木のある世界の小さな配信者 (こんこんВерныйカワイイヤッター)
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大阪のシェルターと吹き溜まりと幼女

悪い癖が出て続かないという酷さ。まぁ気が向いたら書くでしょう(書かないと思う)

それよりもょぅι゛ょ!ょぅι゛ょ!


午前7時。部屋にアラームが鳴り響き私は目が覚める。洗面台に向かい顔を洗う。鏡の向こうには白髪のちびっ子が居る。一体いつになったら伸びるのだろうか、今年で12歳の筈なんだけど。そんなことを考えながら手早く歯磨き粉を歯ブラシの上に乗せて口に突っ込む。いや、そりゃそうだよね、12歳がそんな身長伸びるわけない。口の中を水で濯ぎ居間へ向かう。そう言えば昨日買ってたパンがまだ残ってたな。そう思い居間に向かおうとした足でキッチンへ向かう。冷蔵庫を開けて中のパンを取り出す。ついでに電気ポットに水を入れてスイッチを押しておく。リビングにパンを置いておいて先に服をシャツに着替える。そういえば昔友人に女子力の欠片もないなとからかわれたっけ。”仕事道具”をちらっと見てキッチンに戻る。お湯をカップに入れてティーバッグをお湯の中に沈める。レディ・グレイ。朝にピッタリな紅茶だ。1分半待つ間にスマホを取り出して今日の天気を確認しておく。そういえば今日5月1日か。花粉の余波がまだあるな。少しは稼ぎに役立つか。ティーバッグを紅茶から引き上げシンクにべちゃっと捨てる。紅茶を持ってリビングに向かい紅茶を一口啜りパンを齧る。買ったの菓子パンだったっけ。口の中にチョコレートの甘味が広がる。あっ後でラットに餌やっとかないと。朝食を食べきってパンの袋をゴミ箱に放り込みティーカップを洗って干しておく。そのままキッチンから餌をある程度持ってきてラットが居る籠の中に入れていく。そうして”仕事服”を掛けてあるハンガーからリグを取り出して身に着け高倍率スコープの上にドットサイトを載せたAK308を取り出す。頭にヘッドセットを付けてマガジンを8つ取り出して6つに通常弾、2つに焼夷弾をカチカチと込めていく。作ったマガジンをリグの中に入れてHK45を取り出し手早く動作確認しマガジンに通常弾を込め装填、安全装置を掛けホルスターに入れる。リグにもマガジンを入れてM9ソードをリグに取り付ける。マスクとゴーグルをリュックの中に入れAK308を背負って部屋の電気を消して靴を履きドアを開け外に向かう。私の仕事は命と引き換えに知見と物資を得る仕事、冒険者だ。

 

世界樹。安定化した社会に突然生えてきた巨大な大木。それだけなら良かったが世界樹はまずいものを振りまいた。花粉である。それは吸い込むと狂暴になり次第に体が変化、最終的に木のような何かになって死亡する。その対策として人々は各地にシェルターを建築、生存することができたが各ライフライン、長距離ネットワーク、交通機関が完全に遮断された。閉塞感のある生活を強制されたが恩恵もある。花粉に感染した生物が稀に実らせる果実、または鉱石は当時の人類の知り得るものではなく実に人間の知識欲をくすぐるものだった。ならばどうするか、探索である。幸い吹き溜まりという大気の環境により花粉が滞留している土地がありまるで物語上のダンジョンかのように振舞っている。そこを探索する者、冒険者は次第にギルドというお役所仕事を作った。そして吹き溜まりの傍にはキャンプと呼ばれるシェルターを作り冒険者の住処とした…と大昔の文献には書かれている。文献と今の世界を鑑みると文明は既に崩壊して新しい文明が興っているようにみえる。こういった考察、調査も冒険者達の仕事である。

 

キャンプを出て何もない山道を進みちょっとした盆地に入る。すると花粉濃度計測器…であってたっけ。未だに名前が定着しない端末が危険域を指す。ここからが吹き溜まりだ。ふと気付きヘッドセットに着けてあるカメラとマイクを起動してスマホから配信開始のボタンを押す。私は冒険者で配信者でもある。元はといえば配信者の目的は情報の売買…まぁ投げ銭という形で利益を得るが、まぁ情報屋としての役割だった。今ではただの娯楽でもあるのだが。実は私は昨日始めたばかりで見ている人は今のところ居ない。まぁやり続けてたらいつかは来るでしょうと考えながらスマホをリュックにしまい銃を手に吹き溜まりへ踏み出す。

