地下街出身の104期生最強 (優心)
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絶望に抗う人類

今から100年以上前、人類にある天敵が現れた。彼らと人類との間には圧倒的な力の差が存在し、たちまち人類は絶滅の危機を迎えた。生き残った人類はマリア・ローゼ・シーナの3つの三重の壁を築き、そこで100年間の平和を実現させた。しかし845年突如出現した超大型巨人及び鎧の巨人によって人類の平和は壁とともに破壊された。追い詰められた人類はウォール・マリアを放棄2割の人口と3分の1の領土を失い、その活動領域をウォール・ローゼまで後退させた。

847年

訓練兵団1日目

キース「おい貴様は何者だ!」

 

アルミン「ハッ!シガンシナ区出身!アルミン・アルレルトです!」

 

キース「そうか!バかみてぇな名前だな!親がつけたのか!?」

 

アルミン「祖父がつけてくれました!」

 

キース「アルレルト!貴様は何しにここに来た!」

 

アルミン「人類の役に立つために来ました!」

 

キース「それは素晴らしいな!!貴様は巨人のエサにでもなってもらおう。3列目、後ろを向け!!」

 

その言葉と同時にアルレルトを含めた3列目全員が後ろを向く

それからキース教官は訓練生の前に出ては次々と通過儀礼をしていった

 

キース「貴様は何者だ!」

 

ジャン「ハッ!トロスト区出身!ジャン・キルシュタインです」

 

キース「貴様は何しにここに来た!」

 

ジャン「憲兵団に入って、内地で暮らすためです」

 

キース「そうか...貴様は内地に行きたいのか?」

 

ジャン「はい!」

 

キース「フン!」

 

  ゴッ!

 

ジャン「痛った!」

 

キース「誰が座っていいと言った!こんな所でへこたれる者が憲兵団になどなれるものか!」

 

ジャン「ハッ!」

 

キース「貴様は何者だ!何しにここに来た!」

 

マルコ「ウォール・ローゼ南区ジナエ町出身!マルコ・ボットです!憲兵団に入り王にこの身を捧げる為にここに来ました!」

 

キース「そうか...それは結構な事だ目指すといい。だが王は貴様の体なんぞ欲しくない」

 

マルコ「ハッ!」

 

キース「次!!貴様は何者だ!」

 

コニー「ウォール-ローゼ南区 ラガコ村出身!コニー・スプリンガーです!」

 

コニーは大声で名前と出身を叫びながら、右手を後ろに自身の胸を左・手・で叩く

 

キース「逆だ.....コニー・スプリンガー。最初に教わったはずだ。この敬礼の意味は『公に心臓を捧げる』決意を示すものだと…貴様の心臓は右にあるのか!?」

 

???(ああ?あの女、何してんだ?)

 

教官も気がついたのかコニーからゆっくりと手を離し

芋女の元に近づく

 

キース「オイ…貴様は何をやってる?」

 

自分の事だと気づいたいないのか芋女はそのまま食べ続ける

 

キース「貴様だ!貴様に言っているんだ!貴様…何者なんだ!?」

 

やっと自分だと気がついたのか、食べていた芋を素早く咀嚼して敬礼の姿勢をとる

芋を右手に握ったまま

 

サシャ「ウォール・ローゼ南区 ダウパー村出身!!サシャ・ブラウスです!」

 

キース「サシャ・ブラウス…貴様が右手に持っているものはなんだ?」

 

サシャ「『蒸かした芋』です!調理場に丁度頃合いの物があったので!つい!」

 

キース「貴様…盗んだのか…なぜだ…なぜ今…芋を食べ出した?」

 

教官は終始理解できないような声でサシャに尋ねる

 

サシャ「……冷めてしまっては元も子もないので…今食べるべきだと判断しました」

 

キース「……!?イヤ…わからないな。なぜ貴様は芋を食べた?」

 

サシャ「それは…『何故人は芋を食べるのか?』という話でしょうか?」

 

???を含めた全員が「こいつマジかよ…」と言わんばかりの顔で

サシャの方を見る

 

サシャ「……?」

 

キース「……」

 

無言の時間から何を察したのか、一瞬ため息をついたかと思うと

持っていた芋を4分の1割って教官に渡す

 

サシャ「半分、どうぞ」

 

キース「半…分…?」

 

明らかに半分に満たない芋を見て教官は驚愕する

その顔を見て何を思ったのか、サシャは愛想笑いをした

 

キース「…貴様はこれが終わったら死ぬまで走れ」

 

サシャ「…え?」

 

キース「…あと今夜貴様は飯抜きだ」

 

サシャ「…えぇ!?」

 

???(チッ!この時間に何の意味があるんだ...あのハゲ教官...うるせぇな)

 

キース「貴様は何者だ!」

 

???「?」

 

キース「貴様だ貴様に言っている!」

 

ジン「....地下街出身。ジン・ラドナーです」

 

キース「貴様は何しにここに来た!」

 

ジン「調査兵団に入って、壁の外に行くためです」

 

キース「....そうか、貴様は壁の外に行きたいのか!頑張るといい!.....だが今のままの貴様ではせいぜい巨人の餌だろうがな!」

 

ジン「....はい」

 

芋女ことサシャ・ブラウスが走らされ続けて早5時間

サシャ以外の訓練兵は食堂で晩飯を食べていた。そこで話題になっていたのはエレン達シガンシナ組(主にエレン)に対する質問攻めだった

やれ超大型巨人は見た?だの、どのくらい大きかった?だの、鎧の巨人はどうだった?だの、普通の巨人はどうだった?だの、兎に角しつこいぐらいに質問していた

 

ジン(うるせぇな....ん?あいつは確か....こっちに来てるな)

 

アニ「隣....良いかい?」

 

ジン「...別に好きにしろよ、お前確か名前は」

 

アニ「アニ....アニ・レオンハート」

 

ジン「アニか....よろしく。俺はジン・ラドナーだ」

 

アニ「アンタ...確か地下街出身って言ってたよね...なんで訓練兵団に入団したんだい?」

 

ジン「....通過儀礼の時に言っただろ。俺は壁の外に行ってみたいだけだ」

 

アニ「ふふ...アンタ...もの好きだね。外の世界に行ってもどうせ死ぬだけなのにね」

 

ジン「だから訓練兵団に入ったんだ....俺の邪魔をする奴は巨人だろうが容赦はしない。それにただ気になるだけだ外の世界に」

 

アニ「....そうかい。それと気になってたんだけど....その眼帯はなんだい?」

 

ジン「.....聞かないでくれ。これのせいで俺は地下街に居ても地上に出ても、周りから悪魔だ化け物だって言われてきた」

 

アニ「ッ!?そ、そうだったのかい。悪かったね」

 

ジン「気にするな....俺がずっと引き摺ってるのが悪いんだ」

 

