陰の女実力者になりたくて (ikkun)
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一章
同志との邂逅


五巻まで買ったので不定期連載します。


気付いたときには憧れていたの陰の実力者に・・・

圧倒的な力を使いこなし強敵を倒すその姿ヒーローと違い影の中で敵を倒すその姿に私はすっかり憧れてしまったの・・・

 

そうして私は様々なことを吸収した、剣道や中国拳法、合気道など様々な物を吸収し演出のために体操やバイオリンなんかも極めた。でも現実は容赦なく私を打ちのめそうとしてきた核やミサイルを撃ち込まれれば流石にくたばる。

それではダメなのだ。私は諦められない、心に嘘をつきたくなかった・・・

 

そうして私は未知の力を追い求めて貼り付けになったり善行を行って修業をしたり力や気配を探れるようにした。

途中で木に頭を打ち付けている人もいたがあの人も苦悩しているのだろうと無視した。

しかし力はまだ手に入らない。悪魔がいることを証明するのと同じくらいの難易度・・・けど私は・・・

 

「魔力・・・力・・・!聖なる力・・・」

 

そうして私は今日も苦悩しながらも精神力を鍛えるために賽の河原の石積をイメージしたトレーニングをしていたのだが・・・

 

「あの眩い光は・・・魔力!」

 

私は走り出した!これでついに理想に・・・!

 

「魔力ー!!」

 

 

 

 

 

これが私の前世の記憶、今の私の名前はアン・ニワノ―。魔力のある世界に転生できたのだ。

文明レベルは中世ヨーロッパくらい魔剣士と呼ばれる魔力で体を強化できる戦士のいる世界に転生できたの!

前世での修業が功をそうして私は魔力をまるで手足のように扱えていた。

十年経った核や災害のような力の再現のイメージもついたころ私はいつもどおり魔剣士を排出する実家の修業をした後盗賊狩りを行っていた。

 

盗賊「く、くそ強すぎる・・・!」

 

盗賊「来るんじゃねー!」

 

アン「遅い背後取られるようじゃまだまだね。」

 

ズゴッ!

 

盗賊「げぼっ・・・!」

 

私はわざと剣を使わず中国拳法の内臓破壊で敵を仕留めているときだった・・・

 

「凄いな、こんな大勢の盗賊を一人で倒すなんて。」

 

私は自然とその男に剣を振るっていた。今思えば強者の雰囲気をもう感じ取っていたのかもしれない。

 

キャン!キン!カッ!

 

「へぇ・・・君の剣、天与の才って感じだね。伸びそうな剣だ。」

 

アン「そっちこそ凡人の剣だけど極めそうな感じ。」

 

「僕はシド・カゲノー、陰の実力者を目指すものさ・・・」

 

え・・・

 

アン「私も目指してたの・・・一緒に目指さない?」

 

シド「いいね、老後の金でもめるのはナシね。」

 

アン「当然。」

 

こうして志を同じくする者と9歳で出会えた。

孤独な闘いをしていた同士心から笑うのだった。



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悪魔憑きとの出会い

今日は私たちが出会って丁度一年がたったころ、今日も今日とて私たちは山賊狩りにいそしんでいた。

 

シド「ヒャッハアァアア!」

 

アン「遅い遅い!」

 

あれから私たちは試行錯誤を重ね新たなる兵器を手に入れた。

 

その名もスライムボディースーツとスライムソード、どこからでも出せるし防御力抜群!

しかも魔力伝導率抜群!一家に一着欲しい一品です!(テレフォンショッピング風)

 

アン「ひじからの剣は避けられないよね!」

 

盗賊「げぼぉ!」

 

シド「おぉ!流石アン!暗器にセンスを感じる!」

 

アン「シドの防御力テストのための演技も中々だよ!」

 

そうして盗賊を成敗した私たちは商人の馬車のものを物色する。

 

シド「ふふふ・・・これでまた陰の実力者資金が溜まった・・・」

 

アン「もっと溜めれればいいんだけど・・・あれ?あの肉塊って・・・」

 

シド「悪魔憑きだね、でもこれ魔力暴走に似てる。」

 

あぁ・・・確かに私もなったけな・・・まぁ制御したら普通に収まったからそんなに気にしなかったけどこんな風になるんだ・・・

 

シド「・・・つまり魔力を大量に持ってるってことだよね。」

 

アン「制御に使えそう!」

 

そうして二人でこねくり回すこと一か月。

 

シド「あんなに腐ってたのに元に戻るんだ。」

 

アン「エルフなんて初めて見た・・・」

 

そう元に戻った時にいたのは金髪のエルフだった・・・

 

「嘘・・・体が元に戻ってる・・・」

 

そうだ・・・私はシドとアイコンタクトを取って背中合わせで座る・・・

 

シド「君を蝕んでいた呪いは解けた。もはや君は自由だ。」

 

「呪いって・・・?」

 

アン「呪いとはあなた達英雄の子孫に掛けられていた呪い・・・」

 

そこから私たちはお伽話に乗っていた魔神ディアボロスと英雄たちの話をした。

 

アン「何者かが歴史を捻じ曲げ悪魔憑きと呼ばれるようにした・・・」

 

シド「その黒幕の正体はディアボロス教団・・・魔神の復活をもくろむ組織。表舞台には出ない奴らを倒すには我らも陰に潜む必要がある・・・」

 

「・・・!」

 

シド「我が名はシャドウ・・・陰に潜み陰を狩るもの・・・」

 

アン「そして私はガーデン・・・庭に現れた一つの陽炎(かげろう)・・・・」

 

シド・アン「英雄の子よ我らとともに歩む覚悟はあるか?」

 

「呪いに侵されたあの日・・・私は全てを失いました・・・救ってくれたのは貴方たちです。貴方たちがそれを望むならこの命を掛けましょう。罪人には死の制裁を。」

 

さぁ!楽しくなった!

 

シド「彼女のり結構いいね。」

 

アン「このまま組織名も発表しちゃおう!」

 

私たちはそうこっそり話した後・・・

 

シド「我らはシャドウガーデン・・・」

 

アン「そしてあなたはアルファと名乗って…」

 

こうして私たちは部下第一号を手に入れたのでした!



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アジトで対決!

シャドウガーデン設立から三年の年月があっという間にすぎ私とシド、アルファは13歳になっていた。シドのお姉さんクレアさんが15歳になって学園に通うことになって私もお呼ばれしていた。

 

シドの父「いやー!アンちゃんもクレアのお祝いに来てくれてありがとう!」

 

シド「お父さんはしゃぎすぎ。」

 

このはしゃぎながらもダンディズムあふれるはげた頭の男がシドの父親だ。

ちなみに私は青髪に青目と普通の美人顔だ。

 

シドの母「うふふ、貴方はしゃぎ過ぎよ。」

 

こうしてニコニコしているのはシドの母親、かなり穏やかだが切れたら父親よりも強く夫を殴り飛ばす光景を私もシドも何回も目撃している・・・

 

クレア「ねぇねぇ!アン!私の制服似合ってるでしょ?」

 

そしてこうして制服が似合うか聞いているのがシドの姉にしてカゲノー家期待のホープにしてこの会の主役、クレア・カゲノー。まさにネームドキャラクターになる女の子だろう。

 

アン「はい、素敵な着こなしだと思います。」

 

クレア「ふふふ!そうでしょ!シドのこと私には及ばないけどわかってるだけあるじゃない!」

 

そして妙なことにシスコンのお姉さまに何故か私は妙になつかれている・・・

 

アン「何でクレアさん私に構うの?」

 

シド「僕に似てて料理教えてくれるからじゃない?」

 

あれはクレアさんが笑顔で焦げたクッキー食べさせようとするから教えただけで・・・それに料理のできる陰の実力者も良いと思って・・・

 

そうして歓迎会も終わり私は別の部屋で泊まることになったのだが・・・

 

シド「姉さんが何者かに攫われた。」

 

起きてみるとクレアさんの部屋はもぬけの殻。父親は母親に盛大に殴り飛ばされていた・・・

 

そんな光景を横目に私たちはある人物の名を呼ぶ。

 

アン「ベータ。」

 

ベータ「はい。」

 

シド「アルファたちはどうした?」

 

ベータ「クレア様の痕跡を探っています。調べによると犯人はやはりディアボロス教団の物幹部クラスとみて間違いありません。」

 

幹部か・・・チュートリアルにはバッチリの設定だ。

 

シド「ほう・・・何故姉さんを?」

 

ベータ「クレア様を英雄の子と疑っているようです。」

 

ちなみにベータはシャドウガーデン四人目のメンバー、アルファがガンガン悪魔憑きを拾ってくるので今は7人いて結構複雑な設定もできるようになったのだ・・・

 

そしてシドもかっこよくナイフを投げてベータが説明している地図に投げた。

 

シド「そこだ、そこに姉さんはいる。」

 

アン「その暗号はフェイク。本拠地は南ね。」

 

ベータ「!!、確かに照らし合わせると隠しアジトが・・・!流石です!シド様、アン様!」

 

シド「僕のことはシャドウ。」

 

アン「私のことはガーデンと呼んで。救出に向かうわ。」

 

ベータ「はい!」

 

ー南のアジトー

 

オルバ「気分はどうだ?クレア・カゲノー。」

 

クレア「確かオルバ子爵だったかしら?アイリス様に無様に切られてたわよね?」

 

ドガっ!

 

オルバ「どうやら魔力に振り回されてるわけじゃないようだな。」

 

クレア「えぇ、弟と友達に教わったの。」

 

クレア「私はいつも弟の剣から学ぶ、笑顔でタオルを持ってくる友達の身のこなしも参考にしているわ。それなのに二人とも私からは何も学ばない・・・だからイジメてるの。」

 

オルバ「聞きたいことがある。最近体の不調はあるか?」

 

クレア「医者の真似事?一年くらい前にあったけど二人のストレッチ?で良くなったわ。」

 

オルバ「適合者には間違いないな。ならば弟たちも調べさせて・・・」

 

ズガッ!

 

オルバ「ぐっ!貴様手の肉を削いで自力で・・・!」

 

クレア「あの子たちに何かあったら許さないから!ごふっ!」

 

オルバ「ちっ、この血を調べれば・・・」

 

兵士「オルバ様!侵入者です!八人いて凄まじい速さで我々をぎゃふっ!」

 

その時凄まじい魔力の斬撃で敵は両断された。

 

オルバ「貴様たちは・・・!」

 

その時いたのは八人の少女たちだった。

特に真ん中にいる少女からはとてつもないオーラをオルバは感じ取っていた・・・

 

オルバ「貴様たちは何者だ!」

 

オルバがそう言ったとき真ん中のフードを被った少女が青い眼を魔力で光らせていった。

 

ガーデン「我らはシャドウガーデン・・・そして私はガーデン・・・庭に現れたただ一つの陽炎・・・」

 

アルファ「我々は知っている、悪魔憑きそして英雄の子孫のことを・・・」

 

ベータ「そしてディアボロスの復活の事も・・・」

 

オルバ「貴様ら!何故そのことを!」

 

オルバは突っ込んでくるが・・・

 

ガーデン「なるほど、魔力だけならアルファ以上、だが腕力と魔力に任せすぎだ。」

 

ガーデンは軽くいなし腹を豪快に切った。

 

オルバ「ごおっ・・!」

 

ガーデン「戦い方に美しさの欠片もない。」

 

オルバ「ぬかせ!」

 

オルバも剛腕で剣を振るが・・・

 

オルバ「なっ・・・分身してるように・・・早い・・・」

 

ガーデン「違う。これは遅さだ。」

 

すかさず二刀流にして剣を舞わせ全身をずたずたにした。

オルバはアイリス王女の天性の剣を見たことはあったがこの連撃はもはや神の領域に近いものを感じた・・・

 

オルバ「ぐあぁあ!」

 

オルバは切られながらもそのすべてを床の隠し通路をぶち破るために使い逃げた。

 

ベータ「追います。」

 

アルファ「いえ、必要ないわ。そうでしょう?」

 

ガーデン「その通り。レクイエムのフィナーレは彼に譲るわ・・・」

 

そうしてガーデンは仲間と共に去っていった・・・下にいるであろう同志に全て任せて・・・

 

ーカゲノー家ー

 

そんなわけでクレアさん救出作戦は私とシャドウが信頼関係を見せつけ圧倒的な最後でフィナーレとなった・・・しかし驚いたのはクレアさんの復活力だ。あれほどの事があっても普通に手の傷を再生させて学園に行ってたし・・・

 

シド「あの人ガッツ凄いからねー」

 

シドもこう言っていたし強い方が私たちもあの人の裏で陰の実力者を楽しめるというものだ。15歳にもなればクレアさん以外にもネームドやボスも出てきそうだしそれまで辛抱を・・・

 

シド・アン「くくく・・・」

 

シドも私と同じ想像をしていたのは二人で笑っているとアルファたちが現れた・・・

 

アルファ「シャドウ・・・ガーデン、私たちは貴方のもとを離れるときが来たわ。」

 

シド・アン(えぇー・・・)

 

どういうこと?

 

 

 

 

 




ガーデンの技はるろうに剣心の四の森蒼紫の回転剣舞と流水の舞です。


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王女様の猫

アルファたちによるとディアボロス教団は世界規模の巨大組織だったらしい・・・

それに対抗するためと言って彼女たちは世界に散っていった・・・

私たちは悟った。彼女たちは大人たちになったのだ教団なんて存在しないしでも恩はあるからローテーションで一人ずつつくらしい。

 

シド「まぁ、仕方ないよね。」

 

アン「私たちも思えば出会うまで孤独な闘いをしていたし。」

 

けれど二人ならきっとできる。私たちが追い求めた陰の実力者に世界が滅びるその時まで目指し続けるだけね。

 

そうして私たちは15歳になってミドガル王国王都のミドガル魔剣士学校に入学した。

シドとは別の寮だけど普通のオンボロ寮だ。

そして私の友達は・・・

 

ギュウ「ちょっとー!遅刻するわよ!」

 

メー「は、早く早く!」

 

太っちょのギュウ・ニク― 実家が畜産をやっている貴族

 

メー・ガネー 実家は工芸品都市でメガネ産業でそこそこ利益を出してる身長低めの貴族

 

シドも結構モブっぽい友達選んだみたいだし次にすることと言えば・・・

 

アン「シドもジャガたちにふられた?」

 

シド「あぁ、ばっちりだ。」

 

罰ゲームでふられたものはシドは学園のアイドルに告白し振られること。そして私は高嶺の花な人と友達になろうとして冷たくあしらわれること!

 

アン「まさか序盤からこんなモブらしいイベントが来るとは・・・!」

 

シド「あぁ・・・!」

 

両方に該当する人物、それはアレクシア・ミドガル王女・・・第二王女にして学園での人気もトップ、圧倒的なオーラで私のような木っ端貴族にとってはどうあっても高嶺の花!

 

アン「二人で夜なべして考えたんだもん・・・絶対玉砕だよ!」

 

シド「行くぞ!」

 

 

そうしてキョドリながら告白と友達になって欲しいといったところ・・・

 

アレクシア「良いわよ、なりましょうか。友達。」

 

え?

 

何で少女漫画の友達ポジションにいいいぃぃ!!?

 

その日シドと私はほとんど同時に絶叫した・・・

 

私たちは・・・

 

アレクシア王女と稽古していた・・・

 

アレクシア「貴方たちの剣、嫌いな剣。自分を見てるみたい。」

 

どうやらアレクシア王女は政略結婚を避けるためにシドを婚約者に私を保証人にするために了承したらしい・・・

 

そして・・・私たちの答えは・・・

 

シド「ワンワン!」

 

アン「ニャンニャン!」

 

シドは犬のように金貨を取りに行き、私は猫じゃらしのように手を伸ばすことで買収された。仕送りじゃ全然足りないのー!

 

アレクシア「いい子ね~!ポチ~ミケ~!」

 

こうして恋人と友人関係は無事続行していて地味にできていたのだが・・・

 

ゼノン「シド・カゲノ君、アン・ニワノ―君。アレクシアが寮から戻っていない悪いが話を聞かせてもらう。」

 

まじかー・・・

 

シドはそのまま男たちに拷問、女の私は事情聴取をうけることになった・・・

 

騎士「お前たちがグルなんじゃないか?男の悲鳴も聞こえてるだろー?否定するなんて薄情な女だなー?」

 

シドの方もテンプレ的なゲス騎士に連れて行かれてたけどこいつらもこいつらで刑事ドラマに出てきそうな圧力取り調べをしてる・・・!負けてられない!

 

アン「わ、私も知らないんですぅ・・・!もう許してぇ!無罪なんです!」

 

騎士「あぁ!?」

 

アン「ひいぃぃ!もう解放をぉおぉ!」

 

ダメ押し完璧!これが終わったらきっと事態は動く楽しみだなぁ・・・!



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王女の救出

七陰とアンの関係
アルファ シャドウと同じく追いつくべき存在

ベータ 戦記を彩る至高の華

ガンマ 叡知を授ける自分の理想像

デルタ もう一人の最強

イプシロン 憧れの美しさ

ゼータ シャドウと同じく神にするべき存在

イータ シャドウと同じく興味深い研究対象


取りあえず尋問は終わり私たちは釈放された。

 

アン「取りあえず大丈夫?シド。」

 

シド「うん、まさにモブ中のモブ。アンは圧迫尋問大丈夫だった?」

 

アン「精神はいつも鍛えてるから大丈夫。」

 

そうして私たちは歩き出した。

 

そうして追手がつけてくる中私たちが寮の前に行くと・・・

 

「後で。」

 

すれ違った女性にそう言われた。

私たちがシドの部屋に行くと・・・

 

シド「アルファ、久しぶり。」

 

アン「つけてきた人の撃退ご苦労様。」

 

そうアルファだった。

 

アン「でもお世話係ってシドがベータで私はイプシロンじゃなかった?」

 

アルファ「連絡があって戻ってきたのよ。」

 

そう言ってアルファは私たちにハンバーガーをくれる。

 

アルファ「厄介なことになってるみたいね。」

 

シド「そっちは最近どう?」

 

アルファ「教団には及ばないけど組織力も着々と上げているわ。」

 

きっと悪魔憑きになった子たちの保護活動とかやりつつ私たちの設定に付き合ってくれている、ありがたいことだ。

 

シド「ごちそうさま。」

 

アン「おいしかったー!」

 

アルファ「全く・・・このままじゃ貴方たちが犯人よ。」

 

シド「だね。パッとしない男女にはうってつけだ。」

 

アン「教団の人たち居るから騎士団はダメかな?」

 

アルファ「えぇ、間違いなく王女誘拐は英雄の血を手に入れるためよ。」

 

ってことは生きてるのか・・・皆の調査能力凄いな・・・

 

アルファ「何で貴方たちが王女様とロマンスを繰り広げていたかは知らないけど・・・」

 

シド「ロマンスは繰り広げてないな・・・」

 

アン「あれはちょっと潜入をね。」

 

アルファ「分かっているわ。二人で大きなことを抱えていることくらい。でも私たちをもっと信頼して。」

 

手厳しいなぁ・・・

 

アルファ「貴方たちはしばらく休んでて。連絡はよこすから。」

 

さて始まりの時だね。

 

そしてあたりが闇夜の暗闇で包まれたころ私たちは準備を終えた・・・

 

シド「ふっ・・・幻の名画モンクの叫びに彫刻ダッテの像。」

 

アン「さらにそれを照らすのはアンティークランプに光を受け止める机も高級品!」

 

王女様の猫になったり盗賊狩りをしたのもこのロマンあふれる陰の実力者コレクションを充実させるため!

 

さらに飲むものはもちろんワイン!

 

シド「赤ワインボルドーフレンチ精90万ゼニ―、グラスも高級品!」

 

アン「そして私は対照的な白ワインシャルドネ同じく90万!」

 

赤と白の対比によってよりクールさが増す・・・最高だね・・・

 

シド「最後にこれを・・・SET.」

 

呼びだしの手紙を机にセットして私たちは連絡係を待った・・・

 

そして数時間後

 

スッ・・・

 

そうして入ってきたのはベータとイプシロンだった。

 

noside

 

ベータとイプシロンが入るとそこにいたのは己の主二人が夜風とともにワインを飲む姿であった・・・

そして主たちは呟く。

 

シャドウ「時は来た・・・」

 

ガーデン「今宵世界は動き出す・・・」

 

イプシロン・ベータ「はぁ・・・!」

 

己の主たちが余裕を見せている。それだけで二人の不安は吹き飛んでしまった。

 

ベータ「月の光隠れたこのときはまさに我らの時間ですね。」

 

イプシロン「全くです。それでは報告を。」

 

ガーデン「お願い。」

 

ベータ「アルファ様の命により動員可能なメンバーを王都に集結させました。その数114人。」

 

シャドウ「114人?」

 

イプシロン「も、申し訳ありません!」

 

どうやら少なすぎたようだ・・・主からの声に二人は申し訳なさそうにする。

 

シャドウ「エキストラでも雇ったのかな?」

 

ガーデン「多分アルファたちが助けた子たちじゃない?」

 

二人とも何か言っていたがあまりに声が小さすぎて聞き取れない。

 

ガーデン「ごめんなさい、続きをお願い。」

 

ベータ「はい!今回の作戦は王都に点在するディアボロス教団フェンリル派への同時襲撃です。」

 

イプシロン「全体指揮はアルファ様、ベータはその補佐を、私は後方支援で動き。デルタの先陣で作戦開始の合図とします。」

 

そういうとシャドウが手紙を渡す。

 

ベータ「これは・・・」

 

シャドウ「招待状だ。」

 

渡されたものは罠と丸わかりの誘い。二人は怒りを見せるが・・・

 

ガーデン「二人ともそう怒らないでこれでプレリュードが奏でやすくなったというものよ。」

 

ガーデンの二人の感情を見透かしたような発言に二人は改めて主たちに尊敬を見せる。

 

シャドウ「そういうことだ・・・僕たちのデュオで始まりの合図としよう。」

 

ベータ・イプシロン「はい!」

 

sideガーデン

 

私たちが制服で待ち合わせ場所に向かうと・・・

 

騎士「よぉ~!色男に連れの嬢ちゃん、アレクシア王女の靴なんて持ってどうしたんだ?」

 

騎士「しっかり魔力痕跡残ってるな!大人しく・・・」

 

ズバっズバッ!

 

騎士「げはっ!」

 

騎士「ぐわぁああ!」

 

シャドウは剣を伸縮させての斬撃、私たちは鞭のように薙いで足を両断した。

 

騎士「こ、こんなことしてタダですむと・・・」

 

シャドウ「心配することは無い・・・」

 

ガーデン「夜が明ければ全て終わっている。」

 

私たちは騎士二人をだるま状態にして背を向け後を他のメンバーに任せる。

 

シャドウ「ベータ、行くぞ。」

 

ベータ「は、はい!」

 

ドガンっ!

 

どうやらデルタも派手にやってるみたいだね。

 

イプシロン「ガーデンさま!アルファ様のところに悪魔憑きの実験体が暴れています!治療をお願いします!」

 

ガーデン「わかった。」

 

どうやら私の相手はそっちのようね。

 

そうして行ってみるとアレクシアの姉のアイリス王女がいた。

 

アイリス「はあああ!」

 

おぉ、この世界の剣撃にしては凄いけどやっぱりシドに比べたらスローモーションだね。

そうして剣を観察していると屋根にいるアルファを見つけた。

 

ガーデン「遅れてごめんね。」

 

アルファ「いえ、すぐ来てくれて良かった。あれが傷つけるだけだと何故わからないのかしら・・・」

 

ガーデン「光の者に影の事象は理解されない・・・だからこそ我らで救い上げる。」

 

アルファ「やっぱり優しいのね。お願い。」

 

ガーデン「こっちも救った後あの子をお願いね。」

 

noside

 

アイリスはこのままあの怪物にとどめを刺そうとしたが・・・

 

ガーデン「ここから先は我らの領域・・・近づくことは許されない・・・」

 

突如現れたボディスーツにフード付きのマントを羽織った女に吹き飛ばされた。

 

アイリス「な、何者だ!」

 

ガーデン「私の名はガーデン・・・庭に現れたただ一つの陽炎・・・」

 

怪物「があぁあ!」

 

そういった瞬間怪物は拳を振り下ろすが・・・

 

ガーデン「力に囚われた哀れな者よ・・・貴方に救いを。」

 

ガーデンはその拳を体術の回し受けでいなし怪物を転倒させた!

 

ガーデン「わが奥儀をもってあなたを救いましょう・・・」

 

そういうとガーデンの魔力・・・新緑の魔力があたり一帯に充満する・・・

 

アイリス「な、なんなの・・・この魔力・・・!」

 

大気が震え風の音が聞こえる。

 

ガーデン「シー・イズ・・・ヒーリングタイフーン。」

 

ガーデンが剣を振った瞬間魔力で出来た竜巻が引き起こされた。濃密な魔力で出来たそれは家屋も地面も万物を風化させ塵を吹き飛ばす。

 

アイリス「きゃあああ!」

 

風に吹き飛ばされアイリスが見たものは・・・

 

アイリス「お、女の子・・・?」

 

ガーデンが抱えていたのは銀髪の女の子、そうガーデンは悪魔憑きと実験の薬を全て魔力で吹き飛ばしたのだ。

 

ガーデン「アルファ、後は頼む。」

 

アルファ「えぇ。」

 

アイリス「ま、待て!」

 

アイリスが止める間もなく二人は飛び去ってしまった。

その後アイリスはまた凄まじいものを見ることになった。アレクシアのいる方向に巨大な光の柱が出現。さっきの竜巻と同じくすべてを吹き飛ばしそこにいたのはアレクシアだけだった・・・

 

そして町には巨大な大穴が二つできた。

 

sideアン

 

いやー、奥儀も華麗に決まって初めての王都戦闘は完璧だったね!

 

アン「シド、大丈夫?」

 

シド「うん、致命傷は避けたし、まさか恋人断ったら斬られるとは思わなかったけど・・・」

 

そう事件が終わった後アレクシア王女は私たちに無事謝罪、ゼノン先生もシドが跡形もなく蒸発させたことでもう恋人関係を続ける必要はなくなってこれで縁は切れるかと思ったんだけど継続をアレクシア王女が願い出てシドが断ったんだけど閃光の速さでシドがぶった切られて私は凄い驚いた・・・

 

アン「まさかあの王女様があそこまで寂しがりやとは・・・」

 

シド「寂しがりやとはまた違くない?」

 

包帯だらけのシドに私はアレクシア王女のツンデレに嘆いていると・・・

 

「ふわっ!」

 

桃色髪の少女とシドがぶつかった。

 

シド「大丈夫?」

 

シドが女の子の手を引っ張る様はまさにラブコメ漫画のワンシーンだった・・・

シド・・・本当にモブ道極める気ある?

私はひそかに信頼が揺らいでしまうのだった・・・

 

 

 



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ミツゴシ商会にて

シドの血まみれの制服を洗った後私たちは昼食をとっているときヒョロやジャガ、ギュウとメーに質問攻めにされていた。

 

ヒョロ「キスもしなかったのかよ!」

 

ギュウ「てっきり女同士の禁断の花園になると思ってたのに・・・」

 

うん、無視したい。

 

ジャガ「もったいないですね。」

 

ヒョロ「しょうがねーな。ヘタレなお前らに良い店紹介してやるよ。」

 

メー「ゲスですね。」

 

ヒョロ「チゲーよ!見たことない商品を扱っててチョコとかいうお菓子やココアって言う飲み物が美味い店なんだよ!」

 

ジャガ「つまりそれを使って女の子と・・・」

 

ギュウ「ゲスだけど珍しいもの持ってたらイケメンよってくるかもだし行こうよ!」

 

メー「わ、私も化粧品には興味あります・・・」

 

ということでゴリ押しで行くことになった。

 

「入店は80分待ちでーす!」

 

女性店員さんの言う通り長蛇の列となっており入るまでそれくらいかかるのは明白だった。

 

ジャガ「ど、どうします?」

 

メー「門限には間に合いますけど・・・」

 

ギュウ「辻斬りが出るっていうし怖いよね。男子守ってよね!」

 

ヒョロ「お前たちも魔剣士だろ!?六人いれば余裕だろ!」

 

しかし前世を思い出すようなモダンな建築・・・

 

シド「上流階級ばかりで場違い極まりないな・・・」

 

シドの言う通り繁盛してるよね。

すると呼びかけをしていた店員さんが私たちに近づいてきて・・・

 

店員「お客様、失礼ですがお時間よろしいでしょうか?アンケートへのご協力をお願いしたいのですが。」

 

なんと私とシドにアンケートの協力をお願いされたのだ。他の四人もやる気満々だったが怖い笑顔で封殺されてしまった。

 

しかしこの子の顔・・・どっかで見たような・・・

そんなことを考えて進んでいると店舗の中にあるもう一つの建物の最上階に通された。

その中では何人ものエルフたちが整列して頭を下げておりその列の中心には見知った人物がいた。

 

ガンマ「ご来店を長らくお待ちしておりました。シャドウ様、ガーデン様、」

 

シド「ガンマ、それじゃあこれ君の店なんだ。」

 

ガンマ「はい、主様たちの陰の叡知を再現させていただきました。」

 

そういえばシドがチョコのこと教えたとき私もココアのこと教えたな。苦い豆を砕いた液体に牛乳入れると美味しいくらいのことだけど・・・イータとかガンマにはロマンのある武器開発のために色々教えたのはいい思い出だ。

 

そう七陰の三人目ガンマがそこにいたのだ。ということはミツゴシ商会はシャドーガーデンの企業で悪魔憑きの子の就職先なんだろうな。

 

そうしてゆっくりと歩いて来たガンマだが・・・

 

ガツッ!

 

ガンマ「うぎゃ!ぶじゃ!ぐへっ!」

 

見事にこけて鼻血を出した・・・

そう彼女は戦闘センス無しの頭脳極振りの幹部。魔力のおかげで頑丈ではあるが剣術を教えても理解はしているものの体が全く使えていない体術もずっこけたり何でか自分も一緒に投げ出されるというミラクルを連発する始末。シャドウと私が指導で初めて挫折を味わった一人でもある・・・

 

そうしてガンマに案内されると二つの玉座があった・・・

 

シド「行くか。」

 

アン「えぇ。」

 

そうして私たちは玉座にゆるりと座る。

 

店員「あぁ・・・!」

 

店員「素晴らしいです!」

 

ガンマも中々のセットを用意してくれたじゃない・・・まさに組織の長・・・実力者に相応しい組織じゃない・・・!

 

私たちは嬉しかったので蒼紫と新緑の魔力の雨を降らせた。疲れてるだろうしこの雨には回復作用もあるから喜んでくれるでしょう。

 

シド「それで?この店結構稼いでる感じ?」

 

シドは店の経営状況を聞く。

 

ガンマ「国内外の主要都市に店舗を展開し僻地には通販で影響力を伸ばしています。10億ゼニ―ほどなら運用可能です。」

 

シド「じゅ!」

 

アン「なっ・・・!」

 

ガンマ「少なかったでしょうか?」

 

アン「い、いえ・・・」

 

私たちの知識を元ネタにここまで・・・まぁ私たちのうろ覚え知識なんてガンマがいなかったら使い物にならなかっただろうけど・・・これが頭脳の差だっていうの・・・?

シドはともかく私に少し報告を上げても良かったんじゃ・・・

 

するとガンマは話題を切り替えた。

 

ガンマ「主様たちが来訪された理由は察しております。例の事件についてですね?」

 

何それ?シドも一瞬ぽかんとした顔しちゃってるし。

 

ガンマ「王都に現れた人斬り、奴らはシャドーガーデンの名を騙り犯行に及ぶ愚者ども・・・現在操作を進めていますが犯人は捕らえられていません。」

 

そういえば四人とも言ってたね・・・

辻斬り・・・あ、

 

シド「心当たりがある。二人で探ってみよう。」

 

シドも察したようだ、アレクシア王女・・・権力があっても辻斬りはいかんでしょ・・・しかもシャドウガーデンを名乗って・・・七陰の皆怒らせたら怖いんだよね。

 

最後にガンマは一人私たちの連絡員を紹介してくれた。

さっきの案内係の店員さんだった。

 

ガンマ「その子はニュー、新たなナンバーズです。まだ入って日は浅いですがアルファ様も認めています。」

 

あ!思い出した!

 

アン「もしかして貴族の町のはずれで捨てられてた子?」

 

ニュー「はい!覚えてらしたのですね!」

 

前に長距離散歩したときに悪魔憑きを見つけて直したんだよね。服も顔もボロボロで髪もボサボサだったから気づかなかった!

 

アン「結構前から見つけてたのに入ったの最近なんだ。」

 

ニュー「はい、素質を見込まれて鍛えられていたので。」

 

秘蔵っ子に出世とは・・・私に経営センスがあれば・・・

 

こうして懐かしい顔にもあったところで私たちはガンマたちからチョコを貰い皆と帰っていた。

 

ギュウ「まさかアンケートでチョコがタダでもらえるなんてね!」

 

ジャガ「でも遅くなりました!」

 

皆が急いで帰る中私とシドは読唇術で会話した。

 

シド「まさかアレクシアが無差別殺人を犯すとは・・・」

 

アン「やっぱり権力を持つと腐るのは本当みたいだね・・・」

 

アレクシア王女のネームドキャラクターとしての評価が下がりつつあったその時だった・・・どこからか剣撃の音が聞こえた。

 

私たちはモブ直感でメインストーリーの侵攻があることを察しトイレに行くのと付き添いに名目で私たちは現場に行くと・・・

 

シド「まさか辻斬りがアレクシア王女に襲い掛かっているとは・・・」

 

アン「あの人たちはおそらくシャドーガーデンのフォロワー・・・でも私たちはそれを許すわけにはいかない・・・」

 

憧れを否定するつもりはないが品位が下がっては私たちは影の実力者ではなくなってしまう。つらいところだ。

 

私たちはアレクシア王女の前に颯爽と飛び降りた。

 

noside

 

アレクシアはシャドウガーデンを名乗る辻斬り四人に切られ絶体絶命となっていた・・・その時だった!

 

辻斬り「ぎゃああ!」

 

辻斬りの一人は両断されもう一人も投げられた漆黒の苦無によって命を落としていた。

そして現れたのは・・・

 

シャドウ「我らを騙る愚者たちよ・・・その罪命で償うがいい・・・」

 

すると二人は脱兎の勢いで逃げ去っていく。

 

ガーデン「愚かね・・・」

 

そう言って二人は立ち去ろうとする。

 

アレクシア「待ちなさい!あなた達も目的を教えなさい。その力を何に使うのか・・・何と戦っているのか・・・」

 

そうしてアレクシアは膝をつく・・・

 

シャドウ「関わるな・・・」

 

ガーデン「貴方の幸せのためよ・・・」

 

そうして二人は高速で去ってしまった・・・

 

アレクシア「待ちなさい・・・」

 

アレクシアはそう言って倒れてしまった。

 

 

 

 

 

そうして辻斬りたちは屋根の上にいたのだが・・・

 

ガーデン「逃げられはしない。」

 

シャドウ「愚かなことだ。」

 

シャドウとガーデンの伸縮するスライムに手足の腱を切られた。

そしてもう一人は・・・

 

ニュー「お見事です。お二人とも、情報を聞き出します。」

 

シャドウ「ぬかるなよ。」

 

ガーデン「任せるわ。」

 

ニュー「はい。」

 

次の瞬間一人はニューの剣捌きによって無力化されていた。

 

ニュー「私はお二人ほど甘くない。」

 

そうして翌朝には辻入りたちは王都に死体が吊るされ血で愚者の末路と書かれていたそうだ・・・




ニューとアンの関係はカゲマスのキャラストーリーからとりました。


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モブ式奥儀を見せるとき!

カッコ良く陰の実力者をこなした翌日。私はギューとメーによってブシン祭りに参加することになってしまった・・・

シドもヒョロとジャガに嵌められたようで大会出場させられたようである・・・

 

シド「余計なことを・・・」

 

アン「私は絶対に出ないわよ・・・」

 

ニュー「わかっております。」

 

そして今は変装したニューの報告を聞きながら今後の乗り切り方についての会議中である。

もちろん四人には腹パンを食らわせておいた。

 

ニュー「教団の目的の一つに薬物と洗脳で魔力適正のある子どもや貧民の子供をディアボロスチルドレンを作る。長年続いていることです。」

 

ニューの設定も中々面白いね・・・先日の辻斬りをこうも上手くつなげるとは・・・目下の問題は・・・

 

ニュー「教団の目的はシャドーガーデンを名乗り我々を誘い出すことでしょう。」

 

シド「余計なことを・・・僕は出ないぞ。」

 

アン「でもネームドも来てそうだよ?」

 

シド「確かに・・・」

 

有名な人と戦うモブ・・・無限の可能性が得られそうだよね・・・!

 

ニュー「はい、アン様のおっしゃる通り王都でネームドのチルドレンファースト反逆遊戯レックスが現れました。」

 

シド「なるほど・・・アンの言う通り根源的な目的に照らすなら用意されたものであっても取りうる手段はある・・・」

 

そういうこと!そうとなったら煮詰めないと!

 

アン「ニュー、ごめん。私たちは早速煮詰めないといけないから。」

 

シド「これは好機だからね・・・」

 

私たちはあるものを完成させるため早速準備に取り掛かることにした。

 

 

そしてついにきた大会当日!私の対戦相手は・・・

 

クレア「まさか貴方が相手とはね!」

 

アン「私もびっくりです!」

 

三年のクレアさんだった!この学園でも名が通っており私なんかは名前も覚えられてないまさにモブ中のモブ!今まで研鑽を重ねて来た機会を見せるとき!

 

クレア「手加減はしないわ!あなたの全てを見せて!」

 

アン「はい!」

 

私とクレアさんは構えてついに戦いの合図がなった!

 

審判「はじめ!」

 

その声と同時に私たちは突っ込む・・・!

クレアさんの剣は昔よりも早いし上手くなったけどやっぱり私にはスローに見える。

私は意識的にゾーンに入る中剣をギリギリまで引き付けてベストなタイミングで血糊を口に放り込み体をくの字に折り曲げクレアさんの横なぎにもろに当たる!

 

アン「きゃああああ!」

 

くの字に吹っ飛ばされた私は血反吐をジェット噴射のように吐き出しながら壁に衝撃を殺しつつも破壊力抜群のような演出になるように手で亀裂を入れた!

 

これぞモブ式奥儀・・・!くの字型ブラッディジェット!

 

審判「勝負あり!勝者クレア・カゲノー・・・」

 

アン「まだです!まだ私はやれる!」

 

クレア「そうよ・・・貴方はそうでなくちゃ!」

 

クレアさん本当に感謝します・・・貴方が熱い性格で!

 

アン「まだだ!まだまだ・・・!」

 

私はそうして奥儀を披露していったのだが・・・

 

審判「勝負あり!勝者クレア・カゲノー!」

 

なんと無粋な審判が無理やり勝利宣告をしてしまったのだ!

 

アン「ちょ、ちょっと待ってまだ奥儀は36は残って・・・」

 

クレア「そうよ!彼女はまだ戦える!」

 

審判「二人とも運び出してくれ!一人は重傷だ!」

 

あぁあああ!晴れ舞台がぁあああ!

 

 

 

その後シドも生徒会長のローズ先輩と試合をしたそうだが結局奥儀は全部出せなかった・・・・保健室から抜け出した私たちは愚痴をこぼしていた・・・

 

アン「クソ審判め・・・あの時止めてなかったら・・・」

 

シド「ポジティブに考えよう。出せる機会はまだあるさ。」

 

そう思いましょう・・・私がそう思ったときシドが助けた桃色髪の女子生徒・・・噂を聞くに国内一の頭脳を誇るシェリーバーネットが声を掛けてきた・・・

 

シェリー「あの・・・お怪我は大丈夫ですか?」

 

な、なんかあの時より顔赤くない・・・?

 

アン「ねぇ?シド、アンタチョコ貰った翌日なんかした?」

 

シド「あぁ、思い出したチョコあげたんだ。」

 

え?転ぶの助けた女の子にチョコを上げた・・・そんなの・・・

 

アン「ただのラブコメの主人公でしょうがー!!」

 

シド「ぐへっ!」

 

シェリー「えぇ!?」

 

もう知らない!もう知らないんだからー!!

私は走り出していた・・・一緒にモブ道を究めようとした人からの裏切り・・・私は空の晴天を見てサンタに裏切られた日も冬なのに空が晴れ渡っていたのを思い出していた・・・・

 

そして翌日・・・

 

シド「ねぇ~ネームドキャラだって忘れてたんだって~許してよ~。」

 

アン「ぶぅー・・・」

 

今日は生徒会からの報告があるらしくローズ先輩も来ていたが私は先日の裏切りも含めて不貞腐れていた・・・

 

シド「シェリーちゃんアンとも友達になりたいって言ってたから同じだよ同じ。」

 

アン「まぁ、ネームドキャラの近くの方がモブの行動にも魅力が出るもんだしね・・・」

 

そうして許したときだった・・・

 

シド「あれ?スライムの形が保てない・・・」

 

そうシドがトレーニング器具にしていたスライムが形を崩し始めた・・・

 

ガッシャ―ン!

 

「我らはシャドーガーデン・・・この学園を占拠した・・・!」

 

黒ずくめの男たちが言ったとき私はさっきの不機嫌なんて一瞬で吹き飛んだ!

 

シド「やりやがった・・・!」

 

そう!私たちが夢見たあのシーン!青春妄想の一ページ!学園がテロリストに占拠されるシーンを・・・

 

シド・アン(本当にやりやがったー!!!)

 

私たちは歓喜に満ち溢れていた・・・!無限の可能性が広がる中ローズ会長がテロリストを倒そうとするが魔力が散っていく!

 

圧倒的な力の差になすすべのないネームドキャラ・・・そして斬られるのは当然・・・!

 

シド・アン「やめろー!!」

 

ローズ先輩を突き飛ばし私たちは横の斬撃を二人係で受け止めた!

 

占拠序盤で真っ先に斬られるモブ・・・完璧・・・!



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陰で動くロマン

そうして斬られて生徒会長含めた全員が去った後、私たちは魔力を循環させて心臓マッサージの要領で胸をぶっ叩いていた・・・

 

アン(動け!動け!)

 

ドクンっ!

 

アン「ふう!!」

 

シド「あぁ!ふっ・・・上手くいったな・・・モブ式奥儀十分間のハートブレイク。」

 

魔力で血流を正常にしてその後で蘇生するハイリスク奥儀・・・でも私たちはロマンのためなら命だって惜しくはない。

 

シド「魔力は阻害されてるけど細く加工すれば問題なさそうだね。」

 

アン「せっかくのロマンある仕掛けを無理に突破するのも無粋だしね。」

 

私たちは傷を魔力の糸で縫い付けて塞ぐと屋上に向かう。

 

アン「着々と集まりつつ騎士団・・・そして大講堂に集められた人質・・・」

 

シド「警備も全滅だしこの魔力封じのせいで突入をためらっている・・・この展開はテンプレで悪くない・・・」

 

アン「隠れている生徒を見つけようとしているテロリストも深みがあっていいじゃない・・・」

 

アン・シド「感動的な光景だ・・・」

 

そして屋上で見下ろす陰の実力者である私たち!

