一般サイコパス、あの人に転生する。 (クライザー二世)
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酔っ払ったら死んだ。

 

 

 

 

「月が~出た出た~月が~出たーよいよい♪」

 

 

 

私は今、気持ちよく酔っている。取り引きで

 

儲けたからだ。

 

 

 

「さーて、明日も頑張らなきゃね」

 

 

 

私は隠れ家のアパートの階段を登ろうとしたが・・・

 

 

 

ズルッ

 

 

 

「あれ?」

思わず階段を踏み外した。

 

 

 

 

 

気がつくと私は赤子になっていたわ。

いや、まさか階段を踏み外して赤子に転生するとは

思ってなかったよ。

死んだのはショックだけど泣いて喚いてもどうにもならない。なら今の人生を楽しまなきゃ。

 

 

 

 

 

ただ、私としてはまさかあの人になるとは思ってもみなかったわ。

 

 

 

 

「かなー貴女ならきっといい女優になれるわよ」

 

 

 

まさか私があの、推しの子の世界に転生してるとは

思ってもみなかったし、何よりも有馬かなに

成り代わったのにはかなり驚いたわ。

 

 

 

 

 

それにしても有馬かなかあ。あの人の親はかなり

めんどくさそうだし、有馬かな自身もまあまあ

めんどくさい性格してるんだよね。でもそこが

魅力でもあるけど。でも、まあそれよりも

私は正直役者には興味がない。役者やりたい

訳でも無いけどあの母親の事だからきっと私を

役者にするに違いない。

 

 

 

 

そもそも私は前世ではごく一般的な殺し屋と臓器の

売人をやってたし今世でもそれに成る予定だ。

だが、それは二十歳になってから成る予定だから

それまでに体を鍛えたり知識や技術を学ばなければ

ならないわね。まあ大人になるまでの暇潰しに

役者をしてあげようかね。どうせ子役の寿命は

短いしあの母親がでしゃばってくるから役者として

稼げる間は稼いで、人気に陰りが出てきたらきりの

いい所で引退すればいいしね。

 

 

とりあえずは予定はそんな感じでもし何かあったら

色々と変える所を変えればいい。

 

 

さてママにミルクでも飲ませて貰おうかしら。

 

 

 

「おぎゃ~おぎゃ~」

 

「よしよし、かわいいかなどうしたのかしら~」

 

 

赤子やるのも楽じゃないわね。

 

 

 

 

それから数年後・・・

 

 

 

 

 

私は原作と同じ様に母親に役者をやらされたわ。

役者を内心バカにしていたけど以外と味わい

深かった・・・じゃないや、以外に面白いわね。

お母さんのいう通りに役者やってたら徐々に

売れて天才子役の名を欲しいがままにしたわ。

自分でいうのも何だけど十秒で泣ける天才子役と

言われるだけあるわね。

とりあえず儲けた印税でダンベルとランニングマシンは強請(オネダ)りしよう。

 

 

 

それからしばらくして、例のホラー映画の撮影があったわね。いかにもなB級ホラーだけどそこがいいのよね。

そういえば星野アイとその子供の主人公のコンビと

共演するんだっけね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有馬かな?

 

 

 

有馬かなに成り代わった。前世では殺し屋と臓器の

売人をしているごく普通のサイコパスで今世でも

殺し屋と臓器の売人になる予定。

正直、役者に興味なかったけどやってみると以外と

面白いし演技を犯罪に応用できるから少しの間は

やるのも悪くないかなと思っている。

原作はヤングジャンプで珠に読むくらいで原作の

知識はまあまあある。推しの子で好きなキャラは

子供部屋の監督と今日あまの作者。

ヤングジャンプで好きな漫画はゴールデンカムイと

ジャンケットバンク。趣味は漫画と映画、体を

鍛える事と臓器を売った金で飲みに行く事。

カラオケではL'Arc~en~Cielやウルトラマンやメタルヒーローの歌を歌っている。得意な歌はDriver's High、僕達は天使だった、空前絶後。

好きな食べ物は枝豆と串カツ、アイスクリームや

イチゴのタルトも好き。特技は暗殺と

射撃、徒手空拳、死体の処理、臓器の摘出。

性格は人を殺す事に罪悪感が無いしゴミをゴミ箱に

入れる感覚で人を殺せるサイコパス。殺す事に

楽しさを求めていないが殺した後に高い報酬を貰う事に充実感を感じたりはする。母親に関しては家族としての情はあるけど邪魔になれば殺せばいいと考えており、表面上は従っている。

転生した直後はは前世での戦闘力は失われたが成長するに連れて体を鍛え直しているので徐々に取り戻す予定。




とりあえずこんな感じでやりますんでどうかよろしくお願いします。


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運命の双子









 

 

 

やっほー! 皆が愛する有馬かなよ!! 

今日は例のホラー映画の撮影だから車に

乗っている所よ。例の双子と初めて会う日よ。

今乗っている車はハイエースよ。車としての

面白味はいまいちだけど、安くて利便性があって

足として使うには丁度いいのよね。ベストセラーな

だけはあるわね。

 

そろそろ着いたわね。さーて車を降りて例の双子の

ご尊顔を拝みに来ますかね。

 

「ママぁぁぁママぁぁああぁ」

皆様、こちらの生き物が星野ルビーでございます。

ママーママーという独特の鳴き声が特徴です。

生態は度が付く程のドルオタかつマザコンで

幼体の時は母体の星野アイに甘えてばかりです。

少しでも母体から引き離すとストレスにより

ママーと鳴き声を上げます。おわかりですか、皆様。

アニマルプラネット観てたからこんな感じの

解説でいいかな?正直、解説の才能はあんまし

無いわね。

 

「早く帰ってバブりたい!!」

「ママの胸でオギャりたいよー!!」

「私のオギャバブランドに返してよー」

 

