妖精の魔王 (ルノア)
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火の滅竜魔導士と精霊の鍵

見返してみたらとんでもないことになっていたので修正しました。


俺と相棒のシグレは散歩の途中、

迷子の少女を見つけたので気を利かせて、

親の所まで連れて行ってあげることにした。

「君、迷子だろ」

「なんで分かったんですか!?」

「見ればわかる」

迷子はだいたいあわあわしいているものである。

「名前はなんていうんだ?」

「ユキノです」

「ユキノっていうのか親はどこだ?」

俺がユキノに親はどこにいるのかと聞くとユキノは顔を伏せ答えた。

「両親はゼレフ信者に殺されました。」

あまりに悲しそうな顔をしたユキノを見た俺はなんだかこの少女に何か声をかけてやらなければという衝動に駆られた。

「それで保護者はどこだ?」

俺の問いにユキノが答えた。

「お姉ちゃんはゼレフの信者にさらわれて今は祖父母と暮らしてるの。」

「そうかそれなら案内してくれそこまで送ってやるから。」

俺がそういうとユキノは近くの山奥まで来た。

「ありがとうルノアールさん。」

ユキノは俺にお礼を言うと目の前にある少し大き目な小屋の中に入って行った。

「さて、ナツを探しに行くか。」

ふと海のほうを見ると航行している船がいきなり煙を上げた。

あんなことをするのはこのあたりでは1人しかいない。

「ナツ君だね。」

シグレは俺の思ってたことを口に出した。

「シグレ、見逃そうかと思ってたがナツを捕まえに行くぞ。」

俺は目の前に手をかざし銀色の魔法陣を出した。

するとそこから銀色の車体に銀色の羽がついた魔道二輪が出てきた。

「とばすぞシグレ、ちゃんとついて来いよ。」

「わかったよ、ルノアール。」

俺は全速力で煙の上がる船へと空を走り出した。

俺は乗り物には弱いがこれには重力操作装置も付いているから乗り物に弱いやつでも乗ることができる。

俺が船に近づくとハッピーが金髪で胸の大きい少女を連れて空を飛んでいた。

「ハッピー何やってるんだ。」

「ルーシィをフェアリーテイルを名乗る悪いやつから逃がしているんだ。」

すると下から紫色の炎が飛んできた。

「氷竜の烈旋!」

俺はそれを手にまとわせた冷気の風で相殺した。

「ハッピーとルーシィさんおちちゃいましたよ。」

シグレがそういったので下を見るとハッピーとルーシーが海に落ちて行っていた。

そして助けに行こうか迷っているとルーシーが金色の鍵をもって海から出てきた。

「開け宝瓶宮の扉アクエリアス!」

海に青色の魔法陣が出てきそこからビキニの人魚が出てきた。

そしてビキニの人魚はおもっきり瓶の水で津波を起こし船を港まで押し戻したついでに俺たちも巻き込んで。

「なんで俺まで~!」

とりあえず無事だった船以外は。

「ナツ、そいつらがフェアリーテイル名乗るならやっちまっても構わねえぞ。」

するとナツは俺がいたことに驚いていた。

「ルノアールがなんでここにいるんだ!?」

「そんなことはどうでもいいだろさっさとそいつらかたずけろ。」

俺がそういうとナツは上着を脱ぎ捨ててむかってきたごろつきを殴り飛ばした。

「プロミネンスタイフーン!」

俺はその魔法を見た時ふと思い出した。

「プロミネンスのボラか。」

ボラは炎の魔法をナツにぶつけた。

だがしかしナツには炎の魔法は効かない。

「まっず、お前本当に炎の魔導士かよ?」

何故ならナツは火の滅竜魔導士だから。

「食ったら力がわいてきた。いくぞ!」

ナツは掛け声とともに口から赤色の炎のブレスを放った。

「火竜の咆哮!」

ナツが放った炎のブレスはボラ以外の敵を黒こげにした。

どうやらボラは自分の魔法で射程範囲外まで逃げたようだ。

「ボラさん俺こいつ知ってます。桜色の髪に鱗みたいなマフラー間違いねぇこいつが本物の!」

「「「サラマンダー!!」」」

ナツは拳に炎をまとわせた。

「よく覚えておけ!これがフェアリーテイルの魔導士だ!!」

ボラはビビッて周りに魔法を打ち始めた。

「レッドシャワー!」

ナツはその魔法をよけボラを殴り飛ばした。

ボラは立ち上がりナツめがけて紫色の炎のレーザーを放った。

「ヘルプロミネンス!」

ナツにはそれは当たらず今度は紫色の火球を放った。

ナツはそれを受け止め食べ始めた。

「これならそこそこ行ける。よーし!ぶすぶすの燻製にしてやるぜ。火竜の鉄拳。」

ナツは拳に炎をまとわせボラを近くの建物の金まで殴り飛ばした。

「やりすぎちまったなぁー。」

俺が周りの建物を見ながらそ言ってると軍隊がこっちにむかってきていた。

「やべ、シグレ逃げるぞ!」

俺がそう言うとシグレは俺の体をつかんで全速力で逃げている

ナツとルーシィとハッピーのところまで飛んでいった。

そして3人といっしょに軍隊から逃げ切った。

 

 

 



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サルと金牛宮前篇

「ただいま~!」

ナツは扉をけって開けギルドに入った。

「ただいまー。」

俺はその後から入って行った。

「また派手にやったなナツ。」

名前は知らないが多分ギルドの仲間で出っ歯の男がナツに声をかけた。

するとナツはその男を蹴り飛ばした。

「なにすんだよ!」

「サラマンダーの情報嘘じゃねーか!」

どうやらサラマンダーの情報について怒ってるようだ。

「ルーシィちょっと待ってろ沈めてくるから。」

俺はそういってナツへとむかっていった。

「ナツが返ってきただって!」

黒髪の半裸の男がそう言うとナツへとむかっていった。

「グレイ、服。」

グレイに注意をかけたのは昼間から酒を飲んでいる黒髪の女性、カナ。

「カナ、昼間から酒を渇くらうな。」

俺が注意するとそんな物知らぬかのごとく酒樽ごと酒を飲み始めた。

「それにロキ侍らせるな鬱陶しい。」

俺は茶髪にメガネで緑色のコートを着た男にむかって言った。

「ルノアールお帰りそれとそこの子は新人さんかな?」

銀髪で人のよさそうな顔をした女性が話しかけてきた。

「ミラかこいつ新人だからよろしくな。」

俺はとりあえず今目の前でちょっとした大乱闘がおこってるので参加しに行った。

すると学ランの大きな男エルフマンが飛んできたので受け止めて投げ返した。

「ふっ飛べや!」

そしてついに皆、魔法を使い始めた。

すると大きな巨人がでてきた。

「ゲッ、マスター。」

俺はマスターが出てきたので乱闘を止めた。

ほかの仲間もやめたがナツだけは高笑いしていた。

「みんなしてビビりやがってこの勝負俺の勝ちだな。」

そんなかりそめの勝利もつかの間ナツはマスターに踏まれた。

マスターはナツを踏んずけた後、

元の小さなサイズに戻り新人のルーシィにあいさつをした。

そのあとマスターは宙返りしながら二階へと登ったが途中で頭をぶつけてしまった。

さらに評議員から苦情殺到だとかそんな話を言っていた。

そして依頼を探しているとロメオがマスターを殴ってどこかに行ってしまった。

「マスターなんで殴られたんだ?」

「マカオが返ってこないらしいんだ。」

すると横から何かが壊れる音がした。

振り向くとナツが掲示板を壊してロメオが言ったほうへ足を運んでいた。

「マスター俺も行ってくる。」

 

そして俺は今ルーシィとナツと一緒に馬車に乗っていた。

「なんでここにいるんだよ。」

ナツはへばりながら質問してきた。

「話しかけるな酔いが激しくなる。」

それに対して俺もへばりながら答えた。

「まぁまぁ、多いほうが楽しいじゃないですか。」

シグレはナツにそう言った。

「二人とも乗り物に弱いんだなんだかかわいそー。」

「かわいそうとか言うな、かわいそうなのはナツだけで十分だ。」

「誰がかわいそうだ。」

こんなバカみたいな会話をしていると馬車が止まった。

「ふっかーつ!」

ナツは馬車が止まったことにより元の生き生きとした感じに戻った。

俺も馬車が止まったので酔いが収まった。

「すみませんここから先はいけません。」

馬車から降りてみるとそこは雪山しかも吹雪が吹き荒れている。

はっきり言ってここは俺にとっては何の苦にもならない。

「なんで今は夏なのに吹雪なの。」

ルーシーは寒がっていた。

「あっ!そうだ。」

ルーシーは何か思いついたらしく銀の鍵を一本取り出した。

「開け時計座の扉、ホロロギウム!」

銀色の魔方陣がルーシーの目の前に現れてそこから大きな古時計が出てきた。

そしてルーシィはホロロギウムの中に入った。

 

 



