東方masquerade外伝 〜Riders Resistance〜(凍結中) (リョウタロス)
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第1幕 プロローグ 商談/暗躍
今回の物語は東方masqueradeのエピローグの前、財団X Z支部を倒してから1年後の物語です
つまり1部から2部へと移る前の異変のお話、1.5部の外伝というわけです
どのくらいの長さになるかはわかりませんが最後までお付き合いいただけると幸いです
それでは本編です、どうぞ
とある建物の薄暗い部屋の中で2人の少女が椅子に座り向かい合っていた
片方は黒髪に赤と白のメッシュが混在し頭に二本の小さい角を生やした天邪鬼の少女、鬼人 正邪
もう片方は背中から蝙蝠のような翼を片方だけ生やしそこ以外はかの吸血鬼の妹、フランドール・スカーレットと瓜二つの姿をした少女、グランベル・スカーレット
この2人の少女がここに来た要件は商談
様々な世界を渡り歩く商人、グランベル・スカーレットに鬼人 正邪が新しい力を手に入れるため申し込んだのである
「あなたが欲しかった能力のガイアメモリは確かにあるわ。でもこれらのメモリははっきり言って一本じゃ龍騎系ライダーのブランク体にすら負けるわよ?」
グランベルは傍らに置いてあるトランクから数本のガイアメモリを出し机の上に置く
「あー、そこらへんは予想済みだよ。だからこそ対策も考えてある」
そう言うと正邪はポケットから一本のUの文字が描かれたガイアメモリを取りだす
「財団Xの奴らが落としていったこのメモリを使う」
「ユニオンメモリ、確か能力は合体だったかしら?」
「その通り。以前外界じゃあ二つの記憶を内包するメモリのドーパントが中々の力を発揮したそうじゃないか。そこでこのメモリを使えば」
「同じことができる、と。でも財団Xも同じことをやったけど失敗作ばかりでしかもことごとく負けたと聞いたわよ?」
「ああ、確かにな。だがあいつらが今までやったのは巨大化ドーパント三体、二十七個のメモリ、ホロスコープス十二体とどいつも制御が効かなかったり合体させるのが多すぎたりしてんだよ。だから暴走したり力を引き出しきれてなくて負けるんだ。それなら相性のいいメモリ二本を合わせた方が明らかにマシだ」
「だからそれをこのメモリ達で試すということね。確かに前例で使われたエッグもチキンも一つだけなら弱いメモリ、それであそこまでの力を出せたんだからこの子達なら更に強いものになりそうね」
「ああ、それにこいつらならあの海堂 紀斗の力も利用できるしな。それと」
「それと?」
「弱えやつが強いやつに下剋上して立場をひっくり返すのは燃えるだろ?」
その言葉に正邪はニヤリと笑みを浮かべグランベルもふふふと微笑する
「あなたも中々私を楽しませてくれそうね♪どんな舞台になるか、見届けさせてもらうわよ?」
「おーおー、楽しみにしてろ。最高で最悪で悲劇で喜劇な舞台を見せてやるよ」
「ふふふ、私を退屈させるような舞台にはさせないように気をつけることね。あ、そうだ」
グランベルは椅子から立ち上がるが何かを思い出したように一本のガイアメモリを正邪に投げ渡す
「こいつは?」
「おまけよ、おそらくあなたに一番相性のいいメモリ。危なくなったら使いなさい」
「へっ、あたしは天邪鬼だぜ?そう言われれば使いたくなくなるのがあたしさ。死んでも使うもんか」
「ふふっ、まあ使う使わないはあなたが決めなさい。それじゃ私はこれで、じゃあね、捻くれ者の妖怪さん♪」
「ああ、あばよ、面白いもの好きの食えねえ商人」
グランベルは別れの言葉を告げると目の前にクラックを開きその中に入り去っていき同時にクラックも閉じた
「さて、あたしも動くとしようか。この幻想郷を弱者達の楽園にするために」
秋塚さん、グランベルをお借しいただきありがとうございました。おかげでうまくプロローグの暗躍を進めることができました
さて主人公の出番は次回からです。そして正邪はどのように紀斗の力を利用するのか
次回もお楽しみに!
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第ニ幕 始まり/襲撃
そして正史とは少し違う正邪の計画が今動き始める
それでは本編です、どうぞ
黒髪の所々に白のメッシュが入った人間から蓬莱人へなった青年、海堂 紀斗
彼は今人里の慧音から連絡を受けマシンディケイダーで人里までの道を最高スピードで走っていた
(人里で急に道具や普段はおとなしい妖怪が暴れ始めた、それに今朝いきなり空に現れたあの逆さまの城…十中八九あの異変だがどういうイレギュラーがあるかわからない。充分警戒していかないとな)
そのまま紀斗は走り続けもう少しで迷いの竹林を抜けるというところでいきなり紀斗の目の前に弾幕とは違う光弾が何発も放たれた
「なっ!?くそ!」
紀斗はすぐにマシンディケイダーから飛び降り光弾を避け腰にディケイドライバーを装着する
『今の攻撃を躱すとはやはり仮面ライダーの名は伊達ではないということか』
「誰だ!」
紀斗が振り向いた先にいたのは身体のあちこちに外側に向いた赤い矢印とプラグのついた黒いコードを生やした怪人だった
(機械的な身体か、動物、植物、幻獣的な特徴は見られない。ということは…)
「ドーパントか」
『その通り、まあメモリ名までは言わないがな。とりあえず海堂 紀斗、今回用があるのは貴様の力だ。気絶させてアジトまで運ばせてもらうぞ』
「やってみやがれ、こちとらただのドーパントに負けるほど柔な鍛え方はしてねえぞ。変身!」
『KAMEN RIDE DECADE』
紀斗はマゼンタ色を基調としたバーコードを模した仮面ライダー、仮面ライダーディケイドに変身しカードホルダー型の武器、ライドブッカーをソードモードにしてドーパントに斬りかかる
『ただのドーパント、か。ならこの力をその身に受けて同じことが言えるか?』
紀斗が目の前のドーパントの言葉を聞いた瞬間ドーパントへ攻撃しようとしていた紀斗の身体はまったく逆の方向を向きドーパントへ背を向ける形となっていた
「っ!?」
『おいおい、そんな隙だらけでいいのか?』
ドーパントは自身の身体から生えているコードを伸ばして紀斗に突き刺そうとし紀斗はそれを前に転がりなんとか躱し再びドーパントに向き合う
『ATTACK RIDE BRAST』
「はあっ!」
『そんなもんか?』
紀斗はライドブッカーをガンモードにしブラストで銃身を分身させ何発もの光弾を放つがドーパントは何本も伸ばしているコードのプラグ部分の先から一番最初に放ってきた光弾を先程の倍以上の数で放ち紀斗の光弾は全て撃ち落とされ残った光弾が紀斗に迫る
「くそ!」
『つれないなぁ、そんな避けるなよ』
紀斗は横に飛んで迫ってくる光弾を避けるがドーパントが指をくいっと動かすと光弾は軌道を曲げ再び紀斗に迫っていく
「コントロールできんのかよ!」
紀斗は後ろや横に跳びながらライドブッカーを撃ち光弾を撃ち落とそうとするがいくら消してもドーパントが次々と放ってくるため次第に追い詰められていく
『ほらほらどんどん追い詰められているぞ、どうするどうする?』
「くっ!」
紀斗は周りを全て光弾に囲まれ逃げ場を失ってしまう
(360度囲まれて上からもきてる。他のフォームで避けたり撃ち落とすにしてもタイムラグでやられる、こうなったら…)
『FORM RIDE
『終わりだよ』
全ての光弾が紀斗に炸裂し凄まじい爆発音が竹林に響く
光弾が炸裂した辺りはかなりの量の爆発の煙が立ちのぼり紀斗の姿は確認できない
『あれだけの攻撃をくらえばいくら仮面ライダーといっても無事じゃあすまないだろ。さて、変身が解除ぐらいにはなってるかな?』
そう言ってドーパントは近づいていくと煙の中からライドブッカーの刃が飛び出しドーパントを突き飛ばした
『ぐあぁ!?』
「危なかったぜ、あと少し遅けりゃやられてた可能性もあったからな」
『ぐっ!馬鹿な!なんであの攻撃を受けて今の動きができる!』
煙の中から出てきた紀斗の姿はディケイドではなく銀色の厚い装甲を身に纏ったカブト マスクドフォームだった
「迎撃も逃亡も無理、なら防御力を高めて防御すればいい。ただそれだけのことだ」
『FORM RIDE KABUTO RIDER』
紀斗はフォームチェンジをしてディケイドカブト ライダーフォームになると新しいカードを挿入しようとする
しかしいきなり紀斗の足元の地面が動きだし触手のような形になり紀斗がカードを挿入するより速く紀斗の四肢と首を縛り宙に持ち上げた
「かっあっ!?」
『ふふふ、詰めが甘かったね。あたしが倒れたまま何もしないと思ったかい?このメモリの力で土を操らせてもらったよ。さて、このままアジトまで連れて帰るのも面倒だ。ここでやっちまうとしよう』
そう言うとドーパントの身体の矢印のうちの二本が紀斗の身体に刺さり紀斗の変身が解ける
「ぐぅ!?な…にを…」
『なーに、お前は何もしなくていい。ただそこにいれば、な!』
「う、お…!?」
振りかぶったドーパントの拳が紀斗の身体にズプリという音と共にまるで水の中に手を入れたように入りこみその光景に紀斗自身も驚く
『さ〜て、どれだ?ん?これだな。それじゃさっそく』
「ま、て…何を…する気…だ」
『…下剋上さ、あたし達弱者からお前達強者へのね。【Out at power】!』
「ぐ、ああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ドーパントは思いきり紀斗の身体から腕を引き抜くと引き抜いたところから様々な色の光球が凄まじい勢いで飛び出しその衝撃で紀斗を拘束していた土の触手も砕け散る
『さあ、飛んでいけ!そして存分に暴れまわれ!はははははははは!!』
光球達は幻想郷中にバラバラに飛んでいきドーパントはその光景を満足気に見て高笑いをしながらその場を去っていった
(俺の力が抜けてく…くそ…せめて…一つ、だけ…でも…)
紀斗は薄れゆく意識の中自由になった腕を伸ばし最後に自分の中から出た光球を掴みそこで紀斗の意識は暗転し倒れた
「ん…俺は…」
紀斗はうっすらと目を開け辺りを見回すとまだぼやける意識の中何をしていたかを思い出す
「そうだ、俺は人里へ行こうとして途中であのドーパントに…。とにかく急がねえと日も完全に上に登ってるから数時間は過ぎてる」
紀斗はふらつく体をなんとか起こしハードボイルダーを出そうとするが何も出ない、他にもクウガや龍騎のベルトや怪人のスキルコピーを使おうとしても発動しなかった
「何でだ?バイクだけじゃねえアイテムやベルトも出せねえしスキルコピーも使えない…。もしかしなくてもあの最後の攻撃のせいだな。あの光の球達が俺の力自身だったってことか…」
「とにかくここでうだうだしててもしょうがねえ。一旦人里に向かおう」
紀斗はそう言って立ち上がり迷いの竹林を抜けるとそこは様々なライダー達があちこちで暴れまわる景色だった
ここで紀斗の能力、【仮面ライダーを司る程度の能力】について補足です。この能力は仮面ライダーに変身するだけじゃなくアイテムや怪人や登場人物の能力まで引き出すことが可能ですがこれはその作品の主役ライダーを介してこそ使えるものなのです。
つまりハードボイルダーを出したければWを使えるようになっていなければならずワームのクロックアップをスキルコピーで使いたければカブトを使えるようになっていなければならないということです
簡単に言えば紀斗自身はパソコンで出したいものは開きたいページ、主役ライダーは無線LAN用の機械ってとこですね
ちなみに主役ライダーが使えなくてもどれかライダーが使えてればそいつの所有していた物などを出すことができます
さて、力をほぼ失った紀斗、ここからどうするのか!
次回もお楽しみに!
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第三幕 目覚め/反撃
紀斗「レポートの締め切りや試合は迫ってるのにな」
それを言うな!逃げられない現実なんてマジ泣きたくなるから!
紀斗「さて、前回俺は力をほぼ失って気がついたら周りがライダー達が暴れまわってる状況だったわけだが」
今回は唯一残った力が目を覚まします!
それでは本編です、どうぞ!
「なんだよ…こりゃあ…」
俺は目の前の光景に自分の目を疑った
なんで俺から出ていった仮面ライダーの力がそこら中で暴れまわっている?
俺は混乱する頭を抑えながら状況を頭の中で整理しようとするが情報がまだ少ないのとこの状況の衝撃に完全には冷静になれておらずうまく頭がまわらない
そんな時に不意に後ろからガサリという音がしてそこにはメタリックオレンジを基調とした蟹を模した仮面ライダー、仮面ライダーシザースが立っていた
「慧音…か?」
「………」
俺はシザースに変身できる慧音かどうか聞くが返事は無い
「…フン!」
「うわ、いきなりかよ!?」
シザースは俺にいきなり左手の鋏付き召喚機、シザースバイザーで切りかかってきて俺はそれを後ろに跳ぶことで躱す
「慧音じゃあないな。ならやっぱり俺の中から出たやつか」
俺の顔に冷や汗が流れる、はっきり言って今の状況はかなり悪いどころか最悪だ
変身はできない、スキルコピーも使えない、アイテムも出せない、しかも今は丸腰だ、これでどうやって勝てってんだ
『STRIKE VENT』
「私は頂点を…」
「くっそ!さらにリーチ増やしやがって!」
シザースは契約モンスターのボルキャンサーの鋏を模した
シザースピンチを右腕に装備し左手のシザースバイザーと交互に斬りかかってくるせいで避けるのも難しくなってきた
それとさっきからブツブツと独り言を喋っているが頂点をだとか1番にと言っているのでどうやら元の変身者の強く思っていたことは頭の中にあるらしい
「さっきからブツブツブツブツうるせえんだよ!」
「!?」
俺はシザースがこちらに斬りかかってくる瞬間にシザースの懐に潜りこみシザースの勢いを利用した巴投げをかます
投げられたシザースは背中から地面にぶつかりゆっくりと立ち上がる
俺は戦っているうちに冷静になった頭で相手のしてくるであろう行動を戦闘中の癖やさっきまでの攻撃方法で予想しそれに対する対抗策を頭の中で練る
そしてそんな冷静になった時にさっき焦っていた時には感じなかった存在を身体の中に感じた
(これは…俺が最後に掴んだ力?)
俺は目を閉じその存在を感じ、その形を見た
「…やっぱりお前はいつも俺のところに来てくれるんだな」
「私が一番にぃぃぃ!」
俺は目を開けると同時にシザースピンチを振り上げ迫ってくるシザースの攻撃を避け背中に蹴りを入れ転ばせる
「来い!ディケイドライバー!」
俺の言葉と共に俺の手の中にはディケイドライバーが握られ俺はそれを腰に装着し同時に現れたライドブッカーからディケイドのカードを片手に構える
「変身!」
『KAMEN RIDE DECADE』
俺はディケイドへと変身しライドブッカーをソードモードに変えその刀身を撫でながら再び立ち上がったシザースを睨む
「さあ、ここからは俺のショータイムだ」
「うおおぉぉぉぉぉぉ!」
「さっきのお返しだ!」
俺は迫ってくるシザースの腹をすれ違い様に斬りつけ続けて仰け反った隙だらけの背中に連続で剣撃を叩きこむ
『ATACK RIDE BRAST』
「はあっ!」
更にその無防備な背中へ何発もの光弾が撃ちこまれ追い討ちをかける
「ファイナルベントをやらせる時間も与えねえ!」
『FINAL ATTACK RIDE DE DE DE DECADE』
俺がディケイドライバーにファイナルアタックライドのカードを挿入すると俺の目の前からシザースまでの間に10枚のディケイドのマークが描かれたエネルギーカードが現れライドブッカーから放たれた赤いエネルギー光弾がカードを通過する度に光弾は大きくなり10枚目を通過すると同時にシザースを呑みこんだ
「私は絶対生きのびてっ!?」
そしてシザースは爆発し俺はパンパンと手を払う
「倒したはいいがどうやりゃ力が元に戻るんだか、ん?」
俺は一度迷いの竹林の目立たない場所に行き戦力の確認の為にライドブッカー内のカードを見た
「マジかよ、カードは全部初期状態で使えないとはな…」
ライダーカードやアタックライドはどれも黒く塗り潰されており使用不可の状態で使えるのは元々ディケイドが使えるカードだけというこの幻想郷に来たばかりの時を思い出す戦力だった(実際以前は他のライダーも使えたので更に戦力は落ちてるが)
「ん?これは、シザースのカード。ということは…」
俺は見ていた中で唯一塗り潰されていなかったカードを見るとそれは先程倒したシザースのカードでストライクベントやアドベントのカードもあった
「…やっぱり出たか、シザースのデッキ」
俺の考え通り俺の右手には今出せたシザースのデッキが握られている
「なるほど、ライダーを倒せばそのライダーの力を取り戻せる。上等だ、かたっぱしから取り返してやる!」
こうして俺の輝針城異変解決は始まった
はい、紋章さんの予想通り残った力はディケイドでしたー。最後の希望でウィザードを予想した方も数人いましたが残念、うちの紀斗といえばディケイドなんです。それにディケイドのカードが使えない状態ならライダーを倒す度にどんどんカードを取り戻して強くなっていくこともできますからね!
さて、紀斗は全ての力を取り戻すことはできるのか!
次回もお楽しみに!
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第4幕 不意打ち/収集
そのせいで今回は投稿するのが遅れました、それと短いです!本当にすみません!
今回は巻きでいきます!それでは本編です、どうぞ!
『FINAL ATTACK RIDE DE DE DE DECADE』
「はぁぁぁぁぁ!!」
「俺はまた負けるのか!?」
10枚のエネルギーカードを突き抜けた蹴り、ディメンションキックが裁鬼に決まり裁鬼は爆発した
「ふう、先に不意打ちしてこっちのペースにもちこんだおかげでスムーズに勝てたな。さて、早く力を取り戻していかね…え…と」
紀斗はライドブッカーから今さっき手に入れた裁鬼のカードを見て次のライダーを捜しに行こうと振り返った瞬間フリーズしてしまった
「ディケイド…」
「貴方の旅はここで終わらせる」
紀斗の視線の先にいたのはブレイドとキバ、しかもディケイド本編終盤の時の精神であるらしくディケイドに変身している紀斗は完全に敵としてロックオンされていた
『ABSORB QUEEN』
『EVOLUTION KING』
しかもブレイドはキングフォーム、キバはエンペラーフォームに変身し確実に葬り去りにきている
「おいおい、今の戦力で勝てるわけないだろ!とにかくここは逃げる!」
『SPADE 10 SPADE JACK SPADE QUEEN SPADE KING SPADE ACE』
『ROYAL STRAIGHT FLUSH』
『ウェイクアップ、フィーバー!』
ブレイドはロイヤルストレートフラッシュの5枚のエネルギーカードを紀斗の前に出現させキバはタツロットのスロットを回転させエンペラームーンブレイクを放とうとする、両者共必殺技と言えるほどの威力のある技であり今の紀斗がくらったら蓬莱人であるため死にはしないだろうが戦闘不能は免れない
「ヴェェェイ!」
「たあぁぁぁ!」
『ATTACK RIDE INVISIBLE』
ブレイドのロイヤルストレートフラッシュの斬撃とキバのエンペラームーンブレイクのキックが紀斗に決まるかというところで紀斗はインビジブルを発動しその場から姿を消した
「逃げたか…」
「そのようですね」
ブレイドとキバはターゲットがいなくなったことで辺りを見回して探すが近くには既にいないと判断し通常フォームに戻りその場から去っていった
一方インビジブルで逃げのびた紀斗は近くの茂みに隠れ息を潜めていた
「…行ったな。やれやれ、開幕そうそう最強フォームとかマジで洒落にならないぞ。うおっ!?」
突然背後からきた黄色い光弾が頬を擦り慌てて振り向くとそこには2人のカイザがいた
「邪魔なんだよ、俺の思い通りにならないものは全て」
「……」
「今度はカイザか、片方は小説の量産型だな」
紀斗はライドブッカーの刀身を撫で2人のカイザはカイザブレイガンをブレイドモードに変え構える
『ATTACK RIDE ILLUSION』
「そっちが2人でくるなら」
「こっちは」
「6人だ」
紀斗はディケイドイリュージョンを発動すると6人に増えそれぞれ3対1の形にする
「邪魔だなぁ、お前ら」
「そりゃ邪魔をするためにこうしたんだから当たり前だろ」
「とりあえずお前はここで俺の中に戻ってもらうぜ」
量産型カイザは紀斗3人を相手にするが1人がライドブッカー ソードモードで相手にし残る2人がガンモードで隙ができたところを撃っていてボロボロになった量産型カイザの体はところどころから黒い血が流れている
「くそ!3対1なんて卑怯だぞ!」
「集団でクレインオルフェノクや他のオルフェノク達をリンチしてたお前が言うな」
『ATTACK RIDE SRASH』
ライドブッカーの刀身が5つに分身し量産型カイザの身体を斬り裂き量産型カイザは爆発した
『EXCEED CHARGE』
『FINAL ATTACK RIDE DE DE DE DECADE』
四角錐状のフォトンブラッドとエネルギーカードがぶつかり合いそこでカードを通過した紀斗のディメンションキックとフォトンブラッドに飛びこんだカイザのゴルドスマッシュが火花を散らしながら押し合う
「死ねええぇぇぇぇ!」
「おらぁぁぁぁぁぁ!」
『『『『『FINAL ATTACK RIDE DE DE DE DECADE』』』』』
「悪いな、今の俺は勝つためには手段を選ばないんだ」
いつの間にかカイザと押し合っている紀斗以外の紀斗5人がライドブッカーをガンモードに変えFARのカードを挿入しカイザに向かって5方向からのエネルギーカードが展開されていた
「ま、真理ぃぃぃぃぃ!」
5人は一斉に引き金を引き5つの赤い光弾がカイザを呑み込み爆発した
それと同時に分身も全て消え紀斗はガンモードにしていたライドブッカーをブックモードに戻し中からカイザと同時に手にいれたサイドバッシャーのカードを出す
「これで3人、今の内に皆に俺の状況を連絡しておくか」
今の紀斗は勝てばよかろうなのだぁぁぁ!状態です。非人道的なことはしませんが不意打ち、騙し討ち多対1と卑怯なことでも平然とやります。それだけ焦ってるんです。
それでは次回もお楽しみに!
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第五幕 守護/侵略 前編
今回のライダー達は擬似的に自我を持っていますがシザースのようにあまり自我を持っていないのもいます。この自我の有無は本編でのそのライダーの強さや覚悟の強さによって決まります。例えば主人公ライダーやラスボス系ライダーはもちろんバロンやナイトのようなサブライダー達もちゃんとした自我を持っている確率は絶対では無いですが高く、逆に碌な覚悟も持たなかったりするシザースや量産型ライダーは自我を持っていない確率が高いです
まあ説明はこの辺にしてと、今回は紀斗が気絶している時の人里です。
それでは本編です、どうぞ!
人里
ここでは今いたる所で道具や普段は大人しくて人間と共に生活している妖怪が暴れていた
「早く寺小屋へ避難するんだ!無事な者は怪我人や動けない者に手をかしてやってくれ!」
シザースに変身したS慧音が契約モンスターであるボルキャンサーの人間態、ボルや自警団のメンバー達と里の人間の避難と守護をしていた
道具や妖怪達は力は中の下程度で人間でもなんとか対処できるが人里という道具が大量にある場所のせいで対処しようにも人手が足りていなく戦況は芳しくなかった
さらに先程あちこちに飛んできた光球、それが落ちた場所の近くからさっきからあきらかに道具やここの妖怪では出せないような破壊音や爆発が起こっており慧音はそれも警戒していた
(連絡した筈の紀斗は来ないしこの道具や妖怪達も減りそうにないしさっきの光球は気になるし、一体どうなってるんだ今日は!)
そんな愚痴のような文句を心の中で叫んでいるといきなり寺小屋の近くの建物が破壊されそこから緑と赤と黄色の左右非対称の顔をした傾奇者のような姿の響鬼系ライダー、仮面ライダー歌舞鬼と頭に二本の角が生え全身からトゲが生えた金棒を持つ銀色の仮面ライダー、シルバラと額に三本の角を生やし錫杖を持った金色の仮面ライダー、ゴルドラが現れた
「ここか…人間共が集まってんのは」
「はっはぁ!叩き潰しがいがありそうだぜ!」
「相手になりそうなのは二人だけ、これなら楽勝だな」
三人の鬼のライダーは人が避難している寺小屋を見るとそこを守護しているS慧音に武器を構える
「何者だ、お前ら。この異変を起こした犯人か?」
「あぁ?異変だ?この潰しがいの無さそうな奴らが暴れてることか?はっ、くだらねえな。俺達だったらもっと派手ですげえのをやってるっての!」
S慧音の質問にシルバラは怒りS慧音を睨むがゴルドラがそれを制止させ一旦武器を肩にかけるとS慧音に話しかける
「まあそう目くじらを立てるな、ミミヒコ。して蟹の御人よ。我々は鬼の切り札という兵器を取り戻し日ノ本を征服しようと計画しているのだがいかんせん人手が足りなくてな。それで実力者を募っているのだがお主もどうだ?この計画が成功した暁にはそれなりの地位を与えるが?」
「そんなに悪い条件じゃねえと思うぜ?まあ逆らったらその時点であの世行きだけどよ」
下卑た笑いをもらす二人の提案にS慧音は呆れたような面倒くさそうなため息を吐く
「生憎だが私はそんなものに興味は無いし、貴様らの元に着く気も無い。それに私はこの人里の人達を守るという義務もある。他をあたることだな」
「ならばここで消えてもらうとしよう」
「そうだなにいちゃん、今の俺達の目的はそこの人間共を奴隷にすることだからなぁ。俺達の仲間にならねえなら邪魔だ」
再び二人は武器を構えるがずっと傍観している歌舞鬼はまだ自身の獲物を出さない
「おい歌舞鬼、おめえも戦うんだよ。とっとと武器出しやがれ」
「俺は人間共に復讐できるって聞いたからのっただけだ。そこの蟹となんざ戦う気も起きねえよ」
「ふん、まあいいこの程度の相手なら我ら兄弟だけで充分お釣りがくる。やるぞミミヒコ!」
「おうよ、にいちゃん!」
「来るか!」
『GUARVENT』
「ボル以外は妖と道具の相手を頼む!この三人は私とボルで相手をする!」
「慧音の敵は俺の敵だ!」
S慧音は左手にボルキャンサーの甲羅を模した盾、シェルディフェンスを装備しボルも本来の姿である怪人態へと姿を変える
「おうら!」
「ぐっ!」
シルバラの金棒による超重量級の振り下ろしがS慧音に迫りS慧音はシェルディフェンスでそれを受け止めるが威力と重さで地面に足がめりこむ
「おらおら潰れちまいなあ」
「うぅ…なんて馬鹿力だ…」
「そら後ろががら空きだぞ」
更に無防備になったS慧音の背中にゴルドラの鉄の礫が放たれる
「キシャアァァァ!!」
しかしその礫はボルキャンサーがS慧音の後ろにまわり地面をひっぺ返すことで土塊を壊すだけに終わり壊された土で一瞬だが土煙による煙幕が張られゴルドラとシルバラはボルキャンサーを見失う
「キシャア!」
「うお!?このでか蟹やりやがったな!」
その隙にボルキャンサーはシルバラに体当たりをかましシルバラがぐらついたことでシルバラの金棒から解放されたS慧音を抱え二人と距離をとる
「すまないボル、助かった」
「キシャ」
S慧音にボルキャンサーら気にするなというような仕草をしS慧音はデッキから一枚のカードを取り出す
「そこの銀色の奴の攻撃を受けて今の状態の私達では勝つのがほぼ無理なのはわかった。だから……私も奥の手を使うことにした」
S慧音の左手のシザースバイザーがシザースピンチのハサミよりも厚く厳つくなったハサミ、キャンサーバイザーに変わりS慧音の左手を包む
S慧音はキャンサーバイザーの上部の一部をスライドさせるとそこにサバイブ【金剛】のカードを挿入する
『SURVIVE』
その音声と共にS慧音の周りに黄金の鉱石の柱が出現しS慧音が包まれるとそれは一瞬で弾け中から所々に甲殻類特有のゴツゴツとした殻のようなアーマーを纏い胸にボルキャンサーを模した意匠があるシザースサバイブとなった慧音が現れる(以下SS慧音)
そしてその隣のボルキャンサーも一瞬半透明になるとその姿が鏡のように砕け本物の蟹のようなフォルムに金色の甲殻を持ったバケガニのように巨大なミラーモンスター、フォートレスキャンサーとなった
「ギシャアァァァァァァ!!」
「さあ、反撃開始だ」
「ほー、あんなカードでパワーアップするとは中々おもしれえじゃねえか」
「ふむ、あの絵札も中々興味深い。あれを使えば更に鬼の切り札を強化できるかもしれないな」
「にいちゃん、どうする?」
「ミミヒコ、お前はあの巨大蟹を相手取れ。私が人型を相手する」
「わかったぜ、にいちゃん!」
シルバラとゴルドラはそれぞれフォートレスキャンサーとSS慧音へ金棒と錫杖を向けシルバラは金棒で地面を殴り衝撃波を、ゴルドラは錫杖から金色のエネルギー波を放つ
『BUBBLE VENT』
「ギィィシャアァァァ!」
しかしその攻撃はフォートレスキャンサーの口から出た泡の壁に阻まれる
「何っ!?」
「蟹らしく泡なんて吐きやがって!邪魔だあ!」
シルバラは金棒を泡の壁に叩きつけると金棒に当たった部分の泡は弾けて消えたがすぐに泡は増え消えた部分も埋まり金棒まで泡に埋まってしまう
「ぬ、抜けねえ!?なんだこの泡どうなってやがる!」
「その泡は粘着と硬質化という二つの性質があってな。一度くっついた物は粘着でなかなか離さないうえに時間が経つごとに硬くなっていく。まあ、外界でいうところのコンクリートに近いな」
「退けミミヒコ!その泡ごと奴らを吹き飛ばす!」
ゴルドラは直径5mほどの巨大なエネルギー球を作りだし泡の壁へぶつけようとする
『SHOOT VENT』
「隙ありだ!」
そこへ泡の壁よりも高く飛び上がったSS慧音が左手のキャンサーバイザーをゴルドラに向けながらハサミを開き弾幕のように黄色いエネルギー弾を連続で撃ち放つ
「なっ上だと!?ぐあぁっ!?」
「に、にいちゃん!」
不意を突かれたゴルドラはエネルギー球を放つ間も無くエネルギー弾の餌食にあいシルバラもそちらに気をとられる
「ギシャアァ!」
「ぐおっ!?こ、この蟹離しやがれ!」
気をとられたシルバラを後ろからフォートレスキャンサーが巨大なハサミで捕らえそのまま挟み切ろうとハサミに力を入れる
「ミミヒコ!」
ゴルドラは立ち上がりシルバラを助けに行こうとするが首をSS慧音のキャンサーバイザーで掴まれる
「このまま戦うというのならこの首をいただく。おとなしく投降するなら命までは取らないが、まだ続けるか?」
「ッ…ミミヒコ」
「悪い、にいちゃん。俺の方も無理だ」
ゴルドラはシルバラの方を見るがシルバラもフォートレスキャンサーの両手のハサミで胴体を挟まれており身動きを取れないでいる
(…歌舞鬼は)
「はっはっは!いやーやるねえ、あの威張り散らしてた金と銀の野郎をあんなにあっさりと捕まえるとは、しかし今の姿は中々傑作だな!はっはっはっはっは!」
最後の望みとばかりに歌舞鬼の様子をちらりと見るが地面に横になりながらこちらを見て爆笑している始末で頼りにはならない
(チッ、使えんな。奴は後で痛めつけるとして…あそこの建物にまだ少数だが気配があるな)
「あっちの緑色のは助太刀するやる気も無いようだな。で、どうするんだ?私もあまりお前達に時間を割く訳にはいかないんだ」
「そうだな。では、こうしよう!」
「何!?ぐあっ!?」
ゴルドラは自分の背中に礫を出現させそれを自分もダメージを負いながらもSS慧音へとぶつけ拘束から逃れ錫杖の先を伸ばし300m程離れた民家へと突き刺しそこから錫杖を元の長さに戻しその民家の前まで一瞬で移動する
「詰めが甘かったな蟹の御仁!今ので私の首を跳ねておけば完全に勝っていたものを!」
「くっ、だがこちらにはまだ人質が」
「それはこれを見ても同じことが言えるかな?」
ゴルドラが錫杖を民家から引き抜くと錫杖は中にいたであろう5歳程の少女に巻きついていた
「あ……ああ……」
「このいたいけな少女を絞め殺すのとそちらがミミヒコの硬い身体を挟み切るの、どちらが早いかは試さずともわかるだろう?」
「!?」
(しまった!まだ逃げ遅れていた子がいたのか、私としたことが!)
