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第0層 ゲームキャラクター
第0話 キャラクター紹介



※最新話までの情報が書かれています。
最新話まで読んでないもしくはネタバレを気にする方は「第1話 ログイン」からお読みください。

このキャラクター紹介は最新話で新情報が出るたびに更新していきます。

今は「???」がありますが、話が進むと開示していきます。

今後、新キャラも登場する予定ですので、登場すればまた追加していきます。




主人公

名前:結衣(ゆい)

プレイヤー名:アリシア

 

職業:魔物使い

 

ステータス

Lv.60

HP:60

MP:60

攻撃力:60

防御力:60

スピード:60

魔力:60

カリスマ:3672

 

装備

武器:笛、ツムガリ

防具:天の羽衣

 

持ち物

カミラの短剣、鉄鉱石×3、第一特異点 アルマ・マドラの魔玉、天秤の杖、第一特異点 アルマ・マドラ 一式、水星の欠片、各ステータスのポーション、サポートスキル極意の書、トラップ用の御札、食事の割引券、鉄の剣、普通のナイフ、金の斧、見切りの盾、堕天使の短剣

 

特性

パートナー、薬草学、応援、褒め言葉、名付け親

粘着質、受け流し、魔力解放、忠義、熱気、呪い

見極め、やまびこ、溺愛、前向き、餌付け、水の舞

命令、統率者、刀身一体(※ツムガリ装備時のみ)

 

スキル

手懐け、呼び声、咆哮、拡張、召喚、魔力暴走

刻印、恩寵、心眼、神器、愛の拳

冥府(めいふ)斬祓(ざんばつ)(※ツムガリ装備時のみ)、冥府(めいふ)断罪(だんざい)(※ツムガリ装備時のみ)

 

仲間モンスター

コハク(種族:白虎)

武器:再臨の拳

防具:神速の腕輪

特性:倍加・守護・要塞

スキル:狂速・天地開闢

 

スラちゃん(種族:スライム)

武器:なし

防具:信頼の指輪

特性:情熱、負けん気

 

スラくん(種族:スライム)

武器:なし

防具:信頼の指輪

特性:堅固、根性

 

ライム(種族:スライム)

武器:なし

防具:信頼の指輪

特性:疾風、風きり

 

スラミ(種族:スライム)

武器:なし

防具:信頼の指輪

特性:知性、探究心

 

イノくん(種族:イノシシ)

武器:なし

防具:信頼の指輪

特性:猛突進、頑丈な牙

 

スザク(種族:朱雀)※パートナー

武器:朱翼の双剣

防具:信頼の指輪

特性:恩義、桜吹雪

スキル:四獣剣技 夜桜乱撃

 

プニちゃん(種族:プニプニスライム)

武器:なし

防具:信頼の指輪

特性:変幻自在

 

ムクロ(種族:骸の武士)

武器:憎悪と怨念を纏う刀

防具:信頼の指輪

特性:諸刃の剣

スキル:死の告知(アブズ・ギブズ)、死者の呼び声、魂玉の結界(バーバラ)、霧の刃、糸の刃、破壊の刃、つるぎの舞

 

雷首(種族:三つ首)

武器:なし

防具:信頼の指輪

特性:憤怒

スキル:雷のブレス

 

氷首(種族:三つ首)

武器:なし

防具:信頼の指輪

特性:冷徹

スキル:氷のブレス

 

火首(種族:三つ首)

武器:なし

防具:信頼の指輪

特性:激怒

スキル:火のブレス

 

キリちゃん(種族:切り裂き魔)

武器:愛狩り鎌、愛刺す針

防具:信頼の指輪

特性:愛ゆえに

スキル:切り裂き鎌

 

ゴロちゃん(種族:岩石おとこ)

武器:なし

防具:信頼の指輪

特性:確固たる意思

 

マエラテ(種族:魔物使い)

武器:なし

防具:なし

特性:なし

スキル:なし

 

ツクヨミ(種族:月詠)

武器:月花(杖)

防具:なし

特性:???

スキル:月光、宵闇、月輪、影縛り、月楼

 

ミオレーネ(種族:元人間)

武器:アカマナツキ(剣)

防具:暁の鎧

特性:???

スキル:天地を断つ聖剣(エクスカリバー)

 

セイリュウ(種族:青龍)

武器:水霊月華(薙刀)

防具:水の羽衣

特性:???

スキル:四獣刀技 群青羅刹

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:花蓮(かれん)

プレイヤー名:ロザリー

職業:槍術士

 

ステータス

Lv.63

HP:669

MP:257

攻撃力:789

防御力:63

スピード:774

魔力:63

カリスマ:63

 

装備

武器:天槍 ロンゴミアント

防具:禍血の鎧

 

持ち物

鉄の槍、鉄鉱石×3、再臨の槍、神速の腕輪

ロンギヌスの槍

 

特性

一点集中、弱点必中、交友関係、水の舞

天光(※ロンゴミアント装備時のみ)

 

スキル

乱れ突き、飛槍一閃(ひそういっせん)、槍の舞、印、赤雷、氷結刺突

威光(いこう)(※ロンゴミアント装備時のみ)、光芒(こうぼう)(※ロンゴミアント装備時のみ)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:ジン

 

職業:剣士

 

ステータス

Lv.54

HP:814

MP:227

攻撃力:814

防御力:791

スピード:214

魔力:54

カリスマ:54

 

装備

武器:(ほむら)

防具:???

 

持ち物

解毒ポーション、麻痺ポーション、鳥キラーの剣

 

特性

弱点攻撃、水の舞、煉獄(れんごく)(※焔装備時のみ)

 

スキル

流星剣(りゅうせいけん)鋼鉄剣(こうてつけん)火炎斬(かえんざん)、グランドソード

灼熱(しゃくねつ)(※焔装備時のみ)、獄炎(ごくえん)(※焔装備時のみ)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:ルシュ

 

職業:魔法使い

 

ステータス

Lv.56

HP:661

MP:1067

攻撃力:56

防御力:234

スピード:287

魔力:1224

カリスマ:56

 

装備

武器:???

防具:???

 

持ち物

解毒ポーション、麻痺ポーション

 

特性

雷耐性増加、水の舞、双子(ふたご)

 

スキル

火炎玉(ファイアボール)水流(マーベラス)落雷(サンダー)防御低下(ガードダウン)速度低下(スピードダウン)、雷撃

ヘル・フレイム、ウォーター・ブレイズ、タマイカヅチ

ダイヤモンド・ダスト、マキシマム・グレネード

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:カナデ

 

職業:商人

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:???

防具:???

 

持ち物

攻撃力・防御力・スピード・魔力アップポーション

攻撃力・防御力・スピード・魔力ダウンポーション

毒・麻痺・混乱のポーション、状態異常解除ポーション

命の若葉、闘志(とうし)の粉、堅守(けんしゅ)の粉、神速(しんそく)の粉、麻痺粉

混乱粉、毒粉

 

特性

商売上手

 

スキル

???

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:アレックス

 

職業:商人

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:???

防具:???

 

持ち物

攻撃力アップポーション、攻撃力ダウンポーション

 

特性

商売上手

 

スキル

パワーアップ、パワーダウン

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:リン

 

職業:商人

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:???

防具:???

 

持ち物

スピードアップのポーション

スピードダウンのポーション

 

特性

商売上手

 

スキル

スピードアップ、スピードダウン、リロードアクセル

スルーブースト、オーバブースト

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:ランドール

 

職業:商人

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:???

防具:???

 

持ち物

毒のポーション、麻痺のポーション、混乱のポーション

状態異常解除ポーション

 

特性

商売上手

 

スキル

スパーク

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:マロリーニョ

 

職業:商人

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:???

防具:???

 

持ち物

防御力アップのポーション、防御力ダウンのポーション

 

特性

商売上手

 

スキル

ガードアップ、ガードダウン、霧の影

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:ミカン

 

職業:商人

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:???

防具:???

 

持ち物

魔力アップのポーション、魔力ダウンのポーション

 

特性

商売上手

 

スキル

マジックアップ、魔力暴走、ハーフマジックポイント

弱点魔法、魔力集中

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:フミ

 

職業:商人

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:???

防具:???

 

持ち物

体力回復ポーション、魔力回復のポーション

 

特性

商売上手

 

スキル

ハートフィールド

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:コヨミ

 

職業:バトルマスター

 

ステータス

Lv.26

HP:26

MP:26

攻撃力:1031

防御力:26

スピード:26

魔力:26

カリスマ:26

 

装備

武器:天魔神の斧

防具:戦の鎧

 

持ち物

大地の斧、死神の鎌、巨人のハンマー、破壊神の斧

 

特性

武神、破砕、闘魂、火事場の馬鹿力、死への誘い(※死神の鎌装備時のみ)、魔神の眼(※天魔神の斧装備時のみ)

 

スキル

スローアックス、(あお)灯火(ともしび)(※死神の鎌装備時のみ)、魔神化(※天魔神の斧装備時のみ)、天魔神の一撃(※天魔神の斧装備時のみ)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:ナギ

 

職業:パラディン

 

ステータス

Lv.26

HP:361

MP:26

攻撃力:26

防御力:499

スピード:26

魔力:26

カリスマ:26

 

装備

武器:太陽の斧、光の盾

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

受け身、最後の砦、浄化(※光の盾装備時のみ)

 

スキル

聖騎士の守り、挑発、硬化、盾打撃(※光の盾装備時のみ)スタングラッド(※光の盾装備時のみ)、灼熱太陽(サン・フレイム)(※太陽の斧装備時のみ)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:シン

 

職業:パラディン

 

ステータス

Lv.41

HP:669

MP:41

攻撃力:41

防御力:887

スピード:41

魔力:41

カリスマ:41

 

装備

武器:イバラノツルギ、水鏡の盾

防具:聖騎士の大盾

 

持ち物

???

 

特性

受け身、最後の砦、魅惑(※水鏡の盾装備時のみ)

 

スキル

聖騎士の守り、挑発、硬化、受け流し(※水鏡の盾装備時のみ)、アンチマジックバリア(※水鏡の盾装備時のみ)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:ルーラ

 

職業:機工士

 

ステータス

Lv.41

HP332

MP:41

攻撃力:413

防御力:41

スピード:433

魔力:41

カリスマ:41

 

装備

武器:天使の光銃

防具:???

 

持ち物

静かな死神(ライフル)

 

特性

集中、気配消失、心眼、レーザー弾(※天使の光銃装備時のみ)

 

スキル

誘いの弾丸(バレル・バレット)、分身、マグナム、乱撃(※天使の光銃装備時のみ)、蝶ノ舞(※天使の光銃装備時のみ)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:カミラ

 

職業:鍛冶師

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:???

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

???

 

スキル

錬成

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:ライン

 

職業:剣聖

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:天明ノ剣

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

???

 

スキル

反撃(カウンター)爆裂剣(ばくれつけん)聖霊斬(せいれいざん)覇王斬(はおうざん)

水冷斬(すいれいざん)火炎斬(かえんざん)剣砲(けんほう)天明ノ剣(アルテリアソード)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:スレッド

 

職業:忍者

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:風霧の双剣

防具:???

 

持ち物

巨人の大剣

 

特性

???

 

スキル

破壊の一撃

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:マートン

 

職業:魔法使い

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:双子の魔導書

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

???

 

スキル

死者の怨念、双極電磁砲、風神・雷神、雷撃

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:マリン

 

職業:魔法使い

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:大魔道士の杖

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

???

 

スキル

炎撃、雷撃、水撃、土撃、氷撃、光の波動

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:ミィ

 

職業:機工士

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:熱線砲

防具:???

 

持ち物

放射熱弾、砲弾

 

特性

???

 

スキル

高出力熱光線、熱砲線

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:ミズキ

 

職業:僧侶

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:導きの大旗

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

???

 

スキル

パワーアップ、ガードアップ、ブレイク、回復

天使の祝福、怒りの力、知性の力、堅実の力

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:リィ

 

職業:大盾使い

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:円卓の大盾

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

???

 

スキル

身代わり、天使の守護、守護神、挑発

シールドアタック、聖騎士の守り

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:ゼディ

 

職業:魔法使い

 

ステータス

Lv.50

HP:611

MP:867

攻撃力:50

防御力:129

スピード:128

魔力:887

カリスマ:50

 

装備

武器:???

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

水の舞

 

スキル

氷河、ウォーター・ブレイズ

ヘル・フレイム、タマイカヅチ

ダイヤモンド・ダスト、マキシマム・グレネード

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:ローズ

 

職業:戦巫女

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:御札

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

???

 

スキル

トラップ、トラップ(爆破)

雷符 天地雷鳴、陰陽符 幻想陰陽玉

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:シルバー

 

職業:聖騎士

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:???

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

???

 

スキル

天地を断つ聖剣(エクスカリバー)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:ツァイ

 

職業:聖騎士

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:???

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

???

 

スキル

???

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:コン

 

職業:聖騎士

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:???

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

???

 

スキル

???

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:オルゴ

 

職業:聖騎士

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:???

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

???

 

スキル

???

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:ユノ

 

職業:聖騎士

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:???

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

???

 

スキル

???

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:スノー

 

職業:聖騎士

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:???

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

???

 

スキル

天地を断つ聖剣(エクスカリバー)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:アハト

 

職業:機工士

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:終戦の戦火(アハト・アハト)

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

???

 

スキル

???

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:マグナム

 

職業:機工士

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:災いの銃(マグナム)

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

???

 

スキル

???

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

名前:???

プレイヤー名:カノン

 

職業:機工士

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:国鉄大砲(カノン砲)

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

???

 

スキル

???

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:ライフル

 

職業:機工士

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:静かな死神(ライフル)

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

???

 

スキル

???

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:レールガン

 

職業:機工士

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:天翔る電磁砲(レールガン)

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

???

 

スキル

???

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:ショット

 

職業:機工士

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:星くずの銃(ショットガン)

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

???

 

スキル

???

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

名前:???

プレイヤー名:ハンド

 

職業:機工士

 

ステータス

Lv.???

HP:???

MP:???

攻撃力:???

防御力:???

スピード:???

魔力:???

カリスマ:???

 

装備

武器:銀色の翼(ハンドガン)

防具:???

 

持ち物

???

 

特性

???

 

スキル

???




〜物語メモ〜

この物語で使われている言葉の意味

支持率
これはゲームを始める時にステータスのポイントを振り分ける部屋で見られる言葉。
この支持率はプレイヤーたちが選んだステータスの割合を表している。つまり、攻撃力に振り分けた人が多ければ多いほど支持率が上昇する。
ただし、高いと何か特典があるとかはない。

特性
プレイヤーたちが持つ、特定の条件で発動する能力のこと。種類は様々あり、戦闘を有利に進められるものや自分を強化するもの、他人を強化するものなど。

スキル
このゲームにおける「技」となるもの。武器や職業によって使えるスキルは様々あり、その職業や武器に合ったものが与えられるようになっている。


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続 第0話 職業・スキル・特性の紹介

こちらでは各キャラクターが選んだ職業や習得したスキルや特性の紹介になります。

各職業の特徴やスキルや特性の効果はここで確認できます。


 

 

《職業紹介》

━━━━━━━━━━━━━━━

 

【魔物使い】

最初のステータス選択画面でカリスマだけにポイントを振り分けることで選択できる職業。魔物使いは他の職業と比べてステータスが低く、強さは仲間にしたモンスターに依存する。そのため、弱いモンスターを仲間にすれば自分の弱さと相まってすぐにやられる可能性がある。

 

この職業を選んだプレイヤー

アリシア

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

【槍術士】

最初のステータス画面で攻撃力とスピードに多くポイントを振り分けることで選択できる職業のひとつ。槍を使った攻撃を得意とする職業で、槍の長いリーチと自身の高いスピードで一方的に有利な展開を作ることができる。ただし、遠距離攻撃には弱い。

 

この職業を選んだプレイヤー

ロザリー

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

【剣士】

最初のステータス選択画面で攻撃力と防御力にバランスよくポイントを振り分けることで選択できる職業のひとつ。剣士は高い攻撃力と防御力が自慢の職業で主に剣を使った技を得意とする。他の武器も装備可能だが、やや攻撃力が低下する。時に攻め、時に守る攻守一体の職業。

 

この職業を選んだプレイヤー

ジン

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

【魔法使い】

最初のステータス選択画面で魔力に多くポイントを振り分けることで選択できる職業のひとつ。魔法使いは高い魔力を活かした魔法攻撃が得意な職業であらゆる属性を駆使しながら戦う。主な武器は杖や本。得意なのは攻撃魔法だけで回復魔法はそこまで得意じゃない。

 

この職業を選んだプレイヤー

ルシュ、ゼディ、マートン

 

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【商人】

最初のステータス画面で満遍なくポイントを振り分けた際に選択できる職業のひとつ。主にアイテムや武器、防具を売買するため、戦闘向きではない。ただし、各々が得意とするサポート方法を見つけることができれば、味方を助けることもできる。

 

この職業を選んだプレイヤー

カナデ、アレックス、リン、ランドール、マロリーニョ、ミカン、フミ

 

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【バトルマスター】

最初のステータス画面で攻撃力だけにポイントを振ることで選択できる職業。このゲームに存在する全ての武器を装備することができる。しかし、魔力が最低値なので、杖や本など、魔法使いたちが使うような武器を装備しても魔法や弾幕は撃てない。また、攻撃力特化なので攻撃力以外のステータスは全て最低値。

 

この職業を選んだプレイヤー

コヨミ

 

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【パラディン】

最初のステータス画面でHPと防御力だけにポイントを振ることで選択できる職業。あらゆる攻撃を防御し、味方を守ることができる。自分の防御力を活かして敵の攻撃を自分に集中させることもできる。体力と防御力が異常に高いが、スピード等は最低値のため、移動速度が相当遅い。

 

この職業を選んだプレイヤー

ナギ、シン

 

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【機工士】

最初のステータス画面で攻撃力とスピードに多くポイントを振り分けることで選択できる職業のひとつ。装備できる武器は銃器だけだが、種類は問わない。その場に応じた武器を装備することができる。近距離、中距離、遠距離、超遠距離全てに対応できる。しかし、防御力が疎かになっているため、盾役と一緒に行動すると良い。

 

この職業を選んだプレイヤー

ルーラ、アハト、マグナム、カノン、ライフル、レールガン、ショット、ハンド、ミィ

 

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【剣聖】

最初のステータス画面で攻撃力と守備力、スピードに多くポイントを振り分けることで選択できる職業。攻撃力、守備力、スピードが高く、強い剣技と素早い身のこなしで相手を圧倒することができる。装備できるのは剣以外にもあるが、剣を装備することで攻撃力が少し上昇する。

 

この職業を選んだプレイヤー

ライン

 

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【僧侶】

最初のステータス画面でHPと魔力に多くポイントを振り分けることで選択できる職業のひとつ。味方のバフや回復に優れているが、その反面防御力が低く、打たれ弱い。しかしパーティに1人いれば安定するほどの回復のスペシャリスト。パーティに1人くらいは欲しい。

 

この職業を選んだプレイヤー

ミズキ

 

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【聖騎士】

最初のステータス画面でHP、攻撃力、防御力に多くポイントを振り分けることで選択できる職業。片手剣と片手盾や両手剣、槍、斧など様々な武器を扱うことができる。HPと防御力が高いので耐久面にも優れており、攻撃力も高いのでダメージにも期待できる。

 

この職業を選んだプレイヤー

シルバー、ツァイ、コン、オルゴ、ユノ、スノー

 

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【忍者】

最初のステータス画面で攻撃力、スピードに多くポイントを振り分けることで選択できる職業のひとつ。主に短剣や双剣、爪といった武器を使用することができる。他にも武器を装備できるが短剣、双剣、爪以外の武器を装備すると長所である高いスピードが発揮できなくなる。

 

この職業を選んだプレイヤー

スレッド

 

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【大盾使い】

最初のステータス画面でHPと防御力に多くポイントを振り分けることで選択できる職業のひとつ。パラディンと同じステータスの振り分け方だが、パラディンはHPと防御力のみ振り分けることで選択できる職業であって大盾使いはそれ以外のステータスにもポイントを振ることができる。しかしパラディンと戦い方はほぼ同じ。

 

この職業を選んだプレイヤー

リィ

 

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【戦巫女】

最初のステータス画面でMP、攻撃力、スピード、魔力にポイントを振り分けることで選択できる職業のひとつ。御札や杖といった武器を使い、多彩な攻撃手段を持っている。トラップや攻撃、回復など何でもお任せ。しかし、各スキルのスペシャリストと比べると効果は少ない汎用性の高い職業。

 

この職業を選んだプレイヤー

ローズ

 

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《スキル紹介》

 

アリシア

 

手懐け…モンスターを倒すことで仲間にする魔物使いだが、戦闘なしで仲間にすることができるスキル。しかし、仲間にするにはそのモンスターが出す条件をクリアする必要がある

 

呼び声…仲間になってないモンスターが稀に力を貸して一緒に戦ってくれる。ただし、戦闘が終われば即座に元いた場所に帰る

 

咆哮…大声を出すことで相手を威嚇することができる近いほど効果があり、離れていれば全く効果がない

 

拡張…アイテムの効果範囲が拡大する

 

召喚…離れた場所にいる自分の仲間を呼び寄せることができる 

 

魔力暴走…アルマ・マドラが最後に使った気弾のスキル

 

刻印…相手に罪を背負わせ、弱体化させる。赤いラインが多ければ多いほど弱体化される

 

恩寵…やられた味方を復活させることができる

 

心眼…相手の動きを見てから素早く反応することができる

 

錬成…自分が持っている武器や防具を強くすることができる。ただし素材が必要 

 

神器…特殊な力を纏わせて次の一撃を1000%の火力で攻撃することができる。ただし、連続では使用できない

 

愛の拳…素手で攻撃する際、相手のことを想えば想うほど与えるダメージが上昇する

 

冥府(めいふ)斬祓(ざんばつ)…攻撃時に相手に呪いを付与する(呪いは確率で行動不能にする)

※ツムガリ装備時のみ使用可能

 

冥府(めいふ)断罪(だんざい)…自分を中心に冥界の門を開き、死者を喚び出す

※ツムガリ装備時のみ使用可能

 

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コハク(白虎)

 

狂速…スピードが上昇する

 

天地開闢…頭上から隕石を落とす

 

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スザク(朱雀)

 

四獣剣技 夜桜乱撃…2つの剣をクロスさせたあとに目にも止まらぬ速さで敵を切り刻む

 

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ムクロ(骸の武士)

 

死の告知(アブズ・ギブズ)…相手を斬ることであらゆるバフを消すことができる。霊体も実体として斬ることができる。

 

死者の呼び声…剣を振って空間に隙間を作り、その隙間から霊体を出現させる

 

魂玉の結界(バーバラ)…自分の力を犠牲にして結界を作り出す

 

霧の刃…一定時間自分の斬撃が見えなくなる

 

糸の刃…???

 

破壊の刃…???

 

つるぎの舞…剣を振ることで無数の斬撃を繰り出す

 

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キリちゃん(切り裂き魔)

 

切り裂き鎌…その場で回転することで見えない剣気が生成され、回転を止めることで生成された剣気が一気に周囲に拡散される

 

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ツクヨミ

 

月光…月の光を浴びることで自身のステータスを上昇させることができる

 

宵闇…紫色の玉を地雷のように周囲に展開する。当たればすぐに視界が真っ暗になり、何も見えなくなる

 

月輪…ツクヨミの体から無数の斬撃を繰り出す。離れていれば問題ないが、近いと斬撃を受けてしまう

 

影縛り…相手と影を繋ぐことで相手を拘束することができる。しかし足の速いモンスター相手だと影を繋げることができないため不向き。

 

月楼…相手に手を向けて放つレーザー。高威力で発動までの時間も短いので、近くにいると避けるのは難しい。しかし撃つ本人は無敵ではないので攻撃して阻止することはできる。

 

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セイリュウ(青龍)

 

四獣刀技 群青羅刹…自身を中心として周囲に無数の斬撃を与える。その斬撃は青龍が薙刀を振り回すほど多く、速くなる。また、自身が溜めたエネルギーを剣気として薙刀に纏わせることで周囲に斬撃を飛ばすことはできなくなるが、素早い攻撃が可能となる。(これでスザクの四獣剣技 夜桜乱撃に匹敵する)

 

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ロザリー

 

乱れ突き…素早く相手を4回突き刺す

 

飛槍一閃(ひそういっせん)…ロンギヌスの槍の力を引き出し、そのまま敵に投擲する技。ロンギヌスの槍の力が周囲に溢れ出しているため、地面を削りながら飛んだり、当たれば爆発したりする

 

槍の舞…敵の攻撃を躱しつつ攻撃をする

 

印…敵を的にすることで、槍を投擲した際に必ず敵に命中するようになっている

 

赤雷…槍を振り回すことで槍に赤い雷が発生し、投擲することで赤い雷と共に一直線に飛ぶ

 

氷結刺突…槍に氷属性を付与して投擲する

 

威光(いこう)…全ての物理攻撃に光属性を付与する

※天槍 ロンゴミアント装備時のみ使用可能

 

光芒(こうぼう)…頭上に魔法陣を展開し、無数の槍を降らせる

※天槍 ロンゴミアント装備時のみ使用可能

 

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ジン

 

流星剣(りゅうせいけん)…相手の頭上から炎を帯びた剣を振ってダメージを与える。

 

鋼鉄剣(こうてつけん)…剣を使って打撃ダメージを与えることができる。

 

火炎斬(かえんざん)…炎が剣に纏い、相手を焼き尽くす。

 

グランドソード…地面から岩でできた剣を生成して敵にぶつける

 

灼熱(しゃくねつ)…火の玉を飛ばす

※焔装備時のみ使用可能

 

獄炎(ごくえん)…自分のHPを代償に相手に大ダメージを与える

※焔装備時のみ使用可能

 

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ルシュ

 

火炎玉(ファイアボール)…火の玉を相手に飛ばすことでダメージを与える。一度にたくさん撃つこともできる

 

水流(マーベラス)…水を発生させて相手を押し流す

 

落雷(サンダー)…相手の頭上に雷雲を発生させて雷を落とす。一度の魔法で落とせる雷は一回だけ

 

防御低下(ガードダウン)…相手の防御力を下げることができる

 

速度低下(スピードダウン)…相手のスピードを下げることができる

 

雷撃…雷属性魔法の弾を放つ

 

ヘル・フレイム…大きな火球を放つ火属性魔法

 

ウォーター・ブレイズ…大量の水を放出する水属性魔法

 

ダイヤモンド・ダスト…凍てつくレーザーを放つ氷属性魔法

 

タマイカヅチ…周囲に落雷を落とす雷属性魔法

 

マキシマム・グレネード…周囲を爆発させる無属性魔法

 

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アレックス

 

パワーアップ…味方の攻撃力を上昇させる

 

パワーダウン…敵の攻撃力を低下させる

 

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リン

 

スピードアップ…味方のスピードを上昇させる

 

スピードダウン…敵のスピードを低下させる

 

リロードアクセル…弾の装填速度が上昇する

 

スルーブースト…投擲物の速度が上昇する

 

オーバブースト…移動速度の上限を引き上げる

 

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ランドール

 

スパーク…敵を麻痺させる

 

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マロリーニョ

 

ガードアップ…味方の防御力を上昇させる

 

ガードダウン…敵の防御力を低下させる

 

霧の影…自分の分身を身代わりにして一度だけ敵の攻撃を無効化する

 

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ミカン

 

マジックアップ…味方の魔力を上昇させる

 

魔力暴走…味方の魔法攻撃力を1.5倍に上昇させる

 

ハーフマジックポイント…味方の魔法によるMP消費量を半減させる

 

弱点魔法…魔法で攻撃した際に相手の弱点属性であれば魔法のダメージが1.2倍になる

 

魔力集中…味方の魔法攻撃力を上昇させる

 

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フミ

 

ハートフィールド…味方にHP継続回復効果を付与する

 

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コヨミ

 

スローアックス…その場で回転し、敵に斧を投げつける

 

(あお)灯火(ともしび)…青い炎を纏い、その状態で敵を攻撃すると、一撃で敵のHP35%分のダメージを与えることができる。青い炎は5つあり、全て当てることで175%分のダメージを与えることができる。ただし、青い炎は武器を振るごとに消えていく。

 

魔神化…一定時間、攻撃力とスピードが2倍に上昇する

※天魔神の斧装備時のみ使用可能

 

天魔神の一撃…スキル発動後、最初の一撃を攻撃力950%で攻撃する

※天魔神の斧装備時のみ使用可能

 

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ナギ

 

聖騎士の守り…味方にバリアを展開する

 

挑発…相手の注意を引いて、一時的に味方を守る

 

硬化…防御力が上昇する

 

盾打撃…盾攻撃をした際に攻撃を弾くことがある

※光の盾装備時のみ使用可能

 

スタングラッド…盾攻撃が相手の頭部に命中した際、相手をスタンさせる

※光の盾装備時のみ使用可能

 

灼熱太陽(サン・フレイム)…太陽を具現化し、周囲を焼き尽くす

※太陽の斧装備時のみ使用可能

 

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シン

 

聖騎士の守り…味方にバリアを展開する

 

挑発…相手の注意を引いて、一時的に味方を守る

 

硬化…防御力が上昇する

 

受け流し…相手の物理攻撃をガードした際、仰け反りを無効化する

※水鏡の盾装備時のみ使用可能

 

アンチマジックバリア…相手の魔法攻撃を反射することができる

※水鏡の盾装備時のみ

 

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ルーラ

 

誘いの弾丸(バレル・バレット)…ライフルを装備している時のみ使えるスキル。相手の頭目掛けて弾丸が自動で飛ぶ。

 

分身…自分の分身を作ることで、身を守ることができる。

 

マグナム…大きな大砲を生成して砲弾を放つ

 

乱撃…地面や壁に着弾しても跳弾する弾を放つ

※天使の光銃装備時のみ使用可能

 

蝶ノ舞…天使の光銃の幻影を出現させ、一斉射撃を行う

※天使の光銃装備時のみ使用可能

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

ライン

 

反撃(カウンター)…相手の攻撃をそのまま返す剣技。

 

爆裂剣(ばくれつけん)…当たれば爆発する剣技。

 

聖霊斬(せいれいざん)…聖者の力を持って攻撃するため、骸の武士のような死者に関する相手には特に効果がある剣技。

 

覇王斬(はおうざん)…力を溜め、渾身の一撃をお見舞する剣技。

 

水冷斬(すいれいざん)…水属性の斬撃で火属性を扱う敵に効果がある。

 

火炎斬(かえんざん)…炎が剣に纏い、相手を焼き尽くす。

 

剣砲(けんほう)…自分の力を剣先から光線として放つ技。

 

天明ノ剣(アルテリアソード)…剣が持ち主の力を吸収して剣気として放つ技。吸収する力が多ければその分、剣気の大きさ、強さが上昇する。

 

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スレッド

 

破壊の一撃…相手に大ダメージを与える技。無属性のため攻撃力依存でダメージが上がる。

 

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マートン

 

死者の怨念…相手の足元から無数の手を召喚し、相手を拘束する。この手はマートンとリンクしているため、攻撃されるとそのままマートンはダメージを受ける

 

双極電磁砲…火属性・水属性魔法を掛け合わせて放つレーザー型魔法

 

風神・雷神…風属性・雷属性魔法を掛け合わせて放つ魔法。風と雷が一気に襲いかかる

 

雷撃…雷属性魔法の弾を放つ

 

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マリン

 

炎撃…火属性魔法の弾を放つ魔法

 

雷撃…雷属性魔法の弾を放つ魔法

 

水撃…水属性魔法の弾を放つ魔法

 

土撃…土属性魔法の弾を放つ魔法

 

氷撃…氷属性魔法の弾を放つ魔法

 

光の波動…光属性魔法のレーザーを放つ

 

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ミィ

 

高出力熱光線…放射熱弾を装填することで使えるスキル。引き金を引くことで極太レーザーを放つ

 

熱砲線…一直線に放たれる極太の熱戦

 

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ミズキ

 

パワーアップ…味方の攻撃力を上昇させる

 

ガードアップ…味方の防御力を上昇させる

 

ブレイク…味方に防御力無視の効果を付与する

 

回復…味方の体力を回復させる

 

天使の祝福…味方の全ステータスが一定時間上昇する

 

怒りの力…味方の攻撃力が上昇する

 

知性の力…味方の魔力が上昇する

 

堅実の力…味方の防御力が上昇する

 

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リィ

 

身代わり…味方が受けるダメージを全て肩代わりする

 

天使の守護…自分を含めた全プレイヤーを覆うほどの結界を展開する。結界が大きければ大きいほど結界の耐久性が低下する

 

守護神…一定時間、受けるダメージを1/10まで下げる

 

シールドアタック…盾を使って相手に打撃ダメージを与える

 

聖騎士の守り…味方にバリアを展開する

 

挑発…敵の攻撃を自分に引きつける

 

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ゼディ

 

氷河…自分を中心に周囲に氷属性魔法を拡散させる。ふれると凍って動けなくなる

 

ヘル・フレイム…大きな火球を放つ火属性魔法

 

ウォーター・ブレイズ…大量の水を放出する水属性魔法

 

ダイヤモンド・ダスト…凍てつくレーザーを放つ氷属性魔法

 

タマイカヅチ…周囲に落雷を落とす雷属性魔法

 

マキシマム・グレネード…周囲を爆発させる無属性魔法

 

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ローズ

 

トラップ…持っている御札に何かしらのトラップ効果を付与する。効果は様々あり、御札を設置することでトラップとして運用できる

 

トラップ(爆破)…仕掛けた御札を爆破させる

 

雷符 天地雷鳴…御札から雷を召喚して攻撃する

 

陰陽符 幻想陰陽玉…御札を陰陽玉に変えて相手にぶつける

 

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シルバー

 

天地を断つ聖剣(エクスカリバー)…持ってる武器が光の刀身になって黄色い斬撃となる。敵に命中することで更に火柱による追撃が発生する。

 

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スノー

 

天地を断つ聖剣(エクスカリバー)…持ってる武器が光の刀身になって黄色い斬撃となる。敵に命中することで更に火柱による追撃が発生する。

 

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《特性紹介》

 

アリシア

 

パートナー…メダルの召喚を必要とせず、常に一緒に行動する仲間を得る。パートナーとなったモンスターは倒れることがなく、常に主を守ろうとする。ただし、パートナーとなるのは一人だけ

 

薬草学…薬草系のアイテムの効果が上昇する(薬草系の回復量アップ)

 

応援…味方のモンスターを応援することで、モンスターのステータスを上昇させることができる

 

褒め言葉…味方モンスターを褒めることでモンスターとの信頼度を上昇させることができる。一定の信頼度を得ることで、新たなスキルと特性を得ることができる

 

名付け親…新しいモンスターに名前を付けることでモンスターとの信頼度が上昇する

 

粘着質…復活するごとにステータスが上昇する(戦闘中最大5回まで)

 

受け流し…死角になっている相手の攻撃を躱すことができる。天の羽衣がアリシアを無理やり動かすので突然体が動くことがあり、そのせいでバランスを崩すこともある。ただし、この特性は天の羽衣を装備している時にしか発動しない。天の羽衣を外せばこの特性も消える

 

魔力解放…アルマ・マドラの魔玉を持っている時だけ最大MPが上昇する

 

忠義…自分が持っているスキルや特性を他のプレイヤーに渡すことができる。一度に渡すスキルや特性の数が多ければ多いほど、スキルや特性を渡す回数が増えれば増えるほど自身のステータスを上昇させることができる。また、味方から得られるバフの効果も上昇させることができる。ただし、一度渡したスキルや特性は自分で使用することができなくなる

 

熱気…自分の怒りが頂点に達すると、攻撃力が2倍になる

 

呪い…自分が状態異常になることで、攻撃力が上昇する

 

見極め…相手の後隙を学習することで、相手の動きに合わせて攻撃することができる

 

やまびこ…一度使用したスキルを即座に再度使用することができる。この特性があることでスキル:神器を何度も使用することができる

 

溺愛…モンスターを育成することで更にステータスを上昇させることができる

 

前向き…悪い効果を解除することでHPが回復する

 

餌付け…モンスターと食事を摂ることでモンスターとの信頼度が上昇する

 

水の舞…水に対する耐性が増加し、水属性攻撃の効果を増大させる

 

命令…味方に命令することで、その攻撃が1.2倍上昇する

 

統率者…味方のモンスターだけでなく、野生のモンスターまでも味方につけることができる。ただし、野生のモンスターはあくまで野生のモンスターなので、戦いが終わればすぐに消え、元いた場所に転送される。アリシアの持つ笛と一緒に使うことで範囲が拡大し、味方になってくれるモンスターも多くなる。

 

刀身一体…物理攻撃力が1.5倍に上昇する

※ツムガリ装備時のみ

 

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ロザリー

 

一点集中…同じ場所を攻撃するほど攻撃力が上がり、別の場所を攻撃すれば元に戻る

 

弱点必中…攻撃した相手の弱点属性で攻撃する

 

交友関係…味方のバフの効果を少し上昇させる

 

水の舞…水に対する耐性が増加し、水属性攻撃の効果を増大させる

 

天光…光属性攻撃の威力が1.5倍に上昇する

天槍 ロンゴミアント装備時のみ

 

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ジン

 

弱点攻撃…攻撃することで相手の弱点が分かり、それ以降の攻撃が全てその弱点属性の攻撃となる。強いスキルだが、発揮するためには最初に一撃を与えなければならない

 

水の舞…水に対する耐性が増加し、水属性攻撃の効果を増大させる

 

煉獄…火属性攻撃の威力が1.5倍に上昇する

※焔装備時のみ

 

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ルシュ

 

雷耐性増加…雷属性攻撃に対するダメージを軽減する

 

水の舞…水に対する耐性が増加し、水属性攻撃の効果を増大させる

 

双子…全ての魔法攻撃が同時に2回発動する

 

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コヨミ

 

武神…武器を装備することで一定時間攻撃力が1.2倍される

 

破砕…相手の装甲や鎧、盾などの身を守るものを破壊することができる

 

闘魂…致死的ダメージを受けた時、HPを1だけ残して耐えることができる

 

火事場の馬鹿力…自分のHPが少ない場合、次の一撃だけ1000%の火力で攻撃することができる。ただし、1000%の火力は一撃だけなので、一度攻撃すればそれ以降は普通の攻撃力に戻る

 

特殊能力:死への誘い…敵に攻撃することで5からカウントダウンが始まり、0に近づくほど攻撃力が増加する。0になると攻撃力が最大となり、特殊スキル:(あお)灯火(ともしび)を発動することができる

 

魔神の眼…天魔神による攻撃耐性を低下させる

※天魔神の斧装備時のみ

 

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ナギ

 

受け身…敵の攻撃を受けると防御力が上昇する

 

最後の砦…味方がやられ、自分だけが残った場合、HPと防御力が大幅に上昇する

 

浄化…状態異常を受けた時、一度だけ完全回復する

※光の盾装備時のみ

 

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シン

 

受け身…敵の攻撃を受けると防御力が上昇する

 

最後の砦…味方がやられ、自分だけが残った場合、HPと防御力が大幅に上昇する

 

魅惑…相手を魅了して行動不能にする

※水鏡の盾装備時のみ

 

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ルーラ

 

集中…相手を狙撃する際に最初の一発目だけ無反動で撃つことができる

 

気配消失…敵が近くにいる場合、相手に見つからず背後を取ることができる。ただし、3人倒すことでこの効果は消える

 

心眼…弾丸にあらゆる鎧を貫通させる効果が付与される。ただし10発までで、重複しない

 

レーザー弾…全ての弾丸が防御無視となる

 

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ゼディ

 

水の舞…水に対する耐性が増加し、水属性攻撃の効果を増大させる

 

双子…全ての魔法攻撃が同時に2回発動する

 

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第1層 はじまりの世界
第1話 ログイン


場所…結衣の部屋

 

???「ねぇ結衣〜。ちゃんと買ってくれた〜?」

 

結衣「買ったよ。お母さんから物珍しい目で見られたよ…」

 

???「ふっ…だろうね。結衣はゲームなんてしないもんね」

 

結衣「うん。私も買うのに少し抵抗あったけど花蓮が絶対やってって言うから…」

 

花蓮「でもあれは絶対楽しいよ!結衣だって絶対ハマるから!」

 

結衣「だといいけど…」

 

主人公 結衣は友達の花蓮と電話でお話をしていた。

 

結衣「でもこれっていつ始まるの?」

 

花蓮「え?もう始まってるよ?3日前から」

 

結衣「え?3日前?」

 

花蓮「そう!だから急かしたの!」

 

結衣「え〜…というか花蓮はこのゲームやってるの?」

 

花蓮「ううん。やってない」

 

結衣「え、じゃあ何で私に買わせたの…」

 

花蓮「結衣と一緒にしたいから!」

 

結衣「でも花蓮やってないって…」

 

花蓮「買ったには買ったんだけど、お母さんに止められた…」

 

結衣「え?何で?」

 

花蓮「最近テストの点数低いから点数上がるまでダメって…」

 

結衣「え、次のテストもうすぐだけど大丈夫なの?」

 

花蓮「大丈夫!大丈夫!ちゃんと点数上げるから!」

 

結衣「はぁ…」

 

花蓮「それでさ結衣」

 

結衣「何?」

 

花蓮「私のために先にログインしててくれない?」

 

結衣「え?何で?」

 

花蓮「結衣が先にやってくれてると、あとで聞いて効率よく動けると思うから」

 

結衣「ゲームの経験がない私に先にしろと…」

 

花蓮「そう!だからお願い!」

 

結衣「はぁ…分かったよ…やってみる」

 

花蓮「ありがとう結衣!月曜日にどうだったか聞くからね!」

 

結衣「はいはい…あなたは勉強頑張ってね」

 

花蓮「分かった!じゃあ切るね!」

 

結衣「うん。またね」

 

ピッ…

電話が切れた。

 

結衣「…はぁ…何で初心者の私が先にゲームしなきゃいけないの…」

 

結衣は机の上に置いてある大きなヘルメットのようなものと手袋を手に取った。

 

結衣「というか、ゲームするだけに何でこんなものが必要なの?これヘルメットでしょ?それに厚い手袋も」

 

結衣はベッドに座ってヘルメットと手袋を置いた。

 

結衣「…あれ、というかゲームにはコントローラーってものが必要って聞いたけど、どこにあるの?」

 

結衣は箱の中を見た。だが何も入っていなかった。

 

結衣「あれ、何も無い。不良品?説明書どこかな」

 

結衣は机の上にあった説明書を読んだ。

 

結衣「ふーん。コントローラーがこのヘルメットみたいなやつなんだ。そうなんだ」

 

結衣は説明書を置いてベッドに座った。

 

結衣「まず手袋かな」

 

結衣は手袋をつけた。

 

結衣「…なんか物を掴みにくいな…さて、あとはこのヘルメットかな?」

 

ガコッ…カチャ…

結衣はヘルメットもつけた。

 

結衣「わ、すごい…真っ暗だ。というかこれ目まで覆ってるけど大丈夫なのかな」

 

ブゥン…

すると目の前に画面が表示された。

 

結衣「わっ!何!?」

 

音声「コントローラーの接続が確認されました。ゲームにログインします」

 

ピピッ!

すると目の前が真っ白な光に包まれた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…白い空間

 

結衣「んっ…ん?あれ、ここは…」

 

そこは辺り一面真っ白な空間だった。他には何も無く、結衣以外誰もいなかった。

 

結衣「えっ…何ここ…」

 

音声「ゲームへのログインを確認しました」

 

結衣「!?」

 

すると先程聞こえた音声がまた聞こえた。

 

音声「ここでは、あなたがゲームにログインするためのステータスと職業を確認できる場所です。職業は様々。ステータスはご自身で好きなように振ることができます」

 

結衣「職業?ステータス?何それ…」

 

音声「ステータスはあなたの能力値になります。HP、MP、攻撃力、防御力、スピード、魔力、カリスマの7つの中から好きなようにポイントを付与することができます」

 

結衣「何それぇ…」

 

音声「まずは好きなようにポイントを振ってみてください。振ったステータスによって最適な職業の候補が挙げられます」

 

結衣「振る?」

 

ブゥン…

すると、一枚のパネルが表示された。

 

結衣「何これ…」

 

音声「画面をタッチしてステータスを振ってみてください」

 

結衣「振る?」

 

ポチッ

結衣は攻撃力のところを押した。

 

ピッ

すると、攻撃力のところにひとつポイントが付与された。

 

結衣「あ、こうやって押すことでポイントを振り分けることができるんだ。というか最初から振り分けるって言って欲しい…振るって言われるとシャカシャカ振るやつかと思ったじゃん…」

 

結衣はどのステータスに振るか考えていた。

 

結衣「うーん…ゲームってやったことないから分かんないなぁ…こんな時花蓮がいてくれたら教えてくれると思うんだけど…」

 

結衣が考えていると、あるステータスが目に入った。

 

結衣「カリスマ?何それ。目立つのかな?」

 

ピッ

結衣はカリスマを押してみた。すると、カリスマのところにポイントが振り分けられた。

 

結衣「ん〜…なんだろう…何か説明が欲しいんだけどなぁ…」

 

ピッピッピッ…ブゥン…

結衣が色々と画面を押していると何やら画面が切り替わった。

 

結衣「ん?攻撃力?攻撃力は相手に与えるダメージを増やせます。ですか」

 

ピッ…ブゥン…

結衣は画面の横にある矢印を押してみた。

 

結衣「防御力?防御力は相手の攻撃のダメージを減らせます。ですか」

 

ピッ…ブゥン…

結衣はまた矢印を押してみた。

 

結衣「スピード。相手より速く動くことができます。へー。私運動できないからいいかも」

 

ピッ…ブゥン…

結衣は矢印を押した。

 

結衣「魔力。魔法のダメージや効果を増やせます。ですか。魔法?魔法使いとかかな?」

 

ピッ…ブゥン…

結衣は矢印を押した。

 

結衣「カリスマ。モンスターを仲間にできる。ただし、ステータスは下がる。ですか。何でこれだけデメリットが書かれてるのかな。嫌がらせなのかな」

 

結衣は5つのステータスをどう振り分けるか考えていた。

 

結衣「私ゲームやったことないからなぁ…どう振り分けるのが正解なんだろ…」

 

ピッ…ブゥン…

結衣はもうひとつだけ画面を押してみた。すると、各ステータスの支持率が表示された。

 

結衣「支持率?えっと…HP77%、MP:64%、攻撃力97%、防御力93%、スピード83%、魔力89%、カリスマ0% 。あ、やっぱり攻撃力は上げたほうがいいのかな…って…え?0%?」

 

何故かカリスマだけ0%だった。

 

結衣「え?0%って…これは一種の嫌がらせなんじゃ…」

 

結衣はカリスマの低さに引いていた。

 

結衣「そりゃそうだよね。ステータスが下がるって分かってたら誰も選ばないよね。じゃあ私が選んじゃおうかな。ひとつだけ0%なんて可哀想だよ」

 

ピッピッピッ

結衣はカリスマに全てのポイントを振った。

 

結衣「…これで少しは支持率が上がって欲しいな…」

 

ブゥン…

すると画面が切り替わった。

 

結衣「えっ、何これ。魔物使い?」

 

画面には「魔物使い」と表示されていた。

 

結衣「うーん…これ以外にはなさそうだけど、これが私の職業になるのかな」

 

ピッ

結衣は魔物使いの説明欄を触った。

 

音声「魔物使いとは、このゲーム内に存在するモンスターを仲間にして戦う職業です。他の職業とは違い、自分ではなくモンスターが戦うので、強さはそのモンスター依存になります。プレイヤーのステータスが低く、自分がやられると、モンスターたちもやられる事になります。しかし、モンスターだけがやられた場合はすぐにモンスターが復活します。プレイヤーが倒れない限り、モンスターたちは戦い続けることができます」

 

結衣「な…なるほど…つまりは私がやられなければモンスターたちは負けても復活するんだね。私さえやられないようにすればいいわけね」

 

ピッ

結衣は決定ボタンを押した。

 

結衣「モンスターってどんなのだろ…怖いのかな…強いのかな…」

 

音声「職業とステータスを確認しました。プレイヤー名を決めてください」

 

結衣「プレイヤー名?名前のことかな」

 

ピッピッピッ

結衣は自分の名前である「結衣」という名前を入力した。

 

結衣「あ…」

 

結衣はある事を思い出していた。

 

結衣「確か花蓮が自分の名前はダメだって言ってたような…」

 

ピッピッピッ

結衣は自分の名前を消した。

 

結衣「名前…どうしようかな…自分の近い名前もダメなんだよね…う〜ん…」

 

結衣は少し考えて名前を決めた。

 

結衣「よしっ、これにしよ」

 

ピッピッピッ

結衣は名前を入力した。

 

音声「プレイヤー名を確認しました。ゲームにログインしますか?」

 

ピッ

結衣は「はい」のボタンを押した。

 

音声「では、ゲームにログインします。ようこそアリシアさん。リアルゲームオンラインの世界へ」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

※ここから、結衣の名前がアリシアになります。

アリシアは結衣のプレイヤー名となりました。

 

場所…第1層 はじまりの街

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

アリシアははじまりの街に降り立った。

 

アリシア「…えっ、えっ、どこ?ここ」

 

アリシアははじまりの街にある噴水の前に降り立った。

 

アリシア「えっ…えぇ…何ここ…どこか別の街なのかな…」

 

アリシアの周りにはたくさんの人がいた。剣を持ってる人や盾を持ってる人、杖を持ってる人など。

 

アリシア「わ、杖だ。あれは魔法使いかな…」

 

アリシアは初めて見る世界に驚きを隠せなかった。

 

アリシア「えっ…でもどうすればいいんだろ…ログインしたはいいけど…分からないよ…」

 

アリシアがオドオドとしてると近くにいた女性が声をかけてきた。

 

???「ねぇあなた。どうしたの?」

 

アリシア「!」

 

アリシアは声をかけられて戸惑っていた。

 

アリシア「あ、あの…えっと…」

 

???「もしかして初心者さんかな?」

 

アリシア「あ、えっと…はい…ゲームをするのが初めてで…」

 

???「あらそうなの。ということは初心者の中の初心者ね」

 

アリシア「は、はい」

 

話しかけてきた女性は何やら優しそうな雰囲気を放っている。

 

???「もしかして何したらいいか分からない感じかな?」

 

アリシア「えっと…はい…何も…」

 

ルシュ「じゃあ案内してあげる。私はルシュっていうの。よろしくね」

 

アリシア「えっと…結…あっ、アリシアといいます」

 

ルシュ「うん。アリシアさん。よろしくね」

 

アリシア「は、はい」

 

ルシュ「そういえば…」

 

???「おーいルシュー!」

 

ルシュ「?」

アリシア「!」

 

するとルシュさんが声をかけられた。声をかけたその人は体の大きな男性だった。しかも鎧みたいな硬そうな物を着ている。

 

???「次に行くクエストなんだけどさ…って、ん?誰だそいつ」

 

ルシュ「あ、この子は初心者さんなの。名前はアリシアっていうの。初期装備だからさっきログインしたばっかりだと思うの」

 

???「ほー。初心者か」

 

するとその男の人が顔を覗いてきた。

 

アリシア「!」

 

アリシアは怖くなってルシュさんの後ろに隠れた。

 

???「おっとっと」

 

ルシュ「ちょっと。初心者の子を怖がらせたらダメでしょ」

 

ジン「あっははは。すまんすまん。俺の名前はジン。剣士をしているんだ。よろしくな」

 

するとジンという名前の男の人が手を出してきた。

 

アリシア「えっ…と…よ…よろしく…お願いします」

 

ギュッ!

アリシアも手を出して握手をした。

 

ジン「ところでお前、何になったんだ?」

 

アリシア「えっ…何…とは」

 

ジン「職業だよ職業。ゲームにログインする前に決めただろ?ステータスと名前と一緒に」

 

アリシア「!」

 

アリシアは魔物使いのことを思い出した。

 

アリシア「あ、えっと…魔物使い…です」

 

ジン「魔物使い!?」

 

するとジンが大声で言った。アリシアは驚いて手を離した。

 

ジン「え!?お前魔物使いなのか!?カーッ!それだけはやめといた方がいいぞ!」

 

アリシア「えっ…何でですか?」

 

ジン「あれは一番ステータスが低くてな、しかもモンスターを捕まえねぇと始まらねぇんだ。腕に覚えのあるゲーマーもこぞってそれを選んだが、ことごとく撃沈してな。みんな新しいデータで職業を選び直したんだ」

 

アリシア「そ、そうなんですね…」

 

ルシュ「ちょっと!せっかくログインしてきたのにいきなりやめとけってそれ酷いでしょ!」

 

ジン「いやだってお前も知ってるだろ!?魔物使いのステータス!一番低いんだぜ!?」

 

ルシュ「それでもこの子が選んだんでしょ!やめとけってそれ一番言っちゃダメな言葉だからね!」

 

アリシア「えっと…その…ごめんなさい…」

 

アリシアはしょんぼりしてしまった。

 

ルシュ「ごめんね!全然悪くないよ!魔物使いはね、強いモンスターも仲間にすることができるんだよ!そうすれば誰にも負けない職業になる!だから大丈夫!」

 

アリシア「えっと…はい…」

 

ルシュ「あ、そうだ!私はね、これ!」

 

ピッ

ルシュは自分の職業を表示した。

 

アリシア「えっと…魔法使い?」

 

ルシュ「そう!魔法使い!私はね、魔法を使ってみたいなっていつも思ってて、このゲームが発売されてからすぐに魔法使いを選んだよ!」

 

アリシア「へぇ、よかったですね」

 

ルシュ「ねね!フレンド登録してくれないかな!?」

 

アリシア「フレンド…?友達のことですか?」

 

ルシュ「そう!フレンド登録してるとね、私がログインしてるかどうかとか、私に何かメッセージを送ったりもできるんだよ!ね!フレンド登録してもいい!?」

 

アリシア「え、えっと…はい…どうぞ」

 

アリシアは押されるがまま了承した。

 

ルシュ「じゃあこのパネルを出してみて」

 

アリシア「えっ…パネル?」

 

ジン「こうするんだよ」

 

ブゥン…

ジンが自分の目の前で手をかざすと、ジンのプレイヤー情報が書かれたパネルが表示された。

 

アリシア「えっと…こうかな」

 

ブゥン…

アリシアも同じことをすると、アリシアのステータス画面が表示された。

 

ルシュ「それじゃああとは…」

 

ピッピッピッ

ルシュは自分とアリシアの画面を操作してフレンド登録を済ませた。

 

ルシュ「はい!これで大丈夫だよ!」

 

アリシア「!」

 

すると、アリシアのフレンド欄にルシュという名前が書かれていた。

 

アリシア「えっと…これでお友達になったということでしょうか」

 

ルシュ「そう!お友達になったの!これからよろしくね!アリシアさん!」

 

アリシア「は、はい。よ、よろしくお願いします」

 

ジン「じゃあ俺のもフレンド登録してくれ」

 

アリシア「えっ」

 

ルシュ「あんたはダメでしょ」

 

ジン「何でだよ。お前がやったんなら俺もやるべきだろ」

 

ルシュ「あんたまたアリシアさんをいじめる気でしょ」

 

ジン「いじめねぇっての!」

 

アリシア「えっと…いいですよ」

 

ルシュ「え!?」

 

アリシア「えっと…やり方分からないのでやっていただけますか?」

 

ルシュ「えっ、大丈夫?この人さっきみたいに君を悪く言うかもしれないよ?」

 

ジン「てめぇ、マジではっ倒すぞ」

 

アリシア「えっと、いいですよ」

 

ルシュ「え〜…大丈夫なの…。もしこのバカに何か言われたら私に言ってね!コテンパンにしてあげるから!」

 

アリシア「は、はい…」

 

ジン「ほら、俺のも登録したぞ」

 

アリシア「!」

 

アリシアのフレンド欄にはジンの名前も書かれていた。

 

アリシア「えっと…ルシュさん、ジンさん。よろしくお願いします」

 

ルシュ「よろしくねアリシアさん!」

ジン「あぁ。よろしく」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシアは最初に何をするべきかをルシュとジンに相談していた。

 

ルシュ「そうねぇ、まずはここを出て少ししたところにモンスターいるからそれを倒してみない?」

 

アリシア「えっ」

 

ジン「そうだな。魔物使いはモンスターを手懐けてから初めてスタートラインに立つんだ」

 

アリシア「そ、そうなんですね…」

 

ルシュ「今から私たちと一緒に行ってみない?」

 

アリシア「えっ…でも…」

 

ルシュ「大丈夫!私たちがついてるから!」

 

アリシア「えっと…はい…」

 

アリシアは流されるまま了承した。

 

ルシュ「じゃあジン。この子と一緒にモンスターを倒してくるから。あなたはどうするの?」

 

ジン「俺はやることがある。もし俺が必要ならメッセージをくれないか?」

 

ルシュ「分かったわ」

 

スタスタスタ

ジンはその場をあとにした。

 

ルシュ「じゃあ行こっかアリシアさん!」

 

アリシア「は、はい!」

 

スタスタスタ

ルシュとアリシアは街の外に出た。

 

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場所…はじまりの草原

 

ルシュ「ここははじまりの草原って名前なの」

 

アリシア「はじまりの草原?」

 

ルシュ「そう。この世界にはマップごとに名前がつけられてて、ここが一番最初の場所なの。だから弱いモンスターしかいないから大丈夫だよ」

 

アリシア「は、はい…」

 

スタスタスタ

ルシュとアリシアはしばらく草原を歩いた。

 

数分くらい歩いたところでスライムが出現した。

 

アリシア「わっ!」

 

ルシュ「アリシアさん。あれがモンスターだよ」

 

アリシア「えっ、あれが…モンスター?」

 

ルシュ「そう。名前はスライム。一番最初のモンスターだよ」

 

アリシア「えっと…どうすれば…」

 

ルシュ「その腰に着けてる武器を装備して」

 

アリシアは腰に着けていた短剣を取り出した。

 

ルシュ「そしてあのスライムに攻撃するの」

 

アリシア「えっ!攻撃!?」

 

ルシュ「そう。攻撃するの。でないとモンスターをやっつけられないよ?」

 

アリシア「うっ…はい…やってみます」

 

ルシュ「その武器をテキトーに振り回してとにかくスライムに攻撃してみて!」

 

アリシア「は、はい!」

 

ザッ!

するとスライムが突進してきた。

 

アリシア「わああああ!来たああああああ!」

 

ブンブンブンブンブン!

アリシアはこれでもかと言わんばかりに短剣を振り回した。

 

ズシャッ!

するとスライムにダメージを与えることができた。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとスライムが消えていった。

 

アリシア「っ…?あれ、スライムは…」

 

ルシュ「すごいよアリシアさん!スライムをやっつけた!」

 

アリシア「えっ…やっつけた…?」

 

ルシュ「そうだよ!アリシアさんがやっつけたんだよ!」

 

アリシア「え、あっ…そうなんですね…」

 

キン!

すると甲高い音が聞こえた。

 

ルシュ「ん?何の音だろ」

 

ルシュが近くの茂みを探した。

 

ルシュ「あっ!メダル見つけた!」

 

ルシュはメダルを持ってアリシアに駆け寄った。

 

ルシュ「ほら見てアリシアさん!メダルだよ!」

 

そう言ってルシュはスライムのイラストが書かれたメダルを見せてきた。

 

アリシア「えっ…えっと…これは…」

 

ルシュ「これはさっきやっつけたスライムだよ!アリシアさんが倒したから仲間になったの!」

 

アリシア「えっ…傷つけたのに仲間になるんですか…」

 

ルシュ「そう!魔物使いってね、モンスターを倒して自分の仲間になってもらうの!それで、いっぱいモンスターを倒してどんどん仲間を集めるの!どう!?すごくない!?」

 

アリシア「!」

 

アリシアは何故か救われた気がした。

 

ルシュ「はいこれ!アリシアさんの初めての仲間だよ!」

 

アリシアはルシュからスライムのメダルを受け取った。

 

アリシア「えっと…これが私のモンスターでしょうか」

 

ルシュ「うん!出してみて!」

 

アリシア「えっ…出してって…やり方分かんないですよ…」

 

ルシュ「声かけてみたら?」

 

アリシア「えっ…」

 

ルシュ「出てきて〜みたいな」

 

アリシア「え、えっと…じゃあ…出てきて〜」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

するとメダルからさっき倒したスライムが現れた。

 

アリシア「わっ!ほんとに出てきた!」

 

ルシュ「ほらね!やっぱりアリシアさんの仲間だよ!よかったねアリシアさん!」

 

アリシア「わ…私の…仲間…」

 

アリシアはスライムに手を出した。するとスライムはアリシアの手に頬ずりをした。

 

アリシア「ふふっ…」

 

アリシアは笑顔になった。

 

ルシュ「お、いいねぇアリシアさん。笑顔が一番だよ」

 

アリシア「えっ」

 

ルシュ「よしっ!もう一体やっつけに行こ!」

 

アリシア「え、あっ、はい!」

 

そうしてアリシアとルシュはもう一匹スライムをやっつけに行った。もちろんスライムを倒すことができ、仲間のスライムが2匹に増えた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…噴水がある広場

 

ルシュ「よしっ!スライムも仲間にできたしこれでとりあえずスタートラインだね!」

 

アリシア「は、はい!」

 

ルシュ「私これから用事があってこの場を離れちゃうんだけど、アリシアさん一人でも大丈夫?」

 

アリシア「えっと…はい!大丈夫です!」

 

ルシュ「じゃあ頑張ってね!もし何かあったら私にメッセージを送ってね!」

 

アリシア「は、はい!」

 

ルシュ「それじゃあね〜!」

 

タッタッタッ!

ルシュはその場をあとにした。

 

アリシア「えっ…えっと…じゃあ…もう一回行ってみようかな」

 

アリシアはもう一度はじまりの草原に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの草原

 

アリシア「よ…よぉし…つ、次は私一人で…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…ポン!

すると2匹のスライムがメダルから出てきた。

 

アリシア「わっ!」

 

アリシアは突然出てきて驚いていた。でも出てきたスライムたちはアリシアの足に頬ずりをした。

 

アリシア「…ふふっ…可愛い」

 

アリシアは2匹のスライムを撫でて愛でたのだった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「よしっ!行くよスラちゃん!スラくん!」

 

アリシアはスライムを愛でたあと、仲間を集めるためにモンスターをやっつけに来た。今度の相手もスライムだった。

 

アリシア「行けー!スラちゃん!スラくん!」

 

ダダダッ!

スラちゃんとスラくんはスライムに突進した。するとスライムが消えてしまった。

 

アリシア「ど…どう…?」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

すると、スライムがその場から消えていった。

 

アリシア「やった!これでまた一枚メダルが増える!」

 

キン!

すると近くで甲高い音が聞こえた。

 

アリシア「あ、あれだ!」

 

アリシアは近くに落ちていたメダルを拾った。

 

アリシア「うーん…あと一匹仲間にしたいなぁ…」

 

そうしてアリシアはさっき倒したスライムをライムと名付け、あと一匹スライムを討伐しに向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「よしっ!君の名前はスラミ!」

 

アリシアは4体目のスライムの討伐に成功し、仲間として迎え入れることができた。

 

アリシア「えっと、スラちゃん、スラくん、ライム、スラミ…よしっ!4匹いる!」

 

アリシアは少し自信がついてきた。

 

アリシア「よしっ!少しずつ慣れてきた!このまま順調に行ってみよ!」

 

するとアリシアは近くにあったダンジョンに向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりのダンジョン

 

アリシアは初めてダンジョンに入った。ダンジョン内はロウソクの火が灯っており、中は比較的見えていた。

 

アリシア「こ…これは緊張するなぁ…」

 

スタ…スタ…スタ…

アリシアは少しずつ前に進んだ。

 

アリシア「これ、最後にたどり着いても倒せなかったら意味ないってことだよね…」

 

ギュッ…

アリシアはスラちゃんたちのメダルを握った。

 

アリシア「…できるかな。私に」

 

アリシアはどんどん奥に進んでいった。だがその途中で不思議な道ができているのに気づいた。

 

アリシア「これ…抜け道…なのかな」

 

その道は入口から一本道だったこのダンジョンには珍しかった。その道は今アリシアがいるところよりも細く小さくなっており、アリシア一人が限界くらいだった。

 

アリシア「ここ…狭っ…」

 

アリシアは覚悟を決めてその道に進むことにした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりのダンジョン 秘密の部屋

 

アリシア「わっ…なにここ…」

 

アリシアがついた部屋には金銀が散らばっており、その中に一層不思議な雰囲気を漂わせているものがあった。

 

アリシア「えっ!人だ!えっ…でも耳とか尻尾とかある…」

 

アリシアのが見たのは白い獣のような耳と尻尾が生えている人だった。しかもその人の顔には布が覆われていた。

 

アリシア (顔に布?…もしかして…死んじゃった人かな…?)

 

アリシアはとりあえずこの部屋にある金銀を回収し始めた。

 

アリシア「…」

 

金銀を集め終えたアリシアは何故かその倒れている人が気になっていた。

 

アリシア「えっと…起きる…よね…」

 

アリシアは顔にかかっている布を取ろうとした。

 

???「 (@_@) 」

 

ガバッ!

するとその人は急に体を起こした。

 

アリシア「わっ!!」

 

ドシン!

アリシアはそれに驚いて尻もちを着いた。

 

???「 ヾ(・ω・`;)ノ 」

 

するとその人はアリシアに駆け寄って何やらあたふたしていた。

 

アリシア「あ、えっと…大丈夫ですよ。ちょっと尻もちついただけなので」

 

???「 (´・ω・`) 」

 

アリシア「あの…あなた、名前は何ていうんですか?」

 

???「 (。-`ω´-) 」

 

その人は少し考える仕草をした。

 

???「 (( 'ω' 三 'ω' )) 」

 

そして顔が変わったと思うと、急に首を横に振った。

 

アリシア「あれ、名前が分からないんですか?」

 

???「 (( 'ω' 三 'ω' )) 」

 

アリシア「えっと、じゃあ名前が無いんですか?」

 

???「 (๑꒪▿꒪)*。_。)) 」

 

するとその人は首を縦に振った。

 

アリシア「あ、名前が無いんですね。それは困りました…」

 

???「 ( ー̀_ー́ ) 」

 

アリシア「あ、でしたら私が名前をつけましょうか?」

 

???「 Σ(゚ω゚ノ)ノ 」

 

アリシア「やっぱり名前はあった方がいいと思うんです。どうでしょうか?」

 

???「 m(*_ _)m 」

 

するとその人は急に頭を下げた。

 

アリシア「あ、えっと…いいってことかな…」

 

???「 (๑꒪▿꒪)*。_。)) 」

 

その人は首を縦に振った。

 

アリシア「分かりました!では…」

 

アリシアはその人をよく観察した。

 

アリシア「えっと…白い耳に、白い尻尾、白い布をつけているので、コハクという名前でいいですか?」

 

コハク「 (๑꒪▿꒪)*。_。)) 」

 

コハクは首を縦に振った。

 

アリシア「ではあなたの名前はコハク!よろしくね!コハク!」

 

コハク「 ( ´ω` )/ 」

 

ピピッ

するとアリシアの目の前に画面が映し出された。

 

アリシア「えっ、何これ。スキル:手懐け?」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

アリシア「このスキルはモンスターを倒さなくても仲間にすることができる。ただし、そのモンスターの条件をクリアしなければならない。だって」

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

アリシア「えっと…じゃあコハクの場合は名前をつけることが条件だったのかな?」

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

コハクは考える仕草をした。

 

アリシア「まぁ、なんでもいいや。これでモンスターを倒さなくても仲間にすることができるらしいよ!ならもうどんどん仲間にするしかないよね!」

 

コハク「 (`・ω・)b 」

 

アリシア「よしっ!あ、でもその前に一旦街に戻ろうかな」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

アリシア「ルシュさんにコハクのこと紹介したいから!」

 

コハク「 (`・ω・´)ゞ 」

 

アリシア「じゃあ行こっ!コハク!」

 

ピピッ

するとまたアリシアの目の前に画面が映し出された。

 

アリシア「えっ、なんだろ。ん?特性?」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

アリシア「特性:パートナーだって。これは、仲間になる時にメダルが出なかった場合に発生する特性。パートナーとして選ばれた仲間は他の仲間と違ってメダルによる召喚は不要で、あなたとずっと共に行動するようになる。倒されないというメリットはあるが、選ばれるのは一人だけというデメリットがある。だって」

 

コハク「 ( ¯꒳¯ ) 」

 

アリシア「つまり、私のパートナーはコハクってことなのかな?そう言えばメダルなかったし」

 

コハク「 (`・ω・)b 」

 

コハクは親指を立てた。

 

アリシア「そっか!じゃあよろしくねコハク!」

 

コハク「 (`・ω・´)ゞ」

 

こうしてアリシアとコハクははじまりの街に行くことにした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの街

 

アリシア「ここがはじまりの街って言うんだよ!」

 

コハク「 (@_@) 」

 

コハクは人の多さに驚いていた。

 

アリシア「あ!ほら!あの噴水にいる女性!あの人がルシュさんだよ!ルシュさーん!」

 

ルシュ「あ!アリシアさん!」

 

タッタッタッ!

アリシアは走ってルシュのところに行った。

 

アリシア「ルシュさん!ただいま戻りました!」

 

ルシュ「おかえりなさいアリシアさん!どうだった?」

 

アリシア「ルシュさん!実は紹介したい人がいまして!」

 

ルシュ「紹介したい人?」

 

アリシア「はい!こちら、私のパートナーのコハクと言います!」

 

コハク「 (*・ω・)*_ _) 」

 

コハクはルシュに頭を下げた。

 

ルシュ「コハクって言うんですね。どうぞよろしくお願いします」

 

アリシア「ルシュさん!実はこの人、本当は名前がなかったんですよ!」

 

ルシュ「えっ、じゃあアリシアさんが?」

 

アリシア「そうです!私が名前をつけました!」

 

ルシュ「いい名前ね!コハク!いい響きね!」

 

アリシア「やったねコハク!褒められたよ!」

 

コハク「 (,,・ω・,,)」

 

コハクは照れた。

 

ルシュ「そういえばこの子は何をするの?」

 

アリシア「あ、まだ何するかは知らないんです。さっき会ったばかりなので」

 

ルシュ「ふーん。じゃあこの子もやっつけて仲間にしたってことね」

 

アリシア「あ、実は違うんですよ」

 

ルシュ「え?」

 

アリシア「新しいスキルで仲間にしたんです!」

 

ルシュ「スキル?見せてくれる?」

 

アリシア「はい!」

 

ピッ

するとアリシアのステータス画面が表示された。

 

ルシュ「ふむふむ。スキル:手懐け。このスキルはモンスターを倒さなくても仲間にすることができる。ただし、仲間にするにはそのモンスターの出す条件をクリアしなければならない…と」

 

アリシア「そうです!」

 

ルシュ「ん?特性もひとつあるね。特性:パートナー?」

 

アリシア「あ、そうです!」

 

ルシュ「この特性はメダルから召喚される仲間と違い、常にあなたと行動し、あなたを守ってくれる。メダルによる召喚は不要で倒されることはないが、一人しか選ばれない。条件は戦闘なしでの仲間への勧誘。…ってなるほどね」

 

アリシア「どうですか?」

 

ルシュ「いや、…え?倒されないってどういう事?やられないって事?」

 

アリシア「えっと…多分そういう事なのかなと」

 

ルシュ「え、いや…えっ?それってチートなんじゃ…」

 

アリシア「チート?」

 

ルシュ「えっ…大丈夫なのかな…それ…」

 

アリシア「えっと…何か不都合があるのでしょうか」

 

ルシュ「うん…これが運営に認知されたら間違いなく弱くされちゃうよ」

 

アリシア「え!」

 

ルシュ「アリシアさん!もしコハクさんとずっとパートナーでいたいなら、コハクさんが倒れないようにしてあげて!」

 

アリシア「た、倒れないように?」

 

ルシュ「そう!ダメージを受けすぎるとこの特性がバレちゃうかもしれないからなるべく無傷で戦いを終わらせた方がいいよ!」

 

アリシア「わ、分かりました…バレなきゃいいんですよね…」

 

ルシュ「そう!お願いね!」

 

アリシア「は、はい!」

 

ルシュ「君も!なるべくダメージは受けないこと!受けすぎると運営に認知されちゃうから!ね!」

 

コハク「 (`・ω・´)ゞ」

 

ルシュ「よしっ。2人はこのあとどうするの?」

 

アリシア「あ、私は今日は終わろうかなと」

 

ルシュ「そっか。じゃあまた明日来てね。今度は私と一緒にダンジョンに入ろっ!」

 

アリシア「はい!よろしくお願いします!」

 

ルシュ「あ、ログアウトの仕方わかる?」

 

アリシア「あ、分かりません」

 

ルシュ「えっとね、ここを押してここを押せばできるよ」

 

アリシア「ありがとうございます!それではまた明日!」

 

ルシュ「うん!待ってるからね!」

 

アリシア「はい!」

 

ピッ

アリシアはログアウトボタンを押した。

 

音声「ログアウトします。お疲れ様でした」

 

するとアリシアはまた目の前が真っ暗になった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…結衣の部屋

 

結衣「あれ、真っ暗だ」

 

カポッ

結衣はヘルメットを外した。

 

結衣「あ、取れた。ん〜〜〜〜すごい楽しい!」

 

結衣はこのゲームに大満足だった。

 

結衣「こんなゲームあるんだ!これなら続けられそう!」

 

結衣は時計を見た。時刻は0:17を指していた。

 

結衣「あ、もう0時だ。今日はこのくらいにして寝よっ!明日は何しよっかな〜」

 

こうして結衣は明日に備えて眠ることにした。




〜物語メモ〜

主人公
この物語の主人公は結衣という高校生。ゲームをした事がなく、今回、友達の花蓮に誘われて渋々ゲームを購入してみた。少し戸惑いながらもゲームを進めていくうちにゲームの楽しさに目覚め、逆に結衣から花蓮にゲームに誘うようになる。

アリシア
結衣のプレイヤー名。ゲームを始める前に花蓮から本名はダメと言われたため、何とか自分の名前に被らないよう考えた。

魔物使い
結衣がゲームにログインする前に選んだ職業。カリスマのステータスのみにポイントを振ることで選ぶことができる。
魔物使いは他の職業と比べてステータスが低い。しかも強さは仲間にしたモンスターに依存する。つまり、弱いモンスターを仲間にすれば自分の弱さと相まってすぐにやられる。
過去にこの職業を選んだ人はいるが、あまりの弱さに断念してしまい、今では支持率0%になっている。(結衣が選んだことで、今は0%じゃなくなった)

ルシュ
結衣がゲームにログインして初めて話した女性プレイヤー。職業は魔法使い。

ジン
ルシュと一緒に行動している男性プレイヤー。職業は剣士。

スラちゃん
アリシア(結衣のプレイヤー名)が最初に仲間にしたスライム。

スラくん
アリシアが2番目に仲間にしたスライム。

ライム
アリシアが3番目に仲間にしたスライム。

スラミ
アリシアが4番目に仲間にしたスライム。

コハク
アリシアのパートナー。他のスライムたちと違って戦闘なしで仲間になった。

スキル:手懐け
このスキルは本来、モンスターを倒すことでモンスターを仲間にする魔物使いだが、戦闘なしで仲間にすることができるスキル。
全体的にステータスが低い魔物使いにとってはありがたいスキルだが、仲間にするにはそのモンスターが出す条件をクリアする必要がある。

特性:パートナー
これは魔物使いにしかない特性。魔物使いはモンスターを倒すことでそのモンスターのメダルを獲得し、メダルからモンスターを召喚して戦う職業である。しかし、魔物使いはメダルの召喚を必要とせず、常に一緒に行動する仲間を得ることができる。それがパートナーである。条件は戦闘なしでの仲間への勧誘。パートナーとなったモンスターは倒れることがなく、常に主を守ろうとする。ただし、パートナーとなるのは一人だけ。


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第2話 はじめてのダンジョン攻略

ここでちょっとお知らせです。

文章の途中で出てくる

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
↑この線ですが、これは場面が変わっていることを示しています。

場面が変わる際に場所も変わっていればこの線の下に「場所…」と書きますが、変わっていなければ何も書いていません。

お知らせは以上です。


ー翌日ー

AM 9:00

 

結衣「よしっ!今日もやろっと!お昼までかな」

 

カポッ

結衣は手袋とヘルメットをつけてベッドに横になった。

 

結衣「今日はルシュさんと一緒にダンジョン攻略してみたいなぁ」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

すると結衣は白い光に包まれた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…第1層 はじまりの街 噴水のある広場

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

アリシアがログインした。

 

アリシア「さて、ルシュさんはいるのかな」

 

アリシアは周囲を見渡した。だがルシュは見当たらなかった。

 

アリシア「あれ、いない。えっと…確かこうすればルシュさんが何してるのか分かるんだよね」

 

ブゥン…

アリシアは自分のステータス画面を開いた。

 

アリシア「それでここを押すとフレンドって文字があってこれを押せば」

 

ピッ

アリシアはフレンド一覧の画面を開いた。

 

アリシア「えっと…ルシュさんは…これかな」

 

ピッ

アリシアはルシュのステータス画面を開いた。

 

アリシア「あ、ルシュさんどこか行ってるみたい。なんだろ。ダンジョンってやつなのかな」

 

ブゥン…

アリシアは画面を閉じた。

 

アリシア「じゃあ私も昨日行ったダンジョンに入ってみようかな。昨日はコハクを仲間にして終わったし。…あれ、そういえばコハクは?」

 

アリシアはコハクがいないことに気づいた。

 

アリシア「あれ、確かパートナー?って特性があるからずっと一緒にいるはずだよね?でもどこにもいないよ?」

 

アリシアがキョロキョロしていると、遠くから見覚えのある白い耳と尻尾が生えている人物を見かけた。

 

アリシア「あっ!いた!コハクー!」

 

コハク「 (´⊙ω⊙` ) 」

 

ブンブンブン!

コハクは大きく手を振った。

 

タッタッタッ!

アリシアはコハクに駆け寄った。

 

アリシア「おはようコハク!」

 

コハク「 (`・ω・)b 」

 

コハクは親指を立てた。

 

アリシア「そういえばコハク、何してたの?」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

ゴソゴソ…

コハクは自分の腰につけている袋を取り出した。そしてアリシアに差し出した。

 

アリシア「えっ、何?これ」

 

コハク「 ( *´꒳`*) 」

 

アリシア「私にくれるの?」

 

コハク「 *゚∀゚)*。_。) 」

 

コハクは首を縦に振った。

 

アリシア「あ、ありがとうコハク」

 

ジャラッ…

アリシアはその袋の異様な感触に少し驚いた。

 

アリシア「えっ…何が入ってるんだろ…」

 

アリシアはそーっと中を見た。

 

アリシア「こ…これって…」

 

中には金貨が何枚も入っていた。

 

アリシア「ね、ねぇコハク」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

アリシア「これって…お金?」

 

コハク「 (*´ω`*) 」

 

コハクは首を縦に振った。

 

アリシア「え、どこから手に入れたの?誰かのを盗んだんじゃないよね?」

 

コハク「 (・ω・* 三 *・ω・) 」

 

コハクは辺りを見渡した。

 

コハク「 (´・ω・`) 」

 

するとコハクは何やら落ち込んだ仕草をした。

 

アリシア「コハク?どうしたの?」

 

コハク「 ( *˙ω˙*)و 」

 

ギュッ!

するとコハクはアリシアの手を取った。

 

アリシア「え?どうしたのコハク?」

 

コハク「 (っ `꒳´ c) 」

 

タッタッタッ!

そして2人は近くの草原に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの草原

 

コハク「 ( *´꒳`*) 」

 

コハクは木の枝を見せてきた。

 

アリシア「木の枝?それで何するの?」

 

カキカキカキ

するとコハクは地面に文字を書き始めた。

 

アリシア (あ、筆談。そういえばコハクって会ってから一度も喋ってないような…声が出せないのかな)

 

コハク「 ( *¯ ꒳¯*) 」

 

アリシア「ん?」

 

アリシアは地面に書かれた文字を読んだ。

※ここからは筆談になるので「」→『』に変わります。

筆談→『』、筆談じゃない→「」

 

コハク『そのお金は、昨日主様が私の近くで取ってた金銀を換金したものですよ』

 

アリシア「あ、あのコハクの近くに落ちてた…」

 

コハク「 (๑꒪▿꒪)*。_。)) 」

 

コハクは頷いた。

 

アリシア「え、じゃあわざわざお金に変えてくれたんだ!」

 

コハク「 (*´ω`*) 」

 

コハクは頷いた。

 

アリシア「ありがとうコハク!」

 

ギュッ!

アリシアはコハクに抱きついた。

 

コハク「 ( *¯ ꒳¯*) 」

 

コハクは喜んでいた。

 

アリシア「それでこれって、いくらになるの?」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

アリシア「あ、自分の持ち物見れば分かるのかな?」

 

ブゥン…

アリシアは自分のステータス画面を開いた。

 

アリシア「えっと…37万…えっ!?37万!?」

 

アリシアは二度見した。

 

アリシア「コハク…これ…」

 

コハク「 ( *¯ ꒳¯*) 」

 

コハクは少し誇らしげだった。

 

アリシア「こ…こんな大金…私が持ってていいのかな…」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

アリシア「だ、誰かお金を持ってない人に…」

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

カキカキカキ

コハクは地面に文字を書いた。

 

コハク『それ、主様が拾った金銀で換金したものですよ。なので、主様が持っていてください』

 

アリシア「え、えっと…あ、ありがとね。コハク…」

 

コハク「 ( *^꒳^*) 」

 

コハクは喜んだ。

 

アリシア「あ、そうそうコハク!今日ね!ルシュさんと…」

 

ルシュ「おーい!アリシアさーん!」

 

アリシア「あ!」

 

アリシアはコハクの後ろから歩いてくるルシュに気づいた。

 

アリシア「ルシュさーん!」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

コハクはその声に反応して後ろを振り返った。すると、ジンとルシュが2人で歩いているのが見えた。

 

コハク「 ( ˘ •ω• ˘ ) 」

 

コハクは何故かムスッとした顔になった。

 

アリシア「ルシュさんジンさん!おはようございます!」

 

ジン「おはよう。えっと、アリシアだっけ?」

 

アリシア「はい!」

 

ルシュ「アリシアさんおはよー!」

 

アリシア「おはようございます!ルシュさんとジンさんは朝早いですね」

 

ルシュ「まぁね、誰かに先を越されたら嫌だから」

 

アリシア「先を越される?何かあったんですか?」

 

ジン「このゲームはダンジョンをクリアすると、その職業に合った装備やスキル、特性が得られる仕様になってるんだ」

 

アリシア「へぇ、そうなんですね」

 

ジン「で、こいつが行きたがってたダンジョンが結構当たりなダンジョンでな、さっきそこに行ってたんだ」

 

アリシア「当たりのダンジョン…ですか。もしかしてハズレとかも?」

 

ジン「まぁ、ハズレというか、弱い特性が手に入ったりすると、あまり良いダンジョンとは言えないな」

 

アリシア「あぁ、なるほどです」

 

ルシュ「でもアリシアさんは今日私とダンジョンに行く約束してるもんねー!」

 

アリシア「はい!昨日コハクを見つけたダンジョンに行こうかなと!」

 

ルシュ「やった!行こっ!行こっ!ジンはどうする?」

 

ジン「あーそうだなぁ…せっかくだし行くか」

 

アリシア「ありがとうございます!」

 

ルシュ「じゃあ早速行こっ!」

 

アリシア「はい!行こっ!コハク!」

 

コハク「 (。'-')(。,_,) 」

 

コハクは頷いてアリシアの後ろをついていった。

 

ジン (あいつ…あれがモンスターだってのか?)

 

スタスタスタ

ジンも後を追ってきた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりのダンジョン

 

アリシア「ここが昨日コハクと会ったダンジョンです!」

 

ルシュ「へぇここが」

 

ジン「でもここなら何回か見たな」

 

ルシュ「そうなの?」

 

ジン「あぁ。なら俺が先導してやろうか?」

 

ルシュ「どうする?アリシアさん」

 

アリシア「えと、じゃあお願いします!」

 

ジン「おっしゃ!じゃあ行くぜ!」

 

スタスタスタ

ジン、ルシュ、アリシア、コハクの順番でダンジョンに入っていった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりのダンジョン 内部

 

ジン「このダンジョンは優しくてな、一本道なんだよ。最下層まで」

 

ルシュ「え!?一本道!?すごい簡単じゃん!」

 

ジン「あぁ。俺も剣士に必要なスキルが得られるまでずっと周回してたぜ」

 

ルシュ「へー。じゃあ頼りにしてるよジン」

 

ジン「おう!」

 

アリシア (え、何回も周回してたんだ…え、でもコハクの事は見たことないのかな)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

しばらく歩くと、コハクが眠っていた秘密の部屋の入口にたどり着いた。

 

ジン「あとはここを降りていけば最下層だ」

 

ルシュ「へぇー」

 

アリシア「あ、ここですね。コハクと出会ったのは」

 

ルシュ「え?そうなの?」

 

アリシア「はい。ちょうどここなんですが」

 

アリシアは壁に向かって指さした。

 

ルシュ「どこどこ…ってただの壁だよ?」

 

アリシア「え?」

 

ジン「あぁ。俺もただの壁に見える」

 

アリシア「えっ?見えないんですか?この入口…」

 

ルシュ「うーん…見えないなぁ…」

 

とうやら昨日入った小さな入口はアリシアにしか見えていないようだった。

 

アリシア「あ、そうなんですね…」

 

ジン「もしかしたらそのコハクってやつを仲間にしたから見えなくなったのかもな」

 

ルシュ「確かにそうだね」

 

ジン「よしっ、最下層まであと少しだ。行くぞ」

 

スタスタスタ

ジンとルシュは最下層を目指して歩き始めた。

 

アリシア (おふたりには見えてないのかな…?)

 

スタスタスタ

アリシアとコハクもそのあとを追った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりのダンジョン 最下層

 

ジン「よし着いた。ここが最下層だ」

 

ダンジョンの最下層は上が吹き抜けになっており、さっきまでの道と比べてかなり広い空間になっていた。

 

アリシア「わぁぁ…すごい…」

 

ルシュ「で?ボスは?」

 

ジン「ボスなら…」

 

ドゴォン!

すると、地面から何かが出てきた。

 

ルシュ「えっ!何か出てきた!」

 

ジン「あいつの名前はドラゴン。ただのドラゴンだ」

 

アリシア「へぇ…ドラゴンって飛んでるイメージだったんですが、地面から出てくるパターンもあるんですね」

 

ジン「俺も最初はそう思った。多分、この場所が悪いんだと思う。ここじゃなかったら空でも飛んでただろうよ」

 

アリシア「へ、へぇ…」

 

ドラゴン「ガアアアアアアアアアアアア!!!」

 

ドラゴンが雄叫びを上げた。

 

ジン「さ!来るぜ2人とも!武器を装備しな!」

 

スッ!

ルシュは杖を装備した。

 

カチャッ!

アリシアは短剣を装備した。

 

コハク「 ( ̄-  ̄ ) 」

 

コハクは何もしなかった。

 

ドラゴン「ガァァァァァァァァァ!!」

 

ゴォォォォォォォ!

ドラゴンが炎の玉を放とうとした。

 

ジン「ルシュ!アリシア!下がれ!」

 

ルシュ「!」

アリシア「!」

 

ザッ!

ジンはすかさず2人の前に立ち塞がった。

 

ドォォォォォン!

するとドラゴンが炎の玉を放った。

 

ジン「こいっ!」

 

バコォン!

ジンはその炎の玉を防御した。

 

ジン「へっ、変わらねぇなお前」

 

ルシュ「ジン!大丈夫!?」

 

ジン「平気だ。何度も周回した」

 

アリシア「コハク!」

 

コハク「 (`・ω・´)ゞ 」

 

スタスタスタ

するとコハクがドラゴンに向かって歩き始めた。

 

ジン「おい!待てお前!あいつのブレスは!」

 

ビュン!

コハクはドラゴンの体に飛び乗った。

 

ドラゴン「!?」

 

コハク「 (ΦωΦ) 」

 

ググッ…

コハクは拳を握った。

 

アリシア「コハク!!」

 

ビュン!バゴォォォォォン!!

コハクが拳を振り下ろすと、その衝撃が地面まで届き、地面が少し陥没した。

 

ジン「!?」

ルシュ「!?」

アリシア「!!」

 

コハク「 ( *¯ ꒳¯*) 」

 

ドラゴン「ガッ…」

 

ドシン!

するとドラゴンが倒れてしまった。

 

コハク「 ✌︎︎(* ॑꒳ ॑*)✌︎︎ 」

 

コハクがダブルピースをした。

 

ジン「なっ…こいつ…」

 

ルシュ「アリシアさん…あの子…」

 

アリシア「コ…コハク…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ドラゴンを倒した一行は祭壇にある宝箱の前にいた。

 

ジン「ほら、これが報酬ってやつだ」

 

ルシュ「ほらアリシアさん。開けてみて」

 

アリシア「え!?私がですか!?」

 

ルシュ「だって倒したのアリシアさんだよ?アリシアさんが開けるべきだよ」

 

アリシア「倒したのはコハクですって…私じゃないですよ…」

 

ルシュ「じゃあコハクさんが開ける?」

 

コハク「 (( 'ω' 三 'ω' )) 」

 

コハクは首を横に振った。

 

ルシュ「ほら、コハクさんもこう言ってるし。アリシアさん開けて」

 

アリシア「えっと…いいの?コハク」

 

コハク「 ( ´˘`) -ᴗ-) 」

 

コハクは首を縦に振った。

 

アリシア「えっと…じゃあ…開けるね」

 

ギィィィィィィ…

アリシアは宝箱を開けた。

 

アリシア「…あれ?何も入ってませんよ?」

 

アリシアが開けた宝箱には何も入っていなかった。

 

アリシア「え?どういう事なのでしょうか」

 

ピピッ!

すると突然アリシアのステータス画面が開いた。

 

アリシア「えっ!なに!?」

 

ジン「このダンジョンの宝箱には何も入ってないんだ」

 

アリシア「え!?」

 

ジン「その代わり、開けた時に宝箱の効果が発動して、この場にいる人たちに最適な特性やスキルが与えられる」

 

アリシア「あ、あぁ…なるほど…そういう事でしたか」

 

ジン「もちろん得た特性は捨てることもできる。俺は欲しい特性があったから取れるまで周回してたんだ」

 

アリシア「どんな特性なんですか?」

 

ジン「これだ」

 

ピッ

ジンは自分のステータス画面を開いた。

 

アリシア「これですか?」

 

アリシアはジンのステータスに書かれている特性のうち、1つを指さした。

 

ジン「そうだ。弱点攻撃ってやつだ」

 

アリシア「弱点攻撃…ですか」

 

ジン「これは相手の弱点を突く攻撃でな、これを使えば相手の弱点が分かって、もう一度使えばその弱点に効果が変わるってやつだ」

 

アリシア「え、つまりどういうことですか?」

 

ジン「うーん。1回目はただの攻撃だが、2回目は相手の弱点を攻撃できるってことだ」

 

アリシア「じゃあ本領発揮するためには2回目攻撃する必要があるわけですね」

 

ジン「そうだ。ただ、2回攻撃できればその後はずっと相手の弱点で攻撃できるんだ」

 

アリシア「弱点ってなんですか?」

 

ジン「うーん…大体耐性が低いものが弱点になる。炎とか水とか」

 

アリシア「へーそうなんですね」

 

ジン「この特性はそういった弱点を探して付与してくれるものだ」

 

アリシア「おーそれは強いですね」

 

ジン「これを取るために何回周回したことか…」

 

アリシア「あはは…」

 

ルシュ「アリシアさんはどんな特性貰えたの?」

 

アリシア「えっと私は…」

 

ブゥン

アリシアは自分のステータス画面を開いた。

 

アリシア「あ、増えてる。薬草学と書いてますね」

 

ルシュ「薬草学?」

 

ジン「それこのダンジョンで一番レア度が低いやつじゃねぇか…」

 

アリシア「うーん…薬草系アイテムの効果が上がる…ですね」

 

ルシュ「つまり、回復させやすくなるってやつね」

 

アリシア「うーん…」

 

ジン「そういえばアリシアよ」

 

アリシア「はい。何でしょうか」

 

ジン「このダンジョンで得られる特性の一覧は見たか?」

 

アリシア「えっ、特性の一覧?」

 

ジン「これだ」

 

ピッ

ジンはこのダンジョンの報酬の一覧を表示した。

 

ジン「このダンジョンで得られる特性はこれだ。一番上は俺であれば弱点攻撃。その次は連撃だな」

 

ルシュ「私ならこれね」

 

ピッ

ルシュはこのダンジョンの報酬の一覧を表示した。

 

ルシュ「一番上が魔力消費激減って特性。次は解析ってスキル」

 

アリシア「え、おふたりで全然違う特性なんですね」

 

ジン「このゲームのダンジョンは各職業で報酬があるんだ。まぁ、それとは別に全職業で共通の特性もあるんだがな」

 

アリシア「へぇ…」

 

ルシュ「アリシアさんは?アリシアさんのはどんな感じ?」

 

アリシア「あ、えっと…」

 

ピッ

アリシアはこのダンジョンの報酬の一覧を表示した。

 

アリシア「えっと、一番上の特性が応援。2番目は呼び声ってスキルらしいです」

 

ジン「応援に呼び声?聞いたことない特性とスキルだな」

 

ルシュ「そりゃそうでしょ。魔物使いはアリシアさんだけなのよ?」

 

ジン「あ、確かに。んで?効果は?」

 

アリシア「効果…ですか」

 

ルシュ「この横にあるボタンを押すのよ」

 

ピッ

アリシアはそれぞれの特性の横にある本のようなマークを押した。すると、各特性の説明が表示された。

 

アリシア「えっと、応援は味方のモンスターを応援することでステータスを上昇させることができる。だそうです」

 

ジン「ほう。自分はあまりステータスが高くないからその分仲間のモンスターを強くしようって考えか。もうひとつは?」

 

アリシア「えっと、呼び声は仲間じゃないモンスターが稀に一緒に戦ってくれる。らしいです」

 

ジン「ほぅ、でも稀か…」

 

アリシア「しかも使えば助けてくれたモンスターたちは戦いが終わったらすぐに元いた場所に帰るらしいです」

 

ジン「なんだそりゃ、使えんのか?そのスキル」

 

アリシア「わ、分かりません…」

 

ルシュ「まぁいいじゃない。今回は初めて攻略できたわけだし」

 

ジン「だな」

 

ルシュ「アリシアさんはどうする?その特性持っとく?」

 

アリシア「はい!記念に!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

すると、祭壇の後ろに魔法陣が展開された。

 

ジン「お、ちょうど帰りの魔法陣が出てきたぞ」

 

アリシア「帰りの魔法陣?」

 

ルシュ「あそこに立ってこのダンジョンから出るのよ」

 

アリシア「あ、そうなんですね」

 

ルシュ「じゃ、行きましょ」

 

アリシア「はい!」

 

ジン、アリシア、ルシュは魔法陣の上に立って、はじまりの街まで転送された。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの街 噴水の広場

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

ジン、アリシア、ルシュが転送されてきた。

 

アリシア「わ…ほんとに帰ってきましたね…」

 

ルシュ「これがダンジョンの一連の流れかな」

 

アリシア「はぁぁ…ドキドキしました…」

 

ジン「何回か周回してたら慣れてくるからな。それまではずっと緊張してるさ」

 

アリシア「ですね!」

 

ルシュ「あ、そうそうアリシアさん」

 

アリシア「はい」

 

ルシュ「武器を作ってみない?」

 

アリシア「武器…ですか」

 

ルシュ「うん!ほら見て!」

 

カチャ

ルシュはアリシアの短剣を持った。

 

ルシュ「これ、刃こぼれしてるよ」

 

アリシア「えっ!?」

 

アリシアの短剣は少し刃こぼれしていた。

 

アリシア「ホントだ…どうして…」

 

ルシュ「初期武器って耐久性が低いから仕方ないよ」

 

アリシア「どうしよ…」

 

ルシュ「ふふっ…来て!私が紹介してあげる!!」

 

タッタッタッ

ルシュはアリシアの手を引いてある場所に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…カミラの鍛冶屋

 

ルシュ「ここだよ!」

 

アリシア「え、ここは…」

 

ルシュ「カミラの鍛冶屋!私とジンの行きつけのお店だよ!」

 

アリシア「お店?」

 

ジン「あぁ。俺たちはこの鍛冶屋で武器を作ってもらってる。この鎧も剣もそうだ」

 

アリシア「へぇ、そうなんですね」

 

ルシュ「入ろ!アリシアさん!」

 

アリシア「は、はい!」

 

ガチャ…カランカラン!

扉を開けると、扉の上に付けられている鈴のようなものが音を鳴らした。

 

カミラ「おや、いらっしゃい。ルシュにジン」

 

ルシュ「カミラさん。またお世話になります」

 

カミラ「ん?」

 

カミラはアリシアに気づいた。

 

カミラ「お世話ってその子のこと?」

 

ルシュ「そうです!」

 

アリシア (あの人が…カミラさん?)

 

その人は髪型がポニーテールでジンと同じくらいの長身の女性だった。

 

カミラ「そうか」

 

ガタッ

カミラはカウンターから出てきた。

 

アリシア「!」

 

カミラの身長はジンくらいあるため、アリシアは見上げなければならない。

 

カミラ「私の名前はカミラだ。ここで鍛冶屋をしている。よろしく」

 

アリシア「あ、はい。アリシア…です。よろしくお願いします」

 

カミラ「可愛い女の子じゃないか。ルシュ」

 

アリシア「か、かわっ…」

 

ルシュ「でしょ?でもこの子、昨日初めてログインしてきた初心者さんなの。しかもこのゲームが初めてのゲームらしいの」

 

カミラ「ほう。初めてでこのゲームを選ぶんだな」

 

アリシア「あっ…えっと…」

 

ルシュ「ねぇカミラ。この子に合う武器を作ってくれないかな」

 

カミラ「ん〜…アリシア、職業は?」

 

アリシア「えっと…魔物使い…です」

 

カミラ「魔物使いか…ん〜それなら…」

 

アリシア (あれ…この人、魔物使いを悪く言わない…もしかしたらいい人なのかも…)

 

カミラ「ちょっと武器見せて」

 

アリシア「えっ、あっ、はい!」

 

アリシアは短剣を鞘ごと渡した。

 

カチャ

カミラは短剣を抜いた。

 

カミラ「ん〜…刃こぼれが酷いな」

 

ルシュ「でしょ?」

 

カミラ「あぁ、これだと攻撃力は下がるだろうな」

 

ジン「いや、魔物使いはステータス低いから攻撃力なんて関係ねぇよ」

 

カミラ「はぁ…ジン。あんたその言葉をこの子に言ってないだろうね」

 

ジン「っ!」

 

ルシュ「いやカミラ!ジンったらログインしてきてすぐのこの子を魔物使いは弱いとか言ってたのよ!初めてやったゲームでアリシアさんが自分で決めた職業なのに弱いとか!」

 

ジン「おいルシュ!」ヒソヒソ

 

カミラ「ジン。あんたねぇ」

 

ジン「!」

 

カミラ「いい加減にしなさいよ。あんたが今こうしているのは私の武器と防具のおかげなのよ。それを理解してる?」

 

ジン「あ、当たり前だ!」

 

カミラ「それに初心者にその職業は弱いとか言われたらどう思うのよ。考えたことある?」

 

ジン「ぅっ…」

 

カミラ「あなたはもう少し話す言葉を考えた方がいいわよ」

 

ジン「す、すんません…」

 

カミラ「謝るのは私じゃないでしょ」

 

ジン「アリシアさん…すみません…」

 

アリシア「あ、いいですよジンさん。私が魔物使いじゃなかったらコハクに会えなかったでしょうし」

 

カミラ「コハク?誰?」

 

ルシュ「あ、コハクはアリシアさんのパートナーなんですよ」

 

カミラ「ほう。姿が見えないが?」

 

アリシア「え、コハク?」

 

シュバッ!

すると突然コハクが姿を現した。

 

カミラ「!?」

ルシュ「!」

ジン「!」

コハク「 (。´・ω・) 」

 

アリシア「この人がコハクです」

 

コハク「 ( ´˘`) -ᴗ-) 」

 

コハクは会釈をした。

 

カミラ「これは驚いた…いきなり現れるんだから…」

 

アリシア「いつもは一緒にいるんですけど。ねぇコハク、どこか行ってたの?」

 

コハク「 ( ´˘`) -ᴗ-) 」

 

コハクは頷いた。

 

カミラ「コハクは話せないのか?」

 

アリシア「はい。話せません。でも顔を覆ってる布を見れば大体分かりますよ」

 

カミラ「そうかい」

 

ピッ

コハクは自分のステータス画面を開いた。そしてコハクはある特性とスキルを指さした。

 

アリシア「ん?応援、呼び声?あれ、この2つって…」

 

ジン「あぁ。さっき行ったダンジョンで報酬になってたやつだな」

 

アリシア「コハク…どうして…」

 

ピッ…ブゥン

すると勝手にアリシアのステータス画面が開いた。

 

アリシア「えっ!私のステータス画面が!」

 

ピコッピコッ

するとアリシアの特性に「応援」とスキルに「呼び声」が追加された。

 

アリシア「えっ、特性とスキルが増えた!」

 

ジン「何!?」

ルシュ「嘘!?」

 

コハク「 ( *¯ ꒳¯*) 」

 

ジンとルシュがアリシアのステータス画面を見ると、アリシアの特性に「薬草学」「応援」、スキルに「呼び声」が書かれていた。

 

ルシュ「ほ…ほんとね…」

 

ジン「マジかよ…」

 

アリシア「コハク…これってどういうこと?」

 

コハク「 ( ´・ω・`) 」

 

ブゥン

コハクは自分のステータス画面を開いた。するとコハクの特性から「応援」とスキルから「呼び声」がなくなっていた。

 

アリシア「あれ、コハク…さっきの特性とスキルがなくなってるよ?」

 

ピッ

コハクはステータス画面の「特性」と書かれたボタンを押した。

 

アリシア「ん?」

 

コハク「 ( ˙꒳˙ ) 」

 

するとコハクは特性に書かれている「忠義」という言葉を指さした。

 

アリシア「忠義?これがどうしたの?」

 

コハク「 ( ˙꒳˙ ) 」

 

ピッ

コハクは「忠義」の説明欄を開いた。

 

アリシア「えっと、忠義。自分の主に自分が持っているスキルや特性を渡すことができる。一度に渡すスキルや特性の数が多ければ多いほど、スキルや特性を渡す回数が増えれば増えるほど自分のステータスが上昇し、主から得られるバフの効果も上昇させることができる。ただし、渡したスキルや特性は使えなくなる。だそうです」

 

ルシュ「へぇ、自分の持ってたあの特性とスキルをアリシアさんに渡したと…」

 

ジン「ちょっと待て。これ地味に書かれてるけど、一度に渡したスキルや特性が多いほどステータスが上昇するし、アリシアのバフの効果も上げることができるだと?」

 

カミラ「それに渡す回数も増えれば増えるほど自分のステータスが上昇して、なおかつバフの効果も上げられる…何よこれ…」

 

コハク「 ( ¯͈ ˘¯͈) 」

 

アリシア「あれ、でもこの2つってさっきのダンジョンでしか取れないものだよね?どうして持ってるの?」

 

コハク「 (・ω・* 三 *・ω・) 」

 

コハクは辺りを見渡した。すると、カウンターに紙とペンが置いてあるのを見つけた。

 

コハク「 (*´ω`*) 」

 

カキカキカキ

コハクはその紙とペンを持って文字を書き始めた。

 

コハク『さっき取ってきました。主様がこのお店に来て私を呼ぶ前に2つとも』

 

アリシア「えっ!」

ジン「何だと!?」

 

ルシュ「えっ…私たち…ここまで来るのにそんなに時間かかってないよね…」

 

ジン「あぁ…」

 

ルシュ「もしかしてあの噴水の広場に着いてからすぐに?」

 

コハク『いえ、私はみなさんが帰った後にまたダンジョンの入口に戻りましたよ。帰りの魔法陣は使わなかったので』

 

ルシュ「嘘っ…」

 

カミラ「とんだ仲間を連れてるね。アリシア」

 

アリシア「えっ…あっ…えっと…」

 

ルシュ「アリシアさん…この子…とんでもない子よ…」

 

ジン「あぁ…俺でも周回には少し時間がかかる…でもこの短時間で…しかもこの2つの特性を…」

 

アリシア「コハク…どうして…」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

カキカキカキ

コハクは紙に文字を書いた。

 

コハク『主様がこの2つが欲しいと思ってたからですよ』

 

アリシア「!?」

 

ルシュ「えっ?どういう事?」

 

コハク『私、主様の考えてることが分かるんです。テレパシーみたいに』

 

アリシア「えっ!?」

 

ルシュ「テ、テレパシーって…」

 

ジン「なんだこいつ…」

 

コハク『主様があの時この2つを欲しがってたので、さっき私が代わりに取ってきました』

 

アリシア「コハク…」

 

カミラ「え?自分のスキルや特性を渡せて自分の主の心の声も聞けるの?何それ。そんなモンスターいるの?」

 

ジン「いや、俺も聞いたことねぇよ」

 

ルシュ「私も…」

 

アリシア「コハク…ありがと…」

 

ギュッ…

アリシアはコハクを優しく抱きしめた。

 

コハク「 (*´ω`*) 」

 

なでなで

コハクはアリシアの頭を撫でた。ルシュとカミラはその様子を見ていた。

 

ルシュ「…いいわねぇ、この身長差」

 

ジン「あ?何言ってんだよルシュ」

 

ルシュ「だって見てよこれ。アリシアさんの頭がちょうどコハクさんの胸くらいなのよ?もうこれ神よね」

 

ジン「は?」

 

カミラ「…私も羨ましいわ」

 

ジン「え?」

 

カミラ「私もこれくらいの身長差に憧れるわ」

 

ジン「あんたの身長じゃ巨人くらいだろ」

 

ドカッ!

カミラはジンの頭に拳を振り下ろした。

 

ジン「うごぉぉぉぉぉぉぉ…」

 

ジンはあまりの痛さに悶絶していた。

 

カミラ「ジン。あなたは次から倍額払ってもらうから」

 

ジン「嘘っ!?」

 

カミラ「私のことを悪く言った罰よ」

 

ジン「マジかよ…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

カミラ「さて、まずはどんな武器にするかだね。アリシア」

 

アリシア「はい!」

 

カミラはアリシアに候補となる武器を探していた。コハクたちはその様子を見ていた。

 

カミラ「まずあんたが持ってる短剣。普通の剣と違って少し短いけど、その分速く攻撃できるわ」

 

アリシア「ふむふむ」

 

カミラ「次は杖。魔法使いとかがよく装備してるわ。自分の魔力を上げるには杖はもってこいの装備よ」

 

アリシア「杖…ですか」

 

カミラ「次は本ね」

 

アリシア「本!?」

 

カミラ「そう。これも魔法使い用の装備よ。杖よりかは魔力の上昇は落ちるけど、その分多くの魔法が使えるわ」

 

アリシア「でも私、技なんてないしましてや魔法なんて…」

 

カミラ「うーん…そうねぇ、じゃあこれなんかはどう?」

 

カミラは何やら木箱を取り出してきた。

 

カミラ「ほら」

 

カパッ

カミラが蓋を開けると、中には笛が入っていた。

 

アリシア「これは…笛…ですか?」

 

カミラ「そう。せっかく魔物使い用の武器を取り揃えていても、一人も魔物使いがいないからね、これも処分するものだったのよ」

 

アリシア「どういった効果があるんですか?」

 

カミラ「周辺のモンスターを引き寄せる効果がある。これを使えば自分からモンスターに会いに行かなくて済むし、アリシアの持ってる呼び声とも相性がいいんじゃない?」

 

アリシア「!!」

 

アリシアの「呼び声」という特性は仲間じゃないモンスターが稀に力を貸してくれるというスキルだった。

 

カミラ「どうだい?これはもう処分するものだからこのままタダで渡せるわよ」

 

アリシア「えっ!いいんですか!?」

 

カミラ「えぇ。唯一、あなただけが魔物使いだからね。大事に使ってね」

 

アリシア「はい!」

 

アリシアはカミラから笛を受け取った。

 

アリシア「あ、そうだカミラさん」

 

カミラ「なんだい?」

 

アリシア「これって、相手にダメージを与える武器じゃないですよね?」

 

カミラ「そうよ。あくまでモンスターのための武器ね」

 

アリシア「えっと…護身用になにか武器が欲しいんですが…」

 

カミラ「あ、その点は大丈夫よ。その笛は単にプレゼントってだけだからこれからあなたのために作る武器とは別なのよ」

 

アリシア「ホントですか!?」

 

カミラ「ほんとよ。さ、あなたが使う武器を選びましょうか」

 

アリシア「はい!」

 

その後アリシアはカミラといっぱい相談して、貰った笛と新たに短剣を装備することにした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの街 噴水の広場

 

ルシュ「いやぁ〜よかったねアリシアさん!」

 

アリシア「はい!こんなに良くしていただいて…」

 

ジン「でも防具はくれなかったんだな。ケチなやつ」

 

ルシュ「こらジン!そんなこと言ってるとまた怒られるわよ!」

 

アリシア「防具はまたの機会にお願いすることにします!でも今はこの短剣と笛のおかげで少し安心できますから!それにコハクもいるし!」

 

コハク「 (*´-`*) 」

 

コハクは照れた。

 

アリシア「あ、もうそろそろお昼ですね。私ここでゲーム終わりますね」

 

ルシュ「はーい!またね!」

 

ジン「次はもっと上のダンジョンに行くぞ」

 

アリシア「はい!」

 

ルシュ「アリシアさん!次もその次も私と一緒にダンジョン行こうね!」

 

アリシア「はい!分かりました!それでは!」

 

ピッ

アリシアはログアウトボタンを押した。

 

ブゥン…

するとアリシアの姿が消えた。

 

ルシュ「ふふっ、次にアリシアさんが来るのが楽しみになったわ」

 

ジン「俺もだ。もう少しだけ一緒にいようかな。面白そうだし」

 

コハク「 (´•ω•`) 」

 

コハクは何故かしょんぼりしていた。




〜物語メモ〜

コハクのコミュニケーション
コハクは基本、言葉を話しません。そのため、顔を覆っている布に出てくる顔や筆談でコミュニケーションを取ります。

筆談であれば『』←このようなカッコになります。
布に出てくる顔であれば「」←このようなカッコになります。

ダンジョン
この世界には様々なダンジョンがあり、その最下層にはボスキャラがいます。そのボスキャラを倒せば、各ダンジョンで設定されている報酬を得ることができます。その報酬は各職業専用のスキルや特性と全職業共通のスキルや特性になります。また、その際に宝箱に装備品が入っていれば、それを装備することも可能。
ちなみに、獲得したスキルや特性がいらなければ、捨てることもできる。

ドラゴン
アリシアがコハクに会ったダンジョンの最下層にいるボスキャラ。四足歩行で地を這うように移動する。炎の玉やブレスを吐く。

特性:弱点攻撃
ジンが所持している剣士専用のスキル。攻撃することで相手の弱点が分かり、それ以降の攻撃が全てその弱点属性の攻撃となる。
強いスキルだが、発揮するためには最初に一撃を与えなければならない。

特性:薬草学
アリシアが所持している全職業共通のスキル。薬草系の回復アイテムの効果が上昇する。(より回復する)

特性:連撃
最初のダンジョンの剣士専用スキルの報酬。攻撃を重ねるごとに攻撃力が上がる。ただし、攻撃が止めば元に戻る。

特性:魔力消費激減
最初のダンジョンの魔法使い専用スキルの報酬。消費する魔力を1/10に下げることができる。

スキル:解析
最初のダンジョンの魔法使い専用スキルの報酬。相手に効果がある属性魔法を知ることができる。

特性:応援
アリシアが所持している魔物使い専用のスキル。味方のモンスターを応援することで、モンスターのステータスを上昇させることができる。

スキル:呼び声
アリシアが所持している魔物使い専用のスキル。仲間になってないモンスター(野生のモンスター)が稀に力を貸して一緒に戦ってくれる。ただし、戦闘が終われば即座に元いた場所に帰る。

カミラの鍛冶屋
はじまりの街 噴水の広場から少ししたところにあるカミラが経営している鍛冶屋。ジンやルシュが武器を新調する時にいつも使っている。

カミラ
鍛冶屋を営んでいる女性。髪型はポニーテールで、身長はジンと同じ。身長差カップルに憧れがある。

特性:忠義
コハクが所持している特性。自分が持っているスキルや特性を自分の主に渡すことができる。
一度に渡すスキルや特性の数が多ければ多いほど、スキルや特性を渡す回数が増えれば増えるほど自身のステータスを上昇させることができる。
加えて、主から得られるバフの効果も上昇させることができる。
ただし、一度渡したスキルや特性は自分で使用することができなくなる。

武器:笛
アリシアがカミラから受け取った武器。笛を吹くことで、モンスターを引き寄せることができる。アリシアの「呼び声」というスキルと組み合わせると良い。


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第3話 骸の武士

場所…結衣の部屋

 

結衣「ふぅ、お昼ご飯も食べたしまたゲームしよっと」

 

カポッ

結衣はいつものコントローラーと手袋を装着した。

 

音声「コントローラーの接続が確認されました。ゲームにログインします」

 

シュゥゥゥゥゥゥ!

結衣の視界が白い光に包まれた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの街 噴水の広場

 

アリシア「よしっ!ゲームするぞー!」

 

アリシアはまず最初に「はじまりの草原」に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの草原

 

アリシア「あ、そういえば…」

 

アリシアは周囲を見渡した。

 

アリシア「やっぱり…コハクがいない…」

 

ガサゴソ…ガサゴソ…

アリシアは自分のポケットに手を入れてあるものを取り出した。

 

ジャラッ…

それは、スラちゃんたちのメダルだった。

 

アリシア「スラちゃんたちはちゃんといるね。あ、そういえばスラちゃんたちも特性とかスキルとかってあるのかな」

 

アリシアは少し考えていた。

 

アリシア「もしスラちゃんたちが他のモンスターと戦えばスキルとか増やせるのかも!」

 

タッタッタッ!

アリシアはスラちゃんたちのメダルを持って近くにいるモンスターまで走った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「よしっ!この子に決めた!」

 

アリシアの目の前にはイノシシのようなモンスターがいた。

 

アリシア「出てきて!スラちゃん!スラくん!ライム!スラミ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

すると、メダルからスラちゃんたちが出てきた。

 

???「!」

 

そのモンスターがこちらに気づいた。

 

アリシア「スラちゃん!スラくん!ライム!スラミ!あの子をやっつけて!」

 

ダダダダダダダ!

するとスラちゃんたちは一斉に走り出した。

 

???「ブルルルルルル!」

 

するとイノシシのようなモンスターもスラちゃんたちに向かって突進してきた。

 

ドシン!!

スラちゃんたちはイノシシのようなモンスターに体当たりをした。

 

???「ブルルルルルル!!」

 

ドカッ!ドカッ!ドカッ!ドカッ!

すると、イノシシのようなモンスターは牙を使ってスラちゃんたちを吹っ飛ばした。

 

アリシア「スラちゃん!スラくん!ライム!スラミ!」

 

吹っ飛ばされたスラちゃんたちは何とか立ち上がった。

 

アリシア「頑張れー!スラちゃん!スラくん!ライム!スラミ!」

 

ピピッ

すると突然変な音が聞こえた。

 

音声「特性:応援の発動を確認。仲間モンスターのステータスが上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥン!

すると、スラちゃんたちは急に元気になった。

 

アリシア「わっ!すごい!」

 

ダダダダダダダダ!

そしてスラちゃんたちはまたイノシシのようなモンスターに突進した。

 

???「ブルルルルルル!」

 

ドシン!

スラちゃんたちは4匹で同時に体当たりをした。

 

???「ブルッ!?」

 

イノシシのようなモンスターはさっきとは段違いに強くなったスラちゃんたちの体当たりに驚いた。

 

アリシア「いっけぇぇぇぇ!みんなー!」

 

ブゥゥゥゥゥン!

すると更にスラちゃんたちのステータスが上昇した。

 

???「ブルルルルルル!!」

 

ドシン!!

すると押し負けたのか、イノシシのようなモンスターが後ろに吹っ飛ばされた。

 

アリシア「やったぁ!スラちゃんたちすごい!!」

 

ビビッ…シュゥゥゥゥゥゥ…

するとイノシシのようなモンスターがその場から消えてしまった。

 

キン!

すると甲高い音が聞こえた。

 

アリシア「あ!この音は!」

 

タッタッタッ!

アリシアはイノシシのようなモンスターがいたところに駆け寄った。

 

アリシア「あった!メダルだ!」

 

アリシアは先程のモンスターのメダルを手に入れた。

 

ピピッ

するとまた変な音が聞こえた。

 

音声「新しいモンスターを仲間にしました。種族名:イノシシです」

 

アリシア「イノシシって…現実にもいるような名前だなぁ…」

 

アリシアはメダルを掌に置いた。

 

アリシア「決めた!君の名前はイノくん!」

 

ポワァァァァァ…

するとそのメダルはスラちゃんたちと同じように光った。

 

アリシア「よろしくね、イノくん」

 

ピピッ

また変な音が聞こえた。

 

アリシア「この音って何なんだろ。お知らせなのかな」

 

音声「特性:褒め言葉を獲得」

 

アリシア「褒め言葉?」

 

ピッ

アリシアは「褒め言葉」という特性の説明欄を開いた。

 

アリシア「褒め言葉。味方モンスターを褒めることで、信頼度を上昇させることができる。一定の信頼度を得ることで、新たなスキルと特性を得ることができる。ですか。つまり褒めればいいってことなのかな?」

 

音声「仲間モンスターが新たに特性を獲得しました」

 

アリシア「え?仲間モンスター?スラちゃんたちかな」

 

ピッ

アリシアはスラちゃんたちのステータス画面を開いた。

 

アリシア「あ!何かある!」

 

ピッ

アリシアはスラちゃんの特性を見た。

 

アリシア「えっと、特性:情熱。戦闘中にステータスが上昇した際、更に攻撃力を上乗せすることができる。ただし、戦闘が終われば元のステータスに戻る。なんだ!すごいスラちゃん!」

 

ピッピッ

アリシアはスラくんの特性を見た。

 

アリシア「特性:堅固。戦闘中にステータスが上昇した際、更に防御力を上乗せすることができる。ただし、戦闘が終われば元のステータスに戻る。あ、スラちゃんの防御力バージョンだ!スラくんもすごい!」

 

ピッピッ

アリシアはライムの特性を見た。

 

アリシア「特性:疾風。戦闘中にステータスが上昇した際、更にスピードを上乗せすることができる。ただし、戦闘が終われば元のステータスに戻る。ということはライムはスピードバージョンかな?ライムもすごいよ!」

 

ピッピッ

アリシアはスラミの特性を見た。

 

アリシア「特性:知性。戦闘中にステータスが上昇した際、更に魔力を上乗せすることができる。ただし、戦闘が終われば元のステータスに戻る。じゃあスラミは魔法使いみたいなのかな!?すごいなぁ、スラミも!」

 

ピッ

アリシアはスラちゃんたちのステータス画面を閉じようとした。

 

アリシア「あれ?なにこれ」

 

アリシアはさっき仲間にしたイノくんのステータス画面に「!」のマークがあるのに気づいた。

 

アリシア「イノくんにも新しい特性があるのかな?」

 

ピッピッ

アリシアはイノくんのステータス画面を開いた。

 

アリシア「特性:猛突進。味方に応援された際に気分が高まると、攻撃力とスピードが2倍に上昇する。ただし、防御力は少し下がる。だって!イノくんもすごい!私よりも強そう!」

 

ブゥゥゥゥゥン!

するとスラちゃんたちが光り出した。

 

音声「特性:応援が発動しました。特性:褒め言葉が発動しました」

 

アリシア「えっ!?戦闘中じゃないよ!?」

 

ダダダダダダダダダ!

するとスラちゃんたちが一斉にどこかへ走り出した。

 

アリシア「えっ!?スラちゃん!スラくん!ライム!スラミ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

するとメダルからイノくんが出てきた。

 

アリシア「イノくん?」

 

イノくん「ブルルルルルル!」

 

イノくんはアリシアに乗るように体を近づけた。

 

アリシア「えっ、もしかして、乗ってってこと?」

 

イノくん「ブルルルルルル!」

 

イノくんは頷いた。

 

アリシア「よしっ!分かった!お願いイノくん!あの子たちを追いかけて!」

 

イノくん「ブルルルルルル!」

 

ダダダダダダダ!

イノくんはアリシアを乗せてスラちゃんたちを追いかけた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン:瘴気の洞窟

 

ルシュ「なんか、瘴気の洞窟なんて名前だからどんな状態異常がくるのかと思ったら、全然大したことなかったね」

 

ジン「あぁ。心配して損したぜ。解毒ポーションとか麻痺ポーションとか色々買ったってのに」

 

ルシュ「まぁいいじゃない。これで下見も済んだし、次にアリシアさんが来ても遠慮なく勧められるよ」

 

ジン「あぁ。だな」

 

アリシア「待ってスラちゃん!スラくん!ライム!スラミ!」

 

ルシュ「?」

ジン「?」

 

ルシュとジンはアリシアの声が聞こえた気がした。

 

ルシュ「ねぇジン。今の声って」

 

ジン「あぁ。アリシアの声にそっくりだな」

 

ルシュ「もう来てるのかな!?」

 

ジン「うーん…どうだろ。さっきログアウトしたばっかだぜ?来るなら夕方とかじゃ」

 

ルシュ「いた!!」

 

ジン「!?」

 

ルシュが指さした方向にイノくんに乗ったアリシアが4匹のスライムを追いかけているところが見えた。

 

ジン「え?あれがアリシアか?」

 

ルシュ「絶対そうだよ!ほら!モンスターに乗ってるし!あんなことできるのアリシアさんだけだよ!」

 

ジン「えー?それでもイノシシに乗るか?普通」

 

ルシュ「いいから行こっ!早く!」

 

ジン「おおぉ、おう」

 

タッタッタッ!

ルシュとジンはスラちゃんたちを追いかけているアリシアを追いかけた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 棘の扉

 

ダダダダダダダダダ!

スラちゃんたちは変な扉があるところで止まった。

 

ダダダダダダダ!

イノくんとアリシアはようやくスラちゃんたちに追いついた。

 

アリシア「スラちゃんたち速いよ…」

 

アリシアはイノくんが走ってる間、ずっとイノくんに捕まってたから少し疲れていた。

 

ザッ!

アリシアはイノくんから降りた。

 

アリシア「ありがとうイノくん」

 

イノくん「ブルルルルルル!フシュゥゥゥゥ!」

 

アリシアはスラちゃんたちに歩み寄った。

 

アリシア「みんなどうしたの?あんなに走って。何かあるの?」

 

するとスラちゃんたちは一斉にその扉を見た。

 

アリシア「ん?」

 

その扉は何故か棘がいくつも生えており、触るのも気が引けるようなものだった。

 

アリシア「えっ…なにこれ…針?棘?」

 

ツンツン

アリシアはその扉に生えている棘をつついた。

 

アリシア「うーん…なんだろこれ…入れるのかな?」

 

アリシアは扉の窪みに指を入れた。

 

アリシア「ふんっぬぅぅぅぅぅぅ!」

 

アリシアは目一杯力を込めて扉を開けた。

 

ガシャン!

すると、扉が限界まで開いた。

 

アリシア「ふぁ…開いた…」

 

ダダダダダダダダダダ!

するとスラちゃんたちはまた一斉に走り出した。

 

アリシア「えっ!?ちょっ!待ってみんな!行くよイノくん!ついてきて!」

 

タッタッタッ!

アリシアとイノくんも後を追ってその扉に入った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

タッタッタッ!

あとからルシュとジンがその扉に着いた。

 

ジン「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 

ルシュ「こ…ここに…入ったみたいね…」

 

ジン「ふざっけんな…足速えっての…」

 

2人はずっとアリシアを走って追いかけていたため、すごく疲れていた。

 

ルシュ「でも…ここにいるのは間違いないよ…ほら、見て。扉も開いてる」

 

ジン「!」

 

ジンは棘の扉が開いてるのに気づいた。

 

ジン「確かに…でもあの扉…結構重かったよな…」

 

ルシュ「えぇ。しかも棘ばっかで嫌になるくらいだし」

 

ジン「あいつのステータスめっちゃ低いけど…あいつの力で開けられると思うか?」

 

ルシュ「分からない…でも、ずっと開かなかった扉が開いてるんだよ?ちょっと中見てみない?」

 

ジン「はぁっ?マジ?」

 

ルシュ「マジだよ…ほら、行くよ…」

 

ジン「へいへい…」

 

スタスタスタ

ルシュとジンは棘の扉に入っていった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 棘の扉 中間地点

 

アリシアは相変わらずイノくんと一緒にスラちゃんたちを追いかけている。

 

アリシア「スラちゃん!スラくん!ライム!スラミ!どこにいるのー?」

 

アリシアは現在、下へ続く階段を降りていた。イノくんはその後ろをついてくる。

 

アリシア「もうっ…あの子たち…どこに行ってるの…」

 

階段を降りたアリシアとイノくんはその先にスラちゃんたちがいることに気づいた。

 

アリシア「あ…いた…」

 

スタスタスタ

アリシアはスラちゃんたちのところまで歩いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 棘の扉 秘密の部屋の入口

 

アリシア「もう…みんな…早く帰るよ。ここにいたらモンスターに襲われるよ?」

 

するとスラちゃんたちは一斉に扉に目を向けた。

 

アリシア「えっ…これってまさか…また?」

 

スラちゃんたちは頷いた。

 

アリシア「もう…これで最後だからね…」

 

アリシアは扉にある窪みに指を入れた。

 

アリシア「んっしょ!」

 

ガラッ!

