東方黙示録カイジ (さわやか)
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絶望の土地・幻想郷

こんにちは。さわやかです。
なんだか勢いでカイジ書きたいと思ってやりました。
後悔はしてない。


 

 

「どういう事だ...!八雲紫...!」

 

「あら?来たいと言ったのは貴方じゃ無くて?」

 

「確かに言った...俺は行きたいと...!幻想郷に...!」

「だが俺は...森に行きたいとは言ってない...!」

 

「幻想郷は土地の事なのよ、知らないの?」

 

「お前...!騙したな...っ!!」

 

「騙してないわよ。これから始まるのは賭けよ?・・・生きるか死ぬかの。」

 

「な...っ!!」

 

「ふふっ・・・人喰い妖怪がたくさん出るからね。気をつけなさい。」

 

「は...?」

 

「ここは妖怪の住む場所なの。当然私も妖怪・・・」

 

(この女...とてもまともとは思えない...!!)

(おかしいのか...?頭...!!)

 

「ちなみにもうここからは帰れないから。」

「じゃ、頑張ってねー♪」

 

「ま...待ちやがれ...!!」

 

その瞬間...信じられない光景...!

黒い裂け目が少女を飲み込む...!

カイジの常識通用せず...!!残念...!!

 

(なんてこった...どこから間違えた...!?)

(そもそもあんな誘いに乗ったのが悪かったのか...!?)

 

〜回想〜

「賭けが好きなの?貴方」

 

「勿論だ...!なにか知っているのか...!」

 

「知ってるわよ、とびきり面白いのをね」

 

「ぜひ...是非とも紹介してくれ...!」

 

「ふふ、じゃあ早速行きましょうか・・・」

 

〜回想終わり〜

 

「あの女...ふざけやがって...!!」

 

その瞬間...カイジに思わぬ出来事...!

 

「あなた、誰?」

 

金髪...!赤い目...!そしてなにより10歳にも満た無いその外見...!

 

「...?なんだお前...!お前から名乗れよ...!まず...!」

 

「わたしルーミア。あなたは?」

 

「ルーミア...!俺は伊藤開司...!カイジでいい...!」

 

「カイジは食べてもいい人類?」

 

唐突の出来事...!カイジ大ピンチ...!食人宣言...!

 

「馬鹿野郎...!通るかそんなもん...!いい訳無いだろ...!」

 

「えー...でもお腹すいたから、やっぱり食べちゃうね?」

 

 

ルーミア襲いかかる...!カイジそれを咄嗟に回避...!

 

(本気かこいつ...!正気とは思えねえ...!!)

そして振り向き...!全力Bダッシュ...!カイジ走るっ...!命の危機...!

 

「来るなっ...!!来るなあっ...!!」

 

「まてー!!」

 

「うわああああああああ!!」

 

...開司逃走中...

 

「ハアッ...!!ハアッ...!!もう来ねえ...!!逃げ切ったか...!」

 

カイジ、命からがら脱出っ...!

 

「とりあえず安全な場所を...」

「あっ...神社...!神社があるぞ...!」

 

神社なら住職がいるはず...!仏に仕える人が化物な訳がない...!

ありがとう...!!ありがとう仏様...!!

 

「ちょっと!あんた誰よ!」

 

巫女現る...!!カイジ大勝利...!!

 

「すまんっ...!今緊急事態だ...!匿ってくれ...!!」

 

「ハア・・・?あなた外来人?まあお賽銭くれるなら考えてもいいけど...」

 

「なるほど...取引か...!!面白いっ...!」

 

カイジ財布を開く...が!しかし...野口が3人顔を覗かすだけっ...!

行けるのかっ...!?行けるのかこれでっ...!

 

「すまないが所持金が今これしかない...!頼むっ...!!」

カイジ、渾身のトリプル野口っ...!!

 

「えっ・・・!?3千円も!?ほ、ほんとにいいのよね!?」

 

「勿論だ...!!足りなければ後日払う...お願いします...!!」

 

「や、やった!!早速入りなさい!!」

 

「あ、ありがてえ...!!」ゾクッ

 

(あの女の金を見る目...!この世のものとは思えなかった...!!)