幼い少女は今まで味わったことのない濃すぎる殺気と死への恐怖に呑まれ涙を流す余裕さえもなくその顔は絶望に染まっている
「ああ花をゴホゴホッ花を返してください。人質なら私がなりますからゴホッどうか花だけは」
「お母…さ…ん」
家の中からよろよろと出てきた顔色の悪い女性は人質にされた少女の母親らしく必死にゴルドラに娘を返してほしいと懇願するが
「ふん、邪魔だ女。人質など誰でもいいが今この場で一瞬でもこの人質を解放するなど愚の骨頂よ。病人はおとなしく横にでもなっていろ!」
「うっ!?」
「お…母……さん……」
ゴルドラがその懇願を聞き届ける筈もなくまるで虫を払うように母親は払い除けられ地面に倒れその光景に少女は苦しげに声を漏らし涙を流す
「貴様!」
「おっと動くなよ、そこの巨大蟹もだ。ゆっくりとミミヒコを地面に降ろせ、何か妙なことをしようとしたらこの少女の命は無いぞ」
「ギ、ギシャ……」
「ボル、従ってくれ。あの子を死なせたくはない」
「ギシャア…」
歯をくいしばりながら言うSS慧音の言葉に従いフォートレスキャンサーはシルバラを地に降ろしハサミを離す
「ああ〜、窮屈だった。ありがとよにいちゃん!」
「ふっ、それよりミミヒコ、さっきの屈辱をどうこいつらに晴らすか。それを決めようじゃないか」
「へっへっへ、そうだなにいちゃん。さてどうすっかな!」
「ギシャッ!?」
シルバラは笑いながらフォートレスキャンサーの腹を蹴り上げフォートレスキャンサーは仰向けになってしまいなかなか起き上がれなくなっている
「そういや俺の金棒がまだ泡の中だったな。出してもらおうじゃねえか」
シルバラはフォートレスキャンサーの腹を踏みながら仮面の上からでもわかるニヤリとした笑いを浮かべSS慧音に要求する
「くっ」
『BLAST VENT』
「すまないボル、泡を洗い流してくれ……」
「ギシャ……」
フォートレスキャンサーは立ち上がると両手のハサミと口から水流を放ち泡の壁を洗い流しシルバラの金棒もゴトリと地面に落ちる
「なるほど、あの泡は水に弱かったということか。さてミミヒコ、金棒も取り返したことだしお前が仕返しをするといい。私はこのまま人質を縛っておかなくてはならないからな」
「わかったぜにいちゃん。おらよ!」
「がっ!?」
シルバラは手初めにSS慧音の腹にボディーブローを叩きこみそのまま抵抗のできないSS慧音とフォートレスキャンサーを嬲っていく
その様子を愉快そうに見ているゴルドラの後ろから先程まで横になっていた歌舞鬼が近づいてくる
「ん?どうした歌舞鬼、お前もあれに混ざってくるか?」
「そうだな、俺も混ざるとするか」
歌舞鬼は音叉から刃が延びた音叉剣を取り出しゴルドラの前に進みでる
「ただし、子供を守る方でなぁ!」
「ぐっ!?うぁぁっ!?」
しかしいきなり振り返った歌舞鬼は音叉剣でゴルドラの身体と錫杖を持っていた左腕を斬りつける
味方に襲われるとは思っていなかったゴルドラはその攻撃で倒れてしまい同時に少女を縛っていた錫杖も落としてしまう
「しまった!?」
「おうら!」
歌舞鬼は再び錫杖を取り戻されて少女を人質されないように錫杖の延びた部分を斬り錫杖の柄を遠くへ蹴りとばし少女に巻きついた錫杖を斬る
「ほら、早く母親連れて逃げろ」
「あ、ありがとう…」
少女は母親と一緒に寺子屋の方へ逃げていくのを見送ると歌舞鬼は飛んできた礫を避けゴルドラの方を見る
「貴様、何故裏切った…。人間が憎いのではなかったのか!」
「ああ、確かに人間は憎い。だけどな、子供を人質に取るような奴らより子供を傷つけない為に必死に耐えた奴に力を借したくなっただけだ」
後ろから聞こえる金属音に気がついたシルバラは後ろを振り向き状況を見ると歌舞鬼が自分達を裏切ったのが一目でわかった
そして裏切り者を倒そうとSS慧音達から気を逸らしたその瞬間が命取りだった
「あの野郎、ふざけた真似しやがって…」
「お前らもな」
『STRIKE VENT』
「ギシャアアア!」
「へ、がばっ!?」
歌舞鬼の方へと顔を向けSS慧音達から目を離していたシルバラはSS慧音の装備したフォートレスキャンサーのハサミを模したキャンサーピンチとフォートレスキャンサーの巨大なハサミによるダブルパンチをくらいゴルドラの足元まで吹っ飛ばされる
「ミミヒコ!大丈夫か!」
「悪いにいちゃん、あいつらもう動けないと思って油断してたわ……」
SS慧音とフォートレスキャンサーは歌舞鬼の隣まで走り寄りゴルドラ達に目を離さず歌舞鬼に質問する
「お前は今は味方ということでいいんだな?」
「ああ、あんたみたいな汚れてない大人は珍しいからな。加勢したくなったのさ。俺の名は歌舞鬼、まあよろしく頼む」
「上白沢 慧音だ。さあ、子供を人質にするような悪い鬼は退治するとしよう!」
「久々に良い鬼として仕事してやるぜ!」
「ギシャアアアァァァ!!」
こんなところで終わらせてしまい誠に申し訳ございません。ですが俺のHPがもうゼロです、目の前が真っ暗状態です
紀斗「おお、リョウタロスよ。死んでしまうとは情けない」
黙らっしゃい。次回はこの続き、人里編の後半です。
次回もお楽しみに!
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第六幕 守護/侵略 後編
それでは本編です、どうぞ!
「そうら!」
「うおっ!?」
歌舞鬼達は、歌舞鬼が鬼鞭を使いシルバラの足や腕を引っ張りバランスや体制を崩れさせ攻撃を阻害しゴルドラの遠距離攻撃をSS慧音とフォートレスキャンサーが盾となることで無効化するという戦法でシルバラ、ゴルドラの二人を手玉に取り自分達のペースに引きずりこんでいた
「くそっ!さっきからちょこまかと、じゃ!ま!だぁぁぁぁ!!」
「ぬあ!?」
「歌舞鬼!?」
歌舞鬼達の戦法に業を煮やしたシルバラは鬼鞭が腕に巻きついた瞬間、それを掴むと力任せに引っ張り歌舞鬼を引き寄せる
引き寄せられた力が強く歌舞鬼は踏ん張る暇も無く宙に浮きシルバラに突っ込んでいく形となる
「このままぶっとばしてやるよ!」
「やべっ!?……なんてな」
「が!?」
シルバラは飛んでくる歌舞鬼の顔面にでも一発入れてやろうと拳を引かせ殴る準備をしていたがあと1mもしない距離でいきなり歌舞鬼は鬼鞭の柄を掴んでいなかった手で鬼傘を閉じた状態でシルバラの顔に向かって突き出し傘の石突きがシルバラの眉間に刺さると同時に歌舞鬼は鬼鞭の柄を話し鬼傘を開く
「ぶわ!?前が見えねえ!」
視界を鬼傘によって塞がれたシルバラはなんとか鬼傘を抜こうとするが開いた鬼傘はなかなか抜けず大きな隙ができる
「隙だらけだぜ、シルバラさんよぉ!」
「うっ!?」
歌舞鬼はベルトの音撃鼓を横からシルバラの腹に取り付ける、すると音撃鼓が大きく展開され鬼傘は外れたがシルバラは身動きが取れなくなる
「ミミヒコ!」
『BUBBLE VENT』
「おっと、向こうへ行かせるわけには行かないな」
「ギシャアァ!」
「くっ!蟹風情が!」
ゴルドラはシルバラを助けに行こうとするが目の前にSS慧音とフォートレスキャンサーが立ちはだかりフォートレスキャンサーの口から先程のバブルベントとは違うタイプのシャボン玉のような泡が放たれゴルドラの周りを囲うようにフワフワと浮かんでいる
「こんな物!」
ゴルドラは泡を錫杖で横薙ぎに泡を割ると錫杖の泡に触れた部分が煙をあげながら溶けはじめた
「っ!?この泡、酸でできているのか!」
「その通りだ、最初のお前達の攻撃を防いだ泡が防御用ならこっちは攻撃用の泡。下手に割ればお前の身体も火傷では済まないぞ」
周りを全て泡に囲まれたゴルドラは礫などで割ってしまえば自分に酸性の液が自分にかかってしまうため攻撃がしたくてもできなくなる
「それじゃあ久方ぶりにお披露目といくか!音撃打 豪火絢爛!!」
腰から二本の緑色の音撃棒、烈翠を取り出し思いきり振りかぶると展開された音撃鼓に全力で叩きつける
「があああぁぁぁぁ!?」
その一撃でシルバラは展開された音撃鼓ごと吹き飛ばされSS慧音達の方へ飛んでいく
「慧音!そっち行ったぞ!」
「わかった!」
SS慧音とフォートレスキャンサーはその場から跳び飛んできたシルバラを避けるとシルバラは泡のせいで身動きの取れないゴルドラへと背中から突っ込んでいく
「ぐぅぅ!?」
「しまっぐあぁ!?」
シルバラはゴルドラの前方にあった泡をその背中で割ってしまいゴルドラはシルバラに反応する前に激突し自分の後ろにあった泡をシルバラと同じように背中で割りながら吹き飛ばされた
「うあぁぁぁ!?熱い!熱いぃぃぃ!」
「ぐっ、うっ、おのれ、おのれおのれおのれ!よくも我ら兄弟にここまでの屈辱をぉぉ!絶対に!絶対に貴様らを殺す!」
シルバラとゴルドラは吹き飛ばされた勢いで割ってしまった酸性の泡を受けた背中から煙をあげながらのたうちまわっている
しかもゴルドラはシルバラの背中に付着していた酸性の泡の液が自分の顔や身体の前面にもついたせいで全身から煙をあげていてその怒りで怨嗟の声をあげている
「最早ただ殺すだけでは済まさん!貴様らの守るべきもの全てを壊し絶望させ嬲り殺す!ミミヒコ!全て壊し尽くせ!」
「う、わかったぜ、兄ちゃん!」
ゴルドラとシルバラは立ち上がるとゴルドラは片手を天にかざしシルバラは金棒の先を地面に向ける
「何をする気だ!」
「お前達が守っているこの里を、破壊する!」
ゴルドラは上空に金色のエネルギー球を何十発も出すと人里のいたるところに無差別に撃ちシルバラは金棒で思いきり地面を突き衝撃波を全方位へ放つ
上空から無差別に放たれたエネルギー球が隕石のように人里にいくつものクレーターを作り全方位へと広がった衝撃波が地震のように周りの建物を倒壊させる
この攻撃で人が巻きこまれたかはわからないが少なくともあのあたりにいた暴走している妖怪や付喪神達は犠牲になってしまったであろう
シルバラの衝撃波で吹き飛ばされたSS慧音達はその威力と里の被害に唖然としてしまう
「貴っ様らぁ……よくも里と里の仲間を……」
我に返ったSS慧音は里を壊されたことと里の住民でもある妖怪が殺されたことにより憤怒に燃える
「はっはっはっはっは!守るべきものを壊されて怒るか!この程度でそれだけ怒るならそこの建物の人間共を殺せばどれだけ怒るか見ものだな!」
「まずい、もう一発くるぞ!慧音、なんか防げるもんないのか!?」
「仕方ない、あまり使いたくなかったが」
『RECOVER VENT』
『BUBBLE VENT』
「ギシャア!」
SS慧音はファイナルベントの一撃で仕留めきれなかった時の保険として取っておいたリカバーベントを使い先程使った防御用のバブルベントのカードを回復させキャンサーバイザーに挿入する
「さあ、守れるものなら守ってみせろ!貴様らの守りたい足手まといの人間共をなぁ!!」
ゴルドラとシルバラが光弾と衝撃波を放つのとフォートレスキャンサーが先程よりも高く広い泡の壁を作りあげるのはほぼ同時だった、泡の壁は衝撃波を受け止め表面の泡が少し消えたがまだまだ壁としての役割を果たせる
その壁に放たれる攻撃に対しては……
「ギシャ?ギシャ!?ギシャシャ!?」
「どうしたボル?あぁっ!?やられた、壁の上を!」
フォートレスキャンサーにつられて上を見たSS慧音は己の失態に気づいた、壁は確かに防御にも使えるし相手から自分達は見えないので相手が思いつかないような奇襲をするのにももってこいだ
だがそれは相手にも適用されてしまうという初歩的なことをSS慧音達は失念していた、ゴルドラ達がさっきまでずっと同じような攻撃ばかり使っていたことによる思いこみや里を壊された怒りで考えつかなかったこともあったのだろう、しかし今回は気づくべきだった、相手も手の内を全てはさらけ出していなかったということに
泡の壁のすぐ真上、そこを先程人里に大きな傷跡を残したのと同じ光球が通過したのだ
「ははははは!いくら壁を高くしようと無駄だ!攻撃を防がれなければ壁など無意味!このまま人間共を塵に変えてやろう!」
「くそ!この高さじゃあ鬼鞭も届かねえ。消炭鴉!光球を壊せ!」
歌舞鬼は鴉の魂がこめられた黒い昔のディスクアニマル、音式神の消炭鴉をアニマルモードに変え巨大化させ光球に突撃させる
『ケェェェ!』
しかし防御力はあまり無い消炭鴉では数発しか消すことは出来ず爆破され泡の壁の上に落ちてしまい残った光球達はそのまま寺子屋へと突き進んでいく
「無駄な足掻きだ!さあ、大切なものを守れぬまま絶望するがいい!」
「やめろおぉぉぉぉぉぉ!!」
「ギシャアァァァァァァァァァ!!」
慧音とフォートレスキャンサーの叫びを聞き入れることもなく光球達は寺子屋へと迫り消し飛ばそうと迫る
『TRIGER MAXIMUM DRIVE』
「「トリガーフルバースト!」」
しかしその声と共に放たれた無数の青と黄色の光弾が全ての光球を撃ちぬき空中で爆発させた
誰もが予想だにしなかったその攻撃に攻撃をしたゴルドラ、シルバラだけでなくSS慧音達も呆気に取られ固まっていた
「まったく、ここがどこかもわからねえってのにこんな面倒事が起きてちゃ情報収集もできやしねえぜ/だけど人が危ないとわかればその面倒事に首を突っ込まずにはいられないのが君のいいところだろう、翔太郎」
ゴルドラ達の視線の先にいたのは右半身が黄色、左半身が青色の青い銃を手に持ったライダー、仮面ライダーW ルナトリガーが立っていた
「貴様は何者だ!どこから湧いて出てきた!」
「湧いてとはまったく失礼な言い方をしてくれるねえ/まったくだ、俺たちは気がついたらここの近くにいてここででかい戦闘の音を聞いたから来ただけだってのに。それで俺たちが何者かだって?そうだな、士の言葉を借りるとするなら俺たちは通りすがりの/仮面ライダーってとこかな」
「あれは……」
「知ってんのか?あの二色の奴のこと」
SS慧音はその姿に見覚えがあった、以前財団Xのアジトへ乗りこんだ時、Mと戦った際に紀斗と甲がWに変身した姿、あれはオリジナルの最強フォームだった故に目の前にいるルナトリガーとは多少の差異はあるがそれでもSS慧音はあの時紀斗と甲が変身したのと同じライダーだということを理解した
「ああ、おそらく以前仲間が変身したのと同じライダーだ。だが変身者は私が知っている者ではないな、あの口調の知り合いは私にはいない」
「とゆうことはあのライダーはまだどちらの仲間か不確定っつうわけか」
「しっかし気がついたら変身した状態で全然知らない所にいるなんて何度目だ?変な空間だったり映画館だったりほんといい加減にしてほしいぜ/でも今回は閉鎖的な空間じゃないだけマシだろう?それにしても今までのように面倒なトラップやマスカレイド達がいない代わりに暴れているのは道具や妖怪と呼ばれるような者達、実に興味深いよ」
「何ごちゃごちゃと独り言言ってやがる!てめえはこいつ等の仲間なのか違うのか、とっとと言いやがれ!」
シルバラはずっと独り言を呟いている(正確には二人で会話しているのだが)Wに苛つき怒鳴りながら質問する
「俺達はおせっかいな探偵さ。そこに泣いて救いを求めてる人がいるなら俺達はその涙を拭って力になる/つまり今そこの人達を消そうとした君達の敵ってことだね」
「まどろっこしい言い方しやがって!その1人なのに何人も喋るのは電王思い出すからイライラするんだよ!!」
「落ち着けミミヒコ、奴が我らの敵ならばそこの蟹と歌舞鬼共々潰してやればいいだけだ」
再び戦闘態勢に入ったシルバラとゴルドラにSS慧音と歌舞鬼は向き合いそこにWも並ぶ
「助太刀させてもらうぜ、お二人さん」
「すまないな、それとさっきは本当にありがとう。避難している人達を守ってくれたこと、心から感謝する」
「気にしないでくれ。それに言うだろ?仮面ライダーは助け合いだってな」
「おらぁ!」
「おっと、危ねえな」
一瞬で跳んできたシルバラの金棒がW目掛けて振り下ろされWはそれを後ろに跳んで躱しWの立っていた場所の地面は金棒の威力で陥没する
「にいちゃん!この二色野郎は俺にやらせてくれ!こいつは俺がぶっ潰す!!」
「仕方ない。いいだろうミミヒコ、そいつはお前が倒せ」
「おいおい、俺達がなんかそんな怒らせることしたか?/あれじゃないかい?さっき言っていた電王を思い出すって。おそらくそれで無性に腹を立てているんだろう」
「うるせえなぁ!とにかくぶっ潰れろぉ!!」
「うおっ!?二人共、こいつは俺が相手する!そっちの金色は任せた!/翔太郎、パワーにはパワーだ。ヒートメタルでいこう/ああ、そうだな!」
『HEAT』『METAL』
Wは赤と銀色のヒートメタルになりヒートメタル専用の武器の鉄棍、メタルシャフトでシルバラと打ちあいながらその場を離れる
「さて、今度こそ貴様らの希望を消し去り絶望を与えてやろう」
「お前一人程度じゃ私達の希望を奪うなんてできないさ。殺された里の仲間の恨み、晴らさせてもらう!」
「また子供たちを殺そうとしたてめえは絶対許さねえぞ!」
「ギィシャアァァァ!!」
フォートレスキャンサーの巨大な両の鋏の連撃と歌舞鬼の鬼鞭がゴルドラに向かい身体の動きを封じようとするがゴルドラは錫杖を伸ばしまるで鞭のように変幻自在に動かすことでその攻撃全てを防ぐ
『CLIP VENT』
「はああぁぁぁ!」
「ッ!?錫杖が!」
クリプ(挟み切る)ベントを使ったSS慧音のキャンサーバイザーが黄色のオーラに包まれ突きを繰り出すと同時に伸びてきた錫杖の柄を挟み切る
「隙ありだ!」
「ぐぅっ!?猪口才な……!」
錫杖を切られたことに動揺し隙ができたゴルドラを歌舞鬼は鬼鞭で縛り身動きをできないようにする
「今だ慧音!やっちまえ!」
「ああ!」
『FINAL VENT』
その音声と共にフォートレスキャンサーの体が宙に浮き胴体の部分が縦に折れバイクの胴体になると脚が全て上に向き巨大なマフラーとなり巨大な二対の鋏はバイクに沿う形でバイクの先端にいきそれぞれマフラーと鋏の間から車輪が現れフォートレスキャンサーはバイクモードとなる
SS慧音はフォートレスキャンサーに飛び乗るとフォートレスキャンサーの鋏から大量の泡が飛び出てそれに気づいた歌舞鬼は鬼鞭を解くと鬼鞭から解放されたゴルドラの首から下を泡が包みこむ
「ぬう……なん、だこれは、動け、ん……」
「それは防御用のバブルベントのさらに強力な泡だ。お前はもう動けない、決めさせてもらうぞ!」
アクセルが全開となったフォートレスキャンサーは全身に黄金色のオーラを纏いながらゴルドラに向かって突き進みゴルドラの身体を貫いた
「ミミヒコ、すまん!」
身体を貫かれたゴルドラはそう言い残すと爆発しSS慧音はフォートレスキャンサーから降りる
「あっちは無事だろうか……」
「それは案じてるより見に行った方が早いぜ。苦戦してる可能性があるかもしれねえんだ。急ぐぞ」
「ああ、そうだな。行くぞ、ボル」
「ギシャ」
二人とバイクモードから戻ったフォートレスキャンサーはWとシルバラの戦っている場所へと走っていく
「どうしたぁ!あんだけ威勢張っといてといてこの程度かよぉ!」
「くそっ、なんて馬鹿力だよ!/まさかバイオレンスやビースト、ビッグティーレックスよりも筋力が上とは。どうやら鬼の名は伊達では無いらしいね。翔太郎、ここは持久戦より一気に決めた方が得策だ」
シルバラの金棒が振り回されそれを受け止めたWは踏ん張るが5m程まで後ろに後退させられる
ヒートメタルは元々パワータイプの姿だが筋力としてはシルバラの方が上らしく苦戦を強いられている
しかしジョーカーを使った肉弾戦では相手の思う壺、トリガーでの射撃では衝撃波をさらに使わせてしまいこの里の被害を増やしてしまうため使えない状態にあり攻めあぐねていた
『CYCLONE』『JOKEAR』
「来い、エクストリーム!」
『ピュイ〜〜!』
翔太郎はヒートメタルから緑と黒のサイクロンジョーカーへとフォームチェンジするとエクストリームメモリを呼ぶ。
するとその声と共にどこからか飛んできたメカニカルな鳥型のメモリ、エクストリームメモリが閉じた状態のダブルドライバーへと装着されダブルドライバーが開く
『CYCLONE』『JOKEAR』『EXTREAME』
「な、なんだ!?中が開きやがった!」
Wは眩い光を放ちながら中央部分が開き緑と黒だったのが間に白が挟まれ額のエクスフィーラーはWの形からXへと変わったサイクロンジョーカーエクストリーム(以下CJX)となった
W CJXは身体の中央のクリスタルサーバーから剣と一体化した四つの差込み口がある盾、プリズムビッカーを取り出しプリズムビッカーの四つの差込み口にメモリを入れていく
『CYCLONE MAXIMAM DRIVE』『HEAT MAXIMAM DRIVE』『LUNA MAXIMAM DRIVE』『JOKEAR MAXIMAM DRIVE』
四つのメモリを挿しメモリの力が充填されるとW CJXはプリズムビッカーからプリズムソードを引き抜く
プリズムソードには挿した四本のメモリの色と同じ四つの光が刀身の周りを回りその刃にメモリの力が充填されているのを示している
「盾と剣が増えたくらいでなんだってんだぁ!」
「いくぜ!」
シルバラは金棒を振り上げ突進してくるのを一瞥したWは同じようにプリズムソードとビッカーシールドを構えシルバラへと駆け出す
「うおおおおおおぉぉぉ!!」
「ビッカー、チャージブレイク!」
脳天目掛けて振り下ろされる金棒をWは右手に持ったビッカーシールドで受け流し左手のプリズムソードでシルバラの胴体をすれ違い様に斬った
「がっ、はあ!?俺が……こんな、奴、らに……すまねえ、にい……ちゃん」
シルバラは最期にゴルドラへの謝罪を言うと爆発しWはCJXからサイクロンジョーカーへと戻りシルバラの爆発した後を見る
「ドーパントじゃなかったみてえだな。フィリップ、こいつはどういうタイプの怪人だと思う?/ふむ、少なくともドーパントやゾディアーツ、ヤミーのような人を介したものやワームやファンガイアなどとも違う。恐らく一番近い種類はグロンギのような昔に封印や倒されたものが復活したものじゃないかな」
「さっきの二人が何か知ってるかもしれないし、加勢した後に聞いてみるか/いや、どうやらその必要は無いようだよ。向こうから来てくれた」
「おーい!無事かあ、二色のー!」
走ってきた歌舞鬼の呼んできた名に対しWはガクッとずっこける
「おいおい、さっきWって言っただろ。なんだよ、二色のって……/締まらないねえ、相変わらずのハーフボイルドだ/おい、これ俺のせいか!?っていうかハーフボイルドじゃねえ!」
人里での騒動は一旦収まった。しかしこれはまだ今回の異変の序章でしかない。この反乱の異変はまだまだ始まったばかりなのだから
翔太郎とフィリップや歌舞鬼のキャラこれであってるかな……(汗)
さて、次回は全然出番の無い自機組のターンです。
この異変によって起きた本来の異変には無かった騒動、それはライダー達の反乱だけでは無い
次回もお楽しみに!
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第七幕 出発/湖
今回は久しぶりに登場の自機組の二人、本当放置しててごめん。でもその分なんとか輝かせてみせるから!
それでは本編です、どうぞ
博麗神社
霊夢は勝手に動きだし妖怪を退治しに行ってしまったお祓い棒を追って外に出たことでようやく今の幻想郷の状況を理解した
「今回の異変、かなりやばいわね。道具や妖怪だけじゃなく私達が見たことのないライダー達まで暴れてる。被害は今までの異変の比じゃないでしょうね」
「どうするんだい霊夢?解決しに行くならついていこうか?」
鳥居の下で佇む霊夢にいつものだらけた雰囲気は無い、今の霊夢はまるで鞘から抜いた日本刀のように博麗の巫女としての鋭い雰囲気を纏っている。そんな霊夢に萃香は助っ人になるか聞くが霊夢はいいえと首を横に振る
「この異変は私一人で行くわ。だから萃香とラスは私が留守の間に神社を守ってくれないかしら」
「りょーかい、とっとと解決しときなよ?攻めこんでくる馬鹿がいたらぶっとばしとくからさ」
「僕も頑張るよ!」
「ありがと、萃香、ラス。それじゃ行ってくるわ」
霊夢はそう言うとバースドライバーを持ち飛びたっていった
霧の湖
自分の勘に従って霊夢がやって来たのは霧の湖
その上空を飛んでいると霊夢は後ろからの声に呼び止められた
「おーい、霊夢ー!」
「あら、魔理沙じゃない。あんたも異変解決しに来たの?」
「ああ、ちとミニ八卦炉の調子がおかしくてな。この異変が起きた時からずっとそんな調子だから異変に関係あるかと思ってな。霊夢はなんでここに来たんだ?」
「勘よ、いつものね。そういうあんたは?」
「私は異変を調べてたらここで他の所より暴れてる妖怪がいるって聞いてな。懲らしめるついでに情報を得るために来たんだ」
「あなたは!」
情報を交換しあっていた二人はいきなり声をかけられ声のした方を見るとそこにいたのは緑色の和風を着た青髪の少女だが頭の側頭部についているヒレのようなものと下半身が魚類のものとなっているおかげで一目で人魚とわかる
「かの高名な巫女じゃありませんか」
「人魚か、この湖にいたんだな。こいつが件の妖怪だと思うか?霊夢」
「うーん、人魚は基本的に雑魚でおとなしい妖怪だから違うと思うけど……」
「私を会話に入れないで無視!?ふふふ、いいわよ。そうやって無視されたり存在に気づいてもらえなくて幾星霜。こうなったらさっき手にいれたこの力で巫女とおまけを倒してのし上がってやるわ!」
わかさぎ姫は袖に手を入れるとそこから一本のガイアメモリを取り出すがそのメモリに描かれているマークはHとSの二つで二種類の記憶が内包されているのがわかる
「ガイアメモリ!?」
「暴れてた原因はそれか!こりゃ弾幕ごっこじゃ済みそうに無いな」
『HUMAN/SHARK MERMAID!』
「ゔあ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛!!」
わかさぎ姫は首筋にガイアメモリを挿すと上半身は女性の形をした灰色ののっぺりとした姿で赤い二つの目を光らせ背中には鮫の背ビレが付いている。下半身は完全に鮫のものとなっていてそのフォルムは鮫の中でも最速のヨシキリザメのものに酷似している
「二人まとめて血祭りにしてあげるわ!」
「こりゃかなりメモリの毒素にやられてるな。早いとこ片づけて正気に戻してやるか」
「そうね、元のおとなしい性格が完全に無くなってるしこいつ一人にいつまでも付き合ってるわけにはいかないしね」
「「変身!」」
『カポーン!』『セット!オープン! L・I・O・N ライオーン!』
魔理沙は金色のライオンを模したライダー、ビーストに変身し霊夢はガシャやそのカプセルを模したライダー、バースに変身しビースト魔理沙(以下B魔理沙)は腰のリングホルダーからバース霊夢(以下B霊夢)は亜空穴を神社のメダルを保管している金庫に繋げそれぞれコアメダルとリングを取り出す
「水中戦ならこれよね」
『カポーン カポーン カポーン シャチヘッド ウナギアーム タコレッグ シャウタアーマー』
B霊夢はシャチとウナギとタコのコアメダルを挿れ三回ハンドルを回す
すると頭、胴体、足の三箇所に仮面ライダーオーズ シャウタコンボを機械風にしたような装備が装着され全体的な色も銀だった場所が青みがかり胴体に付いたシャウタコンボのオーラングサークルが青く輝く
「こっちも新しい指輪を使わせてもらうぜ」
『ドルフィー!セカーンド!』
『ゴーッ!ドルフィー!ドルフィー!ド ド ド ドルフィー!』
B魔理沙は普通のドルフィリングとは違い二匹のイルカが描かれたリングを使うとB魔理沙の両肩にイルカの頭部が付き背中を覆うように紫色のマントが装備される
「新型の強化リングの性能、試させてもらうぜ」
「シャア!」
「おっと、気性が荒い人魚だな。こりゃ倒しがいがあるぜ」
水面からジャンプし鋭く尖った歯の並ぶ口を大きく開け食らいつこうとするがB魔理沙はとB霊夢はひょいと避けマーメイドドーパントは水中に潜る
「逃がさないわよ!」
それに続くようにB魔理沙とB霊夢も水中に飛びこむ
「ちゃんと着いてきてくれたわね。ようこそ、私のホームグラウンド水中へ。ここであなた達に人魚の底力をとことん味合わせてあげるわ」
霊夢達の周りを回るようにゆうゆうと泳ぐマーメイドドーパントは牙の生え揃った大きな口の口角を上げB霊夢達を挑発する
「そんなでかい口叩いて実は雑魚でしたなんていうつまらないオチはやめてくれよ?」
「とにかくとっとと片づけていくわよ、いつまでもこんなところで油売ってるわけにはいかないからね」
「ほんと、舐めてくれるわねっ!」
先に仕掛けたのはマーメイドドーパント、かなりのスピードでB霊夢に向かって突進し撥ね飛ばそうとしてくる
しかしB霊夢は身体を液状化させマーメイドドーパントの体当たりはB霊夢の身体をすり抜けるだけに終わった
「なっ!?身体を水に変えられるとかあり!?そんなのズルいわよ!」
「能力にズルも何もないわよ。悔しかったら攻略するなりなんなりしてみなさい」
お返しとばかりにB霊夢はウナギアームに付属している青い電気鞭、ウナギウィップを伸ばしマーメイドドーパントを捕まえようとするがマーメイドドーパントは自慢のスピードでウナギウィップを避けていく
「すばしっこいわね、魔理沙よろしく!」
「わかったぜ!」
ドルフィセカンドマントを装備した今のB魔理沙の遊泳能力はシャウタアーマーを装着したB霊夢の攻撃よりも速くダイスサーベルを片手にマーメイドドーパントへと斬りかかる
「待ちやがれ、この半魚野郎!」
「あなたは向こうの巫女よりは速いみたいだけど、私にからしたら遅すぎるわね。いいわ、先にあなたから倒すとしましょう」
ダイスサーベルの斬撃をマーメイドドーパントはひょいひょいと避けるとB魔理沙の首めがけて大きな口を開き食らいつこうとする
「あんまり私を舐めるんじゃないぜ!」
『キュオォォォォン!!』
「くっ!吹き飛ばされる!?」
しかしB魔理沙の両肩のイルカの頭から発された大きな音の波がマーメイドドーパントの体を大きく吹き飛ばした
「音波で攻撃するなんてやってくれるわね……」
「イルカは音波を飛ばして暮らしてるんだ。なら、イルカの装備を付けた私が使ってもおかしくないだろう?」
「でも!音なら私も負けないわ!La〜〜〜♪」
マーメイドドーパントはその姿からは想像できないほどの美声を放つとその瞬間B魔理沙とB霊夢を音の衝撃波が襲う
「ぐっ!私と同じ音波攻撃か!?」
「あんたといいこいつといいなんでこんなに音で攻撃してくんのよ!私だけ除け者みたいじゃない!」
「おしゃべりしてるとはずいぶん余裕ね。なら私の歌でダンスでも踊ってちょうだいな。LaLaLa〜〜〜♪」
再びマーメイドドーパントが歌声を発すると衝撃波はこなかったが二人の身体が自分の意思に反して勝手に動きマーメイドドーパントへ無防備に近づいていく
「なに、これ……身体が、勝手に」
「人魚は歌声で人間を魅了し船を難波させる。あなた達も私の歌声の前では灯に引き寄せられる虫と同じよ。はあっ!」
「かはっ!?」
マーメイドドーパントの目の前まで近づいてきてしまったB霊夢の腹にマーメイドドーパントの拳が突き刺さりB霊夢は湖底に叩きつけられ殴られた腹のオーラングサークルが付いた装甲はボロボロになっている
「くっうぅ、装甲が……」
「私の肌は鮫肌、触れたものはみな傷つく。あなた達が攻撃しても私が攻撃してもね。さ、次はあなた、よ!」
「ぐあっ!?」
同じように殴られたB魔理沙は胸のクレストラングにヒビが入り湖底の砂を巻き上げながら湖底に激突する
『スリーッ!ドルフィ セカーンドッ!セイバーストライク!』
『カポーン レッグキャノン タコ』
砂煙の中から金色の魔力でできたイルカが飛び出すが三という音声の倍、六体のイルカがマーメイドドーパントへ向かう
B霊夢はセルメダルを一枚バースドライバーに装填しハンドルを回す。するとタコレッグの吸盤のところが開きそこから黒いタコ型のミサイルが飛び出しマーメイドドーパントに突き進む
「ヤケにでもなったの?そんな遅い攻撃じゃ、何百年経っても私には届かないわよ」
「ええそうね、普通の攻撃ならね」
攻撃を避けていくマーメイドドーパントの目の前でタコ型ミサイル同士がぶつかり合い爆発すると周りに黒い墨に撒き散らし視界が黒一色となる
「何これ!?タコ墨!?」
「それなら何も見えなくて避けれるものも避けれないでしょ」
「で、でも何も見えないのはそっちも同じ!当てずっぽうの攻撃ならほとんど当たることなんてないわ!」
「ところがどっこい!私の攻撃を見くびってもらったら困るんだぜ!」
「えっ、きゃあぁぁぁぁ!?」
マーメイドドーパントの後ろからB魔理沙がさっき放ったイルカ達が次々と現れマーメイドドーパントの背中に炸裂していく
「そらそら隙だらけだぜぇ!」
「うあっ!?な、なんで私の場所がこんな視界でわかるのよ……」
さらにB魔理沙が何度もマーメイドドーパントの周りを不規則に泳ぎながらすれ違い様にダイスサーベルで斬りつけていきマーメイドドーパントはボロボロになっていく
「イルカのエコーロケーションって知ってるか?イルカは自分で超音波を発してそれが物に当たって返ってきた超音波で物の形や居場所がわかる、さっきの私の音波攻撃もそれの応用さ」
「くぅっ、そっちが音なら私も負けないわよ!La〜〜!」
「おっと、その技はもうくらわないぜ!」
『キュオォォォォン!』
マーメイドドーパントの歌声の衝撃波はB魔理沙の音の衝撃波とぶつかり合い相殺される
「私の歌が!?」
「歯には歯を、音には音を。最初からこうしときゃよかったぜ」
自分の歌声が相殺されたことに動揺し動いていなかったマーメイドドーパントはいきなり真下から伸びてきたウナギウィップに反応する間もなく縛られる
「あ、あの巫女の鞭!?こっちの人間はまだしもなんであの巫女までこんな正確に私の場所が!?」
「勘よ!」
「そんな適当なもので!?おかしいでアババババ!?」
反論しようとするマーメイドドーパントにB霊夢は容赦なくウナギウィップの電撃を流し痺れさせさらに動きが取れないようにする
「うっさいわね。あんま博麗の巫女の勘舐めてるとこのまま焼き魚にするわよ」
「元々霊夢は食い物を見つけるのが上手かったからそれも関係してるんだろうさ。さて、あんまこいつだけに時間を取るわけにもいかないし決めてやるか」
『キックストライク!ゴー!』『ドルフィ セカンド ミックス!』
B魔理沙はビーストドライバーに再びドルフィセカンドリングをセットするとB魔理沙とマーメイドドーパントの間に魔法陣が現れる。その魔法陣をキックの体制で通過したB魔理沙の右脚に二匹の紫色のイルカのエネルギーが螺旋を描くように回りながら纏われ辺りに漂う墨の煙を切り裂きながら突き進む
「海豚二符【ドルフィストライクビースト セカンド】!」
「ひっ、ひぃやあぁぁぁぁ!?」
B魔理沙のストライクビーストがマーメイドドーパントの身体を吹き飛ばす。その威力の強さにマーメイドドーパントを縛っていたウナギウィップも外れマーメイドドーパントは湖の壁にぶつかり息も絶え絶えの状態になるがギリギリメモリブレイクはされずドーパント態を保っている
「くっ、はぁ……はぁ……も、もう少しダメージを受けてたら完全にやられてたわ。まだあの二人が離れてるうちにここから逃げないと……」
マーメイドドーパントはボロボロの身体をなんとか動かし泳ぎだそうとする。だが逃げだそうとするのに必死で気づいていなかった、背後から来た悪鬼に
「見つからないわね。魔理沙、あんたどこまでぶっ飛ばしたのよ」
「いや〜、確かこの辺だったと思ったんだけどな。ははは」
B魔理沙とB霊夢は少しでも異変の情報を聞きだす為にわかさぎ姫を探しているのだが、いかんせん周りが墨で覆われていたせいでどの方向にどのくらい飛んでいったかわからないので適当な方向をエコーロケーションを使い探している
ドオォォォン!!
