前世ゲーマーだったヤツが東方の世界にログインしました (LCRCL (エルマル))
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始まり

新小説、開幕ッ!!!


side三雲玄斗

 

俺は三雲玄斗、ゲーマー…だった。

確か俺は某病気で死んだハズなんだが…目が覚めると白い空間にいた。

 

玄斗「どこだ、ココ?」

 

死んだと思ったら白い空間…まさか。

 

玄斗「俺、転生したりするのか?」

 

いやいや、そんな事ないよn「あるぞ」…え?

 

玄斗「えっ?」クルッ

 

振り向くと、そこには変な雲に乗った老人がいた。

…どこからどう見ても神じゃねーか。

 

神「ワシは転生の神じゃ」

 

玄斗「そ、そうですか」

 

相手は神だ、敬語で話そう。

 

神「お主はどうやら転生すると気付いたようじゃが、理由は分かるか?」

 

理由…?分からん。

 

玄斗「適当じゃないんですか?」

 

神「…理由をきいてる時点で適当じゃないに決まってるじゃろうが」

 

玄斗「ですよね…なら、理由は何ですか?」

 

神「そうじゃな…お主、何歳で死んだ?」

 

玄斗「えっと…25歳ですね」

 

神「多分ソレが理由じゃな。本来死ぬ時と比べて早すぎたんじゃろ」

 

玄斗「なるほど…」

 

それなら納得、なのか…?

 

神「それじゃあ、早速転生する場所決めじゃ…どこの世界がいい?ゲームの世界でも良いぞ」

 

玄斗「あ、その前に名前って変えられますか?ちょっとした変更がしたいんですが」

 

神「?」

 

玄斗「俺の名前である玄斗の『玄』を『幻』に変えてほしいんです」

 

神「…それだけか?それならすぐにできるぞ。次は転生先を決めるのじゃ」

 

俺が前世で特にハマってたのはマイクラの某サーバー、東方、アンテだ…マイクラはめちゃくちゃ死ぬだろうし、アンテはセーブ云々が小難しいだろうから…

 

玄斗「東方の世界でお願いします」

 

神「よし、東方projectじゃな…次は能力じゃ。能力を1つだけ与えてやろう。所謂転生特典ってヤツじゃ」

 

ゲームといえば、レベル上げなんて言うヤツは少ないだろうな…よし。

 

玄斗「『経験値を得る程度の能力』で」

 

神「ふむ…中々興味深そうな能力じゃの、了解じゃ。…さて、最後は時期じゃ。いつがいい?」

 

折角東方の世界に転生するんだ、原作をぶっ壊したいという願望もある。時間軸の修正力たるものがあったら話は別だが。

 

玄斗「月の都が月に移動する130年前ぐらいで」

 

神「…微妙な時期じゃな。何故じゃ?」

 

玄斗「多少強くなってから都に行くので百数年が妥当かと」

 

神「ほー…よし、設定完了じゃ。ちょっと待っとれい」

 

玄斗「分かりました」

 

神「………」ブツブツ

 

神様は何かを念じはじめた。

 

ー数分後ー

 

神「…よし、転生するぞ。準備はいいな?」

 

玄斗「はい!」

 

ギュィィン…!

 

俺の周りをエネルギーが渦巻く…

 

神「いい2度目の人生を送るのじゃぞ、三雲幻斗よ」

 

ー----

ー---

ー--

ー-

 

幻斗「…!」

 

目が覚めると、俺は森の中にいた。…ん?

 

幻斗「『能力の取り扱い説明書』…神様からか」

 

『経験値を得る程度の能力』

何かを経験することで経験値を溜め、一定値貯まるとレベルアップする。

レベルアップすると身体能力が上がったり、集められる素材が増えたりする。

身体能力云々は一応特訓をしても上げられるぞ、むしろ特訓した方が上がり幅は大きい。

始めて経験したことは普段と比べて10倍の経験値が得られる。

レベルアップに必要な経験値はレベルの数字を3乗した数値じゃ。

例:レベル2→3に上がるには経験値が2 x 2 x 2 = 8必要となる。

 

幻斗「ふむ、めちゃくちゃよくできてるな…」

 

でも経験値とかレベルってどうやって見れるんだ?

…と思った瞬間。

 

『レベル1 次のレベルまであと1』

 

幻斗「うおっ!?」

 

コイツ、直接脳内で言われる仕組みなの!?

 

幻斗「……レベルアップしたらどうなるんだ?」

 

試しに近くにある雑草を引っこ抜いてみる。

 

『レベルアップ! 1→2 パワーが10上がった! 次のレベルまであと8』

 

パワーって、力の数値みたいなヤツだよな?

 

幻斗「脳内に再生される形式なのか…」

 

タイミングによったらめちゃくちゃビックリしそうだな。

 

幻斗「……よし」

 

まずするべきことは、素材集めと拠点造りだな。

 

幻斗「木を殴ってと…」ポカポカ

(マイクラかよ!?)

 

ー----

ー---

ー--

ー-

 

転生してから数日が経ち、俺のレベルは3になった。

森では果物や木材が集められるし、森を出てみると川があったので釣りもできるし、近くには洞窟もあるので採掘もできる。立地最高かよ。

 

幻斗「後の月の都となる都市って、どこにあるんだろうな?」

 

生活がひと段落したら旅に出てみるか。




イイ感じのスタートを書けたと思ってる。

次回もよろしくおねがいします。


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都の者と遭遇するまでの百年間

今回はマイクラっぽさが出てます。
それと初の東方キャラが出ます。誰でしょうね?


side三雲幻斗

 

『レベル5 次のレベルまであと70』

 

転生してから1ヶ月が経ち、俺は着実に素材を集めていた。

 

幻斗「よい、しょっ…と!」ザクッ

 

…ドサッ!

 

石器の剣や斧、ツルハシを作り、おかげで素材集めが効率的になった。

 

幻斗「……石器の次は、鉄だな」

 

日本に鉄があるとすれば絶対砂鉄だしな…いや待てよ?

 

幻斗「それは前世の世界の話で、この世界は別にそんな事気にしなくていいんじゃないか?」

 

なら、鉄鉱石は…掘れば見つかるだろ。

 

幻斗「よし、早速取り掛かるか!」スッ

 

ザクッ、ザクッ…

 

(ココまで東方要素がねぇ…)

 

ー数日後ー

 

木炭を燃料にした松明で洞窟に明かりをつける。

そんな状態の道が数十メートルに及んだある日…

 

幻斗「…ん?」

 

石の中に1つ茶色く錆びたような鉱物があった。

…コレは!

 

幻斗「鉄鉱石だ!」ザクッ

 

喜んで鉱石をツルハシで採取した瞬間…

 

『レベルアップ! 5→6 新たな鉱石を採取できるようになった! 次のレベルまであと216』

 

一気にレベルアップした。

やはり鉄鉱石のようだ。

 

幻斗「よし、早速溶かすか!」ダッ

 

ー数ヶ月後ー

 

『レベル7 次のレベルまであと321』

 

「グォォォォ!」ドッ

 

ある日森の中、俺は熊さん…ではなく怪獣にであった。

雰囲気からして恐らく獣の妖怪だ。

 

幻斗「ハァッ!」ズバッ

 

鉄の剣で獣を斬りつける。

 

「グガァァァ…!」ドサッ

 

すると獣は倒れ、やがて動かなくなった。

…あれ?弱くね?初バトルがこんなんでいいの?

(※別にそれでいいです)

 

『次のレベルまであと291』

 

経験値はそこそこって感じだな。

 

幻斗「これからはこんなヤツと戦うハメになるんだろうな…」

 

ーまた数ヶ月後ー

 

…転生してから1年、俺の進捗状況を振り返る。

レベルは…

 

『レベル10 次のレベルまであと1000』

 

10に到達した。いやぁ、コレは個人的に頑張ったと思う。

次は素材だ。まず家は石と木材で作っている。道具は基本鉄で、物によっては強化石…石の強化版を使っている。強化方法は後書きで。(メタい!)

さらに能力面では…

 

幻斗「…ハッ!」ギュン

 

俺はエネルギー…霊力を操れるようになった。強化素材を作れるようになったのもコレが原因だ。

 

幻斗「次は、そうだな…」

 

銅、銀、金…ダイヤモンドとか見つけたいな。

あとは俺以外の知的生命体に会うことだろうな。

 

ー数年後ー

 

『レベル15 次のレベルまであと2498』

 

幻斗「………」タタッ

 

ある夜、俺は妖獣と戦う為に森の中を走り回っていた。

 

現在の装備

強化石の剣、鉄の鎧

 

…その時だった。

 

「グルァッ!」

 

「た、助けて…」

 

幻斗「…!」ダッ

 

妖獣の鳴き声と、子供の泣き声が聞こえたのは。

すぐ現場に向かうと、そこには今にも妖獣に食べられそうな少女がいた。暗いせいか顔はよく見えない。

 

幻斗「せいっ!」ズバッ

 

「ガァァ…」ドサッ

 

妖獣を剣で瞬殺し、少女を助ける。

 

幻斗「大丈夫か?」

 

「あ、ありがとう…」

 

松明と火で少女の顔が見える…って、ルーミアじゃねーか!

 

ルーミア「あなたはニンゲン?私はルーミア…妖怪なの」

 

幻斗「そうか…俺の名前は三雲幻斗。立てるか?」

 

ルーミア「うん…妖怪なのを驚かないの?」

 

幻斗「まぁな、この時間帯に森の奥にいる少女なんて妖怪ぐらいしかいないだろ?」

 

ルーミア「…それもそっか」

 

これが俺とルーミアの遭遇だった。

 

ー数十年後ー

 

『レベル50 次のレベルまであと16361』

 

ルーミアは俺の家付近を闇でフヨフヨするようになって、かなりの年数が経つ。そして俺は今更老けない事に気付いた…そんな俺はついに。

 

幻斗「ダイヤモンドだ…!」

 

洞窟の奥深くを掘り進め、ダイヤモンドを見つけるのに成功した。ツルハシで叩いてみたがヒビも入らないのを見ると、前世と違ってこの世界のダイヤは衝撃にもつよいらしい。

 

ザクッ…!

 

『次のレベルまであと1391』

 

うおっ、一気に経験値が15000も貰えたぞおい…強化金を作っても半分ぐらいなのによ…

 

幻斗「やっぱダイヤってすげぇな」

 

ー約60年後(合計90年後)ー

 

『レベル95 次のレベルまであと114514』←おい

 

さて、転生してから90年だが…

 

幻斗「100年経つまでにレベル100に到達したいな…」

 

その為には大量に経験値を獲得できる方法を探さなきゃだめだな。

 

幻斗「強化ダイヤモンドは凄い量だが…」

 

アレ、俺が持ってる霊力の量から考えるとバンバン作れる代物じゃないからな…ん、待てよ?ダイヤより強い素材…ネザライトがあるじゃねぇか。

 

幻斗「そういえば、こんなモン見つけたんだったな」ガサッ

 

俺が取り出したのは、紫色に錆びた金属。どう見ても前世には無さそうな質感をもつ。

 

幻斗「コイツを金と混ぜればできるんじゃね?」

 

試してみるか…

 

ー数ヶ月後ー

 

幻斗「うーむ、ネザライトはゲットできたものの、経験値は微妙だったな…」

 

ま、強化ダイヤとは別で使えるしいいけどな?

…俺、ずっと採掘系のことしかしてない気がするな。少しは東方っぽいことをした方がいいかもしれんな。

 

幻斗「よし…」

 

ちょっとした旅に出るか!

自宅の位置をマークした後、俺はルーミアに一言言ってから家を出た。

 

ー数年後(合計100年後)ー

 

いやー、色々あったな。不自然な量のヒマワリがあると思ったら風見幽香がいたし、でっけぇ山には鬼が大量にいたしで、刺激的な旅だった。

 

幻斗「ただいま〜」

 

ルーミア「あ、幻斗おかえり。旅は楽しかった?」

 

幻斗「おう、楽しかったぜ」

 

しかもおかげで…

 

『レベル100 次のレベルまであと100万』

 

俺はレベル100に到達した!

 

幻斗「俺の土産話、聞きたいか?」

 

ルーミア「うん、聞きたい!」

 

そして俺はしばらくルーミアと談笑するのだった。

 

ー数ヶ月後ー

 

……100年。

俺はだいぶ強くなったと思う。幽香と戦った時は引き分けに持ち込めたし、鬼たちと戦った時は勝つことができた。

俺のパワーはかなり高い数値だろうな。…さて。

 

幻斗「そろそろ都を探しに行くか」

 

一応大まかな場所は割り出したが、後の楽しみとして敢えて捜しださなかった。

 

ガチャッ

 

幻斗「確かこの方向だな」

 

スタスタ

 

ー数分後ー

 

この方向に絶対あるハズだ。…何故分かるかって?この方向以外全部行ったことがあるからだ。

 

幻斗「…ん?」

 

気配を2つ感じる。

 

幻斗「行ってみるか」ダッ

 

気配がする方向に進むと…

 

「ハァ、ハァ…」

 

「おいおい、もうバテるのかぁ?」

 

銀髪の少女が妖怪に襲われていた。

…永琳か?服装と髪型が違うからあくまで予想だが。

 

「ッ…!」

 

「まぁいい、死ねっ!」ドッ

 

…おっと。

 

幻斗「させねぇよ?」ズバッ

 

一瞬で近づき、刀で妖怪を真っ二つに斬る。

 

「ギャッ…!?」

 

「…!」

 

妖怪は地面に倒れ消滅した。

 

幻斗「大丈夫か?」

 

「はい…貴方は?都の者では無さそうですが…」

 

幻斗「都の者じゃないからな?俺は三雲幻斗だ」

 

永琳「私は八意xx、永琳でもいいです」

 

ほーん…xxってマジで聞き取れないんだな。




解説:素材の強化
特定の素材を集め、それをエネルギーで凝縮することで強くする!強化された素材は数倍から数十倍の強さとなるぞ!

素材ごとの攻撃力
石<鉄<強化石<ダイヤ<強化鉄<ネザライト<強化ダイヤ<強化ネザライト

100年でレベル100なのは予め決めてました。

幻斗の現在のステータス
レベル100
強化ダイヤの刀
強化ダイヤの鎧
霊力でできたエネルギー弾が撃てる

次回もよろしくおねがいします。


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月夜見

東方二次創作あるある
月の都のトップは月夜見。

敬語で話す永琳っていいよね。


side三雲幻斗

 

銀髪の少女…永琳に案内され、俺は都に入った。

俺が見る限り都の文明は前世の文明より少し進んだ状態なのだろう。

 

幻斗「永琳、俺達は今どこに向かってるんだ?」

 

永琳「都のトップ、月夜見様の所です」

 

…ファ!?いきなりトップかよ!?

 

幻斗「どうしてそんな所に…」

 

永琳「実は、都の外で1人のニンゲンが暮らしていることは既に知られていたのです」

 

幻斗「…え、マジで?」

 

永琳「はい。そしていい機会なので月夜見様に会わせておこうかと」

 

幻斗「なるほどな…」

 

それにしても、ずっと気付かれてたとはな…

しばらく歩くと、俺達は大きな建物にたどり着いた。

 

「何者だ」

 

門番は尋ねる。

 

永琳「八意永琳です。お客さんを連れてきました」

 

「…入ってよし」

 

ガシャン…

 

門が開かれる。道の奥には階段が見える。

なんつーか、コレがゲームだったらセーブした方がいい雰囲気だな。

 

スタスタ…

 

道を進み階段を上がると、そこには大きめの部屋があり、玉座に神々しい雰囲気の女性が座っていた。

 

「お前が都の外で暮らす者か。名前は?」

 

幻斗「三雲幻斗です」

 

月夜見「幻斗か。私は月夜見、この都の都長だ…いくつか質問があるがいいかね?」

 

質問?…まぁ都の外に人がいたらそりゃ気になるだろうな。

 

幻斗「いいですよ「それとタメ口でいい」…分かった」

 

月夜見「まず最初の質問だ…お前はどこから来た?」

 

早速ヤバい質問が来たな。どうしたことか…転生したとバカ正直に答えたらヤバいだろうし…よし。

 

幻斗「遠方の地から来た」

 

月夜見「ふむ…(私たちはこの都から遠方に出たことがない。まぁありえることか…)次の質問だ。お前はニンゲンなのか?数十年前からいるようだが、老けている様子がない」

 

幻斗「一応ニンゲンだな。ワケあって不老長寿だが」

 

不死身なのかは死なないと分からないが、試す気は無いしな。

 

月夜見「やはりか…一応聞くが私たちと敵対する気は?」

 

幻斗「ない」

 

月夜見「そうか。(あったとしてもそう答えるハズがないだろうな)最後の質問だ…私と手合せしないかね?私は都のトップなだけあって、力には自信がある…だが慢心はいけないのでな、お前の力をみたい」

 

自信はあるが慢心はしない、いいリーダーのようだ。

 

幻斗「いいぞ」

 

月夜見「感謝する。では早速移動しよう」

 

ー移動ー

 

手合わせをする場所は…建物の地下だった。戦闘訓練をするための場所らしい。

俺は装備を付けて戦闘の準備をする。

 

幻斗「…よし」

 

刀、よし。鎧もよし。

ぶっちゃけ鎧は重いから素早く動く場合はない方がいいんだよな…軽量化の方法がないか後できいてみるか。

 

月夜見「準備はいいな?」

 

幻斗「ああ」

 

月夜見「では永琳、審判を頼む。時間は5分だ」

 

永琳「はい」

 

ギュン

 

全身と刀に霊力を纏わせる。

 

永琳「…始め!」

 

月夜見「……!」ザッ

 

ドッ!

 

月夜見がこちらに突撃してきた。

…人は見かけによらないんだな、弾幕で戦うタイプだと思ったが。

 

幻斗「ッ!」シャッ

 

キィン!

 

拳と刀がぶつかり合う。

 

月夜見「…小手調べでパンチをしたが、その必要はなさそうだな!」バッ

 

ドドドッ!

 

今度はラッシュかよ!

 

幻斗「ッ!」

 

ギッ、キィン!

 

月夜見の拳を1つ1つ止めていくが、正直きつい。動き速いなおい…!

 

幻斗「(そろそろ一発入れたいな!)…ハッ!」ギュン

 

バッ!

 

刀に霊力を纏わせながら月夜見から距離を取る。

そして強く踏み込み月夜見に刀を振りかぶる。

 

幻斗「斬ッ!」

 

月夜見「結界!」ピキッ!

 

キィン!

 

幻斗「チッ…」

 

結界を張れるのか…俺はまだ習得してないからな…

 

幻斗「(結界を割るか、範囲外にいくか…)…せいっ!」ドゴッ!

 

範囲外に出てもすぐ張られるのが目に見えてるので、結界を割ることにした。

 

月夜見「ほう、割ろうとするのか?させないぞ!」ギュン

 

シュバッ!

 

月夜見から結界越しに弾幕を撃たれる。

 

幻斗「(相殺するか)とうっ!」シュバッ

 

シュゥゥゥ…

 

弾幕を霊力弾で相殺し、再び結界を割ろうとする。

 

幻斗「うおらぁぁぁ!」ギュン!

 

ピキッ!

 

結界にヒビが入った…このままいけば割れる!

 

月夜見「(まずい、このままだと割られる…)フン」スッ

 

シュッ

 

幻斗「!?」ヨロッ

 

何故か月夜見は結界を解除し、俺は勢い余って体勢を崩した…まずい!

 

月夜見「フンッ!」バッ

 

…ドゴォ!

 

幻斗「ガハッ…!」ヒュン

 

バゴッ!

 

月夜見の拳が俺の腹に命中する。その衝撃で俺は数メートル先に吹っ飛んだ。

 

幻斗「ッ、凄いパワーだな…」

 

鬼達ぐらい…いや、鬼を超える力だ…!

 

月夜見「神力を纏わせて攻撃したから、攻撃力が上乗せされたのさ」

 

幻斗「へッ、だと思ったぜ…!」スクッ

 

起き上がり、攻撃の構えを取る。

 

幻斗「スゥ…」キッ

 

月夜見「(その構え、さては技だな?)…結界」ピキッ

 

…その結界、ぶっ壊して攻撃を当ててやる。

俺は足や腕、刀に霊力を集中させ…

 

幻斗「……!」ドッ!

 

超スピードで月夜見に突っ込んだ。

 

月夜見「な…(速い!)」

 

幻斗「三雲斬り!」ズバッ

 

…パリィン!

 

結界は割れ…

 

ザシュッ!

 

月夜見「グゥッ…!」

 

月夜見に大ダメージを与えた。

 

幻斗「…どうだ?」

 

月夜見「ッ…いい技だな」

 

ピーッ、ピーッ…

 

その時、アラームが鳴った。

 

永琳「…5分が経ちました。結果は引き分けとします」

 

どうやら時間切れのようだ。それにしても…やっぱり俺はまだまだだな。

 

月夜見「いい勝負だった、幻斗よ」

 

永琳「月夜見様の結界を割るとは、中々の力を持っていますね」

 

幻斗「まぁな…月夜見もありがとな、おかげで向上心ができた」

 

月夜見「それはよかった」

 

その後俺はお土産として強化ダイヤモンドを月夜見に渡し、お礼として結界の張り方を教えて貰った。




戦闘描写のクオリティはスミマセン。

次回もよろしくおねがいします。


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月への移住計画

幻斗、キレる!?

注意:穢れについての独自解釈あり。


side三雲幻斗

 

『レベル101 次のレベルまであと50万』

 

月夜見と知り合い…いや、友達になってから数年が経つ。

俺は都の技術を色々知ることができ、月夜見は強化素材を製造できるようになった。

 

ルーミア「幻斗〜、誰か来たよ」

 

部屋で刀を研いでいるとルーミアが入ってきた。

…誰かが来た?永琳辺りか?

 

幻斗「ん?今出る」

 

スタスタ…ガチャッ

 

月夜見「ごきげんよう」

 

ドアを開けると月夜見がいた。

…はい?自分から来たの?

 

幻斗「…1人で来たのか?護衛とかは?」

 

月夜見「私は都最強だぞ?自身の防衛ぐらいできる」

 

ですよね…

 

幻斗「都での仕事は大丈夫なのか「今、夕方だろう?終わらせてきたのさ」…お、おう。まぁ入れ」

 

月夜見「お邪魔するぞ」

 

仕事終わらせてきてるのがなんか用意周到だな…

とりあえずリビングの椅子に座らせる。

 

ルーミア「はい、お茶」コトン

 

月夜見「ありがとう…むっ?」じっ

 

…あ、そういえばコイツら初対面だな。

 

幻斗「友達の妖怪、ルーミアだ」

 

月夜見「ルーミアか。私は月夜見だ、よろしく」

 

ルーミア「よろしく」

 

そしてルーミアは部屋を出た。…もうちょっといてもよかったと思うぞ?

 

幻斗「(まぁいっか)…んで、どうしてわざわざ俺の家に?流石に行ってみたかっただけじゃないだろ?」

 

月夜見「まぁ、な。実は……都の移動を考えているんだ」

 

…お?こりゃ大事な話だな。

 

幻斗「移動って、遷都だよな?何処に?」

 

月夜見「…月だ」

 

…うん、実際に言われると衝撃が凄いな。月に行くなんてスケールが違ぇし。

 

幻斗「なんでだ?別に地球でもいい環境だろ?」

 

月夜見「…理由は2つある。1つめは、文明や技術の進歩において月の方が都合が良いからだ」

 

ほーん…確かに月には未知なる物質があったりするかもしれないしな。

 

月夜見「そして2つめは…妖怪などによる『穢れ』の蔓延だ」

 

穢れ、か…。

これが原因で月の民が地球人を差別することになる。

 

幻斗「…なぁ月夜見、穢れって何なんだ?」

 

月夜見「…?(少し威圧を感じる、何故だ?)穢れとは、どの生物にもある所謂『生命力』のことだ。生にしがみつく者ほどそれが多い。穢れがあると寿命たるものができ、永遠は存在しなくなる。生命体のいない月には必然的にその穢れがない、だからそこに移住したいのだ」

 

その話し方………かなり差別的な雰囲気がある。

ああまずい、聞かなきゃよかった…怒りそうだ。

 

幻斗「1つ、質問がある」

 

月夜見「(何だ…穢れの説明を聞いてから幻斗の様子がおかしくなっている)…答えられる範囲ならいいぞ」

 

幻斗「その穢れってのは……お前らも持ってるのか?」

 

月夜見「私たちか…一応あるが、それもじきに無くなるだろう。なんせ都に住む者達は永遠に生きられるのだからな「でも、生きてるだろうが」…ッ!?(な、なんだこの殺意は!?)」

 

俺は怒っていた。都のヤツらは生きてるのに穢れがない?永遠に生きる?

 

幻斗「永遠に生きるなんて、そんなワケないだろうが!何事にも終わりはあるんだよ!!!」バンッ

 

俺は怒りで机を叩いていた。

 

月夜見「ッ…!(それは盲点だった…!)」

 

幻斗「月夜見」ギロッ

 

月夜見「な、なんだ…?」

 

幻斗「その穢れとかいうゴミ定義、この世から消しされ」

 

月夜見「それって、どういう「んな定義存在しちゃダメなんだよ!」ッ!?」ガシッ

 

俺は月夜見の胸ぐらを掴んでいた。俺が正気だったらまずこんな事をしないだろう。

 

幻斗「生きてる時点で穢れがあるんなら、永遠に生きようが寿命があろうが穢れがあるってことだろ!?何があっても絶対に死なない不死身?んなモンねぇんだよ!」

 

ガンッ!

 

月夜見を壁に叩きつけた。

 

幻斗「月夜見、その定義を撤回しなかったら…お前らが月に行く前に俺が都を滅ぼしてやる!」

 

月夜見「(そしてこの殺意…本気でやるつもりだ…!)分かった…帰り次第すぐ撤回司令を出す…!」

 

幻斗「………ならいい」パッ

 

月夜見から手を離し、椅子に座って怒りを収める。

 

月夜見「ッ…」ドサッ

 

ー数分後ー

 

やっと落ち着いた俺が真っ先にやったことは…

 

幻斗「ホントに、スマン…!」ザッ

 

胸ぐらを掴み、壁に叩きつけた月夜見に謝ることだった。

 

幻斗「俺の考えを一方的に押し付けてしまって…!」

 

月夜見「…顔を上げてくれ、幻斗。私も気付かされたんだ」

 

幻斗「…?」

 

気付かされた…?