今度の扉はさっきと比べてものすごく軽かった。

 

アリシア「あえっ?簡単に開いた…って!ええっ!?」

 

スラちゃんたちはその部屋に入っていった。

 

アリシア「え、待って!イノくん行くよ!」

 

アリシアとイノくんもその部屋に入った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 棘の扉 下へ続く階段

 

ジン「おいおい…真っ暗じゃねぇか」

 

ルシュ「仕方ないでしょ?明かりなんて持ってきてないんだから。私の光で我慢しなさい」

 

現在ルシュとジンは下へ続く階段を降りていた。ただ、真っ暗なので、ルシュの魔法を使って足元を照らしていた。

 

ジン「なぁよ、ほんとにアリシアがここにいるのか?」

 

ルシュ「いる。絶対にいる。私見たもん」

 

ジン「はぁ…こうなるんだったらこの鎧外してくれば良かった…」

 

ルシュ「じゃあ外したら?裸のままボスモンスターに挑みなさい」

 

ジン「お前…結構悪女だよな」

 

ルシュ「こう見えても魔法使いだからね」

 

するとルシュとジンは少し広い空間に出た。

 

ジン「お、少し広いな」

 

ルシュ「うーん…あっあれ!」

 

ルシュはさらに下に続く階段を見つけた。

 

ルシュ「階段!階段あるよ!」

 

ジン「えぇ…まだ降りるのか…?」

 

ルシュ「アリシアさんがいるんだから行くよ!ほら!」

 

ジン「へいへい…」

 

スタスタスタ

ジンとルシュはさらに下に降りた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 棘の扉 最下層

 

ルシュ「ほら!最下層よ!」

 

タッタッタッ!

ルシュは足早に階段を降りた。

 

ジン「おい待てって!お前の光がねぇと見えねぇんだよ!おい!」

 

ジンは壁を伝ってゆっくり降りてきた。

 

ルシュ「うーん…」

 

ルシュはアリシアを探していた。

 

ジン「で?アリシアは見つかったか?」

 

ジンはあとから来た。

 

ルシュ「…いない」

 

ジン「はぁっ!?」

 

ルシュ「だって…ほら…」

 

ジンは周囲を見渡した。だがアリシアの姿はなかった。

 

ジン「マジか…ほんとにいねぇじゃん」

 

ルシュ「そんなぁ…」

 

ジン「おいルシュ!ふざけんなよ!」

 

ルシュ「だって!ほんとに見たんだもん!この扉に入っていくのが!」

 

ジン「でもいねぇじゃねぇか!どうすんだよ!」

 

ルシュ「だって…」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

2人が言い合いをしていると、突然地面が揺れ始めた。

 

ジン「なっ…何だ!?」

 

ルシュ「地震!?」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

しばらくすると揺れが止んだ。

 

ルシュ「…?」

 

ジン「何も無かった?」

 

ルシュ「もう…地震は怖いんだって…」

 

ジン「誰のせいでここに着いたってんだよ」

 

ルシュ「私のせい!?」

 

ジン「当たり前だろ!お前がここにいるって言うからついてきたんだぞ!?」

 

ルシュ「でも!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ!

すると祭壇の前に魔法陣が展開され、ボスモンスターが現れた。

 

ジン「なっ!」

 

ルシュ「えっ!?」

 

骸の武士「フゥゥゥゥゥゥ…」

 

そのモンスターはいかにも武士のような格好をしていた。

 

ジン「ここのボスモンスターか!」

 

カチャ!

ジンは剣を装備した。

 

ルシュ「くっ!」

 

スッ!

ルシュは杖を取り出した。

 

骸の武士「ガァァァァァァァァ!」

 

タッタッタッ!!

骸の武士が2人に向かって走ってきた。

 

ルシュ「火炎玉(ファイアボール)!」

 

ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!

ルシュは火属性魔法を複数撃った。

 

ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!

骸の武士はその魔法に被弾した。

 

ジン「よっしゃ!」

 

ビュン!

ジンはその隙を見て骸の武士の頭上に飛んだ。

 

ジン「流星剣(りゅうせいけん)!!」

 

ゴォォォォォォォォ!!

すると、ジンの剣が炎を帯びた。

 

ジン「はぁぁぁぁぁぁっ!」

 

ズシャッ!

見事ジンの攻撃が骸の武士に届いた。

 

骸の武士「キシャァァァァァァァァ!!」

 

骸の武士は奇声を発した。

 

ブゥン…ブゥン…ブゥン…ブゥン…

すると、さらに4体の骸の武士が召喚された。

 

ルシュ「嘘っ…」

 

ジン「マジか…」

 

骸の武士「ガァァァァァァァ!!」

 

ダダダダダダダダダ!

すると、5体の骸の武士が走ってきた。

 

ルシュ「水流(マーベラス)!」

 

ザバァァァァァァン!!

ルシュが水属性魔法を使うと、何も無いところから急に水が出てきた。

 

骸の武士「!?」

 

ザバァァァァァァン!!

骸の武士たちはその水に押し流されてしまった。

 

ジン「やるなぁルシュ!」

 

ルシュ「当たり前よ!」

 

骸の武士「カッカカカカカカカ…」

 

ジュワァァァァァァァ…

すると、あとから召喚された4体の骸の武士たちが消えていった。

 

ジン「よしっ!これで1人だ!」

 

骸の武士「アァァァァァァァ!!」

 

ダダダダダ!

骸の武士は2人に向かって走ってきた。

 

ジン「俺に任せろルシュ!」

 

タッタッタッ!

ジンは骸の武士に向かって走った。

 

ジン「おらぁっ!」

 

ギン!ガン!キン!キン!キン!ガン!キン!

ジンと骸の武士はお互いの剣と刀をぶつけた。

 

ジン「はぁぁぁぁぁぁっ!」

 

ガン!キン!キン!ガン!キン!キン!

ジンは骸の武士に負けじと食らいつく。

 

音声「特性:弱点攻撃が発動しました」

 

ブゥゥゥゥゥン!

ジンの剣が雷を纏った。

 

ジン「こいつの弱点は雷か!」

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

ガン!ガン!ガン!キン!ガン!ガン!

骸の武士はさらに速い攻撃を重ねる。

 

ジン「ぐぉっ…何だこの速さ!これじゃあ捌ききれねぇ!」

 

キィン!

骸の武士が切り上げた瞬間、ジンの手から剣が離れた。

 

ジン「しまっ…」

 

グサッ!

骸の武士はジンがよろめいたところを見逃さず、刀でジンを突き刺した。

 

ジン「ぐほっ…」

 

ルシュ「ジン!!」

 

ジンは骸の武士の攻撃でHPが0になった。

 

ドサッ…

ジンは力なくその場に倒れた。

 

骸の武士「フゥゥゥゥゥゥ…」

 

ルシュ「ジン!!」

 

骸の武士がジンから刀を抜き取ると、ルシュに視線を向けた。

 

ルシュ「ひっ…」

 

骸の武士「ハァァァァァァァァ…」

 

ザッザッザッ…

骸の武士はゆっくりとルシュに近づく。

 

ルシュ (何かしないと何かしないと何かしないと!…あっそうだ!確かさっきジンの弱点攻撃が発動してた!あの時出てきたのは雷!なら雷魔法で!)

 

ザッ!

ルシュは杖を構えた。

 

ルシュ「落雷(サンダー)!!」

 

ゴロゴロゴロゴロ…ドゴォン!

すると骸の武士の頭上に雷雲が発生し、容赦なく骸の武士に雷が落ちた。

 

骸の武士「ガァァァァァァァ!!」

 

骸の武士はその攻撃を受けてよろめいた。

 

ルシュ (よしっ!効いてる!)

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

骸の武士はまた立ち上がった。

 

ルシュ「落雷(サンダー)落雷(サンダー)落雷(サンダー)!!」

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

ルシュは何度も雷属性魔法を放った。

 

骸の武士「キシャァァァァァァァァァ!!」

 

すると骸の武士がまた奇声を発した。

 

ブゥン…ブゥン…ブゥン…ブゥン…

すると、さっきと同じように4体の骸の武士が召喚された。

 

ルシュ「また!?こうなったら!水流(マーベラス)!!」

 

ザバァァァァァァン!!

ルシュはまた水属性魔法を使った。

 

ルシュ「いっけぇぇぇぇぇぇ!!」

 

ザバァァァァァァン!!

すると骸の武士たちがまた押し流された。

 

ルシュ「よしっ!」

 

ジュワァァァァァァァ…

すると、あとから出てきた骸の武士たちが消えていった。

 

ルシュ「とりあえずたくさん出てきたら水で対応!他は雷魔法で!」

 

ゴロゴロゴロゴロ!

ルシュは雷雲を作り出した。

 

ルシュ「落雷(サンダー)!!」

 

ドゴォォォン!

ルシュの魔法が骸の武士に届いた。

 

骸の武士「シュゥゥゥゥゥゥ…」

 

ブゥゥゥゥゥン…

すると、骸の武士が何かを纏った。

 

ルシュ「何あれ…」

 

それは黒い霧のようなもので、骸の武士を覆った。

 

ルシュ「何かは知らないけど!」

 

ゴロゴロゴロゴロ!

ルシュは雷雲を作り出した。

 

ルシュ「ここで倒さないと私たちは!」

 

ドゴォォォン!

ルシュは骸の武士に雷を落とした。

 

骸の武士「ガァァァァァァァ!!」

 

ルシュ「よしっ!効いて…えっ…」

 

骸の武士「フシュゥゥゥゥ…」

 

骸の武士は無傷だった。

 

ルシュ「嘘っ…何で…」

 

ザッザッザッ…

骸の武士はルシュに近づいた。

 

ルシュ「落雷(サンダー)落雷(サンダー)落雷(サンダー)!」

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

ルシュは3発も雷を落とした。

 

骸の武士「カッカカカカカカカ…」

 

だが骸の武士は何ともなかった。

 

ルシュ「な…なんで…何で効いてないの…」

 

ザッザッザッ…

骸の武士は少しずつルシュに近づいていた。

 

ルシュ「嫌っ…こないで!」

 

骸の武士「フシュゥゥゥゥ…」

 

ルシュ「来ないでぇぇぇぇぇ!!」

 

ズシャッ!

するとルシュは骸の武士の攻撃を受けてしまった。

 

ルシュ「かはっ…」

 

ルシュはダメージを受けてHPが0になった。

 

ドサッ…

ルシュはその場に倒れてしまった。

 

ルシュ「な…んで…私…が…こんな目に…」

 

骸の武士「フゥゥゥゥゥゥ…」

 

ザッザッザッ

骸の武士は2人を倒すと、元いた場所に戻っていった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 棘の扉 秘密の部屋から続く階段

 

アリシア「へぇ、そうだとしたらあなたってコハクと同じだね!」

 

???「はい。そうです」

 

アリシアはとあるモンスターと一緒に階段を下りていた。

 

アリシア「コハクってね、全然話さないの!」

 

???「言葉を…ですか…」

 

アリシア「うん!顔を覆っている布が表情を見せてくれて、あとは身振り手振りかな」

 

???「それでよくコミュニケーションが取れますね」

 

アリシア「うん!でも時々筆談でコミュニケーション取ってるよ!」

 

???「あ、やっぱり筆談はあるのですね」

 

アリシア「うん!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 棘の扉 最下層

 

アリシア「あ、最下層に着いたみたいだよ!」

 

???「随分暗いところに閉じ込められてましたね。私」

 

アリシア「あはは…でもこれで出られるよ」

 

???「ホントですか?」

 

アリシア「うん!」

 

スタスタスタ

アリシアと???は最下層の少し広い空間に出た。

 

アリシア「ほら!ここが…えっ?」

 

アリシアは最下層に到達すると、倒れているルシュとジンを見つけた。

 

アリシア「ルシュさん!ジンさん!」

 

タッタッタッ!

アリシアはルシュに駆け寄った。

 

アリシア「ルシュさん!起きてください!ルシュさん!」

 

アリシアはルシュの体を揺すったが、ルシュは目を覚まさなかった。

 

アリシア「そんな…どうして…」

 

???「主様。どうされましたか?」

 

アリシア「私の友達が…私の友達が倒れてるの…どうしたら…」

 

???「…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ!

すると、祭壇の前に魔法陣が展開され、骸の武士が召喚された。

 

骸の武士「アァァァァァァァァ!!」

 

アリシア「!!」

 

骸の武士がおたけびを上げると、アリシアは骸の武士の存在に気づいた。

 

アリシア「あれは…」

 

???「…恐らくボスモンスターですね」

 

アリシア「マズイ!あそこにジンさんが!スラちゃんたち!出てきて!ジンさんをここまで運んで!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

するとスラちゃん、スラくん、ライム、スラミ、イノくんが出てきた。

 

アリシア「みんなお願い!!」

 

ダダダダダダダダダダ!

するとスラちゃんとスラくん、ライム、スラミはジンのところに向かい、イノくんは一人で骸の武士に立ち向かった。

 

イノくん「ブルルルルルル!!」

 

ダダダダダダダダ!ドシン!!

イノくんは渾身の突進をお見舞いした。

 

骸の武士「フゥゥゥゥゥゥ…」

 

しかし、骸の武士には効果がなかった。

 

骸の武士「ヌゥン!!」

 

ズシャッ!

すると、骸の武士がイノくんに攻撃した。

 

アリシア「イノくん!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとイノくんが消えてしまった。

 

アリシア「イノくん!!」

 

骸の武士「ハァァァァァァァァ…」

 

次に骸の武士はスラちゃんたちに矛先を向けた。

 

アリシア「スラちゃんたち!急いで!」

 

ダダダダダダダダ!

するとスラちゃんたちがジンを担いで走ってきた。

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

ビュン!

骸の武士が飛んだ。

 

スラくん「!」

 

それにいち早く気づいたスラくんはスラちゃんたちにジンのことを任せて一人立ち向かった。

 

アリシア「スラくん!!」

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

ズシャッ!

すると骸の武士は一人出てきたスラくんに攻撃した。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとスラくんまでも消えてしまった。

 

アリシア「スラくん!!」

 

骸の武士「フゥゥゥゥゥゥ…」

 

骸の武士はスラちゃんたちに狙いを定めた。

 

ダダダダダダダダ!

だが、スラちゃんたちはジンをアリシアがいるところまで運ぶことができた。

 

アリシア「ありがとう!スラちゃん!ライム!スラミ!」

 

骸の武士「フゥゥゥゥゥゥ…」

 

ザッザッザッ…

骸の武士は歩いて近づいてきた。

 

アリシア「みんな!あいつをやっつけるよ!」

 

アリシアは立ち上がって骸の武士と面と向かった。

 

アリシア「みんな!行って!」

 

ダダダダダダダダ!!

するとスラちゃん、ライム、スラミが骸の武士に向かって走り出した。

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!

骸の武士が刀を振ったが、スラちゃんたちには当たらなかった。

 

アリシア「スラちゃん!ライム!スラミ!頑張れぇぇぇぇ!!」

 

音声「特性:応援が発動しました。仲間モンスターのステータスが上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥン!

すると、スラちゃん、ライム、スラミのステータスが上昇した。

 

ダダダダッ!!ドォン!!

スラちゃんは特性:情熱によって更に攻撃力が上乗せされ、骸の武士にダメージを与えることができた。

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

ズシャッ!

骸の武士はすかさずスラちゃんを攻撃した。

 

アリシア「スラちゃん!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとスラちゃんまで消えてしまった。

 

アリシア「そんなっ…」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ドカッ!

ライムは特性:疾風によってさらにスピードが上乗せされ、骸の武士の周囲をずっとグルグルしていた。そして隙ができるとすかさず攻撃をしかけた。

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

ドゴォン!

骸の武士は攻撃を受けた方にカウンターを入れたが、その時にはライムは別の場所にいた。

 

アリシア「すごいライム!頑張れぇ!」

 

ブゥゥゥゥゥン!

ライムはさらにスピードが上乗せされた。

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

ライムはさらに俊敏になった。

 

アリシア「これならいける!頑張れライム!スラミ!」

 

ブゥゥゥゥゥン!

ライムはさらにスピードが上がり、スラミは特性:知性によってさらに魔力が上乗せされた。

 

骸の武士「アァァァァァァァァァァ!!」

 

ジジジ…バリバリバリバリバリ!!

骸の武士の刀が雷を纏った。

 

骸の武士「ガァァァァァァァッ!!」

 

グサッ!

骸の武士は地面に刀を突き刺した。

 

バリバリバリバリバリ!!

すると周囲に雷が拡散された。

 

ビリビリビリビリビリビリ!!

ライムとスラミはその雷に被弾してしまった。

 

アリシア「ライム!!スラミ!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

ライムとスラミが消えてしまった。

 

アリシア「そんな…ライム…スラミまで…」

 

骸の武士「フゥゥゥゥゥゥ…」

 

ザッザッザッ…

骸の武士は最後にアリシアに狙いを定めた。

 

アリシア「そんな…どうしよ…コハクはいないしこれじゃあ…」

 

カチッ…

アリシアの手が腰に着いている短剣に当たった。

 

アリシア「はっ!そうだ!」

 

カチャ

アリシアは短剣を装備した。

 

アリシア「こ…これで…」

 

カタカタカタカタ…

アリシアは手元が震えていた。

 

アリシア (私ならやれる…私だって戦える!私だって…私だって!!)

 

スッ…

すると、アリシアの手に???の手が触れた。

 

アリシア「…?」

 

???「…ここは任せてください主様。私があれを退かせてみせます」

 

アリシア「えっ…」

 

スタスタスタ

すると???が骸の武士の前に立った。

 

骸の武士「フゥゥゥゥゥゥ…」

 

スザク「私の名はスザク!主様に代わりてお前を倒す者の名前だ!」

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

スザク「…主様!」

 

アリシア「!」

 

スザク「私に素敵な名を与えていただき…ありがとうございます!」

 

アリシア「スザク!」

 

ダッ!!

スザクは骸の武士に向かって走り出した。

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

骸の武士はスザクに攻撃した。だが、スザクは華麗にその攻撃を避けていく。

 

スザク「遅いっ!そこっ!」

 

ズシャッ!

するとスザクの攻撃が骸の武士に当たった。

 

アリシア「すごいスザク!」

 

スザク「なんの!私の力はまだまだです!」

 

ビュン!ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!

スザクはさらに攻撃を重ねた。

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

ジジジ…バリバリバリバリバリ!!

骸の武士の刀が雷を纏った。

 

スザク「その攻撃!さっき見させていただきました!」

 

ヒュッヒュッヒュッ…ズシャッ!

スザクは体を回転させて骸の武士の体を斬った。

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

グサッ!バリバリバリバリバリ!!

骸の武士は負けじと刀を地面に突き刺し、雷を周囲に拡散させた。

 

スザク「しまっ…」

 

バリバリバリバリ!

スザクはその攻撃を受けてしまった。

 

スザク「うぐっ…」

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ズシャッ!

スザクは骸の武士の刀を受けてしまった。

 

スザク「がぁっ!!」

 

ズサァァァァァァァッ!

スザクは骸の武士の攻撃を受けたことでバランスを崩してしまい、地面に転がってしまった。

 

アリシア「スザク!!」

 

スザク「くっ…なんのこれしき!」

 

スザクは何とか立ち上がった。

 

アリシア「スザク…よかった…」

 

ビュン!

スザクは骸の武士の背後を取った。

 

スザク「これでっ!」

 

ズシャッ!

スザクは骸の武士に攻撃した。

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

ビュン!ズシャッ!

骸の武士はダメージを受けたが、スザクにカウンターを当てることができた。

 

スザク「あがっ…」

 

ドサッ!

スザクは骸の武士の攻撃を受けて膝を着いてしまった。

 

アリシア「スザク!!」

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

スザク「くっ…」

 

アリシア「スザク頑張れぇぇぇぇ!!」

 

ブゥゥゥゥゥン!

アリシアが応援すると、スザクのステータスが上昇した。

 

スザク「これは…」

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

スザク「!」

 

骸の武士が刀を振り下ろそうとしていた。

 

スザク「くっ!」

 

ビュン!

スザクはすかさずその場から離れた。

 

アリシア「ほっ…やったスザク!」

 

スザク「この力…すごい!どんどん力が湧いてくる!!」

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

スザク「これならっ!」

 

ビュン!

スザクは地面を蹴って骸の武士の背後を取った。

 

スザク「よしっ!」

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

ビュン!ズシャッ!

骸の武士は後ろを振り返ってスザクを攻撃した。

 

スザク「なっ!」

 

アリシア「!?」

 

ドサッ!

スザクは骸の武士の攻撃を受けて倒れてしまった。

 

スザク「なっ…なんで…私の動きが…」

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

スザク「!?」

 

骸の武士はスザクの目の前で刀を構えていた。

 

アリシア「スザク!頑張っ…」

 

グサッ!

骸の武士はスザクの胸を刀で突き刺した。

 

スザク「うぐっ…」

 

アリシア「!!」

 

ズシャッ!

骸の武士は刀を抜き取った。

 

アリシア「スザク!!」

 

スザク「すみません主様…お役に…立てませんでした…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとスザクまで消えてしまった。

 

アリシア「スザクーーー!!」

 

骸の武士「フゥゥゥゥゥゥ…」

 

骸の武士は最後にアリシアに狙いを定めた。

 

アリシア「ひっ…」

 

カチャ

アリシアはすかさず短剣を装備した。

 

アリシア「わ、私だって!私だって戦える!」

 

タッタッタッ!

アリシアはジンとルシュに危害が加わらないようその場から少し離れて最下層の真ん中に来た。

 

骸の武士「フゥゥゥゥゥゥ…」

 

ザッザッザッ…

骸の武士は歩いてアリシアに近づく。

 

カチャ…

アリシアは短剣を構えた。

 

アリシア (私ならできる私ならできる私ならできる!私なら戦える!!)

 

ビュン!

アリシアが気づいた時には骸の武士が目の前に立っていた。

 

アリシア (嘘っ…さっきまでそこにいたのに一瞬で…)

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

アリシア「っ!!」

 

アリシアは咄嗟に防御の姿勢を作った。

 

ドゴォン!ズサァァァァァァァッ!

すると突然骸の武士が吹っ飛ばされた。

 

アリシア「っ…?」

 

アリシアは防御を解いて周囲を見渡した。

 

アリシア「!!」

 

すると、アリシアの目の前に見覚えのある白い耳と尻尾、そして顔には白い布がかかった人が立っていた。

 

アリシア「コ…コハク…?」

 

コハク「 ヽ(`Д´)ノ 」

 

コハクは返事をすることなく静かに立っていた。すると骸の武士が立ち上がってきた。

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

コハク「 (ꐦ`•ω•´) 」

 

コハクはド怒りだった。

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

ダダダダダダダダ!

骸の武士はコハクに向かって走ってきた。

 

アリシア「コハク!」

 

グググッ!

コハクは拳を握った。

 

骸の武士「オォォォォォォォォ!」

 

ビュン!

骸の武士は刀を振り下ろした。

 

コハク「 (#`^´) 」

 

ヒュッ!

コハクは骸の武士の攻撃を避けた。

 

コハク「 (#`Д´) 」

 

ビュン!

そして握った拳を振り下ろした。

 

バゴォォォォォォォォォン!!

コハクの拳は骸の武士の後頭部に命中し、骸の武士は顔から地面に叩きつけられた。

 

アリシア「うわっ!」

 

ビュォォォォォォォォ!!

その衝撃は最下層全体に響き、壁や天井が少しヒビ割れたり崩れたりした。

 

骸の武士「オォォ…ォォォォォォ…」

 

コハク「 ( #・᷄ὢ・᷅ ) 」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

すると骸の武士が消えていった。

 

アリシア「えっ…倒した…の…?」

 

コハク「…」

 

アリシア「ね、ねぇコハク…あいつ…やっつけたの?」

 

コハク「 (o´・ω-)b 」

 

コハクはアリシアの方を振り向いて親指を立てた。

 

アリシア「はぁぁぁぁっ!やったぁぁぁぁぁぁ!!」

 

アリシアは飛んで喜んだ。

 

アリシア「やった!やった!やったよコハク!やったよ!!」

 

ピョン!ピョン!

アリシアは何回もジャンプした。

 

アリシア「ありがとうコハク!助けに来てくれて!」

 

コハク「 ( *´꒳`*) 」

 

コハクは嬉しそうだった。

 

ガコッ!

すると、祭壇に宝箱が出現した。

 

アリシア「あっ!コハク!宝箱だよ!開けに行こっ!」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

タッタッタッ!

アリシアとコハクは宝箱の前に立った。

 

アリシア「良い?コハク。開けるよ?」

 

コハク「 (o´・ω-)b 」

 

コハクは親指を立てた。

 

アリシア「せーのっ!」

 

ガコッ!

アリシアは宝箱を開けた。

 

アリシア「わっ!何かあるよ!」

 

宝箱の中には盾と短剣、そしてさっき骸の武士が使っていた刀が入っていた。

 

アリシア「これは盾かな?」

 

ピッ

するとアリシアのステータス画面が表示された。

 

音声「見切りの盾を入手しました」

 

アリシア「見切りの盾?」

 

ピッ

アリシアは見切りの盾の説明欄を開いた。

 

アリシア「えっと、見切りの盾。相手の攻撃に合わせてガードすることで、相手の攻撃をそのまま返すことができるだって!すごいよコハク!」

 

コハク「 ( *´꒳`*) 」

 

アリシア「次はこの短剣!」

 

アリシアは短剣を取り出した。

 

音声「堕天使の短剣を入手しました」

 

アリシア「堕天使の短剣だって!」

 

ピッ

アリシアは短剣の説明欄を開いた。

 

アリシア「えっと、堕天使の短剣。相手に攻撃することで、永続的にダメージを与えることができるだって!しかも状態異常回復では治せないらしいよ!」

 

スッ

アリシアは短剣を抜いた。その刃は虹色で輝かしく、堕天使と言うには程遠かった。

 

アリシア「見てみてコハク!綺麗だよ!」

 

コハク「 ( *^꒳^*) 」

 

アリシア「カッコイイなぁ…しかも綺麗!」

 

カチャ…

アリシアは短剣を鞘に戻した。

 

アリシア「最後はこの武器!」

 

アリシアは骸の武士が使っていた刀を取り出した。

 

音声「憎悪と怨念を纏う刀を入手しました」

 

アリシア「憎悪と怨念を纏う刀だって!すごい名前だなぁ」

 

ズォォォォォッ…

アリシアが刀を持つと、何やら紫と黒のオーラが出てきた。

 

アリシア「わっ!禍々しい…」

 

コハク「 ( ¯ ∀ ¯ ) 」

 

アリシア「えっと、この武器の効果は?」

 

ピッ

アリシアは憎悪と怨念を纏う刀の説明欄を開いた。

 

アリシア「えっと、わっ!仲間がやられるほど攻撃力が上昇するんだって!すごいね!」

 

アリシアは見切りの盾と堕天使の短剣、憎悪と怨念を纏う刀をしまった。

 

アリシア「えっと、新しい特性とかスキルとかはないのかな」

 

ピッ

アリシアは「!」がついているページを開いた。

 

音声「このダンジョン攻略にあたって、特性:名付け親、特性:粘着質、特性:倍加、特性:守護を入手しました」

 

アリシア「えっ?何この量。こんなに貰えるの?」

 

ピッ

アリシアは特性:名付け親の説明欄を開いた。

 

アリシア「えっと、新しいモンスターに名前を付けることでモンスターとの信頼度が上昇する。だって」

 

ピッ

アリシアは特性:粘着質の説明欄を開いた。

 

アリシア「えっと、復活するごとにステータスが上昇するだって。え?私がやられたら終わりじゃなかったっけ?これって他の子に持たせるべきなんじゃ…」

 

ピッ

アリシアは特性:倍加の説明欄を開いた。

 

アリシア「えっと、戦闘中のステータスの上昇量が倍になるだって!これはいい!」

 

ピッ

アリシアは特性:守護の説明欄を開いた。

 

アリシア「えっと、味方をかばうことで防御力が上昇するだって。え?私がかばうの?やられない?」

 

ブゥン…

アリシアはステータス画面を閉じた。

 

アリシア「えっと、どうしようコハク…ルシュさんとジンさん…」

 

コハク「 ( ; ˘-ω-) 」

 

その後、アリシアとコハクはルシュとジンを魔法陣まで運んで、はじまりの街の噴水の広場まで帰った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの街 噴水の広場

 

ルシュ「アリシアさーん!」

 

ギュッ!

ルシュはアリシアに抱きついた。

 

アリシア「ルシュさん…きつい…」

 

ルシュ「あ、ごめんごめん。つい嬉しくって!やっぱりアリシアさんもいたんだね!あのダンジョンに!」

 

アリシア「はい!いましたよ!」

 

ルシュ「ほらみなさい!私の言った通りでしょ?」

 

ジン「でも見つかんなかっただろ?」

 

ルシュ「でもいたって言ってたんだからいいでしょ!」

 

ジン「はいはい。分かった分かった」

 

アリシア「あの、ルシュさんたちはどうしてあそこに?」

 

ルシュ「あ、アリシアさんを途中で見かけてね、でも何かを追いかけてる様子だったからついてきたの!そしたらボスモンスターが現れて私たち2人はやられたってわけ」

 

アリシア「えっ、お二人はその時どうだったんですか?」

 

ルシュ「どうって?」

 

アリシア「やられてたときですよ!私が最下層に行くと二人とも倒れてたので…」

 

ルシュ「あぁ、当然気を失ってたよ!」

 

アリシア「えっ…」

 

ルシュ「ゲームだからまだいいけど、現実なら病院行かないとね」

 

アリシア「あはは…」

 

ジン「でもここにいるってことは少なくとも俺たちは助かったわけだ」

 

ルシュ「だね!ありがとうアリシアさん!」

 

アリシア「いえいえ…」

 

ルシュ「あ、私たちさっきまでアリシアさんと一緒に行くダンジョンを見てたんだ!一緒に行かない?」

 

アリシア「えっ!?行きます!行きます!」

 

ルシュ「やった!じゃあ行こっ!ほらジンも!」

 

ジン「お、おう」

 

こうしてルシュとアリシア、ジンは瘴気の洞窟というダンジョンに向かった。




〜物語メモ〜

イノくん
アリシアが仲間にしたイノシシのようなモンスター。攻撃方法は突進だけ。シンプルだが、アリシアの特性:応援があるとさらに強くなる。

特性:褒め言葉
アリシアが所持している特性。味方モンスターを褒めることでモンスターとの信頼度を上昇させることができる。一定の信頼度を得ることで、新たなスキルと特性を得ることができる。

特性:情熱
スラちゃんが所持している特性。戦闘中にステータスが上昇した際、さらに攻撃力を上乗せすることができる。ただし、戦闘が終われば元のステータスに戻る。

特性:堅固
スラくんが所持している特性。戦闘中にステータスが上昇した際、さらに防御力を上乗せすることができる。ただし、戦闘が終われば元のステータスに戻る。

特性:疾風
ライムが所持している特性。戦闘中にステータスが上昇した際、さらにスピードを上乗せすることができる。ただし、戦闘が終われば元のステータスに戻る。

特性:知性
スラミが所持している特性。戦闘中にステータスが上昇した際、さらに魔力を上乗せすることができる。ただし、戦闘が終われば元のステータスに戻る。

特性:猛突進
イノくんが所持している特性。味方に応援された際に気分が高まると、攻撃力とスピードが2倍に上昇する。ただし、防御力が少し下がる。

骸の武士
ダンジョン 棘の扉のボスモンスター。憎悪と怨念を纏う刀を所持している。自分の分身を複数召喚し、敵に倒させることで憎悪と怨念を纏う刀の攻撃力を上昇させていた。それを知らないジンとルシュはその罠にかかってしまい、骸の武士に敗北した。

スキル: 火炎玉(ファイアボール)
ルシュが使った火属性魔法のスキル。火の玉を相手に飛ばすことでダメージを与える。一度にたくさん撃つこともできる。

スキル: 流星剣(りゅうせいけん)
ジンが使った剣士のスキル。相手の頭上から炎を帯びた剣を振ってダメージを与える。

スキル: 水流(マーベラス)
ルシュが使った水属性魔法のスキル。水を発生させて相手を押し流す。

スキル: 落雷(サンダー)
ルシュが使った雷属性魔法のスキル。相手の頭上に雷雲を発生させて雷を落とす。一度の魔法で落とせる雷は一回だけ。

スザク
アリシアの新しい仲間。骸の武士に立ち向かいアリシアの応援を受けたが、骸の武士の強さに敗れてしまった。

報酬:見切りの盾
相手の攻撃に合わせてガードすることで相手の攻撃をそのまま返すことができる。

報酬:堕天使の短剣
相手に攻撃することで永続的にダメージを与えることができる。これは状態異常ではないため、状態異常回復が効かない。

報酬:憎悪と怨念を纏う刀
骸の武士が所持していた刀。味方がやられるほど攻撃力が上昇する。

特性:名付け親
アリシアが得た特性。新しいモンスターに名前を付けることでモンスターとの信頼度が上昇する。

特性:粘着質
アリシアが得た特性。復活するごとにステータスが上昇する。

特性:倍加
アリシアが得た特性。戦闘中のステータスの上昇量が2倍になる。

特性:守護
アリシアが得た特性。味方をかばうことで防御力が上昇する。


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第4話 花蓮参戦

場所…瘴気の洞窟

 

アリシア、ジン、ルシュは骸の武士を倒した後、瘴気の洞窟に来ていた。ここは先にジンとルシュが攻略しているため、攻略法は分かっている。難易度もそこまで高くないため、気軽に攻略できる場所だった。

 

アリシア「それで、ここがそのダンジョン?」

 

ルシュ「そうそう。ジンと一緒に来てたんだけど、ここから出た時にアリシアさんを見かけたの」

 

ジン「あぁ。そこまで難しくない。なんなら骸の武士よりも簡単だ」

 

アリシア「やった!じゃあ行こっ!」

 

ルシュ「そうね!行きましょ!」

 

ジン「おう!」

 

アリシア、ジン、ルシュは瘴気の洞窟に入った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 瘴気の洞窟 中間地点

 

アリシア「あれ、全然モンスターいないですね」

 

ジン「いや、ここから出てくる」

 

ドォン!ドォン!ドォン!

すると突然岩のようなモンスターが天井から落ちてきた。

 

アリシア「わっ!何あれ!岩!?」

 

ルシュ「そう。あれがここのモンスターよ」

 

ジン「だが余裕だ。強くない」

 

カチャ

ジンは剣を装備した。

 

スッ

ルシュは杖を装備した。

 

カチャ

アリシアは短剣を装備した。

 

岩のモンスター①「ガッハハハハ!」

 

ピョン!

すると3体のうち1体が飛びかかってきた。

 

ジン「避けろ!」

 

岩のモンスター①「ガッハハハハ!」

 

タッタッタッ!

ジン、ルシュ、アリシアはその場から移動した。

 

ドシン!

岩のモンスターは自分の体を活かして上から押し潰してきた。

 

アリシア「ひぇぇ…あんなの受けたら間違いなくペチャンコだよ…」

 

岩のモンスター③「ガッハハハハ!」

 

ゴロゴロゴロゴロ!

すると今度はゴロゴロと転がってきた。

 

アリシア「うわぁぁぁっ!」

 

タッタッタッ!

アリシアは転がってくる岩のモンスターから逃げた。

 

岩のモンスター③「ガッハハハハ!」

 

ゴロゴロゴロゴロ!

岩のモンスターはアリシアを追いかけ始めた。

 

アリシア「えぇっ!?何でついてくるの!?」

 

ジン「アリシア!」

 

ルシュ「落雷(サンダー)!」

 

ピカッ!ドォォォォン!

ルシュは岩のモンスター③に向けて雷を落とした。

 

岩のモンスター「ガァァァァ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

すると岩のモンスターが消えていった。

 

ルシュ「大丈夫?アリシアさん」

 

アリシア「は、はい…なんとか…」

 

岩のモンスター②「ガッハハハハ!」

 

ゴロゴロゴロゴロ!

すると残りの岩のモンスターが転がってきた。

 

アリシア「わっ!また来た!?」

 

ジン「俺に任せろ!」

 

ザッ!

ジンはアリシアとルシュの前に立った。

 

岩のモンスター②「ガッハハハハ!」

 

ジン「鋼鉄剣(こうてつけん)!」

 

ドゴォン!

ジンの剣撃が岩のモンスター②に当たった。

 

岩のモンスター②「ガァァァ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

すると岩のモンスターが消えていった。

 

アリシア「わっ!すごい!」

 

岩のモンスター①「ガッハハハハ!」

 

ヒュゥゥゥゥゥ!

3人が2体の岩のモンスターを倒している時に残りの1体が隙を見て飛びかかってきた。

 

ジン「鋼鉄剣(こうてつけん)!」

 

ドゴォン!

ジンは素早く反応して剣撃をお見舞した。

 

岩のモンスター①「ガァァァ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

すると、最後の岩のモンスターが消えていった。

 

ジン「ふぅ。これで終わりだ」

 

アリシア「ひぇぇ…ビックリしたぁ…」

 

ルシュ「もうあとはボスモンスターだけよ。大丈夫」

 

3人はそれぞれ武器をしまった。

 

ジン「んじゃ行くぞ。もう最下層はすぐそこだ」

 

ルシュ「えぇ」

 

スタスタスタ

3人は最下層に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 瘴気の洞窟 最下層

 

ジン「ここが最下層だ」

 

3人は少し広い空間に出た。

 

アリシア「あ、最下層って他のダンジョンとあまり変わらないんですね」

 

ルシュ「まぁね、まだここは第1層だから。第2層、第3層と増えるとまた変わってくるかもね」

 

アリシア「へぇ、そうなんですね」

 

ジン「…お出ましだぜ」

 

バサッ!バサッ!バサッ!

出てきたボスモンスターは鳥のモンスターだった。

 

アリシア「ひっ…」

 

ルシュ「大丈夫。私たちさっき倒してきたから」

 

ジン「あぁ。こいつも問題ない。行くぞルシュ!」

 

ルシュ「任せて!」

 

カチャ

ジンは剣を装備した。

 

スッ

ルシュは杖を装備した。

 

マーバード「キャァァァァァァァァァ!!!」

 

マーバードは大きな声を上げた。

 

アリシア「うっ…くっ…」

 

アリシアはあまりの声の大きさに耳を塞いだ。

 

ルシュ「落雷(サンダー)!!」

 

ゴロゴロゴロゴロ…ドォォォォン!

ルシュはマーバードの頭上に雷雲を出現させ、雷を落とした。

 

マーバード「キャァァァァァァァァァ!」

 

ドシン!

マーバードは雷に打たれて地面に落ちた。

 

ジン「よっしゃ!」

 

タッタッタッ!

ジンは剣を構えてマーバードに近づいた。

 

ジン「火炎斬(かえんざん)!」

 

ズシャッ!

ジンの攻撃は見事、マーバードに当たった。

 

マーバード「キャァァァァァァァァァ!」

 

ルシュ「落雷(サンダー)落雷(サンダー)落雷(サンダー)!」

 

ドォン!ドォン!ドォン!

ルシュは雷を3発お見舞した。

 

マーバード「キャァァァァァァァァァ!!」

 

ジン「これでどうだ!鋼鉄剣(こうてつけん)!」

 

ドゴォン!

ジンはマーバードにトドメを刺した。

 

マーバード「キャァァァァァァァァァ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

マーバードが消えていった。

 

アリシア「す…すごい…」

 

ガコッ!

すると祭壇に宝箱が出現した。

 

ジン「どうだアリシア。これが俺たちの実力だ」

 

アリシア「すごい!すごいですジンさん!ルシュさん!」

 

ルシュ「ありがとうアリシアさん」

 

ジン「ほら、宝箱開けるぞ」

 

タッタッタッ!

ジン、ルシュ、アリシアは宝箱の前まで走った。

 

ジン「いくぞ」

 

ルシュ「えぇ」

アリシア「はい」

 

ガコッ!

ジンは宝箱を開けた。中には剣が入っていた。

 

ジン「剣か」

 

ジンは入っていた剣を取り出した。

 

音声「鳥キラーの剣を入手しました」

 

ジン「鳥キラーの剣!?」

 

ルシュ「ふふっ、さっきのモンスターには有効な剣ってことね」

 

ジン「あの時はこんなのなかったぞ!?」

 

ルシュ「落ちなかっただけでしょ?」

 

アリシア「他にはないようですね」

 

ピッ

するとアリシアのステータス画面が表示された。

 

音声「スキル:咆哮を入手しました」

 

アリシア「えっ、スキル:咆哮?」

 

ルシュ「さっきのモンスター、戦う前にキャァァァって言ってたでしょ?」

 

アリシア「あ、言ってましたね」

 

ルシュ「あれが咆哮よ」

 

アリシア「へぇ」

 

ピッ

アリシアは咆哮の説明欄を開いた。

 

音声「スキル:咆哮。大声を出すことで相手を威嚇することができる。近いほど効果は大きく、一定の範囲外にいれば効果はない」

 

アリシア「えぇ…声出さなきゃいけないんだ…」

 

ルシュ「そりゃあ咆哮だし…」

 

ジン「なんだ?恥ずかしいのか?」

 

アリシア「そりゃ恥ずかしいですよ…大声でアァァァァ!って叫ぶの…」

 

ルシュ「ふふっ…アリシアさんらしいね」

 

ピッ

するとルシュのステータス画面が表示された。

 

音声「特性:雷耐性増加を入手しました」

 

ルシュ「あ、私は耐性アップね」

 

アリシア「耐性?ってなんですか?」

 

ルシュ「このゲームには色々な属性があるんだけど、耐性はその属性攻撃のダメージを減らすことができるの」

 

アリシア「へぇ!」

 

ルシュ「でも減るのは属性攻撃だけで物理攻撃は減らせないのが難点よ」

 

アリシア「へ…へぇ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ!

すると祭壇の後ろに魔法陣が展開された。

 

ジン「お、魔法陣が展開されたぞ。これで帰ろう」

 

アリシア「はい!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

ジン、ルシュ、アリシアは魔法陣の上に立ってはじまりの街に転送された。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの街

 

アリシア「ふぅ…今日は楽しかったぁ!」

 

ルシュ「ふふっ、それは良かったわ」

 

アリシア「あ、でももう終わらなくちゃ…」

 

ジン「何かあるのか?」

 

アリシア「はい…明日テストです」

 

ジン「テスト!?」

ルシュ「テスト!?」

 

アリシア「はい…」

 

ジン「お前…テスト前日にこんなにゲームするとか大丈夫なのか!?」

 

アリシア「あ、大丈夫です。普段から勉強してますので、でももう一度見返しておこうかなと」

 

ルシュ「え、偉いね…普段から勉強って」

 

アリシア「ジンさんとルシュさんは大丈夫なんですか?」

 

ジン「え?俺学生じゃねぇけど」

 

アリシア「えっ!?」

 

ルシュ「私も。立派な社会人よ」

 

アリシア「嘘っ!?」

 

ジン「そんな驚くことか?ここにいるやつらだって社会人とか学生ばっかだぜ?」

 

ルシュ「そうね」

 

アリシア「知らなかった…みなさん学生かと…」

 

ジン「あっははは!俺たちはバリバリ働いてるぜ!」

 

ルシュ「そうなると明日は月曜日…また地獄の一週間が始まるわね」

 

ジン「がっ…」

 

ドシン!

ジンは地面に膝を着いた。

 

ジン「オレ…シゴト…ヤダ…」

 

ルシュ「ほら!しっかりしなさい!」

 

ジン「オレ…モウダメ…イキテケナイ…」

 

ルシュ「はぁ…」

 

アリシア「あはは…大変そうですね…」

 

ルシュ「まぁ…ね、じゃあアリシアさんはお勉強頑張ってね」

 

アリシア「はい!頑張ります!では行ってきます!」

 

ルシュ「またね〜」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

アリシアはログアウトした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…結衣の部屋

 

結衣「ふぅ…」

 

結衣は自分の勉強机に向かった。

 

結衣「…最後に見直し!明日は頑張るぞー!」

 

その後、結衣はテスト勉強のための見直しをした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ー翌日ー

 

結衣「行ってきまーす!」

 

ガチャ

結衣は玄関を開けた。

 

花蓮「あ、おはよう結衣」

 

結衣「おはよう花蓮」

 

花蓮が外で待ってくれていた。

 

花蓮「じゃ、行こっか」

 

結衣「うん!」

 

スタスタスタ

結衣と花蓮は一緒に学校に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

花蓮「ねぇ結衣」

 

結衣「何?花蓮」

 

花蓮「ゲームどう?楽しい?」

 

結衣「楽しい!」

 

花蓮「はぁ…よかったぁ…」

 

結衣「どうしたの?」

 

花蓮「だって面白くないって言われたらどうしようかと思ってたし…」

 

結衣「すごく面白いよ!花蓮も早く来てよ!」

 

花蓮「大丈夫。私は今日からログインするから」

 

結衣「え!?そうなの!?」

 

花蓮「当然!今日はテストだけど終わったらもう書き直しできないからテストが良くても悪くても今日はゲームするって決めてるもん!」

 

結衣「やった!じゃあ今日は早く帰って一緒にゲームしよっ!」

 

花蓮「当たり前よ!今日のために勉強したんだから!」

 

結衣と花蓮は学校に着いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…学校の教室

 

2人は何とかテストを乗り切り、帰る時間となった。

 

結衣「ふぅ。今回も上々かな」

 

花蓮「結衣ー!」

 

結衣「?」

 

花蓮「帰ろー!」

 

結衣「うん!」

 

タッタッタッ!

結衣と花蓮は急いで帰宅した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…結衣の部屋

 

結衣「よしっ!ゲームゲーム!」

 

カポッ

結衣はコントローラーを接続してゲームにログインした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの街

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

アリシアがゲームにログインした。

 

アリシア「んー!」

 

アリシアは背伸びした。

 

アリシア「よぉし!今日は何しようかなー?」

 

アリシアは持ち物を確認した。

 

アリシア「とりあえずみんないるね。あ、そういえば…」

 

アリシアは自分の装備を見た。

 

アリシア「これ、防具が初期装備のままだけど、これって買えたりするのかな?」

 

アリシアははじまりの街のマップを開いた。

 

アリシア「うーん…この近くじゃカミラさんの鍛冶屋しかないなぁ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

すると花蓮もログインした。

 

アリシア「あっ!やっときた!」

 

ロザリー「お待たせ!アリシア!」

 

アリシア「よかったぁ…もう花蓮来ないのかと思ってたよ…」

 

ロザリー「アリシア!シーッ!本名バレちゃうよ!」

 

アリシア「あっ!」

 

アリシアは慌てて口を閉じた。

 

ロザリー「気をつけてね…ネットが一般化してるこの時代じゃちょっとのことで特定されるから!」

 

アリシア「ご…ごめん…」

 

ロザリー「それにしてもアリシアって名前なんだね」

 

アリシア「うん!花r…コホンッ!ロザリーに言われて本名に被らないようにしたの!」

 

ロザリー「うん!上出来!」

 

アリシア「にひひ…」

 

ロザリー「さて、まずはどうしよっかな。近くのモンスターでも倒しに行こうかな」

 

アリシア「行こっ!行こっ!」

 

ロザリー「よぉし!行こっ!」

 

タッタッタッ!

アリシアとロザリーははじまりの草原に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの草原

 

ロザリー「やぁっ!」

 

ポコッ!

ロザリーはスライムを攻撃した。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとスライムが消えていった。

 

ロザリー「ふぅ、なるほどこんな感じね」

 

アリシア「すごいねロザリー!」

 

ロザリー「まぁね!」

 

アリシア「どうする?もっとやっつける?」

 

ロザリー「うん!」

 

その後、ロザリーはスライムを5匹倒して一旦はじまりの街に戻ることにした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの街 噴水の広場

 

ロザリー「さて、Lv.3になったしどうしよっかな」

 

アリシア「ねぇロザリー」

 

ロザリー「ん?」

 

アリシア「私、ちょっと防具見たいんだけど、いいかな?」

 

ロザリー「いいよっ!行こっ!」

 

アリシア「やった!」

 

アリシアとロザリーはカミラの鍛冶屋に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…カミラの鍛冶屋

 

ガチャ…カラン!カラン!

アリシアが扉を開くと音が鳴り響いた。

 

カミラ「いらっしゃい。おや、アリシアじゃないか」

 

アリシア「カミラさん!今日もよろしくお願いします!」

 

カミラ「いいよ。おや、その子は?」

 

アリシア「あ!私のお友達のロザリーです!」

 

ロザリー「ロザリーです。よろしくお願いします」

 

カミラ「私はカミラ。この鍛冶屋を経営してるわ。よろしくね」

 

ロザリー「鍛冶屋?」

 

アリシア「カミラさん!私、カミラさんにお願いが!」

 

カミラ「何?」

 

アリシア「私!防具が欲しいです!」

 

カミラ「え?防具?」

 

アリシア「はい!」

 

カミラ「あれ、ダンジョンとか行ってないの?」

 

アリシア「行ってるんですが、あるのはスキルとか特性とか武器で…」

 

カミラ「防具はなし…と」

 

アリシア「はい…」

 

カミラ「分かったわ。ここに防具リストがあるから好きなの選びな。予約入れとくからあとはその素材を集めてきて」

 

アリシア「はい!」

 

アリシアは防具リストが書かれたものを取って近くの椅子に座った。

 

カミラ「で?あなたはどうする?」

 

ロザリー「あ、そうですね。私も何か武器が欲しいですね」

 

カミラ「武器ね。あなた職業は?」

 

ロザリー「槍術士です」

 

カミラ「ほぅ。槍術士ね。なら槍一択よ。それ以外の武器を担いじゃうと攻撃力が落ちるわ」

 

スッ…

カミラは槍の種類が書かれたものを渡した。

 

カミラ「ここに書かれてるものは作れるよ。もし素材がないなら集めてきて。あなたもあの子と一緒に予約入れとくわ」

 

ロザリー「ありがとうございます!」

 

ロザリーはアリシアの隣に座って槍の種類を見た。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

数分して2人はお目当ての武器と防具を選んだ。

 

カミラ「アリシアは天の羽衣ね。ロザリーは鉄の槍ね」

 

アリシア「はい!」

ロザリー「はい!」

 

カミラ「鉄の槍なら近くに鉄鉱石って石があるからそれでできるよ」

 

アリシア「鉄鉱石?」

 

カミラはカウンターからツルハシを取り出した。

 

カミラ「これ貸すから取っておいで。3つあればできるよ」

 

アリシアとロザリーはツルハシを手に入れた。

 

アリシア「行ってきます!」

 

カミラ「あぁ。気をつけてね」

 

ロザリー「行ってきます!」

 

スタスタスタ!

アリシアとロザリーははじまりの街から出てすぐの岩場に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの岩場

 

アリシア「ここで取れるらしいよ!」

 

ロザリー「よしっ!早速取っちゃお!」

 

カンッ!カンッ!カンッ!

アリシアとロザリーは持ってきたツルハシを使って鉄鉱石を掘り出した。しばらく掘り続けていると、段々と素材が集まってきた。

 

アリシア「ねぇロザリー。今いくつ?」

 

ロザリー「6つよ」

 

アリシア「えぇ!?私3つだよ!?」

 

ロザリー「私のところは当たりだったのね」

 

アリシア「でも素材は集まったから早速カミラさんのところに行こっ!」

 

ロザリー「うん!」

 

スタスタスタ

アリシアとロザリーはカミラの鍛冶屋に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…カミラの鍛冶屋

 

アリシア「カミラさーん!取ってきましたー!」

 

カミラ「こっちも準備いいよ。さ、鉄鉱石を出して」

 

ゴトゴトゴト…

ロザリーは鉄鉱石を3つ出した。

 

カミラ「うん。これなら作れるわ。ちょっと待ってね」

 

カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!

すると奥から変な音が聞こえた。

 

ロザリー「ねぇアリシア」

 

アリシア「何?」

 

ロザリー「武器ってどのくらいでできるの?」

 

アリシア「え、分からない…」

 

ロザリー「うーん…ゲームだからすぐ終わると思うんだけど…」

 

カミラ「ほら、できたよ」

 

ロザリー「!」

 

ロザリーはカミラから鉄の槍を受け取った。

 

カミラ「やっぱり最初はシンプルなのがいいわ。もう少しレベルが上がったらもっとちゃんとした槍を装備するのをオススメするわ」

 

ロザリー「ありがとうごさいます!」

 

アリシア「わぁっ!ロザリーって槍を使うんだ!」

 

ロザリー「そうよ!槍はカッコイイのよ!」

 

アリシア「へぇ!またあとで見せて!」

 

ロザリー「いいわよ!」

 

カミラ「で、どっちかお金ある?」

 

アリシア「あ、あります!」

 

カミラ「200zね」

 

アリシア「はい!」

 

アリシアはお金を出した。

 

カミラ「ちょうどね。毎度あり」

 

アリシア「ねぇロザリー!さっそくダンジョン行こっ!」

 

ロザリー「えぇっ!?今から!?」

 

アリシア「うん!今から!」

 

ロザリー「え、えぇ…まぁ…」

 

アリシア「やった!行こっ!」

 

タッタッタッ!

アリシアとロザリーははじまりのダンジョンに向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりのダンジョン

 

ロザリー「ここがダンジョン?」

 

アリシア「うん!私が初めて入ったところ!一本道だから初心者の人にはうってつけだよ!」

 

ロザリー「よしっ!早速入ろっ!」

 

アリシア「うん!」

 

スタスタスタ

アリシアとロザリーははじまりのダンジョンに入った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりのダンジョン 最下層

 

アリシア「もう少ししたら最下層だよ」

 

ロザリー「ほ…本当に一本道…しかもモンスターがいないなんて…」

 

アリシア「私はこれが普通だと思ってたよ?」

 

ロザリー「いや、普通は道中にモンスターがいるの。で、最後にボスモンスターがいるってのが定石」

 

アリシア「へ〜そうなんだ」

 

アリシアとロザリーは最下層に着いた。

 

アリシア「ついたよロザリー!」

 

ロザリー「え?何もいないけど…」

 

アリシア「もう少し進んだら出てくるよ」

 

スタスタスタ

アリシアとロザリーは最下層の真ん中に立った。

 

ドラゴン「ガァァァァァァァァァ!!」

 

ドゴォン!

すると突然地面からドラゴンが出てきた。

 

ロザリー「うわっ!出てきた!」

 

アリシア「あれがドラゴンだよロザリー」

 

ロザリー「ドラゴン!?最初のダンジョンで出てくるモンスターなの!?」

 

アリシア「うん。私も驚いたなぁ…」

 

ロザリー「何であんたは冷静なのよ…」

 

ドラゴン「ガァァァァァァァァァ!!」

 

ロザリー「来るっ!」

 

カチャ!

ロザリーは槍を装備した。

 

カチャ

アリシアは短剣を装備した。

 

ドラゴン「ガァァァァァァァァァ!!」

 

ダダダダダダダダダダ!

するとドラゴンが猛突進してきた。

 

アリシア「出てきてスザク!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

メダルからスザクが出てきた。

 

ロザリー「えっ?」

 

アリシア「スザク!あいつをやっつけて!」

 

スザク「お任せ下さい」

 

ビュン!

スザクは自慢のスピードで一気にドラゴンとの距離を詰めた。

 

スザク「はぁっ!」

 

ズシャッ!

スザクはすれ違いざまにドラゴンを攻撃した。

 

ドラゴン「ガァァァァァァァァァ!!」

 

スザク「まだまだ!」

 

ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!

スザクは連続で攻撃した。

 

ドラゴン「ガァァァァァァァァァ!!」

 

ゴォォォォォォォォォ!

ドラゴンは炎のブレスを吐こうとした。

 

アリシア「ロザリー!今なら攻撃できるよ!」

 

ロザリー「えっ!?」

 

アリシア「早く!」

 

ロザリー「わ、分かったわ!」

 

タッタッタッ!

ロザリーはドラゴンに接近した。

 

ロザリー「はぁぁぁぁぁっ!」

 

ズシャッ!

ロザリーはドラゴンに攻撃した。

 

ドラゴン「ガァァァァァァァァァ!!」

 

ゴォォォォォォォォォ!

するとドラゴンは上に向かって炎のブレスを吐いた。

 

ロザリー「わっ!」

 

スザク「よくやりました!」

 

ズシャッ!

スザクはドラゴンにトドメを刺した。

 

ドラゴン「ガァァァ…」

 

ドシン!シュゥゥゥゥゥゥ…

するとドラゴンは倒れ、やがて消えていった。

 

アリシア「やったぁ!やったよロザリー!」

 

ロザリー「や、やったぁ!」

 

スザク「ふふっ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとスザクも姿を消した。

 

ロザリー「ありがとうアリシア!アリシアのおかげよ!」

 

アリシア「ううん!スザクのおかげだよ!あとでお礼言おうね!」

 

ロザリー「うん!」

 

ガコッ!

すると祭壇に宝箱が出現した。

 

アリシア「あっ!宝箱だよ!取りに行こっ!」

 

ロザリー「うん!」

 

タッタッタッ!

アリシアとロザリーは宝箱の前まで走った。

 

アリシア「ロザリー開けてみる?」

 

ロザリー「えっ?私が?」

 

アリシア「うん!」

 

ロザリー「えっ…えっと…じゃあお言葉に甘えて」

 

ガコッ!

ロザリーは宝箱を開けた。宝箱の中には何も入っていなかった。

 

ロザリー「あれ、何も入ってないよ?」

 

ブゥン

するとロザリーのステータス画面が表示された。

 

音声「特性:一点集中、スキル:乱れ突きを入手しました」

 

ロザリー「えっ!?何!?」

 

アリシア「このダンジョンはね、武器とかは手に入らないけどスキルとか特性とかが手に入るんだよ!」

 

ロザリー「あ、なるほどね」

 

ピッ

ロザリーは特性:一点集中の説明欄を開いた。

 

音声「特性:一点集中。同じ場所を攻撃するほど攻撃力が増加します。ただし、別の場所を攻撃すれば攻撃力は上がりません」

 

ロザリー「なるほど、だから一点集中なのね」

 

ピッ

ロザリーは乱れ突きの説明欄を開いた。

 

音声「スキル:乱れ突き。相手に4回槍を突き刺す」

 

ロザリー「か、簡単な説明ね…」

 

アリシア「あはは…」

 

ロザリー「よしっ!新しい特性とスキルも取れたし戻ろっ!」

 

アリシア「うん!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

すると祭壇の後ろに魔法陣が展開された。

 

アリシア「これで帰れるよ!」

 

ロザリー「分かった!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

アリシアとロザリーははじまりの街 噴水の広場まで転送された。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの街 噴水の広場

 

アリシア「ふぅ…着いたぁ…」

 

ロザリー「やっぱり楽しいね!」

 

アリシア「うん!」

 

ロザリー「そういえばアリシアのステータスってどんな感じ?」

 

アリシア「えっ?ステータス?」

 

ロザリー「うん!レベルとか知りたい!」

 

アリシア「えっと…」

 

ブゥン

アリシアは自分のステータス画面を開いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

プレイヤー名:アリシア

職業:魔物使い

Lv.21

HP:21

MP:21

攻撃力:21

防御力:21

スピード:21

魔力:21

カリスマ:687

━━━━━━━━━━━━━━━

 

ロザリー「す…すごい偏ってるね…」

 

アリシア「あはは…最初の白い場所でカリスマに全部振り分けたから…」

 

ロザリー「ということは振り分けなかった他のステータスはレベルが1上がるごとに1増えるってことね」

 

アリシア「ね!ロザリーはどんな感じ!?」

 

ロザリー「えっ?私?私は…」

 

ブゥン

ロザリーは自分のステータス画面を開いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

プレイヤー名:ロザリー

職業:槍術士

Lv.6

HP:68

MP:24

攻撃力:68

防御力:6

スピード:68

魔力:6

カリスマ:6

━━━━━━━━━━━━━━━

 

ロザリー「私はHPと攻撃力とスピードにポイントを振り分けたんだ!あとはちょこっとMPに振ったくらいかな」

 

アリシア「へぇ!ロザリーのステータスってこんな感じなんだ!」

 

ロザリー「まぁね!」

 

アリシア「槍ってどう?難しい?」

 

ロザリー「うーん…この職業だからかそんなに難しくはないかな」

 

アリシア「へぇ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

2人で話していると、ジンとルシュがログインした。

 

ジン「お、アリシアじゃねぇか」

 

アリシア「あ!ジンさん!それにルシュさんも!」

 

ルシュ「こんばんはアリシアさん」

 

アリシア「こんばんはルシュさん!」

 

ジン「何だ?何か話してたのか…って、誰だ?」

 

アリシア「あ!私の友達のロザリーです!」

 

ロザリー「ロザリーです。初めまして」

 

ルシュ「アリシアさんのお友達?」

 

アリシア「はい!」

 

ルシュ「初めまして。私はルシュです。よろしくお願いします」

 

ロザリー「わ、私の方こそよろしくお願いします」

 

ジン「俺はジン。剣士をしてるんだ。よろしくな」

 

ロザリー「よ、よろしくお願いします」

 

ルシュ「ちなみに私は魔法使いよ」

 

ロザリー「へぇ…」

 

ジン「ところで何話してたんだ?」

 

アリシア「あ、ステータスについてお話してました」

 

ジン「ステータス?」

 

アリシア「はい!」

 

ジン「そういえばあまり気にならなかったな」

 

ルシュ「私はアリシアさんのステータスに興味あるかな」

 

アリシア「あ、私のステータスならこれです!」

 

ブゥン

アリシアは自分のステータス画面を開いた。

 

ジン「へぇ、レベルは21か…ってうわっ…カリスマ以外全部最低値だ…」

 

ルシュ「あはは…まさにカリスマに全部振っちゃった感じだね…」

 

アリシア「あはは…はい…」

 

ジン「これでよく今まで負けなかったな…」

 

アリシア「あ、コハクがいたので」

 

ロザリー (コハク?)

 

ジン「あーあの白いやつか。確かにあいつがいれば問題ないな」

 

アリシア「はい!」

 

ルシュ「あなたのステータス画面はどんな感じ?」

 

ルシュはロザリーに話しかけた。

 

ロザリー「あ、えっと…私のはこれです」

 

ブゥン

ロザリーは自分のステータス画面を開いた。

 

ジン「ほぅ。槍術士か。初めて見たな」

 

ルシュ「えぇ。ステータスもHP、攻撃力、スピードにちゃんと満遍なく振ってるわね」

 

ジン「少しMPが高いってことはこれにも少し振ってるな」

 

ルシュ「そうね」

 

ジン「なぁよ」

 

ロザリー「はい!」

 

ジン「槍ってどうなんだ?簡単か?」

 

ロザリー「あ、はい!簡単です!」

 

ルシュ「そりゃそうでしょ…でなきゃ槍術士の名が廃るわよ」

 

ジン「それもそうだわ」

 

アリシア「そういえばジンさんとルシュさんのステータスってどんな感じですか?」

 

ジン「俺か?俺はな」

 

ブゥン

ジンは自分のステータス画面を開いた。

 

ジン「これだぜ」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

プレイヤー名:ジン

職業:剣士

Lv.34

HP:469

MP:147

攻撃力:469

防御力:422

スピード:113

魔力:34

カリスマ:34

━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「わっ!体力高いですね!それに攻撃力と防御力も!」

 

ジン「まぁな。俺は主にHPと攻撃力、防御力に多く振り分けてあとはMPとスピードに振ったんだ」

 

アリシア「すごい…」

 

ジン「俺はこれくらいだがこれからもっと強くなるぞ!」

 

アリシア「これは私も負けていられませんね!」

 

ロザリー (なるほど…振り分け方によって職業が選択できるってわけね)

 

アリシア「ルシュさんはどんな感じですか?」

 

ルシュ「私のはこんなのよ」

 

ブゥン

ルシュは自分のステータス画面を開いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

プレイヤー名:ルシュ

職業:魔法使い

Lv.34

HP:412

MP:867

攻撃力:34

防御力:168

スピード:198

魔力:769

カリスマ:34

━━━━━━━━━━━━━━━

 

ルシュ「私はMPと魔力に多く振り分けたの。魔法使いだからね。あとはやられないようにHPと防御力にも振り分けて、スピードも少し欲しいからスピードにも振ったの。攻撃力とかカリスマは振ってないわ」

 

アリシア「わぁっ!ルシュさんもすごい!」

 

ルシュ「まぁね!これでもジンより強いって思ってるから!」

 

ジン「おい。そんなの聞いたことねぇぞ」

 

ルシュ「いつも私がモンスターを多く倒してるじゃん!」

 

ジン「だったらお前の方がレベル高いだろ!一緒ってことは倒した数も大差ねぇよ!」

 

ルシュ「はぁっ!?だったらここで決着つける!?黒焦げにしてあげるわ!」

 

ジン「上等だ!お前を細切れにしてやるよ!」

 

アリシア「お…お二人さん…」

 

ロザリー「…ふむ。なるほど、レベルが上がれば貰えるポイントも増えるのか。なるほど」

 

ブゥン

アリシアは自分のステータス画面を開いた。

 

ロザリー「あれ、ねぇアリシア」

 

アリシア「何?」

 

ロザリー「あなた、ポイント振ってないの?」

 

アリシア「えっ?振ってるよ?」

 

ロザリー「でもほら、レベルが上がった時のポイントがまだ振られてないよ?」

 

アリシア「あ、ほんとだ。全然気づかなかった。全部振っちゃお!」

 

ピッピッピッ

アリシアはポイントをカリスマに振った。

 

アリシア「見てみてロザリー!私のカリスマ853だって」

 

ロザリー「8…853…」

 

ロザリーはアリシアが変な方向に進んでるんじゃないかと心配した。

 

アリシア「あっ!ロザリーもポイントあるよ!振らないの?」

 

ロザリー「あ、うん。振るよ」

 

ピッピッピッ

ロザリーはポイントをMPに振った。

 

ロザリー「これでよし」

 

アリシア「MPに振ったの?」

 

ロザリー「うん」

 

アリシア「えっ、何で?」

 

ロザリー「さっきもらったスキルあるでしょ?乱れ突き」

 

アリシア「あ、報酬の…」

 

ロザリー「そう。あれのMP消費が8なの。このままだと3回しか使えないから少し上げとこうかなって」

 

アリシア「そうなんだ!で、今どれくらい?」

 

ロザリー「31よ」

 

アリシア「あ、ギリギリ4回使えない…」

 

ロザリー「まぁいいの。次レベル上がったら1だけ振って残りを攻撃力とかに振るわ」

 

ルシュ「あ、そうそうアリシアさん」

 

アリシア「はい!」

 

なんかいつの間にか2人の喧嘩が終わっていた。

 

ルシュ「新イベントが今週末にあるの知ってる?」

 

アリシア「新イベント?」

 

ジン「これだ」

 

ピッ

ジンは運営からの通知を表示した。

 

アリシア「バトルロイヤル?って何ですか?」

 

ジン「ここにいるプレイヤー同士で戦って、最後まで生き残れば勝ちってゲームだ。時間制限でポイント制だから恐らく相手を倒してポイントを多く取れば勝ちってやつだな」

 

アリシア「へぇ、みなさんで戦うんですね」

 

ルシュ「そう。しかもポイントを持っている人を倒せば自分のポイントにできるの」

 

アリシア「へぇ、そうなんですね」

 

ジン「これはレベル関係なしに全員が参加だから初心者の人はすぐにやられちまう」

 

アリシア「あっ!ロザリー!」

 

ロザリー「い…いけるかしら…」

 

ルシュ「まだ今週末まで時間あるから一緒にレベル上げしない?」

 

ロザリー「!」

 

ジン「俺たちはこの通知を見て2人よりも3人でやった方がいいんじゃね?って思って今ログインしてきたんだ。だがアリシアの友達もいるってことは4人で行動できるんだ。一緒にどうだ?」

 

アリシア「やろうロザリー!新イベントだよ!」

 

ロザリー「え、うん。それはいいけど…」

 

ジン「何かあるのか?」

 

ロザリー「私、初期装備同然だから何か装備を揃えたいんです」

 

ジン「あーそうか。確かに初期装備だと難しいな」

 

ルシュ「ならカミラさんに聞いてみてもいいかもね」

 

アリシア「行こうロザリー!一緒に新イベントで最後まで残ろっ!」

 

ジン「いや、次のイベントは全員敵同士だぞ」

 

アリシア「えっ!?そうなんですか!?」

 

ジン「あぁ、バトルロイヤルだからな」

 

アリシア「じゃあロザリー。今週末までゲーム禁止ね」

 

ロザリー「えっ!?」

 

アリシア「ロザリーに負けたくないから」

 

ジン「こいつ…ひでぇ…」

 

アリシア「嘘だよ!ロザリーも勝つの!私と一緒に!」

 

ロザリー「もう…ビックリした…」

 

ジン「まぁ今回のイベントはバトルロイヤルだがポイント制だからお前らが取り合いしなければ安全に終われるだろ」

 

ロザリー「そっか。他の人を倒してポイントを稼げばアリシアと戦わずに済む…」

 

アリシア「そっか!じゃあ武器と防具揃えよ!行こうロザリー!」

 

ロザリー「う、うん!」

 

アリシア、ロザリー、ジン、ルシュはカミラの鍛冶屋に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…カミラの鍛冶屋

 

カミラ「…なるほど、今週末のイベントのために武器と防具を揃えたい…と」

 

ロザリー「はい!」

 

カミラ「そうねぇ、リストならあるけど素材がねぇ…」

 

ロザリー「難しいんですか?」

 

カミラ「あぁ。難しい」

 

ロザリー「どんなやつなんですか?」

 

パサッ

カミラはあるページを開いたリスト表をロザリーに見せた。

 

カミラ「今作れる装備はこれよ」

 

ロザリー「ロンギヌスの槍、禍血の鎧ですか」

 

カミラ「そう。ロンギヌスの槍は自分のHPを消費して攻撃力を上げることができる。しかも永続ダメージよ」

 

ロザリー「ということは常にHPが減り続ける…と」

 

カミラ「そう。でもこの禍血の鎧があれば消費したHP分を回復させることができる」

 

ロザリー「そっか!つまり減り続けるHPと回復し続けるHPが相殺して!」

 

カミラ「そう。実質高い攻撃力を維持することができる」

 

ロザリー「すごい!」

 

カミラ「でも難しいのよ。素材が」

 

ロザリー「あっ…」

 

カミラ「あんたたち骸の武士は倒したことあるかい?」

 

ジン「骸の武士か…」

 

ルシュ「すみません…」

 

カミラ「なら難しいかもね」

 

ロザリー「まさか…」

 

カミラ「…このロンギヌスの槍に骸の武士の血が必要なのよ」

 

アリシア「骸の武士ってあの刺々しい扉の…」

 

カミラ「そう。あそこのダンジョンのボスモンスター。強すぎて返り討ちにあったプレイヤーが多い。あいつを倒したのは現時点で1人だけ。そんな高難易度のモンスターが素材になってる」

 

ロザリー「そんな…」

 

カミラ「あんた、ログインしてあまり経ってないだろ?レベルが低い」

 

ロザリー「はい」

 

カミラ「この武器は強いけど作るのが難しい。というよりか素材が難しい。初心者には特にね」

 

ロザリー「そう…ですか…」

 

アリシア (ごめんねロザリー…私があの時骸の武士の血を取っていれば…ごめんね…ロザリー…)

 

カミラ「でも禍血の鎧なら作れるよ。素材も揃ってるし」

 

ロザリー「ホントですか!?」

 

カミラ「えぇ。アリシアの天の羽衣もね」

 

アリシア「えっ!?」

 

カミラ「ちょっと待ってな」

 

スタスタスタ

カミラは工房に向かった。

 

アリシア「やったねロザリー!防具できるって!」

 

ロザリー「うん!良かった!」

 

ジン「そういえばロザリーはともかくアリシアはまだ初期装備なんだな」

 

アリシア「あ、はい。実は全然ダンジョンで防具が落ちなくて…」

 

ジン「まぁ確かにあまり落ちねぇな」

 

ルシュ「だから私たちは素材を持ち寄ってカミラさんに作ってもらうのよ」

 

アリシア「なるほど!」

 

カミラ「ほらアリシア。天の羽衣だよ」

 

アリシア「やったー!」

 

カミラ「早速着てみな」

 

アリシア「はい!」

 

ブゥン…ピッ

アリシアは防具欄に天の羽衣を入れた。

 

シュゥゥゥゥゥゥ!

するとアリシアの服が天の羽衣になった。

 

アリシア「わぁ!綺麗!」

 

天の羽衣は白い艶やかな布でできていた。しかもキラキラしていた。

 

ロザリー「すごく綺麗よアリシア!アリシアが動くと衣装がキラキラ光ってるよ!」

 

アリシア「えへへ…」

 

音声「特性:受け流しを入手しました」

 

アリシア「えっ?受け流し?」

 

ピッ

アリシアは特性:受け流しの説明欄を開いた。

 

音声「特性:受け流し。死角になっている相手の攻撃を躱すことができる。ただし、防具がプレイヤーを無理やり動かす形になるため、突然の動きに注意」

 

アリシア「な、なるほど…」

 

ルシュ「つまり、飛び道具とかは避けられるってことね」

 

ジン「でも死角になっている攻撃だろ?見えないところからの攻撃しか避けられねぇってことだから見えてたら自分で避けるしかないってことだ」

 

アリシア「あ、なるほど…」

 

ロザリー「しかも天の羽衣がアリシアを無理やり回避させるってなると、いきなり体を動かされるのと同じ。その天の羽衣に操られる感じかな」

 

アリシア「あーじゃあいきなり避けちゃったら倒れちゃいそうだね」

 

ルシュ「でも無理やり死角にすれば天の羽衣がアリシアさんを動かしても驚かなさそうね」

 

アリシア「あっ!そっか!」

 

ロザリー「確かに…敵の攻撃にあえて背を向けることで死角を発生させて天の羽衣に避けさせるって手もあるわ…」

 

アリシア「強いじゃん!やった!」

 

ルシュ「強いしその天の羽衣も綺麗でいいわね。アリシアさん」

 

アリシア「はい!」

 

スタスタスタ

するとカミラが工房から出てきた。

 

カミラ「できたよ。禍血の鎧」

 

ドサッ

カミラは禍血の鎧をカウンターに置いた。禍血の鎧は名前のごとく血のように赤く、胸あたりに紫色の宝石が埋め込まれている。

 

カミラ「これがあなたの防具ね」

 

ロザリー「ありがとうございます!!」

 

ロザリーは禍血の鎧を受け取り、防具欄に禍血の鎧をセットした。

 

シュゥゥゥゥゥゥ!

するとロザリーに禍血の鎧が装備された。

 

ロザリー「うわぁっ!すごい!」

 

アリシア「ロザリー!カッコイイ!!」

 

ロザリー「ありがとうアリシア…えへへ…」

 

カミラ「そいつがあればダメージを受けても回復してくれる。序盤にはうってつけの防具だよ」

 

ロザリー「ありがとうございます!」

 

カミラ「でもごめんね。ロンギヌスの槍。作ってあげられなくて」

 

ロザリー「いいですよ!私には鉄の槍がありますしこんなカッコイイ防具まで作っていただいて!」

 

カミラ「そうかい…私としてはロンギヌスの槍も作ってあげられたらいいんだけどね…」

 

ロザリー「まぁ、その武器は私が自分で取ってきてまたカミラさんにお願いしようと思います」

 

カミラ「そうかい。ならその時を気長に待って…」

 

ガチャ…カランカラン!

すると突然誰かが入ってきた。

 

カミラ「いらっしゃい」

 

アリシア「え!?コハク!?」

 

コハク「 ( *´꒳`*) 」

 

入ってきたのはコハクだった。

 

ロザリー (あの人が…コハク…)

 

スタスタスタ

コハクはアリシアの所まで歩いた。

 

カミラ「おや、あんたはあの時の」

 

スッ…

するとコハクは服からあるものを取り出してアリシアに見せた。それは血のように赤い液体が入った小瓶だった。

 

アリシア「えっ…コハク…何?これ」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

カキカキカキ

コハクはカウンターに置いてある紙とペンを使って文字を書いた。

 

コハク『骸の武士の血です』

 

アリシア「え!?」

ロザリー「え!?」

ジン「何っ!?」

ルシュ「えっ!?」

カミラ「え!?」

 

コハク以外のその場にいた全員が驚いていた。

 

アリシア「えっ…コハク…骸の武士の血って…」

 

コハク『主様。先程、骸の武士の血を取っていれば…とか考えてませんでしたか?』

 

アリシア「!!」

 

コハク『それを聞いて骸の武士の血が必要なのかなと思い、先程取ってきました』

 

アリシア「コハク…」

 

ジン「そういえばコハクはアリシアの考えてることが伝わるんだっけ?テレパシーとかなんとかで」

 

ルシュ「あ、そういえばそんな事言ってたわね」

 

アリシア「じゃあ…コハク…」

 

コハク『はい。必要であればと思い、さっき骸の武士を4体倒してきました。全然落ちなくて4回も繰り返すことになりました』

 

ジン「えっ…?あれを4回?」

 

ルシュ「あんな強いモンスターを…この短時間で4回も?」

 

アリシア「えっ…コハク…私…血を取ってくればって考えてからそんなに時間経ってないよ?それなのに4回も?」

 

コハク『はい。そこまで難しくないですよ』

 

アリシア「コハク…」

 

コハク『とりあえずどうぞ。骸の武士の血です』

 

アリシアはコハクから骸の武士の血を受け取った。

 

ブゥン…

アリシアは持ち物を開いた。

 

アリシア「ほんとだ…骸の武士の血って書かれてる…」

 

コハク『はい』

 

カミラ「あ…あんた…」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

カミラ「ちょ、ちょっと待って!」

 

ブゥン

カミラは棘の扉の攻略ページを開いた。

 

カミラ「嘘っ…増えてない…」

 

アリシア「えっ、何が増えてないんですか?」

 

カミラ「棘の扉の攻略者数よ…今も1人ってなってる…」

 

アリシア「えっ?」

 

ジン「でもコハクはモンスターだからカウントはされないだろ?」

 

カミラ「いや、誰でもカウントされるわよ。プレイヤーでもモンスターでも」

 

ジン「えっ?」

 

カミラ「魔物使いって職業があるからモンスターで攻略してもカウントされるのよ。でも問題はそこじゃない」

 

アリシア「?」

 

カミラ「骸の武士を倒したのは現在1人って言ったのを覚えてる?」

 

アリシア「あ、はい」

 

カミラ「今確認したら、骸の武士を倒した人が未だ1人なのよ。増えてない。なのに今コハクが4回も倒したって言ってた…」

 

ジン「えっ?それって…」

 

カミラ「えぇ。骸の武士を倒したのがモンスターであってもカウントはされる。コハクは4回倒してここに来た。でも攻略者数は増えてない…つまり、この1人は…」

 

みんなが一斉にコハクを見た。

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

カミラ「コハク…骸の武士を倒したこの1人って…もしかして…」

 

コハク「 (。-`ω´-) 」

 

カキカキカキ

コハクは紙に文字を書いた。

 

コハク『え、みなさんはあのモンスターを倒したことがないんですか?』

 

アリシア「!!」

ロザリー「!!」

カミラ「!!」

ジン「!?」

ルシュ「!?」

 

その場にいる全員が驚いて固まった。

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

ジン「ちょ…ちょっと待て…あのモンスターを1人で?しかも4回?」

 

コハク『前に1回倒してるので今は5回倒したことになりますね』

 

ジン「嘘だろ…」

 

ルシュ「アリシアさん…やっぱりこの子…」

 

アリシア「コ…コハク…すごいよコハク!!」

 

ギュッ!

アリシアはコハクに抱きついた。

 

アリシア「すごい!すごいよ!コハク!!あんな強いモンスターを1人で倒せるなんて!!やっぱりコハクは強いね!」

 

コハク「 ( *´꒳`*) 」

 

音声「特性:褒め言葉が発動しました。コハクとの信頼度が上昇します」

 

ロザリー「褒め言葉?」

 

ジン「なぁルシュ」ヒソヒソ

 

ルシュ「何?」ヒソヒソ

 

ジン「これ…コハクが次のイベントで無双したら…」ヒソヒソ

 

ルシュ「間違いなく標的にされる…」ヒソヒソ

 

ジン「でもパートナーってやつは常にモンスターと一緒に行動する特性なんだろ?」ヒソヒソ

 

ルシュ「あ、確かに」ヒソヒソ

 

ジン「でもいつもアリシアの近くにいないよな。いつもどこからともなく現れるし…」ヒソヒソ

 

ルシュ「確かに…不思議ね…」ヒソヒソ

 

アリシア「ねぇコハク!」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

アリシア「これ!使ってもいい?」

 

コハク「 ( ´˘`) -ᴗ-) 」

 

コハクは大きく頷いた。

 

アリシア「ありがとうコハク!カミラさん!これを使ってロザリーに武器を作ってあげてください!」

 

カミラ「えっ…?あんた、ホントにいいのかい?」

 

コハク「 ( ´˘`) -ᴗ-) 」

 

コハクは大きく頷いた。

 

カミラ「分かったわ。少し待ってね」

 

スタスタスタ

カミラは工房に向かった。

 

アリシア「やったねロザリー!これでロザリーの武器作れる…よ?」

 

ロザリー「うっ…ひぐっ…うぅっ…」

 

ロザリーが泣いていた。

 

アリシア「ロザリー!?どうしたの!?」

 

コハク「ヾ(・ω・`;)ノ 」

 

アリシアとコハクは2人して焦っていた。

 

ロザリー「だって…あの武器の素材…とっても難しいって…言ってたから…もうダメかなって思ってて…でも取ってきてくれて…知らない私のために…」

 

アリシア「ロザリー…」

 

コハク「 (*´ω`*) 」

 

ナデナデ…ナデナデ…

コハクはロザリーの頭を撫でた。

 

ロザリー「?」

 

カキカキカキ

コハクは紙に文字を書いた。

 

コハク『主様の頼みなら知らないあなたでも助けますよ』

 

ロザリー「!」

 

アリシア「コハク…」

 

コハク『何かあったらまたお声かけください』

 

ロザリー「ありがとうございます…コハクさん…」

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

カキカキカキ

コハクは紙に文字を書いた。

 

コハク『コハクでいいですよ』

 

ロザリー「うっ…ありがとう…コハク…」

 

コハク『はい』

 

コハク「 ‪(*´﹀`*)‬ 」

 

カキカキカキ

コハクは紙に文字を書いた。

 

コハク『では主様。私はこれで』

 

アリシア「待ってコハク!どこ行くの!?」

 

コハク『さて、次はどこに行きましょうかね』

 

スタスタスタ

コハクはカミラの鍛冶屋を出た。

 

アリシア「コハク…」

 

ジン「なぁアリシア」

 

アリシア「はい」

 

ジン「あいつ…ヤベェな…」

 

アリシア「あはは…」

 

ルシュ「あの骸の武士を4回も…」

 

アリシア「正直コハクの強さは私にも分からないんです…分かればいいんですが…」

 

ロザリー「コハク…」

 

するとしばらくしてカミラが工房から出てきた。

 

カミラ「ほら、できたよ。ロンギヌスの槍」

 

アリシア「わぁっ!カッコイイ!」

 

ロザリー「!」

 

ロンギヌスの槍は骸の武士の血のように赤く、1本の棒状の槍となっていた。

 

アリシア「あれ、ロザリーの鉄の槍と少し形が違うような…」

 

カミラ「そりゃ鉄の槍はこの穂の部分…つまり、刃の部分が2つに分かれてるんだ、でもロンギヌスの槍は1本になってる。この真っ直ぐな武器こそ槍そのもの。突きを主に使う槍にとってはいい形だ」

 

ロザリーはカミラからロンギヌスの槍を受け取った。

 

ロザリー「あ、ありがとうございます!」

 

カミラ「私は作っただけだよ。お礼ならコハクに言いな。今回はあの子の大手柄だよ」

 

ロザリー「はい!」

 

ブゥン…ピッ

ロザリーは装備の武器欄にロンギヌスの槍をセットした。

 

シュゥゥゥゥゥゥ!

するとロザリーの背中にあった鉄の槍が消え、ロンギヌスの槍が新たに装備された。

 

ロザリー「本当にありがとうございます!アリシアもありがとう!コハクにも次会った時に伝えるね!」

 

アリシア「うん!じゃあこれから次のイベントまでできるだけレベル上げたりしよ!」

 

ロザリー「うん!」

 

こうしてアリシアとロザリーは新装備を手に入れ、本格的に次のイベントに向けて準備を進めるのだった。




〜物語メモ〜

スキル:鋼鉄剣(こうてつけん)
ジンが使ったスキル。剣を使って打撃ダメージを与えることができる。

スキル:火炎斬(かえんざん)
ジンが使ったスキル。炎が剣に纏い、相手を攻撃するスキル。

報酬:鳥キラーの剣
ジンが入手した武器。鳥のモンスターに有効な剣。

報酬:スキル:咆哮
アリシアが入手したスキル。大声を出すことで相手を威嚇することができる。近いほど効果があり、離れていれば全く効果がない。

報酬:特性:雷耐性増加
ルシュが入手した特性。雷属性攻撃に対するダメージを軽減する。

ロザリー
結衣の友達である花蓮のプレイヤー名。

ロザリーの初期装備
武器:なし。防具:初期装備

槍術士
槍を使った攻撃を得意とする。攻撃力とスピードにポイントを振り分けることで選択できる職業のひとつ。槍の長いリーチと自身の高いスピードで一方的に有利な展開を作ることができる。ただし、遠距離攻撃には弱い。

鉄の槍
ロザリーのはじめての武器。一般的に使われている初期の槍。

報酬:特性:一点集中
ロザリーが入手した特性。同じ場所を攻撃するほど攻撃力が上がり、別の場所を攻撃すれば元に戻る。

報酬:スキル:乱れ突き
ロザリーが入手したスキル。素早く相手を4回突き刺す。

アリシアのステータス
職業:魔物使い
Lv.21
HP:21
MP:21
攻撃力:21
防御力:21
スピード:21
魔力:21
カリスマ:853

ロザリーのステータス
職業:槍術士
Lv.6
HP:68
MP:31
攻撃力:68
防御力:6
スピード:68
魔力:6
カリスマ:6

ジンのステータス
職業:剣士
Lv.34
HP:469
MP:147
攻撃力:469
防御力:422
スピード:113
魔力:34
カリスマ:34

ルシュのステータス
職業:魔法使い
Lv.34
HP:412
MP:867
攻撃力:34
防御力:168
スピード:198
魔力:769
カリスマ:34

武器:ロンギヌスの槍
ロザリーが装備している武器。骸の武士の血を素材として作られる槍で、血のように赤いのが特徴。ロンギヌスの槍は自分のHPを消費して攻撃力を増加させる効果を持つ。

防具:禍血の鎧
ロザリーが装備している防具。消費したHPを継続回復させる防具。HPを永続的に削るロンギヌスの槍と相性がよく、ロザリーは2つを装備すれば常に攻撃力アップ状態を維持することができる。

天の羽衣
アリシアが装備している防具。白く艶やかな布でできている防具で動けば布がキラキラ光る。特性:受け流しを所持している。

特性:受け流し
アリシアが所持している特性。死角になっている相手の攻撃を躱すことができる。天の羽衣がアリシアを無理やり動かすので、いきなり体が動くことがある。そのせいでバランスを崩すこともある。ただし、この特性は天の羽衣を装備している時にしか発動しない。天の羽衣を外せばこの特性も消える。


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第5話 イベントに向けての準備

場所…ダンジョン カチカチの洞窟

 

ジン「ここが今俺たちの間で話題になってるダンジョンだ」

 

ジン、ルシュ、アリシア、ロザリーはジンの勧めでとあるダンジョンに来ていた。

 

ジン「名前はカチカチの洞窟だ」

 

アリシア「カチカチの洞窟…」

 

ロザリー「な、なんか、個性的な名前だね」

 

ジン「実際こういう名前なんだから仕方ないだろ?文句なら運営に言いな」

 

ルシュ「ジン。この子たち何も文句言ってないじゃない」

 

ジン「まぁいいよ。そんじゃ行くぞ…っとその前に」

 

ジンはアリシアたちの方を見た。

 

ジン「この中にいるモンスターはとにかく硬い。体力が多いじゃなくて防御力が高い」

 

アリシア「あ、だからカチカチの…」

 

ジン「そう。攻撃力が低かったらまずダメージを与えられない」

 

ロザリー「え、じゃあ私とアリシアは…」

 

ジン「だから俺たちが一緒にいるんだ」

 

ロザリー「?」

 

ジン「俺とルシュなら倒せる。2人は俺たちと一緒にレベルを上げる。簡単なことだろ?」

 

アリシア「なるほど!」

 

ジン「とりあえず30くらいまで上げたいな。2人とも」

 

アリシア「はい!」

 

ジン「よしっ!じゃあ行くぞ!」

 

スタスタスタ

ジンたちはカチカチの洞窟に入っていった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…カチカチの洞窟 第1大広間

 

アリシア「わ、ここちょっと広くなってる」

 

ジン「このダンジョンは全部で3つの大広間がある。ここがその1つ目だ」

 

プニョン!プニョン!プニョン!

すると何やらスライムらしきモンスターが3匹現れた。

 

アリシア「わっ!何か出てきましたよ!?」

 

ジン「あれがカチカチスライムだ」

 

ロザリー「カチカチ…」

 

ジン「ルシュ!いつもの!」

 

ルシュ「任せて!」

 

バッ!

ルシュは両手の掌をカチカチスライムに向けた。

 

ルシュ「防御低下(ガードダウン)!」

 

ブゥゥゥゥン…

するとカチカチスライムの防御力が下がった。

 

ルシュ「いいよ!ジン!」

 

ジン「よしっ!」

 

タッタッタッ!

ジンは剣を構えてカチカチスライムに向かって走った。

 

ジン「鋼鉄剣!」

 

ドカッ!

ジンはスキルを使ってカチカチスライムを攻撃した。だがカチカチスライムは倒れる気配がなかった。

 

ジン「アリシア!ロザリー!お前らも攻撃だ!」

 

アリシア「はい!」

ロザリー「はい!」

 

カチャ!

アリシアは堕天使の短剣を装備した。

 

ブゥン!ブゥン!ブゥン!コンッ!ズォッ…

ロザリーはロンギヌスの槍を装備した。するとロンギヌスの槍が赤いオーラを放ち始めた。

 

アリシア「出てきてスザク!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

メダルからスザクが出てきた。

 

アリシア「あのモンスターをやっつけて!」

 

スザク「お任せを!」

 

シュッ!

スザクは一瞬でカチカチスライムの目の前に現れた。

 

スザク「はぁっ!」

 

キィン!

スザクの攻撃が弾かれた。

 

スザク「なっ!?」

 

キィン!キィン!キィン!

スザクは何度も攻撃したが、全くダメージを与えられなかった。

 

スザク「くっ…なんという失態…これでは主様に顔向けできない!」

 

ビュン!

スザクはカチカチスライムの周辺を走り回り、翻弄した。

 

スザク「せいっ!」

 

ズシャッ!

スザクは背後から攻撃した。するとダメージを与えられた。

 

スザク「よしっ!このまま続ければ!」

 

ロザリー「私も!」

 

タッタッタッ!

ロザリーは槍を構えて走った。

 

ロザリー「はぁぁぁっ!せいっ!」

 

コンッ!ビュン!ビュン!コンッ!

ロザリーは槍を振り回してカチカチスライムを攻撃した。だが相手が硬すぎてダメージを与えられなかった。

 

ロザリー「まだまだ!乱れ突き!」

 

ビュンビュンビュンビュン!

ロザリーは素早く4回槍を突いた。だがカチカチスライムには全くダメージがなかった。

 

ロザリー「くっ…」

 

ジン「闇雲に打ってもダメだ!背後を取れ!背後が弱点だ!」

 

ロザリー「はい!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!

ロザリーは上げたスピードを活かしてなんとか背後に回り込もうとした。

 

ロザリー (ここっ!)

 

カン!

ロザリーは背後から攻撃した。だがカチカチスライムの防御力に弾かれてしまった。

 

ロザリー「なっ!」

 

アリシア「ロザリー!」

 

ズシャッ!

すると近くでスザクがカチカチスライムを1匹倒した。

 

スザク「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 

スザクはずっと走り回ってたせいか、相当疲れていた。

 

スザク「自分の戦闘不足…痛々しい…」

 

ジン「どりゃあ!」

 

ゴンッ!シュゥゥゥゥゥゥ…

ジンは力強い攻撃でカチカチスライムを倒した。残りはロザリーのカチカチスライムだけ。

 

ジン「ルシュ!ロザリーの援護だ!」

 

ルシュ「やってるよ!」

 

ルシュはずっと防御低下の魔法を使っていた。

 

ロザリー「やぁっ!」

 

カン!カン!カン!カン!カン!

やっぱりロザリーの攻撃力ではカチカチスライムの防御力を突破できなかった。

 

ロザリー「くっ!」

 

アリシア「ロザリー!頑張れぇ!」

 

音声「特性:応援の発動を確認。仲間のステータスが上昇します」

 

ブゥゥゥゥン!

するとロザリーのステータスが上昇した。

 

ロザリー「えっ!?急に力が!」

 

ジン「どりゃあ!」

 

ゴンッ!

ジンはなんとかカチカチスライムにダメージを与えた。

 

ジン「ロザリー!もう少しだ!あと少しで倒せるぞ!」

 

ロザリー「はい!」

 

タッタッタッ!

ロザリーはカチカチスライムに近づいた。

 

ロザリー「はぁっ!乱れ突き!」

 

ビュンビュンビュンビュン!

ロザリーは乱れ突きを使った。3回目の突きでダメージを与えることができた。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとカチカチスライムが姿を消した。

 

ジン「よしっ!よくやったロザリー!倒したぞ!」

 

ロザリー「やったぁ!」

 

アリシア「やったねロザリー!」

 

ロザリー「うん!アリシアも応援ありがとう!」

 

アリシア「えへへ…」

 

ジン「あと1回これが来るけど行けるか?」

 

アリシア「はい!」

ロザリー「はい!」

 

ジン「よしっ!行くぞ!」

 

スタスタスタ

ジン、ルシュ、アリシア、ロザリーは次に続く第2大広間も突破することができた。だが、ロザリーのMPが少なくなり、少し心細くなっていた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…カチカチの洞窟 最下層

 

ジン「よしっ。ここが最下層だ。ここのボスはさっきのやつらよりも硬いからな。気をつけろよ」

 

スタスタスタ

ジン、ルシュ、アリシア、ロザリーは最下層の中央に立った。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

すると祭壇の前に魔法陣が展開された。

 

ウィィィン…ガコン…ガコン…

すると魔法陣から召喚されたのは剣と斧を片手ずつ持った機械だった。

 

アリシア「あれは…機械?ですか」

 

ジン「そうだ。名前はメカ・カチーン」

 

アリシア「メ…」

 

ロザリー「メカ・カチーン…」

 

ルシュ「相変わらず変な名前よね…」

 

ジン「文句なら運営に言いな!」

 

カチャ

ジンは剣を装備した。

 

スッ

ルシュは杖を装備した。

 

カチャ

アリシアは堕天使の短剣を装備した。

 

ビュンビュンビュンコンッ!ズォッ…

ロザリーはロンギヌスの槍を装備した。するとロンギヌスの槍が赤いオーラを放ち始めた。

 

ジン「行くぜ!」

 

ダッ!

ジンが先陣切ってメカ・カチーンに接近した。

 

メカ・カチーン「敵を視認」

 

ジン「どりゃあ!」

 

ゴンッ!

ジンは大振りな攻撃をした。だがメカ・カチーンはその攻撃を避けた。

 

メカ・カチーン「攻撃」

 

ドカッ!

メカ・カチーンがジンに攻撃した。だがジンはそれを避けた。

 

メカ・カチーン「継続」

 

ドォン!ドォン!ガン!ガン!ドォン!

メカ・カチーンは両手に持った斧と剣を巧みに操ってジンを攻撃した。だがジンはなんとか回避することができた。

 

ジン「お前ら!あんまり無理するなよ!できる範囲で攻撃しろ!」

 

アリシア「はい!」

ロザリー「はい!」

 

アリシア「スラちゃんたち!出てきて!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

スラちゃん、スラくん、ライム、スラミがメダルから出てきた。

 

アリシア「あのモンスターの動きを止めて!」

 

ダダダダダダダダ!

スラちゃんたちがメカ・カチーンに向かって走った。

 

アリシア「イノくん!お願い!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

イノくんがメダルから出てきた。

 

アリシア「イノくん!スラちゃんたちがあのモンスターの動きを止めようとしてくれるから動きが止まったら渾身の突進をお見舞して!」

 

イノくん「フゥゥゥゥゥ!ブルブルブル!」

 

アリシア「スザク!あなたもお願い!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

スザクもメダルから出てきた。

 

アリシア「スザク!スラちゃんたちがやられないよう援護して!」

 

スザク「はい!お任せを!」

 

ビュン!

スザクはメカ・カチーンに向かって走った。

 

ロザリー「私も!」

 

タッタッタッ!

ロザリーは槍を構えて走った。

 

ルシュ「防御低下(ガードダウン)!!」

 

ブゥゥゥゥン…

するとメカ・カチーンの防御力が低下した。

 

ルシュ「さらに速度低下(スピードダウン)!」

 

ルシュはメカ・カチーンのスピードを下げた。

 

メカ・カチーン「敵の妨害を確認」

 

メカ・カチーンが防御低下と速度低下の魔法を受けてルシュに狙いを定めた。

 

メカ・カチーン「最優先」

 

ダダダダダダダダダ!

するとメカ・カチーンがジンを無視してルシュ向かって走った。

 

ダダダダダダダダダ!

スラちゃんたちはメカ・カチーンのあとを追う。

 

ジン「ルシュ!」

 

ルシュ「!」

 

タッタッタッ!

ルシュはメカ・カチーンから距離を取った。

 

アリシア「やぁっ!」

 

カンッ!

アリシアはメカ・カチーンに攻撃した。

 

メカ・カチーン「無視。最優先」

 

ダダダダダダダダダ!

だがメカ・カチーンはアリシアを無視してルシュを追いかけた。

 

ルシュ「なんで!?」

 

スザク「くっ!」

 

ビュンビュン!

スザクはステップを踏んで一気にメカ・カチーンに近づいた。

 

スザク「はぁぁぁぁぁっ!」

 

グルグルグル!

するとメカ・カチーンが急に体を回し始めた。

 

スザク「しまっ!」

 

ドカッ!

スザクはその攻撃に被弾してしまった。

 

アリシア「スザク!」

 

メカ・カチーン「…」

 

カチッ…ダダダダダダダダダ!

メカ・カチーンは一瞬だけ動きを止めると、再度ルシュを追いかけ始めた。

 

ルシュ「まだ追いかけてくる!!」

 

ジン「ルシュ!」

 

ダッ!

ジンはルシュの横を抜けた。

 

ジン「でりゃあ!」

 

ドゴォン!

ジンは力強く剣を振った。

 

メカ・カチーン「邪魔者」

 

ビュン!ビュン!カンッ!ビュン!ゴンッ!

メカ・カチーンは自慢の剣と斧を振り回してジンを退かせた。

 

メカ・カチーン「…」

 

カチッ…ダダダダダダダダダ!

メカ・カチーンが一瞬だけ動きを止めると再度ルシュを追いかけ始めた。

 

ルシュ「ジン!」

 

ジン「くそっ!」

 

ジジジ…ブゥゥゥゥン…ガクッ…

すると突然メカ・カチーンが動きを止めた。

 

ロザリー「えっ?」

 

ルシュ「あ、えっ?止まった?」

 

ジン「何が起きたんだ?」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとメカ・カチーンが姿を消した。

 

ガコッ!

祭壇に宝箱が出現した。

 

ジン「な、何だったんだ?」

 

ルシュ「急に止まったわね…」

 

アリシア「!」

 

アリシアは手に持ってる堕天使の短剣を見た。

 

アリシア (まさか…永続ダメージで?)

 

スッ!

アリシアは堕天使の短剣をしまってジンとルシュのところに向かった。

 

アリシア「みんな戻って!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

スラちゃんたちがメダルに戻った。

 

ジン「初めて見たぞ…」

 

ルシュ「不具合かしら」

 

ジン「不具合なんて初めてだぞ?」

 

アリシア「ジンさん!ルシュさん!」

 

アリシアとロザリーが合流した。

 

アリシア「倒せましたね!」

 

ジン「あ、あぁ…」

 

ルシュ「でもこんな勝ち方初めてよ?」

 

ジン「いつもはあの硬さを何とか下げて攻撃してた。なのに今回は…」

 

ロザリー「そういえば技の後に大きな隙がありましたね」

 

ジン「いや、あいつの攻撃はあんなに隙が大きくない。一体なぜ…」

 

アリシア「もしかして…これが原因なのではないでしょうか」

 

カチャ

アリシアは堕天使の短剣を取り出した。

 

アリシア「堕天使の短剣です。骸の武士を倒した時に手に入れた武器なんですが、相手を攻撃すれば永続的にダメージを与えることができるんです」

 

ジン「!」

ルシュ「!」

 

アリシア「もしかしたらそのせいかもと…」

 

ジン「そうか…あいつの動きが鈍かったのもダメージを負って遅くなってたからか…」

 

ルシュ「確かに…それは納得ね」

 

ジン「じゃあこれからはアリシアが攻撃して相手が倒れるまで待てば楽に攻略できるってことか」

 

ルシュ「確かに」

 

アリシア「えっ?」

 

ジン「これならレベル上げも捗りそうだ!」

 

ロザリー「ありがとうアリシア!」

 

アリシア「い、いやぁ…」

 

ジン「よしっ!そうと決まれば宝箱を開けてさっさと2人をレベル30まで上げるぞ!」

 

ルシュ「おー!」

アリシア「はい!」

ロザリー「はい!」

 

その後、ジンたちは何回も繰り返してロザリーがレベル30になるまで周回した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

アリシアのステータス

Lv.39

HP:39

MP:39

攻撃力:39

防御力:39

スピード:39

魔力:39

カリスマ:1114

━━━━━━━━━━━━━━━

ロザリーのステータス

Lv.30

HP:213

MP:111

攻撃力:213

防御力:30

スピード:213

魔力:30

カリスマ:30

━━━━━━━━━━━━━━━

ジンのステータス

Lv.43

HP:556

MP:187

攻撃力:556

防御力:512

スピード:198

魔力:53

カリスマ:53

━━━━━━━━━━━━━━━

ルシュのステータス

Lv.43

HP:499

MP:913

攻撃力:43

防御力:200

スピード:213

魔力:998

カリスマ:43

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの街 噴水の広場

 

ジン「大分時間かかったが、なんとかロザリーをレベル30にできたな」

 

ロザリー「ありがとうございます!」

 

ジン「あのダンジョンの報酬は経験値だけだから開いたら即入口に戻るのがコツだぞ」

 

ロザリー「はい!」

 

ジン「よしっ!これくらいいけばイベントもある程度いけるだろうが、2人はどうするよ」

 

アリシア「私!時間なので夜ご飯を!」

 

ジン「お、もうそんな時間か」

 

ルシュ「私も今日は終わろうかな」

 

ロザリー「私もそうします!」

 

ジン「よしっ。なら2人はもうこれで経験値稼ぎも覚えただろうし、次からは2人で行ってみるといいよ。アリシアなら永続ダメージで勝てるだろうし」

 

アリシア「はい!」

 

ジン「それじゃあな。またイベントで」

 

アリシア「はい!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

ジンがログアウトした。

 

ルシュ「アリシアさん!ロザリーさん!イベント楽しみにしてるからね!」

 

アリシア「はい!私も!」

ロザリー「私も!楽しみにしてます!」

 

ルシュ「それじゃあね!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

ルシュがログアウトした。

 

アリシア「じゃあ私たちも」

ロザリー「うん!また明日!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

アリシアとロザリーがログアウトした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ー翌日ー

 

場所…学校の教室 昼休み

 

花蓮「結衣って特性とかスキルとか結構ある?」

 

結衣「うーん…スキルは少ないかな。3つくらいだったと思うよ」

 

花蓮「特性は?」

 

結衣「うーん…多いから分かんない…」

 

花蓮「ふーん。私もそろそろスキルとか特性とか集めようかな〜」

 

結衣「確かイベントもあと何日かだよね」

 

花蓮「うん。それまでに自分に合うスキルと特性集めないと。レベルは十分だからさ」

 

結衣「私も早く新しいモンスターを仲間にしないとなぁ」

 

花蓮「あ!じゃあさ!お互いこれから1人でやるってのはどう?」

 

結衣「1人?」

 

花蓮「そう!今からイベントまでで集めたスキルや特性とかは当日のお楽しみってことで!」

 

結衣「いいね!よぉし!頑張るぞー!」

 

花蓮「今回の初イベントは私が勝つんだからね!」

 

結衣「ううん!私が勝つよ!」

 

花蓮「勝負ね!私たちが戦うことになっても容赦しないから!」

 

結衣「望むところ!!」

 

2人はその後、学校を終えると急いで帰宅してゲームを起動した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの街 噴水の広場

 

アリシア「よぉし!花蓮…おっと。ロザリーに勝つぞ!」

 

ブゥン

アリシアは自分のステータス画面を開いた。そしてフレンド状況も確認した。

 

アリシア「なるほど、ジンさんとルシュさんはログインなし。ロザリーはいるね」

 

ピッ

アリシアはステータス画面を閉じた。

 

アリシア「よしっ!出てきてイノくん!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

メダルからイノくんが出てきた。

 

アリシア「ねぇイノくん。近くにダンジョンがあるから、そこまで乗せてってくれないかな?」

 

イノくん「ブルブルブル!」

 

イノくんは頷いた。

 

アリシア「よしっ!ありがとう!」

 

他のプレイヤー「なぁ知ってるか?お前」

 

他のプレイヤー「あ?なんだよ」

 

アリシアの近くで2人のプレイヤーが話をしていた。

 

他のプレイヤー「最近ダンジョンを荒らし回ってる奴がいるって噂だぜ」

 

他のプレイヤー「ダンジョンを荒らし回ってる?」

 

他のプレイヤー「そうだ。入ったダンジョンのボスが出てこなくてそのまま帰ったって話もあるくらいだ」

 

他のプレイヤー「へぇ、荒らしか」

 

他のプレイヤー「しかもそいつ。人間じゃねぇんだ」

 

他のプレイヤー「え?人間じゃない?」

 

他のプレイヤー「なんか見たやつが言うには、白い獣みたいな耳と尻尾があるやつでな、意味わからんけど何故か白い布みたいなので顔を隠してるんだ」

 

アリシア (それってもしかして…コハク!?)

 

他のプレイヤー「やだね〜今回のイベントには出てこないでほしいもんだ」

 

他のプレイヤー「全くだ。あんなのがいたらイベントになんねぇよ」

 

他のプレイヤー「だな」

 

アリシア「…」

 

スッ

アリシアはイノくんに乗った。

 

アリシア「イノくん。お願い」

 

イノくん「ブルブルブル!」

 

ダダダダダダダダダ!

アリシアはイノくんに乗って近くのダンジョンに向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…触の扉

 

アリシアが来たのははじまりの街に近いダンジョンだった。名前は触の扉。見た目はほかのダンジョンとそこまで大差ない。

 

アリシア「…よしっ」

 

スタスタスタ

アリシアは触の扉に入った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…触の扉 道中

 

グチュッ…グチュッ…グチュッ…

アリシアは足場の悪い中ゆっくり進んでいた。外見は他と変わらない触の扉でも、中は全然違った。壁や天井には所々変なブニブニしたものがひっついてるし、地面は普通の土がそのブニブニに覆われている。非常に足場が悪い。

 

アリシア (変な足場だなぁ…)

 

アリシアはそんな事を思いながら壁を伝って歩いていた。

 

アリシア (そういえばさっきの人たちの話…)

 

アリシアはここに来る前の噴水の広場で聞いた話を思い出していた。

 

アリシア (ダンジョンを荒らし回ってる…白い耳と尻尾に顔を覆ってる布…どう考えてもコハクにしか思えない…そういえば私の特性にパートナーってあるけど、全然一緒に行動してくれない…どうして…コハク…)

 

グチュッ…グチュッ…グチュッ…

アリシアはそんなことを考えながら、ようやく広い空間に出た。

 

アリシア「…モンスターが来るのかな」

 

アリシアは何度かダンジョンを経験して広い空間=モンスターがいるという考えになってしまった。

 

アリシア「あ、そうだ。スザクに聞けば…」

 

ゴソゴソ…

アリシアはスザクのメダルを取り出した。

 

アリシア「出てきて。スザク」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

メダルからスザクが出てきた。

 

スザク「お呼びでしょうか。主様」

 

アリシア「…ねぇスザク」

 

スザク「はい」

 

アリシア「スザクって、コハクのこと何か知ってる?」

 

スザク「!」

 

アリシア「知ってたら教えて欲しい…かな」

 

スザク「…コハクさんですか。私は一度も拝見した事がないのでなんとも…」

 

アリシア「普通はもう会ってるはずなの」

 

スザク「と、言いますと…」

 

アリシア「…私の特性にパートナーってのがあるの。これは仲間のモンスターのうち、一人だけ私と常に行動を共にするってものなんだけどね」

 

スザク「常に…?」

 

アリシア「でもほら、いないでしょ?コハク。現にスザクを除けば私一人。おかしくない?」

 

スザク「確かに…特性は常に発動しているので、今この場にいないのはおかしいですね」

 

アリシア「うん。それでね、ここに来る前に私…コハクが噂になってるって聞いたの」

 

スザク「噂…?」

 

アリシア「うん。ダンジョンを荒らし回ってるって」

 

スザク「!」

 

アリシア「私…コハクに何かしたのかなって…グレちゃったのかなって」

 

スザク「…」

 

アリシア「ねぇスザク。今いる仲間でまともに言葉が話せるのはスザクだけなの。だから教えて。みんなともっと仲良くなりたい。もっともっともっと仲良くなりたいの。…なにか方法はないかな」

 

スザク「!」

 

アリシア「私…みんなが好きなの。みんなが笑ってたりするのがいいの。みんな一緒がいいの。でもコハクだけ一人でどこかに行ってる。他のみんなは私と一緒にいるけどメダルになってる」

 

スザク「っ…」

 

アリシア「…ねぇ、スザク」

 

アリシアの声がだんだん震え始めた。

 

アリシア「みんながずっと一緒にいるって…できないのかな…。こんなメダルじゃなくていつも一緒にいるの…コハクもずっと一緒に…ねぇ、できないのかな…」

 

スザク「…」

 

スザクは一通り話を聞いた。

 

アリシア「私…コハクが悪く言われるのが嫌だよ…大切な仲間なのに…」

 

スザク「っ!」

 

ギュッ!

スザクはアリシアを抱きしめた。

 

アリシア「…スザク?」

 

スザク「…申し訳ありません主様。…お顔が…涙で濡れていますよ」

 

アリシア「!」

 

アリシアはこの時、初めて自分が泣いていることに気づいた。

 

アリシア「えっ…私…」

 

スザク「主様の言いたいことは分かりました。私も呼ばれるまではメダルの中で眠っています。だから主様が私たちを呼ぶ際に今どうなってるのかを伝えていただかなければなりません。状況把握のために」

 

アリシア「うん…」

 

スザク「私…最近そういうのが嫌だなと思うようになりました」

 

アリシア「!」

 

スザク「主様と同じ景色を見て主様と旅をしたいなと…そう思います」

 

アリシア「スザク…」

 

スザク「…主様があの時…私をあの暗い場所から救ってくださった時…私はあなたが神々しく見えましたよ」

 

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ー回想ー

 

第3話 骸の武士 棘の扉 秘密の部屋に入ったあと

 

アリシア「うわっ…真っ暗…何も見えないよ?」

 

アリシアは骸の武士がいる棘の扉の中間地点にある少し広い空間にある小さな部屋にいた。

 

アリシア「スラちゃん?スラくん、ライム、スラミ?どこにいるの?」

 

グイッグイッ

するとスラちゃんがアリシアの足を押した。

 

アリシア「えっちょっ…」

 

アリシアは壁を伝って少し奥まで歩いた。

 

アリシア「暗くて見えないよスラちゃん。これじゃあ危ないよ…」

 

スザク「…誰かいるのか…」

 

アリシア「!」

 

突然声が聞こえた。でも周りは真っ暗で何も見えない。

 

アリシア「え、あの…はい!います!」

 

ボッ!ボボボッ!

すると壁についているロウソクに火が灯った。

 

アリシア「!?」

 

アリシアは壁についたロウソクに驚いて壁から手を離した。そして周囲を見渡すと、部屋の角に壁に寄りかかっている赤い服を着た女の子がいた。女の子だけど髪が短くて何やらボーイッシュな感じがする。近くには短い剣が2つ置いてあった。

 

アリシア「あっ…あなたは…」

 

スザク「…暗いだろ?」

 

アリシア「!」

 

スザク「…もうどれくらい経っただろうか。ずっとこの暗いところにいる。もう最初の頃は覚えてない」

 

アリシア「…」

 

スザク「…お前は誰だ」

 

アリシア「えっと…アリシアって言います」

 

スザク「…そうか。よくここが分かったな」

 

アリシア「あ、えっと…私じゃなくてスラちゃんたちが…」

 

スザク「…そこらにいるスライムか」

 

スラちゃんたちがピョンピョンと跳ね始めた。

 

アリシア「はい。みんな私の仲間です」

 

スザク「…そうか」

 

アリシア「あの…あなたはなぜここに…」

 

スザク「…さぁな。分からん」

 

アリシア「っ…」

 

スザク「でも久しぶりに見た。外から来る人」

 

アリシア「えっと…モンスター…ですか?」

 

スザク「あぁ。モンスターだ」

 

アリシア「えっと…その…」

 

スザク「…なぁ」

 

アリシア「はい!」

 

スザク「お前、私をここから連れ出してくれないか」

 

アリシア「!」

 

スザク「こんな暗い部屋でずっといるのは流石に疲れる。何も見えないし、こうやって火を灯さなければならない。これは私の力だ。だから力をあまり使わないように極力抑えている」

 

アリシア「そ…そうなんですね」

 

スザク「私は他のモンスターと違って人間のような見た目だし言葉も話せる。見たところお前は一人っぽいから私が話し相手になってもいいかなって」

 

アリシア「!」

 

スザク「どうだ?私を連れ出してくれないか?連れ出してくれたら私はお前に一生忠誠を誓う」

 

そう言ってスザクは片膝立ちで頭を下げた。

 

アリシア「えっあっ!その!頭をあげてください!」

 

スザク「ダメだ。人に物を頼む時は頭を下げなければならない。許してくれ」

 

アリシア「えっと…じゃあどうすれば…はっ!」

 

アリシアはここであるスキルを思い出した。

 

アリシア「スキルにあった…確か…あった!手懐け!」

 

スキル:手懐け。モンスターを倒さずに仲間にすることができる。ただし、モンスターが出す条件をクリアしなければならない。

 

アリシア「えっと…その…少しいいですか?」

 

スザク「なんだ」

 

スッ…

アリシアは屈んでスザクに掌を向けた。

 

アリシア「…手懐け」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとアリシアの掌に青い光が出てきた。

 

音声「スキル:手懐けの発動を確認。モンスターの出す条件をクリアすれば仲間にすることができます」

 

ピピッ

するとスザクの画面が表示された。

 

アリシア「あ、こんな感じなんだ。えっと条件は…えっ?仲間に入るのを了承すること…?」

 

スザク「…」

 

アリシア「えっと…それでいいのかな…本当に…」

 

スザク「…まだか」

 

アリシア「あっ!えっと!今します!」

 

ピッ

アリシアはスザクの条件に触れた。

 

音声「モンスターの条件。仲間への加入を了承すること。了承しますか?」

 

すると画面が増えて「はい」と「いいえ」の文字が書かれたものが出現した。

 

アリシア「はい」

 

ピッ

アリシアは迷いなく「はい」のボタンを押した。

 

音声「仲間への加入が了承されました。条件達成です」

 

ブゥンブゥンブゥン…

すると画面が全て閉じた。

 

アリシア「あの…これでいいんでしょうか」

 

スザク「…恩に着ります…主様」

 

アリシア「あ、主様!?」

 

スザク「主様」

 

アリシア「はい!」

 

スザク「…私にお名前を」

 

アリシア「名前!?」

 

スザク「はい。あなたの盾となり、剣となります。そのためには私に名前を…」

 

アリシア「な、名前かぁ…うーん…」

 

アリシアは少し考えて答えを出した。

 

アリシア「えっと…じゃあ…あなたは赤い服を着てて、真面目そうで、キッチリしてそうで、礼儀正しいし、置いてる剣も赤いから…スザク!」

 

スザク「!」

 

アリシア「決めた!あなたの名前はスザク!よろしくねスザク!」

 

スザク「ス…ザク…」

 

音声「特性:名付け親を入手しました。名を与えることで仲間モンスターとの信頼度が上昇します」

 

スザク「スザク…それが私の名ですか?」

 

アリシア「うん!あなたにピッタリな気品ある名前!私の好きな名前!」

 

スザク「スザク…スザクか…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとスザクの体が赤く光り始めた。

 

アリシア「えっ?どうしたの?体が!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…バゴォォォォォォォン!

するとスザクの体から何やら火の粉が出てきて爆発した。

 

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ー同時刻ー

 

場所…棘の扉 最下層

 

ジン「おいルシュ!ふざけんなよ!」

 

ルシュ「だって!ほんとに見たんだもん!この扉に入っていくのが!」

 

ジン「でもいねぇじゃねぇか!どうすんだよ!」

 

ルシュ「だって…」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

2人が言い合いをしていると、突然地面が揺れ始めた。

 

ジン「なっ…何だ!?」

 

ルシュ「地震!?」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

しばらくすると揺れが止んだ。

 

ルシュ「…?」

 

ジン「何も無かった?」

 

ルシュ「もう…地震は怖いんだって…」

 

ジン「誰のせいでここに着いたってんだよ」

 

ルシュ「私のせい!?」

 

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場所…棘の扉 秘密の部屋

 

スザク「…ありがとうございます主様」

 

アリシア「!」

 

スザクの体が赤く輝いていた。

 

スザク「これにてスザク。あなたに仕えます。何なりとお申し付けください」

 

アリシア「スザク…」

 

スザク「ご命令とあらばこのダンジョンのボスモンスターを倒します」

 

アリシア「ほんと!?一緒に戦ってくれるの!?」

 

スザク「はい。ご命令とあらば」

 

アリシア「じゃあ一緒に来て!一緒に戦お!」

 

スザク「はい。分かりました」

 

スタスタスタ

アリシアとスザクは秘密の部屋をあとにした。

 

ー回想終了ー

 

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場所…触の扉 少し広い空間

 

スザク「今の私があるのはあなたのおかげです主様。…もしコハクさんがいない時に寂しくなったら迷わず私をお呼びください。私なら主様のお言葉を聞けますし、言葉も交わせます。私にとって命よりも大事な主様が涙を流しているのは見ていられません」

 

アリシア「スザク…」

 

スザク「…私がコハクさんの代わりにあなたのそばに置いていただけるのなら、私はどんな難題でも達成してみせます。あなたが望む、仲間と共にいたいという願いを叶えるためなら」

 

アリシア「うっ…うぅっ…スザク…」

 

スザク「…」

 

ピピッ

突然、通知音が聞こえた。

 

音声「特性:恩義が発動しました。スザクのステータスが上昇します」

 

アリシア「えっ…恩義?」

 

スザク「な、何でしょう…これは…」

 

アリシアが特性:恩義の説明欄を開こうとした。だが何も反応しなかった。

 

アリシア「あれ、反応しない…何でだろ…」

 

スザク「…」

 

ピッ

スザクが押すと、画面が反応して説明欄が開いた。

 

アリシア「あ、これスザクのだったんだ」

 

スザク「私の…」

 

音声「特性:恩義。主のことを想うことでステータスを上昇させることができる。その想いが強ければよりステータスが上昇します。一度発動すれば戦闘が終わるまで効果が持続します」

 

アリシア「す、すごい特性だねスザク。恩義って」

 

スザク「は、恥ずかしいですね…」

 

アリシア「なんで?カッコイイよ?スザクは」

 

スザク「…褒めないでください。照れます」

 

ピピッ

するとまた通知音が鳴った。

 

音声「特性:褒め言葉の発動を確認。スザクとの信頼度が上昇します」

 

アリシア「やった!スザクともっと仲良しになれた!」

 

スザク「何でも筒抜けなの…なんか恥ずかしいですね…」

 

アリシア「ふふっ…じゃあ行こスザク!このダンジョンを一緒にクリアしよっ!」

 

スザク「はい!」

 

スタスタスタ

アリシアとスザクは一緒に最下層まで進んだ。

 

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場所…触の扉 最下層

 

アリシア「あっ!最下層だよスザク!」

 

スザク「はい!」

 

タッタッタッ!

アリシアとスザクは最下層に到達した。

 

ボコッ!ブクブクブクブクブク!

すると最下層中央になにやらピンク色のブニブニしたものが現れた。

 

アリシア「あれがボスモンスター!いくよスザク!」

 

スザク「はい!」

 

カチャ

アリシアは堕天使の短剣を装備した。

 

スッ…ヒュッヒュッヒュッ!

スザクは2本の短剣を装備した。

 

アリシア「はぁぁぁぁぁっ!」

スザク「はっ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ズシャッ!

スザクが先陣切ってボスモンスターに攻撃した。

 

ビチャッ!ビチャッ!

すると切れたところからピンク色のブニブニが分裂した。

 

スザク「!」

 

アリシア「やぁぁぁぁぁっ!」

 

グサッ!

アリシアがピンク色のブニブニに堕天使の短剣を突き刺した。

 

アリシア「あれ、全然効いてない!?」

 

グチュッ…グチュッ…グチュッ…ボコッ!

するとピンク色のブニブニしたものが急にハンマーに姿を変えた。

 

アリシア「すごい…あんなこともできるんだ」

 

スザク「これ…もしかしたら倒すの難しいかもです主様」

 

アリシア「そうなの!?」

 

スザク「はい。今集まっているあれ全てがボスモンスターでしょう。再生できないくらいに攻撃を叩き込まないと…」

 

アリシア「そんな…私たちだけじゃ…」

 

ビュン!

するとピンク色のブニブニが攻撃してきた。

 

スザク「主様!危ない!」

 

ドゴォォォン!

スザクはピンク色のブニブニしたものの攻撃をアリシアを担ぎながら避けることができた。

 

スザク「なんとか避けられましたね」

 

アリシア「でも攻撃したから永続ダメージで…」

 

ブチッ!

するとピンク色のブニブニの一部が弾けた。

 

アリシア「ほらっ!」

 

スザク「!」

 

ギュォォォォォォ…

だが弾けた体の一部がすぐに元に戻った。

 

アリシア「えっ!?何で!?」

 

スザク「主様」

 

アリシア「何!?」

 

スザク「あれだと一生勝てません。相手は再生能力が優れています」

 

アリシア「だったらスラちゃんたちとも」

 

スザク「いえ、ダメです。不毛な戦いになります」

 

アリシア「そんな…」

 

スザク「もっと強い一撃を叩き込める人はいませんか?」

 

アリシア「い、いるけど…コハクは…」

 

スザク「くっ…」

 

ブニョン!

アリシアとスザクが話していると、ピンク色のブニブニしたものが近づいてきた。

 

スザク「私にもっと力があれば…」

 

アリシアはここである事を思い出した。

 

アリシア「そうだ!これがあった!」

 

スザク「?」

 

アリシアは胸にぶら下げている笛を見せた。

 

スザク「それは…」

 

アリシア「周囲のモンスターを引き寄せる効果があるの!これを使えば…」

 

スザク「でも…ここにはこのモンスターしかいないのでは…」

 

アリシア「あっ…」

 

ブニョン!

そうこうしていると、ピンク色のブニブニしたものが飛びかかってきた。

 

スザク「主様!」

 

ビュン!

スザクはアリシアを抱き上げると、即座にその場から離れた。

 

ベチャァ…

ピンク色のブニブニしたものが地面に着地すると、周囲に体の一部が飛び散った。

 

スザク「くっ…このままで…」

 

アリシア「ねぇスザク…」

 

スザク「はい」

 

アリシア「試しても…いいかな…」

 

スザク「その笛を…ですか?」

 

アリシア「うん。一応」

 

スザク「…分かりました。では私が囮になります。その間に」

 

アリシア「うん。お願い」

 

ビュン!