「あー…じゃあ配信始めます」

居ない視聴者に向けて宣言する。数百メートルを歩いて獣型のモンスター…まぁ花粉で変化したやつのことだが…足跡を見つける。警戒しながら足跡を辿る。非常に面倒くさいことに盆地には恐らく前の文明のものと思われる残骸が散乱していることが多い。ここも例にもれず残骸がある。それが視界を遮るため聴覚にも頼るし最悪第六感にも頼る。少し崩れた足場を難なく踏破してそっと残骸の角から足跡の続く方向を見る。するとそこに大型犬?のモンスターが居た。辺りをさっと見回して安全を確認すると銃を正面のモンスターへ向けてスコープを覗き込む。3回銃声が響きモンスターが倒れる。早足で駆け寄り頭に1発発砲する。動きが完全に止まったのを確認してナイフで腹を裂き中を確認する。どうやらこのモンスターはまだ感染してから日が浅かったようだ。中を確認しても果実も鉱石も見当たらない。外れかと思いながらスマホを取り出して写真を取っておく。一応データとして残しておくためだ。すると配信中の画面に視聴1人と書かれているのを発見する。急いでヘッドセットのスピーカー機能をオンにして挨拶する。

「視聴者さんこんにちは。えっと昨日から配信を始めたしろです。あまり戦闘中は話さないですがよろしくお願いします!」

緊張して無駄に声が出てしまった。

[こちらこそよろしくお願いします]

えっ?コメントが帰ってきた。

[失礼ですが冒険者歴はいくつでしょうか?]

「あっ今年で6年目になります」

[ベテランの方ですか!いやぁ私は最近冒険者を始めたのですがお若いのに凄いですね]

「バレちゃいました?まだまだ子どもなので放送事故とか起こしても多めに見てください。」

[大丈夫です。よろしくお願いします]

立ち上がって周囲を見渡したあと吹き溜まりの更に深いところへ足を向ける。そのまままた数百メートル単位で歩きながら視聴者の人と雑談する。

「そういえば初心者の方でしたっけ。吹き溜まりに行ったことってありますか?」

[物凄く浅いところまでで遠足程度ですけど行ったことはあります]

「あぁなら基本は知っているようですね」

少し話題を考えて視聴者の人に話しかける。

「これは私の持論なんですけど装備って結構よく考えないといけないんですよ。私的には装備を身にまとった状態でいつも出せている最高速が出せるかというところが大切だと思うんですよね」

[どうしてですか?ベテランの方々って結構着込んでると想像しているのですが]

「実は難易度が高い吹き溜まりの場合装備の装甲はあまり役に立たないんですよ。なんせ全身が吹き飛ばされる威力の攻撃ばかりですので。私の場合は子どもであまり重たいのを数持てないのでアーマーは着てないです」

[そうなんですね。てっきり装備をガチガチに固めたら生存性も上がると思ってました]

ふと足元を見ると人型と思われる足跡が薄いが残っていた。

「人型の足跡がありますね。痕跡から時間が経っていることが分かるので遠くに居るはずです」

[そんなことまで分かるんですか]

「専門職の技術に踏み込んでるんですがトラッカーと呼ばれている方々なら基本分かります」

あっそうだ。

「さっき話していた装備なんですが遠距離で戦えるモンスターと戦うときには装甲は大事になります。なぜかというと衝撃力が基本弱いんですよ。十分な装甲があったら回避せずとも弾けるのでこういった場合は装備の装甲が重要視されます」

装備の話に補足を入れておく。話をしている間に足跡が新しくなっていく。

「そろそろ接敵ですね。ちょっと黙ります」

銃を構えながら足跡を追う。慎重にクリアリングしながらゆっくりと着実に距離を詰める。正面に人型のモンスターを発見する。モンスターの状態を見て焼夷弾に切り替える。そして頭を集中的に狙って撃ちこむ。しかしそのモンスターは振り返り狙いを付けずに手に持った銃を発砲。咄嗟に近くの残骸に身を隠し反対側から覗き発砲。モンスターにまたもや命中するが発砲される。当たる前に引っ込みまた近くの残骸に全力疾走。滑り込むように残骸の陰に入って更に発砲。モンスターの頭に命中して炎上する。そしてモンスターは遂に倒れ込み炎上していた頭が鎮火した。ナイフを手に持って駆け寄って頭に体重を掛けてナイフを突き刺す。

「ふぅ。こういう風に変異が進んだモンスターの場合焼夷弾が効きます。ガンナーの人は1マガジンぐらいは常に持ち歩いたほうがいいですね」

[見事な立ち回りですね。感服しました]

さてと、こいつは誰だ?そう思いながらドッグタグを取る。説明するのが遅れたが冒険者はドッグタグを必ず持ち歩く必要がある。勿論私も常日頃から首にかけている。

「3年目の冒険者ですかぁ。大方欲を出してしまったんでしょうねぇ。悲しいことだね…視聴者さんも気を付けてくださいね。基本身の丈に合わないことをするとこの人みたいに死んでしまいますので」

[友人にも伝えておきます]

「頼みました。さて、こいつは当たっているでしょ」

そういって腹の辺りにナイフを入れて中を確認する。

「おっ当たりですよ。変異が進んでいるほうが中に果実とか鉱石があるんですよ」

[そうなんですか。今度吹き溜まりに行ったら挑戦してみますね]

「やめてください。基本的に変異が進んでいる個体は強いんですよ。やるなら弱いと言われている吹き溜まりでやってくださいね?死んじゃいますから」

[分かりました。気を付けます]

「頼みますよ?せっかくの視聴者さんが死んじゃうのは気分が悪いですから」

そういいながら中から果実を取り出す。赤色の丸々とした果実だ。それと彼が持っていた銃を手に取ってリュックに入れる。

「食えるかな?まぁいいや。さて、もうそろそろ帰りますか」

[帰るんですか?まだ弾が残ってますけど]

「帰りしなに何かアクシデントがあったらまずいですからね。安全マージンですよ」

そうして進路をキャンプに向けて歩き出す。足元に赤いカピカピな果実が転がっていた。

「ひえっ!?」

急いで距離を取る。

[どうしました?]