 

月夜見「まさにお前の言う通りだ、穢れなんて定義は存在してはいけない…怒るお前の気持ちも理解できた」

 

月夜見は本当に理解したかのような、真剣な顔をしていた。

 

幻斗「………」

 

月夜見「私こそ、あんな定義を作ってすまなかった」

 

今度は月夜見が謝ってきた。

…分かって、くれたんだな。

 

幻斗「…月夜見」

 

月夜見「何だ……!?」ギュッ

 

俺は月夜見を抱きしめていた。

 

幻斗「ありがとな」

 

月夜見「……ああ」

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

俺が怒った…いやキレた事件から数日後、穢れの定義は撤回され、月への移住の理由は技術進歩の観点のみとなった。

…そして今日、月夜見は再び俺の家に来ている。今度は俺が誘ったという形で。

 

月夜見「幻斗、大事な話があると聞いたが…」

 

幻斗「ああ…俺の生まれについてだ」

 

月夜見なら話せると思った俺は、自身の出自を明かした。

一通り話し終えた後、月夜見は納得したような表情をしていた。

 

月夜見「なるほど…それならお前が初めて都に来た時それほど驚いてなかったのが説明できる。…それにしても、この世界がお前の前世ではゲームだったとは」

 

幻斗「そのゲームにお前は出てないけどな?」

 

月夜見「私はそんな事気にしないさ…幻斗よ」

 

幻斗「?」

 

月夜見「私にそれを話したってことは、私を信用に値する存在とみたんだな?」

 

幻斗「…ああ」

 

月夜見「…フッ、それは嬉しいな」ニコッ

 

…いい笑顔だな。

 

そして、月への移住計画は着実にすすんでいった…。




コレ、第4話だと今更気付きました(汗)
この小説では二千字程度を目標にしてます。

補足として、幻斗は地雷を踏まれたらブチギレるタイプです(当たり前)。しかしそれ程のことがない限りは怒りはしてもキレません。多分。

月夜見とルーミアの絡みをもうちょっと書きたいですね…

次回もよろしくおねがいします。


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移住と防衛

古代の都編最終回。


side三雲幻斗

 

『レベル101 次のレベルまであと13万1647』

 

月への移住計画は着実に進み、約20年経つ頃には移住用のロケットや転送装置が完成していた。ロケットは人々の移住、転送装置は物品の移動に使うらしい。

今日は俺とルーミアが都に来て月夜見と話している。

 

ルーミア「…月夜見」

 

月夜見「どうしたんだ、ルーミアよ?」

 

ルーミア「この辺りに妖怪が集まり始めてるの」

 

幻斗「…そういえば集まってたな。もしかして都を襲撃するつもりなのか?」

 

ルーミア「恐らくそう」

 

そうか…

 

月夜見「ふむ…襲撃の目的は恐らく技術を盗むことと移住を邪魔することだろうな」

 

幻斗「かもな…」

 

前世で呼んでた二次創作で、そういう展開がよくあったな…

 

ルーミア「どう対策するの?」

 

月夜見「技術を盗む方は、移住完了した直後に都を跡形もなく消し飛ばすつもりだから問題ない」

 

幻斗「何を使うんだ?」

 

月夜見「コイツだ」ピッ

 

月夜見は映像を見せてくる。

実験結果によると半径5キロは跡形もなく爆発するらしい。

都の大きさが確か半径15キロの円形だから…4、5個あれば範囲全体をカバーできるな。

…でも1つ気になる。

 

幻斗「一体どこで実験したんだ?」

 

月夜見「結構離れた場所でやったぞ?確かココから50キロぐらい離れた場所だ。見るとかなり驚くだろうな」

 

幻斗「ふーん…んで、問題の邪魔はどうやって止めるんだ?」

 

月夜見「…………」じっ

 

…ん?こっちを見て喋らなくなったぞ?

 

幻斗「…まさか」

 

月夜見「…お前に頼めないか?」

 

幻斗「予想はしたが…なんでだ?一応転送装置は人も転送できるんだろ?しかもみんなが移住する前に予め数人が月に行って転送先を設置するようだし、大丈夫なんじゃないか?」

 

月夜見「一応その手も考えた。だが…そうすると爆破が問題になるのだ。爆弾は時限式だし、転送装置が転送中に爆破でもしたら…」

 

幻斗「はぁ…分かった。俺が妖怪達を阻止してやるよ。…ただし」

 

月夜見「?」

 

幻斗「お前とは今後も関わりたいからな…転送装置を家に設置してくれ」

 

月夜見「…フッ。そんな事、私が自ら設置するさ。お前は私にとって初めての友達だからな」

 

幻斗「…そうか」

 

ルーミア「…むぅ、私の事も忘れないで」

 

月夜見「すまない、お前も友達だぞルーミア」

 

こうして俺とルーミアは都の移住を邪魔する妖怪達を阻止することになった。

 

ー----

ー---

ー--

ー-

 

作戦はこうだ。

最初から俺とルーミアは妖怪達を足止めし、その間に都の人々はロケットに乗り移住する。

そして爆弾が爆発する1分前ぐらいに簡易転移装置ことエンダーパールでその場から離れる。…エンダーパールはただのニックネーム、実際はガラスの玉に転移装置が組み込まれてるだけの代物だ。効果は同じだが。

 

カチッ

 

月夜見「…よし。転送装置の設置が完了したぞ」

 

幻斗「おっ、ありがとな」

 

月夜見「…幻斗」じっ

 

幻斗「?」

 

月夜見はこちらをじっと見つめている。

 

月夜見「お前とルーミアは……絶対死ぬなよ?」

 

幻斗「…フッ、もちろんだ。じゃないと二度と会えないからな」

 

ガシッ

 

俺達は握手をした。

…絶対、守ってやるよ。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

そして…移住する日が来た。

月夜見や永琳に別れを告げた俺はルーミアと一緒に都の外で待ち構えている。

 

ルーミア「……来た!」

 

ドドドッ…!

 

百、千…数万にもなる妖怪の大軍が押し寄せてきた。

 

「…おう?迎え撃つのは2人だけかぁ?」

 

「お頭、こんなヤツらすぐに蹴散らしちゃいませぃ!」

 

「だな。やれお前ら!」

 

『うおおおおおっ!』

 

幻斗「…行くぞルーミア!」キッ

 

ルーミア「…うん!」ゴォッ

 

俺達の防衛戦が、始まった…。

 

side月夜見

 

永琳「月夜見様、ロケットに…月夜見様?」

 

月夜見「………」

 

私をは都の入り口…幻斗とルーミアがいる方向をみていた。

 

月夜見「永琳よ、2人にはまた会えると思うか?」

 

永琳「…会えると思いますよ?それこそ月夜見様が1番知っているのではないでしょうか?」

 

月夜見「…フッ、そうだな」

 

また会おう…友よ。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

side三雲幻斗

 

幻斗「ハァ、ハァ…!」

 

ルーミア「多すぎる、のだ…!」

 

俺達は次々と妖怪を倒していたが数十分して息が上がっていた。全員瞬殺しているがやはり数が多すぎる!

 

「そろそろバテてきたようだな!」

 

「死ねえっ!」バッ

 

幻斗「ていっ!」ズバッ

 

「グォッ…」バタン

 

…だが、やりようはある。

 

『レベル101 次のレベルまであと4774』

 

後何体か妖怪を倒せば、レベルアップして強くなれる…コレに賭けるしかない!

 

幻斗「ルーミア、下がっててくれ!」

 

ルーミア「ッ、何を?」

 

幻斗「考えがあるんだ…ハッ!」ギュン

 

刀…ではなく手に霊力を集中させる。

 

「んなボロボロの状態で技を使うつもりか?バカめ!」ドッ

 

幻斗「くらえ…ブルーインパクト!」

 

…バゴォ!

 

「なっ…グワァ!」

 

『ギャァァァ!』

 

一定範囲を攻撃し妖怪を一気に蹴散らす。

 

幻斗「…グゥッ!」ドサッ

 

ルーミア「幻斗!」

 

ルーミアが駆け寄ってきた。流石に無理したしな…

 

幻斗「だい、じゅうぶだ…コレで…!」

 

ルーミア「何が大丈夫なのよ!無理して技を…!」

 

『レベルアップ! 101→102 体力の上限が解放された! 次のレベルまであと106万1208』

 

…!

 

幻斗「よっしゃぁっ!」ドッ

 

ルーミア「うわっ!?」ドサッ

 

「…なんだ?いきなりピンピンしだしたぞ?」

 

「頭がおかしくなったのか?」

 

幻斗「ルーミア、心配させてスマンな。さっき丁度レベルアップしたんだ」

 

ルーミア「…そうだったのね。でももう無理しないでよ?」

 

幻斗「ああ…」ギュン

 

「まぁいい…いくぞお前ら!」

 

『おらぁぁぁ!』ドドド

 

ー数分後ー

 

体力が回復してから再び無双を始めた俺達だったが…妖怪に囲まれた。

 

「くひひ…もう逃げられないぜ?」

 

…その時だった。

 

ピッ…

 

電子音が辺りに鳴り響く。

 

「あ?」

 

「…なんだぁ今の?」

 

ピッ、ピッ…

 

「また鳴ったぞ!」

 

「どこから来てんだ?」

 

…もうすぐか。

 

幻斗「ルーミア、準備はいいか」

 

ルーミア「うん」

 

2人『とうっ!!』ヒュン

 

「なっ、飛んだだと!?」

 

この時代の妖怪達は鳥の妖怪以外飛べないのが当たり前だからな…追ってはいないようだ。

 

ルーミア「よっ」ドサッ

 

ルーミアは俺の背中におぶさる。

 

幻斗「よし…うおりゃぁっ!」

 

俺達の家の方向にエンダーパールを思いっきり投げる。

 

…シュバッ!

 

すると俺達はエンダーパールを投げた方向…さっきまで戦っていた所からだいぶ離れた場所に転移した。

 

…そして。

 

ドガァァァァン…!

 

俺達の背後で、都は大爆発を起こした。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

次は恐らく諏訪大戦辺りになるんだろうが、多分数万年後だろうな。原作と違って今は現代の数十万年前だし、間の期間が広いものは狭くされてる可能性がある。

それまでは…そうだな。

 

幻斗「ゆっくりするか」

 

ルーミア「そうだね〜」




ブルーインパクト
手に霊力を集中させ放つ波動系の技。名前は幻斗の霊力が青いからである。

…ってことで、古代の都編終了です。
永琳がほとんど出ませんでしたね(汗)
かぐや姫編でもうちょっと活躍させたいです。

次回もよろしくおねがいします。


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大妖精と竜脈

さて、幻斗は諏訪大戦まで何をするのか…?


side三雲幻斗

 

『レベル102 次のレベルまであと97万2624』

 

幻斗「うーん…(ドナルド風)」

 

諏訪大戦は一応中立を決め込むつもりなんだが、問題はそれまでの数万年間何をするかだよな…俺、130年しか生きてないしそんな暇つぶしを作るワケがない。

 

ルーミア「強化素材を作ったりすれば?」

 

幻斗「一応ソレもやるつもりだ。強化ネザライトを作ったら強化素材コンプリートだしな」

 

それが終わったら次は合金を作ることに挑戦する予定だな。

 

ルーミア「ふーん…私は適当にフヨフヨするかな~」

 

幻斗「ソレを何十万年もやるのか?」

 

ルーミア「………」( ゚Д゚)

 

…はぁ。

 

幻斗「一先ずは経験値の為に採掘するか」

 

ルーミア「私も手伝う!」

 

ー数分後ー

 

洞窟に向かっていると、川のほとりで妖精達が遊んでいるのを見かけた。

 

ルーミア「…アレは妖怪?」

 

どうやらルーミアは会ったことがなかったようだ。

 

幻斗「いや、妖精だな。自然の化身みたいなヤツらだ」

 

ルーミア「ふーん」

 

妖精達の中に大妖精がいたな。後で会っておくか。

 

ー----

ー---

ー--

ー-

 

ガキッ、ガッ。

 

ルーミア「えいっ」ガッ

 

幻斗「よっ…ん?」

 

コォォォォ…

 

今掘ってる岩壁の先からエネルギーを感じる。

 

幻斗「ルーミア、ちょっと下がれ」

 

ルーミア「?」ザッ

 

ギュン

 

幻斗「ブルーインパクト!」バゴォ

 

ゴゴゴッ…!

 

波動で岩壁をぶっ飛ばす。その先には…

 

ギュゥゥン…

 

血管のようにエネルギーの管が張り巡らされてる空間があった。

 

ルーミア「…何コレ?」

 

幻斗「コレは恐らく…竜脈だな」

 

ルーミア「りゅうみゃく?」

 

幻斗「ああ。地球の血管みたいなモノで、コイツが大きく乱れた場所は荒れ果て、生命は維持できなくなるらしい」

 

ルーミア「…何処で知ったの?」

 

幻斗「月夜見からだな」

 

正確には地質学の研究者達からだが。

…それにしても。

 

幻斗「コイツに遭遇するぐらい掘ったのか……おっと、乱れてないかチェックしないとな」スッ

 

俺は手を竜脈にかざし、乱れがないか確認する。

うーむ……

 

ルーミア「…もしかして乱れてる?」

 

幻斗「いや、乱れてはないな。ただ、乱れそうになってる」ギュン

 

確かこの状況だったら…

 

幻斗「…こうすればいいんだっけな?」ゴォッ

 

俺は自分のエネルギーを竜脈に流し込んだ。すると…

 

ギュルルルル!

 

おかげで勢いがついたのか、竜脈の流れが改善された。

 

幻斗「よし」

 

ルーミア「勢いが良くなったけど…どんな効果があるの?」

 

幻斗「作物の育ちが良くなったり、鉱物ができやすくなったりと自然に良い効果をもたらすぞ」

 

ルーミア「つまり、もっと素材が手に入る…?」

 

幻斗「その通りだ…お?」

 

『レベルアップ! 102→103 新たな素材を集められるようになった! 次のレベルまであと109万2727』

 

…ファ!?

 

幻斗「一気に経験値が手に入ったぞ!?」( ゚Д゚)

 

ルーミア「えっ、どれぐらい?」

 

幻斗「約100万」

 

ルーミア「」( ゚Д゚)

 

何だよこの異常な量!?

 

ー----

ー---

ー--

ー-

 

手に入れる経験値のノルマを越えまくったので家に帰ると、転送装置から何がが送り込まれていた。

あったのは…鉱物と手紙。

 

幻斗「おっ…コレは月の鉱物か?」

 

ルーミア「手紙を読めば分かるんじゃない?」

 

幻斗「だな。どれどれ…」パサッ

 

幻斗、ルーミアへ

ロケットは月に辿り着き、現在都の復旧作業を開始した所だ。その時に手に入れた鉱物、『エンダライト』を少しずつだがお前に送ることにした。上手く活用してほしい。それではな。

月夜見より

 

…今復旧作業が始まったってことは、結界を張り終えたってことだよな?忙しい中よく手紙が書けたな…というか。

 

幻斗「なんで『エンダライト』なんだ?」

 

返信で質問しておくか。

その後硬度や性質をチェックしてみると、強さはネザライトと同じぐらいで、重量はネザライトより軽いと分かった。つまり…コイツの方が使えるってことだ。

 

幻斗「じゃ、強化ネザライトを作った後はコイツを強化するか」

 

コンコン

 

ドアからノックが聞こえる。…えっ、誰が来たんだ?

 

ルーミア「はーい」タタッ

 

ガチャッ

 

「こ、こんにちは…」

 

ルーミア「…妖精?」

 

ルーミアがドアを開けると、そこには妖精がいた…しかも後で会いに行こうと思ってた大妖精。

 

大妖精「えっと、三雲幻斗さんですよね?」

 

幻斗「そうだが…どうしたんだ?」

 

大妖精「あの…ありがとうございます!」ペコッ

 

…え?いきなり感謝されたんだが?

 

幻斗「俺、なんかしたか…?」

 

大妖精「幻斗さんが竜脈を治してくれたから、自然が豊かになったのです」

 

あー…なるほど。

 

幻斗「でも、なんで俺がやったと分かったんだ?」

 

大妖精「…実は私たち、偶に洞窟で隠れんぼをするんです。その時に流れが安定した竜脈を見て…幻斗さんがやったのかと」

 

幻斗「…凄い思考能力だな」

 

妖精にしてはかなり勘がいい…と思う。

 

大妖精「それで、何がお礼をしたいんですが…」

 

お礼か…俺は別に竜脈が安定してたら色々と便利だからやっただけなんだがな…そうだ!

 

幻斗「俺の友達になってくれ」

 

妖精達…特に竜脈付近に住む妖精達を味方につけたら結構な助っ人になりそうだしな。

 

大妖精「…え、それでいいんですか?」ポカーン

 

幻斗「ああ、友達は増やしたいからな。あとタメ口でいいぞ」

 

大妖精「…うん、分かった。よろしくね!」ニコッ

 

幻斗「おう、よろしく」

 

こうして俺は大妖精と友達になった。




竜脈を治すと大量に経験値が手に入るのは、地球を治療してるのと同然の行動だからです。

実は…この小説の大妖精、後に名前を付ける予定です。名前は既に決まってます。
ヒント:葉っぱ、そよ風(ほぼまんま)

次回もよろしくおねがいします。


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ニンゲンと妖怪が共存する集団

オリキャラが登場します。


side三雲幻斗

 

『レベル103 次のレベルまであと83万6031』

 

幻斗「…よっしゃ!」パァァ

 

都が月に遷都してから約5年、俺はやっと強化ネザライトを作るのに成功した。

…今思うと、武器はエンダライトがいいが、盾を作る場合はネザライトがいいんだよな。相手からしたら重い方が防御を破りにくいからな。

 

『次のレベルまであと73万6031』

 

経験値は10万だな。

 

幻斗「よーし、強化ネザライトの刀を作るか」

 

カン、カン…

 

ー数分後ー

 

…よし。

 

幻斗「できたぜ!」

 

早速試してくるか!

 

ー----

ー---

ー--

ー-

 

sideルーミア・アビス

 

妖精「わ〜!」ヒュン

 

ルーミア「待て〜!」フワッ

 

私は妖精達と鬼ごっこをしていた。妖精達と遊ぶのって楽しいんだよね〜。

 

ルーミア「……ん?」

 

ザッ、ザッ

 

フードを被ったニンゲンの集団がこちらを通りかかった。

ニンゲンなんてかなり珍しいね…都と幻斗以外で見るのは初めてじゃないかな?

 

妖精「なんだろアレ?」

 

ルーミア「さぁ?」

 

見てみると、集団の1人が大妖精に話しかけていた。しばらくすると大妖精がこちらに駆け寄ってきた。

 

大妖精「ルーミアちゃん、幻斗くんを呼んできてくれないかな?」

(大妖精は基本仲良い人には『くん』か『ちゃん』付けで呼ぶ)

 

ルーミア「えっ、なんで?」

 

大妖精「この辺りに村を創りたいらしいの」

 

…確かにそれは呼ばなきゃいけない案件ね。

 

ルーミア「呼んでくるわ」クルッ

 

タタッ…

 

side三雲幻斗

 

ズバッ!

 

幻斗「ふむ、かなりいい斬れ味だな」

 

コレなら戦闘もより優位に立ち回れそうだ。

 

…ザッ

 

ルーミア「幻斗〜、ちょっと来てほしいんだけど」

 

ルーミアが少し困った顔で話しかけてきた。

 

幻斗「どうしたんだ?」

 

ルーミア「来たら分かるよ」

 

…あ、そっすか。

 

幻斗「案内してくれ」

 

ルーミア「うん」

 

ダッ…

 

ー数秒後ー

 

ルーミアに案内され着いた場所には…フードを被ったニンゲンの集団がいた。都以外でニンゲンに会うのは何気に初めてだな。

そう思っていると、集団のリーダーらしき人が前に出た。

 

「貴方がこの地域の主ですか?」

 

幻斗「一応な。この辺りに村を創りたい、と聞いたが…」

 

「はい。実は私たち、元々いた村から追われた身でして…」

 

幻斗「ふむ…」

 

他の人達の表情を見る限り恐らく悪事で追われたワケじゃなさそうだ。

 

幻斗「理由を聞かせてくれ」

 

「…コレをご覧下さい」スッ

 

話している男を含め全員がフードを脱ぐ。すると…

 

大妖精「…!」

 

ルーミア「獣の耳や、角…?」

 

大半の人の頭に猫耳や犬耳、角が生えていたのだ。

耳はピクピク動いており、角は根元から生えているようなので本物だろう。

 

「私達はほぼ全員半妖でして…今まで耳を隠したり、角を折ったりしてなんとか姿を隠しながら暮らしていたのですが、それがバレてしまい死刑を言い渡されてしまいました。しかしなんとかみんなで逃げてきて、今に至ります…」

 

半妖か…つまり親の片方が妖怪だったか、妖怪の力を手に入れたかのどっちかだな。それと集団の中に数人の妖怪がいるようだ。

 

幻斗「…1つ質問がある。その半妖は先天的か?それとも後天的か?」

 

「どちらもいます」

 

マジか…凄いなこの集団。ニンゲンと妖怪が共存しているし、結束力が高そうだ。

 

幻斗「分かった。俺、三雲幻斗はお前らがこの地域に住むことを許可する!」ドン!

 

「……!ありがとうございます!」ザッ

 

『ありがとうございます!』ザッ

 

みんな揃って土下座をしだした。

 

幻斗「ちょ、顔を上げてくれ!」

 

ザッ

 

…ふぅ、感謝されるのはいいが流石にこのレベルは耐えられん。

 

幻斗「…と、そうだった」

 

俺はリーダーらしき男に目を向ける。

 

幻斗「お前がリーダーか?名前は?」

 

天也「基山天也、半人半鬼です」

 

リーダーの男…天也には立派な角が生えていた。

 

幻斗「よろしくな、天也」

 

天也「はい!」

 

こうしてこの地に村ができた。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

村ができて数ヶ月。村人達は洞窟で採掘したり、森で木こりをしたり、川で釣りをしたり、俺が作った稲作をしたりと穏やかな生活をしているようだ。そんな村人達を妖精が手伝う姿も見受けられる。

 

ルーミア「平和だね〜」

 

大妖精「そうだね」

 

幻斗「まぁ、平和なのが一番だ。当分はこれが続いてくれるとありがたい…さてと、俺はそろそろ特訓を始めるか」

 

2人『特訓?』

 

2人を連れて、俺は村のとある場所に行く。

 

ガチャッ

 

「あ!幻斗さんこんにちは!」

 

「お疲れ様です!」

 

中では身体能力や霊力、妖力などを鍛えている人々が見られる。…そう、ココは俺が創設した特訓場だ。

 

幻斗「おうお前ら、今日武器は持ってきてるか?」

 

「はい、持ってきてます!」

 

「俺と一戦してください「あ、ズルいぞ!俺が先だ!」なんだと!俺が先だ!」

 

…仲良いなおい。

 

幻斗「先着なんてねぇから、お前ら同時にかかってこい!」

 

2人『はい…うおお!』ドッ

 

ー数分後ー

 

「うわっ!」ドサッ

 

「つ、強すぎます…」

 

幻斗「ふむ…お前らは仲いいんだから、連携を取ればいいんじゃないか?」

 

2人『あ、なるほど…』

 

幻斗「次はそれを意識してかかってこい!」

 

2人『はい!』

 

ルーミア「いい師匠してるね」

 

大妖精「だね」

 

こうして村の平和な日々は続くのだった。




ルーミアの苗字はアビス(闇)にしました。

それと天也についてですが、コイツの両親が俺の他小説に出てたりします。なんならその小説にも天也を出すつもりです。

解説:この時代のキャラ達の力
今は現代の数十万年前、月夜見や風見幽香は現代ほどの力を持っていないようだ。しかし、時間が経つにつれだんだん力をつけていくハズ、幻斗は負けないよう頑張ろう!

次回もよろしくおねがいします。


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都と村の貿易

一旦、ココまで時系列は決めてます。
今→諏訪大戦→聖徳太子→かぐや姫→西行妖→命蓮寺→第一次月面戦争


side三雲幻斗

 

『レベル103 次のレベルまで18万4792』

 

村ができてから10年が経ち、規模は段々大きくなっていた。そんなある日、村長である天也が家に訪ねてきた。

 

天也「幻斗さん、ココから少し離れた所に大きな窪みがあったんですが…」

 

幻斗「窪み?」

 

天也「はい、まるで大きな爆発が起こった後のような」

 

幻斗「…ああ、ソレか。都、って知ってるか?」

 

天也「都?私達と比べると天と地の差ほどの文明を誇る、あの都ですか?」

 

えっ、都ってそんな風に言われてたの?初めて知った。

 

幻斗「その都であってる。実はな…」

 

俺はあの窪み…クレーターがどうやって発生したかを教えた。一通り話し終えると、天也は目をキラキラさせていた。

 

天也「おお…!」キラキラ

 

幻斗「…どうした?」

 

天也「まさか幻斗さんが都長と友達だったとは!感激です!」キラキラ

 

…何かお前俺のガチファンみたいになってね?

 

天也「しかもあの転送装置が都の技術で作られたモノだったとは…あっ、ところで今でも連絡を取っているんですよね?」

 

幻斗「まぁな。都が月に遷都してから15年程経っているが、どうやら復旧作業は完全に終わったらしい」

 

天也「へぇ~」

 

その後も天也が質問しまくってきたので、終わった頃には日が暮れていた。特訓場であの仲良しコンビを鍛えたかったのに解せぬ…

 

ー数時間後ー

 

ウィィィン…ゴトゴトッ!

