プリキュアオールスターズ大戦 (クワトロン大帝)
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第一章 
プロローグ 始まる物語


まずは重要事項などがあります

1 世界観はごちゃ混ぜにする予定

2 オールスターズで言う先輩後輩設定なし

3 ほぼ全員胸あります(つまり各キャラのバストサイズを記載するかも)

4 敵はオリジナルのを入れる予定

5 百合がくどくなる可能性あり

6 キャラの喋り方にアレンジをする予定

以上の重要事項が受け入れられない場合は閲覧をしないことを推奨します

また初回のくせしてかなり説明不足です…。あらかじめご了承願います…


女の子の憧れ、プリキュア。彼女達は平和を守るため様々な敵と戦っている。今は30人以上のプリキュアが存在する。

 

だが、その平和も長くは続かなかった…。

 

???「ザケンナー、ウザイナー、コワイナー、ホシイナー、ナケワメーケ、デザトリアン、ネガトーン、アカンベェ、ジコチュー、サイアーク。奴らはつくづく弱いな」

 

???「だが他に強い奴はいるのか?幹部が動いても、意味ないし。あくまで僕達は人間達の心を利用して怪物を生み出している組織に興味ある」

 

???「理由になってねーな。俺は自分なりのやり方でいく。そうだなぁ…いっそ世界を一つにまとめるか」

 

???「どういうことだい?」

 

???「理由は簡単。全てのプリキュア達が住んでいる世界を一つにまとめる。そうすれば俺達は自由に動けるってことさ」

 

???「なるほど、僕達が自由に動けないのは世界がバラバラだからか。だったらこれはいい機会だね」

 

???「じゃあ早速始めるか。今俺達がいるのは次元の裂け目の世界、地球をそれに吸収する」

 

???「それなら僕に任せて。さぁ地球よ、世界をめちゃくちゃにしてよ」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…‼︎

 

???「すげえじゃねえか。益々地球が闇に包まれていく。これは傑作だなぁ!」

 

???「でしょ?あとはプリキュア達が苦しむのを待つだけ。これで伝説の戦士、プリキュアは終わり…」

 

???「じゃあ俺達は自由になれるな。行くぞL」

 

???「OK、いつでもいいよR。僕達の理想の世界にしたて上げるために……」

 

 

 

 

〜〜ぴかりが丘〜〜

 

「「「「プリキュア・ハピネスビックバン‼︎」」」」

 

サイアーク「ゴクラーク!」

 

ナマケルダ「おのれプリキュア、次はこうはいきませんぞ…(ダッ!)」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

ラブリー「何あれ…?」

 

プリンセス「あれはなんぞやぁ⁉︎」

 

ハニー「禍々しいわね…」

 

フォーチュン「一体何なの、あれは?」

 

ドーン‼︎

 

リボン「あれは危険ですわ!早く逃げないと行けませんわ!」

 

ぐらさん「危なっかしいぜ、あの黒い靄に飲み込まれてしまうぜ!」

 

ラブリー「じゃあ早く逃げようよ!私達だけでなく、町に住んでいるみんなも避難させないと!」

 

プリンセス「誠司や神様にも知らせなきゃ!」

 

ハニー「でも靄が近づいてきたよ!間に合わない…‼︎」

 

フォーチュン「嘘、変身が解除された…‼︎?」

 

ドーン‼︎

 

ラブリー「あの靄で力が出なくなってきたっていうの⁉︎」

 

リボン「危ないですわ!」

 

ゴオオオオ‼︎

 

プリンセス ハニー「「きゃあああああ‼︎」」

 

ラブリー「プリンセス、ハニー‼︎」

 

フォーチュン「だめ、変身が…‼︎」

 

ぐらさん「いおな!」

 

ラブリー「きゃあ!私も力が抜けていく…‼︎」

 

ゴオオオオ‼︎

 

ラブリー フォーチュン「「ああああああああ‼︎」」

 

リボン「みんなぁああああ‼︎」

 

 

 

めぐみ(私はここで終わるのかな…?ひめ、ゆうゆう、いおなちゃん…ごめんなさい。私ではどうにもできないよ。ああ、誠司…。リボン、ぐらさん、ブルー……)

 

 

 

〜〜大貝町〜〜

 

ハート「愛を無くした悲しいジコチューさん、このキュアハートがあなたのドキドキ、取り戻してみせる!」

 

ダイヤモンド「さっさと蹴りをつけるわよ、プリキュア・ダイヤモンドシャワー!」

 

ロゼッタ「このままではどうにもなりませんわ、覚悟なさい!」

 

ソード「これ以上アンタ達の好きにはさせない、プリキュア・スパークルソード!」

 

エース「アコギな真似は良くありませんわ!ラブキッスルージュ!」

 

ベール「ふん、先制攻撃とは生意気だな。はぁ‼︎(ドーン‼︎)」

 

ソード「攻撃が弾き返された⁉︎」

 

ハート「まだまだこれからよ!はぁああ‼︎」

 

ベール「甘い、その程度で俺を倒すことはできない」

 

ゴゴゴゴゴゴ…

 

ダイヤモンド「何?あの靄は…」

 

エース「さてはこれは敵の新しい力…ではないですの?」

 

ベール「知らないな。何やら危ない予感がする、退却するか…(ダッ!)」

 

ハート「待ちなさい、まだ勝負はついてないわよ‼︎」

 

ロゼッタ「それよりとてつもない邪気を感じますわ…」

 

ソード「ジコチューの闇の鼓動は感じない…、⁉︎」

 

ハート「どうしたの、…え?変身が解除されていく⁉︎」

 

ダイヤモンド「それだけじゃないわ、黒い靄がどんどん近づいてくるわ!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…‼︎

 

エース「危ないですわ!早く逃げて、ああ‼︎」

 

ハート「エース、つかまって‼︎」

 

ダイヤモンド「間に合わないわ!早く…いやああああ‼︎」

 

ロゼッタ「ダイヤモンド‼︎靄がどんどん近くに、ああ‼︎」

 

ソード「私も力が出なくなっていく…もうだめなの…?」

 

ハート「あたしもだよ…もうだめ…」

 

シュウウウ…

 

マナ(力が出ない…この靄は何?どんどん闇に飲まれていく…。ごめん、みんな。あたし……)

 

 

 

R「なかなか上出来だな、今のでドキドキ!プリキュア、ハピネスチャージプリキュア!を闇に包んだ」

 

L「あとはプリキュア5とスマイルプリキュア!だけか。他は簡単だったけど、あの二組はしぶといかもしれない」

 

R「そうか、だがまだ俺達の役目は始まったばかりだ」

 

L「うん、僕達ネオフュージョンのね…」

 

 

 

これはプリキュア達の運命を変える、全人類をかけた戦いの物語である。そして物語は、サンクルミエール学園、七色ヶ丘中学に通う少女二人から始まろうとしている……。




適当ですが、最後までお付き合いしていただけるとありがたいです


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第1話 似た者同士の出会い

第一章ということでまずはプリキュア5とスマプリのコラボです。ドキプリとハピプリはかなり後になりそうです。


…う~ん。まだ眠たい…。

 

 

 

ピピピピピピピピピ!!

 

 

 

でも起きないと…。

 

 

 

ピっ

 

 

 

あれ…?なんで私は家で寝ているんだろう…?

 

 

 

育代「みゆき、ご飯できたわよ~」

 

 

 

とりあえずご飯食べて学校行かないと…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の名前は星空みゆき。いつも笑顔でウルトラハッピーな毎日を過ごしている普通の中学2年生。友達の日野あかねちゃん、黄瀬やよいちゃん、緑川なおちゃん、青木れいかちゃんと一緒に素敵な毎日を堪能しているの。あとメルヘンランドから来た妖精キャンディ、お兄ちゃんのポップもいる。私達はスマイルパクトを使ってプリキュアに変身できる。そう、スマイルプリキュアとしてね。だけど他にウルトラハッピーな出来事が起きたら面白いんだけど…。

 

 

 

みゆき「今日は年に一度の身体測定だった!!すっかり忘れてたぁあああ!」

 

キャンディ「みゆきはそれすら記憶できないクル…?」

 

みゆき「何だっていいでしょ!?あ~、今日は身長を測るだけじゃなくスリーサイズも測られるんだよぉ~!そんな学校まず存在しないから!」

 

キャンディ「それより早く急いだ方がよさそうクル」

 

みゆき「わかってるってば!折角ここまで整えた胸を注目されるために―――」

 

 

 

ドン!!

 

 

 

???「いったぁ~!」

 

みゆき「ごめんなさい!痛くなかった?」

 

???「私は大丈夫だよ?これくらいへっちゃらだよ!」

 

キャンディ(でも思いっきり鼻血が出てるクル…)

 

???「ん?そのぬいぐるみは何?」

 

みゆき「え?これはその…」

 

???「可愛い~!!(ギュ!)」

 

キャンディ「苦しいクル~!!」

 

みゆき「ああああああ~!!」

 

???「どうしてそんなに慌ててるの?」

 

みゆき「いやぁ~、髪型クルクルしているのそのぬいぐるみ。それから早く返してくれない?」

 

???「ごめんごめん。つい興奮しちゃって…、もしかしてあなたの制服って七色ヶ丘中学の!?」

 

みゆき「そうだけど…あなたはどこの生徒?」

 

???「私のはサンクルミエール学園の制服、おしゃれででしょ?」

 

みゆき(サンクルミエール学園?そんな所あったっけ…?)

 

???「私ついこの前七色ヶ丘中学の存在を知って制服も可愛いから見惚れちゃってたんだ」

 

みゆき「そうなんだ、ところであなたの名前は?」

 

のぞみ「自己紹介がまだだったね。私はのぞみ、夢原のぞみ。よろしくね♪」

 

みゆき「私は星空みゆきっていうの。よろしくね」

 

のぞみ「素敵な名前だね。私そういうの大好き」

 

みゆき「あ、ありがとう。それより夢原さんは急がなくていいの?学校」

 

のぞみ「ぎゃあああ!!そうだった~!!早くしないと私も遅刻しちゃう~!」

 

みゆき「あ~!もうこんな時間だぁ!そしたらまたどこかで会おうね夢原さん!」

 

のぞみ「『のぞみ』でいいよ、私達もう友達でしょ?」

 

みゆき「友達…。うん!私のことも『みゆき』って呼んでいいよ!」

 

のぞみ「ありがとう!またどっかで会おうねみゆきちゃん!よーし、早く学校へ到着するぞ~!けって~い!!(ダッ!)」

 

キャンディ「キャンディを忘れないでほしいクル…(しくしく)」

 

みゆき「ごめん!すっかり忘れてた…」

 

 

 

私はまた新しい友達ができました。名前は夢原のぞみちゃん、なんだか私と同じような雰囲気を感じる。…でも、サンクルミエール学園ってこの町にあったっけ……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無事に学校についた私はいつも通り教室に入る。そこにはいつものクラスメイトであり、私の大切な友達が挨拶してくれた。

 

あかね「おはようみゆき~」

 

やよい「みゆきちゃん、おはよう」

 

なお「おはよう、今日はやけに賑やかだね」

 

れいか「おはようございますみゆきさん。昨日はよく眠れましたか?」

 

そう、あかねちゃんとやよいちゃんとなおちゃんとれいかちゃんだ。私はみんなに「おはよう」と返すとみんなは笑ってくれた。そしてギリギリチャイムが鳴り響き、先生が教室に入ってきた。

 

先生「今日は佐々木先生が風邪の為、僕が代わりにHRを始めさせていただきます」

 

今日は担任の佐々木先生が風邪を引いてしまい、急遽他の先生がつくことになった。

 

先生「それでは、まず重要な連絡事項があります。それは期間限定で行われる他校との交流会の内容です」

 

先生の言葉に、周りのみんなはおもいっきり喜んでいる。え?私はその話聞いた覚えは微塵もないはずだけど……。

 

先生「交流校は、サンクルミエール学園です」

 

 

 

……え?



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第2話 いつもと違う日常?

第2話です。みゆきちゃんの狂い始めに心がヒヤヒヤしそうです…


あかね「大丈夫さかいなみゆき、さっきから何もわからないような顔しとって」

 

なお「もしかしてみゆきちゃん寝不足なの?目の下に隈できてるし」

 

私の顔を覗き込むように見つめるあかねちゃんとなおちゃん。HRが終わり、一時間目の授業の準備をしようとする私を心配してくれているようだ。そうそう、やよいちゃんとれいかちゃんは今身体測定の準備をするためにお手伝いをしているんだって。

 

みゆき(ここで言うべきかな…?いや、言わないと…!)

 

キャンディ(みゆきは大丈夫クル…?)

 

さっきのことを必死になって伝えないと…!

 

みゆき「あのさ、一つ聞きたいことがあるんだけど」

 

なお「どうしたの?さては身体測定の結果が気になるの~?」

 

あかね「まだ始まってへんけどな。もしかみゆきは自分のバストサイズを気にしてるんちゃうか?」

 

みゆき「違うってばぁああ!!そういう意味じゃないの!さっきの他校との交流会のことなの、どうして勘違いするの!?はっぷっぷ~!」

 

なお「みゆきちゃんがタコみたく顔が膨らんでいるね…」

 

あかね「悪かった、冗談やで。それよか話したいことを説明してくれへんか?」

 

私は自分の膨らんだ顔を整えてから二人に説明する。多分二人もわからないと思うんだけど…。

 

みゆき「あのさ、サンクルミエール学園ってわかる?」

 

多分ここの近くにはないはずよね。恐る恐る二人の答えが気になるわたし。すると…、

 

 

 

あかね「みゆき、何アホな発言しとるねん。わかるに決まってとるやろー」

 

なお「そうだよ、みんな知ってるから。で、それがどうしたの?」

 

みゆき「……どうして知ってるの…?」

 

 

 

予想外の答えが返ってきました~。

 

 

 

あかね「何でってみゆき、ホンマ記憶が薄れてきたんちゃう?」

 

え?私は昨日まで聞いた覚えすらなかったはず…。

 

なお「そうだよ、明後日行われる大イベントだよ?」

 

この時私はこう思った。

 

 

 

わからない。

 

 

 

なぜ二人はサンクルミエール学園を知ってるの?確か昨日私達はアカンベェと戦っている最中だったはずだけど突然目の前が暗くなって眠ってしまったんだけど…。もしかして今私は夢を見ているのかな…?

 

なお「みゆきちゃん、大丈夫?」

 

あかね「どうも落ち着かん顔しとるなぁ。いっぺん顔を引っ張ってやろか?」

 

みゆき「頼むね…」

 

そう言うと、あかねちゃんは全力で私の顔を引っ張った。というか痛すぎるんですけどぉおお!!

 

みゆき「痛い痛い!!ストップ~!!」

 

あかね「すまんなぁ~、つい本気出してもうて」

 

みゆき「力加減がなってないよぉ~!(しくしく)」

 

なお「で、どうだった?」

 

みゆき「痛かったです…」

 

やっぱり夢じゃなかった…。ということは今私はおかしい発言をしていたわけ?

 

あかね「まぁみゆきはドジやから痛がるのはしゃーないけどなぁ」

 

なお「全くだよ、さりげなく泣いてたし」

 

みゆき「なおちゃんまで攻めないでよぉ~!」

 

私は悪くなにのに~!はっぷっぷ~!

 

なお「話を戻すけど明後日サンクルミエール通信の増子美香さんが七色ヶ丘中学(うち)について取材してくれるらしいよ」

 

あかね「まだ生でみたことないんやけど、楽しみやなぁ」

 

だめだぁ…やっぱり理解に追いつけない。あ、そうだ。やよいちゃんとれいかちゃんならきっとわかってくれるはずだよね。

 

みゆき「そろそろ授業が始まっちゃうからちょっとやよいちゃんとれいかちゃんを呼んでくるね」

 

なお「確かに授業がもう始まっちゃうね。わかった、お願いねみゆきちゃん」

 

あかね「遅くなるんやないで~」

 

そう言うと、私は二人を呼びに行くことにした。あと今のことをしっかり説明しないとね…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャンディ「みゆき大丈夫クル?あかねとなおは不思議そうな顔をしていたクル」

 

みゆき「キャンディはわからないわよね!私の気持ち!(プンプン)」

 

キャンディ「そんなに怒らなくてもいいクル…。ちょっと複雑な気持ちになってきたクル」

 

逆にこっちが複雑な気持ちになりそうだよ…。でもやよいちゃんはミステリアスで漫画チックな話を受け入れそうで、れいかちゃんは真面目だしあまりそういうのにはリアクションをとってくれなさそうだし…。

 

れいか「みゆきさん、どうしたのですか?」

 

やよい「すっごくやつれた顔をしてるけど」

 

みゆき「やよいちゃん、れいかちゃん!?いや、これはその…」

 

呼びに行く暇もなくやよいちゃんとれいかちゃんがやってきた。まぁこれはこれでよしとして…、

 

みゆき「別に何でもないよ?それより二人に聞きたいことがあって…」

 

やよい れいか「「聞きたいこと?」」

 

みゆき「実は……」

 

 

 

~~二人に事情を説明中~~

 

 

 

れいか「みゆきさん、いっぺん病院に行った方がいいですよ?」

 

やよい「まさかみゆきちゃんがそんな重要なことを忘れるなんて…」

 

やっぱり通用しなかった~!!ちなみにキャンディもみんなと同じくわかっていたようです…。

 

みゆき(おかしい、これは何かの間違いだよ。そうだ、学校が終わったらのぞみちゃんに話を―――って行ったところでどこにいるかわからないよね…)

 

れいか「どうやら興奮しすぎのようですね。一回保健室で休んだ方がいいですよ?」

 

やよい「そうだよ、体調を崩したら身体測定どころじゃないからね?」

 

二人が心配してくれると、「ありがとう。お言葉に甘えて休むよ」と返答する私。それから保健室で休むことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みゆき「はぁ~やっぱり誰もわかってくれないなぁ…」

 

保健室のベッドで横たわりながら呟く私。ちなみにキャンディは校外をうろちょろしているらしい。

 

みゆき「ここは一回寝た方がいいかも…」

 

疲れを癒すため、眠りにつくことにした。すると…、

 

 

 

ドオオオン!!

 

 

 

外から何か爆音が聞こえた。

 

みゆき「…何?」

 

音が気になったので窓を覗いてみた。そこには何か黒くて謎の物体の姿があった。

 

 

 

???「コワイナー…」

 

 

 

みゆき「……あれはなんなのよ……」

 

 

 

 




突然の敵の登場。次回から戦いに入る予定です。


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第3話 メタモルフォーゼ・スマイルチャージ

今回はちょこっとだけバトル直前回っしゅ!

補足 この物語はいつものプリキュアオールスターズと違い、パラレルワールドではありません。つまり本編世界のものです。なので最初からお互いのことは知りません。


みゆきの目の前にいるのは黒くて大きい謎の物体、しかも保健室の窓から見える距離である。その物体は彼女に気づくことなく今はウロチョロしている。

 

みゆき「…何なの?とても不気味な感じがする…」

 

戦慄するのも無理はなかった。今はあの物体がいなくなるのを待つしかないだろうと必死で願うみゆき。だが…、

 

 

 

???「コワイナー…」

 

 

 

謎の物体は徐々にみゆきがいる方角へ向かっていた。いや、もしかして気づいてないのではとみゆきは感じる。

 

みゆき「本当はいけないけど、外へ出て様子を確認しないと…」

 

一か八か、みゆきは外で様子を確認することにした。もちろん、気づかれては不味いので気配を隠しつつ慎重に抜け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みゆき「あれはアカンベェ…?でも違う、あれは何…?」

 

ビビりながら黒い物体の背後を覗く私。正直、あんな得体のしれない生物に近づくなんてたかが知れてるけどね…。でもこわいなーって感じなことを言っていたけど、なんだろう…?

 

???「コワイナー」

 

みゆき「ここは忍び足で…(ガサッ!)あ!?」

 

しまった!足音を立てちゃった!

 

???「コワイナー…」

 

あれ?気づいていないのかな?ならラッキーかも。

 

 

 

???「ねぇそこのお嬢さん」

 

 

 

え?誰だろう…。

 

みゆき「あの~、どちらさまでしょうか?」

 

???「誰って?僕はL。君達プリキュアを消滅させるために生まれた存在」

 

みゆき「…!?」

 

突然青髪の青年が予想だにしなかった言葉を口にした。まさか…、

 

L「星空みゆきちゃん。いや、キュアハッピー。君は気づいていないのかい?」

 

みゆき「何で私のことを知っているの…!あなたはなんなの!」

 

L[言ったでしょ?君達プリキュアを消滅させるために生まれた存在だって。そうか、僕はネオフュージョンの一員。君達がいる世界を他のプリキュアの世界と連結させ、一つにしたんだよ」

 

みゆき「私達以外にもプリキュアがいる世界?」

 

あまり理解できない状況に思わず首を傾げてしまう。私達以外にもプリキュアはいたんだ…。

 

L「そう、本来ならばプリキュア達は最初から全員知ってることとなっている。なのに次元の歪みがおさまらなくて本来の君達の世界同士が混ざり合ったってわけさ」

 

みゆき「じゃあプリキュア全員を集めてどうするつもり!?」

 

L「戦争だよ。プリキュア達による戦い。今までプリキュアが倒してきた敵達を総集結させて本当の戦いを引き起こすんだよ」

 

本当の戦い…?一体それはなんだろう…。

 

L[まぁいいや、とりあえず一人見つかったことだしやっちゃっていいよコワイナー」

 

コワイナー「…コワイナー」

 

みゆき「こんなところで諦めるわけにはいかない!あなたの好きにはさせないんだから!」

 

黒い物体を操るLと名乗る青年。すると、

 

 

 

のぞみ「ちょっと待った~!!」

 

 

 

みゆき「のぞみちゃん!?」

 

L「ほぉ、あの子は…」

 

突然のぞみちゃんがかけつけてくれた。って今授業中だよ!?

 

のぞみ「みゆきちゃん、大丈夫?」

 

みゆき「うん、それより授業は?」

 

のぞみ「実はとある書類を七色ヶ丘中学に届けて欲しいとうちの先生に頼まれて…」

 

L「夢原のぞみ。いや、キュアドリームか…。君も僕の邪魔をしにきたようだね」

 

のぞみ「どこの誰かは知らないけど、私の友達に手を出したらただじゃおかないんだから!」

 

L「なるほど、じゃあまとめて潰そうか」

 

コワイナー「コワイナー…」

 

のぞみ「ってなんでコワイナーがいるの!?」

 

のぞみちゃんはあの怪物のことを知ってるのかな?いや、そんなことより早く…!

 

L[どうする?始めるの?」

 

のぞみ みゆき「「当たり前よ!!」」

 

私達はそれぞれ変身アイテムを取り出し…、

 

 

 

のぞみ「プリキュア・メタモルフォーゼ!!」

 

 

 

みゆき「(レディ?)プリキュア・スマイルチャージ!!(ゴーゴー、レッツゴーハッピー!)」

 

 

 

それぞれ掛け声をあげ、光に包まれる。すると、姿を変えて可愛らしい戦士へと変化する。

 

 

 

ドリーム「大いなる、希望の力!キュアドリーム!!」

 

 

 

ハッピー「キラキラ輝く未来の光!キュアハッピー!!」

 

 

 

そして私達は伝説の戦士、プリキュアへと変身した。

 

 

 

L「キュアドリームとキュアハッピー。これは実に興味深い…」

 

コワイナー「コワイナー…!」

 

怪物はおもいっきり襲いかかろうとするが…、

 

ドリーム「行くよハッピー」

 

ハッピー「うん!私達の力を見せてあげよう!」

 

私達にはそんなの怖くない!だって、私達は強いんだから!!



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第3,5話 いつもと違う日常?(のぞみ編)

今回は2話目の出来事ののぞみ視点です。


私は夢原のぞみ。夢に向かって必死に頑張る元気な女の子。って自分で言うのもなんだけど、とにかく私は自分のやりたいことを見つけるために頑張っているんだ。

 

のぞみ「おおおお!!私一人だけ遅れて学校に行く羽目になるとか、みんな冷たいんだから~!」

 

りん「のぞみ!またアンタはドジ踏んで、可愛そうだから待ってあげたんだからね!」

 

のぞみ「りんちゃ~ん!私のために待っててくれてありがとう!」

 

りん「遅刻したら大変だからよ、いつになった学習できるのかしら…」

 

この子は私の一番の親友の夏木りんちゃん。私が小さい頃からの友達でいつも心配してくれるんだ。

 

うらら「のぞみさん、おはようございます。のぞみさんが遅いから私も待ってたんですよ?」

 

のぞみ「うららありがとう~!やっぱり親切だねぇ~!」

 

りんちゃんの後ろから歩いてきたのは私とりんちゃんより一つ年下の春日野うらら。彼女は今テレビで大有名なアイドルで、歌もとても上手なんだ。

 

りん「全くうららもドジっ子なんだからあまりのぞみを見習わない方がいいわよ?」

 

うらら「りんさんそんなこと言わないでくださいよ~!のぞみさんが可愛そうじゃないですかぁ~!」

 

のぞみ「うららは相変わらず可愛いよぉ!」

 

うらら「えへへ…」

 

天真爛漫の笑みを浮かべながら照れるうらら。でもうららもいるということは…、

 

 

 

こまち「のぞみさん、りんさん、うららさん、おはよう」

 

 

 

かれん「のぞみのために待ってあげたのよ?」

 

 

 

のぞみ「こまちさん、かれんさん!」

 

やっぱり真面目な二人も来ていたんだ!ニコニコと挨拶を交わしたのは私達より年上の先輩で小説を書くことが好きな秋元こまちさんと生徒会長で超豪華な所に住んでいるお嬢様の水無月かれんさん。どうやらみんな来てくれたんだ。ってあれ?

 

のぞみ「そういえばくるみは?」

 

かれん「ココのお手伝いをするために一足早く学校へ行ったわ。それがちょっと大変そうで」

 

私が言ったくるみというのは同じ学年の美々野くるみ。本来はパルミエ王国の妖精のミルクが人間の姿になっているの。私に対しては態度悪いけどね…。

 

こまち「みんな揃ったことだし、早く学校へ急ぎましょう」

 

うらら「はい、遅刻したら大変ですからね♪」

 

のぞみ「OK!よ~し、みんなで急ぐよ!けって~い!!」

 

そして私達は一緒に学校へ登校した。さて、今日も素敵な一日にならないかなぁ~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ココ「今日はみんなに一つお知らせがあります」

 

何とか学校に間に合った私達はそれぞれの教室へ向かった。私とりんちゃん、うらら、こまちさんとかれんさんとでそれぞれ別れた。そしてHRが始まると私達の仲間のココが教壇の前でお知らせを告げる。普段学校では人間の姿になって教師をやっているんだ。ちなみにその時の名前は小々田先生。

 

のぞみ「お知らせ?」

 

くるみ「そうよ、なにかあるみたいだって」

 

りん「一体どんなことなんだろう?」

 

ココ「明後日行われる他校との交流会のことです。交流校は七色ヶ丘中学です」

 

ココ(小々田先生)が説明すると周りのみんなは大きく盛り上がった。ぶっちゃけ他の学校との交流って滅多にないよね。

 

のぞみ「うわぁ~。あの七色ヶ丘中学との交流会かぁ~」

 

私は思わずウキウキする。もしかして今朝出会ったみゆきちゃんと会えるかも~♪

 

りん「のぞみは結構嬉しそうね」

 

くるみ「まぁあまりない機会だし、別にいいんじゃない?」

 

言い忘れたけど、くるみはさっきココの手伝いから戻ってきて今は眠そうで俯いてるらしい。くるみ、お疲れさん。

 

ココ「その実行委員は生徒会が務めてくれるようなので、今回はパンフレット作りを一時間目の学活の時間に行おうと思います」

 

くるみ「そのパンフレットはさっきココ様と一緒に運んでいたのよ。少しは私の苦労を考えなさい?」

 

のぞみ「なにを~!」

 

りん「二人ともうるさい(ギギギギ…!)」

 

のぞみ「痛い痛い!耳を引っ張らないでぇ~!」

 

 

 

~~閑話休題~~

 

 

 

ココ「以上で朝のHRは終わります。それでは一時間目はパンフレット作りなのでみんなで協力して取り組むように」

 

HRが終わると、ココは教室から出てった。よし、今朝声をかけられなかったから今がチャンス!

 

のぞみ「私ちょっとココに用があるから」

 

りん「遅くなるんじゃないのよ」

 

のぞみ「わかってるって~!」

 

くるみ「全くバカなのぞみね…」

 

 

 

のぞみ「おっはよ~!」

 

ココ「おはようのぞみ。今朝は一緒じゃなくてごめんね。僕も忙しかったから」

 

のぞみ「いいのいいの。それよりちょっと聞きたいことがあるの」

 

ココ「どうしたの?なにか悩みでもあるのかい?」

 

私は思っていたことをココに告げる。

 

 

 

のぞみ「七色ヶ丘中学って…何?うちの町にあったっけ?」

 

 

 

うん。これが私の本音でございます…。

 

 

 

ココ「おいおい、そんなの誰だって知ってるよ?まさかもう忘れちゃったの?」

 

のぞみ「違うよ!本当にわからないから言ってるの!」

 

全力で思ったことをぶつける私。実は昨日うろ覚えでしかわからなかったんです。

 

ココ「のぞみが七色ヶ丘中学を知らないとかこれは笑っちゃうなぁ~」

 

のぞみ「笑わないでよぉ~!(しくしく)」

          ・・・・

ココ「だってそんなの最初からこの町の近くにあったんだよ?」

 

のぞみ(え…?最初から?確か元はなかったはず…)

 

今のココの言葉に思わず目を疑う私。考えてみたら一週間程前はフローラさんがいるキュアローズガーデンで茶話会をしていたんだけど…。その二日三日前はエターナルと戦ってたんだけど、まさかそんな夢のような場所なんてないよね…?

 

ココ「でも昨日は『七色ヶ丘中学って魅力的だよねぇ~!』って言ってたじゃないか。そう考えると今日ののぞみは変だなぁ」

 

のぞみ「だって~…。本当にわからないんだもん…」

 

ココ「しょうがないなぁ~…。よし、のぞみに一つ頼みがあるんだ」

 

のぞみ「何!?美味しい食べ物を食べさせてくれるの!?」

 

ココ「違うよ、届けて欲しい物があるんだよ」

 

突然ココは張り切った顔で私を諭す。届けて欲しい物?なんだろう…?

 

ココ「実はHRの時言い忘れちゃったんだけどこの企画書が入った封筒を七色ヶ丘中学に届けて貰いたいんだ」

 

のぞみ「企画書?」

 

もしかして交流会の企画書なのかな?

 

ココ「そう、この中には大事な企画が書いてあるんだ」

 

のぞみ「見てもいい!?」

 

ココ「ダメ、これは厳重な書類なんだから。関係者以外閲覧するなって理事長が仰ってたんだよ」

 

のぞみ「でもなんでココが持ってるの?」

 

ココ「さっき理事長から託されたんだ。本当は僕が届けようと思ってたんだけど、ちょっと外せない仕事ができちゃってさ」

 

ココが持ってる茶色い封筒には『七色ヶ丘中学校 交流会企画書』って書かれている。おそらく重要なことが書いてあるんだよね。

 

のぞみ「それをどうして私に?」

 

ココ「のぞみならなんとかなると思って」

 

のぞみ「それだったらこまちさんやかれんさんに任せた方がいいんじゃないの?」

 

ココ「贅沢言わない。こまちとかれんは生徒会での進行に手を患ってるからね」

 

やっぱりこまちさんとかれんさんは忙しくて無理かぁ…。

 

のぞみ「それで送り主は誰なの?」

 

ココ「そうだなぁ…。確か向こうの生徒会長の青木れいかさん宛てに送る予定らしいけど」

 

のぞみ「その子って私とどれくらい?」

 

ココ「多分のぞみと同い年だったはず」

 

顎に手を当てながら悩みだすココ。はぁ…、どうしても私が行かないとダメなんだね…。

 

のぞみ「わかったよぉ~…。私が行くよ」

 

ココ「ありがとう。その代り美味しい物をのぞみにごちそうさせてあげるよ」

 

のぞみ「合点招致!!」

 

ココ「のぞみはその話になると張り切るんだねぇ…。じゃあ頼むよ、それと地図を渡しておくから」

 

私はココから企画書が入った封筒を受け取り、地図も手に取り出して七色ヶ丘中学校へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

のぞみ「あぁ~…。やっぱり道のりが険しいなぁ…」

 

ココから地図を渡されたんだけどやっぱり遠い。ちなみにりんちゃんとくるみには事情を説明してあるから大丈夫。

 

のぞみ「でも一人じゃ無理かも…」

 

 

 

???「どうしたの?そんなところで座り込んで」

 

 

 

のぞみ「あなたは、まどかさん!?」

 

すると私の前に現れたのはこまちさんのお姉さんである秋元まどかさん。でもどうしてまどかさんが…?

 

まどか「何?学校の最中に中抜け?それは大胆ね」

 

のぞみ「違うんです!これには深いわけが…」

 

 

 

~~事情を説明中~~

 

 

 

まどか「なるほどね。それで道に迷ったってことね」

 

のぞみ「迷ってがいないですねど…」

 

まどか「疲れすぎて何を言ってるのかわからないわね」

 

思わず言葉の整理がつかなくなってしまう。私だって必死なのに~…。

 

まどか「しょうがないわね。だったら私が送ってってあげる」

 

のぞみ「いいんですか!?」

 

まどか「淡い妹の友達だから放っておけないわよ」

 

のぞみ「ありがとうございます~!」

 

やった~!まどかさんに送ってもらえる!

 

まどか「じゃあ行きたい場所の地図をちょうだい」

 

のぞみ「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~バイクで移動中~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ「ありがとうございます!本当に助かりました!」

 

まどか「いいのよ。また困ったことがあったらいつでも言うのよ。それじゃ私はこれから用があるからこれで失礼するわ」

 

まどかさんに別れを告げ、私は封筒を一刻も早く届けることにした。

 

 

 

ドオオオオン!!

 

 

 

のぞみ「何?今の地震は…」

 

突然地震が鳴り響いた。一体何があったんだろう?

 

のぞみ「よし、原因を突き止めるぞぉ~…」

 

私はおもいっきって前に突き進んだ。何があったかは知らないけど私が見過ごさないんだから!

 

 

 

~~そして現在に至る~~

 

 

 

ドリーム「大いなる、希望の力!キュアドリーム!!」

 

ハッピー「キラキラ輝く未来の光!キュアハッピー!!」

 

 

 

L「そろそろ始めようよ。楽しいゲームを」

 

ゲームだかなんだか知らないけど、悪いことは許さないんだから!!



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第4話 戸惑いの戦い

今回は短いです、ごめんなさい…。


L「君達にはゲームをしてもらうよ?」

 

ゲーム?一体何をするつもりなの…?

 

ドリーム「そんなの、ちゃっちゃと終わらせるよ!」

 

ハッピー「でも油断は禁物だよ。何が来るかわからないから」

 

私達は必死で警戒する。怪物は不気味そうな感じで蠢いている、なら一気に…!

 

L「今から君達がやってもらうのは、本物はどれだゲームだよ」

 

本物はどれだゲーム?わけがわからない…。

 

L「ルールは簡単。君達には時計の針のようなポジションになってもらうよ。そしてコワイナーは1~12の時刻のどれかへ移動する。君達はその時刻のどこかにいるコワイナーを捕まえるというわけさ」

 

ハッピー「つまり私達はその時刻通りの組み合わせに移動すればいいのね…」

 

L「ご名答。例えば1時15分の方角へ移動してコワイナーの動きを封じ込むってことだよ」

 

ドリーム「なら簡単だよ。楽勝楽勝」

 

L「ただし、そう簡単にはクリアできないと思うよ」

 

楽しげにルール説明をするL。やっぱり油断はできないと思うんだけど…。

 

ハッピー「よ~し、ここはなんとしてクリアするよ」

 

ドリーム「OK!」

 

L「さて、ゲーム開始だよ…!」

 

 

 

コワイナー「コワイナー…!」

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴ…!!

 

 

 

すると地面が時計のような感じに変化してコワイナーも姿を消して時刻が描かれている数字に憑依した。

 

L「本物を見つけたら君達の勝ちだよ。頑張ってね」

 

ドリーム「まずはお互いの息を合わせることからだね」

 

ハッピー「大丈夫だよ、私とドリームならできるはずだよ」

 

準備が整ったところでまずは最も潜んでそうな方角を探す。えっと、怪物でも好きそうな場所と言ったら…、

 

ハッピー「3時丁度!やっぱり3時はおやつの時間だよね♪」

 

ドリーム「あ~!早く3時にならないかな~♪」

 

ハッピー「って今はそんな場合じゃなかった!とりあえずおやつの時間にするよ!」

 

ドリーム「わかった!これで当たれば私達の勝ち!」

 

私とドリームは予想の3時00分の方角へ移動した。すると、

 

 

 

『そうじゃないよ~!』

 

 

 

L「残念、ハズレだよ。あれはいると見せかけてのダミーだよ」

 

ハッピー「でもそれ認○E○だよね!?」

 

ドリーム「やっぱり一発では無理だったかぁ~…」

 

失敗して溜息をついてしまうドリーム。そうだよね…、流石に一回じゃ成功しないよね…。

 

L「次はどうする?まだ時間はたくさんあるからね」

 

ううう…。次はどうすればいいのやら。組み合わせはいくつでもあるというのに…。

 

ハッピー「ここは真っ向勝負しかないよ、踏ん張って行くよ!」

 

ドリーム「わかった、あまり時間をかけたくないからね」

 

それから私達は次の方角に示す時間の組み合わせの位置へ向かう。向かった先は、

 

 

 

ハッピー「5時35分!」

 

 

 

ドリーム「なんて中途半端な時間!?」

 

 

 

一か八か、頼みます!

 

 

 

『そうじゃないよ~!(ビリビリビリビリ!!)』

 

 

 

ハッピー「きゃああああああ!!」

 

 

 

ドリーム「あひょおおおおお!!」

 

 

 

L「ちなみに稀に電流攻撃がくるから注意してね」

 

 

 

結果、ハズレでした~…。というかそれを先に説明してよ!?

 

 

 

ドリーム「しょうがない、続けていくよ!」

 

ハッピー「了解!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~30分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハッピー「…もうギブかも」

 

ドリーム「もうあらゆる組み合わせを試したけど、全然無理。しかもダメージが大きいし…」

 

L「あれ?もう力尽きた?やっぱり君達じゃどうしようもないんだね」

 

あれから色々な組み合わせを試したけど、結局殆ど無理だった。

 

ハッピー「…でも、私達は諦めない…!」

 

ドリーム「そうだよ、まだ希望があるんだから…!」

 

L「まだ抗うの?そろそろ君達の体力は限界のはずだけど?」

 

確かに彼の言う通り、私とドリームは既にボロボロ。それにまだ本物のコワイナーを見つけてない。もう万事休すの状態…。だけど…!

 

 

 

ドリーム ハッピー「「絶対にこのゲームをクリアしてみせる!!」」

 

 

 

キャンディ「あれは、ハッピークル?どうして戦いになっているクル?でもハッピーがボロボロクル!必死になっているハッピーがピンチだからみんなを呼んでこないといけないクル…!」

 

 

 

 

 

 




とりあえず後半へ続きます…。


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第5話 決めるよ、この一撃!

というわけで後半です。ちなみに途中で説明するための図解もあります(わかりづらかったらごめんなさい)。


Lの誹謗なゲームに苦戦する私とドリーム。ここで諦めるわけにはいかないけど既に私達の体力は限界に近い…。

 

L「あれ?もうギブアップなの?」

 

ハッピー「まだ終わりじゃない…!」

 

ドリーム「チャンスはいくらでもあるから」

 

そうだよ、私達は何も恐れたりしない。これくらい、地獄と比べたらどうてことはないからね…。

 

コワイナー『コワイナー…』

 

そして表情を何一つ変えないで私達を蔑むように見つめるコワイナー。正直あれはとても不気味に感じるわ…。

 

L「ねぇ、休憩はそろそろ終わりだよ?早く続きを始めてよ」

 

Lが退屈そうな顔をしながら言葉を投げかける。ちなみに今の状況は以下の通り。

 

 

 

 

 

                 12

             11      1

           

           10   ハッピー    2 

 

         9                3

 

            8   ドリーム    4

 

              7      5

 

                  6        

           

            

 

コワイナーは1~12の方角をあちこち移動している。

 

 

 

そこで動き回っているコワイナーを時間を示すように挟み込む。

 

図解①

 

 

 

      ハ

      ッ

      ピ

      l

 

 

コワイナー

 

 

 

ドリーム 

 

 

 

例えばコワイナーが10時と11時の間に移動したら9時00分の方角で囲む。

 

図解②

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ドコハ

   リワッ

   lイピ

   ムナl

    l

 

 

 

または12時の方角に移動したら11時55分~12時05分の間を囲む。

 

補足

 

コワイナーは一定の場所にいるわけではなく、隙あればどこだって移動してくる。

間違えたらダミーが出てくる。稀に電流攻撃がくるため油断は禁物。

 

 

 

という感じの解説になる。あとは慣れたらいいだけだよね。

 

ハッピー「よし、そろそろ行くよ!」

 

ドリーム「わかったよ!」

 

L「やっと再開だね。せいぜい頑張ってね」

 

体制を整えたところで再びゲームを挑戦する私とドリーム。さて、今度こそ捕まえてやるんだから!

 

 

 

コワイナー『コワイナー…!』

 

 

 

ドリーム「ひょっとしたら同じ場所に来るかもしれないよ!」

 

ハッピー「ええ、そうかもしれないね!」

 

まだ可能性はある、そう信じてるんだから!

 

 

 

『そうじゃないよ~!(ビリビリビリビリ!!)』

 

 

 

ドリーム「うううぅ…!」

 

 

 

ハッピー「いやぁあああああ!!」

 

 

 

またもやハズレ。今私達が向かったのは4時15分の方角。でも本物のコワイナーではない。

 

L「諦めの悪い娘達だね。いくらやっても無駄なことなのに…」

 

Lは更に私達を嘲笑う。でも、負けられない理由があるのよ…!!

 

ドリーム「夢見る乙女の底力、舐めないでよね!」

 

ハッピー「気合だ気合だ気合だぁ~!!」

 

それでも必死に粘る私達。いくつかのパターンは読めた。ここから巻き返していくように踏ん張る。

 

 

 

『そうじゃないよ~』

 

 

 

またハズレ…。

 

 

 

L「君達が動けなくなったら負けだよ?わかってるの?」

 

 

 

染みつく痛みに耐えながら次の方角へ移動する。やはりLは余裕を咬ましてるようだ。

 

 

 

L「早くクリアしないとコワイナーが君達を攻撃してくるからね」

 

ドリーム「それでもいい…。その時は倒すだけだから…!」

 

ハッピー「世の中を不幸に染めるなんてそんなのウルトラハッピーじゃないよ…!」

 

徐々に歩けなくなっていく私達。身体全体に流れる痛み、そして傷から漏れる血。もうかなりの量を出血しているようだ。これでは生命にかかわってしまう…。

 

 

 

キャンディ「早く知らせないとハッピーが危ないクル…」

 

 

 

L「ねぇそこの君、どこに行くの?」

 

キャンディ「クル!?どうしてわかったクル!?」

 

ハッピー「キャンディ!?危ないから逃げて!」

 

すると気配を消しながら急ごうとするキャンディが一瞬で気づかれてしまった。っていうかキャンディをここで巻き込むわけにはいかないかも…。

 

L「ちなみに僕はプリキュアの妖精の気配をすぐに察知できる能力がある。忍び足で逃げても無駄だよ?」

 

ドリーム「あぁ~!さっきのぬいぐるみ!っていうかあの子ってプリキュアの妖精だったの!?」

 

キャンディ「見つかってしまった以上はもう後には引けないクル。ハッピー、これを使うクル」

 

窮地に陥った私にキャンディは何かを渡してきた。これは…!

 

 

 

キャンディ「それは虫眼鏡デコルクル」

 

 

 

虫眼鏡のデコル?これでどうすればいいんだろう?

 

キャンディ「このデコルは逃げ回る相手の位置を正確に見破ることができるとても優れものクル」

 

ハッピー「でもこれだけで優れものって言ったってこんなデコル見に覚えないけどねぇ…」

 

ドリーム「でもなんだか面白そうかも!やってみようよ!」

 

ドリームも嬉しそうな顔をしながらキャンディの意見に賛成する。悩んだって仕方ない、ここは一か八か!

 

 

 

『レッツゴー!む・し・め・が・ね!』

 

 

 

私はスマイルパクトに虫眼鏡デコルをセットする。すると通常の虫眼鏡より1.5倍程の大きさの虫眼鏡が出てきた。

 

L「おや、ゲームを放り出して観察に入ったの?」

 

ハッピー「まだわからないでしょ!さぁ、行くよ…!」

 

大きい虫眼鏡を手に取り、フィールドを見渡す。身体に染みる傷に耐えながら必死で探す。すると…、

 

 

 

コワイナー『コワイナー…!?』

 

 

 

おもいっきりビックリしながら慌てるコワイナーを発見した。まさか…!

 

 

 

ドリーム「見つけた!8時30分の方角だよ!」

 

ハッピー「やったぁ!流石だよキャンディ!」

 

そして正確な位置でさえもまるわかりの状態だった。よし、これはチャンス!

 

ドリーム「よし、もう逃げられないんだから!!」

 

ハッピー「これでおしまいよ!!」

 

ここはあえて痛みを忘れて全力疾走で8時30分の方角へ移動する私達。そして…、

 

 

『ゲーム・クリア』

 

 

 

L「そんな…。僕のゲームをクリアするなんて」

 

 

 

ようやくコワイナーを挟み込むことに成功した。やっと終わったぁ~……。

 

キャンディ「やったクル!うまくいったクル!さぁ早く注射デコルで二人の傷を癒すクル」

 

キャンディは急いで注射デコルを取り出し、それを私のスマイルパクトにセットする。

 

 

 

『レッツゴー!ちゅ・う・しゃ!』

 

 

 

すると私達の傷はみるみるうちに治っていく。

 

ドリーム「もう痛みがなくなった」

 

ハッピー「よし、あとはコワイナーだけだね」

 

L「もう仕方ないな。コワイナー、プリキュアを葬っちゃって!!」

 

 

 

コワイナー「コワイナー!!」

 

 

 

もう残す相手はただ一つ。あとは楽勝かな…!

 

ドリーム「伊達に前はナイトメアと戦ってきたわけじゃないからね!プリキュア・シューティングスター!!(ドオオオオン!!)」

 

ハッピー「もう許さないんだから!プリキュア・ハッピーシャワー!!(バアアアアッ!!)」

 

 

 

止めは二人で必殺技をお見舞いする。そしてコワイナーは跡形もなく浄化されいく。

 

L「キュアドリームにキュアハッピーか…。これは可愛い二人組だね、早速Rに報告しないと……(バッ!)」

 

ドリーム「あ、待てぇ~!」

 

僕を失ったLはどこかに消えてしまった。でも、なんとか終わった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ「でもこれで一件落着だよね!」

 

みゆき「まぁね。でも彼は一体何者なんだろう?」

 

キャンディ「わからないクル、もしかしたら何らかの関係があるかもしれないクル」

 

やっぱりLのことが気になってしまう。でも今そんなことよりも、

 

 

 

のぞみ「あ゛あ゛あ゛あ゛!!もう二時間目の授業が始まっちゃう~!!」

 

みゆき「どうしよう!?私なんか保健室で休んでいることになってるし~!!」

 

 

 

今まで忘れてた何かを思い出しました。それからのぞみちゃんは自分の学校へ帰り、私も戻ったが先生方にたっぷり怒られたかどうかはまた別のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

れいか「これを私にですか?」

 

みゆき「そうだよ、サンクルミエール学園からの企画書だって」

 

れいか「わかりました。これは生徒会でお預けいたします。みゆきさん、わざわざお届けの物を渡してくれてありがとうございます」

 

みゆき「いいよ別に。それより今度休日にみんなでナッツハウスに行かない?」

 

れいか「ナッツハウスですか?」

 

みゆき「私もよくわからないけど地図をもらってきたから今度見といて」

 

れいか「はい、でも今は交流会の進行が先ですので時間が空きましたら目を通します」

 

みゆき「わかった。それじゃまた後でね」

 

れいか「はい。……さてと、これから身体測定ですし企画書を早めに目を通しますか。確かあちらの生徒会長は3年の水無月かれんさんですね…。詳しい内容は―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回はりんちゃんさんとあかねちゃん回に入る予定です。


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第5.5話 まだ見ぬ未来へ…(序章)

息抜きがてらに番外編です。※若干ネタバレ有りです。


世界は変わってしまった。本来プリキュア達が暮らす世界がめちゃくちゃになった…。

 

 

 

私が見る限りでは歪みが起きてもおかしくないくらいだ。でも、彼女らはどうなんだろう?

 

 

 

プリキュア5とスマイルプリキュアの世界が一緒になってどんな世界になったのだろう…。

 

 

 

きっとみんな似たもの同士なのかもしれない。でもまだ一組しか出会っていない。

 

 

 

夢原のぞみちゃんと星空みゆきちゃん。あの二人はとても似ている。まるで年子みたいだ。

 

 

 

夏木りんちゃんと日野あかねちゃん。あの二人はお笑い芸人で言うツッコミ役を意識している。

 

 

 

春日野うららちゃんと黄瀬やよいちゃん。あの二人は無邪気な感じがして正直あざとい。

 

 

 

秋元こまちさんと緑川なおちゃん。あの二人はお姉さんの役割りに近いかもしれない。

 

 

 

水無月かれんさんと青木れいかちゃん。あの二人は真面目でリーダーシップがある。

 

 

 

じゃあ美々野くるみはどうなんだろう?彼女は元々パルミエ王国のお世話役見習いのミルク。青いバラの力で人間の姿になっている。彼女に合いそうな娘は…、そうか。坂上あゆみちゃんか。彼女はみゆきちゃん達の仲間じゃないけどプリキュア全員の仲間だね。

 

 

 

果たしてミルキィローズとキュアエコーはどんな活躍を見せてくれるのだろうか?

 

 

 

それより今はのぞみちゃんとみゆきちゃんが出会った。次はりんちゃんとあかねちゃんが出会う番だね。

 

 

 

その出会いは吉と出るか凶と出るか…、まだ私にもわからない。

 

 

 

あとは他のプリキュアの世界がどう平和へ繋げるのか、例えばハートキャッチプリキュアとハピネスチャージプリキュアが一緒の世界。あるいはフレッシュプリキュアとドキドキプリキュアが一緒の世界とか。

 

 

 

またはそれらとはまた違う世界かもしれない。いつか平和を手にするためには元の世界に戻すのか。

 

 

 

この戦いを引き起こした元凶は確かなんて言う組織だったっけ…。私にはわからないけどね。

 

 

 

あと私が気になるのはプリキュア達のバストサイズ、なんて言うのは冗談。真面目に話しているのに台無しになってしまうよね。そう、今私がプリキュア達に伝えたいことは……、

 

 

 

みんなで力を合わせること、それが私の願い。力を合わせることでどんな敵でも対抗することが可能だから。

 

 

 

だから、全世界のみんなにも伝えたい。プリキュアが必死で頑張る姿を……。

 

 

 

見守りたい、プリキュア達がやり遂げる努力。そして証明したい…、

 

 

 

女の子は誰だってプリキュアになれるってことを。

 

 

 

今は彼女達が頑張って前に突き進むまで、しばしのお別れだよ。そして、私も一緒に戦うその日まで……、さよなら。

 

 




理解できなかったらごめんなさい…。


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第6話 太陽サンサンな情熱

予定通りのりんあか回です。


みゆき「ウルトラはっぷっぷ~…」

 

あかね「みゆき、やはり測定の結果が悪かったようやな」

 

やよい「努力した結果は儚く散ったねぇ…」

 

なお「やっぱり少し太ったね」

 

れいか「健康を考えて少しは食事制限した方がいいですよみゆきさん?」

 

キャンディ「昨日はシュークリームをたくさん頬張ってたクル」

 

みゆき「うるさいなぁ!私だってちゃんと頑張ったんだよ?しっかり大きくなったんだからね―――胸が数ミリだけど…」

 

あかね「それ成長ちゃうねんけどなぁ…」

 

やよい「やっぱり私達の中でバストが大きいのは…」

 

なお「ギリギリやよいちゃんだね」

 

れいか「私より1~2cm大きかったんですから」

 

キャンディ「みんなはどうして胸を強調するクル?」

 

みゆき「それは女の子が立派な女性になるためのチャームポイントなんだから」

 

あかね「まぁうちは全くないんやけど。おそらくワースト1や。ほなうちは買い出しがあるからここでさいならやな」

 

やよい「そうだね。あかねちゃんまた明日ね」

 

なお「お店も頑張ってね!」

 

れいか「ではあかねさん、また明日」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うちの名前は日野あかね。いつも張り切って頑張る熱血少女や。今はバレー部で頑張ったりうちの実家はお好み焼き屋やからいつも大忙しやで。そんなうちも何か新しい発見でもあればって思ってんねんけど、そう簡単にはみつからんやろうな。

 

 

 

あかね「そうや、ちょっと寄り道しとこか。そうや、あそこの雑貨店に行ってみるか」

 

買い物をする前に少し寄り道をしとくうち。何かめぼしいものがあればいんやけどなぁ~。

 

あかね「うひょ~。これまたえらい品揃えやなぁ。?あの赤いバラのアクセサリーよさそうやな」

 

雑貨店に入るとそこはかなり品物がそろっておった。うちはたまたま目に入った赤いバラのアクセサリーを手に取ろうとした。

 

 

 

???「あ…」

 

 

 

あかね「お…、すまん。そっちが先やったな」

 

 

 

するとうちよりわずか一秒差で隣から歩いてきた子がアクセサリーに手をさし延べた。

 

???「こっちこそごめん。ちょっと夢中になっちゃって」

 

あかね「いいねん。そこはお互い様やから」

 

栗色の髪の色をして少し長めのヘアーの少女も謝る。なんだが悪気はなさそうやな。

 

???「あなたのその髪留め、綺麗だね」

 

あかね「まぁそこまで褒められるほどちゃうんねんけど。自分、生き生きとした表情しとるなぁ」

 

その子はうちを和ませるような目で見てきよった。少しあの子ことも聞いてみよか。

 

???「まぁね。これでも私は元気いっぱいなのよ。よかったら店に寄って行かない?」

 

あかね「ホンマか!?ってちなみに何の店やっとるねん?」

 

???「まぁまぁ、とりあえずついて来て」

 

するとその子はうちが言い出す前に自分の店に案内し始めよった。ここはどんな場所なのか来てからのお楽しみってわけやな。

 

 

 

数分後、その子は自分の家―――営業している店をうちに見せたんや。

 

あかね「ほぉ~、花がたくさんあるんやなぁ」

 

店の中を入るとそこにはすごい数の花がおいてある。これはたまげたなぁ。

 

???「今は私しか店にいないんだ。今家族はみんな出かけているのよ」

 

あかね「それで今は臨時休業ってやつやな。一人やと大変やで」

 

???「でもそういうの悪くないし、本当は賑やかの方がいいけどね」

 

あかね「そうなんや。あ、そろそろうち買い物にいかんきゃあかん。今日はこの辺で帰るわ」

 

???「ちょっと待って」

 

しまった。すっかり買い出しを忘れてもうた。うちが店を出ようとすると、その子はテを掴んで引きとめた。

 

???「よかったあなたの名前聞かせてもらえる?」

 

あかね「別にええけど、うちは日野あかねや」

 

???「結構生かした名前ね。私は夏木りん。その、お礼と言っちゃなんだけど…」

 

ん?何か渡してくるようやけど…?

 

あかね「それは何や?」

 

りん「何かあったらこれにおまじないをかけるといいよ」

 

うちに赤いバラ柄のお守りを渡してきようた。おまじない?どういうことやねん?

 

りん「情熱の赤いバラのおまもりは、きっと思ったことを叶えてくれるのよ。とりあえず自分を信じて」

 

あかね「ようわからんけど、おおきに!」

 

情熱なぁ~。うちにはあんまり縁のない言葉やけど、結構心に沁みついたわ。

 

あかね「そのかわり、うちのことはあかねって呼んでええで」

 

りん「わかった、なら私のこともりんって呼んでいいよ」

 

あかね「なんかうちら、似た者同士やな!」

 

りん「ええ、そうかもね!」

 

こうしてうちらは友達同士になった。うちはりんと別れて店の買い出しに戻ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~深夜~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あかね「このおまもり、もしかしたらブライアンに思いを通じれるかもしれへん」

 

うちはさっきりんからくれたおまもりを眺めながらブライアンのことを思い出す。これを考えてる間にすっかり夜中になりおったなぁ、ドキドキして眠れへん…。

 

あかね「よし、うちにも何か新しいことを発見する勇気を持てた気がする。ってそういえばりんってどこの学校に通ってるか聞きそびれたなぁ。ま、どこかで会えるし気長になったるで」

 

眠くなってきようたので、うちはそのまま寝ることにした。明日がうちにとってよりよい一日になることを願うで…。




次回ははちゃめちゃなツッコミメイン回になるかもしれないです。


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第7話 お茶目な休日①

あかね「今日は休日やけど、明日には交流会があるから来週はしんどくやりそうやな~…」

 

なお「しんどくても我慢しなきゃ。そういう時だってあるよ」

 

休日の午前、うちはなおとれいかとで近くのスーパーで買い物をしているんや。確か今日はなおの家で昼食としてカレーを食べることになったみたいやからその食材を探しているところやで。

 

れいか「今は家族の方々は夕方になるまで帰ってこないと聞きましたのでなおが作ってくれるんですよね?」

 

なお「まぁね。本当はみゆきちゃんとやよいちゃんも誘いたかったんだけど、二人は今日用事があるって言ってたから残念だねぇ」

 

あかね「また今度誘えばええねん。機会はいくらでもあるんやし」

 

れいか「気に病むのも無理はありませんよ。時が経過すれば訪れますよ」

 

新じゃがと新玉ねぎをカゴに入れながら歓心するれいか。ホンマうららかな気分やなぁ。

 

あかね「うちちょっとカレールー探してくるわ」

 

なお「あんまり辛いのは作らないからね」

 

れいか「私となおは残りの食材を揃えてきますね」

 

一旦二手に分かれて食材をそれぞれで探すことにした。何かうまいカレーが出来たらええんやけど。

 

あかね「さて、スパイスの効いたやつを―――ってなおに辛過ぎるのは禁じられんやなぁ…。ここは中辛程度のものを―――?」

 

左に曲がるとどこかで見覚えのある顔をした少女がカレールーを持っていた。

 

あかね「もしかして、りんちゃうん?」

 

りん「あかね!?どうしてここに?」

 

あかね「どうしてって友達とカレーの食材を買いに来てるんやで」

 

すると偶然りんと会い、ひょっとした顔で見つめ合った。これってホンマにたまたまやな。

 

りん「私も友達と一緒にカレーの材料を買いに来たところなんだけど。奇遇ね、また会えるなんて」

 

あかね「いいんや、出会いは突然にって気分やし」

 

お互いにハイタッチしながら笑ううちら。やっぱ新鮮な光景やで。

 

 

 

のぞみ「うらら、カレーにチョコを入れてみようよ!」

 

うらら「はい、ビターじゃ無意味ですしホワイトチョコなんかどうでしょうか♪」

 

 

 

りん あかね「「ホワイトチョコ入れたらカレーの意味ないでしょ(ねん)!!」」

 

 

 

すると右側でピンク色の髪でツインテールの少女と同じくツインテールであっちは長めで黄色の髪をした少女が発言した言葉にうちとりんはツッコミを入れた。ってなんだが一緒に言うてもうた…。

 

うらら「りんさん、どうしてダメなんですか?甘口にホワイトチョコを入れたらスイーツなカレーになるんですよ!?」

 

りん「あのねぇ、カレーに甘すぎる味はいらないのよ…!それだとカレー風味の甘いルーになるわよ…」

 

あかね「りんに同感や…」

 

のぞみ「あれ?りんちゃんその子は?」

 

ピンクのツインテールの子がうちに指をさしながらりんに質問してきた。そうやな、いきなり割り込むなんて尺やないな。

 

りん「えっとね、昨日友達になった子なんだけど。名前はあかねって言うの」

 

あかね「よろしゅうな。二人はりんと友達なん?」

 

のぞみ「そうだよ、りんちゃんは私達の一番の親友なんだよ!ね?」

 

うらら「りんさんは賢いんですよ」

 

りん「そういうならアンタ達も賢くなりなさいよ…」

 

ホンマ面白い面子と友達だったなんてなぁ。まるでみゆきとやよいみたいやで。

 

あかね「りんは恵まれてるなぁ。面白い友達がいて」

 

りん「ああでも言わないとこの二人は学習しないのよ」

 

のぞみ「そんなことないもん!だってこの前国語のテストの平均点4点上がったんだよ!?」

 

りん「たった4点じゃ変わらないでしょ!まぁのぞみは国語を頑張ってるんだからそこは否定できないけどね」

 

うらら「あ、そういえば私達の名前を言い忘れてましたね。私は春日野うららって言います」

 

のぞみ「私はのぞみ、夢原のぞみだよ」

 

あかね「ええ名前やな。それよかりん達に言いたいことがあったんや」

 

りん「何を言いたいの?」

 

折角やし、ここはうちの自慢なことを伝えるか…!

 

あかね「次の休日にうちの家族が経営しているお好み焼き屋に来るとええで」

 

のぞみ「あかねちゃんお好み焼き屋さんやってるの!?」

 

うらら「すごいですね!是非食べてみたいです!」

 

りん「へぇ~、あかねって結構しっかりしてるみたいね」

 

今の発言に三人は結構関心してるようや。うちは中辛のルーを手にとると、

 

あかね「もちろん、うちの友達も招待するで」

 

りんの肩を撫でながら笑み浮かべた。

 

りん「あかねの他の友達もいるの?」

 

あかね「当然や、みんな明るいで。っていうか、うちの友達の内にのぞみとうららによく似てる面子がいるんや」

 

のぞみ「私とうららによく似てる面子…?」

 

うらら「誰なんでしょうか?」

 

あかね「それは会ってからのお楽しみや。ってそろそろうち友達のところに行かねんがあかん。それじゃ、また会おうで!」

 

りん「またね~!」

 

のぞみ「バイバイ~!」

 

うらら「また会いましょうね~!」

 

そろそろ時間が迫ってきたようやからうちはりん達と別れ、なおとれいかのところへ戻った。なんだかお茶目でまどろみのある時間やったなぁ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~緑川家~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

れいか「そんなことがあったんですね」

 

なお「あかねっていつの間に新しい友達ができたのよ…(フフフッ)」

 

買出しを終えたうちらはなおの家でカレーを作って食べている。正直うちって案外人気者かもしれへんな。

 

あかね「思い出し笑いちゃうんかなお?」

 

なお「ごめん、なんだか羨ましくてさ」

 

れいか「笑っているなおも可愛いですよ♪」

 

なお「れいかまで…、こういう休日も悪くないよね」

 

笑いを堪えながらカレーを頬張るなお。そうやったな、うちが探していた新しいことの一部が発見できたかもしれへん。




②に続きます。


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第8話 お茶目な休日②

今回はりんちゃんさん視点です。


買い物を終えた私とのぞみとうららはナッツハウスへ戻ろうとしていた。はぁ、あそこであかねに会わなかったらあの二人のイマジネーションは間違いなく暴走していたんだから…。

 

のぞみ「ただいま~、みんないる?」

 

うらら「これでカレー作れますからね~」

 

真っ先に材料を取り出しているのぞみとうらら。まぁこまちさんとかれんさんもいてくれたら少しはマシになっていただろうけど。

 

ココ「一体どんなカレーにするココ?」

 

ナッツ「甘すぎるやつは食べないナッツ」

 

シロップ「カレーは辛いに限るロップ」

 

ココ達も覗き込むように見つめる。とりあえず作るのは私達でいいか。

 

りん「そういえばこまちさんとかれんさんは?」

 

ナッツ「こまちは小説のアイディアを探すために留守にして、かれんもこまちと同行してるナッツ」

 

シロップ「あとミルクはとある場所に出かけているロップ」

 

ココ「それが教えてくれないココ。みんなには内緒って言ってたココ」

 

三人共今はいないんだ。ちょっと残念かも…。でも、

 

りん「それなら作り置きしたら?結構材料あるわけだし」

 

うらら「確かにこんなに買っちゃいましたね。これだと結構の人数の量を作れますね」

 

結局材料が多くなっちゃんだから…。これはこれで仕方ないか。

 

のぞみ「じゃあ早速作っちゃおう!けって~い!!」

 

りん「本当にのぞみは出しゃばっちゃって、相変わらずよね」

 

呆れながら呟くと、早速調理を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ココ「それからじゃがいもの皮を剥いてから炒めるココ?」

 

ナッツ「それから野菜や肉もしっかり日を通すようにすればOKナッツ」

 

シロップ「隠し味は何にするロップ」

 

しばらくして、私達はカレーの具を炒める工程に入っている。やっぱり出来上がった時の方が新鮮に感じるかもね。

 

うらら「シロップ、隠し味は板チョコにしようよ」

 

りん「言っておくけど、たくさん入れたらダメよ?」

 

うららは勝手にチョコをたくさん入れようとしている。やはり、味が変わったら洒落にならないわよね…。

 

のぞみ「炒める時に練乳を…」

 

りん「それはない!」

 

ダメだ、隙を見たらすぐ調子に乗るんだから…。

 

のぞみ うらら「「だったらオレンジとバナナとブドウとメロンを―――」」

 

 

 

りん「ってそんな材料ないし、ましてやデザートにするんじゃなぁああああああい!!」

 

 

 

やっぱりバカな二人だわ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからなんとかカレーは完成したが、味が気になるところね…。

 

のぞみ「いっただっきま~す!(パク)」

 

りん「あれ?意外と美味しい」

 

うらら「やっぱり隠し味にチョコを入れて正解だったじゃないですかりんさん」

 

ココ「美味しいココ」

 

ナッツ「まぁまぁな美味さナッツ」

 

シロップ「うららの参考が正解だったらしいロップ」

 

そんなこんなでやっと味付け騒動が終わった。でも、今度はそうはいかなそうね…。

 

 

 

???「へぇ~、あそこにプリキュアがいるじゃねぇか…」



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第9話 闇の炎の予兆

バカげた昼は終わり、私は近くの体育館でフットサルを気分転換にやることにした。ちなみにのぞみとうららはそれぞれで出かけている。休日だけど練習できるかしら?

 

りん「まぁ部活仲間がいたら好都合だけどね。とりあえず入ろ」

 

ボールを出して中へ入ると、

 

 

 

???「さて、今日はフットサルやるぞ。珍しくうららちゃんのマネージャーとしての仕事が休みになったからラッキー」

 

 

 

りん「あれ?鷲尾さんじゃないですか」

 

入り口を遮るように鷲尾さんが立っていた。でもどうしているんだろう…?