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サルと金牛宮後編

前回はやる気がわいてこなかったので変なとこで終わってしまいましたが今回はちゃんとしようと思います。



ルーシィはホロロギウム中で何か言っていた。

こっちから見たら口パクしてるようにしか見えない。

「なんて言ってるんだ。」

ナツがホロロギウムの中のルーシーに声をかけるとホロロギウムが代わりに答えた。

「私ここにいると申しております。」

「何しに来たんだよ。」

それに対してナツが突っ込みを入れた。

「マカオさんはこんなところに何の仕事をしに来たのよと申しております。」

その問いに対しては俺が答えた。

「大猿バルカン退治だ。」

バルカンとはいろいろな種類がいるが今回退治しに行くのは雪山に生息する白いバルカンだ。

「私帰りたいと思うしております。」

「はいどうぞと思うしております。」

ナツはルーシィの弱気な発言に対してホロロギウムの口調をまねて答えた。

ナツはマカオの名前を叫んでさがしていた。

「マカオー、どこにいるんだー!」

そんな音に何かがきずいたのかこっちにむかってきた。

「バルカンか!」

足音で分かったので俺はすぐに今いた場所から退いた。

上から飛んできたバルカンはさっきまでいた場所に着地した。

バルカンはこっちを見たかと思うとすぐルーシィのほうへとむいた。

「女!」

そう言って全速力でルーシィを捕まえて逃げ去ってしまった。

「シグレ追いかけるぞ。」

「わかった。」

俺はシグレと一緒にバルカンを追いかけた。

だがバルカンは意外にも足が速かった。

「畜生、見失った。」

俺が困っているとシグレが話しかけてきた。

「僕に任せて。」

シグレはそういうと自分の体を虹色の魔方陣で包んだ。

「ヒューマライズ!」

そして虹色の魔方陣がだんだん消えていくと、

そこから服装はさっきまで猫の状態で着ていた白いポンチョで、

髪は肩まで伸びる黒髪で人懐こそうな顔をした、

人間の少女の姿をしたシグレが現れた。

「そういやシグレ、空飛ぶ以外にも使える魔法あったな。」

俺が思い出したというような顔をするとシグレは頬を膨らませ答えた。

「そうだよ僕は人化魔法とアーカイブが使えるんだから。」

そう言うとシグレは目の前に手をかざしたするとそこから色々な操作魔法を出し検索していった。

「西の方向にバルカンの巣を発見そこに生命反応2体確認、

ルノアールそこにルーシィとバルカンがいるよ。」

シグレはアーカイブを駆使してルーシィの居場所を教えてくれた。

「よし行くぞシグレ後ろに乗れ。」

俺はそういうと銀色の魔道二輪を出した。

「わかった。」

シグレはそういうと魔道二輪の後ろに乗り俺の背中から前に手を回した。

俺はシグレが後ろに乗ったことを確認して魔道二輪を走らせた。

すぐにバルカンの巣にはたどり着いたそこで見たのは

ホロロギウムの中に入ったルーシィを真ん中にバルカンが踊っていた。

「女!女!女!女!!!」

最後にこちらのシグレにきずいてこっちに振り向いた。

「ここまでちょろいとは思わなかったな。」

「そうだね。」

俺は取り合ずバルカンにマカオの居場所を聞くことにした。

「おいサル、マカオはどこだ?」

「男知らない。」

どうやら知っているらしい。

「誰がマカオが男だって言った。」

「ウキッ!」

バルカンは自分がぼろを出してしまったことにきずいたらしい。

「マカオはどこだー!」

そんなことを叫びながらナツが飛び出してきた。

だがしかしバルカンはナツを捕まえ近くの窓のような穴から放り投げた。

「サル~!」

ナツはそんなことを叫びながら谷底に落ちていった。

いつの間にかルーシーはホロロギウムから出てナツの安否をさっきの窓のような穴から確認していた。

「なんてかっこ悪い登場してるのよ。」

そう言ってルーシィはナツが無事でいてくれるように祈っているようにバルカンに振り返ると金色の鍵を一本取りだし振り下ろした。

「開け金牛宮の扉タウロス!」

青色の魔方陣が現れたかと思うとそこから乳牛カラーの斧を持った二足歩行の人のような牛が現れた。

「牛?」

バルカンが疑問に首をかしげているとルーシーが答えた。

「タウロスは私が契約している精霊で一番のパワーの持ち主よ。」

「ルーシーさん相変わらずナイスバディ—ですね。

それにそこの御嬢さんもきれいな体してますね。」

その言葉に身の毛がよだったらしくシグレは猫のすがったに戻って俺の後ろに隠れた。

「こいつもエロかった。」

ルーシィが頭を抱えているとバルカンはとんでもない発言をした。

「俺の女盗るなこれからぎっこんばったんしようと思ってたのに。」

「俺の女?」

タウロスはバルカンの問題発言に対してにらみを利かせて聞き返した。

「それはもう聞き捨てなりませんな。」

「タウロス!」

ルーシィがタウロスの名前を呼ぶとタウロスはそれにこたえるように斧を振り回し始めた。

そしてそれをバルカンにたたきつけただがバルカンはそれを受け止めタウロスを蹴り飛ばした。

タウロスは斧を手放してしまいそのまま近くの壁に頭をぶつけ気絶した。

「見守っておこうかと思ったが出番が来ちまうか。」

俺は息を吸いバルカンめがけてブレスを放った。

「氷竜の咆哮!」

そのブレスはバルカンが持っている斧にあたりバルカンは冷たくて斧を手放した。

俺はとりあえず近くの氷を手に取りそれを丸々食べた。

「こんな場所は俺にとっては最高の場所だからな負けることなんてないぜ。」

俺はさらに手元から銀色の魔方陣をだし。

そこから一振りの大剣を出した。

「竜騎士の氷剣!」

俺は大剣の刃の部分を凍らせてバルカンにたたきつけた。

バルカンはそのまま壁まで吹き飛ばされて気絶した。

さらに驚いたことにバルカンの体が光につつまれそこから青髪のおじさんマカオが出てきた。

「マカオがでてきた。」

マカオが出てきて驚いているとナツが落とされた谷底から出てきた。

「マカオはどこだー!」

それをなだめるようにシグレはナツに説明した。

「バルカンはルノアールがたおしたしマカオさんもあそこだよ。」

とりあえず俺はマカオを横にし治療することにした。

その間ナツが騒いでいたので殴って黙らせた。

「マカオ、ロメオが待ってるんだ目を開けろよ。」

「ナツ騒ぐなマカオの傷に触る。」

そんなやり取りをしているとマカオは目を覚ました。

「面目無い19匹はたおせたんだが20匹目でテイクオーバーされちまった。」

「S級じゃないんだから19匹倒せれば十分だ。」

俺はマカオの応急処置をした後ナツたちと一緒にマカオを抱えてギルドに帰った。

 

 

 

 

 

 

 



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幸せと悲しみの昔ばなし

久々の投稿
それとイグニール思わぬとこから飛び出してきたな



今日は思うようないい仕事がなかったので久々の休日である。

「とりあえず、ユキノの所でも行くか。」

俺はそういいながら相棒のシグレと一緒に自宅である辺境の少し大きいぐらいの家から出てきた。

「いい朝だね、ルノアール」

「あぁ、そうだな、シグレ」

俺たちは少し冷えるくらいの朝の空気を肺に取り込み代わりに体の中の空気を吐き出す。

俺は、自分の真横に魔方陣を展開しそこから銀色のバイクをだしそれにまたがった。

「よし、シグレ、ユキノのとこにいくぞ」

「うん、わかった」

おれたちはそのまま自宅からユキノの家まで魔導二輪で駆け抜けていった。

俺たちがユキノの家の前に着くとそこにはユキノが家の花壇に水を上げていた。

「おはよう、ユキノ」

「おはようユキノちゃん」

俺たち二人がユキノにあいさつをするとユキノは笑顔で答えてくれた。

「おはようございます、ルノアールさん、シグレさん」

するとユキノの家から人柄のよさそうなお婆さんが出てきた。

「ユキノ、お客さんかい?」

「そうだよおばあちゃん、この人たちが前に話した人たちだよ」

「そうかいならお茶を持ってくるよ」

そう言うとお婆さんは家の中にも出って言った。

「よしそれじゃ、ユキノ今日は何の話が聞きたい」

「それじゃぁ、ルノアールさんがなぜ魔法を覚えたのかの話をしてください」

「俺が魔法を覚えた理由か」

「ルノアール、それは」

シグレがその話はしては行けないと言わんばかりに制止してくる。

「別にいいんだシグレ」

俺がそう言うとシグレは黙った。

さらにユキノの家の扉が開いてお婆さんがお茶とお菓子を運んできた。

それにお礼を言って受け取るとお婆さんは家の中にも出って言った。

そして俺は近くの机にお茶とお菓子を置いて椅子に腰かけた。

「それじゃぁ、話を始めるぞ」

そう言うと向かいにユキノが座り俺の隣にシグレが座った。

「俺は昔、そうだな歳はユキノより少し下ぐらいのころだ。

その時、俺は両親や妹を殺された。

そのあとゼレフがなんやらと言われて連れ去られたんだそこで俺は『楽園の塔』とかいうわけのわからないものを作らされていた。

そこでは逃げ出したもの及び使い物にならなくなった

奴はもれなく拷問付きで実験材料にされた。

俺はそこで必死に逃げ出す策を立てていた。

無論のこと別に実験材料になりたくて逃げだすのを計画していたわけじゃない

俺はさっさと逃げ出して自由になるために逃げだそうとした。

だが途中でしくじってしまった。

いざというところで船を奪い損ねてしまった。

それで俺は体内にゼレフ書の悪魔を入れられた。

今でもその悪魔は俺の体内に眠っているいつどんな拍子で起きるかもわからないからたまったもんじゃない。

そして俺がまたほかの悪魔が体内にもう一匹ゼレフ書の悪魔が入れられようとしたとき後の俺の育ての親、氷竜レイニールが現れた。

何の気まぐれかレイニールは俺を連れて楽園の塔から雪の降り積もる森の奥深くまで俺を逃がしてくれた。

そしてレイニールは俺をおろした後、おびえている俺に負かって一言こう言った。

「お前は今日から俺の息子だ!」

はっきり言って放心状態だった俺はその言葉を聞いた瞬間、疑問と一緒に嬉しさの涙があふれていった。それからというもの俺はレイニールから魔法を教えてもらい有意義な時間を過ごしただが突然Ⅹ777年にレイニールは突如どこかにいなくなっちまった。それから俺は町に出てレイニールの情報を探しまくった。