 

シド「素晴らしい・・・アンと一緒に書き出したやりたいことリストがまた一つ達成した・・」

 

まぁ、不満があるとすれば創意工夫があっても美的センスに欠けるところかしら?

 

シド「黒いロングコートやボディースーツは夜だからこそ映えるのに・・・!」

 

アン「あんなのただのカレーうどんを食べるのに白い服を着てくる場違い人間のファッションになってしまうじゃない!」

 

私たちはちゃんと美を守った行動をする・・・つまり、

 

アン「陰ながら潜入してテロリストを倒す凄腕スナイパー・・・一度やってみたかったんだよね!」

 

シド「アン、赤井〇一好きだよねー。」

 

私たちはスライムの弾丸で次々と敵を倒していく、

 

シド「ん・・・?不用心に歩く桃色髪の・・・あれシェリーじゃん。」

 

シドが強化した視力でシェリーを見つけたみたいだ。

 

アン「私のモブ直感が告げている・・・おそらく彼女が今回の主役キャラ・・・そしてシェリーを追おうとしているそこらの奴とは比較にならない魔力のやつがネームドキャラだね。」

 

シド「ネームドを殺すのもまたネームドってやつだね。」

 

アン「シドはシェリーの目的の達成の補助、私はネームドを倒す。これでどう?」

 

シド「うむ、では行動を開始しよう。」

 

そうして私たちは屋上から華麗に飛び降りた・・・やりたいことリストもう一つ達成!

 

noside

 

反逆遊戯のレックスはシェリー・バーネットの研究室に入ったまでは良かったが紅の騎士団に邪魔されてしまい目標の物を取り損ねていた。

 

レックス「ちっ・・・早く追わねぇとな・・・」

 

レックスは部下を連れて廊下に出て向かおうとしたが・・・

 

部下「が・・・あ・・・」

 

部下「げぼっ!」

 

ドサッ!

 

レックス「何!?」

 

突如部下は首を切り裂かれて倒れてしまったのだ。

 

レックスはなんとか魔力で視力を強化して見えたのは部下の首に細い糸・・・ピアノ線が巻き付いたことくらいだった・・・

 

レックス(身体強化した魔剣士の首をピアノ線で両断したって言うのかよ!そもそも魔力は練れないはずじゃ・・・)

 

その瞬間レックスの生存本能が警鐘を鳴らした。

 

レックス「ここだ!」

 

レックスは自分に向かってきた糸を剣でぶった切った!

 

レックス(殺気も何もなかった!対応できたのは唯の勘・・・とんでもねぇ素早さと精密さ・・・ならば!)

 

レックスは得意の探知術、魔力の網を作り出した。

 

レックス「何をしたかわかるか!?そう!網だ!お前がどれだけ繊細で早く動こうと網に掛かれば探知できる!その面拝んで首をぶった切って・・・」

 

ズガン!

 

レックス「がぁ・・・!?」(バカな・・・網の内側から食らった・・・!)

 

受け身も取れずに激突したレックスがかすんできた目で見た物は・・・

 

レックス「生徒・・・しかも女かよ・・・!」

 

痩せていて平凡そうな青髪の少女だった。しかしさっきのピアノ線を拳にまいていたのかやすりで削られたようにレックスの顔は血にまみれていた。

 

アン「面白い術を見せてもらったわ、音楽室で借りたピアノ線がおじゃん・・・なら私も敬意を表して・・・」

 

そうして少女が出したのは・・・

 

レックス「な、それは俺の・・・」

 

そうレックスがついさっき出した網、だが精度がまるで違った。レックスのは例えるなら漁業や虫取り網のような大穴の目立つ網だったが・・・アンのは繊細さの桁が違った・・・まるで布の繊維のような一つ一つが芸術の域にまで達したものだった・・・

 

それはレックスのプライドを傷つけるのは容易だった。

 

レックス「猿真似程度でぇええ!!」

 

レックスは向かっていくと彼女は何かを言う・・・

 

アン「シー・イズ・・・ランドマイン・・・」

 

そうしてレックスが結界にふれた瞬間アンは魔力で筋肉をオートで動かし反応、剣を振った瞬間眩い光線が廊下向かって発射され直線状にいたこの階にセカンドやサードを吹っ飛ばした。レックスも瞬く間に蒸発してしまった・・・

 

アン「ふふふ・・・ネームドの技をラーニングして返す・・・まさに陰の実力者じゃない?本来なら前方まとめて吹っ飛ばすけど威力を前一直線にして光と音を最小限にしたからバレてない!流石私!」

 

技の名前の由来は地球最悪の兵器「地雷」

 

結界が反応した瞬間オートで攻撃して殲滅する恐ろしい技なのだ・・・

 

ニュー「流石ガーデン・・・いえアン様。」

 

アン「あ、ニュー来たんだ。」

 

窓から来たニューにアンはいつも通りのおどけた口調で返した。

 

アン「計画は順調?」

 

ニュー「はい、ガンマ様が指揮を。」

 

アン「ならばいい、だがニューは研究室で荒らされた素材の整理をお願いできる?いずれ使うだろうから・・・」

 

ニュー「未来を予見されているのですね・・・わかりました!」

 

アン「私はシドの元に向かう。ぬからないでね。」

 

ニュー「はっ。」

 

アン(敵に襲われた場所に何かあるのは推理物の定番だし楽しみだなー)

 

アンはずれた考えのままシェリーとシドの元にスキップしていくのだった。

 

 



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少女に捧げる葬送歌(修正版)

アンケートに答えて書き直しました。


そうして見事にネームドを倒した私はシドとシェリーの所に向かった。

 

アン「シド、お待たせ。」

 

シド「大変だったよ。彼女警戒心ゼロでさ。」

 

アン「あー・・・もしかしてそこにあるスリッパ履いたまま来た感じ?」

 

シド「うん。相棒役もいないし酷い欠陥シナリオだ。」

 

天然だ・・・ここは私たちが影の実力者兼途中までの相棒キャラを兼任するしかないね・・・

 

シェリー「あれ?アンさんいつの間に・・・ってアンさんも怪我してるじゃないですか!?」

 

アン「うん、シドと同じで奇跡的に一命をとりとめました。」

 

シェリー「そうなんですね。」

 

ちょろい。

そうしてシェリーはこの事態の原因を説明してくれる。

 

シェリー「使われているのは強欲の瞳というアーティファクトです。これが魔力を阻害してるんです。これは効果範囲の魔剣士や魔力体から魔力を吸収してため込むことが出来るんです。」

 

電気で例えるなら充電器みたいな感じか。

 

シェリー「その結果周辺で魔力の錬成が困難になります。」

 

シド「でも黒ずくめの人たちは魔力使ってたよ?」

 

確かに

 

シェリー「吸収させたくない魔力の波長は覚えさせることもできるんです。そうでなくては使用者本人の魔力も吸い取ってしまいますから。」

 

なるほど、わかりやすい。

 

アン「じゃあ覚えさせてない魔力は何でも吸収するの?」

 

シェリー「どうでしょう・・・感知しきれない微細な魔力やもちろん容量を超える強大な魔力は吸収できないと思います。今の人間にそんな魔力は使えませんが・・・」

 

シド・アン(だよねー・・・)

 

シェリー「これだけならただ扱いの難しいアーティファクトなんですが、厄介な所はため込むだけため込んだ後一気に解放してしまうんです。」

 

アン「大講堂に集められた魔剣士学園の生徒の魔力を吸ったとすると・・・」

 

シド「学園が吹っ飛ぶね。」

 

シェリー「それを考慮したからこそお父様は強欲の瞳を国に預けて管理を依頼したのに・・・」

 

シド「盗まれたか、もう一つあったか。」

 

アン「対処法も考えないとね。」

 

シェリー「それならあります。」

 

そういうとシェリーはペンダントみたいなものを取り出した。

 

シェリー「このアーティファクトは本来強欲の瞳の制御装置なんです。これを解読してようやくわかりました。魔力を長期保存するものなんです。」

 

シド「つまり魔力の解放を止められると。」

 

シェリー「そうなんです!この自在に魔力を保存応用する技術があれば技術の発展に・・・」

 

アン「で、その装置の解析は終わったの?」

 

シェリー「い、いえ・・・実は研究室に材料を置いてきてしまって・・・取ってきて解析が終わったら隠し通路で大講堂に行って魔力の解放を止めます。」

 

なるほど・・・最後が弱いけどまぁ私たちが出張ればかっこよくなりそうね。

 

アン「分かった研究室には私たちが向かいます。」

 

シェリー「そ、そんな二人とも怪我してるのに・・・」

 

シド「いいのいいの、丁度トイレに行きたかったし。」

 

そう言ってシェリーに頼まれたものを研究室に取りに行った。

 

ニュー「アン様。シド様、お待ちしておりました。」

 

シド「ニューか。材料とか整理しておいてくれたんだ。」

 

ニュー「はい、アン様からの指示で。」

 

アン「うん、じゃあ地竜の骨とミスリルのピンセットとそれから・・・」

 

私たちはシェリーに頼まれたものをニューに言って取ってもらう。

 

アン「ありがとう、それで状況は?」

 

ニュー「お二人の指示があればいつでも動けます。魔力が封じられた状況では七陰様以外は厳しい状況です。」

 

なるほど。

 

ニュー「外の騎士団も戦力になるのは部隊長とアイリス王女以外使い物にならないでしょう。」

 

アン「わかったわ、ではそのまま待機でお願い。」

 

ニュー「わかりました。それでお二人は何にそれを?」

 

シド「アーティファクトの調整をしてるんだよ。」

 

ニュー「アーティファクトの?そのような知識まで?」

 

アン「この状況の原因は強欲の瞳っていうアーティファクトでそれを無効化するアーティファクトの最終調整段階なの。」

 

シド「夜には完成するよ。」

 

ニュー「では我々もそれに合わせて動けるようにしておきます。」

 

楽しみねー・・・

 

noside

 

時は進みアーティファクトの調整が終わったシェリーはアーティファクトで魔力無効化を解除、生徒たちは次々と刺客を薙ぎ払っていくが手練れということで押されていた・・・

 

ローズ「ここまでか・・・」

 

ローズが至高の一撃を放った後そうつぶやいたその時だった。

 

窓ガラスが割れ二人の男女が入ってくる。

 

シャドウ「見事だ、至高の剣を振うものよ・・・」

 

それはシャドウとガーデン周りを見るとすでに生徒を囲っていた刺客は制圧されていた。

そしてガーデンとシャドウは剣を交叉させ宣言する。

 

シャドウ「我らはシャドウガーデン・・・」

 

「陰に潜み陰を狩るもの・・・そして庭に現れた陽炎・・・」

 

そうして向かっていったシャドウとガーデンの部下たちはひたすらに強かった。

 

ローズも生徒の避難誘導に移り火の手の回る中鎧の首魁とシャドウ、ガーデンの姿だけが消えていた・・・

 

 

そうして鎧の首魁は部屋に入り書物を燃やしていたすると・・・

 

シド「何をしてるんですか?ルスラン・バーネット副学園長。」

 

アン「鎧着てても歩き方に癖は出ちゃうんですよ。」

 

ルスラン「シド君に・・・同じクラスのアンさんか。」

 

アン「参考までに聞いて良いですか?」

 

シド「何故このようなことを?貴方はこのようなことに興味はないはずだ。」

 

ルスラン「何故か・・・剣の頂点に立ったは良いが病にかかってしまってね・・・苦労して掴んだ栄光も一瞬で終わったよ。それから病を治すため強欲の瞳に可能性を見出した。利用したのはシェリーの母親・・・賢すぎて学会から嫌われていた彼女に支援をして強欲の瞳を研究させた。しかしあの女は国に管理してもらおうと言い出した・・・」

 

そしてルスランは狂気の笑みを浮かべる。

 

ルスラン「体の先から中心をついていき最後は心臓を突き刺しねじ切った・・・シェリーは何も知らない・・・私が敵ともしらない愚かな娘だ・・・どうだい?参考になったかな?」

 

シド「おおよそは、シェリーを利用したのは本当ですか?」

 

ルスラン「本当さ、怒ったかい?」

 

シェリー「お父様・・・今のは本当なのですか・・・?」

 

ルスラン「シェリー!何故ここに!?」

 

アン「私が真実を知りたいかと思って連れてきてたの。」

 

ルスラン「貴様らぁ・・・生きて帰れると思うなよ!」

 

ルスランがそういうと二人は剣を構えた。

 

シド「そろそろやらないと邪魔が入りそうだ。」

 

そう言って二人は突っ込み、ルスランによって斬られてしまった・・・!

ガラスを突き破り落ちていった・・・

 

シェリー「アンさん!シドくぅぅん!!!」

 

ルスラン「さらばだシド・カゲノー、アン・ニワノ―・・・」

 

シャドウ「どこに行く?」

 

ガーデン「まだ宴は始まったばかりよ?」

 

そして振り向くとシャドウとガーデンがそこにはいた。

 

ルスラン「今の私では分が悪いか・・・!ならば!」

 

ルスランは強欲の瞳を使い強化を行った!

 

ルスラン「わかるか!人間をはるかに超えた力だ!貴様らで試すとしよう!」

 

カキン!ギャン!」

 

しかしシャドウとガーデンはルスランの剣撃を防ぎ・・・

 

ルスラン「ぬおっ・・・!受け止めたときにナイフを・・・」

 

そう攻防の間にスライムで作ったナイフをガーデンは片足に刺していた。

 

ルスラン「ならば!これで終わりだ!」

 

一直線で突っ込んだが・・・

 

ルスラン「げぼっ!」

 

今度はシャドウが視認できない速さだったルスランの肩に一太刀を浴びせる。

 

シャドウ「やはりこの程度か・・・」

 

ルスラン「まさかこれほどとは・・・だが貴様たちがいくら強かろうともう終わりだ!事件は全て貴様たちの仕業になるようにと整えた!貴様らは反逆分子として追われるぞ!」

 

しかし・・・

 

ガーデン「はぁ・・・」

 

シャドウ「滑稽だな。もとより我らは正義の道を行くものでもなくしかし悪の道を行くものでもない。」

 

ガーデン「この刃は信念の刃・・・我らは我らの道を行く。」

 

シャドウ「もし貴様にできるなら世界中の罪を持ってこい。そのすべてを引き受けよう。だが何も変わらぬ・・・我らは我らのなすべきことをなす。」

 

ガーデン「その刃が折れることはない・・・」

 

ルスラン「世界を前にして恐れないというか!それは傲慢だぞ!」

 

そうして向かうが・・・

 

ザグっ!!

 

シャドウとガーデンよって両腕の突かれ・・・足を突かれ・・・

 

シャドウ「体の先からついていき・・・最後は心臓だったな。」

 

シャドウによって心臓をガーデンによって首を突き刺されて絶命した・・・

そして・・・その後に

 

シェリー「・・・シド君とアンさんなんですよね・・・?」

 

ガーデン「貴方のお父さんは巻き込まれたの・・・この世の闇に・・・」

 

シャドウ「我らはその闇を狩るためにある・・・」

 

シャドウ・ガーデン「選択は君が決めるんだ。」

 

シェリーは炎の中二人の手を取った・・・

 

 

ふぅ~・・・あの後は大変だった・・・とりあえず保健室に行ったら皆に凄い驚かれて

ベットに放り込まれた。

ローズ会長になんか盛大に勘違いされてた気がするけど・・・まぁ言わない方が良いでしょう。

 

そういうわけで学校は夏休みとなった。ちなみにシェリーには学校生活を送ってもらいつつ長期のときはアレクサンドリアにいてもらうことになった。

 

シェリー「アンさん!凄いですねシャドウガーデンの設備って!イータさんも優しいですし!」

 

イータ「アン、シェリーは最高。ナイス。その調子で実験台になって。」

 

まぁ絡まれることは多くなったけど別にいいか。

妹みたいなのが一人増えたようなもんだし。

 

 



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聖地リンドブルムへ!

夏休みに入ったころアルファから手紙が来た。

 

「暇なら聖地へ来て。」

 

シンプルな手紙を受け取った私たちは里帰りしようとしていたクレアさんを躱して聖地行きの汽車に飛び乗った。本気ダッシュすれば夜の間にでもついたんだけどモブ意識の高いわたしたちはそれをしなかった・・・そんな私たちを心底殴りたいと思ったのは・・・

 

ローズ「私は貴方たちに運命を感じました。シド君、アンさん、あなた達こそ・・・」

 

本気ダッシュすれば助けたローズ生徒会長に絡まれることもなく聖地につけたんだから・・・

 

シド「距離を置きたい・・・」

 

アン「ダメだよシド・・・こういうメルヘン脳には何を言っても無駄だから!」

 

私たちは読唇術でこの状況を愚痴る・・・まさかハートブレイクを披露したのが今になって首を絞めるとは誰も思わないだろう・・・

 

ローズ「聖地には明後日着きます。それまでゆっくりくつろいでいましょうね。」

 

アン・シド「そーですねー」(棒読み)

 

駅で偶然あってまさか一等車に乗せられるとは・・・

 

ローズ「二人ともお目当ては女神の試練ですよね?」

 

シド「あぁ、うんそうだよ。」

 

アルファの目的も多分それだろうし。

 

ローズ「私はちゃんとわかってますよ。シド君とアンさんの勇敢さを、私たちは茨の道を進むことになるでしょう。誰からも祝福されず認められない道です。」

 

うん・・・この世界の宗教では女神ベアートリクスを神としてあがめてるけど私たちも宗教には随分お世話になったけど全然だめだったしね・・・

 

ローズ「茨の道を抜けた先には必ず幸せが待ってるんですよ。」

 

アン「モテモテルートはシドだけかと思ったのに何で私まで!」

 

シド「いや、アンもアレクシアやこうしてローズ先輩とのフラグ立ててるからね?」

 

私たちは読唇術で喧嘩しながら聖地に向かうのであった・・・

 

そうして聖地にたどり着いた。途中魔人の左手を切り落とした伝承のアクセサリーを買いながら宿に向かおうとしたんだけど・・・

 

ローズ「ナツメ先生のサイン会が行われています!私大ファンなんです!」

 

ローズ先輩と一緒にサイン会に並んで作品を見ると・・・

 

シド「吾輩はドラゴンである、ローミオとジュリエッタ・・・」

 

アン「シンデレーラ、アラクネの糸、3ゴールド金貨・・・」

 

まさか・・・

 

ベータ「本をこちらに・・・」

 

やっぱり・・・ベータが文学好きだという彼女にこれを基にカッコいいの書いてって感じで教えたんだけどまさか丸パクリとは・・・

 

ベータ「作戦の詳細はこちらに・・・」

 

なんか古代文字を書かれてごまかされた・・・

こんな落ち込んだ日の夜は町を眺めるに限る・・・

 

シド「ふふふ・・・混沌をつげる鐘の音が響く・・・」

 

アン「我らは白き甘味を手に混沌を除くものである・・・」

 

私たちは路地裏を見ながら喋る・・・

 

シド「その選択を我らは許そう・・・」

 

アン「けれど結末は変わらない・・・」

 

そうしてスタイリッシュに降りてお祭りに乗じて活動を行うありふれた盗人の前に降りたつ・・・

 

シド「逃げられると思ったか?」

 

アン「我らの目はすでにここにある・・・」

 

私たちは振りかぶられた剣を受け止めながらどうかっこよく倒そうか考えていると馴染みの魔力反応が現れたので彼女に譲った。

 

ズバッ!

 

アン「また斬撃の腕を上げたわね。流石は緻密のイプシロン。」

 

イプシロン「いえいえ、ガーデン様には及びません。」

 

緻密のイプシロン。魔力操作なら7陰でも上位の子、私が教えた魔力斬撃もすぐに形にするしね。ちなみにシドにベタぼれで色々とスライムで体を細工する健気な子だ。

 

シド「アルファの手紙・・・いや、例の計画はどうなった?」

 

イプシロン「は、ターゲットが教団の処刑人に始末されました。処刑人は行方をくらましています。」

 

暗殺者を処刑人呼び・・・イプシロンも中々やるね・・・

 

イプシロン「計画を第二に変更します。」

 

アン「いいわ、けど覚悟はできてる?」

 

イプシロン「はい、覚悟の上です。」

 

シド「僕たちは僕たちで動く。ぬかるなよ。」

 

私たちはそうして会話を終える。

 

シド「今日もイプシロンのスライムの盛りは激しいね。」

 

アン「プライドましましだね。」

 

いい子だけどプライド高さに応じてスライムは盛られていく。




アラクネの糸・・・芥川龍之介の蜘蛛の糸より
3ゴールド金貨・・・江戸川乱歩の二銭銅貨より


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女神の試練へ!

女神の試練を見る前に私たちは温泉に入ることにした。

私たちは温泉が好きだ。丁度そのころ私たちは人としての限界に悩んでいてどうすれば右ストレートで核や災害を吹き飛ばせるか真面目に考えていた・・・

お風呂に入るという習慣を戻すと柔軟な発想を生んで魔力やオーラを探すという修業に至った。

 

ここリンドブルムは温泉の名地であるため密かに楽しみにしていた。

しかし・・・

 

アン「何でここにいるんですか?」

 

アレクシア「女神の試練の来賓よ。本当に嫌そうね・・・」

 

そりゃシドの血だらけシャツを洗う羽目になったんだから当然です。寮中の大根が犠牲になったからね・・・

 

アレクシア「貴方たちは?」

 

シド「友達に楽しいイベントがあるって誘われて。」

 

アン「どんなことするんですか?試練って・・・?」

 

アレクシア「女神の試練は聖域の扉が開かれるときに行われる戦いの儀式よ。聖域から古代の戦士を呼び覚まして挑戦者と戦うの。」

 

幽霊と戦う感じか・・・流石異世界。

 

アレクシア「参加しようと思ってたのなら遅いわよ。申請が必要だし古代の戦士は相応しい挑戦者にしか現れない・・・数十人しか戦えないって言われてるわ。」

 

なるほど・・・

 

アレクシア「私は参加しないわ。大司教が何者かに殺されたの。黒い噂があって監査に入る予定だったんだけど・・・あー部外者にはこれ以上話せないわ。知りたければ紅の騎士団に入りなさい。」

 

シド「やめとく。」

 

アン「すみません。」

 

勝手にしゃべったのに何言ってんの?

 

アレクシア「入団届けは代出しておくわ。」

 

シド・アン「やめろ。」

 

民法とかで裁かれないのこの王女?

 

アレクシア「舐めまわすかのように見られると思ってたんだけど外れたわね。」

 

シド「温泉ではあまり人を見ないようにしてるんだ。」

 

アン「この露天風呂とともに自然と一体になるために・・・」

 

シド「だから僕のエクスカリバーとアンのマグナムをあまり見ないことだ。」

 

アレクシア「ふっ・・・それがミミズと壁の間違いじゃなくて・・・!!?」

 

ふっ・・・私たちは着やせするタイプなの・・・

 

そうして私たちは優雅にその場を離れたのであった・・・

 

そうして試練当日、私たちは観客席から見ていた・・・

 

モブ「知ってるか?古代の戦士が現れたらどちらかが倒れるまで光のドームから出られないんだぜ!」

 

モブ「確か勝てば記念のメダルが手に入って騎士団に雇ってもらえるらしい。」

 

なるほどお手本のようなモブ解説、私たちも参考にしないと・・・

 

シド「なんか実力者イベントできないかなぁ・・・」

 

そうよねぇ・・・色々考えてるけどまだ取っておきたいイベントだらけだし・・・

そう考えている間にイベントは進んでいくが古代の戦士が出てきたのはアンネローゼさんっていうのが出したので最後、結構シビアなレベリングなんだと思いつつ私たちは終わりを待っていたんだけど・・・・

 

司会「次!ミドガル魔剣士学園生徒!シド・カゲノー!」

 

ん・・・なんか聞き覚えのある名前が・・・私はとっさにローズ先輩を見るとローズ先輩は顔を赤らめていた・・・

 

アン「あのメルヘン脳め・・・」

 

シド「こうなったら仕方ない・・・!」

 

私たちは魔力の花火で気を引いてその隙に変身した!

 

ネルソン「あ、あれはシャドウとガーデン!」

 

爆弾が爆発すればうやむやになるでしょ!

 

シャドウ「我が名はシャドウ・・・陰に潜み陰を狩るもの・・・」

 

ガーデン「私はガーデン、庭に現れたただ一つの陽炎・・・」

 

そして私はアドリブで魔力を込めると聖域が作動して・・・

 

シャドウ「なんか凄いのがきたね・・・」

 

アン「予想外・・・」

 

ヴァイオレットの瞳と髪の女性が現れた。

そして彼女と一緒に私たち三人はほほ笑む。私たちは同じ感覚を共有していることでしょう・・・

 

戦いとは対話・・・目線、剣先・・・それを使って意思を読み取る!次の瞬間には女性は血液の触手で攻撃を開始していた!

 

シド「凄いな・・・彼女のことはヴァイオレットさんと呼ぼう!」

 

アン「でもなんだか抑制されている気がする・・・」

 

残念ね・・・私たちは血液の触手を躱し切り裂き間合いを詰めて彼女に一太刀を浴びせた!

 

そうして彼女が砕け散ると私たちは会場の外に行ったんだけど・・・

 

シド「なにこれ?」

 

アン「扉?」

 

何故かデカい扉が私たちから離れなかった・・・

 



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聖域での出会い

私たちが扉をくぐるとそこにいたのはさっき戦ったヴァイオレットさんだった・・・

 

シド「やぁ、もしかして君が呼んだのかな?」

 

アウロラ「呼んだ?そんなつもりないけど?でもさっきの戦いは楽しかったわ。」

 

アン「それは嬉しいわ。こっちも楽しめたしね。」

 

アウロラ「記憶は不完全だけどきっとあなた達が一番強いわ。」

 

光栄ね。

 

アン「扉に付きまとわれて入ったらここだったけど出る方法ってわかりますか?」

 

アウロラ「よくわからないわ・・・私も出た記憶がないの。」

 

シド「さっき戦ったのに?」

 

アウロラ「気づいたらあそこにいたの。」

 

そうかぁ・・・

 

アン「こうなったらしらみつぶしになりそうだね・・・」

 

シド「来た道を戻ってみるか・・・」

 

アウロラ「待ちなさい、今あなたたちの目の前にいる美女はどんな格好をしてるでしょう?」

 

シド「拘束されている。」

 

アン「昔みた漫画みたいだね。」(デスノートのミサ)

 

アウロラ「漫画?」

 

アン「ごめんこっちの話。」

 

シド「修業じゃなかったんだ。」

 

アウロラ「変わった修業方ね。」

 

シドが剣で拘束を解くとヴァイオレットさんはすぐに服を着た状態になった。

 

アウロラ「1000年ぶりの自由ね。さて目的は一致しているわ。貴方たちは脱出、私は解放、でしょう?」

 

シド「まぁ、そうかな。でもここから出たことないんでしょ?」

 

アウロア「でも解放の方法はわかる。この聖域は古の戦いで作られた記憶の牢獄・・・中心にある魔力の核を壊せば私は解放されるわ。」

 

アン「私は?」

 

私とシドは?

 

アウロア「核を破壊すれば何もかもが消えるわ。貴方たちも出られるわ。あと気づいてると思うけど魔力は使えないわ。ここは中心に近いから練ってもすぐに吸収されるわ。」

 

試しに私たちも魔力を出すといった通り吸い取られた・・・強欲の瞳より強いわね・・・

 

シド「まぁ、大丈夫でしょ。壊すのは得意だから。」

 

アウロラ「あら頼もしい、ちなみに私はか弱い乙女よ。一度ナイト様たちに守られてみたかったの。」

 

アン「私は女騎士?まぁいいけど・・・解放されたらどうなるの?」

 

アウロラ「消えてなくなるわ。」

 

守られる態度じゃない・・・けどいいか・・・

 

そうして二人で扉をくぐると植物の生い茂る庭に来ていた。整備されていて綺麗だけど人工なのが見え見えな庭・・・そこで泣いてるのは・・・

 

シド「子供のころの君?何で泣いてるの?」

 

アウロラ「おねしょでもしたんでしょ。」

 

アン「で、ここからどうすれば・・・」

 

アウロラ「先に進むには記憶を終わらせる必要がある・・・」

 

その瞬間ヴァイオレットさんは子供のころの自分をビンタした。

 

シド「酷くない?」

 

アウロラ「いいのよ、自分だし。」

 

そんな会話をしていると空間がひび割れて・・・

 

アン「今度は偉く荒廃してるところにきたね・・・」

 

死体が大量に散らばっている場所に来た・・・

 

そうして歩いているとまた泣いている子供のヴァイオレットさんがいた。

 

アン「また子供にビンタかまさないといけないのは気が引けるけど・・・って・・・」

 

亡霊「あうぅうう・・・」

 

なんか死体がゾンビみたいに動き始めたんだけど!

 

アウロラ「厄介ね・・・聖域に拒まれている・・・」

 

シド「僕らはウイルスでアンチウイルスソフトに掛かった感じか。」

 

アン「どっちかって言うとバイオハザードでしょ絵面を考えたら・・・」

 

アウロラ「どっちもよくわからないわ。」

 

取りあえず私たちは素の身体能力でちぎっては投げちぎっては投げ捨てる。

 

アウロラ「貴方たち魔力がなくても平気そうね。」

 

シド「子供のころから肉体改造には余念がないんだ。」

 

アン「体術は基礎中の基礎!」

 

そう言って私たちは首をねじ切ったり蹴りで腹に穴をあける。

 

アウロラ「圧倒的ね、ゴリラいえ大人を投げ飛ばすゴリラみたい。」

 

アン「女子に向かってそれは酷いね。」

 

アウロラ「そうねぇ、可愛く言うなら魔力を使わない人間トーナメントがあったら男女の優勝は貴方たちよ。」

 

シド「そりゃどうも。」

 

そうしてシドは剣を振り下ろすとそこには巨大な扉と豪華そうな剣があった・・・

 

アン「これってもしかして聖剣?この鎖を解く専用的な?」

 

アウロラ「なかなか鋭いわね。」

 

でもこれって・・・

 

シド「僕たちには抜けない・・・」

 

私たちは剣を試しに引っ張たけど剣は一ミリも動かない・・・

 

アウロラ「直系の子孫にしか抜けない・・・暗号化された魔術文字を見抜くなんて流石ね・・・」

 

シド「テンプレは全て網羅してるからね。」

 

アウロラ「魔術文字をテンプレート化して網羅してる・・・そういうことね。」

 

アン「そういうこと。他に方法は?」

 

アウロラ「書かれてない・・・」

 

そうして気長に待っている間ヴァイオレットさんと話をした・・・

 

シド「君は消えたいの?核を壊したら消えるんでしょ?」

 

アウロラ「消えるというより解放されるといった方が近いけど・・・ここは記憶の牢獄・・・私にはつらいから。」

 

アン「なら本当のあなたが見つかったら私たちと一緒に来る?きっと楽しいよ?」

 

アウロラ「そうね・・・できたらいいんだけど・・・」

 

その瞬間扉が開いた!

 

シド「ついに来た!聖剣を抜ける英雄直系の・・・」

 

ハゲたおっさん!?

 

アン「いやいやないない・・・」

 

シド「悪ものが先回りするパターン・・・こういう場合は・・・」

 

あれ?隣にいる金髪のエルフ誰かに似てるような・・・

 

ネルソン「ほぅ・・・アウロラを連れ出したか。」

 

シド「知り合いのハゲ?」

 

アウロラ「さぁ?覚えてない。私の記憶は不完全だし。」

 

ネルソン「残念だったな!その扉は空けられん!二人とも災難だったな!魔女にたぶらかされたせいでオリヴィエに切り刻まれるのだから!」

 

そう言ってエルフの少女はシドに突っ込んできた!

 

ズガンっ!

 

シドは壁に壁突し次の激突の時には剣を折られていた・・・

 

アウロラ「ちょっと!彼を助けなくていいの!?」

 

あはは、まぁそういうよね。

 

アン「大丈夫ですよシドは遊んでるだけですから。」

 

あの子の感情を読もうとしてるけど彼女はどうやらロボットのようなもの。感情はないわね・・・

 

次の瞬間体を突かれたと同時にシドがエルフの首に噛みついて体がバラバラになった・・・

 

アウロラ「凄い・・・」

 

ネルソン「馬鹿な・・・」

 

急所さえ逸らせばシドはどこまでだっけ動けるんだよね・・・

 

ネルソン「一人倒したからっていい気になるな!今度はあそこの小娘も同時に殺せ!」

 

さっきのエルフさんが大量に現れて私たちに襲い掛かってきた・・・

 

アン「やれやれ・・・シドで十分と思ったけど私に向かってくるなら私も暴れちゃおう。」

 

ドンっ!

 

次の瞬間私は新緑の魔力を解放した。

 

シド「アンも出来上がってたんだ。魔力が吸われるなら強固に練ればいい時間はかかるけどね。」

 

アン「シド、お腹の傷直してあげるから動かないで。」

 

私は魔力の糸でシドの傷を縫い付ける。

 

ネルソン「ば、バカな・・・魔力を糸ように扱うなど今の人間にそんなことが・・・」

 

しばらく突っ込んでくるエルフさんとの戦闘を楽しんだけど・・・

 

アン「やっぱり会話のない戦いはつまらないなぁ・・・」

 

コピーだけあってつまらないの一言だ。

 

シド「遊びは終わりにして聖剣と核壊すとしますか!」

 

アウロラ「貴方たちまさか!」

 

アン「さぁ!ショータイムの始まりだよ!」

 

私たちは魔力を一気に満たす。

 

アウロラ「これが人に許された力なの・・・?」

 

シド「アイ・アム・・・・」

 

アン「シー・イズ・・・・」

 

 

次の瞬間に私たちの胸に剣が突き刺さるけどもう遅い・・・

 

シド「オールレンジアトミック。」

 

アン「アースクウェイク。」

 

次の瞬間眩い光と超振動があたり一帯に襲い掛かり物体は振動で粉となりエネルギーの影響で一気に粉も蒸発した。

 

そして町にも影響で大津波が発生して町を飲み込んだ。

 

そして私たちは次の瞬間には暗闇にある鎖につながれた左腕をみたそして斬ろうとした瞬間・・・・

 

アン「もう朝か・・・」

 

森の中に三人で寝ころんでいた。

 

アウロラ「二人とも心臓を貫かれても無事なのね。」

 

アン「ヨガの呼吸法と魔力を使って心臓や内臓の位置をずらしたからね。」」

 

シド「でも疲れた・・・」

 

アウロラ「びっくり人間ね・・・」

 

ヴァイオレットさんが私たちに触れようとした瞬間体が透けていった・・・

 

シド「消えるの?」

 

アウロラ「そうみたい・・・貴方たちを呼んだのは私。嘘つきでごめんね。」

 

アン「良いですよ別に。」

 

アウロラ「他にも嘘をついた、ずっと消えてしまいたいと思ってた。でも忘れたくない記憶が出来た。大切な記憶をありがとう。」

 

・・・・・

 

アウロラ「貴方たちが本当の私を見つけたら・・・・・・・・・ごめんなさいね、約束守れそうになくて。」

 

そうして消えていった・・・

 

シド「私を殺してくれか・・・」

 

何でだろ・・・・悲しそうな顔で・・・

そうして私たちはミドガル王国に帰るのだった・・・

 

 

 

 

 



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ブシン祭開催!

ふふふ・・・ついに来たわね…私たちは人々が戦いの祭りブシン祭のざわめきを聞きながら私たちは時計塔に佇んでいた・・・・

 

シド「人種も国籍も関係ない・・・主催者も観客も求めるものはただ一つ!」

 

アン「絶対的強さ!最強を求めるなか私たちがやることは決まっている!」

 

実力を隠して大会に出場し「おいおいアイツ死ぬわ。」と思わせておいて実力を徐々に表して行って「アイツは一体・・・」となるシーンよ!

 

アン「シド、選手は貴方に譲る。私は貴方を育てた師匠ということで大会にいくわ。」

 

シド「あぁ、一人だけその人の実力を分かっていて実は師匠だったって奴ね!了解!」

 

というわけでビッグウェイブに乗るためにミツゴシ商会やってきた!

 

ガンマ「ご来店ありがとうございますシャドウ様、ガーデン様・・・今日はどのような・・・ぐふっ!ぐしゃ!・・・・ご用件で?」

 

うん、相変わらずで安心した。

私たちは玉座に座りガンマに言う。

 

アン「実はシャドウはブシン祭に正体を隠して出場したいらしいの。私も彼の師匠として潜入するわ。なんとかできる?」

 

ガンマ「何故でしょうか?」

 

シド「悪いが聞かないでくれ・・・誰にも聞かせられないんだ・・・」

 

ガンマ「そうですか・・・では何も聞きません。」

 

そうしてガンマが用意したのは沢山の服と武器、そして専用のスライムだった。

 

ガンマ「主様たちの陰の叡知を参考に改良したものです。」

 

そのスライムを私たちの顔に塗っていると機械のようなものをイータが持ってきた。

 

ガンマ「ここからスライムを削って塗装していきます。」

 

なるほど・・・フェイスマスクみたいなものか・・・

 

ニュー「どのようなお顔にしましょう?」

 

そうねぇ・・・

 

シド「なんか弱そうな感じで。」

 

アン「ミステリアスな顔した人が良いな・・・」

 

ニュー「弱そうとミステリアスですか・・・」

 

ガンマ「それでしたらこのお二人はどうですか?ジミナ・セーネンとミステ・アス、ジミナ・セーネンは怠惰で魔剣士としての実力は低く人知れず亡くなった方。ミステは魔剣士指導をしていましたが悪魔憑きの馬車の護衛をしているときに死亡。」

 

ニュー「骨格が似てるのでお勧めですよ。」

 

アン「よし!それで行きましょう!」

 

ぎゃりぎゃりぎょり!

 

同じナンバーズのカイとオメガがエネルギーを作って機械を作動スライムがどんどん削れていき・・・

 

ジミナ「うん、完璧。あとは姿勢を猫背にして撫で肩にしておけばバッチリ。」

 

ミステ「私の方もミステリアスなほほ笑みを張り付けてっと・・・」

 

私たちはガンマが用意してくれた服と武器を身に着け大会会場へ行こうとすると・・・

 

アンネローゼ「貴方、ブシン祭の出場はやめなさい。舐めたことをしてたら怪我では済まないわよ。」

 

おぉ・・・女神の試練で戦士を出したネームドに早くも序盤で言われたいことを言われた・・・

 

ジミナ「見かけで判断するのはやめておけ・・・」

 

ミスト「彼の実力をなめてたらあなたが死んじゃうかもね?」

 

アンネローゼ「人が心配してるのに・・・」

 

ジミナ(早くも成功だな。)

 

アン(この調子で行こう!)

 

その後も眼帯つけた筋肉質な見事なやられやくの・・・名前は忘れたけどテンプレな人がジミナに殴りかかるというまたもややりたかったことに遭遇。

 

ジミナ「程度が低いな・・・」

 

まぁ、当然ボコボコにされたけどしっかりと攻撃をいなしてアンネローゼに自己紹介をして立ち去った・・・

 

そうしてエントリーした翌日・・・私とシドはヒョロにマグロナルドに呼び出された・・・

 

ヒョロ「いいか、明日からブシン祭だ。まずは予選が行われ勝ち抜いた猛者だけが本選に進めるんだ。」

 

まぁ、こいつから注目選手を聞いておきたかったし丁度いいか。

 

アン「それで注目選手は?」

 

ヒョロ「アイリス王女かな、二連覇になるかもしれないし。あとはシード枠のローズ会長とか・・・だから二人とも軍資金・・・」

 

アン(予選でどう見せるかが重要になってくるよね・・・)

 

シド(ちょっと気になる感を満載にしないと・・・)

 

軍資金ねだるヒョロを無視して情報を獲得した私たちはハンバーガーをぱくつきながら帰ろうとしたんだけど・・・

 

ローズ「油断大敵ですよ。」

 

ローズ会長がいきなり来ていた・・・

 

アン「何で制服着てるんですか?」

 

ローズ「この後待ち合わせなんです。二人ともマグロナルドに行ったんですか?私も三人で行ったんです。美味しかったです。」

 

三人?

 

ローズ「アレクシアさんとナツメ先生で。」

 

シド「酷い組み合わせに聞こえるけど?」

 

どう考えても地獄絵図でしょ・・・

 

ローズ「ナツメ先生とはとても仲良しになれましたよ。アレクシアさんもとてもいい子ですのですぐに仲良くなれました。」

 

アレクシアが良い子と思っているうちはどうなっやったって仲良くなれないと思うけどね・・・

 

ローズ「ですがアレクシアさんとナツメ先生が少しギクシャクしているのですよね。」

 

多分同族嫌悪だからほっといて良いと思う。

 

ローズ「少しでも世界がいい方向に向かうと良いのですが・・・」

 

シド「世界平和は大事だよね。」

 

アン「頑張って。」

 

ローズ「はい。」

 

シド「ところで時間平気なの?」

 

ローズ「実はお父様のところに行って婚約者のドエム・ケツハット殿を紹介されるんです。」

 

なんか変態様な名前ね・・・

 

ローズ「私は芸術の国の王女として期待を背負って生きてきました・・・ですが裏切って剣の道に・・・」

 

シド「珍しいよね。オリアナは魔剣士の地位は高くないのに。」

 

ローズ「反対されましたが・・・忘れられなかった、あの日見た美しいものを・・・誰にも認められなくても理想を捨てたくなかったんです・・・」

 

まぁ、気持ちはわかるかな・・・

 

ローズ「シド君、アンさん、何があっても私のことを信じてくれますか?」

 

シド「わかった。肩の力抜いていこう。」

 

アン「勿論。リラックスリラックス。」

 

ローズ「はい・・・話せて良かったです。」

 

そうして私たちは別れた翌日ブシン祭の予選に来ていた。

 

キンメッキ―さんという予想を裏切り続けジミナは見事に勝ち進んだ・・・

ミステが活躍するのは本戦・・・実力者が集まる中で師匠のようにふるまって見せる!

 

そうしてその日の夕方・・・

 

ヒョロ「大変だ!ローズ会長が婚約者を刺して逃げたってよ!」

 

どういうこと?

 



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陰の実力者は師匠面で実力者アピールをしたい!