 

鷲尾「あ、りんちゃんだ。こんなところで会うなんて奇遇だね」

 

りん「鷲尾さんは今から何をするんです?」

 

鷲尾「これからフットサルをやるつもりなんだよ。よかったら一緒にやらない?」

 

ニコニコしながらジャージを出す鷲尾さんは私を誘う。でも、

 

りん「丁度私もやろうと思ってて、誘うまでもないみたいですね」

 

鷲尾「そうなんだ。たまたま考えてることが同じだったみたいだね」

 

元々やろうと思ってたから私はストレートに返答した。それから私と鷲尾さんは二人で練習を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜一時間後〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一時間後、結構疲れてきたので私達は一旦休憩を挟んだ。まさか鷲尾さんとここまで体を動かすことなんてね。

 

りん「鷲尾さん、結構体力ありますねぇ」

 

鷲尾「そうなんだけど普段はあまり派手な運動しないからさ」

 

お互いスポーツドリンクを飲みながら雑談をする。でも、これだけだと面白くないから別の話題を挙げるかな。

 

りん「そういえば私新しい友達できたんですよ」

 

鷲尾「そうなんだ。で、どんな子なの?」

 

りん「赤い髪をして黄色の髪留めをしていて関西弁で話している面白い子なんですよ」

 

私は鷲尾さんにあかねのことを説明する。ぶっちゃけ鷲尾さんはうららのマネージャーだから下な紹介はしないのが得かもしれないと思う。

 

鷲尾「とても明るい友達ができたのが嬉しいんじゃないりんごちゃん?」

 

りん「それほどでもないですって」

 

タオルで顔を拭いて気持ちをリフレッシュさせる私達。さぁ、この後はハードな練習やるか。

 

 

 

???「おい、ちょっといいか?」

 

 

 

りん「誰なのよ?」

 

すると突然赤い髪をした青年が私達の前に現れた。

 

鷲尾「君はなんなの?」

 

???「てめぇに用はねぇ。用があるのはそこの女だ」

 

りん「鷲尾さん、ちょっとそこで待っててください。私コイツと話してくるので」

 

もしかしたら厄介になりそうね。ここは場所を変えないと…!

 

???「いい面してんじゃねぇか。いいだろう…、ちょっと来いよ」

 

 

私は青年と一緒に体育館を出た。絶対に鷲尾さんを巻き込むわけにはいかない。

 

 

 

???「てめぇのことは知ってるぜ、夏木りんーーーいや、キュアルージュ」

 

りん「アンタは何なのよ…」

 

R「俺の名はR。お前らプリキュアを駆逐するために生まれた存在さ。今お前がいるからラッキーだなぁ」

 

Rと名乗る青年はとてつもない邪気を放つ。アイツは危ないわね…!

 

りん「いいわよ、私と勝負よ。私が勝ったら大人しく立ち去りなさい…!」

 

R「わかった、だが俺も本気を出す。出でよ、ネガトーン‼︎」

 

 

 

ネガトーン「ネガー!」

 

 

 

するとRは何もないところから怪物を召喚してきた。

 

りん「コワイナーでもホシイナーでもない、あれは何…?」

 

でも、ここで引き下がるわけにはいかない!

 

 

 

りん「プリキュア・メタモルフォーゼ‼︎」

 

 

 

私はキュアモを取り出し、掛け声とともに変身する。

 

 

 

ルージュ「情熱の紅い炎、キュアルージュ‼︎」

 

そして私は伝説の戦士、プリキュアへと姿を変えた。

 

R「プリキュア、ここで蹴散らしてやるからな。覚悟はできてるか‼︎」

 

当たり前よ、その言葉そっくりそのままお返ししてやるんだから‼︎



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えりひめアワー 第1回

性懲りもなく番外編をやります。今回はぐだぐだな雑談ショーです。


えりか「みんな~!こんにちわ~!来海えりかっしゅ!!」

 

ひめ「私は天才?そんなこと、あるけどっ!!白雪ひめだよぉ~!」

 

えりか「今回から番外企画として私達のコーナーが始まるっしゅ!」

 

ひめ「いえ~い!!流石は私の姉さん(義理の)!」

 

えりか「その内容は、みんなからの悩みをババッと解決しちゃう驚きの内容なのです!」

 

ひめ「たまに雑談やら何やら行うけどね!そんなわけで、」

 

 

 

えりか ひめ「「えりひめアワー、始まるっしゅ!!」」

 

 

 

この番組は、四葉財閥の提供でお送りします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「記念すべき1回目の放送は、今後の展開はどうなるのかみんなで予想してみようのコーナーです!」

 

ひめ「今からお越しになるゲスト達と一緒に考えてきたいと思います。それでは、どうぞ!!」

 

 

 

つぼみ「花咲つぼみです。私も全力で考えていきます!」

 

めぐみ「愛乃めぐみです。考え事なら私におまかせだよ!」

 

えりか「ではではピンクコンビのお二方、あなた達の最近の出来事を教えてください」

 

ひめ「答え次第では盛り上がるかも!」

 

つぼみ「私が最近経験したことは、シプレと紅葉狩りをしたことです。おかげでたくさん紅葉が収穫できました」

 

めぐみ「ラブだねぇ。私はこの前ブルーにクッキーを焼いてあげたことかな?」

 

えりか「それマジやばしだよ!結構大胆っしゅ!!」

 

ひめ「あ~あ、これで誠司が益々闇落ちしてしまうわ…」

 

めぐみ「誠司がそんなことになるわけないと思うよ?あとそれからゆうゆうと一緒にショッピングしたこともあるよ」

 

つぼみ「さては新しい服ですね」

 

ひめ「きゃあ~!めぐみってどんどんオシャレに目覚めているような気がするよ~!」

 

えりか「大変納得したご質問、ありがとうございまっしゅ!それでは本題へ移りましょう」

 

 

 

今後のこの作品の展開はどうなる!?みんなで予想してみよう!

 

 

 

えりか「というわけで今9話目ですが、これから先どうなるのか考えてみよう!」

 

ひめ「そしたらゲストのお二人に回答してもらいましょう!」

 

つぼみ「まだわからないですが、とりあえず他のプリキュアが登場するのは間違いないと思いますね」

 

めぐみ「あと敵が何者なのかが問題だね。様々な敵を出してくるし」

 

えりか「例えば一人が複数の敵の種類を出せるってわけだよね?」

 

ひめ「大方それが正論かもね。もしかしたら本家の幹部達の出番は当分ないわね」

 

つぼみ「それでしたらいつかはオリ敵と本家幹部達との戦いもあり得るとおもいますよ」

 

めぐみ「ある意味オールスターズかも」

 

えりか「素敵な回答をありがとう。次は今後の人間関係についてです」

 

ひめ「まぁスイプリになってから百合要素が強くなったわけですが、ドキプリも結構酷かったよね。このまま悪化したらドロドロ!プリキュアになってたところですし」

 

 

 

ありす「マナちゃんが何ですって?」

 

 

 

ひめ「……ore」

 

 

 

えりか「ひめ、あとは頼んだわ」

 

ひめ「ええええぇ~!?」

 

ありす「私のマナちゃんを侮辱するような言動―――いや、六花ちゃんや真琴さんや亜久里ちゃん達を侮辱するなど、クシャポイどころか万死に値しますわ♪」

 

ひめ「待って待って~!私は本気で言ったつもりはないんですけど~!?」

 

ありす「口答えはご遠慮願いますわ。ちょっとこちらへ」

 

ひめ「ふぇ?どこに連れてくの!?ちょっと待ってよぉ~!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~しばらくお待ちください~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「まぁ第1回からカオスの渦がざわめき出してしまったけど、そろそろお時間がやってまいりました!」

 

つぼみ「1回目のゲストでしたが、とても楽しかったです!」

 

めぐみ「まだコーナーが終わってないけど仕方ないよね?」

 

えりか「それは作者のアドレナリンが爆発してないからよ?ではさっきのコーナーはまた後日行います。それじゃえりひめアワー、次回もよろしくっしゅ!!」

 

 

 

その後ひめは四葉財閥からパンケーキとハニーキャンディ禁止令が2か月間下されたかはまた別のお話。




次回こそ本編に戻ります…。


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第10話 冷める炎

無事に10話目突入です。


突然私の前に現れたのはRと名乗る男だった。そしてあいつはネガトーンという怪物を召喚した。コワイナーでもホシイナーでもない、あれは一体なんなの…?

 

R「それじゃ、軽く捻りつぶしてやるか。やれ、ネガトーン」

 

ネガトーン「ネガー!!」

 

ルージュ「来るようね。ここで倒す!」

 

ネガトーンはRの指示で攻撃を開始する。それに対して私は先制攻撃を仕掛ける。

 

ルージュ「プリキュア・ファイアーストライク!(ドォオオン!!)」

 

R「守りの体制に入れ」

 

ネガトーン「ネガー!!」

 

ビュゥゥ……

 

ルージュ「攻撃が吸収された…?」

 

守りの体制に入ったネガトーンは私の攻撃を無効化した。なんてしぶといやつなの…!

 

R「残念だが、お前の炎の攻撃など俺のネガトーンには通用しねぇ。なんせ、冷却装置に幸せのメロディーが潜んでいたからなぁ」

 

笑いながら私を蔑むR。幸せのメロディー?何のことなの?

 

R「お前の炎を吸収することにより、徐々に不幸のメロディーが溜まるからな。そうだなぁ、他に炎を使うプリキュアはキュアサニー辺りだろうけどな?」

 

ルージュ「不幸のメロディーって一体何の話なのよ…?」

 

R「それはお前が知るのに早すぎるんだよ。その答えはいずれプリキュア全員揃った時にわかるだろうさ」

 

私にとって理解できないことを言い続けるRは、ネガトーンに次ぎの指示を下す。

 

 

 

ネガトーン「ネガー!!(ボォオオオ!!)」

 

 

 

R「吸収した炎を冷気に変換する。そしてお前を氷漬けにするのさ!」

 

 

 

ルージュ「そんなことはさせない!アンタが何者なのかは知らないけどね!」

 

私は全力で反撃を開始する。それでもネガトーンは余裕の状態だった。

 

R「あまり攻撃をすると、ネガトーンがお前の力も吸収しちまうぞ?」

 

 

 

ビキビキビキ…!

 

 

 

ルージュ「何これ、足が凍っていく…!?」

 

すると突然私の足が凍りついてしまう。これじゃ何も動けない…!

 

R「残念だったな。このまま時間が過ぎるほどお前の身体は凍りつく。やがてネガトーンによってお前は粉々だ、ハッハァアア!!」

 

ルージュ「でも、私はこの程度で諦めるわけにはいかないからね…。絶対に抜け出してみせる!」

 

舐めるのもいい加減にしなさい。純情乙女の炎の一撃をお見舞いしてあげるんだから……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あかね「?みんなどうしたん?」

 

なおとれいかと別れたうちは近くの体育館へ向かおうとすると、突然利用者のみんなが慌てて逃げてる。どなしたんや…?

 

鷲尾「そこの君、早く逃げた方がいいよ!」

 

あかね「今どういう状況やねん!?」

 

すると眼鏡をかけた若いお兄さんがうちにしがみつきながら慌てている。なんかいきなりくっついてきて気色悪いなぁ…。

 

鷲尾「体育館が氷漬けにされそうだよ。あぁ、りんちゃん大丈夫かな…?」

 

あかね「りん?アンタ、りんと知り合いちゃうん?」

 

鷲尾「そうだよ、さっき一緒にフットサルやってたけど…。突然赤い髪をした青年がちょっと来いって言ってたけど」

 

赤い髪の青年?なんだか怪しそうやな…!

 

あかね「わかった、ならうちがりんを呼び止めるで」

 

鷲尾「無茶だよ!?中はすっごく寒いし…」

 

あかね「うちなら大丈夫や、信じとき」

 

お兄さんの言葉を鵜呑みにせず、うちは真っ先に体育館の中へ入った。けどまぁ本当はみんなと同じく逃げた方が身のためやけどな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あかね「まさかこんな酷い状態やったとはな」

 

入ると体育館全体氷漬け状態や。これは何かありそうやな…!

 

あかね「こんな時にキャンディがいないなんてな。しゃあない、うちがなんとかするしかなさそうやで…!」

 

勇気を振り絞ってうちはスマイルパクトを手に取ると、

 

 

 

あかね「(レディ?)プリキュア・スマイルチャージ!!(ゴー!ゴーゴーレッツゴーサニー!)」

 

 

 

掛け声とともに光に包まれる。そして燃え盛る熱血の戦士へと変身するんやで!

 

 

 

サニー「太陽サンサン、熱血パワー!キュアサニー!!」

 

 

 

その戦士は、伝説の戦士プリキュアなんやで!よっしゃ!うちがりんを連れ戻したるでぇ!!



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第11話 絶体絶命の炎達

オリジナル技を入れてみました。


ルージュ「これじゃ何も動けない…!」

 

R「そうだろ?そんなんじゃ何もできねぇよなぁ?」

 

ネガトーンに足を凍らさせた私は全く身動きが取れない。このままだと完全に氷漬けにされてしまう…。

 

 

 

ネガトーン「ネガ―!」

 

 

 

R「そうだネガトーン。あのままキュアルージュを凍結させて粉々にするんだ…」

 

 

 

余裕を見せるRはネガトーンに次ぎの指示を下そうとする。どうにかあいつを止めないと…!

 

 

 

サニー「ちょっと待ちぃやぁ!(ドゴォオオオン!!)」

 

 

 

R「その声、キュアサニーか…」

 

すると後ろから壁が突き破られた音が鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鷲尾「あぁ、りんちゃん大丈夫かな…。それとさっきの赤い髪の女の子もどうなのかなぁ…」

 

ディレクター「鷲尾さん、どうしたんですか!?」

 

鷲尾「今体育館に避難していない子が二人も…!」

 

ディレクター「大変です!すぐに警察へ連絡しないと!」

 

鷲尾「あと既に消防隊も駆け付けてくれてるからね、心配はないよ。はぁ、大丈夫だろうか、二人とも……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サニー「りんはどこや!」

 

R「りんってキュアルージュのことか?」

 

サニー「ってそうやったんかい!」

 

ルージュ「ごめん、私は大丈夫だから…」

 

ルージュと合流したサニーは深呼吸しながら体制を整える。どうやら踏ん張り過ぎたようだ。

 

サニー「てかあの怪物はなんやねん!?」

 

R「そうか、スマイルプリキュアはアカンベェだったか。こいつはネガトーン。幸せのメロディが高ぶってたから暴れさせてるんだよ」

 

ルージュ「気をつけて、あいつは氷漬けにしてくるから」

 

サニー「んなのうちには関係あらへん。この熱血炎で焼き尽くしてやるで」

 

自信満々に特攻するサニーに、ネガトーンも攻撃を開始する。

 

 

 

ネガトーン「ネガー!!(ボォオオオオオ!!)」

 

 

 

サニー「なんや、ふぶきやないか。こんなのうちには通用せんで」

 

 

 

R「ふん、それはどうだかなぁ…」

 

 

 

不気味に感じず、サニーは特攻を続ける。そして相手の懐に入り、

 

 

 

サニー「プリキュア・サニーファイアー!(ボォオオオン!)」

 

 

 

ネガトーン「ネガ!(ビュゥゥゥ…)」

 

 

 

サニー「嘘やろ!?うちの攻撃が吸収されてもうた!」

 

サニーの一撃がネガトーンによって吸収されてしまった。この有り様のあまり、思わず戦いてしまう。

 

ルージュ「気をつけて、そいつには炎は通用しないよ。さっき私も試したけど無理だった」

 

R「無駄だ。お前の炎も無意味だからな。そして吸収した炎はネガトーンのエネルギーとなり、冷却性能を上げるからな」

 

ましてやネガトーンが益々パワーアップしてしまう。これでは太刀打ちできないかもれない…。

 

ルージュ「く…、私の足が自由に動けたら…」

 

サニー「それやったらすぐに溶かしたるで!」

 

今のルージュの言葉に閃いたのか、サニーはルージュの足元に炎をまき散らした。

 

 

 

ルージュ「うそでしょ…」

 

 

 

サニー「全く溶けへんで…」

 

 

 

R「だから無駄だってさっきから言ってるだろうが阿呆ども。ちなみにその氷は簡単には溶けることはないのさ」

 

 

 

ネガトーン「ネガ!!(ボォオオオ!)」

 

 

 

サニー「しまった、うわぁああ!!」

 

 

 

気を取られたのか、サニーはネガトーンの攻撃を喰らってしまった。

 

サニー「うそやろ!?うちの下半身が凍結状態やで!」

 

R「無様だなぁ、赤きプリキュア共は…。そこで凍え死ぬがいいさ、ハッハッハァ!!」

 

ルージュ(私もどんどん氷漬けにされてゆく…。このままでは全滅かも)

 

サニー(くそっ!こんなんやと身動きも取れへん…!でも、ここで諦めたら終わりや…。なんとか反撃のチャンスを…!)

 

もう絶体絶命の危機が訪れているルージュとサニー。しかし、まだ逆転の一筋が残っていた。

 

サニー「こうなったら、これを使うしかないやろ!!(バッ!)」

 

R「あ?まだ悪足掻きするのか」

 

 

 

サニー「ペガサスよ、うちに力を!!(バァアアア…!!)」

 

 

 

プリンセスキャンドルを取り出し、サニーは白くて輝くペガサスのような姿へと変化した。

 

 

 

サニー「プリキュア・プリンセスフォーム!!」

 

 

 

R「ほぉ、これがプリンセスフォームか。キュアエンジェルやスーパーシルエットやクレッシェンドモードやイノセントフォームに匹敵する力か…。面白れぇじゃねぇか、ネガトーン!このまま氷漬けにしちまえや!!」

 

ネガトーン「ネガー!!(ボォオオオ!!)」

 

 

 

サニー「サニーバーニングシールド!!」

 

 

 

プリンセスフォームの姿になったサニーはキャンドルに力を溜め込んで巨大な炎の盾を作り出した。

 

ルージュ「なんて威力なの!?」

 

ネガトーン「ネガー!!(ドォオオオオン!!)」

 

R「なんだと!?ネガトーンの冷気を掻き消しちまったのか!」

 

あまりの熱さに氷漬けされた回りの物が溶けてゆく。どうやらネガトーンのせいで体育館全体が氷点下の寒さになっていたようだ。

 

サニー「あ~寒かったなぁ。けど、もうへっちゃらや!それにしてもなんだか見慣れない技を覚えてしもうたな」

 

ルージュ「流石よサニー!おかげで私も自由になれたし。そっちも動けるようになったでしょ?」

 

サニー「当たり前や。さて、そろそろあの怪物を浄化させるで」

 

R「ちっ、もう冷却機能は作動しねぇのか。ネガトーン、さっさと潰してしまえ!」

 

ネガトーン「ネガー!!」

 

さっきのサニーの技で冷却機能が失ったネガトーンはやけくそ状態で攻撃する。しかし、

 

 

 

ルージュ「これで決めるわよ、プリキュア・ファイアーストライク!!(ドォオオン!!)」

 

サニー「プリキュア・サニーファイアー・バーニング!!(ドォオオン!!)」

 

 

 

二人は既に怒りの頂点に達していた。そしてこのまま止めと一撃をお見舞いした。

 

 

 

ネガトーン「ネガー…(シュゥゥゥゥ…)」

 

 

 

R「くそ、幸福のメロディを取り損ねたか。こいつはLに報告しねぇとな…!」



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第12話 めでたしめでたし…って違うやろ!

ひとまず今回でりんあか回は一旦終了です。


一時間後、消防隊や警察らがかけつけたところりんとあかねは無事だった。

 

警察「大丈夫ですか?」

 

消防隊「さっきから体育館が氷漬けになってたと聞きましたが」

 

りん「もう大丈夫ですよ、中は元通りですし」

 

あかね「そうですねん。へっちゃらですって」

 

二人は余裕を見せるように笑みを浮かべる。やはりさっきの炎で全部溶けたのとネガトーンを浄化させたから被害も元通りになったのだろう。

 

鷲尾「りんちゃん、無事だったかい!?」

 

りん「鷲尾さん、すいませんね心配かけちゃって…」

 

鷲尾「いいんだよ。りんちゃんが無事ならそれでいいよ。あと君も大丈夫だった?」

 

あかね「うちなら問題あらへんで?りんと一緒やったから」

 

どうやら鷲尾も心配してくれたようだ。そんな騒動に二人は…、

 

 

 

りん あかね「「疲れたぁ~……」」

 

 

 

などと呟いた。結局二人はお互いにやろうとしていたことがまともにやれなかったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あかね「もう夕方やな。なんかあっという間やったな」

 

りん「うん、もっとあかねのことが知りたかったんだけどねぇ」

 

一連の騒動が終わると、うちとりんで商店街をブラブラと歩いてる。さっきの鷲尾さんって人は心を落ち着かせて帰ったそうやで。

 

りん「あ、この花結構素敵ね」

 

あかね「これはなんちゅう花なんや?」

 

近くのフラワーショップへ立ち寄ると、りんはある花に興味を示した。

 

りん「これ、アルストロメリアっていう花ね」

 

あかね「全然聞いたことのない花やけど、りんはこれが気になったんちゃうん?」

 

りん「まぁね。なんでも花言葉は『春の花』らしいのよ」

 

花言葉かぁ…。うちには馴染みにくそうやな。するとりんは今の花をレジへ持っていった。

 

あかね「わざわざ買ってきたんかい?」

 

りん「うん。その、これをあかねにプレゼントしようかなぁっと…」

 

あかね「ゑ?」

 

嘘やろ?うちにその花をあげるって……。

 

 

 

りん「ほら、私とりんの友情の証でしょ?」

 

 

 

あかね「友情っかぁ…。まぁええか。うちとりんは大の親友や!」

 

 

 

なんだか心が落ち着く。いつもはみゆき達とで嬉しいことがあったけど、なぜかりんと一緒でも……、それに負けないくらい幸せになる。

 

りん「どうしたの?顔が赤いわよ?」

 

あかね「いや、なんでもないねん。ちょっと嬉しかっただけや」

 

りん「ふぅ~ん。あかねって意外と乙女心があるのねぇ(クスクス)」

 

あかね「あ~笑うなぁ~!(かぁ~)」

 

どうしんやろうち!?なんで同性の友達にここまで顔を赤くする必要があるねん!?でも、もし相手がりんじゃなくてブライアンだったら―――

 

 

 

りん「じゃあそろそろ私は帰るね。またどっかで会おう」

 

あかね「そうやな。ほなまたな!」

 

 

 

だけど、今は自分のやりたいことを見つければそれでいいんや。いつか、その答えがみつかるまでは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~日野家~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あかね「なるほど、そんなことがあったんか」

 

家に帰ると、うちはやよいと電話で会話してる。さて、向こうもどんなことが起きたか聞かせてもうらうで…。

 

やよい『実は、私より一つ年下の娘と一緒に探検ごっこやっていてね。その内容は―――』

 

 

 

あかね「めっちゃあざといな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~夏木家~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

りん「ふんふん、それで?」

 

私も家に帰ると、早速うららに今日の出来事を暴露させようとした。一体どんなことがあったのかしら…?

 

うらら『実は、のぞみさんやりんさんと同い年の人と探検ごっこをやっていまして。えへへ、その内容はですねぇ―――』

 

 

 

りん「アンタはどこまでおこちゃまなのよ!?それとあざといわね!!』

 

 

 

 




次回からあざとイエローコンビ回です。


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第13話 キラキラホリデー①

といわけで今回からあざとイエロー回です。


やよい「うん、ごめんね。私今日は漫画展の出品者として行かなきゃいけなくなって。…あ、ううん。また今度誘ってくれたらありがたいから、ね?」

 

 

 

今日はみんなと会えないかぁ。流石に私も忙しいからか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の名前は黄瀬やよい。ちょっと人見知りだけど色んなことにチャレンジしたいと専念しているんだ。趣味は漫画を描くこと。将来は立派な漫画家になりたいと思って必死で頑張っているの。でも、他に見つけたいことがたくさんあるんだけど…。それはなんだろう…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やよい「明日は他校との交流会だっていうのに、今日は月に一度の漫画展の出品者になったなんて、ちょっと最悪かも…」

 

休日の午前、私は鞄にペンやノートなどを入れて準備を整えている。もしかしたら生で執筆する場面もあったりなかったりするから念入りに用意しとかなくちゃね。

 

やよい「よし、そろそろ行こう」

 

時間もあまりないし、そろそろ家を出ることにした。

 

 

 

やよい「えっと、確か向こうの角を左に曲がれば電車に乗れるはずかも」

 

地図を見ながらルートを確認する私。あと時間も見とかないとね。

 

やよい「う~んと多分一時間もあれば余裕かも。でももう行かないと―――うわぁ!(ドン!)」

 

???「わぁ~!(ドン!)」

 

しまった!誰かにぶつかっちゃった!そして…、

 

 

 

やよい「うわぁあああああん!!痛かったよぉおおおおおお!!(しくしく)」

 

???「わぁああああん!ごめんなさぁああああああい!!(しくしく)」

 

 

 

お互いにベソをかいてしまった。ちなみにお互顔面に直撃しており、豪快に鼻血が迸っていた。

 

 

 

~~しばらくお待ちください~~

 

 

 

???「もう大丈夫ですか…?(ヒク、ヒク)」

 

やよい「もう大丈夫だよ。それでも痛いけど…(ヒク、ヒク)」

 

数分後、お互い落ち着いたところで立ち直る。だけどまだ鼻血は止まらない…。

 

???「本当にごめんなさい。ちゃんと絆創膏も用意してますので」

 

やよい「ありがとう、あなたも大丈夫なの?」

 

???「はい、私はもう平気です。それにしても結構大きい鞄ですね。これからどこに行くんですか?」

 

私と同じ髪の色でツインテールの小柄な娘がひょっとした顔で訊ねてくる。あの娘、もしかしたら…。

 

やよい「これから町内の漫画展に行こうと思ってて。その出品者としてね」

 

???「漫画ですかぁ。一体どんな作品を描いているんですか?」

 

やよい「恥ずかしくて言いにくいけど、ヒーロー物を描いているんだ」

 

???「わぉ!それはすごいですね!ということはその鞄の中には道具も入ってるんですね」

 

やよい「うんそうだよ。あとから執筆の様子も取材されるからね」

 

ツインテールの娘が異常に食いついてきてとても興味津々なんだぁ。それだったら、

 

 

 

やよい「ねぇ、もしよかったら私と友達になってくれないかな?」

 

 

 

唐突に言ってしまったけど、大丈夫かなぁ…?

 

 

 

???「はい!私も大歓迎です!あとそれから自己紹介もしますね。私は春日野うららって言います」

 

 

 

え!?本当に!?嬉しいな!

 

やよい「うららちゃんっていうんだ。私は黄瀬やよい、よろしくね」

 

うらら「やよいさんですね、折角ですのであとでやよいさんの作品見に行きますね」

 

やよい「ありがとう!私も嬉しいよ、見に来るなんて!」

 

うららちゃんってとてもパワフル万点なんだね。

 

うらら「私はこれからお昼の買い物がありますのであとで必ず行きますね!」

 

やよい「うん、是非来てね!それから地図も渡しておくね」

 

そろそろ電車が来る頃なので、私はここでうららちゃんと丁度よく一度別れることにした。やった、また友達が増えちゃった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

L「次のターゲットは、キュアレモネードとキュアピースか…。これは面白そうだね」



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第14話 キラキラホリデー②

今回はうらら視点です。


うらら「はぁ~、まだ鼻の痛みが治まらないような…」

 

私の名前は春日野うらら。今日も素敵な出来事が起きるようにいつも努力しています。今日は珍しくお仕事はありませんし、鷲尾さんも休暇をとっているようなので完全オフ状態です。一応言い忘れてましたけどさっき新しいお友達ができたんですよ。名前は黄瀬やよいさん、私となんとなく似てますね。なので後からやよいさんが出展する漫画展に行くことにしたんです。どうせならシロップも連れてこうかな…?

 

のぞみ「うらら~!どこに行ってたの?」

 

うらら「のぞみさん、ちょっと散歩していて…」

 

のぞみ「あ!どうしたのその鼻は!?」

 

うらら「少しぶつけちゃったんですよ。これくらいへっちゃらです」

 

ここでのぞみさんと合流してナッツハウスに向かうことにしました。でも、鼻をぶつけてしまったことに関してはのぞみさんもビックリですし…。

 

 

 

それから数分後、私とのぞみさんはナッツハウスに到着してりんさんからあることを聞き受けました。

 

りん「二人とも、お昼の買い出しに行くわよ。今日は私達が買い出しの当番なんだから」

 

のぞみ「何を作るの?」

 

りん「そうね、今日はカレーにしようかしら?」

 

 

 

うらら「てぃえんでぃれいてぃんじぇん!?」

 

 

 

りん「日本語で答えなさいよ!!」

 

カレーという単語に思わず中国語のような言葉を発してしまった私。やっぱりカレーには弱いです。

 

うらら「やった~!ありがとうございますりんさん!!」

 

のぞみ「今日のうららやけにハイテンションだね」

 

シロップ「少しうるさいロプ」

 

あ、シロップも興味津々な顔をしてる。ちょっと可愛いかも♪

 

のぞみ「じゃあ早速行く?」

 

りん「ええ、今日は特売セールだから早めね」

 

うらら「では行きましょう!」

 

特売セールのため、できるだけ早い時間にスーパーへ向かうことにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スーパーについた私達はまずカレーのルーを仕入れた後、野菜が売られているところへ移動します。そこには、

 

 

 

店員「みなさん、今日はじゃがいもがなんと一袋20円という激安なお値段となっております!お早めにお買い求めください!」

 

 

 

のぞみ「じゃがいもが20円だって!これは見逃せないよ!」

 

りん「そうね。のぞみ、だったら私と一緒に手に入れるわよ」

 

うらら「流石ですね!ものすごく関心します!」

 

どうやらじゃがいもの特売がやっているようです。あとチラシには鶏もも肉や玉ねぎなど、カレーに使用する材料があらかた安売りしてるみたいですね。多分明日はカレーの日かもしれませんね。

 

 

 

のぞみ「りんちゃん行くよ。レッツゴー!」

 

りん「さぁ、じゃんじゃん仕入れるわよ!」

 

 

 

うらら「頑張ってくださ~い!!」

 

必死になってお客さん達の隔離ゾーンに侵入していくのぞみさんとりんさん。これは数分で無くなりそうですねぇ…。

 

 

 

~~しばらくして~~

 

 

 

のぞみ「結果は、なんと12袋獲得!!」

 

りん「これから作る量としたら割と多いけどねぇ」

 

うらら「これだけあればたくさん作れますよ!」

 

数分後、ようやく戻ってきた二人は結果を報告しました。その間に私はお肉やら他の野菜やらでたくさんゲットしてきました。

 

りん「さて、そろそろ清算しよっか」

 

うらら「はい、これで美味しいカレーが出来上がりますよ!」

 

のぞみ「よ~し、帰ったら作るよ!けって~い!」

 

こうして、私達は無事にカレーの材料を購入できました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「ごちそうさまでした!」」」

 

 

 

それからナッツハウスに戻ってみんなでカレーを食べました。やっぱりさっきのオレンジとバナナとブドウとメロン発言はよくなかったようですね…。

 

うらら「私これから用事がありますので。よかったらシロップも行く?」

 

シロップ「まぁ別にここにいても暇だからついていくロプ」

 

のぞみ「どこに行くの?」

 

りん「まさかデートじゃないでしょうね?(ニヤリ)」

 

うらら「違いますよ!そうじゃないんです!」

 

ナッツ「騒がしいナッツ…」

 

ココ「シロップも暇そうだからうららと一緒した方がいいココ」

 

みんなで私をやきもち焼かせようとしているようですね。いいですよ、別に気にしていませんし。

 

うらら「これから町内の漫画展に行くんです。シロップも一緒に行ったら楽しそうですし」

 

シロップ「わかったロプ。けどあまり長居はしないロプ」

 

のぞみ「ヒューヒュー!」

 

りん「けど、無理はしないようにね?」

 

うらら「わかりました、道には十分に気をつけますね。そしたら早く行こシロップ」

 

私は食器を片付けて、すぐに出かけることにしました。もちろんシロップも同行します。早くやよいさんの作品を見たいです♪



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第15話 弾けるピカリン・レモネードピース①

やよい「そろそろ私が出展する番だね。ここはビシっと決めよう」

 

私は今やっている人が終わるのを見て、準備を整えている。ちなみに出展する作品は以前応募して佳作になったミラクルピースという作品。今日は執筆の一部始終をお披露目するの。でも、やっぱりこれだけの人達がいると緊張しちゃうなぁ…。

 

 

 

スタッフ「それでは、次の作品の出展者は前に出てください」

 

 

 

スタッフの掛け声とともにステージの前に上る。いよいよ私の出番だ、頑張ろう…!

 

 

 

やよい「みなさんこんにちわ。ミラクルピースの作者、黄瀬やよいです。今回はこの漫画展にお越しいただき、誠にありがとうございます」

 

 

 

マイクを持って観客に軽く挨拶をする。そしてプログラムを確認して最初は何をするかをチェックする。

 

スタッフ「まずは作品の説明をしてください。それから執筆までに至る話などを聞かせてもらいます。OKですか?」

 

やよい「はい。それでは、まずはどのような作品なのかを説明いたします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うらら「シロップ、早くおいで」

 

シロップ「全く、そんなに急がなくたっていいだろ…」

 

数十分後、私とシロップは無事に漫画展の会場へ到着しました。ちなみにシロップは今人間の姿に変身しています。こうしてみるとなんだか恋人同士に見えるかも…。

 

シロップ「おい、何ボーっとしてるんだよ。行くんじゃなかったのか?」

 

うらら「ごめん、なんでもないよ。したら早く行きましょ」

 

シロップ「燥いだりしたら俺は知らないからな」

 

シロップがため息を吐くが、私はそれを気にせず早速中へ入ることにしました。

 

 

 

スタッフ「いらっしゃいませ。二名様ですね?」

 

うらら「はい、これで入場できますか?」

 

スタッフ「チケットは確かに二名様分ありますのでどうぞご入場ください」

 

受け付けのスタッフにチケットを確認してもらい、無事に入ることができた私達。先程やよいさんから二枚分もらったから丁度よかったです。

 

シロップ「それにしてもすっげー人だかりだな」

 

うらら「まぁこれだけの人数がいたら流石に人気があるってことだと思うよ?」

 

辺りを見渡すと、既に人がたくさん入ってるようです。私はシロップの腕を組んで恋人気分で巡ることにします。

 

シロップ「あんまりくっつくなよ。歩けないぞ」

 

うらら「たまにはいいじゃない。滅多にないし」

 

結構照れているシロップを揶揄するかのように笑う私は一番最初に目に入った作品を見つけました。これはこれは…、

 

 

 

乱れ咲く従順な美少年 今日は夜にやろう

 

 

 

うらら「きゃああああ!?これってもろBL系じゃないですかぁああああ!?」

 

 

 

シロップ「何に驚いているんだようららは…」

 

 

 

最初に目をにしたのはタイトル的にBL丸出しの作品でした…。っていうか私達には早すぎます、いろんな意味で……///

 

 

 

うらら「なんだかものすごく過激的だったねシロップ…」

 

シロップ「俺に聞くなよ。それより次回るぞ」

 

私の腕を引っ張るように移動するシロップ。これはココさんやナッツさんには見せたくないですね…。ちなみに破廉恥な描写が写ったかどうかは私にもわかりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

L「さて、次の作戦はどうしようかな?」

 

???「ねぇ、次は私にやらせてくれない?」

 

L「誰なんだい?」

 

???「私よ、あなたとRの仲間のHよ」

 

L「君か。それでどうして僕の代わりにやりたいの?」

 

H「それは、あのあざとい二人をコテンパンにしてやりたいからよ…」



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第16話 弾けるピカリン・レモネードピース②

今私とシロップはとある町の漫画展で色々と見て回っています。とても臨場感あふれるイベントですねぇ。

 

シロップ「なぁ、次はどこ回るんだ?」

 

キョロキョロしながらシロップが尋ねてきます。そういえば次はどこにしましょうかね。

 

うらら「じゃあ次はアートコーナーに行こ?」

 

シロップ「退屈しそうな場所だなぁ。それよりうららが会いたい人いるんだろ?」

 

うらら「この時間だとあと数十分後だと思う」

 

プログラムを確認しながら移動する私達。今は丁度やよいさんのイベントが始まる数十分前、余裕をもってから行きますかね。

 

シロップ「じゃあ時間になるまで付き合ってやる」

 

うらら「もう、シロップは素直じゃないなぁ」

 

ただじっと待ってても時間の問題なので、アートコーナーへ入ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから様々な作品に見惚れつつも隈なく探検します。

 

 

 

清々しいひととき 男女の畔

 

 

 

うらら「こんな素敵な作品があるなんて…(ポッ)」

 

シロップ「どんだけ乙女チックなんだよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安らぎの夢に目覚める妖精達

 

 

 

うらら「癒されるぅ~…」

 

シロップ「まぁ、これはいいかもな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

満月のエッフェル塔

 

 

 

うらら「ちょっと神秘的な感じがするかも」

 

シロップ「確かに、俺もこれはいいと思うぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大地にみのる種 アースシード

 

 

 

うらら「これを見るとフローラさんを思い出すね」

 

シロップ「フローラはいつも前を向いているからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

溶けない氷

 

 

 

うらら「すごい!こんなの思いつかないよ!」

 

シロップ「まさに芸術ってやつだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからいろんな作品を見て回った私達は予定通りにステージイベントへと移動しました。なんだか癒された気分でしたねぇ……。

 

 

 

うらら「いよいよ始まるよ」

 

シロップ「そうだな。でも俺は退屈だ」

 

うらら「もぅ…、少しは興味持ってよね…」

 

さぁ、いよいよ始まりますよ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やよい「え~っと、道具の準備はばっちりっと…」

 

イベントが始まる数分前、私は最後の準備を整えていた。これだけ人が集まってきたら流石に緊張しちゃうけど、みんなのために頑張るしかないね。

 

スタッフ「黄瀬やよいさん、そろそろ会場へ移動をお願いします」

 

やよい「はい、今行きます!」

 

スタッフの誘導で私はメインイベントの会場へ移動した。よし、ここからが本番…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やよい「それでは、私が描いた作品のミラクルピースについて説明します」

 

イベントが始まると、私はマイクで自分が描いた作品の説明を開始する。

 

やよい「この作品は、私が憧れていたヒーローをモチーフにしており、いつか自分も戦うヒーローになれたらっというコンセプトです」

 

 

 

うらら「やよいさん、かっこいい…!」

 

シロップ「あの娘、お前に似てるな」

 

 

 

スタッフ「なるほど、そういう感じのお話ですね」

 

やよい「はい、実はこの作品を描くのに様々な苦労をしてしまいまして…。失敗しては描き直しで、また失敗してはまた書き直しての繰り返しでしたので。物語はうまくいきましたが、執筆に苦労しました。ちょっと私としても照れくさいです」

 

一言も間違えずに説明する私に、お客さん達から声援の声が聞こえてくる。よかったぁ~…。

 

やよい「それでは、説明もしましたし次に移りたいと思います」

 

次は私の見せ所の執筆披露。ここは頑張るしかない…!



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第17話 弾けるピカリン・レモネードピース③

スタッフ「黄瀬やよいさんによる講演会はまだまだ続きます。それでは執筆ショーを行いたいと思います」

 

やよい「はい、今から行うのは私が日常的から漫画を描いているシーンを再現したいと思います。あまり期待できないかもしれませんがよかったら最後まで見てください」

 

 

 

次は執筆ショーだ。あまり失敗しないようにやらないとね。

 

 

 

うらら「やよいさんにとってのメインの時間が…」

 

シロップ「さて、どんなもんか」

 

 

 

プレッシャーをかけずに、机に座る私。机にはカメラが設置されていて、後ろの大きなモニターに映る使用となっている。

 

やよい「今回描くのは夢に向かって頑張る少女をイメージしたイラストを描きます」

 

私は鉛筆と万年筆、それから消しゴムや原稿用紙などを用意して準備を終える。ちなみに執筆最中の雑談は許可されているから少しは気が楽になるかも。

 

 

 

それから執筆が開始され、周りの人達が真剣に見てる中、私は集中して描いている。

 

 

 

うらら「ふぉ~…、真剣になってる~」

 

シロップ「必死になって頑張ってるな」

 

 

 

スタッフ「黄瀬さんはいつ頃から絵を描くようになったんですか?」

 

やよい「私が小さい頃からです。絵を描いてると自分の想像力が高まるって思いました。ただ、あまり他人からには恥ずかしくて見せられませんけどね…」

 

ちょっと照れくさい質問をしてくれるスタッフに少し落ち着く私。でもそれが事実なのかもしれない…。

 

 

スタッフ「それでは、いつか実現したい願いとはどのようなことですか?」

 

 

やよい「私としては誰もが必死になって頑張る姿を絵に浮かべるという卓越した知能を身につけておきたいと信じています。いつかは自分だけのイマジネーションが実現するのではないかとそう願っていますので。でもそれだけでは満足しきれないかもしれないですが、自分達で努力すればその結果はうまく表現できるのではないかと私は思っています」

 

スタッフ「素晴らしい願いですね。ところで黄瀬さんは漫画以外に大切だと思っているのは何ですか?」

 

やよい「漫画の他に大切にしているのは、私の友達や家族です。それはかけがえのない、私にとっての大切な仲間達ですから…」

 

描きながらマイクに向かってみんなに伝える。いままで苦労していたことが後から結果として残ってくれるらしいからね。

 

うらら「やよいさんって、結構頑張り屋さんですねぇ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

観客「はぁ…、俺ももっと前に出てやよいちゃんのトークを聞きたいぜ…」

 

 

 

ギュウウウ…

 

 

 

観客「でも、欲張りなんかできねぇな…」

 

 

 

???「欲張ればいいじゃない?」

 

 

 

観客「誰なんだ?」

 

 

 

???「私はあなたの望みを叶えようとするものよ(パチン)」

 

 

 

観客「何をする―――うわぁああ(ギュイイイン!!)」

 

 

 

???「さぁ、あなたの心の闇を解き放ちなさい…!(ボン!ボン!!ボン!!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イラスト完成まで大詰めになった頃の時間になった。私は程よく仕上げに入る。

 

スタッフ「さぁ、いよいよ完成間近ですね」

 

やよい「はい。ここからが仕上げです」

 

スタッフ「みなさん、イラスト完成までもう少し(ドォオオン!!)ってなんですか!?」

 

すると突然会場外から爆発音が鳴り響いた。一体何が起きたの…?

 

 

 

スタッフ「大変です!会場外から謎の物体が接近している模様です!」

 

 

 

主催者「このままでは危険だ、いますぐお客さん達を非難させろ!!」

 

 

 

スタッフ達も慌てて避難を誘導させる。でも…、

 

 

 

やよい「私のイラストを滅茶苦茶にさせるわけにはいかない…!」

 

 

 

よく考えると、被害を負うと私が描いたイラストはぐちゃぐちゃになってしまう。それだけは許せない……!

 

 

 

うらら「シロップ、早く安全なところへ避難して!」

 

シロップ「わかった、俺はみんなを非難させてから安全な場所へ隠れる。無理するなよ…」

 

 

 

???「やっぱりいたわね。春日野うららと黄瀬やよい―――いや、キュアレモネードとキュアピース」

 

 

 

やよい「誰なの!?」

 

うらら「あなたは何ですか!?」

 

怪しげにやってきたのは髪の長いスレンダーな女性、しかもいかにも不気味な感じがする…。

 

???「私はH。あなた達プリキュアを消滅させるために生まれた存在」

 

やよい「ってうららちゃんもしかして…」

 

うらら「やよいさんも…」

 

お互いに何かを確認し合う私とうららちゃん。ひょっとして…、

 

 

 

H「お喋りはおしまいよ、さぁやるのよジコチュー!」

 

 

 

ジコチュー「漫画最高だぁ!!」

 

 

 

H「ここの人間達のジャネジーを溜めて、更なる力を手に入れるわ!」

 

 

 

やよい「アカンベェじゃない…。あれは何?」

 

うらら「ホシイナーでもありませんね…」

 

 

 

全く見慣れない敵に思わず動揺してしまう。けど、そんなの関係ない!

 

 

 

やよい「もしかしたらと思うけど、行くようららちゃん!」

 

うらら「はい、そのもしかしたらですね!」

 

 

 

そしてお互いに何かを取り出すと、

 

 

 

うらら「プリキュア・メタモルフォーゼ!」

 

 

 

やよい「(レディ?)プリキュア・スマイルチャージ!(ゴー!ゴーゴーレッツゴーピース!)」

 

 

 

黄色い光に包まれてどんどん姿を変えてゆく。

 

 

 

レモネード「弾けるレモンの香り、キュアレモネード!」

 

 

 

ピース「ピカピカピカリン、じゃんけんぽん♪(チョキ)キュアピース!」

 

 

 

私達は姿を変えて、伝説の戦士プリキュアへと変身を遂げた。

 

 

 

H「流石、黄色のプリキュアはあざといわね」

 

 

 

レモネード ピース「「あざとい??」」

 

 

 

どうして私達はあざといの?



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えりひめアワー 第2回

また始まります…。


えりか「みんな~!こんにちわ~!来海えりかっしゅ!」

 

ひめ「私は可愛い?そんなこと、あるけどっ!!白雪ひめだよぉ~!」

 

えりか「今回は第2回です!前回のみなさんの温かい声援があったおかげです!」

 

ひめ「流石私の姉さん!クールに決めてるぅ!」

 

えりか「さて今回はどんなお話が聞けるのでしょうか?」

 

ひめ「気になるところです!」

 

 

 

えりか ひめ「「それでは、えりひめアワー始まるっしゅ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この番組はサンクルミエール通信と、四葉財閥の提供でお送りします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「2回目のゲストですが、あの穏やかな二人に来てもらいました」

 

ひめ「それでは、入場をお願いします!」

 

 

 

いつき「明堂院いつきです。今回は張り切っていくけど、なんだか照れくさいなぁ」

 

ゆうこ「大森ゆうこです。私はみんなが幸せにご飯食べられる姿を見るだけで十分よ」

 

 

 

えりか「いつきも照れるんだねぇ。それとゆうゆうは新鮮だよぉ!」

 

ひめ「だってゆうこは私の命の恩人だよぉ!」

 

いつき「それで、今回は何をやるんだい?」

 

ゆうこ「もしかして、料理を作る?」

 

えりか「今回は抜き打ちテストを行う(ドヤァ)」

 

ひめ「内容はプリキュアに変身して必殺技の威力を測定しようというわけです」

 

いつき「う~ん。なんだか呆気なさそうな気がするなぁ…」

 

ゆうこ「面白そうじゃないいつきちゃん。やろうよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「それではまずは変身してください」

 

 

 

ひめ「お互いに納得のいく技で行ってください」

 

 

 

 

いつき「プリキュア・オープンマイハート!」

 

 

 

ゆうこ「プリキュア・くるりんミラーチェンジ!」

 

 

 

えりか「早速変身の時点でかなりの気迫があるっしゅ!」

 

 

ひめ「レベルはかなり高いそうです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サンシャイン「陽の光浴びる一輪の花、キュアサンシャイン!」

 

 

 

ハニー「大地に実る命の光、キュアハニー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか ひめ「「ブッヒィイイイイイイ!!」」

 

 

 

サンシャイン「それで、自分の自慢の技を放てばいいのかしら…?」

 

ハニー「そうみたいね。お互い頑張りましょ♪」

 

 

 

えりか「やっぱりサンシャインはスレンダーで美人、それにヘ―――失礼」

 

ひめ「私だったらハニーは太ましい太腿に大きな胸が―――おっと失敬」

 

えりか「まずはサンシャイン選手の出番です」

 

ひめ「お願いします!」

 

 

 

サンシャイン「その心の闇、私の光で照らしてみせる!プリキュア・ゴールドフォルテバースト!(バァアア!!)」

 

 

 

えりか「測定レベルはかなり高い!」

 

ひめ「すごい威力!こんなの信じられない!」

 

 

 

測定値 レベル100

 

 

 

サンシャイン「結局これでいいのかしら?」

 

ハニー「かなりよかったよ!じゃあ次は私の出番ね」

 

えりか「次はハニー選手の出番です!」

 

ひめ「お願いします!」

 

 

 

ハニー「プリキュア・スパークリングバトンアターック!(ドドドドドド!!)」

 

 

 

~~某国~~

 

 

 

敵達「「「ぐぉおおおおおお…!!」」」

 

 

 

~~スタジオ~~

 

 

 

ハニー「命よ、天に帰れ!」

 

 

 

えりか「…どうやらマシンが壊れてしまいました」

 

ひめ「これはハニーの勝ちですねぇ…」

 

 

 

測定値 アンリミテッドリバース

 

 

 

全員「「「これはもう中止かも……」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~しばらうお待ちください~~

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「というわけでそろそろお時間がやってまいりました」

 

ひめ「どうでしたか、今回の感想は?」

 

いつき「あまり盛り上がらなかったっていうか、とてもむなしかったね…」

 

ゆうこ「私は別によかったと思うなぁ」

 

えりか「ちなみにお二方の出番はまた別の機会にもありますので」

 

ひめ「今回はゆっくり休んでください」

 

 

 

えりか ひめ「「それではえりひめアワー、次回もよろしくっしゅ!!」」



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第18話  弾けるピカリン・レモネードピース④

今回は短いです。


突如、謎の存在であるHと名乗る少女が私達に勝負を挑んできた。しかもジコチューという知らない敵が現れてまさに未知の展開かも。

 

H「あなた達にはちょっとばかり仕置きが必要みたいね。ジコチュー、やってしまいなさい!」

 

ジコチュー「漫画を読みたいぞー!」

 

レモネード「漫画を大切にしない気持ちを感じますね。ピース、どうします?」

 

様子を窺うように体制を整えるレモネードは何か作戦を要求してきた。でも私はそこまでの頭脳が早く働かないと思うんだけど…。

 

ピース「どうしよう、まだわからないよ…」

 

H「あら、何を血迷っているのかしら?仕方ないわ、あなた達には漫画の世界に入ってもらうわ(パチン)」

 

 

 

ヒュウウウ…!!

 

 

 

レモネード ピース「「わぁああああ‼︎」

 

 

 

すると迷っている隙に私達はジコチューに吸い込まれてしまい、辺りが真っ暗になってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レモネード「ピース、大丈夫ですか?起きてくださいよ…!」

 

ピース「……ここはどこなの?」

 

気がつくと、なんだかアメコミ風な景色が空一十に広がっていた。これはこれで新鮮だけど少し不気味に感じる。

 

H「ようこそ、ゲームの世界へ。今から楽しいゲームの時間よ」

 

ピース「どういうこと?」

 

嘲笑うかのように私達を見下ろすH。何をするんだろう…?

 

H「さぁ、始めるわよ。今からあなた達はお宝探しをやってもらうわよ」

 

レモネード「え?どうしてですか?」

 

H「あなた達のあざとさを確かめるためよ。もちろん、簡単とは言わせない」

 

ピース「よくわからないかも…」

 

 

 

あの人の言っていることが何一つ理解できない……。やっぱりこの勝負やめにしたい、でもそれだと観客の人達が危ない。ここは戦うしか方法はない。

 

 

 

ピース「いいわよ。その挑戦受けてあげる」

 

レモネード「ピース、やっぱり受けるんですね」

 

ピース「ええ、私だっていつまでも弱虫じゃない。それに探検なんて楽しそうだしね」

 

H「いい度胸ね。わかったわ。ジコチュー、やりなさい」

 

Hと名乗る少女はジコチューに指示を下す。そして、

 

 

 

ジコチュー「お宝探しへいってらっしゃい‼︎」

 

 

 

ジコチューは自分の身体を本のように開いて私達をゲームの世界へ引き寄せた。さて、これが吉と出るか凶と出るかの瀬戸際だね……。

 

 

 

レモネード(お宝探しなんて楽しそうですね、ワクワクしてきました!)

 

ピース(でも油断はできないよ。向こうも何を仕掛けてくるかわからない。だから一緒に力を合わせよう)

 

レモネード(はい、私も頑張りますよ!)

 

 

 

そして準備を整えて、お宝探しの場へ向かうことにした。よし、私達の意地をここで見せてあげるんだからっ‼︎



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第19話 弾けるピカリン・レモネードピース⑤

今回は予定通り謎解きっぽい話です。


ジコチューに漫画の世界へと連れられている私とピースは準備を万端にしています。ここからは気を引き締めて行くしかないようですね…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~ジコチューの漫画の世界~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レモネード「…?ついたのでしょうか…?」

 

ピース「多分そうだね…」

 

 

 

気が付くと、そこには少し大きな孤島に辿り着いたようです。なんだか無人島って感じがしますね。

 

 

 

H『無事に辿り着いたかしら?それじゃ定刻通り、お宝探しの始まりよ。ルールは簡単。この島のどこかにある脱出するための鍵と五色の水晶玉がある。それらを見つけることができたらあなた達の勝ちよ。但しそれができなかったらあなた達の負け。そして二度と元の世界に戻れなくなるってけ』

 

 

 

余裕を見せるようにルール説明するHに私とピースは首を傾げてしまいます。ルールはなんとなくわかるんですが…、

 

 

 

レモネード「ちなみに質問しておきたいんですけど、水晶玉がないと鍵を手に入れられないってことですか?」

 

 

 

試にそう質問してみます。ただ単純ってわけでもないのはよくわかると思うんですよね。

 

 

 

H『察しがいいわね。その通りよ、五色の水晶玉がないとこの島から脱出するための鍵は手に入らない。それに水晶玉を入手するにも厳しい困難があると思うわ。多分一筋縄ではいかない相手だと思うかしらね。まぁせいぜい頑張ることね』

 

 

 

ピース「それに地図とかはないの?」

 

 

 

H『地図なんて存在するわけないでしょ?あなた達の知恵と勇気でどうにかしなさい。それじゃあゲーム開始よ、制限時間は日没の午後六時半まで。それまでにクリアするのよ』

 

 

 

そう言い残すと、Hとの通信はすぐに途絶えてしまいました…。あの娘は一体何者なんでしょうかね…?

 

レモネード「待っていても時間の問題ですし、早く行きましょう!」

 

ピース「ええ!私も血が滾るよ♡(キラキラ)」

 

ピースが異常に目を輝かせているようですね。よし、私も負けないようにしないと!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~孤島の森林付近~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず目指したのはこの島の近くの森林付近。多分ここにありそうだと私は思いますけど…、

 

ピース「レモネード、私にいい考えがあるよ」

 

レモネード「なんですか?」

 

ピースが何かを取り出したようです。これって…、

 

 

 

レモネード「これダウンジング棒ですね。これで探すというわけですね」

 

ピース「昔ママからそういう話を聞いた覚えがあってね…(テヘヘ)」

 

 

 

咄嗟に取り出したのはダウンジング棒でした。これなら宝物を見つけられるってわけですね!

 

ピース「じゃあ、コホン…。レモネード君、私についていきたまえ!」

 

レモネード「はい、キュアピース隊長!」

 

準備を整えましたので、早速水晶探しを開始しま~す!

 

 

 

レモネード「楽しい楽しいた~ん~け~ん♪」

 

ピース「な~にがで~るの~かウキウキだ~♪」

 

 

 

歌を歌いながら水晶玉を探す私達。まぁすぐに見つかりますよ、簡単です!

 

 

 

ピース「レモネード君、何かを察知したようだ!(キュイイイン!)」

 

レモネード「はい、なんでしょうか!」

 

第六感を発動したピースが何かを捉えたようです。早くも一つ目の水晶玉発見ですか!?

 

 

 

ピース「ごめん、ただの空の缶詰だった…」

 

レモネード「そんなぁ…。見つかった予感がしましたのに…」

 

どうやら水晶玉ではなく、完食済みの缶詰だったようです。やっぱりそう簡単にはみつかりませんね。

 

ピース「済まない…。次こそはちゃんと見つけてみせる!」

 

レモネード「ピース隊長かっこいいです!」

 

でもまだ引き下がるわけにはいきません!次行ってみましょう!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピース「ダメだ…、これも違う」

 

レモネード「まだまだですよ!次行きましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピース「うぅ…」

 

レモネード「あわわ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピース「うわぁあああああん!!やっぱり私だけじゃ無理だよぉおおおお!!(シクシク)」

 

 

 

水晶玉を探すこと一時間後、ピースはついに自暴自棄に陥ってしまいました…。

 

 

 

レモネード「やっぱりその棒では見つけられないみたいですね…」

 

ピース「うぅ…これじゃあ時間の無駄だよぉ…」

 

レモネード「泣かないでください。まだ時間はありますし」

 

ピース「そうだね。私もう泣かないからね!」

 

元気を取り戻したピースは早速立ち直りました。どうやら悔しかったみたいですね。となると私はピースをサポートしながら頑張るだけです!

 

 

 

レモネード「今度こそ見つけますよ!」

 

ピース「OK!全力で探すだけだから!」

 

 

 

ダッシュしてすぐさまに探索する私達。すると、

 

 

 

レモネード「きゃあ!(ドン)」

 

ピース「大丈夫!?」

 

 

 

何かに躓いてしまいました。一体何に躓いたんですか…?

 

 

 

レモネード「これって石版じゃないですか」

 

ピース「本当だ、でもどうしてここに…」

 

私が躓いた物の正体は謎の石版のようです。やっぱり何か関係あるみたいです。

 

 

 

レモネード「何か書いてあります」

 

ピース「どれどれ…」

 

内容が気になりますね…。これは謎間違いなしですね。

 

 

 

赤色の水晶玉を手に入れたいのであればここから先の数メートル離れた遺跡に入るがいい

 

 

 

レモネード「数メートル離れた遺跡?」

 

ピース「あそこじゃないかな?」

 

 

 

ピースが指刺した方角に振り向くと、そこには木に覆われた遺跡が聳え立っていた。

 

 

 

レモネード「どうやらあそこにあるみたいですね。行きましょう!」

 

ピース「わかったわ!」

 

 

 

よし、早速潜入捜査の開始ですよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

H「さぁ、第一の試練の開始よ……」



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第20話 弾けるピカリン・レモネードピース⑥

一つ目の水晶玉を手に入れるため、私達は森林付近の遺跡へ突入した。おそらくそこに水晶玉があるはずだと思う。さっき読んだ石版からそう刻まれてたから間違いではないかもしれない。

 

 

 

レモネード「ちょっと不気味な感じがしますね…」

 

ピース「うん、何かが出てきてもおかしくない程の空間かもね…」

 

 

 

暗い赤色の光に照らされる遺跡はとても禍々しい。まるで死者が成仏しきれなかったための墓場と言えるぐらいの不気味な遺跡でもある…。レモネードはちょっと身震いをしてしまうが、私はそれを耐えながら先頭に立って進む。

 

 

 

レモネード「そろそろ到着します。っ!これは…!」

 

ピース「どうしたの?っ!あれが……!」

 

正面を向くと、そこには巨大な玉座の前に赤い水晶玉が置いてあった。やっぱりこの遺跡の奥の方にあったんだ…。

 

レモネード「どうやらこの石版の予言通りでしたね」

 

ピース「よし、早速手に入れようよ」

 

ちなみに今レモネードが持っている石版にはどこに水晶玉が置いてあるかが記してある。だから苦労することもなかったってことみたいだね。速く先に進みたいため、私は早速水晶玉を取り出そうとした。ところが……、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガコーン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レモネード「あれ?今何かが開いたような…」

 

ピース「いや、気のせいだと思うよ…?」

 

突然何かが開いた音が鳴り響いた。しかも足が地面に踏んでいる感覚もない…。よって、

 

 

 

レモネード ピース「「きゃああああああああ!!」」

 

 

 

私達は水晶玉を手に入れるまでもなく、奈落の底へ落とされてしまった。って全然達成感がないよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~遺跡の地下~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レモネード「大丈夫ですか?」

 

ピース「うん、なんとかね…。でも辺りが真っ暗だし…」

 

落ちた場所は遺跡の地下。どうやら私達は罠に嵌ったかもしれない。けどここからどうやってさっきの場所へ戻ってくるかが問題なんだけど…。

 

レモネード「とりあえず先へ進みましょう」

 

ピース「そしてなんとかして戻らないと」

 

今考えても仕方ないのでそのまま先へ進むことにした。せめて明かりを照らすような物があればすごく楽なんだよね。

 

 

 

H『頑張っているかしら?』

 

 

 

ピース「あ、さっきのお姉さん!」

 

すると遺跡のどこかからさっきのお姉さんのHが声をかけてきた。次は何を言ってくるんだろう…?

 

 

 

H『どうやら一つ目である赤い水晶玉の在り処を見つけたようね。だけどね、それを簡単に取らせるわけにはいかないのよ』

 

 

 

レモネード「どうやったら取れるんですか?」

 

 

 

H『もし赤い水晶玉が欲しいなら今あなた達がいる地下から脱出することね』

 

 

 

地下から脱出?どういうことだろう…?

 

 

 

H『あと数十秒後にどこかで巨大な岩が転がってくる。あれに潰される前に地下のどこかにある隠しスイッチを押して地上へ上る階段を見つけ出すのよ。勿論明かりなんて照らすつもりなんてないわ』

 

 

 

レモネード「数十秒後!?」

 

ピース「そんなの無茶だよ!?」

 

そんな無謀な挑戦どうやってクリアするの!?しかも一分も経たずにだよ!?

 

 

 

H『それじゃあ一つ目の水晶玉を手に入れられたら二つ目の在り処を手に入れるチャンスだと思っても構わないわよ。バイバイ♪』

 

 

 

しかも全然話を聞いてないし!!

 

 

 

レモネード「どこからか転がってくる音が聞こえてきます!」

 

ピース「まだ準備できてないのにぃ~!」

 

 

 

ゴロゴロゴロゴロ!!

 

 

 

レモネード「やっぱり後ろから来てます~!」

 

ピース「わxそあんふぉふうyういfびじゅげふgさfへういgふぇwぷえぷr@@!????」

 

もういやだぁああああああああ!!

 

 

 

レモネード ピース「いやぁあああああああああ!!」」

 

 

 

もう何がなんだかわからない状態になってしまうが、それでも必死で逃げる私達。何が何でも絶対に抜け出してやるんだから!

 

 

 

レモネード「こうなったら、プリキュア・プリズムチェーン!(バゴォオオオン!!)」

 

ピース「意地でも階段を探す!プリキュア・ピースサンダー!(ドォオオオオン!!)」

 

 

 

もう躊躇なしに巨大な岩を破壊した。っていうか最初っからこうすればよかったんだ。

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!

 

 

 

レモネード「開きました!!」

 

ピース「助かったぁ……(ホッ)」

 

 

 

周りの壁に当たってくれたおかげで隠し通路である階段が出てきた。これで元来たところへ戻れるね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

H『あ~あ。結局最初の水晶玉を手に入れたみたいね。いいわよ、次からはこうはいかないんだからね…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~遺跡の入り口~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レモネード「やりましたね、最初の水晶玉ですよ!」

 

ピース「この調子で次の水晶玉を手に入れるよ!」

 

ようやく最初の水晶玉を手に入れた私達は次の水晶玉を手に入れることにした。

 

レモネード「次の場所は遺跡から数キロ離れた湖みたいです」

 

ピース「そこに行ってみようよ!」

 

レモネードは水晶玉を取った際に次の水晶玉がある場所の地図を拾ったみたいだって。これはお手柄だね!

 

レモネード「それじゃ、早速行きましょう!」

 

ピース「レッツゴー!」

 

勇気を振り絞り、次の水晶玉を探すことにした。さて、次はどうなることやら…。



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第20.5話 その先の運命①

ネタが思いつかないので番外編やります…。


プリキュア、それは世界を救う伝説の戦士。いまも彼女らは世界に関わる脅威から地球を守っている。今もどこかで……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くるみ「なんだか怪しい空気のようね…」

 

私は美々野くるみ。パルミエ王国のお世話役としてココ様やナッツ様の傍にいる。だけど今日はある用事があって今は私一人で探っている。果たして何があるのかしら…。

 

 

 

くるみ「多分ここね。何か不快な予感がするけど、見てみるしかないね」

 

 

 

かなり怪しい通路を見つけた私はそのまま進む。そこには何があるのかしら?

 

 

 

???「あ…」

 

 

 

くるみ「え…?女の子…?」

 

 

 

見かけたのは私と同じくらいの女の子だった。どうしてこの娘が…。

 

???「ごめんなさい!ここって立ち入り禁止場所だったよね…」

 

くるみ「とんでもないわよ。こっちこそごめんね。ちょっと危ない空気を感じたから」

 

???「危ない空気…?」

 

私の言葉を繰り返すように首を傾げる少女。もしかして私が追っているものに何かを思っているのかしら?でもそんなわけないわよね。

 

くるみ「あなたは何か知っているの?」

 

???「一応ね。もう時期危ないものが来るような気がして…」

 

くるみ「なぜそこまでわかるの?」

 

???「私のパートナーに聞いてみるわ」

 

パートナー?あの娘って一体……。

 

 

 

???「エンエン、聞こえてる?…あ、うん。実は今私がいる町に何か危ないものが来るような予感がしてね…え?そうなの?ごめんね…、ちょっと外せなくてね…。わかった。後で行くわ。それじゃ」

 

 

 

くるみ「誰に連絡してたの?」

 

???「私のパートナーの妖精にね。それとあなたのこと、エンエンやグレルに聞いたわよ。あなたがミルキィローズでしょ?」

 

え?どうして私のことを…?

 

くるみ「あなたは一体…」

 

???「自己紹介がまだだったね。私は坂上あゆみ。プリキュアの一人よ」

 

くるみ「あなたが…」

 

彼女の言葉に思わず口が止まってしまう。他にもプリキュアがいたなんて…。

 

あゆみ「ごめんなさい。急にそんなこと言っちゃって」

 

くるみ「いいわよ、私は別に気にしてないし。それと私も自己紹介しないとね。私は美々野くるみ。よろしくね」

 

私はあゆみちゃんと握手をしながら心を通わせた。すると…、

 

 

 

ドォオオン!!

 

 

 

突然ビルが壊される音が響き渡った。どうやら何かが起きたようね…!

 

くるみ「行くわよ、さっさと原因を突き止めるために」

 

あゆみ「待って、まだどうなるかわからないけど油断はしないようにね」

 

くるみ「ええ!それじゃ、変身しますか…!」

 

 

 

そしてお互いに何かを取り出し…、

 

 

 

くるみ「スカイローズ・トランスレイト!」

 

 

 

あゆみ「私に力を…!」

 

 

 

私達は光に包まれ、輝く戦士へと変身する。

 

 

 

ローズ「青いバラは秘密の印、ミルキィローズ!」

 

エコー「思いよ、届け…!キュアエコー!」

 

 

 

そして姿を変えたのは、伝説の戦士であるプリキュア。それが私達のこと。それじゃあ、悪者退治と行きますか…!



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第21話 弾けるピカリン・レモネードピース⑦

今回はちょっとエロい要素が入っています。


一つ目の水晶玉を手に入れた私達は次の水晶玉がある湖へと向かった。さて、次はどうなることなのか。

 

レモネード「いよいよ次の関門ですね」

 

ピース「そうだね。でもまだ油断はできないよ」

 

道を歩きながら次の目的地へ目指す。今のところさっき程の脅威がないと信じているけど、また厄介になりそうかも…。

 

レモネード「そろそろつきますよ」

 

ピース「あそこみたいだね」

 

地図通りに進むと、次の目的地へと到着した。意外と早かったね。

 

 

 

レモネード「見てくださいよ!気持ちよさそうなオアシスですよ!」

 

 

 

ピース「本当だ!いや~、さっきから熱かったんだよねぇ。少し息抜きしようよ!」

 

 

 

すると私達は突然湖に飛び込むかのようにダイブした。これは人間誰もが待ち望んでいた光景だよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レモネード「♪♪♪」

 

ピース「気持ちいいねぇ~…。我に返った気分かもぉ~」

 

 

 

風に当たりながら和む私達。すると、

 

 

 

レモネード「折角ですから水着姿になりましょうよ」

 

ピース「え!?でも…」

 

 

 

レモネードが思いもよらない一言を発言してきた。っていうかなにゆえ!?