二人が探していた所より更に岸に近い場所、そこでいきなり爆発が起きる。そのことに驚いた二人は急いで爆発の起きた場所に向かう
「全然近くないじゃないの!このパワー馬鹿!」
「私だってまさかあんなとこまで飛んだとは思ってなかったんだよ!」
二人が爆発があった付近に行くとそこにはメモリブレイクされ気を失ってるわかさぎ姫と上から水色、青、赤の色になっているオーズ系のライダーがいた
「そこのあんた、あんたがその人魚を倒したの?」
「あぁ?……オーズ、じゃないなバースか。変身者もあの二人のどちらでもないようだな。それに新しい装備付き、横の金色と合わせて戦う価値は少しはあるか」
B霊夢は質問するがそのライダーは質問を無視しB霊夢達を観察して品定めをしている
「おい!私達の質問に答えやがれ!」
その態度に少しイラっときたB魔理沙が怒鳴るとそのライダーはため息を一つ吐きようやく質問に対しての言葉を返す
「確かにこの雑魚は俺が倒した。強いライダーがいるか聞こうとしたら襲いかかってきたからな。それよりお前ら、俺と戦え」
「一応目的を聞こうかしら、あとあんたの名前も」
「俺の名は仮面ライダーポセイドン。俺の目的はただ一つ、強いライダーと戦うこと、それだけだ!」
今回初めて出しましたビーストの強化スタイル、ドルフィセカンドマント。これの見た目は本来右肩のみ装備されるドルフィマントが左肩にも装備されただけって感じです。ウィザードの基本四スタイルがドラゴンで一つ強化されるのと同じように感じで考えました。能力はスペック強化の他に音波による攻撃と索敵、音波の強さを調節してどちらか選べます
そしてマーメイドドーパントを倒したと思ったらMovie大戦 MEGAMAXでシャウタコンボすら倒したポセイドンが登場、ダメージもあるのにこのまま水中で戦ったら負けるのは避けれないでしょうね
ただ次は前作の方で天音から依頼された秋塚さんやレジェンドライダーさん達俺を含めた5人のキャラでクリスマスコラボをします
次回もお楽しみに!
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第八幕 海神/激突
今年から俺も就活に関わるけれど今年も時が経つのが早く感じるだろうなあ……今年中にこの作品書き終えられるだろうか
まあ、そんなことはともかく本編です。どうぞ
ポセイドンとB霊夢、B魔理沙、相対する一人と二人は岸へ上がり睨み合っていた
最初、ポセイドンは水中でそのまま戦おうとしたのだがB霊夢の「自分達は地上での戦いでの方が本気を出せるから」という理由で岸へ上がることとなった。ポセイドン自身も戦うなら相手が本気で来たのを叩き潰すことを望んでいた為すんなりとその誘いに乗った
B霊夢とB魔理沙もポセイドンをかなりの実力者と判断しシャウタアーマーとドルフィセカンドマントを解除し新しいメダルとリングを取り出しセットする
『カポーン カポーン ブラックRXアーム Xアーム』
『ゴー!ハイパー!ハィハィ、ハィ、ハイパー!! 』
B魔理沙はビーストハイパーに、B霊夢は右腕にブラックRXの顔を模した手甲を纏いそこからリボルゲインの刀身が伸びたブラックRXアームと左腕に仮面ライダーXの顔を模した手甲を纏いライドルスティックが伸びたXアームを装備する
それを見て戦う準備はできたと判断したポセイドンは手持ちのオオカミウオを模した紅い槍、ディーペストハープーンにもたれかかると二人を指差す
「後で言われても耳触りだから先に言っておくぞ。戦いでどんな手を使おうが俺は構わないが、命乞いはするな、時間の無駄だ」
「誰が命乞いなんてするかよ、むしろコテンパンに叩きのめしてやるぜ」
「そもそも博麗の巫女が命乞いなんてしたら末代までの恥なのよ。いいからとっとと始めるわよ、こっちだって暇じゃないんだから」
「そうか、なら、始めようか!」
瞬間ポセイドンのディーペストハープーンがB霊夢に迫る
B霊夢は右腕のリボルゲインと左腕のライドルスティックを交差させディーペストハープーンを受け止めるが自力の差か押しこまれそうになる
「霊夢!」
そこへB魔理沙のミラージュマグナムによる射撃が放たれポセイドンは一旦そこから跳び退き距離を取る
「反射速度は悪くない。装備も以前戦ったバースよりも充実している。これならあの時のバース共より面白い戦いができそうだ」
ポセイドンはこの少しの打合いの感触に嬉しそうな声をあげ仮面のせいで表情まではわからないがおそらく好戦的な笑みを浮かべているだろうことがわかる
「お褒めにあずかりどうも、でもそんなのいいから戦りましょうよ。言ったでしょ?こっちも暇じゃないんだって」
「そうだったな。まあ、俺には関係の無いことだがなぁ!」
ポセイドンのディーペストハープーンから水色の衝撃波が放たれB霊夢達に向かう
『カポーン ボルティックシューター』
「私達にはあるのよ!」
B霊夢はセルメダルを一枚挿入しハンドルを回すとリボルゲインの刀身が手甲の中に引っ込みボルティックシューターの銃口が顔を出しそこから放たれた光弾とB魔理沙のミラージュマグナムの弾が衝撃波を打ち消す
「これでもくらいやがれ!」
「遅い!」
ミラージュマグナムとボルティックシューターから放たれる光弾をポセイドンは避けたりディーペストハープーンで斬りさいたりしながら徐々に距離を詰めてくる
その勢いに押され場のペースは次第にポセイドンに傾いていき二人も僅かながら後退する
「そんなもんかあ!」
「くっ!」
「魔理沙!」
ポセイドンはB魔理沙の目の前まで一気に近づくとディーペストハープーンを振り下ろしB魔理沙はその攻撃をミラージュマグナムで受け止めることでなんとか防ぐ
『カポーン バイオブレード』
「たぁっ!」
B霊夢に再びセルメダルを一枚挿入しハンドルを回転させるとボルティックシューターの銃身が引っ込みバイオブレードの刀身が現れる
そして霊夢が右腕をポセイドンに向かって突き出すと右腕だけが液状化しまっすぐポセイドンに向かって伸びていく
「なにっ!?」
伸びてきた腕の先のバイオブレードをポセイドンは即座に後ろで飛び退くことで避けそこへミラージュマグナムの弾丸が撃ち込まれる
「うっ!?ぐおっ!?」
「そこ!」
『カポーン ライドルロープ』
B霊夢の左腕のライドルスティックが引っ込むとライドルロープの鞭が出てきてB霊夢はそれを仰け反り体制を崩しているポセイドンに振るうとディーペストハープーンに巻きつきポセイドンの手から奪う
「武器はいただいたわよ!魔理沙!今の内にやっちゃって!」
「合点承知!」
「貴、様らぁぁ!!ぐあぁ!?」
ポセイドンは自身の武器を奪われたことに激昂するがさらなるB魔理沙の追い討ちの弾丸に吹き飛ばされる
「こいつでトドメだ!」
『ハイパー!マグナムストライク!』
「チッ……」
B魔理沙がミラージュマグナムにハイパーリングをセットしマグナムストライクを放とうとする中、ポセイドンは忌々しげにB魔理沙を睨みつけるとB魔理沙に向かって走りだす
「今さら向かってきても遅いぜ!いくぜ!マグナムスト「きゃあ!?」霊夢!?」
マグナムストライクを放つ瞬間B魔理沙はB霊夢の悲鳴を聞いてしまい撃つのをやめてそちらに意識を移してしまった
「余所見してんなよ」
「ハッ!?うわぁぁ!?」
その隙にポセイドンはB魔理沙の目の前にまで近づき青いオーラを纏った拳でB魔理沙の右頬を殴り吹き飛ばす
そしてポセイドンの元へディーペストハープーンがひとりでに動いて戻っていき再びその手に収まる
「うぅ、なるほど、霊夢はさっきその槍に意表を突かれたわけか」
「油断したわ。まさか槍が勝手に動いて攻撃してくるなんて」
「さて、武器も戻ったことだ。さっきのお返しといくか」
ポセイドンはディーペストハープーンに水色のオーラを纏わせると横薙ぎに一閃し水色のオーラの斬撃を二人に向けて飛ばす
「間に合わなぐあぁぁぁぁ!?」
「くっぅぅ!きゃあぁぁぁぁ!?」
二人に斬撃が直撃しB魔理沙はダメージを受けすぎたせいで変身が解除されてしまった。変身が解除されていないB霊夢も地面に膝をつきかなりボロボロの状態でまさに絶対絶命といった雰囲気だ
「バースの方は剣でダメージを軽くしたか。まあいい、どうせすぐに二人共あの世へ送るだけだからな」
ポセイドンはまるで処刑執行人のようにゆっくりとB霊夢に近づきディーペストハープーンを高く振り上げ全力でB霊夢の脳天目掛け振り下ろす
B霊夢にそれに反応するだけの力はもうなく瞬間死を覚悟した
『シャ、シャ、シャドー!』
「やめろ!」
「ぐああっ!?」
しかしいきなり複数の紫色の巨大な手裏剣が飛んできてポセイドンの身体を吹き飛ばす
「ぐっ、誰だ!俺の戦いの邪魔をした奴は!」
「俺だよ」
その声の主は倒れている魔理沙の後ろに立っていた
その姿は車を模した赤い装甲を纏い紫色の手裏剣を模したタイヤをたすき掛けに装備している
「お前も仮面ライダーか?」
「ああ、俺は仮面ライダードライブ。警察だ。お前は暴行罪と殺人未遂で現行犯逮捕させてもらうぜ」
「ふん、俺の相手をするなら覚えておけ。命乞いだけはするな。時間の無駄だ」
『進ノ介、ここでは装備やシフトカーは呼べてもトライドロンは呼べない。あまり無茶な真似はできないぞ』
「ああ、わかってるぜベルトさん。でも、女の子を守る為なら多少の無茶はするのが男だろう?」
『ふっ、その通りだね。いけっ!進ノ介!スタート ユアエンジン!』
「おう!来い!ハンドル剣!」
ハンドル剣を呼び出し左手に持ったドライブはポセイドンに何回も剣撃やラッシュを繰り出すがその攻撃をポセイドンは徒手やディーペストハープーンで完全に防ぎきってしまう
「どうした?大口を叩いたわりにはそんなものか?」
「言ってくれるね。だけどまだまだ始まったばかりなんだからもう少し付き合ってけよ」
『シャ、シャ、シャドー!』
ドライブは右手のシフトブレスに付けているミッドナイトシャドーのシフトカーを三回倒すとドライブの姿が10人にまで増えポセイドンを取り囲み一斉に手裏剣型エネルギーを連続で投げつける
「チッ、うるせえ!」
それをポセイドンはディーペストハープーンの刃に水色のオーラを纏わせ一回転することで本物のドライブごと分身と手裏剣型エネルギーを一掃する
「うわあああ!?」
『大丈夫か進ノ介!』
その攻撃でドライブは後ろに転がりベルトさんはダメージを心配する
「だ、大丈夫だ。そこまでのダメージじゃない。しかしこいつは小手先じゃなくて単純なパワーで攻めた方が良さそうだ」
『OK、ならばタイプワイルドだ。カモン、ワイルド!』
ドライブは後方から走ってきた黒いシフトカー、シフトワイルドを掴むとミッドナイトシャドーを外すとシフトワイルドの後部を半回転させシフトブレスにセットしレバーのように上げて倒す
『ドラーイブ! ターイプ ワイルド!』
ドライブの姿は装甲の形がスポーツカーのような滑らかなものから4wd車のようなゴツい形になり色は赤から黒へと変わる。そしてたすき掛けだったタイヤは右肩の取り付け部分に装備された仮面ライダードライブ タイプワイルドへと変身した
「車体を変えての第二ラウンドだ。ひとっ走りつきあえよ」
「いいだろう。お前をそのままあの世への霊柩車に乗せてやる」
再びハンドル剣とディーペストハープーンがぶつかり合うがドライブはタイプワイルドのパワーでディーペストハープーンごとポセイドンを押していく
「うおおおおお!!」
「ぐっう、パワー重視か!」
ドライブは押している状態からいきなり体を後ろに逸らす
するとポセイドンはかけられていた力が急に消えたことでつんのめりドライブは体を一回転させハンドル剣でポセイドンの脇腹を斬りつけさらに右肩でのタックルをかます
「がはっ!?」
「もういっちょぉぉぉ!」
体制を完全に崩したポセイドンにドライブは右肩のタイヤを当てる。そしてタイヤを回転させながら火花を散らして滑るように移動しポセイドンの身体を押していく
「ぐおぉぉぉぉ!?」
「はぁぁぁぁ!!」
ポセイドンの足は押されていく中踏ん張りがきかなくなり身体が浮き近くの木にぶつかり胸に押し当てられ回転しているタイヤと木にサンドイッチされ肺の空気を全て出される。さらにそのままタイヤの回転スピードを上げられポセイドンは声にならない悲鳴をあげる
「ッッーーー!?」
「このまま、決める!」
『ワ、ワ、ワイルド!』
ドライブはシフトワイルドを3回倒す。するとドライブの肩のタイヤにオーラが纏わり一旦タイヤをポセイドンから離すと再び叩きつけようとする
ポセイドンはダメージで動けないのか体を木にもたれかかせ動かない
「ぐわぁぁっ!?」
『し、進ノ介!?』
しかしその攻撃はポセイドンへ届かなかった。何故ならドライブの背後に浮かぶディーペストハープーン、それがドライブの背中を斬りつけたからだ
斬りつけられたドライブはよろけタイヤのオーラも霧散してしまう。その様を確認したポセイドンは何事も無かったかのように立ち上がり浮いているディーペストハープーンを手に取る
「お前もあの二人と同じ手に引っかかってくれて助かったぜ。実際これが通じなかったら本当に俺も危なかったからな」
「お前……!やられて、動けないふりをしてたのか……」
「ああ、その方が相手は油断してくれるからな。ふん!」
「がっ!?」
ポセイドンは両腕からエネルギーを放出しドライブを吹き飛ばす。さらに自律移動させたディーペストハープーンでドライブの身体をX字に斬りつけ水色のオーラを纏った拳によるラッシュを胴体に叩きこみ、オオカミウオの頭部を模したエネルギーを纏ったサマーソルトをドライブの顎にくらわせた
「がふっ!?」
『進ノ介!大丈夫か!』
「なんとか……。ベルトさんは?」
『私の方は一撃もくらってはいないから問題は無い。それよりも心配するのは君の体の方だ!』
「そのベルトの言う通りだ。今のお前に人を心配してる暇は無い筈だ」
倒れてなんとか立ち上がろうとするドライブにポセイドンはディーペストハープーンを構えながら近づいていく
「恋符【マスタースパーク】!」
「なっ!?ぐぁっ!?」
突然極太の光線がポセイドンを呑み込み吹き飛ばす。その光線が飛んできた方を見るとボロボロの姿の魔理沙が荒い息を上げながらミニ八卦炉を片手に構え立っていた
「へへ、変身してなくても、これくらいはできるんだぜ」
『カポーン ブレンチシェード』
「次は私の番よ」
その隣に立ったB霊夢はいつの間にかブラックRXアームとXアームを解除しており代わりにオーズのガタキリバコンボを機械的にしたクワガタヘッド、カマキリアーム、バッタレッグを合わせたガタキリバアーマーに身を包んでいた。そしてB霊夢がセルメダルを一枚ベルトに装填しハンドルを回すとB霊夢の隣にまったく同じ姿のB霊夢が現れそれが次々と増殖し50人のB霊夢となった
「一斉にいくわよ!」
『おおー!!』
その声と共に50人のB霊夢が一気にポセイドンへと襲いかかり数人がかりでその体や手足を拘束、ディーペストハープーンにも3人のB霊夢が抑えにかかり自立移動もできなくなる
「ぐおおお!離せお前らぁぁぁ!!」
「嫌よ!こんな美少女の集団に抱きつかれてるんだからありがたく思いなさい!」
「全身フルアーマーでそんなもんわかるかぁ!」
「そこの黒いの!確かドライブって言ったわよね!」
「え?あ、ああ、そうだけど」
「一気に決めるからあんたも手伝いなさい!異論は認めないわ!」
「横暴だな。でも、レディーからのお誘いなら受けるしかないな」
『タイヤコウカーン ランブルダーンプ!』
ドライブはシフトカーをランブルダンプに変えると右肩のタイヤが外れドリルの付属された黄色い大きなタイヤが右肩に装備される
『カポーン カポーン ガタキリバフィニッシュ』
『ヒッサーツ!フルスロットォォル!ダンプ!』
B霊夢とドライブは飛び上がるとドライブはドリルを装着した右手を、B霊夢は紫電を纏った右脚をポセイドンに向けパンチとキックの体制になる
「雷虫蹴【ガタキリバフィニッシュ】!」
「はあああああああ!!」
「ぐ、ああああああああああ!?」
紫電を纏ったライダーキックとオーラを纏ったドリルに貫かれたポセイドンは爆発した
B霊夢の分身も消えたことでポセイドンがいた場所には焦げ跡が残されただけで抑えられていたディーペストハープーンも溶けるように消えていった
「ふう、どっと疲れたぜ。しかしなんだったんだ、あいつは。そしてこの場所も」
『霧子達にも連絡が取れないうえトライドロンすら呼べない。しかも変身も解けない。本当に不可解な現象だ』
「あんた達、この世界のこともさっきのあいつのことも何も知らないの?あとなんで喋ってるのそのベルト」
座りこんで話すドライブとベルトさんに変身を解いた霊夢は近づいて質問する
「やっぱり君も女の子だったのか。っとそれよりこの世界のことだ。そしてあいつはなんだったんだ?」
「ここは幻想郷、外の世界とは隔絶された忘れられたもの達の楽園。ってそんなことよりあんた回復系の能力ない?もしあるなら回復してくれた後にちゃんと説明するわ」
「あ、ああ、わかった。確かに回復系ならあるから今呼ぶよ」
『ドラーイブ ターイプ スピード!』
『タイヤコウカーン マッード!ドクター!』
(紀斗から来てた情報によるとこいつも紀斗から抜けた力の一つ。それをこいつに知らせるか知らせないか……どうしようかしら)
霊夢はドライブに今の彼自身のことを教えるかどうか考えながらボロボロの魔理沙に肩を借しタイプスピードになりマッドドクターを装備したドライブに近づいていく
「あ、先に言っておくけどこれ、死ぬほど痛いから覚悟しておいてくれよ」
「さっき一回死にそうな目にあったし大丈夫よ」
「でもなるべくならお手柔らかに頼むぜ」
「おし、それじゃあいくぞ」
その後、霧の湖中に霊夢と魔理沙、ドライブ自身の悲鳴が響き渡ったことは言うまでもない
はい、今回はドライブ初登場回でした。理由は平成ライダーだと回復系の物を持ってるのがフォーゼと彼だけだったから。ベルトさんの口調難しい…。そしてそろそろ昭和ライダーも出さないとヤバいなあ……
次回は紀斗の視点に戻ります。漆黒の精神状態になってる彼の活躍やいかに!
次回もお楽しみに!
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第九幕 果実/合流
今回はどちらかと言うと三人称視点で進めます。でもちゃんと紀斗は出てくるのでご安心を
それでは本編です、どうぞ
魔法の森の外れ、ここに一人の仮面ライダーが辺りを彷徨っていた
「本当に何処なんだここは……。沢芽市でも俺達の星でもヘルヘイムでもない。今のところはインベスはいないみたいけど人影も見えないし」
白銀色の織田 信長が着たと言われているような西洋鎧姿に黒いマント、胸部にはスイカやオレンジなどのフルーツが描かれたライダー,仮面ライダー鎧武 極アームズ
その本来の変身者、葛葉 紘汰の精神を宿した彼は自分のまったく知らない幻想郷(ここ)を当てもなく探索していた
「しかも変身も解けないし。どうなっているんだ?」
「紘汰さーーん!!」
「ん?おお!ミッチ!お前もこっちに来てたのか!」
名前を呼ばれた方に振り向けば鎧武の元へ走ってくるのは緑色の中華風の鎧姿にブドウを模したアーマーを装備した仮面ライダー龍玄,呉島 光実ことミッチだった
原点の世界で一度は殺しあうまでの関係になってしまった彼らだが紘汰が光実を許したことで再び信頼関係を取り戻した。そのおかげか最初は不安な雰囲気を周りに出してた鎧武は思わぬ再開で一気に明るい雰囲気となった。その様はまるで迷子の犬が主人を見つけた時のようである。もっと威厳出せよ神様
「はい、僕も気づいたら変身した状態でこの近くに立っていて。紘汰さんもですか?」
「ああ、ここが一体どこなのかミッチは見当がつくか?」
「いえ、流石にこんな森の中じゃあ何も」
「だよなぁ。まず周りを見渡せる場所に出よう。そこならここがどこかわかるかもしれない」
「そうですね。でもどの方向に進めばいいんでしょう?下手に動くと更に森の奥に入ってしまう可能性もありますし」
「それなら空から見れば問題無いだろ。ちょっと俺が見てくるよ」
「スイカを使うんですか?」
「いや、必要ない」
そう言うと鎧武はふわりと飛び上がり周りを見渡せる高度まで上がっていき、その姿を龍玄はポカンと見上げていた
「本当に人間やめちゃったんだなぁ、紘汰さん」
そして龍玄,光実はしみじみと今更ながら紘汰が人外となったことを噛み締めるのだった
少しして下りてきた鎧武は森から出るのに一番近い方向を伝えるとその方向に龍玄と共に歩きだした
魔法の森 出口
「やっと森から出れたな」
「だけどあまり目立つものはありませんね。もう少し探索してみましょう」
魔法の森から出れた二人だが見渡しても山や自然が広がっているだけで人工物は見当たらない
仕方なく再び歩きだそうとすると二人の耳に金属同士の打ち合う音が聞こえた
「ミッチ、聞こえたか?」
「ええ、戦闘かどうかはわかりませんが人はいるみたいですね」
二人は桜と薔薇の花のマークが付いたロックシード、サクラハリケーンとローズアタッカーのロックモードを解除し放ると桜と薔薇の花を模したバイクになる
二人はそれにまたがるとエンジンをかけ音のした方へ走りだした
「ペコ!初瀬!やめろ!俺がわからないのか!」
「力をぉぉぉ!」
「俺が戒斗さんの右腕になるんだぁぁぁ!」
「…………!」
「これは……」
「どうなってるんだ。黒影達がザックと戒斗と戦ってるなんて」
二人が辿り着いた場所では黒影、黒影・真、黒影トルーパーの三人が騎士の鎧をモチーフにしバナナを模したアーマーと馬上槍を装備した仮面ライダーバロン,駆紋 戒斗と古代の鎧をモチーフにしクルミを模したアーマーとグローブを装備した仮面ライダーナックル,ザックと戦っていた
「おい、お前らやめろ!」
「力ぁ!力をぉぉ!」
鎧武と龍玄は黒影達とバロン、ナックルの間に割って入り戦いを止めようとする
「なんでお前らが戦ってるんだ!お前らが争う理由なんて無いだろ!」
「どけぇぇぇ!!」
鎧武は黒影達の動きを体ごと受け止めて止め暴れる彼らをなんとか押さえつけようとする
「一体これはどういうことなんです?それにさっきペコや初瀬さんって……」
「ミッチ!紘汰も!お前らも来てたのか!」
「あいつらのベルトをよく見てみろ」
戒斗に言われ光実は黒影達のベルトを見るとその違いに気づく。一人は赤いジューサーを模したドライバー、ゲネシスドライバーに見覚えの無いマツボックリのエナジーロックシードを使っているがもう二人の黒影が使っているのは小さい刀の付いた黒いドライバー、戦極ドライバー、しかもその片方には黒影専用のフェイスプレートが付いている
「あのフェイスプレート……。じゃああれはまさか」
「初瀬以外あり得ないだろう。元々あのフェイスプレートの付いた戦極ドライバーを使えるのはあいつだけなんだからな」
「それにあのゲネシスドライバーを付けた奴の声はペコの声だ。あいつはベルトを持ってなかったのに。一体どこで……」
「俺だって戒斗さんに認めてもらうんだぁぁぁ!!」
「話を聞く精神状況じゃないか、仕方ない!」
『ドンカチィ!パインアイアン!』
鎧武は極ロックシードを回すと空中にドンカチ、鎧武の手元にパインアイアンが現れる
鎧武はドンカチを一番前にいた黒影・真の顔面に直撃させ後ろの黒影と黒影トルーパーごと吹き飛ばしパインアイアンのワイヤー部分で三人をまとめて縛る
「悪いな、落ち着くまでこうさせてもらうぜ」
「戒斗……本当にお前なんだな?またメガヘクスの時みたいに身体を作られたのか?」
「あんな奴がそう何人もいてたまるか。俺やザックも気がついたら変身した状態でここに立っていたんだ。そこをその三人に襲撃されたというのが今の俺達の現状だ」
「じゃあ僕達と現状はあまり変わらないってことですね。それにしてもなんであの三人はあんなに暴れてるんでしょう?」
「そこらへんは俺達にもさっぱりでな。何しろ俺と戒斗が話してる最中にいきなり襲いかかってきたんだ。話をできる状態じゃなかったし落ち着かせようとしても暴れて手がつけられなかったからな」
黒影達に背を向け四人で現状を話し合っているといきなり電子音声が響き黒影達に向かって数枚のカード状のエネルギーが現れる
『FINAL ATACK RIDE DE,DE,DE,DECADE』
『!?』
「敵襲か!」
「あのカードには見覚えがある!初瀬達が危ねえ!」
『メロンディフェンダー!スイカ双刃刀!』
黒影達とカードの間にマスクメロンの表皮や果肉と斬月の角を模した大盾、メロンディフェンダーと切り分けたスイカを模した刃を持った巨大な長刀、スイカ双刃刀が現れるのとカードが現れた方向からエネルギー弾が放たれるのは同時だった
エネルギー弾はカード状のエネルギーを突き抜ける度に大きくなり十枚目のカードを突き抜けた瞬間メロンディフェンダーとぶつかり合いメロンディフェンダーは弾かれそうになるが後ろに突き刺さっているスイカ双刃刀に支えられなんとか数秒持ち堪える
その間に鎧武はヘルヘイムの植物の蔓を操り黒影達にまきつけると持ち上げエネルギー弾の軌道から外す
『FINAL ATACK RIDE DE,DE,DE,DECADE』
「なっ!?もう一撃残してたのか!」
エネルギー弾がメロンディフェンダーとスイカ双刃刀を破壊したのと同時に森の茂みからディケイドが飛び出し先程と同じ電子音声を響かせ黒影達へカード状のエネルギーを展開し飛び上がるとキックの体制でエネルギーを突き抜けてゆく
「俺が止めてやる!」
「悪いがそれは勘弁願うぞ」
「うわっ!?」
ナックルがキックをしようしているディケイドに攻撃しようとカッティングブレードに手をかけたがその瞬間マゼンタ色の光弾がナックルに当たり行動を止めさせられる
更に森の中から四人のディケイドが出てきて鎧武達四人は一対一の状態に持ちこまれる
「くそっ!分身か!」
「悪いがこっちもかなり切羽詰まってるんでな」
鎧武も蔓を操ってキックから逃れさせようとするがディケイドに攻撃され思うように動かせず武器もディケイドが極ロックシードを回そうとする度に左腕を狙ってきて召喚できずにいる
「このままじゃまた初瀬が!」
「仮面ライダー鎧武、残念だがそれはもうタイムオーバーだ」
『うわああああ!?』
ディメンションキックが黒影達に直撃し爆発する。その光景を見た鎧武達は一瞬言葉を失う
「ペコォォォォォォォォ!!」
「また……また俺は初瀬を、守れなかった!」
「貴様、よくもペコを!」
「許さない!」
鎧武は再び初瀬を守れなかったことに絶望し膝をつき他の三人は仲間を殺されたことに憤る
「なんでだ……なんで初瀬達を殺したんだ!ディケイド!いや、士!」
立ち上がった鎧武が叫んだその言葉に分身を消したディケイドはライドブッカーにかけていた手を下げ言葉を返す
「生憎だが、俺は門矢 士じゃない。そして、さっき俺が倒した黒影達もお前らも、本物じゃあない」
そのディケイドの一言に四人は動揺し敵意よりもその言葉の真意を知りたいという方が前に出てきた
「……どういう意味だ」
「それを知りたければここで俺の話を聞くことだな」
(どうする?俺はこいつの話を聞いとくべきだと思うけど)
(僕も同感です。ここで何の情報も得ずにこいつを倒すより情報を聞いてからどうするべきか決めた方が得策です)
(また振り出しに戻るよりはマシか)
(仕方ねえか。でも絶対に後であの野郎はぶん殴る!)
「わかった。話を聞こう」
淡々と返される返事に四人は小声で相談すると鎧武が了承の返事をする
「なら、まず変身を解いてから話をしようか。変身しっぱなしっていうのもあれだからな」
「待て、なら先にお前だけ変身を解け。変身を解いて無防備になった俺達を始末しようなんていう弱者がしそうな考えをしていなければな」
「……いいだろう」
(さすがにそこまで馬鹿じゃないな)
バロンの言葉にディケイドは変身を解き海堂 紀斗の姿となる
「本当に士じゃなかったのか……」
「さあ、変身は解いたぞ。君らの番だ」
紀斗の言葉に鎧武達はロックシードをベルトから外すが少しするとロックシードが消えベルトに変身後の状態で現れ変身が解けない
「なんで変身が解けねえんだ!?」
「一体これは……」
「……やっぱりか」
紀斗のその一言にバロンが反応し紀斗の胸ぐらを掴み顔を引き寄せる
「貴様、俺達に何かしたのか?」
「当たらずとも遠からず。俺が直接何かしたわけじゃあないが君らの変身が解けない原因の一つは俺にある」
「ならば言え!」
「それも含めて今から説明するんだ。それに、今はそっちの方が君らは都合がいいだろう?生身の人間一人に対してアーマードライダー四人、俺がいくら不意打ちしたところですぐに組み伏せられて終わりだ。それとも……お前は俺が生身でお前達を倒せるほどの存在にでも見えるのか?」
「ッ!?ならばとっとと説明しろ!貴様を倒すかどうかはその話を聞いた後だ!」
紀斗から放たれた殺気に似た気にバロンは一歩後ずさると紀斗の胸ぐらを乱暴に離し地面に腰を下ろす。それに続くように他の三人も腰を下ろし紀斗は説明を始める
「まあ、呼び方とかで不便だろうから自己紹介をしよう。俺は海堂 紀斗、名前でも名字でも好きな呼び方で呼んでくれて構わない。さて、まずはこの世界のことから話そうか」
青年説明中…
幻想郷のこと、自分の能力、今朝に起きた襲撃、それにより起きてしまった今回の異変、紀斗はそれらのことを全て話し鎧武達の反応を見る
「俺達が、あんたから抜かれた力の一部だったなんて……」
「だからこそ、君らには変身前の肉体が存在しない。それが君らの変身が解けない理由だ」
鎧武と龍玄、ナックルは自分達がオリジナルのコピーであることに愕然とする
「だが俺達が出てきてしまったのは貴様が相手に隙を見せたせいだろう。自分の世界を守る為の力で自分の世界を荒らされるとはとんだお笑い種だな」
「おい、戒斗!そんな風に言うことないだろ」
「いや、彼の言う通りだ。返す言葉も無い。俺自身の油断がこの結果を招いた、それは覆せない事実だ」
バロンの嘲るような物言いに鎧武は注意するが紀斗はバロンの言う通りだと自嘲するような笑みを浮かべる
「それで、貴様は俺達をどうするつもりだ?」
「どう、とは?」
バロンの言葉に紀斗の眉がピクリと動き訝しげな表情を見せる
「しらばっくれるな。俺達は元々は貴様の能力の一部が実体化したもの、ならばこの異変とやらを止める為にも俺達を早く自分の中に取り戻したい、そうだろう?」
「…………」
「言われてみりゃそうだぜ。こいつから見りゃ俺達は喉から手が出る程取り戻したい存在の筈だ。なんか裏でもあんのか?」
「誤魔化しは……無理そうだな。ああ、確かに俺は今すぐにでも君らを倒して力を取り戻したい。だが、俺は自分の今持ってる力で君ら四人を同時に相手にして勝てると思う程馬鹿じゃあない。足止めや逃走ならできても倒すのはさすがに荷が重すぎる。だから、最初は少し他のライダーを倒すのを手伝ってもらおうと思ってたんだが……。少なくとも君は絶対に手伝ってはくれなさそうだからね」
苦笑いをしながらバロンに向けて言う言葉にバロンは馬鹿にするように鼻で笑う
「当たり前だ。そんな便利屋のようなことを俺は絶対にしない」
「だろうね。だから今度は逆に聞こう、君らはどうしたいんだ?」
紀斗の言葉にバロン以外の三人の身体が一瞬強張る
「俺は自分の強さを確かめる為に強者と戦う。ただそれだけだ。だが海堂 紀斗、貴様が俺という力を取り戻したいのなら俺と戦って倒してみせろ。それなら俺も貴様を強者と認めてやる」
「俺は戒斗についていくぜ。さっきみたいにやられっぱなしってのは癪だしな」
バロンは迷いなく返事を返し倒せるものなら倒してみろというオーラを出しナックルもバロンにつく
「ならすぐにでも始めよう。で、そちらのお二人さんは、どうする?」
「俺は……」
「紘汰さん……」
鎧武は俯きながら思案し龍玄はそれを心配そうに見つめる
「俺は……あんたの中に戻ってもいいと思ってる」
「紘汰さん!?何を言ってるんですか!あなたは!」
「葛葉!貴様またそんな腑抜けたことを!」
「そうだぞ、紘汰。お前自分で何を言ってるのかわかってるのか?」
鎧武の発言に他の三人は反対するが鎧武は覚悟を決めた目をしていてその言葉を撤回する気は無いようだ
「どうしてそう思ったんだ、葛葉 紘汰?」
「俺はヘルヘイムから自分達の世界を護る為に黄金の果実を手に入れた。だからこそわかるんだ、自分が大好きな世界が理不尽に壊される辛さが。だから、俺の力でそれを食い止めることができるなら力になりたいんだ」
紀斗はその鎧武の言葉に心の中の何かが少し楽になった気がした。自分の失態が招いたこの状況、被害を少しでも無くそうと焦りいつもなら使わない不意打ちや数によるリンチも何度もやった。無意識のうちに勝つという結果だけを求めた漆黒の意思で心を固めていた紀斗には鎧武の、葛葉 紘汰の黄金の精神を秘めたようなその言葉が眩しく聞こえた
「ふっ、さすが黄金の果実を手に入れた男だ。俺も仮面ライダー達が抜けて必死になりすぎたみたいだな。礼を言うよ、葛葉 紘汰」
「礼なんて言われる必要無いさ。俺は俺の思ったことを言っただけだからな」
「そんなことより葛葉、俺は認めんぞ。貴様が何もせずにこいつの中に戻るなぞ。それでも聞かないのならせめて俺とこいつの戦いを見てからいけ。でなければ俺は貴様を許さんぞ」
「そういやミッチ、お前はどうするんだ?戒斗達と一緒に戦うのか?」
「いえ、僕は……僕は紘汰さんと一緒に海堂さんの中に戻ります」
「……それでいいんだな、ミッチ」
「はい、僕は紘汰さんについていくって決めましたから」
「そっか……。なら俺が言うことは無さそうだな」
二人は世界を守ることに力を借し二人は強者との戦いを欲す。立ち塞がるバロンとナックルを前に紀斗は再びカードとディケイドライバーを出しディケイドライバーを着けるとカードを構える
「変身!」
戦いの幕は再び上がった
はい、特に見せ場もなく散っていきました黒影組。だって簡単に倒せそうだしメンタル弱い子ばっかりなんだもの
初瀬ちゃん→幻覚見えてヘルヘイムの実を食ってしまう
ペコ→ライダーとしての出番ほぼ無し&戒斗の右腕になるんだと暴走状態だった
黒影トルーパー→プロフェッサーが逃げたら弱腰なってすぐ逃げた
マジで紙メンタルだなおい。そして紘汰はジョジョの主人公のごとく黄金の精神の持ち主です。恐怖に屈しない勇気、大切な人々を思いやる優しさ、いかなる困難をもはねのける精神力、自分の矜持と責任に殉じようとする覚悟、自分の宿命をありのまま受け止める潔さ。うん、彼ほぼ持ってるな、さすが主人公パネえ。おかげで精神すり減らしまくってた紀斗も黄金の精神を少し取り戻しました。
次回は紀斗 VS バロン&ナックル!
