ヴィラン名 クロスオーバー (ゆっくり霊沙)
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原点

「君は良い目をしているね」

 

 路地裏で雨にうたれながら空腹で動けなくなった私にスーツを着たおじさんが話しかけてきた

 

「おじさんは誰?」

 

「僕はね魔王……闇を統べる者さ」

 

「そう」

 

「おいで、君は僕になれる……君の名前は?」

 

「わからない。何も思い出せない」

 

「そうか……じゃあ僕が名前を付けてあげよう……死柄木……死柄木七菜だ」

 

「死柄木七菜……」

 

「おいで、暖かいスープとご飯を食べさせてあげよう」

 

 この物語は死柄木弔が居ない世界で彼女がいかにして魔王になるかへの物語である

 

 

 

 

 

 

 

 

 個性【クロスオーバー】……彼女は僕とは違うが凄まじい力を秘めていた

 

 僕に拾われてから、彼女は自身の体を鍛え、勉強することを怠らない真面目な子だ

 

「11、12、13、14……」

 

「君はなぜ体を鍛えるのかい?」

 

「先生の役に立ちたいから」

 

 僕の事を彼女は先生と呼び、ずいぶんと慕っている

 

 勉強を教えればそれ以上に学習しようと努力を行う

 

 真面目な良い子だ

 

 一見普通の子だけど彼女が心に抱える闇や狂気は僕を笑顔にさせてくれる

 

 彼女はオールマイトを曇らせる為の駒の1つだっただけなのに思ったよりも楽しそうじゃないか

 

 僕に何か起こった時に彼女が僕の意思を継いでくれるだろう

 

 あぁ、やっぱり策を練るのは楽しいなぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

 私の名前は死柄木七菜……先生と呼ぶ人に名付けられ、とあるビルの中で暮らしています

 

 私は【クロスオーバー】という良くわからない個性がある

 

 私の頭の中にゲームのスキルツリーみたいなのがあり、体を鍛えればスキルツリーのロックみたいなのが外れる

 

 試しに【NARUTO】というスキルツリーを解除したら知識が大量に流れ込んできた

 

 何を鍛えればどうなるって言うのが思い浮かんでくる

 

 チャクラと呼ばれる精神力と自然エネルギーを混ぜ合わせることで出きるエネルギーを原動力に様々な事ができるようになる

 

 いや、なるというよりはなれる知識を得れた

 

 使えるようになるには修行をしないといけないけれど、1つのスキルツリーだけども個性以上に強力な物ばかりだ

 

【NARUTO】の技術を取り込む修行を初めて2年で、私は影分身という術を覚えた

 

 これは分身をすることにより本体に経験値をフィードバックしてくれる優れた術だ

 

 肉体は強くはならないが、経験値を得れるというのは凄いし、これだけで強個性だと思う

 

 私の今の実力だと2人が限界だけど、本体が体を鍛えたり術の練習をしている間に片方は勉強をすることができる

 

 欠点は凄く疲れることだけど、それは気合いでカバー……と言いたいけど1週間で疲労困憊で倒れた

 

 先生にも心配されてしまったが、やり方を変える必要がある

 

 ということで2年間貯めたスキルポイント? みたいなので次に【HUNTER×HUNTER】という技術ツリーを解放する

 

 念という技術を解放したが、コントロールに失敗したら死ぬような技術ばかりで超怖い

 

 影分身を使ってコツを掴もうと頑張り、半年かけて四大行を何度も影分身を殺しながら会得し、絶を覚えたことで疲労回復が早くなり影分身修行をしながらでもできるようになった

 

 先生も私の成長を喜んでくれている

 

 世間ではオールマイトが持て囃されているけど、私にとっては先生こそがヒーローだ

 

 ただ先生はこういった

 

「ヒーローは闇から生まれるんだ。闇が深ければ深いほど輝くヒーローが出現するんだよ。死柄木七菜」

 

「先生、私は先生みたいな闇になれるでしょうか?」

 