 

 

 

レモネード「大丈夫ですよ、ほらちゃんと用意しましたし。実は今日お仕事で使う予定でしたが急遽お休みになってしまったので持っていました」

 

ピース「うららちゃんって芸能人!?」

 

レモネード「はい、いくつかお仕事ありましてドラマに出たり歌手もやっているんですよ」

 

ピース「すごいね!私そういうの憧れるよ!」

 

そうだったんだ。うららちゃんって結構有名ってことなんだ。

 

レモネード「それじゃ、ピースの分もありますよ」

 

ピース「ありがとう!そしたら息抜きがてらに水着を着用しよう!」

 

張り切ってお互いに水着を着て湖を壮大に楽しむことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レモネード「じゃーん!」

 

ピース「超可愛いよ!」

 

着替え終えると、お互いにお披露目をする。レモネードは黄色い花柄が描かれた水着を着ている。とっても綺麗だね。

 

レモネード「ピースもなかなか美しいですね。特に胸が(ムニュ)」

 

ピース「きゃ!?いきなり触らないで!?」

 

ちなみに私が着ているのはピンク色のバラ柄に黄色の花吹雪が描かれている水着。これって結構派手かも…。

 

レモネード「気に入りましたか?(モミモミ)」

 

ピース「うん!とっても素敵だと思うよ?(はぁ、はぁ…)」

 

必死で感想を述べる私に対してニヤニヤしながら私の胸を揉むレモネードが質問する。そ、そんなに揉むと…、

 

 

 

ピース「あぅうう!(ビクン!)」

 

レモネード「ごめんなさい、ちょっと刺激が強かったみたいですね(てへへ)」

 

 

 

ヤバイ。レモネードに私の気持ちいところを触られてしまった…!

 

 

 

ピース「これじゃ楽しむどころじゃないかも…」

 

レモネード「冗談ですよ。ほんのちょっとしたマッサージですよ」

 

ピース「私って身長はそこまで高くないけど胸が大きいからちょっと恥ずかしいなぁって思うの」

 

レモネード「でもバストが大きい程理想の女性に近づきますよ。例えば大人としてっていうのも」

 

私の胸から離れるレモネードの手はちょっと無邪気な手つきだった。理想の女性かぁ…。私にとっての目標は誰だろう…?

 

レモネード「そんなことより早く行きましょうよ」

 

ピース「うん、あまり長居はしないようにね」

 

あまり長話しても時間がないからすぐに自由時間を済ませることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レモネード「こっちですよ~♪」

 

ピース「待てぇ~!」

 

 

 

しかし気分はフリーダム……。

 

 

 

H『あら、そこで何遊んでいるのかしら?』

 

 

 

レモネード「あ、さっきのお姉さん。よかったら一緒に遊びませんか?」

 

 

 

H『やるわけないでしょ。それと今は私はその場にはいないから。通信機で会話しているのよ?』

 

 

 

するとHからまた通信が入ってきた。今度こそ二つ目の水晶玉を簡単に手に入れてやるんだから。

 

 

 

H『残り時間があと三時間しかないわよ?今ので約半分は閉めてるわ』

 

 

 

ピース「そうだったぁあああああ!!(しくしく)」

 

 

 

そして今更気づく私。忘れた、時間内にクリアしないと元の世界に帰れないってことを…。

 

 

 

H『それじゃ、第二の試練の始まりよ。ルールはとても簡単。お互いが気持ちよくなれたら二つ目である青の水晶玉をあげるわよ。ただし条件はお互いにイかせたらの話だけどね?』

 

 

 

レモネード ピース「「そんなの無理ですよ(だよ)!?」」

 

 

 

なんて大胆なルール!?

 

 

 

H『制限時間は十五分。それまでに気持ちよくなりなさい』

 

 

 

レモネード「通信が途絶えてしまいましたね。それじゃ、始めますか…?」

 

ピース「待って、まだ心の準備ができてないよ…(ドキドキ)」

 

 

 

どうしよう、こんなんじゃ脱出どころじゃないよ……。



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第22話 弾けるピカリン・レモネードピース⑧

まだまだ次のパートになるまで時間がかかりそうです。

今回はちょっと過激な描写がありますが決してR-18要素はありません…。


レモネード「それで、どうすればいいですかね…?」

 

ピース「そしたら先に私にやらせて…」

 

次の試練にとても抵抗を抱いている私達はとても始められそうにない。けどやるしかなかった。

 

 

 

レモネード「それじゃ手っ取り早く終わらせるためにマッサージなんかどうでしょうか?」

 

ピース「マッサージ…。それだ!それがいいと思うよ!」

 

 

 

するとレモネードが何かを閃いた。そうだよね、あんな過激すぎる行為なんてできるわけないよね…。

 

レモネード「ではでは、お願いいたします」

 

ピース「お言葉に甘えて失礼いたします(コクリ)」

 

実は私ってマッサージなんてあまりやったことないんだけど大丈夫かなぁ?でもここはお互いに気持ちよくなることが任務なんだから早くやるしかない。

 

レモネード「背中を押してもらえませんかぁ?」

 

ピース「りょ~かい。きっと気持ちが楽になりますぞぉ~」

 

レモネードの指示で背中を押すと、結構硬かった。やっぱり骨が硬いんだね。

 

レモネード「およよよ~。いい感じですねぇ~」

 

ピース「それほどでも~。もう少しで気持ちよくなると思いますぞぉ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レモネード「ありがとうございました!とてもスッキリしました!」

 

ピース「はぁ~。私はとっても疲れたけどね…」

 

ようやくレモネードのマッサージコースを終えた私はとても腰を痛めてしまった。やっぱりマッサージってこんなに甘いものではなかったんだね…。

 

レモネード「次はピースの出番ですね」

 

ピース「うん、それじゃお願いするよ」

 

今度は私のマッサージをお願いしてもらうことにした。だけど……、

 

 

 

ピース「はぅうう!(ビクン!)」

 

 

 

レモネード「どうしたんですか!?」

 

 

 

突然私の身体が何かに反応を起こした。一体何が起きたの…?

 

 

 

H『な~にマッサージという都合がよくて簡単な茶番をやっているのよ。片方はよしとするけどあなたはそうはいかないわよ』

 

 

 

ピース「これは…何なの…?」

 

 

 

H『さっきあなたにジコチュー粒子を撒いてたのよ?』

 

 

 

するとここでHから再び通信が入ってきた。それにしてもなんだか身体の力が抜けてくる…。

 

 

 

レモネード「そのジコチュー粒子というのは何ですか?」

 

 

 

H『これはジコチューが元いたプリキュアの世界で浄化しきれなかった者達の残留生命。そしてその生命達は散っていったジャネジーを取り損ねたという結果ってわけよ。最終的には本来蘇るはずの者達は蘇られないという無念な結果で終わるし、取り残された者達は欲望の欠片となって分散していき塵と化する。それがジコチュー粒子よ』

 

 

 

ピース「それを…浴びると、どう…なるの…?(はぁ、はぁ…)」

 

 

 

H『ほんの少し浴びただけではそんなに害はないわ。だけどね、これを一度に大量に浴びてしまうと、身体中が敏感になりやすくなる。例えばエッチな話を聞くということもね?ってそれは洒落にならないわよね?もっとわかりやすく言えば一番気持ちいい場所に触れられるっということかしら?』

 

 

 

嘲笑うかのようにHが説明する。だからさっき敏感になってたわけだったんだ…。

 

 

 

レモネード「元に戻すにはどうすればいいですか?」

 

 

 

H『方法は簡単。相手の一番気持ちいいところを触りまくれば粒子の副作用は治まるし、中和もされる』

 

 

 

ピース「待って、私そういうの苦手で……」

 

 

 

おもいっきり首を振る私はかなり動揺してしまう。やっぱり無理だよ…。

 

 

 

H『残念だけど、治すにはそれしかないのよ?大人しく我慢しなさい。それじゃ、二つ目の水晶玉を手に入れられたらまた会いましょう』

 

 

 

そう言い残され、通信が途絶えられてしまった。それでも私は……、

 

 

 

ピース「レモネード…、好きにして…いいよ?(はぁ…はぁ…)」

 

レモネード「すみません…。ちょっと苦しくなるかもしれませんが、我慢してください……!(ムニュ)」

 

ピース「ひゃあ!!(ビクッ!)」

 

この行為に耐えるしかない…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レモネード「気持ちいいですか…?(ムニュムニュ)」

 

ピース「あぁ…らめぇ…そんなにやっちゃぁ…(はぁ、はぁ…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピース「ぁ…はぁ……はぁ……」

 

レモネード「どう…ですか?副作用は無くなりましたか?」

 

全てが快感状態になった私にレモネードが尋ねてくる。でもこれで…、

 

 

 

ピース「すごくよくなったよ…。おかげで副作用無くなったし……」

 

レモネード「そうですか…よかったぁ~(ホッ…)」

 

 

 

これでやっとジコチュー粒子の副作用が治まった…。ということは…、

 

 

 

ピカァアアア…

 

 

 

レモネード「これって…!」

 

ピース「二つ目の水晶玉!?」

 

 

 

二つ目の水晶玉ゲットだぁ~…。よかったぁ~……。

 

 

 

レモネード「やりましたね。これで二つ目ですよ」

 

ピース「うん、やったね。あとは残り三つだよ」

 

ここでようやく二つ目の水晶玉を手に入れることができた。さて、残りは一気に集めるとしますか!

 

 

 

レモネード「ところで、そろそろ着替えましょうか?」

 

ピース「そう、だね…」

 

 

 

しかし大事なことを忘れてしまったようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

H「どうやら二つ目も手に入れられてしまったようね…。さて、次はどうしようかしら…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レモネード「楽しい楽しいた~ん~け~ん♪」

 

ピース「さ~がす~よさ~がす~よお~た~から~♪」

 

そして何事もなかったかのように探検ごっこの気分になる私達。もう楽しくやっていこうよ~。

 

レモネード「そういえば三つ目の水晶玉ってどこにありますかねぇ?」

 

ピース「わかんな~い。とりあえず適当に探そうよぉ?」

 

一応次は湖から離れた小さな町に向かうとするかな。そこで水晶玉の在り処を聞き込みすればなんとかなると思うかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~別の世界~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブルー「世界に歪みが生じている……」




後半の内容の完全版は後日成人向け用に投稿します。


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第23話 弾けるピカリン・レモネードピース⑨

うらら「そろそろ街に到着しますね」

 

やよい「あそこの人達に聞き込みしてみようよ」

 

三つ目の在り処を探るために、近くの町で聞き込み調査をすることにした。あ、ちなみにさっきのことはみゆきちゃん達には絶対言えないからね…。

 

 

 

街人「ようこそ、君達は他所から来た娘達みたいだね。もしよかったらゆっくりしていくといいさ」

 

うらら「はい。それではこの街の案内をしてもらえると助かります」

 

街人A「いいよ。僕もこの街に住んでから結構長いからね」

 

やよい「よろしくお願いします」

 

街に入った私達は早速街のお兄さんに案内をしてもらうことにした。ちなみにプリキュアの姿のままじゃ大変だったと思ったため、一度変身を解除している。そういえばさっきから何も食べてなかったからお腹がペコペコかも。

 

 

 

街人B「見かけない娘達じゃないか。もしかして腹が減っているのか?」

 

 

 

すると別の街人が大量の荷物を抱えながら声をかけてきた。もしかして買い物をしていたのかな?

 

うらら「ちょっとお腹がすきまして…」

 

やよい「この辺りにいいお店はありませんか?」

 

街人B「それならうちの店に来るといいさ」

 

街人A「わざわざすまないなぁ。僕もごちそうさせてもらうよ」

 

どうやらあの人は店を経営してるんだね。一体どんな場所なんだろう?荷物を抱えているおじさんの店に私達はひとまず向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街人B「お待たせ。うちの自慢のパスタだよ」

 

街人A「あなたのパスタはとても上手だね」

 

うらら「うわぁ~…。美味しそうですねぇ…」

 

やよい「いただきます!」

 

私達が向かったのは人混みの多いイタリア料理店。さっきのおじさんは買い出した材料で私達とお兄さんにパスタを振る舞ってくれた。私にはボロネーゼ、うららちゃんには海鮮パスタ、お兄さんにはナポリタンを出してくれた。

 

うらら「おいひいへふぅ~♡(モグモグ)」

 

やよい「しっかり味が染みていてとても美味しいです」

 

街人A「僕は仕事を終えると毎日ここで食事するんだ」

 

街人B「君がここで食べるようになってから、結構親しくなったからなぁ」

 

おじさんが作ってくれたパスタに思わずとろけてしまう私達。これはもう一流のプロみたいな味かもぉ~。

 

うらら「ちなみにお付き合いはどれくらいですか?」

 

街人A「ざっと十五~六年程かもね」

 

街人B「もうすっかり家族みたいなもんだよ」

 

やよい「ロマンですね。私はそういうの好きですけどね」

 

街人B「わははは!それは面白い冗談だ!」

 

街人A「これは面白い話だねぇ」

 

私が思ったことに笑ってしまうお兄さんとおじさん。もぉ~!折角いいことを言ったのにぃ~!

 

街人A「ごめんごめん。つい笑っちゃって」

 

街人B「こんなに面白いことを言ってくる娘、滅多にいなかったからねぇ」

 

そしてすぐに謝る二人。全く、そこらへんに関してはデリカシーないんだから…。

 

うらら「ところでお二人にお聞きしたいことがあります」

 

街人A「どんなことなんだい?」

 

やよい「大したことじゃないんですけどね」

 

少し落ち着いたところで本題の件について尋ねてみた。

 

うらら「じつはこの島のどこかにあるという水晶玉について伺いたいのですが…」

 

街人B「水晶玉?それはどんな形をしているんだ?」

 

やよい「丸くて手のひらサイズぐらいの大きさでそれがいくつかあるんです。今私達の手元には赤と青の水晶玉があるんです」

 

街人A「ちょっと見せてもらってもいいかな?」

 

二人の要望通り、二つの水晶玉を見せることにした。でもいきなりこんなこと言ってもわかってもらえなさそうだし…。

 

 

 

街人A「これは…!?」

 

街人B「まさかだとは思ってはいたが…、そういうことだったのか…!」

 

 

 

すると二人がとても驚いたような顔をしながら戦慄してしまった。

 

街人A「君達、なんて大事なものを手に入れたんだ…」

 

街人B「これがあれば迷ってしまったところもすぐに元の場所へ戻れると言われる伝説の水晶玉ではないか…」

 

うらら「それなんですけど残り三つを日没の六時半までに手に入れないといけないんです」

 

やよい「実のところ私達は急いでいるんです」

 

街人A「ちょっと君達の事情を聞かせてくれるかな?」

 

街人B「困りごとなら相談に乗るよ」

 

私達が急いでいる理由をお兄さんとおじさんが聞いてくれることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~事情を説明中~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街人A「それならこの街のふもとの神社にいる女将さんに聞くといい」

 

街人B「あの人は俺達との長い付き合いだから何か助けてくれるはずだからさ」

 

事情を説明し終わると、二人は神社への地図を渡してくれた。そうか、その女将さんって人に聞き出せばわかるはずだよね。

 

うらら「ありがとうございます。それでは早速行ってみますね」

 

街人B「気をつけて行くんだぞ?」

 

やよい「はい、それからパスタごちそうさまでした!」

 

街人A「何かあったらこっちに戻ってくるんだよ!」

 

在り処を教えてもらった私達はすぐに街のふもとの神社へ向かうことにした。これなら残りの水晶玉についてわかるかもしれないわね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~別の世界~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はるか「…この歪みは何……?」



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第24話 弾けるピカリン・レモネードピース⑩

近くの街のお兄さんとおじさんから残りの水晶玉の在り処を教えてもらった私達は街のふもとの神社へ移動することになった。確かあそこの女将さんに話を聞けばわかるとは思うけど、本当にあるのかな?

 

 

 

うらら「そろそろ神社へつきます」

 

やよい「ここまで歩いて約三十分だったね」

 

もう既に足がヘトヘト状態になっているのであまり派手には歩けない。そしてもう一分張りするように必死で目掛ける。

 

うらら「そういえばあのHって人って一体何者なんでしょうか?」

 

やよい「よくわからないけど、一応私達の敵だということは間違いなさそうだね…。でも、あまり憎めないところもあるみたいだけど…」

 

 

 

???「あたしの神社に来るとはいい度胸してるじゃないか」

 

 

 

うらら やよい「「いつの間にいたんですか!?」」

 

 

 

突然女将さんらしき人物が私達の懐へ現れた。び、びっくりしたぁ~…。

 

うらら「あの、あなたがこの神社の女将さんでしょうか?」

 

???「そうだよ、あたしはたえ。この神社の女将をやっているんだよ。アンタら子供がよくここまで来たもんだねぇ」

 

やよい「はい、実は女将さんお聞きしたいことがあります」

 

たえ「あたしのことはたえでいいさね。それであたしに用があるってわけかい…、ふむ。その顔つき、どうやらわけがあるみたいだね。いいさ、何でもいいな」

 

たえさんがそう言うと、私はさっきのことを説明する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~事情を説明中~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たえ「なるほど。あの二人から聞いてあたしの神社にやってきたってことかね?」

 

うらら「そうなんです。私達は今いる世界とは別の世界から来たんです」

 

やよい「たえさんなら何か手がかりがあるではないかと思いまして」

 

たえ「そうかい。なら話は早い。ちょっとついてきな」

 

たえさんに誘われるように移動する私達。恐らく手がかりなるものがあるに違いないかも。

 

 

 

たえ「アンタらが探していたのはこれのことかい?」

 

うらら「残り三つの水晶玉!」

 

やよい「やはり持っていたんですね」

 

 

 

辿り着いたのはお参りする場所から数メートル離れたお札がたくさん貼られてる巨大な岩場。そこに残りの水晶玉である黄色と緑と桃色の水晶玉だった。

 

うらら「これです、私達が探していたものはまさしくこれですよ!」

 

やよい「これで元の世界に帰れるね!」

 

たえ「ちょっと待ちな。まさかこれをタダで持っていくと考えていないだろうね?」

 

するとたえさんが私の手を掴むように止めてきた。何か事情でもあるのかな?

 

うらら「どういうことですか?」

 

たえ「これが欲しかったらこの巨大な岩を破壊してその先にある古文書を手に入れてからにして欲しいさね」

 

やよい「その古文書っていうのはどんなものですか?」

 

たえ「ああ、あの古文書には五色の水晶玉を手に入れた時に起きる願い事が記されている。勿論古文書なしでは帰れないし、アンタらが思っていることは古文書がないと叶えることすらできないってことさ。それと古文書に記されている願いを叶えるためのやり方まで書いてある。これを間違えると全て水の泡となる。従って五個の水晶玉も古文書は全部塵と化してしまうのさ」

 

なるほど、そうでもしないと帰れないってことなんだ。一応現在の私達の状況を整理してみよう。

 

 

 

1 Hのジコチューによって二人は漫画の世界へ飛ばされた

 

 

 

2 そこから脱出するには五色の水晶玉とその鍵を入手しなければならない

 

 

 

3 しかも制限時間は日没の午後六時半まで。それを過ぎてしまうと二度と戻れなくなる

 

 

 

4 まずは赤と青の水晶玉を手に入れた。残りは女将であるたえが持っている

 

 

 

5 無論、水晶玉だけでは帰れない。そして岩場の奥にある古文書を入手しなければならない。更に古文書の指示通りのことをやらないと一巻の終わり。つまりチャンスは一度っきり

 

 

 

6 最後に手に入れるべきなのは鍵だが、岩場を破壊しないと入手できない。つまりあの古文書が鍵となる。

 

 

 

といった具合のことになる。それなら簡単だね。

 

 

 

うらら「それじゃ私達に任せてください」

 

やよい「私達があの岩を壊しますから」

 

たえ「だけど気をつけるんだよ。その岩は簡単には壊れないからね」

 

たえさんが警告してくるけど、あの大きな岩って見た目からしてどれくらい丈夫なんだろう…?ちなみに岩の大きさはざっと二十メートルは超えている。

 

うらら「それじゃ行きましょうか」

 

やよい「ええ!」

 

 

 

うらら「プリキュア・メタモルフォーゼ!」

 

 

 

やよい「プリキュア・スマイルチャージ!」

 

 

 

当然の如く岩を壊すにはプリキュアに変身するしかない。たえさんは真剣な目で私達を見守ってくれた。

 

 

 

レモネード「始めましょうか」

 

ピース「了解!こんな岩なんかすぐに壊してあげるわ!」

 

 

 

元の世界へ帰るための私達の戦いは、いよいよ大詰めに入りかかろうとしていた。

 

 

 

H「いたわね。そう簡単には帰すわけにはいかないんだから…」



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第25話 諦めない決意①

たえ「あの大きな岩を壊せるのはアンタらだけかもね。あたしは年寄だから何もできないけど、アンタらならできると信じているさね」

 

レモネード「はい、私達ならできます。だから心配しないでください」

 

ピース「無事に成功してみせますよ」

 

プリキュアに変身し、あの大きな岩を壊すために準備を整えている私達。さっきたえさんから言われたけどあの岩は簡単には壊れない。勿論二人で力を合わせてでも破壊できる可能性はあまり高くない。でもどうしてあんなに頑丈なんだろう…?

 

たえ「ちなみになぜこの岩が簡単に壊せないかわかるかい?」

 

ピース「どうしてですか?」

 

たえ「昔に起きた話だけどねぇ。かつてこの島に侵略者が現れたんだ。そいつは仲間を引き連れてこの島の古文書を狙ってきたんだよ。それであたしが若かった頃に侵略者から古文書を守るためにこの大きな岩で古文書を守ったんだよ」

 

レモネード「それからどうなったんですか?」

 

たえ「ああ、勿論侵略者も諦めて帰った。あの古文書が盗まれてしまったら島の住民達全員絶望していただろうさ。だけど侵略者を退けてから重大な欠陥を引き起こしてしまったのさ。それが…(コクリ)この岩のことさ」

 

たえさんが顎で岩を示すように呟く。一体何が欠陥なんだろう?

 

たえ「この岩が古文書を守った挙句、あれから古文書が置いてある部屋に入れなくなってしまった。これもあたしのせいだよ。何も考えずに封鎖してしまったのが原因なのさ」

 

レモネード「というかどうやってこの岩を移動させたんですか!?」

 

ピース「あんな巨大な物を!?」

 

たえ「当然あたし一人では動かせないさね。この島の住民の約七~八割の人達が協力したからだよ。そして見事にビクともしないぐらいの位置に封鎖した。それが終わってからは古文書がどうなってるかも見れないし、何せ街の人達も一斉にクレームを発せられたり抗議を寄せられてしまうという非常に残酷な結果となったのさ。それからあたしはあの岩をどかせようと交渉してみたものの手伝ってくれた人達の内の半分が島を去ったり寿命で亡くなったりしたもんだからどうにもできなかったのさ」

 

とても難しそうな内容をたえさんは深刻な表情で説明してくれる。結局島の人達との蟠りは解けなかったってことだったんだね…。

 

たえ「ちなみに残りの人達は一応手伝ってくれたんだけど、すぐに諦めてしまった。もう成す術はなしってことさね」

 

レモネード「それから数十年の間この岩はこのままってことですね…」

 

たえ「それにうまく溝に収まるように設置してしまったから動かしようがないんだよ。だからもう壊すしかないってことになったのさ」

 

ピース「でも簡単には壊れないんですよね。だったら私達に任せてくださいよ」

 

たえ「まぁアンタらがそういうのならお願いしてるんだけどねぇ。そしてあたしの蟠りを代りにアンタらが島の人達全体に解いてもらうと思うよ」

 

私の言葉に思わず涙を流してしまったたえさんはすごく関心していた。誰かのためになるぼならそれはありがたく受け止めておいた方が幸せだしね。

 

レモネード「ところで一つ気になったんですけど、さっき仰っていた侵略者というのはどんな奴らでした?」

 

たえ「確か怪しい色をしていた怪物どもを従えていてその張本人は英語のアルファベットの文字を名前にしていたと思うさね」

 

ピース(アルファベットの文字を名前にしていた者…どこかで聞いたような―――ってまさか…!?)

 

突然何かを思い出してしまった私は思わず身震いしてしまう。

 

 

 

H「いたわよプリキュア。どうやら水晶玉を全て手に入れたってわけね」

 

 

 

レモネード「あ、さっきのお姉さん!」

 

ピース「今度は何をする気よ!」

 

 

 

H「あら?それはあなた達がこの世界から脱出するために必要な鍵を手に入れさせないために決まっているでしょ?」

 

 

 

案の定、Hがまた私達の前に立ち塞がった。今度こそ邪魔をさせないんだから!

 

たえ「こいつは…!」

 

H「随分と貧弱なおばあさんね。年寄はさっさと家にお帰りなさい」

 

たえ「アンタがかつてこの島の古文書を狙ってきた侵略者のようだね…!」

 

H「古文書…?ああ、あれのことね。どんな願いでも叶えられるという伝説の古文書のことよね。私は覚えているわ。要するにそれがプリキュアにとってこの島から脱出するための鍵ってことになるわね」

 

レモネード「たえさんから離れてください!でないと攻撃します!」

 

たえさんに近づくHに、レモネードが威嚇するように立ち塞がる。そうだよね。これ以上あの人の好きにはさせないよね…!

 

 

 

ジコチュー「面白くないシーンはいらないぞぉ!!」

 

 

 

H「ジコチュー、そろそろプリキュアを倒すのよ」

 

 

 

レモネード「現れましたね。ピース、早く浄化しますよ!」

 

ピース「わかった、すぐに蹴りをつけるよ!」

 

 

 

H「あなた達が求めている古文書は私がいただくわ、ジコチューによってやられなさい!!」

 

 

 

たえ「頑張るんだよ…。アンタらが唯一の希望さね」

 

 

 

ジコチューの猛攻を避けながら必死で古文書が置いてある先を守る私達。しかし…、

 

 

 

H「だったら私がこの岩を破壊すれば余裕ってことよね。そこをどきなさい!(ボォン!)」

 

 

 

レモネード「させません!シャイニングフルーレ!」

 

 

 

Hが岩を壊すとするが、レモネードが武器を出してHの攻撃を相殺した。よし、ナイスタイミングだよ!

 

 

 

ピース「このまま守り切ればあなたも諦めるはずだよね!はぁあああ!(ドォン!)」

 

 

 

H「そんな攻撃など通用しないわ。やりなさいジコチュー!」

 

 

 

ジコチュー「面白くないのは嫌いだぁ!!(ドカァアアン!!)」

 

 

 

ピース「きゃああああああ!!」

 

 

 

ジコチューの攻撃を受けた私をレモネードが受け止めてくれた。あ、危なかった…。

 

たえ「大丈夫かい!?」

 

レモネード「今の攻撃で損傷は大きくなりましたね…。ピースの傷が大きいようですね……」

 

ピース「まだ大丈夫だよ…。まだ、終わってないからね…!」

 

それでもまだ立ち上がる私はもう一度攻撃を開始した。次こそは倒すんだから!

 

 

 

ジコチュー「漫画は面白い方がいいんだよぉ!!(ズドォオン!)」

 

 

 

ピース「プリキュア・ピースサンダー!!(ドドドドォオオン!!)」

 

 

 

レモネード「プリキュア・プリズムチェーン!!(ジャリリリリィ!!)」

 

 

 

私達の全力の一撃をジコチューにお見舞いする。これなら倒せるはず…!

 

 

 

ジコチュー「ラ~ブラ~ブラ~~~~ブ!!(シュウウ…)」

 

 

 

H「なんですって!?ジコチューを浄化してしまったっていうの!?なら仕方ないわね、あのおばあさんには消えてもらうわ!!(ドォン!)」

 

 

 

ジコチューを失ったHはたえさんに攻撃を放ってきた。このままじゃ…!

 

 

 

ピース「危ない!!……!?」

 

 

 

ドォオオオオオン!!

 

 

 

レモネード「キュアピース!!」

 

 

 

H「まずは一人ね、うふふふ…!!」



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第26話 諦めない決意②

レモネード「キュアピース!!」

 

 

 

H「まずは一人ね。残るはあなただけよ」

 

 

 

レモネード「うぅ…。このままでは勝ち目が……」

 

 

 

たえ「大丈夫かねお嬢ちゃん!?」

 

 

 

H「無駄よ、キュアピースはもうやられてた。あなた達じゃ何もできないじゃない?」

 

 

 

ピース「誰がやられたんですって…!!」

 

 

 

たえ「まさか…」

 

 

 

バシュ!!

 

 

 

ピース「プリキュア・プリンセスフォーム!!」

 

 

 

たえさんを庇った私はなんとかプリンセスフォームへ変身し、Hの攻撃を弾き飛ばした。

 

レモネード「よかったぁ…(ホッ)」

 

たえ「よく生き延びたねぇ」

 

ピース「私なら大丈夫ですよ」

 

私の奇跡の瞬間にレモネードが胸を撫で下ろす。結局プリンセスフォームになっていなきゃ今頃やられていたけどね。

 

H「なんて小賢しい小娘なの…!」

 

ピース「当たり前だよ。私はこんなところで諦めるわけにはいかない。絶対に……、絶対に元の世界へ戻ってみせる!」

 

レモネード「そうです、私達は負けるわけにはいきません!何があってもです!」

 

決意を振り絞り、再び立ち上がる私達。だって、まだやりたいことがたくさんあるんだから!

 

たえ「ああ!?岩が崩れているじゃないか!?」

 

するとたえさんが古文書を封印していた岩を見て腰を抜かしてしまった。どうやら今の爆風であの巨大な岩が跡形もなく粉々になっていたみたいだね。あとHの攻撃が相当火力が高かったに違いはないし。だけど一つだけ欠点が生じてしまった。

 

 

 

H「あなたが開いてくれたおかげで私も手間が省けたわ」

 

 

 

レモネード「しまった、これじゃ古文書が…!」

 

 

 

H「迂闊だったようね。わざわざ開けてくれて感謝するわ、それからもうあなた達は二度と元の世界には帰れなくなると思うわね。ごめんあそばせ?」

 

 

 

私が岩を破壊したおかげで相手に侵入されてしまうデメリットが起きてしまった。このままではマズイ…!

 

 

 

たえ「お前ごときに古文書は渡さないぞ!」

 

ピース「そうだよ、あなたには絶対に渡さないんだから!」

 

H「もう手遅れよ。いくら水晶玉を持っていてもあれがないと全ての努力が水の泡となってしまうからね。恨むなら壁を開いた自分を恨みなさい?」

 

レモネード「だめぇ!!」

 

H「うるさいわね!!(ドゴォオオン!!)」

 

 

 

レモネード ピース「「ああああ!!」」

 

 

 

抵抗し続ける私達を薙ぎ払うHは古文書が置いてある部屋へ移動する。うぅ…、もう終わりなの……?

 

 

 

H「うふふ。これでこの古文書は私の物よ。さぁ、この世界を破滅に導くのよ!」

 

 

 

ついでに私が持っていた五個の水晶玉を奪って玉座に嵌め出して古文書に記されている呪術を唱え始めた。折角ここまで来たのに、もうおしまいになっちゃうの……?

 

 

 

たえ「あぁ…、おしまいだぁ……」

 

 

 

たえさんも完全に絶望してしまう。そしてHはこの光景に大喜びしていた。

 

 

 

H「あはははは!素敵だわ、この絶望の闇は!これでプリキュアは死ぬのよ!」

 

 

 

まだ、私にはやりたいことがたくさんあるのに…。みゆきちゃん、あかねちゃん、なおちゃん、れいかちゃん…。キャンディにポップ、そして私を支えてくれるみんな…。ごめんなさい、私にはもう生きる希望がどこにも残されていないかも。本当にごめんなさい……。私―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

H「え?どうしてなの…?」

 

 

 

レモネード「あれ…?」

 

 

 

ピース「何も起こってない…?」

 

 

 

H「どうして、何も起こらないの……?」

 

 

 

たえ「何がどうなってるっていうんだい…」

 

 

 

すると突如、Hが持っていた古文書の効果が消えてしまった。これは一体…。

 

 

 

H「これ、偽者のようね…!」

 

 

 

レモネード「偽者?一体どうやって?」

 

 

 

シロップ「待たせたロプ~!!」

 

 

 

ピース「この声は…?」

 

 

 

H「どうやら本物はあの妖精が持っていたようね…!」

 

 

 

なんと、Hが持っていたのは偽者の古文書だった。ということは本物は…、

 

 

 

シロップ「間に合ったロプ!大丈夫ロプ?」

 

レモネード「シロップ!(ギュ!)」

 

シロップ「苦しいロプ…」

 

ピース「レモネード、知ってる?」

 

レモネード「知ってるもなにも、私の仲間ですよ」

 

 

 

あの妖精が持っていたんだね。よかったぁ~。

 

たえ「へぇ~、この小鳥が古文書を守ってくれたのかい?」

 

シロップ「小鳥って呼ぶなロプ!」

 

レモネード「でもどうやってここにこれたの?」

 

シロップ「話せば長くなるロプ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間前~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シロップ「くそ、なんだったんだよあの怪物は…。全く見たことないやつだな…。早く避難勧告を終わらせないと…ってあれはなんだ?」

 

 

 

ピキュン…

 

 

 

シロップ「なんだこれは、ん?何か入れるみたいだな。行ってみるか…」

 

 

 

ヒュウウウウ…

 

 

 

シロップ「この感じは…、うららの感じがする…。もしかしてピンチか…!早く急がないとうららが危ない!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~十分前~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街人A「大丈夫だろうか、彼女達…」

 

街人B「心配ないさ、たえさんがいるじゃないか」

 

 

 

シロップ「すま~ん!お兄さん達、ちょっと聞きたいことがある」

 

 

 

街人A「どうしたんだい?」

 

シロップ「さっき黄色の髪をしてツインテールの女の子通ってなかったか?」

 

街人B「あの娘達のことか?それならこの街のふもとの神社へ移動したが…」

 

シロップ「そうか、でも今あいつらが危ないんだ。俺にできることはないのか?」

 

街人A「そうだねぇ、そしたら神社に行ったら彼女達が帰るために必要な古文書が眠っている。もしものことがあればこの偽者とすりかえてほしいんだよ」

 

街人B「結構乱雑な行為だとは思うけど、やれるかい?」

 

シロップ「勿論、俺にまかせてくれよ」

 

街人A「ただし、チャンスは一度っきりだからね」

 

街人B「偽者を渡しておくから、誰かに取られないようにしてくれよ?」

 

シロップ「ありがとうお兄さん達。俺、行ってくるよ!」

 

 

 

街人A「やっぱり男の子ってやる時はやるもんだなぁ…」

 

街人B「あぁ、あとは彼に任せるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~そして現在に至る~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シロップ「ということになったロプ」

 

レモネード「シロップってやっぱり逞しいね♪」

 

ピース「私もそういうの好きだよ」

 

シロップ「そこまでからかうなよっ!(オドオド)」

 

たえ「どうやらアンタが古文書を守り抜いたみたいだね。感謝するよ」

 

何はともあれ古文書は無事だったことだし、あとは……、

 

 

 

H「ええい!こうなったら意地でも奪うわ!」

 

 

 

レモネード「行きますよ?」

 

 

 

ピース「いつでもいけるよ、はぁあああ!」

 

 

 

あとはHを退けるだけ。それから元の世界へ戻るだけ!だがしかし…、

 

 

 

H「そういえば何かを忘れていない?(ドゴン!)」

 

 

 

ピース「何かって…まさか!?」

 

 

 

レモネード「ピース、残り時間があと五分しかありませんよ!」

 

 

 

この世界から脱出するまでのタイムリミットが間もなく迫ってきている。草子してる間に日没が近づいてきてしまった。

 

 

 

シロップ「時間稼ぎをしているから早く願い事を唱えるロプ!」

 

 

 

レモネード「わかった、私にまかせて!」

 

 

 

ピース「私も時間を稼ぐから!」

 

 

 

たえ「アンタら子供は必死だねぇ…(ぐすん)」

 

 

 

H「何を足掻こうとも、もう時間はないのよ!」

 

 

 

ここで私とシロップが時間を稼いでる間でレモネードとたえさんは五個の水晶玉と本物の古文書を広げて呪術を唱え始めた。

 

 

 

ピース「ピースハリケーンランス!!(バシュ!)」

 

 

 

H「そんな技、見たことないわよ!はぁ!(ボォオオオ!)」

 

 

 

シロップ「すごい破壊力ロプ…。だけど負けないロプ!(ビュン、ビュン!!)」

 

 

 

必死で相手の猛攻を防ぐ私達。これなら時間を稼げる!

 

 

 

たえ「水晶玉よ、子供達を元の世界へ帰らせておくれ…!」

 

 

 

レモネード「お願い、私達を元の世界へ……!」

 

 

 

ピカァアア……!

 

 

 

一方、古文書の呪術を唱えながら水晶玉に祈りを込めているレモネードとたえさんはなんとか成功させようとしている。もう少し、頑張って…!!

 

 

 

H「いい加減に諦めなさい!(ドゴォオオン!!)」

 

 

 

ピース「やだ!まだやりたいことはたくさんあるんだから!(バゴォオン!!)」

 

 

 

シロップ「その強い意志がプリキュアを強くさせるロプ!」

 

 

 

H「戯言などもうたくさんなのよぉおおおおお!(バボボボボボ!!)」

 

 

 

ピース「プリキュア・ピースサンダーハリケーン!!(ビシャァアアアアア!!)」

 

 

 

シロップ「間に合ってくれロプ!!」

 

 

 

ピキュン……!

 

 

 

すると五個の水晶玉が一斉に光り始めた。どうやら成功したみたいだね…。

 

 

 

たえ「今だよ、アンタら!早くあのゲートを通り抜けるんだよ!」

 

レモネード「はい、二人とも今です!」

 

 

 

ピース「わかった!お願い、間に合って!!」

 

シロップ「急ぐロプ!」

 

 

 

H「ぐっ…。どうやら作戦は失敗だったようね…。早い内にRとLに知らせないと…!(バシュ!)」

 

 

 

レモネード「たえさん、本当にありがとうございました!!」

 

ピース「いつまでも無事でいてくださいね!!」

 

シロップ「俺達のことを忘れないでほしいロプ!!」

 

 

 

たえ「気をつけて帰るんだよ!」

 

 

 

そしてようやく時間内に元の世界へ脱出することができた。助かったぁ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~元の世界~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うらら「うぅ…。どうやら戻ってきたようですね」

 

やよい「本当だ。やったんだよ私達…」

 

シロップ「これで一件落着みたいだロプ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから中断されていた私の出展ステージは無事に再開され、見事に作品を描き上げることができた。勿論、観客のみんなは結構気に入ってもらえてくれた。あとそれからさっき私達を漫画の世界へ吸い込んだジコチューは既に浄化されていたらしい。どうやらさっき入り込んだやつと同じだったのかもしれない。

 

 

 

そして無事に漫画展は幕を下ろした。

 

 

 

うらら「楽しかったですよ、やよいさんのステージ」

 

やよい「ありがとう。私も緊張しちゃったけどなんとかうまくいってよかったよ」

 

シロップ「でもすごかったロプ。やよいって案外天才かもしれないロプ」

 

夜の道を歩いている私とうららちゃんとシロップは景色を眺めながら今日の出来事を振り返っていた。本当に一時はどうなるかと思ったけどねぇ。

 

やよい「シロップって意外と優しいんだね、ありがとう♪(ムニュ)」

 

シロップ「ほわわわぁ!後頭部に柔らかい感触が…!?」

 

うらら「シロップ?あまり嫌らしいことや不健全なことを考えちゃだめだよ…?」

 

シロップ「誤解だロプ!」

 

シロップを思わず抱く私。なんだか励まされた感じがするなぁ。

 

うらら「そういえばですけど、今度また私達でどこかへ行きませんか?」

 

するとうららちゃんが閃くように私に諭してきた。そうだねぇ…、

 

 

 

やよい「次はシロップとのダブルデートもありかも☆」

 

 

 

シロップ「俺、先に帰るロプ!!」

 

 

 

おもいっきり大胆なことを発言すると、シロップは頬を赤く染めながら帰ってしまった。どうやら照れてるみたい、うふふ。

 

 

 

うらら「それじゃ私はここで曲がります」

 

やよい「あ、うん。また会えるよね?」

 

うらら「はい、またどこかで会えますよ。絶対に」

 

やよい「そうだね。約束だよ、また会えることを信じて」

 

 

 

右の曲がり角で別れを告げる私達。これもまだ始まりにしか過ぎないし、また会いたいな。

 

 

 

うらら「それでは、さようなら」

 

やよい「また会おうね、バイバイ」

 

 

 

今日の出来事で私の新しいことが見つかったのかもしれない。それは、うららちゃんという新しい友達…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~春日野家~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うらら「はい、実は今日起きたことを話しますとですね。今日私と新しくできた友達と探検ごっこをやっていたんですよ」

 

 

 

帰宅すると、早速りんさんに今日の報告をつげます。果たしてどんな答えが返ってくるのでしょうか…?

 

 

 

りん『アンタはどこまでおこちゃまなのよ!?それとあざといわね!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~黄瀬家~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やよい「実はね、私より一つ年下の娘と一緒に探検ごっこやったんだ」

 

 

 

家に帰宅すると、今日の出来事をあかねちゃんに報告する。一体どんな答えが返ってくるんだろう…?

 

 

 

あかね『めっちゃあざといな!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うらら やよい「「ところであざといってなんですか?(なの?)」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

りん あかね『『ってそこからぁ!?(かい!?)』』




一応今年最後の投稿となると思います。そして無事にあざとイエローコンビ編は完結です。次回はおそらくこまちとなおちゃんメインになると思います。


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えりひめアワー 正月スペシャル

今年最後の投稿であり、新年度を祝う会です。


えりか「今年も残すところあと僅かになりました。司会の来海えりかです」

 

ひめ「同じく司会の白雪ひめです。あっという間の一年でした」

 

えりか「今回は新年度を祝う会です。ちょっと早いのは気にしないお約束よ♪」

 

ひめ「それでは張り切っていきましょう!」

 

 

 

えりか ひめ「「今年度最後のえりひめアワー、始まるっしゅ!」」

 

 

 

この番組は、やるっしゅコーポレーションの提供でお送りします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「今回のゲストはとても豪華です。なんと、全主人公が来てくれます!」

 

ひめ「これは楽しみ〜!」

 

えりか「では、ご入場をお願いいたします‼︎」

 

 

 

なぎさ「美墨なぎさです。あっという間の一年だったねぇ。今日は張り切っていくよ!」

 

 

 

咲「日向咲です。いゃあ〜今年は早かったね。とりあえず今日は頑張るなり!」

 

 

 

のぞみ「夢原のぞみだよ。今年って色々やりがいのあった一年だったね。それじゃ今日も元気にいくよ、けって〜い!」

 

 

 

ラブ「桃園ラブだよ。今年はかなり幸せゲットした一年だったかも。さて、今回も頑張るからね!」

 

 

 

つぼみ「花咲つぼみです。今年は充実した年でしたね。来年も頑張ります!」

 

 

 

響「北条響です。一年ってあっという間だったねぇ。私はなんとか乗り越えたけどね。それじゃ、残りの時間も頑張りますか!」

 

 

 

みゆき「星空みゆきです。今年もウルトラハッピーな一年でよかったぁ。今日はさらに張り切っちゃうからね♪」

 

 

 

マナ「相田マナです。あたしは今年一年胸のキュンキュンが止まらなかった年だと感じたよ。来年もキュンキュンだよぉ!」

 

 

 

えりか「あれ?一人足りませんが…」

 

ひめ「めぐみは今回、体調不良で欠席しています…ore」

 

えりか「あと一人どうすればいいの?」

 

ひめ「心配しないで姉さん。代わりの人物をお呼びいたします‼︎」

 

 

 

はるか「春野はるかです…。き、緊張するかも」

 

 

 

えりか「彼女まだ放送前の登場だよ⁉︎」

 

ひめ「気にしない気にしない。なんとかなるなる〜!」

 

えりか「まだ性格すらわからないのに…」

 

ひめ「悩んだって時間の問題でしょ?ならばオッケーじゃん」

 

えりか「私の義理の妹は勝ってなことを言わないタイプだと思ったのに…。ならいいわよ、それじゃ本題へ移ります!」

 

ひめ「イエ〜イ‼︎」

 

 

 

来年度からの目標をみんなで考えよう!

 

 

 

えりか「このコーナーはみなさんに来年度からの目標を決めていただくという企画です」

 

ひめ「果たしてどんな答えが聞けるのでしょうか?非常に期待できます!」

 

えりか「それでは、トップバッターのなぎさ先輩お願いします!」

 

 

 

なぎさ「来年はまたさらに自分の将来に向けて努力すると思うなぁ。立派な大人になるためにね」

 

 

 

ひめ「賢い答えですね。私も尊敬しちゃいます。それではお次は咲先輩お願いします!」

 

 

 

咲「とりあえず来年はしっかり勉強も頑張りながら夢に向かって歩いていくかもね。そっちの方が一番なり!」

 

 

 

えりか「素晴らしいですね。これは鼻が高いです。次はのぞみちゃん、頼むよ!」

 

 

 

のぞみ「やっぱり私は自分の夢に向かって頑張りたいと思うかも。私を支えてくれる仲間と一緒に目標に達成するまで来年だろうが再来年だろうがその先でも頑張ればいいんだよ。だから来年も精一杯やっていくよ!」

 

 

 

ひめ「やっぱりのぞみはカリスマだねぇ〜!この調子でラブに繋ぎましょう!」

 

 

 

ラブ「決まっているよ!みんなが幸せになれればそれでオッケーだよ!だから来年も頑張るからね、ダンスも色々と。幸せゲットだよ‼︎」

 

 

 

えりか「私まで幸せゲットしたいよぉ〜!ではつぼみ、頼むっしゅ!」

 

 

 

つぼみ「私はこの一年間様々な出来事を体験しましたが、やはりえりかがいてくれたおかげですね。いつきやゆりさんにも感謝していますし、あとは私を支えてくれた人達にも心からお礼を申し上げたいです。今年一年間、ありがとうございました!また来年もよろしくお願いいたします!」

 

 

 

ひめ「素敵な一言ありがとう!次は響の出番です!」

 

 

 

響「一年って短かったねぇ。次の目標は来年になってから考えることにしようかな?そうじゃないと女が廃るからね♪」

 

 

 

えりか「とてつもなく共感できる部分があります。ナイス!次はみゆきの出番だよ」

 

 

 

みゆき「私にとってこの一年間は色々と成長する第一歩だったのかもしれない。わからないこともあったけど、仲間が支えてくれたから私も変われたんだと思う。だって、それはウルトラハッピーな一年だもの。来年もみんなで笑顔になれることを祈るわ」

 

 

ひめ「ブッヒィイイ‼︎可愛い一言をありがとう‼︎それでは気を取り直してマナの出番だよ!」

 

 

 

マナ「もちろん、あたしもこの一年間楽しかったんだから言うまでもないでしょ?なぜなら、あたしの夢はズバリ総理大臣になることなのよ!(ビシッ)よし、来年もキュンキュンしちゃうかもしれないし頑張るぞ〜!」

 

 

 

えりか「ブッヒィイイ‼︎マナ可愛いよマナ!」

 

ひめ「では最後に、緊急ゲスト(めぐみの代理)のはるかちゃん、一言をどうぞよろしく!」

 

 

 

はるか「まだ具体的には決まっていないけど、いつかは素敵なプリンセスになるのが私の夢になるなぁ」

 

 

 

えりか「みなさんありがとうございまっしゅ!それでは最後にお別れの挨拶をみんなでやりましょう!」

 

 

 

ひめ「みんな、いくよ!」

 

 

 

一同「「「みんな、今年一年間ありがとう!また来年もよろしくね!」」」




今回で今年の投稿終わりです。また来年度もよろしくお願いいたします!


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今年の投稿について

タイトル通りです。また一部雑談あります。


えりか「あけおめ〜!来海えりかだよ!」

 

ひめ「もう正月終わるよ、私雑煮食べ飽きたわよ〜」

 

ゆり「おせち、なかなか美味しかったわ。また来年も食べたいところね」

 

いおな「ひめはなんでも食べるからそうやって食べ飽きちゃうのよ。っていうか雑談やってる場合じゃないわよ」

 

いつき「今日は重大なことを伝えるんだったね」

 

ゆうこ「正解よ。私達が特別にお知らせするんだからね」

 

ブルー「今回は僕と誠司君も一緒だよ」

 

誠司「妖精達はどうやら欠席みたいだ。残念だったなぁ」

 

つぼみ「でも、私達でカバーしますよ。それでは、順番に説明します」

 

めぐみ「いつもこの作品を読んでくれてありがとう!まだまだ理解できない点はあるけど今後とも続けるから応援よろしくね!それでは気を取り直して、今年の投稿についてお知らせいたします」

 

 

 

えりか「今は第一章ですが、四月までには次の章に到達する予定です。まだ半分しか終わってないですが、結構長くなると思われます」

 

 

 

ひめ「それから一つの話が終わるのに長いことがありますが、極力話をまとめて投稿します。あとは話のテンポが崩れるような話の投稿は避けます。なぜなら理解に苦しむからです。またミルキィローズとキュアエコーの話は時間が空けばまた投稿を再開します」

 

 

 

ゆり「ちなみに次の章の内容は今のところ未定らしいわ。多分ドキプリが絡むかもしれないし、その辺りはまた後日報告するとのことよ」

 

 

 

いおな「次に各キャラの絡みについて説明します。今は似た者同士での絡みで物語を進行していますが、全く関係のない同士で絡むかもしれません」

 

 

 

いつき「結構百合色が強い場面がありそうだね…。特にひびかな辺りが……」

 

 

 

ゆうこ「それは言わない約束よいつきちゃん?私よりスレンダーだからって綺麗事を言うなんて…」

 

 

 

いつき「違うよ、誤解だよゆうこ。ちょっと口がすべっただけで…」

 

 

 

ゆうこ「いいんだよ別に。私は最初から気にしてないからね」

 

 

 

ブルー「最後に、敵について説明しよう。奴らが何者なのかは現状わからない。ただ世界を一つにしてプリキュア達による戦争を起こすつもりなんだ。一刻も早く奴らの進行を防がないといけない」

 

 

 

誠司「一応本来の敵幹部達の登場は考えてるらしい。だがまだ出ないようだ。けど厄介には変わりないな」

 

 

 

つぼみ「私達はまだオリ敵と戦っていませんが油断はできないようですね…。それから今後の動きにも警戒しないといけませんからね」

 

 

 

めぐみ「だけどどんな相手でも負けない、それがプリキュアなんだから!いつかみんなで力を合わせて平和を取り戻そうよ!というわけで今年の投稿についての説明でした」

 

 

 

えりか「では、今年も益々盛り上げたいと思います!是非とも応援してね!」

 

 

 

ひめ「それでは、締めの合言葉で終わります!」

 

 

 

えりか ひめ「「みんな、今年もよろしくっしゅ!」」



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第27話 安らぎの午後

今回から緑コンビ回です。


なお「れいかはこれからどうするの?」

 

れいか「私はちょっと用事がありまして、あかねさんも身体を動かすために体育館へ行っていますからね」

 

なお「そっか。だったら今日はこれで解散だね。れいか、明日は交流会だから進行係頑張ってね」

 

れいか「はい、なおも体調管理をしっかり気をつけてくださいね?」

 

 

 

結局、私一人になっちゃったなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の名前は緑川なお。いつも前に向かって直球勝負してるんだ。今は丁度私の家でカレーを食べ終わった頃で、親友のあかねとれいかはそれぞれの用事で帰っちゃったし、私一人きりなんだ。だけど今は他にやりたいことを探していて、それがまだ定まっていない。一体私の新たな楽しみってなんだろう…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお「みゆきちゃんとやよいちゃんもいてくれたら暇つぶしになってたけど、今日は二人とも用事あるし。あとお父ちゃん達全員外出しているから暇だなぁ」

 

家を出て近くの野原で散歩する私は空を眺めるように呟いた。それからキャンディとポップも行きたいところがあって今はいないし、本当に私一人だけ。せめて弟達とキャッチボールやりたかったかも。

 

なお「キャッチボールか…。あそこの子供達は元気にやっているなぁ。やっぱり子供だね」

 

 

 

少年A「そこのお姉ちゃん、ボールとってくれない?」

 

 

 

すると私の目の前にボールが転がってきて、遊んでいた少年が声をかけてきた。そうか、私もなんだか仲間に入れて欲しい気分になってきたかも。

 

 

 

なお「いいよ、その代わりお姉ちゃんも混ぜてくれないかな?」

 

 

 

少年B「ありがとう!僕達暇だったから丁度よかったよ!」

 

 

 

少年C「僕達でよかったら喜んで歓迎するよ!」

 

 

 

遊んでいた他の少年達も私を歓迎してくれた。ようし、ここはビシッと決めちゃおうかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお「楽しかったよ、ありがとう!」

 

少年A「僕達の方こそありがとう!」

 

少年B「またキャッチボールやろうね!」

 

少年C「次は絶対負けないからね!」

 

 

 

少年達とキャッチボールを終えた私は少年達と別れを告げた。っていうか、なんだか眠くなってきちゃった…。

 

 

 

なお「ふぁああああ…。ちょっと昼寝でもするか…」

 

 

 

私は眠くなってきたので、少しだけ昼寝することにした。ここは少しでも休んでおかないとね……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「―――ぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰だろう…?私を起こすのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「―――ねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?気がつけば結構寝ていたかも…。でも私を起こすのは誰…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「ねぇ、そこのあなた―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお「うぅ…」

 

 

 

???「こんなところでずっと昼寝していると虫さんが来るわよ?」

 

 

 

一体何の冗談を……。

 

 

 

なお「っ!?いやぁあああああああああ!!」

 

 

 

???「やっと目が覚めたわ」

 

 

 

すると私の鼻に、一匹の蝶が止まっていた。これって私に対しての嫌がらせぇ!?

 

 

 

なお「やだやだやだぁ!!」

 

???「どうして可愛いちょうちょさんを怖がるの?」

 

さっきから私に声をかけてきたのは緑色の髪でカチューシャをしているお姉さんらしい人だった。だから私を起こしたんだぁ…。

 

なお「もう行っちゃった…?」

 

???「もうどこかへ行ってしまったわよ?」

 

なお「実は私、虫が苦手で…」

 

???「どうして苦手なの?」

 

なお「あの奇妙に動く様がどうしても身体が受け付けなくて…」

 

???「うふふ。あなたって結構面白いわ」

 

緑色の髪のお姉さんが突然笑い始めた。なんだかバカにされてるような気がするんだけど…。

 

なお「私は別に面白い意味で言ったつもりじゃないんですけど…。ところで何をしているんですか?」

 

???「ちょっと小説のアイディアをメモしているのよ」

 

なお「小説かぁ…。私には結構難しそうかも」

 

???「そんなことないわよ。文字を見てどういうことが語られているかが大事なの。あなたも何か新しいことを探しているの?」

 

お姉さんが私の顔を眺めるように尋ねてくる。新しいことかぁ…。私にはあるんだろうか…?

 

なお「今は特にないです…」

 

???「それだったら私が読んでいる小説貸してあげる。これであなたも何かを発見できると思うわ」

 

なお「ありがとうございます。私、緑川なおって言います」

 

???「素敵な名前ね。私は秋元こまち。気軽に接してもいいわよ?」

 

こまちさんから小説を受け取った私は少し心を和ませた。そうか、これで私の新たな出来事が見つかるかもしれない。

 

 

 

ナッツ「こまち、そこにいたか」

 

 

 

こまち「ナッツさん、ここよ」

 

なお「彼は誰ですか?」

 

こまち「私の知り合いのナッツさんよ」

 

ナッツ「今日も小説のアイディア探しか。いいのが見つかるといいな。ところで彼女は誰だ?」

 

こまち「今知り合ったばかりのなおさんよ」

 

なお「は、初めまして…」

 

ここでこまちさんの知り合いである人物がやってきた。なんだか男前だね。

 

ナッツ「俺のことは軽く接しても構わない、こまちが世話になっている」

 

なお「私もさっき知り合ったばかりだから、まだわからないこともあるし…」

 

こまち「なおさんって天然かしらね?」

 

なお「ちょっとこまちさん!(もじっ)」

 

ナッツ「なお、少し落ち着いた方がいいぞ?」

 

私の天然っぷりに二人が笑い出した。まぁこれから二人のことを知ることになるから今日の残りの時間を過ごすか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

L「わかったよR。次のターゲットはキュアミントとキュアマーチだね」



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第28話 穏やかな少女と活発な少女

インフル治りましたので再開します。


ナッツ「こまち、行きたいところはあるか?」

 

こまち「そうね。ちょっとお洒落な公園でもいいかしら」

 

なお「どんなところですか?」

 

こまち「それは来てみてからのお楽しみよ」

 

 

 

野原で一息ついた私はこまちさんとナッツの誘いで少し風物のいい公園に行くことになった。正直、私にとってあまり認識し難い意見だと思うけどたまには女の子らしく一緒に過ごすか。

 

 

 

ナッツ「なお、短パンで寒くないか?」

 

なお「ちょ…!?」

 

こまち「ナッツさん、ちょっと言いすぎよ…?」

 

突然ナッツに思いもよらない一言を告げられる。は、恥ずかしいじゃない…!!

 

ナッツ「きつく言ったつもりはない。ただ、もう少しお洒落な服装にするのも大事だと思ったんだ。よかったら衣服店でこまちと一緒に決めていけばいい」

 

こまち「いいアイディアだわナッツさん。それだったら私がなおさんのためにとってもいい服を選んであげるわ」

 

なお「いいんですか!?あ、ありがとうございます…」

 

なぁんだ、てっきり嫌らしいことかと思ったよ。ナッツって結構男前かも…。

 

こまち「これは私となおさんの仲よ。こんなこと滅多にないし」

 

なお「私、あんまりファッション気にしてもいないし大丈夫かなぁ…?」

 

ナッツ「どうやらこまちもどっかの誰か達に似てきたかもな」

 

こまち「何か言った?」

 

ナッツ「なんでもない。それじゃ早速向かうとするか」

 

少しにやけながら言葉を塞ぐナッツ。こうして私の服選びにこまちさんが手伝うことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~とあるデパート~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こまち「ここがいいかしら?」

 

ナッツ「色々と品揃えがいいかもな。そしたら俺はちょっと近くのベンチで休むからお前らで選んでおいてくれ」

 

なお「全くナッツは色々と気が利いてるかもね。ってこまちさん、何をしてるんですか…?」

 

とあるデパートで私の服選びをすることとなったけど、どうやらこまちさんが早速何かを発見したようだ。

 

こまち「こんな服はどうかしら?」

 

なお「これは…、何ですか?」

 

こまちさんが持ってきたのはいかにもツギハギの目立つような模様のTシャツだった。これはこれで微妙かも…。

 

こまち「これはストリート系女子に人気なブランドの一種よ。ちょっと色のバランスが悪いけどこれでも結構可愛いのよ」

 

なお「ちょっとこれはタイプじゃないかも…。違うやつ持ってきてもいいですか?」

 

やはり私にはこういうのは好きになれないな。

 

こまち「だったら更衣室に行きましょう!私がきっといい組み合わせを持ってくるからちょっと待っててね!(ダッ!)」

 

なお「こまちさん!?」

 

するとこまちさんが突然エンジンを全開してすぐに次の服を探しに行った。これ、大丈夫だろうか…?

 

 

 

そして進むこと十分。

 

 

 

なお「お待たせ!って似合ってますか…?」

 

こまち「なかなか素敵だけどまだ可愛くなれる余地はありそうね…!」

 

 

 

次に持ってきたのはレモン色のTシャツの上にユリの花柄が描かれているパーカーで下は水色のロングスカートというかなり新鮮な組み合わせ。私としては結構気に入ってるけどね。

 

 

 

こまち「他の組み合わせを持ってくるわね!(ダッ!)」

 

なお「やれやれ…」

 

 

 

果たして、次は何を持ってきてくれるやら…。

 

 

 

そして時間は更に進むと、

 

 

 

なお「ジャーン!!」

 

こまち「これは当たりの組み合わせだわ」

 

 

 

次に持ってきてくれたのは緑色と黄緑色のハーフ色のチュニックにタイトなデニムのスカートだった。するとここでこまちさん自身もOKを出したようだ。

 

 

 

なお「どうですか、この組み合わせは?」

 

こまち「とても素敵よ、特にスカート周りのフリルも結構生かしているし」

 

 

 

ナッツ「どうやら決まったようだな、なかなか似合ってるぞ」

 

 

 

そして一休みしていたナッツもようやく来てくれたようだ。ちょっと照れくさいな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお「ありがとうこまちさん、なんだか心も穏やかになった気分かも」

 

こまち「お礼なんていいのよ、なおさんが喜べばそれでいいし」

 

ナッツ「じゃあそろそろ行くか」

 

なお「ちょっとナッツ!?あまりくっつかないで!」

 

こまち「ナッツさんはなおさんが心配だから気を使ってるのよ。勿論私に対してもよね?」

 

ナッツ「こまちには色々と学んできたから、多少のことはな」

 

なお「なんだかドキドキしちゃうんだけど…」

 

デパートから出ると、早速公園に向かうことにした私達。これはこれでカップルっぽく見られてしまうなぁ…。

 

ナッツ「そういえばあそこの公園には観覧車があるみたいだからよかったら乗っていくか?」

 

こまち「それ賛成ね。なおさんもどうかしら?」

 

なお「是非とも…、お供させてください!(かぁ~…)」

 

ヤバイ、私の顔が赤くなってゆく…!もしかして…、胸のドキドキが止まらない…!?



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第29話 淡い心

なんだかんだで私のコーデは終わり、そろそろ目的地の公園に到着した。それにしてもさっきのこまちさんの猛威はなんだったのか私にはあまり理解できなかったけど、これはこれで一安心かもね。

 

なお「ここで合ってる?」

 

ナッツ「ああ。俺もこまちも初めて来る場所だが、結構人だかりが多い」

 

こまち「中央の噴水もとても綺麗よ。これはカップルにうってつけのスポットになりそうね」

 

こまちさんもナッツも初めて来る場所のようで、私も正直緊張しちゃう。もし私に彼氏ができたら、どうなってたんだろう……。

 

ナッツ「二人とも、腹空かしてないか?」

 

こまち「うん、ちょっと空いてるわ」

 

なお「何か奢ってくれるの?」

 

とここでナッツが私とこまちさんに唐突な質問をしてきた。言われてみればさっき昼ご飯食べたけど、そろそろおやつ時かもね。

 

ナッツ「クレープでも買ってきてやろうか?」

 

こまち「あら、今日のナッツさんやけに気を使ってるみたいだけどどうしたの?」

 

ナッツ「こまちに新しい友達ができたから、少しでも早く仲良くなるべきだと思っただけだ。だからなおも親交を深めるべきだ」

 

なお「わ、私はちょっと照れくさいだけだよ…。なんていうか、私にお姉さんができた気分だし…」

 

少し関心するように答えるナッツの言葉に照れながら安堵する私。こんなシチュエーション、もしれいかがいたらなんて答えたんだろう。

 

こまち「だったら私はイチゴクレープをお願いするわ」

 

なお「私はチョコクレープでいいよ」

 

ナッツ「わかった。ちょっとそこのベンチで座っててくれ」

 

私達の注文を正確に覚えるナッツはすぐに屋台へ買い出しに向かった。

 

 

 

こまち「ごめんなさい。ナッツさん普段あそこまで親切じゃないから…、ちょっと不思議に感じちゃったかしら?」

 

なお「いえいえ、気を使ってくれるのは確かにいいことだと思いますよ。正直、男はか弱い女を守るのが一番ってことなんじゃないかなって」

 

 

 

ベンチに座る私達はちょこっとだけナッツのことを話す。多分彼のことを一番わかってるのはこまちさんだと思うけどね。

 

こまち「私もナッツさんと初めて出会った時はまだ理解できなかったけど、私の夢を応援してくれる気持ちは高いわ」

 

なお「こまちさんの夢って…」

 

こまち「私の夢は立派な小説家になることよ。だってさっき、なおさんと出会う時に色々と風景を眺めていたからそのアイディアが次の目標に繋がっていくというわけよ」

 

物凄く熱意を込めるこまちさんがなんだか羨ましい。そういえば私に足りなかったことがまだあるのかもしれない。多分想像する力かも…。

 

こまち「なおさんも自分の心を感じさせればきっと何かを発見できるわ」

 

なお「自分の心を感じさせる?」

 

こまち「ハッキリとは断言できないけど少しでも自分の意思が緩やかになれると思うから。ところでなおさんには何か目標はあるの?」

 

なお「一応前に向かっていつも直球勝負してます。ただ、色々と…」

 

私の直球勝負という言葉にこまちさんは思わず笑い出した。って何がおかしいの?

 

こまち「直球勝負ってなんだか勇気を分け与えている気分だと思って(クスクス)」

 

なお「ほ、本気ですってっ!面白話じゃありませんってば!(オドオド)」

 

思わず動揺状態になってしまう私。結局そこらへんに関しては否定できない…。

 

 

 

ナッツ「買ってきたぞ。できたての内に食べた方がいい」

 

 

 

するとここでナッツが帰ってきた。両手にクレープを持ってそれぞれの味を渡した。

 

なお「ありがとうナッツ」

 

ナッツ「別に礼はいらない。腹を空いているなら当然だっただけだ」

 

こまち「そこだけは素直じゃないわねナッツさん。もったいぶらなくてもいいのよ?」

 

ナッツ「無理はしていない。今の時間はお前たちの時間だと思っているんだ」

 

なお「何それ?ちょっと笑っちゃうんだけど(クスクス)」

 

クレープを頬張りながら笑う私は、思わずむせてしまった。

 

なお「げほげほ…!」

 

こまち「大丈夫?ちゃんと噛んで食べないからこうなるのよ?はい、お水」

 

なお「ごめんなさい…(ゴクゴク)」

 

ナッツ「こっちこそ済まないな。余計なことを言って」

 

さりげなく私に謝るナッツはそっと私の背中を擦ってあげた。なんだか優しいな。

 

こまち「もう少しゆっくり休んだらあそこの広場へ行きましょう」

 

ナッツ「そうだな。向こうに観覧車があるし、後でゆっくり行けばいい」

 

なお「うん、そうするよ。むしろそっちが安心だし」

 

もう少しだけ公園の景色を眺めることにする私達。やっぱり私も初めて来る場所だけどかなり癒される。今度みゆきちゃん達も誘ってあげようかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

L「それじゃ、早速あの二人に接近するとしようか。Hにキュアレモネードとキュアピースの討伐の手柄を取られたからその憂さ晴らしにはなれるかもね」

 

 



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第30話 楽しい一時

なお「すご~い!こんなに広い遊園地があったなんて!」

 

こまち「ジェットコースターもあるわよ」

 

ナッツ「コーヒーカップにメリーゴーランド、公園のすぐ隣にしては結構立派だ」

 

一休みを終えると、数百メートル離れた隣の遊園地に向かった私達。とても賑やかで観客もかなりいるようだ。

 

なお「まずはどこから回ろうかなぁ~」

 

ナッツ「とりあえず一通り行くぞ」

 

なお「お、そうしますか!」

 

こまち「あらあら、なおさんってば張り切ってるわね」

 

居ても立っても居られないよ、こんなところ!よ~し、早速堪能するぞぉ~!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず最初に向かったのは、室内イルミネーション。いろんな国からの作品があるからとても綺麗。勿論、国内の作品もある。特に一番見惚れたのは大きな薔薇のイルミネーションだった。

 

 

 

こまち「この薔薇、とても素敵ね」

 

ナッツ「確かに。薔薇を見ているとフローラを思い出す」

 

なお「知り合いか何か?」

 

ナッツ「フローラは俺達の知り合いだ。彼女も薔薇が好きだ」

 

 

 

思わず私も心が癒される。とても素敵だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に向かった場所はなんと、お化け屋敷……。

 

 

 

なお「ほ、本当に行くんですか…?」

 

こまち「当然よ、折角ナッツさんがいるから私達が後ろに歩けば大丈夫よ」

 

ナッツ「なおは怖がりなのか?」

 

なお「お化けは虫と同じくらい苦手……」

 

 

 

どうしても前に進むことができない私にこまちさんは無理矢理腕を掴んでニコニコしながら進み始めた。やだ、どうしても行きたくない…!