するとスザクがピンク色のブニブニしたものに向かって走り出した。

 

スッ…カチャ

アリシアは堕天使の短剣をしまった。

 

アリシア「…」

 

ザッ…スッ…

アリシアは立ち上がって笛を構えた。

 

アリシア「ハァァァァァァァ…」

 

アリシアは大きく息を吸った。

 

ピーーーーーーーーッ!!

アリシアが思いっきり息を吹くと、笛が甲高い音を出した。

 

スザク「!」

 

スザクはその音を聞いて少し驚いた。

 

その笛の音はこのダンジョンだけでなく、この第1層全てに響き渡った。

 

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場所…棘の扉 最下層

 

骸の武士「…心得た」

 

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場所…触の扉 最下層

 

アリシア「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

アリシアは思いっきり息を吐いたため、少し疲れた。

 

ブニョン!ブニョン!

ピンク色のブニブニしたものがさっきの笛に気づいてアリシアに矛先を向けた。

 

アリシア「っ!」

 

スザク「主様!」

 

ビュン!

スザクがすぐにアリシアのところに戻った。

 

スザク「どうでしたか主様!」

 

アリシア「やっぱりダメだったみたい…」

 

スザク「くっ…」

 

ブニョン!ブニョン!

するとピンク色のブニブニしたものが形を変え始めた。

 

スザク「くっ…」

 

ブゥン…フワフワ…フワフワ…

アリシアとスザクがその様子を見ていると、持ち物に入れていた憎悪と怨念を纏う刀が出てきて宙に浮いた。

 

アリシア「えっ!?」

 

スザク「主様!お気をつけを!」

 

アリシア「うん!」

 

しかし、憎悪と怨念を纏う刀は攻撃する気配がなく、ただただ浮いていた。

 

アリシア「な…何もしてこないね…」

 

スザク「油断してはなりません。いつ攻撃してくるか…」

 

骸の武士「下がるがよい」

 

アリシア「!」

スザク「!?」

 

すると最下層の入口にいたアリシアとスザクの背後に骸の武士が現れた。

 

アリシア「えっ!?」

 

スザク (なぜ棘の扉のボスモンスターがここに…)

 

骸の武士「汝が(まこと)の主ならば、従事する我らを導くのが道理。して、従事する我らは、主が下す(めい)を遵守し、全うするのが道理」

 

ザッザッザッ…

骸の武士が歩き始めた。

 

骸の武士「暗き地の底に堕ちたこの愚者を()の笛の()がここへ導いた」

 

ブゥン…カチャ!

骸の武士が憎悪と怨念を纏う刀を装備した。

 

骸の武士「この骸の武士。一時の戦ではあるが、主の(めい)に従いて、暗き地の底から貴様の命を略奪しに来た」

 

ブニョン!ブニョン!

するとピンク色のブニブニしたものが大きな剣となった。

 

骸の武士「一撃で葬ってやろう」

 

ブゥン…ブゥン…ブゥン…ブゥン…

すふと骸の武士の分身が4体現れた。

 

ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!

するとピンク色のブニブニしたものが骸の武士の分身を切り刻んだ。

 

カチャ

骸の武士が特異な構えを取った。

 

ブゥン…ブゥン…ブゥン…ブゥン…

するとまた4体の骸の武士の分身が現れた。

 

ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!

ピンク色のブニブニしたものがさらに切り刻む。

 

骸の武士「…時は満ちた」

 

ブゥン…ゴォォォォォォォォォォ!!

骸の武士が赤いオーラに包まれた。

 

骸の武士「死の告知(アブズ・ギブズ)!」

 

ビュン!

骸の武士がピンク色のブニブニしたものに接近した。

 

ブゥン!

骸の武士が刀を振った。

 

ザッ!

骸の武士は綺麗に着地した。

 

アリシア「…?」

スザク「…?」

 

ブチッ…ブチブチブチッ!!バチン!!

するとピンク色のブニブニしたものが一瞬で弾け飛んだ。

 

アリシア「!!」

スザク「!!」

 

ベチャベチャベチャベチャ…

すると弾けた破片が周囲に飛び散った。

 

骸の武士「…枷は斬った。あとは貴様自身だ」

 

ザッザッザッ

骸の武士がアリシアとスザクがいる所まで歩いてきた。

 

アリシア「っ…」

スザク「っ…」

 

2人は何も言わず、黙ったままだった。

 

ザッ…

骸の武士がアリシアとスザクの前で止まった。

 

アリシア「…?」

スザク「?」

 

骸の武士「奴の枷は解き放った。異形と化した魔物。あとは好きにするがよい」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

骸の武士の足元に魔法陣が展開された。

 

アリシア「待って!」

 

骸の武士「…」

 

アリシア「あの!」

 

骸の武士「…話があるなら直接出向け」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

すると骸の武士が姿を消した。

 

アリシア「あ…行っちゃった…」

 

スザク「主様!あれ!」

 

アリシア「!」

 

グチュッ…グチュッ…グチュッ…

先程骸の武士に斬られたピンク色のブニブニしたものが破片を招集してまた再生しようとしていた。

 

アリシア「そんな…倒したはずなんじゃ…」

 

スザク「あの人でもダメなのか…」

 

グチュッ…グチュッ…グチュッ…ブニョン!

するとそのピンク色のブニブニしたものが徐々に人間の形になってきた。

 

アリシア「…え?」

 

???「…」

 

やがて再生が止まると、その見た目はピンク色は変わらないが、完全に人間の形で、髪の毛が触手のようになっていた。

 

スザク「あれ…敵でしょうか」

 

アリシア「わ、分からない…どうなんだろ…」

 

???「!」

 

スタスタスタ

その触手を生やしたモンスターがアリシアとスザクに気づき、近づいてきた。

 

???「…」

 

アリシア「…」

スザク「…」

 

3人はお互いの出方を伺っている。

 

???「…」

 

スッ…

すると触手を生やしたモンスターが地面に四つん這いとなり、アリシアに近づいた。

 

???「ふむ」

 

ピトッ…

すると自分の頬をアリシアの胸に当てた。

 

アリシア「ひぇっ…」

 

アリシアは驚いて変な声が出た。

 

スザク「主様!」

 

アリシア「あ、あの!な、何を!」

 

???「…」

 

触手を生やしたモンスターは一旦アリシアの胸から離れた。

 

???「…」

 

アリシア「あの…あなたは…」

 

???「…私は…名前が無い」

 

アリシア「!」

 

???「名乗れない。私は私を知らない」

 

アリシア (このパターン…まさか…)

 

スザク「お前はモンスターだ!離れろ!」

 

???「…あなたもモンスター。私と同じ」

 

スザク「くっ!」

 

アリシア「あ、あの…名乗れないって…」

 

???「その通り。名前が無い。だから名乗れない」

 

アリシア「じゃあ…何でここに…」

 

???「…分からない。ここは住処。でも人が来る。私を倒しに来る。お前と同じ人間。でもモンスターを連れてるのは初めて」

 

アリシア「それって…他の人たち…」

 

???「この赤い人、モンスター。私も、モンスター。あなた、モンスターを連れてる」

 

その触手を生やしたモンスターがアリシアを指さした。

 

???「私を連れて行け。私はここから出たい」

 

アリシア「!」

スザク「!?」

 

???「私はこの狭い場所から出たい。私を連れ出せ」

 

ピピッ

いきなり通知音が鳴った。

 

音声「モンスターからの仲間への加入申請が届きました。受理しますか?」

 

アリシア「えっ?加入申請?」

 

スザク「主様ダメです!こいつはモンスター!さっきまで主様を倒そうとしてたモンスターですよ!」

 

アリシア「で…でも…」

 

???「モンスターが理由ならあなたも同じ。なぜあなたが一緒にいて私はダメなの。何が違うの」

 

アリシア「!」

 

スザク「全然違う!お前は主様の命を取ろうとした!」

 

???「それ、私じゃない」

 

スザク「何っ!?」

 

???「私はこの姿だけど、あなたたちを倒そうとしてた姿はこの姿?」

 

アリシア「!」

スザク「!」

 

???「別の姿ならそれは私じゃない」

 

スザク「そんなのが許されるわけないでしょ!」

 

アリシア「スザク。待って」

 

スザク「主様…」

 

???「…?」

 

アリシア「ねぇあなた。私と一緒に行きたいの?」

 

???「うん。ここから出たい」

 

アリシア「なら、私を攻撃しないって約束できる?」

 

???「…? 主を攻撃する従者なんているの?」

 

アリシア「…」

 

スザク「お前は従者じゃない!」

 

アリシア「スザク」

 

スザク「…はい」

 

???「私は、連れ出してくれる人なら何もしないよ。でも、私を倒そうとする人なら話は別」

 

アリシア「…ちょっとこっちに来て」

 

アリシアは触手を生やしたモンスターに手招きをした。

 

???「…?」

 

触手を生やしたモンスターはアリシアに近づいた。

 

ギュッ…

するとアリシアが触手を生やしたモンスターを優しく抱きしめた。

 

スザク「!?」

???「!」

 

アリシア「私は君を傷つけたりしないよ」

 

???「!」

 

アリシア「私はみんなが大好きなの。私の仲間はあなた以外に何匹もいる。スザクもその一人。あなたはそんな私があなたを傷つけるように見えますか」

 

???「!!」

 

アリシア「私は仲間が第1です。仲間を傷つける人は嫌いです。でもあなたからはそんな気配がしない」

 

???「…」

 

アリシア「私はあなたを大事にします。だからあなたからの加入申請ではなく、私からの加入申請に応じてください」

 

音声「スキル:手懐けが発動しました」

 

???「!!」

 

アリシア「あなたが私と一緒にいてくれるなら私は歓迎しますよ」

 

ブゥン

突然仲間申請の画面が表示された。

 

???「…うん。なる。仲間になる」

 

音声「加入申請が受理されました」

 

アリシア「…ありがとう。これからよろしくね」

 

音声「仲間モンスターの名前を決めてください」

 

アリシア「名前。そうね。あなたの名前はプニプニしてるからプニちゃんね」

 

音声「仲間の登録が完了しました」

 

アリシア「よろしくね。プニちゃん」

 

プニちゃん「…うん」

 

ガコッ!

祭壇に宝箱が出現した。

 

スザク「主様。宝箱が出てきましたよ」

 

アリシア「うん。取りに行こっか。宝箱」

 

スザク「はい」

 

3人は祭壇の宝箱まで歩いた。

 

スザク「開けますね」

 

アリシア「うん」

 

ガコッ!

スザクが宝箱を開けた。

 

ピピッ

すると通知音が鳴った。

 

音声「スキル:拡張を入手しました」

 

アリシア「拡張?」

 

ピッ

アリシアはスキル:拡張の説明欄を開いた。

 

音声「スキル:拡張。アイテム効果範囲が拡大する」

 

アリシア「へぇ!すごい!」

 

スザク「もしかすると、さっきの骸の武士が来たのはこのスキルのお陰では?」

 

アリシア「えっ?」

 

スザク「ここから棘の扉は結構遠いです。このスキルがあったから笛が聞こえたのでは?」

 

アリシア「え、でも発動って…持ってなかったしなぁ…このスキル」

 

スザク「あ、そうですか…」

 

ピッ

アリシアはスキル:拡張を入手した。

 

アリシア「よしっ、行こっかスザク」

 

スザク「次はどこへ行きましょうか」

 

アリシア「当然。棘の扉だよ」

 

スザク「…え?」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

アリシア、スザク、プニちゃんは触の扉から脱出した。

 

それから3人は触の扉から棘の扉に向かった。

 

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場所…棘の扉

 

アリシア「ねぇプニちゃん」

 

プニちゃん「何?主」

 

アリシア「ここにはさっきプニちゃんを攻撃した人がいるけど、大丈夫?」

 

プニちゃん「えっ…」

 

アリシア「ちょっと話がしたくてね」

 

プニちゃん「えっ、主は私じゃダメ?」

 

アリシア「え?」

 

プニちゃん「私だと不満?」

 

アリシア「そんなことないよ。でもこれからイベントって言って、みんなと戦わなくちゃダメなの。だから強い人に力を貸してもらいたくて」

 

プニちゃん「私、強いよ」

 

アリシア「うん。知ってるよ。私たちじゃ歯が立たなかったから。でも強い人は多い方がいいからね。だから来たの」

 

プニちゃん「私、主の選ぶ人なら…いいよ」

 

アリシア「ありがとうプニちゃん」

 

プニちゃん「でも、私が一番。私が一番だから」

 

アリシア「うん。分かったよ。じゃあスザク。行こっ」

 

スザク「はい」

 

スタスタスタ

アリシア、スザク、プニちゃんは棘の扉の最下層に向かった。

 

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場所…棘の扉 最下層

 

スタスタスタ

アリシア、スザク、プニちゃんは最下層に着いた。

 

アリシア「…」

 

ヒュォォォォォォォ…

すると骸の武士が姿を現した。

 

骸の武士「…来たか」

 

スッ

骸の武士が刀に手をかけた。

 

アリシア「待って!戦うために来たんじゃないの!話を聞いて!」

 

骸の武士「…」

 

スッ…

骸の武士は刀から手を退けた。

 

スタスタスタ

アリシア、スザク、プニちゃんは骸の武士の前まで歩いた。

 

骸の武士「…」

 

アリシア「あなたに話があって来たの。聞いてくれる?」

 

骸の武士「…この死者に話とは。呑気なものだ」

 

アリシア「うん。でも聞いて」

 

骸の武士「…」

 

骸の武士は返事をしなかった。

 

アリシア「…」

 

スッ…

アリシアは骸の武士に掌を向けた。

 

骸の武士「…」

 

アリシア「手懐け」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとアリシアの掌に青い光が出てきた。

 

音声「スキル:手懐けの発動を確認しました。条件を提示します」

 

ピッ

すると条件が提示された。

 

アリシア「とあるモンスターを仲間にすること?」

 

骸の武士「…我を従えるのか」

 

アリシア「そう。あなたに仲間になってほしいから」

 

骸の武士「…ならその条件を達成しろ」

 

ピッ

アリシアはモンスターを画像表示した。

 

アリシア「!」

スザク「!」

プニちゃん「!」

骸の武士「…」

 

3人はそのモンスターを見て驚いていた。

 

アリシア「このモンスターってあなたとどう関係が?」

 

骸の武士「…我の知人だ」

 

アリシア「!」

 

骸の武士「我はこの暗き地に堕ちてから奴と場所を違えた。やつはここから北西の斬首の扉にいる」

 

アリシア「ざ…斬首…」

 

骸の武士「奴を仲間にして連れてくれば我も従事してやる」

 

アリシア「わ、分かった!行ってくるから仲間にして連れてきたら仲間になってよ!」

 

骸の武士「…心得た」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

すると祭壇の後ろに魔法陣が展開された。

 

アリシア「行ってくるから待っててね!」

 

骸の武士「…」

 

タッタッタッ!

アリシア、スザク、プニちゃんが魔法陣の上に立つと、すぐに棘の扉の入口まで転送された。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 棘の扉 入口

 

スザク「主様!まさかあのような人を!」

 

アリシア「いくよスザク、プニちゃん」

 

プニちゃん「主…」

 

アリシア「イベントまで時間が無いの。今は1人でも多くの仲間が欲しい。手伝って、2人とも」

 

スザク「…分かりました」

 

プニちゃん「私も連れてって。主」

 

アリシア「うん。連れていくよ。どこまでも」

 

その後、アリシア、スザク、プニちゃんは骸の武士が言ってたように北西にある斬首の扉に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 斬首の扉

 

アリシア「これ…が…斬首の…扉…」

 

アリシアたちが見ているのは、ギロチンが扉になっているものだった。

 

アリシア「これ…絶対危ないよね…」

 

スザク「でもここが斬首の扉です」

 

アリシア「うっ…」

 

プニちゃん「間違いなく扉を開けると落ちてくる」

 

アリシア「だよね…」

 

スザク「…では、私が」

 

スタスタスタ

スザクが前に出た。

 

アリシア「えっ!?待ってスザク!」

 

スザク「ご心配なく。私は主様に仕える身。こんな事に臆していられません」

 

ガッ…ドカッ!

スザクは扉に足を置いて勢いよく蹴った。

 

ガァァァァァァ!ドシン!

するとギロチンが落ちてきた。

 

アリシア「ひぇぇ…」

 

スザク「…通りましょう」

 

スタスタスタ

スザクが先陣切って入っていった。

 

アリシア「ま、待ってスザク!」

 

スタスタスタ!

アリシアとプニちゃんもあとに続いて入った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…斬首の扉 道中

 

アリシア「ひえぇ…寒っ…」

 

スザク「…」

 

ボボッ!

するとスザクが自分の体に熱を発生させた。

 

アリシア「あ、暖かい…」

 

スザク「私は火の扱いに長けています。お望みとあらば主様を暖めることも」

 

プニちゃん「すごい。スザク」

 

スザク「いえ、それほどでも」

 

アリシア「えっ?明かりが見えるよ?」

 

アリシアが道中の先にある明かりに気づいた。

 

アリシア「行ってみよ!」

 

タッタッタッ!

アリシア、スザク、プニちゃんはその明かりに向かって走った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 斬首の扉 最下層

 

アリシア「えっ…ここって…」

 

アリシアたちが着いたのは少し広い空間だった。

 

アリシア「これは…最下層?さっき入ったばっかりなのに?」

 

スザク「…主様」

 

アリシア「何?」

 

プニちゃん「主。何か来る」

 

アリシア「え?何かって…」

 

ドゴォォォン!

すると地面から何かが飛び出してきた。

 

アリシア「!?」

スザク「!」

プニちゃん「!」

 

ドシン!!

出てきた何かは人の顔が3つ集まった変なやつだった。

 

アリシア「で、でたぁぁぁぁぁぁ!!」

プニちゃん「!?」

スザク「これは…おぞましい…」

 

3人はその見た目に驚いていた。

 

???「誰だ勝手に入ってきたやつは!」

???「ここは斬首の扉!首のあるやつは即刻出ていけ!」

 

出てきたそのモンスターはいきなり声を荒らげた。

 

アリシア「ひぃっ…」

 

ガシッ!

アリシアはスザクの服を掴んだ。

 

スザク「!」

 

スザクはその瞬間、我に返り、その3つの顔のモンスターに顔を向けた。

 

スザク「私はスザク!この方は私の主様だ!」

 

???「スザクだと!?聞いたことないわ!」

???「何にせよ首のあるやつは即刻消えろ!」

???「ここはお前たちの来るところじゃない!」

 

そのモンスターは酷く怒っていた。

 

スザク「主様。私にお任せを」

 

アリシア「スザクゥ…」

 

スタスタスタ

スザクは3つの顔のモンスターのところまで歩いた。

 

???「てめぇ!何しに来た!」

 

スザク「…骸の武士に頼まれてきた」

 

???「骸の武士だと!?」

???「なぜお前があいつの名前を知っている!」

???「お前!奴を殺したのか!!」

 

スザク「…いいや。そうじゃない」

 

???「何っ!?」

???「何っ!?」

???「何っ!?」

 

スザク「私の主様が骸の武士を仲間にしたいと考えている」

 

???「あいつが人間の仲間だと!?」

???「冗談を言うんじゃねぇ!」

???「ここで焦がすぞ!!」

 

スザク「…嘘ではない。現に主様は骸の武士を仲間にするためにここに来た」

 

???「やつは生きてるのか!」

???「お前が奴を殺したのか!」

???「死者が生者に肩入れするだと!?」

 

スザク「…主様。こちらへ」

 

アリシア「へっ…」

 

スザク「私の言葉よりも主様の言葉の方が通じます。こちらへ」

 

アリシア「えっ…あっ…うん…。プニちゃん。行こ…」

 

プニちゃん「主。私がついてますよ」

 

スタスタスタ

アリシアとプニちゃんが3つの顔のモンスターの前に来た。

 

???「こいつがお前の主か!!」

???「何とも貧相な顔じゃ!!」

???「奴がこいつの仲間になるだと!?」

 

アリシア「は、はい…アリシアといいます…」

 

???「お前!骸の武士を仲間にするだと!?」

???「死者だぞあいつは!お前とは違う!」

???「俺たちを騙しているのかお前!!」

 

アリシア「ち…違います…骸の武士を仲間にしたかったのですが、そのためにはあなた方を仲間にして棘の扉に連れていかなければならないのです…」

 

???「ふざけんな!!」

???「俺らがお前の配下だと!?」

???「棘の扉ってなんじゃい!!」

 

アリシア「棘の扉は…骸の武士がいるところです…」

 

???「だとしてもお前の配下になるのは無理だ!」

???「弱いやつの下にはつかん!」

???「俺らを倒してから物を言え!」

 

アリシア「スザク…」

 

スザク「…仕方ありません。こうなっては言葉で理解するのは無理でしょう」

 

カチャ

スザクは2本の短剣を装備した。

 

スザク「この人たちの言うように戦って屈服させるしかありません」

 

???「ガッハハハ!よく言った!」

???「お前らに俺らを倒せるか!?」

???「前に来た白いやつよりかは弱そうだがな!」

 

アリシア (白いやつ?)

 

???「ガッハハハ!」

???「ガッハハハ!」

???「ガッハハハ!」

 

ビュン!

すると3つの顔のモンスターがジャンプした。

 

アリシア「えっ!?」

 

スザク「主様!下がって!」

 

ドシン!!

3つの顔のモンスターは少し後ろに着地した。

 

タッタッタッ!

アリシアとプニちゃんが最下層の入口まで後退した。

 

???「お前1人か!」

???「1人では敵わんぞ!」

???「俺らは3つで1つだ!!」

 

スザク「ふん。お前たちごとき、私なら一人で十分だ!」

 

ビュン!

スザクは一瞬で3つの顔のモンスターに近づいた。

 

???「ンバァァァァァァァ!!」

 

ビュォォォォォォォ!!

すると、アリシアから見て右下にいる顔が氷のブレスを吐いた。

 

パキパキパキ!!ガキン!!

すると地面が凍り、やがて氷の棘が出てきた。

 

スザク「ふん!この程度!」

 

???「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」

 

ゴォォォォォォォォォォ!!

すると今度はその横にいる顔が火を吐いた。

 

スザク「くっ!」

 

ビュン!

スザクがその火のブレスを避けた。

 

???「ガァァァァァァァァ!!」

 

バリバリバリバリバリ!!

すると上に乗っている顔が雷を吐いた。

 

ビリビリビリビリビリビリ!!

スザクはその雷に被弾した。

 

スザク「あぐぁ!」

 

ドサッ!

スザクは攻撃を受けて地面に倒れた。

 

アリシア「スザク!」

 

???「ガッハハハ!」

???「この程度で従えるのか!」

???「片腹痛いわ!」

 

スザク「くっ…」

 

ジリッ…

スザクはゆっくり立ち上がった。

 

???「ンバァァァァァァァ!!」

???「フゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」

???「ガァァァァァァァァ!!」

 

すると3つの顔のモンスターが一斉に氷と火、雷のブレスを吐いた。

 

スザク「!?」

 

アリシア「スザクーー!」

 

バゴォォォォォォォン!!

大きな爆音が最下層に響き渡った。

 

アリシア「スザクー!」

 

スザク「ぅっ…ぁっ…ぅっ…」

 

スザクは3つのブレスをまともに受けてしまった。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

スザクはピクリとも動いていなかった。

 

???「ガッハハハ!」

???「これで終わりか?」

???「早いなぁ!」

 

プニちゃん「…主」

 

アリシア「プニちゃん?」

 

プニちゃん「…あの人を助けます」

 

アリシア「えっ、プニちゃん」

 

ビュン!

プニちゃんがスザクの所まで走った。

 

アリシア「プニちゃん!!」

 

ザッ!

プニちゃんがスザクのところにつくと、すぐにスザクの状態を確認した。

 

???「なんだこのチビ!」

???「さっきの人間といたやつだな」

???「お前も俺らと戦うのか?」

 

プニちゃん「…私は戦わない」

 

???「あ?」

???「あ?」

???「あ?」

 

プニちゃん「私は主の意見に賛成するだけ。お前たちを仲間として迎え入れる。それが主の願い」

 

???「だから俺らを倒せと言っとるんだ!」

???「戦わないなら下がれ!!」

???「力で示せ!俺らを従える器かどうかをな!!」

 

プニちゃん「…」

 

ブニュッ…ブニュッ…ブニュッ…

するとプニちゃんがスザクの体を覆うように自分の体を広げた。

 

???「命乞いか!」

???「最後にしては面白くない!」

???「こんなやつの仲間になるだと?骸の武士のやつ…あいつも地に落ちたなぁ!!」

 

プニちゃん「っ…」

 

プニちゃんは頑張ってスザクの全身を覆うことに成功した。

 

???「この程度の守り」

???「俺らが越えられないとでも?」

???「むしろ貧弱だ!!」

 

すると3つの顔のモンスターがまたブレスを吐く準備をした。

 

アリシア「スザクー!プニちゃーん!」

 

???「ンバァァァァァァァ!!」

???「フゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」

???「ガァァァァァァァァ!!」

 

ビュォォォォォォォ!!

3つの顔のモンスターがまた一斉にブレスを吐いた。

 

アリシア「ま、待って!!」

 

バゴォォォォォォォン!!

するとさっきと同じ爆音が最下層全体に響いた。

 

アリシア「あっ…そ…そんな…スザク…プニちゃん…」

 

ガクッ…

アリシアは膝から落ちた。

 

プニちゃん「っ…!?」

 

プニちゃんが目を開けると、目の前に白い尻尾が見えた。

 

プニちゃん (尻尾…?)

 

???「なっ!?なんでお前が!!」

???「なぜお前がここにいる!?」

???「お前はもう来ないはずだ!!」

 

アリシア「あっ…ああっ…コハク…」

 

コハク「 ( ̄・ω・ ̄) 」

 

???「去れぇ!首あるものよ!!」

???「ここはお前の来るところじゃ…」

 

コハク「( ^ω^)」

 

コハクは笑顔を見せた。

 

???「っ…」

???「っ…」

???「っ…」

 

すると3つの顔のモンスターが静かになった。

 

コハク「 (#`^´)-з 」

 

???「くっ…」

???「だが俺たちは!」

???「弱いやつの下にはつかん!」

 

コハク「 ( #・᷄ὢ・᷅ ) 」

 

???「だが俺たちは!」

 

グググッ…

コハクが拳を握った。

 

???「わ、分かった!」

???「下につくから許してくれ!!」

???「俺らを殺さないでくれぇ!!」

 

すると突然3つの顔のモンスターが謝り始めた。

 

コハク「 (o´・ω-)b 」

 

コハクは何故か親指を立てた。

 

???「だが本当に骸の武士が仲間になるのか」

???「俺らはそれが嘘にしか聞こえん」

???「どうなんだそこのお前!」

 

アリシア「っ!」

 

アリシアは3つの顔に睨まれて怖がった。

 

アリシア「えっと…はい…私の仲間になって棘の扉に連れてくれば…」

 

???「どうするよ」

???「骸の武士が言ったのか?」

???「でなきゃここを知らねぇ」

 

3つの顔はそれぞれ相談した。

 

???「…分かった。お前の言葉を信じる」

 

アリシア「!」

 

???「だが、もし嘘だと分かればお前をすぐに殺してやる」

 

アリシア「ひっ…」

 

ブゥン

するとアリシアの目の前に仲間加入申請の画面が表示された。

 

ピッ

アリシアは迷わず「はい」のボタンを押した。

 

音声「名前を決めてください」

 

アリシア「えっと…名前…とりあえず雷を使ってた人は雷首で!氷を使ってた人は氷首で!火を使ってた人は火首で!」

 

音声「名前の登録が完了しました」

 

雷首「連れて行け!」

氷首「本当に骸の武士が言ったのか俺らが聞いてやる!」

火首「嘘だったら丸焼きだ!!」

 

アリシア「はいっ!!」

 

こうしてアリシアたちはスザクを治療してから棘の扉の最下層に向かったのだった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 棘の扉 最下層

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

最下層の中央に魔法陣が展開され、骸の武士が出てきた。

 

骸の武士「…来たか」

 

雷首「骸の武士!」

氷首「生きていたか!」

火首「久しぶりだ!!」

 

ドシン!

雷首、氷首、火首は骸の武士の前まで飛んだ。そしてなにやら話し始めた。

 

アリシア「ごめんコハク。今回も助けてもらっちゃって」

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

なでなで…なでなで…

コハクはアリシアの頭を撫でた。

 

アリシア「!」

 

アリシアは何か温かな気持ちになった。

 

スタスタスタ

すると話を終えたのか、骸の武士が歩いてきた。

 

ドシン!

雷首、氷首、火首は骸の武士の後ろに着地した。

 

骸の武士「…ありがとう。古き友人にまた会えた」

 

アリシア「い、いえ!」

 

骸の武士「…約束だ」

 

アリシア「!」

 

骸の武士「我はお前に力を貸す。貴様はどうだ。我を従えるか?」

 

アリシア「はい!!お願いします!」

 

アリシアは迷わず答えた。

 

骸の武士「…そうか。では頼むぞ。我が主よ」

 

ガシャン!

すると骸の武士とアリシアの間に何やら鎖が現れた。

 

アリシア「これは…」

 

音声「スキル:召喚を入手しました」

 

アリシア「召喚?」

 

音声「スキル:召喚。離れた場所にいるモンスターを呼び寄せることができる」

 

アリシア「これ…」

 

骸の武士「…これでいつでも我を呼び出せる。何かあった時は我を呼べ」

 

アリシア「あ、ありがとうございます!!」

 

雷首「骸の武士よ!」

 

骸の武士「ん?」

 

氷首「お前、いつまで我呼ばわりなんだ?」

 

骸の武士「!」

 

火首「お前は俺らと同じ、自分のことを俺と言っておっただろ?」

 

骸の武士「…まぁ、な」

 

雷首「戻せ戻せ!聞き慣れん!」

 

骸の武士「…分かった。すまないアリシアよ。俺のことを頼むぞ」

 

アリシア「はい!」

 

雷首「あとそこの嬢ちゃんよ!」

 

アリシア「はい!」

 

氷首「俺らも連れてってくれ!!」

 

アリシア「えっ!?」

 

火首「俺らはお前さんの仲間を傷つけてしまった。これからその償いのためにお前さんに力を貸すことにした」

 

アリシア「嘘っ…」

 

雷首「俺らも連れてってくれるか?人間よ」

 

アリシア「えっ…それは…いいですけど…」

 

ガシャン!

するとアリシアと雷首、氷首、火首にも鎖が出現した。

 

アリシア「これでいいんですよね?」

 

雷首「あぁ。すまなかったな」

氷首「最初からお前たちを疑っていた」

火首「俺らは攻撃を受けたあのお嬢ちゃんにも謝っておこう」

 

アリシア「あ、あはは…」

 

骸の武士「ではアリシアよ」

 

アリシア「!」

 

骸の武士「今後とも、俺らをよろしく頼む」

 

骸の武士と雷首、氷首、火首が頭を下げた。

 

アリシア「はい!ぜひ!!」

 

こうしてアリシアは新たに骸の武士と雷首、氷首、火首を仲間にした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「そういえば骸の武士の名前なんだけど、ムクロって名前でもいいですか?」

 

ムクロ「あぁ。構わない」

 

アリシア「やった!」

 

雷首「ムクロだってよ」

氷首「おーいムクロ〜」

火首「ムクロちゃ〜ん」

 

ムクロ「…アリシア」

 

アリシア「何?」

 

ムクロ「こいつら、仲間から外すか」

 

雷首「何っ!?」

氷首「何っ!?」

火首「何っ!?」

 

アリシア「外さないよ。私はみんなが大好きだから」

 

雷首「そんな…嬢ちゃん照れるぜ」

氷首「でも好きって言ってくれるのはなんかこう…」

火首「心にグッとくるな」

 

ムクロ「アリシア。こいつらを甘やかすな。調子に乗る」

 

雷首「何っ!?」

氷首「何っ!?」

火首「何っ!?」

 

アリシア「あはは…」

 

コハク「 ( *¯ ꒳¯*) 」

 

アリシア「あ、そういえばムクロって」

 

ムクロ「?」

 

アリシア「最初はガァァァとかオォォォとか言ってたのに今は普通に話せるんだね」

 

ムクロ「あぁ。元々話せる。だがある日、訳の分からん白いやつが来てこのダンジョンを荒らし回ったからな。ムシャクシャしてたんだ。だからあぁなった」

 

アリシア「あ〜ははは…」

 

コハク「 (* ˘ ³˘)~♪♪ 」




〜物語メモ〜

カチカチの洞窟
ジンとその友達が最近ずっと周回しているダンジョン。全体的に出てくるモンスターの防御力が高く、経験値も多いため、非効率だが経験値のためと頑張って周回している。

カチカチスライム
スラちゃんたちと同じ種族。ただ防御力が異常に高く、スラちゃんたちとは比べ物にならない。

防御低下(ガードダウン)
ルシュが使ったスキル。相手の防御力を下げることができる。

メカ・カチーン
カチカチの洞窟のボスモンスター。見た目がまさに機械で、防御力が異常に高い。ルシュの防御低下があってもまだ足りないくらい。

速度低下(スピードダウン)
ルシュが使ったスキル。相手のスピードを下げることができる。

ダンジョン:触の扉
はじまりの街の近くにあるダンジョン。中がスライムのようなグジュグジュしたものが多く、足場も悪い。ただ、モンスターはプニちゃんだけ。

特性:恩義
スザクが所持している特性。主への想いが強ければ強いほど自分のステータスが上昇し、一度発動すれば戦闘終了までずっと続く。

死の告知(アブズ・ギブズ)
骸の武士が使ったスキル。相手を斬ることであらゆるバフが消え、幽霊をも実体として斬ることができる。

プニちゃん
アリシアの新しい仲間。体はスライムのようになっているが、髪だけ触手のようになっている不思議なモンスター。名前をつけてくれたアリシアのことを好いており、自分が一番アリシアのことを好いていると思っている。

スキル:拡張
アイテムの効果範囲が拡大する。

ダンジョン:斬首の扉
骸の武士の友人である三つ首のモンスターがいる場所。扉が普通のでは無く、ギロチンを使っている。今回スザクが蹴り破ったが、普通こうしないと首が飛ぶ。だからスザクが取った行動は正しかった。

三つ首(雷首、氷首、火首)
骸の武士の友人。雷を吐く顔、氷を吐く顔、火を吐く顔の3つの顔が合わさったモンスター。火と氷を吐く顔が下にあり、その上に雷を吐く顔がある。雷を吐く顔は雷首、氷を吐く顔は氷首、火を吐く顔は火首と名付けられた。これはそれぞれの属性とこのダンジョンが斬首の扉だからそう名付けられた。ちなみに、骸の武士のように会話ができる。ただし、みんな強い口調で話すため、威圧しているようにも見える。ちなみに、アリシアたちが斬首の扉に着く前にコハクが事前に攻略していた。

スキル:召喚
離れた場所にいる自分の仲間を呼び寄せることができる。


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第6話 第1回イベント開幕

あれからアリシアとロザリーは順調にダンジョンを攻略し、なんとか新イベントに間に合った。

 

場所…はじまりの街 噴水の広場

 

アリシア「いよいよだね!ロザリー!」

 

ロザリー「えぇ。アリシアはどう?」

 

アリシア「ふふっ。私、とっておきの策があるから!」

 

ロザリー「ふぅん。私にもあるから?このイベントに勝つ方法が!」

 

アリシア「じゃあ、今回は容赦しないよ!」

 

ロザリー「受けて立つわ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ!

するとジンとルシュがログインした。

 

ジン「お、いるな?アリシアにロザリー」

 

アリシア「あ!ジンさん!ルシュさんも!」

 

ルシュ「1週間ぶりかな。ログインするの」

 

ロザリー「い…1週間…」

 

アリシア「社会人って忙しいんだね…」

 

ジン「はぁ…ホントだぜ全く…おちおちゲームもしてらんねぇよ」

 

ロザリー「ジンさん。ルシュさん」

 

ジン「?」

ルシュ「?」

 

ロザリー「私。今回は本気でいきますから」

 

ジン「!」

ルシュ「!」

 

ロザリーの目が変わった。

 

ジン「よっしゃ!じゃあ俺も本気でやるぜ!!」

 

ルシュ「私も。手は抜かないわよ」

 

ブゥン

すると噴水の広場に大きなスクリーンが映し出された。

 

ジン「お?来たか?」

 

音声「第1回イベント開始まであと5分となりました。今からイベントの説明をさせていただきます」

 

ブゥン…ブゥン…

するとスクリーンに表示される内容が変わった。

 

音声「このイベントはポイント制のバトルロイヤルです。プレイヤーは1ptずつ配布され、他のプレイヤーを倒すことでポイントを得ることができます。最後の一人になるか、制限時間が経てば終了となります。イベントは別の空間で行い、みなさんバラバラに配置されます。イベント時間は2時間です。この間、ログアウトすればこのイベントの参加権を失います。また、これ以降にログインしても参加権は得られません」

 

ジン「なるほど。つまりは2時間ぶっ通しで戦えってことだな」

 

音声「ポイントが0になったプレイヤーは別の空間に配置され、それ以降はイベントを見るだけになります」

 

ルシュ「なるほど。負ければ即退場ね」

 

音声「なお、2pt所持しているプレイヤーを倒した場合、その2ptは倒したプレイヤーに譲渡されます」

 

ロザリー「ふぅん。つまりポイントが多いと狙われやすいってことだね」

 

音声「道具の使用はありです。また、上位10名の方には新たなスキルもしくは特性、武器、防具を得るためのポイントが付与されます。これは指定の交換所にて入手することができます」

 

アリシア「へぇ!そんなのもあるんだ!」

 

音声「では、第1回 バトルロイヤルイベント。開始です」

 

ピピッ…ブゥゥゥゥゥゥゥン!

ログインしているプレイヤーが全員別の空間に転送された。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…第1回イベント会場

 

アリシア「わっ…広い…」

 

そこは広い草原に森や街など、はじまりの街と似たような雰囲気を放つ場所だった。

 

アリシア「ここで戦うんだ!頑張るぞ!」

 

音声「では、イベント開始まで…5、4、3、2、1、スタートです」

 

アリシア「よぉし始まったぞー!」

 

すると周囲のプレイヤーが一斉に動き出した。

 

プレイヤー「っしゃあ!ポイントいただくぜ!」

プレイヤー「抜かせ!俺が勝つんだよ!」

プレイヤー「私だって!」

 

他のプレイヤーは近くのプレイヤーに勝負を挑み、いきなり戦争のようになった。

 

アリシア「ひぇっ…怖っ…どこか安全な場所ないかな…」

 

スタスタスタ

アリシアは広い草原におり、近くにお城があったので、そこへ避難することにした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…とある城跡地

 

アリシア「ふぅ。ここなら見つからないでしょ。誰かが来るまでじっとしてよ」

 

アリシアは城のバルコニーから顔を覗かせた。

 

アリシア「ひぇぇ、みんな戦ってる戦ってる…。そういえば、ロザリーはいないのかな?ジンさんやルシュさんも」

 

プレイヤー「いたぞ!」

 

アリシア「!?」

 

アリシアがその声に反応して後ろを振り向くと、2人のプレイヤーがいた。

 

アリシア「えっ!?何で!?」

 

プレイヤー「悪いな嬢ちゃん」

プレイヤー「ポイント頂くぜ」

 

アリシア「み、みんな出てきてー!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

スラちゃん、スラくん、ライム、スラミ、イノくん、スザク、プニちゃんがメダルから出てきた。

 

プレイヤー「なんだこいつら!モンスターか!」

プレイヤー「でもスライムとイノシシとよく分からんやつだ!これなら勝てる!」

 

アリシア「みんな!あの人たちをやっつけて!」

 

ダダダダダダダダダダ!!

するとスラちゃんたちが一斉に走り出した。

 

プレイヤー「いくぜ!おらぁ!」

 

ガン!キン!ガン!ガン!キン!

2人のうち1人は剣を持っていた。

 

プレイヤー「任せとけって!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

もう1人は槍を持っていた。

 

アリシア (あ、ロザリーと一緒だ)

 

ドカッ!ドカッ!ドカッ!ドカッ!ドカッ!

スラちゃんたちは何度もそのプレイヤーたちに突進した。

 

プレイヤー「うぐっ…なんだこのスライムども!」

プレイヤー「最初のスライムと違うのか!?」

 

アリシア「私のスラちゃんたちは強いの!」

 

ドカッ!ドカッ!ドカッ!ドカッ!ドカッ!

スラちゃんたちが2人のプレイヤーをボコスカ攻撃し始めた。

 

プレイヤー「うぐっ!いでっ!いででっ!」

プレイヤー「このっ!スライムごときに!」

 

イノくん「ブルルルルル!」

 

ドドドドドドドド!

イノくんが猛突進してきた。

 

プレイヤー「ちょっと待てお前!」

プレイヤー「ちょっと待てお前!」

 

イノくん「ブルルルルル!」

 

ドォン!

イノくんはその2人のプレイヤーに体当たりをした。

 

プレイヤー「ぐはっ…」

プレイヤー「こいつ…」

 

ドサッ…シュゥゥゥゥゥゥ…

攻撃を受けたプレイヤーは体力が0になって姿を消した。

 

アリシア「やった!みんなすごい!やっつけたよ!」

 

音声「特性:褒め言葉が発動しました」

 

ピコンッ!ピコンッ!

アリシアのポイントが3ptとなった。

 

アリシア「やった!ポイントが増えた!みんな!このままこの調子でイベントを乗り切ろう!」

 

音声「特性:応援が発動しました」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!

スラちゃんたちのステータスが上昇した。

 

アリシア「あ、このままいてもいいけど、やっぱり攻めた方がいいのかな。どうかな。スザク」

 

スザク「そうですね。私としてはここにいるみんなは強いと思っているので、攻めた方がいいかと」

 

アリシア「だよね!じゃあやっぱり行こう!」

 

スタスタスタ

アリシアたちは城跡地から出た。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…広い草原

 

アリシア「お!まだまだいるね!よしみんな!やっつけるよー!」

 

ダダダダダダダダダダ!

するとスラちゃんたちが一斉に近くのプレイヤーまで走った。

 

アリシア「ちょっ!みんな待ってぇ!」

 

タッタッタッ!

アリシア、スザク、プニちゃんが後を追った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

〜ロザリーサイド〜

 

ロザリー「はっ!やっ!はぁっ!」

 

カン!カン!カン!キン!

ロザリーは順調にポイントを重ねていた。

 

プレイヤー「ぐぁぁぁっ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

ロザリーは他のプレイヤーを倒すことができた。

 

ピコンッ!

ロザリーにポイントが付与された。

 

ロザリー「あ、さっきの人2pt持ってた。これで…15pt!アリシアはどれくらいかな」

 

プレイヤー「おらぁっ!」

 

ロザリー「!」

 

ドォン!

ロザリーが油断していると、後ろから斧を持ったプレイヤーが攻撃してきた。

 

ロザリー「来た」

 

ズォッ…

ロザリーはロンギヌスの槍を持った。するとロンギヌスの槍が赤いオーラを放ち始めた。

 

プレイヤー「へっ、15ptか。結構倒してるな?」

 

ロザリー「あら、それはお互い様ね。あなたは14pt」

 

プレイヤー「ここで倒せば俺は29ptだ!」

 

ロザリー「それは私に勝ったらでしょ!」

 

キンッ!カンッ!ガンッ!キンッ!

ロザリーは槍を振り回して連続で攻撃した。

 

プレイヤー「へっ、そんなんじゃ俺の斧は壊せねぇ!」

 

ドォン!

プレイヤーが自慢の斧を地面に叩きつけた。

 

ロザリー「くっ、硬い…」

 

プレイヤー「なるほど、槍術士か。俺の友達にも槍術士がいる。そいつに弱点も教えてもらった!!」

 

ガンッ!

プレイヤーは斧を地面に突き刺した。

 

ロザリー「?」

 

プレイヤー「大地の棘!」

 

ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!

すると地面から土の棘が隆起してきた。

 

ロザリー「なっ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

ロザリーは自慢のスピードを活かして攻撃を避けた。

 

プレイヤー「くっ…」

 

ロザリー「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

ガンッ!

プレイヤーはロザリーが攻撃してくるのを予測して斧でガードした。ロザリーはその予測通り攻撃してきた。

 

ロザリー (くっ…読まれたか)

 

プレイヤー「残念だな嬢ちゃん。俺は発売日からやってるんでな!!」

 

ガンッ!ドゴォン!

プレイヤーは斧でロザリーを振り払うとロザリーに向けて斧を振り下ろした。

 

ロザリー「はっ!それにしては攻撃が遅いね!」

 

プレイヤー「何っ!?」

 

ビュン!ビュン!ビュン!

ロザリーはプレイヤーから少し距離を取った。

 

プレイヤー「攻撃来るか!?」

 

ガンッ!

プレイヤーは斧で防御する姿勢をとった。

 

ロザリー「攻撃ってのはね、こうやってするのよ!!」

 

ジジジ…バリバリバリバリバリ!!

ロンギヌスの槍が雷を纏った。

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

ロザリーはロンギヌスの槍を振り回して投擲姿勢をとった。

 

ロザリー「飛槍一閃(ひそういっせん)!!」

 

ビュン!バゴォォォォォォォン!!

ロザリーはロンギヌスの槍を投擲した。その瞬間、ロンギヌスの槍の力が周囲に溢れ出し、ロンギヌスの槍は地面を削りながら飛んだ。

 

プレイヤー「来い!!」

 

ガンッ!バゴォォォォォォォン!!

ロンギヌスの槍がプレイヤーの斧に当たった瞬間、大爆発が起こった。

 

ロザリー「…」

 

パシッ!ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!コンッ!

ロザリーがじっとしていると、ロンギヌスの槍が戻ってきた。ロザリーはタイミングよくロンギヌスの槍をキャッチした。

 

プレイヤー「ぐはっ…すげぇ…こんなスキルあるんだな…槍って…」

 

ロザリー「!」

 

プレイヤー「あいつにも…教えてやりてぇぜ…」

 

ドサッ…シュゥゥゥゥゥゥ…

斧を持ったプレイヤーが消えていった。

 

ロザリー「…あれ、攻撃力足りなかったのかな。強い技だと思ったんだけど」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

〜ジンサイド〜

 

ジン「おらぁ!」

 

ゴン!

ジンは他のプレイヤーに攻撃した。

 

ジン「まだまだぁ!」

 

キン!キン!キン!キン!

ジンは得意な剣を使って他のプレイヤーを圧倒していた。

 

プレイヤー「せいっ!」

 

カン!

すると槍を持ったプレイヤーがジンを攻撃した。

 

ジン「ロザリーと一緒か」

 

カン!カン!カン!カン!キン!ガン!

ジンは槍の攻撃をなんとか受け流した。

 

ジン「やるなぁお前!」

 

プレイヤー「まぁね、でも君も強そうだ」

 

ジン「当然だ!俺は強い!」

 

ガンッ!

ジンは槍を持ったプレイヤーに攻撃した。

 

プレイヤー (重いっ…)

 

ジン「どうだ!これが剣の重さだ!」

 

プレイヤー「確かに重い…でも!僕の友達の斧の方が重い!!」

 

ヒュッ!ガンッ!

槍を持ったプレイヤーはジンの攻撃を受け流した。

 

ジン「くそっ!」

 

プレイヤー「はぁっ!」

 

ガンッ!

ジンはプレイヤーの攻撃を盾で防いだ。

 

ジン「どりゃあ!」

 

ドカッ!

ジンはプレイヤーを足で蹴った。

 

プレイヤー「ぐはっ…」

 

ドサッ…

プレイヤーは地面に膝を着いた。

 

ジン「はぁっ…はぁっ…やるなぁ…お前」

 

プレイヤー「はぁっ…はぁっ…それはどうも…」

 

ジン「…俺の知り合いにも槍を使う奴がいる。槍術士ってんだ」

 

プレイヤー「へぇ…僕と一緒ですね…」

 

ジン「あいつはまだひよっこだがいつかあんたよりも強くなるかもな」

 

プレイヤー「…ははっ…」

 

ジン「すまねぇがここは勝たせてもらう」

 

プレイヤー「…どうぞ…」

 

ズシャッ!

ジンはプレイヤーを攻撃した。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

すると、槍を持ったプレイヤーが消えていった。

 

ピコンッ!

ジンにポイントが加算された。

 

ジン「8ptか。あいつ結構持ってたな。よしっ。これで23pt」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

〜ルシュサイド〜

 

ルシュ「落雷(サンダー)落雷(サンダー)落雷(サンダー)!」

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

ルシュは周囲にいるプレイヤーに雷属性魔法を放った。

 

プレイヤー「ぐぁぁっ…」

プレイヤー「がはっ…」

プレイヤー「そんな…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

ルシュは魔法を使って一気にポイントを稼いでいた。

 

ルシュ「ふふっ…これで43pt。やっぱり魔法は最高ね!」

 

ビュン!

するとルシュにひとつの影が接近した。

 

ルシュ「!?」

 

ルシュはその気配にいち早く気づいた。

 

???「はぁっ!」

 

ルシュ「くっ!」

 

ガンッ!ドゴォン!

ルシュは咄嗟の判断で杖を盾に使った。

 

???「ほう。魔法使いなのにやるな」

 

ルシュ「これでも防御力は上げてるからね…」

 

???「ならこれはどうだ!」

 

ガン!ガン!ガン!キン!

???は連続で攻撃した。

 

ルシュ「くっ…」

 

ルシュは防戦一方だった。

 

ルシュ (相手の武器は剣…こんなに近づかれたら魔法が使えない!)

 

???「はぁっ!」

 

ドゴォン!

???は重い一撃を与えた。

 

ルシュ「ぐぁっ…」

 

ルシュはあまりの重さによろめいてしまった。

 

???「そこっ!」

 

ズシャッ!

???は隙を見てルシュを斬った。

 

ルシュ「あがっ!」

 

ドサッ…シュゥゥゥゥゥゥ…

ルシュは一撃で退場した。

 

???「43ptか。まぁまぁだな」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

〜アリシアサイド〜

 

アリシア「いけぇ!スザク!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ズシャッ!

スザクが自慢のスピードでプレイヤーたちを斬った。

 

プレイヤー「くそっ…」

プレイヤー「速すぎだろ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

2人のプレイヤーが退場した。

 

アリシア「えっと、6ptと8ptだから14ptで…やった!49ptだ!結構貯まってきた!」

 

アリシアは周囲を見渡した。

 

アリシア「…誰もいないし少し休もうかな」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

〜ジンサイド〜

 

ジン「チッ…なんてやつだ…」

 

???「…ふぅ」

 

ジンはあるプレイヤーと対峙していた。

 

ジン「速い…しかも攻撃力も高い」

 

???「当然。攻撃力を高めに振り分けたからね」

 

ジン「っ…」

 

???「立たないのか。それとも立てないのかどっち」

 

ジン「くっ…」

 

ジリッ…

ジンはゆっくり立ち上がった。

 

???「立たなかったということね」

 

キン…

???は剣を構えた。

 

???「…君の職業は剣士かな」

 

ジン「あぁ。よく分かったな」

 

???「当然。僕と同じで剣を持ってる。でも盾も持ってる。となると剣士か戦士くらいだからね」

 

ジン「そういうあんたは俺と同じ剣を持ってる。でも盾を持ってない。あんたの職業はなんだ」

 

???「…勝ったら教えてあげるよ」

 

ジン「…そうか」

 

スッ…

ジンも構えた。

 

???「ふんっ!」

 

ジン「どりゃあ!」

 

ギィン!ガァン!ギィン!

???とジンの剣がぶつかり合う。

 

ジン (けっ…やっぱり重いな…)

 

??? (防御は問題ない。でもスピードが遅い)

 

ジン「どりゃあ!」

 

ゴン!

ジンの攻撃が躱された。

 

ジン「しまっ…」

 

???「終わりだ」

 

ズシャッ!

???はジンを攻撃した。

 

ジン「ぐぁっ…」

 

???「…!」

 

???は確かに攻撃を与えた。しかも大ダメージ。だがジンは倒れなかった。

 

ジン「ははっ…今日は運がいい…」

 

???「…加護か?」

 

ジン「ご名答!」

 

ダッ!

ジンは走って???に近づいた。

 

???「来るかっ!」

 

ビュン!

???もジンに接近した。

 

???「はぁぁぁぁぁぁっ!」

ジン「せいっ!!」

 

ガキィン!!

???とジンの剣が互いの体に当たった。

 

ジン「よっしゃ!当たった!」

 

???「隙が大きい!」

 

ズシャッ!

???がジンを攻撃した。

 

ジン「ぐぁっ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

ジンが消えていった。

 

???「…今回は運が悪かったな」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

〜ロザリーサイド〜

 

ロザリー (あの人…ジンさんを倒した。しかも速い…何あの速度…)

 

ロザリーはジンと???の戦いを見ていた。

 

ロザリー (私の速度じゃ敵わない…となるとこのまま隠れてやり過ごすしかない)

 

プレイヤー「こんな所に隠れて余裕だな!!」

 

ロザリー「!」

 

ロザリーの背後に別のプレイヤーが現れた。

 

ロザリー (このままじゃ!)

 

キン!

ロザリーはプレイヤーの攻撃を防いだ。

 

???「…」

 

???はその音に気づいた。

 

ロザリー (くっ…このままだと気づかれる…早くこの人を倒さないと!)

 

プレイヤー「はぁっ!」

 

ロザリー「そこっ!」

 

ドスッ!

ロザリーはプレイヤーの胸を刺した。

 

プレイヤー「くそっ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

プレイヤーが消えていった。

 

ロザリー (よしっ…このまま別の場所に…)

 

???「…」

 

???はずっと音が聞こえた方を見ていた。

 

???「…」

 

スタスタスタ

ロザリーは体を低くして移動した。

 

???「…あと何人かな」

 

スタスタスタ

???はロザリーのあとを追うように移動した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

〜アリシアサイド〜

 

アリシア「…」

 

アリシアは少し休憩を取っていた。

 

アリシア (ロザリーにルシュさんジンさんは何ポイント取ったのかな。私が一番だったらいいな…)

 

ドゴォン!

突然近くで爆音が聞こえた。

 

アリシア「!!」

 

アリシアはすぐに周囲を見渡した。

 

アリシア (近くで誰か戦ってる…このまま隠れてやり過ごせば…)

 

ドゴォン!

するとまた爆音が聞こえた。

 

アリシア (こっちから聞こえ…えっ!?)

 

アリシアが見た方にロザリーがいた。

 

アリシア (ロザリー!?)

 

ロザリー「っ…」

 

ロザリーは相手の行動を伺っていた。

 

???「素早い。攻撃力も高い。槍を持っているということは槍術士か?」

 

ロザリー「えぇ。その通り」

 

???「やっぱり当たりの職業だな。盾がないから防御力を上げる必要もない。槍の投擲も強い。流石だ」

 

ロザリー「っ…」

 

ググッ…

ロザリーは槍を強く握った。

 

???「時間も少ない。そろそろ終わらせよう。…もう1人いるようだしな」

 

ロザリー「!」

 

ビュン!

???がロザリーとの距離を縮めた。

 

ロザリー (来たっ!)

 

ヒュッ!キン!キン!キン!ガン!キン!

???は連続攻撃を放った。ロザリーは速いスピードを活かしてその攻撃を受け流していく。

 

???「流石に速いな!槍術士!」

 

ロザリー「くっ…」

 

キン!キン!キン!キン!キン!キン!

ロザリーは受け流すことはできても反撃はできなかった。

 

???「これでっ!」

 

ズシャッ!

???はロザリーに剣を当てた。

 

ロザリー「あがっ…」

 

ドサッ…

ロザリーは攻撃を受けて倒れた。

 

???「…」

 

アリシア「ロザリー!」

 

???「?」

 

タッタッタッ!

隠れたアリシアが出てきた。

 

ロザリー「ア、アリシア…」

 

???「…2人はキツい」

 

ビュン!ドスッ!

???はロザリーに剣を突き刺した。

 

ロザリー「かはっ…」

 

アリシア「!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

ロザリーが消えていった。

 

アリシア「ロザリー!!」

 

???「…」

 

???はアリシアの方を見た。

 

アリシア「あ、あなた…あなたは絶対…私がやっつける!!」

 

バッ!

アリシアはスラちゃんたちのメダルを取り出した。

 

アリシア「みんな出てきて!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…ポンッ

スラちゃんたちがメダルから出てきた。

 

???「モンスターか」

 

アリシア「みんな!あの人をやっつけて!」

 

ダダダダダダダダダダ!!

スラちゃんたちは一斉に???に向かって走り出した。

 

???「でも連れてるモンスターはスライムとイノシシ、それに…なんだあのモンスターは」

 

ビュン!

一番速いライムが???に体当たりをした。

 

???「くっ!」

 

ヒュッ!

???はライムの攻撃を避けた。

 

???「はぁっ!」

 

ズシャッ!

???はライムを攻撃した。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

ライムは???の一撃でやられた。

 

アリシア「ライム!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ドカッ!

するとスラちゃん、スラくん、スラミがあとから???に体当たりをした。

 

???「なっ…このスライムたち…」

 

ビュン!ビュン!ビュン!

スラちゃんたちは立て続けに攻撃する。

 

??? (このスライム…最初に見たスライムよりも強い!)

 

ビュン!ビュン!ビュン!

???はスラちゃんたちの攻撃を避けていく。

 

???「はぁっ!」

 

ズシャッ!ズシャッ!

???はスラちゃん、スラくんを攻撃した。

 

アリシア「スラちゃん!スラくん!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

スラちゃんとスラくんが消えていった。

 

アリシア「そんな…」

 

イノくん「ブルルルルル!」

 

ドシン!

イノくんは???に渾身の体当たりをした。

 

???「こ…このイノシシまで!」

 

プニちゃん「やぁっ!」

 

ドカッ!

プニちゃんはイノくんの体当たりでよろけたところを腕を伸ばして攻撃した。

 

???「ぐっ…こいつ…腕が伸びるのか…」

 

スザク「はぁっ!」

 

ズシャッ!

スザクがプニちゃんとの連携でさらに攻撃を与えた。

 

??? (こいつ…モンスターなのか!?他のやつらと違う!)

 

ビュン!ビュン!ビュン!

スザクは???の背後を取った。

 

スザク「はぁっ!」

 

ズシャッ!

スザクはさらに攻撃を重ねる。

 

???「くっ…」

 

イノくん「ブルルルルル!」

 

ドドドドドドドドドド!!

イノくんが???に体当たりをしかけた。

 

???「まずは1匹!!」

 

ズシャッ!

???はイノくんを攻撃した。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとイノくんも一撃でやられた。

 

アリシア「イノくん!!」

 

プニちゃん「はぁっ!」

 

ドカッ!ドカッ!ドカッ!ドカッ!

プニちゃんは???を何度も殴る。

 

プニちゃん「このっ!このっ!このっ!」

 

ドカッ!ドカッ!ドカッ!ドカッ!

プニちゃんは反撃の隙を与えないために連続攻撃をした。

 

???「このスライムもか!だったら!」

 

キン!ズシャッ!

突然プニちゃんの体が斬られた。

 

???「反撃(カウンター)!!」

 

プニちゃん「!?」

 

???「爆裂剣(ばくれつけん)!!」

 

バゴォン!

???がプニちゃんを攻撃した。???の剣がプニちゃんに当たる瞬間、大きな爆発が起こった。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

プニちゃんは爆発を受けたが、何とか耐えた。

 

プニちゃん「あっがっ…」

 

???「まだやられてないのか。さっきのやつらよりも強いってことだな」

 

キン!

???は剣を構えた。

 

アリシア「プニちゃん!!」

 

プニちゃん「ごめんなさい…主…でも…頑張ったから褒めてほし…」

 

ドスッ!

???はプニちゃんに剣を突き立てた。

 

アリシア「プニちゃーん!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

プニちゃんが消えていった。

 

???「あと1人」

 

スザク「はぁっ!」

 

キン!

スザクは???を攻撃した。???はギリギリのところでスザクの攻撃を受け止めた。

 

スザク「くっ!」

 

???「速い…今まで戦った中で一番速い!!」

 

キィン!!

???はスザクの剣を振り払った。

 

スザク「くっ…」

 

スタッ!

スザクは空中で体勢を立て直して着地した。

 

スザク「はぁっ!」

 

ビュン!

スザクは一気に???に接近した。

 

???「こういう速いやつは…」

 

ググッ…

???は剣を前に突き出して構えた。

 

???「攻撃を置けば刺さる!」

 

ドスッ!

スザクのお腹に???の剣が刺さった。

 

スザク「ぐっ…」

 

???「…だろ?」

 

ズシャッ!

???はそのままスザクを斬り払った。

 

スザク「あぐっ…」

 

スザクは少し距離を置いた。

 

???「…どうした。来ないのか」

 

スザク (この人…強い…どう見ても隙がない…倒せるビジョンが見えない…)

 

???「来ないのか。ならこちらから行くぞ!」

 

ビュン!

???はスザクとの距離を一気に縮めた。

 

スザク「!!」

 

キン!キン!キン!キン!キン!キン!

スザクは咄嗟にガードした。

 

???「ほらほら!こいよ!もっと!」

 

キン!キン!キン!キン!キン!

スザクは全く反撃できなかった。

 

???「反撃しないとさっきのやつと同じ目に遭うぞ!!」

 

アリシア「!」

 

???「はぁっ!」

 

ズシャッ!

???の攻撃がスザクに届いた。

 

スザク「あぐぁっ…」

 

ドサッ…

スザクは地面に膝を着いた。

 

???「…さて、どうする。ここから勝つ方法でもあるか?」

 

スザク「っ…」

 

アリシア (このままだとスザクが…)

 

アリシアは胸元にかけている笛を触った。

 

アリシア (今呼べばスザクを助けられるかもしれない…今すぐに!)

 

グッ

アリシアは笛を持った。

 

???「…さらばだ」

 

ピーーーーーーーーッ!!

アリシアは迷わず笛を吹いた。

 

ドスッ!

だが、???はその音に耳を貸さず、スザクの胸に剣を突き立てた。

 

アリシア「!!」

 

スザク「…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

スザクが消えてしまった。

 

アリシア「あ…あぁ…スザク…」

 

???「…あとはお前一人だな」

 

アリシア「!」

 

???「モンスターを使役して戦わせる。つまり魔物使いか。あの職業は他のステータスが最低値になる職業。盾であるモンスターを所持していなければ真っ先にやられる。だがどうだ。君が召喚したモンスターは全員消えた。君を守るモンスターは他にいるのか?」

 

アリシア「くっ…みんな…」

 

???「自分を守るために1人でも近くに置いておくべきだったな。全員戦わせるなんてな。殺されに行くようなもんだ」

 

アリシア「っ…」

 

???「あとは君だけ。時間もまだ少しある。43ptか。そのポイント…僕がいただこうか」

 

ザッザッザッ

???がアリシアに近づいてきた。

 

アリシア「っ…」

 

アリシアは逃げようとしたが足が動かなかった。

 

??? (動けないだろう…そうだろう。少し前にお前の足元に結界を展開しておいた。逃げられると困るからな…)

 

ザッザッザッ

???は確実にアリシアに近づいてきた。

 

アリシア (誰か…お願い…1人でも…)

 

ムクロ「下がるがよい」

 

アリシア「…!」

???「…」

 

???の背後にムクロが立っていた。

 

ムクロ「アリシアの笛。しかと聞き入れたぞ」

 

???「…」

 

ムクロ「雑兵よ。お前は敵を見誤った。戦場では死に直結する」

 

???「…」

 

ザッ!

???は後ろを振り返った。

 

ムクロ「敵を目の前にして気を抜くなど愚の骨頂。勝負はいつ終わった」

 

???「…」

 

???はムクロを睨んでいた。

 

ムクロ「敵に背を向けるなどあってはならん。剣を持つ者ならなおさらだ」

 

???「…君は誰だ」

 

ムクロ「…俺は骸の武士」

 

???「骸の武士だと…」

 

キン!

???は剣を構えた。

 

???「なぜここに…」

 

ムクロ「…俺はアリシアの仲間だ。仲間が傷つけられて助けにこないわけがない」

 

???「っ…」

 

ムクロ「今まで倒してきた俺の仲間の落とし前をここでつける」

 

ドゴォン!

するとアリシアの後ろで何かが地面から出てきた。

 

雷首「ガーハハハハ!!」

氷首「ガッハハハハ!!」

火首「ガッハハハハ!!」

 

出てきたのは三つ首の雷首と氷首、火首だった。

 

アリシア「あ…三つ首さん…」

 

???「!?」

 

???は現れた3つの顔だけのモンスターに驚いていた。

 

???「なんだあいつ…」

 

ムクロ「俺の友人だ」

 

???「!」

 

カチャ

ムクロは刀を構えた。

 

ムクロ「アリシアの声を聞き、今すぐお前を倒す」

 

???「…やれるもんならやってみろ!!」

 

ビュン!キィィィィィィン!!

???の剣とムクロの刀がぶつかった。

 

キン!キン!キン!キン!キン!キン!キン!

???の剣とムクロの刀はほぼ同じ速度だった。

 

ムクロ「人間にしては速い剣技だ」

 

???「そりゃどうも!」

 

キン!キン!キン!キン!キン!キン!キン!

???とムクロは両者一歩も引かない様子だった。

 

ムクロ「手を出すなよ三つ首。こいつは俺がやる」

 

雷首「ガッハハハハ!!分かっとるわ!」

氷首「だが!お前がやられたら俺たちがやる!」

火首「だからほどよくして死ね!!」

 

ムクロ「はっ…それでも古い友人か」

 

キン!キン!キン!キン!キン!キン!キン!

ムクロはさらに速く攻撃した。

 

??? (速くなった…)

 

キン!キン!キン!キン!キン!キン!キン!

???も速く剣を振る。

 

ムクロ「ほぅ。やるな人間」

 

???「これでも剣技はレベル高いもんだからな!!」

 

キィィィィィィン!!

???とムクロの剣がぶつかり合う。

 

ムクロ「この強さ。他のやつらとは違う」

 

???「あぁ。他のやつとも戦ったが、みんな僕より弱い」

 

ムクロ「…そうか」

 

キン!キン!キン!キン!キン!キン!キン!

???はさらに剣を速めた。

 

ムクロ「ぬぅっ!」

 

キィィィィィィン!!

ムクロは???を打ち上げた。

 

???「何っ!?」

 

???は大きく後ろに弾かれた。

 

ムクロ「はぁっ!」

 

???「反撃(カウンター)!!」

 

キィン!!バゴォン!

ムクロが攻撃すると、???がタイミングよくカウンターをした。

 

ズシャッ!

するとムクロの体が斬られた。

 

ムクロ「くっ…なるほど…」

 

アリシア「ムクロー!」

 

ムクロ (これ以上受ければアリシアが心配する…)

 

キィン…

ムクロは特異な構えを取った。

 

???「…来るか」

 

ムクロ「死者の呼び声!」

 

ブゥン!

ムクロは剣を振った。すると狭間から霊体がうじゃうじゃと出てきた。

 

???「なるほど…幽霊か…なら」

 

キン!

???は剣を持って構えた。

 

???「聖霊斬(せいれいざん)!!」

 

バゴォォォォォォォン!!

???は白い光の剣気を放った。

 

ムクロ「なっ!?」

 

ズシャッ!

その剣気がムクロを捉えた。

 

アリシア「ムクローー!!」

 

ムクロ「ぐっ…この力…聖者の力か…」

 

雷首「あぁ、あれはダメだな」

 

アリシア「!」

 

氷首「死者であるあやつに聖者の攻撃は効果が高い」

火首「それ以外は強いがな」

 

アリシア「ムクロ…」

 

ジジジ…ビリビリ…ビリビリ…

ムクロの体が痺れていた。

 

ムクロ「くっ…この…」

 

???「この程度だったとは。見損なったぞ」

 

ムクロ「っ…」

 

???「あんな登場の仕方で僕を驚かせたのか?」

 

ムクロ「くっ…」

 

???「…これでお前も終わりだ」

 

ググッ…

???は剣を強く握った。

 

???「君とはまたやりたい。僕はまだまだ強くなれそうだ。今はこんな勝ち方しかできんがな」

 

ムクロ「…すまぬ。アリシア」

 

ズシャッ!

???はムクロを攻撃した。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとムクロまで消えていった。

 

アリシア「あっ…ああっ…ムクロ…」

 

雷首「いくぞお前ら」

氷首「あぁ」

火首「嬢ちゃんを泣かせるたぁ罪だぜ」

 

ビュン!

三つ首が???のところまでジャンプした。

 

???「…!!」

 

ドシン!!

三つ首が???がいるところに着地した。だが、それを察知した???はその場から離れていた。

 

???「…今度は顔か」

 

氷首「ンバァァァァァァァァァ!!」

 

ビュォォォォォォォォ!!

氷首が氷のブレスを吐いた。

 

パキパキパキパキパキ!ガキン!ガキン!ガキン!

すると地面が凍り、さらに氷のトゲまで出てきた。

 

???「これは…初めて見るブレスだな」

 

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」

 

ゴォォォォォォォォォォォ!!

次に火首が炎のブレスを吐いた。

 

???「くっ!」

 

ビュン!

???はその場から動いた。

 

???「だが攻撃はブレスだけみたいだな。それなら近づけば!」

 

雷首「ガァァァァァァァァァァ!!」

 

バリバリバリバリバリバリ!!

雷首が雷を吐いた。

 

???「くっ…」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

???はその雷を避けていく。

 

雷首「ガァァァァァァァァァァ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァァ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」

 

ゴォォォォォォォォォォォ!!

三つ首が一斉に雷、氷、火のブレスを吐いた。

 

???「はぁっ!」

 

ヒュッ!

???はその3つのブレスをギリギリで避けた。

 

???「覇王斬(はおうざん)!!」

 

ズシャッ!

???は雷首に攻撃した。

 

雷首「がぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

氷首「雷!!ンバァァァァァァァァァ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」

 

ゴォォォォォォォォォォォ!!

氷首と火首は雷首が斬られたことで反撃した。

 

???「くっ…あと2つ!」

 

ビュン!

???は一気に距離を詰めた。

 

???「水冷斬(すいれいざん)!!」

 

ズシャッ!

???は火首に攻撃した。

 

火首「がぁぁぁぁぁぁっ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァァ!!」

 

ビュォォォォォォォォ!!

氷首は氷のブレスを吐いた。

 

ビュン!

???は一旦距離を取って氷首に近づいた。

 

???「火炎斬(かえんざん)!!」

 

氷首「ンバァァァァァァァァァ!!」

 

ビュォォォォォォォォ!!パキパキパキ!

???の剣が氷首のブレスで凍ってしまった。

 

???「くっ…」

 

ヒュッ!スタッ!

???は一旦距離を取った。

 

???「…凍ったか」

 

ガン!

???は剣を捨てた。

 

カチャ

そして別の剣に持ち替えた。

 

氷首「ンバァァァァァァァァァ!!」

 

ビュォォォォォォォォ!!

氷首が氷のブレスを吐いた。

 

ビュン!

???はさっきと同じように一気に距離を詰めた。

 

氷首「ンバァァァァァァァァァ!!」

 

ビュォォォォォォォォ!!

氷首はさらに氷のブレスを重ねる。

 

???「火炎斬(かえんざん)!!」

 

ズシャッ!

???の攻撃が氷首に届いた。

 

氷首「あがぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

???「これで!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ!

???の剣先にエネルギーが集中した。

 

???「剣砲(けんほう)!!」

 

バゴォォォォォォォン!!

すると剣先から太い光線が放たれた。

 

アリシア「三つ首さん!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

雷首、氷首、火首は大ダメージを受けた。

 

アリシア「そんな…」

 

???「…強い。このゲームにはこんなに多彩なモンスターがいるとはな」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

三つ首まで消えてしまった。

 

アリシア「あぁっ…みんな…」

 

???「…今度こそ君だけだ」

 

アリシア「!」

 

???「時間も少ない。幸い、魔物使いはステータスが低い」

 

アリシア「っ!」

 

???「君に命乞いの機会はやらない。ここで始末し…」

 

ドゴォォォォォォン!

すると突然???が吹き飛ばされた。

 

アリシア「!!」

 

コハク「 (*´-ω-) 」

 

???を吹き飛ばしたのはコハクだった。

 

アリシア「コハク!!」

 

ザッザッザッ…

???は起き上がってコハクを見た。

 

???「…まだいたとは…」

 

コハク「( ・-・ ) 」

 

??? (しかも…さっきまでとは違う…なんだこの緊張感は…)

 

アリシア「コハクー!」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

アリシア「みんなの仇を取ってーー!!」

 

アリシアはコハクに大声で呼びかけた。

 

コハク「 (`・ω・)b 」

 

コハクは親指を立てた。

 

???「…」

 

コハク「ε-(`・ω・´) 」

 

???「君が最後だろうな」

 

ビュン!

???は一気にコハクに接近した。

 

???「はぁっ!」

 

ドゴォン!

???はコハクに攻撃した。だが、コハクはその攻撃を簡単に避けた。

 

???「!?」

 

コハク「 (。´-д-) 」

 

???「はぁっ!せいっ!やぁっ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

???はさらに攻撃した。

 

コハク「 ( -ω- `) 」

 

しかしコハクには一切当たらなかった。

 

???「このっ!」

 

ガン!ドゴォン!ガン!ガン!

???は必死にコハクに攻撃を当てようとする。

 

コハク「 ( *`ω´) 」

 

ドゴォン!

コハクは???の腹に拳を入れた

 

???「ごほっ…」

 

ヒュッ…ドゴォン!

次にコハクは体を回転させて回し蹴りをした。

 

ズサァァァァァァァァァ!!

???は大きく吹き飛ばされた。

 

???「うっ…ごほっ…ぐっ…」

 

???は腹を押さえて悶えていた。

 

コハク「 ( ・-・ ) 」

 

スタスタスタ

コハクは???に近づいた。

 

???「くっ…」

 

カチャ

???は剣を構えた。

 

???「はぁっ!」

 

キン!ガン!キン!キン!ガン!キン!

???はコハクに攻撃されないよう連続で攻撃をした。

 

???「はぁっ!」

 

キィィィィィィン!!

???は最後の一撃でコハクに攻撃を当てることができた。

 

???「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 

???は剣を振りすぎて疲れていた。

 

コハク「 (。´-д-) 」

 

???「!?」

 

コハクは???の剣を指で摘んで止めていた。

 

???「こいつ…この!離せ!」

 

ドカッ!

???はコハクを蹴った。するとコハクは剣から指を離した。

 

???「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

コハクはじっと動かなかった。

 

??? (くっ…全く勝てる気がしない…僕が相手にしているのはホントにモンスターか?)

 

コハク「 (-ω-) 」

 

コハクはアリシアの様子を見た。アリシアには傷はなく、無事なようだった。

 

コハク「 ( *´꒳`*) 」

 

それを見てコハクは笑顔になった。

 

???「くっ…バカにしてるのか…それ…」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

???「僕をここまで追い込んで楽しいか」

 

コハク「 (( 'ω' 三 'ω' )) 」

 

???「…どうせ僕は君に負ける。…なら」

 

ザッ…

???は立ち上がった。

 

???「…最後に一撃…これを君に与える。耐えられるなら耐えてみて」

 

ジジジ…バリバリバリバリバリ!!

突然???の雰囲気が変わった。

 

コハク「 Σ( ˙꒳˙ ) 」

 

???「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!

???の剣が凄まじい剣気を纏い始めた。

 

コハク「 (ΦωΦ+) 」

 

???「天明ノ剣(アルテリアソード)!!」

 

バゴォォォォォォォン!!

???が剣を振ると、青い剣気が放たれた。

 

アリシア「コハクーー!!!」

 

ゴォォォォォォォォォォォ!!

青い剣気はまっすぐコハクに向かっていた。

 

コハク「 (。´-д-) 」

 

???「これでなんとか!」

 

スッ…

するとコハクは自分の顔を覆っている布を口の部分だけめくった。

 

ビリビリ!

するとコハクの口に電気が走った。

 

コハク「 "去れ" 」

 

ゴゥン!!ビュォォォォォォォォ!!

するとコハクの目の前に迫っていた青い剣気が一瞬にして消え去った。

 

???「!?」

アリシア「!!」

コハク「…」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

そして周囲は静寂に包まれた。

 

???「な…なんだよそれ…そんなの…聞いてないぞ…」

 

ドサッ…

???は地面に膝を着いた。

 

コハク「…」

 

スタスタスタ

コハクは???に近づいた。

 

アリシア「コハク…」

 

ザッ…

コハクは???の目の前に立った。

 

???「…」

 

コハク「 ( ・´ー・`) 」

 

???「…君の勝ちだ。全く歯が立たなかった」

 

コハク「 (*-ω-) 」

 

???「…もう僕は動けない。さぁ、やるんだ。今ここで」

 

コハク「 ‎( ˙꒳˙ ) 」

 

コハクはアリシアを見た。

 

アリシア「!」

 

アリシアがそれに気づくと、コハクが手招きをした。

 

アリシア「来いってことかな…」

 

タッタッタッ!

アリシアはコハクがいるところに行った。

 

アリシア「コハク。どうしたの」

 

コハク「 (´゚Д゚`)σ 」

 

アリシア「えっと…分からないけど…倒すべきかってこと?」

 

コハク「 ( ´˘`) -ᴗ-) 」

 

コハクは頷いた。

 

アリシア「えっと…まぁ…イベントだし…」

 

???「…早くしてくれ。僕はもう動けない。君の勝ちだ」

 

アリシア「…」

 

アリシアはコハクの顔を見た。

 

アリシア「…いいよコハク。やって」

 

コハク「 ( ´˘`) -ᴗ-) 」

 

ググッ…

コハクは拳を握った。

 

???「っ…」

 

ピーーーーーーーーッ!!

すると突然甲高い音が聞こえた。

 

???「!」

アリシア「!」

コハク「 Σ(・ω・ノ)ノ 」

 

音声「終了ーーーーーーーー!!」

 

ここで、イベントが終了した。

 

音声「最後の一人まで残らなかったため、制限時間の2時間を以てこのイベントを終了します!!」

 

アリシア「あ、えっ?終わったの?」

 

コハク「 Σ(ㅇㅁㅇ;) 」

 

音声「今回、第1回イベントの第1位はラインさん!657ptです!」

 

アリシア「657!?すごっ!」

 

音声「続いて第2位はスレッドさん!319ptです!」

 

アリシア「3…319…」

 

音声「そして第3位はマートンさん!294ptです!」

 

アリシア「294…」

 

音声「4位以降は一覧で表示します!」

 

ピッ

すると第1位から第10位までのプレイヤーの名前が表示された。

 

アリシア「あっ!私あったよ!49ptで8位だって!」

 

アリシアの結果は8位だった。

 

アリシア「やったよコハク!10位以内に入れたよ!」

 

コハク「 (*´∀`*) 」

 

アリシアとコハクはすごく喜んだ。

 

???「はぁ…よかった…」

 

アリシア「!」

 

???「最後に殴られてたら1位じゃなかったな…」

 

アリシア「えっ…それって…」

 

ジリッ…

???はゆっくり立ち上がった。

 

ライン「僕はライン。さっき紹介されたプレイヤーだよ」

 

アリシア「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

コハク「 Σ(ʘωʘノ)ノ 」

 

アリシアとコハクはすごく驚いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの街 噴水の広場

 

イベントが終了してみんな元のマップに戻された。

 

ロザリー「アリシアー!」

 

アリシア「!」

 

アリシアが噴水の広場でロザリーを待っていると、遠くからロザリーとジン、ルシュが歩いてきた。

 

アリシア「ロザリー!ジンさん!ルシュさーん!」

 

ブンブンブン!

アリシアは手を振った。

 

ロザリー「アリシア!8位おめでとう!!」

 

アリシア「ありがとうロザリー」

 

ジン「あいつ強かったなアリシア」

 

アリシア「あ、最後のあの人…」

 

ルシュ「私もジンもロザリーさんもあの人にやられたのよ」

 

アリシア「えっ!?」

 

ロザリー「だからアリシアに仇を取ってもらおうって思って観客席から応援してたんだよ!」

 

アリシア「お…応援席?」

 

ジン「負けて0ptになった人は強制的に観客席に移動するんだ。そのあとは鑑賞。ずっとみんなのバトルを見てた」

 

アリシア「あ、そうだったんですね。…えっ?ということは私の…」

 

ロザリー「うん!アリシアの戦い見てたよ!みんな盛り上がってた!」

 

アリシア「そ…そうなんだ…」

 

ジン「でもすげぇなアリシア」

 

アリシア「?」

 

ジン「あの笛!あの笛を吹いたら出てきたのは骸の武士ってどういうことだよ!?」

 

アリシア「あーあれですか」

 

ロザリー「そうだよ!みんながえっ!?って言ってたよ!」

 

アリシア「それが、少し前に骸の武士と三つ首を仲間にしまして…」

 

ルシュ「三つ首?あの顔が3つあるモンスター?」

 

アリシア「はい。それです」

 

ジン「ルシュとロザリーで一緒に見てたときに骸の武士とそのモンスターが出てきた時は周りのやつらすっげぇ驚いてたぞ」

 

アリシア「そ…そうなんだ…えへへ…」

 

ロザリー「でも観客席にいて良かったなぁとも思ったよ」

 

アリシア「えっ?何で?」

 

ロザリー「だって骸の武士ってめっちゃ強いって有名じゃん。しかももうひとつのモンスターはすごいブレス吐いてたし」

 

ジン「確かに。あのブレスは尋常じゃない」

 

ルシュ「あれだと私の雷耐性増加でも貫通するわね」

 

アリシア「えっ…そんなに?」

 

ロザリー「そうそう。でもよかった。アリシアまで負けてたら私たち全滅だたっから!」

 

アリシア「いや…私も最後にトドメ刺せなかったし…」

 

ロザリー「いいのいいの!トドメ刺すくらいまで追い込んだんだからいいの!」

 

ジン「そうだぜ。今回はほぼ勝ちだったからな」

 

ルシュ「おめでとうアリシアさん」

 

アリシア「はい!ありがとうございます!」

 

プレイヤー「あ!いたぞ!あの映像に映ってた子だ!」

プレイヤー「何っ!?あっ!いた!」

プレイヤー「見つけたぞ!」

 

ダダダダダダダダダダ!!

突然大きな声が聞こえたと思ったら大人数のプレイヤーがアリシアに押しかけてきた。

 

アリシア「えっ!?」

 

プレイヤー「なぁお前!何の職業なんだ!?」

 

アリシア「えっ!」

 

プレイヤー「最後の3体は何ていうモンスターなんだ!」

 

アリシア「ちょ…」

 

プレイヤー「骸の武士までいたぞ!なんであいつがここにいるんだ!!」

 

アリシア「その…」

 

プレイヤー「しかもよく分からない顔が3つのモンスターもいたよ!」

 

アリシア「それは…」

 

プレイヤー「しかも最後の白いやつ!あいつも見たことないぞ!あれは何だ!?」

 

アリシア「みなさん…その…」

 

スタッ!

するとアリシアの背後にコハクが現れた。

 

アリシア「コハク?」

 

コハク「 (。´-д-) 」

 

プレイヤー「こいつだ!こいつが最後にいたやつだ!」

プレイヤー「なぁお前!何者なんだ!?」

 

ギュッ!

するとコハクはアリシアをお姫様抱っこした。

 

アリシア「へっ!?」

 

コハク「 (`・ω・´) 」

 

ビュン!

するとコハクはジャンプして他のプレイヤーたちから離れた。

 

プレイヤー「おい!待ってくれよ!」

プレイヤー「まだ聞きたいことが山ほどあるんだ!」

プレイヤー「待ってくれ!」

 

ダダダダダダダダダダ!!

他のプレイヤーたちはアリシアとコハクを追った。

 

ジン「す…すげぇな…あいつ…」

 

ロザリー「ほんと…なんでこうも注目されたんだろ…」

 

ルシュ「あはは…まぁ、よかったじゃない。コハクさんがいてくれて」

 

ジン「今日は一緒なんだな」

 

ロザリー「あ、確かに」

 

スタッ!

するとアリシアをお姫様抱っこしたコハクが戻ってきた。

 

ロザリー「あ、アリシア」

 

ジン「!」

ルシュ「!」

 

アリシア「みなさん!今日はちょっと行きたいところがあるので一緒に行きませんか!?」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの街 焼肉屋

 

ロザリー「アリシア…ここは?」

 

アリシア「焼肉屋!ちょっと前に見つけたんだー!美味しいよここ!」

 

ジン「いや、アリシア…俺たち金が…」

 

アリシア「今日は私の奢りですよ!8位になった記念です!」

 

ルシュ「それなら私たちが用意するべきでは…」

 

アリシア「私、何事でも頑張ったら自分にご褒美をあげるんです。モチベーションを上げるもしくは保つために」

 

ジン「!」

 

アリシア「だからこれは私が自分へのご褒美として来ました。でめ一人だと寂しいので、みなさんにも一緒に来てもらったわけです」

 

ジン「な…なるほど…」

 

ロザリー「まぁアリシアの奢りなら食べるけどね」

 

アリシア「うん!いっぱい食べて欲しい!」

 

スタスタスタ

アリシアたちは席に着いた。

 

アリシア「ここはメニュー表をタッチして注文するんですよ!こんな風に!」

 

ピッ

アリシアは試しにひとつ注文した。

 

アリシア「あとは来るのを待つだけです!」

 

ジン「なるほど、わざわざ店員を呼ばなくて済むってわけか」

 

アリシア「はい!」

 

ロザリー「じゃあ私も頼んじゃお!」

 

ルシュ「私も!」

 

アリシア「はい!どんどん頼んでください!」

 

コハク「 (・﹃・) 」

 

コハクは美味しそうにメニュー表を見ていた。

 

アリシア「コハクは何食べたい?」

 

コハク「 ( ・`ω・´) 」

 

コハクは色々と指さした。

 

アリシア「よしっ!なら全部頼んじゃお!!」

 

コハク「 ( *´꒳`*) 」

 

その後、頼んだものがどんどん来て楽しい焼肉パーティとなった。




〜物語メモ〜

スキル:飛槍一閃(ひそういっせん)
ロザリーが使ったスキル。ロンギヌスの槍の力を引き出し、そのまま敵に投擲する技。ロンギヌスの槍の力が周囲に溢れ出しているため、地面を削りながら飛んだり、当たれば爆発したりする。

スキル:反撃(カウンター)
ラインが使ったスキル。相手の攻撃をそのまま返す剣技。

スキル:爆裂剣(ばくれつけん)
ラインが使ったスキル。当たれば爆発する剣技。

スキル:死者の呼び声
ムクロが使ったスキル。剣を振って空間に隙間を作り、その隙間から霊体を出現させる技。

スキル:聖霊斬(せいれいざん)
ラインが使ったスキル。聖者の力を持って攻撃するため、骸の武士のような死者に関する相手には特に効果がある剣技。

スキル:覇王斬(はおうざん)
ラインが使ったスキル。力を溜め、渾身の一撃をお見舞する剣技。

スキル:水冷斬(すいれいざん)
ラインが使ったスキル。水属性の斬撃で火属性を扱う敵に効果がある。

スキル:剣砲(けんほう)
ラインが使ったスキル。自分の力を剣先から光線として放つ技。

スキル:天明の剣(アルテリアソード)
ラインが使ったスキル。剣が持ち主の力を吸収して剣気として放つ技。吸収する力が多ければその分、剣気の大きさ、強さが上昇する。

ライン
アリシアが最後に戦った人。その前にルシュ、ジン、ロザリーを倒しており、アリシアのモンスターもコハク以外を全滅させたプレイヤー。今までコハク以外が全滅することがなかったため、アリシアはすごく怖がっていた。

第1回 イベントの順位と名前と獲得ポイント
1位.ライン…657pt
2位.スレッド…319pt
3位.マートン…294pt
4位:マリン…192pt
5位.ミィ…135pt
6位.ミズキ…118pt
7位.リィ…88pt
8位.アリシア…49pt
9位.ゼディ…43pt
10位.ローズ…36pt


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第7話 第2層解放

場所…学校の教室

 

花蓮「ねぇ結衣」

 

結衣「何?」

 

花蓮「これ見て」

 

そう言って花蓮は結衣にスマホの画面を見せた。

 

結衣「これ、ゲームの?」

 

花蓮「そう!第2層解放されるって!」

 

結衣「第2層?なにそれ」

 

花蓮「私たちがいるあのはじまりの街は第1層で、次にアップデートで来るのが第2層。つまり、新しいステージだよ」

 

結衣「へぇ、じゃあ新しいモンスターとかいるのかな」

 

花蓮「あ、そっか。結衣は魔物使いだっけ?」

 

結衣「うん!」

 

花蓮「今いるモンスターってどんなのだっけ?」

 

結衣「えっと…コハクとスラちゃんとスラくんとライムとスラミとスザクとプニちゃんとムクロと三つ首かな」

 

花蓮「結構多いね」

 

結衣「うん。色々とね」

 

花蓮「そういえばなんで骸の武士とあの変な顔のモンスターが仲間になってるの?いつから?」

 

結衣「うーん…あの時のイベントのために強いモンスターを探してる時にとあるダンジョンに入ったの」

 

花蓮「ふむふむ」

 

結衣「そこで私のモンスターたちが全員やられちゃって、一か八かで笛を吹いて誰かに助けを求めたら骸の武士が来たの」

 

花蓮「えっ!?あの骸の武士が!?」

 

結衣「うん。その後はちゃんとダンジョン攻略できたし、そのボスモンスターも仲間になったの」

 

花蓮「えっ!?」

 

結衣「さっきプニちゃんって言ったでしょ?それがそのダンジョンのボスモンスターで…」

 

花蓮「へぇ」

 

結衣「それで、一応助けてもらったからお礼を言いに棘の扉に行ったの。そしたら骸の武士が出てきて戦闘になるのかなって思ったけど、全然違ったの」

 

花蓮「戦闘が始まらないってダンジョンとしてどうなのかな…」

 

結衣「それで、私のスキルに手懐けってあるでしょ?」

 

花蓮「あ、あるね」

 

結衣「それを使ったら骸の武士に条件が出てきて」

 

花蓮「へぇ」

 

結衣「その条件が斬首の扉にいる三つ首を仲間にして連れてくることだったの」

 

花蓮「それであの変な顔を?」

 

結衣「うん。仲間にして棘の扉に連れてきたら骸の武士が仲間になってくれたの」

 

花蓮「え…えげつぅ…」

 

結衣「でもイベント前にプニちゃんとムクロと三つ首が仲間になってくれたおかげで8位になれたよ」

 

花蓮「そういえばその三つ首って強いの?」

 

結衣「うん。強かった。コハクが来てくれなかったらやられちゃってたよ」

 

花蓮「コハクってあの白いやつよね」

 

結衣「うん」

 

花蓮「コハクって何者なんだろ…本当にモンスターなのかな」

 

結衣「え?そうじゃないの?」

 

花蓮「分からない。でも最近妙な噂を聞いてね」

 

結衣「噂?」

 

花蓮「うん。白いやつがダンジョンを荒らし回ってるっていう噂」

 

結衣「えっ…」

 

花蓮「何か凄い強いらしいよその白いやつ。骸の武士にやられたプレイヤーはその白いやつが骸の武士より強いって言ってるくらいだし」

 

結衣 (確かイベントの1位だったあの人もコハクには歯が立たなかった。コハクって一体…)

 

そうしていると、下校時間になった。

 

花蓮「じゃあ結衣!今日もログインね!」

 

結衣「うん!分かった!」

 

タッタッタッ!

2人は走って家まで帰った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…結衣の部屋

 

結衣「さてさて、今日は何しようかな〜」

 

カポッ

結衣はいつものコントローラーを装着してゲームにログインした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの街 噴水の広場

 

アリシア「ふぅ、今日は何しようかな〜」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとロザリーもログインした。

 

ロザリー「さて、今日も頑張るぞー!」

 

アリシア「うん!何する?」

 

ロザリー「えっとね、第2層の追加があるって言ったよね。あれね、第2層に入るには条件があるの」

 

アリシア「条件?」

 

ロザリー「そう。第1層にいるボスモンスターを10体倒すこと!もしくは第1層のラストボスモンスターを1回倒すこと!」

 

アリシア「へぇ、2つあるんだ」

 

ロザリー「一応2つあるけど1つ達成すればいいの」

 

アリシア「どっちの方が簡単?」

 

ロザリー「う〜ん。それがね、この第1層のラストボスモンスターって相当強いらしくてね、今までそのラストボスモンスターに勝ったのはイベント第1位のラインって人だけなの」

 

アリシア「へぇ、ラインさんってそんなに凄いんだ…」

 

ロザリー「だから、私たちのレベルとか考えて、ボスモンスター10体倒す方が簡単なの」

 

アリシア「じゃああと何体倒せばいいの?」

 

ロザリー「私はまだ3体だけだからあとは7体かな」

 

アリシア「私は?」

 

ロザリー「ここを開けば出てくるよ。戦績ってやつ」

 

ブゥン…ピッ

アリシアはロザリーに言われた通りにページを開いた。すると、アリシアの今までの戦績が表示された。

 

アリシア「私6体倒してるよ!あと4体!」

 

ロザリー「それだと一緒に行けば私は3体まで減らせることができるね。一緒に行こっ!」

 

アリシア「うん!」

 

スタッ!

すると、アリシアの背後にコハクが現れた。

 

アリシア「あ!コハク!」

 

コハク「 ( *^꒳^*) 」

 

アリシア「コハクも一緒に来てくれない?あと4体くらいボスモンスターを倒さないと第2層に行けないの」

 

コハク「 Σ(゚д゚;) 」

 

アリシア「お願い!」

 

コハク「 (`・ω・´)b 」

 

アリシア「やった!これで簡単に達成できるよ!ロザリー!」

 

ロザリー「えっ…あっ…うん」

 

こうしてアリシアとロザリーはダンジョンのボスモンスターを10体討伐するために出かけた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 狂乱の間

 

アリシア「よしっ!まず1つ目!レッツゴー!」

 

ロザリー「おー!」

コハク「 ٩(。•ω•。)و 」

 

アリシアたちは順調に最下層に着いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 狂乱の間 最下層

 

???「キャハハハハハハハ!」

 

ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!

ボスモンスターが針を投げてきた。

 

カン!カン!カン!カン!カン!

コハクはその針を見切って全て弾いた。

 

???「何!?」

 

コハク「 (◦`꒳´◦) 」

 

ビュン!

コハクがボスモンスターの背後を取った。

 

???「しまっ…」

 

ドゴォォォォォォォォン!!

そしてコハクは後ろからボスモンスターを拳で地面に叩き伏せてしまった。

 

???「がっ…んがっ…がっ…」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ…

するとボスモンスターが消えていった。

 

アリシア「やったよコハク!やっつけた!」

 

コハク「 ヾ(*´∀`*)ノ 」

 

ロザリー「や…やっぱり異次元…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

すると、さっきのボスモンスターが現れた。

 

アリシア「あれ、どうしたのかな」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

ピコン

すると、何か画面が表示された。

 

音声「モンスターからの加入申請が届きました。仲間に入れますか?」

 

アリシア「仲間だって!やった!はいっと!」

 

ピッ

アリシアは「はい」のボタンを押した。

 

音声「お名前を決めてください」

 

アリシア「えっと…じゃあ…」

 

ピッピッピッピッ

アリシアは名前を入力した。

 

音声「名前を確認しました。キリちゃんが仲間になりました」

 

キリちゃん「よ…よろしく…お願いします…」

 

ロザリー「なんか…さっきとキャラ違うね…さっきまで狂気に満ちてそうな笑い方してたのに…」

 

キリちゃん「こっちが素です…その…このダンジョンが狂乱って名前なので…少しでも合わせようかと…」

 

ロザリー「可愛いかよ」

 

アリシア「よろしく!キリちゃん!」

 

キリちゃん「はい!」

 

アリシアたちは次のダンジョンに向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 岩石の洞窟

 

アリシア「岩石の洞窟ってそのままだね」

 

ロザリー「そうね。恐らくボスモンスターは岩をモチーフとしたモンスターだろうね」

 

アリシアたちは最下層まで進んだ。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 岩石の洞窟 最下層

 

???「…」

 

ダンジョンのボスモンスターは無口だった。しかも体は岩そのもの。目はあるけど口はない。腕も足も全てが岩。見た目からして硬そうなイメージ。

 

アリシア「な…何も喋らないね…」

 

ロザリー「気をつけて。静かなモンスターほど、どんな力を持ってるか分からないよ」

 

アリシア「うん…コハク!頑張って!」

 

コハク「 (`・ω・´)b 」

 

???「…」

 

コハクとボスモンスターが互いの様子を伺っていた。

 

???「…」

 

ブゥン!ブゥン!ブゥン!

するとボスモンスターが腕を回し始めた。

 

アリシア「?」

 

ビュン!

するとボスモンスターの腕が急に伸びてきた。

 

アリシア「えっ!?」

 

ドカッ!

コハクはすぐそれに反応してボスモンスターの腕を払った。

 

アリシア「ひぇぇ…腕が伸びた…」

 

アリシアはそれに驚いて腰を抜かした。

 

コハク「 (ㅎㅁㅎll) 」

 

コハクはやっちゃった感を醸し出していた。

 

???「…」

 

ブゥン!ブゥン!ブゥン!

するとボスモンスターがまた腕を回し始めた。

 

アリシア「また来る!」

 

ビュン!

するとボスモンスターがまた腕を伸ばしてきた。

 

コハク「 ( ・᷅ὢ・᷄ ) 」

 

ドォン!

コハクはボスモンスターの腕を弾いた。

 

???「…」

 

ボスモンスターが硬直した。

 

アリシア「コハク…倒せる?」

 

コハク「 (`・ω・´)b 」

 

ロザリー「私もやる!」

 

ビュン!タッタッタッ!

するとロザリーが走って敵に近づいた。

 

アリシア「ロザリー!」

 

ロザリー「任せて!あれだけ動きが大きかったら私でも勝てる!」

 

???「…」

 

ブゥン!ブゥン!ブゥン!

ボスモンスターが腕を回し始めた。

 

ロザリー (…来る!)

 

ビュン!

ボスモンスターがロザリーに向かって腕を伸ばしてきた。

 

ロザリー (来た!)

 

ロザリーは待ってたかのように敵の攻撃に突っ込んだ。

 

アリシア「ロザリー!」

 

ロザリー「槍の舞!」

 

キン!キン!キン!キン!キン!

ロザリーは敵の攻撃を躱しつつ、槍を振り回して攻撃した。

 

???「…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

ボスモンスターの腕から何やら煙が出ていた。

 

アリシア「え?煙?」

 

ロザリー (よしっ!かかった!)

 

ビュン!

ロザリーは敵の背後に立った。

 

ロザリー「印!」

 

ドスッ!

そしてロザリーは敵の背中に槍を突き刺した。

 

ジュワァァァァァァァ…

すると、ボスモンスターの体に赤いラインが刻まれた。

 

ロザリー「これで終わり!」

 

グサッ!ビュン!

ロザリーは槍を抜いてアリシアの所まで走った。

 

ズサァァァァァァ!

ロザリーはアリシアがいる所で立ち止まった。

 

アリシア「ロザリー!あれは何?」

 

ロザリー「あれは印ってスキルだよ。相手に攻撃を当てることで的を作るの」

 

アリシア「的?」

 

ロザリー「そう。あとはこの槍を投げるだけ。的はもう作ってあるからどこへ投げてもあのボスモンスターの所に届く」

 

アリシア「すごい!」

 

ロザリー「いっくよー!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

ロザリーは槍を振り回し始めた。

 

コハク「 (*゚Д゚*) 」

 

ロザリー「はぁぁぁぁぁっ!!」

 

ビュン!バゴォォォォォォォン!!

ロザリーは勢いよく槍を投げた。すると周囲に衝撃波が出てきた。

 

???「…」

 

ドゴォォォォォォォォン!!

ロザリーの槍はボスモンスターに命中した。

 

アリシア「やった!当たった!」

 

ロザリー「ふふっ…当然よ」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…パラパラ…

ボスモンスターが砕けて小さくなっていた。

 

アリシア「倒したのかな?」

 

ロザリー「…多分ね」

 

ガコッ…パラパラ!

すると散らばったボスモンスターの破片が1つに集まった。

 

ロザリー「嘘っ!?再生能力!?」

 

アリシア「えっ!?そんなこともできるの!?」

 

コハク「 ( ・᷅ὢ・᷄ ) 」

 

ビュン!

コハクがすぐに動いた。

 

???「…」

 

ガシャン!!

ボスモンスターが完全に再生した。

 

コハク「 ᕦ( ・` ὢ ・ )ᕤ 」

 

ドゴォォォォォォォォン!!

ボスモンスターが再生しきってすぐにコハクが攻撃をした。

 

???「…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとボスモンスターが消えていった。

 

アリシア「今度こそやっつけたのかな」

 

ロザリー「…っぽいね。いないし」

 

コハク「 ( ¯͈ ˘¯͈) 」

 

ピコン

するとアリシアの目の前に画面が表示された。

 

アリシア「ん?」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

すると、先程のボスモンスターが姿を現した。

 

コハク「 (´°ω°`) 」

 

音声「モンスターからの加入申請が届きました。仲間に入れますか?」

 

アリシア「仲間になってくれるの!?やった!」

 

アリシアは「はい」のボタンを押した。

 

音声「お名前を決めてください」

 

ピッピッピッピッ

アリシアは名前を入力した。

 

音声「名前を確認しました。ゴロちゃんが仲間になりました」

 

ゴロちゃん「…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

ゴロちゃんがその場から消えていった。

 

アリシア「やった!これで2人目!」

 

ロザリー「アリシア…このまま行けばどんどん仲間になってくよ…」

 

アリシア「楽しみー!」

 

その後アリシアとロザリーはどんどんダンジョンを攻略して、無事に第2層に入る条件を達成したのだった。

 

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場所…はじまりの街 噴水の広場

 

アリシア「楽しかったー!」

 

ロザリー「でも結構長かったね」

 

アリシア「うん!でもコハクがいなかったらもっと時間かかってたよ!ありがとうコハク!」

 

コハク「 ( *¯ ꒳¯*) 」

 

ロザリー「お、もうこんな時間。今日はもう終わろうかな」

 

アリシア「だね!明日はもっとダンジョン攻略しよ!」

 

ロザリー「うん!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

アリシアとロザリーはログアウトした。

 

コハク「 ( ´・ω・`) 」

 

コハクは一人寂しくはじまりの街から出た。

 

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ー翌日ー

 

アリシア「ねぇロザリー。今日は何する?」

 

ロザリー「うーん…もう第2層への条件は達成してるしなぁ…」

 

アリシア「あ!じゃあさ!もうひとつの条件もクリアしない?」

 

ロザリー「もうひとつ?あのラストボスモンスターのこと?」

 

アリシア「うん!すっごく強いんでしょ!?倒してみない!?」

 

ロザリー「うーん…まぁ、コハクがいるし行ってみてもいいかもね」

 

アリシア「やった!じゃあ行こっ!」

 

ロザリー「うん!」

 

アリシアとロザリー、コハクはラストボスモンスターがいる場所まで移動した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…碧玉の扉

 

アリシア「ここがラストボスモンスターがいる所?」

 

ロザリー「そう。碧玉の扉って名前らしいよ」

 

アリシア「碧玉かぁ」

 

コハク「 ( 'ω' ) 」

 

ロザリー「じゃあ行こっか。でも強いらしいから頑張ろうね!」

 

アリシア「うん!」

 

スタスタスタ

アリシア、ロザリー、コハクは碧玉の扉に入った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…碧玉の扉 最下層

 

碧玉の扉は他のダンジョンと違ってボスモンスターしかおらず、入るとすぐに広い空間に出る。

 

アリシア「あれ、ここはモンスターがいないのかな」

 

ロザリー「いないらしいよ。入ってすぐに戦闘が始まるらしいよ」

 

アリシア「へぇ!じゃあ頑張ろ!」

 

スタスタスタ

アリシア、ロザリー、コハクは広い空間の中央に着いた。

 

アリシア「…」

ロザリー「…」

コハク「 ( ´・ω・`) 」

 

3人は辺りを見渡す。

 

アリシア「何も…出ないね」

 

ロザリー「うーん…何でだろ…」

 

コハク「 ( `ω´ ) 」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

すると前方に魔法陣が展開された。

 

ロザリー「来るよアリシア!」

 

アリシア「うん!」

 

ブゥン!ブゥン!ブゥン!コンッ!

ロザリーはロンギヌスの槍を装備した。

 

スッ…カチャ

アリシアは堕天使の短剣と見切りの盾を装備した。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

魔法陣から人型のボスモンスターが現れた。

 

???「…」

 

ヒュォォォォォォォォ…

そのモンスターは異様な気配を放っていた。

 

ロザリー「ふふっ…すごい気迫…」

 

アリシア「もう明らかに強いって分かるね」

 

ロザリー「うん」

 

コハク「 ( ¯꒳¯ ) 」

 

???「…」

 

全員、相手の行動を伺っていた。

 

アリシア「スラちゃんたち!出てきて!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

スラちゃん、スラくん、ライム、スラミ、イノくんが出てきた。

 

アリシア「みんな行って!」

 

ダダダダダダダダダダダ!!

スラちゃんたちが一斉に???に近づいた。

 

???「…」

 

スッ…

すると???はスラちゃんたちを指さした。

 

アリシア「?」

 

???「…」

 

クイッ…

そして???は自分の指を地面に向けた。

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

するとスラちゃんたちが一瞬で地面にめり込んだ。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

そしてスラちゃんたちが一斉に消えていった。

 

アリシア「スラちゃん!スラくん!ライム!スラミ!イノくん!」

 

ロザリー「!?」

 

コハク「 Σ(゚д゚;) 」

 

???「…」

 

ロザリー「ちょ…ちょっと待って…あいつ…何したの…」

 

アリシア「そんな…みんなが…」

 

コハク「 ( ・᷅ὢ・᷄ ) 」

 

アリシアたちはさっきの???の攻撃に戸惑っていた。

 

アリシア「スザク!プニちゃん!キリちゃん!ゴロちゃん!出てきて!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

するとスザクたちが出てきた。

 

アリシア「みんな!あいつをやっつけて!」

 

ダダダダダダダダダダダダダ!

するとスザクたちがすぐに行動した。

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

スザクは自慢のスピードを活かして???の背後を取った。

 

スザク「はぁっ!」

 

ズシャッ!!

???にスザクの攻撃が当たった。

 

スザク (硬い…)

 

プニちゃん「やぁっ!」

 

ビューーーン!ドゴォン!

プニちゃんは腕を伸ばして???をパンチした。

 

???「…」

 

プニちゃん「えっ…硬っ…」

 

キリちゃん「わ…私が!」

 

キィン!

キリちゃんが服のポケットから針を取り出した。

 

キリちゃん「はぁっ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

キリちゃんは取り出した針を???に向けて投げた。

 

???「…」

 

ビュン!

すると???が一瞬でその場から動いた。

 

キリちゃん「えっ!?何その速…」

 

スザク「キリ!後ろ!」

 

キリちゃん「!?」

 

キリちゃんがスザクの言葉を聞いて後ろを振り返ると???が立っていた。

 

???「…」

 

グググッ…

???が拳を握った。

 

キリちゃん「しまっ…」

 

ドゴォン!

すると???がいきなり吹っ飛ばされた。

 

キリちゃん「!」

 

ズサァァァァァァ!

???は空中で体勢を整えて着地した。

 

???「…」

 

ゴロちゃん「…」

 

キリちゃんを助けたのはゴロちゃんだった。

 

キリちゃん「あ…あなた…」

 

ゴロちゃん「…」

 

???「…」

 

ビュン!

???がゴロちゃんに接近した。

 

ブゥン!ブゥン!ブゥン!

ゴロちゃんが腕を回し始めた。

 

???「…」

 

ゴロちゃん「…」

 

ビュン!

ゴロちゃんが腕を伸ばして攻撃した。

 

ヒュッ!

???はゴロちゃんの攻撃を回避した。

 

???「…」

 

ドゴォン!

???はゴロちゃんに攻撃した。

 

ゴロちゃん「…」

 

ドシン!

ゴロちゃんは???の攻撃を受けて倒れた。

 

アリシア「ゴロちゃん!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとゴロちゃんが消えていった。

 

アリシア「そんな…」

 

キリちゃん「はぁぁぁぁぁっ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

キリちゃんはありったけの針を???に投げた。

 

???「…」

 

スッ…

すると???はキリちゃんを指さした。

 

アリシア「!!」

 

ロザリー「あれは…」

 

アリシア「キリちゃん!そこから離れ…」

 

クイッ

???は指を地面に向けた。

 

ドゴォン!

するとキリちゃんが地面にめり込んだ。

 

アリシア「キリちゃん!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとキリちゃんまでも消えていった。

 

アリシア「そんな…」

 

スザク「はぁぁぁぁぁっ!!」

プニちゃん「はぁぁぁぁっ!!」

 

ドゴォン!ズシャッ!!

プニちゃんとスザクが連携攻撃した。

 

???「…」

 

スザク「プニ!右から!」

 

プニちゃん「うん!」

 

ドゴォン!ズシャッ!!

するとスザクは???の左側から、プニちゃんは???の右側から攻撃した。

 

???「…」

 

ドシン…

???は膝を着いた。

 

スザク「よしっ!いくよプニ!」

 

プニちゃん「うん!」

 

ビュン!

スザクとプニちゃんがトドメを刺しに行った。

 

スザク「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

プニちゃん「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ガシッ!ガシッ!

すると???はスザクとプニちゃんの首を掴んだ。

 

スザク「ぐっ…がぁっ…この…」

 

プニちゃん「なんで…首を…」

 

???「…」

 

グググッ…

???が握る力を強くした。

 

アリシア「スザク!プニちゃん!頑張れぇぇぇぇぇ!!」

 

音声「特性:応援が発動しました。味方モンスターのステータスが上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!

すると、スザクとプニちゃんのステータスが上昇した。

 

スザク「ぐっ…かはっ…」

 

プニちゃん「主の応援があったのに…」

 

アリシア「そんな…」

 

スザクとプニちゃんのステータスは上昇したが、状況は全く変わらなかった。

 

グググッ…

???はさらに力を強めた。

 

スザク「あ…るじ…」

 

プニちゃん「ご…めん…」

 

アリシア「スザク!プニちゃん!」

 

ビュン!バゴォン!

すると???はめいっぱい力を込めてスザクとプニちゃんを地面に叩きつけた。

 

スザク「かはっ…」

プニちゃん「うっ…」

 

ドサッ…

スザクとプニちゃんはピクリとも動かなかった。

 

アリシア「そんな…スザク…プニちゃん…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとスザクとプニちゃんが消えていった。

 

アリシア「ああっ…そんな…みんなが…」

 

ロザリー「くっ…」

 

ビュン!

ロザリーが???に接近した。

 

???「…」

 

グググッ…

???が拳を握った。

 

ロザリー (来るっ!)

 

ブゥン!

すると???はロザリーを攻撃した。

 

ロザリー「はぁっ!」

 

ヒュッ!

ロザリーは???の攻撃をギリギリで回避した。

 

ロザリー「やぁっ!」

 

ドスッ!

ロザリーの攻撃は???の胸元に命中した。

 

ロザリー「よしっ!」

 

???「…」

 

ズシャッ!!ヒュッ!

ロザリーは槍を引き抜いて後退した。

 

???「…」

 

ロザリー「よしっ…とりあえず攻撃した」

 

アリシア「すごい…ロザリー…」

 

ロザリー「アリシア。相手の攻撃はあの拳だけだよ。リーチがあるから範囲内に入らなければ倒せるかもしれないよ」

 

アリシア「範囲内…なら外からってこと?」

 

ロザリー「そういうこと!」

 

アリシア「あ!なら!」

 

アリシアは両手を前に出した。

 

アリシア「召喚!三つ首!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ!

するとアリシアの目の前に三つ首が召喚された。

 

雷首「ガッハハハ!」

氷首「初めて喚ばれたぞ!!」

火首「足引っ張んなよお前ら!」

 

雷首「うるせぇ!お前らこそ足引っ張んなよ!」

氷首「俺が一番強いんだよ!」

火首「やるぞお前ら!」

 

雷首「カァァァァァァァァァッ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

ビュォォォォォォォォォ!

三つ首たちは雷、氷、火のブレスを吐いた。

 

???「!」

 

ビュン!

???は三つ首の攻撃を回避した。

 

氷首「ンバァァァァァァァァッ!!」

 

ビュォォォォォォォォォ!ガキン!ガキン!

氷首が氷のブレスを吐いて地面に氷の棘を生成した。

 

???「…」

 

ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!スタッ!

???はその氷の棘を避けて進んだ。

 

雷首「カァァァァァァァァァッ!!」

 

バリバリバリバリバリバリバリ!!

雷首が雷のブレスを吐いた。

 

???「…」

 

ビュン!ビュン!ビュン!

???は雷を回避した。

 

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

ゴォォォォォォォォォォッ!!

火首が火のブレスを吐いた。

 

???「…」

 

ヒュッ!ヒュッ!

???は火のブレスを回避した。

 

氷首「なんだこいつは!」

雷首「俺たちの攻撃を避けやがって!」

火首「平気な顔がイラつくぜ!」

 

氷首「ンバァァァァァァァァッ!!」

雷首「カァァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

バゴォォォォォォォン!!

三つ首は3つのブレスを同時に吐いた。

 

???「…」

 

ゴォォォォォォォォォォッ!!

???は咄嗟にガードした。

 

バゴォォォォォォォン!!

三つ首の攻撃は???に直撃した。

 

アリシア「やった!!」

 

ドシン!

三つ首はアリシアの隣に降り立った。

 

雷首「どうだ嬢ちゃん!俺たちの攻撃は!」

氷首「俺の方が強いだろ?」

火首「いいや!俺が1番強い!」

 

アリシア「みなさんありがとうございます!」

 

雷首「いやぁ…それほどでも…」

氷首「嬢ちゃんに褒められると嬉しくなるぜ…」

火首「全くだ…」

 

アリシア「あはは…」

 

???「…」

 

スタスタスタ

煙の中から???が歩いてきた。

 

ロザリー「アリシア!倒せてない!」

 

アリシア「えっ!?」

 

雷首「チッ…硬いやつよのぉ」

氷首「あいつ…平然としてやがる…」

火首「不愉快だ」

 

アリシア「召喚!ムクロ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ!

すふと目の前に骸の武士が召喚された。

 

ムクロ「…アリシアか」

 

アリシア「ムクロ!一緒にあいつをやっつけて!」

 

ムクロ「…あれか」

 

カチャ…

ムクロは刀を装備した。

 

ムクロ「三つ首。やるか」

 

雷首「当たり前だ!」

氷首「お前より早く倒してやるぜ!」

火首「遅れんなよ!」

 

???「…」

 

ビュン!

???が一瞬でその場から移動した。

 

ムクロ (来るっ…)

 

ドゴォン!

???は攻撃した。だがその相手は三つ首でもムクロでもコハクでもロザリーでもなかった。

 

ロザリー「!!」

三つ首「!?」

ムクロ「!?」

???「…」

 

アリシア「うっ…」

 

コハク「 (゚д゚) 」

 

???が攻撃したのはアリシアだった。

 

ロザリー「アリシア!!」

 

ドサッ…

アリシアは力なくその場に倒れた。

 

音声「HPが0になりました」

 

???「…」

 

ムクロ「はぁっ!」

 

ビュン!ビュン!

ムクロは刀を振った。しかし???はムクロの攻撃を回避した。

 

ムクロ「アリシア!」

 

雷首「嬢ちゃん!」

氷首「嬢ちゃん!」

火首「嬢ちゃん!」

 

みんながアリシアに駆け寄った。

 

ロザリー「アリシア!しっかりして!アリシア!」

 

ロザリーはアリシアに声をかけたが、アリシアは返事をしなかった。

 

ムクロ「…まともに受けた…これではさすがに…」

 

ロザリー「くっ…アリシア…」

 

コハク「 ( #・᷄ὢ・᷅ ) 」

 

コハクは???を睨んでいた。

 

???「…」

 

雷首「嬢ちゃんを攻撃した罪」

氷首「タダでは済まさん…」

火首「焼くか」

 

ザッザッザッ

コハクが三つ首の前に立った。

 

コハク「 (#^ω^) 」

 

スッ…

そしてコハクは三つ首に何もしないようハンドサインを送った。

 

雷首「お前…やるのか」

 

コハク「 (ㆆ_ㆆ) 」

 

ザッザッザッ

コハクは???の方へ歩いた。

 

氷首「ここはやつに任せた方がいい」

火首「下手をすると俺たちまで巻き添いだ」

雷首「だな。嬢ちゃんが悲しむ」

 

三つ首はアリシアを守ることに決めた。

 

ザッザッザッ

コハクは???の目の前で止まった。

 

コハク「 ( ¯−¯ ) 」

 

???「…お前。あの娘の仲間か」

 

コハク「 ( '-' ) 」

 

???「…言葉も話せないとは。それでも仲間か」

 

コハク「 ( -ω- `) 」

 

アルマ「私は第一特異点 アルマ・マドラ。10ある特異点のうちの1つ。再臨のアルマ・マドラだ」

 

コハク「 (* ‐ ω ‐ ) 」

 

アルマ「言葉も交わせぬ弱小者よ。私の手によって元の場所に戻るがい…」

 

ドゴォン!

アルマが話していると、突然大きな音が聞こえた。

 

アルマ「ごふっ…」

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

コハクの拳がアルマの腹に当たっていた。

 

アルマ「お前…この力…」

 

アルマはあまりの攻撃の強さによろめいた。

 

コハク「 ( ¯−¯ ) 」

 

だがアルマは何とか持ちこたえることができた。

 

アルマ「面白い。存分に振るえ。その強大な力を私にぶつけてみろ」

 

ビュン!

するとアルマがその場から消えた。

 

コハク「ε-( - - `) 」

 

アルマ「私のスピードはこのゲームにおいてカンストレベル。並の冒険者ではこの私を見ることすらできん」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

アルマは周囲を縦横無尽に駆け巡る。

 

コハク「 (´−`) 」

 

グググッ…

コハクは拳を握った。

 

アルマ「どうだ。私のスピ…」

 

バゴォォォォォォォン!!

アルマが話していると、アルマの頬にコハクの拳が当たっていた。

 

ドゴォォォォォォォォン!!

アルマが地面に叩きつけられると、その衝撃が周囲に響いた。

 

アルマ「がっ…ごの…」

 

コハク「 ( ´ー`) 」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

アルマの頬から煙が出ていた。

 

ムクロ「なぁ、三つ首」

 

雷首「なんだ」

氷首「なんだ」

火首「なんだ」

 

ムクロ「…あいつ…本当に何者なんだ」

 

雷首「…知らん」

氷首「…知らん」

火首「…知らん」

 

ロザリー「コハク…」

 

アルマ「こいつ…この私を…」

 

アルマがゆっくりと立ち上がった。

 

コハク「 ( ̄-  ̄ ) 」

 

アルマ「いいだろう。あの男と同じものを感じる。他のやつらと違う何かを持っている」

 

ビュン!

アルマはコハクから距離を取った。

 

アルマ「この一撃で葬ってやる」

 

ジジジ…バリバリバリバリバリ!

アルマが両手の掌をコハクに向けると、掌に何やら気弾のようなものが出現した。

 

ロザリー「な…なに…あれ…」

 

ムクロ「…お嬢さん」

 

ロザリー「!」

 

ムクロはロザリーに向かって話しかけた。

 

ムクロ「…アリシアを頼む」

 

ロザリー「えっ…」

 

スタスタスタ

ムクロはアリシアの前に出た。

 

ムクロ「…この身果てるなら、せめて主であるアリシアを守り通すのが従者の役目。時に槍となり、時に盾となる。従者は主の武器となる」

 

雷首「骸の武士…お前まさか…」

 

ムクロ「…まぁ、どのみちすぐに蘇る。俺は骸の武士だからな」

 

グサッ!

ムクロは地面に刀を突き刺した。

 

ムクロ「主に代わりて盾と成す。この命を全て使い切る望みだ」

 

氷首「待て骸の武士!」

 

ムクロ「止めるな。あの技は危険だ。あの白いヤツなら大丈夫だろう。だが、俺の主は体が弱い。まして、もう防御もしないだろう。ならば、誰かが盾とならねばならん」

 

火首「俺たちもいるだろうが!」

 

ムクロ「…ここで2人が散れば残りはアリシアの友であるお嬢さんだけになる」

 

火首「!」

 

ムクロ「…三つ首。アリシアとその友は絶対に死なせない。何があってもだ。男ならできるだろ」

 

雷首「…お前はどうする」

 

ムクロ「…俺はその身を捧げてあの技の影響を抑え込む。アリシアの体が負担を背負わないようにな」

 

氷首「…できるのか」

 

ムクロ「…根性でどうにかする」

 

火首「お前、そんなことを言うやつだったか?」

 

ムクロ「…まぁ、アリシアの前では見栄を張りたい。男の意地だ」

 

ムクロはずっとアルマを見ていた。

 

アルマ「これでどうだぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

バゴォォォォォォォン!!

アルマは大きくなった気弾をコハクに向けて放った。

 

ムクロ「魂玉の結界(バーバラ)!!」

 

キィィィィィィン!!

ムクロの目の前に大きな結界が展開された。

 

アルマ「やつならこれを受けた!お前ならどうする!」

 

コハク「ε-( - - `) 」

 

スッ…

コハクは顔を覆っている面布と呼ばれるものを口の部分だけ捲った。

 

コハク「 "下がれ" 」

 

ビュォッ!シュゥゥゥゥゥゥ…

するとアルマが作り出した気弾が一瞬にして消え去った。

 

アルマ「なっ…」

 

ムクロ「!?」

 

雷首「!?」

氷首「!?」

火首「!?」

 

ロザリー「!?」

 

コハク「 "主を傷つけた罪。軽くはない" 」

 

ビキビキ…ビキビキ…

するとアルマの体に赤いラインが出てきた。

 

アルマ「なんだ…この赤いのは…」

 

コハク「 "人に外傷を与えるものよ。その御身を以て自らの過ちを知るがいい" 」

 

ビキビキ…ビキビキ…

するとさらに赤いラインが増えた。

 

アルマ「がっ…がぁっ…この…」

 

アルマは赤いラインが増える度に痛みを受けていた。

 

アルマ「この私が…」

 

コハク「 "刻印" 」

 

ドクン!ビキビキビキビキビキビキ!!

するとアルマの身体中に赤いラインが出てきた。

 

アルマ「がぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

コハク「 "罪の重さを知るがいい" 」

 

アルマはあまりの痛さに悶絶していた。

 

アルマ「お前…何者だ…あの男とは違う…お前は別格…この世界において決して触れてはならない者…」

 

コハク「 "黙れ" 」

 

ギュォッ!

するとアルマの口が一瞬で閉じて開かなくなった。

 

アルマ「んぐっ…」

 

コハク「 "下がれ下等。私の主を傷つけた罪。その体に刻み込んでやる" 」

 

ビュン!

コハクは一瞬でアルマの目の前に立った。

 

アルマ「!?」

 

コハク「 "ゲームオーバーだ" 」

 

バゴォォォォォォォン!!

コハクはアルマに攻撃した。

 

アルマ「がはっ…こい…つ…」

 

ドサッ…

アルマは力なくその場に倒れた。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとアルマの姿が消えた。

 

ムクロ「やりやがったか。あいつ」

 

ロザリー「コハク…」

 

コハク「 ( -ω- ) 」

 

スタスタスタ

コハクはまた口元を隠し、アリシアのところに向かった。

 

ザッザッザッ…

コハクがアリシアの所に着くと、アリシアの顔を撫でた。

 

ロザリー「ねぇコハク…あなた…」

 

ピトッ…

ロザリーが話そうとした時、コハクの人差し指がロザリーの口元にあった。

 

コハク「 (´・x・`) 」

 

ロザリー「コハク…」

 

コハク「 (´・-・`) 」

 

スッ…

コハクはアリシアの胸元に手をかざした。

 

コハク「 "恩寵" 」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとアリシアは水色の光に包まれた。

 

アリシア「んっ…」

 

するとアリシアが目を開けた。

 

ロザリー「アリシア!」

 

アリシア「…あ…ロザリー…」

 

ロザリー「アリシア!!」

 

ギュッ!

ロザリーはアリシアを抱きしめた。

 

ロザリー「よかった…よかったぁ…」

 

アリシア「どうしたの…ロザリー…」

 

雷首「嬢ちゃん!」

氷首「嬢ちゃん!」

火首「嬢ちゃん!」

 

アリシア「あ…三つ首さん…」

 

ムクロ「…どうやら起きたみたいだな。アリシア」

 

アリシア「ムクロ…」

 

コハク「 (*´ ˘ `*) 」

 

アリシア「コハクも…」

 

スッ…

ロザリーはアリシアを起こした。

 

アリシア「あれ…ボスモンスターはどうなったの?」

 

ロザリー「コハクがやっつけてくれたよ」

 

アリシア「コハク…本当?」

 

コハク「 ( ´˘`) -ᴗ-) 」

 

コハクは頷いた。

 

アリシア「ありがとう…コハク…」

 

コハク「 (`・ω・´)b 」

 

音声「特性:粘着質が発動しました。ステータスが上昇します」

 

アリシア「え…?」

 

ロザリー「ねぇアリシア。粘着質って何?」

 

アリシア「えっと…やられたらステータスが上昇する…だったかな」

 

ロザリー「じゃあアリシアのステータスに変化があるかも!」

 

アリシア「…そうかもね」

 

ガコッ!

