うちは 転生伝 (織田)
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取敢えずお前ホントに赤い血潮のハバネロ

軽いノリで始めました。


目が覚めたら、見たことの無い天井だった。

 

OK。ここまでは、いい。

だけど納得がいかないのが、自分の手が異常に小さくなっている。

これじゃあ、まるで赤子のようだ。

 

「ばぶ?(あれ)」

 

自分の声を出そうとして声帯が発達していないことに気が付く。

 

同時に横から聞いたことの無い声が聞こえてくる。

 

「あれ、お父さん。目が覚めたみたいだよ」

 

10歳ぐらいの少女が自分に対して覗き込んでくる。将来は美人さんになることが確定したかのような可愛い子だ。

 

「ホントだ。目が覚めてるなぁ。けどカエデの時と違って泣かないものだなあ。母さんも見てごらん」

 

「あらあら、頭が良さそうな子ね。大人しくしてるじゃない。カエデより頭がいいかもね」

 

それから、イケメンの男性や美人の女性が次々と自分に対して覗き込んでくる。

 

「ちょっと。お父さん、お母さん。カエデだってお姉ちゃんになるんだから面倒ちゃんと見れるわよ」

 

「「ホントかしらね(笑)」」

 

「もうっ」

 

まるでアットホームを体現したかのような家庭である。イヤー見てて気持ちいね。

ただ問題があるとすれば

 

「ばぶぶ(なんで)」

 

「うん?何、コタローお姉ちゃんに言ってごらん」

 

「イヤイヤ、其処はお父さんに」

 

「あらあら、そこはお母さんよ」

 

「ばぶぶぶぶぶぶぶばぶぶぶぶ(赤ちゃんになってるんだーーー)」

 

「お父さん、コタローが泣き出しましたよ?どうしましょ」

 

「イヤイヤ、お母さんこれは叫んでいるんじゃないかな」

 

「やった!多分この子アホな弟だ。お姉ちゃん頑張るよ~」

 

取敢えず絶叫した自分は悪くない。

 

 

 

 

それから自分の状況に付いて再確認したわけだが、どうやら自分は転生したらしい。

前世での記憶が曖昧になってきているが、それでも自分が大人であったことは覚えている。

 

取敢えず分かっている事を列挙してみると

 

・自分はイケメンand美女の家庭に生まれてきたこと。

・自分の名はコタローであるということ

 

ぐらいだ。情報収集したいにしても赤ちゃんスペックでは、母さんと搾乳プレイ(オイヤメロ)するか、寝るかするぐらいしかないというのが現状だからだ。

 

今日は転生してから初めて家から抱っこされたまま、家から出る機会に恵まれた訳である。何でも他のお母さん達と会うらしい。

 

「あらあら、ミコト~。お互い二度目の出産だったみたいだけど大丈夫だった?」

 

「まあね。カザネも元気そうね」

 

あらやだ黒髪美人のミコトさんと話している。この世界の美人度はどうなっているんだ。

それにしてもこのミコトさん見たことがある気がする。

 

「うちの子は元気すぎるくらいよ。突然叫びだすは、転がり回るはで大変よ~。コタローって名前にしたのだけどね」

 

「うちのサスケは大人しすぎるぐらいね。だけど直ぐに泣いちゃうのが傷かな。感受性の高い子なのかも」

 

穏やかな風にガールズトークさながらのお母様トークが続く。それにしても其処のガキンチョはサスケっていうのか。大きくなったらちっとは仲良くしてやるか。それにしても、ミコトさんマジで見覚えがあるんですがもしかして、本当に運命の出会いなんじゃ?

 

「おおーいってばね。ミコト、カザネ」

 

そんな思惑があったのですが、新たに現れた声で崩されました

 

「あらあら元気そうね。クシナ」

 

「もう少しで出産みたいね、そしたらサスケと同級生になるのかしらね」

 

赤毛の美人さんでクシナ、間違いなく見覚えがある。

赤い血潮のハバネロと名高きクシナさん。それは前世のNARUTOという漫画で主人公の母親となる女性。

そして、原作開始に死んでしまう人。

 

ってことは此処はNARUTOの世界。あの死亡フラグ多そうで、同時に穢土転生で復活フラグが多いというドラゴンボール並みに生死の軽い世界?

 

OK 落ち着こう。サスケとナルトが同世代という事は、確かに死亡フラグが高い。

だからといって死ぬわけじゃない。生存する確率は、

 

「うちはの二人が同級生ってのも珍しいってばね」

 

……OK 取敢えず 其処の赤い血潮のハバネロ、取敢えずお前ホントに赤い血潮のハバネロ。

 

「ばぶぶぶぶうぶぶぶう(って事は生存確率0%じゃねえかよーーーー)」

 

 

「あらあら、今日も元気いっぱいねコタロー」

 

「ホントだ。コタロー君。泣いてるというか叫んでるわね」

 

「というか、何か失礼な事を言われた気がしたってばね」

 

 

 

 



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貫く忍道に迷いなし

取敢えず投稿

分量が少ない


原作ブレイク

 

それは、二次小説においても常套手段とされる禁断の技。

何故なら、確かに死亡キャラを生かすことは確かに未来を知っているが故に容易いかもしれない。

けれどその試みは茨の道、何故なら死者を生かすということは未来が変わってくるのかもしれない。

そうすると漫画の最終的なハッピーエンドへの道のりを閉ざしてしまうかもしれないからだ。

 

そう考えると昨今のオリ主というのは害悪にしかならないのかもしれない。

 

けれど目の前に死ぬという運命の人が居ると分かってほっとく事ができるだろうか。

 

その答えは否!

 

このコタローの貫く忍道に迷いなし。

 

原作ブレイク上等だ。

 

それ以上のハッピーエンドを作ってやるぜ。

 

そう思い、俺は叫んだ。

 

 

 

 

「ばぶぶぶうぶぶっばばぶうぶぶぶぶぶぶばばばいびぶぶぶばばぶっぶうぶb(クシナさん。出産の時にオビトが九尾を解放させるために襲ってくるんだ。)」

 

「あらあら、今日もコタローちゃんは元気ね」

 

「ホント、カザネに似て元気いっぱいみたいね」

 

「なんか?警告された気がするってばね」

 

うん。ゴメン。オレの忍道イキナリ折れそうだわ。

というか、声帯が出来てないんだよ。話せないんだよ。どうしろと。

 

そして赤い血潮のハバネロといってゴメン クシナさん。

アンタ流石感知タイプだわ。

オレが原作ブレイクしようと 警告した事唯一感じ取ってくれたよ

 

原作通りクシナさんが出産の事について怖がりながら帰って行った。

 

取敢えず目の前で何も出来ない無力さを痛感したときだった。

多分今のシーンは漫画でも載っていたものだ。

ってことは、その後起こるのは、九尾襲来の時のシーンだ。

 

 

 

今日、明日中にでも九尾が襲来して木の葉隠れの里に対して甚大な被害を与える。

其れから始まるのが、うちはに対する差別だ。

 

結局の所、うちは壊滅の引き金になったのが九尾襲来だからな。

 

うちはオビトに対する不満を心にぶちまけながら、オレはカザネ母さんの胸に癒されながら帰った。

 

 

 

 

 

生存確率0%だよな~。

うちは一族壊滅は、里側が起こした事件である以上誰にも密告することが出来ない。

というか意味が無い。

おまけにサスケと同年代という事は、タイムリミットは早くて7年、若しくは9年だよな。

 

それに加えてうちは壊滅なんて事になったら、うちのパピーもマミーもカエデねえも死ぬことになる。赤ちゃんに転生して2,3か月経過する間に家族として接して貰ったが、本当に自分を愛してくれている事を感じる。

 

出来れば見捨てたくない。生きていて欲しい。

 

そんな思いが募ってくるのだからショウガナイ。

 

「ばぶあぶあばうばばぶぶぶうう(クソ、何が原作ブレイクだ)」

 

思いの丈を吐き出すかのように、叫び。赤ちゃんなりに転がり回る。

気分はブレイクダンスである。

 

「こーら。コタロー何を駄々を捏ねているの。お姉ちゃんが抱きしめてあげるから落ち着きなさい」

 

失礼な華麗なブレイクダンスと思いつつも、カエデ姉に抱かれて大人しくなる。

フッ、抱きしめれば大人しくなると思っているのだろ愚か者よ!

