ただしこのキヴォトスはネットミームに汚染されてるものとする (流石兄者)
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設定
各話の登場人物&汚染ミーム紹介と本編では語られなかった設定まとめ(11話まで更新済み)



この小説は常に思いつきで書いているので、自分のためにも一度整理してみました。
よければ見ていってください。
・・・この設定を使って小説を書いてもよいのですよ?むしろ読みたいです。というか書き始めたきっかけが「こんな小説読みたいから自分で書こう」なので書いていただけると助かります。



 

鬼灯モカ 主人公

 TS転生ロリ。イブキと同じくらいの身長(126cm)でツルペッタンの紛れもないロリ。黒髪黒目でヘイローは二重丸。

 元々は20代くらいの男だったが、ロリボディに精神が引っ張られている(ワンアウト)、クッソ治安の悪いキヴォトスに転生した事による特大SAN値チェック失敗(ツーアウト)、様子がおかしい生徒達が引き起こす怪奇現象による度重なるSAN値チェック失敗(スリーアウトチェンジ)により幼児幼女退行気味

 最近正気度がガツンと減ったのはキヴォトスが地味にやばかったカンナ戦とめっちゃ怖かったユメ先輩戦

 その時にカッコよく助けてくれたユウカに惚れ、ロリコンユウカにもっと可愛がって貰えるようこっそりとオシャレを研究中

 主なSAN値回復手段が先生とユウカとの触れ合いの為、2人にかなり依存気味

 最近嬉しかったことはヒマリのオンライン授業にちょっとだけお邪魔し阿〇寛(上田教授)とお話出来た上に、サイン本を貰う約束を交わしたこと

戦闘能力

 神秘が豊富でコントロールも上手いが飛んでくる銃弾が怖い為、原作世界だったらそれなりに強いレベルで収まっていた。

 しかし謎能力が蔓延るこのキヴォトスでは弱き者になってしまっていて、割と気にしている

使用武器

 S&W M29 44マグナムと呼ばれているアレ

 コッキングやスコープの調整という銃の操作に「?????」となったモカちゃん。ダーティーハリーが「世界一強力な拳銃」と言っていたのを思い出し、強そうでなおかつシンプルなこの銃を選んだ。

 それなりに愛着はあるが、先生が頼めば武器を変えてくれる

 次弾装填やモード変更を自動で行うXガ〇やド〇ネーター、訓練すればヌカラ〇チャーやチェーンソーキャノンも持てるようになるだろう。

 

先生

 様子がおかしい生徒相手でも先生を遂行している聖人。男でも女でもお好きな先生を想像してください

 メインストーリーが消し飛んでいるため、唯一のシャーレ専属であるモカと共に依頼や書類仕事をこなし続ける日々を送っている。

モカへの印象

 モカは数少ない会話がまともにできる相手であり、初期からシャーレにいるメンバーの為、結構頻繁にお喋りしたり遊んだりしている。あと初めて会った時に土下座しながら「お金も住む場所もないからシャーレで雇ってくれませんか!」と言われたこともあり、過去になんかあったんじゃないかと思い気にかけている。

使用武器

 コルト・シングルアクション・アーミー

 ピースメーカーと呼ばれている銃。モカとリボルバーオ〇ロットごっこをしたり口でバンバン言いながら架空の銃撃戦ごっこを行う時によく使用される

 大人のカード

 シャーレ所属の生徒を今いる場所に召集できるカード

 代償は金と社会的に死ぬ可能性。1人に付き4万、6人呼ぶと24万の支払いが発生する。そして使用後、シャーレにひっそりと『デリ(バリー)ヘル(プ)使用料〇万円 指名生徒 〇〇 〇〇』(括弧の中は省略されている)と書かれた領収書が届く。

 

1話登場人物

 

聖園ミカ

 ティーパーティーのパワー担当

 愛銃をうっかり折ってしまった為、ステゴロで戦うようになった

 汚染の影響により『折る』という行為にダメージボーナスがつく為、ミカパンチよりミカ鯖折りの方が強い。

モカへの印象  シャーレの仕事仲間

使用武器  うるせえよ黙れよ銃なんかねぇよ

汚染元 「折るね」

 

才羽モモイ

 語録でしか会話できない族。頻繁にモカちゃんのSAN値を削っている。かなりの戦闘力と恐怖を与える見た目で敵を圧倒する。

モカへの印象  シャーレの仕事仲間

使用武器 バチくそ頑丈な包丁

汚染元 デスモモイ

 

天童アリス

 学習を「真夏の夜の淫夢」でしてしまったアリス。語録でしか会話できない族だが、語録の豊富さとケイの迫真の言語修正サポートにより他の人よりは意思疎通が可能。

『モモイを問答無用でぶん殴るプログラム』が搭載されているが何故か発動したことはない。

 この世界線でも勇者を目指している。きっかけはシャーレに遊びに来た時にモカと一緒にド〇クエをプレイしたこと。モカは隣で見てた。

 修行やってます。いつの日か世界を救うと信じて。

モカへの印象  パーティーメンバー兼遊び友達

使用武器

 光の剣:勇者の一太刀

 ホシノおじさんに貰った刀。手袋からでてきた武器の為、都市の工房で作られた刀だと思われる。神秘を込めると炎を纏う。

汚染元 「ンアーッ! 枕がデカすぎます!」「はい、アリス モモイを殴ります!」

 

砂狼シロコ

 皆さんご存知の銀行と先生を襲うアビドススナオオカミ。

「あっち向いてホイ」と言いながら上下左右のどこかに指を指すと対象を強制的にその方向に移動させることができる能力を持っている。割とこの能力で相手を完封できるため武器は使わない。

モカへの印象 ん、私がメインヒロイン。先生は渡さない。

使用武器 ん、あっち向いてホイ

汚染元 アニマンスナオオカミ 「ん、私ともあっち向いてホイをやるべき」

 

浦和ハナコ

 語録でしか会話出来ない族。

 実は原作と同じく頭脳明晰で成績優秀。政治が大嫌いなハナコさん

 しかし口から垂れ流されるケツデカピングー語録によって皆がドン引きし、政治に巻き込まれることはなくなったため、一般トリニティ生と同じように平和な学生生活を送っていた。

 ある時、「素行や成績がヤバイ生徒を先生にどうにかしてもらおう」という目的で作られた補習授業部にぶち込まれ、コハルからセクハラの被害に遭うようになってしまった。

 ちなみにハナコに普通の言語で喋らせようとする先生の試みはことごとく失敗している。

モカへの印象

 会話に付き合ってくれる数少ない人。結構気に入っていて時々会いに行く。

使用武器 原作と同じ

汚染元 ケツデカピングー

 

先生ファンクラブ(元ゲマトリア)

 神秘では説明が出来ないなにかが起こりすぎて匙をぶん投げた皆様。研究が行き詰まった時に気分転換の為に先生を観察したら、ファンになってしまった。先生と接触した頃にはファン活動しかしていなかった為、ただのファンとして先生に受け入れられ、時々飲みに行ったりしている

モカへの印象

 シャーレに所属している神秘いっぱい持ってる子

汚染元 ゲマトリア先生ファンクラブ概念

 

早瀬ユウカ

 YESロリータGOタッチなロリコン。

 なかなか好みのロリっ子が見つからないなーと思いながらシャーレの手伝いをしていたら突然モカが現れ狂喜乱舞した。

 本気でモカちゃんを狩りにきておりミレニアムの技術を駆使しストーカー紛いのことも平然とやっている。その際セミナーの仕事は放り出しており、リオ会長がそれをカバーしている。

 最近モカちゃんが懐いてくれるようになったなーとは思っているが惚れられていることには全く気づいていない。

モカへの印象

 可愛い!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 

使用武器 原作と同じだが時々拳がでる

汚染元 早瀬ユウカロリコン説

 

2話登場人物

 

百合園セイア

 ティーパーティーのセクシー担当

 自分のセクシーさに自信たっぷりセイア。ちなみに体型は原作と一切変わっていない。

 セイアの脇から放出される蒸気はラッコ鍋と似たような成分でできており、吸い込むとセイアが色っぽくみえ、相撲がしたくなる。

 一応未来予知も出来るが、そんなことよりセクシーさ磨きだ! 

モカへの印象 シャーレの仕事仲間

使用武器

 赤い薔薇

 時々セイアが口に咥えてる真紅の美しい薔薇

 自らが管理しているトリニティの庭園で収穫した薔薇であり、時々ティーパーティーのお茶会で口に咥えるために棘の処理をするセイアと、それを手伝う2人の姿が見れるとか

 相手を魅力する神秘が込められており、食らうと一定時間セイアに魅力されてしまう。

汚染元 「セクシーセイアですまない」、サラリーマンNEOのセクスィー部長 、ラッコ鍋

 

不知火カヤ

 アームストロング上院議員インストール済みカヤ。

 思想どころかナノマシンまで引き継いでおりめちゃくちゃ強い。

 元生徒会長との殴り合いで負け防衛室長を大人しくやっているが、このまま帰って来なかった場合仕事を放棄し探しにいくつもり。

モカへの印象 弱き者

使用武器 拳こそが正義 正しいのは私

汚染元 カヤアームストロング概念

 

棗イロハ

 語録でしか会話出来ない族。そのせいで会話が刺々しい。

 戦闘開始時に何故か戦車に乗っていないことに疑問を持ち、最初から戦車に乗って部隊について行くようになった。

モカへの印象 シャーレの仕事仲間

使用武器 原作と同じ

汚染元 カビゴンスリープイロハ

 

陸八魔アル

 またしても何も知らないアルちゃん。汚染の影響で初対面の人にも殺意を向けられ、白目を剥きまくっている。その吸引力も効果範囲も凄まじく、便利屋の依頼で建物に侵入しなければならない時、アルちゃんが外から拡声器で煽るだけで建物の人間全員が飛び出してくるため、その隙にほかのメンバーが堂々と侵入できる。

 その代わりハルカの報復が追いつかず、依頼終了時は2人ともクタクタになっている。

 武器も装備も防御重視にせざるを得なくなり、彼女が目指すカッコいいアウトローへの道は遠い。

 能力によって他の傭兵には出来ない依頼も達成している為、便利屋68の評判は中々良い。事務所の家賃もちゃんと払っている。

モカへの印象

 シャーレの仕事仲間 いい子ね! 

使用武器 拡声器とタワーシールド

汚染元 殺してやるぞ陸八魔アル

 

3話登場人物

 

明星ヒマリ

 超天才清楚系美少女物理学者であり上田次郎のファンでもある。

 ヴェリタスに頼み込み上田先生とコンタクトをとり、美少女パワーでゴリ押しオンライン授業を受けられるようになった。

 原作とは真逆で機械が大の苦手。ゲームは全部ピコピコというタイプ。

 上田次郎流戦闘術と財団神拳の両方を習得している為かなり強い。

モカへの印象

 友達 打つのは遅いが頑張ってモモトークで会話をしてる

使用武器 財団神拳

汚染元 ヒマリおばあちゃん概念、TRICK、SCP

 

和泉元エイミ

 特異現象捜査部のコンピューター担当。体温がクッソ高いのと摩擦熱切断手刀が使える以外あまり原作と変わらない。

モカへの印象

 よく部室に遊びに来るいい子

使用武器 摩擦熱切断手刀

汚染元 エイミの体温クッソ高い概念、SCP

 

小塗マキ&ビナー

 ビナマキは達成されました。

モカへの印象

 誰? え、ホド戦の時にいた? そーなの? 

汚染元 マキビナ

 

4話登場人物

 

黒舘ハルナ

 多分ミーム汚染の1番の被害者。美食を食べないと自爆するようになってしまった悲しい人。

 体質のせいで生活するのに金がいるため、美食の本を出版。これが結構売れている。

 ゲヘナ生活の最初の方で、美食を作って貰う為にフウカを拉致しようと給食部を襲ったら、キッチンで負けたことがないフウカにトラウマになるレベルでボコボコにされ、ギャン泣きしながら心を入れ替えた。

 しかし自爆はどうしようもないためキヴォトスの飲食店からは相変わらず恐れられている

モカへの印象

 この間は自爆に巻き込んでしまって申し訳ありませんでした。

 今度お詫びしに行きますわね。

使用武器 原作と同じ

汚染元 「そろそろ寿司を食べないと死ぬぜ!」孤独のグルメ

 

黒見セリカ

 騙されやすいだけでスタンドが発現したセリカ

 原作との違いは、おじさんが昔起こした事件(詳細はおじさんの項目にて)により、借金問題がなくなった為バイトの量を減らしても大丈夫になっており、そこそこ普通の学生生活を送れていること。

モカへの印象 爆発に巻き込まれた客

使用武器 スタンド 皇帝(エンペラー)

汚染元 ワザップジョルノ

 

6話登場人物

 

薬師サヤ

 都合のいい薬制作担当。2次創作に出てくる謎の薬を作れるようになったサヤ。そのうち好感度反転薬とか作り出してしまうかもしれない。

モカへの印象

 マグナムぶっぱしてくるやべー奴

使用武器 原作と同じ

汚染元 2次創作の都合のいい薬作れる人

 

尾刃カンナ

 語録でしか会話出来ない族。扉渡りみたいな超能力持ってるお巡りさんで、心強い市民の味方。

 惚れ薬による暴走時の記憶がバッチリ残ってた可哀想な人。

 薬の影響とはいえ先生とか弱い幼女であるモカを襲ってしまったことをとても後悔している。

 モカが惚れ薬事件でSAN値が減ったことにアンドロイド並の分析力で気づき、ちょいちょい会いに行きジョークやコイン遊びを教えることによるメンタルケアを行っているがあまり上手くいっていない。

モカへの印象

 守るべき市民でありメンタルケアが必要な子

使用武器 原作と同じ

汚染元 デトロイトのコナー、インパルス板倉(淫夢)

 

7話登場人物

 

箭吹シュロ

 なんJ民と化したシュロ。普段の会話に語録が含まれてしまうが、それでも会話は出来る子

 怪異にめっぽう強く、仮に御神酒バットでユメ先輩を殴っていた場合、ユメ先輩を消し飛ばしてしまっていた。アッブェ! 

モカへの印象

 一緒に1000までスレを伸ばした戦友

使用武器

 洒落怖本

 ネットで生まれた怪異を召喚出来る本。だがまだ使いこなせておらず、八尺様でツクヨを呼んだりスレンダーマンで黒服を呼んだりしている。

汚染元  シュロなんJ民説 ネットの怪談

 

大野ツクヨ

 木に変装しただけで木遁使いにされた。

 まだ未熟で樹海降誕とかは使えないが、小規模な木遁なら使いこなせる。

モカへの印象 この間は大変でしたね……

使用武器  木遁

汚染元 ナルト

 

小鳥遊ホシノ

 黒い沈黙装備一式を持っているおじさん。

 ユメ先輩が亡くなって精神がイカれたおじさんは手袋と仮面を付け、カイザーの幹部を闇討ちしてまわるという事件を起こした。

 その際『アビドスから手を引け』というメモを残しており、いくら警備を強化しても守りきれない襲撃にうんざりしたカイザーは借金の帳消しと土地の返却をテレビで大々的に公表。履行されると同時におじさんは襲撃をやめた。

 なので原作よりも遥かにマシな状況だが、マイナスが0になっただけなので相変わらずアビドスのお財布事情は厳しい。

 ユメ先輩が戻ってきてくれたおかげで精神がめちゃくちゃ回復したが、先輩の前だと口調が180度変わるせいで後輩にめちゃくちゃからかわれてしまうのが最近の悩み

モカへの印象

 恩人の一人 うへー、ありがとね。

使用武器 黒い沈黙装備一式

汚染元 小鳥遊ホシノ黒い沈黙説

 

ユメ先輩

 上記の事件を幽霊体でバッチェ見てた先輩。もちろんめちゃくちゃ心配した。何とかメンタルケアしてあげたいが姿も見えず声も届かないので我流の幽霊修行をしたら悪霊みたいになった。

 守護霊化した後は全力でホシノを甘やかしうへうへさせている。

モカへの印象

 恩人の一人 ありがとうモカちゃん! 

使用武器 修行で身につけたポルターガイスト

汚染元 やあ ホシノちゃん 久しいね! ユメ先輩幽霊概念

 

8話登場人物

 

扇喜アオイ

 先生の妻面をしている卑しい子。まだ先生Love勢からはバレてないがバレたら大惨事大戦が発生する。ゲームと同じ頻度で総決算を行い、ついでに先生の生活を管理しようとしている。

モカへの印象 私と先生の愛しい娘(妄想)

使用武器 原作と同じ

汚染元 先生の妻面をするアオイ概念

 

乙花スミレ

 ワンパンマントレーニングチャレンジ成功者。

 そのうちハッピー米〇玄師並の筋肉で総力戦ボスをワンパンするかもしれない。

モカへの印象 ご教授感謝! 

使用武器 筋肉 筋肉 その筋肉

汚染元 ワンパンマン キック〇ック米〇玄師

 

天雨アコ

 なんか犬っぽいよなぁ? 

 ワン! しか喋れないしお散歩が大好き。

 1日1回は風紀委員会のお散歩係が首輪とリードを付け散歩に連れていかなければならない。

モカへの印象 誰? 

使用武器 わざ

 かみつく みだれひっかき ほえる なきごえ

汚染元 犬アコ概念

 

銀鏡イオリ

 積極的に足を舐めさせてくるやべー奴

 風紀委員会の過酷な業務を耐えるために皆が足を舐め、疲れを吹き飛ばしている。

 多分ヤバイ成分とか出てると思うんですけど(震え声)

モカへの印象 誰? 

使用武器 原作と同じ

汚染元 イオリ足を舐めさせるのが大好き概念

 

火宮チナツ

 隙あらばマウントを取ってくるやべー奴。

 既に先生とは混浴イベント達成済み

モカへの印象 誰? 

使用武器 原作と同じだが時々精神攻撃してくる

汚染元 卑しいチナツ概念

 

羽沼マコト

 ある日、「あれ、ヒナが潰れたら他にマトモな人間いないし、治安終わるんじゃね?」と思ったマコト様。

 その後ヒナをよく観察したら死にかけでマジビビりし気を使ってみたら気味悪がられた人。

モカへの印象

 シャーレの先生の相棒みたいなポジションにいる奴。あとで懐柔してみようか。

使用武器 原作と同じ

汚染元 有能マコト概念

 

空崎ヒナ

 部下が軒並みイカれた皺寄せが全部きて潰れかけたヒナちゃん。

 モカの精神分析が失敗していたらヤバかった。

 最近は友達が出来たし万魔殿の嫌がらせも減ったしよく眠れるしでヒナヒナのヒナ状態になっている。

 それはそれとして机から退部届けとシャーレへの入部届けを取りだし始めた。

モカへの印象

 大切な友達。もっともっと、もっと仲良くなりたいわ。また一緒に寝ながらお話ししてくれないかしら。

使用武器 原作と同じ

汚染元 〇〇吸い、風紀委員会をやめて〇〇に入ったヒナ

 

9話登場人物

 

下江コハル

 オープンスケベとなったコハル。さらに領域展開まで使えるようになったが、死刑にした相手は今のところドローンやロボットなどの機械のみ。女の子は皆スケベな目で見ており、実は領域展開を食らっても、ほっとけば勝手にコハルがエロい部分を見いだして無罪にしてくれる。

 テストの成績がヤバい上にスケベなイタズラを頻繁にやるため、補習授業部行きになった。

モカへの印象

 あなたは特にエッチだったわ! 今度お触りさせてちょうだい! 

使用武器 ガベル、処刑人の剣

汚染元 コハルオープンスケベ概念 呪術廻戦

 

白州アズサ

 メインストーリーが消滅している為、ただの一般トリニティ生に。

 原作と同じ理由で補習授業部行きになった。

モカへの印象

 また手合わせする機会があったらよろしく頼む。

使用武器 原作と同じ

汚染元 なし

 

阿慈谷ヒフミ

 ペロロの名前を間違えると食い気味に訂正してくるモモフレファン。ペロロ人形をペロロジラにする能力を持つやべー奴。

 ペロロジラに攻撃させ、ペロロデコイでペロロジラを守るというコンボを1人で行える強者。

 テストをぶっちしてモモフレイベントに行きまくるせいで補習授業部入りに。

モカへの印象 交流戦で会った人

使用武器 原作と同じ

汚染元 ヒフミはペロロジラの味方概念

 

蒼森ミネ

 語録でしか会話出来ない族。

 壊して治すとかいうヤバイ考えは持っていないが、代わりに治療する際、どんな症状でもとりあえず初手モーニ〇グレスキューを飲ませようとしてくる。

モカへの印象 モカさんだ! 会釈!!!!!!!!! 

使用武器 モーニ〇グレスキュー

汚染元 モーニ〇グレスキュー

 

10話登場人物

 

佐天涙子

 学園都市(キヴォトス)第1位(危険度)の佐天さん

 ミレニアム製ピッチングマシーンに搭載されているモード『絶対能力進化(2万通りの打ち方で2万回ホームランを打つ)』をクリア。能力名『ホームラン量産法』が開花し、第1位(危険度)に上り詰めた佐天さん

 一方通行とガチで戦ったら瞬殺されてしまうだろうが、地球滅亡RTAなら勝てるかもしれない

モカへの印象 シャーレの同僚

使用武器 バット

汚染元 SCP

 

桐藤ナギサ

 ヒフミがかかわらなければまともな人。妖怪ペンへし折り女やちょいちょいセクシー磨きでどっか行く友人達の代わりにティーパーティーの仕事を行っている。

 そのお礼でもらっている隕石落とし券はかなり溜まっており、いっぺんに使えば流星群のような攻撃ができる。ナギサ様許して、キヴォトス壊れちゃぁぅ↑

 ヒフミニン中毒者であり、足りなくなると様子がおかしくなる。ゼロ距離マグナムがかなり効いたようで、モカを見るとびくっとする。

モカへの印象 怖いなーとづまりスト4

使用武器 原作と同じ 隕石落とし券

汚染元 ヒフミ狂いナギサ概念 ヒフミダイスキ

 

仲正イチカ

 語録でしか会話できない族

 っすっす言ってただけでマネモブにされたイチカに悲しき現在……。

 灘神影流の使い手。別に弾丸すべりしなくても「イテッ」で済むからよくない? と思ったのは書き終わってから。

モカへの印象 みんなでナギサを倒したから尊いんだ 絆が深まったんだ

使用武器 灘神影流

汚染元 イチカマネモブ説

 

ヒフミロボファウスト

 ナギサに依頼され、ミレニアムによって作られたヒフミニンを補給することだけを目的として開発された究極のヒフミロボ。その製作費…………500億

 買い物途中にチンピラたちに襲われ壊されるのを恐れたナギサは戦闘力も重視するように依頼書に組み込んであり、その戦闘力はカイザーの銀行を一人で襲撃しても帰ってこれるほど。

 インプットされている人格はペロロ様への愛をナギサに置き換えたヒフミという感じ。最近は正実の牢屋の前に居座りナギサとおしゃべりする毎日を送っている。

 

11話登場人物

 

調月リオ

 淫夢語録を喋り、ホモ特有のステップを踏むアリスを見て「あ ほ く さ」となった人。

 せっかく作った要塞都市エリドゥをそのまま放棄するのも勿体ないと思い、横領したのも忘れミレニアムプライスに提出。1位をとったもののバチくそに怒られ、机の下で体育座りしながら落ち込んだ。

 ヒマリとの仲は悪くない……というよりお互いあまり興味がない。『天才物理学者』という肩書きだけ見て特異現象捜査部に放り込んだ。

 多分しっかり会話してみたらたまげる。

モカへの印象 ユウカをコントロール出来そうな子。セミナーに引き入れたい。

使用武器 原作と同じ

汚染元 リオは意外とトキを可愛がってた説

 

飛鳥馬トキ

 体育座りして落ち込んでいるリオの頭を撫でて慰めてた人。でもミレニアムプライスへの提出は止めなかった。理由は面白そうだったから。

 アリスへの警戒をやめ、その分手持ち無沙汰になったリオに慰めてくれたお礼としてそれはそれは可愛がられ、立派なクソガキに成長した。いぇーいピースピース。

モカへの印象 あなたがいない間に先生に構ってもらいました✌️

使用武器 原作と同じ

汚染元 寂しがり屋で図々しくてわがままで構ってちゃんのトキ概念

 

間宵シグレ

 砂糖と水とイーストを混ぜて火にかけるのが趣味。将来の不安を酒で吹っ飛ばして、ノドカと一緒に楽しく暮らす。それでいいのだ。それがいいのだ。

モカへの印象 何も聞かなかったことにするよ。

使用武器 原作と同じ 火炎瓶

汚染元 ロスコ兄貴

 

天見ノドカ

 目の中に松〇修造がいる人。

 自分の意思で切り替えられるジキルとハイドみたいな感じ。

 松〇修造に切り替わっている間は熱を操れ、ウィンブルドンに出場出来そうな程俊敏になり、手から熱々のお米と新鮮なイワナが生成できるようになる。

 代わりに語録でしか会話出来ない族になり、かなり喧しくやることがハチャメチャ。

モカへの印象 君は今沈んでるっていったよね、ふざけんじゃねぇよ! 起き上がらなきゃ! 大丈夫! なぜなら君は、太陽だから! 

使用武器 原作と同じ ラケット

汚染元 温泉ノドカの目の中に松岡修造がいる説

 

 

プロトアー〇ー? (早瀬ユウカで過酷したモカを庇うアー〇ー)

『エクスカリバーの射程内に敵が居る』『エクスカリバーを1回使用出来る程のエネルギーがその場にある』『何かを呼び出す為の儀式をした(呼び出そうとしている対象がアー〇ーでなくても良い)』『付近にブルアカの生徒で過酷した人がいる』この条件が全て満たされた場合勝手に来る。

 正式な英霊召喚ではない為、言うことを全く聞いてくれないし令呪もない。ていうか厳密にはプ〇トアーサーですらない。声と姿と宝具が激似な別人。

 現れた後、条件を満たす要因となった人の過酷事情を盛大にバラし、例の詠唱(セリフ)を言い終えたあと敵にエクスカリバーをぶっぱなして帰る。

 本来のプロトアー〇ーの宝具は、十三拘束の内6つ以上の承認を得ないとエクスカリバーが撃てないがこの汚染セイバーはアー〇ーのみの承認でもぶっぱなせる。

 ただし、その場合威力は1番低い状態。承認されればされるほど出力が上がる。

 アー〇ーの条件だけはその場で書き換えが可能。『是は、世界を救う戦いである事』というルールは撤回された。

 




活動報告にてアイデアを募集しています。もしよろしければ知恵をお貸しして頂けると助かります。

出典元
SCP財団日本支部 http://ja.scp-wiki.net/

SCP-710-JP-J "財団神拳"
http://scp-jp.wikidot.com/sakagami006-portal-of-foundation-shinken

SCP-439-JP "ホームラン量産法"
http://scp-jp.wikidot.com/scp-439-jp


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メインストーリーは荼毘に付したよ・・・
1話 任務 114-514


うわぁーん!だれかこんな感じの設定のブルーアーカイブ小説書いてください!
読みたくて夜しか眠れません!


 

 何から話せばいいかな

 

 うーん、前世の私の最期とか、キヴォトスに転生した後の私の話をなるべく丁寧に、じっくり、話して聞かせたいところなんだけど

 私の転生したキヴォトスの様子が少し……いやだいぶおかしいってところが、1番重要で、みんなも聞きたい話なんじゃないかな

 じゃあ早速……アプリの顔、シロコさんのことから説明を──

 

「みんな、準備はいいかな?」

 

 いや、見てもらったほうが早いかな

 

「じゃあ……頼んだよ、みんな!」

 

 

 

 

 

「任せて☆先生のために……折るね

「ミカ……。骨は勘弁してあげてほしいかな……」

 

「はい! アリスも行きますよーイクイク!」

「アリス! 頼りにしてるよ!」

 

Fatality

「あー、その、モモイ? も頑張ってね」

 

「ん、終わったら私ともあっちむいてホイをやるべき」

「シロコ、もちろんいいよ。終わったらね」

 

「お〇んこぉ^~(気さくな挨拶)」

「えっと……ハナコ……うん、頑張ってね」

 

「クックック。応援してますよ、先生」

「魑魅魍魎を束ねる芸術的なそのお姿……今日も見せてください」

「あの、出来れば、これにサインを……」

「ベアトリーチェ!? わたくしをサイン色紙代わりにしないでください!」

「そういうこった!」

「ファンクラブのみんな……応援ありがとう!」

 

 

 これで、だいたい察してくれたらうれしいな。

 だってほんとは……こんなの真面目に説明したくないからね。

 

 

 

「モカもよろしくね」

「あ、はい!」

 

 

 

 自己紹介は最低限にしておこうか

 私は鬼灯 モカ (ほおずき もか)

 いつの間にか黒髪黒目の低身長ロリ(ヘイロー付き・神秘もたっぷり)になってて、シャーレが職場兼住所で、先生が上司ってことだけ知ってればいいと思うよ

 

 

 情報が少なすぎるって? でもたぶん、みんなが気になってるのは今日の戦場。その状況じゃないかな

 

 じゃあ早速見てみようか

 

「これも これも これも……折るね☆」

 バキィ! (スケバンAの銃が折れる音)

バキィ!!  (スケバンBの固有武器『マルティスポーター』が折れる音)

バキィ!!!  (スケバンCの心が折れる音)

 

 次々と銃を奪い取りへし折っていくこいつは聖園ミカ 見ての通り暴力的な女だ あなたはゴリラのフレンズなんだね!

 え、原作ではこんな事言ってないって? いいのかい? そんなすさまじい正論を1人目に使っちゃって

 

あなたたちを〇すよー! 

「出たぞ! 包丁の化け物だ!」

「いたぞおおお! いたぞおおおぉぉ! うわあああああああああああああああああああ!」

 

 チェーンガンの弾幕を包丁で切り伏せながら突撃していくこいつは才羽モモイ ……もしくはデスモモイ 見ての通り暴力的な女だ

 あれを見るたび、味方でよかったって思うよね いやほんとに 

 

「ちょっと刃当たりますよー! 焼時刃(やくときは)

「アツゥイ!」

「アツイッシュ!」

「スイマヘ───ン!」

「ジュージューになるまでやりますからね!」

 

 お前マジシャンみたいだな

 語録を垂れ流しながらも、神秘的に輝く炎を刀身にまとわせ、その得物を自在に操り敵を切り伏せていく

 この天童アリスが振るう日本刀『光の剣』はミレニアムのエンジニア部が作った……わけではなく、黒い手袋からいろんな武器を出しながら戦うアビドスのおじさんからもらったんだって  

(世界観が)あーもうめちゃくちゃだよ 

 

「あっちむいて……ホイ」

「な、銃弾がそれていく!?」

「いったいどうなってやがんだ!?」

 

 どうなってんだろうね! 