すると祭壇に宝箱が出てきた。

 

ロザリー「あ!見てアリシア!宝箱だよ!」

 

アリシア「うん…そうだね」

 

ロザリー「どうしたのアリシア。さっきから元気ないね」

 

アリシア「分からない…でも…ちょっとしんどいかな…」

 

コハク「 ( ¯•ω•¯ ) 」

 

ムクロ「コハクとやら。さっきの恩寵は何だ」

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

ピッ

コハクは自分のステータス画面をムクロに見せた。

 

ムクロ「スキル:恩寵。やられた味方を復活させることができる。か、なるほどな」

 

雷首「だが何故かしんどいと」

氷首「気疲れか?」

火首「まぁそれは仕方ない」

 

ムクロ「アリシア。あの宝箱をどうする。持って帰るか?」

 

アリシア「持って帰れないよ…ここで開けないと…」

 

アリシアはロザリーに手を伸ばした。

 

アリシア「ねぇロザリー…」

 

ロザリー「何?」

 

アリシア「あの宝箱の中身…ロザリーにあげるから…持って行って」

 

ロザリー「え…でも倒したのはコハクだよ。なら主であるアリシアが取るべきだよ!」

 

アリシア「私はいいよ。やられちゃったから。復活したのも戦いが終わってからだし」

 

ロザリー「そうだけど…」

 

アリシア「ほら、開けてきて。中身を教えて」

 

ロザリー「…」

 

ロザリーは考えていた。倒したのはコハク。だから本来ならアリシアかコハクが開けるべきだ。だが、アリシアはそれを拒んだ。コハクも開けたくなさそうな雰囲気を漂わせている。

 

ロザリー「…分かった。開けてくるから少し待ってて」

 

アリシア「うん…」

 

ロザリー「コハク。アリシアをお願い」

 

コハク「 (`・ω・´)b 」

 

するとコハクはアリシアの後ろに座って、アリシアはコハクにもたれかかった。

 

ロザリー「…行ってくるね」

 

アリシア「…うん」

 

スタスタスタ

ロザリーは宝箱に向かった。

 

ロザリー「…これね」

 

ガコッ…

ロザリーは宝箱を開けた。

 

音声「武器:再臨の拳 防具:神速の腕輪 スキル:心眼 特性:熱気、呪いを入手しました」

 

ロザリー「多いな」

 

ガコッ!

するともうひとつ宝箱が出現した。

 

ロザリー「え?また出てきた」

 

ガコッ…

ロザリーはもうひとつの宝箱も開けた。

 

音声「武器:再臨の槍 防具:神速の腕輪 スキル:心眼、精神統一 特性:弱点必中を入手しました」

 

ロザリー「へぇ、結構あるのね」

 

ガコッ!

するとまた宝箱が出てきた。

 

ロザリー「え?また?」

 

ガコッ…

ロザリーは宝箱を開けた。

 

音声「防具:信頼の指輪 スキル:霧の刃、糸の刃、破壊の刃、つるぎの舞 特性:諸刃の剣を入手しました」

 

ロザリー「こっちはスキルと特性だけね」

 

ガコッ!

するとまた宝箱が出現した。

 

ロザリー「また?」

 

ガコッ…

ロザリーは宝箱を開けた。

 

音声「防具:信頼の指輪 特性:憤怒、冷徹、激怒を入手しました」

 

ロザリー「こっちは意外に少ないのね」

 

ガコッ!

するとまた宝箱が出現した。

 

ロザリー「また?もう!何個出てくるのよ!」

 

ガコッ…

ロザリーは宝箱を開けた。

 

音声「武器:第一特異点 アルマ・マドラの魔玉 防具:第一特異点 アルマ・マドラ 一式 スキル:魔力暴走、狂速 特性:魔力解放を入手しました」

 

ロザリー「おぉ…こっちはこっちですごいなぁ…」

 

ロザリーは中身を確認するとアリシアたちのところへ戻ってきた。

 

アリシア「どうだった…ロザリー…」

 

ロザリー「いや…それが…」

 

ロザリーはさっきあったことを話した。

 

アリシア「え?一個しか取れない?」

 

ロザリー「うん」

 

なんと、宝箱は複数出てきたのに取れるのはひとつだけだった。

 

ロザリー「しかも私の場合、もうすでに報酬が決められていたの」

 

アリシア「どういうこと?」

 

ロザリー「つまり、その宝箱の中身しか手に入らないってこと」

 

アリシア「じゃあ残りのは?」

 

ロザリー「まだある。ということはこの場にいるみんなの分なんじゃないかなって」

 

アリシア「!」

 

ムクロ「なるほど。ここにいる人たちだけの報酬か」

 

アリシア「でも…それだとスラちゃんたちは…」

 

コハク「 ( ´・ω・ ` )σ 」

 

ツンツン

コハクはアリシアをつついた。

 

アリシア「どうしたの?コハク」

 

コハク「 - ̗̀ ( ˶'ᵕ'˶) ̖́- 」

 

アリシア「えっと…何言ってるんだろ…」

 

ムクロ「みんなを出せばって言ってる」

 

アリシア「みんな?それってスラちゃんたちのこと?」

 

コハク「 ( ´˘`) -ᴗ-) 」

 

アリシア「…みんな…出てきて」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

するとスラちゃんたちがメダルから出てきた。

 

ガコッ!ガコッ!ガコッ!ガコッ!ガコッ!

するとそれに応じて宝箱が出現した。

 

ロザリー「あーなるほど…今この場に出てきたから報酬も増えたと…」

 

アリシア「よかった…スラちゃんたちも頑張ったからご褒美があってもいいよね…」

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

ナデナデ…

コハクはアリシアの頭を撫でた。

 

アリシア「コハク…ありがとう。気持ちいいよ」

 

コハク「 (*´ ˘ `*) 」

 

それからしばらくしてアリシアが動けるようになったので、みんなで宝箱を開けたり、中身を入手したりした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの街 噴水の広場

 

アリシア「いやぁ…大量だったね!」

 

ロザリー「う…うん…そうだね…」

 

アリシア「どうしたの?ロザリー」

 

ロザリー「いや…うん…なんでもないよ」

 

アリシア「?」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…はじまりの街 カミラの鍛冶屋

 

アリシア「カミラさーん!」

 

カミラ「いらっしゃいアリシア、ロザリー。それにコハクも」

 

コハク「 ( *^꒳^*) 」

 

カミラ「あんたの欲しいものはもうできてるよ。ちょっと待ってな」

 

スタスタスタ

するとカミラは店の奥に行った。

 

アリシア「欲しいもの?コハク。何欲しいの?」

 

コハク「 ( *´꒳`*) 」

 

スタスタスタ

少ししてカミラが店の奥から出てきた。

 

カミラ「ほらよ」

 

コトッ…

カミラは何やら小さな四角い平面の物を持ってきた。

 

アリシア「えっ…あの…これは…」

 

カミラ「簡単に言えばコハクが頭の中で思い浮かべている言葉をフキダシとして表示するものだ」

 

アリシア「フキダシ?」

 

ロザリー「つまり、言葉が交わせなくても伝わるってことだよね」

 

カミラ「あぁそうだよ」

 

アリシア「へぇ!すごい!」

 

カミラ「実は少し前にコハクが来てね。これを作ってくれって頼んできたのよ。だから作ったわ。アリシアともっと話したいって言ってた」

 

アリシア「えっ…コハク…?」

 

コハク「 (´∩ω∩`) 」

 

コハクは自分の手で顔を覆った。

 

アリシア「…ありがとうコハク。これでもっとコハクともお話できるね!」

 

コハク「 (`・ω・´)b 」

 

カミラ「ちなみに代金は前払いでもらってるからそのまま持っていきな」

 

アリシア「ありがとうございます!」

 

カミラ「コハク」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

カミラ「使うからにはたくさんアリシアたちとお話をしなさい。分かったわね」

 

コハク「 (`・ω・´)b 」

 

アリシア「カミラさん。本当にありがとうございます」

 

カミラ「いいのよ。あなたたちまともに会話できないから助けたくなったのよ」

 

アリシア「本当に…なんとお礼を言えば…」

 

カミラ「いいのよ。さ、行きな」

 

アリシア「はい!ありがとうございます!」

 

バタン

アリシアたちはカミラの鍛冶屋をあとにした。

 

アリシア「ねぇコハク!」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

アリシア「これからいっぱいお話しようね!」

 

コハク「 ( *^꒳^*) 」

 

こうして第1層のラストボスモンスターを倒したアリシアたちは第2層が解放されたと同時に、第2層へ転送されたのだった。




〜物語メモ〜

キリちゃん
アリシアの仲間になった狂乱の間のボスモンスター。針を使った攻撃が得意。本当は人見知りが激しいけど、ダンジョンの名前が狂乱となっていることからキャラ作りに励んでいる。

ゴロちゃん
アリシアの仲間になった岩石の洞窟のボスモンスター。全身が岩でできており、口が無いため、会話ができない。でも腕を伸ばしたり、硬い体を活かして防御をしたりと意外と多彩。無口だけど優しい。

スキル:槍の舞
ロザリーが使ったスキル。敵の攻撃を躱しつつ攻撃をするスキル。

スキル:印
ロザリーが使ったスキル。敵を的にすることで、槍を投擲した際に必ず敵に命中するようになっている。

ダンジョン:碧玉の扉
第1層のラストボスモンスターである第一特異点 再臨のアルマ・マドラがいるダンジョン。碧玉の扉は他のダンジョンと違って扉を開けるとすぐに最下層となっており、すぐにボスバトルとなる。

第一特異点 再臨のアルマ・マドラ
ダンジョン:碧玉の扉のボスモンスター。スピードが高く、敵を翻弄しながら戦うのが得意。ラストボスモンスターであるため、攻撃力や防御力も高く、並のプレイヤーでは全く歯が立たない。現在アルマ・マドラを倒したのはライン、アリシア、ロザリーの3人だけ。

スキル:魂玉の結界(バーバラ)
ムクロが使ったスキル。自分の力を犠牲にして結界を作る。

スキル:刻印
コハクが使ったスキル。相手に罪を背負わせ弱体化させる。赤いラインが多ければ多いほど弱体化される。

スキル:恩寵
コハクが使ったスキル。やられた味方を復活させることができる。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

碧玉の扉の報酬

アリシア
武器:第一特異点 アルマ・マドラの魔玉
防具:第一特異点 アルマ・マドラ 一式
スキル:魔力暴走、狂速
特性:魔力解放

ロザリー
武器:再臨の槍
防具:神速の腕輪
スキル:心眼、精神統一
特性:弱点必中

コハク
武器:再臨の拳
防具:神速の腕輪
スキル:心眼
特性:熱気、呪い

ムクロ
防具:信頼の指輪
スキル:霧の刃、糸の刃、破壊の刃、つるぎの舞
特性:諸刃の剣

三つ首
雷首
防具:信頼の指輪
特性:憤怒

氷首
防具:信頼の指輪
特性:冷徹

火首
防具:信頼の指輪
特性:激怒

スラちゃん
防具:信頼の指輪
特性:負けん気

スラくん
防具:信頼の指輪
特性:根性

ライム
防具:信頼の指輪
特性:風きり

スラミ
防具:信頼の指輪
特性:探究心

イノくん
防具:信頼の指輪
特性:頑丈な牙

プニちゃん
防具:信頼の指輪
特性:変幻自在

スザク
防具:信頼の指輪
特性:桜吹雪

キリちゃん
防具:信頼の指輪
特性:愛ゆえに

ゴロちゃん
防具:信頼の指輪
特性:確固たる意思


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第2層 冒険者の世界
第8話 メンテナンス


場所…結衣の部屋

 

結衣「うーん。ここがこの公式を使って解いて…次の問題はこれを使って…」

 

結衣は数学の宿題をしていた。今日は宿題が終わったら花蓮と一緒にゲームをする予定だった。

 

結衣「ふぅ…終わった〜。あ、確かメンテナンスが終わるのは17時だったよね」

 

結衣はゲームのメンテナンスが終わる前に宿題が終わった。

 

結衣「今何時だろ」

 

結衣は時計を見た。時刻は16:56を指していた。

 

結衣「もうちょっとだ!何しよっかな〜」

 

結衣は17時になるまでテキトーに時間を潰した。

 

ー4分後ー

 

結衣「17時!ゲームにログインするっ!」

 

カポッ

結衣はコントローラーを装着してゲームにログインした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…第1層 はじまりの街 噴水の広場

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

アリシアがログインした。

 

アリシア「よぉし!やるぞー!」

 

ピッ

するとアリシアの目の前に通知画面が表示された。

 

アリシア「ん?」

 

ピッピッ

アリシアは操作して通知を開いた。

 

アリシア「メンテナンスに関する通知と不具合に関する通知?」

 

アリシアはメンテナンスに関する通知を開いた。

 

アリシア「本メンテナンスで第2層 冒険者の世界が解放されました。第2層では第1層に負けないくらいの強いモンスターが多数実装されました。その分報酬も増え、また新たに既存のスキルや特性に調整が入りました。現時点で第2層への条件を達成されている方はそのまま第2層へ入ることができます。達成されてない方ははじまりの世界で条件を達成すれば第2層へ入ることができます。第2層解放に続いて新イベントも開催予定ですので、もうしばらくお待ちください。今後とも、RGOをお楽しみください」

 

ピッ

アリシアはメンテナンスに関する通知を閉じた。

 

アリシア「んー!楽しみー!次のイベントはどんなのだろう?また1人で戦うやつなのかな?」

 

ピッ

アリシアは不具合に関する通知を開いた。

 

アリシア「本メンテナンスにおいて、既に認知されていた不具合を修正致しました。修正内容は下記に記載しています」

 

アリシアは画面をスクロールした。

 

アリシア「特性:弱点必中の効果について。相手の弱点しか攻撃しない→攻撃した相手の弱点属性で攻撃する」

 

アリシアはその特性に見覚えがあった。

 

アリシア「なんかこの特性…誰かが持ってたような…誰だっけ…」

 

スッ…スッ…

アリシアは更に下へスクロールした。

 

アリシア「あ!魔物使いについて何か書いてる!」

 

アリシアは魔物使いのところで画面を止めて読んだ。

 

アリシア「えっ…」

 

しかしその内容はアリシアにとって今後のゲームに支障が出るものだった。

 

内容

・魔物使いについて、モンスターを倒すことで仲間にする魔物使いだが、本来仲間にできないボスモンスターが仲間として登録されているため、対象モンスターに制限をつけます。また、今後ボスモンスターを仲間にした際は同様の制限がつきます。

対象モンスター:プニちゃん、ゴロちゃん、キリちゃん、ムクロ、三つ首(雷首、氷首、火首)

制限:対象モンスターがやられると、仲間から強制的に脱退される(ただし、再度仲間にすることは可能)

 

・モンスター登録されていないモンスターが魔物使いの仲間になっていることを確認しましたので、対象のモンスターを削除します。

※対象モンスター:コハク

 

アリシア「えっ…コハク…えっ…」

 

アリシアはその内容を見て一気に寒気がした。

 

アリシア「コハクが…削除…?」

 

アリシアは一瞬頭がフリーズした。プニちゃんやゴロちゃん、キリちゃん、ムクロ、三つ首に制限がかけられ、しかもコハクが削除された。削除はゲームをした事ないアリシアでも分かる。今後使えなくなることだろう。

 

アリシア「コハク!出てきて!コハク!ねぇ!コハク!」

 

アリシアは何度もコハクを呼んだ。だがコハクは姿を現さなかった。

 

アリシア「そんな…コハク…」

 

ドサッ…

アリシアは地面に座り込んだ。

 

アリシア「なんで…みんなが…コハク…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

するとロザリーがログインした。

 

ロザリー「あれ、アリシア。なんでまだここにいるの?」

 

アリシア「ぅっ…くっ…ロザリー…」

 

アリシアは泣きながらロザリーの方を振り向いた。

 

ロザリー「えっ!?どうしたの!?」

 

ロザリーはアリシアの話を聞いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ロザリー「…確かに削除されてる」

 

ロザリーはアリシアのステータス画面を見ていた。

 

ロザリー「まさかこんなに早く来るとはね…」

 

アリシア「ロザリーは知ってたの…?」

 

ロザリー「ゲームバランスを考えるとなると、いつかはこうなると思ってたよ」

 

アリシア「そんな…コハク…」

 

ロザリー「…」

 

ロザリーはアリシアの仲間モンスターを見ていた。

 

ロザリー「ボスモンスターはちゃんといる。でも制限あり。それで、コハクは削除…なんか魔物使いを徹底的に潰してるよね」

 

アリシア「私…何も悪いことしてないのに…何で…」

 

ロザリー「うーん…もしかしたらあの白いヤツの噂…やっぱりコハクのことだったのかも」

 

アリシア「白いヤツ…?」

 

ロザリー「うん。ダンジョンを荒らし回ってるって言ってたやつ。あれが運営に認知されたか、もしくは誰かがそれを報告したか。どちらにせよゲームバランスを崩壊しかねないから運営は削除する決断に至ったんだろうね」

 

アリシア「そんな…コハク…」

 

ロザリー「…こうなったらアリシア」

 

アリシア「?」

 

ロザリー「早く第2層に行って新しいモンスターを仲間にしよう」

 

アリシア「えっ?」

 

ロザリー「コハクの分を他のモンスターで補うの。多分この文言だと二度と復活しないだろうから」

 

アリシア「そんな…コハク…」

 

ロザリー「大丈夫!私がいるから!ね!一緒に頑張ろ!」

 

アリシア「…うん」

 

ロザリー「よしっ!そうと決まれば行くよ!」

 

アリシア「…うん…」

 

アリシアとロザリーは第2層 冒険者の世界に入った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…第2層 冒険者の世界 大通り

 

アリシアとロザリーは多数のお店が並ぶ大通りに出てきた。そこは武器やアイテムのような冒険に役立つものを売っているお店や、食べ物を売っている店、飲食店など、様々なお店がズラリと並んでいた。

 

ロザリー「おおっ!ここが第2層 冒険者の世界!さっきいた第1層とは全然違う!」

 

アリシア「…うん…そうだね」

 

アリシアは元気の無い声で返事をした。

 

ロザリー「…ねぇアリシア」

 

アリシア「?」

 

ロザリー「…私が一緒にいるからいつでも頼って。もし今から冒険に行くのが辛かったら近くに宿屋があるからそこで休も?私がずっと一緒にいるから」

 

アリシア「…じゃあロザリー…」

 

ロザリー「何?」

 

アリシア「…少し休みたい」

 

ロザリー「うん。じゃあ宿屋に行こ。アリシアの気が済むまで休んでいいからね」

 

アリシア「…うん」

 

スタスタスタ

アリシアとロザリーは近くの宿屋に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…カナデの宿屋

 

ロザリー「すみませーん」

 

???「はーい」

 

ロザリーが受付で声を上げると、奥からロザリーよりも背が低い女の子が出てきた。

 

ロザリー「あの、宿泊したいのですが」

 

???「はい。どれくらい休まれますか?」

 

ロザリー「あ、えっと…あの子の気が済むまでで…」

 

???「?」

 

その子はロザリーの後ろにいるアリシアを見た。

 

???「どうかされたのですか?」

 

ロザリー「えっと…それは…」

 

ロザリーは少し言いにくそうだった。

 

???「…分かりました」

 

ロザリー「!」

 

???「言えない事でしたら詮索はしません。代金は宿を出る時にさせていただきますね」

 

ロザリー「はい。ありがとうございます」

 

???「えっと…おふたりで宿泊ですか?それともそちらの方だけですか?」

 

ロザリー「2人で」

 

???「はい。分かりました。でしたら少し広いお部屋を」

 

コトッ

???はロザリーに部屋の鍵を出した。

 

???「こちらがお部屋になります。2人分のお部屋ですので、少し広めになっています。何かあればお部屋にあるお電話で私にお伝えください」

 

ロザリー「ありがとうございます」

 

カナデ「私の名前はカナデといいます。今後あなた方が冒険で疲れた際にご奉仕させていただきます。どうぞよろしくお願いします」

 

ロザリー「私はロザリーといいます。こっちはアリシアです。よろしくお願いしますカナデさん」

 

カナデ「はい。よろしくお願いします。お食事はどうされますか?」

 

ロザリー「こちらで食べられますか?」

 

カナデ「はい。可能ですよ」

 

ロザリー「でしたらご飯もお願いします」

 

カナデ「分かりました。でしたらお食事ができましたら私がお部屋までお運びします」

 

ロザリー「お願いします」

 

カナデ「では鍵を」

 

ロザリーは部屋の鍵を受け取った。

 

ロザリー「ありがとうございます。じゃあアリシア。行こっか」

 

アリシア「…うん」

 

スタスタスタ

アリシアとロザリーは自分たちが泊まる部屋に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…アリシアとロザリーが泊まる部屋

 

ガチャ…

ロザリーは部屋のドアを開けた。

 

ロザリー「お、結構広い」

 

その部屋は目の前に広い空間があり、その隣の部屋には大きなベッドがあった。目の前の広い空間には上等な椅子が4つあり、その中央には綺麗なガラスの机が置かれていた。

 

ロザリー「なんか…すごいね…」

 

アリシア「…うん」

 

アリシアは全然驚いていなかった。

 

ロザリー「じゃあアリシア。あっちにベッドあるから行こ?」

 

アリシア「…うん」

 

スタスタスタ

アリシアとロザリーはベッドに向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…部屋の寝室

 

バサッ!

ロザリーは掛け布団をめくった。

 

ロザリー「はいアリシア。ここで横になって」

 

アリシア「…」

 

スススッ…

アリシアはベッドの中に入った。

 

バサッ…

ロザリーは掛け布団をかけた。

 

ロザリー「…アリシア。大丈夫?」

 

アリシア「…ううん」

 

ロザリー「…そっか。何かあったら言ってね。私が何でもしてあげるから」

 

スタスタスタ

ロザリーは自分たちの部屋を歩き回った。

 

アリシア「…」

 

アリシアはその間、ずっと布団の中で丸まっていた。

 

アリシア「…コハク」

 

するとアリシアの目から涙が出てきた。

 

アリシア「コハク…うっ…ひぐっ…」

 

するとアリシアは泣き始めた。

 

ロザリー「…」

 

ロザリーはアリシアの泣き声を聞きながら部屋を散策した。

 

そしてしばらくするとロザリーがベッドに戻ってきた。

 

ロザリー「アリシア。私カナデさんとお話があるから部屋出てもいい?」

 

アリシア「…うん」

 

ロザリー「何かあったら私にチャットを送って。すぐに行くから」

 

アリシア「…うん」

 

ロザリー「…じゃ、行ってくるね」

 

アリシア「…」

 

スタスタスタ

ロザリーは部屋を出て受付に向かった。

 

アリシア「…」

 

アリシアはロザリーが帰ってくるまで、一度もベッドから出なかった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…カナデの宿屋 受付

 

ロザリー「カナデさん」

 

カナデ「はい。どうされましたか」

 

ロザリー「あの…アリシアの事なんですが」

 

カナデ「アリシアさん。先程のお連れの方ですね?」

 

ロザリー「はい」

 

カナデ「あの方がどうかされましたか?」

 

ロザリー「…あの子、実は魔物使いって職業でして…」

 

カナデ「魔物使いですか」

 

ロザリー「はい。そこで、この第2層に入るにあたってメンテナンスがあったんです」

 

カナデ「そうですか」

 

ロザリー「そこでアリシアが仲間になっていたコハクというモンスターが運営によって削除されまして…」

 

カナデ「削除…ですか…」

 

ロザリー「はい。アリシアにとってコハクは大事な仲間だったんです。ですが、それが不具合として運営から強制的に削除されて…」

 

カナデ「あぁ…だからあんなに落ち込んでいらしたんですね」

 

ロザリー「…それもあるでしょうが、他にもあって…」

 

カナデ「…」

 

ロザリー「あの子の仲間モンスターの何体かに制限がかけられまして…」

 

カナデ「制限?」

 

ロザリー「はい。やられたら仲間から強制的に脱退させられるという制限です」

 

カナデ「強制脱退!?」

 

ロザリー「そうです。魔物使いはモンスターを仲間にして一緒に戦う職業なんですが、負けたら仲間から外されるなんて仲間を大事にしていたアリシアからすれば相当嫌なことだったと思うんです」

 

カナデ「確かにそれは嫌ですね。せっかく仲間にしたのに強制的に仲間から消えちゃうなんて…」

 

ロザリー「はい。そこでカナデさん。お願いがあるんですが」

 

カナデ「はい」

 

ロザリー「私も冒険者なので、この第2層の散策とか武器やスキルとかの調達をしなければならないんです。そうなると、私はアリシアから離れることになります。…なので、その間だけ…アリシアのそばにいてあげていただけませんか?」

 

カナデ「!」

 

ロザリー「私はアリシアにずっと一緒にいるからって言ったんですが、それだとアリシアを守れない気がして…だから強くなってアリシアを守ろうって決めたんです…」

 

カナデ「なるほど、ロザリーさんがいない間、アリシアさんの様子を見ていて欲しいと。そういう事ですね?」

 

ロザリー「はい。お願いできませんか?」

 

カナデ「できますよ。任せてください」

 

ロザリー「本当ですか!?」

 

カナデ「はい。私、AIではないので」

 

ロザリー「…?どういう事ですか?」

 

カナデ「私、こう見えてプレイヤーですから」

 

ロザリー「…えっ!?」

 

カナデ「ふふっ…」

 

カナデはロザリーの反応を見て笑った。

 

ロザリー「嘘っ…」

 

カナデ「でなきゃこんな会話なんてできませんよ。ゲームの中にいるキャラクターは一定の会話しかできないので。私であれば宿に泊まるかどうかを話すだけになりますよ」

 

ロザリー「確かに…」

 

カナデ「この宿屋を経営しているのは私を含めて7人います。ロザリーさんが冒険に出ている間は私がアリシアさんの様子を見て、受付などは他の方に任せることにします」

 

ロザリー「あ、ありがとうございます!」

 

ロザリーは頭を下げた。

 

カナデ「大丈夫ですよ。今はアリシアさんの心を癒すのが先ですので」

 

ロザリー「本当にありがとうございます!」

 

カナデ「ねぇみんな!さっきの話聞いてたでしょ?私がアリシアさんのお世話をしている間、この受付とかをお願いね!」

 

ロザリー「?」

 

カナデが急に声を上げた。

 

ロザリー「えっ…何したんですか?」

 

カナデ「あ、おふたりがこの宿屋に入ってからずっと見張っていたんですよ。おふたりの行動を」

 

ロザリー「えっ!?」

 

カナデ「ただならぬ雰囲気でしたので。でも安心してください。あなた方をやっつける意思はありません。私たちは冒険者ではないので」

 

ロザリー「冒険者じゃない?そんなことあるの?」

 

カナデ「はい。私たちは商人という職業ですので」

 

ロザリー「商人といえばアイテムとか売ったりするやつでしょ?」

 

カナデ「はい。そうですよ。ですが、アイテムを売るだけじゃなくて、飲食店やこの宿屋を経営したりもできます」

 

ロザリー「へぇ…」

 

カナデ「戦闘に出ることもできますが、できるのはサポートだけです。攻撃はできません」

 

ロザリー「サポーターは初めて見た!いつか一緒に冒険に行かない?」

 

カナデ「いいですよ。アリシアさんが復帰できたら私がおふたりの仲間になります」

 

ロザリー「ありがとうごさざいます!」

 

カナデ「いえいえ」

 

ロザリー「あ、そういえば」

 

カナデ「?」

 

ロザリー「他の6人はどこにいるんですか?」

 

カナデ「あ〜…」

 

パンパン!

カナデは2回手を叩いた。

 

スタスタスタ

すると奥から6人でてきた。

 

ロザリー「おおっ…」

 

カナデ「ご紹介します。彼らがこの宿屋を運営しているメンバーです」

 

カナデは自分の隣にいる人から順に紹介し始めた。

1人目は何やら体が大きな男性だった。

 

カナデ「まず私の横にいる男の人。名前はアレックスといいます。彼は見ての通り体が大きいので威圧感とかあるかもしれませんが、こう見えて可愛い物好きです」

 

アレックス「よろしくお願いします」

 

ロザリー「あ、よろしくお願いします」

 

2人目は凛とした表情の女性だった。

 

カナデ「次にアレックスの隣にいる女性の方。名前はリンといいます。短髪で男の子っぽい見た目なので女性に大人気です。しかもお仕事は完璧にこなします」

 

リン「リンです。よろしくお願いします」

 

ロザリー「よろしくお願いします」

 

3人目は4人目の人の後ろに隠れて顔だけ出していた。

 

カナデ「次にリンの隣にいる男の人。名前はランドールといいます。ちょっと人見知りが強いので、慣れるまで少し時間がかかります」

 

ランドール「よ…よろしく…」

 

ロザリー「よろしくお願いします」

 

4人目の人は何やら優しそうな雰囲気を漂わせていた。

 

カナデ「次にランドールの隣にいる男の人。名前はマロリーニョといいます。名前が長いのでみんなマロと呼んでいます」

 

マロリーニョ「マロです。よろしくお願いします」

 

ロザリー「よ…よろしくお願いします…」

 

5人目の人は見るからにキャピキャピしてそうな見た目の女性だった。

 

カナデ「次にマロの隣にいる女性の方。名前はミカンといいます。彼女は見た目が派手なのですぐ人の目を引き付けます」

 

ミカン「ミカンでーす!よろしくお願いしまーす!」

 

ロザリー「よろしくお願いします…」

 

そして最後の6人目の人はもう母性の塊にしか見えない女性だった。

 

カナデ「そしてミカンの隣にいる女性の方。名前はフミです。彼女はもう見た目からお母さんって感じの人です。その大きい胸で癒しを与えてくれると思いますよ」

 

フミ「よろしくお願いしますね」

 

ロザリー「は、はい!よろしくお願いします!」

 

カナデ「とまぁ、これで私たちの紹介は終わります。なにか質問とかありますか?」

 

ロザリー「あ、じゃあみなさんは戦闘でのサポートはどのようなことをしますか?」

 

カナデ「あ、それでしたらアレックスは攻撃力を増加させるバフと攻撃力を下げるデバフを担当しています」

 

ロザリー (担当?)

 

カナデ「リンは速度を増加させるバフと速度を下げるデバフを担当しています」

 

ロザリー「ふむ。バフとデバフが主かな」

 

カナデ「ランドールは状態異常全般を担当しています」

 

ロザリー「お、状態異常」

 

カナデ「マロは防御力を増加させるバフと防御力を下げるデバフを担当しています」

 

ロザリー (もしかしてステータス関係のサポート?)

 

カナデ「そしてミカンは魔力を増加させるバフと魔力を下げるデバフを担当しています」

 

ロザリー「ふむふむ」

 

カナデ「そしてフミは味方の回復を担当しています」

 

ロザリー「お、回復係。…ってあれ?じゃあカナデさんは?」

 

カナデ「私ですか?私はアイテムを使ったサポートになります」

 

ロザリー「すごい…本当にみんなサポーターなんだ…」

 

カナデ「私たちはサポートしかできないので冒険に出てもすぐにやられちゃうんですよ」

 

ロザリー「そっか…攻撃役が…」

 

カナデ「そうです。攻撃する人が一人もいません。なので、ここで宿屋を経営しているわけです」

 

ロザリー「なるほど…なら私とアリシアの仲間になってくれませんか?」

 

カナデ「!」

 

ロザリー「カナデさんけだじゃなく、みなさんです」

 

アレックス「!」

リン「!」

ランドール「!」

マロリーニョ「!」

ミカン「!」

フミ「!」

 

ロザリー「私たちは逆に攻撃役しかいないので、誰もサポートできないんですよ。回復とかもできませんし…」

 

カナデ「なるほど…」

 

ロザリー「なのでみなさん私たちの仲間になってくれませんか?」

 

ロザリーはカナデたちにお願いした。

 

アレックス「カナデ。俺は賛成だ」

 

カナデ「アレックス…」

 

ミカン「私も私も〜!」

 

フミ「私も大賛成です」

 

マロリーニョ「僕も賛成。サポートなら任せて」

 

ランドール「マロがいいなら僕も」

 

リン「私も賛成だ。カナデはどうする」

 

カナデ「私は最初から賛成だよ。じゃあロザリーさん。私たちをよろしくお願いしますね」

 

ロザリー「はい!やったぁぁぁぁっ!!」

 

ロザリーは飛んで喜んだ。

 

ロザリー「じゃあこれからよろしくお願いします!」

 

カナデ「はい!こちらこそ!」

 

ピッ

するとロザリーの目の前に画面が表示された。

 

音声「カナデ、アレックス、リン、ランドール、マロリーニョ、ミカン、フミが仲間になりました」

 

ロザリー「おぉ…いっぱい…」

 

音声「特性:交友関係を入手しました」

 

ロザリー「交友関係?」

 

ピッ

ロザリーは特性:交友関係のページを開いた。

 

音声「特性:交友関係。味方が自分に対して行ったバフの効果を少し上昇させる」

 

ロザリー「つまり、サポート系の効果を上げるってことだよね」

 

ブゥン

ロザリーは画面を閉じた。

 

ロザリー「じゃあ私、アリシアのところに戻るね」

 

カナデ「はい。ご飯はもう少しでできますので、できたらお運び致します」

 

ロザリー「うん。お願い」

 

スタスタスタ

ロザリーは部屋に戻った。

 

カナデ「…」

 

カナデはロザリーの背中を見ていた。

 

カナデ「…寂しそうな背中ですね」

 

アレックス「仲間が強制的に削除されたんだ。無理もない」

 

リン「第1層では白いヤツって噂があったけどそれなのかもね」

 

ランドール「聞いたことある。ダンジョンを荒らし回ってるってやつでしょ」

 

マロリーニョ「でも実際あの子の助けになってるんならいいんじゃないかな」

 

ミカン「てかさ、この運営の不具合の修正見た?魔物使いだけ修正されてるんだよ?」

 

フミ「よくないですね。たった1つの職業だけ修正なんて」

 

カナデ「これは、本格的に私たちがサポートしなければなりませんね」

 

リン「あぁ。そのようね」

 

ミカン「ミカンが治してあげる!」

 

フミ「私が行きますよ。ミカン」

 

ミカン「フミが行ったら窒息させるでしょ!」

 

フミ「そんな事しませんよ」

 

カナデ「いえ、アリシアさんのご奉仕は私がしますよ」

 

アレックス「俺たちはここの門番だな」

 

ランドール「ご飯とか掃除とかもね」

 

マロリーニョ「任せて!」

 

こうしてカナデたちはいつもの業務に戻った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…アリシアとロザリーの部屋

 

ロザリー「アリシア。戻ったよ」

 

アリシア「…」

 

アリシアは椅子に座っていた。

 

ロザリー「アリシア。大丈夫なの?」

 

アリシア「…」

 

アリシアは首を横に振った。

 

ロザリー「そっか。カナデさんたちがご飯もう少しでできるって言ってたよ。一緒に食べよ?」

 

アリシア「…」

 

アリシアは首を縦に振った。

 

ロザリー「っ…」

 

ロザリーは何も話してくれないアリシアを心配していた。

 

ロザリー「ねぇアリシ…」

 

アリシア「ロザリー」

 

ロザリー「!」

 

アリシアはロザリーの言葉に重ねて名前を呼んだ。

 

ロザリー「何?」

 

アリシア「…こっち来て」

 

ロザリー「!」

 

アリシアは椅子をポンポンと叩いた。

 

アリシア「…早く」

 

ロザリー「う…うん…」

 

スタスタスタ

ロザリーはアリシアのところに行った。

 

アリシア「ここ…座って…」

 

アリシアは自分の膝を指さした。

 

ロザリー「えっ?ここ膝だよ?」

 

アリシア「いいから…」

 

ロザリー「う…うん…」

 

ロザリーはアリシアの膝に座った。

 

ロザリー「痛くない?大丈夫?」

 

アリシア「うん。大丈夫」

 

ロザリー「でもどうしたの?急に膝に座ってなんて」

 

アリシア「…」

 

ギュッ…

アリシアはロザリーを抱きしめた。

 

ロザリー「えっ…ちょっ…アリシア?」

 

ロザリーは急なことで少し戸惑った。

 

アリシア「ごめんねロザリー…でもこうしてると落ち着くの」

 

ロザリー「!」

 

アリシア「少しだけ…いい?」

 

ロザリー「!!」

 

アリシアは上目遣いでロザリーを見た。ロザリーはその顔にドキッとした。

 

ロザリー「い…いいよ…」

 

ロザリーは顔を背けながら言った。

 

アリシア「…ありがと」

 

ギュゥゥゥゥゥゥ…

アリシアはさらに強く抱きしめた。

 

ロザリー「んっ…」

 

ロザリーは少しだけ声が漏れた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

それから少ししてアリシアは落ち着いてきた。

 

アリシア「…ありがとうロザリー。落ち着いたよ」

 

アリシアは抱きしめていた手を離した。

 

ロザリー「ん…いいよ…」

 

ロザリーはアリシアの頭を撫でた。

 

ロザリー「ねぇアリシア」

 

アリシア「何?」

 

ロザリー「私ね、アリシアを守れるように、これから冒険とかしようと思ってるの。でもアリシアはまだ休んでいた方がいいから、私がいない間、カナデさんにお世話になろうと思ってね」

 

アリシア「カナデさん…あの受付の?」

 

ロザリー「そう。私の代わりにアリシアを見てくれるの」

 

アリシア「…そっか。分かった」

 

ロザリー「何かあったらカナデさんたちに言うんだよ。分かった?」

 

アリシア「うん…分かった」

 

ロザリー「よしっ。そうと決まればさっそく準…」

 

ピッ

するとアリシアの目の前に画面が表示された。

 

アリシア「ん?…なんだろ」

 

ロザリー「?」

 

ピッ

アリシアはページを開いた。

 

音声「7人仲間が加わりました。名前はカナデ、アレックス、リン、ランドール、マロリーニョ、ミカン、フミ」

 

アリシア「仲間…」

 

ロザリー「カナデさん以外はカナデさんの仲間らしいよ。何やら商人?とかいう職業でこの宿屋を経営してるらしいよ」

 

アリシア「ふーん…」

 

音声「コハクからプレゼントが届きました」

 

アリシア「えっ!?コハク!?」

 

ロザリー「!?」

 

ピッ

アリシアは迷わずそのページを開いた。

 

音声「武器:再臨の拳 防具:神速の腕輪 特性:忠義、見極め、熱気、呪い、やまびこ スキル:刻印、恩寵、心眼、錬成、神器を入手しました」

 

アリシア「これ…コハクの…」

 

ロザリー「アリシアに贈り物か…中々やるね。コハクは」

 

アリシア「…うん」

 

アリシアはプレゼントを格納庫と呼ばれるプレゼントを保存するところに入れた。

 

アリシア「大事に使うね。コハク」

 

アリシアは少し元気が出てきた。

 

アリシア「ねぇロザリー」

 

ロザリー「何?」

 

アリシア「冒険…行こっか」

 

ロザリー「えっ…いけるの…?」

 

アリシア「うん。コハクのためにも行かないと」

 

ロザリー「…そっか。じゃあ行ってみよっか」

 

アリシア「うん」

 

アリシアとロザリーはカナデに伝えて冒険に出ることにした。しばらく拠点はカナデの宿屋になることだろう。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

音声「お知らせします。次回の新イベントについてです」

 

突然第2層全体にスクリーンが多数出現した。

 

音声「次回の新イベントはボスモンスターしかいない歴戦の塔にてイベントが行われます。この歴戦の塔は第1層で登場したボスモンスター10体が出現し、各々倒して勝ち上がる形となります」

 

ブゥン…ブゥン…

第2層全体に表示されたスクリーンは説明が進むごとに画面を切り替えていった。

 

音声「強さは第1層で登場した時よりも強く設定されており、各階層でボスモンスターを倒すとポイントを獲得することができます。最終的に獲得したポイントを集計し、順位をつけさせていただきます」

 

ブゥン…

すると登場予定のボスモンスターたちがシルエットで表示された。

 

音声「なお、第10階である最後のボスモンスターはとても強く、獲得できるポイントも桁違いです。自分に合った階層が見つかればその階層で何度も周回することができます」

 

ブゥン…

すると順位によって獲得できる報酬が表示された。

 

音声「獲得できる報酬は様々あり、武器や防具、特性、スキルなど自分に合ったものを選択することができます」

 

ブゥン…

今度はイベント期間が書かれた画面が表示された。

 

音声「イベント期間は1週間です。この1週間の間にできるだけ多くのポイントを稼いでください。それでは、次回の新イベントでお会いしましょう」




〜物語メモ〜

アリシアが今回受けた修正
・魔物使いが仲間にしたボスモンスターがやられると、仲間から強制脱退されるという制限をつけた。
対象モンスター:プニちゃん、キリちゃん、ゴロちゃん、ムクロ、三つ首(雷首、氷首、火首)
・モンスター登録されていないモンスターを削除した。
対象モンスター:コハク

カナデの宿屋
アリシアとロザリーが泊まっている宿屋。

カナデ
カナデの宿屋を経営している人物。敬語を使い、他の6人のリーダー的存在。
戦闘では主に味方のサポートをしており、アイテムを使ったサポートが得意。

アレックス
カナデの宿屋で働いている人物。見た目は筋骨隆々だが、その見た目とは裏腹に可愛いものが好き。戦闘では主に味方のサポートをしており、攻撃力を上げるバフと攻撃力を下げるデバフを担当している。

リン
カナデの宿屋で働いている人物。短髪でボーイッシュな感じの女性で、男女問わず人気である。しかも仕事も完璧にこなしている。戦闘では主に味方のサポートをしており、スピードを上げるバフとスピードを下げるデバフを担当している。

マロリーニョ
カナデの宿屋で働いている人物。真面目な人で何でもこなすが、時折ランドールの盾となっている。戦闘では主にサポートをしており、防御力を上げるバフと防御力を下げるデバフを担当している。

ランドール
カナデの宿屋で働いている人物。人見知りが強く、知らない人が来ると決まってマロリーニョの後ろに隠れる。カナデたちならこうはならないが、仲良くなるまで少し時間がかかる。戦闘では主にサポートをしており、状態異常全般を担当している。

ミカン
カナデの宿屋で働いている人物。派手な見た目をしており、いかにもキャピキャピしてそうな印象を与える。だが仕事はしっかりやるし、人の看病もそつなくこなす。意外なところで頼れる存在。戦闘では主にサポートをしており、魔力を上げるバフと魔力を下げるデバフを担当している。

フミ
カナデの宿屋で働いている人物。胸が大きく、母性溢れる見た目をしており、ミカンは常にフミに甘えている。みんなからはお母さんという印象を持たれている。戦闘では主にサポートをしており、味方の回復を担当している。

特性:交友関係
ロザリーが所持している特性。味方のバフの効果を少し上昇させる。

コハクがアリシアにプレゼントした特性とスキル
特性:見極め
相手の後隙を学習することで、相手の動きに合わせて攻撃することができる。

特性:やまびこ
一度使用したスキルを即座に再度使用することができる。効果は別のスキルを使うまで。この特性があることでスキル:神器を何度も使用することができる。

スキル:錬成
自分が持っている武器や防具を強くすることができる。ただし素材が必要。

スキル:神器
特殊な力を纏わせて次の一撃を1000%の火力で攻撃することができる。ただし、連続では使用できない。


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第9話 第2回イベント 歴戦の塔

アリシアとロザリーは第2層を冒険することに決めた。コハクがいない今、アリシアは不安でいっぱいだった。

 

アリシア「…」

 

アリシアはビクビク震えながら歩いていた。

 

ロザリー「…ねぇ、アリシア」

 

アリシア「…何?」

 

ロザリー「…他のモンスターを召喚しない?」

 

アリシア「えっ?」

 

ロザリー「そんなに震えてるなら誰かモンスターを呼んだ方がいいよ?」

 

アリシア「うーん…でもプニちゃんたちはやられちゃったら仲間を脱退させられるし…」

 

ロザリー「他にいないの?ボスモンスターじゃない子」

 

アリシア「うーん…あっ!」

 

アリシアは1人だけボスモンスターじゃない子がいることに気づいた。

 

アリシア「いた!あの子!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

アリシアはその子を呼び出した。

 

スザク「お呼びですか。主様」

 

そう。スザクだった。彼女はスラちゃんたちと同じでボスモンスターとして登録されていないからやられても仲間を脱退させられない。

 

アリシア「ねぇスザク…ちょっと聞いて…」

 

アリシアは今回の事をスザクに話した。

 

スザク「…なるほど。コハクが削除…ムクロたちは負けたら脱退ですか…」

 

アリシア「うん…だから頼れるのはスザクだけで…」

 

スザク「…なるほど。分かりました。でしたら私をお使い下さい。ムクロたちと比べると力が弱いですが、私なりに主様のお役に立ってみせます」

 

アリシア「ありがとう…スザク…」

 

ロザリー「じゃあ行こっか。次のイベントまでもうすぐだし」

 

アリシア「うん」

 

こうしてアリシアとロザリー、スザクは近くのダンジョンを攻略して回った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシアとロザリーはとりあえず1時間ダンジョン攻略をしてみた。

 

ロザリー「ねぇアリシア」

 

アリシア「何?」

 

ロザリー「アリシアって今何レベル?」

 

アリシア「えっと…」

 

ブゥン…

アリシアは自分のステータス画面を開いた。

 

アリシア「54だって!」

 

ロザリー「お、じゃあ私もうすぐ追いつくかな」

 

アリシア「えっ?ロザリーはどれくらい?」

 

ロザリー「私は49だよ」

 

アリシア「あ、このままじゃ追いつかれちゃう…」

 

ロザリー「じゃあアリシア。ステータスはどんな感じになってる?」

 

ピッ

アリシアは自分のステータス画面をロザリーに見せた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

名前:アリシア

職業:魔物使い

Lv.54

HP:108

MP108

攻撃力:108

防御力:108

スピード:108

魔力:108

カリスマ:3278

━━━━━━━━━━━━━━━

 

ロザリー「おぉ…カリスマごっつ…」

 

アリシア「カリスマは仕方ないよ。最初にカリスマしか振らなかったから」

 

ロザリー「あれ?でも他のステータスは何で54じゃないの?」

 

アリシア「私1回負けちゃったから特性の粘着質でステータスが上昇したの」

 

ロザリー「あー…あの時の…」

 

アリシア「ロザリーは?ロザリーのステータスはどんな感じ?」

 

ロザリー「私のは満遍なくいってるかな」

 

ピッ

ロザリーはアリシアにステータス画面を見せた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

名前:ロザリー

職業:槍術士

Lv.49

HP468

MP134

攻撃力:660

防御力:49

スピード:653

魔力:49

カリスマ:49

━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「すごい!攻撃力とスピードがすごく高い!」

 

ロザリー「まぁね、これでも槍使いだからね」

 

アリシア「すごいなぁロザリーは。これだともう1人でもできそうだね」

 

ロザリー「そうだけど今はアリシアと一緒にいたいかな。次のイベントもあるし」

 

アリシア「うん!ありがとうロザリー!」

 

それから数日が経ち、第2回イベント当日となった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…冒険者の街 大通り

 

ロザリー「そろそろだね。アリシア」

 

アリシア「うん!」

 

ロザリー「どんな感じになるか分からないから気をつけてね」

 

アリシア「分かった!」

 

ブゥン…

すると大きなスクリーンが出現した。そこには何やら塔のようなシルエットが映し出された。

 

音声「それでは第2回イベントの開始時刻となりました。現在スクリーンに表示されているものは、これからプレイヤーの方々が挑戦する歴戦の塔になります。全部で10階層となっており、階を上がるごとに出現するモンスターが強くなります。各階層で出現するモンスターを倒すことができれば次の階層へ挑戦することができます。負けたとしても再度挑戦可能です。各階層のモンスターを倒すことでポイントが得られ、イベント終了後にそのポイントを集計し、順位を表示します。ポイントが高ければその分豪華な報酬が得られます」

 

ロザリー「これ1人なのかな」

 

アリシア「それは嫌だなぁ…」

 

音声「なお、このイベントは1人でも大勢でも挑戦可能です。歴戦の塔に入る前に挑戦する人数を設定することで、その人数に応じた難易度になります。人数が多ければ多いほどモンスターが強くなります。ただし、獲得できるポイントは同じです」

 

ロザリー「つまり、1人でも大勢でも得られるポイントは同じ。1人なら通常の強さだろうし、人数を増やせばその分相手だけ強くなると」

 

アリシア「それって1人の方がいいのかな」

 

ロザリー「いや、1人だと狙いが自分にしかいかないから多分辛くなるよ。人数を集めれば狙いを分散させやすいからやられることもないかもしれない」

 

アリシア「じゃあ…」

 

ロザリー「でもどれくらい強くなるかの表記はされていない。ここでいきなり大勢で挑戦したらどうなるのか…」

 

アリシア「うーん…」

 

ロザリー「アリシア。ここは二人で行こう」

 

アリシア「うん!分かった!」

 

ロザリー「今は最小限の人数で行ってみよう」

 

音声「また、大勢で挑戦する場合、モンスターを倒す前にやられたプレイヤーはポイントを獲得することができません。ただし、復活した場合は獲得できます」

 

ロザリー「なるほど。つまりやられても誰かが助けてくれたらポイントゲットってわけね」

 

アリシア「そうなんだ」

 

音声「では、全プレイヤーを歴戦の塔へ転送します」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

するとアリシアとロザリーは歴戦の塔まで転送された。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…歴戦の塔

 

アリシア「わっ…ここが…」

 

ロザリー「歴戦の塔…」

 

アリシアとロザリーの目の前には円柱の形をした塔が建っていた。しかも周囲には何も無く、空は紫色の雷雲が漂っていた。

 

アリシア「なんか…怖いね…」

 

ロザリー「大丈夫。私たちならできるよ」

 

アリシア「うん…」

 

スタスタスタ

アリシアとロザリーは歴戦の塔の入口に立った。

 

音声「挑戦人数を登録してください」

 

ピッピッ

ロザリーは「2人」で登録した。

 

音声「確認しました。門を開きます」

 

ガチャ…ギィィィィィィィィ…

すると重そうな扉が勝手に開いた。

 

ロザリー「…いくよアリシア」

 

アリシア「…うん」

 

スタスタスタ

アリシアとロザリーは歴戦の塔に入った。

 

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場所…歴戦の塔 第1階層

 

スタスタスタ

アリシアとロザリーは第1階層に入った途端、足を止めた。

 

アリシア「…あれかな。モンスターって」

 

ロザリー「…そうぽいっね」

 

???「…」

 

目の前にはスライムのモンスターがアリシアとロザリーを見ていた。

 

ロザリー「やるよアリシア」

 

アリシア「うん」

 

ビュンビュンビュンビュン!コンッ!

ロザリーはロンギヌスの槍を装備した。

 

スッ…カチャ…

アリシアは堕天使の短剣と見切りの盾を装備した。

 

スライム「!」

 

ダダダダダダダダダダダ!

するとスライムが突進してきた。

 

アリシア「出てきてスザク!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

メダルからスザクが出てきた。

 

アリシア「あのモンスターをやっつけて!」

 

スザク「お任せを」

 

ビュン!

スザクはもの凄い速さでスライムに近づいた。

 

スライム「!?」

 

スザク「はぁっ!」

 

ズシャッ!!

スザクはスライムに攻撃した。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

するとスライムが消えていった。

 

アリシア「…えっ?」

 

ロザリー「あれ…案外弱い?」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

すると魔法陣が展開された。

 

アリシア「わっ…何か出てきたよ」

 

ロザリー「多分次の階層に行くやつだよ。行ってみよう」

 

アリシア「うん」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

そしてアリシアとロザリーは第2階層へ転送された。

 

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場所…歴戦の塔 第2階層

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

アリシアとロザリーは第2階層についた。

 

ロザリー「なるほど。私たちが来る時にはもう待ち構えてるんだ」

 

???「…」

 

ロザリーたちが第2階層に着いた時にはモンスターがすでにそこにいた。

 

アリシア「やろうロザリー。ここもすぐに倒して次に行こう」

 

ロザリー「もちろん!」

 

ドラゴン「グワァァァァァァァァァァ!!!」

 

するとモンスターが咆哮をした。

 

ロザリー「いくよ!」

 

アリシア「うん!出てきて!スザク!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

するとメダルからスザクが出てきた。

 

アリシア「スザク!あのモンスターを攻撃して!」

 

スザク「分かりました」

 

ビュン!

スザクがモンスターに向かって走った。

 

ロザリー「私もいっくよー!」

 

ビュンビュンビュンビュンビュンビュンビュン!

するとロザリーはロンギヌスの槍を振り回し始めた。

 

アリシア「ロザリー?」

 

ロザリー「見ててアリシア!これが私の新しいスキル!!」

 

バリバリバリバリバリバリバリバリ!!

すると振り回していたロンギヌスの槍に赤い雷が纏い始めた。

 

ロザリー「スキル:赤雷!!」

 

ビュン!バゴォォォォォォォォォォン!!

ロザリーがロンギヌスの槍を投擲すると、ロンギヌスの槍は一直線にモンスターに向かって飛んだ。

 

スザク「!」

 

ビュン!

後ろから迫ってくる攻撃に気づいたスザクはその攻撃を避けた。

 

ドラゴン「グワァァァァァァァァァァ!」

 

バゴォォォォォォォォォォン!!

ロザリーが投擲したロンギヌスの槍は見事モンスターに命中した。

 

ロザリー「やった!当たった!」

 

アリシア「すごいロザリー!今のカッコよかったよ!」

 

ロザリー「えへへ…」

 

ヒュッ…コンッ!

するとロンギヌスの槍がロザリーの手元に戻ってきた。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

煙が晴れてくると、さっきまでいたモンスターが消えていた。

 

アリシア「あれ、さっきのモンスターは?」

 

ロザリー「まさかさっきの攻撃で倒せたのかな」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

すると魔法陣が展開された。

 

アリシア「倒せたっぽいね!」

 

ロザリー「よしっ!次行こう!」

 

アリシアとロザリーは第3階層に向かった。

 

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場所…歴戦の塔 第3階層

 

ロザリー「よしっ!いくよアリシア!」

 

アリシア「うん!」

 

アリシアとロザリーはそれぞれ武器を装備した。

 

???「…」

 

第3階層のモンスターは何やら花のつぼみのようなモンスターだった。

 

ロザリー「スキル:赤雷!」

 

ビュンビュンビュンビュンビュンビュンビュン!

ロザリーはロンギヌスの槍を振り回し始めた。

 

バリバリバリバリバリバリバリバリ!!

するとロンギヌスの槍が赤い雷を纏った。

 

ロザリー「はぁぁぁぁぁぁっ!」

 

ビュン!バゴォォォォォォォォォォン!!

ロザリーは一気にロンギヌスの槍を投擲した。

 

バゴォォォォォォォォォォン!!

ロザリーのロンギヌスの槍は見事モンスターに命中した。

 

ロザリー「よしっ!」

 

アリシア「やったねロザリー!」

 

ロザリー「うん!」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

やがて煙が晴れてきた。

 

ロザリー「!」

アリシア「!」

 

攻撃が当たったはずなのに、まだモンスターが消えていなかった。

 

ロザリー「さっきまでのモンスターなら一撃なのに…」

 

アリシア「そんな…」

 

ヒュルヒュルヒュル…

すると花のつぼみが咲き、中から人型のモンスターが現れた。

 

ロザリー「植物系のモンスターだったんだ!」

 

アリシア「すごい…」

 

花の妖精「…」

 

ヒュルヒュルヒュル…

花の妖精の足元からまた別の花が出てきた。その花が伸びてきたかと思うとアリシアとロザリーの方に花開いた。

 

花の妖精「…」

 

バゴォォォォォォォォォォン!!

すると突然その花たちがレーザーを放ち始めた。

 

アリシア「えっ!?」

 

ドゴォォォォォォォォォン!!

花の妖精は容赦なくアリシアとロザリーを攻撃した。

 

花の妖精「…」

 

パラパラ…

花の妖精の攻撃はアリシアのすぐ横に着弾した。

 

ロザリー「アリシア!大丈夫!?」

 

アリシア「う…うん…大丈夫…」

 

ロザリー「あのモンスター。こんな強い技を持ってるなんて…」

 

アリシア「でもロザリーのあの攻撃を受けたからもうちょっとな気がする」

 

ロザリー「そうね」

 

アリシア「スザク!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

メダルからスザクが出てきた。

 

アリシア「あのモンスターをやっつけて!」

 

スザク「分かりました」

 

ビュン!

スザクは花の妖精に向かって走り出した。

 

花の妖精「…」

 

ビュン!ビュン!ビュン!バゴォン!

花の妖精はスザクに向かって何発もレーザーを放った。

 

スザク「遅い!」

 

ビュンビュンビュン!

スザクは花の妖精の攻撃を簡単に避けた。

 

スザク「四獣剣技!」

 

キンッ!

スザクは両手に持った剣をクロスさせた。

 

スザク「夜桜乱撃!」

 

ズシャシャシャシャシャシャ!

スザクは回転しながら花の妖精を切り刻んだ。

 

ヒュッ…スタッ!

スザクは綺麗に着地した。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

すると花の妖精の姿が消えた。

 

アリシア「やった!やっつけた!」

 

ロザリー「すごい…アリシアのモンスター…」

 

スザク「主。お怪我は」

 

アリシア「大丈夫!ありかとうスザク!」

 

スザク「…いえ」

 

ヒュッ…

スザクは姿を消した。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

第4階層に続く魔法陣が展開された。

 

ロザリー「よしっ!行こうアリシア!」

 

アリシア「うん!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…歴戦の塔 第4階層

 

ロザリー「なるほど。次は機械なのね」

 

ピピッ…ブゥゥゥゥゥゥゥン…ガシャン!

すると中央で居座っていた鉄の塊が動き出した。

 

武神機「…」

 

アリシア「カッ…カッコイイ…」

 

アリシアは目を輝かせていた。

 

ガシャン!ガシャン!ガシャン!

すると武神機の背中に剣、槍、斧、鎌が出てきた。

 

アリシア「何それ!?」

 

ロザリー「そんなのあり?まだ4階層だよ?」

 

武神機「…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

すると武神機の手に大きな刀が2つ出てきた。

 

アリシア「カッコイイ…私も欲しい…」

 

武神機「…」

 

ガシャン!ガシャン!ガシャン!

すると武神機がこっちに向かって走ってきた。

 

ロザリー「来るよアリシア!」

 

アリシア「うん!来て!スザク!」

 

だがスザクが出てこなかった。

 

アリシア「あれ…スザク!スザク!!」

 

ガシャン!ガシャン!ガシャン!

すると武神機が目の前まで迫ってきていた。

 

アリシア「スザク!!」

 

ロザリー「アリシア!避けて!」

 

アリシア「!?」

 

武神機「…」

 

アリシアが武神機の方を見ると、もうすでに武神機が刀を振り下ろそうとしていた。

 

アリシア「っ!」

 

アリシアは咄嗟にガードした。

 

ロザリー「アリシアー!」

 

ズシャッ!!

アリシアは武神機の攻撃を受けた。

 

アリシア「がっ…」

 

ドサッ…

アリシアはその場に倒れてしまった。

 

ロザリー「アリシア!!」

 

武神機「…」

 

すると武神機は次にロザリーに狙いを定めた。

 

ロザリー「っ…これはやるしかない!」

 

ガシャン!ガシャン!ガシャン!

すると武神機が走り出した。

 

ロザリー「こいっ!」

 

タッタッタッ!

ロザリーは武神機に向かって走り出した。

 

ロザリー「やぁぁぁぁぁぁっ!!」

武神機「…」

 

ズシャッ!!

するとロザリーも武神機の攻撃を受けてしまった。

 

ロザリー「うぐっ…」

 

ドサッ…

ロザリーも一撃でやられてしまった。

 

ロザリー「しまった…防御力にも…もっと…振るべきだった…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

するとアリシアとロザリーが塔の外へ転送された。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…歴戦の塔の外

 

アリシア「あぁ…やられちゃった…」

 

ロザリー「だね…強かったね…」

 

アリシア「あんなのズルいよ!あれじゃあ何もできないじゃん!」

 

ロザリー「確かに…あれは強い…」

 

アリシア「あ、とういうか何でさっきスザクが出てこなかったんだろ」

 

ロザリー「うーん…制限とかある?召喚できるのは何回までとか」

 

アリシア「うーん…分かんない…」

 

音声「特性:粘着質が発動しました。ステータスが上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!

アリシアのステータスが上昇した。

 

ロザリー「とりあえずもう1回行ってみよ」

 

アリシア「うん。次こそはやっつける!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

アリシアとロザリーは第4階層に転送された。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…歴戦の塔 第4階層

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン…ガシャン!ガシャン!

武神機が起動した。

 

ロザリー「いくよアリシア!」

 

アリシア「うん!」

 

タッタッタッ!

ロザリーは先陣切って走った。

 

アリシア「みんな出てきて!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

するとスラちゃんたちが出てきた。

 

アリシア「いっけぇぇぇぇぇ!!」

 

ダダダダダダダダダダダダダダ!!!

スラちゃんたちはアリシアの声に反応して武神機に突撃した。

 

アリシア「みんな頑張れぇぇぇぇぇぇ!!」

 

音声「特性:応援が発動しました。味方モンスターのステータスが上昇します」

 

武神機「…」

 

ビュン!ビュン!ギィン!ガン!

ロザリーたちは武神機を攻撃し始めた。

 

ロザリー「赤雷!!」

 

ビュン!バゴォォォォォォォォォォン!!

ロザリーはスキル:赤雷を発動した。

 

ドゴォォォォォォォォォン!!

ロザリーのロンギヌスの槍が武神機の体を貫通した。

 

ロザリー「よしっ!」

 

ガシャン…ガシャン…

すると極度に武神機の動きが鈍った。

 

ドカ!ドカ!ドカ!ドカ!ドカ!ドカ!ドカ!

それに追い討ちするかのようにスラちゃんたちが突進した。

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン…ガシャン…

すると武神機が完全に停止した。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

そして武神機の姿が消えた。

 

アリシア「やった!やっつけた!」

 

ロザリー「よしっ…いけた…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

第5階層に続く魔法陣が展開された。

 

アリシア「行こっ!ロザリー!」

 

ロザリー「うん!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

アリシアとロザリーは第5階層に転送された。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…歴戦の塔 第5階層

 

ロザリー「ふーん…次のボスね」

 

???「…」

 

アリシア「何あれ…雲?」

 

第5階層は天井に何やら雲があった。

 

ロザリー「まぁあれしかないしやってみよっか」

 

アリシア「うん!」

 

ゴロゴロゴロゴロゴロ…

すると天井にある雲が雷雲に変化した。

 

アリシア「ねぇロザリー…」

 

ロザリー「何?アリシア…」

 

アリシア「これってまさか…」

 

ロザリー「うん…そのまさかかも…」

 

ゴロゴロ…ドゴォォォォォォォォォン!!

すると突然雷が落ちてきた。

 

アリシア「ひぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

ロザリー「あんなのズルい!攻撃範囲外じゃん!」

 

ゴロゴロゴロゴロゴロ…

するとまた雷が発生した。

 

アリシア「これ…どうすれば…」

 

ロザリー「アリシア!私の槍じゃあれまで届かない!何かモンスターいない!?」

 

アリシア「モンスター!?空飛ぶモンスターなんていないよ!?」

 

ロザリー「くっ…」

 

アリシア「あ、でも攻撃できそうな子ならいるかも」

 

スッ…

アリシアはロザリーの前に立った。

 

ロザリー「?」

 

音声「特性:守護が発動しました。防御力が上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!

アリシアの防御力が上昇した。

 

アリシア「召喚 プニちゃん!ゴロちゃん!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

するとアリシアの目の前に魔法陣が2つ展開されて中からプニちゃんとゴロちゃんが出てきた。

 

プニちゃん「主!」

ゴロちゃん「…」

 

アリシア「プニちゃん!ゴロちゃん!あのモンスターをやっつけて!」

 

ゴロゴロゴロ…ドゴォォォォォォォォォン!!

するとまた雷が落ちてきた。

 

アリシア「わっ!」

 

ドゴォォォォォォォォォン!!

するとゴロちゃんが身代わりになって雷を受けた。

 

アリシア「ゴロちゃん!」

 

ゴロちゃん「…」

 

ザッザッザッ…

ゴロちゃんは敵の方を見た。

 

ゴロちゃん「…」

 

ブンブンブンブンブン!

ゴロちゃんは腕を振り回し始めた。

 

アリシア「あっ!これって…」

 

ビュン!バゴォォォォォォォォォォン!!

ゴロちゃんは腕を伸ばして攻撃した。

 

ヒュォォォォォォォォ…

すると雲の一部が消えた。

 

ロザリー「なるほど…あぁやって攻撃すると消えちゃうんだ」

 

アリシア「じゃあ何度も攻撃すれば!」

 

ロザリー「倒せるかもしれない!」

 

アリシア「よしっ!ゴロちゃん!プニちゃん!頑張って!!」

 

音声「特性:応援が発動しました。味方モンスターのステータスが上昇します」

 

プニちゃん「わっ!何か力がみなぎってきた!!」

 

プニちゃんが興奮し始めた。

 

プニちゃん「いっくよぉぉぉぉぉ!!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

プニちゃんもゴロちゃんのように腕を振り回し始めた。

 

ブンブンブンブンブンブンブン!

ゴロちゃんもそれを見て腕を振り回し始めた。

 

アリシア「いっけぇ!プニちゃんゴロちゃん!」

 

ビュン!バゴォォォォォォォォォォン!!

プニちゃんとゴロちゃんの攻撃が雲のモンスターに直撃した。

 

ヒュォォォォォォォォ…

すると雲が全部消え去った。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

すると第6階層に続く魔法陣が展開された。

 

アリシア「やった!倒した!ありがとうプニちゃん!ゴロちゃん!」

 

プニちゃん「うん!」

ゴロちゃん「…」

 

アリシア「じゃあロザリー!早く行こっ!」

 

ロザリー「うん!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

アリシアとロザリーは第6階層に転送された。

 

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場所…歴戦の塔 第6階層

 

ロザリー「おっ…次は2体いるよ」

 

アリシア「ほんとだ…」

 

???「…」

???「…」

 

第6階層は2人で1つのモンスターとなっていた。

 

ロザリー「やるよアリシア!」

 

アリシア「うん!」

 

ミミ「敵が来たよリリ」

リリ「そうねミミ。やっつけましょう」

 

ヒュォォォォォォォォ…

ミミとリリの周囲に青い光と赤い光の粒が出現した。

 

ロザリー「相手もやる気だよアリシア」

 

アリシア「うん。これは一筋縄にはいかなそうだね」

 

ミミ「燃え尽きなさい!」

 

ゴォォォォォォォォ!

すると赤い光の粒の中心にいる人物が炎を放ち始めた。

 

リリ「凍え死になさい!」

 

ビュォォォォォォォォ!

すると青い光の粒の中心にいる人物が氷を放ち始めた。

 

アリシア「きた!」

 

タッタッタッ!

アリシアとロザリーはミミ&リリの攻撃を避けた。

 

アリシア「召喚 三つ首!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

アリシアは三つ首を召喚した。

 

雷首「ガッハハハハ!!」

氷首「喚ばれた喚ばれたぁ!!」

火首「思う存分暴れてやるわ!!」

 

ミミ「ちょ…何…あれ?」

リリ「見たことない…なんだろう…あれ…」

 

氷首「ンバァァァァァァァァァ!!!」

 

ビュォォォォォォォォ!

氷首が氷のブレスを吐いた。

 

リリ「えっ!?氷!?」

ミミ「はぁっ!」

 

ゴォォォォォォォォ!!

ミミは咄嗟に火を放った。

 

氷首「ほぅ?やるなぁ娘!!」

 

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」

 

ゴォォォォォォォォォ!!!

火首が火のブレスを吐いた。

 

ミミ「えっ!?今度は火!?」

リリ「はぁっ!」

 

ドカッ!ガキン!!

リリは地面を殴って氷の壁を作り出した。

 

ゴォォォォォォォォ!バゴォン!

リリが作った壁は氷でできているため、火首の火のブレスを防ぎきれなかった。

 

リリ「あいつ…」

ミミ「やるね」

 

火首「ハッハッハッ!!俺の火は防げねぇぜ嬢ちゃん!!」

 

雷首「カァァァァァァァァァァァッ!!」

 

バリバリバリバリ!!

すると即座に雷首が雷のブレスを吐いた。

 

ビリビリビリビリ!!

ミミ&リリは雷のブレスに被弾した。

 

ミミ「あぁぁぁぁぁぁぁっ!」

リリ「あぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

ミミ&リリは大ダメージを受けた。

 

雷首「どうやら雷を防ぐ術はないみたいだな?」

 

ミミ「いったた…リリ…大丈夫?」

リリ「大丈夫…」

 

ロザリー「やぁっ!」

アリシア「はぁぁっ!」

 

ドスッ!!ドスッ!!

ロザリーとアリシアは隙を見てミミとリリの胸に槍と短剣を突き刺した。

 

ミミ「がっ…いつの間に…」

リリ「ぐっ…こんなの…」

 

雷首「離れてな嬢ちゃんたち!」

 

タッタッタッ!

アリシアとロザリーはその場から離れた。

 

雷首「いくぞお前ら!」

氷首「あったりまえじゃ!」

火首「足引っ張るなよ!」

 

ミミ「くっ…」

リリ「足が…」

 

ミミとリリは何故か足が動かなかった。

 

雷首「カァァァァァァァァァァァッ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

ビュォォォォォォォォ!バゴォォォォォォォォォォン!!

三つ首の同時ブレスがミミ&リリに直撃した。

 

ミミ「リリ…」

リリ「ミミ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

ミミ&リリは姿を消した。

 

ロザリー「よしっ…とりあえず突破」

アリシア「ありがとう三つ首さん!」

 

雷首「また喚んでくれ!」

氷首「俺たちはいつでも嬢ちゃんの味方だ!」

火首「たとえ火の中水の中雷の中だ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

三つ首は姿を消した。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

すると第7階層に続く魔法陣が展開された。

 

ロザリー「よしっ!もう少しだよアリシア!」

 

アリシア「うん!」

 

アリシアとロザリーは第7階層に転送された。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…歴戦の塔 第7階層

 

ロザリー「…」

アリシア「…」

 

2人は歴戦の塔の第7階層に着いたが、モンスターが見当たらなかった。

 

ロザリー「何もいない…」

 

アリシア「そんなことあるの?」

 

ロザリー「あるとすればバグかな。でもそれだと他のプレイヤーにも影響があるはず…」

 

アリシア「うーん…」

 

パシッ!

するとアリシアの頭になにか当たった。

 

アリシア「痛っ!」

 

アリシアは突然のことに驚いていた。

 

ロザリー「どうしたの!?アリシア!」

 

アリシア「わ…分かんない…でも痛い…」

 

パシッ!パシッ!

すると今度は2回なにか当たった。

 

アリシア「痛い!痛い!何よもう!」

 

ロザリー「まさかいないんじゃなくて見えないんじゃ…」

 

アリシア「見えないってどういうこと!」

 

ロザリー「ここにいるモンスターは姿を消すことができるのかも…」

 

アリシア「そんなのズルいよ!」

 

ロザリー「とにかく何とかしないと!」

 

パシッ!パシッ!パシッ!

今度は3回何かが当たった。

 

アリシア「痛い!痛い!痛い!誰か来て!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

するとアリシアの目の前に魔法陣が展開された。

 

ロザリー「えっ!?それでも召喚できるの!?」

 

キリちゃん「助けに来ました!主様!!」

 

出てきたのは切り裂き魔のキリちゃんだった。

 

キリちゃん「主様〜主様〜はぁ…主様好きです!」

 

ギュゥゥゥゥゥゥ!

キリちゃんはアリシアを抱きしめた。

 

アリシア「キリちゃん…聞いて…」

 

キリちゃん「はい!主様のお言葉でしたら私が!」

 

パシッ!

するとまたアリシアが攻撃された。

 

アリシア「痛っ!!」

 

キリちゃん「どうされましたか主様!!」

 

キリちゃんは突然アリシアがうずくまったので驚いていた。

 

アリシア「キリちゃん助けて…見えない何かに攻撃されてとても痛いの…」

 

ビキッ…

アリシアの訴えを聞いた瞬間、キリちゃんは目の色を変えた。

 

キリちゃん「主様が…傷ついてる…」

 

アリシア「助けてキリちゃん…キリちゃんしか頼れる人いないの…」

 

キリちゃん「…お任せ下さい主様」

 

ヒュッ…カンッ!

キリちゃんはどこからか大きな鎌を取り出した。

 

キリちゃん「私の大好きな主様を傷つける不届き者は万死に値します。この私…切り裂き魔のキリちゃんが主様に代わりて愚者を葬り去ります」

 

スタスタスタ

するとキリちゃんはなるべくアリシアから離れるようにして歩き始めた。

 

キリちゃん「私の大切な大切な大切な大切な大切な大切な大切な大切な大切な大切な大切な大切な大切な大切な大切な大切な大切な主様を傷つけるなんて…」

 

音声「特性:愛ゆえにが発動しました。切り裂き魔のステータスが上昇します」

 

キリちゃん「私の大事な大事な大事な大事な大事な大事な大事な大事な大事な大事な大事な大事な大事な大事な大事な大事な大事な主様…」

 

音声「特性:愛ゆえにが発動しました。切り裂き魔のステータスが上昇します」

 

キリちゃん「主様は私のもの主様は私のもの主様は私のもの主様は私のもの主様は私のもの主様は私のもの主様は私のもの主様は私のもの!!」

 

カンッ!ビュォォォォォォォォ!

キリちゃんが鎌を地面に突き立てると、キリちゃんの周囲に風が発生した。

 

音声「特性:愛ゆえにが発動しました。切り裂き魔のステータスが上昇します」

 

キリちゃん「主様は私のもの…他の誰でもない私だけのもの…そんなただ1人の主様…それを傷つけるなんて…」

 

キンッ!

キリちゃんは鎌を構えた。

 

キリちゃん「私が許さない!!」

 

音声「特性:愛ゆえにが発動しました。切り裂き魔のステータスが上昇します」

 

キリちゃん「切り裂き鎌!!」

 

ビュンビュンビュンビュンビュンビュンビュンビュン!!

するとキリちゃんがその場で回転し始めた。

 

キリちゃん「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

キィン!!

すると突然、キリちゃんの回転が止まった。

 

ロザリー「…?」

アリシア「…?」

 

ビュンビュンビュンビュンビュンビュンビュンビュン!!

するとキリちゃんから緑色の斬撃が飛んできた。

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

キリちゃんの斬撃は歴戦の塔の内部をことごとく破壊していった。

 

ロザリー「な…何よあの子…」

アリシア「キリちゃん…」

 

キリちゃん「…姿を見せてください。あなたが目の前にいるのは分かっていますよ」

 

ビリビリ…ビリビリビリビリ…

するとキリちゃんの目の前に人型のモンスターが現れた。

 

キリちゃん「あなたですか。私の主様を傷つけたのは」

 

カスミビト「…さぁな」

 

ビキッ!

キリちゃんはその言葉で完全にキレた。

 

キリちゃん「じゃあ死ね!!」

 

ビュン!ズシャッ!!

キリちゃんの言葉を聞いて人型のモンスターがその場から逃げようとしたが、それよりも速くキリちゃんが人型のモンスターの首を切った。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

すると人型のモンスターが消えていった。

 

キリちゃん「…嘘をつく人は嫌いです。嘘にまみれた関係はいずれ破綻します」

 

アリシア「キリちゃん…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

すると第8階層に続く魔法陣が展開された。

 

アリシア「キリちゃん!」

 

ギュッ!!

アリシアはキリちゃんを強く抱きしめた。

 

キリちゃん「あ、主様!?」

 

アリシア「ありがとうキリちゃん!キリちゃんのおかげで勝てたよ!!ありがとう!!」

 

キリちゃん「あ…主様…」

 

音声「特性:褒め言葉が発動しました。キリちゃんとの信頼度が上昇しました」

 

キリちゃん (主様…好き…)

 

ギュゥゥゥゥゥゥ…

キリちゃんも強く抱きしめた。

 

ロザリー「何…?この百合は」

 

こうしてアリシアとロザリーは第8階層に入ることができた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…歴戦の塔 第8階層

 

ロザリー「さぁ!いくよアリシア!」

 

アリシア「うん!」

 

フェニックス「キャァァァァァァァァァ!!!」

 

第8階層のボスは炎を纏った鳥のモンスターだった。

 

アリシア「召喚!ムクロ!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

するとムクロが魔法陣から出てきた。

 

ムクロ「…アリシアか」

 

アリシア「ムクロ!一緒にあいつをやっつけて!」

 

ムクロ「…あぁ。分かった」

 

キィィィィィィィン…

ムクロはゆっくりと刀を抜いた。

 

ムクロ「アリシアはそこにいろ。守ってやるから」

 

アリシア「分かった!頑張って!ムクロ!」

 

ムクロ「…あぁ」

 

フェニックス「キャァァァァァァァァァ!」

 

ムクロ「アリシアの命令だ。お前はここで落とさせてもらうぞ」

 

フェニックス「キャァァァァァァァァァ!」

 

ムクロ「霧の刃」

 

ヒュォォォォォォォォ…

するとムクロの姿が消えた。

 

ヒュッ…

そしてフェニックスの背後に現れた。

 

ムクロ「つるぎの舞」

 

ビュン!ズシャシャシャシャシャシャ!

ムクロが放ったいくつもの斬撃がフェニックスを襲った。

 

フェニックス「キャァァァァァァァァァ!」

 

ボボッ…

だがフェニックスの体は炎でできており、ムクロの斬撃は無効だった。

 

ムクロ「ほぅ。実体のないやつか」

 

スタッ!

ムクロは綺麗に着地した。

 

ムクロ「アリシア」

 

アリシア「何?」

 

ムクロ「…あいつを一撃で葬る。バフをかけてくれ」

 

アリシア「分かった!頑張れぇぇぇぇぇぇ!!ムクロォォォォォォォォォ!!」

 

音声「特性:応援が発動しました。骸の武士のステータスが上昇します」

 

ムクロ「…さて、こちらも準備をするか」

 

キンッ!

ムクロは刀を顔の目の前まで持ってきた。

 

ムクロ「お前はここで負ける。私の刀とその所有者であるアリシアによって」

 

ビュン!

ムクロはフェニックスの目の前まで移動した。

 

ムクロ「死の告知(アブズ・ギブズ)

 

ズシャッ!!

ムクロの攻撃がフェニックスに見事命中した。

 

フェニックス「キャァァァァァァァァァ!!」

 

フェニックスは攻撃が通ったことに驚いていた。

 

ムクロ「去れ」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

するとフェニックスの姿が消えた。

 

ムクロ「…簡単だな」

 

アリシア「ありがとうムクロ!」

 

ムクロ「いや、俺はやつを倒しただけ。それ以上のことはしていない」

 

ロザリー「いや、モンスターを倒すだけでもお手柄なのに…」

 

ムクロ「…そうか」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

ムクロは姿を消した。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

すると第9階層に続く魔法陣が展開された。

 

ロザリー「あと2つ!いくよアリシア!」

 

アリシア「うん!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…歴戦の塔 第9階層

 

ロザリー「…なるほど。次は大人数で勝負なのね」

 

影の剣士「…」

影の槍術士「…」

影の魔法使い「…」

影の戦士「…」

影の拳闘士「…」

 

第9階層は登録されている職業のコピーがボスとなって登場している。

 

アリシア「結構たくさんだね…」

 

ロザリー「ねぇアリシア」

 

アリシア「何?」

 

ロザリー「…これはアリシアも頑張ってもらわないと」

 

アリシア「え?」

 

ロザリー「こんなに大勢じゃ私たちだけで倒すのは難しいかも。だからアリシアのモンスターたち全員に手伝ってもらうの」

 

アリシア「なるほど!いいよ!それでいこう!」

 

ロザリー「よしっ。じゃあみんなを呼んで!」

 

アリシア「みんな出てきてー!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

するとスラちゃんたち全員が出てきた。

 

アリシア「召喚!プニちゃん!キリちゃん!ゴロちゃん!ムクロ!三つ首!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

すると5体のボスモンスターが魔法陣で転送された。

 

プニちゃん「よぉし!暴れるぞー!」

 

キリちゃん「はぁ〜主様ぁ〜」

 

ゴロちゃん「…」

 

ムクロ「ほぅ。次は楽しめそうだ」

 

雷首「ガッハハハハ!!俺が壊してやる!」

氷首「待て待て!俺がやる!」

火首「俺が一番だ!!」

 

アリシアのモンスターが勢揃いした。

 

アリシア「みんな!一気にやっつけるよ!」

 

スッ…カチャ!

アリシアは持ち物から第一特異点 アルマ・マドラの魔玉と第一特異点 アルマ・マドラ 一式を取り出して装備した。

 

ロザリー「よしっ!私も暴れるわ!」

 

アリシア「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ギュォォォォォォォォォォ!!

アリシアは両掌に2つの魔力玉を作り出した。

 

アリシア「これでもくらえー!」

 

バゴォォォォォォォォォォン!!

アリシアは2つの魔力玉を合わせて光線として放った。

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

アリシアの光線は前方を薙ぎ払うようにして放たれた。そして大多数の影のモンスターを倒すことができた。

 

アリシア「よしっ!」

 

ジジジ…バリバリバリバリ!!

ロザリーのロンギヌスの槍が赤い雷を纏った。

 

ロザリー「はぁぁぁぁぁぁっ!!赤雷!!」

 

ビュン!バゴォォォォォォォォォォン!!

ロザリーはロンギヌスの槍を投擲して一直線上の前方の敵を一掃した。

 

ダダダダダダダダダダダダダ!!!

スラちゃんたちが一斉に走り出した。

 

ビュン!ビュン!ビュン!ズシャッ!!

スザクは持ち前のスピードを活かして影のモンスターを次々に倒していった。

 

プニちゃん「いっくよー!」

 

ブンブンブンブンブン!

プニちゃんが腕を振り回し始めた。

 

プニちゃん「やぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ビュン!ドゴォン!

プニちゃんは腕を振り回した後に腕を伸ばして攻撃した。

 

キリちゃん「主様のため…主様のため!!」

 

ズシャシャシャシャシャシャ!!

キリちゃんは目にも止まらぬ速さで切り刻んでいった。

 

ゴロちゃん「…」

 

ブンブンブンブンブンブンブン!

ゴロちゃんもプニちゃんと同じように腕を振り回し始めた。

 

ゴロちゃん「…」

 

ビュン!ドゴォン!

ゴロちゃんは腕を振り回した後、腕を伸ばして攻撃した。

 

ムクロ「つるぎの舞」

 

キィン!!ズシャシャシャシャシャシャ!

ムクロはつるぎの舞を使って敵を一掃した。

 

雷首「カァァァァァァァァァァァッ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

バゴォォォォォォォォォォン!!

三つ首は3つのブレスを融合させて敵を薙ぎ払った。

 

アリシアたちは自分の持つスキルをフル活用し、影のモンスターを全て倒しきった。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

ボスモンスターを全て倒し切ると、第10階層へ続く魔法陣が展開された。

 

ロザリー「…いよいよ最後だね。アリシア」

 

アリシア「…うん」

 

ロザリー「…いくよ」

 

アリシア「…うん」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

アリシアとロザリーは第10階層に転送された。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…歴戦の塔 第10階層

 

ロザリー「…とうとう来たね」

 

アリシア「うん」

 

ロザリー「さて…最後はどんなモンスターが現れるのやら」

 

アリシア「!!」

 

アリシアは自分たちの目の前に立っている人物に気づいた。

 

ロザリー「えっ…あれって…」

 

アリシア「嘘っ…そんな…」

 

その人は見覚えのある白い獣のような耳と尻尾を持ち、顔には面布がかかっていた。

その人はかつてアリシアと一緒に冒険し、いつでもアリシアの力となった人物だった。

 

ロザリー「な…なんでこんなところに…削除されたって…」

 

アリシア「な…なんでここにいるの…コハク…」

 

コハク「…」




〜物語メモ〜

歴戦の塔(各階層のボスモンスター)
第1階層:スライム
第2階層:ドラゴン
第3階層:花の妖精
第4階層:武神機
第5階層:雷雲
第6階層:ミミ&リリ
第7階層:カスミビト
第8階層:フェニックス
第9階層:影のモンスター(各職業)
第10階層:コハク

スキル:赤雷
ロザリーが使ったスキル。槍を振り回すことで槍に赤い雷が発生し、投擲することで赤い雷と共に一直線に飛ぶ。

スキル:四獣剣技 夜桜乱撃
スザクが使ったスキル。2つの剣をクロスさせたあとに目にも止まらぬ速さで敵を切り刻む。スザクのスピードがあってこその技。

スキル:切り裂き鎌
キリちゃんが使ったスキル。キリちゃんがその場で回転することで見えない剣気が生成され、キリちゃんが回転を止めると、生成された剣気が一気に周囲に拡散される。


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第10話 歴戦の塔 第10階層 コハク戦

場所…歴戦の塔 第10階層

 

ロザリー「な…なんでこんなところに…削除されたって言ってたじゃない…」

 

アリシア「な…なんでここにいるの…コハク…」

 

コハク「…」

 

ピコン

するとアリシアとロザリーの目の前に画面が表示された。

 

アリシア「何これ…参加者…?」

 

ロザリー「アリシア!これマルチでやるやつだよ!」

 

アリシア「マルチ?」

 

ロザリー「そう!私たちだけじゃなくて他のプレイヤーと一緒に戦うの!」

 

アリシア「え、でも私たちだけしかいないよ?」

 

ロザリー「もしかしたらこの階層にチャレンジする人とランダムで戦うことになるのかも…」

 

アリシア「えっ…知ってる人がいいなぁ…」

 

ピコン!ピコン!ピコン!

すると参加者が3名増えた。

 

アリシア「あ!誰か来たよロザリー!」

 

ロザリー「誰?えっ!この名前…」

 

アリシア「!!」

 

アリシアとロザリーの画面に表示された名前にはライン、スレッド、マートンと書かれていた。

 

アリシア「ラインさんって確かイベント第1位の…」

 

ライン「そう。僕がラインだよ」

 

アリシア「!」

ロザリー「!」

 

ラインの声はアリシアとロザリーの背後から聞こえた。2人はその声に反応して後ろを振り返った。

 

ライン「まさか君たちの方が早いとはね」

 

アリシア「あ、ラインさん」

 

スレッド「俺もいるぞ」

 

マートン「僕もね」

 

第1回 イベント第1位のラインと第2位のスレッド、第3位のマートンが顔を揃えて立っていた。

 

ロザリー「もしかして3人でチーム組んでたの?」

 

ライン「そう。第1回のイベントからね」

 

アリシア「そうなんですね!」

 

ライン「…それで、最後の階層はあいつか」

 

ラインはコハクを見た。

 

コハク「…」

 

コハクは依然として動かなかった。

 

ライン「この画面を見る限り、人数が満たされるまで待つ感じだね」

 

ロザリー「となると周回に時間がかかりそう…」

 

ライン「その分ポイントが多いなら問題ないけどね」

 

ロザリー「確かに」

 

ライン「スレッド、マートン」

 

スレッド「ん?」

マートン「何?」

 

ライン「あいつ、倒せる自信ある?」

 

スレッドとマートンはコハクを見た。

 

スレッド「うーん…どうだろうな」

 

マートン「人数を集めるってことは相当強いんだよね…」

 

ライン「僕は一度、あいつと戦ったことがある」

 

スレッド「どうだった?」

 

ライン「…正直、時間切れがなかったらやられてたよ」

 

マートン「ラインでやられるのか」

 

ライン「うん。あの時は本当にギリギリの戦いだったよ」

 

スレッド「じゃあちょっと難しいな」

 

ピコン!ピコン!ピコン!ピコン!ピコン!

するとどんどん人数が増えてきた。

 

マリン「あれ、もう人がいるよ?」

 

ミィ「確かに。私たちが一番かと思ってたのに」

 

ミズキ「惜しかったね」

 

リィ「でもまだ始まってなさそうだよ?」

 

ローズ「そうね。まだ始まってなさそうよ」

 

第1回 イベント第4位のマリン、第5位のミィ、第6位のミズキ、第7位のリィ、第10位のローズが現れた。

 

アリシア「わっ!いっぱい来たよロザリー!」

 

ロザリー「そ、そうね…」

 

ミィ「あ、あなたは確か第1回 イベント第8位の…」

 

アリシア「はい!アリシアといいます!」

 

ローズ「これってまだ始まってないの?」

 

アリシア「はい!どうやら人数が満たされるまで始まらないそうです」

 

ローズ「となると時間かかりそうね」

 

ミズキ「おまけに相手も強そうだよ」

 

ピピッ!

すると画面が切り替わった。

 

アリシア「ん?挑戦者名簿?」

 

ピピピピピピピピピピ

すると画面には上から

アリシア

ロザリー

ライン

スレッド

マートン

マリン

ミィ

ミズキ

リィ

ローズ

と名前が表示された。

 

ピピッ

そしてまた画面が切り替わった。その画面には「挑戦しますか」という文字が書かれていた。

 

アリシア「何これ、挑戦しますか?」

 

ロザリー「それで挑戦するを押せば戦闘が始まるよ」

 

アリシア「えっ?すぐに始まる?」

 

ロザリー「それは見ないと分からないかな」

 

アリシア「えーっと…みなさん…いけますか?」

 

ライン「あぁ」

スレッド「よっしゃ!やるぜ!」

マートン「うん」

マリン「いいよ!」

ミィ「頑張るよ!」

ミズキ「はい」

リィ「うん!いいよ!」

ローズ「準備万端」

 

ロザリー「私もいけるよ。アリシア」

 

アリシア「よしっ!じゃあいきます!」

 

ピッ

アリシアは「挑戦する」のボタンを押した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…歴戦の塔 第10階層

 

音声「挑戦するを確認しました。武器を装備してください」

 

アリシア「よしっ!いくよ!」

 

カチャ!

アリシアは堕天使の短剣と見切りの盾を装備した。

 

ロザリー「私だって頑張るよ!」

 

ヒュッヒュッヒュッヒュッヒュッ…コンッ!

ロザリーはロンギヌスの槍を装備した。

 

ライン「僕たちもやろうか」

 

スッ…

ラインは天明ノ剣を装備した。

 

スレッド「俺の攻撃に耐えてみな」

 

ゴンッ!!

スレッドは巨人の大剣を装備した。

 

マートン「僕の魔術もここでお披露目だね」

 

ブゥン…ブゥン…

マートンは双子の魔導書を装備した。

 

マリン「私の魔法の方が強いよ!」

 

スッ!

マリンは大魔道士の杖を装備した。

 

ミィ「さて、今度は何発でも叩き込むよ」

 

カチャ…カチャ…

ミィは熱線砲を装備した。

 

ミズキ「私も今度の敵は本気でやらないとね」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!!

ミズキは導きの大旗を装備した。

 

リィ「私はみんなの盾になるよ」

 

ガンッ!!

リィは円卓の大盾を装備した。

 

ローズ「私も。何かあった時のために色々と準備しておくね」

 

スッ…

ローズは御札を取り出した。

 

音声「プレイヤーの戦闘準備が整ったことを確認しました。戦闘開始です」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

コハク「…」

 

スタッ…スタッ…スタッ…

するとコハクがゆっくりと動き出した。

 

ライン「来るぞ!みんな気を抜くな!」

 

マリン「分かってるよ!ミズキ!リィ!ローズ!」

 

ミズキ「任せて!」

リィ「分かった!」

ローズ「いくよ」

 

ザッ!

ミズキ、リィ、ローズはみんなの前に立った。

 

ミズキ「パワーアップ!!」

 

音声「スキル:パワーアップが発動しました。全プレイヤーの攻撃力が上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

アリシアたちの攻撃力が2倍になった。

 

アリシア「わっ!すごい!」

 

ロザリー「これ…相当強いスキルね…」

 

ミズキ「まだまだ!ガードアップ!!」

 

音声「スキル:ガードアップが発動しました。全プレイヤーの防御力が上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

アリシアたちの防御力が2倍になった。

 

リィ「次は私!」

 

ゴンッ!!

リィは円卓の大盾を地面に突き刺した。

 

リィ「身代わり!!」

 

音声「スキル:身代わりが発動しました。全プレイヤーが受けるダメージが全てリィに向けられました」

 

ローズ「私も」

 

ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!

ローズは持ってた御札を地面に投げて設置した。

 

ローズ「トラップ展開!」

 

音声「スキル:トラップが発動しました。御札に爆発トラップの効果が付与されました」

 

コハク「…」

 

アリシア「…コハク…」

 

ビュン!

するとコハクは一瞬にしてその場から姿を消した。

 

ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!

コハクはローズが展開したトラップを無視して突っ込んできた。

 

ロザリー「アリシア!!」

 

アリシア「!!」

 

アリシアが気づいた時にはコハクが目の前に立っていた。

 

ロザリー「アリシア!!逃げて!!」

 

ドゴォン!!

コハクはアリシアに攻撃した。

 

アリシア「がはっ…」

 

ドサッ…

アリシアはその場に倒れた。

 

スッ…

アリシアの体力が一瞬で0になった。

 

音声「プレイヤーの体力が0になりました。離脱します」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

アリシアは塔の外に転送された。

 

ロザリー「アリシアーーー!!!」

 

ライン「はぁっ!!」

 

ビュン!

ラインはコハクに斬りかかった。だがコハクには攻撃は当たらなかった。

 

ライン「くっ…こんなに早く落ちるとは思わなかった」

 

スレッド「だが見たかライン。今の攻撃」

 

ライン「…」

 

マートン「あれ、まともなモンスターじゃないよ。10人いても勝てるかどうか…」

 

ライン「確かに…前に見た時よりも強いかも…これは勝機が見えない…」

 

マリン「炎撃!!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

マリンは火属性魔法を放った。

 

コハク「…」

 

ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!

コハクは全く避けようとはせず、マリンの攻撃を全て受けた。

 

マリン「やった!」

 

ミィ「放射熱弾 装填!」

 

カチャ!カチャ!

ミィは攻撃するための準備をしていた。

 

ミィ「高出力熱光線!!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

ミィは重火器を装備しており、その火力は地面をえぐるほどだった。

 

コハク「…」

 

スッ…

コハクは熱光線に掌を向けた。

 

コハク「 "邪魔" 」

 

キィン!ドゴォォォォォォォォォォン!!

するとミィが放った熱光線がコハクの目の前で急激に角度を変えて天井に当たった。

 

ミィ「えっ…嘘っ…」

 

マリン「何あれ!?攻撃が当たってない!」

 

ライン「あれはなんだ…初めて見た…」

 

マートン「死者の怨念!!」

 

ズォォォォォォォォォ…

コハクの足元が紫色に変色し、そこから無数の手が伸びてきた。

 

マートン「これで拘束する!」

 

ガシッ!ガシッ!ガシッ!ガシッ!ガシッ!

伸びてきた手がコハクを掴み、拘束した。

 

マートン「スレッド!!」

 

スレッド「任せろ!」

 

ダッ!

スレッドは大きな剣を抱えて走った。

 

ミズキ「ブレイク!」

 

音声「スキル:ブレイクが発動しました。スレッドに防御力無視の効果が付与されます」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

スレッドに防御力無視の効果が付与された。

 

スレッド「っしゃあ!!いくぜっ!!」

 

ビュン!

スレッドは飛び上がった。

 

ライン「っ…」

 

ラインたちはスレッドを見ていた。

 

スレッド「破壊の一撃!!」

 

ドゴォォォォォォォォォォン!!

スレッドの攻撃はコハクに当たった。その際地面が大きく揺れた。

 

ローズ「すごい攻撃だね」

 

ミィ「うん。私たちなら一発で終わってたよ」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

コハクの周囲は煙で包まれていた。

 

スレッド「よっと」

 

スタッ!

スレッドはその場から離脱し、ラインの近くに着地した。

 

ライン「どうだったスレッド」

 

スレッド「手応えはあった。攻撃する直前に付与してくれた効果のおかげかもな」

 

ライン「…そうか」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

やがて煙が晴れてきた。

 

ライン「!」

スレッド「!?」

 

その場にいる人が全員驚いていた。

 

コハク「…」

 

コハクは全くの無傷だった。

 

スレッド「おいおい嘘だろ!?無傷ってこたぁねぇだろ!!」

 

コハク「…」

 

ブチッ!!ブチッ!!

コハクは自分を拘束している手を引きちぎった。

 

ズシャッ!ズシャッ!

腕が引きちぎられたことで、それを操っていたマートンがダメージを受けた。

 

マートン「あがっ!!」

 

ドサッ!

マートンは地面に膝を着いた。

 

ミズキ「大丈夫!?今回復させるから!!」

 

マートン「くっ…」

 

コハク「…」

 

コハクはじっと立ったままだった。

 

スレッド「こいつ…本気かよ…」

 

ミズキ「回復!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

マートンの体力が回復した。

 

スレッド「なぁライン」

 

ライン「何?」

 

スレッド「これ…勝機あるか?」

 

ライン「っ…」

 

コハク「…」

 

バッ!

コハクは手を大きく広げた。

 

ライン「何か来るっ!」

 

ギュォォォォォォォ!バゴォォォォォォォォン!!

大きく手を広げたあとに掌をラインの方に向けると、一瞬で気弾が生成され、放たれた。

 

ライン「なっ!?」

スレッド「嘘だろ!?」

 

リィ「ミズキ!防御を!」

 

ミズキ「分かった!ガードアップ!!」

 

音声「スキル:ガードアップが発動しました。全プレイヤーの防御力が上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

全員の防御力が上昇した。

 

リィ (一番最初の攻撃が来る前に私は身代わりを使った。でもアリシアさんだけ何故かダメージを受けた。…でも今はみんながいる。ここで私が盾にならないと!)

 

ザッ!

リィはコハクが放った気弾の前に立った。

 

リィ「天使の守護!!」

 

ガンッ!!

リィは地面に盾を突き刺した。

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

するとロザリーたちを全員覆えるくらいに大きな結界が展開された。

 

リィ「これで防げたら…」

 

バゴォォォォォォォォン!!

リィが結界を展開してすぐにコハクの気弾が当たった。

 

リィ「うっ…くっ…」

 

リィは何とか踏みとどまった。

 

ローズ「リィ!」

 

マリン「リィ!そのまま耐えてて!マートン!」

 

マートン「何!」

 

マリン「2人であいつを倒すわよ!」

 

マートン「無茶だ!」

 

マリン「無茶でもやるの!このまま負けるなんてごめんよ!」

 

バッ!

マリンはコハクに杖を向けた。

 

マリン「雷撃!!」

 

ゴロゴロゴロゴロ…ドゴォォォォォォォォォォン!!

マリンはコハクに雷を落とした。

 

マートン「火と水を合わせて…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

マートンは双子の魔導書から火と水の魔法を使った。

 

マートン「双極電磁砲!!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

マートンも続いてコハクに攻撃した。

 

ドゴォォォォォォォォォォン!!

コハクは避ける様子もなく被弾した。

 

マリン「ローズ!トラップを!」

 

ローズ「分かった!」

 

スッ!

ローズは御札を取り出した。

 

ローズ「トラップ展開!」

 

バッ!

ローズはコハクの周囲に御札を設置した。

 

スゥゥゥゥゥゥゥゥ…

すると御札が地面と同化した。

 

スレッド「ライン!俺たちもやるぞ!」

 

ライン「分かった」

 

ダッ!

ラインとスレッドは二方向から攻めた。

 

スレッド「はぁぁぁぁぁっ!」

ライン「はぁぁぁぁぁぁっ!」

 

スレッド「破壊の一撃!!」

ライン「天明の剣(アルテリアソード)!!」

 

バゴォォォン!!ドゴォォォン!!

スレッドとラインの連携攻撃が当たった。

 

ミィ「砲弾装填!」

 

ガコン!ガコン!

ミィの武器が勝手に砲弾を装填した。

 

ミィ「発射!!」

 

ドォン!ドォン!

ミィは2発の砲弾を放った。

 

ドゴォン!!ドゴォン!!

2発の砲弾は見事命中した。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

コハクの周囲は煙が立ち込める。

 

ライン「これで何とかできたらいいが…」

 

ギュォォォォォォォ!バゴォォォォォォォォン!!

やがてコハクの気弾が爆発した。

 

ピシッ!!パリン!!

リィが展開した結界が破壊された。

 

リィ「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 

ライン「こっちは何とか耐えたみたいだな…」

 

マリン「ありがとうリィ」

 

リィ「ギリギリだったよ…さっきの爆発で終わってよかった」

 

ザッ…ザッ…ザッ…

煙の中からコハクが歩いて出てきた。

 

スレッド「なっ!?」

 

マートン「これでもダメなのか…」

 

マリン「何よあいつ…」

 

ミィ「流石に強すぎだよ。修正入れるべき!」

 

リィ「確かに…攻撃、防御のどちらも申し分ない…」

 

ローズ「しかも設置したトラップをもろともしない…」

 

ミズキ「こんなの…」

 

ロザリー「コハクーーーーー!!!!」

 

ライン「!」

スレッド「!」

マートン「!」

マリン「!」

ミィ「!」

ミズキ「!」

リィ「!」

ローズ「!」

 

ロザリーがいきなり大声でコハクを呼んだ。

 

コハク「…」

 

ロザリー「あんたよくも…よくもアリシアを!!アリシアはあんたの主でしょうが!!こんなところで…」

 

ジジジ…バリバリバリバリバリ!!

ロザリーのロンギヌスの槍が雷を纏い始めた。

 

ロザリー「こんなところで何してるのよ!!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

ロザリーはロンギヌスの槍を振り回し始めた。

 

ロザリー「はぁぁぁぁぁっ!!赤雷!!」

 

ビュン!バゴォォォォォォォォン!!

ロザリーはロンギヌスの槍を投擲した。

 

コハク「…」

 

ドゴォォォォォォォォォォン!!

ロザリーのロンギヌスの槍は見事コハクに命中した。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

コハクの周囲に煙が立ち込める。

 

ヒュッ!

するとロンギヌスの槍が自動的にロザリーのところに戻ってきた。

 

パシッ!ヒュッヒュッヒュッ!コンッ!

ロザリーはタイミングよくキャッチして槍を地面に突き刺した。

 

ロザリー「あろうことか主を攻撃して!あんたには忠誠心はないの!?」

 

コハク「…」

 

スタスタスタ

煙の中からコハクが姿を現した。

 

スレッド「おいおいガチかよ…」

 

ライン「あれで倒れないとなると相当骨が折れるよ…」

 

ロザリー「どうなのよ!コハク!!」

 

コハク「…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…歴戦の塔 入り口

 

アリシア「…」

 

アリシアは一人で壁にもたれて座っていた。

 

アリシア「コハク…」

 

アリシアは最終ボスがコハクだったことにショックを受けていた。

 

アリシア「ごめんねコハク…私が不甲斐ないばっかりに…あなたに無理させてしまったのかも…」

 

アリシアは今までコハクに頼りきりだったことに対して謝罪した。

 

アリシア「ごめん…コハク…ごめんね…」

 

シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!

すると複数人が歴戦の塔の外に転送された。

 

ライン「なっ!」

スレッド「ここって…」

マートン「入り口みたいだね」

マリン「嘘っ!?またやり直し!?」

ミズキ「いや、また戻れるみたいだよ」

ローズ「あんなのどうしろって言うのよ…」

ミィ「強すぎだよ…」

 

ライン「でもリィとロザリーは残ってるみたいだ。これが全滅してたら挑戦できなかったかもね」

 

マリン「なら早く戻ろっ!戻ってあいつを倒さなきゃ!」

 

スレッド「当たり前だ!」

 

シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!

マリンたちはまた第10階層に入った。

 

アリシア「みんな…すごいなぁ…」

 

ザッザッザッ…

するとアリシアに気づいて近づいてきた一人のプレイヤー。

 

ミズキ「ねぇ、あなたは行かないの?アリシアさん」

 

アリシア「!」

 

そう。アリシアに唯一気づいたのはミズキだった。

 

アリシア「あなたは…」

 

ミズキ「ミズキよ。ねぇあなた。なんで戻らないの?」

 

アリシア「…だって…コハクは私の…」

 

ミズキ「私の…何?」

 

アリシア「…メンテナンスがあった日にコハクが私の仲間から削除されたんです」

 

ミズキ「!」

 

アリシア「すごく頼れる子でした。でも不具合か何かで仲間から強制的に削除されて…それがこのボスだなんて…」

 

ミズキ「…そっか。悲しかったんだね」

 

アリシア「…はい。私は…あの子に攻撃できません…」

 

ミズキ「…でも話し合いでは解決しないよ」

 

アリシア「…はい。分かってます。でも…」

 

ミズキ「…でも、ちゃんと思いはぶつけた方がいいと思うよ」

 

アリシア「…」

 

ミズキ「人間ってテレパシーが使えないから言葉として相手に伝えるの。言わなくても分かるでしょって意味分からない。言わなくても伝わるなら私たちに口は必要ない。じゃあ何で必要か。言葉として伝えるためだよ」

 

アリシア「…」

 

ミズキ「…ロザリーは必死に呼びかけてたよ」

 

アリシア「!!」

 

ミズキ「何でこんなことしてるのとか。アリシアはあなたの主でしょとかね。全てあなたの事を話してる」

 

アリシア「ロザリー…」

 

ミズキ「あなたも伝えてみたらどう?言葉が無理なら戦って勝つしかない」

 

アリシア「っ…」

 

ミズキ「…私は先に行ってるから。みんな待ってるし、コハクって人もあなたの事を待ってるかもしれない。だから来て」

 

シュッ!

ミズキは第10階層に入った。

 

アリシア「…コハク」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…歴戦の塔 第10階層

 

シュッ!

ミズキが第10階層に入った。

 

スレッド「遅ぇぞミズキ!」

 

ミズキ「ごめん!」

 

ミィ「あの子、どうだった?」

 

ミズキ「…分からない。でも言いたいことは言えた。あとはあの子次第ね」

 

ミィ「…そっか」

 

ライン「はぁっ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!

ラインは素早く斬りつける。だがコハクには当たらない。

 

スレッド「どりゃぁ!!」

 

ドゴォン!!

スレッドは自慢の武器で豪快に攻撃する。

 

マリン「水撃!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

マリンは水属性魔法を放った。

 

マートン「風神!雷神!」

 

ビュォォォォォォォォ!ドゴォォォォォォォォォォン!!

マートンは双子の魔導書から風と雷属性魔法を出した。

 

ミズキ「パワーアップ!!ガードアップ!!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

全員の攻撃力と防御力が上昇した。

 

リィ「身代わり!!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

リィは全員のダメージを引き受けた。

 

ローズ「トラップ発動!爆破!」

 

ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!

ローズが仕掛けたトラップが次々に起動した。

 

ミィ「熱砲線!!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

ミィは極太の熱線を放った。

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

コハクはラインたちの攻撃を華麗に避けていく。

 

ライン「くっ…」

 

スレッド「ふざっけんなっ!!」

 

ビュン!

スレッドは大きく剣を振ったが当たらなかった。

 

マリン「土撃!」

 

ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!

マリンはコハクに土属性魔法を放った。

 

ザッ!グググッ…

コハクは立ち止まって拳を握った。

 

コハク「…」

 

ビュン!バゴォォォォォォォォン!!

コハクは握った拳を前に突き出した。すると、マリンが放った土属性魔法が全て粉々にされた。

 

マリン「くっ…!」

 

マートン「まだまだ!雷撃!!」

 

ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!

マートンは続けて雷属性魔法を放った。

 

コハク「…」

 

ビュン!

コハクはマートンに狙いを定めた。

 

マートン「しまっ…」

 

リィ「守護神!!」

 

ガンッ!!

リィはマートンの目の前に立った。

 

音声「スキル:守護神が発動しました。一定時間、被ダメージが1/10に下がります」

 

マートン「!」

 

ドゴォォォォォォォォォォン!!

コハクの拳は間一髪のところでリィの盾に当たった。

 

リィ「ぐっ…重いっ…」

 

コハクの攻撃は強かった。

 

マートン「あ、ありがとう…リィさん」

 

リィ「お礼は…あとだよ…早く…ここから…」

 

マートン「うん!」

 

ダッ!

マートンはすぐに離れた。

 

リィ「うっ…くっ…このっ…ままじゃ…」

 

グググッ…ドゴォン!!

やがてリィはコハクの拳に負けて盾ごと地面に叩きつけられた。

 

リィ「がぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

リィは円卓の大盾に押し潰されてしまった。

 

マリン「リィ!氷撃!!」

 

パキパキパキ!ビュン!ビュン!ビュン!

マリンは氷属性魔法を使って氷の槍を作り出し、コハクに放った。

 

ビュン!ビュン!ビュン!

コハクはその場から離れた。

 

マリン「リィ!大丈夫!?」

 

リィ「ごめん…大丈夫じゃないかも…」

 

マリン「ミズキ!リィの回復を!」

 

ミズキ「分かった!」

 

コハク「…」

 

ビュン!

コハクはマートンに狙いを定めた。

 

リィ「待って…マートンが…」

 

マートン「!?」

 

マートンは突然目の前にコハクが現れたせいで反応が遅れた。

 

マートン「くっ…」

 

マートンは双子の魔導書を使ってガードした。

 

ビュン!ドゴォン!!

コハクはそんな防御もお構い無しに攻撃した。

 

マートン「うぐっ…」

 

ドサッ…

マートンはその場に倒れた。

 

スレッド「マートン!!」

 

音声「体力が0になりました。離脱します」

 

シュッ…

マートンは歴戦の塔の外へ転送された。

 

スレッド「てめぇぇぇぇぇぇ!!」

 

ビュン!ガンッ!!ビュン!ビュン!

スレッドはコハクに剣を振った。だがコハクに一向に当たらない。

 

スレッド「クソッ!クソッ!クソッ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!

スレッドは何度も攻撃する。

 

コハク「…」

 

グググッ…

コハクは拳を握った。

 

スレッド「これでもどう…」

 

ドゴォン!!

コハクはスレッドの隙をついて攻撃した。

 

スレッド「あがっ…」

 

ドサッ!

スレッドもその場に倒れた。

 

ライン「スレッド!」

 

音声「体力が0になりました。離脱します」

 

シュッ…

スレッドも歴戦の塔の外へ転送された。

 

ライン「くっ…」

 

コハク「…」

 

マリン「あんなの…勝てっこないよ…」

 

ローズ「強すぎる…」

 

ミィ「確かに最後のボスとしては強いけど…」

 

リィ「あれじゃだれもこの階層にチャレンジしないよ…」

 

ミズキ「リィ。回復終わったよ」

 

リィ「ありがとうミズキ」

 

ミズキ「うん。でもこのままじゃ全員やられちゃう」

 

マリン「時間制限がないから全滅するまで続くよね」

 

ローズ「くっ…」

 

ロザリー「赤雷!!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

みんなが話していると、コハクの後方からロザリーの攻撃が飛んできた。

 

ドスッ!!ドゴォォォォォォォォォォン!!

ロザリーの攻撃はコハクに命中した。

 

ライン「!!」

 

ラインはその瞬間を見逃さなかった。

 

ライン (もしかして…)

 

タッタッタッ!

ラインはマリンたちのところに行った。

 

ロザリー「コハクーーー!!」

 

ヒュッ!パシッ!

ロザリーは再臨の槍を装備した。

 

ロザリー「やぁぁぁぁぁぁっ!」

 

ズシャッ!ドスッ!ドスッ!ズシャッ!

ロザリーは再臨の槍でコハクを攻撃した。

 

コハク「…」

 

コハクは一度も避けようとはせず、全ての攻撃を受けた。

 

ライン「みんな!聞いて!」

 

ラインは自分が考えてることをマリンたちに話した。

 

マリン「えっ?ロザリーの攻撃だけ避けない?」

 

ライン「そうだ。現に今も全く避けていない」

 

ミィ「確かに…私たちの攻撃は全部避けるか弾いてるもんね…」

 

ローズ「それにあのモンスター…ロザリーには一度も攻撃してない…」

 

ミズキ「確かに…全部私たちだよね。あの時、みんなが一斉に外に出された時も」

 

リィ「あの時は防御力が高かった私だけ残ったんだよね。でもロザリーは…」

 

ライン「確かロザリーには当たらないように攻撃してた…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ー回想ー

 

ロザリー「あんたよくも…よくもアリシアを!!アリシアはあんたの主でしょうが!!こんなところで…」

 

ジジジ…バリバリバリバリバリ!!

ロザリーのロンギヌスの槍が雷を纏い始めた。

 

ロザリー「こんなところで何してるのよ!!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

ロザリーはロンギヌスの槍を振り回し始めた。

 

ロザリー「はぁぁぁぁぁっ!!赤雷!!」

 

ビュン!バゴォォォォォォォォン!!

ロザリーはロンギヌスの槍を投擲した。

 

コハク「…」

 

ドゴォォォォォォォォォォン!!

ロザリーのロンギヌスの槍は見事コハクに命中した。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

コハクの周囲に煙が立ち込める。

 

ヒュッ!

するとロンギヌスの槍が自動的にロザリーのところに戻ってきた。

 

パシッ!ヒュッヒュッヒュッ!コンッ!

ロザリーはタイミングよくキャッチして槍を地面に突き刺した。

 

ロザリー「あろうことか主を攻撃して!あんたには忠誠心はないの!?」

 

コハク「…」

 

スタスタスタ

煙の中からコハクが姿を現した。

 

スレッド「おいおいガチかよ…」

 

ライン「あれで倒れないとなると相当骨が折れるよ…」

 

ロザリー「どうなのよ!コハク!!」

 

コハク「…」

 

ヒュォォォォォォォォォォ…

コハクの雰囲気が変わった。

 

コハク「…」

 

スッ…

コハクはラインたちに両手の掌を向けた。

 

コハク「…」

 

ギュォォォォォォォ!

すると途端に大きな気弾が生成された。

 

ライン「なっ!!」

 

スレッド「でけぇ!!」

 

その大きさはみんなの身長の5倍はある。

 

コハク「…」

 

ドォン!

コハクはその大きな気弾をラインたちに向けて放った。

 

ライン「マズイ!全員!防御を…」

 

バゴォォォォォォォォン!!

ラインたちはその気弾に被弾した。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

辺りに煙が立ち込める。

 

ライン「こ…の…」

 

スレッド「ふざけやがって…」

 

音声「体力が0になりました。離脱します」

 

シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!

ラインたちは歴戦の塔の外へ転送された。

 

リィ「くっ…」

 

リィはかろうじて生き残っていた。

 

リィ「よ…よかった…なんとか…耐えた…」

 

ドサッ…ガコン!

リィは膝を着いた。その際、手から円卓の大盾が落ちた。

 

コハク「…」

 

ロザリー「コ…コハク…」

 

コハク「…」

 

コハクはロザリーの方を見た。

 

ロザリー「!」

 

ロザリーはそれに気づいた。

 

コハク「…」

 

ザッ…ザッ…ザッ…

コハクはロザリーに近づいた。

 

コハク「ロ…ザリー…」

 

ロザリー「!!」

 

コハク「主の…友達…」

 

ロザリー「コハク…」

 

リィ「離れて!!」

 

ガンッ!!

リィは円卓の大盾を地面に突き刺した。

 

リィ「シールドアタック!!」

 

ドゴッ!!

リィの攻撃はコハクに命中した。そのせいでコハクは少し後退させられた。

 

ロザリー「コハク!」

 

リィ「大丈夫!?ロザリー!」

 

ロザリー「えっ、あ、うん。でもコハクが…」

 

コハク「…」

 

ヒュォォォォォォォォォォ…

またコハクの雰囲気が変わった。

 

リィ (…来るっ!)

 

ググッ…

リィは円卓の大盾を強く握った。

 

ビュン!

コハクは一瞬でその場からリィの目の前まで移動した。

 

リィ「!?」

 

リィは突然の事で反応が遅れた。

 

リィ (しまっ…)

 

ライン「反撃(カウンター)!!」

 

キン!ドゴォォォォォォォォォォン!!

間一髪のところでラインが割って入ってきた。

 

ズサァァァァァァァァァッ!!

コハクは自分の攻撃をそのまま返されて大きく仰け反った。

 

ライン「はぁっ…はぁっ…はぁっ…危ないところだったな」

 

リィ「あ、ありがとう…」

 

コハク「…」

 

ロザリー「コハク…」

 

シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!

するとスレッドたちも次々に戻ってきた。

 

スレッド「さっきの借りを返してやるぜ!!」

 

ライン「みんな、行くよ!」

 

ー回想終了ー

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ライン「このままロザリーに攻撃させてたらいずれ勝てる」

 

マリン「でもそれじゃああの子が!」

 

ライン「でも僕たちじゃ歯が立たない。マートンとスレッドが2人ともやられた」

 

リィ「でも…」

 

ライン「勝機が見えるのは今だけ。ロザリーが攻撃して動かないでいるうちに僕たちが攻撃してあいつを倒す!」

 

ミズキ「でも…そんなに上手くいくのかな…あいつ強いし」

 

ザッザッザッ…

ラインたちが話している横で誰かが通り過ぎた。

 

ミズキ「!!」

 

アリシア「…」

 

そう。アリシアだった。アリシアはミズキに諭されて歴戦の塔に戻ってきた。

 

アリシア「…」

 

アリシアはまっすぐコハクを見つめながら歩いていた。

 

ローズ「あの子…大丈夫なのかな…」

 

ミィ「分からない…でも…」

 

ミズキ「…」

 

マリン「1人じゃ危険だよ!しかもあの子魔物使いでしょ!?ステータスが!」

 

ライン「待って」

 

マリン「!」

 

ライン「…見てみよう。僕たちじゃ何もできない。止めたとしてもあいつにやられるだろうね」

 

マリン「っ…」

 

ザッザッザッ…

アリシアはコハクの目の前まで歩いた。

 

ロザリー「!!」

 

ロザリーは歩いてくるアリシアの存在に気づいた。

 

ロザリー (アリシア!)

 

アリシア「…」

 

ザッ…

アリシアはコハクの前に立った。

 

コハク「…」

 

コハクはロザリーの攻撃を受け続けて大きくダメージを負っていた。

 

アリシア「…」

 

アリシアはコハクの顔を見た。顔は面布で隠れていて表情が分からない。

 

アリシア「…ねぇ、コハク」

 

コハク「…」

 

アリシア「こんなことやめて。私と一緒にまた冒険しようよ」

 

コハク「…」

 

アリシア「私…ずっとコハクに頼ってばっかだったね。ダンジョンに行く時もコハクは来ないのかなって思ってた。それでいざ来たらコハクに攻略を任せちゃったし…」

 

コハク「…」

 

アリシア「ごめんね…コハク…私が不甲斐ないばかりに…コハクに辛い思いさせちゃった…ごめんね…」

 

ロザリー「アリシア…」

 

コハク「…」

 

アリシア「ねぇコハク…お願いだから…こんなことやめてまた私と一緒に冒険しよ?私はコハクがいないと寂しいよ…」

 

コハク「…」

 

グググッ…

コハクは拳を握った。

 

アリシア「ねぇコハ…」

 

ドゴッ!!

コハクはアリシアに攻撃した。

 

アリシア「ごっ…」

 

ロザリー「!!」

 

ライン「!!」

マリン「!!」

ミィ「!!」

ミズキ「!!」

リィ「!!」

ローズ「!!」

 

ドサッ…

アリシアはその場に倒れた。

 

音声「体力が0になりました。離脱します」

 

シュッ!

アリシアは歴戦の塔の外へ転送された。

 

ロザリー「ア…アリシア…」

 

ロザリーはさっき起こったことを理解できなかった。

 

マリン「ちょっと…さっきの何…」

 

ライン「くっ…」

 

ミズキ「アリシア…」

 

リィ「ねぇ、これすごくマズイ気がするんだけど…」

 

ロザリー「あ、あんた…」

 

グググッ…

ロザリーは再臨の槍を強く握った。

 

ロザリー「ここまで落ちてるとは思わなかったわコハク」

 

ビリビリ…バリバリバリバリバリ!!

ロザリーの再臨の槍が雷を纏い始めた。

 

ロザリー「あなたは本当に分からせる必要があるみたいね」

 

スッ!

ロザリーは槍の先端をコハクに向けた。

 

ロザリー「あんたは2度もアリシアを倒した。…これは言い逃れできないよ。無抵抗なアリシアを…」

 

コハク「…」

 

ロザリー「あんたはやっつけたんだ。倒されても文句ないよね」

 

コハク「…」

 

ロザリー「私が今すぐコハクを倒してやる」

 

コハク「…」

 

ビュン!

ロザリーは一瞬でその場から消えた。

 

コハク「…」

 

ラインたちは目で追えなかったが、コハクはロザリーが移動した場所を目で追った。

 

ロザリー「頭を冷やしなさい!コハク!!」

 

ヒュォォォォォォォォォォ!パキパキパキパキ!!

雷を纏っていた再臨の槍が氷を纏い始めた。

 

ロザリー「氷結刺突!」

 

ビュン!

ロザリーは氷を纏った再臨の槍を投擲した。

 

コハク「…」

 

コハクは全く避ける素振りを見せなかった。

 

ドスッ!!

コハクはそのままロザリーの攻撃を受けた。

 

ズサァァァァァァァァァッ!!

コハクは少しだけ後退した。

 

コハク「…」

 

ロザリー「アリシアはあんたのことを一番に考えてたのに…あんたはそれを2回も裏切った。本当に酷いわ」

 

コハク「…」

 

ロザリー「アリシアがどんだけあんたを想ってたか…さっきの言葉で分からなかったの?コハク」

 

コハク「…」

 

ロザリー「…分からないみたいね」

 

ビュン!

ロザリーは槍を構えてコハクの懐に潜った。

 

ロザリー「はぁっ!」

 

ドスッ!!

ロザリーはコハクに攻撃した。

 

ロザリー「これはあんたがアリシアを無下にした分!」

 

ドスッ!!

ロザリーは再度攻撃した。

 

ロザリー「これはあんたが私たちを裏切った分!」

 

ドスッ!!

ロザリーは3回目の攻撃をした。

 

ロザリー「そしてこれはあんたがアリシアを傷つけた分!」

 

コハク「…」

 

コハクは少しよろめいた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ライン (よろめいた!?)

 

マリン「ライン」ヒソヒソ

 

ライン「何?」ヒソヒソ

 

マリン「…このままいけば私たちでも」ヒソヒソ

 

ライン「…分からない。勝てるかどうかは」ヒソヒソ

 

シュッ!シュッ!

スレッドとマートンが復帰してきた。

 

スレッド「チッ…あの野郎…この俺をコケにしやがって…」

 

マートン「待ってスレッド。なんか様子がおかしいよ」

 

スレッド「いいや待たない。俺はあいつをぶっ潰す。丁度あいつと話してる隙にな!!」

 

ビュン!

スレッドは武器を構えてコハクに近づいた。

 

ライン「待てスレッド!行くな!!」

 

スレッド「はぁぁぁぁぁっ!!」

 

ロザリー「!」

 

ロザリーがスレッドに気づいた時にはスレッドはコハクの背後にいた。

 

スレッド「これでもくらいやがれ!!」

 

ガンッ!!

スレッドは大きく振りかぶった。

 

スレッド「…なっ!?」

 

コハク「…」

 

だがコハクはスレッドの方を振り向いてスレッドの剣を掴んでいた。

 

スレッド (こいつ…俺の攻撃を…)

 

コハク「…」

 

ピシッ!!パキパキパキ!

するとスレッドが持っている武器にヒビが入った。

 

スレッド (マズイ!)

 

グッ!グググッ!

スレッドは何とか離れようとした。だがコハクは強く掴んでおり、一向に離れられない。

 

スレッド「クソッ!クソッ!クソッ!」

 

ライン「スレッド!」

 

タッタッタッ!

危険を察知したラインはスレッドを助けるためにコハクがいるところまで走った。

 

スレッド「てめぇ!離せ!」

 

コハク「…」

 

グググッ…

コハクは拳を強く握った。

 

スレッド「クソッ!」

 

ライン「スレッド!!」

 

ブゥン!!

コハクは拳を突き出した。

 

スレッド「!!」

 

ドゴォン!!

大きな打撃音が周囲に響いた。

 

ライン「ごふっ…」

 

ラインはスレッドを庇うように立ち塞がった。

 

コハク「…」

 

ライン「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 

スレッド「ライン!」

 

ライン「下がれスレッド…今は攻撃するな…」

 

スレッド「何故だ!隙をついて攻撃するだろ!」

 

ライン「今は下がれ!いいから!」

 

スレッド「っ…分かったよ」

 

スッ…タッタッタッ!

