先輩からめちゃくちゃにされるJKの話 (趣味嗜好)
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1話

愛着持って創作した自分のキャラが酷い目に遭うのって、なんかこう……背徳的でいいですよね。




 

「ずっと前から好きでした。私と付き合って下さい」

 

 人間、予想だにしていない突然の事が起こると思考が止まってしまうとは聞いてはいたが、まさか私もそれを味わうとは思わなかった。

 

「あー……」

 

 私の口から漏れたのは、返事にもならない謎の間延びした声。その声を発しながらも、私の頭の中はグルグルと回転し続け、そして何故こんなことになったのかまで思考は遡っていった。

 

 

 

 

 

 

 学校の授業が終わり、さて帰ろうかと下駄箱を開いた際に外履きの上に置かれていた二つ折りの便箋。そこには宛名も書かれていなく、ただ学校の裏手にある大きな桜の樹の下で待っているという旨の一文が書かれているだけだった。

 

 新手の嫌がらせかとも一瞬思ったが、今まで人付き合いは上手くやっていた自信があったのもあり、その線はないと判断した。ならばと青春モノでよくある告白かとも思ったが、むしろそっちの方がないだろうと思う。いや、一部では聞いたことはあるものの、私には到底無縁のものだと思っていたからだ。

 

 結局、いくら考えても相手も呼び出される理由も全く心当たりがなかった私は、暇だしもしかしたら重要な話かもしれないということで便箋に書かれた場所に向かった。

 

 ──そして冒頭へ至る。

 

 

(あの時帰らなかった私の馬鹿っ‼︎)

 

 数十分前の自分への恨み節を心の中で吐き捨てる。

 

「……えっと、告白は大変嬉しくてですね。私も生まれて初めての告白に混乱してるところなんですけどね」

 

 こういった経験がゼロの私は、取り敢えず何か言い繕わなければと身振り手振りを混じえながら口を開く。

 混乱しているのもあって自分が何を言っているのかすら分からなかったけど、これだけは伝えなければならない事があるので、ふぅと一呼吸を置いてなんとか平静を保とうとする。

 

「すみません。私やっぱり同じ女性とは付き合うことは出来ません」

 

 目の前の彼女──有栖川“女学院”生徒会長、神崎早苗さんに頭を下げながら、私は彼女の申し出をキッパリと断った。

 

 

 

「そう……そうよね」

 

 頭を下げたまま、私は早苗さんの震える声を聞いて心が苦しくなる。

 

 神崎早苗……私が通う有栖川女学院の現・生徒会長であり、私の近所に住む一個年上の先輩。

 

 モデルである母親譲りの整った顔立ちに肩まで伸ばした癖のない綺麗な黒髪を靡かせながら歩く姿は、まさに大和撫子と言わざるを得ないほど美しく、今までも何度か芸能界のスカウトに声を掛けられたそうだ。

 さらに勉強も優秀で、校内のテストでは常にトップで模試なんかでもかなり上位の成績を納めているとかで、将来は東京の有名大学合格も間違いないと言われるほど。

 

 それに性格も優しく穏やかで、誰にでも分け隔てなく接するその姿に憧れ、私の友人の中では本気で彼女に恋簿を抱いている者もいるくらい人気なのである。

 

 

 そんな彼女だが、唯一私との接点と言えばまだまだ私が小学生で小さかった頃、近所ということもあって一緒に遊んでいたということ。

 

 私は姉がいるが、どちらかというと外で遊ぶアクティブな姉だった。それに反し私は帰宅部という事で分かる通りインドア派で、姉との遊びに付いて行けなくなった私とも早苗さんは人形遊びやゲームをしたりとずっと一緒に遊んでくれた。

 その時から優しく面倒見が良い早苗さんに、思い返せば恥ずかしくなるくらい私は懐いていた。

 

 そんなこんなで早苗さんが小学校を卒業し、私立の有名中学校に入学するため一家が引っ越しすることになった時は、わんわん泣いてしまった。

 まさか高校で再会するとは思わなかったけど、その時には向こうは生徒会の会長で私は帰宅部。それに向こうは同性とは言え絶大な人気があって、とてもじゃないが話し掛ける雰囲気にはなれず、今日まで見掛けてはいても声を掛けることはなかった。

