こっちあっち…いや逆だ?! (Dr.クロ)
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1日和目~幻想郷⇔現代~

何時も通りに過ごそうとしていた天邪鬼の少女は知らぬ内に現代へと足を踏み入れ出会いを果たす。


これは鬼矢たちが幻想郷に訪れる二年前のことだった

 

??「さ~て今日はどんな悪戯をしようかね」

 

幻想郷の何気ない道を一人の少女が歩いていた。

 

彼女は鬼人正邪、天邪鬼の妖怪で何時も通りの日常を過ごしていた。

 

正邪「よし、今日はあのスキマ婆の顔にでも落書きをしてやろうかね」

 

そう、何時も通りのを過ごす筈だった。

だが彼女は気づいていなかった。

まさか自分が…自分の前に現れた世界の境界を超えてしまった事を…

 

正邪「…あれ?」

 

考えから抜け出て正邪は目の前に広がる景色に呆気に取られる。

 

自分は先ほどまで草木ある道を歩いていた。

それが何時の間にか足から伝わるのが何やら硬い地面に変わっており、周りも見た事のない建物らしい物体になっている事に気付く。

 

正邪「ど、何処だい此処は…」

 

自分ただ何時も通りに歩いていた。

それなのに見当も付かない所に来るなんてありえない。

色々と来る事に頭が追い付かずに途方に暮れる正邪に…声をかける者がいた。

???「ねぇ、君」

 

正邪「え?」

 

後ろからの声に正邪は振り返る。

 

そこにいたのはメガネをかけてアホ毛を生やした黒みがかったショートヘアの高校生位の少年がいた。

いきなり声をかけて来た少年に正邪は訝しげに見る。

 

正邪「だ、誰だい。アンタ」

 

警戒してる正邪に流石に知らない人から声をかけられたら警戒されても仕方がないのを分かっていたのか少年は口を開く。

 

少年「もしかして迷子?」

 

正邪「べ、別に迷子じゃないし!」

 

そう聞く少年に正邪は顔を逸らす。

それに少年はああ、やっぱりなと思いつつそれを顔に出さずに名乗る。

 

少年→伊御「俺は伊御。もし良かったら警察まで一緒に行こうか?」

 

正邪「け、警察?なんだよそれ」

 

名乗った少年、伊御の言った単語に正邪は目をパチパチさせる。

 

その様子にさらに内心確定かなと考えながら伊緒は続ける。

 

伊御「ねぇ、もしかして君って…」

グゥ~

 

聞こうとした時、正邪のお腹から可愛らしい音がし、正邪は顔を赤くしてバッとお腹を押さえる。

それに伊御は聞こうとしたのとは別のを聞く。

 

伊御「お腹すいてるのか?」

 

正邪「へへへへ、減ってない!」

 

顔を赤くして答える正邪に伊御は苦笑しながら提案する。

伊御「良かったら一緒にケーキ食べないか?」

正邪「け、ケーキ?」

 

出て来た言葉に正邪は食べ物なのかと考えたがまたお腹がなりそうなので顔を反らしつつ聞く。

 

正邪「そ、それって美味しいのか?」

 

伊御「ああ、行く所のは保証するよ」

 

それにより正邪はな、なら行ってやろうじゃないかと答え、伊御はくすっと笑う。

伊御「じゃあ行こうか」

そう言って歩く伊御の後ろを正邪も付いて行く。

 

ハチポチ~店前~

 

正邪「此処にケーキってのがあるのか?」

 

目の前の建物を見て聞く正邪にそうだよと伊御が言って扉を開けて入り、正邪も続く。

 

?「お、伊御。遅かったじゃねぇ…」

 

か…と言いかけて出迎えた明るい黄土色のショートヘアの少年は伊御の後ろにいた正邪を見てしばし固まった後に伊御の腕を掴んで正邪から距離を取る。

 

そんな少年の不可思議な行動に残された正邪は首を傾げる。

少年「おい、伊御!お前、あのコスプレ少女何処で拾ってきた!」

 

伊御「いや、もしかすると本人かもしれない」

 

チラチラと正邪を見ながら小声で話しかける少年に伊御はそう言う。

それに少年ははぁ?と何言ってんのお前?と気持ちが籠った声を漏らす。

 

少年「お前、二次元とリアルがごっちゃになってないか?」

 

伊御「んじゃあ試しにどこから来たのか質問して見ろ」

 

真面目な顔で言う少年に伊御は正邪を見て言い、少年はしょうがねえな…と呟いて正邪に近づく。

少年「ねぇ御譲ちゃん。何処からき…」

少女「あぶなーい!」

少年「ゲフゥ?!」

 

話しかけようとした少年だったが別方向の声と共に来た衝撃と共に吹き飛ぶ。

いきなりの事に正邪も呆気に取られる。

 

少女「ふぅ、危ないところでした」

 

伊御「いやいや、何してるんだ姫;」

 

少年を吹き飛ばしただろう栗色のショートボブヘアで左右に結ってある紺色のリボンが特徴の少女に伊御は冷や汗掻いて言う。

 

正邪「ひ、姫?」

 

少年「ち、ちなみに名前であって考えてる姫とは関係ないからな」

 

伊御「大丈夫か榊;」

 

出て来たのに呆気に取られる正邪に少年がよろめきながら起き上がって言い、伊御が冷や汗掻いて聞く。

 

少女「いやぁ~姫っち、ナイス突撃じゃったよ」

 

フェッフェッフェッと笑って姫と呼ばれた少女とは別のオレンジのボブカットでお団子二つ、目が前髪で隠れている少女が指を立てて賞賛する。

それにより伊御は姫と呼ばれた少女の行動に納得して呆れる。

 

伊御「お前の仕業か真宵」

 

榊「色々と理由を聞かせてくれ」

 

ふうと息を吐く伊御の後に榊が聞く。

 

真宵「いや~榊さんが可愛い女の子をナンパしていると思いまして」

 

榊「ちげぇよ!!ただどこから来たのか聞こうとしただけだよ!」

 

悪びれもなく理由を言う真宵に榊はそう言う。

 

真宵「それにしても…どこかで見た格好じゃね?確かと…!?」

 

姫「ふえっ!?」

 

伊御「えっと、そう言えば名前も聞いてなかったね。後どこから来たのかも?」

 

正邪を見て何か言おうとした真宵を伊御が慌てて口を抑えた後に変わりに聞く。

 

正邪「アタシ?アタシは鬼神正邪。幻想郷からこの変な世界に来た天邪鬼さ」

 

その言葉に榊と真宵は止まり、姫は幻想郷の部分に首を傾げ、伊御はやっぱりか…と思ってると腰まである明るい黄土色のロングヘアの女性が来る。

 

そして正邪を見るとあらあらと笑う。

 

女性「貴方が紫さんが言っていた子ね。聞いてたとおり可愛いわね」

 

榊「え?みいこ姉、今紫って…」

 

女性から出て来た名前に榊が驚いて聞こうとする前に正邪を連れて奥に行ってしまう。

誰もが顔を見合わせる。

 

数分後…

 

しばらくして何か疲れた様子の正邪を連れたみいこが来る。

 

伊御「み、みいこさん。何してたんですか;」

 

みいこ「色々とお話してたのよ~後、榊に言って置くと知り合いからこの子を預かってほしいでウチに居候する事になったわ」

 

榊「はあ!?」

 

恐る恐る聞く伊御にみいこはそう言い最後の言葉に榊は驚く。

 

真宵「なんと?!榊さんがこんな可愛い子と同棲ですと?!」

 

伊御「いや、微妙に違わなくないか?;」

 

驚いて言う真宵に伊御はツッコミを入れる。

榊「(ヤベェ…こんなことクラスのやつ等にバレたら…殺される?!)」

 

姫「えっと…みいこさんは正邪さんと知り合いなんですか?」

 

色々と榊が戦慄している間に話しに付いていけてない姫がみいこに聞く。

正邪「いやそうじゃねぇけどどうやらこの人とあのスキマ婆が…」

 

みいこ「せ・い・じゃ・ちゃん。それはひ・み・つと人をそう言っちゃだめよ♪」

 

それに正邪は答えようとしてみいこが笑顔のまま正邪の肩にポンとおいて言い、それに正邪はコクコクと頷く。

姫を除いた3人は深く聞かない方が良いなと思った。

 

少女「…伊御」

 

するとさっきまでいたが黙って見ていた腰の下まである青のロングヘアで、上向きに一本くるりと巻いたアホ毛が特徴の少女が伊御に話しかける。

伊御「どうしたのつみき?」

少女「今更だけど私たち…あの子に自己紹介してないわよ」

 

それに誰もがあーと納得する。

連れて来る前に名前を明かした伊御以外は自分から全然名前を言ってない。

真宵「確かにはじめてあったのに自己紹介をしてないってのは失礼じゃね」

 

伊御「正邪に名前を言ったのは俺だけだからな」

 

うんうんと頷く真宵の後に伊御が言うと榊が俺から行くぜ!と手を上げて自己紹介する。

 

榊「俺は戌井榊。そっちに居るみーこ姉の弟で伊御のダチだ」

 

次に私がやるんじゃよと真宵が出る。

 

真宵「私は片瀬真宵。面白いことが好きな伊御さんの友達なんじゃよ!よろしくじゃね!次は姫っち!」

 

指名された事でふえっと驚いた後に姫は慌てて自己紹介する。

姫「春野姫です。よ、よろしくお願いします!正邪さん」

 

正邪「おう」

 

聞いた後に次に無口な少女へ顔を向ける。

ほらつみきと伊御に頭をポムする。

少女「…御庭つみき。よろしく」

正邪「ってそれだけ?」

 

簡潔に名を言うつみきに正邪は思わずつんのめり、伊御達は苦笑する。

真宵「つみきさんは無口で可愛い女の子なんじゃよ」

榊「あと伊御の事が好きなんだぜ」

つみき「にゃ?!」

 

伊御「こらこら、そこの2人つみきを困らせるな」

 

そんな正邪に真宵と榊が付け足してつみきは顔を赤くして伊御が注意する。

しかも動じてない事から正邪は鈍感かと呆れる。

 

正邪「(でもアイツ、からかいがありそうだな)」

 

つみきを見てそう思った正邪はふと真宵と榊と目が合い、それに2人はグッと見せ、この2人もからかうのが好きと分かって返す。

 

つみき「にゃ!」

 

ただ、その後につみきにより榊と真宵のふたりは吹き飛ばされて壁にめり込む。

 

正邪「(えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?)」

 

伊御「つみき、此処はお店だから学校の様にしたらダメだろ;」

 

つみき「(ぷい)」

 

正邪「(いやいやいや!と言うかこう言う事があるの!?)」

 

それに驚く正邪を尻目にやんわりと窘める伊御につみきは顔を反らし、正邪は心の中でツッコミを入れる。

 

正邪「ねぇ、お前ってホントに人間?」

 

つみき「人間よ」

 

思わずそう聞いてしまった正邪につみきは何言ってんのとばかりに呆れる。

 

正邪「じゃなんで普通の人間が…」

 

続けて言おうとして正邪のお腹が鳴る。

それに正邪は顔を赤くして自分が此処に来たのはケーキを食べる為なのを思い出す。

 

榊「お、腹が減ってるのか」

 

伊御「そう言えばケーキを食べさせてあげるで連れて来たんだった」

 

それを聞いて笑う榊の隣で伊御が本来の目的を思い出して呟く。

 

榊「ならちょっと待ってろ」

 

それを聞いて榊は店の奥に引っ込み、伊御も正邪を椅子に座らせる。

しばらくして榊がショートケーキを持って来る。

 

正邪「これがケーキ?」

 

榊「おう、ウチの人気ケーキだ」

 

置かれたのを見て呟く正邪に榊はそう言う。

幻想郷では和菓子しか食べた事のない正邪は珍しそうに見た後に置かれていたフォークを持って少し切り分けて切り分けたのをフォークに刺して口に含む。

 

正邪「!」

 

そして来た甘さと旨味に驚く。

 

自分が今まで食べて来た和菓子とは全く違う美味さと衝撃に驚いた後にほにゃりとなる。

 

榊「どうだ?」

 

正邪「お、美味しい…和菓子以外でこんな甘くて美味いのを食べた事ない!」

 

笑って聞く榊に正邪は笑って言う。

 

それに伊御も笑う。

 

正邪「ねぇ!他にはどんなのがあるの?」

 

けいこ「うふふ、気に言って貰えて嬉しいわ」

 

聞く正邪にけいこは笑って言った後にちょっと待っててねと言って別のケーキを持って来る。

それに正邪は目を輝かせて食べて行く。

 

真宵「ただあまり食べ過ぎると体重がhゴフゥ?!」

 

つみき「いいところなのに余計な口出ししない」

 

伊御「いやだから学校の様にしちゃあ駄目だろ;」

 

余計な事を言おうとした真宵はつみきにより再び壁にめり込み、そんなつみきを伊御は注意する。

 

しばらくして満腹になったのかふいーと満足そうに正邪は息を吐く。

 

正邪「いやー、マジこんなに美味しい奴を食べられたのは初めてだわ―他にもこんな飲み物とかもね~」

 

みいこ「ふふふ、それは良かったわー」

 

満足そうに出されたジュースを飲んで感想を述べる正邪にみいこは何時も通り笑って言う。

 

色々とあったが此処で何か楽しい事を待っているのを正邪はなぜかそう確信していた。

 

みいこ「あ、ちなみに正邪ちゃん伊御君達と同じクラスになるから」

 

一同「え?」

 

微笑ましそうに見ていた一同と正邪はみいこの言葉にまた呆気に取られる。

 

これが1人の天邪鬼と親友となる者達の出会いと彼らの物語の始まりであった。




榊「次回、2日和目!学校⇔買い物に続くぜ♪」


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2日和目~学校⇔買い物~

正邪の学校生活が始まり、終わった後に現代に住んでる間の日用品を買う。


正邪「全く…まさかこの年になって寺子屋に行くなんて思っても無かったよ」

 

榊「今は学校って呼び方だけどな。後、年と言うけど言わなきゃ俺達と見た目変わんねえから」

 

ぶつくさと猫毛高等学校の制服を着てぼやく正邪に榊はツッコミを入れる。

 

正邪「まぁそうだけど…」

 

榊「にしても昨日のあれにはホント驚いたぜ」

 

頭を掻いてる正邪の隣で榊は昨日の自分の姉であるみいこの正邪を自分の学校に転入する爆弾発言に呆れる。

 

そんな翌日の今日で正邪の制服や生徒手帳を何時の間にか用意していると言う用意周到ぷりに早過ぎだろうと榊は思わずツッコミを入れてしまった。

 

正邪「ホントあの人、なにもんだよ」

 

榊「いやまぁ、ごく普通のケーキ屋の店長…な筈」

 

そう洩らす正邪に榊はなんとも言えない顔で漏らす。

 

みいこの口から出た紫と言う名前から八雲紫なのではと榊と伊御は分かっていたが聞こうとしてもみいこがのらりくらりとかわしたので聞けてないのだ。

 

正邪「アレのどこが普通なんだよ…」

 

榊「いやまぁ、確かに言いたい事は分かるけ「のーーーーー!?」ど…?」

 

感想を述べる正邪に榊と正邪は悲鳴に振り返り…白い何かが見えた。

それと同時に銀髪と紫のウェーブのかかったボブカットの女性が綺麗にこけて倒れた。

 

正邪「…誰アレ」

 

榊「ああ、桜川 キクヱ先生、伊御達の担任でみいこ姉の友達、結構なドジっ子さんなんだよな」

 

聞く正邪に榊はそう説明する。

成程なと正邪は納得して先ほど見えた白いのが何なのか分かって呆れる。

 

正邪「凄いドジっ子だな」

 

榊「だろ?先生、大丈夫ですか?」

 

キクヱ「あ、榊君」

 

伊御「お、榊」

 

同意した後にキクヱに声をかける榊にどうやらキクヱの少し離れた場所にいたらしく伊御達がおり、そんな伊御とつみき、真宵の前で姫だけ倒れていた。

 

あ、これ、こけたんだなと榊と正邪は理解した。

 

キクヱ「あ、その子が今日転校してきた蛇正(じゃせい)神那(じんな)ちゃんですね」

 

榊「そうなんですよ。んで一緒に連れて来た訳ですよ」

 

正邪を見てほんわか言うキクヱに伊御達はハテナマークを浮かべるが榊は同意して言い、4人は正邪を見て本人は顔を反らして納得してない顔をする。

 

伊尾「榊、聞きたい事が」

 

榊「ああ、なんで偽名なのかだろ?そのままだと正邪の事を聞き付けた奴らが東方のを言ったら駄目って事でみいこ姉が決めた名前なんだよ。ちなみに正邪にはちょっとした事情でぼかして納得させた」

 

色々と話しので先に行った正邪とキクヱを見送った後に聞く伊尾に榊は周りに聞こえない様に答える。

 

あーと姫以外納得する中で姫は疑問詞を浮かべまくるが複雑な事情なんじゃよと言う真宵のにそうなんですかと納得する。

 

しばらくして…

 

キクヱ「みなさーん、今日は皆さんと一緒に勉強する転校生を紹介しますの~」

 

ホームルームでキクヱはそう言った後に入ってきてくださいですの~と呼びかける。

 

正邪「は、はい;」

 

返事の後に正邪が扉を開けて緊張した顔で入って来てキクヱの隣に来て前を見る。

 

キクヱ「この子が今日から皆さんと一緒に勉強する蛇正(じゃせい)神那(じんな)ちゃんです!」

 

正邪「じ、神那だ。これからよろしく」

 

キクヱの後にそう挨拶する正邪を伊御達以外は珍しそうに見る。

 

キクヱ「神那ちゃんは別のクラスの榊くんの親戚で遠い田舎から来たんですの。分からない事もあるそうなので困っていたら助けてあげてくださいですの」

 

自己紹介する正邪の後にキクヱがそう言い、それにクラス中がはーいと答える。

その後に正邪は真宵の右隣の席に座る。

 

真宵「よろしくなんじゃよ」

 

正邪「ん、よろしく」

 

キクヱ「それでですね~他に先生から皆さんに温泉旅行のお土産がありますのよ」

 

着席する正邪に真宵は挨拶して正邪も返すとキクヱがそう言って袋を見せ、クラス中がおーと声を漏らす。

 

キクヱ「生菓子なのでできれば早めに食べてくださいねー」

 

真宵「先生~!旅行はもしかして彼氏とですか?」

 

キクヱ「え”」

 

そう言った後の真宵の質問にキクヱは笑顔で固まり、誰もが冷や汗掻いて騒めいた後…

 

キクヱ「1人旅……ですの……」

 

ずぅ~~~~~んと落ち込んでしくしくしくしくと台に突っ伏して泣き出す。

 

正邪「ちょっと、真宵…」

 

真宵「地雷踏んじゃった;」

 

伊御「踏み抜いたな」

 

流石にこれには正邪は呆れ、真宵の言った事を伊御は同意する。

 

つみき「ちゃんとフォローしなさいよ」

 

真宵「そ、そうじゃな…(ガシッ)姫っちよろしく」

 

姫「ええ!?」

 

そう言うつみきに真宵は頷いた後に姫の肩を掴んで丸投げする。

 

つみき「姫には難しいと思う」

 

姫「え、えっと…」

 

キクヱ「しくしく…しくしく…」

 

今だに突っ伏して泣いているキクヱに姫は戸惑いながら声をかける。

 

姫「せ、先生…」

 

キクヱ「え…」

 

姫「えっと…その…け、結婚は」

 

正邪「(焦り過ぎだろ;)」

 

顔を上げて姫を見るキクヱに姫は焦りながら言おうとしてるのに正邪は心の中でツッコミを入れた後…

 

姫「酒場ですぅ!!」

 

キクヱ「え!?」

 

正邪「それちがわくね!?」

 

真宵「それを言うなら結婚は人生の墓場じゃろ!」

 

キクヱ「ひっ?!いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

間違えて言った事に正邪がツッコミを入れて真宵も訂正のツッコミを入れた事でキクヱはさらに泣き叫ぶ。

 

伊御「トドメさしたな」

 

真宵「あれ;」

 

正邪「真宵。お前、ある意味苛める才能あるわ」

 

静かに言う伊御の後に真宵は頬をポリポリ掻き、正邪は呆れて言う。

 

とりあえずキクヱが落ち着いた後に授業は始まった。

 

なお、正邪は前日の内にみいこにより寝る前に叩き込まれたのでなんとか授業に付いて来ていた。

 

正邪「(ん?)」

 

退屈そうに見ていた正邪はふと伊御を見ると伊御は頬杖を付きながら左手でペンを回していた。

 

真宵「(にゃ、ペン回しじゃ)」

 

同じく気づいた真宵も流れる様にクルクルと回す伊御のを見る。

 

するとどんどん回すスピードが速くなって音もクルクルからひゅんひゅんひゅんとなったと思ったらぎゅいいいいいいんへと変わって風が起こっている事を示す様に伊御のノートが起こった風でめくられて行ってる。

 

真宵「(にゃ!?)」

 

正邪「(マジか)!?」

 

それに2人は驚く。

 

普通ペンサイズので風を起こすなんて事は普通に難しい。

だが伊御はそれをいともたやすくやっていた。

 

正邪「うそぉぉぉぉぉぉぉぉん!?」

 

真宵「伊御さん、それ!?」

 

伊尾「!?え、何?」

 

それに思わず正邪は叫び、真宵も声をかけてそれをしていた伊御はビックリして止める。

 

キクヱ「え、えっと…さ、騒がしいですのよ伊御君!!」

 

伊尾「お、俺?」

 

それにキクヱはチョークを2本、伊御に目がけて投げる。

 

バチス!!

 

真宵「あはん!!」

 

正邪「うがっ?!」

 

投げられたチョークは伊御に当たる直前に急カーブして真宵と正邪に命中する。

 

キクヱ「あ、あれ?」

 

伊尾「カーブした;」

 

倒れる中で投げた本人であるキクヱ自身呆気に取られる中で伊御の呟きが静かに出たのであった。

 

 

休み時間にて

 

正邪「あ~、何とか午前乗り切った」

 

真宵「お疲れちゃんじゃね」

 

榊「やっぱ幻想郷(田舎)と違ってこっちは進んでいるから苦労するのは当然だろうな」

 

ふいーと息を吐く正邪に真宵はそう言い、昼休みなので一緒に食べてる榊がそう言う。

 

ちなみに正邪は榊が買って来たサンドイッチやオニギリに伊御から焼きそばパンを貰って食べている。

オニギリ以外新鮮なので正邪はバクバクと食べていた。

 

榊「ん…」

 

伊尾「?どうした榊」

 

ボーとメロンパンを咥えてる榊に伊御は気づいて話しかける。

 

榊「あー、なんつーか。女の子が四人寄るとさ」

 

伊尾「かしましい?」

 

ワイワイ話してる4人を見て言う榊に伊御はそう聞く。

 

榊「いやらしいと思わないか」

 

伊尾「どんなセンスだ;」

 

正邪「と言うか意味分からん」

 

出て来た言葉に真宵と姫はよろけて伊御と正邪がツッコミを入れる。

 

真宵「そういえば今日、伊御さん榊さん、先生に注意されてたねん」

 

つみき「なんかあったの?」

 

正邪「注意って事はなんか悪さでもしたのか?」

 

気を取り直して真宵が2人を見て言い、それにつみきと正邪は聞く。

 

伊御「購買戦争に勝つためにショートカットを」

 

榊「やっぱ、教室の場所によっては出遅れるからな」

 

四人「「「「?」」」」

 

首を傾げる4人に伊御と榊はその時のを話す。

 

 

回想

 

昼休みが始まった直後、2人は廊下を走っていた。

 

榊「てりたまサンドが50円セールって半端ないよな!」

 

伊御「だからこうして急いるんだって」

 

キクヱ「あ、二人とも!廊下はは…」

 

走る2人に通りかかったキクヱが注意しようとし…榊と伊御は窓から飛び降りる。

 

なお、2階から飛び降りているが2人はなんなく着地して購買に走る。

 

キクヱ「飛ばなーい!めーーーー!!」

 

真宵「新しい…;」

 

そんな2人の背に叫ぶキクヱを見ながら真宵は思わずそう呟いた。

 

回想終了

 

榊「とまあそんな感じに叱られたんだがこうして無事、戦争に勝ってきたわけだ」

 

正邪「お前ら、絶対普通じゃねぇだろ;」

 

伊尾「良い子は真似しない様に」

 

正邪「普通の奴に出来るか!!」

 

つみき「後2人もね」

 

ふふんと笑って言う榊に正邪は言って伊御のにツッコミを入れてつみきも付け加える。

 

正邪にしたら霊力とかもない一般人である筈の2人の身体能力には驚きを隠せないのだ。

 

幻想郷では昔妖怪を対峙していた先代の巫女でも霊力を使っていたから外の世界に来た正邪には本当に驚きを隠せない存在である。

 

榊「あ、そうだ伊御、今日買い物付き合ってくれないか?」

 

お昼を食べ終えた後に榊がそう言う。

 

伊御「?何か新しいゲームでも出たのか?」

 

榊「いや、実はみいこ姉に正邪の日用品を買ってきてて頼まれてな」

 

聞く伊御に榊が答えた事にあーと伊御は納得する。

色々と必要だが服とかもいまのご時世じゃあ最初に榊もコスプレと勘違いしたので揃えなきゃあいけないだろうなと考え…

 

伊御「って、他はともかく服とかはみいこさんと一緒の方が良いんじゃないのか?」

 

榊「それがみいこ姉。今日は用事で居ないんだよ」

 

そう言う伊御に榊は頭を掻いて言う。

 

伊御「それだったら俺よりもつみき達の方が良いんじゃないか?女同士の方が選びやすいと思うし」

 

榊「ははは友よ。こう言うのはな男性がいてこそ良いもんじゃないか」

 

そう言う伊御に榊は良い笑顔で言う。

 

正邪「そういうものかそれ?」

 

伊御「なんか分からないけど…まぁ、女の子が可愛いのを着るのは微笑ましくて良い事だな」

 

来た正邪に伊御はそう言う。

 

それに正邪は顔を赤くなり、榊はニヤニヤと笑う。

 

真宵「何やら面白い話をしとるみたいじゃね」

 

姫「何話してるんですか?」

 

そこに真宵と姫につみきが来る。

 

伊御「榊が正邪の買い物に付き合ってくれないかと誘われてな」

 

姫「買い物ですか?」

 

つみき「!」

 

真宵「ほほう、面白そうじゃの~それに私等も同行して良いかのう?」

 

言う伊御に3人とも3者3様な反応を見せてから真宵が聞く。

 

伊御「正邪はどうなんだ?」

 

正邪「あー…別に付いて来て良いぞ」

 

聞く伊尾に正邪は同行を認める。

 

榊「じゃ今日の帰りに買いに行くとするか。みいこ姉から大丈夫な様に貰ってるから安心しろ」

 

伊御「そうか」

 

真宵「いや~放課後が楽しみじゃね」

 

ウキウキする真宵に正邪はちょっと不安を感じるのであった。

 

そして放課後…

 

真宵「と言う訳で来たのじゃよ!」

 

正邪「テンションたけぇなおい;」

 

お店に来てにょほほと笑う真宵に来た理由の本人である正邪は呆れる。

 

正邪「にしても大きい店だな」

 

姫「色々とありますからね」

 

榊「新鮮だろう?服や遊ぶ物に食べ物など盛りだくさんに売ってるんだぜ」

 

関心して見渡す正邪に姫と榊はそう言う。

 

正邪「で。まず最初はなにを買えばいいんだ?」

 

榊「そりゃあ衣類だな。次に生活品を買って余ったら娯楽品だな。みいこ姉はそこら辺も考えて余裕を持たせて多めにお金をくれたし」

 

真宵「んじゃあ早速行くんじゃよ」

 

聞く正邪に榊は答えて、真宵を先頭に行く。

 

早速服屋に着いた一同は正邪の服を見ていた。

 

真宵「こんなんはどうじゃろうか?」

 

正邪「うわ、凄い裾が短いな、んでもう1つは胸部分を覆う服なのか?」

 

ホットパンツとチューブトップを見せる真宵に正邪はそう述べる。

 

姫「こっちもどうですか?」

 

正邪「…これなんか分からないけどなんかの祭用じゃね?」

 

次に姫がドレスみたいなフリフリ系を薦めて正邪はそう述べる。

 

姫「とりあえず着てみたらどうですか?」

 

正邪「んじゃあ2人の薦めた奴を着て見るよ」

 

提案する姫に正邪はそう言って2人が薦めたのを持って試着室に入る。

 

正邪「どうだ?」

 

少ししてまずは真宵が薦めたのを着て出て来る。

 

榊「おお、色々と活発で今時の女の子だな」

 

真宵「似合ってるんじゃよ!」

 

正邪「私的にもこれは動きやすくていいな」

 

そんな正邪を見て榊と真宵はそう述べ、正邪は服を見ながら感想を言う。

 

続いては姫の薦めたのを見る。

 

姫「か、可愛いです~」

 

つみき「そうね…で姫鼻血出てる;」

 

正邪「良くそんな鼻血出て平気だな」

 

榊「ほら、伊御も感想を言えよ」

 

ドクドクと鼻血を流している姫につみきはツッコミを入れて正邪が呆れていると榊が伊御に言う。

そうだなと伊御は呟いた後…

 

伊御「元気活発な正邪も可愛い正邪もどっちとも似合ってて良いよ」

 

正邪「か、可愛い?!」

 

そう述べる伊御に正邪は顔を真っ赤にして姫は鼻血を流す。

 

真宵「流石は伊御さんじゃあ」

 

榊「ああ…」

 

つみき「(むぅ…)」

 

ニヤニヤ笑って言う榊と真宵の後につみきは面白くない顔をした後に服を選んで試着室に入る。

 

姫「? つみきさん?」

 

それに気づいた姫が首を傾げていると試着室のが開いて中から猫のアップリケが付いたワンピースを着て来る。

 

姫「か、可愛いです!!」

 

真宵「おんや~つみきさんどうしたんじゃよ?」

 

つみき「…伊御どう?」

 

それに姫は言い、真宵が聞くのをスルーしてつみきは聞く。

 

伊御「そうだな…思わずナデナデしたくなるな」

 

つみき&姫「(ぶしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!)」

 

榊「うおぉぉぉぉい、流石に御庭はそのままで鼻血を流して倒れるな!」

 

笑顔で言う伊御に2人は鼻血ブーして榊が慌ててつみきを支える。

 

正邪「お前らホントに凄いな…」

 

伊御「いや、それで凄いと言われてもな;」

 

呆れて言う正邪は伊御は困った顔で返す。

 

正邪「じゃあ言うけど人を壁にめり込ませたり、二階からジャンプできるのが普通っていえるか?」

 

真宵「まぁ、普通に言えないんじゃね」

 

榊「確かにそうだな」

 

思いっきり正論な言葉に誰もがあーと漏らす。

 

正邪「幻想郷の人間でも普通できないからなああいうの」

 

榊「(まぁ、確かに人間では無理だよな…時期分からないけど人間じゃないのならナムサーンとか姉御肌鬼さんとかお酒大好き鬼幼女とか出来そうだけど)」

 

伊御「後、あんまり故郷の名前を出さない様にな、と言うかみいこさんに注意されてないのか?」

 

そう言う正邪に榊は内心そう呟き、伊御がそう言う。

 

正邪「いや全然。なんでも言っても大丈夫だと」

 

榊「そうか?まぁ、知らない人にしたら分からないしな…」

 

そう言う正邪に榊は腕を組んで言う。

 

伊御「そうか…まぁ、俺達以外ではあんまり出さない様にな」

 

正邪「あぁそうしとくよ」

 

そう注意する伊御に正邪は頷く。

その後、数種類の服を買い、生活品とかも買っておく。

 

真宵「色々と揃えられたんじゃね~」

 

榊「ん~余ったんなら買いたいと思った物を買っても良いってみいこ姉言ってたから何か見るか?」

 

正邪「じゃああそこ行ってみたいかな」

 

買い物袋を見て言う真宵の後に残高を見て聞く榊へ正邪はゲーム屋を見る。

 

榊「この残金ならついでに正邪の3DSとPSPとかPSVitaを買っても良いかな」

 

伊御「結構渡してたんだなみいこさん」

 

んーと考えてからそう言う榊に伊御は呟く。

 

早速ゲーム屋に入った伊御達は正邪が選んで通信で複数人で遊べる奴以外は榊が厳選してそれに対応するゲーム機本体やメモリーカードを買って行く。

 

正邪「いっぱい買ったな」

 

姫「ホントですね」

 

榊「まぁ、何もない時とかの娯楽が出来て良かったな」

 

伊御「分からなくなったら俺達が教えてあげるよ」

 

ゲームを入れた袋を持って言う正邪に姫は同意して榊が笑って言ってから伊御がそう言う。

 

正邪「お、ありがとな」

 

真宵「ほほう、手とり足とり教えるんじゃな~」

 

伊御「教えるけどその言い方だと誤解が生まれないか;」

 

礼を述べる正邪の後に笑って言う真宵に伊御はツッコミを入れる。

 

正邪「お前な;」

 

真宵「もー聞いてそう返すなんて神那さんと伊御さんのあ、すいませんアイアンクローは勘弁してくださいつみきさん;」

 

つみき「だが断る」

 

呆れる正邪と伊御を見て言おうとした真宵は頭を掴まれて謝ったがつみきにより静粛されて沈んだ。

 

榊「ムチャシヤガッテ…」

 

正邪「南無…」

 

それに榊はそう言い、正邪は手を合わせる。

その後、ちょっと遊んでからそれぞれ別れたのであった。




伊御「次回は3日和目!試食⇔バレンタイン・前編に続くよ」


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3日和目~試食⇔バレンタイン・前編~

現代を満喫する正邪は満喫する。



正邪が幻想郷から現代に来て数日経った。

幻想郷ではなかった新鮮な経験に正邪は色々と不安だったのもあって楽しんでいた。

 

正邪「まぁ、雨宿りする為に走るのはどこも変わらないな」

 

榊「確かに」

 

雨が降る中で鞄を頭の上に持って行って雨避けにしながら走る正邪に榊は同意する。

後ろには伊御達もおり、6人ははちぽちに走っていた。

 

榊「ただいまみいこ姉」

 

正邪「ただいま~」

 

伊御&つみき&姫&真宵「こんにちわ~」

 

みいこ「2人共お帰り~それに伊御君達、こんにちわ。雨で濡れちゃったでしょ?今タオルを持って来るわね」

 

榊を先頭に入った6人をみいこは出迎えた後にそう言って奥に行き、少ししてタオルを持って来る。

 

姫「急にザーと来ましたね」

 

真宵「これがゲリラ雨なんじゃね~」

 

姫「今冬ですよ;」

 

正邪「ちがわくね?」

 

貰ったタオルで頭を吹いて言う姫は自分の後の真宵の言葉にツッコミを入れて正邪も入れる。

 

みいこ「ごめんなさいね~今日はバイトのシフトが入ってないのに来て頂いて」

 

伊御「あぁ、いえいえ試作ケーキのモニター楽しみです」

 

そう言うみいこに伊御はそう返し、みいこはありがとうと御礼を言う。

 

伊御達が来た理由は雨宿り以外に今度、みいこがはちぽちで出そうと考えている試作ケーキの試食もあったからだ。

 

みいこ「とりあえず三人は制服に着替えたらどうかしら?」

 

伊御「そうさせて貰います」

 

姫「じゃあ私も」

 

榊「俺も~」

 

風邪をひいたらいけないと提案するみいこに伊御と姫、榊は受けた後に伊御がある事に気付く。

 

伊御「ああ、でもつみき達は…」

 

正邪「まぁ、私は私服に着替えれば良いけどね…」

 

みいこ「それなら…」

 

つみきと真宵に正邪を見て言う伊御に正邪が言った後にみいこがそう言って伊御達が着替えた後に真宵とつみきについでに正邪を連れて奥に行く。

 

少しして…

 

正邪「…みいこ、この格好は…」

 

少ししてつみきと真宵ともどもはちぽちの女性制服に着替えさせられた正邪がスカートの裾を掴んで聞く。

 

ちなみにちょっとアレンジされてるのか正邪のには肉球の隣に可愛くデフォルメされた鬼のマークが付いている。

 

みいこ「ふふ、お2人に正邪ちゃんも似合ってますよ。作っておいて良かった」

 

伊御&榊「(引き込む気満々だ;)」

 

笑って言うみいこの後半の言葉に伊御と榊はそう心の中で呟いた。

 

榊「どうだ伊御。ハグしたくなったか?」

 

伊御「うん、確かにそれ位似合ってるかな」

 

肘で軽く突いて聞く榊に伊御は素直に感想を述べるとつみきは反応して正邪はハグと言うのに顔を赤くする。

 

榊「いや、むしろハグしたいのは御庭のほうか」

 

真宵「つみきさんの場合はハグと言うか……ハグハグじゃよ☆」

 

そう言う榊のを訂正する真宵に榊と姫は伊御をハグハグするつみきを想像する。

 

榊「成程」

 

姫「噛んじゃってます!?」

 

それに榊は納得して姫は鼻血を流す。

そしてオーラをゴゴゴゴゴゴゴと放つつみきに気付く。

 

榊「今日はツッコミ入れないのか?」

 

つみき「…お店に迷惑かかるもの」

 

正邪「(あれ?確か平気で入れてなかったか;)」

 

真宵「(ショボーン)」

 

恐る恐る聞く榊につみきが答えた事に正邪は最初に来た時のを思い出してツッコミを入れた後に何やら物足りなさそうな真宵に気付く。

 

伊御「なんか物足りなさそうだな」

 

真宵「そ、そんなことないんじゃよー」

 

物足りなさそうににぱにぱと手をグッパしてる真宵に気付いて聞く伊尾に真宵は誤魔化そうとする。

 

榊「そっか、御庭にぶってほしかったんだな!!」

 

姫「えぇ!?」

 

正邪「そっか、真宵はドMだったのか」

 

真宵「い、いや違うんじゃよ!リアクションなくてちょっと寂しかっただけじゃよ!?と言うか正邪っちその笑顔こわっ!?」

 

それに榊がニヤニヤ笑って言い、驚く姫の後に正邪が笑みを浮かばせて続き、慌てて真宵は言って正邪のにそう言う。

 

伊御「そうなのか~真宵(マゾい)さん?」

 

正邪「そうだったのか真宵(マゾい)」

 

真宵「その誤解やめて!!」

 

そう言う伊御と正邪に榊と姫はよろけて真宵は頭を押さえていや~~~~~と叫ぶ。

 

 

みいこ「バイトしたくなったら何時でも言ってくださいね」

 

つみき「私、接客は…」

 

伊御「何勧誘してるんですかみいこさん?」

 

少しして真宵が落ち着いた後につみきを勧誘しようとしてるみいこに伊御はツッコミを入れる。

 

みいこ「あらあら」

 

榊「まぁ御庭はあんまり笑顔見せないからな」

 

姫「つみきさん大丈夫ですよ」

 

真宵「では、みいこさんの弟である榊さんに接客のお手本を!」

 

何時も通りニコニコ笑うみいこの後にそう言う榊とつみきをフォローする姫の後に真宵がそう言って3・2・1…とカウントする。

 

榊「いらしゃいませ」

 

伊御・正邪「「…」」

 

トン

 

ズドン!!

 

ポン!

 

ズドン!!

 

榊「ふぐわ!?」

 

凶悪な笑みを見せる榊に伊御と正邪は思わず伊御が拳を榊にくっ付けると榊へ衝撃が走り、続けて正邪が能力で反転させて再び衝撃を内へと走らせる。

 

真宵「おお!?内からハジケたと思ったら衝撃が戻って2倍ダメージ!?」

 

伊御「はっ?!すまん榊。今俺は何を…」

 

正邪「んで私も思わずやっちまった。すまん」

 

榊【流石だぁ…伊御の打撃は内側から来て戻って来たぜぇ…】

 

我に返って謝る伊御と正邪になんか出ていた榊の人魂がそうコメントを残した。

 

正邪「早く戻らないと死神に連れて行かれるぞー」

 

榊【おう、そうするぜ】

 

真宵「伊御さんと正邪っちが思わず直ツッコミする程悪い顔だったと言う事じゃね;」

 

注意する正邪に答えて戻る榊を見ながら真宵はそう洩らす。

 

榊「と、まぁ今のが悪い見本と言うわけなのだが…」

 

伊御「無理な作り笑いは必要ないと思うぞ;」

 

ガクガク震えながら言う榊に伊御はそう言う。

 

榊「と、と言うわけでみいこ姉の接客スマイルどうぞ」

 

そう言ってみいこにお手本を頼んで3・2・1とカウントし…

 

みいこ「いらっしゃいませ」

 

輝く笑顔でみいこは接客挨拶する。

 

正邪&真宵「あ、眩しすぎる…」

 

つみき「やっぱり私には接客は不可能…」

 

姫「そんな素敵な笑顔、私だってできてないですっ」

 

それに女性陣は各々のコメントを述べて、みいこはあらあらと笑う。

 

正邪「あんまり眩しいから目が変な感じする」

 

榊「ん?なんか見えたのか?」

 

目をこする正邪に榊は聞く。

 

正邪「いや、なんか後光とかそういうのがな…」

 

榊「いやまさかそんなのが見えるぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」

 

正邪の言葉にんなまさかとみいこを見て驚く。

確かにみいこの後ろから後光が見えてた。

 

正邪「だろ?」

 

みいこ「?」

 

伊御「み、みいこさん凄いな」

 

真宵「そうじゃね;」

 

笑顔のまま首を傾げるみいこを見て誰もが冷や汗掻いた。

 

そんなこんなあったが試食会をする事になった。

 

姫「こうして皆同じ制服を着てるとなんか変な感じですね~」

 

つみき「そうね」

 

真宵「ケーキまだかにゃ~」

 

正邪「待ち遠しいな~」

 

笑って言う姫につみきは同意してる中で真宵と正邪はケーキが来るのをワクワクして待っている。

 

つみき「人の話聞きなさい」

 

真宵「んで……榊さんは手伝わなくて良いのかな?;」

 

正邪「みいこがやっているのに良いのかその弟」

 

自分達とのんびりしてる榊に2人は言う。

 

榊「伊御が手伝ってるから大丈夫~」

 

真宵「伊御さんも作るのかにゃ~」

 

つみき「!」

 

そう答える榊に真宵は関心し、つみきは反応する。

 

榊「たまに。伊御も俺も作ったりするぜ」

 

紅茶を飲んだ後にみいこ姉には敵わないけどなと言ってから榊は期待した眼で見ているつみきに気付く。

 

頭の上で幻影だろうが猫耳がピクピク動いているのが見える。

 

つみき「(伊御の手作りケーキ…)」

 

榊「す、すまん。今日はみいこ姉のケーキだけなんだが;」

 

そんな期待してるつみきに榊は謝る。

 

つみき「はっ!べ、別に誤解にゃ」

 

正邪「隠すなって~」

 

そうニヤニヤ笑う正邪につみきはむぅとなって他のメンバーもくすりと笑う。

 

伊御「榊」

 

榊「ん?」

 

そんな笑ってる榊に伊御が呼びかける。

 

伊御「お前も手伝えよ」

 

榊「俺が居なくても平気だろ」

 

呼ぶ伊御に手をひらひらさせて答える榊にたくっと伊御は皿を取っていく。

 

そんな伊御をつみきはじっくり見る。

 

真宵「店員さ~ん、スマイルくださ~い」

 

つみき「!」

 

榊「ちなみにウチの店はスマイル有料で~す」

 

姫「そ、そうだったんですか!?」

 

正邪「いやあんたが驚くんかい;」

 

そんな見ていたつみきの隣で真宵が言って榊の言葉に驚く姫に正邪がツッコミを入れる。

 

真宵「ちなみにおいくらにゃ?」

 

伊御「いや、もう貰ってるよ」

 

聞く真宵に紅茶のポットを持って来てそう返した伊尾に女性陣は首を傾げ……

 

伊御「お代は、お客様との出会いです」

 

真宵「で、出会いとな?!そんな事言われたらお腹より前に胸がいっぱいになる所じゃったよ」

 

正邪「///」

 

そう言う伊御に真宵は顔を赤く染めて言い、正邪も顔を真っ赤にしている。

 

榊「対応し切れず…溢れて出た人がいるがな;」

 

そんな中で伊御の魅力に鼻血を流して撃沈されたつみきと姫を見て榊は言う。

 

真宵「つ、注ぐ勢いに負けてこぼれた感じじゃね;」

 

榊「ダメだぜ伊御、グラスから零しちゃ~」

 

2人を見て言う真宵の後に榊が笑って言う。

 

伊御「うむ…それじゃあ…」

 

榊のにそうワンテンポ置いてから言う。

 

伊御「注ぎ足しましょうか?お客様?」

 

姫「も、もう十分です~!!」

 

正邪「すごい出てるな鼻血」

 

微笑んで言う伊御のに姫とつみきは再び大量に鼻血を吹いてくらりとなる様子に正邪は呆れて漏らす。

 

 

真宵「伊御さんって、なんかそのままの姿でカウンター席に立ってたらバーテンダーみたいじゃねん」

 

しばらくして2人が元気になった後に真宵が伊御を見てそう述べる。

 

正邪「バーテンダー?」

 

榊「ああ、正邪に分かる様に言うならカクテルって言うお酒と似た様な奴をシェイカーって言う道具を使ってお客の注文に沿ったのを作る人の事をバーテンダーって言えば分かるか?」

 

首を傾げる正邪に榊は言葉を選んで説明して聞く。

 

正邪「そんなのが居るのか」

 

榊「まあな、んで伊御がシェイカーを持ってシャカシャカしたら間違うかもな」

 

伊御「流石にカクテルは作ったことないな」

 

ほえ~と感心する正邪に頷いてからそう言う榊に伊御はそう答える。

 

榊「マスター、あちらの方に」

 

そう言って榊は真宵へ手を向けて…

 

榊「スクリューパイルドライバーを」

 

伊御「決めろと?!」

 

出て来た言葉に思わずツッコミを入れる。

 

みいこ「だめよ伊御君。女の子にそんな事しちゃあ」

 

伊御「いやいや;しませんよ」

 

ひょっこり現れて言うみいこに伊御はそう言う。

 

姫「今のはどんなカクテルなんですか?」

 

正邪「いやどう聞いてもお酒の名前じゃないだろ;」

 

伊御「ああ、正邪の言う通り、スクリューパイルドライバーはロシアレスラーのプロレス技だよ。カクテルのはスクリュードライバーが正解なんだ」

 

聞く姫に正邪はツッコミを入れて伊御が説明して姫はへぇ~と感心してそんな姫にメンバーは冷や汗を掻く。

 

真宵「マスター、あちらの方に」

 

伊御「今度はなんだ?」

 

正邪「またなんかの技か?」

 

続いて真宵が榊を手で示した後…

 

真宵「コークスクリューブローを」

 

伊御「なんでそう格闘系なんだ;」

 

正邪「あー今の私でも分かった。腕を回転させる様に捻りながら放つ拳だな」

 

告げられた事に伊御はツッコミを入れて正邪はそう洩らす。

 

しばらくして

 

みいこ「お待たせしました」

 

姫「うわ~」

 

真宵「凄い!」

 

つみき「素敵ね」

 

正邪「美味そう!」

 

運ばれて来た試食のケーキに女性陣はそれぞれ感想を述べる。

 

姫「ケーキに乗っているイチゴって何故だかすごく美味しいんですよね~」

 

真宵「分かる!イチゴだけで食べる時と全然違く感じるよね~」

 

正邪「あー確かに単体のと何かと一緒のだと感じが変わるよな」

 

試作ケーキの1つを見て言う姫に真宵と正邪は同意する。

 

榊「だがその人々を魅了する魔力により古来から奪い合いが…」

 

つみき「悲しい歴史ね」

 

正邪「確かに」

 

顎に手を当ててそう言う榊につみきはそう述べて奪い合いと言う所に正邪は同意する。

 

正邪「ちなみにみんなはイチゴは最初と最後、どっちに食べる?」

 

真宵「そう聞かれると悩むんじゃね」

 

姫「はい、最初に食べるか最後に食べるか悩みますよね」

 

つみき「そうね」

 

榊「確かにその時の気分で最初か最後になるよな」

 

そう問う正邪に4人はそれぞれそう返す。

 

正邪「あ~確かにそうだな」

 

伊御「俺はたいてい人にあげちゃうかなー苺を欲しがる人に」

 

全員のを聞いた後にそう呟く正邪の後に伊御がそう言う。

 

正邪「なん…だ…と…」

 

真宵「なんで!?」

 

伊御「いや、なんでって言われても…」

 

まさかの発言に驚く2人に伊御は至極疑問だとばかりに返す。

 

真宵「オーゥマイガァァァァァァァ…」

 

正邪「欲無さすぎだろあんた;」

 

伊御「そうか?」

 

頭を抱えてくねくねする真宵の隣で言う正邪に伊御は首を傾げる。

 

そんな訳で試食する事になったが…

 

真宵「いや、止めて、助けて、ヒアーーーーーーー…この恨み…はらさでおくべきかァァァ…」

 

榊&正邪「「食べ辛いわ!!」」

 

姫「可哀想すぎて食べられないですーっ!!」

 

真宵が茶番をやってそれに榊と正邪がツッコミを入れて聞いていた姫ははぅーとなる中でやった本人はふぇっふぇっふぇと笑いながらケーキを食べる。

 

伊御「いや、まぁ、可愛いとためらっちゃうよな;」

 

みいこ「あらあらうふふ」

 

そんな3人に伊御はそう言ってみいこは変わらず笑う。

 

みんな「「「「「「ごちそうさまでした!」」」」」」

 

真宵「いやぁ、こんな美味しいケーキいっぱい食べられて幸せじゃよ~」

 

食べ終わった後に真宵は満足げにそう洩らす。

 

姫「ケーキ屋さんってお菓子の家みたいですね」

 

つみき「そうね」

 

伊御「女の子は子供の頃、お菓子の家に住んでみたいって言うよね」

 

正邪「そうか?まぁ、それだったら私は腐らないで食べても後から補充されて無くならないお菓子の家があったらいいな~」

 

姫の言った事に同意するつみきの後に伊御の言った事に正邪はそうコメントする。

 

みいこ「甘い物が好きな子なら一度は憧れる物よね」

 

榊「俺はお菓子より断然肉だな」

 

ほんわか~とお菓子の家を想像する2人に片づけをしながらみいこはそう言うと榊がニヤリと笑って言う。

 

伊御「つまり榊は…お肉の家に住みたいと?」

 

榊「住みたくねぇよ!」

 

正邪「それだと恐怖を感じるわ私でも;」

 

みいこ「あらあら」

 

榊のを聞いてそう言う伊御の言葉に思わず想像して絶叫して否定する榊に正邪は同意してみいこは動じずにそう洩らす。

 

伊御「なら焼けばいい」

 

榊「ああそれなら…いや住みたくねえ!!」

 

みいこ「油濃いわよね~」

 

騒いでいる榊をスルーしてつみきはふと外を見る。

 

つみき「あ、雨やんだわね」

 

そう言って他のメンバーも見ると確かに綺麗に晴れあがっていた。

 

みいこ「今日のケーキどうでしたか?」

 

姫「モンブランはもうちょっと甘さ控えめの方が私は好きですぅ~」

 

正邪「チョコのはもう少し甘さを抑えたほうが私的に好みだな」

 

真宵「私はこれ位が好きにゃん」

 

つみき「紅茶に合う甘さかしら?」

 

みいこの問いに4人はそれぞれ感想を述べる。

 

伊御「ケーキは甘さのバランスが難しいよね。飲み物とか種類によって感じる甘さが変わるし」

 

みいこ「そうなのよね」

 

そう述べる伊御にみいこは同意する。

 

榊「ちなみに今日一番甘く感じたのは?」

 

女性陣「んーーーーーーーーー」

 

榊の問いに誰もが考え込む中で真宵はチラリと伊御を見て見られた本人は疑問詞を浮かべると…

 

真宵「伊御さんじゃね」

 

正邪「ああ…」

 

つみき&姫「「(ぶばぁ~)」」

 

照れて言う真宵に正邪は頬を赤く染めて同意して2人は鼻血を噴き出す。

 

伊御「…ケーキで頼む;」

 

榊「言いたい事は分かるけどよ;」

 

みいこ「あらあら」

 

そう言う伊御の後に榊は苦笑してみいこは何時も通り笑う。

そんなこんなでケーキの試食会は終わったのであった。




姫「は、はひ!次回は4日和目!試食⇔バレンタイン・後編です。お楽しみにしててください」


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4日和目~試食⇔バレンタイン・後編~

榊「前編からの続きだぜ~」


正邪「バレンタイン?」

 

なんか真宵によって集められた後に告げられた事に正邪は首を傾げる。

 

姫「え?知らないんですか?」

 

真宵「まぁ、田舎に住んでたんじゃし知らなくても仕方ないと思うんじゃ」

 

驚く姫にフォローする様に真宵が言う。

 

正邪「でそのバレンタインってなんだよ」

 

真宵「バレンタイン!それは全力で相手にぶつかると言う行事じゃ!」

 

姫「全然違いますよ!!」

 

つみき「物騒過ぎね」

 

聞く正邪にそう言う真宵に姫は叫び、つみきはそう言う。

 

正邪「で実際はどんなのなんだ?」

 

姫「バレンタインは日頃お世話になっている人や好きな人にチョコを渡す日なんですよ」

 

改めて聞く正邪に姫は微笑んで説明し、それに正邪はふうんと漏らす。

 

正邪「でみんなで何をしようとしているんだ?」

 

真宵「まぁ、その前に…つみきさん…」

 

つみき「あによ」

 

聞く正邪にそう言ってつみきに声をかけた真宵は少し間を空けて口を開く。

 

真宵「準備はオーケェ?」

 

つみき「なにがよ;」

 

真宵「もとい、覚悟はOK?」

 

姫「何がですか!?」

 

続けて出て来たのに姫が代わりに叫ぶ。

 

真宵「もちろん!チョコを渡す覚悟じゃよ!」

 

正邪「いや、普通に渡すだけで良いんじゃね?」

 

勢い良く言う真宵に正邪はツッコミを入れる。

 

真宵「甘いんじゃよ!生半可な気持ちじゃ相手に届かないんじゃよ!」

 

そう力強く言う真宵に3人は呆気に取られる。

 

真宵「んで、どんなリボンを用意するかが問題なんじゃが…」

 

姫「チョコじゃなくてリボンですか」

 

つみき「ますます意味が分からないわ」

 

そう言う真宵に姫は首を傾げてつみきの言葉に正邪もうんうんと頷く。

 

姫「ラッピングのリボンなら可愛いの沢山出てますよ~」

 

真宵「チッチッチッ、それじゃあ小さすぎるんじゃよ」

 

ほんわかに言う姫に指を振ってそう答えた真宵はつみきを指す。

 

真宵「つみきさんが用意するのは…」

 

正邪「用意するのは?」

 

真宵の言葉に正邪は聞き、真宵はふっふっふっと笑って言う。

 

真宵「プレゼントはわ・た・し用のリボンじゃよ」

 

姫「はひぃ!?」

 

正邪「意味分からん」

 

つみき「#」

 

出て来た言葉に想像して鼻血を噴き出す姫の後に正邪がそう言いつみきは怒りマークを浮かばせた後…

 

ゴン!!!

 

真宵「ふぎゃ?!」

 

怒りの鉄拳を真宵に炸裂させる。

 

正邪「うわっ、痛そう」

 

たんこぶを作って机に倒れる真宵を見て正邪はそう洩らす。

 

正邪「それで話はなんだ真宵」

 

真宵「さて、此処からが本題!」

 

呆れて聞く正邪に真宵はバッと起き上がって前置きしてから白衣の裏側に手を入れる。

 

真宵「じゃ~ん」

 

正邪「……惚れてまうねん?」

 

そう言って真宵が取り出したのはビンで張られたラベルに書かれたのを正邪は言う。

 

姫「真宵さん、それは?」

 

真宵「惚れ薬じゃよ」

 

正邪「惚れ薬ぃ?」

 

聞く姫に答える真宵に正邪はホントかと訝しげに見る。

 

姫「ほ、本物ですか?!」

 

つみき「怪しすぎるわ」

 

正邪「確かに」

 

それに思わずドキドキする姫の隣でつみきと正邪はそう言う。

 

姫「う、うわ~凄いです~!」

 

正邪「凄いのか?」

 

興奮する姫に正邪は呆れて呟く。

 

姫「で、でもですね人の気持ちにそう言うのを使うのはダメではないかと思うんですが、でもどうしてもと言うか仕方なくならなくもないと言うか、いやそんなはしたない事を」

 

正邪「姫落ち着け;」

 

はう~とマシンガントークする姫に正邪は言う。

 

真宵「つみきさん、コレならいかに朴念仁の伊御さんでも…」

 

つみき「……」

 

正邪「どうなるんだ?」

 

間を空ける真宵につみきは目を輝かせて待って正邪は聞く。

 

真宵「ようやく人並みに!」

 

姫「やっと!?Σ」

 

正邪「使っても人並み扱いなんだな伊御」

 

そう言う真宵に姫は驚き、正邪は呆れる。

 

つみき「…いいかも」

 

姫「うえっ!?Σ」

 

正邪「良いんかい」

 

そう洩らすつみきに姫は呟き、正邪はツッコミを入れる。

 

正邪「つかそれ、ホントに効くのか?」

 

真宵「伊御さんじゃからちょっと半々と考えてたりします;」

 

そう聞く正邪に答えた真宵にあーと女性陣は納得する。

 

正邪「確かに伊御だとな…」

 

誰もが思っていた事を正邪は代表して漏らすのであった。

 

下校する時間になっていつも榊と共に帰る正邪はつみき達と下校していた。

 

正邪「チョコっていったいどんなのを渡せばいいんだ?」

 

姫「市販のを渡したり、手作りしたりして渡したりですね」

 

真宵「後半のは神那っちはみいこさんに教えて貰えば出来ると思うんじゃよ」

 

聞く正邪に姫が説明して真宵がそう言う。

 

正邪「あ~確かにな」

 

姫「それでつみきさんはこれからチョコの材料を買いに行くんですか?」

 

ケーキ作りのみいこがいるんだから出来るだろうなと納得する正邪の後に姫が聞く。

 

つみき「そうよ。三人はどうするの?」

 

姫「作りますよ~お世話になってる皆さんに渡そうと思ってます~」

 

真宵「私もじゃよ~はちぽちの試食会で色々と勉強したからにゃ~」

 

正邪「ま、まぁ、世話になりっぱなしだし…私も」

 

聞くつみきにそれぞれそう返す。

 

つみき「じゃあ一緒に行く?」

 

姫「はい!」

 

真宵「もちじゃよ!1つだけ買い忘れた材料があるんじゃよ」

 

正邪「まぁ、みいこなら分けてくれるだろうけど自分のを買いに行くか」

 

聞くつみきに3人はそれぞれ返す。

 

姫「つみきさんはどんなチョコ作ります?」

 

つみき「チョコムース……かも」

 

姫「ほわ、ケーキ作るんですね」

 

聞いて返って来た事に姫は関心する。

 

真宵「チョコ苦手な伊御さんのためにわざわざケーキにするなんて乙女じゃねい」

 

姫「伊御君、チョコ苦手だったんですかぁ~」

 

正邪「そうだったのか」

 

くすくす笑って言う真宵に姫と正邪は意外そうに呟く。

 

つみき「偶然聞いたの…チョコ菓子は平気だけどチョコ単体だと少し苦手だって」

 

真宵&姫「「へぇ~」」

 

少し照れて言うつみきは真宵と姫の反応にするとかたやニヤニヤしてかたや微笑ましそうにニコニコしている。

そんなつみきに正邪はむむむと唸る。

 

つみき「あ、あによう」

 

それにつみきは食い掛かるが別に~と真宵ははぐらかす。

その後、4人はチョコの材料を買いに行き、それぞれ調達できたのであった。

 

姫「チョコも生クリームも売り切れ寸前でしたね~」

 

つみき「ん、危なかったわ」

 

正邪「他の奴らも同じ考えだったって訳だな」

 

駅前の猫像の前でそう言う姫につみきは同意して正邪はしみじみと呟く。

 

つみき「そういえば真宵は?なにも買ってないけど」

 

姫「そうですね。なにか買い忘れがあるって」

 

真宵「なかなか売ってないんじゃよ~」

 

思い出して言うつみきと姫に真宵は困った声で言う。

 

正邪「一体、なにを探しているんだよ」

 

真宵「それは勿論。普通に作ってもつまらないのでサプライズチョコを」

 

聞く正邪に真宵はそう答える。

 

姫「サプライズってなに入れるつもりですか;」

 

つみき「お酒はダメよ」

 

そう聞く姫とつみきにえーとと呟いた後に真宵は言う。

 

真宵「蛙?」

 

姫「なんでカエルなんですか!?」

 

正邪「だよな;」

 

出て来たのに姫はツッコミ、正邪もうんうん頷く。

 

正邪「蛙は確かに旨いがチョコには合わないと思うぞ」

 

姫「そこですか!?」

 

つみき「ずれてない?」

 

続けて言った事に姫は涙目でツッコミを入れてつみきが呆れて言う。

 

正邪「そうか?」

 

真宵「まぁ、神那っちが言ったのを聞いた事あるだけにゃあ」

 

首を傾げる正邪の後に真宵がそう言う。

 

正邪「代わりにキャラメルとかどうだ?意外と面白いと思うし」

 

真宵「まぁ、手に入らなかったらそうするんじゃよ」

 

姫「手に入らない前提ですか!?」

 

提案する正邪へ返した真宵に姫は叫ぶ。

 

つみき「さて、速く帰って準備しないと」

 

姫「そうです!急がないと!」

 

真宵「私はもうちょい探して来るにゃ~」

 

正邪「ホントに入れる気かよ」

 

そう言葉を交わした後にそれぞれ帰路へ付いた。

 

そして次の日、バレンタイン当日…

 

榊より早めに出た正邪はみいこ監修の元作ったチョコケーキを持って歩いていた。

ちなみに榊には事前にチョコケーキを作る際に残ったので作ったチョコを渡している。

 

正邪「お、あれは…」

 

歩いていて正邪はつみきと伊御を見つける。

つみきが顔を赤くしてモジモジしてるのを見るからにどうやら作ったのを渡そうとしてる様だ。

 

正邪「…しばらく見てみるか」

 

そう呟いて正邪はどうなるか見守る。

 

モジモジしていたつみきは意を決したのか伊御に話しかける。

 

つみき「い、い、伊御…」

 

伊御「ん?」

 

呼ばれたのでつみきに顔を向ける。

 

つみき「こ、こ、こ、これ…」

 

どもりながらつみきは手に持った奴を伊御に向けて…

 

ドゴーン!!