私たちはブシン祭の予選を見ながらローズ会長の事件の新聞を見ていた。

 

シド「婚約者を刺して逃亡中のローズ王女に駆け落ち疑惑・・・」

 

アン「絶対シドのことだよどうすんの?」

 

シド「いやいや、アンだってなつかれてたじゃん。絶対二股も許すって感じだったし。」

 

アン「あははーそうだねー・・・」

 

まぁ理想のために婚約者をぶっ刺すなんて反骨精神があってよろしいことじゃないの。

貧乏人としてはパトロンが減っちゃうのは悲しいことだけど・・・

今回は影の実力者のふるまいを高めようじゃないの・・・

 

私とシドは次の試合のために変装に向かったのだが・・・

 

ベアトリクス「エルフの匂いがする・・・私とよく似たエルフは見てないか?妹の忘れ形見なんだ。」

 

そう言ってフードを外すとアルファそっくりのエルフだった・・・

 

シド「ちょっと心当たりないかな。」

 

アン「ごめんなさい。私も。」

 

ベアトリクス「そっか・・・」

 

次の瞬間には剣が振われていた。まぁ寸止めでしょうね・・・なら。

 

シド「ひぃぃい!」

 

アン「きゃあああ!」

 

私たちは尻もちをつく。

 

ベアトリクス「ごめんなさい、もっと強いかと思った。」

 

そうして自己紹介をしたんだけど結構強そうだったな・・・

私はこうしてミステに変装して観客席の方に向かった。

 

アンネローゼ「貴方確かジミナといた・・・」

 

クイントン「ジミナの知り合いか?アンタジミナの何なんだ?前の試合ジミナは何をしやがった?」

 

ミステ「あの子は遊んでただけよ・・・全く、教えたことをさりげなくやるんだから可愛げのない弟子。」

 

アンネローゼ「!?師匠だったのね・・・ジミナが手を動かしたのは分かったけどあなたは全て見えていたのね・・・」

 

ふふふ・・・この人かなりいいリアクションするわね・・・

 

ミステ「今日の試合もあの子にとっては遊びとなるでしょうね。」

 

アンネローゼ「相手は常勝金龍よ?大丈夫なの?」

 

クイントン「ゴルド―は分析力が強みっていうからな・・・」

 

そうして試合は始まった・・・

 

ゴルド―「おおおお!」

 

ゴルドーの剣をジミナは首ならしで躱した。

 

ミステ「あの子・・・・もっと早くできるでしょうに。」

 

アンネローゼ「さらに早くても躱せるということね・・・やはり凄いわ。」

 

クイントン「あんまり信じられねーが・・・」

 

そしてゴルドーは必殺技を出した。

 

ゴルドー「邪神秒殺金龍剣!」

 

ジミナ「くしゅ!」

 

ズガン!

 

ジミナはくしゃみと同時に剣を突き出して敗北させた。

 

ミステ「全く・・・もっと早く突き出せたのに・・・お遊びはすぎるわね・・・」

 

アンネローゼ「やっぱり彼は・・・」

 

クイントン「侮れねーやつってことだな。打ち砕いてやるぜ!」

 

そうして次の試合でもクイントンを倒した・・・

 

ミステ「これで本戦出場・・・あの子がどこで本気を出すか楽しみだわ。」

 

アンネローゼ「そうね・・・でも本戦一回戦は私よ。動きは完全に見切ったわ。貴方の弟子の苦戦する姿を焼き付けることね。」

 

ふふふ・・・あとはシドに任せましょう・・・

 

 

そうして帰ってきて翌日イメトレをしてたらヒョロがやってきて・・・

 

ヒョロ「ローズ会長に懸賞金が出るみたいだぞ!」

 

そうして捜索をお願いされた・・・その時だった・・・

 

シド「げっ・・・姉さん・・・」

 

アン「厄介なことになりそう・・・」

 

捜索開始!窓から離脱!

そうしてヒョロと別れた私たちは町をぶらぶら歩いていた・・・

 

シド「取りあえず姉さんが頭を冷やすまで時間を稼がないと・・・」

 

アン「この前なんて私まで一緒に関節技を掛けられたからね・・・」

 

でもローズ先輩は無事に逃げられたのか知りたいしロックな行動の動機も是非知りたいものだ・・・

 

そう考えていると建物の中から聞こえるのは・・・

 

シド「ベートーベンの月光か・・・」

 

アン「なかなかうまいわね・・・」

 

前世では家の教育方針という奴でヴァイオリンをやっていた。

だから私は音楽に関して割と敏感、それにヴァイオリンやってたら周りからお嬢様とか練習が忙しいって誤解するから友達付き合いを最小にするのにも使えたし何よりヴァイオリンの美しさに気が付いた・・・陰の実力者が夜に美しく奏でる姿・・・よくない?

気が付いたら私は結構ガチでやっていた。

 

お気に入りはタルティーニの悪魔のトリル。名前からしてもうカッコいい。

この月光も陰の実力者的にはばっちりなチョイスだ。

 

そうして私たちは建物に入ったのだが・・・

 

シド「何でイプシロンが・・・」

 

そう・・・相変わらずスライムで盛った姿で演奏しているイプシロンの姿がそこにあった・・・

そうして演奏を終えると私たちは控室で話すことになった・・・

 

イプシロン「まさか主様たちが聞いていらっしゃるなんて・・・お恥ずかしいです。」

 

アン「さっきの曲月光よね?」

 

イプシロン「ハイ、お二人が教えてくださった曲の中で私が一番好きな曲です。」

 

弾いただけなのに耳コピでひけるとか天才ね。まぁ好きを共有できるのは嬉しいことだけど・・・

 

イプシロン「主様たちの叡知のおかげでピアニストとして作曲家として有力者と関係を築いております。」

 

へ?

 

イプシロン「月光に始まりトルコ行進曲、子犬のワルツ。貴族たちにも好評で賞もいただきました。」

 

ごめん、偉大な作曲者・・・

 

イプシロン「ご存じの通りオリアナ王国は仕事のしがいのある国なので頑張ります。」

 

シド・アン「頑張ってねー・・・」

 

さて本題を切り出そう。

 

アン「オリアナのローズ王女の行方って知ってる?」

 

イプシロン「ローズ王女ですか?ベータの担当ですので詳しくは・・・ですが王都の地下に逃げ込んだとは聞いていますが。」

 

シド「地下か・・・」

 

イプシロン「すぐにベータに使いを・・・」

 

アン「いえ、いいわ。それだけ分かれば十分よ。」

 

そうして私たちは出た私たちは陰の実力者として理由を聞くべく準備を開始した。

 

noside

 

ローズは悪魔憑きの中王都の地下にいた・・・ドエムに操られた父のこと指名手配され両国の関係を悪化させていること・・・そして教団の手が祖国に向いていること。すべてが彼女を苦しめた。

 

ローズ「このまま投降したほうがいいのか・・・」

 

愛しき二人を思いながらそうつぶやいたときだった・・・

 

ローズ「この音は・・・」

 

美しきピアノの音とヴァイオリンの音が聞こえた・・・

 

ローズは音のする方向へといくとそこにいたのは・・・

 

ローズ「シャドウ・・・ガーデン・・・」

 

そう、そこにいたのはピアノを弾くシャドウとヴァイオリンを弾くガーデンの姿だった。

その二つの旋律はお互いの旋律を支え合い時に一方が主張してはそれを支えその逆もこなしこの世のものとは思えない美しい音、あたりに白き羽が舞い落ちており二人の黒い姿との対比もありまさに神秘的な光景がローズの眼前には広がっていた・・・

 

二人が演奏を終えるとローズは二人に拍手を送る。

 

ローズ「素晴らしい演奏でした・・・」

 

シャドウ「貴様は何をなす・・・?」

 

突然聞かれたローズは驚きを示す。この二人は全てを分かっているそう感じた・・・

 

ローズ「皆を守りたかった・・・でも私は何もできなかった・・・」

 

ガーデン「それであなたの信念の刃は折れたの?」

 

ローズ「折れてなんてない!最善の未来を掴みたかった!」

 

そういうとシャドウとガーデンは青紫と新緑の魔力を出す。

 

シャドウ「もし貴様が戦う意思があるなら力をくれてやろう。」

 

ローズ「その力があれば未来は変えられるのですか?」

 

ガーデン「貴方次第よ・・・」

 

ローズ「私は王女として!ローズ・オリアナとして守りたい思いがある!そのための力が欲しい!」

 

その瞬間二人の魔力がローズの体を駆け巡った。

そしてローズの悪魔憑きは瞬く間に治った。

 

ローズ「これが二人の魔力・・・」

 

シャドウ「抗え、そして戦う意思を見せてみろ。」

 

ガーデン「忘れるな、力とは使い方が重要ということを・・・」

 

シャドウ「そしてその在り方を決めるのは自分だ・・・」

 

そうして二人はいなくなった・・・

ローズは教団の人間、そして追っていたアレクシア倒しあることのために外に出るのだった・・・

 

sideアン

 

いやーまさかローズ会長が悪魔憑きになってたとは・・・

 

アン「良いことして陰の実力者っぽいこともできて今日は最良の一日だったね!」

 

シド「うん、やっぱり音楽は陰の実力者としては重要な要素に・・・」

 

ガシ!

 

私たちは肩を捕まれた・・・・そして振り向くととんでもなく穏やかな笑みを浮かべたクレアさんの姿があった・・・

 

シド(あ・死んだわ)

 

どうやら時間が足りなかったみたい・・・

 



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宴の始まり

感情が引き起こす人の衝突は時間が解決する・・・それが私とシドのたどり着いた結論なんだけど今この場で反証する事実が生まれた・・・

 

クレア「寮の前で貴方たちを待っているとき・・・頭の中でボコボコにしてたわ。繰り返しね。でも一秒待つごとに怒りは倍増していったわ・・・」

 

アン「ひいい・・・」

 

シド「ぐえ・・・」

 

モブっぽく怯えながらシドが首を絞められるのを見て時間が経つことで倍増する怒りもあると知ってしまった・・・・

にしてもこの人・・・

 

クレア「夏休みは三人で実家に帰るって約束したわよね・・?」

 

色々とこじらせすぎてる・・・

 

クレア「貴方たちはいつもそう・・・私との約束をすぐやぶる・・・」

 

アン「クレア様・・・どうかお慈悲を・・・」

 

クレア「ふっ・・・最後のチャンスよ。ブシン祭のチケット上げるから試合をみて勉強しなさい。」

 

アン「そういえばローズ会長の代わりに出るんでしたね・・・」

 

シド「そうなの・・・ぐえ・・・」

 

クレア「全く・・・アンがいないとだらしないわね・・・蔑ろにしたらアンにもきついの行っちゃうんだからね?」

 

はい・・・

 

というわけで翌日チケットに書かれた席に行ってみると・・・

 

シド「ハイパービップ席だ・・・」

 

制服で来るべきだったと後悔した日はないだろう・・・

 

そうして席を確認すると・・・

 

アイリス「貴方たちは・・・」

 

まさかの超ネームドキャラ、アイリス王女の両隣の席・・・

 

シド「私はシド・カゲノーと。」

 

アン「アン・ニワノ―と申します!席を間違えました!」

 

撤退しようとしたが・・・

 

アイリス「クレアさんの弟さんとお友達ですね。クレアさんは私の騎士団に所属予定なんですよ。席は間違っていませんよ。」

 

ネームド奥儀 断れない笑顔(ノーキャンセル・スマイル)によって強制着席となった・・・

 

その後も悪夢は続く・・・

 

アイリス「ゼノン・グリフィの事件では申し訳ありませんでした。」

 

ゼノンの件で頭さげられた・・・

 

アン「あ、頭を上げてください!」

 

アン(モブがネームドに頭下げられるとか何の悪夢!?)

 

シド(とてつもなくマズイ!)

 

私たちは速攻で話を切り替える・・・

 

アン「あ、アイリス様の注目株は誰ですか!?」

 

アイリス「やはりアンネローゼさんですかね。彼女は初出場ですから。」

 

アン「私はジミナ・セーネンが気になってますかね。彼の師匠もとても優秀みたいですし。」

 

騎士「あぁ、観客席にいた・・・確かに実力者っぽそうでしたね・・・」

 

騎士「でもジミナは運だけなんじゃないか?」

 

よし!コントロールばっちり!

 

アイリス「それに初代優勝者エルフの剣聖、ベアトリクス様も来ているそうです。出場者ではありませんが楽しみですね。」

 

あぁ、あの強そうな人・・・

 

そうして私が廊下を歩いていると・・・

 

ベアトリクス「シド、アン。」

 

なんと噂の人に会ってしまった…

 

ベアトリクス「あれから私とよく似たエルフと会わなかったか?」

 

シド「会ってないよ?」

 

事実最近アルファには会ってないし。

 

ベアトリクス「ここは人が集まるからいると思ったんだけど・・・」

 

アン「それはそうとしてハンバーガー沢山買ったんですね・・・」

 

ベアトリクス「一個あげる。」

 

そうして一個ハンバーガーを渡された。

私はアンネローゼと戦うシドと別れて廊下をぶらついていた・・・

 

アン「クイントンさんはやられてどっか言ったし一番リアクション良かったアンネローゼさんも試合・・・もう師匠ムーブも終わりかな・・・」

 

ハンバーガーをぱくつきながら歩いていると・・・

 

ディアボロス教団員「必ずローズ王女が来るはずだ!ここでとらえるぞ!」

 

ディアボロス教団「手間かけさせやがって!」

 

おぉ、黒づくめにローズ会長を捕らえるという発言をしている男たち・・・間違いなくローズ会長を捕らえるためのオリアナ王国の汚れ仕事を請け負う係ね・・・!

 

アン「だが陰の実力者としてはローズ会長は何かデカいことをする主人公・・・ならばそれを影ながらサポートするのが使命!」

 

そうして私はロッククライミングの要領で蜘蛛のように天井に張り付き・・・

 

ガーデン「貴様らは所詮駒・・・私の前では全てが利用されるのみ・・・」

 

教団員「お、お前ガーデン・・・げばぁ!」

 

教団員「剣筋が捕らえ・・・ぐば!」

 

黒づくめの男たちを奇襲して全て叩き切った。

 

ベータ「流石はガーデン様・・・」

 

ガーデン「ベータか・・・」

 

声がしたので振り向くとベータとエキストラの人たちが立っていた・・・

 

ガーデン「ローズ会長は?」

 

ベータ「まもなくここに。」

 

ガーデン「ならば観客のことは任せた。私とシャドウは仕上げに入る。」

 

ベータ「ご武運を・・・」

 

結構人数いたしもうそろそろアイリス王女の試合が始まるでしょ・・・

 

私はミステに変装してアイリス王女とジミナの試合を見る・・・

 

ミステ「ふふふ・・・あの子、本気を出したわね・・・」

 

観客にはわからないだろうけど私にはわかる。

ジミナは体の動かし方と目から発する殺気でアイリス王女を近づけないようにしていた。

 

アイリス「あぁあああああ!!」

 

アイリス王女はすさまじい魔力でぶつかるが・・・

 

ミステ「そもそもあの子は剣を抜いてすらいない・・・」

 

そう剣さえもジミナが作り出した虚構、実際には抜かれていない。

 

ミステ「気づいたときにはもう間合いよ・・・」

 

間合い掴んだら私たちなら魔力も何も使わずとも制圧は可能よ。

事実アイリス王女は剣を突き付けられていた。

 

そして全員ざわめく中私のモブ直感がVIP席の方で何か起きていると察して視力を強化するとローズ先輩が父親を刺したところだった・・・

 

ついにビッグイベント来たー!そして私たちは乗り込んだ!

 

ジミナ「偽りの時はしまいだ・・・」

 

ミステ「ここより先は真実の宴・・・」

 

ここから華麗にローズ会長を逃がして撤退だ!

 

シャドウ・ガーデン「我が名は・・・」

 

ローズ「スタイリッシュ盗賊スレイヤーさんとビューティースレイヤーさんですよね!」

 

え?何でその名を・・・

 

noside

 

ローズは昔盗賊に攫われたことがあった・・・しかしローズは魔の手にかかることは無かった・・・何故なら・・・

 

シド「ひゃははは!有り金全部よこせー!!」

 

アン「逃げるのは盗賊!逃げないのが訓練された盗賊だ!」

 

盗賊「蛮族だー!!」

 

盗賊「化け物・・・ぐえ!」

 

一見すれば地獄絵図だったが幼いローズはそれも気にならないくらいその紙袋をつけた二人の流麗な剣に惚れていた・・・

そして盗賊が全て倒された後二人によってローズは解放された。

 

シド「災難だったね。」

 

アン「これからは道に気をつけてね。」

 

ローズ「待って!あなた達は一体・・・」

 

シド「うーん・・・通りすがりのスタイリッシュ盗賊スレイヤーさんと。」

 

アン「ビューティー盗賊スレイヤーね!」

 

こうしてローズの剣の道は始まったのだ・・・

 

sideアン

 

ローズ「シャドウにガーデン・・・貴方たちがスレイヤーさん達だったのですね・・・」

 

まさか名乗ったあの子だったとは・・・

 

シド「獣人の子じゃなかったけ?」

 

アン「私も覚えてない・・・」

 

なんせその盗賊の持ってたお宝が過去最高だったしね・・・

 

ガーデン「行きなさい。」

 

シャドウ「貴様の戦いは終わっていない。」

 

ローズ「はい!」

 

さて、ここで強敵が現れれば完璧なんだけど・・・

 

ドエム「増援はいないのか!誰か!」

 

ベアトリクス「私がやる。」

 

アイリス「ガーデン!!!」

 

ベアトリクスがシャドウにアイリス王女が私に切りかかってきた・・・完璧ね・・・!

 

ガーデン「さぁ、始めるわよ。」

 

 

 

 

 



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魔人・魔女の宴

noside

雨が降りしきる中ガーデンがアイリス王女と、シャドウがベアトリクスと剣を交えるお互いに卓越した技量の持ち主同士のぶつかり合いなだけに技量の差は如実に表れる・・・

 

ベアトリクス「ぐっ!」

 

シャドウ「ふっ・・・」

 

ベアトリクス(雨粒の一粒を認識できないように・・・そこにいても認識できない・・・)

 

ベアトリクスはシャドウの自然の剣に・・・

 

アイリス「やぁああああ!」

 

ガーデン「大砲のように出る炎・・・けど溜めがあるうえに出始めの所に高速で滑りこめば大した脅威じゃない・・・それに連撃を叩き込まれれば無力・・・」

 

ズガガガガっ!!!

 

アイリス「ぐうう・・・・!」

 

アイリス(なんて超連撃・・・防御の魔力が精いっぱいで炎を出すだけの魔力が・・・)

 

アイリスのアーティファクトを使った攻撃もガーデンによって攻略法を簡単にはじき出され無力となってしまう・・・

 

シャドウの剣の神髄が自然の剣ならばガーデンの剣の神髄はこの直観力にある。

相手の戦闘方法を一目で看破し攻略法を叩き出す。まさに武の極致ともいえる戦法を二人は確立させていた。

 

四人はそれぞれ連撃を繰り出し続ける。

町は壊れ人々は逃げ惑うが武人が見ればそれはまさに世紀の一戦と言えるだろう・・・

 

アイリス「お前らは何なんだ!」

 

ガーデン「ガーデン、この名この姿こそ真の姿他は現世の夢にすぎない・・・」

 

ガーデンは突っ込んできたアイリスの手を掴んだと同時だった・・・

 

アイリス「はっ・・・・?」

 

アイリスの体は一回転していた・・・そうガーデンは合気道の要領でアイリスの片腕を掴んで一回転させたのだ・・・

 

アイリス「ごふっ!」

 

魔力強化していても強い衝撃を感じアイリスは体中の空気を一気に吐き出してしまう・・・

 

ガーデン「ふっ・・・」

 

ベアトリクス「危ない!」

 

そのまま追撃の蹴りを繰り出そうとするガーデンを止めるためベアトリクスが剣を振り下ろすが・・・

 

ベアトリクス「なっ・・・いなされて・・・・」

 

ガーデン「なかなかいい腕よ。だが魔力の使い方がなっていない。」

 

ガーデンはベアトリクスの攻撃をいなしたと同時に柔道の空気投げを決めた。

 

シャドウ(ガーデンの柔術えぐいな~・・・一番の対策法は触られないってことなんだよね。)

 

シャドウの言う通りガーデンは柔術の極致、柳のようなものだ。どんな剛力であろうと受け流され投げ飛ばされる・・・

 

そしてガーデンの投げに翻弄されれば・・・

 

シャドウ「ふっ・・・」

 

ベアトリクス「っ!?エグイ・・・」

 

アイリス「ぐあぁ!」

 

シャドウの殺気のない剣が飛んでくる。ベアトリクスは勘で避けれたがアイリスは貰ってしまう・・・

 

シャドウ「今度は趣向を変えてこれはどうかな?」

 

ガーデン「災厄の魔女にこれを捧ぐ!」

 

ガーデンとシャドウは魔力で水を操作して巨大な水柱を出現させてそれに乗る。

 

ベアトリクス「吸血鬼の攻撃!?」

 

アイリス「何でもありか!!」

 

そして次々の水の弾丸を放つ。

 

アイリス「はぁ!」

 

アイリスはよけつつ炎を出して水柱をかき消しベアトリクスとともにシャドウたちに接近するが・・・

 

シャドウ「ただの水だと魔力の通りが悪いな・・・」

 

ガーデン「やっぱり血だからあの芸当はできるのね・・・応用すればスライムにも・・・」

 

ズガンっ!

 

そう呟きながら二人は蹴りを叩き込んだ。

 

その後入れ替わるようにガーデンはベアトリクスとシャドウはアイリスを相手にする。

 

ガーデン「ふっ!」

 

ガーデンはまた投げでベアトリクスを投げ飛ばそうとするが・・・

 

ベアトリクス「ここ!」

 

がっ!

 

ベアトリクスはタイミングを読んで足で体勢を整えた!

 

ガーデン「お見事!だがまだ甘い。」

 

ベアトリクス「なっ!ぐはっ!」

 

体勢を整え突っ込んできたがガーデンはスライムスーツで鉤爪を形成瞬時にベアトリクスを切り裂いた。

 

アイリス「ぐはっ!」

 

シャドウ「借り物の力で我は倒せん。」

 

アイリスもシャドウの自然の剣に翻弄され、なんとか剣を弾いたもののシャドウ得意の体術で圧倒されズタボロにされた・・・

 

アイリス「ま、待て・・・!こんな好き勝手に王都で暴れて・・・ただですむと思っているのか!王都中の騎士に動員がかかっている・・・!お前たちに逃げ場はないぞ!」

 

その瞬間だった・・・シャドウとガーデン、二人の雰囲気が一変した・・・

 

シャドウ・ガーデン「ふふふ・・・ふふふはははははは!!!!」

 

二人は笑った心底おかしい様子で・・・しかし次の瞬間・・・

 

シャドウ「逃げる?誰が?」

 

ガーデン「どこに?」

 

シャドウ・ガーデン「何故!!」

 

グオン!!

 

その声と共にドーム状に青紫と新緑の魔力が展開された・・・

 

ベアトリクス「これは・・・」

 

アイリス「こんな・・・」

 

二人は魔力の規模に絶望する・・・こんなのが放たれたら王都は粉々になるだろう・・・

 

シャドウ「遊びは終わりだ・・・!」

 

ガーデン「さぁ!最高のフィナーレよ!!」

 

シャドウ「仰ぎ見ろ!そして知るが良い!地を砕き!天を穿つ!」

 

ガーデン「海は泣き!空気は震える!」

 

シャドウ「我らの至高にして究極、最強無比なる一撃を!!」

 

そして魔力は収束する・・・

 

シャドウ「アイ・アム・・・・!」

 

ガーデン「シー・イズ・・・・・!!」

 

次の瞬間にはとてつもない光と暴風が放出された・・・

しかしアイリスたちは無事だった・・・二人は空に向けて放ったのだ・・・

 

アイリス「あぁぁああああ!!」

 

晴天の空には少女の慟哭だけが響いた・・・

 

sideアン

 

そうして私たちは立ち去り普段通り学校生活に戻ったんだけど・・・

 

アン「そういえばヒョロは?」

 

メー「なんか長期のアルバイトがあるらしいわよ。」

 

ギュウ「ギャンブルに負けたわね・・・」

 

シド「もう新学期なんだけど・・・」

 

どうしようもないわね・・・

 

ジャガ「それにしてもブシン祭のあれ凄かったですね!魔人シャドウに魔女ガーデン!」

 

何それ?

 

ジャガ「僕も実家から帰るときにみたんですけど王都中を飲み込む魔力の光!まるで地獄の蓋が開いたかのような光景でした!はー!惜しかったな!怖がっている女の子を・・・」

 

メー「無いわね。」

 

ギュウ「うん、ない。」

 

ジャガ「酷くないですか!?」

 

しっかし・・・

 

アン(ローズ会長あの後どうしたんだろ?)

 

シド(案外アルファたちが拾ってたりして。)

 

ありそう・・・ま、今回は目立ちすぎたし陰に潜みましょう・・・

 

そうして授業が終わった後私とシドは意味深にピアノとヴァイオリンを弾いた後アレクサンドリアに向かうと・・・

 

ガーデン「本当にいたよ・・・」

 

ラムダ「ガーデン様来ていたのですね。これから兵士に鍛え上げます。」

 

泣きつかれて寝ているローズ先輩を見つけた・・・また一波乱と陰の実力者プレイがはかどりそうだなぁ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 




ガーデンの戦法はREBORNの沢田綱吉の超直感です。

続きは二期が始まってからですがローズオブガーデンを参考にした話やゲームのキャラストーリーを参考にした話もしていくかもしれません。


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ガーデンの設定

ガーデン(アン・ニワノ―)

 

ニワノ―子爵家の長女、年の離れた兄がおりすでに当主見習いとなっているため今のところは気楽で自由な身。カゲノー家とニワノ―家は近いところに領地があるため偶に交流がある。

前世では陰の実力者になるために賽の河原の石積トレーニングで魔力のための精神力を鍛えていたところにトラックの光が現れ激突して転生。

その後盗賊を狩ってたところでシドと出会いシャドウガーデンの二大盟主としてシャドウとともに軍資金集めやモブプレイを楽しんでいる。

 

性格

シドほど恋に鈍感ではないがシド同様交友関係は最小にしたいと思っている。

どんな時でも訓練のことを忘れず歩き方や姿勢を偶に強者のものにしてしまいクレアに参考にされてしまっている。

シド同様に色々とそぎ落とした結果男性に対する興味ゼロ、そのせいでシドとは友達のように接しているつもりだが一部からは付き合っているのかという疑惑がもたれている。(クレアは認めてるし、ローズも勘違いしているのがその証拠)

陰の実力者のシーンで一番好きなのは主人公に謎の人物として指導する場面。

お気に入りの伝説は鞍馬天狗と義経の修業。休日アレクサンドリアに行ってはこっそり自作の鴉のお面をつけてラムダに隠れて新人を指導している。

 

外見

青目に青髪のロングヘア―、本人は目立つからシドやニューのような地味目に憧れているが

染めても魔力の影響で染料を吹き飛ばしてしまうため諦めている。

シド同様鍛えられており女性としての柔軟性やしなやかさも効率的に鍛えている。

魔力の色は新緑でシドの目が赤くなるのと同様に目は緑色になる。

服で着やせするようにしており体型はベータほどではないが胸に立派なものをつけている。

胸の重さは魔力でカバーしているため男性と同様に動くことができる。

 

能力

武術

 

シド同様前世の格闘術、剣道や合気道、柔道、さらには前世の家の裕福さを活かして軍隊格闘術にも手を出しており多対一の戦闘にも対応できるようにしている。

銃も射撃場の訓練で軍隊並みとなっている。

 

身体能力

 

シド同様ショートスリーパー化によって得た時間を使って人体改造を施し魔力を扱うのに適した肉体にしている。女性としてのしなやかさや柔軟さにも着目していて拘束されても指の関節まで外せるので縄抜けは容易、罠も華麗に避けられるようにしている。

女性としても規格外の筋力も有している。

 

剣術

前世の技術をベースに独自の型を複数使う。

 

天与の剣

アイリスを上回る才覚の剣、アレクシアの最も嫌う部類の剣。

後述の超直感も加えて超スピードの技術縮地なども織り交ぜ相手の剣に合わせた最適な剣を振ってプライドを粉砕して倒す剣、殺気を読ませず淡々と相手の意表を突く形で急所を突く剣でありまさに天性のもの。本人は核や災害相手に戦うつもりだったので自覚はないが・・・

 

ビューティーな剣

幼きローズに見せた美しさ重視の剣、踊るような体捌きで相手を圧倒する。

まさに剣舞を昇華させたもの。

 

演技の剣

才能がないように偽るときの剣。

生徒や教師からみても普通の剣に見える。

 

体術

 

柳の柔術

柔術の一種の到達点。合気道と柔道などを組み合わせたもので相手の軌道を読み最適なタイミングで受け流してそのまま相手を投げるもの。

片腕や服、髪を捕まれた瞬間投げ飛ばされているので対応不可能。

魔力ゼロの状態でも投げ飛ばせるほどの柔術はまさに強風でも揺らめくだけの柳のよう。

 

 

銃撃スキル

これから登場予定の戦法

銃弾で相手の躱す道を制限してからの殺気のない銃撃、跳弾も織り交ぜて一発で二度の攻撃を可能にしている。

 

 

モブ式48手

モブとしてシドと共に極めたもの。心停止はもちろんネームドキャラの攻撃に無様にやられることに対応している技。シド同様悪目立ちしてモブと言えるかは怪しいが・・・

 

超直感

相手の体つきや体の動かし方を見て対応策を瞬時に導く直観力、シドに対しては戦法は読めないが教団のラウンズであっても対応可能。

モデルはREBORN!の沢田綱吉

 

ヴァイオリン演奏

前世の習い事の一つで異世界トップクラスの技術。

陰の実力者として悪くないと思っておりシドと一緒に七陰に聞かせている。

ちなみにお気に入りの曲はタルティーニの悪魔のトリル

 

装備

スライムボディスーツ

シドと同じスペックだが見た目はアルファたちのボディスーツと同じデザインに肩からマントをつけてスーツにフードをつけてる感じ。

 

 

シー・イズ・ヒーリングタイフーン

 

対象に破壊、味方に再生をもたらす竜巻。

相手が悪魔憑きなど特殊な状態の人間の場合は身に宿る力を断って再生させている。

モデルは災害「竜巻」

 

シー・イズ・アースクウェイク

剣を突き刺したところを起点に地震を引き起こす技。

相手や物質を超振動で粉々にする。

 

流水の舞からの回転剣舞

 

柔術と融合された緩急自在の舞。攻撃を当てることは困難となる。

惑わした後に繰り出される回転しながらの連撃は確実に相手を捕らえる。

 

シー・イズ・ランドマイン

 

チルドレンファースト反逆遊戯のレクスの技をラーニングして昇華させたもの。

繊細な魔力の結界を作り出して相手が結界にふれた瞬間魔力により筋肉がオート反応で相手に向かって剣を振りその斬撃で相手を消滅させる。

 

モデルは呪術回線のシン・陰流抜刀と落下の情を組み合わせたもの。

名前の由来は人類最悪の兵器「地雷」

 

漆黒閃擲式 乱牙

アルファたちの漆黒閃擲式を聞いてガーデンが自分流にしたもの。

剣をスライムスーツで精製してそのまま体から魔力を纏わせて乱射するもの。

乱射速度はガトリングガンのように広範囲かつ破壊力も凄まじい。

 

 

 

 



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幕間の物語
クレアとアンの回想


3巻の小さなクレアの弟観察記の続編みたいにしています。


NOSIDE

 

クレアにはアン・ニワノ―という友達がいた。

クレアの実家カゲノー家はニワノ―家の領地と近いこともありシドと出会う前からアンとは交流があった。クレアが最初パーティで出会ったアンの印象はまさに弟と同じだった。

クレアが期待のホープとして囲まれる中アンは隅で飲み物を飲んでいた・・・弟と同じでなんだか嫌だったからクレアは声を掛けた。

 

クレア「貴方はニワノ―子爵家のアン様よね。私はカゲノー男爵家のクレアよろしくね。」

 

アン「よ、よろしくお願いしましゅ!?」

 

噛み噛みな挨拶にまたクレアは弟を思い出して吹き出してしまった・・・

それからシドもアンと出会いそれからは三人で一緒に行動していた。そこから呼び捨てになっていき

アンはクレアの苦手な料理や裁縫を教えてくれて本当に可愛い妹のような子だった。

 

クレア「ほら!ビーフシチューよ!アンには及ばないけどうまくできたと思ってるわ!」

 

アン「いや・・・なんでルーの色がドス黒くなってるの・・・?」

 

クレア「見てみてアン!ハンカチが縫えたわ!」

 

アン「クレアさん手がボロボロだし血まみれだよ!早く治療しないと・・・」

 

それにアンはシドと同じようにクレアが危なくなったら助けてくれた。

裁縫で顔に針が刺さりそうだったところを引っ張ってなんとかしてくれたのもアンだった。

料理で爆発しそうだったのを安全圏に移動させたのもアンだったでも弟と同じように誰も信じてくれず不釣り合いな友達って言われるのが耐えられなかった。

だから数年前体の痛みから解放されたときにアンと一緒に特別特訓ということで盗賊退治をしにいったのだ。

 

クレア「ほら!ついてきて!」

 

アン「クレアさん体調はもう大丈夫なんですか?」

 

クレア「絶好調よ!シドと同じようにアンタにも気合入れてあげるんだから!」

 

アン「危険ですよぉ・・・」(シドが悪魔憑きなおしてからさらに元気さが増してる・・・)

 

盗賊「きゃはは!まさかこんなところでガキに出くわすとは!」

 

盗賊「お前たちまとめて売りさばいてやる!」

 

クレア「来たわね!」

 

クレアは圧倒的なセンスの剣で次々と盗賊たちを蹴散らしていった。

しかし・・・

 

盗賊頭「油断は大敵だぜ、嬢ちゃん。」

 

がっ!

 

クレア「なっ・・・!」

 

死角からの不意打ちを食らってしまい昏倒してしまう・・・

 

アン「クレアさん・・・やめてぇええ!」

 

アンは魔力を纏って剣を振るが・・・

 

盗賊頭「弱いな。未熟にもほどがあるぞ。」

 

アン「きゃっ・・・!」

 

アンは蹴られて木に激突してしまう・・・

 

クレア「アン、ごめん・・・」

 

シドにストレッチしてもらったこの頃調子が良かった、だから敵を弱らせた後アンにとどめを刺させればアンの凄いところを皆が知ってくれる。そう思っていたのだが不意打ちを食らってしまいシドと同じ目に逢わせてしまった・・・後悔の念とともにクレアは気絶してしまった・・・

 

sideアン

 

盗賊「さて手間がかかったが女二人を物色・・・な・・・!」

 

やれやれ・・・クレアさんは相変わらず行動が読めませんね・・・

 

アン「でもモブとして主人公をかばってすぐやられるモブ友人、なかなかの名演技だったわね。」

 

盗賊頭「お前木に激突したはずじゃ・・・」

 

そんなの受け身とスライムでなんとかしたに決まってるじゃん。

 

アン「アンタたちは今夜私とシドで退治しようと思ってたんだけど丁度良かったわ。久しぶりの単独戦闘の訓練相手になってもらいましょう。」

 

盗賊頭「ざけんな!やっちまえ!」

 

盗賊「おらぁあ!げふっ!」

 

盗賊「こいつの剣隙がないごはっ!」

 

スライムスーツを纏い私は発達し始めた体をフルに使って剣を振う、演技の剣になれないようはしてるけどやっぱこの剣が落ち着くな。

 

盗賊頭(元王都の剣士だったからわかる・・・この剣下手したらアイリス王女に勝ってるぞ!?)

 

盗賊頭「てめぇは一体何者なんだぁああ!?」

 

アン「あら一人になっちゃった。なら新技の相手は貴方でいいか。」

 

盗賊頭「なめてんじゃねーぞ!」

 

新技!漆黒閃擲式 乱牙!

 

ズガガガっ!!

 

盗賊頭「ぐあぁああ!」

 

アン「シドの漆黒閃をアルファがカッコ良く改良してたから私もオリジナルのを作ってみたんだよね!」

 

体からスライムソードと何発も出して発射!剣は魔力の旋風を纏っていてガトリングガンやマシンガンより抜群な破壊力完璧!

 

アン「にしてもなんでクレアさん私になついてるんだろ・・・」

 

シドは姉さんに色々教えてるからっていうけど贈り物でとんでもない料理や血まみれのハンカチ送られるの嫌で教えてるだけなのに・・・

 

noside

 

クレアが目を覚ますと盗賊たちはすでに倒された後だった。

 

クレア「アン!無事!?」

 

アン「は、はい…気絶したふりをして賞金稼ぎがまとめて倒しちゃった・・・」

 

クレア「また助けられちゃった・・・本当にありがとう・・・」

 

アン「苦しいです・・・」

 

弟も彼女になら任せられる・・・そう思ったクレアはもう一度親友をきつく抱きしめるのだった・・・

 

 

 



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陰の実力者は華麗に髪色を染め上げたい!

かげじつ風の話にしております。


noside

 

イプシロン「ふ~ふふー・・・」

 

その日イプシロンはご機嫌でアジト廊下を歩いていた。何故かというとガーデンに重要案件ということで呼び出されたのだ。

 

イプシロン「憧れの美しさを持つガーデン様が私をお呼び出し・・・まさか!」

 

ーイプシロン・・・美しすぎてもう限界なの・・・身も心も私に捧げてくれる?-

 

イプシロン「なんてね!きゃー!」

 

そんなことを言いながらガーデンの部屋の前に行くと・・・

 

ニュー「イプシロン様?何故ここに・・・」

 

なんとニューもそこにいたのだ。

 

イプシロン「あ、アンタこそなんでここに・・・」

 

ニュー「私もガーデン様に呼び出されたのでここに来たのですが・・・」

 

イプシロン「あ、そうなんだ。まあそうよね・・・」

 

ニュー「イプシロン様・・・?」

 

イプシロンは膝をついて落胆しながらもすぐに立ち直ってガーデンの部屋に入った。

 

アン「・・・二人ともよく来てくれたわ。」

 

ニュー・イプシロン「!?」

 

アンとしての姿だというのに部屋の中は凄い圧力で満たされていた。そして主の表情はこれまでにないほど苦悩に満ちている・・・これは重要任務かと思った時だった

 

アン「二人には私の学園生活に関わる重要なことを聞きたいの・・・」

 

ガーデンは現在ミドガル魔剣士学園でシャドウと共に学園に潜入してディアボロス教団につながる事件を解決しているというのが構成員全員の見解だ。過去にも学園に教団の手先がいたことから誰もがこの任務の重要性を理解している。

 

ニュー「それで相談とは一体どういうことでしょうか?」

 

アン「髪色を染める方法について聞きたいの・・・!」

 

イプシロン「はいっ?」

 

イプシロンは思わず素っ頓狂な声を出してしまうのだった・・・

 

sideアン

 

何故二人にこんな相談をするかというと実は土日の休みに入る前にギュウとメーに

 

ギュウ「最近王都の女子の間で髪を染めるのが流行ってるらしいの!」

 

メー「流行りはアイリス王女の赤髪らしいの!もしかしたら男子にモテるかもしれないから休みを使って各自で髪を染めて見せあいましょう!」

 

と強制的な課題を出されたのだ・・・

この提案に対し私は冷や汗を浮かべた・・・何故ならこの髪には欠点があって以前シドと一緒に変装の練習のために髪を染めたときに・・・

 

バシュっ!

 

アン「あれ?」

 

シド「んーアンが魔力を出すと強制的に染料が飛ばされちゃうみたいだね・・・つまり本気で戦おうとすると髪が普段の色になっちゃうみたいだね。」

 

というわけで結構ピンチのために美容に詳しい二人に助力を仰いだというわけよ・・・

 

ニュー「それは大変ですね・・・一人だけやらなければ浮いて目立つかもしれませんし・・・」

 

イプシロン「流石ガーデン様の魔力!やはり魅力的な髪も普通の染料では隠し切れないのです!」

 

アン「というわけで何か方法ある?」

 

ニュー「普通なら魔力に強い染料で染めるのが普通ですけど・・・」

 

イプシロン「主様ほど強い魔力だと意味ないわね・・・そういえばミステとして戦ったときはどうしてたんですか?」

 

アン「魔力で離れた色素をまた魔力でつなぐって言う離れ業でなんとかしてたけど集中力そがれるから・・・」

 

ニュー・イプシロン(凄すぎる・・・)

 

ん?そういえば・・・

 

アン「この世界ってカツラないのかな?」

 

イプシロン「カツラですか?聞いたことないのですが・・・」

 

アン「カツラっていうのは髪の毛の塊みたいなもんではげた人間・・・シドのお父さんやネルソンみたいな人が頭につければ髪が生えてるみたいに見える道具よ。」

 

ニュー「見たことないですね・・・髪を頭に乗せるなんてそれこそ戦闘の邪魔になるのでは?」

 

確かに・・・魔剣士の戦闘は高速戦闘が主だから結構カツラはずれやすい・・・しかも風圧で吹き飛ぶ可能性が高すぎる・・・だから髪の毛の頭に乗せるって発想が出なかったのか・・・

 

イプシロン「つまり外れないように定着させればいいんだから・・・」

 

アン「そうか!スライムでカツラを作ればいいのか!そうすれば染料を買うコストも削減できる!」

 

ニュー「解決策が見えてきましたね!」

 

早速三人で研究よ!

そうして私とイプシロンのセンスもあってスライムカツラが完成した!

 

アン「魔力操作で色素を作って定着させれば・・・!やったー!アイリス王女と同じ赤髪!」

 

イプシロン「やりましたね!」

 

ニュー「はい!」

 

こうして私のモブ生活の危機は免れたわけだったんだけど・・・

 

ギュウ「結局ふられた―!」

 

メー「髪色戻してやるんだから!」

 

アン(えー・・・)

 

結局ギュウとメーが降られてすぐに陰の実力者プレイでしか使わなくなったのだった・・・




カツラについては独自の設定です。


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陰の実力者は銃を改良したい!

sideアン

私は女神の試練より前に研究室にいたシェリーとイータにある頼み事をした。

 

シェリー「銃の改良ですか?」

 

イータ「また陰の叡知が聞ける・・・やる。」

 

二人とも快く引き受けてくれた。この世界の銃は戦国時代の銃みたいに弾は球体でライフルみたいなのもあるけど魔力で普通にガードされることもあるし飛距離も狙いの精度も現代のと比べるとそんなにないのだ。

 

アン「まず弾の形なんだけど流線形にすることで空気抵抗を失くすことができるの。」

 

シェリー「確かに・・・この形なら空気抵抗を最小にすることができますね!」

 

やっぱりシェリーはこういうのに目をキラキラさせるよね・・・

 

アン「あと銃砲に螺旋状の溝を入れると破壊力と直進性を高めることができるの・・・その名もライフリング加工!」

 

イータ「凄い・・・!」

 

アン「あとは魔剣士対策として弾をミスリスやスライムにすれば弾丸を魔力で操れるかも!」

 

そうして出来上がった銃を他の七陰やシドに見せてみた!

