織斑一夏が鈍感なわけ (魚介証券2)
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どうにゅう?
ぷろろーぐ?


ISの時系列詳しくないんで間違っていたら教えてください。


「はぁ」

 

おれは何度目かわからないため息をつく。目の前にはスヤスヤと俺に膝枕されて幸せそうに寝ている幼なじみ。

こいつの名前は夢野 薫。幼なじみであり、小学生の時からの大親友であり、俺こと、織斑一夏が絶賛片思い中である人物だ。

俺は、薫の首辺りまでしかない短いがサラサラの髪の毛をなでる。ヘニャリと薫が幸せそうに微笑む。

 

「――ッ!」

 

その無防備な笑顔に思わず赤面する。どうしてコイツはただ寝ているだけなのに、俺の心を掴んで離さないのだろうか。

この小動物チックな小柄な体躯も、その小さく、カワイイ唇から放たられる澄んだ小川を想像させる声も、日に当たったことのないような透き通るような白い肌も、どうしようも無いくらい俺を引きつける。

 

「はぁ」

 

俺はもう一度ため息をつくと、コイツと初めて出会った時のことを思い出すことにした。

 

 

 

 

 

 

 

俺が夢野 薫に出会ったのは小学校3年生のときだった。夏休みを終え、転校という形でコイツは俺と出会ったのだ。

初めて薫を見たときはかなりの衝撃を受けたの覚えている。目があっただけで赤面し、その笑顔をみただけで心臓の鼓動が速くなった。

――それが、所詮一目惚れとよばれるものだったと気づいたのは中学生になってからだった。

 

俺はあまり人見知りせず話しかけることができるし、たまたま席がとなりだったのも幸いして(本当に偶然だったがその時は天にも昇れる位嬉しかったのをおぼえている)、俺はすぐ薫と親友と呼べる関係になることができた。

そして4年生になり、箒がいきなり転校して落ち込んでいた時も薫は俺を一生懸命励ましてくれた(正直言うと励ますときの仕草があまりにも可愛すぎて、何を言われたのか覚えていない)。

 

そして5年生になり、鈴がいじめにあっていることを知った時も薫は俺に協力していじめを無くすように頑張ってくれた。

そして中学生になって俺は、ようやく薫に抱いていた感情が恋だと気づいた。

そう気づくと何か気恥ずかしくなってしまい、今まで一緒の布団で寝たり一緒にお風呂にはいったりしていたにも関わらず、俺は薫に顔すらあわせられなくなってしまった。この頃は俺にとって黒歴史であり、この時薫が感じていた孤独感を考えると罪悪感につぶされそうになる。

薫が不登校になったのはそれからしばらくしてからだった。その時俺はある意味ほっとしていた。もうこんなに苦しまなくていいと。

しかしそんな負の方向にプラス思考だった俺を変えてくれたのは鈴だった。彼女は俺の胸ぐらをつかみ、俺の恋はその程度で終わっていいのかと、所詮その程度の気持ちなのかと、はっきりそう言ったのだった。

俺はそう言われて激しく動揺した。俺の想いは誰にもばれてないと思っていたから。

しかしそれが迷いを捨てる決定打になった。

俺は薫に謝って、自分の想いをうち明けようそう決心した。

そうして謝ったときに見せてくれた薫の笑顔に久しぶりにみてやられてしまったこともあって、結局告白にはいたらなかったが(ちなみに弾と鈴にはヘタレと言われた)、俺と薫の距離がちょっとちぢまったような気がした。

しかしその関係は鈴が転校するまで発展することはなかった(転校する間際に、鈴に何か発展があったらすぐに知らせるように言われた。目が血走っていて正直怖かった)。

そして中学2年生の時事態は急変した。

俺と薫が誘拐されたのだ。どちらを狙ったものなのか、どんな目的があったのかはわからないがこの事件のせいでたった一人の肉親に迷惑をかけ、薫は極度の対人恐怖症になり、俺や弾、千冬姉といった人間以外と関係をもとうとしなくなった。

俺は自分の無力さを嘆いた。どうして薫を守ることができなかったのかと、俺は愛しい人ですら守ることのできない矮小な人間なのかと。

それから俺は貪欲に力を求め始めた。

――ただ守る力が欲しい。これ以上薫が悲しんだり、苦しまないように。

昔やっていた剣道を再開し、夏休みを利用して九州の強豪校へ武者修行にいったりした。

辛かったが薫の笑顔を、見たら辛さなんて吹っ飛んだ。中学を卒業する頃には、それなりに強くなり、大会に出場することは無かったものの、ある程度の相手なら大人にすら楽に勝てるようになった。