 

伊御「ふご!?」

 

勢いよく付けたせいで伊御のボディに炸裂した。

 

正邪「うぉぉぉい?!伊御大丈夫か?!」

 

伊御「ボディが甘い…」

 

それに正邪は慌てて駆け寄って安否を聞いて伊御は呻きながらそう返す。

 

姫「い、伊御君が倒れてます?!」

 

真宵「いったい何が!?」

 

伊御が倒れる所に来た様で驚く姫と真宵が叫ぶ。

 

正邪「実はな…」

 

そう言って正邪はなんでそうなったかの経緯を話して行く。

 

姫「チョコを渡そうとしたんですね;」

 

真宵「何故その過程でボディーブローになるんじゃよ;」

 

伊御「俺が聞きたい」

 

正邪「だよな…」

 

理解して冷や汗を流す2人に伊御は真顔で言い、正邪も呆れて同意する。

 

つみき「…不幸な…事故…」

 

伊御「ともあれ、チョコありがとうつみき」

 

つみき「うん」

 

正邪「ちょっと狂ったけどほら」

 

ぽむりんして礼を言う伊御につみきは喜び、正邪は伊御にチョコケーキが入った箱を渡す。

 

伊御「お、ありがとな正邪」

 

正邪「べ、別に世話になったからな」

 

真宵「伊御さん、つみきさんにチョコを貰った感想は?」

 

つみき「(ドキィ!)」

 

礼を言う伊御に正邪がそう言った後に真宵が聞く。

 

伊御「なんていうか…一撃で耐久力の限界まで持っていかれたよ」

 

真宵「それはケーキじゃなくて打撃の感想じゃよ!」

 

正邪「まぁ、出ても仕方ないな」

 

そう述べる伊御に真宵はツッコミを入れて先ほどの後継を思い出して正邪は頷く。

 

真宵「ちなみに神那っちから貰っての感想は?」

 

伊御「ありがとう、神那、しかも中身を見るとチョコケーキなのが嬉しいな」

 

正邪「べ、別に世話になったからお礼だ」

 

そう聞く真宵のに伊御は渡された中身を見てそう言い、正邪は照れ隠しで顔を反らして返す。

 

真宵「ツンデレじゃね~」

 

正邪「つ、ツンデレじゃねえし」

 

ニヤニヤ笑う真宵に正邪はそう返す。

 

姫「あの~そろそろ学校行かないとやばいんじゃ;」

 

伊御「急ごう」

 

正邪「だな」

 

時間を見て言う姫に5人は急いで教室に向かった。

 

学校~伊御たちの教室~

 

榊「伊御~いるか~?」

 

色々と談話してると榊が来る。

 

正邪「お、榊じゃねぇか」

 

姫「あ、榊さん、おはようございます」

 

それに気づいて正邪と姫が代表で言う。

 

榊「ほれ、伊緒」

 

そう言って榊は箱を差し出す。

 

榊「チョコだ」

 

伊御「はちぽちの箱…みいこさんから?」

 

中身を言う榊に伊御は聞く。

 

榊「なに言ってんだよ…俺からに決まっているだろ」

 

伊御「お前こそ、何言ってるんだ;」

 

出て来た返事に誰もが思ってるのを伊御が代表で言う。

 

榊「じゃ~ん」

 

伊御「ケーキ1ホールか…」

 

真宵「市販品みたいじゃよ」

 

気にせず中身を見せる榊に見た伊御の後に真宵がそう述べる。

 

榊「みんなで食おうぜ」

 

伊御「初めからそう言えよな;」

 

正邪「そういや…みいこも作ってたな」

 

笑顔で言う榊に伊御がツッコミを入れた後に正邪が思い出して呟く。

 

姫「どんなのを作っていたんですか?」

 

正邪「確か塔みたいなケーキだったな」

 

聞く姫に正邪は思い出して言う。

 

伊御「止めろよ?!」

 

真宵「ウェディングケーキとな!?」

 

姫「す、すごいです~」

 

つみき「と言うかなんでウェディングケーキ;」

 

それに思わず叫ぶ伊御の後に女子3人は驚いたり関心したり呆れたりする。

 

榊「そういえば他のみんなの分も作っていた気が…」

 

つみき「そうなの?」

 

真宵「1つ聞きますがそれは普通のケーキじゃろうか;」

 

顎に手を当てて思い出して呟く榊に真宵は恐る恐る聞く。

 

榊「いや、多分伊御と同じぐらいのだったはず…」

 

真宵「私等もウェディングケーキとな!?」

 

姫「す、すごいです~」

 

つみき「やり過ぎな気もあるんだけど;」

 

出て来た言葉に真宵は驚き、姫は呆気に取られてつみきはまたも呆れる。

 

正邪「…食べきれるかね」

 

真宵「美味しいケーキの為なら例え火の中水の中~じゃよ」

 

榊「そして食べたケーキは~口の中から腹の中~」

 

思わず聞く正邪に真宵は言って繋げる様に言う榊に真宵はハッとなり…

 

榊「最後は恐怖の内臓脂肪~」

 

真宵&正邪&姫「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」

 

伊御「何そのリズム;」

 

告げられた事に3人は叫び、伊御はツッコミを入れる。

 

正邪「あのな!そう言う女が気にしてるのを言うなよ!」

 

真宵「榊さん、覚悟はできてるかにゃ~」

 

榊「うおぉぉ!?親友!助けてくれ!!」

 

にじり寄る正邪と真宵に榊は後ずさりして伊御に助けを求める。

 

伊御「自業自得だろ」

 

榊「オーマイアー!!」

 

友人の無慈悲な宣告の後に榊は女性陣にフルボッコにされた。

 

数分後

 

榊「」

 

伊御「ムチャシヤガッテ」

 

倒れ伏した榊を見て伊御はそう呟く。

 

正邪「全く、榊の奴は…」

 

真宵「まぁ、気を取り直して…ほい、伊御さん、榊さん、わたしからじゃよ~食べて食べて」

 

呆れる正邪の後に真宵が2つの袋を差し出す。

 

伊御「真宵の手作りか」

 

榊「くれるのか。サンキュー」

 

受け取った2人は早速中に入っていたチョコを1つ摘まんで食べる。

 

真宵「ちなみにサプライズなチョコです☆」

 

そう言う真宵に食べていた2人は顔を青くする。

 

榊「俺は今、何も疑わずに口に含んだことを後悔している」

 

伊御「奇遇だな。俺もだ」

 

正邪「サプライズってもしかして…」

 

そう会話する2人の後に正邪は呆れた顔でもしやと見ると真宵はふふふと笑う。

 

真宵「隠し味にキャラメルとカエル肉が入っています」

 

告げられた事に伊御と榊は硬直する。

 

正邪「おま、ホントに入れたのか;」

 

姫「しかも神那さんが提案したキャラメルも一緒にとは…」

 

それに正邪は呆れ、姫は冷や汗を掻く。

 

真宵「サプライズ成功♪驚いたじゃろう?」

 

榊「誰でも驚くわ!」

 

聞く真宵に榊は叫び、姫と正邪はうんうんと頷く。

 

つみき「伊御、大丈夫?」

 

正邪「大丈夫か~?伊御」

 

そんな真宵から伊御へつみきと正邪は聞く。

 

伊御「バレンタインにカエル食わされるとは思わなかった」

 

榊「しかもキャラメルと一緒にだぜ…」

 

口を押えて言う伊御に榊も疲れた顔で言う。

 

真宵「でも、美味しかったじゃろ?」

 

伊御「味なんか分かるか!」

 

手を蟹の様な感じに動かして聞く真宵に伊御は怒鳴る。

 

真宵「ちゃ~んと作ったんじゃよ~カエル肉探すのにそれはそれは苦労を…」

 

榊「ほ、ホワイトデーは覚えていろよ!」

 

そんな真宵に榊はズビシッと指す。

 

榊「サプライズ返しにマシュマロに豚足を入れてやる!!」

 

正邪「おい;それおかしいだろ;」

 

気合を入れて言う榊に正邪はツッコミを入れる。

 

真宵「ムキー!女の子にそんな事するなんて最低じゃよ!!」

 

榊「ナニィ!?純情な男の子にカエル入りのチョコを渡す方が最低だろ!#」

 

怒る真宵に榊は怒鳴り返す。

 

正邪・伊御「「いや、どっちも最低だろ」」

 

そんな2人に正邪と伊御が呆れてツッコミを入れる。

つみきも呆れながら頷く。

 

姫「えっと…私も皆さんの分用意したんですけど受け取って貰えますか?」

 

真宵「当たり前じゃよ」

 

榊「ハート型~」

 

そう言って出す姫に真宵は言い、榊は嬉しそうに言う。

 

まぁ、その前にカエル入りのを食べさせられたら当然だろう。

 

正邪「なんか姫からもらうとさ…」

 

榊「勘違いしそうになるよな~ハート型だし」

 

真宵「分かる分かる」

 

つみき「男子には義理でもあげない方が良いかも」

 

正邪の言葉に榊が続けて真宵が同意してつみきがそう言う。

 

真宵「女の私でも勘違いしそうになる」

 

姫「ふえぇ!?」

 

頬に手を当ててポッとなる真宵に姫は驚く。

 

正邪「これってもしかして本命って奴か?」

 

伊御「それ以上踏み込むなよ;」

 

つみき「姫、大丈夫よ。本気じゃないから」

 

そう呟く正邪の後に伊御が冷や汗掻いて忠告してつみきがそう言う。

 

真宵「ところでこれ全部本命?」

 

姫「ふえ、い、いえほ、本命ではないのですが…」

 

そう聞く真宵に姫は頬を赤くしながらそう言う。

 

榊「違うのかー」

 

まぁ、分かってたけどと自分の渡されたのを見る。

 

姫「決して義理という形式的なものではなく常日頃から親しくして頂いてる皆さんに対する私からの大切な感謝の気持ちでありましてつ、つつつまりですねっ。義…本」

 

伊御「姫ー落ち着け;」

 

顔を赤くしてわたわたする姫に伊御は言う。

 

姫「本理ですぅぅぅ!!」

 

伊御&正邪&つみき&榊&真宵「何それ!?」

 

最終的に叫んだ事に5人は言う。

 

つみき「義理と本命が混ざったのね;」

 

そんなこんなあったが放課後になった。

 

真宵「神那っち~今日はどうする~?」

 

正邪「どうするって?」

 

話しかけて来る真宵に正邪は聞く。

 

正邪「なんかあるのか?」

 

真宵「ふふふ、つみきさんの為のを見てかないかい?」

 

首を傾げる正邪に真宵は笑い、呼び止められた姫ともども首を傾げる。

その後に榊と話してる伊御を後ろに帰る準備をしてるつみきに近寄る。

 

真宵「つみきさんつみきさん」

 

呼ばれたのでつみきは真宵達の方へ振り向く。

 

つみき「なによ」

 

真宵「実はですにゃ…つみきさんの為に朴念仁の伊御さん対策を考えました」

 

伊御と榊が話しをBGMに話しかけるつみきに真宵はそう言う。

 

正邪「対策?」

 

つみき「もうチョコは渡したわよ」

 

真宵「まあ聞いて聞いて」

 

首を傾げる正邪の後に言うつみきに真宵は指を振りながら言う。

 

つみき「人の話を聞きなさいよ;」

 

姫「惚れ薬はダメですよ」

 

正邪「(いや、色々とはしゃいでいた姫が言うと説得力ないと思うぞ)」

 

そう言うつみきの後の姫のに正邪はツッコミを入れる。

 

真宵「まぁ、聞いて聞いて。まず…」

 

そう言ってごそごそと荷物を漁ると何かを取り出す。

 

正邪「なんだそれ?」

 

つみき「な、なに?」

 

真宵「チョコリップじゃよ~~こうやって唇にチョコを塗って…モジモジしながら…」

 

姫「しながら?」

 

聞く2人に真宵はそう言ってつみきの唇に塗るのを見て姫は聞くと…

 

つみき(想像)「た…食べて…」

 

真宵「これでイチコロ☆」

 

姫「はうー!」

 

そう言う真宵に姫は鼻血を噴き出す。

 

正邪「でもそれってつみきのキャラに合っているのか?」

 

真宵「そこが良いんじゃよ!ギャップ萌えと言う事でいざ!さぁ、つみきさんゴーーーー!!!」

 

そう言う正邪に真宵はそう返した後に伊御へつみきを飛ばす。

 

伊御「ん?」

 

つみき「!?」

 

気づいた伊御を前に止まったつみきは固まる。

 

真宵「ほら伊御さん。女の子に恥をかかせちゃ駄目じゃよ!」

 

榊「同意だ!紳士的な対応をしないとな!」

 

伊御「お前等…」

 

茶化す真宵と榊に伊御は呆れた後につみきを見る。

 

そんなチョコリップで塗られたつみきの唇に伊御は触れて…

 

伊御「柔らかくて、とても甘そうだね。つみき」

 

つみき・正邪「「?!」」

 

告げられた事につみき以外にも正邪も顔を赤くして煙を吹き出し、姫は傍で鼻血を噴き出して倒れている。

 

榊「GJ!」

 

真宵「恐るべし…伊御さん」

 

それに榊はサムズアップして真宵はそう洩らす。

 

正邪「きょ、強烈すぎだろ」

 

姫「はう~」

 

顔を赤くしながら言う正邪の隣で姫はいまだに鼻血を流していた。

 

色々とあったがバレンタインは無事?に終わったのであった。




真宵「次回!5日和目!弾幕⇔勝負!に続くんじゃよ!」


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5日和目~弾幕⇔美しい~

ほんわか過ごすメンバーはどうせならと正邪にある事を頼む。


正邪「弾幕ごっこを見せて欲しい?」

 

榊「ああ、どんな感じか実際に見て見たくてよ」

 

放課後、帰り支度していた正邪は榊から頼まれた事に首を傾げて榊はそう言う。

後ろでは伊御や真宵、姫とつみきも見て4人とも同じ様だ。

 

正邪「おいおい、弾幕ごっこやるにしてもやる場所と相手が居ないとできないぞ?」

 

真宵「そこら辺大丈夫じゃよ。それに相手は伊御さんがやれば問題なしじゃよ」

 

伊御「なんか満場一致でそうなった;」

 

そう聞く正邪に真宵は答えてから伊御は頬をポリポリ掻いて言う。

 

正邪「あ~…確かに伊御なら大丈夫そうだな」

 

伊御「俺は神那にも言われる程なのか」

 

うんうんと納得する正邪に伊御はそう洩らす。

 

???「あれ~何話してるの~?」

 

するとそこに2人の少女と1人の少年が来る。

話しかけたのは小さい緑髪の女の子である。

 

正邪「? 誰だ?」

 

真宵「あんまり話した事もないから知らないじゃろうけど同じクラスの深山佳奈やんじゃよ。後ろにいるのは女の子が崎守咲で男の子が西原京谷さんじゃ」

 

崎守「こうやって話すのは初めてね。よろしくね神那ちゃん」

 

京谷「んで何話してたんだ?」

 

首を傾げる正邪に真宵が紹介して崎守が挨拶した後に京谷が聞く。

 

正邪「ん?あ、えっと…」

 

伊御「おい、どうするんだ?」

 

榊「まぁ、この3人なら口外はしないだろうがな…」

 

それに戸惑う正邪に伊御は小声で話しかけて榊もうむむと唸る。

 

咲「ん?どうしたのよ、こそこそ話して」

 

榊「いやその…」

 

真宵「んじゃあ特にないんじゃったら付いて来るかにゃ~」

 

佳奈「何かあるの?行く行く!!」

 

京谷「まぁ、今日は特にないしな、俺も」

 

気づいて聞く咲に榊はどう言えば良いか困ってると真宵がそう言い、佳奈がすぐさま乗り、京谷も参加を示すと咲も私も行くわよと言う。

 

正邪「で何処でやるんだ?」

 

真宵「そこら辺はちゃんと用意出来てるんじゃよ」

 

聞く正邪に真宵はフェッフェッフェッと笑ってから先頭に立って案内する。

 

真宵「見よ!これが私製作特別フィールドじゃよ!」

 

榊「ひれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

案内された先で高らかに言う真宵に榊は目の前に広がる空間の広さに叫ぶ。

大体の大きさだと東京ドーム位だろう。

 

正邪「よくこんなの作れたな?!」

 

真宵「フェッフェッフェッ、これでも頑張ったんじゃよ~」

 

咲「ホントによく作れたわね;」

 

同じ様に叫ぶ正邪の後に満足そうに言う真宵へ咲は言う。

 

京谷「で此処で何するんだ?」

 

榊「まぁ、その前に他言無用で頼む話をするぞ」

 

聞く京谷に榊はそう前置きしてから正邪に関する事を話す。

 

京谷「マジかよ!?蛇正さんマジで鬼人正邪だったのか!?」

 

佳奈「妖怪?そうは見えないけどな」

 

咲「嘘…でもないわよね。伊御君を見るからに」

 

話された事に3人はそれぞれ反応を返す。

 

正邪「これなら信じてくれるか?」

 

真宵から更衣室のを聞いてした後に何時の間にか持って来てた何時もの服に着替えて本来の姿になってから正邪は聞く。

 

京谷「ほ、本物だ。マジで本物の鬼人正邪だ」

 

咲「京谷、そのコメントはキモイわよ」

 

京谷「キモイ言うな!正直な感想だろうが!?」

 

正邪を見て驚く京谷だったが咲の言葉に怒鳴る。

 

正邪「これで信じてくれたか?」

 

佳奈「私は信じるよ~神那っちが正邪っちなのを!」

 

聞く正邪に佳奈は笑顔で言う。

 

正邪「そ、そうかって正邪っち?」

 

佳奈「?なんか悪かった?」

 

出て来た字に目を丸くする正邪に佳奈は首を傾げて聞く。

 

正邪「い、いや。別にそれでも」

 

佳奈「ならこれからもよろしくね正邪っち!」

 

京谷「まぁ、これから勉強しあう仲だしな」

 

咲「そうね」

 

戸惑いながら答える正邪に佳奈は言い、京谷と咲もそう言う。

 

正邪「ま、まぁ、短い付き合いだけどよろしく」

 

咲「短いなの!?」

 

京谷「あー、崎守気にするな、正邪の種族って天邪鬼だから反対のを言ったんだろう」

 

佳奈「んじゃあ短い付き合いでよろしく!!」

 

顔を逸らして言った正邪のに驚く咲へ京谷がそう言い、佳奈も笑顔で言う。

 

伊御「ところで真宵。俺はどうやって戦えばいいんだ?」

 

真宵「そりゃあ勿論、この真宵特製当たっても痛くない弾幕銃を使ってくださいな」

 

聞く伊尾に真宵はどこからともなく取り出した警察が使う銃の様な白い銃を二丁手渡す。

 

伊御「弾幕銃?」

 

真宵「榊さんから詳しく聞いて作ったんじゃよ。構えた時に見える右のつまみを弄る事で矢印が向いてる形の弾が出せるんじゃよ。沢山種類があったから二丁それぞれ別に形の弾を撃ち出せる感じに調整したんじゃよ~」

 

首を傾げる伊御に真宵はそう説明する。

 

説明に伊御はつまみを試しに弄ってからトリガーを引くと丸い球が放たれ、次に弄って撃つと針の様な形の弾が出る。

 

伊御「なるほどな…。ボムとかはどうするんだ?」

 

真宵「左に付いてるボタンを押してトリガーを引けば出るんじゃよ。一度やると自動的にボタンはOFFになるんじゃけど連続で使えるのは3回までで3回使うと1分のリロード待ちになるんじゃよ」

 

続いて聞く伊尾に真宵は説明して伊御は納得する。

 

伊御「試しに使ってみるか」

 

そう言ってボタンを押してから伊御はトリガーを引き…可愛らしい猫型ボムが発射される。

 

榊「なんで!?」

 

真宵「いや~伊御さんが使うのを想定してやったらああなりました」

 

姫「か、可愛いですよ」

 

それに思わず叫ぶ榊に真宵はそう言い、姫は出て来た猫型ボムの感想を言う。

 

榊「名づけるなら猫符【キャットボム】だな」

 

京谷「ま、まぁある意味音無にピッタリか;」

 

気を取り直して言う榊に京谷は同意する。

 

つみき「…これで弾幕ごっこが出来る訳?」

 

真宵「その通りじゃよつみきさん」

 

弾幕銃を見て聞くつみきに真宵はにょほほと笑う。

 

正邪「じゃ、早速始めるか」

 

伊御「分かった」

 

そう言う正邪に伊御は答えた後に他のメンバーは離れた観客席に向かう。

 

正邪「じゃ伊御、始めるぞ」

 

伊御「ああ、いつでも良いぞ」

 

笑って言う正邪に伊御はそう返す。

 

正邪「まずはこれだ!欺符【逆針撃】!!」

 

宣言と共に伊御に向けて楕円弾を連射…と見せかけ、伊御の後ろから楕円弾が襲いかかる。

 

伊御「!よっ!」

 

それに気づいた伊御はすぐさま避けた後に弾幕銃で正邪を攻撃する。

 

正邪「うぉ?!」

 

すぐさま正邪が避けるがそんな正邪へ伊御は正邪の弾幕を避けながら追撃する。

 

正邪「くっ!逆符【鏡の国の弾幕】!」

 

伊御「っ!」

 

追撃の攻撃を受けてスペルが消えた所に正邪は2枚目のスペルカードを発動すると伊御は感覚が変わった感じを受ける。

 

伊御「これは…」

 

気づいた伊御は右に動こうとしたが見ていたメンバーには左に動くのが見えた。

 

真宵「な、なんじゃさっきの?」

 

榊「あー…操作反転のスペルの効果だな」

 

いきなりので戸惑う真宵の隣で気づいた榊が呟く。

 

伊御「厄介だな…」

 

そう呟いた後に向かって来る光弾の雨をなんとか避けて行く。

 

佳奈「すっごいね~弾幕ごっこ」

 

咲「確かにこう実物を見るとね」

 

それを見ていた佳奈が目を輝かせて言い、咲もそう述べる。

 

つみき「…実際に見てみるとホント綺麗ね」

 

姫「ホントですね」

 

榊「『人間でも神様と同等の強さを発揮できる』決闘だからな。ただ撃つだけ以外にもちゃんと美しさも持たせてるんだぜ」

 

咲「へぇ~」

 

ばら撒かれる弾幕を見てそう洩らすつみきに姫が同意した後に榊のちょっとした説明に咲は関心する。

 

伊御「次はこっちからいくぞ」

 

回避に徹していた伊御がそう宣言すると弾幕を避けながら弾幕銃から様々な弾幕を放っていく。

 

姫「はひぃ!凄い数です!」

 

真宵「と言うか私、連続で出せる様にしてない筈じゃが」

 

榊「甘いな真宵。伊御はな、撃った傍から弾幕を変更してるんだ!」

 

佳奈「な、ナンダッテー!?」

 

驚く姫と真宵の後に榊がそう言い、佳奈は目を輝かせて言う。

 

正邪「うぉぉぉ?!逆符【イビルインザミラー】!」

 

それに正邪は3枚目のスペルカードを発動すると伊御はまた感覚が反転する感覚に飲まれた後にすぐさま弾幕を避ける。

 

榊「今度は前後逆転か」

 

正邪「そうだよっと!」

 

それを見て言う榊に正邪は弾幕を放つ。

 

だが、伊御は小さい動きで弾幕のスキマを抜けて行く。

 

真宵「伊御さんパネェ」

 

京谷「あー、一応パターンは分かってるもんな」

 

それに真宵はそう洩らすと京谷がそう言う。

 

正邪「巫女か魔法使いかお前は?!」

 

伊御「いや、そこまでじゃないと思うんだけど」

 

その回避技術に見てはいないが話に聞いていた事を思わず叫ぶ正邪に伊御はそう返す。

 

正邪「どうだか、私が見た中であんたの様な奴はいないね!後は壁にめり込まれても平気な榊と真宵とか」

 

榊&真宵「「いや平気じゃないんですけどぉぉぉ!?」」

 

伊御「ああうん。そうだな」

 

返された言葉に榊と真宵は叫んで伊御は思わず同意する。

 

正邪「つかお前らほんとに人間かよ!」

 

伊御&榊&真宵「「「人間です」」」

 

そう叫ぶ正邪に3人は異口同音できっぱり言う。

 

正邪「逆符【天地有用】!」

 

飛び上ると次のスペルを発動して光弾の弾幕雨を降らす。

 

それに対し伊御は動いて避ける。

 

真宵「今度は何が変わったんじゃ?」

 

榊「ああ…成程な」

 

咲「あら?戌井君は分かったの?」

 

首を傾げる真宵の隣で納得してる榊に咲は聞く。

 

榊「いやな、きっと効果は縦の動き…つまり飛んでる時の上下方向が反転してるんだろうけど…伊御は飛んでねえから意味ないと言うか飛べねえからただ弾幕が飛ぶだけと言う状態になってると言う」

 

正邪「あぁ?!」

 

説明する榊のを聞いて正邪はしまったと頭を抑える。

 

ほとんど幻想郷の住民は飛んで弾幕ごっこをする。

だからこそ正邪も同じ様にしていただけに一応ただの人間である伊御が飛べない事を忘れていた。

 

正邪「ならこれならどうだ!反符【地から降る雨】!」

 

伊御「むっ」

 

宣言された事に伊御は警戒すると地面から弾幕が雨の様に放たれ、伊御は慌てて回避する。

 

京谷「なんだあのスペル!?」

 

咲「え?京谷も知らないの?」

 

榊「俺も見た事ないな…知らないスペルだなありゃあ」

 

驚く京谷に聞く咲へ変わりに榊が答えて顎を擦る。

 

正邪「これは攻略できるかな伊御!」

 

伊御「ああ、してみせるさ…それに…色々とワクワクする」

 

そう問う正邪に伊御は笑って答えた後に弾幕を避けて行く。

 

正邪「やるな!でもこれならどうだ!」

 

そう言うと同時に上に向かっていた弾幕が機動を変えて伊御に再び向かって行き、伊御は避ける。

 

真宵「な、何が起こったんじゃ!?」

 

京谷「正邪の能力か」

 

つみき「能力?」

 

榊「ああ、正邪達の住んでる所だと妖怪とか数人の人間が固有の能力を持ってるんだよ」

 

驚く真宵の後に言った京谷のに首を傾げるつみき達へ榊は簡単に説明する。

 

京谷「正邪の能力は何でもひっくり返す程度の能力だ」

 

咲「何でもひっくり返す!?」

 

姫「それじゃあ弾幕の急な方向転換は…」

 

佳奈「ひっくり返ったんだね」

 

続けて京谷が正邪のについて言って女性陣は起こった事の原因に納得する。

 

正邪「逆弓【天壌夢弓の詔勅】!!」

 

そう言うと自分の左右に弾幕を展開したと思ったら後ろに発射し、女性陣はなぜと思ったがその直後に伊御の背後に弾幕が現れた事に驚く。

 

伊御「ふむ」

 

咲「なにあれ!?」

 

榊「正邪の使うスペルの1つだけど…こう実物を見ると改めてすげぇって気持ちになるな」

 

京谷「確かに」

 

展開されたのに驚く咲へ榊はそう言った後に感慨深く言い、京谷も同意する。

 

つみき「それを普通に避けている伊御も凄い;」

 

真宵「姫っちなら確実に終わってるじゃろうな」

 

姫「と言うか私には無理ですよ~」

 

冷や汗掻いて言うつみきに真宵はそう言って言われた本人は手をブンブン振りながら言う。

 

正邪「チッ!これも避けるのかよ!」

 

伊御「そろそろ決めさめて貰う」

 

それに正邪は苦い顔をすると伊御はそう言ってボム使用のボタンを両方とも押してトリガーを引く。

 

正邪「逆転!【チェンジエアブレイブ】!!」

 

それを見た正邪はスペルカードを発動すると観客席にいたメンバーは驚く。

なんと伊御が時計回りの様に場所が変わっているからだ。

 

真宵「な、何が起きたんじゃ!?」

 

榊「俺の知るのだと画面を回転させてプレイヤーを混乱させるスペルだな。現実に見ると相手の場所を変えつつ円形に弾幕を展開するのか…」

 

驚く真宵の後に榊が見ながらそう洩らす。

 

正邪「どうだい伊御!これなら…」

 

榊「甘いな正邪…伊御は色々とやりつくした男…これ位の弾幕、見極めれるんだぜ」

 

そう言う正邪に榊がそう言う中で伊御はその言葉を示す様に避けて行く。

 

正邪「んなっ!?くそっ!」

 

それに正邪は能力を使うが伊御は見切ったのか上手くかわしていき…

 

伊御「チェックメイト」

 

接近すると共に弾幕銃から弾幕を放って正邪に命中する。

 

真宵「そこまでじゃよ!勝者、伊御さん!」

 

それと共に真宵が宣言する。

 

正邪「」ちーん

 

咲「真っ白になってるわね;」

 

榊「そりゃあ初心者で今日やった伊御に負けたからな」

 

しばらく真っ白になってる正邪を見てそう洩らす咲に榊はなんとも言えない顔でそう言う。

 

伊御「えっと…」

 

榊「伊御、今の正邪はそっとしとくのが一番だ」

 

京谷「と言うか勝った音無が言葉をかけたらダメ押しになると思うぞ」

 

どうかければ良いか戸惑う伊御に榊と京谷がそう言う。

 

伊御「そ、そうか?」

 

正邪「うぅ…、今度は負けないからな伊御!ぎゃふんって言わせてやるからな!」

 

困った顔をする伊御だったが再起動した正邪がズビシッと伊御を指して言う。

 

伊御「あぁ、次も負けないからな」

 

榊「どうせなら俺も弾幕したいぜ!」

 

佳奈「佳奈もやる!!正邪っち教えて!!」

 

真宵「それならばたっぷりあるから出来るんじゃよ~」

 

そう返す伊御の後に榊が乗り出し佳奈も手を上げる。

フェッフェッと笑って真宵は他の弾幕銃を取り出す。

 

正邪「あぁ、いいぜ。次こそ勝ってやる!」

 

それに笑う正邪を見て伊御はフッと笑うのであった。




佳奈「次回!6日和目!雪遊び⇔雪合戦だよ~♪」


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6日和目~雪遊び⇔雪合戦~

雪が積もった中で正邪達はワイワイする。


 

伊御「そろそろ雪の季節も終わりかな」

 

正邪「そうだな…」

 

つみき「でもまだ寒いわ」

 

姫「天気予報では今週が最後みたいなこと言っていました」

 

そろそろ雪の季節が終わろうとするのを感じて言う伊御にストーブをつみきと姫と一緒に囲んで温まっていた正邪も同意してる隣でつみきが言った後に姫がそう言う。

 

真宵「じゃあ雪収めにみんなで遊びますかにゃぁ!」

 

そんな4人に扉を開けて現れた真宵がやる人この指止まれと右手をあげてそう言う。

 

榊「ふふ…雪遊び…悪くないな」

 

姫「あ、榊さん」

 

正邪「いつもタイミングいいなお前」

 

そんな真宵のに賛同する様に現れた榊に正邪は呆れた顔で言う。

 

伊御「てか、外かなり寒いぞ」

 

榊「俺は風の子だぜ!」

 

大丈夫かと聞く伊尾に榊は愚問とばかりに袖をまくって言う。

 

伊御「そうか。俺は人の子だから寒い」

 

正邪「私は鬼の子だし」

 

そんな榊に伊御と正邪はそう返す。

 

真宵「私も大丈夫じゃよ」

 

つみき「そうね。真宵は…」

 

正邪「そうだな。真宵は…」

 

真宵「?」

 

そんな榊をフォローする様に言った真宵を見て言葉を切るつみきと正邪に真宵はハテナを浮かべた後…

 

つみき&正邪「「寒い子だからな/ね」」

 

真宵「ふぇぇぇぇ…やめてぇ!?私!寒くない!いやぁぁぁ!?」

 

同時に言われた言葉に真宵は絶叫する。

 

 

真宵「てな訳で雪収めにしゅっぱーつ!」

 

伊御「なにがてな訳なんだか;」

 

さっきのから立ち直って言う真宵に伊御はツッコミを入れる。

 

つみき「いやよ。寒いじゃない」

 

姫「つみきさん、一緒に遊びませんか?」

 

まだストーブで暖まりながら断るつみきに姫は苦笑しながら誘う。

 

つみき「私は帰ってこたつでぬくるのよ」

 

榊「冬の猫をコタツから出すにはどうすれば…」

 

真宵「えさで釣るのはどうじゃろうか」

 

そう言うつみきをどう誘おうか腕を組んで考える榊に真宵が提案する。

 

姫「餌って…」

 

正邪「もしかして…」

 

真宵が提案した事に冷や汗を流す姫と餌が何か予想した正邪を横目に2人は行動を開始する。

 

真宵「つ~み~き~さ~ん」

 

つみき「ん」

 

ストーブの真横から顔を出す真宵につみきは冷や汗を掻く。

 

真宵「私たちと雪遊びしないと…」

 

つみき「…あによ…」

 

フフフフフフフフフフ…と笑いながら言う真宵につみきは問う。

 

真宵「伊御さんが大変なことになるぜぇ!」

 

伊御「はぁ?!」

 

その答えとばかりに真宵は伊御を後ろに回って両脇を通して拘束して言う。

 

ついでに榊が腰に抱き付いて動きを封じている。

 

つみき「大変なこと…」

 

真宵の言った事につみきは大変な事を妄想する。

 

つみき「し、仕方ないわね…」

 

正邪「受け入れた」

 

しばらくしてそう言うつみきに姫と正邪は驚く。

 

 

榊・真宵「「ひゃっほーい!ゆ~き~」」

 

伊御「二人とも、走ると滑るっ!?」

 

昇降口前で嬉しそうに勢いよく走る2人に伊御は注意しようとするが遅く2人は足を滑らせる。

 

姫「ひやぁぁ!?危ないですぅ!」

 

それに姫が絶叫する中でつみきは近くにあったスノコに目を向けた後にそれを2人の頭が落ちる場所に向けて蹴飛ばす。

 

蹴飛ばされたスノコは落ちる直前に着いて見事に…2人の後頭部にダメージを与えた。

 

榊・真宵「「あぁ!?」」

 

つみき「危なかったわ…」

 

姫「立ち上がりました」

 

伊御「ダメージ増えてるぞ、あれ」

 

正邪「板のほうがダメージ大きいだろ;」

 

叫んで悶える2人を見てそう言うつみきと姫に伊御と正邪は雪の方がまだマシだったんじゃと言う思いも込めてツッコミを入れる。

 

姫「真宵さん、榊さん!大丈夫ですか」

 

真宵「なんとか…」

 

榊「生きてる…」

 

駆け寄って聞く姫に真宵と榊はぶつかった所を抑えながら返す。

 

正邪「全く…はしゃぐからこうなるんだぞ」

 

伊御「やれやれ…」

 

そんな2人に呆れながら正邪も近寄り、伊御とつみきも続こうとしてつみきはふと雪に付いた伊御の足跡を見る。

 

つみき「…伊御、大きい…」

 

伊御「つみき、どうした?」

 

自分のと比べてそう洩らしたつみきへ伊御は付いて来てないのに気付いて話しかける。

 

つみき「べ…別に…」

 

誤魔化して照れて赤くなった顔をマフラーで隠すつみきに伊御はハテナを浮かばせて首を傾げる。

 

つみき「…やっぱ寒い」

 

伊御「俺も」

 

寒さで体を震わせるつみきに伊御も同意する。

 

姫「はぁ~ってするとちょっと暖かいですよ」

 

つみき「それは気休めでしょ」

 

伊御「つみき」

 

そんな2人にやりながら教える姫につみきはそう返すと伊御の呼びかけと共に頭に手を置かれたのを認識する。

 

つみき「ん?」

 

伊御「はぁ~」

 

それに何をするかを考えようとする前に伊御がつみきの頭に息を吐く。

 

つみき・正邪「「!?」」

 

姫「ふぁ!?ぷはぁ~」

 

榊・真宵「「うわっ!?」」

 

そんな伊御の行動につみきは鼻血を吹き出し、正邪も驚く中でワンテンポ置いて姫も鼻血を噴き出す。

 

そのまま伊御はつみきの頭に息を吹きかける。

 

榊「伊御、それ以上はストップだ!」

 

真宵「つみきさんが、つみきさんが死んじゃう!!」

 

まだ息を吹きかける伊御にはしゃいでいた2人は慌てて止めに入る。

 

それに正邪は良いな…と考えてハッとなって私は何考えてるんだと悶える。

 

 

気を取り直し、各々が雪で遊ぶ中で伊御とつみきに正邪は雪だるまを作ろうと大きい雪玉を作っていた。

 

真宵「~~~~~♪うわ!?」

 

伊御&正邪&つみき「!?」

 

するとかまくらを作っていた筈の真宵の悲鳴が聞こえて振り返ると雪に埋もれてる真宵が目に入る。

 

どうやら整えてる所、加減を間違えてかまくらが崩れてしまった様だ。

 

真宵「た~す~け~て~」

 

伊御「仕方ない…」

 

正邪「助けてやるか」

 

足をバタバタさせて助けを求める真宵に伊御と正邪は助けようと近寄る。

 

伊御「引っ張るぞ」

 

真宵「あ、ありがとにゃ」

 

声をかけた後に伊御は真宵の両足を掴んで引っ張る。

 

が…引っ張ってなのか持ち上げてたからか真宵のスカートが捲れてパンツが見えてしまう。

 

ちなみに真宵の今日のパンツは縞々のパンツであった。

 

それにしばらくの静寂が起こり…

 

ずぼっ

 

真宵「ふやぁ!?戻された?!なぜに~!?ホワイ!?」

 

そのまま押し戻し、真宵はなぜ戻されたのかに驚く。

 

なお、この後正邪にちゃんと助けて貰ったのであった。

 

 

姫「できました~」

 

せっせとやって出来た雪うさぎに姫は満足そうに笑う。

 

ふと後ろからの音に振り返る。

 

見えたのは大きい雪玉を転がすつみきの姿があった。

 

姫「ふぉ!?うわぁ~、めちゃくちゃ大きいですぅ!」

 

伊御「何処まで大きくするんだ」

 

正邪「てかその凹みって…」

 

それに驚いて関心する姫の後に榊と共に通常サイズの雪だるまを作っていた伊御はそう呟いた後に雪玉に出来てる人型の凹みについて正邪は聞く。

 

つみき「…あれ」

 

その問いに対し、つみきは通って来た所を指す。

 

誰もがつみきの指さした方へ目を向ける。

 

真宵「……」←アレ

 

姫「敷かれてます!?」

 

そこには埋もれた真宵がおり、姫が驚く隣でやっぱりかと正邪と男2人は冷や汗を掻く。

 

 

伊御「ところでどうやってこの頭を乗せるんだ?」

 

次に頭となる雪玉を作ったつみきに伊御は同じ様に大きい雪だるまの体となる雪球を見ながら気になったので聞く。

 

つみき「投げて…」

 

正邪「え?投げるって…」

 

答えたつみきに正邪と伊御は驚いている間につみきは頭となる雪玉を掴んで持ち上げる。

 

姫「ホント大きいですね~」

 

榊「いやでも…でかすぎるだろ;」

 

後ろでされてるそれを知らない姫と榊が呑気に話してる間につみきは雪玉を乗せる為に放り投げる。

 

放り投げられた雪玉は綺麗に曲線を描き…榊の頭に命中した。

 

榊「どんだけ~…」

 

そのまま榊は崩れた雪玉に埋もれる。

 

つみき「…失敗」

 

それにつみきは頬を赤く染めて言う。

 

いや、失敗で済ませて良くない様な…と伊御と正邪は思った。

 

佳奈「あれ?皆して何してるの?」

 

そこに佳奈と咲、京谷が来る。

 

正邪「お、佳奈たちじゃねぇか」

 

佳奈「ヤッホー!」

 

京谷「と言うかでかっ!?なんだこの雪玉!?」

 

気づいた正邪に佳奈は挨拶した後に京谷はメンバーの後ろにある雪玉に驚く。

 

正邪「つみきが作ったんだよ。それ」

 

伊御「最初は俺と正邪も手伝ったけど途中からつみき1人でね」

 

そう答える正邪の後に伊御がつけ加えて佳奈はへぇ~と感心する。

 

正邪「つかあの大きさを持ち上げるなよ」

 

つみき「持ち上げないとあれの上に乗せられないわ」

 

伊御「それやった結果があれだな」

 

呆れて言う正邪につみきはそう言って伊御は雪に埋もれてる榊を見ながらそう洩らす。

 

 

真宵「さぁてそれでは本命の雪合戦を始めるんじゃよ!」

 

集まったメンバーを見渡した後に真宵は嬉しそうに言う。

 

正邪「チーム分けはどうするんだ?」

 

佳奈「神奈っち達6人に私達3人も加わって9人だね」

 

咲「それじゃあ片方が4人になるわね」

 

そんな真宵に聞く正邪の後に佳奈が数えて咲が頬に手を当てて言う。

 

正邪「じゃあ三チームにしてみたらどうだ」

 

佳奈「おお!神那っちナイスアイディア!」

 

榊「まぁ、この人数なら妥当だな」

 

そう提案する正邪に佳奈はグッジョブと指を立てて榊が言った後に真宵がルール説明するんじゃよと自分に注目を集めてルールを言う。

 

真宵「ルールは敵味方関係なく当てられちゃったらリタイアで雪球に細工も駄目じゃよん」

 

姫「チーム分けどうします?」

 

榊「そりゃあ伊御と御庭はセットだろ」

 

正邪「んじゃあ佳奈は私とで良いか?」

 

佳奈「良いよ♪」

 

咲「なら私も」

 

聞く姫に榊は笑って言い、正邪の誘いに佳奈は乗り、咲も申し出て良いぞと返される。

 

正邪「ところでなんで二人はセットなんだ?」

 

榊&真宵「そこは気にしちゃいけないんだぜ/じゃよ」

 

伊御「なら榊と真宵もそうだな」

 

つみき「姫はこっち」

 

姫「ふえ?なんでですか?」

 

その後に少し不満げに聞く正邪に2人が笑って返すと伊御とつみきがそう言い、姫は首を傾げて聞く。

 

正邪「だってあの二人は混沌(カオス)チームだし」

 

真宵&榊「ちょ!混沌チームって!?」

 

京谷「おい!それだと必然的に俺、混沌チームになるじゃん!?」

 

そう答えた正邪に言われた2人は叫び、京谷も驚いて叫ぶ。

 

正邪「京谷は+αだろ」

 

京谷「それはそれでオマケ扱いでなんともいえねぇ!!」

 

何言ってんのお前とばかりに言う正邪に京谷は再び叫ぶ。

 

 

そんなこんなあってそれぞれ雪で自分達の防波堤を作る準備に入る。

 

正邪「お~い、バケツもって来たぞ」

 

佳奈「ありがとう神那ッチ!」

 

伊御「真宵、割りばし持ってるか?」

 

真宵「あるよん」

 

榊「あるんだ;」

 

せっせと準備する中で伊御の問いに真宵はさっと割り箸の束を見せて、榊は冷や汗を掻く。

 

伊御「始める前にくれ」

 

真宵「良いよん」

 

頼み込む伊御に真宵は了承して伊御に近寄り割り箸の束を渡す。

 

正邪「何に使うんだ?」

 

真宵から割り箸を貰う伊御に正邪は聞く。

 

伊御「念の為、どうせ真宵がよからぬ事をしてきそうだし」

 

正邪「ああ…」

 

そう答える伊御に正邪はありえそうだと考えると真宵がハッとなるのに伊御と正邪はん?となる。

 

正邪「…あ、そういえば能力禁止はないな」

 

伊御「良いんじゃないか?さっきも言ったけど真宵がよからぬ事をしてきそうだし」

 

真宵「と言うか伊尾さん、まさか雪玉の中に割り箸を入れて…」

 

思い出して言う正邪に伊御もそう言って他に人もいないからなと付け加えると真宵がそう言って…

 

イメージ榊『アアーーーーーーーーーーーーーーーーー』←割り箸入り雪玉が刺さりまくる。

 

真宵「ヒィィィィィィ!!なんてことを!」

 

榊「なんでイメージが俺なんだよ!?」

 

想像しての光景に顔を青くし、両頬を抑えて悲鳴をあげる真宵に同じ様に顔を青くした榊がツッコミを入れる。

 

 

そんな訳で試合開始になったのだが…

 

正邪「……ありかそれ…」

 

混沌チーム+αを見て誰もが思った事を代表で言う。

 

なぜそう言ったか…それは真宵がバズーカの様なのを装着していて榊と京谷は腰に雪球を補填する道具を付けてるからだ。

 

伊御「反則だろそれ;」

 

真宵「ふふふ、私特製自動雪球生成バズーカ&自動雪球補填機じゃよ~」

 

佳奈「マヨちゃんすごっ!」

 

思わずそう言う伊御に真宵は自分が持つのと榊と京谷が付けてる奴の名前を言い、佳奈は驚いて言う。

 

正邪「お前はどこぞの河童かよ;」

 

真宵「フェッフェッ、それは褒め言葉じゃよ」

 

そう洩らす正邪に真宵はそう返す。

 

正邪「そうなのかよ;」

 

真宵「戦いは、無情じゃけんのぅ」

 

つみき「なんで広島弁?」

 

呆れる正邪をスルーして広島弁で言う真宵はつみきに突っ込まれる。

 

真宵「さてそれではスタートじゃ!全力☆全壊!」

 

その言葉と共に真宵は持ってるバズーカから大量の雪球を放出する。

 

姫「はひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」

 

正邪「どぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 

それに混沌+α以外の6人は慌てて逃げ回る。

 

伊御「全く、真宵の奴は」

 

姫「異議ありです~」

 

グラウンドの水道を防壁変わりに隠れてそう洩らす伊御の後に姫がそう言う。

 

真宵「撃ち出されるのはただの雪球じゃから無問題(モーマンタイ)」

 

正邪「ならこれも無問題だよな」

 

そんな真宵に対し正邪はそう言って能力で雪球の行き先を反転する。

ついでに咲と佳奈も投げる。

 

榊「なんとぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

それに対し榊が複数の雪球を投げて相殺する。

 

真宵「にゃにゃにゃ!?」

 

正邪「ふふふ、凄いのを持ってるけどそれが仇になったな真宵!」

 

驚く真宵に正邪は笑って言う。

 

真宵「こうにゃったら…」

 

そう呟くと真宵は左腕を上に突き上げ…

 

真宵「でよぉぉぉぉぉぉぉ!スノーマンロボットぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

榊「どこのファイター!?」

 

パチンと指を鳴らす真宵に榊が雪球を投げながらツッコミを入れると向こうから何かが来る。

 

そして現れたのを見て京谷は叫ぶ。

 

京谷「マイ○ラのスノーゴーレムじゃねえかぁぁぁぁぁぁ!?」

 

真宵「特徴的に丁度良いと思いまして♪」

 

てへっ☆となる真宵にどんだけ…と伊御達は思った。

 

そんなメンバーをスルーして真宵は目を光らせて手を伸ばして伊御達を刺す。

 

真宵「雪球はっしゃ!!」 

 

その言葉と共にスノーマンロボットはとてつもない数の雪球を能力を発動させない速さで投げて行く。

 

正邪「うお!?これじゃあ能力使えない!」

 

伊御「っ!?」

 

その猛攻に正邪達3人は隠れる事を余技された。

 

一方でその内の1つが伊御に飛んで行く。

 

姫「伊御さん!」

 

それに姫が叫んだ時…

 

バシュッ!

 

だが、雪球は伊御が右腕を振るうと当たる前に何かとぶつかる。

 

何が起きたのかに誰もが驚いていると伊御は振り切った右手に握っていたのを見せる。

それは…割り箸であった。

 

榊「なっ!?まさか…」

 

京谷「割り箸で相殺だと!?」

 

それに榊と京谷は驚愕する中で伊御は次々と雪球を割り箸で相殺して行く。

 

正邪「んなっ!?」

 

伊御のやってる事に正邪は驚きを隠せなかった。

 

自分でも能力が使えないほどの雪球弾幕を割り箸でかいくぐっているからだ。

 

そのまま伊御はスノーマンロボットに向けて空いてた左手で雪球を炸裂させる。

 

受けたスノーマンロボットはそのままぷしゅーと言う音と共に機能を停止させる。

 

真宵「にゃぁ!?」

 

佳奈「ロボットやぶれたり!」

 

榊「確かにロボットがやられたが負けねえぞ!」

 

驚く真宵の後に喜ぶ佳奈に答える様に榊は投げる。

 

正邪「おらぁ!」

 

もう怖い奴はいないと正邪は能力で反転させ、伊御と榊と対峙する。

 

正邪「負けないぜ」

 

伊御「同じく」

 

榊「何があろうと負けねえぜ」

 

お互いににらみ合う3人だがそれをひょっこり姫が覗いていた。

 

姫「い、今なら私だって…」

 

そう呟いて複数の雪球を持っていざ、突撃しようとして…こける。

 

姫「はう!」

 

そのまま倒れてしまう姫だったがこけた反動で姫の手から雪球は離れて宙へと飛んで行く。

 

伊御「仕切り直しだな」

 

榊「返り討ちだぜ」

 

正邪「それはこっちのセリフだぜ」

 

姫「いたたた……あ!?」

 

そう交わした後に姫の声に3人はん?となった後…頭に姫がこけた際に宙を舞った雪球が命中する。

 

正邪「…え?」

 

それに3人の間に一瞬の静寂が訪れた後…

 

榊「ぐはァァァァァァァァ!?」

 

正邪「マジか…」

 

伊御「」項垂れてる。

 

姫「ひぃぃぃぃlごめんなさい!!」

 

三者三様の反応をして姫は申し訳なさで謝る。

 

榊、正邪、伊御と申し訳なさで姫、失格

 

 

佳奈「うわ!神那ッチが姫ちゃんにやられた!」

 

咲「えぇ!?」

 

覗いて現状を把握した佳奈の報告に咲は驚く。

 

自分達の要でもある正邪が失格になるとは思いもしなかったのだ。

 

佳奈「ただ、伊御君と榊君と姫ちゃんも失格になったよ」

 

咲「そうなると後は京谷に真宵さんにつみきさんだけね」

 

続けてのを聞いて咲は考える。

 

人数的につみきが不利だが混沌チームは真宵をしり退ければ後は京谷だけで脅威にはならない。

 

そう考えて真宵を見る。

 

どうやら真宵はつみきを狙っているようだ。

 

咲「…これは真宵さん終わったわね」

 

それを見て咲はこの先の予想が出来た。

 

雪球を避けていたつみきは自分が作った大雪球に隠れる。

 

真宵「ふぇふぇふぇ、落ち詰めたんじゃよつみきさん」

 

一旦雪球を出すのを止めて真宵は笑う。

 

真宵「観念して出て来たらどうかにゃ~」

 

フェッフェッフェッと笑って真宵はゆっくりと近づく。

 

つみき「…ふぅ…」

 

だがつみきは何時も通りの表情で雪球に見る。

 

その後に掌底の構えを取るとつみきは気を高めて真宵がいる所に狙いをつけ…

 

ドン!

 

真宵「ほ!?」

 

雪球にひび割れの様なのが出来たのに真宵は驚いた後に弾け飛んだ雪に飲み込まれる。

 

しばらくすると真宵は雪に埋もれて1つの雪人形みたいになっていた。

 

つみき「…トドメ」

 

ボスッ

 

雪で埋もれて動けない状態の真宵に穴を潜って来たつみきがそう言って雪球を投げ付け、真宵は抵抗なく当たって倒れる。

 

真宵が倒れたのを見届けた後に京谷を見ると京谷は何時の間にか作っていた白旗を振っていて、佳奈達を見ると佳奈と咲はやる気満々であった。

 

つみき「…あと二人か」

 

佳奈「負けないよ!」

 

咲「こうなったらとことんやらないとね」

 

見るつききに佳奈はふんすとやる気を見せて咲も構える。

 

つみき「…とっとと終わらせる」

 

その言葉と共につみきは先ず、咲を狙い、2人は投げるが何時の間にか持ってたタオルを振るって防ぐと咲に雪球を当てる。

 

咲「っ、ごめん佳奈」

 

佳奈「大丈夫だよ。咲ちゃん!」

 

それに謝る咲に佳奈はそう返した後につみきと向かってお互いに様子を伺う。

 

つみき「そっちから来たら?」

 

佳奈「みにわんこそ」

 

兆発する様に言うつみきに佳奈も返す。

 

誰もが見守る中で…つみきが足を動かす。

 

佳奈「ええい!」

 

つみき「…遅い!」

 

投げた佳奈だったがつみきはそれを避けて佳奈に雪球を当てる。

 

佳奈「あうー負けた~」

 

つみき「…ブイ」

 

残念がる佳奈の後につみきは勝利のVサインをする。

 

勝者、伊御チーム

 

 

正邪「あー、なんと言うか白熱とした雪合戦だったな」

 

伊御「そうだな」

 

背伸びする正邪に伊御は同意する。

 

つみき「それじゃあ寒いから帰るわ」

 

伊御「コンビニで温かい物を食べるか」

 

佳奈「いいね~」

 

正邪「うんじゃあ饅頭が良いな」

 

咲「良いわね~それじゃあ最下位だった榊君と京谷の奢りで」

 

京谷「おい!?」

 

榊「うーん、それは仕方ないか…」

 

つみきのを皮切りに他のメンバーも話しながらコンビニへと向かおうとする。

 

姫「あ、あの…真宵さん無視したままですか~?!」

 

それに対し雪に埋まったままの真宵を放置の状態に姫は叫ぶ。

 

この後、真宵は無事に助けられて9人はコンビニで温かい物を食べるのであった。




京谷「次回、調理⇔食事だ!!」


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7日和目~調理⇔食事~

今回の正邪は調理実習をやる事に、果たして正邪達が作るのは…


今回は調理実習ので正邪はつみきと真宵に姫と班を組んでいた。

 

ちなみに伊御は咲と佳奈に京谷と班を組んでいた。

 

正邪「しっかし料理か…」

 

姫「何作ります?」

 

首筋をポリポリ掻いて呟く正邪や他の2人に姫は聞く。

 

正邪「私としては手軽な奴が良いな…」

 

つみき「…正邪にとっての手軽って?」

 

そう言う正邪につみきは聞く。

 

正邪「うーん。焼くのとこねるかな?主にそれを担当してた」

 

つみき「…なるほどね」

 

真宵「んじゃあハンバーグはどうじゃよ?あれも結構手軽じゃから私等でもいけると思うんじゃよ」

 

聞いて考えるつみきに真宵が横から提案する。

 

正邪「はんばーぐ?」

 

姫「えっと、ひき肉をこねてそれを焼いたのがハンバーグと言うのです」

 

首を傾げる正邪に姫は簡略に答える。

 

正邪「そーなのかー」

 

つみき「…どうせだし少し加えて煮込みハンバーグにしましょう」

 

姫「あ、良いですね~」

 

つけ加えるつみきに姫はほんわかに同意する。

 

正邪「煮込み?」

 

つみき「神那に分かる様に言うなら焼いたハンバーグを浸かる様に醤油や水を入れて煮込んだ料理って言えば分かる?」

 

さらに首を傾げる正邪につみきはそう言う。

 

正邪「そんなのがあるのか…」

 

真宵「実際はデミグラスソースって言うので煮込むのが定番じゃから調理実習前に教えとくんじゃよ」

 

つみき「そうね」

 

関心する正邪に補足してからそう言う真宵につみきは同意する。

 

正邪「でみ…なんだそれ?」

 

つみき「醤油の様に使う調味料と考えてくれれば良いわ」

 

真宵「そこも含めて勉強会みたいな感じにやった方が良いじゃね」

 

再び出て来たのにハテナを浮かべる正邪にそう言うつみきに真宵はつけ加える。

 

正邪「そうだな」

 

真宵「んじゃあ頑張ってやるんじゃよ~」

 

姫「おーです♪」

 

気合入れる姫を見て正邪はやれやれと肩を竦める。

 

そんな訳で調理実習日

 

佳奈「い・お君、今日はよろしく~」

 

伊御「あぁ、よろしくな」

 

元気に言う佳奈に伊御はそう返す。

 

咲「よろしく~」

 

京谷「伊御は料理上手いからな美味い物が作れるな」

 

伊御「お前も作るんだよ京谷;」

 

自信満々に言う京谷に伊御はツッコミを入れる。

 

つみき「…むぅ」

 

佳奈「みにわん達の班は何作るの?」

 

そんな3人と話してるのを羨ましそうに見ていたつみきに佳奈が話しかける。

 

正邪「えっと…煮込むハンバーグ?」

 

咲「ああ、煮込みハンバーグね。あれも美味しいわよね」

 

言う正邪に咲は思い出して言う。

 

正邪「そうなのか?」

 

佳奈「あれも美味しいよね~」

 

伊御「ちなみにウチの班はハヤシライス」

 

調べたけどまだ実感出来ないのかそう言う正邪に佳奈は笑顔で言い、伊御が自分達が作る奴を言う。

 

正邪「林らいす?」

 

真宵「神那っち、浮かべてるだろうけど林の中にあるライスじゃないんじゃよ」

 

姫「そう言う料理があるんですよ;」

 

出て来た言葉にハテナを浮かばせて想像する正邪に別のを想像してるのを察して真宵がツッコミを入れて姫が簡単に言う。

 

正邪「そうなのか」

 

伊御「ハヤシライスの名前の由来は色々と説が多かったりするんだ」

 

関心する正邪に伊御はそうつけ加える。

 

真宵「しかしハヤシライスってなんだか珍しいチョイスじゃね」

 

咲「この前お店で佳奈と食べたのが美味しくてね」

 

佳奈「だから伊御君に作って見てって咲とお願いしたのだ☆」

 

そう言う真宵に咲が理由を言った後に佳奈とねぇ~と笑う。

 

伊御「ついでだからアレンジしてオムハヤシはどうだ」

 

京谷「オムハヤシか…良いなそれ」

 

そう提案する伊御に京谷は賛同する。

 

正邪「オムハヤシ?」

 

佳奈「さっき言ったハヤシライスを卵で作ったオムレツで包んだ奴の事をオムハヤシって言うんだよ!」

 

また出て来た言葉に正邪が首を傾げて佳奈が自信満々に言う。

 

正邪「美味しそうだな…」

 

真宵「涎涎、出てますがな」

 

どんな感じなのかワクワクする正邪に真宵がそう言う。

 

伊御「それじゃあ作るか」

 

それにメンバーはおーと答える。

 

咲「所で、姫ちゃんと真宵さんは料理どうなの?」

 

姫「えっと、私は普通です」

 

つみき「そこ目を逸らさない」

 

咲「佳奈も目を逸らさない;」

 

真宵&佳奈「「;」」

 

咲の問いに恥ずかしそうに答える姫だが隣で真宵は目を逸らしてついでに佳奈も目を逸らす事につみきと咲がツッコミを入れる。

 

正邪「何作る気だ;」

 

真宵「いやちゃんと作るんじゃよ!」

 

佳奈「そそそそうだよ!」

 

伊御「2人共落ち着け;」

 

呆れた目で聞く正邪に慌てて返す2人に伊御は宥めにかかる。

 

正邪「…いやな予感するな」

 

それに正邪はそう呟くのであった。

 

 

そんな訳で調理実習が始まったのだが…

 

パキッ、ペキャ、ガチャッ

 

真宵「卵すら…まともに…」

 

正邪「う~」

 

早速真宵が卵のを上手く割れず、それには正邪も同じであった。

 

姫「力いっぱいやり過ぎですよ2人共;」

 

正邪「…あまり料理はしないからな」

 

真宵「つみきさ~ん。綺麗に割るコツ教えて~~~~~~~」

 

冷や汗掻いて言う姫に正邪はそう返し、おろろーんとなった真宵がつみきにアドバイスを求める。

 

つみき「…こうよ」

 

そう言って左手で卵を掴んだ後に人差し指で卵を軽く叩くと卵にヒビが綺麗に一直線に走った後に中身をボウルへ入れる。

 

真宵「こうってどう!?」

 

正邪「凄っ?!」

 

そのすご技に真宵はツッコミ、正邪は叫ぶ。

 

咲「しみる~」

 

伊御「大丈夫?」

 

一方で玉葱を切っていた咲はそう洩らし、隣で切っていた伊御が声をかける。

 

つみき「…たまねぎちゃんと冷やしてた?」

 

伊御「ああ、切る前に玉ねぎを冷蔵庫で15分ほど冷やすと玉葱の揮発成分の発散が抑えられるって聞いたな…他にも玉葱を切っても涙が出ない方法があるんだって」

 

佳奈「おお!そうなのか~」

 

そう聞くつみきに伊御は説明して佳奈は関心する。

 

正邪「豆知識だな」

 

咲「そうね。後、玉葱で涙が出るのって目よりも鼻の粘膜が刺激されるからなのよね」

 

伊御「だから鼻を摘まむと良いらしいよ」

 

佳奈「そーなのかーどれどれ」

 

関心する正邪に咲は同意した後にそう言い、伊御も補足すると納得した佳奈が切った玉葱を1つ摘まんで真宵に近寄る。

 

佳奈「マ~ヨ~ちゃん☆」

 

真宵「なぁーあーーー」

 

ぶしゃ

 

に?と言い終える前に佳奈が手に持っていた玉葱から汁をぶしゃーと出して汁は見事に真宵の目にクリーンヒットした。

 

真宵「目ぇーーーーーーーーーっ!?」

 

ガン!