 

・・・・・、こいつすげえな。色んな意味で。

転生とかじゃなくて生まれつきこうだったなら

生まれつきのモンスターじゃないの。

 

おや、こっち見たわね。

 

 

「あなた、私の事バカにしてない?」

 

勘は鋭いわね。

 

「そんな事ないけど…」

 

「でもバカにしてる雰囲気があるよ」

 

「気のせいじゃないのかしら?」

 

「そういえば見た事あるよ!重曹を舐める天才子役だったよね?」

 

「ちゃうちゃう。十秒で泣ける天才子役や。」

「まあいいわ。私は有馬かなよ。あんたらと

共演すっからシクヨロ」

 

「うん、よろしく」

 

 

そんな感じで双子と挨拶を終えた。

 

「監督おはよう。」

 

「おう。」

 

私は好きなキャラである監督に挨拶した。

 

「つーか、あの双子何で急遽共演するんだっけ?やっぱコネ?」

 

「いや、俺が面白いと感じたからだ。」

 

「成る程。じゃあ今日は来てないアイドルの人はコネか?それとも枕?」

 

「コラッそういうのすごく良くないと思うぞっ!!」

 

「ごめん。冗談で言っただけだから。」

 

「冗談でも言うんじゃない!」

 

怒られちゃった。まあ私が悪いししょうがないか。

反省しよ。

 

 

 

しかし、私はこの発言をあの双子が聞いていたのに気がつかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・お兄ちゃん」(ゴゴゴゴゴゴ)

 

「こ、子供の戯れ言だよ・・・気にするな」(ゴゴゴゴゴゴ)

 

 

((あいつ…ブッ殺す!!!))

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな訳で練習が始まった。

私は自分なりに頑張って演技をした。我ながら上出来だと言える。

 

 

だがそれ以上に凄いのはアクアの方だ。あいつは

マジですげえよ。あの気持ち悪さは出そうと思って

出せる物じゃねえぞ。

 

てめえはこの世に居ちゃいけねえ奴だ、いったい何考えてんだ?本当に気持ち悪いよ。

そう思わずにはいられない。

 

 

いや、マジでスゲえ!まるで変質者を見ているみたいだ!!

 

 

「あんた凄いわね」

 

私はアクアの所に言って称賛の言葉を送った。

 

 

「お前は…」

 

「私は有馬かなよ。さっき名乗ったじゃん。それよりも凄い演技じゃねえか!!」

 

「そうか…」

 

「ああ、マジで気持ち悪さを最大限出してたじゃん!お前そういう事に関してはすごいよな!!」

 

「い、一応、お褒めに預かって光栄だ」

 

「あの気持ち悪さはプロの役者でも出すのは至難の技なのにあんたは出せた。あんたは気持ち悪さや生理的嫌悪を感じさせる天才よ。」

 

「褒め言葉として受けとっとくが…」

 

「よっ鳳暁生の生まれ変わり!二代目エンブリヲを名乗っていいわ。」

 

「いや、それ褒めてんのか…」

 

「根岸祟一と同類ね。」

 

「いい加減にしろよ!!」

 

「ど、どうしたの?」

 

「何か分からんがそれはやめろ!」

 

「ごめんなさい」

 

何故かアクアが怒った。まあ褒め殺しみたいになったから怒るのも無理ないわね。ごめんアクア。

 

 

 

 





主人公はアクアを貶している訳ではありません褒めてます。本当です! 信じてください!


主人公は原作とはかなり違います。
原作の有馬かなが自分がスポットライトに当たらずとも他の役者にライトを当てるのなら、主人公はライトを当てながらもコーラ飲みながらカウチソファにふんぞり返る、そんなキャラしてます。


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あかねとの遭遇

 

 

 

あれからしばらくしてあの監督は賞を取ったわ。

やっぱあの人、凄いわね。人は見かけによらないわ。

私やアクアの頑張りもあるけど星野アイ?だっけ?

そう、星野アイの演技がかなりいい感じなのよ。

 

 

あの映画以来、星野アイはテレビに出る様になって

色々と活躍しているわ。やっぱすごいね、アイは。

アイの出てるドラマも見たけどまあいい感じに

面白いわね。やっぱおもしれー女だよアイ。

私も頑張らなくちゃ。それから私の歌ったピーマン体操の歌がオリコン1位になってたわ。2位がザ・マッドサタンとかいうバンドになってたわ。

 

そして私は今、仕事に来てるわ。そういえばあかね?

だったっけかな。あのいまいちパッとしない

ルイージみたいな子とはいつ邂逅するんだろ。

多分そのうち会うかもしれんけど。

 

 

今日は劇団あじさいのオーディションね。私の場合は

合格決定の出来レースだけど。

 

 

「私、かなちゃんのファンなの」

 

あかねちゃんと会ったわ。どうやら係の人が私とあかねちゃんを勘違いしてそこに私が遭遇した形よ。

 

「そう…」

 

「この帽子もかなちゃんに憧れてね、それで…」

 

私に憧れるなんて嬉しい事言ってくれるじゃないの。

 

「それは嬉しいわ」

 

「そ、そう!?」

 

あかねちゃんの顔色が良くなり、嬉しそうになる。

 

「それでね、かなちゃんの合格が決まってるって聞いたけど」

 

「ええ決まってるよ」

 

「えっ!!?」

 

驚くあかねちゃん。しかし悲しい事にどこの業界にも出来レースはあるのよね。

 

「あらかじめ合格が決まっていて形だけの試験やオーディションを受けるのを出来レースっていうのよ。」

「出来レースなんてどこの業界にもあるのよ。珍しくないわ。」

 

「か、かなちゃんはそれでいいの?」

 

「色々と思う所はあるけどまあ構わないわ」

「演技が優れてる子より有名な子や出したら金になる子の方が選ばれるわ。それと運の良さも大切よ。」

「まあだからといってちゃんと演技もするべきだけど」

 

