転生して雲雀さん!? (クルス@アルマゲドン)
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いちわめっ!

ユークリウッド、悪魔の妖精の執筆が進まない筈なのに妄想が膨らんでしまった作品。
因みにこの小説の他ハイスクールD×Dにユークリウッドinの小説も書いてしまっているという。
こんないけない作者。どうすればいい?


僕こと、雲雀恭弥は転生者だ。

何故、そんな事を言う理由は、僕の身体がリボーンという漫画に出て来る雲雀恭弥という人物と瓜二つなのだ。

何時も通りに朝目覚めると普段通りに起き、朝食を作る。が、テーブルの上に手紙とリング、それにボックスが置いてあった。リングとボックスは見覚えがあり、不思議とリングを指にはめ、何となくボックスに空いてある穴にリングをはめた。

しかし、何も起こらずボックスをテーブルに置き、手紙を読むことにした。

手紙には僕が死んだこと。

死因は手紙を書いた奴が間違って殺したこと。

お詫びとして転生させたこと。

特典として雲雀恭弥の全ての能力を貰い、その全ての能力をオリジナルの雲雀恭弥の倍強くなっていること。

最後にby神

これらを記していた。

 

最初は訳の分からない夢だと思ったが、頬を抓れば痛く、洗面所で鏡を見れば雲雀恭弥そのもの。身体は以前とは比べものにもならないくらいに軽い。極めつけは原作同様にイラつきでリングに炎灯せた事だ。

 

「……絶対に咬み殺す」

 

この神とやらに対し、僕はそう心に誓いを立てた。

 

 

◇◇◇

 

駒王学園という所に僕は通うらしい。雲雀恭弥になったのだから並盛かと思ったら違っていた。

まあ、どこに通おうが別に問題じゃない。必要なのは風紀委員があるかどうかだ。

ん?何故風紀委員かだって?

答えは簡単僕が雲雀恭弥だからさ。原作同様……いや、僕が雲雀恭弥であるということが理由だ。

そんな事を考えている内に風紀委員が活動している部屋に着いていた。

ああ、言い忘れていたけど僕は高校一年生だからね。

 

僕は扉を勢いよく開いた。

僕の視界に広がったのは不良の集団。少し固まった後に扉の文字を見れば風紀委員と書いてあった。

この学園の風紀委員は不良の集まりなのか。そう思った。

 

「おい、一年坊。ここはお前みたいなガキはお呼びじゃねぇぞ?」

 

不良その1が近付いてきた。その1からはタバコの強烈な臭いが漂ってき、顔をしかめそうになる。

 

「ギャハハハ!何?怖くて声も出ないの!じゃあ、悲鳴が出るように殴っ────────ギャアァァアア!!、」

 

「……気安く話しかけないで。……咬み殺すよ?」

 

余りにも臭かった為にトンファーで顎を打ち抜いてしまった。恐らく、顎の骨が砕けてるはず。

 

「なっ!野郎!!全員で袋にしちまえ!!」

「……僕の前で群れないでくれるかな?本当に咬み殺すしたくなるから」

 

威圧するように言うと不良達は身体を震わせ始めた。不良の様子を見れば、その震えは怒りではなく、恐怖だと分かる。

 

「こ、このガキィィイ!」

 

1人の不良が僕に襲いかかって来る。しかし、身体能力があり得ないくらい高いせいか全てスローモーションで見える。

故に、避ける事が出来る。それだではない。相手が振り切った腕にトンファーで殴りつけ、更にがら空きの鳩尾に一発。続いて下から上に振り上げ顎を打ち抜く。この間1秒切るかどうかの速度だ。

殴りかかった不良が一瞬で訳も分からないうちに倒れていることに周りが驚き、恐怖しているのが分かる。

 

「……次、おいでよ。咬み殺して上げるから」

 

そう言うと僕は気分が高揚しているせいか口角を上げてしまった。その表情を見た残りの不良達は急に正座し、頭を下げた。俗に言う土下座だ。

 

「「「「「「スイマセンでしたぁぁぁぁあ!!」」」」」」

 

「……今日から僕が委員長でいいね?」

 

「「「「「「はい、よろしいです!委員長!」」」」」」

 

余りにも息ぴったりで群れている不良達を見てイラついてくる。

 

「……ねぇ、君達は何群れてるの?咬み殺すよ?」

 

僕がそう言い、トンファーを構えると不良達は後退りし、逃げていく。

 

「「「「「「ヒィィィィイイ!すみませんすみません!群れませんから武器を下げてください!」」」」」」」

 

こうして転生初日僕は晴れて風紀委員長になった。

 

……恐怖政治って言った人出ておいで?咬み殺して上げるからさ

 



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にわめっ!