 

それに真宵は勢いよく仰け反って顔を抑えながら床に頭をぶつける。

 

正邪「うわぁ…」

 

佳奈「目も効くよ!?」

 

それに正邪はドン引きして佳奈は叫ぶ。

 

伊御「それは違うだろ;」

 

京谷「そりゃあ効くだろ。直にやってるんだし;」

 

驚いている佳奈に伊御と京谷はツッコミを入れる。

 

 

真宵が復活した後に伊御は鍋をかき混ぜていた。

 

咲「良い香りね~」

 

佳奈「美味しそ~♪」

 

正邪「こっちもいいにおいだな」

 

漂う臭いに女性陣はそう述べる。

 

京谷「つーかウチの班、音無がメインで作ってるけど…男子の手料理って女子的にどうなんだ?」

 

それに見ていた京谷が疑問に思ったのかそう聞く。

 

正邪「私的には別におかしくないと思うけど…昔から男子も料理してたし」

 

咲「ああ、確かに昔って男の人も料理してたもんね。ちなみに私は嬉しいわよ~」

 

佳奈「だね~」

 

そう言う正邪に咲は納得した後にそう答えて佳奈も同意かそう言う。

 

咲「京谷だって女の子に料理を作って貰ったら嬉しいでしょ?ありえない話だけど」

 

京谷「最後のセリフいらんだろ;」

 

そう言ってからの最後に京谷は目を点にして言う。

 

正邪「ありえないって…可能性が低いの間違いじゃねぇのか?」

 

京谷「それはそれでひでぇぇぇ!!」

 

フォローしてるのか分からないが追撃する正邪に京谷は叫ぶ。

 

咲「倍率で言うなら?」

 

正邪「ん~10%以下?」

 

京谷「さらにひでぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

追い打ちとばかりに聞く咲に答えた正邪のに京谷は叫ぶ。

 

伊御「深山さん、フランベするからワイン良いかな?」

 

佳奈「ボゥ!と燃やす奴だね!」

 

京谷「そしてそっちはスルーして進めるんかい!」

 

こっちはこっちで何事もなく進めている事にツッコミを入れる。

 

正邪「フランベ?」

 

伊御「調理の一種で肉の臭みを消したり後は鍋の底についた旨味も取る為とかに使われるな」

 

佳奈「えーと…赤白どっち?」

 

出て来たのに首を傾げる正邪に伊御は説明すると佳奈が聞く。

 

伊御「赤で…神那は神那でつみき達の班なんだから手伝いをしないとダメじゃないか?」

 

正邪「あ、そうだな」

 

そう言われて話し過ぎてるなと思いいそいそとつみき達の方へ戻る。

 

真宵「おか~あっちで盛り上がってるねん」

 

正邪「まあな~主に京谷弄りで」

 

姫「そうなんですか?それならつみきさんも向こうで!?」

 

そう言う正邪に姫は見てるのかなと言おうとしてぎょっとする姫に正邪と真宵も見ると驚く。

 

つみき「なんかいいにゃあ(カカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカ)」

 

なんとつみきは伊御に夢中になりながら物凄い速さの包丁捌きを指を切らずにやり遂げていた。

 

正邪「ちょ!?」

 

姫「その速度の包丁捌きで余所見は危ないですーーーーーっ!?」

 

それに3人は慌てて止めに入る。

 

ちなみに怪我はしませんでした。

 

 

ハンバーグのネタが出来たので姫とつみきは空気抜きを始める。

 

真宵「2人共何やってるのん?」

 

つみき「焼き崩れとひび割れ防止」

 

姫「ハンバーグをこうやってキャッチボールして空気を抜くんです」

 

正邪「こうやってやるのか…」

 

2人のを見て正邪も見様見真似でやって行く。

 

それを見ていた真宵ははっと何か思いついた様子に3人は手を止めて見る。

 

正邪「?どうしたんだ?真宵」

 

真宵「もし燃える魔球を投げられるピッチャーが空気抜きの為にハンバーグを投げたら…」

 

つみき「何言ってんの?」

 

姫「食べ物を投げたらダメですよ;」

 

聞く正邪に真宵はそう言いつみきと姫がツッコミを入れるが言う本人は続ける。

 

真宵「キャッチャーミットに収まった時には既に!上手に焼けました♪なんて!」

 

つみき「それだとミットに収まった瞬間、爆発するわよ」

 

正邪「つかどんな場面だそれ」

 

そう言う真宵につみきはツッコミをビシッと入れて正邪は呆れた顔で言う。

 

 

しばらくしてハンバーグを焼いてデミグラスソースを注ぎ、煮込んで完成間近であった。

 

咲「御庭さん達はもうすぐ完成かしら?」

 

つみき「…そうなんだけど…」

 

正邪「ん~」

 

そう聞く咲につみきはそう返した後に悩んでいる正邪を見る。

 

咲「?どうしたの?」

 

真宵「米について悩み中なんじゃよ」

 

京谷「横に沿えるかしないか悩んでるのか?」

 

悩んでいる正邪を見て聞く咲に真宵はそう答えて京谷が聞く。

 

正邪「いや、そうじゃなくてな…炊き具合がな」

 

京谷「炊き具合?」

 

つみき「それをちゃんとしないとご飯がちゃんと出来ないものね」

 

正邪「そうなんだよな」

 

出て来た事に首筋を掻く京谷につみきはそう言い、正邪は困った顔で言う。

 

伊御「だったらお勧めの炊き方があるけど教えようか?」

 

正邪「どんな炊き方なんだ?」

 

伊御「それは…」

 

聞く正邪に伊御は丁重に説明して理解した正邪は教えられた通りにやって行く。

 

数十分後…

 

正邪「おお!出来た!」

 

真宵「炊きたて!ホッカホカじゃ♪」

 

炊きあがったご飯にメンバーはワイワイする。

姫「ホントです。食べたくーー(くぅーーーーー)…た、たたべにゃくなりますねーーー(くぅーーーー)」

 

それに同意しようとした姫のお腹から音が聞こえ、誤魔化す様に言おうとするが再び鳴ったそれに姫は顔を赤くする。

 

姫「はぅううううーーーーーっ!!」

 

咲「あらカワイイ音」

 

正邪「確かに」

 

真宵「まあまあ女の子らしいキュートな音だから恥ずかしがる事はないんじゃよ」

 

京谷「じゃあキュートじゃない音って何だ?」

 

それに咲はキュンとして正邪も同意すると真宵が姫を宥めてから京谷の疑問にうーんと唸ると…

 

ぐごぉぉぉぉぉぉ

 

正邪「とか?」

 

ドゴーーーーン

 

佳奈「かな?」

 

真宵「何でどっちともイメージが私なんじゃよ!?」

 

試しにそう言う正邪と佳奈のイメージが自分だった事に真宵は叫ぶ。

 

伊御「しかもそれはイビキと爆発音だ;」

 

真宵「なんかいやーーーってでもこんなジューシーな香り、本当に美味しそ(ぐぐぅぅぅぅぅ)……」

 

つみき&姫&正邪「;」

 

伊御がツッコミを入れた後に迷いは頭を抱えて言った後に気を取り直して煮込みハンバーグを見て言おうとして姫とは違う音が響き渡り、誰もが言葉を発しなかった。

 

真宵「なにかリアクションして?!」

 

咲「それじゃあ遠慮ない空腹感から溢れる音だったから姫ちゃんのキュートな音の後で女の子としてやるせなくなっちゃった所ねと言えば良いのかしら?」

 

叫ぶ真宵に咲は頬を抑えて聞く。

 

正邪「そうだったのかマゾい」

 

真宵「それは止めて!!」

 

そう言う正邪に真宵は叫ぶ。

 

正邪「…ちょっと考えたもの作ってくる」

 

そう言うと正邪はいそいそと何かを作り出す。

 

そして出来上がったのは竹の葉で包んだおにぎりであった。

 

佳奈「何これ?」

 

京谷「もしかして昔の旅であったお弁当的存在だったのか?」

 

正邪「あぁ、ここだとあんまり見ないから作ってみた」

 

それを見て首を傾げる面々で京谷が言うと正邪がそう言う。

 

確かにそう言うのはあんまり見ないもんなと京谷は内心呟く。

 

 

姫「そちらの料理は終わりましたか?」

 

作った料理を沿える皿を用意する中で姫が同じ様に準備する咲へ聞く。

 

咲「まぁね。そっちは?」

 

正邪「こっちは器に盛り付ければ完成だってさ」

 

そう返す咲に正邪は答える。

 

咲「そうなんだ~こっちは音無くんが作っている工程で完成よ」

 

正邪「伊御はなにやっているんだ?」

 

言った咲のに正邪は見る。

 

佳奈「ふわふわオムレツだ~」

 

伊御「こう半熟状態のオムレツをこうご飯の上に乗せて…こう開いて…」

 

興味深そうに見てる佳奈に伊御は説明しながらご飯が盛られた皿にオムレツを乗せて包丁でオムレツを切り開く。

 

伊御「熱々ハヤシをかければ…タンポポオムハヤシ完成」

 

真宵&佳奈&咲「「「おお~」」」

 

その後にハヤシをかけてそう言った伊御の後に一同は綺麗に彩られたオムハヤシに声をあげる。

 

正邪「じゅるり」

 

漂って来る良い臭いに正邪は涎を垂らす。

 

咲&佳奈&真宵「「「お嫁に来てください!」」」

 

つみき「!?」

 

姫「(ぶはぁ)」

 

伊御「はい?」

 

それに3人が一斉に言い、つみきは流れに乗れてなく、姫は鼻血を流す。

 

正邪「…何故お嫁?」

 

京谷「料理美味いのが女性が主だからじゃね?」

 

ツッコミを入れる正邪に京谷はそう返す。

 

 

そんなこんなあったが完成した。

 

姫&真宵&佳奈「「「出来たー」」」

 

京谷「こう並ぶと豪華だな」

 

真宵「そしてなんと!卵を割り過ぎちゃったので、私が卵料理を作らせて貰いました!」

 

佳奈「マヨちゃんがもう1人で料理が!?」

 

並べられた料理を見てそう呟く京谷の後に言った真宵のに佳奈は驚く。

 

真宵「ふっふふっ…ジャーン☆」

 

伊御&佳奈&京谷「「「!?」」」

 

正邪「…なにこれ?」

 

見せられたのに3人に衝撃が走り、正邪は青を青ざめて言う。

 

それは…どことなく某有名アニメに出て来る存在に似た料理であった…

 

京谷「巨○兵みたくなってるぞ!?」

 

正邪「つかこれ焼けてる?」

 

真宵「半熟のつもりです」

 

佳奈「早すぎたんだね」

 

伊御「いや、生過ぎたんだ;」

 

叫ぶ京谷の後にそう言う正邪に真宵は冷や汗掻きながらそう言い、佳奈の言葉に伊御は訂正する。

 

正邪「どうすんだこれ」

 

伊御「……バーナーを借りて来る。表面を焼けば大丈夫…な筈…」

 

聞く正邪に伊御はそう言って先生の所に行く。

 

その後はちゃんと焼けて真宵が責任を持って食べる事になりました。

 

 

一同「頂きま~す」

 

そんな訳で試食タイムになり、各々自分達で作った料理を口に運ぶ。

 

京谷「うぉうめぇ?!」

 

佳奈「うま~い」

 

姫「ホント美味しいれす~」

 

つみき「ホントね」

 

それぞれ食べてオニギリを食べていいかと聞いて良いぞと許可を貰って一口食って驚いて言う京谷の後に同じ様に貰った佳奈が嬉しそうに食べて姫とつみきも煮込みハンバーグを食べた後に美味しそうに食べる。

 

正邪「そ、そうか」

 

伊御「俺にもくれないか?」

 

真宵「にゃら~お互いのを少し食べ合う感じでどうじゃろうか?」

 

照れる正邪に伊御も頼むと真宵がそう提案する。

 

正邪「お、いいな」

 

伊御「それじゃあ…うん、ホントに美味しいな」

 

それに正邪はのり、伊御は早速オニギリを食べて笑顔で言う。

 

正邪「えへへ…」

 

伊御「ハンバーグも……うん、美味しい」

 

姫「つみきさんの特製レシピで作ったんですよ」

 

伊御「へぇ、流石だなつみき」

 

照れる正邪の後にハンバーグを食べた伊御の感想と褒めにつみきは照れる。

 

正邪「こっちのオムライスもなかなか…」

 

伊御「ありがとう」

 

つみき「い、伊御、あにょね」

 

オムハヤシを食べて感想を述べる正邪に伊御は微笑むとつみきが話しかける。

 

伊御「ん?」

 

つみき「い、いい…いいおよ、おにょ、おにょ」

 

何か言おうとしてるが言いだせないつみきに伊御はハテナマークを浮かべる。

 

つみき「およ…おにょ、およめ…」

 

真宵「サンバ☆」

 

ドゴーーーーーーーーーーーーーン!!!

 

その瞬間、不用意な事を言った真宵はつみきにより吹っ飛ばされて壁をぶち破って廊下外側の壁に頭をめり込ませた。

 

正邪「マゾいぃぃぃぃぃぃぃ!?」

 

咲「今のは…真宵さんが悪いわ;」

 

佳奈「だ・ね;」

 

真宵「いやぁ…思わず繋げてしまって…」

 

絶叫する正邪の後に言う咲と同意する佳奈に壁にめり込んだまま真宵がそう返す。

 

正邪「もしかしてわざとか?」

 

つみき「何か言ったか?」

 

正邪「いいえ何も;」

 

思わず聞いた正邪だったが怒りのオーラを出してるつみきに冷や汗を掻く。

 

伊御「何やってんだ?」

 

正邪「いやまぁ、気にしないでくれ」

 

咲「ほら伊御君、こういう時、料理上手な女の子に言う台詞があるでしょ?」

 

そう返す正邪の後にそう言ってネ?と言う咲にふむ…と伊御はつみきを見る。

 

伊御「つみき」

 

つみき「ん?」

 

伊御「こんな素敵なお嫁さんの料理を食べられる人は、幸せだね」

 

つみき&姫「「!?(ぶばぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)」」

 

正邪「!?(ボン!)」

 

素敵な笑顔で言った伊御のにつみきと姫は鼻血を吹いて倒れ、正邪は顔を真っ赤にする。

 

真宵「ほぅほぅ…赤くなってる」

 

正邪「な、にゃんだよ!」

 

何時の間にか脱出していた真宵が獲物を見つけた様に笑うのに対して正邪は顔を赤くしたまま噛み付く。

 

真宵「(噛んだ)」

 

咲「ふっておいてなんだけど…あれって来るって解ってても防御不可能よね…」

 

佳奈「しかも攻撃範囲広い;」

 

京谷「恐るべし伊御」

 

伊御「?;」

 

恥かしそうな正邪と倒れてる2人から伊御に顔を向けて言う咲と佳奈、京谷に伊御はハテナマークを浮かべる。

 

正邪「(ああもう、ホントなんでだよ)」

 

顔を赤くしながら正邪はドキドキする心が何なのか戸惑う。

その後はワイワイ楽しく試食をしたのであった。




京谷「次回、8日和目!缶蹴り⇔鬼ごっこだ!!」


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8日和目~缶蹴り⇔鬼ごっこ~

校内にて、仁義なき戦いが始まろうとしていた。

伊御「いや、そこまで大げさじゃないだろ;」

榊「まぁまぁ、そんな訳でスタートだ☆」




真宵「さてさて皆さん、時が来ました~」

 

放課後、何時も通り帰り支度していた伊御は真宵の言葉に顔を向けて見ると自分以外の面々が真宵の所に集まってるのに気付く。

 

正邪「?」

 

伊御「皆、帰らないの?」

 

声をかけられただけなのか首を傾げてる正邪とワイワイしてる他のメンバーを見て伊御は聞く。

 

姫「伊御君参加しないんですか?」

 

咲「神那さんも聞いてないの?」

 

正邪「何をだ?」

 

聞く姫の後に呼ばれたのに分かってない正邪に伊御もホントに何だろうと気になる。

 

榊「今日、先生たちは会議のため、部活は軒並み休み、ご存じの通り、校舎に人は殆どいない」

 

すると榊が現れてそう言った後に伊御の両肩を掴む。

 

榊「となれば!」

 

伊御「帰る」

 

つみき「私も帰る」

 

何か言おうとした榊のを遮ってそう言う伊御につみきも続いて帰ろうとする。

 

正邪「…なんかするのか?」

 

真宵「そうじゃよ!第1回!校内…缶蹴り大会!!開催にゃ~~~~~~!」

 

佳奈「おーー♪」

 

教卓の上に乗って高らかに宣言する真宵に佳奈も乗って腕を突き上げる。

 

正邪「…缶けり?」

 

伊御「缶蹴りって言うのは空き缶…道を歩いてる時に見かける自動販売機に入ってるのとかで良いから飲み干したのを1つ用意して、1人、鬼…皆を捕まえる役を決めて、鬼は人を見つけたら人の名前を言いながら缶を踏むんだ。逆に他の人は鬼に見つからない様に缶を蹴るんだ。缶を蹴れたら鬼の負けで全員見つけて缶を踏んだら鬼の勝ち。ちなみにこういう遊びは色々とバリエーションを加えられるから結構幅広く遊べるんだ」

 

首を傾げる正邪に伊御が理解出来る様に言葉を選んで説明して正邪はへぇ~と関心する。

 

榊「伊御、長々とした説明ありがとな;」

 

真宵「まぁ、今回はチーム戦で勝ったチームには商品として購買部の食券、そして負け組は勝ち組の人のお願いを1つ聞く」

 

姫「お願い事ですか~?」

 

そんな伊御のを労う榊の後に真宵はそう言って右手に商品である食券をひらひらさせて最後に言った事に姫は首を傾げる。

 

真宵「そうじゃよ。叶えられる範囲のじゃけど」

 

榊「何のリスクも負わない勝負はないって事だぜ」

 

伊御「ふむ」

 

そうつけ加える真宵の後に不敵に笑って言う榊に伊御は確かにと同意する。

 

咲「要は罰ゲームもあるって事ね」

 

正邪「チーム分けはどうする?」

 

伊御「まぁ、チーム分けでするべき事は…」

 

そう言う咲の後に聞く正邪に伊御はある方を見る。

 

榊「フフフ、商品よりも罰ゲームが楽しみだぜ」

 

真宵「フェッフェッフェッ、な~にをお願いしようかにゃ~」

 

伊御「……あの2人とは敵対したくないな…色んな意味でリスキー過ぎる;」

 

佳奈「やっぱり、そう思っちゃうよね;」

 

京谷「なあ;」

 

黒いオーラを纏って不気味に笑う2人に伊御はそう言い、佳奈と京谷も同意する。

 

正邪「ならあいつら審判役にして除外するか?」

 

一同「あー…」

 

真宵&榊「「それは止めてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」」

 

思わずそう提案する正邪に2人はオーラを潜めて叫んだ。

 

 

チームの組み合わせを決める機械で結果が出るまで待つ間に真宵がそうそうと複数の同じ腕に付ける様なのを取り出して教卓に置く。

 

正邪「また作ったのかよ」

 

姫「真宵さん、これはなんですか?」

 

呆れる正邪の隣で姫が置かれた物の1つを取って聞く。

 

真宵「横のスイッチをオンにするんじゃよ」

 

姫「こうですか?」

 

そう言って真宵が指さした所にあるスイッチを姫は押す。

 

するとピコーンと言う音が鳴り出す。

 

姫「ふぇ!?」

 

真宵「センサーにゃん。有効範囲は3m~4mちょっとセンサー同士が近づく程、警告音が激しく鳴るんじゃよ~」

 

伊御「それを俺達全員に持たせる訳か」

 

つみき「何時の間にこんな物を用意してたの…」

 

軽く驚く姫の後に説明する真宵に伊御は納得する隣でつみきは少し呆れる様子で呟く。

 

正邪「確かに;」

 

真宵「ほらぁ~こういうのがあった方が盛り上がるしねぇ~」

 

伊御「なぜ照れる;」

 

頬を赤らめて照れて言う真宵に伊御はツッコミを入れる。

 

正邪「ん?チーム分け決まったようだぞ」

 

真宵「お、どれどれ…」

 

姫「それにしても聞いてると心電図みたいですね」

 

つみき「そうね」

 

チーンと言う音を聞いてそう言う正邪に真宵は確認しに行くのを見た後に音を鳴らすセンサーのに姫は感想を述べてつみきも同意すると…

 

ピピピピ……

 

姫&つみき「?」

 

突然音が止まったのに誰もが首を傾げると…

 

ピーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

診療関係で鳴ってはいけない音になった。

 

榊「ご臨終DEATH!!」

 

姫「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

伊御「いやいや;」

 

叫ぶ榊のに涙目になる姫へ伊御は冷や汗を流す。

 

 

真宵「それでは組み合わせの結果発表~♪」

 

正邪「(んー、天邪鬼だし私は鬼かね…)」

 

真宵「まず鬼組、私片瀬真宵に咲やん「はーい」、西原さん「おう」、そしてつみきさん「ん」」

 

そう楽観的に考えていた正邪は発表のにん?となる。

 

正邪「私は?」

 

真宵「ふふ…続いて逃げ組、佳奈やん「ヤッホー」、姫っち「あ、はい!」、榊さん「おう!」、次は神那っち「うえ!?」、最後に伊御さん「ふむ」。以上の逃げ組5人対私達鬼組4人組で戦いが繰り広げられるんじゃよ!」

 

伊御「ふむ、俺達側が1人多いけどまぁ、問題のが上手くばらけたけど…」

 

咲「まぁそうね」

 

佳奈「でも、お蔭でなんと言うか…」

 

まさかの逃げ組に自分が入ってるのに正邪は驚く中で伊御はそう言い、咲も頷いて佳奈が伊御が言った問題の人物2人を見る。

 

正邪「確かに、この勝負…」

 

不発弾2名を除いた一同「(負けたくない)」

 

睨み合って火花を散らす不発弾(榊と真宵)を見て一同はそう思った。

 

 

そんな訳でチームが決まって始まる前に少しの作戦タイムもとい雑談タイムをするのであった。

 

正邪「さてどうする?」

 

榊「やっぱ警戒するべきは真宵とか御庭だな。京谷も崎守さんもそうだけど厄介さなら前者2人だろうな」

 

聞く正邪に榊は腕を組みながら答える。

 

正邪「あいつら二人をどうにかしないとな」

 

榊「まぁ、御庭は伊御に任せるとして真宵は要注意と言う事で警戒しながら逃げるしかないな」

 

姫「はひぃ、私逃げ切れるでしょうか…」

 

佳奈「大丈夫だよ姫ッチ!頑張ろう!」

 

呟く正邪にそう言う榊の後に不安そうな姫に佳奈が元気よく励ます。

 

正邪「もしもの時は私がなんとかする」

 

真宵「あ、言って置くけど雪合戦のと違って今回は能力使用なしじゃよ」

 

そう言う正邪に真宵が釘を刺す。

 

正邪「…なん…だと…」

 

京谷「そりゃああの時と違って普通に追いかけっこだしな;」

 

真宵「流石に反転させられるときついんじゃよ;」

 

突然の宣告に驚く正邪に京谷と言った真宵が禁止の理由を答える。

 

正邪「人外スペック持っているお前等に能力なしで勝てと?!」

 

榊「なんだろうな…妖怪である筈の神那に言われるとこう来るのは…」

 

伊御「知らん」

 

ズビシッと指して正論でもある正邪の抗議に胸を抑えて言う榊のを伊御はズバッと捨て去る。

 

正邪「知らんで済んでたまるか!」

 

伊御「確かに能力があった方が楽かもしれないけど…そう言うのを使わずにやり遂げた方が達成感があって良いと思うんだ」

 

正邪「(ドキッ)///」

 

ふがーと叫ぶ正邪だったが伊御の言葉に顔を紅くする。

 

そして後ろでつみきと姫が鼻血を流してダウンしていた。

 

真宵「えー、皆注目、そろそろルール説明始めるんじゃよ」

 

そんなメンバーに向けて真宵が手をパンパンさせて注目を集める。

 

正邪「ルール?」

 

真宵「そうじゃよ~まずは鬼組、逃げ組を30分以内に全員捕まえるか缶を蹴られず守り抜けば勝ち」

 

榊「な~るほど…んで逃げ組の俺達は30分逃げ切るか缶を蹴れば勝ちか」

 

首を傾げる正邪に真宵が鬼組の勝利条件を説明して榊も納得しながら逃げ組の勝利条件を言う。

 

正邪「ちなみに缶は?」

 

真宵「3階の廊下中央じゃよ。ちなみにそっちは1階の昇降口に行っておいて欲しいにゃあ~着いて準備出来たら榊さんに電話するんじゃよ~」

 

質問に答えた後にそれじゃあと真宵は京谷と咲、つみきを連れて出て行き、伊御達も昇降口へ向かう。

 

 

3階中央廊下

 

真宵「にゅふふふふ」

 

缶をセットして笑った後に真宵は榊に電話をかける。

 

真宵「榊さん。缶を3階廊下中央にセットしたにゃ」

 

1回昇降口

 

榊「OK。俺達も1階の昇降口に着いた所だ」

 

そう返して少し話してから榊は通話を終える。

 

正邪「あっちからはなんて?」

 

榊「戦闘開始は1分後、皆時計をチェック」

 

佳奈「うん」

 

姫「あ、はい」

 

答えてから指示する榊に5人はセンサーに内臓されてる時計を見る。

 

榊「あと一分でスタートか」

 

その言葉と共に息を飲んで始まるのを待つ。

そして始まりまで3秒切った。

 

つみき「3」

 

伊御「2」

 

正邪「1」

 

0になると共に始まりを告げる音が鳴り響く。

 

真宵「スタート!!」

 

それと共に全員が駆け出す。

 

 

始まると共に伊御と榊と別れた逃げ組女性陣3人は一緒に走っていた。

 

正邪「来たぞ!」

 

佳奈「おおギリギリだったね~」

 

京谷「見つけたぜ深山に邪正さん!」

 

センサーが鳴り始めたのを感じて姫を適当な教室に隠した2人を京谷が見つけて捕まえようとする。

 

佳奈「捕まらないよ~」

 

正邪「おらよっと!」

 

それに正邪は留まる弾幕を複数展開すると佳奈と共に走り去る。

 

京谷「んなのありかよ!?確かに弾幕禁止って言われてないだろうけどよ!?」

 

弾幕に邪魔されて、間を置いてになった京谷は慌てて2人を追いかける。

扉に耳を付けて足音が遠くになったのを姫は確認して安堵の息を漏らすが…

 

ピピピピピ!

 

姫「はっ!?また誰か来ました!?」

 

音が再び鳴り響いて姫はぎょっとした後に恐る恐る見る。

 

姫「えっと…」

 

そこで姫が見たのは!!

 

榊「あっははははははは!そう簡単には捕まらないぜ!あははははははははは」

 

咲「逃がさないわよ~榊くぅぅぅぅぅぅん!あははははははははは」

 

重力を無視して縦横無尽な走りを見せる榊と咲であった。

走り去る2人を見届けてから姫は冷や汗を流し、体を震わせて顔を青くする。

 

姫「私…逃げ切れる気しません…;」

 

なお、この後京谷を巻いて合流しに戻って来た2人は姫の様子に何があったんだろうと冷や汗を掻く。

 

 

つみき「…伊御」

 

一方でつみきは伊御を探していて駆けあがっているとセンサーが鳴り出す。

 

伊御「!?」

 

それは逃げていた伊御も同じで振り返ると丁度つみきが現れる。

 

つみき「…えい」

 

伊御「甘い」

 

飛びついて捕まえようとするつみきだったが伊御にあっさり避けられて廊下を飛び込みスライディングする破目になる。

 

つみき「避けられた…」

 

伊御「えっと…捕まったらダメってルールだから…ね;」

 

スライディングしたままずーんと落ち込むつみきに伊御は冷や汗掻きながらそう返してその場を去る。

 

 

一方、逃げていた女性陣3人は京谷に榊に逃げられたのか標的を変えた咲に追われていた。

 

姫「はひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!?」

 

京谷&咲「「逃がすかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

正邪「大変だな姫…」

 

叫びたい気持ちは分かるけど…と京谷はともかく重力を無視した走りを見せている咲をチラリと見てそう心の中で呟く。

 

姫「も、もう駄目ですぅ~~~~」

 

佳奈「大丈夫だよ~」

 

正邪「やれやれ」

 

そのまま走り続けようとした3人は…

 

バキッ!(佳奈がぶち破る音)

 

ゴン!(姫がぶつかる音)

 

ガン!!(正邪もぶつかる音)

 

走っていた先に何もない筈なのに何かに姫と正邪はぶつかり、佳奈だけ突き破る。

 

正邪「…」

 

京谷「うぉぉぉぉぉぉ!?怒ってる!?めっちゃ怒ってる!!」

 

咲「逃げるわよ京谷!」

 

ぶつかった事で姫は気絶するが妖怪であった正邪は気絶せずに立てられていた通路だと思っていた絵を持つと京谷と咲に向けてぶん投げて2人は慌てて逃げる。

 

正邪「逃がすかァァ!」

 

京谷「ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 

咲「凄いわね~これはホントに怒らせたくないわね」

 

ルナティッククラスの弾幕放つ正邪に京谷は必至に避ける中で咲はうーんと唸りながらグレイズして行く。

 

正邪「おらよっと!」

 

そんな逃げる2人に正邪はどこから取り出したのかとりもち弾を取り出して発射する。

 

京谷「うお!?」

 

咲は避けたが京谷は運悪く当たってしまい、床に倒れる。

 

顔を青くした京谷の目に鬼が目に入った。

 

京谷「や、やめ、これ仕掛けたの俺じゃないんですよ、ホントです。信じてくだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」

 

咲「京谷、あなたの事は忘れないわ;」

 

聞こえて来る悲鳴に咲は合掌する。

 

逃げ組

姫:気絶して放置されてたが後に咲に捕まってアウト

正邪:京谷虐めで戦線離脱

 

鬼組

京谷:鬼に捕まりゲームに再起不能

 

 

伊御「なんだ今の悲鳴は?」

 

逃げていた伊御は聞こえて来た悲鳴に驚いていると携帯がブルブルする。

 

伊御「はい」

 

榊『伊御か?お前もさっきの悲鳴聞こえたか?』

 

通話相手は榊でその問いに聞こえたと返す。

 

伊御「あぁ、男子の声だったから恐らく…」

 

榊『だろうな…此処は合流するか?』

 

お互いに黙祷した後にそう提案する榊にそれなら丁度良かったと伊御は言う。

 

伊御「丁度考えてた作戦があるから3階の○○教室に来てくれないか?」

 

榊『了解』

 

切ってからさせ…と作戦の要である奴を見る。

 

しばらくして榊が来た後に榊は佳奈に電話をかける。

 

佳奈『もしもし?』

 

榊「おいっす。深山さん、今そっちはどんな感じ?」

 

出て来た佳奈に榊は挨拶してから現状を聞く。

 

佳奈『姫ちゃん捕まっちゃった。んで神那っちが罠に怒ってそれで西原君を連れてお仕置きしてる。私は2階で今咲ちゃんに追われててピンチだよ;』

 

榊「やっぱりさっきの断末魔は京谷か;」

 

報告に榊は改めて京谷に黙祷した後に言う。

 

榊「今、缶を守ってるの真宵だけみたいだから俺達行って蹴って来るわ。なんで囮よろしく~」

 

佳奈『報酬は?』

 

そう聞く佳奈に榊はふっと笑って答える。

 

榊「ウチのケーキと伊御に頭ナデナデして貰うチケットでどうだ?」

 

佳奈『乗った!』

 

提示されたのに佳奈は素早く了承する。

 

榊「じゃよろ~」

 

伊御「本人の預かり知らぬ所で妙なチケットが発行された;」

 

榊「プライスレス☆」

 

自分のを無断でされてるのに唖然とする伊御に対して榊は眩い笑顔でそう返す。

 

伊御「;」

 

それに伊尾は言葉が出なかったが気を取り直す。

 

伊御「そんな事より…勝負しに行くか」

 

榊「了解♪」

 

榊が話してる間に外していたカーテンのを持って言う伊御に榊はウィンクしながら返す。

 

 

3階廊下、そこで真宵が缶を踏みつつ待ち構えていた。

 

真宵「…ん?」

 

待ち構えていた真宵はセンサーが鳴り出すと共に前を見ると向かって来る伊御と榊が目に映る。

 

真宵「伊御さん、榊さん。勝負に出たね」

 

不敵に笑って缶から離れて2人を捕まえようとする。

 

近付いた所で伊御が手に持っていたカーテンをバッと前に出す。

 

真宵「にゃんと?!」

 

それに驚きを見せかけて真宵は笑う。

 

真宵「な~んて、目くらましのつもりかにゃ!」

 

どこからでも来いとばかりに真宵は構える。

 

ダン!

 

真宵「上にゃ?!と見せかけて横じゃね!」

 

音を聞いてすぐさまフェイントを入れて横を見るが出て来ない。

 

真宵「って出て来ない!?」

 

それに驚いているとカーテンを上に投げて伊御が現れるが榊の姿がない。

 

真宵「んじゃ上?!」

 

現れた伊御を見た後に上を見上げるとカーテンを掴んだ榊がいた。

 

真宵「本命は上じゃったのか!?」

 

榊「それはどうかな?」

 

伊御「よそ見してて良いのか?」

 

驚く真宵だったが伊御が来そうなのに気付く。

 

真宵「しまっ?!」

 

それに真宵が反応する前に榊が持っていたカーテンが真宵を覆う。

 

榊「さあせ、後は缶を蹴るだけで終わりだぜ」

 

ガラっ

 

榊「!?」

 

つみき「そこまでよ」

 

缶の丁度近くの教室からつみきが出て来てそう言う。

 

榊「伏兵がいたか!?」

 

つみき「残念だけど…」

 

驚いている榊に近寄るつみきに榊は驚きを消して不敵に笑う。

 

榊「俺達の勝ちだ」

 

つみき「?」

 

なぜ榊達の勝利なのかにつみきは疑問を感じた時…

 

カン!

 

ガン!!

 

つみき「!?」

 

次の瞬間、音と共に榊の後頭部に衝撃が走る。

 

榊「上手く…行ったな…」

 

いきなりの事につみきが驚いている間に榊はそう言いながらゆっくり倒れる。

 

伊御「勝負あったね…お疲れ様」

 

缶が転がる音が響く中で伊御がそう言う。

 

どうやら先ほどのは最初が伊御が缶を蹴った音でその次の音は伊御が蹴った缶が榊の後頭部に命中した音の様だ。

 

かんかんかん

 

すると缶がそのまま何かに当たりながら飛んでいく

 

つみき「どう言う事?;」

 

真宵「説明するにゃん!」

 

現状何が起こったのか分からないつみきとカーテンからなんとか出て来れた真宵が問いかける。

 

伊御「こう言う事」

 

そう言って伊御は説明を始める。

 

伊御「まずあのカーテンは榊を隠すのとカーテンに注意を向けるためだ」

 

真宵「あのダン!って言う音は?」

 

まず最初のを説明する伊御に真宵は次に聞こえた音について聞く。

 

伊御「あれは俺がやった。」

 

榊「俺がジャンプしたと見せかける為に伊御がな、真宵ならフェイントだろうと考えて左右に絞らせたって訳だ」

 

真宵「じゃ、じゃあ伊御さんがカーテンを上に投げたのは!」

 

答える伊御の後に復活して説明する榊に真宵は次のを聞く。

 

伊御「榊を隠すため」

 

榊「んでもって伊御に目が向いた真宵にカーテンをかぶせる為でもある」

 

つみき「じゃあ、榊の役割は…」

 

続けての回答につみきは最後等辺を思い出しながら聞く。

 

伊御「缶を蹴るのと壁役かな」

 

榊「誰かいた場合は伊御が蹴り、誰もいないなら俺が蹴る。二重の策って訳だ。だけど本命は伊御って事だ!あはははははは!」

 

真宵「(ガクッ)」

 

つみき「やられたわね;」

 

そう締め括って笑う榊に真宵はカーテンに隠れ、つみきはそう洩らす。

 

咲「やっと佳奈捕まえたわ」

 

佳奈「作戦成功だね~」

 

姫「はう~痛いです~」

 

そこに咲と佳奈に頭を抑えた姫が来る。

 

つみき「…そう言えば神那と京谷の姿がないわね」

 

咲「あぁ、あの二人なら…」

 

正邪「ま~~~~よ~~~~~い~~~~~」

 

そんなつみきの疑問に咲が答えようとする前に後ろからオドオドしい声に伊御達は振り返る。

 

そこには…ふーふーと息を荒げてオーラを纏った正邪がいた。

その腕には魂が抜けかけてる京谷が掴まれていた。

 

真宵「ちょ、正邪さん怖い?!」

 

正邪「聞いたぞ。あのだまし絵はお前が用意したそうじゃねえか~」

 

怯える真宵にそう言う正邪にどう言う事と知らない伊御達は聞いて咲がかくかくしかじかで答えて納得してこれは真宵の自業自得だなと考える。

 

正邪「あとこの缶蹴ったのはだれだぁ!」

 

続けざまに手に持った缶と頭に出来てるこぶを見せて問う。

 

伊御「すまないそれは俺なんだ」

 

榊「俺の後頭部に当たった後に跳ねたのが神那の頭にも命中したって訳か…」

 

正邪「ほぅ…そうか…んじゃ二人とも…」

 

懺 悔 の 準 備 は で き て い る か

 

その言葉の後に真宵となぜか榊の絶叫が迸る。

 

伊御「あ、あれ…?」

 

自分がされると思ってたのに来ないのに伊御は戸惑う。

 

正邪「か、勘違いするなよ。今度の休みに色々とおねだりしてお前の財布すっからかんにしてやるだけだからな」

 

つみき「…むぅ」

 

顔を紅くしてそう言う正邪につみきは不満そうに頬を膨らませる。

 

伊御「まぁ、怪我をさせちゃったし、俺で出来る程度に頼む」

 

正邪「か、覚悟しとけよ!」

 

そう返す伊御に正邪は顔を赤くしながらそう言う。

 

真宵「まぁ、そんな訳で(ポチッ)」

 

すると復活した真宵が何かのスイッチを取り出して押すと廊下の床が1マス開くとそこから…別の缶が現れる。

 

真宵「ラウンド2!」

 

正邪「やらねぇよ!」

 

そう言う真宵に正邪は叫んで缶を真宵へ蹴って命中させる。

 

真宵「あはん!」

 

倒れる真宵を見ながらやれやれと誰もが思うのであった。




真宵「じ、次回は9日和目、農業⇔猫日和じゃよ~(がくっ)」


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9日和目~農業⇔猫日和~

ちょっとした農業体験で伊御は不思議な猫と出会い、また八雲のの式の式に出会う。


今日もほんわかと過ごす正邪はお昼休みでつみき達と囲んでお昼を食べていた。

 

正邪「農業体験?」

 

姫「はい、明後日にやるそうです」

 

先ほどワイワイ何かを話していたので気になったので3人に聞いた正邪は返って来たのに首を傾げて姫がそう言う。

 

正邪「そんなこともやるのか」

 

真宵「その仕事をやってる人はこんだけ手間暇をかけてると言うのを知ると言う一環でもあるんじゃよ~」

 

ふう~んと弁当を食べながら正邪は興味なさそうに返す。

 

正邪「んで何処行くんだ?」

 

真宵「チバラギ県ちくば市と言う場所じゃよ~そこの農家で体験なんじゃって」

 

場所について聞く正邪に真宵はふうんとどう言う場所なのやらと考えながら食べる。

 

正邪「ふーん」

 

一方で…

 

萌「農業体験?」

 

茂「ああ」

 

正邪達が体験する農家の娘である萌は父の茂から告げられた事にへぇ~となる。

 

英「んで何処の奴らがくるんだ?」

 

茂「確か……県立猫毛高等学校と言う所からだそうだ」

 

気になったのか聞く萌の弟の英の問いに茂は思い出して言う。

 

英「俺と同じ高校生か」

 

どう言う奴らが来るんだろうなと英が考える。

 

ポヨ「ヒア?」

 

そんな3人に飼い猫のポヨは首を傾げるが萌に抱き抱えられて撫でられると嬉しそうに鳴く。

 

萌「それにしても猫毛なんて名前の学校あったんだ」

 

英「……だからと言って猫がたっぷりいるって訳じゃないと思うぜ」

 

そう呟く萌に英がそう言う。

 

萌「わ、わかってるわよ!」

 

顔を紅くして噛み付く萌に考えてたなと英は呆れる。

 

英「で何時くるんだそいつら?」

 

茂「明後日だ」

 

へぇ~と告げられた事に姉弟は納得してお茶を啜り…

 

姉弟「「って明後日ぇぇぇぇぇ?!」」

 

絶叫する姉弟に茂はそうだと答える。

 

もうちょい先で来ると思ってた2人は急過ぎじゃないかと思った。

 

萌「早く準備しないとやばいじゃん!」

 

茂「安心しろ。大体の準備は出来てる。と言うか出来てなきゃあ言わん」

 

英「そ、そうか…そうなると親父だけで説明するのか?」

 

そう言う茂に先に落ち着いた英がそう聞く。

 

茂「いや、明日は萌、お前に説明役として手伝って貰う」

 

萌「私に!?」

 

英「ま、まぁ、学生の俺よりフリーの姉ちゃんなら良いんじゃないか?受け的な意味でもよ」

 

いきなり指名された事に驚く萌に英はそうフォローする。

 

萌「そうかな?」

 

英「そうだよ(ねーちゃんスタイル良いのに気付いてないからな…後、親父の妨害とかもあるし…)」

 

深く頷いた後に内心そう呟いて呆れた顔をする。

 

なぜ呆れられてるのか分からない萌だがしっかりやらないと…と気合を入れる。

 

この時英は知らなかった。

 

まさか農業体験をする学生の中に姉に似たニブちん学生がいる事を…

 

当日の朝

 

伊御「Zzzzz…」

 

正邪「おい、ちゃんと起きろよ;」

 

バスの中で眠りかけている伊御に隣になった正邪が呆れて揺らす。

 

伊御「んあっ…Zzzzz…」

 

真宵「あー、こりゃあ駄目ですな;」

 

つみき「…着くまで寝かせてあげるしかないわね」

 

返事をしたがすぐさま眠りに入る伊御に後ろの席になった真宵は頬をポリポリ掻き、隣になったつみきがそう言う。

 

榊「正邪は意外と平気なんだな」

 

正邪「まぁ、慣れてないと言うなら乗り物に乗るって言うのだな」

 

合同なので一緒に乗ってた榊が聞いて返されたのに真宵達はあーとなる。

幻想郷出身なだけに今だに現代の足代わりになる車とかにはうずうずしたりする。

 

榊「まぁ昔過ぎるもんな幻想郷は」

 

真宵「そんなになんじゃな」

 

それにそう呟く榊のに真宵はほへ~となる。

まぁ、その分空中を飛んだりしてるのが多いけどと榊は内心呟く。

 

数十分後

 

真宵「着いたのじゃ~」

 

正邪「ほら伊御、降りるぞ」

 

目的地に着いたのでバスを出るメンバーで正邪が伊御を引っ張って出る。

 

伊御「むにゃ…」

 

榊「まったく起きねえと怒られるぞい、おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 

外に出た後に先頭に立っていた榊が振り返って絶叫する。

それに誰もが疑問に思った後に伊御を見てぎょっとする。

 

なぜか…伊御の頭には何時の間にか…まん丸い物体が乗っていた。

 

正邪「なんだこれ?!」

 

真宵「UMA?!」

 

それに誰もが驚いていると丸い物体はもぞもぞと動く。

 

???「ヒア?」

 

正邪「ヒア?」

 

聞こえて来た鳴き声と思われるのに誰もが疑問を感じていると伊御は自分の頭に乗っているのを掴んで自分の前に持って行く。

 

良く見ると上に耳がピコピコしていて髭が左右に2つある。

 

自分を見る点の様な目に伊御は判断する。

 

伊御「…猫?」

 

つみき「猫?」

 

榊「これ猫なのか!?」

 

出て来た言葉に誰もが伊御が持っている猫?に驚く。

 

萌「すみませ~ん」

 

そんなメンバーの所に萌が来る。

 

誰もが?となる中で彼女は伊御の持っていた猫?を持つと抱きしめる。

 

??「ひあ~」

 

伊御「えっと…お姉さんはその猫の飼い主ですか?」

 

榊「そこんと…こってまた別の猫や猫?がくっ付いてるぅぅぅぅぅ!!」

 

真宵「伊御さん何時も通りの大人気なのじゃ!!」

 

嬉しそうに鳴く猫?を見て聞く伊尾だが何時の間にか別の猫達に群がられてる伊御に榊と真宵は叫ぶ。

 

黒猫「にゃ!」

 

伊御「お前、どうやって来たんだ?;」

 

そんな群がられてる中で頭に乗ってた自分が知る小さい黒猫に思わず伊御は聞いた。

 

その光景に萌は凄いなと関心する。

 

正邪「にしてもこれホントに猫?」

 

萌「勿論!ポヨは私の大切な猫だよ~」

 

真宵「サーチして調べた所、その丸い巨体の中身はほぼ全て筋肉で、骨格筋率は最大値と言う結果が出たんじゃよ;」

 

榊「全体筋肉なのか!?」

 

聞く正邪に答える萌の後にバイザーの様なので見た真宵が冷や汗掻きながら言って榊がツッコミを入れる。

 

伊御「マッチョ猫だな」

 

ポヨ「ひあ~」

 

黒猫「にゃ~」

 

そう感想を言う伊御を知らずにポヨと黒猫は鳴く。

 

キクヱ「伊御君たち~そろそろ並んでくださいね~」

 

そんなメンバーにキクヱが呼びかける。

 

伊御「あ、はーい」

 

それにメンバーは慌てて整列する。

 

萌もポヨと一緒に茂の隣に移動する。

 

キクヱ「みなさ~ん。私の隣にいる人が今日農業体験をさせていただく所の佐藤 茂さんでさらに隣にいるのがその娘さんの佐藤 萌さんにペットのポヨちゃんです」

 

茂「…よろしく」

 

萌「よろしくね~」

 

紹介するキクヱに茂は短く答えて、萌も笑顔で挨拶する。

 

生徒たち『よろしくお願いしまーす』

 

キクヱ「では、これからは専門家の話を聞いて注意してください」

 

挨拶した生徒達にね…と言いかけて歩き出そうとした瞬間に…こけた。

 

それに一瞬の静寂が訪れ…

 

榊「流石は先生だ」

 

真宵「自ら見せてくれるとは…」

 

正邪「流石は超高校級のドジッこ教師だな」

 

キクヱ「止めてですの~!」

 

それに関心する3人や生徒達と萌の生暖かい目にキクヱは顔を赤らめて悶える。

 

そんなキクヱのから少しして農業体験が始まった。

 

伊御「落ちない様にするんだぞ」

 

黒猫「にゃーん」

 

伊御も頭に猫を乗せながら何時も通りのメンバーとやっていた。

 

なお、他の猫達は離れた場所で伊御を見ている。

 

榊「うおっ結構重いなこれ」

 

姫「はひぃ~」

 

早速道具を持って想像以上の重さに軽く驚く榊の隣で姫がプルプルしていた。

 

萌「大丈夫?」

 

姫「は、はい~~」

 

咲「姫ちゃん無理しちゃ駄目よ;」

 

そこに萌が声をかけて姫はプルプルしながら返すのを咲はそう言う。

 

茂「大丈夫か?」

 

京谷「すげぇ…あんなに持ってるのに全然平気な顔をしてる」

 

佳奈「流石は本業の人だね!」

 

萌と同じ様に声をかける茂がいくつも持っている事に京谷は驚き、佳奈は関心する。

 

萌「いやお父さんは伝説だから」

 

真宵「伝説とな!?」

 

正邪「有名って事か?」

 

そう言う萌に真宵は驚き、正邪はすげぇなと関心する。

 

萌「前に米俵三つ持ち上げてたし」

 

正邪「マジで?;」

 

驚いてるメンバーにさらに驚く事を言う萌に正邪は冷や汗を掻く。

 

萌「ホントだよ。ウチのお父さんは凄い力持ちなんだよね~」

 

伊御「萌さんもそうですよね;」

 

笑って言う萌にそう言う伊御にいやいやと萌は手を横に振る。

 

萌「私はそこまでじゃないよ~」

 

正邪「そんな数持っているのにか?」

 

笑って言う萌が持ってる量を見て正邪がそう指摘する。

 

確かに茂のより少ないが普通に多い。

 

萌「そう?」

 

一同「はい」

 

そう聞く萌に伊御達は頷く。

 

萌「あらら;」

 

それに萌は困った顔をした時だった。

 

カラス「かぁ!!」

 

いきなりカラスが現れ、伊御の頭に乗っていた黒猫を掴んで飛んで行ってしまう。

 

黒猫「にゃ?」

 

姫「猫が連れて行かれました!?」

 

伊御「榊」

 

榊「OK」

 

それに誰もが驚くと伊御と榊が行動に出る。

 

まず榊が両手をお椀の形の様にして中立ちになって構えると共に伊御が勢いを付けて走って行き…

 

榊「どっせい!!」

 

その勢いのまま榊のお椀の形にした手に足を乗せると共に榊が勢いよく手を上に振り上げると共に伊御が飛び上る。

 

萌「えぇ?!」

 

それに萌が目を見開いて驚く中で伊御はカラスを捕まえるとそのまま着地する。

 

思わず京谷達はどこからともなく取り出したプラカードで10.0と評価する。

 

萌「ぽ、ポヨレベルの身体能力…!?」

 

自分の猫が他の猫より凄いと言うのを目にしてたがまさか人で凄いのを見る事になるとは思いもしなかっただろう。

 

伊御「まったく、いきなりはダメだぞ」

 

カラス「か、かー;」

 

逃げられない様に掴んで言う伊御にカラスは冷や汗を掻く。

 

ポヨ「ひあー;」

 

これにはポヨも驚いた様子で鳴く。

 

正邪「やっぱ、お前等凄いよなぁ」

 

榊「いやいや~」

 

伊御「とにかく無事で良かった」

 

黒猫「にゃ♪」

 

呆れた顔でそう洩らす正邪に榊は返して伊御は黒猫へそう言う。

 

萌「す、凄いね君;」

 

伊御「猫が危なかったですしね」

 

そう言う萌に伊御はそう返して体験の続きと戻る。

 

真宵「いや~実際にやると大変じゃったね」

 

姫「はひぃ、ホントに大変でした;」

 

お昼になったのでお弁当を食べながらそう言う真宵に姫も苦笑して言う。

 

伊御「そうだな」

 

黒猫「にゃぁ~」

 

京谷「伊御は伊御で良く猫を乗せたまま出来たなおい」

 

頭に猫を乗せながら食べてる伊御に京谷は呆れた顔で言う。

 

伊御「そうか?」

 

黒猫「にゃあ?」

 

首を傾げる伊御に釣られて猫も首を傾げる。

 

それに姫ははう…と鼻血を流す。

 

萌「君、さっきは凄かったね」

 

伊御「いえ、先ほどは榊の協力もあったので」

 

榊「まぁ、普通は驚くもんな」

 

そんなメンバーの所に来てそう言う萌に伊御と榊はそう返す。

 

萌「うちのポヨみたいだったわ」

 

佳奈「お~伊御君の様な事出来るんだその猫ちゃん」

 

思い出してかポヨの頭を撫でながら言った萌に佳奈は関心して言う。

 

萌「うちのポヨは凄いハンターだからね」

 

真宵「ハンターとな!」

 

咲「そんなに凄いんですか?」

 

そう言う萌に真宵は前に乗り出し、咲が聞く。

 

萌「一日一殺は必ずしているからね」

 

京谷「なんか不吉な単語が出たんですけど!?」

 

そう言った萌のに京谷は叫ぶ。

 

ポヨ「ひあ~」

 

正邪「!?何時の間に鼠を!?」

 

すると萌の手から離れていたポヨがその口に鼠を咥えていた。

 

それに姫ははひぃ!と驚いてつみきの後ろに隠れる。

 

萌「あ、また狩ったのね;」

 

真宵「凄いにゃねこのまんまる猫さん;」

 

冷や汗掻く萌の後に真宵はそう言う。

 

萌「まぁね。…処理がちょっと嫌だけど」

 

その言葉に誰もがああ…となる。

 

そりゃあ鼠の処理なんて普通はない事だからあんまりしないもんだ。

 

正邪「大変だな;」

 

伊御「ま、まぁ猫の本能で言うなら正しいのかな?」

 

そう洩らす正邪の隣で伊御がそう言う。

 

黒猫(橙)「にゃあ~」

 

真宵「あ、また別の黒猫が」

 

姫「伊御君ホント大人気ですね~」

 

すると別の黒猫が現れて伊御にスリスリするのを見て姫はほんわかして言う。

 

ただ、その猫を見て正邪はん?となる。

 

正邪「(この猫…何処かで?)」

 

伊御「よしよし」

 

うむむと唸っている正邪を尻目に伊御はその猫を撫でて黒猫もゴロゴロと機嫌よく鳴く

 

つみき「むぅ…」

 

真宵「(にゃほー)ホント伊御さんは猫さんに愛されてますにゃ~」

 

それにつみきが焼き餅妬くのをニマニマしながら真宵はそう言う。

 

伊御「そうか?」

 

京谷「確かに結構懐かれてるよな」

 

首を傾げる伊御に京谷も真宵のに同意する。

 

萌「もしかしたら伊御君が合図したら集まってくるとか」

 

伊御「どうなんでしょう」

 

榊「来るんじゃね?」

 

笑って言う萌に伊御はそう返して榊がそう言う。

 

伊御「まさかな」パチン

 

猫&鳥混合軍団「(ビシッ!!)」

 

伊御を除いた一同「猫以外に鳥も混じってるぅぅぅぅぅぅ!!?」

 

そう言って試しに指を鳴らしたら猫と鳥が伊御の前に集合してそれに誰もが叫ぶ。

 

伊御「うぉ!?」

 

ホントにしたら集合したのに伊御は驚く中で猫と鳥たちは伊御に甘えまくる。

 

姫「か、かわいすぎまふぅ~!!(ぶばっ!)」

 

萌「チートスキル?!」

 

それに姫は鼻血を吹いて萌が驚く中で何時も通りだなと榊達は思った。

 

正邪「やっぱホント人間かアイツ?」

 

真宵「人間じゃけど猫や鳥達に好かれやすい人って事じゃね~」

 

もうほとんど疑い正邪の隣で真宵がそう言う。

 

限度があるだろうと正邪は思ったが猫や鳥を可愛がる伊御の姿を見て良いなと思った。

 

つみき「むぅ」

 

それにはつみきも羨ましそうに見ていてそんな2人を榊と真宵はニヤニヤしながら見ていた。

 

つみき「!にゃ!」

 

それに気づいたつみきは真宵と榊を吹き飛ばす。

 

真宵&榊「あーーれーーーーーーー!!」

 

キラーーーーーーン☆

 

京谷「星になったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

萌「大丈夫なのコレ!?」

 

吹っ飛んだ2人が星になった事に京谷は絶叫し、萌は慌てて聞く。

 

正邪「何時ものことだ。心配ない」

 

萌「何時もなの!?」

 

咲「何時もよね?」

 

佳奈「だね~」

 

驚いた萌は咲と佳奈のに凄い子だなと冷や汗を掻く。

 

萌「;」

 

伊御「とにかく、良い子にするんだぞ」

 

猫軍団「にゃーーーーん♪」

 

鳥軍団「(こくこく)」

 

そう言う伊御に猫鳥混合軍団は元気よく了承する。

 

萌「ホント凄い;」

 

自由奔放な猫や鳥達を言い聞かせる伊御に萌は驚きを隠せずにそう評価する。

 

正邪「(にしてもあの猫…)」

 

そんな中、正邪は二番目に来た黒猫に首を傾げる。

 

なんだか小骨が喉に刺さったみたいな感じで引っかかるのだ。

 

伊御「お、このゆかりあえ上手いな」

 

正邪「…ゆかり?…」

 

そんな正邪は伊御の言った言葉にその小骨が取れる感覚になる。

 

それと共に2匹目の黒猫を見る。

 

正邪「…おい、テメェ」

 

黒猫(橙)「にゃあ~」

 

正邪が声をかけた途端、二匹目の黒猫はとてとてと駆け出す。

 

正邪「あ、待て!」

 

伊御「?」

 

それに対して正邪は追いかけて、伊御達は首を傾げたが普通ではないと感じて伊御も後を追う。

 

正邪「やっと追いついた」

 

しばらくして黒猫が止まり、正邪と伊御も止まる。

 

伊御「……なあ正邪…もしかしてこの猫って…」

 

正邪「お前も分かったか伊御」

 

話しかける伊御に正邪はそう返す。

 

伊御「まぁ、正邪の反応から大体ね」

 

頬をポリポリ掻きながら伊御は黒い猫を見る。

 

正邪「なんでテメェがここにいるんだ?…橙」

 

黒猫「にゃ~ん」

 

正邪がそう言うと黒猫は鳴いた後に一回転するとその姿を猫から猫耳と尻尾を持つ少女に変わる。

 

伊御「おお」

 

少女「まさか天邪鬼と会うとはね」

 

少し驚く伊御の後に少女は頬をポリポリ掻いて呟く。

 

伊御「えっと、君は…」

 

正邪「コイツは橙。八雲紫の式の八雲藍の式だ」

 

一応知ってはいるが聞く伊尾に正邪は答えると伊御はやっぱりかと考えた後に橙を見る。

 

伊御「えっと、橙ちゃんは何で此処にいるんだい?」

 

橙「師匠に稽古をつけてもらってました!」

 

気になったのでそう聞く伊尾に橙は胸を張ってそう答える。

 

伊御「師匠?」

 

橙「ポヨ師匠のことです!」

 

正邪「あのまんまる猫がぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

伊御「ちなみに弟子入りした理由は?」

 

答えた橙のに正邪は思い出して叫び、伊御が興味本位で聞く。

 

橙「それはですね…」

 

そう言って橙は話しだす。

 

回想

 

橙「うー」

 

橙は悩んでいた。

 

どうやって自分の主人である藍の様になれるかと…

ただ橙にはそれは思い付かないのでどうしようかと悩んでいた時だった。

 

カラス「カァー!」

 

その時の橙は紫に気分転換にで外の世界に出ていてしかも猫になっていたのと不意打ちに近かったので対処が出来ずに襲われかける所であった。

 

やられると橙が思った時だった…

 

??「ひぁ!」

 

カラス「かあ!?」

 

横からカラスへ何かが突撃してカラスを吹き飛ばし、カラスは慌てて逃げ去る。

 

いきなりの事に橙は目をパチクリする中でカラスを退けた存在、ポヨは橙へと振り返る。

 

それが橙とポヨの出会いであった。

 

回想終了

 

伊御「それがポヨとの出会いだったんだね」

 

橙「はい」

 

話を聞いて呟く伊尾に橙は元気よく頷く。

 

正邪「んで、師匠呼びしてるって事は…」

 

橙「うん!弟子入りして時たま教えて貰ってるの!」

 

やっぱりかーと笑みを浮かばせて言う橙に正邪はポリポリと頬を掻く。

 

正邪「そんなに凄いのか?」

 

橙「そうだよ!ポヨ師匠ってホントに普通の猫なのにそこらの妖怪とは引けを取らないもん!」

 

聞く正邪に橙は興奮してそう返す。

 

正邪「…え?」

 

その言葉に正邪は驚きを隠せなかった。

まさか妖怪でもない猫が妖怪に負けないと言うのだ。

 

伊御「さすがにそれは…」

 

流石に伊御も半信半疑なのかそう言うのに橙はむぅと頬を膨らませる。

 

橙「ホントだよ!ポヨ師匠って幻想郷に連れて行ってみたら下級の妖怪を結構倒してたんだよ」

 

流石に上級のは厳しいけどと呟く。

 

正邪「…なん…だと…!?」

 

伊御「それは凄いな」

 

まさかのに驚く正邪の後に伊御が感嘆する。

 

正邪「しっかしよく連れて行けたな」

 

橙「え?」

 

そう呟く正邪に橙は目をパチパチさせる。

 

伊御「もしかして、ポヨを幻想郷に連れて行けた事について?」

 

正邪「あぁ」

 

正邪の言いたい事を推測して言う伊御に正邪は肯定する。

 

橙「私を此処に連れて来た後に紫様がこっそり見ていてくださっててポヨ師匠のを見て紫様が興味深そうに見てて連れて行ったんですよ」

 

正邪「あのババァ、なにやってんだ」

 

シュッイン

 

伊御「!?」

 

呆れた顔で言った途端、正邪がいきなり消えた事に伊御は驚いた後に正邪がいた足元を見ると彼が知るスキマがあって、その中から正邪の悲鳴が聞こえて来る。

 

しばらくして頭上に展開されるとちょっとボロボロになった正邪が落ちて来る。

 

正邪「」チーン

 

伊御「えっと…ムチャシヤガッテ;」

 

その様子に伊御はそう洩らすしかなかった。

 

数分後…

 

榊「おーい、どこまで行ってたんだよ」

 

伊御「ああ、ちょっとね」

 

何時の間にか戻って来ていた榊のに伊御は曖昧に笑って返す。

 

正邪「イテテテ…」

 

真宵「んでそっちでなんかボロボロな神那っちに何が;」

 

伊御「ちょっとこけちゃって;」

 

萌「それは大変!手当しないと!」

 

少しボロボロな正邪について聞く真宵に伊御は誤魔化して萌がそう言って連れて行く。

 

榊「で本当は何が?」

 

伊御「怒らせる発言をしてそれでお仕置きを受けた;」

 

小声で本当の理由を聞く榊に伊御はなんとも言えない顔で小声で返す。

 

榊「馬鹿なことを…」

 

大体何を言ったのか察して榊は顔を抑えてそうぼやく。

 

伊御「まぁ、とにかく秘密って事で」

 

榊「異議なし」

 

そう結論付ける伊御に榊は同意してこの話題は終わりとした。

 

正邪「やれやれ」

 

それと共に手当を終えた正邪が来る。

 

榊「大丈夫か?」

 

正邪「ああ」

 

聞く榊に正邪は不満げに返す。

 

そんな正邪の様子に榊はやれやれと肩を竦める。

 

萌「みんなー!」

 

すると萌が声をかけて、誰もが萌へ集まる。

 

真宵「萌さ~ん、なんですか?休憩終了ですか?」

 

萌「うん、休憩終わりだよ。また頑張ろうね~」

 

伊御達「は~~~~~い」

 

真宵のに答えた萌に伊御達は元気よく返事する。

 

正邪「よいしょっと」

 

午後の農業体験が始まって正邪はなるべく自分が持てるのを持ちあげてやっていく。

 

特に姫が手間取っているのを優先的に持って行く。

 

姫「あ、ありがとうございます」

 

正邪「姫は軽いのを持ちなよ。その方が楽だろ?」

 

礼を言う姫にそうアドバイスして正邪は歩きだす。

 

姫「はい」

 

それに姫は頷いた後に正邪に言われた様に自分で運べるのを持って動く。

 

伊御「優しいな」

 

正邪「べ、別に効率よくやった方が良いだろ」

 

そう言う伊御に正邪は頬を赤らめてそう返す。

 

伊御「それでも気遣う事は良い事だよ」

 

正邪「!///」

 

それに正邪は顔全体を真っ赤にして誤魔化す為にせっせと動く。

そんな正邪に伊御は首を傾げる。

 

伊御「?」

 

榊「(伊御…恐ろしい子!)」

 

そんな正邪に首を傾げる伊御に対して榊は戦慄する。

そして少し時がたって

 

キクヱ「みなさ~ん。これで農業体験は終わりですの~」

 

集まった生徒達に向けてキクヱはそう言う。

 

キクヱ「快く体験をさせてくださった茂さん達にお礼の言葉を言いましょうね~」

 

生徒たち「はーい!!」

 

元気よく返事をする生徒達に萌は照れて、茂はそんなに照れている様子じゃないが内心嬉しそうなんだろうなと萌は思う。

 

バスの中

 

伊御「Zzzz…」

 

正邪「(すぴー)」

 

真宵「すっかり寝てるんじゃよ」

 

つみき「気持ち良く寝てるわね」

 

頑張ったからか膝の上に黒猫を寝かせて寝てる伊御と隣で同じ様に気持ち良く寝てる正邪に真宵はニヤニヤしてつみきは少し不満そうに呟く。

 

榊「まぁ、姫の変わりに重たいのを背負っていた神那と違って伊御は猫や鳥たちので疲れたんだろうな」

 

姫「神那さんにはホント助けて貰いました」

 

そう言う榊に姫はほんわかに笑って言う。

 

真宵「ホント優しいんじゃよね」

 

榊「そうだな」

 

そう言う真宵に榊は同意する。

 

榊「(ホントにこいつがあの異変を起こすのか?)」

 

その中で榊はある疑問を抱いていた。

 

彼の知る鬼人 正邪は東方projectに出るキャラの中で純粋に幻想郷をぶちこわし、弱者が支配するという大きな野望を抱いていて、本人も『❘ひっくり返す者《レジスタンス》』を自称していた。

 

しかし鬼でもなんでもないただの捻くれた小物妖怪なので、自力では何も出来ないでいた。

そこで打ち出の小槌とそれを唯一扱える小人族の能力に目をつけてその扱える小人族に嘘八百を吹き込んで異変を起こした。

 

ただ、雰囲気からして現在の彼女は榊の知る異変を起こしてないし、原作の様な人を喜ばせると自己嫌悪に陥る、人の命令は絶対に聞かない、得をしても見返りは与えない、嫌われると喜ぶというまさに天邪鬼とは思えない。

 

ほとんど自分達と変わらない1人の少女にしか見えない。

 

だからこそ榊は思う。

 

彼女はどう言った過去を歩んでいたのか…どうしてあんまり天邪鬼な事をしないのか…

そう思って耽る榊を乗せてバスは帰路へと走るのであった。

 




榊「次回は10日和目!『仮面⇔変身』だぜ」


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10日和目~仮面⇔変身~

平和に過ごしていた正邪へと悪意が降りかかろうとした時、仮面の戦士は舞い降りた。



正邪「はぁ~平和だな~」

 

姫「ですね~」

 

学校もない休日、正邪は散歩に出かけていて偶然ジョギングしていた姫と一緒に歩いていた。

 

正邪「それにしても姫がまさかジョギングしているなんて思わなかったな」

 

姫「は、はい時たまやってるんです~」

 

関心する正邪に姫は恥かしそうに答える。

 

姫自身、体重が増えたので戻す為にやっている事だが…

 

正邪「偉いじゃねぇか」

 

姫「そ、そんな事ないですよ~」

 

褒める正邪に姫は照れて手をブンブン振る。

 

正邪「ふっ…」

 

そんな姫に正邪は笑った後に2人で公園に向かい、そこで休憩をしていた時だった。

 

ワイワイ話していた正邪が顔を上げた事に姫は首を傾げて彼女が見ている方へと顔を向ける。

すると、フードをかぶった2人組がいて、その姿と発されるオーラに姫は正邪の後ろに隠れる。

 

正邪「…誰だテメェら」

 

姫を守る為に少し前に出て問う正邪にローブを着た2人組はそれぞれある物を取り出す。

それはUSBメモリの様なので正邪は怪訝となる。

 

正邪「なんだそれ?」

 

そんな正邪に対して答えずに2人組はUSBメモリについていたスイッチを押す。

 

エクソシスト!!