「地雷がありました…あの赤いカピカピな果実あるでしょう?あれグレネードフルーツって言われてるんですけど爆発しますあれ」

[怖っ!?]

本当に心臓に悪い。やめてくれよもう…

「もうそろそろキャンプなので配信切ります。ありがとうございました!」

配信終了というボタンを押して配信を切る。思ったより楽しかったな。




ぅゎょぅι゛ょっょぃ


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ロリとヨッパと午後のうだうだ

今回結構駄文気味です(艦これとブルアカとパニグレに時間吸い取られてたとは言えない…)

続けられるうちはうだうだ続けときます。飽きたら別のやつ書きます(小ネタ集ぶち込めるところ作っといたほうが良いのかな?)


シェルターの階段を下り入口にある窓口に向かう。今回出会った人型のモンスターが着けていたドッグタグと装備を納入して報告するためだ。

「照会を行います。少々お待ちください」

窓口の役人が名簿と私のドッグタグ、拾ったドッグタグを見合わせて確認する。

「確認しました白野渦様。遺書を持ってきますね」

そうして役人は裏へ遺書を取りに行く。冒険者は非常に死に近い職業だ。昨日会った同業者が次に会ったときには既に死んでいるのはよくあること。だから冒険者は義務ではないが遺書を書く。

「遺書によれば遺品は次に冒険者になる新人達にと書かれていますね。相違ありませんか?」

役人は遺書をこちらに見せてくる。

「はい。相違ありません」

そう言って拾った銃を受け渡す。

「また人が死にましたね。白野さん」

そう少し俯きながら言った。

「新人が死ぬのはあまり好きではないですね」

まだまだ夢があるのにその夢が終わってしまうから。

 

「今日はありがとうございました」

「こちらこそありがとうございました」

そう言ってその場を離れる。次に食堂へ向かう。今日は豚骨ラーメンを頼んで食べる。よくある臭いやつではなく少し味が薄めのもの。まぁそれぐらいが一番美味いのだけど。食べ終わると自分の部屋へ向かい装備を外す。そして今回の収穫を台所に持っていき包丁で少し切り分けてラットに与える。残りは冷蔵庫に入れておく。そして今日行った吹き溜まりの地図を書斎から持ってきて遭遇したモンスター、地形を書き記していく。こういったデータを取っておくことでどこが移動に最適か、どこか危険でどこが狩場になるかが分かってくる。その地図を見て明日の計画を立てる。花粉は3月の月初めから4月中旬程まで降る。酷いときは今日のように5月に入る時もある。しかし今年はどうやら5月1日までしか余波が無いらしい。つまり明日は花粉の恩恵を受けづらくなる。そのためより一層計画を立てることが大切になってくる。明日は安全なルートを通りながら中心部へ侵攻して稼ぐことにした。地図を元の本棚へ返してスマホを見ると2月頃にこのシェルターにやって来たホノという配信者が配信終了後の動画を投稿していた。この人は最近京都の方から来たらしく戦術が私に似ている。ただこの人の戦い方は少し近距離に傾いているが。今は中堅といった具合の強さだが磨けば輝くだろう。

 

そうして午後は動画を見ながら部屋でゆっくりと過ごした。そして晩飯を食べるために食堂へ向かった。焼肉定食があったので食券を買いカウンターで定食を受け取って席に座る。焼肉をタレに漬けてから米と一緒に食べる。そして野菜を食べて一息つく。そうしていると隣に男が座る。そしてそいつは酒を煽って仲間を呼ぶ。

「よう嬢ちゃん。飲むかい?」

そう言って紫色の液体の入ったコップを目の前に置いてくる。

「飲むか。私未成年だぞ。子供には毒でしかないよ酔っ払い」

こいつらは昔組んだことのある冒険者集団。誰彼構わず絡むが良い奴らではある。

「大丈夫だってほら、匂い嗅いでみろよ」

そう言われたので嗅いでみる。

「ただのぶどうジュースか…心臓に悪い」

「へへへ!奢りだ!飲め!」

「悪いね、有難く頂くよ」

そう言ってコップに入っているぶどうジュースを飲む。

「最近はどうだ?」

「上々だね。ヨッパの方は?」

「ヨッパじゃねぇよ!うちは結構稼げたけど大体は酒に溶けたな」

「やっぱヨッパじゃないの」

近況報告をしながら談笑する。私の強みが最大限発揮できるのが1人の時だから直ぐにパーティは辞めたが仲は良好だ。そうして会話しているうちに定食の皿が空く。

「悪いね、食べ終わったから部屋でシャワー浴びて寝るよ」

「おう!死ぬなよ!」

「あんたもね、酒飲ましたいんなら8年は生きろよ」

そう言って別れる。調子狂うが良い奴には違いない。

 