 

シド「おー!僕の世界の銃と遜色ないのが出来上がってる・・・」

 

アルファ「流石ガーデンがスカウトしてきた子とイータね。これなら戦力強化につながるかもしれないわ。」

 

ガンマ「これなら私も戦闘でお役に立てるかもしれません!」

 

そう言ってガンマはいきなり的に向かって銃を構えて引き金を引いた!

 

アン「待って!撃つ時かなり衝撃が・・・」

 

ドンっ!

 

ガンマ「ふぎゃ!」

 

案の定ガンマは撃った反動で大きくのけぞりずっこけてしまった・・・

 

ガンマ「うぅ・・・」

 

ベータ「大丈夫?でも遠距離武器なら漆黒閃擲式やスライム弾の方が優れているのでは・・・」

 

ふふふ・・・ベータ、銃の凄さを侮ってはいけないわ。

 

アン「なら試してみましょうか・・・!ベータ避けてみて!」

 

ベータ「はい!」

 

ドンっ!

 

 

ベータ(流石主様!殺気もない完璧な速射!ですが・・・)

 

ベータ「避けれます!」

 

流石堅実のベータこのくらいは余裕だね・・・でも

 

キンっ!

 

ベータ「っ!?くっ!」

 

ベータは別方向からきた弾丸に困惑しながらもう一度避けることになった。

 

ゼータ「なるほど跳ね返る弾だね・・・」

 

シド「跳弾と呼ぼうじゃないか・・・」

 

ゼータその通りだよ!

 

アン「スライムや剣は一度投げたら反射しないで落ちたり突き刺さったりするけどこの特殊加工の弾ならどんな材質の壁でも反射して死角からの攻撃ができるってことだよ!」

 

アルファ「確かにこれは単純なスライム弾や漆黒閃にはできない戦法ね・・・」

 

デルタ「ガーデン様頭いいのです!」

 

これもスナイパーなら必須スキルだったからね!

 

シド「まぁ跳弾は弾道を予測しないといけないからかなり頭をつかうけどかなり有効かもね。」

 

イータ「ラムダもこれは新兵に学ばせる価値ありって言ってたから生産する・・・ブイブイ・・・」

 

シェリー「大成功!ブイブイです!」

 

ふっ・・・これで陰のエージェント集団っぽさが満載になってきそうね!

 

私は銃にどよめく皆を見ながら私はにやにやするのだった・・・

 

 

 

 




別の日ガンマが固定台を取り付けたライフルで射撃の特訓をする姿をニューが目撃したとか・・・


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陰の実力者たちはお互いに力の一端を見せつけたい!

それはブシン祭が終わり少ししたころ・・・

 

シド・アン「新人の前で戦って欲しい?」

 

ラムダ「はい、お願いできないでしょうか?」

 

突然ラムダが寮に来てこんなことを言ってきた。ちなみにラムダというのはイプシロンが初めて直した悪魔憑きのダークエルフだ。褐色の肌に軍服スタイルのスライムスーツが良く似合う。

帽子でもまねてみようかな?

 

シド「で、理由は?」

 

ラムダ「シャドウガーデンはこの前入った新人を含めればもうすぐ700人に届きます。かなり入ったので下の構成員にお二人の力の凄さを知ってもらい更なる高みにつなげてもらおうと思いまして。」

 

悪魔憑きは女性だらけで差別の対象だからね。昔は七陰に護身術と言って二人で稽古したっけ・・・その中には私とシドが戦ってその動きから学習するというのもあったので多分それを七陰の誰かから聞いてやって欲しいと思ったんでしょう。熱心な教官様だ。

 

アン「いいわよ・・・私も久しくシャドウと戦っていなかった・・・そして新たな希望の星たちに暗闇であがくための力を授けるのもまた務め・・・」

 

私はシドとアイコンタクトを取りながら言う。

 

シド「ふ・・・その通りだな、我が同志・・・!振り落とされることのないように新兵たちに伝えておけ・・・」

 

ラムダ「はっ!ではアレクサンドリアの闘技場でお願いします!」

 

そう言ってラムダは去っていった。

 

シド「アレクサンドリアか。あの龍がいたところだよね。」

 

アン「霧の吹きだす龍、また戦えるかな?」

 

ちなみにあそこで二人とも霧の龍の歯磨きしてないであろうブレスに辟易したのはいい思い出だ。

 

noside

 

翌日、古都アレクサンドリアにはシャドウガーデンの新兵たちが集まっていた。

 

新人「ねぇ!今日はシャドウ様とガーデン様が戦ってくださるんでしょう!」

 

新人「どっちが勝つと思う?いやそれを予想するのすらおこがましいわ!」

 

そうこのアレクサンドリアに巨大な像がある通り悪魔憑きを直せる二人はまさに自分達の命の恩人であり雲の上の存在。そんな方たちが自分達のために戦い方をみせてくれる。それだけで彼女たちにとってはこうしてざわめくに値することなのだ。

 

ローズ「お二人とも凄いですからね。どんな戦い方をするのでしょうか・・・」

 

そんな中ローズ・オリアナ。もとい666番は二人の戦い方を直接一度見ているからこそ具体的な技術を見れるこの日を待ち望んでいた。

 

664番「666番もやる気があるわね!」

 

665番「まぁ熟練の構成員でも見た人はいないんじゃないよね~二人がぶつかり合う姿なんて。」

 

ローズと隊を一緒にする二人のエルフもこの対決にドキドキしている様子だった。

 

そうしているとラムダの声が響いた。

 

ラムダ「お前たち!今日はお二人の模擬試合の見れる貴重な時間だ!瞬きすら許されないと思え!それではお二人ともよろしくお願いします!」

 

そうして現れたのは・・・

 

シャドウ「我が名はシャドウ・・・陰に潜み陰を狩るもの・・・」

 

ガーデン「私の名はガーデン・・・庭に現れた一つの陽炎・・・」

 

自分たちの主たちが空から降りてきたそれだけで新人たちは声を上げる。

そして今ラムダの声で試合が始まる・・・

 

ラムダ「それでは・・・試合開始!」

 

その瞬間全員の首が落ちた・・・

 

sideローズ

 

首が落ちる瞬間私は自覚する・・・これはフェイント!!

 

ローズ「はぁ!!はあ・・・はぁ・・・」

 

これまでの訓練や二人の戦いを直接みていたことが幸いして私はすぐに目がさめた・・・

 

664番「はぁ・・・はぁ・・・」

 

665番「今のは・・・」

 

二人もすぐ目が覚めたみたい・・・

 

ローズ「あれはフェイント・・・二人は剣を抜いたわけじゃない、殺気や重心、手の動きで殺されたように錯覚させた・・・」

 

二人の技術が強大すぎて私たちの首が飛んだように錯覚した・・・それがさっきの現象の答え!

 

その後も足や手が吹き飛ぶ錯覚を見せられる・・・それだけでこの場の構成員の誰もが振えた・・・これが高みのほんの一端なのかと・・・

 

シャドウ「さて・・・ここからが本番だ。」

 

ガーデン「ぶつかるときね。」

 

その瞬間二人は剣を抜いてぶつかった!

そしてぶつかり合う剣はお互い超越した連撃だった!魔力で強化された衝撃に誰もが吹き飛ばされそうになりながらもラムダ様の教え通り瞬きはせずに見る。

 

ローズ「やっぱり美しい剣・・・」

 

そう私が幼いころに見たときと同じ・・・いやそれ以上の剣がそこにあった。

シャドウの剣は基礎を徹底的の固めた剣、ガーデンは天から与えられたといってもいい無駄を削ぎスピードも神速の剣、まさに参考にするべきものがありすぎるほどのぶつかり合い。二人はそのまま飛び上がり上空で戦い始める。

 

シャドウ「やはり実力は均衡・・・だがこれは指導。次は魔力の使い方を教えねばな!」

 

ガーデン「そのとおりね!」

 

その瞬間二人は魔力を剣に無駄なく集め足に魔力を集中して・・・

 

664番「消えた!?」

 

ローズ「いえ、右に!」

 

次の瞬間にはさらにスピードを上げた戦いをし始めた!

 

ガーデン「間合いを掴めば魔力もいらなくなる・・・」

 

シャドウ「ふっ・・・」

 

ズガンっ!

 

665番「シャドウ様が投げ飛ばされた!」

 

服を掴んだ瞬間に・・・なんて技術!

 

シャドウ「ガーデンの柔術はまさに天下一・・・ならばこちらも・・・」

 

受け身をとったシャドウはダメージゼロ・・・次の瞬間シャドウは消えていた・・・

 

ガキン!ドゴっ!

 

今度はガーデンが剣によって吹き飛ばされた。

 

ガーデン「自然の剣・・・直感でも対処困難・・・じゃあ最終講義といきましょうか!」

 

シャドウ「あぁ!」

 

次の瞬間青紫、新緑の魔力が収束する。

 

シャドウ「圧縮した魔力は解放した際に数百倍の力となる・・・我らはそれを絶え間なくなしているだけだ・・・」

 

シャドウの黒いコートは悪魔の翼のように展開される・・・それはまさにスライムスーツにさっき言ったことを応用すればできるしかし今の私たちにとってはすさまじい技術だった・・・・

 

ガーデン「単純な魔力量に価値なんてない・・・制御力にこそ真の価値はある・・・どれほど圧縮して無駄なく放てるか・・・それが重要な要素よ。」

 

ガーデンも魔力で作り出した電撃で出来た巨大なスライムソードを持って言う・・・

 

シャドウ「アイ・アム・アトミックレイン。」

 

ガーデン「シー・イズ・ケラウノス。」

 

その瞬間魔力の雨と電撃の剣がぶつかった。

 

noside

 

こうして技がぶつかり合うとそこにはただ佇む二人の姿があった。

 

雨と剣はお互いを相殺しあったのだ。

 

シャドウ「ラムダ、今日の訓練はこれまでだ。」

 

ガーデン「しっかり体を休めるように。」

 

ラムダ「はっ!」

 

そうして二人は飛び去って行った・・・

 

ラムダ「お前たち!二人の戦いはどうだった!」

 

新人「はい!改めてお二人の凄さがしれました!」

 

664番「私たちも鍛錬で少しでも追い付きたいです!」

 

ローズ(お二人とも・・・私も必ず・・・!)

 

主たちの凄さを改めて知りラムダの言う通り糧とした新兵であった・・・

 

シド「いやー!久しぶりに戦ったけどなかなか陰の実力者っぽかったんじゃない!」

 

アン「言葉ではなく背中で語る・・・!まさに裏世界のボスだよね!」

 

飛びながらそう言うのが現在の主たちの姿なのだが・・・

 




シャドウの最後の技はWEB版の技を使わせてもらいました。


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陰の実力者は評価をもとに戻したい!前編

カゲマスを参考にしています。


これは学園がテロリストに襲撃して少し経ったころ。

シェリー先輩への説明はアルファたちに任せたしシェリー先輩も私たちのことをばらす心配はない、そして繰り上がった夏休みにテンションを上げてる四人がいる。

 

ヒョロ「夏休みだぜ!今年も夏が来る~!」

 

ジャガ「海に行きましょう!夏といえば海でしょう!」

 

ギュウ「今年こそシックスバックに割れた男をゲットよ!」

 

メー「知的な男の水着姿!」

 

欲望駄々洩れね・・・

 

シド「四人とも見事なリアクションだけどまだ海開きしてないからね。」

 

アン「繰り上がって海開き日とは遥か彼方の日に休みは始まるんだから。」

 

私たちは突っ込みを入れる。

 

ジャガ「残念ですね!折角の夏休みに海で水着の美女と巡り合えないなんて!」

 

ギュウ「男とのロマンス・・・楽しみにしてたのに・・・」

 

浮かれすぎでしょ・・・

 

シド「どうせ海に行ってもナンパする勇気もされる勇気もないでしょ二人とも。」

 

アン「四人とも童貞と処女なんだから。」

 

メー「ダイレクトに言いすぎよ!アン!」

 

ヒョロ「まぁ、ローズ会長を身を挺してお守りした二人には負けるけどなー!」

 

そう夏休み前に何とかしなければいけないことはこれだ。

襲撃時にモブ式奥儀を披露するためローズ会長をかばったことがここまで影響するとは・・・ブシン祭選抜で私たちは会長やクレアさんの攻撃でも粘った根性あるやつという評価も+されて一躍時の人となっているの・・・

 

シド「あれはたまたまでそんな大したことじゃ・・・」

 

ジャガ「何を言いますか!二人の傷は勇者の証ですよ!」

 

ギュー「シド君カッコいい抱きしめてあげる!」

 

シド「ぎゃああ!お断りします!」

 

アン「ちょっと叩かないでよ傷に響く・・・」

 

シドはちょっと危機に陥ってたけど私たちの傷はあの時に完治してる。

モブ的な回復力を考えれば無難なリアクションよね。

 

ヒョロ「いやー!見たかったなぁ、背中を切られながらも会長をお姫様抱っこし最後の力を振り絞って一撃を食らわせるところ。」

 

背中切られてないしお姫様抱っこしながら片手で人を両断するって普通無理だかね?私ならできると思うけど・・・

 

シド「それ腕三本ないと無理だから。」

 

にしても尾びれがつき始めてるわね・・・シドと私は冷や汗が出ているのを感じる・・・

 

メー「実際切られたところから腕が生えたって言う噂もありますよ。」

 

アン「それどんな怪物?褒められてるのかもはや微妙じゃん。」

 

スライム使えば生えてるように見えるだろうけど・・・

しかし目立つにしてもタイミングが悪いもうすぐ夏休みでド派手なモブムーブで好感度ダウンを狙うには時間が足りない・・・即興でもいいから手を打たないと時間とともにさらに尾びれがつく可能性がある!

 

その時だった。

 

そばかすの女子生徒「シド君ちょっといい?」

 

メガネの男子生徒「アンさんもいいかな?」

 

クラスメイトの男子生徒に話しかけられた。

 

メガネの男子生徒「実は料理が趣味でチョコを作ったんだ。食べてくれないかな。」

 

ギュウ「・・・・」

 

メー「・・・・・・・」

 

女子力満点の男子の手作りチョコ・・・二人の目がすごいことになってるのがわかる・・・こうなったらあれをやるか!

 

アン「ありがとー!今いただくわ!」

 

ビリビリ!

 

包装紙をビリビリに破く!丁寧にやったのに雑に破かれたら好感度ダウンでしょ!!

 

メガネの男子生徒「ははは!アンさんって意外と不器用なんだね。」

 

なんだと・・・これでも落ちないの・・・

これはマズイ・・・・スパイラルに入っている・・・

尾びれつきを防ぐためにもここはあれね!

 

アン「もぐっ!んぐんぐ・・・」

 

私はチョコを一気に頬張りリスのように顔を膨らませる!

これぞ必殺リス食い!貴族令嬢とは思えない行儀の悪さでダメになるでしょ・・・

 

男子生徒「そんなに美味しかったのかい?アンさんのその顔も可愛いよ。」

 

うそーん!!

 

メー・ギュウ「・・・・・・・」

 

視線痛すぎ・・・シドの方も失敗しているようでヒョロとジャガの視線がますます痛くなっている!ここはあれでいくか!

 

アン「や、ヤバい・・・急いで食べたから鼻血が・・・!」

 

男子生徒「た、大変だ!」

 

これぞ意地汚く食べたせいで鼻血がでる自業自得ムーブ!!

 

不良の男子生徒「大丈夫かよ!ほら、ティッシュ貸してやるよ。」

 

メー「あれももはや間接キスじゃない!」

 

ギュウ「見損なったわアン・・・」

 

何でここで硬派な不良が通りかかるのおおぉぉ!!

 

シドの方もギャルが喉につかえたところを助けたようでヒョロとジャガ、ギュウとメーは白い眼を向けられていた・・・

 

シド「どうしてこうなるんだ・・・」

 

アン「誰か助けて・・・」

 

完全に負のスパイラルに陥っている・・・

 

シド「ココはプランAでいくか!」

 

アン「やるっきゃないね!」

 

私たちは仕掛けていく。

 

シド「僕たちってさぁ、もっとモテても良いと思うんだよね。」

 

アン「そうよね・・・逆ハーレムになっても良いと思うのよねぇ・・・」

 

四人「なんだと・・・!!」

 

そうストレートに評判を落としにかかる。

ローズ会長を袖にしてハーレムを作り出したいと示すのが作戦よ。

 

シド「あんなにかっこよかったんだから4,5人はできてもよくない?」

 

アン「そうよねーあの斬撃かなり痛かったし・・・」

 

ヒョロ「この野郎・・・あんなに心配させといて・・・!」

 

メー「まさかのビッチ発言なんてね・・・!鼻っ柱へし折るにしても私たちの好感度は下がりますね・・・」

 

よしよし好感度が下がってるのをひしひしと感じる・・・

 

シド「というわけでセッティングに協力してくれない?」

 

アン「もしかしたらおこぼれ狙えるかもよ?」

 

ジャガ「八方手を尽くしましょう!」

 

ギュウ「そうね!」

 

裏切る気満々だけどそれが良い!

そうして私たちは男女に突撃したんだけど・・・

 

保健委員の女子「貴方、カゲノー君とアンさんですよね?」

 

保健委員の男子「傷が深かったのにもう動けるんだ?」

 

シド「心配してくれてありがとうそれで・・・」

 

女子「私、医療テントで働いてたんですけど二人ともローズ会長と抱き合ってたんですよね?二人とも会長の恋人だとばかり思ってたんですけど・・・」

 

アン「あれは一方的に抱きしめられてただけで…そもそも私は女ですし・・・」

 

男子「会長女子人気も凄いから女子に惚れてもおかしくないかなって。」

 

マジか・・・

 

ローズ「シド君、アンさん、お久しぶりですね。」

 

まさかの本人登場!?

 

男子・女子「お邪魔みたいなので失礼します。」

 

しまった逃げられた!!

 

ローズ「何を話してたんですか?」

 

シド・アン「ハーレ・・・むがっ!!」

 

ヒョロ「ハーレ教授の授業でわからないところがあるので!知っている人に話を!」

 

ギュウ「そうそう!難しいんですよね!」

 

シド(こいつら怖気づきやがった!!)

 

アン(別の意味で裏切られた・・・)

 

これもまたモブムーブなんだけど今回はゲスでいて欲しかった・・・

 

ローズ「なるほど、それなら私に相談してくださればよかったのに、簡単なポイント程度なら教えられますよ。お友達もご一緒に。」

 

四人「いえいえ!三人でごゆっくりと!!」

 

四人も逃げたー!!

 

ローズ「では参りましょうか。」

 

その後買いかぶりを受けながら次のプランを考えるのだった・・・

 

 



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陰の実力者は評価をもとに戻したい!後編

アン「ならばプランBと行きましょうか・・・」

 

私は口に出して宣言する。

 

ギュウ「何言ってんのアンタ?」

 

アン「私には特殊な力があると思うのよね・・・貴方たちにはわからないでしょうけど・・・」

 

中二病は叩かれる・・・これを利用して好感度を下げる作戦よ!

 

メー「活躍したからって調子乗り過ぎじゃないですか・・・?」」

 

アン「えぇ、あの時の私は一種のゾーンにいた。今ならば貴方たちにも今こそ力の開眼があるかもでしょ?自信を持つことは重要なんだから」

 

ギュウ「馬鹿にされてるのか自慢かアドバイスかよくわからないけど調子乗ってるってことはビリビリ伝わってきた・・・」

 

メー「全くね・・・ならテストで勝負しましょうか?」

 

アン「いいわよ。」

 

さて準備で忙しくなりそうだね!

そして翌日・・・

 

ギュウ「さーて我らがアンさんはしっかり勉強をって・・・」

 

メー「何ですかその鉢巻!?」

 

アン「ふふふ・・・おはよう・・・」

 

目の下にクマをつくりさらには鉢巻に必勝とミツゴシ製の栄養ドリンク!

これぞ一夜漬けのモブって感じでしょ!

 

メー「そのミツゴシ特製の栄養ドリンクまで飲むなんてアンの奴マジみたいね・・・」

 

ギュウ「なら私たちだって奥の手があるんだから!」

 

そうして私とシドはテスト前に教科書を読むなどテスト前あるあるをかましつつテストに挑んだ。ぶっちゃけ素の学力ならシェリーのところで最近勉強してるのと家が滅茶苦茶勉強させてくるので古代文字以外なら多分満点取れる。しかしそれではモブっぽくない。

なので暗記で赤点以上を取っておいて得点の多い記述式で減点させて調整する。

これでギュウとメーの回答を視力で強化してみて少し低めにすれば・・・

 

先生「ヒョロ!ジャガ!ギュウ、メー!お前たち何をやっている!」

 

ヒョロ「いや・・・これは・・・」

 

ギュウ「なんのことだか・・・」

 

まさかのカンニングペーパーを仕込んでいたことがバレ四人は見事に補修となった・・・

 

シド「試合に勝って勝負に負けた・・・」

 

アン「せっかく勉強してどこで間違うか決めたのに・・・」

 

結局四人の悪行が目立ってあえなく評価は下がらなかったのであった・・・

 

そうして翌日・・・

最後にして究極のプランCを実行すべく私たちはとある場所へと向かった。

 

シド「挑戦にきてあげたよ。」

 

アン「あの時とは違う私たちを見せてあげる。」

 

ブシン流上級クラスへと登場。アレクシアに付き合わされて以来来たことないけどヘイトはそれなりにある。

 

釣り目男子「アイツ・・・シド・カゲノー・・・!王女様とは別れたんじゃ・・・」

 

細目女子「隣はアン・ニワノ―・・・身の程を知らないアレクシア王女の元友人・・・!」

 

やせぎす男子「今度は二人ともローズ会長に認められたらしいが・・・良い気になりやがって!」

 

メガネ女子「良い度胸じゃない・・・」

 

いいわねその殺気!叩き潰されたい!

 

シド「アンの言う通りだこれまで見た僕たちだと思わないでもらおうか・・・」

 

アン「一斉にかかって来てもいいわよ?そんな勇気があればの話だけど?」

 

ここで私はイプシロンの挑発をモデルにしたポーズ体を誘惑する形で屈め目も舐めるようにして後は口元に不敵な笑み!

 

シド(アン!凄すぎる・・・ムカつき度が倍になっている・・・負けてられない!)

 

釣り目男子「このアマ・・・!皆!一斉にかかるぞ!」

 

その後は私たちはされるがままにボコボコにされる!私たちは心の中で興奮しながらモブ式奥儀をお披露目する!

 

メガネ女子「そらぁ!」

 

アン「きゃあ!」

 

まずは定番!地面と頬づりグランドスライディング!

 

細目女子「てやぁ!」

 

アン「がふっ!あぁあ・・・」

 

そして横なぎが当たったと同時にコマのように回転しながら倒れる

不安定なるコマ(アンバランス・スピニングトップ)!

 

シドも三連撃を食らいながら地面とキスする三角死の舞踏(トライアングル・ダンスマカブル)や腹を蹴られてのたうちまわるダンゴムシの最後(ローリー・ポーリー・デッドエンド)をぶちかまし見事にやられやくを演じた・・・

 

メガネ女子「弱すぎでしょ!」

 

やせぎす男子「テロリストの時はまぐれだったんじゃねぇか!?」

 

釣り目「逃げようとしたらたまたま庇っちまったとかな!」

 

完璧・・・このまま気絶したふりで医療テントに・・・

 

ローズ「何をしているのです!」

 

またもローズ会長が現れた!!?

 

シド(参加しなさそうな時間帯選んだのになんで!?)

 

アン(もうストーカーを疑うんだけど・・・)

 

私たちはそう思いながらもローズ会長の背中に隠れる。

 

細目女子「こ、これは修練を・・・」

 

ローズ「複数人で寄ってたかって・・・これのどこが修練ですか!!」

 

アン「ローズ会長~!」

 

ローズ「もう大丈夫です。心配しないでくださいね。」

 

こうして周りのヘイトを稼げたが・・・

 

ローズ「適切な距離から見守っていたんですが・・・」

 

アン「え・・・?」

 

ローズ会長がマジでストーカーと化していたことやマジで味方することが分かってしまいますます嫌なことになりそうな雰囲気が膨らんだのであった・・・



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バレンタインデーに感謝を

マスターオブガーデンのキャラストーリー風にしました。
マスターオブガーデンのバレンタインイベントの中の出来事です。



今日はバレンタインだ。私たちの教えた地球での行事もミツゴシ商会のおかげで一気に広まってる感じがする。

 

まぁ、この行事でいつも大変になるのはシドだ。何故なら・・・

 

アン「二人ともやっぱりチョコ作ってるんだ。」

 

ベータ「はい!ミツゴシ主催のチョコづくり大会にはシャドウ様も審査員としてでるので!」

 

イプシロン「負けられないんです!」

 

任務とかでの時はコンビネーション抜群なのにこの二人は変なところで意地を張り合うのよね・・・

 

アン「それは良いけど二人ともガンマからキャッチコピーと曲頼まれてるんじゃなかった?もう出来たの?」

 

ベータ・イプシロン「これは息抜きです!!」

 

できてないわね・・・

 

私は呆れながら二人を見ていると・・・

 

ベータ「あ、あの!」

 

イプシロン「ガーデン様は誰かに本命チョコを上げるとかあるんですか?」

 

こんなことを聞いてきた。

 

アン「本命チョコ?ないない。」

 

恋愛なんて陰の実力者に不要なものだからおかしいのよローズ会長やクレアさんになつかれている状況なのは・・・

 

ベータ「そ、それよかっ・・・いえ何でもありません。」

 

イプシロン「ガーデン様もきっと素晴らしい殿方に巡りあえるはずですわ。」

 

ベータ・イプシロン(ガーデン様がシャドウ様にチョコを渡したら太刀打ちできない!)

 

でもバレンタインって感謝を伝える日でもあるからな・・・バレンタインでみんなが色めきだってる中でボーとしてるのは陰の実力者としてもったいない!

ちょっと本気出しちゃおう・・・!

 

 

そうして私は準備を終えて買い物をした帰りにイベントをやってる会場を通ったんだけど・・・

 

アン「なにこれ・・・」

 

傭兵みたいなやつらが大乱闘を引き起こしていたのだ・・・

 

ローズ「アンさん!あなたもここに?」

 

シド「あれ?アン、見かけないと思ったら買い物帰り?」

 

まぁね・・・

私はシドに小声で聞く。

 

アン「あれって何?」

 

シド「多分、ミツゴシを敵視する奴らによるものなんだけど撃退しようと思ったらローズ先輩に連れられちゃって・・・」

 

なるほどね・・・

このままじゃ買い物の荷物に影響が・・・

 

傭兵「ひゃはー!これでも食らいな!」

 

やっぱり案の定手りゅう弾が!こうなったらバレンタイン限定のモブ式奥儀で行きますか!

 

アン「人の恋路を邪魔するな―!!」

 

どこっ!

 

ローズ「えっ!?」

 

シド「手りゅう弾を蹴り飛ばした!?」

 

アン「あれ・・・今私何を・・・」

 

ローズ「そうか!アンさんも色めく乙女!身体能力が一時的に上がったのですね!」

 

これぞ限定モブ式奥儀恋する乙女は無敵突発回し蹴り!

 

そうして蹴り飛ばされた手りゅう弾は・・・

 

ドガ―ン!!

 

傭兵団「ぎゃぁあああ!」

 

狙い通り傭兵団の中心で爆発!

 

ベータ(流石はガーデン様!)

 

イプシロン(このまま一気に制圧する!)

 

こうしてベータとイプシロンが素早く制圧、そしてガンマが事態を丸く収めたことでこのイベントは終了したのだった・・・

 

 

 

その後・・・

 

シド「いやー怖かったねアルファ・・・」

 

アン「慕われてるってことでいいじゃん。」

 

ベータとイプシロンの勝負はアルファが嫉妬して二人に一喝したことでお開きとなった・・・あの時のアルファの声怖かった・・・

 

シド「皆のチョコ美味しかったけどもうしばらくチョコで悩みたくはないかな・・・」

 

まぁそうよね・・・・

 

アン「そういえば何で私が買い物してたかわかる?」

 

シド「?そういえばしてたね。何で?今だって君に言われたからついてきてるけどどこに向かってるの?」

 

アン「じゃじゃーん。バレンタインデーに陰の実力者として過ごすために色々考えてたの。」

 

シド「おぉ、凄い景色・・・」

 

そうそこは山小屋で中は私が綺麗にしていてシドや私の部屋の装飾や個人的に盗賊から狩った美術品を並べてある。

そして窓にあるのは町を一望できる美しい夜景だった。

 

アン「今まで孤独に陰の実力者を目指してたからシドと出会えて本当に良かったと思ってるの。だからこうして陰の実力者が感謝を語り合うのにふさわしい場所を整えてたんだ。」

 

シド「凄いね・・・僕の物も使われてるのは今は不問にするレベルでいいよ・・・」

 

ガーデン「シド、いえシャドウ・・・これからも我が目的のためにともに約定を果たしましょう・・・」

 

アンはガーデンに変身していった。

 

シャドウ「ふっ・・・こちらこそ振り落とされない盟友を持ってありがたい限りだ・・・」

 

シドもシャドウに変身して感謝を述べた・・・

 

ガーデン「では私の作った料理に舌鼓を打ってもらいましょうか・・・」

 

シャドウ「ふっ・・・楽しみだ。」

 

こうして私たちは夜景の中で食事を楽しむのだった・・・

 

 

 

 

 




途中から見てた人たち

アルファ「流石ガーデン・・・感謝のしかたもスマートだわ。」

ガンマ「最高に大人っぽいですわ!」

イータ「マスターの料理最高・・・いい匂い。」

ゼータ「主って器用だよね。」

ベータ・イプシロン「こんなの勝てるわけないじゃないですかー!!」



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陰の実力者はカウンセラー

カゲマスのクレアのキャラストーリーを参考にします。


無法都市の一件が終わってからしばらく経ったころ私とシドはひそかに心配してることがあった・・・

 

シド「姉さんあれから大丈夫かな?」

 

アン「特別な力とか言ってたもんね・・・中二の年齢じゃないけど遅れてる分厄介かもしれないわよ・・・」

 

しかもクレアさんみたいな性格の場合放っておくと機嫌が悪くなるし・・・

 

シド「少し様子を見に行こう・・・」

 

アン「賛成。」

 

そうしてクレアさんの部屋に行くと・・・

 

シド「姉さん入るよー・・・」

 

クレア「来ないで!」

 

アン「きゃっ!?」

 

クレア「私には近づかない方が良い・・・」

 

あの包帯にその言葉を大声で言う・・・まさにあの病の典型的な症状じゃない・・・

 

クレア「こんなことを言ったらおかしいと思われるかもしれない・・・でも二人には言わなきゃって思うの。私、自分の中に自分じゃない誰かを感じているの・・・!今はまだほんの些細な感覚だけど・・・もしもそれが二人を傷つけたりしたら・・・」

 

そういう設定なんだ・・・あのときのヴァイオレットさんの仮装もそれが原因かな?

 

シド「一瞬の気の迷いと思いたかったけどまさかここまでガッツリとは・・・」

 

まずは普通に受け答えしておきましょう・・・

 

シド「そっかー・・・それは心配だね。」

 

アン「クレアさんがそこまで言うなんてよっぽどなのね。」

 

クレア「今ので確信したわ・・・やっぱり私は普通じゃないのね・・・」

 

シド・アン「え?」

 

クレア「私を傷つけないように平静を装ってるんでしょう?自分がどれだけおかしいことを口走っているのか身に染みたわ・・・私はもう他の人とは違う・・・」

 

シド(そうとっちゃったかー・・・)

 

悪化した・・・かなりシリアスな設定なのね・・・ここでこういうドライな対応をするとプライドを傷つけかねない。かといって設定に沿って普通じゃないって言ったら疎外感を植え付けて怒らせてしまう・・・つまりこのときの方程式の解は・・・

 

シド「姉さんは姉さんで他の人なんて関係ないよ・・・」

 

アン「そうですよ。クレアさんは私の友達。おかしいなんて言わないでください。」

 

クレア「二人とも・・・」

 

心から信じ心配する弟と親友アタック!さぁ!どんな反応を・・・

 

クレア「ありがとう・・・そのとおりね。」

 

よし!正解だった・・・

 

クレア「でもどうして私だったのかしら・・・何故私は選ばれてしまったの・・・ただ守りたかっただけなのに・・・」

 

まだ続いてた・・・しかも一掃シリアスになってる・・・

選ばれたヒロインモード・・・それならこれね。

 

シド「何かもしれんなんじゃないかな?」

 

アン「そうですよ!クレアさんは私の憧れなの!強いから試練も困難になってしまう・・・そういう理なんですよ。世界は・・・」

 

クレア「そっか・・・そうだといいわね!これでアンタたちを・・・くぅ!?また手が・・・!こんな時に・・・」

 

シド「だ、大丈夫!?」

 

アン「医務室行きましょうか?」

 

なるほど・・・包帯の下にある何かと戦う・・・テンプレね。とすれば・・・

 

シド「これ以上は近づかない方が良いんだよね・・・」

 

アン「でも私たちは信じてますから!」

 

クレア「待って!そんなんじゃ・・・」

 

私たちは素早く立ち去る・・・

 

クレア「そうよね・・・二人を傷つけるくらいなら・・・ん?ドアの外に包帯とサンドイッチ・・・二人が?」

 

よし・・・こういう発作が起きたときはアレコレ言葉を尽くすよりさりげない心配が一番。

 

アン「しっかし私たちのケア完璧すぎない?心療内科とかになれたりして!」

 

シド「ふっ・・・人の心の海に潜る陰の実力者・・・いいかもな。」

 

私たちはクレアさんを見ながらそう思うのであった。



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西野アカネのもう一人の友人

今日はアンの前世を書いてみます。


sideアカネ

私、西野アカネには友達がいる。家が同じお金持ちということで仲良くなったのだが成績はちょっといいくらい、運動も深窓の令嬢というわけでもなくそこそこ、クラスの上位のカーストとも話すくらいはするそんな子だ。名前は庭野 杏子(きょうこ)私は今日も杏子と一緒に登校した。そうしていると私の嫌いな影野実が登校してきた。

 

影野「おはよう、西村さん。」

 

西村じゃねぇ!西野じゃ!

私は拳を叩き込むたい衝動を抑えながらほほ笑んでいると杏子が話す。

 

庭野「影野君。西村じゃなくて西中さんだよ。」

 

アンタも間違えるんかい!一緒に車登校してるだろうが!

 

これがいつもの朝の光景、流石にゴールデンウィークあたりには二人に修正を入れたのだが・・・

 

西野「あの。二人とも私、西村でも西中でもないんだけど。」

 

影野・庭野「え?」

 

西野「私の名前は・・・」

 

影野「あぁ。待って君は確かネームドキャラだ。うっかりしてたよ。」

 

庭野「私もごめんね!いつも並んでるのに・・・えーっと、西巻さんだよね!」

 

影野「え?西谷さんじゃないの?」

 

西野「・・・西野よ。私の名前は西野アカネ。」

 

その翌日にはまた同じ間違いに戻ってて流石にムカついた・・・

この二人にはなんだか似通っているところがあった。

 

杏子は表面上は私と仲良さそうに話してくれてるけどそれは仮面で実際は隠れ蓑のように思われているのが嫌いだった。

影野君だってそうだ。彼の目は私を見ているようで見てない。それが分かったときこの二人が苦手になった。でもお金持ち同士ということで普段は穏健に過ごしたかった私も彼女とのこの関係を断ち切れずにいた・・・そうしてある夜私は一人で下校していたのだが・・・

 

チンピラ「大人しくしろ!」

 

西野「うっ・・・」

 

私の家がらみで誘拐にあってしまった・・・

 

チンピラ「さぁ~て誘拐状も送ったし大人しくしてろよー!」

 

西野「うぅぅぅ・・・!」

 

さるぐつわをされてもうだめだと思ったその時だった!

 

ガシャンっ!ドガンっ!

 

廃倉庫の天井と壁が破壊されて男女が現れた。

 

チンピラ「誰たお前ら!」

 

スレイヤー「僕か?僕はスタイリッシュ盗賊スレイヤーだ。」

 

ウォーリアー「私は女性の敵を成敗するビューティーウォーリアーといったところね。」

 

そうしてチンピラたちが襲い掛かるが・・・

 

スレイヤー「遅いな、隙だらけだ。」

 

ウォーリアー「アンタには発頸をお見舞いしてあげる。」

 

チンピラ「はぐっ!?」

 

チンピラ「ごふっ!」

 

拳を叩き込まれた二人は完全に伸びてしまった・・・

 

軍人「その動き・・・素人じゃねぇなお前ら。」

 

女軍人「けど元軍人の私たちには敵わないわ。」

 

スレイヤー「丁度いい軍人とは一度やってみたかったんだ。」

 

ウォーリアー「これを使う相手ということね。」

 

そうして二人が取り出したのはスレイヤーがバール、ウォーリアーがスコップだった!

 

軍人「バカにしてるのか!」

 

女軍人「修理やガーデニングならよそでやりなさい!」

 

二人はナイフを出して突っ込んでいくけど・・・

 

ガキンっ!

 

軍人「何ッ!?」

 

二人は完全にいなしてみせた。

 

スレイヤー「バールはいいぞ元軍人。頑丈で壊れにくい、どこにでも売ってるし、持ち運びしやすい。なによりトンファーとして扱うこともできる。」

 

ウォーリアー「それを言うならスコップもよ。防御にも攻撃にも使えるし刺突も可能。さらには手入れがあまり必要ないの。」

 

女軍人「確かにいい武器だが体格差はどうしようもないでしょ!!」

 

二人は重い攻撃によって吹き飛ばそうとするが・・・

 

スレイヤー「ウォーリアー、僕がバールに見出したのはそれだけじゃない、バールはな・・・」

 

ウォーリアー「私だってそうよ・・・シャベルはね・・・」

 

軍人「思い出したぞ!夜な夜な暴走族をバールで蹴散らすバーサーカー!」

 

女軍人「私も思い出したわ・・・ストーカーやしつこいナンパをスコップで蹴散らす女のダークヒーロー!?」

 

スレイヤー「普通に殴った方が強いということだ!」

 

ウォーリアー「シャベルは土を相手にぶつけられて目くらましにも便利なのよ!」

 

その瞬間スレイヤーはバールをL字の角で盛大に軍人を殴り。ウォーリアーも喋るで床の割れたタイルを女軍人にぶつけた!

 

女軍人「きゃっ!」

 

軍人「ぐぉぉぉお!?」

 

そして後はスレイヤーはバールで蛸殴り!ウォーリアーはスコップで盛大に女軍人の胸を突きまくった!

 

スレイヤー「ウォーリアー・・・今回は共闘することになったが次はわからんぞ。」

 

ウォーリアー「そうね、次に遭ったときは敵か味方か楽しみにしておきましょう・・・」

 

そうして私は彼らに助けてもらったのだった・・・

 

翌日、私は両親に心配されながらも登校した。

 

西野「おはよう、影野君、杏子。」

 

影野・庭野「おはよう、西野さん。」

 

名前を呼んでもらえた。そして目線もこっちを見ている気がした。

そしてあの声・・・

 

西野「まさかね・・・」

 

けれど二人の仮面の中を知りたくて二人ともっと話そうと思った。

 




杏子ってあんことも呼べるのでそうしました。


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悪い奴の話を聞いてみた。

カゲマスのシャドウのキャラストーリーからです。


noside

深夜の森に閃光と弓矢を轢く音が鳴り響いていた。

 

ギギギ…ガスッ!

 

教団員「げぼっ!」

 

教団員「み、眉間を立った一発で・・・」

 

教団員「男の方の剣も凄いぞ!?」

 

教団員「慌てるな!相手はたったの二人!しかも一人は明らかに支援に徹している!隊列を乱すー・・」

 

シャドウ「遅い。」

 

ズバッ!

 

ガーデン「動き回っても無駄よ。」

 

ドスッ!

 

教団員「ぎゃぁ!」

 

教団員「ひぎゃ!」

 

闇夜に紛れ男は暗躍する、影が通った後には無数の骸が重なっていた。女の方も気の上から男の隙間を縫う形で気ままに弓矢を放っているがその精度は敵が躱せるものではなかった。

 

ガーデン(ふふふ・・・ベータのマネして弓矢で戦ってるけど結構面白いわね。スライム弾にはないスナイパーのロマン・・・まさにロビンフットになってるような感覚だわ)

 

ガーデンはそう思ってほほ笑んだ。

 

教団員「くそっ!どうして作戦がバレて・・・」

 

当然バレてはいない、無法都市に帰った後にシャドウの欲求不満を解消するため盗賊狩りをしようとしていたら丁度良く通りがかった、それだけだった。

 

シャドウ「お前で最後だ。」

 

ガーデン「死ぬときはいつでもあっけのないものよ。」

 

教団員「貴様たちよくも同士を・・・お前たちの目的はなんだ!」

 

シャドウ「目的?そんなのは決まっている。」

 

ガーデン「貴方たちの殲滅、それ以外ないでしょ?」

 

教団員「我らの殲滅!?何様のつもりだ!それにそんなことお前たちに何の利益が・・・もしかして金で雇われているのか?それならいい値で雇ってやるからな?」

 

ガーデン「滑稽ね。我らは正義でもなければ悪の刃でもないわ。」

 

シャドウ「それに初めからやらなければいいだけのこと・・・」

 

教団員「くそ・・・」

 

シャドウ「我らの道はそれを使命としていた。そして相手がお前たちだった。それだけのことではないのか?」

 

ガーデン「じゃあなぜあなた達はディアボロス教団として活動しているの?」

 

教団員「そりゃ色々だな・・・研究が面白いから。報酬が良いから、それに暴力が正当化されるのが最高に楽しいからとか・・・」

 

シド(なるほどね・・・悪い奴の考えを聞いたことはなかったけど普通のサラリーマンみたいなことを言う奴もいるんだなー)

 

アン(暴力はあれだけど大組織に属せばそれだけできることが増えて欲求が満たされるそういうことよね。)

 

シド(見方を変えれば僕たちも同じだけど悪を殺すための殺人は多少正しく見えて正義って勘違いする人もいるよね。)

 

アン(自分のやりたいことをやってそれを正義と思い込むことでどんな道でも進める・・・恐ろしい話ね。)

 

シャドウ(目的のためなら手段は問わなくなってしまう。それは実に滑稽な・・・)

 

そうして二人が考えている間に・・・

 

教団員「今だ!死ね!」

 

敵は襲い掛かったが・・・

 

ズバッ!バシュっ!