 

シスター!!

 

その音声の後に自分の体に刺し込むとその姿を異形の姿へと変える。

 

姫「はひぃ!?」

 

???「そこの少女、すぐにそこの天邪鬼から離れろ」

 

驚く姫にエクソシストと言う音声が鳴ったメモリを刺してなった異形がそう言う。

 

姫「な、なんでですか?あ、後あなた達は何者なんですか?」

 

???「我々は妖怪ハンター。そこにいる凶悪で残忍な天邪鬼を捕獲しに来た」

 

怯えながら聞く姫に対してシスターと言うメモリを刺してなった異形が答える。

 

姫「な、何言ってるんですか!この人は良い子なんです!」

 

???「お主は騙されているのだ」

 

???「天邪鬼は平気で他者を騙す妖怪。おとぎ話にもそうなっている」

 

正邪を庇う姫に対して2人組はそう返す。

 

それには正邪はグッと手を握りしめるだけで反論しない。

 

いや、反論出来ないが正解だ。

 

シスターの異形の言ってる事は事実、天邪鬼はそう言う種族だ。

 

例えが自分が何を言おうと奴らは自分を退治する為に言葉を続けるだろう。

 

それ故に正邪は何も言えなかった。

 

だからこそだろう。

 

姫「違います!正邪さんは天邪鬼だけど色んな人を気遣える良い妖怪なんです!」

 

そんな正邪の代わりに怯えていた姫が正邪の前に出て叫ぶ。

 

???「…やれ」

 

???2「はっ」

 

だが、2体の異形は聞きいれずに命令を受けたシスターの方が腕を胸の前で組んで祈る様に膝を付くと魔法陣が現れ…

 

正邪「!姫!」

 

姫「!?きゃあ!」

 

それに正邪は姫を横に突き飛ばし、姫は倒れた後に慌てて正邪を見ると光の鎖で拘束された正邪が目に入る。

 

姫「正邪さん!?」

 

正邪「姫…逃げろ…」

 

悲鳴をあげる姫に正邪は苦しい顔で言う。

 

姫「は、はい!」

 

それに姫は助けを呼びに行くから待っててくださいと駆け出す。

そんな姫を2体の異形は何もせずに正邪を見る。

 

???「今まで好き勝手にしていたようだな」

 

そんな正邪にエクソシストの異形がそう言う。

 

好き勝手と言う部分に正邪は睨む。

 

此処での日常、伊御達と出会った事のを侮辱された気がするからだ。

 

シスター「これから封印の準備をする。絶対に逃がすなよ」

 

それに対して腕を組んで膝を付いたシスターがそう言う。

封印と言うのを聞いて正邪はやばいと感じて逃れようとするが自分を縛る拘束が硬く抜け出せない。

 

一方で姫は

 

姫「はあはあ」

 

助けを呼ぶ為に走っていた姫は頼りになる背中を見つける。

 

姫「い、伊御さぁぁぁぁぁぁぁん!!」

 

伊御「?どうしたんだ姫。そんなに慌てて」

 

急いで呼んで少し驚いている伊御に姫は息を整えながら顔を上げる。

 

姫「た、大変なんです。正邪さんが…」

 

榊「正邪がどうしたんだ?」

 

一緒にいたのかそう聞く榊も含めて姫は2人に先ほどのを説明する。

説明が終わると共に伊御は走る。

 

榊「あ!伊御待て!話的に相手は怪人…ってもういねぇ…」

 

止めようとした榊だったがもういない事に気付いて伸ばした手を下ろす。

 

ぷるるる!ぷるるる!

 

榊「?もしもし」

 

真宵『ヤッホー榊さん。伊御さん近くにいる?』

 

そんな榊の携帯に着信が入り、榊は出ると真宵がそう挨拶してそう聞く。

 

榊「真宵か。居ないけどどうした?」

 

真宵『いや伊御さんに試して貰いたいのを作ったんじゃけど伊御さん本人が携帯を切ってるのか繋がらないので榊さんと一緒にいるかなと考えて電話したんじゃけど』

 

聞く榊に真宵は電話をかけた理由を話す。

 

榊「それ所じゃねえんだよ。正邪がピンチで伊御は助けに向かったんだよ」

 

真宵『ぴ、ピンチとな!?まさかメッセージに書いてあったのはそのこと!?』

 

そう言う榊のに驚いた真宵はならば急がねばと通話を切る。

 

公園

 

そこでは正邪は苦しい表情をしていた。

そんな正邪をエクソシストは愉快そうに見ていた。

 

ヒュン!

 

シスター「!?」

 

すると腕を組んでいたシスターの腕に何かが当たり、それにシスターの集中が途切れ、正邪を拘束していたのが消えて崩れかけた正邪を誰かが支える。

 

エクソシスト「な、何者だ!?」

 

正邪「い…伊御…」

 

伊御「もう大丈夫だよ」

 

問うエクソシストのを無視して正邪にそう言った後、伊御は正邪を守る為に前に出る。

 

伊御「逆に問わせて貰う。あなた達はなぜ彼女を狙う?」

 

エクソシスト「何故だと?それはそいつが凶悪な天邪鬼だからだ」

 

シスター「天邪鬼は平気で人騙す妖怪。貴様だって騙されているかもしれないぞ?」

 

そんな伊御の問いに答えた2人の異形の言葉に正邪は顔を歪める。

 

かつて正邪は同じ天邪鬼の中で仲間外れにされていた。

その理由は正邪が天邪鬼とは言えない性格の持ち主で嘘を付くのが下手だからだ。

 

それにより正邪は虐められて1人だった。

 

伊御「………違う」

 

正邪「…え?」

 

顔を伏せていた正邪は伊御の言葉に驚いて上げる。

 

伊御「確かに彼女は天邪鬼だ。だけど、彼女は種族関係なく誰にも優しくて友達思いな女の子だ」

 

正邪「伊御…」

 

シスター「なぜだ。そいつは妖怪なんだぞ」

 

伊御「確かに正邪は妖怪で俺達と違うかもしれない。けれど、妖怪全てがあんた達の言う凶暴な奴じゃない。正邪だってそうだ。正邪は天邪鬼だけど他人に気遣ったり、優しく出来る良い子で俺の、俺達の友達だ。その友達を怪我させるなら俺はあんた達と戦う」

 

正邪「伊御…」

 

信じられない口調で言うシスターに伊御ははっきりと言い、正邪はとうとう目から涙が流れる。

 

エクソシスト「テメェ…何者のつもりだ!」

 

伊御「さっきも言った様に、彼女の友達だ」

 

叫ぶエクソシストに伊御はメガネを直した後にそう断言する。

 

真宵「よくぞ言った伊御さん!」

 

パシッ!

 

すると真宵の声と共に何かが伊御に飛んで来て伊御はキャッチする。

 

それはダブルドライバーの左右真横に斜め下に傾くスロットを2つ追加した感じで左横にマキシマムスロットを追加しているベルトであった。

 

伊御「…真宵、これは?」

 

投げ渡されたのを聞く伊御に対して投げた本人で姫と榊と来たのだろう真宵が自信満々に言う。

 

真宵「にょほほ~私が作り上げた変身ベルト!エクスドライバーじゃ!伊御さん!このスカルメモリ・サイクロンメモリ・ジョーカーメモリ・エターナルメモリを伊御さんから見て右から私が言ったメモリを装填するんじゃよ!」

 

そう言って真宵は4本のメモリを投げ渡す。

 

伊御「分かった」

 

サイクロン!

 

ジョーカー!

 

スカル!

 

エターナル!

 

受け取った伊御は言われた通り、4つのスロットにスカル、サイクロン、ジョーカー、エターナルのメモリをセットする。

 

伊御「……変身」

 

静かにポーズを決めた後にまずサイクロンメモリとジョーカーメモリを装填したスロットを展開して続けざまにスカルメモリとエターナルメモリのスロットを斜め下に展開する。

 

サイクロン!ジョーカー!スカル!エターナル!エクス!!

 

音声の後に伊御の周囲を風が包み込んだ後に伊御の前にW、右にスカル、左にエターナルの幻影が現れた後に伊御に重なると伊御の姿が変わる。

 

顔は額のアンテナをWのアンテナをX状にしたのに変更された複眼の色を黄緑にしたエターナルで胸はマキシマムスロットを外したエターナルで両腕はW、両足はスカルとなっていて、首に赤いマフラーを巻いて靡かせて、スーツ部分は黒で胸の装甲は白と黒で緑と紫のラインがX状になっていて右肩には白・紫の左肩には緑・銀のラインがある仮面ライダーへと…

 

エクソシスト「な、なに…」

 

榊「す、すげぇ…」

 

姫「はわわ!伊御さんが変わっちゃいました!?」

 

それには誰もが驚く中で伊御は変身した名前を言う。

 

伊御→エクス「仮面ライダーエクス。壁となって立ち塞がるなら壊させて貰う」

 

シスター「おのれ…」

 

構えるエクスにシスターが憤慨した後に十字架の様な槍を取り出したエクソシストがエクスへと攻撃を仕掛ける。

 

攻撃して来たエクソシストにエクスは流れる様な動きで避けたり、連続で放たれる突きを軽い動きで逸らす。

 

シスター「はぁ!」

 

そんなエクスの動きを止めようとシスターが先ほど正邪にやった拘束を仕掛けて、エクスは拘束される。

 

正邪「伊御!?」

 

エクス「大丈夫だ」

 

叫ぶ正邪にエクスはそう返した後に右手にスカルマグナムを握っていてそのままシスターを攻撃する。

 

想像してなかったのかシスターは火花を散らして倒れてエクスは拘束は抜け出ると共に左手に握ったエターナルエッジで襲い掛かるエクソシストの槍を受け止めて弾きざまに切り裂く。

 

エクソシスト「おのれぇ…」

 

サイクロン!マキシマムドライブ!!

 

エクス「…フッ!」

 

呻くエクソシストに向けてエクスはサイクロンメモリをエターナルエッジに装填してマキシマムドライブした後にエターナルエッジを投擲し、投擲されたエターナルエッジは風を纏い、そのままエクソシストを貫通する。

 

エクソシスト「がぁぁ!?」

 

その一撃を受けたエクソシストは断末魔を上げると倒れて爆発して収まると変身していた者と壊れたメモリだけが残る。

 

その後に何時の間にか付けていたのか紐でエターナルエッジを引き寄せて手元に戻した後にサイクロンメモリをドライバーに刺し直してシスターを見る。

 

シスター「こ、こうなったら…」

 

自分だけとなったのを認識したシスターは最後の手段と何かしようとする。

 

エクスはそれに対して身構える。

 

シスター「妖怪だけでも!」

 

そう言って正邪を狙おうとするがエクスが正邪の前に立ってシスターをみつえて必殺技の体勢に入る。

 

サイクロン!マキシマムドライブ!!

 

まず最初にベルトの右側のマキシマムスロットにサイクロンメモリを装填。

 

ジョーカー!マキシマムドライブ!!

 

続けてベルトの左側のマキシマムスロットにジョーカーメモリを装填。

 

スカル!マキシマムドライブ!!

 

さらにスカルマグナムにスカルメモリを装填。

 

エターナル!マキシマムドライブ!!

 

最後にエターナルエッジにエターナルメモリを装填する。

 

4つのメモリのマキシマム同時使用によりエクスからオーラが発され、シスターは逃げようとするがエターナルメモリのでメモリを無効化された事で動きが止まった所をエクスはエターナルエッジで切り裂いてからスカルマグナムからの強烈な銃撃を放って吹き飛ばした後に風を纏って飛びあがった後にシスターへ狙いを定め…

 

エクス「エクスラッシュエクストリーム!!」

 

勢いよく降下して両足蹴りをシスターへと炸裂させる。

 

シスター「ぐあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

必殺技を受けたシスターは爆発を起こし、それを背にエクスは右手首をスナップした。

 

エクス「壁になったこと……それがお前たちの罪だ」

 

その言葉と共に爆発後に倒れた人物と壊れたメモリだけが残る。

 

エクスはドライバーのスロットを戻してメモリを抜くと変身を解いてから正邪を見る。

 

伊御「大丈夫かい正邪」

 

正邪「あ、あぁ…大丈夫だ」

 

聞く伊御に正邪は顔を赤くしてそう言う。

 

そんな正邪の反応に伊御はん?となる。

 

伊御「どうしたんだ?」

 

正邪「にゃ、にゃんでもねえよ!」

 

問う伊御に正邪は慌てて顔を逸らす。

 

それに榊と真宵は気付いてかによによする。

 

今までもそうだったが正邪は伊御の事が気になっていたのだが今回の事で一気に理解させられた。

 

彼女は伊御に惚れているんだという事を…

 

正邪「(や、やべぇよ。もうドキドキとまらねえよ///)」

 

胸を抑えながら正邪は胸からあふれ出る思いを止められなかった。

 

伊御「?」

 

真宵「いやはや~エクスの初陣良かったんじゃよ~」

 

首を傾げる伊御に真宵が話しかける。

 

伊御「にしてもよく作れたなこれ」

 

真宵「まあね~ん(まぁ、元があったから出来たんじゃけどね~)」

 

エクスドライバーを見てそう言う伊御に真宵は内心返しながら思い出す。

 

 

 

 

それはある時であった。

 

何か作ろうかなと考えていた時にメッセージが届いたのだ。

 

真宵『誰からじゃろう?』

 

そう呟きながら開けたのに真宵は驚く。

 

内容は以下の通りであった。

 

 

初めまして開発が得意な人

 

突然の事ですがあなたにお願いがあります。

 

お願いとは鬼人正邪を守る為のライダーシステムを作り上げて欲しいのです。

 

使う人物はあなたの信頼する親友で良いです。

 

様々なライダーのデータを付属してますのでそれを元に作り上げてください。

 

                       幻想の賢者より

 

 

その後にデータを見た真宵はすぐさまライダーシステムを開発して第一号のエクスが出来上がったのだ。

 

 

 

 

真宵「(ホントに作ってて良かったんじゃよ)」

 

正邪「あ、あのな伊御…」

 

しみじみとそう思ってる真宵の隣で正邪がモジモジしながら伊御に何か言おうとする。

 

伊御「ん?」

 

正邪「あ、あ……ありがとう」

 

顔を赤くして礼を言う正邪に伊御はどういたしましてと返す。

 

榊「ん?あ!あいつらいねぇ?!」

 

微笑ましそうに見ていた榊は正邪を襲った妖怪ハンター2人組がいない事に気付く。

 

真宵「あちゃあ、どうやら隙を突いて逃げたみたいじゃな」

 

それに真宵は頬をポリポリ掻いて呟く。

 

一方、ローブを脱ぎ捨てた状態で妖怪ハンター2人組は必死に走っていた。

 

女「おのれ…こうなったら本部に連絡して応援を…」

 

怒り顔で言おうとした女は男と共に地面に倒れる。

 

ピクピクしてる所から見るに意識を奪われた様だ。

 

その奪った人物は2人組を一瞥した後に携帯を取り出す。

 

???「あ、宇宙警察ですか?実は指名手配されている集団の一味を見かけたんです。場所は…」

 

そう連絡した後に2人組を逃げられない様に拘束すると顔をある方、正邪達のいる方へ顔を向けた後に目の前に沢山の目が広がる穴を作り出すとその中へ入り込む。

 

?「全く、世話のかかる天邪鬼ね」

 

まるで下の妹を見守る者の様な瞳をして苦笑した後に入って行く。

その後に穴は閉じて消える。

 

その後、伊御達はハンター達が捕まったのをニュースで知るのであった。




真宵「次回!11日和目!成長⇔バレーなんじゃよ!」


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11日和目~成長⇔バレー~

榊「今回は測定後のちょっとしたスポーツ対決だぜ!」


前回から数日経った日、県立猫毛高等学校では身体測定が行われていた。

 

勿論正邪達も参加して終えた所であった。

 

姫「うー……」

 

正邪「んー?どうした姫」

 

合流してからもしょんぼりしてる姫に正邪は話しかける。

 

姫「!い、いえ…」

 

真宵「どうしたんじゃ姫っち~私等に話してみ」

 

口ごもる姫に真宵はそう言う。

 

姫「た…」

 

真宵&つみき&正邪「「「た?」」」

 

恥かしそうにモジモジする姫に3人は次の言葉を待つ。

 

姫「体重が…」

 

それにああ…と3人は理解した。

 

つみき「増えてたのね」

 

真宵「増えてたんじゃね」

 

正邪「増えてたんだな」

 

姫「はううう!」

 

一斉に放たれた言葉の槍が姫に突き刺さった。

 

正邪「でも少しぐらい大丈夫だろ?」

 

真宵「まぁまぁ、女性誰もが気にするもんじゃよ」

 

恥ずかしさで湯気を出してる姫にそう言う正邪に真宵はそう言う。

 

姫「と、ところでつみきさんはどうだったんですか?」

 

つみき「にゃんにゃん♪」

 

正邪「(あ、嬉しそうだな)」

 

自分のから逸らす為に話題を振る姫のにつみきはご機嫌になるのに正邪は何か増えたのかと考える。

 

真宵「嬉しそうですねつみきさん」

 

正邪「良い事あったのか?」

 

そんなつみきに真宵と正邪は聞く。

 

つみき「…にゃんでもない」

 

真宵「ま、まさかお痩せになっていたとか!?」

 

答えないつみきに真宵がそう言う。

 

正邪「…もしかして…m」

 

つみき「言わせないわよ」

 

そんな真宵のをスルーして言おうとした正邪をつみきは口止めする。

 

真宵「あぐっ!?」

 

姫「真宵さんもですか!?」

 

ついでに真宵もアイアンクローするつみきに姫は叫ぶ。

 

真宵「ギブギブギブ!」

 

正邪「おま、そんだけ言われたくないのか;」

 

ジタバタする真宵を見た後に正邪はつみきの手を退かしてそう言う。

 

つみき「……」こく

 

そんな正邪のにつみきは真宵を放して頷く。

 

すると解放された真宵はすたこらさっさとどこかへ駆け出す。

 

姫「真宵さんどこへ!?」

 

正邪「…もしかして…」

 

そんな真宵の行動に姫は驚き、正邪が先ほどまでのから考えると共につみきが走り出し、2人も慌てて追いかける。

 

 

 

 

一方の体育館にて、身体測定を終えた後の自由時間を使って運動しようと伊御と榊はいた。

 

真宵「伊御さーん!」

 

そんな所に真宵が勢いよく駆け込んで来る。

 

真宵「ニュースじゃよ!」

 

伊御「?どうした真宵?」

 

テンションの高い真宵に伊御は話しかける。

 

真宵「つみきさんのむ、ね!?」

 

言おうとした真宵は追い付いたつみきの蹴りを後頭部に受けて吹っ飛ばされる。

 

そのまま体育館の床を滑る。

 

榊「真宵ぃーー!?」

 

伊御「つみきの何が言いたかったんだ?;」

 

つみき「!?」

 

それに榊が叫び、伊御が冷や汗を掻いて言う。

 

真宵「お、おむねが…おふくらみぎぃぃぃぃぃ!!!!!」

 

そんな伊御のに意識があったのか言おうとした真宵は最後の所でつみきに出来たたんこぶを握られて絶叫する。

 

真宵の言葉に榊はふむ…と右手を顎に当てて何か考える。

 

榊「伊御、お前御庭を…」

 

伊御「?」

 

話しかけられて顔を榊に向ける伊御に向けられている本人は言う。

 

榊「もねもねしたのか?」

 

ズコッ

 

伊御「言葉の意味がわからねえよ!」

 

その問いに女性陣はこけて伊御はツッコミを入れる。

 

榊【古来よりアカシックレコードには胸は揉むと大きくなる…と記されていると言う】

 

伊御「誤植だろそれ;」

 

あさっての方向を見上げて語る榊に伊御はビシッとツッコミを入れる。

 

ガシッ

 

榊「あ」

 

そんな榊を掴む者がいた。

 

その人物は……

 

つみき「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

榊「(ああ、予想出来るな)」

 

オーラを放つつみきに榊は自分の末路を察した。

 

その後に榊の断末魔が響き渡った。

 

伊御「やれやれ…さっきの榊のを聞いてなんだけど、女の子の事なんだから純粋に胸に抱く好きな人への思いが触れ合ってる内に大きくなると言うか…そう言うのを誰かが曲解したんじゃ…」

 

つみき&姫&真宵&正邪「「「「(ポーーーーーーー…)」」」」

 

倒れ伏す榊を見た後に伊御が思った事を言ってそれに女性陣は頬を赤らめてぽーとなる。

 

伊御「む、ご、ごめん…今凄く恥ずかしい事を言ってた///」

 

つみき&姫&真宵&正邪「(か、カワイイ)」

 

そんな女性陣の反応と自分が言った事に恥ずかしそうに背を向ける伊御に女性陣はキュンとなった。

 

榊「さ、さすが伊御だぜぇ…」

 

そんな伊御に感嘆しながら榊は起き上がる。

 

真宵「ちなみにこちらにおわす姫ッちもステータスに変化が…」

 

姫「真宵さん!」

 

続けて姫に関して言おうとする真宵を姫は慌てて遮る。

 

真宵「ごふっ!?」

 

いきなりの不意打ちであったので真宵は倒れる。

 

伊御「落ち着け姫;」

 

姫「う~」

 

伊御「真宵、そう言う事を話すのはマナー違反だと思うぞ;」

 

恥かしがっている姫を見てから伊御は真宵に注意する。

 

正邪「確かに」

 

真宵「そうじゃね。人の事を私が言うのは間違いじゃね」

 

同意する正邪に真宵はそう言った直後…

 

榊「じゃあ、真宵はどうだったんだ?」

 

真宵「私は胸が大きくなってたんじゃよ~♪」

 

続けざまの榊の問いにご機嫌で答える。

 

バキッ!

 

正邪「恥じらいを持てよ女として#」

 

怒りのオーラを纏って真宵に拳骨を振り下ろした正邪に伊御はうんうんと同意する。

 

 

 

 

真宵「伊御さんと榊さんはどうだったの身体測定?」

 

榊「俺は身長だけ少し伸びてたぜ」

 

伊御「一応俺も…と言っても1センチ程度だけどね」

 

ダメージが消えてからそう聞く真宵に榊と伊御はそれぞれ答える。

 

つみき「神那は?」

 

正邪「んー…私こういうのをあんまりやった事ないから成長したかどうか実感湧かないんだよな」

 

聞いてなかったので問うつみきに正邪は頭を掻いてそう答える。

 

それに伊御達はあーとなる。

 

幻想郷は現代と違って昔の文化だから身体測定と言うのはないのだ。

 

榊「で結果は?」

 

正邪「んー…ホントに初めてだから上がったかと言われると答え難い」

 

聞く榊に正邪は微妙な顔でそうぼやく。

 

つみき「そうなの……」

 

榊「(まぁ、幻想郷には無縁に近いもんな身体測定)」

 

そんな正邪のに榊は内心そう呟く。

 

榊「まぁ、身体測定のは終わりにして、伊御~何か勝負しようぜ~」

 

伊御「いいぞ、何する?」

 

話を切り替えて提案する榊に伊御は承諾して聞く。

 

真宵「それなら私も混ぜて欲しいんじゃよ」

 

正邪「んじゃあ私も」

 

咲「じゃあ私も混ぜて貰おうかな」

 

佳奈「あたしも入れて~」

 

それに真宵と正邪に来た咲と佳奈も加わり、つみきも混ぜて欲しいと伊御のジャージの袖をくいくいっと引っ張る。

 

伊御「ふむ、それじゃあ皆でバレーボール勝負するか(ポム)」

 

つみき「むきゅ~」

 

人数を見てつみきの頭にバレーボールを乗せてそのままナデナデしながらやる遊びを提案する。

 

正邪「バレーボール?」

 

伊御「バレーボールはこのボールを使った競技でネットを仕切った領域の左右に別れて相手の領域にこのボールを落とせばこっちに得点が入るんだ。ただ、決められた場所以外に落したら駄目でそれだと相手の得点になっちゃうんだ。ボールが来たら3回の内に相手側にやらないといけないんだ。詳しいやり方は準備の合間に説明するよ」

 

首を傾げる正邪に伊御はどこからか取り寄せた黒板を使って説明する。

 

正邪「おう」

 

榊「説明御苦労。だけどその黒板どこから取り寄せた;」

 

納得した正邪の後に榊がツッコミを入れる。

 

つみき「ぶい」

 

真宵「つみきさんが持って来たの!?」

 

ブイサインするつみきに真宵は何時の間にと驚く。

 

姫「私もご一緒しま…!?」

 

その時、姫の脳裏に8日和目にて行われた第1回、校内缶蹴り大会での出来事が過る。

 

姫「い、今この瞬間…第1回、校内缶蹴り大会の悪夢が蘇りましたーーーー」

 

正邪「缶けりって……あぁ、あれか」

 

真宵「トラウマになってるんじゃね…すまぬ姫ッチ;」

 

顔を青ざめてガタガタ震える姫の言った事に正邪は顔を抑え、そんな姫に真宵は謝る。

 

正邪「まぁ仕方ないよな、あれは」

 

佳奈「確かに;」

 

そんな姫のに一緒に逃げていた2人はうんうんと頷く。

 

正邪「ホント何度も言うけどさ…」

 

榊「ストップストップ、そこまでにしようぜ。んで京谷は?」

 

伊御「他の奴らと外でサッカーやってる」

 

まだ言おうとする正邪を押しとどめた後にいない人物を榊は言って伊御のにそっか…と呟いた後にやりますかと言う。

 

 

 

 

榊「じゃあまず罰ゲームだが…」

 

正邪「いう事を聞くでいいんじゃねぇか?」

 

そう言う正邪にちっちっちっ…と榊は指を横に振って言う。

 

榊「負けたチームはこの後の昼休みで購買人気商品を手に入れて来て貰う!」

 

真宵「そ、それはまさか!?」

 

内容を言った榊のに真宵は驚き、姫は目をパチパチさせる。

 

正邪「?」

 

榊「そう、入手困難と言われている難易度の高い…カツサンド!アーンド焼きそばパン!!」

 

真宵&咲&佳奈「な、なんだってーーーー!?なんてハードルが高い!!」

 

ババーンと言う効果音を付けて言った榊のに姫とつみきと正邪を除いた女性陣は驚く。

 

正邪「??」

 

伊御「ふむ」

 

なんで驚くんだと思っていると伊御を見て驚く。

 

伊御「カツサンド…焼きそばパン…良いね…」

 

やる気満々なのか伊御のアホ毛がブンブン唸り、オーラを纏っていた。

 

正邪「伊御!?」

 

真宵「伊御さんが珍しく燃えている!?」

 

佳奈「おぉー;」

 

ボールを指先に乗せて綺麗に回転させてる伊御に女性陣は驚いたのであった。

 

姫「そんなに人気なんですか?カツサンドと焼きそばパンって?」

 

正邪「つかなんだそれ?」

 

伊御「カツサンドはパンにカツレツ…肉や他の素材を使い同様に調理したり揚げ焼きした奴を挟んで作ったので焼きそばパンはコッペパンの間に焼きそばを挟んで作った奴だよ」

 

首を傾げる正邪に伊御が簡単に説明する。

 

正邪「???」

 

榊「伊御、説明とかは終わった後で実物を見せながらで良いか?」

 

伊御「確かにそうだな」

 

咲「話戻して姫ちゃんのに答えるとお昼の購買は過酷だからね」

 

まだ分かってない正邪を見て説明しようとした伊御を止める榊のを見ながら咲はそう言う。

 

姫「ふぇ?」

 

真宵「神那ッチにも分かり易く言うなら300人の侍が食料を求めて集うかの様じゃしね」

 

首を傾げる姫に真宵がそう例える。

 

正邪「それは…血を見るな」

 

佳奈「行ったら悲しい事に…」

 

咲「姫ちゃん…」

 

真宵「お昼の購買を甘く見過ぎたせいで」

 

つみき「;」

 

想像してかそう言う正邪に姫を除いた女性陣は姫から顔を逸らして各々に言う。

 

榊「じゃあチーム分けするか」

 

伊御「とりあえず、俺と榊は別として…」

 

姫「私は得点係をします!!」

 

そんな女性陣のに苦笑した後に進める榊のに伊御がそう言うと女性陣ので青ざめていた姫がシュバッと名乗り出る。

 

それ程までに自分では無理と感じたのだろう。

 

正邪「良い配置だな」

 

佳奈「え~姫ちゃんも一緒にやろーよ」

 

そう言う正邪の後に佳奈がそう言ってバレーボールを投げ渡す。

 

姫「うう…なんと申しますか…皆さんのアタックを止められる気がしないので…」

 

真宵「それじゃあ、試しに伊御さんの熱烈アタックを!」

 

弱きな姫に真宵が伊御に振る。

 

伊御「俺と…付き合ってくれ」

 

姫「ぷは~!」

 

自然にそう言った伊御に姫は鼻血を噴出した。

 

正邪「はい、アウト」

 

佳奈「貧血で見学一名入りまーす」

 

咲「一連の流れに隙がないわ」

 

倒れた姫を見て各々に顔を赤くしながら言う。

ちなみにつみきも立ってはいるが鼻血を流していた。

 

数分後……

 

 

グッパで決めた結果、以下の編成になった。

 

 

伊御チーム

 

伊御、佳奈、真宵

 

 

榊チーム

 

榊、咲、正邪

 

 

ちなみにつみきがいないのはジャンケンで決めた結果で姫と同じ得点係になった。

 

つみき「むぅ……」

 

榊「ようし、準備は良いか?」

 

伊御「おう」

 

不満げなつみきを背に榊と伊御は言葉を交わす。

 

榊「手加減なしだぜ」

 

伊御「その言葉、そのまま返そう」

 

つみき「……スタート」

 

榊「んじゃあ行くぜ!」

 

つみきの合図と共に榊はボールを上に放り投げた後に右手で伊御達の陣地へ飛ばす。

 

それに対し、伊御はアンダーハンドパスで受け止めて、パスする。

 

佳奈「マヨちゃんパス!」

 

パスされたのを佳奈は真宵へとトスする。

 

真宵「任せるんじゃ!」

 

それに真宵は勢いを付ける様に走るが…

 

つるっ!

 

足が滑ってその勢いのままネットに突っ込んでしまい…

 

真宵「ほにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

戻る勢いで真宵は吹き飛んでしまった。

 

一同「;」

 

真宵「はにゃ~」

 

 

気を取り直して次のが始まり、正邪がトスしたのを咲がレシーブする。

 

真宵「ほ!?にょわ!」

 

レシーブされたボールを真宵は受け止めようとした所にボールが軌道を変え、それに真宵は咄嗟に足で受けて宙に浮かばせる。

 

佳奈「まっかせて!」

 

それに佳奈が同じ様に足で浮かばせる。

 

佳奈「伊御君!」

 

伊御「良し!」

 

流れのままに伊御は飛び上ると…オーバーヘッドキックで飛ばす。

 

榊「たぁぁぁぁぁぁ!!」

 

地面に堕ちる直前に榊が飛び込んで腕で受け止める。

 

ピーーーーーー!

 

佳奈「ハンド」

 

榊「ええ!?」

 

真宵「イエロー」

 

正邪「おい待てそれ」

 

何時の間に服を変えてそう言う佳奈と真宵に正邪はツッコミを入れる。

 

正邪「お前等、確か聞いた話だと足使っちゃ駄目じゃなかったか?伊御もなんで乗ったんだよ;」

 

伊御「いや、つい;」

 

指摘する正邪に伊御は頬をポリポリ掻く。

 

なお、点数は榊チームに入った。

 

正邪「ちゃんとやってくれよ」

 

その言葉の後に再開される。

 

放たれたボールを佳奈がブロックするのと同時にレシーブしてメンバーがいない方へ飛ばす。

 

榊「しまった!逆を!?」

 

咲「私が押すから!反動で!」

 

それに反応できなかった榊を咲はそう言って押し飛ばす。

 

結果…ボールは榊の顔に炸裂する。

 

正邪「榊ぃー!?」

 

それに正邪が叫んだ後、榊の顔に命中して浮かんだボールは伊御達の方に飛んで行ったので伊御がアタックする。

 

榊「ひぎ!?」

 

結果パート2、榊の頭に命中し、榊の頭にタンコブが出来上がる。

 

伊御「スマン;」

 

咲「榊君。ホント御免;」

 

榊「だ、大丈夫……」

 

ビクンビクンしてる榊に謝る2人に榊はそう返す。

 

なお、点数は伊御チームに入った。

 

 

 

榊が立ち上がった後にゲーム再開

 

正邪「ほい」

 

伊御「そっち行った…ぞ!?」

 

正邪のレシーブしたボールの軌道から真宵と佳奈に言おうとした伊御は行われてるのに驚く。

 

真宵「にょほほほほほほほほほほ!」

 

佳奈によってジャイアントスイングされてる真宵がいた。

 

正邪「何やってんだ?!」

 

佳奈「かいてーーーん!レシーブ!」

 

それに正邪も驚く中で佳奈は真宵を投げ飛ばす…伊御の方へ

 

伊御「ボールはこっちじゅないって!」

 

迫る来る真宵に対して伊御は上体を逸らし、その流れのまま飛んで来た真宵を掴んで勢いのまま…バックドロップを決めた。

 

真宵「ゴフゥ!?」

 

綺麗に決まったので真宵は逆さ直立不動な状態になっていた。

 

伊御「真宵、その…つい流れで…ごめん;」

 

佳奈「マヨちゃん、大丈夫;」

 

謝る伊御の後に安否を聞く佳奈だったが真宵はゆっくりと仰向けになった後に全員が見守る中で頭にタンコブが出来た状態で上半身を起こす。

 

真宵《流石は伊御さんじゃよ~》

 

正邪「出てる出てる!魂出てる!」

 

ほわ~と口から出てる魂から言う真宵に正邪は叫んで魂を押し込む。

 

戻された後にハッとなった真宵は指を咥える。

 

真宵「た、タンコブ痛いから伊御さん擦って」

 

モジモジしてお願いする真宵に伊御は恐る恐る近づいて真宵の前に来てしゃがんで目線を合わせた後に真宵のタンコブを撫でる。

 

伊御「ホントにごめん…」

 

謝りながら撫でる伊御に言った真宵は顔を赤くして照れる。

 

正邪・つみき「「むぅ……」」

 

榊&咲「やらせた自分が照れるんかい!」

 

姫「(ぶはっ!)」

 

真宵「ホントにやって貰えるとは考えてなかったので///」

 

それに正邪とつみきは羨ましそうにする中で榊と咲がツッコミを入れて、姫は相変わらず鼻血を噴き出す中で照れた真宵はそう言う。

 

 

しばらくしてお互いに互角の勝負を繰り広げて14点に並んでいた。

 

榊「こんどこそ!」

 

咲「蛇正さん!」

 

榊が受け止めて咲が正邪に向けてトスする。

 

咲「アタック!」

 

榊「伊御にな!」

 

正邪「……へ?」

 

2人の、特に榊のに正邪は驚きながらも飛び上る。

 

正邪「オラァ!」

 

勢いよく放たれたボールは見事に…伊御の横を通って床に炸裂した。

 

榊「外した!?」

 

伊御「いや決まったって;」

 

叫ぶ榊にツッコミを入れる伊御を前に正邪は思わず崩れ落ちる。

 

正邪「避けられた……」

 

伊御「?;」

 

落ち込む正邪に伊御はなんか申し訳ない気持ちになった。

 

 

先ほどので榊チームがマッチポイントになり、伊御チームは負けられないと気合を入れる。

 

榊「おりゃあ!」

 

伊御「甘い」

 

アタックする榊のを伊御はアクロバティックな動きで受け止めて浮かばせる。

 

佳奈「逆に決めてデュースに持ち込むよ!」

 

真宵「この一撃に!かける!」

 

それを佳奈がトスして真宵が決めようと飛び上る。

 

真宵「ひっさーーーつ!!」

 

グゥゥゥーーーーー

 

決めようとした真宵だったがお腹から盛大になる。

 

スカッ

 

真宵「ああん」

 

それにより真宵はアタックを失敗する。

 

ズコッ

 

伊御&佳奈「「えーーーーーーー!!?(ガビーン)」」

 

まさかの展開に榊チームはこけて伊御と佳奈は驚く間にボールはエリアに落ちて、榊チームの勝利となった。

 

 

榊「さーて!罰ゲームとして購買で人気の愛を買って来て貰おう!」

 

姫「購買で変えるんですか!?」

 

正邪「どんな愛だよそれ;」

 

咲「人気アンケートで堂々の1位よ」

 

姫「知らなかったです~」

 

ツッコミを入れる正邪に咲はそう言って、姫は関心する。

 

正邪「ちなみに二位とかは?」

 

咲「秘密♪」

 

試しに聞く正邪だったが笑顔で言う咲にあ、こいつ絶対に言わないなと思った。

 

伊御「じゃあ行くか」

 

真宵「じゃね~負けたから仕方ないんじゃよ。皆、愛に飢えてるんじゃね~」

 

榊「お昼だからな!」

 

言う伊御に同意してそう言う真宵に榊はサムズアップして言った後にお腹を鳴らす。

 

グ~~~~~

 

伊御「じゃ、行って来るわ」

 

姫「気を付けてくださいね…」

 

そう言って購買に向かう3人に姫は言う。

 

姫「侍たちが愛を求めて集うらしいので(ガタガタ)」

 

正邪「は?」

 

佳奈&真宵「「壮大過ぎる;」」

 

伊御「集うのは購買だけどな;」

 

顔を青ざめて言う姫にまだ信じてたのか姫と正邪は呆れ、伊御がツッコミを入れる。

 

なお、ちゃんと焼きそばパンとカツサンドは買えたそうです。

帰って来た3人に姫がホッとしたのは些細である。




姫「じ、次回、12日和目!ピクニック⇔猫にゃーんに続きまふぅ(鼻血)」


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12日和目~ピクニック⇔猫にゃーん~

今回はのほほん時々吹っ飛び

正邪「後者!!?」


とある日、正邪達は猫毛海浜公園の広場にピクニックに来ていた。

 

真宵「うーん。今日は晴れて良かったんじゃよ~」

 

正邪「そうだな」

 

姫「絶好のピクニック日和ですね」

 

腕をぐぐっと伸ばして言う真宵に正邪は同意して姫も笑って言う。

 

伊御「確かにそうだな」

 

榊「なんか小学校の遠足とかを思い出すよな~」

 

伊御「まぁ、弁当持って出かけるなんて普段はないからな」

 

姫のに同意してから榊のに伊御は頷く。

 

正邪「現代じゃそうなのか?」

 

真宵「まぁ、場合によりけりじゃね」

 

姫「でも皆さんとこうしてお出かけするのは楽しいです」

 

聞く正邪に真宵はそう答えて姫が楽しく言う。

 

榊「ああ。そうだなぁ~こうして……皆との楽しい思いでがあれば明日からもなんとか生きていける」

 

伊御「昨日までのお前に何が起こった!?」

 

そう言った榊のに伊御はツッコミを入れた。

 

正邪「怪人とでも戦ったのかよ……」

 

榊「いや、ジョークで言ったんだけど;」

 

呆れて言う正邪に榊はそう返す。

そんなたわいのない話をしながら一同は広場に着いた。

 

真宵「おー☆芝生が良い感じじゃあ☆」

 

正邪「お、確かに」

 

つみき「風も気持ち良いわね」

 

芝生を見て言う真宵に正邪も同意してつみきは自分の頬を撫でる風にそう言う。

 

榊「とう!芝生を見るとさ~なんか寝転がりたくなるぜ」

 

つみき「独特のふかふか感よね」

 

伊御「昼寝したくなるな」

 

飛び込んで寝っ転がってからそう言う榊につみきはそう言い、伊御も寝転がる。

 

姫「でもたまにちくちくする所がありますよね」

 

真宵「それはそれで醍醐味じゃよん」

 

正邪「そうそう」

 

苦笑して言う姫のにそう返す真宵に正邪も同意する。

 

榊「ちくちく…針の絨毯ってところか」

 

伊御「そりゃ剣山だ」

 

姫「そんな所で寝たらザクザクですっ!」

 

正邪「と言うか榊!おま器用な事してるな!」

 

頭で支えて胡坐をかいてるポーズを取って言う榊に伊御と姫はツッコミ、正邪は榊のポーズにツッコミを入れる。

 

 

少しして榊の提案で遊ぶ事になった。

 

榊「やっぱこういう所での王道はキャッチボールだな」

 

ボールを持って榊がそう言った時、真宵があと声を上げる。

 

正邪「ん?どうした?」

 

真宵「ミットを忘れてるんじゃよ」

 

榊「マジ?」

 

伊御「素手で硬球は無理だろ」

 

聞く正邪に答えた真宵のを聞いて伊御はそう言う。

 

正邪「ミット?」

 

伊御「榊が持っている球を受け止める為の専用の道具だよ」

 

つみき「そのままやったら痛いわよ」

 

正邪「へ~」

 

説明する伊御のに補足するつみきのを聞いて正邪は関心する。

 

真宵「心のキャッチボールにミットはいらないんじゃよ!」

 

榊「素心でキャッチボールって事か!」

 

正邪「ダメだろそれ」

 

妙案とばかりに言う真宵のにそう言う榊に正邪は冷静にツッコミを入れる。

 

榊「やるぞ伊御!」

 

伊御「知らんぞ」

 

正邪「何かあっても榊の責任だからな」

 

そう言う榊に伊御と正邪はそう言ってから伊御は榊からボールを受け取る。

 

榊「ようし!遠慮はいらねぇ!バッチコーーイ!!」

 

パィィィン!

 

言い切った直後に構えた榊の手に伊御が投げたボールが炸裂する。

その後に榊はボールを落とし…

 

榊「こ、心が…痛い…(バタッ)」

 

正邪「馬鹿……」

 

つみき「痛いのは手よ」

 

汗を流しながらそう言って倒れる榊に正邪は呆れ、つみきが訂正する。

 

伊御「やっぱ無理だって…他には何を持って来たっけ?」

 

真宵「えっと……」

 

聞かれて真宵は持って来たのを見る。

 

真宵「色々とあるんじゃよ。バトミントンとかフリスビーとか~」

 

正邪「鳩?」

 

伊御「鳩じゃないよ。バトミントン。後、正確に言うならバドミントンでバドミントンはこのラケットをこのシャトル、半球状のコルクに水鳥等の羽を接着剤などで固定した物を使って打ち合う遊びだよ」

 

首を傾げる正邪に伊御は軽く説明する。

 

正邪「羽子板のような感じか」

 

伊御「まぁ、そんな感じ…んでフリスビーか、懐かしいな」

 

榊「昔よく卓袱台をフリスビーみたいに飛ばしてたもんな」

 

自分の知るので例える正邪に伊御は肯定した後に真宵が言ったもう1つの遊び道具にそう洩らし、起き上がった榊がそう言う。

 

正邪「は?」

 

伊御「なんだその独創的な卓袱台返し;」

 

榊のに正邪は呆気に取られて伊御はツッコミを入れる。

 

正邪「つか返しかそれ?」

 

榊「勿論だ。こんな感じで」

 

イメージ榊『こんな美味しい物!ごちそうさまでしたぁ!!』

 

真宵「美味しいのに投げるの!?」

 

聞く正邪に榊はそう言って卓袱台を持って投げ飛ばすイメージを言って真宵はツッコミを入れる。

 

正邪「可笑しいだろそれ」

 

榊「亭主関白だったんだ俺」

 

伊御「いや、亭主腕白だろ」

 

ツッコミを入れる正邪に返した榊のを伊御はそう訂正する。

 

姫「腕白ですか!?」

 

正邪「どんなのだよ」

 

驚く姫の隣で正邪はそう思うのであった。

 

 

気を取り直して榊と伊御はフリスビーで勝負する様だ。

 

榊「いよし☆落した方が負けだ伊御!」

 

伊御「あぁ、行くぞ」

 

そう言葉を交わした後に榊は全力で投げて伊御はそれを苦もなくキャッチしてすぐさま投げて榊も同じ様にする。

何回も繰り返して行くうちにほとんど手先が見えないほどの投げ合いになった。

 

真宵「姫ッチも慣れればあんな風に…」

 

正邪「無理だろ」

 

つみき「フリスビーの絵じゃないわね;」

 

その光景にそう言う真宵のを正邪は否定してつみきは誰もが思った事を言う。

 

真宵「所でつみきさん、私等もフリスビーやる?」

 

つみき「あるの?」

 

あるよんと真宵はもう1つのフリスビーを出してつみきに渡して距離を取る。

 

真宵「ヘイヘーイ☆つみきさん。カマーン☆カマーン☆」

 

つみき「行くわよ」

 

そうかわした後につみきは全力でフリスビーを投げる。

 

結果…フリスビーは真宵の喉に炸裂、真宵は吹き飛んで倒れた。

 

真宵「(ちーん)」

 

正邪「真宵ー!?」

 

つみき「ゴメ…;」

 

倒れた真宵に正邪は叫び、姫も顔を青ざめて怖がる隣でつみきが謝る。

 

真宵「ヒュッヒュッヒュッ、ヒューヒューヒュー」訳、ふぇっふぇっふぇっ、流石つみきさん

 

正邪「無理に喋んな;」

 

つみき「何言ってるのか分からないわ」

 

震えながら起き上がつつ喋る真宵に正邪とつみきはそう言う。

 

真宵「正邪さんもどう?」

 

正邪「真宵…私に死ねと申すか?」

 

薦める真宵に正邪は先ほどのや榊と伊御のを見てそう言う。

 

弾幕とかしてるが流石にあれは受けたくないと正邪は思った。

 

伊御「おいおい……;」

 

榊「せめて避けるか防ぐかしろよ;」

 

それに一旦投げるのを止めた伊御は冷や汗を流し、榊がそう言う。

 

姫「無理ですよ!」

 

真宵「そうじゃよ!瞬きした一瞬で直前に円盤!眼前に斬首!どうやって避けろと!」

 

それに姫が顔を青くして言い、受けた真宵も反論する。

 

返答に榊は唸った後に首を…と言う。

 

真宵「首を?」

 

榊「引っ込める?」

 

姫「怖いですー!?」

 

正邪「あとは赤蛮奇みたいに飛ばすとか?」

 

真宵「それじゃあ妖怪じゃよ!!」

 

言われた事に姫は叫び、正邪のに真宵はそう叫ぶ。

 

つみき「赤蛮奇?」

 

伊御「神那の言ったのは名前で正式にはろくろ首の一種である抜け首と言われる妖怪で中国の飛頭蛮の流れを汲む日本での原型らしい」

 

首を傾げるつみきに伊御は小声でつみきに説明する。

 

正邪「頭を増やしたりもできるぞ」

 

姫「増えるんですか!?」

 

イメージ真宵『『『『じゃよーーーーー』』』』

 

真宵「止めて!イメージの私を人から離さないで!!」

 

続いて言う正邪のに姫はイメージして叫び、真宵は頭を抱えて叫ぶ。

 

 

気を取り直して、つみきと真宵に変わって姫と正邪がやる事になった。

 

姫「えっと、次は私ですか;」

 

正邪「頑張れよ姫ー!」

 

オドオドする姫に正邪は応援する。

 

姫「そ、それじゃあ…ええい!!」

 

それに姫は自分で出せる勢いで投げる。

飛んで来たフリスビーを正邪はキャッチしようとすると…フリスビーは急速に方向転換して…

 

榊「がっ!?ごはっ!?」

 

伊御「あ、すまん;」

 

再びやっていた榊の右頬に命中して吹き飛んだ所を伊御の投げたのが追い打ちをかけた。

 

正邪「挟み撃ち?!」

 

姫「ふえぇぇ~すいません;」

 

それに正邪は驚き、その発端になった姫は謝る。

 

 

榊のもあってちょっと一息つく事になった。

 

正邪「大丈夫か榊?」

 

榊「おう」

 

お茶を飲みながら聞く正邪に榊は寝転がったまま答える。

 

少し離れた場所で伊御も休憩している。

 

猫「にゃ~」

 

そんな伊御の所に猫が来る。

 

姫「あ、猫ちゃんです~」

 

正邪「あ、ほんとだ」

 

可愛いなと思った後に2人は伊御から目を逸らす。

その後に戻して驚く。

 

何時の間にか近寄っていた黒猫以外に5匹の猫が伊御にすり寄っていた。

 

正邪「多っ?!」

 

姫「にゃーんです!」

 

真宵「姫ッチ!神那ッチ!ちょっと!」

 

それに2人は驚いた後に真宵が呼びかける。

 

正邪「ん?」

 

姫「はい~それじゃあ伊御君。そろそろお昼にっ!?」

 

呼ばれてまた伊御から目を逸らした正邪は姫の反応に再び伊御を見て驚く。

なんと猫がまた5匹増えていた。

 

正邪「また増えた?!」

 

姫「まっしぐらーです!!」

 

それに正邪は驚いて姫は可愛さに鼻血を流す。

 

正邪「ホント…伊御、懐かれ過ぎ…後姫は鼻血拭こうな;」

 

それに正邪は呆れた後に姫に注意する。

 

 

榊「そういや、伊御は動物に好かれやすかったな」

 

お昼を食べながら榊は11匹の猫に懐かれてる伊御を見てそう言う。

 

真宵「11匹の猫、昔そんな絵本あったような……」

 

姫「ああ、ありましたね!私読んでましたよ~」

 

正邪「と言うか好かれやすいで済ませて良いのかあれ;」

 

ふと思い出して言う真宵に姫は嬉しそうに言い、正邪は呆れて言う。

 

つみき「むぅ……」

 

姫「けど、ホント羨ましいですよね」

 

羨ましそうに見るつみきに姫はそう言う。

 

榊「猫がか?」

 

姫「はい」

 

真宵「つみきさんと神那ッチも伊御さんに撫でられてる猫が羨ましいんじゃろ~」

 

頷く姫の後に真宵がそう聞く。

 

正邪「あー、なるほど」

 

榊「神那、納得するのが良いが真宵が言ったの…自分達も伊御に撫でられたいって言う感じのだぞ?」

 

納得してる正邪に榊はそう言う。

 

正邪「ふぇ?」

 

きょとんとした後に先ほどの真宵のを思い出す。

 

真宵『つみきさんと神那ッチも伊御さんに撫でられてる猫が羨ましいんじゃろ~』

 

正邪「……はっ!」

 

真宵「(ニヤニヤ)」

 

それにより正邪は顔を赤くして真宵はニヤニヤする。

 

正邪「わ、笑うな!そして姫も鼻血を流すな!!」

 

それに正邪は顔を真っ赤にして腕をブンブン振る。

 

榊は笑っていると伊御に後ろからひっそりと近づくつみきに気付く。

 

つみき「にゃん」

 

伊御「ん?」

 

近付いて右腕を伊御の背中に鳴いた後に気づいた伊御にハッとなってすぐさま背を向けて顔を赤くする。

 

なでなで

 

つみき「!?」

 

不意に伊御がつみきの頭を撫でて、つみきは鼻血を噴き出す。

 

姫「ぶはぁ!?」

 

真宵「されたんじゃね」

 

榊「されたな」

 

それに姫も噴き出して真宵と榊は呟く。

 

正邪「むぅ……」

 

それに正邪は羨ましそうに見ていた。

 

 

姫「あのにゃんにゃん。私も触っても大丈夫でしょうか?」

 

伊御「人懐っこいし、大丈夫だと思うよ」

 

復活した後に伊御に聞く姫に伊御はそう言って猫を1匹、姫に抱かせる。

 

猫「にゃ~」

 

姫「可愛いですぅーーー!(ぶはっ!)」

 

猫「(びくっ)」

 

真宵「和みますにゃあ~」

 

渡された猫の可愛さに鼻血ブーする姫に猫が驚く隣で真宵が別の猫の頭をうりうりしていた。

 

猫「にゃっぱー!」

 

真宵「ゴフッ!?」

 

榊「どぅええ!?」

 

それが嫌だったのか、真宵に見事なタイ○ーアッパーカットを決める猫に榊は驚く。

 

正邪「すごっ!?」

 

榊「キャット、ニャッパーカットか」

 

それに正邪は驚き、榊はそう洩らす。

 

 

真宵「ふと思ったんじゃけど…」

 

正邪「ん?」

 

頬にキャットニャンパーカット(榊命名)の後が付いたまま真宵が切り出す。

 

真宵「猫ってフリスビードッグみたいな事出来るんじゃろうか?」

 

榊「流石にそれは無理だろう」

 

伊御「…………」

 

疑問を言う真宵に榊は否定する中で伊御はフリスビーを見て猫達を見た後に試しにフリスビーを持った手を動かす。

 

すると猫達はフリスビーを追いかけて、別の方向に移動させると追いかける。

そのまま追い続けるのを見て伊御は戦慄する。

 

伊御「まさか!?出来るのか…にゃんこ達よ…」

 

正邪「おいおい;」

 

榊「動く物に反応するだけじゃないのか?」

 

そんな伊御に女性陣は驚き、榊はツッコミを入れる。

 

伊御「……試しに一回……」

 

正邪「ホントにやるのか;」

 

そう言って伊御はフリスビーを投げると伊御の頭に乗っかっていた猫がバッと飛び出す。

 

そのままフリスビーを追いかけ…

 

猫「にゃっぷ」

 

跳んで咥えた。

 

真宵&榊「「おお!」」

 

姫「咥えました~」

 

正邪「戻ってこれるか?」

 

それに2人は関心して姫は鼻血を噴き出す隣で正邪はそう言う。

 

猫「んにゃ、んにゃ、んにゃ」

 

榊「戻って来れてない!!;」

 

つみき「それは無理よね;」

 

真宵「でも頑張ってる;」

 

正邪「確かに;」

 

フリスビーを頑張って引き摺りながら戻ろうとしてる猫に榊は叫び、頑張ってる様子に各々にコメントするのであった。

 

伊御「頑張ったな」

 

猫「にゃお~」

 

姫「とってもかわいかったです~」

 

なでなで

 

自分の頭に乗る猫の頭を撫でながら伊御は猫を褒める。

 

真宵「いや~しかし凄かったんじゃね~」

 

伊御「そうだな」

 

榊「しっかしホント伊御の動物に懐かれやすさは凄いよな」

 

先ほどの猫のを思い出して言う真宵に伊御は同意すると榊がそう言う。

それに伊御以外はあーと納得する。

 

伊御「そうか?」

 

言われた本人はそこまで自覚が無いようで自分に懐いている猫達を見る。

 

榊「そんなに懐かれてる人はいないと思うぞ?」

 

正邪「そうだぜ伊御」

 

そう指摘する榊に正邪も追従する。

そんなにかな…?と伊御は首を傾げる。

 

正邪「伊御が合図したら集合したりして」

 

伊御「はは、まさか」

 

真宵「では、試してみるんじゃよ」

 

そう言う正邪に伊御は笑うと真宵がそう言って3、2、1、はい!とカウントダウンし…

 

伊御「んー…集まれー」

 

ビシッ!