そして俺は更なる力を手に入れる為、地元で強豪校と評判の藍越学園を受験することにしたのだった。

俺は大会にでていないため、推薦を受けることはできないため、学力での試験になり、非常に頭の良い薫と二人きりで勉強を教えて貰うというご褒美のような受験勉強をしたあと(ちなみに薫も藍越学園への進学を希望していた)俺は一つヘマを起こす。

――IS学園と藍越学園の入試会場を間違えてしまったのだ。

そして何故か女性しか起動できないはずのISを男性であるのにも関わらず起動させてしまう。そしてあれよあれよという間にIS学園への入学がきまってしまったのだった。

IS学園への入学するのは良い、ISという世界最強の盾が手にはいるのだから。だがただ一つ気がかりがあるとすれば、薫と離れ離れになってしまうことだけだった。

しかし、それからしばらくして俺の耳に、薫もIS学園に入学することになったと言うニュースを聞き、歓喜した。

望みうる限り最高のシュチュエーションである。世界最高峰の防衛機能がある学園で、世界最高峰の兵器の扱い方を学ぶことができるのだ。

 

 

 

そして話は冒頭へと戻る。

 

 

 

「うにゅ?」

 

俺の膝枕で眠っていた薫が目を覚ます。その仕草一つ一つに萌えそうになるのを押さえながら、俺は言葉を紡ぐ。

 

「おはよう薫」

 

「今どのあたり?」

 

目をこすりながら外をみようと一生懸命首を伸ばす薫。もうカワイイなちくしょう!

 

「もうすぐIS学園につくぞ」

 

ここはIS学園へと向かうバスの中。しかしバスの中には俺と薫しか乗っておらず、俺と薫はバスの中で堂々とイチャイチャ(※一夏からみたら)していたのである。

 

「そっかじゃ急いで準備しないと」

 

ワタワタと準備する薫を見て俺は微笑む。

そう彼の名前は夢野 薫。俺の幼なじみであり、大親友であり、二人目の『男性』のISの適合者であり、そして俺が絶賛片思い中の相手である。




織斑一夏 ショタコン。この一夏はチートです。男版織斑千冬。一夏は異性に興味がないから鈍感という持論からできた。異性と意識してないからこそ思春期特有の下心がなく、もてるんじゃないかと。

夢野薫(ユメノカヲル) オリキャラ。ショタ万歳

モップ(箒) 自覚がないけど腐女子が入ってる「なぜ一夏と薫が一緒にいるところをみるとこんなに胸がドキドキするのだろうか?」
恐らく一夏×薫派

鈴 一夏大好き。薫も同じ位好き。でも二人の絡みをみるのはもっと好き。たぶん薫×一夏派

束 まごうことなき腐女子。薫の父親と関係あり。確実に一夏×薫派

千冬ん 唯一のノーマル(?)。ただしブラコン。薫のことも弟みたいにおもってる。

セシリアとかその他 知らん


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そのいち?

――俺には好きな人がいる。

小学生の時初めて出会った時からずっと好きな相手だ。告白こそしていないが、ずっと一緒に連れ添ってきた仲である。

――まぁつまり何が言いたいのかと言うと…

 

「つらい…」

 

IS学園に入学した俺と薫は、運よく(もしかしたら故意的になのかも知らないが)同じクラスになることができた。まぁここまでは良い。しかし、問題はこの後にあった。

――そう席順である。

地域によっては、誕生日で決めるなど差異はあるだろうが、日本の大抵の学校は名字の頭文字で席順を決めるだろう。そしてここIS学園もそんな例にもれず、席順は名字によって決定される。

俺の苗字は織斑つまり頭文字は『お』。比較的前の方にに配置されやすい名字である。対して俺の想い人である薫の名字は夢野、頭文字は『ゆ』。後ろのほうに配置されやすい名字である。

これが、どのような事態を引き起こすのかと言うと…

(薫が見えない…)

俺の席は扉よりの最前列、それに対し薫の席は、窓際の最後列。この距離では話かけることは勿論、薫を視姦…ではなく眺めることすらままならない。

それでも何とか様子を眺めてみようとすると、こちらをじっと見ている篠ノ乃箒と目が合った。

――プイッ。目をそらされた。いったい彼女は何をしたかったのだろうか?