 

 なのに、だ。

 急に早苗さんから好きだと告白されれば、いくら昔は仲良く遊んでいた私でも混乱してしまうというもの。

 

 

「えっと……早苗さんのことは大好きですけど、それは仲の良い姉妹みたいなもので、付き合うとかってなるとちょっとそれとは違うんで……すみません」

 

 早苗さんへ謝罪の言葉を口にしながら、私は再度頭を下げる。そう、私も早苗さんのことは大好きだ。しかしそれは憧れの人に向ける尊敬に似たようなもので、決して恋愛感情ではない。

 

 最初に断った時、彼女の声は震えていた。

 それは当然だろう。同性を好きになり、どう思われるかも分からない不安の中で勇気を出して告白をしたのだから。きっと早苗さんの胸中は悲しみでいっぱいのはず……だったらちゃんと伝えなければ。

 

 これからも仲の良い“友達”でいましょう、と。

 

「……り、……ない、か」

 

「えっ?」

 

 小さく聞こえた早苗さんの声。

 聞き返すように顔を上げた視線の先で、早苗さんの虚ろな表情が私に向けられていた。

 

「早苗……さん?」

 

 早苗さんの表情は今まで見たことの無いほど感情が込められておらず、優しさで溢れているはずのその目は濁ったように何も映さない。

 

 その異様な雰囲気に私の足が自然と後退る。

 

 早くこの場から逃げろと警鐘が鳴るかのように心臓の鼓動が早まってくる。しかし頭の中では目の前の彼女に何かあったのではという考えから、後退る程度しか出来なかった。

 

 そして、それが間違いだった。

 

 

「ごめんなさいね」

 

 か細く、それでいて凛とした早苗さんの声が聞こえたかと思うと、次の瞬間には私の鳩尾辺りに強かな衝撃が走った。

 

「が、はっ⁉︎」

 

 突然の衝撃に肺に溜まっていた空気が私の呻き声とともに全て吐き出され、私の身体がくの字に折れ曲がる。

 

 一瞬にして耐え難い息苦しさに曝された私は、その場に倒れ込みながら短い呼吸を繰り返す。しかしそれでも息苦しさは一向に治らず、私の視界が涙で滲み、徐々に意識が朦朧としてくる。

 

「こんなことしたくなかったけど……」

 

 頭上から、バチバチッと聞き慣れない音が響く。

 霞む視界の中、見上げた早苗さんの手には何処から取り出したのか黒い物が握られており、どうやら音はその黒い物から発せられているようだった。

 

「……てっ、な、こと……?」

 

 どうしてこんなことを?

 

 そう問いたかったけど私の口からはヒュッと呼吸音が混じりながら吐き出され、それは言葉としての体裁を保てていなかった。

 それでも、早苗さんには何が言いたいのか伝わったのか、先ほどまでの表情とは打って変わって今まで私に見せたことがないほど清々しいまでの笑顔を浮かべ、私を見下ろしている。

 

「ふふっ……これから宜しくね、彩火」

 

 しゃがみ込んだ早苗さんが、私の首元へと黒い物体を押し当てる。

 

 ──バチンッ

 

「あ、ガッ⁉︎」

 

 音が聞こえた瞬間、鋭い痛みが全身に走ってビクンッと身体が跳ねる。

 

 意識がなくなる直前、いつもの優しい早苗さんの声が耳に飛び込んでくる。

 

 それを最後に、私は静かに目を閉じて意識を手放した──。

 

 



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2話※

 

「──……ぅ、ん?」

 

 ゆっくりと微睡みから浮き上がる時のような、曖昧な意識の中で私はゆっくりと目を開ける。

 徐々に開けてくる視界の先、そこには見たことのない木目調の天井の景色が広がっていた。

 

 私、どうしたんだっけ……?