それ結果たどり着いたのがフェアリーテイルだった。さらに運命のいたずらというやつかそこには同じく楽園の塔の被害者の少女エルザ・スカーレットというやつがいた。そいつから話を聞くと楽園の塔には仲間を置き去りにしてしまっていたそうだ。そして初めての依頼とわ行ってもギルダーツっていうめちゃくちゃ強い魔導士の仕事を見学してただけだがその報酬でもらったのが俺の相棒シグレが入っていた卵をもらったんだ。それから丹精込めて俺はその卵を育てた。そしてそれから1年後にその卵からシグレが生まれた。その時の俺はそれが嬉しくてたまらなかった。それでつい適当にその時雨が降ってたからシグレって名づけてそれからその呼び名が定着してしまい今に至るというわけだ。で俺の話どうだった」

俺が質問するとユキノは目じりに涙を浮かべながらも笑顔で答えてくれた。

「怖いところもありましたがいい話でした」

俺はその笑顔を見ておもったこの笑顔は守ってやるべきだと。

そんなことを心に刻むともう日は暮れていた。

「すまないな、こんな遅くまで話、してしまって。」

「いえ大丈夫です。」

少女がそう言うと俺たちは魔導二輪に乗った。

「また今度、話しに来てやるよ」

「それじゃぁね、ユキノちゃん」

俺たちはさようならを言うとそのまま家に帰った。

 

 

 

 

 



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鉄の森 編
紅き妖精の鎧魔導士


1ヶ月ぶりぐらいの投稿です。
遅くなりました。



俺は今日も仕事を探して掲示板を覗いていた。

いつものようにナツとグレイがじゃれているが気にしない。

「エルザの帰り遅いね」

シグレは寂しそうに話しかけてきた。

「どうせまた適当に帰ってくるだろうから心配するな」

俺がシグレにそう言うとギルドの玄関扉が勢いよく開かれた。

「エルザが返ってきた!」

扉を開けたのは深刻そうな顔をしたロキだった。

その言葉を聞いた瞬間騒がしかった周りのギルドメンバーたちが一瞬のうちに黙った。

「やっぱりエルザさんてすごい魔導士なんだ」

ルーシーが感心したように言ったので緊張をほぐらかすために若干の訂正を加えた。

「そこまで緊張しなくていいぜ、れっきとした人間だしミラにも並ぶ美人だ」

「そうなんですか」

ルーシィは俺の説明を聞いて少し緊張がほぐれたようだ。

カシャン カシャンと玄関の向こうから鎧の音が聞こえる。

「エルザ!」

シグレは嬉しそうにエルザの方に飛んでいく。

飛んでいったシグレを抱えてエルザが帰ってきた。

ついでに巨大な角を抱えて。

「今、戻ったマスターはおられるか?」

「き・・綺麗」

ルーシィは予想よりすごかったのか感嘆の声を上げていた。

「お帰り、マスターは定例会よ」

「そうか」

「エルザさんそれなんスカ?」

「討伐した魔物の角だ。土産と言って飾りを施してくれた。いるか?」

「いえいいっす」

「なら俺にくれよエルザ」

誰ももらわなそうなんで手を上げてみた。

「そうか、なら外に置いておくから後で持ち帰っておけ」

「わかった」

「それとルノアールお前また私を売ったな!」

「ばれましたか」

実は俺には副職として週刊ソーサラーに本人に黙って

写真を売ってたりするのである。

そしてエルザは皆に注意していく。

「カナ、なんという格好で飲んでいる」

「ビスター、踊りたければ外で踊れ」

「ワカバ、吸殻が落ちているぞ」

「ナブ、あいからわずリクエストボードの前をうろついているだけか?仕事をしろ」

「マカオ!....」

マカオの場合は懸ける言葉が見つからないらしい。

「まったく世話が焼けるな、今日の所は止めといてやろう」

「ナツとグレイはいるか」

ナツとグレイの方を見るとさっきまで喧嘩していたのに取り付けたように仲良くしていた。

「やぁ、エルザ俺たち今日も仲良くやっているぜ」

「アイ」

グレイとナツは冷汗だらだらでナツに関してはハッピーの真似までしているしている。

「そうか、親友なら時に喧嘩もするだろうがしかし私はそうやって仲良くしているのを見るのが好きだ」

「いや別に親友ってわけじゃ」

「アイ」

「こんなナツ見たことない」

ルーシィが驚いているとミラが説明した。

「昔ナツがエルザに喧嘩を売ってボコボコにされたんだよ」

「グレイは裸で歩いているところ見つかってボコボコにされたんだよな」

マカオはグレイがエルザにおびえている理由を言った。

それに合わせてカナはロキの話をし始めた。

「ロキはエルザを口説こうとしてやっぱりボッコボコ自業自得だね」

「そういや俺はエルザが楽しみにしてたスイーツを食べてボコボコにされたな」

俺たちはそんなことを言いながら笑っていた。

「ナツ、グレイそれにルノアール頼みたいことがある」

(エルザが頼み事とは珍しいこともあるもんだ)

「仕事先で厄介な話を耳にした。本来ならマスターの判断を仰ぐところだが早期解決が望ましいと私は判断した。3人の力を貸してほしい。ついてきてくれるな?」

「俺は別にかまわないぜ。どうせ暇だし」

ナツとグレイは悩んでいるらしい。

「ナツとグレイとエルザにルノアールこれってギルド最強のチームかも」

(そうだろうか?俺の代わりにミラが入ればもっと強いと思うけどな)

ミラの言葉に疑問を覚えながら今日の依頼はやめておくことにした。

 

 次の日

 

「待てー!」

俺は出発した列車を追いかけて線路を爆走していた。

「何やってるのルノアール、寝坊なんかしちゃダメじゃん」

「少し黙ってろシグレ、舌かんでも知らんからな」

俺はシグレを抱え近くの木を踏み台に列車に飛び乗った。

「あ、やべ」

(忘れていた自分が乗り物酔いすることを)

案の定、俺は着地した瞬間グロッキーになりながら匍匐前進で列車の中へと入って行った。

「まったく、情けないよルノアール」

「言い返す言葉も見つからない」

俺たちがエルザたちが乗っていた車両にたどり着いたころにはナツを残してエルザたちはいなくなっていた。

「羨ましいね、あんた正規ギルドかい」

陽気にナツに話しかけたのはカゲと書かれたコートを着た男だった。

そしてその男はナツの顔を踏みつけた。

「正規ギルドが調子こいてんじゃっねーよ。妖精さんよ!」

ナツは酔っているせいか動かない。

「うちらがお前らの事なんて呼んでるか知ってるか?ハエだよ。ハエ」

(あいつ俺たちのギルドの事、ハエって言ったのか?)

そう考えるとふつふつと怒りがわいてくる。

俺が動く前にナツが動いた。

ナツは手に炎をまとわせたがすぐに消えてしまった。

「なんだその魔法?魔法てのわな、こうつかわなきゃ」

コートの男は足元から影が飛び出させそれでナツを殴りつけた。

そのあと急に列車が止まった。

「よーし、止まったな。おいそこのカゲ、お前、うちのギルドをバカにしたのか?」

俺がコートの男に質問を投げかけると男は取り乱し始めた。

「何?もう一人いたのか!」

「つべこべ言ってんじゃねー!」

ナツは男が驚いているすきを突くように炎を拳にまとわせ男めがけて放った。

「ガードシャドー!」

男の影は主を守るように盾になった。

だが威力は凝らしきれずに後ろに吹っ飛んでいった。

「あぶな」

俺は飛んできた男をよけると足元に趣味の悪そうな笛が落ちてきた。

「なんだこの笛?」

俺が笛を拾い上げようとすると影がそれをもっていってしまった。

「なんだピンピンしてじゃねーか。でどうだった?うちの仲間のハエパンチは?」

俺が感想を聞こうとすると男は起き上がった。

鉄の森(アイゼンバルト)に手出してタダで済むと思うなよ!」

「お前こそ妖精の尻尾(フェアリーテイル)を侮辱してタダで済むと思うなよ   」

俺が忠告すると列車は運転を再開し始めた。

「やべ、ナツ!出るぞ」

俺はそう言い列車から飛び降りた。

 

 

 

 

 