 

正邪「集まった!?」

 

目の前に勢ぞろいした猫や鳥たちに正邪は驚く。

と言うか猫はともかく鳥も来ると言う事態にどんだけ…と伊御を除いたメンバーはそう思った。

 

伊御「…………何時の間に……」

 

呼んだ伊御も自分にすり寄る猫や鳥たちにそう呟くのであった。

今回分かった事、伊御は猫にも鳥にも懐かれると…




正邪「次回、13日和目!昼寝⇔野生?に続くぞ」


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13日和目~お昼寝⇔野生?~

良い天気の日は昼寝が一番

正邪「どんな前書き!?」


伊御「春眠暁を覚えずの季節だなぁ…」

 

姫「ポカポカ陽気に眠たくなっちゃいますよね~」

 

とある日のお昼休み、お昼を食べ終えた伊御はそう言い、姫も同意する。

 

正邪「ZZzzzz……」

 

つみき「こっちはもう寝てるわね」

 

真宵「窓際だと授業中辛いんじゃよね」

 

伊御「昼飯後は特にな……」

 

寝ている正邪を見て言うつみきの後に真宵はそう言い、伊御も机に体を預けながら言う。

 

榊「まぁ確かにな……」

 

ガード不能の季節攻撃だなと榊はつけ加える。

 

伊御「春眠抗い叶わず」

 

真宵&榊「「なんて季節!?」」

 

もう寝ぼけ眼な伊御の言葉に2人は驚く。

 

つみき「眠気には勝てなかったのね……」

 

真宵「言った伊御さんはもう一押しで落ちようじゃねぇ」

 

榊「いや、これはもう9割落ちてるな」

 

そう言うつみきの後にもう寝かけてる伊御を見て榊はそう言う。

 

猫「にゃ~~」

 

姫「あ、猫ちゃんです」

 

つみき「来ちゃったのね」

 

ひょっこりと現れた猫に姫は言い、伊御の傍に来てごろりとなるのを見て呟く。

 

真宵「では、寝ちゃっているかチェック☆」

 

榊「どうすんだ?」

 

そう言って伊御に近づく真宵に榊は聞くと…

 

真宵「デデーン☆」

 

伊御「…榊…アウト…」

 

榊「」

 

真宵の言った事に反応した伊御のに榊は固まる。

 

バシュッ

 

榊「のおっほ!?」

 

その後に棒を握って振るわれた京谷の一撃が榊の尻に炸裂した。

 

姫「えぇぇ!?」

 

京谷「榊アウトと聞いて」

 

榊「帰れ!」

 

驚く姫にそう言う京谷へ榊は叫ぶ。

 

正邪「むにゃ……」

 

つみき「まだ昼休み残ってるし、休ませてあげましょう」

 

姫「ですね」

 

真宵「じゃあ、チャイムが鳴ったら起こしーーーー」

 

正邪も見てそう言うつみきに姫も同意して真宵も言いながら伊御の方を見て言葉が続かなくなる。

それは…伊御の頭に鳥が数匹降り立ったからだ。

 

真宵「ふぎゃあ!!」

 

正邪「んあ?」

 

思わず声をあげた真宵のに正邪は寝ぼけ眼で起きる。

 

真宵「鳥が伊御さんの頭に!!」

 

姫「どうしまし…なんだか大変なことに!?」

 

正邪「……なんだ鳥か……Zzzzz」

 

榊「んでこっちは普通に寝た!」

 

叫ぶ真宵のに姫も見て驚き、再び寝だす正邪に榊は叫ぶ。

 

榊「それにしても格ゲーのピヨリになってるな;」

 

姫「ピヨリ?」

 

真宵「頭の上で鳥さんが回ってる状態じゃよ。んで連打したら直るんじゃろか?レバガチャ的な感じで」

 

榊の言った事に首を傾げる姫へ真宵は説明した後にそう言う。

 

ふにふにふにふにふにふにふにふにふにふに

 

真宵「つみきさん落ち着いて!!」

 

すると真宵のを真に受けてかつみきが伊御の頬をぷにぷにしまくる。

 

伊御「ん……」

 

それに伊御は少しもぞもぞするが起きない。

 

つみき「…つい///」

 

榊「鳥が驚いてたらここで飛び回るとこだったな」

 

姫「それは色々と危ないですっ!」

 

頬を赤らめて言うつみきを見ながらそう言う榊に想像した姫はビクッとなる。

 

榊「皆、へたに大きい物音とか立てないようにな!」

 

真宵「あと誰かボケても激しいツッコミをいれないように!」

 

クラスメイト達『お前らがボケるな!!』

 

注意する2人にクラスメイト達は異口同音で返す。

 

榊「フリと言う事で…友達がショルダーバッグをくれると思ったら……ショルダータックルだった」

 

ぐるん

 

榊「ぐふっ!?」

 

ボケをかました榊はいきなり上下逆さまになったと思ったら頭を床にぶつける。

 

いきなりの事に誰もが戸惑う中で知るメンバーは正邪がやったんだなと納得した。

 

男子「神が裁きを下したのか……」

 

女子「そこまでのボケをかましていたのね戌井君」

 

それにクラスメイト達もそう解釈する。

 

キクヱ「あら?皆さん今日は静かですのね」

 

佳奈「あ、先生来た」

 

そこにキクヱが来て、静かな教室にそう言う。

 

正邪「ZZzzzz……」

 

姫「いえ、その伊御君が…」

 

キクヱ「伊御君ですの?」

 

静かな理由を言う姫にキクヱは伊御を見る。

 

キクヱ「何か変なとこありますの?」

 

猫「にゃ~~」

 

つみき&姫&真宵「(違和感もたなくなってる…)」

 

普通に疑問だと言うキクヱの反応に誰もがそう思った。

 

榊「先生、それだけですか?;」

 

キクヱ「え?」

 

姫「あの、ですから伊御君の頭に…」

 

起き上がっての榊の問いに戸惑うキクヱに姫はもう一度よく見る様に言う。

 

キクヱ「ああ、今日は鳥ですのね」

 

榊「そうなんですよ」

 

真宵「鳥なんですよ」

 

納得するキクヱに榊と真宵は念押しする。

 

キクヱ「?」

 

榊&真宵「「だから鳥なんですってば」」

 

まだハテナマークを浮かべるキクヱだったが2人のにああと納得し…

 

キクヱ「ええぇぇ!?」

 

真宵&榊「「遅いよ!」」

 

今頃気付いて驚くキクヱに2人はツッコミを入れる。

 

正邪「むにゃ?」

 

真宵「先生しーーーー」

 

キクヱ「え??」

 

つみき「ビックリして鳥が飛んだら教室内が大変な事に」

 

その後に静かにと指示する真宵に戸惑うキクヱへつみきが理由を言ってキクヱは成程と納得する。

 

正邪「むぅ……ZZzzz」

 

キクヱ「だけど、もうすぐ夏休み終了ですのよ…」

 

寝ている伊御や正邪を見ながらキクヱは困った顔で言う。

 

真宵「夏休み?」

 

キクヱの言葉に真宵はん?となり、キクヱは自分の言った事にハッとなる。

 

キクヱ「間違えたですのorz」

 

榊「先生、てんぱりすぎだぜ;」

 

落ち込むキクヱを榊はそう言う。

 

正邪「むにゃむにゃ……」

 

キクヱ「神那さんは伊御君の後で起こすとして…どうしましょうか?」

 

姫「でも伊御くん動き出したら鳥さんビックリするんじゃ」

 

立ち直って言うキクヱに姫はそう言う。

 

真宵「そしたら……」

 

つみき「そしたら?」

 

何か提案しようとする真宵につみきは聞く。

 

真宵「教室が大変なことに!」

 

つみき「そうね」

 

キクヱ「確かに野生の動物は警戒心が強いですからね;」

 

真宵「野生の本能じゃねん」

 

榊「なるほど、野生か………」

 

呆れるつみきの後に言うキクヱのを聞いて榊は鳥を見て…

 

榊「見つからないな野生」

 

姫「確かに;」

 

伊御に集まってのんびりしてる鳥たちに榊はそう言い、姫も同意する。

 

姫「でも本当にどうしましょう」

 

真宵「このままってわけにもいかないしね」

 

困って言う姫に真宵も同意する。

 

猫「にゃ~~」

 

つみき「驚かさない様にゆっくり近づいて、警戒心を促せばちゃんと外に飛んでくんじゃないかしら?」

 

榊「それが確実っぽいな」

 

そう提案するつみきに榊もそうするかと受け入れる。

 

真宵「誰がやる?」

 

榊「そこなんだよな…肝心の伊御は寝てるし」

 

誰がするかを聞く真宵に榊は唸る。

 

つみき「とにかくやりましょうか」

 

キクヱ「そうですね。つみきさんので鳥さん達に外にもら(ガッ)い」

 

姫「あ」

 

つみきの提案に同意して歩いていたキクヱは机に引っ掻けてしまい、持っていたのを放り投げたり、椅子や机も巻き添えで倒れかける。

 

それに誰もが必死にキャッチし…

 

佳奈「(はっ、やきとり食べたいかもー)」

 

榊「(なぜに!?)」

 

咲「佳奈ー!椅子ーーーっ!」

 

ガシャーーーン!!

 

最後の椅子を取ろうとして急にそう言う佳奈に榊がツッコミを入れて咲が叫ぶが手遅れで椅子は派手な音を立てる。

 

榊「荒ぶる野生が解き放たれる!」

 

鳥「?」

 

それに誰もが慌てて伏せるが何時まで経っても何も起きず…

 

伊御「んーー……皆何してんだ?」

 

鳥「????」

 

榊「オイ野生!!」

 

寝ぼけ眼な伊御と共に微動だにしない鳥たちに榊はツッコミを入れて他のメンバーはこける。

 

正邪「むにゃ?」

 

榊のツッコミに正邪も寝ぼけ眼で起きる。

 

周りを見た後に伊御を見る。

 

正邪「……伊御?」

 

伊御「って、何かいっぱいいる!?」

 

真宵「気付くの遅いんじゃよ;」

 

鳥たちに気付く伊御に真宵はそう言う。

 

正邪「いつの間に?」

 

伊御「犯人は榊か真宵か…何処から連れて来た?」

 

榊「うおおい!いきなり犯人扱い!?」

 

真宵「冤罪じゃよ!」

 

すっかり目覚めて驚く正邪の後に2人を見る伊御に見られた2人は言う。

 

正邪「日頃の行いのせいだろ」

 

榊「誤解だ!今回は違うんだ。皆に聞いて確かめてくれ」

 

そう言う正邪や伊御に榊はそう言う。

 

伊御「そうなのか?じゃあ犯人は?」

 

ビシッ

 

そう聞いた伊御に正邪を除いて一斉に伊御を指す。

 

伊御「犯人は俺!?」

 

正邪「だろうな」

 

驚く伊御に正邪はまぁ、予測してたな反応をする。

 

前回ので見ちゃっているからこの反応は仕方ないだろう。

 

伊御「? まぁ、さっき鳥に頭をつつかれる夢を見たのはこのせいか」

 

真宵「それはきっとつみきさんじゃよ」

 

疑問を感じたが自分に懐いている鳥たちを見てそう言う伊御に真宵はそう言う。

 

伊御「つみき?」

 

榊「格ゲーのピヨリのみたいで連打したら直るかなって話でな」

 

なぜつみきが出ると伊御は思ったが榊の説明になるほどと納得する。

 

伊御「連打してみてどうだった?」

 

つみき「…や、柔らかかった、の」

 

伊御「………………」

 

つみき「?」

 

返されたコメントにん?となる伊御の反応につみきは疑問符を浮かべる。

 

伊御「頭の鳥は離れたのかなって意味だったんだけど…」

 

つみき「~~~~~~~~~!!」

 

頬をポリポリ掻いて言う伊御のにつみきは顔を真っ赤にする。

 

その後ろでは姫が何時も通り鼻血を噴出していた。

 

正邪「むぅ……」

 

自分が寝ている間起こっていた事に正邪は起きてた方が良かったかと若干残念がるのであった。

 

榊「とりあえず鳥をなんとか出来るか?外に行くように」

 

伊御「なんとかって言われてもな…どーしろと?」

 

正邪「指示すればいいんじゃね?」

 

榊に言われて困った伊御に正邪がそう言う。

 

伊御「えーと…お帰り?」

 

言われた通りに伊御は指示じゃなくてお願いすると鳥たちは飛び去って行く。

 

榊「それで去るんかいっっ!?お前達の野生はどこ行った!?」

 

つみき「春眠…野生を覚えず」

 

正邪「伊尾…野性をてなづける」

 

あっさりと帰って行く鳥たちに榊は思わずツッコミ、つみきと正邪はそう言う。

 

姫「凄かったですね」

 

榊「そうだな」

 

伊御の動物を引き寄せるのにそう述べる姫に榊も同意する。

 

キクヱ「ともあれこれで授業も無事できま(パタパタ)…」

 

それにキクヱは言おうとして鳥が1匹伊御の頭に乗ろうとする。

 

榊「戻ってくんな!」

 

鳥「?」

 

正邪「うん、伊御なら何か来ても違和感ないって思えて来るわ」

 

真宵「確かに;」

 

正邪「珍しい動物とかもな」

 

そう言った正邪のだが、まさか後にその言葉が本当になると言う事を正邪はこの時知らなかった。




伊御「次回は14日和目、プール⇔お掃除だ。よろしくな」


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14日和目~プール⇔お掃除~

夏だ!プールだ!お掃除だ!←え?


榊「あぢぃ~あぢぃ~よ~」

 

伊尾「これは、絶好のプール掃除日和だな」

 

季節は夏になり、その暑さに呻く榊の少し後ろで伊尾はそう呟く。

 

正邪「にしてもすごい汚いなこれ。まるで沼みたいな感じだな」

 

真宵「まぁ、あながち放置してるのをそう表現しても間違ってないんじゃね」

 

水が抜かれているプールの底を見てそう言う正邪に真宵は肯定する。

 

キクヱ「では、準備が出来た人からお願いしますの~」

 

一同「はーーーーい」

 

手をパンとさせて注目を集めて言うキクヱに返事をする。

 

正邪「うぉ!?」

 

プールの底に降りた正邪は降りた際のプールの底に触れた足の感触に驚く。

 

真宵「掃除してないプールの底はホントなんとも言えないんじゃよ~」

 

榊「確かにこの感触はな……」

 

そんな正邪に同意する真宵に榊も同意する。

 

真宵「あ、そうそうつみきさん」

 

つみき「……ん?何?」

 

すると真宵がつみきを呼び掛けて何かを手渡す。

 

それは、真ん中をテープで纏めたブラシであった。

 

正邪「何、変なの作ってんだよ真宵;」

 

真宵「にょほほ、さあつみきさん。これをギュンギュン回して汚れを一網打尽じゃよ」

 

それに呆れる正邪だが真宵は気にせずつみきにそれを手渡してそう指示する。

 

指示されたつみきはこう…とブラシを高速回転させて汚れに当てると汚れは無くなって綺麗になる。

 

姫&咲&佳奈「「「おお~」」」

 

つみき「……あ」

 

そのまま他のもやろうとして手が滑って勢いが付いたブラシを手放してしまい…真宵に直撃した。

 

真宵「むはぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

正邪「クリティカルヒット!?」

 

つみき「ごめん;」

 

吹っ飛ぶ真宵を見て叫ぶ正邪の後につみきは謝る。

 

榊「うは~うひょ~」

 

京谷「どこ見てんだお前;」

 

一方の男性陣でとある所を見て満足そうに声をあげる榊に京谷がツッコミを入れる。

 

伊緒「何しているんだ?」

 

榊「夏のうなじが眩しいぜ」

 

京谷「夏の日差しじゃねえのかよ;」

 

聞く伊尾に返したのに京谷はツッコミを入れる。

 

榊「夏日の下の健康美につい目がな」

 

京谷「それはわからなくもないが…うなじはわからんな…」

 

榊「何ならわかるんだ?」

 

そう返した京谷に榊は聞く。

 

京谷「何って言われてもな…」

 

頬をポリポリ掻く京谷に榊はあっと何かに気づいて言う。

 

榊「そっか京谷は崎守にロックオンしてるからわからないんだな」

 

京谷「ねぇよ!後ちげぇよ!」

 

伊緒「ただ攻撃全部躱されそうだがな」

 

そう言う榊に叫ぶ京谷に伊尾はそう呟く。

 

榊「確かに華麗かつ優雅にかわされそうだな…ガンバ☆」

 

京谷「おい!?」

 

軽く言う榊に京谷は叫んだ後にはぁと溜息を付いてから顔を上げる。

 

京谷「ちなみに音無は女子のどこに目が行くよ?」

 

伊御「俺か?そうだな……」

 

そう聞かれて伊尾はワイワイ話し合っている女性陣を見て…

 

伊尾「笑顔かな」

 

京谷「!?」

 

そう答えた事に京谷は衝撃を受けてブラシを落とす。

 

榊「伊尾の答えに自分が汚れてる気になる京谷であった」

 

京谷「うるせぇ!」

 

そんな京谷の心境にナレーションをする榊に京谷は叫ぶ。

 

伊尾「胸とか言った方が良かったか?」

 

京谷「気を使わないでくれ?!」

 

そう聞く伊尾に京谷は叫んだ。

 

 

伊尾「やっぱりちらほらいるな」

 

榊「ああ、ヤゴとかカエルとかな、流すのもなんだしどうすっか?」

 

掃除してる中で見かける生き物達を見て呟く伊尾に榊も見てから聞く。

 

正邪「水槽に入れて川や池に放せばいいんじゃないか?」

 

京谷「なさそうだけどあんまり適当な所に放すと生態系を壊しかねないからそれはどうだろうな」

 

榊「まぁ、ヤゴは水槽で軍曹は…」

 

伊御「軍曹言うな;」

 

そう提案する正邪に京谷はそう言い、榊の最後のに伊尾はツッコミを入れる。

 

榊「塩をかけるか」

 

正邪「塩?」

 

伊御「なぜに?;」

 

突拍子もない提案に伊尾がツッコミを入れると榊はあーと漏らしてから…

 

榊「とか…す…?」

 

姫「かわいそうです!」

 

伊御「守矢の裏神に喧嘩売る気か榊;」

 

正邪「しかもそれはナメクジだ!」

 

疑問形で言った事に姫はつみきともども青い顔をして言い、伊御は思い出して言い、正邪がツッコミを入れる。

 

 

佳奈「おりゃあ!」

 

真宵「とりゃあ!」

 

しばらくして普通に掃除してるのに飽きたのか佳奈と真宵がタワシを使ってホッケーの様なのをしていた。

 

正邪「なんだあれ?」

 

伊御「ホッケーって言う競技のを真似してるんだよ」

 

榊「おータワシでホッケーでもぶ!?」

 

そんな2人のに気づいて聞く正邪に伊御が簡単に説明して榊が言おうとして顔面にタワシが命中する。

 

正邪「クリティカルヒット」

 

伊緒「パート2だな」

 

それにそう言う正邪の後に伊緒が付け加える。

 

真宵「ぬあー、すまぬタワシさん、いや榊さん」

 

佳奈「タワシさん!?」

 

正邪「じゃあこっちのタワシが榊か」

 

ぶつけた事に謝ろうとして名前を間違える真宵に正邪はのっかって言う。

 

真宵「けってーい!ではこのタワシを榊さんと名付けます」

 

榊「なんで!?」

 

高らかにタワシを持ち上げてそう言う真宵に榊は叫ぶ。

 

伊尾「その心は?」

 

真宵「サッカーボールが友達、的なノリじゃよ」

 

伊御「その友達にためらいもなく頭と足で打撃を入れられてるけどな;」

 

質問した伊御は返された事にそう言う。

 

咲「友達には遠慮は無用って事ね」

 

正邪「遠慮と言うか容赦じゃないか?」

 

持っているブラシを回しながら言う咲に正邪はツッコミを入れる。

 

その近くで京谷が素振りしたり、つみきもブラシを回してやる気満々だった。

 

榊「タワシの…事だよな?(ブオン!)はっ!?」

 

そう呟いた榊の前をブラシが通過する。

 

佳奈「榊くんをブラシで打つよ!」

 

正邪「台詞だけなら殺人予告だなそれ」

 

笑顔で言う佳奈のに正邪はツッコミを入れる。

 

伊御「まぁ、実際はタワシの方だしな」

 

榊「て言うか仮にも友の名前を付いてるんだから、ためらってくれよ」

 

そんな伊御の後に榊が悲しそうに言う。

 

正邪「まぁ、確かにそう簡単に…」

 

真宵「どぉぉぉぉっぉせい!!!」

 

正邪が言おうとする前に真宵がタワシを勢い良くかっ飛ばす。

 

正邪「打ったぁあああ?!」

 

榊「ほおぉぉぉぉぉぉい!?」

 

それに正邪と榊は絶叫する。

 

咲「榊くぅぅぅぅぅぅん!覚悟!!」

 

京谷「さっかき~このやろ~!!」

 

佳奈「全力で行くよ榊くん!」

 

そのまま伊尾と姫、正邪を除いたメンバーによる榊榊と言いながらのタワシホッケーが始まった。

 

榊「なぜいちいち名を呼ぶ…;」

 

正邪「ドンマイ、タワシ;」

 

姫「神那さん、名前間違えてますよ;」

 

そう呟く榊を慰めようとした正邪だが間違えて言ったのを姫に指摘されてやべとなる。

 

伊御「こらこら、皆、榊を虐め過ぎだぞ。その位にしなさい」

 

それに伊御が制止の声をかけて、それにメンバーも止める。

 

真宵「ふぇふぇふぇ;」

 

咲「ついね」

 

姫「昔話でこんなやり取りがあった気がします;」

 

正邪「あぁ、浦島のか」

 

そんなやり取りを見てそういう姫に正邪は思い出して確かにと頷く。

 

榊「お前なら止めてくれると信じてたぜ親友」

 

伊御「ああ、よかったな………榊(タワシ)」

 

榊「榊だって!?」

 

止めてくれたので嬉しそうに言う榊だったが伊御のに絶叫した。

 

正邪「やれやれ……」

 

それに正邪は呆れるのであった。

 

 

しばらく掃除をしていて正邪は姫と共に洗い流す為の水を運ぼうとしていた。

 

姫「うんしょ!」

 

正邪「大丈夫か姫?」

 

たっぷり水を入れたバケツをなんとか持ち上げる姫に同じようにバケツを持った正邪が話しかける。

 

姫「だ、大丈夫です~このバケツ、どこにお、け!?」

 

そう言って運んでいた姫は水たまりに足を滑らせてしまい、プールに落ちかける。

 

伊御「!姫!」

 

それに慌てて伊御は駆け寄ってキャッチしようし…なんとか姫を受け止めるがその頭に水の入ったバケツがかぶり…

 

つみき「い、お!?」

 

そんな状態の伊御に駆け寄ろうとしたつみきは姫と同じように水たまりに足を取られて…伊尾の背中に強烈な頭突きを食らわせる結果になった。

 

榊「コンボ!?」

 

正邪「いおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 

それに榊は驚き正邪は倒れ伏した伊御に絶叫する。

 

伊御「あ、うう…」

 

榊「生きてた…」

 

なんとか起き上がる伊御に榊は呟く。

 

正邪「大丈夫か伊御!」

 

伊御「ああ、いきなり頭部を水と衝撃と暗闇が襲った後、背後から重い一撃が;」

 

榊「それは姫と御庭の友情ツープラトン攻撃だ;」

 

駆け寄って聞く正邪に答えた後にそう述べる伊御へ榊がそう答える。

 

伊御「姫は怪我してない?」

 

姫「だ、大丈夫です~」

 

怪我の有無を聞く伊御に姫はそう返し、つみきは?と言う問につみきは頭に小さいたんこぶ出来てるがそれ以外ないので首を横に振る。

 

つみき「ごめんなの」

 

真宵「でもよかったんじゃよ。もしバケツの向きが逆だったら;」

 

謝るつみきの後に真宵が言った事に誰もが想像して確かにと頷き…

 

つみき「いつもの榊と西原みたいになってたわね」

 

正邪「そうだな……」

 

榊&京谷「!?」

 

そう言うつみきと同意する正邪に言われた2人はショックを受ける。

 

 

しばらくして掃除を終えてプールに水張りされる。

 

キクヱ「お疲れさまですの~」

 

一同「お疲れさまでした~」

 

そういうキクヱに伊御達も返す。

 

キクヱ「みなさんにアイスを用意してありますの~」

 

一同「お~~!」

 

差し入れに女性陣が喜ぶ。

 

伊御「せんせい」

 

キクヱ「なんですの?」

 

呼びかけられたキクヱはなんだろうと伊御へと顔を向ける。

 

伊御「あれ、どうします?」

 

聞かれたのにキクヱはへ?となって伊御の指す方を見る。

 

そこには…プールに浮くスイカがあった。

 

キクヱ「スイカが浮いてますの!?」

 

正邪「いつの間に?!」

 

伊御「冷えてますよ」

 

それに驚く2人に伊尾はそう言う。

 

その後、スイカは人数分に切られた。

 

正邪「お~冷たくておいしいな!」

 

京谷「そうだな。スイカに塩がほしいかも…そういや榊はどこ行った?」

 

スイカの食べてんーとなる正邪に同意した後にそう呟いてから榊の姿がない事に気づいて京谷は周りを見る

 

伊御「あなたが…」

 

一同「?」

 

アイスを食べていた伊御のに誰もが伊尾を見る。

 

伊御「このプールに落としたのは…金の榊ですか?銀の榊ですか?」

 

姫「ふぇ?」

 

姫と伊御と榊を除いた一同「落としたの!?」

 

榊「え、俺が何?」

 

そう言った伊御のに姫は目をパチパチさせて、ほかのメンバーが叫ぶと塩を取りに行っていた榊が戻って来る。

 

姫「あ、普通の榊さんです」

 

榊「普通!?」

 

どういう意味と叫ぶ榊のに誰もがワイワイしながらプール掃除を終えるのであった。




正邪「次回、15日和目!お披露目⇔変身だ!楽しみにしとけよ!」


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15日和目~お披露目⇔変身~

真宵が新たに作ったライダーシステム
それにより正邪たちは新たな力を得る。


真宵「と言う訳で第1回!ライダー発表会!!」

 

伊御と正邪を除いた面々「いえーーーーーい!!」

 

テンションMAXで叫ぶ真宵に伊尾と正邪を除いた面々ははしゃぐ。

 

伊御「いやいや」

 

正邪「なんだよこれ」

 

榊「のっておいてなんだがホントになんだ?」

 

真宵「よくぞ聞いてくださりました。榊さんと姫っちに正邪さんは伊御さんの変身を覚えておるじゃろ?」

 

それに伊御と正邪はツッコミを入れて榊も聞くと真宵がそう聞く。

 

榊「あぁ、まぁな」

 

姫「あの時はホントに正邪さんが助かってよかったです~」

 

京谷「なんかあったのか?と言うか変身?」

 

思い出して呟く榊に姫はそう言うと京谷は疑問詞を浮かべる。

 

真宵「実はかくかくしかじかまるまるうまうま」

 

京谷「そんな事あったのかよ!?」

 

佳奈「良かったね正邪っち!」

 

咲「ホントよね」

 

つみき「無事でよかったわね」

 

真宵に説明されてその場にいなかった面々は驚き、榊と姫もうんうんと頷く。

 

正邪「あの時の伊緒はすごかったな」

 

姫「そうですね。あの人たちを圧倒してましたもんね」

 

同じように思い出して言う正邪に姫は思い出して同意する。

 

榊「んで、もしかすると他にライダーシステムとか作ったとかか?」

 

真宵「YES!その通りなんじゃよ!」

 

グッとサムズアップした後にスイッチを取り出してぽちっとな!をすると壁が競りあがると複数のアイテムが現れる。

 

佳奈「おお!?」

 

京谷「これが!」

 

正邪「新しい……」

 

真宵「その通り!出来立てほやほやのライダーシステムじゃよ!」

 

並べられたのに誰もがおお~となる中で正邪はその中の音叉を取る。

 

正邪「なんだこれ?」

 

真宵「それは変身音叉、音角と言う。変身アイテムなんじゃよ」

 

正邪「変身アイテム!?これが!?」

 

持った音叉の事を聞いて答えられた事に正邪は驚いてみる。

 

伊御「ホント音叉が変身アイテムなんて滅多にないもんな」

 

榊「ちなみに2つなのはなんでだ?」

 

真宵「そりゃあ伊御さんと正邪さん用じゃから」

 

別にあった同じのを持ち上げて言う伊御の後に榊が質問してそう返される。

 

正邪「私と伊御用?」

 

真宵「鍛えた人がそれを使う事で鬼になれるんじゃよ」

 

京谷「なるほど、天邪鬼と言う鬼な正邪と俺達の中で一番運動神経の良い音無を選んだ訳か」

 

首を傾げる正邪へ真宵は説明して京谷は納得する。

 

正邪「どうやって変身するんだ?」

 

真宵「まず、手短な所で良いから、音叉を軽く当てて震動させた後に額に持っていくんじゃよ」

 

使い方を聞く正邪に真宵はそう説明する。

 

正邪「へ~」

 

京谷「んで、他にも色々と作ってるんだな」

 

真宵「人数分作ったんじゃよ」

 

感心する正邪の隣で並べられたのを見て言う京谷に真宵はそう返す。

 

正邪「これは?」

 

真宵「それはライダーパスにジュンオウベルトじゃよ。ちなみに京谷さん用じゃよ」」

 

次にパスとセットになったベルトを指して聞く正邪に真宵はそう答える。

 

京谷「俺用?」

 

真宵「そうじゃ、ちなみに漢字にすると盾の王と書いて盾王なんじゃよ」

 

指さして聞く京谷に真宵は頷いてそう言う。

 

京谷「……盾だと?」

 

咲「あー、奥手でヘタレな京谷が攻め手なのは想像つかないもんね」

 

まさかのに驚く京谷の後に咲がそう言う。

 

京谷「ヘタレ!?」

 

一同「あー」

 

京谷「お前らも!?と言うかヘタレ言うな崎守!!」

 

それに誰もが納得するのに京谷は叫んだ後に咲にそう言った時、どこからともなく飛んで来た光の玉が京谷に吸い込まれると京谷から砂が出てきた後に何かを形成する。

 

???「んあーーーー…やっと体が出来たよ」

 

それは人でんーーーと背伸びする。

 

京谷「な、なんだこれ?!」

 

真宵「盾王をサポートする為の人工イマジンのアダムじゃよ。ちなみに外見のは西原さんが頭に浮かべてたのじゃよ」

 

驚く京谷に真宵はそう説明する。

 

京谷「だからって…なんで崎守そっくり!?」

 

アダム「?」

 

叫ぶ京谷にアダムは何で叫んでいるのかに首を傾げたが何かピンとなった後に京谷の肩に手を置き…

 

アダム「思春期なんだろう。気にすんな」

 

京谷「思春期かんけえねえよ!!」

 

グッとサムズアップするアダムに京谷は叫ぶ。

 

真宵「まぁ、いつも通りな西原さんは置いといて」

 

京谷「ちょっ!?」

 

京谷をスルーして話を続ける真宵は次に四角形のを手に取る。

 

真宵「佳奈やん専用の変身アイテム。ちなみに変身名はボイムじゃよ」

 

佳奈「ボイム?」

 

伊御「変わった名前だな」

 

名を言った真宵のに佳奈は首を傾げて伊尾は呟く。

 

真宵「そしてそんなボイムのパートナーが…おーい出てくるんじゃよ」

 

その言葉と共に音が響いてから鏡から全身が鋼鉄の黄緑色の牛が現れる。

 

真宵「ボイムの相棒モンスター、名前はグランバッファローじゃよ。ちなみに草以外になんでも食べます」

 

榊「普通に牛だな」

 

佳奈「牛だね!」

 

グランバッファロー「ぶるる」

 

説明する真宵の後に榊と佳奈は近寄るとグランバッファローは佳奈にすり寄る。

 

咲「私のは?」

 

真宵「これじゃよ」

 

気になったので聞く咲に真宵は見せる。

 

それはナックルダスターの様なアイテムであった。

 

京谷「これ、変身アイテムなのか?」

 

真宵「じゃよ~」

 

咲「どう使うの?」

 

訝しげに聞く京谷に真宵は頷いて咲は持ちながら聞く。

 

真宵「その前にこのジハドベルトを装着して、んで装着したらまずジハドナックルを主に掌だけど体の一部に当てからベルトにセットするんじゃよ」

 

咲「えっとこう?」

 

説明されながらベルトを装着された後に言われた通り、咲は掌に持っていたジハドナックルを当てる。

 

レ・ディ・ー

 

その後に装着したジハドベルトへセットする。

 

フィ・ス・ト・オ・ン

 

音声が響いた後に先の前に銀色の幻影が現れて咲へと重なると咲の姿は変わっていた。

 

見た目は仮面ライダーイクサ・バーストモードの白い所を黄色くして金色の所をシルバーにした感じ、胸の模様が星になっている。

 

姫「はわわ!変わっちゃいました!!」

 

咲「これが?」

 

真宵「そう!仮面ライダージハドじゃよ!」

 

咲「へ~良い名前じゃない」

 

自分の姿を見て聞く咲、もといジハドに真宵は名前を教えるとジハドは満足そうに言う。

 

榊「姿もかっこいいな」

 

佳奈「だね~」

 

真宵「榊さんにはこれを」

 

そう言って真宵は榊にベルトを渡す。

 

榊「って、俺のはベルトだけか?」

 

真宵「ふふふ、榊さん。アヌビスゼクターって言って見るんじゃよ」

 

ベルトだけにそうぼやく榊に真宵は笑って言う。

 

榊「?アヌビスゼクター」

 

その言葉と共にどこからともなく何かが飛んでくる。

 

ブゥーーーーーン

 

佳奈「あ、あれは何?」

 

京谷「鳥か!?」

 

咲「ラジコン飛行機!?」

 

伊御「いや、あれは…」

 

榊「ゼクター!?」

 

それぞれが言ってから榊が最後に叫んだ後、飛んで来たゼクターは…榊の男の急所に命中した。

 

榊「……………(ずしゃあ)」

 

京谷「無言で倒れた!?」

 

真宵「あれ?」

 

それに榊は声を出さずに崩れ落ち、京谷が叫ぶ中で真宵は首を傾げる。

 

真宵「えっとね。榊さんの使うゼクターはアヌビスゾウカブトを元にしたアヌビスゼクターと言うんじゃよ」

 

正邪「アヌビスゾウカブト?」

 

伊御「カブトムシって言う虫の一種で外見はこんな感じなんだ」

 

首を傾げる正邪に伊尾は携帯を操作して画像を呼び出して見せる。

 

正邪「へぇ~こんな虫がいるんだな」

 

榊「け、結構幻想郷にはいない虫は多いわね」

 

つみき「あ、起きた」

 

京谷「と言うか口調おかしくなってるぞ;」

 

感心する正邪に榊が置きながらそう言い、京谷に突っ込まれる。

 

正邪「大丈夫か?」

 

榊「お、おう…んで真宵、変身するのは?」

 

真宵「ベルトを装着し中央にスライドさせるように装着すれば良いんじゃよ」

 

安否を聞く正邪に榊は答えてから使用方法を聞いて真宵はそう返す。

 

榊「こうか」

 

右側からじゃよ~と言われた通りに榊はアヌビスゼクターを右手で取った後に右側からスライドさせる様にベルトに装着させる。

 

ヘンシン!

 

音声の後にベルトを中心に六角形のエネルギーが広がって行き、最終的にカブト・ライダーフォームの赤い所を明るい黄土色に変えており、ライダーホーンを短くしていて後頭部に別の角を付けて複眼の色は緑色に変えたライダーになる。

 

姫「ふぇ~~」

 

榊→アヌビス「おお、名前からして仮面ライダーアヌビスだな」

 

真宵「その通り♪」

 

姫と共に自分の姿を見て感想を述べるアヌビスに真宵は肯定する。

 

伊御「カブト系ってことはあれが使えるのか?」

 

真宵「もち!使えるんじゃよ!」

 

確認する伊御のに真宵はサムズアップして答える。

 

アヌビス「ふむ、それならクロックアップ!」

 

クロックアップ!

 

それにアヌビスは右腰のをスラップスイッチをプッシュして発動させ、鈍くなっている周りのにおお~と感心の声をあげる。

 

少し移動して、1分経つのを待つ。

 

クロック・オーバー!

 

伊御「どうだった?」

 

アヌビス→榊「なかなか新鮮だったぜ」

 

佳奈「いつの間に!?」

 

感想を聞く伊尾に変身を解きながらそう答える榊に佳奈は驚く。

 

正邪「どうやって移動したんだ!?隙間妖怪の様にか!?」

 

榊「まぁ、高速移動に近いかな?」

 

同じように驚いて聞く正邪に榊はそう返す。

 

つみき「私のは?」

 

真宵「勿論あるんじゃよ!」

 

興味がわいたので聞くつみきに真宵はそう言ってじゃーんと見せる。

 

それは携帯と中央に何かを装填するようにされたバックルの付いたベルトであった。

 

伊御「これって……ファイズ系のベルトか?」

 

真宵「そう!そしてこれの名前はアファートでギリシャ文字のαを元にしてるんじゃよ」

 

ベルトを見て聞く伊御に真宵は頷いて答える。

 

つみき「どんな特徴があるの?」

 

真宵「特徴はとにかく速く動くスピード戦法を元に、武器に剣と銃を備えたアファートガンセイバーを持っているんじゃよ。アファートガンセイバーは待機モードが001、剣モードが020、銃モードが300と別々に入力する事で変わるんじゃよ。ちなみに変身コードは103」

 

榊「103…い・お・さん…か…」

 

伊御「……俺?」

 

真宵の説明を聞いてそう言う榊に伊尾は首を傾げる。

 

真宵「ちょいと遊び心入れました☆」

 

つみき「///」

 

てへっとする真宵に対し、つみきは頬を赤くする。

 

伊御「???」

 

榊「(流石は親友分かってねえ)」

 

なんで自分?とハテナマークを浮かべてる伊御に榊はうんうんと頷く。

 

つみき「そ、それで姫もあったりするの?」

 

姫「ええ!?私ですか!?無理ですよ!」

 

話題転換と姫を見て聞くつみきに指名された姫は驚いて手をブンブン振る。

 

真宵「もちろんあるんじゃよ!」

 

姫「あるんですか!?」

 

ビシッと指して言う真宵に姫は叫ぶ。

 

京谷「おいおい、春野さんは難しくないか?」

 

真宵「まぁ、そこらへんは姫っちの安全を考慮してるんじゃよ」

 

姫「そ、そうなんですか?」

 

それに不安げに言う京谷に答えた真宵に姫は恐る恐る聞く。

 

真宵「うむ、ある意味防護服ともいえるもんじゃよ。武器を除いて(ぼそり)」

 

正邪「武器を除いてだと?」

 

そう返してからぼそりと小さく呟いたのをめざとく聞いた正邪が詰め寄る。

 

榊「もしかして姫には扱えない様な武装を…」

 

真宵「だ、大丈夫じゃよそこらへんはプロテクトしてあるんじゃよ!」

 

姫「ぷ、プロテクト!?」

 

警戒して言う榊に返した真宵に姫は驚く。

 

伊御「そんなになのか?」

 

真宵「作ってたらテンション上がりまして」

 

正邪「どれくらいやばいんだ?」

 

聞く伊尾のに答えた真宵へ正邪は聞く。

 

真宵「いやー、G3-XとG4と言う仮面ライダーが使うGXシリーズを全部+オリジナルのを作りまして…んで威力についてはそりゃあもう普通に危険なんじゃよ」

 

榊「あー、確かにGXシリーズは姫にはきついな」

 

姫「きついんですか!?」

 

真宵の言い分に榊は同意したのに姫は驚く。

 

正邪「なんなんだそのGXシリーズって?」

 

伊御「G3って言う仮面ライダーが使うアイテムで幻想郷に存在しているのより強力な武器で構成されているんだ」

 

気になったので聞く正邪に伊尾は説明する。

 

幻想郷にあるのよりと言うのに正邪はマジかと驚く。

 

真宵「本当に危ないから姫っちが慣れるまでは必殺級のもプロテクトしてしばらくは防護服になるんじゃよ」

 

榊「と言うか、姫が一番扱うのが難しいのをチョイスするってな…まぁ、ライダーので一番強度的にはそっちが良いか…」

 

そう言う真宵に榊は頭を掻いて呟く。

 

正邪「そういう自分のはどうなっているんだ?真宵」

 

真宵「にゅふふふふ、勿論私のも用意してるんじゃよ」

 

ベアー

 

気になったので聞く正邪に真宵はそう言いながらロストドライバーと1つのガイアメモリを見せる。

 

正邪「……熊?」

 

真宵「その通りじゃよ」

 

ふぇっふぇっふぇと笑いながら真宵はベアーメモリを高らかに見せる。

 

姫「くまさんですか~」

 

榊「仮面ライダーベアーってか」

 

真宵「その通りじゃよ~」

 

ほんわかする姫の隣でそう言う榊に真宵は肯定する。

 

正邪「強いのか?」

 

真宵「一応パワータイプじゃよ~まぁ、要練習じゃけどね~」

 

訝しげに聞く正邪に真宵はそう返す。

 

正邪「ふうん。しかし色々といるんだな仮面ライダーって」

 

真宵「確かに色々といるから興味深いんじゃよね~」

 

頬をポリポリ掻いた後にそう言う正邪に真宵は腕を組んでそう返す。

 

伊御「昭和のころから居るからな……」

 

正邪「はぁ~そうなのか~」

 

そう言った伊御のに正邪は凄いな仮面ライダーはとさらに感心する。

 

正邪「んで、私のはどういう感じになるんだ?」

 

真宵「あー…それは…その…」

 

音角を見ながら聞く正邪に真宵は困った感じになる。

 

正邪「?」

 

真宵「響鬼系ライダーはその、平成の中で一番特殊だから変身した際のは姿は…お楽しみ☆」

 

伊御「お楽しみじゃないだろう;」

 

疑問詞を浮かべるメンバーにそう答えた真宵に伊御はツッコミを入れる。

 

正邪「?とりあえずやってみるか……」

 

そう言って正邪は手短な場所に音角を軽くぶつけた後に自分の額に持って行く。

 

それと共に正邪は炎に包まれる。

 

姫「ふぇ!?」

 

正邪「おおおおおおおおおお!はっ!!」

 

いきなり炎に包まれたので驚く姫を前に掛け声と共に正邪は炎を弾け飛ばすと姿が変わっていた。

 

見た目は顔は額の十五を消して鬼の顔を付けたフィフティーンで胸は響鬼、両腕両足が響鬼とフィフティーンを混ぜた感じ、色はメインの色が赤、サブが黒の鬼の仮面ライダーであった。

 

榊「おお!?」

 

姫「はわわ、ホントに鬼さんです!」

 

咲「かっこいいわね」

 

それを見て驚く面々に正邪も鏡を見て自分の姿におお、となる。

 

正邪「別に変なところはないな」

 

真宵「そうじゃのう、名前を付けるなら…反鬼(はんき)でどうじゃろう?」

 

榊「ああ、本人の能力とピッタリで正邪のはそれで良いと思うぜ」

 

そう述べる正邪に真宵はそう命名して榊も同意する。

 

つみき「伊御のは?」

 

伊御「俺か?」

 

佳奈「あ、確かに」

 

そんな反鬼から伊御のがどうなるのか気になったのか聞くつみきに佳奈も気になるので追従する。

 

伊御「俺のは確か……」

 

真宵「エクスじゃけどオーバーホールをしてる時とかでその間変身する為の奴じゃよ」

 

思い出して言う伊御に真宵は音角を指しながらそう答える。

 

伊御「これか」

 

真宵「そうじゃよ~ちなみにそれも変身がどうなるかお楽しみ」

 

音角を自分の目線まで上げて言う伊御に真宵はそう返す。

 

伊御「……変身」

 

鳴らした後に額に当てて呟くと全身が炎に包まれ、それを吹き飛ばした伊御の姿に誰もがおおっと言う。

 

その姿は仮面ライダー西鬼の黄色い部分を青くした感じのであった。

 

榊「お~」

 

京谷「それが音無の変身するライダーか」

 

それに榊は簡単の声を上げて京谷はそう呟く。

 

猫「にゃ~」

 

姫「あ、猫ちゃんです~」

 

京谷「ここでも来るんだな」

 

すると猫が来て。姫はほわっとなり、京谷は呆れる。

 

猫2「にゃ~」

 

猫3「にゃ~」

 

猫4「にゃ~」

 

伊御「おお」

 

佳奈「どんどん伊御くんに集まっていくよ!」

 

榊「そこは変わんないな」

 

次々と現れて鬼の姿になっている伊御にすり寄るのに榊は呆れる。

 

一時間後……

 

猫56「にゃ~」

 

猫57「にゃ~」

 

猫58「にゃ~」

 

猫59「にゃ~」

 

鳥25「ぴよ」

 

真宵「また多くの猫と鳥が!」

 

伊御「おおう」

 

大量の猫と鳥に叫ぶ真宵に懐かれている伊尾も驚く。

 

正邪「部屋が埋まってきたな」

 

真宵「伊御さん、広場にいといてくれませんかね;」

 

伊御「ん。分かった」

 

周りを見て言う正邪の後に真宵のに伊尾は頷いて出て行くと鳥と猫たちも出て行く。

 

榊「俺、伊御の変身するライダーの名前が出来たぜ」

 

姫「え?なんですか?」

 

それを見届けてから言う榊に姫は聞く。

 

榊「さっきの伊御にピッタリの名前、獣の鬼と書いて獣鬼(じゅうき)だ」

 

真宵「あー」

 

京谷「確かに音無にピッタリだな」

 

名前を言う榊に誰もが納得する。

 

正邪「確かに伊御は獣に好かれてるもんな」

 

つみき「主に猫とかにね」

 

真宵「あと人間一名と天邪鬼一名にも」

 

コンプリート!

 

エクシードチャージ!!

 

ベアー!

 

反鬼&アファート「「ダブルライダーキック!」」

 

真宵「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

そんな伊御のを見て言ったつみきと正邪だったが余計なのを付け加えた真宵にそれぞれライダーに変身してキックを叩き込もうとし、その前に真宵は熊をモチーフにした仮面に2つの赤い複眼を付け、体は仮面ライダーレイを黄色くした感じの仮面ライダーに変身して負担を和らげようとして吹き飛ばされる。

 

榊「真宵ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」

 

佳奈「あれが仮面ライダーベアーなんだね」

 

咲「吹っ飛ばされてるけどね」

 

それを見てそう言う

 

榊「ホント、一部の事で行動がはえぇな」

 

伊御「だな」

 

京谷「って音無いつの間に!?」

 

それにそう漏らす榊に何時の間にか戻っていて同意した伊御に京谷は驚いて聞く。

 

伊御「さっき真宵が変身して吹っ飛ばされた所で戻って来た」

 

黒猫「にゃ~」

 

そう返した伊御の頭にいつもの黒猫が乗っていて、定位置だなと榊は思う。

 

伊御「2人の変身するライダーもかっこいいね」

 

正邪「そ、そうか?」

 

つみき「(てれり)」

 

そう言う伊御に変身を解除した正邪とつみきは頬を赤く染めて照れる。

 

アダム「微笑ましいな」

 

京谷「そうだな」

 

それを見てそう言うアダムに京谷は同意する。

 

真宵「とまぁ、そう言う訳で私が作ったライダー達じゃよ」

 

榊「ホント良く出来たな」

 

正邪「一体どこから材料集めてきたんだ?」

 

正邪「おいおい、企業秘密ってやつか?」

 

真宵「トップシークレットとも言うんじゃよ(だってあんまり広めないで欲しいだったし)」

 

返しつつ真宵はそう内心呟きながらにょほほと笑う。

 

伊御「まぁ、教えられないのなら教えられないで良いと思う。それに真宵なら間違った使い方はしないさ」

 

真宵「おおう、伊御さんからの信頼と信用のまなざしが重いんじゃよ」

 

そう言った伊御のに真宵はそう漏らす。

 

正邪「それを裏切らないようにな」

 

真宵「勿論じゃよ」

 

念押しする正邪に真宵は胸を叩いていう。

 

正邪「破るなよ」

 

真宵「念押しし過ぎじゃよ;」

 

榊「とにかく、俺達もなれるって凄いよな」

 

念入りに言う正邪に真宵は冷や汗を掻く中で榊はそう言う。

 

真宵「まぁあんなのが現れた時ようじゃからね」

 

榊「確かにな。俺的にああ言うのはこりごりだな。俺らの原作的に考えて!」

 

京谷「なんかメタイ事言ってないかお前!?」

 

伊御「確かに色々とあかん奴だな;」

 

そう言う真宵に答えた榊のに京谷と伊御はツッコミを入れる。

 

正邪「こっちのじゃ有りそうだよな」

 

咲「どうなんでしょうね?」

 

佳奈「そうだよ~そんな大騒ぎはね~」

 

そう言う正邪に咲と佳奈はそう返す。

 

この時の伊御たちは知らなかった。

 

しばらくしたらとんでもない事に巻き込まれると言う事を…




正邪「次回、16日和目!放送⇔大惨事をお楽しみにな。って大惨事!?」


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16日和目~放送⇔大惨事~

ネタばれ;鼻血の雨

正邪「いや、なんだよそのツッコミ所満載の!?」


とある平日のお昼休みの時

 

つみき「?神那は?」

 

真宵「それじゃったら伊御さんと購買に行ったんじゃよ」

 

姫「そうですか~」

 

いつも通り弁当を取り出していたつみきは正邪がいない事に気づいて聞き、真宵が答え、姫は納得して来るまで待っときますか?と聞こうとして…

 

???『皆さんこんにちわ~!お昼の放送の時間です~』

 

すると放送が始まり、つみき達はそっちに耳を傾ける。

 

???『今日は私、桐野亜美と共に努めていますが風邪で休んだ相方、憎いあんにゃろうの変わりに突発的ゲストの!』

 

榊『あなたの暮らしのお耳の恋人、クラスメイト!戌井榊と!』

 

姫「ほえ?」

 

真宵「榊さん?」

 

つみき「何やってるの?」

 

聞こえてきた知り合いの声に3人はスピーカーを見る。

 

伊御『ドナドナされた友人の音無伊御です』

 

正邪『同じくついでで連れて来られた蛇正神那です』

 

つみき&姫&真宵「!?」

 

桐野『今回は月末スペシャルなので、よろしければ教室のテレビ映像でお楽しみくださいね~』

 

続けて出て来た人物たちにつみき達は驚く。

 

つみき「伊御…テレビ…」

 

姫「生放送ですか~」

 

真宵「見たい人挙手」

 

興味津々なメンバーにいつの間にか教卓へいた真宵のに誰もが手を挙げて真宵はテレビをオンにする。

 

桐野「さ~て、こんな楽しそうなメンツでお送りする今日の放送。パーソナリティーは先ほど名乗った様にお馴染みの放送委員、桐野亜美でお送りしま~す」

 

すると桐野と向かい合う感じで伊御と榊、正邪がいた。

 

正邪「んでなにをするんだ?」

 

榊「まぁ、飛び入りゲストのトークなんて退屈だろうし、いつものコーナーに行こうぜ」

 

桐野「そんな事はないと思いますが…では、お言葉に甘えて…人気のお悩みそうだ~ん」

 

聞く正邪に榊はそう答えてから促し、桐野は苦笑した後にコーナー名をコールする。

 

桐野「えっとペンネーム天邪鬼さんからの相談です」

 

どう言うのが出るかなと見ていた3人は桐野が読み上げたペンネームを聞いた瞬間、榊と伊御は思わず神那の方を向く。

 

桐野「どうしました?」

 

伊御&榊「「いえ、何も」」

 

それに首を傾げる桐野だったが気を取り直して読む。

 

桐野「自分の周りの人達がとても人とは思えないほどの能力を持っています。ツッコミされても流されるのですがどうしたらいいでしょうか」

 

伊御「そうか…」

 

榊「それは大変だな」

 

読み上げられた内容に伊御はどう反応すればいいか困り、榊は涼し気な顔で言う。

 

桐野「ちなみに例はいくつかあるみたいですよ」

 

榊「ふうーん。例えば?」

 

そう言う桐野に榊は興味があるので聞く。

 

桐野「二階から飛び降りても平気な男子二人」

 

榊「ふんふん」

 

桐野「割りばしで雪玉を落とす男子」

 

伊御「…………」

 

桐野「壁にぶつかっても復活する男子」

 

榊「ほうほう」

 

次々と出るのにそれぞれ相槌を打って、桐野は読み終えた後に一言

 

桐野「凄い人たちがいるもんですね」

 

榊&伊御「「まったくだな」」

 

正邪「ツッコミはないのか!?」

 

そう述べる桐野に頷く伊尾と榊に正邪はツッコミを入れる。

 

桐野「まぁ、このコーナーはみなさんのお悩みに対し、私たちが切り捨てたり、笑い転げたり、泣き崩れたりしていくコーナーですから」

 

榊「解決する気ねえ!」

 

正邪「それお悩み相談じゃねえだろ?!」

 

桐野「冗談です。解決もやぶさかではありません」

 

伊御「やぶさかって、ちゃんと悩みに答えてあげようよ;」

 

返しに叫ぶ2人にそう言う桐野に後半のに伊御は冷や汗を掻く。

 

桐野「お悩み遭難コーナー」

 

伊御「救助しろ!」

 

正邪「捜索しろ!」

 

続けて言われた事に伊尾と正邪はツッコミを入れる。

 

桐野「では早速、次のMさんからのお悩みです」

 

榊「流した!?」

 

正邪「流すのか!?と言うか最初のあれで良いのか!?」

 

そんな2人のを流して桐野は次のを読む。

 

桐野「〝気になるあの人の落とし方を教えてください”と言う悩みですがお3方」

 

榊「そうだな…まず…」

 

正邪「屋上とか体育館裏に連れていくとか?」

 

読み上げた桐野のに言おうとする榊の横から割り込んで正邪は言う。

 

榊「無難だな。俺の場合も屋上の方に呼び出す」

 

伊御「神那は良いとして、意外にベタだな。お前的にしては」

 

確かにとテレビで見ていた面々や正邪も同意する。

 

榊「そして…夕焼けと下校する生徒を見下ろしながら、高鳴る胸の鼓動を抑えてそっと…彼の背中を…押す」

 

榊イメージの少女『好きあり』

 

榊イメージの少年『おっ!?』

 

正邪「押したぁあああああ!?」

 

桐野「落とし所が違います!」

 

まさかの展開に正邪と桐野が叫ぶ一方で榊は続ける。

 

榊「衝撃的な告白だろ!」

 

伊御「身も心もな;」

 

正邪「つか死ぬだろ」

 

ツッコミを入れる2人を気にせず榊は付け加える。

 

榊「後は最後に一言加えると効果的になる」

 

伊御「相手は眼下で地面にめり込んでいるぞ;」

 

正邪「その一言はなんだよ;」

 

そう聞く2人と興味津々な桐野に榊は答える。

 

榊イメージの少年『出れなーい;』

 

榊イメージの少女『私…本気よ(てれり)」

 

正邪「怖っ!?」

 

榊「これで君の気持ちが本気だと伝わる筈だぜ!」

 

伊御「伝えた先に未来がねえよ。恋が終わる」

 

サムズアップして言う榊に伊御がツッコミを入れる。

 

桐野「み、皆は真似しちゃダメですよ」

 

正邪「するか!」

 

一応注意する桐野に正邪は叫ぶ。

 

榊「うーん。じゃあ、素直に屋上でドーンとあなたを落としますって告白はどうよ」

 

桐野「なんだかもう。告白の言葉が脅迫の言葉に聞こえてきましたよ」

 

正邪「恋じゃなくて憎しみとか籠ってそうだな」

 

そう言う榊のに桐野はそうコメントし、正邪は呆れて言う。

 

榊「一世一代の告白はやっぱインパクトがないと」

 

伊御「そんな告白、一代も残すな;」

 

正邪「つか、歴代の恥になるぞ」

 

そう言う榊に伊御と正邪は呆れて言う。

 

榊「告白じゃなくて告別の言葉になったりしてな、なっはっはっはっ!」

 

伊御「何に別れを告げる気だ」

 

正邪「この世とじゃねぇの?」

 

愉快に笑う榊に2人は再度のツッコミを入れる。

 

榊「違うぜ神那。昨日までの私に…さよなら…だ」

 

桐野「それじゃあ間違いなく恋にさよならですって!」

 

正邪「女としてはそれは最悪だな」

 

そう言いきった榊に桐野は叫び、正邪が呆れる中で榊は笑う。

 

伊御「えーと…気を取り直していこうか」

 

桐野「ですね」

 

正邪「相談者、今の榊のコメントは無視しとけ」

 

そう言う伊御に桐野は頷き、正邪は注意しておく。

 

桐野「私は落とす為に告白するのは悪い事じゃないと思いますが勝算のない戦いはお薦めしませんね」

 

伊御&榊「ほう」

 

正邪「策でもあるのか?」

 

そう言う桐野に2人は感心して正邪は聞く。

 

桐野「恋は戦争です!あらゆる知を巡らせて、相手を籠絡するために戦略は必須です!」

 

伊御&榊「「…………」」

 

正邪「ふむ、確かに」

 

ドンと机を叩いて豪語する桐野に正邪は納得する。

 

桐野「女の子は、生まれながらにして~~~~戦恋(せんこい)武将なのです!!」

 

正邪「おぉ~」

 

ほらがいが聞こえそうな程断言する桐野に正邪は拍手する。

 

桐野「ちなみに私の使う計略は…火計です。恋の炎で燃やします!」

 

正邪「火計か……」

 

榊「計略なら俺も使えるぜ」

 

そう言う桐野に正邪は感嘆すると榊がそう言う。

 

伊御「ああ、滑稽だろ?」

 

榊「なっ!?」

 

桐野「ぶふっぷぷぷぷぷぷぷww」

 

正邪「くくくくくくくwwwwww」

 

そう言った伊御のに桐野と正邪は笑いを抑えられずに笑ってしまい、見ていた面々も笑っていた。

 

榊「計の字すらないうえに使いどころねえ!」

 

顔を赤くして叫んだ榊を後目に次のお悩み相談へと移るのであった。

 

正邪「次の相談者は猫さんからだ」

 

榊「猫…」

 

そう言った正邪のに榊は珍しいなと思った後にどう言う内容かなと考える。

 

桐野「えっと…〝友達が好きな人に対して素直になれないみたいです。なんとかしてあげられないでしょうか?”」

 

榊「ツンデレなんだな(と言うか御庭じゃないな…)」

 

正邪「ツンデレ?」

 

読み上げた桐野のにそう言う榊に正邪は首を傾げる。

 

ちなみにツンデレであるつみきは真宵に注目されていた。

 

榊「か、勘違いしないでよね。別にあなたの事なんてなんとも思ってないんだから…って感じかな?」

 

伊御「好きな人にそう言っちゃうのは素直になれてないのかもね」

 

正邪「まぁそれが乙女ってもんだろ」

 

実演する榊のにそう述べる伊御へ正邪はそう言う。

 

榊「か、勘違いしないでよね!べ、別にあなたの事なんて好きなんだから!」

 

桐野「遠回しに素直になりました!?」

 

正邪「か、勘違いするなよ!べ、別にお前の事なんて嫌いでも好きでもないんだからな!」

 

桐野「こっちはこっちで友達以上恋人未満で表現して良いのかの発言をしました!」

 

続けてそう言う榊のに桐野がツッコミを入れて乗った正邪のに桐野はそう評する。

 

榊「勘違いしないでよね。別にあなたはゴートゥーヘル!!」

 

桐野「そして脅迫された!?」

 

伊御「っていうか、日本語がおかしいぞ;」

 

正邪「勘違いするなよ。別に貴方をキルしたくないんだからね!」

 

桐野「こっちはこっちで殺し文句!」

 

伊御「神那…それはそれで危ない;」

 

次に出た言葉に桐野と伊御はツッコミを入れてから空気を変える。

 

桐野「でも、相手がツンデレなら簡単な方法がありますよ」

 

伊御「いや、その友達、ツンデレで確定なのか?;」

 

正邪「確定でいいんじゃね?」

 

そう切り出す桐野のにそう言う伊御へ正邪はそう言う。

 

桐野「ズバリ!あの子、ツンデレだよと言えば、万事解決なのです!」

 

伊御「どう解決するんだ?」

 

正邪「さぁ?」

 

そう言う桐野のに凄く疑問と言う伊御に正邪も首を傾げる。

 

桐野「直になれなかった時の言葉が逆の意味になります」

 

榊「言われた事を脳内に変換するって訳だな」

 

正邪「ってことは……」

 

そう言った桐野のに付け加える榊に正邪は考える前に桐野が言う。

 

桐野「勘違いしないでよね。別にあなたはゴートゥーヘル!!」

 

榊「結婚しよう!」

 

伊御「意思疎通は大丈夫なのか!?」

 

正邪「大丈夫じゃないだろ……頭の中は」

 

楽しそうにしてる2人を見てツッコミを入れる伊御に正邪はそう言う。

 

落ち着いた後に次の相談を見る。

 

桐野「さあて、お次は…好きな人にさりげなくアピールしてもことごとくスルーされます。もしかしてニブチンなのでしょうか?この困難に立ち向かう案を是非にご教授してください。ニブチンですか…」

 

榊&正邪「「ニブチンか…」」

 

伊御「うーん…鈍いのか…ん?」

 

続いてのを読んで3人は伊御を見て伊御も呟いた後に自分に視線が始まる時から回していたペンを止める。

 

榊&正邪&桐野「「「ニブチン…」」」

 

しばらく伊御を見ていて…

 

桐野「難しい問題ですね;」

 

榊「ああ、難解だ」

 

正邪「五つの難題より難題だな」

 

伊御「君達、今なんでこっちを見た;」

 

そう言う3人に伊御はそう言うが見ていた者達はあーとなる。

 

桐野「うーん。ニブチーな人にはやはり変化球よりストレートなのが良いと思いますけどね」

 

榊「そうだな。当てはまる人材がこの場にいることだしニブチーにストレートな言葉をかけてチェックしてみようぜ~」

 

正邪「おお~良いな」

 

そう言う桐野に提案する榊に正邪は同意する。

 

伊御「君が好きだ」

 

桐野「………す、ストライク♡(ドキーン)」

 

次の瞬間、伊御の発した直球に桐野は撃ち抜かれた。

 

榊「役が、逆だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

正邪「なんで伊御が直球投げてるんだよ;」

 

それに榊は思わずツッコミ、正邪もそう言う。

 

その後に榊ははっとなって机に手を付く。

 

榊「絶妙なタイミングでのボケに我を失ってツッコミしちまった!」

 

桐野「榊くん、近年まれにみる動揺ぷりでしたね;」

 

伊御「俺はボケたつもりはないんだが?;」

 

正邪「それは天然の決まり台詞だ」

 

プルプル震えながら言う榊や苦笑する桐野に対してそう言う伊御に正邪は呆れた顔で言う。

 

桐野「でも、好きだじゃあアピールと言うか告白になっちゃいますよ」

 

正邪「しかもそれで伝わらなかったらなぁ……」

 

そう指摘する桐野と正邪に伊尾は再開していたペン回しを止める。

 

伊御「と言うかさ、もっと自然に好きな人の為に何かしてあげたいって言う気持ちで行動すれば、きっと魅力に気づいてくれると思うよ。俺は」

 

そう言った伊御に桐野と正邪は顔を赤くし…

 

桐野「なんか乙女として負けた気がします///」

 

正邪「そ、そうだな///」

 

榊「ドンマイ」

 

伊御「あくまで俺の意見だぞ」

 

そう言う桐野と正邪を励ます榊に言っていて恥ずかしかったのか伊御は頬を赤くして照れる。

 

正邪「んで、時間良いのか?」

 

桐野「おおっと、そろそろ時間みたいですね。3人とも今日はありがとうございました」

 

そう聞く正邪に桐野も時間を確かめて締めに入るのでお礼を言う。

 

正邪「んじゃ締めに伊御、なんか言ってくれ」

 

桐野「そうですね。最後に音無さんに締めて貰って終わりたいと思います」

 

榊「レッツゴー!」

 

伊御「なんだその振り…;」

 

そう言う正邪に桐野と榊も乗って煽り、伊御はツッコミを入れる。

 

桐野「食欲に身を委ねることなく、飽くなきリアの探究を胸に、今日もお昼を抑えた健気な女の子たちに、嬉し恥ずかしいストロベリーな一言をどうぞ!」

 

正邪「凄い無茶ぶりだな!?」

 

そう言う桐野に正邪がツッコミを入れた後に伊尾はペン回しを止めて口を開く。

 

伊御「明日の君は今日より綺麗だね」

 

正邪「っ///!?」

 

予想以上のストロベリーな言葉に正邪はいつも姫とつみきがしちゃう鼻血を噴いてしまう。

 

桐野「そういう事で!今日はゲストに戌井くんと音無くんに蛇正さんを迎えて、お送りしました。生徒のみなさん。午後は教師たちの睡眠呪文にご注意してくださいね~それではごきげんよう~」

 

榊「ば~い」

 

伊御「これで良いのか?;」

 

正邪「ふへぇ///」

 

慌てる伊御とビクンビクンしてる正邪を後目に2人は締めるのであった。

 

なお、教室でほとんどの女子生徒たちが鼻血を噴いていたのに驚く伊御であった。




桐野「じ、次回『ゲーム大会⇔大波乱』ですよ~///」


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17日和目~ゲーム大会⇔大波乱~

第2回の校内ゲーム大会開幕!