夕方寝過ぎたせいか夜寝れないぜ(笑)
というわけでにわめっ!投下


 

風紀委員長になり、2年が経った。

今、僕は高校3年だ。この2年間は本当に濃密な2年だった。

転入した次の日の全校集会で1年生で風紀委員長になり、教師には感謝されたのを覚えている。教師の話では、風紀委員が風紀を乱していたという事。そりゃあ、不良の集会所モドキだったからね。けれど、今じゃ彼らは忠実な僕の部下だ。が、群れているのは気に入らない。

後は、悪魔や堕天使と言った人外が存在しているということが分かった。分かったというよりも聞かされたからだ。

生徒会長──支取蒼那。彼女から聞いた。悪魔や堕天使は裏に関わる者か、悪魔と契約するものにしか知られていない。

なら、何故関わりも無い僕に話したのかというと僕ははぐれ悪魔と戦闘したのだ。勿論、はぐれ悪魔はなぶり殺した。炎は一切使うことがなかったのが少々残念だったが。

そして、支取蒼那が現れた。彼女とはクラスメートなだけで話したことは一切無かった。まあ、風紀委員に与えられた部屋で仕事するのだから授業間の休み時間は常に教室から離れていたから当然のことだ。

その彼女にはぐれ悪魔との戦闘の後で聞かされ、強い敵がいると思わずニヤリと笑ってしまったのだ。

その際、支取蒼那から眷属にならないかと誘われたが、僕は群れるのは嫌いなんだ。と言うと少し残念そうに引き下がってくれた。

そして、この事を気に僕はこの町に出るはぐれ悪魔を討伐するようになった。

それを支取蒼那が気付き、危険な事はするなと言ってきた。その時僕は

 

「……あの程度に殺されると思う?それよりも、はぐれ悪魔討伐って君達の仕事なんだろ?なら、僕にやらせてくれるようにしてくれないかな。風紀委員として生徒に危害を加えさせないように僕が迅速に咬み殺してくるからさ」

 

後の方に、まあ、許可が無くてもやるけどね。と付け加えた。

支取蒼那は何を言っても駄目だと声に出し、渋々と了承した。

 

 

 

◇◇◇

 

コンコンと僕は生徒会室の扉をノックし、返事が返ってくる前に扉を開ける。

 

「蒼那、この前の仕事の資料をまとめておいた」

 

「………恭弥、あれほど言ったのに何故返事を返してもいないのに入ってくるんですか……」

 

「ノックはした。それにこの資料はキミに早めに渡さないといけないものだったからね」

「……全く、何の資料─────ッ!?……恭弥、これは本当の事ですか?」

 

「…僕が不真面目に仕事をするとでも?」

 

蒼那の言葉をそう捉えてしまい、少し怒りを孕んだ声で言う。

 

「す、すみません。……そうですね恭弥の情報は的確ですから」

 

「まあ、堕天使の件はそっちが解決するか?僕に回すかどちらか決めておいてね」

 

僕はそう言うと蒼那の後ろの窓から飛び降りた。

 

「ちょっ!?恭弥!あれほど扉から普通に出て行きなさいと─────」

 

生徒会室の窓からギャーギャーと僕に何かを言ってくる蒼那を無視し、もう一つの仕事をしに向かう。

 

仕事に向かう途中でリアス・グレモリーとその眷属達に出会った。

 

「げぇ!?ヒバリさん!?」

 

僕を見た瞬間悲鳴と驚きの二つを割って足したような声をする兵藤一誠がいた。兵藤一誠とメガネにハゲ。この三人は去年から咬み殺している問題児だ。風紀を乱すこの三人組には毎回のように僕が出ないといけない。

当初の頃は部下に任せていたが、それでも懲りずに続けているということに僕が出ることになった。勿論、容赦ナシに咬み殺したよ?メガネはそのメガネをかち割り、ハゲにはそのツルツルな頭を歪ませる威力で殴りつけ、兵藤には鳩尾を抉る一撃を。