その逆だ。抱きしめれば大人しくなると思わせるために暴れているのだよ。

十歳の姉に抱きしめられながら、落ち着くオレは変態だな。

 

「今日は母さんも父さんも居ないんだから。落ち着きなさい」

 

ヘイヘイ、と心の中で返事しながらも温もりを感じていると、

 

 

ゾワッ  

 

 

っと、空気が変わったのを感じた。

悪寒のようなもの、月夜の晩に何か嫌なモノが振り掛かってくるような予感。

 

「……何かしらね。悪寒を感じたわ」

 

おおカエデ姉も感じたか。って九尾襲来の予感じゃないか。

確か、カカシやイタチ、三代目ぐらいしか感じ取る事の出来なかった予感じゃなかったけ。もしかしてカエデ姉、優秀?

 

アレ、俺も感じたという事は意外に優秀なのかな。俺って。

 

「大丈夫、お姉ちゃんが守ってあげるから」

 

カエデ姉が優しく微笑みながら自分を抱きしめる。

 

 

 

 

……本当にこの人死なせたくないなぁマジで。

 

 

 

 

 

 

 

 



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修羅となる

今回も短いです


NARUTOの世界に来た事を知った日

九尾襲来、そして主人公のナルトの誕生という重要な日を過ごした自分は考えた。

 

自分には何が出来るのか

 

自分は何をしなければならないのかを

 

確かに今の自分は只の赤ちゃん(生後二か月)だ

 

イキナリ何かをしようにも無理がある

 

ならば何が必要だろうか 答えは只一つ 力だ

 

やはり インドラの末裔であるうちはの性というものなのだろう

 

愛よりも力を求めてしまうという習性は 

 

けれどそれで構わない 愛する人を守れるならば

 

オレは… オレは… オレはァァッァァ!

 

 

 

「ばぶばぶぶばびびびぶ!!!(修羅にでもなろう!!!)」

 

タタタタタタッ

 

 

タタタタタタッ

 

 

フッ、取敢えずハイハイを極めつつあるな。

これで来週ある木の葉ハイハイ競争も一位だぜ!

そして言うのだ。これが、うちはの力だとな。

 

「こーら。コタローたらッ。本当に落ち着きがないんだから」

 

カエデ姉がハイハイで休んでいる俺を抱きしめてくる。

生憎だが、この身は既に修羅に身を落とした身。

十分だけ抱きしめられてやろう。

 

其れが終ったら、再びハイハイの練習だ。

見てろ、ナルト、サスケ。木の葉ハイハイ競争の一位は俺のものだ。

 

「全く、普通お座りが出来るようになってからなのに……」

 

まあ、そうだよね。普通八か月でお座りが出来るようになってからハイハイが出来るからね。二,三か月でハイハイ出来る俺って、やっぱりチートだな。チートのタグが付いてるはずだ。

 

やべえ、才能の違いを感じるぜ。

 

木の葉ハイハイ競争では、残念ながら上の世代の部に参加だからネジやテンテン、リーか

よーし一位を取る為特訓だ。

 

タタタタタタッ

 

 

タタタタタタッ

 

「また!? 本当に元気がいいんだから」

 

カエデ姉から追いかけられるも振り切る。

修羅とかしたうちはの力を見よ!

 

 

 

 

 

 

 

 

「ばぶぶぶぶぶ~(嘘だろ~)」

 

「あらあら、泣かないの。コタローよしよし」

 

木の葉ハイハイ競争での俺の成績は二位だった。

勿論、リーやテンテン、ネジすらも追い抜く爆走だったと言っていいだろう。

カーブにはドラフト走行を使ったまでの、高度なハイハイと言っていい

 

けれど負けた。そう犬塚一族の赤ちゃんに。

 

流石、四脚の術を使う一族であるというべきか、木の葉ハイハイ競争では常連で不動の一位に輝いているらしい。幸いながら犬塚一族と言ってもキバでは無かったという事が救いだ。やっぱり、アレじゃん。

 

本人の知らない内とは言え、負けていたのってカッコ悪いじゃん。

 

悔しいかって?悔しいよ!!

 

中身の精神年齢 幾つだと思っているんだ

赤ちゃん如きに負けるとは、ゴメンマジ泣きしそうだわ。

 

「あらあら、落ち着きなさい」

 

カザネ母さんが自分の胸元に俺を押し付けてくる。

うん、落ち着いた。やっぱり赤ちゃんだから仕方がないよね。

 

へ!?中身の精神年齢? 僕赤ちゃんだから分かんな~い

 

「でも凄かったわよ。あんなチャクラを全力注いだハイハイ見たことが無かったわ」

 

「ばぶぶ!?(なんですと!?)」

 

 

 

 

 

 

 

結論から、述べるとハイハイをチャクラで無理やりしている状態らしい。

まあ、普通お座りが出来てからハイハイが出来る訳だしね。

今、生後二,三か月でお座りする事が出来ないからな

 

という事は、自分はチャクラが使えている?

 

いや、実感ないんですけど……

 

取敢えずチャクラの使い方が分からない以上、木の葉ハイハイ競争の次回優勝に向けて練習するしかない。

 

見てろ!犬塚一族よ。本当の疾走というものを見せてやる。

 

 

 

 

それから俺は、修羅となりて練習を重ねた。

 

タタタタタタッ

 

 

タタタタタタッ

 

家中を走り回り、姉や母に抱きしめられたり

カーブを極めるべく急展開時に、チャクラでクッションの役割をしたり

壁に対して張り付いたままの垂直走行を身に付いたりした。

ハッキリ言ってこれ以上の努力は無いと言っていいだろう。

 

 

 

そして、オレは木の葉ハイハイ競争で優勝した。

 

 

 

アレ?そういえば、木登りの術既に体得してないか コレ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




主人公は天才です(震え声)

あとシリアスもありますよ(震え声)


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私の弟

木登りの術 

 

NARUTOを読んだことのある諸君ならばご存知だろう

 

基本的にして全ての術の根幹をなす術といって良いだろう

 

足という一番チャクラコントロールのしにくい場所に一定のチャクラを集めるという行為は他の忍術に対しても通じているといって良い。

 

カカシ先生も語るのだ。チャクラコントロールが出来れば理論上全ての術が使えるのだと

 

ならばオレは高みを目指そう

 

その先の技 水面歩行の練習を極めてやるぜ

 

 

 

 

 

「こら、コタローさっさと風呂に入りなさい」

 

シリアスを返して欲しい。カエデ姉

 

 

 

と気張って見たものの自分未だ生後三,四か月の赤ん坊

 

歩くという基本動作すら出来ていない訳ではある

 

というか、ハイハイ出来るだけでも凄いからね。絶妙なチャクラコントロールだよ

垂直歩行出来るから、壁を這う様に移動出来るからね

 

すーぱー赤ちゃんと言って良いだろう

 

カエデ姉からGみたいと言われてやめたけど

 

せめて水面歩行の術の練習する為お風呂の時間はチャクラで水面に立つ練習をしている訳だ。

 

さあ括目せよ、わが雄姿を

 

 

 

 

 

 

突然な話だが、私ことカエデには最近弟ができた

 

一言で自分の弟を表すとしたら、アホの子だ

 

普通の赤ちゃんは生まれた直後、泣いてばかりらしいがウチの弟は違う

 

どちらかというと、叫んでる?のかな

 

例えば、おしめを替えてあげる時なんか

 

「ばぶぶっ?ばぶっぶーーー(オムツプレイって何?新たなパトスがーーー)」

 

なんて風に、叫び恥ずかしがっている。赤ちゃんの癖に恥ずかしがっているのだろうか

 

また、夜なんて寂しいのか良く母さんや私の蒲団のなかに潜り込んでくる。

 

「ばぶぶっぶぶぶ!(今日は寝かせないぜ!)」

 

なんて風に、いつも笑いかけてくる。多分お休みなさいって言ってるんだろう。

本当に頭いい子だな

 

甘えん坊な所が多く、いつも抱きしめられるのが好きらしい

抱きしめると叫んでいる?のもやめて落ち着くんだから

フフッ、母性くすぐられるよね。赤ちゃんって

 

けど、お父さんに抱きしめられた時は何故か、本気で泣いてた気がする。

 

「ばぶぶぶぶぶぶぶぶぶーーーー(俺にそんな趣味は無いんだーーーー)」

 

なんでかな?