「なれるさ……なれるように育てるのが僕の役目だからね。そうだ。今日は君にプレゼントがあるんだ」

 

「プレゼント?」

 

「これから僕も忙しくなるからね。僕の代わりに教育係を君に託そう」

 

 黒い煙の様な男がどこからともなく現れた

 

「初めまして死柄木七菜、オール・フォー・ワンよりあなたの教育係に任命された黒霧です。どうぞよろしく」

 

「黒霧さんよろしくね」

 

「ずっとこのビルの中で生活するも退屈だろう。黒霧にどこでも連れていってもらうと良い」

 

「本当!? じゃあさ! じゃあさ! 北海道行きたい!」

 

「北海道ですか? 真冬ですが?」

 

「雪の中でトレーニングしてみたい」

 

「黒霧、彼女のトレーニングには死にかけない限り手を出すな。自由にさせてあげなさい」

 

「はい、わかりました」

 

 

 

 

 

 

 雪の中でも念を纏えばある程度活動できる

 

「ハーハッハッハー雪だぁ!!」

 

 雪の中でひとしきり遊んだ後、雪の中トレーニングを開始した

 

「何をしているのですか? 死柄木七菜」

 

「見ての通り正拳突き」

 

「正拳突きですか?」

 

「そうそう! 念を鍛えるのはこれが一番効率が良いっぽいんだよねぇ」

 

「そうなのですか? そういうものなのですか?」

 

「まぁわからなくても良いよ。できることが増えることは良いことだぁ!」

 

 それから私は黒霧に無茶を言って色々な場所で修行を続けた

 

 富士樹海でサバイバルをしたり、琵琶湖の水上で座禅を組んで精神統一したり、富士山を登ったり……

 

 そんな大自然で修行を続けること更に2年と半年……私は10歳になっていた

 

 勉強は黒霧が教えてくれるし、先生と会う機会はめっきり減ったけど……鍛えていると試してみたくなる

 

 自分がどれだけ強くなったかを

 

「ねぇ黒霧、私ヒーローと戦ってみたい」

 

「藪から棒にどうしたのですか? 死柄木七菜」

 

「先生がヒーロー達と戦っているのは知っているけど、私もどれくらい強くなったかを確認したいんだ」

 

「……少々お待ちを……」

 

 樹海の中で黒霧に問うと、黒霧は数分後に全身黒い男? を連れてきた

 

「死柄木七菜、先生から戦闘訓練の許可が降りました。彼の名前はフード、脳無という改造人間的存在で、彼はどんなに傷ついても死なない……超人だ……思いっきり戦ってみなさいと先生はおっしゃいましたよ」

 

「ありがとう黒霧」

 

 

 

 

 

 

 

 結果? ボッコボコにされた

 

 両腕骨折、あばら骨も数本折れて、全身血だらけで、黒霧に助けられなかったら死んでいた

 

「けほっ……自惚れていたね……そうだよ10歳児が何をイキッてるんだよって話だよね」

 

「良い経験になりましたか? 死柄木七菜」

 

「ええ、自身の弱さを再認識できた。次のトレーニングメニューを考えているところだよ」

 

「向上心は本当に凄いですね」

 

「じゃないと先生みたいにはなれないからね……次は何を覚えようかな?」

 

 次に私は【トリコ】を習得した

 

 骨折でろくに動けないが、食べることで体を癒したり、鍛えることができるスキルが豊富なトリコは利にかなっているように思えた

 

 少々行儀が悪いが足を手の様に動かせるように特訓も始めた

 

 というか骨折していて腕が動かせないので足のトレーニングがてらでスプーンとフォークを使い食べる

 

「器用ですね死柄木七菜」

 

「いや、腕が使えないから仕方なくだよ……でもフード君は強かったなぁ……いつかは勝ちたいなぁ」

 

「あれだけボコボコにされて再戦を挑もうとする死柄木七菜はやっぱり壊れていますね」

 