 

こまち「大丈夫、あんなのただの作り物よ」

 

なお「そういう問題じゃなくて…、って出たぁああああ!!」

 

ナッツ「…これじゃ立場が逆転だな…」

 

お化けが二体現れる中、腹の底から悲鳴を上げる私とそれに余裕の笑みを見せるこまちさんにナッツは溜め息を吐きながら呆れていた。

 

こまち「まだまだこれからよ、最後まで頑張りましょう!」

 

なお「無理ぃ~!早く出ようよぉ!」

 

ナッツ「我慢することも重要だ。それでも無理なら目を瞑りながら進め」

 

なお「そんなこと言われても―――いやぁああああああああ!!(ガクガク)」

 

次々と出てくる幽霊達とゾンビの集団に悲鳴を上げる私。しかしこまちさんとナッツは平気だった。ってどうしてそんなに平気なのぉ~!?

 

 

 

なお「来ないで来ないでぇええええええええええ!!!」

 

 

 

こまち「なおさん、相当張り切ってるわ」

 

ナッツ「いや、意味が違うぞ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~しばらくお待ちください~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお「げ、限界……」

 

ナッツ「しかしよく耐えたな。それだけでもいいじゃないか」

 

こまち「まだまだ回るところあるわ。お楽しみはこれからよ」

 

 

 

色々あってお化け屋敷から抜け出した私達は引き続き遊園地を回ることにした。次はまともなところがいいかも…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから色々と回ること一時間が過ぎた。あっという間に観覧車だけが残ってしまった。なんだか早かったなぁ。

 

 

 

こまち「そろそろいい頃合いみたいね」

 

ナッツ「夕方になるし、そろそろ観覧車に乗るか」

 

なお「ところで誰々で乗る?」

 

ナッツ「なおとこまち、二人で乗るんだ」

 

一つ気になったことがあったのでちょっとだけナッツに質問してみる。すると意外な答えが返ってきた。

 

こまち「ナッツさんは乗らないの?」

 

ナッツ「さっき言っただろ、今はお前たちの時間だって」

 

なお「ナッツ…。そこまで私達を…」

 

私には彼の気持ちがわかる気がする。本当に大切にしていることは友達だと…。

 

なお「ありがとう…」

 

こまち「お礼の言うのは私の方よ。この時間までとてもいいことを実感できた。私も新しいことを発見できたのだと」

 

ナッツ「どうやら二人はまるで姉妹みたいだ。まぁこまちには姉がいるし、なおは義理の妹って感じかもな」

 

姉妹か…。そういえば私にお兄ちゃんもお姉ちゃんもいない。私は一番上のお姉ちゃんだし、何せ弟達の面倒を見る立場だったから。もしお姉ちゃんがいたら一体どうなっていたんだろう……。

 

 

 

スタッフ「次の方々どうぞ」

 

 

 

こまち「二人で」

 

 

 

スタッフ「確かに確認できました。それではごゆっくりどうぞ」

 

 

 

なお(さっきまで心の変化がなかったけど、急に暖かい心が芽生えてくる。これが安らぎなんだね…)

 

 

 

スタッフに整理券を渡すと、早速観覧車へ乗り込んだ。

 

 

 

スタッフ「そこのお兄さんも乗ればよかったじゃないですか?」

 

ナッツ「俺は遠慮する」

 

スタッフ「そんなこと言わずに、楽しみましょうよ?」

 

ナッツ「お前…、ここのスタッフじゃないな。一体誰だ」

 

 

 

するとナッツがスタッフと何かを揉め事を始めた。何を話しているんだろう?

 

 

 

スタッフ「なぜいきなり疑うんですか?」

 

ナッツ「俺にはわかるんだ。お前は観覧車を動かすためのセキュリティーを持っていると。そもそも無理矢理客を入れ込むやつなどいるわけがない」

 

スタッフ「そうですか、だったら実力行使と行きますか…」

 

 

 

こまち「ナッツさんが危ないわ!」

 

 

 

なお「逃げて!」

 

 

 

スタッフ「もう遅い!(ドン!)」

 

 

 

ナッツ「ナッツ~!!(ボン!)」

 

 

 

私達はナッツを助けようとするが、スタッフを装う怪しい人物にやられてしまった。

 

 

 

なお「って、え~!?」

 

 

 

こまち「どうしたのなおさん?」

 

 

 

なお「ナッツって…」

 

 

 

それから一番驚いたのはナッツの姿。もしかして…、

 

 

 

こまち「ナッツさんは妖精なのよ。だから強い衝撃を受けると元の姿に戻ってしまうわ」

 

 

 

ナッツ「お、お前は誰ナッツ…!」

 

 

 

???「そうさ、僕はプリキュアを倒すためにいる存在さ(バッ!)」

 

 

 

なお「ってナッツは妖精だったってわけ!?あぁ~突っ込みどころが多いけどあいつは誰!?」

 

 

 

どうやらナッツは妖精だったらしい。これは一番驚くでしょ!?そしてあいつは一体…。

 

 

 

L「僕はL。キュアミントにキュアマーチ、君達には退場してもらうよ」

 

 

 

こまち「ナッツさんを酷い目に合わせるなんて、許さない!」

 

なお「つまりアンタはこの遊園地のスタッフを装って私達に接近したってわけね…」

 

 

 

L「じつにその通り。君達が争うことに僕も興味津々だったからね。そういえば、その妖精君って結構弱いんだね」

 

 

 

嘲笑うように私達を見下すLと名乗る男。このままでナッツが危ない…!

 

 

 

こまち「ナッツさんは弱くないわ!何もわからないあなたにナッツさんをやらせたりしないんだから!」

 

なお「こまちさん、早くナッツを助けましょう!って開かない…?」

 

こまち「え?どうしてまだ動いてないのに扉が開かないの…!?」

 

 

 

すると観覧車のドアが完全に封鎖されてしまった。これじゃ助けに行けない…!

 

 

 

L「残念だったね。既に扉は閉まっている。どうにか出ないとこの妖精君の命はないよ?」

 

 

 

こまち「なんて汚いことを…!」

 

なお「仕方ない、変身するしかない!」

 

 

 

L「おお、やっと変身するんだね。そこから出る方法を考えなよ」

 

 

 

どうやら早く出ないとナッツの命がない。ここは強行突破だ!

 

 

 

こまち なお「「ナッツ(さん)をやらせるわけにはいかない!!」」

 

 

 

そしてお互いに何かを取り出し、

 

 

 

こまち「プリキュア・メタモルフォーゼ!」

 

 

 

なお「(レディ?)プリキュア・スマイルチャージ!(ゴー!ゴーゴー!レッツゴーマーチ!)」

 

 

 

私達は全身に光をまとい、姿を変えてゆく。そしてその姿はどんな相手でも立ち向かう伝説の戦士へとなっていく。

 

 

 

ミント「安らぎの緑の大地!キュアミント!」

 

 

 

マーチ「勇気リンリン、直球勝負!キュアマーチ!」

 

 

 

L「出たね、プリキュア。そろそろ戦いの始まりだね」

 

 

 

私達は伝説の戦士、プリキュア。人々の平和を守るための存在。そして…、

 

 

 

ミント「ナッツさんを絶対助ける!」

 

 

 

マーチ「だから、負けられない!!」

 

 

 

その脅威に立ち向かう戦いが、今始まる……!



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第31話 危険な挑戦

私達はLと名乗る男の罠に嵌り、ナッツを人質として囚われてしまう。それに観覧車の扉が閉まっているため、どうにかして出なければナッツが危ない。ここは慎重に行動しないと…!

 

 

 

L「それじゃ、君達には扉が閉まっている観覧車から脱出してもらうよ。勿論制限時間有りでね」

 

 

 

ミント「かなり過酷になりそうだけど、気を引き締めていかないと…!」

 

マーチ「当たり前だよ、早くしないとナッツが危険だし…」

 

 

 

L「軽く説明しておくね。君達が乗っている観覧車は時間が経過する毎に上にあがってゆく。当然扉を壊したら君達の勝ち、この妖精君を返すしてあげる。ただし、それまでの間に邪魔者が来るから気をつけて。もしできなかったらこの観覧車は大爆発を引き起こし、君達は死ぬのさ。勿論この妖精君の命もないと思うけどね」

 

 

 

楽しそうに説明するLに、私はかなり怒りを溜め込んでいた…。

 

 

 

マーチ「ナッツに酷い目に合わせたら許さない、絶対に…!」

 

 

 

ナッツ「とにかく落ち着いて立ち向かわないとだめナッツ…」

 

 

 

ミント「ナッツさん、今助けるから待ってて!」

 

 

 

L「準備はOKかい?それじゃ脱出ゲームの開始だよ。時間は日没までだよ」

 

 

 

こうして、ナッツの命をかけたギリギリの脱出が始まった。当然私達にも影響される。

 

 

 

ミント「まずは自力で開けることからね。せぇの!(ギギギギ…)」

 

マーチ「ふんんんん…!(ギギギギ…)」

 

 

 

まずは両手を使って開けることにした。だが余裕で開かない。

 

 

 

ミント「やっぱりこれだけでは開かないわ、どうすれば…」

 

マーチ「次は私に任せてください。どうにかして開けてみせますよ」

 

ミント「お願いね」

 

マーチ「プリキュア・マーチシュ―――いやぁあああああああ!!」

 

 

 

次に私が突破しようとするが、突然目の前に苦手なものが現れた。何これ!?私に対しての嫌がらせ!?

 

 

 

L「キュアマーチ、君の弱点はわかるんだよ?確か虫が嫌いだったんだね」

 

 

 

咄嗟に現れたのは私の天敵の虫。しかもスズメバチ…。

 

 

 

L「そのスズメバチには数十倍の猛毒が入ってるから刺されたら危ないよ?」

 

 

 

ミント「それは危ないわ!マーチをやらせない!プリキュア・エメラルドソーサー!(ビィン!)」

 

 

 

すると私に襲い掛かるスズメバチをミントがバリアで守ってくれた。た、助かったぁ…。

 

 

 

マーチ「こうなったら強行突破を―――ってまだいるのぉ~!?」

 

 

 

だがまだ虫がいくつか飛び回っている。これじゃ行動すらできない。

 

 

 

ミント「なら私がなんとかするわ、はぁああああ!(バシュ!)」

 

 

 

L「さぁ、そろそろ時間だよ。おいで、ウザイナー(パチン)」

 

 

 

ウザイナー「ウザイナー!(ドン!)」

 

 

 

すると観覧車の外側に何か巨大な怪物が現れた。こんな時に…!

 

 

 

ミント「何あれ、見たことないわ…」

 

マーチ「アカンベェじゃないし、なんなの?」

 

 

 

L「驚いた?こいつは君達には知らないだろうね。そうだよ、ここを突破するには仕掛けにも耐えなきゃいけないからね」

 

 

 

あの怪物について何か知ってるだろうか…?だが今はそんなことを考えてる暇など…!

 

 

 

ミント「とりあえず猛毒を持った虫を排除したわ。あとはあの怪物を浄化しないと!」

 

マーチ「でもその前に扉を開けないと、てやぁああああ!!(ドン!!)」

 

 

 

ここで扉に蹴り一発をお見舞いした。しかし…、

 

 

 

L「あれ?そんな攻撃じゃびくともしないよ」

 

 

 

ミント「壊れない…?」

 

マーチ「そうか、この扉はかなりの衝撃に耐える使用なんだ。だったらおもいっきり技をぶつけないと…!」

 

 

 

蹴りだけでは破壊されないようだ。ならばこれで…!

 

 

 

マーチ「プリキュア・マーチシュート!!(バシュン!!)」

 

 

 

ナッツ「これならいけるナッツ!」

 

 

 

ミント「どうかしら!」

 

 

 

これなら壊れるはず…!どうだ…?

 

 

 

マーチ「…そんな。壊れてない……?」

 

 

 

L「だから言ってるでしょ?そんなショボイ技でびくともしないって」

 

 

 

ミント「傷一つついていない…」

 

 

 

な、なんで壊れないの……?



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第32話 思いを込めて…

マーチ「そんな…、私の攻撃が通用しないなんて……」

 

 

 

L「どうやら打つ手が少なくなってきたようだね。これじゃ助けられないよ?」

 

 

 

ウザイナー「ウザイナー!」

 

 

 

ミント「あの敵もなんとかしないといけないようね…」

 

 

 

私の攻撃すら通用しない扉に思わず挫折してしまう。これもあいつの企てのようだ…。

 

 

 

ナッツ「このまま時間が過ぎると二人が危ないナッツ…。どうすればいいナッツ…」

 

 

 

マーチ「まだ、やれる…」

 

ミント「マーチ?」

 

 

 

L「おや?これで諦めたんじゃないの?」

 

 

 

マーチ「諦めてなどいない!」

 

 

 

ナッツ「ナッツ…?」

 

 

 

それでも、私は立ち上がった。何かを成し遂げるまでは断念しないと私の心がそう告げているのだから。

 

 

 

マーチ「私は、今日新たな発見をした。それは安らぎだっていうことを」

 

ミント「……」

 

 

 

L「安らぎ?そんなのただの戯言じゃないか」

 

 

 

マーチ「その意味をこまちさんから学び、そしてその感覚を体感した。ただ真っ直ぐに突き進むだけではなくて時には癒しの気持ちを高ぶることも大事だって感じた…。勿論こまちさんだけじゃない、ナッツもその気持ちを教えてくれた。お互いの気持ちこそがその先の未来に繋がってゆくから、私が学んだことが自分自身の心が強くなるんだから。それが、私にとっての安らぎ…。だから、その気持ちを理解しようとしないアンタなんかに負けたりはしない!」

 

 

 

ナッツ「わかるナッツ、マーチの気持ちが…」

 

 

 

 

L「どうやら口で言ってもわからない娘だね。ウザイナー、二人を葬るんだ!」

 

 

 

ミント「扉を開けてしまえば敵の攻撃を受けてしまう。それでも立ち向かうわ!」

 

 

 

全力で思いをぶつける私と闘志を燃やしながら立ち向かうミント。まだまだ終わりたくない!

 

 

 

マーチ「はぁああああああ!!(ドドドドドド!!)」

 

 

 

ウザイナー「ウザイナー!(ガァン!)」

 

 

 

ミント「うぅうう!でもこれくらい、てやぁあああ!(ガシャン!)」

 

 

 

L「そろそろ時間切れになりそうだよ?」

 

 

 

退屈そうに教えてくるLだが、そんなことなど気にする余地もなかった。

 

 

 

マーチ「この扉が壊れるまで、攻撃をやめない!(ドン!!)」

 

 

 

ナッツ「頑張れナッツ!」

 

 

 

ミント「私もマーチと同じくらい本気を出すんだから!(ドン!!)」

 

 

 

何度も何度も攻撃を繰り返す私達。ところが…、

 

 

 

マーチ「うぅ…!腕に、傷が…」

 

ミント「大丈夫!?」

 

 

 

私の両腕がそろそろボロボロになってくるようだ。だけどそんなの関係ない…!

 

 

 

マーチ「私はまだいける。ここで脱出しないとナッツに顔を振り向けないからね」

 

ミント「そうね、ナッツさんのためにもうひと踏ん張りしましょう!」

 

 

 

L「賢しい娘達だ…。だけどもうすぐ時間切れだよ」

 

 

 

マーチ「それはどうかな?ペガサスよ、私に力を!!(ピキィン!)」

 

 

 

ここで私はプリンセスキャンドルを出してプリンセスフォームへと変身する。

 

 

 

マーチ「プリキュア、プリンセスフォーム!!」

 

 

 

ナッツ「この姿は…」

 

 

 

L「プリンセスフォーム…!」

 

 

 

ミント「すごいわ!そんな力を持っていたなんて!」

 

 

 

そしてキャンドルにデコルをセットする。っていうか、こんな技をいつの間にか習得していたなんてね…。

 

 

 

マーチ「これで貫く!マーチインパクトナックル!!(バゴォン!!)」

 

 

 

すると今までびくともしなかった扉が簡単に破壊できた。

 

 

 

L「まさかビックリ…」

 

 

 

ナッツ「これで二人が解放されるナッツ!」

 

 

 

ミント「やったわねマーチ!」

 

マーチ「はい!あとはあの怪物だけです」

 

 

 

さぁて、最後の一仕事と行きますか…!



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第33話 re-ekuserento

ミント「これで突破できたわ、あとはあなただけよ!」

 

マーチ「さぁ、早くナッツを返しなさい!」

 

 

 

L「でもまだウザイナーが残っているよ、そいつを倒さないと君達の勝ちじゃないからね」

 

 

 

なんとか扉を破壊できた。でもまだあの怪物が残っていた。油断はあってはならない。

 

 

 

ミント「やぁあああ!(ドン!)」

 

 

 

ウザイナー「ウザイナー!(バシュ!)」

 

 

 

L「とっておきの一撃を見せてあげるよ、やっちゃって!」

 

 

 

マーチ「そんなの、やらせない!(ガッ!)」

 

 

 

ウザイナー「ウザイナー!(ボボボボ!!)」

 

 

 

お互いが打撃攻撃をお見舞いするが、怪物に相殺されてしまう。だが…!

 

 

 

ミント「強行突破よ、エメラルドフルーレ!」

 

 

 

マーチ「気合と根性でカバーだ!プリンセスキャンドル!」

 

 

 

力尽きない限り、私達は絶対何度でも立ち向かってみせる!

 

 

 

ナッツ「二人の強い思いが伝わってくるナッツ」

 

 

 

L「これが、予測のできないシンクロだっていうのか…!?」

 

 

 

ミント「はぁああああ!(ガキィイイン!!)」

 

 

 

ウザイナー「ウザイナー!!(ドゴォオン!!)」

 

 

 

ナッツ「やったナッツ!」

 

 

 

ミント「今よマーチ!」

 

 

 

ミントの一撃で完全に動けなくなった怪物。あとは私が!

 

 

 

マーチ「折角の癒しの一日をぶち壊そうとするなんて、絶対に許さない!プリキュア・マーチシュートインパクト!!(バァアアン!!)」

 

 

 

L「く!ウザイナーが…!!」

 

 

 

私の一撃が、怪物を浄化した。これでナッツが開放される。

 

 

 

L「今回は君達の勝ちだよ、約束通り妖精君は返すよ。だが次はこうはいかないよ(バッ)」

 

 

 

ミント「あ!逃げられた…」

 

 

 

Lと名乗る男はそう言い残し、姿を消した。果たしてあいつは何者なんだろうか…。

 

 

 

ナッツ「助かったナッツ」

 

ミント「よかった、ナッツさんが無事で…(ホッ)」

 

マーチ「もう大丈夫だよ。怪我はない?」

 

 

 

私達はすぐにナッツの元へ向かったが、どうやら無事だったみたい。

 

 

 

ピンポンパンポン…

 

 

 

アナウンス『まもなく、閉館時間です。お忘れ物がございませんようお支度ください』

 

 

 

ここでアナウンスが鳴り響いたので速やかに場所を移動する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお「本当によかった。無傷だったもん」

 

ナッツ「済まなかったな。こんな俺を庇ってくれて」

 

こまち「謝る必要はないわ。むしろ私達の方が大丈夫よ」

 

遊園地を後にして、さっきの公園に戻ってきた私達。もうすっかり夜だ。

 

ナッツ「とりあえず、お前達の言葉は間違いじゃなかったようだ」

 

こまち「どういうこと?」

 

ナッツ「自分が大切にしていることを胸に刻み込んでいるから、俺も決心できたのかもしれない。特になおの言葉に気づかせられたんだ」

 

頷くように安堵するナッツに、私は思わず涙を溢した。

 

なお「なんだか嬉しい…。結局私が励まされていたみたいかも。ナッツには私の気持ちが伝わっていたんだね」

 

こまち「嬉しくて涙が止まらないみたいね」

 

ナッツ「そうだ。なお、最後に連れて行きたいところがあるんだ。少しいいか?」

 

なお「え?」

 

嬉し涙を溢す私にそっと撫でてくれるナッツはある頼みをした。連れて行きたいところってどこかな?

 

こまち「じゃあ私はここで待ってるわ。なおさん、伝えたいことをはっきり言うのよ」

 

なお「私がナッツに伝えたいこと…?」

 

ナッツ「こまち、あまり長居はしない。すぐに終わる」

 

ナッツがそう言い残すと、私の手を握ってとある場所へと移動した。でも、ナッツに私の思いは通じるんだろうか……。



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第34話 森羅万象(ありとあらゆるもの)

今回で緑コンビの話は終わりです。


ナッツ「何か悩んでいるのか?」

 

なお「特に悩みなんてないよ。そこまででもないし」

 

 

 

さっきの噴水に向かった私とナッツはゆっくりと噴水付近へと座る。そこでナッツが心配そうな顔しながら尋ねてきた。

 

 

 

ナッツ「今日は色々と楽しかった。おかげでこまちも笑顔になれたし」

 

なお「わ、私も楽しかったと思うよ。こまちさんとナッツのことも色々とわかった気がするから」

 

ナッツ「そうか。お前は大切な何かを携えているんだな、その気持ちからして」

 

なお「その何かっていうのは完全にはわからないけど、とにかくそれを実感できたんだと思う」

 

綺麗は夜空を眺めながら答える私。たった数時間だけだったけどかけがえのない出会いだったのかもしれない。それと、彼に伝えたいことがあるのだと。

 

 

 

なお「あのねナッツ、私のことどう思ってる?」

 

 

 

ナッツ「いきなりどうしたんだ?」

 

 

 

唐突な言葉に少し疑問に浮かべるナッツが返答する。これだけじゃ伝わらないかも…。

 

 

 

なお「なんていうか…。あれだよ、ナッツにとっての私の印象だよ(オドオド)」

 

 

 

ナッツ「少し焦ってるな。こういう時はリラックスするんだ、深呼吸しながら」

 

 

 

とても思うように言葉を言えない…。そしてそのまま深呼吸をして再び整える。

 

 

 

なお「ごめん、ちょっと気まずかったかも」

 

ナッツ「そうか、なら話を戻そうか。さっきの質問だが…」

 

なお「うん、ナッツは私のことどう思ってるかだね」

 

ナッツ「俺にとってのなおは―――」

 

 

 

あれ?ナッツの答えが風の音で遮られてるように感じる。いや、これはたまたまなのだろうか?

 

 

 

なお「もう一度言ってくれないかな?」

 

ナッツ「なんだ、ちゃんと聞いてなかったのか。仕方ないな、よく聞くんだぞ」

 

 

 

若干呆れながらさっきと同じ答えを告げる。やっぱりおかしいなぁ…。

 

 

 

ナッツ「俺が感じたのはこうだった―――」

 

 

 

なお「…え?」

 

 

 

ナッツ「これが俺の率直の感想だ」

 

 

 

ナッツの答えに思わず胸に手を当ててしまう私。なんだろう、この気持ち…。

 

 

 

なお「ナッツって…」

 

ナッツ「済まないが、このことはこまちには内緒にしておいてくれないか?」

 

なお「は、はい…(///)」

 

 

 

さっきのことといい、今のことも私の心が揺さぶられているような感覚…。もしかして私―――

 

 

 

ナッツ「どうした?顔が赤いぞ」

 

なお「そ、そんなことないよ。ちょっと照れてるだけで…」

 

ナッツ「どれ、熱でもあるかもしれないぞ」

 

なお「ひゃ!?」

 

 

 

私のおでこに触れるナッツが心配してくれる。これは別にあれとかそういうわけじゃ…!

 

 

 

ナッツ「よし、熱はないな。それなら安心した」

 

なお「あ、ありがとう…」

 

ナッツ「そろそろ時間がないし、こまちのところへ戻るか」

 

なお「わかった。ところでナッツはこまちさんのことどう思ってる?」

 

ナッツ「とても大切な存在だと思ってる。多分なおもこまち並の立ち位置かもしれない」

 

なお「なにそれ、ちょっと笑っちゃうんだけど」

 

 

 

最後は笑顔で。それが私にとっての直球勝負。今のナッツの言葉で新しい発見ができたかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こまち「あら、もう戻ってきたのね」

 

ナッツ「今日でなおのことが色々わかったんだ」

 

なお「私もこまちさんとナッツのことがわかったから」

 

 

 

私達を待っていたこまちさんが出迎えてくれる。どうやら嬉しそうだ。

 

 

 

こまち「私ももっとなおさんとお話したかったけど、今日は一緒にいてくれただけでも満足よ」

 

なお「私もです。こうやって話をしていると、私の友達と似ているなぁって思って」

 

こまち「そのお友達とは仲良くやっている?」

 

なお「ええ、なんでも真剣に取り組む姿が羨ましいくて。いつか私も友達のような努力できる存在になりたいです」

 

天真爛漫の笑みで思いをぶつける私に、こまちさんがこんな答えを発言した。

 

こまち「私にもね、真面目に取り組む友達がいるわ。多分なおさんが言ったことと似てるかも」

 

ナッツ「どうやらお互い似た者同士かもな」

 

するとナッツがにやけながら私とこまちさんの方に振り向いた。似た者同士?一体何を…?

 

なお「急にどうしたの?」

 

ナッツ「あんまり洒落にならなかったか。軽いジョークだ」

 

こまち「面白いかも、うふふ」

 

なお「もぉ~。なんか変だよ。けど、これはこれで悪くないかも」

 

ちょっとした面白話に吹き出す私達。そして時間は既に経過していた。

 

 

 

なお「じゃあ私、そろそろ帰ります」

 

こまち「今日はありがとう、とっても楽しかったわ」

 

ナッツ「またどこかで会えるといいな」

 

 

 

時計を確認する私を見送るこまちさんとナッツ。なんだか私もすごく楽しかった。

 

 

 

なお「こまちさんから借りてる小説、後で読みます。次会った時にその感想を言いますので」

 

こまち「うん、また会いましょ」

 

ナッツ「なお、自分の志を大切にするんだぞ」

 

なお「うん!」

 

 

 

こうして、私の新しい発見がまたできた。それは自分のありとあらゆるものを生かすことなのだと。それと、仲間にも伝わればもっと嬉しい。いつか自分の本当の夢に向かって突き進むものだと……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「…あれが、プリキュア……」



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えりひめアワー 第3回

久々の茶番です…。


えりか「みんなぁ~!元気にしてた?みんなのアイドル、来海えりかで~す!」

 

ひめ「…私ってプリティ?そんなこと、あるけど…。白雪ひめだよぉ……」

 

えりか「ってなんでこんなにテンションないのよ」

 

ひめ「だって…」

 

えりか「悩みなら私に言いなさいよ。なんでも相談に乗るから」

 

ひめ「落ち着いて聞いて。実は昨日でハピネスチャージプリキュア!が終了しちゃったんだよぉ~!!(しくしく)」

 

えりか「現実を受け入れなさい、それともうアンタの時代は終わりなのよ」

 

ひめ「そんなぁ~!!私これからどうしたらいいの!?(しくしく)」

 

えりか「でも、まだまだこれからじゃない。次からは私と引き続きコンビを組めば大丈夫だって!」

 

ひめ「本当!?流石姉さん!!心も身体も優しい!!」

 

えりか「もっと褒めてぇ~。ってこんなことしてる場合じゃなかった!」

 

ひめ「そうだね、今回は3回目だし。気合を入れていこ~!!」

 

 

 

えりか ひめ「「それでは、えりひめアワー始まるっしゅ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この番組は、やるっしゅコーポレーションの提供でお送りします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「今回はゲストがいないので私達だけで雑談の時間にしたいと思います」

 

ひめ「いいの?スポンサーに怒られない?」

 

えりか「大丈夫だって、私を信じなさいって」

 

ひめ「この前は四葉財閥からゆうこのキャンディ禁止令を結構受けたからね…」

 

えりか「まぁ細かいことはおいといて、早速始めよう!」

 

ひめ「っで、何を話せばいいかな…?」

 

えりか「勿論、ゴープリの話です」

 

ひめ「あぁ、新しいプリキュアね」

 

えりか「あの三人の中で誰が好みなのかを話し合おうではないかひめ君!」

 

ひめ「すごごご~い!やっぱり姉さんはしびれるぅ~!」

 

えりか「一応私としては同じ青キュアのキュアマーメイドがいいかも。久々のお姉さん的ポジションが来てくれて興奮しちゃうし」

 

ひめ「それに久々のババ―――ごふっ!(ボゴ!)」

 

えりか「おひめちゃ~ん。それは言わないお約束のはずではなくて?」

 

ひめ「す、すみませんでした……」

 

えりか「では気を取り直して、そのマーメイドの変身者なんだけど。名前は海藤みなみっていう娘らしいわ」

 

ひめ「苗字を聞くといおなのことが気になっていた海藤君を思い出すわ」

 

えりか「偶然ね。私もビックリ」

 

ひめ「では次は私の出番。個人的は黄色ポジのキュアトゥインクルが好みかも」

 

えりか「あぁ~。あれは一番可愛いかも」

 

ひめ「でそでそ?それで変身者はとっても人気のモデルらしいよ。名前は天ノ川きららちゃん!」

 

えりか「どひゃぁ~!超プリティ~!!」

 

ひめ「なんてたって、今まで私が見てきた黄色の中で結構の可愛さがあるんだよ。個人的にはとてもバッチリ!」

 

えりか「熱心高いわね。ん?ちょっと電話に出る」

 

ひめ「わかった」

 

 

 

えりか「ふむふむ。え?わかった。すぐ向かう」

 

 

 

ひめ「どんな内容?」

 

えりか「ごめん、ちょっと急用ができちゃったから今回はこれで終了したい」

 

ひめ「じゃあ次回に持ち越し?」

 

えりか「そうなるかも。それまでには戻る、また会おう!」

 

 

 

ひめ「とりあえず今回は急な予定変更ができてしまいましたが、この続きはまた次回に持ち越します。それではそれではえりひめアワー、次回もよろしくっしゅ!」



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第34.5話 その先の運命②

以前の続きです。


私とキュアエコーは謎の脅威に立ち向かうため、共に行動している。一体何が狙いなのかしら…。

 

 

 

ローズ「どうやら景色が怪しくなってきたわ」

 

エコー「何かが、来るかも……」

 

 

 

必死で警戒するが、どうしても身体中の震えが止まらない。前に進む程次第に景色が真っ黒に染まっていく。この憎悪は今まで感じたことのないものだった。

 

 

 

???「…おす、……キュアを、倒す……!」

 

 

 

ローズ「そこね、だぁああああ!!(バシュ!)」

 

エコー「当たってない…?」

 

 

 

すると背後から謎の物体が現れた。私はそれに気づき攻撃をしたが、何も当たった感覚もなかった。

 

 

 

ローズ「何がどうなってるの…?」

 

エコー「後ろよ―――ああああ!!」

 

 

 

???「倒す…。プリキュアを、倒す……」

 

 

 

エコーが攻撃を受けてしまい、目の前に謎の物体の姿が見えた。

 

 

 

ローズ「やっぱりアンタね。何が狙いなのよ」

 

 

 

???「我は…、ネオフュージョンの欠片…。そして、プリキュアを全員抹殺するのが……、我の役目……」

 

 

 

エコー「ネオフュージョン…?」

 

 

 

エコーが不振を抱くように呟く。私もそのネオフュージョンとやらを聞いたことすらない。

 

 

 

欠片「ミルキィローズにキュアエコー…。ここが貴様らの墓場となる…」

 

 

 

ローズ「私達の力を知らないアンタには負けはしない!はぁあああ!!(ドン!)」

 

 

 

欠片「無駄だ、貴様らの技など既に研究済み…。ふん…!(スバッ!!)」

 

 

 

エコー「人間の姿に変わった!?それとなんて素早い攻撃なの…!?」

 

 

 

ローズ「くっ!このままじゃ拉致があかないわ、ミルキィローズ・メタルブリザード!!(ボォオオオ!!)」

 

 

 

なんとか強力な一撃を放つことができた。これで倒せるはず…!

 

 

 

欠片「我にそんな攻撃は通用しない…。もはや勝ち目などない…(ボォオオオ!!)」

 

 

 

ローズ「うぅうう…!!まだ、終わりじゃない!(ドゴォオオン!!)」

 

 

 

しかしやつには少しも効いてなかった。でも、ダメなら別の方法を見つけるだけよ!

 

 

 

エコー「私も手伝うわ、はぁああああ!!(ドン!)」

 

 

 

欠片「キュアエコー…。貴様は只者ではなさそうだ、ここで息絶えるがいい…!(スバァ!!)」

 

 

 

エコー「きゃああああああ!!」

 

 

 

ローズ「エコー!!よくも、てやぁああああ!!(ドドドドドド!!)」

 

 

 

欠片「無駄なことだ…。我を倒すなど甘い考えだ…!(ギィン!!)」

 

 

 

再びエコーがダメージを受けてしまう。そして私も必死で反撃を行うが、やつに傷一つつけられない…。

 

 

 

欠片「あとは貴様だけだミルキィローズ。大人しく絶望を受け入れるがいい…」

 

 

 

ローズ「そんなわけ、ないでしょ!!」

 

 

 

エコー「ローズ…?」

 

 

 

欠片「ほう…。まだ抗うか、このネオフュージョンの欠片なるこの我に」

 

 

 

ここで諦めるわけにはいかない。この世界を闇に染めないために…。

 

 

 

ローズ「どんなことがあっても、アンタみたいなやつなんかに世界を滅ぼされてたまるもんですか!」

 

 

 

エコー「私も同じよ…。みんなの笑顔を取り戻すために、戦っているのよ!」

 

 

 

どうやら私とエコーの思いは一緒だった。それに、なんだか心が暖かい。力もみなぎってくる。

 

 

 

ローズ「行くわよ、エコー」

 

エコー「ええ、行きましょうローズ!」

 

 

 

欠片「ならもう一度かかってくるがいい。今度こそ貴様らを葬ってやる…!」

 

 

 

私達の決意を受け止め、再び立ち向かう。世界を滅ぼそうとする相手に負けないために……!



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第35話 青き道

今回から青コンビ回です。


れいか「さて、私はそろそろ自分の用を済ませないと」

 

 

 

ポップ「れいか殿、これからどこにいくのでござる?」

 

 

 

れいか「あ、ポップ。ちょっと用事がありまして」

 

ポップ「なるほど。今日はみんな一緒ではないのでござるな」

 

れいか「はい。みなさんはそれぞれ個人の用があります。さっきまであかねさんとなおで食事をしていました」

 

ポップ「みゆき殿とやよい殿はそうされたでござる?」

 

れいか「二人とも既に予定がありまして。今は私一人だけです」

 

ポップ「拙者も丁度暇だったので今日はれいか殿と過ごしてもいいでござるか?」

 

れいか「はい、勿論です」

 

 

 

やはり、みんながいないとかなり変わってしまいますね……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の名前は青木れいか。七色ヶ丘中学の生徒会長を務めています。明日は他校との学校交流会ということで休日を利用して企画を考えていたところなんです。けれどもそのアイディアの何かが足りなくて今はそれを探しに行こうと考えています。果たして私の考えに足りないものは一体なんでしょうか…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポップ「それで、どこへ向かうつもりでござる?」

 

れいか「気晴らしにお花を見に行こうと思っています。そういえばキャンディもいませんね」

 

ポップ「キャンディはみゆき殿と一緒にいるでござる。随分と楽しそうでござる」

 

歩道を歩きながら会話する私とポップはのどかな青空を眺めています。ちなみにキャンディはみゆきさんと一緒だそうです。

 

れいか「綺麗な青空ですね」

 

ポップ「まさにその通りでござる。入道雲も流れるように進んでいるでござる」

 

れいか「青空…。なんだか私の道にピッタリですね…」

 

ここで私は目を閉じながらあることをイメージします。青い空の先に浮かぶものを想像して、見えたものはなにかを考えます。

 

 

 

れいか(……今私に見えてるもの。その先に浮かぶものは……)

 

 

 

…?これは……。

 

 

 

ポップ「どうしたでござるれいか殿?」

 

れいか「あ…。ちょっと目を閉じて風に当たってただけです」

 

今私に見えたものは一体……。

 

ポップ「厳つい顔をしてるように見えたでござるが…」

 

れいか「いえ、なんでもありません。それよりそろそろお花を見に行きましょう」

 

ポップ「承知した」

 

正気に戻るように我に返った私はなんとか誤魔化します。やはり今見えたのはなんだったんでしょうか…。多分私達以外に誰かがいたような……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~近くのガーデン~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポップ「ここみたいでござるな」

 

れいか「そうなんです。ここの地域では結構有名な某所なんですよ。気に入ったお花を買うこともできますし」

 

目的地に到着すると、私達は早速辺りを見渡します。どうやらここは月に一度のフェスティバルが開催されているんだとか。

 

ポップ「周りはなかなか素敵だと思うでござる」

 

れいか「ちょっと散策しちゃいますか。それからみなさんにお花を買ってあげます」

 

お土産がてらにみゆきさん達にお花を買ってあげることにします。でもまずは一回り巡ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「…キュアは、我が…倒す……」



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第36話 hava to miracle

私は今ポップと一緒にとある庭園のお花を見ています。どれも彩がとても綺麗です。

 

れいか「そういえば明日の交流会用の花束も見ていかないといけませんね」

 

ポップ「交流会って明日はどうされるでござる?」

 

れいか「実は明日、他の学校の生徒との交流会があるんです。そのための花束が必要なのでいくつか調達しようと思ってます」

 

自分のポケットからメモを取り出して内容を確認します。やはりこれだけの量があれば結構大変ですね。

 

ポップ「それは大変でござるな。流石にかなりの量になりそうでござる」

 

れいか「仕方ありませんね。これも生徒のみんなを楽しませるための催し物ですし」

 

ここでビニールハウスに入ると、珍しいお花を眺めている人がいました。なんでしょうか、この真剣な表情は…。

 

 

 

???「この花だったら、みんな喜んでもらえそうね」

 

 

 

れいか「あの、すみません。そのお花はなんていうのでしょうか?」

 

私は思わずお花を眺めていた人に声をかけてみます。この色はあまり見かけませんが…。

 

 

 

???「これはハナミズキっていうのよ。普段見るものとはちょっと色が違うけど、青くて静かな感じがするでしょ?」

 

 

 

れいか「ハナミズキは私も知っていますが、青色のハナミズキってあまり見かけないですね」

 

ポップ「れいか殿、少しの間留守にするでござる。拙者もちょっと花を眺めてたいでござる」

 

れいか「早い内に戻ってきてくださいね?」

 

するとポップはスタコラサッサとビニールハウスの外へ行ってしまいました。一体どうしたのでしょうか…?

 

れいか「私もその花、好きですよ。他にはコスモスとかも好きです」

 

???「あなたも好きなのね。私は色々と見ていたりするわ、その時の時期に合った花をね」

 

ハナミズキを眺めていたのは私より年上に見える女性。とても大人らしい雰囲気です。

 

れいか「あの、もしよかったら私にもお花のことの話を聞かせてくれてもよろしいでしょうか」

 

???「いいわよ。私も丁度花を買いに行こうと思ってきたわけだし」

 

れいか「そうですか。素敵なお花が見つかるといいですね」

 

私は思わず微笑んでしまいます。なんだか心優しい人ですね。

 

???「それじゃ、今日は私と一緒に花を買いましょう。それでいいかしら?」

 

れいか「はい、ありがとうございます」

 

???「ところであなたの名前は?」

 

れいか「青木れいかって言います」

 

私は笑みを浮かべながら自己紹介します。ちょっと照れちゃいました…。

 

???「なかなか素敵な名前ね、私は水無月かれん。よろしくね」

 

どっかで聞いたことのある名前ですが、気のせいでしょうか…?

 

 

 

れいか「というわけで、私の方こそよろしくお願いします」

 

かれん「ええ、お互いに素敵な花を見つけましょう」

 

 

 

すごく心が落ち着くような気持ち…。もしかしたら私に新しい発見が見つかったのかもしれません。清き道という新しい発見が……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「ゼツボーグの出番はまだまだのようだ。この世界で使用するべきではなさそうだ…」



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第37話 乙女の花束

かれん「れいかはどんな花を買いたいの?」

 

れいか「見栄えのいい種類がいいと思います」

 

ビニールハウスを後にした私達は一度広場方面の売り場へ移動します。やたらと綺麗なお花があって気分がスッキリしますね。

 

かれん「そうね、私も豪華さを引き立てるような花がほしいわね」

 

れいか「お花は季節に合わせた方が雰囲気出ますしね。今は丁度いい暖かさの時期ですし、ローズマリーやアサガオ、シュウメイギクとか色々いいと思います」

 

かれん「カーネーションやジャスミンなんかもどうかしら」

 

れいか「勿論有りだと思います」

 

売り物のお花を見ながらどのような種類がいいかを話し合う私達。やはりみなさんが喜ばれる種類が一番いいと感じますね。

 

 

 

店員A「いらっしゃいいらっしゃい。うちの花も見ておくれよ」

 

 

 

かれん「どうやらおじさん達も店をやっているみたいね」

 

れいか「ちょっと見てみましょう」

 

すると大きな声でお客さん達を招いていた店員の店が気になったので早速向かうことにしました。でもお花屋さんを開くのって大体女性のイメージがある気がするのですが…。

 

 

 

店員B「いらっしゃいお嬢ちゃん達。ゆっくり見てもいいよ」

 

店員C「この時期にピッタリの花がたくさんあるからね。うちの店は他のところより負けないのさ」

 

 

 

自慢げに招く店員二人の言葉に鵜呑みしながら店のテントへ入る私。かれんさんは外の方のお花を眺めるそうです。

 

れいか「こちらのマーガレットやラベンダーがとても素敵です」

 

店員A「そうでしょ?今はこれが売れてるのよ。俺はこの店を開いてからずっと花にこだわってるんだよ」

 

彩のいいマーガレットとラベンダーに見惚れる私に、店員さんは少し照れます。

 

れいか「やはりおすすめはこの二種類でしょうか?」

 

店員A「その通りさ。一番こだわって育てた花なんだから、完璧だよ」

 

一方かれんさんの方はというと…、

 

 

 

かれん「フウセンカズラにゼラニウム、それにアネモネ。どれも可愛らしいわね」

 

店員B「お客さんのオーダーによって用意する花が変わるんだよ」

 

 

 

店員さんに今おすすめの花を聞いてみる。私だったら色々といいけれども、ここはあることのために真面目に考えないと。

 

店員C「お嬢ちゃん、何か探している花はあるかい?」

 

かれん「アマリリスとスノーフレーク、それとツバキにハイビスカスをお願いするわ」

 

店員B「何かに使うのかい?」

 

かれん「ええ。明日の行事で使いたいからあるだけ用意してもらえる?支払は後日私の執事が振り込んでおくから」

 

 

 

店員二人「「あるだけって、えええええ!?」」

 

 

 

れいか「…?」

 

 

 

どうやらかれんさん側の方の店員さん二名の叫び声が聞こえたような気がしたんですが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

店員A「ありがとね、またいつでもおいで」

 

店員B「まさか今日の在庫の半分近く買い取られてしまうとは…」

 

店員C「お嬢ちゃん達なかなか筋がよかったよ」

 

かれん「こちらこそ、いい買い物ができたわ。ありがとう」

 

れいか「私も目的のものを買えましたので。ありがとうございました」

 

 

 

そして私達はそれぞれ目的のお花を購入し、店を後にしました。

 

 

 

かれん「そういえばれいかは今買った花をどうするの?」

 

れいか「明日とある行事で使おうと思いまして。かれんさんはどうされるのですか?」

 

かれん「私も同じよ。明日は重要な行事があるから。それに使おうと思ってるの」

 

どうやらかれんさんにも何か目的があって使うのですね。なんだかホッっとしちゃいます。

 

れいか「やっぱり、こうやって眺めていると落ち着きますね」

 

かれん「ええ。心がとても…」

 

 

 

お花には、人々を幸せにするだけじゃなく愛や希望が溢れてるものだと私には感じます。様々な種類でその効果は違いますし、ものによっては卓越した雰囲気を漂わせるものだと実感します。これなら……、

 

 

 

かれん「れいかはどんな花を買った?」

 

れいか「私は五色のバラです。ちょっと小さいですが、みんなが幸せになってくれるのならそれでいいです」

 

 

 

みゆきさん、あかねさん、やよいさん、なお、そして私のイメージカラーなら離れていても繋がってくれるはずかもしれません。なぜなら私達は共にいる仲間なのだから…。

 

 

 

かれん「そろそろお茶にしましょうか。この近くに喫茶店があるらしいわ」

 

れいか「はい。そうしましょう」

 

 

 

丁度いい時間になってきましたので、私達は一旦お茶の時間にすることにしました。



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第38話 心の形

ウェイトレス「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」

 

れいか「二名です」

 

ウェイトレス「それでは、あちらのカウンター際の席へどうぞ」

 

 

 

一息つくために、私達は近くの喫茶店でお茶をすることにします。そういえばポップはいつになったら戻ってくるのでしょうか?

 

 

 

かれん「ここの喫茶店、最近オープンしたらしいわよ」

 

れいか「結構素敵な場所ですね」

 

店中を見渡すと、とてもお洒落な空間です。こういう日にくつろぐのは悪くないですね。

 

 

 

ウェイター「ご注文はお決まりでしょうか?」

 

 

 

ここでウェイターさんが注文を伺いにきました。さて、メニューは…、

 

 

 

かれん「私はチョコモンブランとアイスティーで。ミルクとガムシロップは結構よ」

 

れいか「私はマドレーヌとレモンティーでお願いします」

 

ウェイター「ご注文を繰り返します。チョコモンブラン、アイスティー、マドレーヌ、レモンティーがそれぞれお一つずつでよろしいでしょうか?」

 

れいか「はい」

 

 

 

それぞれ注文したいメニューをお互いに告げます。

 

 

 

ウェイター「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」

 

 

 

あとは品が来るのを待つだけですね。

 

 

 

かれん「ねぇれいか、こうしてお茶するのって結構楽しいのよ」

 

れいか「わかります。私も時々親友と一緒にお茶する時があります。とても楽しいものでした」

 

かれん「私にも、大切な親友達がいるの。その一人はいつも私を支えてくれてるの」

 

れいか「どんな人ですか?」

 

かれん「誰にも負けない意思があって、ひたすら前向きな娘よ。その親友は小説家を目指しているのよ」

 

かれんさんの親友の特徴を聞く私は関心するように安堵します。

 

れいか「小説ですか…。それは自分の想像から生まれる物語ですね」

 

かれん「ええ。どんなにつらいことがあってもめげずに自分の意思を貫き通すのよ。私はその娘といると、心が落ち着くのよ」

 

れいか「かれんさんはとても友達思いなんですね。私にも同じような親友がいます」

 

するとここで丁度よく品物が来ました。

 

 

 

ウェイター「お待たせいたしました。チョコモンブランとアイスティー。それからマドレーヌとレモンティーでございます」

 

 

 

かれん「とりあえず、まずは食事にしましょうか」

 

れいか「はい、そうですね。続きはまた後にしましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かれん「このモンブラン、とても美味しいわよ。一口食べてみる?」

 

れいか「ありがとうございます。それでは(あむっ)」

 

 

 

少し時間が経過したところでかれんさんのモンブランを頬張る私。味はとても美味しいです。

 

 

 

れいか「ビターがとてもアクセントを効いてますね」

 

かれん「それじゃ、れいかのマドレーヌを一口いただくわ(ぱくっ)」

 

 

 

そしてお返しとして私のマドレーヌをかれんさんが一口頬張ります。

 

 

 

かれん「うん、オレンジの風味がいい感じね」

 

れいか「この味だと、私も作れそうな気がします」

 

かれん「そうね、もしよかったら今度れいかとその親友にケーキをごちそうしてあげる。その時はちゃんと私が振舞うわよ」

 

れいか「と、とんでもありません…。別にそこまでのことでは…」

 

かれん「あら?もう私達は親友じゃない。遠慮なんていらないのに」

 

私のあどけなさを気にせず、かれんさんが答えてくれます。ちょっと、鈍感さが出てきてしまいました……。

 

れいか「親友、ですか…。なんだかかれんさんと気が合うような感じがします」

 

かれん「私も同じ考えよ。れいかはなんでも親切な気がするから」

 

お互い笑みを浮かべながらお茶を飲んでいると…、

 

 

 

客人「大変だ!向こうで爆発の音が聞こえてきたぞ!」

 

 

 

かれん「なんですって!?」

 

れいか「何かがありそうですね…。行きましょう!」

 

 

 

お客さんの一人が慌てるように報告をしてきました。早く喫茶店と外の皆さんを非難させないと、大変ですね…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~噴水付近~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「どこにいる…?」

 

 

 

かれん「この騒ぎの張本人はあなたみたいね…!」

 

れいか「なぜこのような真似をするのですか!」

 

 

 

???「…お前達は…。キュアアクアにキュアビューティか…」

 

 

 

かれん「なぜ私達のことを!?」

 

れいか「あなたは何者ですか!」

 

 

 

???「我は…ネオフュージョンの欠片…。お前達プリキュアを抹殺するために生まれた存在……」

 

 

 

ポップ「れいか殿~!!無事だったでござるか!(ダッダ!!)」

 

 

 

れいか「ポップ!?」

 

 

 

騒動の元凶を確認すると、その相手は銀色の身体をした謎の物体。いかにも奇妙な生命体のようですね…。

 

 

 

かれん「どうやら、あなたをここで倒すしかないようね」

 

ポップ「気をつけるでござる!そいつは今まで見たことのない相手でござる!」

 

れいか「なんとなくそんな気がしました…。かれんさん、行きますよ!」

 

 

 

欠片「我を倒せるのなら、やってみるがいい……!」

 

 

 

かれん れいか「「そうはさせないわ(ません)!!」」

 

 

 

相手が体勢を整えるように私達に近づきます。ちなみにガーデンの皆さんは既に非難しているようで無事でした。

 

 

 

ポップ「頼むでござる…!」

 

 

 

そして私達は何かを取り出し…、

 

 

 

かれん「プリキュア・メタモルフォーゼ!!」

 

 

 

れいか「(レディ?)プリキュア・スマイルチャージ!!(ゴー!ゴーゴーレッツゴービューティー!)」

 

 

 

掛け声とともに、青い光に包まれます。そして徐々に姿を変えていきます。

 

 

 

アクア「知性の青き泉!キュアアクア!!」

 

 

 

ビューティ「深々と降り積る清き心、キュアビューティー!!」

 

 

 

欠片「あれが伝説の戦士、プリキュアか…」

 

 

 

その姿こそが、伝説の戦士プリキュア。どんな相手でも必ず勝つのが私達です…!

 

 

 

アクア「あなたの好きにはさせないわ!」

 

ビューティ「私達が止めます。さぁ、覚悟なさい!」

 

 

 

そして、私達の平和をかけた戦いが今幕を開けます……!



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白雪ひめの版権無視妄想劇場(?)

適当に思いついたネタです…。


ぴかりヶ丘にとある少女がいました。その少女はブルースカイ王国のプリンセスです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひめ「サイアーク、これ以上好きにはさせないわ!」

 

 

 

サイアーク「サイアーク!」

 

 

 

ナマケルダ「ノコノコとやられにきましたか、全く諦めの悪い少女ですな」

 

 

 

ひめ「今日の私はいつもと違うんだから!覚悟しなさい!」

 

 

 

ナマケルダ「あぁ、めんどくさいめんどくさい。ならこちらからいかせてもらいますぞ?」

 

 

 

サイアーク「サイアーク!」

 

 

 

ひめ「行くわよ!」

 

 

 

ピカァ!

 

 

 

その時、不思議な出来事がおきた!!

 

 

 

ひめ「プリキュア・プリンセスエンゲージ!」

 

 

 

説明しよう!白雪ひめこと、ヒメルダ・ウィンドウ・キュアクイーン・オブ・ザ・ブルースカイはプリンセスパフュームにドレスアップキーを差し込むことによって、プリンセスプリキュアへと変身するのだ!

 

 

 

プリンセス「天空に舞う蒼き風のプリンセス、キュアプリンセス!」

 

 

 

ナマケルダ「ほぉ、新たな力ですな」

 

 

 

プリンセス「冷たい檻に閉ざされた夢、返していただきますわ。お覚悟はよろしくて?」

 

 

 

サイアーク「サイ?」

 

 

 

ナマケルダ「まぁいいでしょう。サイアーク、やってしまいなさい!」

 

 

 

プリンセス「そうはいかないわ!プリンセス・爆弾ボンバー!!(ボボボボ!!)」

 

 

 

ナマケルダ「いつものプリンセスの力ではないようですな。何かが変わってる気がしますぞ…」

 

 

 

サイアーク「サイアーク!(ドォン!)」

 

 

 

プリンセス「私にはそのような攻撃、通用しませんわ。そろそろとどめといきますわよ」

 

 

 

そして、プリンセスはプリンセスパフュームの十字型のマークを回すことによってモードエレガントへエクスチェンジするのだ!

 

 

 

プリンセス「エクスチェンジ!モードエレガント!」

 

 

 

眩い光が彼女を照らし、その力で敵を浄化するのだ!

 

 

 

プリンセス「舞い上がれ風よ!プリキュア・ブルーハッピーシュート!(ブシュウウウ!!)」

 

 

 

サイアーク「ご~くら~く!(シュウウ…)」

 

 

 

プリンセス「ごきげんよう」

 

 

 

ナマケルダ「こんなの、認めませんぞ…」

 

 

 

プリンセス「開け、夢への扉!―――「ってそんなことできるわけないでしょうが!!(バキ!!)」ごふっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「なんでアンタがプリンセスプリキュアになりきってるのよ!アンタハピネスチャージプリキュアでしょ!?」

 

 

 

ひめ「ごごごめんなさ~い…(しくしく)」

 

 

 

ブ○グド○フ「私はひめがあのような姿でも似合ってると思うであります!」

 

 

 

えりか「でもひめがあんな性格だしぃ~。プリンセスプリキュアには向かないわよ」

 

 

 

ス○ーリ○「お前が言うなし」

 

 

 

ひめ「てかおじさん達はプリオタ総統の元に帰りなさいよ」

 

 

 

ありす「そろそろお時間が来ましたのでここでお別れですわ。それではごきげんよう」

 

 

 

ひめ「待って!まだ私の出番がぁ―――(ブツン!)」

 

 

 

 



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第39話 闇の刺客者

欠片「キュアアクア、それとキュアビューティー…。貴様らを倒す……」

 

 

 

ポップ「あいつからとてつもない邪気を放っているでござる…。二人とも、気をつけるでござる…!」

 

アクア「わかったわ。なんとか足止めをしてみせる」

 

ビューティー「ポップはできるだけ下がっていてください」

 

ポップ「招致した、拙者とてさっきまで怪しいやつがいないかを確認していたんでござるよ?」

 

ビューティー「なるほど。だからさっき席を外していたのですね」

 

 

 

相手の様子を窺うように攻撃体制を取る私達。ここは相手の好きにはさせません…!

 

 

 

欠片「覚悟しろ…(ビュイィイン!!)」

 

 

 

アクア「ビーム攻撃ね…!」

 

ビューティー「私に任せてください!プリキュア・ビューティーブリザード!(ヒョォオオ…!)」

 

 

 

ビキィイイン…!

 

 

 

相手からの攻撃をなんとか相殺します。でもまだ油断はできません…。

 

 

 

欠片「次はこれをくらえ…。ふん!(ババババババババ!!)」

 

 

 

今度は無数の槍を飛ばしてきます。この数では…!

 

 

 

アクア「そうはさせない!プリキュア・サファイアアロー!(ダダダダ!)」

 

 

 

欠片「手ぬるいな…(ババババババババ!!)」

 

 

 

アクア「防ぎきれない…!」

 

 

 

ザシュ!

 

 

 

ビューティー「ああああ!!」

 

 

 

やはりあんな数では防ぎようがありません…。私は右腕に数本貫通され、身動きが取りにくくなってしまいます。

 

 

 

ポップ「酷い傷でござる…。なんて卑劣な真似を…!」

 

 

 

欠片「我の目的はただ一つ。全世界のプリキュアを抹殺すること、それだけだ…」

 

 

 

アクア「全世界ですって…?」

 

 

 

欠片「プリキュアはいくつもの世界にたくさん生息している。そいつらを倒すのがネオフュージョンである我々だ…。まだ我以外にも仲間は存在する…」

 

 

 

ビューティー「あなたの他にも仲間が…?」

 

 

 

そもそもネオフュージョンって何なのですか…?何も聞いたことがありません……。

 

 

 

欠片「我々は複数で行動している。そいつらがやがてお前達を潰すだろう…」

 

 

 

アクア「何者なのかわからないってわけね…」

 

ビューティ「まだ、私はやれます…!」

 

ポップ「無茶でござる、その傷で何ができるでござる?早く注射デコルで…」

 

ビューティー「その必要はありません…」

 

ポップ「…え?」

 

 

 

私はポップの話を拒否するように呟きます。私は…、ここで諦めません!

 

 

 

ビューティー「これは絶対負けられない戦いです。正々堂々と戦わないと意味がありません…!」

 

 

 

欠片「ほぉ。我の攻撃を受けてもまだ立ち直れるとはな…」

 

 

 

アクア「私も同感よ。諦めたらそこで終わりだから…」

 

 

 

私の傷が酷くても戦い抜く、それが戦士としての誇り…。アクアはまだ軽傷ですが、私の右腕は既に流血しています。そして刺さっていた槍を全てまとめて引き抜きます。

 

 

 

ビューティー「うぅうう…!!(ズバ!!)」

 

アクア「ビューティー!?」

 

ポップ「なんて無茶な真似を…!?」

 

 

 

欠片「まだ抗うというのか…。いいだろう、今度こそ葬ってやる…」

 

 

 

ビューティー「葬るのはあなたの方です!私はこの戦いという名の道を、ただ突き進むだけです!」

 

アクア「どんな困難でも、それを助け合って戦うのがプリキュアとしてのプライドよ!」

 

 

 

アクアが手を指し伸し、私はその手をつかみます。なんとか立ち上がりましたが、傷を負った腕にダメージが来ています。

 

 

 

欠片「大人しく我に葬られるがいい…!」

 

 

 

アクア「そうはいかないわよ、私達は絶対に勝つんだから…!」

 

ビューティー「私達の本当の力を、見せてあげます!」

 

 

 

その誇りを残しつつ、再び立ち向かいます…!



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第40話 ダーク・バッドエンド

アクア「ビューティー、立てる?」

 

ビューティー「はい、私は大丈夫です…」

 

 

 

私の右腕のダメージが大きいですが、この程度の痛みなら耐えられます…。なんとしても粘るしかありませんね。

 

 

 

欠片「いい度胸だ。ならこれならどうだ…(ビュン!)」

 

 

 

アクア「そうはさせない、サファイアフルーレ!(バァン!)」

 

 

 

敵の攻撃をアクアが弾き返します。しかし…、

 

 

 

欠片「お前はがら空きだ、ふん…!(ババババ!)」

 

 

 

ビューティー「攻撃が読めない…!?」

 

ポップ「後ろでござる!てぇい(ボン!)」

 

 

 

私に向かって予測できない弾丸を放ってきます。するとポップはなんとか私を守ってくれました。

 

 

 

ビューティー「ポップ…」

 

ポップ「大丈夫でござる?拙者だってお役に立ちたいでござるよ」

 

アクア「でもまだ油断はできないはずよ」

 

 

 

欠片「こうなったら、我の本当の力を見せてやる。ここで息絶えるがいい…!(ゴゴゴゴゴゴ…!!)」

 

 

 

相手からとてつもない威圧を感じます。あ、あれは…!?

 

 

 

バァアアア…!!

 

 

 

欠片「お前達の闇の存在だ。生まれ変わったダークアクアとバッドエンドビューティーの力を受けてみるのだ…、やれ」

 

 

 

アクア「一度戦った相手だけど、負けはしない!」

 

ビューティー「あの敵は一体どこまで…」

 

 

 

相手の闇の力から生まれた私達の闇の存在。しかも表情すら何もないところがまた油断できないようですね…。

 

 

 

ダークアクア「…倒す」

 

バッドエンドビューティー「……全てはネオフュージョンのために」

 

 

 

アクア「え…?ダークアクアもキュアフルーレを…?」

 

ビューティー「あっちもプリンセスキャンドルを…」

 

 

 

欠片「そうだ。やつらはお前達に倒された後、絶望の力で強化したのだ…。よってお前達の更なる力を使うことができるというわけだ…」

 

 

 

当然、相手も本気でかかるつもりです。けど私達は負けません!

 

 

 

ダークアクア「まずはあの忌々しい花を焼き払う…」

 

 

 

ビューティー「まさか、さっきのお花屋さんに!?」

 

アクア「おじさん達は避難したはずよ?でもあれだけの量の花を置き去りにすることなんて…」

 

 

 

バッドエンドビューティー「人間がいる…」

 

 

 

ポップ「二人がさっき行った花屋の店員達がいるでござる!早く避難させねば!」

 

 

 

するとさっきのお花屋さんに店員さん達が守るように横に並んでいました。このままでは危ないです…。

 

 

 

バッドエンドビューティー「殲滅する…」

 

 

 

ビューティー「そうはさせません!ペガサスよ、私に力を!(パァアア…)」

 

 

 

バッドエンドビューティーの攻撃を阻止するため、私はプリンセスフォームへと変化します。

 

 

 

ビューティー「プリキュア・プリンセスフォーム!」

 

 

 

欠片「あれがプリンセスフォームか…。片腹痛いな」

 

 

 

アクア「私もあの人達を守るわ!」

 

ポップ「拙者も賛成でござる!」

 

 

 

ダークアクア「逃がさない…!(ズシャアアアア!!)」

 

 

 

しかしダークアクアの攻撃がその行く手を阻んできます…。

 

 

 

店員A「なんだお前達は!?」

 

店員B「うちの花を荒らすとただじゃ済まさないぞ!」

 

店員C「全力で守る!」

 

 

 

アクア「ここは危ないわ!早く逃げて!」

 

ビューティー「あれらは私達が食い止めます!」

 

 

 

店員A「き、君達は一体…?」

 

 

 

店員さんの一人が尋ねてくると、

 

 

 

アクア「私達は、ふん!(バシュン!!)…プリキュアです…」

 

ビューティー「人々を守る戦士です」

 

 

 

店員B「プリキュア…?ニュースで話題なっている伝説の戦士か!?」

 

店員C「だけど逃げろったって、俺達はこの花達を守りたんだよ」

 

 

 

私達は冷静にプリキュアと名乗ります。ところが店員さんの一人が引き下がれないようにお花を囲みます。

 

 

 

???「その役目は私に任せなさい、ミルキィローズ・メタルブリザード!!(ビュウウウウウ!!)」

 

 

 

ダークアクア「ぐぅうう!!あれは…」

 

バッドエンドビューティー「やつらの仲間…?」

 

欠片「ミルキィローズか。面白い…!」

 

 

 

すると後ろから攻撃を放ってきて颯爽と現れた人物がいました。彼女は一体…?

 

 

 

ローズ「アクア、助っ人に来たわよ」

 

アクア「ミルキィローズ!」

 

ビューティー「知ってますか?」

 

アクア「私の仲間よ」

 

ローズ「全く、さっき強敵を退いたばかりなのに。また同じ相手だとはね…」

 

ポップ「仲間が増えたでござる!」

 

アクア「それより、まずは偽物をどうにかしないとね」

 

ビューティー「そうですね。では、行きますよ!」

 

 

 

まだまだ私達の反撃は終わりませんよ…!



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第40.5話 その先の運命③

一応ローズエコーの話は一旦終わりです。


エコー「この力が尽きない限り、私達は何度でも立ち向かう…」

 

ローズ「もう負ける気がしないわ!」

 

 

 

欠片「無駄な抵抗をするつもりか…」

 

 

 

相手が何と言おうと、私達は全力で攻撃をしかけるだけ。それしかない。

 

 

 

ローズ「たぁああああああ!!(ドドドドドドドド!!)」

 

 

 

欠片「く、これが青いバラを宿した力か…!ふん!(ボォオオオ!)」

 

 

 

エコー「危ない!てゃああああ!(ビュン!)」

 

 

 

私が連続で攻撃をしている隙に、エコーが相手の攻撃を弾き返す。流石ね、ナイスよ。

 

 

 

欠片「面白い。どうやら我の力を上回ったみたいだな…。だか、これならどうだ、ふん!(シュババババ!!)」

 

 

 

エコー「なんてパワーなの…!」

 

 

 

ローズ「こんな数の攻撃、どうすれば…!!」

 

 

 

しかし、欠片が放った一撃が複数あって相殺しきれない。何か打つ手は…。

 

 

 

エコー「お願い、私達に奇跡を!プリキュア・ハートフル・エコー!!(パァアア…)」

 

 

 

欠片「こ、この光は…!!」

 

 

 

何が起きてるの?エコーから凄まじい光が満ち溢れている…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エコー(あなたは、どうして争いを好むの?)

 

 

 

欠片(我は…全世界のプリキュアを倒すために……ネオフュージョンの力を得た…)

 

 

 

エコー(そんなことをしても、あなたに何が得られるの?あなたは何を望んでいるの?)

 

 

 

欠片(いままで倒された者達の意志を継いでいるだけのこと…。我には戦いしか残されていない、フュージョンという存在が生まれたから……)

 

 

 

エコー(それは憎しみを生んでいるだけよ…。憎しみという自分の呪縛から解き放たれないから、そうやって世界を闇に染めようとしているだけなのよ…?)

 

 

 

欠片(ならなぜお前は…、我にそのような戯言を口にする…?)