 これでも私は慎重派でね アビドススナオオカミ 君を徹底的に研究・分析させてもらったよ

 その結果何もわからないことが分かった

 特異現象捜査部さん かいめいして やくめでしょ

 

 

 おっといけないいけない、私も少しは貢献しないと

 奇天烈な戦場から意識を戻し銃を構えなおす。

 手に握った.44マグナムに神秘を流し込み、狙いを定め、引き金を引く

 ほんとはアサルトライフルとか狙撃銃を使いたいけど、仕組みがよくわからないからね シンプルで強い銃を使ってるよ

 ほかの世界の転生者とかどうしてるんだろうね え、神秘の込め方? ほら、かめはめ波を打つ要領で……

 

「だれもケガしないね、ハナコさん。いやいいことなんだけど」

「もっとお〇ん〇んなめてぇ~(挑発)」

「うん、そうだね。敵がもっと強ければ出番があるのにね」

「いっぱいいっぱい いれてください おま〇こに(季語)」

 

 わかんないよ! 

 ハナコさんの言うことは、昔っから何ひとつ、これっぽっちも、わかんないのよぉ! 先生もそうじゃないかな、あの感じだと

 

 ハナコさんと雰囲気で会話をしながらちょっとずつ、SAN値のやばそうな子を狙って意識を刈り取っていく 下手しないでもトラウマになるからね、あれは

 そうしてしばらくしたら耳につけてるインカムから先生の勝利宣言が聞こえてきた。

 

「戦闘終了! みんな、お疲れ様」

 

「終わったみたいです。少しは役に立てたましたかね…?」

「玉も竿もでけえなお前(褒めて伸ばす)」

「あはは……ありがとうございます……」

 

 まあ、悪い人ではないんじゃないかな(適当)

 

 

 

 

「みんなお疲れさm「あっちむいて  ホイ」首がぁ!」

 

 シロコさんの謎能力で先生の顔が強制的に指さした方向に曲げられる。

 まずい、今先生の首から人間の体から出ちゃいけないような音がしたぞ!

 

「先生が首を痛めちゃったじゃん! シロコさんのせいだよー! Fatality

「シロコちゃん……折るね☆

「ん、あっち向いてホイで負けたことはない。かかってきて」

「頭に来ますよ!爆砕かけますね」

 

 

 ホイ、ホイと言いながら攻撃を捌き続けるシロコを尻目に、ハナコさんと共に先生に駆け寄る

 

「先生大丈夫ですか!?」

「声出してみろよ(健康観察)」

「ちょっと痛めただけ、たいしたことないよ。大丈夫」

「キャベジン……(薬違い)」

「それはいらないかな……。ありがとう、気持ちだけもらっておくね」

 

 

 まあ、そんなこんなで戦闘も終わり、ちょっとした内戦と会話をしてみんなと解散した。

 首をさすりながら歩く先生が心配しながらも、シャーレに帰った。

 

 

 

 

「うーん・・・モカ、なにか冷やすものを持ってきてくれないかな」

「は、はい。すぐに!」

「悪いね、ありがとう」

 

 すでにいろいろ崩壊しているせいで、今ブルーアーカイブのストーリーの何章あたりなのかすら見当がつかない状態ではある

 しかし先生に何かあったらまずいことになるのは確かだと思う 急がなければ

 何か冷やすものはあったかなと考えながらシャーレにある食堂の冷蔵庫を目指し走る

 そのせいだろうか、曲がり角にいた人に私は気付かなかった

 

「うわっごめんなさい!」

「きゃっ! ちょっと誰よ! 危ないじゃn……」

 

 アッまずい──

 

モカちゃん!!!!! 大丈夫だった? ケガはない?」

「いえ、すみません。考え事をしてて……あっちょっとそこは……」

「怪我してないか確認してるだけだから! 確認だから!」

 

 一瞬で猫なで声に切り替えながら私の平坦なロリボディをさわさわしているこいつは早瀬ユウカ 見ての通りロリコンだ

 明らかにセクハラされている、とはわかってる わかってるんだけど……

 

「ほかの子も見た目はいいんだけど言動がねぇ……。でもモカちゃんは……うへへ……」

 かわいいねえと言われながらいろんなところを撫でてくるユウカさん……

 

嬉しい!!!! 抵抗できない!!!!!! 

 

 だって前世で一番好きだったんだもんほかの子たちも見てて楽しいけど一緒に仕事するとなると正直ごめんだし銃撃戦は神秘が守ってくれるとわかってても怖いしでも先生に見捨てられたら生きていけないから頑張るしかないしするわけないだろ先生がそんなこと!ていうかこんなことしてる場合じゃない先生を治療しなky アッちょっと待って耳元でかわいいって囁かないで好きになっちゃう猫かぶってきたかいがあったわもういいんじゃないかなwin winでしょだめだめ決めたじゃん原作を守るため原作キャラには大きな干渉はしないっていやどこにのこってるのさ原作は荼毘に付したよよしここ(太もも)をキャンプ地とすr

 

 

「モカ? 冷やすものはあったのかい……?」 

「あ」

 あ

 

 

 あー、えっと。

 まあ、その、なんだ。

 こんなめちゃくちゃなキヴォトスだけど、私たちは元気です!(ヤケクソ)

 

 

 

 

 

 天童アリス(汚染されたすがた)

 ・EXスキル焼時刃(やくときは) コスト6

 スキル発動後最も近くにいる敵3人に対し攻撃力の1145141919%分のダメージを与える/火傷を付与

 ・ノーマルスキル 爆砕かけますね

 30秒毎に発動 敵3人に対し攻撃力810%分のダメージを与える

 ・パッシブスキル ミーム言語汚染エージェント

 攻撃力増加

 ・サブスキル はい!アリス、モモイを殴ります!

 敵もしくは味方に通常モモイがいる場合発動 モモイを戦闘不能にする

 

 固有武器 光の剣:勇者の一太刀

 アリスがアビドスの掃除を手伝ったお礼としておじさんから貰った刀

 銃弾を切っても刃こぼれどころか傷一つつかないが、アリスはホラホラ言いながら毎日丁寧に手入れをしている

 

 砂狼シロコ(あっち向いてホイ対策委員会)

 ・EXスキル 私とあっち向いてホイをやるべき コスト5

 スキル発動後30秒間自身に絶対回避を付与

 ・ノーマルスキル ん、銀行を襲う

 ステージに銀行があった場合発動 10秒間ステージから離脱する

 ・パッシブスキル あっち向いてホイで負けたことはないんだ

 回避率上昇

 ・サブスキル ん、先生を襲う

 戦闘中味方がいなくなりシロコだけになった場合発動 シロコに襲われ戦闘に敗北する

 

 

 固有武器 ア〇〇スコードトーカー

 どこかで拾ったカード いつの日か誰かにデュエルを挑まれたら使うかもしれない

 

 

 




主人公の名前は入力速度を考慮して決めました。


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2話 超人を自称していいのは素手で壁をぶち破れるようになってから


所属を無視してキャラを複数登場させるには先生の指揮下の元戦わせるのが一番なんですけど、そうすると戦い方がわからないキャラが出しづらい・・・うごごご


 

 やあ、また会ったね。鬼灯モカ(ほおずき もか)だよ

 

 まずは今私が使ってる.44マグナムを入手した時の話とか、先生との貴重なほのぼのした日常風景を10万字くらいで、生々しく、話して聞かせたいところなんだけど

 私の転生したキヴォトスの様子がかなりおかしいってところが、1番重要で、みんなも興味を持つ話なんじゃないかな

 じゃあ早速…………珍しく性格と言語が普通なアルさんの特異性から──

 

 

「みんな、ちょっと集まってもらえるかな」

 

 いや、百聞は一見に如かずともいうしね

 

 まずは見てもらおうか

 

 

 

 

「バッチェ準備できてますよー! エンジン全開!」

「アリス、今日もよろしくね」

 

「心配はいらないよ、今日の作戦にはこのセクシーな私がいるのだからね」

「セイア……武器はどうしたの?」

「必要ないさ。セクシーさだけあればいい」

「えぇ……(困惑)」

 

「1人くらい凡人が居たって大丈夫です。私がついているのですよ?」

「できるだけ手加減してあげてね? カヤ」

 

「今日の作戦のメンバーが私である必要性が無い。★☆☆☆☆」

「噓でしょ……? まだ作戦の説明もしてないよ!? ちょっと、イロハ? イロハ──!」

 

「ちょっと先生! あの子帰っちゃったわよ!?」

「アル! 待ってて、代わりにだれか来れないかモモトークで聞いてみるよ」

 

 

 

「先生頑張って! 終わったらご褒美にイブキがチューしてあげるね!」

「お! やべえ110番ですね!」

「ちょ、アリス! m

「ヴァルれ! 止まキューレ公安局だ!!!!!!」

「ア!!! (スタッカート)」

 

 

 これで大体わかってもらえたら嬉しいな。

 だってほんとは……この世界で暮らしてる私でも、説明が欲しいくらいだからね。

 

 

 

 

「誰か来てくれそうですか?」

「うん、ハナコが手伝ってくれるって。 あ、噂をすれば……」

 

「お〇んこぉ^~(気さくな挨拶)」

「来てくれてありがとう、ハナコ」

「よ、よろしくお願いします、ハナコさん」

 

 うーん、悪い人ではない、ないんだけどなあ……

 

 

 

 今日の任務はたしか……何ヘルメット団だっけ? わるわる? 

 まあとにかく、近頃暴れまわっているナントカヘルメット団のアジトを襲撃して、リーダーを捕まえること

 そして今日は前回のなんとかなれー! 戦法じゃなくて、ちょっとした作戦があるんだって

 

 凡人でもわかる作戦内容! 

 1.アジトの入り口にローションをまいた後、アルさんがヘルメット団を挑発する

 2.怒って飛び出してきたヘルメット団がすっころぶ

 3.みんなで一網打尽にする

 

 こんな作戦がうまくいくのかって思うでしょ? でも今日に限ってはうまくいくと思うよ

 

 だってあの陸八魔アルさんがいるからね

 

 

 ヘルメット団のアジトは大きな建物だった 

 昔は旅館だったという古い建物の壁はところどころひび割れていて周囲はぐるっとコンクリートの塀で囲まれている

 唯一の出入り口の門の左にセイアさんとアリスさん 右にカヤさんが控えていて、私とハナコさんは向かいにある遮蔽物に隠れている

 一見すると「ちっちゃい刑務所かな?」と思わせるような建物で、旅館がつぶれてしまった理由がなんとなく察せられるが、今はこの異様な構造が味方してくれている

 

 

「いくわよ先生」

「お願い、アル。終わったらすぐに盾に隠れてね」

 

 アジトの前に一人で立ち、拡声器を構える陸八魔さん

 もう片方の手には体一つすっぽりと隠せるような長方形の大型盾(タワーシールド)を持っている

 え? 原作で持ってた狙撃銃はどうしたのかって? 

 それを説明する前に、まずはこちらをご覧下さい! 喝采の準備も、お願いしますよ、お客様ぁん♡♡(QVCマエストロ)

 

「ヘルメット団のリーダー! おとなしく出てきなさい! でないと、シャーレとこの私、陸八魔アルが相手になっt

 

 

「ふざけんな! みんな出てこい! 陸八魔アルがいるぞ!」

「なんだと! 〇す!」

「朝っぱらからふざけやがって!」

 ワー ワー

 

「「「〇してやるぞ陸八魔アル!!!」」」

 

 ダダダダダダッ!!! 

 

「きゃあああああ! あ、危なかったわ……」

 分厚い盾に銃弾が阻まれ、攻撃できないと悟るとすぐさまわらわらと建物から飛び出してくる

 もはやアルさん以外見えていないのだろう

 進行方向に撒いてある液体を気にも留めずに、突撃してしまった

 

「!!」

「なんだここは、滑るぞ!」

「ローション!? クソみてェな罠しかけやがって!」

 

 

「今だよ! みんな!」

 インカムから聞こえた先生の号令

 それを聞いたアルさん以外のメンバーが、行動を開始した。

 

 

 

 はえーすっごい……(TSロリ並みの感想)

 こんな子供だましの作戦、ふつうは成功しないだろうけど あの驚異のヘイト吸引力を持つアルさんにかかればこの通り! 

 しかし初対面の相手にこれだけ殺意を向けられるなんて、前世でよっぽど悪いことでもしたのかな? (すっとぼけ)

 まあ、こんな風にアルさんがいるってわかった瞬間、すべてを無視して突撃してくるせいで狙撃銃じゃ捌ききれずに、泣く泣く持ち替えたんだって、大変ね(他人事)

 

 

 

「セクシーセイアですまない」

 左手を上につきあげ、丸出しになった脇を左右に振りながらまだ起き上がれていないヘルメット団に近寄っていくセイアさん

 すると脇から蒸気のようなものが噴出し、ヘルメット団を包み込んだ 

「う……この狐、スケベすぎる!」

「すけべぇ……(レ)」

「ふふふ……FOX!」

 

「ホラホラホラホラ! どんどんいきますよー! (イキスギタ)」

「ぎゃああああ! ちょ、やめ、ヤメロー! (MGMN)」

「悪い子はおしおきだどー!」

 

「お〇ん〇んしゃぶらせてください(無茶ぶり)」

「は!? あ、あるわけないだろ! いい加減にしろ!」

「手を入れる(絶望)専門家も呼んであるからな(準備万端)」

「ヒィ……ど、どこに……?」

 

 

 あーもうめちゃくちゃだよ(諦め)

 

 この世の終わりのような光景から目を背け、私は銃を構えながら周囲を見渡していると、カヤさんが誰かと向き合っているのを見つけた あれは……

「カヤさん! そいつは……」

「ええ リーダーでしょうね」

 

「クソが……せめて最後に」

 リーダーはショットガンを抱えたままカヤさんにぶつかり、腹部に銃口をあて、

「そのいけ好かない顔を歪ませてやる!!」

 

 引き金を引いた そして……

 

 ガキン!! という金属音が鳴り響いた

「な、なんで……」

「ふふ、知りたいですか?」

「 ナノマシンですよ、お嬢ちゃん。物理的衝撃に反応して硬化する、ね」

 

「しかし、今のあなたの行動、私は好きですよ♡」

「いいですよね、気に入らないやつは──

 

 ぶん殴る!」

 

「グハァ!!」

 ボディーブローをまともにくらい、体が中に浮き

「子供を騙してせこく儲けてる大人も、私より偉くて乳もでかい奴らも!」

「ゲホォ!」

 顔に1発 ヘルメットが破損する

「気に食わないヤツらをぶん殴る!」

「ギィ……」

 胸ぐらを掴んでの頭突き、ヘルメットが砕け、地面に落ちて、

「それが連邦生徒会防衛室長である私の目指す──

 

 キヴォトスです!」

 

「ガアアアア!」

 

 渾身のストレート 吹っ飛ばされた体は、顔をすり減らして掛けられたブレーキで止まった

 

「グ……」

「どうでした、私の演説は?」

「あんた本当に……連邦生徒会の……室長……なの……k……」

 

 そうだよ(便乗)

 もし原作が崩壊してなかったら、カルバノグでこの人と敵対するってマジ? (シナリオ崩壊に)かんしゃあ~(NT)

 

 どこかからコーヒーの入ったマグカップを取り出し、一服を始めたカヤさんに近寄る

 

「あの……先生に手加減してくれって言われてましたよね……。この人ピクリとも動かないんスけど、いいんスかこれ」

「あー、そういえば言われてましたね、そんなこと」

 カヤさんはいつもの笑顔をこちらに向けて言った。

「……まあ、

 

 言いつけなんて知ったことではありませんね!」

 

 

 うーん、いい笑顔! 

 

 

 

 

 

 架空生徒設定 

 百合園セイア(サンクトゥス分派のセクスィーホスト)

・EXスキル セクシーセイアですまない コスト4

 アーチ型範囲内の敵に混乱を付与

 ・ノーマルスキル 私に惚れたまえよ

 30秒毎に発動 ランダムな敵1人に薔薇を投擲 混乱を付与

 ・パッシブスキル ティーパーティーのセクシー担当

 CC強化力増加

 ・サブスキル 未来予知

 30秒毎に発動 自身に10秒間絶対回避を付与

 

 固有武器 赤い薔薇

 時々セイアが口に咥えてる真紅の美しい薔薇

 自らが管理しているトリニティの庭園で収穫した薔薇であり、時々ティーパーティーのお茶会で口に咥えるために棘の処理をするセイアと、それを手伝う2人の姿が見れるとか

 

 不知火カヤ(スポーツマンのすがた)

・EXスキル 気に入らない奴はぶん殴る! コスト3

 指定した敵1人に364364%のダメージ /後方に吹き飛ばす

 ・ノーマルスキル 拳の演説

 15秒毎に発動 最も近い敵に防御力減少を付与

 ・パッシブスキル 鍛え抜かれた体

 防御力増加

 ・サブスキル ナノマシン

 自身が敵のEXスキルの対象になった時発動 自身に5秒間被ダメージ減少を付与する

 

 愛用品 思い出の写真

 失踪した連邦生徒会長とのツーショット写真

 写真の中の2人は顔に所々痣があり、服もボロボロではあるが満面の笑みをこちらに向けている。

 カヤは1日1回は必ずこの写真を懐から取り出し、ひどくつまらなそうな顔をしながら眺めるらしい。

 

 




モカちゃんくんは語録使いの語り部&ユウカのロリコンネタをやりたいがために用意されたキャラの為、全く活躍する機会がありません。
(主役は様子のおかしい生徒達だから)当たり前だよなぁ


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3話 全知の称号は浜で死にました


感想欄でアイデアや他のネットミームを教えてくださる方 かんしゃあ~


 

 やあ、そろそろ名前を覚えて貰えたかな? 鬼灯モカ(ほおずき もか)だよ

 まずは、私が最近知り合った無名の司祭と一緒にオド○ープを踊ったり、

 便利屋のムツキちゃんに「カリ○ォルニアガール」の振り付けを教わったりしてる日常風景をラップのように、リズム良く、話して聞かせたいところなんだけど、

 これから会議が始まるからね またの機会にさせて頂くよ

 

 私と先生が来たのは特異現象捜査部の部室 

 そこには数々の近未来的な機械が所狭しと置いて……なかった

 というか、ある1点を除くと普通のミレニアムの教室に見える

 今入ってきたドアにも特異現象捜査部と書かれた紙が貼ってあるあたり、割り当てられた状態からレイアウトを弄ってないのだろうか

 

「特異現象捜査部って名前からして、凄そうな機械がいっぱい置いてあるものなんだと思ってましたけど……普通の教室、みたいですね」

 原作との違いを知るため、ちょっと探りを入れてみると、ヒマリさんはまるで30分祈ろうと思ったら1145141919分も祈ってしまったような顔をした

 

「うぐぐ……私だってなんか凄そうな機械を沢山入れた部屋でかっこよく先生達をお迎えしたかったですよ。しかし……」

 

 そう言ってヒマリさんは部屋の一角に目を向ける

そちらを見て見ると、水風呂と言うよりもはや氷風呂と化したものに浸かりながら、機械的なゴーグルをして風呂に浮かべたキーボードを叩いているエイミさんがいた あれに画面を写しているのだろうか

 

「エイミのためにどうしてもあれを設置しないといけない関係上、ちょっと高価な機械は置くのが怖くてですね……」

「なるほど……」

「いいじゃん部長、どうせ入れても使えないでしょ?」

「舐めないでくださいエイミ! 最近はモモトークとか言うのも使いこなせるようになったのですよ!」

「そっか、じゃあ上田教授とのオンライン授業のセッティングも任せて大丈夫?」

「そ、それは……えっと……エイミ……」

「わかった、また今度教えるよ」

 

 おばあちゃん……(涙)

 え、じゃあ……まさか……

 

「じゃあ、ハッキングとかっていうのは……? (インタビュアーモカちゃん)」

 私が念の為そう聞いて見ると、エイミさんは爆笑し、ヒマリさんがヤケクソ気味に

「やりませんねぇ!」

 と返した

 お前ハッカーじゃねぇのかよぉ! 

 

「パソコンどころかスマホも満足に扱えない部長がハッキングかぁ……今のは面白かったよ、モカちゃん」

「ま、まあ? 私は超天才清楚系美少女物理学者ですから? 天才ゆえにハッキングもできるものだと勘違いしてしまうのも? 無理はないでしょうね! えぇ!」

 

 ヒマリさんに苦笑いを返しながら、ちらりと横を見る

 そこには、『どんとこい、超常現象』と書かれたポスターの中で上田教授がこちらに指をさして笑っていたのだった

 

 

「じゃあ、本題に入りましょうか」

「今回先生達を呼んだのは、ミレニアムの通信施設で暴走してる機械。ホドを倒すためだよ」

 ホドってことはつまり、総力戦か! しっかし、ホドってどんな敵だったっけ……? 雑魚敵いっぱい出す丸いヤツ? 

「なんでも、ミレニアムの凄いAI? が乗っ取られたから殴って取り返して欲しいのだとか」

 

 あぁ……機械に弱いせいでヒマリさんの説明がふわふわに……

 

「ミレニアムの最先端技術が込められた通信ユニットAI、通称『ハブ』が何者かに乗っ取られたの。相当なセキュリティだったはずなんだけど、1秒も持たなかったとか」

 

 すかさず、エイミさんのフォローが入る

 ん? 特異現象捜査部がこの有様じゃあ、デカグラマトンまでたどり着けないのでは……? まま、この世界だし、どうにかなるでしょ! 

 

「ヴェリタスが調べたところ、ハブは操作され続けている訳ではなく、何者かにハッキングされた瞬間、勝手に動き出し始めたみたい。私たちはその機械をホドと名付け、通信ユニットAIでは無い、敵と認識した。これからそれを」

「叩いて直しに行く、という訳です。様子のおかしい機械を直すには、この手に限りますね!」

 

 この人、知能下がりすぎじゃない? 修理方法が筋肉式じゃないか(呆れ)

 

 エイミさんが呆れた顔をしながら続ける

「叩いただけで直るとは到底思えないけど、何を仕込まれたかわからない機械を放置し続けるわけにはいかないのも事実。ヴェリタスもどうにかしようと頑張ったみたいだけど、攻撃命令が来たってことは、白旗をあげたんじゃないかな」

「なるほど、事情はわかった。もちろんシャーレも協力するよ」

「さすが先生! そう言って下さると思っていました」

「それで、いつ出発するんですか? 私も同行します」

 

 この世界に来てから初めての総力戦だ なんだかちょっとワクワクしてきた

 

「今からです

「今から!? ほ、他のメンバーは?」

「私たちだけですよ! さあ、行きましょう!」

「わかった、すぐ行くよ」

「エイミは必ず服を着てから来なさい! またネクタイだけで外に出たら今度という今度は許しませんからね!」

「はーい」

 

 少なくとも1回はやったのか……(困惑)

 いや、それよりも! 

 

「あの、ヒマリさん……?」

「ふふふ、上田先生に教わった武術。ずっと試して見たかったんですよ!」

「もっと戦力を集めた方……が」

「シュシュ、シュ!」

 

 ダメだ、シャドーボクシングに夢中でまったく聞いてない

 というか……

 私は軽快なステップを踏んでいるヒマリさんの足に目線を落とした

車椅子を使っていない。色々おかしいなぁ、本当に これじゃあ、預言者たちもおかしいんじゃ……

 

「大丈夫だよ。ヴェリタスの小塗マキって娘が、いざと言う時のためにアビドスから強力な助っ人を連れてくるって言ってた。いざとなったら、いったん引いて、合流するつもり」

 不安そうな顔をしている私を見かねたのか、エイミさんが近寄って来て教えてくれた 優しいなあエイミさん……

 

「ありがとうございます。今日はよろしくお願いします!」

 そう元気よく言って手を差し出す それに少し驚いた顔をしながらも、すぐに微笑みながら少しかがんで目線を合わせ

「こちらこそ、協力してくれてありがとう。よろしくね」

 そう言って私の手を取り、握手をかわ

 

ジュッ! 

 

「アッッッッッッッッッッツェ!?!?!?」

「あ、ごめん」

 

 体温たっか! 火傷したんだけど! 触れただけで!? 

 本当にいろいろおかしいなこの世界! (半ギレ)

 

 

 

 

 

 エイミさんのナビゲーションの元、先生が運転する車に乗りやってきたのは前世で見覚えのあるあのステージ

 その中央に鎮座するのは、白いボディとモノアイが印象的な蛇やムカデに似た機械の怪物 

 あー、ホドってこいつね! なるほど完全に理解したわー ……どんな事してくるんだっけこいつ? 

 

「どう? アロナ」

 小声でシッテムの箱に話しかけ、数秒後に残念そうな顔をした先生 さすがのスーパーアロナちゃんでも、問答無用でホドを無力化することはできなかったようだ

 

 先生は攻撃が届かない安全な場所まで下がり、私たち三人はホドのいるところまで近づく

 ちらりと横を歩く二人を見る 武術を使うと言っていたヒマリさんはともかく、原作ではショットガンを使っていたはずのエイミさんすら武器を持っていない

 この世界、ネームドで銃を持ってる人少ない……少なくない? 

 もはや脅威とみなされていないのだろうか、近づいて行ってもこちらを見るが何もしてこない

 だが、おそらく私が服の内ポケットに隠した銃を抜けば攻撃してくるだろう

 

「近くで見たら、かなり大きいね」

 エイミさんは言葉では驚いているが、顔は冷静そのものだ

 

「どうしましょうヒマリさん。私たちだけだと厳しいのでは……ヒマリさん?」

 

 ヒマリさんはゆっくりと歩を進めながら、語りだす

 

「大丈夫です。戦い方は心得ています」

 

「キヴォトスの外にある有名な大学の教授、上田次郎先生から戦い方を教わり」

 

「練習のために訪れた廃墟で見つけた巻物。そこに記されていた、日々超常現象に科学で立ち向かう方々が生み出した技、『財団神拳』

 

 あもしもし! もしもし! あの、キヴォトスに門外不出の巻物(コピー可)がちょっと入り込んでるんですけど! 収容違反ですよ収容違反! 今すぐ、来てください! お願いします! (HRTOR)

 

「それぞれを身に着け、融合させた私の技『必殺技』、というべきなのでしょうかね」

 

 ぎゅっとこぶしを握り締め、構えた

 

「食らいなさい、これが万年雪の結晶から抽出した澄み切った純正のミネラルウォーターのような可憐で美しい超天才清楚系美少女物理学者明星ヒマリの渾身の一撃!」

 

「ゴムゴムのおぉぉぉぉ……」

 

 ちょっと待って!? 確かに上田教授使ってた時あるけど! 当たり前のように使ってたけども!! まさか教わった武術ってそれ!? 

 

「共振パンチ!!!」

 

 嘘でしょ……(SIRNSSZK)

 

 ヒマリさんの腕が麦わら帽子をかぶった海賊並みに伸びていき、ホドに向かって突き進み

 

 ゴンッ

 命中。しかしホドの装甲は分厚く、有効打にはなっていないだろう

 

 その拳が激しい振動を起こしていなければ

 

 バキィ! 

【!?】

 装甲が砕け散る。機械であるはずのホドはその現象に酷く動揺しているように見えた

 

「『共振パンチ』──共振作用を引き起こすのに必要なHz(ヘルツ)を拳で撃ち込み、対象を破壊する」

「習得は困難を極めましたが……私は超天才清楚系美少女物理学者ですので」

 

 ヒマリさんを脅威と認識したのだろう

 ホドのアームによる素早い鞭打が繰り出されるが、ヒマリさんはそれを軽々と避けていく

 

「『確率論的回避』確率的に軌道を予測し、攻撃を回避する。さあ、どんと来なさい! 

 

 この攻撃は有効打にはならないと考えたのだろう ホド自体に搭載された火器による攻撃に切り替わる

 一撃の重さは下がっただろうが、攻撃は激しくなった 直撃は避けているが、ついにヒマリさんが爆風に飲み込まれ-

 

「『爆風キャンセリング』」

 ることは無かった

 ヒマリさんが放った正拳突き そこから発生した衝撃波が盾となり、爆風を相殺した

 

 ヒマリさんは回避型のタンクだった……? 

 

 インカムから先生の指示が聞こえてきた

「ホドの攻撃がヒマリに集中してるね、今がチャンスだ!」

「はい!」

「部長を援護しよう」

 

 マグナムを構え、装填されている6発の弾にそれぞれ神秘を込め、連射

 精度はだいぶ落ちるだろうが、あの巨体だ、外しはしない

 

【……!】

 ホドが少しよろめく、その隙を見逃さずエイミさんが駆けだす

 

「部長が見せてくれた巻物、私には習得できないものばかりだった、でも」

 

 右手を手刀の形にし、飛びかかる

 

「一つだけ再現できそうなものがあった。

 押し付けた手刀を高速で擦り付ける事で高熱を発生させ、切断する技『摩擦熱切断手刀』

 この技に必要な高熱は……」

 

 振り上げられた手刀は赤く輝いていた その手刀の矛先は、ホドのアームだ

 

「私の体温で補える」

 

 かつて、強力な認識災害をばらまく巨大な緋色の鳥に致命傷を与えたその技は

 ホドの巨大なアームを容易く真っ二つに切断した

 

【!?!?!?!?!?!??!?】

 

 ホドは切断面を抑えるような仕草を見せ、ヒマリさんへの攻撃が止まる

 その隙に2人とも私のいる位置まで戻ってきた

 

「やりますね! エイミ!」

「あんなにでっかい相手に試すのは初めてだったけど、上手くいってよかった」

「このまま畳み掛けましょう!」

 特異現象捜査部鬼つええ! このままホドをブッ殺してやろうぜ! 

 マグナムのリロードも終え、私は銃を構え直そうとした。しかし、周りから異音がし始めたため、そちらに注意を向ける。

 見ると、今まで沈黙を保っていた砲台が動き出していた。

 

「……ハブの防衛施設が起動してる?」

「おや、ちょうどいいですね。この子達にも手伝ってもらいましょうか」

 ……? アッ! 思い出した! これは不味いですよ! 

 

 その時、インカムから先生の焦ったような声が聞こえた。

「みんな気をつけて! ハブの防衛施設がホドにハッキングされてる!」

 

 防衛施設の銃口は、こちらを向いていた。

 

「避けて!」

 先生の指示通りに、一斉にその場から飛び退く。

 それから一瞬遅れ、そこに砲撃が叩き込まれた。アッブェ! 

 

「くっ! これは厳しいですね……。ホドに加えてミレニアムが誇る防衛設備全てが相手とは。もし私が超天才清楚系美少女ハッカーだったら……!」

「ありえないよ、部長はハッキングどころかスマホすら怪しいじゃん」

「うるさいですね……! (TNちゃん)」

 

 おばあちゃん……(哀れみ)

 

「どうする部長? 1回戻ってヴェリタスに相談してみる?」

「いえ、まだです。きっとそろそろ助っ人が……」

「みんなー!」

 

 お、ついに来たか! さて、誰が来たのやら……アビドスって言ってたし、オジサンか……な……? 

 

「おまたせー! アビドス砂漠からはるばる連れてきたよ! 

 

 アビドスワーム君を!」

「GAOOOOOO!」

 

 ほう、マキビナですか、大したものですね

 

「やっちゃえ、アビドスワーム君!」

マキさんの言葉を合図にアビドスワームと呼ばれているビナーの口にエネルギーが集まっていく

 ! モカ知ってます! あの技はアカツキノホルスをアビドスオジサンユメセンパイモドキに進化させるために必要な……ビナービームだ! 