(正に金は魔力...!!)

 

 

 

 

「で?あなた名前は?」

 

「伊藤開司...カイジでいい...!」

 

「へー。私は博麗霊夢。どこから来たの?」

 

「ああ...酒屋で...紫とかいう女にハメられて...」

 

「アイツもえげつない事するわね・・・」

 

「本当に出られないのか...?ここからは...!」

 

「無理ね。一度ここに来たら、何か事故でもない限り出られないわ」

 

「そうか...じゃあ妖怪が出るっていうのも...」

 

「まあ、人間が少数派位には出るわね。」

 

「クソッ...俺はこれからどうすればいい...?」

 

「そうね・・・あなた悪人ではなさそうだし。今日は泊まっていきなさいよ。」

 

「ありがてえ...!」

感謝...!圧倒的感謝...!

 

 




「そういえば、あなた幻想郷に来た割には随分と冷静ね?」

「何度も見ているからな...ここより恐ろしい場所...!」

「外界も大変なのね・・・」


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因果応報

こんにちは、さわやかです。
カイジは書いてて面白い事が判明しました。
どうぞごゆっくり。


あれから数日後...!

カイジは神社に居候...!

食っては寝食っては寝の寄生生活...!

 

「ぷはーっ...!日本酒に焼き鳥っ...!犯罪的うまさ...!溶けそうだ...!」

 

「...ねぇ、そろそろ出ていってくれない?」

 

「馬鹿言えっ...!外は妖怪だらけ...!出ていくなんてアホの所業...!鬼かっ...お前は...!」

 

「食費だって安くないのよ?私から言えばあんたが鬼だわ・・ただでさえ収入が少ないのに」

 

「分った...何かする...!俺にできることなら何でも...!」

 

「そうは言っても、あなた家事も出来ないじゃない・・・出来る事なんてあるの?ダメ人間の象徴ね」

 

貼り付けられるダメ人間のレッテル...!

カイジ驚愕...!

 

「そういえば、あなた、能力って持ってたりしない?」

 

「能力...?何だ...?」

 

「あら。知らないの?外来人でも持ってる事があるって聞いたことがあるけど・・・」

 

「知らねえっ...!全く...身に覚えがねえ...!」

 

「・・・兎に角、ここに住みたいなら家賃くらい払いなさい?」

 

「そんなこと言っても...何処で働けば良いんだよ...!」

 

「私に聞かないでよ。さ、出てった出てった!」

 

(あの野郎...何も知らない人間を外に放り出すだと...)

(鬼っ...!まさに鬼畜っ...!)

慎怒のダメ人間...!

 

 

 

「とにかく職だ...仕事...!生きるために...!」

「しかしどうすれば...」

 

その時唐突に...又しても現れる黒い裂け目...!

 

「随分と苦労しているようね?」

 

「あっ...!アンタは...!」

 

「見させてもらっていたわよ?あなたの・・・ダメ人間っぷり!ふふっ・・・」

 

吹き出す紫...鬼畜の所業...!

 

「黙れクズ野郎...!さっさと元に返せ...!」

 

「貴方に言われたくはないわね・・・それに、帰れないって聞いてなかったのかしら?」

 

「グッ...」

 

「まあ今回は馬鹿にしにきた訳じゃ無いわ。伝えるのを忘れていた事があったの。」

 

「今更何だ...もしやまた悪条件を...!?」

 

「そんな事じゃないわよ。カイジ、あなたの能力についてよ。」

 

「能力...!そういえば霊夢の野郎そんなことを言っていた...!」

 

「外来人は極稀に持つことがあるんだけど。運がいいのね、貴方」

 

「それで...何なんだよ!?俺の能力...!」

 

「貴方の能力は・・・『あらゆる賭けに勝つことができる程度の能力』」

 

その時カイジに電流走る...!

 

「な、何だそれ...!?勝てるのか...?賭けに...必ず...!」

 

「そう言う事じゃないかしら?」

 

「うひょ〜っ...!やった〜っ...!最高の能力...!億万長者も夢じゃない...!」

 

「ちなみに幻想郷で賭け事をする人は居ないわよ。人里にも殆ど。」

 

「は...?今お前なんて...」

 

「じゃあ、伝えたわね?また会いましょう」

 

「おい馬鹿...!詳しく話を...クソッ!」

 

カイジ...呆然と立ち尽くす...!

