女子とはペルソナを付けないとまともに話もできないそう。








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男子諸君は語りたい



日焼けした所の皮膚がペリペリ剥がれて腕が滅茶苦茶キモい事になってます。紫外線許すまじ。







Q.眞妃ちゃんが可哀想で可愛すぎて頭撫で回したくなる病気に掛かってるんですけどどうすれば良いですか?

A.魔境(pixiv)に行きましょう。














 

 

 

「ところでさ。」

 

「どうした?」

 

「どしたお前」

 

 

「…………結局ミサキって付き合ってるのか?その………あの2人のどっちかと。」

 

「それな!俺も気になってた!」

 

「…………ちょっと良く分からん。」

 

 

…聞かれる気はしてた。

………風祭と豊崎は割と話す仲だ。たまに会長も含めた4人で駄弁っているときもある。エリかれとはまた別のタイプの気さくな会話が心地良いので良くつるんでいる。

まぁ少し下品なのが面倒でもあるが……どちらも良い奴なので特に気にしてはいない。

 

 

さて。俺がこの会話で狙うのは"とても仲が良いが付き合ってはいない"間隔だという辺り。

 

良く創作物やらで聞くチャラ男が言いそうな反論にもならない反論、『お前はこいつと何の関係があるんだ』という問いには『幼馴染だから』で返せるのでその点の心配は無い。

 

それでいて、もし噂として広まってもエリかれと本気で付き合いたい奴は告ってくれるかもしれないという塩梅で話を進める必要がある。

別に幼馴染の幸せを願っていない、という訳でもないからだ。

 

うーむ、どのエピソード話そう。

 

今でもたまに一緒に風呂入る時があるってのが流石にライン超えなのは分かる。手を繋ぐ…?いやいや、こいつらならそれもライン超えな気がする。

 

さらに抑えめなエピソード………

 

 

 

「そう言わずに答えろよ〜!」

 

「あ"ー、わーったよ。別に付き合ってねえよ。精々一緒に帰るくらいの仲だし。」

 

「はぁ!?!?」

 

「それもう付き合ってるだろ!!!!」

 

 

これは俺悪くないんじゃねえかな。

 

 

「いくらなんでもそれは違うだろ…」

 

「いいや!!女子と一緒に下校することの難易度の高さをお前は知らないだけだ!!」

 

「ミサキはエリカちゃんとかれんちゃん以外と帰れるか!?無理だろ!?そういうことだよ!」

 

「…っ………まぁそれは無理だ……が!!!

それでも女子自体と一緒に帰ったことが無いお前らにとやかく言われる筋合いは無い!!」

 

「「ぐはぁっっっ!!!!!」」

 

「大体!そうやって下心があるから女子も警戒して近寄らないんじゃないのか!?あぁ!?」

 

「「ウ"ッ"…!!」」

 

「……ミサキ、流石にそこらへんにしておいてあげてくださいまし?オーバーキルでしてよ。」

 

 

む、この声と口調は。

 

 

「…ん?あぁ、居たのかかれん。なんか用?」

 

 

お前普段からそうやって凛とした立ち振る舞いしてたら紛れも無く美人なんだけどな。

それを悪いとは思わないけど。

 

 

「部長から預かりものがありまして。そちらのお二方はどなたですの?はい、これ。」

 

 

ふむ……ありがと。

これ割と重要な書類だったんだよ。

 

 

「あっ、風祭です…」「豊崎です…」

 

「お前ら急に口数少なくなるやん。そういうとこだぞ。めっちゃ分かるけど。」

 

「るっせ!なんでお前はそう軽々と女子の名前を呼び捨てできるんだよ!俺達はそれすらまとまに言える胆力ねえよ!」

 

「強いて言うならば幼馴染だから。」

 

「クッッソォ!!羨ましい!!!!」

 

「勝ったな(確信)。」

 

「醜い争いですわね………」

 

「正直こうやって羨ましがられるの楽しい。」

「そういうところ本当に最ッ高ですわよミサキ。」

「よせやい〜!褒めても拳しか出ないぞ〜?」

「やれるもんならやってみてくださいまし〜?」

 

 

「うわ!!なんか楽しそうに話してる!」

 

「羨ましい……ッ!」

 

 

はっはっはぁ!!愉快愉快!!