 

後、オモチャに興味を示さないってのも意外かも

 

手裏剣や剣のオモチャを買って、渡したんだけど興味がないみたいだし……

 

でも、読書は好きみたいだけどね。だってお父さんの寝室から エスエム?だっけ

そういう関連の本を取り出して

 

「ばぶ、ばぶ。ばぶぶぶっぶ(ほう、ほう。勉強になりますな)」

 

なんて、本当に本を読んでいる風だったもん。スゴイいい笑顔で読んでいたな~~

私も読めば良かったかも

 

でも、あの後お母さんが見つけて、お父さん青ざめてたけど大丈夫だったかな?

次の日には、お父さんに拷問を受けたような傷を見たもん 多分秘密文書だったのかも

 

 

後、コタローの特徴を挙げるとしたら、スゴイアクティブ!!

だって、家中をハイハイしまくるんだもん。元気がいいっていいよね!

でも、無意識の内に高度なチャクラコントロールされたハイハイだしね(笑)

才能の無駄遣いかも

 

この前の木の葉ハイハイ競争でも優勝したのには、驚いたなあ

 

今まで常連の犬塚一族を振り切っての爆走?かな

 

他の赤ちゃんもぶっ飛ばして

 

「ばーぶぶばあ~ぶ(ユーウィルダ~イ)」

 

走ってたしな~。もうワザとじゃないからって、他の赤ちゃんの事も考えなきゃダメじゃない。お姉ちゃん怒るよ。

 

そんな可愛い弟ですか、もうお姉ちゃんスゴイ自慢しちゃってます。

この前もイタチ君に

 

「コタローは、もうハイハイが出来るんだ~」

 

って、自慢したら

 

「……サスケは、大器晩成型です。精々粋がっていてください」

 

な~んて悔しがっていたしなぁ。その後弟自慢で喧嘩したかな

まあ、うちは一族だしね、シスコン、ブラコンはデフォルトだよね。

 

でもサスケくん大丈夫かな……。この前コタローが木の葉ハイハイ競争で優勝したといったら、イタチ君スゴイやる気満々だったからな~ 無理なことしてなきゃいいけど…

 

そんなアホっぽい雰囲気がするコタローの事がお姉ちゃん大好きです。

 

だってホラ今だって風呂に入るのが怖いのかチャクラで水面に立とうとしているもん

水面歩行の術を身に付けるの練習になるよね。

 

だけど今のコタローの様子って、まるで

 

「アメンボみたいだね。コタロー」

 

ドボッ

 

あ、沈んだ。

 

 

 

 

 



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天上天下唯我独尊

皆さんは自分の子供が初めて、話した言葉を覚えているだろうか

何気ないことだけれども、意外に大事にすることである

何故なら、それは成長の証にして

家族間の絆が試される一大事なのだ

 

例えば、一番最初に話した言葉が「ぱぱ」だったりすると

一番面倒を見ている母の立場が無い訳だ 

なんで、と絶望に打ちひしがれる衝撃が覆うはずだ 

 

もしかしたら写輪眼を開眼された経験をした方もいるかもしれない

 

それ程の大事な一番最初の話す言葉

 

声帯が出来始めた今、コタローは「声」に出そうとしていた

 

 

 

 

 

 

「てんじょーう、てんげ、ゆいが、どくそん(天上天下唯我独尊)」

 

お前はどこの仏だ、とツッコミが入るはずだ。

 

 

 

 

 

いやーヤッパリね。折角転生したんだもん。

初めての言葉は、悩んだわ。アニメネタやギャグ、偉人の言葉に、鉄板である「まま」や「ねえちゃん」もいいしな~ 

 

へ!?「ぱぱ」!? 万華鏡写輪眼開眼させちゃうかもしれないだろ

ソレヲイウナンテ トンデモナイ ってやつだよ

 

で、結局は有名どころだよな

 

お釈迦様は生まれて直ぐに、四方に七歩ずつ歩き、一方の手で天を、一方の手で地を指して唱えたわけだからな~

 

うん、敢えて言おうチートだわ 声帯や体の発達的に有り得ないからな

 

さーて、世界に向けて 関白宣言したところで、ハイハイで町内一周するか

 

未だ生後八か月、声帯が発達し始め、お座りが出来るぐらいだけど特訓あるのみだぜ

 

って、うん 誰かに見られていた気が…… まぁ気のせいかな?

 

 

 

 

 

 

それは、うちは一族が九尾襲来以後で隔離される前の話だった

その為、まだ里の他の一族との交流が盛んであった時期であった

だからこそ、うちはコタローの行動を目撃した人物がいたのだ

 

(タクッ!親父殿も、人使いの荒いことで火影になってからこき使いやがる…。守護忍十二士である事忘れてないか…。ってアレは、迷子か?)

 

猿飛アスマが愚痴を吐きながら、町を散歩した時のことだった。火の意志を標した石板の前で、幼児よりも赤ちゃんという表現が相応しい子供が道の真ん中にいるのだ。

 

(なんだ~?親が居るのか知らないが、保護しないとダメだよな…警邏署かな…)

 

ダルイ事になりやがってと悪態付きながらも、泣きださない様に近づいた時のことだった。

 

「てんじょーう、てんげ、ゆいが、どくそん(天上天下唯我独尊)」

 

「ッん!?」

 

今の言葉は!! 猿飛アスマは衝撃と共に咄嗟に立ちどまる。

確かに聞いたのだ、天上天下唯我独尊という言葉を。

 

猿飛アスマには、守護忍十二士に所属していた際にできた親友で「火ノ寺」の忍僧・地陸がいる。その為「火ノ寺」の教えを幾つか教えてもらったことがあるのだ。

嘗ていたとされる六道仙人も生まれた際に、こう語ったと聞く。

 

「天上天下唯我独尊」

 

それぞれの存在が尊いものであるということ、を意味する忍道の基本的な教えである。

「自分と意見の違う人がいても、天上天下唯我独尊の気持ちで理解し合えるよう努めたい」

そんな願いを込めて六道仙人は、その言葉を発したのだ。

 

ちなみに、「自分が一番えらい」というような、うぬぼれの意味では使わないので注意したい。

 

呆然と立ちすくむ猿飛アスマだったが、奇跡はそれだけでは終わらない。

 

バッシ!!

 

「ッ!!」

 

目の前の赤ん坊は、ハイハイを瞬神の術さながらのスピードで行使し瞬く間に目の前から去っていったのだ。絶妙なチャクラコントロールでなされたハイハイ。

思わず、「お前がNO1だ。悟○」と漏らしたくなる様な神業である。

チャクラに愛された申し子といえるだろう。

 

目の前の異常な光景に呆然とする猿飛アスマだったが、直ぐに気を立て直す。

 

(これは、親父殿と地陸に教えてやらないとな……)

 

逸る気持ちを押し付けながらも猿飛アスマは、走って行く。

忍びの未来の光明を感じながら

 

 

 

 

突然ですが、スカウトされました。

それも「火ノ寺」の忍僧・地陸から、忍僧にならないかい?、と

 

アレッ~?