あらゆる賭けに勝つことができる力...

意味なしっ...!この世界では意味などない...!

 

「そんな〜っ...!」グニャアア...

 

 

 

〜数時間後〜

 

(クソッ...探せど探せど...人っ子一人見当たらねえ...!)

 

(暗くなってきやがった...まさか野宿...!?こんな森の中で...!絶対に無理...!何故なら俺は文明人だから...!)

 

(終わるのか...?俺の人生...妖怪に食われて...!)

 

「・・・君、外来人かい?」

 

「ヒッ...!何だお前...!誰だよ...!いきなり...!」

 

「ああ、済まないね。私は森近霖之助、この近くで道具屋をやっている者だ。君は?」

 

「俺は伊藤開司...!カイジでいい...察しの通り外来人だ...!」

 

「そうか。この時間この辺りは危ない。家に来ないか?」

 

「いいのか...?」

 

「勿論だとも。丁度人手が欲しかったんだ。」

 

「...まさかお前、俺を食ったりしないな...?」

 

「失礼だな、僕をそこらの妖怪と一緒にしないでくれ」

 

「疑って悪かった...宜しく頼む...!」

 

「こちらこそ、宜しく。」

 

 

カイジ、道具屋に就職...!

おめでとう...おめでとう...congratulation...!




「紫様?最近随分とご機嫌がいいですね。何かいいことでも?」

「あら、藍。中々面白い外来人が来たのよ。」

「興味深いですね。どのような方ですか?」

「恐らく幻想郷一使えない能力を持ってる。今は博麗神社で寄生しているわ。」

「・・・そんなののどこが面白いので?」

「ダメ人間を観察っていうのも中々面白いわよ?」

「私には理解できませんね・・・」


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逆転の糸口

こんにちは。さわやかです。
いきなり感想を頂いてとてもハイテンションです。
今回ちょっと無理矢理っぽさがあります。今更か。
どうぞごゆっくり。


「ここが僕の道具屋、香霖堂だ。まあくつろいでくれ。」

 

「道具屋と呼ぶには...散らかりすぎじゃないのか...?」

 

そこは一見すれば道具屋では無かった...

例えるなら物置...!物が散乱する物置...!整理不足...!

 

「そうなんだ・・・僕も頭を悩ませていてね。そこで、君には店の道具の整理を手伝って欲しいんだ。」

 

「任せてくれ...!力仕事には自信がある...!」

 

「報酬と言ってはなんだが・・・しばらくは家にいるといい」

 

「!?」

 

「勿論嫌ならいいんだが、見たところ住む所にも困ってそうだ。余っている部屋もある。どうだい?悪い話じゃないと思うけど。」

 

「...霖之助...お前いい奴だな...!喜んで住もう、いや住ませてください...!」

 

「そうか!そう言ってくれると思ったよ、これから宜しく頼むよ。」

「今日はもう寝なさい。この空き部屋を使うといい。」

 

(なんて奴だ...!見ず知らずの人をここまで...まるで神様っ...!ありがとう...!)

 

 

だがしかし...!霖之助の目的は別っ...!労働など建前に過ぎない...!カイジ気づかず...!

 

 

〜開司就寝中〜

 

「おはようございます...!」

 

「おはよう、カイジ。疲れは取れた?」

 

「お陰様でばっちり...!元気ハツラツだ...!いつでも働けるぜ...!」

 

「いや、それはまだいいんだ・・・そこに座ってくれるかい?」

 

「...?何かあるのか...?」

 

「まあゆっくり聞いてくれ」

「君は外の世界、つまりその、人間の世界から来たんだろう?」

 

「?あ、ああ...まあな。」

 

「そのーーーなんだ、外の世界の事を色々と、教えて欲しいんだ・・・いいかい?」

 

「勿論だ...教えてやるさ...知りたい事なら何でも...!」

 

「ほ、本当かい!?ありがとう!」

 

「でもどうして...知らないのか...?外の世界...!」

 

「ああ。本で知ることはあるが、行ったことは無くてね。ひどく興味があるんだよ、僕は」

 

「なるほどな...それで俺を助けたのか...」

 

「まあそんな所だよ・・・実際外来人と話すのもこれが初めてでね。とても興奮している」

 

「悪い気分じゃないな...」

 

 

その後カイジは...霖之助と夜まで語り合った...