私なりにあかねちゃんに持論を語る。

 

「それにさ、稼げる時に稼ぎたいのよ。いつまでも私の人気は続かないし。」

 

「え?」

 

あかねちゃんは驚いて思わず声を漏らす。

 

「子役の寿命は以外と短いのよ。天才子役と言われてた子も大人になるに連れて一端の役者にしかならないのが大半よ。」

「子役から大物女優や人気タレントになるのはごく少数の上澄みぐらいよ。」

 

「でもかなちゃんならきっと大丈夫だよ!!」

 

「そこまで信じてくれるのは嬉しいわありがと。でも私でも油断は出来ないわ」

「まあ可能性は0じゃないから出来る限り食らいつくわ」

「それとあなたに言っとく事があるの」

 

「な、なにかな?」

 

「雑用やってるアシスタントには横柄に振る舞わず当たり障りなく振る舞う方がいいわ。」

「彼らが将来、現場を仕切ったり役者を選ぶ立場になるからよ」

「それとあなたは遅く芽が出るタイプね。最初は目立たないし垢抜けないけど時間が経つと徐々に成果を出すタイプね。」

 

私はあかねちゃんの元から去った。

 

 

 

 

それから三年後、私の人気に徐々に陰りが出てきて

お母さんも余裕が無くなったのか周囲を省みない

言動をする様になり、周りに無茶振りを押し付けた。

私も母親の言動にやんわりと苦言を呈するが

母親はろくに聞かず逆にヒスる始末。

そんな母親に見切りをつけた私は母親に期待を

するのをやめた。現場に迷惑をかける母に代わり

謝罪する時もあった。現場の人達には割りと愛想

良く接するので原作よりはマシな状況に持って

これたけどやはり結果は芳しくない。

 

「まあこんな物よね。仕事が減ったのは残念だけど

あんまし未練は無いしまあいいか。」

 

「泣いて喚いても現状は変わらないからとりあえずだらけるのに限るわ。」

 

 

ちゃんちゃん♪

 

 

 

 

 




次の話からは暗殺教室とクロスオーバーする予定です。
多分、3話ぐらいで終わりますが。


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椚ヶ丘中学校に入学

 

 

「椚ヶ丘あるんだ…」

 

私は人生で一番驚いた。まさかこの世界が暗殺教室と

同じ世界だったとは思ってもみなかったわ。

暗殺教室は昔よく読んでいた。懐かしいな。

終盤辺りが迷走してる以外は完成された面白さが

あって風呂敷もキチンと畳んでて本当に面白い

漫画だったよ。私は松井先生の漫画だとネウロが

好きだった。葛西善二郎は私の心の師匠。

 

 

「よし、入るか」

 

 

私は親に椚ヶ丘に入る事を提案したら許可を貰えた。

以外とあっさり許しが出て少し驚いた。

とりあえず試験を受けて無事合格した。

 

 

だが、殺せんせーの授業を受ける為に態々E組に

行くのも何か違うと思った。確かに殺せんせーの

授業を受ける魅力は捨て難いがその為に落ちこぼれ

になるのはなあ…。まあそれについては3年になってから考えるか。

 

そんな訳でまあ私は浅野学秀と同じクラスになった。

それにしても中学生であそこまで出来るなんて

凄いね彼。伊達に超中学生級とは言われてないね。

 

それから三年になる時期に私はE組に落ちた。

正直E組に落ちない様に成績を維持してたけど

こっそり学校の備品や理事長の部屋の金目に

なりそうな物をパクッてメルカリで売ったのが

バレた。ちゃんとバレない様にやったのに。

それから先生の財布をスって少しお金を抜いたりも

したけどそれはバレなかった。良かった良かった。

 

「まさか君がE組に落ちるとはね」

 

浅野学秀にたまたま廊下で会って何か話しかけられた。

 

「私もE組に落ちない様にちゃんとしてたのにね

本当に不幸ね。」

 

「いや君の自業自得だよ。というか学校の備品を

盗むとか何を考えているんだ君は。しかも浅野

理事長の部屋の物まで盗むとか正気を疑うよ。」

 

「やっぱりもっとバレない様にしなければ」

 

「まだ盗む気かい?」

 

「理事長の部屋の物は高く売れたからね。理事長かなりイケメンじゃん。目元だけ隠した写真を貼って売ったら100万も出してくれたし。」

 

「君は怖いもの知らずだね…」

 

「まあね。まあE組に落ちても自分なりに頑張るよ」

 

私がE組に落ちたけど何故か他の生徒から畏怖の目で

見られたよ。やっぱり私が凄い奴だからかしら。

 

 

 

 

 

 

「今日からE組に入る事になった有馬かなです。よろしくお願いします。」

 

 

私はE組の皆に挨拶した。

 

 

「あの、有馬かなってあの天才子役だよね?」

 

E組の茅野が話しかけてきた。

 

「さあ?別人でしょ」

 

「いや、絶対かなちゃんだよ!私かなちゃんの主演のドラマ見てたから!」

 

「とりあえず違うと言っておくわ」

 

「俺からも質問あるけどいい?」

 

赤羽業が話しかけてきた。

 

「有馬さんだっけ?あんた理事長の部屋から盗んで捕まったんだったよね」

 

「うん。次はバレない様にするわ」

 

「まだ盗む気なんだ…」

 

何か業が呆れてるわ。学秀といい業といい何故か

私に呆れるけど。でもまあいいか。

 

「理事長の顔写真貼って売ったら100万で売れた」

 

「そりゃあんたがE組に落ちる訳だ。」

 

「ヌルフフフ、盗みはいけませんよ」

 

「大丈夫です生徒の物はぬすみませんから」

 

「そういう問題ではありません」

 