スレッドは武器から手を離してその場から立ち去った。

 

ライン「ぐっ…」

 

ドサッ…

ラインは膝を着いた。

 

コハク「…」

 

ライン「ゴホッ…ゴホッ…」

 

ロザリー「コハク!」

 

コハク「…」

 

ロザリー「手は出さないで!今は私と話してるでしょ!」

 

コハク「…」

 

クルッ…

コハクはロザリーの方を見た。

 

ライン「っ…」

 

スタスタスタ

ラインはゆっくりとその場から離れた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

スレッド「チッ…なんだよあいつ…」

 

マリン「今は待って」

 

スレッド「あ?」

 

マリン「私たちは機を伺ってるの。いつ攻撃すればいいかって」

 

ミズキ「無闇に攻撃したらまたやられるよ」

 

スレッド「っ…」

 

マートン「スレッド。ここは手を出さない方がいいよ」

 

スレッド「…分かってるよ」

 

ライン「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 

マリン「ミズキ!回復!」

 

ミズキ「うん!」

 

ポワァァァァァァァ…

ミズキはラインを回復させた。

 

ライン「すまない…ありがとう」

 

ミズキ「いいよ。お互い様だから」

 

ライン「っ…」

 

ラインはロザリーの方を振り向いた。

 

ミズキ「大丈夫かな…あの子…」

 

ライン「…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ロザリー「コハク。どうあってもこっちには戻ってこないんだね」

 

コハク「…」

 

コハクは返事をしなかった。

 

ロザリー「…そう。戻らないのね。なら覚悟して」

 

スッ…

ロザリーはコハクに槍を向けた。

 

ロザリー「…今から"私たちが"あんたを倒すから」

 

コハク「…」




〜物語メモ〜

歴戦の塔 第10階層
第10階層は他の階層と違って初回はマルチで参加するものとなっている。クリアすればソロでも参加できるが、クリアできなければずっとマルチで参加することになる。また、参加者は最大10人で誰に当たるかはランダムなので分からない。

ロザリー
スキル
氷結刺突…槍に氷属性を付与して投擲する


ライン(第1回イベント 第1位)
武器:天明ノ剣


スレッド(第1回イベント 第2位)
武器:巨人の大剣
スキル
破壊の一撃…相手に大ダメージを与える技。無属性のため、攻撃力依存でダメージが上がる


マートン(第1回イベント 第3位)
武器:双子の魔導書
スキル
死者の怨念…相手の足元から無数の手を召喚し、相手を拘束する。この手はマートンとリンクしているため、攻撃されるとそのままマートンはダメージを受ける。
双極電磁砲…火属性・水属性魔法を掛け合わせて放つレーザー型の魔法。
風神・雷神…風属性・雷属性魔法を掛け合わせて放つ魔法。風と雷が一気に襲いかかる。
雷撃…雷属性魔法の弾を放つ


マリン(第1回イベント 第4位)
武器:大魔道士の杖
スキル
炎撃…火属性魔法の弾を放つ
雷撃…雷属性魔法の弾を放つ
水撃…水属性魔法の弾を放つ
土撃…土属性魔法の弾を放つ
氷撃…氷属性魔法の弾を放つ


ミィ(第1回イベント 第5位)
武器:熱線砲
弾の種類
放射熱弾…高出力熱光線を放つための弾。
砲弾…ごく普通の大砲並の弾
スキル
高出力熱光線…放射熱弾を装填することで使える技。引き金を引くことで極太レーザーを放つことができる
熱砲線…一直線に放たれる極太の熱線


ミズキ(第1回イベント 第6位)
武器:導きの大旗
スキル
パワーアップ…味方の攻撃力を上昇させる
ガードアップ…味方の防御力を上昇させる
ブレイク…味方に防御力無視の効果を付与する
回復…味方の体力を回復させる


リィ(第1回イベント 第7位)
武器:円卓の大盾
スキル
身代わり…味方が受けるダメージを全て肩代わりする
天使の守護…自分を含めた全プレイヤーを覆うほどの結界を展開する。結界が大きければ大きいほど結界の防御力が低下する
守護神…一定期間、受けるダメージを1/10まで下げる
シールドアタック…盾を使って相手に打撃ダメージを与える


ローズ(第1回イベント 第10位)
武器:御札
スキル
トラップ…持っている御札に何かしらのトラップ効果を付与する。効果は様々あり、御札を設置することでトラップとして運用できる
トラップ(爆破)…仕掛けた御札を爆破させる


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第11話 2人の戦い

ロザリー「…今から"私たちが"あんたを倒すから」

 

コハク「…」

 

アリシア「ねぇ…コハク」

 

ライン「!」

マリン「!」

スレッド「!」

マートン「!」

ミィ「!」

ミズキ「!」

リィ「!」

ローズ「!」

 

先程コハクに倒されたアリシアが戻ってきていた。

 

アリシア「…私、何度でもあなたを説得するから。あなたが私たちのところに戻ってくるまで何度も」

 

コハク「…」

 

アリシア「…ロザリー」

 

ロザリー「何?」

 

スッ…

アリシアは堕天使の短剣の剣先をコハクに向けた。

 

アリシア「…やるよ。私たちでコハクを止めよう」

 

ググッ…

ロザリーは槍を強く握った。

 

ロザリー「…えぇ。そうしましょう」

 

コハク「…」

 

ヒュッ!ガンッ!!

コハクはスレッドに向けて巨人の大剣を放り投げた。

 

スレッド「!」

 

コハク「…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「召喚!ムクロ!三つ首!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!!

ムクロと三つ首が召喚された。

 

ムクロ「呼んだか。アリシア」

 

雷首「ガッハハハ!今度はどいつだぁ!?」

氷首「雷!相手はコハクだぞ!」

火首「あいつか!仲間を脱退したから驚いたぞ!」

 

ライン「なっ…」

 

スレッド「おいおい!あいつは骸の武士じゃねぇか!」

 

マートン「しかももう一体は確か斬首の扉の…」

 

マリン「なんだっけ?三つ首?」

 

マートン「それだ!でもなんでここに…」

 

ムクロ「コハク。仲間を脱退したかと思えばここで何してる」

 

コハク「…」

 

アリシア「ムクロ!今のコハクには何言っても聞かないよ!」

 

ムクロ「なんだと?」

 

アリシア「私…何度もコハクに話しかけたけどその度にやられちゃって…」

 

雷首「何!?嬢ちゃんコハクに攻撃されたのか!?」

 

アリシア「う…うん…」

 

氷首「てめぇコハク!ふざけてんのか!!」

火首「お前!主に拳を振ったのか!男の風上にも置けんぞ!」

 

コハク「…」

 

雷首「嬢ちゃん任せろ!俺たちが何とかしてやる!」

氷首「あの野郎をボコボコのけちょんけちょんにしてやる」

火首「あとで火炙りだ」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

するとスザク、プニちゃんと、キリちゃん、ゴロちゃんが出てきた。

 

スザク「主様。私たちにも手伝わせてください」

 

アリシア「スザク?プニちゃんにキリちゃん、ゴロちゃんまで…」

 

プニちゃん「主!私も戦う!主を守るために戦う!」

 

アリシア「プニちゃん…」

 

キリちゃん「わ、私の主を…私の主を!!あなた許しません!!絶対に!」

 

ゴロちゃん「…」

 

アリシア「みんな…ありがとう…ありがとう…」

 

ロザリー「…アリシア。そろそろやろう」

 

アリシア「…うん!みんないくよ!!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

スレッド「なぁライン」

 

ライン「…何?」

 

スレッド「あれ…確かプニプニスライムと切り裂き魔と岩石おとこじゃねぇか?」

 

ライン「…」

 

マートン「ほんとだ…みんなダンジョンのボスだよ」

 

マリン「でも一人知らない人いるね」

 

リィ「あれは野生のモンスターだったのかな」

 

ミズキ「でもどうして…」

 

ライン「…」

 

スレッド「まさかと思うが…魔物使いって全ての魔物を従わせることができるんじゃ…」

 

マリン「嘘!?」

 

マートン「もし仮にそれが本当なのだとしたら第1層のモンスター全て仲間にできるよ」

 

スレッド「でも見てみろよ。ダンジョンのボスだったやつがアリシアと戦ってるんだぜ?」

 

リィ「確かに…」

 

ミィ「ボスモンスターは流石に反則なんじゃ…」

 

ローズ「いや、このイベントに関しては反則じゃないかも」

 

リィ「だね。むしろ好都合」

 

ライン (アリシア…君は一体何なんだ…)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「みんな頑張れぇぇぇぇぇ!!」

 

音声「特性:応援が発動しました。モンスターのステータスが上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

ムクロたちのステータスが上昇した。

 

ムクロ「つるぎの舞」

 

ビュン!ズシャシャシャシャシャシャシャ!!

ムクロが刀を振るうとコハクに向かって多数の剣気が放たれた。

 

雷首「カァァァァァァァァァァッ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

バリバリバリ!!ヒュォォォォ!!ゴォォォォ!!

三つ首は3つの属性ブレスを同時に放った。

 

スッ…バッ!

コハクは拳を握って掌を前に出した。

 

バゴォォォォォォォォン!!

コハクは正面からムクロと三つ首の攻撃を受け止めた。

 

スザク「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

キリちゃん「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!

スザクとキリちゃんはその隙をついてコハクを斬った。

 

スザク「よしっ」

キリちゃん「プニちゃんさん!」

 

プニちゃん「いっくよぉぉぉぉ!!」

 

ブンブンブンブンブンブンブン!

プニちゃんとゴロちゃんは2人で腕を回していた。

 

プニちゃん「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

ゴロちゃん「…」

 

ビュュュュュュュュュン!!ドゴォン!!

プニちゃんとゴロちゃんは腕を回した後にコハクに向かって腕を伸ばした。プニちゃんとゴロちゃんの攻撃は見事に当たった。

 

プニちゃん「よしっ!当たったよ!」

 

ロザリー「はぁぁぁぁぁっ!!赤雷!!」

 

ビュン!バゴォォォォォォォォン!!

ロザリーは再臨の槍を投擲した。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

コハクの周囲に煙が立ち込める。

 

ロザリー「よしっ…」

 

アリシア「みんなすごい!!」

 

音声「特性:褒め言葉が発動しました。モンスターとの信頼度が上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

スザクたちとの信頼度が上昇した。

 

音声「信頼度が一定値に到達したため、新たな特性とスキルを習得しました」

 

アリシア「えっ!?」

 

音声「特性:溺愛、スキル:愛の拳を習得しました」

 

アリシア「溺愛!?愛の拳!?」

 

音声「特性:溺愛。モンスターを育成することで更にステータスを上昇させることができます」

 

アリシア「い、育成…?」

 

音声「スキル:愛の拳。素手で攻撃する際、相手のことを想えば想うほど与えるダメージが上昇する」

 

アリシア「素手!?」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

やがて煙が晴れてきた。

 

コハク「…」

 

ロザリー「っ…」

 

アリシア「コハク…」

 

コハク「…」

 

ビュン!

コハクは一瞬でその場から消えた。

 

アリシア「!?」

ロザリー「!」

 

スザク (速い!!)

 

ムクロ「…」

 

ヒュォォォォォォォォォォ…

ムクロは特異な構えを取っていた。

 

ムクロ (お前がやることは大体分かる。だから俺はその先を読む)

 

ビュン!

コハクはムクロの目の前に現れた。

 

アリシア「ムクローーー!!!」

 

ムクロ「そこっ!!」

 

ドスッ!!

ムクロはコハクの胸元に刀を刺した。

 

ムクロ「くっ…」

 

コハク「…」

 

ズシャッ!ビュン!ビュン!ビュン!スタッ!

コハクはすぐに刀を抜いてその場から離れた。

 

雷首「やるじゃねぇかムクロ!」

氷首「一瞬のことだったな!」

火首「お前!あれが見えてたのか!?」

 

ムクロ「…いいや、勘に頼っただけだ」

 

雷首「勘かよ!」

氷首「お前らしいな!」

火首「勘くらいなら俺たちにもできる!」

 

ムクロ「…そうか」

 

コハク「…」

 

ポタッ…ポタッ…ポタッ…

コハクは血を流していた。

 

アリシア「コハク!」

 

コハク「…」

 

ビュン!

コハクはまた移動した。

 

スザク (またっ…)

 

スザクは周囲を注意深く見渡した。

 

ビュン!

コハクはプニちゃんの目の前に現れた。

 

プニちゃん「へっ…嘘っ…」

 

アリシア「プニちゃん!!」

 

ドゴォン!!

コハクはプニちゃんに攻撃した。

 

プニちゃん「きゃっ!!」

 

ドゴォン!!

プニちゃんは壁まで吹っ飛ばされた。

 

アリシア「プニちゃん!!!」

 

ビュン!

コハクはまた移動した。

 

スザク (くっ…次はどこから…)

 

ビュン!

コハクはスザクの目の前に現れた。

 

スザク「なっ…」

 

ドゴォン!!

コハクは次にスザクに攻撃した。

 

スザク「がはっ…」

 

ズサァァァァァァァァァッ!!

スザクはプニちゃんと違って何とか耐えた。

 

ドサッ…

スザクは地面に膝を着いた。

 

スザク「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 

コハク「…」

 

コハクはスザクを見下ろしていた。

 

スザク「はぁっ…はぁっ…はぁっ…くっ…」

 

スザクは殴られたところを必死に押さえている。

 

コハク「…」

 

ビュン!

コハクはまた一瞬で移動した。

 

雷首「ムクロ!やつの居場所は分かるか!?」

 

ムクロ「…すまない。全く見えない…」

 

氷首「おいおいマジかよ!!」

 

火首「それだと今のあいつを見て何かできるやつはいないってことか…?」

 

コハク「…」

 

ビュン!

コハクはゴロちゃんの目の前に現れた。

 

ゴロちゃん「…」

 

ドゴォン!!

コハクはゴロちゃんを攻撃した。

 

アリシア「ゴロちゃん!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

しかしゴロちゃんはビクともしなかった。

 

ゴロちゃん「…」

コハク「…」

 

アリシア「ゴ、ゴロちゃん…?」

 

音声「特性:確固たる意思が発動しました。ゴロちゃんの防御力が上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

ゴロちゃんの防御力が上昇した。

 

ゴロちゃん「…」

 

ガシッ!

ゴロちゃんはコハクを捕まえた。

 

コハク「…」

 

ググッ…

コハクは何とかゴロちゃんの拘束から逃げようとした。しかしゴロちゃんの拘束は思ってたよりも強く、コハクでさえすぐには逃げられなかった。

 

ゴロちゃん「…」

 

するとゴロちゃんはアリシアに目線を送った。

 

アリシア「!」

 

アリシアはゴロちゃんが何かを訴えてることに気づいた。

 

アリシア (ゴロちゃんが何か伝えようとしてる…でも分からない…ゴロちゃんが考えてることが分かれば…)

 

グニュ…グニュ…グニュ…

するとプニちゃんが自分の体を使ってゴロちゃんを覆い始めた。

 

アリシア「!」

 

ゴロちゃん「ア…アリシア…攻撃…」

 

アリシア「!!」

 

プニちゃんが自分の体を使ってゴロちゃんが言いたいことを翻訳してくれた。

 

ゴロちゃん「は…やく…アリシア…」

 

アリシア「っ!」

 

カチャ

アリシアは堕天使の短剣を握りしめた。

 

アリシア「ゴロちゃん…今行くから!」

 

ダッ!

アリシアはコハクに接近した。

 

コハク「…」

 

コハクはその間もゴロちゃんの拘束から逃れようとした。

 

アリシア「はぁぁぁぁぁっ!!」

 

ドスッ!!

アリシアはコハクの背中に堕天使の短剣を突き刺した。

 

コハク「…」

 

しかしアリシアの攻撃力が低いため、まともなダメージにならなかった。

 

アリシア「これでっ…」

 

ズシャッ!

アリシアは堕天使の短剣を引き抜いた。

 

コハク「…」

 

ドゴッ!!ドゴッ!!ドゴッ!!

コハクはゴロちゃんを足で攻撃し始めた。

 

ゴロちゃん「…」

 

しかしゴロちゃんの防御力は先程の特性のおかげでコハクの攻撃力を上回っている。

 

コハク「…」

 

ドゴッ!!ドゴッ!!ドゴッ!!ドゴッ!!

コハクはそれでも攻撃を入れ続ける。

 

アリシア「コハク!私があなたを連れて帰るから!」

 

ドスッ!!ドスッ!!ドスッ!!ドスッ!!

アリシアは何度もコハクを攻撃した。アリシアの攻撃力は低いが、何度も攻撃することでまともなダメージになってきた。

 

コハク「…」

 

グググッ…

コハクは拳を握った。

 

音声「ボスモンスターが必殺技を放とうとしています。今すぐその場から離れてください」

 

アリシア「!?」

 

突然、警告を知らせる音声が響いた。

 

コハク「…」

 

グググッ…ビュン!ドゴォン!!

コハクは拳を握って渾身の一撃をゴロちゃんにお見舞した。

 

ガラガラガラガラ…

するとゴロちゃんの左腕と左半身の一部が砕けてしまった。

 

ゴロちゃん「っ…」

 

ドゴォン…

ゴロちゃんはバランスを崩して地面に倒れた。

 

アリシア「ゴロちゃん!」

 

プニちゃん (マズイ!)

 

ピョン!

ゴロちゃんにくっついて翻訳していたプニちゃんはすぐにゴロちゃんから離れた。

 

コハク「…」

 

ヒュォォォォォォォォォォ…

コハクが異様な気配を放ち始めた。

 

アリシア「コハク…」

 

ロザリー「アリシアー!!」

 

アリシア「!」

 

タッタッタッ!

ロザリーがアリシアのところまで走ってきた。

 

アリシア「ロザリー…」

 

ロザリー「何してるの!ここから逃げるよ!!」

 

アリシア「えっ…?」

 

ロザリー「さっきの聞いたでしょ!?コハクが必殺技を放つって!だから離れなきゃ!」

 

アリシア「でも…」

 

ロザリー「早く!」

 

アリシア「…嫌!私行かない!」

 

ロザリー「なんで!」

 

アリシア「だってゴロちゃんを置いていけない!」

 

ロザリー「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!さっきの警告でみんなこの部屋の壁まで後退してる!あとはアリシアだけなのよ!」

 

アリシア「嫌!ゴロちゃんを置いていけない!」

 

ゴロちゃん「…」

 

音声「警告!警告!今すぐボスモンスターから離れてください!」

 

ロザリー「ほら!アリシア!」

 

グイッ!グイッ!

ロザリーは何とかしてアリシアを連れていこうとした。だがアリシアは一向に逃げようとしなかった。

 

アリシア「やめて!離して!」

 

ロザリー「アリシアがやられたらモンスターたちも一緒にやられちゃうんだよ!?だからアリシアだけでも!」

 

パシッ!ダッ!

アリシアはロザリーの手を振り払ってゴロちゃんのところまで走った。

 

ロザリー「アリシア!待って!」

 

ガシッ!

ロザリーがアリシアを追いかけようとした時、誰かがロザリーの腕を掴んだ。

 

ロザリー「!」

 

ライン「もうダメだ!せめてロザリーだけでも!」

 

ロザリー「でも!アリシアが!」

 

ライン「っ…」

 

ダッ!

ラインはロザリーを抱えて壁まで後退した。

 

ロザリー「待ってライン!アリシアが!!」

 

ライン「っ…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「ゴロちゃん!!」

 

ゴロちゃん「…」

 

アリシアはゴロちゃんのところに着いた。

 

アリシア「ゴロちゃん!ここは危険だから今すぐ立って!私と一緒に行こっ!」

 

ゴロちゃん「…」

 

ゴロちゃんは頷かなかった。

 

アリシア「ゴロちゃん!早く!立って!」

 

ゴロちゃん「…」

 

ゴゴゴ…

ゴロちゃんは右腕を動かした。

 

ガシッ…スッ…

そしてアリシアを掴んで少し遠くに降ろした。

 

アリシア「ゴロちゃん!!」

 

ダッ!

アリシアはまたゴロちゃんのところに行った。

 

アリシア「なんで!ゴロちゃんも一緒に行くの!早く!」

 

ゴロちゃん「…」

 

ゴロちゃんは顔を横に振った。

 

アリシア「なんで…なんで!ゴロちゃん!」

 

ゴロちゃん「…」

 

ビーッ!ビーッ!ビーッ!

突然、甲高い音が周囲に響いた。

 

音声「最終警告!最終警告!今すぐボスモンスターから離れてください!」

 

アリシア「ほらっ!ゴロちゃん!」

 

ゴロちゃん「…」

 

ゴロちゃんは全く動こうとしなかった。

 

アリシア「なんでっ…ゴロちゃん…なんでっ…」

 

スッ…

アリシアはゴロちゃんの右腕に触れた。

 

ゴロちゃん「…」

 

アリシア「こんなところでお別れなんて嫌だよ…ゴロちゃん…」

 

ゴロちゃん「…」

 

音声「ボスモンスターが必殺技を使います!!」

 

コハク「…」

 

ジジジ…バリバリバリバリ!!

コハクの足元には魔法陣が展開されていた。

 

コハク「…」

 

バッ!

コハクは手を大きく広げた。

 

アリシア「!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

地面が揺れ始めた。

 

アリシア「っ!」

 

アリシアは少しバランスを崩した。

 

バリバリバリバリバリバリバリバリ!

コハクの両手に紫色の魔力の塊が生成された。

 

アリシア「ひっ…」

 

アリシアはこの時、本気で恐怖を覚えた。

 

ゴロちゃん「…」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

ゴロちゃんは何とかしてその体を動かしてアリシアを守るように立ちはだかった。

 

アリシア「!!」

 

ゴロちゃん「…」

 

音声「特性:確固たる意思が発動しました。ゴロちゃんの防御力が上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

コハクは両手に生成した2つの魔力の塊をひとつに合わせた。

 

アリシア「ゴロちゃん!!」

 

ゴロちゃん「…」

 

アリシア「待って!ゴロちゃ…」

 

ドゴォォォォォォォォォォォン!!

コハクはひとつに合わせた魔力の塊を地面に叩きつけた。

 

バゴォォォォォォォォン!!

その際、周辺に衝撃波が拡散された。

 

アリシア「っ…」

 

ビュォォォォォォォォォ!

しかし、アリシアには全く攻撃が届かなかった。

 

アリシア「…!!」

 

アリシアへの攻撃は全てゴロちゃんが防いでいた。そのためアリシアは衝撃とともに発生した風だけを受けていた。

 

アリシア「ゴロちゃん!!」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

コハクの必殺技が終わった。

 

ゴロちゃん「…」

 

ドシィン!!

ゴロちゃんは力なくその場に倒れた。

 

アリシア「ゴロちゃん!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

するとゴロちゃんはその場から消えてしまった。

 

アリシア「嘘っ…ゴロちゃん…ゴロちゃん!!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ライン「っ…すごい攻撃だったな…」

 

スレッド「確かに…あれじゃあここら周辺消し飛ぶくらいだぞ」

 

マリン「でも唯一ここだけ避難スペースになってるのは良心的だね」

 

ローズ「確かに」

 

ロザリー「アリシア!!」

 

タッタッタッ!

ロザリーは攻撃が止んですぐにアリシアのところに向かった。

 

スレッド「あいつ…」

 

ライン「っ…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ロザリー「アリシア!!」

 

アリシア「…」

 

ロザリーはぐったりしているアリシアのところについた。

 

ロザリー「アリシア!大丈夫!?」

 

アリシア「…」

 

アリシアは返事をしなかった。

 

ロザリー「アリシア!!」

 

ザッザッザッ…

するとコハクがアリシアとロザリーの目の前に立っていた。

 

ロザリー「!!」

アリシア「…」

 

コハク「…」

 

コハクはアリシアとロザリーを見下ろしていた。

 

ロザリー「コハク…」

 

コハク「…」

 

アリシア「…コハク…」

 

ロザリー「!」

 

スッ…

アリシアはゆっくり立ち上がった。

 

ロザリー「アリシア…」

 

アリシア「…」

 

アリシアはコハクを睨んだ。

 

アリシア「…コハク…よくもゴロちゃんを…」

 

コハク「…」

 

アリシア「よくもゴロちゃんを…」

 

グググッ…

アリシアは拳を握った。

 

アリシア「よくもゴロちゃんを!!!」

 

ロザリー「!」

 

ライン「!」

スレッド「!」

マートン「!」

マリン「!」

ミィ「!」

ミズキ「!」

リィ「!」

ローズ「!」

 

ラインたちは突然大声で怒鳴ったアリシアに驚いていた。

 

アリシア「もう許さない…いくら敵であっても仲間を傷つけるなんて!!」

 

コハク「…」

 

ピッ…ブゥン…

アリシアは全ての武器と防具を解除した。

 

スレッド「おいお前!何やってんだ!敵の前だぞ!!」

 

ライン「っ!」

 

アリシア「第一特異点 アルマ・マドラ 装備!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

すると紫色の光がアリシアを包み込んだ。

 

スレッド「なっ…何だ!」

 

マートン「さっき…第一特異点って…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

アリシアは第一特異点 アルマ・マドラ 一式とアルマ・マドラの魔玉を装備した。

 

アリシア「…」

 

ライン「なっ…あれは…」

 

スレッド「はぁっ!?あれって確か…」

 

マートン「第1層の最終ボス!第一特異点 再臨のアルマ・マドラの防具!」

 

スレッド「嘘だろ!?あいつを倒せたのか!」

 

ライン「なんと…」

 

アリシア「…」

コハク「…」

 

アリシアとコハクは互いの様子を伺っていた。

 

アリシア「コハク」

 

コハク「…」

 

アリシア「…もう許さないから」

 

コハク「…」

 

ビュン!ドゴォン!!

アリシアはコハクに攻撃した。

 

ズサァァァァァァァァァッ!!

コハクは大きく後退させられた。

 

コハク「…」

 

コハクは大ダメージを受けた。

 

アリシア「やぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ドゴォン!!ドゴォン!!ドゴォン!!

アリシアはさらにコハクを攻撃した。

 

コハク「…」

 

ズサァァァァァァァァァッ!!

コハクはアリシアの攻撃を全て受けきった。

 

コハク「…」

 

アリシア「はぁぁぁぁぁっ!!」

 

ドゴォン!!

アリシアは目一杯力を込めてコハクに攻撃した。

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…ドゴォン!!

コハクは壁まで吹っ飛ばされた。

 

スレッド「すげぇ!!」

 

ライン「あれを吹っ飛ばすか…」

 

マートン「これならいける!」

 

マリン「あの子…本当に魔物使いなの…?」

 

ミズキ「…」

 

ミィ「すごい!頑張れぇ!」

 

リィ「アリシアならいける!」

 

ローズ「あんなやつやっつけちゃえ!」

 

アリシア「…」

 

ザッザッザッ…

アリシアはゆっくりコハクに近づいた。

 

コハク「…」

 

パラパラパラパラ…

コハクは立ち上がった。

 

アリシア「っ…」

 

グググッ…

アリシアは拳を握った。

 

アリシア「はぁぁぁぁぁっ!!」

 

コハク「…」

 

ドゴォン!バゴォォォォォォォォン!!

アリシアはコハクを攻撃した。コハクは強く壁に叩きつけられた。

 

アリシア「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 

アリシアは目一杯力を込めたため少し疲れていた。

 

パラパラパラパラ…

コハクはぐったりしていた。

 

アリシア「…コハク…」

 

コハク「…」

 

アリシア「…失望したよ」

 

コハク「…」

 

グググッ…

アリシアは強く拳を握った。

 

アリシア「…頭…冷やして」

 

ビュン!バゴォォォォォォォォン!!

アリシアはコハクに攻撃した。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

コハクとアリシアの周囲に煙が立ち込める。

 

ザッザッザッ…

そんな煙が立ち込める中、アリシアはロザリーがいるところまで歩いてきた。

 

ロザリー「ア…アリシア…」

 

アリシア「…」

 

音声「第10階層のボスモンスターの体力が0になりました。第10階層クリアです」

 

マリン「やったぁぁぁぁぁっ!!」

ミィ「やったぁぁぁぁぁぁっ!!」

リィ「やったぁぁぁぁぁぁっ!!」

ローズ「やったぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

マリンたちはすごく喜んだ。

 

スレッド「はぁっ…ようやく倒せたか」

 

マートン「ほんと、何回やられたっけ…」

 

スレッド「分かんね。てかあいつ…中々に強いぞ。なぁ、ライン」

 

ライン「…あぁ」

 

ミズキ「…」

 

ロザリー「アリシア?」

 

アリシア「…勝てたね。ロザリー」

 

ロザリー「っ…」

 

その言葉を発したアリシアの目には光がなかった。

 

アリシア「これで全制覇だよ。やったね」

 

ロザリー「…そうだね」

 

ロザリーは何も言葉をかけられなかった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

スレッド「ところで、この階層をクリアしたら何pt貰えるんだ?」

 

ピコン!

するとラインたちのポイントが加算された。

 

スレッド「はぁっ!?たったの100!?」

 

マートン「嘘っ…少なっ…」

 

マリン「えっ?今までのやつって10ptとか20ptとかだよね?」

 

スレッド「あぁ。なんなら1個下の階層は90ptだ」

 

ライン「これだけボスが強いのに100pt程度なら非効率だね」

 

スレッド「ライン。第9階層でポイント稼ぎやるぞ」

 

ライン「あぁ。行こうか」

 

ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!

ライン、スレッド、マートンは第10階層から脱出した。

 

ミィ「ねぇマリン」

 

マリン「何?」

 

ミィ「私たちも第9階層でポイント稼がない?そっちの方が多分早いよ?」

 

マリン「だね。リィもローズもミズキもそれでいい?」

 

リィ「うん!」

ローズ「いいよ」

ミズキ「…」

 

マリン「じゃあ行こっか!」

 

シュッシュッシュッシュッシュッ

マリンたちも第9階層に向かった。

 

ロザリー「…ねぇアリシア」

 

アリシア「ロザリー」

 

ロザリー「ん?何?」

 

アリシア「ごめん…私…今回のイベントはもうやらない」

 

ロザリー「えっ!?」

 

アリシア「…やる気なくしちゃった。途中なのにごめんね」

 

ロザリー「そんな…アリシア…」

 

アリシア「…ごめんね」

 

ピッ…シュゥゥゥゥゥゥゥ…

アリシアはその場から消えた。

 

音声「アリシアさんがログアウトしました」

 

ロザリー「アリシア…」

 

それからアリシアはイベントが終わるまで一度もログインしなかった。

ロザリーはイベントの途中でジンとルシュとその仲間のゼディ(第1回 イベント第9位)と合流し、イベントを進めた。




〜物語メモ〜

歴戦の塔 各階層のクリアポイント
第1階層…10pt
第2階層…20pt
第3階層…30pt
第4階層…40pt
第5階層…50pt
第6階層…60pt
第7階層…70pt
第8階層…80pt
第9階層…90pt
第10階層…100pt
第1階層から第10階層までクリアすれば550pt得られたことになる。

特性:溺愛
モンスターを育成することで更にステータスを上昇させることができる

スキル:愛の拳
素手で攻撃する際、相手のことを想えば想うほど与えるダメージが上昇する



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第12話 1週間ぶりのログイン

場所…教室

 

あれからゲームにログインしなくなった結衣は教室で勉強していた。

 

花蓮「ねぇ結衣」

 

結衣「何?花蓮」

 

花蓮「その…」

 

結衣「…?」

 

花蓮は何か話したそうにしていた。

 

花蓮「その…また…ゲームしない?」

 

結衣「…」

 

結衣はその言葉を聞いて一瞬で表情が曇った。

 

花蓮「もうあのイベント終わったからさ、また2人で一緒にゲームしようよ」

 

結衣「…」

 

結衣はムスッとした顔をした。

 

結衣「ごめんね花蓮。今はそんな気分じゃない」

 

花蓮「…そっか。じゃあ遅くてもいいからゲームする気になったらログインしてね。私、ずっと待ってるから」

 

結衣「…うん」

 

女生徒「花蓮ー!」

 

花蓮「何ー?」

 

女生徒「早く行こうよ!次移動教室だよー!」

 

花蓮「分かったー!」

 

結衣「…」

 

花蓮「…じゃあ結衣。いつかログインして。待ってるから」

 

タッタッタッ

花蓮は女生徒と一緒に別の教室に向かった。

 

結衣「…」

 

結衣は少しの間、考え込んでいた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…結衣の部屋

 

結衣「…」

 

結衣は学校から帰ってくると、自分の机の上にカバンを置いた。

 

結衣「…」

 

するとその時、ある物が視界に入った。それはゲームのコントローラーだった。

 

結衣「…」

 

花蓮 (私、待ってるから)

 

結衣は花蓮のあの言葉を思い出していた。

 

結衣 (花蓮とゲームするのは良いよ。楽しいし。でも私だけあんなの…)

 

結衣はそのコントローラーを置いた。

 

結衣「…」

 

ガチャ

そしてそのまま部屋を出た。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…リビング

 

結衣「…」

 

結衣はリビングでテレビを見ていた。だが考え事をしていてテレビに集中できなかった。

 

結衣 (なんだろうこのモヤモヤ…)

 

結衣は自分の胸の前で手をギュッと握った。

 

結衣 (…嫌な感じがする)

 

結衣の母「結衣?どうしたの?具合でも悪いの?」

 

結衣「お母さん…ううん。悪くないよ」

 

結衣の母「そう?悪くなったら言いなさい」

 

結衣「…うん」

 

スタスタスタ

結衣の母はその場をあとにした。

 

結衣「花蓮…」

 

その後結衣は晩ご飯を食べて自室に戻った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…結衣の部屋

 

結衣「…」

 

結衣は自分のベッドに横になっていた。

 

花蓮 (私、待ってるから)

 

不意に花蓮が言った言葉が頭をよぎる。

 

結衣「…花蓮」

 

バサッ!

結衣は布団をどかしてコントローラーを握った。

 

結衣「っ…」

 

だがまた硬直する。結衣は少しだけ考え事をして決めた。

 

結衣「…やっぱり…行ってみようかな」

 

カポッ…

結衣はコントローラーを装着した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…第2層 満月の間

 

ジン「ロザリー!そっちに敵がいるぞ!」

 

ロザリー「やぁっ!」

 

ズシャッ!

ロザリーは敵を倒すことができた。

 

ジン「よくやった!」

 

ルシュ「雷撃!」

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

ルシュが雷属性魔法で敵を一掃する。

 

ルシュ「ゼディ!そっちお願い!」

 

ゼディ「任せて」

 

ヒュォォォォォォォォォォ…

ゼディの周囲が冷気に包まれた。

 

ゼディ「氷河!」

 

パキパキパキパキパキパキ!!

するとゼディを中心に氷属性魔法が拡散された。

 

ジン「ロザリー!今だ!」

 

ロザリー「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

キン!キン!キン!ガン!キン!キン!

ロザリーは槍を巧みに操って敵を全て倒した。

 

ロザリー「…ふぅ、よしっ!」

 

ジン「やるじゃねぇかロザリー!」

 

ロザリー「まぁね!」

 

ルシュ「ほんと、見ないうちに強くなったね」

 

ロザリー「いやぁ、それほどでも…。というかジンたちは最初の頃の私しか知らないから当然だよ」

 

ジン「俺たちも少しずつログインしてレベル上げしてるぜ」

 

ルシュ「私もよ」

 

ロザリー「だろうね。最初の頃に見た時よりも強くなっ…」

 

ピコッ

ロザリーの目の前に通知が表示された。

 

ロザリー「!!」

 

その通知には「アリシアがログインしました」と表示されていた。

 

ロザリー「結…じゃなくてアリシアがログインした!!」

 

ジン「何!?」

 

ルシュ「ほんと!?」

 

ロザリー「うん!ほら!」

 

ジンとルシュもロザリーの通知を見た。

 

ジン「本当だ。アリシアって書いてある」

 

ゼディ (アリシア?)

 

ルシュ「久しぶりね。1週間くらい?」

 

ロザリー「それくらい!私今すぐアリシアに会いに行く!」

 

ジン「おう!行ってこい!」

 

ロザリー「じゃあ3人も後で来て!それじゃ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

ロザリーはアリシアのいるところに転送された。

 

ゼディ「ねぇジン」

 

ジン「なんだ?」

 

ゼディ「アリシアって第1回イベント8位の?」

 

ジン「そうだ。あのアリシアだ」

 

ルシュ「アリシアはね、ロザリーのお友達なの。もう1週間くらいログインしてなかったから心配してたのよ」

 

ゼディ「なるほど…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…第2層 大通り

 

音声「ゲームにログインしました」

 

アリシア「…」

 

アリシアは周囲を見渡した。

 

アリシア (あの時と変わらない…)

 

アリシアは久しぶりのログインで何か変わったことがないか確認していた。

 

ピコン

すると何か音が鳴ったのと同時にメールに12と数字が表示されていた。

 

アリシア「なんだろ…」

 

アリシアはそのメールを開いた。

 

アリシア「!」

 

それは第10階層で戦ったラインたちとジン、ルシュがアリシアのために集めた素材や武器の贈り物だった。

 

アリシア「これは…ロザリーのかな」

 

ピッ

アリシアはロザリーの贈り物を開いた。

 

音声「武器:天秤の杖を入手しました」

 

アリシア「天秤の杖…?」

 

天秤の杖はアリシアの持ち物に追加された。

 

アリシア「次はラインさん」

 

ピッ

アリシアはラインの贈り物を開いた。

 

音声「スキル:天地開闢を入手しました」

 

アリシア「て…天地開闢って…物騒な名前だなぁ…」

 

アリシアのスキルに天地開闢が追加された。

 

アリシア「次はスレッドさん」

 

ピッ

アリシアは次にスレッドの贈り物を開いた。

 

音声「特性:前向きを入手しました」

 

アリシア「前向き?一体どんな効果があるんだろう」

 

アリシアの特性に前向きが追加された。

 

アリシア「次はマートンさん」

 

ピッ

アリシアはマートンの贈り物を開いた。

 

音声「各ステータスのポーションを入手しました」

 

アリシア「各ステータスのポーション?攻撃力とか上がったりするのかな」

 

アリシアの持ち物に各ステータスのポーションが追加された。

 

アリシア「次は…マリンさん?」

 

ピッ

アリシアはマリンの贈り物を開いた。

 

音声「水星の欠片を入手しました」

 

アリシア「えっ…?水星の…何?」

 

アリシアの持ち物に水星の欠片が追加された。

 

アリシア「次はミィさん?」

 

アリシアはミィの贈り物を開いた。

 

音声「コスチューム:猫の着ぐるみを入手しました」

 

アリシア「コスチューム?猫の着ぐるみ?」

 

アリシアの持ち物に猫の着ぐるみが追加された。

 

アリシア「えっと、次は…ミズキさん」

 

アリシアはミズキの贈り物を開いた。

 

音声「サポートスキル極意の書を入手しました」

 

アリシア「サポート…何?」

 

アリシアの持ち物にサポートスキル極意の書が追加された。

 

アリシア「えっと次はリィさん」

 

アリシアはリィの贈り物を開いた。

 

音声「特性:要塞を入手しました」

 

アリシア「要塞?いかにも強そうな名前だなぁ」

 

アリシアの特性に要塞が追加された。

 

アリシア「次はローズさんかな」

 

アリシアはローズの贈り物を開いた。

 

音声「トラップ用の御札を入手しました」

 

アリシア「御札?トラップ?」

 

アリシアの持ち物にトラップ用の御札が追加された。

 

アリシア「あれ、まだあと3つある」

 

アリシアは残りの贈り物を開いた。

 

アリシア「あ、これジンさんからのやつだ。そういえば最初に会ってから全然一緒にゲームできてないなぁ」

 

音声「特性:餌付けを入手しました」

 

アリシア「え…餌付け…」

 

アリシアの特性に餌付けが追加された。

 

アリシア「えっと、次は…あ、ルシュさんも」

 

アリシアはルシュの贈り物を開いた。

 

音声「食事の割引券を入手しました」

 

アリシア「割引券?あ、そういえばこのゲームって飲食店がいくつかあったんだよね。また行ってみようかな」

 

アリシアの持ち物に食事の割引券が追加された。

 

アリシア「これであとひとつ。…ん?運営からお詫び?」

 

アリシアは運営からのお詫びを開いた。

 

アリシア「…え」

 

アリシアはその内容を見て言葉を失った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

その頃、ジンとルシュ、ゼディと一緒にゲームしていたロザリーがアリシアのいる大通りに到着した。

 

ロザリー (アリシア!どこにいるの!)

 

ロザリーは周囲を見渡した。すると大通りにある長い椅子に一人座っているアリシアの姿が見えた。

 

ロザリー「いた!」

 

タッタッタッ!

ロザリーはアリシアの元に駆け寄った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「…」

 

アリシアは目を閉じて座っていた。

 

ロザリー「アリシアー!」

 

アリシア「!」

 

ロザリーっぽい声が聞こえたアリシアは目を開けて周囲を見渡した。すると、アリシアの方へ走ってくるロザリーの姿が見えた。

 

アリシア「あ、ロザリー…」

 

ロザリー「アリシア!」

 

ロザリーはようやくアリシアがいるところに着いた。

 

ロザリー「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

ロザリーは走ってきたせいか、息が荒かった。

 

アリシア「ロザリー…」

 

ロザリー「…よかった…来てくれた…」

 

アリシア「…ねぇ、ロザリー」

 

ロザリー「ん?何?」

 

アリシア「私…ゲーム続けるよ」

 

ロザリー「!!」

 

アリシア「みなさんからプレゼント?を受け取ったしそれに…」

 

ロザリー「?」

 

アリシア「…コハク」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

するとコハクが姿を現した。

 

コハク「…」

 

ロザリー「!?」

 

ロザリーは突然コハクが現れて驚いていた。

 

アリシア「なんか通知に運営からのお詫びって書かれてて…」

 

ロザリー「えっ」

 

アリシア「コハクが仲間に戻ったのと、ゴロちゃんがまた仲間になってくれたの」

 

ロザリー「嘘っ…」

 

アリシア「2人とも戻ってきてくれたからまたゲームしよっかなって思って…」

 

ロザリー「よかった…よかった…アリシア…」

 

ロザリーは少し涙を流した。

 

アリシア「…」

 

スッ…ギュッ…

アリシアは立ち上がってロザリーを抱きしめた。

 

アリシア「心配かけてごめんね。でももう大丈夫だから」

 

ロザリー「うん…よかった…」

 

ザッザッザッ…

するとロザリーの背後から3人の人物が歩いてきた。

 

ジン「お、アリシアいるじゃねぇか」

 

アリシア「!」

 

ルシュ「久しぶり。アリシア」

 

アリシア「お久しぶりですジンさんルシュさん」

 

ゼディ「あ、ほんとにアリシアさんだ」

 

アリシア「?」

 

ジン「あ、こいつはゼディ。アリシアも覚えてるだろ?第1回イベントのこと」

 

アリシア「あ、はい」

 

ジン「そこで第9位だったやつだ」

 

アリシア「あ、ゼディさん?」

 

ゼディ「そう。今はジンとルシュの仲間になって一緒にゲームしてるんだ。よろしくね」

 

アリシア「よろしくお願いします」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

5人はしばらく話をして、みんなでダンジョンを攻略することにした。

 

ジン「いやぁまさか本当にコハクが帰ってくるとはな」

 

ルシュ「そうね。しかも岩石おとこも帰ってきたし」

 

アリシア「えっ、どういう事ですか?」

 

ジン「実はロザリーからアリシアのコハクが強制的に仲間から脱退させられたって聞いてな」

 

ルシュ「しかもイベントの最終ボスとして出てきたし。だから私たちで運営に問い合わせをしたの」

 

アリシア「えっ…そうなんですか?」

 

ジン「あぁ。丁度昨日くらいにコハクの修正が入ってアリシアの手元に戻ってきたってわけ。岩石おとこも一緒にな」

 

アリシア「ありがとうございますジンさん、ルシュさん」

 

ジン「俺たちだけじゃない。ラインとかあとはその仲間たちも頑張ってくれたらしいぜ」

 

アリシア「ラインさん…」

 

ロザリー「アリシアがあまりにも可哀想に見えたから私がみんなに呼びかけてコハクを戻してもらうようにしたの。岩石おとこはおまけ?かな」

 

アリシア「ありがとう!ロザリー!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン お茶の間

 

ジン「ここがさっき話してたダンジョンだ。名前はお茶の間」

 

アリシア「お茶の間?」

 

ジン「そうだ。名前は可愛らしいが、中に入れば中々に鬼畜だからな。アリシアも一緒に行こうぜ」

 

アリシア「はい!コハクもいるし行きます!」

 

ジン「よしっ。じゃあみんなで行くぞ!」

 

スタスタスタ

ジンたちはダンジョンに入った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「わぁ…何これ…」

 

アリシアがそのダンジョンに入ると、壁や床が所々青色に光っており、すごく綺麗に見えた。

 

ジン「これ全部毒だから気をつけろよ」

 

アリシア「毒!?」

 

ルシュ「そうそう。ジンが誤って踏んだ時は一気に体力削られて驚いたのよ」

 

アリシア「ひぇぇ…」

 

ジン「さ、進もうか」

 

スタスタスタ

ジンたちはダンジョンを進んだ。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン お茶の間 最下層

 

ジン「この先が最下層だ。ボスに物理攻撃は効かねぇから気ぃつけな」

 

アリシア「え?」

 

ルシュ「私とゼディの出番ってわけよ」

 

ゼディ「分かった」

 

アリシア「魔法なら効くんですか?」

 

ジン「あぁ。物理攻撃じゃなければな」

 

アリシア「じゃあ私は…あっ!あの子がいた!」

 

ロザリー「アリシア…あんまり暴れないでね…」

 

アリシア「あ、はい…」

 

ジンたちは最下層の中央に着いた。

 

ジン「…もうそろそろくるぞ」

 

ザバァァァァァァン!

するとどこからともなく水が出現した。

 

アリシア「わっわわわ!!」

 

ザバァァァァァァン!ブクブクブク!!

出てきた水はやがて集まって大きな球体となった。

 

アリシア「おぉ…これがボス?」

 

ジン「そう。こいつがボスだ」

 

ボスモンスター「…」

 

ジン「見てな」

 

ザッザッザッ…

ジンは剣を持って近づいた。

 

ジン「はぁっ!」

 

ズシャッ!ブクブクブク…

ジンは剣を振ったが、全く効果がなかった。

 

ジン「ほらな」

 

アリシア「確かに…」

 

ロザリー「これは私たちじゃ歯が立たないかも」

 

アリシア「コハク!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

コハクが出てきた。

 

コハク「 (‪ ¯ ꒳ ¯ ) 」

 

アリシア「コハク!あいつを攻撃して!」

 

コハク「 ( `ᾥ´ ) 」

 

ビュン!

コハクはすぐに行動した。

 

グググッ…

コハクは拳を握った。

 

コハク「 ( ・᷅ὢ・᷄ ) 」

 

ビュン!ブクブクブク!!

コハクは勢いよく殴ったがボスモンスターには全く効果がなかった。

 

コハク「 (。-ω-) 」

 

アリシア「そんな…コハクの攻撃まで…」

 

ヒュッ!

コハクはアリシアのところに戻った。

 

コハク「 (´×ω×`) 」

 

アリシア「どうしよう…コハク…」

 

コハク「 ( ✧Д✧) 」

 

コハクはアリシアに何かを伝えた。

 

ジン「?」

 

アリシア「あそっか!あの子だった!忘れてた!」

 

ロザリー「あの子って?」

 

アリシア「召喚!三つ首!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

アリシアの目の前に三つ首が現れた。

 

雷首「呼んだか嬢ちゃん」

氷首「呼ぶってことは戦いか?」

火首「よっしゃ燃やしてやる」

 

ゼディ「えっ!?こいつってあの斬首の扉の…」

 

雷首「ん?なんだてめぇ」

氷首「嬢ちゃんの何なんだ?」

火首「仲間なら殺すぞてめぇ」

 

ゼディ「怖っ…」

 

アリシア「ちょダメだって!この人たちに何かしたら許さないから!」

 

雷首「すまん…」

氷首「冗談だって…」

火首「許してくれ…」

 

ルシュ「なんか…逞しくなったね…アリシア」

 

アリシア「えへへ…」

 

ロザリー「そういえばこのボスモンスターって攻撃してこないの?」

 

ジン「あぁ。してこない。殴り放題だ」

 

ロザリー「やった。じゃあ私で…」

 

雷首「俺が壊してやる!」

氷首「俺が凍らせてやる!」

火首「俺が燃やしてやる!」

 

ドシン!

三つ首はボスモンスターの目の前に降りた。

 

雷首「カァァァァァァァァァッ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

バゴォォォォォォォォォン!!

三つ首のブレスがボスモンスターに命中した。

 

ビチャビチャビチャビチャ…

ボスモンスターが弾けてバラバラになった。

 

アリシア「やったぁ!ありがとう三つ首!」

 

雷首「そんな…嬢ちゃん照れるぜ…」

氷首「こんなの晩飯前だぜ…」

火首「嬉しいぜ全く…」

 

ジン「やっぱアリシア連れてきて正解だったわ」

 

アリシア「え?」

 

ジン「俺たちじゃ火力不足でな。相手は攻撃してこねぇけど一定以上のダメージを与えねぇと倒れないんだ。アリシアならできると思ってな」

 

アリシア「あ、そういうこと」

 

雷首「おいてめぇ!俺たちを駒にしたのか!」

氷首「ふざけるな!俺たちは嬢ちゃんの仲間だ!」

火首「舐めやがって!今すぐ焼却してやる!」

 

アリシア「ちょっと待って!ダメ!攻撃したら許さないから!」

 

雷首「すみませんでした」

氷首「すみませんでした」

火首「すみませんでした」

 

ロザリー「謝るの早いなぁ…」

 

ガコッ!

すると祭壇に宝箱が出現した。

 

ジン「お、出てきたな」

 

ザッザッザッ

ジンが宝箱のところに向かった。

 

ジン「さて、さっさと開いて外に出ようか」

 

ガコッ

ジンは宝箱を開いた。

 

音声「プレイヤー全員が特性:水の舞を入手しました」

 

ジン「ほぅ、どんなものか楽しみだ」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

ジンたちはダンジョンから脱出した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…大通り

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

ダンジョン お茶の間をクリアしたジンたちはいつもの大通りに到着した。

 

ジン「さてさて、さっきのやつの効果はなんだ?」

 

音声「特性:水の舞。水に対する耐性が増加し、水属性攻撃の効果を増大させる」

 

ジン「なるほど、水属性攻撃に特化した特性か。なら水属性のスキルがあればいいってわけだ」

 

アリシア「私…ない…」

 

ロザリー「残念だけど私もね」

 

ルシュ「私とゼディは水属性魔法があるから大丈夫そう」

 

ジン「俺はまたスキルを取ってくるしかないな」

 

アリシア「あ、ジンさんLv.54なんですね!」

 

ジン「あぁ。仕事終わってからちょっとずつやってるぜ」

 

アリシア「そういえば私はあれ以降やってないから全然レベル上がってない…」

 

ロザリー「私のはこれ!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

プレイヤー名:ロザリー

Lv.63

HP:669

MP:257

攻撃力:789

防御力:63

スピード:774

魔力:63

カリスマ:63

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「すごっ…」

 

ジン「そういえば最初に会ってからステータス見せてなかったな。俺のはこれだ」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

プレイヤー名:ジン

Lv.54

HP:814

MP:227

攻撃力:814

防御力:791

スピード:214

魔力:54

カリスマ:54

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「へぇ!前より断然強くなってますね!」

 

ルシュ「私のはこれよ」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

プレイヤー名:ルシュ

Lv.56

HP:661

MP:1067

攻撃力:56

防御力:234

スピード:287

魔力:1224

カリスマ:56

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「すごい!1000以上が2つも!」

 

ロザリー「アリシアは?」

 

アリシア「私?私は…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

プレイヤー名:アリシア

Lv.55

HP:275

MP:275

攻撃力:275

防御力:275

スピード:275

魔力:275

カリスマ:3599

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

ロザリー「アリシアも中々高いね…主にカリスマが…」

 

アリシア「う、うん…」

 

ジン「相変わらずひでぇステータスだな…」

 

ルシュ「あれ?でもアリシアって確かカリスマ以外にポイント振ってないよね?」

 

アリシア「え、はい」

 

ルシュ「だったらカリスマ以外は55になるはずだよね?」

 

ジン「確かに。でも275だぜ?」

 

アリシア「あ、それは私の特性の粘着質のせいで…」

 

ジン「粘着質?」

 

ロザリー「確か復活する度にステータスが上昇する…だっけ?」

 

アリシア「そうそう。前のイベントで何回もやられちゃったからその分ステータスが上がっちゃってるの」

 

ジン「なるほど」

 

ルシュ「それって便利な特性ね」

 

ゼディ「確かに。僕もそれ欲しい」

 

アリシア「でもどこで手に入れたか忘れちゃったし…」

 

ロザリー「それじゃあゼディは?」

 

ゼディ「僕?僕のは」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

プレイヤー名:ゼディ

Lv.50

HP:611

MP:867

攻撃力:50

防御力:129

スピード:128

魔力:887

カリスマ:50

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「そういえばゼディの職業は何ですか?」

 

ゼディ「僕はルシュと同じで魔法使いだよ」

 

アリシア「へぇ!だからMPと魔力が高めなんだ!」

 

ゼディ「まぁ魔法使いには必要なステータスだからね」

 

ルシュ「だよね」

 

アリシア「ふーむ…私には必要なステータスはないから極端になるなぁ…」

 

ジン「それでもモンスターを引き連れてるのは異常だぜ全く…」

 

ロザリー「それは同意」

 

音声「第3回 イベントの告知を行います」

 

ジン「うわっ…急だな」

 

ルシュ「何言ってるのよ。事前にお知らせ来てたでしょ」

 

ジン「え?そうなのか?」

 

音声「第3回 イベントはギルド対抗戦になります」

 

アリシア「え?ギルド?」

 

音声「第3回 イベントは来週開催されます。この告知が終わるとギルドの募集や勧誘、加入が行えます。来週のイベントまでにギルドを作成し、イベントに臨んでください。また、イベント開催までにギルドに加入してないプレイヤーはイベントに参加できないので注意してください」

 

ジン「なるほど」

 

ロザリー「これは大きなイベントになりそうね」

 

アリシア「そうなの?」

 

音声「第3回 イベントでは、ギルド同士での戦闘やモンスターを討伐した際にポイントが加算されます。このポイントは自分のギルドが全滅すると全て破棄され、再度ポイントを集めることになります」

 

ロザリー「つまり、ポイントが無くならないようにするには全滅を避けなければならないと」

 

音声「また、ポイントの加算量も異なっており、ギルド同士の戦闘に勝利すれば勝利時のポイントだけでなく、そのギルドが所持していたポイントも加算されます」

 

ロザリー「なるほどね」

 

音声「他にもモンスターを倒すことでポイントが加算されます。モンスターは強さが異なり、強ければ強いほど加算されるポイントが多くなります」

 

ロザリー「ポイントを稼ぐ方法は2つ。1つはモンスターを倒すこと。2つはギルドを倒すこと。ポイントの獲得量はギルドを倒すのが一番多くて、次は強いモンスターを倒すこと。そして普通のモンスターを倒すこと。ギルドを倒すのが手っ取り早いけど最初はモンスターを倒す方がいいかも」

 

音声「このポイントは一日が終了すると蓄えられ、翌日は再度0ptから始まります。この時、ギルド同士の戦いで負けたギルドは復活し、再度ポイントを貯めることができます」

 

ジン「つまり一日で多く集めればその後が楽になると」

 

ルシュ「しかも翌日には0になるから貯め直し」

 

ゼディ「蓄えられたポイントはギルド同士の戦いで破棄されるのかな?」

 

ロザリー「されるんじゃないかな?」

 

音声「最終日までポイントを貯め続け、最終集計で順位を確定します。告知は以上です。では、現時刻を以て、ギルドの創設が解禁されました。第3回 イベントまでメンバーを集め、イベントに臨んでください」

 

こうして音声が終了した。

 

アリシア「なるほど、じゃあまずは仲間を探さないとね!」

 

ロザリー「うん!」

 

ジン「なぁアリシア、ロザリー」

 

アリシア「何ですか?」

ロザリー「何?」

 

ジン「ここにいる俺らでギルド作らね?」

 

アリシア「!」

 

ロザリー「うん。いいよ。その方がいいし」

 

ジン「よしっ。じゃあギルドマスターを誰にするかだが…」

 

みんな一斉にアリシアを見た。

 

アリシア「…えっ、何?」

 

ロザリー「やっぱりそうよねぇ」

 

ルシュ「まぁ、最初からそうかなって思ってたわ」

 

ゼディ「頑張ってね。アリシアさん」

 

アリシア「えっ!?」

 

ジン「まぁアリシアはカリスマが異次元だから誰かを惹きつけるかもよ」

 

アリシア「は、はぁ…」

 

ロザリー「じゃあアリシア。お願いね」

 

アリシア「う、うん…頑張る…」




〜物語メモ〜

天秤の杖
ロザリーからのプレゼント。効果を反転させる力を持つ杖。

スキル:天地開闢
ラインからのプレゼント。天から隕石を落とすスキル。敵を一掃できるが消費MPが大きい。

特性:前向き
スレッドからのプレゼント。悪い効果を解除することでHPが回復する。

各ステータスのポーション
マートンからのプレゼント。使うことで一時的にステータスを上昇させることができる。

水星の欠片
マリンからのプレゼント。装飾品専用。

コスチューム:猫の着ぐるみ
ミィからのプレゼント。使用することで猫の着ぐるみを着ることができる。ステータスに変動はない。

サポートスキル極意の書
ミズキからのプレゼント。所持しているだけでサポートスキルの効果を上昇させることができる。手放せばその効果も消える。

特性:要塞
リィからのプレゼント。戦闘中、一定の防御力を突破することで、一定時間敵の攻撃を無効化することができる。

トラップ用の御札
ローズからのプレゼント。あらゆるトラップ効果が付与された御札。

特性:餌付け
ジンからのプレゼント。モンスターと食事を摂ることでモンスターとの信頼度が上昇する。

食事の割引券
ルシュからのプレゼント。全ての飲食店で使用できる。

特性:水の舞
水に対する耐性が増加し、水属性攻撃の効果を増大させる。


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第13話 ギルド創設

場所…大通り

 

アリシア「あ!ねぇコハク!」

 

コハク『どうしたの?』

 

コハクはカミラに作ってもらったフキダシを使ってみた。

フキダシ→『 』

顔文字→「 」

 

アリシア「あ、ほんとにフキダシ出てきた」

 

コハク「 ( ´﹀` ) 」

 

アリシア「あ、それでね、私コハクから色々とスキルとかもらっちゃったから返そうかなって思ったの」

 

コハク「 (*´ー`*) 」

 

アリシア「私、コハクが持ってた忠義って特性持ってるからコハクが今まで持ってた特性とかスキルとかを返すね!」

 

コハク「 (( 'ω' 三 'ω' )) 」

 

アリシアは特性の画面を開いて忠義を選択した。

 

音声「譲渡する武器、防具、特性、スキルを選択してください」

 

アリシア「おぉ、こんな感じなんだ」

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

ピッピッピッピッ

アリシアは今までコハクが持ってた武器や防具、特性、スキルを選択していった。

 

ブブッ…ブブッ…ブブッ…

でもある特性とスキルに関しては選択できなかった。

 

アリシア「あ、あれ?おかしいな…選択できない…」

 

ブブッ…ブブッ…ブブッ…

アリシアは何度も押したが変わらなかった。

 

アリシア「あれ〜…どうしてなんだろ…」

 

コハク『アリシア』

 

アリシア「ん?何?」

 

コハク『忠義、説明欄読んで』

 

アリシア「説明欄?」

 

ピッピッピッピッ

アリシアは忠義の説明欄を開いた。

 

特性:忠義

自分が持っているスキルや特性を自分の主に渡すことができる

一度に渡すスキルや特性の数が多ければ多いほど、スキルや特性を渡す回数が増えれば増えるほど自身のステータスを上昇させることができる

また、味方から得られるバフの効果も上昇させることができる

ただし、一度渡したスキルや特性は自分で使用することができなくなる

 

アリシア「ん?どういうこと?コハク」

 

コハク「 (-ω-;) 」

 

スッ…

コハクは忠義の説明欄の最後を指さした。

 

アリシア「ただし、一度渡したスキルや特性は自分で使用することができなくなる?」

 

コハク「 (o・ω・))-ω-)) 」

 

コハクは頷いた。

 

アリシア「え?どういうこと?」

 

コハク「 Σ(゚д゚;) 」

 

アリシアは分かってない様子だった。

 

コハク『それ、最初に持ってた、だから、もう使えない』

 

アリシア「あ、えっ?あ、そっか。私が選んだやつって元々コハクが持ってて、私に渡したからもうその特性とスキルが使えないってこと?だから渡せないってこと?」

 

コハク「 *゚∀゚)*。_。) 」

 

コハクは頷いた。

 

アリシア「あ、じゃあ別のやつ渡すね!」

 

ピッピッピッピッ

アリシアは他の特性とスキルを選択した。

 

音声「以下の武器、防具、特性、スキルを譲渡しますか?」

 

ピッ

アリシアは「はい」のボタンを押した。

 

音声「では、譲渡する相手を選んでください」

 

するとアリシアの目の前に今まで戦った仲間モンスターや人が表示された。

 

アリシア「コハクっと」

 

アリシアは迷わずコハクを選択した。

 

音声「確認しました。しばらくお待ちください」

 

ピコン…ピコン…ピコン…

すると数秒してまた音声が流れた。

 

音声「譲渡が完了しました」

 

ピコッ!

するとコハクの受け取りボックスに「!」が表示された。

 

コハク「 ( ・ω・) 」

 

ピッ

コハクは受け取りボックスを開いた。

 

コハク「 Σ(゚д゚;) 」

 

受け取りボックスを開いたコハクは少し驚いていた。

 

アリシア「今までのお礼も込めてね」

 

コハク「 .˚‧º·(°இωஇ`°)‧º·˚. 」

 

ピッ

コハクは迷わず一括受け取りをした。

 

音声「武器:再臨の拳、防具:神速の腕輪、特性:倍加・守護・要塞、スキル:狂速・天地開闢を入手しました」

 

コハク『ありがとう。アリシア』

 

アリシア「ううん!どういたしまして!」

 

ロザリー「アリシアー!」

 

アリシア「あ、ロザリー」

 

ロザリーが何か袋を持って来た。

 

アリシア「あれ、何その袋」

 

ロザリー「これ?これは…」

 

ガサゴソ…

ロザリーは中からあるものを取り出した。

 

ロザリー「ほら、回復ポーションと攻撃力ポーションに守備力ポーション、スピードポーション、魔力ポーションだよ」

 

アリシア「わ、いっぱいあるね」

 

ロザリー「これから冒険するってなると必要かなって」

 

アリシア「さすがはロザリー。ゲームばっかりしてるもんね」

 

ロザリー「なんかその言い方…グサッとくる…」

 

アリシア「え?」

 

コハク「 (´・ω・`)? 」

 

ロザリー「さ、そんなことより行こっ!アリシア」

 

アリシア「どこに?」

 

ロザリー「カナデさんの宿屋だよ!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…カナデの宿屋

 

ロザリー「カナデさん!今帰りました!」

 

カナデ「あ、ロザリーさん。お帰りなさいませ」

 

アリシア「あ、どうも…カナデさん」

 

カナデ「アリシアさん。お帰りなさいませ」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

カナデ「あら、そちらの方は」

 

ロザリー「コハクと言います!前に話したアリシアの仲間です!」

 

カナデ「あ、なるほど。あなたが例のコハクさんですか。初めまして。私はこの宿屋を経営しています。カナデと申します。よろしくお願いします」

 

コハク「 ((。´・ω・)。´_ _)) 」

 

コハクはお辞儀をした。

 

ロザリー「それでカナデさん!ちょっとお話があるんですが!」

 

カナデ「は、はい。何でしょうか」

 

ロザリー「みなさんを呼んで頂けませんか?」

 

カナデ「わ、分かりました。少しお待ちください」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

〜数分後〜

 

カナデ「はい。連れてきました」

 

アレックス「どうしたカナデ。みんなを呼んで」

 

カナデ「あ、私ではなくロザリーさんです」

 

アレックス「なんか用なのか?」

 

ロザリー「はい。実はこれから第3回イベントが始まるんですが、その内容がギルド対抗戦なんですよ」

 

アレックス「ほう」

 

ロザリー「今私とアリシアとこのゲーム始めてから仲良くなったジンさんとルシュさん、そして第1回イベントで第9位になったゼディの5人でギルドを作ろうって話になってるんですが、ぜひカナデさんたちにもギルドに入ってくれないかと思いまして」

 

アレックス「それで俺たちをか」

 

ロザリー「はい!」

 

アレックス「…どうするカナデ」

 

カナデ「ええっと…私ひとりで決めることではないので…」

 

リン「私はいいと思うよ。その話」

 

アレックス「リン」

 

リン「少なからず必要としてるなら手を貸すべきだと私は思う」

 

マロリーニョ「僕も賛成。でも僕たちだと戦力にはならない。サポート特化型だから攻撃できない。それを承知の上で頼んでるの?」

 

ロザリー「はい!」

 

ランドール「ほんとに役に立たないかもだけど…それでも…?」

 

ロザリー「はい!」

 

ミカン「私はやりたい!ちょっと外も見てみたい!」

 

フミ「カナデさん。私も賛成ですよ」

 

カナデ「分かりました。ではロザリーさん。私たちは賛成ということで、ぜひギルドに加入させていただきます」

 

ロザリー「やったぁ!!ありがとうございます!!」

 

ランドール「でも、本当にサポートしかしないから。その辺は注意して」

 

ロザリー「はい!ではギルドメンバーに名前を入れますね!」

 

ピッピッピッピッ

ロザリーはカナデたちの名前を入れていった。

 

カナデ「そういえばアリシアさん」

 

アリシア「は、はい!」

 

カナデ「コハクさんは何故削除されたのでしょうか」

 

アリシア「あ、えっと…それが…」

 

カナデ「?」

 

アリシア「よく…分かりません。私、このゲームが初めてですので」

 

カナデ「?」

 

アレックス「今までゲームした事ないのか」

 

アリシア「はい」

 

カナデ「あぁ、そういう事ですか」

 

ランドール「多分強すぎたんだよね」

 

アリシア「!」

 

ランドール「修正が難しかったから削除って形にしたんじゃないかな」

 

マロリーニョ「多分そうだね」

 

カナデ「でも戻ってきて良かったですね」

 

アリシア「はい!」

 

ロザリー「あ、みなさんの名前入れ終わりました!」

 

カナデ「ありがとうございます。ところでロザリーさん」

 

ロザリー「はい」

 

カナデ「ギルド名は何ですか?」

 

ロザリー「…え?」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…アリシアとロザリーの部屋

 

ロザリー「忘れてた…ギルドにとって顔となる部分が…」

 

アリシア「あはは…名前だね…」

 

ロザリー「どうするアリシア。ギルド名」

 

アリシア「うーん…みんなどんなの考えるんだろう」

 

ロザリー「ギルド名なんてなんでもいいんだよ?寿司でもココアでも紳士淑女でも」

 

アリシア「言葉のセンスが…」

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

ロザリー「でもつけるならみんなの目に止まるような名前がいいね」

 

アリシア「インパクトがある名前とか?」

 

ロザリー「そう!それでもいいし可愛い名前でもいいし!」

 

アリシア「うーん…難しいね…」

 

ロザリー「例えば『俺、この戦いで勝ったら結婚するんだ』とか」

 

アリシア「えっ」

 

ロザリー「他にも『先にいけ。俺はあとから行く』とか」

 

アリシア「えっ」

 

ロザリー「あとは『ここは俺に任せろ』とか」

 

アリシア「男ばっかりだね」

 

コハク「 ( ̄▽ ̄;) 」

 

ロザリー「名前はなんでもいいの!」

 

アリシア「うーん…」

 

ロザリー「ここはビシッと決めて!ギルドマスター!」

 

アリシア「ギルドマスター?」

 

ロザリー「そう!ギルドの一番上の人!」

 

アリシア「えっ!?私が!?」

 

ロザリー「そう!みんなで決めたじゃん!」

 

アリシア「えぇ…」

 

アリシアは少し考え込んだ。

 

ロザリー「あ、そうそう。私さっきのポーションをカナデさんたちに渡してくるからその間に考えといてね」

 

アリシア「え!?」

 

ロザリー「だって名前が無いとアリシア以外の人たちが仮加入扱いになるしこのままだとアリシアだけになるよ?」

 

アリシア「そんな…」

 

ロザリー「それじゃ!考えててね!」

 

タッタッタッ!

ロザリーは部屋を飛び出した。

 

アリシア「な…名前かぁ…どうしよう…コハク」

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

アリシアはコハクと相談して何とかギルド名を考えた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…カナデの宿屋 カウンター

 

カナデ「それでアリシアさん。ギルド名は何になりましたか?」

 

アリシア「えっと…ギルド名は…」

 

ロザリー「…」

カナデ「…」

アレックス「…」

リン「…」

ランドール「…」

マロリーニョ「…」

ミカン「…」

フミ「…」

ジン「…」

ルシュ「…」

ゼディ「…」

 

みんな静かになった。そしてジンたちもいつの間にかカナデの宿屋に来ていた。

 

アリシア「えっと…宿り星…です」

 

ロザリー「宿り星?」

 

アリシア「うん…」

 

カナデ「由来はなんですか?」

 

アリシア「えっと…由来はないです…」

 

カナデ「そうですか。でも私はいいと思いますよ!なのでもっと自信を持ってください!」

 

アリシア「は、はぁ…」

 

アレックス「宿り星って宿り木に名前そっくりだな」

 

カナデ「あ、そうですね」

 

リン「いい名前だ。気に入ったよ」

 

アリシア「あ、ありがとうございます」

 

ランドール「僕も賛成」

 

マロリーニョ「同じく!」

 

フミ「私もいいと思いますよ」

 

ミカン「ミカンも!」

 

ロザリー「よしっ、ならそれで名前を登録して正式なギルドにしよう!」

 

アリシア「うん!」

 

アリシアとロザリーは手続きを済ませた。

 

アリシア「よしっ、あとはみんなの名前を登録して…」

 

ブゥゥゥゥゥン!

アリシアが登録ボタンを押すと何か変な音が鳴った。

 

音声「ギルド:宿り星が創設されました。細かなルールを設定する場合は設定ボタンを押してください」

 

アリシア「設定?」

 

ロザリー「多分入る条件とかだよ」

 

アリシア「条件はないかな。誰でも入ってきてくれれば大歓迎だし」

 

ロザリー「だね。じゃあそういう風に設定しとくね」

 

アリシア「お願いロザリー」

 

ロザリー「お任せ!」

 

ピッピッピッピッ

ロザリーは手際よく設定を済ませた。

 

カナデ「さて、でしたらギルド創設記念にご馳走にしましょうか」

 

アリシア「やったぁ!」

 

カナデ「あ、ジンさん、ルシュさん、ゼディさんもご一緒に」

 

ジン「っしゃあ!!」

 

ルシュ「ありがとうございます」

 

ゼディ「よろしくお願いします」

 

その後、アリシアたちはカナデたちのご馳走を堪能することができた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…アリシアの部屋

 

アリシア「ふぅ…お腹いっぱい…」

 

ロザリー「美味しかったねアリシア」

 

アリシア「うん!」

 

カナデ「アリシアさん」

 

カナデがアリシアの部屋に尋ねてきた。

 

アリシア「あ、はい!何ですか?」

 

カナデ「少しお話があります」

 

アリシア「あ、はい!どうぞ!」

 

ガチャ…

カナデが扉を開けて入ってきた。

 

アリシア「どうしました?」

 

カナデ「第3回イベントのお話なのですが、ギルド対抗戦ということで、モンスターとか他のギルドを倒すことでポイントが得られるんですよね?」

 

アリシア「あ、はい!そうです!」

 

カナデ「私たちはサポートに特化しているので戦闘では攻撃できません。それも7人ほどいます。アリシアさんのように攻撃できるのは残りの5人なんですよ。それだとイベントを有利に進められないかなと思うのでせめてあと2人ほど攻撃できる人を探していただけませんか?」

 

アリシア「あ、確かにそうですね」

 

ロザリー「それに5人だけだと7人を守るのは難しい…確かにせめてあと2人ほど必要な気がする」

 

アリシア「じゃあロザリー!イベントまでにあと2人募集しよう!」

 

ロザリー「そうね。大通りに出て声かければ入ってくれそうだし」

 

アリシア「よしっ!じゃあカナデさん!私たちが2人探してきますのでそれでもいいですか?」

 

カナデ「はい!お願いします!」

 

アリシア「あ、探すとなると、どんな人がいいですか?」

 

カナデ「そうですねぇ…1人は守りに特化した人が欲しいですね。アリシアさんは魔物使い、ロザリーさんは槍術士、ジンさんは剣士、ルシュさんとゼディさんは魔法使いとなると、守備が強い職業の人がいないんですよね」

 

アリシア「あ、確かに…」

 

カナデ「それに私たちもそこまでステータスが高いわけではないので、私たちが負けると戦力が落ちかねません」

 

アリシア「分かりました!では守備が強い人とあと一人は誰でもいいですか?」

 

カナデ「はい!どなたでも!」

 

アリシア「分かりました!では明日探しに行ってきます!」

 

カナデ「はい!お願いします!では…」

 

ガチャ…

カナデはアリシアの部屋から出た。

 

アリシア「ロザリー!明日一緒に探すよ!」

 

ロザリー「うん!」

 

そしてアリシアとロザリーは明日仲間を2人募集しに行くことになった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ー翌日ー

 

アリシア「ロザリー!人探しに行こっ!」

 

ロザリー「いいよ!行こう!」

 

2人は朝から人を探しに行くことにした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…大通り

 

アリシア「まずはどうすればいい?」

 

ロザリー「まずはプレイヤーかどうかを判断しないとね」

 

アリシア「え?みんなプレイヤーじゃないの?」

 

ロザリー「うん。ゲーム内にはプレイヤー以外にもただの住人だっていたりするからね」

 

アリシア「でもみんな武器とか持ってるから分かりやすいんじゃない?」

 

ロザリー「うん。だから防御特化となると、盾とか持ってるんじゃないかな」

 

アリシア「よしっ!じゃあ盾を持ってる人に優先的に話しかけよっ!」

 

ロザリー「分かった。でもここは分か!た方がいいと思う」

 

アリシア「確かにそっちの方が効率良さそう!」

 

ロザリー「じゃ、もし人を勧誘できたらチャットで送るね!」

 

アリシア「うん!」

 

ロザリー「それじゃ!」

 

タッタッタッ!

ロザリーはその場から立ち去った。

 

アリシア「…よしっ!私も探すぞぉ!」

 

アリシアは大通りを重点的に探した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「はぁ…ギルドに入ってない人…全然見つからない…」

 

あれからアリシアは盾を持ってる人に声をかけたが、全員ギルドに所属している人だった。

 

アリシア「これだと一生集まらないんじゃ…」

 

アリシアが落ち込みながら歩いていると、ある事に気づいた。

 

アリシア「あ、そうだ。ずっとゲームしてる人だともうギルドに入ってる可能性あるんじゃないかな。となると、初心者の人を探せば…」

 

タッタッタッ!

アリシアは次に盾を持った初心者の人を探した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…大通りから離れた草原

 

ロザリー「うーん…ここにもいない。見える範囲に人もいない…か」

 

ロザリーはアリシアよりも早くに初心者の人を探せばいいと結論づいていた。

 

ロザリー「大体ここら辺で探せば見つかると思ってたけど…ちょっと場所を移動してみようかな」

 

タッタッタッ!

ロザリーはその場をあとにした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…大通り

 

アリシア「ねぇコハク」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

アリシア「人探しって中々難しいね」

 

コハク「 (-ω-;) 」

 

???「ねぇねぇ、これとかいいんじゃないかな?」

 

???「えぇ…でも高いじゃん…」

 

???「これから長く使うって考えたら安いよ!それに強い武器じゃないと負けちゃうじゃん!」

 

???「うーん…」

 

アリシア「!」

 

アリシアは武器屋の前で話をしている2人の女の子を見つけた。

 

アリシア「あの子たち…あの服装…」

 

その2人の女の子は初期装備を着けていた。アリシアはその服装に覚えがあり、すぐに初心者だと気づいた。

 

アリシア「しかも盾を持ってる!コハク!行こっ!」

 

コハク「 (o´・ω-)b 」

 

タッタッタッ!

アリシアとコハクはその2人の女の子のところに向かった。

 

???「ねぇ買った方がいいよ!私の武器ならあとでいいから!最初は生き残ることが大事だと思うよ!」

 

???「まぁ…そりゃそうだけどさぁ…」

 

アリシア「あ、あの!」

 

???「!」

???「!」

 

アリシアはその2人の女の子に声をかけた。

 

アリシア「あの!初心者の方ですか!」

 

???「え、あ、はい」

 

???「そうですが…」

 

アリシア「あ、あの!私のギルドに入ってくれませんか!!」

 

???「…え?」

???「…え?」

 

アリシアは2人の女の子に事情を話した。

 

???「は、はぁ、なるほど。つまり、防御力が高い人が必要で、他の人はギルドに入ってるから初心者である私たちに声をかけたと…」

 

アリシア「はい…お願いできませんか?」

 

???「どうする?」

 

???「うーん…」

 

???「私たち、少し前にログインしたばっかりで全然強くないんです。なので足を引っ張ってしまいます。ギルドならもっと強くなってから入ろうかなと思ってるんです」

 

アリシア「あ、でしたら私たちと一緒にレベルを上げませんか?」

 

???「!」

???「!」

 

アリシア「第3回イベントまでもう少しですが、今からやればなんとか間に合うと思うんです!」

 

???「どうする?」

 

???「うーん…」

 

アリシア「もしギルドに入ってくれたら武器や防具とかも一緒に買ってあげます!どうですか?」

 

???「入ります!」

 

???「えっ!?ちょっ…」

 

???「だって武器も防具も買ってくれるんだよ!入るしかないよ!」

 

???「でも…」

 

???「ほら!行こっ!」

 

グイッ!

???は???の手を握った。

 

???「あ!ちょっと!」

 

???「私たち、ギルドに入ります!」

 

アリシア「やった!ありがとうございます!」

 

コヨミ「私はコヨミと言います!」

 

アリシア「コヨミさんですね!そちらの方は?」

 

ナギ「えっと…ナギです」

 

アリシア「コヨミとナギさん!よろしくお願いします!」

 

コヨミ「はい!」

ナギ「…はい」

 

コハク「 ( ̄▽ ̄;) 」

 

アリシアはその後、ロザリーにチャットを送ってカナデの宿屋に集合することにした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…カナデの宿屋

 

アリシア「ここがカナデさんの宿屋です!」

 

コヨミ「あ、ここ見たことある」

 

アリシア「あ、そうなんですか?」

 

ナギ「はい。でも閉まってたので」

 

アリシア「あら…でも今は開いてるから!さ、行こっ!」

 

コヨミ「はい!」

ナギ「…はい」

 

アリシアたちはカナデの宿屋に入った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「あ!ロザリー!」

 

ロザリー「あ、アリシア。連れてきてくれた?」

 

アリシア「うん!」

 

アリシアはこの時、ロザリーのそばに2人の人物がいることに気づいた。

 

アリシア「あれロザリー。その子たちは?」

 

ロザリー「あ、たまたまギルドに入ってない子を見つけて勧誘したの」

 

アリシア「へぇ!私も連れてきたよ!ほら!」

 

アリシアはコヨミとナギをロザリーに見せた。

 

ロザリー「あらほんと。道中怪我はしてない?」

 

アリシア「してない!」

 

ロザリー「よしっ。あなたたち名前は?」

 

コヨミ「コヨミです!」

 

ナギ「えっと…ナギです…」

 

ロザリー「コヨミちゃんとナギちゃんね。よろしく!私はロザリー!」

 

コヨミ「はい!よろしくお願いします!」

 

ナギ「よ、よろしくお願いします」

 

アリシア「ねぇロザリー。その子たちは?」

 

ロザリー「あ、紹介するね。こっちの男の子はシンでこっちの女の子はルーラって言うの」

 

シン「よろしくお願いします」

ルーラ「よろしくお願いします」

 

ロザリーが連れてきたのはいかにも真面目そうな男の子といかにも優しそうな女の子だった。

 

ロザリー「シンの職業はパラディンなの!あらゆる攻撃を防御することができる防御特化の職業よ!」

 

アリシア「へぇ!パラディンなんて初めて聞いた!」

 

ロザリー「そしてルーラの職業は機工士なの!銃の扱いはピカイチ!どんな遠距離でも必ず相手を撃ち抜くことが出来るの!」

 

アリシア「カッコイイ!機工士も初めて!」

 

ルーラ「そんな…ありがとうございます…」

 

ロザリー「そっちの2人はどんな職業?」

 

アリシア「あ、聞くの忘れてた…2人はどんな職業なの?」

 

コヨミ「私の職業はバトルマスターって言います」

 

ロザリー「バトルマスター!?てことは攻撃特化じゃん!!」

 

コヨミ「はい!」

 

アリシア「ナギちゃんはなんの職業?」

 

ナギ「あ、私はパラディンです。同じです」

 

アリシア「へぇ!じゃあ…えっと…シン?君と同じ職業なんだ!」

 

ナギ「はい」

 

シン「…」

 

ロザリー「よしっ!これでお互い顔を合わせたところで…」

 

カナデ「アリシアさんロザリーさん。少し頼み事を…」

 

奥からカナデが出てきた。

 

カナデ「あら、お客様ですか?」

 

アリシア「あ、違うんです。新しい仲間なんです」

 

カナデ「あら、そうなんですね。お名前を伺ってもよろしいですか?」

 

ロザリー「こっちの男の子はシンで隣にいる女の子がルーラって言います」

 

カナデ「シンさんにルーラさん」

 

アリシア「こっちはコヨミちゃんでこっちはナギちゃん!」

 

カナデ「コヨミさんとナギさんですね。ありがとうございます」

 

カナデ「みなさんはこの宿屋に泊まられますか?」

 

ルーラ「え?」

 

シン「どういう事ですか。何故いきなり泊まるという話になるのですか」

 

ロザリー「あ、一応私たちのギルドはここなの。宿屋兼ギルドかな」

 

アリシア「それで、ギルドメンバーの人にはこの宿屋のお部屋を使ってもらおうってことになってて」

 

コヨミ「えっ!?ここに泊まってもいいんですか!?」

 

カナデ「はい。いいですよ。ご飯付きです」

 

コヨミ「やった!」

 

ナギ「え、でもお金が…」

 

カナデ「お金はいりませんよ。お客様ではないのですから」

 

シン「しかしそれだと経営が成り立たないだろう」

 

カナデ「あ、ご心配なく。みなさんのお部屋とお客様のお部屋は分けてあります。そして、今もお部屋は7割ほど埋まってます」

 

シン「…そうか」

 

ルーラ「結構人気なんですね。私たちここに宿屋があるなんて知らなかったので…」

 

カナデ「元々小さな宿屋でしたから。日を追う事に大きくなってきました」

 

シン「そうなのか。いらぬ心配だった」

 

カナデ「さて、みなさんへの紹介はどうしますか?」

 

ロザリー「確かギルドメンバーに登録すればみんなに通知が送られるはずだよ。アリシア、4人の名前も追加しといてね」

 

アリシア「分かりました!」

 

ロザリー「あ、ちなみに、このギルドのマスターはアリシアなの。よろしくね」

 

アリシア「はい!ギルドマスターです!」

 

コヨミ「よろしくお願いします!」

ナギ「よろしくお願いします…」

シン「よろしくお願いします」

ルーラ「よろしくお願いします」

 

アリシアはコヨミ、ナギ、シン、ルーラをギルドメンバーに登録した。

 

アリシア「よしっ!これで…」

 

ピコン!

するとロザリーとカナデに通知が届いた。

 

ロザリー「あ、ほら届いた」

 

ピッピッピッピッ

ロザリーは通知を開けてアリシアに見せた。

 

ロザリー「これで4人のステータスとか見れるよ」

 

アリシア「へぇ!」

 

ロザリー「とりあえずカナデさん。防御力が高い人を2人勧誘できたので、これでいいですかね」

 

カナデ「はい!ありがとうございます」

 

ロザリー「じゃあ4人とも、これからもよろしくお願いします」

 

アリシア「よろしくお願いします!」

 

コヨミ「よろしくお願いします!」

ナギ「よろしくお願いします」

シン「よろしくお願いします」

ルーラ「よろしくお願いします」

 

こうしてギルド:宿り星にコヨミ、ナギ、シン、ルーラが追加され、ギルドメンバー総勢16人となった。




〜物語メモ〜

ギルド:宿り星
━━━━━━━━━━━━
ギルドマスター
アリシア(魔物使い)
━━━━━━━━━━━━
ギルドメンバー
ロザリー(槍術士)
カナデ(商人)
アレックス(商人)
リン(商人)
ランドール(商人)
マロリーニョ(商人)
ミカン(商人)
フミ(商人)
ジン(剣士)
ルシュ(魔法使い)
ゼディ(魔法使い)
コヨミ(バトルマスター)
ナギ(パラディン)
シン(パラディン)
ルーラ(機工士)

コハクのフキダシ
コハクは少し前にカミラにアリシアと会話したいからフキダシを出せる道具を作って欲しいと頼んでいた。しかしカミラは武器や防具を専門としているためそんなものは作れず、カミラは友人と一緒に頭に浮かべている言葉をフキダシとして表示する道具を作った。
※今後は顔文字を「」で、フキダシを『』で表示します。

コハクの装備や特性、スキル
コハクはアリシアの仲間から削除されたため、持ってた装備、特性、スキルを一時的にアリシアに預けていた。アリシアが忠義のスキルを使ってコハクに元の装備や特性、スキルを返そうとしたが、一度はアリシアに渡していたものになるため、忠義の効果により、返すことができなかった。しかし、装備は対象外のため、元の装備と別の特性とスキルをスキル:忠義を使ってコハクに渡した。

アリシアから渡されたコハクの装備・特性・スキル
武器:再臨の拳
防具:神速の腕輪
特性:倍加・守護・要塞
スキル:狂速・天地開闢

新しく登場したキャラクターです。
詳しくは「第0話 キャラクター紹介」で書きます。

プレイヤー名:コヨミ
職業:バトルマスター

プレイヤー名:ナギ
職業:パラディン

プレイヤー名:シン
職業:パラディン

プレイヤー名:ルーラ
職業:機工士

バトルマスター
最初のステータス画面で攻撃力だけにポイントを振ることで選択できる職業。このゲームに存在する全ての武器を装備することができる。しかし、魔力が最低値なので、杖や本など、魔法使いたちが使うような武器を装備しても魔法や弾幕は撃てない。また、攻撃力特化なので攻撃力以外のステータスは全て最低値。

パラディン
最初のステータス画面で体力と防御力だけにポイントを振ることで選択できる職業。あらゆる攻撃を防御し、味方を守ることができる。自分の防御力を活かして敵の攻撃を自分に集中させることもできる。体力と防御力が異常に高いが、スピード等は最低値のため、移動速度が相当遅い。

機工士
最初のステータス画面で攻撃力とスピードに多くポイントを振り分けることで選択できる職業のひとつ。装備できる武器は銃器だけだが、種類は問わない。その場に応じた武器を装備することができる。近距離、中距離、遠距離、超遠距離全てに対応できる。しかし、防御力が疎かになっているため、盾役と一緒に行動すると良い。


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第14話 大特訓

場所…とあるダンジョン

 

アリシアとロザリーは新しくギルドに入ったコヨミ、ナギ、シン、ルーラのレベル上げを手伝っていた。

 

アリシア「頑張れみんなー!」

 

音声「特性:応援が発動しました。仲間モンスターのステータスが上昇します」

 

ブウゥゥゥゥン!

アリシアのモンスターたちのステータスが上昇した。

 

ボスモンスター「ガァァァァァッ!」

 

ドカドカドカドカドカドカ!

ボスモンスターがアリシアに向かって突進してきた。

 

アリシア「ゴロちゃん!」

 

ドシン!!

ゴロちゃんがアリシアの前に立った。

 

ゴロちゃん「…」

 

ボスモンスター「ガァッ!!」

 

ドォン!

ボスモンスターはゴロちゃんに突進した。だがゴロちゃんはビクともしなかった。

 

ゴロちゃん「…」

 

ガシッ!

ゴロちゃんはボスモンスターの顔をコヨミたちに向けて押さえ込んだ。

 

ボスモンスター「ガァッ!!ガァァァァァァァァッ!」

 

ボスモンスターは必死に暴れ回る。しかしゴロちゃんの強い力に押さえつけられて動けなかった。

 

アリシア「コヨミちゃん!ルーラちゃん!攻撃して!」

 

ルーラ「…ふぅ」

 

バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!

ルーラは何発か弾丸を放った。

 

コヨミ「やぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ドゴォン!

コヨミはハンマーでボスモンスターを吹っ飛ばした。

 

ボスモンスター「ガァァァァァ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

コヨミとルーラの攻撃でボスモンスターを倒すことができた。

 

アリシア「やった!やっつけたよ!」

 

コヨミ「やったぁ!」

 

ナギ「ふぅ…よかったぁ…」

 

シン「やったなルーラ」

 

ルーラ「はい!」

 

アリシア「あ、そうだコヨミちゃんナギちゃん」

 

コヨミ「はい」

ナギ「何ですか?」

 

アリシア「レベル上がったかな?」

 

コヨミ「あ、少し待ってください」

 

ピッピッピッピッ

コヨミはステータス画面を開いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

プレイヤー名:コヨミ

職業:バトルマスター

Lv.5

HP5

MP:5

攻撃力388

防御力:5

スピード:5

魔力:5

カリスマ:5

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

コヨミ「レベル5になってますね。さっきまで4だったので上がりました!」

 

アリシア「やったね!じゃあナギちゃんはどうかな?」

 

ナギ「私のは…」

 

ピッピッピッピッ

ナギちゃんはステータス画面を開いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

プレイヤー名:ナギ

職業:パラディン

Lv.5

HP:180

MP:5

攻撃力:5

防御力:294

スピード:5

魔力:5

カリスマ:5

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

ナギ「私もレベル5になってます」

 

アリシア「よしっ!2人とも順調だね。じゃあシンくんとルーラさんはどうかな?」

 

シン「…僕のはこれ」

 

ピッピッピッピッ

シンはステータス画面を開いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

プレイヤー名:シン

職業:パラディン

Lv.29

HP:369

MP:29

攻撃力:29

防御力:511

スピード:29

魔力:29

カリスマ:29

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「あれ!?シンくんってレベル29なの!?」

 

シン「はい。そうです」

 

アリシア「ロザリーが連れてきたからログインしたばっかりかと思ってた」

 

シン「いえ、僕とルーラは同じレベルです」

 

アリシア「え、じゃあルーラさんも…」

 

ピッピッピッピッ

ルーラはステータス画面を開いた。

 

ルーラ「私のはこんな感じです」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

プレイヤー名:ルーラ

職業:機工士

Lv.29

HP:199

MP:29

攻撃力:223

防御力:29

スピード:256

魔力:29

カリスマ:29

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「わ、ほんとだ…」

 

コヨミ「私も早くそれくらいになりたい!」

 

ナギ「わ、私も…」

 

アリシア「でもこのままだとシンくんとルーラさんのレベルが上がりにくいんじゃないかな」

 

シン「確かにそうですね」

 

アリシア「よしっ!なら!」

 

アリシアはロザリーにチャットを送った。

 

アリシア「シンくんとルーラさんのレベル上げはロザリーに任せよう!」

 

シン「え?」

ルーラ「え?」

 

アリシア「2つに分かれてそれぞれ適した場所でレベルを上げた方がいいよ!」

 

シン「確かにそっちの方がいいですね」

 

ルーラ「分かりました」

 

ピコン!

するとロザリーから返事が来た。

 

アリシア「あ、ロザリーから返信来た。このダンジョンの外で待ってるらしいよ!早く宝箱を開けて外に出よう!」

 

コヨミ「はい!」

ナギ「はい!」

 

ガコッ…

アリシアは宝箱を開けた。

 

音声「特性:命令を入手しました」

 

アリシア「命令?」

 

音声「特性:武神・破砕・闘魂、スキル:足崩しを入手しました」

 

コヨミ「武神?闘魂?足崩しに破砕?」

 

音声「特性:受け身、スキル:挑発・聖騎士の守り・硬化を入手しました」

 

ナギ「受け身と挑発、硬化…それに聖騎士の守り」

 

音声「特性:受け身、スキル:挑発・聖騎士の守り・硬化を入手しました」

 

シン「まぁ同じ職業だし同じもの手に入るよね」

 

音声「特性:集中・心眼、スキル:分身を入手しました」

 

ルーラ「あ、面白そうなスキルですね」

 

全員報酬を手に入れた。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

すると魔法陣が展開された。

 

アリシア「よしっ!じゃあダンジョンの外に出よう!」

 

みんな魔法陣の上に立った。するとすぐにダンジョンの外に転送された。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョンの外

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

アリシアたちはダンジョンから出てきた。

 

ロザリー「あ、アリシアー!」

 

アリシア「あ、ロザリー!」

 

タッタッタッ!

ロザリーがアリシアを見つけると駆け寄ってきた。

 

ロザリー「レベル上げだよね、さっきのチャットは」

 

アリシア「そう!シン君とルーラさんは同じレベルだけどコヨミちゃんとナギちゃんよりもレベルが高くて効率悪いかなって」

 

ロザリー「分かった!私が2人を別の場所に連れてくよ!」

 

アリシア「ありがとう!ロザリー!」

 

ロザリー「よしっ!じゃあシンとルーラは私と一緒に来て!」

 

シン「はい」

ルーラ「はい!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!

ロザリー、シン、ルーラはその場をあとにした。

 

アリシア「…さて、コヨミちゃんとナギちゃんは私と一緒にレベル上げでもしよっか!」

 

コヨミ「はい!」

ナギ「はい」

 

アリシア「でもその前にちょっと寄りたいところがあるの」

 

コヨミ「?」

ナギ「?」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 武器庫

 

コヨミ「あの、アリシアさん…ここは」

 

アリシア「最近追加されたみたいなの!武器や防具が手に入る場所らしいよ!」

 

ナギ「私たち初期装備だから行きたいです」

 

アリシア「よしっ!行こう!」

 

ギィィィィィィィィ…

アリシアは大きな扉を開けてダンジョンに入った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 武器庫の中

 

ダンジョン 武器庫の中は周囲にたくさんの武器が地面に突き刺さっている殺伐とした感じだった。

 

アリシア「なんか…物々しい雰囲気だね…」

 

コヨミ「は、はい…」

 

ナギ「…」

 

ビュン!

するとアリシアの後ろから剣が飛んできた。

 

グサッ!!

そしてその剣はアリシアの背中に突き刺さった。

 

アリシア「あがっ!!」

 

コヨミ「!」

ナギ「!」

コヨミ「 Σ(゚д゚;) 」

 

ドサッ…

アリシアは地面に膝を着いた。

 

コヨミ「アリシアさん!」

ナギ「アリシアさん!」

 

アリシア「うっ…くっ…」

 

アリシアは痛みに悶えていた。

 

コハク「 ( #・᷄ὢ・᷅ ) 」

 

コハクは周囲を見渡した。

 

カタカタカタ…

すると近くに刺さっている斧がカタカタと揺れ始め、やがて宙に浮き始めた。

 

ブンブンブンブンブンブン!

そして斧が回転しながらアリシアの方へ飛んできた。

 

コハク「 (。-`ω´-) 」

 

ググッ…

コハクは拳を握りしめた。

 

ブンブンブンブンブンブン!

斧がコハクの前を通過しようとした。

 

コハク「 ( `ᾥ´ ) 」

 

ビュン!バゴォン!

コハクは飛んできた斧を横から殴って粉砕した。

 

コヨミ「!」

ナギ「!」

 

パラパラパラパラ…

飛んできた斧はその場で破壊され、粉々になった。

 

コヨミ「すごい…」

 

ナギ「一撃で…」

 

アリシア「コ…ハク…」

 

コハク「 ( - - `) 」

 

カタカタカタ!カタカタカタ!

斧が破壊されたことで周囲に突き刺さっていた武器全てが一気に揺れ始めた。

 

コヨミ「ひっ…」

 

ナギ「これは…」

 

アリシア「コハク…私は大丈夫だから…戦って…」

 

コハク「 (o´・ω-)b 」

 

ググッ…

コハクは拳を握りしめた。

 

スッ…

コハクは人差し指を床に向けてコヨミとナギにここにいろと伝えた。

 

コヨミ「?」

ナギ「?」

 

でも2人には何言ってるか分からなかった。

 

コハク『狂速』

 

ビュビュビュビュビュビュン!!

するとコハクが目にも止まらぬ速さでダンジョン内を駆け回った。

 

コヨミ「速っ!!」

 

ナギ「み、見えない…」

 

ドゴォン!バゴォン!ドゴォン!ドゴォン!バゴォン!

コハクは1つずつ武器を粉々に破壊して回った。

 

コハク「 ( `ᾥ´ ) 」

 

ドゴォン!バゴォン!

コハクはさっきの斧みたいにカタカタと動いている武器だけを破壊した。

 

パラパラ…パラパラ…

破壊された武器が粉々になって周囲に散らばった。

 

コヨミ「す…すごい…」

 

ナギ「ぜ、全部壊しちゃった…」

 

コハク「 ( #・᷄ὢ・᷅ ) 」

 

アリシア「やったね…コハク…」

 

コハク「 (*´˘`*) 」

 

ズォッ…

すると祭壇近くに黒い霧が現れた。

 

コハク「 ( ・᷅ὢ・᷄ ) 」

 

コハクはすぐにその存在に気づいた。

 

コヨミ「何…あれ…」

 

ナギ「!」

アリシア「!」

 

???「…」

 

現れたのは黒い肌に赤い目をした人型のボスモンスターだった。

 

アリシア「影…っぽいね…」

 

コヨミ「でも人間のようにも見える…」

 

ナギ「…」

 

コハク「 ( #・᷄ὢ・᷅ ) 」

 

???「…」

 

スッ…

するとボスモンスターが右手を横に出した。

 

カタカタカタ…ビュン!

すると近くにあった剣が飛んできた。

 

パシッ!

ボスモンスターがその剣をキャッチした。

 

???「…」

 

そのボスモンスターはコハクを睨みつけた。

 

コハク「 ( ・ω・) 」

 

スッ…

コハクはコヨミとナギにここから動くなとハンドサインを送った。

 

コヨミ「?」

ナギ「?」

 

コハク「 ( ・᷅ὢ・᷄ ) 」

 

ビュン!

するとボスモンスターとコハクが同時に動いた。

 

キィィィィィン!!

コハクの拳とボスモンスターの剣がぶつかり合った。

 

ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!

コハクはボスモンスターの剣を弾いて攻撃をした。

 

???「…」

 

ジリッ…

ボスモンスターはコハクの攻撃を受けて少し後退した。

 

コハク「 (´⊙ω⊙`) 」

 

ドゴォン!

コハクはすかさずボスモンスターに攻撃を入れた。

 

???「…」

 

バッ!

ボスモンスターは両手を広げたあとにコハクを指さした。

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

すると周囲に突き刺さっていた剣や刀、斧、鎌などのあらゆる武器がコハクに向かって飛んだ。

 

コハク「 (っ`ω´c) 」

 

バッ!

コハクはスキル:天地開闢を使った。

 

ゴォォォォォォォォォ!!

すると天井から隕石が降ってきた。

 

???「…」

 

コハク「 ( `ᾥ´ ) 」

 

ザザッ!

コハクはすかさずアリシアとコヨミ、ナギがいるところまで走って、3人を守るようにして立った。

 

コハク「 (*`へ´*) 」

 

音声「特性:守護が発動しました。防御力が上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!

コハクの防御力が上昇した。

 

音声「特性:倍加が発動しました。ステータス上昇量が2倍になります」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!

さらにコハクの防御力が上昇した。

 

ドゴォォォォォォォォォォォン!!

コハクの防御力が上がった瞬間、隕石が地面に落ちた。

 

ビュォォォォォォォォォォォ!!

凄まじい風がアリシアたちを襲った。

 

アリシア「うっ…くっ…」

 

コヨミ「飛ばされちゃう…」

 

ナギ「っ…」

 

コハク「 ( ̄・ω・ ̄) 」

 

コハクだけ何故かなんともなさそうだった。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

やがて煙が晴れて周囲が確認できるようになった。

 

???「…」

 

ギィッ…ギィッ…ギィッ…

ボスモンスターが瀕死状態だった。

 

コヨミ「あれ、もうちょっとで倒せるんじゃ…」

 

ナギ「ほんとだ…もう少しで」

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

スッ…

コハクはコヨミとナギを見ながらボスモンスターを指さした。

 

コヨミ「え?」

ナギ「?」

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

コハクはまたボスモンスターを指さした。

 

コヨミ「えっ…なんだろ…」

ナギ「何言ってるのかな…」

 

アリシア「トドメを刺してって…いうことじゃないかな」

 

コヨミ「!」

ナギ「!」

 

アリシア「ボスモンスターがもうすぐ倒せるから…あとは2人で倒してって…ことじゃないかな?どう?コハク」

 

コハク「 ヾ(*・ω・*)ノ 」

 

コハクはアリシアに伝わってて嬉しそうだった。

 

アリシア「ほら、だからコヨミちゃん、ナギちゃん。あいつに攻撃して…多分ちょっと攻撃したら倒せると思うよ」

 

コヨミ「でも…私たちは…」

 

ナギ「まだレベルが…」

 

アリシア「大丈夫。レベルが低くても倒せるよ…コハクを信じて…」

 

コヨミ「…」

ナギ「…」

 

コヨミとナギがコハクを見た。

 

コハク「 (o´・ω-)b 」

 

コハクは親指を立てた。

 

コヨミ「…やろう」

 

ナギ「えっ?」

 

コヨミ「せっかくのチャンスだもん。ここまでしてくれたのに見るだけなのは嫌」

 

ナギ「コヨミ…」

 

コヨミ「やろうよナギ。コハクさんがやってくれたんだから」

 

ナギ「でも…」

 

コハク「 (o´・ω-)b 」

 

ナギ「…わ、分かった。やってみる」

 

コヨミ「よしっ!アリシアさん!行ってきます!」

 

アリシア「うん…行ってきて…」

 

コヨミ「行くよナギ!」

 

ナギ「うん!」

 

ガンッ!

コヨミはハンマーを装備した。

 

音声「特性:武神が発動しました。一定時間、攻撃力が1.2倍になります」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!

コヨミの攻撃力が1.2倍上昇した。

 

ガシャン!

ナギは大きな槍と盾を装備した。

 

ナギ「聖騎士の守り!」

 

音声「スキル:聖騎士の守りが発動しました。味方にバリアが展開されます」

 

ガシャン!

コヨミとナギにバリアが展開された。

 

タッタッタッ!

コヨミはハンマーを抱えて走った。

 

ナギ「挑発!」

 

音声「スキル:挑発が発動しました。ボスモンスターの攻撃を引きつけるようになりました」

 

タッタッタッ!

コヨミはボスモンスターの横から攻撃を仕掛けた。

 

???「…」

 

しかしボスモンスターはナギのスキル:挑発によってずっとナギの方を見ていた。

 

コヨミ「はぁっ!足崩し!」

 

ドゴッ!!

コヨミは地面にハンマーを打ち付けた。

 

ドサッ…

するとボスモンスターがバランスを崩して地面に膝を着いた。

 

コヨミ「やぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ドゴォン!

そしてコヨミはボスモンスターに攻撃した。

 

???「…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

するとボスモンスターの姿が消えた。

 

コヨミ「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 

コヨミのスピードは最低値のため、ちょっとの距離でも時間がかかってしまい、すごく疲れる。

 

アリシア「やったね…コヨミちゃん、ナギちゃん」

 

ナギ「え?」

 

アリシア「倒せたよ…ボスモンスター…」

 

ナギ「ほ、本当ですか?」

 

アリシア「うん…ボスモンスターが消えたからね」

 

ナギ「や…やった…やったんだ…」

 

ナギは嬉しさで飛び跳ねそうになっていた。

 

アリシア「…ねぇコハク」

 

コハク「 (´・ω・`)?」

 

アリシア「…懐かしいね…私たちも最初の頃はあぁやって喜んだもんね」

 

コハク「 (*´˘`*) 」

 

コハクはその言葉を聞いて笑った。

 

ナギ「コヨミー!ボスモンスターやっつけたみたいだよー!」

 

コヨミ「え!?ほんと!?ほんとに!?」

 

ナギ「うん!アリシアさんがそう言ってるー!」

 

コヨミ「やったぁ!」

 

ナギとコヨミは2人して喜んでいた。

 

ガコッ!

すると祭壇に宝箱が出現した。

 

コヨミ「!」

 

アリシア「ナギちゃん。コヨミちゃんと一緒にあの宝箱を開けてきて」

 

ナギ「え?」

 

アリシア「いいから」

 

ナギ「で、でも…私たちが開けるとアリシアさんの報酬は…」

 

アリシア「あ、大丈夫。みんな報酬受け取れるよ。その人に合った報酬がね」

 

ナギ「そうなんですね!じゃあ行ってきます!」

 

タッタッタッ!

ナギはコヨミのところまで走って少し話をしたら2人で祭壇に向かった。

 

コヨミ「じゃ、いくよナギ」

 

ナギ「うん!」

 

コヨミ「せーの!」

ナギ「せーの!」

 

ガコッ!!

コヨミとナギは一緒に宝箱を開けた。

 

音声「武器:大地の斧・死神の鎌・巨人のハンマー、防具:戦の鎧・鉄の鎧・皮の服を入手しました」

 

コヨミ「わ、なんか色々貰えたよ!」

 

音声「武器:鋼の槍・錆びた剣・悪魔の盾、防具:聖騎士の鎧・吸血の鎧を入手しました」

 

ナギ「わ、私もいっぱい…」

 

音声「武器:鉄の剣・普通のナイフ・金の斧を入手しました」

 

アリシア「あれ、私には防具はないのかな」

 

コハク「 (´・x・`) 」

 

アリシアたちは宝箱から報酬を得ることができたので、ダンジョンの外に出た。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョンの外

 

アリシア「よしっ!武器や防具の調達もできたし、レベル上げに行きましょう!」

 

コヨミ「はい!」

ナギ「はい!」

 

コハク「 (*´˘`*) 」

 

コヨミ「あ、でも待ってください。装備してないです」

 

コヨミは武器:大地の斧、防具:戦の鎧を装備した。

 

ナギ「あ、私も」

 

ナギは武器:鋼の槍・悪魔の盾、防具:聖騎士の鎧を装備した。

 

コヨミ「準備できました!」

 

ナギ「私もできました!」

 

アリシア「よしっ!行こう!」

 

コヨミ「はい!」

ナギ「はい!」

 

アリシアたちはとあるダンジョンを何度も周回して順調にレベルを上げた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…カナデの宿屋

 

あれからイベント開催日まで2人でレベルを上げていたコヨミとナギは新しい武器と防具を装備してカナデの宿屋に来た。

 

コヨミ「帰ってきましたー!」

 

カナデ「お帰りなさいませ。コヨミさん、ナギさん」

 

ナギ「ただいま帰りましたカナデさん」

 

カナデ「…お二人とも逞しくなりましたね」

 

コヨミ「これもアリシアさんのお陰です!」

 

ナギ「アリシアさんがいなければ私たちは全然…」

 

カナデ「そうですか。でも良かったですね」

 

コヨミ「はい!」

ナギ「はい!」

 

アリシア「あのーカナデさん。私今から…あれ!?コヨミちゃんとナギちゃん!?」

 

コヨミ「はい!」

ナギ「はい!」

 

アリシアは最初の頃と比べて大きく変わっていたコヨミとナギの姿に驚いていた。

 

アリシア「すごい!見た目が全然違う!」

 

コヨミは初期装備から黒をメインに赤いラインが入った陰陽師が着るような狩衣を着ていた。

ナギは初期装備から白をメインに青いラインが入った陰陽師が着るような狩衣を着ていた。

 

アリシア「でも2人とも似たような服装なんだね」

 

コヨミ「はい!色々行ってたらこの服が手に入るクエストがありまして」

 

ナギ「2人で何回もそのクエストをクリアして手に入れました!」

 

コヨミ「色は私が黒でナギが白をメインにして」

 

ナギ「あとはコヨミが赤いラインを入れたので私は青いラインを入れたんです!」

 

アリシア「へー!何か相棒って感じがしてカッコイイね!」

 

コヨミ「ありがとうございます!」

ナギ「ありがとうございます!」

 

ギィィィィィィィィ…

するとカナデの宿屋にまた人が現れた。

 

シン「ただいま戻りました」

ルーラ「ただいま戻りました」

 

アリシア「あ!シン君にルーラさん!おかえりー!」

 

シン「ただいまです。アリシアさん」

 

ルーラ「あら、あなたたちは…?」

 

コヨミ「あ!コヨミです!」

 

ナギ「ナギです!」

 

ルーラ「え?コヨミ…ナギ…?」

 

シン「確か僕たちと一緒にこのギルドに入った子だね。随分見た目が違うようだけど」

 

コヨミ「はい!ナギと一緒に頑張りました!」

 

ルーラ「その服…中々カッコイイですね」

 

ナギ「えへへ…」

 

アリシア「あ、そういえば2人はどれくらいレベルが上がったの?」

 

コヨミ「あ、私は…」

 

ピッピッピッピッ

コヨミは自分のステータス画面を開いた。

 

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プレイヤー名:コヨミ

職業:バトルマスター

Lv.26

HP:26

MP:26

攻撃力:1031

防御力:26

スピード:26

魔力:26

カリスマ:26

 

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アリシア「わ、私のカリスマと同じ道を辿ってる…」

 

コヨミ「やっぱり攻撃力が高いのは気持ちがいいです!」

 

シン「でもそれだとすぐやられない?HPと防御力が最低値だし」

 

ルーラ「それにスピードも最低値となると逃げるのも難しいんじゃ…」

 

コヨミ「そこでナギが必要なんですよ!ナギに全ての攻撃を集中させて私が殴る!これで大抵のモンスターは倒せます!」

 

シン「まぁ、確かにね」

 

ルーラ「私たちと同じですね。シン」

 

シン「うん」

 

アリシア「じゃあナギちゃんはどんな感じ?」

 

ナギ「あ、私のは…」

 

ピッピッピッピッ

ナギは自分のステータス画面を開いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

プレイヤー名:ナギ

職業:パラディン

Lv.26

HP:361

MP:26

攻撃力:26

防御力:499

スピード:26

魔力:26

カリスマ:26

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

シン「うん。僕と同じようにステータスが上がってるね」

 

ルーラ「同じ職業ですからね…」

 

アリシア「やっぱり防御力と体力が高いね!」

 

ナギ「はい。これのお陰でコヨミを守ることができます」

 

シン「まさに二人三脚みたいな感じだね」

 

ナギ「はい!」

 

アリシア「みんな順調にレベルが上がってて私嬉しいよ!」

 

コヨミ「あ、そういえばシンさんとルーラさんはどんな感じなんですか?」

 

シン「僕たち?」

 

コヨミ「はい!」

 

シン「うーん…」

 

ピッピッピッピッ

シンは自分のステータス画面を開いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

プレイヤー名:シン

職業:パラディン

Lv.41

HP:669

MP:41

攻撃力:41

防御力:887

スピード:41

魔力:41

カリスマ:41

 

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シン「こんな感じだよ」

 

ナギ「すごい…ステータスが倍以上ある…」

 

シン「まぁ、君より早めに始めたからね」

 

コヨミ「ルーラさんはどうですか?」

 

ルーラ「私はこんな感じですよ」

 

ピッピッピッピッ

ルーラは自分のステータス画面を開いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

プレイヤー名:ルーラ

職業:機工士

Lv.41

HP332

MP:41

攻撃力:413

防御力:41

スピード:433

魔力:41

カリスマ:41

 

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コヨミ「わぁ…全体的に強い…」

 

ルーラ「私は防御力が最低値だからシンに守ってもらわないとダメなの。でもそれだけだとシンの負担が大きくなるから自分でも回避できるようにとスピードは高めにしてあるんです」

 

ナギ「なるほど…そういうところも考えていかないと…」

 

アリシア「みんな強くなってて私驚いたよ!」

 

コヨミ「いえいえ!これもアリシアさんとロザリーさんのおかげです!」

 

アリシア「いいよいいよ!あのあとは2人で頑張ったんだから!」

 

カナデ「あ、アリシアさん」

 

アリシア「はい。何ですか?」

 

カナデ「さっき私に何か言いかけてませんでした?」

 

アリシア「あ!そうそう!私今から出かけます!」

 

カナデ「あら、どちらへ?」

 

アリシア「次のイベントのためにある特性が欲しいんです!」

 

カナデ「そうですか。でしたらお気をつけください」

 

アリシア「はい!じゃあ4人とも!私出かけてくるので!ロザリーも今は外にいるからね!」

 

コヨミ「待ってくださいアリシアさん!」

 

アリシア「はい。何ですか?」

 

コヨミ「…私も連れてってください!」

 

アリシア「え?」

 

コヨミ「強くなった私たちを見て欲しくて…」

 

ナギ「コヨミ…」

 

アリシア「…いいですよ。行きましょうか」

 

コヨミ「やった!シンさんとルーラさんはどうしますか?」

 

シン「そうだな…どうするルーラ」

 

ルーラ「私も一緒について行きますよ。強くなった私たちとこの子たちを見ておきたいからね」

 

シン「…分かった。じゃあ僕たちも同行しよう」

 

アリシア「よしっ。じゃあこの5人で行きますか!」

 

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場所…カナデの宿屋の前

 

コヨミ「そういえばどこで手に入るんですか?その特性は」

 

アリシア「えっと…確かどこかのダンジョンにあるって聞いて…」

 

ナギ「じゃあ行きましょう!1つずつ潰して回りましょう!」

 

アリシア「ナギちゃん…恐ろしくなったね…」

 

コヨミ「あはは…」

 

アリシア「でも場所は分かってるからそこに行こっか。名前だけ分からないんだ」

 

コヨミ「じゃあ行きましょう!」

 

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場所…ダンジョン 統率者の扉

 

アリシア「ここです!」

 

そこは見るからになんの変哲もないただのダンジョンだった。

 

アリシア「ここのダンジョンをクリアすると統率者って特性が手に入るんだ!それが魔物使いに有利な特性だから欲しいの!」

 

コヨミ「分かりました!じゃあ行きましょう!」

 

アリシア「うん!」

 

アリシアたちはダンジョン 統率者の扉に入った。

 

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場所…ダンジョン 統率者の扉 第1の間

 

アリシアたちはダンジョンの中に入ると、広い空間に出た。

 

アリシア「あれ、もうボス戦?聞いてたのと違う…」

 

コヨミ「どんな感じに聞いてたんですか?」

 

アリシア「えっと…全部で3つくらい戦うよって聞いてて…」

 

シン「となるとここは1つ目か」

 

ルーラ「恐らく勝てば次に進める方式ですね」

 

アリシア「な、なるほど…じゃあ早速行ってみよう!」

 

スタスタスタ

アリシアたちは第1の間の中央に立った。

 

ズォッ…

すると祭壇に黒い人型のモンスターが現れた。

 

アリシア「あれがボスモンスター!みんないくよ!」

 

スッ…カチャ!

アリシアは堕天使の短剣と見切りの盾を装備した。

 

コヨミ「はい!」

 

カチャ…ガン!

コヨミは破壊神の斧を装備した。

 

ナギ「分かりました」

 

ガシャン!

ナギはプラチナの槍とプラチナの大盾を装備した。

 

シン「さて、やりますか」

 

ガシャン!

シンはイバラノツルギと聖騎士の大盾を装備した。

 

ルーラ「はい」

 

スッ…カチャ…

ルーラは静かな死神を装備した。

 

ボスモンスター「…」

 

スッ…ヒュッヒュッヒュッ!

ボスモンスターは指揮棒を持ち、それを振り始めた。

 

???「オォォォォォオォォ!!」

 

すると地面に魔法陣が展開され、そこから多数のモンスターが出現した。

 

アリシア「え!?多っ!!」

 

コヨミ「これは無理!ナギ!」

 

ナギ「任せて。聖騎士の守り!!」

 

ガシャン!

味方全員にバリアが展開された。

 

シン「挑発!」

 

音声「スキル:挑発が発動しました。一定時間、敵の攻撃を引き付けます」

 

アリシア「みんな出てきて!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

するとスラちゃんたち全員が出てきた。

 

アリシア「スラちゃん!スラくん!ライム!スラミ!イノくん!突進!」

 

音声「特性:命令が発動しました。味方モンスターの攻撃力が1.2倍上昇します」

 

ダダダダダダダダダダダダダダ!!

するとスラちゃんたちは一斉に敵に向かって突進した。

 

アリシア「スザク!四獣剣技 夜桜乱撃!」

 

キン!ビュン!

スザクは2本の剣を装備して敵に斬りかかった。

 

アリシア「プニちゃんとゴロちゃんは腕を伸ばして攻撃!」

 

プニちゃん「はい!」

ゴロちゃん「…」

 

ブンブンブンブンブンブン!

プニちゃんとゴロちゃんが腕を振り回し始めた。

 

アリシア「ムクロ!つるぎの舞!キリちゃん!切り裂き鎌!」

 

ムクロ「はぁっ!」

 

ビュン!ズシャシャシャシャシャシャ!

ムクロが剣を振るうと、敵の何体かは斬撃によって一掃された。

 

キリちゃん「あっはははははは!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

キリちゃんはその場で回転し始めた。

 

キリちゃん「やぁっ!」

 

ビュン!

そしてキリちゃんが回転をやめると、周囲に斬撃が飛び散った。

 

アリシア「三つ首!みんなに当たらないようにブレス!」

 

雷首「嬢ちゃんの頼みならやってやるぜ!」

氷首「まとめて凍らせてやるわ!」

火首「肉も骨も全て燃やしてやるわい!」

 

雷首「カァァァァァァァッ!!」

氷首「ンバァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

バゴォォォォォォォォォォン!!

三つ首のブレスは敵に斬りかかったスザクや突進したスラちゃんたちを上手く当てずにブレスを使った。

 

アリシア「コハク!狂速!その後は敵を殴ってやっつけて!」

 

コハク「 (o´・ω-)b 」

 

ビュン!

コハクは狂速を使って敵を攻撃しに行った。

 

コヨミ「ア、アリシアさん…すごい…」

 

ナギ「あれだけのモンスターを従えてるなんて…」

 

シン「ルーラ…あの顔だけのモンスターって…」

 

ルーラ「…はい。私たちが手も足も出なかったモンスターですね。確か斬首の扉にいたボスモンスターですね」

 

シン「っ…」

 

???「オォォォォォォ!!」

 

スラちゃん「!」

 

ドカッ!

スラちゃんは敵に体当たりした。

 

???「オォォォ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

攻撃された???の姿が消えた。

 

ムクロ「全く…あのバカに似たものを感じる」

 

キィン…

ムクロは剣を構えた。

 

ムクロ「見てるとイライラするぜ」

 

ギィン!!

そして剣を横に振った。

 

ズシャシャシャシャシャシャ!

すると敵の何体かを斬撃で一掃した。

 

コハク「 ( *`ω´) 」

 

ドカッ!ドゴォン!ドゴッ!グシャッ!ドォン!

コハクは力任せに相手を殴ったり振り回したり、地面に叩きつけたりした。

 

アリシア「キリちゃん!切り裂き鎌!」

 

キリちゃん「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ブンブンブンブンブンブン!

キリちゃんはその場で回転し始めた。

 

キリちゃん「それぇっ!!」

 

キィン!ズシャシャシャシャシャシャ!

キリちゃんの斬撃が周囲に飛び散った。

 

???「オォォォ…」

???「オォォォ…」

???「オォォォ…」

 

キリちゃん「やった!」

 

???「アァァァァァァ!!」

 

ガシッ!!ギリギリギリギリ…

キリちゃんの背後から敵が忍び寄ってキリちゃんの首を絞めた。

 

キリちゃん「かはっ!…あがっ…」

 

アリシア「キリちゃん!」

 

ビュン!

するとアリシアの横を誰かが通り過ぎた。

 

アリシア「!」

 

スザク「やぁっ!」

 

ズシャッ!ズシャズシャッ!

それはスザクだった。スザクは敵の腕と首を斬ってキリちゃんを解放した。

 

???「オォォォ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

すると敵の姿が消えた。

 

キリちゃん「あ、ありがとう…」

 

スザク「どういたしまして。あなたも主の仲間なんだから助けて当然よ」

 

ビュン!

スザクはまた敵を攻撃しに行った。

 

キリちゃん「…スザク」

 

シン「ルーラ!敵の親玉狙えるか!?」

 

ルーラ「できるよ。任せて」

 

シン「ナギ!」

 

ナギ「!」

 

シン「コヨミを守れ!あとできるならアリシアさんも!」

 

ナギ「は、はい!」

 

ザッ!

ナギはコヨミの前に立った。

 

コヨミ「ナギ?」

 

ナギ「っ…」

 

シン「ルーラ!準備が出来たら言ってくれ!」

 

ルーラ「…もうできてるよ。いつでもどうぞ」

 

ルーラは敵の親玉の頭を狙っていた。

 

シン「よしっ!アリシアさん!」

 

アリシア「!」

 

シン「そこから離れてください!」

 

アリシア「うん!」

 

バッ!

アリシアはその場から離れた。

 

シン「ルーラ!今だ!」

 

ルーラ「…誘いの弾丸(バレル・バレット)

 

バァン!

ルーラは引き金を引いた。その瞬間、銃から放たれた弾丸は一直線に敵の頭に向かって飛んだ。

 

ドスッ!!

そして弾丸は見事敵の頭に直撃した。

 

ボスモンスター「!?」

 

ボスモンスターは一瞬のことで全く反応できなかった。

 

ボスモンスター「…」

 

ドサッ…

ボスモンスターは力なくその場に倒れた。

 

???「オォォォ…」

 

ボスモンスターが倒れたことで他のモンスターたちも全て消えていった。

 

アリシア「や、やった…勝った!」

 

ナギ「す、すごい…」

 

コヨミ「カッコイイ…」

 

シン「…よくやった。お疲れ様。ルーラ」

 

ルーラ「…はい。シンもお疲れ様でした」

 

シン「…あぁ」

 

アリシア「みんなー!扉が開いたよー!」

 

シンたちがアリシアの方を見ると、祭壇の所に扉が出現していた。

 

シン「…さ、まだ1つ目だ。残り2つも乗り切るぞ」

 

ルーラ「…えぇ」

 

スタスタスタ

アリシアたちは第2の間へ向かった。

 

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場所…ダンジョン 統率者の扉 第2の間

 

アリシア「…」

 

ザッザッザッ…

アリシアたちは第2の間に着いた。第2の間は壁に天使の石像が4つほど突き刺さっていた。天使の石像はそれぞれ双剣、槍、斧、弓を持っていた。

 

アリシア「なんか…すごいね…この部屋」

 

シン「…」

 

シンが周囲を警戒していた。

 

ルーラ「シン?どうしたの?」

 

シン「…いや、なんでもない」

 

スタスタスタ

アリシアたちは第2の間の中央に立った。

 

アリシア「…あれ、何も無いね」

 

天使の石像(弓)「…」

 

ガコッ!

すると変な音が聞こえた。

 

アリシア「あれ、何?さっきの音」

 

パシュッ!

すると天使の石像(弓)がアリシアに向けて矢を放った。

 

コハク「 ( *`ω´) 」

 

バゴォン!パラパラパラパラ…

それを見たコハクが矢を破壊した。

 

アリシア「!!」

 

コハク「 (@_@) 」

 

コハクは天使の石像(弓)をじっと見ていた。しかし天使の石像(弓)は全く動かなかった。

 

ガコッ!ガコッ!ガコッ!

するとまた変な音が聞こえた。

 

天使の石像(双剣)「…」

 

ブゥン!ブゥン!

天使の石像(双剣)がシンに攻撃を仕掛けた。

 

シン「ふんっ!!」

 

ギィン!!ギィン!!

シンはなんとか防ぐことができたが、相手の攻撃が思ってた以上に重かった。

 

シン「くっ…重い…」

 

グラッ…

シンは少しよろめいた。

 

天使の石像(槍)「…」

 

ビュン!

それを見た天使の石像(槍)がシンに追撃をした。

 

シン「なっ…」

 

ナギ「シンさん!!」

 

ガァン!!

ナギは間一髪のところで攻撃を防ぐことができた。

 

ナギ「うぐっ…」

 

しかし、先程の天使の石像と同じく攻撃が重かった。

 

コヨミ「やぁぁぁぁっ!!」

 

ガン!バゴォン!

コヨミはその隙に天使の石像(槍)が持っている槍を破壊した。

 

天使の石像(槍)「…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

すると天使の石像(槍)は新しく槍を生成した。

 

コヨミ「えっ!?」

 

シン「なるほど、何度もされると厄介だな」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

すると天使の石像(弓)も自分の矢を生成した。

 

アリシア「なるほど…あれで何度でも攻撃できるってことですね」

 

天使の石像(斧)「…」

 

ブゥン!

