博麗と文豪 (らむね2号)
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紅白の巫女と文豪

・東方Project(博麗霊夢)×文豪ストレイドッグス
・主は文ストをアニメしか見ていません
・霊夢さんのキャラがあまり掴めていなかったり文スト内のキャラもあまり掴めていません
・滅茶苦茶設定
・主もよく分からん
・文才なし
・文スト特有の表現は使ってません
・中島敦=博麗霊夢ということにしているので中島敦はいません、もう一度言います中島敦不在です!!!!!!!!!


 

 

とある街中、黒髪に真っ赤なリボンを付け、脇をわざとらしく露出させている紅白の巫女装束を身につけた少女は気怠そうに歩いていた

彼女の名は博麗霊夢、幻想郷という日本の人里離れた山奥の辺境の地に存在するとされる妖怪などの人外が多く住む土地の結界を異変から守る博麗の巫女

 

「ったく…紫のヤツ、面倒事を持ち込んできやがって…」

 

彼女がなぜ、このヨコハマに居るのか、今から説明しよう

 

 

 

 

「…ふう、境内の掃除も終わったことだし、お茶でも飲もうかしら」

 

少女──博麗霊夢は、彼女の住む博麗神社の境内の掃除をしていた

ひと仕事終えた霊夢は彼女の好きなお茶を飲むために急須を取りに台所へ向かう

 

いつも通り縁側で煎餅を食べ、先程入れたお茶をズズズと飲み始める

いつも騒がしいあの白黒魔女が居ないからか神社は草木が揺れる音しかしない

霊夢がその音に目を瞑り自然を感じていると、その自然の中に禍々しい気配を感じた霊夢は警戒体制に入る、だが、霊夢はその気配を放つ者の名前を知っている

その名は八雲紫、幻想郷を創った賢者の一人だ

めんどくさいことになりそうだなと思いながらも溜息を吐き、霊夢は八雲紫に喋りかける

 

「…はぁ、妖怪の賢者様がわざわざ私の所へなんの用よ。まさか、面倒くさい事じゃないわよね?」

「フフフ、さすが霊夢、この私の存在に気づくなんてね」

 

紫は愉快そうに笑いながら空間を裂くように現れた''隙間''から頭を出しヒラヒラと霊夢に向けて手を振る

霊夢はと言うと少し不機嫌そうな顔をしながら紫の様子を伺っていた

 

「はいはい、そういうのいいから、用を早く言いなさいよ」

「もう、霊夢ったらせっかちなんだから。まあいいわ、単刀直入に言うわね。霊夢、貴方──

 

 

 

 

 

 

──外の世界に行ってきなさい」

「…は?」

 

こいつとうとう気でも狂ったかと霊夢は思ったが、紫の目は真剣そうに霊夢の目を見ている

 

「あら、聞こえなかったかしら?外の世界に──」

「聞こえてるわよ、んで、なんで急に?」

「今、博麗大結界が少し緩んでいるのは知ってるわね?」

「え、ええ」

「その原因が外の世界にあるみたいなの」

「へえ、だから私が外の世界に行って異変を解決してこいと?」

「話が早くて助かるわ」

 

紫はまた、ふふふ、と愉快そうに笑う

霊夢はどうしようかと悩んだ末、覚悟を決めたような瞳で紫を見詰めた

 

「…しょうがないわね、行ってやろうじゃない、外の世界に」

「ありがとう、霊夢。じゃああなたが今から行くところを説明するわ、

あなたが今から行くのはヨコハマ、そこにはあなたたちの持っている能力と似た''異能力''というのがあるの、そして主に斬った張ったの荒事を領分にする軍や警察に頼れない危険な依頼を取り扱う武装探偵社、武装探偵社っていうのは昼の世界と夜の世界、その間を取り仕切る薄暮の武装集団のことよ。そしてもうひと港湾都市横浜を縄張りにする凶悪マフィア、''ポートマフィア''というのがいるのよ」

 

紫はツラツラと霊夢が今から行く場所の説明をする

霊夢は欠伸をしたりそっぽを向いたり、真面目に聞いてはいなさそうだった

 