 

 鈍かった全身の感覚も徐々に戻り始め、起き上がろうとした時、腹部に鈍痛が走り、私は表情を歪めながら再び倒れ込む。

 倒れ込んだ拍子に程よい反発とフワリと香る甘い匂いが私の身体を捉え、その時ようやく私が寝てたところがベッドの上であることが分かった。

 

「痛っ……」

 

 痛む腹部──鳩尾辺りを撫でながらどうして腹部が痛むのかと思案を巡らせ、そしてサァッと血の気が一気に引いた。

 

「そうだ……私、早苗さんに殴られて……」

 

 あの時のことを思い出し、手足が小刻みに震えだす。

 

 今まで見たことのない空虚な彼女の表情。

 今まで受けたことのない暴力。

 そして今まで見せたことのないほどの彼女の笑顔。

 その全てを思い出した私は、腹部が痛むのも構わず起き上がる。

 

 ここは、何処だ?

 

 

 視界の先には綺麗に整頓された机と本棚が置かれていて、ぐるりと全体を見回してみれば此処が誰かの部屋であることが分かった。

 

 フローリングの床には大きな楕円形の白い絨毯が敷かれ、その上には一人用サイズのガラステーブルが置かれている。窓にはこれまた白色のレースのカーテンが取り付けられていて、そこから僅かにオレンジ色の光が射し込んでいる。

 

 マットレスや布団は清潔感と高級感を匂わせるクオリティのものだったが、何故かベッドだけは学校の保健室にあるような無機質なパイプベッドという 変な組み合わせだった。

 

 机、本棚、ベッド……必要な物が最低限置かれているだけのシンプルでそれでいて清潔感のある部屋……きっとこの部屋の持ち主は彼女なのだろう。

 

「あら、目を覚ましたのね」

 

 不意にガチャリと扉が開けられると同時に室内に飛び込んできた声。それにビクッと肩を震わせながら、私は扉の向こうへと視線を向ける。

 

「彩火ったら、全然起きないんだから心配しちゃったわ」

 

 本心から心配しているかのように語る早苗さん。その様子があまりに自然すぎて、私はついカッとなって言い返してしまう。

 

「えぇ。誰かさんが思い切り殴ってくれたお陰で呼吸困難でした」

 

「あら、それはごめんなさい。でも彩火が悪いのよ。私のことを拒絶したんだから」

 

「拒絶って……私はただ早苗さんとは友達のままでって」

 

 ヒュッ。

 

 早苗さんが右手を振ったかと思うと、私の右耳が風切り音を捉えた。

 ゆっくりと音のした方へと首を動かすと、そこには包丁が部屋の壁へと突き刺さっていた。

 

「ひっ⁉︎」

 

 慌てて身体を捻って包丁の刺さった壁から離れる。

 その拍子にベッドから落ちてしまい、背中を床に打ち付けてしまう。

 

「友達……? 私と貴女がただの友達な訳ないわよね?」

 

「い、嫌っ⁉︎」

 

 いつの間に背後に立っていたのか、ベッドから落ちると同時に腰を抜かしていた私の身体が後ろから抱き締められる。耳元で囁かれた早苗さんの感情の込められていない声に、全身が一気に総毛立つ。

 咄嗟に抱き締めてくる彼女の手を払おうと手を伸ばすが、今度は伸ばした私の両手を絡め取り、さながら恋人達がするように絡めてくる。

 

「ふふっ。私ね、彩火とこうやって手を繋ぐのが夢だったの」

 

「や、やめっ⁉︎ 早苗さっ、やめて⁉︎」

 

 あまりの異常な様子の早苗さんに、すでに私は恐怖に取り憑かれていた。

 

 高校生ならではの背伸びから斜に構えた態度の普段の私ならば絶対に出さないであろう悲鳴を上げながら、掴まれた手を振り払おうと暴れる。しかしそんな私の抵抗すら昔のように簡単に押さえ込まれてしまうと、今度は無理矢理立たされ、そしてベッドの上へと突き飛ばされ、仰向けで倒れ込む。

 

「あぅっ!?」

 

「あんまり手を焼かせないで。また乱暴しちゃうでしょ?」

 

 バチンッ。

 

 部屋中に聞こえるような弾ける音とともに私の左頬に鋭い痛みが走る。

 呆然と、突然の痛みとともに揺れた視界を戻してみれば、そこには私の上に馬乗りとなった早苗さんが右手を振り抜いた姿勢のまま、優し気な笑みを浮かべていた。

 

「ね? 痛いのは嫌でしょ?」

 

 狂ってる。

 それがようやく理解できた時、私の中で目の前の彼女は憧れの人でも優しい姉のような存在でもなくなった。

 