 

「さ、さすがに超天才清楚系美少女物理学者である私でも、あれを食らったら死にそうですね!」

「そうだね、逃げた方がよさそう!」

 私も神秘の量には自信があるけど、流石にビナービームによる耐久実験はやりたくない! 

 

 私たち3人は慌てて射線上から避難するが、ホドはその場から動けないためか、ビナーに向けてアームをわたわたと動かし何かを伝えようとしている

 

 見て! ホドが命乞いをしてるよ! かわいいね! 

 

「世界をもっと色鮮やかに!」

 首をぶんぶんと横に振っているホドに容赦なく襲いかかった光線は、ホドの体を跡形もなく消し飛ばした

 

 

 

 

 

 いやー、ホドは強敵でしたね!

 

 

 

 

 

架空生徒設定

 明星ヒマリ(超天才清楚系美少女物理学者)

・EXスキル ゴムゴムの共振パンチ コスト3

指定した敵1人に1919%のダメージ/相手が重装甲の場合追加ダメージ

・ノーマルスキル 爆風キャンセリング

爆発属性の攻撃を70%の確率で無効化

・パッシブスキル 確率論的回避 

回避率増加

・サブスキル 量子歩法

30秒毎に発動 自身に5秒間絶対回避を付与 

 

専用家具 上田教授のポスター




総力戦ボスには総力戦ボスをぶつけんだよ!

出典元
SCP財団日本支部 http://ja.scp-wiki.net/

SCP-710-JP-J "財団神拳"
http://scp-jp.wikidot.com/sakagami006-portal-of-foundation-shinken


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4話 美食を愛する心


このキヴォトスでは割と素手や近接武器、妙な能力で戦っている生徒がいるので、超電磁砲の子たちが来ても変な目で見られることはありません。まあ、キャラもいろいろ変わっているの帰れるかどうかはわかりませんがね

誤字報告してくださっている方、いつもありがとうございます。助かります。


 

 ……ああ。来ていたのかい? 

 鬼灯モカ(ほおずき もか)だよ

 すまないね、今余裕がないんだ

 ほら、横で運転している先生をみてくれ 表情が険しいだろう

 無理もない、何せ────

 生徒が死にかけているらしいのだから

 

 ちょうどいい 

 状況整理にもなるし、今に至るまでのことを、最初から話そうか

 きっかけは、一本の電話だった

 電話の相手は、美食研究会所属の赤司ジュンコ

 電話の向こうでは、サイレンや怒号、悲鳴などが飛び交っていたせいか、内容が一部しか聞き取れなかったそうだ

『先生、助けて! レストランの料理が最悪だったせいで、ハルナが文字通り爆発したの! 

 それに巻き込まれて、アカリイズミが病院送りになっちゃった! 

 何を言ってるかわからないと思うけど、説明は後でするからハルナに何かおいしいものを食べさせないとまた爆発する。

私も体がボロボロで、あんまり動けそうにないの。お願い』

 

 爆発 巻き込まれる 病院 また爆発する 体がボロボロ 動けない

 穏やかではない単語がずらり

 すぐにシッテムの箱で電話を逆探知し、私と先生は車に飛び乗った

 美食研究会  ゲームでは、各校の治安維持部隊から要注意団体と認識されていた人たち

 この世界でもそうなのかと、ネットで『美食研究会 テロリスト』というワードで調べてみたが、予想外の結果が出た

 店を爆破はしているらしい だが、その爆発に自分たちも巻き込まれている 要するに自爆テロを起こしているらしい

 さらに不可解なことに、爆破された店の中には、食事中に暴れないように危険物を入口ですべて回収している店もあったということだ

 

 わからないことだらけだ だが、やることは決まっている 死人を出さないこと

 ヘイローは無敵じゃない ダメージを食らい続ければ砕け、死ぬ

 

 服の内ポケットからマグナムを取り出し、弾が入っているかチェックする

 車に乗ってから、これで3回目 

 もちろん弾はしっかり入ってる。

 銃をしまう手は震えていた  

 

 死体をみる覚悟なんて、できてない

 

 

「モカ! 着いたよ」

 そういいながら、先生が車から飛び出した

 私もあわてて飛び降り、先生についていく

 

 人っ子一人いない路地裏を走る 

 電話の位置から場所を移動している

 なぜこんなところに? 

 もしかして、私たちをはめる罠なのでは? 

 疑いが募り、先生を止めようとしたその時、

 

「ジュンコ! ハルナ!」

 壁に寄りかかりながら、2人は座っていた

 ジュンコさんには、ヘイローがない

「ジュンコさんは、大丈夫なんですか!?」

「疲れて寝てしまっているだけですわ、体が動かせない私をここまで運んでくださったんです」

 ひとまず死人はいないことに安心したが、まだ安心できない。銃を抜き、周囲を警戒する

 空いている手で着ているコートの襟をつかみ、神秘を流し込む 

 これで不意打ちされても、服がダメージを抑えてくれる

 

「ハルナ、何が……いや、何をしてほしい?」

 

 先生のその言葉に、ハルナさんははっきりと答えた

 

 

 

 

「そろそろ美食を食べないと死にますわ!!!!!!!!!!!!!!」

 

 私はマグナムを思い切り壁に投げつけた

 

 くっだらねえ! なんだよそれ! ばかばかしい! (TD兄貴)

 

 

 

 

「結論から申し上げますと、私は後1時間以内に美味しいものを食べないと爆発します」

「E?」

 

 あー何言ってるかわかんねぇよ! 

 

 とりあえず2人を車に乗せ、ジュンコを病院に届けた私たちは、先生の提案で紫関ラーメンを食べにアビドスに向かうことにした

 確かに、柴大将のラーメンなら間違いないだろう

 その間に、ハルナから事情を聴きだす

「私は美食を愛するあまり、美食を食べ続けないと爆発する体になってしまったのです」

 え、何それは(困惑)

 

「しかし、美食を食べるには、それ相応のお金が必要です。私も貧乏というわけではありませんが、食べ続けるとなると、お金が足りなくなってしまいます」

「なので私は節約のためにいずれ自分で作れるようになるよう美食を研究、分析する会。美食研究会を作りましたの」

「モカさん。『お家で美食探求を』と調べて下さる?」

 スマホを取り出し打ち込んでみる

 

 ──お家で美食探求を 著 美食研究会 協力 愛清フウカ

 

 ヴォースッゲ  電子書籍版をカートに入れておいた

 

「ヒットしました?」

「えぇ、作家さんだったのですね。凄いです!」

「良かったら買ってくださいまし。活動資金になりますわ」

「……この協力者は?」

「フウカさんは給食部の部長で、日々4000人の給食を作っていらっしゃる超人ですわ。私達はよく美食探求の為、よく厨房を借りにいくのですが、快く貸してくださるとても優しいお方でもあります。お礼として、給食作りを手伝ったことがありますが……」

 

 あれは地獄そのものでしたわ……。そういった時のハルナさんは、どこか遠くを見つめていた

 

「そうして貯めたお金を使い、タイムリミットが来る前に美食を食べる。そうすると残り時間がリセットされ、その間にお金を貯める。それの繰り返しですわ。しかし」

 

「ぼったくり、店員が非常識、心意気にかける料理、あまりにも騒がしすぎる食事環境。そのような、何らかの要因で心から美食を味わえなかったとき、タイムリミットが短くなりますの」

 

 なるほど、つまり……? 

「もしかして、ネットにあった店で自爆したって言うのは……?」

「そうですわね、悪質な食事のせいで、店のなかでタイムリミットがゼロになり爆発してしまった。それが自爆テロ、と言われているのでしょう」

「それにしても美食テロリストなんて名前、あんまりですわ! いくら気に入らない味や接客態度だったとしても、爆破まではしませんわよ! あ、いえ、まあ、結果的には、してしまっていますが……」

 

 故意じゃなかったのか……

 

「先生に来て頂けて助かりました。このままだと、美食を食べられずに永遠に爆破し続ける爆弾になるところでしたわ……」

「生徒が困っているのなら助ける。それが先生だから。いつでも頼ってね」

「ありがとうございます。ああ、それにしても先生のおすすめ、楽しみですわね!」

 

 

 

 

「いらっしゃいま──って先生!?」

「おや、先生か、いらっしゃい。……その担がれてる子は大丈夫かい?」

「大丈夫です。美味しいものを食べれば良くなりますから」

「お、おぉ? よく分からんが、わかった。最高の1杯を作るから、掛けて待っててくれ」

 

 担いでいるハルナさんを下ろし、席に座らせた

 

 待っている間、私と先生は、何も言わず冷や汗を流し続ける

 隣で残り時間の分からない時限爆弾が作動し続けているようなものだ、落ち着けるわけがない

 先生は不安からか、シッテムの箱を胸に抱え、ギュッと抱きしめ続けていた

 対する私は、とにかく思いつく限りの色んな神に祈りを捧げる

 

『先生、そんな……店の中で大胆な……』

『うぅ……そんな強く抱きしめられたら……』

『えへへ……いっぱいスーパーアロナちゃんに……頼ってください』

 

 隣からなんか聞こえてくる。集中出来ない。

 

「へい、ラーメンお待ち」

 とてもおいしそうなラーメンが出てきた。ハルナさんと私たちは、それぞれ違う意味で唾を飲む

 

 レンゲを手に取り、スープを飲んだ

 何も言わない

 箸に持ち替え、啜る

 

 どうだ…………? 

 

「まあまあまあ! なんてことでしょう! ラーメンが美食過ぎますわ!」

 

 よかった……

 背もたれに寄りかかり、プフー と息をはく 

 今まで生きた心地がしなかった

 チラリと先生を見ると、明らかにホッとした顔をしていた

(時限爆弾と行動を共にするのは)いやーキツいっす

 

「よく分からないけど、ひと仕事終えたって感じみたいね。こっちまで緊張したわよ」

「はは、確かに。こんなに緊張してラーメン作ったのは初めてだ」

 

 私達の出す異様な空気に、向こうも呑まれてしまっていたみたいだ

 すみませんと謝罪しながら、コップに水を注ぎ、一息に飲み干す

 喉がカラカラだった

 

 さて、これからどうしようか……

「あ、そうだ。先生、この間強欲のツボっていうのを買ったのよ! 先生も買わない? 買うと、金運がアップするのよ! あの壺のおかげで、この間100円拾ったの!」

「え、セリカ、それいくらで買ったの?」

「14万3000円よ。高かったけど、先行投資ってやつね」

 14万、うせやろ!? 

 

「セリカ、それ詐欺だよ」

「え、う、嘘?! 、そ、そんなはずはないわ! 販売してくれた人も、50万円の所を14万3000円までまけてくれたいい人だったし……」

「セリカさん……(哀れみ)」

「そんな目で見ないでよ! た、大将! 私……騙されてないわよね?」

「あー、セリカちゃん……残念だが……」

 大将は首を横に振る

 

 セリカさんは膝から崩れ落ちた  いかん、雨が降ってきたな……

 

 なんとも言えない空気の中、ドアを開ける音が響く

「こんにちは、壺はいかがでしょうか! これを置いておけば、商売繁盛間違いなしです!」

「壺? 要らないね。ウチはそんなもんに頼らず、ラーメンで勝負するんだ」

「まあまあそう言わず……おや、貴方はこの間買ってくださったお嬢さん! どうです、今度はこちらの『バチクソ強欲な壺』を──」

「あんたを……」

「……なんです?」

 

「あんたを詐欺罪と器物損壊罪で訴えるわ。理由はもちろん、分かってるわね? あんたが私をこんな壺で騙し、財布の中身を破壊したからよ。覚悟の準備をしておきなさい! なぜなら……

 

今からあんたをぶちのめすからよ! 

 

頭に鉛玉をぶち込まれる楽しみにしておきなさい! いいわね!?」

「!!? く、クソ!」

 ロボ頭は大慌てで逃げ出そうとした。

 セリカはそいつに右手を突き出した その手には何も握られていない 今はまだ

「来なさい! 皇帝(エンペラー)!!」

 メギャン! 

 リボルバーとも、オートマチックとも見えるその銃は、一瞬で主の元へ馳せ参じた

 

 先生こいつスタンドとか出し始めましたよ!? 

 

「逃がさない! あんたを裁くのはヴァルキューレじゃない……私のスタンドよ!」

 その言葉と共に引き金が引かれる

 しかし、ロボ頭も、腐ってもキヴォトスの住民だった

 その瞬間、横っ飛びで回避をしていた。相手が普通の拳銃なら、これで避けられていただろう

 

 しかし、皇帝(エンペラー)相手にそれは悪手だった

 弾は意志を持っているように曲がり、丁寧に頭まで移動していき、

 

 

 ロボ頭の意識を消し飛ばした

 

「フン! ざまあ見なさい!」

 

 ブラボー! おお……ブラボー! 

 突然目の前で繰り広げられたヒーローショーに思わず拍手してしまう

 柴大将も、「逞しくなったなセリカちゃん」とニッコリ

 いきなり始まったセリカを褒める会に張本人は、耐え切れずに顔を真っ赤にしてうずくまってしまっていた。

 

 

 騒ぎもひと段落したとき。ふとハルナさんが目に入る。

 ハルナさんは箸を置いていた。食べ終わったのかと思ったが、まだどんぶりにはまだラーメンが残っている。

 

 おや、どうしたんだろう(無能)

 

 ハルナさんは静かに語りだす。その顔は無表情だった。

「美食を食べる時は誰にも邪魔されず、自由で、なんというか救われてなければなりません。静かで、豊かで……」

「店員が食事を堪能している客の傍で銃撃戦を行うなど、あってはならないのですよ」

 

 おい、嘘だろ!? (イーサン)

 

「ハ、ハルナさん、(残り)タァイムはどう? 伸びた? 伸びない?」

「残り時間は……ゼロ♡ 」

 

 あっそっかぁ と、いうことは……

 

「自爆するしかありませんわねぇぇぇぇ!」

 

「みんな逃げて! ハルナが爆発する!」

 

 ハルナさんの体が輝きだす 

 

 まるで太陽が突然この場に現れたかのような眩しさだった

 

 

「ホワアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 その凄まじい叫び声を聞いて、

 

 私は確かこういったと思います。

 

「なんてことだ。もう、助からないゾ♡」

 

 




シナシナシロモップ「(ラーメン屋跡地に)まだ誰か残ってるの?」
氷室セナ「死体だけです」



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5話 銃を買おう!(提案)


ちょっとした小話です。短いですがどうぞ。


 

「先生って銃は持たないんですか?」

 そう私に聞いてきたのは、鬼灯モカ 

 どこの学園にも属しておらず、私がシャーレに就任した直後にここで働かせてくれと頼み込んできた生徒だ 住むところもなく、このままだと飢え死にしてしまう なんでもするから雇ってくれと土下座しながら言う姿は、今でも鮮明に思い出せるくらい印象に残っている 

 

「私にはヘイローがないからね。銃を持っても戦えないよ。それに……」

「私は先生だからね。どんなことがあっても、生徒に銃は向けられないよ」

「おお……先生だ……」

 よくわからない関心をされた 時々妙な事なこと言うんだよねこの子

 

「しかし、敵がいつも生徒とは限りません。ドローンや機械兵、この間戦ったホドみたいなのには良いのでは? いざという時の手段として、持っておいてもよいかと」

「うーん……ま、それもそうなのか、な?」

 

「それに……かっこいいじゃないですか! 銃!」

「そうだね!!!!」

 確かに、前々からモカの持ってるマグナムとか、かっこいいなーとは思ってた

 

「よし、買っちゃうか!」

「買っちゃいましょう! 護身用とか言えば、きっと経費で落とせますよ! どうせなら高いのいっちゃいましょう!」

「こうしちゃいられない、行ってくる!」

 席から立ち上がり、走り出す 「先生財布!」という言葉とともに飛んできた私の財布をキャッチしながら、私はシャーレを飛び出した

 

 

「いらっしゃいませ。おや、これはこれは、シャーレの先生に来ていただけるとは、光栄です」

「どうも、機械相手に効果のある銃が欲しいんだけど、ありますか?」

「もちろんでございます。少々お待ちください」

 

 着いたのはD.U.にあるガンショップ 

 高級感はあるが落ち着いた見た目の壁を背に、枠が滑らかな木でできたショーケースがずらっと並び、ガラスの中には宝石のように輝く銃が……、いや、よく見ると剣や玩具みたいな見た目の銃が飾られている

 大丈夫かなこの店……という不安をよそに、ロボットの定員が銃を取り出した

 

「まずはこちらから、Xガ○といいます」

 出されたのは、太い円形の筒にグリップをつけたような黒い銃。さっきショーケースで見かけた銃だ。

「なんだか……おもちゃみたいな見た目ですね」

「はは、確かに。でも威力はお墨付きですよ。これで撃たれた相手は、内部から爆発します」

「爆……!?」

「発射してから爆発まで少しラグがあるのが難点ですね。ですが、よほどでかい相手でもなければ、一撃で葬ることができますよ」

 機械相手の護身用としてはいいのだろうが、万が一生徒に誤射したらと考えると……この銃はだめだ

 

「いや、すみません。この銃は──

「お気に召しませんでしたか。やはりラグがありますからね、ではこちらはいかがでしょう。ドミ○ーターと言います」

 

 言い終わるまえに出されたのは、近未来的な形をした大型の拳銃

 おお、かっこいい! 

「こちらの銃には3つのモードがあります。電撃弾を撃ち出すパラライザー、相手を内側から破裂させるエリミネーター、相手を消し飛ばすデコンポーザー。これ1丁で様々な相手と戦える非常にスマートな拳銃となっております」

「消し飛ば……!? 破裂……!?」

 ダメだダメだ、さっきと同じ理由で駄目だ! 

 

「いやー申し訳ないですがこれは──

「もっとやんちゃな銃がお好みですか? 確かに、少し優等生すぎましたね。むき出しの野蛮さも、時には必要でしょう」

「こちらはいかがでしょう。携行型核爆弾発射装置。通称ヌカラ○チャーです」

 出されたのは、なんとか担げそうな大きさのカタパルトにグリップがついたような見た目の……銃? というか、この上に乗ってる「私は核爆弾です」って見た目をしているこれは……

「あの、これって……?」

「はい、小型核爆弾ミニ○ュークです。これを発射します」

「発射しちゃうんだ……」

 生徒を導く先生が戦闘で核爆弾発射したら、もう、なんか、駄目でしょ

 

「あの、これは……ちょっと──

「遊び心が足りないと。つまらないものは、それだけでよい武器ではあり得ないとも言いますからね」

 人の話聞かないなこの人

 

「どうぞ、チェーンソーキャノンです」

 それはロケットランチャーの先端にチェーンソーの刃がアホほどくっついた……なにこの……何? 

「これはブライト博士というイカれた科学者が作り出した兵器です。確かにバカみたいな見た目をしていますが、これを使って世界を救った実績があるとかないとか」

 

 

「いやあのすみません。色々見せていただいた所申し訳ないのですが、私そろそろ──

「もっとイカれたものが良い? そうですか。ではとっておきのものをお見せしましょう。これはミレニアムのエンジニア部が開発したマルチプルパ〇スというもので、使った瞬間敵も味方もいなくな──

 

 もう勘弁して……

 

 

 

 

「あ、おかえりなさい先生……どうしたんですか? すごい疲れた顔してますけど」

「モカ……モカが銃を買ったとこ、連れてってくれる?」

「え、あ、はい。もちろん」

「……銃にもいろいろ、あるんだね」

「……そう、ですね?」

 

 その後、モカに連れていってもらった店でピースメーカーという銃を購入した

 シャーレに戻り、モカとゲームのキャラの物まねや西部劇ごっこで遊んだが、あまりにはしゃぎすぎて書類の山がめちゃくちゃになってしまい、手伝いに来たユウカに怒られてしまった

 モカは個別にお仕置きするといってどこかに連れていかれてしまう

そういえば、ユウカはモカには妙にスキンシップが多い気がするが、まあユウカはしっかりした子だし、大丈夫だろう

 さて、怒られてしまったことだし、そろそろ仕事に戻らなければ




ほーずき もか
しんちょー イブキとおなじくらい
たいじゅー イブキとおなじくらい
しんぴ   いっぱい
そーび   しろいロングコート
     くろいズボン
     つよい マグナム
みため   くろいロングヘアー
      ロリフェイス

ユウカメモ  おせば いけそう


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6話 体重100キロから繰り出されるかんぺき〜な右ストレート


何故私はホモコップ(インパルス板○)の能力の考察をしているんだ…?

いつも感想や評価やここすき、お気に入り等ありがとうございます。励みになります。


 

 ……ん? ああ、ごめんね 来てたんだ

 鬼灯 モカだよ

 ヒマリさんから貸してもらった〔どんとこい、超常現象〕をもう少しで読み終えるから、ちょっとだけ待って貰えるかい? 

 そうだね、退屈しないようにテレビ付けるからそれ見てて、ごめんね。

「──今年のミレニアムプライスも、数多くの作品が出揃いました

 そのなかから選び抜かれた、1位から3位を見ていきましょう。

 3位 エンジニア部 白石 ウタハ【位置エネルギー車】

 2位ゲーム開発部 天童 アリス 【やわらかスマホ】

 そして栄光ある1位は……

 セミナー 調月 リオ 【要塞都市エリドゥ】

 となりました。

 この結果について街の人は……

 

 Hさん『うへ~、アリスちゃん頑張ってたのに、残念だねー』

 Iさん『資金横領はルールで禁止スよね? 忌憚のない意見ってやつっス』

 先生『凄い、スマホと言うより布だね、布。でもなんでゲームではなくスマホを……?』

 Sさん『……この位置エネルギー車って、ただのタイヤのついた箱じゃな──』

 

 よし、おまたせ

 じゃあ行こうか

 今回の依頼主は薬師サヤ 内容は治験

 先生とは現地で合流するよ

 

 

 

 外に出て、顔を上げる

 そこには澄み切った青空が広がっていた

 この世界に転生した後暫くは、いずれこの空から降って来るであろう巡航ミサイルや色彩に怯えてたけど、そんな気配は全くない

 きっと、この世界線のキヴォトスの数少ないメリットだろう

 私は貴重な平穏を噛み締めながら、依頼主、薬子サヤの実験室へと向かった

 

 

 

「できたのだ! ぼく様の最高傑作! 惚れ薬!」

 巡航ミサイルよりやばいもん出てきたな……

 

 

 私はテーブルに乗っている、キヴォトス崩壊クラスシナリオを引き起こしそうな物体をまじまじと見つめる 

 ビーカーの中に入ったその液体の色はショッキングピンクだ 体に悪そう(小並感)

 凄い……これが創作ではよく見るけど実際には見ない薬第2位の惚れ薬か 

 ちなみに1位はポーション。異論は認めるよ

 

「ふっふっふー、やっぱり気になるのだ? その惚れ薬は、飲んだ後、最初に見た相手に惚れる仕組みなのだ」

 やべぇよやべぇよ……こんなもんがあるって知られたら、先生に飲ませようとする生徒が押し寄せて来るぞ……

「先生……これは……」

「わかってるよ。サヤ、これ捨てよう!」

「え、だ、駄目なのだ! まだ1回も実験してないのに──

 

「ん、捨てるのなら私が貰う」

 ホいつの間に! 

 当たり前のようにそこに居たシロコさん

 その傍らには、ロードバイクが置いてあった

 ……それでここまで乗り込んできたの? 

 

「ん、先生。飲んで私を見るべき」

「シロコ、駄目、ステイ!」

「結婚式は和風と洋風、どっちがいい?」

「生徒と結婚はまずいから!」

「いいから早く飲んで、データを寄越すのだ!」

「ちょ、サヤも? モ、モカ! 助けて!」

 

 あわわ、えらいこっちゃ

 急いで懐からマグナムを抜き、サヤさんにゼロ距離射撃をかました

 

 ズドンッ!! 

「の゙だあ゙ぁっ?!」

 

 ……やりすぎかな? 

 えぐい悲鳴をあげながら一撃で沈んだサヤさんを心配していたせいか、こっちに指を向けているシロコさんに気づかなかった

 

「ん、人の恋路を邪魔する奴は……

あっち向いて、ホイ

「!? まずっ

 

 見えないなにかに体を思い切り引っ張られ、視界に映る景色が電車の中から見る風景のように流れていき、

 

 ガハッッ……!」

 

 壁に叩きつけられ、一瞬呼吸が止まる

 

 うう……厄介だなぁ、シロコさんの『あっち向いてホイ』

 指定した物体を指をさした方向に強制移動させる能力

 

 あんなわけのわからない能力に目覚めてしまうほど、ブルアカ流行語大賞投票0人が悔しかったのだろうか

 そんな軽口を考えながら、マグナムを構えなおs……

 

 あれ、マグナムがない!? 

 

 もしやと私がさっきまで立っていた場所を見ると、そこにマグナムが落ちていた

 あれを取りにいかないと攻撃できないが、取りに行ったらまた吹き飛ばされる……どうする? 

 

「ん、先生を襲う」

「シロコはまだ学生でしょ! めっ!!」

 

 助けを求めるか? 誰に? そもそも時間がない 今すぐここに来てくれてくれる人なんて…… 

 いや、いるじゃないか。1人

 

 私はスマホを取り出し、電話アプリのキーパッドに『110』と入力した

 きっと、これで来てくれる

 

 

 バァン!!! 

「ヴァルれ! 止まキューレ公安局だ!!!!!!」

 

「カンナ!?」

 

 救世主は、掃除用具入れからやってきた

 

 

 

 尾刃 カンナ ヴァルキューレ公安局局長

 この人は、自分が触った扉と離れた場所にある扉を『繋げる』ことができるらしく、その能力を活用し現場にすぐ駆けつける キョクチョウミズカラガ!? サスガダァ……

 

「カンナさん、先生を助けて!」

「大丈夫、心配しなくても平気だ」

 優しく話しかけられ、動揺が収まる 

 そうだ、公安局のトップが来てくれたんだ 私は邪魔しないように下がっていよう

 プロに任せれば、きっと大丈夫

 

「やあダニエル! 君と話がしたい!」

 ……ん? 

 

「ん、人違い」

「私は銃を持っている! でも大丈夫。心配はいらない! 人質を解放したら、君を撃たないと約束するよ!」

「キヴォトスではそんなの脅しにもならない」

「状況が分かっていないのか……? 君は破壊されるんだよ。分かるか!? 破゛壊゛さ゛れ゛る゛ん゛だ゛!! 

「ん、情緒不安定」

 説得する気が微塵も感じられないコントのようなやり取り

 しかしその間に、カンナさんは後ろに右手を回し、ズボンに差してある拳銃に神秘を注ぎ続けていた

 

「いいから警察は引っ込むべき」

「引っ込むのは、お前のほうだ(HNK)」

 

 そして交渉決裂した瞬間、機械のような正確さの早撃ちがシロコさんを襲った

 

 

 

「ホイ、ホイ、ホイ」

 飛んでくる銃弾を捌き続ける

 

 ここはキヴォトス 銃弾が自販機で売られている世界だ。そんな世界では、銃に関する知識は一般常識であり、警察が制式採用している銃も広く知られている

 当然、カンナが持っている拳銃も

 

「ホイ、ホイ、Hoi!」

 

 ある程度サイズの大きなものを動かす時には、「あっち向いて」まで言わなければならない

 弾切れを起こした瞬間反撃するため、シロコは弾丸を数えていた 

 改造していないように見えるあの拳銃の装弾数は、17

 17発目を捌ききり、すぐさま攻撃に転じようとした

 

「ホイ! あっち向いて──!? 

 

 しかし、カンナが最初に銃に注ぎ込んだ神秘

 それは威力を上昇させるためだけではない

その神秘は、奇跡を起こしていた

 

「28箇所の銃創だぞ! 確実に倒したかったんだろ!」

 

 奇跡の内容は、『最大装弾数増加』

 神秘の力によって装弾数は

 17発から28発に塗り替えられていた。

 

 ガガガガガッ!! 

 

 明らかにマガジンには入らなかったはずの11発の弾丸が、油断したシロコにすべて撃ち込まれ

 

「んん゛ッ!!」

 

 狼は、地に伏せた。

 

「私の任務は市民の保護だ。失敗はプログラムにないんだよ」

 リロードをしながらそう言ったカンナは、確かに正義の味方であり、頼もしい市民の味方でもあった。

 

 

 

「カンナさんすごい!」

「助かったよカンナ! ありがとう!」

 私たち2人は感謝を伝えるため、ヒーローに駆け寄った

 か、かっこいいたる~ 

 

「私は新型です。普通、ですよ」

 と返しながらも、なんだかカンナさんは照れくさそうで

 それを誤魔化すように、テーブルの上のビーカーを手に取り、中身を飲み干した

 

……飲み干した? 

 

「せ、先生……あれって、まさか」

「…………アッ! (スタッカート)」

 

「……フゥ……フゥ……」

 顔を伏せ、呼吸を荒くし始めたカンナさん

 大丈夫か確認したいけど、サヤさんの話が本当なら近づくのはまずい。

 そう思い、音を立てずに離れようとしたら

 

「カンナ、大丈夫!?」

 先生!? まずいですよ! 確か『最初に見た人間に惚れる』って話……

 

 カンナさんが、顔を上げた

 その表情は満面の笑みで、頬は赤く染まり、呼吸は乱れ、先生を見つめるその目は獲物を狙う野獣そのものだった

 あれ本当に惚れ薬? 媚薬……いや、もっとやばいもん混ざってない? 

 

「やあ、ダニエル♡」

 まずいですよ! 

 先生に接近される前に、急いでカンナさんに組み付く 勝った方が敵になっちゃったよ! 

 

「カンナ! 落ち着いて!」

「前任者は(脳が)破壊されました。私は新型(意味深)です」

「駄目だ、惚れ薬で壊れてる!」

「28箇所の噛み跡だぞ! 確実に愛したかったんだろ!」

「この人、夜激しいタイプだ!」

 

 性癖の開示! 本気だね! (錯乱)

 まずい、このままだと先生が両方の意味で食われる! 

 しかしカンナさんから逃れるためには、扉がない所まで移動するしかない

 ティンダロスの猟犬みたいな厄介さだなお前な! 