紀斗はこのコンビに勝てるのか!
次回もお楽しみに!
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第十幕 強者/敬意
それでは本編です、どうぞ
「変身!」
『KAMEN RIDE DECADE』
紀斗は再びディケイドに変身するとライドブッカーをソードモードにして構える
「お前の強さ、見せてもらうぞ。海堂」
「さっきみたいにはいかねえからな!」
バロンとナックルもバナスピアーと拳を構え臨戦態勢に入る
「言われなくてもそっちが納得するくらいの強さ、見せてやるぜ!」
三人は同時に動き出し紀斗のライドブッカーとバロンのバナスピアーがぶつかり合う
最初の両者の得物のぶつかり合いから武器同士の打ち合いは何度も続き蹴りや拳の体術も繰り出される
そこへ隙を見てナックルの拳も紀斗目掛けて放たれるが紀斗はライドブッカーで防ぐかいなすかして直撃は避けている
「さすがにリーチが面倒だな。こっちも長物でいくか!」
『KAMEN RIDE POSEIDON』
『ATACK RIDE DEEPESTHARPOON』
紀斗は先程元に戻ったポセイドンのカードをディケイドライバーに挿入すると仮面ライダーポセイドンに変身し更にポセイドンの武器、ディーペストハープーンのカードをディケイドライバーに挿入し手元にディーペストハープーンを召喚する
「姿が変わった!?」
「奴はそういうライダーだ。こちらに合わせて得物や戦法を変えてくるから気をつけろ」
「そら、いくぜぇ!」
ディケイドのカメンライドを初めて見るナックルは驚くが以前にその戦いを少しだけ見たことのあるバロンが説明をいれる
そこへポセイドンの姿となった紀斗はディーペストハープーンによる刺突を繰り出すがナックルの拳によるアッパーでかち上げられる
「そう簡単にやらせるかよ!」
「甘い!」
紀斗はかち上げられたエネルギーを利用しディーペストハープーンを回転させ刃の反対側の石突きでナックルの腹や喉などアーマーの薄いところを連続で突き更に鳩尾へ蹴りをくらわせる
「ぐほぉっ!?」
「ザック!?おのれ!」
バロンのバナスピアーと紀斗のディーペストハープーンがぶつかり合い毛色の違う槍術同士の打ち合いになりその勢いはどんどんと激しくなっていく
刺突、袈裟斬り、かち上げ、叩き落とし、回し斬り、斬り払い、基本的な槍術から槍を支え棒高跳びのように相手の頭上を越えるようなアクロバティックなものまで使い二人は自分の強さを相手に刻みつけようとする
「くそっ、戒斗にばっかりいいカッコさせっかよ!」
『スイカ! スイカアームズ 大玉ビックバン!』
『ヨロイモード!』
復活したナックルはスイカロックシードを付けカッティングブレードを下ろすと上空から巨大なスイカが現れナックルに覆い被さると変形し巨大な人型のヨロイモードとなる
ナックルは両拳にスイカをそのまま手にはめたようなエネルギー型グローブを装備すると紀斗めがけてその拳を振り下ろす
「うおらぁ!」
「なっ!?スイカアームズか!ぐあぁ!?」
紀斗はディーペストハープーンを盾に防ごうとするがスイカアームズのパワーの前では一秒も持たず吹き飛ばされディケイドの姿へ戻ってしまう
「まず最初の一発分返させてもらったぜ!」
「ザックか、ちょうど攻めあぐねていたところだ。助かった」
「へっ、このくらい気にすんなって」
「がふっ、ははっ、いいパンチしてんじゃねえか。でかい物にはでかい物でいくぜ!」
『KAMEN RIDE KAIXA』
『ATACK RIDE SIDE BASSHAR』
紀斗は新しいカードを挿入するとカイザの姿となり更に能力で出したマシンディケイダーをサイドバッシャーのカードを挿入することで黒と金色を主としたサイドカー、サイドバッシャーに姿を変える
そして紀斗がサイドバッシャーに乗るとサイドバッシャーは変形しサイドカー部分が足となりバイク部が手と胴体になった二足歩行のバトルモードとなる
「プレゼントだ!受け取れ!」
紀斗はそのセリフと共にサイドバッシャーからミサイルとフォトンブラッドバルカン砲をナックルとバロンめがけて撃ち放つ
「バイクがミサイル撃つなんてありかよ!?」
『ジャイロモード!』
「戒斗、掴まれ!」
ナックルはスイカアームズをヨロイモードから拳が開かれバルカン砲に変わり装甲の一部がスラスターとなったジャイロモードに変えるとバロンはその腕の部分に掴まり空を飛んでミサイルや弾を避ける
「逃がすか!」
サイドバッシャーが飛び上がるとスイカアームズの左翼を右手部分のバルカン砲で掴み飛行を阻害する
「その手を離せ!」
「嫌だね!」
『ATACK RIDE BLAST』
「ぐはっ!?」
バロンがサイドバッシャーに乗る紀斗に向かってバナスピアーを突き出そうとするがそれより早くライドブッカー ガンモードの銃口が分身しながら火を吹きバロンを地面へ叩き落とす
「戒斗!?」
「人の心配してる場合か?」
ナックルが落ちたバロンに気を取られた隙に紀斗はサイドバッシャーを操作しサイドバッシャーの空いている左手部分で殴ると同時に零距離でミサイルを放った
「ぐああああああ!?」
「くっ!?」
ミサイルの威力に耐えきれずナックルはそのまま煙を上げながら地面に墜落し紀斗もミサイルの威力の反動で振り落とされ地面に落ちそのダメージでカイザからディケイドの姿へ、サイドバッシャーもマシンディケイダーに戻る
「やっぱり反動がデカすぎるな。次から零距離はやめとくか」
『マンゴーアームズ! Fight of hammer!』
「よくもザックを!」
「あぶねっ!?」
紀斗は煙を出しながら墜落し倒れているナックルへ意識を向けていたせいで正面から迫っていたバロンの打撃部分がマンゴーの果肉を模したメイス、マンゴパニッシャーによる一撃にギリギリまで気づかず間一髪後ろに跳ぶことで避けられた
「俺がいることを忘れるな。それとも貴様は一対一しか認めないとでもほざく弱者か?」
「ハッ、そんなわけあるかよ。今のは余所見してた俺が悪い、ただそれだけだ!」
『KAMEN RIDE SHILBARA』
『ATACK RIDE KANABOU』
紀斗は背に赤いマントを装備し二本の下向きの角を生やしたパワータイプのマンゴーアームズにアームズチェンジしたバロンに対抗するようにシルバラへと姿を変えシルバラの純銀製の金棒を召喚しそれを振るう
「今度はパワー対決といこうかぁ!」
「望むところだ!」
金棒とマンゴパニッシャーがぶつかり合い火花を散らす
両者ともそのパワーを全力で相手に叩きつけ反動で一歩後ろに下がりまた一歩踏み出し得物を力の限り叩きつける。それが何度も続いた後それぞれカードとベルトに手をかけるタイミングは事前に示しあわせたかのように同時だった
『FINAL ATACK RIDE SHI,SHI,SHI,SHILBARA』
『カモォン! マンゴースカッシュ!』
紀斗は金棒に銀色のオーラを、バロンはマンゴパニッシャーに山吹色のオーラをそれぞれ纏わせ同時に振りかぶりぶつけた
ドゴォン!!
「くっ!」
「ぬぅ!」
二人の得物がぶつかると爆発し二人共後ろに吹き飛ばされる。その衝撃で紀斗は再びディケイドの姿へ戻りバロンはマンゴパニッシャーをかなり遠くまで飛ばされてしまった
「これでも決着がつけられないか……。ならばこれだ!」
バロンが取り出したのはゲネシスドライバーと周りがクリアカラーのロックシード、レモンエナジーロックシードだ
バロンは戦極ドライバーを腰から外すとゲネシスドライバーを装着しレモンエナジーロックシードをつけシーボルコンプレッサーを押しこむ
『レモンエナジーアームズ! ファイトパワー!ファイトパワー!ファイファイファイファイファファファファファイッ!』
マンゴーアームズの鎧が消え新たに上空に現れたのはレモン、それは変形しながらバロンに装着され頭部にはレモンを横に半分に切った形のものをヘッドホンのように付け表面を銀、裏面を黄のマントを背に左胸にはバロン自身のエンブレムをもった仮面ライダーバロン レモンエナジーアームズになった
『KAMEN RIDE GOLDLA』
『ATACK RIDE SYAKUJOU』
それに対し紀斗はゴルドラの姿となりゴルドラの黄金の錫杖を召喚する
「はあああああ!!」
「ふっふっはぁっ!」
バロンは紀斗に向かって駆けながら赤い機械的な弓、ソニックアローから連続で黄色のエネルギーの矢を放つ
その攻撃を紀斗は錫杖を振り的確に全ての矢を弾いていく
「はあっ!」
「ぐっ!」
紀斗の近くまで接近したバロンはソニックアローを逆手に持ちソニックアローの両端に付いた刃で斬りかかる
それを紀斗は錫杖で受けるがスペックの差か、少し後ろに押される
「どうした海堂、貴様の強さはこの程度か?」
「んなわけ、あるかよ!」
「うおっ!?」
紀斗はバロンに足払いをかけるとバロンは体制を崩しソニックアローへの力が緩む。その隙に紀斗はソニックアローを押し返すと錫杖でバロンの腹を突き錫杖を伸ばす
「かはっ!?」
「如意棒じゃないが伸びろ錫杖ってな!」
バロンは地面に仰向けに倒れそこからまだ伸びる錫杖は錫杖の柄を持っている紀斗ごとバロンから離れていく
「よっと」
「ぐぅ、姑息な手を……」
「こういうのは姑息というより機転が利くと言ってほしいな」
ある程度離れたところで地面に降り錫杖の長さを戻した紀斗をバロンは睨むが紀斗はそれに対し皮肉って返す
「ならばこれを防いでみせろ!」
『レモンエナジー ロック、オン』
『レモンエナジー!』
バロンはレモンエナジーロックシードをソニックアローに取り付けると弦のレバーを離し先程よりも大きく高濃度のエネルギーの矢を紀斗に向かって放った
「上等!」
『FINAL ATACK RIDE GO,GO,GO,GOLDLA』
「オラァ!」
それに対し紀斗は自分の真上に金色の光球を生み出し矢に向けて放つ
矢と光球、高濃度のエネルギー同士がぶつかり合い爆発し土煙りが辺りを覆い二人の姿は見えなくなる
(奴の姿が見えなくなった……。一体どこから来る気だ)
バロンは視力が役に立たない今、辺りの気配を探り紀斗がどこから攻撃してくるかを察知しようする
「…………そこだ!」
バロンは気配の感じた方向にソニックアローを向けると煙ごしに見えた人影めがけ矢を放つ
「なっ!?消えた!?」
しかし矢が突き進んで当たるかと思った直前にその人影は消え矢は近くの土煙りを払いながら飛んでいくに終わった
だがそれと同時に聞こえたのはズザーッという土を滑る音
「まさか!?」
「どりゃあ!」
土煙りの中から出てきたのはディケイドの状態でライドブッカー ソードモードを持ちスライディングで地面を滑ってくる紀斗だった
紀斗はライドブッカーを振るうとバロンがソニックアローを逆手に持つ前にかち上げバロンの背後へ回る
そしてバロンが後ろに振り返る為に上半身を後ろに向けた瞬間……
ドシュ
「がはっ……ぐ、ぐふっ」
「俺の勝ちだ、駆紋 戒斗」
ライドブッカーがバロンの腹を刺し貫いた
「見、事だ、海堂……俺も……貴様、を、強者として、認、めてやる。もし、俺の力を使っ、て、無様な、姿を……晒、し、たら、承知、しな……い……か、ら……な」
そう言い残すとバロンは光となり紀斗の中へ吸い込まれていった
「ああ、絶対にあんたの力を使って格好悪いところは見せねえよ。最後まで強者として振る舞ったあんたに、俺は敬意を表するぜ、駆紋 戒斗」
紀斗はバロンが立っていた場所を少し見つめるとスイカアームズからクルミアームズにアームズチェンジし倒れているナックルに近づく
「そっちはまだやるか?」
「いや、そんな力残ってねえよ。戒斗があんたを認めたなら俺からは何も言うことねえし、それに今度くらい戒斗に着いてってやんなきゃ戒斗のやつ拗ねちまいそうだしな」
そう言いながら笑うナックルの姿も光になり始め紀斗へ顔を向ける
「あんたは自分の大切な人の道、間違えさせるなよ」
ナックルはそう言って完全に光になり紀斗の中へ吸い込まれる
「わかってるさ。俺自身もまた間違えないように気をつけないといけないけどな」
「いい戦いだった。ありがとうな、戒斗を倒してくれて」
「確かに俺自身いい戦いを経験できたとは思ってるがお礼を言われる覚えはないぞ」
「あいつは、戒斗はあんたから自分達があんたの中の力の一部だって聞いた時から少しあんたの中に戻りたがってた感じがしたんだ。多分ここで力を示してもそれは駆門 戒斗としての力じゃなくてバロンとしてだけの力だと感じたんだろうな。でもあいつはあんな性格だから素直に言うわけない。だからあんたみたいな強い奴と戦って倒してもらいたかったんだろう」
「そうか……。それは戦友だからわかることか?」
「ああ、それと神様の勘ってやつだな」
変身を解いた紀斗に話しかけた鎧武は少し笑いながら言うとそのそばに龍玄が来て紀斗に向かいあう
「僕は、あなたをまだ完全に信じたわけじゃない」
「ミッチ……」
「でも紘汰さんが、お人好しで他人の嘘まで簡単に信じて騙されるけど、それでも仲間のことだけは最後まで信じる紘汰さんがあなたを信じたから……僕もあなたを信じてあなたの中に戻る」
「……ありがとう。こんな俺を信じてくれて」
「おいおい、こんなとか言うなよ。お前自身を卑下したらお前を信じた俺達やお前の仲間からの信頼の価値まで下がっちまうぜ」
「ああ、そうだな。悪い、まだ少しネガティブになってたみたいだ」
そうやって笑いあうと鎧武は右手を差し出しその手を紀斗は握り握手をする
「紀斗、お前もこの世界が好きなら守りきってみせろよ。そのためなら俺の力、いくらでも借すからな」
「ありがとう、この世界を守るのはもう俺の果たすべき義務みたいなもんだ。必ず守りきってみせるさ」
その会話を最後に鎧武と龍玄の身体も光となり紀斗の中へ入っていった
「必ず……守りきってみせるからな」
強く拳を握る紀斗の中で黄金の精神はその輝きを取り戻したのだった
ナックルがほとんど出番が無かったことはマジで謝ります。ナックルファンの皆様本当にごめんなさい。これも全部俺の発想力が足りないせいです、誠に申し訳ございません
そしてバロンの最後の倒し方はMovie大戦フルスロットルのプロフェッサーの最期をイメージしました。通常フォームでも強化ライダー倒せるってことを示したかったんや……
そしてこれで紀斗は鎧武、龍玄、バロン、ナックルの力を取り戻しました。初の主役ライダー回収です、やっと他の主役ライダーやラスボスライダーも倒せる可能性が湧いてきました。さて、次は誰をだそうか……
次回もお楽しみに!
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第十一幕 伝説/憧れ
そして今回はあの伝説のライダーが登場です
それでは本編です、どうぞ
妖怪の山 守矢神社
ここの居間ではある三人の客に早苗が嬉々としてお茶を振舞っていた
「粗茶ですが」
「あ、これはご丁寧にどうも」
「いえいえ、わからないことがあったらなんでも聞いてください。1号さん、2号さん、アマゾンさん」
そう、早苗とちゃぶ台を挟んで座っているのは初代仮面ライダー、全ての仮面ライダーの原点である仮面ライダー1号、その1号の相棒として1号を支え続け共に戦ってきた仮面ライダー2号、1号、2号達を含む栄光の7人ライダーの一人であり野性味溢れるライダー、仮面ライダーアマゾンの三人だ
(おい本郷、この嬢ちゃんかなり俺たちのことキラキラした目で見てるがお前が以前に助けたかなんかしたのか?)
(いや、完全に初対面だ。それにこれだけ特徴的な子なら忘れる筈が無いだろう。多分他のライダーかおやっさん達が俺たちのことを教えたとかそんなところじゃないか?)
「オチャ オイシイ」
「お口に合ったようでなによりです♪」
1号と2号のダブルライダーは初対面の筈なのに子供のごとくキラキラした目で対応してくる早苗に困惑しながらひそひそと話し合いそんな二人の隣でアマゾンはクラッシャーを開いて呑気にお茶を飲んでいる
「それじゃあ、ここがどこなのか。そこから教えてくれないか?」
「わかりました。それにはまずこの世界のことから話した方がよさそうですね」
〜少女説明中〜
「なるほど、大体のことはわかった。それで、私達がこの世界にいる理由が君の仲間の力が関係してるというのは本当なのか?」
「はい、方法はわかりませんが紀斗さんの能力が関係している可能性は高いです」
「にわかには信じられないな。俺たち仮面ライダーの力を自由を使える能力なんて」
「ゲンソウキョウ フシギ イッパイ!」
1号達は早苗から幻想郷や紀斗の能力を聞き驚くと同時に興味を持った
「た、助けてください!」
その時庭に通じる縁側からいきなり山の麓で警護をしている筈の哨戒天狗、犬走 椛が転がりこんできた
「ど、どうしたんですか椛さん!?」
「や、山の麓でいきなり現れたライダー達に襲撃されて、今は文先輩が戦っています。私達、天狗の力だけではライダー達にダメージをほとんど与えられないのでライダーであるあなたに助太刀を要請しに来たんです」
「にとりさんと甲さんはどうしたんです?あの人達のいる河童の村の方が近いでしょう?」
「実は……河童の村近くの川の方も襲撃にあっていてその際ここは自分達だけで対処できるからあなたに助太刀を頼みに行けと言われたんです」
「なるほど、わかりました」
椛からの要請を聞いた早苗はスッと立ち上がると部屋の隅に置いてある箱からここしばらく出していなかったイクサベルトとイクサナックルを取り出し居間から立ち去ろうとする
(これを見ると紀斗さんを思い出すからあまり使いたくはなかったんですが……事態が事態ですし仕方ありませんね)
「すいません、1号さん、2号さん、アマゾンさん、ちょっと私、諸用ができたので席を外します」
「いや、私達も共に行こう。敵が複数なら助っ人は多い方がいいだろう」
「今の会話を聞いて何もしなかったら仮面ライダーの名が廃るしな」
「アマゾン サナエ トモダチ。トモダチ タスケル トウゼン!」
「皆さん……ありがとうございます!」
早苗は三人の言葉に感激しながら勢いよく頭を下げ礼を言う
「そうと決まれば急ごうぜ。天狗の嬢ちゃん、案内を頼む」
「は、はい!」
妖怪の山 山道
守矢神社へと続く長い石段ではオルタナティブに変身した文(以下O文)とその契約モンスターであるサイコローグことローグが突然現れ襲ってきたライダー達と戦っている
そのライダーはサイガ、ザビー、シグルドの三人でアクセルベント以上の速さを持つザビーのクロックアップに苦しめられていた
「俺は人間を超えるんだぁぁぁ!」
「ZECT以外のライダーなんて所詮こんなもんだよなぁ!」
「Hey Bee and Cherry shut up. You guys noisy.」(おい、黙ってろサクランボと蜂。君達うるさいんだよ)
※ここから英語の台詞は《》の中で日本語で表記されます。これも全て台詞が浮かんでも翻訳できるほど英語能力が無い作者のせいです。本当に申し訳ございません
「くっ、何回も見たことがありますがやはりクロックアップは厄介ですね。ローグ、そっちは無事ですか?」
「気絶した白狼天狗は全員回収しましたが、あの白いのも飛んでいる時は高速移動が使えるようでかなり厄介ですよ」
O文はサイコローグの脚を模した刃の部分に棘が生えた両手剣、スラッシュダガーを杖のように支えにしながら肩で息をしている
ローグもいつもの燕尾服姿だがそれも所々ボロボロで両脇に気絶した白狼天狗を抱えている
《妖怪少女に執事、君達もそろそろ身体が限界だろう?ギブアップした方が身の為だよ》
「? ローグ、今あいつなんて言いました?」
「お前らも身体がそろそろ限界だろうからとっとと降参しろ、と言ってますよ。やれやれ、いくら契約者が阿保なパパラッチ天狗だとしても酷い言われようですね」
「本当そう、って誰が阿保なパパラッチ天狗ですか!パパラッチはともかく阿保じゃないですよ、私は!」
「普通この状況なら逃げだしますよ。それをしないような貴女は阿保だと言うんですよ。ま、それに付き合う私も同レベルの阿保なんでしょうがね」
「ペットは飼い主に似るってやつですね」
「ええ、ペットは貴女の方ですがね」
「んなっ!?それは普通逆でしょう!貴方は私の部下じゃないですか!」
「実際手綱を引いてるのは私でしょう?」
《なあ、痴話喧嘩をするなら他所でやってくれないか?もしくは、見せつけてるのかい?》
白を基調とした姿にギリシャ文字のΨをイメージしたデザインに流れる青いフォトンブラッドが目立つ仮面ライダー、サイガの発言からO文とローグは痴話喧嘩を始めてしまい呆れたように出たサイガの台詞にローグがムッとした顔で言い返す
《うるさいですね。こちらとしてはそっちが何処かに行ってほしいんですよ。それともこの程度の時間を待つこともできないんですか?》
《ああ、僕じゃなくて後ろの二人がね》
「俺を無視するなぁぁぁ!」
「イチャコラしてんじゃ、ねえよ!」
サイガの言葉と同時にバーサク状態のザビーとシグルドが襲いかかってきた
「文!この二人をお願いします!」
「ちょっ!?ローグ貴方どうするつもりですか!?」
「ここは私が食い止めますからその二人を早く安全な場所へ!」
ローグはO文に両脇の白狼天狗二人を投げ渡すと元の姿であるサイコロのような顔から複数のパイプが伸びたコオロギ型のミラーモンスター、サイコローグへと姿を変え襲いかかってきた二人の前に立ちはだかる
「シュコォォォォ!!」
「うぐぁぁ!?」
「ぐお!?」
《うわっ!?》
ローグは顔の穴から弾丸を発射しサイガ達を怯ませる
爆発で土煙が舞い上がり三人の姿が見えなくなるとローグはO文に早く行けとジェスチャーをする
「すぐ戻りますからね!」
そう言ってO文は背中から黒い烏天狗の翼を出すと全速力でその場を離れる
しかしその瞬間ローグの耳に今最も聞きたくない音声が届いた
『Clock Up』
クロックアップを使い周りのスピードがスローになるほどの高速移動をするザビーは煙から飛び出し飛び去っていこうとするO文にザビーは走り寄り両手を組むとそのままO文の背中に振り落ろし石階段に叩きつける
『Clock Over』
「かはっ!?」
「シュコ!?」(文!?)
クロックアップが解けザビー以外のものも普通のスピードとなる。O文は叩きつけられた衝撃で抱えていた二人を離してしまいさらにダメージが蓄積し過ぎていたせいで変身も解けてしまう。文はそのまま背中をザビーに踏みつけられ苦悶の声をあげる
「く、うぅ……」
「このまま、死んでもらうよ」
「シュコォォ!」(貴様、文から離れろぉ!)
《おっと、君の相手は俺たちだぜ。執事君》
「退治してやるよ化け物ぉ!」
ローグは文の元へ行こうとするがそれをサイガとシグルドは阻み二人掛かりで攻撃してくる
その光景を尻目にザビーは左手のザビーゼクターの背中のボタンを押し拳を足元の文へと向ける
『Rider Sting』
「化け物は化け物らしく大人しく退治されろよ」
「やめろおおおお!!」
人間の姿に戻ったローグが叫ぶがザビーの拳は一切の躊躇なく文の背中へ振り下ろされる
「「ライダー、ダブル、キィック!!」」
「はっ!?ぶげらあ!?」
しかしザビーの拳は文の背中へ届かずザビーの顔面に二つの蹴りが突き刺さった
そして蹴られたザビーはそのまま吹き飛び空中で爆発し文の近くに蹴った本人達である仮面ライダー1号,2号が降りたつ
《何者だい、君達?》
《俺達は、世界の平和を守る仮面ライダー。仮面ライダー1号!》
《同じく、仮面ライダー2号!》
「アマゾン!」
声高く三人のライダーは名乗りを上げ1号はビシッとサイガ達を指差す
《貴様らのような悪党を野放しには出来ん!ここで引導を渡してやる!》
《へえ、やれるもんならやってみなよ》
「……なんて言ってるのか全然わからない」
遅れてやってきたライジングイクサに変身した状態の早苗(以下RI早苗)は英語だらけの会話に一人取り残され殺気立つ周りの雰囲気の中、仮面の下で少し涙目になるのだった
「キキー!卑怯なこと よくない!」
「俺に指図してんじゃねええええ!!」
アマゾンがシグルドと対峙するとアマゾンの言葉を命令や指図と取ったシグルドの琴線に触れめちゃくちゃにソニックアローを振り回す
「動きが単調過ぎて見え見えですよ!」
「ぐああ!?」
そこをRI早苗はイクサライザーで撃ち抜きシグルドを仰け反らせる
「舐めた口、聞いてんじゃねええええ!」
『ロックオン』
『チェリーエナジー!』
シグルドはチェリーエナジーロックシードをベルトから外すとソニックアローに付けサクランボ状のエネルギーを纏ったエネルギーの矢を放つ
「アマゾンさんバックアシストお願いします!」
「ワカッタ!」
RI早苗はイクサライザーのライザーフエッスルをイクサベルトに挿しこむとイクサナックルを押し込みイクサライザーから太いエネルギー波、ファイナルライジングブラストを放つ。そのパワーの反動でRI早苗は吹き飛ばされるが空中で一回転し後方にいたアマゾンが飛んできたRI早苗をバレーのレシーブのように組んだ両手で上へ上げる
シグルドの放った矢とファイナルライジングブラストがぶつかり合いその衝撃でシグルドは下が石段だったこともありバランスを崩すが上に飛んでいた為RI早苗はほとんど影響を受けずシグルドの真上を取っていた
『イ・ク・サ・カ・リ・バ・ア・ラ・イ・ズ・アッ・プ』
「やあああああ!!」
カリバーフエッスルをイクサベルトに挿しこむとイクサカリバーに全エネルギーがチャージされRI早苗はイクサカリバーを落下しながら振り下ろすと刃はシグルドを縦一直線に斬った
「がああああ!?あああ……あ、あ……俺は、に、んげんを超え……」
シグルドは最期にそう言いながら爆発しRI早苗はスタッと着地しアマゾンに向かってサムズアップしアマゾンもサムズアップで返す
「さすがアマゾンさん!ナイスレシーブ!」
「サナエもいい動きだった」
アマゾンとRI早苗がシグルドを倒したその頃1号達の方は……
「くっ!空中でなんて素早い動きしやがる!」
「そのうえ飛び道具か。厄介な敵だ」
《どうした?伝説の1号、2号ライダーっていうのはこんなものなのかい?》
サイガのフライングアタッカーによる上からの銃撃に苦戦していた。1号、2号も何度も空を飛ぶ敵とは戦ったことはあるがそれらの敵はほとんどがそこまで速度のなかったり直接攻撃してくるタイプだったため対処法が見つからず攻めあぐねていた
「せめて奴を空中から叩き下ろせれば……」
「ならその任……私が受けましょうか?」
後ろからかけられた言葉に振り向くと声の主は先程まで倒れていた文だった。意識は回復したようだがダメージが大きいこともあり人間態のローグに肩を貸してもらっている
「君は……確か文?さんだったか」
「はい、そしてこっちは私の契約モンスター兼助手のローグです。私ならあいつを空中から引きずり落とすまではいかなくても動きを止めるぐらいならできますよ」
「失礼だがそんな身体でできるとは到底思えないが……」
「なーに、腕一本動くなら問題ないですよ。それにさっきやられた分の仕返しもしてやらないと私の気がすまないんですよ」
気まずそうに文を見る1号だが肩を貸しているローグの方に顔を向けるとローグは申し訳なさそうな顔でお願いしますと頼みこむ
「……わかった。なら任せよう。で、一体どうするんだ?」
「それは私個人の能力を使います。ゴニョゴニョゴニョゴニョ……」
「なるほど、それなら俺達の力も強化できる。よし、よろしく頼むぞ」
ちなみに1号と文が話し合っているその間2号は……
「当たりやがれ!おら!おら!」
《そんな眠くなるようなスピードじゃ100発投げても当たらないよ》
石段の周りの木を折って投槍のごとく投合しまくっていた
当然かなりのスピードで投げられるといってもそれは普通の人間などから見てのもの。いくら投げてもそれらは高速で飛び回るサイガには当たらず空を切って地面に落ちるのを繰り返している
「今だ!」
「そおりゃあ!!」
《なんだ!?竜巻!?》
1号の合図で文が天狗の葉団扇と呼ばれる赤い葉団扇をサイガに向けて力一杯扇ぐ。すると風を起こす葉団扇の力と文の『風を操る程度の能力』が合わさり人を十人は巻き込めそうな竜巻が巻き起こり虚を突かれ一瞬動きの止まったサイガを呑み込む
《フライングアタッカーの制御が……!?くそ!コントロールできない!》
「一文字!いくぞ!」
「なるほどな、そういうことか!」
1号と2号は同時に竜巻の中に飛びこむと二人のベルトの風車、タイフーンが竜巻の風圧を受けて回り二人の身体へエネルギーを送る。そのエネルギーは電光ライダーキックのように1号と2号の脚に光となって纏われバチバチと音を立てる。二人は風に乗るようにキックの体制で竜巻の流れに合わせて回りサイガへと迫る
「電光ライダー!」
「竜巻キィーック!」
《この僕が人間なんかにぃぃぃ!?》
竜巻の流れに合わせ二人のライダーキックは同時にサイガの身体に突き刺さり貫通するとサイガは爆発し二人は石段に着地する
「ふあー、やっぱり伝説の1号さん、2号さんはすごいですねー。あんなやり方であのサイガを倒すなんてさすが初代ダブルライダーってやつですかね」
「センパイ ツヨイ。アマゾンも尊敬してる」
その様を見た早苗はアマゾンと1号,2号ライダーに賞賛の言葉を贈る
「いや、今回は文さんがいたからここまで早く勝てたんだ」
「ああ、俺達だけだったら正直危なかった」
「いえいえ、そんな私なんて」
「言葉の割に顔がにやけていますよ、文」
「ところで早苗さん、こちらの方々ってもしかして今朝急に現れました?」
「え?ええ、そうですけど」
「やっぱりですか。実は紀斗さんからそれに関するメールがきていたのを思い出しましてね。えっと……そうそう、これです」
文が取り出したケータイの画面の文面を見た文とローグ以外がこの後驚きの声をあげるのだった
今回の敵メンバーの共通点は高速移動に関係していること
サイガ→ファイズ アクセルとほぼ同じレベルの速さまで速く飛べる
ザビー→言わずもがなクロックアップ
シグルド→チェリーエナジーのジンバーチェリーなら高速移動を(鎧武が)使える。あと唯一ジンバーチェリーにボコされた
そして早苗は紀斗を思い出すからとイクサのアイテムとスタッグフォンをしまいこんでました。でも栄光の7人ライダーに対しては感動の方が勝ります
次回は同じ妖怪の山のにとりと甲、果たして誰に襲撃を受けているのか!