食べ終わったあとその足で武器屋に向かう。消耗品程度ならわざわざ職人街と言われる職人が集う部屋に行かなくてもある程度の品質の物は買える。武器屋でサーメートと呼ばれる爆発後高温で燃焼するテルミットをまき散らす投擲物を2つほど買う。変異が進んだ個体にはまさに特効と呼べる程の威力がある。ナパームという選択肢もあるがあれは相当量が必要になるため大規模な戦闘部隊で運用するものだ。それと焼夷弾も相当数買い足しておく。普通の弾と比べると少しばかり割高だが吹き溜まりの奥は人の手が外縁部より行き届いていないためびっくりするほど強い奴が居る。あそこはモンスター同士が日々殴り合ってる魔境だ。少しでも妥協すると私の体が吹き飛びかねない。

 

購入を済ませたあと自分の部屋に戻る。それにしても飾り気の無い部屋だ。書斎は本棚と貴重品の倉庫しか無いしリビングには少し大きめな木製のテーブルと椅子、ラットを飼っているケージとハンガーポールぐらいしか無い。寝室に至ってはベッドとちょっとしたランプしか無い。ちょっとでも飾ったほうが良いのだろうか。そんなことを思いながらシャワーを浴びて寝室に向かう。そうして今日起こったことを振り返りながら眠りについた。

 




3月から4月中旬まで花粉振るし余波を含めると5月入るまで安心できない。そのくせしっかり台風も来るし冬は寒いので遠出出来ません。ちなみに車両は花粉のせいでメンテが辛いし飛行機は前が見えない上にエアインテークに入ってエンジン潰れるので廃れて今では一部を除いてロストテクノロジーと化してます。しかも人が建物等を維持できなくなったので道路がバッキバキだしモンスターは居るし碌なことがない。こんなの満足に外出できないよ~。

なお、シロちゃんは、勿論、経験している強者です。
ナンダコイツ


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ロリと配信者と吹き溜まり 前編

考えなければ駄文になる!!考えると駄文になる!!なんでーーー!?

やっべぇ推敲不足で変なこと書いてる。音速以上で飛んでるのに銃声に気付くってなんやねん。


いつも通り朝のルーティーンを済ませて装備の確認へ向かう。今回は更に奥地を目指すため焼夷弾を多めに6マガジンほど作っておく。バックパックにもマガジンを詰め込みベルトにはサーメートを2つと携帯食料。マスクとゴーグルをしてヘッドセットを着ける。バックパックを背負って部屋を出てそのまま外へ出た。

 

歩きながら配信の設定をする。吹き溜まりの外はそれなりには安全と呼べる。真に安全なのはシェルターの中だが設定ぐらいなら外でもできる。そして配信開始のボタンを押す。

「配信始めます」

[よろしくです]

初っ端から視聴者が居た。

[今友人と一緒に見てます]

「ありがとうございます」

そのまま吹き溜まりの中へと進む。

「今回は前よりも更に奥地へ進む予定です」

そうして今回の侵攻ルートを書き記した地図を映して見せる。

「このルートは私がよく使っている奥へ向かう道です。参考程度にどうぞ」

[いつかベテランになったときに来ますね]

そうして雑談を繰り広げながら今回の狩場に到着する。そしてそこには規則的な人間の足跡があった。

「先客が居たそうですね。少し気を付けながら行きましょう。誤射してしまうのは駄目ですからね」

そういって別方向を向いた瞬間に銃声が聞こえた。その銃声の向きに気を配りながら違う獲物を探す。

 

奥地は探そうと思えば普通に居るぐらいにモンスターは多い。足元にグレネードフルーツが落ちていないか気を配りながらちょっとした高台に登り周囲を索敵する。そして何体かのモンスターを発見する。

「こういうときに一番考えないといけないのは誰が一番速そうかです」

[どうしてですか?]

「どのみち一度銃声を鳴らすと周囲に居るモンスターは寄ってきます。そういうときに足が速いやつを先に倒しておけば囲まれることもなく比較的安全に対処できます」

そう言って私は獣型のモンスターに狙いを定めて近づく。そして射程圏内に捉えて焼夷弾を撃ちこむ。そのモンスターは発砲する気配に気付きはしたものの音速以上で飛んでくる銃弾を回避することが出来ず体を燃やしながら倒れる。そして先ほどまで居た方向へ逃走しながら次の獲物を待つ。そして近づいてくるモンスターを順番に撃ちながら後退する。それを繰り返しながら周辺の敵を一掃した。そしていざ戦利品の回収をしようとしたときにそれは起こった。