カン カン カン

 

ジン「ん?飯の時間が終わったか....じゃあなアニ」

 

アニ「あ....うん、じゃあね」(何かアイツ、ずっと苦しんでるように見える)

 

アニの奴、もの好きだな俺と関わっても何の意味も無いのにな

.....まあいい、気にしても意味がない。

明日も早いし、もう寝るか

 

訓練兵団2日目

 

キース「まずは貴様らの適性を見る!両腰にロープを繋いでぶら下がるだけだ!!全身のベルトでバランスを取れ!これが出来ない奴には囮にも使えん!開拓地に移ってもらう。」

 

老年教官「これはまだ初歩の初歩だが、この段階から立体機動の素質は見てとれる」

 

蚊帳の外で見ていた教官が新人の教官に声をかける

 

老年教官「ん…見ろ、あの子だ。まったくブレが無い…何をどうすればいいのかすべてわかるのだろう…素質とはそういうものだろう」

 

新人教官「…あの眼帯の彼も凄まじい素質を持っているように思えます…」

 

2人の教官の視線はミカサからジンに移った

 

老年教官「!…あのようなブレの無い人材は極めて稀なのだが…それが今年は2人もいるのか……今年は、優秀な者が多いようだ」

 

新人教官「あの…彼は…」

 

老年教官「…素質というものだろう。人並み以上にできることがあれば…人並み以上にできないこともある」

 

二人の教官の視線の先にいるエレン・イェーガーは上半身と下半身が逆になっていた

訓練が終わって全員が食堂で夕飯を食べる

訓練兵の中で今日は二つの話題で盛り上がっていた、一つは姿勢制御にまったくブレが無かったジンとミカサについてもう一つは姿勢制御が下手だったエレンの話だ

この二つは飯を食べる上で最高の話になっていた

ジンは適当な所ので飯を食いながらエレンを見ていた 

 

ジン(あいつ確か、エレンっていったか。あいつは運動神経はそこまで悪いとは思えないな。だとしたら機材に何らかのトラブルがあったんだろうな。そうじゃなかったらあんな無様な格好にはならないと思うな)

 

ジンは今朝の姿勢制御の訓練でエレンの様子を

優れた洞察力で機材のトラブルであると見抜いていた時に

アニがまたジンの隣の席に来ていた

 

アニ「ジン....今日も....隣に座っていいかい?」

 

ジン「...アニか...好きにしろよ」

 

アニ「アンタ....はどう思う?今日のあの死に急ぎ野郎の結果について」

 

ジン「....なんで俺に聞くんだ?」

 

アニ「別に....ただアンタは今回の訓練の成績が良かったからね...で...どう思うんだい?」

 

ジン「....あくまでも予測だがあれは機材のトラブルだろうな」

 

アニ「....どうして....そう思うんだい?」

 

ジン「機材のトラブルじゃなかったら....あんな無様な格好にはならないからな」

 

アニ「...中々の洞察力だねアンタ」

 

ジン「どうも」

 

ミカサ「....ねぇ」

 

アニとジンが話していると突然肩が凄い力で掴まれる

後ろの方をむくとそこにはいつも引っ付き虫のようにエレンの近くにいる女がいた

 

ジン「....誰だお前?....離せよ」

 

ミカサ「貴方....さっきエレンを馬鹿にしてたでしょ」

 

ジン「はぁ?お前の耳はおかしいのか?俺は別にあいつを馬鹿にしてねぇよ」

 

ミカサ「....私の耳がおかしくなければ、明らかに馬鹿にしていた」

 

ジン「.......チッ」(小声)

 

アニ「....アンタ....コイツの話を聞いてなかったのかい?」

 

ミカサ「....貴方には聞いていない」

 

アニ「....ジンは...あの死に急ぎ野郎の方にだけ....何らかの機材のトラブルがあったって言ってただろ」

 

ミカサ「......」

 

ジン「......コイツの言う通りだ、あれは機材のトラブルが原因だ」

 

ミカサ「.....ごめんなさい、私が冷静じゃなかった」

 

ジン「......俺も済まなかったな。少々喧嘩腰になったな」

 

ミカサ「....貴方、名前は?」

 

ジン「.....ジン・ラドナーだ。お前は?」

 

ミカサ「ミカサ・アッカーマン。よろしく」

 

ジン「......よろしく」

 

トコトコ

 

ジン「アニ...その...ありがとうな」

 

アニ「.....気にしなくいい」(なんで...私はコイツの事を庇ったんだ?)

 

男子寮

全員が風呂に上がって、寝る前に談笑をしていた

そこでエレンはジャンなどに立体機動の姿勢制御のコツについて聞いていたが

全くアドバイスを出してもらえない。そこでミカサと同じようにいつもエレンと一緒にいる

アルミンという少年が「それならジンに聞いてみてたらどうだろう」とエレンにアドバイスをしたので

エレンは2段ベットで本を読んでいるジンに元へ聞きに行った

 

エレン「なあ!ジン」

 

ジン「.....」

 

エレン「おい!聞いてんのか!」

 

ジン「....うるせぇ...聞こえてる。何の用だ?」

 

エレン「立体機動の姿勢制御のコツとか…なにかそういうのはあるか?お前、今日の訓練ダントツで上手かったんだろ?」

 

ジン「....はぁ?そんなもん自分で考えろ」

 

エレン「そこをなんとか!頼む!」

 

ジンはエレンの必死なお願いをされてしまい

舌打ちをしてジンは読んでいた本を閉じてエレンに言った

 

ジン「.....チッ...前にいつもお前に引っ付いてる女の....ミカサにも言ったが、あれは機材のトラブルだ」

 

エレン「ミカサに?そんな話は聞いてないが。とにかく明日が最後なんだよ、何か意識する事は無いか?」

 

ジン「....何も考えずにやってみろ」

 

エレン「何も考えずに?」

 

ジン「そうすれば....出来ると思う」

 

エレン「なるほど.....ありがとうな」

キース「エレン・イェーガー。覚悟はいいか?」

 

大勢の訓練兵が見守る中

中央の姿勢制御装置に括り付けられたエレンは

キース教官を見すえていた

 

エレン「はい!」(やる!俺は絶対にやる!俺には素質がねぇかもしれねぇけど....根性だけは誰にも負けない!)

 

キース「始めろ!」

 

キース教官の合図でエレンが上に上げられる

 

エレン(理屈なんか知らん!根拠もない!でもオレにはこれしかねぇ!これが俺の武器だ!)