アドバイスなどあればください。


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魔王と鉄の森

俺は、列車から飛び降りた瞬間、相棒の名を呼んだ。

「シグレ!」

「口、閉じといて。舌、噛むかもしれないから!」

飛び出した俺の体は、シグレによりキャッチされた。

一緒に飛び出したナツは、前から走ってきた魔導四輪の上に乗っていた

グレイと頭をぶつけた。

頭をぶつけた二人はそのまま魔導四輪から落ちていった。

「大丈夫か!?ナツ、グレイ!」

「あい」

どうやら無事なようだ。

俺はそのままシグレに体を放してもらい地面に着地した。

「遅れて悪いかった」

「いてーだろ、ボケ」

「うるせー!よくもおいていきやがったな」

「おい、ナツ。それは乗り物酔いするお前が悪い」

「なんだとー!お前も乗り物酔いするだろ!」

「すまない。だが無事だったようだな」

エルザはナツの無事を喜んでかナツの頭を胸(鎧越し)にたたきつけた。

「かてー」

「無事でもないと思うぞ。なにせ鉄の森(アイゼンバルト)に襲われたんだからな」

「馬鹿者!」

エルザの張り手が飛んできた。

その瞬間、近くにいたナツを、盾にした。

「アイゼンバルトは、私たちが追っているものだ!なぜみすみす見逃した!」

「あまり怒るなよ。なにせ俺たちは、乗り物じゃまともに、戦えないんだかよ」

「それもそうだが」

「なにせ、あの列車に乗ってたんだ、今から走れば問題ないはずだ」

「そうか、なら善は、急げだ乗れ!」

「俺は魔導四輪なんかよりも早く行けるから俺は先に言ってるぞ」

そう言って俺は魔導二輪に乗りひとりで走って行った。

「あの笛、俺の記憶が確かなら呪歌の類のはず。そんな危険なとこにシグレを行かせるわけにはいかない」

全力でアイゼンバルトの乗った列車に、追いつくため魔導二輪を走らせた。

「クヌギ駅はもういないかなら次はオシバナ駅に行くか」

急いでクヌギ駅に、たどり着いたが、すでにアイゼンバルトは、クヌギ駅にはいなかった。

さらにスピードを上げオシバナ駅にむかった。

「やっぱりここか」

オシバナ駅にたどり着くとすでに駅員が出入り口をふさいでいた。

「ルノアール!なぜ、先に言った!」

エルザたちに追いつかれてしまったようだ。

「すまない。できれば1人でかたずけようと思っていたんだが」

「お前の処分は、あとでする。今はアイゼンバルトをおとなしくさせるほうが先だ」

「ありがとう」

そう言って俺たちはホームの中に走って行った。

中に入って行くたびに危険なにおいが増していっていった。

「やっぱり魔導士相手じゃ、どうにもならないか」

途中途中で倒れた兵士がいた。

さらに奥に進んでいくと、ついにアイゼンバルトに出会った。

「やっぱり居やがった、アイゼンバルト」

「貴様ら、ララバイで何をしようとしている」

「エルザ、そんなもん明白じゃないか」

「そこの男は気づいたようだな」

「あぁ、ララバイを放送するんだろ」

「わかってるじゃ、ねーか」

「だからそうはさせない」

俺は魔方陣から長筒の銃を取り出し放送用のラクリマに弾丸を放った。

「シャドーシールド!」

だがその弾丸は影の盾により阻まれた。

「ラクリマは壊させないぜ」

どうやら先の影の魔法は列車であった奴の魔法のようだ。

「まったく残念だな、闇の時代を見る前にあの世いきとはな」

影の拳が、相手の足元から伸び、ルーシィに襲い掛かる。

だがその影は酔いから醒めたナツによって砕かれた。

「その声、やっぱりお前か!」

「ナツ、今日はいつも以上に暴れられるかもよ」

「そうか、こんなぞろぞろといるんだから、暴れても問題なさそうだな!」

それを聞いた鎌を持った男は不敵な笑みをこぼすと空中へお飛び上がって行った。

「お前ら、闇ギルドの恐ろしさ、解くと味合わせてやりな」

そう言って鎌を持った男は消えてしまった。

「ナツ、グレイ!お前たちは2人エリゴールを追え」

「さっさと行って来い。さもないとエルザに、何されかわからないぜ」

2人はいがみ合っていたが、俺の言葉を聞いた瞬間、血相を変えて走り出した。

「さーて、お楽しみはあいつらにわたしたんだから、俺はお前たちを後悔させてやる」

「女二人とお前ひとりでこの数をか?冗談はそのチョーカーだけにしとけよ」

「このチョーカーを笑ったな。これは親からもらった大切なものだ。よくも笑ったな!」

俺は魔方陣から鎌を1本取り出した。

「本当の死神を見せてやるよ。エルザ、俺にやらしてもらっていいか?」

「べつにかまわんが、私も戦うぞ?」

「あぁ、べつにいいぜ。竜騎士の氷刃!」

俺が鎌をふるうと、その軌道上に氷の刃が出現し、敵めがけて散弾のように放たれた。

「なんだあの技!」

散弾は敵を次々に仕留めていく。

「氷竜の咆哮!」

口から冷気のレーザーを放ち、敵を凍らせていく。

「あの姿、見たことがあるぞ!武器を片手に立ち回り氷の魔法を駆使する魔導士!」

「まさか、一人で聖十大魔導と引き分けたっていう!」

「あの魔導士なのか、氷竜魔王ルノアール!」

俺が敵を蹴散らしていくごとにエルザは換装を繰り返し敵をたおしていく。

「エルザ、数が多すぎる。勝てないわけじゃないがこのままじゃ、ナツたちが心配だ!」

「そうだな、なら 一掃する!!換装!」

エルザのからはたちまち光につつまれていった。

「魔法剣士は、通常武器を換装して戦う、だけどエルザは、自分の能力を高める魔法の鎧も、換装しながら戦うことができるんだ。それがエルザの魔法、その名は」

「「THE KNIGHT」」

最後の魔法名だけシグレとハッピーの声がハモッタ。

「これなら早く、追いつけそうだな」

 

 

 




感想やアドバイスお待ちしております。


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魔風壁

ずいぶん待たせてすみません。


エルザは天輪の鎧に換装し、敵をなぎ払っていく。

循環の剣(サークルソード)!」

俺は鎌から棍へと武器を変えた。

「龍舞・アイシクルダンス!」

棍の両端に魔力を溜め敵を薙ぎ払っていく。

「あいつが氷竜魔王なら、もしかしてあの鎧の女はそれに名前がエルザ」

「私も戦っちゃお、開け巨蟹宮の扉!キャンサー!」

「あれは黄道十二門!」

俺も名前だけで姿は見たことないんだよな、ちょっくらおがましてもらいますか。

「♪ キャンサー!」

巨蟹宮の扉から出てきたのはサングラスにドレットヘアのハサミを持った男が出てきた。

「あれがキャンサー」

「駄目だよ、ルノアール。そんな期待外れみたいな顔しちゃ」

「今回も戦闘かエビ?」

「びしっと決めちゃって!」

シグレが注意してくれたから口には出さないが予想を大きく下回る姿だった。

「ふざけた髪型しやがって!」

「叩き込め!」

遅いかかる敵たちはキャンサーのハサミにより武器を切られ、髪を切られていく。

「これじゃ、カッパ!」

「ナイスカットエビ」

あいつ蟹だよな、なぜに語尾がエビなんだ?

「やるじゃないか」

「それほどでも」

このままじゃ、突っ込みどころで頭を抱えなくてはならなそうだ。

「このヤロー!俺様が相手だ!」

敵がエルザに殴り掛かりに行く。

「まちがいねぇ!こいつは妖精の尻尾最強の女、妖精女王エルザだ!」

襲い掛かってきた敵は一撃で沈められる。

エルザは天輪の鎧からいつもの鎧へと換装する。

「一人逃げたな」

「エリゴールの所にむかうかもしれん、ルーシィ追ってくれ」

「あたしが?」

「頼む!」

エルザはルーシィに威圧的にお願いする。

「はい!行ってまいりまーす!」

エルザはそのあとすぐに膝をついた。

「エルザ、無茶だけはするなよ」

俺はそれだけ言い残してルーシィを追っていった。

ルーシィを追って走っていると途中から建物が揺れる音が聞こえた。

「ナツのやつか」

「ルノアール、さっきの物音でナツの居場所が分かったよ」

「そうか、どうせみんなナツの所に行くだろ。行くぞシグレ」

全速力でアーカイブが示した場所にいく。

たどり着くとカゲヤマが倒れていた。

「グレイ、何があった!」

「壁にいる奴にこいつがやられた、こいつが必要なんだ!」

いまいち話が分からないが影は仲間にやられたみたいだ。

「影はお前たちギルドの仲間じゃないのかよ!」

壁の魔導士は壁の中に逃げ込むがナツは壁ごと破壊し、そいつを殴りつける。

「しっかりしろ!」

エルザは影を必死におこそうとしているが、

「けが人の胸ぐら掴んでゆさぶっちゃ、けががひどくなる一方じゃね?」

「そうかもしれないね」

その後、影を抱え駅の外へと向かう。

「まさか、こんなものがあるとはな」

駅から出れないのである、巨大な竜巻のせいで。

「氷竜の咆哮!」

ブレスをぶつけてみるがびくともしない。

「ウオォォォ!」

ナツは炎をまとった拳で竜巻を殴り続けている。

そしてそのたびに跳ね返されボロボロになっている。

ついにはルーシィに止められた。

「バラバラになっちゃうわよ!」

「・・・・・」

ナツはルーシィを見て何か言いたげな顔している。

「何よ」

「あっー!」

「そうだ精霊!」

「エバルーの屋敷で精霊界をとおって場所移動できただろ」

「いや普通、人間が入ると死んじゃうんだけどね。息が出来なくて。

それにゲートは精霊魔導士のいる場所でしか開けないのよ」

ナツは理解できていないようだ。

「ナツ、入り口があっても出口がなきゃ出れないのと同じだ」

「つまりね、ルーシィさんが入り口で外に出口となる人が必要なんだよ」

シグレが説明するとナツは理解できたようだった。

「そもそも、精霊界に人間が入ること自体が重大な契約違反!