「きゃあああ!!!」

女性らしい悲鳴が聞こえてきた。銃声が鳴っていた方向だ。回収を取り止めて救出に向かう。人の命が掛かっているため出来るだけ素早く迅速に移動する。そうして着いたところには倒れている15~17歳ぐらいの女性と唸り声を上げている獣型のモンスターが居た。急いで敵を撃ち命中させるが有効打にならずこちらへ突っ込んでくる。それを確認して先ほど使っていたマガジンを銃から取り外し構える。そして十分に近づいたところで顔面に向かってマガジンを投げる。生物は眼前に何かが飛び込むと驚くものだ。その隙に敵から見えない位置に陣取りサーメートを投げ放つ。それは1、2回跳ねたあと炸裂し周囲を激しく焼く。その効果範囲に居た敵は勿論高温の金属の混合物が付着し悶えながら激しく燃える。そして動かなくなったところを念のため銃撃し女性の救出に向かう。

 

見てみたところ、いびきはかいておらず気道はしっかり確保できていることが伺える。そして口に耳を近づけて呼吸があるか確認。しっかり息はある。怪我は擦り傷と打撲といった具合か。手を取って脈を見てみるとしっかり脈があることが確認できた。近くの岩場へ運び気絶から回復するまで防衛する。にしてもこの子何処かで見たような気がする。見ると武装はG3でACOGとバイポットを装着したように見える。ますますどこか既視感を感じる。

「視聴者さんこの子誰か知ってます?」

[多分その子ホノさんですね。ここ最近では有名な人です]

なるほど、そういうことか。既視感の正体に納得しながら周囲の監視を続けた。

 

…不覚だった。私は2月頃大阪のシェルターへやって来た。元々はアルバトロスという著名なクランの依頼で元嘴部隊隊長の白野渦という女性にそろそろ京都へ帰ってこないか、と伝えるため…要はメッセンジャーとして大阪に来た。しかし大阪のシェルターは京都のそれより大きくは無いがそれでもかなり大きく探してもすぐには見つからなかった。依頼主には特に期限は設けていないようだったので片手間に吹き溜まりに入りながら探せばいつかは見つかるだろうと思っていた。京都は大阪と比べて吹き溜まりがかなり大きく危険なところだった。だからこそ油断していたのだろう。配信しながら奥地へ乗り出し獣型のモンスターに弾き飛ばされて倒れてしまった。しかしどうして私はこんな事を考えられるのだろうか。死んでしまったら考えることもできないだろうに。そう思って目を開けると白髪の少女がこちらを見つめていた。

 

「ん?起きたか」

目を覚ましたホノさんを見て私はそう呟く。ホノさんは少しぼうっとした様子でこちらを見つめ返す。

「大丈夫?立てる?」

「うん。大丈夫」

そう言って彼女は少しよろめきながら立つ。

「ありがとうね」

「吹き溜まりじゃあよくある話だよ。例は要らないね」

「あの、貴方は?」

「ああ、自己紹介がまだだったね。ここで配信者をしてる白野です」

自己紹介したときに彼女ははっと気が付いたような様子を見せる。

「あの、シェルターに帰ったら渡したいものがあるんですが」

「いいですよ」

渡したい物…配信者はやっているが登録者が少ないからその縁では無いか。なら昔の縁か?

「取り敢えず私は獲物がそのままだから解体してくる。君も来る?」

「はい!行きます!」

そうして走ってきた道を歩いて狩ったあと放置していた獲物の元へ行く。

 

少し経った後獲物の置いていた場所へ着き各々解体作業を始める。やはりかなりの奥地だからか成果がいつもより多い。色とりどりの果実やひんやりとした鉱石をナイフで剝ぎ取っていく。すると見慣れた果実があった。灰色で表面がつるっとしているトマト型の果実。効果が出づらい上に味は世間一般でいうとあんまり美味しくない部類に入るからか人気は全然無いけども自身がここまで強くなれた原因の果実があった。有難く頂戴しておく。そうして時間が過ぎ昼飯の時間が来た。解体作業を早々に終わらせてバックパックからチューブ型の吸込み口の付いた携帯食料を取り出す。そしてマスクの外側のキャップを取りチューブをマスクに差し込む。そしてマスクの中の蓋を緩くしてチューブを口に持っていく。こうでもしないと花粉がマスクの中に入って来て大変なことになる。それはもう死ぬぐらい大変なことになる。携帯食料の内容物は各種栄養が入ったゼリー状のもので胃の中で膨らむような具材も入っていて腹自体は満たせる。但しそれだけ。味は不味くは無いが美味とも感じない非常に微妙なもので全く食欲が湧かない味。例えるなら自分が余り好きではないメーカーのエナジードリンクを飲んでいるようなものだ。こう、本当に微妙だ。MREという食べ物がある。大昔は保存性を重視していたからかミステリーとか言われてたらしいがこんな感じだったんだろうな。そう思いながらスマホを見る。

[ここかシロっていう配信者のところ]

[ようこそ、私も今来たばかりだけどな!]

[つよつよ幼女が居ると聞いて]

[みんなフットワーク軽すぎない…?]

[お前もその1人だろ]

 

 

 

し…視聴者が増えてる…!?