「じゃあ、私はそのヨコハマってとこに行ってその武装探偵社に会えばいいと」

「そーいうことよ、じゃあ今すぐに準備しなさい」

「はぁ、めんどくさ…」

 

霊夢は怠そうに立ち上がり、御札、陰陽玉、大幣やパスウェイジョンニードル(封魔陣)を持ち、紫の元へ戻る

 

「準備出来たわよ」

「そう、じゃあ行ってらっしゃい」

 

紫が能力を発動させ霊夢の真下に隙間を作る

その瞬間霊夢は重力に逆らいふわふわと飛び、行ってきますと言葉を口にし幻想郷からその姿を消した

 

 

 

 

※ここら霊夢視点です

 

この紫とのやり取りをしたのも1週間も前のことだなんて、時が経つのは早いわね

1週間の間に盗人を捕まえたり、路地裏で拳銃という武器を使っていたポートマフィアの下っ端共の処理をしてたり沢山やったが肝心の武装探偵社というものの情報は一向に現れなかった

とりあえず今日は何をしようかとプラプラと見慣れない道を歩いてみるが特に何もすることは無く夕方になってしまった

こちらに来てから何も食べていなかったせいでお腹が空いているようでグ〜と腹の虫が鳴る

何か食べるものはないかと思い浮かべてみるが紫から硬貨を貰っていないので買いたくても買うことが出来ないのだ

 

(あのババア…帰ったら覚えておきなさいよ)

 

今度こそ本当にどうしようかと悩んでいると気づけば河川敷の側を歩いていた

先程は数多くの人が行き交う場所でさまよっていたが今は数人程度しか人は居ない

長く歩いたせいか足が若干重く感じられる。一旦休憩するために下へ降り少し座ることにした

 

地べたに座りこの後のことを考える。するとボチャンという音がなりなんだと思いふと音のする方向に目を向けると上半身は水の中に、下半身は水上にとなんともまあ不思議な体制で水に浸かっている男が居た

 

「…何あれ」

 

私は呆れつつも見つけてしまった以上見捨てる訳には行かないのでとりあえず救出することにした

私は自信の持っている1つの能力『空を飛ぶ程度の能力』でふわりと宙に浮き水に浸かっている男の方へと移動する。その男の足を離さないようにガシリと掴み彼が完全に川から出てきたのを確認すると先程私がいた方へ運ぶ

 

地に寝かせ彼が起きるまで横に座ってようかと思った矢先ギョッと目を開けグググと起き上がる。すると彼は口を開け言葉を口にする

 

「助かったか…」

「チェッ」

 

彼は口を開いてそうそう残念そうに舌打ちをする。助けてあげたというのにこちらを見て感謝も述べずそんなことを言うこの男に少しムカつき苛立ちをぶつけるようにきつい声色で彼に話しかける

 

「ちょっと、あんた助けてあげたんだから感謝くらい述べて欲しいのだけど」

 

すると男はこちらに顔を向け、私の顔を見たかと思うとバッと姿勢を変え私に跪くような体制になり私の手を取る

私が呆気に取られていると男は言葉を発する

 

「美しい、貴女は非常に美しく、可憐なお嬢さんだ、どうか私と心中していただけませんか」

 

急に言われた一言に私は驚愕した、出会って間もない男に心中を申し込まれたのだ、こんなの誰でもびっくりするだろう。そんな私を無視して男はキラキラと効果音が着くような顔でこちらを見てくる

ああ、また面倒臭い奴に絡まれてしまったと私は意気消沈していた

 

「あー、ごめんなさい、貴方と心中は出来ないわ」

「そうですか…」

「あ、ところでなんだけど──」

 

と言おうとした時、どこからかグウウと腹の虫が鳴る音が聞こえる

もちろん私では無い、そしてここには私とこの男以外誰も居ない。ということは彼のお腹から鳴ったということだ

 

「えーっと、あんたもしかしてお腹空いてるの?」

「そうみたいだよ」

「へえ、奇遇ね、私もお腹がすいてるのよ」

 

これはいい機会だ、と思い彼に1つお願いをしてみることにする

 