 

「――…りむら君!織斑君!」

 

「はいっ!?」

 

「あっあの、大声出しちゃってごめんね!怒ってるかな?でもね、今ね、自己紹介、『あ』からはじまって今『お』の織斑くんなんだよね。だから自己紹介してくれるかな?」

 

気づくと副担任の先生が頭をぺこぺこと頭を下げていた。彼女の名前は山田真耶(やまだ まや)先生。身長は小さく、服のサイズもあわずダボッしているのでかなり若く・・・いや幼く見える。

 

「わかりました。わかりましたから先生も落ち着いて下さい」

 

俺はそう言って山田先生を落ち着かせると、後ろを向き、軽く深呼吸をし、クラスメイト達と向き合う。

 

「織斑一夏です」

 

とりあえず名前を言う。

 

「…」

 

無言のプレッシャー。予想以上にキツい。辛くなって目を背けると、窓際にいる薫の席が目に入った。そして薫本人は、

 

「くぅ」

 

ぐっすりと寝込んでいた。春の柔らかい光に照らされて無防備にスヤスヤと眠り込んでいる薫は子猫が眠っているみたいで思わず俺は笑みをこぼす。

――その瞬間何人かが俺から目をそむけたのだがどういう意味なのだろうか。教室の室温が高いのか耳が真っ赤だ。

まぁ薫のおかげでリラックスすることができた。気を取りなおして自己紹介を再開する。

 

「趣味は自己鍛錬。特技は諸事情あり大会には出ていませんが剣道です。数少ない男性のIS操縦者ですが三年間よろしくお願いします」

 

そう言って頭を下げる。ちなみにこの自己紹介は俺が考えたものではない。昨夜、自己紹介が苦手な俺の為に薫が考えてくれた文章を丸暗記しただけである。

 

「時間をかけすぎだ」

 

――バコンッ!聞き覚えのある声と共に頭に広がる痛み。後ろを向くと…

 

「ち…千冬姉!」

 

「織斑先生だ。馬鹿者」

 

――バコンッ!また頭を叩かれた。千冬姉の手を見ると出席簿。どうやら俺はこれで殴られたらしい。

 

一瞬静まりかえる教室。次の瞬間、

 

「キャッァァァ!本物の千冬様よ!」

 

爆発した。女子特有のかん高い黄色い声が教室を満たす。声が飛び交いすぎて何を言っているかわからないが、どうやら我が姉に憧れているものは多いらしい。「うにゅ??」

 

そんな騒がしい教室の中で眠り続けることなどできなかったらしく、薫が可愛らしい声をだして、目を覚ます。そして不思議そうな顔で辺りを見渡している。どうやら寝起きで頭がよく回っていないようだ。

 

「夢野、起きたのか?」

 

女子たちを黙らせ、何か言っていた千冬姉が薫が起きたことに気づいたようだ。

 

「うん」

 

薫が目をこすりながら答える。

 

「そうか。丁度良い、時間もな。最後に夢野お前が自己紹介をしろ」

 

千冬姉は昔から薫に甘い。千冬姉曰わく「薫は、血こそ繋がってないが弟ののようなものだ。弟を大事にするのは姉として当然だろう?」らしい。だとしたら俺との扱いの差はなんなのだろうか?

 

「夢野・・・薫です」

 

薫が小さな声で話す。顔は俯いていてよく見えない。誘拐されるまでは薫はこんな子ではなかった。誰にでも無邪気な笑顔を振りまくような子だったのだ。しかしあの誘拐の後、薫は人間不信に陥り、薫の世界は非常に狭いものになってしまった。

――これは俺の罪だ。あの時俺がもしもう少し強かったら、もう少し粘っていられたら、薫は傷つくことはなかった。薫は今でも変わらずにいられたのだ。

 

「えと…IS関連の知識には自信があります。一年間よろしくお願いします」

 

そう言って薫は軽く頭を下げ、椅子に座った。

 

「「「…」」」

 

教室が静まりかえる。

 

「で、では学園生活をおくる上での注意事項を説明します」

 

山田先生が慌ててこの微妙な空気を変えようとするが時すでに遅し。微妙な空気のまま朝の時間は過ぎていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(危なかった…)」

 

HRが終わり、1時間目の授業で俺ははやくも薫に感謝していた。

IS学園。現在世界で最強の兵器とされるISを取り扱う唯一の学校であり、世界中から生徒を集めるため、教育水準も非常に高いものが求められる。

就職に強い地元私立への進学を考えていものが独学でちょっと頑張ってたくらいでついていけるほどこの学園の授業は甘くないのだ。

しかしそこで出てくるのが薫である。薫は脳みそまで筋肉でできているような俺とは違い、とてつもなく頭が良い。同年代いや世界的に見たとしてもトップクラスの頭脳を有しているのでないかと思うほどに。

そんな人が俺に勉強を教えてくれたのだ。少なくとも最初からつまずくということはなくなったはずである。

 

「織斑君、わからないところはありますか?」

 