 

 

 




キャラの解像度上げるために色々調べてたんですがG3用のACOGが付けられるマウントってあるんですね。流石H&K。以下キャラの姿です。

白野渦
髪:白、ちょい長め。セミロングぐらい。
身長:ロリ。
服装:長袖シャツに長ズボン。生地は薄めで冬場はジャンパーを着込む。
装備:AK308に高倍率のスコープ。その上にドットサイトがマウントされてある。黄土色のチェストリグを着ている。

林穂香(ホノさん)
髪:黒、短め。
身長:大体高校生の中くらいの身長。
服装:赤色の半袖シャツに長ズボン。冬場はもふもふの化身と化す。
装備:G3にACOGが載っててバイポット付き。黒色のプレートキャリアを着ている。


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ロリと配信者と吹き溜まり 後編

実は配信系はあんまり慣れて無いんですよ。ので、ログとして後で出すようにします。


状況を整理しよう。まず吹き溜まりの深部に侵攻した。それでホノさんを救助した。すると視聴者が増えた。これもしかしてホノさんの視聴者が移ってきた?取り敢えず休憩を終えてモンスターの解体を再開する。どうやらホノさんも解体作業を再開したようだ。解体作業というのはなかなか体力を使うものだ。しかも精神力もゴリゴリ削られる。進捗は90%といったところか。

「ホノさんはどれぐらい進んでる?」

「今終わったところだよ」

「早いねぇ」

「伊達に京都で配信者やってなかったからね」

向こうは終わったらしい。まだ変異が進んでない個体は身が切りやすくてやりやすいが進んだ個体は刃が入りづらく時間が掛かる。確かに中の果実などは実用的なのが多いが獲物が多くなってくると休憩まで挟まなければいけなくなる。まぁそれでも慣れてるからこの1体で…よし、終わった。

「こっちも今終わった」

「分かった。配分どうするの?」

「5:5でいいかな?」

「うん。ありがと」

「こっちも。手伝ってくれてありがとうね」

そう言ってバックパックを開いてわさっとおおよそ半分ほど取って入れる。そういえば渡したい物って何だろうか。昔といったらアルバトロスの縁ぐらいしか無いが…まあ渡されるのを待った方がいいか。そう思いながらバックパックを閉める。

「ホノさん?もう動くよ」

「分かった」

バックパックを背負おうとした。目の前に人影が見える。しかしそいつは近づくうちにおおよそ人とは思えない風体を見せる。根を思わせるような頭、長い髪の毛を思わせるような細かな繊維。肌は木目があり得物であろう右手に持つ刀は黒く、鈍く光っている。

 

「ホノさん、敵だよ」

そう言いながら邪魔にならないように端のほうへバックパックを置く。ホノさんもG3のセーフティを解除し戦闘態勢に入った。敵が突っ込んでくる。それを迎撃しながら左右へ散開する。どうやらこちらに来るようだ。遠距離の攻撃手段が無い敵に関しては障害物はない方がいい。できるだけ後ろに壁が無いように立ち回る。いつものようにライフルで牽制を繰り返す。そして空になったマガジンを遮蔽物を通り過ぎるときに顔へ投げつける。しかしそいつはこちらへ真っ直ぐ直進してくる。なんだ?何かがおかしい。気が付くとホノさんが左から射線を取ろうとしていた。そして銃声。彼女が撃った弾は胴体へ命中した。しかし依然、勢いは止まらない。後ろへ後退しながらライフルを撃つ。弾は直進して顔面へ当たる。少し怯むがしかし、その1、2秒後にはこちらを捕捉する。左から更に銃声がして次々と敵へ命中するが効果がない。遮蔽を取りサーメートのピンを抜く。そして敵が現れた瞬間に投げる。サーメートは足元へ転がり炸裂。周辺を火の海にする。そしてとにかく離れる。振り返りライフルを連射する。しかし無情にも命中はするものの全く効いていない。ライフルの弾が切れる。リロードをしている暇は無い。ライフルを落としハンドガンを構える。そして発砲するがライフルでも傷つかなかった敵に通用するわけもなく一切止まることなく近づいてくる。余りにも近くなってきたので銃を取られぬよう構える。発砲、しかしそいつは刀を上段に構える。斬られぬよう懐へナイフを抜き突っ込む。しかしナイフは刺さらず、敵に体当たりされて吹き飛ぶ。そして白野の視界は白く染まった。

「うそ…」

ホノさんこと穂香は見た。白野が吹き飛ばされるところを。そして刀を右に控えしっかりとした足取りで一歩一歩歩いてくるところを。

「悪魔…」

そう、悪魔。少なくとも穂香はそう感じた。一歩ずつ死神が歩いてくる感覚。しかし…

 

ここで終わる訳にはいかない

 