あの時はエバルーの鍵だったからよかったけどね」

「エバルーの・・・鍵?・・・・あっー!」

ハッピーが突然叫びだした。

「ルーシィ!思い出したよ!」

「な・・何が?」

「来るとき、言ってたことだよ」

ハッピーは背中の風呂敷からなんと金の鍵を出した。

「これ」

「それは・・バルゴの鍵!」

「駄目じゃない、勝手に持ってきちゃ!」

「違うよ、バルゴ本人がルーシィへって」

「たしか、エバルーってお前らが逮捕に協力した奴だったけ」

前にミラに聞いたことがある。

「うんそうだよ。それで契約が解除されてルーシィーと契約したいって」

「うれしい申し出だけど今はそれどころじゃないでしょ!脱出法を考えないと!」

「それなら時間はかかるが俺とナツで地面掘って行けば、行けると思うぜ」

「地面を掘る?・・・・」

ルーシィは俺の発言を聞いて悩み始めた。

「バルゴならもっと早くできるよ」

「本当か!?」

「そっか、ハッピーやるじゃん!その鍵、貸して」

「どうやら万事解決かもな」

「汝、精霊界との道をつなぐもの。

汝、その呼びかけに応えゲートをくぐれ。

開け、処女宮の扉!バルゴ!!!!!!!!!」

「お呼びでしょうか?ご主人様」

今度はメイドなのかしかも手首に鎖が垂れ下がる拘束具付きで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アドバイスなどあれば感想欄にて。


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処女宮

「え!?」

「痩せたな」

「あの時はご迷惑をおかけしました」

「痩せたというか別人!!」

痩せた?別人?

「なぁ、ナツ。そいつって前はどんな姿してたんだ」

「メイドゴリラ」

メイドゴリラとな。

「私はご主人様の忠実な星霊、

ご主人様の望む姿にて仕事をさせていただきます」

「前の方が迫力あって強そうだったぞ」

「では」

迫力があったね、どんな姿だったんだ。

バルゴの姿が光につつまれると中からまさにメイドゴリラが現れた。

「余計なこと言わないの!」

「そうだぞ。

俺はどっちかというと出てきたときの方がこのみだ」

まぁ、それでもミラが本命だが。

「承知しました」

また光につつまれ友との姿に戻ったバルゴが出てきた。

「時間がないの、契約は後回しでいい?」

「かしこまりました、ご主人様」

「てか、ご主人様はやめて」

「では『女王様』と」

「却下!」

あいつさっき鞭見て考えたな。

「では、『姫』と・・・」

「そんなとこかしらね」

そんなとこなのか。

見たとこナツとグレイを同意見のようだ。

「ルーシィ、急いだ方がよくないか?」

ほら、グレイからあたりさわりだけ聞いただけだけど。

「では、行きます!」

バルゴの足元に魔方陣が出てきたと思うと、

地面を掘り進む音とともに、

バルゴがものすごい勢いで地面に潜って行く。

「1番、もらっていくからな」

俺はそう言って穴の中に飛び込んだ。

「あっ、まってよソロアール!」

続いてシグレも飛び込んできた。

穴をとおり外に出るとものすごい風が吹き荒れていた。

「シグレ、定例会の会場に先回りするぞ!」

「わかったけど、エリゴールはどうするの?」

「無視する」

「無視するの!?」

「どうせナツがたおすだろうから俺は万が一の時の奥の手だ」

「わかった」

シグレは俺を抱えて全速力で飛ぶ。

「アーカイブで最短距離を計算していくから、

文句は無しでお願いしてもいい?」

「OK」

道なき道をとってでもつかなきゃならない。

「どけー!!!!!!!!!!」

後ろからナツとハッピーが飛んできた。

しかも、俺たちよりすごい速度で飛んでいくのだ。

「シグレ、かわせ!」

ギリギリのところでハッピーたちを回避した。

「危うくぶつかるところだったぞ」

今さらこんなことを言っても意味がない。

もう見えないところまで行ってしまった。

それよりもうちのシグレより早く飛べるなんて驚いた。

「ナツたちがかたずけるとは思ってたけど、

俺より早く目的地にたどり着くなんて思ってもなかったぞ」

だがこれで少しは安心できた。

「エリゴールは任せたぞ!!!」

聞こえるかどうかは分からないが大声でナツにそう言った。

「シグレ、このまま定例会の会場にむかうぞ!」

「わかった!」

再び全速力でむかう。

それから10分ほどたったころ。

シグレが限界を迎えてしまったらしい。

「ごめんね、これ以上は無理だったよ」

「いいや、

アーカイブを使ったまま全速力でここまでこれたんだ。

お前は純分よくやった、何も恥じることはないだぜ」

シグレは疲れて俺の腕の中で眠ってしまった。

「ここからは徒歩か」

魔導二輪を使ってもいいがいざというときに、

魔力が切れてしまったら奥の手ともいえない。

「ざっと、15分か」

ガタッ・・。

物音が聞こえたので振り返ってみると、

魔導4輪がものすごい勢いでせまってきていた。

「ルノアール!乗れ!」

エルザがんのすごい形相でにらみつけながらこっちにむかってくる。

魔導4輪で。

ここは逆らったやばい。

俺は飛び上がって魔導4輪の天井に乗った。

「ルノアール、色々と言いたいことはあるがすべて後だ」

「わかったよ。それよりもそこ退け、お前顔色悪いんだからよ」

俺は運転席に降りてシグレを乗車席に優しく放り込んだ。

「大乗だ!」

「大丈夫じゃないから声かけてやったんだよ!」

俺はすばやくエルザの腕から、

リストバンド型の供給機を外すとすぐに自分の腕に付け替えた。

「何をする!」

「五月蠅い休め」

俺はそう告げてグレイめがけてエルザを突き飛ばした。

「俺はいざというときにはグレイの魔法を食べればどうにかなる」

「しかし!」

「黙ってろって言ってんだよ」

エルザと口論していると遠くに火柱が上がった。

「ナツか・・・」

火柱が立った場所を目印に全速力で魔導4輪を飛ばす。

たどり着くとすでに火柱はなく、エリゴールを倒したナツが立っていた。

「遅かったじゃねぇか、もう終わったぜ」

「そのざまじゃ、ギリギリってところか?」

「ぎりぎりじゃねぇ!余裕だ!」

俺の質問に対してナツは元気よく答えた。

「エリゴールさんが負けた!?」

「当たり前だ、ナツの炎がエリゴールのそよ風なんかに負けるわけないだろ」

カゲヤマは心底驚いているようだがフェアリーテイルがあんな奴に負けるはずがない。

俺は魔導4輪からシグレを抱きかかえながら出した。

ナツたちはそのままにぎやかに反し始めたので、

俺はエリゴールの両手を魔法で捕えた。

「これで逃げられねぇだろ」

振り返ると魔道4輪にカゲヤマが乗っていた。

「油断したなハエども、笛は呪歌《ララバイ》はここだ!」

ざまぁ、みろ!

そう言ってカゲヤマは魔導4輪を走らせ定例会の会場目指して走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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何も変わらない過去

いち早くきずいた俺は捕まえようとするがめまいを起こしてしまった。

「くっ、魔力が・・・!」

他のメンバーがきずいたころにはもう遅くカゲヤマは手の届かない距離まで走り去っていた。

「あんのヤロー!!!!」

「なんなのよ!!!!助けてあげたのにー!!!」

「追うぞ!!!!」

エルザを先頭に皆が走って行く。

俺もそれを追いかけて一番後ろから走って行った。

 

sidechange カゲヤマ

 

(よし・・・・定例会はまだ終わってないみたいだ)

これで復讐ができる。

そう思うとふと心に影が差す。

(何を考えてるんだよおれは!)

俺たちから仕事を奪ったのはあいつらだ。

(この距離なら十分 ララバイの音色が届く)

これは復讐なんだ、そう自分に言い聞かせる。

突如、自分の肩が何者かによって叩かれる。

ゆっくりと振り返ると人差し指が頬にあたった。

その犯人はよほど面白かったらしく笑い転がる。

だが笑いすぎてむせてしまった。

「いかんいかんこんなことしてる場合じゃなかった。いそいであの4人の行先を調べねば」

(マカロフ・・・・!!!!こいつ・・妖精の尻尾のマカロフだ!!!!)

「お前さんもはよォ帰れ、病院に」

マカロフは思い出したかのように急ごうとする。

(ちっ、つくづく妖精に縁のある一日だな)

「あ・・・・あの・・・・」

マカロフを呼び止める。

「ん?」

「1曲・・聴いていきませんか?」

幸いマカロフは自分のことを病人だと勘違いしている。

やるなら今がチャンスだろう。

「病院は楽器が禁止されているもので・・・・」

(やれるこのままなら確実に!)