次回もお楽しみに!
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第十二幕 電車/ロマン
今回は今までずっと出そうとしていたあれが出ます。ちゃんと表現できてるか不安ですけど
それでは本編です、どうぞ!
妖怪の山 河童の里付近の川
ここでは甲が変身するG3-Xに似た赤い仮面ライダー、G6と鮫を模した水色の龍騎系ライダー、仮面ライダーアビスが戦闘していた
『STRIKE VENT』
「貴様らの判決は死刑!それ以外にありえん!」
仮面ライダーアビスが契約モンスターであるアビスラッシャーの頭部を模した手甲、アビスクローを装備するとそこから鮫の形をした水流弾を発射する
「悪いがお前の横暴な裁判に付き合ってられる程俺達も暇じゃないんだよ!」
G6は水流弾を背中に装備された展開式の大盾、GS-07 ゴーレムで防ぎさらに両肩にセットされたガトリング砲、GX-08 オルトロスを連射しアビスの身体にダメージを与えていく
「ぐあああああああ!?」
「トドメだ!」
そこへ手榴弾型の武器、GB-09 グレムリンのピンを抜いて投げつけるとアビスの目の前でそれは爆発しアビスは塵すら残さず消滅した
「はあ、はあ、これで倒したライダーは三人か。煌鬼、G3-MILD、アビス、どいつもライダーのシステムとかでは一貫性は無いが今のところ遭遇して敵対してきた奴は全員気が触れてやがる」
甲は装備を一旦外すと近くの木に寄りかかりマスクを外す
そのままそこで体を休めていると三人のライダーが甲の側に寄ってくる
「そっちも片づいたのか」
横からかけられた言葉に振り向くとそこにはキングライナーを模したオーラアーマーを纏った電王 ライナーフォーム、緑色の二頭の牛を模した複眼のゼロノス、胴体にターンテーブルのようなオーラアーマーとそこからデンレールが伸びているNew電王の三人が立っていた。甲は慌てて立ち上がるとビシッと敬礼する
「お疲れ様っす!侑斗さん!良太郎さん!幸太郎さん!そちらももう終わったんですね!」
「ああ、グレイブ、ラルク、ランスの三人を倒した。あとその敬語やめてくれないか?年上の人にそんなキラキラした目で敬語使われるとなんかむず痒いんだが」
「あんまり僕達そういうの慣れてないしね」
「爺ちゃん、それはむしろ慣れてる人がいたら凄いと思うよ」
「いや侑斗さん達、先輩ライダー達は俺が尊敬している存在でもあるわけですから。つい敬語に……」
「だが俺達はあんたの友人の力から生まれた贋作だぜ?」
「それでもですよ。俺があなた達を尊敬してることに変わりはないんですから」
「ほんとあんた変わってるな」
「まあ、侑斗を含めて僕達も相当変わってると思うけどね」
「確かにね」
そんな風に談笑していると甲は電王達が来た方向とは逆の方向から背中や膝など身体のあちこちに甲羅がついている河童型の龍騎系ライダー、幻浄に変身したにとり(以下Gにとり)が走ってくるのに気づいた
「おーい、にとり!どうしたんだ?」
「妙に急いでいる、というか全速力でこっちに来てるな。何か大変なものでも見つけたのか?」
「こ、甲!皆!逃げてーー!!」
「え?」
Gにとりを見ていた四人のうち誰がその一言を口に出したかはわからない。だがその一言が発せられた瞬間Gにとりの後方からドドドドドという何かが駆けてくる音が聞こえてきた
そしてGにとりの後方の林を壊しながら現れたのは巨大な炎でできた異形の仮面ライダーだった
「グオオオオオオオオオオ!!」
「な、なにぃぃぃぃ!?」
「仮面ライダーコア!?こんな奴まで!」
「と、とにかく一旦逃げよう!このままじゃ僕らも轢かれちゃうよ!」
「にとり!なんであんな奴連れてきてんだ!」
「こっちだって好きで連れてきたんじゃないよ!恭介変身態を倒したらいきなり現れて追いかけてきたんだよ!」
Gにとりを含めた五人は全速力で走りなんとかコアを引き離そうとするが下半身がバイクに変形しているコアのスピードはかなりのもので徐々に甲達との距離は離れるどころか近づいてきている
「くそ!流石にスピードが違いすぎるか!こうなったら……にとり!あれ使うぞ!」
「しょうがないね!でもスイッチは?」
「こうする!」
甲はG3-Xと同じGM-01 スコーピオンを片手に持つと近くの木を撃つ。すると甲達の走っていた地面が急に滑り台のように下がり五人は地下へ滑り落ちていく
『うわああああああ!?』
「グォォォォォォォ!!」
五人が滑り落ちると同時に地面は元に戻りコアはそのまま暴走したまま走り去っていった
「いてて……なんなんだよこれは?」
「地面にあんな仕掛けを作ってあるなんて。まさかここら辺一帯こんな仕掛けがあるの?」
「はい、河童の里周辺は侵入者対策のトラップやすぐに俺達が管理している開発室へ行ける地下通路があってこれもその一つなんです。ただ本来は中か外から設置されたスイッチを押すんですけど今回は外に一人だけ残るわけにもいかないんで荒っぽくいきました」
「なるほどね、さっき木を撃ったのはあれがカモフラージュされたスイッチが設置されていたからか」
「ま、さっきので多分あのスイッチも壊れちゃっただろうしこの異変が終わったらまた作り直さなきゃね」
五人が地下通路を進んでいくと開けた場所に出てGにとりが近くのスイッチを押すとその部屋の照明の明かりが一斉につく
開発室は東京ドーム二個分並みの広さがあり幻想郷では珍しく壁や床は全て金属になっている。そこに堂々と鎮座するのはミサイルやドリルが装備された装甲列車のゲンライナーと電王の四フォームを模した四種類のデンライナー、ゼロライナーだった
「こ、これはデンライナー!?」
「しかもゴウカだけじゃない。イスルギやレッコウ、イカヅチもある」
「ゼロライナーもナギナタとドリル、両方あるな。それと一つ知らないのもあるが」
「あれはゲンライナー、わたし達が財団Xから掻っ払って改造したのさ。おかげで今じゃデンライナーと同じようにフリーエネルギーを扱えるようにもなったよ」
Gにとりと甲の言葉に電王組の三人は唖然とする
「そ、それでこのデンライナー達でコアを倒すのか?」
「それは間違ってないんですけど俺達がやろうとしてるのは普通のじゃないですよ」
「それってどういうこと?」
「まあ、とにかくデンライナーに乗ってください。あ、一人一人別のやつでお願いしますね」
甲の言葉に三人は首を傾げるが甲は質問に答えずそれぞれ別のデンライナーに乗るよう言う
「だ、だけどここにあるのは6台だろ。一人一人乗っても一台余るぞ」
「あ、それなら問題無いですよ。にとり」
「あいよ。ゴジョウ!」
『ADVENT』
「はいはいよっと」
Gにとりが右手に装着している河童の皿を模した召喚機、カッパバイザーにアドベントのカードを入れるとGにとりの前に鏡が現れそこからにとりの契約モンスターである河童の姿をしたミラーモンスター、サガッパが現れすぐに人間態である緑色の忍者装束にゴーグルを付けた素顔が全くわからない男の姿になる
「ミ、ミラーモンスターが忍者になった!?」
「どうも、にとりの契約モンスターやってますサガッパことゴジョウです。どうぞよろしく」
「あ、うん、よろしく」
「って、そんな呑気に挨拶してる場合か!コアが周りに被害を増やす前にとっとと行くぞ!」
ゼロノスが皆を急かすとそれぞれデンライナーとゼロライナー、ゲンライナーに乗りこみ運転室のバイクや席に乗る
ちなみに乗った種類は電王がゴウカ、Gにとりがイスルギ、New電王がレッコウ、ゴジョウがイカヅチ、ゼロノスがゼロライナー、甲はゲンライナーにそれぞれ乗りこんだ
「それじゃ、出口開けますよ」
甲が操縦桿近くのボタンを押すと天井が開いていきデンライナー達の床がせり上がってゆく
床が地上より5mほど上の位置で止まるとデンライナー達の前にフリーエネルギーにより生み出された線路が現れいつでも発進可能な状態となる
「デンライナー全車両発進!」
甲の声と共に全てのデンライナー、ゼロライナー、ゲンライナーが空中へ線路を作りながら発進し爆走するコアの元へと空を駆けていく
「オオオオオオオオオ!!」
「見つけた!北西200m先!」
「わかった!皆さん、バイクの青いボタンを押してください!」
「これだな!」
六人が青いボタンを同時に押すとそれぞれの車両に変化が起きる
まずゲンライナーのニ,三号車が先頭の車両の両横に連結するとそのニ、三号車の上に四、五号車が乗りキャノン砲のような砲身となる。さらに一号車のドリルの下部分から顔が現れドリルが顔が現れた方向に曲がりリーゼントのようになる
次にイカヅチが半分に前車両と後部車両で折れ二つに分かれると腹が開きゲンライナーの顔から下を挟み龍の顔を胸に持つ胴体となる
イスルギは先頭車両がイカヅチが変形した胴体の左と連結し後部車両の後ろから手が出てきて左腕となる。さらに海亀の形をしたレドームが盾のように展開される
ゼロライナーはドリルとナギナタで別れナギナタは回転翼を展開した状態で胴体の背中に合体し飛行ユニットとなる。ドリルは牛の顔が回転しドリルと入れ替わると後ろの部分が胴体の右側に連結し手がドリルになっている右腕となる
ゴウカは先頭車両以外の三車両が離れそれぞれ人間でいう股関節と左右の腿となり先頭車両はデンオウレッシャーの時のように足の形に折り曲がり右の腿部分の車両と合体し右脚となる
レッコウはゴウカの先頭車両と同じように折り曲がり左腿部分のゴウカの車両と合体し左脚となる
内部ではそれぞれの列車の操縦席が中心の胴体内部へと集まり六人が一箇所に集結し完成したロボが立ち上がると完全に合体完了した
「完成!ハイパーゲンライオー!」
「……おい、いつからデンライナーはスーパー戦隊のロボ達の仲間入りをしたんだ」
「ま、まあまあ侑斗、モモタロスからの話だとゴウカだけなら以前スーパー戦隊のロボと合体したこともあったらしいし」
「テディ、今、俺の中の常識が音を立てて崩れていったよ」
「おいおいにいちゃん、このくらいで現実逃避してて大丈夫か?」
ゼロノスは頭に手をやり項垂れNew電王は天井を見上げながら少し白くなっているがそれを電王が前例を出して慰めゴジョウが意識を現実に戻させる
そして補足だがこのハイパーゲンライオー、元のゲンライオーだけの状態でも10mくらいの大きさだったがデンライナー達と合体したことで40m程の大きさとなってしまい現に山に直接降りれず足の下にフリーエネルギーの線路を敷いてその上に立っている。そして対するコアは10mより少し大きいくらい。はっきり言おう、大きさが違いすぎる。初期のガンダム(18m)でジュウレンジャーの大獣神(42m)に挑むようなものである。
しかし暴走しているコアにはいくら相手が大きかろうとそれで逃げるという選択肢は持たない。コアは口から熱線を吐きハイパーゲンライオーの顔を狙う
「効くか!イスルギシールド!」
しかしその熱線は左腕のイスルギで展開されているレドームを目の前にやり熱線を防ぐ。しかもレドームの表面には少し焦げ跡がついただけでダメージはほぼ無い
「今度はこっちの番だ!ゴウカランチャー!」
「グウオオオオオオ!?」
ハイパーゲンライオーが右脚のゴウカを前に出すと右足と右腿部分からゴウカノンとドギーランチャーが顔を出しそこからフリーエネルギーの光弾と威嚇ミサイルをコアに向けて発射する
コアはその攻撃のダメージを少しでも防ごうと両腕を顔の前でクロスさせるがダメージを殺しきれず後方へ吹き飛ぶ
「まだ終わらねえぞ!レッコウスラッシュ!」
さらにハイパーゲンライオーは左脚をコアに向けて大きく振るとレッコウの頭の刃から黄色の三日月状の斬撃が飛ばされる
「グアオゥ!」
しかしコアは口から再び熱線を吐き斬撃とぶつけ爆発させて無効化し爆発による煙でコアの姿が見えなくなる
「くそ、うまく躱された!」
「煙で姿を隠したか。気をつけろ」
ハイパーゲンライオーは身構えいつ襲ってきても対処できるようにしたその瞬間
「グオオオオオオオ!!」
「なっ!?こいつしがみついてきやがった!」
煙の中から勢いよくコアが飛び出してきてハイパーゲンライオーの顔面にしがみついてきて右腕でハイパーゲンライオーの顔面を殴りつける
「この!離れやがれえ!」
「グアア!?」
ハイパーゲンライオーは右腕のゼロライナー ドリルでドリルを回転させながらコアの脇腹を殴る
殴り飛ばされたコアは回転しながら地面に激突するとその上半身が地面にめり込み苦悶の声をもらす
「トドメだ!滅殺のライナーズストリーム!!」
「グ、グアアアアアアアア!?」
そこへハイパーゲンライオーは両肩の砲台と右腕のドリル、左腕のレドーム、右脚のゴウカノン、左脚の刃、胸の龍の顔から一斉に極太の光線を放ちそれは進みながら混ざり合い虹色の光線となりコアを呑み込んだ
その威力にコアは耐えきれる筈もなく爆発しそこには焼け溶けた地面と燃える木々だけが残された
「……ここまでやる必要あったのか?」
「正直ちょっとコアがかわいそうだったかも……」
「これはさすがに俺も素直に同情するよ」
電王組三人の言葉に甲は頭を掻きながら申し訳なさそうな声をだす
「いや、だって中々でかい敵って現れなくてやっと完成したこいつもお披露目したかったもんで。つい……」
「あ、そういえば……」
「ん?どしたのゴジョウ」
何かに気づいたゴジョウにGにとりが声をかける
「いや、コアを倒したあそこらへんの地下も確か研究室の一つだった気が……」
「「あ……」」
ゴジョウの言葉に同じ言葉を発した甲とGにとりだが二人の次の反応は方や顔を蒼白にさせ方や怒りで顔を赤くするという仮面をしていてもわかる程の反対の反応をした
そしてこの後ハイパーゲンライオーの中から甲の悲鳴が響いたがそれを助ける者は誰もいなかったという
今回は暴走ライダー達のミニ収穫祭みたいに一気に狩りました。このくらいやっとかないとどんどん大変になるからね。ちなみに味方してくれてる電王組三人にはちゃんと事情も説明してあります。
そして今回の目玉はやはりハイパーゲンライオー。ゲンライオーが第一部で出た時からずっと考えてました。ゲンライオーを基点にデンライナー達とゼロライナーが合体するわけですがこれにまだガオウライナーやネガデンライナー、スカルライナー、キングライナー、鬼の戦艦まであるという。……出せるかなこれ
次回もお楽しみに!
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第十三幕 紅/鏡 前編
気を取り直して今回は題名で分かる通り紅魔館です。出るライダーも大体分かるだろうなあ……
まあ、とにかく本編です、どうぞ!
吸血鬼、レミリア・スカーレットを主としその従者である十六夜 咲夜や紅 美鈴達が住む外観も内装も目が痛くなる程赤い館、紅魔館
普段から割と騒がしいこの館だが、今日は一段と騒がしくなっている
「ウィン、今日はやけに騒がしいわね。館内で何かあったの?」
紅い玉座に座りワインを飲みながら自分の契約モンスター兼従者のウィンに質問するのは背中から蝙蝠のような黒い羽を生やした見た目幼女(実年齢500歳以上)の吸血鬼、レミリア・スカーレット
「どうやら先程申し上げた紀斗様から抜け出たライダーが館内にも出現したらしくそれのせいかと。それとその内の一体を連れてきてあります」
「おい、離せよ!あんたら一体なんなんだよ!ここはどこなんだ!」
ウィンが手に持った鎖を引っ張ると廊下からその鎖に縛られた状態の鉄仮面の奥に赤い瞳を持ち左手には契約モンスターであるドラグレッダーを模したガントレット型の召喚機を付けた仮面ライダー、龍騎が引きずられながら部屋に入ってくる
「仕事が早いわね。流石うちの二大メイド長の一人になっただけばあるわ。それにしても龍騎ねぇ……美鈴も変身するけどやっぱり少し間抜けな雰囲気がするわね」
「間抜けな雰囲気ってなんだよ!っていうか俺の質問に答えろよ!」
「ところで、そこの扉の影に隠れてるお二人さんは入ってこないのかしら?」
レミリアが部屋の扉の方を見ながらそう言うと扉の影から蝙蝠を模した騎士のような黒に近い紺色のライダー、ナイトと白鳥を模した白い女性のライダー、ファムが現れる
「真司、無事?拷問とかされてない?」
「気づかれてたか。一応気配は消してたつもりなんだがな」
「蓮、美穂も!助けに来てくれたのか!」
「その程度の気配の消し方で気づかれないと思ってたなんてとんだロマンチストね。一般人相手には気づかれなくても戦場を体験したことのある者なら一発で気づくわ」
「子供がいっぱしの口をきくじゃないか。まさか戦場で産まれたとでも言うのか?」
「お、おい蓮、俺が捕まったままなんだからあんま挑発するなよ」
「私が子供、ね。そんなことを言うのは外見だけ見てそのものの本質を捉えていないなにより証拠よ。こんな姿だけれど、私はあなた達よりずっと年上なの」
「その年でそんな妄想まで持っているとはかなり重傷だな」
レミリアの発言にナイトが言い返した瞬間ナイトの首元にはウィンのウイングランサーが突きつけられていた
「いくら私の元契約者の精神を持っているといってもそれ以上のお嬢様への侮辱は許しません」
「っ!?」
「あれはウイングランサー!?」
「なんでこいつの武器をその子が持ってるのよ!」
「元契約者の精神?お前もその子供も一体何を言っている!何を知っているんだ!」
レミリアはワインを一口飲むとナイト達に呆れたような視線を送る
「これだけのヒントがあってもまだウィンの正体がわからないの?もしくはわかっているけど理性がそれを否定しているといったところかしら。いいわ、ウィン、貴女の正体を見せてあげなさい」
「かしこまりました、お嬢様」
ウィンは返事をするとウイングランサーを捨て空中で一回転すると黒い蝙蝠型のミラーモンスター、ダークウイングへと姿を変える
「ダ、ダークウイング!?」
「人間が……ミラーモンスターになった……」
「いや、逆だ。ミラーモンスターが人間の姿になっていたんだ」
「そんな……これ本当に現実?ドッキリとかじゃなくて?」
ウィンがダークウイングの姿になったことに三人は驚き特にファムはありえないといった反応をするがそれを見たレミリアはふう、とため息をつく
「非現実的なことを受け入れるのに一番邪魔なのは本人の中の常識ってことね。自分の中で決めつけた枠外の事に直面するとその現実を否定したがる。これだから頭の固いやつは面倒くさいのよ」
「いきなり人間がミラーモンスターに変わったのよ!こんなありえないことをそう簡単に受け入れられないわよ!」
「そう、そっちの二人は割と受け入れてるみたいだけれど?」
「ええっ!?」
ファムが龍騎とナイトの二人の方を見ると二人は関心したり興味深そうにしているだけでファムのように取り乱してはいない
「まさかミラーモンスターが人間になるなんてな。驚きはするが目の前で見せられた以上さすがに信じるしか無いだろう」
「それにしてもダークウイングがあんなに美人になるなんてなー。俺のドラグレッダーならどういう風になるんだろうな」
「あ、あんた達なんでそんなに冷静でいられるのよ!こんなこと普通じゃないでしょ!」
「いや、だってライダーやミラーモンスターの時点でもうなんでもありだと思ってるし……」
「そうだな、ライダーなんて知った時点で常識をぶち壊されたも同然だからな。今更受け入れられないと騒ぐのもばからしい」
「……何よそれ、それじゃあ一人慌ててる私が馬鹿みたいじゃない。もう、普通ならそういうのは真司の役目でしょー」
「おいそれって俺が馬鹿みたいってことかよ!」
「おい、違うだろ。霧島、こいつは馬鹿みたいじゃない」
「蓮……」
「馬鹿そのものだ」
「お前なぁ!」
二人の言葉にファムは自分一人で騒いでたのが馬鹿らしくなりため息を吐くと三人で騒ぎ始める
その結果レミリアとウィンは放置される形となり人の姿に戻ったウィンがレミリアを見ると涙目でプルプル震えていた
(いけない!お嬢様がほっとかれてカリスマブレイクしかかってる!カリスマが壊れる前に彼らの気をこちらに戻さなければ!)
「んんっ!あなた達、自分達から話を脱線させすぎではありませんか?」
ウィンが咳払いをするとようやく三人もハッとこちらに向き直り(一人は縛られたままだが)レミリアも瞬時にカリスマを取り戻す
「す、すいません。結局ここはどこなんすか?あんたらも一体何者なのか、どうして俺達がここにいるのか。教えてくれませんか」
「教えてもいいけれど、タダでとはいかないわよ?」
「あいにくだが俺達は今金なんて持ってないし、そうすぐに用意することも不可能だぞ」
ナイトの言葉にレミリアは高圧的な笑みを浮かべフッと鼻で笑う
「別に金なんていらないわ。言い方が悪かったわね。私が言いたいのは情報と引き換えに私に傭兵として雇われないかってことよ」
「傭兵だと?それは今の俺達の現状に関係あるのか?」
「ええ、関係あるわよ、多いにね」
レミリアの一言にナイトは顎に手をあて少し考えこむがすぐに顔を上げ答える
「わかった。ならその話、受けよう」
「おい蓮!そんな簡単に決めていいのかよ!」
「今は少しでも情報が必要だ。それに大金を持ってこいと言ってるわけじゃないんだ。のまないわけにはいかないだろう」
「そ、そうだけど……」
「もう、真司は馬鹿なんだからそこまで深く考えなくていいのよ。あんまり考えすぎると老けるわよ?」
「話は纏まったようね。それじゃ説明するとしましょう『ギャオオオオン!』「のわあああああ!?」
レミリアが説明を始めようとした瞬間レミリアの後ろの窓のガラスから黒いドラグレッダー、ドラグブラッカーが飛び出し龍騎を咥えて別の窓に入りミラーワールドに連れ去ってしまった
「「真司!?」」
「ドラグブラッカー……白玉楼のとこのじゃないわね。まったく、余計な手間を増やさないでほしいのだけれど」
レミリアはドラグブラッカーが消えた窓のガラスの奥に映る黒い龍騎、リュウガを睨みながら呟くとグラスに残ったワインを飲み干し空のグラスをテーブルの上に置く
そしてウィンからナイトのカードデッキを受け取ると椅子から降りドラグブラッカーが消えた窓の前に立つ
「あまり時間はかけたくないから私も手伝ってあげるわ。変身」
レミリアはドラグブラッカーが消えた窓のガラスに自分のナイトのデッキをかざすとレミリアの腰にベルトが装着されベルトの窪みにデッキを挿れる。
すると幾つものナイトの虚像がレミリアに重なりレミリアは仮面ライダーナイト(以下Nレミリア)に変身した
「やっぱりそのダークウイングはお前の契約モンスターだったか。なら変身できるのは当然か」
「同じライダーが二人いるとどっちがどっちだがわからなくなるわね……」
「情報は奴を追いながら教えてあげるわ。さ、行きましょう」
Nレミリアの言葉に二人は頷くとミラーワールドへ入りドラグブラッカーを追うのだった
同時刻 紅魔館 廊下のミラーワールド
ここでは人間でありながら紅魔館の二大メイド長を務め『時を操る程度の能力』の能力者、十六夜 咲夜が変身するオルタナティブ・ゼロ(以下O咲夜)と青と銀色の虎を模したライダー、仮面ライダータイガが戦っている
「先生、僕が更に英雄になる為に……また犠牲になってください」
「だから!私はあなたの言う先生じゃないって言ってるでしょ!」
タイガは両腕に装備したデストワイルダーの両腕を模した巨大な鉤爪、デストクローをO咲夜に向けて振り下ろしO咲夜はそれをスラッシュダガーで受け止める
「いきなりミラーワールドから不意打ちしてきたから変身したけどその途端先生、先生ってなんなんのよあなたは」
「先生……先生は僕が英雄になるのを応援してくれましたよね?」
「まったく会話が成立しないわね!」
タイガは先程、咲夜が変身しオルタナティブ・ゼロの姿になった途端何かのスイッチが入ったかのように先生……先生……とうわ言のように呟いている。O咲夜がいくら言葉を投げかけても返す返事は英雄に関してや犠牲になってくれなどという答えにならない返事ばかり
会話になっているようでなっていない。相手の言葉を理解しているようでしていない。他の暴走しているライダー達は叫んだり自分の欲望を吐露するだけで狂っているのがわかりやすい分このタイガのわかりにくい狂気は他の暴走したライダー達よりも一際大きく黒く不気味で歪な何かを放っていた
「先生を殺せば僕はまた英雄に近づける。僕のことを応援してくれた先生なら……また犠牲になってくれますよね?」
「ああもう鬱陶しい!」
『ACCEL VENT』
ずっとそんな狂気をあてられてO咲夜はイラつき乱暴にタイガの攻撃をさばく。更にアクセルベントを使い高速移動を可能にするとタイガの身体を何度も斬りつけラストに蹴りを入れる
「欠伸が欠伸で噛み殺せるほどに遅いわよ」
「ぐああぁぁぁ……あ…あ……」
アクセルベントの効力が切れるとタイガは蹴りと斬られた衝撃を一気に受け火花を散らし後ろに倒れる。よろよろと立ち上がるが息は乱れ動きは先程より緩慢なものとなっている
「先せえ……抵抗しないでくださいよ。先生はなるべく楽に逝かせてあげたいんだから。抵抗されたら苦しませちゃうじゃないですか」
『ADVENT』
「グォオオオオオオ!!」
「貴方なんかに殺されるのなら自殺した方がマシよ。それに、私は死ぬ時はお嬢様達に看取られてベットの上で逝くと決めてるのよ」
『ADVENT』
「シュコオオオオオ!!」
タイガが斧の形をした召喚機、デストバイザーにカードを挿れると対抗するようにO咲夜もカードバイザーにカードをスラッシュさせると近くの窓のガラスから二足歩行の白虎を模したタイガの契約モンスター、デストワイルダーとO咲夜の契約モンスター、サイコローグのサイが現れそれぞれの契約者の前で睨み合う
そして二人の契約モンスターがぶつかろうとした瞬間いきなり何者かがデストワイルダーに跳び膝蹴りをかまし吹っ飛ばした
「東じょおお……やっと見つけたぞ」
「佐野君……君も来てくれたんだね」
デストワイルダーを蹴り飛ばしたのはレイヨウを模した茶色のライダー、インペラー。原作の龍騎の佐野 満の精神を宿す彼は暴走状態の中、自分が一度掴んだ幸せを取り逃がしミラーワールドで消滅してしまった原因、仮面ライダータイガ、東條 悟への復讐のみを考えていた
「あの時、なんで俺を攻撃した?そのせいで俺は浅倉にデッキを壊されてミラーワールドで死んだんだ。お前があの時俺を裏切らなければ!」
「……やっぱり僕はトドメをさせてなかったんだ。ごめんね、今度こそ僕がトドメをさしてあげるから」
「とおおじょおおお!!」
そのタイガの言葉にインペラーの中の僅かな理性は切れた。インペラー、佐野 満の精神は良くも悪くも常人的だ。だが常人的だからこそ一時とはいえ手に入れた幸せを壊された怒りは激しい。幸せを手に入れ仲間もいたからライダーバトルでの勝機もあった。しかしタイガの裏切りでそれら全てを失った。もし彼が仲間も幸せも手に入れておらず一人だったならここまでの憎しみは抱かなかっただろう。心に希望を持ちそれが大きければ大きい程打ち砕かれた時の絶望や怒り、悲しみなどの負の感情は大きさや質を増す。その恨みにより動いている今のインペラーはタイガとはまた違った狂気を孕んでいた
『SPIN VENT』
「お前なんて助けなきゃよかった!恩を仇で返しやがって!!殺してやる!お前なんて!お前なんてええええ!」
インペラーは右手にギガゼールの頭部を模した手甲を装備し激しく攻め立てていく。タイガはそれをデストクローで防いでいくがO咲夜から受けたダメージのせいでなかなかペースを奪えずされるがままになっている
「そうか、君は僕を拒むんだね。なら……君がまだ僕の中で大切な人であるうちに君を殺さないとね」
「黙れえええ!!死ぬのはお前の方なんだよぉ!」
『『FINAL VENT』』
二人はほぼ同時にそれぞれの召喚機にカードを入れた。だがそれがインペラーの未来を決めてしまった
「! マガゼール達が来ないだと!?」
この幻想郷のミラーワールドには野良モンスターはいない。さらにこの幻想郷でのインペラーの変身者であるてゐも戦闘中の為ゼール達は全てそちらに出払っている。その為インペラーの元へ来たのは本来の契約モンスターであるギガゼール一匹のみであり集団戦法を得意とするインペラーにとってのそれは必殺技であるファイナルベントが致命的な隙を見せる技となってしまうことを意味していた
「くそ!やってやる!やってやるよおおお!!」
最早ヤケになったインペラーは飛び膝蹴りの体勢に入りギガゼールと共に突っ込むがその一人と一体の胴体を巨虎の屈強な両腕が捉えた
「がはっ!?が、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」
「グォオオオオオオ!!」
デストワイルダーはインペラーとギガゼールを引きずり紅魔館の廊下を爆走する。引きずられるインペラーとギガゼールの背中からは火花が散りなんとか抜け出そうとするともがくがデストワイルダーの巨碗のパワーに捩じ伏せられダメージが蓄積されていく。そしてデストワイルダーはUターンをしてタイガの方へインペラーとギガゼールを引きずっていくとタイガの両腕のデストクローがインペラーとギガゼールの背中を貫き持ち上げる
「かっ、はっ……また、はぁ、はぁ、こんな……終わりかよ……ぢぐしょおおおお!!」
血反吐を吐くような叫びを残しインペラーはタイガの狂爪に貫かれ仮初めの命を絶たれた。その身体ギガゼールと共に爆発し塵も残さずに消えた
「佐野君、ごめんね。でも、これで僕はまた英雄に近づけたよ。ありがとう」
そう言うとタイガは疲れた所を倒して漁夫の利を得ようとしてずっと見ていたO咲夜の方を向くと再びデストクローを構える
「逃げずに待っていてくれるなんてやっぱり先生は僕が英雄になることを応援してくれているんですね。安心してください。次は先生の番ですよ」
「馬鹿を言わないでちょうだい。私が逃げなかったのは貴方のような危険因子を排除する為。それに、お嬢様に仕える者が敵前逃亡なんて真似するわけにはいかないのよ」
虎の狂爪と擬似戦士の刃がぶつかり合おうとしたその瞬間新たな乱入者の参戦を告げる音が鳴り響いた
『FINAL VENT』
「!時よ止まれ【咲夜の世界】」
その音を聞いたと同時にO咲夜の頭の中でヤバいのが来るという警報音が鳴り響き自身以外全ての時を止めるスペカを発動した。O咲夜は自分のすぐ後ろにいたサイの首根っこを掴むと全速力でその場を離れ近くの階段を飛び降りた。そこで5秒が経ち世界は再び時を刻み始めるとO咲夜達が居た階の廊下がとてつもない轟音と爆発で支配された。ミサイル、砲弾、エネルギー弾、レーザー、様々な遠距離武器が廊下を蹂躙していく。高速移動も時止めも使えないタイガがそれから逃れられるわけもなく為す術もなく圧倒的暴力に呑み込まれた
「久しぶりに決まったなぁ、これ。でも片方には逃げられちゃったか。ま、以前の意趣返しができたから良しとするかな」
爆撃の後の廊下はあちこちが黒く焦げ大穴が開いている。その廊下の隅で横たわっているタイガは身体中が焦げ白銀色だった身体は煤け鈍い輝きを放っている
「そ……んな、僕が……こんな、とこ、ろで……。僕は……今度こそ……英、雄……に……」
その言葉を最期にタイガは完全に息を引き取りその身体は光のようになり消えた。そしてタイガにトドメをさした張本人、メカのような顔やアーマーの銃を持った緑色のライダー、仮面ライダーゾルダ。彼は今なんとかゾルダのエンドオブワールドから逃げのびたO咲夜と相対していた
「おたく、今取引って言ったよな?悪いけど俺と取引するならそれ相応のカードを持ってなきゃ話にならないよ?」
「今、この世界と貴方達に起きている異常。それについて……知りたくはありませんか?」
O咲夜の言った取り引きの条件に出されたのはゾルダ自身が今最も知りたかったこと。それを聞いただけでゾルダの雰囲気から拒絶する意思は消えた
「!……そりゃ確かにいいカードだ。それで、おたくは俺に何をしてほしいんだ?誰かの弁護か?それとも……」
「傭兵として、貴方を雇いたいのです」
「傭兵ね……。荒っぽいことはあんま好きじゃないけと、背に腹は変えられないか。わかった、あんたとの取引、受けるよ」
「ありがとうございます。それではご説明しましょう。今、この世界と貴方方仮面ライダーに起きている異変。その原因と現状について」
今回紀斗の中に帰ったライダーはインペラーとタイガ。病み具合激高の狂化EXなタイガ。はっきり言おう、こんな奴と友達どころか知り合いになりたくねえ……。そしてインペラーさんは復讐の鬼となりましたが野生のマガゼール達が存在しないので負けちゃいました。だが彼が負けたのも全部私のせいだ!ハハハハハ!
因みになんで紅魔館に龍騎系ライダー達かというと幻想郷で一番ガラスや鏡があるからです。確かに人里にもガラスとか写るものはあるでしょうがメガネとか水桶とか少ないでしょうしね
あと出てないライダー達でも今回のインペラーやタイガみたいに出てきたライダー同士で戦って倒れたのもいます。じゃないと出しきれないし……
次回は後編、龍騎はまたリュウガと一つになってしまうのか!そして他にも出てくるライダー達が!
次回もお楽しみに!