 

見ている訓練兵の中から驚嘆の声が聞こえる

 

エレン(何も考えるな.....頭の中を空っぽにしろ.....昨日ジンが言っていたように)

 

ジンが言っていた事を思い出しながらエレンは

数秒程バランスを保っていたが

また昨日と同じく上下が逆さまな状態になった

 

エレン「ま....まだ!俺は!」

 

キース「....降ろせ」

 

姿勢制御装置から降ろされたエレンは

ショックのあまりその場で動かなかった

 

エレン「俺は....」

 

ジン「........」

 

キース「.....ワグナー...イェーガーとベルトの交換をしろ」

 

トーマス「ハッ!」

 

トーマスは言われたと通りにエレンとベルトを交換して

もう一度やってみると、さっきまでの無様な時とは違い

エレンは上手く姿勢を保っていた

 

キース「装備の欠陥だ。貴様が使用していたベルトの金具が破損していた。ここが破損するなど聞いたことはないが、新たに整備項目に加える必要があるな」

 

エレン「で、では…適性判断は…」

 

キース「問題ない…修練に励め」

 

エレンはキース教官の合格を聞いて、宙に浮いたまま

両手を挙げて喜んでいた

 

アニ「.....アンタの読み通りだったね」

 

ジン「....ああ、そうだな」

 

対人格闘術の訓練

 

ジン(こんな訓練....真面目にやる方がバカだ。ん?アニもサボってるんだな)

 

ライナー「おい!ジン、アニ」

 

ジン「なんだ?.....」

 

アニ「........」

 

ライナー「教官の頭突きは嫌か?それにアニはそれ以上身長を縮めたくなかったら、二人共ここに来た時を思い出して真面目にやるんだな」

 

ジン/アニ「はぁ?何だその言い草は」

 

二人共ライナーの煽りが効いたのか

目で分かるほどに怒っていた

 

エレン(二人共すげぇ怒ってる。いつも怖い顔してると思ってたけど本当に怒った顔は比じゃねぇな)

 

ライナー「そら!始めるぞエレン」

 

エレン「え!?俺!?」

 

ジン「....おい....先にお前がやれよ」

 

アニ「はぁ....わかったよ」ファイティングポーズ状態

 

エレン「二人共やり方は知ってるよな?…行くぞ!」

 

刃物に見立てた木の剣を突き立てアニに突進する

アニはカーフキックの要領でエレンの足を蹴る

 

エレン「!!いっ!?んな…何だ…足を…蹴られたのか?」

 

アニ「はい....次はジンの番だよ」

 

ライナー「まだだ!アニ!短刀を取り上げるまでが訓練だ!」

 

エレン「おいアニ!これにはやり方があるんだって!もがっ!!」

 

左手で顎を抑え、右手でエレンの右手を引っ張る

そのまま両足をすくいあげる形でエレンを空中で一回転させた

 

ジン「.......おい....アニ。やり過ぎだ俺の番がねぇぞ」

 

アニ「...それは悪かったね、じゃあジンが私を襲ってきてよ」

 

ジン「....手加減は出来ないぞ」シュッ

 

ジンは短刀を右手で持って、目にもとまらぬ速さでアニに迫った

 

アニ「!!速い!」

 

流石のアニも猛スピードで迫ってくるジンに対してエレンを相手にしていた時とは違い

余裕が無く、防戦一方な状態であった

アニもすかさずカウンターを入れようとするがジンにはいとも簡単に交わされてしまい

結局ジンに負けてしまう

 

ジン「終わりだな....アニ」

 

アニ「まだだよ....アンタから短刀を私は取り上げていない」

 

次はアニの方から仕掛けていった

だがジンはアニと話せるぐらい

余裕があった

 

ジン「お前....負けず嫌いなんだな」

 

アニ「.....アンタこそ....私とやる時は凄く生き生きとしてるね」

 

ジン「....なんでだろうな.....俺にも分からん」

 

アニは得意の足蹴りをお見舞いしようとしたら

ジンはそれを避けて一瞬でアニの懐に入って

そのまま喉元に短刀を突きつけた

 

ジン「.....今度こそ....俺の勝ちだなアニ」

 

アニ「....まいたったよ....私の負け」

 

エレン「すげぇ、ジンの奴あのアニを倒したぞ!!」

 

エレンはあの強いアニを倒したジンに対して

尊敬の念とも取れるまなざしをむけていた

ジンとアニはというと勝負がついても話をしていた

 

ジン「アニ....一つ聞かせてくれ、なんで俺なんかに....構うんだ?」

 

アニ「....何でだろうね....正直に言うと...自分でも分からないんだよね」

 

ジン「ふっ.....お前らが初めてだ.....こんな悪魔みたいな俺と仲良くしてくれるのは」

 

アニ「.....ジン」

 

ジン達訓練兵団はその後も様々な訓練をして

自分の経験にしていった

 

アニ・レオンハート

斬撃の精度は非の打ち所がないが

連帯性が難があり孤立気味

ただしジン・ラドナーと組む時は連帯性が多少改善される

 

ベルトルト・フーバー

潜在能力は極めて高いが

積極性に欠ける

 

ジャン・キルシュタイン

立体機動の腕は兵団の中でトップクラス

だが抜き身過ぎる性格が軋轢を生みやすい

 

ライナー・ブラウン

屈強な体と精神力を併せ持ち

仲間からの信頼も厚い

 

サシャ・ブラウス

型破りな勘の良さがあるが

その勘が故に組織行動には向かない

 

コニー・スプリンガー

小回りの利く軌道が得意

しかし頭の回転がやや鈍い所がある

 

アルミン・アルレルト

体力面では他の兵士に劣るものの

座学で非凡な発想を見せる

 

ミカサ・アッカーマン

あらゆる科目を完全にこなす

歴代でも類のない逸材だという評価は妥当

 

エレン・イェーガー

目立った特技は見られないが

他ならぬ努力で成績を伸ばした

また人一倍強い目的意識を持つ

 

そして、立体機動・格闘術・剣術でミカサ・アッカーマンを凌ぐ逸材がいる

 

ジン・ラドナー

対人格闘術と剣術が得意で

特に立体機動術はミカサ・アッカーマンを凌ぐ実力である

また地頭も良く洞察力も高い

しかしアニ・レオンハートと同じく連帯性に難がある

104期生訓練生が訓練兵になってあれから

3年に月日が経過した

彼らは今日、訓練兵団を卒業しようとしていた

 

教官「心臓を捧げよ!」

 

訓練兵「ハッ!」

 

教官「本日をもって『訓練兵』を卒業する諸君らには3つの選択肢がある。壁の強化に務め各町を守る(駐屯兵団)。犠牲を覚悟して壁外の巨人領域に挑む(調査兵団)。そして王の下で民を統制・秩序を守る(憲兵団)。無論、憲兵団を希望できるのは先程発表した成績上位10名だけだ!」

 

首席 ジン・ラドナー

 

2席 ミカサ・アッカーマン

 

3席 ライナー・ブラウン

 

4席 ベルトルト・フーバー

 

5席 アニ・レオンハート

 

6席 エレン・イェーガー

 

7席 ジャン・キルシュタイン

 

8席 コニー・スプリンガー

 

9席 サシャ・ブラウス   

 

10席 クリスタ・レンズ

 

エレン(やっとここまで来た。今度は俺達が巨人を食いつくしてやる!)

