TES:Four way world (赤い月の魔物)
しおりを挟む

1話

スカイリムは多くの神々によってさまざまな物が流れ着きます。
それは古代のオーパーツじみたものから見たことある武具まで。










その昔、タムリエルと呼ばれる大陸の北方、スカイリムという地域にてドラゴンと人々が戦った時代がありました。我々にとってそれはもう懐かしむべき時の物になってしまいましたがその時は多くの神々がその戦いや物語の行く末を思い思いに楽しんでいたものでした。しかしそれもいまや昔の話。多くの神々は各々の主人公や駒を手に新たな物語へと目を向けるのでした。ですがそれでも長々と未だにその物語を見守る神様もいました。でもさすがに一人でその物語を見ているのも後ろで楽しんでいる神々を背に見ているのも少しばかり辛くなってきました。でもあちらの世界にて物語を始めるには駒・・・もとい自分の主人公(プレイヤー)が必要です。その神様には自分にとっての主人公がいませんでした。今見ている物語以上の主人公に出会えなかったのです。そこでかの神様は考えました。

 

―あれ?こっちの主人公そのまま持ってくればいいんじゃね?

 

思い立ったが吉日。『彼』を自分の見守る主人公として今や多くの神々が楽しむ盤上へ駆けていくのでした。

 

 

 

 