 怖い。

 純粋に、ただただ怖い。

 

 私の歯が無意識にガチガチと鳴る。

 全身が恐怖に震え、滲み出した涙は目尻から止めどなく流れ落ちる。

 

「あらあら、どうしたの? 泣いてしまうほど痛かったの? それとも私とずっと居られるのが嬉しくて泣いているの?」

 

 早苗さんが眉を困ったように八の字に歪めながらも、口元に笑みを作る。

 その歪ながらも美しい彼女の顔に、私の中の恐怖心は更に高まっていき、身動きひとつ取れなくなる。

 

「良い子ね。 もう少しそのままでいてね」

 

 私が動けないのが諦めたからと捉えたのか、早苗さんが私の両手を掴み、私の頭上へと持ち上げる。そして手首に一瞬の違和感を覚えたと同時に早苗さんの身体が離れる。

 

「ふふっ、これで彩火はずっと私と一緒よ」

 

 ゾワリと背筋が震える。

 慌てて起き上がろうとするも、出来ない。手が全く動かない。

 見れば私の両手はパイプベッドのパイプ部分と繋がったベルトに固定されていた。

 

「あとはこれを付けて、と」

 

「な、ンンンッ⁉︎」

 

 僅かに開いた口に、穴の開いたボールのような物を押し込まれる。そして頭の後ろでベルトで固定されてしまう。

 

「ふふっ……可愛い。 ギャグボールって道具なんだけど、その様子だと彩火は知らないみたいね」

 

 早苗さんはそう言って私から離れると、徐に着ていた制服のスカートへ手を伸ばす。そしてスカートのファスナーを下ろすと、早苗さんはスカートから手を離す。

 重力に従い落ちたスカート。下着を曝け出す姿になっても早苗さんは慌てることなく今度は制服のブレザーへと手を伸ばす。

 私が見ている前で一枚、また一枚と着ている服を脱ぎ捨てる早苗さんの姿に、私は先程までの恐怖心が搔き消え、何故だか目を離せなくなって彼女の一挙手一投足に釘付けとなる。

 

 そしてとうとう上下とも下着だけになった早苗さんが、その姿を私の前に晒け出す。

 

 まるで雑誌の中のモデルのような美しい肢体。そんな彼女の肉体は部屋の電灯の光を受けて健康的な肌がより一層魅力的な輝きを放っていた。

 白のレースのブラに包まれた程良い質感を持った胸は見事な谷間を作り、否応にも私との差を見せ付けられる。

 同性であるにも関わらず、私は無意識のうちに唾を飲み込み彼女の身体に目を奪われていた。

 

「ふふっ、そんなに見つめられると照れるわ」

 

 可笑しそうに口元を隠しながら早苗さんが微笑む。その言葉に自分がどれだけ彼女の身体に注目していたのかを思い知らされ、カァッと顔が熱くなる。

 そんな私を尻目に、早苗さんは口元に当てていた手を背中に回す。そしてなんの躊躇もなくブラを取り外す。

 

「ンンーッ⁉︎」

 

 咄嗟に上げた私の声で早苗さんの手が止まることはなく、慣れた自然な所作でブラの紐を肩から外すと着ていた制服の上へと脱ぎ捨てる。

 ブラという支えを失ったにも関わらず早苗さんの胸は変わらず張りのある主張を行い、更に薄桃色の可愛らしい乳首がぷっくらと膨らんでいた。

 ブラを外し終えた早苗さんは私が見ているせいか若干顔を赤く染めながら、今度は多少前傾姿勢になって腰元へと両手を添える。

 

 まさか……そう思った私は慌てて首を動かして視界に早苗さんが入らないようにしながら目を瞑る。だけど目を閉じたことで余計に研ぎ澄まされた私の耳に衣擦れする音が飛び込んでくる。

 

 シュル……シュル……

 

 衣擦れの音が聞こえてくる度に私の鼓動が分かり易く高まっていく。

 

 ギッ……トン。 ギッ……トン。

 

 僅かな床鳴りの後に響く軽い足音。それが意味することを無意識のうちに悟り、鼓動のみならず私の呼吸が荒々しくなる。

 

 

「ね、私を見て」

 