 

コニー「ハァ!?お前...調査兵団に入るのか!?」

 

マルコ「どうしてだい?成績が首席のジンが?」

 

ジン「.....お前ら....3年前の通過儀礼を忘れたのか?。俺は調査兵団に入って、外の世界に行ってみたいだよ。駐屯兵団にも憲兵団にも.....俺は興味はないからな」

 

コニー「.....そうかよ、まあ俺は憲兵団に入る気だからな。まあ精々死なずに頑張れよ」トコトコ

 

マルコ「じゃあ...僕も行くよじゃあね」

 

ジン「.......」(憲兵団になった所で何が楽しいんだ!)

 

アニ「.....ジンは本当に憲兵団に入らないのかい?折角首席なのに」

 

ジン「....アニ....ああ、入る気は更々無いな」

「入った所でどうせ迫害されるからな」(小声)アニは聞こえてる

 

アニ「ジン....そんなに自分を卑屈しないでよ」

 

ジン「....なんだ?心配してくれてるのか?お前らしくないなアニ」

 

アニ「ッ!///べ、別に心配なんかしていないよ!ただジンが余りにも卑屈すぎるからだよ」

 

ジン「ふっ.....そうか...ありがとうなこんな俺と仲良くしてくれて、まあ...お前も憲兵団で頑張れよ。」トコトコ

 

アニ「.....」(私どうしたんだ、ジンの事が心配で気になってしょうがない。...もしかして私)

to be continued....

 



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初陣

お待たせいたしました。「地下街出身の104期生最強」の
第二話が出来ましたので、是非読んでみてください。
因みにですが、原作死亡キャラの者を2、3人ぐらい救済する予定です。


 

850年 

再び姿を現した超大型巨人によってトロスト区が破られ、超大型巨人出現時の作戦が開始された

現在、戦闘経験豊富な調査兵団が壁外調査に行っているため駐屯兵団のみによって壁の修復と迎撃の準備が進行していたそのため本部に招集された訓練兵達は、卒業してすぐに現場に駆り出されていた

 

キッツ「それでは訓練通りに補給支援・情報伝達・巨人の掃討等を駐屯兵団の指揮の下行ってもらう。前衛部を駐屯兵団の迎撃班、中衛を支援班が率いる訓練兵団、後衛を駐屯兵団の精鋭班が受け持つ。また伝令によると先遣班は既に全滅したとの事だ!、現在は前衛で迎撃中だ!本防衛作戦の目的は一つ住民の避難が完了するまでウォール・ローゼを死守することである!なお敵前逃亡は死罪に値する!皆心して命を捧げよ解散」

 

訓練兵「ハッ!」

 

訓練兵達は巨人への恐怖で

怯えている者がほとんどであった

 

ジン「......俺はどこの班だ?」キョロキョロ

 

ジンは自分の名前が何処の班にも

書かれていないので何処の班か考察をしていた

 

ジン(恐らく俺は中衛か後衛のどちらかだろうな。エレンやアニは恐らく中衛の方にいるだろうな、巨人がうようよいる場所だろうが、あいつらなら大丈夫だろうな。)

 

アニ「.....ジン」

 

エレン「ジン!」

 

ジン「.....エレンとアニか...どうした?珍しい組み合わせだな」

 

エレン「お前、何処の班だったんだ?」

 

ジン「....知らねぇよ。何処にも俺の名前が...書かれていないからな」

 

アニ「.....アンタは何処の班に入ると思う?....アンタお得意の考察を聞かせてくれる?」

 

ジン「.....そうだな俺は恐らく中衛か後衛のどちらかだと思う。特に俺とミカサは後衛の可能性が極めて高いと思うな。」

 

エレン「ジンは分かるとして、なんでミカサもなんだ?」

 

アニ「.....私達104期生の中では...特に精鋭のジンとミカサは是非とも駐屯兵団は助力に来てほしいだろうね」

 

ジン「....お前らも...充分精鋭だぞ....エレン、アニ」

 

アニ「...アンタ程じゃないさ」

 

エレン「いや、お前の方がすげぇよ!」

 

ミカサ「やっと見つけた。エレン!」

 

エレン「ん?なんだよミカサ」

 

ミカサ「貴方は戦況が混乱したら....私の所に来て」

 

エレン「はぁ!?お前何言ってんだ!俺とお前は別々の班だろ!」

 

ミカサ「混乱化した状況下では筋書き通りにはいかない。私があなたを守る」

 

イアン「ラドナー訓練兵、アッカーマン訓練兵」

 

ジン「ん?」

 

イアン「お前たちは特別に後衛部隊だ」

 

ジン「......」(やっぱりな)

 

アニ(......流石だねジン)

 

ミカサ「.....私の腕では足手纏いになります!」

 

イアン「お前の判断を聞いているのではない。避難が遅れている今は住民の近くに多くの精鋭が必要だ」

 

ミカサ「し...しかし!」

 

ジン「ミカサ....お前の考えていることは分かる。エレンが心配なんだろ?」

 

ミカサ「......」

 

ジン「.....コイツなら大丈夫だ、エレンを信じろ」

「俺も一緒に手伝ってやる」小声

 

ミカサ「!....分かった」

 

イアン「ラドナー訓練兵、アッカーマン訓練兵早く来い!」

 

ジン「ミカサ....先に行ってろ」

 

ミカサ「....うん....」トコトコ

 

エレン「じゃあなジン、アニお前たち死ぬなよ!」トコトコ

 

ジン「....人の事と言えるのかよあいつ」トコトコ

 

アニ「....ジン」ギュッ(手を握る)

 

ジン「?...どうした?アニ」

 

アニ「.....絶対に死なないで....」

 

ジン「....俺は絶対に死なない。必ず皆の所に戻ってくる」シュッ

トコトコ

 

アニ(.....私はアンタと...)