 

~~~~~

 

 

 

 

 

貴方は竜の子(ドヴァーキン)である。かつてタムリエルと呼ばれた大陸、その北方のスカイリムで行われた世界を喰らう竜とそれらが率いるドラゴン達と戦ったドラゴンボーンとも呼ばれる竜の魂を持った人間である。貴方はある時旅をしている中で多くの神々*1によって混沌としたこの北の大地から旅立つべく支度をしちょうど別の大陸へ出るという船に乗せてもらったのだ。かつて自身があの壮絶な戦いに身を落とす前と比べればずいぶんと気楽な旅であることは間違いないだろう。穏やかな波の音。澄み渡る青い空。絶好の旅日和とでも言うべきか。甲板に出てこれからの旅を思うと心が弾む。そんな貴方に船の船長が声をかけた。

 

「しかしあんたも物好きだな。態々旅に出るんだったらこんなボロい船に同乗なんてせんでもよかったろうに」

 

確かに多くの都市を回り雑用から各都市*2の首長直々の依頼、住人の頼み、各所にのさばる賊退治、怪物退治etc・・・そういった物を巡りに巡った貴方は金銭には困っていない。なんなら船一隻くらいは買えただろうしスカイリムなら残りの人生を一生娯楽遊楽に費やしてでも問題なかったであろう額を持っている。

 

だが貴方には妙な確信があった。この船に乗れば新たな旅路へと行ける。そんな予感がしたためにこの船へと乗ったのだと。

 

「・・・そうかい。まぁここいらの海域じゃドラゴンだ魔物だは現れやしないさ。船内でゆっくりしてたら気が付きゃ目的地さ」

 

そうさせてもらおう。貴方は船長の言葉に従って潮風を浴びるのもほどほどに船内へと引っ込んでベッドで横になることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ああ。ゆっくりと旅を楽しむといい」

 

船内へ引っ込んだ彼へ向けて船長は1人呟いた。

 

そうして船は誰に見られることも無く進みやがて消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気が付けば貴方は森の中で小鳥の囀りを目覚ましに目を覚ました。どういうことだろうか、先ほどベッドで意識を手放す前は質素だが確かに優雅な船旅をしていたはずなのだが。海岸沿いなら船が何らかのアクシデントで座礁してしまったとかだろうがあいにくあたりは見渡す限りの森、森、森である。昨日の出来事は夢だった?だが試しに頭部を地面に打ち付けてみたが痛みが走り軽い脳震盪を起こしかけただけに終わった。以前持っていた地図を開くが自分がそのどこにもいない。つまりここは目的地ともいえる新たな場所である。しかしもう少し始まり方はどうにかならなかったのだろうか。悪しきデイドラ*3共の陰謀を感じてならない。どこかで「いやちげーわ」という声が多数聞こえたような気がしたが連中の言葉はうかつに信用しては行けない。とりわけ悪質な奴は散々弄ぶだけ弄んで飽きた瞬間SATUGAIなんて当たり前だし、なんなら親しい者同士で殺りあわせたりする。そんな連中の言葉なぞ年端も行かぬ子供の言葉以上に信用ならんだろう。

 

閑話休題。

 

一先ず貴方は周りを確認する。空の明るさからして時刻は昼を過ぎた半ばあたりだろうか?持ち物は彼方を出る時と寸分違わない長い旅の中で手に入れた様々な魔道具(マジックアイテム)や武具がしっかりと収められていた*4。だがこれでは次なる旅を始める為の拠点を見つけるまでに夜になってしまうかもしれない。貴方にとって夜が別に恐ろしい時間というわけではない*5がやはり静まり返った暗闇に無防備に地べたに寝そべったりするわけにはいかないので早々に街の類を見つけたいところである。

 

―――きゃぁぁぁ!―――

 

―悲鳴だ!貴方の耳に少し遠いがハッキリとした人間の悲鳴が聞こえた。位置的には賊か怪物の類だろうか。森故にスプリガンかもしれない。貴方は手遅れでないことを祈りつつ声のした方へと駆け出した。声のした方へしばらく進むとそこにはおそらく先ほどの声の主であろう人物とそれに群がる怪物がいた。先ほどの悲鳴を上げた人物は村娘だろうか、衣服の類は破かれ生まれた時と違わない姿になってしまっているが外傷の類は見られない。問題はその周囲にいる怪物だ。数は3。その見た目はかつてソルスセイム*6でみたリークリングと似ていた。彼らは最初こそ襲い掛かってきたが話せばわかる種族であり、協力関係ですら結べた種族だ。いくら今目の前にいる奴らが村娘と思しき人物に覆いかぶさり襲っている場面とはいえまずは話してみるべきではないだろうか?言葉も介さずいきなり武力を持って接触すれば数多ある可能性を狭めてしまうかもしれない。貴方は極めて穏便に彼らへと声をかける。ハナシアイ、ダイジ。

 

「!!た、助けて!助けてください!!」

 

「GOB!?GOGOB!!GOB!!!」

 

こちらに気づいた村娘は必死に助けを乞い、リークリングもどきは此方をみるやいなやまるでお楽しみを邪魔された事に怒ったのか3匹掛かりで飛び掛かってきた。粗末だがダガーのような物を持って切りかかってくるリークリングもどき。問答どころか彼らには言葉すら通じなかったようだ。しかしあなたは今自らの手で鍛えた黒檀の鎧*7を身にまとっているため彼らの刃物は文字通り歯が立たなかった。何度も執着に攻撃してくるのでもはやハナシアイの余地はないようだ。よろしい、ならば戦争である。

 

貴方はまず自分の頭にしがみついた1体を引っぺがして地面に叩きつけると腰に帯刀していた黒檀の刀*8を抜き放ちそのまま無防備な頭部へ突き刺してやった。仲間がやられたことに驚いたのか今更自分たちが襲い掛かった者の強さを知ったからか、残りの2匹は動きが止まっていた。すぐに刀を引き抜くとその重厚な鎧を着こんでいるとは思えない速度で貴方は接近しそのまま首を刎ねた。残る1匹は我が身可愛さか闘争を図るがこの状況で背を向けた時点で死は確定である。ハナシアイを拒絶したものに未来はないのである。即座にその背に剣を突き立て地面に押し込んで終わりである。致命もクソもない即死であった。

 

「あ・・・あの・・・」

 

貴方が刀を鞘へと戻すとおずおずと村娘が声をかける。いきなり血生臭い光景を見せてしまった事で怖がらせてしまっただろうか。もしかしなくても彼女は現地人であろう。そうであれば貴重な情報を得られるチャンスである。会話は慎重にしなくては。

 

「た、助けてくれてありがとうございます。あの、貴方は・・・?わぷっ」

 

だがさすがに生まれたままの姿というのはいただけない。貴方は彼女に予備の外套を羽織らせるとこう答えた。

 

―通りすがりの旅人だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして新たな祈りし者(プレイヤー)が四方世界に降り立ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
数多のMOD作成者

*2
スカイリムでは要塞とも言う

*3
スカイリムに置ける悪神的存在。基本的に人間を玩具扱いする畜生共だが中には対等に接してきたり優しいのもいる。

*4
どこにとは敢えて描写しない物とする。

*5
夜だろうが昼だろうが賊やドラゴンは襲って来た為

*6
あの世界におけるダークエルフ達の領土の一部

*7
リプレイスされた重厚な物

*8
断じて裏切りの血で強化される奴ではない




生きてます。どうも構想を練りに練っても納得いかないものばかりできて作品が滞ったので性懲りもなく新しいのを書いてます。TESを知らない人でも楽しめる作品を目指します。

ちなみに練ってる構想上バニラでは出来ない事とかを平然とやります。世界観はある程度守るつもり。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。