しかし、ギャグ補正があるのか次の日にはコイツ等はほぼ全快の状態で登校しているのだ。

あの時は驚きと嬉しさでたまらなかったのを覚えている。彼らは僕専用のサンドバックになる。そう思ったのだから。

だが、兵藤に関しては妙なモノを感じた。強者の何かを感じたのだ。それが覚醒したときかは全力で咬み殺せるといいな。

 

「恭弥、こんな所に何でいるのかしら?」

 

「キミ達こそ、此処で何群れてるのかな?咬み殺すよ?」

 

僕がそう言うとリアスと姫島朱乃以外が構える。

 

「……恭弥、冗談は言わないで頂戴」

 

「そうですわよ恭弥君。余り後輩を脅かさないで下さい」

 

「……冗談でいうと思うかい?…………ねぇ、兵藤」

 

「なぁぁ!?ちょっ!?ヒバリさん!?何でオレに?」

 

「何でって、この中でキミが一番僕を知っているだろ?毎回のように咬み殺しているんだからさ」

 

僕がそう言うと兵藤は顔を青ざめ身体を震わせた。余りにも面白い反応だったためにもっと弄りたいと思ってしまうほどだ。

 

「まあ、いいや。それじゃあ、僕はこの中にいるのを咬み殺さないといけないからね」

 

「ちょっ!?待ちなさい!何で恭弥がバイザーの事を─────って待ちなさいって言ってるでしょ!」

 

僕はリアスの言葉を無視し、建物の中に入っていった。

 

 



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さんわめっ!

思いつきの作品でもお気に入り登録してくださる方々がいてくれて感謝感謝。

そして、一話一話が短いせいか簡単に書けてしまう。
だから、投下しとく。


 

此処にある気配は2つ。けれど僕の目の前には一体のはぐれ悪魔しかいない。

 

「美味そうだな~喰ってやる!!」

 

「いいよ。かかっておいで、咬み殺してあげるから」

 

周りの気配を探りながらもはぐれ悪魔にそう言い挑発する。

因みに気配を探ると同時に目視する事がほぼ不可能な程の炎を周りに放ち、レーダーのような働きをすることが出来る。より的確な位置を把握する事と警戒ことを兼ねてだ。

すると後ろからリアスとその眷属達が来る。

 

「ちょっと、恭弥待ちなさいと言ってるでしょ!」

 

「リアス・グレモリーいくらキミでも僕の邪魔をするなら咬み殺すよ?」

 

そう言いつつも、はぐれ悪魔以外のもう一つの存在を見つけた。

あのはぐれ悪魔の奥の方の暗闇に隠れてる。気配からして僕を満足させれるかは分からないけど強い筈。

そう考え、思わず笑みがこぼれる。

笑みを見たリアス達は少し身構えた。

 

「まあ、いいや。この獲物はキミ達にあげる。そのかわりに、とっとと殺しなよ。遅かったら僕が咬み殺すから」

 

僕はそう言い、リアス達の後ろに移動し、近くの柱にもたれ掛かる。

リアスと兵藤は有り得ないものを見たような顔で僕を見る。

 

「……恭弥が素直に譲った?」

 

リアスはそんな事を口に出していた。

 

「貸し一つ。それでいいよ」

 

僕はそう告げてリアス達の戦闘を見始める。木場が剣を作り出し、はぐれ悪魔に切りかかる。スピードは良い。が、威力が無い。決定打がない分戦闘は辛いはずだ。後は、剣を作り出したのを見ると剣を折っても、まだ戦え続けそうだ。

次に動いたのは塔城、相手の攻撃を食らってもビクともしない防御力を見せてくれたが、あれではいずれ死ぬ。相手の攻撃を避けようともしないことが駄目だ。僕が攻撃して避けようともしなかったら、その時点で負けは決まる。あの程度だからこそ無傷でいられるがいずれ、さらに強い相手に対してはその戦い方は危険すぎる。。

そして、朱乃が攻撃を始めた。電撃により相手の自由を奪い、じわじわとダメージを与えている。僕としてはさっさと咬み殺してしまう。

最後にリアスだが……

 

「死ねぇええ!」

 

はぐれ悪魔の切り落とされた腕がリアスに向かい、飛んでいく。これに気付いた奴は兵藤一人だが、間に合わない。

僕は仕掛けトンファーから出る鎖に雲の炎(増殖)を使い、無限に伸びる鎖でリアスに飛んでいく腕を切り裂いた。この鎖の殺傷能力は高く大抵のモノは容易く切り裂ける事ができる。

 

 

「…恭弥……あ、ありがとう」

 