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第十四幕 紅/鏡 後編
今回は前回の続き、後編です。最初に言っておきますが今回は少し適当になっている部分があります。ご了承ください
それでは本編です、どうぞ
「俺達がその海堂って奴の力で生み出された偽物ねえ。やっぱり、俄かには信じられないな。そんな与太話は」
O咲夜がゾルダに今この世界で起きている異変の事情を全て話して最初に返ってきた言葉はそれだった
(まあ、普通の外の世界の人間ならそう言うのが普通でしょうね)
「ですがこれは紛れも無い真実です。信じられないと言うのなら証拠を見せる為に一度ミラーワールドから出ましょう」
それもそうかとゾルダも頷き二人は近くの鏡からミラーワールドを出る。そしてO咲夜はデッキをベルトから外し変身を解くがゾルダはいくら待っても自分の変身が解けないことに疑問を持った
「変身が……解けない?」
「それも私が先程説明したことを裏付けることの一つです。試しに私のようにデッキを外してみてください」
ゾルダは言われた通りにデッキをベルトから外すがやはり変身は解けず代わりに外したデッキが光のように消えるとベルトに装着された状態で姿を現した
「どうやっても変身は解けないってこと、か」
「はい、貴方方の本当の肉体はこの世界には存在せずその変身した姿の仮初めの肉体に貴方方のオリジナルの精神を模した精神を入れられているのです」
「ま、そりゃそうだろうな。本物の俺は本来ならもう死んでる筈だし」
「しっかし」と呟くと変身を解いた咲夜の姿をじろじろと見る。それに咲夜自身少し嫌そうに睨むがたいして効果は無いようでゾルダは気にせず咲夜の容姿を見ている
「まさかここまでの美人が変身していたなんてな。以前そのライダーに変身してた奴は男だった分驚きだ」
「おいこら、なぁに人の契約者いやらしい目で視姦してんだその頭のアンテナ引っこ抜くぞメカ牛変態野郎」
そこへいきなり着崩した執事服に身を包む茶髪のボサボサヘアーの男、人間態のサイが現れ咲夜とゾルダの間に割りこみゾルダをガンつける
「……いきなり割りこんできておたく誰よ。彼女の彼氏かなんかか?」
「あ゛?相棒だけどなんか文句あんのか変態野郎」
「お嬢ちゃん……大変なことやってるみたいだけどパートナーはちゃんと選ばないと駄目だよ。後々後悔することになるから。特にヤンキーなホスト崩れなんて最悪だよ」
「それは喧嘩売ってると見ていいんだな?OK、買ってやるよ表出やがれこの野郎」
一触即発状態の二人を見て咲夜は一つため息をこぼし呆れた様子でサイを諌める
「サイ、一応彼は私の雇った傭兵なのだから無駄な戦闘をしないでちょうだい。そういえばあなた、しつこそうなのまで連れて来ちゃったわね」
「ああ、どうせこいつの実力を見るんだ。ちょうどいいからそのまま泳がせてたんだよ」
サイと咲夜の振り向いた先のガラスに映るのは紫色のコブラを模した仮面ライダー、王蛇。彼は気だるげに首を回すとミラーワールドから出てきて召喚機である杖、ベノバイザーを咲夜達に向ける
「妙なのがミラーワールドにいると思って尾けてみたら思わぬ収穫だったな。会いたかったぜ……北岡ぁ」
「浅倉……。なあ、お嬢ちゃん。あいつと戦うのって、契約のうちに入るかい?」
「ええ、あの王蛇も紀斗から出た力の一部。契約の範囲内です」
「よかった。もし入ってなかったら俺、柄にもなく契約違反しちゃってたよ」
ゾルダと王蛇の二人は再びミラーワールドに入るとミラーワールドの紅魔館の庭に飛び降りそれぞれの召喚機を構え因縁の相手を睨みつける
しばらく睨み合っていた二人、先に動きだしたのは王蛇だった。王蛇はデッキからカードを一枚取り出すとコブラ型の杖の召喚機、ベノバイザーへ挿れそれと同時にゾルダの銃の形をした召喚機、マグナバイザーが火を吹く
『SWORD VENT』
王蛇の手元にベノスネーカーの尾を模した突撃剣、ベノサーベルが現れマグナバイザーから放たれた弾をそれで弾きながら王蛇はゾルダへと近づいていく
『STRIKVENT』
それに対しゾルダは一旦撃つのをやめるとマグナバイザーにカードを挿れマグナギガの頭部を模した手甲、ギガホーンを右手に装備する
振り下ろされたベノサーベルとアッパーのように繰り出されたギガホーンがぶつかり合う。しかし地力の差や上からの振り下ろしという有利な点のせいか最初のぶつかり合いは王蛇に軍配が上がりゾルダの上半身は屈むように下に下がる
そこへ王蛇は右足の蹴りで追撃を入れようとするがゾルダの左手に持たれたマグナバイザーが王蛇の右足を撃ち追撃は失敗、少し後ずさりをし体制を整えた
「はっはっは、楽しいなぁ、北岡。やっぱり戦いってのはこうでなくちゃいけない」
「うるさいよ、浅倉。俺はただお前との決着をつける為だけに今戦ってるんだ。戦いを楽しむ余裕も趣味も俺には無いんだよ」
『SHOOT VENT』
ゾルダはギガホーンを捨てるとマグナギガの腕を模したランチャー砲、ギガランチャーを装備し王蛇へと狙いを定め撃ち放つ。その砲撃を王蛇は走りながら避け再びゾルダへと近づいてくる
連続で放たれる砲撃に王蛇は少しの恐怖も感じさせず突っ込んでいく。彼の中にあるのは戦いの中での高揚感ともっと自分を楽しませろという戦いに対する更なる飢餓感。それらは生前決着をつけられなかった北岡と戦っているからか限界以上に猛り浅倉自身も狂ったように笑っている
「はははははははははは!!」
「この!」
かなり近くまで来られたゾルダはギガランチャーの砲身を地面へ向け撃ち放った。その衝撃と爆風でゾルダ自身も吹き飛ばされるが王蛇も同じように吹き飛ばされそれなりのダメージを負う
『FINAL VENT』
王蛇が挿れたカードは犀のマークが描かれたファイナルベントのカード。王蛇は右手にメタルゲラスの頭部を模した手甲を装備すると王蛇の真後ろに鏡が出現しそこから犀のミラーモンスター、メタルゲラスが姿を現す
王蛇がメタルゲラスの肩にメタルホーンを突き出す体制で乗るとメタルゲラスは猛スピードで走りだしゾルダめがけて突っ込んでいく
だがそれをゾルダが黙って受ける訳がない。ゾルダは立ち上がりギガランチャーを構え直すと照準をメタルゲラスの足に向け撃った
足を撃たれたメタルゲラスは倒れ王蛇はメタルゲラスから転がり落ちるが受け身を取っていたようであまりダメージは無い
「面倒だなぁ、それ。ちょっと寄越せ」
『STEAL VENT』
「なにっ!?」
王蛇が魔物の手の様なイラストが描かれたカードをバイザーに挿れるとゾルダの持っていたギガランチャーが王蛇の手元に現れる。追撃しようとしていたゾルダはまさか自分の武器が奪われるとは考えている筈もなく珍しく動揺する
「たまにはこういう玩具で遊ぶのも悪くないよなぁ?」
形成逆転、たった一枚のカードで先程とは逆の立場になった王蛇は容赦無くゾルダへ砲弾を撃ちこんでいく。ゾルダもなんとか避けていくがなかなか反撃の隙も見出せずジリ貧になっている。なにせこの砲弾の一つ一つが通常のミラーモンスターを仕留めるのに十分な威力を持っているのだ。その威力の強さは持ち主であるゾルダ自身もよく知っているからこそ一発も当たる訳にはいかない。もし一発でも当たったらそこでゾルダ自身の勝ち目はほぼ無くなり王蛇に殺されてしまうだろう
『GUARD VENT』
ならば一瞬でも隙を作る為の時間を稼ぐ。ゾルダはマグナギガの胴体を模した盾、ギガアーマーを装備するとその背面から支柱が飛び出し地面に固定される
そのおかげで砲撃を防ぐことはできたがそれでもずっとこの砲撃を浴びせ続けられたらいくら分厚いギガアーマーといえど破られてしまうだろう。だがこれはゾルダにとってこの状況をどうにかする為の一手に過ぎない。だからこそゾルダにそこまでの焦りは無い、寧ろ生前通り、ふてぶてしい程の自信満々さだ
『SHOOT VENT』
ゾルダが新しく装備したのは巨大なニ門のキャノン砲。マグナギガの両脚を模したそれはゾルダの背中に装備され何時でも砲撃可能な状態となっている
「簡単な話、相手が一門の大砲を用意したらこっちはニ門の大砲を用意すればいいってね」
ギガキャノンから放たれた二対のレーザーは王蛇に直撃しそうになるが王蛇は咄嗟にギガランチャーをレーザーの前に投げみがわりにすることでその攻撃を避ける
『ADVENT』
ゾルダは二発目を放とうと王蛇に狙いをつけるがいきなりゾルダの後方にあった窓ガラスから紫色の巨大なコブラの姿をした王蛇の契約モンスター、ベノスネーカーが現れ口から溶解液を吐き出す。反応が遅れたゾルダは上から降りかかる溶解液を躱せず直撃するがギガキャノンが盾となったおかげで身体への直撃は防げた。しかしギガキャノンは砲身が溶け見るも痛々しい姿となってしまいこの状態ではもう一発も撃てないだろう
「あぁ……今までで一番最高の気分だ。イライラもどっかに行っちまった。こんなに楽しいのは生まれて初めてだ」
「そうかよ、こっちはとっとと終わらせたいんだけどね」
『FINAL VENT』
『UNITE VENT』
ゾルダの目の前の地面が鏡となりそこから頭に牛のような角を持った緑色の巨大な人型ロボットのようなミラーモンスター、マグナギガが現れる。ゾルダの後ろでは先程召喚されたベノスネーカーの他にメタルゲラスと紅色のエイ型ミラーモンスター、エビルダイバーが新たに召喚されると三体の身体が合わさり一つの姿となる。三体のミラーモンスターが融合したその姿は西洋のドラゴンを模したものとなりその赤い瞳はゾルダを獲物として狙いをつけている
『FINAL VENT』
ゾルダがマグナギガの背中にマグナバイザーをセットするとマグナギガは両腕の砲を王蛇へと向け更に胸や足、身体中の射出口を全て展開する
王蛇がファイナルベントのカードを入れるとジェノサイダーは己の腹部を食い破った。すると食い破った部分が小型のブラックホールとなり周りの物を吸いこみ始める
「死ね、浅倉!」
「はあぁぁぁ!」
王蛇がゾルダへと駆けだすのとゾルダが引き金を引くのは同時だった。マグナギガの全ての砲門から一斉にミサイル、レーザー、砲弾が掃射されそれによって起きた爆発が王蛇を呑みこんだ
「……死んだか?」
マグナギガの弾をほぼ撃ち終えたゾルダは爆炎に包まれている王蛇のいた場所を見るが煙と炎に支配されているその場所はなんの変化も無く動くものは見当たらない。もう大丈夫かとゾルダが体制を崩したその時、炎の中からあちこちが焦げ見るからに重症な王蛇が錐揉み回転をしながらキックを仕掛けてきた
「死ぬのはお前だ!北岡ぁ!」
「なにっ!?」
王蛇の錐揉み回転キックをマグナギガが受けマグナギガがバランスを崩すと後方にいたジェノサイダーのブラックホールに引き寄せられていく。更にマグナギガの巨体に巻きこまれゾルダもブラックホールへと吸い寄せられていってしまいなんとか逃れようとするが体制を崩していたことやまさかあそこからまだ攻撃してくると思っていなかったせいで冷静さが失われている為抜け出せない
「あ、さくらああああああ!!」
そしてゾルダはマグナギガごとブラックホールに呑まれ敗北した。残された王蛇は満足そうな声を上げるとばたりと仰向けに倒れる
「あぁ……楽しかったぜ。北岡ぁ……」
そう一言言い残すと限界を越えていた彼の身体は消えるように消滅しそれにつられるようにジェノサイダーも消滅した
「結果は引き分けか。まあ、雇う前にタイガの野郎を倒してたから戦績としてはまだいい方か」
ミラーワールドで戦いの一部始終を見ていたサイと咲夜、二人はゾルダが早くも倒されてしまったのが残念そうだがそれは相手が悪かったとしか言いようがない
「そうね。だけどこれでまた理性をたもってるライダーを探すことになるのね。はあ、とりあえずお嬢様にこのことを報告しに行くわよ」
咲夜はため息を一つつくとサイを連れレミリアの部屋へと行くのだった
場所は変わり攫われた龍騎の後を追うレミリア達一行は……
「ライダーの戦いを止めるなんて馬鹿なことを言うライダーは死んだ方がいいよなあ!」
「ライダー同士で仲良しこよしなんてしてんじゃねえよ!」
「ガイにベルデ、相変わらず鬱陶しい連中だな」
「早く慎司を助けなきゃならないんだから邪魔しないでよ!」
龍騎を咥えたドラグブラッカーを追っていたレミリア達だったがその途中いきなり現れた犀を模した西洋甲冑のようなライダー、ガイとメタリックグリーンのカメレオンを模したライダー、ベルデの襲撃に遭い足止めされていた
『SWORD VENT』
『COPY VENT』
『GUARD VENT』
『CONFINE VENT』
ナイトがソードベントのウイングランサーを装備すればベルデはそのナイトの姿ごとコピーしまったく同じ姿になり、ファムが白鳥の翼を合わせたような盾、ウイングシールドを装備しようとするとガイはコンファインベントでその装備を消す
単純な攻撃力をあまり持たない分こうした搦め手のカードを使ってくる二人にナイトとファムは苦戦していた。ファイナルベントのカードを使えば少なくとも片方は倒せるだろう。しかしこの後にはまだ本来の目的であるリュウガが控えているからこそ二人は必殺技であるファイナルベントのカードを出し惜しんでいた
「ああもうウザったい奴らね!カードのキャンセルとか反則でしょ!」
「霧島、熱くなり過ぎるな!こいつらの攻撃はカード以外は単純な攻撃ばかりだ!冷静に対処すればなんとかなる!」
ナイトとファムはペースを崩されそうになるが持ち堪えダメージを与えていくがファイナルベントを出せない今の状況で二人のデッキのカードでは決め手に欠けていた
「というかそっちのお子様はなんで戦わないのよ!私達にばっかり戦わせないで自分も戦いなさいよ!」
「嫌よ」
「なっ!なんですって!」
ファムが先程から戦闘には参加せず離れた所から見ているだけのNレミリアに戦うよう言うがNレミリアはばっさりとその言葉を斬り捨てる
「まず一つ言っておくわ。これは貴方達の実力がどのくらいのものか見定める為の試練でもある。本当ならあのリュウガとの戦闘をそれにしたかったのだけれどこいつらが来たからちょうどよかったのよ」
「なるほど、つまりこいつらを倒せなければ俺達は実力不足で情報も得られないままお払い箱というわけか」
「その通りよ。さ、情報が知りたければこの二人を片付けて私に力を示してみなさい」
レミリアの言葉に二人はしぶしぶ納得し戦うが二枚目のコンファインベントを使ってきたガイとクリアーベントにより透明になることで不意打ちをしかけてくるベルデに苦戦する
『『FINAL VENT』』
ベルデとガイのバイザーからファイナルベントの音声が発せられ彼らの契約モンスター、メタルゲラスとカメレオンを人型にしたような姿のモンスター、バイオグリーザが現れる
ガイはメタルホーンを装備したままメタルゲラスの肩に乗り突進するヘビープレッシャーを発動しベルデは逆立ちをしたまま腕の力で飛び上がるとその足にバイオグリーザが舌を巻きつけ振り子の要領で振られナイトへと迫る
『『FINAL VENT』』
しかしナイトとファムがデッキのカードで対処しようとすると突然二人の視界に赤と紅が飛びこんできた
赤は赤い龍のミラーモンスター、ドラグレッダーの放った炎に包まれながら飛び蹴りを放つ龍騎。紅はエビルダイバーにサーフィンのように乗った後頭部におさげを持つ所々にエイの意匠のあるライダー、ライア。
龍騎のドラゴンライダーキックがメタルゲラスごとガイを横から吹き飛ばし爆発させライアのハイドベノンがベルデの脇腹に突き刺さり貫いた
「良かった、蓮。俺は間に合ったようだな」
「手塚か?いや、それより何故ここに城戸がいる。お前が逃したのか?」
エビルダイバーから降りたライア、慎司達の仲間だった男、手塚 海之の精神を宿す彼にナイトは困惑するがそれ以上に攫われたはずの龍騎がここにいることが不思議でしょうがなかった
「いや、彼女は城戸ではない」
「失礼しました。挨拶が遅れましたね。私はそちらのレミリアお嬢様に仕えるこの紅魔館の門番、紅 美鈴と申します」
龍騎に変身した美鈴(以下 R美鈴)がナイトとファムに自己紹介をするとNレミリアの前に立ちライアへ手を向ける
「お嬢様、こちら私がスカウトしました手塚 海之さんです。実力も先程以外の場でも示してもらい申し分ないかと」
「まさか咲夜より先に貴女が見つけてくるなんてね。美鈴にしてはいい働きよ、褒めてあげるわ」
「ありがとうございます」
R美鈴の話によるとライアは門番として仕事をしている最中に偶然出会ったらしい。そして暴走状態のメイジやG3マイルドを倒して美鈴の出した試練に合格したことで報酬である情報も教えた。だが急に胸騒ぎを感じたライアは占いで蓮や慎司を占うと危険が迫っているという結果を見た瞬間その場所も占いで割り出しエビルダイバーに乗って全速力で来たそうだ。占いの万能性についてはツッコンではいけない
ナイトとファムに出されていたガイとベルデを倒すという試練はトドメを刺したのはライアとR美鈴だということで結局合否は保留、試練自体をリュウガと戦うことに変えたのだった
因みにドラグブラッカーが何処へ行ったのかは見失ったのでリュウガの居場所はライアの占いで調べた。手塚の占い万能説ができそうだ
そして移動して来たのは何の変哲もない部屋、その中からは攫われた慎司の声とそれよりも若干低い慎司の声が聞こえてくる
「おい馬鹿やめろ!俺の中に入ってくんな!」
「うるさい、お前の体は俺の物だ。奴らもこの場所もそうそう見つけることは出来ない。お前の体が消滅する前にいい加減俺を受け入れることだ」
「ぐっうっ……やめ、ろぉ……」
「「城戸ぉぉぉぉ(慎司ぃぃぃぃ)!!」」
腐ってる方々が聞けば確実に薄い本を厚くしてしまうような会話を聞いてしまった慎司の保護者もといナイトとファムが扉を勢いよく開けて入るとそこにはベッドの上で縛られた龍騎の胸に腕を突っ込んで融合しようとしているリュウガの姿があった
「慎司から!」
「離れろぉ!」
「ぐあっ!?」
ナイトとファム、黒と白の二つの剣型バイザーがリュウガの身体を突き飛ばす。龍騎に腕を突っ込んでいたリュウガは身動きが取れずその攻撃をくらい突き飛ばされると龍騎の胸から腕が外れ融合が解ける
「慎司無事!?あれに掘られたりしてない?」
「ほ、掘られる?まあ、さっきの融合されそうになったこと以外はなんもされてないぞ」
龍騎はファムに鎖を外してもらいんー、と伸びをしてから体の調子を確かめると吹き飛ばされ壁に叩きつけられたリュウガを睨む
「さっきはよくもやってくれたな!もう絶対容赦しないからな!」
「それなら俺はここにいる全員を倒し再びお前と融合すれはいいだけだ」
「もう慎司には指一本触れさせないわよ」
「さっきみたいにカードを温存する必要はもうない。全力でいくぞ」
『『SURVIVE』』
龍騎とナイトはデッキから不死鳥の翼が描かれた背景が燃え盛る炎のサバイブ【烈火】と吹きすさぶ風のサバイブ【疾風】を取り出す
すると二人のバイザーが姿を変え龍騎の周りを炎がナイトの周りを風が覆いその身体を隠す
龍騎はドラグランザーの顔を模したハンドガン型の召喚機、ドラグバイザーツバイの口を開けそこに、ナイトはダークレイダーの翼を模した盾型の召喚機、ダークバイザーツバイにそれぞれサバイブのカードを入れる。二人の姿は鏡が割れるような音と共に変わり龍騎は色が赤からメタリックレッドと金に変わり装甲がより龍に近いものとなった龍騎 サバイブに、ナイトは色が黒から青と金に変わり装甲はダークレイダーを模した意匠となったナイト サバイブに変身した
「しゃあっ!」
「ふんっ!」
『『SHOOT VENT』』
二人はそれぞれのバイザーを振るい纏っていた炎と風を消すと同時にシュートベントのカードをバイザーに入れる。そして龍騎はドラグバイザーツバイからレーザーを、ナイトはダークバイザーツバイをボウガンのように変形させ矢を放つ
いきなりの容赦の無い開幕ブッパにリュウガは壁をぶち破り逃げるが背中にレーザーが擦り地面に墜落する
「チッ、流石にサバイブ二体は分が悪いか。一旦退いた方がいいか」
「あ!逃がすか!」
『STRANGE VENT』
『CHAIN VENT』
「ぐおっ!?」
リュウガは流石にサバイブ二体相手に正面からでは勝てないと考え逃げようとするが龍騎のストレンジベントが敵を鎖で縛るチェインベントとなり先程までの龍騎と同じ状況になる
「くっ!解けない!」
「へっへっへ、さっきとは立場が逆だな」
「さて、無駄に体力を使わせられた分、ストレス解消させてもらうとするか」
「あたしも以前こいつに騙されて殺されたからその仕返しもしなきゃねー」
縛られたリュウガに龍騎、ナイト、ファムはにじり寄りリュウガは逃げようとするが鎖で足まで縛られているためうまく身動きが取れないでいる
「お、おい、やめろ。こっちに来るな。俺のそばに来るなああああ!!」
この後滅茶苦茶ファイナルベントした
無事リュウガを倒し試練も合格できた三人はレミリア達と共に最初の部屋に戻ってきていた
「なるほど、俺達を含めこの世界にいる変身が解けないライダーは全員オリジナルを基にした偽物というわけか」
「ああ、それを知っていたからこそ俺は迷いなく敵を倒せた。あんな状態の奴らはミラーモンスターに近いようなものだからな」
「もう驚き過ぎて頭がついていかないわ……」
「それより俺はその海堂って人に会ってみたいなー。すげーいい人みたいだし俺達が出て困ってるなら助けになりたいしな!」
「はいはい、静かにしなさい!あなた達にはこれからチームとして暴れているライダー達の討伐をしてもらうわ。これを渡しといてあげるからとっとと行きなさい」
レミリアが四人に渡したのは四つの小さな補聴器のような機械。それを渡された龍騎達は不思議そうにそれを見る
「なんだこれは?」
「通信機よ。もしあなた達が途中でこの世界でわからないことに直面したり自分達の知らないライダーと戦う時に少しくらいのアドバイスをしてあげる為のね」
「へー、便利なもんだな。これあんた達が作ったのか?」
「いいえ、これは河童、うちの世界の技術者に作ってもらった物よ。因みにその通信機同士でも会話はとれるからバラバラに行動しても問題無いわよ」
通信機と幻想郷の地図を渡し龍騎達を送り出したレミリアは窓からその姿を見送る
「紀斗、これで借し1ね。ちゃんとこの借りは返してもらわないと承知しないわよ」
その頃紅魔館 地下では
「深い闇を見た目をしているな。お前、俺の妹になれ」
「ふぇ?妹?私にはお姉様やお兄ちゃんはもういるからいらないよ」
「そうか、また振られちまったな……」
「気にするなよ兄貴、兄貴には俺達弟がいるじゃないか」
「そうだぞ、お兄ちゃん」
「ねーねー、それより遊ぼーよー!おにーさん達強いんでしょ?」
「……ふっ、偶には子供の遊びに付き合ってやるのもいいか」
「俺達が強いからって後で泣いても知らないからな」
「安心しろ、俺は子守においても頂点に立つ男だ」
フランが地獄三兄弟と遊びという名のバトルを繰り広げていたのであった
今回でオーディン以外の龍騎系ライダーは全員出ましたね。オルタナティブ?あれは擬似ライダーだから含まれません
前半の浅倉対北岡は作者が本当にやりたかったことの一つです。二人の共通の心残りでもあり叶うことのなかった戦い。それを書いてみたかったんです!
そしてちゃんとレミリアに雇われたのは龍騎、ナイト、ファム、ライアの四人。ファムとナイトの龍騎の正妻戦争が起きそうですね(笑)
さて、次回は久しぶりに紀斗の回です
次回もお楽しみに!
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第十五幕 剣/牙
ま、そんな俺のどうでもいい話はいいとして、今回は少し胸糞要素があります。できれば俺に石などを投げないでくれると助かりますm(_ _)m
それでは本編です、どうぞ
魔法の森、普通の人間は近寄らないその森で仮面ライダーブレイド、剣崎 一真は一人行く当てもなく彷徨っていた
(渡と別れてこの世界について調べてるけどほとんど情報が得られないな……)
遭遇するのは魔化魍に似ているが違う化け物や問答無用で襲ってくる子供に羽の生えた姿の妖精ばかり。会うのが話の通じない者しかいないなら情報なんて集まるわけもなく今の状況を嘆いていた
ガサガサ
「!」
そんな時にいきなり近くの茂みが揺れまた化け物か妖精かとブレイドはブレイラウザーを構える
「この辺に気配がーーブレイド!」
しかし出てきたのはブレイドの考えに反して人間、いや蓬莱人の紀斗だった。気配を頼りにライダーを探していた紀斗は思ったよりも近くにいたブレイドに驚き咄嗟にライドブッカー ソードモードを出しブレイドへ突きつける
「ま、待ってくれ!俺はこんな格好してるが怪しい者じゃない!ここのことを知りたいだけなんだ!」
ブレイドは敵意は無いとブレイラウザーをしまい両手を上げるが紀斗は関係無いとばかりにブレイドの首にライドブッカーの刃先がブレイドの喉に付くくらいまで近づける
「……こっちはそっちの事情も全て知っている。どういう存在かもな。だが、俺はお前を倒さなければならないんだ、この世界の為に」
「……さっきから気になっていたがこの剣、ライドブッカーだよな?答えてくれ、これをどこで手に入れた?ディケイドから奪い取るかどうかして手に入れたのか?それとも……お前は新しいディケイドなのか?」
「……」
ブレイドの言葉に紀斗は答えない代わりにライドブッカーを持っていない右手にディケイドライバー、戦極ドライバーの二つを出す
「っ!ディケイドライバーに、戦極ドライバー!?おい、どういうことなんだ!お前は一体何者なんだ!答えてくれっ!」
「少しだけ教えてやる。俺は全てのライダーの力を持っている。そしてお前やあのキバも本物の記憶や力を持った俺から抜け出た偽者だ」
「!?ど、どういうことだよ!?俺や渡が偽者!?どういう意味なんだ!最後まで教えてくれ!」
「そこから先は、俺を倒せば教えてやるよ」
『オレンジ!』
『ロックオン!』
紀斗は腰に戦極ドライバーを巻くとオレンジロックシードを取り出し戦極ドライバーにセットする
「なんで……なんでこんな所でも戦わなくちゃいけないんだ!俺には戦う理由なんて無い!」
「そちらには無くてもこちらにはある。それに、俺を倒せば情報をやる。それだけでそちらにも戦う理由ができた筈だ。変身」
『ソイヤッ!オレンジアームズ!花道 オンステージ!』
紀斗は戦極ドライバーのカッティングブレードを下ろすとオレンジアームズの前半分を割る。すると紀斗の身体は紺色のライドウェアに包まれその頭上に丸くジッパーが現れる。それがジッーという音と共に開くと金属でできた大きなオレンジが降りてきて紀斗はそれを頭から被る。するとオレンジは中心から潰れるように展開するとオレンジ色の装甲となり紀斗の上半身に纏う形になる。日本の鎧武者を模した仮面ライダー鎧武に変身した紀斗はオレンジアームズの武器 オレンジの断面を模した片刃剣、大橙丸の刃をブレイドへと向ける
「さあ、俺と戦え、ブレイド。俺は途中で逃すほど甘くはないぞ」
「やるしかないのか……」
ブレイドも苦々しげな声を出しながらブレイラウザーを再び構える。そして同時に動きだした武者と騎士の剣がぶつかり合い火花を散らし始めるのだった
一方ブレイドと別れたキバはブレイドが歩いていた方向とは逆方向の森の中を相棒のキバットバットⅢ世、通称キバットと話しながら歩いていた
「ねえ、キバット。本当に僕はディケイドを見た瞬間いきなりエンペラーフォームになって襲いかかったの?」
「ああ、あの時はお前も剣崎もいきなり物静かになったと思ったらエンペラーフォームとキングフォームになったんだ。その時のことなんも覚えてないのか?」
「うん……ディケイドを見た瞬間意識が途切れて気づいたらエンペラーフォームで立ってたから。いつエンペラーフォームになったのかもその間何をしていたのかもまったく覚えてないんだ」
「やっぱりここに来てから変だぜ、渡。いや、もしかしたらこの世界自体がおかしいのかもしれないな」
そうやって話している二人は前方に二人にとって見慣れた二つの後ろ姿を見つける
「あれは!」
「名護と太牙か?あいつらもこの世界に来てたのか」
二人が見つけた後ろ姿は仮面ライダーイクサとダークキバ。二人共キバの世界のライダーでありその最終的な変身者達、名護 啓介と登 太牙も途中紆余曲折はあったものの頼りになる仲間となった二人だ
「名護さん!兄さん!」
キバは二人に駆け寄ると二人は振り返りキバの方を向くが一言も言葉を発しない。
「「…………」」
「二人共、どうしたうぐっ!?」
キバは不思議に思い一歩前に進んだ瞬間イクサとダークキバの二人のパンチを受けた。キバは二人からの攻撃に困惑しながらも言葉を投げかけるが二人はその言葉にも一切反応せず攻撃の手を緩めない
「やめて!兄さん!名護さがふ!?」
「おいおい!どうしたってんだよ二人共!父ちゃんもこいつらを止めてくれよ!」
「…………」
キバットがダークキバのベルトにとまっている自分の父親であるキバットバットⅡ世にも声をかけるがやはり返答は無く返ってくるのは変身者からの攻撃ばかりだ
だがその攻撃も突然止みキバが不思議に思うとイクサがイクサカリバーを取り出し呟いた
「紅 渡、その命、神に返しなさい」
「え?」
呟かれたイクサの言葉、ようやく言葉を発してくれたと喜んだのも束の間キバは己の耳を疑った。今まで、自分がキバだと気づかれていなかった時は確かに何度も名護には命を狙われた。だがそれはキバとしてであり紅 渡として命を狙われたわけでは無かった。その証拠にキバの正体が渡だとバレた後は名護はキバの殺害命令も反対してくれた。だからこそこの自分を、紅 渡を葬ろうというイクサの言葉を信じられなかったしそんな筈はない、聞き間違えだと思った
しかし現実はキバをそんな甘い逃げ道へは行かせてくれなかった
「お前はいちゃいけない存在なんだ、渡」
「兄さん……」
続けて放たれる義兄からの自分の存在を否定する言葉。その言葉にキバは数歩後ずさり首を横に振りこの現実を否定しようとする
「ファンガイアと人間のハーフであるお前は存在してはいけないんだ」
「人間にもファンガイアにもなりきれない半端な存在だ。貴様はここで葬られるべきだ」
「「お前なんて産まれてこなければよかった」」
繰り返し言われる義兄と仲間からの否定、差別、侮蔑の言葉。それらの言葉にキバの精神は徐々に追い詰められ一歩一歩後ろに下がりついには近くの木の根につまづき尻餅をつく
「嘘だ……嘘だ!誰かに言わせられてるんでしょ!?本心で言ってるわけじゃない筈だ!だから!だから……嘘だと言ってよ……」
仮面の下で泣きそうになるキバ、しかし二人の反応はキバにとって最悪のものだった
「これが今の俺の本心だ」
『イ・ク・サ・カ・リ・バー ラ・イ・ズ・アッ・プ』
「王としてお前を裁く」
『ウェイクアップ1』
「やばいぞ、渡!逃げろ!このままじゃ殺されるぞ!」
必殺技を放とうとする二人を見てキバにこれ以上は流石にやばすぎる、逃げろと言うキバットだがキバはうつむきそこから動こうとしない
「おい!渡ぅ!」
「いいんだ……どうせ、僕は必要のない、いてはいけない存在なんだから……」
「渡!あんな言葉に惑わされるな!あの名護や太牙があんなこと言うわけないだろ!」
「うるさいぞ、キバットバットⅢ世」
二人の言葉に完全に心を砕かれ抵抗しようとする気力すら無くなったキバはあっさりとダークキバの紋章に捕らえられキバットと共に十字架に架けられるかの如く磔にされる
「うっぐぁぁぁ……」
「これで終わりだ」
「王の判決を言い渡す、死だ」
既にパワーが充填されているイクサの持つイクサカリバーが光り輝き罪人のように磔にされたキバの胸を袈裟斬りに斬り裂く。更にそこへ空高く跳躍したダークキバがキバ目掛け落下しオーラを纏った拳をイクサに付けられたばかりの傷の中心へ叩きつける
「兄さん、名護さん……本当に僕は……」
ーー産まれてきちゃいけない存在だったの?ーー
「渡うううううううう!!」
キバは最後にそう言い残すと爆発しそれの後を追うようにキバットも光になる。残ったイクサとダークキバはそれに何の感情を示すことも無く再び物言わぬ状態になる
そしてキバの爆発した後からキバの力である黄色の光球が出てくるといきなり森の奥から伸びてきたプラグのついた触手が光球を絡め取り縛る
『ふっふっふ、いやあ、やっぱり人が絶望する時の雰囲気はたまらないねえ。我ながら出来の悪い三文芝居だと思ったがそれでもあんな面白い反応をしてくれるとまたやりたくなっちまうよ』
その触手を操るのは紀斗を襲いこの異変を引き起こしたあのドーパントだ。ドーパントは傍にイクサとダークキバを立たせキバの光球を玩具のように手で弄り笑い声をあげている
『さて、いつまでも一箇所にいるわけにもいかないしとっととやろうかね』
そう言うとドーパントは触手の先のプラグを光球へと刺す。すると光球から十分の一程の大きさの光球が出てそれは完全に光球から放れると何処かへ飛んでいってしまった。そしてその直後残された少しだけ小さくなった光球に変化が起きる。光球はその姿を変え人型になっていくとキバの姿になる。しかしキバには先程まで感じられていた意思やそういったものが感じられずまるで抜け殻のようになっている
『これでまた、駒が一つ増えた。キバ系はあたしの趣味に合うのが多くて助かるねえ。駒にするならやっぱり自分の趣味に合ったやつにしたいし』
ドーパントは自分の傍に立つ三人のライダーを見ると一言”他のライダーを探し始末しろ”と言うと三人は頷き歩きだしていった
『ふふふ、こちらの戦力もどんどん増えている。完全な下剋上の完遂の時も近い。ふふふふふ、ははは、はーはっはっは!』
前回紀斗回といったな。あれは半分嘘だ
とゆーわけで今回は前編を紀斗とブレイド、後編をキバとあのドーパントの話でした
紀斗が若干荒れてるのは作者の精神状態とリンクしてるからです、すいません。レポートがキツいんです
そして紀斗がブレイドを見つけた瞬間倒そうとした理由は次回出します
ドーパントの方は紀斗達が行動してる間に何をしていたかが今回わかりましたね。能力で倒したライダーを人形にして駒にしてました。キバが豆腐メンタルなのは暴走の関係もあって精神状態不安定なんです。割と脆く崩れてしまうんです
次回はブレイドと紀斗の戦い!