「ねえ、あんた、助けて貰ったお礼をする気無い?」

「本当はしたいところだけど、生憎と財布は流されてしまってね」

「はあ?じゃあどうするのよ」

 

私がその言葉を口にした時、川の向こうから男が怒鳴る声が聞こえる

 

「こんなところに居たのか唐変木!!」

 

その音源を見つけようと向こう側を見ると男が川を跨いだ正面に金髪の男が仁王立ちで立っていた

 

「おぉ、国木田くん、ご苦労様〜!」

「何がご苦労様だ、苦労は全てお前のせいだ!この自殺マニア!お前はどれだけ俺の計画を崩せば気が済むんだ!」

 

国木田と言ったか、向こうにいる男は元気にその苛苛をぶつけているが唐変木と呼ばれた男は気にするような素振りも見せずあ!と閃いたような声を発した

 

「良いことを思いついた、彼は私の同僚なのだ、彼に奢ってもらえばいい」

「人の話を聞けよ!!」

「それで、お嬢さん。名前は?」

 

国木田の言葉を完全に無視しこちらに顔だけ向けて私の名前を聞いてくる

 

「そこで私に話振るの?まあいいわ、私の名前は博麗霊夢よ」

「では、着いてきたまえ霊夢ちゃん。何が食べたい?」

「食べたいものか...」

「何、遠慮はいらないよ」

 

その言葉を聞き考える。今、私が食べたいものは何かと、だが考えたところで一向に答えは出ない。なぜなら私にはこれといった好きな食べ物がないからだ、そりゃあお茶やお酒は好きだが、食べ物となれば話は別だ

何か食べたいものはあるかと思考する。そして私が考えついたものは

 

「...和食、和食が食べたいわ」

「和食か、いいね。では、国木田くんに好きなだけ奢らせよう!」

「俺の金で太っ腹になるな太宰!!」

「太宰?」

「あぁ、私の名だよ」

 

その時、風がぶわっと吹き、辺りの草木を揺らし、太宰と呼ばれたその男が羽織る砂色のコートや、少し癖のある髪を揺らし答える

 

「私の名は太宰、太宰治だ」




とりあえずここ混ぜたら面白そうだなということで主が適当に書いたものです

失踪する可能性あり


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依頼

アテンション

・東方Project(博麗霊夢)×文豪ストレイドッグス
・主は文ストをアニメしか見ていません
・霊夢さんのキャラがあまり掴めていなかったり文スト内のキャラもあまり掴めていません
・滅茶苦茶設定
・主もよく分からん
・文才なし
・文スト特有の表現は使ってません
・中島敦=博麗霊夢ということにしているので中島敦はいません、もう一度言います中島敦不在です!!!!!!!!!

最後の方に博麗霊夢について載ってます


アテンション

 

・東方Project(博麗霊夢)×文豪ストレイドッグス

・主は文ストをアニメしか見ていません

・霊夢さんのキャラがあまり掴めていなかったり文スト内のキャラもあまり掴めていません

・滅茶苦茶設定

・主もよく分からん

・文才なし

・文スト特有の表現は使ってません

・中島敦=博麗霊夢ということにしているので中島敦はいません、もう一度言います中島敦不在です!!!!!!!!!

 

 

辺りもすっかり暗くなり、街も仕事帰りの人々で賑わう中、私は今日会ったばかりの男2人とご飯を食べに来ていた

長身の黒髪の男の名は太宰治。長い金髪の男は国木田と言うらしい

 

「全く、貴様というやつは。仕事の途中にいい川だねとかいきなり飛び込むやつがあるか」

「お陰で見ろ、予定が大幅に遅れてしまった」

「国木田くんは予定が好きだねー」

「これは予定表では無い、理想だ!我が人生の道標だ、そしてこれには、仕事の相方が自殺マニアだとは書いてない!」

 

国木田がグチグチと太宰に言うが、太宰は気にする様子どころか、反省の色も見られない

2人が言い合いしている中、私は1週間ぶりのご飯を食べていた

 