 

幻斗「ん?…ファ!?」

 

ちょうど夕食の片付けが終わったところで転送装置から手紙…と大量のエンダライトが送り込まれた。

 

幻斗「なんだこの量!?読むか…」

 

幻斗達へ

私達月の都はお前達の村と貿易をすることにした。これからこの量のエンダライトを毎月を送ることにした。代わりに強化鉄や強化ダイヤを送ってくれないか?これは貿易だからな、対等でないと困る。貿易用で別の転送装置が欲しければ言ってくれ、それではな。

 

…おう。

 

幻斗「貿易か…」

 

それで機械を送らない辺りちゃんとしてるな…ふむ。

 

幻斗「村のヤツらに言わないとな」

 

ー----

ー---

ー--

ー-

 

次の日、俺は仲良しコンビを鍛え終えた後村人達を招集した。

 

天也「幻斗さん、一体どういった要件で招集を?」

 

幻斗「今回お前らを呼んだのは…コイツを提供したかったからだ」スッ

 

俺が出したのは…エンダライトの鉱石。

 

「…見たことのない鉱石ですね」

 

幻斗「そりゃそうだ。コイツはエンダライト、月で取れる鉱物だ」

 

「何と!?」

 

ざわざわ

 

幻斗「採掘隊、前に出てくれ」

 

『はい!』ザッ

 

採掘隊が前に出ると、俺は鉱石を渡した。

 

「…!凄く軽い…!」

 

「金属なのにこの軽さですか…!」

 

幻斗「エンダライトは軽い上にネザライトと同等の硬さだから農具や武器の軽量化が図れる。しかも強化エンダライトにすればさらにパワーアップだ」

 

「ソレは便利ですね!」

 

「しかし、何故月の代物を幻斗さんが?」

 

ざわざわ

 

幻斗「俺が月の都の都長、月夜見と友達なのは知ってるだろ?昨日アイツが『貿易しよう』って言ってきてな、イイ考えだと思ったワケだ」

 

「なるほど…」

 

天也「…ん?ちょっと待ってください。貿易ってことは私達からも何かを送らなければならないんですよね?」

 

幻斗「おっ、よく気付いたな。送るものは強化鉄や強化ダイヤだ」

 

「あっ、強化素材か」

 

「なら俺達でもできるな」

 

幻斗「素材自体は今前にいる採掘隊に集めさせる、それが仕事だからな。それで強化だが…」じっ

 

「?」

 

俺がじっと見ているのは…妖精達だ。妖精の一部は村に住むようになったのだ。

 

幻斗「自然の権化である妖精達に頼みたい。給料として…そうだな、おやつはどうだ?」

 

妖精達『やる!!』

 

大妖精「あはは…」

 

…実に扱いやすいな。

 

幻斗「エンダライトが送り込まれる転送装置は後日村の指定場所に置くつもりだ。その時から貿易は始まるからよろしくな」

 

『はい!』

 

うん、いい返事だ。

 

ー数日後ー

 

そして貿易が始まった。

転送装置は倉庫の近くに置き、送られたらすぐ収納できるようにした。

 

シュッ

 

「うわっ、一気に来た!」

 

「こうやって来るんですか!?」

 

幻斗「おう、毎月こうやって来るぞ」

 

「えっと、どうやって強化素材を送りこむんですか?」

 

幻斗「素材を装置のココに置いてから、このボタンを押せ」

 

「了解です!」ポチッ

 

シュッ

 

幻斗「これからは毎月コレを繰り返す。量の増減とか必要だったら教えてくれ」

 

「はい!」

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

『レベル110 次のレベルまであと130万1728』

 

…あれから100年経った。

強化エンダライトも作れたし、貿易業は繁盛している。そして村とその一帯はこう呼ばれるようになった…『夢幻の里』と。

幻想郷と似たような響きの名前だが、俺はこれを結構気に入っている。

…そんなある日。

 

大妖精「幻斗くん、凄いものを見つけたよ!」ビュン

 

大妖精が少し焦ったような嬉しいような表情で訪ねてきた。どうやら洞窟の奥深くにある竜脈に何かがあるらしい。

 

幻斗「…行ってみるか」

 

しかし俺はこの時知らなかった。

大妖精が見つけたものが究極の暇つぶしになることを。




天也の一人称が『私』だと書いてて気付いた(笑)

豆知識:幻斗はドラゴンボールのかめはめ波を元にしてブルーインパクトを作った。

次回もよろしくおねがいします。


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時空の歪み

名前はポケモン、中身はドラゴンボール。

※竜脈についての独自設定がありますッ。


side三雲幻斗

 

『レベル110 次のレベルまであと130万1728』

 

竜脈まで来たが、相変わらず安定しているだけで何も変化は感じられなかった。

 

大妖精「ココじゃないよ」

 

幻斗「?」

 

大妖精「もっと奥にあるんだ、ついて来て」

 

スタスタ

 

竜脈の奥に進むと、そこには大きめの空間があった。

 

大妖精「まず幻斗はココに立ってて」

 

大妖精は空間の入口を指してそう言った。言われた通りにその位置に立つと…

 

ビュン!

 

空間の中にいる大妖精がとてつもないスピードで動きだした!

 

幻斗「!?」

 

俺が驚いたのに気付いたのか、大妖精は空間から出て戻ってきた。

 

大妖精「ふふん、驚いた?」

 

幻斗「ああ…」

 

大妖精「じゃあ次は幻斗くんが空間に入って、私は入口で動き回るから」

 

今度は俺が空間に入った、すると…

 

幻斗「……は?」

 

入口の方にいる大妖精がとてつもなく遅い動きをしているのだ。表情も変えているようだが不自然なレベルで遅い…もはや止まっているようだ。空間を出て俺はすぐに質問した。

 

幻斗「まさかこの空間、時間の流れが速いのか?」

 

少なくとも100倍速にはなってるハズだ。

 

大妖精「多分ね。凄いでしょ?」

 

幻斗「ああ…でも逆にできないか?」

 

そうすればかなり便利なんだが…

 

大妖精「逆って?」

 

幻斗「空間にいる間は逆に時間が遅くなるんだ」

 

大妖精「あ、そういう事ね。確かにソレもできたら面白そうだね」

 

幻斗「一先ずは実験と様子見だな」

 

大妖精「だね」

 

ー----

ー---

ー--

ー-

 

空間…名付けて『時空の歪み』でいくつかの実験をした。壁を掘ることで空間を広げたり、逆に何かで埋めることで縮めたり…結果はどちらも成功だった。壁が繋がっている空間である限り歪みが生じるようだ。

このことについて数日前月夜見に手紙で伝えたが…そろそろ返答が来るだろう。

 

ウィィィン…ゴトン

 

幻斗「…ん?」

 

ルーミア「…ボール?」

 

手紙と丸っこいドッヂボールサイズの機械が送り込まれた。手紙は返信だからいいとして…何だコレ?

 

幻斗と仲間達へ

その空間について、私には心当たりがある。月でも発生した現象だが、恐らく竜脈のエネルギーでそこだけ時間の加速や遅速ができるようになるハズだ。手紙と一緒に送ったその機械はエネルギーの量を調整するための機械だ、『時空の歪み』の中心に置いてくれ。詳しくは説明書を読むんだ、それではな。

月夜見より

 

ほーん…コイツで時間を調整できるのか。というか、竜脈のエネルギーによって時空って歪むんだな…月の都でもそういうモノがあるからこの機械ができたんだろうが、研究が進んだら詳しく教えてほしいもんだな。

 

幻斗「まずはコイツを空間の中心に置けばいいんだな?」ゴトッ

 

説明書は…と。

 

歪み調整システムの取扱説明書

①この機械が調整できる倍速範囲は365倍~0.0365倍まで。

②倍率はシステムにある操作盤で調整できる。

以上。

 

365倍は外の1日で中は1年、0.0365は外の1年で中は1日ってことか…それにしても短い説明書だなおい。

 

ルーミア「それってつまり、この空間を1番遅い倍速にしてから一ヶ月過ごすと外では30年経ってるってこと?」

 

幻斗「そういうことだ。フフッ、こりゃかなり便利な代物だぞ?」

 

数万年の時間がたったの数百年になるんだからな。まさに究極の暇つぶしだ。

ドラゴンボールの精神と時の部屋みたいだな…365倍速なのも同じだしな。

 

幻斗「村人達に話すか」

 

ー----

ー---

ー--

ー-

 

村人達に時空の歪みの事を伝え、許可制で使用できる場とした。

流石に共用にすると倍率の大きさでケンカになってしまうかもしれないからな…倍率を分けることができるようになったら考えよう。月夜見に頼んだがその内来るだろうし。

 

「幻斗さん、使用していいですか?」

 

「あ、俺も!」

 

仲良しコンビが許可を取りに来たようだ。

 

幻斗「ああ、2人ともいいぞ」

 

2人『ありがとうございます!いくぞ~!』ダッ

 

…仲いいな。

そう思っていると、天也がこちらにきて話しかけてきた。

 

天也「そういえば幻斗さん、時間制限は設けないんですか?」

 

幻斗「倍速した状態でどうやって設けるんだよ?時計なんて置いても意味ないぞ?」

 

天也「…あ、確かに無理ですね」

 

幻斗「まぁ、やりようはある。倍率を遅くするたびに使える時間を短くすればいい。例えば最遅で1時間、その倍の速度で2時間…って感じでな?」

 

天也「なるほど…」

 

ー----

ー---

ー--

ー-

 

side月夜見

 

私は時空の歪みの空間を分けられるようにしてほしいという幻斗の頼みを聞き入れ、私達も必要になりそうなので研究に集中していた。…あくまでも研究しているのは研究員達で、私は都長として書類と格闘していただけだが。

そんなある日、都長室へ研究員が駆け込んできた。

 

ガチャッ

 

「月夜見様!例の物が完成しました!」

 

月夜見「本当か!」

 

ピッ

 

研究員は映像を見せてきた。

映像は月にある時空の歪みでの実験の様子で、ガラスのような透明な物を張った状態で分けた空間でそれぞれ倍率を変えて調査してみると…見事に全て正常に動いていたのだ!ガラスのような物の名称は…『時隔ガラス』のようだ。

 

「しかも、竜脈によるエネルギーが何故時空を歪めるのかが少し判明しました。どうやら竜脈のエネルギーは神力と似たような性質を持っており、何かを創造する力があるようです」

 

月夜見「ふむ…分かった、今後も研究を頼むぞ。そして早速夢幻の里に物資を送れ!」

 

「はい!」サッ

 

ガチャッ

 

月夜見「…恐らく、幻斗はこれから時空の歪みにこもるだろうな」

 

定期的に出るとしても、時間の大半はそこで過ごすハズだ。

 

月夜見「次に会えるのは当分先の話になりそうだ」

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

side三雲幻斗

 

月の都から送られてきた『時隔ガラス』を張り終え、時空の歪みは分けた空間でそれぞれの倍率を設定できるようになった。…そして俺はこれから、ココで時間の大半を過ごすことにした。

 

幻斗「天也」

 

天也「はい」

 

幻斗「俺がいない間、里を頼むぞ」

 

天也「…任せてください」

 

幻斗「よし。それじゃあな」

 

天也「偶には戻ってきてくださいね?」

 

幻斗「ああ…」

 

そして、俺は時空の歪みで最遅倍速に設定し…特訓に励むのだった。




解説:夢幻の里
文明はもちろん縄文・弥生時代より遥か先のもの…多分江戸時代辺り。住民はニンゲンと妖怪で半々となっている。…月の都とパイプラインがあるのはヤバいね。他の村から夢幻の里は『第二の都』なんて言われている。一部の村は里と貿易をしたいようだが、妖怪がニンゲンと共存しているという事実により交渉出来ずにいる…そりゃ他のニンゲンからしたら妖怪は悪なので、価値観の違いというものだろう。

例のガラスは時を隔てると書いてじかく、と読みます。

次回もよろしくおねがいします。


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そしてかなりの年月が過ぎた

一気に時間が飛びます。


side三雲幻斗

 

『レベル361 次のレベルまであと4433万2211』

 

五万年。

この期間の長さはニンゲンにとっては途方もないものだろう。

しかし俺はそれを…時空の歪みで過ごした。百年おきに村へ様子を見に行ったりしたが、大半は時空の歪みだ。時空の歪みでひたすら素材の強化や特訓を行い、俺は気付いたらレベルが361になっていた。

そして俺は…いつの間にか夢幻の里の神になった。

 

幻斗「いやなんで!?」

 

村に戻ることはちょくちょくあったが、俺が神になってるなんて一言も言われてないぞ!?

 

「幻斗さん!」

 

「やっと特訓が終わったんですね!」

 

幻斗「おお、久しぶりだなお前ら!」

 

俺の事を知っている妖怪や妖精達に歓迎されて俺が着いた場所は…神社だった。

 

『三雲神社』

 

看板にはそう書いてあった。

 

「この神社では、幻斗さんを祀っているんです」

 

幻斗「は、はぁ…」

 

…言われてみれば、確かにある時から俺は神力が使えたな。もっと早くに気付けばよかった。

 

幻斗「ちなみに、巫女とかいるのか…?」

 

「いますよ。半妖が代々巫女をやってます」

 

マジか…

神社の鳥居をくぐり、階段の前までくる。

 

「この階段の先には里長がお待ちしております」

 

里長…天也か。百年前に会ったが、忙しそうだったな。

そう思いながら階段を進むと…

 

『幻斗さん、お帰りなさい!』

 

ワァァァァッ!

 

村人たちが総出で祝ってくれた。

俺に会ったことのないニンゲン達もそこにいた。ニンゲンと妖怪の共存は続いてるようでよかった。

人混みの中から天也とルーミア、大妖精が出てきた。

 

天也「幻斗さん、お久しぶりです」

 

ルーミア「5万年経っても外見は変わってないようね」

 

大妖精「力は相当上がってるみたいだけどね」

 

幻斗「フッ、まぁな。久しぶりだなお前ら」

 

その後神社で大きな宴会があった。

みんな盛り上がっていて、本当に楽しかった。

 

「こんにちは!」

 

巫女服を着た猫耳少女がこちらに来た。

 

幻斗「お前が三雲の巫女か?」

 

「はい!」

 

元気そうだな。

 

幻斗「…なぁ、俺の神としての力って何なんだ?」

 

「えっ…知らないんですか?」

 

幻斗「ずっと特訓してたモンでな」

 

「なるほど…色々ありますよ?豊作だったり、運気アップだったり、健康に過ごせたり」

 

幻斗「あ、そういうモノなんだ」

 

なんかこう…平和だな。(小並感)

 

ー----

ー---

ー--

ー-

 

俺の自宅はルーミアが住んでいたようで、俺の部屋も整理されていた。

転送装置を見てみると何もなかったので、恐らくルーミアが月夜見と連絡を取っていたのだろう。

 

幻斗「っと、戻ってきたと言わないとな」カキカキ

 

月夜見がこの手紙を読んだ途端、すっ飛んでくるだろうな。

手紙を書き終え、転送装置にぶち込んだ。

 

ー次の日ー

 

月夜見「お前が予想した通り、すっ飛んできたぞ。久しぶりだな」フワッ

 

幻斗「」

 

親方、空から女神が!(白目)

…って

 

幻斗「月から飛んできたのかよ!?それと久しぶりだな!?」

 

ホントにすっ飛んできたし、しかも転送装置じゃなくて空から来たしでマジで反応に困るんだが!?

 

月夜見「…ふむ、お前も神になったようだな。私はお前に会った時からそうだったが」

 

幻斗「そうだったな…んで、何から話す?」

 

2人『………』

 

正直話したいことが多すぎる。

…よし、まずは。

 

幻斗「何だ、その服?」どーん

 

だって会ってた時や写真で映ってる時着てる和風の服ではなく、スーツなんだぞ?神がスーツ着てるんだぞ?

 

月夜見「ああ、コレか。実は現在月の都ではこのスーツが流行っていてだな、私もハマったのさ」

 

幻斗「お、おう…」

 

月夜見「次は私からだな。お前の力はどれ程強くなった?私も鍛えたから強くなっているが、それ以上にお前の上がり幅が見たい」

 

幻斗「そうだな…五万年前と比べたら軽く百倍は強くなってるハズだ」

 

だから五万年前の風見幽香は瞬殺できるな、今はできないだろうが。

 

幻斗「…あ、そういえば。月の都でスーツが流行ってるのは分かったが、文明ってどれぐらい進んでるんだ?」

 

月夜見「文明?都民はかなり長命だからか発展はゆっくりとしたものだったが、他の惑星に行き素材収集ができるようになる程には発展しているな」

 

幻斗「おお…それは凄いな」

 

完全に東方の世界観から外れているが。

その後も俺達は互いに質問をし続け、終わる頃には日が暮れていた。会ったのは朝なのにな…時間が経つのは速いモンだ。(説得力マシマシ)

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

どうやら月夜見は現在休暇中のようで、数ヶ月は里にいることができるそうだ。…休暇を数ヶ月もいきなり取れるのかよ。

 

月夜見「幻斗、お前にコイツを見せたい」スッ

 

月夜見が出したのは…非常に細かい糸のようなものだった。

 

幻斗「何だコレ?」

 

月夜見「フェムトファィバーといってな、最近生み出された繊維だ。非常に細かく丈夫なのが特徴で、コイツ一本は肉眼では見えないクセに、強化鉄の斧を振っても切れない程だ」

 

幻斗「ほーん…凄く強い繊維なんだな」

 

月夜見「ああ、だから服に編み込んで鎧の代用品にしたり、銃などの武器の威力を何倍にも上げることができる」

 

幻斗「…ん?待てよ。そんなに強い繊維、一体何からできてるんだ?」

 

月夜見「超強化エンダライトだ」

 

幻斗「なるほどな…って超強化エンダライトだと!?」

 

そんなカンタンに言うなよ!?




解説:超強化素材
強化素材を160個集め、それを大量のエネルギーで凝縮した代物。当然強化素材よりめちゃくちゃ強い。
超強化石<強化ネザライト=強化エンダライト<超強化鉄

実は超強化のさらにワンランク上を考えてたりします。
次辺りから諏訪大戦を始めたいですね。

次回もよろしくおねがいします。


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ケンカ?倍にして買ってやるよ

ケンカじゃなくて戦争のハズなんすがね…

現在の幻斗の装備
超強化ダイヤの鎧
超強化エンダライトの刀

超強化ネザライトや超強化エンダライトは作るのがかなり困難(幻斗にとっては)なので鎧はダイヤに留めてます。


side三雲幻斗

 

俺が戻ってきて数週間、村の様子を見るにもはや町だろと気付いた今日この頃。俺は月夜見と村の茶店で団子を食べていると…

 

「幻斗さん!」ダッ

 

店の外から1人の半妖が駆け込んできた。外見から見るに門番のようだ。

 

幻斗「どうした、そんな慌てて」

 

「大変です!夢幻の里に神の使者が現れましたッ!」

(ブロリー映画のオマージュ)

 

幻斗「神の使者?どの神のだ?」

 

俺と月夜見はどっちも神なんだが?

 

「曰く、大和の国からだそうで…里長も先に向かっております」

 

えっ、ココも乗っ取るつもりなのか?里の情報で諏訪の国が乗っ取られたのは知ってたが…

 

幻斗「よし、俺が出向く。お前は仕事に戻れ」

 

「分かりました!」ダッ

 

月夜見「大和の国って、ここらで最も大きな国だろう?」

 

幻斗「そうだ。そこからの使者が来たってことは…恐らく乗っ取るつもりだろうな。ま、行かないと分からんからさっさと行くか」

 

月夜見「だな」

 

ー里の門付近ー

 

門付近に行くと、そこには天也と弥生人がいた。まぁ今は弥生時代だしおかしくないだろう。

 

天也「幻斗さん、こちらが大和の国の使者です」

 

「貴方は?」

 

幻斗「この里の主、三雲幻斗だ」

 

「そうですか…それでは大和の神々からの伝言を。この領地と人民をこちらに譲渡せよ。さもなくば戦争だ、とのことです」

 

…ふむ。明らかにケンカ売ってるな。

 

幻斗「…分かった。大和の神々に伝えておけ…俺達は領土をやるつもりはない、戦争がしたいのならかかってきな。諏訪の国のようになると思うなよ、と」

 

実を言うと、

 

「……!?正気ですか!?」

 

幻斗「ああ…」

 

「わ、分かりました。今の言葉、神々にしかと伝えておきます「それとだ」…?」

 

幻斗「普通のニンゲンに見えるヤツを侮らない方がいいと思うぞ?」ゴゴゴ

 

軽く威圧を出して威嚇する。

 

「ッ…は、はい」

 

幻斗「行け」

 

「失礼しました…!」ダッ

 

使者は急いで帰っていった。…威圧、出しすぎたかもな。

 

月夜見「さっきの使者、私のことを完全に無視していたな」

 

天也「ですね…何故でしょう」

 

幻斗「多分、お前が俺の連れかなんかと勘違いされたんだろうな」

 

しかも出会い頭に『貴方は?』ってなんだよ、クソ失礼だなおい。

 

幻斗「月夜見、俺と協力してくれ。大和の国の神々をボコボコにするぞ」

 

月夜見「無論だ、私達は親友だからな」

 

…フッ、それは言われて嬉しいな。

 

幻斗「ありがとな。…天也、この里に戦える戦力はどれくらいいる?」

 

天也「村全員とその外に住む妖怪と妖精なので…数千人です。全員霊力や妖力を操れます」

 

幻斗「ここ数日で戦争が始まってもおかしくない、準備に取り掛からせろ。行っていいぞ」

 

天也「分かりました、失礼します!」ダッ

 

里の住民達には兵士の捕縛を担当さて、俺と月夜見などの強者は役人や大和の神々を倒す。…何故殺さないのかって?悪いのは兵士ではなく支配しようとしている神々なのと、そうした方が『手加減された状態で負けた』と思わせメンタルを折ることができるからだ。

このことを月夜見に伝えると、彼女は納得したような表情をする。

 

月夜見「なるほどな…お前、中々考えるじゃないか」

 

幻斗「前世で見たことのある策だ、大したことない」

 

月夜見「…しかし、そんな大胆な策にでるとは自分と住民の力に相当自身があるようだな」

 

幻斗「そりゃそうだろ、ニンゲンはともかく妖怪や半妖、妖精は俺が鍛えたんだぜ?」

 

ニンゲン達も力を見てみたが結構鍛えられていたしな。

 

月夜見「ふむ…そうか。まあ私も負けるとは思わないな」

 

幻斗「だろ?」

 

今回の戦争は…練習試合みたいなモンだ。後により大きなものがあると俺は考えている。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

開戦はどうやら1週間後のようで、俺は村に召集をかけていた。

 

幻斗「今日から時空の歪みを共用の場とする。戦争に備えて特訓をするんだ、いいな?」

 

『はい!』

 

幻斗「いい返事だ…次に協力者の紹介をする。月の都の都長…月夜見だ!」

 

月夜見「ごきげんよう」

 

ワァァァァ!

 

歓声が上がる。そりゃそうだ…美女が味方になるんだ、喜ぶに決まってる。

 

「凄ぇ!予想はしてたけど月の女神を味方につけるのは流石幻斗さんだぜ!」

 

「美しい…!」

 

「月夜見様がいれば百人力だぜ!」

 

…今思うと、俺ってなんでさん付けで呼ばれてるのか分からんな。月夜見は様付けなのに。

 

幻斗「召集は以上だ、月夜見が味方だからといって特訓を怠るなよ?」

 

『はい!』

 

幻斗「そんじゃ解散」

 

ぞろぞろ…

 

月夜見「…それにしても私が出た時、凄い歓声だったな。私がココにいることは既に知られているハズだが」

 

幻斗「お前が美女で強いから。そんな単純な理由だ」

 

月夜見「えっ…そんな理由なのか?」

 

幻斗「おう」

 

月夜見「………私、美女なんだな」

 

幻斗「そこかよ!?」

 

前回も今回も俺のツッコミがオチになってるんだが!?

(メタい!)




諏訪大戦というよりは夢幻の里vs大和の国ですね。

それと、ココでの大和の国の神々は八百万の神全員ではなくそのうち何人かが治めているという設定です。なんせ月夜見が月の都の都長をやってたりしますからね。
諏訪大戦では諏訪子が土着神の頂点とはいえ神々の数は多く、数のゴリ押しで負けてしまったという感じです。
つまり一対一だと諏訪子が高確率で勝ってます、はい。

神々の強さ(思いっきりネタバレ)
八百万の神々<神奈子<月夜見≦幻斗<諏訪子<龍神<天照(最強の神)

次回もよろしくおねがいします。


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夢幻大戦①

前回の神々の強さ順について質問があったので補足しときます。
月夜見と天照(と素戔嗚)は本来同格ですが、ココでは月夜見の元の力を下げ、成長性を上げてます。なのでいずれ同格になります。…素戔嗚?そのうち出しますよ、多分。


side三雲幻斗

 

そして1週間後、俺は里の住民を引き連れて大和の国の兵士を待ち構えていた。絶対相手を殺さないという作戦は既に伝えてある。

 

大妖精「…幻斗くん、私達勝てるのかな?」

 

幻斗「心配するな、俺達は絶対勝つ。そうだろお前ら!」

 

『オオオッ!』

 

幻斗「…な?」

 

大妖精「うん…心配してゴメン」

 

幻斗「別にいいさ……おっ」

 

月夜見「!」

 

ルーミア「!」

 

大妖精「…!」

 

天也「…?」

 

俺、月夜見、ルーミア、大妖精、天也が何かに気付いた。

他にも辛うじて気付いた人はいるようだ。

 

5人『来る…!』サッ

 

幻斗「今だ!結界を張れ!」

 

ピキィッ!

 

一斉に結界を張ったその瞬間…

 

キラッ

 

「何だアレ…?」

 

「光?」

 

空から何か光った物が見え…

 

ヒュルルッ…!