 

 

 

エコー(私はね、あなたが戦う心を浄化させるために諭してるの。少しでも早く平和が訪れることを信じているの)

 

 

 

欠片(これが、希望の光に満ちた力だというのか…)

 

 

 

エコー(ええ。これが平和を取り戻すために与えられた力よ。あなたはもう、戦わなくていいわ。戦わないで平和へ導く方法を見つけて、それからでも遅くはないわ)

 

 

 

欠片(そうか…。この光が、プリキュアの力ということか……(シュウウウ…))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ローズ「…何が起きたの?」

 

 

 

一瞬まばたきをする私は、エコーの方へ振り向いた。

 

 

 

エコー「もう彼に戦う意思はなくなったわ」

 

ローズ「一体何が…」

 

エコー「私が闘争心を浄化させたのよ。この力で…」

 

 

 

見渡すと、既に欠片の姿はなかった。どうやらエコーがやってくれたみたいね。

 

 

 

ローズ「ありがとう、私一人だと勝機はなかった」

 

エコー「いいのよ。私の方こそお礼を言うわ」

 

ローズ「それより、一体なんだったのかしら。あのネオフュージョンって…」

 

エコー「私もよくわからないけど、あれが人類の脅威だというのはわかった。けど、話し合えばきっとわかってくれるはずだと思うの」

 

 

 

わかりあうっか…。とても心深いわね。

 

 

 

エコー「それより、さっき東の方角で何かが起きたわ」

 

ローズ「そう?なら今すぐ向かうわ」

 

エコー「待って、一つ言いたいことがあるの」

 

ローズ「それは何?」

 

エコー「どんな相手が来ても、それに立ち向かう気持ちを忘れないで。私はあまり世界を変える力を持ってないけど、あなたにもその素養があるかもしれないわ。だから、その意思を胸に刻んで」

 

ローズ「わかったわ。それじゃ、またどこかで会いましょう」

 

 

 

お互いにわかりあえるその日までは、私達は何度でも戦う。そう、私達はプリキュアなのだから……。



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第41話 今までの自分を超えて…

ローズ「あれが二人の偽物ね…。さっさと片を付けようじゃないの?」

 

アクア「あの人達を守るためなら、遠慮はいらないわ」

 

 

 

欠片「ミルキィローズか。面白い、やつも叩き潰せ…」

 

 

 

ダークアクア「全てはネオフュージョンのために、お前達を倒す…(バシャ!)」

 

バッドエンドビューティ「消えろ、バッドエンドブリザード…!(ビュウウウウ!)」

 

 

 

容赦なく攻撃を仕掛けてくる私達の偽物。ここは凌ぐしかありません…!

 

 

 

ポップ「全力でお守りするでござる!(ボン!)」

 

 

 

ビューティ「プリンセスフォームなら、負けません!(ボォオオ!)」

 

 

 

私は休まず反撃し、ポップも必死で守りに入ります。それよりも、彼らを避難させないと…。

 

 

 

アクア「この花達は私達が守るわ、あなた達は早く安全な場所へ!」

 

 

 

店員A「わかった、くれぐれも怪我しないでくれ」

 

店員B「俺達の花を頼んだぞ…!」

 

店員C「済まない、恩に切る」

 

 

 

ここでアクアが店員達を避難させます。彼らだけでなく、ここに来ている人達を守れるのは私達ですから…。

 

 

 

ローズ「いっけぇええええええ!!(ドゴォオオオン!!)」

 

 

 

欠片「ふん!(ガッ!)どうやら力はあるようだな…。流石は青いバラの力を持っている…」

 

 

 

ローズ「アンタもさっきのと同じようだけど、完全に戦いにしか頭にないわね…。なら容赦なく倒すわ!でぇええい!!(ドガガガガ!!)」

 

 

 

バッドエンドビューティ「やらせない…!ふん!(シュバ!)」

 

 

 

ビューティ「あなたの相手は私です!はぁあああ!(ズドドドド!)」

 

 

 

ローズを庇うようにバッドエンドビューティの攻撃を相殺する私。前に戦った相手、同じ手は二度と通用しません…!

 

 

 

ビューティ「新たな力が使える気がします、ビューティアロースプレッド!(ビシャァアア!!)」

 

 

 

思いの力が、私に新たな力が宿ってきます。そう、私は…、

 

 

 

ビューティ「私に、新たな希望ができました。それは、清き心と美しき心。誰かを思う気持ちこそが、私を強くさせます。大切な仲間や、そしてかけがえのない生命達、なによりも私がプリキュアである使命。誰かのためではなく、みんなのため。私が希望を諦めない限り、それが消えることがありません…。例えあなたのような悲しい存在が生まれても私には仲間がいます。一筋の希望を掴める仲間が…、私はみゆきさんからそれを教えてもらいました。この心が尽きない以上、今までの自分を超えます!」

 

 

 

私が目指していたこと、それは仲間と歩む道。仲間と導く希望。そして、前よりも超える自分自身。

 

 

 

ビューティ「さぁ、今度こそ決着をつけましょう!」

 

 

 

そして、私が私であるために…!



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第42話 大切なものをこの胸に

ビューティ「さぁ、こんなアコギな戦いはやめましょう。あなたにもわかるはずでしょう?」

 

 

 

バッドエンドビューティ「うるさい…!お前に何がわかる!(ビシャアア!!)」

 

 

 

私は迷いはしません。どんなことがあっても…!

 

 

 

ビューティ「プリキュア・ビューティブリザードアロー!!(シュバ…!!)」

 

 

 

私の一撃が、バッドエンドビューティの身体を貫きます…。

 

 

 

バッドエンドビューティ「あぁ…わ、私は…」

 

 

 

ポップ「邪悪な意思が、やつを踊らされていたんでござるな…」

 

ビューティ「ええ。なぜこのようなことを二度も…」

 

 

 

バッドエンドビューティ「お、お前はなぜこうも…」

 

 

 

ビューティ「決まっています。それは五つのバラが私に奇跡を起こしてくれたんです」

 

アクア「五つのバラ…。さっきれいかがあの花屋で購入したもののことじゃ…」

 

 

 

偶然かもしれませんが、事実かもしれません。私の思いが、そう答えてくれたんだと思います。

 

 

 

ビューティ「人は誰だって惨めで間違いを起こしますが、それを改善する方法を見つけることで可能性が広がります。あなただって本当はこんなことしたくなかったのでしょう?」

 

 

 

バッドエンドビューティ「わ、私は…」

 

 

 

アクア「バッドエンドビューティの様子が変わった…?」

 

ローズ「それだけじゃない。どうやら欠片やダークアクアも何かを感じたんだわ」

 

 

 

ダークアクア「なんだ、この暖かい心は…」

 

欠片「どうしたというのだ…。なぜあいつらは…」

 

 

 

彼女だけではく、ダークアクアにも変化を感じてきました。欠片は二人の変化に戦慄しています。

 

 

 

ローズ「どうやら勝負あったようね。大人しく諦めなさい」

 

ポップ「もうお主の部下は動けないでござる」

 

アクア「今の内にダークアクアの邪悪な心を浄化させれるわ…!プリキュア・サファイアアロー!!(シュバ…!!)」

 

 

 

ダークアクア「お、おのれぇ…!!(シュウウ…)」

 

 

 

ビューティ「ペガサスよ、彼女の闇を解き放ってください…!」

 

 

 

バッドエンドビューティ「あぁ、私は…。いやぁああああああああ!!(シュウウ…)」

 

 

 

これで彼女達はもう二度と絶望の化身として蘇ることはありません。残すはただ一つ。

 

 

 

欠片「こ、これが希望の力だというのか…!よもやこれほどとは…!」

 

 

 

ローズ「さぁ、あなたもこんな真似はやめなさい…」

 

 

 

欠片「なぜそこまでに…」

 

 

 

アクア「あなたはただ戦いに自惚れただけのエゴ…。そんな勝手な理由で通じると思っては大間違いよ」

 

ビューティ「そうです。そんなんじゃ幸せになれませんよ…?」

 

 

 

抵抗もできなくなった欠片を囲むようにする私達は、最後の止めを刺そうとしています。

 

 

 

欠片「我は、どこかで間違えたようだな…」

 

 

 

ローズ「ええ。あなたのほかの仲間も一緒よ。憎しみしか生まれない存在が出てきたらやがて世界は絶望に染まるのよ…」

 

 

 

欠片「ならば……」

 

 

 

アクア「あなたの闇を、今ここで断ち切る…」

 

ビューティ「そしてあなたみたいな存在が二度と現れないために…」

 

ローズ「邪悪な力を浄化し、希望の光を生み出す神秘のバラを咲かせましょう…」

 

 

 

最後に、ローズが止めの一撃を放ちます…!

 

 

 

ローズ「ミルキィローズ・エコーヒーリングブリザード!!(パァアアア…)」

 

 

 

欠片「…我をここで消滅させることを、悪く思うがいい…」

 

 

 

ビューティ「この光は…」

 

アクア「ローズ、この技は…」

 

ローズ「ちょっとこの力を託された人物がいるけど、それは内緒よ」

 

ポップ「やつがどんどん浄化されていくでござる…」

 

 

 

欠片は神秘のバラで完全に浄化されました…。悲しみという権化が消滅するように…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

れいか「これで、よかったのでしょうか…」

 

かれん「そうかもしれないし違うかもしれない」

 

くるみ「けど、これだけでは平和が訪れない。まだまだ油断はできないわ…」

 

ポップ「それより、避難した人達を呼び戻すのでござる」

 

 

 

戦いが終わったので避難していた人達を呼び戻すことにします。結局、こんなんで終わりなのでしょうか、彼らの怨念が再び生まれることがないといいのですが……。



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第43話 sentimental

店員A「君達、大丈夫だったか?」

 

店員B「ちゃんと避難できた?」

 

店員C「あの騒ぎに巻き込まれたかと思ってな」

 

女性「あなた、腕に怪我してるじゃない。すぐにお医者さんを呼ぶから」

 

 

 

あの騒ぎの後、ガーデンの皆さんが徐々に戻ってきました。また、私の腕の傷を見た女性がすぐにお医者さんを呼ぶことになっています。どうやら皆さん無事で何よりです。

 

 

 

ポップ「これでひとまずは一件落着でござるな」

 

れいか「ええ。戦いの後、ちゃんと建物は元通りですし」

 

くるみ「あ~あ。疲れちゃったわ~。そろそろ元の姿に戻るとするか」

 

れいか「何を仰ってるのですか…?」

 

くるみ「見て驚かないでよね(ボンッ)」

 

するとかれんさんはこの光景について説明をしてくれます。

 

かれん「あの娘、元々は妖精なのよ?」

 

 

 

れいか「……はい?」

 

 

 

ポップ「妖精ということは拙者と同じでござるか」

 

なんだかよくわかりません……。

 

ミルク「やっと休めるミル~!(むぎゅ)」

 

かれん「今日は派手に動いたからよ?」

 

れいか「彼女は一体…」

 

ミルク「ミルクをあまりバカにしないほうがいいミルよ?普段は人間の姿になれるけど、疲れたらこうやって妖精の姿になっているミル。つまりミルクは戦える妖精ミル!(えっへん)」

 

ポップ「流石でござる!拙者も色々と姿を変えれるでござるよ」

 

かれん「ミルクは私と気が合うのよ」

 

なるほど。普段は妖精で戦う時に変身できるというわけですね。これは感心します。

 

れいか「いつも仲がいいのですか?」

 

ミルク「勿論ミル。かれんはミルクのことを構ってくれてるミル」

 

かれん「この娘は学校に来る時は人間の姿になるし、私としてもいつもいてくれてありがたいと思っているわ」

 

とても友達思いなんですね。こういう光景は私も経験していますが、あれとはまた違った描写ですね。

 

かれん「そろそろ夕方になりそうだし、もう一度喫茶店でお茶にしてから帰りましょう」

 

れいか「はい。そうしましょう」

 

ミルク「すぐに姿を変えるミル(ボン)」

 

ポップ「拙者も一緒したいでござる。もう脅威はなさそうなので」

 

もう一度一息つくため、私達は再びさっきの喫茶店で休憩することにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~喫茶店~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くるみ「このシフォンケーキ、とても美味しいわね」

 

かれん「よかったわ、気に入ってもらえて」

 

れいか「ポップ、このイチゴのタルトはどうですか?」

 

ポップ「美味でござる。これほどの味わいとは思わなかったでござる」

 

そして私とかれんさんは二人のためにこの時間帯の人気メニューを一品ずつごちそうさせます。どうやら気に入ってもらえたようですね。

 

かれん「ところでれいか。右腕大丈夫?」

 

れいか「ええ、なんとかですけど。さっき女の人がお医者さんを呼んでくれて治療してくれたんですし。彼女にきっちりとお礼を告げました」

 

ちなみに喫茶店へ向かう前にお医者さんが駆けつけてくれて私が負傷した右腕を治療してくれました。全治はどうやら三週間以上かかりますけど。

 

くるみ「まぁ無理もないわよ、この傷じゃあね」

 

ポップ「れいか殿は当分プリキュアで戦うのは抑えた方がいいでござる」

 

れいか「はい、ご迷惑をおかけしてしまいすみません…」

 

かれん「別にれいかが謝る必要なんてないわよ。フォローしきれなかった私の責任でもあるし」

 

私の傷でかなり心配してくれる三人。ちょっとホッとしちゃいます…。

 

れいか「では、食べ終わったら私達は帰ります」

 

かれん「ねぇれいか、ちょっと聞きたいことがあるんだけどいい?」

 

れいか「なんですか?」

 

かれん「さっきの話の続きを聞かせてほしいんだけど…」

 

さっきの話の続き…。そういえばそうでした、でも今は……。

 

れいか「ごめんなさい、まだ話せる状態ではないので」

 

かれん「そう。わかった、だったられいかが話せる状態に戻るまで私はいつでも待っているから」

 

くるみ「勿体ぶっちゃって…」

 

ポップ「許してくだされ。本当のことでござる」

 

私の言葉に便乗するポップが代わりに謝ります。本当だったら話したいのですが、なんだかそんな気分ではありませんし…。

 

かれん「食べ終わったら外へ集合よ」

 

くるみ「了解」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~ヒルズガーデンの入り口~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

れいか「色々ありましたが、今日は素敵な時間ができました」

 

ポップ「拙者も楽しかったでござる」

 

かれん「まだ出会ったばかりだけど、ここまで親しくなるなんてね」

 

くるみ「また機会があったらよろしくね」

 

もう外は夜になっていますし、そろそろお開きにしますかね。

 

れいか「それじゃ―――」

 

かれん「ええ―――」

 

 

 

かれん れいか「「明日の学校交流会で会いましょう」」

 

 

 

こうして、私の一日はここで幕を下ろします。いよいよ明日は交流会です…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

H「そろそろゼツボーグを起動してもいいかしら?」

 

R「おいおい、それ本気かよ」

 

L「まだまだじゃない?今日で僕達はプリキュア達に敗北した。明日は僕とRで新たな作戦を実行する」

 

H「じゃあ私は留守ってこと?」

 

R「ったりめぇだ。迂闊に行動すっと、俺達が動いてる意味がねぇからな」

 

L「そうだよ、全てはネオフュージョンのためだしね……」




今回で青コンビの話は終わりです。次回はいよいよメインイベント編です。


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第44話 待ち望んだ一日

今回から交流会編です。


みゆき「いってきま~す!」

 

キャンディ「今日のみゆきやけに張り切ってるクル」

 

みゆき「だって、今日は他校との学校交流会なんだよ。いてもたってもいられないよ」

 

キャンディ「本当に楽しそうクル」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いよいよ今日は学校交流会。私は昨日まで他校の生徒達とどんな感じにお話できればいいのかをずっと考えていたんだ。そこでたくさん友達できるといいなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みゆき「さて、いつもの曲がり角を通るかな」

 

私はいつも通ってる曲がり角へ向かおうとする。しかしそこにはたくさんの女子生徒達の人数がいた。これじゃ通れそうにないかも…。

 

みゆき「もしかしてバスを待ってるのかな?」

 

キャンディ「この人数だとそうに違いないクル」

 

みゆき「仕方ないな。あそこのレンガの建物の隙間の道を通ろう」

 

とても通れそうにないので、レンガの建物が目印の道を進んだ。まぁ今日は特別なことがあると思うから進めないのも無理はないか。

 

みゆき「♪♪♪」

 

キャンディ「すごく嬉しそうクル、みゆきは」

 

思わず鼻歌を歌い始める私。その先にとってもロマンチックな出来事でも起きないかなぁ♪

 

 

 

みゆき「っ?きゃあ!(ガクッ)」

 

 

 

???「危ない!(ガシッ)」

 

 

 

すると油断をしていたかのように足をつまずいてしまうと、誰かに腕を掴んで転ぶのを阻止してくれた。あ、危なかったぁ…。

 

???「君、大丈夫?」

 

みゆき「は、はい…」

 

その声の主の方へ振り向くと、茶色の髪の色をして白のポロシャツに青いパーカーを身に着けた青年の姿が私の目の前にいた。

 

???「怪我もないし、よかったね」

 

みゆき「あ、ありがとうございます……(///)」

 

青年の言葉に思わず顔を赤く染めてしまう私。どうしよう、これって……。

 

???「今から学校に行くのかい?」

 

みゆき「はい。あ、あの…」

 

???「どうしたの?」

 

みゆき「この恩は、絶対に忘れませんからね…」

 

さっきから心臓の鼓動が止まらない…。やっぱりこれ―――

 

 

 

女子生徒「―――々田先生!おはようございます!」

 

 

 

???「おはよう。ごめん、僕そろそろいかないといけないから。道には気をつけてね」

 

みゆき「あの、さっきはありがとうございました!」

 

私が改めてお礼を告げると、青年はすぐに行ってしまった。

 

 

 

みゆき「……」

 

キャンディ「みゆき、どうしたクル?」

 

 

 

ヤバイ、身体が行動しようとしない…。それに胸のドキドキが止まらない…!

 

 

 

あかね「みゆき、こんなところで何してんねん」

 

やよい「なんだか顔が赤いよ?」

 

なお「熱でもあるんじゃないの?」

 

れいか「いえ、これは違います。みゆきさんは今、ドキドキしているそうです」

 

 

 

すると私の後ろからやってきたのは友達のあかねちゃんとやよいちゃんとなおちゃんとれいかちゃん。

 

 

 

あかね「ってかなんでそうなるん!?」

 

やよい「もしかして、誰かに一目ぼれしたとか…」

 

なお「うん、十分にあり得るかも。確かにれいかの言う通りじゃない?」

 

れいか「おかしいですね。後で事情を説明してもらいましょう」

 

 

 

みゆき(マジで大変だ…。本当に一目ぼれしたかも…)

 

 

 

こんな複雑な気持ちを抱きつつ、私達は学校へと向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~教室~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みゆき「ってかなんでそんなに近いのかな…(あわわわ…)」

 

あかね「なんでも何もないやろ。さっきのみゆきの反応明らかにおかしかったで」

 

やよい「ねぇ教えて。何があったの?」

 

なお「私達でなら相談に乗るよ」

 

れいか「困ったことはお互い様ですから」

 

みんなが私の目の前に来て一斉に聞きつけてくる。そ、そんなに押しつけられても困るんだけど…。

 

 

 

先生「みなさん、そろそろ着席してください。えーっと今日なんですが、いよいよ七色ヶ丘中学とサンクルミエール学園の学校交流会です。交流期間は三日間ですので思い切って他校の生徒との交流を深めてください。途中でレクレーションなども実施しますので詳しい内容は今配るしおりを見てください」

 

 

 

別の先生が私達にしおりを配ってくれる。ちなみに今日も佐々木先生は風邪で休みらしい。

 

 

 

みゆき「内容はっと―――」

 

 

 

私は早速内容を確認する。一体どんなことが書かれてるんだろう?



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第45話 もしかして、もしかして…

のぞみ「あぁ~!なんでこんな時に寝坊しちゃうのかなぁ~!?(ドタバタ)」

 

りん「全く、のぞみは本当にドジなんだから…(はぁ…)」

 

 

 

いよいよ今日は学校交流会。私とりんちゃんは急いでバス停まで移動する。思わずワクワクし過ぎて寝坊しちゃったけどね…。

 

 

 

のぞみ「ちなみに他のみんなは?」

 

りん「うららは早朝から鷲尾さんと今後のスケジュールをたてるために遅刻するらしくてこまちさんは図書委員の用事で既に学校にいるし、かれんさんも企画のためにもう学校にいるわ。それからくるみはココと一緒に行くって言ってたし」

 

のぞみ「そうなんだ。ココも忙しそうだし、くるみも確か手伝うために一緒に行っているんだね」

 

りん「流石は護衛係って感じよね」

 

私とりんちゃん以外全員予定があるみたい。ちょっと寂しいなぁ。

 

のぞみ「でも、交流会になったら他の友達ができたら嬉しいよ」

 

りん「まぁね。のぞみが余計なことを言わなければの話だけど」

 

のぞみ「そ、そんなことないもんっ!」

 

りん「冗談だって。そこら辺は私がフォローするから」

 

なんだ冗談かぁ~…。すっかり信じてしまいそうになっちゃったじゃ~ん。

 

のぞみ「りんちゃんはそういうところが冷たいんだからぁ~」

 

りん「はいはい、御託はいいから早くバスに乗るわよ」

 

とりあえず全てはこの後だし、楽しい日になってほしいなぁ~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~教室~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ「ふぅ~。なんとか間に合ったよ」

 

りん「今日もギリギリだけどね。まぁのぞみにしては上出来よ」

 

HRのギリギリの時間に教室に入った私とりんちゃんはすぐに席についた。鞄の中から筆記用具を取り出し、メモできるものも出す。

 

のぞみ「これから説明するらしいからメモはしかっかりとらないとね」

 

りん「今日ののぞみはやけに張り切っているわね」

 

のぞみ「当然、ずっごく楽しみにしていたんだ」

 

 

 

ココ「みんな、席についているかい?それでは、今日行われる学校交流会について説明します」

 

 

 

すると手に大量の紙を持ったココ(ここでは小々田先生)が教室に入ってきて教壇の前に立った。どうやら何かあるようだね。

 

 

 

りん「相変わらず元気よね、ココって」

 

のぞみ「そりゃ逞しくて賢いからだよ」

 

 

 

ココ「まずはみんなに今回のしおりを配ります。詳しい内容はこの後説明します」

 

 

 

とりあえずみんなにしおりを配ってくれる。あまり難しい内容じゃダメだよ、私はそこまで頭よくないし。

 

 

 

のぞみ「交流会の実施期間は三日間か」

 

りん「これは益子さんがスクープ撮りまくるかもね」

 

配られたしおりを軽く目を通すと、色々なことが書いてあった。

 

のぞみ「レクとかもやるんだって」

 

りん「どんな内容かはまだ秘密ってことね」

 

のぞみ「あとは勉強会とかもあるんだけど…」

 

正直、今回だけはフリータイムな気分でいたかったのに…。

 

 

 

ココ「まずは交流会の目的やその心得を説明します」

 

 

 

ま、いいか。何も問題がなければそれでいいし。まだまだココの説明が続くみたいだしね。



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第46話 私達の大切な期間①

今回はしおりの内容説明です。


サンクルミエール学園と七色ヶ丘中学校の学校交流会において生徒達が規則や目的、その共用性を向上させるために今宵からお互いの信頼性を高めて育むことを意識するものとする。

 

 

 

① 生徒同士の規則

 

1 各レクリエーションでは基本的に複数の生徒と組む。また、時間によっては組む生徒が変更される可能性があり。

 

2 生徒同士での問題行為は一切禁ずる。場合によっては教師達の対処法を行う。詳しくは③の項目を参照。

 

3 期間中はそれぞれ自由に行動してもよい。但し、レクリエーションが始まる場合は指定された時間内に戻ること。

 

4 決められた時間内には必ず下校すること。

 

 

 

② 期間内の主な予定

 

1 交流先

 

一日目 サンクルミエール学園の生徒達は七色ヶ丘中学校へ交流

 

二日目 七色ヶ丘中学校の生徒達はサンクルミエール学園へ交流

 

三日目 それぞれ自由に行動してもよい

 

2 期間内の予定時間

 

一日目~二日目 午前九時三十分~午後四時三十分

 

三日目 午前八時三十分~午後五時三十分(場合によっては短縮する可能性あり)

 

3 レクリエーションでの予定

 

一日目 午前は勉強会 午後は生徒対抗リレー

 

二日目 生徒会と教師達が考案した行事

 

三日目 各自で行動(よってレクリエーションはなし)

 

 

 

③ 生徒間での問題行動について

 

1 基本的には問題行動とみなされる行為(暴力や異性に対する如何わしい行為、またはセクハラとされる行為)を一切禁ずる。発見した場合は直ちに教師に報告することを推奨する。その時点で即指導を行う(後日の場合もあり)。また、これら以上に問題となる行為を行った場合は交流会そのものを中止とし、二度と関わることのない関係とする。

 

2 万が一生徒に怪我をさせた場合は引き起こした生徒が被害者への治療費を負担するものとみなす。

 

3 その他の問題行為の場合は教師達で対応する。

 

 

 

④ その他の項目

 

1 昼食は各自でとること。また、三日目は全員でとる。

 

2 体調が悪くなったらすぐに周りの生徒や教師に報告すること。

 

3 利用できる教室と利用できない教室については各案内図を参照。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ココ「以上で交流会の説明を終わります。みんなでいい思い出を作ろう」

 

 

 

やっと説明が終わった…。な、長かったぁ…。

 

のぞみ「もうそろそろ始まるね」

 

りん「相変わらず気合いが入ってるわね」

 

私とりんちゃんはしおりを二つ折りにしてポケットにしまう。そしてそのままココの元へ向かった。

 

 

 

ココ「いよいよだね、二人とも」

 

のぞみ「うん、すっごく楽しみ!」

 

りん「もうこの時間帯だとそろそろうららが来るわね。どうせならナッツとシロップも誘えたらいいんだけど」

 

くるみ「シロップなら今購買部で清掃していて、ナッツ様は今忙しいわ」

 

ココ「くるみ、偵察ご苦労さん」

 

ここでくるみも合流した。まぁシロップならともかく、ナッツは早々来ないからねぇ。

 

くるみ「このくらい朝飯前ですよココ様♪」

 

りん「んじゃ、そろそろ行くわよ」

 

のぞみ「わかったよ」

 

ココ「こまちとかれんも後から来るそうだ」

 

くるみ「ヘマ書かないようにね」

 

のぞみ「大丈夫だって。よ~し、たくさん友達作るよ、けって~い!」

 

こうして私達の学校交流会が今、始まろうとしていた。



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第47話 私達の大切な期間②

ついに、この時がきた。私達の新たな出会いが。

 

 

 

のぞみ「と、とうとうついたね…」

 

りん「一応はね。どんな子達がいるのかしらね?」

 

ひとまずは目的地である七色ヶ丘中学校へ到着し、開会式がてらの挨拶を終えてとりあえずは個人達の行動を取ることにした私達。ちなみにうららとこまちさんとかれんさんは開会式が終えてから合流した。

 

うらら「のぞみさん、まずはどこから行きますか?」

 

こまち「勝手に行動するのはよくないわよ?ちゃんと固まって動かないと」

 

かれん「こまちの言う通りよ、それに生徒会長である私からの注意でもあるから」

 

くるみ「だってさ。まずは行きたいところを絞りましょう」

 

確かに勝手に行動するのはよくないからまずは固まって行動しないとね。

 

のぞみ「じゃあさ、あそこの図書室に行ってみようよ」

 

りん「頭より身体から先に行動するなんてとんだドジっ子ね、のぞみは」

 

のぞみ「ぷぅ~!りんちゃんの意地悪~!(プンプン)」

 

くるみ「悪くないわ。とりあえず入ってみるわよ」

 

りんちゃんの蔑みの言葉を耐えながら図書室へ入ってみる。すると案外普通の図書室って感じが漂ってきた。

 

かれん「普通の中学校って感じの中ね」

 

うらら「色々な絵本もありますよ。とても可愛いですぅ」

 

りん「こまちさんはこういう感じはどうなんです?」

 

こまち「こういう細かい本がない場所も結構好きよ」

 

みんなそれぞれ色々と本を読みながら回ってみる。やっぱり普通の図書室って雰囲気だよね。

 

のぞみ「ん?これなんだろう?」

 

うらら「のぞみさん、何かありましたか?」

 

すると私が一冊の本を手に取ろうとすると隙間からピンク色の光が漏れていた。

 

のぞみ「何かあるのかな?(ズサッ)」

 

うらら「何もありませんね。って反対側からも今の光が出てます!」

 

私は尽かさず本をずらすと、そこには何もなかった。それどころかずらした本より反対側から今と同じ光が漏れていた。これってどゆこと!?

 

こまち「面白いものがあるのかしら?」

 

りん「ちょっとのぞみ!?一体どうなってるの!?」

 

のぞみ「それがさぁ、変な光が本と本の隙間から漏れてるの!訳が分からないよぉ!」

 

かれん「もう少し、確認してみましょうか。もしかしたら、怪奇現象の可能性だってあり得るわ」

 

 

 

一同「「「やめてください!!」」」

 

 

 

こまち「怪奇現象だったら面白そうね」

 

かれんさんの唐突な発言に驚く私とりんちゃんとうらら。こ、こんな楽しみな日にこういう話をされると厄介なんだけど…。

 

くるみ「じゃあ私が見てみるわね。(ズサッ)やっぱり何もないわ」

 

くるみも確認してみるが、やはり怪しい物はなかった。それに伴い、光は中心の本の隙間に再び現れ始めた。

 

りん「今度は真ん中ね…」

 

うらら「これが怪奇現象だったら、夜眠れないかもしれません…(ガクガク)」

 

こまち「大丈夫よ。この本をずらしたら全てがわかるはずよ」

 

かれん「本当に怖いもの知らずね、こまちは」

 

のぞみ「じゃあ私が開けてみるよ。これで全てが解決されるはずなんだから、えい!(ズサッ)」

 

もう一度、隙間を確認してみた。すると…、

 

 

 

ピカァ…!

 

 

 

のぞみ「……え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ「……ぅううん。ここは…?」

 

 

 

気がつくと、私達は見慣れない場所へ来てしまった。なんだろうここは…?

 

りん「どうやら辺りが自然みたいね」

 

うらら「でもこれはこれでメルヘンですね!」

 

こまち「とても不思議な場所ね」

 

かれん「だけどここには誰か住んでいるのかしら?」

 

くるみ「少し怪しいわ」

 

とりあえず私達は建物らしき場所へ移動し、人がいるかどうかを確認してみることにした。

 

 

 

のぞみ「誰もいなさそうだね」

 

くるみ「確かに、この空間大丈夫なのかしらね」

 

のぞみ「もう一度散策してみよう―――ってみゆきちゃん!?(ビク!)」

 

 

 

みゆき「な、なんでのぞみちゃんが不思議図書館にいるの…?」

 

 

 

振り向くと、そこには別の友人の姿が……。

 

 

 

あかね「みゆき、どないしたんや?」

 

やよい「何やら大勢いるようだけど」

 

なお「もしかして…」

 

れいか「不思議図書館の存在が…」

 

 

 

不味い、この状況どう説明すればいいのかわからない……。



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第48話 こんにちわ、そして改めてはじめまして

のぞみ「―――というわけなんだけど」

 

みゆき「なるほど。じゃあ今のは偶然ってことだね」

 

私はとりあえずみゆきちゃんに事情を説明してみた。どうにか理解してもらえてよかったぁ…。

 

のぞみ「改めてだけど、また会ったねみゆきちゃん」

 

みゆき「のぞみちゃんこそ、また会えてウルトラハッピーだよ!」

 

りん「一日ぶりってことでいいよね、あかね?」

 

あかね「りんも元気そうで何よりや」

 

うらら「やよいさん、こんにちわ」

 

やよい「一日ぶりだねうららちゃん」

 

こまち「なおさん、昨日は眠れた?」

 

なお「はい、昨日こまちさんから借りている小説も読みましたし」

 

かれん「れいかも今日の進行はどうかしら?」

 

れいか「大丈夫です。かれんさんの方こそ、明日の進行を頑張ってくださいね」

 

くるみ「っていうか、アンタ達いつの間に仲良くなったのよ…」

 

あ、そういえばくるみは誰も会ってなかったんだね。

 

のぞみ「私を知らない人に自己紹介します(コホン)。私は夢原のぞみ、改めてよろしくね」

 

みゆき「私は星空みゆき、みんなよろしく」

 

りん「夏木りんって名前よ。お互いによろしく(グッ)」

 

あかね「日野あかねや、よろしゅうな」

 

うらら「春日野うららです、やよいさん以外の人はよろしくです」

 

やよい「黄瀬やよいです、私を知らない人はよろしくね」

 

こまち「秋元こまちです。みんな仲良くね」

 

なお「私は緑川なお。直球勝負でよろしく」

 

かれん「水無月かれんよ。生徒会長をやっているわ」

 

れいか「青木れいかって言います。わからない人はよろしくお願いします」

 

くるみ「美々野くるみよ。とりあえずよろしくね」

 

みんなで自己紹介をしてお互いに共感する。それにしても、みゆきちゃん達って…、

 

のぞみ「みゆきちゃん達って私達に似てるよね」

 

みゆき「確かに、のぞみちゃん達こそ私達に似てるかも」

 

やっぱりそうだ。だって特徴が同じっていうか、なんとなく同じっていうか。

 

れいか「とりあえず、行動時間まで少し時間があるのでまずは一息つきましょうか」

 

あかね「でも時間はそんなにないで。ましてや今ここふしぎ図書館の中やし」

 

なお「それまでに戻ればいいだけじゃない?」

 

やよい「勿論だよ。だって、他の人達にはここがわかないと思うし」

 

本来ならあまり関係のないことをやってはいけないけど、今は別にいいかな。

 

うらら「ちょっとだけならいいですよ、誰にも知られてないことですし」

 

りん「まぁバレたら知らないけどね…」

 

みゆき「ごめん、ちょっと忘れ物があったから少し留守にするね」

 

れいか「みゆきさん、何を忘れましたか?」

 

みゆき「ちょっとね」

 

するとみゆきちゃんは駆け足気味でちょっとの間留守にした。一体どうしたんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みゆき「そういえばキャンディを連れてくの忘れちゃった…。どっかに行ってなきゃいいんだけどなぁ…」

 

私は慌てて教室へと向かおうとする。鞄から出られると余計なことを仕出かしそうだから心配だなぁ……。

 

 

 

女子生徒A「か、かっこいい…///」

 

女子生徒B「多分、向こう側の先生じゃない?」

 

女子生徒C「あの、お名前は……」

 

 

 

すると左側の通路で女子達が戯れている光景に目を窺った。何をやってるんだろう?

 

 

 

???「―――々田先生、今日の取材頑張ります」

 

???「いいスクープが撮れるといいね」

 

 

 

みゆき「…!(ドクン…)」

 

 

 

一瞬私の鼓動が高まってしまう。

 

 

 

みゆき(なんでこんなに胸の鼓動が早いんだろう…)

 

 

 

私はもう一度声の主の方へ振り向く。やっぱり……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あかね「あ、みゆきが戻ってきようた」

 

なお「遅いよ、どうしたの?」

 

みゆき「た、ただいま…」

 

うらら「どうしたんですか?顔が真っ赤ですよ」

 

くるみ「何があったのかしら?」

 

みゆき「あのね、落ち着いて聞いて」

 

やよい「何かな?」

 

 

 

みゆき「私、完全に一目惚れしちゃったかも……」



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第49話 try is study

のぞみ「みゆきちゃん、やけにドキドキしてるね…」

 

みゆき「し、仕方ないじゃない…。本当なんだから」

 

のぞみちゃんに問い詰められる私は渋々と答える。すっかり怪しまれているみたい…。

 

 

 

先生「みなさん、そろそろ勉強会の時間です。自分の席に着席してください」

 

 

 

ちなみにあの後ふしぎ図書館から出てみんなで勉強会が開かれる教室へと移動した。それからさっき連れてきたキャンディは今お昼寝状態だって。

 

 

 

れいか「みゆきさん、ここは冷静に取り組むんですよ」

 

りん「そうそう、ヘマしたらのぞみみたくなるからね」

 

のぞみ「りんちゃんの意地悪~…(プ~)」

 

あかね「しゃーないやろ。みゆきもドジやし」

 

みゆき「あかねちゃ~ん!(プ~)」

 

 

 

先生「それでは、今日みなさんに教えてくれるのはこの先生です」

 

 

 

???「こんにちわ。今日一緒に勉強を教えるサンクルミエール学園の教師の小々田と言います。今日は精一杯頑張ろう」

 

 

 

のぞみ「へぇ~、担当はコ―――ってみゆきちゃん?」

 

 

 

その瞬間、私の胸の鼓動が早くなってきた。

 

 

 

みゆき「こ、小々田…先生……」

 

 

 

なお「やばい、みゆきちゃんが益々…」

 

やよい「何かをさせないと…」

 

れいか「おそらくみゆきさんはあの先生に……」

 

 

 

やっぱりそうだ。今朝私を救った彼は、まさしくあの人なんだ……。

 

 

 

先生「では小々田先生、あとのことはお任せしますよ」

 

 

 

こうして、私達の波乱の勉強会が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うらら「やよいさん、ここわかりますか?」

 

やよい「ここの単語は現在完了形で―――」

 

 

 

うららちゃんとやよいちゃんは英語の勉強をやっているみたい。んであっちは、

 

 

 

こまち「大化の改新が起きたのはいつだかわかる?」

 

なお「え、え~っと……。全然です」

 

 

 

どうやら苦戦しているね。必死で悩むなおちゃんにこまちさんが親切に答えを教えている。さて次は、

 

 

 

かれん「この計算できるかしら?」

 

れいか「はい、この式はこういう答えになります」

 

 

 

流石れいかちゃん、なんでもできる。かれんさんもすごく頭いいね。しかし、あっちは……。

 

 

 

りん「キツツキって漢字に書くとどうなると思う?」

 

あかね「んなのわからへんわ…」

 

 

 

あかねちゃんは結構ボロボロ状態なんだね…。でもりんちゃんは結構問題を解けてるらしいね。さて、私とのぞみちゃんの方はというと……。

 

 

 

のぞみ「このグラフ全然わかんな~い!(めそめそ)」

 

みゆき「私もだよ、はっぷっぷ~!(プ~)」

 

 

 

みんなと違って全然進む気配すら感じない…。

 

 

 

小々田「突然ですが、この計算を解ける人はいますか?」

 

 

 

れいか「はい」

 

 

 

すると小々田先生が黒板に書いた問題を解いてほしいと辺りを見渡す。するとれいかちゃんが手を上げた。あ、そうそう。言い忘れてたんだけど、この時間の勉強会は自分がやりた科目をやれるという時間らしいんだって。だから苦手な科目の勉強や好きな科目の勉強ができるからこれはありがたいよね。

 

 

 

れいか「この問題の答えはこの通りになります」

 

 

 

れいかちゃんの解答にみんなが拍手をする。やっぱりれいかちゃんはすごいよ。

 

 

 

こまち「れいかさん、まるでかれんみたいね」

 

かれん「どうやら、れいかもかなり優秀のようね」

 

あかね「やっぱれいかには適わなんわ…」

 

 

 

私もれいかちゃんに負けないように問題を解いていかないと。ここで頑張らないと女が廃る!



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第50話 ときめきの純情

みゆき「だめだ…。全然わからないよ…」

 

くるみ「こんな問題すらわかないようじゃ、まだまだね」

 

相変わらず進まない私にくるみちゃんが揶揄する。そんなこと言われても仕方ないじゃない、わからないんだもん…。けど、みんなはできてるようだけどね。

 

 

 

やよい「やっぱり一緒にやったら苦手なものを克服できるね」

 

うらら「いえ、やよいさんの方が色々わかりますしね」

 

りん「ホント―――」

 

あかね「あざとい二人やな」

 

 

 

隣でダブルピースを咬ますやよいちゃんとうららちゃん。しかしそれに苦笑いをするツッコミコンビの二人。一方―――

 

 

 

なお「流石三年生のこまちさんは物凄く頼りになりますよ」

 

こまち「それほどでもないわ。これくらいは出来て当然よ」

 

かれん「あら、こまちも自信満々ね。何かあったのかしら?」

 

れいか「それもそうですが、なおも随分嬉しそうな顔をしていますよ?」

 

 

 

今のコンビ達とは反対側の席で微笑ましい光景を見せているなおちゃんとこまちさん。それにれいかちゃんとかれんさんも同じ表情をしている。あっちはかなり謳歌してるみたい。だが私の方は…

 

 

 

のぞみ「どこが答えなのか全然わかりましぇん……」

 

みゆき「こんなのウルトラハッピーじゃない……」

 

くるみ「だめだわ、この二人は……(ハァ…)」

 

 

 

のぞみちゃんと一緒に勉強の進行具合が齟齬している。だけど、近くにいた先生が声をかけてきた。

 

 

 

先生「焦っていると何事も解決できませんよ。ここはリラックスをしてはどうですか?」

 

 

 

リラックス…。そうか、リラックスすればいいんだ。

 

 

 

のぞみ「なんだか知らないけど、やる気が湧いてきた!」

 

みゆき「私も気合全開だよ、お互い頑張ろうね!」

 

 

 

何事も焦ってはだめなんだ。自分が楽になれる状態を維持しながらでないとね。

 

 

 

くるみ「ふふ、どうやらあの二人は正真正銘のドジっ子コンビのようね」

 

 

 

そしてみんなに着々と教えてもらい、問題を隈なく解いてゆく。これが終わらないと次に行けないからペースを保たないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中で休憩を挟んでからまた再開。この一時間でようやく克服できた私とのぞみちゃんはいつでも先生の問題に解ける状態を維持した。

 

 

 

小々田「それではこの文章の中に入る言葉を答えられる人はいるかな?」

 

 

 

再び小々田先生の問いかけが出てきた。こ、ここでやらないと…!

 

 

 

みゆき「は、はい!(ビシ)」

 

 

 

私は思わず変な声で返事してしまった。そういえばまだ胸の鼓動が治まっていなかったんだった…。

 

 

 

小々田「えっと、君の名前は?」

 

 

 

みゆき「ほ、星空みゆきです…」

 

 

 

あかね「みゆき、完全に動揺してるやん。ここで平常心を保てればいいけどな」

 

うらら「まぁとりあえず見守りましょうよ」

 

れいか「大丈夫でしょうか、みゆきさん」

 

 

 

みんなに見守れながらいざ黒板へ。

 

 

 

みゆき(落ち着いて私。さっきまでいじけたけど、もう恐れることはないんだから)

 

 

 

そしてチョークで答えを埋めていく。こ、これでいいかな?

 

 

 

小々田「正解。よく頑張ったね」

 

 

 

よ、よかったぁ~。

 

 

 

なお「復習の成果が出たね」

 

りん「上出来ね、のぞみよりは」

 

のぞみ「私だってできるもん…(プンプン)」

 

 

 

とりあえず、問題が解けて一安心ってところだね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

R「どうする?襲撃するタイミングは」

 

L「まだ早いよ。まずは監視をしないとね」



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第51話 みんなでお昼の一時

のぞみ「やっと午前の勉強会が終わった~」

 

りん「さっきまでは随分苦戦してたくせに」

 

れいか「そろそろお昼ですね。みなさん、ここらで食事にしましょうか」

 

 

 

ようやく終わった午前の勉強会。私達は教室から出ていつものベンチへ移動するところなんだ。それにしても…、

 

 

 

うらら「なにやらみゆきさんが凄く嬉しそうに見えます…」

 

かれん「聞き捨てならないわ。この様子じゃ」

 

やよい「みゆきちゃん、どうしてそんなに喜んでるの?」

 

みゆき「だって、小々田先生に褒められたんだもん♪」

 

 

 

のぞみ(りんちゃん、やっぱり…(ヒソヒソ))

 

りん(らしいわね…(ヒソヒソ))

 

 

 

さっきの小々田先生、とても微笑ましい顔だったし…。

 

 

 

ナッツ「やっぱりここにいたナッツ」

 

シロップ「予想通りだったロプ」

 

 

 

うらら「シロップ!」

 

こまち「ナッツさん!」

 

 

 

すると目の前に何かがやってきた。むむ、これは…。

 

 

 

くるみ「よくわかりましたねナッツ様。それにシロップも」

 

やよい「シロップ、来てくれたんだね!」

 

なお「ナッツも来てくれて私嬉しいよ」

 

あかね「ってかやよいもなおもいつの間に仲良くなってんねん…(あはは)」

 

キャンディ「ここでお兄ちゃんもいてくれたらよかったクル(ヒソヒソ)」

 

みゆき「だよねぇ~」

 

 

 

リスと鳥の妖精がうららちゃんとこまちさんの元へ向かう。やっぱりあの子達もキャンディの友達なんだろうか?

 

 

 

のぞみ「二人ともよく頑張ったね」

 

シロップ「これくらい朝飯前ロプ」

 

ナッツ「ところでココは―――むぐ!(ぐい)」

 

こまち「ごめんなさい、あの子達は彼のことを知ってはいけないの。ここは大目に見てほしいわ」

 

かれん「確かにこまちの言うとおりね。れいか達にバレたら終わりかも…」

 

ナッツ「なんとなくわかったナッツ…。だからもう放してほしいナッツ…」

 

 

 

なにやらコソコソと話しているこまちさんとかれんさん、それにナッツ。気になるなぁ…。

 

 

 

れいか「何を話していらっしゃるのでしょうか…?」

 

こまち「な、何でもないわ。本当に」

 

かれん「気にしなくていいのよ」

 

 

 

などと説明するこまちさんとかれんさんが制服の袖を直す。そんなに焦らなくてもいいのに…。

 

 

 

くるみ「それにこれはのぞみにとっても重要な問題よ、わかってる?」

 

のぞみ「も、勿論だよ…」

 

 

 

のぞみちゃんとくるみちゃんも何かを話している。やっぱり何かおかしい。なんてことはあまり気にしないやよいちゃんとなおちゃんがナッツとシロップの元へ向かった。

 

 

 

やよい「ねぇシロップ、後で一緒にうちの学校を案内するよ。その時は私とうららちゃんっと一緒ね」

 

なお「ナッツ、もしよかったらうちの学校で一番落ち着きのいい場所に連れてってあげる。勿論こまちさんも連れてね」

 

あかね「まぁそんな硬い考えなんてせぇへんでも気楽に楽しもうや」

 

りん「何事も楽しくなきゃね」

 

のぞみ「二人の言うとおりだよ、折角の交流会だしもっと色んな人達にとコミュニケーションをとらないと」

 

みゆき「うん。特に変なことが起こらないといいんだけどねぇ…」

 

うらら「っていうかもうお腹ペコペコなんですけどね」

 

れいか「正論ですね。そろそろお昼にしましょうか」

 

 

 

時間は既にお昼なので、早速昼食をとることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~七色ヶ丘中学の校外ベンチ~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一同「「「いただきまーす!」」」

 

 

 

ここでみんなでランチタイム。それぞれ用意したお弁当を取り出す。

 

 

 

みゆき「じゃーん!私はキャンディの似顔!」

 

キャンディ「とても嬉しいクル」

 

あかね「へぇ~、みゆきにしては結構な出来栄えやな」

 

 

 

私の弁当はキャンディの顔を意識して作った物。まぁこればかりはお母さんにバレずに一人で作った甲斐があったし…。ちなみにキャンディの存在は既にのぞみちゃん達に認知していたりする。

 

 

 

のぞみ「私はこれ、おにぎらず!」

 

りん「おにぎらず…?」

 

うらら「知らないんですか?今こっそり流行っている料理なんですよ」

 

あかね「あれやな。朝時間ない時に作る廉価版おにぎりってやつや」

 

 

 

次はのぞみちゃんが披露する。そういえばこの前テレビでもおにぎらずの特集やってたからちゃっかり話題になってたりするね。

 

 

 

あかね「じゃあ次はうちな。うちの傑作は、当然お好み焼きや!」

 

りん「あかねってお好み焼き作れるんだ」

 

あかね「それはうち、家はお好み焼き屋なんやで」

 

くるみ「流石は関西育ちって雰囲気してるわね」

 

 

 

その次はあかねちゃん。勿論作ってきたのは自慢のお好み焼き。今日のはとても自信作らしい。

 

 

 

りん「次は私。これは今朝じっくり焼いた鮭を解してご飯と一緒に混ぜて、それから海苔をのせてウィンナーと卵焼きを入れてみたわ」

 

なお「すっごくボリューム満点だねぇ」

 

のぞみ「なんていうか、色々すごくてつまりあれだよね。とても印象深いっていうか―――」

 

りん「のぞみ、もういいわよ。全然褒めてるような発言だと思えないから」

 

のぞみ「ちょっとりんちゃ~ん!今すごくいいところだったのに!」

 

りん「アンタは勿体振りすぎよ!もう少し簡潔にまとめてから答えなさい!(ガミガミ)」

 

 

 

りんちゃんは色取り取りな鮭弁当。私は鮭も好きだけどやっぱり梅干し派かも。

 

 

 

やよい「その次は私ね。これは今朝ママと一緒に作ったんだけど…。みんなの口合うかな…?」

 

かれん「これってカツサンドね」

 

みゆき「やよいちゃんサンドイッチ作ったんだ」

 

やよい「とりあえず後で食べてね(てへっ)」

 

 

 

少し照れくさそうに自分が作った弁当を披露するやよいちゃん。まずは見た目以上に美味しそうに見えるけどね。

 

 

 

うらら「次は私です。朝早起きして自分で作ったんですけど、カレーピラフなんですこれ」

 

りん「うららは相変わらずカレー好きね…」

 

なお「へぇ~。うららちゃんもカレー好きなんだ」

 

れいか「私達も昨日なおの家でカレーを食べましたね」

 

あかね「そうやったな。けど昨日はみゆきもやよいもいなかったけどなぁ」

 

みゆき「ごめんね、昨日はどうしても外せない用事があったもんで」

 

やよい「そうなの。私もそうだったんだ」

 

 

 

うららちゃんのはカレーピラフか。早朝から作ったとなれば相当時間かかったのに違いはないね。

 

 

 

なお「次は私でいいよね?用意したのはこれ、みんながお腹いっぱいになれると思って色々作っちゃった」

 

こまち「家族で食べれそうな量ね」

 

くるみ「どれも美味しそう」

 

ナッツ「なおはいいお嫁さんになれるナッツ」

 

なお「ちょっとナッツってば…!」

 

 

 

一方なおちゃんはみんなで食べれるおにぎりや色々なおかず達。やっぱり大家族のなおちゃんは流石だね。

 

 

 

こまち「私のはあっさりした鶏肉のササミを野菜とドレッシングで和えたサラダにヘルシーな心太よ」

 

のぞみ「結構低カロリーですねぇ」

 

こまち「ちなみにナッツさんのために豆大福も用意したわよ」

 

ナッツ「ありがたくいただくナッツ」

 

 

 

へぇ~。こまちさんのはかなりカロリー控えめな内容なんだ。なんだかとても安堵してしまいそうな感じ。

 

 

 

れいか「私の方なんですが、今朝おじいさまと一緒に赤飯と白玉を作ってきました。みなさんの口に合うように作ってきたのですが、感想は食べてから聞かせてください」

 

かれん「赤飯ね。とても上手に出来てる見た目だと思うわ」

 

くるみ「れいかって案外和の心を強く持ってるようね」

 

やよい「どれも美味しそうなものばかり。もう我慢できないかも」

 

 

 

れいかちゃんのは鮮やかな赤飯に白玉といったいかにも和という名の醍醐味のようだ。私も我慢できないよぉ…。

 

 

 

かれん「私が作ったものはこれよ」

 

 

 

一同「「「えぇええええええ!?」」」

 

 

 

かれん「じいやには内緒で自分で作ったけど、どうかしら?」

 

りん「ちょ、かれんさん!?」

 

なお「これおもいっきり普段の日常ではまず口にしない内容だと思うんですけど!?」

 

こまち「かれんらしい発送だわ」

 

かれん「これは昨日の夜から寝かせておいたフォアグラに甘辛いソースで和えたもので、こっちは炭火で焼いた鶏肉にキャビアを添えてこれは今朝手早く焼いた牛肉に―――」

 

りん あかね「「ってもう説明は結構です(やで)!!」」

 

 

 

か、かれんさんのは物凄く豪華な内容だった…。今言ったおかず以外にもかなりの量あるし……。

 

 

 

くるみ「私は普通に作ったけどね」

 

のぞみ「ふ~ん、くるみって案外芸がないんだねぇ」

 

くるみ「うるさいわね!」

 

れいか「でも、こういう内容でも悪くありませんよ。お弁当の中身というのは自分の個性を表している器なんですよ」

 

 

 

くるみちゃんはごく普通の内容。確かにれいかちゃんの言うとおりだね。お弁当はそこまで拘らなくても普通に食事を楽しめたらそれでいいかもいね。

 

 

 

みゆき「それじゃ、そろそろ食べよう!」

 

 

 

次のレクリエーションまであまり時間ないので、私達は早速食事を本格的にとることにした。でも、どうしても気になることがあるようなないような……。



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第52話 それぞれの休息①

今更ですが今月中に次の章へ移るのはかなり厳しいのでおそらくあと一~二ヶ月かかると思います…。


一同「「「ごちそうさまでした!」」」

 

 

 

ひとまずは食事を終える私達。みんなが作ったものはどれも美味しかった。特にやよいちゃんが作ったカツサンドやなおちゃんが作ったボリューム満点なおかず達がかなり満腹感が得られたのだと私は思うなぁ。

 

 

 

のぞみ「じゃあさ、次の時間までみんなで自由に行動しようよ」

 

みゆき「そうだね、私はのぞみちゃんと一緒に行動するよ」

 

キャンディ「よかったらキャンディも一緒に行くクル」

 

ここでのぞみちゃんがある提案をする。確かにここで待っても暇だし、どうせなら動いた方がいいよね。

 

りん「そしたら私はあかねと一緒ね」

 

あかね「ええで」

 

方やりんちゃんとあかねちゃんでペアになって行動。

 

うらら「やよいさんは私とですね」

 

やよい「うん。できればシロップも一緒にね」

 

シロップ「わかったロプ。でもあまり後頭部に柔らかい何かを押し付けないでほしいロプ…」

 

うらら「シロップ、嫌らしい考えしたらだめだよ?」

 

一方あっちはうららちゃんとやよいちゃんとシロップでペア。

 

こまち「よかったら私とナッツさんとでこの学校のことを案内してくれないらしら?」

 

なお「任せてください。実は色々とあるんですよ?」

 

ナッツ「騒がしい場所は勘弁ナッツ」

 

なおちゃんはこまちさんとナッツで行動をするらしい。となると残すは、

 

かれん「あまり時間ないと思うけど、色々と案内よろしくね」

 

れいか「とりあえずはできるかぎりのことをやります」

 

くるみ「じゃあ私も一緒ね」

 

れいかちゃんとかれんさんとくるみちゃんで固まって動くみたい。これで決まりだね。

 

 

 

みゆき「じゃあ時間まで各自で行動!」

 

 

 

私達はそれぞれとペアで動くことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~渡り廊下~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ「うっひょおおおおおおお!!(ドドドドドド!!)」

 

 

 

みゆき「待ってぇえええええええええ!!ストぉおおおおおおップ!!(ドドドドドド!!)」

 

 

 

しかし、現実は甘くなかった。のぞみちゃんはいきなり廊下で走るなりおもいっきりはしゃぎ始めた。だが私は腕を掴まれたまま全くのぞみちゃんが止まる気配がないと悟った。

 

 

 

のぞみ「やっぱサンクルミエール学園と違って普通の中学校だからはしゃぎ放題だよ!」

 

 

 

みゆき「いや、そういう問題じゃないから!ってかいつになったら止まってくれるのぉ!?」

 

 

 

キャンディ「だんだんエスカレートする一方クル…」

 

 

 

キャンディも呆れながら同情してくる。すると、

 

 

 

???「あなた、夢原さん?」

 

 

 

のぞみ「え?(ギュィイイイン!)」

 

 

 

みゆき「きゃああああああああ!!(ドガドガドガァ!!)」

 

 

 

いきなりカメラを持った女子生徒に引き留められたのぞみちゃんが思わず急ブレーキをかけて私の手を放してしまった。そして私はそのまま通行していた生徒達をドミノのように倒してしまった…。

 

 

 

のぞみ「あなた、増子さん?」

 

 

 

増子さん…。昨日そんなことを聞いたような…?



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第53話 それぞれの休息②

のぞみ「もしかして、増子さん?」

 

増子「いかにも、知る人ぞ知るサンクルミエール通信の取材を撮る増子美香とは、この私!続けて読めば、マスコミか!(ビシッ)」

 

みゆき「あなた、本当に増子美香さん!?」

 

私が起き上がるとのぞみちゃんはすぐに手を刺しのばした。それから立ち上がるとそこには噂の人物がいた。彼女の名前は増子美香さん。なんでも、サンクルミエール通信を毎日掲載している新聞部という情報らしい。

 

増子「ところであなたのお名前は?」

 

みゆき「星空みゆきです。この学校の生徒なの」

 

増子「あなた、どことなく夢原さんに似てるわね…」

 

のぞみ「ちょっと!それは余計な言いがかりだと思うんだけど!?」

 

躊躇なく代弁する増子さんにツッコミを入れるのぞみちゃん。どうやらツボに嵌ったかも。

 

増子「それはともかく、午前の勉強会はどうだった?」

 

のぞみ「私はうんざりだったなぁ~…」

 

みゆき「私はすっごくウルトラハッピーだったよ」

 

増子「ウルトラハッピー?なるほど、これにはわけが?」

 

みゆき「うん。とてもカッコイイ先生がいてくれたおかげなの」

 

のぞみ「これはヤバイ!みゆきちゃんが完全に魅了されてるかのような状態に…」

 

私の被害妄想に若干驚く二人は迷うことなく冷静さを保った。

 

増子「その先生というのは?」

 

みゆき「小々田先生!」

 

のぞみ(マズイ、もしこれで来たら結構面倒なことに…。でもよく考えたら別に私がかかわることでもないからどうってことないのでは……?)

 

増子「ど、どうして小々田先生がいてくれてそうなったのかしら…?」

 

みゆき「だって、すごくイケメンだし心優しい雰囲気だし色々なの♪」

 

洗脳状態の私から遠ざける生徒達が続出しているのはもはや説明するまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~体育館~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

りん「体育館に来たということは何かスポーツでもやるの?」

 

あかね「勿論やで。今から少しバレーでもやろうと思ってな」

 

うちとりんは真っ先に体育館へ向かい、そこで何かをやろうと考えた。でもうちが最もやりたいことをりんと一緒になりたいんやけどなぁ。

 

りん「じゃあ軽く手合せ願おうかしら」

 

あかね「こう見えてもうち、バレー部に入っとるからな。いくら相手がりんやろうと手加減はせえへんで」

 

りん「ふふ、私も負けてられないね。それじゃ、行くわよ」

 

あかね「真剣勝負やで」

 

お互いに自分の位置に立ち、勝負を開始する。さぁ、どんな勝負を見せてくれるのか楽しみやな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~美術室~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うらら「うわぁ~。どれもすごい作品ばかりですぅ」

 

やよい「私、たまに漫画のアイディアを出すために色々とみてるけど美術室に行くのはたまたまなんだけどね」

 

シロップ「色々な生徒の作品があるロプ。つまりそれを参考にしているってわけロプ?」

 

やよい「ううん。それだと人の考えを盗むことになるから、自分の考えだけで頑張ってるの」

 

美術室へ入る私達は辺りを見渡しながら会話する。どうやらうららちゃんは他の子達の作品とかもやたら気に入っているらしい。

 

うらら「みなさん、将来は芸術家とかでもなりたいんですかね?」

 

やよい「それは人それぞれよ。自分が目指している目標はどれも印象深いから」

 

シロップ「奥が深いロプ」

 

うらら「私、もう少し自分の目標のために頑張りたいです」

 

やよい「うららちゃん…?」

 

ここでうららちゃんが手に持っていた資料を置いて何かを語り始めた。

 

うらら「本当は思いっきった発想で様々なことにチャレンジしようと努力していましたけど、やよいさんの言葉でもう少し自分に自信を持てた気がします。もしかしたら、たどり着く先はもっとすごい大舞台になるのだと、そう思っています」

 

不思議かも。うららちゃんは純粋に頑張れる娘って思ったけど、本当はそうじゃなかった。本当はもっとひたすら目標に向かって突き進むんだってことを―――いや、今更ながら卓越した表現を私に見せてくれたんだと思う。もしそうなら、私も負けてはいられなくなってきた。

 

やよい「うららちゃんの更なる夢、とても素敵だと思うよ」

 

思わず満面の笑みを浮かべ、うららちゃんへの素養を認めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~屋上~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こまち「景色がいいところね」

 

ナッツ「大したところナッツ」

 

なお「私、こういう静かな場所にいるのも好きなんですよ」

 

学校の屋上へ向かった私とこまちさん、それにナッツは外の空気を吸いながら気持ちよく風に打たれていた。

 

なお「そういえば、昨日借りてた小説はもう読み終えました」

 

こまち「もう読んでくれたの?それは嬉しいわ」

 

なお「はい、一人の少女が大切な誰かのために頑張るという内容だったので」

 

ナッツ「なおはああいう思考はどう思うナッツ?」

 

するとナッツが豆大福を食べながら私に尋ねてきた。言われてみれば…。

 

なお「わ、私ってあまり恋愛話をする立場ってわけじゃないから。ちょっと内容が思い浮かべないんだ」

 

こまち「だったら今度、ナッツさんと二人っきりの時間を作ったらどうらしら?」

 

な、なんてことを……!?とても言い返すような言葉が出てこない…!

 

なお「まぁ…。ちょっと考えておきます……」

 

結構心臓の鼓動が早くなってきた気がする……。そんな気持ちを抱きつつ、私達はもうしばらく屋上で過ごすことにした。



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第53話 それぞれの休息③

~~校舎付近のガーデン~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かれん「こんな綺麗な花があるなんて、凄いわね」

 

くるみ「しかもきっちり手入れもされてるわ」

 

れいか「いつも生徒会で毎朝しっかり世話をしています。みなさんが見てくれるようにしっかりと」

 

私達はのどかな小鳥達の囀りを聞きながらお花を眺めています。それに数匹の虫達もあちこちと止まっていますね。

 

くるみ「テントウムシやモンシロチョウが止まっているわ」

 

かれん「虫達も気に入ってるようね。まぁそれにしても、ここは結構居心地がいいわ」

 

かれんさんが風に打たれながらそう答えると、近くに飛んでいた一匹のチョウがかれんさんの指先に止まりました。なんだかこういう光景がとても素敵ですね。

 

れいか「どうですか?うちの校内の敷地は」

 

くるみ「いいところね。こんな恵まれた場所にいられてあなたは幸せじゃない」

 

れいか「私はみゆきさん達がいてくれてすごく幸せです。それ以上なものはない程です」

 

かれん「そうね。誰だって幸せなものはあるものね。その気持ちは私も同じよ」

 

思わず嬉し笑いをしてしまう私達。ここまで微笑ましい気分になるのは偶然かもしれませんね。

 

れいか「私、昨日の夜からあることを考えてました」

 

くるみ「あること?」

 

れいか「あれから色々と思ったのですが、私の友達は元気に前向きに突き進む人達ばかりでした。みゆきさんはどんな時でも諦めないでいつも自分の目標に向かって走り出せることができます。そして、希望を捨てずにです」

 

かれん「それを聞いてると、のぞみも同じような感じかも」

 

くるみ「確かに、のぞみもどんな時でも諦めないで何事も挑戦するしね」

 

 

 

何事も挑戦する、ですね…。私は今までみゆきさんを見てきましたけど、もしかしてまだわからない部分があるのかもしれません。いや、ひょっとしたらそれに安堵してるのでは……。

 

 

 

かれん「れいか?」

 

れいか「す、すみません―――うぅ!」

 

くるみ「大丈夫?」

 

かれん「どうやらまだ腕の傷が深いわ。あまり無理に腕を動かさないで」

 

れいか「は、はい…。迷惑をかけてしまってばかり」

 

思わずボーっとしてしまう私は無理に怪我をしている腕を振り上げてしまいます。当然まだ傷が治まっていませんし、すごく激痛が腕全体に染み渡ってきます…。

 

くるみ「何かあったらすぐに私達だけでなく先生達にも報告するのよ」

 

れいか「お言葉に甘えさせていただきます……」

 

かれん「となると、午後のレクの参加がきつそうね」

 

かれんさんが訝しむように呟きます。言われてみればそうかもしれませんね。

 

れいか「はい、午後の参加は残念ながら辞退させていただきます」

 

くるみ「それがいいわ。さ、そろそろ行くわよ」

 

くるみさんが諭すように言うと、私達はすぐにみゆきさん達のもとへ戻ることにしました。



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えりひめアワー 第4回

久々の茶番です。


えりか「みんなぁ~!元気にしてた~?みんなのアイドル、来海えりかだよ!」

 

ひめ「今日の私はいつも以上に可愛くてあざとい?そんなこと、あるけどっ!この私をお姫様をお呼びなさいな、白雪ひめですわ」

 

えりか「って何調子こいてんのよ…」

 

ひめ「いいでしょ別に?」

 

えりか「というかアンタに同情される程私の立つ瀬はないわ」

 

ひめ「まぁまぁそんな固いことはノーコメントで、今回で第4回目なんだよ」

 

えりか「確かにそうだわ。これをやってるのもみんなの応援のおかげだよね」

 

ひめ「というわけで今回もやっちゃいましょう!」

 

 

 

二人「「それではえりひめアワー、始まるっしゅ!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディレクター「そういえば今日はマーブルドーナツの試食会のはずじゃ……」

 

 

 

カメラマン「変な御託はいいから早く仕事に戻れ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

某お嬢様「サボるとクシャポイにしますわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「えっと今回ですが、前回の埋められなかった分の続きといきます」

 

ひめ「思えばもう1クール目が終了。そして次からは2クール目だねぇ」

 

えりか「そんなはるはる達に更に待ち受ける脅威とはなんなのか、それを考えていこうと思います」

 

ひめ「あっさりと倒されたクローズさんに追悼……ore」

 

えりか「残る幹部はシャットにロックだけになったわね」

 

ひめ「でも親玉であるディスピアも残ってるし。これから先どうなるかよくわかんないよ」

 

えりか「むむぅ~。それなのよね、問題なのが」

 

ひめ「まぁそこは置いといて、ちょっと気になってたことがあるの」

 

えりか「まさか?」

 

ひめ「実はこれを用意しちゃいました!」

 

 

 

えりか「どひゃあ~!大量のドーナツでしょこれ!」

 

 

 

ひめ「さっきとあるディレクターさんの差し入れで巷で噂のマーブルドーナツを用意してくれたのよ、これを食べればかなり最高よ!」

 

えりか「こりゃディレクターさんに感謝っしゅ!」

 

ひめ「じゃあここはみんなで実食しましょう!」

 

 

 

???「ちょっと待った!」

 

 

 

えりか「この声は……」

 

 

 

ひめ「あぁ、なんて可愛い声やんけ……」

 

 

 

きらら「できれば、私も混ぜてほしいわ」

 

 

 

二人「「きたーーーーーー!(^^)!」」

 

 

 

えりか「勿論ですとも、是非!」

 

ひめ「私、君のことずっとテレビで見てるよ!ほら、この前録画した番組のコーナーで」

 

きらら「見てくれたんだ、ありがとう♪」

 

えりか「嬉しいよ、マイリトルスイートハァアアット!!」

 

ひめ「ぶひゃぶひゃ!私より年下なのになんでこんなにナイスバディかしら!?」

 

きらら「まぁあの後結構面倒だったからねぇ」

 

えりか「これは随分お大変なことで」

 

ひめ「ではでは、早速みんなで食べましょう!」

 

 

 

一同「「「いただきまーす!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひめ「そういえばもう時間が押してるので今回はここまで、この続きはまた次回にお預けよ。それじゃ、次回もよろしくっしゅ♪」



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第54話 なぜなにせいとたいこうりれぇ

のぞみ「よし、間に合った!」

 

みゆき「みんな揃った?」

 

 

 

一同「「「なんとか」」」

 

 

 

時間が過ぎ、そろそろ午後の準備に備えることになった。とりあえず私達は早速グラウンドに集合するために体操服に着替えた。

 

 

 

キャンディ「みんなでワイワイ騒いで、キャンディちょっと暇クル」

 

ポップ「仕方なかろう。みなそれぞれで楽しみたいことがあるでござる」

 

キャンディ「お兄ちゃん、来てくれたクル…」

 

ポップ「もう少しの辛抱でござる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~グラウンド~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

司会「これより、午後の競技の生徒対抗リレーを開始いたします。生徒のみなさんはそれぞれのチームごとに集まって行動してください」

 

 

 

司会のアナウンスが聞こえて、すぐさま自分たちのチームごとに集合した。ちなみにどうやって振り分けられたかというとこの通りとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全部でチームは四つに分かれており、そのうち私達は綺麗に四分割される羽目に陥ってしまう。なのでみんな一緒というベタな考えはまず却下。チーム名はそれぞれ色の名前ごとに振り分けられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤チーム 美々野くるみ 緑川なお 日野あかね

 

 

 

青チーム 黄瀬やよい 秋元こまち 夏木りん

 

 

 

黄色チーム 水無月かれん 夢原のぞみ 

 

 

 

緑チーム 星空みゆき 春日野うらら 青木れいか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

という感じになった。しかし一つ問題があった。

 

 

 

保健室の先生「青木さん、あなた腕を怪我してるみたいね。なので出場を辞退した方がよさそうね」

 

れいか「はい、すみません……」

 

 

 

それはさっきまでやる気満々だったれいかちゃんが怪我をしてるという理由が発覚した。そのため出場して続行したら危ないので保健室の先生に止められてしまう羽目になってしまった。

 

 

 

なお「れいか、どうしてそれを早く言わなかったの…?」

 

れいか「みなさんに迷惑をかけたくなかったから…。これは私の責任です」

 

みゆき「後のことは任せてよ」

 

れいか「みゆきさん…」

 

思わず俯いてしまうれいかちゃんだったけど、私はれいかちゃんの右手を握りながら励ましてあげた。

 

うらら「そうですよ、怪我人はゆっくりすることが一番なんですよ」

 

りん「それを言うならゆっくり痛みが治まるまで休むってことでしょ」

 

かれん「落ち込まなくていいわ。さっきまであんなに笑顔だったじゃない」

 

れいか「確かに、さっきはとても嬉しかったです。でも、こうなってしまっては仕方ないです。みなさんで楽しんでください」

 

励ましの言葉を受け取ったれいかちゃんは近くのテントで休むことにした。その結果はというと、

 

 

 

みゆき「私達の戦力が落ちてしまった…(しくしく)」

 

うらら「はい、他のみんなはいますけどこれじゃ全然…(しくしく)」

 

 

 

あかね「ホンマあの天然バカは……」

 

りん「同情するしかないわね……」

 

私とうららちゃんが所属している緑チームの戦力が欠けてしまう状態になってしまった。一応このリレーはほぼ全員参加なので男子達も頼りになる。

 

やよい「そういえば赤チームにはなおちゃんがいるしね…」

 

こまち「黄色チームにいるかれんも負けてはいられないわね」

 

同じ青チームのやよいちゃんとこまちさんが息ピッタリと戦慄する。どうやらライバルがたくさんのようだね。

 

のぞみ「でも青チームにいるりんちゃんも侮れないね」

 

りん「まぁのぞみはビリ確定だけどね」

 

のぞみ「舐めないで、私だってこの日のために特訓はしたんだよ。この勝負、負けないよ」

 

あかね「えらいこっちゃやなぁ。だがうちも手加減せえへんで」

 

くるみ「ええ。ここはみんなに一泡吹かせてあげましょう」

 

なお「何事も直球勝負ってね」

 

一方余裕の表情を見せるなおちゃん率いる赤チーム。それにあかねちゃんもあっちにいるからどうも勝てそうにないかも……。

 

かれん「のぞみ、あれから特訓したのならその成果を見せてあげなさい」

 

のぞみ「勿論ですよ!(ビシッ)」

 

黄色チームにいるのぞみちゃんとかれんさんはお互いにガッツポーズをとる。当然、私達も負けてはいられない…!