「ふう、ご馳走様でした。奢ってもらって悪いわね、美味しかったわ」

「そういえば、質問なんだけどなんであんなところにいたのよ」

「ああ、入水してたのだよ」

「...は?」

「おや、知らないのかい?入水っていうのは自殺のことだよ」

「なんで自殺なんてしてるのよ...てことは国木田は此奴を探しに?」

「ああ、太宰の奴が仕事を放棄し、挙句自殺しようとしてたんだからな」

「へえ、ところで仕事って何してるの?」

 

私がここへ来た目的はただ1つ

異変の首謀者を捕まえて幻想郷の結界を安定させること。そのためにはまず有力な情報を持っていそうな武装探偵社という組織に近づかなければならない

だから少しでも情報が必要なのだ

 

「なあに、探偵だよ」

「探偵と言っても、ペット探しや不貞調査では無いぞ」

「異能集団、武装探偵社と言えば聞いたことがあるのではないか」

「...!!」

 

武装探偵社、今彼ははっきりそう言った

まさかこんなところで会えるとは思っていなかった、このチャンス、絶対に逃してたまるか

 

「武装探偵社...そう、なら探偵さん、1つお願い、聞いてもらってもいいかしら」

「ほう、依頼か」

「単刀直入に言うけど、私を──

 

 

 

 

 

 

──''武装探偵社''に入れてくれないかしら」

「は?」

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「急に何を言い出すかと思えば.....急になんだ」

「こっちにも事情ってものがあってね。探偵社入れて欲しいの」

「ふふ、面白いじゃないか。良いだろう、社長にはこちらから話をつけておくよ」

「あら、話が早くて助かるわ」

 

駄目元で武装探偵社の一員だという2人にお願いをしてみたところ社長に話をつけてくれるらしい

 

「おい太宰!!何を勝手に!」

 

すると国木田はドンッ!!と大きな音を立て太宰の胸倉を掴み太宰に怒鳴り出した

 

「落ち着きたまえ国木田くん、私が何も考えずに彼女を探偵社に引き入れると思うかい?」

「お前ならやりかねん」

「酷いなあ、国木田くんは。とりあえず、この件については私に任せて欲しい、彼女は武装探偵社に必要な人材だ」

 

太宰は何かを含んだような笑いをこぼした

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

設定

 

博麗霊夢

能力:空を飛ぶ程度の能力(何物にも(重力による攻撃等)縛られず自由に動く)

   霊気を操る程度の能力

   博麗の巫女としての能力

年齢:10代前半くらい?(詳細不明)

誕生日:???

身長:やや高め(詳細不明)

体重:???

血液型:???

好きなもの:お茶

     賽銭

嫌いなもの:面倒な事全般

 

人物

 

喜怒哀楽が激しく、単純で裏表の無い、人間・妖怪を問わず惹き付ける不思議な雰囲気の持ち主。強い妖怪には好かれるが、やや問答無用が過ぎる部分があるため弱い妖怪からは恐れられている。 
ちなみに霊夢は周りにさほど興味はないとのこと。そのためか傍若無人に見える言動も多い。

 

性格は誰に対しても優しくも厳しくもなく誰かと行動しても仲間としても見ない非常に平等な性格の持ち主。

 

だが、自身が何もしなくても妖怪や人間が自然と集まってくるので常に「みんなの中心」でいる。

 

生まれつき比類なき勘と類稀な幸運をもつことや、努力が報いることを信じない考えから、努力や自己鍛錬をしようとせず、一生懸命頑張ることや修行をあまり好まない。私生活でもそれが顕著で、普段からだらしなく、ぐうたらしている。

 

ただし、周囲にやれと言われたり、強制されたら渋々やる(しかし、異変解決にいざ向かうとなると積極的に動く)

 

妖怪相手に容赦しない発言が目立ち、自分の邪魔をする者に対してはそれはもう清々しいほど無慈悲に叩き潰す。異変解決中はただの通りすがりでさえ邪魔だと感じたら敵とみなし退治する。

 

裏も嘘もないまっすぐ過ぎる性格(というよりやや思考停止しがちな性格)から、相手の嘘や計略にはあっさり引っ掛かる。

 