次回もお楽しみに!
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第十六幕 誇り/試練
紀斗「いや、するなよ」
とりあえず今回は紀斗がブレイドへ戦いを仕掛けた理由です。まあ、鎧武の力を取り戻して若干調子に乗ってるのもほんの少しありますが大体の理由は別にあります
それでは本編です、どうぞ
森の中で金属同士がぶつかり合う音だけが響く。俺はブレイドへ無双セイバーと大橙丸を振るい斬りつけようとしている。だがブレイドはブレイラウザーで俺の攻撃を防いだりいなしたりしているせいでまだダメージらしいダメージを受けてない。流石は剣の名を持つ主役ライダーだと思う反面さっきから守ってばかりでまったく攻撃してこないのがイライラするな……
「まだ、戦わないつもりか?情報を手に入れたくないのか?悪いがこれはそちらの実力を試すテストだとか後でちゃんと情報も教えてやるとか、そんなパフェにチョコソースと蜂蜜と練乳をかけたような甘い事態にはならないぞ。本当に情報を知りたければ俺を倒してみせろ」
「一つだけ、聞かせてくれ。あんたはなんでそんなに俺と戦いたがるんだ?さっきから防御しかしなかった俺なんてやろうと思えば簡単に倒せた筈だ」
味方の裏切りには疎いのにこういう戦闘関連のには鋭いのか……。いや、あれは信じた人がそんなことするわけないと思っていたからこそか。
しかし自分を襲う理由を教えろ、か。確かに襲われる理由もわからなきゃ困惑するし戦意も低下する。それに、奴さん教えなきゃ絶対まともに戦わないだろうな。雰囲気でわかる。……仕方ない、この程度なら教えても問題ないか
「それなら一つ、質問を質問で返して悪いがそっちがディケイドを見つけた後の数分の記憶はあるか?」
「え?なんでそれをーー」
「俺があのディケイドだったからだ。それで、あの時の記憶はあるのか?」
「……いや、無い。気づいたら俺と渡はキングフォームとエンペラーフォームになってて、いつなったのかもその間何をしていたのかも思い出せないんだ」
やっぱりか。そもそも自我がちゃんとした状態ならあんな行動はとる筈が無いだろうからな
「その記憶の無い原因が俺があんたと戦おうとする理由だ」
「? つまり、どういうことだ?」
「あんたとキバは、その時ディケイドに変身していた俺にいきなり最強フォームになって攻撃を仕掛けてきたんだ」
「へー、俺と渡がいきなり攻撃を……へっ!?」
俺の返答にブレイドは慌て自分にそんな意思は無いと否定する。そりゃそうだろう、まず正気であんなことを仕掛けてくるならそれ相応の理由か恨みがあるか素で狂っているかのどちらかだ
「それはわかってる。もしあったらさっきみたいに防御だけなんて戦い方をする筈ないしな。だが問題はそこじゃない。あの時のあんたは今みたいな雰囲気じゃなく殺気を撒き散らして完全に俺を殺しにかかる感じだった」
「……俺が本当にそうなったっていう証拠はあるのか?」
疑うか、まあ、当然だろうな。俺も逆の立場だったらそうするだろうしこんな風に言われただけじゃ信用できないのも確かだ。俺はスマホを出すとカメラのビデオ機能をONにしブレイドに見せる
「これから俺の言っていることを実証する。とりあえずそこに立っていてくれないか」
「あ、ああ」
ブレイドを少し離れた所に立たせると俺は録画ボタンを押しブレイドの目の前にディケイドの等身大模型を出す
「うわ!?びっくりし……た……ディケイドォ……」
ブレイドはいきなり現れたディケイドの模型に驚いたが急に顔をうつむかせたと思ったら次の瞬間には俺が初めて遭遇した時と同じ口調になっていた。雰囲気もさっきまでとは違い殺気を撒き散らし腰のブレイラウザーを抜いている
「ヴェイ!ヴェイ!ヴエェェェェェイ!!」
スパンッスパンッという鋭い音と共にディケイドの模型は何度も斬り裂かれ原型を無くしていき見るも無惨な姿になっていく
「はぁはぁはぁ………あれ?俺何してたんだ?」
ブレイドはディケイドの模型がみじん切りになったあたりでようやく元に戻り自分の今の状況に驚いている。
「あんたが今さっきまで何をしていたのかはこれに撮ってある。とりあえず観てみな」
俺はブレイドにスマホを手渡すと先程までの一部始終を観せる。その映像にブレイドは絶句し錆びついたブリキの玩具のようにギギギとこちらを向いてきた
「こ、これ、本当に俺なのか?」
「正真正銘間違いなくあんただ」
ブレイドは信じられないといった態度で何度も動画を再生し頭を抑えている。自分が知らない間にあんなことしていたなんて知ったら頭抱えたくもなるよなそりゃ
「それが俺があんたを倒そうとした理由だ。何かきっかけが必要とはいえ暴走する。そこを敵に利用されて後ろからやられたり敵の一人になったら厄介だからな。あんたはここで潰さなきゃいけない」
実際常時暴走しているライダーがまだまだいるであろうこの危険な状況でいつまた暴走するかわからない危険物扱いのブレイドを放っておくことはできない。一時の情で見逃したせいで後で全滅するきっかけになる可能性すらあるのだ
「あんたがなんで俺を倒したいのかはわかった。その理由に納得もできる。でもそれなら尚更なんで俺を倒さなかった?あんたにとって俺は厄介者なんだろ」
「……これは俺の自己満足だ。俺はあんた達に最初に会った時に逃げだした。最初から勝てない相手だと、戦う前から諦めた。俺は生き延びる為に誇りを捨てたんだ。俺はあんたを倒すことでその時の未熟な自分に打ち勝つ。そして、誇りを取り戻す。恨むなら恨んでくれて構わない。だが俺はもう止まるわけにはいかねえんだ」
「そうか……それが、あんたの覚悟なんだな。わかった、ならあんたが一度誇りを捨てたきっかけである俺は、責任を持ってあんたの覚悟、汲み取ってやる!」
ああ、やっぱりあんたも英雄《ヒーロー》なんだな。普通こんな自己中な俺の願いを真正面から引き受ける奴なんていねえよ。ましてや自分を倒そうとしてる相手になんてよお……。ったく、憧れ直しちまうぜ本当によぉ!
「じゃあここからは、お互い手加減無しだな」
「ああ、俺も今度は本気でやらせてもらうよ」
俺はカチドキロックシードと極ロックシードを、ブレイドはラウズアブソーバーとK、Qのカードを取り出す
『フルーツバスケット! ロック オープン!!』
『ABSORB QUEEN』
『極アームズ! 大 大 大 大 大将軍!!大 大 大 大 大将軍!!』
『EVORYUTION KING』
俺は織田 信長がつけていたという西洋様式鎧を模した白銀の姿の極アームズに変身しブレイドは13枚のアンデッドクレストが身体に刻まれた黄金の重厚鎧、キングフォームに変身する
『火縄大橙DJ銃!無双セイバー!』
俺は極ロックシードを二回捻るとオレンジと黒のディスク状のプレートが付いた銃と鍔が銃身となっている銃剣、無双セイバーを出現させる。そしてその二つを組み合わせ火縄大橙DJ銃の部分を刃にした大剣モードにする
「俺はあんたを越えて前へ進む!」
「来い!俺を乗り越えて誇りを取り戻してみせろ!」
俺はここで!この試練に打ち勝ってみせる!
今回の紀斗は堕ちた分また人として英雄として階段を上るため、ブレイドに勝つことを試練にしました。某カビ頭のボスも人の成長とは未熟な自分に打ち勝つことだって言ってたし
そしてブレイドの暴走はディケイドの姿を確認した瞬間暴走スイッチが入ります。え?暴走スイッチは別のカブトライダー?細かいことはいいんですよ。それに暴走するかその可能性がある方があのドーパントに操られやすいのでここで倒しておかないとやばいんですよね。ただでさえキバが向こう側の陣営に加えられてますからこれ以上主人公ライダーを敵側に取られるのはキツいんです
次回は今度こそ紀斗対ブレイド!
次回もお楽しみに!
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第十七幕 王/将軍
紀斗「作者が死んだ!」
霊夢「この人でなし!」
紀斗「書き置きがあるな。えーと、『更新が再び遅れてしまい申し訳ありません。度重なるレポートと複数回のフル出場の試合のせいで心身共にボドボドにされ更新が遅れてしまいました。今回はブレイド対紀斗の続きです。お楽しみいただければ幸いです』だそうだ」
霊夢「ほんとこの一カ月一回更新どうにかならないのかしら。あたし逹自機組なんて霧の湖からずっと放置されてるのよ」
紀斗「まあ、仕方ねえよあの作者だし」
霊夢「それもそうね。とりあえず、ここから本編です」
紀斗、霊夢『どうぞ』
「うおおおおおらあぁ!!」
「ヴェェェェェェェイ!!」
金色と黒の大剣が二人の雄叫びに呼応するように激しい金属音を奏でながらぶつかり合う
鍔迫り合う二人、単純なスペックとしてのパワーならば4.5t対14.5tと極アームズに軍配があがる。だがブレイドは13枚のアンデッドクレストのうちのライオンと猪のマーク、ビートライオンとタックルボアの効果を使い腕力と突進力を強化し互角にまで持ち込んでいる
ガキィン!!
「くそ!硬え!またメタルか!」
運良く一撃をブレイドの身体へと打ちこめてもメタルトリロバイトの能力、身体の硬質化で鋼の如き硬さになったブレイドの前に殆どダメージを与えられない
「どうした!その程度じゃ俺は倒せないぞ!」
「くっ!」
『メロンディフェンダー!アップルリフレクター!』
弾かれ体制を崩した紀斗にブレイドのキングラウザーが迫るが紀斗は数回極ロックシードを捻りマスクメロンの表皮と果肉を模した盾と飾り切りされたリンゴを模した盾。二つの盾を出しキングラウザーの攻撃を防ぐ
『大橙丸!無双セイバー!イチゴクナイ!バナスピアー!影松!ドリノコ!キウイ撃輪!黄泉丸!ソードブリンガー!スイカ双刃刀!』
「行けぇ!」
紀斗は再び極ロックシードを何度も捻ると自分の背後に刃が付いた武器を複数展開しブレイドへ向けて発射する
「ふっ!」
しかしブレイドはキックローカストで脚力を強化し地面を蹴り高く飛び上がることで飛んできた武器を全て避けた
「逃がすか!」
『ウォーターメロンガトリング!』
「なっ!?ぐあぁぁ!?」
紀斗は今度は先程のメロンディフェンダーのスイカ版の下部にガトリングを付けたウォーターメロンガトリングを出し右腕で持つと下部のガトリングで飛び上がったブレイドへガトリング弾をおみまいする
「くっ!」
「もらったぁ!」
地面に仰向けに落ちたブレイド目掛け紀斗は火縄大橙DJ銃 大剣モードを振りかぶり垂直に叩き斬ろうとする。だが火縄大橙DJ銃が叩きつけられた先には地面だけ、ブレイドはいつの間にか紀斗の後方でキングラウザーを振り下ろそうとしていた
『蒼銀杖!影松!ブドウ龍砲!』
「そうりゃ!」
紀斗は自分の真後ろに蒼銀杖と影松・真を交差させたX字状態で出現させキングラウザーを止める。そして右手に逆手に持ったブドウ龍砲を後ろに向けて撃ちブレイドを怯ませる
「くぅ!?うおりゃあ!」
「ぐ、うあぁ!?」
しかしブレイドはすぐさまメタルとタックル、そしてマグネットバッファローで紀斗を磁力で引き寄せ硬化した身体でまるで本物の猪のように突進し紀斗を轢き跳ね飛ばす
『クルミボンバー!』
「よっと!」
紀斗は空中でクルミボンバーを出現させるとそれに乗り再び極アームズを捻る
『ブドウ龍砲!ウォーターメロンガトリング!ソニックアロー!火縄大橙DJ銃!』
紀斗が新たに出したのは銃や弓、遠、中距離系のアームズウェポン。それらを二つずつ自分の周りに出現させた紀斗は自分の手にも火縄大橙DJ銃を持ちカッティングブレードを一回下ろす
『極スカッシュ!』
「一斉掃射!」
全てのアームズウェポンの発射口からエネルギーの矢、弾丸、レーザーなどが放たれブレイドへと迫る。だがブレイドはその一斉掃射に対して慌てることなく冷静に五枚のカードをキングラウザーへと挿れていく
『SPADE 10』
『SPADE JACK』
『SPADE QUEEN』
『SPADE KING』
『SPADE ACE』
『ROYAL STRAIGHT FLUSH』
「ヴェェェェェェェイ!!」
ブレイドの目の前にはスペードの10〜Aまでのラウズカード状のエネルギー、彼がキングラウザーを振るうと剣先から黄金のエネルギーが放たれそれはカードを通過する度強く、大きくなっていく
虹色と黄金、二つのエネルギー波はぶつかり合いそれによる衝撃波が生じ周りの物を薙ぎ倒していく
二つは相手を押し潰そうと拮抗し一進一退の攻防を続けるが徐々に虹色のエネルギー波が押されている
(チィッ!このままじゃジリ貧だ!こうなりゃちぃと危険だが、やるしかねえか!)
紀斗は自分の手に持つ火縄大橙DJ銃の砲撃を止めるとすぐにバナナロックシードを出しセットする。だが、それをしている間にロイヤルストレートフラッシュは威力の弱まった砲撃を先程よりも速いスピードで押していき紀斗へと迫っていく
『ロック、オン! バナナチャージ!』
「せい、はあぁぁぁぁぁぁ!!」
黄金のエネルギー波の中心へ槍のような円錐状のフルーツを模したエネルギーの砲撃が放たれる。その砲撃は黄金のエネルギー波を押し戻し切っ先のような先端が中心から黄金のエネルギー波をドリルが掘り進むように突き進んでいく
「く、うわああぁぁぁぁぁぁ!?」
「ここで仕留める!」
『影松!バナスピアー!イチゴクナイ!無双セイバー!』
遂にロイヤルストレートフラッシュは完全に押し返されブレイドはその余波で吹き飛ばされる。その隙を見逃さず紀斗は影松などを出し射出する。だがその攻撃はマグネットを使ったことでブレイドとアームズウェポンの間に生み出された斥力によってブレイドへは届かず弾き飛ばされる
「チッ」
これ以上はいくら射出しても無駄だと考えた紀斗はクルミボンバーから飛び降り持っている火縄大橙DJ銃に無双セイバーを挿し大剣モードに変える。そして空中から立ち上がったばかりのブレイドへ火縄大橙DJ銃の刃を振り下ろす
(ここで後ろに下がれば今度こそ狙い撃ちできる!キングラウザーもこの攻撃を防ぐには遅すぎる!これで終わりだ!)
しかし紀斗の予想は完全に裏切られた。ブレイドがとった行動は後ろに下がるでもその場で耐えるでもなく目の前へ突進するというものだった
「うおおおおおお!」
「なに!?ぐほぁ!?」
予想外の攻撃、しかも空中で大きな動きのできない紀斗は避けられる筈もなくそのままボアタックルで強化されたブレイドのタックルをくらい吹き飛ばされ近くの木にぶちあたる
そんな隙をブレイドが見逃さずすぐに膝をついている紀斗へと近づき先程の紀斗と同じように上段からキングラウザーを振り下ろす。
「ヴェェェェェイ!」
(間に合わない!やられる!)
紀斗はその攻撃に対処しようとしても間に合わないと瞬時に理解した。だからこそ筋肉は硬直し事故に遭う直前の猫のように固まってしまった
『世界を護るなら、この程度で諦めるな!』
「っ!?」
だが紀斗は無意識に振り下ろされたキングラウザーを右腕で受け止め防ぎ火縄大橙DJ銃をブレイドの腹へと突き刺した
それはまるで本物の鎧武
(また、あんたに助けられちまったのか、葛葉 紘汰……)
「がふっ……これは、俺の負け、だな……海堂」
「ああ、だがこれは俺一人の勝ちでもない。この力の本当の持ち主のおかげで勝てたんだ」
腹を貫かれたブレイドは紀斗の目の前で両膝をつき紀斗を見据える。その身体からは消滅時の光が漏れ始め少しずつだが体が透けてきている
「俺逹だって……いつも一人で戦ってきたわけじゃないんだ。辛い戦いの時には仲間がいた。お前も、もう少し仲間を信じて頼った方がいい。一人だといつか抱えきれなくなって押し潰されるぞ」
「そう……だな。俺も、あいつらを信じきれてなかったのか……。ありがとう、剣崎 一真。今度は、俺一人であんたに勝てるくらいまで成長してみせるさ」
「ああ、その時を、楽しみにしてるよ……』
その言葉を最後にブレイドの体は光り光球になると紀斗の中へと戻っていった。紀斗は自分の中の隙間がまた一つ埋められたのを感じながら変身を解いた
『あーあ、ブレイドは先に取り戻されちゃったか〜』
「っ!?」
紀斗はつい数時間前に聞いたその声を聞いた瞬間その声の主から距離を取りディケイドライバーを取りだした
「てめえ……あの時のドーパント!」
『いやぁ、実に残念だ。ブレイドとキバのコンビなんて結構あたしの趣味に合うライダー逹なんだから両方揃えたかったんだけど、先を越されちゃあしょうがないなぁ』
この異変を引き起こしたドーパントはまったく残念がる様子を見せず飄々とした態度で紀斗へと話しかける。その行為だけでも紀斗を煽るには十分であり、紀斗は額に青筋をたてながら鋭くドーパントを睨みつけている
「揃えるだと?ライダー逹をコレクションみたいに言うんじゃねえ!仮面ライダーはてめえの玩具じゃねえんだぞ!」
『おお、怖い怖い。だけどあんたに何と言われようがあたしはライダー逹を集めるのをやめる気はないよ。あいつらの力を使えばあたし逹の下剋上は確実なものになるんだからねえ』
「てめえ、まさかとは思ってたが洗脳系の能力も持ってるな?」
『ああ、そうだよ。というか今まで気づいてなかったのかい?普通に考えればわかるだろう。下剋上を目的としているのにただライダー逹を解放してあんたを無力化させるだけなんてメリットが少なすぎる。それに、主役張ってるライダー逹には邪魔されるだろうしねえ。だったらライダー逹を自分の手駒にしてしまえばいい。そうすればあんたの無力化に戦力の強化、両方できて一石二鳥だ』
紀斗の問いにドーパントは何を今更といった風な態度で呆れを示す。だが紀斗はその答えについて一つ疑問を覚える
『なら、なんでその能力で俺を洗脳しなかった。そうすれば完全に俺をお前らの戦力に加えられただろう」
「ん〜、まあ、特別サービスで答えてやろうじゃないか。単純な答えだよ。あんたの精神力は舐めてかかったらいけない程の強さを持ってるからさ』
「なに?」
『あんた、一度財団Xにとっ捕まって洗脳されてたことがあっただろう?だがあんたは自我が閉じこめられてたにも関わらず洗脳を自分一人で解きかけた。わかるかい?それくらいあんたの精神力は油断できない爆発力を持っているんだ。そんな相手を自軍に引き入れたんじゃ何時後ろから斬りかかられるかわかったもんじゃない。なら洗脳しやすいライダーを操って戦わせた方がよっぽど賢くて楽なやり方なんだよ』
『KAMEN RIDE DECADE』
「なら、ここでお前を倒せれば少なくともライダー逹は全てお前の洗脳からは解放されるってことだな?」
ドーパントの答えを聞いた紀斗はディケイドへと変身しライドブッカーをソードモードへと変えその刃をドーパントへと向ける。それに対しドーパントはやれやれといった風な態度で言葉を返す
『おいおい、ストーリーの途中でいきなり異変の元凶を叩くなんていう無粋な真似はよしてくれよ。ここはこいつらで我慢してくれ』パチン
「グルルルル……」
「…………」
ドーパントが指を鳴らすと後ろの林からガルルの体色を茶色にし頭の角を無くした人狼型のドーパントと仮面ライダーギャレンが現れる
「幻想郷の住民か妖怪もドーパントにして操ってやがるのか。そしてギャレン……てめえ、一体あとどれだけの数のライダー逹を操ってやがる」
『そう簡単に自分のカードがどれだけあるかなんて教えるわけないだろう。だけど魔王を倒すのに魔王の居場所を知らないってのも面倒な話だしねえ。仕方ない、もしあたしを倒したいんだったら空中に浮かぶ逆さの城に来な。そこであんたを心身共に叩き潰してあげるよ』
ドーパントはそう言い残すと人狼型のドーパントとギャレンを残し煙のように消えてしまった
「待て!」
「グルァァ!!」
「……」
気配を追おうとする紀斗するだったが人狼型のドーパントとギャレンが立ち塞がり追わせまいとする
「くそ!野郎、ぜってぇ自分の居場所を教えたことを後悔させてやる!」
紀斗「作者は死んでるからこっちも俺たちでやるぞ。とりあえずブレイドが紀斗と戦ってやられていなければあのドーパントはギャレンと人狼型ドーパントを使ってブレイド第1話のオンドゥルルラギッタンディスカー!を再現させるつもりだったらしい」
霊夢「最初の方のメンタルは剣崎もあまり強くなかったし精神的隙は確かに大きくなるわね」
紀斗「そして俺はこれで三人目の主役ライダーの力を取り戻したわけだ」
霊夢「三つとも最強フォームが怪人や他のライダーの力を使えるタイプね。歩くライダー図鑑にアンデッド図鑑、そしてフルーツ盛り。手数の多さなら歴代ライダー逹の中でもかなりの上位ね」
紀斗「果たして俺は無事に魔王じょゲフンゲフン輝針城まで辿り着けるのか!」
紀斗、霊夢『次回もお楽しみに!』
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第十八幕 狼/仲間
あまり言うことも無いので本編です、どうぞ
「グルォアァァ!!」
「こっちもさっさとあいつを追いたいんだ。、悪いが早々に片付けさせてもらうぞ」
『KAMEN RIDE ZOLDA』
『ATACK RIDE SHOOT VENT』
俺はゾルダのカードをディケイドライバーに挿れゾルダの姿に変身しゾルダの武器であるギガランチャーをカードを挿れ装備する
「吹き飛びやがれ!」
「グルァ!?」
そしてその砲身を走ってきた人狼型ドーパントへと向け砲弾を撃ち放つ。だが撃ち放たれた砲弾は人狼型ドーパントに当たる直前でギャレンの放った弾丸に撃ち抜かれ爆発する
「チッ、あのギャレンはそういう役回りか。厄介、だな!っと」
「キャウン!?」
爆風に紛れて人狼型ドーパントが飛び出してきたがギガランチャーの砲身でバットのように打ち返す。北岡さんみたいな普通の人間が使う場合じゃできない馬鹿力を持つ俺だからできる芸当だな、これは。
「ギガランチャーだけで駄目なら、砲門を増やすだけだ」
『ATACK RIDE SHOOT VENT』
俺はさっきとは別のシュートベントの両肩に二門の巨大な砲台、ギガキャノンを装備しギガランチャーの砲弾と合わせて三発の砲撃をドーパントとギャレンへ撃ち放つ
「スゥゥゥゥゥ、アオォォォォォォン!!」
「がっ!?くそ!高周波の音と衝撃波か!厄介だな!」
ドーパントの放った遠吠えは全ての砲弾を俺の身体ごと吹き飛ばしついでとばかりに俺の鼓膜まで破壊しやがった。そのせいで周りの音は何も聞こえなくなり視覚や気配だけで相手の動きを探らなくちゃならなくなった。蓬莱人の回復力で既に少しずつ治り始めてるからいいもののちとやりづらいな……
相手の戦略は至ってシンプルだ。人狼型ドーパントが近接戦で注意を引き後方からギャレンが狙撃、先にギャレンを狙ったとしても人狼型ドーパントがそれを邪魔しに来る。シンプルだが面倒なよくあるコンビ戦法、とりあえず最初は一番厄介なあの咆哮をなんとかするか
「ーーー!!」
おそらく唸り声をあげているだろう人狼型ドーパントが俺に飛びかかってきた。それに対し俺はギガランチャーを地面に向かって撃ち俺と人狼型ドーパントの姿は土煙りで隠れる
ドーパントの方も予想外だったようで俺の場所を探しているのが気配でわかる。俺は向こうがこちらを探している間にカードを入れベルデへと姿を変えバイオグリーザの目を模したヨーヨー型のホールドベント、バイオワインダーを装備する。今のカードを使った音で大体の位置は把握されただろうが関係無い。噛みつこうとしてきたドーパントの口にバイオワインダーをねじ込みバイオワインダーから伸びるワイヤーを何重にもドーパントの口に巻き縛る
「フガ!?」
「ようやく鼓膜も復活したか。ん?」
ようやく聴覚の戻った俺の耳にドーパントのフガフガという間の抜けた声の他に自分の方へ何かが飛んでくる風切り音が聞こえその方向へとドーパントを持ち上げ盾《ガードベント》にする
「フギャン!?」
「危ねえな、スコープバットでも使ったのか?」
飛んできた弾丸は全て俺が盾にしたドーパントへ命中し俺はまともに喋れない状態のドーパントを投げ捨てベルデのマークが描かれたカードをディケイドライバーへと挿入する
「先にこっちを片付けるとしよう」
『FINAL ATACK RIDE VE,VE,VE,VERDE』
その音声が鳴ると同時に何もない場所から突然二足歩行のカメレオン型のミラーモンスター、バイオグリーザが姿を現わす。俺が逆立ちの体制になると俺の両脚にバイオグリーザの舌がしっかりと巻きつき俺の身体は振り子のように振られドーパントをキャッチする。そのままドーパントをパイルドライバーの形でロックしバイオグリーザの舌が俺の脚から外れ空中からギャレン押し潰すようにドーパントへのパイルドライバー、デスバニッシュを決める
「フグゴォ!?」
「!?」
逃げきれなかったギャレンはドーパントの頭を背中のちょうど背骨の真ん中辺りでくらう形になり両者共やられはしていないがほぼ瀕死になっている
俺はディケイドの姿に戻りディケイドのマークが描かれたカードをライドブッカーから取り出す
「こいつで締めだ!」
『FINAL ATACK RIDE DE,DE,DE,DECADE』
十枚のカード状のエネルギーがドーパントとギャレンをロックしライドブッカー ガンモードから放たれた光弾が一人と一体を呑みこんだ
光弾に呑みこまれた一人と一体は爆発しギャレンの力が俺の中に戻るとメモリが壊れる前の最後の音声が聞こえた
『HUMAN/WOLF』
『WEREWOLF』
「人間と狼の記憶で狼人間か。っと、大丈夫か?影狼」
ドーパントになっていたのは俺や永琳達と同じ迷いの竹林に住む頭に狼の耳を生やした狼女の少女、今泉 影狼だった。話を聞くと竹林に落ちていたメモリに触れた瞬間メモリが勝手に自分に刺さりその後の記憶が無いらしい
「きっとメモリが相性のいいお前と接触したことで暴走してお前を取りこんだんだろうな。とりあえず永遠亭かバイオに連絡して迎えに来てもらうぞ。流石に今の状況のお前を一人にしておくのは危険だからな」
「あー、悪いね。そうしてもらえると助かるよ。今は指一本動かせそうにないからね。今襲われたらデッキも持ってきてないから抵抗もできずに喰われまうよ」
影狼の言葉に俺の中で罪悪感が増す。たとえ暴走していたとしても彼女を傷つけたのは俺自身だ。仲間を傷つけたという行為自体、かつて俺が財団Xに操られていた時に俺が犯してしまった罪の一つだ。あの時も影狼を俺は攻撃してしまったがここまでやる必要もなかったと後悔が募る
そんな俺の気持ちが顔に出ていたのか影狼が笑みを浮かべながら言葉を続けた
「今回のこれはあんたは悪くないよ。あんたは暴走してたあたしを止めてくれた、それでちょっと力が入り過ぎた。ただそれだけさ。あんたが気に病む必要は何もない。それに、こんなボロボロの状態でも敵の手先で暴れるよりずっとマシさ」
そう言ってにひひと笑う彼女の言葉に俺も笑みをこぼす。やっぱ俺、仲間をいつの間にか下に見てた所があったんだな……。自分が一番強いからって自分の背中を誰にも預ける気が無かった。自分勝手な驕りだ。さっきのブレイドの言葉が改めて頭に浮かぶ、"もう少し仲間を信じて頼った方がいい" か……
「ありがとうな、影狼。おかげで少しスッキリしたわ」
「どういたしまして、ちょうど迎えも来たみたいね」
「影狼ーー!大丈夫かー!」
走って来たのは黄緑に赤の紋様のような線の入った服を着た黄緑の髪の少年、バイオ。彼は影狼の契約モンスター兼パートナーのバイオグリーザの人間態だ
「おー、バイオ、悪いけどおぶっていってくれない?今一歩も動けそうにないからさー」
「はあ……そのくらい口がきけるなら命に別状は無さそうだね。やれやれ、でも僕の方が身長が低いんだから引きずる形になるよ?」
「えー、それならお姫様だっこでもあたしは構わないよ?」
「ぶっ!?な!なななななに言ってんのさ!そ、そんなことできるわけないだろ!?///」
遊ばれてるなー、バイオの奴。影狼からしたらバイオはまだ弟的な感じで見られているのだろう。少なくとも男としてはあまり見られてないというのがよくわかる。仕方ない、少し後押ししてやるか
「そう言わずにやってやれよ。お前の筋力なら別に問題ないだろ?」
「なっ!?紀斗さんまで!///」
そういった会話を少しの間続けバイオの逃げ道を塞いでいくとバイオは観念したのか顔を真っ赤にしながらか細い声でわかったよと呟き影狼を抱き上げる
「それじゃ僕らは永遠亭に行くから……紀斗さん、こんな異変、さっさと終わらせてよね」
「ああ、任せとけ。こんなふざけた異変、今日中に終わらせてやるさ」
「いくら蓬莱人だからって無茶し過ぎないようにね」
「わかってる、俺だって何度も死ぬのはごめんだからな。なるべく無茶はしないようにするさ」
二人は最後にそう言い残すとこの場を去り永遠亭へと向かっていった。俺はそれを見送ると再びケータイを取り出し電話をかける
「もしもし、紫さん?そっちは大丈夫か? そうか。今から言う場所に動けるメンバーを集めてくれないか。この異変の首謀者の居場所がわかった」
さあ、革命返しの時間だ
はい、ということでほとんどの方は気づいてたでしょうが人狼型ドーパントの正体は影狼でした。元々彼女は輝針城が初登場でしたしメモリも考えやすいからここで抜粋されたんです。え?バイオとの関係?今のところ友人以上恋人未満といったところでしょうか……とりあえず頑張れバイオ!きっと君も報われる日が来るさ!……多分
それでは次回もお楽しみに!