 

(エレン達34班の所はカットです)

 

後衛

 

住民「お…おい…!!あんた達…今がどんな状況か分かってんのか!?」

 

リーブス「分かってるからこうなってんだよ!!てめぇらこそ壁を出たかったら手伝え!!」

 

住民が破壊されたトロスト区から唯一逃げる方法である壁の扉がリーブス商会の積荷の荷台によって塞がれている

その会長であるリーブスは強い口調で住民達に指示をする

 

住民「ふざけんじゃねぇよ!!それ以上押し込んでもその荷物は通れねぇよ!」

 

住民「この荷台邪魔だ!人を通すのが先だろ!」

 

住民「何やってんだ兵士!そいつらを取り押さえろ!!」

 

そこに住民と商会の人間だけが居たのならよかったが

駐屯兵も紛れ込んでいたため、自然とヘイトは兵士へと向く

 

駐屯兵「し…しかし…」

 

リーブス「やってみろ下っ端!オレはここの商会のボスだぞ!お前ら兵士がクソに変えたメシは誰の金で賄われた!?お前がこの街の兵士を食わす金を用意できるのか?」

 

リーブスの言葉に圧倒された駐屯兵はしり込みするだけで何もしない

 

リーブス「…いいから押せ!!この積み荷はお前らのチンケな人生じゃ一生かかっても稼げねぇ代物だ!協力すれば礼はする!!」

 

リーブスの言葉を聞いた住民達は一斉に積み荷を押す

 

母「大丈夫だよ。お父さんが大砲で巨人をやっつけてるから…」

 

子「お母さん…アレ…」

 

子供が指をさした方角に住民が顔を向けると

奇行種が門の所まで走ってきた

パニックの原因となっている奇行種を殺すべく

駐屯兵の精鋭が立体機動で追っていたが

 

駐屯兵「くそ!なぜ俺達を無視するんだ!」

 

駐屯兵「奇行種だ!考えても無駄だ!」

 

駐屯兵「は..速い!精鋭の私達が追い付けないなんて⁉」

 

駐屯兵「....このままじゃ!」

 

精鋭部隊である駐屯兵でもあの奇行種には

とても追い付けないでいた時に

そんな情けない駐屯兵を無視して

先に奇行種を倒した奴がいたそれが、ジンとミカサだ

 

ジン「チッ!....情けないな。ミカサ俺達でやるぞ」

 

ミカサ「....了解、私が足を狙う貴方はうなじを狙って」

 

ジン「分かった」

 

まずミカサが両足を切り落とし、倒れた奇行種のうなじをジンが華麗な斬撃で真上から削ぎ落とした

 

ミカサ「流石ねジン」

 

ジン「....ミカサが....上手く足を切ってくれたらだ。ん?アレ見てみろ」

 

ミカサ「ん?あれが住民の避難が出来ていない原因なのね」

 

ジン「......」トコトコ

 

ミカサ「ジン?」

 

ジンは何か思う所があったのか

住民の所まで行き、リーブスの前に出た

 

ジン「何してんだ....お前...これを今すぐどけろ。こんな物があるから住民の避難が完了しねぇんだよ」

 

リーブス「へ...兵士の分際でなんだその言い草は!だいたい住民の命や財産を守るために心臓を捧げるのがお前らの務めだろうが!!タダメシ食らいが100年ぶりに役立ったからっていい気になるな!!」

 

ジン「...お前は...人が人の為に死ぬのが当然と言いたいのか?」

 

リーブス「あぁ....そうだ!」

 

リーブスのこの返しにジンは激しい怒りを露わにして

脇に差していたアンカーを手に取り、取り付いている刃をそのままリーブスの喉元に向けた

 

リーブス「………!!やってみろ!!俺はこの街のボスだぞ!?お前の雇い主とも長い付き合いだ!下っ端の進退なんざ…冗談で決めるぞ!?」

 

ジン「そうか....じゃあ今ここで...お前を殺そうか?」(強い殺気)

 

リーブス「!!ひっ!」

 

ジン「....人が人の為に死ぬのは当然なんだろ?じゃあ....今ここでお前はこの人達の為に死ね」シャキーン

 

リーブス「ひっ!や...やめてくれ」

 

イアン「まずい....ラドナー!やめろ!」

 

ミカサ「ジン!....止めて!」

 

ジン「.....死ぬのが嫌なら....今すぐこのゴミをどけろ」(圧)

 

社員「会長....」

 

リーブス「に...荷台を引け.....」

 

ジンの強烈な殺気に負けたリーブスは

大人しく荷台をどけ、住民は避難をしていった

 

女の子「おにいちゃん、おねぇちゃん、ありがとう!!」

 

ジン/ミカサ「........」

 

母親「おかげで皆助かりました。感謝します」

 

その言葉を聞いたミカサは刃を腰にしまい、敬礼をする

それにつられて、笑顔で少女は敬礼を返した

ジンは、そんな二人の行動を見守っていた。

やり取りを終えて帰ってきたミカサと一緒に2人は屋根の上に立体機動で登る

 

イアン「よく仕留めたな二人共」

 

ミカサ「ありがとうございます…しかし、焦って1回の攻撃で…刃をなまくらにしてしまいました。次は注意します…」

 

ジン「.....駐屯兵団の精鋭はこんなものなのか?....俺らみたいな新兵に抜かれるようじゃ....ただのお荷物だハッキリ言って邪魔です」

 

イアン「…そうだな。訓練を見直さなければならない」(この二人は間違いなく逸材だ!。この二人さえいれば....だが.....この落ち着きは何だ?ラドナーもさっきは物凄い殺気だった、あのまま止めていなかったら殺していたかもしれない。一体....この二人はどんな経験をしてきたんだ?)

 

その後もジン達は次々と巨人たちを殺していった

住民の避難が完了して撤退の鐘がなるまで

 

カン カン カン

 

イアン「よし!撤退だ!ガスを補給して壁を登るぞ!

 

ジン「....前衛の様子を....見てきます」

 

イアン「おい!ラドナー!」

 

ミカサ「....私もジンと一緒に見てきます!」

 

イアン「アッカーマンまで!?おい!戻ってこい!」

 

ジンとミカサはイアンの撤退命令を無視する形で

エレン達がいるであろう前衛の方に向かった

 

ミカサ「!見て!あそこにジャン達がいる…!でもエレンの班がどこにもいない!?」

 

ジン「…そうだな...とにかく行ってみるか」

 

ジンとミカサは住宅街の屋根の所にジャン達を見つけたが

どこを探してもエレンの姿は見当たらなかった

 

ジャン達の少し後方

 

ライナー、ベルトルト、アニ、マルコは4人で固まっていた

 

アニ「ライナー…どうする?」(ジンは大丈夫かしら)

 

ライナー「まだだ……やるなら集まってからだ」

 

マルコ「だめだよ。どう考えても…僕らはこの街から出られずに全滅だ。死を覚悟してなかったわけじゃない…でも…一体何のために死ぬんだ…」

 

アニ・ライナー・ベルトルト以外の兵士は全員、絶望モードになっていると

幸か不幸か104期生の中でも最強のジンとミカサが到着した

 

モブ「ミカサ!ジン!」

 

モブ「お前ら後衛のハズじゃ…!?」

 

ミカサ「アニ!」

 

アニ「!」

 

ミカサ「なんとなく状況は分かってる....その上で私情を挟んで申し訳ないけど…エレンの班を見なかった…?」

 