 不意に耳元で囁かれた早苗さんの声。

 突然のことに無意識のうちに目を開けて声のした方へ視線を向けてしまうと、そこには一糸纏わぬ姿となった早苗さんが立っていた。見てはいけないと思っていた部分も隠すことなく晒け出している早苗さんが、私の眼前に立っていたのだ。

 

「ンゥ、ン……」

 

 とても綺麗。

 それが早苗さんの裸体を見たときに私が真っ先に思い浮かんだ言葉だった。人並みと言われればそれまでだが、その言葉以外に私は思い浮かばなかった。

 一つ一つのパーツを見ても整っている肢体は全て揃うとまるで芸術家が作ったかのような、造形でしか見たことのない見事なバランスで美しい。そればかりか、呼吸に合わせて上下する胸と自己主張する乳首、エアコンの微風に揺れて靡く彼女のアンダーヘアーがより一層の生々しさを演出し、私の中の劣情を煽っていく。

 

(あ、まずい……)

 

 それを自覚した瞬間、私はサァッと血の気が引くような思いがした。少し身動いだ瞬間に私の秘部から僅かな水音が響いてきたからだ。

 それは本当に小さなもので、自身の身体だったから分かった程度のもので早苗さんに聞こえるはずなどないのだが、早苗さんの裸体を見て興奮してしまったという事実は変わらない。殴られて拘束されて見せつけられて……こんな目に遭ってるはずなのに、さっきまで怖くて身体を震わせていたはずなのに、今は身体の奥深くが熱くて堪らない。

 

 

「今度は貴女のを見せて」

 

「ゥ……ン?」

 

 早苗さんの台詞に、一瞬何を言っているのか理解出来ずに固まってしまう。

 そんな私の様子などお構い無しに、裸の早苗さんが私の腰の上で馬乗りになる。そしてその細い指が私の制服へと伸び、ゆっくりとボタンを外していく。

 

「ンンンッ⁉︎」

 

 彼女が何をしようとしているか分かった私は、身体を揺らしながら抵抗の声を上げる。しかしそれも早苗さんには通じず、気にすることなく指を動かしていく。

 そして制服のボタンが外され、今度は中のシャツのボタンを外していく。

 

「あら」

 

 とうとうシャツのボタンも外され、早苗さんの手で前を開かれて肌着が捲られて私の肌が露わになる。その瞬間、早苗さんが驚いたような声を上げた。

 早苗さんの視線の先……そこには下着を身に付けていない、早苗さんとは比べ物にならない私の小振りな胸が露わになっていた。

 

 言い訳になるが、普段はちゃんと私だって無いなりにブラは付けている。たまたま放課後にプール掃除があり、その時に誤って頭から水を被ってしまった私は、上半身がびしょ濡れになってしまった。

 幸い、掃除はジャージを着て行っていたので濡れてしまったのはジャージと下着だけだったのだけど、替えの下着を持ってきていなかった私は、濡れたブラを付けるのも嫌だったので直接肌着を着てそのまま制服を着ていたのだ。

 

「うふふっ……」

 

 早苗さんが何も言わず、ただ微笑みながら私の顔と胸を交互に見る。他の人に胸を見られているという状況に、羞恥心から顔を逸らす。

 

「ホント、お人形さんみたいで可愛い……」

 

「ンアァッ⁉︎」

 

 ツツーッと、早苗さんの指が私の首すじから胸へと滑り、そのまま乳首を軽く弾く。

 今まで感じた事のない、ゾクゾクとした感覚が背筋を走り、私は無意識のうちに声を上げていた。

 ハッとした時にはすでに遅く、早苗さんが玩具を貰った子供のように笑みを浮かべる。

 

「えい、えい」

 

「フッ、ハァッ、ンァァッ⁉︎」

 

 早苗さんの指が、私の乳首をコリコリと何度も弾いて弄ぶ。声を抑えようとするも今まで誰からも触られることのなかった私の身体は、味わったことのない感覚に翻弄され、堪え切れずに声が漏れてしまう。

 

「こんなに大きくしちゃって……気持ち良かったのね」

 

 何がとは言わずとも、早苗さんが何について言っているのか私は直ぐに理解した。早苗さんの指に弄られながら、私の薄桃色の乳首が、厭らしく主張をしていた。

 