殺せんせーから注意された。まあ私が悪いし

しょうがないか。

 

 

 

そんな訳で殺せんせーの授業を受けた。いやあ

殺せんせーは強いね。授業も面白いし、E組の

日々も悪くないわ。

 

「潮田君だったかな?臨時収入があるから喫茶店で何か奢るよ」

 

私は殺せんせーからスッた財布を見せた。

 

「だ、駄目だよ有馬さん!返さなきゃ!!」

 

「そうですよ!!何を盗んでいるんですか!!?」

 

ヤバい、バレたわ。殺せんせーが怒ってこっちに来たわ。

 

「何をやってるんだ有馬!!!」

 

烏間先生も来た。こりゃ怒られるわね。

それから殺せんせーと烏間先生からこってりと

絞られた。

 

 

 

 



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椚ヶ丘での日々

 

 

E組に落ちてから、私は殺せんせーの授業を受けた。

殺せんせーはやはり強く私ですら全く攻撃を

当てられなかった。

それから近接戦闘でも射撃でも私は1位になったわ。

初めて業と組手をして最初は手こずったけど前世

での経験もあってか私が下したわ。ただ、これに

関しては自慢にはならないわね。私が強いのも前世

での経験というチートがあってこそだし、業に

勝ったのもチートがあったから。戦士としての

才能は業の方が上だと思う。

 

 

「あんた強いねこの俺が負けるなんて」

 

「鍛えているからね」

 

「次は負けないよ」

 

「私も簡単に負ける気はない」

 

「望む所」

 

業は私をライバル視した。

 

「かなちゃん凄いね」

 

茅野が話しかけてきた。

 

「まあね。」

 

「かなちゃんやっぱり役者やってたんじゃないの?」

 

「それはどうかな?」

 

茅野を適当にあしらいながら私は校舎に戻った。

 

 

 

 

 

「ヌルフフフ有馬さんは強いですね…それに全く迷いが無い。」

 

「鍛えているからよ」

 

「それにしては最小限の動きで業くんの攻撃を

回避してましたし立ち回りが常人のそれにみえませんね。まるで歴戦の殺し屋みたいですよ。」

 

鋭いな殺せんせーは。流石は裏社会の伝説ね。

 

「私は天才なのよ、天才なんだから鍛えたら一流に

なれて当たり前よ」

 

「それにしても私は有馬さんの事が良くわかり

ません。あなたが昔から役者をやっている以外は

全く」

 

「流石は殺せんせー。良く知ってるね。私もね

役者を辞めようと思っているけどタイミングを

探っているのよ。」

 

「辞めるんですか?勿体ないじゃないですか」

 

「今の所は辞めないよ。今、辞めたらトイレで大便

がまだ出そうなのに途中で出る様な物だから。」

 

「その表現は品に欠けますよ…」

 

「本当は売れてる時期に辞めたかった。

惜しまれる内に手を引きたかった」

「でも母がうるさくてね。あの女は自分が

芸能人になって文化人気取りがしたい。つまり

オナニーして気持ち良くなりたかっただけなの。」

「でも自分にその才能が無かったから私に押し付け

たの。私が売れてる時は母も私と共に呼ばれて

インタビューやホームパーティーを楽しんで

たわ。さぞ気持ち良かったと思うわ。」

 

「あ、有馬さん…あまりお母さんと仲良くなさそう

ですが…」

 

「まあ私の人気に陰りが出てきた辺りで母も

余裕が無くなり私に当たる事もあったわ。それは

ムカついたけど特に憎んでないわ。」

「邪魔になったらどうにかすればいいし」

 

「有馬さん…」

 

「私は役者としては死にきれてない、いわば

ゾンビみたいな物。役者有馬かなを葬りたい。

それが私の目標。」

「ありがとうね。話聞いてくれて。」

 

私は教室を出た。

 

 

 

 

 

 

茅野が触手を開放して殺せん襲ってる。茅野が

やらかしましてね、今凄い事になってるわ。

茅野が触手を出して猛攻に出て殺せんせーを

襲ってる。凄い、凄すぎる!!

でも、このまま行けば茅野は死んでしまう

可能性が高い。私としては死んだら死んだで

構わないが少しかわいそうに思える。それに

茅野に問答をしたい。私は茅野に語りかけた。

 

「茅野ちゃんよぉ、あんたこのまま行くと死んでしまうぜ」

 

「かなちゃん?」

 

「茅野ちゃんは殺せんせーを殺したいから触手を

自分に植え付けたんだよね。だけどそれじゃあ

あんたが死ぬ可能性が高いわ。なら私らと組んで

殺せんを殺した方が良くないか?」

 

「そんな事はわかり切ってる!たとえ命を削っても

私は殺せんせーをこの手で殺したいの!!」

 

「殺せんせーを殺した後に死ぬかもしれないけど

悔いは無いという事でいいのね?」

 

「ええ、構わないわ」

 

「…そうか、わかった。」

「なら、私はあんたの結末を見届ける。

あんたがどんな事になろうと最後まで

この目で見届けるよ。」

 

「仮にあんたが死ぬ事になっても焼香ぐらいは

済ませるわ。本当に悔いが無いなら全力で

戦いなさい。」

 

「かなちゃん…」

 

原作だと茅野は本心は誰かに止めて欲しいと思って

いるし、多分この後、殺せんせーと皆に救われ

るだろうけど正直興が冷めた。私はたとえ命を

燃やして全力で戦った末にどうなるかが見たい。

忍者と極道のガムテみたいなのが見たい。

いわば滅びの美学を求めているのよね。まあ

茅野は死なないだろうし、死んで欲しい訳では

無いけど。ただ命を燃やして足掻いた末は見たい。

 

 

でも殺せんせーと渚のファインプレーによって

茅野は触手から解放された。命拾いしたのは

良かったが個人的には不完全燃焼。

 