 

と疑問に思うも、お断りです

だって忍僧ってアレじゃん、性欲、食欲、睡眠欲なんていう三大欲求を絶って生きるってことだろ、ムリムリ。

超絶俗人の俺を舐めんなよ、生きるからには三大欲求満たしたいです!!

 

まあ、「火ノ寺」に行ったら確かに死亡フラグ折れるかもしれないけどね

 

今更俺を家族だって呼んでくれる人達を見捨てたくないからなぁ…

 

残念そうではあったけど、カエデ姉の猛烈な反対を浴びて地陸さんは残念そうに帰っていった。あと、一緒に来てた猿飛アスマさんがスゴイ優しげに接してくれた。

ヨッシャー上忍とのパイプGETだぜー、と逸る気持ちを抑えながらも笑顔で応対した。

 

うちは一族虐殺フラグ、オレは折ってやるぜ!!

 

と心に決心を固めながら、姉や母の胸を堪能する俺だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「何故だ!!ヒルゼン、今になって何故!!」

 

「やかましいぞ。ダンゾウ…火影命令じゃ」

 

深夜、夜遅く木の葉の火影邸に二人の影が映っていた。

 

「…だが、うちは一族の隔離、監視は上役全員の決定だったはずじゃ。どうして覆した…」

 

「難しい話ではない。彼らが九尾襲来の犯人だという証拠が無い。それなのに、一方的に裁くのは不合理じゃ」

 

「だが、うちは一族は悪に憑かれた一族よ。木の葉の平和の為にコレは」

 

「ダンゾウ。無論うちは一族の危うさは理解しておる。じゃが天上天下唯我独尊。すべての木の葉の住民が尊いものとして接しなければいかんはずじゃ。我らがうちは一族に疑心を向ければ、余計な争いを生むだけじゃ。火影命令じゃ、これは」

 

「ッ!…分かった。だがヒルゼン、儂の暗部はうちは一族の監視に付かせてもらう。良いな」

 

「好きにせよ」

 

ダンゾウが納得のいかない、という表情で出て行ったのをヒルゼンは、フーっと溜息を付いて落ち着いた。

 

(上手く行ったか…それにしても此度は、幼子より真実を突きつけられるとはな…)

 

息子であるアスマから聞いた、うちはコタローが発した言葉はヒルゼンに取って耳の痛い言葉だった。

 

(天上天下唯我独尊。それぞれの存在が尊いか…。うちは一族の危うさを知るとはいえ、九尾襲来以降の対応は不味かったかもしれぬのう)

 

未来の世界で

 

人間が他人を嫌い、その存在を認めないとき………その存在を見る人間の目は…恐ろしいほど…冷たい目になるのじゃよ

 

と名言を残す三代目火影にとって、六道仙人が喋ったとされる真理を赤子が喋ったという事は衝撃を持って受け止められた。

 

(人間、僅かな言葉だけでも…人を変えられるのかも知れぬのう…うちはコタローか)

 

自分の態度を再び見直すきっかけを与えてくれた幼子に感謝を示すと共に、うちはコタローの名を胸に刻んだヒルゼンであった。

 

 




うちは虐殺フラグ?(震え声)
そんなもん無かったんや

いやまだ分かりません。

予定では、このうちはコタロー良い意味でも悪い意味でも引っ掻き回す予定ですから。


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公園デビュー

公園デビュー

 

それは、母達の現在版井戸端会議に値する子育て上において重要なイベントである

 

幼児が1歳を過ぎてヨチヨチ歩きを始めた頃に、母親が近所の公園に子供を連れ出して、そこに集まってくる他の母子連れの仲間入りを果たすこと(BY WIKI)

 

母親同士で子育ての情報を共有すると共に

お互いの魂を掛けた戦い

如何に自分の子供が優れいるのか、を見栄っ張りに見えない程度で

サラリと述べる という高度な心理戦が展開されるからだ

 

加えて子供同士でも熾烈な権力闘争が繰り広げられる

たかが子供の関係?

違うね一生のヒエラルキーを決定づける大事な初戦さ

 

この戦いを舐めちゃいけない

引いたら負けだ、さあ行かん 

 

我らが戦場へ

 

公園ファイト・レディー・ゴー

 

 

 

 

 

 

「…魂(ブラコン)の貯蔵は十分か、うちはイタチ」

 

「理想(シスコン)を抱いたまま溺死しろ、うちはカエデ」

 

取敢えず、ボケ役は譲れない と俺は思う

 

 

 

 

 

うちは一族の大人の大半は里の警務署所属となり里の平和を守っている

その為昼間に家に居るのは、専業主婦かうちは煎餅の販売員ぐらいだろう

では子供の面倒を見るのは彼らか?と言われればそうでは無い

12歳で下忍となるように子供の巣立ちの時期が比較的早いのだこの世界は

だからこそ、公園デビューは彼らの手に委ねられるのだ

 

「今日は、イタチ君。今日も元気そうね」

 

「今日は、カエデさん。其方も元気そうでなりよりです」

 

とても10歳(カエデ姉)と6歳(イタチ)の会話とは思えない社交礼儀が行き交う

けれど、この場で礼儀を欠かすのは敗者の証 一瞬たりとも油断できないのだ

 

「イタチ君は今日も、サスケくんと散歩かな。仲良くてていいわね」

 

「…ええ、大事な弟ですからね。そういうカエデさんこそコタローくんといつも一緒じゃないですか」

 

この場で口火を切ったのはカエデ姉だった。一見相手の長所を褒め称える会話に聞こえる。

 

されど、会話とはキャッチボール

 

取ったら投げる。取ったら投げるの繰り返しなのだ。だからこそイタチは相手に対して仲が良いという会話を打たざる得ない。

 

カエデ姉は ニヤッ とでも会話の主導権を奪った事への喜びを巧妙に隠しながら話題に入る。

 

「そうでもないわよ。最近は弟はスゴイ元気で、町内一周が日課になっているんだもの。ハァ、元気が良すぎるってのも困りものだわ」

 

やれやれ、と困っている風に話すが真意は違う。

訳するとしたら

「私の弟、スゲー元気!一歳で町内一周とかすごくない」

とハッキリ言うと自慢しているのだ。

されど、まるで短所の様に話すこれが真なるテクニック

 

されど相手も魂(ブラコン)は負けてはいない。巧妙なテクニックで会話を誘導する。

 

「そういえば、生後二,三か月で木の葉ハイハイ競争優勝してましたっけ。スゴイですよね。サスケも二か月前に優勝したんですが、特訓しなきゃならなくって」

 

やられた、という表情を表に出すことなくカエデ姉は会話の流れ上聞かざる得ない

 

「特訓?」

 

「ええ、がんばり屋なんですよ。お兄ちゃんの所まで来てごらんって、誘導するんですが健気に頑張る姿が可愛くて。カエデさんの時はどうでしたか?」

 

ッ!!!