 

 違う。こんなの私の意思じゃない。気持ち良くなんか、ない。

 

 早苗さんの言葉を否定するように、楽しげに私の身体を弄ぶ彼女を鋭く睨みつける。

 

「……ふぅん」

 

 私の視線を受け、早苗さんの表情が一瞬、学校で浮かべた虚ろなものになる。だけど直ぐに元の笑顔を浮かべると、より一層その笑みを深くする。

 

「まだ躾が足りなかったのかしら、ね?」

 

 妖艶とも思える笑みを浮かべながら、早苗さんがゆっくりと私の首元へとその顔を埋める。

 

 

 ──ガブッ

 

「ッ⁉︎ ンンゥーッ!ンゥッ、ンンーッ⁉︎」

 

 首元に走る激痛。

 早苗さんの荒々しい息が直接当たり、強弱をつけながら痛みが広がっていく。

 

 噛まれている。

 

 その事実にジタバタと身体を暴れさせて抵抗をしようとするが、その度に首元の痛みが増していく。それはまるで獲物を決して逃がさない肉食動物のようで、徐々に私は抵抗する力を失っていき、ただ目に涙を浮かべることしか出来ない。

 

「ァ、ンウ……」

 

「──っと。痛かった? でも……ふふふっ、痕付けちゃった」

 

 ようやく彼女の唇が離れたかと思うと、さも楽しげな声が降り掛かる。

 

「安心して。鞭のあとは飴をあげるから」

 

「ゥ、ン……?」

 

 再び早苗さんが覆い被さり、彼女の顔が間近に迫る。噛まれた時のことを思い出し、私はギュッと目を瞑る。

 

 ぬるり。

 

「ンンンッ⁉︎」

 

 生々しい大きな水音が、私の耳に響いた。

 

 クチュクチュ、ジュルッジュルッ。

 

 頭の中はそんな音が支配し、私の耳に小さく、熱いモノが這う。それは荒々しく私の耳を蹂躙していき、時折早苗さんの息遣いが聞こえてくる度に身体の内側から電気が走ったかのようなビリビリとした感覚が走る。

 今までのような身体を撫で回されたり、乳首を弄られたりとはまた違う、内側から与えられる過剰とも言えるほどの刺激に、私は身体を捻り、足をバタつかせながら逃れようとする。

 

「ふふっ、駄目よ」

 

 頭の中に響く早苗さんの声が私の抵抗を嘲笑う。それと同時に私のお腹の上で早苗さんがより密着して動きを封じられてしまう。

 手は縄で結ばれ、私の上に早苗さんが重なるようになっている。早苗さんは小さく微笑むと再び私の耳へと舌を這わせ、さらに胸を弄び始める。

 

「ンーッ、ンンーッ⁉︎」

 

「そんなに声を上げて……気持ちいいの?」

 

 早苗さんの艶のある声が聞こえてきたが、それどころじゃない。

 

 気持ちがいいとか、そんな優しいものじゃなく、言うならば快楽の暴力。早苗さんの舌が身体中を這う度にゾクゾクとした未知の感覚が巡り、舌が耳を撫でる度に頭の中がぐちゃぐちゃにされそうな気がする。

 

 

「ほら。外してあげるから、もっと声出して」

 

 不意に、早苗さんの身体が離れて口元を覆っていたボールが外される。

 

 ずっと付けられていたせいかボールが離れる時に涎の糸が引いていて、それが照明の光を受けて余計に際立っている。

 そのボールを早苗さんがひと舐めすると、またニヤリと笑みを浮かべる。

 

「美味しっ」

 

 見せつけるように再びボールを舐め、舐め続けるうちに呼吸が荒々しくなる早苗さん。

 

「はぁっ、はぁっ……こ、の変態」

 

 荒い息を整えずに精一杯にそう言い返すと、彼女の動きがピタリと止まる。

 

「まだ、口答え出来るのね。いいわ、徹底的に調教してあげる」

 

 笑顔を潜め、持っていたボールを無造作に投げ捨てた早苗さんがゆっくりと迫り来る。その表情は放課後に見せた時と同じ、まるで感情が喪失しているかのように読み取ることが出来ない。

 

 そして、とうとう早苗さんの手が私の身体へと伸びてきて──

 