 

それは矢となって降り注いだ。

 

「うわっ!?」

 

「幻斗さんが結界を張れと言わなかったらくらっていた…」

 

…よし、防げたようだ。

 

「ほう、今のを防ぐか」

 

空から誰かが舞い降りてきた。神々しい雰囲気を醸し出していて、背後から後光が光っている。

 

月夜見「…姉上」

 

天照「あら、月夜見。月の都にいると思ったんだけど…この里の味方をしているのね」

 

月夜見「まあな…姉上に負けるつもりはない」

 

天照「そう…」

 

幻斗「お前が太陽神、天照大神か」

 

天照「その通り。私は大和の神を治める八百万の神の1人、天照大神よ…あなた達はせいぜい足掻くといいわ」スッ

 

天照はそう言って再び宙に浮き…司令を出した。

 

天照「我が兵士達よ、夢幻の里を制圧せよ!」バッ

 

『うおおおおお!』

 

前方に兵士の大軍が見える。

 

幻斗「…お前ら、行くぞ!」

 

『オオッ!』

 

ドドドドド…!

 

こうして戦争…夢幻大戦は始まった。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

side基山天也

 

天也「ハッ…!」ゴォッ

 

私は鬼としての力を解放し、妖力を拳に纏う。

 

「隙だらけだ!」

 

その間に私は兵士に囲まれたが…問題ない。

 

天也「粉砕撃!」ギュン

 

ドゴォ!

 

地面を殴ると、技名の通り辺りは粉砕され地面には亀裂が走る。

 

「なっ…!?」

 

「うおっ!」

 

兵士達は体勢を崩す…今だ!

 

天也「せいっ!」シュルル

 

妖力で縄を作り、兵士達を縛る。相手を傷付けずに行動不能にするにはコレが一番手っ取り早い。

 

「おわっ!?」

 

「は、離せ!」

 

天也「離すつもりはないさ…じゃ」クルッ

 

「あ、待てー!」

 

side大妖精

 

大妖精「妖精たち、力を合わせるよ!」

 

『うん!』

 

ザッ!

 

「たかが妖精がニンゲンに勝てると思うなよ!」ドッ

 

「やっちまえ!」ダッ

 

私達を侮っている兵士達が突撃してきた。

確かに本来妖精はニンゲンの兵士1人より弱い…でも私達は違う!

 

「やぁっ!」

 

「ぬぅ!?(何だこの強さは!?)」

 

そもそも私達は竜脈の影響で自然が豊かになっているので元々他より強い。

 

「てやぁ!」

 

「ふごっ…!?」

 

「何だ、コイツら…武術を使う妖精なんざ見たことねぇ!」

 

しかも里の住民として鍛えているので力がさらに上がっているんだ。

 

大妖精「今日、君たちが教訓を得るとしたら…」スッ

 

シュバババッ!

 

刀を構え、そよ風のように舞い葉先のように刺す動き(?)で兵士達をなぎ倒す。

 

大妖精「私達妖精を舐めないことだね!」ドン!

 

「グッ…クソッ…!」バタン

 

大妖精「戦いはまだ始まったばかり…油断は禁物だよ!」

 

『おお!』

 

sideルーミア・アビス

 

ルーミア「ナイトバード!」

 

ゴォッ!

 

闇の鳥を生成し、敵兵に飛ばす。

 

「ッ!」サッ

 

しかし避けられたようだ…ま、今のは囮だけど。本命は…敵兵の足元だ。

 

ルーミア「つっかまーえたっ!」ガシッ

 

「なにっ!?」

 

「何だこの黒い物体は!?」

 

ルーミア「闇、と言っても理解してくれないだろうね。うーん…君達を縛るもの、でいい?」

 

「いいワケないだろ!」ブンブン

 

敵兵達は縛りを解くために必死にジタバタしているが…もちろん意味はない。普通の縄じゃあるまいし。

 

ルーミア「あ、そうだ…そこの木の裏に隠れている神様は出て来なよ」

 

「…バレたか」スッ

 

大和の国を治める神々の1人が現れる。

 

「妖怪はニンゲンに恐れられ、滅されるべき存在…そんなヤツらがニンゲンと共存するなど愚の骨頂!成敗してくれよう!」ギュン

 

ドッ!

 

…はぁ、この神はどうやら妖怪を偏見しているタイプのようだね。ニンゲンにも善悪がいるように、妖怪にも善悪がいるという考えに到達できてない。

 

ルーミア(つくづくムカつく相手だね)スッ

 

「覚悟ォ!」シャッ

 

神は剣を振るってきた。しかし私はソレを…

 

ルーミア「よっ」パシッ

 

片手で掴んで止めた。掴まれた剣は動かなくなった。

 

「な…!?」

 

恐らく剣は妖怪特効の聖剣だったのだろう…しかしそんな剣も。

 

ルーミア「神力を纏って止めれば問題ないのさ!」バキッ

 

「妖怪が神力だと!?」

 

実は私、闇に封入する形で幻斗から神力を借りていたのだ。操れるようになるまでは手こずったけど、こうして攻撃を防げるようになったから問題ない。

 

ルーミア「何の神かは知らないけど…」ギュン

 

ドゴォ!

 

「グハッ…」

 

ルーミア「偏見というものは神をも凌駕する仇となるよ」ドン!

 

バタン

 

私の言葉を最後に、神は地面に倒れ気絶した。

借りている神力には限りがあるから、できるだけ丁寧に使わないとね…!

 

side三雲幻斗

 

俺は月夜見と並んで…敵の総大将である2人の神と対立している。月夜見の姉であり太陽神の天照と、戦いの神である戦神…八坂神奈子だ。

 

天照「神奈子、私は月夜見をやるわ」

 

神奈子「…分かった、私は三雲幻斗をやるとしよう」

 

相手は一対一に持ち込もうとしている。

 

2人『そうさせると思ってるのか?』

 

天照「?」

 

幻斗「コレは戦争だぜ?決闘じゃねぇ…」

 

月夜見「お前達の都合で戦況をカンタンに変えられると思うな」

 

神奈子「…ほう?」

 

天照「つまり、私達2人を同時に相手すると?」

 

幻斗「さぁな?もしかしたら…」スッ

 

…ドゴッッ!

 

神奈子の背後に2発の蹴りが入る。

 

『とりゃあーっ!』

 

神奈子「ぐっ…!?」

 

幻斗「俺達全員、対お前らかもな?」




奇襲を仕掛けたのは仲良しコンビです。そろそろ名前を考えようと思ってます。

次回もよろしくおねがいします。


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夢幻大戦②

小説作家歴1年9ヶ月なのに戦闘描写のクオリティが未だに向上しない…(白目)


side三雲幻斗

 

神奈子「ッ…卑怯な!」

 

月夜見「今は戦争中だぞ?しかも仕掛けたのはお前らだ。卑怯な手をされても自業自得だろう?」

 

幻斗「お前ら、下がってろ。不意打ちは成功だ」

 

2人『はい』サッ

 

天照(また不意打ちをされるか分からない、どうすれば…)ゴクリ

 

…さて。

 

幻斗「いくぞ、月夜見」ギュン

 

月夜見「ああ…」ギュン

 

ドッ!

 

神力を纏い、何か考えている天照に向かって突撃する。神奈子は一旦無視だ。

 

天照「…!光の結界!」ギュン

 

ピキッ!

 

天照は対策として結界を張る。…突き破ってやるよ!

 

シャキッ!

 

懐から刀を出し、先端に神力を集中させる。

 

月夜見(そういう策か、なら私は少し遅れて攻撃するとしよう)サッ

 

俺の策を察したのか、月夜見は少し後退する。

 

天照「…?(月夜見が下がった?何故かしら?)」

 

幻斗「くらえ…三雲斬り・刺!」ズドッ

 

…パキッ!

 

天照「な…!?」

 

パリィン!

 

この刺突技は結界を破るように作った技だ…ちゃんと役割を果たせていてよかった。

 

天照「私の結界が…「驚くヒマはないぞ」…ッ!」

 

月夜見「ムーンフォース!」ギュン

 

…ドゴォ!

 

天照「かはっ…」

 

月夜見の拳は天照の鳩尾に命中する。ダメージはそこそこ入ったようだ。

 

神奈子「天照!………むっ!」スッ

 

…チッ、バレたか。

 

ゴォッ!

 

神奈子は不意打ちをしようとする俺に気付いたのか、御柱を大量に飛ばしてきた。邪魔だなおい!

 

幻斗「ブルーインパクト!」

 

バゴォ!

 

とりあえず全部ぶっ飛ばす。

 

神奈子「せいっ!」ゴッ

 

ヒュン!

 

しかし全部ぶっ飛ばした直後に真正面から御柱が飛んできた。しかも神奈子が直接押し込んでいるのでぶっ飛ばしたら勢い余って神奈子の拳が俺に当たる…ふむ、どうしようか。

 

幻斗「…そうだ!」スッ

 

ガシッ!

 

俺は御柱を掴み…

 

ググッ…!

 

神奈子「…わっ!?」

 

幻斗「とうりゃぁっ!」ポイッ

 

それを押し込んでいる神奈子ごと地面に向かって投げ飛ばした。

 

…ズドォン!

 

神奈子「グフッ」ちーん

 

神奈子は御柱に押し潰された。自爆してるな。

 

幻斗「…っと、月夜見を手伝わないとな」

 

と思って振り返ると…

 

月夜見「オラオラオラオラァッ!」

 

天照「ちょ!?待っ…ぐえっ!?」ズドッ

 

月夜見が天照にラッシュをお見舞いしていた。…心なしか天照がボコボコにされているように見える。

 

幻斗「月夜見、手伝うぞ」

 

月夜見「むっ?…ああ、助かる」

 

天照「…まさか、神奈子は…!」

 

幻斗「自分の攻撃によってダウンしてるぞ?」

 

天照「えっ?」ポカーン

 

…なんかコイツ予想外の事が起きたら隙だらけになるな?

 

月夜見「隙あり!ムーンフォース!」ギュン

 

天照「ッ!(その技はくらいたくない!)ていっ!」ドッ

 

…ズドッ!

 

月夜見の拳と天照の拳がぶつかり合う。…一対一だったら拮抗状態だったろうな。

 

幻斗「三雲斬り!」シャッ

 

天照「むっ…たぁっ!」サッ

 

キィン!

 

俺の刀を天照はもう片手で受け止めた。1人で2人の攻撃を止めているからか天照の表情に疲れが出始める。…今だ!

 

2人『てやぁ!』ドッ

 

天照「きゃっ!?」ズドッ

 

一気に力を入れ、天照に攻撃を入れた。

 

月夜見「どうだ…?」

 

天照「痛いわね…でもまだ戦えるわよ!」ザッ

 

天照はそう言って体勢を整える。

 

幻斗「…お前の姉、しぶといな」

 

結構本気で攻撃を当てたが、天照からは本当にまだ戦えそうな感じがする。体力多すぎだろ。

 

月夜見「まぁな。元々私たち3人の中では姉上が1番体力があり、それと僅差で2番目が須佐男、そしてダントツで私が下だった…そんな私も5万年でだいぶ改善したがな」

 

…マジか。月夜見の体力が少ないのは聞いていたが、ダントツだったとは。てか須佐男は天照ぐらい体力があるのかよ。

 

幻斗「…ん?」

 

ふと地面を見ると、神奈子が御柱をどかして某火の鳥のようにこちらを睨みつけていた。

 

神奈子「(あんなマヌケな攻撃で私がやられるとは、プライドが許さん!)…野郎、ぶっ殺してやる!」

 

おいおい、軽くキャラ崩壊してないか?…とりあえず煽って自爆に追い込むか。

 

幻斗「自分の攻撃に当たってダウンするって、ねぇどんな気持ち?ねぇ今どんな気持ち?」ニヤニヤ

 

月夜見(…えっ、何だその表情?)

 

今の俺は結構キモい笑みを浮かべていると思う。んで反応は…

 

神奈子「…フフ、フフフ」ブチッ

 

…おう、完全にキレてらっしゃる。作戦成功だな。

 

神奈子「ぶっ潰してやらぁ!」ゴォッ

 

ズドドドドドッ!

 

大量の御柱が俺達めがけて飛んでくる。…もちろん天照も巻き込んで。

 

天照「ちょ、神奈子!?私がいるのよ!?…わっ!?」サッ

 

神奈子「潰す潰す潰す!」

 

天照(あっ、コレは聞こえてないわ〜)

 

月夜見「おい幻斗、ヤツを暴走させて何をするつもりだ!?姉上を巻き込むにしては危ないぞ!?」

 

幻斗「…よく見ろ、アイツは今周りが見えてない」

 

月夜見「周り?…むっ」

 

ルーミア「………」スッ

 

天照「(近くに敵が!?)神奈子!敵が貴女を…」

 

ルーミア「…!」ギュン

 

カッ!

 

ルーミアは妖力を纏い、神奈子の頸に手刀を当てた。

 

神奈子「ガッ…」バタン

 

すると不意を突かれた神奈子は地面に倒れ気絶した。

 

天照「神奈子!?「隙あり!」…ッ!?」

 

一気に決める!

 

幻斗「ブルーインパクト!」

月夜見「ムーンフォース!」

 

ズドォン!

 

天照「ッ…きゃっ!」バゴッ

 

天照はとっさに防御しようとしたが間に合わず、俺達の攻撃をモロにくらった。

 

天照「グッ…ハァ、ハァ…」

 

しかし天照は辛うじて立っていた。…コレ以上やっても意味ないだろう。警戒を解かず、俺は天照に話しかける。

 

幻斗「どうする?お前はもう戦えないぞ?」

 

月夜見「軍を引き上げてくれ、姉上」

 

天照「ッ、分かったわ…我が兵士達よ、夢幻の里から撤退せよ!」

 

しーん

 

天照「…えっ?」

 

幻斗「どうやら住民達は上手くやったようだな。お前の兵士と神達は…全員気絶、または捕縛されている」

 

月夜見「誰1人死んでないだろうな。後で数えてみるといい」

 

天照「…!それって「つまり、今動けるのはお前だけだ」…ッ、私達の完敗ね…」スッ

 

天照は懐から白旗を揚げた。

 

幻斗「…よし。お前ら、俺達の勝利だ!」

 

『オオオオオッ!』

 

天照(この里の人々は…凄いわね)

 

こうして、夢幻大戦は俺達の大勝利で幕を閉じた。




神奈子ファンのみなさん、スミマセンでした(土下座)
次は後始末ですね。諏訪子を出そうか迷ってます。

次回もよろしくおねがいします。


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スキマ妖怪

アンケートで風見幽香の票が多くて笑ったwwww


side三雲幻斗

 

夢幻大戦が終わり、住民達は休養の為それぞれの住居へと帰っていった。大和の兵士達と神々は天照が全員転送した。

 

天照「侵略は失敗した…だからこの里にはもう手を出さないわ」

 

幻斗「ああ、そうしろ」

 

…ま、また宣戦布告してきたとしても受けて立つが。

 

幻斗「それとだ、俺達に負けたからには言う事を聞いてくれよ?」

 

天照「え」

 

幻斗「当たり前だろ?こっちにとっちゃ負けたら住んでいた場所が奪われてたんだぜ?勝ったら勝ったで対価がなきゃダメだろ…それとも今度は俺達が大和に国に攻め込むがそれでいいか?」ギロッ

 

俺は少し威圧を出しながら天照を睨みつける。

 

天照「…分かったわ。何をしてほしいの?」

 

幻斗「そうだな…決めたらお前に連絡する、それでいいか?」

 

天照「ええ…」

 

幻斗「ふむ。…もう話すことはないしな、帰れ「待て」…月夜見?」

 

天照を帰そうとした所を月夜見に呼び止められた。

 

月夜見「姉上、ちょっとそこに立て」

 

天照「?」

 

何をするつもりだ?と思っていると、月夜見は拳に神力を纏い…

 

月夜見「………歯を食いしばれ!」ドッ

 

…ドゴォ!

 

天照「げふぅ!?」ヒュン

 

ドサッ!

 

天照を右ストレートで吹っ飛ばした。…いや待て!?

 

幻斗「何してんだ!?」

 

月夜見「悪い、姉上の態度に少々イラついたのでな…まるで負けた者のような態度じゃなかった」

 

幻斗「それはそうだが…」

 

天照「……ごめんなさい」

 

突然天照が謝りだした…俺は黙った方がいいだろうな。

 

天照「今まで敗北という経験をしたことなかったの」

 

月夜見「…私や素戔嗚との手合せは全勝だったな」

 

天照「そうね…でも、この戦いで初めて敗北を味わった」

 

月夜見「気分はどうだ?新鮮か?」

 

天照「ええ、清々しい気分よ…まるでやりきったような感じ。でもそれで敗者らしくしないのはダメね」

 

月夜見「そうだろうな…はぁ。こんなシリアスな話はやめよう。姉上」

 

天照「…月夜見?」

 

月夜見「次は一対一で戦おう」

 

天照「…ふふっ、分かったわ」

 

月夜見「じゃあな」クルッ

 

天照「またね…」

 

スタスタ

 

月夜見はそのままこの場を去った。

 

幻斗「…お前ら、姉妹仲いいのか?」

 

悪くはなさそうだが。

 

天照「さぁ?ケンカはほとんどしないし、悪くはないと思うわよ?」

 

幻斗「そうか…」

 

なら次会っても戦いの件以外は仲良くするんだろうな。

 

幻斗「…コレ以上は言うことはない。じゃあな、天照」

 

天照「ええ、また何処かで…今度は味方として会いましょう」

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

夢幻大戦から数日後。里が戦後で疲弊したのをどこかで知ったのか、悪い妖怪が次々と襲撃してきた…ま、全員ザコだったのですぐ倒したが。この程度の力で疲弊した俺達を倒せるとでも?

 

幻斗「呆れたもんだな」

 

ルーミア「そうね」

 

俺とルーミアは襲撃されないか注意しながら森を巡回していた。住民達の中で体力が回復しきってる人も巡回に手を回している。

 

コォォォォ…

 

しばらくすると、謎の気配を感じた。まるで誰かに見られているような、そんな感じだ。

 

幻斗「ルーミア」

 

ルーミア「ええ…」

 

ルーミアも気付いているようだ。ふむ、視線は…大体5時の方向だな。

 

シャキン

 

幻斗「出てきやがれ!」ズバッ

 

「きゃっ!?」ドサッ

 

刀で空間を斬ると、何もない空間から金髪の少女が現れた。…外見はまんま紫だな。

 

「…ハッ!気付かれた!?」

 

反応遅っ!?

 

幻斗「あー…誰だお前?んでどうして俺達をストーカーしてたんだ?」

 

とりあえず名前を聞くか…もう知ってるけど。

 

紫「(すとーかー?何それ?)私は八雲紫よ…すとーかーって何なの?」

 

やっぱり紫か…胡散臭そうな雰囲気が全くないな。

てかストーカーって言葉は里のヤツらに通じる言葉だったから慣れてたわ。…ん?でも天照が『ダウン』という言葉を理解してたような。…まあいっか。

 

幻斗「どうして俺たちを着けていたんだ?」

 

紫「興味があったの、ニンゲンと妖怪が共存する里に」

 

幻斗「…ほう?」

 

…ふむ。興味があるんなら別にいいが、この場所は地理的に元々場所を知ってないといけないレベルの地形だぞ?大和のヤツらは何らかの方法でこの場所を知ったんだろうが、それがない紫がココにたどり着くのはおかしい。

 

幻斗「誰に聞いた、その話?」

 

紫「風見幽香」

 

幻斗「…なら納得だな」

 

幽香に場所を教えたしな…そういえばアイツ元気かな?そろそろ会いに行くか。

 

幻斗「でも、何故興味を持ったんだ?側から見ると天敵同士が仲良くしている頭おかしい集団のハズだぞ「そんなことない!」…ん?」

 

紫「この里のは立派よ!私が実現しようとしているニンゲンと妖怪の共存を真っ先に実現していて…しかも平和な里。立派でないワケがないわ!」

 

幻斗「…そうか」

 

ちょっとイジりすぎたかもな。

 

幻斗「…なぁ、紫」

 

紫「?」

 

幻斗「お前はココに住みたいのか?」

 

紫「………うん」

 

幻斗「なら来いよ。夢幻の里は敵対しない限り何でも受け入れるさ」

 

こうして、紫はしばらく里に住むこととなった。

…将来できるであろう、幻想郷を創る為の教材として。




ってことで、紫登場。
幽香?次辺りで多分出します。

解説:里周辺の地形
里の周りは森に囲まれており、森の外からは絶対見えない。なので森を抜けない限りは里の所在に気付かないのだ。しかもその辺りに海や山があるので、森に着くのも一苦労である。山ができたのはここ最近(数百年前)の話で、これが原因で里は元々場所を知ってないと大抵は行けない場所となっている…襲撃した妖怪?元々場所を把握していたのだ。

次回もよろしくおねがいします。


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妖狐と花が大好きな妖怪

出しまーす。


side三雲幻斗

 

紫が里に暮らすことになり、数百年が経つ。そんなある日のこと。

 

「幻斗様、私を貴方に仕えさせて下さいっっっ!」ザッ

 

今日も俺は五尾の狐の少女に部下入りを懇願されている…確か数年前からずっと言われてるな。

 

ー回想ー

 

俺は里付近の山を巡回していた。

 

幻斗「…ん?」

 

少し先から微かな気配を感じる。こんな気配がするのは…意識が朦朧としているヤツだ!

 

ダッ

 

急いで気配がする方に駆け寄ると、そこには死にかけている妖狐がいた。

 

「う、ううっ…」

 

幻斗「お前、大丈夫か!?」スッ

 

ギュン…

 

とりあえず霊力を与えて回復させる。

 

「ッ…誰…?」

 

幻斗「その前にだ、お前はどうしてこんな所で…」

 

「いたぞ!」

 

道の先から男が数人現れた。外見から察するに退魔師か何かだろう。

 

「そこのお前、妖怪から離れるんだ」

 

「や、助けて…」

 

妖狐は男を見るや否や恐怖で震えていた。…この妖狐の気配からして恐らく悪事は働いていないのだろう。

 

幻斗「…お前らは何故コイツを追っている?」

 

「あ?妖怪だからに決まってるだろ」

 

「妖怪は悪、常識だろう?」

 

「ほら、さっさとどけ。コイツを殺す」

 

……はぁ。やっぱり偏見は聞いててムカつくな。

 

幻斗「断る」ザッ

 

倒れている妖狐の前に立ち、退魔師どもを向く。

 

幻斗「どうせお前らは『罪もない』妖怪を殺そうとしてるんだろうが、そうはさせん」

 

「罪もないだぁ?妖怪の時点で罪なんだよ!」

 

「コイツと妖怪はグルだ、まとめてやっちまえ!」

 

…結局こうなるのか。

 

幻斗「結界」ピキッ

 

キィン!

 

退魔師のお祓い棒が結界によって弾かれる。

 

「何、結界だと!?」

 

「コイツ、ただものじゃねぇ…!」

 

結界が張れるだけでただものじゃない?んなモン里では常識だぞ?

 

幻斗「お前ら、今すぐ立ち去れ。罪もない妖怪を傷つけるヤツらは…俺が許さん」ギロッ

 

「ッ…覚えてろよ!」クルッ

 

ダッ…

 

退魔師どもは恐れをなして逃げていった。俺が結界を張って、ちょっと睨んだだけで逃げるなんてな…情けないヤツらだな。

 

「たす、かった…」

 

妖狐は安心したのかその場で意識を失った。傷は俺が治したのでなくなっている。…里に連れて帰るか。

 

幻斗「よっ…と」

 

妖狐をオンブして里に連れ帰り、里の空き家の布団に寝かせた所で彼女は目を覚ました。

 

「ここは…」

 

幻斗「目を覚ましたか?」

 

「…あっ、命の恩人様!」

 

幻斗「三雲幻斗だ」

 

「幻斗様、ありがとうございます!何とお礼したら…」

 

おおう、様付けか…新鮮だな。

 

幻斗「いいってことよ。お前、名前は?」

 

「………」

 

…ん?

 

幻斗「まさか無いのか?」

 

「はい…」

 

幻斗「ふむ…」

 

妖狐は尻尾が三本生えていて、朱色の服を着ている。

朱…読みはあけ、だから…

 

幻斗「…朱美」

 

「えっ?」

 

幻斗「お前はこれから朱美と名乗れ」

 

朱美「朱美…はい、幻斗様!」

 

ガラガラ

 

扉が開き、天也が入ってきた。

 

天也「幻斗さん、食べ物を持って来ました…おお、目を覚ましましたか」

 

幻斗「まぁな。コイツは朱美、今名付けた」

 

朱美「朱美です」

 

天也「えっ、名無しだったんですか?尻尾が三本生えてる狐ってだいぶ生きているハズですが…」

 

…確かにそうだな。

 

幻斗「朱美、どうして名無しだったんだ?」

 

朱美「私には自分の名前を付けるという才能がなくて…」

 

ああ、なるほどね。シンプル。

 

ー回想終了ー

 

あれからというもの、俺は朱美が住んでる家を通りかかる度に…いや、なんなら俺が家を出る度に部下入りを懇願してきている。恩人に恩を返したいのは分かるが、流石に俺は部下なんて要らんしな…

だが、朱美が俺の部下になるべくして相当努力してるのは分かる。なんせ数年で三尾から五尾になってるからな。

 

「なぁ朱美、いい加減に諦めたらどうだ?幻斗も流石に困ってるぞ?」

 

ほら、言われてるぞ?

 

朱美「嫌よ、私は命の恩人である幻斗様の部下になるの!」

 

…ちょっと恥ずかしいからそれは言わないでくれ。

 

幻斗「…なぁ朱美、お前は恩を返したいんだろ?別の形で返せないのか?」

 

朱美「私は部下として恩を返したいのです!」ふんすっ

 

ふむ…つまり恩を返したい思いと単純に俺の部下になりたいという願望が混ざってる状態か。…断ってもいずれ俺は折れるだろうしな。

 

幻斗「分かったよ、俺の部下にしてやる」

 

朱美「…!ホントですか「ただし!」…?」

 

幻斗「まずは九尾になることだ。九尾になったら、お前は俺の部下となり三雲朱美と名乗ることとなるだろう」

 

…さて、どうする?