「なにが?」

 

「いえ、なんでもありませんよ」

 

 

 

 

 傷は3ヵ月で完治し、通常のトレーニングに戻る

 

「力を込めて……2連続で攻撃を当てるイメージで……釘パンチ!」

 

 木に放った攻撃は2回の振動となる

 

「よし! できた」

 

 この頃になるとチャクラの量も増えたのか分身は3体となり、修行効率は本体も合わせて通常の4倍になっていた

 

 この頃になるとヴィランとは何かについて考えるようになっていた

 

 私の周り……先生や黒霧は先生の後を継いだ魔王となることを望んでいる

 

 私自身もそれで良いと思っているし、鍛えた力を人々の役に立てようという思考に繋がらない時点でヴィラン向きだと思っている

 

 じゃあどの様なヴィランになるべきか

 

 黒霧に言ってヴィランの考えについて学ぶことにした

 

 まず先生の考えは来るべき時にインフラを破壊し、ヒーロー社会を終焉させることで日本を……いや、世界を支配するという思考である

 

 ただ先生はそのための道筋を楽しんでいる節があり、今はオールマイトという玩具と遊ぶのに夢中だ

 

 お陰で私は放置気味だが

 

 他には個性の自由行使、個性も自身の権利として法的に縛られて良いものではないという考え方の『異能解放戦線』という本に纏められた思考も現代社会的にはヴィランサイドの考え方だ

 

 共感できるものはあれどそれを自身の信念にするのは少し違う気がする

 

 義賊的なヴィランも昔は居たらしい

 

 金持ちに襲撃を仕掛けて民衆に配るという貧富の差を無くすという考えから行動していたヴィランも昔は居たらしい

 

 あとはヒーローは原点回帰するべきという思想もある

 

 これはどちらかというとヴィラン向きではないが、現代ヒーローは奉仕の精神を忘れ、金銭、名声を目的とした者が多すぎるため、修正しなければいけないでしょって考えだ

 

「うーん、私の求めるヴィラン像ってなんだろう?」

 

 考える

 

「まず私の様な存在が出る社会はおかしいのは間違いない。誰も彼もがヒーローに頼って自分達の手で動こうとしないのはおかしい。私の中の狂気……」

 

 ヴィランはヒーローに倒されるべき者

 

「そうじゃん。私が巨悪になることでオールマイトをも超えるヒーローを作り出す。できなければ社会を混沌にさせて次世代への下地を作れば良いじゃん! そうだよ。それで行こう。私は倒されるべきヒーロー達にとっての壁になろう!」

 

「その為には更に特訓あるのみ!!」

 

 自身の目的を決めた死柄木七菜は更に強くなるために特訓を続けるのだった

 

 


 

【クロスオーバー】習得度

 ✕ 覚えたて

 △ 少しできる

 ○ 個性に匹敵する

 ◎ 良くできている

 ☆ 個性を凌駕する

 

【NARUTO】

 ┣ チャクラコントロール ◎

 ┣ 属性 土、水、風

 ┣ 習得している術 

 ┗ 影分身 ○ 

 ┗ 変化の術 ○

 ┗ 木遁の術 ✕

 ┗ 螺旋丸 ✕

 ┗ 医療忍術 ○

 ┗ 身体活性化の術(怪力) △

 ┣ チャクラ総量 中忍クラス

 ┗ 補足 チャクラを生み出すため心臓等の臓器の一部性質の変化 

【HUNTER×HUNTER】

 ┣ 四大行 纏 ○ 錬 ○ 絶 ◎ 発 △

 ┣ 発の性質 変化系 100% 強化系、具現化系80% 放出系60% 操作系40% 特質系0%

 ┣ 応用 ✕

 ┣補足 制約や発での必殺技未開発

 

【トリコ】

 ┣ グルメ細胞 変化済み

 ┣ 食義 △

 ┣ 釘パンチ △

 ┣ ノッキング △



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