 

衝撃が走る。確かにコタローは生れた時からハイハイが出来た。

だけどそれは、健気に頑張る姿を堪能するという過程を除いての話

そんな小さいのに頑張るといういじらしい姿を見らずして、どうして理想(シスコン)が語れようか

 

「…うちは、無かったわね」

 

「そうですか、優秀ですね」

 

(……今日は私の敗北みたいね。負けを認めざる得ないわ)

 

うちはイタチの天才性を感じつつも、次なる再選を胸に秘め再戦を誓う

 

「じゃあ、サスケくんとコタローをいつまでも二人きっりにしてるのもなんだし一緒に遊ぼうか」

 

「はい、ではまた」

 

公園デビュー 

それは魔物の巣窟だ 一瞬の判断ミスが敗北へと繋がるのだから

 

 

 

 

 

 

 

木の葉の根というべき場所に、複数の影がいた。

 

「ダンゾウ様、うちは一族の監視は如何がいたしましょうか。一か所に集めれば容易ですが現状では不可能です」

 

「フン!ヒルゼンの奴が、上役であるワシらの意見を無視しおって決めたのだ。まだ、対処の仕様はある」

 

「…というと?」

 

「九尾襲来の件がうちは一族のものであると思わせればいいのだ。根のものを使い情報操作せよ。九尾襲来時に、うちは一族は何もしとらんかったとな。真実がどうあれ、噂が立てばそれが真実となろう」

 

「そうなれば、火影どのとて隔離せざる得ないと?」

 

「そういう事だ。準備にかかれ」

 

「ハッ!全てはダンゾウ様の為に」

 

彼等の取り組みは、本当に木の葉の為の取り組みなのか、真実は誰も知らない

 

 

 

 

 

 

 

「コ・タ・ロー?」

 

公園デビューでカエデ姉とイタチさんが話している間、いつもサスケと遊んでいますが

いや~癒されるね 

こんな小さい子はまだ純粋で(同年代です)

 

ちなみに、遊んでる間自分の名前を呼んでもらってました

 

一歳ぐらいになると皆言葉話し出すしね

 

ドサッ  

 

ン?何か膝をつく音が聞こえた、と思い後ろを振り返ると

イタチさんが呆然として膝をついてた

 

そして嘆く

 

「俺はまだ、イタチって呼んでもらってないのにーーーー」

 

あ、写輪眼開眼してる

 

原作より早いな なんて現実逃避した俺は悪くない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




スイマセン
前回の書き方で勘違いを招く書き方をしたのですが
うちは一族虐殺フラグはまだ折れてません。

ただ、九尾襲来があった後明確な証拠があった訳でもないのに
うちは一族に対して一方的な差別である隔離政策をとろうとした事に対して
不審に思い、ヒルゼンに対して明確な隔離、差別政策を踏みとどませた
という形にしています。

ただ、うちは一族に関してはどうしよ……

スイマセン まだ未定です


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初めての忍術(初級編)

突然だが、貴方がもし覚えたい忍術があるとしたら、何を覚えたいだろうか?

 

敵を一発で倒す派手な必殺技?

例えば、螺旋丸や千鳥のような決め技? 

なるほど確かにNARUTOの世界では、初期の設定と異なり、全く忍んでない世界観で

忍び(笑)なんて表現されかねない程ド派手な忍術が多い

 

けれど私は其処に一石答えを示したい

忍の本質とは、決して敵にキヅカレル事の無く任務を達成するもの

 

現代でいえば、スニーキングミッションをこなすスネークこそが真の忍びの姿なのだ。

 

だからこそ、私はこの忍術を最初に選んだ

 

その選択を間違っているだなんて誰にも言わせない…

 

そう

 

 

 

 

 

 

 

のぞきの技(透遁の術)を最初にマスターすべきなのだ!!!

 

おい、そこ建前なんていりません。

 

 

 

 

 

取敢えず、一歳になりやっと立てるようになったのですが周りの人が忍術教えてくれる訳もなく

自主練習から始めるしかなかったのですが、何かないかな~と家中をサーチしてたら

親父のエロ本の隠し場所の近くに、なんと透遁の巻物が!!

さすがオレの親父 グッジョブ!!

 

という事で、念願の透遁忍術の巻物を開いてみたんですが…

 

アレッ???

 

こんなに透遁の術って奥深かったけ?、と思いたくなる程ビッシリと書かれたデータに基づいた透遁が…

イケメンの癖にむっつりなんだな と思ッてしまった俺は悪くない

 

だけれども、此処で私が透遁の術をのぞきの為だけに使うだなんて勘違いしてもらっては困る

何故なら、今の俺は無垢なる魂を持った1歳児 混浴なんて堂々とできるのだ

 

そう、覗きの中でばれるんじゃないか というストレスのかかる状況で覗きをする事は

将来敵地に忍びこんだ際に冷静に振る舞うという事に繋がっているのだ

決して、倒錯的現状に興奮するからではない

 

大体考えてほしい

透遁の術が上手い忍びは、情報を味方にもたらす重要な働きをしたじゃないか

原作でも

例えば、月光ハヤテさん、そして自来也さん、どちらも優秀な忍びなのだ

って、アレどちらも潜入捜査バレて、死ななかったっけ

 

……取敢えず言わせて欲しい 潜入捜査がばれないで終わる漫画ってないよな と

 

 

 

 

 

透遁の術に関しては、術の印が記してあったしチャクラコントロールに関しては問題無かった為

一発できた

 

けれどもこれからが、問題なのだ。

元々術を使うという事自体は、術の印さえ知っていれば、「使う」ことは出来るのだ

けれども「使いこなす」こととは、大きな違いがある。

 

NARUTOの原作を知っている人ならば、ナルトが分身の術を失敗して変な分身が出来たシーンを思い浮かべてほしい。あれは、失敗であるが「使う」ことは出来ているのである。

実際に術が発動したのだから

 

けれど「使いこなす」となると精度が必要となる

これが一段と難しくなる 

実戦というストレスのかかる状況で普段以上の力を発揮するなんていう主人公的性格の持ち主など

そうそういないのだ だからこそ、普段の練習が必要となるのだ

 

長々とオレが説明することになったが、何がいいたいかというと

 

 

のぞき(実戦)あるのみだ

 

わはははは、いくぞ 桃源郷よ

 

 

 

 

 

 

前回に引き続き, 木の葉の根の所で複数の影が居た

 

「…何?情報操作が上手くいってないだと、何をやっている!!」

 

「申し訳ございません、ダンゾウ様。うちは一族へと疑念を向けるつもりで、九尾襲来の時の行動について話題に挙げたら、一つ問題があって」

 

「問題じゃと…」

 

ダンゾウは出来の悪い部下に向かって、忌々しい視線を向ける。

木の葉の為の策をこなせないものに用は無い、そう視線が語っているのだ。

 

「はい、実はうちは一族よりも 

 

 

ダンゾウ様の方が九尾襲来で働いてないんじゃないか、

 

 

と木の葉の民は疑念に思っているみたいです」

 

空気が凍る。

 

「………な、に」

 

哀れダンゾウ、木の葉の民にとってカリスマ性は無いようだ。

まるで壊れた時計の短針の様に左右に揺らめいたダンゾウであったが、何とか持ち直す。

 

「…忍びの本来の姿を知らぬ、愚か者どもめ!!よいか貴様ら忍びとは日の目がでることなく…(うんたら、こうたら)」

 

取敢えず、根の暗部達の残業手当は付かないだろう

上司のパワハラの酷い職場であった。

 

 

 

 

 

コタローこと 私の

取敢えず、挑戦の結果発表から言わせてもらうとだ。

 

 

うちは一族の写輪眼チートや チート

 

 

うちは一族の女風呂場に入ったのだが簡単に見破られました。

 

クッソ、ちゃんと足跡は消したし 匂いも消した

万全の態勢だったはずだ

 

ヤッパリあれか、チャクラの色で分かるのか!

 

一歳の子供という事で、スルーされたけど

大人だったら死んでたぜ

透遁の術の完成度は全然ダメみたいだ、が諦めたりしない

オレが諦めるのを諦めろ! と決めてやるぜ

 

それにしても、ハァあの子の胸大きかったな、触り心地良かったし

 

……触ったのが原因じゃないか?