正邪「みじけぇ!いや確かに合ってるけどよ!」


とある日の校内

 

真宵「第二回校内ゲーム大会☆」

 

榊「にゃんこ人形(伊御製)争奪対戦開催☆」

 

桐野「イエー!!」

 

伊御「またやるのか」

 

正邪「んで今度は桐野も入るのか」

 

テンションを上げて言う3人に伊尾は頭に猫人形を乗せながら呟き、正邪は一緒にいる桐野を見て言う。

 

桐野「ええ。人数が片方1人多めになると言う事で」

 

正邪「……ついていけるのか?」

 

そう返す桐野に正邪は思わずそう聞く。

 

確かに結構身体能力が多い面々で初参加の桐野が付いて来れるか疑問が出るもんだ。

 

桐野「ふふん。付いて行く事はちゃんとしますよ!」

 

正邪「まぁ、ガンバレ」

 

ふんす!と気合を入れる桐野に正邪は激励を送る。

 

真宵「商品は毎度おなじみ食券と敗者にはお願い事が出来る権利☆」

 

京谷「敗者辛いな」

 

榊「それと今回はウチの店の新作ケーキ券が付くぜ」

 

佳奈「おー」

 

咲「良いわね~」

 

そんな面々に商品と罰ゲームを告げる真宵と付け加える榊に誰もが気合を入れる。

 

と言う訳で真宵製の抽選機マシンでの厳正なるチーム分けは以下の様になった。

 

逃げるチーム

 

伊御、姫、佳奈、咲、正邪

 

鬼チーム

 

榊、つみき、真宵、京谷、桐野

 

正邪「また私は逃げか」

 

姫「はぅ、私は皆さんの中でお荷物ですぅ~」

 

伊御「そんな事ないぞー」

 

チーム分けを見て呟く正邪の後に自信なさげに言う姫を伊御はそう言う。

 

咲「そうよ姫ちゃん。お荷物と言うのはね…RPGのPT(パーティー)で控えのままED(エンディング)を迎えそうな京谷みたいな人を言うのよ」

 

佳奈「だから姫ちゃんは違うよー!」

 

京谷「俺への配慮忘れてないか!?(ガビーン)」

 

伊御に続けて励ます咲と佳奈の容赦のない例えに京谷は叫ぶ。

 

正邪「京谷はまぁ置いといて……」

 

京谷「置いとかないで!」

 

真宵「ルール説明じゃね」

 

そう言う正邪に京谷は叫ぶがスルーされてルール説明に入った。

 

ルール

 

今回は逃げるチームは缶を蹴る代わりに人形を鬼チームの砦(ゴール)に収めるのが勝利条件、鬼チームは人形を、もしくは逃げるチーム全員を捕獲が勝利条件。

 

捕まった逃げるチームは捕獲ゾーンに入れられるが他の逃げるチームの人がタッチするか、人形に触れれば復活できる。

 

正邪「ふむふむ……」

 

伊御「救出の時、見張りに近づくリスクが減るな、逃げる側は…」

 

真宵「その代わり人形取られたらゲームオーバーじゃからねん」

 

姫「人形を失くしちゃったらどうするんです?」

 

ルールを把握する正邪の隣でそう言う伊御へ返す真宵に姫は聞く。

 

榊「お前を人形にしてやろうかぁ~~!!」

 

姫「ふぇえええええ!?」

 

伊御「閣下?;」

 

正邪「?」

 

真宵に変わって某有名所のネタを振る榊に姫は驚き、伊御が冷や汗を流す中で元ネタを知らない正邪は首を傾げる。

そんなこんなあったが第2回は始まった。

 

 

伊御と咲と別れて正邪は姫と佳奈と共に走っていた。

 

正邪「んで…またこのメンツだな」

 

佳奈「だね~」

 

姫「はひぃ~」

 

逃げていて前回と同じメンツになっているのにそう呟く正邪に佳奈は笑い、姫は2人に遅れない様に必死に走る。

 

正邪「んで姫、ちょっと作戦があるんだがいいか?」

 

姫「はひぃ?どんな作戦なんですか?」

 

走りながらそう提案する正邪に姫は聞く。

 

正邪「それはな……ごにょごにょごにょ」

 

姫「ふえぇ~責任重大ですぅ~」

 

耳打ちで告げられたのに姫は緊張して言う。

 

正邪「大丈夫だ。姫ならできる」

 

姫「は、はひぃ、頑張ります」

 

佳奈「ガンバだよ姫ちゃん!」

 

そう言う正邪に姫は気合を入れて佳奈も応援する。

 

榊「あ、いたぞ!」

 

桐野「見つけました!」

 

正邪「!来たぞ!」

 

そこに榊と真宵、桐野が現れて3人は逃げる。

 

見つけた鬼組はペースを上げて追いかける。

 

真宵&桐野&榊「あはははははははははははは!!!」

 

姫「怖いです~~~」

 

勢いよく来る3人に姫は顔を青くしながら絶叫する。

 

そりゃあ確かに高笑いして迫られたら怖いもんは怖いもんである。

 

正邪「あいつらはホント人間かよ;」

 

その様子に思わず正邪はそう言う。

 

べちゃっ

 

姫「へ?はぴゃ!?」

 

正邪「うお!?」

 

ぴょん!

 

佳奈「そんなの関係ねー」

 

バチン!

 

すると正邪は第六感からジャンプして飛び越えると姫が何かに足を取られて転び、佳奈はそのまま直進して正邪と並ぶ。

 

正邪「トリモチかよ!」

 

佳奈「姫ちゃん捕まったね」

 

振り返って姫が足を取られた何かを知り、佳奈はそう言う。

 

正邪「あぁ、そうだなぁ」

 

ニヤリと笑って言う正邪に佳奈は良い笑顔だね~と言う。

 

 

時間は少し飛んで、姫を連行した榊たちはゴールと捕虜を置いとく校庭で待ち構えていた。

 

榊「捕虜側は見晴らしが良いから伊御ならこっちから来る筈、御庭は校舎側から死角の位置で待ち伏せして伊御が来たら出て来てくれ」

 

真宵「挟みうちするのん?」

 

そう指示する榊に真宵は質問する。

 

榊「退路を塞ぐならその方が良いけどどうすっかな…」

 

つみき「それだと前衛の1人が避けられた時点で負ける」

 

その質問に対して悩む榊につみきは指摘する。

 

榊「だな…ってなわけでそれぞれの役目確認!俺はゴールへの進路を防ぎつつ相手を捕獲で御庭は伊御をハグ」

 

つみき「…普通に捕まえるわよ」

 

榊「真宵は――――」

 

そう言って確認する榊につみきはツッコミを入れるがスルーされて真宵に移る。

 

真宵「サーチアンドですたい!」

 

榊「デストロイ違ぇ!?博多弁かよ!!」

 

つみき「働きなさい;」

 

言った事に榊は叫び、つみきはツッコミを入れる。

 

 

その間、正邪と佳奈は伊御と合流した。

 

正邪「伊御!作戦通りにやったぞ!」

 

伊御「そうか、姫にはあとでちゃんとお礼をしないとな」

 

報告する正邪に伊御は携帯を仕舞って言う。

 

佳奈「あの作戦で行くんだね」

 

伊御「本当なら皆で攻める方法もとってみたかったけどね」

 

気合を入れる佳奈に伊御はそう言う。

 

正邪「姫のあのお荷物ってレッテルを剥がしてやらないとな」

 

佳奈「みにわんと榊君コンビは強敵だけど頑張るよ!粉骨爆砕覚悟で!!いっくよーーーーー!!」

 

伊御「わが身惜しまなすぎ!」

 

正邪「死ぬ気か;」

 

気合を入れて叫ぶ佳奈に2人はツッコミを入れてから行動を開始して校庭へと向かう。

 

 

校庭に突入した伊御達は榊たちを視認する。

 

伊御「見えたな」

 

正邪「あぁ、つみきのほうは頼むぞ」

 

榊たちを見てそう言う伊御に正邪はそう言う。

 

伊御「あぁ、分かった」

 

榊「やっぱり来たな!読み通りだぜ!」

 

つみき「佳奈と正邪も一緒ね」

 

佳奈「いっくよー!!」

 

合図とともに伊御は一旦背を向けると腕を組んで、そこに佳奈が足を乗せる。

 

伊御「悟られない様に(小声)」

 

佳奈「うん(小声)」

 

正邪「あぁ(小声)」

 

小声で会話した後に勢いを付けて飛んで、榊たちを飛び越え、続けて正邪も飛んで行く。

 

つみき「飛んだ」

 

榊「下に短パン!?じゃなくて!空から投げ入れる気か!?」

 

正邪「榊、あとでグーで往復ビンタ」

 

それに対して叫んだ榊に正邪は握りこぶしを握って言う。

 

榊「うぇ!?」

 

真宵「させないんじゃよ!」

 

佳奈「伊御くーん!」

 

それに対して姫を見張っていた真宵がゴールの前に出て守ろうとするが佳奈の言葉にハッとなる。

 

真宵「は!!まさか本命は伊御さんパターン!榊さん気を付けて!!」

 

榊「!?パスを貰う暇を与えないぜ!」

 

つみき「ここで伊御を捕まえる」

 

伊御「む」

 

それに対してつみきと榊が伊御をマークして正邪と佳奈を真宵がマークする。

 

真宵「連携は失敗みたいじゃね☆」

 

佳奈「まだまだ!人形は渡さないよ!」

 

榊「最後に詰めを誤ったな!」

 

伊御「……どうかな」

 

ささっと腕を後ろに回す佳奈を見てからそう言う榊に伊尾はそう返す。

 

榊「お前を逃がさなければ戦力的・時間的にこっちの勝ちは決まりだぜ」

 

伊御「いや、俺たちの勝ちだ」

 

確信とも言える伊御の言葉に榊はなぜと思った時…

 

チャーチャララッチャッチャッチャーラーラララーラララー♪

 

榊「はい?」

 

鳴り響いた鬼側の勝利の音楽に榊は呆気に取られて振り返る。

 

姫「やりました~~♪」

 

榊「アイエェェェェェェェェ!?姫っち!?人形!?ナンデ!?アイエェェェェェェェ!?」

 

そこには元気に手を振る姫とゴールに入れられた人形があって榊は思わず叫ぶ。

 

正邪「作戦成功♪」

 

佳奈「だね~♪私が復活していたのだ!」

 

真宵「もしかしてカナやんと神那っちが飛んだのって!?」

 

桐野「囮でもあったんですか!?」

 

そんな榊の様子に元気よくハイタッチする2人に真宵は先ほどのを思い出し、咲を捕まえるのを諦めて合流しようとしていたのかいた桐野が叫ぶ。

 

正邪「正解。今回の主役は姫だったんだよ」

 

佳奈「私と神那っちは真宵っちに対する囮であると同時に姫ちゃんの救出が役目だったのだ!」

 

笑って言う正邪の後に佳奈もそう言う。

 

伊御「榊とつみきは多分こっちに二人がかりで来ると思っていたから俺は二人に対する囮」

 

そう言って伊御が解説する。

 

まず正邪と佳奈を飛ばしたのは姫救出を悟られないのと真宵を引き付ける為にやった事。

 

3人が行った作戦のポイントは姫に人形を渡す一瞬の隙を作り出す事と2人が人形を持ってない事に気づくかどうか

 

その際、真宵の1回目の缶蹴り大会の時での記憶を利用して伊御へと注意が向く様に佳奈が呼ぶことでフェイントし、その後に姫にパスをしてから人形を持っているように両手を後ろに隠す事で違和感を抱かせない様に佳奈が人形を持っていると言う先入観を持たせて榊とつみきは伊御へのパスを警戒し、真宵はどちらかが持ってると勘違いしてる正邪と佳奈をマークしてる間に復活してるのも知られずノーマークだった姫が知られない様にこっそりゴールさせると言う作戦だったのだ。

 

伊御「姫を戦力としてみてなかったのがそっちの敗因かな」

 

正邪「弱者()を侮ったのがお前らの敗因だぜ!」

 

佳奈「姫ちゃんにひれ伏せー!」

 

榊&真宵&桐野「「「負けましたー」」」

 

大事な事なので強調する正邪の後の佳奈のに3人は姫に向かって土下座する。

 

京谷「げ、やっぱり負けたのか」

 

咲「お疲れー作戦上手く行ったみたいね~」

 

そこに悔しがる京谷と咲が来る。

 

正邪「これでもう姫はお荷物じゃないな」

 

榊「今回は姫っちとお前らにやられたぜ」

 

咲「そうね。今そんな事言ったら…」

 

にっこり笑って言う正邪に榊はホントにやられたと頬をポリポリ掻き、咲もそう言ってから続ける。

 

咲のイメージ姫「お荷物な私に負けるなんて、無様ね」

 

咲「敗者に対してそう言う意味に…」

 

姫「なんだか私とっても酷い子です!?」

 

伊御「無い無い;」

 

咲のイメージの自分に姫は衝撃を受けて伊御が手を振り、つみきと正邪もうんうんと同意する。

 

こうして今回のゲームは姫の活躍で伊御達の勝利に終わり、食券と新作ケーキ券を手に入れた。

 

ちなみにMVPの姫は盛大に鬼組の4人により胴上げされた。




桐野「次回!『勉強⇔雨降り』をお楽しみに!」


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18日和目~勉強⇔雨降り~

テストの勉強をして傘が飛ぶ。

正邪「後半!?」


キーンコーンカーンコーン

 

真宵「イェーイ!」

 

伊御「なんだいきなり」

 

チャイムが鳴ると共にテンションを上げる真宵に伊尾はそう言うが真宵はスルーしてある事を提案する。

 

真宵「にゃは、今日みんなで明日のテストの勉強会しない?」

 

正邪「テストの勉強会?」

 

姫「良いですねそれ!」

 

提案された事に正邪は首を傾げるが姫は手をパンとさせて言う。

 

伊御「いきなりだな;するったってどこでやるんだ?」

 

真宵「そりゃもちろん伊御さん家で!」

 

伊御「俺の家かよ!?」

 

いきなり自分の家を会場にされた伊御は思わず叫ぶがつみきはつみきで伊御の家に行けると言うので賛成側に回っている。

 

正邪「伊御の家か……そう言えば私行ったことねぇな」

 

伊御「確かに神那は俺の家に来たことがなかったね」

 

そう呟く正邪に伊御も思い出して言う。

 

大抵学校以外でははちぽちでワイワイしたりしているからだ。

 

榊「残念だけど俺ははちぽちのバイトのシフトだから行けねぇな」

 

正邪「そうなのか。んじゃ今回の榊の出番これで終わりだな」

 

それに対してそう言う榊に正邪はそう言う。

 

榊「……え?」

 

真宵「あ~確かにそうなるんじゃね」

 

そう今回の話は勉強会。

 

そのため参加しない榊はこれで出番終わりと言う事なのである。

 

榊(出番終わり)「なんですとぉ!?ってなんだこの表記はァ?!」

 

つみき「……また次話でね榊」

 

その後に名前表記の所に付けられたのに驚く榊へつみきはそう言う。

 

榊(退場)「ちょ、待っ……あ~~~~~~~~っ?!」

 

伊御「……メタいな;」

 

作者により退場させられる榊ややり取りを見て伊御はそう呟くのであった。

 

 

 

 

真宵「では各自帰宅後、速やかに用意せよ!」

 

姫「イエッサー!」

 

そう言う真宵に姫は慌てて敬礼する。

 

真宵「いざ、戦場へ!」

 

正邪・伊御「「戦場?!」」

 

続けての言葉になんで!?と正邪と伊御は叫ぶ。

 

真宵「敵に部屋を片す暇を与えるなー!」

 

姫「はい?」

 

伊御「勉強会じゃないのか?;」

 

続けてのに姫は首を傾げて伊御はツッコミを入れる。

 

そうして各自一回家に帰るのであった。

 

 

 

 

そして一時間後……

 

伊御のマンション

 

ピンポーン♪

 

ガチャ

 

伊御「いらっしゃいつみき、早かったね」

 

つみき「うん」

 

伊御「どうぞ」

 

つみき「お、おじゃまします……」

 

伊御の部屋

 

伊御「今お茶を持ってくるから」

 

そう言って伊御は出て行く。

 

見送った後につみきは伊御の部屋を見る。

 

つみき「……伊御の部屋に……一人……」

 

DEVIL『ケケケ!部屋を漁るなら伊御さんが居ない今がチャンスじゃよ!』

 

Angel『そんなことをしたら駄目です~!』

 

そんなつみきの脳裏で悪魔と天使が語り掛ける。

 

囁きにつみきはどうしようかと悩み…

 

伊御「漁るなよ」

 

つみき「にゃっ?!」ドキッ!

 

ひょこっと顔を出して注意した伊御のにつみきは顔を赤くしてあわあわする。

 

つみき「………伊御の……」

 

伊御がお茶を取りに行ったので改めて見渡した後につみきはベッドの上に畳まれたシャツが目に入る。

 

つみき「…………」

 

そのシャツに手を伸ばしかけてハッとなる。

 

つみき「っ!私は何を!?」

 

顔をブンブンするがシャツからの誘惑に負けてシャツを掴む。

 

つみき「(良い臭い…)」

 

シャツに顔を近づけて香る臭いに思わずふにゃりとなり…

 

姫「つ、つみきさん!?」

 

正邪「何やってんだ?!」

 

つみき「!?」

 

後ろからの声にビクッとなって振り返ると真宵達がいた。

 

姫「な、なにを///」

 

真宵「ニヨニヨ」

 

つみき「……………」

 

それに姫は鼻血を垂らしつつ、真宵はニヤニヤと笑う。

 

少ししてつみきはシャツを置いてゆらりと立ち上がる。

 

真宵・姫・正邪「「「?」」」

 

つみき「……記憶を消すには……強い衝撃を……」

 

バシュッ!

 

突きを放ち、衝撃が3人に来る。

 

つみき「……脳に」

 

真宵・姫「「脳に!?」」

 

正邪「下手したら死ぬぞそれ;」

 

それに真宵と姫は叫び、正邪がツッコミを入れるが恥ずかしさもあってつみきはシャドーボクシングを止めない。

 

 

 

 

しばらくしてやっと落ち着いたつみきは膝を抱えて姫たちに背を向ける。

 

姫「あのー……伊御さんには言いませんからつみきさーん」

 

真宵「伊御さんのシャツか…」

 

その隣では真宵が何時の間にか伊御のシャツを掴んでいた。

 

姫「真宵さんまでなにを!?」

 

正邪「おい、まさか……」

 

それに姫はツッコミ、正邪はまさかと目を見開き…

 

真宵「ムフーン!」

 

伊御のシャツを顔にくっつけた。

 

姫「はぅううううううう!?」鼻血ぶしゃー!

 

正邪「やっぱりやりやがった…」

 

真宵「お日様の匂いの中に伊御さんの風味が!さあ、次は姫っちの番じゃよ~」

 

それに姫はいつも通り鼻血を噴出し、正邪が叫ぶ中で真宵は評価した後に姫にもさせようとする。

 

姫「そ、それは流石に!?」

 

正邪「姫まで巻き込むなよ」

 

にゅふふと笑う真宵のに正邪は呆れる。

 

真宵「さあさあ!遠慮せずにどうぞなんじゃよー!」

 

姫「は、はぅー!それは流石に恥ずかしくー!」

 

つみき「(ツッコミたいけど…こっちに矛先向きそうだからできない…)」

 

嗅がせようとする真宵から逃げる姫を見ながらつみきはごめんと謝罪していると…

 

伊御「人のシャツで何やってるんだ?」

 

正邪「うぉ!?」

 

そこに人数分の飲み物と御菓子を乗せたお盆を持った伊御が来る。

 

つみき&姫&真宵「うわぁああああああああああ!?」

 

伊御「君たち…」

 

正邪「やれやれ…」

 

慌てまくる3人に伊御はなんとも言えない顔をして正邪は肩を竦める。

 

 

 

 

伊御「さっきの事は見なかったことにするから早くノート開け真宵」

 

真宵「んん~~~~…お?」

 

ノートや教科書などを広げて言う伊御のを無視して真宵は周りを見てゲームに気づき…

 

ポチッ

 

ウィィィィン

 

早速起動させて遊びだした。

 

ドゴッ!

 

真宵「うにゃぁあああ!?」

 

それにより伊御の怒りのノート投げが真宵の後頭部に炸裂した。

 

K.O!パーフェクト!

 

真宵が倒れると共にゲームがコールするのであった。

 

正邪「クリティカルヒットだな」

 

真宵「」チーン

 

何やってんだかと正邪は呆れる。

 

少しして真宵は起き上がって乾いた笑いを出しながら自分の後頭部に炸裂した教科書を伊御へと差し出す。

 

真宵「にゃ、にゃはははは。冗談じゃよ~」

 

伊御「良いからもうおとなしく座れよ」

 

そう言って教科書を掴むが、真宵が離さない事にん?となる。

 

真宵「い、伊御さん…」

 

伊御「ん?」

 

すると申し訳なさそうな真宵にまさか…と正邪達は見る。

 

真宵「大変申し訳にくいんじゃが…教科書貸して?」

 

忘れちゃったん☆とテヘペロをして言う真宵に…

 

ギリギリギリギリギリ…

 

伊御「勉強会って言ったのはこの口かな…」

 

真宵「あい…」

 

つみき「良いな…ほっぺ」

 

正邪&姫「え”?」

 

怒って頬を引っ張る伊御に真宵は冷や汗を流しながら答え、それに羨ましそうに言うつみきに正邪と姫は驚く。

 

 

 

 

気を取り直して勉強を再開し、しばらく無言だった中で姫が困った感じにつみきに声をかける。

 

姫「んー…つみきさん」

 

つみき「ん?」

 

顔を向けるつみきに姫は困った顔で教科書を向けながら指さす。

 

姫「この問題教えて欲しいのですが…」

 

つみき「良いわよ。……あ、ここね」

 

真宵「流石成績学年トップクラス!」

 

そう言ってさらさらと書き…

 

つみき「ここはね……こうなるのよ…分かった?」

 

伊御&姫&真宵&正邪「;」

 

答えを書いて返した。

 

姫「ごめんなさい!わからないですぅ!不甲斐ないですぅ!!」

 

伊御「そんな問題だけ解かれても分からないよ;」

 

正邪「確かにな。説明もしないと;」

 

つみき「駄目なの!?」

 

謝る姫の後に指摘する伊御と正邪のにつみきは心底驚いた後に落ち込んだ。

 

伊御「じゃあ俺が教えてあげるよ」

 

姫「ホントですか?」

 

うんと伊御が頷く隣で正邪と真宵はつみきを慰める。

 

真宵「つみきさん、そんなに落ち込まなくても…」

 

正邪「そうだぜ?失敗は誰にでもある」

 

つみき「別に落ち込んでなんかないわ」

 

それに対してそう返すつみきにさっきまでどよーんなの背負ってたじゃねえかと正邪は思ったが口に出さずにいると真宵が伊御と姫の方を見る。

 

そちらでは伊御が丁寧に姫に分かり易く教えていた。

 

真宵「なんか…良い雰囲気じゃねぇ。つみきさんやきもち…」

 

つみき「………」

 

正邪「(むぅ…)」

 

チャチャ入れようとした真宵はつみきと正邪にふとももを抓られて悶絶する。

 

真宵「つぁぁぁぁぁぁぁ!つみきさん正邪っち痛いぃぃぃぃぃぃ!!」

 

そのまま倒れてのぉぉぉぉと呻きながらタップする。

 

伊御「何やってるんだ真宵…」

 

真宵「あ、い、いやぁ…伊緒さんと姫っちにつみきさんと正邪っちがやきもちぃぃぃぃぃぃ…」

 

またも言おうとした真宵は再び2人に抓られる。

 

真宵「ふ、二人とも!そこは痛覚が勘弁ならないもものうち…」

 

ギリッ!

 

真宵「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

伊御「だからさっきから何なんだ?」

 

再び絶叫する真宵に伊御は冷や汗を掻いて呟くしかなかった。

 

 

 

 

真宵ちねりが終わって再び勉強に没頭する。

 

伊御「んん……解らないな」

 

困った感じで言う伊御のにつみきは反応する。

 

つみき「わ、私が教えてあげぇ…」

 

緊張しすぎて声が上ずってしまい、つみきは一旦咳払いして…

 

つみき「私が教えてあげるわ」

 

伊御「あ、うん…」

 

真宵&姫&正邪「リテイクした!?」

 

言い切ったつみきに伊御は頷き、そこまでやりたかったのと真宵達は思った。

 

しばらくして、勉強会が終わって真宵は伊御のベッドに寝転がる。

 

真宵「にゃあー……これでテストは完璧じゃね」

 

そう言う真宵にそうですねと姫は同意する。

 

つみき「私はまだまだね」

 

正邪「私もだ」

 

伊御「俺も」

 

他の3人はまだまだ精進するみたいで、それに姫は流石ですねと感嘆すると真宵がそうだ!と体を起こす。

 

真宵「夏休み、皆で旅行行かない?」

 

姫「ああ、良いですね!」

 

提案する真宵に姫も賛同し、そうだなと伊御も頷く。

 

伊御「旅行か…それなら前に榊たちと行った貸別荘とか良いかもな」

 

正邪「あとは紫に頼んで幻想郷の私んちとかどうだ?」

 

真宵「ぬおっ!?究極の選択なんじゃよ…」

 

続けての正邪の提案に真宵は唸る。

 

姫「た、確かにこれは悩みますぅ!」

 

つみき「むぅ…確かに」

 

それには姫とつみきも気になるようで唸り、伊御は苦笑する。

 

ただ伊御自身、幻想郷を見てみたいと言う気持ちは同じである。

 

真宵「むぅ…こうなったらくじで決めるんじゃよ!」

 

そう言ってパパッと取り出す真宵に何時の魔に…と正邪は呆れる。

 

真宵「さあ伊御さん引くんじゃよ!」

 

伊御「あ、ああ…」

 

言われて伊御は適当なのを1本取る。

 

出た結果は…

 

伊御「貸別荘だね」

 

正邪「そっちになったか」

 

真宵「ん~ちょっぴし残念じゃったね」

 

結果に真宵は少し残念そうだったがすぐさま切り替える。

 

真宵「んじゃあ早速予定を立てるにゃん!」

 

姫「はは、気が早いですぅ…」

 

伊御「テスト終わったらな」

 

片づけに行く前に釘を刺す伊御のに真宵はうにゃーんと呟く。

 

つみき「(伊御…旅行…)」

 

正邪「(伊御と旅行か…)」

 

お互いに旅行が出来る事にドキドキする様子に真宵と姫はん?となる。

 

 

次の週でテストが終わり…

 

真宵「イェーイ!皆、テストはどうだったかにゃ?」

 

テストを終えたのでハイテンションな真宵のに正邪は元気だなと呆れる。

 

つみき「いつも通り」

 

正邪「私もだ」

 

姫「私は自信ないのですが…今回は皆さんと勉強会しましたしなんとかなるかと…」

 

そんな真宵のに三者三様で返す。

 

真宵「じゃね!伊御さん家で勉強したことを思い出せば…」

 

そう言って思い出そうとし…浮かんだのは伊御のシャツであった。

 

姫「ぷはぁ!」

 

真宵「…シャツの匂いしか思い出せない…」

 

正邪「あほか…」

 

思い出して鼻血を噴き出す姫の後にそう言う真宵に頷くつみきを見て正邪は呆れた後に自分も…と思った顔をブンブン振る。

 

 

時間進んでお昼休み

 

食べていると姫がそう言えば…と何かを思い出して言う。

 

姫「そう言えば今日天気予報で午後から雨が降るって言ってましたね」

 

正邪「雨?」

 

姫が告げた事に誰もが外を見る。

 

外は雲が全くなくお日様が輝いていた。

 

伊御「この快晴で?」

 

正邪「ホントかよ…」

 

姫「この時期は天気が変わりやすいから」

 

疑問な正邪に姫はそう返す。

 

伊御「じゃあ傘持ってきたんだ」

 

姫「はい!ちゃーんと持って…」

 

そう言って姫は自分のカバンの中から取り出そうと中を探っているとハッとなり…

 

姫「うちの机の上に忘れてきました!」

 

つみき&真宵&正邪「ずこっ!?」

 

伊御「オチは忘れてないけどね;」

 

出て来た言葉に3人はずっこけ、伊御はそう漏らす。

 

※リアルでもそうだけど折り畳み傘などの忘れ物は注意しよう。

 

 

 

 

しばらくすると先ほどまで快晴だったのが曇ってきた。

 

正邪「曇ってきたな」

 

つみき「そうね」

 

曇り空に正邪とつみきが呟くと真宵がずずずっとよって来る。

 

真宵「さて!鬱々しがちなイメージが強い雨の日に画期的なアイテムがあります」

 

姫「おぉ!なんですか?」

 

正邪「まともなんだよな…?」

 

警戒する正邪につみきも同じように警戒してると真宵はフフフフフフフフフ!と笑ってから目を輝かせる。

 

真宵「熱烈カップルに絶対オススメな一品が……はいこれ!」

 

そう言って見せたのは…大きいハートであった。

 

姫「おっきいハートですね」

 

真宵「これを傘の先端に取り付けるだけで…」

 

正邪「取り付けるだけで?」

 

底のネジ穴を見せてから真宵はふっふっふっと笑い…

 

真宵「真の相合傘に早変わり!」

 

姫「な、なるほど!」

 

正邪「纏みたいだな」

 

それに感嘆する姫だったが正邪のに誰もがあーとなる。

 

真宵「はい、つみきさん使ってね」

 

つみき「いらない」

 

そう言って指し出す真宵につみきはきっぱり断る。

 

真宵「なんと!?」

 

正邪「いらないだろこれ」

 

驚く真宵に当然だろと正邪は呆れる。

 

また時間が経つと本格的に雨が降りだし始める。

 

姫「本格的に降ってきましたね」

 

真宵「梅雨の季節は過ぎたのにね」

 

降りそそぐ雨を見てそう会話をした後に姫は真宵の言った梅雨で目を瞑って連想する。

 

姫「梅雨…六月…ジューンブライドも過ぎちゃいましたねぇ」

 

正邪「ジューンブライド?」

 

なんじゃそりゃあ?と首を傾げる正邪に真宵が説明する。

 

真宵「六月に結婚すると幸せになれると言う伝説じゃよ」

 

つみき「確かそんな感じね」

 

へぇ~と説明された事に正邪は感心する。

 

伊御「女の子ってやっぱりそういうの気になるの?」

 

つみき「そ、そうね…き、気にな…」

 

聞く伊御につみきはモジモジしながら言おうとしてニヨニヨしている真宵と姫に気づく。

 

つみき「な、な、な……なうー!」

 

伊御&正邪「なう!?」

 

誤魔化す様に鳴くつみきに2人は驚くのであった。

 

そして帰宅時間、姫は窓に手を付いて溜息を吐く。

 

姫「せっかく用意したのに傘はうちの机の上ですぅ…」

 

真宵「私は置き傘二つあるよ」

 

伊御「俺も置き傘あったかな?」

 

正邪「私も置き傘ひとつあるぞ」

 

そうぼやく姫につみき以外がそう言う。

 

真宵「つみきさんは?」

 

つみき「私も持ってきてないわ」

 

そう言ったつみきにじゃあと伊御は言う。

 

伊御「つみきは俺の傘に入る?家、方向同じだし」

 

つみき「遠慮するわ…」

 

その提案を断るつみきの反応に真宵はほほうと呟いてから…

 

真宵「ははーん。つまり翻訳すると…」

 

正邪「翻訳?」

 

何が翻訳なんだと思っていると…

 

真宵「相合傘は恥ずかしいから遠慮したいけど本当は嬉しいの♥じゃね☆」

 

姫「な、なるほど!」

 

正邪「ああ…」

 

言った事に姫と正邪は言い方はともかく恥ずかしいと言うのは分かると伊御に頭を撫でられているつみきを見て納得するのであった。

 

 

そんな訳でそれぞれ置き傘を手に取り、姫は真宵のを貸して貰った。

 

姫「傘、ありがとうございます」

 

真宵「うぃうぃ、二つ置いといたかいがあったよん」

 

お礼を言う姫のにそう返しながら真宵は傘を開こうとし…

 

カチッ、バシュッ!

 

傘の先が飛んで行った。

 

真宵「………あれ?」

 

伊御「意図的じゃないのか!?」

 

正邪「マジか!?」

 

自身も予想してなかった展開だったので茫然とする真宵に伊御達は驚く。

 

姫「傘って飛ぶんですねぇ…」

 

伊御「飛ばないよ!?」

 

正邪「普通飛ばないぞ姫」

 

思わずそう言う姫に伊御と正邪はツッコミを入れる。

 

真宵「驚いた…」

 

正邪「壊れてたのか?」

 

姫「飛んで行った傘、どうします?」

 

そう呟く真宵の隣で言う正邪の後に姫が聞く。

 

真宵「そうじゃね。回収してく…」

 

るんじゃ…といってる途中で真宵は飛んで行った方を見て驚く。

 

目に入った光景は…

 

京谷「榊ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」

 

飛んで行った傘により縫い付けられた榊の姿であった。

 

幸い、傘の先は榊の服の背中側のみを貫いていた。

 

その近くでは京谷が絶叫し、佳奈と咲も絶句して見ていた。

 

真宵「さ、さ、榊さん!?」

 

榊「ありがとう友達……」

 

正邪「魂抜けてるぞおい!?」

 

うおぉぉぃ!と慌てて榊を助け出す。

 

早めに助けたので榊は現世に戻ったのであった。

 

榊「た、助かったぜ…」

 

正邪「危うく小町のところに行くところだったな」

 

伊御達と別れ、歩く中でふいーと息を吐く榊に正邪はそう言う。

 

ホント危なかったなと榊は神妙な顔で頷く。

 

正邪「運が悪かったな」

 

榊「ああ…」

 

ホントに危なかったと榊は再度頷いてから話題を変える。

 

榊「そう言えば夏休みは旅行に行くんだよな」

 

正邪「ああ、そっちの貸別荘か幻想郷で貸別荘になったんだよな」

 

そりゃあ楽しみだぜ~と笑う榊に正邪はだよなと頷いた後…

 

正邪「………」

 

榊「伊御と御庭が気になるのか?」

 

その後にチラチラと伊御達の帰った方を見る正邪に榊は聞く。

 

正邪「しょ、しょんなわけ…」

 

榊「噛んでるぞ」

 

否定しようとする正邪だが噛んだ事で顔を赤くする。

 

微笑ましいなと榊は笑う。

 

正邪「むぅ…」

 

それに正邪は恥ずかしそうに顔をそむける。

 

榊「まあ頑張れよ。ライバルは手ごわいぜ?」

 

そう茶化す榊にな、何言ってるんだよ!と正邪は怒鳴って榊は駆け出す。

 

追いかけながら正邪はその顔は笑っていた。

 




榊「次回!『旅行⇔花火(前編)』…絶対に目立ちまくるぞ!」

伊御「普通に目立つから大丈夫だと思うぞ」

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19日和目~旅行⇔花火(前編)~

夏休み、旅行に向かう伊緒達。果たしてどんな面白い旅行になるのやら…


夏休みが始まり、熱い日差しが照らす中で伊御達は駅前に集合していた。

 

今はつみきを待っていた。

 

姫「皆での旅行はやっぱりワクワクしますねぇ」

 

佳奈「めいいっぱい遊ぶよ!」

 

正邪「遊びすぎて宿題忘れるなよ」

 

元気にはしゃぐ佳奈に正邪が釘を刺す。

 

榊「これで宿題が無かったら後顧の憂いなく遊べるんだがな…」

 

真宵「まだ七月!遊ぶときは宿題の事は忘れるべし!それが夏休みの生きざまじゃよ!」

 

京谷「辛いことから目をそらすわけか…」

 

伊御「駄目だろ、それは…」

 

そう呟く榊のに対して力説する真宵に京谷が呟いて伊御がツッコミを入れる。

 

真宵「後でちゃんとやるから大丈夫」

 

正邪「それ、大抵最終日に地獄見る奴の台詞だよな」

 

咲「確かに;」

 

伊御「ちなみに俺は宿題は終わってたり…」

 

そう言った真宵に正邪がツッコミを入れた後に伊御がそう言うと榊ともども目を光らせ…

 

榊&真宵「写させて!」

 

姫「ちゃんとじゃないですぅ!」

 

正邪「再提出になっても知らないぞ」

 

伊御にすがるのに姫はツッコミ、正邪は呆れているとお待たせと言う声に振り向くと旅行鞄を持ったつみきが立っていた。

 

伊御「おはよう、つみき」

 

佳奈「おはよっ!」

 

正邪「おはよ」

 

榊「よっ」

 

それにメンバーは挨拶する。

 

正邪「それにしても少し遅かったな」

 

つみき「ちょっと準備に手間取ったわ」

 

真宵「伊御さんとの初めての旅行だから色々と準備も大変だったり?」

 

そう言う正邪のに返したつみきは真宵のにはノーコメントで通す。

 

榊「おーい!行くぞー!」

 

佳奈「早くー!」

 

真宵「さあ、つみきさん!姫っち!正邪さん!行きましょーい!」

 

榊と佳奈の催促に一同は駅内へと入る。

 

そのまま目的の列車に乗り、荷物を置く。

 

伊御「窓際の方が良い人いるかな?」

 

真宵「姫っちは酔いやすいから窓際が良いかな?」

 

正邪「あー確かに」

 

確認する伊御に真宵が姫を見て言い、正邪も同意する。

 

姫「そんなに乗り物には弱くないので大丈夫ですよ」

 

真宵「でも…不意打ちにやられて鼻から…」

 

咲「不意打ちって…;」

 

そう言う姫に真宵が言った言葉にあ、なんか先の展開が読めたと正邪は思った。

 

姫「だ、出しません!それに不意打ちってなんですか!?」

 

真宵「不意打ちとは…

 

否定した姫の問いに真宵は目を光らせた後にバサー…と伊御のシャツをめくりあげた。

 

姫&つみき「ぶはっ!?」

 

正邪「っ!?」

 

それに姫とつみきは鼻血を噴き出し、正邪は顔を真っ赤にする。

 

伊御「(怒)」

 

真宵「と言う訳で姫っちは窓際で…」

 

榊「二人撃沈…」

 

京谷「電車の中でやるなよ;」

 

頬を引っ張られながら言う真宵の隣で崩れ落ちた姫とつみきを見て言う榊の後に京谷がそういう。

 

発車するまで時間があるので各々に座っていた。

 

ちなみに席は向かい合う形ので通路側から榊、真宵、姫と向き合う様に正邪、伊御、つみきと座り、隣に佳奈、咲、向かい側に京谷が座っていた。

 

伊御「ったく、油断も隙もない」

 

真宵「てへ」

 

正邪「全く…」

 

座りながら息を吐く伊御に真宵は可愛く言い、正邪も呆れる。

 

榊「御庭と正邪はやっぱり伊御の両隣だな」

 

つみき「ぷい」

 

正邪「た、たまたまだ」

 

佳奈「微笑ましいね~」

 

誤魔化す2人に姫が苦笑するといやいやいやと真宵が言いだす。

 

真宵「いやいやいや」

 

誰もが真宵の反応に視線が真宵に集まると真宵は言う。

 

真宵「やっぱり膝の上じゃね♪」

 

イメージ伊御「ごろごろごろ」

 

イメージつみき「にゃーん」

 

それには誰もが思わずああーとなり…

 

つみき「がう!」

 

伊御「お、おう;」

 

正邪「噛んだな」

 

恥ずかしさにつみきは伊御に噛み付き、誰もがよろける。

 

しばらくして列車は発射する。

 

姫「晴れてよかったです」

 

真宵「じゃね」

 

正邪「そうだな」

 

窓から見える天気に嬉しそうに言う姫に真宵達は同意する。

 

榊「女の子って電車の音嫌いそうだよな」

 

伊御「なんだ?突然」

 

京谷「どういう意味だ?」

 

誰もが榊の言った事に首を傾げる中で榊は理由を言う。

 

榊「いや、ほらさ…」

 

ガタンゴトン

ガタン5トン

5トン5トン

 

榊「重そうじゃん響きが」

 

正邪「榊…」

 

真宵「榊さん、ちょっとこっち向くにゃ」

 

言われて榊は振り返り…

 

ぱきょ!!×3

 

その目にタマネギの汁が炸裂した。

 

ちなみに放ったのは姫、真宵、正邪である。

 

榊「めーーーーーーー!!」

 

真宵「女の子は5トンもないんじゃよ!」

 

正邪「つかそんなの多すぎだろ!」

 

佳奈「失礼だよ!」

 

目を抑えて悶える榊につみきを除いた女性陣は怒る。

 

伊御「何処から玉ねぎが;」

 

京谷「つか榊大丈夫か;」

 

それに伊御と京谷は冷や汗を掻く。

 

 

しばらく列車を乗り換えて行き、目的地へ向かう最後の列車に乗る。

 

姫「これであとはもう乗り換えなしですね」

 

真宵「じゃね。のんびりいきましょう」

 

正邪「だな」

 

席に座りながらそういう姫達のに正邪は同意する。

 

榊「目的地まで決められたレールって奴だ」

 

伊御「免許取ったら車ででも来てみたいけどな」

 

そう言った後に伊御は席を立つ。

 

真宵「およ?伊御さん何処行くの?」

 

伊御「ああ、ちょっと」

 

榊「決められたレールを外してくるんだろ?」

 

イメージ伊御「未来は白紙」

 

正邪「おい;」

 

それには思わず姫達はよろける。

 

榊「偶には自分で考えて動けと」

 

伊御「飲み物買って来るだけだって」

 

咲「あ、それなら私も行くわ」

 

京谷「あ、俺も」

 

席を立った理由を言う伊御に咲と京谷も続く。

 

ジュースを買った後に京谷がジュースを選ぶ後ろで伊御は購買を見る。

 

伊御「ついでにお菓子も買っておくか」

 

咲「あ、良いわね」

 

早速購買に向かう咲に続いて伊御は並べられてる御菓子を見て、これにしようとNackyを2つ買ってジュースを買った京谷と咲と共に戻る。

 

伊御「お菓子買ってきた」

 

つみき「ありがと」

 

正邪「おっ、サンキューな」

 

渡した後に伊御は姫と佳奈の姿がない事に気づく。

 

伊御「もうすぐ出発だけど姫と佳奈は?」

 

つみき「さっき出掛けた」

 

真宵「売店に行ってまだ戻ってきてないよ?」

 

聞く伊御につみきと真宵は答えた後に正邪は席に置かれてる2人の携帯を見る。

 

正邪「姫たち、携帯忘れているな」

 

咲「あらら、これじゃ連絡できないわね」

 

困った顔をする咲にちょっと探して来るよと伊御が言う。

 

つみき「化粧室かもしれないし私が見て来るわ」

 

正邪「私も行くぜ」

 

そう言って2人は席を立って歩き出す。

 

真宵「姫っちは皆の心の中にいるんじゃよ」

 

榊「ああ、そうだな…」

 

京谷「心の中に居てもさ…此処にはいねぇじゃん」

 

そう言う真宵と榊に京谷がツッコミを入れて伊御もうんうんと頷く。

 

 

姫「珍しいお菓子買ってきました!」

 

佳奈「色々あるよ!」

 

そう言って袋を見せる2人に伊御はあっと漏らす。

 

真宵「にゃあ。姫っちと佳奈帰還じゃあ」

 

咲「今、正邪とつみきさんが2人を探しているんだけど…知らない?」

 

佳奈「え?そうなの!?」

 

咲のを聞いた2人の反応にすれ違ったかと伊御は察する。

 

一方のつみきと正邪は列車の外に出ていた。

 

つみき「居ないわね…」

 

正邪「何処まで行ったんだ姫たち?」

 

キョロキョロと探しているとつみき、正邪と伊御の呼ぶ声がしてそちらを見る。

 

伊御「つみきー、正邪ー、姫たち戻ってきたよー

 

姫「お二人共、すみませーん!」

 

正邪「なんだ、入れ違いになってたの…」

 

プルルルルルルルルルルル

 

すると出発する音声が流れ始める。

 

―ドアが閉まります。-

 

案内のアナウンスと共に扉が閉じ始める。

 

慌てて榊は窓を開け…

 

榊「飛べ!早く!!」

 

正邪「できるか!」

 

叫ぶ榊に正邪は絶叫する。

 

確かに飛べるけどつみきも抱えてとなると普通に狭すぎる。

 

伊御「榊」

 

榊「冗談だ。行ってこい!」

 

呼びかける伊御に榊もそう返して窓を開ける。

 

真宵「どうするつも…」

 

伊御「あとで合流ね」

 

そう言って…伊御は窓から飛び出した。

 

佳奈&咲&真宵&姫「はぁあああああああ!?」

 

京谷「何してんだ!?」

 

榊「V」

 

それに榊を除いて絶叫する中で伊御は唖然としてるつみきと正邪の華麗に着地する。

 

つみき「……伊御…」

 

正邪「何してんだよ…」

 

いきなりだったので戸惑う2人に伊御は言う。

 

伊御「せっかくの旅行なのにこんなところで2人だけ残されたら寂しいだろ?」

 

つみき「気にしすぎよ…」

 

正邪「それであんな危険なことするなよな…」

 

そういう2人に伊御は近寄って頭を撫でる。

 

伊御「でも二人はギリギリまで姫と佳奈を探してたよね」

 

つみき「…そういうことにしといてあげるわ…///」

 

正邪「ああ…///」

 

そう言う伊御のに2人は顔を赤くしながら逸らして言う。

 

 

と言う訳で次の電車が来るまで3人は待つことにしてジュースを飲んでいた。

 

つみき「姫達は大丈夫かしら…」

 

正邪「まああいつらなら大丈夫だろ」

 

伊御「榊達も居るしな」

 

多分…と付け加える伊御をつみきは見る。

 

つみき「……もしかして伊御が残ったのも」

 

正邪「私らだけにするのが心配だからか?」

 

伊御「おう……そうなんだけど」

 

指摘されて伊御は少し照れた感じになる。

 

伊御「改めて言うのはなんか恥ずかしいね///」

 

つみき「///」

 

正邪「///」

 

照れる伊御に2人は顔を赤くする。

 

つみきに至っては鼻血を噴いた。

 

 

一方の電車に乗っている榊たちは大騒ぎしていた。

 

真宵「ぬぉおおおい!?榊さん!なんで止めなかったんじゃよ!?」

 

榊「いやまあ、女の子二人をそのままにしとく訳にはいかんしな」

 

佳奈「なるほど~だから伊御君が…」

 

京谷「いや、でも危ないだろさっきのは…」

 

弁解する榊のを聞いて納得する佳奈の隣で京谷がそう言う。

 

姫「はぅ~伊御君も榊さんも優しいのは分かりますが…」

 

真宵「じゃあもし伊御さんが取り残された時はどうしたんじゃよ?」

 

気になったので恐る恐る真宵に榊は不敵に笑い…

 

榊「二人を窓からポーンと出す」

 

真宵「や、優しい…」

 

咲「優しいのかしらそれは;」

 

京谷「優しくないだろそれ;」

 

返されたのに真宵がそう言うが京谷に否定される。

 

 

しばらくして次の電車で目的の駅に到着した伊御達は駅から出ると榊たちが待っていた。

 

伊御「お待たせ」

 

姫「伊御くん、大丈夫でしたか?」

 

真宵「本当に驚いたんじゃよ!」

 

咲「凄すぎるでしょさっきのは;」

 

手を上げてそういう伊御に姫が心配そうに声をかけて、真宵と咲は思い出してそう言う。

 

そんな伊御の服をつみきは掴む。

 

伊御「ん?」

 

つみき「もう…あんなことしちゃ駄目」

 

正邪「そうだぜ。普通に冷や冷やしたんだからな」

 

そう言う2人に伊御はうんと頷く。

 

姫「見てるこっちが心配でどうにかなりそうでしたよ!」

 

榊「だな。かくいう俺も実は内心恐々でな」

 

真宵「榊さんはノリノリだったんじゃよ;」

 

京谷「しかもその前に飛べ、早くとか言ってたもんな」

 

姫に続いて言った榊のに真宵と京谷はツッコミを入れる。

 

榊「鳥肌が立ちすぎて鳥になるところだったぜ」

 

伊御「その時は琵琶湖に送ってやるよ」

 

真宵「鳥!?コンテスト!?」

 

正邪「鳥人にでもなるのか…」

 

佳奈「幻想郷だったら天狗かな?」

 

京谷「(今更だけど、マジで正邪いるから鳥の奴って結構いるよな…)」

 

そんな風に話しながら一行は目的地へと着いたのであった。

 

榊「山だー!」

 

真宵「きゃー!」

 

京谷「自然だ―!」

 

姫「きゃー!」

 

咲「別荘よー!」

 

佳奈「きゃー!」

 

テンションたけぇーな…とはしゃぎまくる面々を正邪はつみきと共に見ていた。

 

咲「そしてー!」

 

つみき&伊御&正邪を除いた6人「伊御さんだー!!」

 

伊御「なぜに!?」

 

わー!と一斉に伊御に抱き着くのに抱き着かれた本人は驚く。

 

正邪「(タイミング逃した…)」

 

つみき「あう…あ、あう…」

 

あの流れはこの為だったのかー…と2人は羨ましそうに見る。

 

しばらくして宿泊する施設に荷物を置いた後に一同は近くの沢に行き、早速水遊びを始める。

 

真宵「かーわー!」

 

姫「冷たいですぅー!」

 

正邪「気持ちいいなー」

 

女性陣は裸足となると勢い良く流れる川へと足を入れて各々にはしゃぐ。

 

佳奈「気持ちいー!」

 

咲「綺麗な川ね」

 

真宵「気持ち良いんじゃよ~」

 

はしゃぐ女性陣を見ていた榊はハッとなる。

 

榊「夏、水辺で戯れる女子の声がまるでローレライのようだぜ」

 

伊御「その声につられていったら溺れるぞ」

 

そう評した榊に伊御はツッコミを入れる。

 

榊「おれたちも溺れよーぜ!」

 

京谷「死ぬ気か;」

 

グッと手を握り締めて言う榊に京谷と伊御は冷や汗をかく。

 

 

しばらくして女性陣が水遊びを終えた後に釣りを始めるのであった。

 

真宵「見て見てー!」

 

真宵を除いた全員「ん?」

 

誰もが真宵の声がした方を見ると真宵が丸太の上に乗っていた。

 

真宵「天然の橋じゃよー!」

 

ぴょんぴょん飛んでる真宵においおい…と正邪は呆れる。

 

正邪「真宵ー、そんなところで飛んでいると」

 

伊御「危ない…」

 

つるっ!

 

真宵「にゃー!?」

 

ぼちゃーん!

 

注意するまもなく、真宵は足を滑らせて川に落ちた。

 

真宵「おぼ、おぼれるぼば」

 

榊「わは、わはははははははははwww」

 

姫「ま、真宵さーん!?」

 

つみき「マヨポチャね」

 

正邪「遅かったか…」

 

それに榊は爆笑して、姫が叫ぶ中でつみきは静かに笑いながらそう言い、正邪はあちゃあとなる。

 

 

真宵を助け出した後、真宵も参加して釣りは再開される。

 

真宵「榊さーん!練り餌ー!」

 

榊「おう。練り餌っと……」

 

頼む真宵に榊も練り餌を取り出そうとして…

 

クイッ…

 

つみきの振り上げた釣り針が真宵の服の襟に刺さり…

 

ぐん!

 

真宵「にゃっ!?」

 

榊「おっ?」

 

いきなり真宵の姿が消えて、榊は驚いた後…

 

バシャーン!!

 

再び真宵は川に落ちた。

 

つみき「マヨポチャリターン…」

 

榊「あは、あははははははははwww」

 

正邪「笑いすぎだろ榊;」

 

伊御「つみき」

 

またも真宵がぽちゃんとした事に榊は笑い、正邪がツッコミを入れた後に伊御がつみきに声をかけてつみきははっとなる。

 

つみき「釣り上げるわ」

 

佳奈「一本釣りだね!」

 

真宵「普通に引き上げて!?」

 

気合を入れて言うつみきのに乗っかる佳奈へと真宵は言うがつみきはスルーしてタイミング良く1,2の3!と振るい上げ…

 

真宵「にゃー!」

 

釣り上げられた真宵はそのまま宙を舞って…伊御の手に収まった。

 

榊「ナイス!」

 

真宵「まさかつみきさんに一本釣りされるなんて…」

 

京谷「大物だな」

 

お姫様抱っこされながら真宵の言った事に京谷はそう述べた。

 

 

釣りはひとまず小休止して各々に遊ぶ。

 

つみき「ん…」

 

正邪「ん?どうしたつみき」

 

トイレに行っていた川に戻った時に何かに気づいたつみきに正邪はつみきの見ている方を見る。

 

すると引かれたシートの上で休んでいた伊御が眠気でウトウトしていた。

 

つみき「……伊御」

 

正邪「寝てるな…」

 

起こさない様に静かに近づいて2人は伊御を見る。

 

ウトウトしてる姿に2人は思わず正座して見る。

 

つみき「(どうしよう…)」

 

正邪「(膝枕とか…してもいいのか?)」

 

お互いに伊御がもたれかかって来た時のを考えて顔を赤くする。

 

正邪「(///)」

 

つみき「(ひざにゃくら///)」

 

お互いにどうなるかドキドキしながら待ち…

 

ポスッ

 

正邪&つみき「///」

 

とうとう伊御はそのまま丁度2人の膝の間に頭が行く感じに倒れる。

 

つみき「(寝顔……キュン)」

 

正邪「(伊御の寝顔……)」

 

それに2人は顔を赤くする中で倒れた事で少し目が覚めたのか伊御はうっすらと目を開ける。

 

伊御「ん……」

 

つみき「あ、伊御…」

 

正邪「お、おう」

 

ドキマギする2人に伊御はごめんと2人の膝に乗せてしまった事を謝罪する。

 

正邪「い、いや…///」

 

つみき「全然…大丈夫///」

 

そう返す2人に伊御はそうか…と言いながら起き上がろうとする。

 

正邪「もういいのか?」

 

つみき「ね、ねむ、眠いのなら貸してあげても、良いわよ。膝位…」

 

そんな伊御に2人はそれぞれ反応を返すが…

 

ポスッ

 

伊御「zzzzzzzzzz」

 

つみき「……寝てる」

 

正邪「二度寝か…」

 

完全に眠ってしまった伊御にどうしようかと2人は顔を見合わせる。

 

姫「つみきさーん!正邪さーん!」

 

いきなり呼ばれて2人は遊んでいた姫へと顔を向ける。

 

姫「一緒に遊びませんかー?あ、伊御君寝てます?」

 

呼びかけてから伊御を見てすぐさま聞く。

 

正邪「あ、ああそうなんだ…」

 

つみき「だからもう少しゆっくりしているわ」

 

そう返した2人に姫ははひ~と頷く。

 

佳奈「それ、姫ちゃん!」

 

真宵「えーい!」

 

そんな姫へと佳奈と真宵が水をかけようとして姫は濡れない様に走る。

 

その後に真宵がどこからともなくウキワを取り出す。

 

京谷「どっから出した!?」

 

咲「しかも膨らんだ状態で;」

 

それには思わず京谷はツッコミを入れて、咲も同意する中で気にしたらダメじゃよと返される。

 

真宵「そーれ、榊さん!」

 

榊「どわっ!」

 

京谷「ごほ!?」

 

勢い良く浮き輪を投げると榊の顔にヒットしてから京谷の顔面に飛び…

 

真宵「ぶは!?」

 

投げた真宵の顔面に帰って行く。

 

榊「なんか違くなくなくない?」

 

佳奈「トリプルヒットだね!」

 

そうコメントする榊や佳奈たちを見ながら正邪とつみきは寝ている伊御を見る。

 

つみき「(乗っけちゃった…)」

 

正邪「(寝顔…可愛いな)」

 

それぞれ頬を赤めながらついでに伊御の頭を撫でる。

 

伊御&つみきと正邪を除いた6人「じーーーーー」

 

つみき&正邪「!」

 

そんな自分達を榊たちが見ている事に気づき、ハッとなる。

 

真宵「膝枕チャキーン」

 

榊「青春チャキ―ン」

 

姫「はぅうう」鼻血

 

咲「微笑ましいわね~」

 

佳奈「だね~」

 

京谷「音無、普通に男が羨ましい事されてるな」

 

つみき&正邪「///」

 

各々に写真に撮られるのに2人は止めさせたいが伊御を寝かせているので身動きが取れず、結局伊御が起きるまで撮られるのであった。




つみき「……次回、旅行⇔花火(後編)。旅行後半戦、楽しみね」


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20日和目~旅行⇔花火(後編)~

キャンプ後半戦、いよいよスタート!


前回から時間が経って夕日が見える時間帯になり、伊御達はバーベキューの準備をしていた。

 

榊「肉食べるぜー!」

 

真宵「バーベキュー!バーベキュー!」

 

佳奈「いえ~い!」

 

正邪「テンションたけぇなお前等」

 

始まる前からハイテンションな3人に正邪は呆れる。

 

真宵「お腹すいたー!準備マダー?父さん」

 

伊御「ん、もう少し」

 

つみき&正邪「!」

 

待ち遠しそうに言った真宵のにつみきと正邪は反応する。

 

つみき「と、父さん…」

 

正邪「(伊御が父さんって事は…)」

 

2人が妄想する中で出来たぞーと伊御は言って騒いでいた3人はおー!と声をあげる。

 

その後ろでつみきと正邪はじゃんけんポンをして…

 

正邪「と、父さん…」

 

顔を赤くしながら正邪は言う。

 

伊御「なんだい?母さん」

 

正邪「///!?!?!?!?!!?!?」

 

その言葉を聞いた瞬間、あまりの衝撃に正邪は顔を真っ赤にして床を叩きまくり、つみきは良いニャーと羨ましい顔で見る。

 

姫「正邪さん!?どうしたんですか?!」

 

咲「顔、真っ赤ね」

 

京谷「また音無が何かしたのか?」

 

そんな正邪に姫は驚き、咲は微笑ましく見て京谷は呆れた。

 

 

と言う訳でバーベキューが始まり、バーベキューコンロを囲んでそれぞれ焼けた野菜や肉を食べていく。

 

姫「伊御くん、食べてますぅ?焼くの代わりましょうか?」

 

伊御「うん、食べてるよ。気にせず食べて」

 

渡す役になっている伊御にそう申し出る姫へ本人はそう返す。

 

つみき「伊御」

 

伊御「ん?」

 

つみき「にゃーん」

 

そう言ってつみきが肉を差し出したので伊御はあーんと食べる。

 

その手があったか…と正邪は戦慄する。

 

伊御「串焼き、そろそろ食べごろだぞ」

 

正邪「伊御」

 

食べてからそう言った伊御は正邪の方へと顔向ける。

 

伊御「ん?」

 

正邪「あーん」

 

次は正邪が野菜を差し出して伊御は野菜を食べる。

 

またつみきが肉、正邪が野菜と交互に出す。

 

真宵「つみきさん…」

 

咲「正邪さん…」

 

真宵&咲「食べてる?」

 

交互にわんこそばのそばを入れる感じに伊御に肉と野菜を上げている2人に真宵と咲は思わず聞くのであった。

 

ちなみに姫は鼻血を流して倒れている。

 

 

一旦落ち着いた後に伊御はありがとうと言って肉や野菜を置いて行くのを再開する。

 

真宵&榊「にーく!にーく!お次はにーく!まだまだにーく!今度もにーく!(以下略)」

 

姫「お肉しか食べてないです!?」

 

京谷「野菜も食えよ!」

 

歌いながら一心不乱にお肉を食べまくる上記2人に姫は驚き、京谷がツッコミを入れる。

 

伊御「ちゃんと野菜や魚も食べろ」

 

正邪「栄養偏ってるぞ?」

 

佳奈「偏っちゃうよ~」

 

そんな2人に伊御や正邪が注意する。

 

真宵「それってつまり、肉・肉・野菜・肉・魚とかリズムを刻むんじゃね」

 

正邪「まあそうだな」

 

音楽に例える真宵に正邪は肯定すると成程と榊も納得し…

 

榊「なるほど!リズムか。なら俺は牛・牛・牛・豚・牛・豚・牛・牛・鳥で!」

 

姫「全部肉ですぅ!?」

 

京谷「野菜食えよ!」

 

出てきた単語に姫と京谷はツッコミを入れる。

 

真宵「伊御さんはリズムを刻んで食べてるの?」

 

咲「あ、確かにそうね」

 

そう聞かれて伊御はうーんと唸ってから…

 

伊御「…リズムってほど気にしてないけど合間には野菜を挟んでいるかな」

 

姫「私はだいたい肉・肉・野菜のリズムかもです」

 

正邪「私も…リズムは取ってないけど伊御と似た感じかな」

 

榊「まあその方が飽きずに美味しく食べれそうだよな」

 

うんうんと榊が納得してるとな~るほどと真宵も参加する。

 

真宵「じゃあつみきさんのリズムはあれじゃよね」

 

つみき「あれって?」

 

咲「どんな感じなの?」

 

んっふふと真宵は笑ってから…

 

真宵「ラブ・ラブ・伊御さん・好き・好き・チュッ・チュッ」

 

伊御「何のリズムだそれ;」

 

榊「あははははwww」

 

正邪「食べ物じゃねえなおい;」

 

出て来た言葉に伊御はツッコミ、榊が笑う中で姫が鼻血を噴き出すのを見ながら正邪はそう言うのであった。

 

 

バーベキューを終え、姫は皿洗いして、つみきは隣でゴミの分別をしていた。

 

真宵「満腹、満腹。もう何も入らないんじゃよ~」

 

姫「苦しいです。食べすぎちゃったかもです」

 

正邪「いっぱい食べたな」

 

つみき「満足」

 

誰もがお腹いっぱい食べたので満足そうに笑い合う。

 

姫「お腹が出ちゃってます」

 

真宵「どれどれ~」

 

そう言って真宵は姫のお腹を摩る。

 

姫「わっ!?」

 

正邪「おい、真宵…」

 

それに正邪が注意しようとし…

 

真宵「ハッ!動いた…」

 

佳奈「ええっ!?」

 

思わずそう言う真宵に佳奈が驚きの声をあげた後…

 

バコーン!!!