霖之助が道具の使用方法を聞き...カイジがそれに答える...最高の関係...!至福の一時...!

 

「どうだい?外の物は全て集めてるんだ。」

 

「だがかなり古いな...いつの物だって感じのものもあるぞ...」

 

「やはり・・・現代ではどんな物を使っているんだい?」

 

「そうだな...便利な物...例えばこれとか...!」

 

「なっ・・・何だそれは!?」

 

「これはスマートフォンと言ってな...簡単に言うと、写真機と電話とパソコンと音楽プレーヤー諸々が一緒になった物なんだが...」

 

「な、なんて事だ・・・神器じゃないか・・・!」

 

「こうやって...画面をなぞると動くんだ...とっても便利...!」

 

「す、すごい!!・・・譲ってはくれないか?」

 

「悪いが簡単に譲る訳にはいかないっ...!大事ですから...!思い出沢山...!」

 

「そうか・・・そうか、分った、今日はありがとう。」

 

「結局...仕事してないな...」

 

「うん・・・ああ・・・気にしないでくれ・・・」

 

それから霖之助は毎日考えた...スマートフォンを手に入れる方法...!

霖之助の物欲は既にリミッターを超えていた...!何としてでも手に入れたい...!

欲は人を狂わせると言うが妖怪人間もそれは同じ...!

霖之助はもはやスマートフォンに魅了されていた...!

恐るべき欲求...!恐るべき林檎社...!!

 

 

〜数日後〜

 

「はー...よく寝た...」

 

「カイジ君!!!!!!!!」

 

「な、何だ...!?急に大声出して...!」

 

「あ、いや、すまない・・・それより話がある」

 

(まさかクビ...!?まずい...!今度こそ野宿生活に...!)

 

「あれから僕は考えたんだ・・・君がどうしたらスマートフォンを、譲ってくれるか・・・それこそ寝ずに考えたさ・・・」

 

「は、はあ...(何を言っているんだ...?何が目的だ...!)」

 

「そこでだ!カイジ、君がそれを譲ってくれるなら・・・僕は・・・君の幻想郷での必要最低限の生活の為、住宅を建てよう!」

 

「...はあっ!?お前...今本気で言っているのか...!?」

 

正に狂気...!フェアトレード概念など皆無...!

 

「もちろん本気だ!あとは君の承諾が問題なんだが・・・」

 

「も、勿論いいとも!最高だぜ!」

 

「そうか!ありがとう・・・!本当に欲しかった・・・!これが外の文明の力・・・!」

 

(ら、ラッキ〜ッ!!最高に...!最高にツいてる...!約一週間で...家を...!夢のマイホームゲット...!!信じられねえ...!)

 

交渉成立...!シャークトレード...!利害のみの一致...!

 

(夢か...?いや違う...ところがどっこいこれは現実です...!現実...!!)

 

 

〜一週間後〜

 

「カイジ、君の家が出来たそうだよ!」

 

「は...!?早すぎるだろう...いくらなんでも...!ありえない...!」

 

「その手の第一人者に頼んだからね。まさかこれまでとは思わなかったけど。」

 

「...霖之助...!今まで本当に世話になった...!」

 

「お礼をしたいのはこっちの方だ。とても楽しかったよ」

 

「また来るぜ...!達者で...!」

 

新築の自宅へと歩を進めるカイジ...!

だが本当の災難はこれからだった...!

 

 

 

 

「お前...俺の家の中で何してやがる...!」




香霖堂にて
「こ、これが文明の力・・・!」

「写真も遊びもこれ1つ・・・痒いところに手が届く!」

「まさに科学の力だ・・・生まれてきて良かった!!」


こうしてまた一人スマホ中毒者が生まれたのであった...!
歩きスマホ...ダメっ...絶対っ...!そんなの許しませんっ...!!