アニ「私は見てないけど壁を登れた班も…」

 

ライナー「そういや、あっちに同じ班のアルミンが居たぞ」

 

ミカサ「ありがとう!」トコトコ

 

ミカサはアルミンがいるであろうの方角へと走っていった

 

ジン「....アニ....ライナー無事だったか」

 

ライナー「お前こそよく無事だったな....」

 

ジン「...まあ...ミカサもいたしな....それよりもこの絶望モードは何となく察しが付くな」

 

アニ「....ああ、補給班がいる場所が巨人に.....占拠されているから、皆補給が出来ないんだ」

 

ジン「......なるほどな」

 

アルミン「僕達…訓練兵……34班…」

 

今まで無言であったアルミンから信じられない様な

報告を104期生は聞かされた

 

アルミン「トーマス-ワグナー、ナック-ティアス、ミリウス-ゼルムスキー、ミーナ-カロライナ、エレン-イェーガー。以上5名は自身の使命を全うし…!壮絶な戦死を遂げました……!」

 

それはエレンを含む訓練兵34班の戦死だった

 

アルミン「ごめんミカサ……エレンは、僕の身代わりに…僕は…何も……できなかった…すまない…」

 

ミカサ「.......アルミン、今は感傷的になってる場合じゃない」

 

しかし、エレンの戦死を聞かされたミカサは涙を流すわけでもなく兵士として、至極当然のことを言ってのけた

 

ミカサ「マルコ、本部に群がる巨人を排除すればガスの補給ができてみんなは壁が登れる。違わない?」

 

マルコ「あ…あぁ…そうだ…」

 

マルコは自分に振られると思っていなかったのか、少し詰まって話し始めた

 

マルコ「し、しかし…いくらお前がいても…あれだけの数は…」

 

ミカサ「できる」

 

マルコ「え………!?」

 

ミカサは刃をゆっくりと天に掲げ、口を開く

 

ミカサ「私は…強い…あなた達より強い…すごく強い!…ので私は…あそこの巨人共を蹴散らすことができる…例えば…1人でも」

 

ミカサの鼓舞は続く

 

ミカサ「…あなた達は…腕が立たないばかりか…臆病で腰抜けだ…とても残念だ。ここで、指をくわえたりしてればいい…くわえて見てろ…」

 

モブ「ちょっとミカサ!いきなり何言い出すの!?」

 

モブ「あの数の巨人を1人で相手にする気か?そんなことできる訳が…」

 

ミカサ「…できなければ死ぬだけ…でも…勝てば生きる」

 

ジン「....よせ!ミカサ、お前....死ぬ気か?」

 

ミカサ「....どいて...ジン」

 

ジン「.....自分一人で行こうとしても....それはただ死に急いでるだけだ。おいお前ら!このバカだけで行かせようっていうつもりじゃないよな?もしそんな奴がいるなら出てこい.....今ここで俺が殺す」(殺気)

 

ジンは一人で突っ込もうとしていたミカサを止めて

他の104期生に向かってほぼ脅しに近い鼓舞をした

その後、ミカサとジンは補給班が居る所まで、飛んで行った

 

ジン「今...動かなければ死ぬだけだ」ピューン

 

ミカサの鼓舞に続いてジンの鼓舞を聞いた

104期生は奮い立って補給班がいる場所へ

向かおうとする

 

ジャン「…この野郎、そんなこと言われて…動かない訳にはいかねぇだろ…」

 

ジャンは1人小さく呟く

 

ジャン「…オイ!!オレ達は仲間に2人で戦わせろと学んだか!?お前ら本当に腰抜けになっちまうぞ!!」

 

そう言ってジャンは屋根を走って2人の後に続く

そのジャンに続いて今度はアルミン、コニー、サシャが飛んでいった

 

ライナー「そいつは心外だな…」

 

アニ「.....ジン....無茶して」

 

ベルトルト「…………」

 

マルコ「…はぁーー」

ジンとミカサが場を離れてから10秒後、元いた場所から新兵達の声が響き渡るのが聞こえた

 

ジンはミカサが残り少ないガスを必要以上に吹かしているのを見て

明らかに冷静じゃないことを見抜いていた

 

ジン(ミカサの奴.....明らかに冷静じゃないな....!!まずい」

 

それを考えている時に遂に最悪の事態が起きた

ミカサがガス切れを起こしたのだ

 

アルミン「ミカサ!」

 

ジン「チッ!....アルミン!コニー!お前たちがミカサ達の所に行け!」

 

アルミン「わ、分かった!」

 

コニー「任せとけ!後で合流しよう」

 

ジン「他の奴らは、ジャンの指揮に従って本部に行け!」

 

アニ「ジン!アンタはどうするんだい?」

 

ジン「....俺は....出来る限り巨人どもを殺してから向かう」シューウ

 

アニ「....ジン!」

 

ライナー「アニ!落ち着け!ジンを信じるんだ、あいつはそう簡単には死なない!」

 

ジャン「そうだぞアニ!ジンが巨人たちを惹き付けてくれている....今がチャンスなんだ!…どのみちガスが無くなれば終わりだ!!全員で突っ込め!!」

 

ジン「.....さて....巨人たちを殺してから向かうっていたからな.....少々本気を出そうか(狂気)」(眼帯を外す)(9体の巨人がジンに向かってくる)

 

ジンはジャンに仲間達を任せて、自分一人で出来る限り巨人を

自分に集中するようにした

その間に104期生はジャンの指揮の下補給班がいる本部に残り少ないガスで向かった

巨人がジャン達を食べようと手を四方八方から伸ばしてくる

それを避けながらジャン達は補給所を目指す。所々で悲鳴が聞こえるがそれが聞こえないフリをして進んでいく

 

ジャン「くそ!うぉぉぉぉぉぉ!!」

 

補給所の窓ガラスを割って、ジャンを初めとしたマルコ、サシャ、アニ、ライナー、ベルトルト、クリスタ、ユミルらが辿り着くことに成功した

その後に続いて少しの新兵達が補給所へと辿り着く

 

ジャン「何人…たどり着いた…?仲間の死を利用して…オレの合図で何人…死んだ?」

 

自分の頭に手を当てて、悔恨の念に悔やまれていると視界の端にテーブルの下で蹲っている新兵達を見つける。1人は泣いており、1人は目の焦点が合っていない

 

ジャン「お…お前ら…補給の班……だよな!?」

 

補給班「………あぁ…」

 

その言葉を聞いて耐えられなくなったのか、勢いよく胸倉を掴みあげ、補給兵を殴り飛ばす

 

マルコ「よせ!!ジャン!!」

 

ジャン「こいつらだ!!オレ達を見捨てやがったのは!!てめぇらのせいで余計に人が死んでんだぞ!!」

 