 

そして私は茅野のお見舞いに来ている。茅野は

私に話しかけた。

 

「かなちゃん、やっぱり私はあそこで止めら

れて良かったよ」

 

「でしょうね。」

 

「やっぱりガッカリした?」

 

「自分に嘘ついてたのにはガッカリしたよ。

触手に蝕まれた末に死んだら見れた物じゃないわ」

「あんたが生存(いき)るも死滅(くたば)るも

あんたの意思でなきゃ。触手による洗脳じゃ

なくて己の意思を貫いて命を捨ててでも望みを

叶えた末に死滅(くたば)るんだったら私は

一向に構わない。」

 

「かなちゃん、変わってるね」

 

「まあね。」

 

「じゃあもし私が望んだ末に戦って勝って命を

落としたらどうするの。」

 

「その時は泣くよ。二重の意味で。」

「あんたが死んだ悲しみとあんたが命を投げうって

でも目的を果たす事が出来た喜びで、私は涙するよ」

 

「フフッ何それ」

 

私の発言に茅野は笑う。

 

「じゃあ私はもう行くわ」

 

私は茅野の病室を出た。

 

「有馬さんて独特な考え方してるね」

 

「まあな。」

 

「やっぱり僕は茅野には死んでほしくないよ。

だからそんな事言ったら駄目だよ。」

 

「ああ、確かに死滅(くたば)っても構わないと

言ったけどそれは茅野が自分の意思で死ぬ覚悟を

した上でだからね。」

 

「そうだけど、やっぱり有馬さんにそういう事

言ってほしくなかったよ。」

 

「そうかい、そいつは済まないね」

 

私は潮田と別れてからお気に入りのバンドの

ライブに向かった。

 

 

 

 

 

入れてやるオレの魔物を

 

入れてやる今夜の生け贄

 

 

 

「クラウザーさん!ジャギ様!カミュ!」

 

「今日もクラウザーさんは凄いぜ!!」

 

「俺もクラウザーさんにレイプされたいぜ!!」

 

 

まさかこの世界にクラウザーさん達がいるなんて

思わなかった。初めて見た時は衝動的に

ライブハウスに入ったけど思わず夢中になったよ。

DMCは私の1番の惜しよ。

 

 




次でE組の話は最後です。


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E組との別れ

 

 

 

 

原作の通り潮田はE組を呼び出した。

潮田は殺せんせーを殺したくないとの事。まあ

気持ちはわかる。殺せんせーには世話になった

からなあ。私も大分強くなった。前世の強さには

及ばないけど、大分大分、強くなった。

ただ、それはそれとして殺せんせーを殺すけど。

 

 

「潮田、つまりあんたは殺せんせーを

救いたいという訳ね。」

 

「うん、先生を救う方法があるハズだから

皆で一丸となりたいんだ。」

 

「私は殺したい。ここで殺せんせーを殺せないと

なるとアレだ、アレ。小便を出し切ってないまま

トイレを出るのと同じだから。」

 

「かなちゃんその表現はちょっと無いよ…」

 

茅野は冷ややかに注意する。

 

「やっぱり出す物は出し切ってスッキリ

したいのよね」

「だから潮田、私はあんたの意見に賛同しない。

例え1人でも殺せんせーの命を狙うよ。

でも、あんたの意見を否定するつもりは無い。」

 

「有馬さん・・・」

 

「せいぜい私にぶっ殺されない間に殺せんせーを

助ける為に足掻くといい。可能性もゼロでは

無いよ。」

 

私は潮田を一瞥してその場を足早に去った。

 

さあて、行きつけの店に行くかね。

 

え?殺す派と殺さない派の対決には参加しない

かって?私は私のやり方でやる。たとえクラスが

全員が殺せんせーを救う方向に行こうとも

たとえ1人になろうと私は殺せんせーを狙う。

それに私含めたE組の奴らがどれだけ頑張ろう

とも結果は見えてる。

 

殺せんせーは殺される。E組がどれだけ

頑張ろうとも世界によって確実に排除される

だろう。というか、いくら殺せんせーが

指定したからといって世界中の国々が

一中学校のクラスに世界の命運を本気で

託す訳がない。原作通りE組の暗殺の裏で

準備してるに決まっている。てか世界相手に

真っ向から喧嘩を売った時点で結果は

目に見えている。

 

 

 

「やっぱりここはいい店ね」

 

私は行きつけの店のサンズオブサタンという店に

来た。デトロイト・メタル・シティに出てきた

店だけど何故か推しの子の世界にもあった。

夜はバーだけど昼はカフェをやっている。

この店は紅茶が美味しくて茶菓子にもよく合う。

 

「ロイヤルミルクティーとバナナのパンケーキ

を下さい」

 

「私はコーヒーとフレンチトーストで」

 

「何で殺せんせー居るの?」

 

「以外ですね有馬さんはこういう店に来てたんですね」

 

「ここは紅茶が美味しいからね茶菓子もよく合うから」

 

まさか殺せんせーがいるなんて思ってなかった。

 

 

 

 

「なるほどねそれでE組は殺せんせーを助ける

という感じになったのね」

 

「ええ、そうですとも。有馬さんはそれで

よろしいですか」

 

「まあいいんじゃね?正直E組が殺せんせーを

殺せるとは思ってないしE組があんたを助け

ようとしてもどうせ結果は見えてる。」

 

「ヌルフフフやけに達観してますねえ」

 

「まあね。それと私的には業がね、アイツ

マジでガキじゃないの」

「潮田が思い通りにならないからって酷い

暴言吐いたりしてるけどお前こそ自分の理想や

望みを潮田に押し付けてんじゃねえっつの。」

 

「これは手厳しい。」

 

「E組があんたを救うという方向にシフトする

んだったら1ヶ月は待ってやるよ。」

 