「誰かに聞いてほしいんです」

「気持ち悪い笛じゃのう」

「見た目はともかくいい音が出るんですよ」

「急いどるんじゃ、一曲だけじゃぞ」

「えぇ」

(勝った!!!!)

「よぉく、聞いててくださいね」

笛に口をつけようとした瞬間、今までの記憶が追憶のように思い出される。

同じギルドの皆のセリフが

「正規ギルドはどこもくだらねェな!!」

「能力が低いくせにイキがるんじゃねっての!!」

「これは俺たちを暗い闇へと閉じ込め・・・・

生活を奪いやがった魔法界への復讐なのだ!!!

手始めにこのあたりのギルドマスターどもを皆殺しにする!!!」

妖精の星霊使い女のセリフが

「そんなことしたって権利は戻ってこないのよ!!!」

妖精の氷の造形魔導士のセリフが

「もう少し前向いてお前ら全員さ」

妖精女王のセリフが

「カゲ!!!!お前の力が必要なんだ!!!」

妖精の炎の滅竜魔導士のセリフが

「同じギルドの仲間じゃねえのかよ!!!」

 

sidechange ルノアール

「定例会の会場についた・・・うげ、まじかよ」

俺の目の前に青い天馬(ブルーペガサス)のマスターの背中が見える。

正直言って天敵である。

「いた!!!」

「じっちゃん!!!」

「マスター!!!」

タイミング悪く他の連中もやってくる。

「しっ、今いいところなんだから見てなさい」

そして振り向きざまに放たれる言葉。

「てかあなたたち可愛いわね」

間違えてはいけない彼は男でありぞくに言うおかまである。

「な・・何この人!?」

ルーシィの質問に俺は答えない。

なぜならなるべくこの人とは関わりたくないからだ。

青い天馬(ブルーペガサス)のマスター!!!」

「あらエルザちゃん大きくなったわね。それにルノアール君も」

聞き流そう体に悪そうだ。

マスターとカゲヤマの会話に耳を傾ける。

「どうした?早くせんか」

「・・・・・・・・」

カゲヤマは笛を吹くのをためらっているようだ。

「いけない!!!」

「黙ってなって面白ェトコなんだからよ」

飛び出そうとするエルザを四つ首の番犬のマスターが止める。

「さぁ」

「・・・・!!!」

多分マスターはあれが呪歌だということを知っている。

俺は飛び出そうとするナツに足払いをかけ背中を足で押さえる。

「ナツ、心配するな。いざというときは俺の魔法で隔離する」

「吹けば・・・・。吹けばいいだけだ。それですべてが変わる」

カゲヤマは口に出しっている自覚はないだろうがダダ漏れである。

「何も変わらんよ」

はじまったマスターの素晴らしい説教だ。

「弱い人間はいつまでたっても弱いまま。しかし弱さのすべてが悪ではない」

言葉が続く。

「もともと人間なんて弱い生き物じゃ。一人じゃ不安だからギルドがある」

さらに続く。

「仲間がいる。

 強く生きるために寄り添いあい生きていく

 不器用な者は人より多くの壁にぶつかるし遠回りをするかもしれん。

 しかし明日を信じて踏み出せばおのずと力は湧いてくる。

 強く生きようと笑っていける。そんな笛に頼らなくても」

だんだんカゲヤマの手が震えてきている。

「な」

ついにカゲヤマは笛を手から落とした。

「参りました」

ナツを解放してやる。

「マスター!!!」

「じっちゃん!!!」

「じーさん!!!」

3人はマスターの下に一直線に走って行く。

「ぬぉおぉっ!!?なぜこの4人がここに!!?」

そしてマスターの下にたどり着いた彼らは思い思いの感想を述べてゆく。

だが俺だけは笛を見つめる。

「大丈夫なのか?}

笛を拾おうと俺が手を近づけると中から不気味な煙が出てきた。

『カカカ・・。どいつもこいつも根性のねェ魔導士どもだ』

すぐに俺は危険と思い手をどけた。

「もう我慢できん。わし自ら喰ってやろう」

「笛が喋ったわよ!!ハッピー!!!」

「あの煙・・・・形になってく!!!」

その煙は質量を持ち始める。

「貴様らの魂をな・・・・」

「「「な!!!怪物!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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ララバイの正体

「あれが呪歌(ララバイ)

悪魔を見るのは初めてだがあまりいい気はしない。

「さあて・・・・誰の魂からいただこうかな」

ララバイは値踏みのため全員を見渡している。

「きめたぞ、全員まとめてだ」

ララバイは大きく息を吸う。

「氷竜の咆哮!」

その口にブレスを叩き込む。

「がふぁっ!?」

追撃にエルザの剣撃がララバイの足を切り裂く。

「ぬ」

さらにナツが呪歌(ララバイ)の顔まで登り蹴りをかます。

「小癪な!!!」

少し揺らいだがはすぐに大勢を建て直しナツめがけて複数のエネルギー弾を放つ。

その攻撃はナツには当たらずほかのギルドのマスターたちめがけて飛んでいく。

だがその攻撃はグレイによって防がれる。

「アイスメイク・・・(シールド)!」

エネルギー弾は即座に展開された氷の盾により防がれる。

さらに次の攻撃のためにグレイは両手を合わせ構える。

「アイスメイク槍騎兵(ランス)!!!」

無数の氷の槍は呪歌(ララバイ)の脇腹を貫く。

「ナツ、エルザ、グレイ、連携攻撃だ!」

「「「わかった」」」

これより最強の4人による悪魔の蹂躙が始まる。

「氷竜の咆哮 極射!」

限りなく細められた冷気の息吹が悪魔を凍らせていく。

「右手と左手の炎を合わせて、火竜の煌炎!」

巨大な火球が両手を合わせたナツの拳と共に振り下ろされる。

黒羽の鎧に換装したエルザが呪歌(ララバイ)を切り裂く。

グレイの造形魔法が呪歌(ララバイ)の形を奪っていく。

「どいてろナツ!氷竜の尖角!」

巨大な氷の剣を作り出し敵にそれを打ち込む。

その一撃で上半身を縦真っ二つに切り裂いた。

たおれた呪歌(ララバイ)は定例会の会場を押し潰す。

「見事」

周りの人からの驚きの声が上がっていく。

「ゼレフの悪魔がこうもあっさり・・・」

「こ・・こりゃたまげたわい」

「す・・・・すごい」

周りの声でシグレが起きた。

「大丈夫か?」

「うん、だいじょうぶだよ」

「よかった。まぁ、定例会の会場が壊れなきゃもっと良かったけどな」

「またやっちゃったの?」

「またとかいうな。基本的に俺はあまり悪くないはずだ・・・たぶん」

「何でそこに自信がないのだか・・・それよりこのまま残っといてもいいの?」

「いいわけねーよな」

「「「ぬああああっ!!!、定例会の会場が・・粉々じゃ!!!!」」」

どうやらばれてしまったようだ。

「捕まえろーっ!!!」

「おし、まかせとけ!!!」

「アホか、お前はつかまる側だ!」

ナツをぶん殴って引きずって行く。

「なんというかいつもだおりだね」

「そうだな」

俺とシグレは笑いあいながら逃げる。

 

 

それから鉄の森(アイゼンバルト)は死神エリゴールを除き全員が逮捕された。

呪歌(ララバイ)は評議会により再封印された。

とはいっても、あそこまでぼろぼろだとおちおち復活もできないだろう。

さて今日はナツVSエルザの試合だ。

「シグレ、準備できたか?」

「ちょっと、待って!」

「早くしろよ」

女の子が支度に時間がかかるのは人でも猫でも同じようだ。

「それにしてもあれがゼレフの負の遺産」

負ということは正の遺産もあるのだろうか?

「用意できたよルノアール!」

どうやら考えるのは今度にした方が良さそうだ。

「それじゃ行くか」

俺たちはギルドの前まで足を運ぶ。

そこではギルドな皆が集まり二人の戦いを今か今かと待っていた。

「おっ、カナ。賭けか」

「ルノアール、あんたも一つひかっけていかないかい?」

「それじゃ、エルザに1万ジュエルで」

「おぉ、いくねー!」

「ルノアール!始まるよ!」

エルザとナツの方へと体を傾ける。

「こうしてお前と魔法をぶつけあうのは何年ぶりかな・・・・・・・・」

「あの時はガキだった!!!今は違うぞ!!!今日こそお前に勝つ!!!」

(大丈夫か?絶対二人とも本気で行くつもりだぞ)

ギルド倒壊しなかったら良いなー。

ただただ祈るばかりである。

「私も本気でいかせてもらうぞ。久しぶりに自分の力を試したい」

エルザが鎧を換装する。

「すべてぶつけてこい!!!」

エルザは炎帝の鎧に換装する。

「耐火能力の鎧か」

「ナツには相性悪いかな?」

「いいや、どうだろうな。雨垂れ石を穿つというしな」

「繰り返せばいけるってこと?」

「まぁ、そうだが。でもエルザにとってはあんな物、護身用程度だろ」

「そうなのかな」

できれば被害は出さないでほしいよな。

どうせ修理に駆り出されるの俺とかなんだから。

「始めい」

マスターの掛け声とともに試合が始まる。

ナツが次々と放つインファイトをエルザはかわしていく。

ナツが蹴りを放つために地面に手を突いた。

エルザはそれを見逃さず蹴りを避け、ナツの両手をスライディングで払う。

だがナツはブレスで追撃を阻止し体勢を立て直す。

そこから両者の攻撃がぶつかろうとしたとき割り込むように音が鳴った。

「そこまでだ」

評議員の使者が間に割り込む。

「全員その場をうごくな。私は評議員の使者である」

にしても今更、何をしに来たというのだろう?