震える手を無理矢理抑え込みライフルを構える。そして全ての恐怖を拭い去るように撃った。ライフルには有効打が無い。しかし連続して焼夷弾を撃ちこまれると話は別だ。表面温度はどうしても上がる。そこを連続して狙い発火させる。それを狙いセミオートからフルオートに切り替え障害物を駆使しながら突進を阻止する。そしてその隙をライフルで狙う。しかしやはりちょっとやそっとではダメージにならない。そして全力で次の障害へ動き撃つ。それを繰り返し、また繰り返す。見るとちょっとずつ焦げ始めていた。しかしそれは長くは続かず懐へ入られてしまい下段から上へ斬りつけられた。吹き飛ばされたが防具が役に立ちプレートは割れてしまったがそれだけで済んだ。しかしそれでもピンチなのは変わりない。吹き飛ばされ倒れた姿勢で素早く動けるだろうか。そうしているうちにどんどん近づいてくる。もうこれまでか…と思った。しかし、銃声。敵の頭が激しく揺れよろける。見ると白野が立っていた。どうやら体感では短かったものの思ったよりも時間は進んでいたらしい。白野が復帰した。

「頭だ!頭を狙え!」

そう言って白野は頭を正確に、そして素早く撃ちこむ。それに呼応してこちらも頭へ撃ちこむ。頭の細かな根が集中砲火によって千切れる。するとそいつは急に倒れ込む。白野がライフルを持って近づいてくる。

「こいつ、目が無い代わりに頭の根で周囲の振動を感じ取ってる。迷わずこちらへ来た時に怪しいと思った」

G3の弾倉を交換する。そして白野と穂香はとどめとして頭部へ壊れるまで弾を撃ちこんだ。勝者は、傷を負ったものの、白野と穂香だ。

 

「大丈夫?」

「うん。倒れたときに頭を打っただけ。そっちこそ斬られたけど大丈夫だった?」

「プレートが割れたぐらいであとは大丈夫」

「良かった」

勝利を噛みしめながらシェルターへ帰って行く。ぬるま湯に浸かっているようにパンチが少ない日常でこれは数ヶ月は忘れることもない出来事だった。




シロちゃん達がしているマスクは実は真ん中にフィルターがついています。なぜかというと干渉するからですね。あとすっごく亀更新なのでよろしくです。


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謎の幼女「シロちゃん」のスレPart1

このスレは5月2日の配信のものです。

 

1:名無しの冒険者

配信見直してたらホノちゃんが出てきたところからコメントが急増してて笑う

 

2:名無しの冒険者

そりゃホノちゃんのところから来た人ばかりでしょうよ

 

3:名無しの冒険者

俺は始めから居るが???

 

4:名無しの冒険者

出たわね始まりの初心者

 

5:名無しの冒険者

始まりの初心者とか言われてて笑う

 

6:名無しの冒険者

>>3分かりやすいようにコテハン付けといてくれ

 

7:原始人

>>こうか?

 

8:名無しの冒険者

原始人で草

 

9:名無しの冒険者

>>7配信初日ってどんな感じだった?

 

10:原始人

なんかたどたどしかった。でも動きは凄かった(語彙力欠如)

 

11:名無しの冒険者

>>10配信遡ってたけどベテランらしいね

 

12:名無しの冒険者

マジで?あの子めっちゃ幼そうだったけど

 

13:原始人

>>12この道6年のベテランらしい

 

14:名無しの冒険者

なんだこのハイスペック幼女

 

15:名無しの冒険者

でも弱点見つけたときだいぶ凄かったよね

 

16:名無しの冒険者

>>15それな。でもどうやって見つけたんだろう?

 

17:名無しの冒険者

>>16頭に向かって撃った時にだけ認識を阻害できてたっぽい…1、2秒だけ

 

18:名無しの冒険者

えぇ…?

 

19:名無しの冒険者

ホノちゃん助けたあと連れて来た場所がモンスターの墓場だった件

 

20:名無しの冒険者

>>19あれ本当に怖かった。初見のインパクトやばかったよねあれ

 

21:名無しの冒険者

取り敢えずやってたことを整理してみよう

・ホノちゃんがやられたあと救援に来る

・ホノちゃんが起きて手伝ってもらうってなったときに行ったところはモンスターの死体だらけ

・謎のつよつよモンスターに出会う

・追い詰められたときに謎に上手いスイッチング

・しかもCARシステムで的確に頭に当てようとしてる

・急所を外すために刀を制限させて致命傷を避けようとしている

・無理矢理上段に構えて振り下ろそうとするのを見るな否やナイフを抜いて刀を振れない位置まで飛び込む

・体当たりされてダウン

・ホノちゃんが時間稼ぎ中に復活

・的確に急所を狙って無力化

 

22:名無しの冒険者

やっぱこえぇよ

 

 

 

144:名無しの冒険者

そういえば救援に来た時戦闘の様子がカメラに写ってたけど所々消えてるのなんなんだろう

 

145:名無しの冒険者

時間的には合ってるってことはワープじゃないね

 

146:名無しの冒険者

…あれ?そう言われるとなんか通ってるように見えるわ

 

147:名無しの冒険者

>>146ほんとだわ。言われると気付く

 

148:名無しの冒険者

カラクリが分からねぇ…

 

149:名無しの冒険者

良く分からねぇ幼女なのか?