幻想郷のルールに抵触している人間や、それを破って妖怪に変異した「人妖」に対しては、人里という集団の秩序と平穏を乱す存在とみなし非情かつ冷酷に、弾幕ごっこすら使わず、完全に「殺す」。

 

容姿

 


暗茶~黒のまっすぐな髪、茶色の眼、やや高めの身長の少女。相手と対峙するなど真剣な場面では瞳が赤く輝くこともある。

 

作品ごとに細部は異なるものの、基本的な衣装は袖が無く、肩・脇の露出した赤い巫女服(彼女自身が別途袖を腕に着けているらしい)と後頭部に結ばれた模様と縫い目入りの大きな赤いリボン。この赤リボンはトレードマークにもなっている。 

なお、髪型も作品ごとに異なるため、ストレート/ウェーブ、ロングショートなど描く人の好みに委ねられる。 

スカート、袖、リボンなどヒラヒラした部分が多いので、小さく描いてもよく映える。 

因みにこれらの衣服や道具は毎回森近霖之助作ってもらっている。

 

 




短くてごめんなさい><


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ようこそ、探偵社へ

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・主は文ストをアニメしか見ていません
・霊夢さんのキャラがあまり掴めていなかったり文スト内のキャラもあまり掴めていません
・滅茶苦茶設定
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・文才なし
・文スト特有の表現は使ってません
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目が覚めるといつもの天井じゃないことに気づく

昨日何があったと目覚めたばかりで呆ける頭をフル回転させ結論に辿り着く

 

(そういえば、武装探偵社人達にあって...)

 

昨日起こったことを思い出しているとプルルルと幻想郷では聞いたことのない機械音が耳に入る

 

「...?!...何かしら、これ」

 

発信源を探すと枕元に赤色の長方形の物体が置いてあることに気づいた

幻想郷にはないもの、だが、私には見覚えがあった。一月くらい前、私が香霖堂へ魔理沙の付き添いでお邪魔した時に見かけたもの

 

とりあえず鳴り止ませないとと思い機械を手に取りポチポチとテキトーに押してみる。するとピッと音を立て聞き覚えのある声が聞こえてくる

 

「グッドモーニング♪」

 

その声の人物、それは昨日川で自殺を図っていた武装探偵社員、太宰治だった

 

「太宰?」

「今日もいい天気だねえ、新しい寮の方はどうだい?」

「この部屋、太宰が用意してくれたの?なら、感謝するわ。ありがとう」

「いやいや、礼には及ばないよ」

「ところで霊夢ちゃん、いきなりで申し訳ないが、実は緊急事態が発生したのだ」

「緊急事態?」

「ああ、一刻を争うんだよ、すぐに指定の場所に来てくれ給え、大変な事態だ!君だけが頼りだよ」

「...判ったわ、すぐ行く」

 

太宰は深刻そうな声色で私に助けを求めてきた

何やら嫌な予感がしなくもないが、手遅れになったら大変なので二つ返事で了承する

 

重い体を起こし部屋を出る準備をする

 

準備が終わったところでまだ繋がっている機械に「今から行く」と伝えるとまたもや深刻そうな声色で「用意はいいか」と言われ、太宰の指示を待つ

 

「まず部屋を出たら、ドアをちゃんと閉めて」

 

と言われたのでその指示通りガチャりとドアを開けバタンとドアを閉める

 

「後ろを見ろ!」

 

と指示されたので振り返ると──

 

 

 

 

 

──ドラム缶に謎の体制でハマっているあ太宰が居た

私はさっさと階段を降り太宰の元へ向かう

 

「...何してんのよ」

「なんだと思う?」

「自殺」

「あったり〜!」

「...さっさと出なさいよ」

「それがここまでハマると自力では出られない、死にそう」

 

段々と上半身がドラム缶の中へ吸い込まれていく太宰に呆れてくる

 

「自殺がしたいから入ったんでしょ、だったらそのまま中に入っておけばいつか死ねるわよ」

「私は自殺は好きだが苦しいのも痛いのも嫌いなのだ!当然だろう!」

「...あっそ」

 

ドラム缶を蹴飛ばし太宰治を出してやる。少し手荒だが此奴にはこのくらいがちょうどいい

 

 

 

 

 