 

既に首は手刀で飛んでおり剣を振りかぶろうとした腕には矢が突き刺さっていた・・・

 

シャドウ・アン「話だ・・・」

 

あたりには静寂が訪れていた・・・

 

シャドウ「目的のために手段は問わないそれは実に人間らしい、そして僕も陰の実力者になるために手段を選ぶつもりはない。」

 

ガーデン「せっかくの転生、せっかくの魔力なんだし楽しまないとね。さっきの話も中々良かったし。」

 

そうして二人は夜の中歩きだしたのだった・・・

 

ガーデン「ところでまだ怒ってる?」

 

シャドウ「・・・・」

 

ガーデン「お願い許してー!次のイベントでは譲るから―!」

 

この件でガーデンはミツゴシ商会と大商会連合の時サポート役のメイド役になりことになるのはまた別の話・・・



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クレアと買い物

キャラストーリー参考のものです。


sideアン

それはとある昼下がりのこと・・・

 

クレア「そろそろ手紙だけじゃ味気ないかと思ったのよ。」

 

シド「そうだねー・・・」(棒読み)

 

アン「クレアさんは親孝行者ですねー」(棒読み)

 

クレア「仕送りというか・・・王都に何かいいものでも送ってあげたいじゃない?」

 

シド「うん、賛成するよー・・・」

 

クレア「何よ、そのやる気のない返事は!アンも!手紙ちゃんと親に出してるの?」

 

シド「姉さんが無理やり引きづって行こうとするから首が締まってるんですけど。」

 

アン「手紙は書いてるし私はそれで満足なんですよ。」

 

クレア「アンタたちが私の顔見るなり逃げようとしたからでしょ?アンも私のような親孝行する友達を見習って孝行しなさい。」

 

なんて暴論な・・・

 

クレア「行くわよ!」

 

なんで引きづるんですか・・・

 

アン「ここって・・・ミツゴシ商会?」

 

シド「そういえばファンって言ってたっけ・・・」

 

クレア「そう!お高めだけどおいてる商品は見たことないものばかりなの!」

 

そうして私たちは中に入る・・・

 

クレア「相変わらずシャンデリア凄いわね・・・」

 

アン「クレアさん、田舎者丸出し・・・ぐえ。」

 

クレア「何か言った?」

 

シド「今のはアンが悪い。」

 

そんな・・・

 

クレア「この辺りはアンティーク調の調度品ばかりね。このランプとかどうかしら?」

 

シド「母さんが好きそう。」

 

アン「自画像の額とかクレアさんのお父さん喜ぶんじゃないですか?」

 

ナルシストだし。

 

クレア・シド「確かに・・・」

 

そうして決めていると・・・

 

ガンマ「おめでとうございます!お客様方!」

 

ガンマ・・・何故・・・

 

ガンマ「実はミツゴシ通産100万人目のお客様でございまして・・・つきましては特別サービスをさせていただきたく。どうぞこちらに。」

 

ガンマ・・・やっぱりそうするわよね・・・

相変わらずVIPルーム豪華だな・・・

 

クレア「ウェルカムドリンクも美味しいわ。」

 

アン・シド「そうだねー・・・」

 

ガンマ「こちら高級品のみを取りそろえたカタログよりお好きな商品をお選びください。感謝の品として提供します。」

 

クレア「素敵なサービスじゃない!ね、二人とも。」

 

あはは・・・そうしてクレアさんは商品の高級さに驚きながら私の分も選んでくれた。

 

クレア「貴方の親ならこれとか良いんじゃない?」

 

アン「あ、ありがとうございます。」

 

なんだかんだで面倒見はいいのよね・・・

 

クレア「そうだ!衣服類であんたに似合いそうなものがあったから試着させてもらいましょう。当然荷物持ちはシドで!」

 

シド・アン「えぇ!?」

 

こういうところさえなければいいんだけど・・・



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二章
無法都市最高!


sideアン

ブシン祭はクレアさんの優勝で終わったその数日後、クレアさんの優勝祝いをやった次の日に私たちは無法都市に引っ張られていた・・・

 

クレア「ここに連れてきたのは貴方たちの将来のためでもあるのよ。」

 

シド「僕たちの?」

 

クレア「私の後ろで言う通りにやってれば卒業後は王国の騎士団にねじ込んであげるわ。」

 

公務員になるための実績作り・・・クレアさん私たちに干渉しすぎでは・・・接し方間違え方かな・・・

 

ド田舎の実家はお互いクレアさんやお兄様が次いでくれるから私たちは何かの仕事に就くことになるんでしょうけど・・・・

 

アン「門番とか牢屋の番人とかじゃダメなの?」

 

クレア「ダメよ。ブラックだし牢屋の番人なんてクズのやる仕事なんだから。そんな出鱈目言ってごまかすのはやめなさい。」

 

シド「なんでそうなるかな・・・まぁ、いいけど。」

 

クレア「良くない・・・!良くないのよ・・・!」

 

クレアさんなんか怖いんですけど・・・本当に私たち何かしました?

 

その後なんかブシン祭で見たことのある奴隷をスルーしながら私たちは宿に放り込まれた。

そうして

私たちはこっそりと町を散策することにしたんだけど・・・

 

シド「迷った。」

 

アン「迷っちゃった。」

 

まぁ、慌てても仕方ないしシドはハンバーガー、私はポテトを食べながら会話する。

 

アン「おぉ、ここにも張られてるわよ。私たちとローズ先輩の手配書。」

 

シド「そうだね。目立ち過ぎた反省の証だ。」

 

ローズ会長今頃ラムダにしごかれてるんだろうなぁ・・・私は見た感じの地獄の特訓を想像しながらポテトを食べる。

 

通行人「おっとごめんよ。」

 

通行人はシドにぶつかるとそこから財布を抜き取る。

けれどシドはそのほんの少し後に相手の財布をすり返した。

 

アン「流石ね。シド、因果応報を体現してる。」

 

シド「すられたらすられる覚悟をしないとね。」

 

そうして私たちは財布をドンドン擦っていった。

 

アン「歩いてるだけで資金が手に入るんだからここは天国ね。」

 

シド「もう永住しようかな。」

 

そうしてほくほく気分で歩いているとボコボコにされてるグールの姿があった・・・

 

シド「あれが吸血鬼の手下か・・・」

 

アン「なかなか根性のある人たちね・・・それにシド見て。ガンマたちのこの間話したときにも出てた赤い月。」

 

シド「本当だ・・・それに魔力の波が・・・」

 

するとグールはドンドンと凶暴化していき町の人間を襲い始めた。

 

アン「まさかのバイオハザード展開になってきたわね。」

 

シド「赤い月が町中の魔力を活性化させているんだろうね。」

 

ふっ・・・ミステリアスな美少女を演じてみるのもいいかもね・・・

 

アン「シドもミステリアスにやってみない?」

 

シド「そうだね・・・やってみようか。」

 

そうしてグールが迫って来ていたその時だった。

 

メアリー「伏せてなさい!」

 

なんと赤い髪の女の人が全員斬り伏せてしまった・・・

あぁ・・・ミステリアスシーンが・・・

 

シド「君は?」

 

メアリー「私の名はメアリー、最古の吸血鬼狩りよ。」

 

さ、最古ですって・・・!

 

メアリー「死にたくなければ逃げろ・・・暴走が始まる。月が赤い・・・もう時間がない・・・!」

 

あぁ・・・あぁあ!

 

そうしてメアリーさんが飛び去って行ったとき私たちは同じ高揚感を得ていた・・・!

 

シド「行くとしようか・・・我が同氏よ。」

 

アン「えぇ、月が赤い私たちにとってはそれだけでも世界は動き出そうとしているのだから・・・」

 

私たちはシャドウとガーデンになり町の人たちを助けて回る・・・そして吸血鬼がいるであろう紅の塔に侵入するのであった・・・

 



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女の荷物は男が持つのが世の常なり

sideアン

私とシャドウは塔を上りながら途中で痩せ男を切り刻み大男を蹴り飛ばしながら宝物庫にやってきた。

 

シャドウ「途中に姉さんがいた気がしたけど・・・」

 

ガーデン「うん、あとあのセリフ言ってたお姉さんもいた気がしたけど・・・」

 

自己責任よね。それよりも・・・

 

ガーデン「この宝物庫!なかなかの名品ぞろいね!」

 

シャドウ「あぁ・・・心が満たされる・・・」

 

見てみて!この絵!幻の名画「ヒマ・アリ」よ!欲しかったのよね・・・!

 

シャドウ「絵画は僕のモンクの叫びで間に合ってるでしょ?」

 

ガーデン「私は彫像しか持ってないから欲しいの!」

 

シャドウ「かさばる奴なんて持っていけないよ?この後最強の吸血鬼の戦いが・・・」

 

ん?何言ってるの?

 

ガーデン「女の荷物は男が持つのが世の常だよ?シャドウ君?」

 

シャドウ「・・・何を言ってるのかな?ガーデンさん・・・?」

 

シャドウ・ガーデン「・・・・」

 

シャドウ「・・・マジで?」

 

ガーデン「当たりまえよ。というわけでクレアさんが来る前に私がイベント独り占めしまーす!!」

 

シャドウ「裏切りものー!!」

 

シェリー先輩と恋愛フラグを立てておいて先に裏切ったのはどっちよバーカ!!

 

私は瞬足で頂上にたどり着き・・・

 

クリムゾン「再び世界を血の夜に染めましょう・・・さあ!復活を・・・」

 

私はハイテンションのままにケラウノスを突き技を放ち前方に閃光の柱を作り出した!

 

ガーデン「覚醒の時は近い・・・暴走が始まる。」

 

ありゃ?いない・・・

 

ガーデン「ま、まさか集団バトルでボスはいない系なの・・・」

 

これもシャドウを裏切ってプレイに行った罰とでもいうの・・・

 

そう思っていると・・・

 

シュッ!!

 

ガーデン「良かったいた・・・」

 

眠たそうな目で血の触手を繰り出す女性がいた。

 

エリザベート「・・・・」

 

ガーデン「なんかヴァイオレットさんと戦い方似てるわね。」

 

私は一足で剣の間合いに侵入して体を両断するが・・・

 

エリザベート「・・・」

 

心臓を切るには至らず血の雨が降り注ぐ。

 

ガーデン「ちょっとちょっと!貧血は大丈夫なのかしら?」

 

noside

 

クレアとメアリーが到着したころにはすでに戦いは始まっていた。

 

メアリー「あれがガーデン・・・エリザベート様と互角に渡り合っている・・・」

 

クレア「それよりもシドとアンはどこなの!?」

 

クレアは意識をシドとアンを探すことに集中していた。だから気づかなかった・・・

 

どしゅっ!!

 

クレア「え・・・」

 

メアリー「クレア!?」

 

戦いの余波がここまで来ていて血の雨の一部が自身に降り注いでることに・・・

 

sideガーデン

 

私たちはさらに戦いを劇化させていた。血の女王は吸血鬼の癖に低血圧らしくだんだん魔力を上昇させていき霧になったりして器用によけ始めている。

 

ガーデン「戦いが経過するごとに魔力上昇・・・まさしくボスに相応しいわね。」

 

私がそうつぶやいているとどこからか血の弾丸が降り注ぎ血の女王に当たる。

 

ガーデン「ヴァイオレットさん?」

 

振り返ってみるとクレアさんの服を来たヴァイオレットさんと驚いた顔をしているあのメアリーさんにいつの間に来ていたのかベータと新人であろう二人、ローズ先輩も来ていた。

 

ベータ「ガーデン様がんばってー!!」

 

ユキメ「ほんますごいお人やわぁ・・・」

 

やれやれ・・・ベータそれは主人公にする応援でしょ・・・でも凄さは見せつけられたしそろそろ終わりにしましょうか!

 

私は魔力を圧縮して懐に飛び込んだ!

 

エリザベート「素敵な淑女様。お名前をお聞かせ願えるかしら・・・?」

 

ふふふ・・・返しまで素敵だったわよ。敬意を表して・・・

 

ガーデン「シー・イズ・・・」

 

メアリー「待って!お願い!エリザベート様!!」

 

ガーデン「ヒーリング・タイフーン」

 

ずごぉぉぉぉぉ!!

 

大爆風とともに皆の傷。さらには吸血鬼の暴走状態を直したのだった・・・

 

ー数時間後ー

 

私とシドはクレアさんと一緒に帰りの電車に乗っていた。

 

シド「ずるいよアン。吸血鬼の始祖イベント、一人だけ楽しんで僕は宝物庫の荷運びなんて。」

 

アン「いいじゃない。おかげで金貨が全部運べて私たちの老後資産は完璧に整いつつあるわ。」

 

シド「300年生きる予定の僕たちにしたら全然足りないけどね・・・それに吸血鬼や悪魔憑きは直せても姉さんは・・・」

 

・・・・そう私たちは見てしまったの。少し前クレアさんが帰ってきたので迷子になったことを謝ろうと思ったのだが・・・

 

 

クレア「左腕がうずく・・・!やはり私には特別な力が・・・」

 

私たちはそっと扉を閉めた。そうクレアさんも患ってしまったのだ。

 

シド「包帯・・・魔方陣、腕がうずく・・・中学二年生の病気に・・・」

 

アン「けど否定してはいけない。その否定から子供は非行に走るのよ・・・」

 

するとクレアさんが話しかけてきた。

 

クレア「シド、アン・・・私ね、特別な力があるの。私はこの力を・・・」

 

シド「僕は姉さんがどんな道に進もうと応援するよ。」

 

アン「私たちのことは気にせず前に進んでください。」

 

クレア「ありがとう・・・」

 

そう、気にしなければいいのよ。これからどれだけの苦難が待ち受けていようとうずいてしまったものは仕方ないのよ。そうお金だって気にしなければいい。その気になればもう二つの塔から奪えばいいの。

 

シド・アン「何故なら無法都市は私たちの貯金箱なんだから・・・」

 

 



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スーパーエリートメイドが全てを破壊し創造する・・・

sideアン

今日はギュウとメー、ジャガとヒョロと一緒にマグロナルドを食べてたんだけど・・・

 

ヒョロ「このミツゴシブランドの服を着ていれば道行く女子たちの視線は俺たちの物・・・」

 

ヒョロとジャガはまたしてもドン引きな手法で女からの逆なんを狙っていた・・・

あのデザインはイータあたりかな・・・確かにブランド力は大事といったけどごり押しがすぎるデザインね・・・

 

シド「でもベータとイプシロンがいるからね・・・宣伝には事欠かないよね・・・」

 

アン「やりたい放題だよね・・・」

 

いつかしっぺ返しが来る・・・それを私たちは知っていた。私たちは吸血鬼騒ぎから数日後私たちはユキメに呼び出されてミツゴシと大商会連合がぶつかることを聞いた。そしてユキメは私たちに協定を持ち掛けてきたの!ユキメはわかってるわね・・・陰の実力者と組む有利さというものを!

 

バッタモンを掴まされて騒ぐ二人を背に私たちは歩き出す・・・

 

シド「行くぞ。失われたものを取り返しに・・・」

 

アン「ここからは私たちのターンよ・・・」

 

ギュウ「何言ってるの?二人とも・・・」

 

メー「夏の熱さをまだ抱えてるのかな・・・」

 

そうして夜になった時私たちはそれぞれ部屋でシドはユキメの営む雪狐紹介のスーツ、私はメイド服を纏いシドは仮面、私はスカーフを口に巻いてシェリーに秘密裏に開発させたカラコンで目の色を黄色に変える!

 

「「今宵・・・世界は我々を知る!」」

 

今日から私たちはスーパーエリートエージェントとそれを完璧に補佐するエリートメイドなんだから!

そうして私たちはユキメの指定した集合場所にたどり着いた。

 

ユキメ「ようこそ・・・シャドウはんにガーデンはん・・・」

 

シド「その名は捨てた・・・」

 

ユキメ「そうでありんしたなぁ・・・今はジョン・スミスはんとカレン・マルクスさんでありんした。二人が味方になってくれて心強いわぁ・・・」

 

ジョン「私にも利があった・・・それだけのことだ。」

 

ユキメ「あら?利だけの関係なんて寂しいと思いんせんか?」

 

カレン「色町だけでなく商会までやってるあなたがそれを言いますか?」

 

ユキメ「釣れないお二人・・・先日商会連合の集会がありんした。ミツゴシの包囲網を強化するとか・・・」

 

やっぱりね・・・

 

ジョン「そうか・・・」

 

カレン「けれど私たちの計画に変更はないということですよね?」

 

ユキメ「えぇ・・・漁夫の利を手に入れるということでありんす。気をつけないといけない男が一人。裏社会の剣豪・・・剣鬼 月丹。奴のことは知ってるでありんす。目的のためなら手段を択ばない危険な男・・・奴のことはわっちが必ず・・・」

 

ふふふ・・・敵もスパイものでありそうな敵・・・楽しみね。

そうして私たちの会議もお開きとなった・・・

 

昼は昼でガーター商会を中心とした商店街がバーゲンを開いたりと文字通り血で血を洗う販売抗争が繰り広げられている・・・

 

シド「ようするに彼女たちはやりすぎたんだ・・・」

 

アン「地元を無視した独占販売・・・おかげで下町の商店街からも目の敵にされている・・・」

 

ここまで恨みを買ってしまえばユキメの言う通りミツゴシの未来は危うい・・・

 

アン「そこで私たちの出番ということ・・・」

 

シド「全てを破壊し創造する・・・」

 

アルファたちを大商会が潰すなら私たちで大商会を潰す。そして更地となったところに私たちがユキメと私、シドプレゼンツの商会を立ち上げて彼女たちを取り込んであげる・・・すべてを知った時彼女たちは知るでしょう・・・これが最善だったということに。

 

ヒョロとジャガの買い物で紙幣が新しくなったことに私たちが気が付いた・・・

 

ジャガ「大商会連合が新しく紙幣を印刷したんですよ。」

 

アン「確かミツゴシも発行してたよね。」

 

シド「でもミツゴシの方が透かしが入っていて偽札が作りにくい・・・」

 

そういえば皆に紙幣のこととか信用創造のこと話したわね・・・

そうだ・・・思いついた!大商会連合の偽札を発行すれば・・・

 

シド「早速ユキメに提案だね!」

 

アン「さぁ!思い出しなさい私の頭脳!今こそ天啓を下す時!」

 

ヒョロとジャガのお金返しての叫びを聞きながら私たちは夜に信用創造の話をした・・・

 

ユキメ「しかし大商会連合のは王都にしか流通してないのだから出所を突き止められるしお小遣い程度にしかなりんせんよ?」

 

ふぇ!?

仕方ない…奥の手よ!私たちはユキメに圧力をかける!

 

ジョン「本当に・・・それだけだと思うか・・・?」

 

ユキメ「まさか・・・短期間で大量に作るとしたら当然バレる・・・そうして市民の耳に届いた噂は自分の財布の中身に疑問を抱いて紙幣の信用は崩壊する・・・なるほど、バレることこそ肝心ということでありんすか!」

 

アン「本当に・・・それだけだと思う!?」

 

ユキメ「はい・・・そう思いんす・・・」

 

ふっ・・・威厳を保ちつつさらにいい案を出させる。これぞ対話と圧力ってやつね。

 

ジョン「これで大儲けの算段はたったな・・・」

 

カレン「はい、まずは作戦発足を祝ってラーメンでも食べに行きましょう。」

 

そうしてシドとアンに戻った私たちはラーメンをすすりながらここまでの流れを振り返った・・・

 

シド「大商会連合とミツゴシ商会が争う中暗躍する妖狐ユキメとジョンスミス、そして補佐するエリートメイド。カレンマルクス。」

 

アン「彼女たちの狙いはかつて裏切った組織を救うというミッションだった・・・」

 

シド「カッコいい・・・」

 

「ボスたちおかわり!」

 

ん?何でデルタが・・・?

 

アン「何でデルタが王都にいるの?」

 

デルタ「二人とも狐臭いのです!」

 

シド「狐狩りをしていたから。」

 

協力というていでお互い色々するんだから間違ってない。

 

デルタ「今日は早起きして狩りをしていたの!」

 

シド「何を狩ったの?」

 

デルタ「アルファ様がそうしろって盗賊を狩ってたの!」

 

そういえば久しぶりにやってもいいけど・・・

 

アン「アルファからの用事は済ませたの?」

 

デルタ「あぁあー!」

 

やっぱりね。

 

アン「じゃあ用事済ませたらやってあげる。わかった?」

 

デルタ「わかったのです!」

 

そう言ってデルタは走り去ってしまった・・・

 

シド「アンってデルタ言いくるめるの得意だよね。」

 

なんか見てると実家で飼ってた猫を思い出すんだよね・・・

 

シド「猫飼ってたんだ・・・僕も犬飼ってたな・・・」

 

私たちは前世でのことを思い出して少しノスタルジーになった・・・

 

そうして翌日はデルタの要望通り地下水路にいた盗賊を狩っていた・・・

 

デルタ「がぁあああるあぁあ!!」

 

盗賊「ぎゃぁああ!」

 

デルタは基本的に待てができない。猟犬としては獲物を見つけてくれて大助かりなんだけど・・・

 

シャドウ「バトル要素がなくなるのがね・・・」

 

ガーデン「取りあえず大商会連合のお札はゲットね。」

 

するとバトルも終盤に差し掛かったころなんとデルタのお兄さんがいたんだけどデルタは容赦なく惨殺してしまった・・・

 

シャドウ「いいの?お兄さんなのに?」

 

デルタ「弱い奴は一族の恥なのです。」

 

ガーデン「そういうもの?」

 

デルタ「それに親父は部族の長で子供は1000人いるのです!」

 

なるほど。それなら絆とか希薄になってもしょうがないかも。

 

デルタ「減ったら増やす!それだけなのです!」

 

流石スケールが違う・・・

ユキメみたいな頭の良いのが少数なのがねぇ・・・

 

シャドウ「獣人の国・・・見に行こうかな。」

 

デルタ「いいこと思いついたのです!ボスたちが長になればいい!親父倒せば長になっていっぱい子孫産めば最強になれるのです!」

 

ならないわよ・・・

 

デルタ「ガーデン様が正妻でデルタが愛人一杯連れてくるのです。」

 

誘拐じゃん・・・っていうか私正妻なの決定なの?

まさかこのときはデルタこの信用崩壊で一番厄介になるとは思わなかった・・・

 

 




シドの名前が経済学者のアダム・スミスに似てたのでアンも経済学者のマルクスを苗字にしました。


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陰の実力者はエリートエージェントのサポートに徹したい!

sideアン

それから数日たったんだけどアレクシアがいきなり剣の稽古に誘ってきた・・・

 

アン「なんかすごく上手くなってたわね。」

 

アレクシア「なんか適当ね。」

 

だって私には凡人の剣とかわからないんだもん。そういうのはシドの専門分野だし・・・

 

シド「これからも伸びると思うよ。」

 

しっかし心境の変化か何かを掴んだのか・・・

 

アレクシア「でもまだ足りない・・・私には力がいるの。」

 

シド「へぇ~・・・」

 

アン「何で?」

 

アレクシア「ローズ先輩は一人で行ってしまった。国王を失ったオリアナは今大変なことになっているの・・・あの人は・・・仲間が苦しんでるのだから力が必要なの。」

 

案外心配ないかもよ?ローズ先輩は私たちが覇王にするからオリアナも何も心配いらないし。

 

アレクシア「私がこうしている間にも世界は動いている。立ち止まっていたらおいていかれてしまうの・・・私は傍観者でいたくない。」

 

シド「へぇ~・・・」

 

厄介な性格この上ないわね。対象の立場からしたら・・・

 

アレクシア「貴方たちがずっと気楽でいられることを願っているわ。」

 

なんか悪戯っ子みたいな笑顔で去られたんだけど・・・

 

そうして夜になるとユキメの部下が偽札完成の報告をしに来た。

私たちはこの日のためにユキメに偽札管理の地を紹介した。そう子供ころ皆で盗賊退治したオルバ領の地下が秘密基地っぽかったからって理由なんだけどここまで気に入られるとは・・・

 

ユキメ「ここで生産して無法都市に運び込む。そして流通経路を偽装してミドガルの王都へと・・・いかがですか。ジョンはん、カレンはん。原版の作成の時間をかけただけあってなかなかの出来でありんしょ?二枚の中でどっちが本当かわかりんすか?」

 

・・・・全くわからん!超強化の視力で違いはわかってもそもそも本物の特徴も私はまるで理解してないんだから!だからこういう時の対策は一つよ!

 

ジョン「ふっ・・・答えるまでもない!比べれば紙質がわずかに粗い、インクの滲みにも違いがあるな・・・印字の歪みに関しては説明不要。」

 

ユキメ「確かに・・・何度も確認したはずなのに・・・!」

 

カレン「説明は不要ですね?」

 

ユキメ「はい・・・こっちの精度の悪い方が本物でありんす。」

 

二択だったら外してた・・・

 

カレン「模倣を重視するあまり完璧に近づけてしまったようですね。」

 

ユキメ「盲点でありんした・・・」

 

ジョン「私たち以外に見破れるものはいないのだから。」

 

ユキメ「お二人にはかないんせん。早速流通を始めるけどその場合出所が探られるからその時はお二人が始末をお願いするでありんす。」

 

ふふふ・・・得意分野です!

 

ユキメ「ただ月丹だけは・・・!奴は全てを奪ったでありんす・・・だから今度は・・・殺すのは奪った後で・・・」

 

ジョン「好きにしろ・・・だが己の道を誤らないようにしろ。」

 

そうして流通させてしばらくして偽札を運んでいる列車の中に・・・

 

664番「目標を確認する・・・」

 

665番「はい~。」

 

666番「・・・私は。」

 

やれやれやっときたわね・・・

 

カレン「虫がかかりましたのでおびき寄せてまいります。ご主人様。」

 

ジョン「すっかりメイドキャラ板についてるね。」

 

さてやるとしますか!

 

noside

664番、665番、666番は列車の上から侵入しようとしたのだが・・・

 

カレン「ここはご主人様が旅行する列車です。アポイントメントは取ったのですか?」

 

三人「!?」

 

気配なくメイドが現れた!

 

664番「嘘っ!」

 

665番「まるで気配もなかった!」

 

666番「気を付けて!攻撃がくる!」

 

バキュン!!

 

メイドは銃を早打ちする。

 

664番「舐めないで!銃弾くらいなら!」

 

665番「待って!これ跳ね返って!」

 

666番「くっ!跳弾によって濃い弾幕になっている!」

 

そのメイドは走る列車にある崖や列車の屋根を使って跳弾を起こし三人を縫い留めていた。

 

カレン「我が主の準備が整ったようなのでご招待しましょう!」

 

三人「きゃぁああ!」

 

三人は動きを止められた間にメイドに胸倉を捕まれ一気に投げ飛ばされて糸の罠に放りこまれた・・・

 

ジョン「私のメイドのもてなしはどうだったかな?」

 

きゅるるる!

 

男は糸を操り三人を釣りし上げた!

 

664番・665番「くううう!」

 

666番「二人とも!」

 

カレン「ほう・・・私の投げから体制を立て直して躱した・・・なかなかやりますね?」

 

 

ジョン「さて・・・切符もないみたいなので私たちと踊ってもらおうか・・」

 

664番「戯言を!」

 

三人は素早く糸を切って抜け出そうとするが・・・

 

664番「な!刃が・・・」

 

665番「この糸硬すぎない!?」

 

666番「魔力で強化されているのか!何者だ!」

 

ジョン「ジョン・スミス、そしてこっちはメイドのカレン・マルクスだ。」

 

そう言い二人は糸を動かし銃弾を吐き出していく。

 

666番「糸にも銃弾を跳ね返らせて・・・!コンビネーションは抜群だな!」

 

カレン「くくり抜けますか・・・」

 

ジョン「自ら死地に飛びこんで相手の間合いを潰す・・・判断は正しい。だが・・・」

 

666番「うわぁあああ!」

 

ジョンは見えない細い糸を操り666番を完全に拘束。さらにカレンの跳弾数を多くした時間差の跳弾によって傷ついてしまう・・・

 

ジョン「最初に気づくのはお前たちだとわかっていた・・・」

 

カレン「しかしまだあなた達が知るには早すぎます。」

 

そうして三人は糸と蹴りによって列車へとはじき出された・・・

 

sideカレン

 

いやー初めてにしては戦い方バッチリだったわね!

 

ジョン「鋼糸に拳銃・・・なかなか戦い方としては渋かったしね!」

 

カレン「いやーそれにしてもローズ先輩もいたのには驚いたけど強くなってたわねアレクシアと比べても。」

 

ジョン「あぁ、これによって強敵と戦える・・・楽しみだ。」

 

台詞も完璧だったしね!



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陰の実力者はクールに部下の前から去ってみたい!

sideアン

ここ数日はゆるーく偽札警備にいそしんでいた・・・調査が来たとしてもほとんど大商会の雑魚ばっかりだしやっぱりシャドウガーデンのバチバチバトルは楽しかった・・・

 

ジョン「とはいえユキメへの知識アピールは大変だな・・・」

 

二人の記憶総動員してメモに書いてるからね・・・一人だったか完全に心が折れそうになっていた・・・

 

改めて同士の大切さをかみしめていると・・・

 

ジョン「来たか・・・」

 

アン「アポイントメントは・・・いやそもそも意味も理解してないお客様ですね今回は。」

 

そう列車と並走してきたのはアホの子でありシャドウガーデン最大戦力デルタだ。

 

カレン「大丈夫かな?匂い消えてるよね?」

 

ジョン「大丈夫だ、風呂に入って香水ぶっかけたからな!」

 

デルタの鼻はヤバいからバレないようにできるだけ対策は練っておいたの!完璧なはず!

 

そうしてデルタが襲い掛かってくる!

 

デルタ「ぐあぁあああ!」

 

相変わらず馬鹿力ね・・・窓を破ってとは暗殺の欠片もない・・・

 

キャンキャン!ドンドン!

 

鋼糸と銃で攻撃するもデルタは体操選手のような柔軟な動きで対処していく。

 

デルタ「うあぁああああ!」

 

ドガン!

 

空間を広くするためとはいえ貨物吹き飛ばしちゃったよ・・・

そして・・・

 

ジョン「頭上を取ったか・・・だが無意味だ!」

 

ジョンは瓦礫を操り、私は跳弾で対処した!

 

デルタ「ぐあぁあああ!」

 

そして列車が停止するころには拘束完了していた・・・

 

カレン「獣は地に伏せるのがお似合い・・・」

 

デルタ「・・・!?ボスたちー!!」

 

ええぇえ・・・

 

取りあえず私たちは話を聞くことにした・・・

 

ジョン「デルタはどうしてここにいるの?」

 

デルタ「狩りをしていたの!」

 

カレン「何を狩るように命令されたの?」

 

デルタ「ジョン・スミスとカレン・マルクス!は!?ボスたちがそうなら勝てない!アルファ様に伝えなきゃ!」

 

ジョン「それはダメだ。僕たちは秘密のシークレット任務中なんだ。」

 

デルタ「そうなの?」

 

カレン「そう、私たちにしかできない極秘中の極秘なの。だからデルタがアルファに話したら秘密じゃなくなって失敗してしまうの。」

 

ジョン「だから誰にも喋ったらだめだよ。」

 

デルタ「でもアルファ様の命令が・・・」

 

カレン「大丈夫、私たちの命令はアルファに怒られない命令だから。」

 

デルタ「そうなの!?」

 

嘘だけどね・・・アルファはそもそも商会のために命令したわけだから私たちのようなごっこ遊びとはわけが違うのよね・・・でもごめんね後で一緒に怒られてあげるから。

 

ジョン「任務をやったらご褒美あげるから。」

 

デルタ「ボスたちが何でもする!」

 

カレン「何でもはしないかな・・・」

 

怒られるときにその願いは消費されちゃうわけだし。

 

ジョン「そう、だな・・・ここから真っすぐいったら無法都市だけどそこに黒い塔があるんだけどそこにいる悪いオッサンを狩ってきて。」

 

アイツ盗賊の頭みたいだし邪魔されなくて一石二鳥だよね。

 

デルタ「おぉ、黒い・・・ジャガ。狩ってくるのですー!!」

 

そういって走り去っていった・・・

 

カレン「なんか間違えそうな気がするけど・・・」

 

ジョン「世界平和のための尊い犠牲だ・・・」

 

そうして最大の危機を躱すことはできたのだった・・・

 

私たちはそのまま警護を続けながらベータの定期報告を聞く・・・

 

ベータ「検問の設置が悪手で市場に悪影響が・・・」

 

しかしそれを元に私たちは必死にユキメに知的アピールのするためのメモの内職にいそしんでいた・・・

 

ガーデン(王都も夜になると冷え込むようになったわね・・・)

 

シャドウ(囲炉裏じゃなくてストーブも買うべきか・・・)

 

インフレーション・・・物価高・・・くっ・・・知識が足りない・・・

 

シャドウ「わからないな・・・」

 

ベータ「すみません!誤りが?」

 

ガーデン「いえ、そのまま続けて。」

 

ベータ「本日はもう一つ・・・報告が・・・ジョン・スミスとカレン・マルクスの対策としてデルタを派遣したのですが…彼女の消息は途絶えて死亡したと思われます。」

 

シャドウ・ガーデン「え?」

 

ベータ「え?」

 

やばい・・・なんか勘違いされてる・・・えーっと・・・

 

ガーデン「心配することはないわ。」

 

シャドウ「そう・・・少し遠いところに行っただけだ。」

 

ベータ「・・・!はいそうですね。二人はかなりの手練れです。シャドウ様とガーデン様に助力を願いたいのですが・・・」

 

ガーデン「悪いけどこっちも立て込んでいてね・・・」

 

ベータ「ご無理を言って申し訳ありません・・・」

 

さてそろそろ行かないと・・・

 

ベータ「あの・・・メモなのですが機密情報はすぐ処理するか暗号化しなければならない決まりでして・・・」

 

そういうと思ったわ。でも問題はない何故なら前世の言葉の中でも世界中の人が学習に時間がかかると言われた言語を使っているからね!

 

ベータ「この暗号は・・・!」

 

シャドウ「ひらがな、カタカナ、漢字、アラビア数字、ローマ字。独自に開発した五つの言語を用いている。」

 

そう!その名は日本語!!

 

ガーデン「教えて欲しいならこのメモを解読しなさい。開示しましょう叡知の一端をね・・・」

 

ふふふ・・・もちろんシャドウガーデンでの盟主アピールも忘れない・・・これぞスーパーエリートの流儀って奴ね!

 

そうしてベータと別れた私たちは列車に乗り込んで警護をする・・・

 

ナツ(ユキメの部下)「ジョン様、カレン様、大商会連合の検問に突入します。」

 

カレン「障害物・・・事故らせる気満々ですね。ご主人様お願いします。」

 

ジョン「よかろう。」

 

ジョンは鋼糸を使って障害物を撤去してそのまま列車を進ませた。

 

カレン「お見事でございます。ご主人様・・・!」

 

ジョン「来たか。」

 

アルファ「始めましてジョン・スミス、カレン・マルクス。そしてさようなら。」

 

ガキン!!

 

アルファのスライムソードとジョンの鋼糸が交差する。

 

ジョン「囮の糸も避けるか・・・」

 

カレン「でも追撃はまだあるわよ。」

 

ヒュン!ヒュン!

 

アルファ「跳弾も読めてるわよ!」

 

やるじゃん。

 

私たちは剣撃を糸や銃で受け止めることでしのいでいく。

 

アルファ(この動き・・・それにこの銃撃の精度・・・!まさか!)

 

アルファ「何故・・・どうしてあなたたちが!シャドウ!ガーデン!」

 

ふふっ・・・

 

ジョン「我が名はジョン・スミス。」

 

カレン「その名はとうに捨てているの・・・ごめんねアルファ。」

 

アルファ「なんで・・・デルタは!?どこにいるの!」

 

そりゃまぁ・・・

 

ジョン「遠いところに行ってもらった。」

 

アルファ「そんなんじゃ・・・・わからないわよ!!」

 

アルファ「貴方たちが分かっていても・・・私にはわからないしあなた達にできることも私にはできない!支えたいの!理解したいの!私を救ってくれたあなた達のために・・・貴方たちにとって私はもう・・・必要ないの?」

 

苦しいわね・・・でもそれもエリートエージェントの通る道。目的のためにかつての仲間を裏切り救う・・・それこそが。

 

カレン「今はまだい知らなくていい。」

 

ジョン「全てが終わった時に知るだろう・・・これが最善だったと。」

 

アルファ「・・・・私だっていつまでも足手まといじゃない!」

 

何かしてきそうだったので銃撃と糸で拘束しようとすると・・・

 

カレン「すり抜けた?」

 

ジョンがもう一度拘束しようとしても・・・

 

ジョン「すり抜ける・・・霧になっているのか?」

 

私たちは分析してるまに切られてしまう・・・

 

アルファ「全部喋ってもらうわよ!」

 

そうして刺突してくるけど・・・

 

バシッ!

 

ジョン「結局攻撃するときは実体化するわけだし攻撃を受けてからカウンタすれば間に合わなくなる・・・」

 

カレン「それに実はある女の影響で液体操作には凝ってるの!」

 

私もアルファの魔力波を真似て霧になる!

 

アルファ「なっ!そうか・・・貴方も悪魔憑きだから・・・」

 

カレン「霧同士なら普通に戦えるしね。」

 

ジョン「それに霧は室力が足りない!」

 

私が動きを止めてる間にジョンがとんでもない威力の掌底で空気を押し出してアルファを吹き飛ばした!

 

カレン「ちょっと!危うく私まで大気圏まで吹っ飛ばされるところだったじゃない!」

 

ジョン「そりゃ霧化なんて面白そうな技隠してたからね。」

 

やっぱり無法都市のことまだ怒ってる・・・

 

カレン「教えてあげるから許してー・・・」

 

そうして警護が終わってアジトに行くとユキメはすでに偽札を換金していた。

 

どこもかしこも金、金、金!

 

カレン・ジョン「すばらしい!」

 

ユキメ「これで大商会の金庫はからも当然。紙幣の信用崩壊もすぐでありんす。」

 

そこからトンずらね・・・

 

ジョン「そうね、偽札によって物価高もおきてるみたいだしな。」

 

私たちは練ってきたアピールをかましておいた。

 

するとユキメが過去を話してくれた。

獣人の国は戦乱の世でユキメの種族は巻き込まれてばかりだったらしい。そこでユキメの種族は婚姻によって同盟強化したらしいけど月丹に滅ぼされてユキメも傷を負ったらしいけど・・・

 

カレン「大狼族・・・?そういえば小さいころになんかそういう種族の盗賊の目をシドが獣耳の一部を私がぶった斬った記憶があるんだけど・・・」

 

ジョン「あれってローズ先輩の時に話しじゃないっけ?」

 

盗賊なんて今まで食べた枚数以上に覚えてないからね・・・

 

ユキメ「決着を来るでありんす。」

 

しかしここから波乱の幕があけることなど知る由もなかった・・・



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陰の実力者は盗人を蛸殴りにする

sideアン

私たちは最後の仕上げとして残党の始末に奔走していた!

 

ジョン「ヒャッハー!!」

 

カレン「全員額に穴開けてくださーい!!」

 

密偵「ぎゃぁあああ!?」

 

今日だけはワンオペのサビ残も全然苦にならない!ユキメの理由は復讐みたいだからね!

 

カレン「つまりあの金貨は全部私たちの物ということ!」

 

ジョン「ついに僕たちの夢!商業を影から牛耳る実力者ができる!」

 

そしてこの仕事も最終段階・・・大量に積まれた金貨を前にほほ笑むだけで仕事は完遂ね・・・そうして私たちが金貨の所に行くけど・・・

 

ジョン「な、ない・・・」

 

カレン「ど、どういうこと!?」

 

ユキメが持ち出したのか?それともベータたちが!?でもあんなに早く暗号解読できるわけが・・・(出来た。)

 

あれがないとミツゴシが助けられない!私たちが盛大に慌てているとユキメの部下、ナツとカナが現れた。

 

ナツ「ジョン様大変です!ユキメ様が姿を消しました!」

 

カナ「おそらく月丹かと・・・」

 

なるほど・・・あの敵役の・・・

 

ジョン「ふ、ふはははははは!!!」

 

カレン「悪役の癖に調子に乗り過ぎましたね・・・!!」

 

ナツ「す、凄い魔力放出・・・!」

 

カナ「これがジョン様とカレン様の実力・・・」

 

私たちは速攻で飛び出した!!

 

noside

 

ユキメは油断して深手を負わされてしまい月丹に追い詰められてしまっていた・・・

 

月丹「奪わなければあぁあ!」

 

そうして剣を振りかぶったその時だった!

 

ガキン!!

 

それを受け止めたものがいた・・・

 

ユキメ「ジョンはん、カレンはん・・・!」

 

月丹「まさか殺されにくるとはな・・・!!」

 

カレン「大丈夫でしたか。今治療します。」

 

カレンは新緑の魔力を使いユキメの傷を塞ぐ。

 

ジョン「大切な物を取り戻しに来た。奪ったのは貴様だろ?奪ったのは!!」

 

そこからジョンは糸の結界を張る!

 

月丹「ぐっ!糸の動きは読めている!」

 

カレン「ならなんで深く飛び込んでこないの?」

 

月丹「ぐっ!?」

 

糸は完璧な角度で張られていて踏み込むことが月丹にはできずにいた・・・

 

月丹「まだだ!!」

 

月丹は錠剤をさらに飲むとその身を狼に変化させるがもはやジョンにとってそれは関係なかった・・・

 

ズガガガガ!!

 

月丹「がばぁああああ!!」

 

拳によるラッシュ、もはや暴風と化したそれは再生能力などたやすく上回り月丹をぼろ雑巾にしていた・・・

 

ジョン「言え・・・!貴様には言うべきことがあるはずだ。」

 

ズガッ!

 

ジョンは構わず拳を落とす!

 

カレン「行ってくださいよ。そうじゃないと始まりもしないし終わりもしない。」

 

カレンも近づいて月丹を蹴る!

 

月丹「す、すまなかった・・・まも・・・りたかったもの・・・ユキ・・・」

 

そうして月丹はこと切れた・・・

 

ジョン「お前の想い、確かに託された!」

 

ユキメ「ジョンはん・・・カレンはん・・・貴方たちはやっぱり・・・」

 

カレン「さて、後始末をしないとね。彼に託されたものもあるし。」

 

ジョン「そうだな。」

 

そうして彼らはスコップを作り出して向かっていった・・・

 

sideアン

 

月丹をボコボコにして数日たったころ、私たちは彼の言う通り雪の下をほり進めていた・・・なのに何でかしら。金貨が出てこないのは・・・そしてユキメと連絡が取れなくなったのは・・・そしてなんで大商会だけ潰れミツゴシは無事なのかしら・・・

 

けど分かったことがある結局私たちはまた陰の実力者になれなかったということだ。

 

デルタ「ボスたち、穴掘り終わったら言うこと聞く?」

 

今は犬の手も借りたいということでデルタにも付き合ってもらっている・・・

 

アン「したっけ?」

 

デルタ「した!」

 

シド「デルタ、嘘はいけない。今ここにボイスレコーダーがあればデルタの嘘はバレてしまう。」

 

デルタ「?」

 

アン「影の兵器よ、音声を記録し嘘をたちまち見破る世界も滅ぼしかねない兵器ということ・・・」

 

デルタ「えぇ~!!」

 

シド「世界が崩壊したら嫌だろ?」

 

デルタ「でも言ったの~!」

 

分かった分かった・・・譲歩しましょう・・・

 

アン「私たちは自分探しの旅をするわ。それまでに決めておいてね。」

 

さて・・・旅の行先は・・・

 

アン「そうだ、オリアナ行こう。」

 

シド「京都みたいに言うね。」

 

だってローズ先輩を王様にするプレイが残ってるんだよ!