「……ふわぁ、別に。これで貸し二つ目だよ」

 

僕はそう言い、目を瞑る。動いていないから眠くてしょうがないのだ。

ただ、目を瞑っても警戒だけは怠らない。

そんな事をしているうちに、リアスは自身の滅びの力ではぐれ悪魔を消していた。

僕はその力を見て思わず、ワォと言ってしまった。

確か、彼女の兄は魔王と呼ばれる存在でリアスより強い筈。

この時、僕は更に魔王に興味を持ち始める。

「さて、終わったことだし帰るわよ」

 

リアスがそう口に出していた。ようやく僕が戦える。手元には雲の守護者のリングにボンゴレ匣、予備のトンファーの匣。ボンゴレギアは手元には無い。

 

「恭弥アナタも一緒に──」

 

「僕は群れるのは嫌いなんだ。キミ達だけで帰りなよ。それとも僕の欲求不満を解消するための肉の塊になってくれる?」

 

威圧しながらそう言う。リアス達は身構える所か震え出すほどだ。

ちょっと手加減を間違えてしまった。何せ、これから久しぶりに強い相手と戦えるのだから胸が高揚しているのだ。

 

「………分かったわ。さあ、皆帰るわよ」

 

威圧をしているのにも関わらずリアスは普通に言葉を発し、皆にそう言った。

流石にと思い、威圧する事を止め、リアス達が此処から出るのを待った。リアスがすれ違った際にまた明日学校で、と言ってきた。

余りにも唐突だったために呆然としてしまったがその表情は誰にも見られてないはず。

リアス達が居なくなったことを確認し動く。

 

「さて、これで邪魔者はいなくなったよ。出ておいでよ。咬み殺してあげる」

 

「待て待て、俺は戦いに来たんじゃない。お前を『禍の団』に入らないかと勧誘しに来たんだ。雲雀恭弥」

 

暗闇からは漢服を羽織った黒髪の男が出て来た。

 

「興味ないね。それにそんな獲物を手にして出て来て何を言ってるの?」

 

この男が手に持っているのは槍。しかし、ただの槍ではないことが分かるほどのモノだ。僅かだが、これほどのモノを使うこの男に興味を持った。

 

「キミ名前は?」

 

「ああ、名乗り遅れたな。俺の名前は────曹操だ」

 

「ふぅん、曹操ね。ならその名のに見合う実力を見せてよ」

 

僕はそう言った瞬間、数メートルの距離を一瞬でゼロにしてトンファーで殴りつける。

しかし、曹操と名乗る男は槍で受け止めていた。

 

「ワォ、やるね。キミ」

 

「………お前、本当に人間か?」

 

 

 

 

 



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よんわめっ!?

 

あの男、曹操とは朝まで戦闘を続けた。

互いに奥の手は使わず、戦い続けた結果、日が昇ってしまう時間まで戦ったのだ。

それに気付いた曹操はまた今度来ると言い、帰ろうとしたが僕はそれを許さず、攻撃し続けた。

更に、太陽の位置を見れば大体7時頃には曹操にも、僕にも疲れが見えて互いに動きが鈍くなっていた。

此処で、曹操から提案……というよりは情報を与えるから帰らせてくれと言われた。

僕は動きを止め、数秒考えるが答えはNOだ。しかし、曹操は口を開いた。

 

「この槍は最強の神滅具『黄昏の聖槍』だ」

 

神滅具という聞いたことがない単語に反応した僕は曹操に神滅具とは何なのかを質問した。

曹操が持つ槍は神を殺せると言うことを本人の口から出された。

この話から推測するに神は存在する。だとしたら、僕を殺した神も居るはず。複数いたとしても必ず見つけ出して咬み殺す。

嬉しさとイラつきが僕の中で交じり合う。

そして、無意識のうちにリングに炎を灯していた。

今まで灯した炎よりも強く、純度が高い炎だ。その炎に気付いた僕は落ち着いて抑える。

そして、再び戦闘をしようと曹操の方を向く

 

「さて、良いことを聞いた。けど、まだキミを逃がす気は─────」

 

無いと言い放とうとしたが曹操の姿は見当たらず、急いで炎で周りを確認するが、周囲には何も反応がなかった。

曹操は逃げたのだ。

この時、僕は神以上にイラつきを覚えた瞬間だった。

 

 

◇◇◇

 