 

みゆき「うららちゃん、一緒にケツ―――あ、間違えた。一緒に勝つよ!」

 

うらら「みゆきさん、本当に大丈夫なんですか……?(あはは)」

 

思わず言葉を咬んでしまうが、そんなの気にしてはいけない―――とは言うなかれ。

 

こまち「りんさんならなんとかいけるわ。頑張ってね」

 

やよい「とてもスポーツが万能に見えるしね」

 

りん「いやこまちさん、私あまりリレーなんて鍛えてないし…。まぁフットサルで足の速さを鍛えてるしどうにかいけると思いますし、そこは心配ご無用ですよ」

 

青チームの面子もどうやら気合バッチリかも。そしていよいよ……、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アナウンス「それでは、一番手の生徒達はスタートラインについてください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チーム同士による仁義なき戦いが今幕が上がろうとしていた。ちなみにコースは五百メートルでアンカーは二週する決まりとなっている。当然アンカーにはなおちゃんがいるし、これは危険だ。

 

 

 

みゆき(さぁ、ここが勝負…。絶対に負けないんだから……!!)

 

 

 

私はそう決意し、生徒対抗リレーに勝負を挑んだ。



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第55話 駆け抜けるボケ少女

アナウンス「選手のみなさんは次走る選手へのバトンをしっかりと渡してください。では、一番手の選手はスタートラインについてください」

 

 

 

再びアナウンスの説明が入る。ここはドドンと決めないと…!

 

 

 

あかね「うちらのチームの一番手はくるみや。気張ってけな」

 

くるみ「任せて。優勝への鍵はしっかりと届けてあげるわ」

 

 

 

強敵となりうる赤チームの一番手はどうやらくるみちゃんだ。

 

 

 

こまち「私達も張り切っていかないとね」

 

りん「そうですよ。ここは焦らず集中ですからね」

 

やよい「一番手は豊島君かぁ。頑張ってもらわないと」

 

 

 

青チームの一番手は若干しかめっ面をしている豊島君だった。やっぱり大勢いると余計にプレッシャーがかかるのね……。

 

 

 

増子「一番は私ですから、しっかりと繋ぎますよ」

 

かれん「わかったわ。のぞみも諦めないでね」

 

のぞみ「勿論ですよ。あはは…」

 

 

 

のぞみちゃんがいる黄色チームの一番手はさっきいた増子美香さんだった。そして私のチームは……、

 

 

 

うらら「リラックスです。絶対なんとかなりますから」

 

みゆき「そ、そうだねぇ…。リラックスすればどうにかなるはずなのよね」

「(副音声)ってか私二番手じゃん!?あぁ!どうやって勝てるのぉ!?」

 

 

 

うららちゃんとリラックスをしながら準備を整えていた。まぁその次が私の出番だから気合を入れないとね(あとパニック状態になってるけど)。

 

 

 

審判「では位置について、よーい―――」

 

 

 

さぁ、ここからが勝負…。絶対に勝つんだから…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パァン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くるみ「先手必勝よ!」

 

 

 

のぞみ「くるみがスタートダッシュを決めてきたし!?」

 

 

 

審判の合図でいよいよ始まった。トップはスタートダッシュを決めたくるみちゃん。これは勢いがいい。

 

 

 

りん「これは太刀打ちできないだろうね。結構危ないかもしれないわ」

 

やよい「赤にはなおちゃんがいるからとても危険だよ」

 

 

 

僅かな時間が過ぎ、いよいよ二番手の出番がきた。

 

 

 

みゆき「気合だ気合だ気合だぁああああああ!!(ダダダダダダ!!)」

 

 

 

ちなみに現在の順位はというと、

 

 

 

一位 赤チーム

 

 

 

二位 緑チーム

 

 

 

三位 青チーム

 

 

 

四位 黄色チーム

 

 

 

この通りとなった。私はもう何も考えずに全力で走った。今後一生何も食べれなくなってもいいようにひたすら走った。

 

 

 

なお「み、みゆきちゃんが逝ってる…?」

 

あかね「どういう意味や?」

 

くるみ「おそらく、頭の中を空っぽになってるのよ」

 

 

 

そして結果は……、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みゆき「つ、次バトンタッチね……」

 

 

 

なんとか次の人へのバトンタッチに成功した。しかし順位は上がらず何も変わらなかった。

 

 

 

れいか「みゆきさん…。無茶しすぎです……」

 

 

 

テントで休んでいたれいかちゃんが思わず絶句してしまう。そして私はそのまま息絶えるように気絶してしまった。そんなことは束の間、既に後半戦に突入しようとしていた。

 

 

 

りん「ここは、次に繋げる。のぞみには負けないよ!」

 

のぞみ「私だって、りんちゃんには負けないんだから!」

 

あかね「真っ向勝負やで!りんやのぞみの前で恥をかかせへんで!」

 

 

 

赤チームからはあかねちゃん。青チームからはりんちゃん。黄色チームからはのぞみちゃんが一斉に走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャンディ「みんな本気出してるクル」

 

ポップ「それでも楽しそうでござろう」

 

ナッツ「今は誰もいないからこの姿になっても問題はないな」

 

シロップ「かったるいぜ」

 

ポップ「お主らも人間の姿になれるでござるな」

 

ナッツ「店をやってるから人の前ではいつもこれなんだ。むしろこっちの方が楽かもしれない」

 

シロップ「あどけなさそうな言葉だな。まぁ俺も悪くなが、正直元の姿の方が楽だ」

 

キャンディ「羨ましいクル」

 

ナッツ「さて、後半戦が始まりそうだ」

 

ポップ「しっかり見ておきたいでござる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アナウンス「さて、いよいよ後半戦に突入しました。みんな譲れない勢いで走っていますが、はたして勝負の行方はどうなるのでしょうか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにまだ走っていないのはうららちゃん、こまちさん、かれんさん、やよいちゃんとなった(なおちゃんはアンカーのため除外)。

 

 

 

なお(最後は、私が決める…!)

 

 

 

かれん(私も全力を尽くすわ…!)

 

 

 

やよい「結構順位が膠着してるね」

 

こまち「まだわからないわ」

 

 

 

この戦いも、まだまだ終わりそうにはなかった。



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第56話 逆転の作戦

怒涛のリレーもいよいよ後半戦に突入。残りの生徒達が必死で走っているのを静かに見守っている私達はとにかく興奮していた。

 

 

 

あかね「今のところはうちらのチームが優勢や」

 

くるみ「どうやら余裕ね」

 

のぞみ「…危うし」

 

こまち「危険ね……」

 

 

 

未だに一位の座を渡さない赤チーム。こんな明らかに戦力差のあり過ぎそうなチーム(ただ単になおちゃんがいるだけだが)を越せる程の成果をまだどのチームも出せていない。そんな中、少し変化が出てきた。

 

 

 

アナウンス「ただ今の順位ですが、赤チームと青チームの差がほとんどありません」

 

 

 

やよい「やったぁ!」

 

 

 

たった今入ったアナウンスに思わず喜ぶやよいちゃん。当然、黄色と緑も負けられない成果を出しているが。

 

 

 

みゆき「はっ!今どうなってるの?」

 

うらら「やっと起きましたね。まだまだ油断できない状況になっていますよ。私達のチームも遅れを取らせてはいないようですし」

 

 

 

ここでようやく目を覚ます私は現在の状況をうららちゃんに教えてもらった。すると、

 

 

 

れいか「うららさん、ちょっといいですか?」

 

うらら「はい?」

 

 

 

テントで休んでいたれいかちゃんがうららちゃんを呼んだ。そうか、まだうららちゃん走ってないからそのための作戦会議ってことね。

 

 

 

れいか「うららさんは確かアンカーになっていますね」

 

うらら「はい、どうにか他のアンカーの人に勝ちたいんです」

 

れいか「でも赤チームにはなおがいますし。大丈夫ですか?」

 

うらら「まだわからないですが、私はこの日のために練習したんです。なのでどうしても勝ちたいからここまでこれたんです…」

 

れいか「うららさん…」

 

みゆき「その気持ち、すごく伝わってるよ」

 

 

 

私はうららちゃんの気持ちを受け止めるようにそっと手を握り締めた。なんていうか、かなり責任感があるような感じで……。

 

 

 

みゆき「だって、うららちゃんはとても小柄で身体能力がよさそうだしなんとかいけると思う」

 

うらら「それを言われるとちょっと照れくさいです」

 

れいか「でもそれはうららさん自身が目指す目標でもありますよね?」

 

うらら「多少ヘマしてもいいんですが、この日を何かを残して終えたいんです。れいかさんが怪我をして出場できなくなってしまったのは結構残念ですが、その欠けてしまった穴を私が埋めたいと思います」

 

れいか「……」

 

みゆき「失ったものを埋めるっか…。それはとても大切なことなんだよ」

 

 

 

うららちゃんがフォローする気持ちを私とれいかちゃんはしかと受け止めようとする。よくわからなかったけど、うららちゃんって本当はここまでに真剣になれる娘なんだってことを―――いや、もっと卓越できるのではないかと。

 

 

 

みゆき「ありがとう(ギュ)」

 

うらら「ふぇ!?」

 

れいか「あら、みゆきさんってば」

 

うらら「突然どうしたんですか…?」

 

みゆき「また一つ、夢を持って突き進めることを知っちゃった。私にはあまり真似できないけど、それは真似ることのできないその人自身の目標ってことをね」

 

 

 

あまりの嬉しさに思わずうららちゃんを抱いてしまう。それに対してうららちゃんは少しずつ涙を流していた。

 

 

 

うらら「わ、私も……ここまで私の気持ちを理解してくれる人達がいました。けど、あれらとはまた違ったことを……理解してくれた人がいて、私…。私……!!」

 

れいか「いいんです。その気持ちは誰だって同じはずです」

 

 

 

粘り強く堪えるうららちゃんをれいかちゃんがハンカチを差し出す。そしてそのハンカチで零れる涙を拭き取るうららちゃん。

 

 

 

れいか「でも、油断は本当に禁物ですよ?なお以外のアンカーにはかれんさんやこまちさんだっていますよ。そこはわかりますよね?」

 

うらら「はい、いくら先輩であろうと手加減しませんからね」

 

みゆき「それならいいよね。やっぱりこれくらいの気持ちでいなくちゃね」

 

 

 

するとここで青チームのやよいちゃんが走り出す様子をれいかちゃんが捉えた。どれどれ……。

 

 

 

れいか「やよいさんが走ってますね」

 

うらら「やよいさん!ファイトです!」

 

みゆき「ってか相手チームを応援するのって……」

 

 

 

どうやら真剣で走ってるみたい。あのまま抜かせる勢いだね。

 

 

 

やよい「わぁああああああ!!あまりに全力疾走すぎて止まらないよぉおおおおお!!」

 

 

 

だがそうでもなかった。いや、抜かせてるけどやよいちゃんの周りに炎がまとわりすぎてると言った方が過言だろうか…。

 

 

 

あかね「ってかやよいが燃えとるやないか!?」

 

りん「あのまま次の人にバトンを渡したら普通に着火しそうね…」

 

のぞみ「まぁあの炎は暑苦しい意味っぽいね」

 

 

 

そして時が過ぎ……、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

りん「大丈夫?」

 

やよい「う、うん……。な、なんとか……(ガク)」

 

あかね「も、燃え尽きとるやん……」

 

なお「あーあ…」

 

 

 

こうして、あまりの燃え尽きようで失神状態に陥った黄瀬やよいのこの光景は今日一日の最高のハプニングと化したのであった。



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第57話 自分を信じて…

ここでようやく赤チームにいるあかねちゃん、青チームにいるりんちゃん、黄色チームにいるのぞみちゃんが走り始めようとする。ついに酵素勃発(?)かぁ…。

 

 

 

のぞみ「ここで私は勝つ!」

 

りん「私とてのぞみには負けないわよ?」

 

あかね「うちを忘れとったら後で痛い目に合うで?」

 

 

 

前者の人達がのぞみちゃん達にバトンを渡すと、

 

 

 

三人「「「とぉりやぁああああああ!!(ズドドドドォ!!)」」」

 

 

 

そのまま全力疾走した。なんていうか、凄い勢いだった。

 

 

 

かれん「のぞみ、焦らなくていいのよ!」

 

くるみ「あかね、そのままリードよ!」

 

こまち「りんさん、その調子で追い抜いて!」

 

 

 

かれんさん、くるみちゃん、こまちさんの三人の声援が響く中、頭を空っぽにしながら走り続けるのぞみちゃん達を必死で見届ける私とれいかちゃんとうららちゃん。その差は全く大きく動こうとしていなかった。

 

 

 

みゆき「なんだろう、この熱い気迫は…」

 

うらら「これは負けていられない勢いです」

 

れいか「三人の熱意が、後の人に繋げたいのでしょう」

 

 

 

あまりの真剣勝負に周りのみんなも唖然としてしまう。まぁそれは仕方ないかもしれない。だってまだアンカーも控えてるんだから、それほどの真剣な勝負が起きてもおかしくはない。

 

 

 

のぞみ「どひゃああああああ!!このまま一気にぃ!!」

 

りん「このまま突き進むのみ!」

 

あかね「なおぉおおお!!絶対負けへんでぇええええ!!」

 

 

 

徐に待機し始める次の走行者達。そしてその次がいよいよアンカー達の出番となる。ここで今の順位を整理してみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一位 赤チーム

 

 

 

二位 黄色チーム

 

 

 

三位 青チーム

 

 

 

四位 緑チーム

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところが私達のチームはあの勢いに負けて最下位。というかそれ以外のチームは同率と言った方が過言だろうか。ちなみにアンカーのメンバーはというと、赤がなおちゃん。青がこまちさん。黄色がかれんさん。緑がうららちゃんとなっている。

 

 

 

アナウンス「さて、白熱とした生徒対抗リレーも残すところはアンカーのみ。この勝負で全てが決まります!」

 

 

 

そして時が過ぎ、のぞみちゃん達の次の走行者達ももうゴールに近い。あとは最後の戦いだけ。

 

 

 

かれん「おつかれのぞみ。あとは私に任せて」

 

のぞみ「は、はい…。頑張ってくださいね…(ハァ、ハァ…)」

 

りん「かなり疲れたようね…。ちょっとだけ見直してあげるわ…」

 

あかね「なかなか上出来や。わずかな差もなかったしな」

 

こまち「次で決めてくるわね」

 

なお「絶対に負けないからね」

 

 

 

それぞれ自分のスタートラインに立つなおちゃん達。そしてうららちゃんも…。

 

 

 

うらら「絶対に勝ちますからね…!」

 

れいか「はい、全力で突き進んでください」

 

みゆき「目指すは一位だよ!」

 

うらら「わかりました。必ず勝ちます!」

 

 

 

みゆき(頑張って…!何があっても私達のチームが優勝なんだから…!)

 

 

 

かれん「ついに勝負ね、こまち」

 

こまち「どうやらライバルはかれんだけじゃないわね」

 

うらら「当然です。かれんさん達には負けませんからね」

 

なお「おっと、私を忘れないでね?この勝負は私がいただくから」

 

 

 

さっきまで見せなかった真面目な威圧をぶつける四人。この感じ、とてつもない空気が蠢きそうかも……。

 

 

 

アナウンス「いよいよ最後の勝負です。先にゴールしたチームが勝利となります」

 

 

 

前者のみんながバトンを刺し伸ばし、いざ受け取る。この瞬間で、勝負が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが、最後の走行となるのであった…。



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第58話 何も考えずに走れ

いよいよ最終戦となった生徒対抗リレーは、アンカー同士での戦いとなった。今一位の座を守り抜いている赤チームからなおちゃん、成績はまずまずな青チームからこまちさん、赤チームにリードしそうな黄色チームからかれんさん、そして泥沼状態の境地から追い超すように逆転を狙う緑チームからうららちゃんの合計四人の戦いとなる。これはかなりの見物だが、まだ勝負の行方はわからない。

 

 

 

れいか「これが最後の戦いですね。一体誰が勝つのかわかりません」

 

みゆき「うん、うららちゃんには是非頑張ってほしい…」

 

 

 

私とれいかちゃんは静かに見守るように最後の試合を見届ける。そして、今……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パァン…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前者達からのバトンを一斉に受け取り、ピストルの音が鳴り響いた。まず先手を取ったのはなおちゃん。流石の実力といったところだね。

 

 

 

なお(ここは一気に距離を離さないとすぐに追い抜かれる…。油断はできない…)

 

うらら(やっぱりなおさん、早いです。私だって、負けません…!)

 

 

 

トップはなおちゃんだが、うららちゃんも必死で差を詰めようとしていた。しかし後ろからはかれんさんとこまちさんが追いつめてきた。これはちょっと危険かも…。

 

 

 

かれん(うらら、あれから特訓していたのね。かなり上達してるじゃない。けど、私も負けないわよ)

 

こまち(あんなに必死になれるうららさん、今まで見たことないわ。本当に勝ちたいという意思が強いのね)

 

 

 

のぞみ「うらら……」

 

りん「一週間前から猛特訓していたようだし、あれは気合十分ね」

 

くるみ「けど、こまちやかれんも本気出してるわね。それになおもね」

 

あかね「やはり、あれがアンカーの実力ってやつやろうか?」

 

 

 

うらら(そうですよね。これは絶対に勝ちたいというわけでもないし、これはみんなが精一杯努力すればいいことなんですよね……)

 

 

 

のぞみちゃん達も必死で見届けていると、ここで大きく勝負を左右することになる。

 

 

 

かれん「っ!?」

 

 

 

のぞみ「あ、かれんさんが!?」

 

りん「どうやら足をつまずいたかもしれないね…」

 

 

 

こまち(か、かれんがつまずいた…?)

 

 

 

なんとペースを保っていたかれんさんが突然足をつまずいてしまうアクシデントを引き起こしてしまう…。だが、

 

 

 

かれん(これくらい…!)

 

 

 

なんとか踏ん張って体制を立て直した。でもそのおかげで最下位になった。

 

 

 

なお(かれんさんがつまずきを…?けれど、後ろにはうららちゃんにこまちさんがいる。ここで本領発揮をするべき。容赦はしない…!)

 

 

 

するとトップのなおちゃんが一気に猛威を振るい始めた。それは見てるだけで凄まじい早さだった。

 

 

 

うらら(あの曲りのコーナーで加速を…!?)

 

 

 

うららちゃんも思わず戦慄してしまう。一応外の気温が高いため、走ってるだけで体力は結構消耗してしまうが、四人はそうでもなかった。

 

 

 

みゆき「いよいよ後半戦か…」

 

 

 

この戦いもまだ決着を迎えそうにはなかった。



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第59話 勝利という駆け引き

いよいよリレーも残すところあとわずか。最終コーナーまでもう少しの距離だった。一番はなおちゃんだが、うららちゃん達も負けてはいなかった。

 

 

 

なお(かなりのプレッシャーだけど、ここで気を抜くわけにはいかない…。絶対に勝手見せる…!)

 

 

 

うらら(私は思った…。みんなでやるリレーがここまで楽しいものなんだってことを。これが、私を成長させる過程でもあるのだって…)

 

 

 

現在トップ争いをしているなおちゃんとうららちゃんが猛烈に走っている。ちなみに後ろではしっていたこまちさん、かれんさんも全力を出していた。

 

 

 

みゆき「そろそろゴールが見えてきそうかもね…」

 

れいか「ええ。このままリードできればいいのですが…、なおだって簡単に勝利を譲らせるつもりじゃありません」

 

 

 

遠くで見守っている私とれいかちゃんがこの後の様子を窺う。なかなか予測できるとは限らないため、全ては運任せってことになるね。

 

 

 

くるみ「なおは順調のようね」

 

あかね「いや、油断は禁物やで。うららも全力疾走してるみたいやし」

 

りん「っていうかかれんさんが途中でつまずきそうになっちゃったけど、こまちさんが心配そうに思ってるようだけど…」

 

のぞみ「あわわ…。これはどうなるんだろう…」

 

 

 

反対側で観戦しているのぞみちゃん達一向もかなりの期待をしていたようだ。

 

 

 

ここで今まで起きたことの様子を表してみるとこうなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず序盤ではどのチームも遅れを取らないでスタートした。

 

 

 

すぐに差が開いてしまい、圧倒的な順位差が生じてしまう。

 

 

 

しかし最下位だったチームが巻き返し、上位に忍び寄った。

 

 

 

中盤にはやよいちゃん(今真っ黒こげになっている死体)の猛威が一番の印象を与えた。

 

 

 

だがすぐに赤チームがトップで差を大きく開いてしまう羽目になった。

 

 

 

こればかりは流石に気に食わない生徒達も続出している頃だが、黄色チームや青チームが反撃に入る。

 

 

 

すぐに緑チームも追い上げていき、最終的にはほぼ同率という結果になった。

 

 

 

そして今は終盤に入り、アンカーまでに到達。ここからが全員にプレッシャーがかかる戦いとなるのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな感じの状況になったってわけ。ちなみに優勝チームには何かあるらしい。

 

 

 

アナウンス「さて、残すところもあとわずか。この一直線の勝負で全てが決まります」

 

 

 

なんだかんだで見守っていると、そろそろ最後の一直線勝負となった。この勝負で全てが決まるようだけど、どうなるんだろう…。

 

 

 

みゆき「うららちゃあああん!!頑張ってぇえええ!!」

 

れいか「全力ですよ!頑張ってください!!」

 

 

 

必死で大声を上げる私とれいかちゃん以外の生徒全員も応援の声が広がってきた。

 

 

 

のぞみ「かれんさん!もう少しです、ファイトォ!!」

 

りん「こまちさん、ここでリードですよ!」

 

くるみ「なお!負けないでぇえええ!」

 

あかね「気張ってやぁあああ!!」

 

 

 

当然のぞみちゃん達の声も広がってくる。これで最後、勝利の女神は誰に微笑む…!?

 

 

 

なお(これで…!)

 

 

 

うらら(決める…!)

 

 

 

かれん(これだけは…!)

 

 

 

こまち(負けない…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アナウンス「生徒対抗リレーの勝者は、赤チームです」



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第60話 笑いたければ笑おう

アナウンス「生徒対抗リレーの優勝チームは、赤チームです」

 

 

 

うらら「……え?」

 

 

 

のぞみ「うらら!早く立って!もうみんなゴールしてるよ!」

 

 

 

うららちゃんが思わず思考停止してしまう。気がつくと、もう既にみんながゴールしていた。一体何が起きたのかが不思議と思うぐらいに。

 

 

 

みゆき「うららちゃん!もうひと踏ん張りだよ!」

 

れいか「まずは全力でゴールを目指してください!」

 

 

 

うらら「……はい!」

 

 

 

奥歯を噛みしめながら再び立ち上がるうららちゃん。そして一気にゴールへと走り続けた。

 

 

 

うらら「はぁ…はぁ…」

 

 

 

しかし、彼女の目から少しずつ涙を流してた。

 

 

 

くるみ「やったわねなお」

 

あかね「必ず勝てると信じてたで」

 

なお「ありがとう。ってうららちゃん…?」

 

 

 

一方優勝した赤チームが喜びを見せていた。けれどなおちゃん達がうららちゃんの方を見つめる。

 

 

 

りん「残念ですね、優勝できなくて」

 

こまち「いいのよ、結構楽しかったし。あれ?うららさんが…」

 

 

 

こちらは勝利を逃してしまった青チーム。りんちゃんとこまちさんもうららちゃんの方を向いた。

 

 

 

かれん「ごめんなさいのぞみ。勝てなかったわ」

 

のぞみ「いいですって別に。まぁそれより、うららが…」

 

 

 

黄色チームも惜しくも優勝を逃してしまうものの、嬉しそうな顔をしていた。でものぞみちゃん達もうららちゃんの方へ振り向いてしまう。

 

 

 

みゆき「うららちゃん…」

 

うらら「……」

 

 

 

無言で私の方へ歩いてくるうららちゃんに、思わず動揺してしまう。

 

 

 

うらら「……ごめんなさい」

 

れいか「うららさん…?」

 

うらら「私が…あそこで……。あそこで転ばなかったら……」

 

 

 

どうやらさっき大きなミスを犯してしまった。そう、問題なのは一直線のところ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うらら(必ず、勝利を…。ゴールは目の前…!)

 

 

 

なお(マズイ…!このままじゃ抜かれてしまう…!)

 

 

 

ここまでは順調だった。しかし気を取られ過ぎて重大なアクシデントを引き起こしてしまう。

 

 

 

うらら(もう少し…!)

 

 

 

ガクッ…!

 

 

 

うらら「…っ!?」

 

 

 

みゆき「……え?」

 

 

 

うらら「あぁ…!」

 

 

 

この瞬間勝負は決まり、順位はこのようになった。

 

 

 

一位 赤チーム

 

二位 黄色チーム

 

三位 青チーム

 

四位 緑チーム

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが、うららちゃんの敗因であった。

 

 

 

うらら「…うぅ、う……。んぐ……うぅ」

 

 

 

さっきのことを思い出しただけで涙を流してしまう。余程悔しかったんだね…。

 

 

 

みゆき「うららちゃん…」

 

うらら「ごめんなさい…。私のせいで、こんなことになってしまって…。私、私…!!」

 

れいか「そ、それは……」

 

 

 

どう答えればいいのかわからないけど、純粋に彼女の気持ちがわかる。勝てなかった自分を責めるのも無理はないし。だけど、

 

 

 

みゆき「うららちゃん、こっち向いて?」

 

うらら「なんですか―――ふにゅ!?(にぃ)」

 

みゆき「こんな時は笑顔でいようよ。負けたってそこまで悔しく思う必要なんてないんだよ?」

 

 

 

ここでずっと泣き顔なんて見たくないと思い、私はうららちゃんの顔をにっとさせた。

 

 

 

れいか「みゆきさん?」

 

みゆき「れいかちゃんもそう感じるでしょ?あはは…」

 

うらら「みゆきさん…」

 

みゆき「あれ?もしかして気まずかった…?」

 

 

 

唐突な行動だったので、ちょっと視線が疑われてそうな雰囲気に思ってしまう。すると、

 

 

 

うらら「こんな私を、許してくれますか…?」

 

みゆき「許す?……(ううん)私ね、全力で走っていたうららちゃんがかっこよくて……。感動しちゃった…(ぐすん)」

 

 

 

うららちゃんの表情で私ももらい泣きをしてしまう。本音をぶちまけるというのはこのことだったのかも。

 

 

 

みゆき「本当だよ?私は絶対に友達を疑ったりなんかしないから。これは勝ち負け関係ないって最初っから信じていたよ」

 

れいか「言われてみれば私もそうだと断言できます。勝ったからってどうなるわけでも負けたからってどうなるわけでもないんです。みんなが楽しめればそれでいいんですよ」

 

うらら「……二人とも、私のことをずっと気遣ってくれたんですね……」

 

みゆき「うん。だから、その心をうららちゃんにももって欲しいなぁって」

 

うらら「み、みゆきさんっ!(ギュッ)」

 

 

 

するとうららちゃんが私に勢いよく抱きしめてきた。それに、顔も直々と笑顔になってきたみたい。

 

 

 

うらら「ありがとうございます、みゆきさんのおかげでその意味をわかりました…」

 

みゆき「私も、自分でその意味なんだと導いた。誰でも笑顔になれれば結果オーライっていうことだから」

 

れいか「もしかしてみゆきさん、それを教えたくて躊躇ってたんですか?」

 

みゆき「ち、違うよ!ただそう言えば伝わるんじゃないかと思っただけで…!」

 

 

 

一同「「「か、感動的……」」」

 

 

 

これを聞いてたみんなももらい泣きをしていたみたいだった。

 

 

 

のぞみ「うららは最後までかっこよかったよ!」

 

りん「もしこけなかったら逆転できたんじゃない?」

 

こまち「まさかうららさんに先を越されるなんて思いもしなかったけどね」

 

かれん「ずっと特訓していたからきっとそうよ」

 

くるみ「少し見直しちゃったわ」

 

あかね「そんなうららに感動してもうたわ…」

 

なお「私もうららちゃんみたいなことを経験したけど、すごく共感できるよ」

 

 

 

のぞみちゃん達がうららちゃんを取り囲むように褒めた。これが友情ってやつだね。

 

 

 

あかね「てかいつまで死んでんねんやよいは…」

 

やよい「はっ!?勝負はどうなったの?」

 

 

 

ここでずっと真っ黒こげの死体状態になっていたやよいちゃんが蘇った。これに便乗する言葉はそうそう出てこないよね…。

 

 

 

うらら「みんな、大好きですっ!」

 

みゆき「私達もだよ、うららちゃん」

 

 

 

うららちゃんの勇敢な意思に熱狂した私達は一斉の胴上げした。

 

 

 

それから表彰式が行われ、優勝した赤チーム全員に明日のお昼に用意される豪華なスイーツを堪能できる権利が与えられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時が過ぎ、夕方に差し掛かろうとした。

 

 

 

みゆき「のぞみちゃん、小々田先生どこにいるかわかる?」

 

のぞみ「げ!?」

 

なお「どうしたの?」

 

りん「ちょっと待ってね」

 

するとのぞみちゃんがマズそうな顔し、りんちゃんとヒソヒソと話をする。

 

のぞみ「りんちゃん、このことがみゆきちゃん達にバレたらどうしよう…(ヒソヒソ)」

 

りん「わかってるわよ。私のサポートするから、心配しないで(ヒソヒソ)」

 

キャンディ「何をコソコソしてるクル?」

 

りん「何でもないわよ、ただのジョーク話をしてただけ」

 

ん?どこかが怪しい……。

 

かれん「多分図書室へ向かったと思うわ」

 

みゆき「そうなんですか。私ちょっとお礼を言わなきゃ」

 

やよい「あ、みゆきちゃん!」

 

私は駆け足で図書室へと直行した。あそこにいるはずだよね、あの先生は…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~図書室~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みゆき「あの、小々田先生……(ガラッ)」

 

私が扉を開けると、そこにはくるみちゃんがなぜかいた。

 

くるみ「ココ―――いや、小々田先生なら今さっき出てったところよ。もしかしてみゆき…」

 

みゆき「うん、あの先生にお礼を言いたかったの」

 

くるみ「なるほど、言いたいことはなんとなくわかるわ。私が後で伝えとくわ、代わりにね」

 

みゆき「できれば自分からやりたかったけど、って何持ってるの?」

 

偶然くるみちゃんが持ってる物に目線が入ってしまう。ちょっと気になるかも。

 

くるみ「こ、これはその…。大した物じゃないわよ。本当に」

 

みゆき「ならいいけど、(ボソッ)…これがラブレター的な何かってわけじゃないようだね…」

 

くるみ「何か言った?」

 

みゆき「いや、なんでもないよ」

 

手紙のような物を持っているけど、気のせいかな。

 

くるみ「っていうかそろそろ帰る時間になりそうよ。早く行きましょう」

 

みゆき「でも…」

 

くるみ「後から来るから、ね?」

 

みゆき「うん。待ってるからね」

 

私はくるみちゃんが伝言してくれることに感謝しつつ、図書室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから私達はそれぞれで帰宅し、無事に交流会の一日目を終えることができた。一応明日は二日目だけれども、今度は私達がのぞみちゃん達の学校へ行く日になってるから色と楽しみになってきた。あとは、問題が起きなきゃいいんだけど…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~学校交流会二日目~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みゆき「今日は二日目だねキャンディ」

 

キャンディ「まだまだ楽しくなりそうクル」

 

あかね「昨日は散々やったなぁ」

 

やよい「ちょっとあかねちゃんっ!私をそういう目で見ないでっ!(かぁ…)」

 

なお「やよいちゃんの顔が赤くなってる。もの凄く恥ずかしかったんだろうね」

 

れいか「言い合いはよくありませんよ。これからまだやることがあるので」

 

いつものメンバーで目的地であるサンクルミエール学園へ移動する。一体どんな場所なんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

L「そろそろ動くかい?」

 

R「あぁ。今日はやつらをまとめて叩き潰す……!」



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第61話 優雅な少女達

のぞみ「今日はみゆきちゃん達がうちの学校に来る日だったね」

 

りん「果たしてどうなることやらね」

 

ココ「もしかすると、あの娘達もここに来るのが楽しみにしてるんだと思うよ」

 

くるみ「流石ココ様ね。まぁそれよりちょっと確認したいことがあってですね…」

 

教室の教壇の前で雑談をする私とりんちゃん、それにココとくるみ。どうやら結構待ち望んでいる気分というわけかもね。

 

ココ「どうしたんだい急に」

 

くるみ「ココ様の正体はみゆき達は知らないんですよ?もし何かあったら私がフォローしますからね」

 

しかめっ面でココに護衛をせがまれせるくるみだけど、本当に大丈夫かなぁ…?

 

りん「まぁ正体が知られたらショックね、特にみゆきが…(ボソッ)」

 

のぞみ「今さりげなく揶揄するような発言しなかった…?」

 

でもそれだけで知られてみゆきちゃんがショックを受けるとは限らないんだけど…。だからってこんなのはあまりにも大胆な考えだと思うなぁ…。

 

ココ「細かいことは後回しだ。さぁ、早く体育館へ移動しよう」

 

くるみ「そうですね。とりあえず交流会の二日目を楽しまなきゃね」

 

そう言いつつ、私達は体育館へ移動した。これからどうなるのかまだ私には見当もつかないよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~体育館~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かれん「本日は学校交流会二日目となります。七色ヶ丘中学のみなさん、サンクルミエール学園へようこそ。本日は生徒との深い交流関係としてみなさんに明るい日常を携えてもらいたいです。何事にも助け合い、お互いが仲良くなれるそんな二日目になれることを私達は祈っています」

 

 

 

体育館のステージの中央で生徒全員に励ましの言葉を贈るかれんさん。流石は生徒会長なだけはあるね。

 

 

 

のぞみ「今日もワクワクだね(ヒソヒソ)」

 

りん「だけど迂闊にヘマしないようにね…(ヒソヒソ)」

 

さて、これからどうなるのか見物になりそうかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~校舎中央廊下~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ「みゆきちゃーん!」

 

みゆき「いえーい!」

 

挨拶が終わると早速みゆきちゃんとハイタッチを交わした。やっぱり友達は最高だね。

 

あかね「相変わらずドジな二人やなぁ」

 

やよい「それで今日はどうするんだっけ?」

 

なお「今日の予定は生徒会と先生達が考えた行事だよ」

 

れいか「そうですよ。今私も打ち合わせなどをしたばかりなのできっと楽しくなると思いますよ」

 

そうか、今日は生徒会と先生達で企画する行事をやるんだ。一体どんな内容なんだろう?

 

うらら「ちなみに何をやるんですか?」

 

かれん「それは後になってからわかるわ」

 

どうやらかれんさんがニコニコしながら答えたようだけど、気になるなぁ~。

 

りん「また身体を動かすようなことじゃないでしょうね…」

 

くるみ「とりあえずは当たって砕けろってやつね」

 

みんなで考えながらそのまま行事に向けて準備を行った。でも私としてはまた運動系の行事がいいと思うし。

 

のぞみ「よーし、今日もみんなで楽しもう!けって~い!」

 

それはそれとしてなんとかみゆきちゃん達にココのことがバレなきゃいいんだけど…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ「ねぇうらら。今日はどうする?」

 

うらら「何がです?」

 

のぞみ「その、今日はみゆきちゃん達にここを案内するのかってことをね」

 

開始時間までまだ余裕があるのでそれぞれで自由行動を取ることにした。私はうららと共に行動をしている。

 

みゆき「ねぇのぞみちゃん、あれって昨日いた眼鏡の娘じゃない?」

 

やよい「誰だろう?」

 

一応みゆきちゃんとやよいちゃんも一緒についてきている。あのシルエット、どこかで見たような覚えが…。まさか…、

 

 

 

のぞみ「やっぱり、増子さんだよね?」

 

増子「夢原さんじゃない。こんなところで会うなんて奇遇ね」

 

 

 

手にはカメラを持っているから彼女以外有り得ない。でもこんなところで何をしてるんだろう?

 

 

 

みゆき「おはよう増子さん」

 

増子「あなたは確か、星空さんよね」

 

やよい「あなたがあの増子さんだよね。私、生で見るの初めてなんだ!」

 

うらら「やよいさんが随分と奇抜に反応してる!?」

 

増子さんと遭遇するのが感動的になっているやよいちゃんが飛び跳ねる。相当嬉しかったんだろうね……。

 

のぞみ「それよりこれから取材でもするの?」

 

増子「まぁね。昨日は星空さん達の学校中を取材できていい記事ができたわ。今日はそんな星空さん達のことを後で取材しちゃおうかと思ってね」

 

みゆき「しゅ、取材ですとぉ~!?」

 

やよい「嬉しいけどなんじゃとて~!?」

 

増子さんの発言にみゆきちゃんとやよいちゃんが発狂してしまう。これは想像もつかなかったのか。

 

増子「っていうか星空さんとあとあなたの名前は?」

 

やよい「黄瀬やよいです。あまり大胆でいられないけどよろしく」

 

増子「星空さんと黄瀬さんって夢原さん達に似てるよね」

 

うらら「なんだかあの中睦ましいオーラがなんとなく私とのぞみさんと同じかと」

 

やよい「うららちゃん、それは照れるよ…(えへへ)」

 

これはいわゆる似た者同士ってやつかな?

 

みゆき「一体私達にどんなことを聞くの?」

 

増子「ごめんなさい、こればかりはその時でないと聞かないわ」

 

あくまで取材する法は内容を秘密にしておくってことなんだ。そこらへんは正しいと思う。

 

のぞみ「それだったら取材する意味なんてないもんね」

 

うらら「考えを曲げないってわけですかね」

 

増子「そういうことなの。あ、そうだ。後で昨日の記事を掲示しておくから見ておいてね」

 

増子さんがそう言い残し、すぐに取材の準備をするために部室へ移動した。

 

みゆき「変わった娘だね、本当に」

 

やよい「どんなことを聞かれるんだろう」

 

なにはともあれ、ここからが二日目の始まりって思えばいいかもしれない。



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第62話 みんなの気持ち

りん「遅いわよ、そろそろ始まる頃なんだから」

 

うらら「ごめんなさい、ちょっとブラブラしていて(えへへ)」

 

予定時間より若干遅れたが、なんとかみんなのところへ戻れた。さて、一体何が始まるやら。あとそれから増子さんが取材を行うっていうからそこんところにも期待しないとね。

 

くるみ「いよいよね」

 

やよい「もう来たよ」

 

みゆき「ドキドキ…」

 

あかね「そこときめくとこちゃうで」

 

私だけじゃなく、みゆきちゃん達も待ち望んでいたらしい。はてさて…。

 

 

 

かれん「本日は、みなさんの暖かい笑顔や今後の成長を願いただいまの時間をもちまして記念式典を行います」

 

 

 

ステージ中央でかれんさんが司会を取り行う。式典かぁ。確かにその話は出てきていなかったような気もする。

 

 

 

かれん「まずはお礼の言葉として、七色ヶ丘中学校生徒会からご挨拶をお願いします」

 

 

 

まずはお礼の挨拶からなんだね。一応プログラムは今先生達に渡されてはいる。

 

 

 

れいか「本日は貴校であるサンクルミエール学園にご招待いただき、誠にありがとうございます。私達生徒会は、これからの生徒達の成長や今後の進路へ歩んでいくためのそんな明るい学校生活を築き上げたいと一同全員で思っています。昨日では色々とお世話になり、様々な経験を得られたと思いになられてはいますが、今度は私達が様々な経験を体験する番になります」

 

 

 

今度はれいかちゃんが話をする番だ。よくよく考えれば昨日はみゆきちゃん達の学校で色々と経験したんだし、次は私達が振る舞う役割かもしれない。

 

 

 

みゆき「流石はれいかちゃん(ヒソヒソ)」

 

あかね「せやな。秘密ってのはこの為やったんな(ヒソヒソ)」

 

やよい「よかったぁ~。またスポーツとかじゃなくて(ホッ)」

 

なお「でも、こうやってお祝とかやった方が盛り上がると思うね(ヒソヒソ)」

 

りん「かれんさんが隠してたのはこの為だったのね(ヒソヒソ)」

 

うらら「先に教えるよりはマシだとは思いますけどね(ヒソヒソ)」

 

こまち「最近かれんはこまめにに悩んでいたらしいわ(ヒソヒソ)」

 

くるみ「試行錯誤した結果ってやつね(ヒソヒソ)」

 

 

 

みんなで小声になりながら話し合う。それほどかれんさんの苦労がわかるという証拠だね。

 

 

 

のぞみ「でも悩んでいたというのはちょっと困っていたこともあったんじゃないかな?(ヒソヒソ)」

 

みゆき「どうだろうね(ヒソヒソ)」

 

 

 

少し気にかかった部分があるが、あまり理解できない。

 

 

 

れいか「―――というわけで、二日目もどうぞよろしくお願い致します」

 

 

 

話し合ってる間にもうれいかちゃんのあいさつが終わってしまった。まだまだプログラムがありそうだし、これは時間がかかることは確定している。まぁ面倒なことがない分ちょっとマシに感じるけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それはそうと、またこの前のやつが襲って来たりはしないよね……。



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第63話 蹲る感情

式典はまだまだ終わる気配を見せないが、みんな必死で先生達の話を聞いていた。そんな中、みゆきちゃんが突然顔を竦めていた。

 

のぞみ「……」

 

何があったのかはよくわからない。けど話を聞けばわかるはず…。

 

 

 

かれん「次は各先生方への表彰状を授与をいたします。本日は様々な賞を得られて光栄です。では前へお進みください」

 

 

 

みんなごめん…。私……。

 

 

 

みゆき「…すいません、ちょっと気分が悪くなったので席を外してもいいですか…?」

 

先生「具合でも悪いのですか?」

 

のぞみ「そうみたいです。私ちょっと保健室へ連れていきますね(あはは)」

 

みゆき「…?」

 

みゆきちゃんの言葉に便乗するように私が代りに説明をする。これって大丈夫かなぁ…?

 

あかね「どうしたん?」

 

やよい「具合が悪いの?」

 

みゆき「そうじゃないの…」

 

このままじゃ気まずいから早速体育館の外へ移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~校舎付近のベンチ~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みゆき「…のぞみちゃん」

 

誰もいなさそうな場所へ移動した私とみゆきちゃんは気持ちを整理をする。いきなりすぎたから結構迷惑をかけたような気がする…。

 

のぞみ「どうしたのそんな暗い顔をして。何か困ってることがある?」

 

みゆき「なんていうか…私、心配なの」

 

私の手を握りながら渋々と答えるが、その顔は相当落ち着かない表情だった。

 

のぞみ「一体何が心配なの?」

 

みゆき「ずっと思ったけど、またこの前のやつが襲ってくるかどうかを」

 

のぞみ「この前のって、あの時私達を襲ったあいつのこと?」

 

みゆき「うん。もしそれで学校のみんなが襲われたらどうしようと……ううん、それだけじゃない。もしかしたら小々田先生も狙われるんじゃないかって…」

 

単純明快な解答だった。でもそれだけでみんなが襲われるっていう考えは私にもよくわかるがそれは普通だとは思うけど。

 

のぞみ「みゆきちゃんはコ―――いや、あの先生をどう思うの?」

 

みゆき「昨日の時点での心境はとても優しくて逞しいって思ったけど、今の時点だと考えが改まったの。私はどうしてもあの人に伝えなきゃいけないことがあるから」

 

な、なんですとぉおおお!?

 

のぞみ「ってみゆきちゃんはどうして彼のことが気になるの…?」

 

みゆき「それは、昨日運命的な出会いを果たしたからなんだ。それがドラマチックで本当に素敵だったの♪」

 

のぞみ(もはや暗い表情から明るい表情を見せてるし…!)

 

 

 

~~閑話休題~~

 

 

 

のぞみ「さっきの続きだけど、もしそいつが来ても私達なら大丈夫だよ」

 

みゆき「本当に…?」

 

のぞみ「だって、みんなで支え合えばきっとやれるし。何より、それがみんなにとって最高の幸せなんだと思う」

 

みゆき「のぞみちゃん…」

 

あまり派手なことは言えないが、これなら少しでもみゆきちゃんを安心できるんじゃないかって気がついたから。

 

のぞみ「それはそうと、もしピンチになったらそこをチャンスに変えたらいいよ」

 

みゆき「そうかなぁ?」

 

のぞみ「私が保証するよ、絶対に」

 

みゆき「…のぞみちゃんってなんでそんなに親切なのぉ!(ギュ)」

 

のぞみ「ぐ、ぐる゛じぃいいい…!」

 

あまりの感激っぷりを見せる私にみゆきちゃんが思わず抱きついてきた。

 

みゆき「私、猛烈に感動しちゃった!」

 

のぞみ「これって、愛だよね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ「これでもう大丈夫?」

 

みゆき「のぞみちゃんのおかげでもう恐れることはないよ」

 

のぞみ「それはよかったね」

 

ようやく一段落がついたみゆきちゃんと一緒に体育館へと戻ろうとしたその時、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズドォン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ「今の爆発は!?」

 

みゆき「きっと体育館からだよ、早く行こう!」

 

突如爆発音が外まで鳴り響いた。これは間違いない、多分あいつだ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

L「人間達は愚かだねR」

 

R「お前の言う通りだL」

 

 

 

ガシャアアア…!!

 

 

 

L「それじゃ一暴れしておいでホシイナー」

 

R「お前もだアカンベェ、全部焼きつくせ」

 

 

 

ホシイナー「ホシイナー…!」

 

アカンベェ「アカンベェ!」

 

 

 

二人「「プリキュア5、スマイルプリキュア…。ここがお前達の墓場となる…」」




次回から大きな戦いになる予定です。


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第64話 襲い掛かる脅威

先生「一体何が起きたんですか!?」

 

教頭「わからない。ときかく生徒達を安全な場所へ避難を!」

 

 

 

ガラガラァ…!!

 

 

 

りん「この地震はなんなの…?」

 

うらら「多分外からだと思います!」

 

こまち「とりあえず様子を…」

 

かれん「待たせてごめんなさい、この様子だと式典は一時的に中止よ」

 

くるみ「そうね、他のみんなや先生達を避難させるべきね。あとココ様にも…!」

 

 

 

ナッツ「みんな大丈夫ナッツ!?」

 

シロップ「来てみたらこの有り様ロプ…!」

 

 

 

くるみ「ナッツ様、シロップ!」

 

りん「とりあえずのぞみ達を探そう、それが優先だから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~体育館付近の渡り廊下~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あかね「みんな、早く非難するんや!」

 

やよい「逃げ遅れてる人はいませんか!?」

 

なお「大変な事態にあったね…」

 

れいか「お待たせしました。そっちはどうですか?」

 

あかね「今みんなを安全な場所へと誘導させているところやで」

 

やよい「でもみゆきちゃんがまだ来てないよ?」

 

 

 

キャンディ「みゆきならすぐ戻ってこれるから安心するクル!」

 

ポップ「学校のみんなのことは拙者に任せるでござる!」

 

 

 

れいか「キャンディ、ポップ…!」

 

 

 

一同「「「みんな、そこにいる!?」」」

 

 

 

あかね「りん、来てくれたんか!」

 

やよい「うららちゃんも…!」

 

なお「よかった、こまちさんも無事だったんだ…」

 

れいか「かれんさん、まだみゆきさん達が戻ってきてません」

 

くるみ「れいか、どうやらそうでもないみたいよ?」

 

 

 

のぞみ「みんな、ごめーん!」

 

みゆき「今戻ったよー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~みんなで状況整理中~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとか合流できた私達は今どうなってるかを話し合っていた。おそらく前のあいつが来たんだ…!

 

なお「となれば一回外へ出てみようよ」

 

りん「いきなり出たら危ないわよ。でも、ここで状況を変えられるのは私達だけみたいだしね」

 

かれん「りんの言う通りだわ。そうじゃなきゃ戦えないもの」

 

やよい「みんなで一致団結すればいいよね?」

 

くるみ「ええ。何があっても私達に恐れるものなんてないってことを見せてあげましょう」

 

ここで気合を入れるために、私達は手を合わせて一致団結をした。さぁ、どこからでもかかってこい!私達が相手をしてやるんだから!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~校舎外~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ「あそこだよ、って二人もいる…?」

 

みゆき「あの二人の仕業ってことだね…!」

 

校舎の外隈なく捜査をしていると怪しげな二人を発見した。うん、間違いない。

 

 

 

一同「「「そこまでよ!!」」」

 

 

 

L「久しぶりだね、君達」

 

R「昨日はよくもやってくれたな」

 

 

 

のぞみ「やっぱりL、あなただったね」

 

りん「R…、性懲りもなくまた…」

 

うらら「あの二人は見たことありませんね…」

 

こまち「片方は知ってるけどもう片方は知らないわ」

 

かれん「これ以上私達の学校に手出しさせないわよ!」

 

突然の再開に身震いが止まらない私達。それでも立ち上がらないといけない。

 

L「あれ?ミルキィローズがいないけど?」

 

みゆき「くるみちゃんなら今はみんなを非難させてる」

 

ちなみにくるみはナッツとシロップ達と一緒に避難活動を行っている。再び合流するのは後回しのようだね。

 

あかね「一度じゃ足らず二度もやられにきたんかい、往生際の悪いやつやなぁ」

 

やよい「昨日のお姉さんの仲間みたいだね…」

 

なお「今度は何が目的なの!?」

 

れいか「妨害するのなら容赦しません!」

 

みゆきちゃん達も本気を出している。やっぱり心は一緒、私も関心しちゃう。

 

L「いいよ、また相手をしてあげる」

 

R「だが、次は俺達が勝つ…」

 

のぞみ「その言葉そっくりそのまま返す!」

 

みゆき「みんな、準備はいい?」

 

 

 

一同「「「うん!」」」

 

 

 

みゆきちゃんの掛け声とともに、私達は態勢を整えた。そして、

 

 

 

のぞみ一同「「「プリキュア・メタモルフォーゼ!!」」」

 

 

 

みゆき一同「「「(レディ?)プリキュア・スマイルチャージ!!」」」

 

 

 

それぞれの掛け声で全身が光にまとい、姿を変化そてゆく。その姿はどんな邪悪な力を浄化する伝説の戦士の姿であった。

 

 

 

ドリーム「大いなる希望の力、キュアドリーム!」

 

 

 

ハッピー「キラキラ輝く未来の光、キュアハッピー!」

 

 

 

ルージュ「情熱の赤い炎、キュアルージュ!」

 

 

 

サニー「太陽サンサン熱血パワー、キュアサニー!」

 

 

 

レモネード「弾けるレモンの香り、キュアレモネード!」

 

 

 

ピース「ピカピカピカリン、じゃんけんぽん♪(チョキ)キュアピース!」

 

 

 

ミント「安らぎの緑の大地、キュアミント!」

 

 

 

マーチ「勇気リンリン直球勝負、キュアマーチ!」

 

 

 

アクア「知性の青き泉、キュアアクア!」

 

 

 

ビューティ「深々と降り積もる清き心、キュアビューティ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドリーム一同「「「希望の力と未来の光、華麗に羽ばたく五つの心!yesプリキュア5!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハッピー一同「五つの光が導く光、輝け!スマイルプリキュア!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、私達の大きな戦いが今始まろうとしていた…!



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第65話 LとR①

ドリーム「これ以上アンタ達の好きはさせないんだから!」

 

レモネード「抵抗するなら許しません!」

 

R「威勢のいい子娘どもだな…。だが、お前らの相手は別で用意してある」

 

L「そうだよ。おいで、ホシイナー」

 

 

 

ホシイナー「ホシイナー!(ズドォオン!!)」

 

 

 

R「お前もだアカンベェ」

 

 

 

アカンベェ「アカンベェ!(ズドォオン!!)」

 

 

 

LとRの合図で二体の怪物が現れた。ってあれは…!

 

 

 

ドリーム「ホシイナー!?」

 

ハッピー「アカンベェまで!?」

 

 

 

お互いに見に覚えのある怪物だった。どうしてあいつらが…?

 

 

 

アクア「なぜエターナルのものを…」

 

ビューティ「あなたはバッドエンド王国と何か関係はあるのですか…」

 

L「僕達は何も関わってないよ?」

 

R「あぁ、全くだ。俺らが生まれた時から既にあるものだ」

 

ピース「生まれた時から既にあった…?」

 

 

 

一体どういうことなのか全然わからない。そもそもなぜあんな能力を…?

 

 

 

L「僕達をそこらの幹部と一緒にしないでもらいたいね」

 

R「まぬけな館長や烏滸がましいピエーロとはちげぇんだよ」

 

ミント「やはり敵の全てがわかるってこと?」

 

マーチ「ちょっと待って。だとしたら何かの経緯で混ざり合ったっというわけじゃ…」

 

ハッピー「うぅ~、考えるだけでちんぷんかんぷんになってきたよぉ~…」

 

サニー「まさにはっぷっぷ~って感じしてるでハッピー」

 

 

 

ハッピーの言う通り、考えるだけでろれつが回らなくなってきそう。まぁそんなことはどうでもいい。とりあえずあいつらを止めないと!

 

 

 

ドリーム「まとめて相手になるよ!」

 

L「なるほど。どうするR?」

 

R「そうだな。ここは二手に分かれて戦うか」

 

ルージュ「二手…?」

 

マーチ「なら私達がアカンベェの相手を!」

 

ビューティ「戦い慣れてる相手なら楽勝です」

 

R「おっとそうはいかねぇな」

 

サニー「それどういう意味や?」

 

L「君達が相手するのは僕とホシイナー」

 

R「プリキュア5、お前らが相手するのはこの俺とアカンベェだ」

 

 

 

予想打にしなかった事態になってしまった。まさかここで別の敵と戦うことになるとは…。ハッピー達は大丈夫かな…?

 

 

 

ハッピー「アンタ達、こんなやり方するなんてずるいよ!」

 

L「ずるい?違うなぁ。だってそれの方が君達の力がわかるんだからね」

 

ピース「つまり腕試しという感じかな?」

 

R「ご名答だ。お前らが戦い慣れてないやつとやり合った方が面白くねぇか?」

 

サニー「上等や。そっちの方が盛り上がるやろ?」

 

 

 

ってかおもいっきり興味深々なんだけど!?

 

 

 

ドリーム「もう仕方ない。みんな、ここは二手に分かれよう」

 

L「そうこなくちゃ。R、ドリーム達の方は頼んだよ」

 

R「OKだぜ。お前ら、俺についてこい」

 

ドリーム(向こうはどんな手を使ってくるかはわからない。けど、ここは当たって砕けろっというわけかもしれない…)

 

 

 

心ではかなり動揺してるが、やってみないと結果が出ない。さて、行きますか…!

 

 

 

ドリーム「みんな、行くよ!」

 

 

 

一同「「「yes!!」」」

 

 

 

掛け声とともに、私達はRと戦うために場所を移動した。待っててね、絶対に生きて帰るからね…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~校舎の屋上~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

R「準備はいいな?さぁ、やっちまえアカンベェ!」

 

アクア「気をつけて、相手はどんな手を使うかわからないわ」

 

ルージュ「ましてやいつもと違う敵だし…」

 

ドリーム「それでもいい。とにかく足止めだけはしておかないと…!」

 

 

 

場所を変えて屋上へ。ここなら被害は少ないけど、建物が崩れたら重傷じゃ済まなさそう。

 

 

 

アカンベェ「…アカンベェ!」

 

 

 

かなりの威圧を見せるアカンベェにどう立ち向かうかがこの戦いの鍵。一つの油断もできない。

 

 

 

レモネード「一気に仕掛けます!てやぁあああ!(ドン!)」

 

R「そんなへなちょこな攻撃など簡単には通用しねぇぞ」

 

ミント「ならば懐から!(ズガァアア!!)」

 

 

 

レモネードとミントが一撃を与えるが、全く攻撃が効いていない。なんて頑丈なやつなの…?

 

 

 

R「次はこっちの番だ、やれアカンベェ!」

 

アカンベェ「アカンベェ!(ドォン!)」

 

 

 

一同「「「あぁあああ!!」」」

 

 

 

大きな一撃をお見舞いされ、後ろまで飛ばされてしまう。力が半端じゃない。

 

 

 

ルージュ「やるじゃないの…!」

 

ドリーム「こうなったら!プリキュア・シューティングスター!!(ズドォン!!)」

 

アクア「これならいけるわ!」

 

 

 

こっちも負けない勢いで反撃をする。少しは弱っていればいいんだけど…。

 

 

 

R「残念だったなキュアドリーム。お前の攻撃なぞこいつには傷一つついちゃいねぇ」

 

ドリーム「そん……な……」

 

 

 

ところが、その一撃は全く効いていなかった。やはり只者じゃなかった。

 

 

 

ルージュ「こうなったら私達も!プリキュア・ファイアーストライク!!(ボシュ!!)」

 

レモネード「これで効いてください!プリキュア・プリズムチェーン!!(ジャリィ!!)」

 

ミント「三人の攻撃を中へ集中させる!プリキュア・エメラルドソーサー!!(ピキィン!)」

 

アクア「バリアを貼っていれば反射して連続でヒットするはず!プリキュア・サファイアアロー!!(ビュン!!)」

 

 

 

ルージュ達が一斉に攻撃を放つ。戦法としてはルージュとレモネード、それにアクアが先に技を放ち、その直後にミントがバリアを貼って三人の攻撃をバリアの反射を利用して連続でヒットさせるという方法。流石にこれだけ当て続ければ一溜りもないはず…!

 

 

 

アカンベェ「アカンベェ…!」

 

 

 

ドリーム「嘘……」

 

R「おいおい、お前らの本気はこんなもんかよぉ?」

 

 

 

しかし、その攻撃も全部相手には通用していなかった。

 

 

 

ルージュ「なんてやつなの…」

 

レモネード「これじゃ太刀打ちできません…!」

 

ミント「これほど攻撃したのに…」

 

アクア「きっと何かあるのよ。それを突破できれば…!」

 

R「おっと、そうはいかないぜ?まだまだお楽しみはこれからさ」

 

ドリーム「あの本は一体…!?」

 

 

 

するとRは何か不気味な本を取り出し、ある掛け声を唱え始めた。

 

 

 

R「世界よ!最悪の結末、バッドエンドに染まれ!白紙の未来を黒く塗りつぶせ!」

 

 

 

ゴゴゴゴ……

 

 

 

アクア「どうなってるの?」

 

ミント「なんだか空が黒くなってるわ…」

 

ドリーム「二人とも、下を見てください!」

 

 

 

私は思わず急ぎ気味でミントとアクアを呼び寄せた。そこに見えたものは……、

 

 

 

アクア「…っ!!」

 

ミント「学校のみんなが…!!」

 

レモネード「なんですかこれは!?」

 

ルージュ「どんどんみんなの笑顔が無くなってゆく…」

 

 

 

なんと避難していた生徒達や先生達の大半が絶望したかのような状態で座り込んでいる光景を目にしてしまう。ルージュとレモネードも見たがあまりの事態に絶句しちゃう。

 

 

 

R「いいぜぇこれ!哀れな人間どもが発したバッドエナジーが益々溜まっていくなぁ!」

 

ドリーム「バッドエナジーですって……!」

 

 

 

Rは学校のみんなが絶望する姿に清々しい気分で喜んでいた。それに伴い、アカンベェにも変化が出てきた。

 

 

 

ビュキィン…!!

 

 

 

R「おっと、アカンベェもパワーアップしてやがる。やはりこの本は素晴らしい」

 

レモネード「あぁ!あの怪物が強化しています!」

 

ミント「しかも、さっきとは違う邪気がある」

 

アクア「危険だわ!早く避けないと!」

 

R「無駄だ!そのまま粉砕しろ!」

 

 

 

再びアカンベェの攻撃が繰り出される。だが、さっきとは比べものにならない程の威力を誇っていた。

 

 

 

ドゴォオオン!!

 

 

 

ドリーム「くぅ…!」

 

 

 

一応攻撃は防いだものの、あまりの衝撃に思わず仰け反ってしまう。

 

 

 

ルージュ「おそらく原因はあいつが持っている不気味な本よ。あれを持っていればあの怪物は強化する。それとバッドエナジーだかが関係してるしね…」

 

レモネード「はい、あのまま野放しにはできません。みんなの笑顔も守らなきゃいけません!」

 

R「やるってぇのか?いいぜ、俺も暴れてやんよぉ!(ドガァン!!)」

 

 

 

ここでR自身も戦闘態勢に入り、混信の一撃を放った。それに耐えきれず、ルージュとレモネードは吹き飛ばされてしまう。

 

 

 

ルージュ「この力は…!」

 

レモネード「全然歯が立たないです―――っ!?」

 

アカンベェ「アカン……ベェ!(ドグォオオン!!)」

 

レモネード「きゃああああああああ!!」

 

 

 

すると後ろに回り込んだアカンベェがレモネードを大きく投げ飛ばした。こればかりは致命的としか言いようがない。

 

 

 

ミント「よくも…!てぇい!(ドン!)」

 

アクア「ここからは私とミントが相手よ!(ドン!)」

 

R「腰抜けが…。よくそこまで威張ってられんなぁ!(ブン!)」

 

ミント「あぁ!」

 

アクア「うぅ!」

 

ドリーム「ミント!アクア!よくもみんなを!(ドドドドドド!!)」

 

 

 

私はその怒りを爆発させ、Rに容赦なく猛攻を仕掛ける。

 

 

 

R「ところでミルキィローズはまだ来ねぇのか?」

 

ドリーム「くるみは、必死でみんなを安全なところへ避難させている…!人は、みんな夢を持っている。大切な何かを見つけて、それに突き進める―――だからみんなが頑張れる。それを理解しようともしないアンタなんかに、負けはしない!」

 

R「ふん!余計な減らず口を…!」

 

ドリーム「なぜそれをわかってくれないの!?」

 

R「お前ごときに理解してたまるか。俺にはそれが微塵もわかりゃしねぇ」

 

 

 

説得を始めてもRにはその言葉が届きはしなかった。それなのに…。

 

 

 

ドリーム「それなのに、どうしてこんな悲しい真似をするの!?」

 

R「俺はなぁ、あーやって人間どもの絶望する顔を拝めるのが生きがいなんだよ。崇高なるネオフュージョンのためにもな…」

 

アクア「ネオフュージョン…、もしかして…!」

 

R「あぁ、俺とLはやつの仲間ってことさ」

 

ルージュ「何がなんだか…」

 

R「だからこうやってプリキュアどもを殲滅しようと動いてるってことよ」

 

ドリーム「みんなが悲しむ顔を見ただけで何も変わりはしないんだから!そういうアンタにも少しは分かるでしょ!?誰だって、何か希望を持っているはずなのよ!」

 

 

 

R(希望―――だと…?)

 

 

 

突然Rの動きが止まった。一体どうしたの…?

 

 

 

R「俺にはそんなものはいらねぇ。全部絶望に染まれゃいい話さ…」

 

ドリーム「どうして…」

 

 

 

かと思ったが迷う様子すら見せなかった。それと同時に私に罪悪感を漂わせる雰囲気を生んでしまう……。

 

 

 

ドリーム(わからなくなってしまう、この感情が……)

 

 

 

この卑劣な戦いにまだ終わりの兆しを見せる余地もなかった……。



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第66話 LとR②

L「さぁ、来るなら来てもいいよ?」

 

ハッピー「遅れを取る私達じゃない、全力で行くよ!」

 

 

 

ドリーム達がRの方と戦っている間、私達はLと戦うことになった。前とはかなり雰囲気が違うように感じるが、それに怖気づくわけにはいかない。

 

 

 

ホシイナー「…ホシイナー!」

 

 

 

敵の雄叫びとともに、一斉に攻撃を開始した。まずは横に囲んで動きを封じ込めようとする。

 

 

 

サニー「アカンベェやないけど、だいたいは同じや!せやぁあ!(ガァ!)」

 

マーチ「蹴り技なら負けない、だぁああ!(ドゴォオン!!)」

 

 

 

ここでサニーとマーチが同時にキックをお見舞いした。出だしは好調だった。

 

 

 

L「普通の攻撃じゃ倒せないよ?もっと大きな技を出さなきゃ」

 

ピース「やるまでもないんだから!(ズガッ!)」

 

ビューティ「私達ならやれます!(グォオオン!)」

 

 

 

 

更にピースとビューティがLに向かって攻撃を放つ。よし、これなら…!