 

 




取敢えず 初級編です


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初めての忍術(断念編)

初級の次が、上級だと思ったか

イザナギだ

スイマセン、シリーズが続きません


透遁の術

 

それは、自分の体を透明に見えるようにする術であり、実際に自分自身が透明になる訳ではない。一種の光学迷彩といった所だろう。

 

確かに五感の一つである目を騙す術としては素晴らしいものではあるが、欠点もまた存在する

 

では、一般の忍びでも見抜く欠点が存在するとしたら何だろうか?

例えば、音という聴覚に頼った感知がどの忍びでも可能になるだろう

常に戦場にいる忍びの聴覚は一般人の比ではない、その為対処が可能だ

だが、相手もさることながら忍びである 音を立てない戦闘で誤魔化すことができる

 

では次に匂いに頼った感知が可能だろう

犬塚一族やはたけカカシの様に匂いに敏感な忍びなら匂いで大体の位置を感知する事が可能になるのだ

けれどこれも忍びなら消臭する事で騙すのは可能になるだろう

 

視覚、聴覚、嗅覚、これらを騙す手段が存在する以上 

五感の味覚を除く触覚を騙す手段が存在する以上、

触覚すらも騙すことができれば、それは究極の忍術となるんじゃないか?

 

そう思い考えてみた所、某狩人世界での能力に自分が理想とする能力が思い立った

 

 

「神の不在証明 (パーフェクトプラン)」

 

いうまでも無くチートだ

 

術者が呼吸を止めている間、何人たりとも「術者の存在に気づけなくなる」能力なのだから、忍びにとってこれ程の能力は存在しないだろう

 

これを透遁の術で再現できないか、検証する

 

果たして、その結果は……!

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!?って、またコタロー君。驚かすのが上手だな~」

 

うん、息を止めるだけで使えたら世話無いな…

 

 

 

 

ど~も、早速バレて、うちは一族のお姉さんがたと風呂に入ってるコタローでーす

「神の不在証明 (パーフェクトプラン)」を目標に考えてみたんだけどね…

 

うん!無理だわ

 

大体認識されなくなるってどちらかというと幻術の分類に入るし、イザナギなら再現可能かな…

とは思うけど、失明のリスクがある為、そう覗けないじゃないか(迫真)

 

因みに女風呂に度々、透遁の術で入って触ってくるオレですが、お茶目な子供として認識されている。

まあ、一歳児がエロ目的でくるとは思わんわなぁ

 

「背中洗いま~す。気持ちいいですか。コタロー君?」

 

「うん。だいじょうぶだよ。お姉ちゃん」

 

うん、アレだな子供の演技だけが上がってる気がする

それだけに敗北感を感じるぜ…

 

う~ん他には、山中一族の心転身の術で乗り移ってスキンシップと称して触るって手も…あるけどなぁ

 

ヤッパリ触るのは、諦めよう……

大人になったら

 

 

 

 

 

 

 

此処は、外道魔像と言われている巨大な十尾の抜け殻の存在する、どこかの地下の話である

 

「何、予想に反してうちは一族の弾圧がされてないだと」

 

「うん、そーだよ。オビト、いや今はマダラだったね」

 

「………」

 

渦巻型の仮面を常時付けている人物は、うちはオビト

目の前で愛する人が、信頼した親友に殺されるという悪夢を目にしたことでうちは一族特有の悪落ちしてしまった人物である。

 

(妙だな…九尾襲来の原因と考えると思ったが)

 

「どーするの、マダラ」

 

対して、質問を投げかけている人物は白ゼツ

見た目からして人間ではない

実際、白ゼツは柱間細胞から培養された(と思われている)マダラの駒でありオビトの監視役でもある

 

「尾獣どもを狩るにしても、木の葉の戦力を狩る必要がある。ダンゾウの思惑に乗るのは癪ではあるが、疑念を内部に向けさせろ」

 

「どーやって」

 

「白ゼツどもによるチャクラを吸い取った変化を使い、情報操作を行わせろ。うちは一族か、根のものかどちらでも構わん」

 

自分の遥か昔の故郷に対しても、何ら感慨を抱いていなかった

その眼に見えるのは無限月詠による未来

 

ただこの策が約一人?のせいで、トンデモナイ方向に進むとはオビトも今はまだ知らない

 

 

 

 

 

「知ってるか、ダンゾウ様が最近ボランティア活動に参加し始めたそうだぜ」

 

「へーいつも表に出ないダンゾウ様が、珍しいな」

 

「でも、あれだよな何時も悪そうなイメージがある人がそういう事するといい人に見えちゃうもんだな」

 

「ははぁ、違いない」

 

とある茶屋での会話がスムーズに進んでいく

 

その中で一人ダンゾウのボランティア活動について言及したものがひっそりと姿を消し、主のもとへと帰っていく

 

「……首尾はどうだ」

 

「ハッ!ダンゾウ様のイメージ戦略は順調でございます」

 

「…そうか」

 

流石忍びの闇 カリスマ性や信頼は虚構であろうと作り上げる姿勢は汚い

 

 

 

 

 

 

「さーて、オビトに言われた通り情報操作するつもりだけど…来るの?」

 

「うん、長いこと地下で暇だからね。それにやらなくちゃいけないこともあるしね」

 

白ゼツは、変化した姿になったフレンチクルーラーに似てるグルグルに対して問いかける。

 

ただ問題があるとしたら、吸収したチャクラの人物に変化するというところ

 

つまり

 

 

「うん○する気分ってどんな感じか聞かなくちゃ」

 

 

グルグルが、うちはオビトの姿で、木の葉に現れるということだ。

 

 




主人公以外の人物が自重しません


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再会

スイマセン 忙しくて遅くなりました



「珍しい所で会うもんじゃのう」

 

「……なぜ、貴様がいる。ヒルゼン」

 

「なぜも何も儂にとっては、日課みたいなもんじゃ」

 

猿飛ヒルゼンとダンゾウ。

木の葉の陽と陰を象徴した人物が、一堂に会していた。

二人は木の葉の上役として、会う事は多い。だが、方針の違いから幼少時の様に気軽に接する事が無くなり会えば、政治の駆け引きをするというのが常だった。だからこそ、二人が一堂に会しているのは珍しいのだ。

特にこの忍者アカデミーでのイベントに参加しているというのは。

 

「本日は来てくださって、有難うございます。火影様。それと…ダンゾウ様?」

 

アカデミーの職員である忍びが、よく訪ねてくれる火影に対しては気さくな喋りで応対しダンゾウに対しては幻術か、と疑いながらも応対する。

実際、二人を遠巻きに見ている他のアカデミーの職員は、お互いにチャクラを流し合いながら幻術を解こうとしている。

 

「フン、不審な視線を投げつけるとは失礼じゃが。まあ良い。はよう、案内せい」

 

ダンゾウは自分に向けられている視線を不快に思いながらも、応対役の忍びに対して急かす。二人は別に忍者アカデミーに対して遊びに来たわけではない。経験豊富な忍びである事を生かしてボランティアとして授業しにきたのだ。

 

戦乱が収まったとはいえ、いつ再び始まるかもしれないという状況において経験はモノを言う。火影であるヒルゼンはだからこそ、次世代に向けたメッセージを残すべく日課の様に特別講師としての役割を負っていたのだ。

 

問題は、今日その授業にダンゾウが講師として参加するようになったことだろう。応対役の忍びは現実逃避しつつ、言葉を繋ぐ。

 

 

 

 

 

 

「はい、それでは

 

道徳の授業をお願いします」

 

 

 

 

…………マジで?