 

真宵「ほぎゃあ!?」

 

姫から強烈な一撃を食らい、外に飛ばされた。

 

榊「今何か……」

 

京谷「飛ばなかったか?」

 

それに外でバーベキューコンロの片づけをしていた伊御達は唖然とする。

 

姫「う、動きません!」

 

真宵「お、お茶目な…ジョークなの…」

 

正邪「姫、ナイスショット」

 

伊御「何が…あった;」

 

呻く真宵を見た後に正邪はそう述べるであった。

 

 

少し時間が経って、つみき達女性陣はお風呂に入っていた。

 

正邪「いい湯だな~」

 

真宵「じゃね~」

 

咲「数人入れるって良いわね~」

 

のんびりしながら正邪は2人の胸を見る。

 

と言うか真宵と咲以外がじーと見ている。

 

正邪「…大きいな」

 

つみき「…デカいわね」

 

咲は普通に大きいが真宵は普段は見えないが咲に負けず劣らずの大きさを誇っている。

 

佳奈「羨ましいよね~」

 

姫「スタイルも良いですし…」

 

正邪「…羨ましいよなー」

 

じーーーーーーと見続ける4人に真宵と咲はあははと冷や汗を流す。

 

 

しばらくして風呂から出た女性陣は各々の寝間着に着替えて髪を拭きながらリビングでジェンガしながら待つ男性陣の所に向かう。

 

姫「お風呂いただきました~」

 

正邪「いい湯だったぞ」

 

榊「パジャマ姿グッジョブ!」

 

伊御「皆、似合っているよ」

 

来た女性陣のを見て榊はサムズアップし、伊御も褒める。

 

姫「あ、ありがとうございます///」

 

咲「ちなみに京谷はどうなの?」

 

京谷「俺が言ってもキモイって言うんじゃないんだろうな?」

 

そう確認する京谷にまさか…と咲は返して…

 

咲「その時は何も言わずに後ろに下がるわ」

 

京谷「もっとひでぇ!?」

 

正邪「確かにヒデェ;」

 

返された事に京谷は叫び、正邪も同意する。

 

そんなメンバーの耳に真宵のフェッフェッフェッの笑い声が入って来たので本人を見る。

 

真宵「私の夏らしい姿はどう思うかにゃん?」

 

伊御「真宵は浴衣か。旅館ぽいな」

 

正邪「幻想郷では普通なんだけどな」

 

感想を聞く真宵に伊御はそう言い、正邪はそう返す。

 

姫「へー、そうなんですか」

 

榊「ああ、そうなんだぜ。基本的に俺達が着てる様な服を着た人は少ないからな…んで、俺の感想は…」

 

感心する姫に榊はそう返した後に少し間を空けて…

 

榊「凄く…浴衣です…」

 

真宵「にゃ!?」

 

伊御「まんまじゃん;」

 

正邪「まんまだな」

 

出てきたコメントに伊御と正邪はツッコミを入れる。

 

気を取り直した真宵はそうそう…と言い…

 

真宵「浴衣と言えばつみきさん、これをどうぞ」つ帯

 

つみき「ん?」

 

正邪「何する気だよ?」

 

そう言って自分の着物の帯を差し出す真宵につみきと正邪は疑問に思うが他のメンバーは理解する。

 

姫「あ、それ。くるくるして…」

 

榊「あーれーってなる奴だな」

 

佳奈「時代劇でお約束のだね!」

 

そう言うのあるのか…と姫と榊と佳奈のに正邪は呆れる中でつみきは帯を掴む。

 

真宵「遠慮なく引っ張るんじゃよ」

 

つみき「分かったわ」

 

京谷「…嫌な予感がするな」

 

準備万端な真宵とつみきを見て言った京谷のは的中した。

 

せーのと言う言葉と共につみきは…柔道の投げの様に真宵を引っ張り…

 

ビダーーーン!!!

 

壁に叩き付けた。

 

正邪「真宵ー!?」

 

姫「く、くるくるしませんでした!?」

 

それに正邪と姫は絶叫する。

 

真宵「あ、あーれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ…」

 

伊御「それでもあーれーは言うのか;」

 

京谷「予感的中した…」

 

つみき「ごめん…;」

 

ずり落ちながらも言う真宵に伊御と京谷は呟き、つみきは謝る。

 

 

気を取り直し、女性陣は各々に髪の乾かしていた。

 

つみき「…………」

 

姫「つみきさん、髪乾かすの大変そうですね」

 

正邪「確かに髪長いしな」

 

小柄なのもあるだろうが女性陣の中でつみきは一番髪が長いので手こずってるようだ。

 

つみき「ん……ちょっと苦労するかも…」

 

伊御「つみき」

 

呼びかけられてつみきは伊御へと顔を向けると伊御はドライヤーを持っていた。

 

伊御「髪、乾かすのやってあげる」

 

つみき&姫「!?(ぷぴゅー!)」

 

正邪「ああ、人に手伝って貰った方が早いもんな」

 

そう言う伊御につみきは顔を真っ赤にして姫は鼻血を噴き出す中で正邪は言う。

 

つみき「じ、自分でやるわ///」

 

伊御「そうか」

 

真宵「じゃあ正邪っちやってもらったら?」

 

すると寝転がっていた真宵がそう言う。

 

正邪「え!?」

 

伊御「ふむ、正邪はどうする?」

 

いきなり自分に振られたので驚く正邪に伊御は聞く。

 

正邪「え、えっと…」

 

戸惑う正邪につみきと伊御以外は微笑ましそうに見る中…

 

つみき「あっ…」

 

それに思わずつみきは声を漏らしちゃって全員の視線が集まる。

 

伊御「遠慮しないでおいで」

 

つみき「い、今のは違っ、か、勘違いしにゃ、にゃ」

 

姫「つみきさん…」

 

正邪「むぅ…」

 

咲「慌ててる姿が可愛いわね~」

 

慌てて誤魔化そうとするが慌ててるせいで途切れ途切れになってその可愛さに姫は鼻血を流し、正邪はつまんなさそうに見て、咲はくすくす笑う。

 

仕方ないからと言う事でつみきは伊御に髪を乾かして貰う中でドライヤーの風の心地よさに思わず…

 

つみき「ふにゃぁあああああ~~~~~」

 

正邪「(羨ましい…)」

 

京谷「鳴いた…」

 

佳奈「(気持ちよさそうな声だね!)」

 

姫「(猫でふ~)(ぷふううううううう)」

 

猫の様に鳴いたつみきに正邪を除いてニヨニヨする。

 

それによりㇵッと我に返ったつみきは顔を赤くし…

 

つみき「がぁー!!」

 

真宵&榊「襲ってきたー!?」

 

佳奈「わー!」

 

正邪「いや、そうだろ」

 

飛び掛かるつみきに我さきと逃げる榊たちに正邪はそう言う。

 

 

時間は少し経って翌日の夜、伊御達は河原に花火セットを持って来ていた。

 

榊「さて、準備もできたし。そろそろやるか。特大セット買っといたぜー」

 

伊御「他にもバラでいくつかあるよ」

 

正邪「へぇ~これも花火なのか?」

 

佳奈「そうだよ~」

 

そう言う榊と伊御が見せたのに正邪は興味津々で聞き、佳奈が肯定する。

 

真宵「やっぱり夏休みの夜と言ったら花火じゃね!」

 

姫「はい♪」

 

つみき「そうね」

 

正邪「どういう感じのかワクワクするな」

 

では、早速と…最初に遊ぶ花火を選びにかかる。

 

姫「どれにするか悩みますぅ~」

 

正邪「確かに色々とあるよな…」

 

そう言う姫に正邪も同意する中でまずはこれかな?と伊御は筒状のを手に取る。

 

正邪「その花火は?」

 

伊御「打ち上げ花火を小さくしたので…」

 

こうやって…と火をつけ、しばらくしてから…

 

ポン…ひゅるるるるるる…パーン!

 

姫「お~!綺麗ですぅ!」

 

正邪「へー、現代にはこんなのがあるのか」

 

それに正邪は姫達と共に感嘆の声をあげる。

 

伊御「よーし、じゃあ次はパラシュート行くぞー」

 

正邪「パラシュート?」

 

京谷「打ち上げ花火と途中は同じだけど最期はふよふよと布で空気を受け止めてゆっくりと小さいのが落ちて来る感じのだ」

 

伊御が次に選んだのに首を傾げる正邪に京谷はそう答える。

 

佳奈「ねえ!誰がパラシュートキャッチできるか競争しない?」

 

真宵&榊「よっしゃあ!ゲットだぜ!」

 

正邪「私は遠慮しとくわ」

 

元気よく言う佳奈のに賛同する榊と真宵を見ながら正邪はそう言う。

 

その後に伊御が点火して打ち上がった後にパーンと弾けた後にパラシュートが出る。

 

榊&真宵「出た!レディー……ゴー!!」

 

バビュン!!

 

姫「早いです!?」

 

正邪「あれ、ちゃんと前見てるか?」

 

駆け出す榊と真宵に佳奈を見て呟いた正邪のは当たった。

 

榊&真宵&佳奈「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

必死に走って取ろうとスピードを上げる3人だったが…

 

バキッ!(佳奈が丸太をぶち壊す音)

 

ドゴッ!(真宵と榊の弁慶の泣き所が丸太にぶつかる音)

 

榊&真宵「あ”」

 

佳奈「待てええええええ!!」

 

途中にあった丸太に榊と真宵は向う脛をぶつけて顔を青くする隣で佳奈は丸太をぶち壊して進む。

 

榊&真宵「ぎいやああああああああああああああ!?」

 

つみき「あれは痛いわ…;」

 

伊御「ああ…;」

 

正邪「佳奈の方は凄いな;」

 

咲「似た様な光景を見た覚えがあるわね;」

 

キャッチしたよ~と喜ぶ佳奈と悶える榊と真宵を見て各々にコメントを述べたのであった。

 

 

伊御「ロケット」

 

次に伊御はロケット花火を数本火を付けて投げ飛ばす。

 

投げ飛ばされたロケット花火は…全て反転して伊御の後ろにいた榊へと向かった。

 

京谷「榊、後ろぉ!」

 

榊「はっ!?」

 

それに京谷が叫ぶが遅く…

 

パンパンパンパンパン!!!

 

榊「あああああああああああああああああ!?」

 

正邪「榊!?」

 

投げたロケット花火は全て榊に命中した。

 

榊「殺す気か?!」

 

伊御「着火したら何故かお前の方に行ったんだよ」

 

正邪「凄く不自然に感じる程の曲がり方だったけどな」

 

怒鳴る榊に伊御はそう返して、見ていた正邪がそう述べる。

 

榊「次はちゃんと向こうに飛ばしてくれよー」

 

伊御「うん…」

 

もう1回やる伊御に榊は注意して、伊御も頷いた後にロケット花火を構え…

 

伊御「空へ…」

 

ビュン!

 

勢いよく空へと向けて放たれたロケット花火は…

 

パパンパパパパパン!!

 

榊「あああああああああああああああああああああああ!?」

 

正邪「榊が死んだ!」

 

京谷「この人でなし!!」

 

再び方向転換して榊に襲い掛かり、正邪と京谷が叫ぶ中で伊御はあれぇ…と心底首を傾げる。

 

 

少しして真宵が巨大ロケット花火を選んで火を付ける所であった。

 

真宵「特待ロケット、セットアップ!」

 

姫「発射五秒前です」

 

正邪「四」

 

つみき「三」

 

姫「二」

 

真宵「一」

 

秒読みからいよいよ発射されようとしたその時!

 

カタン!

 

正邪「あ」

 

佳奈「倒れた」

 

それに女性陣は慌てる中で…

 

バビューーーン!!!

 

巨大ロケット花火は発進したと思ったら方向転換して女性陣の方に飛んで行く。

 

姫「うぇええええ!?」

 

真宵「ターンした!?」

 

つみき「逃げるわよ」

 

正邪「どっちにだ!?」

 

咲「来るわよ!」

 

誰もが慌ててしゃがむ中…

 

カクン!

 

ドパン!

 

榊「よもや!?」

 

急転換して榊に命中した。

 

正邪「榊ィ!?」

 

真宵「榊さんが死んだ!」

 

咲&京谷「この人でなし!!」

 

伊御「それ、さっきもやってなかったか;」

 

榊「そして俺は死んでねえ!」

 

それに正邪達が叫ぶ中で伊御がツッコミを入れて、榊も叫ぶ。

 

 

榊「線香花火で長く持った人が皆からの好感度高いゲームしようぜ!」

 

真宵「おーっす!」

 

正邪「名前、長いなそのゲーム;」

 

伊御「説明のいらないタイトルだな;」

 

線香花火を持って言う榊とはしゃぐ真宵に正邪は呆れ、伊御がツッコミを入れる。

 

京谷「と言うかやってすぐに落ちたら嫌われてるって感じになると思うぜ;」

 

榊「じゃあ行くぜー」

 

正邪「スルーか」

 

ゲームの結果のでそう指摘する京谷だが、榊はスルーして全員に線香花火を配り…

 

一同「せーの!」

 

バチッ(着火)

 

ポツ(榊の線香花火のが取れる音)

 

付けた直後に榊の線香花火が落ちた。

 

それが起こるまでの時間はたったの0.27秒。

 

榊「誰だぁああああああああ!?こんな哀しいゲーム考えたの!!」

 

伊御&正邪「お前だよ」

 

京谷「言い出しっぺが最初に落ちるってよくあるよな;」

 

佳奈「だね~;」

 

絶叫して崩れ落ちる榊に伊御と正邪はビシッと言い、京谷は冷や汗掻いて言う。

 

 

しばらく遊び、線香花火が残り2本となっているのに気づいたつみきは周りを見てから伊御に近づく。

 

つみき「伊御」

 

伊御「ん?」

 

声をかけられたので振り向く伊御につみきは線香花火を見せる。

 

伊御「もう一回勝負するか?」

 

正邪「お、するんなら観戦させて貰うぞ」

 

そう聞く伊御に頷くつみきへと正邪が近寄って言う。

 

真宵「つみきさんが先に落ちたら両思い」

 

つみき「!」

 

すると真宵がつみきにきこえる程度の声でぼそりと言う。

 

真宵「つみきさんが先に落ちたら両想い…」

 

正邪「(真宵の奴、またつみきに吹き込んでるな…)」

 

つみき「///」

 

伊御「?」

 

念押ししてそのままフェードアウトする真宵に正邪は呆れる中でつみきは顔を真っ赤になるのに伊御は首を傾げる。

 

伊御「じゃあ行くよ」

 

つみき「うん」

 

正邪「レディ…」

 

早速火を付けて…

 

つみき「えい」

 

ぽい(線香花火の火の付いた部分を落とす音)

 

正邪「おい;」

 

始まって直後に落としたつみきに正邪は思わずツッコミを入れる。

 

流石の伊御も戸惑ってつみきを見る。

 

正邪「つみき…」

 

つみき「………!」

 

伊御の視線と正邪の声によりつみきは我に返ると共に顔を真っ赤にする。

 

慌てまくるつみきに正邪はやれやれと思った時…

 

ドパーン!

 

正邪「お、花火か」

 

伊御&つみき「!」

 

佳奈「たーまやー!」

 

橋の向こう側で花火大会を始めたのか、打ち上がった綺麗な花火に誰もが見惚れる。

 

姫「花火は一瞬ですけど凄く綺麗で心に残りますね」

 

つみき「そうね。咲いて散る花の美ね」

 

真宵「じゃね~」

 

正邪「だな」

 

咲「綺麗よね~」

 

誰もが見とれる中で榊が伊御に近づく。

 

榊「伊御。花火に見とれる女の子達のときめきの導火線に火をはなて!」

 

京谷「おい;」

 

伊御「……」

 

そう言われてふむと伊御は呟いた後に線香花火を器用に火が吹き飛ばない様に回しながら女性陣の隣に立つ。

 

女性陣「?」

 

伊御「ふとした瞬間に見せる君の微笑みの方が花火より素敵で、心に残るよ」

 

そう告げられた女性陣で…

 

つみき&姫「(ぱぴゅん!)」

 

正邪「///」

 

つみきと姫は鼻血を噴き出し、正邪は顔を真っ赤にする。

 

榊「夏の夜に咲く二輪の赤い華」

 

真宵「風流じゃね~」

 

京谷「風流かそれ?」

 

伊御「いやいやいや;」

 

それを見て述べる2人に京谷は呆れ、伊御は手を振る。

 

こうして、伊御達は楽しいキャンプを過ごしたのであった。




正邪「次回『迷子少女⇔建設作業』だ」

(すみません、次回予告を間違えて書いていました)


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21日和目~迷子少女⇔建設作業~

いつも通りに買い物に出かけた伊御は不思議な少女と出会う。


前回の旅行から3日経った中、伊御は頭に猫を乗せて買い物に出ていた。

 

猫「にゃ~」

 

伊御「落ちないよう気をつけろよ猫」

 

そう言った後に伊御は前方を見てん?となる。

 

???「…何処だ此処?」

 

何やら地図を見てうーんと唸る自分と変わらない少女がおり、その顔を見て伊御はさらにんん?となる。

 

どことなく少女の顔をどこかで見た事あるからだ。

 

伊御「(あ、思い出した。あの顔、リリなののディアーチェに似ているな)」

 

その後に榊と一緒に遊んだゲームの中で見たのを思い出した後に困ってる様なので話しかけた。

 

伊御「どうかしたんですか?」

 

少女「む?」

 

振り返った少女は伊御を見る。

 

少女「貴様は…」

 

伊御「ん?」

 

少し驚いた様子の少女に伊御は疑問を感じるが少女はすぐさまその驚きを消して咳払いする。

 

少女「道に迷ってしまってな。此処が何処だか解らぬのだ」

 

伊御「どこが目的地かな?」

 

困った顔をする少女に伊御は聞く。

 

少女「個々なのだか…」

 

伊御「……これ、世界地図だよね;」

 

そう言って見せられたのに伊御は思わずツッコミを入れる。

 

なぬ!?と少女は驚く中で伊御は気づいてなかったのか…と冷や汗を掻く。

 

少女「地図ならどれでもいいのではないのか!?」

 

伊御「良くないよ!?」

 

猫「にゃー;」

 

どうやったらそう言う発想に至るのか問い詰めたいが流石に長引きそうだと感じて伊御は本題を聞く。

 

伊御「それで何処に行きたいの?名前とかは分かる?」

 

少女「はちぽちとかいう店なのだが」

 

まさかの自分のバイト先だったのに伊御は成程と納得した後に…このままほっておいたら迷いそうだと感じたので道案内をしてあげようと決めた

 

伊御「良かったら案内しようか?」

 

少女「む?良いのか?」

 

うんと頷いた後にほっといたら別の場所に行きそうなのもあって世話焼きな伊御としてはほっておけない所もある。

 

と言う訳で伊御は少女と共に歩く。

 

伊御「それではちぽちに何しに行くの?」

 

少女「ああ、ケーキが美味いと言う事で行こうと思っていたのだ」

 

だからってなんで世界地図…と答えられた事にそう思いながら伊御は歩く。

 

ただ、少女の言葉から此処に来るのは初めてなのは分かった。

 

伊御「もうすぐ着くよ」

 

少女「うむ。感謝する。何かお礼をしたいな…」

 

そう言う少女に伊御は別に良いよと返し…

 

伊御「それに自分が働いている店にお客さんが来てくれるのは嬉しいし」

 

少女「う、うむ。そうか…(な、なんと言う笑顔…ニコポではない分純粋に眩しい…)」

 

微笑んで言った事に少女は顔を赤らめて頷く。

 

伊御「?どうしたの?顔赤いよ?」

 

少女「い、いや、大丈夫だ」

 

首を傾げる伊御に少女はそう返す。

 

伊御「それならいいけど…」

 

少女「では、入らせて貰うか」

 

そう言って少女ははちぽちの入り口を開ける。

 

榊「いらっしゃいませ…って伊御じゃねぇか」

 

伊御「よお、ちなみにこっちが客だよ」

 

出迎えた榊に伊御はそう言って少女を指す。

 

少女「ここのケーキが美味いとの評判で来たのだが…合ってるだろうか?」

 

榊「おう。みいこ姉のは美味いぞ。伊御のも負けてねえけど」

 

そう聞く少女のに榊は笑って言う。

 

伊御「いやいや、みいこさんには敵わないよ」

 

榊「ははは、んでまぁ、お客様はお持ち帰りかここで食べるかのどっちですか?」

 

少女「ふむ……ではまずここで食べるとするか」

 

店員として聞く榊に少女はそう言う。

 

伊御「それじゃあ席に案内するね」

 

少女「ああ」

 

榊「いや、お前は今日バイトじゃねえからそれは俺の仕事な;」

 

あ、ごめんとつい、バイトしているクセでそう言った伊御は榊に謝罪する。

 

少女「ふむ、色々あるな」

 

榊「おすすめはシェフのおすすめケーキセットだぜ」

 

渡されたメニューを見て少女が呟く中で榊がそう言う。

 

少女「ふむ、ではそれにするか。飲み物はコーヒーで頼む」

 

榊「シェフのオススメケーキセットひとつと、伊御はどうする?」

 

伊御「じゃあコーヒーセットひとつで」

 

あいよ!と榊は早速伝えに向かう。

 

その間に伊御は頭にいた猫の頭をよしよしと撫でる。

 

猫「にゃ~」

 

少女「…可愛いな。その猫」

 

伊御「君も撫でてみる?」

 

そう言って指し出された猫に少女は恐る恐る撫でる。

 

猫「にゃあ~」

 

少女「おお、柔らかいな…」

 

伊御「こうやって撫でるんだよ」

 

そう言って伊御は撫でてあげると猫は少女が撫でた時より甘い声を出す。

 

少女「おぉ…」

 

伊御「やってみる?」

 

う、うむ…と少女は先ほど伊御がやった様に撫でてみる。

 

すると猫はゴロゴロと少女に甘える。

 

少女「おぉ…」

 

榊「上手だね」

 

そこにケーキセットとコーヒーセットを持って来た榊が来て褒めた後に置いて行く。

 

榊「注文のシェフのおすすめケーキセットとコーヒーセットだぜ」

 

少女「おー。ミルクレープケーキか」

 

おーと少女は目を輝かせるのに伊御は微笑む。

 

少女「では早速いただこう」

 

そう言ってフォークで小さくしてから食べる。

 

少女「う、美味い!」

 

榊「だろ?みいこ姉オススメのケーキだからな!」

 

目を輝かせる少女に榊は笑い、伊御もふふっと笑いながらコーヒーを飲む。

 

伊御「そう言えば名前聞いてなかったけど君、名前は?」

 

少女「む?我の名前か?」

 

一通り食べたのを見計らって聞く伊御に少女は顔を上げる。

 

その後に口元を拭う。

 

少女「我の名はバディア。バディア・D・グモンロラだ」

 

伊御「バディアか。珍しい名前だね」

 

そうであろうと少女、バディアは頷く。

 

バディア「近々、猫毛高校に転校するのだ」

 

伊御「猫毛高校って俺たちもそこの生徒なんだ」

 

奇遇だなと笑うバディアにホントにねと伊御も微笑み返す。

 

それにバディアは顔を赤くする。

 

バディア「(くっ、やはり厄介だな。この無自覚天然は…)」

 

伊御「?」

 

顔を逸らすバディアに伊御は首を傾げる中で榊はまたやったな親友と肩を竦める。

 

バディア「ところでこの辺の事まだよく知らないのだがもし良かったら案内してくれないか?」

 

伊御「ん、いいよ」

 

買い物する以外予定ないしねと伊御は心の中で思いながらバディアのお願いを承諾する。

 

バディア「すまない。じゃあこの後早速頼む」

 

伊御「うん」

 

それを見ていた榊はふむ…と顎を摩って考え…

 

榊「(これは面白いことになりそうだなぁ)」

 

と言う訳で早速榊は電話しに行き、ついでに正邪も連れて行って貰うかとも考える。

 

自分は行かないのかと考える人がいるだろうが彼は今バイト中である。

 

数分後

 

バディア「でまずは何処から案内してくれる?」

 

伊御「それじゃあ学校はどうかな?通うのなら通学路は覚えておかないと」

 

聞くバディアに伊御はそう提案する。

 

バディア「うむ、それもそうだな。で学校はどっちだ?」

 

伊御「あっち」

 

そう言って伊御が指した方にバディアはうむ…と頷き…

 

バディア「そうか。では行こうか」

 

伊御「いや、だからあっちだって;」

 

指さしてるのに逆方向に歩き出すバディアに伊御はこれは重症過ぎるなと冷や汗を掻く。

 

流石にそのままだと危ないと感じて伊御は手を差し出す。

 

バディア「?」

 

伊御「手を繋いで行こう。それなら迷わないよ」

 

差し出された手に不思議そうに見ていたバディアは理由に確かにと納得し…

 

バディア「う、うむ…そうだな…」

 

伊御「それじゃあ行こうか」

 

顔を赤くし、そう言って伊御の手を握るバディアに伊御も微笑んだ後に頭に猫を乗せて歩く。

 

そんな2人を…見ている者達がいた。

 

真宵「伊御さん、あの女の子と手を繋いだんじゃよ」

 

佳奈「女の子、顔真っ赤だね!」

 

正邪「ああ…そうだな」

 

榊から電話を貰って来た真宵と途中で出会った佳奈に榊にお願いされて連れて来られた正邪で、真宵と佳奈は興味深そうに見て正邪は不満げであった。

 

真宵「学校の方行くみたいじゃね」

 

正邪「追うぞ」

 

そう言って早歩きする正邪に佳奈と真宵も続く。

 

伊御「この角を右に曲がってまっすぐ行くと…ほら」

 

バディア「おお、あれが猫毛高校か」

 

見えて来た高校にバディアは声を漏らす。

 

そう言えば、案内しておきながらバディアの住所を聞いていなかったと伊御は気づく。

 

案内してもそこからの道が分からなければ意味がないなと…思った後に伊御はバディアを見る。

 

伊御「ところでバディアの家は何処にあるの?」

 

バディア「我の家か?あっちだ」

 

そう言って指さしたが…色々と彼女の方法感覚が合っているのか不安になる

 

伊御「本当にあっち?」

 

バディア「ああ、あの山の中だ」

 

山の中と言うのに伊御は凄い所に住んでるなと思った。

 

その後に山からここまでの道のりを後でこの地域の地図を買って教えた方が良いなと結論付ける。

 

伊御「それにしても少し遠いね」

 

バディア「まあな。物件が物件なだけに仕方ないんだ」

 

困ったもんだとぼやくバディアに苦労してるんだなと伊御は思った。

 

伊御「一体どんな家なんだ?」

 

バディア「……家と言えるのかあれは……」

 

なんとも言えない顔をするバディアに伊御はどういう感じの建物なんだろうとそう思った。

 

バディア「まあ一目見ればすぐ分かるのは確かだな。案内する」

 

伊御「道、間違えないようにね」

 

釘を刺す伊御にわ、分かってると顔を赤くしながらバディアは伊御の手を握ったまま歩く。

 

真宵「なんかいい感じの雰囲気じゃね~」

 

佳奈「そうだね。んでそれに比例してこっちは…」

 

それを気づかれない様に見ていた真宵はそう述べて、佳奈は隣を見る。

 

正邪「………………」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴと言う擬音が聞こえそうなオーラを放ち、目がつや消しになっている正邪に2人は小声で会話しあう。

 

佳奈「(凄く怖いオーラ出てるね正邪ちゃん)」

 

真宵「(そうじゃね。まあ正邪さん一人だけでまだマシな気が…)」

 

そう言ってからチラリと見ると…

 

正邪&つみき「(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ)」

 

真宵「(増えた!?)」

 

何時の間にかつみきもいて、正邪と同じ状態になっているのに真宵は驚く。

 

佳奈「つみきちゃん、何時の間に?!」

 

つみき「…さっき来た。……で、あれ誰?」

 

真宵「(凄い殺気!?)」

 

おおおおおおおとつみきの放つ殺気に押されそうになるが真宵は答える。

 

真宵「い、伊御さんが道案内している子みたいなんじゃよ。超方向音痴の」

 

つみき「…そうなの」

 

嘘を付いたらやばいと感じて正直に伝える真宵のにつみきは殺気を消す。

 

それに佳奈と真宵はほっ…と安堵する。

 

つみき「…それにしても何処に向かってるのかしら」

 

佳奈「あっちは山の方だね」

 

何があるのかな…と4人は後を付ける。

 

 

数十分後

 

伊御「……なにこれ;」

 

バディア「我の家……いや城だ」

 

少し迷ったが目的の場所に辿り着いたのだが…伊御は予想外…と呟く。

 

まさか地元の山に城が立ってるなど誰が想像できようか…

 

これには猫もニャーと戸惑った感じに鳴いている。

 

伊御「なんで城…?」

 

バディア「……あの神が勝手に決めて…」

 

神?と首を傾げる伊御のにいや、なんでもないとバディアは慌てて返す。

 

バディア「この大きさだから山の中に住んでいるのだ」

 

伊御「確かにこの大きさはね…」

 

しかも山の中だから道も考えないといけないな…と伊御は考える。

 

伊御「一応此処までの道はメモしているけど…」

 

バディア「おお、すまないな」

 

流石にそれだけだと不安になので何か他に目印とか用意した方が良いなと思っていると…

 

真宵「なんじゃこれぁああああ!?」

 

伊御「真宵?!」

 

後ろからの声に振り返ると真宵達がいる事に気づく。

 

伊御「四人共何時の間に…」

 

つみき「……さっきから居た」

 

正邪「と言うかいつの間にこんなの建ってたんだよ…」

 

佳奈「ビックリだね~」

 

誰もが見上げる中で伊御はあ、そうだと思いついて真宵に近づく。

 

伊御「真宵、ちょっと頼みがあるんだが」

 

真宵「へ?」

 

なんじゃらほい?と首を傾げる真宵に伊御は言う。

 

伊御「ちょっと立て札を幾つか作って欲しいんだ」

 

真宵「なんで…ああ、迷い防止ですな」

 

つみき「……確かに必要ね」

 

すぐさまバディアの為と言うのに気づき、つみきも伊御のに同意する。

 

バディア「我のためにすまない…。今まで五回も山の中で遭難してるから看板があると凄い助かる」

 

佳奈「凄い迷子になってたんだ~」

 

なんでこんな所に建てたんだろう…とバディアの言った事に佳奈を除いて伊御達は思った。

 

真宵「んじゃ早速作るんじゃよ!」

 

バディア「う、うむ、すまないが道路も作ってくれると助かる」

 

そう言われて確かに看板だけでも迷いそうだと伊御達は思った。

 

伊御「道路もってなると工事になるね」

 

真宵「ちょっと応援呼ぶんじゃよ」

 

誰を呼ぶんだろう…とどこかに電話する真宵に誰もが思った。

 

数分後

 

真宵「って事でお手伝いの大工さんYさんです」

 

大工さんY「おう、宜しくな」

 

来た人物に伊御達はえーとなる。

 

伊御「(この人って確か…)」

 

正邪「(山の四天王の勇儀じゃねぇかよ…)」

 

バディア「(一体どうやって来たんだ…?)」

 

真宵「ちなみにちょいとした伝手で知り合いました」

 

誰もが疑問に思う中で真宵がそう言う。

 

大工さんY「さてさて、可愛いお嬢ちゃんの頼みだ。頑張ってやりますか」

 

佳奈「私も手伝うよ!」

 

バディア「皆、本当にすまない」

 

頭を下げるバディアに伊御が頭を上げてよと言う。

 

伊御「これから一緒に勉強しあう仲間になるんだから助け合わないとね」

 

つみき「遅刻しない様にするのもまた同級生のよしみよ」

 

バディア「…優しいんだな。皆は」

 

そう言われて伊御はこそばゆい感じに頬を掻く。

 

伊御「そ、そうかな?」

 

正邪「まあそうだな。伊御ほど優しい奴は珍しいな」

 

バディア「ああ、誇りに思え(本当に、こっちが知るのと変わらない優しき男だ)」

 

最初にあった時のを思い出して言う正邪のにバディアも同意しながらそう思った。

 

伊御「それじゃあ早速始めようか」

 

つみき「うん」

 

大工さんY「ははは、号令は私の役目だぞ少年」

 

あ、すいませんと謝る伊御の後に誰もが笑う。

 

と言う訳で始まった道作り、大工さんYの指示の元、伊御達は整備していく。

 

大工さんY「よっと」

 

伊御「大工さん、これは何処に運べばいいですか」

 

道の邪魔になるのを退かす大工さんYに伊御は聞く。

 

大工さんY「それはそっちに頼む」

 

伊御「分かりました」

 

つみき「…看板描けた」

 

そこに佳奈と共に看板を作っていたつみきが来て、んじゃあ分かり易い場所に均等に立てておきなと指示されて言われた通りにしていく。

 

バディア「みんな、飲み物を持ってきた」

 

そこにバディアが人数分のコップをお盆に乗せて来る。

 

伊御「ありがとねバディア」

 

正邪「あ、これ紅茶って奴か」

 

バディア「うむ、そうだ。銘柄はアールグレイとか言うのだ」

 

成程と誰もが納得してお茶を飲む。

 

つみき「…美味しい」

 

真宵「美味しいんじゃよ!」

 

それには誰もが絶賛し大工さんYもほおと感心する。

 

大工さんY「これもなかなか悪くないな」

 

バディア「そう言って貰えると入れた身として嬉しい限りだ」

 

紅茶も悪くないねと飲む大工さんYや伊御達にバディアは微笑む。

 

伊御「そう言えばバディア以外に誰か住んでいるの?」

 

つみき「こんなに大きいからメイドがいそうね」

 

佳奈「執事さんも居そうだね!」

 

バディア「あーうん。一応、いるな…」

 

その後に城を見て言うつみきと佳奈のにバディアは目を泳がせる。

 

それに伊御達は首を傾げる。

 

伊御「一応…?」

 

バディア「ああ、一応」

 

真宵「まあ深くは詮索しないでおくんじゃよ」

 

それが良いねと誰もが頷き、それがありがたいとバディアも頷く。

 

しばらくして

 

真宵&佳奈「かんせ~い!」

 

大工さんY「ふー、いい仕事したな」

 

バディア「おお…」

 

綺麗に出来た道にバディアは感嘆の声をあげる。

 

伊御「看板も目立つようにしといたよ」

 

つみき「…これなら迷わないでしょ」

 

本当に感謝しかないと頭を下げるバディアに良いってと伊御は笑う。

 

大工さんY「今度、美味い物食わせてくれよな」

 

真宵「はい、頼んでおきますんじゃよ」

 

そう言う大工さんYに真宵がそう言う。

 

そう言えば買い物に行く途中だったのを伊御は思い出してなら…と提案する。

 

伊御「ならこれから買い物行くので皆で一緒にどう?」

 

つみき「い、良いの?」

 

大工さんY「そりゃあありがたいけど嬢ちゃんの言う通り良いのかい?」

 

そう返すつみきと大工さんYにうんと伊御は頷く。

 

伊御「皆で行った方が楽しいだろ?」

 

真宵「確かに数人で楽しむのは当然じゃよ!」

 

佳奈「わーい!パーティだ!」

 

バディア「では費用は我がいくらか出そう」

 

して貰った礼を返さんとなと笑うバディアにんじゃあ俺以外の皆の分でと伊御はそう返す。

 

伊御「それじゃあ早速買い物に行こうか」

 

猫「にゃ~」

 

真宵「おー!」

 

ワイワイと誰もが歩く中でバディアは心地よいなと心の底から思った。

 

バディア「(そのためにも奴らは絶対に狩らないとな)」

 

グッと手を握り締めて改めて決意する。

 

伊御「どうしたバディア?」

 

バディア「なに、良い者達と巡り合ったなと噛み締めていたのだ」

 

そうかと伊御は微笑んだ後に前を向き、バディアは空を見上げる。

 

バディア「(この世界、必ず守ってみせる…!)」

 

その胸に思いを秘めて誓う。

 

その後、他のメンバーを呼んでバディアの歓迎会をしたのであった。




姫「は、はひぃ…次回は『宿題⇔テレビゲーム』ですぅ~」


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22日和目~宿題⇔テレビゲーム~

夏休みの宿題済ませようとする真宵、だけど熱さにダレダレで……

正邪「ダレダレってなんだよ。ダレるで良いんじゃね;」


夏休みの熱い日差しが降りそそぐある日

 

真宵「あつ……なつ……なつ……あつ……ここ……熱い………」

 

正邪「アチィな…」

 

テーブルに突っ伏すしてぶつぶつ言う真宵の隣で正邪も顔を顰めながら呟く。

 

ちなみに彼女達は今、つみきの住んでるマンションで夏休みの宿題をやっているのだ。

 

熱いのになぜクーラーを付けてないかと言うと……そのクーラーが壊れてるからだ。

 

今はつみきが修理して貰う為に電話している。

 

姫「はう;」

 

つみき「クーラーの修理は夕方になるそうよ」

 

正邪「おい真宵ー、クーラー直せないのかよー?」

 

業者との電話を終えてのつみきからのにそんにゃーと嘆く真宵に正邪は聞く。

 

真宵「暑くて直す力も出ないんじゃよー」

 

正邪「そうかー」

 

そりゃあ仕方ねえな…と正邪はふうと息を漏らす。

 

姫「大丈夫ですか?真宵さん」

 

真宵「もう駄目にゃ……」

 

声をかける姫のに力なく返した真宵を見ながらこりゃ駄目だなと正邪は思っているとつみきがある物を取り出す。

 

それは扇風機であった。

 

つみき「扇風機使う?」

 

正邪「あ~使う使う」

 

真宵「お~け~じゃ~」

 

確認するつみきに天からの施しと真宵はすがる。

 

早速コードを差し込み、電源を付けると扇風機は動き出す。

 

真宵「あ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

 

正邪「おいおい、占拠し過ぎじゃねえか真宵」

 

扇風機のを占拠する真宵に正邪はそういう。

 

真宵「ワレワレ、ウチュウジン」

 

姫「宇宙人詐欺ですぅ!?」

 

つみき「ただのカミングアウトでしょ…」

 

正邪「遊んでないで宿題やれよ」

 

続けてのボケに姫が驚き、つみきと正邪は呆れて言う。

 

 

 

 

しばらくして真宵はあーとぼやく。

 

真宵「なんか涼しくなる方法ないかにゃー?」

 

正邪「またそんなことを…」

 

姫「私は扇風機でも涼しいですよ」

 

つみき「私も平気」

 

まだ暑く感じてる様子に正邪は呆れ、姫とつみきはそう返す。

 

マジッスかと真宵は呟いた後に何か思いついた真宵が指を1本伸ばす。

 

真宵「そうにゃ!氷水が入ったたらいを部屋に沢山置くとかどうなんじゃよ!」

 

正邪「それ、邪魔だろ」

 

つみき「ついでに言うと、氷とタライもそんなにないわよ」

 

提案された事に正邪はそう返し、つみきもそう言う。

 

姫「でもやってみたら涼しくなりそうですね」

 

正邪「まあそうだな…」

 

真宵「あとは氷水の代わりにドライアイスを大量に入れて……」

 

想像してか感想を述べる姫に正邪が同意した所で真宵が続けて言った事に姫は顔を青くする。

 

姫「そ、それは……!」

 

つみき「…やめなさい;酸欠で危険よ;」

 

真宵「あう;」

 

正邪「いや、酸素を消費するんだから当然だろ;」

 

想像して駄目かと冷や汗を掻く真宵に正邪はツッコミを入れる。

 

 

 

 

また少し時間が進んだ所、真宵は困った声を出す。

 

真宵「にゃあ~、汗でノートがくっつくんじゃよ」

 

正邪「確かに少しうっとおしいな」

 

扇風機を付けたとはいえまだある暑さで出る汗を拭いながら正邪は同意するとだったら…と姫が切り出す。

 

姫「図書館にでも行きます?」

 

つみき「でもうちからは遠いわよ」

 

正邪「確かに熱い中で宿題やる為に遠い所に行くのは割りに合わないな…」

 

提案された事につみきはそう言い、正邪も難色を出す。

 

真宵「となると……伊御さん家かな近いのは」

 

正邪・つみき「!」

 

出て来た名に2人はピクッと反応する。

 

姫「でも急に行ったらご迷惑に…」

 

つみき「(迷惑…)」

 

正邪「(伊御と一緒に宿題……)」

 

真宵「じゃあ…伊御さん家に行くの止め…」

 

つみき「!」

 

正邪「(カッ)」

 

次の瞬間、行くのを止めると言いかけた真宵に2つの殺気に近い覇気が襲い掛かる。

 

1つは目を光らせる黒い子猫だが、連続で放たれる猫パンチは止めると言ったらとことんやると感じ取れるのをぶつけている。

 

もう1つは同じ様に目を光らせるデフォルメされた天邪鬼だが、こちらも同じように連続で振るわれる金棒型ピコハンは止めると言ったらぶっ飛ばすと言うのをぶつけている。

 

それを受けた真宵は長い様で短い一瞬の間に…

 

真宵「るのやめた」

 

姫「どっちですか!?」

 

行くのを決めて言い方に姫はツッコミを入れる。

 

何はともあれ、4人は伊御の家に向かう事に…

 

 

 

 

熱さにだれてる真宵を先頭に歩く中で姫が思い出す様に言う。

 

姫「伊御君に連絡しなくて良いんですか?」

 

正邪「あー、確かにいきなり押し掛けるのもな…」

 

しとくべきかと思った正邪に真宵は待ったをかける。

 

真宵「こういうのは…突然行って…驚かす…のがいいん…じゃよー」

 

正邪「大丈夫か?;」

 

途切れ途切れで言う真宵に正邪は心配する。

 

真宵「なぁあー!駄目じゃー!姫っち、何か冷たくなることいってにゃー」

 

姫「えぇ!?」

 

正邪「姫に無茶ぶりするなよ;」

 

流石にいきなりで冷たくなる話を姫が出せる訳ないと正邪とつみきは思う。

 

姫「え、えっと………あいす?」

 

正邪「……………おい真宵、姫に謝れよ」

 

必死に捻って出したのを聞いて正邪はそう言う。

 

ごめんと謝ってから真宵はつみきを見る。

 

真宵「つみきさん、冷たくなること言ってにゃ」

 

正邪「いや、だからいきなりは…」

 

今度はつみきに振る真宵に正邪は呆れる。

 

つみき「……デス」

 

真宵「デス!?」

 

低い声で言ったつみきのに真宵はビクッとなる。

 

正邪はつみきの後ろでデフォルメな死神が見えた。

 

つみき「ほら冷えた」

 

真宵「使えそうで怖い;」

 

正邪「怖いこと言うなよ;」

 

ふふふと笑うつみきに真宵もそうだが正邪も顔を青ざめて少し引いた。

 

 

 

 

伊御の住むマンションに辿り着いた所で正邪があっとある事を思い出した。

 

正邪「そう言えば伊御今家にいるのか?」

 

姫「あ、確かにそうです!」

 

言われて姫もどうしましょうと言うと真宵がインターホンに手を伸ばす。

 

真宵「まあ取りあえずは当たって砕けてみるんじゃよ!」

 

ピン・ポーン♪ピン・ポーン♪

 

そう言ってインターホンを2回押す。

 

伊御『どちら様ですか?』

 

正邪「私達だぜ伊御」

 

真宵「私私」

 

馴染みある声に正邪が言って続けて真宵も続く。

 

少しの間があってから…

 

伊御『間に合ってます』

 

そんな言葉が返って来た。

 

姫&真宵「ええ!?」

 

正邪「何が!?」

 

つみき「!?」

 

ええええええと4人は驚いている間、件の伊御はと言うと…寝ぼけ眼で戻っていた。

 

実はと言うと先ほどまで榊と共に宿題やゲームをやったりしていたのもあって伊御は疲れでおねむ間近になっていたのだ。

 

正邪「おい、伊御。どうしたんだ?」

 

真宵「あー、試しに電話してみるんじゃよ」

 

戸惑う正邪に真宵はそう言って伊御の携帯に電話をかける。

 

伊御『はい』

 

真宵「私私!」

 

プツッ、ツーツー

 

出て来たので言った瞬間、通話を切られた。

 

なんで?と誰もが思ったが正邪がもしかして…と肝心な事を言う。

 

正邪「寝ぼけているのか伊御?」

 

真宵「あ、ならば先ほどの反応も!」

 

姫「伊御くん、先ほどまで寝てたんでしょうか?」

 

つみき「かもね」

 

そう会話している間に扉が開いて焦った様子の伊御に入ってと言われて4人は入る。

 

姫&真宵「おじゃましまーす」

 

つみき「こんにちわ伊御」

 

正邪「邪魔するぞ~」

 

挨拶する4人に伊御はすまんと右手を上げて謝罪する。

 

伊御「眠すぎて朦朧してわたしわたし詐欺と勘違いして…」

 

真宵「わたしわたし!?」

 

姫「また詐欺ですぅ!?」

 

弁解された事に驚く2人に伊御はハテナマークを浮かべながらこっちだよと案内する。

 

つみき「私たちは宇宙人詐欺だったわ」

 

正邪「やったのは真宵な」

 

伊御「スケールがデカいな」

 

途中で理由を言うつみきと補足する正邪に伊御はそう漏らす。

 

そりゃあ幻想郷に宇宙人いるけど…と伊御は頬をポリポリ掻く。

 

真宵「息子さんが自転車でUFOと事故りまして…」

 

伊御「そのシチュエーションは分からないぞ;」

 

正邪「と言うかどっかの宇宙人との交流映画みたいな感じで事故るって嫌だぞ;」

 

真宵が言った事に伊御がツッコミを入れて正邪が興味本位で借りた映画で見たのを思い出しながら言う。

 

つみき「どーん!」

 

正邪「事故った!?」

 

伊御「だから分からないぞ!;」

 

オマケで追突するシーンな擬音を言うつみきに伊御はツッコミを入れる。

 

話してる間に伊御の部屋の前に着いて中に入る。

 

榊「よう」

 

姫「あ、榊さん。こんにちわ」

 

正邪「居たのか榊」

 

入って来た4人に榊は左手を上げて挨拶するのに姫が代表で返し、正邪はそういう。

 

榊「おう、お前が姫達と宿題やるって言うから俺も伊御と一緒にな」

 

正邪「そうだったのか」

 

いる理由に納得した後に真宵が何かを見てるのに気づいて同じ方向を見ると…ふとんが置かれていた。

 

真宵「まさか!これは干したてのお布団!」

 

伊御「ああ、さっき取り込んだばっかだ」

 

聞く真宵に伊御は肯定する。

 

それを聞いた真宵は…

 

真宵「ダーイブ!!」

 

布団に飛び込んだ。

 

真宵「にゃは~~」

 

正邪「(真宵のやつ伊御の布団に……!)」

 

つみき「(うずうずうずうずうずうず…)」

 

なんと羨ましい…と2人は思っていると真宵がつみきに声をかけたと思ったら…

 

真宵「伊御さん枕、もふー」

 

そう言ってつみきにまくらを軽く投げ付ける。

 

正邪「(あ、良いな……って何思ってんだ私!?)」

 

伊御「で?今日はどうしたんだ?」

 

真宵「涼みと遊びに来たんじゃよ~」

 

慌てて顔を横に振る正邪の隣で聞いた伊御は真宵の返答にそっかと納得して姫が宿題しにでは…?と?ツッコミを入れてる間に枕を受け取ったつみきはそのまま倒れると…枕を堪能する。

 

つみき「ふかふか…」

 

正邪「(堪能してる…)」

 

その姿に姫は鼻血をたらたらと流していたが収まった後に恐る恐る声をかける。

 

姫「つ、つみきさん?」

 

つみき「!」

 

声をかけられて我に返ったつみきはスポーンとまくらを上にあげた後に起き上がってから戻って来た枕を抱え…

 

つみき「ふかふかー!」

 

真宵「ふかーじゃない!?」

 

正邪「いつもと違うな;」

 

姫「ふかふかなのですか!(ぶしゃー!)」

 

何時もの威嚇とは違うのに女性陣は驚く。

 

 

 

 

榊「宿題残ってるの真宵だけか―?」

 

真宵「私と姫っちに正邪さんじゃよ」

 

つみきが落ち着いてから一息ついた後で聞く榊に真宵はそう返す。

 

姫「あ、私はつみきさん家で終わりましたよ」

 

正邪「私もだ。終わってねぇのは真宵だけだぞ」

 

そんな真宵に姫はそう言い、正邪は呆れて言う。

 

真宵「えぇ?!何時の間に!?」

 

つみき「姫はちゃんと進めてたものね」

 

驚く真宵につみきは答えながら良い子良い子と姫の頭を撫でる。

 

姫「えへへへ…」

 

正邪「姫は出来る子だからな」

 

一緒に良い子良い子としているとふとカレンダーを見て伊御は思い出す。

 

伊御「そういや夏祭り明日か」

 

正邪「そう言えばそうだな」

 

誰もがそう言えばと思い出す中で伊御はメンバーを見る。

 

伊御「皆で行く?」

 

姫「はい、良いですね」

 

正邪「どうせなら佳奈達も呼んでも良いな」

 

提案された事に姫は同意し、正邪も言う。

 

つみき「それなら二人とも早く終わらせないとね」

 

正邪「だな。やらねえといけねえぞ」

 

そう言うつみきに正邪も続く。

 

真宵&榊「行きたかったー」

 

姫&つみき「え」

 

伊御「早くも諦めた……」

 

正邪「はぇよお前等;」

 

顔を伏せる2人に思わず正邪はそういう。

 

榊「い、いや!やっぱ諦めきれねぇ!」

 

真宵「にゃん!」

 

だがすぐさま顔をあげる。

 

榊「宿題サクッとやっつけるからこっちは気にせず、そっちはゲームとかして遊んでて良いぜ!」

 

真宵「早く終わらせてすぐに混ざるんじゃよ!」

 

正邪「おう、んじゃあたっぷりとやれよ」

 

目を燃え上がらせて言う2人に正邪はあっさり言って3人にゲームやろうと言う。

 

 

 

 

姫「はう~!」

 

つみき「伊御に投擲…」

 

正邪「おっと近くにいたのが悪かったなつみき、投げてやるぜ」

 

伊御「必殺技」

 

せっせと宿題を済ませてる2人の前で4人はバトルゲームで激闘繰り広げる。

 

聞こえて来るのに2人の手が止まり…

 

真宵&榊「あーーーーーーーー!!」

 

正邪「!?」

 

伊御「いきなりどうした!?」

 

いきなり奇声をあげる2人に4人は驚いて振り返り…その後にゲーム内でつみきが操作するキャラがアウトになる。

 

つみき「あ……」

 

伊御「……やっぱり静かにしとくか」

 

奇声をあげた2人に対して伊御はそう言う。

 

真宵「ダイジョウブデス。オキヅカイナク」

 

榊「キニセズショータイムッテクレデス」

 

正邪「おい;」

 

棒読みじゃねえかと2人の言葉に正邪は呆れる中で伊御はそ、そうか…と呟く。

 

姫「なんか意識が飛んでるみたいです;」

 

つみき「みたいじゃなくてそうだと思うわ;」

 

そう述べる姫につみきは指摘する。

 

真宵「オキヅカイナク」

 

榊「ナク」

 

正邪「……んじゃもうひと勝負するか」

 

流石にこの調子ならほっておいた方が良いだろうしと姫にそう言い、伊御もそうだねと同意してゲームを再開する。

 

しばらくゲームをしている4人の後ろで2人は黙々と宿題をやっていたがやがて体を震わせ…

 

榊&真宵「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

正邪&つみき&伊御&姫「!?」

 

とうとう爆発して再び奇声をあげ…

 

真宵&榊「ワタシモ……アソブゥゥゥゥゥ!!」

 

伊御「こうなると思ったんだよ;」

 

正邪「まるでゾンビだな」

 

ゆらりゆらりと紫のオーラを纏っている2人を見て伊御はそう呟き、その様子を正邪はそう表現した。

 

 

 

 

しばらくして…

 

榊「終わったぞー!」

 

真宵「遊ぶんじゃよー!」

 

うおぉぉぉぉぉぉ!!!と咆哮する2人に正邪はおめっとさんと拍手する。

 

つみき「お疲れ様」

 

姫「でしたー」

 

そして2人も労いの声をかける。

 

伊御「zzzzzzzzzzzzzz」

 

真宵&榊「って1人寝とる!?」

 

正邪「そりゃあ眠たそうだったもんな」

 

まさかの寝ているのにガビーンとなる2人へ正邪は呆れて言う。

 

榊「ふっふっふっ、やるせないから顔に落書きしてやるぜ」

 

真宵「ふぇふぇふぇ、どんなのがいいかにゃん」

 

正邪「お前等…変なの書くなよ」

 

姫「ね、寝かせてあげましょうよ;」

 

つみき「うんうん」

 

ぬふふと悪役顔な2人に正邪はそう言い、姫も恐る恐る言う。

 

榊「じゃあ意表を突いて口吸いマークとかどうよ。リップかグロスの」

 

真宵「それじゃあ!」

 

正邪「おい!?」

 

姫「?どんなマークですかー?」

 

提案した事に真宵はすぐさま賛同して正邪は姫に聞かれて困った顔をする。

 

正邪「えっとようするに……キスマークだ」

 

姫「き、キスですかー!!?(ぶしゃああああああ!!)」

 

恥かしそうに答えられた事に姫は鼻血を噴き出す。

 

真宵「という訳でつみきさん、パース!」

 

つみき「!」

 

そう言って真宵はつみきにリップクリームを投げ渡す。

 

正邪「つ、つみきにさせるのか!?」

 

真宵「もちのろん♪」

 

ええと驚く正邪に真宵がそう答えた後につみきは伊御に近づく。

 

顔を赤らめて伊御を見続けるつみきははやる鼓動を抑えながら見続けてリップクリームを開けて自分の口に塗ろうとし…

 

真宵「えーっとつみきさーん?直接唇にじゃなくてリップでキスの形描いたらって意味じゃよ~?」

 

つみき「///!!」

 

そんなつみきに対して申し訳なさそうに真宵は訂正の言葉をかける。

 

隣ではつみきのしようとしたので姫が鼻血を噴き出して倒れていた。

 

ビューン!!

 

ガン!!

 

真宵「ぶへっ!?」

 

正邪「ふぅ、よかった…って何言ってんだ私はぁあああ!!」

 

その後に勢いよく投げられたリップクリームが真宵の額に炸裂、正邪は安堵してから頭を抱える。

 

そして投げたつみきは伊御の布団に突っ込む。

 

榊「羞恥に耐えきれずずぼーした!?」

 

恥ずかしさで悶える正邪とつみき、痛さで悶える真宵、鼻血を噴き出してビクンビクンしてる姫、そんな中でも平然と寝ている伊御

 

その中で榊は思った。

 

榊「(凄いな伊御;さて、落ち着かせるか)」

 

そんな訳で落ち着かせるのに時間がかかった榊であった。




伊御「次回は夏祭り⇔大暴れ?に続く」


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23日和目~夏祭り⇔大暴れ?~

祭りでも変わらぬはっちゃけを彼らはお送りする。


前回から数日経った夜、伊御たちは夏祭りに来ていて、入り口前でつみき達を待っていた。

 

ちなみに正邪も榊と共に来たので傍にいる。

 

正邪「凄い人だな…」

 

榊「祭りだからな。そっちでもないのか?」

 

感嘆する正邪に榊は聞く。

 

正邪「こっちでもあるけど人の数が違うな」

 

伊御「ああ、確かに考えると納得だな」

 

返された事に伊御は正邪の反応に納得する。

 

正邪「あっちでは売ってないものもあるみたいだな」

 

榊「ああ、確かに幻想郷のを考えたらそりゃあ知らない食べ物もあるだろうし、近代的なゲームやカードゲームなんかが景品な奴もないだろうしな」

 

続けて言われた事に榊も納得すると…

 

真宵「ヤッホーじゃよ~」

 

正邪「ん?」

 

真宵の声がして3人は顔を向ける。

 

姫「お、お待たせしました」

 

つみき「お待たせ」

 

そこには着物に身を包んだつみきと真宵、姫がいた。

 

正邪「お、良い着物だなそれ」

 

榊「三人とも浴衣グッジョブ!」

 

伊御「皆、浴衣似合ってるね」

 

そんな3人を見て榊達は褒める。

 

真宵「そんなに誉めると照れるんじゃよ」

 

姫「神那さんも似合ってます~」

 

言いながらセクシーポーズをとる真宵の隣で姫が正邪のを褒める。

 

正邪「そ、そうか?」

 

照れる正邪にうんうんと頷いてから真宵はでも…と伊御と榊を見る。

 

真宵「お二人も似合っているんじゃよ」

 

ですねと姫も同意する。

 

つみき「(伊御……胸元…)」

 

そんな中で伊御の胸元を見ていたつみきははうーとなる。

 

榊「胸元がセクシーと言いたいわけか」

 

そんなつみきなどの反応を見て榊はサムズアップしながら言う。

 

姫「言ってないです!違うです!」

 

つみき「!」

 

正邪「ホント何を言ってるんだよ」

 

慌てて否定する姫の後に顔をぷいとするつみきと呆れる正邪に榊は笑った後に伊御の着物を掴み…

 

榊「浴衣サービス」

 

姫&つみき&正邪「ぶふ!?」

 

ぐいっと引っ張られて見えた伊御の肌に3人は鼻血を噴き出して倒れる。

 

真宵「お祭り前にリタイアさせちゃ駄目じゃよ!?」

 

倒れた3人を前に真宵が叫ぶ

 

伊御「成敗」

 

榊「ぐはっ!?」

 

そんな狼藉を働いた榊に伊御はパンチして衝撃を走らせ、受けた榊は伊御の打撃は中に来る…と言い残して倒れた。

 

佳奈「あ、伊御くーん…って何この状況!?」

 

咲「惨劇!?」

 

京谷「またなんかしたのか…」

 

そこに着物を着た佳奈達が来て、状況に驚く。

 

伊御「榊がちょっとな」

 

真宵「伊御さんにセクシーな事を…」

 

京谷「ああ、なるほどな…」

 

咲「それならこの結果は仕方ないわね…」

 

告げられた事に3人は納得するのであった。

 

 

 

 

少しして意識を取り戻したつみき達と共に道を歩く。

 

真宵「さあて!まずは何するかにゃ」

 

つみき「迷うわね…」

 

正邪「色々とあるからな…」

 

歩き回りながら色んな屋台を見て行く。

 

姫「はぅ~、どれも美味しそうですぅ」

 

佳奈「目移りしちゃうね!」

 

伊御「たこ焼き2つください」

 

食べ物の屋台を見てそう言う姫に佳奈が同意してると伊御がたこ焼きを買う。

 

榊「お、いいね!一つ頂き!」

 

正邪「私も一つ貰うぞ」

 

早速榊と正邪は1つ食べる。

 

榊「はふっ、はふ!あつっ、はふ!」

 

正邪「お、熱くて美味いな」

 

アツアツホカホカだったのではふはふする榊の隣で正邪は嬉しそうに言う。

 

つみき「(じーーーーーー)」

 

伊御「!」

 

同じ様に1つ食べた伊御はつみきの視線に気づく。

 

伊御「つみきも食べる?」

 

つみき「!」

 

真宵「つみきさんはたこ焼きより伊御さんのアーンが欲しいんじゃよね」

 

聞く伊御のにハッとなるつみきに真宵はニヨニヨしながらそう言う

 

姫「はわわわ~」

 

つみき「そ、そんなことないわ…」

 

それに姫は顔を赤らめ、つみきはぷいと顔をそむける。

 

伊御「いらない?美味しいよ」

 

つみき「い…い…い…」

 

聞いた伊御につみきはどもりながらも小さい声でいると言う。

 

それに榊達はニヨニヨする。

 

姫?いつも通り鼻血を噴き出している。

 

つみき「んぁによ…」

 

正邪「いや食べる位別に良いじゃねえか」

 

むうとなるつみきに正邪はそう言う。

 

その間に伊御はたこ焼きを1つ爪楊枝に刺す。

 

伊御「はい、つみき」

 

つみき「ん。あー」

 

差し出されたのをつみきは食べようとして…何かに気づいた伊御は引いた。

 

それに少しの静寂が起き…

 

真宵「お約束じゃね!」

 

正邪「やるな伊御」

 

つみき「うがー!にゃんにゃんにゃん!」

 

それに笑う真宵と正邪の後につみきは鳴く。

 

伊御「あ、いや。中がアツアツだから火傷しちゃうかなと」

 

ふと気づいて…と弁解する伊御だが、つみきが落ち着くまで少しかかった。

 

 

 

 

たこ焼きを食べ終えてまた屋台巡りをしてると姫がある屋台を見つける。

 

姫「皆で型抜きやりませんか?」

 

佳奈「型抜き、いいね!」

 

榊「お、いいねぇ!」

 

真宵「レッツトライじゃよ!」

 

提案する姫に誰もが賛同する。

 

正邪「なんか面白そうだな」

 

咲「そうね。上手くできるとより楽しいわね」

 

ほうとなる正邪に咲はそういう。

 

姫「懐かしいですぅ!」

 

真宵「じゃね~」

 

早速駆け寄って姫は1枚買ってチャレンジする。

 

真宵「姫っちはどれにしたんじゃよ?」

 

姫「私は簡単そうな150ポイントのクローバーで」

 

聞く真宵に姫は答える。

 

真宵「んじゃあ私は思い切って3000ポイントの奴を!」

 

正邪「おお、大胆に挑戦するな…んじゃあ私は無難に1000ポイントの小槌っぽいのを」

 

それに真宵も選んで、正邪も選ぶ。

 

榊「ずるすんなよ真宵」

 

京谷「お前もな榊」

 

真宵「そうにゃ、ここは正々堂々と勝負にゃ」

 

お互いに軽く声をかける中で姫は真剣な顔で自分の型抜きとにらめっこする。

 

正邪「どうしたんた姫?」

 

佳奈「姫ちゃん?」

 

姫「えい!」

 

パキン

 

気合の声と共に針を刺すが抜く所以外にヒビが入ってしまう。

 

姫「はぅ!割れちゃいましたー…」

 

榊「ドンマイ、姫;」

 

正邪「簡単そうなのでも気を付けないといけないんだな…」

 

奥が深いな…と思っていると挑戦するのを選んだ伊御が隣に座る。

 

真宵「おぉ!伊御さんも挑戦じゃね!」

 

伊御「うむ」

 

ほい、伊御さんの画びょうと真宵は差し出すが伊御は受け取らず、それに真宵は首を傾げる。

 

その間、伊御はカタヌキに目を離さず、少しして右手人差し指を伸ばし…

 

トン…

 

カタヌキに伸ばした右手人差し指をぺしっと当てて引いた。

 

次の瞬間!!

 

パキィィィン!!

 

なんとカタヌキは一瞬で見事な某学園バンドの主人公のになった!!!