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第十九幕 小人/門
紀斗「まだ作者が壊れてるから代理をさせてもらうぞ。今回はあの逆さ城への突入回だ。後一応敵のボスのお出ましだな」
紀斗「それ以外はあまり言うことも無いからさっさといこうか。それでは本編です、どうぞ」
重力に逆らうように空にそびえるさかさ城、その近くの林では紀斗が他のメンバー達を待っていた
数分するといきなり空間が裂け多数の目が覗く裂け目,スキマが複数出現する
スキマからまず現れたのは金髪ロングの紫のフリルのついたドレスを着た少女の姿をした女性、八雲 紫。彼女を筆頭に霊夢や魔理沙、幻想郷の実力者達やドライブや龍騎達こちらに協力してくれるライダー達もスキマから出てくる
集まった幻想郷のメンバーは霊夢、魔理沙、咲夜、レミリア、鈴仙、早苗、甲、豊郷耳神子、聖、チルノ、大妖精、天子
そして協力してくれる仮面ライダーはドライブ、ダブル、歌舞鬼、電王、ゼロノス、New電王、龍騎、ナイト、ファム、ライア、一号、二号、アマゾン、X、アギト、G3-X、ファイズ、オーガ、アクセル、フォーゼ、ウィザードだ。
幻想郷のメンバーは自分達の住処や拠点の護衛もある為全員は来れなかったが各地で協力してくれる仮面ライダーを紫達が集めていてくれたのだ
「それで、敵の本拠地はあの城、そしてその情報はこの異変を引き起こした張本人から言われた。しかもその張本人はライダー達や物体を操る能力も持っている。そういうことね?」
紀斗が話した内容を紫はわかりやすいように纏め確認を取る。それに紀斗は頷き紫は少し考えこむと言葉を続ける
「完全に罠よね、これ」
「ああ、誰がどう見ても罠だ」
「罠以外に考えられんな」
「え!?罠だったのか!?」
「マジか!?全然気づかなかった……」
「城戸、如月……こんなのは子供でも普通気づくぞ」
「あ、あああたいは最初っから気づいてたよ」
(チルノちゃん、目が泳ぎすぎてバレバレだよ)
紫の言葉に紀斗や一号達も頷く。敵の大将クラスがわざわざ自分達のいる場所を教え来るように言ったのだ。明らかにその場所には罠を張っていると言っているようなものだ。まあ、約三名程わかっていなかった馬鹿と⑨もいたようだが
「だがこれ以外に手が無いのも事実だ。このまま手をこまねいていれば向こうは更にライダー達を操って戦力を増強させちまう。ここで叩いとかないともっと面倒になるぞ」
「それはわかってはいるのだけれどね……」
「だが無策で突っ込んでは敵の思う壺だぞ」
「なら紫さんもいることですし二手に分かれますか?それならどちらかが罠にかかっても助けられるでしょう」
その早苗の案には皆賛成し、大人数のAチームと少人数のBチームで別れることとなった
Bチームは紫、霊夢、魔理沙、咲夜、一号、二号、フォーゼの七人、それ以外のメンバーは全員Aチームという形になりAチームは一番上の最下階から、Bチームは一番下の最上階から紫のスキマを通って攻めこむ手順となる
「皆、準備はいいかしら?それじゃ繋げるわよ」
紫が右手の扇子を振るうと大小二つのスキマが現れる
「小さい方が最上階、大きい方が最下階に繋がってるわ。さ、早く入って。いつ敵が攻撃を仕掛けてくるかわからないんだから」
最上階
天守閣であるここは周りが全方レースのような透かしのある窓になっておりそこから幻想郷の地と空が見える。ここまでは普通の城と変わらない点だが一つ、普通の城とは違う点がここにはあった。それは……
「やっぱり上下逆さまなのね、この城」
そう、この部屋に入った瞬間霊夢達は気付いたがこんな形で建っている城だ。実は入った瞬間重力が上下逆さまに機能するかもと思っていたが重力はちゃんと仕事をしており床が上、天井が下というなんとも生活しづらい造りになっているのだ
「こんなところでちゃんと生活できるのか?なんか上下感覚が変になりそうだぜ」
「まず飛べなきゃ不便過ぎる造りではあるわね。こんな所じゃ料理一つ運ぶのにも面倒だわ」
「おおー!!一号先輩!二号先輩!外すごい景色っすよ!」
「お前はまず見るところがそこなのか、フォーゼ」
「だーれ?」
『‼︎』
メンバー達の声に気付いて部屋の奥から飛んできたのは霊夢達より少し小さいくらいの身長の赤い和服を着て頭にお椀を乗せた紫色のショートカットヘアの少女。その少女はスーッと飛びながら霊夢達に近づくと途端に顔を顰めた
「博麗の巫女に魔法使いと吸血鬼のとこのメイドじゃない。来るべき時が来たのね」
「あんた、何者よ。この城の一番上にいるってことはこの異変の首謀者ってことでいいのかしら?」
「ええ、そうよ。私は少名 針妙丸、かの一寸法師の末裔よ。私は小人の一族がどのような屈辱を味わってきたのか。それを貴方達強者にわからせる為にやってるんだから」
「お前は小人だったのか……それにしちゃあ小さくは見えないが」
「大きくなる力を得た今こそ世界をひっくり返す好機なのよ!それと、あの有名な初代ダブルライダーとフォーゼ。巫女達と一緒にいるってことは敵なのよね?残念だわ、弱い者を助ける貴方達仮面ライダーに敵対されるなんて」
「確かに俺たち仮面ライダーは弱い奴らの味方だ!あんたのご先祖様もひどい目にあったかもしんねぇ!でもあんたのやり方は間違ってる!そうっすよね!一号先輩!二号先輩!」
「その通りだ、フォーゼ!我々も一族の哀しみを晴らすのをするなとは言わない。だが罪も無い人々も傷つけるこのような異変を黙って見過ごすことはできん!」
「そうだ、もっと違った形のことなら応援できたかもしれないけどな。この異変、ここで止めさせてもらうぞ!」
「「「変身!」」」
『カポーン』『セット!オープン!L・I・O・N ライオーン!』
霊夢、魔理沙、咲夜も変身し六人は針妙丸へと構えを取る。それを見た針妙丸は一つため息を吐くと一本のメモリを自分の左側頭部へと突き刺した
『Small/Big』
『Size』
その音声と共に彼女の姿は白い西洋兜を被った赤の西洋甲冑を模した姿に変わり右手に鍔部分に青くSの文字があるレイピアと左手には赤いBの文字が持ち手に付いたハンマーを持ったサイズドーパントに変身する
「やはり強者と弱者は相容れない。ここで貴方達を倒しこの異変の成功への道を完全なものにしてあげる!」
最下階
一方こちらはAチーム、彼らも無事潜入できたがどう進むか迷っていた
「なんで門が四つもあるんだ……」
「しかも全部上下逆さまだからすげー読みづらいな」
そう、紀斗達の前には四つの大きな門が上の方にある床に並んでおりどの門に入るか悩んでいた
「えーと、死の間、怪人の間、狂の間、収集の間って書いてあるぞ」
「真司、あんた漢字ちゃんと読めたんだ」
「おい!俺これでもジャーナリストの端くれだぞ!」
「しかし収集以外あまりいい単語じゃないな。死や狂なんて不吉そのものだぞ」
「そうですね。この場合だとこれは名前に関係する試練を与えられる形だと思いますけど」
『ピンポ〜ン、オーガ君大正解だよ、その答え〜』
突然紀斗達の前に巨大なスクリーンが現れそこにはあのドーパントの姿が映っていた
『ようこそ、ようこそ!我らの城へ!首を長くして君らのことを待っていたよ!』
「あいつが俺達を操る力のあるドーパントか」
「なんかごちゃごちゃしたデザインだな」
『さて!くだらない談笑はしないでとっとと本題といこうか。さっきそこのオーガ君が言っていたように簡単な試練を四つ用意させてもらった。好きな門の試練に挑むといい、因みにどの部屋もクリアすれば同じ通路に通じてるから安心しなよ』
「なら、全員で同じところに行かせてもらおうか。制限は何もされてないんだからな!」
ドーパントの言葉を聞いた紀斗がそう言って収集の間へと走り出すとそれを見た全員が収集の間へと走り出す
『おっと、それはよくないなぁ。全員がそこに入るのはよくない』
しかしドーパントがそれを簡単に許す筈がなかった。ドーパントが指を振るうと全ての門が×印の描かれた赤いエネルギーで覆われた。そしてそこからドーパントの青いコードが大量に現れ紀斗達を襲い始める
「気をつけろ!捕まったら何をされるかわからないぞ!」
紀斗が叫ぶが迫ってくる何百本ものコードには逃げきれずどんどんコードに刺され四つの門のどれかに連れこまれていく
「ぐあっ!?」
「木場!」
オーガの背にもコードが刺さり連れこまれそうになるオーガの手をファイズが掴むがオーガがすんなりと入った赤いエネルギーの壁はファイズが入るのを拒絶し弾き飛ばされる
『おや、君はオーガ君と一緒がいいのかい?いいぜ、入れてやるよお』
「がっ!?」
赤いエネルギーの壁からまた一本コードが現れ尻もちをついた状態のファイズは避けられず腹に突き刺さるとそのままオーガが連れてかれた門と同じ門に入れられた
そうして全員が門に入れられ静かになった広間を見たドーパントは門を閉め玩具を手に入れた子供のような雰囲気を放つ
『ふふふ、さあ、楽しませてくれよ?ライダー諸君、あたしを退屈させない玩具としてな』
紀斗「今回はそれぞれ上の階と下の階に分かれてカチコミに行ったな。まあ、方や組織のトップと方や四つの門のどれかにぶち込まれるっていう展開になっちまったが」
霊夢「そして針妙丸のメモリはBigとSmallを合わせたSizeのメモリ。大きさの記憶ね、どんな能力かはまだ秘密だけど大体わかりやすいものでしょうね」
紀斗「さて、今回はここまでにしておいて、と。こいつはいつ復活するんだ?」
あはははははーお星様きれいー
紀斗「……とりあえず次回もお楽しみに!」
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第二十幕 収集/憤怒
それでは本編です、どうぞ
収集の間
ここには紀斗、甲、天子、アクセル、ゼロノス、ナイト、ライアの7人が閉じこめられていた
この部屋の大きさは大体サッカーコートぐらいの大きさで上の床に一定間隔で淡く光る灯篭が置かれている
「ここは……どの間だ?」
「わからないわね。あんな混戦状態で無理矢理引っ張られてここにいれられたわけだし今回のメンバーでもわかってる奴の方が少ないでしょ」
「門は開けられるか?」
「門は完全に閉まってるぜ。押しても引いてもビクともしねえ。こりゃこっちから出るのは無理だ」
『何をしようと今その部屋から出ることは出来ないぜ?海堂 紀斗とお仲間さん達よぉ』
7人が話し合っていると先程の大広間に現れたものとまったく同じスクリーンが現れその画面でドーパントが足を組みながら紀斗達を見下していた
『お前らを入れた四つの部屋は全てあたしの能力で脱出不可能侵入不可能の完全な密室になってる。あたしが許可しない限りお前らは絶対にそこから出られないんだよ』
『あたしが許可する条件はただ一つ、その部屋の刺客を全て倒せ。それだけだ。実にシンプルだろお?ま、その部屋の全員がやられたらそこでゲームオーバー、あたしからじきじきに罰ゲームをプレゼントしてやるからせいぜい楽しみにしてな。それじゃゲームスタートだ』
パチンッとドーパントが指を鳴らした瞬間部屋の奥から数人の人影が現れる
『さて、ここからは部屋ごと個別の実況だ。お前らがいるのは収集の間、自分の欲しいものを他者から奪い、盗み自分のものとしてきた奴らだ』
『他者から宝を盗む盗人』
姿を現わしたのはシアン色のバーコードを模した仮面ライダー、ディエンドとシルクハットやマントに宝石が散りばめられたような意匠の仮面ライダー、ルパン、虎をモチーフにした黄と黒の鬼、西鬼
『ヤミーやグリードからセルメダルを奪い自分の力としてきた戦士』
次に姿を現わすのは緑と銀を主としたガチャガチャのカプセルや甲殻類を模した仮面ライダー、バース、そしてそのバースの埋めこまれているカプセルの周りに赤い線が入ったバース プロトタイプ(以下プロトバース)
『データを得る為に他者を平然と犠牲にする科学者』
次に現れたのは王冠など王をイメージしたような青いスーツに黄色いマントやヘッドホンのような黄色いパーツなどの鎧を身につけた仮面ライダー、デューク
『賞金首のボタンをむしりコレクションしていたバウンティハンター、別名 妖怪ボタンむしり』
「おい最後だけ説明おかしいぞ」
最後に現れたのは仮面ライダーイクサ、説明に悪意が感じられるが実際その通りのことをしていたので何も言えない
合計七人の仮面ライダーが並び立ちそれぞれの得物を構えている。ゼロノス達も自分の得物を取り出し紀斗と天子も変身アイテムを取り出す
「「変身!」」
『ソイヤッ!オレンジアームズ!花道 オンステージ!』
『さあ、行け!お前達、奴らを完膚なきまでに叩き潰せ!』
『KAMEN RIDE GAI』
『KAMEN RIDE SCISSORS』
ドーパントが叫ぶと同時にディエンドがガイとシザースを、ルパンがナンバーの付いていない量産型ロイミュード三体を召喚し部屋の中の全員が動き出し混戦状態となる
「うおおおらあああああ!!」
G6を纏った甲が両肩のオルトロスと両手のサブマシンガン、GM-01 スコーピオンを乱射しディエンド達に少しでもダメージを与えようとする。だがガイ、シザース、ロイミュード達が自分達から盾になり弾丸は全て防がれてしまった
『STRIKE VENT』
『SWING VENT』
「SWORD VENT』
『ATACK RIDE BRAST』
『チューン ルパンブレード』
『レモンエナジースカッシュ!』
A天子、ライア、ナイトがアビスクロー、エビルウィップ、ウイングランサーを装備する。それに対抗するように相手のディエンドは複数のエネルギー弾を放ちルパンはルパンブレードバイラルコアをルパンガンナーに挿しブレードモードに、デュークは複数に分身し複数の幻影の矢と共に本物の矢を放つ
「この!」
「はぁっ!」
「ふっ!」
A天子はアビスクローから鮫の姿をした高圧水流、アビススマッシュを放ちディエンドのエネルギー弾を撃ち落とす。ナイトはウイングランサーでルパンのルパンガンナーと鍔迫り合いライアのエビルウィップの一振りがデュークの放った矢を幻影の矢ごと消し飛ばす
「おらぁ!」
『オレンジスカッシュ!』
『イ・ク・サ・カ・リ・バー ラ・イ・ズ・アッ・プ』
光を纏った紀斗の大橙丸とイクサのイクサカリバーがぶつかり合い互いを吹き飛ばす
『KAMEN RIDE OUJA』
『KAMEN RIDE ZOLDA』
『KAMEN RIDE KAIXA』
ディエンドは再びディエンドライバーに三枚カードを挿入し王蛇、ゾルダ、カイザの三人を召喚する
セルメダルが無いのかバースとプロトバースはアクセル、ゼロノスに格闘主体で襲いかかりそこへ西鬼が自分の装備である三節棍、烈節で強力な打撃を繰り出してくる
だがアクセルとゼロノスも負けずエンジンブレードとゼロガッシャーを使い反撃を加えていく
戦力差としては互角、しかし何かのきっかけ一つでどちらかに傾く。そんな戦況が続く中、ライダー達を操っているドーパントから指示があったのかライダー達はこの戦力差を一気に傾けるアイテムを取り出してきた
『ドラゴンエナジーアームズ!』
『G4 RYUGA ORGA GLAVE KABUKI CAUCASUS ARC SKULL FINAL KAMEN RIDE DIEND』
『ラ・イ・ジ・ン・グ』
デューク、ディエンド、イクサはドラゴンフルーツエナジーロックシード、ケータッチ、イクサライザーを取り出しそれぞれ強化フォームへとフォームチェンジをする
「パワーアップしたか!」
「ならこっちもだ!」
ナイト、天子がサバイブのカードを、アクセルがトライアルメモリを、紀斗がカチドキロックシードを取り出し強化フォームへと変身しようとする
『そう簡単にそっちにまでパワーアップさせると思うか?』
「何!くっ!」
だがディエンドの召喚していたカイザ、王蛇、ゾルダとルパン、バース、プロトバースがフォームチェンジのアイテムを狙い攻撃してくる
更にその攻撃の隙にディエンドとルパン、西鬼の泥棒トリオが紀斗達のパワーアップアイテムを掠め取っていく
『これでお前達はフォームチェンジできない。さあ、その状態でどこまでやれるのか見せてくれよ』
「ちょっと返しなさいよ!この泥棒共ー!」
「警察官がスリにあうなんて、笑えない冗談だ。この事件の首謀者ごと全員逮捕だ!」
パワーアップアイテムを失った紀斗達は自分達が持っている装備でライダー達に勝たなくてはならなくなった
だが戦況は一気に紀斗達が不利になっている。通常フォーム同士なら互角の戦いも相手の出力が先程までとは段違いな為どんどん劣勢に持ち込まれている
「一人一人でやっててもジリ貧だ!全員で一気にいくぞ!」
『イチゴアームズ! シュシュっとスパーク!』
『一 十 百 イチゴチャージ!』
「仕方ないわね!」
「OK!でかいのぶちかましてやろうじゃねえか!」
「照井、他のメモリは盗られてないよな?」
『FULL CHARGE』
「俺に質問するな。盗られたのはトライアルだけだ」
『Engine Maximum Drive』
「飛び道具が無い俺たちは相手の妨害をする。いくぞ、手塚!」
「ああ!」
紀斗はイチゴアームズへと姿を変え無双セイバーへイチゴロックシードをセットし無双セイバーを振るうと無数のイチゴクナイを発射する。A天子は先程と同じようにアビスクローから水流弾を放ち甲は両肩のオルトロスの砲身の先に取り付けた特製砲弾、GZ弾を二発発射する。
ゼロノスとアクセルはボウガンモードにしたゼロガッシャーとエンジンブレードにそれぞれゼロノスカードとエンジンメモリを挿しV字型とAの形のエネルギーを連射する
五人の攻撃が入り混じり一つになる中、それを邪魔しようとするバースコンビや召喚されたライダー達をナイトとライアが抑える
『おいおい、こっちは遠距離が主力のライダーが多いんだぞ?そんなガキの考えるような浅知恵で勝てると思ってんじゃねえよ!』
『FINAL ATACK RIDE DI DI DI DIEND』
「音撃響 偉羅射威……」
『カァーン!カァーン!カァーン!!』
紀斗達の攻撃に対しディエンド コンプリートフォームは金色のディメンションシュートを放ち西鬼は烈節を楽器のトライアングルのようにしそれを音叉で叩き清めの音をディメンションシュートにコーティングするように上乗せする。そこへ更にイクサがイクサライザーから極太のエネルギー砲、ファイナルライジングブラストが放たれディメンションシュートと融合し清めの音を纏った巨大な黄金のエネルギー砲となり紀斗達の一斉攻撃とぶつかり合う
ドオオオォンという部屋全体を揺るがす程の轟音と共に二つのエネルギーは爆発し部屋内にいた者全てを吹き飛ばした
その爆発によるダメージは酷く部屋の中には立てる者はほぼいない。ギリギリ立てているのは蓬莱人の頑丈さと回復力で耐えた紀斗、元々装甲の厚いG6のおかげで耐えられた甲ぐらいだ。他のメンバーは変身解除ギリギリまでのダメージを受け膝をついたり起き上がれないでいる(約一名もっと今のを受けてみたいわねなどと変態発言をしてるのもいるが)
それに対しドーパント側のライダー達は全員倒されてはいないが立ち上がってくる気配は無い。その事に紀斗達は安堵仕掛けるがディエンド達が急にピクリと動きゾンビや幽鬼のようなゆっくりとした動きで立ち上がってきたのだ
「! こいつら、まだ立ち上がってくるのか!?」
「普通の奴ならもう立てなくなるようなダメージを受けても動くのかよ……!」
『はっはっはっ!そいつらが痛みやダメージで怯むとでも思ってんのか?そいつらはあたしの命令に忠実に動くだけの人形だ。はなから痛覚や恐怖を覚えるような自我は取り外してんだよ!ゾンビと違って完全に倒されれば復活は出来ねえがそれでも充分だ!そこにいる海堂 紀斗を使えばいくらでも再利用できるんだからなぁ』
「この、クズが……!」
紀斗達は憤りを見せるが満身創痍なその姿ではドーパントの強者を見下しているという愉悦的欲求を満たすだけだった
『さて、それじゃあそろそろそっちのライダー達もいたたいておくとするか。そのダメージじゃあまともに避けれそうにないしな』
ドーパントがそう言うと部屋の上からドーパントのコードが伸びてきて倒れているナイト達へと襲いかかる
「させる、かぁ!」
だが紀斗がイチゴクナイを投げコードの侵攻を止める。イチゴクナイが当たったコードは爆発し消えるがその程度の数が減ったところで問題は無いという風に消えたコードの倍以上の数のコードが伸びてくる
甲もそれを吹き飛ばそうとするがこちらに向かってくるライダー達への迎撃で手が回せない
奮戦する紀斗と甲だが遂にコードの触手が紀斗の攻撃を掻い潜りナイトへと突き刺さろうとしていた
「ああああああぁぁぁっ!!」
しかしそのコードに突き刺されたのはナイトではなく紀斗だった
「なっ!?」
『へえ……』
「くっ、うっ……」
背中をコードに突き刺されてもその場で踏ん張る紀斗にナイトが問いかける
「海堂、お前、なんで俺を庇って……。戦力を増やされるならお前の手で俺を倒せばよかっただろう!」
「ぐっ、はぁっはぁっ、確かによお、戦力を増やされたりあいつに操られるライダーをこれ以上増やしたくないっていうのはある。でもな、それ以上に仲間を手にかけるなんて真似は、死んでも嫌なんだよ」
「海堂、お前……」
『はいはい、気持ち悪くて鳥肌が立つような友情ごっこお疲れさん。ライダーのガードベントになれてよかったね。だけどさあ、お前状況分かってるかい?今朝、あんたから仮面ライダーの力を抜いた時と同じ状況だよ。今ここであたしがちょいと念じれば今までせっせと集めたあんたの中の力は再び幻想郷中に飛んでいく。そうなれば今度こそあんたらは終わりだ。それが分からない程の間抜けかい?』
「んなことは先刻承知なんだよ!でもなぁ!それが仲間を見捨てていい理由にはなんねえだろうがよぉ!!」
『チッ、胸糞悪い。ああ、イラつくよ!綺麗事ばっか並べて!ウザいんだよ!この!この!この!この!』
「ぐっ!?がっ!?ぁっ!?っっ!?うっ!?」
ドーパントは右手でイライラを抑えるように頭を掻き毟り紀斗の背中へ更に何本ものコードを突き刺していく
だが、紀斗はそれでも倒れず耐え続ける。自分の信念を折らせぬ為に、仲間を、この幻想郷を守る為に。
「はぁ、はぁ、お前、言ってたよな。ライダー達は自分にとって都合のいい人形だって。俺を使えば再利用できるような存在だって。……ふざけるなよっ!!」
『っ!?』
その怒気は画面越しのドーパントすら怯ませる程のものだった。紀斗は画面に映るドーパントを睨み一歩足を踏み出す
「仮面ライダーはてめえの人形じゃねえ!誇りや信念を持って戦ってきた彼らを!仮面ライダーを侮辱するな!お前がその力で仮面ライダーを侮辱し、俺の仲間を、この幻想郷を傷つけるなら……俺がお前をぶっ飛ばしてこの世界を守り抜いてみせる!!」
ーーーそうだ、そんな大勢の人を悲しませるような不条理、お前がぶち壊しちまえーーー
「う、おおおおおおおおおおおおおおお!!」
『な、なんだ!?』
紀斗の中から葛葉 紘汰の声がすると紀斗から青色のオーラのようなものが溢れ出てその衝撃で次々と紀斗に刺さっていたコードが千切れ消えていく
そしてそのオーラが収まると紀斗の右手にはまるで漆塗りの陶器のような漆黒のカチドキロックシードが握られていた。その漆黒は深い黒だがブラックオレンジやブラックレモンエナジーアームズのような邪悪さは感じられずむしろ武者のような荒々しさや全てを包みこむ包容力を感じさせるロックシードだった
『ムソウ!』
「お前の野望も!その力も!全て打ち砕いてみせる!」
『ムソウアームズ!蹂躙せよ!ウォッ!ウォッ!ウォォォォォ!!』
降ってきたのはロックシードの色と同じ漆黒のアームズだった。兜は天に向かって伸びる牡鹿の角を模し肩からは黄色い大数珠が袈裟懸けにかけられている。鎧は漆黒の鋼の重装甲でカチドキアームズよりも厚くゴツい形になっている。そして左手には全長3mを超す刃の部分がドリルになっている大槍、無双岩削槍が握られイカヅチを発しながらギュルギュルとドリル部分が回っている
「お前の理想なんていう幻想は、この俺が絶対にぶち壊す!」
収集の間の収集っていうのは何かをコレクションしていたり盗んだりしているライダー達のことでした
そして今回初めて出しました鎧武のオリジナル強化フォーム、ムソウアームズ。もろカチドキの上位版みたいな感じです。モチーフはお察しの通り戦国最強 本田忠勝、蜻蛉切り代わりに持っている無双岩削槍はバサラの本田忠勝をイメージしました。因みにカチドキの上位版があるということは極の方もあるわけで……ま、それは追い追い出すかもしれませんので
次回もお楽しみに!
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第二十一幕 無双/必殺
「俺はお前を絶対に許さねえ。こんな異変を起こし仮面ライダーの力を利用して仲間を傷つけたお前を。もうこれ以上、俺の仲間は傷つけさせねえ!」
叫ぶ紀斗の身体から雷が迸りその迫力を一際際立たせる
その雷は周りでナイト達を狙っていたコード全てを焼き消すがその傍のナイト達には一切当たらなかった
『チッ、虚仮威しだそんなもん!お前達、殺れ!」
ドーパントの声と共にまずバースコンビと西鬼が走り出しディエンド、ルパン、ライジングイクサ、デュークが援護射撃を仕掛ける
「らああああああああ!!」
だが紀斗が力一杯無双岩削槍を振り下ろす。ただそれだけの行為で床が砕け衝撃で近くにいたバースコンビと西鬼、そして銃弾や矢までもが吹き飛ばされる
吹き飛ばされたバースコンビと西鬼は壁に叩きつけられ蓄積したダメージもあった為か力尽き粒子のようになって消える
だがいくら仲間がやられようと操り人形であるディエンド達に動揺は無い。彼らは操り手の命令に従い機械のようにただただ冷静に何の感情も感じることなく動くだけだ
その仮面ライダーがただの操り人形されている光景に紀斗は更に怒りを募らせるが頭は通常時より冷静になりいつもの熱い炎のような怒りではなく氷のようなクールな怒りを燃やしていた
『パイン!ロック オン』
『パインクラッシャー!』
紀斗は無双岩削槍の柄のソケットにパインロックシードを取り付ける。すると無双岩削槍の石突き部分から鎖が伸びその先にはパインアイアンをアイアンブレイカーを発動した時並みに巨大化したパイナップル型の鉄球、パインクラッシャーが付いていた
「はあ!」
紀斗はそれをモーニングスターの要領で振り回し飛んでくる弾や矢を消し飛ばし隙あらばライダー達へ当てようとする。パインクラッシャーの破壊力は見た目通り凄まじく少し掠っただけで装甲に無理矢理爪か何かで切り裂いた様な傷ができ大きなダメージを与える
「次はこいつだ!」
『イチゴ!ロック オン』
『イチゴ百烈砲!』
パインロックシードを取り外しイチゴロックシードを取り付けるとパインクラッシャーが消え今度は両側面にイチゴが描かれた大砲が石突き部分に現れる
「発射ァ!」
砲門から放たれるのは砲弾ではなく通常のイチゴクナイだった。だがその数はイチゴアームズで放たれる時の比ではない。何十、何百ものイチゴクナイが巨大な砲門から飛び出し続けそれらがディエンド達へ迫っていく
当然ディエンド達も撃ち落とすなり誘爆させるなりして防ごうとするが数が数だけに撃ち落とせるのは一部にも満たず撃ち落としても爆発せず消えるだけで自分達の身体に当たった時だけ爆発するという難易度ハード仕様だ。ディエンドはインビジブル、デュークも高速移動で狙われるのを避け、ルパンは宝石型のバリアを張ることでなんとか倒されるのを避けたがそれらの能力を持たないイクサはイクサライザーとイクサカリバーで凌ごうとするが少し掠ったイチゴクナイが爆発しそれがイクサに隙を生ませた。そこからのイチゴクナイは全弾イクサに命中し大爆発を起こしそれに耐えきれる筈もなくイクサも粒子となって消えた
『ブドウ!ロック オン』
『ブドウ巨砲!』
「ドラゴンシュート、発射!」
次に出てきたのはブドウ龍砲の銃身を大きくさせたような大砲、ブドウ巨砲。撃ち出されたのは巨大な紫の龍、セイリュウインベス強化態よりも大きいその龍はまっすぐルパンへと向かっていき喰らおうとする
ルパンは映画のフィルムを模した特殊なフィールドで足止めさせようとするが龍はそれを簡単に噛みちぎり宝石型のバリアごとルパンを呑みこんだ
『ATACK RIDE BLAST』
『ドラゴンエナジースカッシュ!』
呑みこまれたルパンも爆発し粒子になったがそれと同時に透明化と高速移動を解いたデュークとディエンドが紀斗の両横から姿を現し斬撃と銃弾を浴びせる
「何かしたか?」
だがムソウアームズには、紀斗には傷一つつかない。それどころか紀斗をその場から一歩も動かせすらしなかった。さらに斬撃を繰り出したせいで近くにいたデュークは無双岩削槍で殴り飛ばされ壁に激突する
『バナナ! ロック オン』
『バナジャベリン!』
バナナロックシードを取り付けて現れたのは穂先が乳白色の馬上槍、しかしその馬上槍はバナナアームズの武器であるバナスピアーより更に細く鋭い。まるでレイピアのようなそれは横から殴れば簡単に折れてしまいそうだ。それに求められるものはただ一つ、貫くということだけ。ただ貫くという行為のみに特化したフォルムだ
壁に激突し蹲っているデュークに紀斗はバナジャベリンを向けミサイルのようにバナジャベリンを発射した。発射されたバナジャベリンは光のように輝きながらまっすぐデュークの右胸へ突き進み後ろの壁ごと貫通した
右胸に穴を開けられたデュークは力尽きたように動かなくなり粒子になった
「残るは一人、とっととここから出してもらうぞ!」
『ムソウスカッシュ!』
『ATACK RIDE GEKIJOUBAN』
『FINAL ATACK RIDE DI DI DI DIEND』
紀斗が無双岩削槍の穂先をディエンドへ向け腰を落とし砲撃をするような体制になると槍の刃部分のドリルが回り始めそれを基点に周りに紫電が迸る
それに対しディエンドは自分の周りにG4、リュウガ、オーガ、グレイブ、歌舞鬼、コーカサス、アーク、スカルの八人を召喚する。その中のリュウガ、コーカサス、アーク、スカルはそれぞれの脚にエネルギーを纏い飛び上がりグレイブはグレイブラウザーに、オーガはオーガストランザーにエネルギーを纏わせる。歌舞鬼は自分の目の前に緑色の音撃鼓を出現させG4はギガントを肩に担ぎ構える
そしてディエンドは無数の金色の光のカード達をディエンドライバーの銃口から渦を巻くように伸ばしディエンドライバーの引き金を引いた
その瞬間四人のライダーキックと二つの黄金の斬撃、四発のミサイルに緑色の清めの音、そして金色のエネルギー弾が紀斗へ向かって放たれる
だが紀斗は迫りくる攻撃を前にしても動かずドリルを回し続けその回転数を上げ続けている。そして攻撃も紀斗に後少しで届いてしまうというところで無双岩削槍が眩い光に包まれた
「消し飛ばせ、
紀斗の叫びと共に無双岩削槍から眩い光と共に白い雷の竜巻が放たれた
竜巻は触れるもの総てを呑みこみ破壊し焼き尽くす。呑みこまれたものは高密度のエネルギーであろうがミサイルであろうが仮面ライダーであろうが関係なく総てを巻きこみ無に返していく。まず放たれた斬撃とエネルギー弾、ミサイルがまるでシュレッダーに入れられたかのようにバラバラになり霧散しキックを放っていたリュウガ、アーク、スカル、コーカサスが一人残らず竜巻に触れた瞬間塵にまで破壊される。召喚者であるディエンドを守ろうと歌舞鬼、グレイブ、G4、オーガが前に出てるが一秒と保たずにディエンドごとアーク達と同じ結末を辿った
竜巻が収まり後に残ったのはドーパントの能力で守られたらしい出口の扉だけだった。それ以外は床も天井も綺麗になくなっており雲に覆われた空が見えてしまっている
『おいおい、なんつー威力だよ。勝手に人の城を穴あきにしてくれやがって、風通しがよくなっちまったじゃねえか』
憎々しげな雰囲気で紀斗達を睨みつけるドーパントを映す画面が再び空中に現れる。ドーパントが忌々しげに言う憎まれ口に紀斗はハッと鼻で笑いディエンドの顔が描かれたカードを出すと言い返す
「勝手に俺達をこの部屋に閉じこめたお前が悪い。あと、確かに返してもらったぞ。この部屋のライダー達の力」
『チッ、まあいい。お楽しみはまだまだ取ってあるんだ。お前らもせいぜい足掻くといいさ』
そう言い残すと画面は再び消え部屋には紀斗達だけが残される
「皆、身体は大丈夫か?」
「おう……なんとかな」
「私はまだまだイケるわよ~……」
紀斗の言葉に返事を返したのは甲と天子だけ。他の四人は倒れたまま返事を返そうとしない
「? おい、どうしたんだ?」
不思議に思った甲がナイト達に問いかけるがナイト達は顔を俯かせてしまっている
「悪いが……俺達はここまでらしい」
「なっ!?」
「っ!」
「な、なんでよ!私達でもまだやれるのよ!あんた達だけもう無理なんておかしいでしょう!」
ナイトの一言に三人は驚き理由を聞く
「俺達、能力で生み出された仮面ライダーに変身したこの姿以外の身体は無い。それはつまり俺達には肉体があるものにはある自己回復力が存在しないということだ」
「だから俺達はもう回復できない。変身解除ギリギリまでのダメージを負った俺達はただの足手纏いだ」
「そんな……」
「だが俺達をここに置いていけとは言わん。そんなことをしたらあのドーパントに俺達が操られるだけだからな」
「そしてまだ向こうがこちらが動けてないと考えている今だからこそ俺達の考えを話す。海堂、俺達の力をお前に戻す」
「「!!」」
ライアの言葉に甲と天子の二人は驚く。自分達の力を紀斗に戻すということは自分達は消えるということだ。いくら自分達がオリジナルではなくこの異変が終われば消えてしまう存在だとしても自分から吸収されると言うのはそれなりの覚悟や勇気がいる
最初のナイトの一言で紀斗は薄々感づいていたのか拳を強く握り顔を俯かせていたがライアの言葉を聞き顔を上げると変身を解除する
「……わかった。その案を受けよう」
「おい、紀斗!いいのかよそれで」
「四人を背負って移動しても戦いに行けないうえアクセルが言ったようにこの城のどこに置いてきても操られるだけだ。城の外でも同じだろうし他に手はないだろ」
「そうだけどよっ!それでもっ……」
甲は紀斗と向き合いナイト達を吸収することに異議を唱えるが他に手がないのも事実、甲は悔しそうに仮面の下で顔を歪め膝をつく。だがそんな甲の肩にフラフラのナイトが手を置く
「いいんだ。俺達は所詮近いうちに消える身、それなら足手まといや奴に利用されるよりこのまま海堂の力になる方が何の悔いもなくいける。お前達が気にやむことはない」
そう言いながらナイト達四人の身体は少しずつ透けはじめる
「だけど、俺達の力を戻すんだ。絶対負けるんじゃないぞ」
「桜井、あまりプレッシャーをかけてやるな。お前達が運命を乗り越えられることを祈っているぞ」
「左のように言うなら、そうだな、早くこの世界を泣かせてる奴の罪を数えさせてやれ。こんな事件は早めに終わらせるに限るからな」
四人は一言ずつ言い終えると光になり紀斗の中へと入っていった。残ったのは紀斗達三人と床と天井に開いた大穴だけとなった
「戻っちまったのか……。お前の中に」
「ああ……」
紀斗は四人のカードを出すと灰色だったカードは再び力を取り戻し四人の顔が映しだされた。紀斗はそれらを折れない程度に握りしめまた自分の中に戻す
「行こう、他の部屋に閉じこめられたメンバーが心配だ」
「そうね。ここでいつまでもうじうじしてちゃ四人にも怒られるわ。前向きにいかないとね!」
「……だあああ!!くそっ!こんな暗いのは俺のキャラじゃねえな!よしっ!行くぜ紀斗!」
「おう!」
紀斗の声と共に三人は大穴へと飛び降り次の階へと進むのだった
今回はムソウアームズの無双回でした。ムソウアームズの能力は単純なステータスアップとアームズウエポンの強化です。そしてスカッシュの必殺技、雷渦終槍がAUOの天地乖離す開闢の星擬きで城の一階を劇的ビフォーアフターしちゃいました。
ちなみに補足ですが今の紀斗がディケイド コンプリートフォームを使えないのはクウガ~キバの力を全て手に入れてないから。だけどディエンドはコンプリートフォームを使えた、ということは?ここまで言えば普通に察しのいい人はわかりますね?
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