天使の石像(斧)はルーラの背後から攻撃を仕掛けた。

 

ズシャッ!

ルーラはその攻撃をまともに受けてしまった。

 

ルーラ「あがっ!!」

 

シン「!」

ナギ「!」

コヨミ「!」

アリシア「!」

 

ドサッ!

ルーラは攻撃された衝撃で地面に倒れてしまった。

 

シン「ルーラ!!」

 

天使の石像(斧)「…」

 

ブゥン!

天使の石像(斧)はすぐにシンを攻撃した。

 

キィィィィン!!

シンは天使の石像(斧)の攻撃をガードできたが、少しルーラから距離を離された。

 

シン「しまった!」

 

天使の石像(弓)「…」

 

ギリギリギリ…

天使の石像(弓)がルーラに向けて矢を引き絞った。

 

アリシア「まさか!コハク!」

 

コハク「 Σ( ˙꒳˙ ) 」

 

アリシア「ルーラさんを守って!」

 

コハク「 (`・ω・´)b 」

 

ビュン!

コハクはすぐにルーラのところに向かった。

 

アリシア「よしっ、これでルーラさんは無事に…」

 

ドスッ!!

アリシアはこの時、自分の体に何かが刺さった感じがした。

 

アリシア「…えっ」

 

天使の石像(弓)が放った矢はルーラではなくアリシアに当たっていた。

 

ルーラ「アリシア…さん…」

 

コハク「 ( °Д° ) 」

 

コハクはその様子を見て驚いていた。

 

アリシア「わ…たし…」

 

ドサッ…

アリシアはその場に倒れた。

 

ナギ「アリシアさん!」

コヨミ「アリシアさん!」

シン「アリシアさん!」

 

コハク「 ( ゚д゚) 」

 

コハクは倒れたアリシアを見ていた。

 

天使の石像(双剣)「…」

天使の石像(槍)「…」

天使の石像(斧)「…」

 

ブゥン!ビュン!ブゥン!

三体の天使の石像がコハクに攻撃を仕掛けた。

 

バゴォン!バゴォン!バゴォン!パラパラパラパラ…

だが、三体の天使の石像が持つ武器が全て破壊された。

 

天使の石像(双剣)「…」

天使の石像(槍)「…」

天使の石像(斧)「…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

三体の天使の石像はそれぞれ武器を生成した。

 

コハク「 ( #・᷄ὢ・᷅ ) 」

 

コハクの顔は怒りとなっていた。

 

シン「くっ…四方を囲まれたこの中じゃ完全に不利だ」

 

ナギ「どういう事ですか」

 

シン「この石像は四方から僕たちを攻撃する。僕たちパラディンはいくら防御力が高くても所詮守れるのは前方のみ。後方までは守れない。だがこの状況だと必ずどれかの石像に背を向けることになる」

 

コヨミ「そっか。そうなると、その人の後ろにいる天使が攻撃してきて…」

 

シン「それを助けようとすればまた別の石像が攻撃してくるってことだ」

 

ナギ「となるとこっちとしては不利すぎますね」

 

シン「あぁ。だから守れる僕たちがルーラやコヨミ、アリシアさんを守る必要がある」

 

ナギ「…私、やりますよ」

 

シン「!」

 

ナギ「ここで負けたくはありません。それに、アリシアさんには色々と助けていただきましたから」

 

シン「…よしっ。とにかく防御範囲を決めないと…ルーラとアリシアさんを中心に僕とナギで背を向けながら守ろう」

 

ナギ「はい!」

 

シン「コヨミはアリシアさんを…」

 

スタッ!

するとコハクがアリシアを抱きかかえて来た。

 

コハク「 (・-・) 」

 

スッ…

コハクはアリシアを地面に寝かせた。

 

シン「君…」

 

コハク「 ( ¯•ω•¯ ) 」

 

スタスタスタ

コハクは天使の石像(弓)に向かって歩き始めた。

 

シン「コヨミ。ルーラをここに連れて来れる?」

 

コヨミ「できます!」

 

シン「じゃあお願い」

 

コヨミ「はい!」

 

スタスタスタ

コヨミはルーラをシンとナギのところまで運んだ。

 

シン「ナギ」

 

ナギ「!」

 

シン「僕たちで互いに背中を合わせて守ろう」

 

ナギ「はい!」

 

ガシャン!

シンとナギは大きな盾を構えた。

 

シン「聖騎士の守り!」

 

ナギ「硬化!」

 

音声「スキル:硬化が発動しました。味方の防御力が上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!

シンたちの防御力が上昇した。

 

天使の石像(弓)「…」

 

ギリギリギリ…パシュッ!

天使の石像(弓)はコハクに向けて矢を放った。

 

コハク「 ( ¯•ω•¯ ) 」

 

バキッ!!パラパラパラパラ…

コハクはその矢を粉砕した。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

天使の石像(弓)は矢を生成した。

 

ビュン!

コハクは天使の石像(弓)の顔の前まで移動した。

 

コハク「 ( #・᷄ὢ・᷅ ) 」

 

ビュン!バゴォン!

コハクは天使の石像(弓)の顔を一撃で粉砕した。

 

パラパラ…パラパラ…

天使の石像(弓)の顔の破片が周囲に飛び散った。

 

ガ…ガガ…ガコン…

すると天使の石像(弓)の動きが完全に停止した。

 

シン「と、止まった…?」

 

ナギ「す、すごい…あの人…」

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

天使の石像(双剣)「…」

天使の石像(槍)「…」

天使の石像(斧)「…」

 

残りの天使の石像が一斉にコハクを見た。

 

コハク「 ( ¯•ω•¯ ) 」

 

天使の石像(双剣)「…」

 

ビュン!

天使の石像(双剣)がコハクに斬りかかった。

 

スッ…バゴッ!!

コハクは拳を握って天使の石像(双剣)の剣を破壊した。

 

天使の石像(双剣)「…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

天使の石像(双剣)はなくなった剣を生成した。

 

コハク「 (。-`ω´-) 」

 

スッ…

コハクは面布を口元だけ外した。

 

コハク『天地開闢』

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!

すると何やら変な音が聞こえた。

 

シン「なんだ…この音…」

 

ナギ「嫌な予感…」

 

コハク「…」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥ…バゴォォォォォォォン!!

すると突然隕石が現れ、天使の石像(双剣)の顔に直撃した。

 

コハク「 ( ¯•ω•¯ ) 」

 

ビュン!

コハクは天使の石像(槍)の方へ走った。

 

天使の石像(斧)「…」

 

ブゥン!

それを見た天使の石像(斧)がすかさずコハクを攻撃した。

 

コハク「 ( #・᷄ὢ・᷅ ) 」

 

ビュン!バゴォォォォォォォォォォン!!

コハクは後ろを振り返って天使の石像(斧)が持つ斧を拳で破壊した。

 

天使の石像(斧)「…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

天使の石像(斧)が斧を生成しようとした。

 

コハク「 ( `ᾥ´ ) 」

 

ビュン!ググッ!

それを見たコハクは天使の石像(斧)の顔まで近づいて拳を握った。

 

天使の石像(斧)「…」

 

コハク「 ( ・᷅ὢ・᷄ ) 」

 

バゴォォォォォォォォォォン!!

コハクは天使の石像(斧)の顔を粉々に破壊した。

 

ガガ…ガガガ…ガコン…

すると天使の石像(斧)も動かなくなった。

 

コハク「 ( = - = ) 」

 

コハクは天使の石像(槍)の方を見た。

 

天使の石像(槍)「…」

 

ググッ…

天使の石像(槍)は自分の槍を構えた。

 

コハク「 ( -ω- `) 」

 

グググッ…

コハクは力いっぱい握った。

 

天使の石像(槍)「…」

 

ビュン!

すると天使の石像(槍)の攻撃が始まった。

 

カン!

だがコハクは天使の石像(槍)の攻撃を余裕で避けた。

 

天使の石像(槍)「…」

 

コハク「 ( *`ω´) 」

 

ドゴォン!

コハクは天使の石像(槍)の左肩を破壊した。

 

ググッ…

すると天使の石像(槍)が少し右に傾いた。

 

コハク「 ( *`ω´) 」

 

バゴォン!

続いてコハクは天使の石像(槍)の頭を破壊した。

 

ガラガラガラガラ…

すると天使の石像(槍)は全身が粉々になった。

 

コハク「 ( - - `) 」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

すると祭壇に第3の間への扉が開いた。

 

シン「何なんだ…この人は」

 

アリシア「っ…」

 

するとアリシアとルーラが目を覚ました。

 

アリシア「あれ、私は…」

 

コヨミ「アリシアさん!」

 

シン「ルーラ…よかった」

 

ルーラ「あれ…シン…」

 

コハク「 (`・ω・´)b 」

 

コハクは無事に終わったことを知らせた。

 

アリシア「…そっか。ありがとうコハク。ねぇみんな。次が最後だけど、行けそう?」

 

コヨミ「はい!」

ナギ「はい!」

シン「ここまで来たなら」

ルーラ「最後まで行きます」

 

アリシア「よしっ。コハク。みんなで一緒に行こう」

 

コハク「 ( •̀ω•́ )و 」

 

スタスタスタ

アリシアたちは第3の間へ向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 統率者の扉 第3の間

 

ヒュォォォォォォォォォ…

第3の間は異様な空気で包まれていた。

 

アリシア「あれが最後のボスモンスター?」

 

???「…」

 

第3の間の祭壇には1人の男性が立っていた。

 

アリシア「…」

 

ザッザッザッ…

アリシアたちはその男性の前に立った。

 

???「まさか魔物の軍勢と四大天使を倒すなんてね」

 

アリシア「わ、喋った…」

 

ルーラ「アリシアさん、多分これ、会話イベントです」

 

アリシア「会話イベント?」

 

???「特に四大天使は僕の傑作だったんだが」

 

アリシア「あなたがさっきまでのモンスターのボスね!覚悟して!」

 

???「…そうだなぁ…ここまで勝ち上がってきたし、ここで降参ってのもいいんだけど…」

 

アリシア「…なら」

 

???「最後に僕を退かせてみてよ」

 

アリシア「!?」

 

???「だってそうでもしないとまたさっきのモンスターや天使の石像が作られるんだよ?それならここで叩いておくべきじゃないかな?」

 

シン「…たしかに。だがやけに素直だ」

 

ルーラ「うん。おかしいよね」

 

コヨミ「…」

ナギ「…」

 

アリシア「分かった!あなたをやっつければいいんだね!?」

 

???「…あぁ。やってみるがいい」

 

シン「アリシアさん。多分これは罠じゃないかと」

 

アリシア「え?」

 

マエラテ「僕はマエラテ。あらゆる種族の統率者である」

 

アリシア「コハク!」

 

コハク「 :(っ`꒳´c): 」

 

スタッ!

コハクはアリシアの前に立った。

 

マエラテ「…ほう。そうか、つまり君も()()()()()

 

スッ

マエラテは手を前に出した。

 

マエラテ「では私も…来い。ツクヨミ」

 

ズォッ…スゥゥゥゥゥゥゥゥ…

するとマエラテの前に黒い霧のようなものが出現し、中から1人の女性が出てきた。

 

ツクヨミ「…」

 

その女性は目を閉じており、何やら杖を持っていた。

 

アリシア「…コハク!狂速!」

 

コハク「 ( ✧Д✧) 」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!

コハクのスピードが上昇した。

 

アリシア「コハク!あの人をやっつけて!」

 

ビュン!

コハクはマエラテを攻撃しに行った。

 

マエラテ「ツクヨミ」

 

ツクヨミ「…」

 

ググッ…ビュン!

コハクは拳を握ってマエラテを攻撃した。

 

ドゴォン!

コハクの拳は大きな音を立てた。

 

コハク「 (@_@) 」

 

アリシア「えっ…」

 

シン「!」

ルーラ「!」

コヨミ「!」

ナギ「!」

 

マエラテ「…流石だ」

 

ツクヨミ「…」

 

ビリビリビリビリビリビリ…

ツクヨミがマエラテの前におり、コハクの拳を片手で防いでいた。

 

アリシア「そんな…コハクの攻撃が…」

 

マエラテ「ステータスの上昇を受けやすいこの職業はあらゆる場面でその恩恵を得られる。そして、その上昇は味方のモンスターにも影響する」

 

アリシア「この職業?」

 

マエラテ「君が従えているその白い獣人は君のステータスが低ければ当然弱いままだ」

 

アリシア「そんな…コハク…」

 

コハク「 (ー"ー ) 」

 

マエラテ「それにしても初めて見た。面布を付けた獣人なんていないからね。ちょっと試させてもらおうかな」

 

アリシア「試すって…」

 

マエラテ「ツクヨミ。月光」

 

ツクヨミ「…」

 

ドォン!ズサァァァァァァァァァ!

するとコハクが何もされてないのに吹っ飛ばされた。

 

アリシア「コハク!」

 

コハク「 (´⊙ω⊙`) 」

 

ツクヨミ「…」

 

パァァァァァァァァァァ…

ツクヨミが天井から降り注ぐ光に包まれた。

 

マエラテ「ツクヨミは力の源である月の光を浴びれば一定時間強化される。君にはないのかい?自分を強くする手段が」

 

アリシア「っ…」

 

マエラテ「…ツクヨミ。あいつを吹っ飛ばしてみて」

 

ツクヨミ「…」

 

ビュン!

ツクヨミは一瞬でコハクの目の前に現れた。

 

コハク「 (;゚Д゚) 」

 

アリシア「コハ…」

 

ドォォォォン!

アリシアが言葉の意味を理解してからコハクに命令を出すまでの間にツクヨミはコハクに接近し、コハクを吹っ飛ばした。

 

パラパラ…パラパラ…

コハクは壁に激突し、ぐったりしていた。

 

アリシア「コハク!!」

 

マエラテ「さ、どうしますか。あの白い獣人はしばらく起きてこないでしょう。代わりのモンスターはいますか?」

 

アリシア「っ…スラちゃんたち!コハクの仇を取って!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

するとメダルからスラちゃんたちが出てきた。

 

アリシア「みんな!あいつに突進!」

 

ダダダダダダダダダダダダ!!

スラちゃんたちはツクヨミに突進した。

 

マエラテ「ツクヨミ。薙ぎ払って」

 

ツクヨミ「…」

 

スッ…ブゥン!

ツクヨミは杖を構えて横へ薙ぎ払うように杖を動かした。

 

バゴォォォォォォォォォォン!!

すると、地面がえぐり取られ、攻撃を受けたスラちゃん、スラくん、ライム、スラミ、イノくんの五体は一瞬で消えていった。

 

アリシア「そんな…ス、スザク!プニちゃん!ゴロちゃん!キリちゃん!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

するとスザクたちが姿を現した。

 

アリシア「コハクがやられちゃった…あ、あの人をやっつけて!」

 

チャキッ…

スザクは2つの剣を構えた。

 

スザク「…分かりました」

 

ビュン!

スザクはツクヨミに接近した。

 

ツクヨミ「!」

 

グラッ…

すると一瞬ツクヨミが後方へ揺らいだ。

 

スザク「はぁっ!」

 

ズシャッ!

その隙を見たスザクは後ろからツクヨミを斬った。

 

ツクヨミ「…」

 

マエラテ「ほう…あのモンスターは速いな。ツクヨミ。宵闇」

 

ツクヨミ「…」

 

ポッ…ポポポッ…

するとツクヨミの手から紫色の玉が出現した。

 

アリシア「何あれ…」

 

キリちゃん「やぁっ!」

 

ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!

キリちゃんが自分の鎌を使ってツクヨミを攻撃した。だが、ツクヨミには当てられなかった。

 

プニちゃん「ふんっ!」

 

パシッ!パシッ!パシッ!

プニちゃんは地面に引っ付いてから自分の手足を使ってツクヨミを拘束した。

 

ツクヨミ「…」

 

プニちゃん「ゴロちゃん!!」

 

ブンブンブンブンブンブン!ビュン!

ゴロちゃんは腕を振り回してからツクヨミに拳を飛ばした。

 

ゴンッ!

ゴロちゃんの拳はツクヨミに直撃した。

 

アリシア「よしっ!スザク!四獣剣技 夜桜乱撃!」

 

キンッ!

スザクは2本の剣を構えた。

 

スザク「四獣剣技 夜桜乱撃!」

 

ズシャシャシャシャシャシャ!

スザクは目にも止まらぬ速さでツクヨミを斬った。

 

ボッ…ボッボッボッ…

すると紫色の玉が消えた。

 

マエラテ「すごいな…宵闇が消された」

 

ツクヨミ「…」

 

マエラテ「ツクヨミ。月楼」

 

ツクヨミ「…」

 

ググッ…

しかしツクヨミの動きはプニちゃんによって封じられていた。

 

マエラテ「くっ…なら月輪」

 

ツクヨミ「…」

 

ズシャシャシャシャシャシャ!

突然ツクヨミの体から斬撃が放たれた。

 

ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!

最も近くにいたプニちゃんはその斬撃の餌食となった。

 

プニちゃん「ぐぁっ!!」

 

ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!

プニちゃんはツクヨミから離れたが、その後もずっとツクヨミの攻撃が続いていた。

 

プニちゃん「痛い!痛い!痛い!」

 

プニちゃんはツクヨミの攻撃から逃げられなかった。

 

アリシア「プニちゃん!!」

 

ゴロちゃん「…」

 

ドシン!ドシン!ドシン!ドシン!

それに気づいたゴロちゃんがプニちゃんを助けるためにツクヨミに接近した。

 

マエラテ「今だツクヨミ。月楼」

 

ツクヨミ「…」

 

スッ…

ツクヨミは手を前に出した。

 

バゴォォォォォォォォォォン!!

すると突然、ツクヨミの手から紫色のレーザーが放たれた。

 

アリシア「ゴロちゃん!!」

 

ドゴォォォォォォォォォォォン!!

ゴロちゃんはそのレーザーを真正面から受けてしまった。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ゴロちゃんの体は所々が欠けていた。

 

アリシア「そんな…ゴロちゃん…」

 

プニちゃん「ゴ…ロ…ちゃん…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

プニちゃんが消えてしまった。

 

アリシア「プニちゃん!」

 

ツクヨミ「…」

 

マエラテ「どうだ僕のツクヨミは!僕はツクヨミと会ってから世界が変わった!この強い力を目の前にして数々のモンスターが死んだ!そしてこのツクヨミの力を認めた奴らは僕の配下となった!どうだ!お前も僕と同じだ!僕の配下となれ!」

 

アリシア「い、嫌だ…嫌!あなたの配下になんかなりたくない!」

 

マエラテ「…そうか。なら仕方ない」

 

スッ…

マエラテはアリシアを指さした。

 

マエラテ「ツクヨミ。月楼」

 

アリシア「!!」

 

ツクヨミ「…」

 

スッ…

ツクヨミがアリシアに手を向けた。

 

ズシャッ!

その時、ツクヨミの足が斬られた。

 

ツクヨミ「…」

 

グラッ…

ツクヨミは体勢を崩した。

 

アリシア「!」

 

スザク「はぁっ!!」

 

ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!

スザクだった。スザクはこれでもかと言わんばかりにツクヨミを斬った。

 

マエラテ「小賢しいハエだ!ツクヨミ!影縛り!」

 

ツクヨミ「…」

 

ズォッ…

ツクヨミの足元が真っ黒になった。

 

スタタタタタタタタタタ!

スザクは素早く移動していた。

 

マエラテ「くっ…速すぎて捉えられん…」

 

ツクヨミ「…」

 

スザク「四獣剣技 夜桜乱撃!!」

 

ズシャシャシャシャシャシャ!

スザクはツクヨミを攻撃した。

 

ツクヨミ「…」

 

ドサッ…

ついにツクヨミが膝を着いた。

 

マエラテ「ツクヨミ!」

 

ツクヨミ「…」

 

アリシア「スザク!もう一度四獣剣技 夜桜乱撃!!」

 

ビュン!

スザクはツクヨミに接近した。

 

スザク「四獣剣技 夜桜乱撃!!」

 

ズシャシャシャシャシャシャ!

スザクは最後にツクヨミを攻撃した。

 

スタッ!!

そして勢いよく着地した。

 

スザク「…」

 

キリちゃん「やったねスザク!」

 

スザク「…えぇ」

 

マエラテ「ツクヨミ!!」

 

ツクヨミ「…」

 

ツクヨミはぐったりしていた。

 

マエラテ「そんな…僕のツクヨミが…」

 

アリシア「スザク!キリちゃん!あの人をやっつけて!」

 

スザク「はっ!」

キリちゃん「うん!」

 

ビュン!

スザクとキリちゃんはマエラテに接近した。

 

マエラテ「ひっ…ちょ、ちょっと待て!僕にはもうモンスターはいないんだ!許してくれ!」

 

スザク「許せるはずがないでしょう!!」

 

キリちゃん「無理だね!!」

 

マエラテ「僕の負けでいいから!!負けでいいから許してくれぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

バゴォォォォォォォォォォン!!

すると突然大きな音が響いた。

 

アリシア「!!」

 

マエラテ「っ…」

 

ドサッ…シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

スザクとキリちゃんは力なく倒れた。そしてその場から消えてしまった。

 

アリシア「っ…え?」

 

ツクヨミ「…」

 

アリシアがツクヨミの方を見ると、ツクヨミはマエラテを守るために月楼を放っていた。

 

アリシア「そんな…スザク…キリちゃん…」

 

マエラテ「くっ…うぅっ…」

 

ツクヨミ「…マスター」

 

マエラテ「…!」

 

マエラテはゆっくりと頭を上げた。すると目の前にツクヨミが立っていた。

 

ツクヨミ「…マスターは…私が…守ります」

 

マエラテ「ツクヨミ…」

 

アリシア「そんな…さっきまで立ってなかったのに…」

 

マエラテ「…そうだった。僕とツクヨミはずっと一緒だったもんね…ここでツクヨミが負けると思ってしまった僕を許してくれ…」

 

ツクヨミ「…」

 

マエラテ「…よしっ…じゃあツクヨミ、2人であの人を倒そう!」

 

ツクヨミ「…はい。マスター」

 

アリシア「なんで…」

 

マエラテ「君…名前だけ聞かせてくれ」

 

アリシア「っ…アリシアです」

 

マエラテ「アリシア…そうか。じゃあアリシア!ここで決着だ!見たところ君の持ち手はもういないはずだ!ここで最後にしてやる!」

 

アリシア「!!」

 

マエラテ「ツクヨミ!月楼!」

 

ツクヨミ「…」

 

スッ…

ツクヨミはアリシアに手を向けた。

 

アリシア「っ!?」

 

ガシッ!ドォン!

すると近くで倒れていたゴロちゃんがツクヨミに体当たりをした。

 

ゴロちゃん「…」

 

マエラテ「ツクヨミ!」

 

ツクヨミ「…」

 

バゴォォォォォォォォォォン!!

ツクヨミはゴロちゃんに手を向けて月楼を放った。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ゴロちゃんはツクヨミの攻撃を受けて消えてしまった。

 

アリシア「そんな…ゴロちゃんまで…」

 

ツクヨミ「…」

 

ツクヨミはアリシアを見た。

 

アリシア「っ…」

 

マエラテ「ツクヨミ!月楼!あいつをやっつけろ!」

 

ツクヨミ「…」

 

スッ…

ツクヨミはアリシアに手を向けた。

 

雷首「嬢ちゃんに手を出すんじゃねぇ!」

氷首「殺されてぇのかゴラァ!」

火首「いい加減にしろこのカス!」

 

ドシン!

突然三つ首が現れた。

 

アリシア「えっ…なんで…」

 

雷首「嬢ちゃんがピンチだと思って来た」

氷首「無理してねぇだろうな」

火首「あとは任せな」

 

ツクヨミ「…」

 

雷首「さて、足引っ張るなよお前ら」

氷首「誰に口聞いてんだ」

火首「お前らこそ足引っ張るなよ」

 

ツクヨミ「…」

 

バゴォォォォォォォォォォン!!

ツクヨミは三つ首に向かって月楼を放った。

 

雷首「カァァァァァァァァァッ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

ドォォォォォォォォォン!!

三つ首のブレスとツクヨミの月楼がぶつかった。

 

ビュォォォォォォォォォォ!

周囲に風が発生した。

 

アリシア「わっわわっ!」

 

アリシアは飛ばされそうになっていた。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

やがて両者の攻撃が止んだ。

 

アリシア「っ…」

 

アリシアは顔を上げて様子を見た。両者全く攻撃を受けていないようだった。

 

アリシア「すごい…あれほどの攻撃でも倒せないなんて…」

 

マエラテ「ツクヨミ!もう一度月楼!」

 

ツクヨミ「…」

 

スッ…

ツクヨミは三つ首に手を向けた。

 

ツクヨミ「…」

 

しかし、月楼が使えなかった。

 

マエラテ「どうしたツクヨミ!」

 

ツクヨミ「…すみませんマスター。もう使えません」

 

マエラテ「なっ…」

 

雷首「ガッハハハ!もう終わりか!」

氷首「いい攻撃だったんだがなぁ」

火首「お前はよくやったよ」

 

マエラテ「くっ…なら他の技で…」

 

ツクヨミ「マスター…もう、技が出せない…」

 

マエラテ「嘘…だろ…」

 

マエラテは絶望していた。

 

ツクヨミ「すみません…マスター」

 

ドサッ…

マエラテは膝を着いた。

 

マエラテ「そんな…僕の…負け…か…」

 

ツクヨミ「マスター。マスターは負けてな…」

 

ムクロ「霧の刃」

 

スゥッ…

ムクロはツクヨミの背後に立った。

 

ムクロ「死の告知(アブズ・ギブズ)

 

ズシャッ!

ムクロはツクヨミを背後から斬った。

 

ツクヨミ「!」

 

ドサッ…

ツクヨミは力なくその場に倒れた。

 

マエラテ「ツクヨミ!!」

 

ツクヨミ「マ…スター…私…もう…」

 

スゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ツクヨミはその場から消えた。

 

マエラテ「そんな…ツクヨミ…」

 

ザッザッザッ…

ムクロがマエラテの前に立った。

 

マエラテ「!」

 

ムクロ「…最後だ。なにか言葉があるなら聞いてやる」

 

マエラテ「さ…いご…」

 

ムクロ「…」

 

マエラテ「…アリシア…だったかな」

 

アリシア「!」

 

マエラテ「…今回は僕の負けだ。同じ魔物使いとして、こんなに強い相手に会えたのはとても嬉しいことだ。どうかな。僕のツクヨミは強かったかな」

 

アリシア「…強い。すごく強かったです。私の手持ちはあとそこの2人だけでした。それ以外の子は全員倒されました。コハクも含めて。コハクが倒されるのは今まで無かったのですごく焦りましたよ」

 

マエラテ「…そっか。初めてコハクって人を倒せたんだ…それは名誉な事だ」

 

スッ…

マエラテは立ち上がった。

 

マエラテ「…ねぇアリシア」

 

アリシア「?」

 

マエラテ「…僕を仲間にしてくれないかな」

 

アリシア「!?」

 

マエラテ「僕は君について行きたい。君といればもっと強くなれそうだ。…どうかな」

 

アリシア「…」

 

アリシアは考えていた。そして、結論を出した。

 

アリシア「…いいですよ。でもあなたはプレイヤーですか?」

 

マエラテ「プレイヤーじゃないよ。でもプレイヤーとして動くこともできる」

 

アリシア「え?どういう事?」

 

シン「つまり、さっきのツクヨミって人を動かすにはあなたが必要。2人で1つのモンスターってわけか」

 

マエラテ「…正解。ツクヨミは僕の命令でしか動かない。もしアリシアの仲間にしてくれたら、戦う時に僕を召喚して、僕はアリシアのようにプレイヤーとして動き、ツクヨミを動かそう。君がコハクって人を動かしてるように」

 

アリシア「じゃあ魔物使いが2人に増えるってこと?」

 

マエラテ「僕を召喚してくれたらね」

 

アリシア「やったぁ!初めて魔物使いの人を仲間にすることができるんだ!嬉しい!魔物使いって私だけだったから心強い!」

 

マエラテ「…そう言ってくれてありがとう。…それじゃあ」

 

スッ…

マエラテは手を広げた。

 

マエラテ「…そこの君、僕を斬ってくれ」

 

アリシア「!?」

 

マエラテ「僕が仲間になるのは君たちがこのダンジョンを突破してからだ。つまり、僕を倒さない限り、僕は君の仲間になれない」

 

アリシア「え…」

 

マエラテ「さぁ、僕は抵抗しない。だから斬ってくれ」

 

ムクロ「…そうか。分かった」

 

ググッ…

ムクロは剣を構えた。

 

ムクロ「…これからは共に力を尽くそう」

 

マエラテ「…あぁ」

 

ズシャッ!

ムクロはマエラテを斬った。

 

ドサッ…

マエラテは力なくその場に倒れた。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

そしてマエラテは消えた。

 

アリシア「これで…ダンジョンクリアって事だよね…」

 

ガコッ!

すると魔法陣に宝箱が出てきた。

 

アリシア「あ、出てきた」

 

スタスタスタ

アリシアは宝箱の前に立った。

 

アリシア「…」

 

ガコッ…

アリシアは宝箱を開けた。

 

音声「特性:統率者を入手しました。マエラテ、ツクヨミが仲間になりました」

 

アリシア「統率者?」

 

音声「特性:最後の砦を入手しました」

 

シン「ほう。どんな効果だろうか」

 

音声「特性:気配消失を入手しました」

 

ルーラ「気配消失?スキルじゃなくて特性なんだ」

 

音声「特性:最後の砦を入手しました」

 

ナギ「どんな効果なのか楽しみだなぁ」

 

音声「特性:火事場の馬鹿力を入手しました」

 

コヨミ「火事場の馬鹿力なんて久しぶりに聞いたけど、どんな特性なんだろ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

祭壇に魔法陣が展開された。

 

アリシア「みんなー!魔法陣が出てきたよー!帰ろー!」

 

コヨミ「はい!」

ナギ「はい」

シン「そうしよう」

ルーラ「分かりました」

 

スタスタスタ…シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

アリシアたちはダンジョン 統率者の扉から脱出し、カナデの宿屋で休むことにした。




〜物語メモ〜

今話で獲得した特性・スキル・装備

アリシア
特性
命令
味方に命令することで、その攻撃が1.2倍上昇する

統率者
味方のモンスターだけでなく、野生のモンスターまでも味方につけることができる
ただし、野生のモンスターはあくまで野生なので、戦いが終わればすぐに消え、元いた場所に転送される
アリシアの持つ笛と一緒に使うことで範囲が拡大し、味方になってくれるモンスターも多くなる

スキル
なし

装備
武器:鉄の剣、普通のナイフ、金の斧
防具:なし

━━━━━━━━━━━━━━━

シン

特性
受け身
敵の攻撃を受けると防御力が上昇する

最後の砦
味方がやられ、自分だけが残った場合、HPと防御力が大幅に上昇する

スキル
聖騎士の守り
味方にバリアを展開する

挑発
相手の注意を引いて、一時的に味方を守る

硬化
防御力が上昇する

━━━━━━━━━━━━━━━

ルーラ

特性
集中
相手を狙撃する時、最初の一発目だけ無反動で弾を撃つことができる

気配消失
敵が近くにいる場合、相手に見つからずに背後を取ることができる
ただし、3人倒すことで効果は消失する

心眼
弾丸にあらゆる鎧を貫通させる効果が付与される
ただし、10発までで重複しない

スキル
分身
自分の分身を作り出すことで身を守ることができる

━━━━━━━━━━━━━━━

コヨミ

特性
武神
武器を装備することで一定時間、攻撃力が1.2倍される

破砕
相手の装甲や鎧、盾など、身を守るものを破壊することができる

闘魂
致死的ダメージを受けた時、HPを1だけ残して耐えることができる

火事場の馬鹿力
自分のHPが少ない場合、次の一撃だけ1000%の火力で攻撃することができる
ただし、1000%の火力は一撃だけなので、一度攻撃すればそれ以降は普通の攻撃力に戻る

スキル
足崩し
相手の姿勢を崩すことができる

装備
武器:大地の斧、死神の鎌、巨人のハンマー、破壊神の斧
防具:戦の鎧、鉄の鎧、皮の服

━━━━━━━━━━━━━━━

ナギ

特性
受け身
敵の攻撃を受けると防御力が上昇する

最後の砦
味方がやられ、自分だけが残った場合、HPと防御力が大幅に上昇する

スキル
聖騎士の守り
味方にバリアを展開する

挑発
相手の注意を引いて、一時的に味方を守る

硬化
防御力が上昇する

装備
武器:鋼の槍、錆びた剣、悪魔の盾、プラチナの槍、プラチナの盾
防具:聖騎士の鎧、吸血の鎧

━━━━━━━━━━━━━━━

ダンジョン 武器庫の中
あらゆる武器があるダンジョン。クリアすることで、各職業に適正がある武器を得ることができる。ただし、1つずつだけ。

ダンジョン 統率者の扉
アリシアが欲しがっていた「統率者」という特性が得られるダンジョン。第1〜第3の間まであり、連続で戦闘することになる。ただし、道中で回復することができる。

ダンジョン 統率者の扉 第1の間
黒い人型のモンスターが数多のモンスターたちを召喚してくるステージ。リーダーである黒い人型のモンスターを倒せばモンスターの侵攻は収まるが、倒さない限り延々とモンスターが召喚される。

ダンジョン 統率者の扉 第2の間
4体の天使の石像が壁から上半身だけ出しているステージ。天使たちはそれぞれ双剣、槍、斧、弓を装備しており、各々自分の意思で動く。全て石でできているので天使たちの武器は破壊しやすいが、すぐに生成される。

ダンジョン 統率者の扉 第3の間
ダンジョンの最下層。とある1人の男性が待ち構えている。名前はマエラテ。第1の間、第2の間で出てきたモンスターたちを従えていた存在。パートナーであるツクヨミとともにアリシアたちの前に立ちはだかった。

━━━━━━━━━━━━━━━

モンスター

統率者 マエラテ
ダンジョン 統率者の扉の最下層で待ち構えている男性。第1の間、第2の間で出現したモンスターたちを従えており、特に第2の間で出現した四大天使はツクヨミの次にお気に入り。

ツクヨミ
統率者 マエラテのパートナー。アリシアで言えばコハクと同じ立ち位置。主に月の力を使って攻撃する。自分や味方のバフ、敵へのデバフ、相手への攻撃など、行動は多彩。言葉を発する機会は少ないが、心の中ではマエラテのことを心配したりしている。ただ顔や言葉に出ないだけ。

ツクヨミの技
月光
月の光を浴びることで自身のステータスを上昇させることができる。

宵闇
紫色の玉を地雷のように周囲に展開する
当たればすぐに視界が真っ暗になり、何も見えなくなる

月輪
ツクヨミの体から無数の斬撃を繰り出す
離れていれば問題ないが、ツクヨミの近くにいれば多数の斬撃を受けることになる

影縛り
ツクヨミと相手の影を繋ぐことで相手を拘束することができる
しかし、スザクのように足が速いと影を繋げることができないため、スピードが高い相手には不向き

月楼
ツクヨミの必殺技
手から放たれる紫色のレーザーで、当たれば大ダメージ
相手に手を向けるだけで発動するため、見てから避けるのは難しい
ただし、無敵ではないため、発動する前に攻撃して阻止することができる


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第15話 第3回イベント開幕 1日目

アリシア「ロザリー!そろそろ始まるよー!」

 

ロザリー「分かったー!」

 

タッタッタッタッタッ!

アリシアとロザリーは大通りに出た。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…冒険者の世界 大通り

 

ロザリー「確か第3回イベントの説明ってこの後だよね」

 

アリシア「うん!ギルド対抗戦だから楽しみ!」

 

ジン「お、来てたのか。アリシアとロザリー」

 

アリシア「あ!ジンさん!それにルシュさんにゼディさん!」

 

ゼディ「やぁアリシアにロザリー」

 

ルシュ「2人ともやる気十分だね!」

 

アリシア「はい!」

 

スタスタスタ

するとカナデたちやコヨミとナギ、シンとルーラも来た。

 

アリシア「これで宿り星全員集合だね!」

 

ロザリー「そうね!」

 

カナデ「アリシアさん。今回私たちは本気でこの戦いに臨みますよ」

 

アリシア「おー!」

 

アレックス「俺たちは商人だが各々担当しているバフとデバフがある。それを最大限に活かせるようなものも作ってきたし買い揃えてきた」

 

アリシア「そうなんですか!?それではよろしくお願いしますね!」

 

ピピピピピピピピピピッ!

すると甲高い音が鳴り響いた。

 

音声「それでは、今から第3回イベントの説明をいたします。第3回イベントはギルド対抗戦となります。これからゲーム内時間で5日ほど、プレイヤーの方々は特別なフィールドでポイントを競っていただきます」

 

アリシア「あれ?ここじゃないの?」

 

ロザリー「きっとこのイベント専用のフィールドを作ったんだよ」

 

アリシア「へぇ」

 

音声「そこには現時点で創設されたギルド分の拠点があります。そして、説明後に転送された場所が拠点となります」

 

ロザリー「なるほど、完全にランダムなんだね」

 

音声「転送後、10分後にイベントが開始されるので、それまで作戦会議等を行ってください」

 

ジン「その時間はくれるんだな」

 

音声「今回のイベントでは、ポイントを稼いで最終日に集計した後に順位を確定します。ポイントを稼ぐ方法は2つあります。1つはフィールド内にいるモンスターを倒すこと、2つ目はポイントを所持しているギルドを倒すこと。モンスターは強さによって獲得ポイントが異なります。ギルドに関しては0ポイントの場合はポイントに加えることはできないのでご注意を」

 

ルシュ「なるほど、最初はモンスターを倒す方がいいのね」

 

アリシア「よぉーし!頑張るぞー!」

 

音声「また、ギルドメンバーが全滅すると、翌日まで復活できません。しかし、1人でも残っている場合は何度でも復活が可能です」

 

シン「なるほど、となると誰か1人を残しさえすれば勝ち筋が見えるって訳か」

 

ルーラ「でも難しそうな気がする」

 

音声「そして、本イベントはゲーム内の時間で5日間行われます。また、本イベントは1位〜10位までのギルドには特別なスキルや特性、武器との引き換えができるアイテムが手に入ります。それでは、これにて第3回イベントの説明を終わりますので、プレイヤーの方々をフィールドに転送します」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

アリシアたちは特別なフィールドに転送された。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…第3回イベント 特殊フィールド

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

アリシアたちはどこかの洞窟に転送された。

 

アリシア「わっ!何ここ!?」

 

ロザリー「きっと洞窟ね。ここが私たちの拠点って事になるのかな」

 

アリシア「そういえば、今回のイベントってギルドを落とせばポイントがもらえるってだけで、倒されなければ相手にポイントが奪われることはないんだよね?」

 

ロザリー「そうだけど、どうしたの?」

 

アリシア「あの後ろにあるやつを守らなきゃダメとかないよね?」

 

ロザリーたちは後ろを見た。そこには半透明なキューブがあり、中には白い何かが光っていた。

 

ロザリー「ん?なんだろあれ」

 

アリシア「分からないけど、あれが取られたらポイントが0になりますとかじゃなかったよね?」

 

ロザリー「確かそのはずだけど…」

 

ジン「もしかしたらこの5日間の中でこれが必要になるのかもしれん」

 

アリシア「あぁ…なるほど…」

 

ルシュ「まぁ聞いたところ今は必要ないし、皆で一気にポイント稼いだ方がいい気がするけど、みんなはどう?」

 

アリシア「賛成!」

 

ジン「確かに。俺たちはサポート役の人が多いからバラバラだとすぐに負ける気がするしな」

 

ロザリー「私もそれで」

 

カナデ「こちらもそれで賛成です」

 

アリシア「よしっ!じゃあ最初はモンスターを倒してポイントを稼ごう!」

 

全員「おー!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…宿り星の拠点近くの草原

 

アリシア「わっ!いっぱいいる!」

 

拠点近くの草原には目視だけでも20体以上いるように見える。

 

ロザリー「さぁて、そろそろ10分経つだろうし準備しようかな」

 

ヒュッヒュッヒュッ…コンッ!

ロザリーはロンギヌスの槍を装備した。

 

アリシア「私も!みんな出てきて!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

スラちゃん、スラくん、ライム、スラミ、イノくんが出てきた。

 

アリシア「召喚!コハク、スザク、プニちゃん、ゴロちゃん、キリちゃん、三つ首、ムクロ、マエラテ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

アリシアの前に魔法陣が展開され、呼ばれたボスモンスターたちが姿を現した。

 

アリシア「よしみんな!今回のイベント…は…ってあれ?プニちゃんとゴロちゃんとキリちゃんは?」

 

しかし、プニちゃんとゴロちゃん、キリちゃんの姿がなかった。

 

アリシア「あれっ!?プニちゃん!ゴロちゃん!キリちゃん!!」

 

ロザリー「どうしたの?アリシア」

 

アリシア「プニちゃんとゴロちゃんとキリちゃんがいない!」

 

ロザリー「え?プニちゃん?ゴロちゃん?キリちゃん?」

 

アリシア「うん!!」

 

スザク「プニプニスライムと岩石男と切り裂き魔のことです。その3人は主のモンスターでした」

 

アリシア「そうだよ!でもいない!何で!?」

 

ロザリー「ほんと?ちょっと味方モンスターの一覧見せて」

 

アリシア「う、うん…」

 

アリシアはロザリーに味方モンスターの一覧表を見せた。

 

ロザリー「うーん…ほんとだ。さっきの3人の名前が無い」

 

アリシア「な…なんで…」

 

ロザリー「うーん…」

 

ジン「バグか?」

 

ロザリー「いや、バグなら私たちにも影響出るんじゃないかな」

 

ルシュ「となると仕様?ボスモンスターは使えません的な」

 

アリシア「え、でも三つ首とムクロは召喚できてるよ」

 

雷首「あぁ」

氷首「俺たちは普通だ」

火首「問題ない」

 

ムクロ「…同じく」

 

ロザリー「うーん…」

 

シン「確か第2層が追加されるに伴って修正入ってなかった?なんかの職業が下方修正されたって」

 

アリシア「!!」

 

アリシアはそれを聞いてすぐにお知らせのページを開いた。

 

「魔物使いが所持しているボスモンスターがやられると、味方から強制脱退するよう変更しました」

 

アリシア「あ、これかな」

 

アリシアはそれっぽい文を見つけた。

 

ロザリー「え、でもその3体は負けてないでしょ?」

 

アリシア「うーん…そのはずなんだけど…」

 

ルーラ「あの…ひとついいですか?」

 

ルーラが手を挙げて話を続けた。

 

ルーラ「私とシン、コヨミちゃんとナギちゃんはアリシアさんと一緒にとあるクエストに行きました。丁度そこにいるマエラテさんのツクヨミと戦うために」

 

アリシア「うん。確かに」

 

ロザリー「それで?」

 

ルーラ「確かその時にツクヨミにやられてませんでしたか?そのプニちゃんとゴロちゃんとキリちゃんというモンスターが」

 

アリシア「……あっ!!」

 

アリシアはその時のことを思い出した。確かにプニちゃんはツクヨミの月輪に、ゴロちゃんとキリちゃんはツクヨミの月楼によって倒されたのだった。

 

アリシア「確かに…やられたんだった…」

 

ロザリー「え!?じゃあその時に3人が…」

 

アリシア「元のダンジョンに…戻ったのかも…」

 

ジン「じゃ、じゃあその3体分の戦力がなくなったってことか?」

 

ロザリー「…うん」

 

ジン「マ…マジか…」

 

ルシュ「他の子たちはやられなかったの?」

 

アリシア「いえ、スラちゃんたちも倒されました。でもボスモンスターじゃないので…」

 

ルシュ「あ、そっか」

 

マロリーニョ「ならコハクとスザクは?ボスモンスターじゃないの?」

 

アリシア「あ、はい。2人はクエストをしている途中で拾ったんです」

 

マロリーニョ「なるほど」

 

音声「第3回イベント開始まで残り30秒」

 

ロザリー「仕方ない!いないなら他で代用しよう!あとアリシア!そこのマエラテって人は戦えるの?」

 

アリシア「あ、この人は私と同じで魔物使いなの。でもモンスターが一人しかいなくて…」

 

ロザリー「嘘っ…1体?」

 

ジン「嘘だろ…大丈夫なのか…?」

 

アリシア「マエラテ!ツクヨミを召喚して!」

 

マエラテ「分かった。ツクヨミ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

するとツクヨミが出現した。

 

ツクヨミ「…」

 

コハク「 ( ・᷅ὢ・᷄ ) 」

 

コハクはツクヨミを見て目の色を変えた。

 

スザク「…」

 

ジン「ほぅ。これがさっきの話に出てきたツクヨミってやつか?」

 

アリシア「そうです。私のコハクがこのツクヨミさんに負けました」

 

ジン「えっ!?コハクが!?」

 

ルシュ「す、すごいね…」

 

アリシア「はい。私も驚きましたよ。コハクが負けたところなんて初めて見ましたから」

 

ジン「じゃあ相当な戦力じゃねぇか」

 

アリシア「はい!」

 

音声「第3回イベント開始まで5、4、3、2、1…スタートです」

 

ピーッ!!

すると笛のような音が聞こえた。

 

ロザリー「よしっ!とにかく今はモンスターを倒そう!そうでもしないと負けちゃうからね!」

 

アリシア「よしっ!じゃあ行こう!」

 

アリシアたちは近くのモンスターたちを攻撃し始めた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ーアリシア・マエラテ サイドー

 

アリシア「三つ首!ブレス!」

 

雷首「カァァァァァァァァァァッ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

三つ首はブレスで周囲のモンスターを一掃した。

 

マエラテ「ツクヨミ!月楼!」

 

ツクヨミ「…」

 

スッ…

ツクヨミは手を前に出した。

 

ドォォォォォン!

するとツクヨミの手から紫色のレーザーが放たれた。

 

バゴォォォォォォォォン!!

ツクヨミの月楼に当たったモンスターたちは一瞬で倒された。

 

アリシア「コハク!狂速!」

 

コハク「 ( ✧Д✧) 」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

コハクのスピードが上昇した。

 

アリシア「モンスターたちをやっつけて!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!

コハクはすぐに敵に接近した。

 

アリシア「スザク!四獣剣技 夜桜乱撃!」

 

スザク「ふぅ…」

 

キン!

スザクは2本の剣を構えた。

 

スザク「四獣剣技 夜桜乱撃!!」

 

アリシア「スラちゃんたちは突進!!」

 

ダダダダダダダダダダダダ!!

スラちゃん、スラくん、ライム、スラミ、イノくんはモンスターたちに突進した。

 

アリシア「ムクロ!死者の呼び声!つるぎの舞!」

 

ムクロ「承知」

 

カチャ…

ムクロは刀を構えた。

 

ムクロ「死者の呼び声」

 

ビュン!

ムクロは刀を横へ振った。

 

ズォッ…

空間に隙間ができた。

 

死者たち「アァァァァァァァァァァ!!」

 

するとその隙間から霊体が多数出現し、モンスターたちに突撃した。

 

カチャ

ムクロは再び刀を構えた。

 

ムクロ「つるぎの舞」

 

ビュン!ズシャシャシャシャシャシャ!!

ムクロが刀を振るうと多数の斬撃が放たれた。

 

モンスターたち「アァァァァァァァ!」

モンスターたち「オォォォォォォ!!」

 

マエラテ「…すごいなアリシアは。こんなにたくさんのモンスターを従えてるなんて」

 

アリシア「ううん。でもマエラテは私のモンスターをほとんどやっつけたでしょ?」

 

マエラテ「まぁ、でもそれはツクヨミの力だから。僕にはツクヨミを操るしか力がないよ。だからアリシアはすごいね」

 

アリシア「あ、ありがとう…ございます…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ーロザリー・ジン・アレックス・リン サイドー

 

アレックス「パワーアップ!!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

ロザリー、ジン、アレックス、リンの攻撃力が上昇した。

 

アレックス「パワーダウン!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

周囲のモンスターたちの攻撃力が低下した。

 

リン「スピードアップ!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

ロザリー、ジン、アレックス、リンのスピードが上昇した。

 

リン「スピードダウン!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

周囲のモンスターのスピードが低下した。

 

ジン「おぉ…すげぇ便利だな」

 

ロザリー「ほんと、私は攻撃力とスピードを高めにしたから本当にありがたい!」

 

ビュン!

ロザリーはモンスターに一直線に接近した。

 

ロザリー「やぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

キン!キン!キン!キン!キン!キン!キン!

ロザリーは槍を巧みに操りながらモンスターたちを攻撃していった。

 

ジン「っしゃあ!じゃあ俺も!」

 

ググッ!

ジンは剣を強く握りしめた。

 

ジン「いくぜ!!グランドソード!!」

 

グサッ!

ジンは剣を地面に突き刺した。

 

ゴゴゴゴゴゴゴ!!

すると剣の形をした岩石が生成された。

 

ジン「いけぇぇぇ!!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

ジンは剣の形をした岩石をモンスターに向けて放った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ーシン・ルーラ・ランドール・マロリーニョ サイドー

 

シン「聖騎士の守り!」

 

ガシャン!

シン、ルーラ、ランドール、マロリーニョに結界が展開された。

 

マロリーニョ「ガードアップ!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

シン、ルーラ、ランドール、マロリーニョの防御力が上昇した。

 

マロリーニョ「ガードダウン!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

周囲のモンスターの防御力が低下した。

 

マロリーニョ「これでいける?」

 

シン「ルーラ!モンスターを倒せるか!?」

 

ルーラ「うーん…速すぎて狙いが定まらない…」

 

ランドール「なら任せて」

 

シン「?」

ルーラ「?」

 

ランドール「僕こう見えて状態異常には詳しいんだ」

 

ガサゴソ…ガサゴソ…

ランドールは杖を取りだした。

 

ランドール「スパーク!」

 

バリバリバリバリバリバリ!!

ランドールが杖を空に向けて技を使うと、空を飛んでいたモンスターたちが一斉に地面に落ちた。

 

ルーラ「これなら!マグナム!」

 

ガシャン!

ルーラの横に大きな大砲が出てきた。

 

ルーラ「いっけぇ!」

 

ドォォォォォン!ドォォォォォン!ドォォォォォン!

ルーラは痺れて動けないモンスターに向かって攻撃した。

 

ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!

モンスターたちはルーラの攻撃で一気に倒された。

 

ルーラ「よしっ!」

 

マロリーニョ「やったね」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ーコヨミ・ナギ・カナデ・フミ サイドー

 

ナギ「聖騎士の守り!!」

 

ガシャン!

コヨミ、ナギ、カナデ、フミに結界が展開された。

 

カナデ「攻撃力アップポーション!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

コヨミ、ナギ、カナデ、フミの攻撃力が上昇した。

 

カナデ「スピードアップポーション!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

コヨミ、ナギ、カナデ、フミのスピードが上昇した。

 

フミ「ハートフィールド!」

 

パァァァァァァァ…

コヨミ、ナギ、カナデ、フミにHP継続回復が付与された。

 

カナデ「コヨミさん!攻撃してもいいですよ!」

 

コヨミ「すごいバフの数々!よぉし!」

 

ブゥン!

コヨミは破壊神の斧を構えた。

 

コヨミ「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!

コヨミはその場で回転し始めた。

 

コヨミ「スローアックス!!」

 

ブゥン!

コヨミは破壊神の斧を放り投げた。

 

ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!

破壊神の斧は回転しながら目の前のモンスターたちを蹴散らした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ールシュ・ゼディ・ミカン サイドー

 

ルシュ「何気に初めてね。私たちが一緒になるのは」

 

ゼディ「だね」

 

ミカン「ミカンは魔力のバフ、デバフの担当だから2人にピッタリだよ!」

 

ルシュ「ならサポートはお願いね」

 

ミカン「まっかせてください!」

 

ザッ!

ミカンは2人の後ろに立った。

 

ミカン「マジックアップ!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

ルシュ、ゼディ、ミカンの魔力が上昇した。

 

ミカン「魔力暴走!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

ルシュ、ゼディの魔法が1.5倍された。

 

ミカン「ハーフマジックポイント!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

ルシュ、ゼディの消費MPが半減した。

 

ミカン「弱点魔法!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

ルシュ、ゼディが魔法で攻撃した際、それが弱点属性の魔法ならダメージが1.2倍に上昇する。

 

ゼディ「わっ…すごいね」

 

ルシュ「えぇ…想像以上よ…」

 

ミカン「えっへへ…でもまだまだ!」

 

バッ!

ミカンは手を大きく広げた。

 

ミカン「魔力集中!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

ルシュ、ゼディの魔法攻撃力が上昇した。

 

ルシュ「も、もう十分よ?」

 

ゼディ「ここまでしなくても大丈夫だよ?」

 

ミカン「えへへ…やりすぎちゃいました…でもあとは2人にお任せします!」

 

ルシュ「えぇ。任せて」

 

ゼディ「さて、やろうかルシュ」

 

ルシュ「えぇ」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン…

ルシュとゼディの足元に魔法陣が展開された。

 

ルシュ「ヘル・フレイム!」

ゼディ「ヘル・フレイム!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

ルシュとゼディは火属性魔法を放った。

 

ミカン「ふぉぉぉぉぉぉ!!」

 

ルシュ「ウォーター・ブレイズ!」

ゼディ「ウォーター・ブレイズ!」

 

ザバァァァァァァァァン!!

ルシュとゼディは水属性魔法を放った。

 

ミカン「いっけぇぇぇぇぇ!」

 

ルシュ「ダイヤモンド・ダスト!」

ゼディ「ダイヤモンド・ダスト!」

 

ビュォォォォォォォォォ!!

ルシュとゼディは氷属性魔法を放った。

 

ミカン「すごいすごい!」

 

ルシュ「タマイカヅチ!」

ゼディ「タマイカヅチ!」

 

ドォォォォォン!!バリバリバリバリ!!

ルシュのゼディは雷属性魔法を放った。

 

ミカン「ひぇぇぇぇ!」

 

ルシュ「マキシマム・グレネード!」

ゼディ「マキシマム・グレネード!」

 

バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!

ルシュとゼディは最後に爆発魔法を放ち、モンスターたちを片付けた。

 

ミカン「すごいすごい!モンスターがみんなやられちゃったよ!!」

 

ルシュ「でもここまで爽快感のある魔法が撃てたのはミカンのおかげだよ」

 

ミカン「え?」

 

ゼディ「うん。普通ならこうはいかないよね」

 

ルシュ「えぇ」

 

ミカン「…えへへ…そうかなぁ…」

 

アリシアたちは順調にポイントを稼いでいった。

 

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ーその日の夜ー

 

ロザリー「さて、ポイントの集計だね」

 

ジン「今日は誰もやられてないな?」

 

ルシュ「えぇ。みんな生き残ってるわよ」

 

ジン「優秀だな」

 

ロザリー「確かに。それじゃあギルドのポイント見よう!」

 

ピッピッピッピッ

ロザリーはギルドの所有ポイントのページを開いた。

 

音声「ギルド:宿り星のギルドポイントは365ptです」

 

ジン「365ptって高いのか?」

 

ロザリー「さぁ?どうだろ…他との比較がないから…」

 

ルシュ「確かにこれじゃあ高いか低いか分からないわね。順位付けしてくれたら分かるんだけど」

 

音声「イベント1日目が終了しました。現時点での1位〜10位までの順位を表示します」

 

1位:天明ノ帝…665pt

2位:ホイップガールズ…621pt

3位:火力は正義…587pt

4位:RGO同好会…519pt

5位:パフェ大好き侍…477pt

6位:ピューティーキューティー…451pt

7位:ひよってるヤツいる?…429pt

8位:漢は拳で語り合う…381pt

9位:宿り星…365pt

10位:剣しか勝たん…364pt

 

ジン「おいおい9位ってギリギリだぞ!!」

 

ルシュ「しかも10位の人たちと1ptしか差がない…」

 

ロザリー「これは思ってた以上に下だね」

 

アリシア「これって頑張らないとダメってことだよね?」

 

ロザリー「うん。これで全ギルドがこの結果を見ることができただろうし、明日以降のポイントの上昇量が変わるかも」

 

アリシア「…どういう事?」

 

ロザリー「つまり、今日と同じようにポイントを稼いでたら10位以内には入れないってこと」

 

アリシア「えぇ!?じゃあもっと頑張らないと!」

 

ロザリー「うん。正直今日よりも頑張らないとアイテム取れないよ」

 

アリシア「わ、分かった!」

 

ジン「よしっ。これである程度のポイントは把握できたし明日またみんなで頑張ろうぜ」

 

アリシアたち「おー!」

 

ジン「…てかさ、他のギルドの名前ヤバくね?」

 

ロザリー「天明ノ帝ってラインって人じゃないかな」

 

アリシア「あ、第1回イベントで1位の?」

 

ロザリー「そうそう」

 

アリシア「だったら目指せ1位だね!」

 

ロザリー「う、うん…頑張ってみよっか…」

 

こうしてアリシアたちは2日目に臨むのだった。




〜物語メモ〜

第3回イベント
ギルド対抗戦。最終日の集計時間までにより多くのポイントを稼いだギルドが勝ち。1〜10位までのギルドは特別な武器、スキル、特性を交換することができる。

新登場スキル
アレックス
パワーアップ…味方の攻撃力を上昇させる
パワーダウン…敵の攻撃力を低下させる

リン
スピードアップ…味方のスピードを上昇させる
スピードダウン…敵のスピードを低下させる

ジン
グランドソード…地面から岩でできた剣を生成して敵にぶつける

マロリーニョ
ガードアップ…味方の防御力を上昇させる
ガードダウン…敵の防御力を低下させる

ランドール
スパーク…敵を麻痺させる

ルーラ
マグナム…大きな大砲を生成して砲弾を放つ

フミ
ハートフィールド…味方にHP継続回復効果を付与する

コヨミ
スローアックス…その場で回転したあとに斧を投げる

ミカン
マジックアップ…味方の魔力を上昇させる
魔力暴走…味方の魔法攻撃力が1.5倍に上昇する
ハーフマジックポイント…味方の魔法によるMP消費量を半減させる
弱点魔法…魔法で攻撃した際に相手の弱点属性であれば魔法のダメージが1.2倍に上昇する
魔力集中…味方の魔法攻撃力を上昇させる

ルシュとゼディ
ヘル・フレイム…大きな火球を放つ火属性魔法
ウォーター・ブレイズ…大量の水を放出する水属性魔法
ダイヤモンド・ダスト…凍てつくレーザーを放つ氷属性魔法
タマイカヅチ…周囲に落雷を落とす雷属性魔法
マキシマム・グレネード…周囲を爆発させる無属性魔法

アイテム
カナデ
攻撃力アップポーション…味方の攻撃力を上昇させる
スピードアップポーション…味方のスピードを上昇させる


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第16話 第3回イベント 2日目

アリシア「ではみなさん!!2日目頑張っていきましょう!」

 

ロザリーたち「おー!」

 

ジン「そういえば昨日の結果だとギルドを落としてもポイント貰えるんだよな?」

 

ルシュ「そうね。1日目はみんなモンスターを倒す方に集中してたからポイントたくさん持ってたわね」

 

ロザリー「落とせばポイントゲット」

 

シン「でもポイントは全滅させてからになるから非効率じゃないかな」

 

ジン「そうなのか?」

 

シン「はい。全滅させなければポイントは得られない。でもこのイベントは全滅しない限り何度でも復活可能。そうなると1人でも逃げ切れたら一生ギルドを落とせない気がする」

 

ロザリー「あ、確かに…」

 

ルーラ「でも少数のギルドなら落としやすいんじゃないかな」

 

アリシア「確かに!」

 

シン「でも少数のギルドは僕たちと違ってそこまでポイント稼げないと思うよ」

 

ルシュ「そうねぇ、このイベントは人数が多い方がポイント稼ぎやすいから…」

 

ジン「あぁ…そうか…」

 

シン「なのでギルドを落とすのはまだ後回しでもいい気がします」

 

アリシア「じゃあ2日目もモンスターを倒してポイントを稼ごう!でももし他のギルドの人と会ったらその時はやっつけられるならやっつけよう!無理なら別の場所でポイントを稼ごう!」

 

ジン「そういえば今日は昨日みたいに分かれるのか?それとも一緒か?」

 

ロザリー「分かれた方が効率いいしここはいくつかに分かれよう」

 

ジン「よっし!」

 

カナデ「メンバーの振り分けはどうしますか?」

 

ロザリー「バランスよく振り分けたいね。攻撃だけ防御だけ、サポーターだけだと効率悪いし」

 

アリシア「うーん…」

 

ロザリー「まずは攻撃役と防御役、サポート役に分けてみよう」

 

アリシア「まずは攻撃役かな。これはロザリーとジンさんとルシュさんとゼディさんとコヨミちゃんとルーラさんかな」

 

ロザリー「そうだね」

 

アリシア「防御役はナギちゃんとシンくんかな」

 

シン「はい」

ナギ「はい」

 

ルシュ「2人は少ないわね…」

 

ロザリー「じゃあそこにアリシアを入れてみたら?」

 

アリシア「え?私?」

 

ロザリー「うん。アリシアはモンスター使うじゃん?そのモンスターは攻撃役にも防御役にもなる。それにアリシア自身はモンスターたちにとってのサポート役にもなり得るし」

 

アリシア「あ、確かに…」

 

カナデ「アリシアさんならどれを任せても大丈夫そうですけどサポート役は私たちで埋まってるので少ない防御役に移るのはいいと思いますよ」

 

アリシア「分かりました!では私も防御役で!」

 

ロザリー「となると残りのメンバーがサポート役と」

 

アリシア「あとはいい感じに組み直せばいいね!」

 

ロザリー「部隊は3つくらいでいいかな」

 

シン「いいと思いますよ。防御役は3人しかいないので」

 

アリシア「ねぇロザリー」

 

ロザリー「ん?何?」

 

アリシア「この編成、ロザリーに任せてもいい?」

 

ロザリー「いいけど何で?」

 

アリシア「私じゃ分からないからね…」

 

ロザリー「あー確かに。アリシアはこのゲームが初めてだもんね」

 

アリシア「うん」

 

ロザリー「じゃあ私の他にカナデさんとシンも一緒にお願いできるかな?」

 

カナデ「お任せ下さい」

 

シン「分かりました」

 

ロザリー「じゃあ開始時間までに決めて発表するからみんなは自由にしてて」

 

アリシア「はーい!」

 

こうしてロザリー、カナデ、シンは3人で話し合って3つの部隊を組み直した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ー数分後ー

 

ロザリー「じゃあみんな、部隊を編成したから発表するね」

 

ロザリーは部隊編成をメモ書きしたページを開いた。

 

ロザリー「これが今回の部隊編成ね」

 

ピッ

ロザリーは画面を大きくしてみんなに見えるようにした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

アリシア部隊

攻撃役…ルシュ(魔法使い)、ゼディ(魔法使い)

防御役…アリシア(魔物使い)

サポート役…ランドール(状態異常)、ミカン(魔力)、フミ(回復)

 

シン部隊

攻撃役…ロザリー(槍術士)、ルーラ(機工士)

防御役…シン(パラディン)

サポート役…リン(スピード)、マロリーニョ(防御力)

 

ナギ部隊

攻撃役…ジン(剣士)、コヨミ(バトルマスター)

防御役…ナギ(パラディン)

サポート役…カナデ(アイテム)、アレックス(攻撃力)

━━━━━━━━━━━━━━━

 

ロザリー「今回は防御役が3人だから分かりやすいようにアリシア、シン、ナギ部隊って名前にしたよ」

 

アリシア「おぉ!」

 

ロザリー「まずアリシア部隊。ミカンさんが魔力を上昇させるスキルやアイテムを持ってるからルシュやゼディを一緒に組ませた方がいいと思う。それに加えてナギちゃんやシンがそれぞれコヨミちゃんとルーラの2人でタッグを組んでるから残ったアリシアを防御役にしてみたの。でもそうなるとアリシア、ルシュ、ゼディは耐久力に問題があるから回復スキルやアイテムを持ってるフミさんと相手を足止めするために状態異常のスキルとアイテムを持ってるランドールさんと組んでみたの。この部隊は1番耐久性が低いから1番人数を多くしてみたよ」

 

アリシア「なるほど!分かった!」

 

ミカン「よろしくね。ルシュ、ゼディ」

 

ルシュ「こちらこそ」

 

ゼディ「よろしく」

 

フミ「あらあら、じゃあ私も頑張っちゃおうかしら」

 

ランドール「はぁ…足止めね。確かに魔法使いがいるなら足止めをして遠くから攻撃するのもいいかもね」

 

ロザリー「次にシン部隊。シン部隊は私とルーラを攻撃役にしたの。私とルーラはスピードが速いからリンさんのスピードバフとデバフで相手を追い詰める。ルーラはシンとタッグを組んでるから必然的に防御役はシンになる。私とルーラで敵を攻撃して、シンはリンさんとマロリーニョさんを守る形ね。マロリーニョさんはシンの防御力を上げて生存率を上げるのと、被弾した時のために私とルーラの防御力も上げておく感じ」

 

リン「シン、ルーラ。力を尽くさせてもらうよ」

 

マロリーニョ「防御力バフでシンくんのサポートさせてもらうね」

 

ルーラ「こちらこそ。よろしくお願いします」

 

シン「…よろしく」

 

ロザリー「最後にナギ部隊。ナギ部隊は防御役をナギちゃんにして攻撃役をコヨミちゃんとジンさんにしてもらうね。ジンさんとコヨミちゃんはこのギルドの中では攻撃力が高いからアレックスさんの攻撃力バフでなるべく敵を少ない手数で倒してもらう。ただ、それだけだと防御力や回復が疎かになるからカナデさんのアイテムで色々と補ってもらう感じね」

 

カナデ「ジンさんコヨミさんナギさん。よろしくお願いしますね」

 

ジン「あぁ。よろしくな」

 

コヨミ「よろしくお願いしますカナデさん」

 

ナギ「よろしくお願いします」

 

ロザリー「さて、これでそれぞれの部隊の話は終わりね。なにか質問ある?」

 

シン「じゃあ1つ。部隊の中で誰かがやられた場合はどうしますか」

 

ロザリー「体勢を立て直せないなら撤退で。撤退したらここで全員復活するまで待機。全員復活したら再度ポイント稼ぎ」

 

シン「分かりました」

 

ロザリー「他に質問はある?」

 

みんな納得した様子だった。

 

ロザリー「よしっじゃあみんな!2日目も頑張るぞー!」

 

全員「「「おー!!!」」」

 

こうして2日目が始まったのだった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…拠点近くの大草原

 

アリシア部隊

 

ルシュ「さぁて、じゃあゼディくん。モンスターたちを一掃しちゃいましょうか」

 

ゼディ「賛成です。魔法使いがどれだけ強力か見せてやりますか」

 

ミカン「じゃあ2人とも!頑張ってね!」

 

フミ「怪我したら私に任せてくださいね」

 

ランドール「…はぁ、仕方ない…やろうかな」

 

フミ「頑張ってください。ランドール」

 

ランドール「う、うん…」

 

アリシア「じゃあみんなのことは私と私のモンスターたちに任せて!」

 

ルシュ「アリシアのモンスターなら安心できるね」

 

アリシア「えっへへへ…じゃあみんな出てきて!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

スラちゃん、スラくん、ライム、スラミ、イノくんが出てきた。

 

ランドール「わ、本当にモンスターが出てきた…」

 

アリシア「まだまだいますよ!召喚!スザク、ムクロ、三つ首、マエラテ!!」

 

音声「スキル:召喚が発動しました。味方モンスターを召喚します」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ!

スザク、ムクロ、三つ首、マエラテが召喚された。

 

マエラテ「ツクヨミ!出番だよ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ!

マエラテはツクヨミを召喚した。

 

ランドール「えっ…まだいるの…?」

 

アリシア「これが私の友達です!」

 

スラちゃん、スラくん、ライム、スラミ、イノくん、スザク、ムクロ、三つ首、マエラテ、ツクヨミはルシュ、ゼディ、ミカン、フミ、ランドールを全方位の攻撃から守るように立った。

 

フミ「あら、すごく安心しますね」

 

ミカン「すごいすごい!こんなの初めて!!」

 

ルシュ「相変わらずすごいわ…」

 

ゼディ「なるほど…これは中々…」

 

アリシア「ミカンさん!ルシュさんとゼディさんにバフを!」

 

ミカン「はい!マジックアップ!ハーフマジックポイント!魔力暴走!弱点魔法!魔力集中!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

ルシュとゼディはミカンのバフを受けた。

 

ルシュ「んー!相変わらず最高のバフね!」

 

ゼディ「確かに。僕たちを組ませたロザリーはしっかり考えてるね」

 

アリシア「うん!ロザリーはゲーム得意だから!」

 

ゼディ「あぁ、だからか」

 

ミカン「バフだけじゃないよ!デバフも!」

 

モンスターたち「「「オォォォォォォォォ!!」」」

 

するとモンスターたちが多数出現した。

 

アリシア「来た!ルシュさんゼディさん!」

 

ルシュ「任せて!!」

ゼディ「任せて!!」

 

ポワァァァァァァァ…

ルシュとゼディの足元に魔法陣が展開された。

 

ルシュ「いくよゼディ!」

ゼディ「うん!」

 

ボワッ!!

ルシュとゼディの魔法陣が赤く光った。

 

ルシュ「ヘル・フレイム!!」

ゼディ「ヘル・フレイム!!」

 

ゴォォォォォォォォォ!!

ルシュとゼディの火属性魔法でモンスターたちが一掃された。

 

アリシア「わぁっ!やっぱり凄い!!」

 

ミカン「ん〜…やっぱりバフっていいなぁ…」

 

フミ「ミカン。程々にね」

 

ミカン「はーい」

 

アリシア「三つ首!ブレス!」

 

雷首「カァァァァァァァァァッ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

三つ首のブレスでモンスターたちが次々にやられた。

 

マエラテ「ツクヨミ!月楼!」

 

ツクヨミ「…」

 

スッ…バゴォォォォォォォォン!!

ツクヨミは掌からレーザーを放った。

 

アリシア「ムクロ!死者の呼び声!つるぎの舞!」

 

ムクロ「ヌゥッ!!」

 

ビュン!

ムクロは刀を振るい、空間に隙間を開けた。

 

霊体たち「アァァァァァァァァァァァ!!!」

 

すると空間の隙間から霊体が多数出現し、モンスターたちに襲いかかった。

 

ムクロ「ハァッ!!」

 

ビュン!

ムクロは刀を振るい、周囲に斬撃を飛ばした。

 

アリシア「ありがとうムクロ!」

 

ムクロ「ふん。このくらい造作もない」

 

棍棒を持ったモンスター「ガァァァァァッ!!」

 

ツクヨミ「!」

 

ドゴッ!!

ツクヨミは棍棒を持ったモンスターに攻撃された。

 

マエラテ「ツクヨミ!!」

 

アリシア「!!」

 

ツクヨミ「…」

 

フラフラ…フラフラ…

ツクヨミはその攻撃で気絶状態になった。

 

フミ「今すぐ気絶状態を解除します!」

 

棍棒を持ったモンスター「ガァァァァァッ!!」

 

マエラテ「!」

フミ「!」

 

アリシア「ツクヨミ!!」

 

フミがツクヨミの気絶状態を解除しようとしたが、それよりも速く、棍棒を持ったモンスターが攻撃しようとしていた。

 

フミ「ダメ!間に合わ…」

 

ドゴォォォォォォォン!!シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

その瞬間、棍棒を持ったモンスターが大きく吹き飛ばされ、消えていった。

 

マエラテ「!」

フミ「!」

アリシア「!」

 

コハク「 (。-`ω´-) 」

 

現れたのはコハクだった。

 

ツクヨミ「…」

 

ツクヨミの気絶状態が終わった。

 

アリシア「コハク!」

 

コハク「 (o´・ω-)b 」

 

マエラテ「ありがとうアリシア、コハク。ツクヨミを助けてくれて」

 

コハク「 ヾ(・ω・`;)ノ 」

 

ツクヨミ「…」

 

ツクヨミはコハクを見ていた。

 

ギュッ…

ツクヨミはコハクの手を握った。

 

マエラテ「!!」

アリシア「!!」

コハク「 Σ(OωO ) 」

 

ツクヨミ「…ありがとう…ございます」

 

コハク「 ヾノ>ω<`) 」

 

骸骨のモンスター「カッカカカカカカカカ!!」

 

するとコハクの背後から骸骨のモンスターが襲ってきた。

 

ツクヨミ「!」

 

スッ!バゴォォォォォォォォン!!

ツクヨミはすかさず月楼を放った。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

骸骨のモンスターは消えていった。

 

コハク「 ( °◽︎° ;) 」

 

ツクヨミ「お怪我は…ありませんか。コハクさん」

 

コハク「 (。_。(゚д゚ 」

 

ツクヨミ「そうですか。それは良かったです」

 

スッ…

ツクヨミはコハクの手を離した。

 

フミ「あらあら…」

 

ミカン「何だかすごい殺意感じたんだけど何?」

 

フミ「ミカン。静かにね」

 

ミカン「えっ?」

 

マエラテ (ツクヨミ…もしかしてコハクのこと…)

 

ツクヨミ「…」

 

ツクヨミの顔は少し赤かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…拠点から少し離れた草原

 

シン部隊

 

リン「スピードアップ!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

ロザリー、ルーラ、シン、マロリーニョのスピードが上昇した。

 

マロリーニョ「ガードアップ!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

ロザリー、ルーラ、シン、リンの防御力が上昇した。

 

マロリーニョ「霧の影!」

 

音声「スキル:霧の影が発動しました。一度だけ攻撃を無効化できます」

 

ロザリー「霧の影?どんな効果なんですか?」

 

マロリーニョ「これは自分の分身を身代わりにして敵の攻撃を一度だけ無効化するスキルだよ」

 

ルーラ「なるほど。それは便利ですね」

 

シン「ルーラ、ロザリーさん。そろそろ行きましょうか」

 

ルーラ「うん」

 

カチャ

ルーラは拳銃を装備した。

 

ロザリー「分かった!」

 

ヒュッヒュッヒュッヒュッヒュッ…コンッ!

ロザリーはロンギヌスの槍を装備した。

 

リン「リロードアクセル!」

 

音声「スキル:リロードアクセルが発動しました。弾の装填速度が上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

ルーラの装填速度が上昇した。

 

ルーラ「わっ!ありがとうございます!」

 

リン「スピードは何も走るスピードだけじゃないよ」

 

シン「なるほど。これは便利だな。ルーラにとっては」

 

リン「スルーブースト!」

 

音声「スキル:スルーブーストが発動しました。投擲物の速度が上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

ロザリーはロンギヌスの槍の投擲速度が上昇した。

 

ロザリー「えっ!?そんなこともできるの!?」

 

リン「はい。スピードなら何でも」

 

ロザリー「す…すごい…」

 

シン「来たよ」

 

ロザリーたちが周囲を見渡すと、多数のモンスターがロザリーたちを囲んでいた。

 

ロザリー「じゃあ行くよルーラ」

 

ルーラ「はい!お任せ下さい!」

 

シン「ルーラ」

 

ルーラ「?」

 

シン「…無理はするなよ」

 

ルーラ「…はい!」

 

ロザリー「じゃあ…行くよ!」

 

ダダッ!!

ロザリーとルーラはモンスターに向かって走った。

 

ロザリー「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!

ロザリーは自分のスピードを活かしてモンスターたちを攻撃した。

 

ルーラ「…」

 

カチャ…バンッ!バンッ!バンッ!

ルーラも負けじとモンスターを攻撃する。

 

バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!

ルーラは的確にモンスターたちを撃ち抜いていく。

 

バンッ!バンッ!バンッ!キンッ!!

すると防御力が高そうなモンスターが現れた。そのモンスターはシンと同じように大きな盾を持っており、その盾でルーラの弾丸を防いでいた。

 

ルーラ「…なるほど。これだと不利ですね。…なら」

 

スッ…カチャ

ルーラは拳銃を外して静かな死神(ライフル)を装備した。

 

ルーラ「…」

 

タッタッタッ!

そしてルーラはシンの所まで走って戻った。

 

ザッ!スッ!

ルーラはシンの所まで戻るとすぐに射撃体勢に入った。

 

シン「…なるほど。あの硬そうなモンスターか」

 

ルーラ「そう…」

 

ルーラは集中して狙いを定めた。

 

ルーラ「狙うは一点。撃つは一発。チャンスは一度」

 

スッ…バンッ!

ルーラは引き金を引いた。

 

ガンッ!!

ルーラが放った弾丸は硬そうなモンスターの頭に直撃した。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

硬そうなモンスターは消えていった。

 

ルーラ「…ふぅ」

 

シン「…流石だ。ルーラ」

 

ルーラ「…えぇ」

 

マロリーニョ「すごいねリン」

 

リン「えぇ。状況判断が早いよ…あの子は…」

 

モンスターたち「「「オォォォォォォォォ!」」」

 

ダダダダダダダダダ!!

多数のモンスターたちがロザリーに向かって一列で走ってきた。

 

ロザリー「お!すごく狙いやすそうに走ってくるね!」

 

ブンブンブンブンブン!

ロザリーは槍を振り回した。

 

ロザリー「これで一気に片付ける!!」

 

ビュン!ドゴォォォォォォォン!!

ロザリーはロンギヌスの槍を投擲した。ロンギヌスの槍はリンのスルーブーストのおかげでいつもより速く飛んだ。

 

ロザリー「うぉっ!速っ!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

モンスターたちは一気に姿を消した。

 

ロザリー「こ…ここまで速いなんて…ビックリした…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…拠点近くの森

 

ナギ部隊

 

コヨミ「よしっ!頑張るぞぉ!」

 

ジン「気合入ってるなぁ。コヨミ」

 

コヨミ「はい!私、攻撃力には自信がありますので!」

 

ジン「確かに。バトルマスターは全職業の中でトップレベルの攻撃力だからな」

 

コヨミ「はい!」

 

アレックス「よしっ。じゃあ攻撃力上げるぜ。パワーアップ!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

コヨミ、ジン、カナデ、ナギの攻撃力が上昇した。

 

アレックス「それじゃ、思いっきり暴れてきてくれ」

 

コヨミ「はい!行ってきま…」

 

???「おや、君はアリシアのところの剣士かな」

 

ジン「!」

 

ザッザッザッ…

そこに現れたのはライン、スレッド、マートンの3人だった。

 

ライン「こんなところにいるとはな」

 

ジン「お前は確か…ライン…」

 

ライン「正解だ」

 

ジン「ということは残りの2人はスレッドとマートンか」

 

スレッド「あぁ」

 

マートン「よく分かったね」

 

アレックス「なぁナギちゃん。誰なんだ?あの3人は」ヒソヒソ

 

ナギ「すみません…私にも分かりません…」ヒソヒソ

 

コヨミ「私も…」ヒソヒソ

 

カナデ「お知り合いの方でしょうか」ヒソヒソ

 

ジン「それで?何か用か?」

 

ライン「あぁ。僕たちもここでポイントを稼いでいるんだ。でも他のギルドもいてね。まずは他のギルドの人たちを潰して回っているんだ」

 

ジン「…」

コヨミ「!?」

ナギ「!?」

アレックス「!?」

カナデ「!?」

 

ジン「…で、俺たちを見つけたってことは…そういう事なんだな?」

 

ライン「…あぁ。覚悟してもらうよ」

 

ジン「…ふっ。イベント第1位のやつは中々非道な選択をするんだな」

 

ライン「自分たちが勝つようにするためだ。手は抜かないよ」

 

ジン「…コヨミ、ナギ、アレックス、カナデ。戦う準備をしてくれ」

 

コヨミ「!」

ナギ「!」

アレックス「!」

カナデ「!」

 

ジン「…相手は本気だ」

 

ライン「スレッド、マートン。今からこの人たちを倒すよ」

 

スレッド「宿り星の連中だろ?手を出せば間違いなくアリシアが来る。それでもいいのか?」

 

ライン「来れば返り討ちだ。これでも僕は一度、アリシアとの戦いで生き延びたことがある」

 

ラインは第1回イベントでアリシアと戦い、HPも限界だったが、最後は時間切れで生き残ることができた。

 

スレッド「…なるほど、マートン」

 

マートン「ん?」

 

スレッド「あいつらを倒すぞ」

 

マートン「…あぁ。分かったよ」

 

ライン「ジン」

 

ジン「?」

 

ライン「…準備はいいか?」

 

ジン (…すまねぇアリシア。俺たちここで負けるかもしれねぇ)

 

ナギ「ジンさん。私が皆さんをお守りします」

 

ジン「…あぁ、頼む」

 

スッ…

ラインは天明ノ剣を装備した。

 

スレッド「さて、やるか」

 

スッ…

スレッドは風霧(かぜきり)の双剣を装備した。

 

マートン「よしっ。倒そう」

 

バッ!

マートンは双子の魔導書を装備した。

 

ジン「ナギ、コヨミ、アレックス、カナデ」

 

ナギ「?」

コヨミ「?」

アレックス「?」

カナデ「?」

 

ジン「…なるべく相手を削る。…本気で戦うぞ」

 

ナギ「はい」

コヨミ「はい!」

アレックス「あぁ」

カナデ「はい」

 

ライン「じゃあ…いくぞ!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…拠点近くの大草原

 

アリシア部隊

 

アリシア「もうモンスターいないね」

 

ルシュ「ポイントも結構集まったし少し休憩しない?」

 

ゼディ「賛成。これくらいなら少しくらい休憩してもいいかも」

 

アリシア「じゃあ少し休憩!!」

 

アリシアたちは少し休憩することにした。

 

フミ「あ、なら次の戦いまでに回復しておきましょうか」

 

アリシア「あ、お願いします!」

 

フミ「MPはアイテムで回復する方が効率いいんですよね」

 

パキン!

フミはMP回復のポーションを使った。

 

パァァァァァァ…

するとアリシアたちのMPが回復した。

 

アリシア「ありがとうございますフミさん!」

 

フミ「いえいえ」

 

ピコッ

すると宿り星のギルドチャットに通知が入った。

 

アリシア「ん?」

ルシュ「?」

ゼディ「?」

ランドール「?」

フミ「?」

ミカン「?」

 

アリシアたちはギルドチャットを開いた。

 

アリシア「…え?」

ルシュ「!?」

ゼディ「っ!」

ランドール「…」

フミ「!」

ミカン「!?」

 

アリシアたちはそのチャットの内容を見て息を飲んだ。

 

そのチャットの内容はナギ部隊の人たちが全滅したというものだった。




〜物語メモ〜

気絶状態
プレイヤーやモンスターが頭を攻撃された際に一定の確率で起こる状態異常。解除するまで攻撃や防御など、あらゆる行動が制限されてしまう。

スキル:霧の影
マロリーニョが使ったスキル。自分の分身を身代わりにして一度だけ攻撃を無効化することができる。

スキル:リロードアクセル
リンが使ったスキル。弾の装填速度が上昇する。

スキル:スルーブースト
リンが使ったスキル。投擲物の速度が上昇する。

装備:風霧の双剣
スレッドが使っている双剣。


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第17話 ナギ部隊 VS ラインたち

ー少し前ー

 

ジン「…コヨミ、ナギ、アレックス、カナデ。戦う準備をしてくれ」

 

コヨミ「!」

ナギ「!」

アレックス「!」

カナデ「!」

 

ジン「…相手は本気だ」

 

アレックス「ジン。相手はどれだけ強いやつなんだ?」

 

ジン「…第1回イベントで1位だったやつだ」

 

アレックス「!」

 

ジン「残りの2人も好成績だった。だからあの3人で来たら俺たちは間違いなく負けるだろうな」

 

カナデ「なるほど。それは気が抜けませんね」

 

ジン「…あぁ。でもできるだけ相手を削る。勝てなくてもいい。次に繋げられたらそれでいい」

 

カナデ「…分かりました」

 

ジン「ナギ、コヨミ」

 

ナギ「はい」

コヨミ「はい」

 

ジン「…やるぞ。本気でな」

 

ナギ「はい」

コヨミ「はい!」

 

ライン「作戦会議は終わったかい?」

 

ジン「あぁ。終わったぜ」

 

ライン「よしっ。じゃあ覚悟してもらうよ」

 

ジン「っ…」

 

カナデ「命の若葉!」

 

音声「命の若葉が使用されました。味方HPが継続回復します」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

ジンたちは緑色の光に包まれた。

 

カナデ「闘志(とうし)の粉!堅守(けんしゅ)の粉!神速(しんそく)の粉!」

 

ブワッ!ブゥゥゥゥゥゥゥゥン!

ジンたちの攻撃力、防御力、スピードが一定時間上昇した。

 

ライン「…あのアイテム使う人が厄介だな」

 

スレッド「あれは俺が行こう。ラインはジンとか大きな盾を持ってるやつを頼む」

 

ライン「あぁ。分かった」

 

マートン「僕は全体的に攻撃するよ」

 

ライン「分かった。じゃあ行くぞ!」

 

ダダッ!!

ラインたちは一斉に接近してきた。

 

ジン「やるぞコヨミ!」

 

コヨミ「はい!」

 

ダッ!

ジンはラインに向かって走った。

 

ナギ「聖騎士の守り!!」

 

ガシャン!!

ジンたちにバリアが展開された。

 

ジン「火炎斬(かえんざん)!!」

 

ライン「水冷斬(すいれいざん)!!」

 

ギィィィィィン!!

ジンとラインの剣がぶつかり合った。

 

ジン「おぉぉぉぉらぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

ジン「火属性が水属性に勝てるわけないだろ!!」

 

キィィィィン!!

ラインはジンの剣を払い除けた。

 

ジン「ぐっ!!」

 

ライン「爆裂剣(ばくれつけん)!!」

 

ドゴォン!!

ジンはラインの剣技を受けて吹き飛ばされた。

 

ズサァァァァァァァァ!!

ジンはなんとか持ちこたえた。

 

ジン「けっ…痛てぇ…」

 

ダッ!

ラインはジンに接近した。

 

ジン (…来た!)

 

ライン「天明ノ剣(アルテリアソード)!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ!!

ラインの力が剣に移った。

 

ジン「グランドソード!!」

 

ガンッ!ゴゴゴゴゴゴゴ!!

ジンは地面から岩でできた剣を生成した。

 

ジン「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

ジンは岩でできた剣をラインに向けて飛ばした。

 

ライン「くっ!」

 

ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!

ラインはジンの攻撃を避けた。

 

ジン「くそっ!流星(りゅうせい)…」

 

ライン「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ラインはジンの目の前にいた。

 

ジン「!!」

 

コヨミ「スローアックス!!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

コヨミは破壊神の斧をラインに向けて投げつけた。

 

ライン「くっ!はぁぁぁぁぁっ!」

 

ドゴォォォォォン!!

それに気づいたラインはコヨミが投げた破壊神の斧に向けて天明ノ剣(アルテリアソード)を使った。

 

パラパラパラパラ…

破壊神の斧が粉々に砕けた。

 

コヨミ「えっ!?嘘っ!?」

 

ライン「くっ…遠距離から武器を投げるとは…それだと自分から武器を捨ててるようなもんだぞ!!」

 

ビュン!タッタッタッタッ!!

ラインはコヨミの方へ走った。

 

ジン「マズイ!」

 

ダッ!!

ジンはラインの後を追いかけた。

 

コヨミ「来た!」

 

ナギ「任せて」

 

ライン「まずは君からだ!」

 

ガンッ!

ナギは盾を構えた。

 

ナギ「硬化!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥン!

ナギの防御力が上昇した。

 

マートン「風神!雷神!」

 

ビュォォォォォォォォ!

バリバリバリバリバリ!

マートンは風と雷属性魔法を放った。

 

ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!

ナギのバリアがカナデたちを守る。

 

マートン「へぇ、硬いね」

 

ライン「天明ノ剣(アルテリアソード)!」

 

ガンッ!バリィィン!!

ラインの攻撃でナギのバリアが破壊された。

 

ナギ「!?」

コヨミ「!?」

カナデ「!?」

アレックス「!?」

 

ライン「はぁぁぁぁぁぁっ!」

 

ジン「グランドソード!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

ジンは岩でできた剣をラインに向けて飛ばした。

 

ライン「くっ…」

 

ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!

ラインはジンの攻撃を防いだ。

 

カナデ「麻痺粉!」

 

フワッ!

カナデは敵を麻痺させる粉を撒いた。

 

ライン「ぐっ…」

 

ビリビリビリ…ビリビリビリ…

ラインは麻痺を受けた。

 

ライン「この…麻痺か…」

 

コヨミ「やぁぁぁぁぁっ!!」

 

ドゴォン!!

コヨミは巨人のハンマーでラインを吹っ飛ばした。

 

ライン「ぐぁっ!」

 

ズサァァァァァァァ!

ラインはなんとか持ちこたえた。

 

ライン「ぐっ…まだ麻痺が…」

 

ビリビリ…ビリビリ…

ラインはまだ麻痺の状態異常が解けていなかった。

 

スレッド「マートン!ラインの麻痺を解除しろ!」

 

マートン「ダメだ!僕は状態異常を解除するスキルを持ってない!」

 

スレッド「道具はないのか!」

 

マートン「道具もない!」

 

スレッド「クソッ!」

 

ダッ!

スレッドはカナデに接近した。

 

アレックス「来るぞ!」

 

ナギ「!」

 

ガシャン!

ナギはカナデの前に立った。

 

スレッド「どけぇ!!」

 

ガンッ!!

スレッドはナギに攻撃したが、軽々とその攻撃が弾かれた。

 

スレッド「クソッ!」

 

マートン「風神!雷神!」

 

ビュォォォォォォォォ!

バリバリバリバリバリ!

マートンは風、雷属性魔法を放った。

 

ドカン!ドカン!ドカン!ドゴォン!

ナギはマートンの攻撃を全て受けきった。

 

マートン「くっ…」

 

コヨミ「やぁぁぁぁぁっ!!」

 

ドゴォン!ガンッ!ガンッ!ドゴォン!!

コヨミは連続でラインを攻撃した。

 

ライン「ぐはっ…」

 

ラインの麻痺はまだ解けなかった。

 

コヨミ「やぁぁぁぁっ!」

ジン「グランドソード!!」

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

コヨミとジンは連携してラインを追い詰めた。

 

ライン「かはっ…」

 

ドサッ…

ラインは膝を着いた。

 

ライン「ぐっ…まだか…」

 

ラインの麻痺はまだ解けない。

 

カナデ「混乱粉!」

 

フワッ!

カナデは混乱を与えるアイテムを使った。

 

スレッド「!!」

 

スレッドは急に足を止めた。

 

ナギ「!」

アレックス「!」

 

スレッド「こ…これは…」

 

スレッドの視界がぼやけ始めた。

 

スレッド「なんだこれ…視界が…」

 

カナデ「毒粉!」

 

フワッ!

カナデは毒を与えるアイテムを使った。

 

ブクブクブク…

スレッドは毒状態になった。

 

スレッド「くそっ…なんだこれ…」

 

ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!

スレッドは訳も分からず武器を振り回し始めた。

 

ナギ「これが混乱なんだ…」

 

アレックス「全く…めっちゃ準備してるじゃねぇか」

 

カナデ「当たり前です。アリシアさんにギルドに誘って頂けたんです。みなさんを勝たせるために反則ギリギリまで攻めますよ」

 

アレックス「…おっかねぇ」

 

マートン「くっ…ライン!スレッド!」

 

ライン「まだ…だ…早く…解けろ…」

 

ラインは麻痺で動けないでいた。

 

ジン「こんなに攻撃してるのにまだHP残ってるのかよ」

 

コヨミ「硬いね」

 

ライン「はっ…弱い鍛え方…してないよ」

 

ジン「コヨミ」

 

コヨミ「?」

 

ジン「本気の一撃をお見舞してやれ」

 

コヨミ「はい!」

 

パッ!

コヨミは巨人のハンマーから死神の鎌に武器を変えた。

 

音声「死神の鎌が装備されました。武器が持つ特殊能力とスキルを得ました」

 

ジン「特殊能力とスキル?」

 

コヨミ「はい。私も最近知ったんですが、この武器結構強いんですよ。もう壊されて無くなっちゃったんですが、破壊神の斧も特殊能力と特殊スキルを持ってたんですよ」

 

ジン「なるほど、レア度が高いとそういう特典もつくのか?」

 

コヨミ「分からないです。でも今なら…」

 

音声「死神の鎌の特殊能力:死への誘いが発動しました。攻撃時にカウントダウンが始まります」

 

ジン「カウントダウン?死への誘い?何だそれ」

 

コヨミ「はぁっ!」

 

ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!

コヨミはラインを4回斬りつけた。

 

音声「カウントダウン開始。5、4、3、2…」

 

コヨミ「やぁ!」

 

ズシャッ!ズシャッ!

コヨミは更に攻撃を重ねた。

 

ライン「くっ…」

 

音声「1、0…特殊スキルが使用可能になりました」

 

ジン「特殊スキル?」

 

コヨミ「(あお)灯火(ともしび)!」

 

ボボボボボボボボボッ!!

死神の鎌が青い炎に包まれた。

 

コヨミ「やぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

マートン「双極電磁砲(そうきょくでんじほう)!!」

 

バゴォォォォォォォン!!

マートンはコヨミに向けて火属性、水属性の混合魔法を放った。コヨミは無防備な状態でその魔法を受けてしまった。

 

ジン「!!」

 

バリバリバリバリバリバリ!!

コヨミの周囲に電が走った。

 

ジン「うわっ!」

 

ビリビリビリビリビリ!

ジンは発生した雷に当たりそうになった。

 

ライン「…っよし…これで…」

 

ジリッ…

ラインは少しずつ体を動かし始めた。

 

ジン「コヨミー!!」

 

ライン「よそ見をしている場合か!」

 

ジン「なっ!」

 

ジンがラインの声に反応した時には目の前にラインが立って剣を構えていた。

 

ライン「天明ノ剣(アルテリアソード)!!」

 

ズシャッ!

ラインはジンを攻撃した。

 

ジン「ぐぁぁぁぁぁっ!!」

 

ドサッ…シュゥゥゥゥゥゥ…

ジンはラインによって倒されてしまった。

 

カナデ「ジンさん!」

 

アレックス「嘘だろ…」

 

ライン「くっ…思った以上にダメージを受けてしまった」

 

カナデ「コヨミさん!!」

 

ナギ (コヨミ…)

 

バリバリ…バリバリ…

マートンは攻撃を止めた。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

コヨミの周囲に煙が立ち込めた。

 

コヨミ「か…あ…」

 

コヨミは大ダメージを受けた。

 

ナギ「コヨミ…」

 

コヨミのHPが赤くなっていた。

 

カナデ「体力が!えっと…えっと…回復粉!!」

 

フワッ!

カナデはコヨミに向かって体力回復の粉を使った。

 

パァァァァァァ…

コヨミのHPが半分まで回復した。

 

カナデ「まだ応急処置だけど…」

 

アレックス「パワーアップ!!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥン!

コヨミの攻撃力が上昇した。

 

ナギ「…あれじゃあもう…」

 

ライン「天明ノ剣(アルテリアソード)!!」

 

ナギ「なっ!」

 

ガァン!バリィィン!!

ラインの攻撃によってナギのバリアが破壊された。

 

カナデ「!?」

アレックス「!?」

 

ライン「スレッド!」

 

スレッド「っしゃあ!」

 

ズシャッ!ズシャッ!

スレッドはカナデとアレックスを攻撃した。

 

カナデ「きゃっ!」

アレックス「がっ!」

 

ドサッ…ドサッ…シュゥゥゥゥゥゥ…

カナデとアレックスはHPが0になったため、ジンと同じように消えていった。

 

ナギ「なっ!」

 

ライン「…あとは君とあの子だけ」

 

ナギ「っ…」

 

スレッド「さて、パラディンはHPと防御力が高いのが売りなんだろ?俺たちの攻撃…最後まで耐えられるかな!」

 

ライン「マートン!魔法で削れ!」

 

マートン「分かった!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥン!

マートンは双子の魔導書に魔力を注いだ。

 

マートン「風神!雷…」

 

ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!ズシャッ!

マートンが魔法を放とうとした時、どこからともなく大きな斧が飛んできた。

 

ズシャッ!

飛んできた斧はマートンにダメージを与えた。

 

マートン「あがっ!!な…なんだこれ…」

 

スレッド「マートン!!」

 

ライン「!!」

 

タッタッタッタッ!!

スレッドはすぐにマートンのところに戻った。

 

ライン「待てスレッド!!」

 

コヨミ「スローアックス!!」

 

ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!

コヨミはスレッドめがけて巨人のハンマーを投擲した。

 

ライン「スレッド!!」

 

スレッド「!?」

 

ガンッ!!

スレッドは飛んできていた巨人のハンマーに気づくのが遅かったため、まともに攻撃を受けてしまった。

 

スレッド「ぐぉあっ!!」

 

マートン「スレッド…」

 

ドサッ!

スレッドは地面に倒れてしまった。

 

ライン「クソッ!」

 

ナギ「これであなたの仲間は動けない…私たちの…勝ち」

 

ライン「いいや…ここは僕たちが勝つ!天明ノ剣(アルテリアソード)!」

 

ズシャッ!

ラインの攻撃がナギに通った。

 

ナギ「がっ!!」

 

ライン「覇王斬(はおうざん)!!」

 

ズバァァァァン!!

ラインは重ねて攻撃した。

 

ナギ「ぐぁっ…もう…体力が…カナデさん…」

 

ライン「天明ノ剣(アルテリアソード)!!」

 

ズシャッ!…シュゥゥゥゥゥゥ…

ナギはHPが0になったため、消えてしまった。

 

コヨミ「アァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ライン「来るか!」

 

コヨミ「(あお)灯火(ともしび)!!」

 

ライン「天明ノ剣(アルテリアソード)!!」

 

キィィィィィィィィィィン!!

コヨミの死神の鎌とラインの天明ノ剣がぶつかり合った。

 

コヨミ「はぁぁぁぁぁぁっ!」

ライン「はぁぁぁぁぁぁっ!」

 

ギィン!ズシャッ!

 

コヨミ「!!」

ライン「っ…」

 

ラインの天明ノ剣がコヨミを捉えた。

 

ドサッ!

コヨミはそのまま地面に転がった。

 

コヨミ「がっ…ごふっ…」

 

コヨミは大ダメージを受けた。

 

ザッザッザッ…

ラインはコヨミの横に立った。

 

コヨミ「!」

 

ライン「…お前はよくやったよ。でも、これで終わりだ!」

 

ズシャッ!

ラインはコヨミに攻撃した。

 

コヨミ (すみませんアリシアさん…)

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

コヨミはその場から消えてしまった。

 

ライン「…ふぅ」

 

カチャ

ラインは天明ノ剣を戻した。

 

ライン「…アリシアの仲間…中々に強かった。これは本人だとどれくらい強くなってるか分からないな」

 

ザッザッザッ

ラインはマートンとスレッドのいるところまで歩いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ライン「2人とも。大丈夫か?」

 

スレッド「な…なんとか…」

 

マートン「スレッドのおかげで助かった…あの攻撃を受けてたら僕はもう…」

 

ライン「…これで全員倒した。少し休んだらモンスター討伐を再開しよう」

 

スレッド「…あぁ」

マートン「分かった」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア部隊

 

ピコッ

アリシアたちに通知が届いた。

 

アリシア「ん?あれ、宿り星のギルドチャットからだ。何かあったのかな?」

 

ピッピッ

アリシアはチャット画面を開いた。

 

アリシア「えっ…」

 

そこにはナギ部隊が全滅したという内容が書かれていた。

 

アリシア「ナギちゃん…コヨミちゃん…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…宿り星の拠点

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

コヨミが拠点に戻された。

 

コヨミ「う〜ん…負けちゃった…」

 

アレックス「お、最後の人が帰ってきたぞ」

 

コヨミ「?」

 

コヨミは声のした方を見た。そこにはジン、カナデ、アレックス、ナギがいた。

 

コヨミ「あれ、みなさん…」

 

ジン「はぁ…全く…相変わらず強ぇなぁ」

 

カナデ「ジンさん。先程の方は」

 

ジン「あいつはライン。第1回イベントで第1位を取ったやつだ」

 

カナデ「第1位…ですか」

 

ジン「あぁ。それも第2位と結構な差をつけての第1位だ。実力もかなり上だろうな」

 

カナデ「そう…ですか…」

 

アレックス「でもカナデのアイテム結構役に立ってたよな。麻痺、毒、混乱とかな」

 

ナギ「確かに。状態異常に対する備えができてない様子でしたね」

 

ジン「あぁ。だが次はこうはいかないだろうな。対策してくるはずだ」

 

カナデ「そうですね。自分の手の内を見せるのはよくないですね」

 

ジン「だが仕方なかった」

 

アレックス「いいところまではいけたんだけどな。残りの2人も厄介だった」

 

コヨミ「確かに…あの2人がいなければなんとかなったかもしれませんね」

 

ジン「まぁ考えても仕方ない。少し休憩したらモンスターを倒してポイントを稼ごう」

 

コヨミ「はい」

ナギ「はい」

アレックス「あぁ」

カナデ「はい」

 

ナギ部隊の人たちは少し休息を取る事にした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

それから2日目が終わり、集計時間となった。

 

アリシア「ジンさん」

 

ジン「ん?何だ?」

 

アリシア「あの、今日…」

 

ジン「…もしかして、全滅したことか?」

 

アリシア「!」

 

コヨミ「…」

ナギ「…」

カナデ「…」

アレックス「…」

 

アリシア「…はい」

 

ジン「すまなかったな。ラインと鉢合わせてな。あいつ、敵のギルドを潰しながらポイントを稼いでた。俺たちはたまたまそこに居合わせたってわけだ」

 

アリシア「あ、いえ、その…」

 

ジン「?」

 

アリシア「だ、大丈夫…ですか?」

 

ジン「…あぁ。大丈夫だ。みんなもなんともない」

 

アリシア「そ、そうですか。それは良かったです」

 

コヨミ「あの、アリシアさん」

 

アリシア「はい。何ですか?」

 

コヨミ「あの…実は相談がありまして…」

 

アリシア「相談?何ですか?」

 

コヨミ「その…私の武器があの人との戦いで壊れちゃって…」

 

ジャラッ…

コヨミは壊れた破壊神の斧の欠片を机に置いた。

 

アリシア「あらら…これは酷い…」

 

コヨミ「あの…武器を作れる方は知りませんか?」

 

アリシア「え?」

 

コヨミ「どんな素材が必要なのかは分かりません。お金もどれくらいかかるか分かりません。でも、直して欲しいんです。新しいのを買うよりも」

 

アリシア「な、なるほど…」

 

ナギ「コヨミは物を大事にしますから。壊れたから次新しいのを買うって人じゃありません」

 

アリシア「なるほど。思い出があるからだね」

 

コヨミ「はい…なので…」

 

アリシア「うーん…だれか武器を作れる人か…そんな人は…」

 

ジン「武器ならカミラが作れるぞ」

 

コヨミ「カミラ…さん?」

 

アリシア「!!」

 

ルシュ「確かに。私やジンの武器や防具を作ってくれたし、アリシアもそうでしょ?」

 

アリシア「そうです!カミラさんがいます!!カミラさんに任せましょう!!」

 

シン「でもイベント期間中は参加できませんよ」

 

アリシア「あ…」

 

ジン「そういえばあいつギルドメンバーじゃねぇわ」

 

ルシュ「呼びに行くのもねぇ…」

 

コヨミ「そ、そうですか…」

 

ナギ「コヨミ。イベントが終わるまで我慢だよ」

 

コヨミ「そんな…」

 

アリシア「じゃあこのイベントが終わったらカミラさんのところに行って直してもらお!できるならギルドにも入ってもらって!」

 

ジン「そうだな。鍛冶師は必要だと思うぜ」

 

アリシア「よしっ!じゃあコヨミちゃん!これは大事に持っててね!」

 

コヨミ「は、はい!」

 

ピコッ

するとみんなの目の前にスクリーンが表示された。

 

音声「イベント2日目の集計が完了しました。現在の順位を表示します」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

総獲得ポイントと順位

 

1位.天明ノ帝…1378pt(+713 -)

2位.ホイップガールズ…1199pt(+578 -)

3位.RGO同好会…1027pt(+508 ↑)

4位.火力は正義…1025pt(+438 ↓)

5位.ピューティーキューティー…1007pt(+556 ↑)

6位.パフェ大好き侍…998pt(+521 ↓)

7位.ひよってるヤツいる?…966pt(+537 -)

8位.漢は拳で語り合う…887pt (+506 -)

9位.剣しか勝たん…801pt(+437 ↑)

10位.近衛騎士団…791pt(+433 ↑)

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

アレックス「おい!俺たちのギルドの名前が無いぞ!」

 

アリシア「えっ!?」

 

ピッピッ

ロザリーが別のページを開いて順位を確認した。

 

12位.宿り星…773pt(+408 ↓)

 

ロザリー「これは本格的にマズイね」

 

アリシア「どうしようロザリー…」

 

ロザリー「他のギルドは大体昨日の2倍くらいのポイントになってるね。だとすれば私たちはもっと頑張らないとダメみたい」

 

ジン「すまねぇな。ラインに会った時に逃げればよかった」

 

ロザリー「いや、ジンさんたちは森にいたんでしょ?逃げ場ないよ。あっても恐らく追いかけられてたと思う」

 

ジン「…そうか」

 

ロザリー「アリシア。明日も同じ編成でやるけどアリシアのところは守り無しで総力戦にして」

 

アリシア「総力戦?」

 

ロザリー「そう。従えてるモンスター全て出して片っ端からモンスターたちを始末して」

 

アリシア「分かった!」

 

ロザリー「負担が大きくなると思うけど、この中で唯一範囲攻撃を続けてできるからね。ルシュさんとゼディも範囲攻撃できるけどMPにも限りがある。その点アリシアは消費しないからずっと攻撃し続けられる気がする」

 

アリシア「任せて!」

 

ロザリー「ルシュさんとゼディも無理のない範囲でモンスターたちを一掃してください」

 

ルシュ「いいわねぇ。やりましょうかゼディ」

 

ゼディ「はい。本気でぶっ飛ばしてやりましょうか」

 

ロザリー「私たちもアリシアたちに負けないようにポイントを稼ごう!」

 

全員「おー!」

 

こうしてイベント3日目が始まるのだった。




〜物語メモ〜

アイテム:命の若葉
カナデが使ったアイテム。味方をHP継続回復状態にする。

アイテム: 闘志(とうし)の粉
カナデが使ったアイテム。味方の攻撃力を上昇させる。

アイテム:堅守(けんしゅ)の粉
カナデが使ったアイテム。味方の防御力を上昇させる。

アイテム:神速(しんそく)の粉
カナデが使ったアイテム。味方のスピードを上昇させる。

アイテム:麻痺粉
カナデが使ったアイテム。敵を麻痺状態にさせる。

アイテム:混乱粉
カナデが使ったアイテム。敵を混乱状態にさせる。

アイテム:毒粉
カナデが使ったアイテム。敵を毒状態にさせる。

特殊能力
レア度が高い武器に付与されている特殊な能力のこと。武器ごとに設定されており、装備することで発動する。

特殊スキル
特殊能力発動下で条件を満たすことで発動するようになっている特殊なスキル。一般的なスキルとは違い、発動に条件があるものの、威力や効果が絶大。

死神の鎌
特殊能力:死への誘い
特殊スキル:(あお)灯火(ともしび)

特殊能力:死への誘い
敵に攻撃することで5からカウントダウンが始まり、0に近づくほど攻撃力が増加する。0になると攻撃力が最大となり、特殊スキル:(あお)灯火(ともしび)を発動することができる。

特殊スキル:(あお)灯火(ともしび)
青い炎を纏い、その状態で敵を攻撃すると、一撃で敵のHP35%分のダメージを与えることができる。青い炎は5つあり、全て当てることで175%分のダメージを与えることができる。ただし、青い炎は武器を振るごとに消えていく。


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第18話 第3回イベント 3日目

アリシア「よぉし!じゃあ今日も頑張るぞー!」

 

ロザリー「アリシア」

 

アリシア「ん?何?」

 

ロザリー「昨日言ったこと覚えてる?」

 

アリシア「うん!一気に攻めるんだよね?総力戦!」

 

ロザリー「そう。私たちが勝つにはそれしかない。でももしラインさんに会ったらその時はアリシアの判断でいいよ。戦ってもいいし逃げてもいいし」

 

アリシア「分かった!任せて!」

 

ロザリー「じゃあ昨日と同じ編成でポイント集めしよう!」

 

他のメンバー「おー!」

 

こうして第3回イベント3日目が始まった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ーアリシア部隊ー

 

アリシア「じゃあルシュさんゼディさんミカンさんフミさん。一気にポイント稼ぎましょう!」

 

ルシュ「任せなさい!」

 

ゼディ「僕だって頑張りますよ」

 

ミカン「よぉしやるぞー!」

 

フミ「はい。頑張りましょう」

 

アリシア「みんな出てきて!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

アリシアはメダルを使ってスラちゃんたちを出した。

 

アリシア「召喚!コハク、スザク、ムクロ、三つ首、マエラテ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ!

コハク、スザク、ムクロ、三つ首、マエラテが召喚された。

 

マエラテ「来て!ツクヨミ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

マエラテがツクヨミを召喚した。

 

ゼディ「相変わらずすごいなぁ…」

 

アリシア「みんな!今日は一気にモンスターたちをやっつけて!」

 

雷首「嬢ちゃんのためならやってやる!」

氷首「てめぇは下がってろ!俺がやる!」

火首「俺が片付けてやる!!」

 

ルシュ「あ、相変わらずねぇ…」

 

ゼディ「す、すごい…」

 

アリシア「あはは…この人たちはいつも喧嘩するんですよね…」

 

ムクロ「三つ首。喧嘩してないでやるぞ。モンスターが来た」

 

雷首「任せろ!俺が全て薙ぎ払ってやる!」

氷首「俺が凍土に変えてやるよ!」

火首「俺がここを焦土にしてやるわ!」

 

バリバリバリバリバリバリ!

ヒュォォォォォォォォォォ!

ゴォォォォォォォォォォォ!

雷首、氷首、火首はそれぞれの属性ブレスを放とうとした。

 

ムクロ「そこの4人。衝撃に備えな。こいつら容赦なく攻撃するから」

 

ルシュ「えっ?」

 

雷首「カァァァァァァァァァッ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

バゴォォォォォォォン!!

三つ首は一気にブレスを放った。すると目の前にいたモンスターたちが一斉に消えていった。

 

ゼディ「おぉぉ…」

 

ビュォォォォォォォォ!

三つ首がブレスを放った衝撃で周囲に風が発生した。

 

ルシュ「わっとと…」

 

ミカン「すごい風…」

 

フミ「これは…」

 

アリシア「よしっ!次行くよ!」

 

雷首「よっしゃ!」

氷首「任せろ嬢ちゃん!」

火首「俺もやるぜ!」

 

ゼディ「ねぇルシュ」

 

ルシュ「何?」

 

ゼディ「これ、僕たち何もしなくてもいいんじゃ…」

 

ルシュ「そうね…しちゃうと逆に危ないかも…」

 

ミカン「凄いねフミ。あんなことできるなんて」

 

フミ「えぇ…このまま行けばもしかしたら…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ーシン部隊ー

 

ロザリー「やぁぁぁぁぁっ!」

 

ズシャッ!ズシャッ!ドスッ!ズシャッ!ズシャッ!

ロザリーは次々とモンスターたちを倒していった。

 

バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!

ルーラも負けじとモンスターたちを倒していく。

 

モンスター「ガァァァァァ!」

 

シン「ふんっ!」

 

ガンッ!

シンは背後から来たモンスターの攻撃を防いだ。

 

リン「オーバブースト!」

 

ブゥゥゥゥゥン!

ロザリーとルーラの移動速度の上限を引き上げた。

 

マロリーニョ「ガードアップ!」

 

ブゥゥゥゥゥン!

シンの防御力が上昇した。

 

ガンッ!ガンッ!ガンッ!

シンはモンスターの攻撃を防御し続けた。

 

ルーラ「くっ!」

 

タッタッタッタッタッ!

それに気づいたルーラはシンの方へ走った。

 

モンスター「ガァァァァァッ!」

 

ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!

モンスターは容赦なく攻撃していく。

 

シン「この程度じゃあまだまだだ!」

 

モンスター「ガァァァァァッ!」

 

バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!

モンスターが攻撃しようとした横からルーラが攻撃した。

 

カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!

しかしそのモンスターの体は硬く、ルーラが撃った弾丸ではダメージを与えられなかった。

 

ルーラ「くっ…」

 

ザザッ!カチャカチャ…

ルーラはその場に立ち止まって銃を持ち替えた。

 

モンスター「ガァァァァァッ!」

 

ルーラ「!?」

 

ルーラの背後にモンスターが現れた。

 

ルーラ「くっ!」

 

ルーラはなんとか銃を向けようとしたが、その前にモンスターの攻撃が当たりそうになっていた。

 

ロザリー「どりゃああああああ!!」

 

ビュン!

それを見たロザリーが機転を利かせて槍を投擲した。

 

ドスッ!シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ルーラの背後にいたモンスターはロザリーの投擲によって倒された。

 

ロザリー「やった!!」

 

ルーラ「す…すごい…」

 

ルーラはロザリーの投擲力に驚いていた。

 

ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!

その間もモンスターはシンを攻撃していた。

 

ルーラ「!」

 

モンスターの攻撃の音を聞いて我に返ったルーラは急いで攻撃準備に入った。

 

ルーラ (相手の硬い体を貫くにはこれしかない!)

 

ルーラは静かな死神を装備して構えた。

 

ルーラ「狙うは一点。撃つは一発。チャンスは一度」

 

ギリリ…バンッ!

ルーラはモンスターの頭を狙って引き金を引いた。

 

ドシュッ!シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

攻撃を受けたモンスターは跡形もなく消えた。

 

ルーラ「よしっ」

 

カチャカチャ…タッタッタッタッタッ!

ルーラはまた銃を取り替えてモンスター討伐に向かった。

 

シン (ありがとう。ルーラ)

 

ルーラ「…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ーナギ部隊ー

 

ジン「いくぜコヨミ!」

 

コヨミ「はい!」

 

ジン「せやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

コヨミ「せやぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!ガンッ!ズシャッ!

ジンとコヨミは2人で連携してモンスターたちを討伐していった。

 

アレックス「パワーアップ!!」

 

ブゥゥゥゥゥン!

ジンとコヨミの攻撃力が上昇した。

 

ジン「いくぜいくぜいくぜぇぇぇぇぇ!!」

 

コヨミ「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

ズシャッ!ズシャッ!ドゴッ!ガンッ!ズシャッ!

ジンとコヨミは息ぴったりの攻撃を繰り出した。

 

モンスター「ガァァァァァッ!」

 

突如、体の大きなモンスターが現れた。

 

モンスター「ガァァァァァッ!」

 

ドゴォン!

そのモンスターは木の棍棒を持っており、それを巧みに操って攻撃してきた。

 

ジン「コヨミ!」

 

コヨミ「はい!」

 

ジン「でけぇのが来た!俺がガードするからその内に攻撃してくれ!」

 

コヨミ「はい!」

 

モンスター「ガァァァァァッ!」

 

ガンッ!

モンスターは木の棍棒で攻撃してきた。ジンはその攻撃を上手くガードした。

 

ジン「今だ!」

 

コヨミ「やぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ドゴォン!

その隙にコヨミが大きなモンスターの胸あたりに攻撃をした。

 

モンスター「ガァッ…」

 

ドシン!ドシン!ドシン!

その大きなモンスターは少し後ろによろけた。

 

モンスター「グルルル…ガァァァァァ…」

 

ジン「なっ…倒れねぇ!」

 

コヨミ「もう一発いきます!」

 

ジン「よっしゃ!行くぜ!」

 

コヨミ「はい!」

 

モンスター「ガァァァァァッ!」

 

ブンブンブンブンブン!

大きなモンスターは木の棍棒を振り回した。

 

ジン「コヨミ!さっきと同じだ!俺がガードする!」

 

コヨミ「はい!」

 

ブンブンブンブンブン!

ジンは大きなモンスターの攻撃を掻い潜って盾でガードした。

 

ジン「ふんっ!」

 

ガンッ!

すると大きなモンスターの攻撃がジンの盾に当たって木の棍棒が宙を舞った。

 

モンスター「!?」

 

コヨミ「来た!」

 

ダッ!!

コヨミは大きなモンスターの武器が無くなったことを視認すると真っ先にモンスターに近づいた。

 

コヨミ「どりゃああああああああ!!!」

 

ドゴォン!!

コヨミは渾身の一振りをお見舞した。

 

モンスター「グァァァァァァ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

大きなモンスターはコヨミに倒された。

 

ジン「よしっ!よくやったなコヨミ!」

 

コヨミ「はい!」

 

ジン「でけぇモンスターだったからポイントも高そうだな!」

 

コヨミ「ですね!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ーアリシア部隊ー

 

アリシア「コハク、天地開闢!スザク、四獣剣技 夜桜乱撃!ムクロ、つるぎの舞!雷首、雷のブレス!氷首、氷のブレス!火首、火のブレス!」

 

マエラテ「ツクヨミ、月楼!」

 

コハク「 ( -`ω-)✧ 」

 

バッ!

コハクは両手を挙げた。

 

ゴォォォォォォォォォォォ!

すると頭上から5つの隕石が落ちてきた。

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

5つの隕石がモンスターたちを一掃した。

 

スザク「四獣剣技 夜桜乱撃!」

 

キィン!ズシャシャシャシャシャシャシャ!

スザクは目の前の大きなモンスターを切り刻んだ。

 

ムクロ「ぬぅん!!」

 

ブゥン!ズシャシャシャシャシャシャシャ!

ムクロが刀を振るうと数多の斬撃がモンスターたちを襲った。

 

雷首「カァァァァァァァァァッ!!」

 

バリバリバリバリバリバリバリバリ!!

雷首は雷のブレスでモンスターたちを薙ぎ払った。

 

氷首「ンバァァァァァァァァッ!!」

 

ビュォォォォォォォォ!パキパキパキパキパキ!

氷首は氷のブレスでモンスターたちを凍結させた。

 

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

ゴォォォォォォォォォォォ!

火首は火のブレスでモンスターたちを焼き尽くした。

 

ツクヨミ「はぁっ!」

 

バゴォォォォォォォン!!

ツクヨミは月楼で更に後ろにいるモンスターたちを攻撃した。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

コハクたちに攻撃されたモンスターたちは次々に倒れていった。

 

ミカン、フミ、ゼディ、ルシュはコハクたちの攻撃を見て唖然としていた。

 

ミカン「な…何あれ…」

 

フミ「す、すごいですね…」

 

ゼディ「ルシュ…」

 

ルシュ「何?ゼディ」

 

ゼディ「この人…本当にすごいね…」

 

ルシュ「…えぇ。すごいわよ」

 

ゼディ「ちゃんとモンスターも従えてるし」

 

ルシュ「…」

 

ミカン「でもこれなら本当に逆転できそうな感じだね!」

 

フミ「え…えぇ…このままなら…」

 

???「おや、大きな音がすると思ったら、まさか君たちに出会えるとは」

 

ルシュ「!」

ゼディ「!」

ミカン「?」

フミ「?」

 

アリシア「…まさか、ここであなたに会えるとは思いませんでしたよ…ラインさん」

 

ライン「…あぁ。お互いにね」

 

スレッド「…」

マートン「…」

 

現れたのはナギ部隊を全滅させたライン、スレッド、マートンの3人だった。

 

ミカン「ねぇフミ」ヒソヒソ

 

フミ「何ですか?ミカン」ヒソヒソ

 

ミカン「あの人たちは誰?知ってる?」ヒソヒソ

 

フミ「えっと…知りません…」ヒソヒソ

 

ゼディ「彼らはジンたちを倒したラインって人だよ。後ろの2人はスレッドとマートン。どっちも実力者だよ」

 

ミカン「えっ…じゃあ…あの人がカナデとアレックスを…」

 

フミ「あなたは何故知ってるんですか?ゼディさん」

 

ゼディ「…僕は第1回イベントでは9位だったからね。彼らの強さはよく知ってるつもりだよ」

 

フミ「なるほど…」

 

ルシュ「でも、ここで会うのは本当に都合が悪いわね」

 

アリシア「…」

 

ライン「さて、仲間の人たちから僕らのことはよく聞いているはずだ。僕たちは他のギルドを見つけると何をするのか」

 

アリシア「…はい。聞いてますよ。全滅させるんですよね」

 

ライン「…そうだよ。さて、それが分かってるなら…」

 

キィン…

ラインは天明ノ剣を装備した。

 

ライン「今ここで逃げるなら見逃してやる。でも、歯向かうなら…」

 

ミカン「ちょっと待ってよ!何で私たちが逃げなきゃダメなのよ!」

 

ミカンがその場を静止させた。

 

ライン「…」

 

ミカン「そっちが勝手に来たんでしょ!あなたたちがこの場を去るべきじゃない!」

 

ライン「…じゃあ、歯向かうってことだね?」

 

ミカン「っ…」

 

ミカンは頑張ったが、やはりラインの気迫には少し怖気付く。

 

フミ「このイベントでは各ギルドが稼いだポイントを総取りするには全滅させなければならない。しかし、私たちを倒したとしても時間が経てば復活できます。それに私たちには他にも仲間がいることをあなたたちは知ってるはずです。ポイントを稼ぐ目的なら極めて非効率です。私たちを狙う意味は無いはずです」

 

ライン「意味ならある」

 

フミ「!」

 

ライン「君たちを倒すことができれば君たち分のポイントは稼げなくなる」

 

フミ「っ…」

 

ライン「僕たちが敵を倒しているのは各ギルドが稼いだポイントを奪うためではない。各ギルドがポイントを稼ぐのを妨害するためにやっている」

 

フミ「そんな…酷すぎます…」

 

ライン「僕は勝つためならどんな事でもする。例え酷いと言われようとも」

 

アリシア「…ミカンさん、フミさん、ゼディさん、ルシュさん。下がっててください」

 

ミカン「えっ!?」

 

フミ「1人で戦うのは危険です!私たちも!」

 

アリシア「…コハク」

 

ザッ!

コハクがアリシアの横に立った。

 

コハク「 (¯•ω•¯) 」

 

ライン「おっと、見覚えのある顔だね。少し前に修正が入ったって聞いてたけど、デマだったのかな?」

 

アリシア「デマじゃないですよ。でも、私の仲間が尽力してくれました。そのおかげでまた私はコハクと戦うことができるんです」

 

ライン「…ほう。スレッド、マートン」

 

スレッド「なんだ?」

マートン「何?」

 

ライン「…2人は引き続きモンスターを倒してポイントを稼いでくれ」

 

スレッド「えっ?それってライン1人でやるってことか?」

 

ライン「あぁ」

 

マートン「危険だよ。相手は5人もいる」

 

ライン「いや、僕とアリシアのタイマンで勝負する」

 

アリシア「ミカンさんたちもこのままモンスターを倒しててください」

 

ミカン「アリシアさん…」

 

アリシア「ここは私にお任せ下さい。ゼディさんとルシュさんがいるので一方的にモンスターたちを倒せるはずです」

 

ルシュ「確かにそうだけど…本当に大丈夫?」

 

アリシア「はい。大丈夫です。スザク、ムクロ、三つ首はルシュさんたちのお手伝いを」

 

スザク「主様…」

 

ムクロ「…あぁ、分かった」

 

雷首「嬢ちゃん。本当に大丈夫なのか」

氷首「何かあったらすぐに言ってくれ」

火首「俺たちがこいつらを倒してやる」

 

アリシア「マエラテ、ツクヨミ。2人もルシュさんたちのお手伝いを」

 

マエラテ「…あぁ、分かった」

 

ツクヨミ「…」

 

ライン「さ、行って。2人がいると本気で戦えない」

 

スレッド「…あぁ。行くぞマートン」

 

マートン「絶対勝って来て」

 

ライン「…あぁ。任せろ」

 

タッタッタッタッタッ!

スレッドとマートンはその場をあとにした。

 

アリシア「さ、ルシュさん。みんなを連れてここから離れて。もしかしたら巻き込むかもしれないので」

 

ルシュ「…分かったわ。みんな、ここから離れるわよ!」

 

ミカン「頑張ってねアリシアさん!」

 

フミ「ご武運を」

 

タッタッタッタッタッ!

ルシュたちもその場をあとにした。

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

みんながその場からいなくなると、静寂だけが残る。

 

ライン「…第1回イベント以来だね。僕と君たちがぶつかるのは」

 

アリシア「はい。あの時は惜しかったと思ってます」

 

ライン「…確かに。あの時は僕も流石に焦ったよ」

 

アリシア「…でも、ここで終わらせましょうか」

 

ライン「…望むところ」

 

キィン…

ラインは天明ノ剣を構えた。

 

アリシア「コハク」

 

コハク「 ( °-° ) 」

 

アリシア「…全力で戦って。ラインさんをここで倒して」

 

コハク「 (o´・ω・)´-ω-) 」

 

コハクは頷いた。

 

ザッザッザッ…

ラインとコハクは正面を向き合った。

 

ライン「アリシアさん。君を倒せばこの人は消えるんでしょ?」

 

アリシア「はい」

 

ライン「なら、君を倒せばこの戦いはすぐに済む」

 

アリシア「っ…」

 

ザッ!