 

朱美「九尾…承知しました、早速九尾になるべく修行してきます!時空の歪みにゴー!」ダッ

 

ヒュゥゥン!

 

おおう、速いな…

 

「幻斗さん、大変なヤツを部下にしますね」

 

幻斗「ま、なんとかなるだろ。実際アイツは有能だしな」

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

side八雲紫

 

紫「………」スッ

 

ピキィン!

 

私は能力を活用して協力な結界を張る練習をしていた。

 

ルーミア「じゃ、早速試すよ…ナイトバード!」ゴォッ

 

…ドシュゥ!

 

ルーミアの攻撃は結界によって防がれた。…つまり、成功だ。

 

紫「…ふぅ」スッ

 

ルーミア「成功ね。でも連続で使用すると疲れるようだから、自身の妖力量を増やすべきなんじゃない?」

 

紫「次は妖力量ね、分かったわ」

 

ルーミア達里の妖怪から助言を貰えたおかげで元々大妖怪級の私の力はどんどん上昇していった。いずれは大妖怪を超える領域に達するだろう。

 

…ザッ

 

2人『?』

 

「ふーん…ココが夢幻の里ね。綺麗な花が咲いているじゃない」

 

短髪の緑髪、赤い目と傘…そして『成長期のニンゲン』くらいの身長…花が大好きな妖怪、風見幽香がそこにいた。

 

幽香「あら、紫に闇の大妖怪じゃない。この里に住み始めたというのは本当だったのね」

 

紫「ええまぁ…どうしてこんな所に?」

 

幽香「…ちょっと遊びに、ね」

 

ルーミア「遊び?…ああ、幻斗に用があるのね」

 

幽香「察しが良くて助かるわ。所で…貴女もやるかしら?」じっ

 

幽香は新しい遊び道具を見つけたような目でルーミアを見つめる。

 

ルーミア「いいけど…怪我するよ?」

 

幽香「へぇ?」

 

そして2人は遊び…という名の手合せを始めた。

…幻斗を呼びに行くわ。




三雲⇔八雲(1〜10で3は下から3番目、8は上から3番目)
朱色⇔藍色(朱色は赤に近い、藍色は青に近い)
夢幻⇔幻想(似たような言葉)
こんな感じで、幻斗と朱美の設定は紫と反対にして思いつきました。因みに伏線なんてないです。

次回もよろしくおねがいします。


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狐火の炎天掌

命蓮寺組かぁ…当分先になりますが、採用しまっす。

補足:前回の紫視点は幻斗視点の数年後の話。

今回は短めです。代わりとして解説多めにしてます。


side三雲幻斗

 

『レベル410 次のレベルまであと3892万1947』

 

朱美「せいっ!」バッ

 

ドゴォ!

 

幻斗「へっ、いい攻撃じゃねぇか」

 

朱美「まだまだ!」ドッ

 

俺が朱美に九尾になれと言った日から数年後、俺は時空の歪みで朱美を鍛えていた。朱美は今では八尾になっており、歪みの中で加速した時間を数えるとそろそろ千年だろう。九尾になるには最低千年必要だからな。

 

幻斗「おっと」サッ

 

…ギュン!

 

幻斗「俺のターンだ。三雲斬り!」シャッ

 

朱美「結界!」ピキッ

 

キィン!

 

ほう、瞬発的に結界を張るとは…相当成長したようだな。

 

幻斗「だが詰めが甘い!とうっ!」ズドッ

 

パリィン!

 

朱美「ッ…!(やっぱり刺突技には弱い!)」サッ

 

ー数分後ー

 

朱美「ハァ、ハァ…そろそろバテそうなので、必殺技を出してやります…!」ボッ

 

朱美は狐火を出し、手に集中させる。そして左足で地面を蹴る。

 

幻斗「…!速ー」

 

朱美「炎天掌!」ドッ

 

ズガァン!

 

幻斗「かはっ…!」

 

火を纏った掌底は俺の腹に命中し、俺は少し後ずさりした。その技名と威力……満身創痍の状態でこれ程とはな。

 

朱美「へへっ、当たった…あっ…」ドサッ

 

朱美は疲れきったのかその場に崩れ落ちた。俺はすぐ彼女に駆け寄り、話しかける。

 

幻斗「凄ぇな朱美、いつの間にそんな技覚えたんだ?」

 

朱美「つい、最近です…」

 

幻斗「お前が九尾になった時、この技がお前の十八番になるかもな?」

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

しばらく休んで体力を回復した後、俺と朱美は村の茶店で団子を食べていた…最近団子の餅をおいなりさんで包み込んだ稲荷団子なるものが流行っているようで、朱美はそれを美味しそうに食べている。…俺?きなこだが?

 

朱美「はむっ…ん〜♪」

 

(わぁ、癒される…)

 

店内の人たちは朱美の姿に癒されているようだ。

 

ガラガラッ

 

幻斗「…ん?」

 

店に3人入ってきた。ルーミアと、紫と…えっ?

 

幻斗「幽香りん?」

 

幽香「幽香りんじゃない!幽香よ!」

 

花が大好きな妖怪こと、風見幽香もいた。コイツの身長、前世で見た身長より低いんだよな…例えるなら前世で見たヤツが大人だとして、今の幽香は中学生ぐらいだ。

 

朱美「…幻斗様、この人は?」

 

幻斗「花が大好きな妖怪って知ってるか?」

 

朱美「あ、この人なんですね」

 

…てか、それよりも。

 

幻斗「3人とも、出入り口から一旦離れろ」

 

他の客に迷惑だろうが。

 

3人『あ』

 

ー数秒後ー

 

近くの席に座り、3人はそれぞれ団子を頼んだ。

 

幻斗「なんでルーミアと幽香はボロボロなんだ?」

 

2人『手合せをしたの』

 

…手合せしたのか。

 

幻斗「それで、誰が勝ったんだ?」

 

ルーミア「幽香。…私も例の剣で善戦はできたんだけどね」

 

幽香「…あの剣は反則よ。何よ嵐を起こす剣って」

 

あー…うん、アレはチートだよな。俺もアレをくらって負けそうになった。(解説は後書きで)

 

「おまちどう〜」コトン

 

幽香「……いい味ね」パクッ

 

それは良かったな…さて。

 

幻斗「それよりも、どうして幽香は里にわざわざ徒歩で来たんだ?この前(数十年前)にお前用の転送装置を置いたばっかだろ?」

 

幽香「…道中の花を眺めるのも一興と思わない?」

 

ああ、そういう妖怪だったなお前。

 

幻斗「んで、要件は?俺と手合せか?」

 

幽香「話が速くて助かるわ。貴方に負けてから私は鍛え直したのよ」

 

幻斗「ほう?」

 

まぁ確かに身長は伸びたな。…関係ないか。

 

幽香「だから後で…勝負をしましょう?」じっ

 

幻斗「…分かった。だがその前に」

 

コォォォォ…

 

紫「…………」

ルーミア「…」

朱美「………」

 

ゴクリ…

 

幽香「………」

 

幻斗「団子を楽しもうではないか」どーん

 

幽香「同感ね」

 

3人『真面目な雰囲気ぶち壊しか!』

 

いやいや、んなモンどーでもいーだろ。




炎天掌って技、結構愛用してます。他の小説にも出してるぐらいです。

解説:ルーミアの剣
月の都の技術によって作られた剣で、名前はみんなご存知の『ストームブリンガー』。この剣一振りで突風を巻き起こし、徐々に嵐を起こすという。

現在の力関係
大妖精<朱美<天也≦紫<神奈子<諏訪子<ルーミア≦幽香<龍神<素戔嗚≦天照<月夜見=幻斗

月夜見が天照を超えてますね。というか幻斗と月夜見強っ…ん?なんでコイツらいつも揃ってんだ?

次回もよろしくおねがいします。


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幻斗vs幽香①

申し訳程度のアンテ要素。そして今日も短めです。


side三雲幻斗

 

団子、美味しかったな…と思いながら、俺たちは開けた場所に出た。

 

幻斗「ココでやろう」

 

幽香「ええ…」スッ

 

幽香は俺から少し距離を取り、傘を構える。その傘のせいで傘の妖怪って勘違いされそうだな…

 

…ビュン!

 

大妖精「審判は私がするよ。勝利条件は相手の気絶か降参だからね?」

 

いつの間にか飛んできていた大妖精がそう言った。…ホントいつ来たん?

 

大妖精「勝負…」スッ

 

コォォォォ…

 

2人『………』

 

大妖精「…始め!」

 

…ドッ!

 

同時に地面を蹴った。

 

幻斗「三雲斬り!」ズバッ

 

幽香「ッ!」サッ

 

キィン!

 

刀と傘がぶつかり合うが、俺が押している。

 

幻斗「せいっ!」ガキィ

 

そのまま押し切る。そして幽香の足を狙って…

 

幽香「(足を狙うつもりね)フンッ!」ヒュン

 

俺の狙いに気付いたのか、幽香は体勢を崩した状態で回し蹴りを放ってきた。

 

幻斗「うおっと…!」ギュン

 

デカいのを1発放つか!

 

幻斗「ブルーインパクト「マスタースパーク」…むっ!?」

 

幽香「ハァッ!」ギュン

 

ドガァァン!

 

幻斗「ぐふぉっ…」ズドッ

 

俺が技を放つより先に、幽香は光線を至近距離で放ってきた。痛え……野郎、こっちも初見殺しをしてやるよ!

 

幻斗「風斬!」シャッ

 

刀を構え、その場で斬撃を放つ…その斬撃は風の刃として幽香に襲いかかる。

 

幽香「!?…グッ!」ズバッ

 

幻斗「飛斬撃だ、驚いたか?」

 

幽香「ええ、驚いたわ…次は避ける」スッ

 

…ドッ!

 

幽香「くらいなさい!」ヒュン

 

そう言って幽香はこちらにストレートを放つ。

 

幻斗「(いやいや、素直に当たるかよ?)オラァ!」ドゴォ!

 

パンチにはパンチで対抗してやるよ!

 

バチッ…!

 

拳と拳がぶつかり、衝撃が走る。互いの攻撃の威力がハンパないようだ。

 

ーー

ーーー

ーーーー

ーーーーー

 

朱美「凄い試合だね…!」わくわく

 

紫「ええ…どちらからも気迫を感じるわ」

 

ルーミア「むぅ、私もアレぐらいしてたよね?」

 

紫「ほとんど剣を振り回してるだけじゃない」

 

ルーミア「………」

 

※一応ルーミアは剣無しでも幽香と同格です。剣で遊んで油断してたから負けました。

 

大妖精「あはは…」

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

…バゴッ!

 

拳がぶつかり合う衝撃により小さな爆発が発生し、俺達は後方に飛んだ。

 

幻斗「…強くなったなお前」

 

幽香「貴方こそ、ね」

 

そろそろ例の技を出すか。

 

パチン!

 

俺が指を鳴らすと…大きなスッポンの頭蓋骨が現れた。

そして…

 

幽香「……?」

 

幻斗「ガスターブラスター」

 

極太光線を放った。

…は?と思ったその方、何も言い間違えてないぞ。

 

幽香「ッ!?」サッ

 

あっ、避けられた。…まあいい、いくらでも撃てるからな。

 

幻斗「ブラスター回転!」バッ

 

ズドドドドドッ!

 

ほらほら逃げろ逃げろ〜!(めっちゃ楽しんでる)

 

幽香「何よコレ!?」ダッ

 

幻斗「新技だ…お前のマスタースパークと同じ原理だ」

 

ただし、発動時間が短い分連発できるが。

 

幽香「…今の技、下手したら一方的に相手を蹂躙できるわね」

 

幻斗「だな…よっ、と」ガタッ

 

ガスターブラスターを出し、その上に乗る。

 

幽香「(ソレ、乗ることもできるのね)…マスタースパーク」ギュン

 

ドガァァン!

 

幻斗「発射!」ドッ

 

…ズドォン!

 

ブラスターから飛び上がり、光線を発射することでマスタースパークを相殺する。そして…

 

幻斗「風斬…連発!」シャッ

 

空中から風の刃を数発放った。

 

幽香「ッ…」スッ

 

ピキィン!

 

幽香は冷静に傘でガードした…その傘、硬いな。だがそのせいで前が見えてないぞ!

 

幻斗「三雲斬り!」ドッ

 

ズバッ!

 

幽香「ぐうっ…!」

 

傘で前が見えないせいで俺の攻撃に気付くのが遅れたのか、幽香はダメージを受けた…いや、まさかわざとか!?

 

幽香「…花鳥風月!」ビュン

 

ズドッ…!

 

幻斗「ガハッ…!」

 

気付くのが遅かったのは俺の方で、幽香は素早い動きで俺を攻撃した。何だよ今の技…原作で聞いたことないぞ?

(メタいぞ)




花鳥風月
オリジナル技。本来は素早い弾幕で攻撃するが、今回は物理攻撃で発動している。

次回もよろしくおねがいします。


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幻斗vs幽香②

最近鬼滅の二次創作を読むことにハマってます。
そして短めです(無慈悲)


side三雲幻斗

 

幽香が開発したものであろう技をくらった俺は、そのスピードに驚いていた。

 

幻斗「(あのスピードは異常だ…目にギリギリ見えたが、恐らく瞬間的に音速を超えてるだろうな)その技、いつ覚えたんだ?」

 

幽香「貴方に負けてから編み出したのよ。どう、驚いた?」ニヤリ

 

幻斗「ああ…いい技だ」ニヤッ

 

だが、おかけで俺はもう油断しないぞ?

 

幻斗「とうっ!」

 

俺は空中に飛び上がり、足先に霊力を溜める。

 

幻斗「スカイドロップ!」ヒュン

 

そして幽香に向かって蹴りを放つ。

 

幽香「…!」スッ

 

キィン!

 

俺の蹴りは幽香の傘で防がれた…だが本命は違うぜ?

 

幻斗「風突!」ヒュン

 

傘を蹴った反動で宙返りをし、その勢いで幽香の脳天にかかと落としをぶちかました。

 

…ドゴォ!

 

幽香「ッッ!?」ヨロッ

 

頭に強烈な一撃を入れられた幽香は脳が揺らされたのか少し足元がふらついた…隙あり!

 

幻斗「ブルーインパクト!」バッ

 

ズガァン!

 

幽香「かはっ…!」ヒュン

 

…ドゴォ!

 

俺にコンボを決められた幽香は吹っ飛ばされ近くの岩盤に激突する…まるでブロリーがベジータにやったようなクレーターができた。少し小さいけど。

 

幽香「ッ、痛いわね…」ヨロッ

 

幻斗「どうだ?」

 

幽香「貴方のおかげで頭がクラクラするわ…」

 

幻斗「安心しろ、後で治す」

 

俺が倒してからな。

 

幽香「…もう本気でいくわよ」ポイッ

 

ドサッ…

 

幽香は傘を投げ捨て、構える。

 

幻斗「…へっ、そうか」スッ

 

……ドッ!

 

幽香「…!」ヒュン

 

ドゴォ!

 

幻斗「フンッ!」バッ

 

サッ、シュバッ!

 

お互い本気を出し、喋る間も無く拳を振るう。

 

ーー

ーーー

ーーーー

ーーーーー

 

ルーミア「速い…!」

 

紫「目が追いつかないわ…」

 

朱美「コレが、幻斗様の本気…!」キラキラ

 

大妖精(あっ、朱美ちゃんは見えてるんだ)

※大妖精も何故か見えてる。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

幻斗「とうっ!」

 

幽香「ハッ!」

 

バゴォ!

 

2人『せいっっ!』ヒュン

 

ズガァン!

 

パンチ、キックをひたすら繰り返す…しかし何故か楽しい。この高揚感はいいな。

 

幽香「フンッ!」

 

幻斗「でりゃっ!」

 

…バゴッ!

 

拳がぶつかり合う度に衝撃波が発生するほどの力で戦ってる俺達を側から見ると、ただの手合せには見えてないだろうな。

 

ザッ

 

2人『ハァ、ハァ…』

 

俺達は長時間の格闘で息が上がっていた。

 

幻斗「そろそろ…終わりにしないか?」スッ

 

幽香「ええ…いいわよ」スッ

 

…ギュン!

 

幻斗「うおおおおおおっ!」

 

幽香「ハァァァァァァッ!」

 

お互い残ったエネルギーを全部つぎ込んだパンチをお見舞いする。

 

ズドッッッ…!

 

拳が当たったのは…

 

幽香「グフッ…」

 

幽香だった。

 

…バタン

 

俺の拳をくらった幽香は、そのまま力なく倒れた。

 

幽香「…フフッ、私の負けよ」

 

大妖精「むっ、降参!よって勝者、幻斗くん!」

 

手合せは俺の勝ちに終わった。




そろそろネタ切れになりそう。

次回もよろしくおねがいします。


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えっ、もうそんな時代!?

レベルは時間が飛んだ時だけ出すことにしました。
それと、これからのノルマは千数百字にしようと思ってます。


side三雲幻斗

 

手合わせが終わり、俺は幽香を家に招いた。ルーミア達は朱美や紫の強化に戻ったらしい。

 

幻斗「…んで、お前が来た理由は手合わせだけなのか?」

 

幽香「手合わせが一番の目的よ…でも、実はココに移住しようか考えてるの」

 

…え?

 

幻斗「お前、ココに住む予定なのか?」

 

幽香「ええ。貴方より弱くても戦いがいのある相手はそこそこいそうだし、退屈しないと思うわ」

 

幻斗「ほーん…」

 

幽香がココに移住したら、パワーバランスが崩れ…んな事最初から考えてないな。別に悪影響は出ないだろうな…むしろ幽香が言う『戦いがいのある相手』が増え、夢幻の里全体のパワーアップにつながるかもだから、メリットしかないだろう。

 

幻斗「ま、来る時は言ってくれ。歓迎するから」

 

幽香「そう…ありがと」スッ

 

ズズッ…コトン

 

幽香「ところで…貴方は里の外の動向をどれくらい知ってるのかしら?」

 

幻斗「動向?そうだな…大和の国の神々が天界に移住したりしたのは知ってるが」

 

その時神奈子が守矢神社に引っ越して、そこで諏訪子に会ったな。

 

幽香「それっていつの話よ…私が言ってるのはココ数年の話」

 

幻斗「………スマン、全く分からん」

 

そもそもいつぐらいの時代なんだ?卑弥呼辺りはもう過ぎてるだろうし。

 

幽香「ココ数年で、都…大和で聖徳太子ってヤツが色々とやってるらしいわよ?」

 

………ん!?

 

幻斗「今、聖徳太子って言ったか?」

 

幽香「ええ」

 

……おう、マジか。つまり脇神子こと豊聡耳神子に会えるじゃん。時代は飛鳥時代か。

 

幻斗「なるほどな…で、その色々ってなんだ?」

 

幽香「貴族に位を与えたり、仏教を広めたりね」

 

教科書通りの活躍のようだ…よし。

 

幻斗「ソイツに会いにいくか」ガタン

 

幽香「は?」ポカーン

 

俺がいきなり会いに行くと言ったからか、幽香はぽかんとした表情だった…そりゃそうだな。

 

幻斗「貴重な情報をありがとな、幽香」

 

幽香「…ちょっと待ちなさい、私が言った瞬間に何よいきなり会うって」

 

幻斗「前に俺の前世云々について話したじゃねーか。聖徳太子って結構有名人なんだよ」

 

俺は前世について今までに月夜見、ルーミア、大妖精、天也、朱美、紫、幽香に話している。

 

幽香「…そう、それなら少し納得できるわね」

 

幻斗「じゃあな幽香、里に来た時はよろしくな」

 

幽香「ええ、また会いましょう」

 

ガチャッ

 

ー----

ー---

ー--

ー-

 

朱美「幻斗様、都って何処にあるんですか?」

 

里をしばらく出るとルーミア達に言ったら、朱美がついてくることになった。

 

幻斗「そうだな…元々大和の国があった場所だから道は分かる。強いて言うなら、それ程遠くないって所か?」

 

朱美「なるほど…」

 

スタスタ

 

朱美「それにしても、幻斗様の前世って凄いですよね。今の時代から1500年後の世界って、想像ができません」

 

幻斗「だろうな…だが、ソレが事実だ」

 

俺が転生してこの世界に来れたのは奇跡だとしか言いようがない。本来なら某病気で死んで、それで終わりだ。

 

幻斗「朱美、お前がもし前世の記憶を持って転生したら、どうする?」

 

朱美「うーん…分かりませんね。もし今と同じように朱美として生まれ変わったなら、のんびり生きるぐらいですかね?」

 

幻斗「そうか…」

 

まあ、転生なんて滅多にないことだし、想像もつかないのは当たり前か。

…こんな感じの雑談をしながら、俺達は都へと移動したのだった。




実は、ココまでの大まかなストーリーは決めてたけど、これからがまだ決まってないです(笑)
つまり、ココから完全アドリブで行かせてもらいますのでよろしく。

次回もよろしくおねがいします。


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聖徳太子(♀)

いやぁ、ネタがない(白目)


side三雲幻斗

 

夢幻の里を出て数日後、俺と朱美は都にたどり着いた。

 

幻斗「おお…」

 

教科書に載るような場所を生で見ることができるとはな…なんというか、感慨深いな。

 

朱美「都って…」

 

幻斗「?」

 

朱美「正直文明進んでなさそうですね」どーん

 

…ファ!?

 

幻斗「いやいやいやいや、コレが普通だからな?月の都とか夢幻の里の文明が進んで…いや、進みすぎてるだけだからな?」

 

つっても、夢幻の里は大体江戸時代だぞ?それ程差は…あるか。

 

幻斗「…とにかく、文明云々はあまりツッコまないでやれ。それと変な言動は慎めよ?怪しまれたらヤバいから」

 

朱美「了解です」

 

スタスタ…

 

飛鳥時代の道並みを歩く。俺たちの服装は周りに合わせているので怪しまれないが、偶に視線を感じる。

 

「………」

 

幻斗「(ずっと見てるヤツがいるな…)朱美、路地裏に出るぞ」

 

朱美「はい」

 

クルッ

 

路地裏に出て、後ろを振り向く。…しかし誰もいない。隠れているようだ。

 

スタスタ

 

幻斗「(もう少し進んで………今だ!)誰だ!」クルッ

 

「!?」ビクッ

 

振り向くと、フードのようなものをつけた人物が驚いていた…顔は見えないが。

 

幻斗「えっと…お前、誰だ?そして何故付けていたんだ?」

 

「…………」スッ

 

フードの人は懐から何らかの玉を取り出した。…おいおい待て待て、ソレ絶対煙玉だよな?逃げるつもりだな?

 

幻斗「朱美」

 

朱美「はい…っと」スッ

 

「!?」ギュッ

 

朱美は(常人には)目にも止まらぬスピードで煙玉をフードの人から奪い取った。ついでに縄で腕と脚を縛っている。

 

朱美「幻斗様、さっき縛った感覚からして…この人、女ですよ?」

 

幻斗「ほーん……んで、結局誰なんだお前?」

 

「……はぁ、流石夢幻の里から来た者ですね」スッ

 

…いいっ!?

 

神子「私は豊聡耳神子…人々からは聖徳太子と呼ばれています」

 

まさか会おうとしてた本人だったとはな…うん、なんで俺は気付かなかったんだろ。…って

 

幻斗「お前、夢幻の里を知ってるのか?」

 

神子「ええまあ…人と妖怪が共存する里、と。貴方がたの話を少し盗み聞k…聞かせてもらいました。貴方か夢幻の里の主…三雲幻斗さんですね?」

 

…言い換えたようだが、対して変わってないぞ?

 

幻斗「ああそうだ。俺が何故ココに来たか…分かるか?」

 

神子「私に会いに来た…と聞きました」

 

幻斗「正解だ…ま、正確には「私に向かって11人で話しかけるつもり、と?」…おっ、お前の能力はそこまで読み取れるのか」

 

神子の能力は10人の声を聞き分ける事ができるが、さらにその声の先にある思惑も読み取れるらしい…前世知識だ。

 

神子「中々変な考えをお持ちのようで」

 

幻斗「夢幻の里の主をストーカーするお前も大概変なヤツだと思うがな?」

 

神子「は、はぁ…(す、すとーかー?)」

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

俺と朱美はあの後神子の家に招待された。『聖』徳『太』子だけに…寒っ。

 

2人『お帰りなさいませ、太子様!』ザッ

 

緑髪と銀髪の少女が出てきた。原作より見た目が若干幼いが…屠自古と布都だな。

 

神子「おかえり屠自古、布都。お客さんを連れてきたんだ」

 

2人『こんにちは、失礼します』ペコッ

 

屠自古「あ、どうぞお上がり下さい」

 

俺と朱美が挨拶をすると、屠自古は上がるのを催促するが…布都の目は朱美に向いていた。

 

布都「…むっ!?こ、こやつは妖怪ではないか!」

 

朱美「うん」

 

布都「なぬぅ!?た、太子様、何故妖怪をこの屋敷に!?」

 

太子「この2人は夢幻の里出身だ」

 

布都「夢幻の里!?人と妖怪が共存するなどという愚行を行うあの!?」

 

…おい、コイツさらっと失礼な事を言ってるな。

 

太子「私はそう思わない…人にも善悪があるように、妖怪にも善悪がある。そうでしょう、夢幻の里の主?」

 

布都「え」

 

幻斗「ああ…んで、お前」じっ

 

俺は布都をじっと見る。

 

幻斗「なぁにが愚行だってぇ?」ジロッ

 

少しイラっとしたので某火の鳥のように布都を睨みつける。布都の防御が下がった!(ポケモン風)

 

布都「……す」

 

幻斗「す?」

 

布都「スミマセンでしたぁ!太子様が肯定しているのに、我はなんてことを!」ザッ

 

布都は立派な土下座をかました。…てか、それって謝ってなくないか!?まあ素直だから許すが。

 

幻斗「あー…顔を上げてくれ。お前はいい妖怪を見たことがなかったのかもな。これを機にいい妖怪も知るといい」

 

神子「それは名案ですね…布都。返事は?」

 

布都「はいっ!」ビシッ

 

…うん、真面目だなぁ。

 

布都「ところで、お主の名前は…?」

 

幻斗「三雲幻斗だ」

 

朱美「私は朱美、八尾の狐よ」

 

布都「うむ、分かった。よろしく頼む!」

 

幻斗「おう」

 

そして、俺たちは居間へ案内された。




今の神霊廟組
神子:ニンゲン側の者だが、妖怪に対して厳しいワケではない(少なくともこの時代では)
屠自古:太子様、カッコいい…///
布都:これを機にいい妖怪を知れるように頑張ろう、おー!