 

シド「まぁ、確かにそうだね。」

 

皆怒ってるだろうから冷却期間が必要なの・・・ミツゴシ無事だったしなんとかなるわ、きっと・・・

 

シド「謝らずにいればいい・・・何故なら僕たちは人間関係で最強の奥儀を見つけたから。」

 

アン「相手に抱かせるその感情の名は呆れ・・・そう赤ちゃんは何をやっても許される・・・つまりそういうことね・・・」

 

これぞモブ式究極奥儀!

 

「あ、こいつら何を言っても無駄だわ」の構え!

 

けどこれは勝利であると同時に敗北でもあるのだから・・・

そうして私たちはオリアナに向けて歩き出したのだった・・・

 




京都感覚でオリアナに向かうオリ主・・・やってみたかったので入れました。


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陰の実力者はメイド服を選びたい

sideアン

戦争が終わってしばらく経ったころ私たちはジョンとカレンの格好でミツゴシ商会に遊びに来ていた・・・

 

ガンマ「主様方・・・いつまで仮面とスーツ、メイド服を着ているおつもりですか?」

 

ジョン「いつまでとは決めていない。だがしばらくは着ているだろう。」

 

ガンマ「そんな・・・私は悲しいです。シャドウガーデンの主であるお二人が雪狐商会のスーツとメイド服を着ているなんて・・・率直に申し上げてそれは模倣品なのですよ!?」

 

カレン「わかっているわ。でもミツゴシは表、雪狐は裏の経済を支配するんでしょ?裏の姿であるならこれが正装なの。」

 

ガンマ「!?申し訳ございません、やはり深い意図があったのですね。ですがここで模倣品に負けては商人の名折れ!代わりのものを用意いたしました!スライム製ではない相応しいものに仕立てております。それを主様方に献上させていただきます。」

 

ジョン「なぜそうなる?」

 

ガンマ「ミツゴシ商会であればはるかに高品質のスーツと洗練されたコーディネートをご用意できるという自負があってのことです!」

 

うーん・・・私たちとしてはパクリでもいいんだけど・・・まぁせっかくくれるって言ってくれてるしお得よね。それにこれはユキメがコーディネートしてくれたけどこの世界のプロの技も見てみたいし・・・

 

カレン「わかった、お願いできるかしら。」

 

ガンマ「はい、お待ちください!お好みに合うのを!」

 

そうして数分後、

 

ガンマ「お待たせしました。」

 

ガンマが用意したものは多種多様でネクタイやピン、メイド服も似合いそうなモノクルやリボンなんかも用意されていた。

 

ガンマ「お好みのものはありますでしょうか・・・」

 

これは・・・

 

ジョン・カレン(全部が全部派手!!)

 

なんかスカート丈短いのもあるし色がド派手なものやフリフリが多いものがあるしこれじゃメイド喫茶のメイドじゃない!シドのものにしてもこれじゃ宴会の司会者でしょ!

 

ガンマ「こちらのスーツは金色の輝く刺繍をまんべんなく施し、シャドウ様の神々しさを表現しております。」

 

カレン「ぶふっ!」

 

ガンマ「こちらのメイド服は動きやすいように丈を短くして水色にすることでガーデン様の麗しさや透明感を表現しております。」

 

ジョン「ぶふっ!」

 

笑うな!

 

ジョン「全部却下だ!」

 

ガンマ「えぇ!?何故でしょうか!?」

 

カレン「確かにファッションとは十人十色探せばこれを好む人もいるかもしれない。けど私たちは違うわ。」

 

私が目指すのはスーパーエリートメイド・・・もっとこう・・・できるメイドっぽいもの・・・例えば王宮!アレクシアやアイリス王女に仕えるようなクラシカルな感じにしてもらわないと!)

 

ガンマ・・・アンタのセンスを信じるわ!

 

カレン「私が望んでいるのは王宮にいるようなクラシカルなメイド・・・そんな人に相応しいメイド服なの。」

 

ジョン「望むのは完璧のミッションをこなし功績を誰に語ることもない必殺の仕事人、それにふさわしいスーツだ。」

 

ガンマ「かしこまりました!必ず用意してみせます!」

 

任せたわよ・・・

 

そうして数時間後・・・

 

ガンマ「これなどどうでしょうか!きらびやかさが足りないと思いましたがこれなどどうでしょうか!」」

 

おぉ!流石ねガンマ!なかなかクラシカルな雰囲気が出てる・・・

あれ・・・シドのスーツの模様って・・・それにメイド服も白い生地のあるのって・・・

 

ガンマ「お気づきになられましたか!そう!シャドウ様のシルエットとガーデン様のシルエットをそれぞれ組み込んでいるのです!」

 

そう・・・

 

カレン・ジョン「却下だ。」

 

ガンマ「そんな!何故です!?」

 

ガンマ・・・自分の柄入った奴とか普通きたくないから・・・

改めて安物の魅力をかみしめる私であった・・・



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陰があるから光がある。

sideアン

冬も始まり雪が降るころ私たちはダッシュで国境を越えてこの宿屋兼酒場に滞在していた。

 

マリー「ごめんなさいね、こんなのしか出せなくて。高いものは兵隊さんがもってっちゃったから・・・綺麗な街並みも瓦礫の山・・・シド君にアンさんも巻き込まれちゃって災難でしたね。」

 

いや、むしろどんなムーブをしようかワクワクしてます。

 

マリー「私も最近ここを始めたばかりなんですが・・・」

 

さて、ローズ先輩を覇王にするために何をするべきか・・・

 

シド「・・・そもそもこのままでいいのかな?」

 

アン「?どういうこと?」

 

シド「これまで僕たちは色んなシュチュエーションで陰の実力者になるべくふるまってきたけど思い返せば明確な実力者像が無かった気がして・・・」

 

はっ・・・!?確かにその場に応じてアドリブだったわね・・・

 

アン「やっぱり目標を明確にしないとだめなのかしら・・・」

 

シド「このままでいいのかな・・・」

 

マリー「いいわけない・・・諦めちゃダメなんです。」

 

そうよね、諦めたらだめよね。

 

 

アン「まずは覇王ローズ誕生を練りこんでみましょう・・・」

 

シド「そうだね・・・」

 

そうして私たちは数日間情報収集に専念した結果色んなことが見えてきた。

まずオリアナ王国にはドエム派とかいう新興勢力と反ドエム派っていう保守勢力が対立しているらしい。派閥争い、戦争、それはもはやロマンの塊よね・・・私たちの悩みは薄れこうして朝食を待ちながら介入ポイントを考える余裕を与える・・・

 

シド「次期国王は今だ決まらずか・・・いっそ用意するのを手伝おうか・・・」

 

アン「そうよね。ローズ覇王をどう介入して用意するかがポイントよね・・・」

 

国王亡きあと派閥争いにゆれるオリアナ王国・・・それを収めたのはかつて国を追われて捨てられし少女と謎の実力者だった・・・歴史の陰に潜む実力者・・・今回はかなりかっこよくできそうね。

 

シド「フィクサームーブをぶちかませる!」

 

略奪者「集金の時間でーす!良い国民の皆さんは官軍を支援する義務がありまーす!」

 

マリー「そんな!持って行ったばっかり・・・」

 

・・・まさかこんな戦争テンプレがあるとは・・・これも初心に返るってやつね・・・

 

アン「きゃー!略奪者ー!?」

 

シド「ままま・・・待てー!!マリー・・さささんに手を出すなー!!」

 

シドは臆病者ムーブのため膝をキュっとしめ私は恐怖に震える女の子ムーブで手を組んで思いっきり斜め45度の角度に傾ける!

 

どこっ!ばきっ!

 

案の定シドはボコボコにされた・・・

 

マリー「シド君!もう無茶しないで!」

 

アン「すみません・・・私もなんとか抵抗しようとしたんですけど突き飛ばされて・・・お金持ってかれちゃいました・・・」

 

マリー「いいのよ。無法都市の娼婦でしたし・・・諦めそうになったけど助けてもらえたんです。君たちにも助けられちゃったね。」

 

そうして私たちは宿代免除に加えてモブムーブもできるというまさに一石二鳥をこなして出発したはいいものの・・・

 

シド・アン「はぁ~・・・・」

 

数日後の夜になるころにはすっかり挫折を味わっていた・・・

 

シド「なんだろうねこの徒労感・・・」

 

アン「まさか覇王プレイがこんなに難しいとは・・・」

 

まず私たちはローズ先輩と関わりをもつため収容所に潜り込んで前から一度やってみたかった囚人プレイを味わった。

先輩囚人に礼儀や金でなんとかできるというテンプレを教わりながらも先輩を脅して部屋を奪い生活、そして収容所に渦巻くスリル&サスペンスを味わいながら最後は爆破した収容所と無関係な囚人たちを背にしたり顔で歩くというエリート諜報員ムーブをやってのけたり・・・そしてその流れのまま義勇軍に参加して絶対勝てるっていう戦争でまさかの大苦戦、からの伝説の再現を模してシドと黒いバラ・・・もとい陰の操り人形で兵士を強化して大逆転劇をしてみたんだけどそのせいで美味しいところを持ってかれたりした・・・

 

シド「フィクサーっていうのはもっとこう・・・目立ちつつ目立たないで目立つっていう・・・」

 

アン「バランスの問題よね・・・」

 

そうして廃墟を歩いていると・・・

 

略奪者「やっぱりこっちについて正解だったな!山向こうの遺跡でデカいお宝があるとか・・・」

 

・・・そろそろ宿泊資金を稼がないとね。

私たちは早速略奪者を音もなく殺し最後の一人に情報を奪って殺した。

 

シド「欲しいものは殺して奪い取る。いいよね無法都市ルール。」

 

アン「だって私たちのものを奪えるのなんて私たち自身しかいないんだから!」

 

そうして私たちは略奪したお金を少しマリーさんの酒場に置いた後遺跡に向かうとなんか見知った顔がいた・・・

 

noside

559番は665番、664番を倒されながらも敵をほとんど倒したものの窮地に追い詰められていた・・・

 

教団員「だが魔力切れだな・・・手こずらせやがって・・・ローズオリアナも奪えたのだから私が・・・」

 

ドっ!

 

教団員「こふぇ・・・?弓矢・・・?」

 

その漆黒の弓矢に559番は見覚えがあった・・・それは崇拝する二人のうち一人の妙技なのだから。

 

ガーデン「年頃の娘たち相手に大人気のない連中だったわね。」

 

シャドウ「あぁ、全くだ。」

 

そしてもう一人の崇拝する人が青紫の魔力で三人を癒す・・・

 

665番「治ってる・・・」

 

664番「まさに奇跡だ・・・」

 

sideアン

 

お宝探して行ってみたらまさか見覚えのある子の以外な戦闘シーンが見れたわね・・・

確か彼女はウィクトーリアちゃん。私たちが長距離散歩していたところで遭遇してそのまま悪魔憑きを直してアルファたちに預けたんだっけ。虫も殺せなさそうなか弱い女の子でびっくりした。

 

ガーデン「無事だったかしら?」

 

女性の敵であるあのおっさんは私が首に穴をあけておいた。

 

559番「ご報告が・・・裏切り者、666番についてです。」

 

シド・アン(666番って誰?)

 

ガーデンの皆は七陰や一部を除いて社員番号で呼び合ってるみたいだけどそもそも私は600人も覚えられないわよ。

 

559番「彼女はお二人に相応しく・・・」

 

664番「彼女は母親を助けようとしただけです!」

 

559番「その結果、鍵が奪われました。」

 

なるほど・・・その666番がミツゴシの重要機密の金庫のカギを盗んだとかそんな感じね。

 

シャドウ「あれ?新聞?」

 

ガーデン「環境問題に配慮してないわね・・・ん?」

 

ローズオリアナ・・・ドエム・ケツハットと結婚・・・?

 

結婚・・・?け・・・結婚!?

 

バリバリバリ・・・・!!

 

シャドウ「バカな・・・!!!それであの時・・・!」

 

ガーデン「何で・・・なんで!あなたは父親を刺したというの!!」

 

559番「は~・・・!」

 

664番「す、凄い魔力・・・!」

 

665番「桁が違うよ・・・」

 

シャドウ「許さん!許さんぞローズ・オリアナ!」

 

ガーデン「期待を裏切るなどあってはならない!!」

 

私たちはその場からお城まで弾丸のような速さで飛ぶ!

 

シャドウ「ローズ先輩・・・君はなんのために父親を殺したんだ・・・覇王になるためじゃないのか!今更諦めて結婚なんて!!」

 

ガーデン「光があるから陰が際立つ!あなたが必要なのよ・・・ローズオリアナ!やっと見つかった明確な目標を逃してなるものかー!!!」

 

絶対に訳を聞き出してやるー!!!



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似たもの同士に絡まれる?

ローズのキャラストーリーからです。


sideアン

それは学園襲撃の少し後のころだった・・・

 

アン「もう少し夏休みだねー・・・」

 

シド「選挙が終わればモブや陰の実力者イベント盛りだくさんのはずだしね。」

 

私たちは食堂で昼食を取ろうとしてたんだけど・・・

 

ローズ「どうあっても邪魔をするのですね・・・」

 

クレア「私から二人に伝えるって言ってるだけでしょ?」

 

なんか不穏な空気を放つ厄介な二人がいた・・・

 

シド「あ、なんか嫌な予感がする組み合わせ・・・」

 

アン「100%そうなるわね・・・」

 

見た瞬間私はモブダッシュで逃走した。昼食を取れないのは痛手だけどここで二人の会話を聞かされながら食事するほうがよほどまずい。

 

クレア「こら!二人とも待ちなさい!」

 

ローズ「二人とも何故逃げるのですか!?」

 

やっぱり二人とも早い・・・

 

ローズ「シド君、アンさん!どうして逃げるのですか!?」

 

クレア「貴方たちお姉ちゃんと親友が会いにきたのに逃げるってどういうつもりよ!」

 

シド「本気ダッシュだったら二人をたやすく巻けるんだけど・・・」

 

そうそんなことモブの立場が許さない。確かに私たちが本気ではしったら振り切れるどころか二人そろってペットボトルロケットのように吹き飛ばすことが可能だとしても美学としてそんなことをするわけにはいかない・・・

 

アン「私たち忙しいんで・・・多分二人とも何か頼もうとしようとしてるんでしょうけどお願いを叶えることは叶いません・・・どうかお引き取りください・・・」

 

クレア・ローズ「嘘ね(ですね)!」

 

何でバレたの!?

 

シド(アンってモブとして嘘つく時普段丁寧な言葉が一掃丁寧になるからわかりやすいんだよな・・・)

 

まぁ振り切れて私たちは学園の端の教室に隠れることに成功した・・・

 

シド「ここなら見つからないだろ。」

 

アン「昼ごはん食べられないのは痛手だけどここは昼寝でもして空腹を・・・あれ?」

 

これは気配!

 

シド「端の教室だし誰も知らないと思ってたのに・・・」

 

ローズ「二人ともどこにいらっしゃるんですか?出てきてください。」

 

そんなこと言われてあっさり出てくる奴はいませんよ・・・

 

ローズ「ご安心ください。クレアさんはここにはいません。私はお伝えしなくてはいけないことがあるだけです。すぐに終わりますからお付き合いいただけませんか?」

 

・・・・・・・

 

ローズ「実は・・・クレアさんがシド君の部屋へと引き換えされたようで・・・」

 

何っ!?

 

ローズ「もし捕まらないなら二人の部屋でも探索するわ・・・と。」

 

シド「横暴だ!」

 

アン「それだけはご勘弁を!」

 

ローズ「お二人とも!やっと顔を見せてくれましたね!」

 

クレアさんを止めないと!窓から離脱・・・

 

クレア「ふたりとも~もう逃がさないわよ。」

 

嵌められた・・・

 

ローズ「すみません・・・これもあなた達のためなのです・・・」

 

シド「こんな初歩的な誘い出しに引っかかるとは・・・」

 

アン「二人とも猪みたいな性格だから油断した・・・」

 

クレア「アン・・・どういう意味?アンタたちが隠れそうなところなんてピックアップ済みなんだから。」

 

ローズ「私はそんなに突進しませんよ・・・?」

 

こうして二人の争いの声を聴きながら気を滅入らせるのだった・・・

 

シド「引っ張らないで二人とも!っていうかアンも現実逃避しないで!」

 

アン「四人とお出かけか~・・・嫌な予感しかしない・・・」

 

ー数分後ー

 

私たちは町に繰り出すことになった・・・

 

ローズ「ご覧ください!晴れやかな空でデートにはピッタリですね。」

 

クレア「ちょっと!デートなんて誇大妄想やめてくれる?シドはアンと付き合ってるんだからデートなんてするわけないでしょ?」

 

シド「二人とも歩きにくいんだけど・・・

 

アン「そもそも付き合ってないし・・・」

 

相変わらずのベストマッチで胃が痛くなってきた・・・

 

クレア・ローズ「うふふふ・・・」(黒い笑み)

 

シド・アン「何この地獄・・・」

 

ここは別れないと更なる地獄が・・・私はシドとアイコンタクトを取りすぐさま行動に移す!

 

アン「あー!なんだか喉が渇いてきたね!シド!」

 

シド「うん!レモネードが飲みたいなー!」

 

ローズ「そうだったのですね!気づかなくてごめんなさい。では私が・・・」

 

クレア「すとーっぷ!!アピール禁止!私が買ってくるわ!」

 

アン「あ、あーでもクレアさん四人分だと持ちにくいですし私も行きますよ。」

 

そうして私たちは別れることなったのだが・・・

 

アン「クレアさん・・・私とシドは付き合ってませんしシドに友達が増えるのはいいことじゃないですか。」

 

クレア「だとしてもアピールが露骨すぎるのよ!私がやるって言ってるのに・・・」

 

アン「それって似たもの同士なんじゃ・・・」

 

クレア「何か言った?」

 

アン「いえ、何も・・・」

 

そうして屋台についた私たちでしたが・・・

 

チンピラ「おいおい嬢ちゃんたち可愛いな~青髪の嬢ちゃんは少し地味目だが・・・」

 

チンピラ「この大人数を相手するのには丁度いいだろ~」

 

アン「ひぃぃ!な、なんですか?貴方たちは!?」(モブムーブ)

 

クレア「貴方たち・・・!ゲスなナンパだけに飽き足らずアンを馬鹿にして・・・もう許さないんだから!」

 

クレアさんが一気に男二人を制圧しにかかる!

 

チンピラ「ぐえ!こいつ強いな・・・!」

 

チンピラ「ぞ、増援だ!増援を呼べ!」

 

そうしてチンピラは瞬くまに集まってしまった!

 

アン「ひえぇえ・・・まだ仲間がいたなんて・・・」

 

チンピラ「そこの地味女は気絶しとけよ!」

 

ぶんっ!

 

アン「ひゃ!?」

 

私は余裕なく躱す演技をする・・・

 

アン「こ、こないで~!?」

 

ぼかっ!

 

私はクレアさんと同じように木の棒を持って振り回して男に軽めにヒットさせる!

 

チンピラ「うぎゃ!」

 

クレア「貴方たち・・・!狙うなら私だけにしなさい!」

 

ずごどかっ!

 

チンピラ「うわー!」

 

やっぱり手加減なしですねクレアさん・・・

チンピラが心配になるわ・・・

そして・・・

 

ローズ「そこまでです!よってたかって恥を知りなさい!」

 

そうして二人が瞬く間に制圧してしまった・・・

 

クレア「アン!あなたも成長してたのね!アイツ等に一撃いれて・・・」

 

アン「あはは・・・たまたまですよ~」

 

ローズ「いえいえアンさんも中々の度胸だったと思います。」

 

にしてもこんなテンプレでからまれるとは・・・モブとしての経験値をまた詰めたわね・・・

 

クレア「ローズ王女・・・そのありがとう。まさか飛び込んでくれるとは思わなかったけど。」

 

ローズ「力を持つものとして当然の義務です。クレアさんだって逆の立場ならそうしてくださったはずだと思います。」

 

なんか仲良くなったみたいね・・・

これはあれかしら・・・背中を預けたもののテンプレ?

 

シド「皆ー・・・レモネード買ってきたよむぐっ!?」

 

アン「シド、今の内に逃げるわよ。今なら二人は友情に酔ってて私たち見てないから!」

 

シド「なるほど!」

 

そうして逃げたけど似た者同士の友情パワーで捕まってしまうのだった・・・

 

 



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陰の実力者はピアノとヴァイオリンで血税の敵を取って見せる!

sideアン

さて・・・城の近くまできたは良いもののどう侵入するか・・・

 

シド「昼間だし空からってのはなぁ・・・」

 

アン「最悪衛兵の首こきゃの法則か裏門を飛び越えるかでいくしか・・・」

 

私たちが試案していると・・・

 

イプシロン「しゃ・・・シドさん、アンさん!お久しぶりです!」

 

シド「イプシロンか、奇遇だね。」

 

そうして私たちは弟子ということでスマートに侵入することができた。

 

シロン「お二人は例の件で?」

 

アン「えぇ、いいタイミングで来てくれたわ。流石できる女は違うわ。」

 

シロン「そそそそんな!光栄すぎますぅぅぅ!」

 

イプシロンは頑張ってるからね褒めておかないとコンプレックスが爆発しちゃうのよ・・・

 

ドエム「これはこれはシロン殿。」

 

あぁ、これが・・・見るだけで悪役貴族のテンプレを守る人ってわかるわね・・・

 

ドエム「実は入場許可証が必要になってしまって・・・シロン様の弟子ならば一曲弾いていただければ大丈夫ですが。」

 

おぉ・・・唐突な無茶ぶり・・・モブにすら手を抜かないとは流石はネームド。ならば私も楽器弾ける系のモブとしての真価を見せましょう!

 

しかし国民の心はあんなに荒んでいるのに貴族の皆様は指輪をはめて贅沢三昧・・・ここは国民の血税の敵を取るときね!

 

私たちはピアノとヴァイオリンを弾き始めて皆が身惚れてるうちにポケットをスライム製のワイヤーでまさぐり貴金属類を盗み出した!

 

観客「わぁあああ!」

 

シロン「私は一生忘れません―!!」

 

ドエム「若き天才音楽家に拍手を!」

 

ん?ドエムさんのポケットの珍しい指輪が・・・

 

シド「いただき!」

 

私たちはワイヤーで盗み取っておいた!

その後私たちはローズのメイドのマーガレットに連れていかれて庭に来た・・・

 

アン「一年中花が咲いてるなんて素敵ねー」

 

マーガレット「地中にあるアーティファクトが気温を一定に保っているんですよ。」

 

へー・・・シェリーやイータに作れないか聞いてみよ。ガーデニングも便利になりそうだし。

 

マーガレット「あの!先ほどのピアノとヴァイオリン、素敵でした!二人の絆が見えた感じで・・・」

 

現代日本に比べればここは芸術の都でも発展途上だしね。

 

マーガレット「あのパトロン伯爵も注目されていて年俸一億ゼニ―はくだらないかも・・・」

 

一億!!

 

アン「やっぱり貴族社会だけあって元の世界と違って音楽家の価値が高いのね・・・」

 

シド「年俸制なんだ・・・おひねりもらう必要なくていいかも・・・」

 

マーガレット「私の実家もおすすめです!必ず望むがくを出させて見せます。」

 

ここでも女の強さは変わらないのね・・・

 

シド「でもシロン様がなー・・・」

 

マーガレット「シロン様はお二人を独占したいだけです・・・全部私にゆだねてください。」

 

アン「そういえばローズ王女のメイドさんなんですよね?居場所とかわかりますか?」

 

マーガレット「私はあの人のことは嫌いです・・・かわってはいましたけど優しくて頭もよくて・・・でも・・・あの人のせいでこの国は・・・すみません、居場所は秘密なんです。でも少しだけなら・・・西の塔にいますよ。」

 

引いたと思ったら弱みをさらしたり共感したり・・・これは宗教に用いられる心理学テクニックね。

 

シド「やっぱり先輩のメイドだな彼女・・・」

 

アン「早速説得しに行きましょう。」

 

私たちは歩き出したんですけど・・・

 

衛兵「マーガレットちゃんに近づくなよ!愛し合ってるんだからな!俺たちは毎日毎日この庭で愛を確かめ合ってるんだ!顔を見れば顔を赤らめて走っていくんだ!」

 

青ざめるの間違いじゃなくて?

 

こういう奴は前世でもいたわね・・・

 

アン「前世ではそういう女の敵にはスコップを突き刺してたわね・・・良い思いでよ。」

 

シド「なんでスコップ?」

 

そうして私たちは若干時間を取られながらローズ先輩のいるところに侵入を成功させた!

 

ローズ「シド君!アンさん!会いたかった。」

 

シド・ローズ「私たちもですよ。」

 

さぁ、覇王になるためのプランAといきましょうか・・・

 

ローズ「どうやってここに?」

 

アン「知り合いにピアニストがいたのでその弟子として。」

 

ローズ「私のためにそこまで・・・」

 

そりゃフィクサープレイのためには欠かせないの。

 

シド「結婚のこと話がしたいんです。」

 

ローズ「話すことなんて・・・」

 

アン「嘘ですよね?ローズ先輩あの時信じてって・・・!」

 

ローズ「アンさん・・・それは忘れてください・・・」

 

シド「嫌です・・・だって僕たちは同じなんだ・・・」

 

そうよ・・・あぁ、夢を語るとクッキー食べたくなってくるわね。シドも食べてるし私も・・・

 

シド「先輩はさげすまれると分かってるのに魔剣士の道を進んだ・・・周囲からは否定され誰からも理解されず孤独だったはずだ・・・でも先輩は自分の生き方を貫いた。」

 

アン「むしゃ・・・私たちだって同じです・・・私たちにもあったから・・・私たちがこうして一緒にいるのはその夢のためでもあるんです。」

 

陰の実力者になるという!

 

ローズ「私は・・・理解します。」

 

シド「でも世界はそうは思わない・・・馬鹿じゃないのかさっさと大人になれ・・・」

 

ローズ「例え誰がなんと言おうとも尊いものです!」

 

アン「先輩・・・私たちは生き方を貫いた・・・どんな障害があってもです。でも生き方を曲げようとしてる!一度否定した婚約者と結婚なんて曲げるのと同じじゃないですか!もうわかっているはずでしょ!?貴方が本当にすべきことは・・・!」

 

ローズ「もう・・・話すことはありません。二人で幸せになってください・・・」

 

シド「そんな!」

 

アン「私たちの幸せにあなたの存在は必要不可欠なんです!」

 

陰の実力者としての・・・

 

そうして立ち去るとドエムが暴力もどきを振るっているような感じだった・・・

 

アン「なるほどDVが怖くて覇王になれないのね・・・」

 

シド「これはプランBだね・・・もしかしてこれが結婚指輪だったりして。」

 

アン「まぁでも代わりの指輪で大丈夫でしょ。指輪なんてこの盗んだものと同じように星の数ほどあるんだし。」

 

そうして私たちはお風呂に入ってイプシロンたちのおもてなしを受けることになった。

 

シド「ありがとう!やっぱりお風呂上りはコーヒー牛乳だね。」

 

アン「私はフルーツ牛乳派ね。」

 

イプシロン「今肩をおもみしますわ!」

 

559番「こちらフルーツです!」

 

アン「あ、ありがとう!やっぱり懐かしいわね・・・冷蔵庫の実験でイータがベータを氷漬けにさせかけたことを思い出すわ・・・」

 

559番「そんなことが・・・」

 

アン「貴方もマッサージしてくれない?」

 

559番「ここ・・・光栄です!」

 

シド「そうだ、例の件思ったより早く片付きそうだ。」

 

イプシロン「まだ初日なのに・・・」

 

アン「ああ、もう終わった当然よ。」

 

プランBを実行すればローズ先輩は必ずや覇王への道を歩き出すでしょう・・・

 

シド「あの程度僕に罹れば指先一つで楽勝だよ。」

 

アン「これから先貴方たちは刮目してみることになるでしょう、我が偉業の一端を・・・」

 

イプシロン・559番「流石ですお二人とも!!」



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陰の実力者は昼ドラから切り換えたい!

sideアン

さて昨日仕入れた情報によればローズ先輩は母親を人質に取られていて動けないみたいだ。

父親ぶっ刺して今更な感じがするけどそれが美学というのなら私たちは受け入れるわ。

 

マーガレット「昨日は急にいなくなって心配しましたわ。夜も眠れなくて・・・」

 

シド「そうなんだ。」

 

マーガレット「最近は気持ちの悪い衛兵うろついていますし・・・でも安心してください!昨日の怖い人はもういません!」

 

あぁあの女の敵の・・・

 

マーガレット「盗み食いを告発したんです誰も見てませんけどアイツに決まってますから・・・」

 

ん?そういえば私たちもやったような・・・まぁ言わぬが華って奴よね。

 

シロン「何をしてらっしゃるのですか?」

 

マーガレット「これはこれはシロン様、演奏会は途中では?」

 

シロン「休憩中よ。」

 

相変わらずシドはモテモテね・・・

 

アン「それじゃあ邪魔者の私は退散して・・・」

 

シド(裏切ったな・・・)

 

シロン・マーガレット「そんなことはございません!」

 

そうして私たちは修羅場に巻き込まれながらもイプシロンの報告を聞いた

 

イプシロン「・・・黒きバラのせいで今の貴族があると言ってもいいのです。」

 

黒きバラ・・・私たちが再現したあれ?でもあれはなんか違う感じがしたけどね・・・

 

シド「まぁ、本物なら見てみたいよね。」

 

イプシロン「!?あれを・・・しかしあまりに危険・・・だけど完全に破壊するなら・・・いえ、それが選択ならば。」

 

さて・・・マーガレットちゃんは叱られてていないから王妃探しに集中できるわ。

私たちは王宮の壁を歩きながら探してたんだが・・・

 

シド「オーマイゴッド・・・」

 

アン「まさかの王宮昼ドラ系とは・・・」

 

レイナ王妃とドエムは浮気していたらしい・・・

 

シド「これはアカン・・・どうにか夕方6時に軌道修正しないと・・・」

 

アン「ここはもうローズ先輩の正義感にかけるしかないんじゃない?」

 

女の敵ドエムへのいかりと母の裏切りによって覇王の目になるってことで!

 

シド「そうだね・・・まずシャドウとガーデンになって・・・」

 

そうして夜私たちはローズ先輩のところに行く。

 

ローズ「!?シャドウ様・・・ガーデン様・・・恩をあだで返すことをしてしまった・・・ごめんなさい。」

 

大丈夫、これを知ればきっと私たちの期待通りになるから・・・

 

ガーデン「ついてきなさい・・・」

 

シャドウ「真実を教える・・・」

 

そうして私たちはドエムとレイナ王妃の浮気現場を見せたのだが・・・

 

ローズ「そんな・・・こんなのって・・・!!うぅぅ・・・」

 

シャドウ「これが真実だ・・・」

 

ガーデン「真実はわかった・・・時が満ちる・・・覇王への目覚めが・・・」

 

ばた・・・

 

え・・・?

 

シャドウ「裏切りものを始末するチャンスなんだけど・・・」

 

ガーデン「・・・なんかごめんなさい。」

 

ここは王宮恋愛ものにチェンジね。

 

ガーデン「シド、ピアノとヴァイオリン盗むわよ。」

 

シャドウ「わかった。」

 

ローズ先輩を部屋に置いた私たちはすぐにシドとアンに戻って準備した・・・

 

ローズ「ここは・・・シド君・・・アンさん・・・一緒に逃げましょう・・・遠くに・・・」

 

シド「僕たちは月光が好きだ、世界がずっと見やすくなるから。」

 

アン「私たちは世界を二つにわけた。大切なものとそうでないものに。」

 

ローズ「それは何故・・・?」

 

シド「そうしないと敵わない夢があったから。」

 

ローズ「夢・・・それは・・・」

 

アン「何もかもが有限の中で私たちは大切なものに全てを注ぎ込んだの。でもそれをするには雑音が多すぎた。ふとした瞬間に光がまぶしくて隠されそうにもなった。」

 

シド「何が大切なのかを人は見失ってしまう・・・月の光に照らされている程度が丁度いいんだ。皆が目をこらして大切なものをみようとするから。」

 

シャドウ・ガーデン「月に照らされた世界で貴様には何が見える?」

 

ローズ「!?」

 

そうして私たちは立ち去った・・・あとはローズ先輩の心次第・・・

 

シド「あれ・・・指輪なくした・・・」

 

アン「あぁ、ドエムの奴?一番高そうだけど・・・残った貴族の奴を売りましょう。」

 

シド「まぁ宵越しの金は持たないってことだね。」

 

そうして私たちはお風呂に入ろうとしたんだけど・・・

 

イプシロン「お背中お流しします。」

 

・・・スライムボディが・・・お風呂に対応できるまでになっていたとは・・・

 

シド「見事だイプシロン。」

 

アン「貴方は常に進化しているのね・・・」

 

イプシロン「そんな・・・自然とこうなっただけです。」

 

シド「今日はいささか想定外のことがあった。」

 

イプシロン「まぁ・・・大丈夫なんですか?」

 

いざとなったら・・・ローズ先輩をさらいましょう。定番だけど結婚式に乱入して花嫁をさらう謎の実力者ってことで・・・

 

アン「問題ないわ・・・鍵は託したし立ち上がる力があればね・・・」

 

シド「決戦は結婚式だ。獅子は覚醒する!」

 

そうして私たちは結婚式を遠目で見ることになったんだけど・・・

 

アン「あれ?なんか黒いバラみたいなのが出て来たわよ?」

 

シド「そうだね・・・それになんかデカい蝙蝠が・・・」

 

これはイベントの予感!私たちは乱入した!

 

シャドウ「光の帯・・・デカい蝙蝠・・・」

 

ガーデン「そしてすさまじき攻撃ね・・・けれど・・・」

 

シャドウ・ガーデン「醜いな。」

 



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陰の実力者は黒い穴に飛び込んで去っていく。

sideアン

さて・・・流石異世界・・・蝙蝠もバカデカいわね。

 

ガーデン「ローズ覇王誕生を見守ろうと思ってたらまさかのモンスターパニックとはね・・・」

 

シャドウ「だが全く問題ない、状況はばっちり把握している。」

 

これは覇王誕生を妨げる闇に勢力の出現ね!いつだって人間の権力闘争といいうのは存在する。赤髪のおっさんは自らが王になるためにこの蝙蝠を召喚したの。

 

ガーデン「こうしてみると魔王みたいでカッコいいわね貴方。」

 

シャドウ「あぁ、再生能力はすさまじい・・・だが。」

 

ズガガガ!!!

 

溜め無しでこの威力とは・・・ナチュラルに大災害ね。

人間がこれだけの威力を出そうと思ったらどうやったって溜めが必要になる。

 

ガーデン「これぞ獣の理不尽さね。」

 

シャドウ「だが、所詮は獣・・・イレギュラーに対応する以外はヒットアンドアウェイ戦法で行ける・・・」

 

そうやって対応していると突然獣が空中からではなく口から桁違いの魔力を放とうとする。

 

ガーデン・シャドウ「あ、これイレギュラーな奴だ。」

 

ズゴォォォォ!!

 

まさか前髪を焦がしてくれるとはね・・・

でも大体ラーニングできたわ。

 

ガーデン「奴は微細な魔力は無視する傾向あり。」

 

シャドウ「その身に刻め。闇の鳥籠!」

 

ガーデン「冷めやらぬ銃弾の嵐にひれ伏しなさい。幽鬼の弾丸(ファントム・バレット)」

 

私たちはそれぞれスライムによる鋼糸術とスライム弾による射撃でボロボロにしていく。」

 

ラグナロク「ぐるぉぉお・・・」

 

さて・・・ここから先は作業ね・・・

 

ガーデン「地上の人たちにかっこよく撃退したのを見せるためには・・・」

 

シャドウ「まずは腕から切り落とそう!」

 

ズバンっ!

 

ラグナロク「ぐぎゃぁああ!?」

 

さぁ、解体ショーよ!

 

ズバズババっ!!

 

ボトボト・・・

 

まさに血肉のシャワー見るものが見たら魅了されるでしょうね。

 

モードレット「ば、バカな・・・・!」

 

ベータ・イプシロン「流石は主様方・・・」

 

さて・・・おっさんはベータたちがボコボコにしてくれたみたいだしかっこよく退散すれば終わりかな?でもどうやって退散するか・・・

 

シャドウ「ゲームのボス戦みたいで楽しかったけど・・・ドエム君や先輩は置き去りだし・・・もうちょっとストーリーに沿って欲しいのが不満点かな・・・」

 

そうね・・・それに・・・

 

ズゴォォォォ!!

 

モードレット(怪人態)「まだだぁあ!」

 

挙句エフェクトは使いまわしとはね・・・

 

ガーデン・シャドウ「とんだ失敗作だ。」

 

モードレット「誰がだぁあああ!」

 

私たちは向かってきた向かってきたオッサンを投げ飛ばす!

 

モードレット「ぬぉぉぉ!?」

 

シャドウ「獣であっても力の差を学習するって言うのに・・・」

 

ガーデン「デルタ以下の知能・・・美しさは最底辺ね。」

 

ズゴっ!ドゴン!!

 

モードレット「おのれ・・・おのれぇえええ!?」

 

私たちは蛸殴りにしておっさんを大気圏外まで吹っ飛ばした!

 

シャドウ「かつて・・・神々は地上の人間を戒めるために雷を放った・・・」

 

ガーデン「またある時は大洪水を引き起こし人々に恐怖を植え付けた・・・」

 

シャドウ「しかし人々はそれでもなお追い求めた・・・欲した・・・そして研鑽の果てその雷に近づいた・・・」

 

ガーデン「まぁ難しい話は置いておいて・・・天の彼方・・・静寂の世界より降り注ぐ究極の破壊。」

 

シャドウ「僕たちが超えなくてはならない場所・・・改めてなすべきことが分かった・・・」

 

宇宙を見たことであらためてわかった・・・

 

モードレット「な、なんだその魔力は・・・!?貴様ら人間かぁああ!?」

 

シャドウ「アイム・アトミック。」

 

ガーデン「シーズ・ビッグバン。」

 

ごぉぉぉぉおおお!!!

 

ふふふ・・・あのおっさんのおかげで初心に戻れたし今回も大収穫だったわね・・・あれ?

 

シャドウ「何?あの黒い穴?」

 

ガーデン「でも、なんか吸い込まれてる感じあるし・・・あ、そうだ!退場の仕方!」

 

これにすいこまれたらかっこよくない!?

 

シャドウ「確かに!」

 

私たちは吸い込まれようとした次の瞬間には・・・

 

ベータ「シャドウ様!ガーデン様あああ!」

 

なんとベータも一緒に吸い込まれてしまった・・・

 

 

そうしてついた先は・・・

 

シャドウ・ガーデン「どこだ?ここ?」

 

けど・・・なんか見知った建物に見知った文字・・・

 

シャドウ・ガーデン「もしかして・・・日本?」

 

黒い穴通って退場したら日本にいた。いやなんで?



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三章
陰の実力者は考古学者にも憧れる!


sideアン

黒い穴で退場したら何故か日本、しかも荒れ果てていたけど昔住んでいた町に来ていた・・・

 

シド「もしかして世界はどこかでつながっていたとか?」

 

アン「まぁ、とりあえずはただいまということで。」

 

そうして戻ってきたことの感傷に浸っていると・・・

 

ベータ「シャドウ様!ガーデン様!!いた!」

 

なんとベータが落ちてきた。

尻もちをついた彼女は心底驚いていた。

 

ベータ「お二人とも無事でよかった・・・ってどこですかここは!?」

 

ベータまで来なくて良かったんだけど・・・そうだ当然彼女は日本を知らないわけだから古代文明を解析する陰の学者ムーブができるじゃない!

 

シドも同じことを思ったようで私たちは目くばせをしてベータに話しかける。

 

シド「ココがどこだかわかるか?」

 

ベータ「・・!?申し訳ありません・・・わかりません。」

 

アン「ココは異世界の地球・・・日本というところよ。」

 

ベータ「す、すでに土地の名前を調べているとは流石です・・・」

 

シド「視界に入ったことから分析しただけだ。当然だろう?」

 

ベータ「流石は主様方・・・」

 

中々楽しいわね・・・

 

ベータ「それで何故二人とも地球に?」

 

・・・やばい、理由考えてなかった・・・

 

シド「・・・ガイアが僕たちにもっと輝けと囁いているんだ。」

 

ベータ「更なる高みを目指す・・・流石はシャドウ様にガーデン様・・・」

 

さてまずは・・・

 

アン「この世界の衣服を調達するわよ。ここで私たちの服装はとても目立つの。」

 

シド「さしあたってはこの田中さんの家で着替えよう。」

 

目の前の廃墟にある表札から私たちは此処には人が住んでいたと読み取った。

 

ベータ「もうすでにこの世界の文字を読めるように!?」

 

アン「規則性を読み解き流れに従えばいいだけよ。」

 

ベータ「凄いです・・・」

 

さて着替えましょうか・・・・

取りあえず部屋を物色したけどやっぱりというべきが食料はなかったが衣服はあったのでシドはパーカーにジーンズにスニーカー私もセーターにパンツに帽子をかぶりスライムで髪の色を前世と同じ茶髪にした。

 

ベータ「シャドウ様、ガーデン様!これはどうでしょうか?」

 

ベータが何度目かになるお披露目をしたんだけど・・・

 

シド「ベータ、それはスクール水着というものだ。」

 

スタイルが良いだけに男どもなら鼻血を出して倒れるだろう・・・

 

ベータ「でも伸縮性が高くていい素材ですよ。」

 

アン「防寒性と防御力が無いに等しいでしょ?」

 

ベータ「うぅ・・・」

 

まぁ、時間はあるわけだしのんびりと行きましょう。

新聞はやぶれてたけど読めるところもありそこには「日本崩壊」と書かれていた・・・

 

シド「日本経済崩壊ならまだわかるけど・・・」

 

アン「原因はやっぱりこの漂ってる魔力かしら・・・死体もどっちかって言うと獣に食われた後に近いし・・・」

 

そうして分析しているとベータが出てきた。

 

ベータ「申し訳ありません。どうでしょうか?」

 

彼女が来ていたのはSMでみるボンデージだった・・・

 

ベータ「スライムスーツにそっくりで体にフィットするんですよ。」

 

何やってたんだ田中さんは・・・

 

アン「ベータ、それは普通の用途で着る服じゃないわ。」

 

ベータ「そうなのですか?仮面と鞭があったのでてっきり戦闘服と思ったのですが・・・」

 

シド「・・・それは非常に弱い生物をいたぶるためのものだ。まるで自ら叩かれるために生まれてきたような脆弱な豚をな・・・」

 

ベータ「そのような生物が・・・興味深いですね。」

 

 

アン「とにかく普通の服を選びなさい。これな潜入でもあるのだから。」

 

ベータ「わかりました!」

 

一時間かかったがなんとか普通の服を着てくれたベータだった・・・

そうして家から出た私たちはあたりを散策するが・・・

 

ベータ「まずはどこに向かいますか?」

 

シド「まずは川で水を汲もう。そしてこの世界の情報を集めるんだ。」

 

エネルギーは省エネで数か月はいけるけど水は流石に数日で限界がくるのよね。川水は危険だけど魔力で寄生虫とか細菌を殺せば多分行けるはず。

 

ベータ「それにしてもこの柱はなんのために建てられているのでしょうか?等間隔に並んでいますが・・・」

 

電信柱ね・・・

 

アン「ベータ。あの黒い線に注目しなさい。断面に金属が見えるでしょ?あれで電気を供給していたのよ。」

 

ベータ「つまりこの世界は電気を高度に運用していたのですね・・・流石はガーデン様!まさか少しの情報でここまでたどり着くとは!」

 

ふふふ・・・

 

ベータ「でもなんで地中に埋めないんでしょうか?」

 

え?それはー・・・

 

アン「コスト的な問題よ・・・」

 

ベータ「なるほどそれなら・・・ですがなぜこんなにも高度な文明が荒廃してしまったのでしょうか?自然災害の線は薄いと思うのですが・・・」

 

シド「もうすでに答えにはたどり着いている・・・心配するな。」

 

ベータ「・・・!はい!」

 

間違ってたら恥ずかしいけど魔力がいきなり現れたから適応できずに崩壊したってことよね。うん。

 

そうして川を見つけた私たちは水を汲んだ。ここには魚も鳥も豊富にあるし大丈夫そうね。

 

アン「さてここの情報を集めるなら図書館・・・いや西野大学に行きましょう!」

 

ベータ「ニシノダイガク?」

 

シド「金持ちがムダ金を使って作った豪華な研究機関らしい。非合法な実験もやってったはずだ。」

 

西野財閥が作ったもので庶民の敵ね。前世では全ての女性の味方としてストーカーにスコップを突き刺してた私からしたら敵そのものだった・・・いつか窓ガラスや防犯装置をぶっ壊そうと思ってたけど果たせずに転生してしまったのだ・・・

 

ベータ「どこにでも悪は存在するのですね・・・」

 

そうして私たちは大学に向かうのだった・・・



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陰の実力者は前世の友達と会う

sideアン

そうして大学に向かっていた私たちだったがベータが観光しているし私たちもそれに乗っかって解説していたら日が暮れてきた・・・

 

ベータ「色々観察してわかったんですが・・・この日本の字どこかで見たことが・・・」

 

その瞬間私たちは寒気が走った!信用崩壊の時の暗号と勘づかれてる!?