マルコがジャンを羽交い締めにして抑え宥める

しかしそんなことではジャンの怒りは収まらず、不甲斐ない補給兵に怒鳴る

 

補給班「補給所に巨人が入って来たの!!どうしようもなかったの!!」

 

ジャン「それを何とかするのがお前らの仕事だろうが!!」

 

ジャンが補給兵を怒鳴り続けるその後ろで

アニはずっと窓の外を眺めていた、何やら珍しく動揺している状態だったのを

ベルトルト達が声をかける

 

ベルトルト「…アニ、どうしたの?」

 

アニ「....まだ...ジンが来ていない....大丈夫かアイツ」(心配)

 

アニは本部に辿り着く頃から

ジンの事が心配でしょうがない様子だった

 

ベルトルト「....アニ」

 

ライナー「大丈夫だアニ.....あのジンだぞ!?....アイツはミカサより強い奴だ。そう簡単に死ぬような奴じゃないだろ?」

 

アニのこの以外な一言で場が静かになり、ベルトルトとライナーが励ます

 

アニ「別に...アイツが死んだなんて信じてないよ....」(それに例え結ばれなくても、まだアイツに想いを伝えてないし)

 

ライナー「....えらく信じてるなアニ」

 

アニ「聞いてんじゃないよ....アンタには関係ない」

 

ライナー「俺には冷たいな...アニは。ッツ!?伏せろ!!」

 

ライナーが急に叫び、伏せろと指示をする

その瞬間、巨人の頭が皆がいた部屋の壁を突き破り姿を現す

 

ジャン(しまった!?人が集まり過ぎたんだ)

 

モブ「きゃぁぁぁ!!」

 

モブ「早く!!中に…!」

 

モブ「よせ!!一斉には出られない!!」

 

モブ「ジンはどこ行ったんだ!!」

 

モブ「とっくにガス切らして食われてるよ!!ミカサも一緒に食われたよ!!」

 

ジャン(普通だ.....これが現実ってもんだろ。オレは夢か幻でも見ようとしてたのか?オレは知ってハズだ現実っつてヤツを。考えれば分かる事だこんなでけぇ奴には勝てねぇことぐらい)

 

ジン「おい!人を勝手に殺すな!」シャキーン

 

謎の巨人「ウォォォォ!」ドゴン!

 

ジンは勝手に死んだ事にしている仲間達に

向かって罵倒しつつ1体の巨人を一瞬で殺して

素早く眼帯を左目に着けて目を隠した

そしてもう1体は謎の巨人が殴った。

 

ライナー「ジン!生きてたんだな!?」

 

ジン「おい金髪ゴリラ、だから勝手に人を殺すな!

チッ!汚ねぇし、うるせぇな」

 

体全体が巨人の返り血で覆われており、またブレードも予備が無い状態だった

 

アニ「....ジン...良かった」(半泣き状態)

 

ジン「....いつもの仏頂面はどうした?アニ」

 

アニ「う..うるさい!バカ///」

 

ジン「....ふっ...いつものアニに戻ったな」

 

アニ「////」

 

ジン「....あともう少ししたら...ミカサ達も来るぞ....」

 

ジンがそう言おうとすると、丁度ミカサとコニーとアルミンが入ってきた

またおまけのように謎の15m級の巨人を一緒に連れてきて

 

ジン「....来たか」

 

ジャン「....ミカサ!」

 

コニー「危ねぇ…もう空だ……やったぞ、ギリギリ着いた!」

 

コンコン、とガス管を叩きながらコニーは話す

 

ジャン「お前.....生きてるじゃねぇか!!」

 

コニー「やったぞアルミン!!お前の作戦は成功だ!!」

 

アルミン「痛い!!痛い!!」

 

コニー「みんな!!あの巨人は巨人を殺しまくる奇行種だ!!しかもオレ達には興味を示さねぇ!!アイツを上手いこと利用できれば、オレ達はここから脱出できる!!」

 

ジャン「巨人に助けてもらうだと…?そんな夢みてぇな話が…」

 

ミカサ「夢じゃない!!奇行種でも何でも構わない。ここであの巨人により長く暴れてもらう…それが現実的に私達が生き残るための最善策」

 

ジン「......なるほどな....確かにその方が良いかもな」

 

アルミン「皆!僕に補給室を占拠してる巨人を倒せる策があるんだ!」

 

謎の15m級の巨人が外で暴れているのだろう

強い地響きがリフトを伝って聞こえてくる

 

コニー「だ、大丈夫だ…あの巨人は並の巨人より強い。あいつが派手に暴れている内は…この建物も潰されないはずだ」

 

ライナー「お前ら、あの巨人についてどこまで知ってるんだ?」

 

コニー「?……助かってからでいいだろ。そんなこと」

 

ライナー「…そうだな…まずは助かってからだ…」

 

ジャン「あったぞ!憲兵団管轄の品だ。埃をかぶっていやがるが…」

 

リフトを降りた下の部屋でライナー達と話していると、ジャン達がライフルを持ってやってくる

 

ジャン「弾は本当に散弾でいいのか…?そもそもこの鉄砲は……巨人相手に役に立つのか…?」

 

アルミン「無いよりはずっとマシだと思う…補給室を占拠している3~4m級が7体のままなら、この程度の火力でも同時に視覚を奪うことは不可能じゃない」

 

皆は鉄砲に弾を詰めながらアルミンはこれからの作戦を説明する

 

アルミン「まず…リフトを使って中央の天井から大勢の人間を投下、そして7体の巨人それぞれの顔に向けて同時に発砲…視覚を奪う。そして....次の瞬間にすべてが決まる!天井に隠れていた7人が発砲のタイミングに合わせて巨人の急所に斬りかかる…つまり、この作戦では1回のみの攻撃にすべてを…全員の命を懸けることになる。7人が7体の巨人を一撃で同時に仕留めるための作戦なんだ。」

 

ジン「でっ…その7人は誰だ?」

 

アルミン「運動能力的に最も成功率が高そうな7人にやってもらおうと思う。ジン、ミカサ、ライナー、ベルトルト、アニ、コニー、サシャ。全員の命を背負わせてしまって……その…ごめん」

 

ライナー「問題ないね」

 

ジン「.....誰がやっても失敗すれば全員死ぬ。リスクは同じだ…」

 

アルミン「…発砲の合図はマルコ、君に任せたいと思う」

 

マルコ「任せてくれアルミン」

 

モブ「リフトの用意ができたぞ!!鉄砲もだ!すべて装填した!」

 

リフトの整備をしてくれていた兵士が全員に声をかける

それを聞いた新兵達はそれぞれの位置に着く

7人は下に降りていき、他の兵士達はリフトに乗って銃を確認する

 

コニー「けどよ…立体機動装置も無しで巨人を仕留めきれるか?」

 

サシャ「私も、まだ不安で」

 

ライナー「いけるさ!相手は3~4m級だ。的となる急所は狙いやすい」

 

アニ「....うなじを狙えば良いだけだよ....天井から降りていくんだからね」

 

ジン「....お前ら....失敗は許されないぞ」

 

6人「ああ!」

 

7人はそれぞれ天井の裏に隠れ、息を潜める

出ていくのは発砲の合図が出た時

 

マルコ「用意.....撃てぇぇぇぇ!!!」

 

7人(この一撃に決める!!)