今回滅茶苦茶短いです。実は私滅茶苦茶スレとかコメントとか苦手です。多分配信者の配信者要素が本気で薄くなります。というか世界観的にもだいぶ難しいです。世界観的には撮ったやつをあとから動画で流す感じです。これってただの動画投稿者では???


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幼女と京都行確定と謎のマッパ

今回も短めです。


「さて、それじゃ改めて…」

私とホノさんは私の部屋のリビングにある席についている。

「私は白野渦。一応配信者での名前はシロでやってる。そっちは?」

「林穂香です。ホノっていう名前で配信者をやってます」

「渡したい物があるって言ってたね。どんなやつ?」

「これです」

そう言ってホノさんは一枚の手紙をこちらへ渡してきた。そこにはアルバトロス、嘴部隊隊長、谷口那由と書かれていた。

「なるほどね…」

そう言って私は封を開ける。

 

元嘴部隊隊長白野渦へ

大阪での暮らしはどうですか?京都はいつも通り冒険者で賑わってます。さて、今私達は大きな作戦へ向けて備えています。しかしシェルターの老朽化やその他問題のために人員が避けません。そこでアルバトロスは縁のある有力な冒険者を勧誘しています。アルバトロスを脱退した人に対して心苦しいのですが助力を得られることを願っています。

 

作戦名:京華1号

作戦内容:旧京都駅周辺へ調査に向かう科学者の護衛。

 

追記

脱退してから一度も消息を聞いていないです。手紙でもいいので消息を聞かせてください。

同部隊現隊長谷口那由より

 

「ふむ…」

そう言って私は考え込む。アルバトロスを脱退した身で今更戻るのも恥ずかしいものがあるが、こうも言われると行かざるを得ないだろう。

「分かった。向かうとしようか」

見るとホノさんは頭に?を浮かべながらこちらを見ていた。そこで私は手紙をホノさんに見せる。

「アルバトロスが大規模な作戦を行おうとしているらしい」

ホノさんは手紙を見ている。

「ホノさんを見た感じまだまだ粗削りだけど十分作戦に従事できるだろうと私は思う。アルバトロスは大規模な組織だ。今のうちに縁を作っておくのも悪くないと思うし私にとってもついてきてもらえると心強い。どう?一応雇うということもできるけど」

ホノさんは少し考えてこう言った。

「貴方についていくと強くなれる、そんな気がします。是非お願いします」

「よし、分かった。3日後にはここを出ようと思う。移住届の準備とそれと装備品のチェック、あと部屋の片づけと貴重品を纏めといてね」

「分かりました」

「じゃあ自分の部屋に戻っていいよ」

そう言うとホノさんは自分の部屋へと戻っていった。私はそれを見届けると冷蔵庫へと入れておいた果実を手に取った。

「これも他の人に託すかなぁ」

そう言って人型の非常に強かったモンスターの果実を手に取った。赤く丸々とした形をしている。見た目は完全にトマトだ。この前の果実に似ているが所々違うところがある。そしてこの果実を切ってラットへやる。死ななければいいんだが。そうして部屋の片づけをしていると日が暮れて食堂へ行き晩飯を食べて寝た。

 

「ん…」

そう言ってまた1日が始まる。何というかベッドが窮屈だ。いつもはこんなことは無いんだが…。そう思いながら寝返りをうつと目の前に見知らぬ女性が居た。

「ん …?」

一瞬寝ぼけているのかと思い目を擦ったがどう見ても居る。しかも裸。間違いない不審者だ!

「誰だ!」

素早く銃を拾いに行き構えて叫ぶ。その赤髪の女性は起きてこちらを見る。

「言え!何者だ!」

そう叫ぶと彼女はこう言った。

「あなたのラットよ」

「ラットが人間になぞなるか!」

そう言って銃を向けるが途中で不安になって普段ラットを飼っている籠を見る。すると籠は見るも無残な具合に破壊されていてラットが行方不明になっている。

「だからラットだと言っているじゃないの」

「…えぇ?」

困惑して声を漏らしてしまった私を許してほしい。多分誰だってこうなる。そして私は真っ先にホノさんへ電話した。

「何ですか?」

案外早く応答してくれた。

「ホノさん悪いけど緊急招集。めっちゃ異常事態が起きてる」

「…え?」

そういって電話を切る。

「そこに立ってて。メジャー取ってくる」

そういってメジャーを取りに行き手早く身長を測る。大体20歳位の大きさか?とにかくホノさんを待とうか。

 

「この人誰?」

「うちのラット。果実をやったら人型になった」

そういいながらうちのラットを見る。

「名前とかあるの?」

「紅。今決めた」

「本当にそれでいいの?」

「?別に良いわよ?」

「取り敢えず紅さんのために服買ってくる。ホノさんはうちの部屋の備品使ってもいいから紅さんを絶対に外に出さないで」

「分かった」

そう言って部屋を出ていく私を見ながらホノさんはこう思った。

(これって幸先が良いっていうのかな?)




一応通信問題は「基本的に通信は繋がらない。ただし小さめの吹き溜まりだと電波はギリギリ届く」っていう風にしました。


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