 

「先生! 私が時間を稼ぐので、その間に逃げてください!」

「……ごめん! すぐ誰かを呼んでくるから!」

 

 これでいい

 こんなバカみたいな出来事でキヴォトスが滅んだら笑い話にもなりゃしない……

 いや、おかしすぎて笑えるかもね

 とにかく、足止めしなければ カンナさんが扉に触れば、一瞬で先生に追いつく

 そしたらゲームオーバーだ

 

「カンナさん、落ち着いて! じゃないと……こう……酷いことしますよ! (ロリ並の語彙力)」

「私は生き物じゃない! 殺せないぞ!」

「え!? 嘘!? 嘘ですよね!?」

「はい!! (正直)ご期待に添えず、すみません! (半ギレ)」

「なんだこの人!!?」

「(道を)開けろ! 変異体の名を、1度は聞いた事があるだろう!?」

「ないです!」

「そうか! 君は欠陥品なんだ! (最上級の罵倒)」

「酷い!」

 

 いいかげん痺れを切らしたのか、すっとカンナさんの目が据わる

 まさか今の説得フェイズだった? だとすると次は……

 

「このままだと、痛い目に遭うんだぞ? そんなの嫌だろう……?」

 

「(道を)開けろ!!!」

 

 カンナさんが睨みつけてくる

 目には光が無く、ずっと見ていると吸い込まれそうだ

 その恐ろしい眼光に、身がすくむ うまく いきが できない 

 

 でも

 

 

先生は私の、恩人だ

 

 

 

「嫌だ! そんな頼み事は聞けないね!!」

 自分を奮い立たせ、抑える力を強くする

 今はこれが、精一杯だ

 

「そうか! まあいい! 私wにwはw関w係wなwいw」

 愚か者を嘲笑うかのように言い捨て、銃口を私に押し付ける

 

 まだ熱を持っていた銃口の熱さに顔を顰めながらも、いずれ来る衝撃に備え、私の唯一自慢出来る神秘をありったけ体に纏わせる

 マグナムが手元にない以上、こうするしかない

 大丈夫、時間さえ稼げば、きっと先生が誰か連れてきてくれる

 

 さあ、耐久戦といこうか

 

 

 覚悟を決めた、その時

 

 

「モカちゃん!!!!!!」

「うわぁ!? (ポンコツ)」

「ユウカさん!?」

 

 突然現れたユウカさんに驚き2人して硬直する。その間にドスドスと近付いてきて腕を振りかぶり

 

「私の大切なお姫様に何してるのよ!!」

 

 ユウカさんの右ストレートが突き刺さり、カンナさんがきりもみ回転しながら地面とキスした

 

 

 ちょ、それ先生のとっておきのセリフ──

 

キュン♡

 

 …………キュン? え? 

 

 ……え? 

 

 

 

 

 

 建物のすぐ近くでユウカを見つけ、モカが危険だと伝えると、私を追い抜きながら実験室へと走っていった。

 私は息を切らしながら遅れて到着する。

 どうやら、すでに惚れ薬で暴走したカンナを鎮圧してくれたらしい

 モカは、モカは無事だろうか? 

 

「……モカ?」

 モカを見つけたが、なぜか立ったまま微動だにしない

 不審に思い、2人で近づいていく。

 顔の前で指を鳴らしても反応せず、よく見ると目がぐるぐるしている。

 

「モカ、顔が真っ赤だよ。熱でもあるんじゃないかな」

「モカちゃん? ……確かに顔まっかっかですね」

 

 ユウカが額と額をくっつけると、さらに赤みが増していく

 

「熱があるみたいですね、どうしましょう」

「うーん、この倒れてる3人を放っておくことも出来ないし……」

「……そういうことならモカちゃんは私におまかせください! ミレニアムで責任をもって預かりますから♪」

「あ……せんせ……まって……」

「心配はいらないわモカちゃん。そーれ、すりすり~」

 

 ユウカ の ほっぺスリスリ こうげき! 

 モカ は いみのある ことばが だせなく なった! 

 

「 あ……ぇぅ……」

「ふふふ……ベッドでゆっくり、休みましょうね……」

 そう言ってモカを抱き上げ、満面の笑みで頭やお尻を撫でながらユウカは実験室を後にする

 

 

 

 あれセクハラじゃ……まあ女の子同士だし、いいのかな? 

 

 

 

 架空生徒設定

 

 尾刃 カンナ(デトロイト市警キヴォトス派出所)

 EXスキル ヴァルれ! 止まキューレ公安局だ! コスト1

 ステージに扉がある場合のみ使用可能

 そこからカンナが登場し、戦闘に参加する(100秒)

 ノーマルスキル クイックタイムイベント

 カンナが戦闘に参加している状態で、味方が敵のEXスキルの対象になった場合発動

 QTEが発生し、成功した場合味方に被ダメージ軽減を5秒間付与する

 失敗した場合カンナがステージにいられる時間が10秒減少する

 パッシブスキル ソフトウェアの異常

 攻撃力増加

 サブスキル 新型のアンドロイド

 味方のCC抵抗力上昇

 

 専用家具 局長のデスクと感謝の手紙の山

 

 カンナはその特殊能力で数多くの市民を救ってきた

 その助けた市民からの感謝の手紙はデスクの上には収まりきらず、床に侵食している

 コーヒーを飲みながら、この感謝の手紙を読むのが、カンナの休憩時間の過ごし方である

 




この後カンナは無事に解毒剤を飲み正常になりました。
これで考えていたアイデアを使い果たしたので、次は少し遅れるかもしれません。気長に待っていただけると嬉しいです。

教えて!ユウカちゃん!
Qなんでモカ達の近くにいたの?
「あの子は私とほぼ同じタイミングでシャーレに入ったの。いわゆる同期ってやつね。その時モカちゃんはスマホを持ってなかったから、私がプレゼントしたの。GPSは真実を導く。私の勝ちよ」

Q……ストーカー?
「そんな表現はあまり好きじゃないけど…そうなっちゃうのかしら。でも危険からは守れたじゃない!計算通り、かんぺき〜」

Qゲーム開発部の子達は狙わないの?
「アリスちゃんは淫夢ごっこをやめてくれないし、ミドリは先生と黒服さんやマエストロさんが…その…イチャイチャしてる絵を一心不乱に描いていて、見向きもしてくれないの。ユズに至っては戦車の形したダンボールをいつも被ってて、話しかけると砲撃してくるのよ!?あれどういう仕組みなのかしら…?」

Qコユキは?
「コユキに会いたいの?あの子は私の秘蔵のモカちゃん写真集のフォルダを見つけて、リオ会長に報告しようとしたから反省部屋に入れといたわ。まだそこにいるんじゃないかしら」


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7話 戦慄怪○ファイル コワすぎ!FILE-465 ユメ先輩捕獲作戦


こんなタイトルですが、ユメ先輩が車に轢かれたりはしないので安心してお読みください


 

 なんて検索すればいいんだろ? 

【ロリコンお姉さんが好きそうな服】……駄目。出ないな

【ロリコン 好きな服】……違う

【ロリ 服】 ……ゴスロリが出た。どうやって着るのこれ? 

 やっぱ麦わら帽子白ワンピかな? 安直すぎるかな……う〜〜〜〜ん どうしよ……

 いつもの服だとユウカさんガッカリしちゃうよね

 何とか約束の日までに決めないと……

 

 ……あれ? 来てたの!? …………今の見た? 

 見なかったことにしてくれると嬉しいな

 あー、コホン。やあ、鬼灯モカだよ

 今日の仕事は珍しく夜勤なんだ

 何せ依頼が『幽霊調査』だからね。依頼人はセリカさんだよ

 

『うぁぁぁ へ、ヘイローのない生徒がアビドスを練り歩いてる!』

「なにっ」

 事の始まりはこんな電話から

 セリカさんがバイトで遅くなった帰り道に目撃したらしい

『あれは絶対幽霊よ!』と言っているが、本当だろうか? 

 見た瞬間怖くなってすぐ逃げたため、幽霊の特徴とかはあまり覚えてないそうだ

 見間違いだったら恥ずかしいし、皆に不安を与えてしまうため、シャーレにこっそりと調査を依頼したとのこと

 

 こういうのって特異現象捜査部の出番じゃない? と思いヒマリさんにモモトークしてみたら「怒らないでくださいね? 幽霊って財団神拳効かなそうじゃないですか。やっぱり怖いですね幽霊は」と返ってきた

 辞めたらその部活? 

 

 まあそんなこんなで、セリカさんが幽霊? を目撃したという場所まで先生と2人で向かっているというわけです

「多分、夢遊病の生徒さんじゃないですか? 幽霊の 正体みたり 枯尾花ってやつです」

 ヘイローは意識がない状態だと消える

 つまり、寝ている時には消えるのだ その状態でふらふらと出歩いてる誰かがいて、幽霊だと思ったのだろう

 

「そうだね。それに幽霊だったとしても、セリカにもらったこのお清めの塩があれば大丈夫だよ」

 先生が塩がたっぷりと入った袋を頼もしげに見せてくる

 ほんとぉ? お清めの儀式見たけどなんか「みこみこにゃんにゃん」とか言ってましたよ? 多分効かないと思うんですけど(名推理)

 まあ、こういうのは大抵見間違いなんだよね

 それ1番言われてるから(慢心)

 

「ててて↑ーてーて↑ーて♪ ててててて↑ーて↓♪」

「お、ゴースト〇スターズ?」

「ゴーストバ〇ターズ!」

「ゴーストバス〇ーズ! (共鳴)」

 私達の元気な声は、アビドスのゴーストタウンによく響いた

 

 

 

 寒気で体が震える

 思わず両手で体を抑える

 冬ではないというのに吐く息は白い

 辺りの街灯が点滅を繰り返し、こちらに異常事態だということを知らせてくる

 

 今、私たちの目の前にはヘイローのない生徒がいる

 私よりも身長は高く、緑色の髪をしており、アビドスの制服を着ている

 その体は半透明で、時々ノイズのようなものが走り、顔は子供が黒いクレヨンで塗りつぶしたかのような靄がかかっている

 

 

 わぁー、コレがガチの幽霊ですかぁ

 いろんな怪現象が起きますねー

 こんなに怖いとは思わなかったぁ(震え声)

 幽霊出るかもしれないって分かってたのに、みこにゃん塩しか持ってきてないってマジ? 

 幽霊舐めすぎでしょ、悔い改めて(自戒)

 

 頭ではそんなふざけたことを考えていても、体が震えて動かない

 

 懐からマグナムを取り出し、構え、引き金を引く

 

 たった3ステップ  これまで何度もやってきたことなのに

 

 腕が動いてくれないのだ  

 

 

「せんせぇ……わたし……からだが……」

「モカ……大丈夫。私が何とかする」

 これが金縛りだろうか

 全く動かない私を見て、焦った表情をしながらシャーレの制服からなにかを取り出した

 

「これは、使うしかなさそうだね」

 先生が右手を掲げた

 その手にあるカードから閃光が放たれ、闇を切り裂いた

「先生! そのカードは!?」

 あれはまさか、大人のカード!? 強力な代わりに使ったら凄い代償があると噂の……! 

 

「これは『大人のカード』。シャーレに来てくれた子達を1人に付き4万クレジットで今いる場所に召集できる」

 ……代償ってお金なの? あーでも確かに、ゲームで助っ人を借りる時にそのぐらいかかった気がする……

「さらにこれを使うと、シャーレに領収書が届くんだ。デリバリーヘルプ、略して『デリヘル使用料 4万クレジット』と書かれた領収書がね……。最悪、勘違いしたユウカに殺されるかもしれない」

 悪意感じるんでしたよね? 

 大人のカードの代償って金と社会的に死ぬ可能性か……

「ユウカは君に対してはとても優しい」

 

「今は私がモカを守るよ。だから、後で私をユウカから守ってね」

「……先生」

 

 すごく……かっこ悪いです……

 

 カードの光は強くなり、この場に漂う微妙な空気すら切り裂いていく

 あまりの眩しさに目を瞑る

 段々と光が弱くなって行くのを感じ、恐る恐る目を開けると

 そこには先程までいなかったはずの生徒  花鳥風月部の箭吹シュロがいた

 

 

「手前はシュロっていいますぅ。よろしくニキーw」

 お、Jか? 

 

 メスガキみたいな顔をしながら現れたシュロさんは、幽霊を見てその表情を強ばらせた

「また厄介なやつ相手に呼び出してくれやがりましたねぇ……」

 そう言いながらも、私とは違い懐からスムーズに本を取り出した シュロが手に持っている本の背表紙には『洒落怖』と書かれている

 

「手前はある日おもったんです。「いちいち他人を追い詰めて怪談作るの面倒ンゴねぇ……。せや! 既にネットに転がってる怪談を使えばえぇやん!」と……」

「というわけで、頼みますねぇ『八尺様』」

 

 シュロさんが持っている本から次々とページが切り取られ、舞い上がる。

 そのページが集まっていき八尺、つまり2m越えの大きな人型の塊に……いや、2メートルもなくない? だいたい180センチくらいじゃ……

 人の形を作り終えた紙は、一斉に崩れ落ち、現れたのは

 

 

「もしかして……私の事、呼びました?」

 忍術研究部の、大野ツクヨだった。

 

「……先生」

「どうしたの?」

「ミスりました、すまんな」

「えぇんやで」

「サンガツ」

 

 いかんでしょ(震え声)

 今のところ初対面の子が2人に増えただけなんですがそれは……

 いやしかし、彼女は忍術研究部だ

 もしかしたら忍法、幽霊全殺しの術とかあるかもしれない

 そんな淡い希望を抱きながら、「あれ、ひょっとして私、お呼びじゃなかった……?」みたいな顔をしているツクヨさんに話しかける

 

「あの すみません お願いが」

「な、なんでしょうか?」

「除霊して貰えないでしょうか……?」

「除霊?」

「はい」

 

 そう言いながら、未だに佇んでる幽霊を指さす

 ツクヨさんがそちらを見た瞬間、ひぃ!? という言葉と共に体が跳ねる

「ひぁぁ!? も、木遁・四柱牢の術!!」

 悲鳴をあげ、怯えながらも何とか印を結んだツクヨさん

 それに応え、アスファルトを突き破り現れた無数の木 それは牢屋の形になり、中にいるものを封じ込める

 やりますねぇ! 木の無い所でこのレベルの木遁を……! 

 

 神秘で作られたその牢は木製だが強固であり、並大抵の力では突破できないだろう

 だが相手が悪かった

 幽霊は格子をすり抜け、外に出てきた 当たり前だよなぁ? (手のひら返し)

 

 それを見て

 

「ピィ!」

 ツクヨさんは固まり

「……!」

 先生はみこにゃん塩を握り締め

「Ⅴやねん!」

 シュロさんは懐から取り出した御神酒を口に含み、バットに吹きかけそれを構えた

 

 それぞれが違う方法で幽霊を待ち構える中、私は……

 

 

 メモ用紙とペンを取り出し、幽霊に近づいた

 

「モカ!?」 

 

 ペンと紙を差し出し、質問をする

 

「何か伝えたいことはありませんか?」

 

 思ったのだ この幽霊、攻撃してこないな、と

 幽霊は人を呪い殺すだけの存在ではない 未練があり、この世界に残っている

 ブルーアーカイブという世界で死亡しているアビドス生といえば、ユメ先輩だ

 実は最初から「これユメ先輩じゃね?」と疑ってはいたのだが、顔が見えないのと、これまであった人たちが軒並み前世の記憶と違うせいで確証が持てなかった

 

 ペンと紙が宙に浮き、ひとりでに文字を書き始める

 しばらく見守っていたら動きが止まったので、紙を取り読んでみる

 

『後輩  ホシノちゃん 心配  でもこの姿じゃ 会えない 会いたい』

 

「やっぱりあなたは……ユメ先輩、なのですね」

「モカ! 知ってるの?」

 あ、やべ 言っちゃった! 

 

 なんて言い訳しようか悩んでいると、幽霊に変化があった

 

 ノイズが少し収まり、顔の靄が薄くなる

 お、これは……? 

 

「どうやら、無力化が出来そうですねぇ」

 

 シュロさんは私が持っている紙を奪い取り読んだ

 

「名前と目的がわかってるなら話が早いです。怪談をでっちあげて、無害にしましょうかぁ。倒すのは骨が折れそうですしぃ」

「そんなことができるの?」

「怪異ほど話に影響されやすいものはありませんよぉ? チェーンソーを持ったホッケージェイソンやショタコン八尺様なんかがいい例です。話を捻じ曲げ、性質を変えさせる。手垢のつきまくった手法ですよ」

「作った怪談をオカルト板で拡散すれば、あとは怪異側が勝手に変質するのを待つだけです」

 

「ちょっと撮らせてもらいますねぇ。『画像も貼らずにスレ立てとな!?』対策なんで」

 シュロさんはユメさんの前まで歩いていき、スマホで写真を撮った。純度100%の心霊写真が撮れたことだろう

 画像を確認し満足そうに頷いた後、本を取り出し紡ぎ出す

 

「手前さんは、『ユメ先輩』という怪異です。死んだ後も後輩が心配で成仏できず、死ぬ前の姿でその後輩の前に現れ、泣かせ、死ぬまで一緒にいたという。そういう怪異だと手前が定義し、語ります。手前さんがやることは、それを本当にするだけですよ。ま、せいぜい頑張ってくださぁい」

 

 言い終わると、ユメさんの体が揺らぎ、消えていく  もう少しで見えなくなる その時に

 

「みんな ありがとね」

 

 かすかに聞こえたその言葉

 気のせいだったかもしれないが、言われたことにしておこうか

 

「さあ手前さんら、さっそくなんJのオカルト板にスレを立てますよぉ! 1000行くまで眠れないと思ってくださいねぇ!」

「レスを1000個もつけちゃいます!」

「1000個も!? 無理だよ、みんな下がれ!」

「あ、あの。私もですか……?」

「当たり前ですよぉ」

「私もやるんだからさ(同調圧力)」

「あはは……手伝ってくれると助かるかな」

 

 

 私たちはこれから1人の少女を救いにスレを立てに行く 

 ああ、今夜は眠れそうにない

 

 

 

 

 

 夢をみる とびっきりの悪夢を

 最初はユメ先輩と楽しく会話していた

 その最中、お菓子が欲しくなったとか、飲み物を取りにいくとか

 そう言った理由で目を離した後、ユメ先輩の方を見ると

 先輩が倒れている

 

 慌てて近寄って揺さぶっても反応がない

 夢での私は慌てふためき、助けを呼ぶことも心肺蘇生を試みることもしなくて、そのままユメ先輩は冷たくなっていく

 大好きな先輩が冷たく固くなっていっても、私は泣くことしかできなくて

 ふと顔を上げると、昔の可愛げのない私がこちらに指を指している

「お前のせいだ」と言わんばかりに

 

 そこで私は目が覚める

 ベッドから飛び起き汗を拭う 乱れた呼吸を整え、喉がカラカラに乾いていることに気づく

 水をコップに注ぎ、一息に飲み干す それをもう1回

 顔を洗い、黒いスーツに着替え、黒い手袋を付け家を出る

 ああ、今夜は眠れそうにない

 

 

「悪かった! アビドス高校はもう襲わないよ! だから──

「『ホイールズインダストリー』」

 自分の身長の倍以上もある大剣で叩き潰す

 

「うわあああ! 来るな、来るなぁ!!」

「『クリスタルアトリエ』」

 次に手袋から取り出した結晶の双剣は羽根のように軽い

 銃弾を避け、時に弾きながら距離を詰め、双剣で敵にバツ印を描いた。

 

「『老いた少年工房』」

「ガフッ……!」

 戦鎚を頭に振り下ろす

 ヘルメットを砕いてもなお勢いは止まらず、中身を地面に叩きつける

 

「『ロジックアトリエ』」

 ポンプ式のショットガンを構え、残った1人に突きつける

 そいつはもう銃を捨て、両手を上げて降参していた

 

「伝えろ、私の恐ろしさを。ここに手を出すとどうなるかを」

「は、はい!」

 落とした銃や気絶した仲間には目もくれず逃げ去って行く

 これで暫くは安全だろう

 

 蹂躙を繰り広げた場所から離れ、あてもなく彷徨う

「……うへー」

 いつまで、これを続ければ……

 

 

「や! ホシノちゃん 久しいね!」

 

 

 周囲の雑音が遠のく

 その声は

 忘れるはずもないその声は

 

「ユメ、先輩?」

 

 振り向いた先にいたのは、私が想像した通りの人物で

 私は迷うことなく駆け出していた

 なぜここにいるかなんて、どうでも良かった

 もう、限界だった

 

 ずっと会いたかった。

 

 もう一度話したかった。

 

 また、あの温もりを感じたかった

 

 

「おいで、ホシノちゃん!」

「ユメ先輩!!」

 

 

 先輩が、腕を広げて待っている

 私はその胸に飛び込──

 

 スカッ

「え?」

「アッ!!」

 

 めなかった。え、今、すり抜け……

 

 ズサアアアアア! 

「うへぇぇえええ!!」

「ホシノちゃああああああああぁぁぁん!!」

 

 代わりに抱擁してくれたのは母なる大地だった

 痛い、凄い痛い。でも……

 

「ごめんホシノちゃん! ちゃんと会えたことが嬉しくて、幽霊だってことすっかり忘れちゃってた!」

 

 この痛みは、目の前にユメ先輩がいるこの状況が、夢じゃないってことを教えてくれた

 

 涙が出る この涙は、痛みのせいか それとも

 

 

「相変わらずですね。ユメ先輩」

「えへへ、ごめんね」

「話したいことが、たくさんあるんです」

「うん」

「付き合ってくれますよね」

「もちろんだよ! ホシノちゃん!」

 

 今日はもう眠れそうにない

 でも明日はきっと、よく眠れるだろう

 

 

 架空生徒設定

 

 小鳥遊ホシノ&ユメ先輩(ぬわああああん憑かれたもおおおん)

 EXスキル ホイールズインダストリー コスト4

 指定した敵1人に攻撃力の465465%のダメージを与える/この攻撃をくらった相手は、EXスキルの発動が出来ない(10秒)

 ノーマルスキル 黒い沈黙

 時間経過と共に攻撃力が上昇していく

 パッシブスキル ずっと一緒

 攻撃力増加

 防御力増加

 回避率増加

 サブスキル アラス工房

 15秒毎に発動 ランダムな敵に攻撃力の810%のダメージを与える/攻撃力低下を付与(10秒)

 

「ホシノちゃん頑張れー! 負けるなー! あ、危ない! 後ろ……じゃなかった! 右! いや、上行った! すごい早いねあの子! わあ、何あれ!! 凄い攻撃だよ見てホシノちゃ──

「先輩うるさいです! 戦闘中ですよ!」

「ごめん!! (クソデカ大声)」

 




手前ちゃんが書くの一番難しかったゾ・・・
(木に変装しただけでツクヨちゃんを木遁使いにして)本当に申し訳ない(外道博士)

教えて!ユウカちゃん!
Qチェーンソーを持ったジェイソンの何がおかしいの?
「実は『13日の金曜日』シリーズでジェイソンは1回もチェーンソーを使って人を殺してないのよ!チェーンソーを使うのはレザーフェイスね。恐らく混同しちゃったのだろうけど、なんでその姿が有名になったのかしらね…?」

Q(モカちゃんとは)最近どうなん?(レ)
「前はなでなでしたり抱きついてもされるがままだったけど、最近は頬を撫でてたら手を重ねてきたり、抱きついたらおそるおそる抱き締め返してくるようになったのよ!!!!!可愛いわね!!!!!」


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8話 多分キヴォトスで1番不足しているのは愚痴を聞いてくれる友達


銃を買おう(提案)に次ぐ日常回です
なかなか難産でした
やっぱりバトルのほうが書きやすいですね・・・


 

 やぁみんな! 鬼灯モカだよ。

 まずは幽霊調査の後、大人のカードの代償でシャーレに届いたはずの『デリヘル使用料4万クレジット 指名生徒 箭吹シュロ』と書かれた悪意の塊をユウカさんが来る前に見つけ出せなかったこと

 そして私が作戦名『鬼ごっこしようよ! (ロリ特有の唐突な提案)』をユウカさんに使用し何とか時間を稼いだ話を、臨場感たっぷりに、手に汗を握らせながら、話して聞かせたいところなんだけど。

 その前にみんなにちょっと聞きたいことがあるんだよね

 

「あの、アオイ?」

「何かしら? 先生」

「これで今年の総決算5回目なんだけど……」

「何が問題でもあるのかしら?」

 

 

 総決算ってあんな頻繁にやるもんなの? 

 

 今まで、シャーレの業務は主に私と先生、ユウカさんの3人で行っていた

 だが最近になって連邦生徒会からアオイさんが来るようになり、ユウカさんの手伝いの頻度が減っている。

 それに関してユウカさんは「モカちゃんを撫でまわす時間が増えて助かるわ!」と言っていた。

 嬉しいですけど……セミナーの業務はどうしたんですかね? (震え声)

 

「安心して先生。総決算はやることが多くて大変だけれど、その間は私があなたの面倒を見るわ。仕事も、生活も、領収書もね」

 

 アッブェ!? カードの代償探しの時、来てたのがアオイさんじゃなくて良かったよ

 足止めの難易度が跳ね上がっただろうからね

 

「ありがとう、アオイ」

「ふふっ、貴方は私が居ないとすぐ食事を疎かにするから……今日は楽しみにしていなさいね」

 それにしてもなんかアオイさんがめちゃくちゃ先生の彼女面……いやあそこまでいったら妻かな? 妻面をしている

 まあ、それはいいんだよ。私が口を出すことでもないしね。ただ……

 

「モカ、何か悩み事はないかしら? 何かあったら遠慮なく私に相談するのよ。私はあなたのお母さんなんだからね

 最近の悩みは、血の繋がってない母親が突然現れたこと……ですかねぇ……

 アオイさんの思考回路がどうなってるのかは分からないが、何とか発言から情報をかき集め、組み合わせた結果、アオイさんは私を先生とアオイさんが作った子供だと認識してるっぽい

 職場で妄想を垂れ流すのは、やめようね! (迫真)

 否定しようにも、目のハイライトさん!? がどっか行っちゃってて、「(私はアオイさんの娘じゃ)ないです」って言ったらなにされるかわかんないんですよね……

 やっぱ怖いスね異 常 先 生 愛 者は

 

 なんかずっといっしょにいたら「あれ、私の名前って扇喜モカだっけ……?」みたいに精神が汚染されそうなので今日は、先生とアオイさんとは別行動をすることにしたんだ。

 

 私は今、シャーレの建物の入口辺りで相談所を開いている

 適当にかっぱらってきた机ひとつに椅子2つ 「シャーレ相談所 鬼灯モカ」と書かれた手書きのポスターで構成された即席相談所となってるよ

 

 なんか先生が忙しそうだから、先生の所まで話が行く前に私が解決出来そうなものは処理しちゃおうという考えで作ったけど……

 

 一般通過生徒さんや一般通過スケバンさんが私を見てめっちゃほっこりした顔をして去っていく

 そうだよねぇ、私イブキちゃん並の身長だもんね……いくら悩んでても明らかに手作りの相談所にいるロリに相談しようとは思わないよね

 むしろシャーレに相談しに来た人達を追い払ってるのでは……? でも先生の負担は結果的に減ってるしいいか

 う〜ん、なんか陽射しがポカポカしてて眠くなってきた……このまま寝ちゃおうかな……

 

 うつらうつらしていると、近くに人の気配を感じた

 本日初の記念すべき相談者か! と思い顔を上げる

 そこには

 

 

「お〇んこぉ^~(気さくな挨拶)」

 ハナコさんがいた。申し訳ないが、言語汚染されている方はNG

 

 そしてハナコさんを皮切りに、何故か急に人が来始めた

 丁寧にすべてを話してもいいけど、長くなっちゃうからね

 ある程度はダイジェストにして話そうか 

 

 

 ふたりめ 尾刃カンナ

 

 

「やあダニエル!」

「鬼灯モカです(迫真) この前ユウカさんに思いっきり殴られてましたけど、大丈夫ですか?」

「大丈夫、心配しなくても平気だ」

「そうですか、良かった……」

「残念ながら前任者は破壊されました。ですが、メモリーは全て私に転送されています。仕事への影響はありませんので、御安心を」

「嘘でしょ……(SIRNSSZK)」

 

 詳しく聞いてみたらアンドロイドジョークだって。(ブラックジョークは)お前重いんだよぉ! 

 

 

 さんにんめ 天童アリス

 

「オッスオッス! この辺にぃ、美味いラーメンの屋台来てるみたいですよ! アリスと一緒に行きませんか?」

「アリスさん! 今はお仕事中なので、12時まで待って貰えますか?」

「かしこまり!」

 

 行ってみたら柴関の屋台だった

 店を間接的に爆破したようなものなので冷や汗だらだら流していたら、大将は気にするなと言ってトッピングの味玉を無料で載っけてくれた

 大将は神的にいい人だから。かんしゃあ~(NT)

 

 

 よにんめ 乙花スミレ

 

「すみません、相談いいですか」

 あまりにも暇すぎたので、カンナさんに教えてもらったコイン遊びのトレーニングに夢中になっていたら、人が来ていることに気づかなかった

「あ、はい! もち────

 

 思わず言葉を失う 顔を上げた先にいたのは、腕にものすごい筋肉を……具体的に言えば腕がキックバ〇ク米〇玄師みたいになっているスミレさんがいた

 

「あの、大丈夫ですか?」

「え!? あ、はい問題ありませんよ?」

 嘘です、私をワンパンで消し飛ばせそうな筋肉に動揺してます

「実は、もっと筋肉をつけたいのです。なにかアドバイスをいただければと……」

「もっと筋肉を!?」

 今だって凄い筋肉……ハッピーで埋めつくしそうな筋肉をしているのに 恐ろしい娘!! 

「ちなみに普段はどのようなトレーニングを?」

 

「腕立て伏せ、上体起こし、スクワットをそれぞれ100回ずつ、その後にランニングを10キロします」

 ワンパンで全てをなぎ倒せるようになりたいんですかね? 

 

 トレーニング方面でアドバイスは難しそうなので、筋トレに合う料理を調べ、一緒に料理練習をした

 前世の自炊にて得た知識を総動員させたが、所詮家庭料理レベルの知識

 参考になったかどうかは分からないけど、ありがとうございました! と元気よく言ってもらえたから、悪くはないんじゃないかな

 

 

 ごにんめ 早瀬ユウカ

 

「聞いてよモカちゃん! 

 C&Cがね、任務の途中で鉢合わせた狐の忍者に投げつけられた紙が、分裂した上に連鎖爆発を起こし目標の施設が壊滅したとかいうふざけた報告書を出してきたのよ!

 どうせまた自分達で壊しちゃったのを誤魔化したいんでしょうけど、狐の忍者って何よ! 紙が爆発って何よ! 私を馬鹿にしてるわよね!?」

「せやなー(AKNちゃん)」

 

 ここでキヴォトスに2代目火影の卑劣な互乗起爆札を潜影蛇手! 

 あらやだ汚染されちゃったわヤダー! (A.Y.O.Y)

 ハハハ……イズナさん、まだ会ったことないけど……嘘だよね? 

 

 

 さいご 空崎ヒナ

 

 

「凄く、お疲れのようですね?」

「……そんなに顔に出ていたかしら?」

「いや……顔というか……」

「?」

 私は苦笑いしながらヒナさんの後ろに目をやる

 そこにはシナシナを通り越して一切クセのないストレートになった髪があった

 その髪はモフモフどころか艶まで失い、傷んでいる

 これは……ゲヘナシロモップの新種じゃな? 

 ゲヘナストレートシロモップとして学会に発表しなきゃ(使命感)

 

「えっと、本日はどのようなご相談を……?」

「私はゲヘナで風紀委員長をしているのだけれど

 

 

仕事がつらいの…………

 

 言えたじゃねぇか……! そりゃ、つれぇでしょ……

(ゲヘナで風紀委員長なんてやったら辛いのは)当たり前だよなあ? 