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念願の家

「これが俺の念願の...マイホーム...!!」

 

カイジ感動...!

まさか生涯で持つとは思わなかった...マイホーム...!

 

「お、お邪魔します...!!」

 

 

 

「お、カイジさん!いらっしゃーい!」

 

「...何だお前...!何してやがる...!俺の家の中で...!」

 

「あ!私河城にとりと申します!この家の建築者です!以後お見知りおきを〜」

 

カイジ、驚愕っ...!!

 

「いや...おかしいだろ...!お前が建てられる訳がない...!しかも一週間で...!常識だっ...!」

 

がっしりとした...建築士のイメージとは裏腹に...

そこには年端もいかない...青い髪の少女が立っていた...!

 

「失礼だなあ。それよりどう?この家。外見もいいけど、内装もこだわったんだよねー」

 

確に家はまさに理想形...!

内外共にシンプル、しかしどこか小洒落ている...!

 

「だからこそおかしいんだ...!女の子が一週間で建てられる家ではない...!」

 

「あんまり河童の技術力をなめないでほしいなあ。」

 

「河童...!?お前河童なのか...!?」

 

「河童だよー、正真正銘の。」

 

聞いた事がある...!河童...相撲が得意で...人間を溺れさせる...!そして...

 

「つまり...その...あれか...?俺の...尻子玉を取るとか...?」

 

「え!?キミ本当に尻子玉があると思ってるの!?キャハハ!!」

 

「なっ...!無いのか...!?尻子玉...!」

 

カイジ猛省...!恥ずかしい間違い...!

 

「人間は古くからの盟友だからね、襲ったりしないよ!」

 

「そ、そうなのか...知らなかった...!」

 

安堵の表情...!人間の威厳ゼロ...!

 

「そう言えば、依頼主がこれをカイジにって。」

 

「俺に...霖之助が...?何だ...?」

 

それは紛れもなく...幻想郷について書かれた本...!

そしてその上に貼ってあるカイジへのメッセージ...!

『カイジ君へ。

君の幻想郷での生活のため、ささやかなプレゼントを用意した。

役に立つかは分からないが、頑張ってくれ。

霖之助より』

 

「あったけえ...!人の気持があったけえよ...!!」

感謝...!!圧倒的感謝...!!

 

 

 

〜その夜〜

 

「なるほど...幻想郷にはこんなものが...!」

 

「ねー、お腹空かなーい?キュウリの浅漬けとか食べたいなー」

 

「分からない...!何故だ...!」

 

「何が?」

 

「何故お前は帰らないっ...!!おかしいだろ...!!」

 

「おかしくないよー、だってここ、私が立てたんだもん!」

 

「いや...その理屈はおかしい...!だってここ俺ん家じゃん...!!」

 

「そうかたいこと言わないのー。ケチは長生きしないよ?」

 

「そういう問題じゃないだろっ...!!」

 

「今日だけでいいからさー泊めてよー!出来栄えとかも見たいんだって!」

 

「しょうがない...!今日だけっ...!特別サービス...!」

 

「やったー!」

 

 

 

 

「おい...にとり...これ見ろこれ...!!」

 

「何ー?・・・弾幕ごっこじゃん。これがどうかした?」

 

「ここに人間、妖怪対等にって書いてあるな...!」

 

「書いてあるねー。」

 

「これ...俺でもできるのか...!そこんとこ...!」

 

「うーん。外来人は基本できないけど。能力がないとなー...」

 

「能力...あるぞっ...俺でも...!」

 

「えっ嘘!?運がいいんだねえ君・・・」

 

「明日からでいい...!教えてくれよ...!この弾幕ってやつの出し方...!」

 

「えー・・・めんどくさいなあ・・・」

 

「頼むっ...この通り...!!」

 

「じゃあ・・・飽きるまで、ここに住ませてくれたらいいよ!」

 

「よっしゃっ...!ありがとう...!」

 

「この家結構気に入ってるんだよねー♪」

 

「自我自賛かよ...!」

 

 

 

そして翌日...!カイジ特訓開始...!