何時も僕が学園に登校する時刻はどの生徒よりも早く、働く教師よりも早い。

しかし、今日に限っては先程まで戦闘をしていたわけで、通常よりもかなり遅い時間帯に登校している。

何故、僕が誰よりも早く登校するかという理由は─────

 

「………………キミ達目障りだよ。消えなよ」

 

登校している生徒が群れているからだ。

僕が珍しくも遅い時間帯で登校している為、多くの生徒の視線が僕に向く。更に加えれば曹操との戦闘後すぐに来たため学ランと身体はボロボロ。

すると、何故かハゲとメガネが僕の前に現れた。

 

「今が好機!何故か知らないけどボロボロのヒバリを倒してオレらに自由を!」

 

「下克上じゃぁぁあ!ヒバリ!覚悟!」

 

どうやら彼らは僕がボロボロだからと勝てると思い込んでるわけだ。

 

「……ねぇ、今僕は凄く機嫌が悪いんだ」

 

主に曹操が逃げ出したということに対して。そう考えるとイラつきが更に増す。

ハゲとメガネはヒィと小さく悲鳴をあげる。

「そんな僕に喧嘩を売ったわけだ。覚悟はいいかい?」

 

数秒後、彼らは地面に埋まった。

すると、僕と同じ学ランの小柄な少女が現れた。

 

「い、委員長!その怪我どうしたんですか!?」

 

「別に。それよりも夏美、『禍の団』について調べておいて」

 

僕が夏美と呼んだ少女は風紀委員副委員長で情報屋だ。夏美の情報収集能力は高く。驚くほど的確なのだ。堕天使や悪魔の情報も難なく収集して来る程だ。

 

これを気に風紀委員について話そう。僕と夏美以外の人員は悪魔で風紀委員出来ている。最初にいた不良は悪魔だったのだ。そこに僕が委員長になり、彼らを支配し風紀委員として成り立ってるのだ。

夏美についてははぐれ悪魔から追われている夏美を助けたと夏美が勘違いして、夏美がこの恩は一生をかけて返します。と頬赤くして言い、風紀委員に入った。始めはどうでもいいと思って許可したが、夏美には情報収集能力。さらに統率力の異常な程までの高さを僕に見せてくれた。例えそれが異なる種族でも統率出来るものだ。故に、夏美は風紀委員の悪魔達にも慕われている。その能力を発揮した後にはすぐさまに副委員長に任命した。勿論、他の風紀委員達も文句無しでだ。

夏美が副委員長になった後は部下を任せっきりにしている。

 

「了解しました。けど、傷の手当てはさせてください!」

 

「何ともないからやらなくていい。それにこんなの傷のうちに─────」

 

「ダメです!もし、バイ菌が入って死んだりしちゃいますよ!……それとも私が嫌いだから拒絶するんですか……」

 

夏美は今にも泣きそうな顔になる。

 

「………勝手にすればいいよ。僕はシャワーを浴びるつもりだから」

 

「───はい!勝手に手当てさせてもらいます!」

 

夏美は暗くなっていた表情から一変して明るくなった。

 

「それじゃあ、保健室に取りに行かないと」

夏美は嬉しそうに走っていった。

 

「………」

 

実をいうと僕は彼女が苦手だったりする。

 

 

 

◇◇◇

 

 

さて、仕事をする前にシャワーを浴び、着替えをしますか。風紀委員の部屋にはシャワーと僕専用のクローゼットが置いてある。これは学園側に用意させたのではなく、僕が用意したものだ。学園長とリアス、それに蒼那の許可は取り、作ったのだ。

理由としては学園が閉鎖した後や日付が変わっても仕事をし続ける事があるからだ。それ故に家に帰らず、学園に残り、僕は仕事をするのだ。そのための設備なのだ。

因みに資金ははぐれ悪魔を狩っているということから蒼那から謝礼として貰っているのだ。僕は仕事のつもりでやっているのだが、貰えるものは貰っておいているのだ。

 

僕は無造作にソファーに学ラン等を脱ぎ捨て、上半身裸になる。

すると、ノックの音が聞こえ、返事をする前に扉が開かれる。

 

「恭弥、この前の堕天使の件なんだけど──────」

 

入って来たのは蒼那だった。彼女は書類に向けていた視線を上げ、僕の方を見た瞬間、顔を真っ赤に染めた。

 

「な、ななな、なんで裸なんですかぁ!?」

そう叫ぶ蒼那。対して僕は別に慌てる事もなく、シャワー室に向かう。

シャワー室に入る前に僕は口を開く。

 

「堕天使の件はシャワーを浴びた後で聞くよ」

 

そう言いシャワー室に入った。

 

 




遅れてすみませんでした。

色々としていたら1ヶ月ぐらい経ってしまい現在に至るという感じで……その色々とは、テスト勉強だったり、パワスマ4でオンラインで遊んだりと……

冬休みに入れば更新をしていきたいと思っているんですが、バイトやらスキーやらで遅いかもしれません。ご了承ください。



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ごわめっ!?