コハクはアリシアを守るようにして立った。

 

コハク「 ( #・᷄ὢ・᷅ ) 」

 

コハクは少し怒っていた。

 

ライン「…だが、僕はそんな卑怯なことはしない」

 

アリシア「!」

 

コハク「 ( ¯•ω•¯ ) 」

 

ライン「正々堂々と僕は目の前の敵を倒す。君を倒すのはその後だ」

 

アリシア「…」

 

ライン「さぁ、構えなよ。あの時の再戦だ。今度は僕が君を倒してあげる」

 

アリシア「コハク…」

 

コハク「 ( -ω- ´) 」

 

ググッ…

コハクは拳を握った。

 

ライン「…じゃあ…いくぞ!」

 

ダダッ!

ラインはコハクに接近した。

 

コハク「 ( `ω´) 」

 

ビュン!

コハクは握った拳を突き出した。

 

ライン「はっ!」

 

ヒュッ!スタッ!

ラインはコハクの攻撃を避けた。

 

ライン「せやぁぁぁぁぁ!!」

 

ズシャッ!

ラインはコハクを攻撃した。

 

アリシア「コハク!!」

 

コハク「 (◦`꒳´◦) 」

 

ググッ…ビュン!

コハクは拳を握りしめて地面を殴った。

 

バゴォォォォォォォン!!

コハクの拳が地面に当たると、地面に窪みができた。

 

ライン「何っ!?」

 

ドサッ!

ラインは一瞬で足場がなくなって窪みの底に落ちた。

 

ビュン!

コハクはすぐさまラインに接近した。

 

アリシア「頑張れー!!コハクー!!」

 

音声「特性:応援が発動しました。味方モンスターのステータスが上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥン!

コハクのステータスが上昇した。

 

ライン「くっ!」

 

キィン!

ラインは天明ノ剣を盾のように使った。

 

コハク「 ( `ω´) 」

 

ドゴォン!

コハクの拳がラインの天明ノ剣を捉えた。

 

ライン「ぐっ…このっ…」

 

ラインはコハクの攻撃の重さに驚いていた。

 

ライン (こいつ…前とは比べ物にならないくらい強い…)

 

コハク「 ( *`ω´) 」

 

ググッ…ドゴォン!

コハクは更に攻撃を重ねた。

 

ライン「くっ…」

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

コハクは容赦なく攻撃を重ねる。

 

ライン「こい…つ…」

 

ガシッ!

コハクはラインの首を掴んだ。

 

ライン「ぐぁっ…」

 

ラインは足をジタバタと動かす。しかしコハクには全く効果がなかった。

 

コハク「 ( `ᾥ´ ) 」

 

ドゴォン!

コハクはそのままラインを地面に叩きつけた。

 

ライン「かはっ…」

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

コハクは間髪入れずにラインを攻撃する。

 

コハク「 ( `ᾥ´ ) 」

 

ドゴォン!

コハクはラインを蹴り上げた。

 

ライン「ぐっ…」

 

ビュン!

コハクがラインの真横に現れた。

 

ライン「くっ!」

 

キィン!

ラインは天明ノ剣を盾に使った。

 

バゴォン!

コハクはラインに蹴りを入れた。

 

ライン「おごっ!!」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ…ドゴォォォォォン!!

ラインはそのまま地面に蹴り落とされた。

 

コハク「 (*`ω´) 」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ…スタッ!

コハクは綺麗に着地した。ラインの周囲は煙で包まれている。

 

コハク「 ( ̄・ω・ ̄) 」

 

コハクは動かずラインの様子を伺っている。

 

ライン「ゲホッ…ゲホッ…くっ…以前よりも強くなってる…流石だね…君」

 

ザッ…ザッ…ザッ…

ラインはゆっくりと煙の中から出てきた。

 

ライン「…でも、強くなってるのは君だけじゃないんだよ」

 

ビュン!

ラインは一気にコハクに接近した。

 

ライン「天明ノ剣(アルテリアソード)!!」

 

ズシャッ!

ラインはコハクを攻撃した。

 

コハク「 (´×ω×`) 」

 

コハクはラインの攻撃を受けてしまった。

 

アリシア「コハク!!」

 

コハク「 (>_<) 」

 

コハクは少しよろめいた。

 

ライン「まだまだ!火炎斬(かえんざん)!!」

 

ズシャッ!ゴォォォォォォォォォォォ!

ラインは火属性の斬撃を放った。

 

ボボッ!

するとコハクの服が少し燃えた。

 

コハク「 (@_@) 」

 

バタバタバタ!

コハクはびっくりして急いで服に着いた火を払った。

 

ライン「天明ノ剣(アルテリアソード)!!」

 

ズシャッ!

ラインは立て続けに攻撃を入れる。

 

コハク「 ( `^´* ) 」

 

ドゴォン!

コハクはラインの攻撃に対してカウンターを入れた。

 

ライン「ゴホッ!」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ…ズサァァァァァァァ!

ラインは大きく吹っ飛ばされた。

 

ビュン!

コハクはすぐにラインを追いかけた。

 

アリシア「コハク!」

 

タッタッタッタッタッ!

アリシアはコハクのあとを追った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ズサァァァァァァァ!

ラインはなんとか耐えきった。

 

ライン「くっ…」

 

コハク「 ( `ω´) 」

 

ドゴォン!

しかしあとを追いかけてきたコハクの攻撃を受けてしまった。

 

ライン「がはっ!!」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ!!

ラインは更に遠くに吹っ飛ばされた。

 

ダッ!!

コハクは更にラインを追いかける。

 

ライン「こい…つ…ふざけた力だ…」

 

グイッ!グイッ!

ラインは空中でなんとか体勢を整えた。

 

ライン「とにかくどうするか…このままだとスレッドとマートンからも離れてしまう…」

 

ビュン!

コハクはラインの頭上に現れた。

 

ライン「とにかくどこかに着地してその後に…」

 

ドゴォン!

ラインは突然背中に衝撃を感じた。

 

ライン「 ( `ᾥ´ ) 」

 

それはコハクがラインの背中を蹴った衝撃だった。

 

ライン「ぐあああああああああ!!!」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ!!

ラインはその衝撃に対処できず、地面まで真っ逆さまに落ちていった。

 

ビュン!

コハクは落ちたラインを追いかける。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ーナギ部隊ー

 

ジン「でりゃああああ!」

 

ズシャッ!ズシャッ!シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ジンたちは順調にモンスターたちをやっつけていた。

 

ジン「よしっ、ここら辺は大分倒しただろ」

 

コヨミ「ですね!」

 

ナギ「まだ近くにモンスターがいますね」

 

カナデ「では次はそちらの方から…」

 

ドゴォォォォォン!!

突然、近くで大きな音が聞こえた。

 

ジン「なんだなんだ!?」

 

ジンは慌てている様子だった。

 

ナギ「…前方からですね」

 

ナギはこんな時でも冷静に分析している。

 

コヨミ「い、今の音は…」

 

カナデ「近くで大きなものが落ちたのでしょう」

 

アレックス「地面が揺らぐほどだったから相当なものだぞ」

 

ビュン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

その音はジンたちの方に近づいていた。

 

アレックス「なんか音近づいてねぇか!?」

 

ジン「何か来るぞ!」

 

ドゴォォォォォン!!

するとジンたちの目の前で何かが落ちた。

 

ジン「うおっ!あっぶねぇ!」

 

コヨミ「な…何が…」

 

スタッ!

すると1番後ろにいたカナデの背後に誰かが降り立った。

 

カナデ「あ、あなたは!」

 

カナデが後ろの気配に気づいて振り返ると、そこには白い面布をつけた人物がいた。他のメンバーはカナデの声に反応して後ろを振り返った。

 

コハク「 ( ̄・ω・ ̄) 」

 

カナデの後ろにいたのはコハクだった。コハクは静かにラインの様子を伺っている。

 

ジン「コハク!?なんでお前が!」

 

コヨミ「えっ…確かあの人は…アリシアさんの…」

 

アレックス「おいおい誰だこいつは!」

 

ナギ「…」

 

ジン「コハク!何でお前がここにいるんだ!アリシアはどうした!アリシアはどこにいるんだ!」

 

コハク「 ( ̄・ω・ ̄) 」

 

スタスタスタスタスタ

コハクは静かにラインに近づいた。

 

ジン「おい!止まれコハク!」

 

ザッ…

コハクはジンの前で止まった。

 

ジン「コハク!アリシアはどうした!お前はあいつの味方だろ!?あいつなしで単独行動なんてできるのか!?」

 

コハク「 ( ̄・ω・ ̄) 」

 

ジン「答えろコハク!お前はなにして…」

 

ビュン!

すると煙の中からラインが出てきた。

 

ライン「天明ノ(アルテリア)…」

 

コハク「 ( `ᾥ´ ) 」

 

ビュン!ガシッ!

それに気づいたコハクはジンの横を通ってラインの首を掴んだ。

 

ライン「がっ!!」

 

ジン「!!」

ナギ「!!」

コヨミ「!!」

カナデ「!!」

アレックス「!!」

 

ジンたちは自分たちを倒した張本人が目の前にいることに驚いていた。

 

ジン「こいつは…ライン!」

 

コヨミ「あの時の…」

 

ナギ「っ…」

 

カナデ「なんで…昨日に続いて今日も…」

 

アレックス「こいつ…俺たちを倒しに来たのか!」

 

ライン「がはっ…」

 

コハク「 (・ω・ ) 」

 

ビュン!ドゴォン!

コハクはラインを地面に叩きつけた。

 

ライン「ごあああああああ!!」

 

ラインは相当ダメージを受けた。

 

コハク「 (。-`ω´-) 」

 

ジン「コハク…まさかお前…ラインを…」

 

コハク「 ( `ω´) 」

 

ビュン!

コハクは少し高く飛んだ。

 

クルッ!ビュン!

そして空中で攻撃態勢に入るとラインに突撃した。

 

ライン「ぐっ…がっ…」

 

ドゴォォォォォン!!

ラインは対処できずにコハクの攻撃を受けてしまった。

 

ビュォォォォォォォォ!

辺りに煙が立ち込める。

 

ヒュッ!スタッ!

そんな中コハクは煙から脱出してジンの後ろに降り立った。

 

コハク「 (。-`ω´-) 」

 

ジン「なぁコハク!アリシアは!アリシアはどうした!」

 

コハク「 (*´・ω・`)=3 」

 

コハクは何も言わなかった。

 

ライン「がっ…ごふっ…流石だ…」

 

ジン「!」

 

コハク「 (・ω・ ) 」

 

コハクはラインのHPを削りきっていなかった。

 

ライン「体力が高くて良かったよ…」

 

コハク「 ( ¯•ω•¯ ) 」

 

バッ!

コハクは両手を挙げた。

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ!

すると空から5つの隕石が落ちてきた。

 

ジン「どぅえ!?ちょ、待てって!みんな!ここから離れるぞ!」

 

カナデ「!!」

 

タッタッタッタッタッ!

ジンたちは急いでその場を離れた。

 

ライン「マジか…これはさすがに…」

 

ラインはその場から逃げようとはしなかった。

 

コハク「 (¯•ω•¯) 」

 

ゴォォォォォォォォォォォ!

5つの隕石がどんどん近づいてくる。

 

ライン「…だが」

 

グッ…

ラインは天明ノ剣を握りしめた。

 

ライン「…僕はここで逃げたりはしない」

 

コハク「 (@_@) 」

 

ライン「僕はここでこの技を受けきって君を倒す。これが正真正銘…最後の攻撃だ!!」

 

ゴォォォォォォォォォォォ!

5つの隕石が目前に迫っていた。

 

ライン「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ラインは闘志を燃やした。

 

ライン「天明ノ剣(アルテリアソード)!!」

 

キィィィィィィィン!!!

ラインは最後の攻撃を放った。

 

バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!

コハクが落とした5つの隕石はそのままラインの所へ落ちた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アレックス「おぉ!すげぇなあいつ!!」

 

ジン「…コハク」

 

アリシア「はっ…はっ…はっ…ジンさん!」

 

ジン「!!」

 

突然後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。それに気づくと同時にその声の主がジンの横に立った。

 

ジン「アリシア!」

 

アリシア「はい…アリシアです…」

 

ジン「お前…大丈夫なのか?」

 

アリシア「はい…大丈夫です…」

 

アリシアはずっと走っていたから疲れていた。

 

ジン「というかアリシア。コハクが戦ってるんだが…あれは大丈夫なのか?」

 

アリシア「…はい…大丈夫です。さっきラインさんに会って第1回イベントの時の再戦だとかなんとかで…」

 

ジン「なるほど…そういうことか。懐かしいな」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ラインの周囲が煙に包まれた。

 

コハク「 ( ー ω ー ) 」

 

コハクは煙が晴れるまでじっとその場から動かなかった。

 

しばらくすると煙が徐々に晴れてきた。すると目の前には大きな岩が4つと砕けた岩が1つあった。

 

コハク「 Σ(゜Д゜) 」

 

コハクは砕けた隕石に驚いていた。

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

ザッ…ザッ…ザッ…

コハクはゆっくりと砕けた岩のところに向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ザッ…ザッ…ザッ…

コハクは砕けた岩の前に立った。

 

コハク「 ( ¯•ω•¯ ) 」

 

コハクはその砕けた岩の近くで横たわっているプレイヤーを見た。

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

ライン「…あと…少しだったんだ…」

 

コハク「 ‪Σ( ˙꒳˙ ; ) 」

 

コハクはラインが突然話し始めて驚いた。

 

ライン「もう少し…強かったら…」

 

コハク「 (Ⅲ-ω-) 」

 

ライン「君を…越えられた」

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

ライン「やっぱり…勝てなかったんだな…」

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

ライン「あの時…時間制限がなければ…僕は君に…やられていた…」

 

コハク「 ( - - `) 」

 

ライン「…完敗だ…君の勝ちだよ」

 

コハク「 ‪Σ( ˙꒳˙ ; ) 」

 

ライン「…僕はもう戦えない…また復活したら…モンスターたちを倒して…ポイントを稼ごうかな」

 

コハク「 ( ˘ω˘ ) 」

 

ライン「…アリシアによろしく言っておいてくれ…またいつか…戦おうって…」

 

コハク「 (o・ω・))-ω-)) 」

 

コハクは頷いた。

 

ライン「…ははっ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ラインの体が消えていった。

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

コハクは最後まで見送ったあとにアリシアのところへ向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ジン「…勝ったみたいだな。アリシア」

 

アリシア「…はい。良かったです」

 

カナデ「コハクさん…私たちの仇を…」

 

アレックス「あいつ…何者なんだ…」

 

コヨミ「あんな強いの…勝てっこないよ…」

 

ナギ「…」

 

ザッ…ザッ…ザッ…

コハクがアリシアの所に着いた。

 

アリシア「コハク」

 

コハク「 (´・ω・`)? 」

 

アリシア「…やったね。勝てたね」

 

コハク「 (*ˊ˘ˋ*)♪ 」

 

アリシア「ありがとうコハク。あなたのおかげで勝てた…初めて勝てたよ…」

 

アリシアは少し涙を流していた。

 

アリシア「よしっ!じゃあコハク!引き続きモンスター討伐と行きましょう!」

 

コハク「 ( •̀ω•́ )و 」

 

コハクはやる気満々だった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…拠点

 

アリシア「3日目お疲れ様でしたー!」

 

ロザリー「今回は私たちは結構頑張ったよ」

 

アリシア「私たちも!」

 

ロザリー「アリシアは無尽蔵にモンスターを操れるからほんと便利よね」

 

アリシア「えへへ〜」

 

ルシュ「あ、今ポイントの集計結果が終わったみたいね」

 

アリシア「ほんと!?」

 

ピッピッピッピッ

ロザリーはイベントの集計結果を開いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

第3回イベント 3日目 集計結果

 

第1位.ホイップガールズ 1899pt(+700 ↑)

第2位.天明ノ帝 1873pt(+495 ↓)

第3位.火力は正義 1679pt(+654 ↑)

第4位.RGO同好会 1611pt(+584 ↓)

第5位.ピューティーキューティー 1572pt(+565 ー)

第6位.近衛騎士団 1557pt(+766 ↑)

第7位.漢は拳で語り合う 1470pt(+583 ↑)

第8位.パフェ大好き侍 1444pt(+446 ↓)

第9位.剣しか勝たん 1432pt(+631 ー)

第10位.宿り星 1431pt(+658 ↑)

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

ジン「おぉ!!10位に入ってるぞ!!」

 

アリシア「やったぁ!!」

 

ロザリー「ふぅ…なんとか滑り込みセーフ…」

 

カナデ「でも9位の人と1pt差なのは惜しいですね」

 

アリシア「え、あ、ほんとだ…」

 

ルシュ「まぁ上出来だと思うわ」

 

ジン「お、てか天明ノ帝が2位に落ちてるぞ。多分コハクがやったからその分落ちたんだろうな」

 

アリシア「ですね」

 

ロザリー「何かあったの?」

 

アリシア「うん。途中でラインさんに会っちゃってコハクと再戦だって言って戦っちゃったんだ」

 

ロザリー「それで?」

 

ジン「コハクの勝利だぜ!!」

 

ロザリー「あ、そうなのね。やるわねコハク…」

 

アリシア「コハクも満足そうだったよ!」

 

カナデ「こうして見ると1位のホイップガールズと6位の近衛騎士団はすごい追い上げですね」

 

ゼディ「確かに…700ptも上げてる」

 

リン「今後、この2つのギルドは更に順位を上げるだろうな」

 

アレックス「次点で火力は正義ってやつも高いな654ptも増えてるぜ」

 

ロザリー「このまま上手く行けば10位は入ってそうだけど、どうする?アリシア」

 

アリシア「もちろん狙えるなら1位になりたい!!」

 

ロザリー「じゃあ明日も頑張らないとね」

 

アリシア「うん!みんな、最後まで頑張ろう!!」

 

全員「おー!!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…天明ノ帝の拠点

 

スレッド「マジかよ。2位に落ちたぜ」

 

マートン「だね。でも差は大したことなさそう」

 

スレッド「俺たちでもっとモンスターを倒せればなんとかいけそうだ。他の連中もポイント稼ぎに尽力してくれてるしな」

 

ライン「…」

 

ラインは考え事をしていた。

 

マートン「ライン。どうしたの。さっきから全く喋らないじゃん」

 

ライン「…あぁ。ちょっとな」

 

スレッド「まさかお前が負けるとはな。相手はそんなに強いのか」

 

ライン「…あぁ。最初に戦った時よりも格段に強くなってる」

 

スレッド「ふーん。なら次は俺が行こうか?」

 

ライン「…いや、2位に落ちてしまったなら1位に戻らなければならない」

 

マートン「流石はライン。向上心の塊だね」

 

ライン「…スレッド、マートン」

 

スレッド「ん?」

マートン「何?」

 

ライン「今後は宿り星の人たちに会ったら即撤退すること」

 

スレッド「なっ…」

 

マートン「うん。いいよ」

 

スレッド「何でだ!?俺だって戦いたいぜ!」

 

ライン「…相手をするのは分が悪い。今日戦ってみて分かった。アリシアの相棒は特に危険だ」

 

スレッド「そんなにヤバいのか。その相棒ってのは」

 

ライン「…あぁ。あいつは第1回イベントで僕を戦闘不能ギリギリまで追い込んできたやつだ」

 

スレッド「!?」

マートン「!?」

 

ライン「それが今はもっと強くなってる。僕がやられたのがその証拠だ」

 

スレッド「た、確かにそうだが…」

 

ライン「あの人たちと戦うと無駄に時間をかけてしまう。ポイントが命のこのイベントでは致命的だ。ギルドのポイントを総取りするには全滅させなければならない。その条件だと宿り星の人たちを倒すのは難しい」

 

スレッド「…そうか。分かった」

 

ライン「でも戦ってみたいなら行ってきてもいいよ。その間、僕たちがポイントを稼いでおくから」

 

スレッド「…分かった。会えば戦ってやる。会えばな」

 

ライン「…あぁ」

 

ラインたちは1位を取り返すために本気でモンスター狩りをし始めるのだった。




〜物語メモ〜

オーバブースト
リンが使ったスキル。移動速度の上限を引き上げることができる。


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第19話 第3回イベント 4日目

アリシア「4日目になりました!今日含めてあと2日になりました!みなさん最後まで頑張りましょう!!」

 

全員「おー!」

 

ロザリー「アリシア」

 

アリシア「何?」

 

ロザリー「とりあえず編成はそのままで。アリシアは昨日と同じやり方でポイントを稼いで。なんとか10位以内をキープしよう」

 

アリシア「うん!」

 

ロザリー「よしっ!じゃあ行こう!」

 

タッタッタッタッタッ!

アリシアたちはそれぞれポイントを稼ぎに行った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア部隊

 

アリシア「みんな出てきて!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

アリシアのメダルからスラちゃんたちが出てきた。

 

アリシア「召喚!コハク、スザク、ムクロ、三つ首、マエラテ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ!

コハクたちが召喚された。

 

マエラテ「出てきてツクヨミ」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ!

ツクヨミも出現した。

 

アリシア「みんな!今日もモンスターをたくさんやっつけてできるだけポイントを稼ごう!」

 

全員「おー!!」

 

雷首「俺が全て薙ぎ払ってやるわ!」

氷首「ガッハハハ!また楽しめそうだ!」

火首「全て焼き尽くしてやる!!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ギルド:ホイップガールズ

 

このギルドはギルドマスターであるマリンを始めとし、ミィ、ミズキ、リィ、ローズの5人で構成されたギルド。マリン、ミィ、ミズキ、リィ、ローズは第1回 イベントからお互いにフレンド登録しており、今回のイベントのためにギルドメンバーとして手を組むことになった。

 

マリン「よしっ!じゃあみんな!今日もポイント稼いでこのまま1位をキープしよう!」

 

ミィ「おー!」

ミズキ「おー!」

リィ「おー!」

ローズ「おー!」

 

タッタッタッタッタッ!

マリンたちは大勢のモンスターたちの前に立った。

 

マリン「じゃあリィ、ミズキ!よろしく!」

 

リィ「任せて!」

 

ガンッ!

リィは円卓の大盾を装備した。

 

ミズキ「私も!」

 

ヒュッヒュッヒュッ…コンッ!

ミズキは導きの大旗を装備した。

 

リィ「聖騎士の守り!」

 

ガシャン!

マリン、ミィ、ミズキ、リィ、ローズに結界が展開された。

 

ミズキ「天使の祝福!」

 

ブゥゥゥゥゥン!

マリンたちの全ステータスが上昇した。

 

リィ「挑発!」

 

音声「スキル:挑発が発動しました。一定時間、敵の攻撃を引き付けやすくなります」

 

リィ「マリン!いいよ!」

 

マリン「うん!じゃあミィとローズ!あのモンスターたちをやっつけるよ!」

 

ミィ「うん!」

ローズ「うん!」

 

マリン「はっ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

マリンは大魔道士の杖を装備した。

 

ミィ「今日はこれかな」

 

カチャカチャ…ガチャン

ミィは熱線砲を装備した。

 

ローズ「はっ!」

 

バササッ!

ローズは御札を周囲に展開した。

 

マリン「それじゃあ…いくよ!」

 

ミィ「おっけー!」

ローズ「いいよ!」

 

マリン「光の波動!」

 

ドォォォォォォォン!!

マリンは光属性の魔法を放った。

 

ミィ「熱砲線!」

 

バゴォォォォォォン!!

ミィは火の波動を放った。

 

ローズ「雷符 天地雷鳴!!」

 

ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!

ローズは御札から雷を召喚して攻撃した。

 

ミズキ「怒りの力!」

 

ブゥゥゥゥゥン!

マリン、ミィ、ミズキ、リィ、ローズの攻撃力が上昇した。

 

ミズキ「知性の力!」

 

ブゥゥゥゥゥン!

マリン、ミィ、ミズキ、リィ、ローズの魔力が上昇した。

 

ミズキ「堅実の力!」

 

ブゥゥゥゥゥン!

マリン、ミィ、ミズキ、リィ、ローズの防御力が上昇した。

 

マリン「風撃!!」

 

ビュォォォォォォォ!

マリンは竜巻を起こしてモンスターたちを一掃した。

 

ミィ「高出力熱光線!」

 

バゴォォォォォォン!!

ミィはマリンに負けじとモンスターたちを倒していく。

 

ローズ「陰陽符 幻想陰陽玉!」

 

ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!

ローズは御札を陰陽玉に変えてモンスターたちを攻撃した。

 

その後マリンたちは怒涛の範囲攻撃を連発し、モンスターたちを次々に倒していった。その間、マリンたちは一度もダメージを受けておらず、消費したMPは多いが、モンスターを倒した後にリィからMPポーションを受け取って回復した。

 

マリン「よしっ!じゃあ次行こう!」

 

リィ「おー!」

ローズ「おー!」

ミィ「おー!」

ミズキ「おー!」

 

マリンたちは場所を変えた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ギルド:天明ノ帝

 

このギルドはギルドマスターであるラインを始めとし、マートン、スレッドの主力メンバーに続くその他メンバーを集めたギルド。現在はトップクラスに人数が多い。そのため、今回のイベントでは有利な状況になりやすい。

 

ライン「さ、僕たちもやろうか。今日はモンスターを倒すことだけに集中しよう」

 

マートン「賛成」

 

スレッド「あぁ。でもあいつらを見かけたら俺は戦うぞ」

 

ライン「あいつらって、宿り星の人たちかい?」

 

スレッド「あぁ。負けたままでいられるか」

 

ライン「…まぁ、戦うのは勝手だけどあまりチームに影響のないようにね」

 

スレッド「あぁ」

 

ライン「じゃあ…行こうか!」

 

ダダッ!

ライン、マートン、スレッドはモンスターがいるところまで走った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…平原

 

ライン「お、ここにいるね」

 

マートン「しかもたくさんいる」

 

ラインたちはギルドの近くにある平原に着いた。そこには魔物が多数おり、見渡すだけでも30近くいる。

 

ライン「いいポイント稼ぎだ。行くぞマートン、スレッド」

 

マートン「あぁ」

スレッド「おう」

 

キィン!

ラインは天明ノ剣を装備した。

 

バササッ!

マートンは双子の魔導書を装備した。

 

キィン!

スレッドは風霧の双剣を装備した。

 

ダダッ!

ラインとスレッドはモンスターに接近した。

 

マートン「いくよっ!」

 

マートンは双子の魔導書を目の前に設置した。

 

マートン「風神!雷神!」

 

ビュォォォォォォォ!

バリバリバリバリバリ!

マートンは風、雷属性の魔法を放った。

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

マートンの魔法は近くのモンスターたちを一気に倒した。

 

マートン「よしっ!」

 

ライン「流石だマートン。では僕も!」

 

ビュンビュン!

ラインは目の前にいた大きな体のモンスターの背後に立った。

 

ライン「はぁっ!」

 

ビュン!ズシャッ!

ラインはそのモンスターの背中あたりまで飛んで斬りつけた。

 

モンスター「ガァァァァァァッ!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

モンスターはラインの攻撃を受けて消えてしまった。

 

ライン「まず1つ」

 

スレッド「風斬り!!」

 

ビュォォォォォォォ!

スレッドは双剣を握りしめてその場で回転した。すると竜巻が発生し、モンスターたちを襲った。

 

ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!

竜巻に巻き込まれたモンスターたちは次々に斬られていった。

 

スレッド「っしゃ!」

 

ライン「おぉ、いつの間にそんなスキルを」

 

スレッド「このイベントが始まる前にちょっとな」

 

ライン「やるじゃないか」

 

スレッド「へっ、でもラインほどじゃねぇよ」

 

ライン「…ふっ」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ギルド:近衛騎士団

 

このギルドはギルドマスターであるシルバーを始めとし、新キャラとして登場するツァイ、コン、オルゴ、ユノ、スノーの主力メンバーやその他のメンバーで構成されている。しかし、他のギルドとは違って人数が少なくいのが特徴。また、このギルドメンバーは全員が職業:聖騎士の人たちで構成されている。

 

シルバー「我々はこの時より敵を殲滅し、他のギルドを圧倒する!」

 

近衛騎士団のメンバーたち「おー!!!」

 

ツァイ「凄いねシルバーは。私はあんな事できないよ」

 

コン「私たちは聖騎士として彼女に従うだけよ」

 

オルゴ「しかしあのカリスマも中々なもんだ」

 

ユノ「あぁ。私たちを導いてくれるだろう」

 

スノー「…眠い」

 

オルゴ「スノー。しっかりしろよ。騎士団なんだから気を張れよ」

 

スノー「…仕方ないじゃん…眠いもん…」

 

シルバー「ツァイ、コン、オルゴ、ユノ、スノー」

 

ツァイ「!」

コン「!」

オルゴ「!」

ユノ「!」

スノー「!」

 

シルバー「今日も頼むぞ。皆が頼りだ」

 

ツァイ「うん。分かった」

コン「任せて。シルバー」

オルゴ「あぁ。やってやるよ」

ユノ「はい。お任せ下さい」

スノー「うん…」

 

シルバー「では、モンスターたちを殲滅するぞ!」

 

近衛騎士団のメンバーたち「おー!!」

 

シルバーたちは行動を開始した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…城の跡地

 

シルバーたちは城の跡地に着いた。そこにもモンスターたちがおり、みんなシルバーたちに気づいた。

 

シルバー「モンスターを発見した。全員、モンスターを殲滅するぞ!」

 

チャキッ…

シルバーは剣を装備した。

 

チャキッ…チャキッ…チャキッ…

ツァイたちも続けて武器を装備した。

 

シルバー「では、かかれぇ!!」

 

近衛騎士団のメンバーたち「おー!!!」

 

ダダダダダダダダダダ!!

シルバーたちはモンスターたちに攻撃をしかけた。

 

シルバー「はぁっ!」

 

ズシャッ!ズシャッ!ゴンッ!ズシャッ!

シルバーは華麗な剣技と盾での攻撃でモンスターたちを次々と倒していった。

 

モンスター「ガァァァァァァッ!!」

 

シルバー「!」

 

シルバーがモンスターたちを攻撃していると、背後に鎧を着たモンスターが現れた。そのモンスターは大きな刀を所持していた。

 

シルバー「来るか!」

 

モンスター「オォォォォォォォォ!!」

 

キィィィィィン!!

シルバーはそのモンスターの攻撃を盾で防いだ。

 

シルバー「いい攻撃だ!しかし!この程度では私は倒れんぞ!!」

 

キィン!

シルバーは盾でモンスターの刀を受け流し、モンスターの隙を作った。

 

シルバー「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ズシャッ!

シルバーはモンスターが体勢を立て直す前に斬った。

 

モンスター「オォォォォォォォォ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

モンスターはシルバーの攻撃を受けて消えた。

 

シルバー「ふん」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ツァイ「はっ!やっ!せいっ!!」

 

キィン!キィン!キィン!ズシャッ!

ツァイも負けじとモンスターを倒していく。

 

ツァイ「これで何体目だっけ…忘れちゃった!」

 

オルゴ「ツァイ!後ろだ!」

 

ツァイ「!?」

 

ツァイはオルゴの声に反応して後ろを振り返った。そこには先程シルバーに倒されたモンスターと同じやつが立っていた。

 

モンスター「ガァァァァァァッ!!」

 

そのモンスターは容赦なく刀を振り下ろした。

 

ツァイ「なっ!」

 

ユノ「させるか!!」

 

キィン!

ユノが間一髪のところでモンスターの攻撃を防いだ。

 

ツァイ「ユノ!」

 

ユノ「下がれツァイ!ここは私が何とかする!」

 

ツァイ「うん!」

 

タッタッタッタッタッ!

ツァイはその場をあとにした。

 

ユノ「後ろからとは卑怯じゃないか。正々堂々と正面から立ち向かえ!」

 

キィン!

ユノはモンスターの刀を弾いた。

 

モンスター「ガッ!」

 

ユノ「はぁっ!」

 

カン!!

ユノはモンスターに攻撃した。しかし、モンスターの硬い鎧に傷をつけるくらいでモンスター自体には攻撃が通っていなかった。

 

ユノ「くっ…」

 

モンスター「ガァァァァァァッ!!」

 

ガシッ!!

そのモンスターはユノを捕まえた。

 

ユノ「なっ…離せっ!!」

 

ジタバタ!ジタバタ!

ユノはなんとかしてモンスターの拘束から抜け出そうとした。しかし、モンスターの力が強く、中々抜け出せなかった。

 

ユノ「くそっ…」

 

オルゴ「離せっ!!」

コン「ユノ!!」

 

キィン!ズシャッ!

ユノが拘束されていることに気づいたオルゴとコンは連携攻撃でモンスターを攻撃した。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

そのモンスターは消えていった。

 

オルゴ「大丈夫かユノ!」

 

ユノ「あぁ、平気だ」

 

コン「少し休んでもいいよ。私たちで何とかするから」

 

ユノ「いや、ここで折れるわけにはいかない。私たちは更に上を目指す!」

 

オルゴ「へっ、分かってるじゃねぇかユノ」

 

ユノ「当然だ。私はこれでも騎士なのだ!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

スノー「ふぅ」

 

スノーは相変わらず眠そうにしている。

 

スノー「まだ…いる…」

 

モンスター「ガァァァァァァッ!!」

 

スノーの周りに多数のモンスターがいてそのモンスターたちは一斉にスノーに飛びかかった。

 

スノー「お昼寝の邪魔しないで」

 

ズバッ!!

スノーは一撃でモンスターたちを倒した。

 

スノー「あぁ…ダメだ…眠…い…」

 

ツァイ「スノー!」

 

スノー「…?」

 

スノーは近くで聞こえた仲間の声に反応した。

 

タッタッタッタッタッ!

声のした方を見るとツァイが走ってきていた。

 

ツァイ「スノー!大丈夫!?」

 

スノー「あれ、ツァイじゃん…どうしたの」

 

ツァイ「どうしたのって…さっきまでモンスターに囲まれてたから…」

 

スノー「あぁ…あれは大丈夫。全部片付けたから」

 

ツァイ「そ、そう…ならいいんだけど…」

 

スノー「…うん」

 

スノーは眠そうに答えた。

 

スノー「…ねぇ、ツァイ」

 

ツァイ「何?」

 

スノー「ちょっと…こっちに来て…」

 

ツァイ「えっ?」

 

スノー「早く…こっちに…」

 

ツァイ「う、うん」

 

スタスタスタ

ツァイはスノーの横に立った。

 

ツァイ「これでどうするの?」

 

スノー「ちょっとしゃがんでて」

 

ツァイ「しゃがむ?こう?」

 

スッ…

ツァイはスノーの足元に座った。

 

スノー「うん。それでいい」

 

モンスター「ガァァァァァァッ!!」

 

ツァイ「!!」

 

ドタドタドタドタドタドタ!

すると周囲のモンスターたちが一斉に襲いかかってきた。

 

ツァイ「スノー!!」

 

スノー「大丈夫。ツァイはそのまま」

 

ツァイ「えっ?」

 

チャキッ…

スノーは剣を握った。

 

スノー「ふん」

 

ズバババババッ!!

スノーが剣を振るうと近くのモンスターが斬られた。

 

ツァイ「!!」

 

スノー「…ふぅ」

 

モンスター「ガァァァァァァッ!!」

 

しかしモンスターたちはまだたくさんいる。

 

スノー「なんか…多い…」

 

ズバッ!ズバッ!ズバババババッ!!

スノーは次々にモンスターたちを倒していった。

 

スノー「ほい」

 

ズバッ!シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

そして最後のモンスターが消えていった。

 

ツァイ「す…凄い…」

 

スノー「これで安心…お休み…」

 

ドサッ…

スノーはその場に横になって眠ってしまった。

 

ツァイ「…えっ?」

 

スタスタスタ

ツァイはスノーの方へ歩み寄った。

 

ツァイ「あ、あれ…スノー?…スノー!」

 

ツァイはなんとかスノーを起こそうとしたが、全く起きなかったので仕方なく担いでシルバーたちのところに向かうことにした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ギルド:火力は正義

 

このギルドはギルドマスターであるアハトを始めとし、マグナム、カノン、ライフル、レールガン、ショット、ハンドの主力メンバーと他のメンバーで構成されている。このギルドは近衛騎士団と同様、何かに特化しており、主に銃や重火器を使う人たちが集まっている。

 

アハト「よし。じゃあみんな。今日もめいっぱいポイントを稼ごう。このままいけば順位もキープできるはずだ」

 

マグナム「なぁアハト」

 

アハト「何?マグナム」

 

マグナム「今回は散らばるか?それとも固まるか?」

 

アハト「そうだなぁ…離れすぎたら助けに行けないし、かといって近いと巻き込む可能性もある。中々難しいところだ」

 

カノン「私たちは動けないから高いところにいた方がいいと思う」

 

アハト「確かにそうだね。僕やカノン、ライフル、レールガンは特に」

 

マグナム「俺とショットとハンドは動けるからいいとして残りが動けないとなると固まって動くべきか…」

 

アハト「いや、待てマグナム。君たちは動けるから動いてもらうとして僕たちはマグナムたちを巻き込まないようにしなければならない」

 

マグナム「…それ難しくね?特にアハトとカノン、レールガンは」

 

アハト「あぁ、僕とカノン、レールガンは撃てば周囲に被害が出る。でもより高い順位を目指すなら今までのようにはできない。特に動けるマグナムたちがもったいないよ」

 

マグナム「確かに…」

 

アハト「ショット、ハンド。2人はどうする?動く?」

 

ショット「動けるなら動くよ」

 

ハンド「同じく」

 

アハト「ならマグナム。3人は近いモンスターを倒してもらって、僕たちは遠いモンスターを倒そう。それなら被害が出ないはずだ」

 

マグナム「なるほど。それでいこうか。ショットとハンドもそれでいいか?」

 

ショット「あぁ」

ハンド「いいよ」

 

マグナム「じゃあアハト。それでいこうか」

 

アハト「よしっ。カノン、ライフル、レールガン。僕たちはなるべく高台に行こう。そこから射程範囲内に入っているなるべく遠い敵に攻撃する」

 

カノン「はい」

ライフル「あぁ」

レールガン「はい」

 

アハト「よしっ。そっちはマグナムの指示で動いて。こっちは僕の指示で動こう」

 

ショット「あぁ」

ハンド「うん」

カノン「はい!」

ライフル「おう」

レールガン「はい」

 

アハト「じゃあ…行くよ!」

 

タッタッタッタッタッ!

アハトたちはそれぞれの位置に着いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

マグナム部隊

 

マグナム「ショット、ハンド。2人はなるべく近い敵を倒して。遠い敵はアハトたちが倒してくれるから」

 

ショット「あぁ」

ハンド「任せて」

 

マグナム「弾丸の補充は済ませたか?」

 

ショット「バッチリ」

ハンド「こっちもいけるよ」

 

マグナム「よしっ。じゃあ行くぞ!」

 

タッタッタッタッタッ!

マグナムたちはなるべく近いモンスターを狙って倒しに行った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アハト部隊

 

アハト「じゃあカノンはここから。レールガンはこっち向きに。ライフルはここから撃ってね。僕はこっち向きに撃つから」

 

アハトはそれぞれの定位置を決めた。

 

アハト「じゃあ攻撃準備」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

アハトは終戦の戦火(アハト・アハト)を召喚した。

 

カノン「分かった」

 

ドン!

カノンは黒鉄大砲(カノン砲)を召喚した。

 

レールガン「さて、やるよ」

 

カチャ…ブゥゥゥゥゥン…

レールガンは天翔る電磁砲(レールガン)を装備した。

 

ライフル「さて、俺もそろそろ」

 

カチャ

ライフルは静かな死神(ライフル)を装備した。

 

アハト「では…攻撃開始!!」

 

カノン「いくよ!」

 

ドォォォォォォォン!!

カノンは合図とともに砲撃を開始した。

 

バゴォォォォォォン!!

カノンの砲弾は遠くのモンスターに着弾して爆発した。

 

カノン「ん〜〜〜〜〜〜…いい!!」

 

カノンは気持ちよさそうな表情を見せた。

 

レールガン「よしっ。じゃあ私も」

 

キィィィィィィィィ…ドォォォォォォォン!!

レールガンは少し近いところにいたモンスターを攻撃した。

 

カシュッ!シュゥゥゥゥゥゥゥゥ!

超電磁砲は冷却モードに入った。

 

ライフル「ん〜〜〜〜〜〜…」

 

ライフルは敵の頭に狙いを定めていた。

 

ライフル「ここかな」

 

バンッ!

ライフルは引き金を引いた。

 

ドシュッ!

ライフルが放った弾丸はモンスターの頭に命中した。

 

ライフル「よしっ。次!」

 

アハトたちは順調にモンスターを倒していった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

マグナム部隊

 

マグナム「行くぞショット、ハンド」

 

ショット「あぁ」

ハンド「うん」

 

タッタッタッタッタッ!

3人はそれぞれモンスターを討伐し始めることにした。

 

マグナム「いくぜ!」

 

バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!

マグナムは災いの銃(マグナム)でモンスターたちを撃ち始めた。

 

ショット「よしっ!」

 

カチャ…バンッ!カチャ…バンッ!

ショットは星くずの銃(ショットガン)でモンスターたちを撃ち始めた。

 

ハンド「私も」

 

カチャ…バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!

ハンドは銀色の翼(ハンドガン)でモンスターを撃ち始めた。

 

ショット「まだまだぁ!」

 

カチャ…バンッ!カチャ…バンッ!カチャ…バンッ!

ショットは手際よくモンスターを倒していく。

 

マグナム「やるなショット。だが俺も負けちゃいねぇ!!」

 

バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!

マグナムも負けじとモンスターを倒していく。

 

ハンド「ショットもマグナムもすごいね。私も追いつかなきゃ」

 

モンスター「ガッハハハハ!」

 

ハンド「!」

 

ハンドの後ろに鎧を着たモンスターが現れた。

 

ハンド「きた!」

 

バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!

ハンドはそのモンスターに攻撃を仕掛けた。

 

カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!

しかしハンドの弾丸は硬い鎧に弾かれてしまった。

 

ハンド「なっ!」

 

モンスター「シャアアアアア!」

 

ショット「ハンド!」

 

マグナム「!」

 

ハンドがどうするか迷っているとショットがそれに気づいて声を上げた。近くにいたマグナムはショットの声に反応してハンドの窮地に気づいた。

 

ハンド「くっ!」

 

バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!

ハンドは何度も攻撃した。

 

カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!

しかし弾丸は虚しく弾かれてしまう。

 

ハンド「これじゃダメ…」

 

ショット「ハンド!!」

 

モンスター「キシャァァァァァァ!!」

 

ハンド「!」

 

ハンドがショットの声に反応して前を見るとモンスターが目前に立って攻撃しようとしていた。

 

ハンド「くっ!」

 

グッ!

ハンドは咄嗟に防御姿勢をとった。

 

ショット「離れろぉぉぉぉぉぉ!」

 

ハンド「!?」

 

バゴォォォォォォン!!

ショットが声を上げた瞬間、ハンドの目の前で爆発が起きた。

 

ヒュゥゥゥゥゥゥ…ズサァァァァァァァ!!

ハンドはその爆発に巻き込まれて遠くに吹き飛ばされてしまった。

 

ショット「ハンド!!」

マグナム「っ!!」

 

タッタッタッタッタッ!

ショットとマグナムは飛ばされたハンドの所へ向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アハト部隊

 

アハト「…すまないハンド…」

 

カノン「でもアハトがやらなかったらハンドはやられていた。爆風だけで済んで良かったと思う」

 

アハト「…すまないカノン」

 

カノン「?」

 

アハト「…ハンドのところに行ってくる」

 

カノン「!!」

 

アハト「…」

 

ギュゥゥゥゥ…

アハトは拳を握りしめていた。

 

カノン「…いいよ。行ってきな」

 

アハト「!」

 

カノン「咄嗟の判断でハンドが傷ついてそれに責任感じてるなら傷を治してきなさい」

 

アハト「…すまないカノン。一時的に攻撃の指揮を任せる」

 

カノン「いいよ。行っておいで」

 

アハト「あぁ」

 

タッタッタッタッタッ!

アハトはすぐにハンドの所へ向かった。

 

レールガン「アハト…」

 

ライフル「カノン。俺たちはどうする」

 

カノン「私たちは引き続きモンスターを攻撃します。2人とも、攻撃態勢」

 

レールガン「うん!」

ライフル「あぁ」

 

カノン、レールガン、ライフルは引き続きモンスターたちを倒すことにし、アハトはハンドの所へ向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

マグナム部隊

 

ショット「ハンド!ハンド!!」

 

ハンド「っ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ハンドは大ダメージを受けていた。

 

ハンド (一体…何が起きたの…)

 

ショット「ハンド!!」

 

マグナム「いたぞショット!」

 

ショット「!」

 

タッタッタッタッタッ!

マグナムとショットはハンドのところまで走った。

 

ハンド「わ…たし…」

 

マグナム「ハンド!!」

 

ザザッ!!

マグナムとショットはハンドがいるところに着いた。

 

マグナム「おいハンド!大丈夫か!意識あるか!?」

 

ショット「おいハンド!!」

 

ハンド (あれ…ショット…マグナム…なんでここに…)

 

ショット「ハンド!聞こえてるか!起きろ!」

 

ハンドの目が少しずつ閉じていった。

 

ショット「ハンド!!」

 

アハト「マグナム!ショット!」

 

マグナム「!」

ショット「!」

 

タッタッタッタッタッ!

少しするとアハトが駆け寄ってきた。

 

アハト「ハンドは!」

 

マグナム「ダメだ…返事しねぇ!」

 

ショット「アハト!!てめぇ!なんで撃った!!」

 

アハト「!!」

 

ショット「お前が撃ったからハンドが怪我しただろうが!!」

 

アハト「っ!」

 

マグナム「待てショット。あの状況じゃアハトが正解だ。俺とショットじゃ間に合わなかった」

 

ショット「でもよマグナム!それでもやりすぎだろ!!」

 

アハト「っ…」

 

マグナム「いや、アハト部隊はアハト、カノン、レールガン、ライフルの4人だ。ライフルだと射程範囲外。レールガンは恐らく冷却中だったんだろう。となると撃てるのはカノンとアハトだけだったわけだ」

 

ショット「いや!レールガンだって撃てるだろ!冷却中なんか知るか!」

 

アハト「いや、信じてくれショット。レールガンは冷却中だった…撃てるのは僕とカノンだけだが弾を装填していたのは僕の方だった。あの状況でカノンが弾を装填していると間に合わないと判断して僕に撃つよう言った」

 

ショット「じゃあどんすんだよ!ハンドがっ!!」

 

アハト「それに関しては大丈夫」

 

カラッ…

アハトは回復ポーションを全て出した。

 

ショット「これは…」

 

アハト「回復ポーションだ。まだハンドは死んでない。これで回復させる」

 

パキッ!

アハトは回復ポーションを使った。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

するとハンドは緑色の光に包まれ、HPが回復した。

 

ショット「くっ…貸せっ!!」

 

バッ!パキッ!パキッ!パキッ!パキッ!

ショットはアハトの回復ポーションを全て使った。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ハンドは更に緑色の光に包まれた。

 

ショット「ハンド!大丈夫か!?」

 

ハンド「っ…んっ…」

 

ハンドは少しづつ目を開けた。

 

ショット「ハンド…」

 

ハンド「ショット…マグナム…あれっ…アハトまで…」

 

アハト「…すまないハンド…僕は君に怪我をさせてしまった…」

 

ハンド「…えっ?」

 

アハト「君が爆風に巻き込まれたのは僕のせいなんだ。僕が砲撃したせいで君は…」

 

ハンド「あぁ…そうなんだ…敵じゃないんだ…いいよ…」

 

アハト「!」

 

ハンド「HPも満タンになったし…まだ動けるよ…私…」

 

アハト「っ…すまない…」

 

ハンド「いいよ…それよりも…モンスターたちはどうしたの…」

 

アハト「カノンに指揮を任せてある」

 

ハンド「よかった。ショット…マグナム」

 

ショット「なんだ!?何かあるか!?」

 

ハンド「少しだけ休ませて…体が思うように…動かない…」

 

ショット「あぁいいぞ!いくらでも休め!!俺たちが何とかしてやるよ!!」

 

ハンド「あり…がとう…」

 

アハト「…僕が代わりになろう」

 

ショット「!?」

 

アハト「仲間を傷つけた分の償いはする。今からでも遅くない」

 

ショット「いや!俺がハンドの代わりをやる!お前は俺たちの援護でもしてろ!」

 

アハト「いや、ここは責任をとらせてもらう。ショットはマグナムと一緒に戦ってくれ」

 

ショット「いいや!」

 

マグナム「待て2人とも」

 

アハト「!」

ショット「!」

 

マグナムが2人の口喧嘩を静止させた。

 

マグナム「3人でハンドを守るようにして戦う。異論はないな」

 

ショット「!」

アハト「!!」

 

マグナム「1人で戦うということは忘れろ。俺たちには盾役がいないんだ。みんなで協力しなければならない。分かったな」

 

アハト「…あぁ。その通りだ」

 

ショット「すまねぇマグナム。熱くなりすぎた」

 

マグナム「アハト。カノンたちの戦況はどうだ」

 

アハト「大丈夫だと思う。何かあれば危険を知らせるメールが来るはず」

 

マグナム「よしっ。今からはハンドを守りつつモンスターを倒す。やるぞ。アハト、ショット」

 

アハト「あぁ」

ショット「やってやらぁ!!」

 

そしてその後、マグナム、アハト、ショットはハンドのためにより一層ポイントを稼いだ。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ギルド:宿り星

 

アリシア「みなさん!4日目お疲れ様でした!!」

 

ジン「今日は結構まともに行けたんじゃないか?」

 

ルシュ「こっちも敵対すること無かったからスムーズにポイントを稼げたわ」

 

ロザリー「私たちのところも十分ポイント稼げたよ!」

 

ルーラ「もうそろそろ集計結果が表示される時間ですね」

 

ピッピッピッピッ

アリシアは4日目の集計結果を表示した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

1位.天明ノ帝 2606pt(+733↑)

2位.ホイップガールズ 2588pt(+689↓)

3位.火力は正義 2554pt(+875ー)

4位.近衛騎士団 2534pt(+977↑)

5位.ピューティーキューティー 2496pt(+924ー)

6位.RGO同好会 2481pt(+870↓)

7位.漢は拳で語り合う 2411pt(+941ー)

8位.宿り星 2376pt(+945pt ↑)

9位.剣しか勝たん 2345pt(+913↓)

10位.パフェ大好き侍 2301pt(+857↓)

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「やった!!8位になってる!!」

 

ロザリー「ほっ…とりあえず10位は脱出ね」

 

シン「でも他のギルドを見てみるとそう安心してられない」

 

アリシア「え?」

 

ルーラ「そうですね。他のギルドのプラスポイントが昨日より格段に上がっています」

 

アリシア「えっ」

 

アリシアは他のギルドのポイント上昇量を見た。

 

アリシア「すごい…みんな700とか800くらいポイント上がってる…」

 

ジン「みんな4日目にしてコツを掴んだんだろ。もう明日で終わりだが」

 

ルシュ「こうなるとゆっくりしてられないわね」

 

ジン「あぁ。天明ノ帝もまた1位になってるし」

 

ロザリー「アリシア」

 

アリシア「何?」

 

ロザリー「この4位になってる近衛騎士団ってギルド。900ポイントも上がってる」

 

アリシア「た…確かに…」

 

ロザリー「この先このギルドも見ておいた方がいいと思う。みんな、天明ノ帝とホイップガールズ、火力は正義、近衛騎士団ってギルドは今後のイベントでも関わってくるかもしれない。注意しておこう」

 

ジン「そうだな。この4つは大事だな」

 

ロザリー「みんな、明日が最終日。今ある自分の力を全て使ってモンスターたちを倒そう。他のギルドに会っても戦わないこと。できるだけモンスターを倒す方にMPを使って」

 

ルシュ「ゼディ」

 

ゼディ「何?」

 

ルシュ「明日は私と勝負しましょうか」

 

ゼディ「勝負?」

 

ルシュ「そう。どっちが多くモンスターを倒せるかって勝負」

 

ゼディ「ふふっ…いいね。受けて立とう」

 

ルシュ「よしっ、決定」

 

ジン「なんだそれ!俺もやる!俺もやるぞルシュ!」

 

ルシュ「あんたは魔法使いじゃないでしょ…」

 

ジン「でも面白そうじゃん!!俺も混ぜろよー!」

 

ルシュ「えぇ…」

 

ゼディ「アリシア。どうする?」

 

アリシア「えっ!?私!?なんで私?」

 

ゼディ「ここはギルドマスターに一言お言葉をと」

 

アリシア「え〜…」

 

ロザリー「あ、じゃあアリシア」

 

アリシア「?」

 

ロザリー「このギルドのみんなで勝負してみない?」

 

アリシア「えっ?勝負?」

 

ロザリー「そう。まぁ職業によって向き不向きがあるから景品とかは無しで。自分の実力を見直す良い機会になるかもしれない」

 

アリシア「あー…なるほど」

 

ゼディ「じゃあそういう事にしようか。ルシュ」

 

ルシュ「何よ」

 

ゼディ「ギルド全員で勝負しようってロザリーが」

 

ルシュ「えっ!?」

 

ロザリー「自分の実力を再確認するためだよ。倒した数で勝ち負けは決めない」

 

シン「なるほど。でも僕やナギは不利だね」

 

ルーラ「面白そうじゃないですかシン!やりましょう!」

 

シン「…ルーラってこういうの好きだっけ」

 

ルーラ「楽しいことは好きですよ?」

 

シン「へー」

 

ナギ「私…できるかな」

 

コヨミ「私やる!絶対勝つよ!!」

 

ナギ「頑張ってねコヨミ。私も頑張るから」

 

コヨミ「うん!!」

 

カナデ「ロザリーさん」

 

ロザリー「ん?」

 

カナデ「私たちは攻撃できないので参加できないですよ」

 

ロザリー「あ、カナデさんたちは今まで通りにサポートをお願い。明日も同じ編成で戦うからサポートも平等にね」

 

カナデ「はい。分かりました」

 

アリシア「んー!じゃあみなさん!明日は最終日!!張り切っていきましょう!!」

 

全員「おー!!!」

 

アリシアたちは最終日を楽しむことにしたのだった。




〜物語メモ〜

ギルド:ホイップガールズ
━━━━━━━━━━━━━━━
ギルドマスター:マリン(魔法使い)
━━━━━━━━━━━━━━━
ミィ(機工士)
ミズキ(僧侶)
リィ(大盾使い)
ローズ(戦巫女)


ギルド:天明ノ帝
━━━━━━━━━━━━━━━
ギルドマスター:ライン(剣聖)
━━━━━━━━━━━━━━━
スレッド(忍者)
マートン(魔法使い)
その他メンバー


ギルド:近衛騎士団
━━━━━━━━━━━━━━━
ギルドマスター:シルバー(聖騎士)
━━━━━━━━━━━━━━━
ツァイ(聖騎士)
コン(聖騎士)
オルゴ(聖騎士)
ユノ(聖騎士)
スノー(聖騎士)


ギルド:火力は正義
━━━━━━━━━━━━━━━
ギルドマスター:アハト(機工士)
━━━━━━━━━━━━━━━
マグナム(機工士)
カノン(機工士)
ライフル(機工士)
レールガン(機工士)
ショット(機工士)
ハンド(機工士)


スキル
リィ
・聖騎士の守り
・挑発

ミズキ
・天使の祝福
・怒りの力
・知性の力
・堅実の力

マリン
・光の波動

ローズ
・雷符 天地雷鳴
・陰陽符 幻想陰陽玉


武器
アハト:終戦の戦火(アハト・アハト)
カノン:国鉄大砲(カノン砲)
レールガン:天翔る電磁砲(レールガン)
ライフル:静かな死神(ライフル)
マグナム:災いの銃(マグナム)
ショット:星くずの銃(ショットガン)
ハンド:銀色の翼(ハンドガン)


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第20話 第3回イベント 最終日

第3回イベント5日目。今日で最終日となる。

 

アリシア「よぉーし!みんな最後まで頑張るぞー!」

 

全員「おー!」

 

ルシュ「ゼディ」

 

ゼディ「ん?何?」

 

ルシュ「昨日のこと、忘れないでね」

 

ゼディ「勝負のことだね。分かってるよ」

 

アリシア「じゃあ始まる前にいつものポイントに行こう!」

 

スタスタスタスタ

アリシアたちはいつものモンスター討伐場所まで向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ギルド:天明ノ帝

 

ライン「さ、みんな。今日が最終日だ。目標はこのまま1位をキープ。全員最大限力を尽くしてくれ」

 

メンバーたち「おーー!!!」

 

スレッド「ライン」

 

ライン「何だいスレッド」

 

スレッド「他のギルドは無視か?」

 

ライン「あぁ。無視でいいよ。今回はモンスターを倒すことだけがポイントを上げる方法だからね」

 

スレッド「そうか」

 

マートン「今日は僕も本気でやるよ」

 

ライン「頼もしいなマートン」

 

マートン「まぁね」

 

ライン「さぁ、行こうか」

 

スタスタスタスタ

ラインたちは拠点をあとにした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ギルド:ホイップガールズ

 

マリン「さて、今日で終わりね!」

 

ミィ「マリン」

 

マリン「何?」

 

ミィ「昨日は天明ノ帝に負けちゃったけど、今日はどうする?1位目指す?それともキープ?」

 

マリン「そりゃ当然目指すは1位!」

 

ミズキ「まぁ、そうよね」

 

ミィ「聞くだけ野暮ね」

 

リィ「よしっ!私も頑張ろっ!」

 

マリン「よしっ!目指すは1位!!打倒天明ノ帝!!」

 

リィ「おー!」

ミィ「おー!」

ミズキ「おー!」

ローズ「おー!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ギルド:近衛騎士団

 

シルバー「私たちは最後まで全力を尽くす。相手に隙など与えぬ。何があっても最後までモンスターを討伐していくぞ!」

 

ツァイ「はっ!」

コン「はっ!」

オルゴ「はっ!」

ユノ「はっ!」

スノー「う〜ん…」

 

シルバー「スノー!目を覚ませ!最後の戦いだ!お前の力が必要だ!起きろ!スノー!」

 

スノー「うん…起きてるよシルバー…戦いになったら…本気でやるから」

 

シルバー「全く…仕方ないやつだ。他のメンバーは最大限力を尽くすように!」

 

メンバーたち「はいっ!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ギルド:火力は正義

 

マグナム「アハト」

 

スタスタスタスタ

マグナムはアハトに近づいた。

 

アハト「何?マグナム」

 

マグナム「アハトやレールガン、カノンは大群をお願いしたい」

 

アハト「分かった。任せて」

 

マグナム「俺とショット、ハンド、ライフルは単体の敵をどうにかする」

 

アハト「分かった。みんなもそれでいい?」

 

ショット「いいぞ」

ハンド「はーい」

ライフル「あぁ」

レールガン「いいですよ」

カノン「はい」

 

アハト「よしっ。今日で最終日だ。持てるだけ全て出し切ろう。僕とレールガン、カノンはなるべくマグナムたちを巻き込まないようにモンスターを倒していくぞ」

 

レールガン「はい」

カノン「はい」

 

アハト「マグナム。そっちも頼むね」

 

マグナム「あぁ。任せてくれ」

 

アハト「じゃあみんな、最終日を乗り切るぞ!」

 

マグナム「あぁ」

ショット「あぁ」

ハンド「はい」

レールガン「はい」

カノン「はい」

 

アハトたちもいつもの狩場に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシアサイド

 

アリシア「三つ首!ブレス!」

 

雷首「カァァァァァァァァァァァッ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

三つ首のブレスがモンスターたちを襲う。

 

アリシア「ムクロ!つるぎの舞!」

 

ムクロ「んぬぅ!!」

 

ズシャシャシャシャシャシャシャ!

ムクロは多数の斬撃で周囲のモンスターを蹴散らしていく。

 

マエラテ「ツクヨミ!月楼!」

 

ツクヨミ「はっ!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

ツクヨミは月楼で直線上にいるモンスターを攻撃した。

 

アリシア「スザク!四獣剣技 夜桜乱撃!」

 

キン!

スザクは2本の剣を構えた。

 

スザク「四獣剣技…夜桜乱撃!!」

 

ビュン!ズシャシャシャシャシャシャシャ!

スザクは大型のクマのモンスターを攻撃した。

 

アリシア「コハク!天地開闢!」

 

コハク「 ( ✧Д✧) 」

 

バッ!

コハクは空に手を挙げた。

 

ゴォォォォォォ!

すると頭上から隕石が落ちてきた。

 

ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!

コハクの隕石は近くの敵を一気に殲滅した。

 

アリシア「よしっ!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ギルド:ホイップガールズ

 

マリン「雷撃!!」

 

ゴロゴロゴロゴロ…ドゴォン!

マリンは雷の魔法で敵を一掃した。

 

ミズキ「天使の祝福!」

 

ブゥゥゥン!

マリン、ミズキ、リィ、ミィ、ローズの全ステータスが上昇した。

 

モンスター「ガァァァァァァッ!」

 

ブゥン!

大きな棍棒を持ったモンスターがマリンを狙って攻撃してきた。

 

リィ「聖騎士の守り!!」

 

ガシャン!

マリン、ミズキ、リィ、ミィ、ローズにバリアが展開された。

 

ガン!!

大きな棍棒を持ったモンスターの攻撃はバリアによって弾かれた。

 

マリン「光の波動!!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

マリンは光属性魔法のレーザーを放った。

 

ドゴォォォォン!

マリンの攻撃は見事モンスターに命中した。

 

モンスター「ガァァァァァ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

大きな棍棒を持ったモンスターはマリンの攻撃で消えてしまった。

 

マリン「よしっ!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ギルド:天明ノ帝

 

ライン「覇王斬!」

 

ズシャッ!!ドゴォン!

ラインが剣を振ると地面に少し窪みができた。

 

ライン「剣砲!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

ラインは剣先から光線を放った。

 

マートン「風神!雷神!」

 

ビュォォォォォォォォォォ!

バリバリバリバリバリバリ!

マートンは風と雷属性魔法を放った。

 

スレッド「破壊の一撃!!」

 

ドゴォン!

スレッドはモンスターに大ダメージを与えた。

 

ライン「やるな。スレッド」

 

スレッド「まぁな。ラインに負けてられないぜ」

 

ライン「ふっ…ならもっと頑張ろうかな」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ギルド:近衛騎士団

 

シルバー「はぁっ!」

 

キン!ガン!ズシャッ!ズシャッ!ガン!ゴンッ!

シルバーは剣と盾を巧みに操ってモンスターたちを倒していく。

 

ツァイ「やぁっ!」

 

ズシャッ!!ズシャッ!!ズシャッ!!

ツァイは一体ずつ確実にモンスターたちを倒していく。

 

コン「はっ!やっ!せいっ!」

 

ズシャッ!!ズシャッ!!ズシャッ!!ズシャッ!!

コンも負けじとモンスターを倒していく。

 

モンスター「ガァァァァァァッ!」

 

オルゴ「ふん!」

 

ゴォン!

オルゴはモンスターの攻撃を盾で防いだ。

 

ユノ「やぁっ!」

 

ズシャッ!!

ユノはオルゴがモンスターの攻撃を防いでいる間にモンスターにトドメを刺した。

 

モンスター「ガァァァァァァ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

モンスターはユノの攻撃で消えてしまった。

 

オルゴ「ユノ…横取りするなよ…」

 

ユノ「ふふん♪いただきっ!」

 

モンスター「ガァァァァァァッ!」

 

スノー「う〜ん…」

 

スノーは戦闘中にも関わらず眠そうにしていた。

 

ブゥン!ドゴッ!!

スノーはモンスターの攻撃をノーガードで受けてしまった。

 

スノー「うっ…痛い…」

 

モンスター「ガッハハハハハ!」

 

ブゥン!

モンスターは続けて攻撃した。

 

スノー「痛い。やめて」

 

ズバァァァァン!

スノーは腰に下げている剣を手に取ってモンスターを斬った。

 

モンスター「オォォォォォ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

モンスターはたった一撃で消えてしまった。

 

スノー「…邪魔するからだよ」

 

シルバー「スノー!ちゃんと戦ってるか!」

 

スノー「はぁ〜い…戦ってるよ〜…」

 

シルバー「よしっ!じゃあもっと戦え!」

 

スノー「え〜…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ギルド:火力は正義

 

アハト「放て!」

 

ドゴォン!

アハトはモンスターの大群に向けて砲撃した。

 

カノン「私も!」

 

キィン!バゴォォォォォォォォン!!

カノンが続けて攻撃する。

 

レールガン「2人ともすごいなぁ…」

 

マグナム「はっ!」

 

バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!

マグナムは一体ずつ倒していく。

 

マグナム「くっ…」

 

カチャカチャカチャ…

マグナムは弾をリロードした。

 

マグナム「そこか!」

 

バンッ!

マグナムは弾をモンスターの頭に命中させた。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

モンスターはマグナムの攻撃で消えてしまった。

 

マグナム「よしっ…次だ!」

 

バンッ!ビュッ!

するとマグナムの横を弾丸が通り過ぎた。

 

マグナム「!!」

 

マグナムの前にはライフルがいた。ライフルはマグナムに銃を向けていた。

 

ライフル「油断しちゃだめだよマグナム。後ろにも気をつけないと」

 

マグナム「!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

マグナムの後ろにもモンスターがいた。でもライフルがそれに気づいて機転を利かせた。

 

マグナム「…ありがとうな。ライフル」

 

ライフル「どういたしまして」

 

ハンド「ショット!そっちにいったよ!」

 

ショット「任せろ!」

 

ドォン!ドォン!ドォン!

ショットは近くのモンスターを攻撃する。

 

ハンド「ショット!後ろ!」

 

ショット「!?」

 

ガサガサッ!

ショットの後ろからモンスターが現れた。

 

ハンド「くっ!」

 

バンッ!

ハンドはショットの後ろに現れたモンスターに向けて発砲した。しかし少し逸れてしまい、モンスターに当たらなかった。

 

ハンド (当たらない!!)

 

モンスター「グワァァッ!」

 

ズシャッ!!

ショットはモンスターの攻撃を受けた。

 

ショット「がっ!」

 

ドサッ!

ショットは地面に倒れた。

 

ハンド「ショット!」

 

タッタッタッタッタッ!

ハンドは次で仕留めるためにモンスターに近づいた。

 

モンスター「グワァァッ!」

 

モンスターが攻撃態勢に入った。

 

ハンド「くっ!」

 

バンッ!バンッ!バンッ!

ハンドはモンスターを攻撃した。でもモンスターには1発も当たらなかった。

 

ハンド「くっ!」

 

ズシャッ!!

ショットはまたモンスターの攻撃を受けてしまった。

 

ショット「がっ…ぐっ…このっ!」

 

ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!

ショットはモンスターを攻撃した。

 

モンスター「オォォォォォ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

モンスターはその場から消えた。

 

ショット「っ…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

ハンド「ショット!」

 

タッタッタッタッタッ!

ハンドはショットに駆け寄った。

 

ハンド「ごめんショット!私が外すばっかりに…」

 

ショット「いや、あれでいい。おかげで至近距離で攻撃できた」

 

ハンド「その…ごめんね…」

 

ショット「大丈夫だ。次は当てられるようにすればいい」

 

ハンド「うん…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ビーッ!ビーッ!ビーッ!ビーッ!ビーッ!ビーッ!

突然エリア全体に警報が鳴り響いた。

 

音声「現在、エリアのどこかに巨大なモンスターが出現しました。このモンスターは他のモンスターと違って体が大きく強いため、撃破時のポイントも高いです。このイベント終了までに倒すとそのモンスターに与えたダメージからポイントが加算されます。しかし、強敵ですのでご注意ください」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア部隊

 

アリシア「何!?巨大モンスター!?」

 

ルシュ「一体何が…」

 

ゼディ「…」

 

ミカン「ビックリしたねぇ…」

 

フミ「巨大モンスター…それってあれでしょうか」

 

フミが指さした方向に今まで見たことない大きなモンスターがいた。そのモンスターは白色で人型。両手に武器を持っており、それぞれ右手に剣と左手に槍を装備している。

 

アリシア「あれだ!」

 

ミカン「でも全く動いてないよね?」

 

そう。このモンスターは出現してからずっとその場に立っている。全く動こうとしない。モンスターなら周囲を徘徊していてもおかしくないが。

 

アリシア「確かに…何かあるのかな」

 

ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!

するとそのモンスターが攻撃された。

 

アリシア「!!」

 

ヒュゥゥゥゥゥ…

そのモンスターから黒い煙が上がった。

 

ミカン「誰かが攻撃したみたい!」

 

フミ「見たところ遠距離武器でしょうね」

 

ルシュ「魔法とか?」

 

ゼディ「いや、今のは魔法じゃない…」

 

ビュン!

するとその大きなモンスターは一瞬で消えた。

 

アリシア「嘘っ!?消えた!!」

 

ガンッ!!ゴンッ!!バゴォン!!

そのモンスターは攻撃してきた場所を特定して瞬時にそこへ移動し、その場所を剣と槍で攻撃した。

 

アリシア「す…すごっ…」

 

ルシュ「何よあれ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

そのモンスターが攻撃した場所は跡形もなく更地となった。攻撃した人たちは恐らく先程の攻撃で全滅したのだろう。人の姿は見当たらない。

 

アリシア「あんなの…どうしようもないんじゃ…」

 

ルシュ「さっきのが魔法じゃなくても遠距離攻撃が有効って訳でもなさそうね…」

 

ミカン「アリシアちゃん!どうする!?」

 

アリシア「えっ…えっと…」

 

ガン!!ゴンッ!!ブゥン!!ガン!!

アリシアがどうするか迷っているとそのモンスターはまた剣と槍を使って攻撃していた。

 

フミ「今度は誰が…」

 

アリシア「!!」

 

アリシアはそのモンスターと戦っている人が見えた。

 

アリシア「あれは…ラインさん…!」

 

そのモンスターと戦っているのはラインだった。ラインは先程の警報があってから巨大モンスターを探しており、見つけた途端攻撃を仕掛けた。

 

ミカン「アリシアちゃん!」

 

アリシア「っ…みんなを集めよう!ギルドチャットで集合場所を決めてそこで話し合おう!」

 

ミカン「了解!」

フミ「はい!」

ルシュ「えぇ」

ゼディ「うん!」

 

アリシアはギルドチャットを使ってロザリーたちを集合させた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…巨大モンスターがいるエリア

 

アリシア「お、大きい…」

 

アリシアたちは巨大モンスターがいるエリアに集合した。

 

ロザリー「確かに大きいね。私たちの体じゃ足元くらいじゃないかな」

 

ジン「あんなに大きいんじゃ頭狙うの難しいぞ」

 

ロザリー「頭はルシュやゼディみたいな遠距離攻撃ができる人でなきゃ難しいかも」

 

ルシュ「お任せを!」

ゼディ「分かった」

 

ロザリー「私たちはモンスターを攻撃しつつルシュやゼディたちに攻撃が行かないようにしなければならない。恐らくこれは遠距離攻撃が鍵になってると思う」

 

アリシア「私のモンスターも遠距離攻撃できるよ!」

 

ロザリー「アリシアはルシュとゼディと一緒に遠距離攻撃して。あとルーラもね」

 

ルーラ「はい!」

 

ジン「総力戦って感じがして楽しみだなぁ!」

 

ロザリー「ナギとシンはアリシアたちを守って。私たちは動き回るからナギとシンは動くよりじっとしていた方がいいと思う」

 

シン「そうですね。そうしましょう」

 

ナギ「はい。分かりました」

 

ロザリー「他の人たちは近接で攻撃。カナデさんたちは一応アリシアたちとここにいて下さい。守りながら戦うのは難しいです。私たちにバフや敵にデバフをお願いします」

 

カナデ「はい。承りました」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

近距離部隊

ロザリー・ジン・コヨミ

 

遠距離部隊

アリシア・ルシュ・ゼディ・ルーラ

 

防衛部隊

シン・ナギ

 

支援部隊

カナデ・アレックス・リン・ランドール・マロリーニョ・ミカン・フミ

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

ロザリー「じゃあ…攻撃開始!」

 

ダッ!!

ロザリー、ジン、コヨミはモンスターに向かって走り出した。

 

アレックス「パワーアップ!」

 

ブゥゥゥゥゥゥン!

宿り星のメンバーたちの攻撃力が増加した。

 

リン「スピードアップ!リロードアクセル!スルーブースト!オーバブースト!」

 

ブゥゥゥゥゥゥン!

宿り星のメンバーたちの移動速度、リロード速度、投擲速度、移動速度の上昇限度が増加した。

 

マロリーニョ「ガードアップ!」

 

ブゥゥゥゥゥゥン!

宿り星のメンバーたちの防御力が増加した。

 

ミカン「マジックアップ!魔力暴走!ハーフマジックポイント!弱点魔法!魔力集中!」

 

ブゥゥゥゥゥゥン!

宿り星のメンバーたちの魔力が増加し、消費MPが半減された。またルシュとゼディは魔法攻撃力が増加し、魔力暴走により更に1.5倍上昇する。

 

アリシア「みんな出てきて!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

アリシアのメダルからスラちゃんたちが出てきた。

 

アリシア「スラちゃんたち!あのモンスターに攻撃開始!」

 

ダダダダダダダダダダ!

スラちゃん、スラくん、ライム、スラミ、イノくんは巨大モンスターに向かって走り出した。

 

アリシア「召喚!コハク!スザク!ムクロ!三つ首!マエラテ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ!

コハク、スザク、ムクロ、三つ首、マエラテが召喚された。

 

マエラテ「出てきてツクヨミ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ!

ツクヨミが姿を現した。

 

アリシア「コハク、スザク、ムクロはあの大きなモンスターに攻撃!三つ首はブレスで遠距離から攻撃!体力が危険なら戻ってくること!すぐに回復させるから!」

 

スザク「はいっ!」

 

ムクロ「承った」

 

コハク「 (`・ω・´)ゞ 」

 

雷首「分かったぜ嬢ちゃん!」

氷首「任せておけ!」

火首「燃やし尽くしてやるぜ!」

 

アリシア「じゃあ…攻撃開始!!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

コハクたちは巨大モンスターに向かって走り出した。

 

マエラテ「ツクヨミ!月光!」

 

パァァァァァァァァァッ…

ツクヨミは月の光に包まれ、一定時間ステータスが強化された。

 

マエラテ「月楼!」

 

ツクヨミ「…」

 

スッ…

ツクヨミは巨大モンスターに掌を向けた。

 

バゴォォォォォォォォン!!

そして紫色のレーザーを放った。

 

ドゴォォォォォォン!!

ツクヨミの月楼は見事巨大モンスターに命中した。

 

マエラテ「ツクヨミ!君もコハクたちと一緒にあの巨大モンスターのところに行って攻撃して!危なくなったら戻ること!分かった!?」

 

ツクヨミ「…了解」

 

ヒュゥゥゥゥゥ!

ツクヨミは一直線に巨大モンスターの方へ飛んだ。

 

アリシア「みんな頑張れぇぇぇぇぇぇ!!」

 

音声「特性:応援が発動しました。仲間モンスターのステータスが一定時間上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥゥン!

コハクたちのステータスが上昇した。

 

アリシア (みんな…頑張れ…)

 

シン「ナギ!いくぞ!」

 

ナギ「はい!」

 

ガンッ!!

シンとナギは大盾を地面に突き刺した。

 

シン「硬化!」

ナギ「硬化!」

 

ブゥゥゥゥゥゥン!

シンとナギの防御力が増加した。

 

シン「聖騎士の守り!」

ナギ「聖騎士の守り!」

 

ガシャン!

宿り星のメンバーたちにバリアが展開された。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

キィン!ガン!ガン!ゴンッ!

ラインは1人で巨大モンスターの攻撃を凌いでいた。

 

ライン「くっ…」

 

スレッド「ライン!」

 

ライン (スレッド…)

 

スレッド「はぁぁぁぁぁっ!」

 

ズシャッ!!ズシャッ!!ズシャッ!!

スレッドは巨大モンスターに攻撃した。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァァ!」

 

ガン!!ドゴォン!!

スレッドは巨大モンスターの攻撃を受けてしまった。

 

ライン「スレッド!!」

 

マートン「風神!雷神!」

 

ビュォォォォォォォォォォ!

バリバリバリバリバリバリ!

マートンは風と雷属性魔法を放った。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ズシャッ!!

マートンも巨大モンスターの攻撃を受けてしまった。

 

ライン「マートン!!」

 

マートン「がはっ…」

 

ドサッ!

マートンは膝を着いた。

 

ライン「覇王斬!!」

 

ガァン!!

ラインは巨大モンスターに一撃をお見舞した。

 

ビュン!ビュン!ビュン!

巨大モンスターは一瞬でラインの背後を取った。

 

ライン「なっ…」

 

ブゥン!

巨大モンスターは大きな剣を振りかざした。

 

バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!

巨大モンスターの頭上から隕石が落ちてきた。

 

ライン「!!」

 

コハク「 ( ¯•ω•¯ ) 」

 

コハクはラインの前に立ちはだかった。

 

ライン「君は確か…アリシアの…」

 

ビュン!

コハクは巨大モンスターの顔までジャンプした。

 

コハク「 ( `ᾥ´ ) 」

 

ググッ…ドゴォン!

コハクは巨大モンスターの顔を殴った。

 

ライン「なっ…」

 

ドォン!ドォン!ドォン!

巨大モンスターはコハクの攻撃でよろめいた。

 

ムクロ「はぁっ!」

 

ズシャッ!!ズシャッ!!

ムクロは巨大モンスターに追撃した。

 

スザク「四獣剣技 夜桜乱撃!!」

 

ズシャシャシャシャシャシャシャ!

スザクもムクロに続いて攻撃した。

 

雷首「カァァァァァァァァァァァッ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

三つ首もスザクに続いて攻撃する。

 

スタッ!スタッ!スタッ!ドシン!

コハク、ムクロ、スザク、三つ首はラインの目の前に着地した。

 

ライン「なっ…君たち…」

 

コハク「 (o´・ω-)b 」

 

ライン「…はは…流石はアリシアだ。強い仲間を持っているな」

 

ジリッ…

ラインは剣を持って立ち上がった。

 

ライン「…僕だってやってやる。スレッドとマートンの分は僕が引き継ぐ」

 

シルバー「我々も加勢する!」

 

ライン「!!」

 

コハク「 (。´・ω・)? 」

 

ザッザッザッザッ…

ラインの後ろからギルド:近衛騎士団たちが現れた。

 

ツァイ「お、大きいですね」

 

コン「でも大丈夫。私たちならできる!」

 

オルゴ「あぁ。やってやるさ」

 

ユノ「スノー!私たちもやるよ!」

 

スノー「ん〜…」

 

ライン「君たちは…」

 

シルバー「君はラインだな。天明ノ帝のギルドマスター。私はギルド:近衛騎士団のギルドマスターであるシルバーだ」

 

ライン「近衛騎士団…確か今格段にポイントを上げているギルドだな…」

 

シルバー「いくぞみんな!やつに攻撃だ!」

 

ツァイ「はい!」

コン「はい!」

オルゴ「あぁ!」

ユノ「はい!」

スノー「う〜ん…」

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ブゥン!

モンスターは巨大な剣を振りかざした。

 

シルバー「ぬぅ!!」

 

ガンッ!!

シルバーは巨大モンスターの攻撃をガードした。

 

ツァイ「はぁぁぁ!」

コン「はぁぁぁっ!」

オルゴ「でりゃぁぁ!」

ユノ「やぁぁぁっ!」

 

ズシャッ!!

ツァイたちは巨大モンスターに攻撃した。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ガン!!ガン!!ゴン!!ガン!!ガン!!

シルバーは巨大モンスターの連撃を全て受け流した。

 

シルバー「はっ!そんなものかぁ!!」

 

ズシャッ!!

シルバーは巨大モンスターの隙をついて攻撃した。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ブゥン!

巨大モンスターは眠そうなスノーに剣を振りかざした。

 

ツァイ「スノー!!」

コン「スノー!!」

オルゴ「スノー!!」

ユノ「スノー!!」

 

スノー「…ん?」

 

スノーが目を開けると巨大モンスターの剣が目の前まで迫っていた。

 

キィン!ズババババババババ!!

巨大モンスターの剣が当たるのと同時に巨大モンスターが攻撃された。

 

モンスター「アァァァァァァァァァ!!」

 

スノー「…」

 

巨大モンスターを攻撃したのはスノーだった。彼女は目にも止まらぬ速さで抜剣してモンスターを切り刻んだのだった。

 

スノー「ん〜…」

 

ドシィン!!

巨大モンスターは膝を着いた。

 

オルゴ「ス、スノー…」

 

ユノ「は、速い…」

 

ツァイ「いつも思うけど…どこからあの速さが生まれるの…」

 

コン「な、なんででしょう…」

 

スノー「ん〜…ふわぁ〜…」

 

ズババババババババ!!

スノーはあくびをしながら巨大モンスターを斬りつけた。

 

ブゥン!ガン!!ガン!!ガン!!ガン!!

巨大モンスターは立ち上がってスノーを攻撃した。しかしスノーの素早い移動に追いつけなかった。

 

オルゴ「おいおい…あいつ何であんなに速いんだ…」

 

ツァイ「能ある鷹は爪を隠す…ってやつですかね…」

 

コン「にしても速すぎな気が…」

 

シルバー「はっ…やるじゃないか…スノー」

 

ガン!ゴン!ガン!ガン!キィン!

スノーは巨大モンスターの攻撃を剣で受け止めた。

 

スノー「…もっとちょうだい」

 

キィン!ズバッ!!

スノーは巨大モンスターの剣を受け流してまた攻撃した。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ドォン!ビュォォォォォォォォォォ!

すると巨大モンスターは今までとは違う咆哮を放った。

 

ライン「何っ!!」

 

コハク「 (⊙_⊙) 」

 

ビュォォォォォォォォォォ!

ラインたちは巨大モンスターから距離を離された。

 

スタッ!スタッ!スタッ!スタッ!スタッ!

ラインたちは上手く着地した。

 

スノー「ん〜…今の…何…?」

 

バゴン!バゴン!バゴン!バゴン!バゴン!

すると巨大モンスターに弾幕が当たった。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ライン「なっ…」

 

コハク「 (*゚Д゚*) 」

 

ラインたちは攻撃が飛んできた方を見た。そこにはルシュやゼディたちだけではなく、ギルド:火力は正義やギルド:ホイップガールズの人たちも加勢していた。

 

シルバー「なるほど、2位と3位か」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ー数分前ー

 

アリシア「いけぇ!みんなぁ!」

 

ルシュ「いくよゼディ!」

 

ゼディ「あぁ!」

 

バッ!

ルシュとゼディは巨大モンスターに杖を向けた。

 

ルシュ「ダイヤモンド・ダスト!」

ゼディ「ダイヤモンド・ダスト!」

 

ビュォォォォォォォォォォ!

ルシュとゼディは氷属性のレーザーを放った。

 

ルシュ「タマイカヅチ!」

ゼディ「タマイカヅチ!」

 

ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!

ルシュとゼディは雷属性魔法で巨大モンスターを攻撃した。

 

ルシュ「マキシマム・グレネード!」

ゼディ「マキシマム・グレネード!」

 

バゴォン!バゴォン!バゴォン!バゴォン!

ルシュとゼディは無属性魔法の爆発もお見舞した。

 

ルシュ「相変わらず硬いわねぇ。流石はポイント高いだけあるわ」

 

ゼディ「ダメージでポイント計算されるからあのモンスターはHPがないんじゃないかな」

 

ルシュ「嘘っ!?」

 

アハト「すまない。私たちも加勢してもいいかい?」

 

アリシア「!」

 

そこには武装した人たちが立っていた。

 

アリシア「あの…あなた方は…」

 

アハト「ギルド:火力は正義のギルドマスター:アハトと言います。ここにいるのはギルドメンバーたちです」

 

アリシア「あ!私はギルド:宿り星のギルドマスター:アリシアです!よろしくお願いします!」

 

アハト「アリシアさん。私たちは遠距離攻撃特化のギルドです。ぜひこの戦いに参加させてください」

 

アリシア「すごい!遠距離攻撃特化なんて初めて見た!ぜひ参加してください!!」

 

アハト「よしっ。みんな、それぞれ攻撃準備を…」

 

マリン「私たちも手伝ってあげるわ!」

 

アリシア「!」

 

アリシアが声のした方を見るとそこには複数の女性がいた。

 

ミズキ「私たちがいればさらにモンスターを追い詰められますね」

 

ローズ「私!頑張る!」

 

リィ「守りなら私にもお任せ下さい」

 

ミィ「私も頑張ります!」

 

アハト「遠距離攻撃が増えたのはいいがこのまま固まっていると一気にやられてしまう。3つの部隊に分かれてそれぞれの場所から攻撃しよう」

 

アリシア「はい!」

 

アハト「ここには盾役が3人いる。それぞれ1部隊につき1人を配置しよう。あとは残りの人たちだが…」

 

マリン「私はそこにいる2人の魔法使いと一緒にいるよ」

 

アリシア「あ、あなたも魔法使いなんですか?」

 

マリン「そうよ」

 

アリシア「じゃあミカンさん!ミカンさんはルシュさんたちと一緒に!」

 

ミカン「任せて!」

 

アハト「一応盾役は3人分かれてもらって…レールガン、カノン、ライフルは僕と一緒に行動」

 

レールガン「はい」

カノン「はい」

ライフル「あぁ」

 

アハト「マグナムとショット、ハンドは接近戦でもいける?」

 

マグナム「あぁ、いけるぜ」

ショット「俺も」

ハンド「私も!」

 

ルーラ「あ、あの!」

 

アハト「何だい?」

 

ルーラ「私も前に出ます!」

 

アハト「君、職業は?」

 

ルーラ「機工士です!」

 

アハト「武器は?」

 

ルーラ「ハンドガンとライフルです!」

 

アハト「…マグナム」

 

マグナム「ん?」

 

アハト「この人とも一緒に行動してくれないか?」

 

マグナム「あぁ。任せろ」

 

アハト「よしっ。盾役はそこの君」

 

盾役はシンが選ばれた。

 

アハト「そういえば武器を持ってない君たちは?」

 

アリシア「あ!カナデさんたちはバフやデバフの専門です!」

 

アハト「ほう…バフとデバフ…それなら各隊にそれぞれ配置する必要がある。それなら…」

 

アハトはアリシアとマリンの3人で再度考え直して3つの部隊を編成した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

アハト部隊

攻撃…アハト、レールガン、カノン、ライフル

防御…シン

支援…カナデ、アレックス、リン

 

アリシア部隊

攻撃…アリシア、ルシュ、ゼディ、マリン

防御…リィ

支援…マロリーニョ、ミカン、フミ

 

ミィ部隊

攻撃…マグナム、ショット、ハンド、ルーラ、ミィ

防御…ナギ

支援…ミズキ、ローズ、ランドール

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

アハト「では、作戦開始!」

 

タッタッタッタッタッ!

アハト部隊とミィ部隊はそれぞれの配置場所まで移動した。

 

アリシア「じゃあいくよ!ルシュ!ゼディ!マリンさん!リィさん!」

 

ルシュ「えぇ!」

ゼディ「あぁ!」

マリン「まっかせてぇ!」

リィ「はい!」

 

アリシア「マロリーニョさん!ミカンさん!バフを!」

 

マロリーニョ「ガードアップ!」

 

ブゥゥゥゥゥゥン!

味方全員の防御力が増加した。

 

ミカン「マジックアップ!魔力暴走!ハーフマジックポイント!弱点魔法!魔力集中!」

 

ブゥゥゥゥゥゥン!

味方全員の魔力系ステータスが増加した。

 

マリン「いっくよー!」

 

ルシュ「ダイヤモンド・ダスト!」

ゼディ「タマイカヅチ!」

マリン「光の波動!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

3人の魔法は見事巨大モンスターに命中した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ー現在ー

 

アハト「放てぇ!」

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

アハトは巨大モンスターに砲撃した。

 

ライフル「…」

 

バンッ!

ライフルはなるべく巨大モンスターの頭を狙った。

 

カノン「いけぇ!」

レールガン「いけぇ!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

カノンとレールガンも続けて攻撃する。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ガンッ!!

巨大モンスターが左手に持った槍を地面に突き刺した。

 

ゴゴゴゴゴ!

すると地面から石や岩が出てきた。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

するとその石や岩がアハトたちに向けて放たれた。

 

アハト「なっ!前方から攻撃!」

 

シン「聖騎士の守り!硬化!」

 

ガシャン!ブゥゥゥゥゥゥン!

シンたちにバリアが展開され、シン自身は防御力が増加した。

 

ガンッ!!ゴンッ!!ガンッ!!ガンッ!!

シンは飛んできた石や岩をなんとか防ぎ切った。

 

シン「なるほど…近接だけかと思ってたがこういうこともできるんだな」

 

モンスター「…」

 

ブゥゥゥゥゥゥン!

モンスターは槍の先からレーザーを放った。

 

シン「なっ!」

 

ドォォォォォォォォン!

シンは咄嗟に防御した。

 

シン「ケホッ…ケホッ…ケホッ…」

 

モンスター「アァァァァァァァァ!」

 

シン「!?」

 

シンがモンスターの声に気づくとすでにモンスターが目の前にいた。

 

ガン!!ガン!!ガン!!ガン!!ガン!!

モンスターはシンに剣で連続攻撃した。シンはなんとか防いでいるが、体勢が悪いせいかあまり力が出ない。

 

シン (くっ…このままじゃ…)

 

アハト「放てぇ!」

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

アハトたちがモンスターを攻撃した。

 

モンスター「アァァァァァァァ!」

 

ドシン!ドシン!ドシン!

モンスターはアハトたちの攻撃で少し後ろによろめいた。

 

アハト「大丈夫かい?」

 

シン「な…なんとか…」

 

カナデ「回復させます!回復粉!」

 

パァァァァァァァァァ…

カナデたちのHPが回復した。

 

シン「…ふぅ。ありがとうございます」

 

カナデ「いえいえ!回復は任せてください!」

 

アハト「レールガン!カノン!ライフルはそのまま攻撃!相手に隙を与えるな!」

 

レールガン「了解!」

カノン「了解!」

ライフル「了解!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ラインサイド

 

ガン!!ガン!!ガン!!ガン!!ガン!!

ラインは大きなモンスターの攻撃を受け流していく。

 

ライン「くっ…流石に硬いな」

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

コハクは隕石をぶつけた。

 

コハク「 (;´Д`) 」

 

コハクも疲れ始めていた。

 

雷首「カァァァァァァァァァァァッ!!」

 

バリバリバリバリバリバリ!

雷首のブレスが大きなモンスターを襲う。

 

氷首「ンバァァァァァァァァァァッ!!」

 

ビュォォォォォォォォォォ!パキパキ!

氷首のブレスで大きなモンスターを氷漬けにできた。

 

氷首「ガッハハハハハ!凍った凍った!!」

 

ピシッ!バキッ!ドゴォン!

大きなモンスターが自分で氷の拘束から逃れた。

 

火首「おい!氷砕けてるぞ!!」

 

氷首「なにっ!?」

 

ライン「くっ…覇王斬!!」

 

モンスター「アァァァァァァァァァ!!」

 

ガン!!ガン!!ガン!!ガン!!ガン!!

ラインと大きなモンスターは両者一歩も引かぬ攻防を繰り広げる。

 

ライン「これは…強い…!」

 

コハク「 ( ・᷅ὢ・᷄ ) 」

 

ドゴォン!

コハクは隙をついてモンスターの腹部に攻撃を入れた。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ドシン!ドシン!ドシン!ドシン!

モンスターは後方にバランスを崩した。

 

バゴン!バゴン!バゴン!バゴン!バゴン!

すかさずアハトたち遠距離攻撃部隊が追撃に入る。

 

ライン「ははっ…すごい良いタイミングだ」

 

コハク「 ॑⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝⋆* 」

 

キィン!ブゥゥゥゥゥゥン!

大きなモンスターの目が光った。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

すると大きなモンスターの後ろに大きな木が現れた。

 

ライン「なんだ…あれ…」

 

コハク「 (⊙_⊙) 」

 

シルバー「何が始まる…」

 

パァァァァァァァァァァァァァ…

すると大きな木が極彩色に輝いた。

 

ブゥゥゥゥゥゥン!

すると大きなモンスターのHPが回復し、攻撃力とスピードが上昇した。

 

ライン「か…回復…」

 

コハク「 o(`ω´*)o 」

 

シルバー「なるほど…あの木は厄介だ。次見た時は有無を言わさず阻止してやる」

 

モンスター「…」

 

ビュン!

大きなモンスターは一瞬でその場から消えた。

 

ライン「なっ…」

 

キン!

ラインは武器を構えた。

 

モンスター「アァァァァァァァァァ!!」

 

ライン「!?」

 

大きなモンスターの雄叫びはラインの背後から聞こえた。それに気づいたラインは後ろを振り返った。

 

ブゥン!

しかし大きなモンスターはすでに剣を振りかざしており、ラインはどうすることもできなかった。

 

ライン「なっ…」

 

ズシャッ!!

ラインは大きなモンスターの攻撃を受けてしまった。

 

ライン「がはっ…」

 

コハク「 Σ(゚д゚;) 」

 

シルバー「ライン!」

 

タッタッタッタッタッ!

シルバーはラインがいる方へ走った。

 

ライン「ぐっ…速い…」

 

ズババババババババ!!

大きなモンスターがラインを見下ろしていると、突然攻撃された。

 

モンスター「アァァァァァァァァァ!!」

 

スノー「よっと」

 

ズババババババババ!!

大きなモンスターを攻撃したのはスノーだった。スノーはラインから注意を逸らせるために大きなモンスターを攻撃した。

 

シルバー「スノー…お前…」

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ブゥン!

大きなモンスターはスノーの攻撃でラインから注意が逸れた。そして攻撃してきたスノーを倒すために大きな剣と槍を振りかざした。

 

スノー「ふん」

 

ガン!!ガン!!ガン!!ガン!!ガン!!

スノーはラインに負けず劣らずの剣技で大きなモンスターの攻撃を受け流していく。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ガンッ!!ヒュゥゥゥゥゥ!

大きなモンスターは勢いよく剣を振りかざしてスノーを少し遠くまで吹っ飛ばした。

 

バゴン!バゴン!バゴン!バゴン!バゴン!

それと同時に遠距離攻撃部隊からの援護射撃が入る。

 

ライン「くっ…HPが少なくなってる…」

 

シルバー「ライン!」

 

タッタッタッタッタッ!

シルバーがラインに駆け寄る。

 

ライン「君は…」

 

シルバー「これを使え!」

 

そう言ってシルバーはHP回復ポーションを取り出した。

 

ライン「これ…いいのか」

 

シルバー「ここで負けたら戦力が削がれる。これは貸しにしてやる」

 

ライン「…ありがとう」

 

ポワァァァァァァ…

ラインはHP回復ポーションでHPを回復させた。

 

ライン「よしっ。これで大丈夫だ」

 

シルバー「ツァイ!やつの足止めはできるか!」

 

ツァイ「私一人では難しい!コンとユノとオルゴの4人でなら!」

 

シルバー「ならツァイ!コン!ユノ!オルゴ!奴の足止めをしろ!足元を崩すか奴の膝を狙え!」

 

ツァイ「了解!」

コン「了解!」

ユノ「了解!」

オルゴ「了解!」

 

タッタッタッタッタッ!

ツァイ、コン、ユノ、オルゴは大きなモンスターの足元まで走った。

 

ツァイ「コン!ユノ!オルゴ!モンスターの膝を攻撃するよ!」

 

コン「了解!」

ユノ「了解!」

オルゴ「了解!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

ツァイ、コン、ユノ、オルゴは大きなモンスターの膝まで飛んだ。

 

ツァイ「やぁぁぁぁぁぁぁっ!」

コン「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

ユノ「やぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

オルゴ「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

ズバァン!!

4人の同時攻撃は大きなモンスターの膝を捉えた。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ドシィン!!

大きなモンスターは体勢を崩した。

 

シルバー「ライン!」

 

ライン「君も来い!コハク!」

 

コハク「 Σ(º ロ ºノ )ノ 」

 

タッタッタッタッタッ!

ラインとシルバーは大きなモンスターに向かって走った。

 

コハク「 ( -᷄ω-᷅ ) 」

 

タッタッタッタッタッ!

コハクはラインとシルバーの後を追った。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

グググッ…

大きなモンスターが少しずつ起き上がってきた。

 

シルバー「いくぞ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!

シルバー、ライン、コハクは大きなモンスターの顔辺りまで飛んだ。

 

シルバー「天地を断つ聖剣(エクスカリバー)!!」

ライン「天明ノ剣(アルテリアソード)!!」

コハク「 ( *`ω´) 」

 

ズバァン!!ズシャッ!!ドゴォン!!

シルバー、ライン、コハクの同時攻撃が命中した。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

大きなモンスターは3人の攻撃を受けることで立ち上がることに成功した。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ビュン!

大きなモンスターは一瞬でその場から消えた。

 

ライン「くっ…あの速さはまだ続くか!」

 

シルバー「次はどこに…」

 

ドゴォン!!

すると少し遠いところから大きな音が聞こえた。

 

ライン「あっちだ!」

 

タッタッタッタッタッ!

ラインたちは音のした方へ走った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

タッタッタッタッタッ!ザザッ!

ラインたちが広い場所へ出ると大きなモンスターが暴れていた。

 

ライン「くっ…あんなに遠いのか…」

 

シルバー「あれでは時間がかかる!誰か空飛べるやつはいないのか!」

 

ドシン!

突然シルバーたちの目の前に3つの大きな顔が落ちてきた。

 

雷首「俺たちが行くぜ!」

氷首「俺たちが行くぜ!」

火首「俺たちが行くぜ!」

 

それはアリシアの三つ首と呼ばれるモンスターだった。

 

シルバー「お前…モンスターか…」

 

ライン「待てシルバー。彼は味方だ」

 

シルバー「何っ?」

 

ライン「君、アリシアのモンスターだろう?」

 

雷首「てめぇは誰だ」

氷首「気安く嬢ちゃんの名前言うな」

火首「あの方は崇高なお方だ」

 

ライン「まぁいい。今すぐ行ってくれ。頼む」

 

雷首「お前の頼みを聞く義理はねぇが」

氷首「コハク!嬢ちゃんが大変だ」

火首「あのデカいやつは嬢ちゃんたちを襲ってる」

 

コハク「 Σ(゚д゚;) 」

 

雷首「今すぐ行くぞ!」

氷首「今すぐ行くぞ!」

火首「今すぐ行くぞ!」

 

コハク「 ( ¯•ω•¯ ) 」

 

ダダッ!

三つ首やコハクたちモンスターは急いでアリシアのところに戻った。

 

シルバー「なんなんだ…あのモンスター」

 

ライン「あれはアリシアのモンスターだ。アリシアは魔物使いだからな」

 

シルバー「魔物使い…確か最低ステータスの…」

 

ライン「あぁ。でも使いこなしてる。流石はアリシアだ」

 

シルバー「…」

 

シルバーは大きなモンスターに向かっているモンスターたちをみた。

 

ライン「…いくぞシルバー。アリシアたちを助けるんだ!」

 

シルバー「…あぁ!いくぞ!みんな!」

 

ダダダダダダダダダダ!

シルバーたちも後を追うことにした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ガン!!ガン!!ガン!!ガン!!バリィン!!

リィのバリアが破壊された。

 

リィ「きゃっ!」

 

ドサッ!

リィはバリアが割れた衝撃で後ろに倒れた。

 

アリシア「リィさん!」

 

マロリーニョ「ガードアップ!!」

 

ブゥゥゥゥゥゥン!

アリシアたちの防御力が上昇した。

 

ルシュ「炎撃!」

ゼディ「炎撃!」

マリン「炎撃!」

 

バゴン!バゴン!バゴン!バゴン!バゴン!

ルシュ、ゼディ、マリンが応戦する。

 

フミ「リィさん!大丈夫ですか!」

 

タッタッタッタッタッ!

フミがリィに駆け寄る。

 

リィ「フミさん…」

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

リィ「あっ!フミさん!」

 

ズシャッ!!

フミは大きなモンスターの攻撃を受けてしまった。

 

フミ「きゃっ!」

 

ドサッ…シュゥゥゥゥゥゥ…

フミが大きなモンスターにやられてしまった。

 

アリシア「フミさん!!」

 

マエラテ「ツクヨミ!月楼!」

 

キィン!バゴォォォォォォォォン!!

ツクヨミの月楼は大きなモンスターの顔に命中した。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

大きなモンスターはツクヨミの月楼を受けてもピンピンしていた。

 

マエラテ「何っ!?」

 

ビュン!ドスッ!!

大きなモンスターはマエラテに向かって槍を突き刺した。

 

マエラテ「かはっ…」

 

アリシア「マエラテ!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

マエラテはその場から消えた。

 

ツクヨミ「…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

ツクヨミは主であるマエラテが消えたことで自動的に消えてしまった。

 

アリシア「そんな…ツクヨミ…マエラテ…」

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ガン!!ガン!!ガン!!ズシャッ!!

大きなモンスターはリィに攻撃を仕掛けた。リィは何度か盾で攻撃を凌いでいたが、体勢が悪く、防御の隙を突かれてしまった。

 

リィ「あぐっ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

リィも大きなモンスターにやられてしまった。

 

マリン「リィ!!」

 

ルシュ「これはマズイわね…」

 

ゼディ「くっ…アリシアのモンスターだけでなく盾役まで…こうなったら一気に魔法を…」

 

マリン「よ…よくも…よくもリィを!!」

 

ブゥゥゥゥゥゥン!

マリンはいくつか魔法陣を展開した。

 

マリン「これで!!」

 

ドスッ!!

大きなモンスターはマリンが魔法を使う前に槍で突き刺した。

 

マリン「がっ…ゴフッ…そ…んな…」

 

ドサッ…シュゥゥゥゥゥゥ…

マリンもやられてしまった。

 

モンスター「…」

 

バゴン!バゴン!バゴン!バゴン!バゴン!

するとアハトたちの砲撃が大きなモンスターに命中する。

 

モンスター「…」

 

キィン!バゴォォォォォォォォン!!

大きなモンスターは目から光線を放ってアハトたちがいる所に攻撃した。

 

ルシュ「なっ…」

 

ゼディ「こいつ…遠距離攻撃もできるのか…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アハトサイド

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

アハトたちは先程の大きなモンスターの光線によってほぼ壊滅状態だった。

 

アハト「くっ…ライフルとカノンがやられた…これはマズイ」

 

シン「すまない…俺の守りが至らないせいだ…」

 

アハト「いや、君のせいではない。相手が遠距離攻撃を持ってないと思っていた私の責任だ。レールガン!」

 

レールガン「何…」

 

アハト「まだ攻撃できる?」

 

レールガン「…できるよ」

 

アハト「なら準備ができたら攻撃開始。先に僕が片付ける」

 

レールガン「…了解」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ミィサイド

 

マグナム「なっ…アハト!!」

 

マグナムは先程の大きなモンスターの光線を見た。その攻撃はアハトたちが砲撃した場所に撃たれたため、マグナムはアハトの安否が気になっていた。

 

マグナム「くそっ!戻るぞ!」

 

ミズキ「えっ!?戻るの!?」

 

マグナム「当たり前だ!今の攻撃でアハトたちがどうなったか分からん!でもそれよりもアリシアたちの方が危ない!加勢しに行く!」

 

ミズキ「えっ!?私たちじゃ敵わないでしょ!!」

 

マグナム「でもやるんだ!行くぞ!」

 

タッタッタッタッタッ!

マグナムはアリシアたちの方へ走った。

 

ルーラ「行きましょうミズキさん」

 

ミズキ「ルーラさん…」

 

ルーラ「私としても、アリシアさんがどうなっているのか心配です。私は行きますね」

 

タッタッタッタッタッ!

ルーラがマグナムの後を追いかけると、ショットやミィたちも後に続いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシアサイド

 

アリシア (くっ…私のモンスターはみんな前線に行っちゃったからいない。1番速いスザクでももう少しかかるはず…どうすれば…)

 

ダダダダダダダダダダダダダダダダ!

するとアリシアの後ろからスラちゃん、スラくん、ライム、スラミ、イノくんが通り過ぎて行った。

 

アリシア「スラちゃんたち!!」

 

ダダダダダダダダダダダダダダダダ!

スラちゃんたちは迷うことなく大きなモンスターに突進した。

 

ドカッ!ドカッ!ドカッ!ドカッ!ドカッ!

スラちゃんたちは大きなモンスターにたいあたりをする。

 

アリシア「スラちゃんたち…」

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ズバッ!ズバッ!ドスッ!ズバッ!ドスッ!

大きなモンスターはスラちゃんたちを蹴散らした。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

スラちゃんたちも大きなモンスターの攻撃を受けて消えてしまった。

 

アリシア「そんな…スラちゃんたちまで…」

 

ルシュ「アリシア!!」

 

アリシア「!」

 

ドスッ!!

アリシアがルシュの声に反応した時には大きなモンスターの槍が目の前まで来ていた。

 

アリシア「あ…あっ…」

 

ゼディ「アリシア…まだ…負けてない…」

 

アリシア「!」

 

大きなモンスターの攻撃を受けたのはゼディだった。ゼディは攻撃を予知してアリシアの前に立ち塞がったのだった。

 

ゼディ「最後まで…戦って…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

ゼディはそのまま消えてしまった。

 

アリシア「ゼディ…」

 

グッ…

アリシアは拳を握った。

 

アリシア「咆哮!あぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

モンスター「…」

 

アリシアは渾身の咆哮を放った。しかし大きなモンスターには効果がなかった。

 

モンスター「…」

 

ビュン!

大きなモンスターは剣を振りかざした。

 

アリシア「!!」

 

ナギ「アリシアさーん!!」

 

アリシア「!」

 

ガンッ!!

ナギがアリシアの前に立ち塞がる。

 

ナギ「間に合い…ました…」

 

アリシア「ナギちゃん…」

 

ルシュ「アリシア!下がって!」

 

アリシア「っ…」

 

タッタッタッタッタッ!

ルシュとアリシアは大きなモンスターから距離を置いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ルーラ「アリシアさん!」

 

アリシア「ルーラさん…」

 

タッタッタッタッタッ!

ルーラはルシュとアリシアのところへ駆け寄った。

 

ルーラ「大丈夫ですか!アリシアさん!」

 

アリシア「…うん。私は大丈夫…でも…ゼディにマリンさん、リィさんにフミさんまで…」

 

ルーラ「っ…」

 

ルシュ「あと残ってるのはマロリーニョとミカンと私たちだけ…」

 

マロリーニョ「…」

ミカン「…」

 

ルーラ「…分かりました。2人はここに」

 

カチャ…タッタッタッタッタッ!

ルーラは銃を持って走り出した。

 

ルシュ「待ってルーラ!」

 

タッタッタッタッタッ!

ルーラはルシュの制止も聞かずに大きなモンスターの方へ走った。

 

ルシュ「ルーラ…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

マグナム「いくぞショット!ハンド!」

 

ショット「了解!」

ハンド「了解!」

 

バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!

マグナムたちは大きなモンスターの周りを移動しながら攻撃し始めた。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ガン!!ガン!!ガン!!ズシャッ!!ドゴォン!

大きなモンスターは周囲を走り回るマグナムたちを攻撃した。

 

マグナム「くっ…こいつ…攻守完璧すぎるだろ…」

 

ルーラ「マグナムさん!」

 

マグナム「!」

 

タッタッタッタッタッ!

ルーラが銃を構えて走ってきた。

 

マグナム「ルーラか」

 

ルーラ「伏せて!!」

 

マグナム「!」

 

マグナムはルーラの言葉に反応してすぐに頭を下げた。

 

バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!

ルーラはマグナムの後方に向けて発砲した。

 

ドシュッ!

ルーラの弾は大きなモンスターの手に当たった。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ガンッ!!

大きなモンスターは手を攻撃されたことで剣を手放してしまった。

 

マグナム「よくやった!」

 

ルーラ「はい!」

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ゴンッ!

モンスターは地面に槍を突き刺した。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

地面から岩が出てきた。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

大きなモンスターはルーラたちに岩を飛ばした。

 

ルーラ「なっ!」

 

ドゴッ!

ルーラはその岩に当たってしまった。

 

ルーラ「あがっ…」

 

マグナム「ルーラ!」

 

ドゴッ!!

マグナムがルーラに気を取られていると飛んできた岩に被弾してしまった。

 

マグナム「ぐぉっ…」

 

ズサァァァァァッ!

マグナムは大きく吹き飛ばされた。

 

モンスター「…」

 

スッ…

大きなモンスターは槍を掲げた。

 

ゴロゴロゴロ…ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

すると槍の先から雷が放たれた。

 

マグナム「ぐぁぁっ!」

ルーラ「うぐっ…」

ショット「いっ!!」

ハンド「あがっ!」

ミィ「あぁぁぁっ!!」

 

ビリビリビリビリビリビリ!!

マグナムたちはその雷を受けてしまった。

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

マグナムたちは一気にやられてしまった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「ルーラさん…」

 

アリシアは遠くからルーラたちがやられたのを見た。

 

ミズキ「…ローズ、ランドールさん」

 

ローズ「何?」

ランドール「…?」

 

ザッザッザッザッ…

ミズキはゆっくり歩き出した。

 

ミズキ「…やりますよ」

 

ローズ「!」

ランドール「!」

 

ミズキ「…ここで待っていても話は進みません。であるなら…」

 

クルッ…

ミズキはローズとランドールの方を見た。

 

ミズキ「私たちが…やるべきではないでしょうか」

 

ローズ「ミズキ…」

 

ランドール「…」

 

ムクロ「いや、ここは我々に任せてもらう」

 

ザッ!

ミズキの前にムクロが現れた。

 

ミズキ「あなたは…」

 

アリシア「ムクロ!」

 

ムクロ「嬢ちゃん。遅くなった。あとは任せてくれ」

 

アリシア「ムクロ…お願い…あいつを…」

 

ムクロ「…心得た」

 

タッタッタッタッタッ!

ムクロは大きなモンスターに向かって走った。

 

ミズキ「アリシアさん…さっきのは…モンスターじゃ…」

 

アリシア「あの人はムクロといいます…私のモンスターです」

 

ミズキ「!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ブゥゥゥゥゥゥン!

大きなモンスターはアハトたちに向けて光線を放った。

 

バゴォォォォォォォォン!!

アハトたちの場所が爆発した。

 

ムクロ「こいつ…」

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ブゥン!ガンッ!!

大きなモンスターはムクロに剣を振りかざした。

 

ムクロ「ふん!」

 

ガン!!ガン!!ガン!!ガン!!ガン!!

ムクロは大きなモンスターの攻撃を弾く。

 

雷首「カァァァァァァァァァァァッ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

ムクロが隙を作って三つ首が攻撃する。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ブゥゥゥゥゥゥン!バゴォォォォォォォォン!!

三つ首は大きなモンスターの光線に被弾した。

 

雷首「くそっ…たれ…」

氷首「くっ…」

火首「すまねぇ…嬢ちゃん…」

 

シュゥゥゥゥゥゥ…

三つ首もやられてしまった。

 

ムクロ「くっ…」

 

シルバー「天地を断つ聖剣(エクスカリバー)!!」

ライン「天明ノ剣(アルテリアソード)!!」

 

ズバッ!ズシャッ!

するとシルバーとラインが大きなモンスターを攻撃した。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ドシン!ドシン!ドシン!

大きなモンスターは攻撃を受けて体勢を崩した。

 

ムクロ「なっ…」

 

スザク「四獣剣技 夜桜乱撃!」

 

ズシャシャシャシャシャシャシャ!

スザクは連続で攻撃する。

 

ムクロ「スザク…」

 

コハク「 ( *`ω´) 」

 

ドゴォン!

コハクも続けて攻撃する。

 

ムクロ「お前もか…コハク」

 

コハク「 (o´・ω-)b 」

 

大きなモンスターと交戦しているのはムクロ、コハク、スザク、ライン、シルバーだけとなった。

 

ムクロ「…ここにいるやつだけか」

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ブゥン!

モンスターは剣を振りかざした。

 

ズババババババババ!!

しかしその瞬間、何者かによって攻撃された。

 

ムクロ「!?」

スザク「!!」

コハク「 Σ(゚д゚;) 」

シルバー「何っ…」

ライン「!」

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ドシン!

大きなモンスターは膝をついた。

 

ムクロ「なんだ…今の…」

 

コハク「 Σ(・ω・ノ)ノ 」

 

スタ…スタ…スタ…スタ…

すると正面から1人の人影が見えた。

 

ライン「君は…」

 

シルバー「…なるほど…お前か…スノー」

 

スノー「ふぁ〜ぁ〜…」

 

大きなモンスターを攻撃したのはスノーだった。スノーはあの時吹き飛ばされてからずっと歩いて移動していた。

 

スノー「…やっと見つけた」

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

ブゥン!

モンスターは立ち上がって剣を振りかざした。

 

スノー「天地を断つ聖剣(エクスカリバー)…」

 

ズバァァァァァァァン!バゴォォォォォォォォン!!

スノーはシルバーと同じスキルを使った。

 

モンスター「キャァァァァァァァァァ!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

すると大きなモンスターは大爆発を起こして消えてしまった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

大きなモンスターが大爆発によって消えてから静寂が訪れる。

 

シルバー「なっ…」

 

ライン「倒した…のか…」

 

コハク「 (´・ω・`;) 」

 

スノー「う〜ん…やっぱり疲れる…」

 

ドサッ…

スノーはその場に座り込んだ。

 

シルバー「スノー…お前…」

 

ライン「あれ…君のところの人だろ…なんだ…あの人…」

 

シルバー「いや、分からん…私のギルドは聖騎士を職業としている人のみを募集している。そんな時、スノーが自分からギルドに入ると言ってきてな。最初はハッキリしないやつだと思ってたが…まさかこれほどまでに…」

 

ライン「っ…」

 

ピピピッ!ピピピッ!ピピピッ!

ラインたちが呆気にとられていると突然音声が流れた。

 

音声「巨大モンスターの撃破を確認しました。モンスターを撃破したのはギルド:近衛騎士団のスノーさん。スノーさんには巨大モンスターの撃破ポイントを付与します。また、巨大モンスター撃破に貢献したプレイヤーは与えたダメージに伴ってポイントを付与します」

 

ブゥゥゥゥゥゥン!

するとやられた人たちを含めた全員にポイントが付与された。

 

音声「巨大モンスターが撃破されたので、現時点で第3回イベントを終了し、集計します。集計結果は通知後に確認できます。皆様。お疲れ様でした」

 

プツッ…

すると通信が途絶えた。

 

ライン「なっ…これでイベント終了…だと…」

 

シルバー「あれを倒すのが最後のイベントだったのか…」

 

ムクロ「…」

 

コハク「 (*´・ω・`)=3 」

 

みんな疲れきっていた。

 

ライン「…さて、終わったのなら拠点に戻るとしよう。これ以上の戦いは無意味だ」

 

シルバー「ライン」

 

ライン「?」

 

シルバー「…このイベントが終わったらまた私と戦おう」

 

ライン「!」

 

シルバー「君は強い。私は君を目指すとしよう」

 

ライン「…あぁ。またあとで」

 

ザッザッザッザッザッザッ…

ラインはその場をあとにした。

 

シルバー「…さて、君たちはどうするんだい」

 

コハク「 (;-ω-)a゙」

 

ムクロ「我々は主の元に戻ろう。これで戦いは終わりだ。お前は座り込んでるあの人を連れて戻れ」

 

シルバー「…あぁ。そうさせてもらおう。だが、1つ聞かせてくれ」

 

ムクロ「?」

 

シルバー「お前の主の名前は何だ?」

 

ムクロ「…アリシア。それが主の名前だ」

 

シルバー「…そうか。ではアリシアにも伝えてくれ。いつかまた戦おうとな」

 

ムクロ「…あぁ」

 

スタスタスタスタスタ

シルバーもその場をあとにした。

 

ムクロ「…さて、戻るか」

 

コハク「 o(`ω´)o 」

 

スタスタスタスタ

ムクロとコハク、スザクはアリシアのところに戻った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

それからというもの、アリシアやライン、シルバーたちはそれぞれの拠点に戻った。

 

拠点にはやられた仲間たちが帰りを待っていた。

 

みんなは激戦だったためか、疲れが強く、少し休むことにした。

 

第3回イベントの最終結果はそれから数分の事だった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ギルド:宿り星

 

アリシア「いやぁ…本当に疲れた…」

 

フミ「すみませんアリシアさん。私たちが負けてしまって…」

 

アリシア「いいですよ!あれは強すぎるんです!」

 

ミカン「確かに!みんな一撃でやられたじゃん!」

 

ジン「しかしまぁ…あれは無理だわ」

 

ロザリー「なんとか生き残ってたけど…」

 

ピピピッ!ピピピッ!ピピピッ!

すると通知音が鳴った。

 

アリシア「何?今の」

 

ロザリー「恐らく集計結果だね」

 

ピッ…ブゥン…

ロザリーは集計結果を表示した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

1位.近衛騎士団 4601pt(+2067↑)

2位.天明ノ帝 4196pt(+1590↓)

3位.ホイップガールズ 4177pt(+1589↓)

4位.宿り星 4134pt(+1758↑)

5位.火力は正義 4088pt(+1534↓)

6位.RGO同好会 4031pt(+1550ー)

7位.ピューティーキューティー 4009pt(+1513↓)

8位.漢は拳で語り合う 3871pt(+1460↓)

9位.剣しか勝たん 3826pt(+1481ー)

10位.一騎当千 3819pt(+1531↑)

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「やった!!4位だよ!4位!!」

 

ロザリー「まさか…逆転した…てこと?」

 

ジン「これはすげぇな…」

 

ルシュ「やっぱりあのモンスターを撃破したから近衛騎士団が1位ね」

 

ゼディ「まぁ、仕方ないよな」

 

アリシア「でも4位になった!やったぁ!!」

 

アリシアは大いに喜んだ。

 

ロザリー「まぁ、最初に比べたらいい結果だね」

 

アリシア「うん!みんなお疲れ様でした!4位だったけどいい成績!!イベントが終わったら打ち上げしよう!」

 

宿り星のメンバー「おー!」




〜物語メモ〜

巨大モンスター
第3回イベントにおいて最後に降臨したモンスター。見た目は女性を模しており、白色で体が大きく強い。右手に剣、左手に槍を持っており、剣や槍だけでなく、岩や光線などで攻撃してくる。また、体力が減れば回復する厄介な技も持っている。

スキル:天地を断つ聖剣(エクスカリバー)
シルバーとスノーが使ったスキル。持ってる武器が光の刀身になって黄色い斬撃となる。敵に命中することで更に火柱による追撃が発生する。


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第21話 仲間加入

場所…ギルド:宿り星

 

ロザリー「ねぇアリシア」

 

アリシア「何?ロザリー」

 

ロザリー「今日なにかするの?」

 

アリシア「あ、キリちゃんとゴロちゃんとプニちゃんをまた仲間にしに行こうかなって思ってるよ」

 

ロザリー「キリちゃん?ゴロちゃん?プニちゃん?って?」

 

アリシア「前にいたモンスターたちだよ。第3回イベントの前にやられちゃったから使えなかったの」

 

ロザリー「あーあの子たちね」

 

アリシア「だから今日はちょっと忙しいかも」

 

ロザリー「手伝おっか?」

 

アリシア「ううん。大丈夫。一人でできるよ」

 

ロザリー「ゲームに縁がなかったアリシアが自分で…私…涙が…」

 

アリシア「え、そんなに?そんなに泣くこと?」

 

ロザリー「うん…今まで何回もゲームに誘ったのに全然ゲームしてくれなかった…でも…今回このゲームをしてくれた時はすごく嬉しかったの」

 

アリシア「あ、あぁ、うん…」

 

ロザリー「今まで一緒にやってたけど今は立派になって…」

 

アリシア (お母さんかな…)

 

ロザリー「行ってきてアリシア!何かあったらまたメッセージ送ってね!」

 

アリシア「あ、あぁ、うん。行ってくるね…」

 

スタスタスタスタ

アリシアはギルドを出てまずはプニちゃんのところに向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 触の扉

 

アリシア「…久しぶりに来た。プニちゃんの住処」

 

スタスタスタスタ

アリシアは触の扉に入った。触の扉はプニちゃん以外のモンスターは存在しないため、アリシアは無傷で最下層まで行くことができた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 触の扉 最下層

 

ザッザッザッザッ…

アリシアは触の扉 最下層の中心に着いた。

 

アリシア「確かここだった気がする…うーん…」

 

ブニュッ…ブニュッ…グチュッ…グチュッ…

するとアリシアの前にピンク色のブニブニしたものが集まってきた。

 

アリシア「あ、これ…プニちゃん!」

 

プニプニスライム「…」

 

ピンク色のブニブニしたものが人の形になった。全身はピンク色で髪は触手になっている。

 

アリシア「よかったプニちゃん!ねぇプニちゃん!私と一緒に…」

 

ブクブクブクブク!

するとプニプニスライムの腕が刃に変わった。

 

プニプニスライム「…」

 

アリシア「!!」

 

ビュン!ザザッ!

プニプニスライムはアリシアを攻撃した。アリシアは攻撃を察知したおかげで無傷で済んだ。

 

アリシア「えっ、ちょっ…プニちゃん!」

 

プニプニスライム「…」

 

ザッザッザッザッ…

プニプニスライムはアリシアに近づいた。

 

アリシア「出てきて!スザク!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

メダルからスザクが出てきた。

 

スザク「お呼びでしょうか。主様」

 

アリシア「スザク!一緒にあのモンスターをやっつけるよ!」

 

カチャ!

アリシアは堕天使の短剣と見切りの盾を装備した。

 

スザク「…承知しました」

 

カチャ…

スザクは双剣を装備した。

 

プニプニスライム「…」

 

ビュン!

スザクはプニプニスライムに接近した。

 

キン!キン!カン!キン!キン!キン!

スザクは素早い斬撃でプニプニスライムを攻撃する。しかしプニプニスライムはスザクの攻撃が見えているのかすぐに対応した。

 

アリシア「は、速い…」

 

ザザッ!

スザクとプニプニスライムは互いの様子を伺う。

 

アリシア「っ…」

 

グッ…

アリシアは堕天使の短剣を握りしめた。

 

スザク「…さて、どうしましょうか」

 

アリシア「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

スザク「!!」

プニプニスライム「?」

 

タッタッタッタッ!

アリシアはプニプニスライムの背後から攻撃しようとした。

 

アリシア「やぁっ!」

 

ズシャッ!

アリシアの攻撃はプニプニスライムに命中した。

 

プニプニスライム「?」

 

しかしアリシアの攻撃力が低いせいか、大した効果はなかった。

 

スザク「主様!」

 

ビュン!

スザクはアリシアの方へ走った。

 

プニプニスライム「っ!」

 

ビュン!

プニプニスライムはアリシアに攻撃した。

 

アリシア「わっ!!」

 

カンッ!

アリシアは見切りの盾で攻撃を防いだ。

 

プニプニスライム「!」

 

スザク「はぁっ!」

 

ズシャッ!

スザクはプニプニスライムを攻撃した。

 

ベチャッ!

するとプニプニスライムの体の一部が弾けた。

 

プニプニスライム「っ…」

 

アリシア「やぁっ!」

 

ドスッ!

アリシアはプニプニスライムに堕天使の短剣を突き刺した。

 

プニプニスライム「…」

 

ブクブクブクブク!

するとプニプニスライムの手がハンマーに変わった。

 

アリシア「!!」

 

ビュン!ゴンッ!!

アリシアは盾を使ってプニプニスライムの攻撃を間一髪で防いだ。

 

ドサッ!

アリシアはプニプニスライムの攻撃で少し吹っ飛ばされた。

 

アリシア「いたた…」

 

スザク「主様!」

 

アリシア「絶対仲間にする…こうなったら…」

 

ザッ…

アリシアは立ち上がった。

 

アリシア「召喚 ムクロ!三つ首!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

するとアリシアの目の前に2つの魔法陣が展開された。

 

雷首「ガッハハハ!来たぞきたぞ!!」

氷首「誰じゃ誰じゃ!敵は誰じゃ!!」

火首「燃える!燃えるぞお嬢!!」

 

ムクロ「…暑苦しいヤツだ。静かにできんのか」

 

アリシア「あはは…あっ!2人とも!」

 

雷首「ん?何だお嬢」

氷首「何だ?お嬢」

火首「ん?」

 

ムクロ「何だ」

 

アリシア「プニちゃんを仲間にしたいの!手伝って!」

 

ムクロ「プニちゃん?」

 

雷首「いたな。そんな名前のやつ」

氷首「もう仲間じゃないのか?」

火首「あーあいつか?」

 

火首がそう言うと残りの首とムクロはプニプニスライムの方を見た。

 

プニプニスライム「…」

 

雷首「なるほど。あいつそっくりだ」

氷首「そっくりじゃなく本人だろ」

火首「コハクの時と同じか?」

 

ムクロ「主。あいつは仲間を脱退させられたのか」

 

アリシア「違うの。モンスターに負けたから仲間からいなくなっちゃったの」

 

ムクロ「じゃあ倒せば仲間になるんだな?」

 

アリシア「うん」

 

ムクロ「やるぞ三つ首。あいつを倒せばいいらしい」

 

雷首「だったら話はもう済んだな」

氷首「勝つだけなら簡単だわ」

火首「ならやるか?ムクロ」

 

ムクロ「あぁ」

 

ズォッ…

ムクロは憎悪と怨念を纏う刀を装備した。

 

プニプニスライム「…」

 

ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!