 

「まず、手のひらに意識を集中させます」

 

「こ、こうか...?」シュウウ...

 

「そうそう、上出来だよ。そしてそれを好きな方向に、飛ばすイメージを持って。」

 

「こ、こう...!」ヒュン!

 

「おめでとー!よくできましたー!」

 

「やった...!使えたぞ魔法...!俺にも...!これで魔法少年...!」

 

「あとは慣れでこんな感じで連射できまーす」ガガガガ

 

「えっ...?いやおかしいだろ...!」

 

「何が分からなかった?」

 

「いやそうじゃなくて...慣れってなんだよ...!」

 

「慣れは慣れだよー。」

 

「無理だろ...!俺には一個一秒が限界...!不可能...!」

 

「・・・まあそこは、気持ちでカバー!」

 

「できるかっ...!そんな事...!」

 

「そういえばキミの能力って?」

 

「『あらゆる賭けに勝つ事ができる程度の能力』だったか...」

 

「...それって何の役に立つの...?」

 

「知るかっ...俺に聞くな...!!」

 

 

 

がんばれカイジ...!負けるなカイジ...!

答えはもう見えてきているはず...!

 

「・・・これは面白そうなネタを見つけてしまいましたね♪」




「藍、あの外来人、家を建てたらしいわよ」

「」ブーッ

「なかなか見所あるわね・・・」

「一体何者ですか・・・その人間・・・」

「近いうちに遊びにいってみようかしら?」

「きっと歓迎されないでしょうね・・・」


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悪魔の取引

今まで感じなかった苦痛…!

家を持って初めて気づく大黒柱の苦悩…!

 

 

「金がねぇ...!!」

 

 

「お金なんて、ほとんど使えないんじゃない?」

 

「ファック•ユー...!ぶち殺すぞゴミが…!」

 

「!?」

 

「金は命より重い...そこらへんの認識を誤魔化す輩は生涯地を這う...!」

 

「幻想郷でお金を使うなんて、嗜好品くらいだよ?」

 

「飯はどうする...飯は...!」

 

「...あっ」

 

「そう...俺は人間...つまり搾取される側...!!」

 

「うーん、じゃあ人里で働いてくるしか・・・」

 

「そうだな...家を空ける...留守番は頼んだぞ…!」

 

「はーい」

 

 

人里にて...

 

「お願いしますっ...!雇ってください…!」

カイジ必死の懇願...!

 

「そうは言ってもねえ・・・人は足りてるし・・・」

がっ...ダメっ...!

 

「ウチは間に合ってるよ」

又してもダメっ...!

 

「セールスお断りって書いてあんだろうが!」

何度やってもダメっ...!!

屈辱...!圧倒的屈辱...!!

 

(クソッ...何でだ...!!なぜ俺はいつもこう上手くいかない...!)

 

 

「ただいま...」

 

「おかえりー!カイジ!野菜を見つけたよ!よかったね!」

 

「本当かっ...!見せろよ...!」

 

が...種っ...!誰でも簡単お野菜の種...!自家栽培用...!

 

「お前...ふざけるのもいい加減に...「カイジさーーーん!」!?

 

「カイジさーん!いますかー!」

 

「はい...!今出ます...!」

 

 

「はじめましてー!私こういうものです!」

 

「新聞記者...射命丸文...!?」

 

「以後お見知り置きー」

 

「セールスなら結構です...!ウチ今お金無いんで...!」

最強のセールス撃退...!

 

「逆ですよ!逆!」

 

「え...?」

 

「カイジさん!新聞のネタになって頂けませんか!?勿論無料とは言いません!」

 

「えっ...!?ええっ...!?た、立ち話も何なので中へどうぞ...」

 

 

 

「カイジ...安易にセールスを連れ込んじゃダメだよ?」

 

「あややや。失礼ですね?私はスカウトしにきただけですよ?」

 

「まあいい...それでネタって...?」

 

「はい!我が文々。新聞は深刻なネタ不足に陥っていましてね...」

 

「はい」

 

「そこで!外からカイジさんが颯爽と現れ!何と家を持った!さらには同居の恋人も!」

 

「だだだだだ誰が恋人だ!」バンバン

 

「落ち着け...!」

 

「ですがこの件はいつもの様に勝手に記事にすると色々な所から怒られちゃうんで...こうして承認に来たんです」

 

「はい」

 

「森に家を持った外来人として号外で売り出せば商売繁盛!大勝利!って訳ですよ!」

 

「成程...」

 

「カイジ!チャンスだよ!これで有名になって…」

 

「いや待て...疑問がある」

 

そう...!確かにこれは美味しい話…

だが美味い話には何かがある…!美しいバラにトゲがあるかの様に...!