 

 

 

ハッピー「今度はこれを受けてみなさい!プリキュア・ハッピーシャワー!!(シュバァアアア!!)」

 

 

 

怯んでいるホシイナーに向けて必殺技を放つ。これでまともにダメージを受けるはず…!

 

 

 

ホシイナー「ホシイナー!(シュバ!)」

 

 

 

ハッピー「……全然効いてない」

 

L「残念だったねぇ。君の浄化技じゃ通用しないよ?」

 

 

 

ところが、全く傷一つもつきやしなかった。あんなに大きい一撃だったのに…。

 

 

 

サニー「ハッピー一人じゃ無理なら、うちらがやったるわ!プリキュア・サニーファイアー!!(ボォオオ!!)」

 

ピース「みんなで力を合わせれば!プリキュア・ピースサンダー!!(ビリィイイ!!)」

 

マーチ「直球勝負だ!プリキュア・マーチシュート!!(ビュン!!)」

 

ビューティ「己の力を信じます!プリキュア・ビューティブリザード!!(ビュウウ!!)」

 

 

 

みんなも応戦するように一斉に技を放った。四人なら確実に受けると思うが…。

 

 

 

シュウウ…

 

 

 

煙が黙々と剥がれてゆく。果たしてどうなったのか。

 

 

 

L「だから人の話を聞いていなかったの?」

 

ホシイナー「ホシイナー!」

 

 

 

一同「「「そんな……」」」

 

 

 

それでも、何も効いてはいなかった。一体どうすればいいの…?

 

 

 

マーチ「あれだけやったのに…」

 

ビューティ「やはりこれほどの力じゃ足りないのですか…」

 

L「失望したよ。君達ならいけると思ってたけど、まさか半分の力も出せてないなんてねぇ」

 

 

 

嘲笑うかのように見下すLにマーチとビューティが殴りにかかろうとした。だが、

 

 

 

L「えい(ゴキン!)」

 

マーチ「うぅ!」

 

ビューティ「あぁ!」

 

 

 

軽い動きで拳を捻られてしまった。これは結構憎い戦法かもしれない。

 

 

 

L「僕はね、人間達が無様に悲しむ顔を見るのが大好きなんだよ。まぁ自慢話っていうか恐縮だけど。何かに絶望したりしたらそれはそれですごくいい様になると思うんだ」

 

 

 

薄気味悪い笑みでLが語り出す。そ、そんなことを…。

 

 

 

ハッピー「あなたにはわからないの…?絶望っていうのは何も結果を残さないんだよ?」

 

L「それが何の根拠になるのさ?」

 

ハッピー「感じるの。悲しい思いをしていたら誰からも助けを求められないし、誰からも心配されなくなるってことを。私はそう思うけど、あなたはどうなの?」

 

 

 

説得するのにも時間の問題だが、やれるだけのことは全力でやり尽す。それなのに…。

 

 

 

L「そんなつまんない御託は聞きたくないよ。僕とRはそれぞれで楽しめればそれでいいだけ。それ以上でもそれ以下でもありゃしない」

 

 

 

それなのに彼の心は開ける様子もない。だとすれば考えられるのはただ一つ。

 

 

 

ハッピー「あなたとRはどうしてこんなことをやるの?」

 

L「知りたいかい?ならいいよ、僕達の目的を」

 

サニー「ちょっ、ハッピー!?」

 

ピース「なんだかわけがわからないよ…」

 

マーチ「大丈夫だろうか…」

 

ビューティ「ハッピーを信じましょう…」

 

 

 

彼に目的を聞きつければ何かを得られる。多分だけど。

 

 

 

L「僕は、ある人のために動いてるんだ。その人は……、ネオフュージョン……」

 

 

 

ネオ……フュージョン……?



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第67話 LとR③

L「僕達は崇高なるネオフュージョンのためにどんな手段を使う」

 

ハッピー「ネオ、フュージョン…?」

 

 

 

一体なんだろう、ネオフュージョンって…。

 

 

 

ビューティ「まさか、この前出てきたのも…」

 

マーチ「何か知ってるの?」

 

L「まさか、あのなりそこないの欠片か…」

 

 

 

Lが一瞬機嫌を悪くするように呟く。そうなんだ、ビューティなら何かわかるかも。

 

 

 

ハッピー「他にわかったことはある?」

 

ビューティ「残念ですが、それ以上のことは得られていません」

 

ピース「今欠片って言ってたよね?」

 

サニー「まぁ細かいことはええねん。さっさと反撃するで」

 

 

 

L(しかし、ネオフュージョンから生まれた欠片がいつ行動を始めたんだろう…)

 

 

 

結構めぼしい情報を得られたような気がする。早くLを止めないと…!

 

 

 

L「まだ続けるのかい?ホシイナーが君達を捻りつぶすけど」

 

マーチ「そんなの、私達が倒す!はぁ!(ドゴォン!)」

 

ホシイナー「ホシイナー!(バン!)」

 

ビューティ「波状攻撃を仕掛けます、えぇい!(ザシュ!)」

 

 

 

マーチが正面から攻撃し、ビューティが上から氷の剣で切り裂く。それなりの足止めにはなるが、あまり余裕ではない。

 

 

 

サニー「こうなったら地道に弱らせるしかないやろ!(ガキィ!)」

 

ピース「浄化できないのなら、まずはそれからだよね!(ズガッ!)」

 

 

 

続いてサニーとピースも同時に攻撃を仕掛ける。休まずに連続で放っているため、多少は効き目がありそう。

 

 

 

L「キュアハッピー。君の相手はこの僕だ(ドシュ!)」

 

ハッピー「いくら火力が劣っていても動きを読めばどおってことはない、はぁ!(ドゴォン!)」

 

 

 

私が相手するのはLであり、みんながホシイナーと戦っているので平等になっていると思う。

 

 

 

L「今頃ドリーム達はRにやられてるかもしれないよ?」

 

ハッピー「そんなわけない!ドリームや他のみんなはそう簡単に負けない。私達だって一緒なんだから!」

 

 

 

そういえば、ドリーム達はどうなってるんだろう……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~その頃ドリーム達はというと―――~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

R「俺はなぁ、そういう夢だの希望という言葉大っきれぇだ…」

 

ドリーム「なんで、なんであなたにはわからないの?」

 

アクア「ドリーム、今のあいつに何を言っても無駄よ。あの顔は本気を出そうとしてるって証拠よ…」

 

ルージュ「やむを得ないわね…。とにかくまずはあの怪物を止めるわよ」

 

 

 

一瞬Rの動きが止まったが、すぐに立ち直ってしまう。少しだけ心が開いてくれたと思っていたんだけど…。

 

 

 

R「遊びはおしめぇだ!お前らまとめて叩き潰してやる!(ボォオオ!)」

 

 

 

ローズ「やめなさい!(ビシュゥ!)」

 

 

 

一同「「「ミルキィローズ!」」」

 

 

 

ローズ「お待たせ、なんとかみんなを非難させたけどいきなり空が黒くなってきたから後を探ってみたらこの有り様ってわけね」

 

 

 

ここでローズがやっと駆けつけてくれた。これで六人、まさに敵なしだね。

 

 

 

R「ミルキィローズめ。ノコノコとやられにきやがって」

 

ローズ「確か、バッドエナジーだかって言ってたらしいわね。途中で元気を無くしていた生徒達が多くなっていたと思えばそれが原因だったのね」

 

ドリーム「ココ達は?」

 

ローズ「ココ様はまだ一人で避難誘導している。ナッツ様とシロップは今到着したわ」

 

 

 

シロップ「みんな、大丈夫ロプ!?」

 

ナッツ「あの闇はこいつの仕業ナッツか!?」

 

 

 

ローズの駆けつけに便乗するようにナッツとシロップも駆けつけてくれた。ココ、無事にいてくれるといいんだけど…。

 

 

 

レモネード「それよりあの敵をどうやって倒せば…」

 

ミント「そこが問題ね。何か反撃の糸口さえあれば…」

 

R「まだ諦めねぇってんならもう一度かかって来い。アカンベェが粉砕するがな」

 

アカンベェ「アカンベェ!」

 

 

 

そうれはそうと、まだアカンベェが残っている。しかもバッドエナジーだかで強化されてる。これにどう対抗できるかが大きな鍵となる。

 

 

 

ドリーム「みんな、再び強行突破で行くよ!」

 

 

 

つかさずアカンベェに攻撃を繰り返し、少しでも弱らせることを考えた。これを続ければいずれは倒れるだろう。

 

 

 

R「ん?どうやらLが読んでるようだな。すぐそっちへ向かう!(バッ!)」

 

アカンベェ「アカンベェ!(バッ!)」

 

ドリーム「待ちなさい!みんな、追いかけるよ!」

 

 

 

するとRが突然屋上の下へ飛び降りた。もしかしてLの救援なのかもしれない。そうとなればハッピー達が危ない…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一方ハッピー達~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

L「さぁ、どうする?そろそろ君達の体力が限界に近いけど?」

 

ハッピー「まさか、ここまで押されるとは……」

 

サニー「想定外や……」

 

ピース「まだホシイナーを弱らせていないし…」

 

マーチ「万事休すかも……」

 

ビューティ「腕の痛みが…、感じます……」

 

 

 

R「来てやったぜ相棒!」

 

 

 

L「ふん、そっちはどうだい?」

 

ピース「しまった!既に増援が来ちゃったよ!」

 

R「弱すぎて話にならねぇなぁ」

 

 

 

ドリーム一同「「「みんな!」」」

 

 

 

私達はなんとかハッピー達の方へと向かうことができた。しかし相手も既に到着しちゃったみたいだ。

 

 

 

ドリーム「大丈夫?」

 

ハッピー「うん、なんとかね。それよりあの空は…」

 

ビューティ「はい。もう気がついているとは思いますがバッドエンド空間のようですね」

 

サニー「てかなぜあいつらがこんなことできるねん」

 

ローズ「ドリーム達が見た限りでは他のみんなが絶望してるみたいよ。それに、Rには奇妙な本を持っているみたいだし」

 

マーチ「やはり、だからバッドエンド空間を生み出せたってわけか…」

 

 

 

それぞれで状況を整理する。とりあえず敵が揃ったてわけだしここはハッピー達にも協力してもらいたいところでもある。

 

 

 

キャンディ「みんな、大丈夫クル!?」

 

ポップ「生徒のみんなはもう安全な場所へ逃げ切ったでござるが、まさかバッドエンド空間になるとは…」

 

ハッピー「そうみたい。さっきドリーム達がそれを目撃したらしい」

 

ルージュ「それはともかく、敵が増えたわねぇ…」

 

 

 

ホシイナー&アカンベェ「「(ゴゴゴゴ…!!)」」

 

 

 

レモネード&ピース「「ひやぁああああ!!恐ろしいぃいい!!(ブルブル!)」」

 

 

 

ルージュ&サニー「「ホント、あざとい二人……」」

 

 

 

L「さて、役者は全員いるわけだし。R、そろそろ行くよ」

 

R「いつでもいいぜL」

 

 

 

するとLとRが何かを唱え始めた。一体何が……?

 

 

 

L&R「「さぁ、今こそ我らが集うネオフュージョンの力を与えん!!」」

 

 

 

ドゴォオオオオン!!

 

 

 

ドリーム「あ、あれは…!」

 

ハッピー「なんて力なの…!」

 

 

 

私達が目にしたのは、二体の怪物が融合した姿だった。

 

 

 

L「完成だよ、これはホシイナーとアカンベェが融合した姿」

 

R「さしずめ、バッドエンド・エターナルっていう名前だ」

 

 

 

そんな、あいつらにはこういうことができるっていうの……?

 

 

 

ココ「みんなから離れろ!(ダッダッダッ!)」

 

 

 

ドリーム「ココ!?」

 

ハッピー「どうして小々田先生が!?」

 

 

 

それと同時に思いもよらない展開になった。学校のみんなを非難させたココが突然私達を庇うようにやってきた。これじゃ危ないよ!

 

 

 

L「これっぽっちの戦える能力のない君がなぜ…」

 

R「邪魔するなら容赦しねぇぞ」

 

ココ「それでも十分だ、ドリーム達に手を出したら許さないぞ!」

 

ドリーム「あちゃ~…」

 

ルージュ「これはもう隠しようがないわ…」

 

レモネード「完全に終わりましたね…」

 

ミント「それより早く守って!」

 

アクア「呆れてる場合じゃないわよ」

 

ローズ「ココ様に手出しは許さないわ!」

 

 

 

それでもココが引き下がることもなく庇い続けるが…、

 

 

 

R「そこをどけやぁ!!(ドガッ!)」

 

ココ「うわぁ!(ボンッ!)」

 

 

 

ドリーム一同「「「あっ…!!」」」

 

 

 

Rの一撃ですぐに妖精の姿に戻ってしまった。終わった、みゆきちゃん達―――いや、みゆきちゃんにバレてしまった……。

 

 

 

ハッピー「……え?」

 

ココ「ち、違うココ…!こ、これは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さようなら、私達の青春……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハッピー「かわいいぃいいいい!!(ムギュ!)」

 

 

 

―――ゑ?

 

 

 

ココ「離すココ、苦しいココ…!」

 

ハッピー「先生ってこんなに可愛い妖精さんの姿になれるんだぁ。私ウルトラハッピーだよぉ♪」

 

 

 

え?どうも思わない…?なんで?

 

 

 

一同(((みゆき(ちゃん)(さん)の考えがよくわからない(です)……)))

 

 

 

ナッツ「ココはつくずく可愛がられる風貌ナッツ」

 

シロップ「羨ましくて憎いロプ…」

 

キャンディ「でも嬉しそうクル」

 

ポップ「みゆき殿にとってはあれが和ませる要素でござるな」

 

 

 

今のは軽い乙女の勘ってことにしておこう……。

 

 

 

L「全く、とんだ邪魔が入ったもんだったね」

 

R「今度こそお前らを消してやる。行け、バッドエンド・エターナル!」

 

 

 

バッドエンド・エターナル(以後はBEとして表記する)が放つ邪気で思わず仰け反ってしまう。でも、ここまで来たんだからチャンスを逃さない。

 

 

 

ココ「みんなに言いたいことがあるココ」

 

ドリーム「それは何?」

 

ナッツ「それを言うと思っていたナッツ。つまりココが言いたいのはあの敵を倒すにはみんなの力を合わせる必要があるということナッツ」

 

ローズ「私達の力を合わせる?」

 

ココ「その通りココ。ただ普通に合わせるだけじゃ何も変わらないココ。つまりお互いの力を交換しなければあの敵に太刀打ちする可能性はないココ」

 

 

 

お互いの力を交換?どゆこと?

 

 

 

ハッピー「つまりドリーム達の力を私達が使って、私達の力をドリーム達が使うってことだよね?」

 

ココ「それが正しいし、寧ろそれしか方法がないココ」

 

サニー「太っ腹な情報を教えてくれておおきにな」

 

ナッツ「でもあの闇の力だとチャンスは僅かしかないナッツ」

 

ピース「だとしたらほぼ一度きりかもしれないね」

 

シロップ「成功する確率低すぎるロプ…」

 

レモネード「一か八かだよねシロップ」

 

 

 

そうか、今ハッピーが言った通りのことをやればどうにかなるんだね。

 

 

 

ドリーム「……やるしかない」

 

 

 

そう言いつつ、順番にキュアフルーレを出してゆく。これをハッピー達に渡せば…。

 

 

 

ドリーム一同「「「受け取って!」」」

 

 

 

ハッピー一同「「「私達に力を!」」」

 

 

 

そして、ハッピー達に渡したキュアフルーレの力で奇跡が起きた。

 

 

 

ドリーム「…あれは」

 

 

 

するとハッピー達がキュアフルーレを手にした瞬間、見る見るうちに姿が変わってきた。もしかして……、これがココの言ってた通り…。

 

 

 

ハッピー「この力は一体…」

 

サニー「とても和らぎのある感じや」

 

ピース「寧ろ暖かくて心が落ち着く」

 

マーチ「これはプリンセスフォームと同等の―――」

 

ビューティ「いえ、それ以上かもしれません」

 

 

 

ハッピー一同「「「プリキュア・フローラルフォーム!!」」」

 

 

 

L「あの姿は…」

 

R「なんだありゃ…」

 

 

 

これで、あいつらに勝てるかもしれない。そんな勇気を振り絞りつつ、この戦いに終止符を打とうとする私達であった。



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第68話 みんなの力を合わせ…

L「なんなんだ、この力は…」

 

R「まさか、俺達でも見たことのねぇものか…」

 

 

 

ドリーム達の力を受け取った私達に壮大な力が宿る。こんな奇跡が起きるなんて思いもしなかった。

 

 

 

ハッピー「この感じ、なんだか暖かい…。それに、みんなの心が共鳴するような感覚を得てる気がする…」

 

キャンディ「今ならいけるクル…!」

 

ポップ「っ?プリンセスキャンドルも光ってるでござる―――そうか、そういうことでござったか…!」

 

ナッツ「どういう意味ナッツ?」

 

ポップ「他のみんなには、プリンセスキャンドルを手にして欲しいでござる」

 

 

 

それと同時に私達のプリンセスキャンドルも大きく輝いていた。もしかすると、ドリーム達にも…!

 

 

 

ドリーム「これを私達に?」

 

ルージュ「みたいね」

 

レモネード「次は私達もですね」

 

ミント「そうすればもっと奇跡が―――」

 

アクア「―――らしいわね」

 

 

 

ハッピー一同「「「プリンセスキャンドルを!」」」

 

 

 

ドリーム一同「「「yes!!」」」

 

 

 

R「なんだと…!?」

 

 

 

次はドリーム達にプリンセスキャンドルを渡し出す。一体何が起きるのか気になるところ。その力は…、

 

 

 

ドリーム「どんどんみんなの思いが集まってゆく…」

 

ルージュ「今までにはない感じがする」

 

レモネード「感激です…」

 

ミント「この一筋の希望なら…!」

 

アクア「倒せないものなど何もないわ…!」

 

 

 

まるで大天使を思わせるシルエットへと変化していく姿であった。すごい…!

 

 

 

L「賢しいよ、君達…。行くんだ、BE!」

 

 

 

BE「(ゴゴゴゴ…!)」

 

 

 

ドリーム「ありがとう、みんな…。そして、この力に全てを捧げる!」

 

 

 

襲い掛かるBEに対し、私達は真っ向勝負を仕掛け始める。

 

 

 

ドリーム一同「「「はぁ!(ドン!!)」」」

 

 

 

その一撃は、一瞬で敵を弾き飛ばす程の威力だった。あれだけ苦戦していたのがまるで嘘かのような出来事だった。

 

 

 

L「こっちも行かせてもらう!」

 

R「こうなりゃ力ずくだぁ!」

 

 

 

ハッピー一同「「「させない!(ガッ!!)」」」

 

 

 

正面から来るLとRをも余裕で吹き飛ばす勢いで蹴り飛ばした。これも相当な威力だった。

 

 

 

L「負けないよ、僕達は!」

 

R「やれ、BE!」

 

 

 

一同「「「私達はどんな時でも、絶対に諦めずに勝ってみせる!!」」」

 

 

 

その時、更なる光を照らされた。この壮大な力がどんな相手でも確実に消滅させる…!

 

 

 

ドリーム「光輝け、希望の未来!」

 

ハッピー「今こそ、明日へと繋ぐ未来に!」

 

 

 

一同「「「神秘の力が今、誕生する!」」」

 

 

 

ローズ「そして、平和へと導く奇跡の生命を生みましょう…」

 

 

 

L&R「「こ、これは…!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一同「「「プリキュア・ミルキィローズ・ロイヤルレインボーフローラルエクスプロージョン!!(パァアア…!)」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その力から生まれたのは、希望の女神―――この力でしか現れない奇跡の瞬間だった。

 

 

 

BE「……(シュゥウウ……)」

 

 

 

妖精達「「「みんな……」」」

 

 

 

その時、LとRの頭から何かが響き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

L[なんだ、この悍ましい光は…」

 

R「けっ、味気ねぇな…」

 

 

 

ハッピー「なぜあなた達はこんな真似をするの?」

 

 

 

L&R「「……キュアハッピー」」

 

 

 

ハッピー「こんなことをやって辛くないの?苦しくないの?」

 

L「僕達はまだ引き下がるわけにはいかないんだよね」

 

R「まだ役目を果たせてはいねぇからな」

 

ハッピー「そんなんじゃ、何も結果が残ったりしない…。きっとまだチャンスがあるはずだよ?」

 

L「…うるさい、君に僕達の何がわかるのさ」

 

R「調子に乗ってると痛い目を見るぜ?」

 

ハッピー「ううん、私はあなた達のやろうとしてることに対して悲しい思いをしてるの。大切なことを背負ってるものを、本当はあるんじゃないの?」

 

 

 

L&R「「大切なことを背負ってるもの……?」」

 

 

 

ハッピー「その答えは、きっと見つかるはずだから…。だから、自分自身に希望をもって。それを身に付ければ絶対にわかるから。何も焦る必要はないのよ…」

 

 

 

L&R「「……」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

L「今のは…」

 

R「なぜか暖かい気持ちになるような…」

 

ドリーム「一体何が起きたの?」

 

ハッピー「きっと自らの意思を改まってると思う」

 

 

 

先程までの恐怖はなく、寧ろ落ち着くような雰囲気になってゆく。ところが、

 

 

 

L「僕達には―――」

 

R「―――そんなものはいらねぇ」

 

 

 

一同「「「っ!?」」」

 

 

 

それを振り切るかのように立ち上がってしまった。

 

 

 

L「あ~あ。BEもやられちゃったねR」

 

R「だとすれば、あまりこの世界にいる用はなくなっちまった」

 

ハッピー「……」

 

L「愚かなプリキュア達、ここまで僕達を楽しませてくれて感謝するよ」

 

R「だが、次はこうはいかねぇ。また会う時は真の絶望を目の当たりにするだろうさ」

 

ドリーム「真の絶望…?」

 

L「その意味はいつかわかるよ。それじゃ」

 

R「また会おう。プリキュア達が集う戦乱の地―――DeM(デウスエクスマキナ)でな」

 

 

 

そう言い残しつつ、LとRが去ってしまった。プリキュア達が集う戦乱の地…?それはどういう意味なんだろう?

 

 

 

ビューティ「DeM…と言ってましたね」

 

ローズ「これには謎が多くなりそうね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~そして事態は収まり…~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして苦しい戦いを乗り越えた私達はなんとか生徒や教師達を安全にさせられつつ、無事に解決できた。そして中断されていた式典もなんとか無事に再開し、幕を下ろした。

 

 

 

午後のプログラムはお祝いのパーティが開催されることになり、学校中はみんな大盛り上がり。歓声の声も響き渡っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ「これで一件落着だねぇ」

 

みゆき「うん、学校のみんなも落ち着いたみたいだし」

 

オレンジジュースを飲みながら一息つく私とのぞみちゃんに対して、今朝見に覚えのあった娘がやってきた。

 

増子「いやぁ、あの黒い空はなんだったのかしらね?」

 

のぞみ「増子さん、無事だったの?」

 

みゆき「怪我はない?」

 

笑いながらやってきたのは増子さんだった。もしかして、隠れて取材をやったんじゃ…。

 

増子「実は、こっそりといいスクープが完成したのよ。もう既に掲示板に貼ってあるからよかったら見てね」

 

みゆき(いいスクープ…?)

 

 

 

あかね「みゆき、ちょっとええか。とんでもない記事が掲示されてるで…」

 

うらら「のぞみさんも是非見てもらえれば…」

 

 

 

ここで苦しそうな顔をしたあかねちゃんとうららちゃんがコソコソとやってきた。そんなにヤバイ顔をしちゃって、どうしんだろうか…?

 

のぞみ「早速見てみよう」

 

みゆき「…うん」

 

恐る恐る廊下へ向かい、掲示板へ目を通した。その内容はというと…、

 

 

 

『謎の少女達が悪の敵に立ち向かう!その真相とは!?』

 

 

 

のぞみ&みゆき「「なんじゃこりゃ~!?」」

 

 

 

その内容はプリキュアでの私達のことが掲載されていた。

 

れいか「まさかこんなことが載せられるなんて…」

 

なお「なんていうか、凄く危ないね…」

 

りん「いや、それどころじゃないでしょ普通…」

 

かれん「私達、結構痛手を打ったわね」

 

やよい「でも正義のヒーローってことで案外カッコイイかも!」

 

 

 

りん&あかね「「それどころじゃないでしょ(やろ)!!」」

 

 

 

っとまぁこんな感じで二日目は無事に終了しましたとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~帰り道~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のぞみ「みゆきちゃん達に謝らなきゃいけないことがあるの」

 

れいか「何がですか?」

 

帰る最中、のぞみちゃんが突然畏まるように答えた。なぜ謝る必要があるの?

 

かれん「さっきのことだけど―――」

 

 

 

ココ「それなら僕が話すよ」

 

ナッツ「本人が直接話すらしいナッツ」

 

シロップ「本当にせっかちロプ」

 

 

 

くるみ「ココ様が?」

 

すると多少苦笑いする小々田先生(っと言ってもいいのかな?)が自らが暴露を始める。

 

ココ「実は君達のこと、最初からわかっていたんだ」

 

 

 

一同「「「えぇええええ!?」」」

 

 

 

な、なにゆえぇ~!?

 

やよい「なぜですか!?」

 

ナッツ「ココはみゆき達と対面してからあることを感じたナッツ」

 

シロップ「なんでも、のぞみ達と同じ力を持っているって錯覚していたロプ」

 

こまち「でもあまりにも唐突よ。どうしてそれが…」

 

くるみ「ココ様にしか知らないわ。多分直感よ」

 

この場合どう答えればいいのかなぁ…?

 

みゆき「あの、小々田先生……」

 

ココ「僕のことはココでいいよ」

 

あかね「すまんが、詳しく説明してくれへんか?」

 

 

 

~~事情を説明中~~

 

 

 

くるみ「ということよ。つまりココ様は人の前にいる時はいつもあの姿なのよ」

 

やよい「じゃあシロップも」

 

なお「ナッツも同じってことかな?」

 

うらら「その通りですよ」

 

こまち「ただのイケメンじゃないわ。こういうこともしっかりと考慮してるもの」

 

なるほど、そういうことだったんだぁ。

 

キャンディ「嬉しそうクル、みゆきは」

 

ポップ「今のでホッとしたでござるな」

 

みゆき「まぁね。小々田―――いや、ココ。もしよかったら、明日は私と一緒にのぞみちゃん達の学校を改めて案内してくれないかな…?」

 

しまったぁ~!!これはいきなりすぎたかぁ~!

 

ココ「いいよ。星空―――いや、みゆきがそう言うなら喜んで引き受けるよ」

 

のぞみ「あ゛ぁ~!!ココ、抜け駆けはズルいぃ!!」

 

あ、すんなりと了解を得られた…。

 

みゆき(や、やったぁ…。あとは昨日のお礼を伝えるだけかぁ……)

 

こんなドキドキを残しつつ、三日目に備えることになった。それに、明日で最後だから精一杯育まないと……!



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第69話 本当の気持ちとは…

みゆき「はわわ…緊張しちゃうかも……」

 

れいか「落ち着いてくださいみゆきさん。深呼吸すれば大丈夫です」

 

なお「何事にもチャレンジだよ。頑張って」

 

やよい「きっとうまくいけるよ」

 

あかね「つーか一緒に案内するだけでデートちゃうで……」

 

 

 

長かった学校交流会もいよいよ今日で最終日。今日はそれぞれで自由に行動できる日となっているが、予めどこの学校で過ごすのかを先生達に報告しなければならない。ちなみに私はのぞみちゃん達の学校で過ごし、みんなはどうするか今迷っている。

 

 

 

みゆき(でも、この前のことをどううまく伝えればいいんだろう…?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局分担された組み合わせはというと、あかねちゃんとやよいちゃんがうちの学校に留まり、なおちゃんとれいかちゃんは私と一緒に移動する形となった。今はなおちゃんがこまちさんと行動し、れいかちゃんがかれんさんとくるみちゃんで行動することになっている。それからうちの学校に残ったあかねちゃんとやよいちゃんも同じペアで一緒するつもりだった。あ、忘れるところだったね。のぞみちゃんはどうしてるかというと、キャンディをおともにしてやよいちゃん達と動く予定らしい。あとは抜き打ちで増子さんがあちこち取材を訪れるんだとか。

 

 

 

みゆき「が、頑張らないと…!(もじもじ…)」

 

とはいえ、私の方はあまり張り切れない様子だった。だって、そろそろあの人が来るわけなんだから……。私がハッキリしなかったらどうするのよ……!

 

 

 

ココ「あ、いた。おはよう」

 

 

 

みゆき「を、をはやう…」

 

突然の挨拶に思わず口ごもってしまう。ダメダメ、元気でいないと!

 

ココ「どうしたの?なんか変だけど」

 

みゆき「な、なんでもないの。あはは…」

 

少しでも安定できるように笑って誤魔化そうとする。実際は緊張しちゃってるけど。

 

ココ「昨日はよく眠れた?」

 

みゆき「まぁ一応ね。寝坊もしなかったからバッチリだよ」

 

ココ「そっか、それはよかった。ところで今日はこの学校についてもう少し詳しく知りたかったんだよね?」

 

みゆき「逢瀬のままに」

 

私は頷くように安堵する。今日の目的はサンクルミエール学園をもう少し知るために小―――もといココと共に行動する。昨日行けなかったところにも案内してもらえるかもしれないし、こればかりはいい機会だね。

 

みゆき「そういうわけで、今日はよろしくね」

 

ココ「こっちこそ、今日は世話になるよ。みゆきのためならなんだってするよ」

 

みゆき「……(///)」

 

ココのときめく言葉に顔が赤くなってしまう。こんなところで照れちゃダメ、ちゃんとやらないと。

 

みゆき「じゃあ最初はどこから行く?」

 

ココ「まずは各教室を案内するよ。それからどうするかをあとで考えよう」

 

腕時計を見ながら計画を立てることになった私とココ。この限られた時間内でどう回れるか、進行次第となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~校内廊下~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みゆき「そういえば昨日の新聞部のスペースの記事ってこんなにあるんだねぇ」

 

ココ「これは毎日日替わりで更新されいくんだ。これも日課だからね」

 

途中で目にしたのは新聞部の各記事や特集などなど。おそらく増子さんが殆ど仕上げているようだ。ちなみに昨日の私達のことの記事はバッチリ残されていた…。

 

みゆき「もの凄い文章だね」

 

ココ「こういった内容を目に通すのも生徒一人一人の成長を促してるのさ」

 

みゆき「他にも何かあるのかな?」

 

ココ「あとは外にも掲示されてるしね。色々と情報が広いんだ」

 

なんて会話をしてる間に最初の目的地へとやってきた。

 

みゆき「ここは?」

 

ココ「あそこが主に生徒達の教室なんだ。とても大きいし、奥行きも広いよ」

 

ココが指を刺したのは主にクラス毎の教室。席もとてもいいし、まるで大学のような雰囲気でもある。

 

みゆき「のぞみちゃん達はあそこで授業を受けているんだ」

 

ココ「勿論さ。彼女達が真面目に取り組む姿を見て関心しちゃうんだ」

 

みゆき「あんあところでやったら、嬉しいなぁ~」

 

ココ「まだまだ紹介する場所はあるよ。次行くかい?」

 

見惚れてしまうのも無理はないので、早速次の場所へ移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~理科室~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みゆき「うひょ~!!こんなデカイ模型があったんだぁ」

 

ココ「これはエサを捕らえた熊の模型だよ。大きくて迫力あるんだ」

 

みゆき「すごいすごい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~家庭科室~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みゆき「調理道具が色々揃ってるねぇ」

 

ココ「授業以外はあまり使われることが少ないからこうして眺めるのもいいところさ」

 

みゆき「そうなんだ。あとミシンも置いてあるよ」

 

ココ「それは裁縫を使った授業がやることがあって、それに使うんだよ。ちなみにみゆきは裁縫には自信ある?」

 

みゆき「私は可愛い物を作ったりするのが大好きだけど、腕自体はあまり上手じゃないからみんなで作ったりはしているよ」

 

ココ「そっか。まるでのぞみ達みたいだ」

 

みゆき「えへへ、そうかなぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~図書室~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みゆき「うわぁ~!ここにもいっぱい本があるね!」

 

ココ「ここは主に図書委員長のこまちが色々チェックしていたりしてるよ」

 

みゆき「こまちさんって図書委員の委員長もやってるんだね」

 

ココ「何か気になる物があったら読んでみるといいよ」

 

みゆき「本当に?やったぁ~!」

 

 

 

ゴトン…

 

 

 

みゆき「あれ?なんだろうこれ…。随分と古びた本だけど……」

 

ココ「それはちょっと汚いから戻してあげて」

 

みゆき「でも気になるなぁ。少しだけ覗いてみよっと―――?」

 

ココ「どうしたの?」

 

 

 

みゆき(こ、これは……)



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第70話 大切な宝物①

みゆき「この本、昔読んだことがあるかも…」

 

私にとって見覚えのある本。それをめくると…。

 

 

 

みゆき「…懐かしい」

 

 

 

思わず涙を流してしまう。それと同時に私の記憶が過ぎり出す。

 

ココ「その本がどうかしたの?」

 

みゆき「ごめん、うっかり…。これ、私が小さかった頃におばあちゃんが読み聞かせしてくれたの。まだ自分に自信を持っていなかった頃にいつもおばあちゃんがこの本を取り出して私のために読んだんだ」

 

涙を拭きつつ悶々と答え、少しずつ落ち着いた。ちょっと照れくさい一面見られちゃったかも…。

 

ココ「タイトルは『みんなで笑顔』か。とても元気が出そうなお話じゃないか」

 

みゆき「えへへ。それにしてもここにあったなんて思いもしなかったよ」

 

ココ「昔持っていたのはどうなったの?」

 

みゆき「残念ながら、私が小学生になった頃にもう無くなっちゃったの。あの本には私を大きく変えたんだと感じたから」

 

ココ「どんなお話か読んでみようよ」

 

久しぶりに読むこの本を、私とココで読むことにした。これから始まるのは、幼い女の子の物語―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昔、とある田舎で暮らしている家族がいました。絵本を読むのが大好きなリオちゃんと、リオちゃんのお父さんとお母さん。三人で平和に暮らしていました。お父さんとお母さんは農家を営んでいます。そんな両親をいつも励ましてくれるのはリオちゃんです。

 

 

 

リオ「お父さんとお母さんは今日もお仕事?」

 

心配そうな顔でお母さんに尋ねます。リオちゃんはいつもお母さんと一緒に近くの幼稚園のお迎えを待っている間にお仕事の話をしています。

 

お母さん「ごめんね、お母さん達今日もお仕事なの。多分帰りのお迎えが遅くなるかもしれないの」

 

両親がお仕事の時はいつも悲しい思いをしてしまうリオちゃんですが、そんな彼女を優しく接してくれているのが、幼稚園のお友達でした。

 

 

 

リオちゃんを幼稚園に送ったお母さんがすぐにお仕事へ行ってしまいましたが、きっと必死になって働いてくれています。リオちゃんの悲しい顔を見たくないと気遣ってくれているのでしょう。それからしばらくしてリオちゃんのお友達がやってきました。その子の名前はユメちゃんです。

 

ユメ「リオちゃん、何して遊ぶ?」

 

リオ「一緒におえかき、しよ」

 

二人は幼稚園で一緒になると毎日のように遊んでいます。今日は二人が最も大好きなおえかきをします。

 

ユメ「できた。これ、私のお母さんの似顔絵」

 

リオ「上手だね。私も書いたよ。お父さんとお母さんの絵」

 

お互いに見せ合いっこします。それと同時に二人で笑いだしました。

 

 

 

これが、リオちゃんにとっての楽しい一日の始まりとも言えます。辛い時は誰かに励まされつつ、笑顔で幸せで素敵な一日になるでしょう―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みゆき「って、途中で話が途切れちゃってるね」

 

ココ「多分、ページが切れたんだと思うよ」

 

みゆき「それにしても、久しぶりに読んで凄く感動しちゃった」

 

ココ「そうなんだ。ところでこの話の結末はどうだった?」

 

みゆき「最後は女の子が成長してお母さんになって、笑顔というのを世界中のみんなに教えたの。笑っている時の顔がとてもいいことだっておばあちゃんが言っていたの」

 

途中でページが途切れてはいるが、あまりの懐かしさに感動してしまう私。思い返せばたくさんのことを経験したんだと思う。あとはのぞみちゃん達との出会いとか…。

 

ココ「じゃあそろそろ時間になりそうだから、早く出よう」

 

みゆき「待って…」

 

ココ「どうしたの?」

 

慌ててココを引き戻そうとするが、途端に顔が赤くなってしまう。

 

みゆき「私、ココにお礼を言いたいの。少しだけ、時間とれるかな…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~そのころ~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

りん「あっという間の一日だったわね」

 

あかね「せやな。どうやった?うちらの学校は?」

 

うらら「どこも楽しい場所ばかりでした」

 

やよい「それはよかったね。今日で交流会終わりだけど、また機会あったら遊びにおいで」

 

 

 

くるみ「みんな、そこにいたのね」

 

 

 

りん「くるみも来たね。ということは―――」

 

 

 

こまち「お待たせ。随分と早かったわね」

 

なお「まさか一斉に集まるとはね」

 

かれん「れいか、今日はどうだった?」

 

れいか「はい、貴重な体験ができました。ありがとうございます」

 

 

 

のぞみ「遅れてごめーん!」

 

キャンディ「だいぶ集まっているクル」

 

ポップ「残るはみゆき殿でござるな」

 

ナッツ「ココもまだナッツ」

 

シロップ「ったく、遅すぎるロプ」

 

 

 

れいか「確かに、あとはみゆきさんとココさんだけですね」

 

あかね「それよかなおとれいかは何やっとった?」

 

なお「私はこまちさんと色々と見て回ったよ。すっごいよかった」

 

れいか「私はかれんさんの方の生徒会の活動を一日中見学していました」

 

やよい「あかねちゃん、私達も案内していたよね?」

 

あかね「ホンマやで。結構疲れたわぁ」

 

くるみ「一体いつになったら来るのかしら…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~そして~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みゆき「私、この三日間とても楽しかったよ」




次回で第一章終わりです。


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第71話 大切な宝物②

今回で第一章完結となります。


みゆき「私、この三日間とても楽しかったよ」

 

ついに思いを告げる時がやってきた。今日までの三日間、どのように経験できたかを振り返る時間だった。

 

ココ「思い返せば、あの道で僕と君が出会ったね。まるで運命的だったよ」

 

みゆき「そんなぁ、運命的だなんて…。ちょっと照れくさいかも」

 

今のはちょっと恥ずかしくなっちゃいそう…。でも、

 

みゆき「あの時ココが教えてくれた問題も、楽に解けたし。流石教師って感じだね」

 

ココ「まぁね。元々僕は妖精だけど、普段のぞみ達と一緒にいる時はこうやって人間の姿になっているのさ。それと色々勉強のことも習っていたから今生徒達に教えてやれてるんだよ」

 

ココにも照れくさい話があるとは思うし、お互い様かな?

 

みゆき「それはともかく、改めてお礼を言いたいの。ココが妖精だったってことを気づかなくて最初は驚いたけど、それでも必死になって励ましてくれた心に感動しちゃった。ココのことはのぞみちゃん達の方がよく知ってるのかもしれないけど、私もなんとなくその気持ちがわかってきた気がする」

 

ココ「みゆき…」

 

色々振り返ると、たくさんのことを体験した。まずはみんなで勉強会をやったこと。みんなで力を合わせて取り組めたし、意外な発見もあった。次に生徒対抗リレー。あれは本気の勝負もあったから団結して勝利を掴むという勇敢な一面もあった。得に絶対に負けたくないと勇気を振り絞ったうららちゃんに感動した。何かをひたすら頑張ることに私は更に勇気を得られた気がする。そして――――

 

 

 

みゆき「それに、たくさんの仲間に支えられたことかな?」

 

 

 

これが私にとって大きな出来事でもあった。あの時のぞみちゃんに出会ってからたくさんのことがあった。のぞみちゃんだけじゃない、他のみんなもそうだった。他のみんなからも笑顔をもらい、私の中の思い出がいっぱいできた。なぜなら、それが最高の笑顔―――スマイルなのだから。

 

ココ「仲間って、本当に素晴らしいものだね。まるでのぞみが言いそうな言葉みたいだ」

 

みゆき「のぞみちゃんもこんな感じなことを言うの?」

 

ココ「多分、だけど」

 

無邪気な顔になりながらココが答える。もしそうであれば、私とのぞみちゃんは似た者同士になりそう―――って自分で言うのもなんだか変かも。

 

みゆき「そういうわけで、この三日間色々とお世話になりました」

 

ココ「僕の方こそ、ありがとう」

 

みゆき「ところで、交流会が終わっても普通に会えるよね?」

 

ココ「大丈夫さ。今度うちの店に来るといいよ」

 

へぇ~。どんなお店なんだろう?

 

ココ「店の名前は『ナッツハウス』。色んなものを売っているよ」

 

みゆき「素敵な名前だねぇ。今度みんなで来るよ」

 

きっとアクセサリーなんかを取り扱ってるのだろう。かなり楽しみになってきたかも。

 

ココ「じゃあそろそろみんなのところへ行こうか。もう時間がないから」

 

みゆき「うん。あとココ、ちょっと耳貸して?」

 

ココ「どうしたんだい、内緒話かな?」

 

そう言うと、私はココの耳元まで近づき―――ではなく、そのままココの横顔まで近づいてココの頬に何か柔らかいものを押し付けた。それに対してココは、

 

 

 

ココ「あ…。そういうことか……(アワワワ…)」

 

 

 

と呟いた。流石にイチコロだったね、今のは。

 

みゆき「早く行こ?」

 

ココ「わかったよ」

 

笑顔になりつつ、私とココは図書室をあとにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みゆき「お待たせー!」

 

あかね「遅いで。何やってたん」

 

やよい「もしかして、イチャイチャしていたとか…(///)」

 

なお「ひゅ~(口笛)」

 

れいか「これは禁断の仲ってわけですね…」

 

りん「それ大げさでしょ」

 

うらら「これでみんなですかね」

 

こまち「ココさん、のぞみさんが怒ってるわよ…?」

 

かれん「随分と待たされたからそれはね…」

 

くるみ「けど、あの顔じゃそうでもなさそうよ」

 

のぞみ「遅いよココ!おかげで私との時間取れなかったじゃないの!(プンプン!)」

 

 

 

妖精達「「「怖い…」」」

 

 

 

そしてようやく全員が集まった。のぞみちゃんはそれなりにご機嫌斜めだけど。

 

のぞみ「なんて嘘だって。私はそこまで気が短くないんだからね?」

 

ココ「ビビったぁ」

 

みゆき「もう終わったことだし、これからどうする?みんなでスイーツ食べに行かない?」

 

のぞみ「それナイスアイディア!」

 

れいか「あまり寄り道はいけませんよ?」

 

やよい「たまにはいいよ、滅多にないから」

 

みゆき「それじゃ、みんなで突入しよう!けって~い!」

 

のぞみ「みゆきちゃんも真似しちゃった」

 

 

 

こうして、私達の大切な時間が無事に幕を下ろした。これからももっと仲間とともに笑顔でいなくちゃね。




今後の予定は次回お伝えします。


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第一章を振り返ろう

タイトル通りです。


ひめ「と、とうとう終わったぁ~!!」

 

いおな「随分遅れたけどね」

 

つぼみ「ざっと二ヶ月過ぎてますね」

 

えりか「ブルーなんたら王国のお姫様の分際のおひめちゃんのおかげで予定外になったけどね」

 

ひめ「ひょえぇ~!めんぼくな~い!!(しくしく)」

 

えりか「っとまぁそこは置いといて、今回は第一章の振り返りをみんなでしようと思っているわけなんだが―――早速雑談していこ~!」

 

 

 

めぐみ「お呼びとあらば即参上!愛乃めぐみです!」

 

 

 

ゆうこ「幸せになれるために一杯ご飯を作ります。大森ゆうこです」

 

 

 

ひめ「この感覚、仲良し二人組の登場か!?」

 

いおな「なんだか張り切りすぎね……(あはは)」

 

つぼみ「ところでえりか、いつきとゆりさんはまだですか?」

 

えりか「生憎だが、二人は今日欠席なのよ…」

 

ひめ「残念…」

 

つぼみ「大丈夫ですよ。私達がその分頑張ればいいですし、ね?えりか」

 

えりか「ろんもち!では改めていってみよー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひめ「トップバッターは私で~す!って何さこれぇ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「アンタ最近リア充っぽく思ってきたからとりあえず拷問コース決定」

 

いおな「それはやりすぎじゃないかしら…」

 

ゆうこ「拷問に耐えたらお菓子たくさんあげるからね」

 

つぼみ「そういう問題じゃないと思うんですが……」

 

えりか「では気を取り直して、みなさんは現時点のストーリーを見てどう思いましたか?」

 

めぐみ「すっごい元気の出るお話だったよ。ほのぼのした日常も好きだったし」

 

ゆうこ「それからちょっとしたキマシもあったよね?」

 

えりか「どひゃ~!それって一目惚れじゃないっしゅか!?」

 

いおな「なんかドキドキするわね…」

 

つぼみ「釘づけですね…(///)」

 

えりか「大胆な答えをありがとう…(ポッ)。次はゆうゆうの番」

 

ゆうこ「私が関心したのはみんな色んな料理を食べたことかな?」

 

つぼみ「確かにあざとイエロー回に出てきたパスタ、美味しそうでしたね」

 

めぐみ「そうだね。あとは青コンビの時のスイーツとかも美味しそうだったよ」

 

いおな「あれは女性に人気ありそうね」

 

えりか「みんなで今度食べに行こうよ。勿論ひめの奢りで」

 

 

 

ひめ「私そんなにお金ないんですけどぉ~!?」

 

 

 

いおな「まだ拷問受けてるわ……」

 

えりか「はいはい無視無視ぃ~」

 

つぼみ「えりかが怖くなってきてます…」

 

めぐみ「じゃあ、次いってみよう」

 

えりか「俺のこと、嫌いじゃないだろう?って言われてキュンってなっているいおなちゃ~ん」

 

いおな「何よそれ!?わ、私…。全然恥ずかしくないんだからねっ!(///)」

 

ゆうこ「おやおや、顔が真っ赤ですぞ?」

 

つぼみ「これってもしかして、恋の花が咲いたとか」

 

いおな「やめてぇえええ!!」

 

えりか「冗談よ、本気になるわけないでしょ?それじゃあいおなはここまで見てどう思った?」

 

いおな「そうね…。やっぱり私達に負けないくらいの戦闘だったわね。とても感激しちゃったわ」

 

めぐみ「なんといってもみんなで戦うシーンがかっこよかったなぁ」

 

つぼみ「ですよね。私も興奮しちゃって堪忍袋の緒が治まってますしね」

 

えりか「余程感動したってことね。やりおるぅ」

 

ゆうこ「じゃあ最後に今後に期待していることを教えてもらおうかな?」

 

つぼみ「今後ですか。やっぱり言えることは一つです」

 

めぐみ「私も一緒」

 

 

 

つぼみ&めぐみ「「私達の出番はいつになったらあるんですか(の)!?」」

 

 

 

えりか「…ore」

 

ゆうこ「まだまだかもね…(あはは)」

 

いおな「だからって欲張りすぎじゃない」

 

つぼみ「早く私の出番がほしいです!」

 

めぐみ「ただ指齧って見てるだけじゃどうにもならないでしょ!」

 

えりか「アンタ達はプライドがないのかよっ!」

 

いおな「それより早くひめを解放してあげて…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~閑話休題~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひめ「ぃ、ぃたかったよぉ~…(しくしく)」

 

えりか「一ついっとくけど私より先にリア充になったら命ないと思いなさい?」

 

いおな「それは酷い話ね…」

 

ゆうこ「じゃあひめちゃんにも何か一言喋ってもらおうかしら」

 

ひめ「待ってましたぁ!連載開始から見てきたけど、もの凄く熱かったよ。早く私達の出番来ないかなぁ~?」

 

えりか「それは作者の進行具合にもよるけどね」

 

つぼみ「さりげなくメタ発言ww」

 

めぐみ「みんな、そろそろ時間が来たよ。最後にみんなで挨拶しようよ」

 

ひめ「あっという間だったけど、こうやって振り返ると色々あったわね」

 

ゆうこ「これからも他のプリキュアを応援しないとね」

 

いおな「まだまだ期待できそうなところばかりでワクワクしちゃうわ」

 

つぼみ「はい。次なる物語が気になります」

 

えりか「みんな素晴らしい一言どうもありがと~!それじゃ今回はこれで終わり」

 

 

 

一同「「「これからも応援よろしくね!」」」




というわけで、今度こそ第一章終わりです。予定よりかなり過ぎてしまいましたが、なんとかまとめることができました。

さて、ここで今後についていくつか説明したいと思います。



まずは第二章ですが第一章よりは短く終わると思います。あとは第一章とはまた違った雰囲気にしようと考えているつもりです。それぞれのキャラクターの動きについてはいつも通りです。



それから各パート毎の進行具合も進みながら整理します。あとちょいエロ要素も多分入る―――げふん、げふん。

戦闘シーンなんかは順次入れていきます。もう少し迫力のある戦いを考えていくつもりです。ちなみにどういう内容になるかは更新するまで秘密です。



というわけでまだまだわからない部分もありますが、これからもよろしくお願いいたします&第二章を楽しみにしていてください。それでは今回はこの辺で失礼します。


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第二章
第72話 平和な休日


今回から第二章です。


???「……戦え」

 

 

 

誰…?私を呼んでいるのは……。

 

 

 

???「戦うのだ、我と……」

 

 

 

すごく薄気味悪い雰囲気、なんなの…?

 

 

 

???「来い、プリキュアよ……!」

 

 

 

……っ!!あれは……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆ、夢…?何かが私と戦おうとしていたけど、なんだったんだろうか…?それより、早く起きないと……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『今日も爽快な晴れ日和となっており、外でのお出かけが快適になるでしょう。特にいつもダンスの練習にはうってつけのクローバータウンストリートに大勢の人が集まってくるでしょう。以上、今日の天気予報でした』

 

 

 

私の名前は桃園ラブ。いつも幸せを身につけて毎日元気に過ごしているんだ。今日は最高のお出かけ日和だし、ダンスの練習もできる状態だけど、今日はちょっととある場所へ行くことになったんだけどね。とりあえず出発してからのお楽しみ。

 

 

 

ラブ「♪♪♪~」

 

鼻歌を歌いながらロールケーキを作り、それを箱に詰める。最近ケーキ作りをひたすら頑張っているからきっとみんなも美味しいと言ってくれるはずだね。

 

タルト「ピーチはん、嬉しそうやなぁ」

 

ラブ「そうだよ、これをみんなに食べてもらいたいんだ」

 

タルト「頑張ってんなぁ、ホンマに。せやろシフォン?」

 

シフォン「キュア~♪」

 

横になって関心しているのはスイーツ王国の妖精のタルト、それから赤ちゃんのシフォン。天真爛漫な笑みがとても絵に浮かぶ。

 

ラブ「できた!これなら喜んでくれるはず」

 

完成したロールケーキを箱に詰め、蓋を閉める。よし、まさに完璧な出来栄え。

 

タルト「腕が上達したやないか」

 

ラブ「えへへ、それほどでも…。ってところでせつなはまだ起きてないの?」

 

タルト「それが今朝からいないんや。置手紙を置いてな」

 

そうなんだ。せつな、何か用事でもあるのかな?

 

ラブ「その手紙を私に読ませて」

 

私が尋ねると、タルトは頷きながら私に手紙を渡した。どんな内容だろうか。

 

 

 

『ラブへ

 

今日は一緒に出掛けたかったけど、ちょっと外せない用事ができてしまってごめんなさい。どうしても行かなきゃいけないところがあって帰りも遅くなっちゃうかも。心配かけてしまったお詫びに何か買ってきてあげるから待っててね』

 

 

 

という内容だった。行かなきゃいけないところ?一体どこなんだろう?

 

タルト「それに外せない用事って書いてあるし、あまり触れられたくはないやろうな」

 

ラブ「ちょっと不安かも。折角四人で一緒だったのに」

 

少し心配そうになってしまう私。まぁそれも無理はないと思うけど…。

 

ラブ「仕方ないか。そのまま二人のところへ行こう」

 

タルト「了解や。ほな行くでシフォン」

 

シフォン「プリプ~」

 

考えるだけで時間の無駄だから、すぐに出発することにした。できるだけ早く帰ってきてね、せつな……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~クローバータウンストリート~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブ「お待たせ~!」

 

美希「やっと来たわね」

 

祈「ずっと待ってたよ、もぉ~」

 

私を迎えてくれたのは幼馴染の蒼乃美希でニックネームは美希たん。もう一人は山吹祈でニックネームはブッキー。二人は笑いながら待っててくれた。

 

タルト「すまんな、遅れて。ピーチはんが張り切りすぎたから」

 

ラブ「それは余計だと思うけど…」

 

祈「相変わらずね、ラブちゃんは」

 

お世辞と言わんばかりに暴露するタルトにブッキーは思わず苦笑いする。そこは肯定しないでよぉ~。

 

美希「そういえばせつなは?」

 

ラブ「それが早朝からいなくてさぁ」

 

タルト「とある場所へ行くって言っていたで」

 

やはり二人もこれを聞いて驚いているようだ。かなり寂しいかも。

 

ラブ「んで今日はどこに行くんだっけ?」

 

美希「とっておきの場所があるのよ。今調べるからね」

 

そう言うと、リンクルンでマップを開く美希たん。ん?ちょっと待って?

 

ラブ「ところでそんな機能どうやって入れたの?」

 

美希「この前タルトが通販で頼んで入れてもらったわ。結構役に立つわよ」

 

あまりの嬉しさに美希たんが笑みを浮かべる。ってかタルト、いつの間にそんな機能いれたのよ……。

 

祈「それでもう場所は特定できた?」

 

美希「ここね。少し歩くことになるけど、今有名な観光スポットがあるのよ。その場所は―――四葉タワーね」

 

タルト「なんて規模がデカイんや…!」

 

祈「へぇ~。あの四葉タワーね」

 

この時、私は思ってしまった。二人の反応に便乗するように……。

 

 

 

ラブ「四葉タワー?……なにそれ」



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第73話 いざ四葉タワーへ

祈「ラブちゃんったら、どうしてあんな有名な場所を知らないの?」

 

美希「誰でも知ってる場所なのに、今頃わかんないなんて完璧じゃないわねぇ」

 

ブッキーには心配されるし、美希たんには蔑まされるし、私は本当にわからない。けどなぜ二人はあんな場所を…?

 

ラブ「あのさ、昨日話し合ったこと覚えてる?」

 

美希「覚えてるも何も最初から決まったことじゃない」

 

私が尋ねると美希たんが笑いながら答えてきた。じゃあ今度はブッキーに…!

 

ラブ「昨日の時点で買い物に行くって話をしたはずだと思うんだけど」

 

祈「そんなこと、話してたっけ?」

 

ラブ「ほら、新しいパーカーとかが欲しいってブッキー言ってたじゃん」

 

美希「ちょっとラブ、そんな話していなかったわよ。熱でもあるんじゃないの?」

 

やっぱり何かがおかしい。二人とも昨日はとても嬉しそうだったし、きっと夢でも見てるだ私。試しに自分の頬をつねってみると、

 

ラブ「ゆ、夢じゃない……」

 

とても痛かった。つまりこれは現実ということになる。一応タルトにも説明しようとするが、向こうも二人と同じ反応をしてしまう。

 

美希「四葉タワーって言ったらあの超有名な四葉財閥が設立したところなのよ。今更わかんな~いなんて言うなんて、まだまだ子供ねラブは」

 

ラブ「違うってば、信じてよぉ~!」

 

祈「いつまでも揉めてちゃ時間が無くなるわよ?早く行きましょう」

 

駄々をこねる私を美希たんとブッキーが引っ張りながらそのまま移動した。それにしても、本当に何かがおかしい気がするけどなぁ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~四葉タワー~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美希「わぁ~!下から見てもいい眺めね!」

 

祈「あんな場所、他にはなさそうね」

 

ラブ「おわ、おっきい……」

 

タルト「ピーチはんも驚きやな」

 

そして私達は四葉タワーへ到着し、中へ入るために入口へと向かった。ところが、

 

祈「もの凄い長蛇の列だわ」

 

美希「これは中へ入るのに時間かかりそうに違いないわ」

 

入口を見てみると有り得ない人数の列だった。もしかしてあの人数の列に並ぶってこと?

 

ラブ「は、入れるのにどれだけの時間かかると思う…?」

 

美希「あの人数じゃ最低でも一時間は待たされるわね」

 

祈「一時間だとシフォンちゃんをお昼寝させないといけないわね」

 

タルト「流石パインはんや。待ち続けるとシフォンの落ち着きが悪くなりそうやで」

 

ただ待つだけだと余裕でもあるが、それと同時にシフォンをお昼寝させないといけない時間でもあるからこまめに面倒見てあげなければならない羽目にもなっちゃう。となれば方法はただ一つ。

 

ラブ「そしたら交代しながら子守やればいいと思うんだけど、どうかな?」

 

美希「むしろそうするしかないわ。今日だって気温高いし、夏日ではないもののあまりシフォンに日差しを浴びさせるわけにはいかないもの」

 

祈「ハンカチや専用の日傘なら持ってきてるわよ。紫外線対策は私に任せて」

 

ラブ「ブッキー頼りになる~!」

 

ブッキーがなんとかしてくれるみたいだから一安心。でも日傘って言ってもちゃんとシフォンにのサイズに合わせてるのかな?

 

祈「この日傘、壊れた傘の布を切って作ったの。きっとシフォンちゃんも安心よね?」

 

タルト「よかったなぁシフォン。これで少しでも楽になれるやろ?」

 

シフォン「プリプ~♪」

 

これでシフォンも楽になれるね。あとはあの列に耐えなきゃならない……。

 

ラブ「とりあえず準備は整ったし、早速並ぼうよ」

 

祈「そうね。でも美希ちゃんも紫外線とか気にならない?」

 

タルト「そう心配せえへんでも、ちゃんと用意しているみたいやで」

 

一つ気にかかたのは美希たんも日差しを浴び続けたら日焼けしてしまう恐れがあることでもあった。するとタルトの説明通り、美希たんは自分の鞄から日焼け止め用のクリームや紫外線対策になりゆるものを色々取り出した。ってか凄い量だね…。

 

美希「あたしなら心配ないわよ。これだけあれば十分だし」

 

祈「やっぱりね…」

 

ラブ「しかも厳重な対策…」

 

この数だと日焼けはまずしないかもね。っていうかするわけがないか。

 

美希「あたし、完璧♪」

 

というわけで、準備は整ったのでそろそろ並ぶことにした。ちなみに私は冷たいタオルやケーキが腐らないように防腐剤を用意しているので大丈夫。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからかれこれ一時間が経過。すっかり入れる状態になったので早速入口で整理券を購入。その後に中へいざ突入。

 

ラブ「こんなに人がいるねぇ」

 

美希「中に入ってもたくさんいるのね」

 

祈「シフォンちゃんはすっかり眠っちゃってるわ」

 

とりあえず見たいところへとすぐに移動。美希たんによればエレベーターで展望台へと行けるらしくてそこからの景色がとてもいいんだとか。

 

ラブ「エレベーターで展望台に行ける?」

 

祈「むしろそっちがメインだからね」

 

このまま大人数いる中でエレベーターへ乗り込む私達。窮屈だけどみんなもそっちが目当てなのだろう。

 

 

 

そして待つこと一分弱。

 

 

 

美希「見て、すっごい眺めよ!」

 

タルト「ホンマや、見てるだけで迫力あるで」

 

祈「でしょ?ほら、ラブちゃんもそう思う?」

 

ラブ「う、うん。びっくりするね、この眺め」

 

あまりの素晴らしさにストライクする美希たんとブッキー。でも私は何かが盛り上がらない気がする。

 

ラブ(やっぱり何か変かも。そもそもこんなところ元々なかったのに、どうしてもこれが気にかかるような感じがする…。一体何が原因なんだろうか…?)

 

これって、何かが関係してるのかもしれない。でも、それがいつ起きたのかはわからない。ひたすら悩むばかりでもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「さて、この世界で試し甲斐がありそうね。ゼツボーグを……」



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第74話 絶望の檻

ラブ「そういえば二人ともお腹空いてない?」

 

美希「そうね。ちょっと空いてるわ」

 

祈「どこかでお昼にしましょうか」

 

時計を確認してどこかで食事を確保するようにする。その後にまた色々と見回る予定を立てている。

 

祈「この建物内にとてもおしゃれなカフェがあるわ。そこにしない?」

 

ラブ「いいねぇ」

 

ブッキーの提案でこのタワー内にあるカフェで一時を過ごすことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブ「美味しい!こんな冷たいアイスティーが飲めるなんて幸せだねぇ」

 

美希「暑い日に冷たい飲み物を飲んだ方が癒されるわよ」

 

祈「この店にはドリンクだけじゃなくサンドイッチもたくさんあるし、絶品のスイーツもあるのよ。噂によれば一日で一万は超える人数のお客が立ち寄るんだとか」

 

まずはドリンクで喉の渇きを癒す。私はとても冷たいアイスティーを、美希たんは香りがいいアイスコーヒーを、ブッキーは刺激の効いたメロンソーダを注文。

 

美希「最近ここに立ち寄るお客が増えてるそうだし、賑やかよね」

 

祈「よくわかるね美希ちゃん」

 

ラブ「こんな遠くでないといいお店ないもんね」

 

普通に考えればよくあることだが、割と近くにいいところもあったりする。そんなことは私も知っているはず。だけどここは格別らしい。

 

祈「そろそろスイーツが来るわ」

 

美希「早く食べたいわね」

 

二人が楽しみにしている矢先、私は一言断り出した。

 

ラブ「ごめん、ちょっとトイレ行ってくる」

 

美希「もう少しで来るというのに、ホント仕方ないわね」

 

祈「早く戻ってきてね」

 

ラブ「めんぼくない、えへへ」

 

タルト「ピーチはん、天然やな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~エントランス~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブ「とは言ったものの、本当は違う要件だけどね…」

 

私はタワーのエントランスへ出て、何か手がかりなるものを探していく。手がかりというのは私の知らない間でどうなったのかを調べるということ。でも簡単に見つかるだろうか…。

 

 

 

???「そこのお嬢さん、よろしいかしら?」

 

 

 

ラブ「誰…?」

 

すると正面に何やらフードを被った女性がいた。私にどんな用なのかな?

 

???「あなたは自分の夢持ってる?」

 

ラブ「あのぉ~。突然何の話でしょうか?」

 

???「今あなたはそんな夢を持ってるかを聞いているんだけどね」

 

ラブ「なぁんだ。そういうことか。そんなの決まっているよ、世界中のみんなが幸せになれたらってね」

 

その女性は私に質問をしてくるけど、結構単純だった。それでもちょっと照れくさいなぁ。

 

???「あらそう。ありがとね、あなたの答え素敵だったわ」

 

ラブ「えっと、あなたのお名前は?」

 

???「ごめんなさい、私はこれで失礼させていただくわね」

 

そう言い残し、女性はすぐに立ち去っってしまった。名前ぐらい聞きたかったのに…。

 

ラブ「自分の夢―――か。せつなだったらなんて言うんだろう……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~タワー入口~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「ふん。単純な答えね、あの小娘は。あら、あの警備の人やたら頑張り屋さんじゃないの。ちょっと夢を見させてもらうわ…(ギュイン!)」

 

 

 

シュウウ…

 

 

 

???「皆勤賞…。結構派手な夢ね。その夢、絶望の檻に閉じ込めてあげるわ!バッドユアドリーム!(ビュキィン!)」

 

 

 

ギィイイ…バタン…!

 

 

 

???「現れなさい、ゼツボーグ!!」

 

 

 

ゼツボーグ「ゼツボーグ!!」

 

 

 

???「さぁ、この世界での戦いが始まりよ。来るなら来なさい、キュアピーチ……」




次回から最初の戦いです。


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第75話 恐怖の風格 立ちはだかる脅威

ラブ「結局手がかりは一つも掴めなかったなぁ…」

 

私は何も手がかりとなりそうな情報を得られず、そのまま二人のところへ戻ろうとしていた。すると一人の女性が慌てて駆けてゆく姿を目撃した。

 

ラブ「どうしたんですか?」

 

女性「今、謎の怪物が現れて…。このタワーに攻撃をしかけてきたのよ…」

 

怪物?もしかしたら……!

 

ラブ「早く安全な場所へ逃げてください。恐らくもうすぐ避難勧告が出るはずですから」

 

私はそう言い残し、すぐにエントランス付近へと移動した。このままじゃこのタワーが破壊されてしまう可能性がある…。とにかく早く合流しないと…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~エントランス付近~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブ「二人とも、大丈夫?」

 

美希「ええ。他の人達からも聞いたわ」

 

祈「どうやら外で怪物が暴れてるって情報は本当だったようね」

 

タルト「どうにかせえへんと…」

 

美希たんとブッキーもこの状況を理解してくれているみたい。まずは外へ出るしかなさそうだね。

 

ラブ「落ち着いて行動しよう。多分避難している人達の妨げになりそうだから慌てないようにね」

 

祈「わかったわ。この場合どうにかできるのは私達だけですもの」

 

タルト「無理だけはしないよう頼むわ…」

 

美希「当然よ。絶対なんとかしてみせるわ」

 

決意を振り絞り、そのまま外へと移動する。もし係員に見つかったら強制的に避難させられてしまうので迂闊に動けない。とにかく慎重に行かなければならない。

 

 

 

その後私は少し辺りを見渡すように様子を窺う。係員以外にも警備員もいるから結構しぶとい。余計に進行が難しい。

 

 

 

気づかれないように静かに階段を下りて一階までに到達。最初は見つかりそうだったが、予想以上にうまくいったようだ。そして、あの原因を突き止めるとこにした…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~入口付近~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブ「やっぱり、あの怪物だったんだ…」

 

美希「でもあれ、見覚えもないわ」

 

祈「何なのかしら…」

 

見たこともない相手に思わず動きが止まってしまう。よくわからないが、それなりに厄介だとは思う。

 

 

 

???「よく来たわね。お嬢ちゃん達」

 

 

 

ラブ「誰なの!?」

 

祈「上よ!」

 

 

 

???「私はH。この世界を崩壊するために来たのよ。このゼツボーグを実験に使ってね」

 

 

 

すると上にいたのはHと名乗る綺麗な女性。どうやらあの人の仕業ってわけだね…。

 

ゼツボーグ「ゼツボーグ!」

 

美希「何よ、あれ…。まるで鍵を閉めたかのような顔をして―――ちょっと、あの警備員から生まれたというの!?」

 

ラブ「どういうこと?」

 

H「あの間抜けな警備員から溢れ出ている夢を絶望の檻に閉じ込めたのよ」

 

祈「絶望の―――檻……?」

 

夢を絶望の檻に閉じ込める…?それはどういう意味なんだろう…?