 

 

 

「おい!!解けないぞ。この幻術」

 

アカデミーの職員は必死にダンゾウが道徳の授業をするという幻術(現実)を解くべく未だチャクラを流し合っている。

 

取敢えずキレなかったダンゾウは成長したかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……不審者?」

 

「はい、先輩知らないんですか?最近不審者が木の葉で激増中らしくて、警邏署が大忙しらしいですよ」

 

「九尾襲来以降、不安定な時期だっていうのに大変ですよねぇ。カカシ先輩」

 

「気軽に言ってくれるな。この時期だからこそ暗部である俺達の役割が問われるんだ」

 

死んだ魚のような目を持つ白髪男と常時レイプ目ではないかと疑われる年下の少年が木の葉の通りを歩いていた。二人の名前ははたけカカシにテンゾウ。木の葉の暗部に若年ながら所属している面々であった。

 

「でも七不思議のような奇妙な噂も聞こえてきて、楽しいですよ」

 

「…噂?」

 

「はい、何でも最近幼児が瞬身の術を使いこなし飛び回っているとか。おまけに、透遁の術を使って、幽霊の如く消えたり現れたりしているとかです」

 

「ハァ…そういう有り得ない噂は真実を見えなくさせるぞ。テンゾウ」

 

「というと?」

 

「いいか。親は子供の自慢を過剰にしてしまうものだ。どこかの保護者が過剰表現しただけだろ」

 

「フーン…そんなもんですかね。では、もう一つ不審人物の方はどう思いますか?」

 

「…不審人物?…ガイのことか」

 

何気に酷いことをいうカカシである。

 

「違いますよ。何でも女性に対してセクハラを行う青年男子がいるらしくて、おまけに逃げ足が速いもんだから捕まらないんですよ」

 

「……警務の忍びが捕まえられないとすると、犯人は忍びだな。もしもの時はオレが動くか」

 

「さ~すが先輩。頼りにしてますよ」

 

木の葉の暗部二人は噂をしながら通りを歩いていく。そして状況を俯瞰するものがいるとしたら、その会話に対してこう判断するだろう。

 

アカンそれはフラグや、と

 

 

 

 

 

「……である。これを忍びの心得とせよ」

 

ダンゾウとヒルゼンの授業は教科書を使ってアカデミーの忍び心得を説く。意外だが授業そのものは、対立することもなく和やかな雰囲気のもと続いている。授業参観している他の先生方もビックリするほどまともな授業であった。

 

「本日は有難うございました。火影様、ダンゾウ様」

 

担任教諭が特別講師の二人を労う。年の功があるだけ、話は伝わりやすいのだ。

 

「では、本日の授業を終えて。皆さんの中で、質問がある人はいますか?」

 

「「「はーい」」」

 

子供だけあり木の葉の上層部である二人に対して気兼ねなく、質問したいという子供はたくさんいた。

 

「では、うちはシスイ君。質問をどうぞ」

 

「はい、火影様はいつ火影になったのですか?」

 

ピシッ、と主にダンゾウの方の空気が変わる。何故ならダンゾウにとってそれは、ヒルゼンに対する敗北をトラウマとして刻まれた記憶だからだ。

 

「そう、あれは金角、銀角という雲隠れの忍びが…」

 

そんなダンゾウの雰囲気を察すること無くヒルゼンは話を進めていく。子供達も熱心に聞いていく。

そして、

 

「囮役をすることになってじゃな。そこで「儂が名乗りを挙げたのじゃ」ってダンゾウ!?」

 

ヒルゼンの言葉に被せる形でダンゾウはサラリと嘘をつく。

 

「何を言ってるんじゃ。そこで「けれど、其処で二代目様は、言ったのじゃ。『ダンゾウ、お前が死ぬのはまだ早い。儂が囮になる』とな」……聞いとらんな」

 

ダンゾウは火影の言葉を無視して話を進めていく。自分のサクセスストーリー(嘘)を話して、手柄を独り占めしていく。けれど、嘘は必ずバレてしまうもの。

 

うちはシスイは疑問を浮かべながら尋ねる。

 

「?では、活躍されたダンゾウ様?ではなくてヒルゼン様が火影になっているのですか?」

 

「……………」

 

実際の火影は、猿飛ヒルゼンであるからだ。

その後、ダンゾウは能面のような顔で教室から出ていった。

けれど、ヒルゼンや子供達はその姿を見て笑う事は無かった。

何故なら、彼は大事なことを教えてくれたからだ。

 

嘘をつくのは良くない、と

 

子供達が成長したとある木の葉の授業風景だった。

 

 

 

 

「きゃあああああああ!!!変態よ、変態がいるわ」

 

 ビクッ!!

 

「ッ!!コレは」

 

「先輩!」

 

カカシとテンゾウは、叫び声を聞いて咄嗟に先程の噂について思い出す。事にあろうか真昼間から変態行為を起こす奴が居るとは、言語道断である。

……変態という叫び声に何もない所から、身動きがした気がするが気のせいだろう。

 

二人の忍びは叫び声を聞こえた場所に向かう。そしてその場には一人の青年が立っていた。

 

「もう、大事な事を聞きたかったのに……ん!丁度良かった君たちに聞こうか?」

 

「変態行為に及びながら、その場に立ちどまるとは図太いやつですね。先輩、捉えますよ……ん、先輩?」

 

「お、お前は」

 

テンゾウはカカシに対して協力を投げかけようとするが様子が可笑しい。それはまるで、見てはいけないものをみてしまったような感じ。

呆然としながら、カカシは声を絞り出す。

 

「お、オビト……なのか」

 

運命より早く時計は回り始める。

 

 

 

 

そこは外道魔像の設置している場所。一人の男が漸く事態を把握する。

 

「……白ゼツ。グルグルはどうした?」

 

「グルグルならね~諜報活動やってるよ木の葉で」

 

「…何?俺は命じていないはずだ」

 

「うん、自主的に行ったからね~」

 

「勝手な奴だ、回収する。奴はどこにいる」

 

「木の葉だよ~」

 

「…木の葉、か」

 

嘗ての故郷に既に思い入れは無い。その筈だが、何か引っかかるものがある。

 

青年は、親友と会いまみえることになる。

 

 

 

 

 

 

「え~っと。何これ」

 

変態という叫び声に無駄に反応した出番なしの主人公は、現状に困惑していた。

透遁の術で姿を隠していて気づかれずにカカシやテンゾウの後を追ってきたコタローであるが目の前には、オビトが仮面を外して…いた。

 

 

 

混迷する世界はどこに行くのか 誰にも分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




うん…どうなるのかな この世界


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KAKASHI

シリアス回です(ドヤッ


……多分


ルールを守れない奴は忍びでクズ呼ばわりされる

だけど仲間を守れない奴はそれ以上のクズだ

 

親友の言葉を胸に刻んで生きてきた

 

けれど現実は残酷で、親友から託されたリンをこの手で殺すことになり

先生であったミナト先生までも無くしてしまい 正直現実が地獄だと思った

それでも前を向いて生きようとしたのは 

他でもない親友から託された言葉と写輪眼と意志のおかげだ

 

火の意志を称える英雄に刻まれた石碑の前で毎日のように 自分を戒めてきた

馬鹿だったころの自分を戒める為に

 

けれど

 

その死んだはずの友人が目の前にいるのは

 

何故なのだろう…

 

 

 

 

 

 

 

写輪眼!!