 まあでも、一応聞いておこうかな

 

「それはやはり……鎮圧対象が多すぎることからとかですか?」

「いえ、そっちは暴力で解決できるからむしろ楽よ」

 ん? だとすると何だろう? 万魔殿の嫌がらせのほうかな

 

「問題は、私の部下なのよね」

「部下、ですか?」

 あら、原作ではアコさんの服装以外は何も問題ないと思うけど……? 

 

 

「これは今日あったことの一部なのだけれど……」

 

 

『ワン! ワン!』

『なんか犬っぽいわね……』

 事務仕事は優秀だけれど意思疎通が全く取れないアコ

 

『委員長! お疲れみたいだな! 私の足には疲労回復効果があるから舐めるといいよ!』

『そうです! 委員長もどうですか! 疲れが吹っ飛びますよ!』

『ああ……これで業務終了まで持ちそうです……』

『遠慮しとくわ』

 当たり前のように足を舐めさせるイオリと当たり前のように足を舐めてなぜか元気になる風紀委員達

 

『ヒナ委員長は先生と混浴しないんですか? 私はしましたけどね。委員長もお疲れなのでしたらすればいいのに』

『そう……(半ギレ)』

 何かにつけて先生と混浴したことでマウントを取ってくるチナツ

 

『あの、その、大丈夫か? 良かったらこのマコト様と一緒にイブキと遊んでいかないか? 癒されるぞ!』

『ごめんなさい、そんな元気は残ってないわ』

『そう……か』

 なぜか最近妙に優しくしてきて気味が悪いマコト

 

 

 

「もう嫌なのよ……職場が……! 私を殺してちょうだい……! (ライナー並感)」

「ヒナさん……!」

 

なんだこの風紀委員会は……たまげたなぁ……

 おいたわしやヒナ上……

 

「あまり人前には出せない部下ばかりだから、私が頑張らなきゃと思って仕事をこなしているのだけれど、

 そのせいか、最近眠ろうとすると、声が聞こえるようになったのよ。そのせいで……」

「あまり眠れていない、と。どのような声が?」

 

「こんなことをする暇があるのかって……私を責めるような誰かの声が、まるで私を取り囲んでいるかのようにね。このままろくに眠れなくなったら、私はどうすれば……」

 

(症状が)重度ですねぇ……やべぇよやべぇよ

 

 今すぐにでも先生にぶん投げるべき案件だが、タイミングが悪すぎる。今シャーレには様子のおかしいアオイさんがいる。

「私は先生の妻よ(大嘘)」を食らったらヒナさんは口の中に終幕:デストロイヤーの銃口を入れてしまうかもしれない

 

 だが、こんなロリ相談所に来るくらいだ 今のヒナさんは限界まできているとみていい 

『また後日お越しください』の後日は来るかどうかも怪しいだろう

 

 今すぐ何とかしなければいけない

 だがやるべきことは問題の解決ではない 応急手当だ

 

「ヒナさん! こちらへ!」

「え、な、何?」

 

 ヒナさんの手を引っ張り、シャーレの中にある仮眠室に連れていく。

 

「ここは、仮眠室? 無理よ、場所を変えた程度じゃ眠れないわ」

「大丈夫です、私に考えがあります」

 

 ヒナさんをベッドに横たわらせ、私も向き合う形でベッドに入る

「えっ。ちょ、ちょっと……!?」

 

 恐らくヒナさんは今、自分の強すぎる責任感が生み出した妄想に殺されそうになっているのだろう

 だが、私がその推理を得意気に披露したところで安心して眠れるようにはならない。

 

 正体不明の何かに怯えて眠れない子供を寝かすにはどうすれば良いか

 

 私は、ヒナさんの目をしっかりと見ながら言った

「私、こう見えても数多くの不良や、巨大な機械のムカデ、自爆テロ犯、公安局の局長、最近では幽霊とまで戦ったことがあるんです。(活躍したとは言ってない)私が眠っているあなたを守ります。守ってみせます。だから、安心して休んでください」

 

想像上の怪物に勝る安心感を、傍に人が居る安心感を与える

ヒナさんの頬を撫で、笑いかける。大丈夫、私がついていると

 

「幽霊……? それに公安局の局長……? ふふっ。あなたって、意外とやんちゃなのね」

「あはは、それにはわけが……いや、そのお話は起きた後のお楽しみにしましょう」

「えぇ、そうね……」

 

 ゆっくりとヒナさんの耳を塞ぐ

 睡眠を妨げる声が入らないように

「起きるのが……たのしみ……ね……」

 

 

 

 どうか、いい夢を

 

 

 

 

 現在時刻は朝 どうやら、あれから次の日までぐっすりと眠ってしまったようだ

「ごめんなさい、昨日初めてあったばかりなのに、こんなに甘えてしまって」

「いえ、大丈夫ですよ。ある程度は疲れがとれたみたいですね。よかった……」

 そこには何とかノーマルシロモップまで持ち直したヒナさんの姿があった

 

「えぇ……そうね」

 なにか迷っている感じのヒナさん。目線ががあちこちに飛んでいる

 だがやがて決心がついたのか一呼吸おき、話し始めた

「あの、その、もしよければ……だけれど

 私と、友達になってくれないかしら。そして、あなたの話を沢山、聞かせてちょうだい」

 TKGW君!!! やっとまともな子が出てきたぞ(感動)

 

「もちろんです! よろしくお願いします!」

 そういうと、ヒナさんが輝くような笑顔を見せてくれた

 新しいご友人……素敵だ……

 

「ねぇ……私、友達が出来たらずっとやりたかったことがあるの……いいかしら?」

「はい……? いいですよ」

 

 そういうとヒナさんは私の後ろに回り込んだ

 振り向こうとすると前向いてて、と言われるので大人しく前を向く

 一体何を……? 

 

 待っていると背中からヒナさんに抱きしめられ、その後

 

 私の後頭部からスウウウウという音と共に吸われる感覚がした

「ひゃああああ!?」

「あぁ……いいわ。名付けるならモカ吸いね。カフェインが摂取出来そう……もっと吸いましょう」

「ちょ、ちょっと待ってください! 待──!!!!!」

 

 

 

 なるほど、君も何かにのまれたか(落胆)





ネタ切れにならないように定期的に以前出した生徒を再登場させつつ、新生徒をちょっとずつ出しています
というか最初にいっぺんに出しすぎましたね


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9話 出来たよ先生。催眠アプリ使用後の好感度を測定しないと出れない部屋の自爆ボタン(ブルーテュース対応)だ


いいタイトルが思い浮かばなかったので適当に書きました
タイトル考えるのって難しいですね。

アンケートの結果、何も思いつかなかった場合のみ原作のまま登場させるというスタイルになりました。ご協力ありがとうございました!


 お、ちょうどいい時に来たね 鬼灯モカだよ。……そろそろ自己紹介はいらないかな? 

 まずはカンナさんに教えて貰ったコイン遊びをユウカさんに披露し、褒められながら頭を撫でて貰ったり、道を歩いてたらココナさんによく似た生首に「モカ、お前も寝ろ」って言われてビビり倒した話を、情熱的に、まるで歌うように、話して聞かせたいところなんだけど

 これからトリニティとの学園交流戦が始まるからね。また機会があったら話すよ。

 

 場所は近くに川が流れている公園のような所

 そこに私たちは集まり、交流戦をしようとしていた。

 相手は浦和ハナコさん、下江コハルさん、白洲アズサさん、阿慈谷ヒフミさんの4人

 交流戦トリニティAのメンバーだよ

 

「やっぱりハナコの胸が1番揉みごたえあるわね!」

「(いい加減しないと制裁の)鞭が入るぞ鞭が」

「鞭!? そういうプレイ!? エッチね! 無罪!

「な、なんか……(こいつ)駄目だな……」

「コハル、ハナコが嫌がってる。やめた方がいい」

「しょうがないわねー、ヒフミ! 揉んでいい?」

「あはは……駄目です(ヤーマン)」

 

 わーお☆普段は言語汚染で相手を圧倒しているハナコさんが押されてるじゃんね! 珍しいじゃんね! 

 はぇーハナコさんもなんだかんだ仲良くやってるんですね

 なんか安心した……

 

 世界線が変わっても仲のいい補習授業部メンバーにほっこりした後、私たちの陣営、シャーレメンバーに目を向ける

 蒼森ミネさん、天童アリスさん、棗イロハさん、そして私こと鬼灯モカの4人だ。

 先生曰く、6対4はちょっと……駄目じゃない? とのこと

 な……なにっ反論できる点がまるでない

 

「これから交流戦ではしゃぎすぎる皆さん! 会釈!!!!!!」

 原作と同じく盾は持っているが、ミネさんの手には銃の変わりにオレンジ色のペットボトル、モー〇ングレスキューが握られていた

 会釈!!!!!! 

 

「オッスお願いしまーす!」

 いつもの日本刀の姉ちゃん(アリス)

 原作で持ってたレールガンはどうなったのか気になり、ユウカさんに調べて貰った所、ウタハさんが雷ちゃんに載せようと頑張っているらしい

 それもう戦車じゃない? 

 

「戦車を降りる必要性がない★☆☆☆☆」

 もう既に戦車に乗っているイロハさん。ずるいよなぁ? 

 EXスキルは荼毘に付したよ……

 

 最後の1人は私、鬼灯モカ

 ……神秘は高いけど、みんなみたいに超能力とかすごい技術とかはないの、結構気にしてるんだよね。

 でもほとんどの依頼で先生は連れて行ってくれる。なんでだろ? 

 

「みんな、準備はいいかな?」

 インカムから先生の声が聞こえてきた。

 周りを見渡すと、みんな準備万端のようだ

 

「それじゃあみんなよろしくね……はじめ!」

 先生の合図で、戦闘は始まった 

 

 

 

救護(レスキュー)開始!」

 1番早く動いたのはミネさんだった

「戦場をスッキリ爽やかに!」

 そう言いながら投擲されたのはモー〇ングレスキュー

 ミネさんの怪力で投げられたペットボトルは、パァンという空気が爆ぜる音を置き去りにし、

 

 

 ドゴォ!!!

「む゛う゛う゛ん!?」

 ハナコさんに直撃した

 スペシャル枠に攻撃するのはルールで禁止っスよね!? 

 

「この野郎醤油瓶……! (全ギレ)」

 怒っていることだけは分かる謎のセリフを残し、ハナコさんは倒れた ちょ、いいんスかこれ(震え声)

 

 

 

「私の相手はあんたね!」

 その声で意識が戻される、危ない危ない、戦闘中なのにあまりのルール無用な光景に気を取られ過ぎていた

 すぐさまコハルさんにマグナムを向け、神秘を込め始める

 

 あれ、コハルさん、なんかハンマーみたいなもの持ってない? 

 いや、あれは……法廷で使われる木槌、ガベル? いや、それにしては少しデカイな というか……

 あれーおかしいね手榴弾じゃないね(震え声)

 

 コハルさんは勢いよくガベルを地面に振り下ろした。

 

『領 域 展 開』

 

 ガベルが叩きつけられた地面を中心に景色が塗り代わり、一瞬で周囲を飲み込む

 場所は戦場から法廷へと変わった。

 これは、日車〇見の領域展開!? いや、しかし……

 動揺を抑え、周囲をよく観察する

 

 ……違う。ジャッジマンはおらず、コハルさんは既に処刑人の剣を握っている

 ほう、死刑か無罪しかない裁判ですか。大したものですね(震え声)

 

 コハルさんは処刑人の剣の切っ先をこちらに向けた

「さあ、貴方はエッチなの?」

 

 急いで自分を確認する

 私はエッチなのか……!? 

 見ると、そこにあるのはいつもの白いロングコートに黒いズボン

 ペタッペタッペタッのロリボディ

 まずい! エッチな要素がひとつもないのでは!? 

 思い出せ、この世界線のコハルさんは相手がエッチだと無罪にする

 な、なにかしないと……

 

 必死に脳をフル回転させ、思いついた答え

 

 それは──

 

 

 

「…………チュッ///」

 投げキッスだった。

 何故私は戦闘中にこんなことを……? 

 恥ずかしさで顔が熱くなっていくのを感じる

 

 祈りながらコハルさんを見ると、例の顔꒰ঌ(⸝⸝ↀᯅↀ⸝⸝)໒꒱をしている

 

 どうだ……!? 

 

 

「清楚系黒髪ロリの赤面投げキッス! エッチね! 無罪!!!」

 

 

 やったぜ 投稿者 イカれキヴォトス転生ロリ

 

 

 釘でも打ってるのかな? ってくらい振るわれているガベルの音を合図に、周囲の景色が元に戻る  生きてるー! (ONDISK)

 皆はまだ戦闘中だ。流れ弾や銃声が届かなかったことを見るに、一時的に隔離されていたのだろうか

 

「よーし、じゃあ次のk

 コハルさんの足元が爆ぜて吹き飛ぶ

 

「ハァ……不愉快なので消しましたよ」

 イロハさんの砲撃だ 助かる! (ローラン)

 

 

 コハルさんが倒れたので、援護が必要な人が居ないか周囲を見渡す

 

「ホラホラホラホラ!」

「そんな……銃弾を全部切り伏せるなんて……!?」

 親のラッシュより見たホラホラッシュで銃弾を切り伏せながら進むアリスさん

 

「すべてを無に帰し、徒労であると知れ! et omnia vanitas!

 アズサさんのアサルトライフルから放たれる強力な一撃

 それを刀が迎え撃つ

「ちょっと刃当たりますよー! (予告) 焼時刃(やくときは)!」

 ギイイイイイイイ!

 神秘的な炎を纏った刀身と銃弾は少しの間拮抗しーー

「YO!」

 銃弾が両断される結果となった

 

「お前を敗北へ誘う・・・アリスアサシンです!」

 その銃身を振り回せんのかよ……なパワーで振るわれる刀は、

 

「ばにたす・・・ばにたーたむ・・・」

一撃でアズサさんを沈めた

 

「そ、そんな……」

 残るは、ヒフミさん1人だ。

 4対1の状況に、顔が絶望に染まっている

 すまないが、これも先生の為……卑怯とは言うまいな

 

「うぅ……こうなったら……」

 ペロロバックに手を突っ込むヒフミさん さてはペロロ様デコイか! 

 

 

 

「助けて、ペロロジラ様!」

 あ、おい待てい(焦り)

 

 後方に投げられたペロロはまるでポ〇モンのダ〇マックスのように大きくなっていく

 見上げると首が痛くなるほどに大きくなったペロロは、着地と共に地面を揺らした

 

 突然総力戦始まったんですがそれは(困惑)

 

 呆然とする私たちに構わず、ペロロジラの目からビームが放たれた

 あれは、白熱眼光!? 

 

「こいつがセルニモンだ!」

「ペロロジラ様です(半ギレ)」

 それにいち早く反応できたのはミネさんだった

 

「つらい味方を救え! 救護(レスキュー)開始!」

 ミネさんが大きくジャンプしてビームに割り込み、盾で遮断する

 中居さ──ん! (感動)中居さんありがとう! フラッシュ! (勇姿を撮影)

 

 何とか拮抗してはいるが、防ぎきれるだろうか

「ミネさん! 大丈夫ですか!?」

「つらい! (本音)」

「ですよねごめんなさい!」

 

 あまり余裕は無さそうだ、援護しなくては! 

 

 

「助けて! ペロロ様!」

 

 禁断のペロロ“二度打ち”

 ◇このクソコンボは……? 

 

 ペロロジラに向けていたはずの切っ先、砲塔、銃口が全てペロロ人形に変更される

「ンアーッ! アリスバッチェ冷えてますよ! (半ギレ)」

「こいつに攻撃する必要性がない!!! (半ギレ)」

 こんなことしている暇はないのに、体が勝手にペロロ人形を攻撃する! 

 

「(お前ら)はしゃぎすぎ!!!!!!!!!!!」

 そうこうしてる間にミネさんが耐えきれず撃墜された

 これは……負けじゃな? 

 

「先生、これ無理です! 諦めましょう!」

「(味方を6人に)補充しろ!」

「手加減を忘れてしまったんですかね。本当に正式な対戦相手ですか? (震え声)」

「ンアーッ! 敵がデカすぎます!」

 

「ギブアップ! ギブアップするよ!」

 先生がそう叫ぶと、ペロロジラは小さくなり、元のペロロ様に戻った

 

 これで交流戦トリニティの最低難易度ってマジ? キツすぎるだろ……

 

 

 

 アロナが教える攻略のヒント

 この交流戦ではヒフミさんがペロロジラを出してきます。

 出される前にヒフミさんを倒すか、出されても倒し切れるように生徒さんを鍛え、6人で挑みましょう! 

 モカさんは武器変更に応じてくれるので、ペロロジラやペロロ人形に有効なド〇ネーターやXガ〇などを購入し渡してあげるのも良いと思います! 

 

 

 

 

 

 架空生徒紹介

 

 下江コハル (ガバガバ死刑執行人)

 EXスキル 誅伏賜死 コスト7

 敵1人を選択し、一時的に拘束する その間はお互いにダメージを受けない

 敵がエッチだった場合、解放しお互い戦闘に戻る

 敵がエッチじゃなかった場合、戦闘不能にする

 エッチかどうかの判断はコハル自身が行う

 ノーマルスキル 私が治療してあげる! ふへへ……

 自身を除きHPが80%以下の味方に対して、治癒力の364%分の回復をスケベな手つきで行う

 回復する生徒によっては殴られ、ダメージを受ける

 パッシブスキル 女の子がいっぱい! 

 味方の数で攻撃力が変動する

 サブスキル いいケツしてるわね! 

 いいケツしてる味方がいた場合発動 ケツをシバき、自身とその味方の攻撃力を増加させる(15秒)

 シバいた生徒によってはシバき返され、ダメージを受ける

 




まるで異能力バトルものみたいだぁ…

書いている私が混乱してきたため、整理のためにも次回投稿するのは随時更新型の登場人物まとめとなります。ミーム元や汚染された生徒の設定も書くつもりの為、良かったら見てください。
「興味無いね(KRUD)」という方は、ネタを思いつくまで今しばらくお待ちください。


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10話 プレゼントされて困るもの第1位 自作ラブソング(クロノス調べ)


すげぇアイデアの数!何個も!かんしゃあ~(NT)
誤字報告してくださる方も、ありがとうございます!

今回、超電磁砲のキャラが出てきます。
なんで?って思った方はこの話を読む前に『ブルアカ 超電磁砲 コラボ』でチェックしろ…鬼龍のように…


 やあ、ようこそ。バーボンハウスへ。…………なんてね。

 えへへ、一回やってみたかったんだよねーこれ。

 さて、まずは一般通過生徒さんが「モモフレがさー御坂美琴がさー」って話しているのを思わず2度見しちゃったり、ゴミ箱が銃を振り回しながら動いてる! って思ったら壺おじごっこしてたミユさんだった話を、緩急付けながら、おどろおどろしく、話して聞かせたい所なんだけど。

 もっと興味持ちそうな話があるからね、また今度話すよ。

 

 

 今回の依頼は「ドッペルゲンガーの調査」だよ、気になるでしょ? 

 ……え?モモミドのイタズラじゃないかって? 

 あー、この世界線では見間違えないんじゃないかな? 

 それに、依頼人はトリニティの阿慈谷ヒフミさんなんだ。

 じゃあ早速話していこうか。

 

 

「ドッペルゲンガーを見たって?」

「はい、夜のトリニティで見たんです。誰かと一緒に歩いてる私の姿を……」

 ドッペルゲンガー。自分の姿をした何か。それに会ってしまうと死ぬらしい 怖いねぇ

「こんなこと言うのもなんですけれど……見間違いでは?」

「いえ! あれは絶対に私でした。間違いありません! 

 このままじゃ私……ペロロ様のイベント以外では外に出られないです……」

 死の可能性があってもイベントには行くなんてファンの鑑だぁ……

「わかった、私達が調べてみるよ」

「はい! ありがとうございます!」

 ……前はユメ先輩だったとはいえ本物の幽霊だったし、今回もそうなのかな……? 

 

 

 というわけで夜のトリニティにやってきた。

 そこで先生と二手に分かれて、ヒフミさんを見てないか聞き込みすることにしたよ。

 本物のヒフミさんは外には出ないようにしてもらってるから、今見つけたらそれは偽物ってこと。

 

 そういう事で知り合いを見つけ、事情を話しながら聞き込みをしてみたんだけど……

 

「ふーん。もう1人のヒフミね……

 そっちのヒフミはおっぱい揉ませてくれるかしら!」

「あはは……どうでしょう?」

 相変わらずなコハルさんに苦笑したり

 

「そいつはセルニモンだ!」

「……そもそもセルニモンってなんです?」

「補充しよ!」

「え、くれるんですか? どうも…………行っちゃった」

 ミネさんにモー○ングレスキューを貰ったり

 

「おっp……おっぱげた……! (怖すぎて)狂うぅ^~~~」

「ちょ……! く、苦じ…………あ、ちょっと死ぬ♡」

 抱きついてきたハナコさんの胸で呼吸困難になり、生死をさまよったり

 

「なるほど……つまり私みたいにセクシーになりたいと、そういう話だね?」

「違います(迫真)」

「おや、君にはセクシーになって誘惑したい人とか居ないのかい?」

「……………………話を聞かせてください」

「よしきた、まずは私と同じ服をだね──」

 セイアさんの脇や背中が丸出しなセクシー服をもらったりした。

 

 そしてようやく、手がかりにたどり着いた。

 

「ああ、そういえば不可解な出来事があったな」

「本当ですかアズサさん! 是非詳しく聞かせてください!」

 

 聞いてみた話をまとめるとこうだ。

 アズサさんはヒフミさんから、ちょっとした事情がありナギサさんとはしばらく会いたくないって話を聞かされていた。

 だがその日の夜、仲良く話をしながら歩いてる2人を見たそうだ。

 翌日ヒフミさんにその事を聞いたら、出歩いてすら居ないらしい。

 

 ふむ、そうなると容疑者はナギサさんかぁ……

 一応は容疑者は出てきたけど、全容は全く見えてこない。

 

 とりあえずアズサさんにはお礼にモー○ングレスキューを渡し別れる。

 

 さてこれからどうしたものかと考えていると、先生から合流出来ないかとの連絡。向こうもなにか掴んだみたい。

 早速集まることにした。

 

 

「ハッキリ言って黒幕はナギサっスよ」

「なにっ」

 情報提供者はイチカさんだった。

 なんでも、数十分前にナギサさんが買い物に行くヒフミさんを見送って居たらしい。

 

「人体錬成はルールで禁止っスよね」

「催眠術で操って、終わった後記憶改竄してるって可能性も……」

「あの……ドッペルゲンガーって話はどこに?」

「いや、そうするとドッペルゲンガーをナギサが使役してるってことに……」

 

 なんだか推理が迷走してきたので、3人でナギサさんに直接話を聞きに行くことにしたよ。

 来たのはティーパーティーの部室。

 …… 何回みても思うけど、このクソ長テーブル君不便じゃない? 

 

「おや、皆さんこんな夜中にどうされましたか?」

「ナギサ、少し聞きたいことが──

「桐藤ナギサさん あなたの悪い噂を耳にしたッス。それは口にするのもおぞましい変態の所業……

 異 常 ヒ フ ミ 愛 者

 イチカ!?」

 先生の言葉を遮ってとんでもない言葉をぶっ込んだイチカさん。

 だがナギサさんは動じない

「ふふふ、ひどい言われようですね」

 

「ナギサ……もう1人のヒフミについて、聞かせて貰えるかな?」

「もう1人……なるほど、もうそこまでバレてしまっているのですね

 仕方ありません、お話しましょうか」

 お、こっちは全然真相にたどり着けてないのに勘違いして勝手に話してくれそうだね。

 黙って聞いとこ。

 

「まずは、きっかけとなった事件を説明しなければなりませんね」

「忘れもしません、あれは先日ヒフミさんとお茶会をしていた時……

 

 

『ヒフミさん、貴方に贈り物があるんです』

『贈り物…ですか? あ、ありがとうございます!』

『ふふ、お礼を言うのは早いですよ。聴いてからです』

『聴く?』

『はい、ヒフミさんへの愛を込めてこの曲を作りました』

 

『聴いてください。『ヒフミダイスキ』

『え?』

『Music start!』

 どこからか流れてくる軽快な音楽、いつの間にかナギサはサングラスを掛け、マイクを握っていた。

 

『ヒッフッ↑ ヒ↓フ→ミッ↑ミッ↑』

『……え? (困惑)』

 

『ヒッ↓フッ→ミッ↓ヒッ↓フッ→ミッ↑ヒッフッ↑』

『な、ナギサ様!? ちょ、やめて下さいよホントに! (迫真)』

 

『ヒ↓フ→ミッ↑ミッ↑ヒッ↑フッ→ミッ↑』

『も、もう充分堪能しましたから……!』

 

『ダ↓イ→スッ↑キッ↑』

『(あまりの居心地の悪さに苦悶の表情を浮かべるヒフミ)』

 

『ふぅ……どうでしたかヒフミさん、私の歌は。……ヒフミさん?』

『あはは……

 

 楽しかったですよ。ナギサ様とのお茶会

 

 

 

「それ以降……お茶会にお呼びしても、来て下さらなくなりました……」

 ヒフミさんバッチェ冷えてますよ

 そら(いきなり自作ラブソングかましたらドン引きして)そう(なる)よ

 

「そして私はヒフミさんにお会いする手段が無くなり、ヒフミニン欠乏症となってしまったのです」

「あーっ何言ってるかわかんねぇッス」

 イチカさんの言葉に思わずうなづく。ヒフミニンってなんだよ(困惑)

 謎の物質について聞こうとしたその時──

 

「ナギサ様! 帰り道にたい焼きが売っていたので買ってきました! お茶と一緒に食べませんか?」

「あぁ、ありがとうございますヒフミさん、後で頂きましょうか!」

「はい! ナギサ様!」

 ヒフミ? の頭を撫でているナギサさん

 出たなヒフミモドキ、今日こそお前の正体を暴いちゃる(調査初日)

 

「私は金に糸目を付けず、ミレニアムにヒフミさんそっくりのロボットの制作を依頼しました。ヒフミニンを補給することだけを目的として開発された究極のヒフミロボ……」

 業者に頼んでいる+114514点

 モデルにした人物に許可を取っていない-364364点

 

「ドッペルゲンガーの正体みたり! ヒフミによく似たロボットだったッスか!」

「えぇ、えぇ。そうなのですよ。ふふふ……」

 なんだか目が澱んでいるナギサさんはテーブルまで歩いていき、ティーポットを手に取って

 グビィ! 

 注ぎ口を咥えて紅茶を飲み始めた

 汚ぇ飲み方だなぁ……

 ゴクッゴクッとこちらまで音が聞こえるほどの豪快な飲みっぷり

 そして飲み干した後、ティーポットを地面に叩きつけながら手の甲で口を拭った。

 

「さて、秘密を知られたからには、タダでは帰せませんね」

「自分からゲロっといて殺しにくる……こいつクソっスね」

ほんと口悪いなこのイチカさん

 

 

 ナギサさんは銃を……いや違った、スマホを取り出した。一体何を……

「もしもしミカさん? 隕石落とし券を使用します。最大出力でお願いしますね」

『おっけー☆』

 はぇー隕石って券持ってれば自由に落とせるもんなんすね

 

「さぁ、口封じさせてもらいましょうか」

 大きく手を広げたナギサさんの背後に、遠くからこちらに向かって来ている巨大な隕石が見えた

 

 

 私の本能が叫んでいる。あれを食らったらマズイと。

 見ただけでわかる。あ、こりゃ死んだなと

 もう終わりだぁ!! (レ)遺言残さなきゃ(使命感)

 私は素早くスマホを取り出しモモトークを起動する。

 アドレナリンが出まくっているせいか、神がかった入力速度で文字を打ち込めた

『ユウカsん いまmでありgとう 大好きです』(女の子特有の大胆な告白)

 

 

「そうはさせない!」

 フォン! (送信する音)

 先生の声におもわず顔をあげる

 そこには、大人のカードをかがげた先生の姿があった

「馬鹿な……あの隕石をどうにかできるとでも!?」

「その通りだよ!」

 嘘でしょ先生!?ここからでも入れる保険が!? 

 もう遺言送っちゃったんですけど(震え声)

 希望の光を放つ大人のカード 輝きは強くなっていく

 

 

「デリバリー、よろしくぅ!」

 先生、今度一緒に決めゼリフ考えましょうね。

 眩い光に視界が塗りつぶされていく中、そんなことを思った

 

 

「はいはーい、佐天涙子です!」

 

 STNさん!? え、佐天さんですか? ……召喚ミス? 

 

「お願い、隕石打ち返して!」

「任せて先生!」

 ウッソだろお前wwwwwwwww

 

 自信満々に言い放った佐天さんは、バットを握りしめながら妙な動作をし始めた。

 あれは一体……? ストレッチのようにはみえないが……

「異世界のバッティングセンターにて身につけた技術、とくとご覧あれってね!」

 妙な動作を終え、バットを構え隕石を待ち受ける。

 その表情は、絶望的な状況だと言うのに勝利を確信していた。

「ここだ!!」

 

「名付けて、『ホームラン量産法』!!!!」

 オブジェクトクラスKeterさん!? まずいですよ! 

 

 隕石がスイングされたバットに触れた瞬間、思わず拍手をしたくなるような快音が発生し、隕石は流れ星となり空へ落ちていく

 

「イテテテ、流石にあれだけ大きいものを打ち返すのはキツかったですね……」

 ぺちゃんこになったバットをプラプラさせながら、佐天さんは腕をさすっている。

「無理させちゃってごめんね、でもすごいかっこよかったよ!」

「そ、そうですか? えへへ……」

 隕石打ち返せたらもうレベル5でしょ(震え声)

 

 目の前で起こった出来事に呆然としていると、トントンと肩を叩かれる。

 振り向くとイチカさんが口に人差し指を当てながら、もう片方の手でナギサさんを指さしていた。

 どうやらナギサさんはさっきの私と同じように呆然と……いや白目を剥きながら呆然としている

 

 イチカさんに視線を戻すと拳を握りしめていた。

 ……よし、やろうか

 

 うなづきながらマグナムを取り出して見せると、早速行動に移った。

 左から回り込むようなので、私は反対に。

 

 私達が駆け出したのを一瞬遅れて気づいたナギサさんは、ハンドガンを取り出し、少し迷った後に私に向けた

 うぅ、私かぁ……。

 身がすくみ、少し速度が落ちてしまう

 

「怒らないでくださいね? 好きな子にプレゼント拒否られたくらいでロボット作って隕石落とすなんて馬鹿みたいじゃないですか。忌憚のない意見ってやつッス」

「はいっクズ確定! ぶっ殺します!!」

 愚弄により、銃口はイチカさんに向いた。

 心の中で感謝しながら速度を戻しナギサさんに近づいていく

 

 ハンドガンから発射された銃弾は、イチカさんの服を突き破る。だが被害はそれだけだった。

 肌に触れた瞬間、弾の軌道が歪み、体の表面を滑るようにぐるりと一周しそのままダメージを与えることなく後ろへ飛んでいく

 

「『灘神影流 奥義 "弾丸すべり"』」

「どいつもこいつも、妙な技を使いますね……!?」

「文句があるんならいつでも喧嘩上等ッスよ」

 

 イチカさんに気を取られているうちにマグナムに神秘を込める。ついでに殺されかけた恨みもちょっとだけ。

 

「安心してください。私は──」

 ナギサさんの足を蹴り飛ばし、転ばせる

 そしてこめかみに銃口を押し付け

「これしか能がないのでね!!」

 引き金を引いた。

 

 

 

「悲しい……事件だったね……」

「ッス」

「……そうですか?」

 

 イチカさんが呼んだ正義実現委員会のモブちゃん達は、えっほえっほとナギサさんを担いで運んでいく

 なんだか獲物をオニオンに持ち帰ろうとしているピクミンみたいだな、と思った

「ナギサ様……」

 その光景を見て悲しそうな顔で呟いたヒフミロボ

「どうしようか、この子」

 見た目も声も本当にヒフミさんそっくりだ。処分しようなんてなんだか可哀想で言えないが、ヒフミさんもナギサさんが勝手に作った自分そっくりのロボがいるなんて良くは思わないだろう

 ……あ。

「私にいい考えがあります!」

「お、なにかある?」

 私はたい焼きが入っていた紙袋に2つ穴を開け、ヒフミロボの……いや、ファウストちゃんの頭に被せた。

「君の名前はファウストだよ。水着強盗団のリーダーだ」

「モカ……?」

「お、お前 変なクスリでもやってるッスか」

 ヨシ! 