それが過ぎたら暗殺するけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「有馬さんズルくね?E組の今後を決める

対決に参加してないし」

業が因縁をつけてきた。

 

「何言ってるのよあんたらが揉めたから対決に

なったじゃないの。私を巻き込むなよな」

「つーか聞いたぞ赤羽。潮田にひでぇ事言った

のは謝罪したのか。テメェこそ潮田に自分の

理想を押し付けてるじゃねえか。頭いいけど

ガキだなお前。」

 

「へぇ言うね」

 

「ま、まあまあ2人とも落ち着いて」

 

潮田は2人を止めに入る。

 

「僕も有馬さんと戦いたかったよやっぱり

何というかスッキリしないし…」

 

「まあいいじゃないか。つーか私は戦うのを

望んでないし、そもそも戦いになった原因が

赤羽が潮田に因縁付けたのが原因なんだしよ。」

 

「でもクラスが1つになった感じがしないし」

 

「いいじゃん1つにならなくても。そもそも

学校のクラス自体相性を考慮せず適当な数の

生徒を詰め込んだ箱みたいな物なんだから。

性格的に合う合わないがあって当然、それを

無理に纏めようとするのが間違い。当たり障り

なく最低限仲良くできてたらそれで御の字よ。」

 

「有馬さんは独特な考えをしておりますねぇ」

 

「あ、殺せんせー」

 

「有馬さんは1つにならなくても

問題ないと考えていますね。」

 

「ええ、クラスなんてほんの一時の寄り合い所帯

なんだから無理に1つにならなくてもいい。」

 

「そうかなあ…」

 

「私の主観で語ってるんだから無理に納得する

必要は無いよ。お前と私の考えや価値観が

合わないんだったらそれはもう

そういう物なんだからしょうがないよ。」

 

「有馬さん…」

 

潮田は不服そうだけど、まあどうでもいい。

 

 

 

 

 

 

「ヤベェ!!間に合わない!」

私は今、走っている。学校をサボって横浜に

遊びにいってたが今日は殺せんせーがラスボスと

戦って潮田に殺される日だ。それを失念して

遊び呆けていた自分が恥ずかしい。

電車やバスを使って走ったりして何とか

殺せんせーの所までたどり着いた。

 

 

「遅れてごめん」

 

「…締まらないですねぇ」

 

殺せんせーやE組の皆が呆れた目で私を見るが

それはしょうがない。

 

それから私は殺せんせーの最期を見届けた。

涙は出なかった。

 

 

 

そして・・・卒業式

 

「有馬さん、君は本当に不思議な人でしたよ。

成績優秀なのに学校の備品や私の部屋の物を

盗んで売り払うなんて、君が何を考えている

のか今でもわからない。」

 

「あははは・・・・」

 

理事長に嫌味を言われたがそれは私が悪いし

仕方ない。それから茅野を呼び出した。

 

「話って何?」

 

「卒業だから最後に言いたい事があってね」

 

私は茅野に真実を話した。

 

「あんたの言う通り私は10秒で泣ける天才子役

有馬かな本人よ。」

 

「知ってる。」

 

「やっぱ気付かれたか」

 

「だってかなちゃん隠してるつもりだけど

全然隠し切れてないよ。」

 

「流石私にも負けない天才役者ね。」

 

「でしょ?」

 

「それから私は役者をそう遠くない内に

引退すっから。」

 

「え?!何で引退するの!!」

 

「私の人気も段々下がってきてあんまし仕事

こないから。それに本当は人気が続いている

内に辞めたかったのよ。」

「今の私はゾンビ役者。役者として死ぬべき時に

死ぬ事が出来ず死に時を見失った、ゾンビ

みたいな物。私の目標は役者としての死を

迎える事。唯、それには何かが足りない。

その何かを探してるのよ。」

 

「役者続ける気は無いの?」

 

「役者は楽しかったけどあくまで小さい頃の

思い出にしたかったのよ。」

 

「変わってるね。」

 

「表現者は変人が多いのよ。じゃあもう行くよ

これから先合うかはわからんが元気でな」

 

 

そして私は椚ヶ丘を卒業した。

 

 

 

 




暗殺教室のとのクロスオーバーはこれで
終わりです。もしかしたらキャラは出すかも
しれません。


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双子との再開

 

 

椚ヶ丘を卒業してから私は陽東高校に入学した。

あの双子のご尊顔を拝みたいからだ。

 

原作の有馬かなみたいに恋愛感情抱くかは

わからんが、恋をしたらその時は気分のままに

好きにすればいい。正直いうと私はあの双子が

好きだ。ラブもライクも今の所は無いけど

ある程度離れた所で見てみたいという感じで

好きなんだ。ただ、私の例もあるからあの2人も

転生者の可能性もあるし、原作とはキャラが

違うかもしれん。だからアイドル目指したり

復讐を企んでいるとかが無いかもしれない。

つまり陽東高校に入学するとは限らないのよ。

 

 

もし原作と違ったならそれはそれで構わない。

そもそも私の将来の目標は、殺し屋とブローカー

だ。臓器以外にも武器や薬物を売るのも

悪くないわね。

 

 

 

 

それから陽東高校に入って一年が立って例の

双子を見かけたので声をかけた。

 

「ひさしぶりじゃん!」

 

「「誰?」」

 

まあ当然ね。たった一回共演しただけだからね。

 

「私だよ10秒で泣ける天才子役のなれの果ての

有馬かなよ」

 

「なれの果てって…」

 

双子は呆れている。

 

「まさかお前らがこの学校に入るとは思っても

見なかったわ」

「まだ役者やってんのお前ら?」

 

「いや、俺は一般科に入るから」

 

「私は芸能科受けたけど兄がシスコンだから

私と同じ学校に入ったのよ」

 

「マジか!流石は星野アクアだ!納得のいく

キモさを発揮しているわ!!」

 