「先日の鉄の森(アイゼンバルト)テロ事件において、器物損壊罪の容疑でエルザスカーレットを逮捕する」

「今、なんて!」

飛び出そうとしたシグレを捕まえる。

「なんで止めるのルノアール!?」

「今、ここで飛び出しても意味がない。しかも評議員にはジークレインがいるんだぜ」

「ジークレインならエルザを悪い様にはしなっていうの!?」

「そうだ。それにこれは正当な罪だ、今まで見逃されてた方が不思議なぐらいだったんだ」

「・・・・」

シグレは黙り込む。

ナツが殴りかかろうとしたので俺はナツを抑え込む。

「連れていってもいいけど、もしかしたら俺も暴れる可能性もあるから・・」

にらみを利かせて言葉をつづける。

「なるべく刑については善処してくださいね」

 

 

 




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オリジナル1
S級クエスト 


俺たちはギルドに帰り、マスターに頼んでナツをトカゲに変身させコップの中に閉じ込めた。

「俺を此処から出せー!」

「ミラ、久々に俺と一緒にクエストいかないか?」

はっきり言うとけっこうよろしくない誘いでである。

だが、いつまでもくよくよしててはいけない。

だから俺はミラを誘った。

「他の人じゃダメなの?」

「S級クエストだから他の奴は誘えない、それに俺はミラと行きたい」

「でも、私ここ最近クエストいってないから戦力にならないよ?」

「ただの探索クエストだから大丈夫!」

「でも・・・・」

「ねーちゃん、気分転換に行ってみてもいいと思うぜ?」

エルフマンが俺の誘いを手伝ってくれるようだ。

「でもバーの仕事が・・・」

「それなら私に任せて!」

ミューマライズで変身したシグレがエプロンを着て立っていた。

「ミラちゃんの代わりなら私がするよ、困ったらルーちゃんに助けてもらうから!」

「うん、困ったら言ってね。私も頑張るから!」

あれ、こいつらいつの間に仲良く?

「うーん、ここまで言われちゃったら行っちゃおうかな?」

「よし、行こう!」

俺は急ぎ足でマスターに依頼書を見せる。

「俺とミラはこれ行きたいから、受注をお願いしたい!」

「うむ、きおつけての」

「よし、ミラ、30分後に駅で集合な!」

「うん、わかった。支度したらすぐ行くね」

「そこまで急がなくてもいいぞ、自分のペースで用意してくれればいい!」

俺はギルドを抜け、屋台の並ぶ商店街へと足を運んだ。

そして路地裏を通り、つい最近通うようになったマジックアイテムショップに立ち寄った。

「いらっしゃいませー」

覇気のかじられない声が聞こえた。

ここの店主は相当なおじいちゃんでほとんどは孫娘にやってもらってるようだ。

「あっ、いらっしゃいませ、今日は何をお求めで?」

「ちょっと探索クエストでるからなんかいいアイテムないかなーって」

「なら羅針盤座の鍵なんてどうですか?つい最近手に入ったものなんですよ!」

「へぇー、羅針盤座ってことは道を示すことができる星霊か」

「いいえ、どちらかというと物探しするタイプの星霊です」

あれ、羅針盤って、方向を示す道具だよね?

「まぁ、クエストに役立つことに変わりはないだろうからそれください」

「はい、特別価格の100000ジュエルです」

財布から金を取り出し渡す。

「ありがとうございました!」

星霊の鍵を受けった。

店から出て路地裏を抜けようとすると映像ラクリマが足元に落ちてきた。

そこから評議員のジークの姿が映し出された。

「よう、ルノアール。元気か?」

「あぁ、元気だ。エルザはどうなった?」

「もうすぐ、裁判だ」

「どうせ形だけの物なんだろう?」

「そうさ、このまま見逃し続けると、他のギルドが調子づいちまうだろう?」

「そうだな」

「なぁ、ルノアール」

「なんだ?」

「楽園の塔・・・・」

その言葉を聞いた瞬間ラクリマを踏みつぶした。

だがまたどこからか映像が映される。

「おまえ、ケンカ売ってるのか?」

「そう、怖い顔すんなよ」

「ようがないなら、失せろ。俺は忙しい」

「いや、用ならあるさ。この頃、ジェラールの動きが活発になりだした」

「『楽園の塔』計画の再開・・・・」

「そうだ」

「壊して悪かったな」

「いいや、あの言葉から始めた俺も悪かったさ」

俺はそのまま駅まで歩いていく。

「エリック、ソラノ、マクべス、リチャード、ソーヤ」

あの時おいてきてしまった仲間のことを思い出してしまった。

「いまは、ミラとのクエストに集中だ」

急いで駅まで走った。

駅にたどり着くとすでにミラは待っていた。

「すまん、待たせちまったか?」

ミラに駆け寄って行く。

「そんなことないよ。それに何か急な用事があったんでしょ?」

「そんなところだ」

「それじゃ、行こうか」

「そうだな」

俺たちは乗車券を買い、列車に乗る。

「そういえば、ほんとにルノアールはいろんな魔法使うよね」

「本家と比べれば大したことのない魔法ばっかだ」

「でも、ルノアールにはナツにも後れを足らない滅竜魔法があるじゃない」

「それだけだよ、自信を持てる魔法なんて」

「だけどルノアールほど手段の多い魔導士はそうはいないと思うよ」

「ただ、臆病なだけさ。あの魔法があれば救えたなんて事態にはもう立ち合いたくないからな」

「そうか」

ミラの言う通り俺は多彩な魔法を扱う。

武器換装魔法、星霊魔法、テイクオーバーなど、

そのほかにも医学の知識も多少なりかは持ち合わせている。

自分でもここまで魔法を習得して何になると思ったこともある。

「でもね、私たち家族に頼ることも時には必要だよ」

「あぁ、わかってる。俺にできないことが出てきたときはたのむさ」

列車は目的地まで走って行く。

 



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眠りし悪魔の心臓

目的地まではまだ時間があった。

出来れば景色を楽しみたいところだがどうにも。

「気分が・・・・・・」

「ルノアール、これ使う?」

「なんだそれ?」

青い天馬(ブルーペガサス)の特注品の酔い止めの香り魔法(パルファム)だよ」

「なんでそんなものを?」

「ルノアールにプレゼントしようかなって」

「そうかならありがたくもらうとするよ」

ミラから手渡された小瓶のふたを抜き鼻元に持っていく。

すると少し強い刺激臭のあとだんだん体調がよくなっていく。

「すごいなこの魔法、俺の乗り物酔いがまるでなかったかのよう気分だ」

「だけど持続時間はそんなに長くないよ」

「どれぐらい持つんだ?」

「3分」

「結構、短いな」

「でも、3分間は景色とかを楽しめるんだよ」

「それもそうだな。よし、ならミラ」

「ん、何かな?」

「一緒に景色を楽しもうぜ!」

「そうだね!」

楽しい時間はあっという間である。

ミラと列車の窓から見える景色を見ながら盛り上がっているとすぐに効果が切れた。

「うっ、気分が・・・・」

「大丈夫?」

「大丈夫だとはいいがたいけど、大丈夫だ」

「あと4駅ぐらいかな」

「大丈夫・・だ」

俺はすぐに酔いから逃れるように眠りについた。

それから数分たっただろうか?