まだ霍青娥には会ってません。しかし神子は道教の書物を読み始めてます。

次回もよろしくおねがいします。


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不老不死なんかねーよ(理論上)

独自解釈っぽいものあり。


side三雲幻斗

 

神子としばらく話したが、彼女は仏教を日本に広める身でありながら道教に入信しているようで、仙人になるべく書物を読んでいるらしい。

 

神子「貴方はニンゲンでありながら、5万年以上生きているとおっしゃりましたね?」

 

幻斗「ああ」

 

神子「不老不死なのですか?」

 

幻斗「…不老ではあるが、不死かは分からん。今は言えないがとある事情で俺は先天的に老けない体質になってる」

 

転生したとか言っても信じてくれないだろうしな。

 

神子「先天的ですか…なら、その人生の中で仙人に会ったことはありますか?」

 

幻斗「うーん……あるが、今まで会ったヤツらは全員天界に移住してるな。呼んでやろうか?」

 

ちなみに、その仙人は天也の父親だ。名前は…基山天助だな。

 

神子「て、天界!?実在したんですね…」

 

幻斗「ああ。後魔界や地獄も実在するぞ」

 

神子「なんと…」

 

本編には出てないが(メタい)俺は魔界や地獄出身のヤツに会ったことがある。

 

幻斗「…なぁ、道教の終着点は不老不死なんだろ?」

 

神子「はい。仙人となり、天人になることで寿命という概念を超越するのです」

 

幻斗「なるほどな………1ついいか?」

 

神子「?」

 

幻斗「俺は…不老不死なんて存在しないと思う」

 

神子「…え?」

 

幻斗「確かに何億年も生きる体を持つことは可能かもしれない…だが、本当に死ぬことは不可能なのか?体が完全に消し飛ばされたらどうなる?」

 

神子「確か不老不死はタマシイが主軸となるので、タマシイがあれば再生し……あ」はっ

 

神子は何かに気付いたようにはっとした表情になる。

 

幻斗「…な?タマシイが割られば終わりだろ?」

 

神子「そう、ですね…」しゅん

 

…不老不死に到達できないと知って落ち込んでしまったか。

 

幻斗「まあまあ、そう落ち込むな。ぶっちゃけ不老不死ってのは苦しいモンだと思うぞ。友達が次々と死んでいく中で、自分だけ永遠に生きる…孤独をずっと味わうことになるんだ」

 

神子「……「だが」…?」

 

幻斗「寿命を長くするぐらいなら、俺はいいと思う……神子、お前が仙人になる目的って何だ?」

 

神子「不老不死と、自然宇宙の力を得ることです…そういえば、幻斗さんは自然宇宙の力を得た人に会ったことはありますか?」

 

幻斗「自然なら結構ある…属性を操るヤツらとかな。ただ…宇宙に関しては会ったことがない。んなモンこの世界の創造神ぐらいしかできないだろ」

 

月夜見と天照の母親、イザナミがこの世界…つまり宇宙の創造神だと月夜見から聞いたが、その時はかなり驚いた。創ったの地球じゃなくて宇宙なのかよ!?と。

 

幻斗「この時代の文明じゃまだ分からないんだろうが…宇宙は広い。そりゃもう途方もなくな。そんな宇宙の力を得るとなると…俺でも到底無理だ」

 

神子「幻斗さんでもですか…(この時代の文明って…つまり幻斗さんはその先の文明を…?)」

 

幻斗「…んで、それでも仙人を目指すつもりか?」

 

神子「…………はい」

 

…ほう?

 

神子「不老不死になったり、自然宇宙の力を得ることはなくとも…私は『高み』を目指すべく仙人を目指します!」

 

幻斗「高みか…ん、いい目標だな。頑張れよ」

 

神子「はい!」

 

その後も俺は神子と色々話した。




さて、華扇と青娥と芳香の3人はいつ出すか…

次回もよろしくおねがいします。


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仙人?滝行しろ

side三雲幻斗

 

仙人になる修行をするべく、神子たち3人は……何故か俺に鍛えられることになった。

 

幻斗「…いやなんで?」

 

神子「書物に書いてあったんですが、どうやらまずは身体能力をどうにかしなければならないようです」

 

ほーん…ん?

 

幻斗「あれ?お前尸解仙になりたいんじゃなかったのか?」

 

原作の神子は尸解仙になりたかったハズなんだが…

 

神子「ソレは最終手段ですよ」

 

幻斗「あ、そうなんだ…まあいっか。お前らをどう鍛えればいいんだ?」

 

神子「肉体と精神、両方ですね」

 

ふむ………仙人修行といえば、思い浮かぶものがあるな。

 

幻斗「滝行してこい」

 

神子「…はい?」( ゚д゚)

 

幻斗「仙人といえば、滝行だろ。滝行舐めんなよ?滝に打たれることで肉体も強くなるし、精神もソレに耐えることで強くなっていく。まさに一石二鳥の修行だぞ?」

 

実際、俺は滝行をしたことがあるが…アレは普通の人だとかなりしんどい。

 

神子「そんなに熱く語られても……って冗談ですよね?バレてますよ?」

 

幻斗「あ、バレた?」

 

コイツらにちゃんとした修行をつけるなら…まずはコレを教えるべきだろう。

 

幻斗「そうだな…まずは体を流れる力…『エネルギー』について教える必要があるな」

 

3人『えねるぎー…?』

 

幻斗「エネルギーには4種類あって、ニンゲン、妖怪、魔族、神でそれぞれ違う種類を使う。ニンゲンは霊力、妖怪は妖力、魔族は魔力、神は神力…俺はニンゲンであり神でもある為霊力と神力を使う」

 

神子「霊力、ですか…それの使い方を教えるんですか?」

 

幻斗「その通り。霊力は誰でも持っており、身体や精神を鍛えることで増える…よっ」ポンッ

 

俺は霊力の玉を手のひらから出す。3人はそれを見て驚いた。

 

幻斗「…さて、お前らもやってみろ。まずは体で流れる力を感じ取るんだ」

 

神子「…………」

 

幻斗「…どうした?」

 

神子「いや、いきなりそう言われても…」

 

幻斗「とりあえず瞑想してみろ。自身の体に集中するんだ」

 

ドサッ

 

3人はその場で胡坐をかき、瞑想を始めた。

 

幻斗「感じるようになったら言ってくれ」

 

ー数分後ー

 

俺はじっと瞑想している3人を見ていた。かなり集中しているようだ。

 

……ギュン

 

幻斗「お?」

 

今、霊力を溜めた音がしたぞ?

 

布都「む、できたぞ!」

 

最初に霊力を感じたのは布都のようだ。

 

幻斗「なら次はそれを出してみろ。俺がさっき見せた玉のようにな」

 

布都「了解だ!」ドサッ

 

そして布都は再び胡坐をかき、こんどは手を出して集中を始めた。

 

その数分後、神子と屠自古も霊力を感じれるようになり、玉を出せるように頑張っていた。




改変、楽しい(笑顔)

次回もよろしくおねがいします。


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仙人の侵入者(複数形)

やってほしい事や質問があったら、コメントお願いします!


side三雲幻斗

 

次の日。3人はなんと霊力の玉を出せるレベルに達していた。

…速くね?

 

神子「どうかしました?」

 

幻斗「習得が速いと思ってな。俺は結構かかったんだがな…お前らには才能があると思う」

 

神子「そうですか…(私達に才能、ですか。いずれ幻斗さんの領域に達せそうですね)ところで、次は何をすればいいんですか?」

 

次…そうだな…

 

幻斗「霊力を纏えるようになれ」

 

屠自古「…纏う?」

 

布都「どうやって?」

 

幻斗「霊力の玉を出しただろ?その玉はカンタンに言えば、霊力を手のひらに集中して作ったモノだ。今度はその霊力で、手を覆うことを想像しながらやってみろ」

 

神子「手を覆う…分かりました」

 

ドサッ

 

『…修行シーンはコレだけでいいよな(by作者)』

 

おい、メタいぞ。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

2週間後。

霊力の基礎は基本的に全部教えた。今では…

 

神子「ハッ!」ドッ

 

幻斗「…!」サッ

 

霊力込みの手合わせもできるようになっていた。

身体能力に関してはあまり上がってないハズだが…恐らく自分で鍛えたのだろう。

 

布都「とりゃー!」バッ

 

朱美「よっ」サッ

 

布都「避けるなー!」むきーっ

 

屠自古「いや、普通は避けるだろう」

 

布都と屠自古は朱美が相手している。

…前回と前々回はなんで朱美がいなかったのかって?(メタい)

別の部屋でゴロゴロしてただけだ。

しばらく神子の攻撃を避けていると、やがて彼女の息が上がりはじめた。

 

…ドサッ

 

神子「ハァ、ハァ…降参です」

 

幻斗「ん…また強くなってるぞ」

 

神子「そう、ですか…?」

 

幻斗「ぶっちゃけ基礎は全部教えたしな…後はお前が仙人としての修行に励むといい」

 

神子「…はい!」

 

ー数時間後ー

 

その夜。

 

幻斗「……ん?」ムクッ

 

朱美「…!」ハッ

 

客室の布団で目を覚ます。隣にいる朱美も目を覚ましていた。

何故なら…

 

幻斗「…力を持つヤツの気配を感じる」

 

それを感知して俺達は目を覚ました。

方向は……!

 

幻斗「神子の部屋辺りだ。行くぞ!」ダッ

 

朱美「はい!」ダッ

 

ガタン

 

神子の部屋…の近くの扉を開いた先には…

 

「…おや?気付かれましたか」

 

「…げっ!」

 

「は、速く逃げよう!」

 

青髪、黒髪、桃髪の女性が俺達の登場に驚いていた…って

 

幻斗(青娥、芳香、華扇じゃねーか!)

 

しかも芳香は生きてるようだし、華扇は腕が包帯に巻かれている。

…3人の背後の壁に穴が開いていることについては、敢えて触れないでおこう。

 

「見つかったようですが、ごきげんよう」スッ

 

青娥(ほぼ確定)が壁抜けのかんざしを出し、逃げようとするが…もちろんそうはさせない。

 

幻斗「朱美、かんざしを奪え。俺は3人を縛る」

 

朱美「了解!」

 

ドッ

 

「…え?」パシッ

 

朱美「はいゲット」

 

ギュゥゥゥ

 

幻斗「ふぃ~」

 

「いつの間に!?」

 

「ぬぬぬっ…離すのじゃ!我らは仙人見習いだぞ!」

 

幻斗「侵入者を逃がすワケねーだろ。てか、仙人見習いなら普通に訪問しやがれ」

 

…あ、でも神子は名目上仏教の信者だから無理か。

とりあえずコイツらは…

 

幻斗「お前らは少なくとも朝まで縛っておく」

 

「な、なんですって!?」

 

華扇(暫定)が驚いてるが…敬語じゃない華扇って珍しいな。鬼がいる山に行った時も敬語だったのに。

(幻斗は華扇に会ったことがある。しかし辺りが暗いので華扇は幻斗に気付いてない)

 

…朝までココで待つか。




芳香は個人的に改変したかったのでします。

次回もよろしくおねがいします。


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尋問は…ほぼしない

つまり、なんちゃって尋問である。


side三雲幻斗

 

朝までヒマだしな…そうだ。

 

幻斗「…おい、華扇」

 

「えっ、どうして私の名前を…って」ハッ

 

辺りが明るくなってきたので、気付いたようだ。

 

幻斗「俺だ、三雲幻斗だ」

 

華扇「げ、幻斗さん…お久しぶりです」

 

2人『知り合い?』

 

華扇「ええ、結構昔に会ったの」

 

幻斗「お前はどうやら仙人の道を選んだようだな」

 

華扇「…まぁ、はい」

 

幻斗「ソレはそうとして…お前ら2人、名を言え」

 

もう知ってるけど。

 

青娥「…霍青娥ですわ」

 

芳香「宮古芳香じゃ!」

 

幻斗「これから俺の質問に、正直に答えろ。いいな?」

 

3人『……?』

 

俺の尋問タイム、スタート☆

 

幻斗「まず1つめ。何が目的だ?」

 

青娥「…仙人になりたい仏教徒がいると聞いて」

 

幻斗「ほーん…2つめだ。どこから聞いた?」じっ

 

少し威圧を出しながら質問する。

 

ビクッ

 

3人が少し身震いする。

 

芳香「えっと、その…」

 

幻斗「何だ?言えないのか?…それとも『聞いた』のは嘘なのか?」ギロッ

 

威圧を強める。

 

幻斗「なら、お前らの答えを予想してやる…何らかの方法で観察してただろ?」

 

3人『…!』

 

こいつらの姿を見るのは今回が初めてだ…だが。

 

幻斗「建物の外からこちらを覗く動物は何回か見たことがある。…犯人は華扇、お前だろ?」

 

華扇「!?」

 

幻斗「何故知ってるか、だろ?コイツだ」スッ

 

俺が出したのは、お札。動物の視界を共有する、某鬼退治漫画で見たことのある代物だ。

 

幻斗「コイツにお前の妖力が混じってたからな」

 

華扇「…つまり、質問の意味はなかったと?」

 

幻斗「いや、意味がないワケじゃないな。確信を持つために質問しただけだ」

 

青娥「…それで」

 

幻斗「?」

 

青娥「威圧をそんなに出して、私達に何をするおつもりで?」

 

幻斗「あー…特に何もしないぞ?」

 

青娥「…え?」ポカーン

 

幻斗「別にお前らに罰を与えようとはしねぇよ。この建物の主は俺じゃねぇしな。ついでに縄を緩めてやる」スッ

 

芳香「(…あれ?これって逃げる機会なのでは「おっと、逃げるのはダメだからな?」)…あっはい」

 

華扇「…幻斗さん、仙人になりたい仏教徒がこの建物にいるんですよね?」

 

幻斗「ああ。この建物の主…神子は確かに仙人になりたいと思ってる。ただ…表面上は仏教を信じる為政者だからな、大っぴらにできないんだよ。言ってしまえば国民を仏教で操ってるっつーことだ」

 

国を纏めるのにもってこいだからな、仏教は。

 

幻斗「だからな、お前らが来るべきだったのは深夜じゃなくて夕方とか夜になったばかりの時間帯だ。そうすりゃ神子と話ができたからな…まぁもうお前らは来てしまってるし、朝まで待つしかない。いいな?」

 

華扇「はい(そういえば時機が悪かったですね…もうちょっと早く来ていればよかった)」

 

そして夜は更け、朝になった。




ネタがないッ!

次回もよろしくおねがいします。


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隠れた契約

世間からは、隠れてますね。


side三雲幻斗

 

朝。

俺は朱美に神子を連れてくるよう頼み、拘束した3人と一緒に待っていた。

 

タタッ

 

朱美「連れてきました!」

 

幻斗「おお、来たか」

 

神子はすぐ俺の後ろにいる3人に気付いた。

 

神子「えっと…この3人は?」

 

幻斗「昨日の深夜に侵入してきたヤツらだ。3人とも仙人で、この建物に仙人になりたいヤツがいると知ってきたそうだ」

 

神子「…なるほど」

 

俺の思考を読み取ってくれたようだ。

 

華扇「ど、どうも…」

 

幻斗「…んで、コイツらの処遇は?」

 

神子「そうですね…質問してもよろしいでしょうか?」

 

3人『?』

 

…アレ?また尋問タイムスタートか?

(前回含む)

 

神子「貴女達は仙人なんすね?」

 

芳香「そうじゃ」

 

神子「(言葉から嘘は感じませんね)ならば、私に協力してくれませんか?」

 

青娥「…協力、ですか?」

 

ふむ…なるほどな。仙人に修行の仕方を教えてもらった方が効率的と考えたんだな。

(当たり前だろ)

 

神子「私…とその従者の3人に、仙人となる修行の手ほどきをしていただきたいのです」

 

華扇「…しかし、仙人への道は長いですよ?」

 

神子「心得ています」

 

神子から強い意志を感じる。

 

芳香「…分かった。元々我らは加害者の身、償いに反論はない」

 

青娥「私も同じですわ」

 

華扇「私達が貴女達を鍛えます」

 

神子「…ありがとう」

 

幻斗(…フッ)

 

上手く行ったようだな。

 

こうして、今ここに世間からは隠された契約が成されたのだった…。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

神子、布都、屠自古が華扇達3人に仙人として鍛えられることになって数日後。

俺と朱美は……夢幻の里への帰路についていた。

 

朱美「よかったんですか、もう帰って?」

 

幻斗「まぁ、聖徳太子に会ってみたいって目的だったしな」

 

朱美「そういう事じゃなくて…神子さん達って本来あの後封印されるんですよね?」

 

そう、神子たち3人は尸解仙になろうとした所で仏教の僧侶たちに危険視され封印される。…しかし、もちろんその対策はしている。

 

幻斗「安心しろ、『保険』はかけてる」

 

朱美「保険、ですか?」

 

幻斗「ああ…俺が緊急ですぐあっちに行ける代物を渡しておいた。それに、本来キョンシーになってるハズの宮古芳香が仙人として生きてんだ、問題ないだろ」

 

まぁ…宮古芳香がいつキョンシーになったかは知らないから一概に大丈夫とは言えないが。

 

朱美「そうですか…また会えるといいですね」

 

幻斗「だな」

 

結構すぐに会うことになりそうだが。

 

朱美「あっ、そういえば…」

 

雑談は続く。




ちょうど1000文字。
これにて聖徳太子編終了。原作とは結構変わった状態になってます。

次回もよろしくおねがいします。


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リーファ・ブリーズ

…えっ、誰?


side三雲幻斗

 

数日間歩き、俺達はついに夢幻の里に帰還した。

 

幻斗「ふぃ~…」

 

朱美「やっと帰って来れましたね!」

 

…ビュゥゥン!

 

ルーミア「おかえりなのだ~!」

 

前方からルーミアが圧倒的スピードで飛んできた。

 

幻斗「うおっ!?」ドゴッ

 

ドサッ

 

流石に俺は突進(?)に対応できず、ルーミアは俺にぶつかって押し倒した。

逆床ドンかぁ…

 

朱美「ちょっ!?何してるの!?」

 

ルーミア「あっ、ゴメン」パッ

 

幻斗「はぁ~、お前どうやって俺達に気付いたんだ?」

 

ルーミア「気配を感じたの」

 

だろうな。

 

幻斗「んじゃ、家に帰るか」

 

スタスタ

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

数分後、俺は家に着いた。

着いたんだが…

 

大妖精「…………」じーっ!

 

幻斗「ど、どうしたんだ…?」

 

ドアを開けて『おかえりなさい!』と言われてから、ずっとこうだ。

 

ルーミア「あー…なんかね」

 

幻斗「?」

 

ルーミア「ここ数日、大妖精がずっと『私、そろそろ名前が欲しいです』とか言ってるんだ」

 

幻斗「名前?」

 

そういえばなかったな。

 

幻斗「…なぁ、大妖精」チラッ

 

大妖精「……!」わくわく

 

うおっ…めちゃくちゃワクワクしてやがる。

 

幻斗「名前が、欲しいのか?」

 

まぁ、朱美に対して名前を付けてるしソレで羨ましくなったんだろうな。

 

幻斗「分かった、お前に名前を付けてやる」

 

大妖精「………」じっ

 

大妖精と言えば…そよ風と共に現れ、生い茂った葉のように生き生きとしている。

(中二病か)

 

 

 

幻斗「お前の名前は…

 

    リーファ・ブリーズ

 

        …どうだ?」

 

 

 

 

ルーミア「おお…」

 

朱美(凄いネーミングセンスですね)

 

リーファ「リーファ……リーファ!」にこっ

 

ギュッ!

 

幻斗「うおっ」ドサッ

 

大妖精改めリーファが俺を抱きしめ、押し倒した。

…また逆床ドンかぁ。

 

リーファ「ありがとう、幻斗くん!」にこにこ

 

幻斗「どういたしまして」

 

パッ

 

リーファは俺から離れ、俺は床から起き上がる。

…ん?

 

幻斗「リーファ、お前…」

 

リーファ「?」

 

幻斗「ちょっと身長が伸びてないか?ざっと…10センチって所だな」

 

リーファ「えっ?……ホントだ!」

 

朱美「名前が付いたから、ですかね?」

 

幻斗「多分そうだな。妖精はそういうものに影響を受けやすいし」

 

というか。

 

幻斗「どうしていきなり名前なんかを?」

 

朱美の事が羨ましくなってたなら、もっと早くに頼んでるハズだ。

 

リーファ「ソレはね…?」

 

幻斗「………?」ゴクリ

 

なんとなく、リーファの背後から『ゴゴゴ』とジョジョのような文字が見える。

 

リーファ「…そういえば私も名無しだったなって、思ったの!それだけ!」どーん

 

幻斗「」ずこっ

 

それだけかい!




はい、ということで大妖精の名前はリーファ・ブリーズです。
元ネタ解説
リーファ:葉っぱ(leaf)を少し弄った。
ブリーズ:そよ風(breeze)をそのまま。

次回もよろしくおねがいします。


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悲報:月夜見、会って数秒で幽香にケンカを売られるwww

大妖精の名前に関しては、ほぼ直感で決めました。これだ!って。

サブタイトル?…某掲示板のスレ風にしました。


side三雲幻斗

 

今日は数年ぶりに月夜見が夢幻の里に来る日だ。俺は村付近で来訪を待っている。

 

朱美「幻斗様、月夜見さんってどんな人なんですか?」

 

幻斗「そうだな…いいヤツ?」

 

朱美「ええ、なんですかソレ。もっとこう、具体的にお願いします」

 

幻斗「うーん………「リーダーシップのある人、なんてどうだ?」おう、ソレだ…ん!?」

 

クルッ

 

聞き覚えのある声がしたので振り返ると…

 

月夜見「少しぶりだな、幻斗よ」

 

そこにはいつものようなスーツを着た月夜見がいた。

うん、イカしたスーツだな。

 

幻斗「ああ、久しぶりだな月夜見」

 

月夜見「この子は?」

 

幻斗「俺の部下になる予定の朱美だ」

 

朱美「八尾の狐の朱美です!」

(何故か敬語)

 

月夜見「朱美か、よろしく頼む」

 

朱美「はい!」

 

幻斗「んじゃ、ココで話すのもアレだし………ん?」

 

ドドドドッ!

 

前方から誰かが走ってきている。

緑髪で、赤目。傘を持っている…幽香か。

 

幽香「貴女が月夜見ね?」

 

月夜見「ああ、そうだが…」

 

幽香「私は風見幽香、花の妖怪よ…少し手合わせ願えるかしら?」

 

幻斗「……やっぱりか」

 

流石幽香、会って数秒でケンカ売るなんてかなりの戦闘狂だな。まぁ…

 

月夜見「…ほう?いいだろう、戦おうじゃないか」

 

それを速攻で買う月夜見も大概だが。

 

幻斗「…はぁ。あっちでやってくれよ?」

 

あっちとは、俺と幽香が手合わせした場所である。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

ちなみに、その光景を見ていた天也と紫は

 

天也「ん?あ、月夜見さんだ」

 

紫「月夜見…ああ、数年ぶりに来たのね」

 

天也「……えっ、幽香にケンカ売られてる」

 

紫「…は?」

 

天也「しかも買った!」

 

紫「はい!?」

 

…という反応をしていた。

 

ーー

ーーー

ーーーー

ーーーーー

 

コォォォォ…

 

月夜見「………」スッ

 

幽香「………」ザッ

 

月夜見は構えを取り、幽香は傘を月夜見に向ける。

 

幻斗「んじゃ、よーい…始め!」

 

…ドッ!

 

月夜見「とうっ!」ギュン

 

幽香「ッ!?」

 

ドゴォ!

 

月夜見が圧倒的スピードで幽香との距離を詰め、ストレートを叩きこんだ。

 

幻斗(相変わらず速いな…)

 

幽香(何、今の…見切れなかっ「驚いているヒマはあるんだな?」…ッ!)ギュン

 

月夜見「…おっ」

 

幽香「マスタースパーク!」バッ

 

ギュォォォ!

 

幽香は月夜見に向かって極太光線を放つ…しかし。

 

月夜見「結界」ピキッ

 

…シュゥゥゥ

 

結界1枚によってソレは止められてしまった。

 

幽香「な…」

 

月夜見「今度は私の番だな…ハッ!」ギュン

 

ドッ!

 

月夜見「ムーンフォース!」

 

…ズドォン!

 

幽香「ガハッ…」ヒュン

 

ドゴォ!