 

 

 

 

 

 

 

「いぎっ、ああぁぁぁぁっ⁉︎ いやっ、もっ……いやぁ

あああああっ!」

 

「さっきまでの威勢はどうしたの? ほら、これが好きなんでしょ?」

 

「ダメ! ダメダメダメヤメてヤメて、いぎぃっ⁉︎」

 

 頭から爪先まで快楽の電気が走ったかのような感覚と同時に、小刻みに痙攣する身体から意図せずぷしゃっ、と吹き出す音が聞こえたかと思うと、勢いよく潮が飛び散る。そして次にはとてつもない疲労感と、もう何度も味わった太腿を伝って滴る感覚が訪れる。

 

 クチュクチュと音を立てながら引き抜かれた指を追うように再び私の股から潮が飛び散り、それが早苗さんの顔を汚していく。

 

「はぁ、はぁ……ふふっ。 堪え性のない子はお仕置きね」

 

 早苗さんが頬を伝って落ちる滴を舐め取ると、再び私の膣口へと指を這わせる。

 

 私も年頃だ。一人で慰める経験がないほど純粋ではないが、それでも精々軽く指で弄っては気持ち良いという感覚を味わう程度のこと。自分で指を入れることも、ましてそれに代わるような物を入れたこともない。

 涙で霞む視界の中、ベッドのシーツの濡れた跡に混じって赤い染みも確認出来た。それが何を意味するか分からない程、私も子供ではない。

 

 こんな無理矢理な形で初めてを奪われたにも関わらず、早苗さんはそれを悲しんでいられる暇すら与えようとはしてくれない。

 

 

「も、やめてぇ……お願い、辛いのぉ……、あ、あぁぁぁぁぁあ!」

 

 初めての絶頂と潮吹き。許容量を超えた快楽は私からまともな思考を奪い、本能が警鐘を鳴らすがままに懇願の言葉を喚き散らすだけだった。

 だけど早苗さんにそれらの言葉は届いておらず、細くしなやかな指が再び私の膣へと入り込む。最初は1本ですら入らなかった私の膣だったが、あれからずっと嬲られていたせいか、すんなりと2本の指を受け入れる。

 

 クチュクチュ、グチュグチュ。

 

「ひぎッ、いひぃいいいいいいいいいいいいいッ!」

 

 彼女の指が膣内の前壁をなぞり、卑猥な水音を響かせながら徐々にその動きを激しくしていく。その動きが激しさを増していく中、止むことのない快楽からブリッジするかの如く腰が浮き、ぷしゃ、ぷしゃと絶頂を迎える度に潮が吹き出してしまう。

 

「あがっ、ひぎぃっ、いぎゃ、もぅ、やべでぇぇ⁉︎」

 

 見境なく襲ってくる快楽の嵐に、もう私は普通の言葉を紡ぐほどの理性など残ってはいなかった。

 止め処なく涙が溢れ、口元から垂れた涎をもう気にする余裕もない。全身が焼けるように熱く、額に汗が伝い、悲鳴とも嬌声とも言えない声で懇願する姿は、さぞみっともないだろう。

 

「うーん。だったら、次はもっと奥を苛めてあげる」

 

 無邪気な子供のような声色を上げながら、早苗さんの指が奥へと伸ばされる。

 

「おごっ、おぉおおお………ン"オッ!?」

 

「あら?」

 

 早苗さんの指先が、触れてはいけない処を擦る。

 絶え間ない快楽の刺激で降りてきた子宮に指先が触れたのだ。

 

 こりっ、こりっ、こりっ。

 

「は、ひっ、あぎゃッ、オゴッ⁉︎」

 

「えいっ、えいっ」

 

「やべッ、やべでぇッ⁉︎ そ、ダメぇッ! し、死ぬ! わたッ、ほんとにッ、死んじゃ、からッ⁉︎ 奥、コリ、コリ、じないでぇ……ッ」

 

 早苗さんの指が子宮を擦る度に頭の中でチカチカと電気が走ったかのような衝撃が走る。到底自分の口から出たとは思えない、獣のような喘ぎで必死に懇願するも、早苗さんは指を動かすのを止めてくれない。

 