目を覚ますと目の前にミラの顔があった。

「えーと、どうした?」

「....もうすぐ目的地だよ」

「おっ、おう」

二人とも顔を赤らめお互いに顔を離す。

そして到着の汽笛がなる。

「おりるか」

「そうだね」

俺たちは荷物をまとめ列車からおりる。

駅を降りたそこには人の手が加えられていない自然の世界であった。

そこに少女が一人立っていた。

「そのグローブのマークから見るにあなたたちがクエストを受けに来てくれたのかい?」

「そうです」

「一応確認だけはしておくよ」

少女はどこからか羊皮紙を取り出しそれを広げる。

「これは探索クエストと言ってもS級じゃぞ」

「わかっています」

「入手してほしいのは悪魔の心臓じゃ」

「悪魔!?」

「それも心臓ですって!?」

「ある場所は大まかには分かっておる」

「大まかということは」

「ここからすぐの遺跡の奥地にある」

「ほんとに物探しなのか?」

「目的は物探しじゃ、だが少なからず魔物もうろついている」

「なら早く探すか」

「では、失礼します」

「うむ、無事で帰ってきておくれよ」

俺は先行して前を歩いて洞窟に入って行く。

それも後ろからミラが追いかけてくる。

「待ってー!」

歩きつずけて10分も経たぬうちに洞窟の入り口に

たどり着いた。

「ここか」

「そうだね」

洞窟の中は暗闇が広がっており先は見えない。

「見えないね」

「すぐに見えるようになる」

魔方陣からランタンを取り出す。

そして中に発火のラクリマをセットした。

するとラクリマが燃え始めランタンがその光を周りに広げていく。

「これで見えるようになっただろ」

「うわー、すごい」

「スごいだロ」

「えっ?」

突如、俺の声に俺じゃない何かが介入してきた。

「・・・悪い、ちょっと後ろ向いててくれ」

「・・・わかった」

ミラが後ろを向いたのを確認すると魔方陣から注射器を一本取り出す。

「・・黙ってろ、お前が出てくるような相手じゃない!」

小声ながらも怒気をはらんだ声で自分の中の悪魔に語り掛ける。

それに呼応すかのように額から双角の一本が飛び出す。

「黙ってろっていってんだろ!」

そして取り出した注射器を自分の首筋に突き刺す。

そこから体内に入って行く液体のおかげで角は粒子へとちっていく。

「もういいぞ」

ミラは無言のまま俺を見つめる。

「大丈夫だ」

今できる精一杯の笑顔をミラに向ける。

「つらかったら言ってね」

「わかった」

俺の中にいるのは悪魔すら喰らう悪魔。

真名は知らないだが凶悪性はよくわかる。

こいつは気を抜くと殺生行動に移らせようと俺に精神干渉を仕掛けてくる。

最近は薬で押さえていて表に出てくることがなかったから安心していたが

どうやら悪魔が近くにいるから出てきたようだ。

だが子守歌《ララバイ》の時には出てこなかったということはそいつ以上の者がいるということか。

「先へ進もう」

「そうだね、早く終わらせて帰ろ」

ランタンを携え暗闇の中を進んでいく。

 

 

 



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魔性との遭遇

暗闇の中を進む二人。

悪魔の心臓の影響か周りに生物の反応はない。

その代わりと言っては何だが何度となく死霊(リビングデッド)タイプの敵がよくあらわれる。

「うっとおしい!」

ブレスで何度となく敵を倒しているが敵の勢いが止まることがない。

それにこう何度となく魔法を連発しているとさすがに魔力的によろしくない。

「手伝おうか?」

「いいや、ミラは後ろから来てくれてるだけでいい」

そう言い俺はポケットから赤銅色の星霊の鍵を取り出す。

「奥の手だったんだが使っちまうか」

意識を精霊の鍵に集め扉を開く呪文を唱える。

「開け赤き英霊オリオン座の扉 オリオン!」

赤銅色の魔方陣が現れそこから1体の精霊が現れる。

「今宵はいかな用事だ?」

「道はこちらで支持する。退路を阻む敵を掃討しろ」

「了解」

赤い外装をまといアイアンメイスで近距離の敵をたたきロングボウで遠くの敵を射抜く。

星霊となっても狩人としての力に衰えなど感じさせない。

そう思えるほどオリオンの技の数々はすごかった。

「こんなすごい星霊使役してたんだ」

「あぁ、金色の鍵ほどすごいものではないけどな」

「あぁ!変態牛なんぞに負けるほど俺は弱くねーよ!」

「そうだな、単純な力比べならおそらくあっちに軍配が上がるだろうな」

「だがタイマンなら負けねー!」

「そうだな」

この赤銅の鍵は世界に3本しか存在しない。

今はシグレに預けているが青銅の鍵も持っている。

ちなみにこれも3本しか存在しない。

聞いた話、他にもこのように世界にあまり数のない鍵がいくつかあるようだ。

「おい主、目当ての場所あれじゃないのか?」

暗闇の奥に小さな明かりが見える。

「俺の視力でもギリギリのレベルをいとも簡単に見つけるな」

「私には何も見えないよ?」

「シャーねーってことよ!俺っち視力良いから!」

近づいていくとだんだん明かりが大きくなっていった。

その明かりに照らされ不気味な扉が見えてくる。

「ここが心臓のありか」

扉の向こうに心臓があるのだろう。

「悪いな主、ここからは俺が行くには場所が悪すぎる」

そう言い残してオリオンは精霊界へと帰ってい行った。

「オリオンの奴、どういうことだ」

場所が悪い?

狩猟の名手である奴が?

「ねぇ、ルノアール」

「どうしたミラ?」

「ごめんだけど、私これ以上先に進めそうにないわ」

「どうした?」

「なんと言うか勘かな?ここから先は進んじゃいけないって言っているような気がするの」

オリオンやミラが進めない?

なら、俺は何故進める?

俺は何者だ?

「自問自答するまでもなかったな」

小さな声でそうささやく。

俺は龍で悪魔でそして魔導士だ。

「ミラはそこで待っといてくれ。俺が回収してくる」

「駄目だよ!帰ろ!」

ミラの忠告を聞かずに扉に手をかける。

「絶対に帰ってきてね」

「ただ持って帰ってくるだけだ」

扉を押し中へと入る。

中に入ると後ろで独りでに扉が閉まる。

部屋を円で囲むように炎がともって行く。

左右から灯って行く炎がたどり着いた先には石の祭壇とまがまがしい魔力を放出する肉塊だった。

「あれか、心臓は」

ゆっくりと歩いていくと近づくたびに肉塊は脈を打ちその速度は徐々に早まって行く。

手を伸ばせばとれる位置まで行くと突如肉塊はその身を伸ばし俺に襲い掛かってきた。

「クッ!」

俺は寸でのところで避けバックステップで距離をとり体勢を立て直す。

視界にとらえた肉塊は次第に形を作りその姿を固めた。

その姿は甲冑のようにも見えるが体の表面が脈打っている。

「なんだあいつ気持ち悪い」

『キモチワルイ』

言葉を反復した!?

「らくそうな仕事選んだつもりだったんだがな」

魔方陣から二本の剣を取り出す。

「久しぶりに本気出さなきゃいけないかもな」

 



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魔性の討伐

二振りの剣が魔性の首をはねる。

宙を舞う異形、即座に振り返り胴を裂く。

裂かれた胴から出でたさらなる異形には怒れる竜の吐息をぶつけた。

内部より凍てつく異形は形を変え俺の魔法を無効化する。

紅蓮の炎となった異形は竜をとらえようと触手を伸ばす。

剣を手放し両の掌から魔力放出を行う。

勢いで距離を取り氷竜の魔力で目の前の異形を消し飛ばす。

魔力放出の直撃を受けた異形は周りに広がるような形で凍り付いた。

「いくら炎の身体でも純粋な魔力の塊をぶつけたんだただじゃすまないよな」

だが氷は砕け伸びた触手がわき腹を貫く。

「ゴパァ!?」

のどから血をが昇り吐き出す。

触手はさらに熱を持ち始めその温度を上げていく。

内臓を焼かれることを阻止するためにナイフを取り出し触手を切断する。

切り離された触手は魔力供給を失い消滅する。

異形は氷と同化し姿を変えていく。

「わりと全力で戦ってるんだけどな」

傷口を最低限氷で閉じる。

少し趣向を変えてみるか。

今までの攻撃は確実に殺すための使い方をした。

なら今度は・・・・

「壊すつもりでいこうじゃねぇか」

魔法陣から大火力長筒を取り出す。

これは西の国で開発された単発式の銃。

その分、ここらの国で作られたどの銃よりもすさまじい火力を出す。

「アイスメイク・チェーン!」

グレイの魔法を見て形だけを模倣した氷の造形魔法。

グレイとは違い主武装としてではなく補助として使うため片手で行使する。

その分、安定性と強度の面で劣るが片手間に行える点が便利だ。

氷の鎖は異形に巻き付き縛り上げる。

鎖の端には返し付きの刃をつくり地面に突き刺している。

その拘束により異形の身体に鎖が食い込み動きを止めさせる。

そしてすぐさま長筒に弾薬を込め異形めがけて発砲する。

弾丸は着弾と共に炸裂し異形の身を焼き肉片へ変える。

吹き飛ばされた肉片は飛び散り焼却されていく。

すぐさま戦槌を取り出し異形をつぶしにかかる。

残った部分の異形が無数の槍となり体を貫きにかかる。

戦槌は無数の槍ごと異形を叩き潰しにかかる。

それでも無数の槍はつぶしきれず残った槍が体を貫いていく。

その痛みに耐え戦槌は異形をつぶす。

すると中からまがまがしいラクリマがその姿をのぞかせる。

それをつかみ取り体から引き抜く。

それを追うように肉塊はラクリマを取り返そうと動く。

「わが身を贄としこの身に竜の加護を」

短い詠唱。

その言葉は彼の腕を竜へ近づける。

彼の手の中にあったラクリマは握りつぶされ粉々に散った。

それに同期するかのように肉片はひとつ残らず消滅する。

「勝った」

緊張が途切れ

体中に激痛が走る。

立つことすらままならずその場に倒れ伏す。

完全気を抜き自分の身体が動かなくなった瞬間、新たな気配が室内に現れた。

面をした何か。

その姿を視界にとらえても実像御正確に把握できない。

その手が俺の胸に置かれる。

「魔竜ルノアール、妖精魔王、所詮はこの程度だったということか」

その手に力がこもった瞬間、面はひどくゆがみ弾丸のように飛んでいく。

「ルノアールに手を出すな!」

意識が虚ろになっていく。

虚ろになっていく視界にとらえたのは昔のように髪を結いあげたミラだった。

そこで俺の意識は途切れた。



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