 

月夜見のパンチをモロに受けた幽香は、少し吹っ飛んで地面に激突した。

 

幽香「」ちーん

 

幽香はその場で気絶していた。

 

幻斗「勝者、月夜見……なぁ」

 

月夜見「何だ?」

 

幻斗「俺が幽香と戦った時、スポーツの範囲内で本気を出すぐらいだったんだが?お前本気出しすぎてね?」

 

月夜見「…そうだな、少し本気を出してしまった。ま、彼女にとっては初対面の相手にケンカを売ってはいけないといういい教訓になったんじゃないか?」

 

幻斗「足し蟹」

 

ソレはいい教訓だな、多分。




朗報:月夜見、幽香をフルボッコにするwwww

次回もよろしくおねがいします。


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月夜見は早く来た

月の都は凄いんです。


side三雲幻斗

 

数分前、月夜見は幽香をボコした。

…んで、今は自宅で月夜見とティータイム中だ。

お茶はこの時代でまでないって?シャラップ。

 

月夜見「月の都特産品の桃で作ったピーチティーだ。美味いだろう?」

 

ズズッ

 

幻斗「ん、美味いな。俺が作っといたチーズケーキとも合う」

 

いやぁ、月の都ってホントに色んな食材があるんだよな。

ちょっくら地上に降りては材料(動物含む)をかっさらってるらしいが…ソレ、目撃されたら神扱いされないか?なんて思ってしまう……いや月夜見は神だけども。

 

月夜見「お前の前世知識って、こういう時も役立つんだな」

 

幻斗「前世知識っつーか、お前がレシピ本渡してきたから作っただけなんだが?」

 

月夜見「そうだったか?…まあいい。朱美も飲むか?」

 

朱美「飲みます!」

 

月夜見「ちょっと待っててくれ…はい」コトン

 

朱美はソレを受け取り、一口飲むと…尻尾をぴょこぴょこさせながら喜んだ。

 

朱美「~~♪」

 

月夜見(フッ、可愛いな…)

 

幻斗「…そういえば、どうしていきなり来ることにしたんだ?いつも通りなら来るのは半年後ぐらいのハズだが」

 

数日前に連絡が来てちょっと驚いたぞ。

 

月夜見「えっ?そ、それはだな…」おどおど

 

………ん?いきなり焦りだしたぞ?

しかも心なしか顔が少し赤くなっている。

 

幻斗「熱か?…って、そりゃないか」

 

流石に俺は鈍感系主人公のような行動には出ない。

 

月夜見「じ、実はだな?お前に会いたくてな…」あたふた

 

幻斗「俺に会いたい?」

 

月夜見「半年も待てなかったから来たんだ…ダメか…?」チラッ

 

……っ、上目遣いだと…!?

 

幻斗「お、おう…」

 

コイツ、まさか俺の事好きなの?…勘違いかもしれないから訊かないけど。

 

月夜見「…こ、こんな話はやめだ!朱美、ちょっと来てくれないか?」

 

朱美「?はい」ひょい

 

幻斗「?」

 

月夜見「ここに寝るんだ」ポンポン

 

月夜見は何故か朱美を膝枕すると…

 

スッ

 

月夜見「ふふっ…」ナデナデ

 

朱美「はわぁ…」

 

ケモ耳を撫ではじめた。

…月夜見はケモナーなのか?

 

月夜見はしばらく朱美の頭や尻尾を撫で、俺はソレを眺めるのだった。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

幽香「…はっ!」

 

紫「あら、起きたの?」

 

幽香「………月夜見、さん。強かったわ」

 

紫「…さん?」

 

幽香「あの圧倒的強さ、敬意を払うべきだと思ってね」

 

紫「でも幻斗は?月夜見と同格よ?」

 

幽香「幻斗は…そのままでいいわね」

 

紫(扱いの違いが凄いわね!?)

 

幽香「…あら、傷が治ってるわね。治してくれたの?」

 

紫「え、ええ…(と言っても、薬品を塗っただけだけど)」




圧倒的日常回。

次回もよろしくおねがいします。


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お前はもう九尾になっている

いつの間にかなってたパターン。


side三雲幻斗

 

朱美「そ、そろそろ離してくれませんか…?」

 

月夜見「ん?ああ、すまないな。撫でさせてくれてありがとう」パッ

 

…長かったな。多分1時間ぐらいずっと撫でてたぞ?

(ソレをずっと見てたお前も凄いな)

 

幻斗「………ん?」

 

ぴょこん

 

幻斗「朱美、お前の尻尾………9本になってないか?」

 

朱美「え?」チラッ

 

朱美は自分の尻尾をよーく見ながら数える。

 

朱美「1、2、3、4、5、6、7、8…………8本ですよ?」

 

幻斗「いやいや、1本隠れてるぞ」

 

月夜見「…ああ、そういえば撫でてた時9本あったな」

 

朱美「ええ…?………あっ、ホントだ!」

 

1本の尻尾が8本の中に混じっていた。

…やっとだな。

 

幻斗「…つまり、お前はもう九尾の狐だな」

 

月夜見「確かコレで正式に幻斗の従者なのだろう?」

 

朱美「………!」はっ

 

サッ!

 

朱美はソレに気付くと、凄い瞬発力で俺のところに来た。

…さて。

 

幻斗「…朱美。お前を俺の部下に正式に任命する。これからは三雲朱美と名乗れ、いいな?」

 

朱美「はい!」ギュッ

 

朱美は嬉しそうに俺に抱き着いてきた。リーファの時もそうだが、名前を貰ったら抱き着くのってルールか何かなのか…?

少しして俺から離れると、朱美は宣言した。

 

朱美「この私…九尾の狐三雲朱美は、主人である三雲幻斗に従順に仕えることを誓います!」ドン!

 

…ん、威勢のいい宣言だな。

 

幻斗「よし、今夜はみんなを呼んで焼肉だ!宴会をするぞ!」

 

朱美「やったー!」

 

※村に焼肉屋がある。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

全員『かんぱーい!』

 

カァンッ!

 

「よかったな朱美、やっと幻斗さんの部下になれて」

 

朱美「うん!これからは幻斗様を色々と世話するよ……それこそ夜の…」

 

「いや流石にダメだろ」

 

…ナイスツッコミだ。

 

右狼「なんとなく俺達の出番がめっきりなくなったよな、左虎?」

 

左虎「だな、右狼」

 

メタい事言ってるのは右狼(うろう)と左虎(さこ)だ。

…誰なのかって?仲良しコンビだよ。こいつらは天也を除くと多分村で1番強い2人だ。2人で最強ってヤツだな、多分。

 

幽香「月夜見さん、私とまた勝負してほしいの」

 

月夜見「ふむ…時空の歪みで100年程修行してから出直してこい」

 

幽香「…分かったわ」ガタッ

 

ヒュゥゥン!

 

…マジの戦闘狂だなおい。

 

幻斗「いいのか、月夜見?」

 

月夜見「ああ、その内いい遊b…勝負相手になりそうだ」

 

Oh…

 

幻斗「………お前、会ってない内にドSになってないか?」

 

月夜見「元々そうだぞ?…試してみるか?」ニヤリ

 

マジか。

 

幻斗「遠慮しておく」

 

そして夜は更けた。




ちょっとあっさりとした感じになりましたが、朱美はこれで九尾の狐です。

現在の力関係
神子<青娥≦華扇≦芳香<リーファ<天也<神奈子≦朱美<諏訪子<紫≦ルーミア≦幽香<龍神<素戔嗚≦天照<月夜見=幻斗

紫と朱美が強くなってますね。

次回もよろしくおねがいします。


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湯呑マッスルアタック

ギャグ回?


side三雲幻斗

 

朱美が俺の部下になったことを祝った宴会の次の日。

 

ヒュン!

 

幻斗「お?」パシッ

 

里内で散歩してると矢が飛んできたので手で掴み止める。

矢には手紙が巻いてあった。

 

幻斗「誰が飛ばしてきたんだ………ルーミアか」

 

ルーミア「~~♪」ブンブン

 

少し離れた所(500メートル程)からルーミアが手を振っているのが見える。

さて、手紙を読むか。

 

幻斗「どれどれ…」

 

『お客さんが6人もいるよ。全員女で、朱美と幻斗が会ったことあるって。 ルーミアより』

 

…口頭で説明できたよな?

 

幻斗「もしかして神子達か…?」

 

アイツらと別れて数か月経ったが…確かに時期的に考えてちょうどいいな。

 

幻斗「行ってみるか」

 

スタスタ

 

ー自宅ー

 

ガチャッ

 

幻斗「ただい……ん?」

 

中には確かに神子達がいた。いたんだが…

 

月夜見「………」じっ

 

神子「………」じっ

 

バチバチ

 

月夜見と神子がお互い見つめあい、気のせいかバチバチとした音が聞こえる。

 

月夜見「……幻斗は」

 

神子「…幻斗さんは」

 

2人『渡さない!』

 

バチバチッ!

 

幻斗「…………は?」ポカーン

 

何言ってんだコイツら?

 

幻斗「朱美、説明頼む」

 

朱美「あ、はい」

 

ー数分後ー

 

朱美の話によると、どうやら2人は『どっちが幻斗ともっと仲がいいか』で争ってるそうだ。…うん、ワケ分からん。どう見ても月夜見の勝ちだと思うぞ?

 

神子「くらえ!湯呑マッスルアタック!」スッ

 

ポイッ!

 

神子はそう言って持っている湯呑にエネルギーを纏って月夜見に向かって投げつけた。

 

月夜見「むっ…フンッ!」バッ

 

ガキィ!

 

ソレに対して月夜見が拳を振るって湯呑を割った。

…って

 

幻斗「何やってんだお前らァ!」ドッ

 

…ゴンッ!

 

2人『ごッ!?』

 

2人に思いっきり拳骨をしてやった。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

2人『スミマセンでした…』

 

俺の前に2人を正座させ、今説教を終えた所だ。

…時間?2時間ぐらいだぞ。(長ぇ…)

 

幻斗「まったく、初対面でケンカするヤツがいるかよ…神子」

 

神子「…?」

 

幻斗「俺と月夜見は5万年もの友情が続いてるんだ。だが、だからと言ってお前と仲がよくないと言ったら違うからな?」

 

神子「…はい」

 

幻斗「それと月夜見、お前はケンカをすぐに買うな」

 

『私は幻斗さんの初めてを貰ったんですよ?』なんて言った神子も大概だが。…初めてとは、『初めての旅先で会ったニンゲンの友達』らしい。ややこしいなおい!

 

幻斗「…はぁ、説教は終わりだ。お前らは仲良くしろ」

 

スタスタ

 

俺はその場を去り、屠自古と布都に話しかける。

 

幻斗「お前ら、大変だな」

 

2人『はい……』ずーん

 

…どうやら似たようなことが前にあったようだ。




神子がどうやって来れたかって?
仙人になる時に死んだふりをして、仏僧に封印される前に逃げました。

次回もよろしくおねがいします。


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神霊廟

特に書く内容はなし。


side三雲幻斗

 

…さてと。

 

幻斗「神子」

 

神子「?」

 

幻斗「お前らは…何処に住むつもりなんだ?」

 

6人『………あ』

 

…考えてなかったようだな。

 

幻斗「安心しろ、里で家を建てれば問題ない」

 

神子(ほっ…)

 

幻斗「んじゃ付いてこい、場所を決めるぞ」

 

神子「あ、はい」

 

スタスタ

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

建てる場所は里の中央付近に決まった。

 

芳香「寺のような感じにしてほしいのじゃ!」

 

幻斗「いやお前ら仏教徒じゃねーだろ!?」

 

でも道教ってどんな建物で修行するんだ…?

…いやまぁ、既に俺の脳内に決まってるんだが。

 

幻斗「…和風なものならいいのか?」

 

神子「可能ならお願いします」

 

そりゃ可能だ、ウチの住民嘗めんなよ?…里全体が和風の建築じゃねーか。

 

幻斗「なら、俺の中でもう決まったな」

 

神子「…えっ?ああ、前世経由の知識ですか?」

 

幻斗「だな。おーいお前ら、設計図描くから手伝ってくれー」

 

『あいよっ!』ダッ

 

建築の知識を持った住民を呼ぶ。

 

幻斗「じゃ、描いていくぞ。まず門は…」

 

カキカキ

 

ーー

ーーー

ーーーー

ーーーーー

 

カーン、コーン…

 

建物は建築中であり、器具を打ち込む音が聞こえる。

 

布都「おお…!」

 

神子「コレが月の都の建築技術ですか…」

 

月夜見「花が高いな」ふんすっ

 

いつの間にか隣にいた月夜見がドヤ顔をする。

 

幻斗「…ま、後は数日待つだけだな。建物の構造は比較的シンプルだし」

 

流石に原作知識だけじゃ中身の構造までは思いつかないからな…

 

幻斗「じゃ、ココにいてもヒマだし桃タルトでも食べるか」

 

月夜見「だな」

 

神子「ですね」

 

スタスタ

 

ー数日後ー

 

ドーン

 

幻斗「おお…」

 

数日の建設を経て、建物が完成した。

 

神子「この建物、名前ってあるんですか?」

 

幻斗「ああ、あるぞ?」

 

俺は一息ついて、その名前を言う。

 

幻斗「『神霊廟』だ」ドン!

 

屠自古「神霊の霊廟、ですか…」

 

青娥「いいお名前ですね♪」

 

こうして、神子達は新たに建った神霊廟に住むことになった。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

その数日後の朝。

…俺は何故か。

 

月夜見「んふ〜♪」スヤスヤ

 

幻斗「」

 

ギュゥゥゥ…!

 

目が覚めると寝ている月夜見に思いっきり抱きしめられていた。…昨夜は1人で寝てたんだが!?

 

幻斗「だれかぁー、助けてくれぇー!」じたばた

 

ガチャッ

 

朱美「どうしました幻斗様…ってええ!?なんで月夜見さんが!?」

 

部屋に入ってきた朱美も驚いている。…表情からしてグルではないようだ。

 

幻斗「とりあえず解いてくれないか?」

 

朱美「あっはい。………あれ?」ググッ

 

幻斗「どうした?」

 

朱美「なんか、離れないんですけど…」

 

幻斗「…はい?」




さて、どうしようか。

次回もよろしくおねがいします。


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思いついたらすぐ実行

恋愛回?ギャグ回?分からん。


side三雲幻斗

 

朱美「なんか、離れないんですけど…」

 

幻斗「…はい?」

 

なんでぇ~ッ!?

 

朱美「多分、『絶対に離さないぞ♪』って夢で思ってるんじゃないですか?」

 

幻斗「あ、なるほど……とはならんぞ?」

 

うーん…

 

幻斗「………出る方法が思いつかん」

 

朱美「私もです」

 

幻斗「起きるまで待つしかないのか……ん?」

 

ゆさっ

 

月夜見「んぅ…」

 

…お、目覚めるか?

 

月夜見「ん~…?あ、おはよう幻斗」

 

幻斗「おはよう。…で、なんだコレ?」

 

速攻で月夜見に質問をぶつける。

 

月夜見「コレか?コレは……そうだな、お前に抱き着いて寝たかったから実行した。以上」ギュッ

 

そう言って月夜見は俺の胸に顔を埋めた。

…おいおいちょっと待て!?

 

幻斗「どうやってその思考に至ったんだ!?」

 

月夜見「…もう知ってるクセに。お前も満更ではないのだろう?」

 

…ああ、もちろん気付いてるさ。

 

幻斗「でもさ、ちゃんと過程を踏んでくれね?」

 

告白もされてないんだが?

 

月夜見「…………」( ゚д゚)

 

…なんかめちゃくちゃ驚いてるな。

 

月夜見「そういえばしてなかった!?」どーん

 

幻斗「おい!?」

 

忘れてたのか!?過程を忘れるなよ!

 

朱美(私、この場にいない方が良さそう?…よし、出よう」ガチャッ

 

ちょ、朱美!?空気読んで出るなよ!?…行っちゃったな。

 

月夜見「な、ならば今言おう…」

 

こんな状況でするのか。

月夜見は俺から腕を離し、何度か呼吸をするとこちらに向き直る。

 

 

 

月夜見「幻斗、お前の事が大好きだ。付き合ってくれ」

 

 

 

幻斗「………」

 

…はぁ。

 

月夜見「(…ダメk「月夜見」)……んむっ!?」

 

俺は、月夜見を抱きしめてキスしていた。

 

幻斗「んっ…」

 

月夜見(え、え、幻斗が私をキ、キスして…///)カァァ

 

幻斗「ぷはっ。…月夜見」

 

月夜見「い、いきなり何するんだ///」

 

月夜見の顔はリンゴのように…いやリンゴより赤くなっていた。

 

幻斗「よろしくな」

 

月夜見「………!あ、あ……!」

 

…ん?

 

月夜見「はぅぁ~///」プシュー

 

あ、ダメだこりゃ。オーバーヒートしちまってる。

…やりすぎたか?

 

月夜見「むぎゅぅ…!」ギュッ

 

幻斗「…フッ」スッ

 

ナデナデ

 

月夜見のさらさらとした髪を撫でる。

…今日は祭りになりそうだな。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

幻斗と月夜見がくっついたことを、ドアの向こう側から朱美が盗み聞きしていた。

 

朱美「おお、幻斗様ったら大胆ですねぇ…!」クルッ

 

ダダダダダーッ!

 

朱美「すぐ里中に知らせないと!」

 

その後、瞬く間に幻斗と月夜見が恋愛関係を築いたという事実は広がったという。




はい、ってことで無事くっつきました。
フラグ回収が速いですね。

次回もよろしくおねがいします。


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幻斗、月の都に行く

新婚旅行ではない、ハズ。


side三雲幻斗

 

『おめでとうございます!幻斗さん、月夜見さん!』

 

ワァァァァ!

 

幻斗「」( ゚Д゚)

 

月夜見「」( ゚Д゚)

 

家を出た瞬間、俺と月夜見に祝福の言葉がぶつけられた。

…………おい待て。

 

幻斗「朱美……お前」

 

朱美「~~~♪」ピー

 

口笛を吹いてやがる。…はぁ。

 

幻斗「ありがとう、俺達は幸せになる。な、月夜見?」

 

月夜見「あ、ああ…///」カァァ

 

顔が真っ赤だな、うん……俺もか。

 

その後、1日中どんちゃん騒ぎだった。

みんな宴会好きだなぁと思った(小並感)

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

数日後。

1日だけ宴会になると思いきや、何日も連続で宴会になっていた。

…萃夢想か?萃香がいるのか?…気配がないからいないな。てかいたら華扇が気付いてるハズだしな。

そんなある日。

 

月夜見「幻斗~」

 

幻斗「?」

 

月夜見「月の都に行かないか?」

 

…ん?

 

幻斗「どうした、いきなりそんな事言って」

 

突拍子もないぞ。

 

月夜見「私はよく夢幻の里に来るだろう?でもそういえば逆はないな~…なんて思ったんだ」

 

幻斗「……確かに」

 

月夜見「それとな…私達2人で行かないか?所謂新婚旅行ってヤツだ」

 

まだ結婚してないけどな。

 

幻斗「いいなソレ、いつ行く?」

 

月夜見「………」

 

幻斗「…ん?「い…」…い?」

 

月夜見「い、今から行かないか!?日帰りで!」

 

幻斗「…What?」

 

思わず英語で喋ってしまった。

 

月夜見「日帰りで月の都に行かないか?…いや、行くぞ。今すぐ準備だ!」スッ

 

ガパッ!

 

月夜見は座っていたソファーから勢いよく立ち会がり、荷物を纏め始めた。

 

ドタドタ

 

服のクローゼットを開けて…おい。

 

幻斗「日帰りって言わなかったのか?」

 

月夜見「…ハッ!?すまん、つい勢いよく服まで取ってしまった」

 

日帰り……ふむ。別に日帰りじゃなくてもよくないか?

 

幻斗「1泊2日ぐらいにしないか?」

 

月夜見「えっ?」

 

幻斗「だから、服を選んでくれ」

 

月夜見「…わ、分かった」スッ

 

そして月夜見は服を一着一着見ながら『うーん…』と唸って悩む。

 

幻斗「さて、俺も準備するか」

 

月の都に観光名所…あったっけな?『穢れ』という概念がなくなったからもっと楽しい場所になってる気はする。月夜見曰く色んな娯楽はあるらしいしな。

 

ー数分後ー

 

幻斗「んじゃ、明日の夜帰ってくるから、留守番を頼む」

 

朱美「はいっ!楽しんでいって下さいね♪」

 

フワッ

 

そして俺達は空を飛び始めた。

 

幻斗「…酸素マスクとかいるのか?」

 

地球と月の間って真空だが…

 

月夜見「要らんぞ?あっちにワープゲートを設置してるんだ」

 

幻斗「ほーん…」

 

なら要らないな。




気力がなくて書くのに2時間かかった…疲労溜まってますね…。

次回もよろしくおねがいします。


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月の都、到着!

そういえば最近レベルの表示をしてないですね…
この章が終わったら出します。


side三雲幻斗

 

しばらく空を飛んでいると、やがて空間の穴のようなものが視界に入ってきた。

 

コォォォォ…

 

幻斗「アレがワープゲートか?ブラックホールに見えるんだが…」

 

月夜見「ソレをモチーフにデザインしたからな。入るぞ」

 

幻斗「おう」

 

ヒュン

 

俺達はワープゲートに入る。すると…

 

パッ

 

出た先は宇宙…月の地上だった。少し先に見覚えのある門があるので、恐らくあそこが月の都の入り口だろう。

 

月夜見「一応、迎えは呼んでいる…お前が知っている人だ」

 

幻斗「俺が?…ああ」

 

永琳か。と思っていると、その迎えが来た。

 

「お迎えに参りました…お久しぶりです、幻斗さん」

 

幻斗「おお、久しぶりだな永琳…大きくなったな」

 

前(5万年前)会った時は少女だったが、今は東方原作のような外見だ。

 

永琳「5万年も経ちましたからね。幻斗さんは変わってないようですが?」

 

幻斗「不老だからな…」

 

外見は変わらないと言っても、髪は生え変わったりするから髪型は多少変わってるが。

 

月夜見「…2人とも。話の続きは後にして、都に入ろうじゃないか」

 

2人『ですね』

 

ー月の都ー

 

門をくぐり、俺達は月の都に入った。

 

「月夜見様!」

 

「交際おめでとうございます!」

 

月夜見通行人に祝福される。

 

「お久しぶりです三雲様!交際おめでとうございます!」

 

おっ、5万年前に会った人もいるな。…そういえば。

 

幻斗「なぁ永琳、月の都の平均年齢ってどれぐらいなんだ?」

 

永琳「10万年程ですかね?ちなみに平均寿命は25万年です」

 

なっが。…あれ?

 

幻斗「でも人口はどうなってるんだ?そんなに増えてなさそうだが」

 

永琳「地球人と比べて発展がゆっくりなので、人口の増加もゆっくりなのです。現在の人口は5億人程ですね」

 

5億人…月の大きさから考えると結構多いな。

(月の面積は地球の7%ぐらい)

 

ザッ

 

永琳「着きました」

 

幻斗「おお…」

 

久々に見たな。

 

幻斗「月夜見の職場…」

 

月夜見「月の都役所と言え。私だけの職場じゃないぞ」

 

幻斗「でもなんでココに?」

 

月夜見「ちょっと、荷物をな…ココは私の職場と同時に自宅だからな」

 

確かにそうだったな。

 

スタスタ

 

建物の中は前と比べてだいぶ変わっていた。

…まぁ、そりゃそうか。

 

ピッ、ウィィィン…

 

しばらく歩き、奥の部屋に辿り着くと月夜見はカードーキーを挿し、ドアを開ける。

中には…家具などが置いてあった。

 

月夜見「ココが、私の家だ。快適そうだろう?」

 

幻斗「そうだな。至って普通の快適な家って感じだ」

 

月夜見「一旦ココに荷物を置いて、行き先を決めるぞ」

 

幻斗「おう」




月の面積はググった。

次回もよろしくおねがいします。


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観光

復活。

俺が書いてる他小説(MULAなど)との関連性
天也は他でも登場する。
月夜見は四六時中スーツを着ている。
最高神はイザナミ。
などなど、色々ありますよん。


side三雲幻斗

 

俺達が最初に向かったのは、科学館だった。

途中で永琳とは別れた。

 

『月の都科学館』

 

中では近未来的な物から俺じゃ理解できないような代物まであった。

 

幻斗「…何だコレ?」

 

月夜見「ソレは『超分解扇子』の試作品だ。仰げば空中の汚れを分解する」

 

幻斗「ほーん…」

 

つまりコイツが後に豊姫のあの扇子に進化するのか……ん!?

 

「ゆっくりしていってね!」

 

顔だけの饅頭のような生物が展示されていた……こ、コイツは…!

 

幻斗「『ゆっくり』じゃねーか!」

 

なんでコイツも!?

 

月夜見「なんだ、知っているのか?ソイツは数十年前に生み出すことに成功した生物でな、ペットとして人気なんだ」

 

幻斗「へ、へぇ」

 

ゆっくりをペットにかぁ…まぁ可愛いけども…

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

次に行ったのは…海水浴場。

 

『静かの海海水浴場』

 

…完っ全に原作崩壊してやがる。俺のせいだけども。

 

月夜見「今はちょうど夏だからな、ココはかなり賑わってるんだ」

 

幻斗「…おい待て」

 

月夜見「?」

 

ココ、月だよな?

 

幻斗「月に四季の概念とかあるのか?」

 

月夜見「それっぽいものはあるぞ?周期的に気温が高くなったり低くなったりするんだ。今、結構暑いだろう?」

 

幻斗「…だな。でも30度ぐらいまでは行ってなさそうだ」

 

月夜見「その通りだな…そうだ、私達も海で泳ぐか?私の水着姿、見たくてしょうがないだろう?」

 

幻斗「むっ…」

 

そりゃ魅力的な提案だな…

 

幻斗「すばらしい考えだ…不採用」どーん

 

月夜見「ゑ?なんで?」( ゚д゚)

 

幻斗「他にも回りたい所があるからな。それに…」

 

俺は一息おいた。

 

幻斗「お前の水着姿は、他人に見られたくないからな」

 

月夜見「……そ、そうだな///」カァァ

 

ん、ちょっと顔が赤くなったな。デレだか。

(元々デレッデレだぞ)

 

ーー

ーーー

ーーーー

ーーーーー

 

最後に言ったのは…山だった。

 

『月帝山』

 

どうやら地球のような大自然が恋しくなって作られた人工的な山らしい。

 

幻斗「おお…コレが人口物かよ…」

 

月夜見「ゆっくり登ろうじゃないか」

 

スタスタ…

 

ー3分後ー

 

「グォォ!」

 

幻斗「熊もいるのか」

 

月夜見「他に猪とか鹿もいるぞ。地球から連れてきたんだ」

 

幻斗「立派な外来種じゃねーか」

 

月夜見「…月に外来種もクソもないだろう?」

 

幻斗「足し蟹」

 

ー32.8778分後(は!?)ー

 

しばらく歩いて、やがて山頂にたどり着いた。

 

幻斗「おお…!」

 

俺は見える景色に見とれていた。月の都が一望できた。

 

月夜見「幻斗、写真を取らないか?」

 

幻斗「賛成だ」

 

スッ

 

カメラをセットして…と。

 

幻斗「5、4、3、2…んむっ!?」

 

月夜見「んっ」チュッ

 

写真が撮られるタイミングで月夜見がキスしてきた。

 

パシャッ

 

月夜見「どれどれ…ふふっ、いい撮れ具合だ」ニコッ

 

幻斗「…ま、いいか」

 

そして俺達は満足しながら帰ったとさ。




イチャイチャ書くの、むずいなぁ…

次回もよろしくおねがいします。


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月でもラーメンは美味い

店名の元ネタは福岡のラーメン屋です。


side三雲幻斗

 

『濃厚とんこつ 月蘭』

 

幻斗「ココは?」

 

月夜見「私の行きつけのラーメン屋だ。夕食はココでしよう」

 

ガラガラ

 

「お、月夜見様と三雲様!らっしゃい!」

 

月夜見「いつものを頼む。幻斗もソレでいいか?」

 

幻斗「いつものって?」

 

月夜見「コイツだ」スッ

 

『豚骨ラーメン(エクストラチャーシュー、半熟卵、もやし付き)』

 

なんかトッピングまで書かれてるな。

 

幻斗「俺もソレで」

 

「うっす!とんこつ二人前!」

 

ー5.24分後ー

 

「まいど!」

 

コトン

 

幻斗「おお…!」

 

凄え美味そうだな。

ラーメン屋は夢幻の里にもあるが、コレはコレで…何というか、映えるな。

 

2人『いただきます』

 

ズズッ

 

コ、コレは…!