「ああぁぁぁぁッ! お願い、だがらッ!ヤメッ、イっだ!イっでるからぁあああ!あッ、またイグイグイグッ、ンヒィイイイイッ!」

 

 今までで一番大きな快楽の波が押し寄せてきた。今までの快楽を全て一気に弾けさせたようなソレに大きくビクンッと身体を強張らせたかと思うと、次第に全身が小刻みに痙攣を起こし、震える。

 

 ピンと突き出た乳首が振動で空気に触れるだけでも、敏感になった身体が更なる快楽に震えだす。

 

 悲鳴とともに舌が突き出され、ハッ、ハッ、ハッ、と酸素を求めて荒い呼吸が繰り返される。

 正視することすら困難となった私の視界が、グルリと裏返る。

 

「カヒュ……ッ、ヒュッ……、ァ……」

 

 早苗さんの指が引き抜かれた瞬間、ビクッと身体が跳ねる。そしてさっきまでの潮吹きとは違う、生温かい液体が流れ出てしまう。

 虚な意識の中、部屋中に漂いだすアンモニア臭が何を意味するのかを悟ると、先ほどまでの快楽から流した涙とは違う涙が溢れ出す。

 

 

「ごめっ、なさい……あぁぁぁ、もぅ、嫌だよぉ……嫌、嫌、嫌ぁぁぁ……」

 

 私の中で、何かが音を立てて壊れた気がした。

 何で自分がこんな目に遭っているんだろうかとか、漏らしてしまったことだとか。色々なことがぐちゃぐちゃになって子供のようにしゃくり上げながらポロポロと泣いていると、早苗さんが優しい手つきで涙を掬い上げる。

 

「泣かなくていいの。彩火は何も悪くないわ」

 

 ベッドと拘束していたベルトを外すと、早苗さんが私の頭を撫でながら胸の前で抱きとめる。お互い裸のまま、促されるままに彼女の胸に頭を寄せるとトクン、トクンと彼女の優しい鼓動が聞こえてくる。

 早苗さんの鼓動に耳を傾けていると、ぐちゃぐちゃとした頭の中がスーッと全部溶けていくようで、いつの間にか涙も止まっていた。

 

「私が悪いの。だからあなたは何も悪くない」

 

「早苗、さ……」

 

「怖かったわよね。初めてだったのに……ごめんなさい」

 

 先程までの冷たさを感じさせる声とは違い、優しい凛とした私の好きな早苗さんの声が頭上から降ってくる。

 

 そうだよ……。早苗さんだって悪気があった訳じゃない筈なんだ。さっきまでのはきっと、何かボタンの掛け違いのような……そう、なにかの間違いなんだ。

 

「さ、早苗さん……」

 

「ごめんなさい、彩火」

 

 早苗さんの胸元から身動ぎして顔を上げると、再度謝罪を口にする彼女と視線が交差する。

 

 その見る者を引き込むような瞳には、薄らと涙の膜が浮かんでおり、頬には零れ落ちた跡が残されていた。

 その柔らかな笑みを携えた口元につられ、私も小さく笑みを返そうとした。

 

 

 

 

 

 

「やっぱり我慢出来ないっ! ねぇ、彩火!もっと泣いて、鳴いて、啼いてちょうだい!!」

 

 

 

 ……えっ?

 

 

 

 何を言っているのか、理解が出来なかった。

 先程までの慈愛に満ちた顔から一変、ただ欲望のまま口走る早苗さんは美しくも獣のように醜い姿を隠そうともせず、その顔を私へと向けてきた。

 

 

 

「初めて見た時から、貴女のその顔が見たかった! 私を慕う貴女の、快楽に歪んでしまうその顔が見たかったの!」

 

 

 それは刹那の間の変化。それに一瞬呆けてしまった私が気付いた時には早苗さんに身体を力強く抱き締められていて、一切に身動ぐことが出来なくなっていた。

 

 そして、彼女の手がまた私の太腿に添えられて。

 それがなぞる様に登ってきて──また私の秘部に指先が当たる。

 

 

 

 

 

 

「ふ、へへ……早苗さ、嘘、だよね……? 私……も、ぅ、ツラくて、苦しくて……ね? だから、も、ヤメッ……あ、うぁっ、あぁぁぁあああッ⁉︎」

 

 



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