 

 

シャワーから上がるとソファーに座っている蒼那にいつの間にか夏美まで座っていた。

シャワーから上がったことに気付いた2人は僕の方に視線を向け、次の瞬間顔を真っ赤に染める。

 

「「恭弥/委員長!なんで上を着てないんですか!?」」

 

「そんな事よりも堕天使の件どうするつもり?」

 

僕は蒼那に質問しながらクローゼットの中から学ランを取り出し、着替えようとする。

 

「あ、手当てしなきゃ。委員長、恥ずかしいですけどまだ服着ないでください」

 

そう言い、夏美が手慣れた手付きで手当てをしていく。

蒼那は夏美をじーっと見ている。

 

「……で、どうするんだい?」

 

「ハッ!す、すみません。……堕天使の件ですが。恭弥、アナタに依頼しても構わないでしょうか」

 

「分かったよ」

 

「委員長、教会に乗り込みに行くんですね!なら、教会の断面図を持っていってください」

 

夏美はどこから取り出しだしたのか手に教会の断面図を持っていた。僕はそれを受け取り、眺める。

 

「今日中に、と言いたい所だけど。風紀委員の仕事もあるから明日で構わないかい?」

 

断面図を見ながら蒼那に言う。

 

「構いません」

 

そう言い残して蒼那は部屋から出て行った。手当てが終わったのか夏美も雑務を始めていた。

 

「夏美、今日と明日分の仕事を全て持ってきて」

 

「はい!分かりました!」

 

少し眠いから夏美が来るまで仮眠でもとるか。ソファーで横に目を閉じる。

 

◇◇◇

 

部屋の扉が開くと同時に僕は目を開いた。

 

「委員長、書類を持ってきました!」

 

「……それじゃあ、机に置いて」

 

僕がそう言うと夏美は、元気のいい返事をして机に書類を置く。

机に向かい仕事を始める。

カリカリとペンの音だけが響く空間の中、夏美は僕の事をジッと見つめている。

 

「……何か用があるの?」

 

「あっ、い、いえ。その……」

 

突然声を掛けられ慌てる夏美。何か言いたげな様子だが中々喋らない。

 

「…あの、委員長!私にも仕事をさせてください!その、2人なら早く終わりますし!」

「ダメ」

 

「あぅ、で、ですが!委員長1人でその量は─────」

 

「僕は君に仕事を任せた筈だよ?」

 

僕がそう言い放つと夏美は頬膨らませうぅ、と唸る。僕は全く気にせずに仕事を進めていく。

 

「…じゃあ、仕事が終われば手伝ってもいいんですね?」

 

「…………ダメ」

 

そう言うと夏美は何やらギャーギャー言ってくるが知ったことではない。

さっさと仕事を終わらせるために手を動かす事だけに集中するのだ。

 

五月蝿くなくなってから数時間。仕事は今日の分を全て終わらせた。

目を瞑り、数秒休む。すると、急ぎ足で此方に向かってくる足音が聞こえてきた。

足音は扉の前で止まり、ドンと勢いよく扉が開かれた。

 

「委員長、任された仕事終わりました。ですから委員長の仕事を手伝わせてください!」

「……ねぇ、キミは静かに扉を開けることが出来ないのかな?」

 

「仕事を下さい!」

 

表情には出してはいないが内心はどうしようか迷っているのだ。夏美にはオーバーワークとも言っていいほどの仕事量を任せている。本当ならば委員長である僕がしなくてはならない、部下の統率。それを夏美に任せきっている。それに加え、僕個人が与えている裏に関する情報収集の仕事。

 

「…キミは仕事のやり過ぎだからダメ」

 

「それなら、委員長の方がやり過ぎです。1日のうち何時間風紀委員の仕事をしているんですか?」

 

「17時間」

 

それに加えて蒼那からの仕事があるとは言わない。言うと面倒な事になる。

 