「ああ、痛かった。助かったよ、霊夢ちゃん、君がいなかったら腰からぽっきり2つ折りになるところだった」

「他の人達に助けてもらえばいいじゃない」

「電話したよ?死にそうなんだけどって、そしたらみんな口を揃えておめでとうございますってさ」

「全く、異能力者ってのはみんな心が歪だ」

 

異能力者──常識では考えられない現象を起こす特殊な力

其の力を持っている者がこの世界には一定数存在する

この男、太宰治もそうだ『人間失格』触れた能力を無効化する力だそうだ

そして、武装探偵社には全員が異能力を持っている

彼等が解決するのは警察では手が付けられないような荒事。いわば異変解決ようなものらしい

 

「そういえば、霊夢ちゃん。今から君に紹介したいものがあるのだけれど、良かったら来ないかい?」

「紹介したいもの?何よそれ」

「まあ、着いてからのお楽しみさ、それじゃ行くよ〜」

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

私と太宰が並んで歩いていると目の前に国木田が現れた

 

「こんなところにおったか!!太宰!!この包帯無駄使い装置が!!!」

「ああああーー!!国木田くん...今の呼び名やるじゃないか...」

 

太宰は今の一言で傷ついてしまったらしい

私はその様子を少し愉快に見ていた

 

「探偵社に急ぐぞ」

「なんで?」

「緊急事態だ、爆弾魔が人質を取って探偵社に立てこもった」

 

先程とは打って変わって太宰と国木田の雰囲気が重くなる

 

「爆弾魔...ね」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

国木田と再会しほんの数キロ先

私たちは探偵社がある横浜のビルへ来ていた

 

「探偵社はここの4階だ」

「念の為階段で行こう」

 

3人で階段を上り''武装探偵社''と書かれた扉の前に立つ。太宰が静かに扉を開け近くにあった植物で身を隠す

目の前にはチャラそうな見た目をし手には爆弾を爆発させる釦を持った男が1人と人質にされているであろうセーラー服を身に纏った女が1人

釦を持っている方の腕はプルプルと震えており「やだ、もうやだ」「全部お前らのせいで」などブツブツ呟いていた

 

「社長はどこだ、早く社長を出せ!でないと、爆弾でみんな吹き飛んで死んじゃうよ?」

「面倒なタイプだねえ」

「犯人は余程、探偵社に怒り心頭らしい」

「...帰っていいかしら」

 

明らかに面倒くさそうなのが見て取れる

こんな2人でも異能力者。それに加え武装探偵社員なのだ、この位のこと朝飯前だろう

 

「うちは色んなところから怒りを買うからねえ」

「無視...」

「それにあれ、高性能爆薬だよ、犯人の言う通りあれが爆発したら、このフロアくらい吹き飛ぶね」

「どうする」

「合わせてあげたら?社長に」

「殺そうとするに決まってるだろ!そんなところにわざわざ社長を出せるか!出張中で良かった」

「となると、方法は1つ」

 

そう太宰が言うと2人は片腕を出し構える

ようやく2人して解決に行くかと思えば

 

「ふっ!」

 

ジャンケンをしだしたのだ

あいこが続き4回目で負けた国木田が悔しそうにしながらも爆弾魔がの前へ出る

 

「おい、落ち着け少年」

「来るな!社長以外に用はない!妙な素振りを見せたら吹き飛ばすよ!」

「判った」

 

爆弾魔は釦を突き出し国木田を脅すように喋る

 

「知ってるぞ、あんたは国木田だ、僕を油断させてあの嫌味な異能力を使うつもりだろ。そうはいかないぞ」

「机の上に四つん這いになり、両手を見えるところに置け!」

「あぁ?」

「っ...!ゆ、言う通りにしないとみんな道ずれだぞ!」

 

国木田は渋々といった感じですぐ隣にあった机に向かい爆弾魔の指示通り四つん這いになる

 

「不味いな、探偵社に私怨を持つだけあって、奴は社員の顔と名前を把握している。これでは私が行っても彼を刺激するだけだ、さて、どうしたものか...」

 

じろりと太宰が私の方へ目だけを向ける

嫌な予感しかしない

 