 

マルコの声と同時に銃を一斉に発砲する

それが鳴ったと同時に7人は勢いよく天井から飛び降り、うなじを削ぎ落とした

 

ジン(....俺は捉えた....皆は!?)

 

ベルトルト「サシャとコニーだ!?」

 

ジャン「急げ!援護!」

 

サシャ「あ…あの…う…後ろから…突然…た…大変失礼いたしました…」

 

コニー「ヤ...ヤバい」

 

アルミン「早く逃げるんだ!!サシャ!!コニー!!」

 

ジン「......俺の仲間に...手出すな」ザシュ

 

アニ「ふん!」ザシュ

 

ジンは勢いよく走って飛び上がり、巨人のうなじをえぐり取った

反対のコニーを見るとアニが既に殺していた

 

サシャ「ジィィン!助かりました!!」

 

ジン「....大丈夫か?」

 

サシャ「おかげさまで!!、ありがとうございます!!」」

 

巨人7体を無事倒し、補給室に巨人は一体もいなくなる

 

ジャン「補給室内の巨人は全滅だ!補給作業に移行してくれ!」

 

モブ「やった!!」

 

全員が補給し終わり壁を登るために補給所から出ていく

幸いにも巨人は15m級の巨人に集中しているため、襲ってはこない

そこで俺は信じられないものを見た

 

ジン「......」

 

アニ「.....ジン....どうしたの?」

 

ミカサ「ジン?」

 

ジン「....見てみろ」

 

アルミン「うッ!!共食い⁉」

 

ミカサ「何とかしてあの巨人の謎を解明できないかしら.....」

 

ライナー「あのまま食い尽くされちゃ何もわからず終いだ!あの巨人にこびりついてる奴らをオレ達で排除して…とりあえずは延命させよう!」

 

ジャン「正気かライナー!!やっと…この窮地から脱出できるんだぞ!?」

 

アニ「たとえばあの巨人が味方になる可能性があるとしたら、どう…?何よりも強力な武器になると思わない?」

 

ジャン「み...味方だと!?本気で言ってんのか!?」

 

ジン「.....」 

 

アルミン「あ…あいつは!?…トーマスを食った奇行種…!?」

 

アルミンの視線の先にはトーマスを食った奇行種がいた

それを発見したのか、15m級巨人は両腕が食べられている状態でその巨人に向かって走っていく。かぶりついていた巨人達を薙ぎ払って、奇行種のうなじに噛み付いた。そのまま更に力を込めて、首をへし折った後薙ぎ払った巨人に叩きつけて巨人を殺す。もう一体寄ってくる巨人も咥えた奇行種を武器にして壁に叩きつけた。瞬く間に自身に群がっていた巨人達を全滅させてしまった

 

ジャン「....おい....何を助けるって?」

 

しかしもう15m級巨人も限界だったのだろう

膝をついて、うつ伏せに倒れて蒸気を体中から発した

 

ジャン「さすがに…力尽きたみてぇだな。もういいだろ…?ずらかるぞ!あんな化け物が味方なわけねぇ。巨人は巨人なんだ」

 

ジャンは1人その場から飛んでいこうとするが、一向に動かない一同を見て自身も止まる

 

ジャン「………?オイ…一体何を見て…?」

 

全員が巨人のうなじに人型の何かがいるのを見つける。その中から出てきたのは死んだはずのエレンだった、それからのミカサの行動早く、エレンを速やかに巨人から引き離し屋上に持ってきた後、人目を気にせずにえんえんと号泣した。隣でアルミンも静かに泣いていた

 

ジャン「こ...これをエレンがやったって事か?」

 

ミカサ達がエレンを連れて壁を登って行った時に

ジンはアニだけを呼んでいた

 

ジン「.....なあ....アニ」

 

アニ「....なんだい?ジン」

 

ジン「.....この眼帯の件なんだが....お前にだけ見せようと思う」

 

アニ「....無理してない?....ジン?」

 

ジン「....いや...無理はしてない....お前にだけは見せておこうっと思ってな」眼帯を外す

 

アニ「!?....その目!?」

 

ジンは104期生の中でも信頼のできるアニに眼帯を外して

隠していた左目を見せた。

 

ジン「....ああ...左目の目の色が赤いんだ。左右の目の色が違うから....人から悪魔だ化け物だ怪物だとガキの頃から俺は言われてきたんだ。それにこの超人的な身体能力とこの目の人間離れした視力だ.....言われても可笑しくない....

はは、もしかしたら俺は.....本当に悪魔なのかもな....」

 

アニ「......んで.....」

 

ジン「?」

 

アニ「なんでそれだけの理由で....ジンが苦しまなきゃダメなんだ!」

(半泣き状態)

 

ジン「!?.....アニ」

 

アニ「ジンは悪魔じゃないよ....そんなことを言った奴らこそ悪魔なんだ!。許せないよ....」

 

ジン「....アニ.....」ギュッ(ハグ)

 

アニ「え?、ッツ!?/////....じ...ジン?////」

 

ジン「....ありがとうな...アニ。お前が初めてだ.....この目を見て気味悪がらない奴は。ここでなら俺は....変われるのかもな」

 

ジンはこのアニの発言がよっぽど嬉しいかったのか

誰もいない所で熱いハグをした

 

ジン「....決めた」

 

アニ「な...何を////」

 

ジン「...俺はアニと二人の時は...出来るだけ眼帯を外しておく。」

 

アニ「.....私にだけ?」

 

ジン「...あぁ」

 

アニ「ありがとう....それとジン」

 

ジン「ん?」

 

アニ「そろそろ離れてくれないかい?.....は.....恥ずかしい...よ///」

 

ジン「あ!!/////.....ご...ごめん」

 

アニ「い...良いよ」(むしろ幸せで嬉しかった)

 

ジン「....もう戻ろう....アニ」

 

アニ「.....そ...そうだね」(.....あぁ....私はもう○○に...なれない....かもしれない...貴方を...○○○○。それにジンに.....嫌われたくない)

to be continued....

 




今回はこの辺で終わりです
ついにジンはアニに自分の左目を見せました
その事により、二人の距離もどんどん親密になりました。
次回はトロスト区奪還作戦から入りたいと思います。
ではお楽しみにしててください。
ありがとうございました。


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