「17時間!?半日以上もしてるんじゃないですか!?それなのに私が仕事のやり過ぎっておかしくありませんか!?」

 

バンッと机を叩きつけ、僕を睨んでくる。僕はそんな夏美を見ずに書類を終わらせていく。

 

「そもそも、委員長は授業に出ているんですか!?半日以上仕事ばかりしてるってことはおかしくないですか!?」

 

「理事長公認でやっているから問題ないよ」

そんなやり取りをしているうちに学園の完全下校の放送が流れる。

同時に僕は手元にある書類を片付ける。

 

明日の半分くらい終わったかな。

 

そう思い、視線を夏美の方に向けると涙目で頬を膨らませていた。

 

「帰るよ」

 

「ふぇ?ちょっ!?委員長、待ってくださいよ!?結局、仕事をくれないんですかぁ!?」

 

はぁ、と僕は溜め息を尽き、夏美の頭に手を乗せる。夏美は突然の出来事に戸惑い、固まった。

 

「じゃあ、仕事を与えよう」

 

僕がそう言うとパァ~っと表情が明るくなっていく夏美。丁度今思い出した仕事を彼女に任せようと思う。

 

「はい!それで仕事ってなんですか!?」

 

「それは─────────────」

 

夏美に仕事の内容を教え、僕は教会に足を運ぶ。

 

◇◇◇

 

バンッと勢いよく僕は教会の扉を開けた。

 

「おんやぁ~どうしたんでしょうか?こんな夜更けに懺悔でもしに来たんですか?」

 

目の前にいる白髪の神父がそう口にする。

僕はある程度の距離まで近付き無言のまま自然体で立つ。

 

「ん~何武器なんか構えちゃって……もしかして、強盗だったりしちゃいますん~?なら細切れにしても正当防衛で大丈夫ってね!!」

 

ノーモーションからの光の剣での斬りつけ。数メートルの距離を詰めてくる神父。

その速度は普通の人間は速いと感じるが、僕にとっては遅い。

先日戦った曹操の時よりはつまらない。

 

「ナニナニ!構えただけで防戦一方とか!もしかしてビビってる────がぁ!?」

 

「つまらない。悪いけど潰れて貰うよ」

 

鳩尾に一撃。体がくの字になったところに顎に下から上に打ち上げる一撃。空中に浮き上がった所で腹部に抉り込む一撃。

盛大に吹き飛んでいく神父。壁にぶつかり大きな音が教会に響いた。

そして、大量の神父がわらわらと沸き上がってくる。

一人一人を見ていくが先程の神父よりも弱く再び溜め息を尽き、盛大に威圧する。

 

「全員咬み殺してあげる。皆でかかってきなよ?」

 

僕はそう言い、近くにいる神父に殴りかかる。しかし、光の槍によって攻撃を中断した。僕はニヤリと笑い、上を見上げる。

そこには4人の堕天使がいた。

 

「人間、何が目的で此処にいるのかしら?」

リーダーっぽい女堕天使が僕にそう質問してくる。

 

「キミたちが此処で儀式をするって聞いてね」

 

「ッ!?何故貴様のような人間が───ヒィ!?」

 

リーダーっぽい女堕天使が突然震え出す。周りの堕天使及び神父までもが震えている。

理由は僕だ。

 

「儀式だけならどうでも良かったけれどね……けどね、キミたちは僕の学園の生徒を殺したんだ。なら────」

 

『──殺される覚悟があるんだよね?』

 

純粋な殺意を込めて言い放つ。

そこからは一方的な蹂躙が始まった。射程距離が教会全域に至るまで鎖を増殖させる。

逃げようとする者にはロール(ボンゴレ匣)に球針態になってもらい逃げ道を塞ぐ。

堕天使達には蹴り落とし、地を這わせる。

 

「さて、キミたちを殺してもいいんだけど───」

 

「ギヒヒィ隙ありってな!!」

 

後ろから復活したのか白髪の神父が左肩に剣を突き刺していた。

僕は少し顔を歪め、右のトンファーで殴りつける。神父はそれを見越していたのか、既に後ろに下がっていた。

 

「油断したよ。あれだけ痛めつけたのに……ゴキブリ並みの生命力だね」

 

「あーあー、全然堪えてくれてないでヤンスネ。あと、キミにやられてめっちゃめちゃクラクラしてるゾ」

 

「別にキミたち相手に左腕が使えなくても問題ないしね」

 