それ故こちらのメリットは最大限まで引き上げなければならない...!

 

「ギャラはいくらだ…?場合によっちゃその話...ハネるぞ...!!」

 

「!?」

 

「なかなか商売上手なんですねえ、で、何がご希望です?」

 

「もちろん食べ物...!霖之助からの食料もそろそろ底を突く...!」

 

「何これ・・・」

 

にとり唖然っ...!

カイジと新聞セールスの...血を血で洗う悪魔の取引...!

 

「そうですねえ...では山で取れる山菜...一ヵ月分でどうでしょう?」

 

「ええ!?一ヵ月分も!?きゅうりは!?」

 

「勿論ありますよ。極上なのがね...」

文、悪魔の微笑み...!

 

「か、カイジ!いくしかない!いくしかないよこれ!」

にとり大歓喜...!だがカイジは冷静...!

 

(確かにこれは多い...俺も一週間分程度だと思っていた…...)

(だがあの余裕の表情...なにか裏がある...!!)

(予想するに...山菜の在庫は随分余裕...更に外来人は珍しい故に大きな話題になる...)

 

その時カイジに電流走る...!

 

(いや...これは危険...!大変危険な賭け...下手すりゃ餓死...)

(だが分かる...長年のギャンブル歴がいけると言っている...)

(...引きずり出してやる、その『保険』...!!)

 

「一年分...」

 

「「え?」」

 

「一年分だっ...!それ以下は呑まんっ...!!」

 

山菜一年分...!どこぞの番組かと思うほどの量...!

当然呑まなければこの話はお流れ...!

 

「ちょっカイジ!?何それ!?考え直そう!流石に無理だ!」

当然阻止するにとり...だが文は...

 

「そう来ましたか」

 

「どうなんだ...答え...!」

 

「もう少し低くしてくれませんかね?」

 

「無理っ...!受け付けない...!」

 

「・・・本当に、譲りませんね?」

 

「絶対...!」

 

にとりは思っていた…!

これは無理…!絶対に無理…!きゅうりはサヨナラ…!

確信していた…だが答えは意外…!

 

「わかりました・・・負けましたよ。約束します」

 

「え・・・?」

 

「やったっ...やったぞっ...!大当たり...!神よ...!俺を祝福しろっ...!」

まさに理想っ...!理想的っ...!

実はこの勝負...カイジは勝つべくして勝った...

だがにとりはそれが所謂奇跡だと...天狗の気まぐれだと思っていた...!

 

「ではこの記事は大っぴらに書かせて頂きますね!さよーならー!!」

 

飛び去る文...!だがにとりは未だに唖然...!

 

「納得行かない表情じゃあないか...!」

 

「だって!そんなの変だ!一年分なんて狂ってるよ!」

 

「変でいいんだ...!変でなきゃ悪魔は殺せないっ...!狂ってこそ開かれる...!勝利の道が...!」

 

 

 

翌日...カイジ宅前には大量の段ボールと...一枚の新聞が置いてあった...




「紫さーん!いらっしゃいますかー」

「ブン屋じゃない。何の用?」

「何ですかそれ・・・食料の補給に来ました。」

「あら?貴方の所は最近来たばかりじゃ?宴会でもしたの?」

「いや・・・ちょっと色々あってですね」

「?まあ食料ならいくらでもあるからいいんだけど。」

「あ、明日号外を出すので!宜しくお願いしますね!」

そう...!どんなに足掻こうが結局...勝者は妖怪...!
もはや運命...!避けては通れぬ結果...!
恐るべしブン屋...!恐るべし八雲家...!


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