「れーいーむーちゃーん」

「嫌」

「まだ何も言ってないよ?」

「嫌ったら嫌よ」

 

嫌な予感は外れる筈もなく太宰が私の名を呼ぶ

 

「聞いてくれ霊夢ちゃん、社員ではなく犯人に面が割れていないのは君だけだ」

「...判ったわよ」

 

私が渋々犯人の前に出ると犯人はじろりと私を睨み付ける

 

「やめなさい、こんなことしたって何も変わらないわ」

「なんだあんた!!あんた、探偵社の人間じゃないだろ」

 

怒鳴る犯人に説得の余地は無いと考えた私は実力行使に出る

 

「私は博麗霊夢、見ての通り巫女よ」

 

簡単な自己紹介を済ませ封魔針を出す

封魔針に霊力を込め犯人の持つ釦と隣にある爆弾に正確に当てる

すると、犯人が持っていた爆弾が作動しようとしたが、封魔針を正確に当てられたおかげで、爆発する前に解除することができた

 

「確保だ国木田くん!」

「判っておるわ!」

 

国木田は釦が犯人の手から離れることを確認すると胸倉を掴み床に吹き飛ばすと犯人の上に馬乗りになり身動きを取れなくさせる

 

「いっちょあがりぃ、ハイハイ皆さんお疲れ様ぁ」

「何がいっちょあがりぃだ、今だとか確保とか口で言ってるだけで全然働いてはないではないか」

「それはしょうがないよ、だって国木田くんはジャンケンで負けたんだから」

「貴様...」

「まあまあ、事件は解決したのだから、細かいことはいいじゃないか。あまり神経質になりすぎると、シワが増えて老化が急に進むそうだよ?」

「なっ!」

 

 

「嘘だけど」

 

なんて茶番を2人がやっていると拘束から放たれた犯人が馬鹿にしやがってと台詞を吐きながら国木田を蹴飛ばし懐からナイフを出す

 

「ほんと、異能力者ってのはどこか心が歪だ...!!」

 

すると犯人は私の方へ向かってナイフを振りかざし襲ってくる、が、難なく避け先程も使った自身の霊力を込めた封魔針で相手に投げつけようとした時、太宰に止められてしまったのでとりあえず犯人を解放し太宰に話しかける

 

「ちょっと、邪魔しないで貰っていいかしら」

「盛り上がっているとこ済まないね、でも、此方としても止めない訳にはいかなかったからね」

「ふーん?」

 

もう少しで仕留められそうなところで太宰に止められ少し癪に障るがここで止められたということは、きっとそういう事だろう

 

「ごめんね?大丈夫だった?」

「兄様あ!大丈夫でしたか?悪い兄様もすっごく素敵でしたわ!縛られて、脅されて、私もう堪りませんでした」

 

人前でイチャイチャしている2人を遠目に太宰と国木田の方に向き直る

 

「ったく、面倒なことするわね」

「恨むなら太宰を恨め、さもなくば仕事斡旋人を間違えた己を恨め」

「やっぱり、これ、入社試験でしょ」

 

「その通りだ」

 

今までに聞いた事のない声がこの部屋に響く、声の主を辿るとそこにはとても貫禄のある男が立っていた

 

「そこの太宰めが、有能なる若者が居るというゆえ、その魂の真贋試させてもらった」

「君を社員に推薦したのだけど、実力、それに君の異能も分からない、それで少し社内で揉めてね。で、社長の一言でこうなったと」

「で、社長...結果は?」

 

社長と言われる人は私をじろりと見るとくるりと振り返る

 

「...太宰に一任する」

「お任せ下さい」

 

社長が立ち去るのを見ていると横から太宰の声が聞こえる

 

「合格だそうだ。武装探偵社へようこそ」

 




これから多分出てくると思うんですけどきっと太宰さんと霊夢ちゃんの距離が心做しか近くなると思うんです(霊夢ちゃんは敦くんの代わりです)けどほんとにcp表現では無いんで注意してくれると嬉しいです。あまりに酷かったら最初の方に注意喚起すると思います!!あとコメント欲しいです!モチベ上がります


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