「うわぁマジっすか。んーまあ、傷を負わせたからいいっか。んじゃあ、オレッちはおさらばさせて貰うよ」

 

「待ちなさいフリード!私を助けなさい!」

「はぁ?バッカじゃないの?無理に決まってるしょ。オレッちはまだ死にたくないし────っとぉ!?アブなっ!?つーことでバイバーイってね!」

 

逃がす気がなかったのだが思ったよりも左肩のダメージが大きかったのか余り威力がでなく、防がれてしまった。

フリードは近くにあったボロボロの神父を僕に投げつけてきながら逃げていった。

 

「………また」

 

逃げられた。先日の曹操と同じ位の怒りが沸き上がってくる。

取りあえず、この怒りの矛先をこのカラス達に向けて晴らそうか。いや、この程度奴らにやっても晴れないか。尤も殺しても再生する奴がいたら僕の怒りを晴らせるんだけどね。

 

「ロールおいで」

 

そう言うと球針態から戻り、僕の下にトコトコと歩いてくる。

僕はロールを拾い上げ、肩に乗せる。

 

「草壁、コレを堕天使の本部に投げ入れてきな。後、この手紙も置いてきてね」

 

僕がそう言うとどこからともなく大柄な体格とリーゼント、学ランが特徴の男が現れた。

「了解です」

 

草壁はそう言うと堕天使及び、教会にいた神父達をぐるぐる巻きにし、影の中に潜っていった。

相変わらず手際良い。

 

「あ、委員長!連れてきましたよー!」

 

教会の奥から金髪のシスター────アーシア・アルジェントの手を引き、歩いてくる夏美。

アーシア・アンジェルトはおどおどしながら歩いている、距離が数メートルになると血相を変えて僕の下へ走ってくる。

 

「ジッとしていてください!直ぐに傷を治しますので!」

 

「余計なお世話だよ」

 

僕はそう言うとアーシアは首を傾げる。もしやと彼女は日本語を理解していないのか?

僕はそう思い、アーシアに幾つか日本語で話しかけるが首を傾げたまま。

そして、何気なく肩の傷を治していくアーシア。

 

……肩の痛みがほぼ無くなっている。彼女の神器か……

 

肩に手を当てながらそう考える。

そんなことよりも、と僕は夏美に視線を向ける。

 

「夏美、彼女にアレを付けさせてないの?」

「へ?アレってなんですか?」

 

僕はその返答に呆れ顔になる。夏美は仕事が出来る。が、ここぞというところでドジを踏む。分かっていたが此処までとは。

 

「まあいいや。取りあえず手元にあるコレを彼女に付けようか」

 

僕はアーシアに近付き、彼女の耳にイヤリングを付ける。このイヤリングはウチの委員の1人が作り出した物であり、全ての言語を理解出来るというものだ。

 

「僕の言葉が理解出来るかい?」

 

「………はっ!?はい!大丈夫です!」

 

「ちょっ!?ちょちょ!委員長!何やってるんですか!?き、キキキスなんて突然!」

 

顔を真っ赤にしている2人。夏美は何か勘違いをしているようだが、別に今構う必要性はない。

 

「アーシア・アンジェルト。キミはどうしてこの教会に呼ばれたか知っているかい?」

 

首を横に振るアーシア。

僕はそれを見て、彼女に今回の堕天使の件の全てを話す。

顔色が悪くなるアーシア。それはそうか知らないところで自分の命が奪われようとしていたと聞けば顔色も悪くなる。

 

「…そう……ですか…」

 

「アーシア・アンジェルト。キミはこれからの行き先はあるのかい?」

 

「……いえ、ありません」

 

「なら、丁度良いね。ウチの学園に来ないかな?勿論、条件付きだけど」

 

「い、委員長、何を言い出してるんですか?そんな勝手に転入なんて出来るわけないじゃないですか」

 

「それなら大丈夫だよ。蒼那に許可は取ってあるし、仮に拒否されても────」

 

 

 

─────理事長である僕が良いと言ってるんだ

 

 

僕がそう言うと夏美は開いた口が塞がらない状況に陥っていた。

 

 

 

 

 




どうも、クルス@アルマゲドンです。

もう少しで今年も終わりです。残りの時間はおそらく私はガキ使を見て腹筋崩壊しているでしょう。



私の作品を読んでくれた方々に感謝して今年の更新を終わりにしたと思います。

読者の皆様ありがとうございました。来年度もどうかよろしくお願いします。


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