前で講義を行っていた山田先生が聞いてきた。俺達のみ特殊な例として、学力試験もしくは実戦試験を免除された形で入学しているため、定期試験までは俺達を最低ラインとして授業を進めていく方針なのだろう。(ちなみに俺は学力試験を薫は実戦試験をそれぞれ免除してもらっている)

 

「え…と」

 

俺は考える。これは非常に難しい問題である。もし大丈夫と答えたなら、授業の進行速度は大してかわらないか、生徒の様子を見つつ徐々に上げていくようになるだろう。もしわからないところがある、授業についていくのが難しいと答えた場合後ろにいる修羅に俺はこぴっどく怒られることになるだろう。

しかしだ、そんなことはどうでもいい。問題は、それぞれの回答をしたときの薫の反応である。

 

わかりますと答えた場合、

「よかったぁ。教えた甲斐があったよ。これからもついていけるように一緒に頑張ろうね!」

と笑顔で言ってくるだろう。うん、薫には笑顔が似合う。なかなか悪くない選択肢だぞこれは。

 

わかりませんと答えた場合、

「ダメだなぁ一夏は。もっと勉強時間増やすからちゃんと集中して聞くんだよ!」

ちょっと頬を膨らませながら上目使いで言ってくるに違いない。腰に手をあて僕は怒ってますよアピー…ぐっさすが薫、妄想の中でも着実に俺のライフ(理性)を削ってくるぜ。

 

どちらの薫を見るか…クソっ俺には決められん!(※すべて一夏の妄想であり、実際このような反応を薫がするという保証はどこにもありません)

 

「はよ答えんか馬鹿者」

 

――バコンッ

千冬姉の頭上からの一撃がとんだ。

 

「へぶしっ!」

 

俺は机に沈む。

 

「織斑君大丈夫ですか!」

 

あわてて山田先生が聞いてくる。

 

「心配するな。この脳筋(バカ)は見た目よりずっと頑丈だ」

 

ひどいな千冬姉。実の弟に向かって脳筋(バカ)はないだろう。…否定はできないけど。

 

「大丈夫です先生。あと授業の続きを。今のところわからない箇所はありませんから」

 

薫に無様なところは見せられないからな。キリッと表情を変える。

 

「そ…そうですか。では授業を再開します」

 

なんなんですか山田先生その微妙そうな顔は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一夏大丈夫?」

 

一時限目の授業も終わり、授業と授業の間の休み時間、俺は足りなくなった薫分を補給するために薫を膝の上に乗せる。うん癒される。

 

「ちょっとよろしいですか?」

 

「大丈夫だ。見た目ほど強く殴られてはない」

 

薫の頭をなでる。あぁこの高さがちょうどいいなぁ。

 

「ちょっと私の話を…」

 

「でもよかったよ。一夏そんなに勉強得意じゃないから、ちゃんとついていけるか心配だったんだ」

 

やっぱり薫の笑顔は可愛いな。この笑顔は俺のものだ、俺のものだ。

 

「私の話を聞きなさいっ!」

 

先ほどから横で何か喚いていた女子生徒が、いきなり大声を出す。うるさいな。薫が怯えてるじゃないか。

 

「――なんなんですのその眼は?」

 

いきなりおびえたような声を出す女子生徒。なんだよ先に仕掛けたのはそっちだろ。いいか、俺は面倒が嫌いなんだ。

 

「まぁとりあえずよろしいですわ。あ…」

 

――キンコーンカンコーン

休み時間の終了を知らせる音が鳴る。

 

「とりあえず次の休み時間には覚悟しときましてよ!」

 

そう言って席へと戻っていく女子生徒。これは面倒なことになった。

――この女子生徒と次の休み時間を待つことなく数分後には口論になることは俺はこのとき知る由もなかった。

 

 

 




原作と違うISの機体にしようと思ってるんですが、以下のようになります。
一夏
白式であるのは変わらず、ブレオン機体馬鹿火力も変わらず。ただし雪片のほかに小回りの利く武器を追加しようと思ってる。あと武器の代わりに拡張領域にブースター、ジェネレーター、ラジエーターなどが入っていて、状況によって内装を変えれる感じ

秘密。但し、武器は一切ないという設定。
ラウラ
原作だとドイツなのに武装に変態度が足りないのでとりあえず装甲増し増しで。ボーダーブレイクのHGみたいな重装甲で!しゃがみ2に速射つけて恐竜を漢射ち!とかしたいね近接Ⅱつけて魔剣ぶんぶんとかパイクで貫いたりもいいね!えっ?スタナー?ナイフ?知らんなぁ。でもAICのこと考えるとマグ姉だよねあれ。つまりフル路地の砂空使いのほうがいいのか…?
…いいよねこれくらいは


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