プニプニスライムは腕を振り回した。

 

ムクロ「ん?」

 

ビュュュュュン!!

するとプニプニスライムは腕を伸ばして攻撃してきた。

 

雷首「カァァァァァァァァァッ!!」

 

バリバリバリバリ!!

すると雷首が雷のブレスを放った。

 

ビリビリビリビリビリビリ!!

するとプニプニスライムは体が痺れて動けなくなった。

 

プニプニスライム「っ…」

 

雷首「簡単だな」

 

ムクロ「つるぎの舞」

 

キィン!ズシャシャシャシャシャシャシャ!

ムクロは斬撃でプニプニスライムを切り刻んだ。

 

ベチャッ!ベチャッ!ベチャッ!ベチャッ!

プニプニスライムの体が周囲に弾けた。

 

グニュッ…グニュッ…グニュッ…

しかしプニプニスライムはまた破片を集めて再生しようとした。

 

ムクロ「なるほど。三つ首」

 

雷首「なんだ」

氷首「なんだ」

火首「なんだ」

 

ムクロ「お前のブレスならこいつを一気に倒せるだろう」

 

雷首「ふん。できるな」

氷首「ふん。当たり前だ」

火首「ふん。当然だ」

 

ムクロ「やってくれるな?」

 

雷首「あぁ!」

氷首「任せろ!」

火首「ぶっ飛ばしてやるぜ!」

 

ムクロ「スザク!」

 

スザク「!」

 

ムクロ「下がるぞ!」

 

スザク「…」

 

タッタッタッタッ!

ムクロとスザクはアリシアのところに向かった。

 

雷首「カァァァァァァァァァッ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

バゴォォォォォォン!!

スザクとムクロがアリシアのところに着くと同時に三つ首のブレスがプニプニスライムに直撃した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

プニプニスライムがいたところは煙に包まれており、プニプニスライムがどうなったか分からなかった。

 

ムクロ「…どうだスザク。倒したと思うか?」

 

スザク「…さぁ、分かりませんね」

 

雷首「ガッハハハ!」

氷首「気分がいいわ!」

火首「派手に吹っ飛んだな!」

 

アリシア「…」

 

アリシアはプニプニスライムの様子を伺っていた。

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ…

やがて煙が晴れると状況が確認できた。

 

アリシア「倒した…のかな」

 

プニプニスライムはその場から消えていた。

 

スザク「…しかし主様。倒したのなら宝箱が出てくるはずでは」

 

アリシア「あ、確かに…じゃあ…」

 

ベチャッ…

するとアリシアの頭に何かブニブニしたものが落ちてきた。

 

アリシア「ん?何これ…えっ?」

 

アリシアが落ちてきたブニブニしたものを手に取った。それはプニプニスライムと同じ色をしたものだった。

 

アリシア「これって…」

 

スザク「!!」

 

ブクブクブクブクブクブク!

するとそのブニブニしたものが一気に大きくなった。

 

アリシア「わっわわっ!」

 

ムクロ「なっ」

 

プニプニスライム「…」

 

プニプニスライムはアリシアの方をじっと見た。

 

アリシア「あ、これって…」

 

スザク「主様!」

 

アリシア「待ってスザク!ムクロも三つ首も攻撃しないで!」

 

ムクロ「なっ…敵が目の前にいるんだぞアリシア!」

 

雷首「お嬢…」

氷首「…」

火首「…」

 

プニプニスライム「…」

 

スッ…

プニプニスライムが手を差し伸べてきた。

 

アリシア「!」

 

アリシアは咄嗟に手を出そうと思ったが、少し考えた。

 

アリシア「…」

 

ザッ…

アリシアは立ち上がった。

 

アリシア「…手懐け」

 

音声「スキル:手懐けが発動しました。仲間になる条件を表示します」

 

ピッ

するとプニプニスライムの仲間になる条件が表示された。

 

条件:仲間にすること

 

アリシア「……これもあの時と同じね。よしっ!」

 

ピッピッピッピッ

アリシアはプニプニスライムを仲間にする準備を整えた。

 

ブゥン!

するとプニプニスライムの目の前に加入申請が表示された。

 

アリシア「あなた、私の仲間になって!」

 

プニプニスライム「!」

 

アリシア「また一緒に旅をしよう!」

 

プニプニスライム「…」

 

ピッ

プニプニスライムは「はい」と選択した。

 

音声「プニプニスライムを仲間にしました。名前を決めてください」

 

アリシア「もちろん。プニちゃんで」

 

ピッピッピッピッ

アリシアはプニプニスライムの名前を入力した。

 

音声「名前が与えられました。プニちゃんが仲間になりました」

 

アリシア「よしっ!」

 

ガコッ!

すると宝箱が出現した。

 

アリシア「よしっ!開けよう!」

 

アリシアは宝箱の所へ向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 触の扉 祭壇

 

タッタッタッタッ!

アリシアは宝箱の前に立った。

 

アリシア「よしっ」

 

ガコッ!

アリシアは宝箱を開けた。

 

音声「スキル:餌付けを入手しました」

 

アリシア「え、餌付け…」

 

パァァァァァァァ…

すると魔法陣が展開された。

 

アリシア「ま、まぁいいや。次はゴロちゃんだね」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

アリシアは魔法陣の上に立ち、ただちにダンジョンを脱出した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 触の扉前

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

アリシアは最下層から触の扉の前まで転送された。

 

アリシア「よしっ!次はゴロちゃん!」

 

タッタッタッタッ!

アリシアはゴロちゃんがいる場所へ向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 岩石の洞窟

 

アリシア「よしっ!行こう!」

 

タッタッタッタッ!

アリシアはダンジョンの最下層へ向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 岩石の洞窟 最下層

 

ザッザッザッザッザッザッ…

アリシアは最下層に着いた。最下層の中央には大きな岩が置いてあった。

 

岩石おとこ「…」

 

ゴロゴロゴロゴロ…

するとその岩が動き出し、やがて岩のモンスターとなった。

 

岩石おとこ「…」

 

岩のモンスターは無口だった。

 

アリシア「行くよ!コハク!スザク!ムクロ!三つ首!プニちゃん!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

スザクたちが姿を現した。

 

岩石おとこ「…」

 

コハク「 ( ✧ω✧) 」

 

バッ!ゴォォォォォォォォ!!

コハクが手を上げると頭上から隕石が落ちてきた。

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

するとその隕石は岩石おとこに全て命中した。

 

バラバラバラバラ…

すると岩石おとこの欠片が周囲に散らばった。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

辺りに煙が立ちこめる。

 

アリシア「いきなりすぎたかな」

 

ムクロ「別にいいんじゃないか?」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ!

すると近くに飛び散った欠片が岩石おとこに吸い寄せられた。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

するとまた岩石おとこが復活した。

 

ムクロ「ふむ。何でアリシアは再生能力のあるやつを仲間にしたがるのか」

 

アリシア「いや、好んで仲間にしようと思ってるわけじゃないよ?」

 

ムクロ「…そうか」

 

ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!

すると岩石おとこが腕を振り回し始めた。

 

ムクロ「あれか。さっきのやつと同じだな」

 

ムクロはプニプニスライムの攻撃を思い出していた。

 

氷首「ンバァァァァァァァァッ!!」

 

ビュォォォォォォォォォ!

氷首のブレスで岩石おとこの動きが止まった。

 

アリシア「おぉ!」

 

ムクロ「そういえばアリシアは攻撃スキルはないのか」

 

アリシア「え、うーん…あるにはあるけど…」

 

ムクロ「今あいつは動けない。攻撃してみてはどうか」

 

アリシア「えっ、でも私弱いし…」

 

ムクロ「何かあったら俺たちが何とかしてやる。主を守るのが従者の務めだ」

 

アリシア「う、うん…」

 

ザッザッザッザッ

アリシアは岩石おとこの目の前に立った。

 

アリシア「…神器」

 

音声「スキル:神器が発動しました。次の一撃が1000%となります」

 

アリシア「やぁぁぁぁぁっ!」

 

タッタッタッタッ!

アリシアは堕天使の短剣を持って岩石おとこに接近した。

 

ムクロ「氷首!氷を解除しろ!」

 

氷首「何っ!?」

 

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

ゴォォォォォォォォ!!

火首が機転を利かせて氷を解除した。

 

ムクロ「走れアリシア!」

 

アリシア「やぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

ドスッ!!

アリシアは堕天使の短剣を突き刺した。

 

バゴッ!!

すると岩石おとこの体が砕けた。

 

岩石おとこ「…」

 

ガコッ!ガコッ!ガコッ!ガコッ!

しかし周囲に散らばった欠片がすぐにまたくっついた。

 

ムクロ「下がれアリシア!」

 

アリシア「っ!」

 

タッタッタッタッ!

アリシアは急いで後ろに下がった。

 

ムクロ「行くぞスザク!」

 

スザク「えぇ!」

 

プニちゃん「やぁっ!」

 

グニュッ!グニュッ!グニュッ!グニュッ!

プニちゃんは岩石おとこの足元を悪くした。

 

岩石おとこ「…」

 

ドシン!

岩石おとこは体勢を崩した。

 

ムクロ「死の告知(アブズ・ギブズ)!!」

スザク「四獣剣技 夜桜乱撃!!」

 

ズバッ!!ズシャシャシャシャシャシャシャ!

ムクロとスザクの連携攻撃が命中した。

 

ガラガラッ…シュゥゥゥゥゥゥゥ…

岩石おとこの体が一部破壊され、岩石おとこは消えていった。

 

アリシア「あっ…消えちゃった…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

しかしまた岩石おとこが復活した。

 

アリシア「えっ?」

 

ピッ

するとアリシアの目の前に仲間加入申請が表示された。

 

アリシア「あ、これって…」

 

ピッピッピッピッ

アリシアは岩石おとこからの仲間加入申請を受理した。

 

音声「岩石おとこが仲間になりました。名前を決めてください」

 

アリシア「もちろんゴロちゃんで」

 

ピッピッピッピッ

アリシアは岩石おとこにゴロちゃんと名付けた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 狂乱の間

 

アリシアたちは最後に切り裂き魔のキリちゃんを仲間にするために狂乱の間に来ていた。

 

アリシア「ここで最後…待っててキリちゃん」

 

スタスタスタスタ

アリシアは最下層を目指してダンジョンを進んだ。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン 狂乱の間 最下層

 

アリシアはダンジョンの最下層に到着した。

 

アリシア「…」

 

切り裂き魔「…あはぁ、誰か来たぁ…」

 

最下層の中央には大きな鎌を持った女性が立っていた。

 

キンッ!

切り裂き魔は右手に鎌と左手に針を装備した。

 

アリシア「…スザク、コハク。出てきて」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!

スザクとコハクがメダルから出てきた。

 

アリシア「召喚。ムクロ、三つ首、プニちゃん、ゴロちゃん」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

魔法陣からムクロたちが現れた。

 

切り裂き魔「あはぁ…いっぱい…いっぱい!!」

 

ダッ!!

切り裂き魔が鎌を構えて走ってきた。

 

ムクロ「ふん」

 

ギィン!!

切り裂き魔の鎌に対し、ムクロが刀で応戦した。

 

切り裂き魔「あっははははは!」

 

ムクロ「…うるさいやつだ」

 

キン!キン!カン!キン!キン!

ムクロは巧みな剣技で切り裂き魔を押していく。

 

切り裂き魔「うっ!くっ!このっ!」

 

キン!キン!キン!キン!キン!

切り裂き魔はムクロの攻撃で押されていく。

 

切り裂き魔「くっ!」

 

ヒュッ!スタッ!

切り裂き魔は距離をとった。

 

切り裂き魔「はぁっ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

切り裂き魔は針を投げた。

 

ドシン!!

するとムクロの前にゴロちゃんが立ち塞がった。

 

ムクロ「!」

 

カン!カン!カン!カン!カン!

切り裂き魔の針がゴロちゃんの体に弾かれた。

 

ゴロちゃん「…」

 

ムクロ「お前…守ったのか…?」

 

ゴロちゃん「…」

 

スザク「はっ!」

 

ビュン!

するとゴロちゃんとムクロの後ろからスザクが前に出てきた。

 

切り裂き魔「!!」

 

スザク「はぁっ!」

 

キン!キン!キン!キン!キン!キン!キン!

スザクは素早い攻撃で切り裂き魔を圧倒する。

 

切り裂き魔「このっ!」

 

ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!カンッ!

切り裂き魔も負けじと鎌を振るう。

 

スザク「遅い!」

 

ズシャッ!

スザクは切り裂き魔を攻撃する。

 

切り裂き魔「あぐっ!」

 

コハク「 ( `ω´) 」

 

ドゴッ!!

コハクは切り裂き魔に攻撃した。

 

切り裂き魔「がはっ!!」

 

ズサァァァァァァッ!!

切り裂き魔はコハクの攻撃で少し吹っ飛ばされた。

 

プニちゃん「やぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ビュュュュュン!!ドゴッ!

プニちゃんは腕を伸ばして攻撃する。

 

切り裂き魔「ぐはっ…」

 

雷首「カァァァァァァァァァッ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

バゴォォォォォォン!!

三つ首のブレスが切り裂き魔に命中した。

 

ズサァァァァァァァァァァッ!!

切り裂き魔は大きく吹き飛ばされた。

 

アリシア「っ…」

 

ムクロ「…この程度か」

 

切り裂き魔「ぐっ…こ……のっ…」

 

ムクロ「主。どうする。倒すか」

 

アリシア「えっと…ちょっと行ってくる」

 

スタスタスタスタ

アリシアは切り裂き魔のところに向かった。

 

切り裂き魔「くっ…こんなはずじゃ…」

 

ザッザッザッザッ…

アリシアは切り裂き魔のところに着いた。

 

切り裂き魔「!」

 

アリシア「…ねぇ、あなた」

 

スッ…

アリシアは切り裂き魔と目線が合うように座った。

 

アリシア「私の仲間になりませんか?」

 

切り裂き魔「!」

 

アリシア「スキル:手懐け」

 

音声「スキル:手懐けが発動しました。仲間加入条件を表示します」

 

ピッ

すると切り裂き魔の加入条件が表示された。

 

アリシア「えっ、贈り物を渡す?」

 

切り裂き魔の加入条件、それは何かしらの「贈り物」を渡すことだった。

 

アリシア「うーん…贈り物…なんでもいいのかな…」

 

ゴソゴソ…ゴソゴソ…

アリシアは持ち物を探った。

 

アリシア「あ、これなら」

 

アリシアは持ち物の中から水星の欠片を取り出した。

 

アリシア「前にマリンさんから頂いたものですが、これをあなたに贈ります」

 

切り裂き魔「!」

 

切り裂き魔は水色に輝くネックレスを見て驚いていた。

 

アリシア「友人から貰ったとても大切なものです。あなたが大切にしてくれるなら差し上げます」

 

スッ…

アリシアは切り裂き魔にネックレスを差し出した。

 

切り裂き魔「…」

 

切り裂き魔はキラキラと輝くそのネックレスを受け取った。

 

切り裂き魔「…大切にします」

 

ギュッ…

切り裂き魔は水星の欠片を優しく握りしめた。

 

アリシア「着けてあげますね」

 

スッ…カチャカチャ…

アリシアは水星の欠片を切り裂き魔の首にかけた。

 

切り裂き魔「!」

 

切り裂き魔はとても喜んだ。今まで誰かから贈り物を受け取ったことの無い切り裂き魔にとって、アリシアから貰ったこの装飾品はとても大事なものに感じた。

 

切り裂き魔「…あなたに…私の全てを捧げます…」

 

ピコッ

するとアリシアの目の前に切り裂き魔からの仲間加入申請が届いた。

 

ピッ

アリシアは迷わず承認とした。

 

アリシア「あなたの名前は今からキリちゃん。よろしくね!キリちゃん!」

 

キリちゃん「はい!主様!」

 

こうしてアリシアはプニちゃん(プニプニスライム)、ゴロちゃん(岩石おとこ)、キリちゃん(切り裂き魔)を取り戻すことに成功した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ギルド:宿り星に帰る道中

 

アリシア「そういえばもう最近ステータス画面とか見てないけど、今どうなってるのかな」

 

ピッピッピッピッ

アリシアは自分のステータス画面を開いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

プレイヤー名:アリシア

職業:魔物使い

Lv.60

HP:60

MP:60

攻撃力:60

防御力:60

スピード:60

魔力:60

カリスマ:3672

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「おぉ、こんな感じなんだ。レベル60になってる。ロザリーはどうなのかな」

 

ピッピッピッ

アリシアは特性のページを開いた。

 

アリシア「あ、この特性まだあったんだ」

 

ピッ

アリシアは特性:パートナーの説明欄を開いた。

 

パートナー…メダルの召喚を必要とせず、常に一緒に行動する仲間を得る。パートナーとなったモンスターは倒れることがなく、常に主を守ろうとする。ただし、パートナーとなるのは一人だけ。

 

アリシア「これって今はどうなってるのかな。コハクなのかな」

 

ピッ

アリシアはパートナーの文字を触った。

 

音声「パートナーに選ぶモンスターを選択してください」

 

ブゥン…

するとスラちゃんたちが表示された。

 

アリシア「あれ、これってコハクじゃないってこと?」

 

アリシアはモンスターたちを見た。仲間は全員いるように見えたが、実際は一人だけいなかった。

 

アリシア「あれ、コハクがいない…」

 

そう。コハクがいなかったのだった。特性:パートナーとなれるのは1人だけ。しかし、コハクは過去にパートナーとして選ばれているため、再度選ぶことはできなくなっている。

 

アリシア「ど、どうしてだろ…」

 

アリシアは困惑しながらもパートナーにするモンスターを選んでいた。

 

アリシア「そうだなぁ…」

 

アリシアはしばらく考えた後、結論を出した。

 

アリシア「…やっぱり君かな。お願いね。スザク」

 

ピッ

アリシアはスザクを選択した。

 

パァァァァァァァ…

するとスザクが自動的に召喚された。

 

スザク「…選んでくださると信じていましたよ。主様」

 

アリシア「よろしくね。スザク」

 

スザク「はい!このスザク、我が身を持って主様をお守りします!」

 

音声「スザクがパートナーとなりました。スザクのメダルは今後使用できません。再度使用するにはパートナーから削除する必要があります」

 

アリシア「なるほど。そういう仕組みね。でも常に一緒にいるならメダルは必要ないかな」

 

ピッ

アリシアはステータス画面を閉じた。

 

アリシア「じゃあスザク、今からギルドに戻ろう」

 

スザク「はい!」

 

スタスタスタスタ

アリシアとスザクはギルドに戻ることにした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ギルド:宿り星

 

ガチャ

アリシアとスザクはギルドに到着した。

 

ロザリー「おかえり。アリシア」

 

アリシア「ただいまロザリー」

 

ロザリー「ん?その子は?」

 

アリシア「スザク!パートナーにしたの!」

 

ロザリー「パートナー?何それ」

 

アリシア「連れて歩くことができる…モンスター?」

 

ロザリー「へぇ、まぁ魔物使いだしそれが普通か」

 

アリシア「えへへ」

 

ロザリー「そういえばアリシアは第3回イベントの報酬何にしたの?」

 

アリシアたちは第3回イベントで4位となったため、特別なスキルや特性、武器を交換することができる報酬を得た。どんなものと交換するかは個人で決めていいことになっている。

 

アリシア「あ、私は武器にしたの!」

 

ロザリー「武器?でも魔物使いって魔物を戦わせるんじゃないの?」

 

アリシア「そう!でも私も一緒に戦いたいって思ったから武器を選んだよ!」

 

ロザリー「へぇ、どんなの?」

 

アリシア「待ってね!今装備する!」

 

ピッピッピッ…ブゥン…

するとアリシアの手に1本の刀が出現した。

 

アリシア「これ!」

 

アリシアが出したのは見た目はごく普通の刀だが、刀身が少し黒くなっている。

 

ロザリー「名前は?」

 

アリシア「えっと…ツムガリって名前らしいよ!」

 

ロザリー「ツムガリね。いい名前だね」

 

アリシア「うん!」

 

ロザリー「それって何か特性とかスキルってあるの?」

 

アリシア「うん!あるよ!えっと…」

 

ピッピッピッ

アリシアはツムガリの特性を表示した。

 

アリシア「えっと、刀身一体で物理攻撃力が1.5倍上昇するだって」

 

ロザリー「へぇ、いい能力だね」

 

アリシア「うん!」

 

ロザリー「他には?」

 

アリシア「なんかこの武器についてるスキルがあるみたい」

 

ロザリー「へぇ、どんなの?」

 

アリシア「冥府(めいふ)斬祓(ざんばつ)って名前で効果が攻撃した相手に呪いを付与するだって。しかも防御無視?の攻撃って書いてるよ」

 

ロザリー「呪い?呪いってどんな効果?」

 

アリシア「確率で行動不能にするらしいよ」

 

ロザリー「へぇ、てかそれで防御無視って強いなぁ…他には何かある?」

 

アリシア「あとは冥府(めいふ)断罪(だんざい)って名前で効果が自分を中心に一定範囲内に冥界の門?を開いて死者を喚び出すらしいよ」

 

ロザリー「死者?それって喚び出すだけ?」

 

アリシア「ううん。喚び出した死者は私と一緒に戦ってくれるらしいよ」

 

ロザリー「どれくらい喚び出せるのか次第で強いかもね」

 

アリシア「そう?」

 

ロザリー「うん。だってアリシアはすでにモンスターを何体か使ってるし、そこにその死者?ってのを合わせたら1人で相当な戦力になるんじゃない?」

 

アリシア「あ、そっか!」

 

ロザリー「まぁ、その死者の数と強さによるけどね」

 

アリシア「また使ってみよっと!私の武器はこれで終わりだね。それでロザリーは何にしたの?報酬」

 

ロザリー「私?私はね…」

 

ピッピッピッ…ブゥン…

ロザリーは装備欄を操作して槍を装備した。

 

ロザリー「私もアリシアと同じで武器を選んだよ。名前は天槍(てんそう) ロンゴミアント。見て分かると思うけど白と金を基調とした神聖な槍なの」

 

アリシア「カッコイイ!!」

 

アリシアは目を輝かせていた。

 

ロザリー「実はこの武器にはちょっとした特性があるの。それが天光(てんこう)って名前で装備すると光属性攻撃の威力が1.5倍上昇するだって」

 

アリシア「へぇ!強そう!」

 

ロザリー「ふふん♪あ、それでこの武器には2つスキルがあるんだけど、1つは威光(いこう)って名前で全ての物理攻撃に光属性を付与するものだって」

 

アリシア「じゃあさっきのと相性がいいね!」

 

ロザリー「うん。でも逆に考えたら、このスキルを発動しないと特性の本領発揮ができないってところだね」

 

アリシア「確かに…」

 

ロザリー「それでもう1つは光芒(こうぼう)って名前なんだけど、頭上から多数の光属性の槍を降らせるってやつなの」

 

アリシア「雨みたいな感じ?」

 

ロザリー「そうそう!しかも降ってくる槍は自分で動かすこともできるの!」

 

アリシア「へぇ!見てみたい!」

 

ロザリー「一緒にクエスト行った時に見せてあげる!」

 

アリシア「やったぁ!」

 

ガチャ

2人で話していると、他のギルドメンバーたちが帰ってきた。

 

ジン「お?2人とも来てたのか」

 

アリシア「あ!ジンさん!」

 

ルシュ「あら、今日は全員揃うかもしれないわね」

 

ロザリー「ルシュにゼディにカナデさんたちも」

 

アリシア「ジンさん!ジンさんは第3回イベントの報酬何にしましたか?」

 

ジン「え?イベントの報酬?えーっとな…ちょっと待ってくれ」

 

ピッピッピッピッ…ブゥン…

ジンは赤い炎のような剣を装備した。

 

ジン「俺はこいつだ。名前は(ほむら)。結構いい装備だったからこいつを選んだぜ」

 

アリシア「それ!何か特性かスキルありませんか?」

 

ジン「お、よく知ってるな。実はあるんだよ。特性とスキルが」

 

アリシア「聞かせてください!」

 

ジン「いいぜ!まずは特性からだ!名前は煉獄(れんごく)で火属性攻撃の威力が1.5倍上昇するってやつだ」

 

ロザリー「属性は違うけど私の槍と同じ特性ですね」

 

ジン「多分今回の報酬は各属性の威力を上げるやつだぜ。全部見たけど全部同じだったわ」

 

アリシア「へぇ!」

 

ジン「それでスキルなんだが、灼熱(しゃくねつ)って名前で効果が火の玉を飛ばすやつなんだ」

 

ロザリー「剣なのに飛び道具があるんですね」

 

ジン「おうよ。これで遠くからでも攻撃できる」

 

アリシア「もう1つのスキルは何ですか?」

 

ジン「それが結構癖が強くてな、獄炎(ごくえん)って名前なんだが、効果が自分のHPを消費して相手に大ダメージを与えるスキルなんだ」

 

ロザリー「自傷ダメージ付きの攻撃ですか」

 

ジン「あぁ、でもその分結構強いからいいんだけどよ」

 

アリシア「使ったんですか?」

 

ジン「あぁ使ったぞ!さっきみんなで自分の報酬を試しに使ってきたところだ」

 

アリシア「えっ!?私も行きたかったです!!」

 

ジン「え?でもロザリーがアリシアは仲間を集めに行ったって」

 

アリシア「あ、そうでした…」

 

ジン「でもロザリーはアリシア1人だと可哀想だからって1人残ってたんだ」

 

アリシア「ロザリー…」

 

アリシアは潤んだ目でロザリーを見た。

 

ロザリー「…こっち見ないでよ…恥ずかしい」

 

ジン「なんなら2人で行ってきたらどうだ?」

 

アリシア「行く!ロザリー行くよ!!」

 

ロザリー「えっ?」

 

ギュッ!タッタッタッタッ!

アリシアはロザリーの手を引っ張ってギルドを出た。

 

ジン「相変わらず仲良いなぁ2人は」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…平原

 

アリシアとロザリーは近くの平原に来ていた。ここにはそこそこHPが高い狼のようなモンスターがいる。

 

アリシア「行くよ!ロザリー!」

 

ロザリー「分かったわ!」

 

アリシア「ツムガリ!」

 

ズォォォォォ…

アリシアがツムガリと呼ぶと黒いオーラを纏ったツムガリが出てきた。

 

キィィィィィン…

アリシアはツムガリを抜刀した。

 

ロザリー「天槍 ロンゴミアント!」

 

ガシャン!

ロザリーは天槍 ロンゴミアントを装備した。

 

ロザリー「アリシア先にやる?」

 

アリシア「え、いいの?」

 

ロザリー「うん。私も見たいから」

 

アリシア「じゃあ行くよ!」

 

チャキッ…

アリシアはツムガリを構えた。

 

アリシア「刀身一体!」

 

ブゥゥゥゥゥン!

アリシアの物理攻撃力が1.5倍上昇した。

 

モンスター「グルルルルル…」

 

モンスターはアリシアに気づいていなかった。

 

アリシア「やぁぁぁぁぁっ!」

 

タッタッタッタッ!

アリシアはツムガリを構えて走った。

 

モンスター「グルルル…ガァァァァァ!」

 

するとモンスターがアリシアに気づいた。

 

アリシア「冥府(めいふ)斬祓(ざんばつ)!!」

 

ズシャッ!!

アリシアはモンスターに攻撃した。

 

モンスター「ギャウッ!!」

 

ビュン!

モンスターはアリシアから距離を置いた。

 

アリシア「あれ、呪いが付与されてない!」

 

ロザリー「アリシア!呪いは確率で行動不能だったから呪い自体はかかってると思うよ!ただ効果が発動してないだけ!」

 

アリシア「あ、そっか、ならもっと攻撃して!」

 

タッタッタッタッ!

アリシアはモンスターを追いかけた。

 

アリシア「やぁっ!」

 

ズシャッ!!

アリシアはモンスターを攻撃した。

 

モンスター「ガァァァ!」

 

ガブッ!

アリシアはモンスターの攻撃を受けた。

 

アリシア「うぐっ…」

 

ロザリー「アリシア!!」

 

ドサッ!

アリシアは地面に尻もちを着いた。

 

アリシア「いったた…」

 

アリシアは噛まれたところを押さえている。アリシアのHPも残り少ない。

 

モンスター「グゥッ…」

 

アリシア「!」

 

すると突然モンスターの動きが止まった。

 

アリシア「えっ…どうしたの…」

 

モンスターはアリシアの方を見てるだけで全く動かない。

 

ロザリー「あ!アリシア!今呪いの効果が出てるよ!」

 

アリシア「えっ!?」

 

ロザリー「今そのモンスターは動けないと思う!早く倒さないとアリシアがやられちゃう!」

 

アリシア「わ、分かった!」

 

ザッ!

アリシアは立ち上がった。

 

アリシア「冥府(めいふ)断罪(だんざい)!」

 

ズォォォォォォ…

するとアリシアの足元に大きな扉が現れた。

 

アリシア「わっ!」

 

タッタッタッタッ!

アリシアは扉の範囲外に出た。

 

ガチャ…ギィィィィィィィィ…

すると扉が勝手に開いた。

 

死者「オォォォォォォ…」

死者「アァァァァァァ…」

死者「アァァァァァァ…」

 

ゾロゾロ…ゾロゾロ…

すると中から死者たちがいっぱい出てきた。

 

アリシア「うわっ!いっぱい来た!」

 

ダダダダダダダダダ!

扉から出てきた死者たちはモンスターに向かって進行した。

 

アリシア「ロザリー!あれ見て!ムクロがいる!」

 

なんとそこにはアリシアのモンスターであるムクロも混ざっていた。

 

ロザリー「嘘っ!?」

 

ダダダダダダダダダ!

死者の中には剣や刀のような武器を持った者もいる。

 

ズシャッ!ズシャッ!ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!

死者たちはモンスターを総攻撃した。

 

モンスター「ギャウッ!ギャウッ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

死者たちがしばらく攻撃しているとモンスターを倒すことができた。

 

アリシア「あ、倒せた?」

 

ロザリー「みたいだね」

 

アリシア「へぇ、あんな感じなんだ」

 

ロザリー「今回はモンスターが攻撃しなかったからあれだけど、死者たちにもHPはあるかもしれないね」

 

アリシア「またいつか実験みたいに使ってみようかな」

 

ロザリー「また分かったら教えてね」

 

アリシア「うん!じゃあ次はロザリー!」

 

ロザリー「任せて。あそこにいるモンスター倒してくるから」

 

タッタッタッタッ!

ロザリーは近くにいるモンスターのところに向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

タッタッタッタッ!

ロザリーは目的のモンスターのところに着いた。

 

モンスター「ブルルルルルル…」

 

そのモンスターは馬のような見た目をしていた。

 

ロザリー「さて、ちょっと実験させてね」

 

コン!

ロザリーは天槍 ロンゴミアントを地面に突き刺した。

 

ロザリー「天光(てんこう)!」

 

ブゥゥゥゥゥン!

ロザリーの光属性攻撃が1.5倍上昇した。

 

ロザリー「威光(いこう)!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

ロザリーの槍が黄色い光に包まれた。

 

ロザリー (これで全ての攻撃に光属性付与だね…さて)

 

ビュン!

ロザリーはモンスターに接近した。

 

ロザリー「はぁっ!」

 

ドスッ!ドスッ!ドカッ!ドカッ!ドスッ!

ロザリーは槍でモンスターを攻撃する。

 

モンスター「ブルルルルルル!」

 

ドカッ!

モンスターはロザリーを攻撃した。

 

ロザリー「いっ…」

 

ズサァァァァッ!

ロザリーは少し後退した。

 

ロザリー「光芒(こうぼう)!」

 

ブゥゥゥゥゥン!ドドドドドドドドド!

ロザリーの頭上に魔法陣が展開され、そこから無数の槍が降り注いだ。

 

グサッ!ドスッ!ドスッ!グサッ!ドスッ!

降ってきた無数の槍がモンスターを襲う。モンスターは絶え間なく降り注ぐ槍のせいで身動きが取れなかった。

 

ロザリー「光芒(こうぼう)光芒(こうぼう)光芒(こうぼう)!」

 

ブゥゥゥン!ブゥゥゥン!ブゥゥゥン!

ロザリーは新たに3つほど魔法陣を展開した。

 

ドドドドドドドドドドドドドド!

3つの魔法陣から無数の槍が降り注いだ。

 

ドスドスドスドスドスドスドスッ!

モンスターは更に無数の槍に襲われる。

 

モンスター「ブルルルルルル…」

 

ドシン!

モンスターはそのまま地面に倒れた。

 

ロザリー「お、やった」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

ロザリーの頭上にあった魔法陣が消えた。

 

ロザリー「めっちゃ強いじゃん。1つだけかと思ったけど何個も魔法陣出せるんだ」

 

ロザリーがアリシアの方を見ると、アリシアが大きく手を振っていた。

 

ロザリー「…帰ろっか」

 

タッタッタッタッ!

ロザリーはアリシアと一緒にギルドに戻ることにした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ギルド:宿り星

 

ガチャ

アリシアとロザリーはギルドに戻ってきた。

 

アリシア「ただいま戻りました!」

 

ジン「お?戻ったか。丁度いい」

 

アリシア「え?どうしたんですか?」

 

ジン「ちょっと頼みがあるんだ」

 

アリシア「頼み?何ですか?」

 

ジン「おーいカミラー!」

 

アリシア (えっ、カミラって…)

 

スタスタスタスタ

すると奥の部屋からジンとほぼ同じ身長のポニーテールのお姉さんが出てきた。

 

カミラ「なんだいジン。何か用かい」

 

アリシア「えっ!?カミラさん!?」

 

カミラ「ん?あぁ、えっと…アリシア…だったか?」

 

アリシア「そうですアリシアです!」

 

カミラ「久しぶりね」

 

アリシア「はい!お久しぶりです!」

 

ジン「それでだアリシア。頼みってのはこのカミラをギルドに入れるってことなんだ」

 

アリシア「えっ!!カミラさんを!?」

 

ジン「第3回イベントの時にも言ってただろ?武器が壊れた時に直せるやつがいると便利って」

 

アリシア「あ、それで」

 

ジン「あぁ、今はイベントがないからこのタイミングでギルドに入れたいと思ってな。どうだ?」

 

アリシア「賛成です!お願いします!」

 

ジン「だそうだカミラ。よかったな」

 

カミラ「あぁ。よろしくね。アリシア」

 

アリシア「はい!」

 

こうしてギルド:宿り星にカミラが新たに加入することになった。




〜物語メモ〜

アリシアの新パートナー
スザク(前回はコハクだった)

第3回イベントの報酬

アリシア
武器:ツムガリ(刀)
特性:刀身一体
スキル:冥府(めいふ)斬祓(ざんばつ)冥府(めいふ)断罪(だんざい)

ロザリー
武器:天槍 ロンゴミアント
特性:天光(てんこう)
スキル:威光(いこう)光芒(こうぼう)

ジン
武器:(ほむら)(剣)
特性:煉獄(れんごく)
スキル:灼熱(しゃくねつ)獄炎(ごくえん)

ルシュ
特性:双子(ふたご)

ゼディ
特性:双子(ふたご)

ナギ
武器:光の盾
特性:浄化(じょうか)
スキル:盾打撃、スタングラッド

コヨミ
武器:天魔神の斧(両手斧)
特性:魔神の眼
スキル:魔神化、天魔神の一撃

シン
武器:水鏡の盾
特性:魅惑
スキル:受け流し、アンチマジックバリア

ルーラ
武器:天使の光銃
特性:レーザー弾
スキル:乱撃、蝶ノ舞

カナデたち
特性:商売上手


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第22話 武器の修理

アリシア「カミラさんカミラさん」

 

カミラ「ん?何だいアリシア」

 

アリシア「カミラさんって一応鍛冶師ですよね?」

 

カミラ「えぇ、一応鍛冶師よ」

 

アリシア「ならコヨミちゃんの武器を直してあげられませんか?」

 

カミラ「コヨミ?」

 

アリシア「はい!バトルマスターの子なんですが、第3回イベントで武器を壊しちゃったらしくて…」

 

カミラ「あら、そうなの。その子は今どこに?」

 

アリシア「うーん…」

 

ピッピッピッピッ

アリシアはコヨミのログイン状態を確認した。

 

アリシア「あ、コヨミちゃんログインしてる。場所はどこかな」

 

ピッピッ

アリシアはコヨミの場所を特定した。

 

アリシア「コヨミちゃん今クエスト中らしいです」

 

カミラ「あらそうかい。なら帰ってきてからちょっと見てみようかしら」

 

アリシア「あ、じゃあそのように連絡します」

 

ピッ…タッタッタッタッ…

アリシアはコヨミに連絡した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

それから数分後、コヨミはナギを連れて帰ってきた。

 

コヨミ「アリシアさん!帰ってきました!」

 

アリシア「あ!コヨミちゃん!ナギちゃん!」

 

ナギ「ただいま帰りました」

 

アリシア「カミラさん!帰ってきましたよー!」

 

スタスタスタスタ

するとカミラがハンマーを持って姿を現した。

 

カミラ「おや、帰ってきたかい?」

 

コヨミ「あ、カミラさん」

 

カミラ「武器が壊れちゃったんだって?見せてみ?」

 

コヨミ「あ、はい!」

 

ガサゴソ…ガサゴソ…ゴトッ

コヨミは破壊神の斧の欠片を机の上に置いた。

 

カミラ「あら、思ってた以上にやられてるわねぇ」

 

カミラは破壊神の斧を手に持って眺めながらそう言った。

 

コヨミ「あの…直りますか?」

 

カミラ「素材があればなるとかなると思う。でも素材の他にもうひとつ。錬成っていうスキルか特性があれば完全に直すことができるよ」

 

コヨミ「錬成…」

 

ナギ「聞いたことないですね」

 

アリシア「えっ?錬成?それって…」

 

ピッピッピッピッ

アリシアは自分のステータス画面を開いた。

 

アリシア「それってこれですか?カミラさん」

 

アリシアは自分のステータスにある錬成のスキルを見せた。

 

カミラ「それよそれ!それがあれば何とかなるわ!まぁ素材は必要だけどね」

 

コヨミ「どこで手に入れましたか!?アリシアさん!」

 

アリシア「えっと…それが…」

 

コヨミ「?」

 

ナギ「忘れちゃいましたか?」

 

アリシア「……はい」

 

カミラ「あらら…」

 

コヨミ「そ…そんな…」

 

ドサッ…

コヨミは床に膝を着いた。

 

アリシア「ごめんね…ごめんねコヨミちゃん…」

 

コヨミ「いえ…大丈夫です…自力で探します…」

 

ナギ「コヨミ…」

 

スザク「主様」

 

するとアリシアの背後にいたスザクが声をかけた。

 

アリシア「何?スザク」

 

スザク「確か主様は忠義という特性を持ってませんでしたか?」

 

アリシア「忠義………あっ!!」

 

アリシアは忠義という特性を思い出した。

 

アリシア「できます!解決しました!」

 

カミラ「えっ、どういう事?」

 

アリシア「コヨミちゃん!大丈夫!私には忠義っていう特性があるの!これは他人に自分のスキルや特性を譲渡するものなの!これで錬成のスキルをカミラさんに渡すことができる!」

 

コヨミ「!!」

 

コヨミは勢いよく立ち上がった。

 

カミラ「本当にそんな事ができるのかい?」

 

アリシア「はい!できます!待っててください!」

 

ピッピッピッ

アリシアは特性にある忠義を押した。

 

音声「忠義が選択されました。譲渡する人とスキル・特性を選択してください」

 

ピッピッピッピッ

アリシアは錬成のスキルをカミラに譲渡するよう設定した。

 

音声「スキルと譲渡先が選択されました。譲渡するとそれ以降そのスキルは使用できません。よろしいですか?」

 

すると「はい」か「いいえ」の選択肢が出てきた。

 

ピッ

アリシアは迷いなく「はい」のボタンを押した。

 

音声「スキル:錬成をプレイヤー:カミラに譲渡します」

 

ブゥン…

アリシアのステータス画面からスキル:錬成が消え、カミラのステータス画面にスキル:錬成が追加された。

 

カミラ「すごい…本当にできた…」

 

アリシア「やった!」

 

コヨミ「ありがとうございますアリシアさん!」

 

アリシア「いえいえ!」

 

カミラ「よしっ。このスキルがあるならあとは素材だけね。素材は…」

 

ピッピッ…ブゥゥゥゥゥゥゥゥン…

カミラは破壊神の斧の素材を調べた。

 

カミラ「とりあえず破壊神の珠玉と鋼鉄魔神の装甲、オリハルコン、邪悪な爪があればできるわ」

 

コヨミ「うわっ…どれも聞いたことない…」

 

ナギ「邪悪な爪なら近くの洞窟にいるコウモリみたいなモンスターが落とすよ」

 

コヨミ「ほんと!?」

 

ナギ「でもそれ以外の素材が難しいかも」

 

コヨミ「そんなぁ…」

 

アリシア「行こっ!コヨミちゃん!」

 

コヨミ「!」

 

アリシア「コヨミちゃんの大事な武器でしょ?なら素材が難しくてもやるべきだよ!」

 

コヨミ「アリシアさん…」

 

アリシア「私も手伝うよ!一緒に行こう!」

 

コヨミ「いいんですか?」

 

アリシア「うん!」

 

ナギ「コヨミ。私も行くから。一緒に行こ」

 

コヨミ「ナギ…」

 

ギュッ…

コヨミは拳を握った。

 

コヨミ「うん!行こう!素材集め!」

 

アリシア「おー!」

 

カミラ「砥石みたいな武器を作る道具は揃ってるから素材が集まり次第また戻ってきな。あとは私が何とかするからね」

 

アリシア「はい!じゃあ行こう!コヨミちゃん!ナギちゃん!」

 

コヨミ「はい!」

ナギ「はい」

 

スタスタスタスタ

アリシア、コヨミ、ナギは破壊神の斧の素材集めに向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ギルド:宿り星近くの洞窟

 

アリシア「確かここだよね?」

 

ナギ「そうです。ここにいるコウモリみたいなモンスターが落とします。小さいものでも大きいものでもドロップ率は変わりません」

 

アリシア「なら…召喚 三つ首!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ!

すると魔法陣から三つ首が召喚された。

 

雷首「よぅ嬢ちゃん!」

氷首「今度はなんだ?」

火首「助けに来たぜ嬢ちゃん!」

 

アリシア「雷首、氷首、火首。今からコウモリみたいなモンスターを倒すの。必要な素材を落とすらしいから落とすまで手伝ってくれないかな」

 

雷首「任せろ!」

氷首「俺がやってやる!」

火首「俺が燃やしてやる!!」

 

三つ首たちは何やらやる気があるみたいだった。

 

雷首「カァァァァァァァァァァァァッ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

三つ首のブレスはコウモリたちを一掃した。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

コウモリたちは一斉に消え去った。

 

ナギ「凄いね。効率いい」

 

コヨミ「これなら集まるかな?」

 

ポンッ!ポンッ!ポンッ!ポンッ!

すると消えたコウモリたちからそれぞれ素材が落ちてきた。

 

アリシア「お!見てみよ!」

 

スタスタスタスタ

アリシアは落とした素材を入手した。

 

アリシア「うーん…」

 

しかし邪悪な爪は手に入らなかった。

 

ナギ「なし…ですね」

 

アリシア「三つ首」

 

雷首「ん?」

氷首「ん?」

火首「ん?」

 

アリシア「もう1回お願いできないかな?」

 

雷首「任せろ!」

氷首「いいぞ!」

火首「おうよ!」

 

その後三つ首はブレスでコウモリたちを攻撃し続けた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「や…やっと…やっと取れた…」

 

アリシアはコウモリたちを約23体倒してようやく邪悪な爪を手に入れた。

 

コヨミ「中々時間かかったね」

 

ナギ「もしかしたらレア素材だったのかも…」

 

アリシア「でもこれで素材1つ手に入ったよ!次に行こう!」

 

スタスタスタスタ

アリシアたちは次の目的地に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…鉱石山

 

アリシアたちはオリハルコンを手に入れるために鉱石山に来ていた。ここはレア度の高い鉱石を手に入れることができる。

 

カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!

アリシア、コヨミ、ナギは鉱石採集のための道具を手にオリハルコンを採掘していた。

 

アリシア「中々見つからないねぇ」

 

コヨミ「オリハルコン…見つからない…」

 

ナギ「結構レア度高いかもね」

 

カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!

アリシアたちはとりあえず鉱石の塊をカンッ!カンッ!と掘っている。

 

アリシア「そういえばさ、聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

 

コヨミ「はい。何ですか?」

ナギ「?」

 

アリシア「オリハルコンってどんな見た目の鉱石なのかな」

 

コヨミ「!?」

ナギ「!?」

 

アリシア「私見たことないから分かんないの。2人は知ってる?」

 

アリシアはこれまで一度も鉱石を掘ったことがないからオリハルコンを知らなかった。むしろ今掘ってるところもテキトーにやってるだけであまりよく分かっていなかった。

 

ナギ「アリシアさん…オリハルコン知らないんですか?」

 

アリシア「え、あ、うん。ごめんね」

 

コヨミ「オリハルコンってこんなものですよ!」

 

コヨミはオリハルコンの画像を見せた。

 

アリシア「へぇーこんな鉱石なんだ。…ん?あれ?ほんとにこれがオリハルコン?」

 

コヨミ「はい。そうですよ」

 

アリシア「え、じゃあさっき見かけたよ?同じ色のやつ」

 

コヨミ「えっ!?」

ナギ「!?」

 

スタスタスタスタ

アリシアたちはその場所に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「ほら、これでしょ?」

 

アリシアは散らばった石の中でさっきの画像と同じ色の石を拾った。

 

コヨミ「え…本当だ…オリハルコンだ…」

 

ナギ「嘘…見せて」

 

コヨミはナギに石を渡した。

 

ナギ「本当だ…オリハルコンだ…」

 

アリシア「それやっぱりオリハルコン?」

 

コヨミ「はい…オリハルコンです…」

 

アリシア「やった!じゃあこれで2つ目ゲットだね!」

 

ナギ「す…すごい…結構レア度高いはずなのに…」

 

アリシア「そのオリハルコンはコヨミちゃんが持つ?」

 

コヨミ「あ、そうですね。私が持ってます」

 

ナギはコヨミにオリハルコンを渡した。

 

アリシア「えっとあとはなんだっけ?」

 

ナギ「破壊神の珠玉と鉄鋼魔神の装甲ですね」

 

アリシア「どっちの方が楽に取れるかなぁ」

 

コヨミ「名前的には鉄鋼魔神の装甲ですかね」

 

ナギ「実際そっちの方が楽だと思うよ。低レア素材だし」

 

アリシア「やった!じゃあ行こう!」

 

コヨミ「鉄鋼魔神は鉄鋼の扉って名前のダンジョンにいますよ。確か第一層にあるはずです」

 

アリシア「私たちがいるのは第二層だから1つ前のところだね。じゃあ行こう!」

 

スタスタスタスタ

アリシア、コヨミ、ナギは第一層 ダンジョン:鉄鋼の扉に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン:鉄鋼の扉

 

アリシアたちは鉄鋼の扉に到着した。その扉は大きくいかにも硬そうな見た目をしている。でも少し錆びている部分も見える。

 

アリシア「これ?鉄鋼の扉って」

 

コヨミ「そうです。この扉です」

 

ナギ「攻略した人の記事を見ると、この扉のボスは雷属性の攻撃に弱いみたいですよ。逆にそれ以外の属性は全て半減するらしいです」

 

アリシア「え、どういう事?」

 

アリシアはゲーム初心者のため、ゲーム用語を言われても分からない。

 

コヨミ「つまりですね、このダンジョンのボスモンスターは雷属性の攻撃だけよく効くってことです。他の属性だとあまり効かないということです」

 

アリシア「あーなるほど…でも雷属性かぁ…」

 

ピッピッピッピッ

アリシアは自分のステータス画面を開いて自分のスキルを見た。

 

アリシア「…ダメだ。ひとつもない…雷属性…」

 

コヨミ「私もないですね」

 

ナギ「私もです」

 

アリシア「え、じゃあ結構難しかったりするのかな…」

 

ナギ「いえ、無属性なら等倍なのでそれでいきましょう」

 

アリシア「無属性?」

 

コヨミ「属性がないただの攻撃になります。属性を含んだ攻撃よりも効率よくダメージを与えられますよ」

 

アリシア「やった!じゃあそれでいこう!」

 

コヨミ「はい!」

 

スタスタスタスタ

アリシアたちは鉄鋼の扉に入った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…鉄鋼の扉 最下層

 

鉄鋼の扉は入るとすぐに広い空間に出る。そのため迷うこともないし、道中でHPやMPの消費もない。第一層のダンジョンはこのようなダンジョンが多い。

 

アリシア「あれ、もう着いたの?さっき入ったばかりだけど」

 

ナギ「第一層のダンジョンはこういうものが多いですよ。第二層から道中も長くなります」

 

アリシア「へぇ、あんまり気にしなかった」

 

アリシアたちは広い空間に入った。

 

コヨミ「わ…大きい…」

 

その広い空間には何やら大きな機械みたいなものが置いてあった。

 

アリシア「これは?」

 

ナギ「これがこのダンジョンのボスモンスターです。名前は鉄鋼魔神です」

 

ピピピッ…ドゥンドゥンドゥンドゥン…

すると目の前の機械は奇怪な音を立て始めた。

 

鉄鋼魔神「侵入者…侵入者…」

 

ガコガコガコガコガコ!

その機械はその大きな体を起こしてアリシアたちと向き合った。

 

アリシア「お、大きい…」

 

鉄鋼魔神の体はアリシアたちの何倍もの大きさになっている。

 

鉄鋼魔神「我…侵入者…排除スル…命令…」

 

ガコン!ガコガコガコガコガコ!

鉄鋼魔神は大きな手を挙げた。

 

ナギ「アリシアさん!コヨミ!武器を装備して!」

 

コヨミ「うん!」

アリシア「あ、うん!」

 

ガシャン!

ナギは太陽の斧(片手斧)と光の盾を装備した。

 

スッ…ゴンッ!

コヨミは天魔神の斧(両手斧)を装備した。

 

スッ…カチャ…

アリシアはツムガリ(刀)を装備した。

 

鉄鋼魔神「武器…視認…攻撃対象…」

 

ブゥン!ドゴォォォォォォン!!

鉄鋼魔神は挙げた手を一気に振り下ろした。

 

コヨミ「よっ!」

 

ビュン!

コヨミは鉄鋼魔神の攻撃を避けて鉄鋼魔神の顔あたりまで飛び上がった。

 

コヨミ「やぁっ!」

 

ゴォン!!

コヨミの攻撃は鉄鋼魔神に命中した。鉄鋼魔神はコヨミの攻撃で大きく仰け反った。

 

スタッ!

コヨミは綺麗に着地した。

 

ガコン!ガコン!ガコン!

鉄鋼魔神は体勢を立て直した。

 

ピカッ!

すると鉄鋼魔神の目が光った。

 

ブゥン!

するとアリシアたちの足元に魔法陣が展開された。

 

アリシア「!!」

コヨミ「!!」

 

ナギ「聖騎士の守り!」

 

ガシャン!

アリシアたちに結界が展開された。

 

ドォン!

その直後に魔法陣から火柱が上がった。

 

ナギ「ふぅ…間一髪でしたね」

 

アリシア「ありがとうナギちゃん!」

 

コヨミ「よしっ、もう1回行きます!」

 

ビュン!

コヨミは天魔神の斧を構えて接近した。

 

アリシア「スザク!四獣剣技 夜桜乱撃!」

 

スザク「承知!」

 

ビュン!タッタッタッタッ!

スザクはコヨミの後を追って敵に接近した。

 

アリシア「召喚 ムクロ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ!

アリシアの目の前に展開された魔法陣からムクロが姿を現した。

 

ムクロ「…」

 

アリシア「ムクロ!あの大きなモンスターをやっつけるの手伝って!」

 

ムクロ「あぁ」

 

カチャ…

ムクロは刀を構えた。

 

ムクロ「任せろ」

 

ビュン!

ムクロも敵に接近した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

コヨミ「やぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

ゴォン!!

コヨミは鉄鋼魔神の足を攻撃した。

 

鉄鋼魔神「…」

 

グラッ…

鉄鋼魔神はバランスを崩した。

 

スザク「四獣剣技 夜桜乱撃!!」

 

ズシャシャシャシャシャシャシャシャ!

続けてスザクが攻撃を入れていく。

 

コヨミ「!」

 

コヨミはスザクの剣技に驚いていた。

 

ムクロ「死の告知(アブズ・ギブズ)

 

ズシャッ!ブゥゥゥゥゥゥゥン…

鉄鋼魔神にかかっているバフが全て消失した。

 

鉄鋼魔神「熱探知」

 

ピッピッピッピッ…

鉄鋼魔神はスザクたちの体温を感知し、ロックオンした。

 

鉄鋼魔神「裁キノ矢」

 

ブゥン!ブゥン!ブゥン!ブゥン!ブゥン!

鉄鋼魔神の頭上に複数の魔法陣が展開された。

 

ドドドドドドドドドドドドド!

するとその魔法陣から光属性の矢が放たれた。

 

スザク「なっ!」

コヨミ「嘘っ!?」

ムクロ「くっ…」

 

ドスドスドスドスドスドスドス!

鉄鋼魔神の裁キノ矢はコヨミたちに命中した。

 

コヨミ「うぐっ!がっ!」

 

スザク「くっ…この攻撃…」

 

ムクロ「この程度…」

 

アリシア「コヨミちゃん!スザク!ムクロ!」

 

ナギ「聖騎士の守り!」

 

ガシャン!

アリシアたち全員に結界が展開された。

 

コヨミ「うっ…くっ…」

 

コヨミは今の攻撃で体力が大幅に削られた。

 

スザク「中々やりますね…」

 

スザクもダメージを受けているが、特性:パートナーの影響でやられることはない。しかしそれでも裁きの矢の威力が高いため、身動きが取れなかった。

 

ムクロ「くっ…死の存在である俺では今の攻撃は耐えきれん…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ムクロは自分がやられるのを防ぐため、一旦戦線離脱した。

 

アリシア「ムクロ!」

 

ナギ「挑発!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!

鉄鋼魔神の攻撃は全てナギに向けられた。

 

鉄鋼魔神「破壊ノ閃光」

 

キラッ!

鉄鋼魔神の目が光った。

 

バゴン!バゴン!バゴン!バゴン!バゴン!

するとナギのいる場所が突然爆発した。

 

ナギ「くっ…」

 

ピシッ…パリン!

するとナギと近くにいたアリシアの結界が破壊された。

 

アリシア「えっ!」

 

鉄鋼魔神「破壊ノ閃光」

 

キラッ!

鉄鋼魔神の目が光った。

 

スザク「主様!」

 

ガシッ!

スザクはアリシアを抱えてその場から離れた。

 

アリシア「わっ!」

 

ナギ「!」

 

アリシア「待って!待ってスザク!ナギちゃんが!」

 

バゴン!バゴン!バゴン!バゴン!バゴン!

アリシアが離れた瞬間、ナギは爆発に巻き込まれてしまった。

 

アリシア「ナギちゃん!!」

 

コヨミ「!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

爆発後、煙が晴れるとそこにいたナギは地面に倒れていた。

 

スザク「くっ…今の攻撃は危ないです」

 

アリシア「そんな…ナギちゃん…」

 

コヨミ「魔神化!!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!

コヨミの攻撃力とスピードが2倍になった。

 

アリシア「コヨミちゃん!」

 

コヨミ「天魔神の一撃!!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

コヨミは渾身の一撃を放った。

 

バゴン!バゴン!バゴン!バゴン!バゴン!

するとあまりの高威力に鉄鋼魔神の体の一部が欠けた。

 

ドシィン!

鉄鋼魔神は体勢を崩した。

 

ピピピッ…

鉄鋼魔神はコヨミの位置を探った。

 

ピピッ!

やがてコヨミの位置を割り出すことができた。コヨミは鉄鋼魔神の上にいた。

 

コヨミ「天魔神の一撃!!」

 

ドゴォォォォォォン!!

コヨミは更に攻撃を重ねた。

 

バキバキッ!!

鉄鋼魔神の体が更に壊れていく。

 

鉄鋼魔神「活動限界域突入…コレ以上ノ活動ハ不可能ト判断」

 

コヨミ「天魔神の一撃!!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

コヨミは容赦なく攻撃する。

 

バキッ!!バゴン!バゴン!バゴン!

鉄鋼魔神の体がどんどん壊されていく。

 

鉄鋼魔神「コノ命…敵ノ命ト共ニ終エル…」

 

ジジジ…バリバリバリバリ!

鉄鋼魔神の心臓部が熱を帯び始めた。

 

鉄鋼魔神「諸共滅ブガイイ…」

 

コヨミ「天魔神の一撃!!」

 

ドゴォォォォォォン!!

コヨミは鉄鋼魔神の自爆行為に臆せず攻撃し続ける。

 

バキッ!!

その時、鉄鋼魔神の自爆プログラムがエラーを起こした。

 

鉄鋼魔神「自爆…エラー…コレハ…」

 

コヨミ「天魔神の一撃!!」

 

ドゴォォォォォォン!!

コヨミは最後の一撃を放った。

 

鉄鋼魔神「アリ…エナ…イ…」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン…

鉄鋼魔神は機能停止した。

 

コヨミ「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

コヨミの魔神化の効果が切れた。

 

アリシア「す…すごいコヨミちゃん…」

 

スザク「…」

 

スザクは何も言わずコヨミを見ていた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

鉄鋼魔神との戦いのあとしばらくしてナギとコヨミが動けるようになったので素材を回収することにした。

 

アリシア「えっと…鉄鋼魔神の装甲だよね。というかどれが装甲?これ全部?」

 

鉄鋼魔神が倒されたことでアリシアたちは鉄鋼魔神の体の大部分を素材として回収することができる。

 

ナギ「あ、装甲ならもう回収したので問題ないですよ」

 

アリシア「あ、そうなんだ。ありがとう!」

 

ナギ「でももったいないので全部回収しちゃいましょう」

 

アリシア「うん!」

 

アリシアたちは全ての素材を回収した。

 

アリシア「よしっ!これで素材3つ目だね!」

 

ナギ「あと1つ。破壊神の珠玉」

 

コヨミ「結構レア度高そうな名前だね」

 

ナギ「実際レア度高いよ。でも特定の場所を攻撃し続けるとたまにドロップするらしい」

 

アリシア「へぇ、破壊神の珠玉ってどこにあるの?」

 

ナギ「それなら…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…破壊神の祠

 

アリシアたちはナギの案内で破壊神の祠に来ていた。

 

アリシア「こ…ここ?」

 

ナギ「はい。ここは破壊神の祠と言います。破壊神の斧の素材になるモンスターがいます」

 

アリシア「へ、へぇ…」

 

ナギ「行きましょう。これで最後です」

 

スタスタスタスタ

ナギたちは破壊神の祠に入った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…破壊神の祠 最深部

 

破壊神の祠は入ればすぐにボスモンスターが出現するタイプのダンジョン。そのため道中で無駄にHPやMPを消費することは無い。

 

ザッザッザッザッ…

ナギたちは最深部にたどり着いた。

 

ナギ「ここですね」

 

そこにはいつも宝箱が出現する祭壇に大きな石像がある以外普通のダンジョンと何も変わらなかった。

 

アリシア「あれは?あの石像?みたいなやつ」

 

ナギ「あれが破壊神の斧の素材になるモンスターです」

 

キィィィィィィィ…

するとその石像が怪しく光り出した。

 

アリシア「わっ!なんか光ったよ!」

 

バキッ!!バキッ!!バキッ!!

するとその石像が一気に砕けて中からモンスターが現れた。

 

???「…ほう。人間か」

 

現れたのは身長170cmくらいの男性だった。白い体色で胸元には赤く光る宝玉を埋め込んだネックレスをしている。

 

アリシア「わ、わぁ…男の人が出た…」

 

ナギ「あれがボスモンスターです」

 

コヨミ「すごい…」

 

ソドム「私は破壊神ソドム。私の領域に足を踏み入れた愚か者よ。私の斧でその命を終えるがいい」

 

ブゥン!

破壊神ソドムは斧を召喚した。

 

ナギ「いきますよアリシアさん、コヨミ。ここからは全力です」

 

アリシア「うん!」

 

コヨミ「よしっ。やるよ!」

 

ガンッ!

コヨミは天魔神の斧を装備した。

 

カチャ

アリシアはツムガリを装備した。

 

カチャカチャ

ナギは太陽の斧と光の盾を装備した。

 

ソドム「ほう。見せてみろ。人間の抗いを!」

 

ズォォォォォォォ…

ソドムの斧が黒いオーラを纏った。

 

コヨミ「先、行きます!」

 

タッタッタッタッ!

コヨミはソドムに接近した。

 

ソドム「来るか人間。覚悟しろ」

 

ビュン!

ソドムはコヨミとの距離を一気に詰めた。

 

コヨミ「!?」

 

ソドムは一瞬でコヨミの目の前に現れた。

 

ソドム「まずは1人だ」

 

ガンッ!ドゴォン!

ソドムはコヨミを攻撃した。しかしコヨミは素早い反応速度でソドムの攻撃を防いだ。

 

ソドム「!」

 

コヨミ「あっぶな…」

 

ソドム「やるではないか人間。いい勘をしている」

 

コヨミ「それはどうも!」

 

ナギ「灼熱太陽(サン・フレイム)!」

 

ゴォォォォォォォォォォ!

ナギは頭上に太陽を召喚してソドムに向けて放った。

 

ソドム「むっ…」

 

ソドムはそれに気づいた。

 

ソドム「今の人間は太陽を出せるのか…」

 

ガンッ!ドゴッ!

ソドムはコヨミの斧を弾いて蹴りを入れた。

 

コヨミ「あがっ!」

 

ヒュゥゥゥゥ…ズサァァァァァァ!

コヨミは少し吹っ飛ばされた。

 

ソドム「私が破壊神と呼ばれている理由を教えてやろうか」

 

スッ…

ソドムは太陽に掌を向けた。

 

ソドム「…フフッ」

 

ギュッ!

そして拳を握った。

 

バゴォォォォォォォォン!!

するとナギが出した太陽が跡形もなく消え去った。

 

ナギ「!?」

コヨミ「!!」

 

アリシア「えっ…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

破壊神ソドムの手から煙が出ていた。

 

ソドム「ふむ。少し熱いな。流石は太陽」

 

ナギ「そんな…太陽が…」

 

ソドム「太陽を出すのはお前か人間」

 

ナギ「!」

 

ソドムはナギを見ていた。

 

ソドム「中々いい攻撃だ。だが相性が悪い」

 

ナギ「っ…」

 

ソドム「お前の太陽は強いが遅い。さっきみたいに私に攻撃の準備時間があれば簡単に突破される。考えて攻撃しろ」

 

ナギ「…くっ」

 

アリシア「召喚 三つ首!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ!

三つ首が召喚された。

 

雷首「ガッハハハハハハ!」

氷首「喚ばれたぞぉ!」

火首「違ぇよ!俺を呼んだんだよ!」

 

ソドム「ん?なんだあれは」

 

アリシア「三つ首!あの人をやっつけて!」

 

雷首「嬢ちゃんの頼みならやってやる!」

氷首「任せろ嬢ちゃん」

火首「俺が燃やしてやるよ」

 

ビュン!ドシン!

三つ首はソドムの前に着地した。

 

ソドム「…ふむ。妖怪か」

 

雷首「お前が嬢ちゃんを脅かす輩か」

氷首「ふざけるのも大概にしろよ」

火首「燃やすぞコラ」

 

ソドム「で、君は何をするのかな」

 

雷首「俺たちが何をするかだって?」

氷首「そんなの決まってら」

火首「てめぇの顔をグチャグチャにするんだよ」

 

ビュン!

三つ首は宙に浮いた。

 

雷首「カァァァァァァァァァァァァッ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

三つ首のブレスはソドムを捉えた。

 

ズサァァァァァァ!

ソドムは三つ首のブレスで吹き飛ばされた。

 

ソドム「くっ…ブレスか…鬱陶しい」

 

コヨミ「やぁぁぁぁぁっ!」

 

ソドム「!」

 

ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!

コヨミはソドムに攻撃した。しかしソドムはコヨミの攻撃を全て受け流した。

 

コヨミ「くっ…魔神化!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

コヨミの攻撃力とスピードが2倍になった。

 

コヨミ「天魔神の一撃!」

 

ドゴォォォォォォン!!

コヨミはソドムに攻撃した。ソドムは攻撃をガードしたが、少し吹き飛ばされた。

 

ソドム「なっ…今の攻撃…」

 

ソドムはダメージを受けてないにもかかわらず少し力が抜けたような感じがした。

 

ソドム「くっ…こいつも油断できねぇな」

 

アリシア「スザク!四獣剣技 夜桜乱撃!」

 

ビュン!

スザクはソドムの目の前に現れた。

 

ソドム「…んっ?」

 

スザク「はぁっ!」

 

ズシャシャシャシャシャシャシャシャ!

スザクはソドムを攻撃した。

 

ソドム「なっ…」

 

スタッ!

スザクは綺麗に着地した。

 

ソドム「こいつ…速いな…」

 

アリシア「召喚 マエラテ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ!

アリシアの目の前にマエラテが召喚された。

 

マエラテ「出てきてツクヨミ」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ!

更にマエラテの前にツクヨミが召喚された。

 

マエラテ「ツクヨミ、月楼」

 

ツクヨミ「…」

 

スッ…バゴォォォォォォォォン!!

ツクヨミはソドムに掌を向けて月楼を放った。

 

ソドム「くっ…!」

 

ビュン!

ソドムはツクヨミの攻撃を避けた。

 

スザク「あなたも遅いですね」

 

ソドム「!」

 

ソドムが避けた先にスザクが現れた。

 

ドゴォン!

スザクはソドムを蹴り上げた。

 

ソドム「がはっ!」

 

雷首「カァァァァァァァァァァァァッ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

バゴォォォォォォォォン!!

続けて三つ首のブレスが命中した。

 

ヒュゥゥゥゥ…ドゴォン!

ソドムは地面にたたきつけられた。

 

ソドム「くそっ…この私がっ…」

 

アリシア「コハク!やっちゃって!」

 

コハク「 (。-`ω´-) 」

 

ビュン!

アリシアはいつの間にかコハクを召喚していた。

 

ソドム「人間どもに遅れを取るなど…」

 

ビュン!

地面に横たわっているソドムの目の前にコハクが現れた。

 

コハク「 (`・ω・´) 」

 

ソドム「!」

 

ググッ…

コハクは拳を握った。

 

コハク「 (っ`ω´c) 」

 

ドゴォォォォォォン!!

コハクはソドムに攻撃した。

 

ヒュォォォォォォォォ…

ソドムの周囲に煙が立ちこめる。

 

アリシア「っ…」

 

アリシアたちはその様子をじっと見つめる。

 

ビュン!スタッ!

煙の中から出てきたコハクはスザクの隣に着地した。

 

スザク「…やったのですか」

 

コハク「 ( ; ˘-ω-) 」

 

ソドム「この…私が…」

 

ジリッ…

ソドムはゆっくりと立ち上がった。

 

スザク「まだ倒せてないですね」

 

コハク「 ( ´•̥ω•̥`) 」

 

ソドム「この…私が…私がぁ!」

 

ズォォォォォォォ!

ソドムは黒いオーラを纏った。

 

ソドム「がぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

ビュン!

ソドムが黒いオーラに支配されていく時、1人接近する人の影があった。

 

コヨミ「天魔神の一撃!!」

 

ドゴォォォォォォン!!

それはコヨミだった。コヨミはソドムの背後をとって渾身の一撃を放った。

 

ソドム「な…んだとっ…私が…」

 

ジュワァァァァァァァ…

ソドムはその場から消え去った。

 

コヨミ「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 

ガコッ!

祭壇に宝箱が出現した。

 

アリシア「やったぁ!倒した!やったぁ!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア、コヨミ、ナギは一旦集まることにした。

 

アリシア「やったねコヨミちゃん!」

 

コヨミ「はい!」

 

ナギ「あとは素材が出るかどうか…」

 

アリシア「お願い!出てきてください!」

 

ガコッ!

アリシアは宝箱を開けた。

 

音声「破壊神の珠玉×2、破壊神の魔力の欠片を手に入れました」

 

アリシア「わっ!2個出たよ!」

 

コヨミ「!!」

ナギ「!?」

 

アリシア「やった!これで全部揃った!」

 

ナギ「アリシアさん…すごい運がいいですね…」

 

アリシア「いやぁそれほどでもぉ」

 

コヨミ「やった…これで…全部…」

 

アリシア「ねぇコヨミちゃん!」

 

コヨミ「はい!」

 

アリシア「早く帰ろっか!」

 

コヨミ「はい!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ!

魔法陣が展開された。

 

アリシア「よしっ!帰ろう!」

 

シュッ!シュッ!シュッ!

アリシアたちはギルド:宿り星に戻った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ギルド:宿り星

 

アリシア「カミラさーん!ただいま帰りましたー!」

 

スタスタスタスタ

するとカミラが姿を現した。

 

カミラ「おかえりアリシア。素材は集まったかい?」

 

アリシア「はい!全部!」

 

ゴトッ…ゴトッ…ゴトッ…ゴトッ…

アリシアは得た素材を全て出した。

 

カミラ「うん。これだけあれば十分よ」

 

コヨミ「やった…よかったぁ…」

 

カミラ「でもあとできっちりとお代はいただくからね」

 

コヨミ「はい!」

 

カミラ「さて、私はこの素材で武器を作ってみるわね」

 

アリシア「はい!お願いします!」

 

コヨミ「お願いします!!」

 

スタスタスタスタ

カミラは素材を持って部屋の奥に入っていった。

 

アリシア「さて、とりあえず私たちは休憩しよう!」

 

コヨミ「はい!」

ナギ「はい!」

 

アリシア「じゃあ武器ができるまで自由時間!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

あれから結構時間がかかったので3人は休憩することにした。

 

アリシア「スゥーッ…スゥーッ…スゥーッ…」

コヨミ「スゥーッ…スゥーッ…スゥーッ…」

ナギ「スゥーッ…スゥーッ…スゥーッ…」

 

ガチャ

突然ギルドの扉が開いた。

 

ロザリー「ただいま帰りましたー!」

 

ロザリーがクエストから帰ってきた。

 

ロザリー「アリシアー?いるー?っと…」

 

ロザリーはソファで寝ているアリシアたちを見つけた。

 

ロザリー (疲れてるのかな?寝ている姿を見るのは初めてだなぁ)

 

スタスタスタスタ

するとカミラが破壊神の斧を作り終えてアリシアたちを呼びに来た。

 

カミラ「おや、ロザリーじゃないか」

 

ロザリー「カミラさん。すごい斧ですね」

 

カミラ「ん?まぁね。コヨミがイベントで使ってたら壊れたって言ってたから直してたんだ。というか3人とも寝てるのね」

 

ロザリー「ですね」

 

カミラ「うーん…起こしてあげたいけど今は寝かせてあげようかな」

 

ロザリー「そうですね」

 

カミラ「さて、最終調整して時間を潰そうかしら」

 

スタスタスタスタ

カミラは破壊神の斧の最終調整に入った。

 

ロザリー (私も少し休もうかな)

 

ロザリーは別のソファで休むことにした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ロザリーが帰ってきてしばらくするとアリシアが目を覚ました。

 

アリシア「ん…んー…」

 

アリシアは目を擦りながら起きてきた。

 

アリシア「あれ、寝ちゃったのかな…」

 

ゴソゴソ…

アリシアは隣で寝ているナギとコヨミに気づいた。

 

アリシア (あはは…3人で寝てたんだ)

 

アリシアは周囲を見渡した。すると近くのソファで寝ているロザリーに気づいた。

 

アリシア (ロザリーも寝てる。ふふっ…平和だなぁ)

 

スタスタスタスタ

カミラが破壊神の斧を持って部屋から出てきた。

 

カミラ「お、起きてるね。アリシア」

 

アリシア「あ、カミラさん。斧、できたんですね」

 

カミラ「あぁ。でもこの斧凄いね。私が作ったけどそれ以前に力を感じる。なんだろう…この斧」

 

アリシア「んー…それに関してはコヨミちゃんに聞いた方がいいですね」

 

コヨミ「ん〜…」

 

するとコヨミが起きてきた。

 

アリシア「あ、起きたねコヨミちゃん」

 

コヨミ「はい…おはようございます…」

 

アリシア「武器できたらしいよ」

 

コヨミ「!!」

 

それを聞いたコヨミは一瞬で目が覚めた。

 

カミラ「ほら、作ったよ」

 

タッタッタッタッ!

コヨミはすぐにカミラのところまで走った。

 

コヨミ「すごい!やった!ありがとうございますカミラさん!」

 

ナギ「ん…ん〜…」

ロザリー「…ん?」

 

コヨミが騒いでいるとナギとロザリーが起きてきた。

 

コヨミ「ん〜!」

 

コヨミはカミラから破壊神の斧を受け取ると強く握りしめた。

 

カミラ「代金はメモしてあるからあとでね」

 

コヨミ「はい!」

 

ナギ「うるさいなぁ…」

 

アリシア「ごめんねナギちゃん。コヨミちゃんの武器が完成したらしくてコヨミちゃんが大騒ぎしてるの」

 

ナギ「あ、武器できたんですね。よかったです」

 

ロザリー「おはようアリシア」

 

アリシア「あ、ロザリーも起きたの?」

 

ロザリー「うん」

 

コヨミ「〜♪〜♪」

 

コヨミは自分の武器が直って上機嫌だった。

 

ロザリー「どうやら武器が完成したみたいね」

 

アリシア「うん。コヨミちゃんすごく嬉しそう」

 

ロザリー「よかったねコヨミちゃん。あ、そうだアリシア」

 

アリシア「ん?」

 

ロザリー「少し前にアリシア宛にメール来てたよ」

 

アリシア「え?そうなの?」

 

ピッピッピッピッ

アリシアはメールを開いた。しかしメールには何も表示されなかった。

 

アリシア「あれ、ないよ?」

 

ロザリー「あ、アリシア宛のメールが私のところに届いたの」

 

アリシア「え、なんで?」

 

ロザリー「間違えて送ったのかな?とりあえず読むね」

 

ピッピッピッピッ

ロザリーはメールを開いた。

 

ロザリー「アリシアへ。第二層 天上の間にてあなたを待つ。あなたの全てを以て私を打ち負かし、その力を示しなさい。だって」

 

アリシア「な、なんか怖いね」

 

ロザリー「果たし状?ってやつかな」

 

アリシア「誰からの?」

 

ロザリー「分かんない。名前が無い」

 

ナギ「文は良いのに送る相手を間違えてるのは恥ずかしいですね」

 

アリシア「あはは…」

 

ロザリー「それにしても天上の間ねぇ」

 

アリシア「そういえばそれってどこにあるの?」

 

ロザリー「天空の闘技場が別名で天上の間って呼ばれてるの。だからそこに行けばわかると思う」

 

アリシア「分かった。そういえば日にちとか書いてない?いつ集合にするとか」

 

ロザリー「書いてないね」

 

アリシア「えぇ…」

 

ナギ「不足部分が多いですね」

 

アリシア「だね」

 

ロザリー「まぁ行ってみてもいいんじゃないかな。私も気になるし」

 

アリシア「うーん…分かった…行ってみる」

 

こうしてアリシアは謎のメールに従って天空の闘技場(別名:天上の間)に向かうことにした。




〜物語メモ〜

破壊神の斧の素材
破壊神の珠玉×1
鉄鋼魔神の装甲×1
オリハルコン×1
邪悪な爪×1
修理費:80万(カミラはしっかり請求しました)

場所…鉱石山
レア度の高い鉱石が手に入る場所。ある程度の鉱石はこの場所で採掘できる。

ダンジョン:鉄鋼の扉
ボスモンスター:鉄鋼魔神がいるダンジョン

鉄鋼魔神
鉄鋼の扉のボスモンスター。お城のように大きな体を持つ機械。言葉は話せるが、それほど上手ではない。主な攻撃は大きな手で押し潰したり、魔法陣から火柱や光属性の矢を放つ。熱探知を使って見えない相手を探すこともできる。

鉄鋼魔神の技(名前があるもののみ)
熱探知…見えない相手を熱で探知する技
裁キノ矢…頭上に魔法陣を展開して無数の光属性の矢を放つ
破壊ノ閃光…対象者の足元を爆発させる

破壊神の祠
破壊神ソドムがいる祠

破壊神ソドム
破壊神の祠にいるボスモンスター。身長170cmくらいの男性。白い体色に胸元には赤く光る宝玉を埋め込んだネックレスをしている。

新登場武器
ナギ
名前:太陽の斧(片手斧)
スキル:灼熱太陽(サン・フレイム)

天空の闘技場
第二層にある闘技場。別名:天上の間と呼ばれており、よくプレイヤーたちの決闘に使われる。


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第23話 ある者からの挑戦状

場所…第2層 天空の闘技場(天上の間)

 

アリシア「ここが天上の間?ってやつ?」

 

ロザリー「そうね」

 

そこは天空に浮かぶ闘技場。入るには特定の魔法陣による転送が必要。アリシアたちはその魔法陣で天空の闘技場に入った。

 

アリシア「にしても広いね。流石は闘技場」

 

ザッザッザッザッ…

アリシアたちが闘技場の舞台に入るとその中央には1人の女性が立っていた。その女性はアリシアたちとは反対の方を見ている。見た目は長い黒髪に白い鎧を着た人だった。

 

アリシア「?」

 

ロザリー「あの人がメールを送ってきた人かな」

 

アリシア「そうっぽいよね」

 

ザッザッザッザッ…

アリシアたちはその女性に近づいた。

 

アリシア「あ、あのー…」

 

???「…来たのか」

 

ザッ…

その女性はアリシアたちの方に振り向いた。

 

アリシア「あなたがメールを送ってきた人ですか?」

 

???「…そうだ。読んでくれたか」

 

ロザリー「いや、読んだのは私。私の方にメールきたから」

 

???「…それはおかしい。あなたがアリシアではないのか?」

 

ロザリー「私はロザリー。アリシアはこっち」

 

そう言ってロザリーはアリシアを指さした。

 

???「…そうか。それはすまない。人違いだった」

 

ロザリー「で、用があるのは私?」

 

???「いや、用があるのはアリシアだ。君ではない」

 

ロザリー「そ、ならどうするの?」

 

???「どうするもなにも、それはメールに書いたはずだ」

 

ロザリー「…戦闘ってことね」

 

???「そうだ」

 

ロザリー「…アリシア。頑張ってね」

 

アリシア「え、あ、うん」

 

ロザリーはアリシアから離れた。

 

???「…さて、来てくれたということは戦いに応じてくれたということでいいのね?」

 

アリシア「えっと…はい」

 

???「…なら」

 

チャキッ…カンッ!

???は剣を抜いて地面に突き刺した。

 

ミオレーネ「私の名はミオレーネ。お前を倒す騎士の名前だ!」

 

アリシア「私の名前はアリシア!あなたを倒す魔物使いの名前です!」

 

ミオレーネ「いくぞアリシア!」

 

ダッ!!

ミオレーネは剣を持って地面を蹴った。

 

アリシア「スザク!」

 

スザク「はっ!」

 

ダッ!!

アリシアの声に反応してスザクが前に出た。

 

ミオレーネ「!」

 

キィン!ギリギリギリギリ!

ミオレーネの剣とスザクの剣がぶつかり合う。

 

スザク「主様のお手を煩わせるわけにはいきません。あなたなら私で十分です」

 

ミオレーネ「くっ…!」

 

ヒュッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!

ミオレーネはスザクの剣を弾いて攻撃したが、スザクは余裕で応戦する。

 

ミオレーネ「はぁっ!」

 

ガンッ!!

ミオレーネは大きく剣を振った。

 

スザク「その程度の力っ!」

 

キィン!キィン!カンッ!キィン!キィン!

スザクは素早い連続攻撃をする。

 

ミオレーネ「そんな弱い攻撃…いくら受けても効かん!」

 

スザク「ならこれはどうですか」

 

キィン!

スザクは2本の短剣を構えた。

 

スザク「四獣剣技 夜桜乱撃!」

 

ビュン!ズシャシャシャシャシャシャシャシャ!!

スザクはミオレーネをすれ違いざまに切り刻んだ。

 

ミオレーネ「なにっ…!?」

 

スザク「はぁっ!」

 

キィィィン!!

スザクは立て続けに攻撃を入れる。しかしミオレーネはスザクの攻撃を受けてもすぐに次の攻撃に対応した。

 

スザク「あなた、やりますね」

 

ミオレーネ「これでも私は騎士だ。大事な人を守るための訓練なら死ぬほどやってきた!」

 

キィィィン!!

ミオレーネはスザクの剣を弾いた。

 

スタッ!

スザクは少し後ろに着地した。

 

スザク「…」

 

ミオレーネ「私は誰にも屈しない!誰にも負けない!私はお前たちを倒してそれを証明する!」

 

スザク「…愚かな」

 

アリシア「スザクー!頑張れぇぇぇぇ!!」

 

音声「特性:応援が発動しました。スザクのステータスが上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!

スザクのステータスが上昇した。

 

ミオレーネ「!!」

 

スザク「さて、どうしますか」

 

ミオレーネ「ここで厄介なのはアリシアの存在だ。奴がいる限りお前はどんどん強くなるだろう」

 

スザク「…」

 

ミオレーネ「そうなれば狙うはひとつ…」

 

スザク「!!」

 

ダッ!!

ミオレーネはアリシアの方に接近した。

 

アリシア「!!」

 

ミオレーネ「やはり複数の敵と相手するならサポーターを先に潰しておくべきね」

 

ギィィィィン!!

スザクはなんとか食い止めた。

 

スザク「敵を目の前にして背を向けるとは…」

 

ミオレーネ「主とやらを倒せばお前も一緒に消えるんだろう?」

 

スザク「なるほど。あなたは私に勝てないことを悟って主様を攻撃することにした…と」

 

ミオレーネ「いいや、この戦闘において私はアリシアを倒すのが目的だ。お前ではない」

 

スザク「主様を倒すのなら私たちを倒していきなさい。私は主様の手足。主様を守るために存在している」

 

ミオレーネ「…そうか」

 

キィン!

ミオレーネはスザクの剣を弾いた。

 

ミオレーネ「ならそうしようか」

 

ググッ…

ミオレーネは剣を強く握った。

 

ミオレーネ「いくぞ」

 

キィン…

スザクは短剣を構えた。

 

スザク「えぇ。いつでも」

 

ビュン!

2人はほぼ同時に動いた。

 

ミオレーネ「はぁっ!」

スザク「はぁっ!」

 

キィィィン!!

ミオレーネとスザクはめいっぱい力を込めて攻撃した。

 

アリシア「スザク…」

 

キン!キン!キン!キン!キン!キン!キン!

スザクとミオレーネの攻撃はどんどん速くなり、アリシアの目では追いかけられないくらいになった。

 

ミオレーネ「くっ…」

 

スザク「…」

 

キン!キン!キン!キン!キン!キン!

ミオレーネは途中までスザクの攻撃についていってたが、スザクの攻撃速度には追いつくことができず、徐々に押されていった。

 

アリシア「スザク!四獣剣技 夜桜乱撃!」

 

スザク「はいっ!」

 

音声「特性:命令が発動しました。次の攻撃が1.2倍されます」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!

スザクの四獣剣技 夜桜乱撃の威力が上昇した。

 

スザク「四獣剣技 夜桜乱撃!」

 

キン!ズシャシャシャシャシャシャシャシャ!

スザクはミオレーネを攻撃した。

 

ミオレーネ「がはっ!」

 

ドサッ!

ミオレーネは膝をついた。

 

ミオレーネ「くっ…」

 

スザク「さて、どうしますか。結果は見えてますよ」

 

ミオレーネ「私は…主様を守る…騎士…」

 

スザク「1つ聞きますね」

 

ミオレーネ「…」

 

スザク「あなた、モンスターですよね」

 

ミオレーネ「!!」

 

スザク「それも私と同じ…かつて人と生きた魔物」

 

ミオレーネ「…」

 

スザク「あなたが戦う理由は何」

 

ミオレーネ「…主様を守るため」

 

スザク「そう。私も同じ。私を生かしてくれた主様を守るため。あなたと私は同じ存在」

 

ミオレーネ「…」

 

スザク「あなたがここで戦うと言ったのはなぜ」

 

ミオレーネ「…教えん」

 

スザク「…そう。でも私があの場所にいた理由と同じかもね」

 

ミオレーネ「…?」

 

スザクはアリシアと初めて会った場所を思い出していた。

 

スザク「…さて、そろそろ終わらせましょうか。本気でしないとあなた…負けますよ」

 

ミオレーネ「っ…」

 

キン!

スザクは短剣を構えた。

 

スザク「構えなさい。あなたが主様を守るのであれば私に剣を向けなさい」

 

ミオレーネ「っ…」

 

ザッ…

ミオレーネは立ち上がって剣を構えた。

 

スザク「…いきます」

 

ビュン!

スザクはミオレーネに接近した。

 

ミオレーネ (主様…私に…最後の力を!)

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

ミオレーネの剣が黄色く光った。

 

スザク「四獣剣技 夜桜乱撃!!」

ミオレーネ「天地を断つ聖剣(エクスカリバー)!!」

 

バゴォォォォォォォォォォン!!

2人の剣技が衝突した。その瞬間、爆発とともに衝撃波が広がった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

爆発の後、辺りに煙が立ち込める。2人の姿は煙によって遮られていた。

 

アリシア「スザク…」

 

アリシアはスザクのことが心配だった。そんな中、少しずつ煙が晴れると2人の姿が徐々に見えてくるようになった。

 

スザク「…」

 

スザクは立っていた。

 

アリシア「スザク!」

 

ミオレーネ「…」

 

しかしミオレーネも立っていた。

 

スザク「…やればできるじゃないですか。あなた」

 

ミオレーネ「…ははっ」

 

スザクの左半身はほぼ蒸発していた。スザクは右足だけで自分の体を支えている。

 

アリシア「スザク!!」

 

ミオレーネ「…あなたも…さすがで…」

 

ドサッ!

ミオレーネは地面に倒れた。ミオレーネの右足にはスザクの短剣が突き刺さっていた。

 

アリシア「っ!」

 

タッタッタッタッ!

アリシアはスザクのところまで走った。

 

アリシア「スザク!」

 

スザク「…」

 

ドサッ!

スザクは後ろに倒れた。

 

アリシア「スザク!スザク!!」

 

アリシアはスザクのところに駆けつけるとスザクの顔を見て名前を呼んだ。

 

スザク「主…様…」

 

アリシア「スザク!」

 

スザク「私…勝ちました…」

 

アリシア「うん…ありがとう…スザク…」

 

ギュッ…

アリシアはスザクの手に握った。

 

スザク「私は死にませんよ…だって…主様の…パートナーですから…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

スザクの姿が消えた。

 

アリシア「そんな…スザク…」

 

ピコッ!

アリシアがスザクの事を考えていると、ミオレーネの仲間加入申請が届いた。

 

アリシア「!」

 

アリシアはその事にすごく驚いた。しかしアリシアは迷わなかった。

 

アリシア「…」

 

ピッ!

アリシアは申請を許可した。

 

音声「仲間加入申請を許可しました。ミオレーネが仲間になりました」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

ミオレーネの体が消失した。

 

アリシア「…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ザッザッザッザッ…

遠くで見ていたロザリーがアリシアのところに行った。

 

ロザリー「…アリシア」

 

アリシア「…勝ったよ。スザクが勝ったよ」

 

ロザリー「…うん。見てたよ」

 

ロザリーはアリシアの頭をなでた。

 

ロザリー「よく頑張ったね。スザクは」

 

アリシア「…うん」

 

ロザリー「さ、帰ろっか」

 

アリシア「うん…」

 

スタスタスタスタ

アリシアとロザリーはギルドに戻ることにした。

 

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場所…ギルド:アリシアの部屋

 

アリシア「…」

 

アリシアはスザクを召喚して自分のベッドに寝かせていた。スザクは戦闘終了時は左半身がほぼ蒸発していたが、今は全身が元に戻っている。

 

アリシア「スザク…」

 

スザク「っ…」

 

するとスザクが目を覚ました。

 

アリシア「スザク!!」

 

スザク「あ…主…様…」

 

アリシア「よかった…スザク…」

 

スザク「そっか…私…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

するとミオレーネが姿を現した。

 

ミオレーネ「…」

 

ミオレーネは静かにスザクを見た。

 

スザク「あなた…」

 

アリシア「あ、私が加入申請を許可したの。もう私たちの仲間だよ」

 

スザク「…」

 

ミオレーネ「…」

 

スザク「主様。少し席を外していただけませんか?」

 

アリシア「え…なんで…」

 

スザク「少し…話がしたいです。お願いします」

 

アリシア「わ…分かった…」

 

スタスタスタスタ…ガチャ…バタン…

アリシアは部屋から出た。

 

スザク「…どういうつもりですか。あなた」

 

ミオレーネ「…」

 

スザク「あなた、戦う理由は主様を守るためと言ってたでしょ」

 

ミオレーネ「…」

 

スザク「あの方は私の主様です。あなたの主様ではありません。それなのに」

 

ミオレーネ「…戦う理由は主様を守るため…これは合ってます。ですが私は生前の主様と約束しました。もし私が倒されたらあなたを倒したその人に従いなさいって」

 

スザク「…」

 

ミオレーネ「私は幾度となく戦いました。聖騎士と名乗る者たちもいました。その中で一際強い力を持つ者もいました。でも…私を倒す人はいませんでした」

 

スザク「…」

 

ミオレーネ「その時私はある噂を耳にしました。魔物を従え、強いパートナーを持つ者がいると」

 

スザク「…それが主様と…」

 

ミオレーネ「…あぁ。名前も耳にした。アリシアと」

 

スザク「でもあなた間違えてたでしょ」

 

ミオレーネ「正直あの人がアリシアとは思わなかった。魔物を従えるとなるともっと歳を重ねた人と思っていたから」

 

スザク「失礼だな」

 

ミオレーネ「すまない。でも私はあなたに敗れた。故にあなたを従えるアリシアに従うことに決めた。ただそれだけの事だ」

 

スザク「…主様への忠誠心はないのか」

 

ミオレーネ「忠誠を誓った主様の命令だ。私は従う以外の道はない」

 

スザク「…そうか」

 

ミオレーネ「あなたにとって私は異質な存在だろう。しかし受け入れて欲しい。時間がかかるのは承知だ。でも…少しずつでいいから…」

 

スザク「…じゃああなたは何なの。主様の命令を全うして別の主様に仕えると?」

 

ミオレーネ「…」

 

スザク「あなたにとって主様って誰よ」

 

ミオレーネ「…今はアリシアだ」

 

スザク「…そう」

 

ミオレーネ「…」

 

スザク「もういいわ。主様が認めたのなら私は従う。私にとって主様はあの人のみ。あなたもあの方の従者となったならあの方のために命を懸けて戦って」

 

ミオレーネ「…あぁ。もちろんそのつもりだ」

 

スザク「…なら」

 

スッ…

スザクは手を出した。

 

ミオレーネ「!」

 

スザク「これからは一緒に戦いましょう」

 

ミオレーネ「受け入れて…くれるのか…」

 

スザク「あなたが主様のために戦ってくれるのなら」

 

ミオレーネ「……あぁ、存分に力を振るおう」

 

ギュッ!

スザクとミオレーネは握手を交わした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…ダンジョン:青龍の門

 

ここは青龍の門。第二層にあるダンジョンのうちのひとつ。ここではレア度の高い特性を手に入れることができる。

 

アリシア「よしっ。行こうスザク」

 

スザク「はい」

 

すっかり体が癒えたスザクはアリシアと一緒に青龍の門に来ていた。

 

スタスタスタスタ

アリシアはなるべくダメージを受けずにボスモンスターのいるところまでたどり着くことを目標にしている。

 

アリシア「そういえばスザク」

 

スザク「はい。何でしょうか」

 

アリシア「ミオレーネさんとは仲良くなれた?」

 

スザク「…はい。恐らく」

 

アリシア「正直ちょっと怖かった。あんな死闘を繰り広げた人と仲間なんて…」

 

スザク「大丈夫ですよ。約束しましたから」

 

アリシア「約束?」

 

スザク「主様のために戦ってくれるなら受け入れると」

 

アリシア「あっはは…それって仲良くなってるのかな…」

 

スザク「心配ならこの戦いで出してみてもいいかもしれませんよ」

 

アリシア「そうだね。ミオレーネさんにもお願いしてみよう」

 

スタスタスタスタ

アリシアとスザクはダンジョンを進んだ。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…青龍の門 中層

 

アリシアとスザクは少し開けた場所に着いた。

 

スザク「…?」

 

ザッ…

スザクは少し異様な気配に気づいて足を止めた。

 

アリシア「ん?どうしたのスザク」

 

スザク「主様。少し嫌な気配がします」

 

アリシア「嫌な気配?」

 

ゴトッ!

するとアリシアの後ろに青色の宝玉が落ちてきた。

 

アリシア「えっ!?何っ!?」

 

アリシアはビックリして後ろを振り返った。

 

アリシア「…えっ。今のって…これ?」

 

ツンツン…

アリシアは屈んでつついてみた。

 

スザク「主様。それが嫌な気配です」

 

アリシア「えっ!?」

 

ザッ!

アリシアは飛び退いた。

 

スザク「主様。まだ敵の動きはありません。しかし奥の扉が閉まっている以上こいつを倒さなければならないかと」

 

アリシアはスザクが指さした方を見た。そこには次の階層に入るための扉があった。しかし扉は閉まっている。

 

アリシア「確かに…」

 

チャキッ…

スザクは2本の短剣を装備した。

 

スザク「主様。ミオレーネを召喚してください」

 

アリシア「えっ?ミオレーネさんを?」

 

スザク「はい。彼女と2人で倒します」

 

アリシア「っ…分かった!召喚 ミオレーネ!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

するとアリシアの前に魔法陣が展開し、ミオレーネが召喚された。

 

ミオレーネ「…」

 

ミオレーネは閉じていた目をゆっくりと開けた。

 

アリシア「ミオレーネさん!」

 

ミオレーネ「…お呼びですか。主様」

 

アリシア「スザクと一緒にあの丸いヤツをやっつけて!」

 

ミオレーネ「丸いヤツ…?」

 

ミオレーネは近くに落ちていた青色の宝玉を見た。

 

ミオレーネ「あの青色のやつでしょうか」

 

アリシア「うん!スザクと一緒にやっつけて!」

 

ミオレーネ「…主様のご命令とあらば…このミオレーネ…命を懸けて戦います」

 

キィン!

ミオレーネは剣を構えた。

 

フワフワ…フワフワ…

すると青色の宝玉が宙に浮いた。

 

アリシア「わっ!浮いた!」

 

スザク「主様!お下がりを!」

 

アリシア「うん!」

 

ザッザッザッ!

アリシアは後ろに下がって見切りの盾を構えた。

 

キュィィィィィィィ…

すると青色の宝玉がエネルギーを溜め始めた。

 

スザク「いきますよミオレーネ!」

 

ミオレーネ「承知!」

 

タッタッタッタッ!

スザクとミオレーネは青色の宝玉に接近した。

 

スザク「はぁっ!」

ミオレーネ「はぁっ!」

 

ギィン!ギィン!

スザクとミオレーネは同時に攻撃した。

 

キィン!バゴォォォォォォォォォォン!!

すると青色の宝玉が波動砲を放った。

 

アリシア「えっ!?」

 

その波動砲はまっすぐアリシアの方へ飛んできた。

 

アリシア「っ!!」

 

バゴォォォォォォォォォォン!!

アリシアは波動砲を受けてしまった。

 

ヒュゥゥゥゥゥ…ドゴォン!

アリシアはそのまま壁まで吹き飛ばされた。

 

アリシア「がはっ…!!」

 

スザク「主様!!」

 

アリシアの体力は残りわずかとなった。

 

キュィィィィィィィ…

青色の宝玉がエネルギーを溜め始めた。

 

ミオレーネ「よそ見するなスザク!」

 

スザク「!」

 

ミオレーネ「天地を断つ聖剣(エクスカリバー)!!」

 

ドゴォォォォォォォォン!!

ミオレーネは青色の宝玉の攻撃を防いだ。

 

スザク「四獣剣技 夜桜乱撃!!」

 

カンカンカンカンカンカンカン!

スザクは連続攻撃を繰り出した。

 

スザク「くっ…硬いっ…」

 

ミオレーネ「はぁっ!」

 

ガンッ!!ガンッ!!ガンッ!!

ミオレーネは続けて攻撃をした。

 

キュィィィィィィィ…

青色の宝玉がエネルギーを溜め始めた。

 

ミオレーネ「天地を断つ聖剣(エクスカリバー)!!」

 

ドゴォォォォォォォォン!!

ミオレーネの攻撃で青色の宝玉の攻撃を防いだ。

 

ブゥン…ブゥン…ブゥン…ブゥン…ブゥン…

すると青色の宝玉の周囲に魔法陣が展開された。

 

ババババババババババババババ!

そしてその魔法陣から無数の弾幕が放たれた。

 

スザク「っ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

スザクはその弾幕を華麗に避けていく。

 

ミオレーネ「くっ…」

 

ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!

ミオレーネはスザクのように速くないので剣で攻撃を防御する。

 

スザク「四獣剣技 夜桜乱撃!!」

 

カンカンカンカンカンカンカン!

スザクは連続攻撃を繰り出した。

 

スザク「はぁっ!」

 

ガンッ!!

スザクは四獣剣技 夜桜乱撃のあとにめいっぱい力を込めて攻撃した。

 

ブゥン…

すると新しく魔法陣が展開された。

 

スザク「っ!」

 

ジジジ…バゴォォォォォォォォォォン!!

するとその魔法陣から波動砲が放たれた。

 

ドゴォン!

スザクは壁まで吹き飛ばされた。

 

ミオレーネ「スザク!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

無数の弾幕が消えていった。

 

ミオレーネ「!」

 

タッタッタッタッ!

それに気づいたミオレーネはスザクのところへ走った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「っ…くっ…」

 

アリシアはゆっくりと目を開けて周囲を確認した。するとそこには倒れているスザクとスザクを守るミオレーネの姿があった。

 

アリシア「スザク…ミオレーネ…」

 

アリシアはなんとか体を起こした。

 

アリシア「っ…召喚 コハク!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

アリシアの目の前に魔法陣が展開され、コハクが召喚された。

 

コハク「 ( ¯•ω•¯ ) 」

 

アリシア「コハク…」

 

コハク「 Σ(゚д゚;) 」

 

コハクはアリシアの様子に驚いていた。

 

アリシア「お願いコハク…スザクとミオレーネを…助けてあげて…」

 

コハク「 ( ¯•ω•¯ ) 」

 

ビュン!

コハクはアリシアの意思を汲み取ったのかすぐに行動に移した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

バゴン!バゴン!バゴン!バゴン!バゴン!

ミオレーネは青色の宝玉の攻撃からスザクを守っていた。

 

ミオレーネ「くっ…」

 

スザク「ミオ…レーネ…あなた…」

 

ミオレーネ「意識あるようで良かった…動ける?」

 

スザク「…」

 

スザクは自分の腕を見た。腕は傷だらけで手にも力は入らなかった。

 

スザク「…足だけなら」

 

ミオレーネ「そう。ならここから動けるわね?」

 

スザク「…なんとか」

 

ミオレーネ「ならここから動くわよ。私の防御もそこまでもたな…」

 

ドゴォン!

ミオレーネが話していると突然爆音が響いた。

 

ミオレーネ「!?」

スザク「!」

 

コハク「 ( ¯•ω•¯ ) 」

 

ガシッ!

現れたのはコハクだった。コハクはそのまま青色の宝玉を掴んだ。

 

コハク「(#^ω^)」

 

ビュン!ドゴォン!

そして後ろへ放り投げた。青色の宝玉は反対側の壁に激突した。

 

コハク「 ( ̄・ω・ ̄) 」

 

ミオレーネ「なっ…なんだお前!」

 

コハク「 (。-`ω´-) 」

 

スザク「コ…コハク…」

 

ミオレーネ「お前も敵か!」

 

キン!

ミオレーネは剣を構えた。

 

スザク「待ってミオレーネ…彼は違う…」

 

ミオレーネ「スザク…」

 

ザッ…

スザクは立ち上がった。

 

スザク「コハク…あなたがいるということは…主様に召喚されたんですね…」

 

コハク「 (o・ω・))-ω-)) 」

 

コハクは頷いた。

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!

青色の宝玉が遠くで魔法陣を展開した。

 

スザク「!!」

 

スザクはそれに気づいた。

 

スザク「行かなきゃ…」

 

ザッザッザッザッ…

スザクは短剣を持たずに青色の宝玉のところへ歩き始めた。

 

ミオレーネ「待てスザク!」

 

ビュン!

ミオレーネがスザクを止めようとするとコハクが青色の宝玉に接近した。

 

ミオレーネ「!!」

 

スザク「コハク…」

 

コハク「 (#゚Д゚) 」

 

青色の宝玉はアリシアに向けて攻撃しようとしていた。それに気づいたコハクは一気に青色の宝玉との距離を詰めた。

 

コハク「ヽ(`Д´#)ノ 」

 

ググッ…ドゴォォォォォォォォン!!

コハクは拳を握って青色の宝玉に攻撃した。

 

ピシッ!パリィン!!

すると青色の宝玉が粉々に砕け散った。

 

ミオレーネ「!?」

スザク「!!」

 

コハク「 (。´-д-) 」

 

パラパラパラパラ…シュゥゥゥゥゥゥゥ…

青色の宝玉の欠片は周囲に飛び散るとそのまま消えていった。

 

ミオレーネ「なっ…やったのか…」

 

スザク「…流石…コハク…」

 

コハク「 ( ¯•ω•¯ ) 」

 

ザッザッザッザッ…

コハクはアリシアのところに向かった。

 

ミオレーネ「スザク…やつは一体…」

 

スザク「…私たちの仲間です…主様を守る…私と同じ存在です」

 

ミオレーネ「…」

 

ミオレーネはコハクの異様さに疑問を持ちながらスザクと一緒にアリシアの所へ向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

それからスザクはアリシアの持ち物から回復ポーションを取り出して全員を回復させた。

 

アリシア「っ…」

 

アリシアが目を覚ました。

 

アリシア「あれ…みんな…」

 

スザク「主様」

 

アリシア「スザク…」

 

スザク「あのモンスターは倒しました」

 

アリシア「あぁ…ありがとう…スザク…ミオレーネ…コハク…」

 

コハク「 (o´・ω-)b 」

 

スザク「主様。体は動かせそうですか」

 

アリシア「うん…なんとか…」

 

スザク「次の階層はどうしますか」

 

アリシア「行く…行かないと…」

 

ザッ…

アリシアは立ち上がった。

 

アリシア「さ…行こう3人とも…」

 

ザッザッザッザッ…

アリシア、スザク、ミオレーネ、コハクは最下層へ向けて出発した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…青龍の門 最下層

 

ザッザッザッザッ…

アリシアたちは最下層へ到着した。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

すると最下層中央に青と水色の服を身に纏った女性が現れた。

 

スザク「…なるほど、見たことある名前かと思ったが…まさかあいつとは…」

 

アリシア「あいつ?」

 

スザクは現れた女性のことを知っている様子だった。

 

スザク「彼女は青龍。私と同じ存在です」

 

アリシア「スザクと?……ん?スザクと青龍…えっ?四獣ってこと?」

 

スザク「はい。その通りです。私の技も四獣剣技ですから」

 

アリシア「あ、確かに…」

 

スザク「主様」

 

アリシア「ん?」

 

スザク「彼女は強いですよ。徹底した間合い管理を得意とします。彼女が本気になれば私たちは近づけないでしょう」

 

アリシア「えっ…そんなに…」

 

スザク「はい。彼女は薙刀を使います。絶えず繰り出す攻撃はほぼ隙がありません。足の速い私でも少し難しいです」

 

アリシア「そうなんだ…」

 

スザク「でも今はミオレーネとコハクがいます。3人で何とかしてみせます」

 

アリシア「う、うん…」

 

スザク「ミオレーネ、コハク。行きましょう」

 

ミオレーネ「あぁ」

コハク「 (`・ω・´) 」

 

ザッザッザッザッ…

スザク、ミオレーネ、コハクは青龍と呼ばれるモンスターの所へ向かった。

 

アリシア「…」

 

ザッザッザッザッ…

アリシアもその後を追う。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ザッザッザッザッ…

スザクたちは青龍の前で止まった。

 

青龍「…覚えのある気配ですね。朱雀」

 

スザク「…青龍」

 

青龍は目を閉じている。だが目の前にいるのがスザクだと気づいた。

 

青龍「何故あなたがここにいるのですか」

 

スザク「…私は主様に仕えている。主様と共にあるのは当然だろう」

 

青龍「…なるほど。その後ろにいるのがあなたの主様ですか?」

 

青龍はスザクの後ろに立っているアリシアに気づいていた。

 

スザク「…相変わらず、気配の察知は四獣の中でもトップだな」

 

青龍「えぇ」

 

スザク「そうね。この方が私の主様。アリシアよ」

 

青龍「ふむ。あなたが選んだのなら優秀な主様なのですね」

 

スザク「あぁ。優秀だ」

 

青龍「…さて、話は変わりますが、あなたがここにいる理由は私を倒すためですか?」

 

スザク「…あぁ」

 

青龍「そうですか。3人で戦うと?」

 

スザク「あぁ」

 

青龍「…分かりました」

 

ブクブクブクブク…スゥゥゥゥゥッ…

青龍は手のひらに水を生成してその水の中から薙刀を取り出した。

 

ヒュッヒュッヒュッ!

青龍は薙刀を振り回して構えた。

 

青龍「構えなさいスザク。あなたが私を倒すと言うなら容赦はしませんよ」

 

スザク「…ははっ」

 

キン!

スザクは2本の短剣を装備して構えた。

 

スザク「…久しぶりに本気で戦えそうね」

 

ミオレーネ「スザク。手を貸そうか?」

 

スザク「最初は手を貸してもらおうかと考えてたけど、あれだけ言われたらね…」

 

青龍「あら、いいですよ?3人一緒でも」

 

スザク「!」

ミオレーネ「!」

コハク「 ∑(OωO; ) 」

 

青龍「私の腕は落ちてませんよ。侮らないでください」

 

スザク「…そう。ならミオレーネ。お願い」

 

ミオレーネ「えぇ」

 

キン!

ミオレーネは剣を構えた。

 

コハク「 (◦`꒳´◦) 」

 

ググッ!

コハクも拳を構えた。

 

アリシア (は、始まるのかな…)

 

グッ…

アリシアは堕天使の短剣と見切りの盾を装備した。

 

青龍「では…」

 

ヒュォォォォォォォォ…

青龍は水色のオーラを纏った。

 

スザク「2人とも。青龍の間合い管理がすごいことは話したわね。彼女、目を閉じていても相手の気配を察知することができるから全方位に隙がないわ。なんとか連携してあいつを追い詰めるわよ」

 

ミオレーネ「分かった」

 

コハク「 (o´・ω-)b 」

 

スザク「…行くわよ!」

 

ビュン!

スザクは青龍に接近した。

 

スザク「はぁっ!」

 

カンッ!!キン!カン!キン!キン!キン!

スザクは素早い攻撃を繰り出す。しかし青龍は涼しい顔をしながらスザクの攻撃を捌いていく。

 

スザク「くっ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!

スザクは一旦退いて周囲を素早く移動した。

 

青龍「ふむ。錯乱のつもりですか。ですがあなたは知っているでしょう?私に隙はないと」

 

ミオレーネ「はぁぁぁぁぁっ!!」

 

ガンッ!!

スザクが周囲を素早く移動している間にミオレーネが攻撃した。しかし青龍はミオレーネの攻撃を止めた。

 

青龍「ふむ。スザクより力が強いですね。あなたもアリシアという方に仕えているのですか」

 

ミオレーネ「あぁ」

 

青龍「…そうですか」

 

ビュン!

するとミオレーネの後ろからコハクが動き出した。

 

青龍「はっ!」

 

キンッ!ガンッ!!

青龍は薙刀を巧みに操ってミオレーネの体勢を崩した。

 

ミオレーネ「何っ!?」

 

青龍「はっ!」

 

ドンッ!

青龍は体勢が崩れたミオレーネを更に横に倒した。

 

ミオレーネ「うわっ!」

 

コハク「 Σ( ˙꒳˙ ) 」

 

ドサッ!

ミオレーネはコハクを巻き込んで地面に倒れた。

 

青龍「ふふっ」

 

ミオレーネ「くっ…すまぬコハク…」

 

コハク「 (´×ω×`) 」

 

ミオレーネはすぐにコハクからどいた。

 

青龍「仲良しですね」

 

スザク「はぁっ!」

 

キィィィィン!!

スザクは隙をついて攻撃しようとしたが、青龍はスザクの攻撃を防御した。

 

青龍「私の間合いより内側には入れさせませんよ。スザク」

 

スザク「っ…流石ね青龍」

 

ミオレーネ「はぁっ!」

 

キン!ガンッ!!

青龍はスザクの剣を弾いてミオレーネに対応した。

 

青龍「ふむ。もう動けますか」

 

ミオレーネ「当たり前だ。コハク!」

 

コハク「 ( *`ω´) 」

 

ビュン!ガシッ!!

コハクは青龍の懐に潜り込んで青龍に抱きついた。

 

青龍「!?」

 

コハク「 ε-(`・ω・´) 」

 

ドゴォォォォォォォォン!!

コハクはそのまま青龍を地面に叩きつけた。

 

青龍「かはっ!!」

 

スザク「なっ…青龍の間合いの内側に…入った…」

 

ビュン!スタッ!

コハクとミオレーネは一旦距離を置いた。

 

ヒュッ!スタッ!

スザクもコハクとミオレーネのところに着地した。

 

スザク「すごいわねコハク」

 

コハク「 ( *´꒳`*) 」

 

ミオレーネ「結局は動きを止めてしまえばいいのよ。いくら間合い管理が上手だとしても3人いればいずれそれも崩れる」

 

スザク「…そうね」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

青龍「…まさか私の間合いの内側に…それにあの人…スザクと同じ気配を感じる…もしかして…あの人…」

 

青龍はコハクの正体を予想した。

 

青龍「…試してみましょうか。彼ならこの技を防ぐ手段を知っているはずです。もし防ぐことができたら彼は…」

 

ザッ…ビュン!

青龍は起き上がってスザクたちと距離をとった。

 

青龍「…」

 

スザク「たった一撃であの驚きよう。見てて面白いわね」

 

ミオレーネ「あなた性格悪いわね」

 

スザク「それほどあの人の間合い管理はすごいの。私ですらあの薙刀の範囲内に入ることができなかった。それを崩せたのは気持ちがいいの」

 

ミオレーネ「…はぁ、なるほど」

 

コハク「 ( ̄・ω・ ̄) 」

 

青龍「…さて」

 

ビュォォォォォォォ!!

青龍が纏っていた水色のオーラが一際大きくなった。

 

ミオレーネ「!!」

スザク「!!」

コハク「 Σ(⊙ω⊙) 」

 

青龍 (ただ試すだけ…試すだけ…)

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!

青龍は両手を前に出し、大きなエネルギーの塊を生成した。

 

スザク「マズイ!ミオレーネ!コハク!下がるぞ!」

 

ミオレーネ「な、なんだよあれ…何するつもりだよ」

 

スザク「あれは青龍の大技よ!青龍の近くにいたら一緒に吹き飛ぶわ!」

 

ミオレーネ「範囲はどのくらいだ!」

 

スザク「この場所の8割はその範囲内よ!だから主様のところまで下がるわよ!」

 

ミオレーネ「分かったわ!」

 

タッタッタッタッ!

スザクとミオレーネはアリシアの方へ走った。

 

コハク「 (´-ω-`) 」

 

ザザッ!

コハクが動いてないことに気づいたスザクは足を止めた。

 

スザク「コハク!早く下がれ!」

 

コハク「 ((-ω-。)(。-ω-)) 」

 

コハクは首を横に振った。

 

スザク「なっ…」

 

青龍 (やはり気づいてますね)

 

コハク「 (`・ω・´) 」

 

ビュン!

コハクは青龍に向かって走った。

 

スザク「おい!待てコハク!!」

 

タッタッタッタッ!

コハクはスザクの制止を振り切って青龍に接近した。

 

青龍「…やっぱり来ましたか。これで確信しましたよ…あなたは…」

 

コハク「 ( *`ω´) 」

 

ドゴォン!

コハクはエネルギーを溜めている青龍のお腹に攻撃した。

 

青龍「かはっ!!」

 

ヒュゥゥゥゥゥ…ドゴォン!

青龍はコハクの攻撃で壁まで吹き飛ばされた。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

すると青龍が溜めていたエネルギーの塊が消失した。

 

スザク「なっ…」

 

ミオレーネ「!!」

 

コハク「 (o´・ω-)b 」

 

スザク「止めた…のか…」

 

パラパラパラパラ…

青龍はゆっくりと立ち上がった。

 

青龍「…やはり止めに来ましたか」

 

コハク「 (´°ω°`) 」

 

青龍「これで確信しましたよ。忘れていた気配。スザクと同じ存在。あなた、白虎でしょう?」

 

スザク「!?」

ミオレーネ「…?」

コハク「 (´-ω-`) 」

 

アリシア「えっ…白虎?」

 

青龍「まさかここで会えるなんてね。見ないうちに強くなってますね。これもアリシアという方のおかげですか?」

 

コハク「 ( ¯•ω•¯ ) 」

 

青龍「…まぁいいです」

 

ヒュッヒュッヒュッヒュッ

青龍は薙刀を構えた。

 

青龍「古い友人が2人も会いに来てくれたんです。満足いただけるように本気で行きましょう」

 

ゴォォォォォォォォォォォ!!!

青龍は今までの中で一番大きな水色のオーラを纏った。

 

スザク「…ミオレーネ」

 

ミオレーネ「何?」

 

スザク「…ミオレーネは主様を守って」

 

ミオレーネ「なんだと?」

 

スザク「ここからは私とコハクで青龍を倒す。被害はどれくらいになるか分からない。主様がやられたら私たちは全滅よ。だから何としても主様を守って。お願い」

 

ミオレーネ「…」

 

ミオレーネはアリシアの方を見た。アリシアは少し怯えた表情を見せている。

 

ミオレーネ「…分かった」

 

アリシア「!」

 

ミオレーネ「主様。私の後ろに隠れてください」

 

アリシア「え、うん」

 

アリシアはミオレーネの後ろに隠れた。

 

ミオレーネ「主様が後ろにいる限り私はあなたの盾となります」

 

スザク「…お願いね」

 

ミオレーネ「えぇ。任せて」

 

スザク「…いくわよコハク」

 

コハク「 (`・ω・´) 」

 

ザッザッザッザッ…

スザクとコハクは2人で青龍に立ち向かうことにした。

 

ミオレーネ「…主様」

 

アリシア「?」

 

ミオレーネ「…いい仲間に巡り会えましたね」

 

アリシア「…うん!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

青龍「ふむ。2人で来ますか」

 

スザク「古い友人の戦いだ。存分に楽しもうか」

 

コハク「 ( -ω- ´) 」

 

青龍「懐かしい。昔、みんなで喧嘩しましたね」

 

スザク「あぁ。懐かしい記憶だ」

 

キン!

スザクは2本の短剣を構えた。

 

コハク「 (◦`꒳´◦) 」

 

ググッ…

コハクは拳を握った。

 

青龍「…参ります」

 

スザク「…いくぞ!」

 

ビュン!ビュン!

スザクとコハクは同時に動いた。

 

青龍「四獣刀技 群青羅刹」

 

ヒュッヒュッヒュッヒュッヒュッヒュッ!!

青龍は薙刀を巧みに振り回した。

 

スザク「四獣剣技 夜桜乱撃!!」

 

キンキンキンキンキンカンカンカンキン!

スザクの短剣と青龍の薙刀がぶつかり合う。

 

コハク「 ( *`ω´) 」

 

ググッ!

コハクは強く拳を握った。

 

ビュン!

コハクはスザクの横を通り過ぎて青龍の間合いに入った。

 

ズシャシャシャシャシャシャシャ!!

しかし間合いの内側に入った瞬間、コハクは無数の斬撃を受けた。

 

コハク「 (@_@) 」

 

スザク「離れろコハク!死ぬぞ!」

 

コハク「 ( ´ᾥ` ) 」

 

ビュン!

コハクは間合いの外に逃げた。

 

青龍「私には近づけさせませんよ」

 

カンカンカンカンカンカンカン!

青龍はコハクの方を見ながらスザクの剣技を受け流していく。

 

スザク「くっ…よそ見しながら攻撃を防ぐのか…」

 

キンキンキンキンキンキンキンキンキン!

スザクは更に速く攻撃した。しかし青龍の方が速く攻撃してくる。

 

スザク「うっ…くっ…」

 

キンキンキンカンキンキン!

スザクは徐々に押されていた。

 

スザク「このっ…!」

 

コハク「 \( •ω•´ )/ 」

 

ゴォォォォォォォォォォォ!!!

コハクが両手を挙げると上から隕石が落ちてきた。

 

スザク「くっ…!」

 

キン!

スザクは青龍の薙刀を強く弾いて後退した。

 

青龍「!」

 

青龍は大きく体勢を崩した。

 

青龍「まだこれ程までの…」

 

ゴォォォォォォォォォォォ!!!

青龍の頭上に隕石が落ちてきた。

 

青龍「!」

 

ズバババババババババババババ!!

しかしその隕石は青龍の間合いの内側に入った瞬間、細切れにされた。

 

バラバラバラバラ…

細切れにされた隕石は青龍の間合いの外に落ちていく。

 

青龍「…無駄ですよ」

 

コハク「 Σ(゚д゚;) 」

 

青龍「私の間合いには何も入れさせません」

 

スザク「なら…」

 

ビュン!

スザクが青龍に接近した。

 

スザク「四獣剣技 夜桜乱撃!!」

 

青龍「四獣刀技 群青羅刹」

 

キンキンキン!カン!キンキンキン!

スザクは力づくで青龍の間合いを突破しようとした。

 

スザク「コハク!」

 

コハク「 ( `ᾥ´ ) 」

 

ビュン!

コハクは青龍の方へ突っ込んだ。

 

青龍「させません!」

 

スザク「っ!!」

 

キィィィィン!

青龍は接近してきたコハクを攻撃しようとしたが、スザクが2本の短剣でそれを防いだ。

 

青龍「なっ…」

 

スザク「そっちこそさせねぇよ!」

 

ビュン!

スザクが隙を作っている時、コハクは青龍の間合いの内側に入ることができた。

 

青龍「!?」

 

コハク「 (`・ω・´) 」

 

ググッ!

コハクは強く拳を握った。

 

ドゴォン!

そしてコハクは思いっきり青龍を攻撃を攻撃した。

 

青龍「がはっ…」

 

ヒュゥゥゥゥゥ…ドゴォン!

青龍は壁まで吹き飛ばされた。

 

スザク「…ふぅ、よくやったコハク」

 

コハク「 (*´・ω・`)=3 」

 

パラパラパラパラ…

青龍はぐったりしていた。

 

ピシッ…パキパキ…パリン!

青龍の薙刀が粉々に砕け散った。

 

コハク「 (´-ω-`) 」

スザク「…」

 

ザッザッザッザッ…

スザクとコハクは青龍のところに向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

青龍「…ははっ…やりますね。朱雀、白虎」

 

スザク「あんたも中々ね。久しぶりに本気で戦ったわ」

 

コハク「 (o・ω・))-ω-)) 」

 

コハクも頷いた。

 

青龍「…これも主が優秀なのですね」

 

スザク「えぇ。主様はとても優秀よ」

 

青龍「…そう。ねぇスザク」

 

スザク「?」

 

青龍「お願いがあるのですが」

 

スザク「…お願い?」

 

スザクは青龍のお願いを聞いた。スザクとコハクはそのお願いに驚いたが、とりあえずアリシアの判断を仰ぐことにした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「えっと…仲間になりたいということ?」

 

スザク「はい」

 

コハク「 :(´◦ω◦`): 」

 

青龍「えっと、どうでしょうか」

 

アリシア「うん!全然いいよ!」

 

スザク「!」

コハク「 (@_@) 」

 

青龍「ありがとうございます!」

 

アリシア「じゃあ…」

 

ピッピッピッピッ

アリシアは仲間加入申請を送った。

 

アリシア「はい。これでいいかな?」

 

青龍「…」

 

ブブッ

青龍は仲間加入申請を拒否した。

 

アリシア「えっ…」

 

スザク「おい青龍!どういう事だ!」

 

青龍「…私から申し出たことです。私から申請するべきかと」

 

アリシア「あ、あー…真面目?」

 

青龍「さぁ、どうでしょうか」

 

ブゥン

すると青龍から仲間加入申請が届いた。

 

ピッ

アリシアは迷わず了承した。

 

青龍「これで私はあなたの手足となりました。主様。どうぞ私をお使いください」

 

アリシア「あ、はい!でもそんなかしこまらなくてもいいよ!」

 

青龍「いえ、主従であるなら対等な対応は良くないと思います」

 

アリシア (真面目だなぁ…)

 

青龍「この青龍。あなたのために力を振るいます」

 

スザク「主様。青龍に名前を与えてはどうでしょうか」

 

アリシア「名前?」

 

スザク「はい。私はスザクで白虎はコハクですから青龍にも何かしら名前がいるかなと」

 

アリシア「そうだねぇ…」

 

青龍「…私はどんなお名前でも受け入れますよ」

 

アリシア「…」

 

アリシアは少し考えてみた。

 

アリシア「えっと…じゃあ…普通にカタカナでセイリュウで」

 

青龍「…?それでいいのですか?」

 

アリシア「うん。せっかくいい名前があるならあまり変えたくないなって思って」

 

青龍「…分かりました」

 

アリシア「コハクはどうする?白虎って名前にする?」

 

コハク「 (ヾノ・∀・`) 」

 

コハクは首を横に振った。

 

アリシア「そっか。じゃあコハクはコハクで。よろしくねセイリュウ」

 

セイリュウ「はい。よろしくお願いします」

 

こうしてアリシアは新たにセイリュウを仲間にした。




〜物語メモ〜

新たに仲間になったキャラクター
ミオレーネ
天空の闘技場(天上の間)で出会ったキャラクター。かつての主様を守るために存在する騎士。卓越した剣技の持ち主で幾多のプレイヤーを倒してきた。その中には天明ノ帝のギルドマスターであるラインも含まれており、ラインは3回目の挑戦でミオレーネを倒すことができた。しかしラインは魔物使いではないのでミオレーネは仲間にならなかった。

セイリュウ(青龍)
青龍の門で出会ったキャラクター。薙刀を使う。徹底した間合い管理によって敵を寄せつけないほどの才覚を持つ。彼女は目を閉じていても相手の気配を察知することができるので、不意打ちとかは基本難しい。ただし彼女も一人なので複数人で挑まれると時々隙を見せることがある。彼女に勝つには1人ではなく、複数人のパーティを組んで戦うことが必要。

ミオレーネ
武器:アカマナツキ(剣)
スキル:天地を断つ聖剣(エクスカリバー)

セイリュウ
武器:水霊月華(薙刀)
スキル:四獣刀技 群青羅刹

新スキルの説明
四獣刀技 群青羅刹…青龍が使用したスキル。自身を中心として周囲に無数の斬撃を与える。その斬撃は青龍が薙刀を振り回すほど多く、速くなる。また、自身が溜めたエネルギーを剣気として薙刀に纏わせることで周囲に斬撃を飛ばすことはできなくなるが、素早い攻撃が可能となる。(これでスザクの四獣剣技 夜桜乱撃に匹敵する)

スザクの正体
スザクはダンジョン:棘の扉の秘密の部屋で出会ったキャラクター。赤を基調とした服を身にまとい、朱雀の羽を模した2本の短剣を所持している。その正体は青龍と同等の力を持つ朱雀と呼ばれるモンスター。桁外れなスピードと剣撃で相手を圧倒する力を持つ。

コハクの正体
コハクははじまりのダンジョンの秘密の部屋で出会ったキャラクター。白い服に白い面布を付けており、獣のような耳と尻尾を持つ。その正体は青龍、朱雀と同等の力を持つ白虎と呼ばれるモンスター。桁外れな攻撃力と拳で相手を圧倒する力を持つ。


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