 

伊御「出来た」

 

姫&真宵&佳奈「えええええええええええ!?」

 

正邪「はぁああああああああああ!?」

 

まさかの指でカタヌキをしちゃった事に誰もが驚きの声をあげる。

 

何気に伊御のやった奴は高得点の1万ポイントと言う。

 

榊「成程。浸透する衝撃を調整して型を抜いたわけか」

 

真宵「どういう訳?!」

 

正邪「そしてお前も分かるってどんだけだよ!?」

 

それを見て感心する榊に真宵と正邪は叫ぶ。

 

榊「やるな伊御。だが勝負の最中に見せるんじゃなかったな…」

 

京谷「え、まさかお前もやる気か?」

 

あたぼうよ!と京谷の問いに力強く答える。

 

京谷「止めといた方が良いと思うぞ;」

 

正邪「伊御にしかできないだろあれ…」

 

榊「ふっ、やって見なきゃ分かんねえだろ」

 

制止しようと声をかける2人にそう返してから榊は左手人差し指を伸ばし…

 

榊「とりゃあ!」

 

気合の言葉と共に……

 

グシャア

 

指がめり込んで思いっきり大失敗した結果だけが残った。

 

榊「orz」

 

正邪「だから言ったのに……」

 

京谷「ホントお前……ようやるよ」

 

茫然とする榊に呆れたり、冷や汗掻いたりするのであった。

 

 

 

 

カタヌキから離れ、次に来たのは金魚すくい

 

榊「いざ!金魚すくい勝負!」

 

伊御「受けてたとう」

 

正邪「(なんかオチが読めた気がした…)」

 

今度は負けないぜ!と意気込む榊を見て正邪はそう思った。

 

榊「見よ!この繊細なポイ捌きから生まれる金魚フライハーイ!」

 

伊御「飛ばすな!?」

 

佳奈「金魚さんが可哀想だよ!?」

 

正邪「いや、見ろ佳奈」

 

そう言って勢いよく金魚を上へと飛ばす榊に佳奈は叫ぶが正邪は金魚を見て気づいて言い、佳奈も見てハッとなる。

 

金魚「ぎょぴーん♪」

 

佳奈「笑顔だ!?」

 

真宵「心なしか活き活きしているんじゃよ;」

 

京谷「いや、嫌がれよ!」

 

嬉しそうな金魚の様子に佳奈は驚き、京谷はツッコミを入れてる間に榊の持つのに入る。

 

榊「続いて…金魚スピン!」

 

正邪「金魚スピン!?」

 

咲「これも喜んでるわね;」

 

続けざまに回転させながら飛び上がらせるのに誰もがええとなる間に2匹目も収まる。

 

伊御「俺も…」

 

ぱしゃ!(金魚が飛び出す音)

 

べりっ!(金魚が網を破る音)

 

ぱしゃ!(金魚が伊御の桶に入る音)

 

突如、伊御がやり始めようとした瞬間、金魚が突如飛び出したと思ったら伊御の網を破って入ったのだ。

 

正邪「…は?」

 

佳奈「入った?」

 

誰もが目の前で起こった出来事に呆気の取られていると…

 

ぽちゃんぽちゃんぽちゃんぽちゃんぽちゃん

 

次々と金魚達が曲芸をする様に伊御のに入って行く。

 

榊「金魚すくいの概念壊すな!」

 

伊御「俺の意図じゃないんだが…と言うかスピンに言われたくないぞ」

 

正邪「うん、榊、それはブーメランだぞ」

 

思わずツッコミを入れる榊に伊御と正邪が正論で返す。

 

ばしゃ!

 

榊「ノォオオオオオオ!?」

 

正邪「魚にも好かれるのか…;」

 

咲「改めて伊御くんの懐かれ度が高いわね;」

 

すると榊のに入っていた金魚たちも伊御のに入ったのを見て誰もが冷や汗を掻くのであった。

 

 

 

 

流石に多過ぎて無理と入って来た金魚たちを帰してから落ち込む榊を慰める伊御の後ろでつみきは金魚達を見る。

 

つみき「(ジー―――)」

 

すると…金魚達が突然跳ねだす。

 

姫「ああ!金魚さんが暴れだしました!?」

 

佳奈「いきなりなんで!?」

 

正邪「あーもしかして……」

 

それに驚く姫と佳奈の後に正邪はつみきを見る。

 

真宵「つみきさんの猫度に本能が捕食されると思ったんじゃ」

 

つみき「そんなことしないわよ」

 

正邪「(いや、たぶんそれだと思うぞ;)」

 

そう言った真宵のを否定するつみきに正邪は真宵のに内心同意していた。

 

真宵「んじゃあつみきさん、にゃあって言ってみて」

 

正邪「ああ、それで分かるな」

 

と言う訳で3.2.1…と言う合図と共に……

 

つみき「にゃーーーーー」

 

ばしゃばしゃばしゃばしゃばしゃばしゃばしゃ

 

つみきが鳴くと魚たちは凄い勢いで跳ね始めた。

 

姫「金魚さんがー!?」

 

佳奈「大暴れだね!」

 

正邪「完全に猫扱いだな」

 

それに姫と佳奈は叫び、正邪のにつみきは不満げであった。

 

 

 

 

つみき「…!」

 

次の屋台を探していると突如つみきが立ち止まっているのに気づく。

 

伊御「どうしたつみき?」

 

正邪「何見てんだ?」

 

誰もがつみきの見ている方を見ると射的屋があった。

 

姫「射的屋さんですね」

 

伊御「射的か。いいね」

 

正邪「名前的に並べられてるのを撃てばいいのか?」

 

そう呟く正邪にそうじゃねと頷く。

 

真宵「落としたらその景品を貰えるんじゃよ」

 

佳奈「やろうよやろう!」

 

榊「じゃ、皆でやろうぜ」

 

付け加える真宵の後の佳奈のに誰もが賛同する。

 

伊御「ライフルにハンドガンにスリリングショットか」

 

京谷「色々とあるな…ってかスリングショットで落とせるのか?;」

 

榊「けど、こう言う色々選べるのは面白いな~」

 

置かれてるのを見て呟く伊御の後に京谷はツッコミ、榊が述べる。

 

真宵「バズーカはないんじゃろうか?」

 

榊「散るわ!?」

 

つみき「何が?」

 

伊御「コルクか屋台がだろ…」

 

そう言った真宵に榊はツッコミ、つみきのに伊御はそういう。

 

ちなみに正邪は分かってなかった教えられて、そりゃあどっちもじゃねと思った。

 

 

 

 

姫「私は大きめなのはとても無理なのでこちらの小さめのにします。あ、でも可愛いぬいぐるみだと撃ちにくいですよね」

 

正邪「まあそうだな」

 

早速チャレンジする中で姫が困った感じにそう言い、正邪は置かれてる大きいのを見て同意する。

 

真宵「君のためなら撃てる!」

 

伊御「責任転嫁だ;」

 

正邪「自分には責任ねえって奴か;」

 

スリングショットを構えて言った真宵のに伊御と正邪はツッコミを入れる。

 

榊「俺のためなら撃てる」

 

京谷「清々しいな!?」

 

咲「字面を見ると真宵ちゃんのよりマシね」

 

続けての榊のに京谷はツッコミ、咲がコメントを述べる。

 

伊御「俺に構わず撃て」

 

榊&真宵「好きかも!」

 

正邪「かっこいいな!」

 

続けての伊御のに誰もが声をあげる。

 

少しして姫はハンドガンので欲しいのを狙う。

 

姫「うぅ……」

 

正邪「大丈夫か姫?」

 

狙おうとしてるが腕が震えてる姫に正邪が声をかけると姫はふうと息を吐いて手を降ろす。

 

姫「やっぱり中々撃てません…」

 

真宵「そんな躊躇いがちな姫っちにアドバイス☆」

 

京谷「アドバイス?」

 

ちゃんとした奴か…と京谷は訝しげになる中で真宵は姫の手を取る。

 

真宵「まず、あの可愛いぬいぐるみに銃口を向けてよく狙う」

 

姫「は、はひ」

 

正邪「(意外とまともなアドバイスだ)」

 

なんかふざけた感じに言うかと思ったので正邪はほうとなった後…

 

真宵「後は躊躇わず手にした銃の引き金を引く…!」

 

正邪「(おい、おかしくなってるぞ;)」

 

その後の言葉で前言撤回する。

 

佳奈「引き金を引いたらどうなるの?」

 

榊「ぬいぐるみに風穴があく!」

 

バァン

 

伊御「あかねぇよ」

 

聞いた佳奈に叫んだ榊へと伊御はコルクを当てる。

 

真宵「さあさあ!心は熱く、思考はクールにレッツスナイプ!」

 

姫「はひ…」

 

そう激励する真宵に姫は不安そうだがハンドガンを構える。

 

姫「………」

 

榊「風穴が…」

 

たーん

 

伊御「だから空かねぇって」

 

正邪「姫を怖がらせるのはやめろ榊」

 

つみき「コルク銃が貫通しないわよ」

 

またも姫を怯えさせた榊に伊御と正邪はコルク弾を当てつつ言い、つみきが慰める。

 

姫「はひ…貫通しません…貫通しません…貫通しません…」

 

真宵「なんじゃろう…逆に怖い;」

 

つみき「そうね;」

 

必死に自分に言い聞かせてる姫なのだがその体制が腰が引けてて顔を思いっきり的であるヌイグルミから逸らしてるのに真宵は冷や汗を掻いて呟き、つみきも同意する。

 

姫「えい!」

 

気合の声と共に放たれたコルクはそのままヌイグルミへと向かって行き……命中する。

 

姫以外「おー!」

 

当たったのに誰もが声を漏らした後…

 

ポヨーン。

 

ヌイグルミは落ちず、逆にコルクを跳ね返したのにあーとなる。

 

姫「やりました!風穴あきませんでした!」

 

正邪「いや、違うからな姫;」

 

嬉しそうに言った姫のにつみきと伊御と正邪を除いてこけて、正邪がツッコミを入れる。

 

つみき「そう言う遊びじゃないわよ姫;」

 

佳奈「当たったけど落ちなかったね」

 

伊御「いや、まだ揺れて…」

 

労いの声をかける佳奈だったが伊御はヌイグルミが揺れてるのに気づいて言おうとし…

 

ヒュー…

 

ヌイグルミは落ちた。

 

真宵「なんと!?」

 

姫「取れちゃいましたー!」

 

榊「やったな!姫」

 

それに誰もが驚いて姫を称賛する。

 

真宵「見事転落させたね!」

 

姫「えぇ!?」

 

正邪「おいこら真宵」

 

ただ、真宵の言葉に姫は青くなって、言った本人を正邪がしばいた。

 

咲「ゲット出来て良かったわね姫」

 

姫「はう~取れると嬉しいですね~」

 

声をかける咲に姫は嬉しそうに抱き締める。

 

真宵「めでたく意中のぬいぐるみ、射止められて良かったんじゃよ」

 

つみき「(!…射止める…)」

 

想像して顔を赤くしたつみきは何体もヌイグルミを落としてる伊御に狙いを定める。

 

伊御「ん?」

 

次のを狙おうとしていた伊御は頭に何かが当たるのを感じて振り返ると自分にハンドガンを向けてるつみきに気づく。

 

つみき「(射止めゆ///)」

 

伊御「俺は景品じゃないぞ」

 

跳んで来たコルクを受け止めながら伊御は言う。

 

真宵「つみきさんが伊御さんを仕留める気じゃ!?」

 

つみき「!?」

 

伊御「まさか風穴狙い!?」

 

つみき「一文字違うの;」

 

それを見て叫ぶ真宵のに伊御も驚くとつみきは否定する。

 

 

 

 

気を取り直して狙いの大きいヌイグルミを落とそうとするがなかなか落ちない。

 

姫「倒れないですねぇ」

 

真宵「あれは倒れるんじゃろうか?」

 

正邪「弾を跳ね返してるんだよな。あの柔らかさで」

 

流石にあれをなんとかしないと無理じゃねと呟く正邪の隣でつみきは取れないのかとうつむく。

 

それに伊御は気づく。

 

伊御「榊、ちょっといいか?」

 

榊「お?」

 

伊御「合わせてくれ」

 

声をかけられてからのに榊は理由を聞かずにおう、OKと了承する。

 

そんな2人のに気づいて女性陣は榊と伊御を見る。

 

正邪「伊緒?」

 

真宵「一体、なにを…?」

 

誰もが見守る中で伊御と榊はそれぞれ手に持ったハンドガンとライフルの銃口を巨大ヌイグルミに狙いを定め……

 

ターン!!

 

同時に引き金を引くと放たれた3つのコルクはそのまま飛んで行き……命中すると巨大ヌイグルミは落ちた。

 

真宵「な、なんと!?」

 

正邪「あの巨大なぬいぐるみを…」

 

佳奈「落とした!?」

 

伊御「こういうのは協力撃ちでいける。サンキューな榊」

 

榊「おう」

 

京谷「いや、普通にお前等しかできねえと思うぞそれ;」

 

それに誰もが驚く中でそう言う伊御に京谷はツッコミを入れる。

 

 

 

 

とにもかくにもゲットできたのに変わりないので伊御は受け取った後にはいつみき…とつみきに手渡す。

 

つみき「いいの?」

 

伊御「ああ。欲しかったのはぬいぐるみじゃなくて嬉しそうにしてくれるつみきだから。喜んでくれれば」

 

聞くつみきに伊御は微笑んで言う。

 

つみき&姫「ぶは…」

 

パタッ…

 

真宵「クリティカルヒットオンが聞こえたんじゃよ;」

 

榊「見事に狙撃されたな」

 

正邪「姫は被弾だな…」

 

それによりいつも通り姫とつみきは鼻血を噴き出して倒れ、榊達は知ってたな感じで見てるのであった。

 

 

 

 

京谷「色々とやったし、そろそろ帰るか?」

 

咲「あ、確かにそうね」

 

正邪「ん?もうそんな時間か?」

 

時間を確認して言う京谷に咲も確認し、正邪は時間経つの忘れるな…と呟く。

 

伊御「楽しい事をしていると時間経つの忘れやすいよな」

 

榊「そうだな~」

 

そうワイワイ話し合って歩く中でつみきはご満悦でヌイグルミを抱き締めていた。

 

姫「つみきさん、とってもうれしそうですね」

 

つみき「そんなことないわ……でも」

 

正邪「ん?」

 

もふっと抱き締めてるヌイグルミに顔をうずめる。

 

つみき「このさわり心地が…2人もどう?」

 

姫「しまふ…」鼻血

 

正邪「な、ならちょっとだけ…」

 

誘うつみきに姫は乗り、正邪も気になっていたので誘いに乗る。

 

真宵「お?」

 

ふと振り返った真宵の目に大きいヌイグルミをモフル3人の姿が見え、何してんの3人ともと思ったのであった。

 

とにかく楽しく過ごせたのであった。




バディア「次回『転校⇔ゲーセン』だ。我も本格的に加わるぞ」


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第24話~転校⇔ゲーセン~

前回から暫く経った日、伊御達に新たな日常の種が来た。


とある日

 

京谷「おい音無、今日から転入生が来るってよ」

 

伊御「転入生?」

 

話しかけて来た京谷に伊御は首を傾げると真宵たちも来る。

 

真宵「伊御さーん!転入生のこと探ってみたら私らの知ってる子じゃったんじゃよ!」

 

姫「ふえ?そうなんですか?」

 

すぐさまそう言う真宵に姫は目を丸くして言う。

 

佳奈「私たちの知ってる子?」

 

咲「あ、もしかして…」

 

首を傾げる佳奈だが咲は分かった様子で手をポンとする。

 

つみき「誰かわかったの?」

 

咲「ええ、きっと…」

 

ガラッ

 

答えようとした所でキクヱが入って来る。

 

それに誰もが席に着席する。

 

キクヱ「みなさ~ん。今日から皆さんと一緒に勉強する人が増えま~す」

 

入ってね~と言う呼びかけと共に入って来たのはバディアであった。

 

キクヱの隣まで来るとクラス全員を見渡す。

 

バディア「転入生のバディア・D・グモンロラだ。宜しく頼む」

 

挨拶するバディアに宜しく!とクラス全員が返す。

 

キクヱ「グモンロラさんは深山さんの隣でお願いしますね」

 

バディア「はい」

 

指名された席にバディアは座った後に授業が始まる。

 

 

 

 

真宵「まさかバディアさんが転入してくるとは驚いたんじゃよ」

 

バディア「伊御には言っていたがな。ここに転入すると」

 

休みに集まって言う真宵のに返したバディアのに伊御に視線が集まる。

 

つみき「伊御、知ってたの?」

 

伊御「うん、彼女を案内してる時に聞いたから」

 

成程と納得した後にバディアはあの時は本当に助かったとしみじみと呟く。

 

バディア「でもまさか伊御たちのクラスに転入できるとは思わなかった」

 

京谷「確かに別のクラスになる可能性もあったもんな。まぁ、知り合いと一緒で助かるんじゃね?」

 

そう返した京谷に確かにとバディアは心底同意な顔で頷き……

 

バディア「だから皆、これからクラスメイトとしてよろしく頼む」

 

真宵「宜しくじゃよ~」

 

宜しく~と挨拶した所で佳奈が早速聞く。

 

佳奈「そう言えばバディちゃんは家から迷わないで行けたんだね!」

 

バディア「……ま、まあな」

 

笑顔の佳奈のにバディアは顔を逸らす。

 

カバンの中ではバグラットがふひーと疲れていた。

 

バディア「(実はバグラットが適度に修正して貰ってたなんて言えんな…;)」

 

その様子からああ、フォローされたんだなと伊御は察する。

 

正邪「まあこれで学校までは無事にこれそうだな」

 

その分フォローする奴が苦労しそうだけどと正邪は思う中でバディアは伊御の頭に乗ってる猫に目を向ける。

 

バディア「…お気に入りの場所なのか?」

 

伊御「んー、気に入られて」

 

ゴロゴロと気持ちよく鳴く猫を見ながらバディアは本当に好かれているなと思った。

 

バディア「(私ももし猫だったらあのなでなでを貰っていたかもしれないな…)」

 

そう考えて伊御にもしも撫でられてる想像をして顔を赤らめる。

 

伊御「ん?どうかしたの?」

 

バディア「な、なんでもない!」

 

顔をそっぽ剥くバディアに伊御を除いて彼女に猫耳と尻尾が見えた。

 

真宵「(猫耳が見えるんじゃよ…)」

 

姫「(まるでつみきさんみたいです!)」

 

これは懐きますなとつみきや伊御、正邪を除いて誰もが思った。

 

その間に伊御の所に鳥たちが来る。

 

バディア「今度は鳥たちか」

 

本当に動物ホイホイであるな…とバディアは呆れる。

 

真宵「伊御さんの動物ホイホイスキルはやっぱり凄いんじゃね」

 

伊御「そうかな?来るのはこの子達だけだけど」

 

そう呟く伊御にいや凄いよと誰もが思った。

 

正邪は正邪で幻想郷にいたら動物系の妖怪もホイホイ連れそうだと思っている。

 

正邪「(色々と集まりそうだな…)」

 

バディア「(時期は先だがペンギンも懐かせてるからな…ライオンや虎に懐かれても違和感ないのが怖いな…)」

 

そんなにかな…と心底首を傾げてる間にチャイムが鳴って次の授業が始まる。

 

 

 

 

お昼休み、バディアのお昼のに真宵は聞く。

 

真宵「バディアさん、お昼はどうするんじゃ?」

 

バディア「ああ、それなら…」

 

そう言ってお弁当箱を取り出して蓋を開ける。

 

綺麗に配置された中身におおと声を漏らす。

 

真宵「美味しそうなんじゃよ!」

 

姫「バディアさんが作ったんですか?」

 

うむ!と自信満々にバディアは胸を張る。

 

バディア「こう見えて料理は得意なのだ」

 

佳奈「おお!バディちゃん凄いね!1つ貰っても良い?」

 

そう聞く佳奈に良いぞとミニハンバーグを差し出す。

 

佳奈「んー、美味しいー!」

 

凄くキラキラしながら頬っぺたを抑える佳奈にバディアも嬉しそうに笑う。

 

姫「わ、私も一口いいですか?」

 

バディア「良いぞ」

 

では…と姫はマカロニを1つ摘まんで食べる。

 

姫「お、美味しいです!」

 

はうーと頬を抑えて味を噛み締める姫におおげさすぎるぞとバディアは苦笑する。

 

伊御「俺も一口貰っても良いか?」

 

それに伊御もお願いするがバディアは困った顔をする。

 

なんでと思ったがこのままだとバディアの食べるお弁当が少なくなると察した。

 

伊御「俺のやきそばパン一個あげるから」

 

バディア「なら好きなのをいいぞ」

 

それじゃあ…と伊御は卵焼きを選ぶ。

 

伊御「ん、甘くておいしいね」

 

ニッコリ笑って言う伊御につみきは顔を赤らめ、姫は鼻血を噴き出す。

 

バディア「ぐっ…!」

 

ついでにバディアも笑顔に顔を赤らめて逸らす。

 

京谷「(またか…)」

 

咲「(また一人落ちたわね…)」

 

榊「ちーす」

 

その様子に京谷は呆れ、咲は苦笑する中で榊が来る。

 

雰囲気から察してふむ…と呟いた後…

 

榊「また伊御がやっちまったか」

 

伊御「?」

 

やれやれと肩を竦めて首を横に振る榊に伊御はどういう事?と猫と共に首を傾げる。

 

バディア「くっ、相変わらずの無自覚か…!」

 

佳奈「それが伊御くんだからね」

 

頬を赤くしながらぼやくバディアに佳奈はうんうんと同意する。

 

正邪「(ほんと、伊御には困ったもんだぜ…)」

 

つみき「(本当に引き寄せ易い…)」

 

むむむとふくれっ面な2人に真宵と姫は温かい目で見る。

 

 

 

 

授業が終わって放課後

 

真宵「バディアさーん!今日一緒に遊ばにゃいかにゃ~」

 

バディア「む?遊びか…」

 

つみき達を連れてお誘いする真宵にバディアは少し思案する。

 

バディア「(今日はアレもないしちょうどいいか)」

 

決まった後にバディアは伊御達を見る。

 

バディア「良いぞ。何処で遊ぶんだ?」

 

真宵「近くのゲーセンにじゃよ~」

 

ゲーセンかと呟いた後に良いなと笑う。

 

京谷「今日こそは勝ってやるぜ崎守」

 

咲「ふふん。また勝たせて貰うわよ」

 

早速そう言う京谷に咲は笑い返す。

 

佳奈「クレーンで商品取りまくるよー!」

 

真宵「店員泣かせじゃな!特にこれは伊御さんが!」

 

なぜ俺と突然話を振られて驚く伊御にバディアはあーとなる。

 

バディア「(確かに伊御ならクレーンの景品全部取りそうだな…)」

 

 

 

 

少しして目的のゲーセンへと着いて真宵は早速クレーンゲームへと向かう。

 

真宵「おー!新商品入っているんじゃよ!」

 

姫「はひ、可愛い奴です~」

 

こりゃあ狙うしかねえと早速お金を入れてやり始める。

 

真宵「~♪」

 

正邪「お、良い所に入ったな」

 

鼻歌唄いながら操作してクレーンが景品のヌイグルミを丁度良くつかむ。

 

真宵「おお!来た来た!」

 

これはいけると思っていると…

 

ぽとっ

 

ギリギリの所でヌイグルミは落ちてしまう。

 

真宵「ノォオオオオオオオオ!?」

 

姫「はうードンマイです~」

 

それに真宵は絶叫し、姫が励ます。

 

バディア「ふむ…我もしてみるか」

 

そう言って今度はバディアが挑戦する。

 

姫「バディアさん、頑張ってください!」

 

バディア「いや、このヌイグルミを狙うなら…」

 

そう返してバディアはクレーンを動かして真宵が狙っていたヌイグルミを落としてゲットする。

 

バディア「取れたぞ」

 

真宵「おお!!バディアさん凄いんじゃよ!」

 

ほれとヌイグルミを手渡すバディアに真宵は喜ぶ。

 

佳奈「バディちゃん!こっちのもやって!」

 

すぐさま佳奈が別のクレーンゲームを指して呼び、良かろうとバディアは向かう。

 

伊御「よし、取れたぞ」

 

榊「こっちも順調だな」

 

一方で伊御もヌイグルミを順調に取って行く。

 

正邪「これまた大量だな…」

 

つみき「…あっちで店員さん達泣いているわね」

 

並べられるヌイグルミ達に呆れる正邪の隣でつみきは陰で泣いている者達を見て冷や汗を流す。

 

京谷「あーくそ!また負けたー!」

 

こっちはこっちで今回も京谷が負け越していた。

 

咲「これで5勝目ね。弱すぎよ京谷」

 

バディア「確かに連続で負けすぎではないか;」

 

ふふんと笑って言う咲にバディアもチラリと見ていたが圧倒されてたのに呆れる。

 

京谷「もう一回だ!」

 

榊「黒星が増えていくな~」

 

まだやる京谷に榊は笑う。

 

正邪「私達も一勝負どうだ?」

 

勝負を持ち掛ける正邪にお、良いねと榊は笑う。

 

榊「じゃあこの格ゲーで勝負だ!」

 

正邪「お、負けねえぞ榊」

 

そう言って2P対戦が出来るアーケードゲームを指す榊に正邪も了承して座る。

 

佳奈「おー!どっちもファイト!」

 

伊御「どっちが勝つかな…」

 

誰もが見る中で2人は対戦を開始する。

 

正邪「おりゃりゃりゃ!」

 

榊「おおおおおおおお!」

 

お互いに激しい攻防戦を仕掛けて互角の戦いを繰り広げる。

 

バディア「これで三つ目か」

 

その間にバディアはヌイグルミをまた新たに取っていた、

 

真宵「大量じゃねー」

 

姫「凄いれふ~」

 

もふもふ~と渡されたヌイグルミをもふる姫にバディアはまあなと笑う。

 

バディア「さて次は菓子を取るか」

 

どれにするかな…とお菓子のある台を探す。

 

榊「うおおおおお!?」

 

正邪「これでトドメだ!」

 

一方で終盤に差し掛かっていて、隙が出来た所を正邪の操作するキャラが榊の操作するキャラへと必殺技でトドメを指す。

 

K.O!

 

正邪「よっしゃ勝ったー!」

 

榊「負けた!!」

 

真宵「では、勝者の神那さんは榊さんへ勝った事での命令をば」

 

そんなのしてねえからな!と叫ぶ榊だが正邪はノリノリでニヤッと笑う。

 

正邪「ジュースを人数分買って来い。ちなみにリクエスト通りのな」

 

榊「ゲッ!?」

 

マジかよと呻く榊に真宵と正邪はハイタッチする。

 

榊を除くと9人いるので自動販売機ので大体1000円以上かかるだろう。

 

佳奈「私、コーラで!」

 

京谷「あ、俺も」

 

早速注文する面々に榊は俺の金がぼとぼとだー!と叫びながら自動販売機へと向かう。

 

正邪「さて次は誰かやるか?」

 

真宵「ならば私が相手じゃよ!」

 

むは!と気合を入れる真宵に良いぜと正邪は笑う。

 

正邪「負けたら全員分スイーツ奢ってもらうぜ」

 

真宵「な、なんて恐ろしい罰ゲーム…なおさら負けられないんじゃよ!!」

 

うぉぉぉぉぉ!とぶつかり合う真宵と正邪に張り切っているなとバディアは呆れた後に笑う。

 

バディア「(でもまあこう言うのも良いな)」

 

伊御「楽しんでる?」

 

声をかける伊御にああとバディアは頷く。

 

バディア「ああ、十分楽しんでるぞ」

 

そうかと伊御は微笑む。

 

真宵「ちょっ!?それハメ技!?」

 

正邪「嵌った真宵が悪いのだ~」

 

ぬぉぉぉぉぉ!?と叫ぶ真宵に正邪は笑いながら攻めていく。

 

榊「そろそろ決着がつくな」

 

京谷「神那のえげつねぇな;」

 

対戦光景に京谷はそう述べるのであった。

 

WINパーフェクト!

 

正邪「完勝だぜ」

 

真宵「のぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!私のお金ぇぇぇぇぇぇ!」

 

ニヒルに笑って言う正邪に真宵は崩れ落ちる。

 

佳奈「ドンマイ、真宵ちゃん」

 

つみき「ゴチになるわね」

 

真宵「ぬぉぉ、神那さん、なにとぞ安いので!」

 

両手を合わせて懇願する真宵に正邪は良かろうと言い…

 

正邪「んじゃはちぽちで奢ってもらうか」

 

真宵「そ、それなら大丈夫じゃよ」

 

ホッと安堵する真宵に誰もが笑う。

 

バディア「(やはり楽しいな。こういう日常を過ごせる幸せ…現実として本当に楽しいな)」

 

そんな伊御達を見てバディアは心の底から楽しく笑う。

 

伊御「良い笑顔だねバディア」

 

姫「ですね~モデルさんになれそうな綺麗な笑顔ですし~」

 

それに伊御はそう述べて姫も続く。

 

バディア「そ、そうか?」

 

咲「確かに、スタイルも良いからモデルさんとして立ったら凄く見栄えが良さそうね」

 

照れるバディアに咲も続く。

 

描写してなかったが真宵や咲と同じ位に胸がある。

 

つみき「…羨ましい」

 

そしてそれはそう言うのがない女性陣の羨ましい視線が集まる。

 

バディア「(な、なんだか恥ずかしいな…)」

 

自分の胸を見られてバディアは頬を赤らめる。

 

こうやって注目されるのは慣れてないのと同時にもう1つある。

 

バディア「(我、()()()()()()んだからこう言うのは恥ずかしいな…)」

 

伊御「皆、そろそろ移動しよう。ね」

 

はうう…と顔を赤らめているバディアの前に立って伊御がそう言う。

 

佳奈「景品も沢山取れたしね!」

 

真宵「そして私はお金を取られる運命!」

 

榊「威張って言う事じゃねえと思うぞ」

 

むふーとなる佳奈に張り合う様に言う真宵に榊はツッコミを入れる。

 

正邪「んじゃ次ははちぽちに行くとするか」

 

だねと誰もが頷いて歩き出す。

 

つみき「沢山取ったわね…」

 

バディア「うむ、少し取り過ぎたか…?」

 

真宵「これはこれで部屋を可愛く出来て良いと思うんじゃよ」

 

張り切り過ぎたなと呟くバディアだが真宵がそう言う。

 

バディア「可愛くか…」

 

そう言われるとバディアは顎を摩る。

 

バディア「(我の部屋を可愛く…)」

 

言われた事にバディアは想像してみる。

 

ヌイグルミが置かれて可愛くなった部屋でゴスロリなどを着た自分…

 

バディア「(……は、恥ずかしいな///)」

 

そんな想像にバディアは頬を赤らめる。

 

京谷「お、重い…」

 

咲「ふふ、負けたんだからしっかり持つのよ京谷」

 

ジャンケンで負けて景品を抱える京谷に咲は笑って応援する。

 

榊「大変だな京谷」

 

伊御「それだったら少し運んでやれよ」

 

笑う榊に少し持った伊御が呆れる。

 

バディア「お、見えてきたぞ」

 

はちぽちが見えたのでいちばーん!と佳奈が駆け出し、真宵も続く。

 

姫「失礼します~」

 

つみき「おじゃまします」

 

入口を開けると共に伊御達が入るのと入れ替わりにサングラスをかけたスーツを着た女性が出て行く。

 

みいこ「いらっしゃい皆」

 

榊「みいこ姉、今のは客か?」

 

出迎えるみいこに榊は気になったので聞く。

 

みいこ「お客様だけど知り合いでもあるのよ。仕事で近くに来てたから寄ったんですって」

 

正邪「へー、そうなのか」

 

そう答えたみいこに誰もがへぇとなった後にバディアはふむと考える。

 

バディア「(今の奴、ただものじゃない気配を感じたが一体…)」

 

見たのと気配からして自分が追う存在ではないのを感じたが、雰囲気から本当に友人と思う。

 

正邪「んじゃみいこさん、これとこれとこれとこれとこれとこれを頼むわ」

 

真宵「にゃんですと!?」

 

その後に正邪が次々とメニューを指して注文して行くのに真宵は驚く。

 

佳奈「ごちになりま~す!」

 

榊「みいこ姉、俺はこれとこれを二つずつで!」

 

まだ続けるのじゃよ!?と頬を抑える真宵だが…

 

みいこ「あ、榊は自腹ね」

 

榊「なんで!?」

 

正邪「いやそりゃあ身内だからだろ」

 

まさかの自腹宣言に絶叫する榊へ正邪は指摘する。

 

伊御「ゴチなるぞ真宵」

 

姫「はひ~ありがとうございます真宵さん」

 

お礼を言う2人に真宵はああー純粋じゃなホントと眩しさに目元を覆う。

 

バディア「うむ、やっぱりここのケーキは美味いな」

 

つみき「ホントに…」

 

早速運ばれて来たのを食べて頬を緩めるバディアにつみきも頷く。

 

みいこ「ふふ、私の作った奴だから伊御くんじゃなくてごめんね」

 

伊御「いやいや、本職であるみいこさんの作るのに勝てませんよ」

 

真宵「確かにみいこさんのもとても美味しいんじゃよ!」

 

ふふと笑って言うみいこに伊御はそう返し、真宵はやけ食い気味だが続いて言う。

 

正邪「お会計がどれくらいになるか楽しみだな真宵」

 

にししと笑う正邪にあ、悪魔……と真宵は戦慄する。

 

伊御「神那、やり過ぎない様にな;」

 

バディア「悪い顔になってるな…」

 

冷や汗を掻く伊御の隣でバディアは呆れる。

 

佳奈「ワルの顔だね!」

 

咲「あんまり悪い顔をしてると引かれちゃうわよ」

 

咲の言葉に正邪はむむとなる。

 

正邪「しょうがねぇ、これぐらいにしてやるか」

 

仕方ないなとつまんなさそうに言う正邪に真宵はほっと安堵する。

 

バディア「(これから楽しい学園生活をおくれそうだな)」

 

やるべき事もあるが楽しい事もおくれるのにバディアは噛み締めながら楽しむのであった。

 

ちなみに真宵はしばらく節約する羽目になったとさ




真宵「次回!学園祭⇔屋台準備に続くんじゃよ~」


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第25話~学園祭⇔屋台準備~

学生の一大イベント、学園祭迫る!


真宵「い~~~~~~~~お~~~~~~~~さ~~~~~~~ん!」

 

とある日の休み時間、のんびりとつみきと正邪に姫と話していた伊御の所に真宵があわただしい様子で来る。

 

伊御「ん?」

 

正邪「なんだ?」

 

いきなり来た真宵に4人が見る中で真宵は伊御に近づく。

 

真宵「伊御さん!」

 

伊御「どうした?」

 

正邪「なんかあったのか?」

 

そうなんじゃよ!と返してから真宵は伊御を見る。

 

真宵「が、学園祭で榊さんと店出すとは本当かにゃ!?」

 

伊御「うん」

 

正邪「なに!?」

 

つみき「!」

 

姫「はぅう!?」

 

告げられた事は3人も知らなかった様で、驚いて伊御を見る中で真宵は姫に近づき……

 

真宵「なんで誘ってくれないんじゃよ~!」

 

つみき「(うんうん)」

 

正邪「そんな楽しそうなこと、私たちも誘ってくれよ」

 

伊御「あ、増えた」

 

訴える3人+αに伊御は困った顔をする。

 

伊御「えっと…今日誘うつもりだったんだけど…皆も一緒にどう?」

 

真宵「おー!!」

 

つみき「!」こくこく

 

正邪「勿論参加させてもらうぜ」

 

誘う伊御に3人は早速参加表明を出す。

 

姫「?」

 

ちなみに姫はノリと展開に付いて行けず分かってなかった(ぽふー)

 

バディア「何を騒いでいるんだ?」

 

伊御「あ、バディア。文化祭のでお店をやるのにつみき達を誘ってたんだよ」

 

近寄って聞いたバディアは成程と納得してその時期だったかと内心思う。

 

伊御「良かったらバディアも参加する?」

 

バディア「良いのか?」

 

うんと伊御は頷き……

 

伊御「文化祭は皆で楽しくやって行きたいからね」

 

微笑んでそう返す。

 

バディア「(……相変わらずの無自覚、ホントに恐るべし音無伊御)」

 

背を向けて真っ赤になる顔を抑えるバディアに伊御は真宵を見る。

 

伊御「何か変な事言ったかな俺?」

 

真宵「いやー、流石伊御さんじゃね;」

 

正邪&つみき「(ぷしゅ~~)」

 

姫「はう~(ぶしゃー)」

 

恐るべしと言う真宵の隣ではつみきと正邪は煙を出し、姫はいつも通り鼻血を流していた。

 

 

 

 

姫「お店は何を出すんですか?」

 

落ち着いてから姫はどんな店なのか質問する。

 

伊御「榊の案でクレープ屋。俺も作るけどね」

 

真宵「伊御さんクレープ作れるの?美味しく作るの難しいんじゃ」

 

正邪「いやいや、真宵。忘れたのか?伊御はハチポチで働いているんだぞ?」

 

バディア「確かにそうだな。そこらへんはどうなのだ伊御」

 

疑問に感じて聞く真宵に愚問じゃね?と正邪は返し、バディアも聞く。

 

伊御「一応。クレープ生地の焼き方はみーこさん直伝」

 

姫「伊御君のクレープ、とっても美味しいんですよ!」

 

正邪「…その言い方。姫、食べたことあるな」

 

つみき「!」

 

真宵「この子、何気に食べたことが!?」

 

両手を合わせてニッコリ笑う姫につみきと真宵に正邪は驚く。

 

姫「はい。はちぽちでそれはもう口の中でとろけるような…」

 

バディア「ものすごく美味しそうな気分になる感想だな」

 

ホッペを抑えてうっとりとする姫にバディアはごくりと喉を鳴らす。

 

正邪&つみき「(ずーん)」

 

姫&真宵&バディア「ん?」

 

その隣でつみきと正邪がオーラを纏ってるのにようやく気付いた後……

 

正邪&つみき「(くわっ!)」

 

姫「はひぃ~~~!?」

 

真宵「謎の波動が!?」

 

バディア「姫が吹っ飛ばされたぞ!?」

 

2人から放たれた波動に姫が吹っ飛ばされるのに真宵とバディアは驚く。

 

京谷「ごっふ!?」

 

そして飛ばされた姫は京谷と激突する。

 

京谷「(チーン)」

 

佳奈「なにごと!?」

 

咲「姫ちゃんどうしたの!?」

 

突然だったので2人はえー!?と驚く

 

つみき&正邪「うらにゃましい…」

 

伊御「そんなに食べたいなら最初に二人に食べさせてあげるよ」

 

羨ましそうに言う2人に伊御がそう言う。

 

つみき「ほんと?ほんと?」

 

正邪「嘘じゃねぇよな?」

 

伊御「そんなに良いものじゃないぞ?」

 

確認する2人に伊御はそう返す。

 

つみき「い、いい…。う…嘘。嘘吐いた…ら」

 

正邪「もし嘘、つくなら……」

 

姫&真宵「?」

 

伊御「針千本か?懐かしいな」

 

モジモジしながら言う2人に伊御は続くだろう言葉を言い……

 

つみき「針……サンバ!」

 

正邪「をしてもらうぜ!」

 

最後がカオスであった(爆)

 

伊御「何処の奇妙な風習だ;」

 

姫「は、針サンバなんて初めて聞きました」

 

真宵「きっと針千本飲まされながらサンバを踊らされるんじゃね」

 

バディア「どういう拷問だそれ;」

 

どういう感じか推測する真宵にバディアはツッコミを入れる。

 

姫「そ、それは怖いですぅ!」

 

バディア「色々と危ないな」

 

と言うか普通に死ぬなとバディアは思う。

 

真宵「それか針千本飲ませる方がサンバを踊っている可能性も…」

 

伊御「変態か」

 

姫「さらに怖いですぅぅ!」

 

正邪「…言い間違えちゃったなつみき」

 

つみき「そうね。姫が怯えてるし……真宵も原因だけど」

 

そう言って同調させた本人はHEY!と踊りだしてる。

 

榊「おーっす!」

 

姫「あ、榊さん!」

 

正邪「…そう言えば榊。いなかったんだな」

 

バディア「そりゃあ別教室だしな」

 

あ、そうかとやり取りしてる間に榊は踊ってる真宵に気づく。

 

榊「何やってんだ真宵?;」

 

姫「針千本の正しい飲ませ方の話を…;」

 

正邪「ダンスしながら飲むらしいぞ」

 

答えた姫と正邪に聞いた榊は拷問か!?と絶叫する。

 

伊御「それはもういいから;」

 

 

 

 

バディア「ところでクレープ屋するのはいいが場所とか決まっているのか?」

 

学園祭での出店の準備の話し合いので確認するバディアに伊御と榊はそこらへんは大丈夫と返す。

 

真宵「そう言えば…クレープ屋の衣装とかは決めてるの?」

 

榊「んいや。まだ決めてないぜ」

 

正邪「んじゃどうするんだ?」

 

そうだなと榊は顎を摩るとにょほほと真宵が不敵に笑った後……

 

真宵「では!お二人にはこの衣装を是非!」

 

どこからともなく紙袋を取り出して見せる。

 

榊「ほほぉう…」

 

伊御「って言うか何時用意したんだ;」

 

バディア「(相変わらず作業が速いな……)」

 

冷や汗を流す伊御に同意しながらバディアは呆れるのであった。

 

 

 

少年2人着替え中……

 

 

 

榊「セクシー…」

 

伊御「スーツ?」

 

真宵が用意したのはどことなくホストが着る様なスーツであった。

 

姫&つみき「ぶはー!」

 

正邪「ぶっ!?」

 

そのカッコよさ(特に伊御の)に3人は鼻血をブーする。

 

バディア「(なんというカッコよさだ!?直接見るとここまで凄いとは……!!)」

 

真宵「ナイス、ホスト!」

 

伊御「ホスト!?」

 

榊「やはりそれが狙いかー」

 

それにバディアが戦慄し、サムズアップする真宵に榊は知ってたと見た時点で察していた。

 

真宵「後は……とぉう!」

 

続けざまに伊御のメガネを取り上げる。

 

正邪&バディア「!!?」

 

初めてメガネをかけていない伊御の素顔を見た正邪とバディアに電撃が迸る。

 

伊御「こ、こら!返せ、見えん…」

 

つみき「素顔…キュン」

 

正邪「(伊御の素顔…初めて見た…)」

 

バディア「(これが伊御の素顔の威力……か……!)」

 

慌てて取り返そうとする伊御を見ながら正邪はキュンとなり、バディアは内心悶え転げていた。

 

真宵「伊御さん、学園祭の時だけコンタクトにしたらどうにゃん?眼鏡属性は少数じゃし」

 

姫「そうなんですか?」

 

正邪「いや、知らねぇし;」

 

榊「じゃあそうすっか?」

 

提案する真宵のに伊御はん~と唸る。

 

伊御「……コンタクトって目に直接着けるだろ?」

 

榊「うん」

 

それがどしたんと見る榊達に伊御は恥ずかしそうに……

 

伊御「怖くて…さ」

 

頬を赤らめ、口元を抑えながらそう答えた。

 

つみき&正邪「!」

 

姫「ぶはーーーー!」

 

その衝撃に誰もが防御出来ずに直撃し、まだ悶えていたバディアもまたさらに衝撃受け……

 

バディア「(元男の我が此処までの衝撃を受けるとは……恐るべし伊御!)」

 

顔を凄く真っ赤っかにして悶え転がる。

 

つみきは萌えにロッカーをバシバシ叩いて紛らわそうとしていて、姫はまた沈んでいた。

 

真宵&榊「その格好でそのしぐさは反則だ!/じゃ!」

 

正邪「危うく死ぬところだったぜ…」

 

伊御「そこまで!?」

 

ツッコミを入れる榊と真宵の後にふうと息を吐いた正邪に伊御は驚く。

 

 

 

 

そんなやり取りから数日後、伊御達は集まってクレープ屋で出すメニューでどれを出すかを考えていた。

 

真宵「メニューはどうするにゃ?」

 

正邪「定番のメニューにオリジナルのも加えとくか」

 

バディア「オリジナルと言うとどんなのだ?」

 

提案した正邪にバディアは気になって聞く。

 

正邪「ん~例えば猫とかモチーフにしたクレープとか?」

 

姫「あ、可愛いですねそれ!猫ちゃんを描いて猫ちゃんクレープですね」

 

どんな感じかを言う正邪に姫は楽しそうに言う。

 

伊御「猫ちゃんクレープか…確かに人気になりそうだな」

 

バディア「他にもあったほうがいいんじゃないか?例えば…鬼っこクレープとか」

 

鬼っことな!とすぐさま真宵が食いつく。

 

バディア「ああ。猫のを少し変えたらできそうだと思うのだが」

 

真宵「確かにいいアイデアじゃよ!どうせだし模様も注文受け付ける感じにすると良いかもじゃね~」

 

ワイワイ話しているとお~いと榊が入って来る。

 

榊「屋台の場所決まったぜ」

 

伊御「おー」

 

正邪「良い場所取れたか?」

 

正邪の問いにふふん!と不敵に笑って紙を差し出す。

 

榊「俺の力を持ってすればこんなもんよ」

 

どれどれ……と伊御と真宵は見ると場所は正門から学校の校舎前で人通りも場所も良しと屋台を出すのに最高の場所であった。

 

伊御「お、結構良い場所だな」

 

正邪「この場所ならお客さんも集まりそうだな」

 

真宵「お店は場所が重要じゃからね」

 

誰もが場所のにおおと声を漏らす。

 

伊御「よし。これで店の準備スタートできるね」

 

真宵「おっす!」

 

正邪「頑張るとするか」

 

バディア「ああ、そうだな」

 

誰もがやる気を出す中で榊がよーし!みんなーと呼びかけ……

 

榊「クレープ屋『つつみん!』頑張ろうぜ!」

 

榊以外「つつみん!?」

 

店の名前が決まっていたのに驚く。

 

正邪「いつの間にそんな名前に!?」

 

榊「ついさっき決めたぜ☆」

 

伊御「確かにクレープは包むけど……;」

 

爽やかな笑顔で言う榊に伊御は冷や汗を流す。

 

榊「良いネーミングセンスだろ」

 

バディア「分かり易くて覚えられやすいから良いのではないか?」

 

サムズアップして言う榊にバディアはそう述べる。

 

榊「まぁ、つつみんで決定とはいえ、お前らならどういう名前にする?」

 

正邪「店の名前か…」

 

バディア「ふむ、そうだな……」

 

言われてバディアはふと、つみきを見てから暫し考え……

 

バディア「…ねこにゃん?」

 

榊「あー……」

 

真宵「なるほど…」

 

つみき「…にゃによ」

 

出て来たのにつみきを除いて誰もが納得する。

 

真宵「伊御さんならねこにゃんでもいけそうですな」

 

伊御「そうか?」

 

正邪「ああ、確かに」

 

なんで納得できるの?と疑問な顔の伊御に全員が一斉に……

 

伊御以外「猫ホイホイ」

 

伊御「おい;」

 

告げた事に伊御はツッコミを入れる。

 

正邪「さて冗談はこれぐらいにして色々と準備するか」

 

バディア「そうだな」

 

榊「ようし!つつみん頑張って行こうぜ!」

 

号令に誰もがおーと腕を突き出す。

 

 

 

 

そんな訳で時間が進み、学園祭前日

 

準備する学生たちでにぎわう中で榊と正邪は角材を運んでいた。

 

榊「角材貰ってきたぞー」

 

正邪「そっちの方はどんな感じだ?」

 

伊御「お~こっちは……よし、真宵!」

 

2人に返してからパソコンで何かしていた真宵に話しかける。

 

伊御「このソーラーパネル。こんな感じで良いか?」

 

正邪「…ソーラーパネル?」

 

榊「そ、ソーラー?」

 

確認する伊御に真宵がOKOKと返す中でどういう事?と正邪はバディアに聞く。

 

バディア「ソーラーと言うのは太陽の光を吸収してそれを電気に変えると言うものだ。太陽があればいつでも補充出来る感じだ」

 

正邪「へ~、そりゃすげぇな…ってそれ屋台に使うのか?」

 

太陽を指さしながら説明したバディアのに正邪は感心してから伊御を見てうんと返される。

 

真宵「こっちの電子制御システムも出来たにゃ」

 

伊御「USB対応させたか?」

 

バッチリしたよん☆と質問のにそう返す。

 

真宵「3.0。おまけでパッシブレーダーも付けてみたにゃん」

 

榊「ぱ、ぱっしぶ?」

 

バディア「れーだー?」

 

笑顔で言う真宵のに榊とバディアは何それと思った。

 

ちなみに正邪はもう考えを放棄してぼーとしてる。

 

伊御「パッシブレーダーは大雑把に言うと商業放送や通信信号など、環境内の非協力的な照明源からの反射を処理することでオブジェクトを検出および追跡するって奴だよ」

 

正邪「お、おぶじぇくと?」

 

真宵「これがあれば光学迷彩で姿を消したお客さんも漏らさずロックオン!」

 

榊「それはもう屋台の機能じゃないだろ!?」

 

バディア「光学迷彩で姿を消す客ってどんな客だ;」

 

目をパチクリさせる正邪に物体の事だよと教えながら、理由を言う。

 

伊御「ベスト屋台賞狙うからな」

 

榊「マジで!?」

 

正邪「ベスト屋台賞?」

 

そんなんあるの?と首を傾げる正邪にあるんじゃよと真宵に返される。

 

真宵「ちなみにエコシステム満載のオール電化じゃよ」

 

榊「なんと!?」

 

正邪「屋台でオール電化!?」

 

バディア「…凄すぎる屋台だな」

 

と言うか屋台の域を超えてないか?とバディアは前世の記憶も合わせてそう思った。

 

真宵「そしてさらに…!屋台のバッテリーには新開発のナトリウム二次電池を採用!万が一の雨でソーラーパネルが使えなくなっても24時間は余裕にゃん」

 

伊御「EMP(電磁パルス)も対策済みだ」

 

榊「へ、へー…」

 

バディア「…超えてるな。確実に」

 

前言撤回、もう屋台じゃなくて小さい店だとバディアは真宵の科学力に舌を巻かずにはいられなかった。

 

榊は榊でもう好きにしてと諦めていて、正邪はハテナマークを浮かべるしか出来なかった。

 

 

 

 

少し時間が進み、伊御は家庭科室で服を縫っていた。

 

姫「あ、伊御君」

 

伊御「ん?」

 

正邪「何縫っているんだ?」

 

気づいて声をかける姫の後に正邪も聞く。

 

伊御「真宵に頼まれたつみきの衣装」

 

正邪「つみきの衣装?」

 

姫「つみきさんだけ衣装違うんですか」

 

首を傾げる2人にそうらしいと返す。

 

伊御「衣装って言うか…着ぐるみっぽいんだけどね」

 

姫「そ、それ!伊御君が作ったんですか!?」

 

正邪「可愛いなそれ」

 

そうだけどと返した伊御に姫と正邪はあーとなる。

 

姫「あの…とっても可愛いんですけど…」

 

正邪「一つ問題があるよな…」

 

伊御「?」

 

どこに問題が?とハテナマークを浮かべる伊御に姫と正邪は困った顔をする。

 

正邪「その服をつみきが着るのかどうかだよ」

 

姫「着ぐるみ…だとつみきさん、着てくれないかもですよ?」

 

伊御「そうかな…?」

 

2人のにそう返していると何の話?と話題のつみきが来る。

 

正邪「あ、つみき」

 

姫「はぅ!あ、つみきさんの衣装の話なんですけど…」

 

つみき「ふーん…」

 

どんなのと見ようとするつみきに伊御は後ろに隠す。

 

伊御「あ、見ちゃ駄目だぞ。真宵に完成するまで秘密って言われてるからね」

 

正邪「完成までお預けってことか」

 

つみき「伊御の…手縫いなの?」

 

うんとつみきのに伊御は頷く。

 

伊御「楽しみにしててくれ」

 

つみき「うん」

 

姫「………(今更着ぐるみだとはいえませんね…)」

 

正邪「……(これ、完成したときが大変だな)」

 

髪の一部がぴこぴこ動いてるのを幻視出来る程嬉しそうなつみきに正邪と姫は心の中で思った。

 

 

 

 

時間が進み、夕方

 

真宵「できたー!」

 

伊御・榊「ん?」

 

余った角材を頂戴と言ってそれで何かをしていた真宵が声を出したのに誰もが真宵を見る。

 

バディア「なにができたんだ?」

 

正邪「つか、なんだそれ?」

 

真宵「じゃーん!」

 

バディアの問いに対して真宵が見せたのは……星の模様が付いた薄青色のシルクハットで上にフラグが付いていた。

 

正邪「つか、なんだそれ?」

 

真宵「真宵フラグじゃよ!バネ仕掛けになっていて私の好感度が上がると…」

 

ピコーン

 

答えながら手に持ったボタンを押すとフラグが立った。

 

真宵「こういう感じで立つんじゃよ!」

 

榊「作業しろって」

 

バディア「何サボっているのだ;」

 

呆れた顔でそう言う2人を無視して真宵はボタンを押す。

 

真宵「ピコーン!ピコーン!ピコーン…」

 

バキッ!

 

ただ、連続で押し過ぎたせいか余りを使っていたからかフラグが折れて上に吹っ飛ぶ。

 

伊御&榊「!?」

 

真宵「うぇえ!?」

 

正邪「折れて吹っ飛んだ!?」

 

バディア「(あー……確かこの先のオチは……)」

 

誰もが驚く中でバディアはオチを予想し……

 

グサッ!

 

榊「ほら来たー!?」

 

落ちて来たフラグは見事に榊に突き刺さった。

 

伊御&真宵「あぁ……」

 

正邪「榊に刺さったな…」

 

バディア「(そして最後は…)」

 

バタン

 

そのまま榊は頭から血を流して倒れる。

 

バディア「(やはりこういうオチになったか;)」

 

姫「はぅあ!?どうしたんですかー!?」

 

つみき「…大丈夫?」

 

ドタバタに気づいて来て榊の状態に絶叫する姫の後につみきが問う。

 

榊「お…俺の事は…気にするな…」

 

伊御「真宵フラグが圧し折れた…」

 

真宵「その言い方は傷つくんじゃよ!」

 

息絶え絶えに返す榊を見ながら呟いた伊御のに真宵は叫ぶ。

 

正邪「早く手当したらどうだ?;」

 

姫「そ、そうです!でもどうすれば…」

 

慌てる姫に落ち着けと正邪は宥める。

 

つみき「血液の流れを止めればいいから…」

 

真宵「って事は…!心臓を止めるんじゃね!」

 

伊御「やめれ!」

 

正邪「息の根を止めるつもりか;」

 

バディア「腕の止血だと脇の下の動脈を押さえるのだったか?」

 

普通に死ぬぞと正邪は冷や汗を流す中でバディアが確認の為に聞く。

 

伊御「今回は頭の止血だから押さえるのは…」

 

姫「首の動脈ですね!」

 

榊と姫以外「「「「!?」」」」」

 

物騒な発言をした姫に誰もが引いた。

 

榊「だぁああ!殺人予告だ!しかも姫から!」

 

真宵「ってか、フラグ抜く方が先じゃね」

 

伊御「だな」

 

起き上がって叫ぶ榊を見ながら手当の前に抜いた方が良いねと納得する。

 

榊「いや、いいから!さっさと保健室連れてけって!」

 

バディア「そろそろ連れていった方がいいのではないか?」

 

正邪「そうだな。弄るのもここまでにするか」

 

弄ってたんかいと血を噴き出しながら叫ぶ榊を連れて医務室に向かうのであった。

 

 

 

 

キクヱ「皆さ~ん、調子はどうですか?」

 

少しして、様子を見に来たキクヱが声をかける。

 

正邪「一人脱落したけどいい感じに進んでるぜ」

 

バディア「ああ、魂抜けかけてるのがいるが問題ないぞ」

 

榊(魂)『調子は瀕死』

 

キクヱ「な…何があったんですの!?」

 

その問いにバディアと正邪が返し、魂で返事した榊にキクヱは驚く。

 

榊(魂)「死亡フラグが襲ってきたんです」

 

真宵「確かにそっちのフラグじゃったかも」

 

姫「お疲れ様ですぅ」

 

伊御「先生。見回りですか?」

 

続々と出て来てからの伊御のにキクヱははいと返す。

 

キクヱ「皆さんの様子を見に来たんですの」

 

バディア「大変だな。教師というものは」

 

ほんわかに返すキクヱにバディアはそう呟く。

 

キクヱ「確かに大変だろうけど、皆さんが頑張ってる所が見れるから良いものですの~」

 

正邪「そういうものなのか」

 

そうものですのとキクヱは微笑んで返す。

 

伊御「クラスの方、大丈夫そうですか?」

 

キクヱ「そうですね…皆さん真宵さんが居ないと捗ると」

 

真宵「どぅえ!?」

 

正邪「捗ってんのか;」

 

と言うか真宵がいたら進まないんだなと正邪は改めて思った。

 

バディア「(…やはり楽しいなこういうのは)」

 

そんな会話を聞きながらバディアは笑う。

 

知人と楽しく会話すると言うのはホントに良い事だからだ。

 

真宵「傷ついたんじゃよー」

 

キクヱ「冗談ですの♪」

 

正邪「冗談かよ;」

 

バディア「本当のことだと思ったぞ」

 

笑顔で言うキクヱにこの人も結構侮れないなと誰もが思った。

 

佳奈「お~い、みんな!」

 

京谷「メニューはどうだ?」

 

そこに佳奈と京谷に咲が来る。

 

真宵「だいたい決まったんじゃよ」

 

伊御「こんな感じにしようかと思って」

 

そう言って差し出されたメニュー表を受け取って見た佳奈はおおと目を輝かせる。

 

キクヱ「あら?深山さん達も伊御くん達の方なんですの?」

 

咲「はい。クラスの方は準備のを手伝って、私達は飲み物を考えていたんですよ」

 

質問したキクヱに咲はそう返す。

 

京谷「んで飲み物とかなんだがこういうのはどうだ?」

 

伊御「えっと…オレンジジュース、グレープジュース。それにタピオカミルクティーか」

 

チョイスに成程と伊御は呟き、復活した榊もふむふむと呟く。

 

榊「定番のと最近話題のタピオカがあるし確かにいいな」

 

正邪「タピオカって普通にできるのか?」

 

首を傾げる正邪に出来なくはないよと伊御は返す。

 

伊御「それに市販で売られてたりしてるからね」

 

正邪「へ~、そうなのか」

 

バディア「通販以外でも売ってるのだな」

 

ほへぇ~と誰もが感嘆する。

 

(友人が教えてくれましたby作者)

 

咲「クレープのお供には良いでしょ」

 

正邪「良い感じになりそうだな」

 

だなと誰もがワイワイ話すのにキクヱはくすっと笑う。

 

榊「さあ、こっちも準備を終わらせて明日に備えようぜ!」

 

おお!気合を入れる榊達にキクヱは微笑ましく見てから他の所へ向かう。

 

 

 

 

太陽が沈みかけてる中、家庭科室で伊御はつみきに着せる為の衣装の最終段階をしていた。

 

伊御「よし、完成…!」

 

真宵「お疲れじゃよー!」

 

榊「おー、良い感じ」

 

正邪「こりゃつみきに似合いそうだな」

 

出来栄えに見ていた3人はほーとなる。

 

伊御「そう言えば、正邪にも真宵に頼まれて作ってるんだ」

 

正邪「へ?私にもか?」

 

真宵「いやぁ~マスコット定員はもう1人いたら面白いかにゃ~と」

 

目をパチクリさせる正邪に真宵はそう返す。

 

伊御「これなんだけど」

 

正邪「これって…白い犬?」

 

なんで犬?と言う正邪に真宵はてへっと笑い……

 

真宵「つみきさんと対照的になるようにとお願いしたんじゃよ☆」

 

正邪「そんなもんか」

 

榊「白と言ったら黒、猫の反対は犬だから白犬だぜ」

 

伊御「試しに着てくれないか正邪」

 

笑顔で言う真宵のを聞きながら正邪は呆れ、榊がそう呟いた隣で伊御はそう言って差し出すとガラッと言う窓が開く音に顔を向ける。

 

そこにはつみきがいた。

 

正邪「あ、つみき。服できたみたいだぞ」

 

つみき「…着ぐるみじゃないそれ」

 

そう言った正邪につみきはジト目で返した後に背を向け……

 

つみき「…着ない」

 

きっぱりと断る。

 

榊&真宵「えー!!」

 

正邪「(やっぱりそう来るか。だが…)」

 

伊御と演技派な2人なら着せそうだなと正邪は思う。

 

伊御「上手くできたんだけどな…」

 

つみき「………」

 

凄く残念に呟く伊御につみきはぴくッと反応する。

 

真宵「せっかく伊御さんがつみきさんの為に縫い上げたのに…」

 

榊「夜なべまでしてたよな」

 

つみき「!」

 

伊御「してないけど」

 

正邪「でもつみきのためにってのはホントだろ?」

 

うん、そこはホントと伊御は肯定するのにつみきは反応する。

 

真宵「あんなに忙しい伊御さんがこんな無理してまで丹精込めて作ったのに」

 

榊「指は針で傷だらけになっていたよな」

 

正邪「傷だらけか…?」

 

伊御「なってないけど;」

 

どんだけ同情な感じで気を引くつもりだよと正邪は冷や汗をかくがつみきには効果てきめんでどよーんと言う雰囲気をわざと纏い、目を光らせて口元を笑わせている2人に気づかず……

 

真宵・榊「残念だ。あーあ、残念だ。しょんぼりだ」

 

正邪「(精神攻撃効いてるなー;…でもあとで倍返しされそうだな物理で)」

 

伊御「ねえつみき」

 

しーらねと見守る中でついに……

 

つみき「う、うぅぅぅぅ……き、着れば良いんでちょ!」

 

ついにつみきは折れてガウーと吠える。

 

榊・真宵「(計画通り!)」

 

伊御「おー」

 

正邪「良かったな伊御」

 

そうだねと頷く伊御に見送られて、正邪はつみきと共に着替えに行く。

 

少女着替え中……

 

正邪「着方はこれでいいか?」

 

つみき「…多分OK」

 

制服を脱いで体操着に着替えてから着ぐるみの着方を確認する正邪につみきはそう返す。

 

榊&真宵「おー!」

 

佳奈「似合ってるよ二人とも!」

 

バディア「ホントに似合ってるな」

 

着替えて来たつみきと正邪に着替えに行くのと入れ替わりで来た佳奈達は感嘆の声をあげる。

 

京谷「サイズもぴったりみたいだな」

 

咲「2人とも可愛くて良いわね」

 

伊御「似合ってる、似合ってる」

 

正邪「そ、そうか?」

 

恥ずかしいのか顔を反らすつみきの頭を伊御は撫でる。

 

真宵「に、似合いすぎて…」

 

榊「違和感がない…;」

 

その撫でてる光景に違和感がないのに伊御すげぇ……と榊と京谷は思った。

 

流石に恥ずかしくなったので離れようとしたつみきは転がっていた空き缶を踏んでしまう。

 

つみき「にゃ!」

 

伊御「つみき!」

 

こけてしまいそうになるつみきはふんばろうとするが耐えれずに伊御へと倒れ込んでしまう、

 

伊御「大丈夫か?つみき」

 

つみき「(ぽぉぉぉぉぉぉぉ)」

 

安否の声をかける伊御だがつみきは目のまえに伊御がいるので顔がマッカッカになる。

 

姫「つみきさん、つみきさん。ちょっといいですか?」

 

するとそこに姫が来る。

 

その後にん?と伊御とつみきの方を見る。

 

姫「はぅ!?伊御君が巨大な猫に襲われてますぅ!?」

 

伊御「え」

 

真宵「違う!あれは小さなつみきさんじゃよ!」

 

バディア「まあ確かにそう見えるよな」

 

驚く姫に真宵が訂正する。

 

姫「うぇえ!じゃあ小さなつみきさんが襲っているんですかばふー!」

 

正邪「お、襲うって…;」

 

伊御「こけただけだよ」

 

鼻血を噴いて倒れる姫にホント通常運転だなーと誰もが思った。




榊「次回!学園祭開始⇔商売繁盛に続くぞ~」

真宵「色んな人が来るんじゃよ~」


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