「それは褒めてんの?」

 

ルビーは不思議そうに聞いてきた。

 

「まあそんな訳だからシクヨロ!」

 

「いや、こっちはよろしくするつもりは

無いんだが」

 

まあそうだよな私はアイに枕やってるとか言っちゃ

ったしそれはしょうがない。

 

「まあそれでもいいけど。それと話は変わる

んだけどいいかな?」

 

「何だ?」

 

「私さあ今日は甘口でとかいうドラマの

主役やってるけどさあ」

 

「今日あまってあの名作か?」

 

「知ってるの?」

 

「知ってる、役者やってる奴で知らないとか

モグリもいいトコだぞ」

 

私も見たけど主人公があんまし肌に会わな

かったわ。話の完成度はかなり高いけど。

 

「あれのドラマで役者が1人足りなくなった

からアクアやらない?」

 

「どんな役だ?」

 

「ヒロインのストーカーの役よあんたにピッタリ

だと思って」

 

「何がピッタリだやっぱバカにしてるだろ」

 

「大丈夫よあんたなら完璧にこなせるから

自信持ちな」

 

「褒めてるのか侮辱してるのかわからんな」

 

「いやさあ鏑木の旦那が困っててねえとりあえず

やってくんない?」

 

「鏑木…だと?」

 

「うん、鏑木がプロデューサーやってるけど」

 

「少し考えておくか」

 

「いい返事を貰えると期待するわ」

 

私はそう言うと双子と別れた。

 

 

 

 

 

 

「与作は~木を切るーヘイヘイホー」

 

それからアクアが話があるからと言ってたの

でカラオケで話をした。そして今、私は

北島三郎さんの与作を歌っている。

 

「何で与作なんだ…てか何でカラオケで

話をするんだよ?」

 

「私は腐っても芸能人だからこういう個室の

方が良いのよ。それに与作いい歌じゃん。

まあ私はラルクの方が好きだけど。」

「で、話って何よ?」

 

「俺はお前の持ち掛けた話を受けようと

思ってな…」

 

「マジか。」

 

「金がいるからな、小遣い程度でもバイトに

ありつけるのは有難い。」

 

「私が言うのも何だけどかなり酷い出来のドラマ

だから覚悟しといた方がいいよ」

 

「そんなに酷いのか?」

 

 

「うんマジで学芸会レベルだから」

 

「まあそれはしょうがないな。俺としては

金を稼げたら特に言う事はない」

 

「だったら監督にギャラに色付けてもらう

様に言っといてあげるわ」

 

「ありがとな」

 

「せっかくカラオケ来たんだからあんたも

歌いなさいよ」

 

「いいぜ、こう見えてカラオケには自信が

あるからな」

 

 

アクアは天体観測を歌った。予想以上に上手い

わね。私はBUMP OF CHICKENだとグングニルが

好きよ。

 

 

 

 

 

 

 




作者はBUMP OF CHICKENだとラフメイカーが
一番好きです。


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かなのお遊戯

 

 

「アクアドラマに出るんだ。何で言ってくれ

ないの?」

 

「わざわざ言う様なドラマじゃないからな」

 

ルビーはミヤコからアクアがドラマに出るとい

うのを聞いた。

 

「てかアクア役者に興味無かったんじゃない

の?やっぱ未練あったじゃん」

 

「そんなんじゃない」

 

(俺がドラマに出るのも鏑木と繋がりを

持つ為だ。)

 

(奴の毛髪1本でも手に入れられればそれ

でいい。)

 

「それにしても凄いね今日甘がドラマに

なるなんてね」

 

「ああ、有馬かなに誘われてな。アイツが

ストーカーの役にピッタリだと言いやがって

な」

 

「ロリ先輩上手い事言うね」

 

「どういう意味だ」

 

「これがあのロリ先輩の出ている今日甘の

実写ね」

 

ルビーはアクアが出ると言った今日は甘口での

ドラマを一緒に見ている。

 

感想は

 

 

 

 

 

「オマエソンナカオシテテタノシイノ?」

 

「ナンダワラエバカワイージャン」

 

「オレノオンナニテヲダスナ」

 

「ハッナンダテメエ」

 

 

 

 

 

 

「何ていうかひどいねコレ!!」

 

 

 

 

 

お察しである。

 

 

 

 

 

「こんなのドラマじゃないわ!唯のドラマ

ごっこよ!!」

「それにしてもロリ先輩の演技少し

落ちたよね?」

 

 

 

 

 

 

 

「マジかアイツ見る目あるわね」

 

「何か心辺りあんのか?」

 

「まあね。私以外大根だから私だけ上手くても

他が公開処刑みたいになるから抑えてるのよ」

 

「大変だな」

 

「まあね、でももっと大変な事もあるわ。」

「なんと!撮影は明日!」

「来週オンエアで撮影編集即納品!」

 

「・・・本当に大変だな」

 

「まあねでも沈没寸前の泥舟だろうけど

何とか見れる様にしようじゃないの」

 

 

 

 

当日

 

 

 

 

 

今日が最終回の撮影よ。アクアを誘った理由も

アクアの気持ち悪い演技が良かったからと

いうのもあるけど私の演技を見せたいのもある。

 

 

 

 

今日は最終回。どうせ、ろくでもないクソドラマ

なんだから最後ぐらいは好き勝手に演技

させてもらうわ。アクアには見せたい。

 

 

 

私のかましまくった演技を

 

 

 

 

 

「はいスタッ!」

 

 

 

 

 

撮影が始まった瞬間に私はかました。かまし

まくった。それもふざけた態度前回で。

 

(自分で言うのも何だが)抜群の演技力を

駆使して、メルトの大根演技が霞んで見える

ぐらいに演技を舐め腐った様な感じで演技した。

 

本来はこんな事したら駄目だという気持ちも

ある。けど、それでも、一度でいいから

何もかもを舐め腐ってふざけた演技を

したくなったのよ。

 

何でこんなひどい事するかと言うと、前世で

デトロイト・メタル・シティという漫画の

主人公の根岸祟一に影響を受けたからよ。

 

根岸が劇中で演奏するポップスは聴いた

キャラの殆どから酷評されるぐらい酷い

出来で例えるならその道のミュージシャン

が別のジャンルの音楽をバカにした様に

やってるのと同じよ。それに影響を受けた

私も大概だけどね。

 

でもやって見たかったのよ。根岸のポップス

みたいに、一度でいいからバカにした態度

前回の演技を。

 

今日甘のファンが見たらブチ切れるレベルの

ひどい演技を、プロの私がやる。

これはもう、セッ○ス以上の快楽よ!