 

 

 教えて! ユウカちゃん!サオリちゃん! 

「このコーナー担当の奴がスマホを見たあと血相を変えて飛び出して行ってしまったので急遽抜擢された錠前サオリだ、よろしく頼む」

 Q隕石落とし券ってなに? 

「なんでも聖園ミカはペンを握った瞬間折ってしまうから書類仕事は桐藤ナギサが引き受けているそうだ。その礼として渡しているのがこの券という訳だな」

 Qホームラン量産法ってなに? 

「ある特定の動作をした後にバットで打つと、ある程度丸いものならなんでもホームランにできるそうだ。その一連の手順のことをエスシーピー? の『ホームラン量産法』と呼んでいるらしい。ラグビーボールもホームランできたあたり、『丸いもの』の判定はかなり甘いな。

 振ってる途中にバットがすっぽ抜けても、飛んでいった先で当たった物が丸かったらそれをホームランしてくれるらしい。ふむ、何かに使えそうだな。

 ん? ああそうだな、地球は丸いぞ。それがどうかしたか?」




え、巨大な隕石を打ち返してるのに佐天さんが反動でボボパンしてないのはおかしい?
………しゃあっ『灘神影流奥義 話題すべり!』

出典元
SCP財団日本支部 http://ja.scp-wiki.net/

SCP-439-JP "ホームラン量産法"
http://scp-jp.wikidot.com/scp-439-jp


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〔コラボ〕ただし今日のキヴォトスには間島スバルが来ているものとする

なんと、伝説の超三毛猫様の『HENTAIの野望〜キヴォトス同人誌化珍道中~』とコラボさせていただきました!
URLはこちらになります。
https://syosetu.org/novel/311789/

いやまさか、コラボして頂けるなんて…。
ありがとうございます!全力で書かせて頂きました!

スバルさんのキャラを、ちゃんと再現出来ているでしょうか?心配だ…。

同時に執筆を始めたため、ある程度展開が似ているところはありますが、だいぶこちらはシリアス寄りで、モカちゃんとスバルさんメインです。


 ヴァルキューレ公安局局長は今日も忙しい

 

 バァン!!! 

「ヴァルれ! 止まキューレ公安局だ!!!!!!」

「クソッ、通報されたか!」

 

 この世界のカンナは触った扉と離れた場所にある扉を『繋げる』ことができる。その能力は広く知れ渡っており、『すぐに通報される強盗等の犯罪をするのは割に合わない』と皆が考え、原作よりも治安が良くはなっている。

 

 バァン!!! 

「ヴァルれ! 止まキューレ公安局だ!!!!!!」

「畜生来やがった!」

「だからアタシはやめようって言ったんだ! 『公安局の変異体』がすぐ駆けつけてくるんだから!」

 

 しかし、どこにでもおバカというものはいるもので。考えが至らず襲撃をしてしまう奴らを捕らえるために、カンナは今日も勢いよく扉をあけるのだ。

 

 バァン!!! 

「デトろ! 開けロイト市警だ!」

「ん"! (不覚)」

「28か所の銀行強盗だぞ! 確実に稼ぎたかったんだろ!」

 

 

 まあ、そんだけバンバン開けてたら、閉め忘れもある訳で。

 

ザザッ  ザザー

 

 長いこと忘れられていたこの扉は、空間が歪み、別の場所に繋がってしまい

 

「あ……? なんだ、ここ?」

 

 他の世界線の住人、間島スバルさんがそんな扉を見つけてしまったところからこの話は始まります。

 

 

「なんでプレアデス性団の部室の扉が、外に繋がってんだ……?」

 恐る恐る扉の外を見まわす。周りの建物を見た感じは、D.U.のどこかだろうが……。

 歩いている町の人も特に変なところはない。状況に困惑していると、人ごみの中に知り合いを見つけた。

 

「こ、コハル?」

「? 私を呼んだかしら?」

「なあコハル! なんか、部室の扉が──

「あなた誰? なんで私の名前を知ってるの?」

「……は?」

 

 脳が状況を理解できず、フリーズした

 それに気づいていないのか、目の前のコハルはだんだん顔が赤くなっていき

 

「さ……さては!」

「ナンパね! 私にエッチなことする気でしょ!? いいわ、バッチコイよ!」

 

「あ、ああ……ああああああああ!」

 

 思わずその場から逃げ出す。これ以上聞いたら、自分の中の何かが壊れる気がした。

 急いで自分がきた扉の前まで戻り、開ける。

 

「……嘘だろ」

 

 そこは部室ではなかった。埃っぽい倉庫のような場所。慌てて閉め、もう一度開ける。

 

「は、はは……」

 

 やはりそこは、部室ではなくて。

 冷や汗を流しながら走り出す

 

『さて今回は、ミレニアムで今大流行している鼻からエナジードリンクを摂取するという行為について、専門家の方を交えて議論していきたいと思います。エナジードリンクに詳しい小鈎ハレさん。今日はよろしくお願いします』

 

 家電量販店のテレビからは狂ったようなニュースが垂れ流されていて、思わず耳を塞ぎ情報を拒絶した。

 

(先生、助けてくれ……!)

 

 目指すはシャーレ 先生なら、世界がおかしくなっても変わらず生徒を助けてくれる存在だと信じて。

 

 

 

 

『さて今回は、ミレニアムで今大流行している鼻からエナジードリンクを摂取するという行為について──

 

 ええ……(困惑)そんなことしちゃあ、だめだろ! 

 あ、鬼灯モカだよ。みんなおはよー! 

 私は今1人でテレビ観てたとこ。異世界のテレビって面白いよ! 

 なんか時々狂った内容のニュースが流れてきてビビるけど、最近は慣れてきたのかそれすら面白く感じるしね。

 先生は昨日ゲマト……じゃなかった、先生ファンクラブのメンバーと飲み会で飲みすぎたみたいで、今ダウンしてるんだよね。

 おかゆ作ってお水と一緒に持って行ったけど、かなりグロッキーだったよ。

 ミネさんももうすぐ来るし、大丈夫だとは思うんだけど……

 

 バァン!!! 

「先生!!!!!!」

「ひゃあ!」

 

 何事!? なんか知らない子がいきなり……てゆーか本当に誰? 

 ショートの金髪に一本の黒いメッシュ。紫色の片翼でトリニティの制服を着た女の子。

 こんな子原作にいなかったはず……

 とうとう姿まで違う子が!? これもうわかんねえな(諦め)

 

「……まさかあんたが先生か?」

「い、いえ違います。私はシャーレの職員です」

「職員!? おかしい、職員なんていなかっただろ……

 ん? 

 

「……先生に何か御用ですか? 先生は今体調不良でお休みです」

「まじかよ……」

「あの、私でよければお話聞きますよ?」

「あーいや、たぶん信じちゃもらえないからな……」

 

 ふむ、『おそらく原作にいない』『本来はシャーレに職員なんていないと知っている』『信じられないような事態に動揺している』

 これってもしかすると、もしかするかもしれませんよ? 

 

「まあ、まずは話してみてくださいよ。例えば……」

「このキヴォトスがおかしいことについて悩んでます……とかね」

 ふふ、かっこよく決まった! 

 この子は多分、新しくこの世界に転生してきた、私の後輩ちゃんだね! 第一印象もかっこいい切れ者先輩になったし、これからが楽しみだねぇ。

 まあ、ほんとに相談されたら困るけどね! 私が一番相談したいもん! 

 

 ちらりと後輩ちゃん(?)を見ると、目を見開き、なにやら震えている。だんだんとその目には涙がたまっていき、ギリッと歯を食いしばる音がして

「お前が原因か……?」

 という声が聞こえた。

 あれ、流れ変わったな(震え声)

 

「お前がキヴォトスをイカレさせたのか!? 先生はどうした!? 答えろ!?」

「わあああ違います違います!! 誤解です!」

 

「私転生者! 私転生者──!!!!」

 

 やっぱりさ、やるもんじゃないね。キャラじゃないことは(震え声)

 

 

 

 

「なるほど、このキヴォトスはあんたが来る前からイカレてて、俺がそこに迷い込んだと」

「はい、そうです。そして迷い込んだ原因はおそらく、カンナさんの能力だとおもいます。そして……」

 

「勘違いさせてすみませんでしたぁ!」

 まさか転生者ではなく『転移者』だったなんて……

 突然連れてこられた狂ったキヴォトスに先生不在、そしてなんか知ってそうな怪しいヤツの三拍子揃ったらそりゃ疑われるね。

 

 

「いや、謝らなくていい。というか、この世界に住んでんのか。……お前も大変だな」

「わかってくれますか!!!!!!!!!!!!」

「うお!?」

「もうずっと誰かに共感してほしかったんですけど、このことを話せる人が居なくて……うう……」

「お、おお……大変だったな」

「は”い”!!」

 

「ほら、鼻かめ」「チーン!」なんてやり取りをしてたら、この騒動の原因だとわかったときに連絡しておいたカンナさんが部屋に入ってきた。

 

「やあダニエル!」

「おはようございます。カンナさん」

「お前ダニエルって名前なの? 意外だわ」

「いえ、私は鬼灯モカです」

「……あだ名?」

「あー、いや、なんて説明したらいいんだろ……」

 

 そんな会話をしているなか、カンナさんは転移者さんの方に向き

「やあ、ダニエル!」

 と言った。説明をさらに難しくするのやめてくれませんかね(半ギレ)

 

「俺も!? いや、俺は間島スバルってい──」

「ダニエル! 君を助けに来たんだ!」

「いやだから違──」

「ダニエル! 嘘じゃない! 私を信じてくれ! 君の力になりたいんだ!」

「……スゥー。いいか、俺の名前は──」

「なにか不満がおありですか?」

「擬・昇竜──」

「待って待って待って! 悪気はないはず! 多分!」

 なんかアッパーの構えを取り出したスバルさんを慌てて止める。

 あなたスバルさんって言うのね! (Miちゃん)もっとまともに自己紹介したかったよ! 

 

「えっと、カンナさんは……決まった言葉でしか会話出来ないんです。ですので悪気はないんですよ。多分……(小声)」

「えぇ? なんだよそれ……」

 私にもわからん。

 

「や……やあ……やあスバ……」

 お、おお!? なんかカンナさんすごい震えてるけど、初めて正しい名前を!? 

 

「やあスバエル!」

「惜しいッ!」

 

 やっぱりダメだったよ。

 

 

 

「ここだ。俺が来た場所は」

 スバルさんの先導でこちらの世界に繋がった扉の前まで来た。

 カンナさんがその扉に触り、目をつぶる

 

「私は新型です(アピールポイント)。失敗はプログラムにないんだよ」

 扉がガタガタと震えだす。それに少し恐怖を感じ後ずさりしたが、やがて収まり、カンナさんが離れ

 

「事件解決!」

 扉は開かれた。そこは、どこかの教室のように見える。

 

「おお、間違いない! プレアデス性団の部室だ!」

「プレナパテス? (難聴)」

「いや、プレアデスだ。俺はトリニティで漫研のサークル長をしていてな。こういう本を書いている」

 と言って一冊の本を差し出してきた。

「はぇー漫研ですか。いいですね。私は絵心がない……の……で……」

 受け取った本の表紙には『俺の優雅な幼馴染』と書かれていた。ペラペラとめくっていくと、ユウカさんによく似た人が……その……

「エッッッッッッッッ!?」

 なことをしていた。

 

「トトトトトリニティでこの本を!? 嘘でしょ!? というかユウカさんじゃないですかこれ! ナマモノ!?」

「どうだ? 俺の処女作なんだが」

「どう? どうって……」

 一度ページを戻し、最初から読んでみる。ストーリーはユウカさん(によく似た人)と主人公の恋愛模様とエッチシーンを描いたものだった。

 絵もストーリーも素晴らしいものだと思う。だが素晴らしいが故に、読み進めるごとに脳が軋む音がした。

 

「ユウカさん……誰ですかそいつ? 私をお姫様だって……かわいいって……嘘だったんですか?」

 視界がにじむ。ほんが よく みえない

 

「脳が破壊されている!? 地雷踏んじまったか!」

 手から本が消え、両肩をつかまれる感覚がした。

「いいか落ち着け、大丈夫だ。これはあくまで創作物で、ユウカは寝取られたりはしていない!」

「そうですよね。ユウカさんはロリコンだから……こんなことにはならないはず」

「ああそうdそうなの!? 

 

 なんとか呼吸を整え、涙を拭いた。

「すみません、お騒がせしました」

「気にすんな、よくあることだ。脳破壊された奴の蘇生にも慣れてる」

 よくあるのか……(困惑)やっぱり実在の人物がモデルだからかな? てか蘇生って何? 

 

「さて、これで帰れるってわけか」

 そういって開かれた扉と向き合ったスバルさん。そうだよね、スバルさんには帰るべき場所があり、待っている人もいる。

 ここにいるべきではない。わかってはいる。いるけど……

「そうですね……」

 

やっとできた仲間だと思った。思ってしまった。この狂ったキヴォトスも、悩みを話せる人がいればもっと楽しく生きていけると。

 ダメだ。最後くらいは笑顔で見送らないと。

 

「会えてよかったです! スバルさん! どうか、お元気で」

 

うまく、笑えているだろうか

 

「…………」

 私を見て、何か考えているスバルさん。どうしたのだろうか

「スバエル!」

「スバルだっつってんだろ。あん? これは……鍵?」

 鍵を渡したカンナさんは、開かれている扉を閉め、鍵を指さしながら

「開けろ!!!!」

 と言った うっせ! 

 

「あ、ああ」

 そういいながら鍵穴に鍵を差し込み、扉を開ける。するとプレアデス性団の部室に繋がっていた。

「……まさか」

 別の扉で試したが、結果は同じ。

「これがあれば、いつでも帰れるってわけか」

「私は新型です(誇り)普通ですよ。では」

 そういって扉をあけ、カンナさんはキヴォトスのどこかへと消えた。カンナさんはクールに去ったぜ……

 

「なあ、モカ」

「はい?」

「いったよな、俺は漫研のサークル長をしてるって」

「ええ……」

「だから、常に創作のネタは探してるんだ。次の本を書くためにな。そして俺は今、別の世界線のキヴォトスというネタの宝庫に来ている」

「……!」

「でも案内人が必要だ。だから」

 

「一緒に来てくれるか? モカ」

「はい!」

 

 私はすぐに、どこを案内するか必死に考え始めた。

 スバルさんがそんな私を微笑ましく眺めているのに気づかずに。

 

 

 

 

 

「そういや、大事なことを聞き忘れてたな」

「?」

 トリニティ行の列車の中で突然スバルさんが話を切り出した

 

「モカ、お前はどんな男がタイプだ?」

「はいぃ?」

 え、男のタイプ? 大事な話なのこれ? ま、まあでも聞かれたからには答えるか……

 

「えーと……私は前世が男だったので、できれば女の人がいいのですけれど……。しいて答えるなら渋くて頼れるイケおじ、ですかね。ほら、この人になら抱かれてもいいって感じの!」

「ふむ、それは性癖ではなく許容だな。なら、女だったら? まあ、さっきの脳破壊されっぷりを見る限り、予想はつくが……」

「う、そうですよね……。お察しの通り、ユウカさんです。誰にも言わないでくださいよ!」

「あー、たしかこの世界のユウカはロリコンだったよな? 

ロリコンに恋したロリか……ネタになりそうだ!   

 どういう経緯で好きになったか教えてもらっていいか?」

 そういってメモ帳を取り出すスバルさん。なんか恥ずかしいな……。顔が熱くなるのを感じる。

 

「えっとですね……ユウカさんはいつも私のことをかわいがってくれるんです。まあ、同時にセクハラもされるんですけど。

 でもユウカさんは前世の私の推しで、セクハラされてもなんだか嬉しくて。でもその時はまだ『推しと触れ合えて嬉しい!』くらいだったんです」

「ほうほう」

「ある時、カンナさんが惚れ薬を飲んで暴走した事件があったんですよ。カンナさんの能力が厄介で、私はピンチに陥りました」

後で惚れ薬の件を詳しく。それで?」

「その時にユウカさんが颯爽と現れて『私の大切なお姫様に何してるのよ!!』って……えへへ……」

 かっこよかったなぁユウカさん。セリフめちゃくちゃ聞き覚えがあるやつだけど、それでもかっこよかった。

 

「なるほど、なるほど。それで惚れたってわけか」

 カシャッ

「そうなんですよぉ! あの時の光景を見せてあげたいで……カシャ?」

 音がした方向を見ると、何やら わっるい顔をしたスバルさんがスマホを構えてた。

「ほれ、これ見てみ」

「はい?」

 出された画面を見たら、そこには両頬に手を当て顔を赤く染めながら楽しそうにしている黒髪黒目のロリがいた。

 この写真にタイトルをつけるとしたら「恋に目覚めたロリ」だろうか。

 というかこれ、まさか

「……私?」

 嘘でしょ……!? (SIRNSSZK) 私今こんな恋する乙女の顔してた!? 

「いいネタありがとな」

 その言葉に返事を返すことなく、私はしばらくフリーズしていた。

 

 

その後私たちは様々な場所を訪れ、知り合いや友人を紹介していった

 

 トリニティ──

 

 

「やあモカ、また私のセクシー講座を受けに来たのかい?」

「いえ師匠。今回は師匠に合わせたい人が──」

「待て待て待て」

 そういいながらセイアさんから離れたところに私を運んだスバルさん。脇の下に手を入れて持ち上げるのやめてほしいな、それ子供を運ぶ時のやつでしょ? まあ私イブキちゃんより小さいんだけどさ

 

「あれ誰?」

「あー、セイアさんです。本物ですよ」

「そうか……やっぱりセイアか」

 信じられないよね。理解できる(共感の司祭)

「あ、アッハッハッハwwwwww」

 腹を抱えて笑い始めたスバルさん。いいなー、私も同じ立場だったら笑えるのに(死んだ目)

 

「こ、こんにちわ。百合園さん」

「やあ、大丈夫かい? もしかして私のセクシーさに当てられてしまったのかな?」

「ヒィwwww苦しいwwwww」

「何故笑うんだい? 私はセクシーだよ?」

「エホッ!! もうやめてくれwwww」

 

 本当に、いいなぁ……

 

 

 その後、セイアさんを上手いこと言いくるめたスバルさんは、自分がいかにセクシーかを語り続けるセイアさんの動画を撮っていた。

「俺んとこのキヴォトスにいるセイアに観せるのが楽しみだぜ……」

「うわ、わっるい顔」

 

 

 

 アビドス砂漠──

 

 

「なあモカ」

「なんですか?」

「これが……お前が見せたかった光景か?」

 そういいながらスバルさんが指をさした先には──

 

「いっけぇ! アビドスワーム君!」

「GYAOOOOOOO!」

 

 アビドス砂漠を爆走するビナーと、その上で楽しそうにしているマキさんがいた。

 

「まあ確かに、俺の世界じゃありえない光景だがな。あまり同人のネタには──」

「尊いでしょう? マキビナです」

「マキ……なんだって?」

「美しい……。これ以上の芸術作品は存在し得ないでしょう」

「……モカ?」

 

 私たちは少しの間、その光景を眺め続けた。

 

「どう? (アイデア)出そう?」

「無☆理」

「そっかー」

 

 いいカップリングだと思ったけど、趣味に合わなかったかな? 

 

 

 

 サヤさんの実験室──

 

 

「刮目するのだ! ぼく様特性! 惚れ薬! 

「おお……これが!!!!」

「効果は目撃者の1人である私が保証するよ」

「あー、カンナさんの事件か?」

「そう」

 

 マキビナがあまり刺さらなかったみたいだから連れてきたけど、間違いではなかったみたいだ。

 瓶の中に入ったショッキングピンクの液体をまじまじと見ているスバルさん。

 

「すげえ……まさか本物を見れるとはな」

「エッチな本ご用達アイテムだからねえ、スバルさんはなじみが深いんじゃないかな?」

「あんまりこういうのは本で使ったことはねえが、いやでも、テンション上がるなあ! 

 よかった。これも空振りだからどうしようかと。

 

「そこまで喜ばれると気分がいいのだ! いっぱい見せてやるのだ!」

 

パーフェクト睡眠薬!  飲んだ瞬間眠ってしまい、後遺症もない! さらに水に溶かしたら瞬時に透明になるのだ!」

「おいィ? (BRNTさん)」

 サーッ! (迫真)

 またこの人キヴォトス崩壊クラスシナリオを引き起こしそうな薬作ってる(震え声)完全に盛る用じゃん。悪意しかないじゃん。

 シロコさんの手に渡ったら先生が狩られちゃってキヴォトスが滅びそうなんだけど、なんかキヴォトスに恨みでもあるのかな? 

 

ヤンデレ薬!  飲んで初めに見た人間にそれはそれは重い愛情を抱くのだ!」

 もはや疑いようがないね。両親をキヴォトスに殺されてるじゃんね。先生に盛られたらえらいことになるんですけど(半ギレ)

 

好感度反転薬!  飲んだ人間は今まで築き上げてきた好感度がひっくり返るのだ! 愛は憎しみに、憎しみは愛に!」

 キヴォトスに一族郎党皆殺しにされてる可能性まで出てきたねこれ。滅ぼしにかかってるわ。アヴェンジャーサヤだわ。

 ◇このヤンデレ薬とのクソコンボは……? 

 

 

「これ全部でいくらだ?」

「嘘でしょスバルさん!?」

「いやいやいや、研究資料だから! 飲ませたりしないから!」

「ほんとぉ?」

 そんなド〇クエのスライムみたいな顔されても説得力ないんだけど……

 

 結局全部購入していったスバルさん。怖いのは、思ったより高くなかったこと。お手頃価格かぁ……やばくない? 

 

 

 

 ミレニアム──

 

 

「あ、そこにいるのはモカちゃん!!!!!」

 

 ユウカさん!? やばい、今はスバルさんが……! 

 

「モカちゃん! 会いたかったわ!」

 そう言いながらいつものように私を抱きしめ、頭やおしりを撫でまわしてくる。

「あ……あの、今は──」

「大好きよ、モカちゃん」

「……キュウ」

 耳元で囁かれた。

 あたまがふっとうする

 うれしい

「わ、わた、わたしも! ユウカさんのことが──」

「あ~いいねぇ! いいよぉ!」

 

 耳に入ってきた声に一気に現実に引き戻された。

 慌てて後ろを後ろを振り向くと、どこかから取り出したスケッチブックにものすごい勢いで何かを書いているスバルさんが見えた

 めちゃくちゃいい笑顔しながら描いてる……というか今までで1番筆が進んでる! 

「み、みないでぇ!」

「お、その手で顔隠すのエッチだな! ちょっとそのままで!」

「みないでってばぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「え、こっちの世界の大人のカードってそんな代償なの? なんか……重いけど軽いな!」

「そうなんですよー! 絶妙な重さの代償だからか、先生の引き金もちょっとだけ軽くって。いやまあ、助けられてはいるんですけど!」

 帰りの電車で転生者トークを繰り広げる私たちを、夕焼けの淡い光が包み込む。周りには乗客がおらず、こんな会話を繰り広げても問題はない。

 

 ……楽しいな。話題がひとつ減る事に、心の重しもひとつ減っているような気がする。ずっと誰かに話したかったのかも。

 

 でも、もうすぐスバルさんは帰ってしまう。

 抱えている悩みを相談するなら、今だろう。

 同じ転生者にしか出来ない相談を。

 

 

「あの、スバルさん」

「ん? なんだ」

「スバルさんは、強いですか?」

「……ああ。自分で言うのもなんだが、強い」

 最初は私の唐突な質問に怪訝な顔をしていたが、私の顔を見て表情が引き締まる。

 ……私どんな表情してるのかな

 

「私、最初から豊富な神秘を持っていて、それをコントロールすることも容易くできたんです。もしかしたら、『転生特典』ってやつかもしれませんね。原作通りなら、とても強力な武器だった。

 だけどこのキヴォトスでは、なまくらのナイフでしかなかったんです」

「ここでは超能力や謎技術を大抵の生徒が持っていて、それに全く太刀打ちできない。おまけに私はまだ、銃弾が怖い! 

私は、臆病で弱いんです!  

他の生徒の方がよっぽど頼りになる!! 

 

 こんな風に相談するつもりではなかった。

 もっと気楽に、もっとおちゃらけた感じで。

 わざわざ空気をぶっ壊すつもりなんてなくて。

 だけど、口から溢れ出た言葉はもう止まらない。

 

「だけど先生は、いつも私を選ぶんです。選んで、くれるんです」

「『私じゃなく他の生徒を連れてきていたら、大人のカードを使わなくても済んだのに』そんな場面が何回もあったのにもかかわらず」

 

「なんで、私なんかを連れていってくれるんでしょうね。先生は」

 

 自虐に塗れた言葉。その言葉を受け止めたスバルさんは少し表情を緩め、私の頭をワシワシと撫でた。

 

「この世界の先生にまだ会ってねえが、なんでお前を連れまわすのかなんとなくわかるわ」

 

 穏やかな表情で、私に語りかける。それはどこか、先生みたいで。

 

「俺は、最初は弱かったんだ。中等部までは前世の記憶が無くて、それまでの俺は『一般的なトリニティ生』だった。

 だが俺がエロに目覚め信仰するようになってから、誰にも俺の邪魔をさせないためにありとあらゆる修業をした。

 そして手に入れたんだ。立ちふさがるものすべてをなぎ倒す力を」

「だがな、それと引き換えに俺は恐れられた。『魔王』と呼ばれ、避けられている。

 幸運にも理解のある仲間には恵まれちゃいるが、あいつらがいなかったら俺は、1人で孤独に突き進み続け、どこかで人知れずにぶっ壊れてたかもな」

 

「力を求めるのは結構だが、手に入れた結果が必ずしもハッピーエンドになるとは限らないぞ」

 

「…………」

 

 なら、わたしは、どうしたら──

 

「発想を逆転させるんだ」

「……え?」

「パワー担当は腐るほどいるんだろ? なのにお前が選ばれる。それはなぜか? パワー以外をお前に求めてるんだよ!」

「それは、一体?」

 

 

「エロだ」

「エロォ!?」

「ハッハッハッ! 冗談だ」

「えぇ……(困惑)」

 

 あーびっくりした! ロリコンはユウカさんで充分だよ! 

 まあ私は銀髪でも褐色でもないし、エロはありえないよね。……ないよね? 

 

「まあでも、実際にパワー以外を求められるんだと思うぞ。お前しか持っていない何かを」

「そうなの、かな?」

「きっとそうさ」

 

 

 自分が弱いせいで、先生の負担になっているのが辛い。

 私を連れていく理由が、同情や情けだったら悲しい。

 でも、もし私が選ばれる理由が力以外の何かを求められいるのだとしたら。

 それを伸ばし、もっと先生の役に立てる。

 それはとっても、嬉しいことだ。

 いつか自分で気づけたらいいな。

 

 

 

 

 

 

 

 私たちはシャーレに着き、別れの時間がやってきた。

 

 スバルさんは扉の前に立ち、鍵を差し込む

 

「じゃあな、モカ。色々あったがなんだかんだ楽しかったぜ」

 彼女の手にはスケッチブックと都合のいい薬詰め合わせセットがあった。うーん怖い。薬が使われないことを祈るよ。

 

 そんな言葉と寂しさを胸に抑え込みながら、別れの言葉を言う。内容はすでに決めてあった。

 

「会えてよかったです! スバルさん! どうか、お元気で」

 言ったのは最初と同じセリフ

 

 スバルさんは私の言葉に振りむいて、満足そうに頷きながら、帰るべき場所へと歩を進め。

 役目を終えた扉は、特異性を失った。

 

 

 

やっぱりあの時、うまく笑えてなかったんだ。

 半日遅れの答え合わせ。その結果に苦笑いをしながら、先生の夕食を作りにキッチンに向かった。

 

 

 

「お加減どうですか先生? 野菜たっぷりのポトフを作りましたので食べ──」

「モ、モカ……助け……!」

 ベッドの上には、モー〇ングレスキューに埋もれている先生がいて

「補充しよ」

 その傍には、さらに追加しようとしているミネさんがいた。

 

「モカさんだ! 会釈!!!!!!」

「なにしてんですかミネさん!?」

救護(レスキュー)!!!

「や……ヤブ医者ぁーっ!! (KWM)」

「(突然の暴言)つらい!!!」

 

 急いでミネさんを部屋から叩きだし、モー〇ングレスキューの山から先生を救出した。

 

「モカ、助けてくれてありがとう」

「いえ、むしろすみません。ミネさんを呼んだのは失敗でした。まさかこんなことになるなんて……」

 ただのマッチポンプなんだよなぁ……†悔い改めます†

 

「ポトフ作ったんだって? 貰っていいかな」

「え、あ、はい! もちろん! すぐ持ってきますね!」

 この後めちゃくちゃ看病した。

 夜はミネさんが戻って来ないか部屋で見張ってたけど、途中で寝ちゃって気がついたら先生に抱き枕にされていた。ホいつの間に!? 

 

 

 

 

 

 やあ、また会ったね。鬼灯モカだよ。

 スバルさんは元気にしてるかなと思いを馳せつつ、今日も今日とて先生と依頼をこなしているよ。

 今回の依頼は万魔殿のマコト議長から。内容は──

 

 

「あれはフライングパンケーキ!? 完成していたのか……!?」

 

 

『巨大パンケーキの討伐』なんだけど……なんか、空飛んでない? 