このままだと陰の叡知の元ネタがここだとバレてしまう!!

 

シド「き、気のせいだろう・・・」

 

アン「そ、そうよ・・・似た文字なんて沢山あるだろうし・・・」

 

ベータ「そうでしょうか・・・うーん・・・」

 

これはまずいわね・・・現代日本に降りたつ陰の実力者もできると考えた矢先にこの出来事・・・早めに帰らないと・・・あれ?その瞬間私たちは気付いた・・・

 

アン「どうやって帰るの?」

 

シド「帰る方法を失念しているとは・・・」

 

ベータ「お二人ともどうしたんですか?凄い震えているようですが・・・」

 

アン「体の振動でソニックウェーブを出せないかと思ってね・・・」

 

ベータ「流石です!」

 

落ち着いて考えましょう・・・黒い穴に入ってこの世界に来たんだから帰るときも入れば大丈夫に決まってる・・・とりあえず強い魔力を探しましょう・・・

 

そう思っていると・・・

 

アン「なんか死臭がしない?」

 

シド「本当だ。」

 

ベータ「匂いの発生源はあの建物ですね。」

 

超強化された嗅覚が嗅いだのが強烈な死臭そして発生源としてベータが指を刺した先にあったのは・・・

 

シド「病院か。」

 

アン「上の階から匂ってるしジャンプしていきましょう。」

 

私たちは上の階のガラスを破って侵入すると・・・

 

アン「血痕と争った跡はあるけど死体はないわね。」

 

シド「こういう時って近くにあったりするんだよね。」

 

そうして廊下に出ると血まみれのしたいが錯乱していた・・・

 

ベータ「どうやら獣に食われたようですね。三人が食われています。五日は経過していると思われます。」

 

ベータはスライムを手袋にして検死する。

 

シド「つまり五日前には生きている人間がいた。」

 

アン「他の生存者の存在も期待できるわね。」

 

そうして分析していた時だった・・・

 

黒い獣「ぐるぅぅぅ!!」

 

なんと下の階に黒い獣がいたのだ・・・

 

アン「これがあの死体の犯人?」

 

ベータ「オリアナ王国にいたものと似ていますね。」

 

シド「確かに・・・」

 

体毛は赤黒いし目が赤くてライオンと熊を足した感じね。

 

アン「でも魔力量は弱いし雲泥の差ね。」

 

ズバッ!!

 

ベータ「ですね。」

 

シド「あぁ。」

 

私たちは一瞬で殲滅した。やっぱり魔力が来た事によって生態系は変化したみたいね。

 

ベータ「もしかして脆弱な豚とはこれのことですか?」

 

シド「いや・・・脆弱な豚はこれよりも弱い・・・」

 

ベータ「これよりも弱いなんて・・・生存競争でどう生き延びてきたんでしょうか?」

 

アン「それは精神力によるものよ・・・でもまずはこの魔獣の分析が先ね。」

 

しかし獣はどんどん現れる。

 

アン「どうやら私たちは奴らのテリトリーに足を踏み入れていたようね。」

 

ベータ「日没と同時に活動を始めましたね・・・もしかして日本ではこれが生態系の頂点なのでしょうか?」

 

シド「ありえるな。」

 

魔力が発展してない世界だしね。

 

ベータ「シド様、アン様人の気配です。」

 

本当だ。まぁ情報収集には好都合ね。

私たちはその場に倒れて救助されたんだけど・・・

 

アン「西中さん?」

 

まさかの前世の知り合いだった・・・



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陰の実力者は情報収集を開始する!

sideアン

私たちは病室に運び込まれていた・・・

するとアカネとそのお兄さん、ユウカ先生と呼ばれた人が入ってきた。

 

シド「あの・・・ここは・・・」

 

ユウカ「ここは西野大学よ。病院で倒れていたあなた達を保護したの。思い出せる?」

 

アン「どうしてそんなところに・・・」

 

私たちはあえて記憶喪失のふりをする。

 

ユウカ「記憶に混乱があるのね・・・貴方たちの名前は?」

 

シド「僕は・・・ミノルです。」

 

アン「私はキョウコです。苗字は思い出せなくて・・・」

 

アカネ「大丈夫なの?」

 

ユウカ「魔力による一時的な混乱です。」

 

シド「そうだ・・・ナツメは?ナツメは無事ですか!?」

 

ユウカ「あの銀髪のほうね・・・彼女なら大丈夫よ。」

 

アン「よかった・・・妹が無事で。」

 

ユウカ「彼女のことは覚えてる?」

 

シド「えっと・・・」

 

ユウカ「分かってる。覚醒者なんでしょ?」

 

え?なにそのカッコいい名称?

 

アン「えっと・・・ちょっと変わってますけど・・・」

 

ユウカ「いい子なのよね。」

 

シド「は、はい。でも言葉も喋れなくて・・・」

 

腹黒だけど間違ってはいない。

 

ユウカ「言葉も・・・大変だったわね。彼女は責任をもって・・・」

 

アキラ「僕が預かろう。魔力や覚醒者の研究をしていてね。人々を助けるために頑張っているんだ。」

 

アカネのお兄さん・・・テンプレなマッドサイエンティストになってるな・・・

 

アキラ「妹さんのことは任せてくれないかな。必ず喋れるようにしてみせるから。」

 

うーん・・・日本語喋れるようになるのはマズイ気がするしぼやかしておきましょう・・・

 

アン「実は私たち身振りやジェスチャーで疎通できるので聞いてみないことには・・・」

 

アキラ「そうなのか・・・」

 

アカネ「お兄様、彼女は目覚めていないようですし二人も混乱しているようなので後日聞いてみたらどうでしょうか?」

 

アキラ「そうだな。メシアの仲間なのだからね。」

 

なるほど・・・コミュニティ名はメシアか・・・

 

そうして三人が去った後・・・

 

シド「もういいよ。」

 

私たちはベータを起こした。

 

ベータ「もうこの世界の言葉を話せるのですね。」

 

アン「気絶してるふりをしている間に会話を聞いたからね。発音と表情を読み取って喋っただけよ・・・」

 

ベータ「流石です!」

 

シド「ここでは僕はミノル、アンはキョウコ、君の名前はナツメ、僕たちは兄妹という設定だ。」

 

ベータ「なるほど・・・」

 

アン「ナツメは言葉を話せないことにしてあるから安心して。」

 

ベータ「実際に話せないですからね・・・早く話せるようにします。」

 

シド「いや話せない方がいいかもしれない・・・」

 

陰の叡知バレたら困るし・・・

 

ベータ「わかりました。」

 

シド「これから情報収集はここで行う。それにあたって別行動をする。」

 

アン「ナツメは髪の色や耳が違うことから病気と勘違いされてるみたいなの。」

 

覚醒者ってわからないけど病院に入れられてたから多分そうでしょ。

 

シド「ナツメの病気をここの偉い人が見たいらしい、くれぐれも病気のふりを忘れずに活発な動きは控えてくれ。」

 

ベータ「はい、ヘマはしません。報告はどうしましょうか?」

 

アン「私たちが直接出向くわ。心配しないで。」

 

ベータ「御意のままに。」

 

よし、これでベータは活発に動けないし日本語の習得は遅れる。その間にあの黒い穴を見つければいいのよ!

 

シド「半年・・・いや三か月はかかるよね?」

 

アン「それまでは日本を楽しみましょう!」

 

こうして冬休みの旅行気分の調査が始まった・・・

 

 



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陰の実力者は歴史にはあんまり興味なし

sideアン

アカネの話だとこの拠点、メシアは人口が一番多く配給ができる量も多いらしいがそれゆえに人口過多が問題となっているらしい・・・

 

アン「それにしても発電機や栽培ができるようにするってお兄さんすごいわね。」

 

アカネ「えぇ・・・でもそのせいでナツメさんは・・・」

 

 

アカネ「なんでもないわ!話を続けましょう。」

 

ここまでの歴史は三年前で魔獣が現れたことで人類は瞬く間に減少していったが魔力の研究によって楽園を作り上げたそうだ。

 

シド「でもそこに始まりの騎士が生まれてからすべてが変わったと・・・」

 

アカネ「えぇ・・・彼女はとても制御できるような存在じゃなかった・・・」

 

希望を失った人たちは奪い合いを始めて今にいたるらしい・・・

 

アカネ「兄もその楽園・・・アルカディアの生き残りみたいだけど私にはあの人の研究はわからないわ・・・」

 

恐怖しているのか彼女は震えていた・・・そして診療室に戻るとユウカ先生に診断を受けながらスタンピードという魔物の大量発生のことを聞いた!

 

ユウカ「西野大学周辺の巣は29個あるんだけど討伐されているのは14個だけ・・・大規模な巣や巨大化した魔獣が現れたら対処できないわ・・・」

 

そうして私たちは桜坂高校に大規模な巣があることやもっと強い魔獣(アカネたちに会う前に倒した魔獣)のことを聞いて二人きりになったところで・・・

 

アン「じゃあどこを討伐するか決めましょう!」

 

シド「どれにしようかな・・・」

 

そうして討伐場所を決めた後私たちはアカネの部屋に来ることになった・・・

 

アン「まさか診療所は満席になるからと追い出されるとは・・・」

 

シド「でも抜け出せる時間が増えて一石二鳥じゃん。昨日は結局消し飛ばしただけだったし・・・」

 

アカネ「二人とも、着替えないでしょ?これ着てくれるかな?」

 

そう言ってアカネが渡してきたのは高校の制服だった・・・

 

アン「これって騎士の制服じゃないの?」

 

アカネ「部屋の中でなら大丈夫。着替えがあれば洗濯もしやすいでしょ?」

 

彼女の言う通りなので私たちは制服の袖を通す・・・

 

シド「ん?なんか着心地が懐かしいような・・・」

 

アン「このシミ前世でバトルした時についたシミと似てるような・・・」

 

まぁたまたま似た制服を着ることもあるわよね。

 

アカネ「ねぇ、サイズどうかな?見せてみてよ・・・」

 

そうして出てきたアカネはまるで亡霊でも見たかのように驚いていた・・・

 

アン「どうかしたの?」

 

アカネ「ご、ごめんね・・・ちょっと思い出しちゃって・・・」

 

まぁ、私たちもよくするし気にしなくていいわよ。

 

彼女は慌てて服を洗いに行きまた私たちは二人になったので部屋を回っていると・・・

 

アン「あれ?薬?」

 

シド「市販のやつと・・・何?この大きい青いカプセル?」

 

アン「まさか新種のドーピング薬?」

 

なんかわからないけど彼女もまた複雑な設定で生きてるのね・・・

そんな風に感慨にふけっている時だった・・・

 

冴島「邪魔するぜ。」

 

ドアを壊して入ってきたのはまさかのゴリラだった・・・

けどよく見てみるとそこにいたのはゴリラに似た人間だった・・・

 

冴島「お前たちがアカネに拾われたってガキか。」

 

シド「な、なんですかあなたは・・・」

 

アン「不法侵入して・・・ここは一応女子の部屋ですよ!?」

 

取りあえず私たちはモブっぽく反応する。

 

冴島「心配するな、俺の名前は冴島ユウダイ、騎士団の副団長をしている正義の味方だ。ここに入ったのはスパイから事情聴取するのを強制執行してるにすぎないんだ。」

 

冴島ユウダイ・・・思い出したわ。同じクラスにいたゴリラだ。シドも思い出したようで名脇役になりそうだったので覚えていたんだよね・・・

 

冴島「それでお前たちはスパイなのか?いや聞くまでもないな・・・魔物の巣にぶち込むか・・・」

 

そうして私たちは隠密性を考えて首をこきゃっとすることも視野に入れたときに・・・

 

アカネ「何してるの!!」

 

アカネがやってきた。

 

冴島「何ってスパイの尋問に決まってるじゃねぇか。入り込んだって報告があっただろ?」

 

アカネ「スパイの存在はずっと前からあったでしょ?何が目的なの?」

 

冴島「団長が臨時の集会を開くそうだ。またな、アカネちゃん。」

 

そうしてゴリラは出ていった・・・

 

アカネ「こわかったでしょ・・・ごめんなさい。」

 

そうして私たちはモブイベントを挟みつつアカネが今夜帰らないことを聞けたのであった。

 



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陰の実力者はあのセリフを言いたい。

noside

 

アカネたちは会議の途中で襲ってきた魔獣の対処をしていた。

 

団長「絶対に入れるな!」

 

団長の激が飛ぶ中アカネも魔獣を斬り伏せる。

しかし・・・

 

魔獣「ぐあぁああ!!」

 

騎士「やめ・・・ぐあぁあ!」

 

 

魔獣たちは防壁をよじ登って騎士たちを襲う。

 

アカネ「数が多い・・・」

 

団長「これもスタンピードの先触れだ・・・今回は厄介になりそうだ。」

 

団長の言葉にアカネは少しでも騎士を温存させようと飛び出した。

アカネは次々と魔獣を屠っていったが・・・

 

騎士「アカネさん後ろ!」

 

団長「アカネ君!」

 

背中に爪が突き立てられようとしていた・・・その時だった。

 

ズバッ!!

 

アカネについたのは魔獣の血・・・そして魔獣の体に突き立てられていたのは漆黒の刃だった・・・

 

アカネ「あ、貴方たちは・・・?」

 

赤い瞳の男とフードから少し見える青い髪の毛の女はアカネを見下ろしていた。

男は漆黒のコートを纏い、女はボディスーツにフード付きのマントを羽織っている・・・

 

騎士「漆黒の騎士たち・・・」

 

騎士の一人が呟いたようにまさにそのいでたちだった・・・周りに視線を一心にあつめた二人は呟く・・・

 

シャドウ「風が泣いている・・・」

 

ガーデン「それは世界の変革のとき・・・」

 

意味はわからない・・・けれどその言葉は皆の心に深く響いた・・・

そうして二人は去っていく・・・残ったのは全滅した魔獣の骸だけだった・・・

 

団長「アカネ君無事か!」

 

団長がかけよる・・・

 

アカネ「はい・・・でも巣を全滅させたのは彼らかもしれません・・・」

 

団長「今は敵でないことを祈るしかないな・・・」

 

sideアン

いやー楽しかった・・・昨日の夜は魔獣襲撃イベントのおかげで言いたいセリフを言うことが出来た・・・

 

シド「風が泣いている・・・ついにいったぞ。」

 

アン「変革の時・・・やっぱり最高の言葉ね。」

 

カッコ良さが凝縮されたセリフに私たちが酔いしれているとアカネが帰宅してきた。

 

アカネ「ただいま・・・」

 

少し元気がなさそうね・・・まぁ普通の女の子が血にまみれたいわけないしそうなるわよね。

 

アカネ「ねぇ・・・聞きたいことがあるんだけど・・・」

 

?なんだろ?

 

アカネ「二人はさ・・・死にたいと思ったことはある?」

 

アン・シド「ない。」

 

というか不老不死になっても私は全然後悔しない。私は私のまま永遠に生きていたいわ。

 

アカネ「私はあるんだ・・・」

 

シド「そうなんだ。」

 

もったいない。

 

アカネ「思い出そうとしても・・・思い出せない・・・記憶に穴が開いたみたいなの・・・」

 

私たちと違って本物の記憶喪失かしら?

 

アカネ「ミノル君にキョウコちゃんは人を殺したことってある?」

 

たくさんある。

 

アン「そんなこと・・・考えたことないわ・・・」

 

シド「西野さんはあるの?」

 

アカネ「あるっていったら・・・いえ何でもないわ。」

 

そうして彼女は窓を見て誰かの名前を呟いていた・・・

すると騎士団の団員がやってきて・・・

 

騎士「た、大変です!!副団長が!冴島副団長が殺されました!」

 

まさか貴重なゴリラが推理もので真っ先に死ぬ奴になるとは予想外だったわね・・・



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陰の実力者は主人公を擁護したい!

sideアン

その後ゴリラの死でアリバイのないアカネが犯人になりかけていたが私たちが切断面が粗いことなどから犯人の可能性は薄いと証言した。

 

アカネ「ミノルくん・・・キョウコちゃんありがとう・・・お願い信じて・・・私はやってない!私は二度と!」

 

すごい取り乱しようね・・・

 

ユウカ「アカネさん!この薬を飲んで!・・・ごめんね心を落ち着かせる薬を飲ませたの・・・私専門は心療内科なんだけどアカネさんにはトラウマがあってそれを直すお手伝いをしているの。」

 

シド「トラウマ?」

 

ユウカ「昔事件に巻き込まれたみたいで記憶の蓋が開きそうになると凄く取り乱すの。」

 

アン「できたら私たちも捜査のお手伝いをさせていただけないでしょうか?私たちもアカネさんに助けられましたし手助けがしたいんです。」

 

ユウカ「・・・わかったわ。もしなにかわかったら私に言うのよ。」

 

こうして私たちは自由に出歩く権利を貰ったんだけど・・・

 

アン「現場だと追い返されるだろうから・・・あれは・・・」

 

メガネのデブがノートパソコンを操作していた。

 

シド「ネットって繋がってないんじゃ?」

 

住人「うおっ!?いつの間に!これは大学内限定の回線だよ!そんなことも知らねぇのかよ・・・かひゅ・・・」

 

取りあえずシドの手刀で気絶させた私たちは書き込みから情報収集してたけど途中で銀髪エルフと名乗る少女が漆黒の騎士で食いついて私たちが名前ダサいと指摘したら殺害予告されて勝手にバンされた・・・

 

アン「もしかしてベータだったとか・・・」

 

シド「いやローマ字入力も必要だしまだそこまでじゃないと思うし違うな。」

 

私たちはそうして掲示板から死体が小さな研究棟にあることを知った・・・

 

アン「魔力痕跡もないし期待できないだろうけどね。」

 

私たちは騎士を縮地や音を殺した歩き方で躱すと扉に鍵がかかっていたので・・・

 

アン「ここはスライムで鍵穴と同じに変形させて・・・」

 

ガチャ

 

よし開いた。

潜入してみるとそこは死体安置室だった・・・

 

アン「暗くて狭い・・・長居は無用ね。」

 

シド「遺体はバラバラだけど・・・切断されたのはこれを隠すためだね。弾痕がある・・・」

 

なるほど、魔力を纏っていれば普通の銃がはじけるけど纏っていなければ私特製の魔弾でもない普通の銃でも騎士は殺せるわね・・・

 

シド「つまり犯人はゴリラが油断する相手だ。顔見知りかつ騎士じゃない人間が最優良力だね。」

 

主人公の株を奪う名推理・・・これでアカネの犯人説はより薄くなったわ。

 

取りあえず私たちはユウカ先生に報告をする。

 

ユウカ「そう・・・でもなんで君たちがそんな情報を?」

 

シド「えーっと・・・知り合いの情報屋にもらったんです・・・」

 

 

ユウカ「そう・・・騎士団からは私が話しておくわ。狙われるかもしれないからこのことは秘密にね。」

 

そうして私たちはミッションを終えて部屋に戻ろうとしたが・・・

 

アン「あれ?もしかして漆黒の騎士として真実を明らかにするのもありだったんじゃない?」

 

シド「あちゃ~・・・」

 

嘆いても後の祭りである・・・

 

そしてその深夜私たちは寝ていたんだけど・・・

 

シド「あれ・・・?」侵入者?」

 

アン「泥棒かしら?」

 

物騒になったわね・・・

そんなことを考えていたら銃弾が一斉に飛んできた!

マジか・・・まさか私が銃撃される日が来るなんて・・・!!

 

シド「今この瞬間こそあの奥儀を使う絶好の機会!!」

 

まず背中を120度に沿った後体に魔力糸を張り巡らす、そして肉体を操作しながら血糊を盛大に巻き散らかす!

 

モブ式奥儀!蜂の巣にされるモブ!(ブラッディ・マリオネット)

 

シド・アン「あぁあああ!!?」

 

最後は派手な崩れ落ちと噴水のような血でフィニッシュ!

 

ゴロツキ「やったか?」

 

ゴロツキ「あぁ。間違いない。蜂の巣だぜ。」

 

ゴロツキ「ひでぇもんだ。余計なことを知らなければ死なずにすんだのによ。」

 

ん?どういうことかしら。

 

ゴロツキ「取りあえず部屋を荒らしてこいつらの死体も・・・」

 

ヤバい・・・

 

ゴロツキ「あれ?この死体傷が・・・がひゅっ!」

 

アン「せっかくの技が台無しじゃない。」

 

シド「全くだ。」

 

これは誰かに頼まれたパターンね・・・私は首を締め上げながら尋問する。

 

アン「誰がやったのかな?牛乳一気飲みで腹を下したくなかったらいうのが英断だよ?」

 

ゴロツキ「ひぃぃぃ・・・」

 

シド「アンの尋問えぐいなー・・・」(首を絞めながら)

 

騎士「スタンピードだ!すぐに行かないと!」

 

あ、面白そうなイベントがやってきたわね。」

 

アン「やっぱり話さなくていいわ。さよなら。」

 

シド「余計なことを知らなければ生き残れた。全くその通りだね。」

 

ゴロツキたち「ぎゃぁああああ!!」

 

 



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陰の実力者はそうして学園生活に戻る

noside

そのころ騎士団の団長と騎士たちは魔獣の相手をしていた・・・

 

騎士「団長!魔獣が多すぎます!もうもちません!」

 

団長「どこからこれだけの魔獣が・・・もはや彼女がいたとしても・・・」

 

そうして団長は決断する。

 

団長「拠点を捨てて住民の避難に移れ・・・」

 

騎士「そんな・・・」

 

しかし現実は残酷なもの・・・上位体であるブルートゥルが来てしまった・・・

 

騎士「やめろ・・・」

 

そんな騎士の呟きが通じたのか獣はその爪を振り下ろさなかった・・・否

 

ザシュ・・・

 

漆黒の刃がその体を貫いていたからだ・・・

 

誰もがその漆黒の二人組の挙動に注目した・・・

そのとき空気が震え莫大な魔力が収束していく、女は刃を槍に替え槍投げの構え、男は剣を伸ばしていく・・・

 

シャドウ「アイアム・・・」

 

アン「シーイズ・・・」

 

そして放たれたのは究極の斬撃と投擲!

 

シャドウ「アトミックソード。」

 

アン「グングニル。」

 

ズガァアア!!

 

男が切り裂いたところは神が天と地を切り分けた如く両断されており女が放った投擲は女神の鉄槌にごとく地面に大穴を開けていた・・・

 

そうして二人は歩き出した・・・誰も止める気も起こさせない程の力で・・・

 

団長「待て・・・お前たちは何者だ。何故メシアに・・・」

 

シャドウ「時は満ちた・・・世界は新たなフィールドへと進む・・・」

 

ガーデン「しかとこの地を守ることね・・・」

 

そうして二人はメシアへと入って行った・・・

 

sideアン

 

ふふふ・・・決まったわね!

彼らは突如現れて魔獣を一掃した私たちに恐れおののく・・・そして陰の実力者の言葉を永遠と考えるのよ・・・

 

シャドウ「そう・・・陰の実力者は彼らの心の中に生き続ける・・・」

 

ガーデン「それは死んだみたいでいやだからやめて。」

 

そんな風に突っ込んでいるとベータがやってきた。

 

ベータ「おそくなりましたです。」

 

もう日本語喋れてる・・・

 

ベータ「はいです。ぺらぺらです。」

 

ぺらぺらではないけど意思疎通はできそうね・・・

なんかの歌を歌うあのキャラに似てる気がするけど気にしないのがご愛敬ね。

 

シャドウ「それで・・・その荷物はなんだ?」

 

ベータ「これでつよくなるです!」

 

ガーデン「異世界のもの集めたの?でもあの黒い穴に入るかしら・・・」

 

私がそんなことを考えていると妙な魔力反応があった。

 

ベータ「全て準備整ったです。頭あそこにあるです。」

 

なるほどあのおっさんの頭の反応だったのね。

 

そうして行ってみると・・・

 

ユウカ「これでようやく終わる・・・」

 

アン「やっぱりあなたが犯人だったんですね。」

 

ユウカ先生がアカネを降ろして何かを注射しようとしてるところだった・・・

 

シド「僕たちを殺すのと冴島を殺したのも先生ですよね?」

 

ユウカ「えぇ・・・そうよ。冴島と私はスパイ・・・でも私にはもっと別の理由もあってね。復習よこの子は多くの人間を殺した悪い子なのよ。」

 

アン「なるほど・・・」

 

ユウカ「淡白なのね。私は夫とアルカディアで暮らしてたけど夫と西野アキラが騎士を完成させたの。始まりの騎士は最初は黒髪で赤目だったのよ。」

 

アン「それが何の影響か金色に変わった。」

 

ユウカ「えぇ、西野アキラが禁断の研究に手を出してね。その結果大きな力を得た反面暴走の危険が出て危惧した夫は何度も彼を止めようとしたけど無駄だった・・・そしてあの虐殺が起きた…夫も何もかも破壊したのに記憶を消してのうのうと・・・許せるわけないでしょ?」

 

シド「彼女を殺すんですか?」

 

ユウカ「いいえ、それだけじゃ物足りない。思い出させてあげるの。あの男は実の妹に魔獣の体液を入れてたの・・・この子は人と魔獣の混じった化け物それにこのブルートゥルの体液を打ち込めば・・・」

 

ブシュ・・・

 

注射器を打ち込んだ瞬間彼女の髪は黄金に変わりぬき手でユウカ先生を貫いた。

 

ユウカ「・・・それがあなたの正体・・・これが私の復讐よ・・・」

 

アカネ「あぁああああ・・・!!」

 

さて・・・長話も終わったしそろそろ戦いましょうか。

 

アカネ「あぁあああ!!」

 

黄金の粒子を飛ばして攻撃してくるけど単調ね。

 

シド「黒き牢獄からは逃れられない・・・」

 

アン「これも悪魔憑きと同じだしなんとかなるでしょ。」

 

私たちはリカバリーで一気に癒す。

 

アン・シド「もう攫われないようにね・・・」

 

さて頭は・・・

 

ベータ「準備終わったです。」

 

おぉ、ベータ頭取って来てくれたのね。

 

ベータ「こうしてこうでーす!」

 

頭をベータが刃で貫くと同じ感じの穴が開いた!

 

シャドウ「流石だベータ。」

 

ガーデン「お先に!とう!」

 

そうして私たちの異世界旅行は幕を下ろしたのだった・・・

 

アン「ってもう休み終わるじゃん!!」

 

シド「ダッシュでも戻らないと―!!」

 

結局アカネとの戦いより戻るのに気力を使ったのはここだけの話である・・・



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陰の実力者は始業式と同時に金を巻き上げる

sideアン

ギリギリ間に合ったわね・・・

私はなんとか学園の講堂に着くことができた・・・

 

ギュー「もう、冬休みどこ行ってたのよアン。」

 

メー「シド君のお姉さんに居場所聞かれて大変だったのよ。」

 

そりゃ気の毒なことをしたわね・・・二人には後でガンマから送られたコーヒーでもごちそうしましょう。

 

ギュー「まぁ、ヒョロやジャガに比べたらましね。」

 

メー「なんせ懲りずにナンパして剣を尻に刺されそうになってたもの。」

 

あの二人め・・・余計なことを。しばらくはクレアさんに近づかないほうがいいわね。

 

ギュー「そうそう、大変といえば行方不明だったローズ元会長がオリアナ王国の王女になって大騒ぎなんだよ。」

 

アン「それなら知ってるわ。」

 

なんせ私が導いたんだから・・・覇王誕生の裏側では知られざる介入があった。これぞ陰の実力者のカッコ良さよ。

 

 

メー「でもこれでオリアナとミドガルの同盟は解消ね、ローズ王女が魔物を呼び出してオリアナ王国を乗っ取るなんて・・・歴史に残る悪女だね。」

 

アン「い、言われてみれば確かに悪女ね・・・」

 

まさか知らぬ間にローズ王女が日野富子や北条政子ポジションにいたとは・・・

で、でも歴史に残る悪女降臨に暗躍する陰の実力者も悪くないわよね・・・例に挙げた二人だって政治では評価されてるしこれからよ!うん!

 

そんな風にポジティブシンキングしながら学園で行方不明者が多くなっていることを聞いたり始業式を終えた私はシドの部屋に寄ろうとしたんだけど・・・

 

ヒョロ「チクショー!!」

 

ジャガ「シド君があんなに強いなんてありえませーん!!」

 

クズ二人が泣きながら去っていく光景に出くわした・・・

 

アン「何やってるのよシド、もしかしてポーカーでもやってたの?」

 

シド「うん、二人がミツゴシのトランプ持ってきたからボコボコにしたんだ。」

 

アン「イカサマならアルファですら見切れなかったのにあの二人が勝てるわけないわよね。あぁ、出てきていいわよ。」

 

そうして出てきたのはゼータだった・・・

 

ゼータ「流石主たちこうも簡単にバレるなんてね・・・これお土産のアジ。」

 

おぉこれは美味しそうな干し魚ね。

 

ゼータは本当にデルタと正反対ね。

 

シド「それで例の件に進展はあったか?」

 

シドがスパイモードに入る。そうゼータはシャドウガーデンでも随一のスパイなのだ。

私たちが教えた音を殺す方法や前世で覚えていた変わった武器の使い方も簡単にマスターしたしまさに二つ名の天賦に相応しいわ。

 

ゼータ「教団の動きは想定してた通り。右腕の復活を進めている。」

 

アン「そう・・・」

 

腕ってリンドブルムの設定を持ってきたのかしら・・・そういうストーリーを繋げる感じ素敵ね。

 

ゼータ「残された時間は少ない・・・必ず動き出す。」

 

シド「それで行方不明の生徒は?」

 

ゼータ「まだ四人だよ。」

 

アン「足りないのね・・・」

 

ゼータ「おそらくは。」

 

シド「五人目の犠牲者が出るな・・・ゼータよ、見極めよ。未来を・・・」

 

ゼータ「・・・!主たちがそれを望むなら。」

 

そう言ってゼータは夜の闇に消えていった・・・

 

アン「シド、またマーキングされてるよ。」

 

シド「やめてって言ってるのに・・・」

 

けどイベントが起きそうな雰囲気ね!楽しみ!

 

 



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陰の実力者は喧嘩の流れに便乗したい!

sideアン

今日から三学期の授業だったいうのにいきなりアレクシアにシドは呼び出されていった・・・そうして私は夜シドと一緒に焚火をしながら話の内容を聞いた。

 

アン「シド、何言われたの?」

 

シド「姉さんが行方不明になったみたい。子供のころからよくあることなんだけどね・・」

 

あの誘拐イベントは暑かったわよね。また起きないかな。

 

シド「しかも中二病黒歴史ノートまで部屋に落ちてたらしい・・・あと首輪も。」

 

なっ・・・首輪に右手に包帯魔方陣、さらには行方不明・・・何故なの?ちゃんとケアしたはずなのに病状が酷くなってる・・・

 

振り回されてるアレクシアに少し同情しながら私たちはゼータからもらった味を焼いていたその時だった・・・

 

デルタ「ボスたち!やっと見つけたのです!」

 

まさかの来客に少し驚いたわね・・・

 

アン「もう夜だから静かにしましょうね。」

 

デルタ「デルタは黒いジャガをやっつけたのです!」

 

シド「そうか・・・」

 

すまんおっさん。

 

デルタ「アルファ様も褒めてくれたから二人にも褒めて欲しいのです!」

 

アン「静かにしたら褒めてあげるわ。」

 

デルタ「デルタはボスたちに言われた通り穴を掘ったのです・・・そしたらこんな宝石が出たのです!」

 

なにこの赤い石・・・宝石かしら。

 

アン「これは高値で売れそうね。よくやったわデルタ。」

 

これでオリアナの時の指輪の補填ができるわね!

 

デルタ「ボスに褒められたのです!ご褒美にこれ欲しいのです!」

 

パクッ。

 

あ、ゼータのお土産・・・でも幸いなことにゼータはいないから・・・

 

ゼータ「ワンちゃん・・・何してるのかな?」

 

あ、厄介なことになったわね・・・

 

ゼータ「これは私が主たちに献上したもの、ワンちゃんのじゃない。」

 

デルタ「これはボスがご褒美にくれたものなのです!」

 

シドー「まぁまぁ・・・」

 

ずごおぉぉ!!

 

私たちの制止は空しく二人は喧嘩を始めてしまった・・・

ゼータの飛ばす刃をデルタは軽々と避けるけど・・・

 

ぶおっ・・・

 

アン「あれは吸血鬼の霧化・・・」

 

シド「ゼータもできるんだ・・・いや彼女のセンスなら当然か。」

 

でも彼女には欠点があるんだよね・・・

彼女は全身霧化できておらず尻尾だけ浮いていた・・・そういつも極める前に飽きるのが玉に瑕なんだよね・・・

 

デルタ「そこなのです!」

 

デルタが鉄塊をゼータに向けて撃つがゼータは霧の中から出した刃を出して応戦そして

 

ゼータ「バイバイ、ワンちゃん。」

 

デルタ「待つのです!!雌猫おぉぉ!!」

 

霧にのって飛んで行ってしまいデルタも追いかけていった・・・

 

シド「結局いつもの流れか。」

 

アン「大体ゼータが逃げるかアルファが切れるかで終わるのよね・・・その前にわたしは撤退するんだけど。」

 

シドは面白くみるからたち悪いわよね・・・ん?近づいてくる気配がある・・・これはアレクシアと騎士団ね。そうだ・・・ちょっとムーブをぶちかましましょう!

 

noside

 

アレクシアが魔力反応を元に行ってみるとそこはむせ返るほどの魔力と血がそこにはあった・・・

 

アレクシア「一流の魔剣士が戦った・・・何故こんな裏庭で・・・」

 

騎士「あ、アレクシア様!」

 

警備兵が指さした先を見てアレクシアは人影を見た・・・そこにいたのは・・・

 

シャドウ「これが戦いの代償か・・・」

 

ガーデン「激戦の跡はいまだ消えずね・・・」

 

シャドウとガーデン、二人が佇んでいた・・・

 

アレクシア「シャドウ、ガーデン、これは貴方たちが関係しているの?」

 

アレクシアは叶わないと分かっていながらも剣を向けて話す。

 

シャドウ「それを知ってどうする?」

 

アレクシア「捕まえるわ。勝手なことは許さない。」

 

ガーデン「無駄ね。」

 

しゅっ・・・

 

二人はアレクシアの眼前にもう迫っていた。

 

アレクシア「なっ・・・」

 

いつの間にか剣が首元に突き付けられていた・・・しかもシャドウのはアレクシアの剣を奪っていたのだ…ガーデンの方もいつ剣を抜いたのかすらわからなかった・・・

 

シャドウ「住む世界が違う。」

 

アレクシア「どういう意味よ!!」

 

ガーデン「表と裏、光と陰。それはいつだって交わらない。交わる先は混沌と誰もが知って恐れるから。関わるべきでない世界は確かに存在する。」

 

シャドウ「時間だ。奴らが動き出した。」

 

そうしてシャドウとガーデンは警備兵を一蹴してその場から姿を消した・・・

残ったのはいつの間に警備兵を一蹴したのかわからず佇むアレクシアだけだった・・・

 



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陰の実力者はカンニングでしのいでる

sideアン

私たちは昨夜アレクシアに陰の実力者ムーブをぶちかましたことに満足していた・・・

 

シド「ふふふ・・・こうして学園生活の中で進行している事件のような雰囲気は嫌いじゃない。」

 

ゼータとデルタの喧嘩からこうもかっこよくつなげられたことも含めて私たちはご機嫌だったその時だった・・・

 

ゼータ「主たち。」

 

なんとゼータが清掃員の格好をしてこちらに話しかけてきたのだ・・・

 

アン「今回は撒くのが早かったのね。撤退の腕も上げたわね・・・これは殿戦でも侮れなくなりそうね・・・」

 

ゼータ「おほめに預かり光栄だね。彼女(クレア)への襲撃は失敗した。でも彼女は向こう側にいる。」

 

シド「そうか。」

 

ゼータ「教団は次の刺客を放つ。」

 

ゼータは窓辺をじっと見つめながら颯爽と去っていった・・・

 

そうして授業も終わり昼休みになったころ私はお昼ご飯を食べようと食堂に向かうと・・・

 

ニーナ「やぁ、アンも来たんだね。」

 

アン「ニーナ先輩。」

 

クレアさんと仲のいいニーナ先輩がワインレッドの髪をなびかせながら歩いてきた。先輩に連れられ机に移動すると・・・

 

シド「やぁ、アンもお昼?」

 

高級そうなメニューをむしゃむしゃと食べるシドがいた・・・

 

アン「ニーナ先輩後輩好きですね・・・ヒョロやジャガにもトランプ上げたんでしょ?」

 

ニーナ「まぁね、君にも奢るし嫉妬しないでよ。」

 

アン「別に太っ腹だなと。」

 

だってクレアさんと仲いいからって普通禁書を持ってきたりカンニングペーパー用意できたりしませんからね?でもこんなにしてもらったら今回は流石にカンニングペーパーは頼めないわね・・・

 

ニーナ「そういえばクレアが行方不明なんだってね、アレクシア王女に聞かれたけど普通通りだったよね。」

 

アン「はい、まぁクレアさんは強いですし大丈夫ですよ。」

 

ニーナ「流石親友。」

 

アン「茶化さないでください、ニーナ先輩も騎士団に入るんですか?」

 

ニーナ「うーんどうだろ?僕は落ちこぼれだし。」

 

え?そうなのね。見た感じだとクレアさんよりも強そうだからてっきり実力で友達と認められてるのかと・・・

結構謎な人なのよね、ニーナ先輩って・・・

 

そうしてクレアさんは見つからないまま平穏な日々は流れていき・・・

ついにテスト当日となったわけだが・・・

 

アン「問題発生ね・・・」

 

私は答案用紙とにらめっこをしていた。ぶっちゃけニワノ―家は勉学に力を置いている家柄なのでやろうと思えば全教科満点は取れる。けれどそれではモブ失格なので誰もが間違える問題ではしっかりと点数を落としておいて勉強してたらできる問題で点数調整を行ってきた。それを可能にしていたのは斜めにいるアイザック君と隣の席にいるクリスティーナさんだった・・・

 

前を見るふりをしつつアイザック君の回答を見てそれでもわからないときは隣をチラ見していたのだ・・・

 

そのアイザック君がまさかの欠席!隣をあまりちらちらと見たら怪しいし気づかれるリスクが倍増する・・・とりあえず正解は書いてるけど満点になってしまう・・・どこで間違えるのが正解かをクリスティーナさんの答案で確認しないといけない。

彼女に怪しまれないようにするには・・・首だけを高速で振ってみるか・・・

しかし早く動かしたら爆風で誰もがペットボトルロケットのように吹っ飛んでしまう可能性がある。

 

アン「でもやらないと目立つし仕方ないか!」

 

今こそ幻の49個目の奥儀を見せるとき・・・

 

ズガンっ!!

 

・・・なんか突然クレアさんが教室に落ちてきたんだけど・・・

 

クレア「私を渡すわけにはいかないってどういうこと!?」

 

先生「クレア・カゲノー、ここは君のクラスではない。」

 

クレア「あの・・・その・・・失礼しましたー!」

 

クレアさんは大慌てで退出してしまった・・・

後で呼び出し確定ね・・・予想以上に進行してたわね・・・

 

アン「でも間違った回答は見事ゲットね。」

 

シドもカンニングが成功したようで笑顔だった。

 

 



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陰の実力者はシーフの活動をこっそり観察する

sideアン

テストが終わった夜私たちは夜の中を散歩していた。

私たちは温泉の他にも好きなものがあって一つにこの夜の散歩があげられる。

最近ではなくなりつつあるけど前世では陰の実力者になるための現実と理想のはざまで揺れることもあった。そんなときは無心で修業するのもいいけど夜の散歩で自分を見つめなおすのも悪くない・・・静かな世界で月を見上げてればそれっぽく見えるし景観を損ねるストーカーがいればスコップで撃退する。

 

まぁ、そんなわけで私たちはちょくちょく夜の散歩を敢行してるわけなんだけど・・・

私たちのブームは学校の屋上から世界を見下ろすことよ。

 

シド「くくく・・・」

 

アン「この赤い宝石も月明りの下なら映えるというものよ・・・」

 

これを売れば陰の実力者としてほしいものを満たせるというもの・・・

そんな風にロマンスに身を浸らせていると屋上の隅から気配を感じた。

 

アン「しかも来ているのは欲しいリストにある暗黒蜘蛛の黒ローブとアンティークの銀の懐中時計じゃない!!」

 

シド「あの艶と深い黒、それに年代ものの輝きは間違いない・・・」

 

見た目はなんか泥棒そうだし盗んでも問題ないわよね?