 

はたけカカシは瞬時に左目にある写輪眼を発動させて、目の前のオビトが変化でないか見分けようとする。けれど、グルグルの使ったチャクラを吸収した変化は持ち主のチャクラすらも擬態する。その為ナルトの悪意感知ぐらいしか、判別はつかない。

結果、オビト本人であると断定するのに十分だった。

 

「……やっぱり、オビトなのか。どうして生きているのを隠していた」

 

「先輩?この変態と知り合いなんですか?」

 

テンゾウは、痴漢の容疑者らしき男がカカシと知り合いであることに驚く。類は友を呼ぶというし、これからは距離をとるべきかとテンゾウが不謹慎な事を考えていた事は秘密である。

 

「そんなのどうでもいいよ。君達に聞きたい事があるんだ」

 

「…オビト?」

 

「聞きたい事?」

 

カカシは親友の様子が以前と違う様子である事を察するが不審に思う。数年前に消えたと思った友人が聞きたいことなのだ、重要な事であるはずだ。と、そこまで思考が浮かんだところで解に至った。

 

間違いない、リンのことだ。

 

自分が守れとオビトに託されたのに、この手で殺してしまった少女のことだ。責められて当然だ。いっそ、罵倒されれば楽かもしれない。それでも約束を守れなかった事を後悔で埋め尽くされた心は楽になる事を拒んでいる。

カカシは、予想された答えに対して怯えながら尋ねる。

 

「り、リンのことか」

 

心が締め尽される様なストレスに耐えながら、カカシはオビトの返答を待つ。

自然に呼吸が荒れていく。

 

そんなカカシの様子を気にする事もなく偽オビト(グルグル)は、気軽な声で尋ねる。

 

 

 

 

 

「ねえ、ねえ、うん〇する気分ってどんな感じなの?」

 

その場の空気が凍ったことは、聞くまでも無いだろう。

カカシの思考も理解不能の言葉で埋め尽くされた。

 

 

 

 

「だーかーら、うん〇する気分ってどんな感じなの?教えてよー」

 

そんな場の空気を察する事も無く偽オビト(グルグル)は、質問を重ねていく。

その空気から立ち直ったのは、奇しくも事情を把握していないテンゾウの方だった。

 

「こ、この変態は。女性の方だけでなく、男にもセクハラするくちか…。ってことは、その知り合いである先輩って」

 

テンゾウは変態に対して、引く反応を見せると同時に横に並ぶカカシに対しても2,3歩距離を空ける。

 

「先輩、何を呆けているかはしれませんが直ぐ捕えますよ。木遁の術」

 

テンゾウは木遁の術を使い偽オビト(グルグル)を捕えることに成功する。

偽オビト(グルグル)は捕えられたことに興味をいだくわけでもなく、テンゾウが木遁の術に興味を持ったようだった。

 

「へぇ、君は木遁が使えるんだ。うん、君なら僕の中に入れてもいいかな」

 

「!!!」

 

テンゾウは、偽オビト(グルグル)の獲物を見るような視線に対して後ずさりする。

 

(この変態、僕を狙っている!!)

 

中に入れる、という発言から変態の標的にされたことを知ったテンゾウは、ドサクサに紛れてこの変態を始末できないか考える。そして、

 

「あークナイが勝手に飛んで行っちゃう(棒読み)」

 

「テンゾウ!!」

 

テンゾウは有無を言わさず、クナイを変態に向けて投げつける。確実に命を絶ちに行ってる所が彼の必死な心境を表しているだろう。カカシは、茫然自失していたがクナイで偽オビト(グルグル)が死ぬかもしれないという危機に、意識を戻す。

 

 

そして、飛んで行ったクナイは突然現れた仮面の男によって弾かれた。

 

 

「あーマダラ。来てくれたんだね」

 

「…………」

 

仮面の男は、偽オビト(グルグル)の呑気そうな声を苛立ち気に見る。

 

「……マダラ、だと」

 

カカシは、マダラと呼ばれた仮面の男を凝視する。そして確信する。この男が只者ではないことに。

 

(今、コイツはどうやって現れた?何もないところから現れたはずだ。マーキングなしの時空間忍術だと。四代目以上じゃないか)

 

カカシが仮面の男の実力に警戒する一方で、テンゾウは

 

(また変態チックな仮面が現れた。まとめて殺しても問題ないよね。うん、そうしよ)

 

まだテンゾウの忍び知識が十分でない為マダラの名前に反応しなかったことと、貞操?の危機に錯乱し必要以上に変態への殺意が上がっていることが重なり殺戮モードへと変わっていた。

 

そして、仮面の男は偽オビト(グルグル)を眼の中に吸い込む。

 

「オビト!!」

 

カカシは、消えていった親友?に対して声を張り上げる。短い邂逅であったが、話したいことはまだあったのだ。

テンゾウは歯噛みする。あの変態は今この場で始末しようとしたのに。

 

仮面の男は、偽オビト(グルグル)を回収するとカカシやテンゾウの方に視線を向ける。

 

「写輪眼のカカシに木遁使いか。ウチのものが迷惑をかけたな」

 

「……オビトに何をした?」

 

「何?協力者さ。この世には希望が無い、その事を知ってうちはオビトは真の平和を目指した。それだけのことだ」

 

仮面の男は言いたいことを言ったとでも言いたげにこの場を去る。

 

「待て!」

 

カカシの叫びがこの場に響くも、あとは静寂だけが残る。

こうして再会は短くも終わった。

 

 

 

 

 

外道魔像が安置している地下に仮面の男であるオビトは戻っていく。

 

(…フン、うちはオビトは真の平和を目指した、か。俺の生存が知られたとはいえ喋りすぎたな)

 

親友との再会での自分の言葉を自嘲する。仮面に隠された自分の素顔を探り当てて欲しかったのかもしれない。これは未練だろう。火影になりたかった、という道への。

けれど戻る道は許されない。

 

「『うちはマダラ』の生存も知られた以上、多少強引な手段を取る必要が有るか。霧隠れの里を使い、木の葉の里を弱体化させるか」

 

うちはオビトは真の平和を目指していく。自分のかつての在り方に背を向けながら

 

 

 

 

 

「……以上。私はたけカカシが目撃したことです」

 

「そうか……」

 

火影邸での深夜、カカシは火影に対して目撃したことを証言していた。

うちはオビトが正気でない状態で木の葉に居たこと。

そしてうちはオビトの正気を奪ったであろう存在であるうちはマダラが存在することを。

 

「カカシ。実際本当のマダラである可能性はどのくらいじゃ」

 

「オビトは写輪眼持ちの忍びのはずです。恐らく正気を無くさせるほどの瞳力を持った忍びといえばやはりマダラかと」

 

「分かった。して、カカシよ。お主はどうしたいのじゃ。オビトは友じゃろ。木の葉に仇なすと分かっても……討てるのか」

 

「それは…」

 

言葉に詰まる。親友だった人物なのだ。生きていたそれだけで、嬉しい。

けれど、木の葉に仇名す際には討たなくてはならないのか。

その回答は、

 

「俺は嘗てオビトから教えられました。

 

ルールを守れない奴は忍びでクズ呼ばわりされる

だけど仲間を守れない奴はそれ以上のクズだ

 

って、オビトは今マダラに操られているのかもしれない。

なら

 

俺は命を懸けて仲間である、オビトを正気に戻したいです!!

 

甘い考えかもしれないけれど、それが俺の正直な気持ちです。三代目」

 

「フッ、そうか」

 

火影はカカシの目が死んだ目から、生きた目に変わった様子を察する。三代目火影も甘い考えの人物なのだ。カカシの甘い考えを否定するわけでもなく、頷くに留めたことからも察せられる。

 

(うちはマダラか……九尾襲来の犯人は奴であるならば話は通るな。これからの時代、奴めを越える忍びを育てなくてはならん)

 

三代目は火の意志を心に燃やしこれからの騒動を懸案する。

 

それからはたけカカシは、うちはオビトが生きていることを知り遅刻癖が改善されたと言う。

 

はたけカカシは嘗ての友の忍道を目指していく。

 

 

 

 

 

 

ちなみに、またまた出番がないコタローはというと。

 

(流石カカシさん。カッコイイぜ。これは主人公の貫録を感じるぜ。これはもうKAKASHIだな)

 

透遁の術で、火影邸に忍び込みカカシと三代目の会話を盗み聞いていた。カカシの目の生きた光に主人公の貫録を感じて感動している。

 

……ちなみに三代目とカカシから気づかれないレベルまで透遁の術を身に付いているのはチートとしか言いようが無いだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




隣のお墓の前で~泣かないでください、其処に私はいません
眠ってなんか いません~


って、それ別人のお墓!!


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