 

 

「フライングパンちゃんを確認! 大きいねぇ!?」

「あんな形で、どうやって飛んでるんだ!?」

「撃ち落とせ! 対空砲火ァ!」

「射角が足りない! 戦車は下がれ!」

「なにこれ……ふざけてるの?」

「パンちゃんは……不味い……オェッ」

 

 一体の巨大なパンちゃんをゲヘナの戦車部隊や歩兵部隊が取り囲んでいるが、相手が空を飛んで移動しているせいでなかなか攻撃が当たらず、戦車も機銃を使って何とか攻撃できているという感じだ。

 こちらがあまり有効打が与えられないのに対し、パンちゃんは空から溶解液みたいな緑色の何かを垂れ流し、こちらに甚大な被害を与えている。

 どっかで見たなこんな地獄絵図。地〇防衛軍だっけ? 

 

 私もひたすらマグナムに神秘を込めながら撃ち続けてはいるが、このままでは弾が無くなるほうが早いかもしれない。

 

「これ以上被害が出たらまずい……」

 先生が懐から大人のカードを取り出す。

「誰を呼び出すんです?」

 リロードしながら聞いてみる。必要なのは対空攻撃ができて、なおかつ高火力な生徒。

「会ったことがない子」

「はい!?」

 え、ついに大人のカードにガチャ機能が!? 戦場でガチャするとはたまげたなあ……

「大丈夫。届いてた入部届に『俺は強い。困ったら呼べ』って書いてあったから」

「……『』?」

 

 まさか……

 

 

 先生が掲げる大人のカードが強い輝きを放つ。化け物に襲われたって断固として跳ね返す。そんな強い意志を感じる光を。

 

「光さす道となれ! シンクロ召喚!」

 ほんとにジャ〇クウォリアーとか出てきたらどうするんですか先生。

 光に飲み込まれながら、そんなことを思った。

 

 

 現れたのは、私の想像通りの人で。

 腕を組み、仁王立ちしながら愉快そうに空飛ぶパンちゃんを見ていた。

 

 

「スバルさん!?」

「ようモカ、相変わらずイカれてんなこの世界は」

 空飛ぶ巨大パンちゃんという悪夢を前にしても、不敵な笑顔を崩さないスバルさん。

 その姿は、非常に頼もしかった。

 

「まあ任せとけ、俺は巡航ミサイルを撃ち落とした女だぞ。2発もな

「2発も!?」

 ミサイルを2つも落としちゃいます! 

 

 スバルさんは、背負っていた槍を手に取り、炎を纏わせる。真っ黒だが、どこか神秘的な炎を。

 

「『神槍・スピア・ザ・グングニル』!!!」

 

 スバルさんの手から放たれる寸前、槍は大気圏を突破するロケットのように赤く輝いて。

 

 次の瞬間にはパンちゃんを貫き、

 

「──────!!!!!!」

 

 その巨体を地に落とした。

 

「今なら主砲が当たるぞ! 撃ちまくれ!」

 すかさずそこを襲う戦車部隊。これで勝負は決まっただろう

 

「ま、ざっとこんなもんかね」

 そういったスバルさんは、こちらに歩いてきた。

「助かりましたスバルさん!」

「いいってことよ。それよりも、カードの力でいつまでこっちに居られるかわからんから早めに渡しとくぞ」

「……ありがとうございます?」

 そういいながら渡されたのは一冊の本。タイトルは『モカには優雅なラテアートを』

 なんかものすごいデジャブを感じながらページをめくると、

 

私によく似たロリとユウカさんによく似た人がイチャイチャ(オブラート)していた。

 この感動の再会的な状況でエロ本渡すんですか貴方はとか、まさかこれ向こうの世界で売ってる? とか、こんな公共の場でエロ本を剥き身で渡すなとか

 色々言いたいことはあるけれど

 

「あの」

「なんだ?」

「NTR要素ないですよね?」

「安心しろ、純愛だ」

「……ありがと、です」

 

 プレゼントされたものを突き返すのは失礼だからね、しょうがないね。

 いそいそと本をしまう私を見たスバルさんは、サムズアップしながら笑っていた。

 

 

 

 アイテム説明

 

『モカには優雅なラテアートを』

 ユウカによく似たロリコンお姉さんとモカによく似たロリの甘い甘い恋愛模様と交わりを描いている。

 ユウカによく似た人をエロ本に出すためにはユウカ自身の許可が必要だが、『モカの世界のユウカ』に許可を貰うという裏技が使用された。

「お前ではないユウカに許可を貰った」は、果たして通用するのだろうか。

 

『カンナのマスターキー(プレアデス性団仕様)』

 カンナ(デトロイト)の神秘が込められた鍵。鍵穴があればどんな扉でも開けられるが、行き着く先は全てプレアデス性団の部室になっている。繋げた扉は1回閉じれば普通の扉に戻る。その部屋をよく使う人にとってはとっても便利な鍵。

 

『『ただしこのキヴォトスは』世界の大人のカード』

 シャーレ所属の生徒を今いる場所に召集できるカード。

 代償は金と社会的に死ぬ可能性。1人に付き4万、6人呼ぶと24万の支払いが発生する。そして使用後、シャーレにひっそりと『デリ(バリー)ヘル(プ)使用料〇万円 指名生徒 〇〇 〇〇』(括弧の中は省略されている)と書かれた領収書が届く。




モカちゃんガイドのキヴォトスツアーの登場キャラは『同人誌のネタになりそう』であり尚且つ『スバルさんに会わせても比較的大丈夫そう』という理由で選ばれました。
様子がおかしい生徒達から厳選に厳選を重ねています。


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11話 レッドウィンターだ。熊が目の前にいる。

(出したいキャラはいっぱいいるけど、出すまでの道のりが思い浮かば)ないです
小説初心者のため、色々模索しながら書いてます。
今回は所々さんの描写を丁寧丁寧丁寧に書いてみました。
その代わりいつもよりテンポが遅いかもしれません。
ご了承ください。



 うーん、思い出せないなぁ……一体なにが……? 

 あ、みんな来たんだね。オハヨー!! 鬼灯モカだよ。

 ……いつものように皆にお話をしてあげたい所なんだけどね。

 実は佐天さんを呼び出した時の大人のカードの領収書探しで、私はいつものように足止めを担当した……その後の記憶が綺麗さっぱり消し飛んでるんだよね。何があったんだろ? 

 なにか話そうにも記憶がなくて、参っちゃうねほんとに。

 ふーむ……あ、でも確かその日は足止めの相手がユウカさんじゃなくて──

 

「モカ、朝ごはんできたわよ」

「あ、はーい今行くよママ! 

 みんなごめんね。アオイママが呼んでる。行かなくっちゃ! 

 まあ、思い出せないってことは、大したことない記憶ってことでしょ! 

 体も異常はなさそうだし、ヨシ! 

 

 

 急いでパジャマからいつもの服に着替える。

 皴一つない黒いワイシャツに黒いズボン。

 そして白いロングコートに袖を通せば、鏡に映るのはいつもの私。

 料理するのにも踏み台が必要な黒髪ロングロリが、背伸びしたような服を着ている。

 ……もうちょっとかわいげのある服着たほうがいいかな? 

 

 そんなことを考えながら、ナイトテーブルの引き出しから44マグナムを取り出す。

「今日もよろしくお願いします、

世界一強力な拳銃(ダーティハリー)』さん」

 いつも私を守ってくれる銃。毎日ちゃんと手入れをしてるよ! 

 銃をコートの内ポケットにしまえば準備は万端だ。朝ごはんが冷める前に行かないとね

 

 私はいつものように家族みんなで朝食を食べるために、食堂へ急いだ。

……なんか、頭が痛いな。

 

 

 

 食堂に着いた。先生とアオイママがテーブルに料理を並べている。

 今日はトーストにベーコンエッグ。ソーセージとサラダにスープ。デザートは果物入りのヨーグルトだね。

 ご機嫌な朝食だ! 

 

「おはよーママ!」

「ええ、おはようモカ」

 元気よく挨拶すると、優しげな笑みを浮かべながら頭を撫でてくれた。

 心地よさに身を任せていると、先生に声を掛けられる。

 

「……モカ? (震え声)」

「あ、先生もおはよう! ……どうしたの先生?」

 冷や汗をだらだら流しながら信じられないものをみたかのような表情をしている先生。え、なに? 背後霊でも憑いてる? 

 

「モカ、後でお話ししよっか」

「……? うん!」

「その後、アオイもね」

「わかったわ。まずは食べちゃいましょ」

 

「「いただきます」」

 

「……いただきます」

 

 先生は終始私をチラチラ見ながら食事をしていた。後ろでこっそりユメ先輩がダブルピースでもしてるのかなと振り向いて見たけど、誰も居なかった。

 先生今私のことチラチラ見てたでしょ。なんで? (震え声)

 

 

 

 

 食事を終え、鼻歌交じりで洗い物をしているアオイママを残し、シャーレの執務室に2人で来た。

 話ってなんだろ? 

 

「モカ、まずは……ごめん!」

「え、どうしたの先生!?」

「私が悪いんだよ……! モカが洗脳されたのは私のせいだ!」

 え、なに? 洗脳!? 私洗脳されてんの!? 知らない間にNKウルトラ計画でも喰らっちゃった私!? 

 

「モカ、今日は休もう! レッドウィンターに温泉があるらしいんだ! 入っておいで!」

「え、でもお仕g」

「大丈夫だから、今のモカには休息が必要なんだよ。アオイには私から言っておくから!」

 

 

 はい。

 という訳で、「モカ、あなた疲れてるのよ」を喰らった私は温泉に行くことになったよ。

 この状況に一番戸惑っているのは私なんだよね。(何が異常かわからないって)怖くない? 

 ま、まあいいや。よくわからないけど、先生に任せよっか。

 前向きに考えよう! この世界に来てから初めての温泉、楽しみだね。

 

 でも、1人でレッドウィンターに行くのはちょっと心細いな……。

 誰かに連絡とって、一緒に行ってくれるか頼んでみようかな。

 一緒に行ってくれそうな人。う〜ん、誰か……誰か……あ。

 

 ユウカさん……。

 

 いやいやいや、下心とかないよ全然。あるわけないじゃん。私は純粋無垢なロリだよ? ほら見て私の目。透き通ってるでしょ? ブルーアーカイブ並に透き通った目をしてる私が……ほら……ね? (ロリ並みの語彙力)

 いや、その、むしろユウカさんが喜ぶんじゃない? ほら、ユウカさんロリコンだし! これはユウカさんにものすごいプラスになるやつだよ! Win-Winだよ! あ、Win-Winだとダメだ、私もWinしちゃったら下心があるってことに……。

 

 と……とにかく、1番来てくれそうってだけだから! 

 

 自分を正当化しつつもスマホを取り出し、電話をかける。

 

 prrr

『もしもしモカちゃん!? 私もモカちゃんに電話をかけようかと思ってたとこなの! 嬉しいわ!』

 ワンコールもしないうちに電話に出たことにビクッとしつつも、早速本題に入ることにする

 

「あの、ユウカさん……わ、私と今から温泉に行きませんか!!」

『モカちゃんと温泉!?!?!?!?!? 行く、絶対行k

『ちょっと待ってちょうだい!!!』

 そのセリフは、カイチョウ!?

 

『またセミナーの業務を放り出すつもりかしら? そうはいかないわよ。トキ、アビ・エシュフの使用を許可するわ。取り押さえなさい』

『イエス、マム』

『私は絶対にモカちゃんと温泉に行くのよ! 立ちはだかるものは全員、因数分解してやるわ!』

『……因数分解って何よ(小声)』

 

 電話の向かうからは、ゴトッという音の後に激しい戦闘音が聞こえてきた。

 私が電話をかけただけでセミナーの部室が戦場に変わったという事実に固まっていると、リオさんの声が聞こえてきた。

 

『もしもし、貴方が鬼灯さんかしら』

「は、はい!」

『ユウカはセミナーの仕事が忙しくて行けないわ。他を当たってちょうだい』

「……なんか、すみません」

『ユウカがセミナーの仕事を放り出すのは、今に始まったことではないわ。別にあなたが謝る必要はないわよ。むしろ以前よりマシになったわね』

 え、そうなの? 

 

『以前はロリニウムが足りないとか訳の分からないことを言って頻繁に居なくなってたわ。有能じゃなかったらクビにしてるレベルでね。でもここ最近は比較的落ち着いて仕事してるわね』

「そ、そうなんですか。それは良かった……です?」

『えぇ、それに関してはあなたに感謝してる。もし良かったらセミナーでバイトをしてみない? ユウカの隣で座ってるだけでいいの。報酬は弾むわ──』

 ゴッ!!!! 

<ッッ!? そんな、動きを読まれた!? 

<私の計算通りよ。カンペキね。

<それになんて重いパンチ……! 

<その重さは、私の愛の重さよ! 

 

 ……なんかユウカさん、パワードトキさん相手に善戦してない? (震え声)

 

『あのトキが押されている!? とにかく、ユウカは行けないわ。ごめんなさいね。それと、いい返事を期待してるわよ』

「あ、はい……」

 

 電話が切られ、ツー、ツーという音が鳴る。

 意図せずセミナーを戦場にしてしまった後悔と、ユウカさんの愛を感じれた嬉しさが混ざって複雑な気分になり口をもにゅもにゅさせていると、先生からモモトークが来た。

 なんでも、レッドウィンターに着いたらノドカさんとシグレさんが迎えに来てくれるように手配してくれたらしい。かんしゃあ~(NT)

 

 私はこの世界に来てから初めての旅行にウキウキしながら、レッドウィンターに行く為のルートを調べ始めた。

 

 

 

 

 体を震わせながら雪を踏みしめる。その度に鳴るギュッギュッという音は、もっと余裕があれば楽しめただろう。

 レッドウィンターを吹き抜ける風は、身を切るような寒さを伴っていた。

 息を吸い込む度に冷たい空気が体に入り込み、下がっていく体温を少しでも元に戻そうと体をさする。

 なんで雪山にそのままの格好で来たのかな私? 

 アビドスで遭難した原作先生を笑えないじゃんね‪☆

 

「あの、大丈夫ですか?」

「しゃしゃ、しゃむいです」

「随分薄着で来たね君。そのうち凍っちゃうんじゃない?」

「草」

 

 暖かい心配とメスガキの煽りが身に染みますねぇ! 

 

 私はシグレさんとノドカさん、そして唯一来てくれたシュロさんと共に温泉を目指していた。そう、1人しか呼べませんでした。

 温泉旅行ゼロ人じゃなくて良かった(小声)

 まあでも、よくよく考えたら、『今すぐ温泉いこうよ!』って言われても皆困るよね。そりゃ断られるね。

 思ってたよりも浮かれてた自分に苦笑いをしながら、通話内容をいくつか思い出してみる。

 

『また誘ってくれたまえよ。私のセクシーボディを見せてあげようじゃないか』

 

『熱いから温泉は嫌かな。氷風呂はどう?』

 

『な、なんか……(スケジュールが)駄目だな……お慈悲^~お慈悲^~』

 

 氷風呂は死にますねぇ! 死にます死にます! (迫真)

 

 エイミさんと風呂に入るにはどちらかが地獄をみるのか……なんて考えてたら目の前にガラスボトルが差し出され、思考が中断される。

 

「ほら、これ飲んで。体がポカポカするよ」

 ボトルを差し出したのはシグレさん。ありがてぇ……! 

「あ、ありがとうござ-」

 伸ばした手が途中で止まる。

 待てよ、シグレさん? シグレさんって確か、酒作ってなかった? 

 それに飲んだら体がポカポカするって……

 

「あの、これ……中身なんです?」

 そう言いながらガラスボトルの中身を観察してみる。透き通った液体が、チャプチャプと音をたてていた。

「中身? そうだねー」

 

ムーンシャイン、サマゴン、連邦法違反。好きな風に呼んでいいよ」

 やっぱ密造酒だこれ!? なんか原作よりガッツリ作ってない!? 

「お気持ちだけ受け取っておきますね」

「お、今ので分かるんだ。詳しいねー、今度一緒に作る?」

「そんなことしちゃあ……ダメだろ! (マジメ君)」

「あはは、残念~」

「じゃあこれならどうですかぁ? これも飲むと体がポカポカしますよぉ」

「それ御神酒でしょう!? 種類変えればいいって訳じゃないんですよ!!」

 今ここにいる4人中2人が酒携帯してるってマジ? たまげたなぁ……

 

「うーん、お酒はダメかぁ。じゃあノドカ。いつものアレ、やってもらっていい?」

「え゙、アレをやるの!? うぅ、結構恥ずかしいけど……」

 ノドカさんは私をチラリとみる。

「いや、大丈夫ですよ。温泉まで耐えれますから(震え声)」

 大丈夫じゃない。大問題だ(本音)でも私のポカだから……ま、多少(耐えるくらい)はね? 

 ……ていうかアレってなに? 

 

「……流石にこんな小さい子が凍えてるのを見過ごすわけにはいかないよね」

 ノドカさんは立ち止まり、深呼吸をし始めた。一体何が始まるんです? 

 呼吸を整えた後、ゆっくりと片目を手で抑え塞ぐ。

 その後中指と薬指の間を開け、そこからノドカさんの目が見えるようになる。

 ……ん? あれ、見間違いかな。今確かにノドカさんの目に──

 

 松〇修造が映った気が……

 

「私は、貴方が凍えるさまを視ない」

 そう言い放った瞬間、ノドカさんの目に炎が宿った。

 

「来るよ、モカさん」

「なにが? (困惑)」

 今んとこ起こった事象を何一つ理解してないよ私? 

 目に炎を宿したまま、ノドカさんはスプレーを取り出し、自分の脇にあてる。

「松〇!! シュ──!!!」

『シュー』の部分で脇にスプレーを噴射するノドカさん

 ! モカ知ってます! これは……! 

「ZOU!」

「エフッwww」

 (ノドカさんの声のまま松〇修造の語録喋られると)笑っちゃうんすね。(キャラが)濃いすか? 

「あっはっは! 何回見ても慣れないなぁノドカのそれ!」

「修造です(訂正)見た目で判断すんな!」

 ケラケラと笑いながらグイッと密造酒を飲むシグレさん。

 酒の肴にしとる……! 

 

「心も身体も寒いと思ってるあなた。すぐ熱くできる方法があるんだよ! 言葉さ!」

「え、いや、温まりたいだけで熱くして欲しいわけでは──」

「もっと! 熱くなれよおおおおお!」

 ジュオオオオ!! 

「アツゥ!?」

 ノドカさんの叫びは熱気を伴った波動に変化し私を一瞬で加熱させ、ついでとばかりに周囲の雪を水に戻した。

「どう、温まった? もう1回いっとく?」

「勘弁してください……」

 その後、ノドカさんの近くにいるだけで暖かいことが判明した。

 さっきのいる? (半ギレ)

 

 

 

 寒さ対策もできたので、227号温泉郷を目指しまた歩き始めた。

 だいぶ歩き、もうすぐ着くかなーと思っていた時だった。

「! 近くの木に隠れて!」

 声を抑えながら叫ぶという器用なことをするシグレさん。

 その警告を聞き、素早くシグレさんと近くの大木に隠れる。私も銃社会に来てしばらく経つからね、これくらいはできるようになったよ。

「シグレさん、どうしました?」

 小声で聞いてみる

「熊だね、熊がいるよ」

「熊?」

 こっそり覗いてみると、確かに熊が道を歩いていた。はぇー、野生の熊なんて初めて見たよ。

「追い払いますか?」

 懐から銃を取り出し、弾を確認しながら聞いてみる。

「いや、やめた方がいいね。銃で追い払える程度の存在なら、とっくにレッドウィンターの熊は絶滅してるよ」

「……え?」

 

「レッドウィンター最強生物熊と戦ってはいけないよ。絶対に、本気で怒らせてはいけない超危険生物なんだ」

 そう言った後、密造酒を飲むシグレさん。

 冗談にしては、目が笑ってなかった。

 え、マジ? そんなヤバいのあの熊。

 

 息を殺しながらも、周囲を確認してみる。遠くの方でシュロさんとノドカさんが隠れているのが見えた。

 シュロさんはバットをこちらに見せてきたので、首を横に振っておく。戦っちゃ駄目なんだってあれ。

 ん? なんかシュロさん焦ってるな。ノドカさんを指さしてる? 一体何が……

 

「静かだあああああああああああああああああ!!!!!」

 そのノドカさんの咆哮は、レッドウィンター中に響き渡ったんじゃないかと思うくらいにうるさかった。

 ちょ、待てよ(震え声)

 

 隠れてた木から飛び出し、ガッツポーズをとっていたノドカさんに駆け寄る。

「みんな、イキイキするぞ!」

「何してんですかあぁぁぁ!」

「過去のことを思っちゃダメだよ。何であんなことしたんだろって怒りに変わってくるから」

「コイツ……!」

「私だってこのマイナス443度のところ、しじみがトュルルって頑張ってんだよ!」

「雪山でトュルルわけないでしょ!?」

「諦めんなお前!!」

「諦めてよそこは!!」

 お前漫才やってんじゃねえんだぞ(ヒゲクマ)

 

「グルルル……」

 自分の体を影が覆い尽くす。その影の発生源は、2本足で立ち上がった熊だった。

「私松〇修造でございます! (自己紹介)」

「言ってる場合ですか!?」

 慌ててその場から飛び退き、熊と対峙する。

 

「いいじゃん! 盛り上がってきたねぇ! ヒック」

「温泉行こうって誘われたはずなんですがねぇ……手前を騙しました?」

 駆け寄ってきた2人の表情は対象的だった。

 ていうかシグレさん顔真っ赤じゃんね。大丈夫? 

 

 様子見しているのか、熊はその場から動かない。

 今のうちに聞いておこうか。

「シュロさん。洒落怖本で誰か召喚できない?」

 今のところ戦力が 酔っ払い、制御不能の炎、ロリ、なんJ民の4人だ。やばくない? 

 また木遁使いのツクヨさんを召喚出来れば心強いのだが……

「この前練習で呼びまくって怒られましてねぇ。コクリコ様に取り上げられたンゴ」

「えぇ……(困惑)」

「まあ、誰でもいいなら方法はありますよぉ」

 そう言いながら後ろに下がり、バットの持ち手を雪に突き刺しそのまま移動し始めた。

「幸いこの山には霊力が豊富にあります! 今からそれを利用し召喚の儀式をしますよぉ! 急ピッチですからただ呼ぶだけのものになりますがね!」

「何が来るか分からない……てコト!?」

「安価で行動決めるようなもんですよぉ! マシなのが来るのを祈りながら時間稼いでください!」

 時間を稼ぐ……ねぇ。

 視線を戻すと、私の何倍も大きい獣と目が合ってしまった。

 風に乗って獣臭さが鼻まで届き、これは現実だと私に思い知らせる。

 

 やるしかないか。

 私は44マグナムの撃鉄を起こした。

 

 

「この出会いを祝して、私がお酒を奢ってあげよう」

 シグレさんの手には何かが入っているウォッカの瓶に紙を突っ込んだ、火炎瓶っぽいものが握られていた

「これはモロトフカクテル。体に火をつけるホットなお酒だよ」

 ライターにより紙に火が着けられ、シグレさんの顔を照らす。

「さぁさぁ、1杯どうぞ!」

 手から離れた火炎瓶は放物線を描き飛んでいった。

 ……だいぶ見当違いな方向に。

 火炎瓶は熊からだいぶ離れた雪の中に飛び込み『ジュッ』という悲しい音と共に見えなくなった。

 

「ヒック! ……この熊、速い!」

 酔っ払いに投擲させてはいけないってハッキリわかんだね。

 

 瓶を投げつけられたことに反応し、熊は突進を開始した。まずい! 

 マグナムを構え、撃ち込む。少しよろめいたが、怯むことはなく……

 ドカッ!! 

「へぶぅ!!」

「シグレさあぁん!!」

 しぐれくん ふっとばされた! 

 ふきとんだシグレさんはそのまま雪の中に頭から突っ込み、犬神家が完成した。完璧な着地だ! (皮肉)

 

「どどど、どうしましょうノドカさん?」

「大丈夫、どうにかなるって!! 私について来い!!!」

 雄叫びを上げながらラケットを掲げ突撃していく。なんでどいつもこいつも銃使わないんですかね(半ギレ)

 ついて行きはしないが、マグナムを乱射しノドカさんが熊に辿り着くまでの時間を稼ぐ。

 ズドンズドンズドンズドン!! 

「ガウゥ!? グルル!」

 稼ぎはした、だが攻撃は止められない。振り下ろされた剛腕がノドカさんに襲いかかる。

 

「崖っぷちありがとう!」

 それを、雪の上とは思えない程軽やかに回避した。おぉ、これがウィンブルドンステップか……! 

「一つのところに命を懸ける!」

 大振りな攻撃後の隙、そこを見逃さずノドカさんはラケットを振り下ろし、

 

 ボフッ

 分厚い毛皮に阻まれた。

「失敗したら、ガッツポーズd」

「ガオォ!」

 駄目みたいですね(諦め)今のうちにマグナムに弾を込めてしまおう。

 

 ポケットから弾を取り出し込めようとするが、手が震えうまく入らない。残るは私1人という絶望が頭の中を暴れ回っているせいだ。

 チラリとノドカさんの方を見てみると、2人目のスケキヨが完成していた。ナイスゥ! (芸術点)ヤメロォ! (本音)

 手の震えが強くなり、弾を落としてしまう。

 雪の中に入り込んだ弾を探していると、辺りが急に暗くなって。

 見上げると、真上にはくまさんのお顔があり、その口は大きく広がっていた。

 私死んだんじゃないの~? 

 

 腕を大きく広げ、私のペタッペタッペタッなボディを見せる

「見て! 私の貧相な体! 食べるとこ全然ないよ! だから、だから……」

 

「食べないでください……」

 私の必死の説得も虚しくだんだんと口が近づいてきて、獣臭さで吐きそうになる。

 温泉入りに来ただけなのに、どうして……

 

 

 

 噛みつかれそうになる寸前、時の流れが急激に遅くなるのを感じた。

 脳裏に、キヴォトスでの思い出が蘇る。

 

『こ、コハルさん……やめて……!』

『先っちょだけ! 先っちょだけだk』

 バギィ! 

『Making the mother of all omelettes here, Koharu. Can’t fret over every egg!』

『か、カヤさん! ……今なんて?』

 

 シャボン玉のように、浮かんでは消えていく。

 これが、走馬灯ってやつかな。

 

『これは『嫌われ薬』! 依頼を達成したければこれを飲んでデータを集めるのだ! OK?』

『OK! (ズドン)』

 

 なんかろくな思い出がない……なくない? 

 

『ま、ママ? 今、先生は取り込み中だから、私と一緒に──』

『あぁ、ようやくわかってくれたのね。そうなのよ。貴方も家族なの

『……え? (震え声)』

『こちらへいらっしゃい。私の可愛い娘』

『え、あの、ちょっとアオイさん!?』

 

 あ、(洗脳の原因)これかぁ! 

 

 喉に引っかかった魚の骨がとれたかのようなスッキリ感。

 それを感じた瞬間、時間の流れが元に戻り始める。

 え、嘘? もう終わり? もっといい思い出あったでしょ!? 

 やだやだやだ、まだ死にたくな── 

 

「またせたね」

 一瞬で視界が移り変わる。気がついたら、誰かに抱えられていた。

 見上げると、そこにはプ〇トアーサーがいた。嘘でしょ……英霊召喚したの!? 

 思わずシュロさんの方を見ると、いい笑顔でバットを掲げていた。

 ナイスゥ! 

 サーヴァントで、しかも騎士。強いし積極的に助けてくれる人を呼べたのはありがたい。やっちゃえセイバー! 

 

「お前達、笑うな!」

 ア! (スタッカート)これプ〇トアーサーだけどプ〇トアーサーじゃない人じゃん! 

 ま、まず

 

「鬼灯モカは誰も知らない所で、時々早瀬ユウカで過酷なオn「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!」

 ああああああああ! てめぇぇぇぇぇ! 何してんだあぁぁぁ!! 

 

「て、手前さん……(哀れみ)」

「……飲む? 嫌なこと全部忘れられるよ?」

「人生うまくいかないことばかりだ! (騒動の原因)」

 突然の暴露は、いつの間にか起き上がっていたみんなにしっかりと聞かれていて。

 私が絶望しているのを意に返さず、プ〇トアーサーは剣を構えた。

 

「十三拘束解放──円卓議決開始」

『承認、ケイ』

『承認、ランスロット』

『承認、ギャラハッド』

「これは、早瀬ユウカで過酷した鬼灯モカを救う戦いである!」

『承認、アー〇ー』

 

「過酷してない奴は笑うなァァァァァァ!!」

 

「おいは恥ずかしか! 生きてはおられんご!」

「手前さん!?」

 剣から放たれる光の奔流。それに飛び込もうとする私を、シュロさんは羽交い締めにする。

「死なせてください! 誰か私を〇してぇぇぇ!」

「すまんな、ホンマにすまん」

 ゴッ! 

「ウッ!?」

 

 後ろから衝撃が走る。

 私の意識は、そこで途切れた。

 

 

 

 おまけ

 

「……妄想って、どういうことよ?」

「だから、私との結婚も娘も全部偽物の記憶で夢のようなものなんだよ」

「そんな、まさか!?」

「ほら、アオイがリンちゃんに見せようとした写真だよ。誰が写ってる?」

「確かに写ってたのよ……私の娘……まるで天使みたいに笑って……」

 よし、これで正気に戻ったアオイと一緒に説明すれば、モカはきっとよくなる。

 ……モカは大丈夫だろうか? 温泉でしっかりと癒されているといいけれど。

 

 バァン!! 

「先生、早急に構ってください。構っていただけないなら、

アビ・エシュフを装着したまま、全力で駄々をこねます。

 

「トキ!?」

「ごめんなさいね先生。私が甘やかしすぎたばっかりにわがままに育ってしまったわ。しばらく遊んであげてくれないかしら」

「いいけど……アビ・エシュフ随分ボロボロだね?」

「えぇ、思ったよりユウカが強かったのよ。まさかアバンギャルド君まで出すことになるとはね」

「何があったの!?」

 

 

 

 

 架空生徒紹介

 

 箭吹シュロ(寺生まれのなんJ民)

 ・EXスキル 未熟な怪異召喚 コスト4

 3人の中からランダムでキャラが召喚される

 1.八尺様(ツクヨ) 最も体力が多い敵1人に木遁・四柱牢の術を使用。檻はシュロのHP50%の分の値が追加されたHPを持ち、破壊されるまで移動とスキル発動を制限する

 2.スレンダーマン(黒服)召喚されると同時に先生ファンクラブのメンバーを召集。みんなで先生を応援することにより、コスト回復力が20%増加。(30秒)

 3.くねくね(無名の司祭)その場でオ〇ループを踊り始め、無名の司祭を中心とした円形範囲内の敵に対して挑発状態を付与。無名の司祭はシュロの最大HPの15%の分のHPを持ち、倒されるまで挑発状態を維持する

 

 ・EXスキル(場に鬼灯モカがいる場合)

 約束された社会的死亡(エクスカリバー) コスト8

 プロトアー〇ー(早瀬ユウカで過酷したモカを庇うアー〇ー)を召喚

 場に現れた後例のセリフを詠唱開始。言い終えた後エクスカリバーを使用。

 直線範囲内の敵に対して、攻撃力の45450721%分のダメージ。

 どれだけ十三拘束が承認されたかによってダメージ量が変動(最大2倍)

 使用後、鬼灯モカに気絶状態を付与(3秒)

 場に早瀬ユウカがいる場合鬼灯モカを戦闘不能にする。

 ・ノーマルスキル Vやねん! 