 

 

 

 

 

そんな感じでおふざけ前回の演技を楽しんで

たら、カットが入った。

監督やスタッフは死んだ目をしている。

 

私の元に鏑木プロデューサーがやってきた。

 

「・・・・・・かなちゃんさぁ、どうして

あんなふざけた演技したの?いやね、この

企画も確かにイケメン俳優を売り出す為の

ドラマだから演技は2の次でも構わないし

下手でもこの際、問題ないよ。

でもね、今の君の演技は上手い下手以前だよ。

曲がりなりにも仕事でやってるんだよ。

遊びでやってるんじゃないよ。」

 

鏑木プロデューサーはゴミを見る目で私に

言った。

 

「お遊戯的な事は外でやってくんない?」

 

 

 

 

「すいませんでした!」

 

流石に悪い事しちゃったから謝罪した。

 

 

 

 

(演技酷すぎるだろ…どうしちまったんだよ

かなの奴)

メルトですら、かなのふざけた演技にドン引き

する。

 

(いや、良く考えたら俺の今までの演技もかなり

ひどかったな。かなの演技を見て改めて、自分の

演技のひどさを思い知らされたよ)

メルトはかなのひどい演技を見て自分の演技の

ひどさを理解した。

 

 

「何てひどい演技だ…有馬はどうしたんだよ…」

 

アクアもかなの演技に戦慄していた。

 

 

 

 

 




かなの演技を地の文で説明するだけで表現は
出来ませんでしたが、この作品のかなの
演技のひどさは、例えるならミシュランで星を
獲得できるレベルの寿司屋で1番寿司を握るのが
上手い寿司職人が自分の握った寿司の上に
クリームやハチミツをかけたりした物をスイーツ
としてお出しする様な物(しかも握り自体は
異様に上手い)です。


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天才子役有馬かな

 

 

流石にひどい演技だったから苦言を呈されたよ。

あの時の監督の目は忘れられそうにないわ。

あんな目にしたのは私だけど。

 

 

「有馬…お前は一体どうしたんだよ…大丈

夫か」

 

アクアが心配して来てくれた。

 

「大丈夫よ。どうせ最終話だから好きに

演技しようと思ってね」

 

「好きにって・・・・お前、この企画に恨み

でもあるのかと思ったぞ」

 

「私もあんな演技アウトだと思ったけど、一度で

いいからああいう風に演技なんてこんな物で

いいだろ、という態度で演技を舐め腐った様な

演技をしてみたかったのよ。」

 

「お前・・・・今日甘のファンに知られ

たら刺されるぞ」

 

アクアも私のふざけまくった演技には否定的ね。

まあ、あんな演技なら否定されるのもしゃあない

わね。

 

さて、お遊びはここまでにして本気で演技します

かね。役者有馬かなの最後の舞台。

こんなしょっぱいドラマだけど天才子役の

本気の演技で観てる奴らを魅了してあげるわ。

 

 

 

 

 

 

 

「それでも 光はあるから」

 

 

 

 

 

 

 

周りが私の演技に魅了されてるのが手に取る

様にわかるわ。

 

まあ私としてはそれなりに出し切れたしまあまあ

満足してるわ。

 

監督からも褒められたわよ。

 

 

 

 

 

 

 

それから私は、最後にやるべき事をやろうと

したわ。

 

 

私は今まで愛用してきたベレー帽を地面に叩き

つけるかの様に脱ぎ捨てた。

 

 

 

 

 

「おい有馬、何してるんだ?」

 

アクアがやってきて私に話しかけた。

 

「ああ、アクアか。私は今日で役者辞める

から役者だった自分との決別の儀式をね。

謂わば役者有馬かなの葬式みたいな物よ。」

 

私はベレー帽にマッチで火を付けた。

 

「お、おい!」

 

「大丈夫よ消火器も用意してるから」

 

ちゃんともしもの時の為に消火器も用意した。

 

「お前何で役者辞めるんだよ・・・お前なら

もっと出来るだろ」

 

「本当はまだ人気がある内に辞めたかった

けどお母さんがうるさいから仕方なく

続けたのよ。惜しまれてる間に辞めるのが

華じゃないのよ。」

「ベレー帽を燃やしたのも役者としての

私を供養する為の葬式みたいな物よ。」

 

「お前はそれで満足なのか?」

 

「完全にとは言わないけど、及第点ではあるよ。

それにさっさと芸能界からも引退したい

からね。芸能界のしがらみとかしんどいし。」

 

そう言いながらも私は酒を取り出して

ベレー帽の燃えかすに振り掛けた。

 

「何で酒を掛けてるんだ?」

 

「一昔のドラマとかで墓に酒を掛けるのが

あったじゃん。やってみたかったのよ。」

 

「これで役者有馬かなは死んだ。後はただの

有馬かなとして第二の人生を謳歌するわ。」

 

「じゃあなアクア。また会おうな。」

 

私は片付けを終えて後にした。

 

 

さあて、役者辞めたら何をしようかな?

 

 

 

 

 

 

 



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