 

闇蜘蛛「予定より遅れているな図面と照らし合わせると・・・」

 

銀時計「そうね、慎重にいかないと・・・」

 

うん、チラ見した顔とか発言がもうすでに彼が一流のシーフであることを物語っているわ!カッコいい・・・

 

そんな風に見とれているとシーフがこちらを振り返ってしまった。

 

闇蜘蛛「お、お前たちいつからそこに!」

 

銀時計「この時間に人がいるなんて報告・・・」

 

シド「あ、気にしないでください。散歩していただけなんで。」

 

ホントは黒ローブ欲しいけど・・・

 

闇蜘蛛「見られたからには消さねばならん・・・」

 

銀時計「その通りよ!コンビネーションの違いを・・・」

 

アン「やっぱりカッコいいわね、冷徹なシーフは・・・」

 

ガキン!!

 

私たちは振り下ろされる二刀流の鎌をそれぞれスライムスーツを硬化させて受け止める。

 

闇蜘蛛「防がれるとは・・・お前たちただの学生じゃないな・・・だが俺たちは暗黒微笑よりつよい!」

 

銀時計「ここで死ぬのよ!!」

 

え?誰?とりあえず私たちは流麗に躱してそれぞれスライムで鉤爪と膝に刃を出してシドは思いっきり胸に突き刺して心臓をえぐり私は腹に強烈な膝蹴りを入れた。

 

闇蜘蛛「バカな・・・こんなところで学生に・・・もうしわけありませんフェンリル様・・・」

 

銀時計「そんな・・・ぐぅ・・・」

 

やれやれ・・・カッコ良かったのに無駄な殺生をしてしまったわ。

死体の始末はどうしましょうか・・・

 

シド「ローブは奪えたし落としちゃおう。」

 

ずしゅっ!

 

あ、銅像の剣に突き刺さった・・・知ーらない・・・

 

白い霧が出た気もしたがそんなことより黒ローブと銀時計ね。

 

案の定朝になると串刺しの死体があってアレクシアが事態を深く飲み込んでたけどシドが雑に処理しただけなのをこうも繋げてくれることには感謝ね。

 

私がそうやってアレクシアの的外れな推測に関心していると首輪をつけられていた。

 

クレア「やっと見つけた・・・!!」

 

おっと・・・私たちは引きづられてクレアさんの部屋に入っていた・・・

 

クレア「よくも約束をすっぽかしたわね。」

 

どこことかしら・・・

 

クレア「おまけに嘘まで。」

 

アン「待ってくださいどの嘘ですか・・・?」

 

クレア「ニーナのことよ。」

 

え?そんな嘘ついたかしら・・・

 

シド「あれには複雑な事情があって・・・反省してます。」

 

とにかく反省しないと首絞め地獄からは逃れられない・・・

 

クレア「二人はそのままね・・・私は貴方たちを守る為ならどんな強大な敵とも戦える・・・」

 

えっと・・・また病気が進行してる感じ?

 

クレア「学園に強大な組織の魔の手が迫っているの。私は謎を追うわ・・・でも二人のためなら立ち向かえるわ。」

 

シド「頑張れー・・・」

 

クレア「ちょっとアウロラ、感動の場面なんだから静かにしてくれる・・・え、恥ずかしいからやめろ?」

 

アン「クレアさん?」

 

クレア「ち、違うのよ!これは一人事で・・・」

 

まさかもう末期まで・・・真面目な人ほどかかったらヤバいっていうけど・・・

 

シド「姉さんは絶対に死なないよ。」

 

クレア「シドー!!アン!!絶対に帰ってくるからね!」

 

抱きしめられて背骨いたいし終わってほしいんだけど・・・

 



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久しぶりにヴァイオレットさんに会う

sideアン

クレアさんに背骨をへし折られそうになった夜に私たちは学園の屋上で佇んでいた・・・

学園は厳戒態勢で生徒たちも落ち着きがない・・・まさか昨夜の泥棒がこうも注目されるなんてね。しかも霧であたりが覆われ始めた。

 

シド「お、丁度何しようか迷ってたから助かった・・・ここは霧の中からのカッコいい登場の練習でもしようか・・・」

 

アン「そうね・・・ってあれ?なんか白い空間に来ちゃったわね・・・」

 

リンドブルムと同じ現象かしら?

 

アウロラ「貴方たち誰?」

 

そこにいたのは小さなヴァイオレットさんだった。

 

シド「やぁ、久しぶりだね。」

 

アウロラ「誰なの?新しい研究者?」

 

アン「覚えてないのね?あの時とは違う記憶だからかしら?」

 

アウロラ「こ、来ないで・・・」

 

警戒されてるわね・・・まぁいきなり怪しい男女が来たらこうなるか・・・

 

シド「気づいたらここにいたけど僕たちは完全に悪人ってわけじゃないから。」

 

アン「貴方はどうしてここにいるの?」

 

アウロラ「私は・・・あぁあああ!!」

 

苦しそうね・・・アカネと同じような感じもするわ。

 

アン「思い出さなくて大丈夫よ。私もどうでも良さそうなことは忘れるようにしてるの。」

 

シド「大切なことに集中するために脳のメモリを減らしてるんだ。」

 

アウロラ「嫌・・・やめていやぁああ!!」

 

ものすごい魔力ね。直線的だけど大人の時より凄いんじゃない?

 

シド「でも直線的なら受け流せる。」

 

私たちは魔力のベクトルをずらして近づいた。

 

アン「忘れていいのよ。今納めてあげるから。」

 

魔力暴走を沈めるように私たちは魔力を流した。

 

アウロラ「・・・忘れられないときは?」

 

シド「うーん、思い出さないようにしてれば忘れるんじゃない?」

 

アウロラ「・・・無理。」

 

アン「そう、そろそろ落ち着いた?」

 

アウロラ「うん・・・」

 

さてどうやって出たもんかしら・・・

 

アウロア「出ていっちゃうの?」

 

シド「いずれね。」

 

アウロラ「皆いなくなる。」

 

シド「そうでもないさ。」

 

アウロア「皆死んじゃった。」

 

アン「私たちは死なないわ。なんせ長生きしたいから。」

 

600年は行きたいわね。

 

アウロラ「嘘付き、行かないで。」

 

シド「出口を見つければ君も出られるかな。」

 

吹き飛ばしたら消えちゃうしね・・・

 

アウロラ「私は出れない・・・嘘じゃないならそれ頂戴。」

 

え?赤い宝石?

 

アン「こんなのでいいの?」

 

アウロラ「大切なもので落ち着きそうなの。」

 

じゃあ・・・その時ドアの音が聞こえたと思ったらヴァイオレットさんは消えてしまった・・・

 

そして白い空間は砕け散った・・・

 

シド「近くにいるのかな?」

 

そうして探知してみるとクレアさんとアレクシアが何故か図書室の方にいたのでイベントが起こると思って向かってみるとなんと司書長が二人を拘束して薬品付けにしようとしてるのが見えて前世でのルーティン的に私はガーデンに変身して登場していた。

 

細柳「お前は・・・ガーデン!!」

 

アレクシア・クレア「ガーデン・・・」

 

シャドウ「流石はガーデンここの場面ならお前の嗅覚は一品だな。」

 

ふふふ・・・前世からストーカーを撃退してたからこういうのを見つけるのはレーダーが働くのよ!

 

シャドウ「しかし趣味が悪いな。」

 

女子生徒を拉致して監禁とは前世に勝るとも劣らない変態がいたものだ。そして古今東西この手の変態がやることは抵抗と決まっている。

 

細柳「はぁあ!!」

 

へぇ、変態の割にはいい剣ね。

 

ガーデン「剣だけは褒めておきましょう。」

 

私は鉈を蹴りで砕き胸に剣を刺した。

 

細柳「勝負にもならなかった・・・」

 

そうして私たちは華麗に立ち去った。その司書長が殺されたニュースは瞬く間に駆け巡ったことを私はクレアさんによって翌日聞かされた。

 

クレア「騎士団は司書長の死を闇に葬ろうとしている・・・何もできないのが悔しいわ・・・」

 

真実ね・・・

 

シド・アン(そりゃ司書長が変態だったってことは隠そうとするだろ・・・)

 

シド「常に正しければいいというわけではないち思う。」

 

クレア「私が間違っているって言いたいの!?」

 

アン「そうじゃないんです。闇はいつだって深い、それを誰もが許容できるわけじゃないんです。」

 

図書館の利用者は混乱するし思想が広まれば大変なことになる

変態(奴ら)の思想は根深く闇が深い・・・知ろうとすればミイラ取りがミイラになるかもしれないのだ・・・

 

クレア「混乱が起こるってこと?」

 

シド「アンの言う通りだよ、でもだからこそ陰ながら事件を解決する者が必要なんだ。」

 

クレア「なるほど・・・つまり私が解決すればいいわけね。」

 

ナンデソウナルノ?やばい・・・また病気が進行しそうになってる・・・

 

シド「いや姉さんである必要はない。」

 

クレア「やっぱり私は選ばれていたのね。」

 

右手の包帯触らないで!痛すぎるよ!!

 

クレア「シド!アン!二人を守れるのは私しかいないわ!」

 

アン「大丈夫です。自分の身は自分で守ります。」

 

クレア「大丈夫よ・・・守るから・・・」

 

また進行した・・・あ、コーヒー美味しい(現実逃避)

 

 



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陰の実力者はカッコいいセリフを見つけ出す。

sideアン

クレアさんが帰ったその日の夜、私はギュウとメーが買ったというミツゴシ商会のトランプでババ抜きしながら遊んでいた。懐かしいわねババ抜き・・・私も七陰に遊び方伝授してよくやったわ。ガンマやアルファがポーカーフェイスでなかなか苦戦したけどデルタやベータが顔に出やすかったのは良い思いでね。

 

ギュウ「また負けた・・・」

 

メー「アンちゃん強すぎでしょ・・・」

 

アン「さぁ、もう夜も更けてきたし私の勝ってことでお金を徴収するわよ。」

 

そうしてかけていたお金をもらい解散となった。

 

ギュウ「やっぱりこういう無理のない賭けが一番楽しいわね。」

 

メー「ヒョロとかジャガなんかの無茶な男子の間ではミツゴシリボってところで借りてまでむしり取ろうとする奴もいるくらいよ。」

 

大丈夫、今頃シドにボコボコにされてるから。

そうして私はシドの部屋に向かうと・・・

 

ヒョロ「ちくしょー!覚えてろ!!」

 

ジャガ「あんなに練習したのにー!!」

 

捨て台詞を吐いて撤退する二人の姿があった・・・

 

アン「また二人で搾り取ったの?」

 

シド「これぞ弱肉強食。」

 

資金ボックスにお金を入れるシドはいつもより生き生きとしていたわ・・・

 

アン「そういえばシド今日は誕生日だったよね?はいこれ、ミツゴシの日本酒。私が教えた陰の叡知でガンマとイータに作ってもらった一品よ。」

 

シド「おぉ・・・そこまでになっていたかミツゴシの技術力・・・ではゼータに注いでもらおうかな。」

 

ちょうど隠れてるしね。

 

ゼータ「やっぱりバレてたんだ・・・」

 

そうして私たちはこれもガンマに作ってもらった升にお酒をゼータに注いでもらう。

 

ゼータ「主たちは誕生日が嫌い?さっきの二人がなんだか慰め合ってるような感じがしたから。」

 

アン「バレた?」

 

シド「人生の残り時間が減っている感じがするからね。」

 

こうして二人になってからはずっとお互いに慰め合ってるからね。

 

ゼータ「わかるよその気持ち。今夜は大事な話が合って・・・主たちは永遠の命が欲しいんだったね。」

 

シド・アン「もちろん。」

 

永遠の命があれば100年潜んだ後に・・・なんだ・・・あいつは!まさかあの伝説のプレイができる。強くてニューゲームを素でできるなんてこれほど喜ばしいことはないわ。

 

ゼータは過去のことを話し始めた。昔は姫君だったこと、弟を惨殺されて馬車に乗っていたところを私たちの助けられたこととかね・・・

 

ゼータ「私は捨て猫。主たちに拾われたちっぽけな子猫、だから主たちの望む世界がなんなのか考えた。ちょっぴり難しかったけど。」

 

そうなのね・・・

 

ゼータ「主たちは先を見据えている。私も同じ。」

 

シド「そうか・・・」

 

ゼータ「やっぱり止めないんだね。」

 

アン「その選択を否定はしないわ。」

 

ゼータ「主たちは優しい、それが枷になっている。」

 

そうかしら?自分でも気づかないうちに甘さがあったのなら直さないとね。

 

ゼータ「私は主たちの代わりに世界に恨まれる。それが私の使命だから・・・その時が来たら私を切り捨てて・・・」

 

か、カッコいい・・・

 

ゼータ・・・そこまで設定を煮詰めてたなんて・・・私たちは眠る時間になってもそして翌日の授業中にもゼータのセリフに魅了されていた・・・

 

シド「構わない。それが世界に必要なのだとしたら我は恨まれよう。それこそが我が使命。」

 

アン「例え、刃を向けられようとも我が信念、折れるものではないとしれ・・・」

 

だからこそこうして夕方の屋上でセリフの練習をしていた・・・

 

シド「こういう展開もありだな。」

 

そう・・・世界に反逆する二人、シャドウとガーデン

彼らは世界を守るため罪を背負うのだった・・・あれ?

 

アン「なんか私たち似たようなことしたような・・・」

 

シド「そうだ、シェリーの時に・・・」

 

ーもし貴様にできるのなら世界中の罪を持ってくるがいい・・・我らはそのすべてを引き受けよう・・・-

 

ーこの刃は信念の刃・・・我らは我らの道を行くー

 

やっぱりカッコいい・・・夕焼けの屋上とベストマッチを起こしてるわ。

 

シド「陰よ。食らいつくせ。」

 

アン「懺悔せよ。断罪の刃は振り下ろされた。」

 

こうしてよく鍛錬したわね・・・前世を思い出してより一層完璧さを求めたくなるわ。

 

そうして私たちは右手を掲げ・・・

 

アン・シド「くる!」

 

そう叫ぶとあたりに霧が立ち込めた・・・

 

これは間違いなくイベント発生の雰囲気ね。

私たちは早速情報収集を開始するのだった。



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陰の実力者は見事な地味キャラに変装する

sideアン

私たちは情報収集をしようと歩いていると悲鳴が聞こえてきた。

もちろんイベントだと思ったので悲鳴のした方に行ってみると・・・

 

アン「個室の自習室ね。」

 

シド「確かこの部屋からだな。ふん!」

 

私たちは鍵がかかっているのも引きちぎって入室した。

 

スズーキ「な、なんだよこれ!」

 

タナーカ「だ、誰か助けて・・・」

 

あら、クラスの地味キャラのスズーキ君とタナーカさんじゃない。スズーキ君はクリスティーナさんとは遠い親戚らしいんだけど魔力量で悩んでいたから同じく魔力量で悩んでいた人と一緒に自主練してたんでしょうね。

 

スズーキ「き、君たちはカゲノー君にニワノ―さん!この首輪が外れないんだ!」

 

アン「それっていつついてたの?」

 

タナーカ「わからない!いつの間にかつけられてたの!変な音もなってるし・・・」

 

首輪にはタイマーがついていて丁度0になった。

 

ドガン!!

 

なんと二人とも爆発してしまった・・・

 

シド「爆発しそうな感じはしてたけど・・・」

 

まぁ仕方ないわよね。

とにかく首輪を分析しないと。

私たちは魔力を流したり前世の知識から推測する・・・

 

シド「タイマーが0になると爆発する時限爆弾だ!」

 

アン「でもこれは魔力を吸われてる感覚があるから魔力残量を図ってそれが0になったら爆発する仕組みね。」

 

二人は自主練で魔力を使ったから爆発したというわけか・・・

問題はいつどこでつけられたかね。

 

シド「こんなのつけられたらすぐ気づくはず・・・ってあれ?」

 

私たちにもついてた・・・考えられるのはあの白い霧の出たときね。

 

アン「私たちのは残量が9999のままバグってるみたいね。」

 

シド「しかも吸われる魔力より自然回復量の方が圧倒的に多いから変化なしか・・・」

 

ぶっちゃけ外たら爆発するとしても一瞬で引きちぎった後野球選手張りの豪速球でぶん投げれば五体満足無事でしょうね、いや爆発したとしても肉体改造による頑丈さでなんとかるわね。

 

アン「つまり私たちの今やることはスズーキ君とタナーカさんに化けてイベントを満喫すること!」

 

シド「その通り!!まずは魔力を調整して・・・」

 

さえない学生が事件を機に徐々に覚醒していく・・・カッコいいわね。

 

アン「あとはニューのスライムメイクとイプシロンのスライム整形術で骨格を整えれば・・・完成!」

 

シド「きっとアレクシアあたりなら解決のために動き出すでしょ。」

 

アン「早速向かいましょう!」

 

どっからどうみても私たちはスズーキ君とタナーカさんね!

私たちは彼らの生徒手帳や小物をパクって教室へと急行するのだった・・・

 

 



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陰の実力者はいぶし銀キャラを演じたい!

sideアン

そうして私たちが教室に向かうとアレクシアをはじめとした生徒には首輪がはめられていて学年関係なく同じ教室で亡霊みたいなものと戦闘をしていた・・・

そしてこのままではじり貧になるということで私たちは提案した・・・

 

タナーカ「私たちに考えがあります・・・」

 

スズーキ「俺達の戦力は少ない、つまり役割を分ける必要がある・・・」

 

タナーカ「魔力に余裕のあるものは特攻隊。少ないものは防衛部隊ということで分けたらどうでしょうか?」

 

クリスティーナ「ちょっと!分家と下級貴族でアレクシア様に意見なんて・・・」

 

アレクシア「いえ、二人の言うことには一理あるわ。」

 

流石アレクシア、リスクを取ってでも可能性の多い方に賭けるのは主人公の素質だからこういう時には使えるのよね。

 

そうして魔力の少ない生徒たちからの反発はありつつもクレアさんとアイザック君、アレクシア、ニーナ先輩、クリスティーナさん、私、シドで事件を解決するため廊下に出たのだが・・・

 

そして亡霊に襲われるが私たちは絶妙なフォローを加えながら皆で倒していく。

その中で腕が折れた生徒がいたので助けようとすると副会長であるエライザさんが向かい入れてくれた・・・

 

エライザ「けど助けた彼女・・・魔力がもうじき尽きてしまいますわ・・・」

 

スズーキ「実は面白い機能を見つけましてね・・・」

 

シドが魔力を注ぐと首輪の数字が増していった・・・

 

女子生徒「ありがとう・・・」

 

クリスティーナ「貴方・・・何をしたの?」

 

タナーカ「首輪を調べたら魔力を受け渡す機能もあったみたいなので利用したんです。それにこの教室には四肢を拘束された生徒たちが・・・もしかしたら同じことを試した人間がいたのかもしれません。それにさっき彼女が言ったありがとう・・・まるで機能を知ってかのような発言・・・」

 

エライザ「ち・・・でも私にはこの魔力が・・・なっ・・・」

 

そう言った瞬間シドは素早く背後に回りこんでいた。

 

スズーキ「今この瞬間は貴族も何も関係ない・・・魔力を渡さなければ首輪が引きちぎれますよ?」

 

エライザ「・・・!わかったわ・・・覚えてなさいよ・・・」

 

タナーカ「この推理も暴力も霧の中での出来事ゆえ・・・」

 

そうして私たちはエライザ副会長に魔力を渡してもらい少しの余裕を生み出すことに成功したのであった・・・

 

クリスティーナ(本当にあのスズーキとタナーカなの・・・まるで別人じゃない・・・)

 

アイザック(二人は劣等生だったはずだが・・・)

 

ふふふ・・・私たちの実力に気づき始めてる人もいるわね・・・



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陰の実力者は華麗に拘束を抜け出す

noside

皆スズーキやタナーカの胆力に驚きつつも進んでいくと教会があった・・・

 

二―ナ「確かこんなところに教会はなかったはずだけど・・・」

 

そうして皆は警戒しながらも奥の台座へと進んでいく。

 

クレア「これくらい・・・とりゃ!」

 

クレアが蹴り飛ばそうとするも全く動かない・・・

 

ニーナ「魔力障壁・・・動かすには鍵が必要だね。」

 

アレクシア「それってどこにあるの?」

 

ニーナ「そこまでは・・・」

 

クレア「お願い・・・こんなところでは終われないの・・・力を貸して・・・」

 

そうしてクレアが台座に振れると魔方陣が輝きだし・・・

 

クリスティーナ「開いた・・・」

 

アイザック「この力は一体・・・」

 

そうして進んでいくと地下牢に進んだが突然扉が閉まってしまった!

 

アレクシア「しまった!罠・・・!」

 

アイザック「その通りですよ。そして僕が内通者です。」

 

そうして一部を除いた全員が眠らされてしまうのだった・・・

 

sideアン

 

いや~まさかアイザック君がテロリストと内通していたとは・・・彼も金欠だったのね。でも感謝しないと、こんな実力者プレイができるんだから。

 

アイザック「さて・・・お別れの時間です・・・」

 

クリスティーナ「嫌!こないで!」

 

やれやれ・・・司書の人の時と同じじゃない・・・

 

ずしゅっ!

 

アイザック「ごほっ・・・!!」

 

私は剣が取られていることを素早く確認してヨガに起因する脱骨術を使って素早く拘束を解除、素早く持っていたコンパスをアイザック君の首筋にぶっ刺した。

 

クリスティーナ「た、タナーカ・・・」

 

アイザック「僕は・・・こんなところで・・・げばっ・・・」

 

女の敵は早々に成敗しないとね。

 

スズーキ「ふっ・・・どうやら始末はすんだようだな。」

 

タナーカ「えぇ、では行きましょうか。クリスティーナ様。」

 

クリスティーナ「え、えぇ・・・あの、私あなた達を誤解してたみたいもしよかったら・・」

 

スズーキ「それはできません僕たちに関われば血濡れの道に巻き込むことになる・・・」

 

タナーカ「それでも私たちには使命がある・・・世界を敵に回してでもね・・・」

 

クリスティーナ「二人とも・・・あれ?首輪が・・・」

 

そうして奥へと進むとアレクシアとクレアさんが敵のボスらしき老人がいた・・・

 

アレクシア「ねぇ!しっかりしてクレア!」

 

クレア「・・・・」

 

クレアと強くなったアレクシアでもダメなんてこの爺さんなかなかやるわね・・・

正体を明かすならこの人とのバトルにしかないわね!!私はシドとアイコンタクトを取りながらワクワクしながら戦いに挑むのだった・・・



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陰の実力者は渡してはいけなかったものを渡したかもしれない

noside

そうしてスズーキとタナーカ、そしてラウンズ第五席フェンリルと呼ばれる魔剣士の戦いが始まった。

 

キン!キン!!

 

フェンリル「間合い把握も完璧、しかも我が剣を万年筆とコンパスで・・・貴様ら何者だ?」

 

スズーキ「ただの生徒だ・・・」

 

そうして剣撃は熾烈を極めるが間合いの関係上二人が不利である。

 

フェンリル「お前たちも武を究めるものならこの差が埋まらないことは理解しているだろう。

 

タナーカ「さてそれはどうかしら?」

 

そういうと二人はコンパスと万年筆の雨が降り注いだ!

 

フェンリル「何っ!?」

 

スズーキ・タナーカ「合技 金と銀の投擲劇。」

 

しかしフェンリルの体捌きも大したもので全部は避けたものの・・・

 

ぐざっ!!

 

フェンリル「なるほど・・・先ほどの投擲は囮・・・腸至近距離からの刺突が本命か・・・」

 

スズーキ「さらばだ・・・」

 

しかしフェンリルの体は瞬く間に再生していった。

 

そうして二人は吹き飛ばされてしまった!

 

クリスティーナ「二人とも大丈夫!?」

 

クリスティーナはそう言って駆け寄る・・・

 

タナーカ「クリスティーナ様・・・私たちは謝らなければなりません・・・」

 

クリスティーナ「そんなこと今は・・・」

 

スズーキ「いいえ・・・それは俺たちがスズーキでもタナーカでもないことだから・・・」

 

そうして二人はシャドウとガーデンの姿になる・・・

 

アレクシア「シャドウ!?ガーデン!?」

 

クリスティーナ「あれが・・・」

 

二人とも驚きを隠せていなかった・・・

 

フェンリル「来るとは思っていたが変装して正面からの戦闘を避けようとするとはな・・・」

 

ガーデン「さてあなたの読みが当たっているかは剣で答え合わせしてみたら?」

 

フェンリル「元よりそのつもりよ・・・古流剣術奥儀 空蝉。」

 

するとフェンリルの姿が消えたと同時に斬撃が振り下ろされていた。

 

シャドウ「やるな。」

 

シャドウのロングコートには傷がつく。

 

ガーデン「この剣は・・・遅いのね。」

 

フェンリル「やはり気づくか・・・ふん!」

 

フェンリルはガーデンにも剣を食らわせようとするがガーデンは間に剣を挟んで止める。

 

シャドウ「なるほど・・・さっきのは魔力による残像、残像が出ている隙にこっそりと切っていたのね。」

 

フェンリル「流石だ。その実力本物であったか。ならばわが奥儀受けてみよ!」

 

そう言ってフェンリルが剣を振り始めると八本の斬撃が二人を襲う。

 

ズバババ!!

 

フェンリル「これぞ空蝉の血牙。」

 

しかし二人の姿は残像となって消える・・・

 

フェンリル「残像か・・・」

 

シャドウ「貴重な剣を見せてもらった。」

 

現れるのは九人のシャドウと九人のガーデン・・・

 

フェンリル「見事!!」

 

シャドウ「奥儀、空蝉のアトミック。」

 

ガーデン「奥儀、流水の九重乱舞」

 

シャドウは竜に模した斬撃を九つ浴びせ、ガーデンは九人で流水の剣舞で相手を攪乱して全方位の斬撃を浴びせフェンリルをあの世に送ってしまうのだった・・・

 

sideアン

 

いやー!いいロールプレイが出来たわね・・・スズーキとタナーカ・・・あの二人のおかげでさらに渋みが増した感じがするわ・・・

 

シド「神出鬼没感も出せたしね・・・あれ?また白い霧が・・・」

 

アン「もうテロリストはやっつけたのに・・・あれって子供のころのヴァイオレットさん?」

 

傷だらけなので私たちが癒してあげる。

 

シド「また会ったね。」

 

アン「ほら嘘じゃなかったでしょ?」

 

アウロラ「うん。中心では私の力が強いから。」

 

へぇー・・・(わかってない)

 

シド「そうだこれ。」

 

シドはあの赤い宝石を取り出す。

 

アウロラ「いいの?」

 

アン「大事なものなんでしょ?」

 

アウロラ「ありがとう。これを待ってたんだ。」

 

アン「何に使うか聞いて言い?」

 

アウロラ「これはね・・・」

 

その瞬間黒い魔力があたりに充満する・・・

 

アウロラ「悪意」

 

声はしなかったけど口の形でなんとなくわかった。

次の瞬間には私たちは屋上に立っていた・・・

 

シド「もしかして・・・渡しちゃダメだった?」

 

アン「さてヴァイオレットさんの約束どうなることやら・・・」

 

その日から何故かクレアさんは目覚めなくなったのだった・・・



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影の実力者は高級バーでしたり顔

sideアン

テロリスト事件が終わってしばらくしたころミドガル学園の学年末筆記テストが終わった・・・

 

ギュウ「は~なんとかなって良かった!」

 

メー「うん!アンちゃんの教えのおかげですー!」

 

アン「はいはい、実技は期待しないでよね。」

 

私は二人よりかは成績がいいので普通に勉強会と称した女子会をするモブをするために二人に勉強を教えていたのでこの分ならこのメンツで二年生になれるでしょ。ヒョロとジャガは知らないけど。シドはニーナ先輩のカンニングペーパーでなんとかなったみたい。そういえばクレアさんが意識不明だけどクレアさんはどうなるのかしら?内定は決まってるけどもしかして取り消し?保留?卒業してモブとしての人生をやりやすくしたいんだけどなぁ・・・

 

そうして実技の予定を話した後私は廊下を歩いてたんだけど・・・

 

クリスティーナ「ごめんなさいカナデ、私の実力不足で・・・」

 

カナデ「そんな・・・これから私どうすれば・・・まさかエライザ様が無罪になるなんて・・・」

 

あの泣いてる女の子・・・そうだ、あの霧の中助けた女子ね。

私はあえて二人の前をモブっぽく通り過ぎる。しかしあれほどのことをしても無罪なんて羨ましいわね・・・そうして私はシドの元に向かった。

 

アン「こんばんわ。また圧勝したの?」

 

シド「あぁ、圧倒的な勝利とは空しいものだ。」

 

ヒョロとジャガから巻き上げるの半ば作業と化してたからね。

 

アン「ヒョロとジャガが借りて私たちが使う・・・まさに完璧な循環ね。」

 

シド「そうだ、ミツゴシ制のトランプ貰ったんだけどいる?」

 

それホラーテイストの奴じゃないの、押し付けないで。

 

アン「それよりも鍛錬しましょう・・・あれ?これって・・・」

 

私は制服から何か落ちたことに気づいた。

 

シドも同じものを見つけたみたい・・・何々・・・ロイヤルミツゴシ高級バー会員証・・・

 

アン「そうだ、ガンマがくれたのすっかり忘れてたわ・・・」

 

シド「どうせパクッてるからってスルーしてたね・・・でも・・・」

 

憧れもあるのよね・・・

 

アン「もしかしたら友達割引してくれるかもしれないし・・・丁度アルファからもらったスーツもあるから行ってみましょう。」

 

シド「そうだね。」

 

私たちは素早く着替えて夜の街に繰り出した・・・

 

しばらくして・・・

 

アン「会員証によればここね・・・」

 

シド「繊細な細工の看板に彫刻・・・隠れ場的な雰囲気・・・ガンマめ分かってるな・・・」

 

中に入ると光量の抑えられたペンダントライトが星のように輝き床の木の板の色彩と見事なまでな調和を保っている・・・

 

アン「店員さん、素晴らしいインテリアとオーナーに伝えてちょうだい。」

 

カイ「ありがとうございます。」

 

オメガ「お二人は顔パスですのえどうぞ、こちらに。」

 

私が店員さんに話しかけると二人は示し合わせたかのようにカウンターに案内してくれた。

 

アン「ブラッディ・メアリを一つ。」

 

シド「なかなかオシャレなの言ったね・・・ウォッカマティーニを。」

 

カイ「かしこまりました。」

 

ふふふ・・・なかなかオシャレに決まったわね・・・

 

シド「あれ?この世界にウォッカなんてあったかな?」

 

アン「忘れたの?私が日本酒教えたのと同じ時期にアンタも負けじと教えたじゃん。」

 

シド「そうだった・・・」

 

まぁ私も調子にのってカクテルとか色々教えちゃったけどね!

 

アルファ「二人とも来てたのね。」

 

アン「あら?忙しいのに来てくれたのね。」

 

付き合いに来てくれるなんて優しいのね。

 

アルファ「ガーデンはともかく、シャドウはお酒が苦手だったでしょ?」

 

シド「そんなこと言ったか?」

 

まぁシドはアルコール全般味がわからないからね。ほとんど魔力で無効にしてるし・・・ちなみに私は肝臓に届くまで楽しみたい派。

 

アン「そういえばウィスキーまで完成させたのね。それにカクテルも。」

 

アルファ「ようやくね。ココでしか提供してないし市販はしてないけど試飲した貴族には日本酒同様高い評価を受けているわ。」

 

あはは・・・調子に乗り過ぎた…

私たちは反省ぎみに酒を飲み干す・・・

 

アルファ「そのスーツやっと来てくれて嬉しいわ。」

 

アン「気まぐれよ・・・それよりミッションはどうなったの?」

 

久しぶりにアルファとごっこ遊びでもしましょう。

 

アルファ「ミッションは順調、報告書で伝えた通りよ。」

 

シド「あぁ、あれならミッションをコンプリートする間に読んでおいた。」

 

嘘である。ホントは訳の分かんない文字が並んでいるので片っ端から魔力で焼却してるのよね・・・

 

アルファ「まさか・・・脳の処理速度を・・・!」

 

ふっ・・・

 

アルファ「まだ話せない技術なのね・・・でも訓練は続けているからその時が来たら教えてちょうだい。」

 

シド「期待しているぞ。」

 

アン「ミッションの詳細な進捗、レポートの客観的な視点だけでなくあなたの視点からの進捗も聞きたいわ。」

 

アルファ「ローズオリアナは女王として戦うことを決めた。」

 

そう・・・フィクサールートもまだまだ楽しめそうなのね・・・

 

シド「全て当初の計画通りだな。」

 

アルファ「初めから見えてたのね。彼女に気をかけてたから嫉妬しちゃった。」

 

アン「彼女は計画に必要な駒よ。」

 

アルファ「えぇ・・・奴らを表舞台に引きづるためのね。」

 

 

アルファ「貴方たちは昔から変わらない・・・ずっと大きい夢を追い続けている。でも準備が整ってきた。そうでしょ?」

 

アン「まだまだ小さい一歩だけどね。けれど最初の一歩を謝れば・・・」

 

アルファ「大丈夫、オリアナ王国は資本と技術を投入して改革しているわ。」

 

シド「ならばいい。」

 

アルファ「後はミドガル学園の事件だけどゼータから報告書が届いたわようやくね。毎回遅いのよ。」

 

アン「いつものことじゃない。結果は出している。」

 

アルファ「そうだけど。シャドウも言ってあげて。」

 

シド「アンの言う通りだと思うが・・・」

 

アルファ「全く二人とも・・・でも半日足らずで壊滅させたのは怪しい・・あの子のことだから報告してないものがあるのかも・・・あとクレアさんの件だけど・・・」

 

 

アン「それなら寝かせておけば大丈夫よ。」

 

どうせ留年なんだからせめて静かな時が一秒でも続いて欲しい・・・

 

シド「そういえばテロリストの件だけど・・・エライザって副会長無罪になったんだけど気になるな・・・」

 

どうやって無罪になったのか。

 

アルファ「彼女の父は腐敗の象徴ともいえる派閥の長・・・13の夜剣の長なの。彼らはそれぞれが権力者・・・教団や他の犯罪組織とも関係が深いわ・・・」

 

つまり影の支配者ってこと!!?

 

アルファ「事件の処理に関わってたのはゲーテ・モーノ伯爵。末席だけど検察のエース、今回も確固たる証拠なしとして不起訴になったんでしょうね。」

 

なかなか悪そうな顔ね・・・他の12人の顔も見せてもらう。

しかしこれは良いムーブができそうね!早速準備に取り掛かりましょう!私たちは代金をつけにして準備をするために立ち去るのだった・・・

 

 

 



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陰の実力者は殺人鬼となる。

noside

ゲーテは自分の屋敷でミツゴシ製のコーヒーを飲んでいた・・・ゲーテは書類に目を向けながらため息をつく。エライザのやった犯罪行為は確かに隠蔽はできたが費用も作った借りも膨大だったからだ。

 

ゲーテ「まぁ、末席にも飽きてきたところだ。相応のポジションをいただくとしましょう・・・」

 

エライザの父ダクアイカンに呟きながら亡き父を思い出しながら闇を暴こうとした末路に思いをはせ使用人を呼んだのだが・・・

 

ゲーテ「ん?視線が・・・な・・・!」

 

そこにはピエロと貴婦人がいた・・・ピエロも貴婦人も仮面をつけておりじっとこちらを見つめている。貴婦人のドレスは血の色と見間違うほどに真っ赤でピエロも血に濡れていた。

しかも貴婦人はドレスと同じ色の傘を部屋の中でさしている・・・あまりに異様な雰囲気にゲーテは後ずさる・・・

 

ゲーテ「おい!誰かいないのか!バカな・・・静かすぎる・・・!」

 

最初にベルを鳴らしてから十分な時間がすぎた。いつもなら警備の兵がくるはずなのに・・・

 

ゲーテ「まさか・・・その服の血と傘の血・・・屋敷の人間を・・・っ」

 

二人は答えずに歩み寄る・・・ピエロのつけている笑いの仮面が全てを答えてるようにすら感じた・・・

 

ゲーテ「わ、私に手を出してただですむと思っているのか!!まさか・・・私を消すつもりか!夜剣に貢献してきた私が・・・」

 

しかし二人は構わずに進んでくる。

 

ゲーテ「くるなぁああ!」

 

ゲーテも魔剣士の端くれ。魔力を使い動くがそこにあったのは・・・

 

ゲーテ「警備の死体・・・!!」

 

遡行は悪いが腕の立つ魔剣士が惨殺されていた・・・

 

ゲーテ「う・・・うわぁああ!!がひゅ・・・」

 

次の瞬間にはゲーテの頭にはスペードのAが突き刺さり心臓にも傘の尖った先端が突き刺さっていた・・・

 

ゲーテはそんなもので殺されたことに衝撃を受けながら倒れていった・・・

 

sideアン

 

いやー昨晩は最高だったわね!

 

アン「ミリア・・・いえ663番もありがとね、エリザベートの場所教えてくれて。」

 

663番(ミリア)「いえ、ガーデン様のお役に立てたのなら。」

 

昨晩は663番に頼んでエリザベートのところを調べて訪ねてドレスを借りたのよね。エリザベートならそういう服沢山持ってると思ったし。今回やるのは伝説の殺人鬼プレイ・・・腐った貴族を天誅する謎の男女、ジャック・ザ・リッパ―にカーミラ。彼らは王国の腐敗を徐々に探偵すら操り暴いていくのだった・・・

 

アン「都合よくクリスティーナさんがカナデって子をかばってる感じだったから探偵役の彼女にしようってことでシドは今クリスティーナさんの机にあの屋敷にあった資料を入れてるはずだけど・・・」

 

するとクリスティーナさんがこっちに来た!

 

クリスティーナ「あの・・・さっきシド君が私の机の資料を見たらしくシド君と話したらあなたも見たと・・・」

 

シド「うん、その通りだよ。」

 

アイツ・・・資料入れるとこ見られたわね・・・

 

アン「はい、何か危険なことが・・・?」

 

クリスティーナ「えぇ、今日からカナデと一緒にホープ家に泊ってくれないかしら?」

 

マジですか・・・



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陰の実力者はホープ家でご飯をご相伴になる

sideアン

そうして私たちはホープ家に来たんだけど・・・

 

アン「これ予約でいっぱいのミツゴシの抹茶トリュフね・・・よく買えたわね・・・」

 

カナデ「それだけじゃないよ・・・ソファーにシャンデリアなんかも全部ミツゴシ製だよ!」

 

カナデさんコーヒーメチャクチャ飲んでるし目がキラキラしてるしもしかして結構現金な性格?

 

シド「にしてもミツゴシも手広くやりすぎでしょ・・・」

 

まぁ結構色々教えたし当然っちゃ当然じゃない・・・?

 

その間にもカナデさんは美術品の鑑定なんかをしたりしてた・・・まさか2億のツボまであるとは流石富豪の貴族は違うは・・・

 

クリスティーナ「皆。食事の用意が出来たから食堂にどうぞ。」

 

そうして夕食となったんだけどこれまた広い食堂でミツゴシの料理本をアレンジした食事だった・・・

 

シド「まさかサーモンの寿司が出てきたのには驚いたね・・・」

 

アン「まぁ、マグロバーガーを思い付いたガンマならやりそうだけど・・・」

 

イータやシェリーも関わってそうで怖いわ私・・・

 

カナデ「美味しいです!どれも新鮮で斬新ですし・・・」

 

クリスティーナ「カナデも実家で試してみたら?庶民用のレシピもあるし・・・」

 

そうして異世界文化の進行をしみじみと感じながら私たちは眠りにつき私とシドは次の標的のところに向かった・・・

 

noside

 

そして場面はかわりここはとある屋敷の部屋・・・夜剣のメンバーであるクザヤ伯爵とグレハン男爵はゲーテの死について話していた・・・

 

グレハン「にしても目撃証言がピエロにドレスを着た貴婦人ばかりふざけてやがる。」

 

クザヤ「しかし一流の魔力追跡班でも追えなかった・・・相当の手練れだな。怪しいのはホープ家だが今まで通り消すのは苦労するだろう・・・」

 

グレハン「たしか支援してくれてた団体の一派が壊滅したんだったか?めんどくせぇな・・・」

 

そう二人がぼやいていると・・・

 

「げひゃひゃひゃ・・・」

 

「おほほほほ・・・」

 

クザヤ「だ、誰だ!?」

 

グレハン「出て来いこらぁ!!」

 

二人は剣を引き抜きながらあたりを見回すが誰もいない・・・

 

最後に上を向こうとした時だった・・・

 

ぴちゃ・・・ぴちゃ・・・

 

二人の頬に血が降ってきた・・・そしてその先にいたのは・・・

 

クザヤ「ピエロに貴婦人・・・」

 

ジャック「げひゃひゃひゃ・・・」

 

カーミラ「おほほほ・・・」

 

グレハン「てめぇ!」

 

突っ込んでくるカーミラに二人とも剣を振うが・・・

 

カーミラ「ふふふ・・・」

 

クザヤ「なっ!?霧になっただと・・・!?」

 

グレハン「きゅ、吸血鬼か!?けど吸血鬼はもう・・・」

 

カーミラは霧となって消えてしまい二人は驚く、次の瞬間には・・・

 

グサッ!!

 

ジャック「ひゃひゃひゃ・・・」

 

グレハン「い、いづのまに・・・トランプが・・・!?」

 

刺さったのはスペードの2だった・・・そしてカーミラはオーバーキルと言わんばかりに傘の先端を心臓に突き刺して血を噴出させる・・・

 

クザヤ「き、貴様ら・・・なんという連携だ・・・何者なんだ・・・」

 

クザヤは質問しながら後ずさる・・・

 

クザヤ「ま、待て!貴様ら目的はなんだ!雇い主は誰だ!倍は出すぞ!?」

 

しかし二人は静かに近づいてくる。

 

クザヤ「くそ!これでもブシン流皆伝!間合いに入ったら!!」

 

クザヤは近づいた二人に対して剣を振うが・・・

 

クザヤ「か、躱しただと・・・」

 

半歩引いただけ・・・しかし動きは人体の理屈を無視していた・・・

 

次の瞬間には・・・

 

ずしゅっ!

 

クザヤ「か、かはぁ・・・!」

 

クザヤの喉元にスペードの3が突き刺さっていた・・・

そしてまたしても胸に傘が突き刺さっており血が滝のように流れ出した・・・

 

クザヤ「化け物・・・」

 

二人はこうして死体を担ぎ大通りに向かうのであった・・・



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