 

ドドドドドドドド

 

幻斗「うんまぁぁぁぁぁいッ!」どーん

(ジョジョの億泰か!)

 

クッソ美味ぇぇ!

 

月夜見「…うむ、美味い」

 

幻斗「ズズズズズッ…」

 

コレが月の都の技術か…!

(半分正解)

 

幻斗「チャーシューも!半熟卵も!麺も!全部ッ!美味いッ!」

 

もはやキャラ崩壊のような言動をする俺。

 

月夜見(流石にキャラがブレてないか…?)ズズッ

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

幻斗「ふぃ~、美味かった」

 

月夜見「機会があればまた行くか?」

 

幻斗「おうよ!」

 

スタスタ

 

♪MULAストーリー - 宇宙~月へ行こう

 

辺りはすっかり暗くなり、静かになっていた。コレが月の夜か…

しかし建物からは光が出ており、ソレがまた幻想的な風景を作り出していた。

 

月夜見「どうだ?月の都の夜景は」

 

幻斗「何というか……懐かしいな。前世で夜の大都市を歩いてるたような感覚だ」

 

月夜見「そうか「ただ…」…?」

 

幻斗「空気は澄んでるし、星空は綺麗で…ファンタジーの世界にいるみたいだ」

 

月夜見「…ファンタジー、か。前世のお前にとってはそうだろうな」

 

だろうな。

 

月夜見「だが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今のお前にとってはコレが紛れもない現実であり、真実である。そうだろう?」

 

幻斗「………!そう、だな」

 

いい事言うじゃねぇか。

 

月夜見「さぁ、帰ろうか」

 

幻斗「ああ」

 

ーー

ーーー

ーーーー

ーーーーー

 

月夜見「~♪~♪」ギュッ

 

幻斗「………」ナデナデ

 

月夜見は俺の膝に頭を置いて、俺はそんな月夜見の頭を撫でている。

この穏やかな雰囲気は…正直かなり好きだ。

 

幻斗「…っと、そろそろ寝る時間だぞ」

 

月夜見「む、もうそんな時間か。なら…」ずいっ

 

ぐいーっ

 

月夜見は顔を上げ、腕を伸ばす。

 

月夜見「シャワーを浴びてくる。覗きたいなら好きにしていいぞ」

 

幻斗「ゑ」

 

…しれっととんでもない事言うなよ、やるかもしれないだろ。




うん、イチャイチャが書けない。

次回もよろしくおねがいします。


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ぢごくの女神さん

観光回は1話だけにしときます。


side三雲幻斗

 

次の日。

 

幻斗「んぅ…ん?」

 

月夜見「ん~~♪」

 

ギュゥゥゥ…

 

月夜見が幸せそうな顔で俺を抱きしめていた。もちろん寝ている。

 

幻斗「…抜け出せねぇ」

 

しばらく待つか…

 

ー30 minutes laterー

 

月夜見「むぅ…おはよう幻斗。んっ」スッ

 

チュッ

 

幻斗「おはよう。そろそろ離してくれないか?」

 

月夜見「やだ!」ギュッ

 

…はぁ。

 

幻斗「甘えん坊だな」ナデナデ

 

月夜見「むふぅ…」

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

支度を済ませた後、俺達は家を出た。

 

幻斗「今日は何処に行くんだ?」

 

月夜見「特に決めてないな。どうしようか…そうだ!」

 

幻斗「?」

 

月夜見「私の仕事場に行こう!」

 

…は?

 

幻斗「は?」

 

思わず心の中で思っていた事が声に出る程、変な回答だった。

 

月夜見「ちょっと会わせたい人がいるんだ」

 

幻斗「…?」

 

会わせたい人?

うーん…サグメか依姫か豊姫か…誰だろうな?

 

ー移動ー

 

という事で、月夜見の自宅がある所兼職場に戻ったが…

 

「やぁやぁ、君が三雲幻斗ね?」

 

幻斗「」( ゚Д゚)

 

今、俺の前にいるのは驚きの人物だった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘカーティア「私はヘカーティア・ラピスラズリ、地獄の女神よん♪」ヘカッ

 

幻斗「お、おう…よろしく…」

 

まさか東方最強キャラがお出ましになるとはな…

 

月夜見「ヘカーティアは私のビジネスパートナー的存在でな、ちょうどよかったから会わせておこうと思ったんだ」

 

…ちなみに、今ヘカーティアが来ているTシャツは『Welcome Hell』ではなく、『Moonimooni』である。月(moon)とむにむにを掛けてると思うが、中々面白いセンスだ。

 

ヘカーティア「ところで…」

 

幻斗「?」

 

ヘカーティア「幻斗って強いのかしらん?」

 

月夜見「私と同格だな」

 

ヘカーティア「ふーん……?」じっ

 

幻斗「ヘカーティアって月夜見と戦った事あるのか?」

 

ヘカーティア「あるわよん、私がギリ負けたわ…それでさ、私と戦わない?」

 

幻斗「おう、いいぞ」

 

最強キャラと戦うって、ロマンがあるしな。

 

月夜見「よっ」カチッ

 

…ヒュン!

 

月夜見が何かのスイッチを押すと、俺達は談話室から戦闘場に転移した。

 

ヘカーティア「ルールはどうするのん?」

 

幻斗「『1人』場外になる、降参、気絶で負け判定…でどうだ?」

 

ヘカーティア「む?1人の部分を強調したってことは…」スッ

 

…バッ!

 

ヘカーティア『私達が3人いるのを知ってるのかしらん?初対面なのに』

 

幻斗「…俺の能力を使ったんだ、こうやって」スッ

 

*ヘカーティア・ラピスラズリ

パワー:70億×3

能力:3つの体を持つ程度の能力

地獄の女神。頭に惑星を乗せている。

 

俺の手のひらの上にヘカーティアの特徴が表示された。

パワーは某小説より10億低いようだ。

 

ヘカーティア異界「なるほどねん…」

 

ヘカーティア地球「それじゃあそろそろ」

 

ヘカーティア月「戦いを始めましょうかん♪」

 

幻斗「ああ…!」




3体1という圧倒的に不利な状況。

次回もよろしくおねがいします。


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惑 星 が 降 っ て く る

変なTシャツ、いいよね。

あ、今回はギャグ回です。


side三雲幻斗

 

ヘカーティアと戦い始めてから数分が経つ。

 

ヒュン!

 

幻斗「ッ…!」サッ

 

コイツ、いやコイツら…

 

地球ヘカ「ほーい!」ポイッ

 

幻斗「三雲斬り!」ドッ

 

ズバッ!

 

頭に乗ってる惑星みたいなヤツのレプリカを召喚して投げつけてくるんだ!何だよこのワケ分からん攻撃!?

 

幻斗「ブルー「とうっ!」…チッ!」サッ

 

しかも投げて投げて投げまくるから隙がないんだ……え?攻撃がショボいって?そんな事ないぞ…

 

異界ヘカ「隙あり!」ポイッ

 

幻斗「うおっ!?」ドゴッ

 

…バゴォ!

 

幻斗「ぐはっ…」

 

この玉の質量…惑星と同等の質量があるんだ…ソレを時速150キロぐらいで投げてるんだコイツら…

 

月ヘカ「あら、数分前の威勢の良さはどこに行ったの?」

 

幻斗「あんな笑える攻撃でこんな笑えない威力なのはおかしいだろ!ブルー…インパクト!」カッ

 

ギュォォォ!

 

異界ヘカ「きゃっ!?」ズドッ

 

よし、やっと1発入ったぜ。

(今ので1発目!?)

…というか、最初から弾幕張れば惑星を投げてくるヒマとかないよな?

 

幻斗「疑似ガスターブラスター」パチン

 

ギュィィン…!

 

地球ヘカ「何、ソレ?」

 

幻斗「お前らが惑星を投げれなくする代物だ」ビッ

 

ぐるぐる

 

俺はブラスターでヘカーティア達を囲み…

 

幻斗「ブラスター回転!」パチン

 

発射した。

 

ドドドドドドドドドッ!

 

月ヘカ「ちょっ!?」サッ

 

異界ヘカ「わっ!?」サッ

 

地球ヘカ「…あべしッ!?」ドゴッ

 

…お、当たったな。

 

幻斗「行けぇぇぇ!」

 

ズドドドッ!

 

地球ヘカ「あばばばばばばッ…」ズドォン

 

光線に当たって怯んだ地球ヘカーティアに集中攻撃をし、倒した。

 

バタン

 

↓審判

月夜見「地球ヘカーティア、脱落!」

 

月ヘカ「ええ!?」( ゚Д゚)

 

異界ヘカ「貴方も中々の反則技をつかうじゃない…!」

 

幻斗「反則技には反則技だろうが」

 

2人『ぐぬぬっ…』

 

月夜見(なんだ、この結構ふざけた戦い…)

 

異界ヘカ「こうなったら…!」

 

月ヘカ「"原寸大"を降らすしかないわねん…!」

 

今、なんつった?原寸大?

 

幻斗「…………まさか」

 

異界ヘカ「ココは異空間だし、大丈夫でしょ。召喚!」カッ

 

オオオオオオォォォ…!

 

突然辺りが暗くなった…いや、待て。

 

幻斗「うっそだろおい…」( ゚Д゚)

 

俺の頭上には…

 

ゴォォォォ…!

 

惑星としては小さめで…攻撃としてはデカすぎるものが落ちてこようとしていた。

 

幻斗「……ん、待てよ?」

 

原寸大ってだけで、元々コイツらが投げてた惑星は本物レベルの重さだ…なら。

 

幻斗「こうすりゃ、いいじゃねぇか!」スッ

 

ギュィィン!

 

俺は足に霊力と神力を纏い…

 

 

 

幻斗「 て や ぁ ! 」

 

 

 

惑星を…蹴り飛ばした。

(…はぁ????)

 

2人『ゑ』

 

…ズドォォォォォンッ!

 

俺が蹴り飛ばした惑星はヘカーティア2人に見事命中し、2人はそのまま気絶した。ソレと共に惑星も消滅した。

 

月夜見「………」( ゚д゚)ポカーン

 

結構遠く(かなり遠い)から見える月夜見は口をあんぐりと開けている。

 

月夜見「(私と戦った時は原寸大なんか持ち出さなかったんだがな…)勝者、幻斗」

 

幻斗「うっし!」グッ




うーん、ぶっ壊れてる。
惑星とは、一応水星とかその辺りの小さめの惑星を指します。

めちゃくちゃ筆が進んだ。

次回もよろしくおねがいします。


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月から帰還

わーい、明日から8月だー。
でも夏課外が…(白目)


side三雲幻斗

 

月ヘカ「まさか蹴り飛ばされるなんて思わなかったわねん」

 

幻斗「まぁ、アレができたのは偶々だ」

 

普通あんな力で蹴ったら砕けるハズだしな。

 

月ヘカ「それもそうねん…あ、そうだ。私に勝った記念として…」スッ

 

ヘカーティアが出したのは……Tシャツだった。

 

『ご愛読ありがとうございました』

 

『カーテン』

 

『3万さい』

 

…うん、中々面白いセンスしてるな。

 

月ヘカ「どうぞ♪」

 

幻斗「おう、普段着があまりないから助かる」スッ

 

月夜見「」( ゚Д゚)

 

…ん?

 

幻斗「どうした月夜見?」

 

月夜見「げ、幻斗。お前はソレを受け取るのか…?」

 

幻斗「おう、書いてある文字も面白いしな」

 

月夜見「そ、そうか…(幻斗も中々センスがぶっ飛んでるようだな)」

 

あ、なるほど。月夜見は『面白いTシャツ』を『変なTシャツ』だと思ってる側のニンゲンか。神だけど。

 

幻斗「それじゃな、行くぞ月夜見」スタスタ

 

月夜見「へっ?…あ、待ってー!」タタッ

 

月ヘカ「ばいばーい」

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

幻斗「次はどこに行くんだ?」

 

月夜見「そうだな……」

 

…ん、考えてないのか?

 

月夜見「帰ろう!」どーん

 

幻斗「ゑ?」

 

月夜見「ヘカーティアに会いに行くのを最後にするつもりだったからな」

 

幻斗「あ、そうだったのか。じゃあ帰ろう」

 

この新婚旅行(ではない)、結構楽しかったな。

 

月夜見「…幻斗」

 

幻斗「?」

 

月夜見「これからもよろしくな…?」

 

幻斗「…ああ、よろしく」

 

こうして俺達の月旅行は幕を閉じた。

 

ーー

ーーー

ーーーー

ーーーーー

 

…ガチャッ

 

2人『ただいま~』

 

朱美「お帰りなさい、幻斗様、月夜見様!」

 

リーファ「旅行は楽しめた?」

 

幻斗「ああ、楽しかったぞ。お土産もある」

 

月夜見(お土産?買った覚えがないが………まさか)

 

ボスッ

 

俺が出したのは、ヘカーティアから貰った面白いTシャツだ。よく見ると俺に合わないサイズのものもあったからお土産として渡す事にした。

 

『部屋着』

 

『無駄な抵抗はやめろ!』

 

『人の金で焼肉を食べたい』

 

朱美「……何ですか、このシュールな文字?」

 

幻斗「月にいるとある女神さんから貰ったTシャツだ。一枚やるよ」

 

朱美「なるほど…じゃあコレで」

 

朱美はそう言って『狸の目の前で狐うどん』という文字と挿絵が書いてあるヤツを取った。センスあるな。

 

リーファ「私は…コレですね」スッ

 

リーファは…『大胸筋矯正サポーター』って胸辺りに書いてあるヤツを取る。…ブラじゃないヤツで聞いたことがあるな。

 

月夜見(あれ、2人ともシャツを受け取ったぞ…私の感性がおかしいだけなのか…?)

※正常です。

 

その後俺は里のヤツら全員にTシャツを1枚ずつ渡したとさ。

(Tシャツ貰い過ぎィ…)




次からなんとかぐや姫編。多分導入だけど。

次回もよろしくおねがいします。


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薬を飲んだ姫さん

かぐや姫編、すたーとぉ~。

レベル500 次のレベルまであと1億2500万


side三雲幻斗

 

アレから300年。

今の世は平安時代…そろそろ『かぐや姫』が起きる時期だ。

…俺は何してるかって?時空の歪みで朱美達の手合わせを観戦してる。

 

朱美「ハァッ!」ドッ

 

ドゴォ!

 

右狼「うわぁ!」

 

左虎「どわぁ!」

 

ドサッ

 

朱美「よし、私の勝ち!…どうでしたか幻斗様?」

 

幻斗「…うん、強くなったな」ポンッ

 

ナデナデ

 

俺は朱美の頭を撫でる。彼女の身長は300年前に比べて10センチ程伸びており、リーファより身長が高くなった。

 

幻斗「炎天掌の威力も上がってたな」

 

朱美「はい!めちゃくちゃ練習して瞬発できるように鍛えました!」

 

スタスタ

 

月夜見「おーいお前達、飯の時間だぞ!そこの2人の分も作っておいた」

 

スーツの上にエプロンを着た月夜見が来た。

 

幻斗「おおマジか。右狼!左虎!早くこなきゃ飯が冷めるぞ!」

 

2人『は、はい!』

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

次の日。

 

月夜見「…何、ソレは本当か?…ああ、分かった」ガチャッ

 

月夜見が電話越しに何かを言われて驚いている。

 

幻斗「どうしたんだ?」

 

月夜見「実は…永琳が作った不老不死の薬『蓬莱の薬』の試作品を飲んでしまった人がいてな」

 

幻斗「試作品?」

 

月夜見「ああ、本来ならシミュレーションで成功かを確認するんだがな…」

 

…ほーん。

 

幻斗「んで誰なんだ、その薬を飲んだの」

 

月夜見「蓬莱山輝夜って言う名前のヤツだ。永琳は彼女の従者だな」

 

幻斗「…えっ、永琳っていつの間に仕える先を変えてたんだ?」

 

月旅行に行った時は月夜見に仕えてたハズだ。

 

月夜見「150年程前だな。永琳が『これから医学に専念したいので、楽な職業に就くことはできますか?』って質問してきてな、その時から輝夜に仕えている」

 

なるほどな…

 

幻斗「んで?輝夜は薬を飲んでどうなったんだ?」

 

…既に知ってるけどな。

 

月夜見「薬はどうやら成功作だったようで、彼女は不老不死…『蓬莱人』となった。…だが幻斗は知ってるだろう?完全な不老不死は存在しないと」

 

幻斗「…まぁな」

 

その理論を言ったのは俺だしな。懐かしい。

 

月夜見「だからあの薬の実際の効果は『不老になり、細胞が1つでも残れば元通りに再生できる程の再生力を手に入れる』…というものだ」

 

幻斗「へぇ…」

 

つまり細胞が全部無くなれば死ぬ、って事か。

…どこかに細胞を培養しとけばチェックポイント蘇生できるな、強くね?

 

月夜見「…それで、輝夜に対しては『無断に試作品を使用した』という罪の罰として、一時的な地球への流刑に処された。輝夜はしばらく地球で暮らすことになるだろう」

 

…お?

 

幻斗「マジか。じゃあ今輝夜はどの辺にいるんだ?」

 

月夜見「平安京」

 

幻斗「……What?」

 

月夜見「平安京だ」

 

…まさか最初から大人の姿なのか?かぐや姫真っ只中じゃねぇか。




早速原作改変。

次回もよろしくおねがいします。


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レッツゴー平安京

復活。
待たせたな(某蛇風)


side三雲幻斗

 

幻斗「輝夜って、もしかして大人の外見なのか?」

 

月夜見「…?そうだが?どうやら山で遭難していた所で竹取の老夫婦に匿われたらしくてな」

 

…マジか。色々と前提が変わってくるぞ。妹紅の件もどうにかしなきゃいけないしな。

 

幻斗「すぐに行かなきゃな。メンバーはどうする?」

 

月夜見「そうだな…まず私は目立つから無しだろう?」

 

スーツじゃなきゃいいじゃねーか…いや無理か。

 

月夜見「それに人数を増やしても意味はあまりない…だから幻斗と、1人2人の少数で行くべきだな」

 

幻斗「分かった。じゃあ「私が行きます!」…お?」

 

ビュンと朱美が駆け込んで来た。どうやら話は聞いていたらしい。

 

朱美「…ダメですか?」

 

幻斗「上目遣いなんてしなくてもいいぞ。お前は俺の従者だしな、主人に着いて行くのは当たり前だろ?」ポンポン

 

朱美「そ…そうでした!」ニコッ

 

よし。

 

幻斗「じゃあもう1人だが、うーん…」

 

…そうだ!

 

ーー

ーーー

ーーーー

ーーーーー

 

「それで、我に着いてこいと?」

 

誘ったのは神霊廟の住人の1人…仙人の宮古芳香だ。

 

朱美「幻斗様、どうして芳香を?」

 

幻斗「1人神霊廟の住人を連れて行こうと思ってな、なんとなく芳香に決めた」

 

芳香「適当じゃな…まぁいい。我は行くぞ!」

 

幻斗「さんきゅ。んじゃ明日には行くから支度しといてくれ」

 

芳香「了解じゃ!」

 

ーーー

 

そして次の日、俺たちは里を出発した。

 

スタスタ

 

朱美「そう言えば幻斗様、平安京って昔行った都と比べてどれ程発展してるんですか?」

 

芳香「…確かに、それは気になるのう」

 

幻斗「発展か…そうだな。当時の都のレベルを1としたら、大体3か4だな」

 

朱美「へぇ…因みに夢幻の里や月の都は?」

 

幻斗「100と200」

 

朱美「平安京のレベル低っ!?」

 

まぁ、そう言われてもしゃあないな。夢幻の里の技術は俺の前世で言う現代並みだし…あ、別に高層ビルが建ち並んでるワケじゃないぞ?

 

幻斗「大体900年後から急速に発展するから安心しろ」

 

芳香「途方も無い時間じゃのう…」

 

そうか?俺はもう5万年生きてるからその辺の感覚が麻痺してるんだよな…

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

そんなこんなで数日後、俺たちは平安京に着いた。服装は時代にあったものに変えている。

 

朱美「人が慌ただしいですね…」

 

幻斗「輝夜の噂でもちきりのようだな」

 

さて、輝夜がいる屋敷を探すか…ん?

 

「お父様、それは?」

 

「これか?輝夜姫に献上する予定の、蓬莱の玉の枝だ」

 

「ふーん…」

 

…もしかしてこいつら、藤原家?




芳香については、死んで青娥のキョンシーになる前に仲間になったという解釈でオーケーです。そしてのじゃ口調。

夢幻の里の文明
文明かなり発展しており、大体現代と遜色ないぞ!ただし高層ビルは建ってないし、環境も破壊してない。月の都の技術と魔法のハイブリッドによって生み出された超環境にいい文明だッ!現代人が来たとしても不便は感じないと思うぞ。

次回もよろしくおねがいします。


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もこたん(の家)にinしたお!

あけおめ、ことよろ。
相変わらず不定期でお送りします。

豆知識
本来ならばかぐや姫は奈良時代の出来事である。ここでは平安。謎だね。


side三雲幻斗

 

俺たちは親の方をつけることにした。向かった先は…かーなーり立派なお屋敷だった。

 

一般人のふりをしながらその辺を歩いていると…

 

「ち、ちっくしょーぉ!」

 

「早く代金を払って下さーい!」

 

ダダダダダー

 

2人の男が屋敷から飛び出し、走り去った。

 

朱美「い、今のは…?」

 

幻斗「片方は輝夜姫に偽物の枝を渡したヤツで、もう片方はそれを作ったヤツだな」

 

芳香「どうしてそれが分かるのじゃ?」

 

幻斗「うーん、勘?」

 

適当に誤魔化しておく。

 

芳香「勘か…凄いなお主!」

 

…アホで良かった。

 

朱美「それで幻斗様、これから何をするんですか?」

 

幻斗「そうだな…」

 

輝夜の屋敷に潜入して接触を図るのもいいかもしれないが…よし。

 

幻斗「さっきの男、娘がいただろ?」

 

あの子は外見からしてほぼ100%妹紅だ。原作での妹紅は確かに隠し子か何かだったハズだ…でもさっき普通に藤原(多分)と一緒にいたのを考えると、また原作からちょっとズレてるかもな。

 

朱美「居ましたけど…まさか攫うんですか?」

 

幻斗「んなワケねーだろ。ちょっと様子見をするだけだ」

 

芳香「何故じゃ?理由が見当たらんのじゃが…」

 

幻斗「対した理由じゃねぇよ、んじゃ行くぞ」クルッ

 

スタスタ

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

…ってことで、俺たちは。

 

幻斗(もこたんの家にinしてまーーーす!)ばーん

 

ちなみに妹紅だと確定したし、父親が藤原なのも確定した。どうやって来たかというと…

 

ー回想ー

 

芳香「お、アレは…」

 

先程の2人の男がそこにいた。

 

「代金はしかと受け取りました」

 

「う、うむ…」

 

どうやら金は支払われたようで、職人の方はその場を去る。しかしもう1人はその場で立ち尽くしている。

 

「……ぐっ!」ヨロッ

 

…っと、こりゃマズいな!

 

幻斗「よ…っと」バッ

 

咄嗟に動き、男を支える。

 

幻斗「大丈夫ですか?」

 

「あ、ああ。すまない…ちょっと体が痛くてね…」

 

先程の『ちくしょー!』と叫んでいた様子と打って変わって、男はかなり落ち着いた雰囲気を醸し出していた。

 

幻斗「家まで運びましょうか?」

 

「…それはありがたい。頼むよ」

 

男は申し訳なさそうな顔をしながらお礼を言った。

そして案内をしてもらい…大きめの屋敷に着いた。

 

ー終了of回想ー

 

幻斗(それでこ↑こ↓にいるワケだ)

 

妹紅「あ、あの…!」

 

幻斗「?」

 

男…改め藤原さんを手当てしていると、妹紅に話しかけられた。

 

妹紅「お父様を助けて下さり、ありがとうごさいました!」

 

…うん、立派な土下座だな。

 

幻斗「顔を上げてくれ…俺は当然のことをしたまでだ」

 

藤原「でも君がしたことは素晴らしいよ。何とお礼をしたらいいか…」

 

幻斗「お礼、ですが…」

 

…ちょっと頼んでみるか。

 

幻斗「俺達は旅人でして、しばらくこの都に滞在したいんですが…ちょっとした宿はあったりしますか?」




もこたんにinしたお。

次回もよろしくおねがいします。


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