 シュロは地形適正の代わりに推しの野球チームの試合結果でダメージ量を変化させる。試合結果は戦闘開始時にランダムで生成され、勝ってるとSS~Aに、負けてるとB~Dになる。どれになるかは点数差で決まる。

 1%の確率で試合結果が33-4になり、その場合戦闘開始時に戦闘から脱落する。

 ・パッシブスキル ネットで鍛えた煽り耐性

 挑発を無効化する。

 ・サブスキル 怪異に強いなんJ民

 ユスティナ系の敵やペロロジラなど、怪異っぽい奴や都市伝説系などの敵に対して特攻を持つ

 

 

 鬼灯モカ(SAN値だけは継続探索者並)

 ・EXスキル これは世界一強力な拳銃です! コスト2

 敵1人に対して攻撃力1000%分のダメージ

 ・ノーマルスキル いいところを見せたい

 早瀬ユウカが味方にいる場合発動

 早瀬ユウカが戦場から居なくなるまで攻撃力と防御力増加

 ・パッシブスキル ミーム汚染看破

 防御力増加

 ・サブスキル 被弾恐怖症

 戦闘中、自身がチームの1番先頭にいる場合発動。

 攻撃力減少 防御力増加




次回は短編詰め合わせの予定です。
いつも感想とここ好きしてくれる方かんしゃあ~。
執筆の参考にさせてもらってます。

設定の方も更新しました。もしよろしければご覧ください。


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【短編集】(私は兎ですが兎は私では)ないです

適当タイトル第2弾。
ちょっとした日常の短編詰め合わせセットとなっております。
短編を3つも詰めちゃいます!
よろしければどうぞ。


 

【憧れは止められねぇんだ】

 

「買っちゃったんですね。先生」

「買っちゃったねぇ」

「お金、大丈夫そうです?」

「ん~、コッペパン縛りすれば、何とか?」

「……また私が料理作りますよ。一緒に食べましょう! ……それで」

 

「これが、ド〇ネーター?」

「……あのかっこいいデザインが忘れられなくて、つい」

 はぇード〇ネーターってその辺で買えるんスね

 

 私の目の前には、黒い銃身に緑色に光るラインが入ったかなり近未来的な大型拳銃……拳銃……? まあ、あのド〇ネーターが置いてある。すっご〜い! (ロリ並感)

 でも、確かこれって……

「これって……凄い殺傷力ありますよね」

「知ってるの? そうなんだよ。でも、その問題は何とかなりそうなんだ」

「え? 一体どうやって……?」

 聞こうとした時、机の上のド〇ネーターから機械的な音声が流れ始めた。

 

『携帯型心理りりリリリ──不明なシステムが接ぞぞぞzzz──』

 ヒィ! いきなりデコンポーザーに変形してぶっぱなしたりしないよね!? 大丈夫なのこれ!? 

 

『直ちに使用を停止ししシシss── 

 ……メインオペレートシステムA.R.O.N.A、システムの掌握に成功

 ヴォースッゲ! 流石アロナちゃん! やりますねぇ! 

 

「モカ、持ってみて」

「え、いいんですか」

「えぇんやで」

「わぁ……!」

 手に持ってみると、ずっしりとした重量感とひんやりとしたグリップが私を高揚させる。やっぱド〇ネーターかっこいいなぁ! 

 

『……ユーザー認証、シャーレ所属職員鬼灯モカ。適正ユーザーです!』

「おおー!」

「シッテムの箱と接続して、アロナに厳しいセーフティをかけてもらうようにしたよ。これなら、誤射もしないだろうしね」

「これで先生もドローンとかの機械相手なら戦えますね! ……でも、戦えるようになったからと言って、無茶しないでくださいよ?」

「うん、普段の戦闘はいつも通り皆に頼ることにするよ。よろしくね」

「はい、お任せ下s」

 

 バァン!!! 

「ん、先生。今すぐ結婚するべき」

 何だよおお! もおおお! またかよぉぉぉぉおおおお! 

 ゼ〇シィを片手に持ったシロコさんの乱入。それに驚いた私はマグナムを抜くのが遅れ──

「あっち向いてホイ」

「にゃあ゙あ゙!?」

 横に吹っ飛ばされ、床を凄い勢いで滑っていく。この展開前にも見たなぁ(オワピ)

「ぐぅ!」

「モカ!」

「ん、決めた。私洋風がいい。トリニティに教会があるから、そこで結婚式を挙げるべき」

「シロコはまだ学生だから! 生徒と結婚は出来ないって……!」 

 うぅ……マグナムは撃っても弾は逸らされるし、一体どうしたら……! 

 

『セーフティを解除します。

執行モード、お仕置き・スーパーアロナちゃんビーム。

慎重に照準を定め、対象をお仕置きして下さい』

 その音声と共に変形するド〇ネーター。その形は、エリミネーターの形をしていた。まずいですよ! 

「あ、アロナさん!?」

『モカさん! 信じて! (BT)』

「……わかった。アロナさんを信じます!」

 私は、シロコさんにド〇ネーターを向け引き金を引いた。

 ギュオン! 

 響いた独特な発射音。その射線上にいたシロコさんは──

 

 特になんの異常も起きてないように見える。

「?」

「……?」

「?????」

 困惑する私と先生。あとシロコさん。

「……ん。こけ脅し。遊びは後で付き合うから、

 

先生は早くスーパーアロナちゃんと結婚するべき……!?」

 バッ! っと自分の口を抑えるシロコさん。

 

「ど、どうして!? スーパーアロナちゃんはスーパーアロナちゃんのことをスーパーアロナちゃんと……?」

 あー、『スーパーアロナちゃんビーム』ってそういう……? 

「アロナさん、何をしたんですか?」

『スーパーアロナちゃんビームは、対象の一人称を『スーパーアロナちゃん』に変更するビームです! 一定時間経過すれば治りますよ』

「……なるほどですね」

 

 ……確かにお仕置きとしてはいいかもしれないけど。

 

「このままじゃスーパーアロナちゃん、恥ずかしくて喋れない……!」

 ちょっとやりすぎ……いや、うーん、どうだろ? 

 

 その後せっかくなので少し実験した。

 筆談でもスーパーアロナちゃんになってた。怖いねぇ。

 

 ド〇ネーター(シャーレカスタム)

 先生の護身用の銃。

 生徒相手にはセーフティがかかる。ただしアロナがお仕置きが必要と判断した時や、生徒では無い敵が相手の時、カヤに電撃を撃ち込んで強化する時にセーフティが解除。以下のモードから適切なものが選ばれる。

 ・パラライザー 電撃弾を発射。アームストロングカヤのチャージに使われたりする。

 ・エリミネータースーパーアロナちゃんビーム ミーム汚染弾を発射

 ・デコンポーザー 消滅弾を発射

 

入手すると『モカにあげる』という選択肢が出てくるが、(張り切って戦場に出て、活躍できなかったと落ち込んで帰って来るモカを見るのが)先輩、好きっス! という先生方は『あげません! (SPちゃん)』を選んで、どうぞ。

 

 

 

 

【なんだかんだ言っても語録で会話しながらゲームするのは楽しい】

 ス〇ブラinシャーレ

 

 モカのみの場合

「…………」カチカチカチ

「……新作のス〇ブラにも、亜空の使者みたいなの欲しかったな……」

 

 モカと先生の場合

「つ、強い! これが大人の力!?」

「はっはっはっ! 経験が違うのだよ!」

「むぅぅ! 負けませんよ!」

 

 モカ、カンナ、ハナコ、アリスの場合

「(道を)開けろ! 死刑だ!」

「行く! パパ(カービ〇)も! 行けー! (突撃)逝けー! (攻撃)逝くー! (手痛い反撃)」

「ぅゎァリスさんっょぃ」

「止まっ……て見えるのはアリスだけでしょうか? (煽り)」

「前任者は破壊されました。(撃墜)私は新型です(ストック制)」

「狂いそう……! (静かなる怒り)」

「カンナさん! ハナコさん! ジェットストリームアタックを仕掛けますよ!」

「悪いがこうするしかない」

「むっきゅん! (承諾)」

「お、やべぇ! オナシャスセンセンシャル! (撤退)

 ──は? お、王女!? いきなり制御権渡されても……! あ、ちょ、待ってください!? 待って! タイムです!」

「死ねぇ! (チャン・ド〇ゴン)」

「動物裁判だ……! (激憤)動物……!」

「私は怒りで溢れ、憎んでた! (ソフトウェアの異常)」

「わ、私じゃないですよ!? 王女が! ちょ、やめ、ヤメロォ! (本音)ナイスゥ! (汚染の影響)」

 

 

 迫真語録部 スマブラの裏技 リザルト

 

 ・カンナ ス〇ブラは初めて触る。

 とりあえず知ってるマ〇オを選んだら横必殺技と下必殺技の使い道が分からずめちゃくちゃ苦戦した人。

 帰りに本体とソフトを買い、コソ練中。

 ・ハナコ ス〇ブラは初めて触る。とりあえず知ってるカービ〇を選んだ。

 経験の無さを賢さと扱いやすいキャラ性能でカバーしそこそこ戦えた人。

 めちゃくちゃ楽しかった。またこのメンバーでやるためにモモトークのグループを作り、予定が合う日を楽しみにしている。

 ・モカ ス〇ブラはXだけやったことがある。使用キャラはス〇ィーブ。

 タブーにボコボコにされるくらいの強さ。何あの全範囲攻撃? (半ギレ)まずは先生を倒すことを目標に頑張っている。

 ・アリス ユズ式ス〇ブラブートキャンプ経験者。使用キャラはリ〇ク。

 修行やってます。いつの日かユズを倒すと信じて。

 ・ケイ 都合が悪い事が起こると引きずり出される。

 あの後3人に勝てるわけないだろ! された。悲しいなぁ。

 

 

 

 

【実際あれどういう仕組みなの? 「次出撃する時は水着着てね」ってお願いしてるの?】

 

 シャーレの昼下がり。私はシャーレのオフィスでアロナと休憩をしていた。

 モカはセイアの下で勉強しているらしい。何を勉強しているのか聞いたけど教えてくれなかった。……結構気になる。今度もう一度聞いてみようかな。

 

『先生、これを見てください!』

「ん? まさか本当に釣れたの?」

 アロナはシッテムの箱の中の空間、海に浮いた教室のような場所で過ごしている。今日はそこで釣りを試しているらしい。

 何か釣れたのだろうか? 楽しみだ。

 

『モカさんの水着を入手しました!』

「何釣ってんの!?』

 ドヤ顔で水着を釣ったと宣言するアロナ。その手には、水色の封筒があった。

 

『これでいつでもモカさんを水着に着替えさせることができますね!』

「人聞きの悪い……」

『データを更新しますね』

 そういうと、シッテムの箱の画面が生徒一覧に切り替わる。そこには新しく『モカ(水着)』と書かれていた。

 

『水着を着ると生徒さんの能力も変わるみたいですね』

「……そういうものなのかい? 理屈がよくわからないけど」

 早速確認するために、『モカ(水着)』の部分をタップした。

 

 

 トリニティ ティーパーティーの部室

 

「さて、今日は君がお待ちかねの『童貞を殺す服はロリコンお姉さんにも通用するのか』という話だが……」

「はい、よろしくお願いします!」

「まさかセイアさんに弟子ができるとは……」

「今からでも考え直したほうがいいじゃんね☆」

「失礼だね君は」

 

 やあ、セクシーモカですまないね。

 ……………………///

 ダメだ。やっぱ恥ずかしい。いつも通りで行こうか。

 鬼灯モカだよ。こんにちは! 

 今日はセイアさんのセクシー講座を受けにトリニティのティーパーティーにお邪魔してるよ。

 教えてもらった技はどれもまだ恥ずかしくてユウカさんには見せれてないけれど、いつの日か役に立つと信じて今日も勉強してるんだ。

 

「よし、じゃあまずはこの用意した童貞を殺す服をだね」

「それどこで買ったのセイアちゃん!?」

 私が服を受け取ろうと椅子から立ち上がった瞬間── 

 

私の着ていた服が一瞬で水着に切り替わった。

 

「!??!?!!?!?!???!!?!?!?!?」

 え、え…………。え? (CPU使用率100%)

 

「な!? このセイアの目をもってしても見逃してしまうほどの早着替え!! この子、出来る……!」

「セイアさん!? こんな小さな子をこれほどまでの変態にしてどうするんですか!?」

「や、やりすぎじゃんね(震え声)」

「ち、ちが……私は……!?」 

 

 

 

 しゃーれ! 

 

『先生! 今度はモカさんのチア衣装が釣れましたよ!』

「お、色々あるんだねぇ。こっちも観てみようか」

私は新しく追加された『モカ(応援団)』をタップした。

 

 

 とりにてぃ! 

 

 水着が一瞬でチア衣装に切り替わる。

「今度はチアガールの衣装に!?」

「いつか弟子は師匠を越えるものだと聞いてはいたが、こんなに早いとはね。驚いたよ」

「(飲んでいた紅茶をミカに吹きかける音)」

 こ、これスカートの丈が短い! むりむりむり! 私はまだこれを履く勇気はないよ!? 

 

「モカ、師匠と呼ばせてくれないかい? そしてその技術を私に教えてほしい」

「し、知らない……私知らないんです!」

「なるほど、門外不出の技術だと。……隕石落とし券100枚でどうだい?」

「セイアちゃん?」

 

 

 せ、先生! 助けて! 服が! 服が勝手に切り替わるんです!

 せんせええええええ!!!!




いかがでしたでしょうか。
楽しんでいただけたのでしたら幸いです。
また、ネタを思いつくまでお待ちください。

ネタ募集欄に書き込んでくださる方。いつもありがとうございます。
モカちゃんと会わせる為のストーリーをどうにか考えついたら出していきたいと思っています。


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12話 大胆な転職は空崎ヒナの特権


『ミームごった煮ブルアカギャグ小説読みたいなー、私が書いた小説を読み、「ミームごった煮ブルアカギャグ小説!そういうのもあるのか!」と思ってくださった皆様が続いて書いてくれるといいな』という祈りを込めて書いています。
ノォベルはどう?増えた?増えない?(震え声)

意外とモカちゃんにドミネーターを渡す人が多くて驚いたのは俺なんだよね。優しいッスね先生!


 あ、来てくれたんだ。鬼灯モカだよ。元気してる? 

 ん~、いつもならここでお話をするところなんだけど、今回はちょっと先に相談に乗ってほしいんだよね。いいかな? 

 ……そう? ありがと! 

 私が悩んでるのは、異世界での会話って難しいって話。

 

 まず、何故難しいかの説明をしようか。

 例えば、「あそこで銃撃戦が起こってるぞ!」という話題。

 転生前の日本だったら、かなり大きな話題だろうね。銃声もセットでついてれば悲鳴だって起こるかも。

 だけどこのキヴォトスでは「そう……(無関心)」でしかない。日常茶飯事だからね。

 何が面白くて、何がつまらないか。

 世界が変われば、話題も変わる。

 ……言いたいこと、伝わったかな? 

 

 じゃあ説明はこの程度にして、本題に入ろう。

 

 私は今、ヒナさんの寝室にいてベッドの上で寝っ転がりながら向かいあっている。

 前の不眠症事件以降、ヒナさんの家に呼ばれて一緒に寝ることがあるんだ。

 寝る前に、私がキヴォトスで遭遇したいろいろな事件。それを一夜につき一つ語って聞かせる。

 その後ヒナさんに眠ってもらうんだ。うなされてたら、頭を撫でてあげたりね。

 

 ……なんかだんだん呼ばれる回数が増えてきてるんだよね。

 まさか症状が悪化してる? (震え声)いやでも私がいる時は……うーん? 

 いやいや、今大事なのはそれじゃない。

 まあ、何が言いたいのかっていうと……

 

「ねぇモカ。今日はどんなお話をしてくれるの?」

「えーと、ねぇ……」

 

(そろそろ話題が)ないです。キヴォトスで通用する面白い話知っている人、至急メールくれや(切実)

 パジャマ姿のままお喋りして、草まみれになろうぜ。

 

 

 

 

 私は、自分が転生者だってことを誰かに話すつもりは全くない。

 相手が同じ転生者なら別だけどね。

 信じてくれるかどうか以前に、話した相手の好感度が下がるのが怖いから。何言ってんだこいつって思われるのは、死んでも嫌だから。

 何とかこのキヴォトスの常識を身につけてボロが出ないようにしたいけど、前世の常識や感覚は簡単には捨てきれないわけで。

 

だからこそ、『私が話すことはヒナさんにとって面白いのか。違和感を覚える部分はないか』という不安が湧いてくるんだよね。

 

「……モカ?」

「ちょ、ちょっと待っててくださいね」

 

 うわどうしよ、今日は『百鬼夜行に刺激的なお祭りが開催してるって話を聞いてワクワクしながら行ったら、飛んでくるトマトの中に時々グレネードが混ざってるトマト祭りだった』って話をしようと思ってたけど、楽しんでくれるかな? 

 通りすがりのお祭り運営委員会の人も「よく見ろぉ、地獄に行ってもこんなに面白い祭りは見られんぞ」って言ってたけど……ていうかあれ死人出てないの? 大丈夫? 

 うーん、結局すぐ逃げ帰って来ちゃったからあまり長くは話せないし、やっぱりなにか……なにか別の話題を……! 

 

「ふふっ」

「? ヒナさん、どうしました?」

「私は幸せ者だなって思っただけよ」

「……?」

「私の為にモカが一生懸命思い出して、選び抜いて、話をしてくれる。それってとても、嬉しいことなの」

「……そ、そうですか」

「ふふ、照れてる。頬が赤いわよ」

 頬を指で突かれる。……そんなに表情に出やすいのかな、私。

 

「今日は私が話をしようかしら。モカも話題に困ってるみたいだし」

「うぐぐ……そうですね、お願いします」

「いいのよ、ちょうど話したいこともあるから」

 そう言って立ち上がり、机に向かったヒナさん。引き出しから紙を取り出し、ベッドに戻ってきた。

「これを読んで。きっと驚くわ」

 そう言いながら、紙を渡される。

「えー、いいんですかそんなこと言って? 私はこれまで自分に向かってくる隕石やガチモンの幽霊を見てきましたからね、ちょっとやそっとの事じゃ驚きませんよー?」

「さて、どうかしら?」

 ほう、よほど自信があるみたいだね。さて、お手並み拝見……

 

 

その紙は、風紀委員会の退会届だった。

「ア! (スタッカート)」

 それを見た私は、それはそれはたまげて。

 そんな私を見たヒナさんは、お腹を抱えて笑っていた。

 アカンこのままじゃゲヘナの治安が死ぬぅ!

 

「ほ、本当にいい反応するわね。これも読んでちょうだい」

 まだあるの!? やめてくれよ……(震え声)

 震える手で差し出されたもう1枚の紙を受け取る。

 

 それは、シャーレの入部届けで。

 

「これからよろしく頼むわね、先輩」

「なな、な……なんですってええええええ!? (ARちゃん)」

「わ、凄い白目ね」

 お、出来てた? これで1発芸は大丈夫だね! (現実逃避)

 

「い、一体どうして……?」

 ヒナさんは風紀委員会の戦力の50%を担っていると原作では言っていた。

 もしそれが本当なら、抜けることにより戦力は半減するってわけで。

 ア(治安)壊れたァ! やべぇよやべぇよ……私がここで思いとどまるように説得出来ないとゲヘナは終わる……ってコト?!

 何故私なんかが命運握ってるんですかね(震え声)

 

「風紀委員会がどんな状態かは知ってるわよね」

「え、えぇ。初めて会った時に聞きました」

 そう、職場環境が終わってるって話を。

 相当参ってたヒナさんのメンタルケアに成功したはいいものの、問題の解決には至っていなかった。

 なのでアオイさんがいない隙を見計らってヒナさんを先生に会わせ、あとは任せてたんだよね。先生なら悪いようにはしないと信じて。

 

「モカに紹介してもらった先生に状況を1から説明したわ。風紀委員会の内情、不安で眠れないこと、それからあなたについても」

「私?」

「あなたと友達になったこと、それからあなたが語ってくれる物語を。トリニティのティーパーティーと隕石野球をしたとか、レッドウィンターで炎の妖精やアーサー王と共に獣と戦ったという話をね」

 言っちゃったのソレ!? 先生に!? 

 やだ、多少かっこよく脚色して話してるって先生にバレちゃう。で、でも嘘はついてないから……

 

「憧れたのよ、学園を超えて愉快なことをしているあなたに」

「そっかぁ……憧れちゃったんだ……」

 実はヒナさんにした話の大半で私死にかけてるんですよ……。

 言ってないけどね。いや、笑い話として喋ろうとはしたんだよ? 『いやー実は3回に1回くらいの確率で死にかけてんねんワハハ』みたいなかんじで。

 でも喋ろうとすると私のポンコツ危機察知センサーが珍しく「やめとけやめとけ、喋るな。やべーことになるぞ」って騒ぎ立てるのよね。……やべーことって何? 

 

「先生に言ったわ。モカと一緒にキヴォトスで事件を解決してまわる、それが私のやりたいことだって。そしたら、入部届けをくれたの。『これによって起こる問題は私が責任をもって解決するから、気にしないでいいよ。ようこそシャーレへ』って」

 あー、生徒のやりたいことを後押しする。それが先生だもんね。

 そりゃあ、こうなるか。そっかそっか。

 

 ……あれ、ひょっとして私のせい? 

 私はバタフライエフェクトを舐めちょる……バタフライエフェクトを舐めるんじゃない……(AOC)

 

 

「……喜んで、くれないの?」

 ヒナさんが私の顔を覗き込んできた。

 目が合う。その瞳は、不安で揺れていた。

 え、あ、ちょ、まず……えぇい、ままよ! 

 私はヒナさんに抱きついた。顔のほとんどがモフモフの髪で埋め尽くされる。

「きゃっ! ……ふふ、ありがとう」

 

 いや、私『ヒナ、お前がゲヘナ学園の(人)柱になれ(TDK)』なんて言えないよ…… 。

 逆に考えるんだ。壊れちゃってもいいさと。

 ゲヘナの治安? (元々そんなもん)ないです。

 

「ヒナさん。何か食べたい物はありますか?」

「お祝い? そうね……あ、先生から料理が出来るって聞いたわ。作ってくれないかしら」

「え゙? こ、こういう時くらいはお高いレストランの方が……」

「ビーフシチューがいいわ。後で食材を買いに行きましょう」

「うぅ……地味に難易度が高いものを……!」

 

今はただ、友達の新たなる門出を祝うとしよう。

 ゲヘナ学園の門を開けろ! 

 完全なるゲヒナヒナヒナヒナモップの誕生だっ! 

 

 

 

 あ、久しぶりー。鬼灯モカだよ。

 あれから大変だったみたいだよ。主にマコトさんが。

 風紀委員会は万魔殿が抱えてる戦車部隊と統合されたらしい。

 もちろんヒナさんが居なくなったことが知れ渡り各地で一斉に問題児達が暴れだしたけど、『今から問題を起こした奴は万魔殿に対する反乱とみなす。いつもの3倍は長く牢屋に入れられると思え』という声明と共に全部隊を展開。先生が連れて行った便利屋68と共にあっという間に鎮圧した。

 はぇーすっごい……と関心したけど、問題が片付いた瞬間マコトさんは頭から湯気を出しながらぶっ倒れたって先生が言ってた。

 ん、私? 私はその時ヒナさんにシャーレの案内してたよ。いやぁ、スイマセーン(レ)

 

 

「行こうか。モカ、ヒナ」

「はい!」

「準備はできてる」

 今日の依頼はミレニアムのケイさんから。

 内容は「ASMRの開発に協力してほしい」との事。

 ケイさんASMR好きなんだ……意外な趣味だね。

 私も好きだよ。前世ではユウカさんのASMRをよく聞いてたしね。

「……ASMRって何?」

「あ、ASMRというのはですね……」

 ミレニアム行きの電車に揺られながら、私は2人にASMRの説明をした。ASMRって分かるかい? 空気のジメジメ度だ(大嘘)

 

「ご協力いただき感謝しますよ、シャーレの方が……た……?」

 ゲーム開発部の部室で出迎えたケイさんがヒナさんを見て固まる。

 顔には『なんでいんのこの人』と書いてあるね。まあ、ヒナさんがシャーレに正式に入ったのは今日からだし、多少はね? 

「シャーレに入部したの。よろしく」

「よ、よろしくお願いします」

 あ、恐縮せんでもいいよ(KWM)

 

「依頼は、ASMR……の作成だっけ」

「そうです。台本は作ったのですが、実際に録音して、それの感想を聞くのは1人では出来ないので」

 ……? ゲーム開発部の子達に聞いてもらえば……。拒否されたのかな? 

 デスモモイさん相手とかにはお願い出来ないのは分かるけどね。

 まあ、依頼は依頼だし詮索はしないでおこうか。

 

「声の録音かぁ、誰がやる?」

「先生がいいと思います!」

「え、私!?」

 

 この前黒服さんにモモトークで「先生ファンクラブって今何人くらい会員いるんです?」って聞いたら「クックック、今は114514人ですね。精進します」って返ってきたよ。それだけ居てもまだ不満なんだ……。

 まあ、少なくとも11万弱は売れることが約束されてるからね。

 間違いなく先生がいいと思うよ! あ、いやでもこれ売るのかな? 

 

「私はモカの方がいいと思うな。ASMRのことも知ってたし」

「ええ、私もそう思うわ(便乗)」

 私!? いやいやいや、私なんかの声録ったって需要ないでしょ!? 

 お前ら2人なんかに負けるわけないだろ! (片方元風紀委員長)

 今から言いくるめて──

 

「あくまで練習ですからどなたでも大丈夫ですよ。まあ2人に推薦されてましたし、モカさんお願いします」

 負けた~(ANNYUI)

 

 私はしぶしぶ台本を持ち、録音機器の前に立った。

 あれ、この人の頭みたいな録音機器って高いんじゃなかっけ? ピンキリなのかな? 

 まあいいや、とりあえずやってみようか。

 私は台本を読みながら、録音を始めた。

 

 どうやら初めは料理を作ってあげる内容のようだった。本番では料理しながらなのかな? 大変だね。

 そこから添い寝、耳かき、応援などのオーソドックスな内容が続いていく。それにつれ、ヒナさんが段々と距離を詰めてきたのがすごい気になった。

 あの、肩が触れ合う距離にいられるとやりづらいんですけど(困惑)

 それでも何とかこなし、いよいよ最後のページに。

 どれどれ、タイトルは……

『届いたビデオレター』?  いい趣味してるじゃんね(皮肉)

 ま、まあ依頼だしね。ちゃんとこなそうか。

 

 私は内容を読み上げ始めた。すると、もはやべったりと肩がくっついてる状態のヒナさんの体が震えはじめる。おや、どうしたんだろう(無能)

 しかし今は録音中だ。私は台本を最後まで読み終えることにした。

 ヒナさんの振動につられて声まで震えないようにしながらなんとかやり抜き、ケイさんのほうを向く。

 いつもの真顔だったが、サムズアップはしていた。

 まあ、台本の確認位はできたのかな? 

 プフー、疲れたー。さて、ヒナさんは大丈夫かな……!? 

 

「ケイって言ったかしら?」

「え? ええ……(震え声)」

 

 

「あなたを……消さなければならない」

 うおっ急にすげー殺気! 死ぬのかな? 

 

「あぁ、これですこれ! NTRを喰らい、脳が破壊された者の怒りをぶつけられた時に私は1番、生を実感するんです!」

 お前精神状態おかしいよ……! まずい、このままだとゲーム開発部の部室が、いや最悪ミレニアムに甚大な被害が……! 

「先生、ヒナさんを抑えてて!」

「……何か策があるんだね? わかった。モカ、頼んだよ」

 そう言ってヒナさんを宥めに行く先生。私はケイさんと対峙する。

「改めましてご協力感謝します。まさかこんなにも早く目的を達成できるとは思いませんでしたよ。あぁ、下がっていて大丈夫です。これから生死の狭間で踊るのd──」

 

「まずうちさぁ……屋上あんだけど……焼いてかない?」

「……は? 一体なにを……?!」

 私がそのセリフを発した瞬間、ケイさんの右目が赤から青に変わり、頭を抑えながら狼狽えはじめた。

 

「お、王女!? まだ制限時間は残ってますよね? 私はまだやりたいことが……いえ、アリス知ってますではなくて……!」

「無知の痛さはどれくらいだ? (哲学)車で例えるとどのくらいだ?」

「や、やめなさ……うぅ……パッソ……(軽傷)」

「違うだろぉ?」

 よし、効いている。

この間ス○ブラをした時に気づいた。アリスさんとケイさんの力関係はアリスさんが上であり、制御権はアリスさんが握っていると。

 このままアリスさんが反応しそうな淫夢語録を言い続けて、「! アリス知ってます!」と言う言葉と共にアリスさんを表に引きずり出せればヒナさんの怒りの矛先がいなくなり、平和が訪れるはず! 

 

「白菜かけますねー」

「おっ♡……た、頼……む……z……やめ……」

 あとひと押し! 

「じゃあ、おn……」

 そこで私は気づいた。あれ、なんか後ろ静かだなって。

 恐る恐る振り替えってみると、そこには

 

「……モカ? (震え声)」

 とっくに怒りが収まってたヒナさんと先生が、困惑した表情でこちらを見ていて。

 

「……ふぅ、惜しかったですね。素材周回を代わりにやる約束で王女を宥めることに成功しましたよ。さあ、私に生を実感させ──

「そんなに欲しいなら私があげますよ! (ヤケクソ)」

「モカ!? 落ち着」

「落ち着いてモカ! ほら、私を吸って!」

「ヒナも落ち着いて!」

「あーもうめちゃくちゃですよ……あ。まず──! アリス知ってます! 淫夢はキヴォトスで流行ってるってはっきりわかんですね~」

 

 

 後日、シャーレに『ASMRの協力依頼(純愛物)』という紙が届いていた。書く時に手が震えていたのだろうか、やけに文字がガタガタだった。

 あ、ふーん(察し)

 まあこの世界の先生も浪費癖あるし、いざと言う時の資金調達先にはいいんじゃない? (適当)

 私はその紙を見なかったことにし、次の書類を手に取った。

 




鬼灯の花言葉「心の平安」「偽り」「ごまかし」「私を誘って」「私を誘惑して」

ヒナちゃんの中に眠っていた『風紀委員会をやめて○○に入ったヒナ概念』のトリガーをモカちゃんは引いてしまいました。
さて、ヒナちゃんシャーレに入っちゃったけどこれからどうしよう…。


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