 

 

「して、2人よ」

 

「……どうしたんだよ急に。」

 

「くっそぉ…羨ましい……」

 

 

「女子の手作り煎餅要らない?」

 

 

「…………女子の…」「………手作り煎餅……」

 

 

瞬間、顔を見合わせる2人。

恐らく俺には分からない何かの連帯感によって通じ合っているのだろう。そして選択するのは…

 

 

「「…………要る!!!」」

 

 

"受け取る"以外はありえないとも予想済みだ。

ちょろい。

 

因みに手作り煎餅というのはエリカから押し付けられた物だ。滅茶苦茶に美味いし俺も好んで食べているものなので、味噌臭くなる事とは別として常に2、3枚は持ち歩いているのだ。勿論割らないように極薄ケースの中でだ!!!

 

今回のように交渉に使える場合もある。

味噌………最強か?

 

実際それほど高頻度で食べていても減らないくらい送られてくる上にかれんからも一部押し付けられるので俺の摂取カロリーがえぐい事になっているのだが……代謝が良いのでなんとか肥えてはいない。やはり筋肉…!!筋全解……!!!

 

かくして味噌にもかぐや様にも洗脳されているのかもしれない俺だが、幸せなので、OKです。

 

元の話題もあやふやになったしええやろ。

 

実のところ、別にエリカやかれんと結婚やらをしても良いくらいに嫌いではないのだが、もしそうなっても今までと関係は変わらないんだろうな…という確信と、恋愛的な意味で好きかと聞かれるとNOである事実があるので…まぁ…うん…

マジでなんとも言えないのである。

 

 

 

バリッ。

 

 

「……うん、美味い。」

 

 

味噌ってのは良い。心が落ち着く。

日本人(Japanese)(Seoul)(Fire)が灯るのを感じる。

 

 

「じゃ、部室行こ。」

 

「そうですわね。」

 

 

なんか2人は煎餅を崇めてるし放っておこう。

あーあ、書類の記事書かないとだなぁ……

 

 

「…めんど〜…」

 

「頑張ってくださいまし〜」

 

「あいよぉ〜。」

 

 

 

 







ミサキ君は一度死んだせいで精神の基礎にある3大欲求が薄めになってます。
まぁポン・デ・リングを含めた好きな物や好きな人にその分3倍の興味が唆られるんですけどね。

って感じのくだらん設定を思いついた。
活かせるか?俺は活かせないと思う。






コウヒョウカ…コウヒョウカ…









他あんま特に言うこと無いけど一つ。





感想くれ。






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憧れを語りたい




憧れは止められねえんだ………




あぁ^〜〜〜いぃ^〜がぁ^〜〜〜ぁ^〜!
いぃちぃ^〜〜〜〜ばぁん^ん^ん^ん^〜〜〜!











 

 

 

 

 

「ねぇ、聞いた!?かぐや様の下駄箱にラブレターが入ってたんですって!」

 

「まぁ、本当!?」

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

〈パタン……〉

 

 

 

 

…ん?……かれんか。

 

 

 

「エリカ……ちょっとよろしいかしら……」

 

「…? どうしたの?改まって。」

 

「さっき小耳にはさみましたの。かぐや様にラブレターが届いたって……アナタ…ついに…ッ!

 

「私じゃなぁぁぁぁい!?!?!?」

 

 

うわうるせえ!?鼓膜ないなるでほんま………

 

 

「なんで!?

なんで私だって決めつけてるの!?」

 

「だってお相手があのかぐや様ですわよ!?常にあの白銀会長のお隣にいらっしゃるかぐや様……会長しか目に入らないかぐや様……嗚呼(ああ)!!」

 

「それはかれんの願望でしょ。」

 

「そんなかぐや様にラブレターだなんて余程の身の程知らずか……「それが私だって言うの!?」余程の阿呆くらいでしょう?」

 

「それが私だって言いたいのね!!?

………いいわ。なら改めて教えてあげる…!!

私はかぐや様をお慕いしてるけどそういうのじゃないの!私はッ!かぐや様のファンなの!!!

お付き合いしたいとかそんなおこがましい事考えてなくてしゃべる雑草程度に思って頂ければ十分なの!!!」

 

「雑草!?雑草でよろしいの!?」

 

「いいの私はっ!軽〜〜〜く遠くから眺めているだけで十分なの!!かぐや様が存在する時代に生まれただけで幸せなの!!!」

 

 

ほう、やはり壁視点ですか…

大したものですね。

まぁ前世からのオタク側としては、元二次元の美少女が生きてる世界に生きてる事実だけで幸せだから強くも言えないんだがな。HAHA☆

 

オタクなんてみんなそうやろ……(偏見)

 

 

「想いは重いですけど…」

 

「でもミサキは分かるでしょ!?!?」

 

 

おい俺に振るな馬鹿。唐突すぎるんだわ。

まぁ私も同行しよう

ミサキ院。

 

 

「分からなくはない。」

 

「ほらぁ!!」

 

「戻ってきてくださいましミサキ!!あなたまでお馬鹿にならないで!!」

 

「ちょっとそれどういう意味なのかれん」

「酷くて笑う。」

 

「というか、眺めているだけで十分って言っている割にはかぐや様とお茶する妄想したり……」

 

「そっ…それはそれ!これはこれよ!!

 夢と現実は違うもの!!…………………」

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

「………そうだよな。夢と現実は違うよな。」

 

 

「…うっ………うぅ………」

 

「自分で言って自分で傷つかないでくださる?」

 

 

しょうがねえさ、現実を見ちまったんだ。

思い出の中で眠らせてやろうぜ。

 

 

「そりゃ…お友達になれたらって気持ちも無くはないけど、以前に比べて柔らかくなられたと思うし……住む世界が違うのはわかっているけど……

 

 

それでもいつか……お友達になれたら……

うれしいなぁ…………」

 

 

 

エリカ…………

 

 

 

 

 

「ずっとその顔ならタメ張れるのにな。」

 

「何!?かぐや様が私程度の塵芥と並ぶ筈が無いじゃない目が腐ってんの!?!?」

 

「はぁ〜褒めてやったのによぉ〜????」

 

「駄目ですわこれ……」

 

 

いやマジでその顔なら迷い無しにお嬢様と称える事ができたが駄目だね駄目よ駄目なのよ…

 

というかそのまま言えば普通に茶会の誘いも受けてくれるのでは……??? ボブは訝しんだ。

 

 

「もういっそ本人といっぺん対談でもしてくればいいのによぉ〜………」

 

「私なんかがかぐや様と話すだなんて」

 

「お前ほんま……」

 

「なら、エリカもお手紙を差し上げては?」

 

「手紙…?…………ファンレター、とか?」

 

「ええ。話すのが無理なら、手紙で慣れていけばいいのです。今仰っていた気持ちを……」

 

 

 

さて、ここでエリカの言ってた事を振り返ろう。

 

『同じ時代に生まれて幸せ』『私はあなたの雑草』

 

 

 

…………んん〜?

何かおかしい。(全部おかしい)

 

 

 

 

 

「……やはりやめておいた方がよろしいかと…」

 

「え!?どうして!?」

 

「知らない人からの手紙って怖いですし…」

 

「重い!?怖い!?」

 

 

賢い判断。サスガダァ…

それはそうと知らない人からの手紙かぁ……

ウットラウマが……

 

 

「う〜〜ん残当。」

 

「解せないわ!!起訴よ!!!」

 

「却下ですわ。」

 

「っむ〜……!!もう!

 すり鉢と乳棒と味噌取ってくる!!」

 

「エリカ〜!……一つ、聞いていいか?

 

「……何よ。

 

 

「持ってくるの、何味噌?」

 

 

「………………(ニコッ)」

 

 

「………………(ニコッ)」

 

 

「………………!?…(ワタワタ)………」

 

 

 

「………………赤味噌よ。

 

 

 

 

「最高。」

 

 

 

 

 

ガシッ!!といい音(な気がする)を立てて握手をする。どうやら通じ合えた様だ。

 

ちょっっr(規制済み)

 

 

 

「ミサキって今日帰ってから空いてる?」

 

「おうよ。何にする?」

 

「味噌煮込み…うどんとか?」

 

「麻婆豆腐いける?」

 

「麻婆豆腐!!良いわね!!かれんは?」

 

「…空いてますわ。味噌ラーメンとかですわね。」

 

「よしじゃあ私の家集合ね!!」

 

 

 

 

エリカ……………

 

 

 

 

 

 

 

ほんとお前喋らなかったら完璧だよ……!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 











尚作者こと俺は丸ごとエリカが好きです……
はい………








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