 

H「とにかく、私の邪魔をしようとするなら容赦しないわよ。プリキュア……」

 

ラブ「私達のことを知ってるというの…?」

 

美希「だったらその絶望の檻の意味を教えてもらうわ!」

 

祈「これも人々を不幸にするというのなら見過ごせないわ!」

 

H「私に勝ってからにしなさい?」

 

向こうもやる気満々だし、こっちも立ち向かうしか……!

 

ラブ「美希たん、ブッキー、行くよ」

 

そして私達は合図とともに掛け声を唱え始める。

 

 

 

一同「「「チェンジ!プリキュア・ビートアップ!!」」」

 

 

 

その掛け声とともに自らの姿を変化してゆく。そしてその姿は人々の幸せを守る戦士へと変化する……!

 

 

 

ピーチ「ピンクのハートは愛ある印。もぎたてフレッシュ、キュアピーチ!」

 

 

 

ベリー「ブルーのハートは希望の印。積みたてフレッシュ、キュアベリー!」

 

 

 

パイン「イエローハートは祈りの印。獲れたてフレッシュ、キュアパイン!」

 

 

 

ピーチ「レッツ―――」

 

 

 

一同「「「プリキュア!!」」」

 

 

 

H「来るのね、フレッシュプリキュア……!」



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第76話 ゼツボーグの罠①

H「肩慣らしには丁度いいわ。やってしまいなさい、ゼツボーグ!」

 

ゼツボーグ「ゼツボーグ!」

 

 

 

ブォオオ…!!

 

 

 

ピーチ「なんて気迫…!」

 

ベリー「とにかく動きを封じ込めないとね…」

 

パイン「一斉にたたみかけるわよ」

 

 

 

とりあえず動きを止めるために一緒になって行動をする。タイミングを合わせながら一気に攻撃を仕掛けることが重要となる。

 

 

 

H「あなた達の力を見せてみなさい?」

 

ピーチ「後で後悔しないでよね!えぇい!(ガッ!)」

 

H「このゼツボーグは頑丈よ。そう簡単にはダメージを与えられないわよ」

 

ベリー「随分と手間をかけるような仕掛けを…。でも、三人で力を合わせれば倒せないものなんていないわ!せぇい!(ズガッ!)」

 

パイン「私達ならできるんだから!(ズギャァン!!)」

 

ピーチ「今せつなはいないけど、せつなの分まで頑張る!(バゴォオオン!!)」

 

 

 

これなら少し足止めにはなるはず…!

 

 

 

H「まだまだ倒せないようね。ゼツボーグ!」

 

ゼツボーグ「ゼツボーグ!(バギャァァン!!)」

ゼツボーグ!」

一同「「「うぅ…!!」」」

 

 

 

やはり一筋縄ではいかなかった。今度は向こう側が反撃を開始してきた。しかも強烈な一撃だった。

 

 

 

ベリー「大丈夫二人とも?」

 

パイン「ええ。なんとかね」

 

ピーチ「でも、被害にあった警備員の人をどうやって解放すればいいのかが問題だと思うんだけど…」

 

H「その通りよ。たとえゼツボーグを浄化したところであるものを使わなければ解放は不可能ね」

 

パイン「あるもの…?」

 

 

 

今の言葉にかなり引っかかった。あの敵を倒したところであるものを使わないと解放できない―――つまりあの鍵穴に対応したものを使えばいいんだろうか?

 

 

 

H「知りたくばまずは戦うのよ。話はそれからよ?」

 

ピーチ「そんなことはわかっている、人々を脅かすなんてことは許さない!(ドン!)」

 

 

 

どうやら勝たないと聞けないってパターンだった。今度はHに向かって右ストレートをお見舞いした。しかしあっさり受け止められた…。

 

 

 

H「私はここに来る前にあることを思ったの」

 

ベリー「どういうこと?」

 

H「この世界にも、ネオフュージョンに関わることはあるのかってね」

 

パイン「ネオ―――フュージョン…?」

 

 

 

なんだか聞き覚えのあるようなないような単語が出てきた。フュージョンって…。

 

 

 

ピーチ「フュージョンってこの前私達が戦った相手だった。なのにまた蘇るってことなのかな…?」

         ・・・

H「違うわね。あの欠陥品とはわけが違うわ」

 

ベリー「欠陥品…?」

 

ピーチ「あなた、何を―――」

 

H「当然、この世界だけじゃなく全ての世界に存在するプリキュア達を殲滅するのが目的なの」

 

パイン「この世界って、わけがわからない」

 

 

 

さっきからよくわからないことを聞いてしまう私達。全ての世界に存在するプリキュアとかも言ってたみたいだし。

 

 

 

ピーチ「ちょっと待って。あなたは何を根拠にそんなことがわかるの?」

 

H「単純明快な話よ。いずれ全ての世界が一つになって大きな戦争が始まるわ。プリキュア達とネオフュージョンによる―――ね」

 

 

 

ということは私達以外のプリキュアも一緒に戦うという場面に至るのだろうか?

 

 

 

ベリー「やけに細かい内容だったわ。でも世界を混乱させるような真似は許さないわよ」

 

パイン「当然よ。どんな相手だろうと何度でも立ち向かうのがプリキュアの役目なの」

 

ピーチ「つまり、そのネオフュージョンの進行は私達が阻止する…!」

 

H「あら、なかなか豪胆な発言ね。でも、その勢いはいつまで保つのかしらね…」

 

 

 

その瞬間、ゼツボーグの邪気がとてつもなく強まった。まだまだこの戦いに終わりが見えてこなかった。



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第77話 ゼツボーグの罠②

一向に打つ手が見えてこない状況の中、どうにか相手にまともなダメージを与えられるかを必死で考えている。しかしそう簡単には思いつかない。

 

 

 

ピーチ「問題なのは、できるだけ早く助けないといけないかも」

 

ベリー「そうなれば、あいつをどうにか足止めしないとならないわね」

 

パイン「できるかぎりのことはやったけど、まだ倒せそうじゃないわ」

 

H「早速万策尽きるているようね。こんなんじゃ助からないわよ」

 

 

 

余裕の笑みを浮かべるHがプレッシャーを与えるように見下す。まだ万策は尽きてはいないよ…!

 

 

 

ピーチ「こいつを倒して閉じ込められた人を助ける!(ズガァ!!)」

 

H「あなたにゼツボーグはやらせないわ!(ガシッ)」

 

 

 

私はもう一度ゼツボーグに攻撃を与えようとするがHに相殺されてしまった。流石に通してはくれないってことね…!

 

 

 

パイン「あなたの相手は私達よ!(ドガッ!)」

 

H「小賢しい子娘達…!まだ終わらないわ!(バシュン!)」

 

ベリー「ピーチ、今の内にあの怪物を!」

 

 

 

二人のフォローでなんとか突破することができた。ただ喜ぶのはまだ早かった。時間が経過するごとにどんどんゼツボーグの力が強化されていく。きっとこれは絶望のオーラの影響に違いはない。

 

 

 

ゼツボーグ「ゼツボーグ!!(ズバァアアアア!!)」

 

 

 

ピーチ「なんてパワー…!!」

 

 

 

あまりの波動に後ろに下がってしまう。この感じはかなりの力を持っている…。

 

 

 

H「やっとパワーが溜まったみたいね。そのまま粉砕しなさい?」

 

 

 

ゼツボーグ「ゼツボーグ!!(ドゴォオオン!!)」

 

 

 

ピーチ「こんなの、受け止められ―――あぁあああ!!(ズザァアア!!)」

 

ベリー&パイン「「ピーチ!!」」

 

 

 

流石に一溜りもない一撃だった。まさかここまで致命的な攻撃を受けるとは思いもしなかった。

 

 

 

H「これでわかったかしら?あなた達じゃゼツボーグを倒せないって」

 

ピーチ「…まだ、終わってない…!キュアスティック・ピーチロッド!!(ピカァ)」

 

 

 

私はそれでも立ち上がり、ゼツボーグにひたすら攻撃を与える。私達は絶対に負けたりなんかしない。どんなことがあっても。そしてベリーとパインも一緒に反撃をしてくれている。こんなところで終わりたくない…!

 

 

 

H「往生際が悪いわね。ゼツボーグ、もう一度やっておしまい」

 

ピーチ「反撃させてたまるかぁああ!!(グシャアアア!!)」

 

 

 

せつな、今頃どうしているんだろうか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~某所~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せつな「ここが荒れ果てた敷地内ね…。とても薄気味悪いわ―――ん?」

 

 

 

ピカァ…

 

 

 

せつな「これは一体……?」



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第78話 ゼツボーグの罠③

ピーチ「はぁ!(ガキィン!)」

 

H「ふむ、悪くない一撃ね。けどそんなんじゃ勝てないわよ?」

 

 

 

着々とゼツボーグにダメージを与えている私達だが、もうあまり体力が残されていない。

 

 

 

ベリー「このまま一気に押し切れば…!ベリーソード!」

 

パイン「逆転できるかも…!パインフルート!」

 

H「そう来るとは思ってたわ。本当に頑張り屋さんね」

 

ピーチ「ベリー、パイン、このまま行くよ!」

 

 

 

ベリーとパインも本気を出し、一斉に仕上げに入ろうとした。これならチャンスかもしれない…!

 

 

 

H「今よ、飲み込みなさい」

 

 

 

ゼツボーグ「ゼツボーグ…!!(ガシッ)」

 

 

 

一同「「「しま―――」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、私達はゼツボーグに飲み込まれてしまった。なんの警告もなしに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~ゼツボーグの体内~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーチ「…いたた。二人とも、大丈夫?」

 

ベリー「なんとかね。それにしてもここは…?」

 

パイン「暗くて見えないわ」

 

飲み込まれた私達は辺りが真っ暗でまともに見えもしない。とにかく外へ出ないと色々と危ない気がする。

 

 

 

H『聞こえてる?ここはゼツボーグの体内。つまりあなた達は早く脱出しないとゼツボーグの胃液に溶かされて栄養になってしまうわ』

 

 

 

ベリー「なんですって!?」

 

パイン「だから足元がネバネバしていたわけなのね」

 

すると外からHの声が聞こえてきた。どうやらここは体内だから胃液に溶かされてしまえば一巻の終わりということになる。こんなことに追いやられる前に自力で脱出しないと…!

 

ピーチ「二人とも、ここは強行突破で行くよ」

 

ベリー「言われなくとも、そのつもりよ?」

 

パイン「まだまだやれるってことを証明してあげましょう」

 

そう決意し、そのまま走り出した。周りは真っ暗だが内部へ攻撃すれば道はわかる。その作業を隈なく繰り返せばだんだん道が完成されていく。こういったことを連続で行えば出られずに違いはない。

 

 

 

ピーチ「はぁああああ!!(ビュン!)」

 

ベリー「やぁ!(バシュ!)」

 

パイン「えい!(ズガァ!)」

 

 

 

胃液に当たらず瞬時に躱しながら道を作り出す。当然ゼツボーグ自身にも大きなダメージを負っていた。

 

ピーチ「あの天井を突き破るよ!」

 

ベリー「あたしに任せて」

 

パイン「お願いね」

 

いよいよ出口なる箇所を見つけたのでベリーが道を開通させる。

 

 

 

ベリー「必ず成功してみせる。プリキュア・エスポワールシャワーフレッシュ!!(ビシャアアア…!!)」

 

 

 

パイン「成功よ!」

 

ピーチ「やったぁ!」

 

なんとか失敗することなく無事に成功した。早くここから出ないと。

 

 

 

H「うぅ!ゼツボーグが…!諦めないでまとめて始末しなさい!」

 

ゼツボーグ「ゼツボーグ!!(ドガァ!!)」

 

 

 

身体を貫通されたゼツボーグが再び暴れ出した。もうあとはなんとかできる。

 

 

 

ピーチ「そこまでだよ、これで一気に決める!」

 

H「さっさと捻りつぶしなさい、ゼツボーグ!」

 

ゼツボーグ「ゼツボーグ!!(ゴゴゴ…!!)」

 

 

 

弱っているゼツボーグを、私がとどめを刺す。

 

 

 

ピーチ「届け!愛のメロディ!」

 

 

 

ピーチロッドに力をチャージし、溜まった力を全てぶつけようとした。

 

 

 

ピーチ「悪いの悪いのとんでいけ!プリキュア・ラブサンシャイン……フレェェェシュ!!(バシュ!)」

 

 

 

放たれた一撃はどんな不幸でも幸せへと変える愛の一撃であった。

 

 

 

H「そんな、バカな……」

 

ピーチ「はぁああああ!!」

 

 

 

ゼツボーグ「ドリーミング……(パァァァ…)」

 

 

 

ベリー「やったわ!」

 

パイン「どうにか勝てたわね」

 

 

 

この戦い、相手の弱点はとにかく身体の中に集中して攻撃すれば勝てたっという結果となった。

 

 

 

H「嘘でしょ、私の試作ゼツボーグが……」

 

ピーチ「あなたの負けだよ、H」

 

ベリー「何はともあれ、私達の勝ちよ」

 

パイン「勝ったから早く解放する方法を教えて」

 

 

 

浄化したものの、まだやるべきことがあった。それは夢を奪われた警備員を救出する方法だった。

 

 

 

H「あなた達が持っているピックルンをあの鍵穴に刺して回せば開くわ。あとはどうぞご自由にだけど」

 

ピーチ「ありがとう。だけど私、あなたに一つ聞きたいことがあるの」

 

H「それはまだまだ先の話よ。それを知りたければもっと強くなることね」

 

パイン「もっと強くなること?」

 

H「その意味は自分達で見つけ出すことよ、じゃあね(ビュン)」

 

ベリー「行っちゃったわね」

 

 

 

嘲笑うようにHがそのまま去ってしまった。でも、ひとまずは終わりだね。

 

 

 

ピーチ「これでよしっと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブ「どうやらみんな無事だったね」

 

美希「騒動が終わったから一安心って感じね」

 

祈「それじゃ引き続きタワーを回りましょうか」

 

タルト「ホンマにヒヤヒヤさせてもうて、あんさん達は凄いで」

 

なんとか無事に終わったことなので、再びタワー内を巡ることにした。でも、あのHって人……。何かを抱いていたような気がする。こればかりはどうしても気になってしまった私だった。



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第79話 一番大切なものってなんだろう

ラブ「ふぅ。食べましたなぁ」

 

美希「結構美味しかったわ」

 

祈「その代り食事までが長引いたけどね」

 

あの騒動から時間が経過し、ようやく食事を終えることができた私達は次の目的地へと移動する。それより、普通に疲れがきているだけどね…。

 

タルト「ところでピーチはん、なんだか疲れてるような顔してるで?」

 

祈「確かにそうね。もしかして寝不足?」

 

ラブ「いや、そうじゃないよ。ちょっと昼寝したいな~なんて思ってただけで」

 

少し誤魔化すように言うが、相当疲労が溜まっているような感じもする。これは相当睡魔が襲われているような感覚がする。

 

ラブ「ちょっとベンチで寝たい―――ふぁああ~…」

 

美希「これは動き回るのが辛そうね…。少しベンチに座って休みましょうか」

 

ラブ「はひはほ~ひひは~ん(←ありがとう美希たんって言っているつもり)」

 

タルト「せや。その方が楽や」

 

祈「じゃあシフォンちゃんも一緒に日蔭で休もう」

 

シフォン「プリプ~」

 

なんだか申し訳ない気持ちだけど、少し日蔭辺りのベンチで休むことにした。ここで寝不足だったら拉致が明かないなぁ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~三十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美希「ラブったら、すっかり睡眠状態ね」

 

祈「私達も昔っからこんな感じだったよね」

 

タルト「あんさん達も昔っから昼寝とかしてたん?」

 

美希「よくね。まだまだ子供って雰囲気もするし、そこは相変わらずよラブは」

 

祈「むしろこれが思い出にもなってるし、嬉しいことよ」

 

ラブ「ふにゃ~…。せつなぁ、パンケーキ何枚食べる~?」

 

タルト「あれは寝言やな」

 

祈「仕方ないわね、ラブちゃん」

 

美希「ラブって最近、色んな人のことも気にするようになってきたわね。身内だけじゃなく、他人にもね」

 

祈「多分、世界中のみんなが大好きなのよ。みんなが幸せになれたらきっと喜ぶはずだし」

 

美希「それもそうだし、せつなにもその意味を教えてあげているからね。どんなことがあろうとも幸せを手に入れたら嬉しくなるって」

 

祈「美希ちゃんの言う通りだわ。ラブちゃん、本当に笑顔でいてほしいって願っているんだもの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブ『みんな~!早く来て~!』

 

美希『何よ、そんなに引っ張って』

 

祈『やってほしいことでもある?』

 

せつな『多分一緒に輪になりたいだけなのね』

 

 

 

ラブ『こうやって輪になれば、きっと幸せになれるんだよ。それに、ずっと一緒にいることだって可能なんだよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブ「……今の、夢……?」

 

美希「やっと起きたわね」

 

突然私の夢に出てきたあの光景。これは一体なんだったんだろうか……。

 

祈「それより次の目的地へ行こう。お目覚め早々だけど動ける?」

 

ラブ「大丈夫、もう目覚めスッキリだよ。さぁて、次はどんな場所にしようかなぁ~」

 

美希「ところでまだ目的地決めていなかったわね。どうする?」

 

ここで美希たんがブッキーに尋ねてくる。どうやらまだだったみたいだねぇ。

 

祈「とりあえず適当に回りましょうか」

 

ラブ「合点承知っ!」

 

美希「はぁ~、ラブのテンションも相変わらずね(トホホ)」

 

あの夢、何がどうなったら起きるんだろう。ちょっと不思議だった気がする。それに、せつなが一緒だととても幸せな気分になりそう。三人より、四人の方がいいと思うな。さりげなくそう思い、色んな場所を見回ることにする私達だった。



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第80話 不思議な灯

今回は視点を変えてせつなのパートとなります。また、オリキャラも登場します。


私には何かがわかる。何かに導かれたかのように。私はどうしても行かなきゃいけなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せつな「なんだか気味が悪い場所ね…」

 

いかにも朽ち果てた廃墟に立ち踏み入ったのは私、東せつなだった。本来ならラブ達と一緒にお出かけしようと思っていたけど、朝方の時点で起きたことなのだから。ひょっとしたらちょっとおかしい話かもしれないけど、こればかりはどうしても気になったから今ここにいるのだ。

 

せつな「確か、場所はここであっていると思うんだけど。ここでいいのかしら」

 

私はそのまま廃墟の入口へと進む。ちなみに本来ならここは立ち入り禁止区域ということで既に看板も貼られている。見つかったらかなり危ない。

 

 

 

ギギギ…

 

 

 

せつな「誰も、いないのかしら…?」

 

鈍いドアの音が建物の中に響き渡る。勿論廃墟なので人が誰もいるはずもない。

 

せつな「結構中はボロボロね。今にも崩れ落ちそうな耐久度だし」

 

あちこち見渡していればわかることだしそれを考えるまでもないことだが、この建物が建築してから約60~70年経過している。余程変わり果てた姿をしているし、木材などがおもいっきり腐敗しまくっていた。

 

せつな「とりあえず先に進むことにしようかしら……」

 

苦い気持ちで奥の部屋へと進もうとしたその時だった。

 

 

 

???(こっちに来てください)

 

 

 

せつな「…誰?」

 

 

 

???(あなたが入ろうとした部屋に私はいます。あなたが拾ったラビーズが応えています)

 

 

 

せつな「ラビーズ…。もしかしてこの丸いもののこと?」

 

突然頭の中から幼い少女の声が聞こえてきた。多分私を呼んでいるに違いはないわ。

 

せつな「そしたら、今朝私を呼んだのはあなただったのね」

 

 

 

???(そうです。私はどうしてもあなたに託したいものがあります。この先の部屋に入ればわかります)

 

 

 

せつな「わかったわ」

 

少女が説明した通りに、私は奥の部屋にそのまま入り込んだ。もう一度鈍い音を響かせながらも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???(やっぱり、あなたでしたね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せつな「どこにいるの?」

 

???「ここです。私はここにいますよ」

 

少し振り返るとさっきの声の主らしき少女が目の前に現れた。この娘が……?

 

せつな「私がさっき手に入れたラビーズっていうの、これが反応していたんだけど」

 

???「その通りです。改めてお待ちしておりましたよ、キュアパッション」

 

せつな「どうして私のことを…?」

 

少女の思わぬ発言にちょこっと驚いてしまう。一体何者なのかしら?

 

???「自己紹介がまだでしたね。私はリムと言います」

 

せつな「あなたはもしかして…」

 

リム「はい、あなた達プリキュアのことをよく知っています。様々な脅威に立ち向かうその勇士も」

 

どうやらこの娘、プリキュアのことを知っているみたいね。何か手がかりをつかめたら猶更心強い。

 

リム「ところであなたが持っているそのラビーズですが、どこで手に入れましたか?」

 

せつな「これは偶然拾ったもので、特にこれに詳しいわけでもないわ」

 

リム「そのラビーズのことなんですけど、それをある人に渡してほしいんです」

 

ある人?それは誰のことなんだろう?

 

せつな「その人がいる場所も教えてくれないかしら?」

 

リム「はい。その人は黄色の髪をして帽子を被った男の人なんです。彼がいる場所につていですが―――そのことについてはちょっと話が長くなりますがよろしいですか?」

 

せつな「いいわよ。ちょっと聞きたいし」

 

私は彼女の言葉に鵜呑みにするように頷いた。もしかしたらこれからのできごとに繋がるかもしれないから。



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第81話 怪しい(?)お兄さん

今回は普通にラブ達の視点です。せつなパートは少しずつ挟んでやる予定です。


ラブ「そろそろおやつにしよう、私今朝ロールケーキ作ってきたんだ」

 

美希「お洒落な見た目ね」

 

祈「美味しそうだわ」

 

色々回り、時間帯的におやつ頃になってきたので私は二人にロールケーキを振る舞った。

 

ラブ「一応手作りなんだ」

 

ところどころデコレーションしている部分もあるため、とても可愛らしい見た目となっている。

 

祈「では早速いただこうかしら」

 

ラブ「遠慮なく食べていいよ」

 

美希「ありがとうね。ご馳走になるわ」

 

二人がロールケーキに手を刺し伸ばそうとしたその時、

 

 

 

???「う~ん。豊かなお出かけ日和に優雅なお日さま。それにこんないいタイミングでおやつとは、なかなか素敵だよお嬢さん達」

 

 

 

ラブ「…え、と。誰ですか…?」

 

白とピンクの線が入った帽子を被っている金髪のお兄さんが突然私達の目の前に現れた。褒めてくれるのはありがたいんだけど……。

 

美希「なんか変なのが来たわね…」

 

祈「不審者かしら?」

 

???「不審者じゃないよ、本当のことを言っただけだよ。僕は決して怪しい者じゃないよ」

 

美希「でもそんな帽子を被ってたら余計に怪しく感じると思うんだけど気のせいかしら…(ハァ…)」

 

怪しそうなお兄さんの言葉に美希たんが溜め息交じりに貶した。あんな雰囲気だとあまり怪しい感じはしなさそうだけどねぇ。

 

祈「あの、お名前は」

 

???「自己紹介がまだだったね。僕はジョー岡田、いつも気楽に過ごしているのさ」

 

ラブ「へぇ~、それは幸せ者なんだね」

 

美希「いやいやちょっと待ちなさいよラブ。そう簡単に話を進めることじゃないでしょ」

 

タルト「そうやで、ベリーはんの言う通りや。あまり話に乗ったらあかんて(ヒソヒソ)」

 

ラブ「そこはもっと話をしてみないとわかんないでしょ?」

 

私はあまり違和感を感じないけど、美希たんはとてもご機嫌斜めになっている。ところでブッキーはどうなんだろう?

 

祈「唐突で悪いんですが、何の目的で私達に…」

 

ジョー「大したことじゃないけど、ちょっと君達におすすめしたい場所があるんだ」

 

ラブ「どんなところなの?」

 

ジョー「それは行ってみてからのお楽しみ」

 

祈「あはは、そういうことなのね」

 

どうやらブッキーは苦笑い程度で済んだみたいだ。この人がおすすめしたい場所って一体どんな場所なんだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジョー「着いたよ、ここが僕のお店だよ」

 

ラブ「えぇ!?ジョーさんってお店を経営してるの!?」

 

たどり着いたのはソリティアという店らしい。まさかそこまで距離がないとは思いもしなかったなぁ…。

 

祈「お邪魔してもいいですか?」

 

ジョー「いいよ。ご自由に」

 

ラブ「やった~!早速入ろうよ!」

 

美希「あ、ラブ!全く、自由過ぎるんだから…。あとブッキーまで…」

 

ジョーさんに許可を得ていざお邪魔。するとそこはいかにも静かな空間を漂わせる部屋だった。

 

ラブ「なんだか喫茶店のような雰囲気するね」

 

祈「それにキャンプとかで利用する家にも似てるわね」

 

美希「確かに、いい眺めになってるわ…」

 

流石にこの素晴らしさに思わず見惚れてしまう私達だった。するとジョーさんがあることをやり始めた。

 

ジョー「さて、そろそろアイちゃんの子守をしてあげないと。あの娘達は今用事でいないから僕一人でやる羽目になっちゃったから大変だなぁ」

 

ラブ「アイちゃんって…」

 

ジョー「実はここに君達と同じくらいの少女達がいつも立ち寄っていてね。その娘達がお世話しているアイちゃんっていう赤ちゃんがいるんだ。今は留守にしているから僕が変わりにお世話係りになっているのさ」

 

美希「それはご苦労なことね」

 

祈「美希ちゃん、いい加減に機嫌取り戻して…」

 

美希「そんなこと自分だってわかっているわ。けど突然初対面でしかも年の離れたお兄さんに連れられておかしいって思うの。そこがどうしても引っかかって…」

 

美希たんは相変わらず不機嫌そうな態度をとっている。そこは妥協してあげようよ…。

 

ジョー「アイちゃんおいで」

 

アイちゃん「アイ~」

 

ラブ「か…」

 

祈「か…」

 

 

 

ラブ&祈「「かわいい~!!」」

 

 

 

あんなかわいい赤ちゃん、初めて見た…!!これからあの子のお世話を手伝うことになるんだね、楽しみ~。



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第82話 楽しく遊ぼう

ラブ「とってもキュンときちゃいそうかも」

 

祈「そうよねぇ」

 

ジョー「アイちゃんも嬉しそうに笑っているみたいだよ」

 

美希「か、かわいい……」

 

誰もが釘づけになりそうになっていた。ジョーさんが呼んだのは不思議な赤ちゃん。名前はアイちゃんだ。

 

アイちゃん「アイ~♪」

 

祈「そうだ、シフォンちゃんにも挨拶させないとね」

 

シフォン「プリプ~」

 

ブッキーはシフォンにも挨拶させるために少し身体をマッサージさせる。やけに気合入ってるねぇ。

 

ジョー「おや、これはかわいい子だね。名前は?」

 

ラブ「シフォンっていうの。私達がいつもお世話しているんだよ」

 

美希「殆どラブの仕事だけどね」

 

ラブ「私だって苦労してるよぉ~!」

 

何やら美希たんが機嫌を取り戻りつつあるけど、気のせいかな?

 

ジョー「撫でていい?」

 

祈「どうぞおかまいなく」

 

ジョー「かわいいなぁ~。アイちゃんと同じくらいかわいいよ」

 

シフォン「キュア~♪」

 

文句なしの笑みを浮かべてとても喜んでいるみたいだった。私の方もちょこっとだけ撫でてみたいなぁ、アイちゃんを。

 

ラブ「アイちゃんの頭撫でてもいい?」

 

ジョー「いいよ。その方が嬉しそうだから」

 

ラブ「うわぁ~。超感激ぃ~。頬っぺたも柔らかいよ」

 

アイちゃん「ア~イ」

 

ついでに頬っぺたもちょっと触れてみる。もの凄く柔らかい感触をしていた。ということは―――

 

ラブ「また一つ幸せゲットした気分かも!」

 

ジョー「幸せかぁ。なんだか愛に似てるね」

 

祈「それってどういうことですか?」

 

ジョー「僕はこういった感情をこよなく気にしているのさ。特に愛という言葉にね。誰かと一緒に笑顔になれたらそれは素敵だと思わない?」

 

美希「よくよく考えると、有り得なくもないわね」

 

祈「その言葉に同感だと思うわ」

 

ジョーさんは頷くように私達に説明をしてきた。そういうこともあったなんてね。私はこういう話に感動している。

 

ジョー「さて、この子達に何か遊ばせてあげないとね」

 

ラブ「いわゆる運動ってやつかな?」

 

ジョー「まだ細かいことは考えていないけど、安全なことをしたいなってね」

 

美希「そうなればあたしも本気出しちゃおうかしら」

 

祈「あら美希ちゃんったらさっきまでかなり拒否してたみたいだけど?」

 

美希「それはそれ、これはこれよ!」

 

美希たんがやきもちを焼きながら必死で弁明する。本当は一緒に遊びたかったんだね。

 

ラブ「じゃあ何して遊ぶか少しずつ決めてこうよ」

 

ジョー「面目ないね、君達」

 

祈「いいんです。その方がシフォンちゃんもアイちゃんも楽だと思うだろうし」

 

タルト「それに、仲良くなれたりやけどな。その進行もあんさん達にかかってるで(ヒソヒソ)」

 

ラブ「まぁね(ヒソヒソ)」

 

とりあえず何して遊ぶかをみんなで考えることにした。これからどんなことが起きるかが楽しみだなぁ。



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第83話 嬉しい場面とは

私達はシフォンとアイちゃんを遊ばせるためにいったん外へと移動した。こんなのどかな青空で遊ぶのはとてもいいことだと思う。

 

ラブ「さて、これから何しようかな?」

 

ジョー「ボール遊びでもやろうよ。その方が喜ぶだろうし」

 

祈里「転がしてあげるのが一番ね」

 

ジョーさんの提案でそうすることにした私達。私は早速近くに置いてあったボールに空気を入れて準備を整える。あまり大きいものじゃないので結構安全なつくりとなっている。

 

タルト「とても大丈夫な方法やな」

 

祈里「そうじゃないと危ないからね」

 

美希「ちょっとだけ混ぜてもらおうかしら」

 

ラブ「ふふ~ん、美希たんも結構お子ちゃまですなぁ~」

 

美希「な、何を…っ!!」

 

今の一言に釘打ちされた美希たんが顔を赤くする。あれほど怪しくてムッとしていた美希たんがここまで興味が湧き出るなんてねぇ~。

 

シフォン「プリプ~」

 

ラブ「ほら、コロコロ転がしてあげれば楽しいよ」

 

私はまずシフォンからボールを渡し始める。シフォンはとても喜んでいた。次にシフォンが適当にボールを軽く転がしてブッキーの方へと向かわせた。

 

祈里「上手ねシフォンちゃん。かなり上達してるわ」

 

タルト「成長したなぁシフォン…(ウルウル)」

 

美希「次はあたしにパスして、ゆっくり転がしてね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美希「なぜ、なぜあたしには渡してくれないのよ……(しくしく)」

 

ジョー「きっと夢中になっちゃってるんだと思うよ、ドンマイ」

 

ところが、美希たんには一向にボールが手元に来ることはなかった。

 

ラブ「次アイちゃんにパスしようかな~。それ!」

 

次はアイちゃんにボールを転がす。アイちゃんはそれをつかさず受け止めた。

 

ジョー「上手だよ、やっぱり心も成長してるなぁ」

 

ラブ「確かに、赤ちゃんって色々覚えることがあるもんね。私、そこが嬉しいって感じるんだ」

 

美希「いくつも覚えていくところに先があると思うわね」

 

祈里「なんだか、夢があるかもね」

 

よく考えると、いいところがたくさんあった。つまり赤ちゃんが徐々に育ってゆくと色々なことを学べるからこれも成長の課程なのだと思う。

 

祈里「よ~し、このまま張り切っていきましょうか」

 

ラブ「賛成っ!シフォン、今度はこれを受け止めてね(コロコロ)」

 

私は思い切ってジグザグな軌道でボールを転がしてみた。すると本来シフォンに渡すつもりだったのがアイちゃんが飛び出してきてそれを受け止めた。

 

美希「あらら。アイちゃんに来ると勘違いしたようね」

 

アイちゃん「アイ~」

 

ボールを手にしたアイちゃんがとても喜んでいた。これは完敗ですなぁ~。

 

ジョー「ま、いいか。とりあえずもう少し遊ぼうかね」

 

祈里「そうします」

 

こんな調子じゃ、いつまでたっても遊びっぱなしだよね。私達はもう少しだけ外で過ごすことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~三十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブ「あ~楽しかったぁ!」

 

美希「あたしなんか全然ボール来てなかったけどね…(トホホ)」

 

祈里「美希ちゃん、落ち込まないで…」

 

タルト「一番盛り上がってたのはあんさん達やな」

 

ラブ「結局ねぇ…」

 

それから中へ戻るとジョーさんが紅茶を用意してくれた。動かした後のお茶も格別だねぇ。

 

ラブ「食べ損ねたロールケーキも一緒にしようよ」

 

祈里「その方がいいわ」

 

ジョー「さっき遊んだおかげでアイちゃんも笑顔になっていたよ」

 

ジョーさんの言う通り、アイちゃんはかなり上機嫌らしい。余程嬉しかったのかもしれない。

 

ラブ「そうだ、もしよかったらジョーさんもロールケーキ食べない?これ、私が作ってきたんだ」

 

ジョー「ありがとう、ご馳走になるよ」

 

美希「そういえば、この時間になってもせつなから連絡こないわね」

 

祈里「多分忙しいのよ。あとどこかで絡まれたりしてなきゃいいんだけど」

 

ラブ「私も気になったけど、仕方ないならいいんだけど…。きっと大丈夫だよ」

 

 

 

ラブ(せつな、一体どこで何をやってるかが凄く気になる…….大丈夫なのかな…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~荒れた敷地内~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せつな「私、必ずあの人にこのラビーズを届けてあげるわ……」



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第84話 ドキドキする休日

今回は間を挟みドキプリ勢の話をやります。


誰かが、いる…。一体誰が……。

 

 

 

???「…一緒に遊ぼうよ…」

 

 

 

何、この不気味な物体…。こっちに来る…?

 

 

 

???「逃げないで、遊ぼう……」

 

 

 

だめ、そんなことしたら…。あなたが……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「それが運命なんだよ…。だって、君は戦わなきゃいけないんだから。ネオフュージョンと……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だめ……っ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ナ

 

 

 

また誰かが呼んでいる…。

 

 

 

―――マナ

 

 

 

聞き覚えのある声だ…。

 

 

 

六花「マナっ!」

 

マナ「…っ!!ゆ、夢…?」

 

なんだか、意識が朦朧としていた。ちょっとした夢を見て。これから予見するであろう出来事に―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あたしの名前は相田マナ。大貝中学の生徒会長を務めているんだ。今日も仲良しの友達と一緒にキュンキュンしちゃう一日が始まろうとしている。ちなみに今は別の町に移動するために電車に乗っているんだけど、途中で居眠りしちゃってね、これはうっかり。

 

マナ「ところで今日はどこに行くの?」

 

六花「今日はクローバータウンストリートでダンスが疲労されるんですって。しかもあの超有名なダンスユニットも来るらしいから楽しみだわ♪」

 

広告のチラシを見て天真爛漫な笑みを浮かべているのはあたしの幼馴染の一人である菱川六花だった。それより一つ気になったことがあった。

 

マナ「っていうか、そんな場所あったっけ?」

 

六花「何言ってるのよ、四葉町の中で最も有名な場所に決まっているじゃない。まさかそんなことすらわかんないなんて、子供に戻ったんじゃない?」

 

マナ「違うってばっ!あたしは本当にって四葉町も何?」

 

六花「だ~か~ら~…!あそこもありす―――もとい四葉財閥が設立した町なのよ。そんなこと他のみんなに言ったら私も恥ずかしくなっちゃうわよ…」

 

あたしが気になったことを六花に言うと逆に煩わしそうな顔で返されてしまった。でもそんな話は昨日までしなかったはずなんだけど…。

 

ありす「マナちゃんもいくら生徒会長であってももう少し社会について学ぶべきだと思いますわ」

 

マナ「ありすまでぇ…」

 

ニコニコしつつsっ気な顔であたしに諭してきたのは六花と同じ幼馴染の四葉ありす。四葉財閥のお嬢様だ。

 

六花「そんなにいじけてると拉致が空かないわ。あと数分で到着するからね」

 

ありす「私も楽しみですわ」

 

マナ「ところでまこぴーはいつくる?」

 

ありす「お仕事が終わったら向かうとのことです」

 

そっか、まこぴーは仕事が入ってるからあとから行くんだね。色々大変だね、芸能人は。

 

六花「残念ながら亜久里ちゃんは二日間合宿でいないから誘えなかったわ」

 

一方亜久里ちゃんは合宿とかでこれないようだった。まぁ、それはそれで残念だね。

 

ありす「その代わりお土産をたくさん用意してきますわ」

 

マナ「優しいねありす~!」

 

六花「あまり大声を出したら迷惑でしょ!」

 

マナ「すみませ~ん…(トホホ)」

 

嬉しくて大声を出すものの、六花に怒鳴られてしまった。ついやっちゃったぁ…。

 

六花「私だっていつまでマナの面倒見てあげるかわからないからそのうちにちゃんとやりなさいよね?」

 

ありす「自分のケアは大事ですよ」

 

マナ「わかってるって~」

 

六花「ほら、もうすぐ四葉町につくわよ」

 

ありす「今日は存分に楽しみましょう」

 

マナ「やったぁ!なんだかキュンキュンしちゃうよ!」

 

御託はさておき、そろそろ到着するみたいなのであたし達は降りる準備をした。さて、これからどんなことが起きるかがワクワクしちゃう!でも、ちょっとだけ気にかかったこともあったけど、それについてはまた後で考えることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~クローバータウンストリート~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目的地へ移動する最中に色々と回りつつも無事に到着。そこで少し小腹が空いてきたので軽くおやつをとることにした。

 

マナ「何か店ないかなぁ?」

 

六花「あそこのドーナツ屋さんがあるわ。行ってみましょう」

 

六花がたまたま見かけた屋台に指を刺した。ちらっと覗いて見るとお洒落な雰囲気だった。

 

マナ「あの~、ここのオススメはなんですか?」

 

???「いらっしゃい。見ない顔だが、他所の場所から来たみたいかもな」

 

ありす「はい、私達先程この町に来たばかりでして」

 

???「君達、俺がいつも見ているお嬢ちゃん達に似ているなぁ。その、雰囲気とか」

 

サングラスをかけたフレンドリーなおじさんがにこやかに招いてきた。なかなかインパクトが強いねぇ。

 

六花「店員さん―――」

 

???「俺のことはカオルちゃんって呼んでくれっ」

 

六花「な、なんてネーミングセンス……」

 

ありす「個性豊ですわ」

 

マナ「凄いドヤ顔ww」

 

サングラスのおじさん―――もといカオルちゃんはすぐさま揚げたてのドーナツにトッピングしてあたし達に振舞ってくれた。どれも美味しそうでたまらない。

 

マナ「うわぁ~!まるでパフェみたいな仕上がりだよ~!」

 

六花「確かに、これは強烈ね」

 

ありす「いただいてもよろしいでしょうか?」

 

ありすが了解を得ようとすると、カオルちゃんは頷いてからサムズアップをしてくれた。その後「今日は何かの縁だ。好きなだけ食べてもいいよ」っと言ってそのまま座席まで運んでくれた。あまりの嬉しさに思わず感動しちゃいそうな勢いになっちゃった。

 

三人「「「いただきま~す!」」」

 

まずは軽く一口を頬張る。そして口の中から絶妙な幸せが口いっぱいに広がってきた。

 

マナ「美味しい~!!」

 

ちなみにあたしが食べているのは生クリームがたくさん塗られていて上にはチョコがトッピングされているもの。まさしく普段のドーナツとは格が違う味だった。

 

六花「口の中でとろけていて最高ね!」

 

六花が食べているのはフルーツが数種類乗っているドーナツ。しかもドーナツそのものもフワフワした食感をしていた。これはある意味大当たりな一品だと思う。

 

ありす「甘すぎず穂のかな苦味を感じる大人の味ですわ」

 

ありすの方はビターのチョコで作られたドーナツに粉砂糖をまぶされた大人の味の一品だった。これは意外とシンプルな感じだった。

 

マナ「せっかくだから二人の分も確保しておこうよ」

 

ありす「はい、後程そうしますわ」

 

六花「ダンスが始まる前に早く食べちゃおう」

 

ダンスの公演まであまり時間がないのでできるだけ早く完食させ、席に移動するように計画を立てた。それに他に人がたくさんいるので人際が大きい。ありすは後で二人の分と余分に確保するためにまたドーナツ屋に立ち寄ることにした。さて、これからどんなことが起きるんだろう、興奮しちゃう。



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第85話 step in take

マナ「本当に人だかりが多いね」

 

六花「確かに、これだけの人数だとかなりいるみたいね」

 

ありす「皆さんも興味あるというわけですわね」

 

いよいよダンスの公演が始まろうとしていたが、あれだけ人がたくさん集まったということは相当期待されているというわけでもある。さて、どんなダンスを披露してくれるのか楽しみ。

 

マナ「見て、めっちゃ凄そうな人が来たよ」

 

六花「あ、あの人は…!!」

 

すると六花が驚いたような反応をしてきた。ひょっとして六花が注目している人なのだろうか?

 

ありす「六花ちゃん、とても嬉しそうですわ」

 

一体六花が興奮している人物は誰かな?そう思うあたしはその後も観覧する。

 

 

 

司会「お待たせしました、本日はお集まりいただきまことにありがとうございます。ただいまより人気ダンスグループトリニティによるエキシビションダンスを開始したします」

 

 

 

六花「始まるわ、ついに…!」

 

トリニティ…。あの人達のダンスが行われるんだ。まずは派手に動き回りつつも一斉に合図を出し合いながらポーズを決める。そこから順番に前に出て個別で演技を披露する。これほどの動きに思わず感動してしまう。

 

マナ「それぞれで息が合っていて凄い…」

 

六花「あれがトリニティのダンスってことよ。私も生で見るの初めてよ」

 

ありす「とても上手なことですわ」

 

二人もとても嬉しそうに感動していた。それから数分が経過し、トリニティのダンスが終了した。

 

 

 

司会「それでは次の公演までもうしばらくお待ちください」

 

 

 

ここで一区切りということになったので早速六花がトリニティの人達へと向かった。それに続くようにあたしとありすも一緒に向かう。

 

六花「あの、トリニティのミユキさんですか…?」

 

息継ぎをするように声をかける六花に対して、

 

ミユキ「そうよ。私達のダンス見てくれたのね」

 

と返事を返してくれた。その表情はとても新鮮だった。

 

ありす「先程の演技、素晴らしかったですわ」

 

マナ「あ、あたしもですっ!」

 

ありすの言葉に続いてあたしも全力で褒めた。でもこんなんで大丈夫かな?

 

ミユキ「ありがとう。私達はこれから次に備えてまた練習しようと思うの」

 

六花「それでしたら、私達を見学させてもいいですか?」

 

ありす「私も同じです。どのような練習になっているかが少し興味ありますので」

 

六花とありすがお願いをするとミユキさんは笑みを浮かべながら頷いた。

 

マナ「ダンスって難しいです?」

 

六花「まだ見てもいないのにそれは早いわよ…」

 

ありす「見てからのお楽しみってことですわね」

 

とりあえずトリニティのダンス練習の見学の許可が出たので早速拝見させてもらうことに。果たしてどんな感じで行われるのかが気になるところでもある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~某所~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せつな「ソリティア…?」



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第86話 それぞれの目的

今回は二部構成の話です。


それは、私がある人物にラビーズを渡すまでの課程だった。とある少女から事情を説明されるところから始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せつな「それで、これを誰に渡せばいい?」

 

私はラビーズを手にとりながらリムという少女に尋ねる。大方予想はついてたがこれをある人物に受け取らせてほしいということになる。

 

リム「その人物ですが、ちょと見つけにくい方でして…」

 

せつな「見つけにくい人?」

 

リム「特徴で例えるなら金髪の男性です。最もユニークな方だと思いますが」

 

聞く限りだとあまり見なさそうな感じでもあるが、ちょっと目立ちがちな印象でもあるみたい。

 

せつな「それは面白い意味で?」

 

リム「多少のジョークは通じる方なので気にすることはありませんよ。あなたが何も感じなければの話ですけどね…(あはは)」

 

せつな「さりげなく苦笑いしてるわね…」

 

恐らくは私がその人のペースについていければ(性格的な問題だが)どうにかなるのね。ちょっと理解したわ。

 

せつな「もう少し聞きたいことがあるんだけどいいかしら」

 

リム「構いませんよ。私はあなたが言いたいことを何でも聞き受けますから」

 

せつな「わかったわ。それで何か手がかりのありそうなことってない?」

 

更に気にかかった部分があったので詳しいことを聞いてみる。それさえわかればありがたいんだけど…。

 

リム「手がかりですか…。多分その人はとある場所の主らしいんですが」

 

せつな「とある場所?」

 

リム「私の記憶が正しければですけどソリティアという場所にいると…」

 

せつな「ソリティア…。トランプを使ったゲームの名前ね」

 

なぜか関心するような態度になってしまう。そこまでこだわってはいないもののなぜか心がそう告げている。

 

リム「トランプ、好きですか?」

 

せつな「私はあまりやらないわね…。だけど、私の仲間達が一緒にやってくれるから」

 

確かに私だけではそういうのはやらないだろうけど、ラブ達となら気軽にやれる。一人よりみんなの方が楽しい、そんな感情が湧き出てくる。

 

せつな「ちょっと、嬉しい気持ちになっちゃった。こうして考えると幸せだと思うの」

 

リム「幸せ―――私、その言葉が大好きです。誰だって笑顔になれたら一番だと思います」

 

せつな「私の仲間がよく口にするの。『幸せゲットだよ』って」

 

考え方にもよるけど、人には多くの感情を得ているということが私に感じる。まさしくその通りだった。

 

せつな「とりあえず、これを―――それよりその人の名前とかわかる?」

 

リム「すみません、特徴しかわからないので…」

 

せつな「つまり直感で探してこいってことみたいね」

 

リム「もう少し私の記憶が頼りになれたらよかったのですが、お手数をおかけしてしまいました…」

 

せつな「いいのよ。その分私がなんとかしてみせるから」

 

蹲って謝るリムを私が励ます。これっぽっちのミスなんて大丈夫よ。

 

リム「では、お願いしますね。何かあれば報告をお願いします」

 

せつな「とりあえずやってみる。精一杯頑張るわ」

 

場所が近くなったらラビーズが応えてくれるようになっている。でも、これは何に使うのだろう。まずはその人物に託してからでないとわからない。そう振り絞り、私はただ目的地ねと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~そして現在~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せつな「ラビーズが光ってる…?」

 

それから進んでいくとラビーズがだんだん強く光始めた。ひょっとしたら場所が近いのかもしれない。

 

せつな「凄い…。どんどん導いてくれる。これって偶然ではないようね」

 

とてつもない反応のあまり光が放射状に放たれる。近づけば近づく程強くなってゆく。

 

せつな「…っ!!」

 

すると視界全体が真っ白になって周りが見えなくなってしまう。それに眩しすぎて目を開けてられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せつな(何が起きてるの…?私は今、どこに…?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とてつもない摩訶不思議な空間へと彷徨う私は周りの物が見えない。あとは突然周りが早く突き進んでいく光景を耳で感じ取った。

 

せつな(これからどうなるの…?)

 

まだわからない未知なる景色が徐々に見えてきた。ところが、それはもう過ぎてしまったのだった。それと同時に、私は真っ白な空間から放逐されてしまう。

 

せつな「…どうなったの……?」

 

未だに理解できなかった今の出来事。なぜかこの後のことが気になっていたのも定かではない。

 

せつな「…ソリティア?」

 

私が立ち上がるとそこにはソリティアと書かれた建物が目の前にあった。さっきまで遠距離がかなりあったけれど、無事にたどり着いたのかもしれない。

 

せつな「ここにあの娘が言ってた人物がいるのね。ちょっと尋ねてみようかしら」

 

私はゆっくりとドアの目の前へと近づく。ちょっと不気味な感じだろうけど、ラビーズを渡したいためなら手段を選ばない。

 

せつな「っ?手紙…?」

 

すると足元に誰かからの手紙が落ちていた。それをチラッと確認するが、送り主の名前は書いていない。ただ誰宛てなのかは書いてある。

 

せつな「ジョー、岡田…」

 

ちょっぴり変な名前だった。もしかしたらあの娘が言ってた人物とはそのジョー岡田っていう人なのかもしれない。

 

せつな「封筒の口が開いてる…」

 

細かいことが気になった私は黙々と手紙の口を閉めた。これなら荒らされないで済むはず。

 

せつな「そうだ、何か一言をかけないと」

 

そう思った私はインターホンを鳴らしてみた。数秒たらずで返事が返ってきてドアが開いた。

 

せつな「あの、ジョー岡田さんですか…?」

 

ジョー「そうだけど、どうしたんだい?」

 

せつな「これ、手紙が落ちてたんです。ポストに入りきらずに」

 

ジョー「なるほどね。送り主は封筒に書いてない。ということは中に中に書いてあるのか。とりあえず中に入っていいよ。お茶とお菓子用意してあげるから」

 

せつな「あの、私は何もそこまで―――」

 

ジョー「遠慮しなくていいよ。さ、中へお入り」

 

私を出向いてくれたのはまさしく金髪の男の人。多分この人で確定となる。そのまま玄関を通り過ぎ、辺りをぐるっと見渡してみた。

 

せつな「…あ。この臭い…」

 

ジョー「どうかしたの?」

 

せつな「いえ、なんでも…」(この臭い、もしかしてラブ達の……)

 

一瞬誰かと判別できる臭いを感じた。ということはラブ達が…。

 

せつな「ここに今ラブ達はいますか?」

 

ジョー「あぁ、あの娘達か。それがついさっき帰っちゃったんだ。たくさん和んでね」

 

せつな「そうなんですか…」

 

ジョー「君はあの娘達の知り合い?」

 

せつな「はい、私のかけがえのない存在です」

 

試しに聞いたけど、どうやらいなかった。つまりさっきここに立ち寄ったってことになるわね。

 

ジョー「それじゃあ君の名前は?」

 

せつな「東せつなです。今日はある女の子からあなたに託したい物がありまして」

 

ジョー「僕にかぁ。一体それは何かな」

 

せつな「これを―――ラビーズを渡したくて…」

 

ジョー「ラビーズ…?」

 

ついにこの人にラビーズを手渡す時が来た。ここからどう説明すればいいのか、私でも整理がつかない。まずはそこから始まろうとしていた。けれど、ラブ達は今どこで何をそているんだろう……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~クローバータウンストリート~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミユキ「じゃあどんな感じで練習してるかを今から見せるわね」

 

ありす「ではお願いしますね」

 

六花「生で練習する姿見るのも初めて~♪」

 

マナ「六花がどんどんキュンキュンしている…」

 

とりあえずトリニティの練習風景を見学することになったあたし達。あまりダンスに関して詳しくないけど何事も経験ってことだね。

 

マナ「でも、こんなキレのいい動き早々ないよね」

 

ありす「格が違いますわ」

 

今でも素晴らしい動きを見せてくれている。普段テレビで見るダンスとはまた訳が違う。これこそがプロの実力なのかもしれない。

 

六花「素敵よね…」

 

ありす「六花ちゃん完全に毒されてますね…(あはは)」

 

かれこれ練習が進んでいくと、休憩時間へと移行した。

 

六花「マナ、これで多少は興味持てたかしら」

 

マナ「い、一応だけどね…。それは誰だって好みはあるけど六花はとても興味津々だなーって思ったから」

 

いくら凄いとはいえ、六花がかなり興奮している。まぁいっか。

 

ありす「マナちゃんもあんな風になれたらどう思いますか?」

 

マナ「あたしだったら華麗に決めたいね。決めポーズバッチリと!」

 

六花「そんなんじゃ通じるのかしら…」

 

ミユキ「それだったらあなた達もダンス、やってみない?」

 

 

 

三人「「「えぇーっ!?」」」

 

 

 

この時、ミユキさんの一言で驚きの声をあげてしまった。



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第87話 送り物への思い

せつな「これを、あなたに渡したくて…」

 

ジョー「これは、ラビーズじゃないか。どうして君が持っているの?」

 

私がラビーズを差し出すとジョーさんが目を窺うように見つめた。やはりこの人に渡すことが正解だったみたい。

 

せつな「実は、とある女の子から頼まれたんです。渡してきてほしいと」

 

ジョー「その子の名前は?」

 

せつな「リムって言います。ご存じですか?」

 

ジョー「ごめん、僕はその娘知らないんだ。でもどうしてその娘がラビーズのことを知ってるのだろう」

 

ちょっと味気ない顔で悩みだすジョーさんが頷きながら考える。流石にこれだけのことでなく、ラビーズをなぜ知ってるかも疑問に思っていたらしい。

 

せつな「結構不思議な女の子でした。なんだか無邪気な感じもしていたし」

 

ジョー「そうだったんだ、それはそれで嬉しい話だね。ところで君があの娘からラビーズを貰ったの?」

 

せつな「これは私が拾った物なんです。その後にその娘の声が聞こえて導かれて事情を聞いて今に至るというわけです」

 

結局さっきのは偶然ではなく、必然的だったのかもしれない。私にはそう思うが、もう少しあの娘のことを聞いておけばよかったのかも。

 

ジョー「とりあえず僕に渡せてホッっとした?」

 

せつな「なんていうか、それはあなたが持っていた方がいいと思います。私じゃそれが何のために使うかわからなくて…」

 

やはりそれが何に使うかわからない。もしかしたらジョーさんに聞けばいいかも―――って聞いたところで私が使えなければ意味がないのよね。

 

せつな「何かわかればいいんですが、私じゃ到底それを扱うのが無理です」

 

ジョー「そうかぁ。だったらこれは僕が持っておくよ。何かあった時に役立つかもしれないしね」

 

せつな「そういえば、さっき手紙がどうたらこうたらって言ってましたよね?」

 

ジョー「すっかり忘れてた。ちょっと読もうかな」

 

するとジョーさんが届いた送り主不明の手紙の封筒を開けた。中には短めな手紙が入っていた。

 

ジョー「送り主は…」

 

せつな「相田マナ…」

 

ジョー「マナちゃんからの手紙だ。今まで渡してきたことなかったのにどうして僕の元へ…」

 

せつな「どんな内容が書いてあるんですか?」

 

私も気になったので少し内容を覗いてみる。何やらお詫びやら何やら色々書いてあるらしい。

 

ジョー「せつなちゃんだっけ?今度マナちゃん達と一緒に過ごさない?」

 

せつな「あの、そのマナって娘はどんな娘なんですか?」

 

ジョー「一言で表すと、白馬の王子様かな?」

 

白馬の王子様?それってつまりあだ名なのだろうか?

 

ジョー「他には色々とできるしどんな時だってめげないのさ」

 

せつな(それを聞くと、ラブを思い出すわ。ラブだって、いつもそういう感じだったわね)

 

ジョー「そうだ、せっかくだから君のことやさっきの娘達のことも詳しく話してくれないかな?」

 

せつな「いいですよ」

 

なんだかこの人と話すのが楽しくなってきた。もうちょっとだけここにいようかしら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「どこにいる、愛と名を持つプリキュアは……」



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第88話 人気乙女の休息

その出来事は、ミユキさんの一言で全てが始まった。一緒にダンスやらない?って…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~それから数十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「き、厳しい…」

 

六花「まさか私達がダンスを習うなんて思いもしなかったわ」

 

ありす「こんな素晴らしい誘い、なかなかありませんわね」

 

あたし達はまさかのダンスを習うことになった。ちょっとした気持ちまのかもしれないけどとても驚きの出来事だった。

 

マナ「まずは基礎練習からだけど結構動くよね」

 

六花「まさにプロが教える技ってことね」

 

ありす「激しい動きをする程いい経験になるみたいですわ」

 

マナ「けど、一度やり出した以上は絶対にマスターしたいよ。それと六花も嬉しそうな顔をしていたからやろうと決意したんだ」

 

六花「流石マナ、まんまと私の考えを読んでいたわね…」

 

図星になったかのような様子になる六花が唖然とする。そんなことくらいお見通しだけどね。

 

ありす「けれども、なぜ六花ちゃんはそこまでトリニティのダンスに拘っているんですか?」

 

六花「何もそこまでのことじゃないわ。ただ純粋に凄いって思ったの。なんていうか、私も興味をそそられたって感じなの」

 

六花の説明に納得するように安堵するありす。そうは言うものの、あたしも普段テレビとかでダンスの場面を見る時があるわけで六花と同じ考えなのかもしれない。

 

六花「つまり本当にダンスに魅力を感じたのよ。全体ってわけじゃないけど」

 

マナ「少しでも学びたいからそう思ってるんだよね?」

 

六花「その通りよ」

 

ありす「あ、あそこから向かってるの真琴さんじゃないでしょうか?」

 

マナ「本当だ、まこぴーが来た。お~い、まこぴー!」

 

賑やかに話を続けていると、あたし達の友達の一人であるまこぴーこと剣崎真琴がようやく到着した。まこぴーは今一番人気のあるアイドルだ。

 

六花「なんとか終われてよかったわね」

 

真琴「今日のスケジュールが予定より早く終わったから安心したわ」

 

マナ「やはり有名人は忙しいですなぁ~」

 

ホッとした顔をするまこぴーにありすが差し入れのドーナツを差し出した。あれからまこぴーの分のドーナツを確保できたんだね。

 

ありす「ドーナツでも食べて疲れを癒してくださいな」

 

真琴「ありがとうありす。丁度甘い食べ物が欲しかったからいいタイミングね」

 

嬉しそうにドーナツを頬張り出すまこぴーがゆっくり味わう。さて、どんなドーナツを食べたのかな?

 

六花「美味しい?」

 

真琴「とっても美味しいわよ。中にクリームが入っててチョコ味の生地がフワフワしててココアパウダーが塗されているこの味、最高にマッチしてるわ」

 

マナ「よかったぁ~」

 

それにあんなに美味しそうに食べているまこぴー、めっちゃ可愛いかも。

 

ありす「さて、練習再開はいつにしましょうか?」

 

真琴「何の話?」

 

マナ「ごめん、端折っちゃった。要するに―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~事情を説明中~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真琴「まさか、マナ達がダンスを覚えることになっていたとはね」

 

六花「まこぴーもトリニティのダンス見てる?」

 

真琴「一応ね。私も歌だけじゃなく、色々なことにチャレンジしてみたいと思ってるの」

 

ありす「それは自信満々ですわ」

 

まこぴーに事情を教えると、頷くように理解してくれた。流石アイドル、よくわかるね。

 

真琴「私も後で挨拶しようかしら」

 

マナ「とりあえずそれが一番だよ」

 

六花「まぁ練習再開するのはいいけど、一応動きやすい服装はきちんと用意できてるから派手な動きしても安心ね」

 

ありす「六花ちゃんはそこら辺の考えはいいと思いますわ」

 

真琴「動きやすい服装なら持ってきてるわ」

 

自信満々にまこぴーが答えてきた。これでまこぴーも一緒に練習に入れるみたいだからラッキーかも。



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第89話 秘密の話

六花「さて、早くミユキさんのところへ行かないとね」

 

ありす「真琴さんも一度挨拶した方がいいですわね」

 

一息ついたところで基礎練習を再開することに。まこぴーもあの様子だと興味持っているような雰囲気してる。

 

真琴「みんな、一つ気になったことがあるんだけどいい…?」

 

六花「一体どうしたのよ、急に俯いて」

 

突然まこぴーが足の動きを止めて急な質問をしてきた。なんだかとても恥ずかしそうな顔をしているみたいだけど…。

 

真琴「私、ずっと思ってきたけど…。なんだか悔しいと思うの」

 

マナ「何が?」

 

ありす「あら?何やらとある部分を凝視してるみたいですわね」

               ・・

顔を赤くしつつもあたし達のある部分をずっと見つめるまこぴー。も、もしかしてまこぴーって…。

 

真琴「どうしてマナ達の胸が大きくて私の胸だけが小さいのよぉ~!!(しくしく)」

 

六花「……ゑ?」

 

マナ「それが問題…?」

 

なんということでしょう。今の表情とは一切関係なく突然泣き始めたではありませんか。

 

ありす「それがどうかしましたか…?」

 

真琴「私、最近他のみんなとかに胸小さいよね~って揶揄されまくっていて…。その、私だけなぜこんなに大人の女性の道に遠いかが…」

 

六花「そんなに自分の胸の大きさが気になるってわけねぇ…」

 

まこぴーの気持ちはなんとなくわかる。でも女の子というのは胸が大きい程魅力的だっていうことと、大人になればもっと強調されるのではないかと思う。

 

マナ「だってあたし達、育ちざかりだからこうやって成長してもおかしくないでしょ?」

 

真琴「そうよね、マナ達はそうでしょうね。私は一応あるけどこんなんじゃ全然満足しないわよ…!(もじっ)」

 

ありす「言われてみればこの中ですと六花ちゃんが一番ですわね」

 

六花「ちょっと!?三人で私を嫉妬しないでよね!?」

 

マナ「でもありすも小柄ながらも結構あるよね」

 

ありす「マナちゃんも負けないくらいですけど」

 

この内容で益々自身を無くしかけているまこぴーがあることを閃いた。

 

真琴「ありす、どうすれば私も大きくできるの?」

 

ありす「残念ながらそれは知恵と勇気で見つけてくださいな♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真琴「……あ、はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

呆気なく即答されてしまい、希望が薄れてしまった。

 

六花「まこぴーの言いたいことはわかったわ。でもそれは自分で解決するものよ。他の女に気をとられてたら負けよ」

 

マナ「流石だね六花」

 

まぁここは本人が努力すればいいことかもね。とりあえず早く行かないと間に合わなくなっちゃうし、元気に行こうか。

 

ありす「とりあえず六花ちゃんにはおもいっきり頑張ってもらいましょうか」

 

六花「なんじゃとて!?」

 

冗談はさておき、まこぴーもダンスの基礎練習に加入することになったので思う存分鍛えるとしますか。



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第90話 心構えを大切に

~~今から数時間前~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「えぇ?あたし達がダンスをやる?」

 

六花「いきなり言われても…」

 

ありす「何か訳でもありますか?」

 

ミユキさんの一言であたし達は思わず驚いてしまう。ちょっと成り行きで言ってみただけなんだけど、まさかここまで引っ張ってくるなんて…。

 

ミユキ「まぁね。ちょっとあなた達にやってもらいたいなぁ~って思ってね」

 

六花「それで、チームとかを結成するんですね」

 

ありす「私、少し調べてみましたが今後各地でのアマチュアダンスパフォーマーが開催されるって聞きましたわ。もしかしたらそれが理由ですね」

 

ミユキ「正解よ、よくわかったわね。唐突で申し訳ないけどあなた達ならきっとやれるって感じたの。よかったら私も一緒に教えてあげるわね」

 

そうなんだ、それが理由だったんだ。今ありすが調べてくれたことと一致していた。なんだかとりあえずやってみようって感じになってるね。

 

マナ「それなら、早速稽古お願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~そして今~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミユキ「戻ったわね。じゃあ練習再開しよっか」

 

ありす「その前にちょっと挨拶したい人がいます」

 

ありすが説明するとまこぴーが直接ミユキさんへと話しかける。

 

真琴「こんにちわ。私も一緒にダンスを習いたいんですが……」

 

ミユキ「あなたもしかして、今有名のまこぴーじゃない!会えて嬉しい~!!(ギュッ)」

 

マナ「…へっ?」

 

するといきなりミユキさんがまこぴーに飛び込むこうに抱き付いてきた。な、なにゆえ…?

 

ミユキ「本物のまこぴーに会えて私とても幸せな気分ね」

 

真琴「トリニティのミユキさんですよね。私にもダンスを教えていただけないでしょうか?」

 

六花「まさかあんな表情するなんてねぇ…」

 

流石の六花も正直唖然としていた。ありすはそうでもなかったけどね。

 

マナ「じゃあさ、四人でチームを組むってことになるね」

 

ミユキ「いいアイディアだわ。その方が一番よ。まこぴーもそれでいいかしら」

 

真琴「はい、私もそれがいいと思います。マナ達は私の友達ですから」

 

ありす「となれば真琴さんも基礎から覚えることになりますね」

 

六花「まぁまこぴーなら余裕だと思うけどね」

 

余裕の笑みえを浮かべるまこぴーに、あたし達はそのまま受け止めることにした。ここまで来たらあとは気合と根性でどうにかするしかない。アマチュアダンスパフォーマーとやらに向けて必死で努力しなきゃいけない。いうなればチームワークで勝つ、それだけのことだね。その勢いを保ちつつ、すぐに練習を再開することにした。



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第91話 努力と団結

真琴「マナ、そこはもう少し腰を捻り過ぎないで柔らかな動きの方がいいわ」

 

マナ「こんな感じかな?」

 

六花「流石まこぴーね。これなら自然な動きになれる」

 

あたしと六花にコツを教えているまこぴーが真剣に見つめる。一応まこぴーは歌だけじゃなく、色々なことをやっている。ダンスなんかも習っていたりする。

 

真琴「それから右足を少し後ろに下げてから半回転でのポーズもしっかりね」

 

あれからミユキさんにある程度コツを学び、自分達で練習をするようになった。もはや今はまこぴーがコーチみたいなポジションをとっている。

 

ありす「無理な動きをしたら失敗する恐れがありますわ。六花ちゃん、左右へのステップはできるだけスムーズにと真琴さんからのアドバイスをもらいましたわ」

 

六花「そっか、なんなら簡単ね」

 

真琴「上手よ六花。さっきよりテンポ掴めてるわ」

 

ありす「マナちゃんもどうですか?」

 

マナ「順調、ありすもだいぶ慣れてきた?」

 

ありす「まだ慣れなくて覚束ない部部がありますけど、結構感覚つかめています」

 

六花とありすもなかなか満足していた。こういった身体を動かすパフォーマンス―――つまりダンスは人それぞれだけど見方によれば凄い見せ物だと思う。流石にプロだったらレベルが違うけど見てる方からしてみれば憧れる。今から始めても大きな目標となるのだろう。

 

真琴「私も最初は色々複雑に思ったけどやっていればそうでもなくなってきた。なんだか自然な感じがしたなって、そう気づいたの」

 

ありす「それでこそ真琴さんですね。どんなことでもめげずに頑張る姿がとてもお似合いですわ」

 

真琴「そこまででもないわよ、まだ完璧じゃないし」

 

ありすに励まされてちょっぴり照れるまこぴー。あの表情は素直だ。

 

マナ「もう少し完璧にできる方法ないかな~…」

 

六花「あんまり勝手にやったらこんがらがるでしょ。一緒にやるの」

 

真琴「さっきミユキさんに言われたでしょ。まずは基礎からだって」

 

マナ「ごみんごみん」

 

上手くなるやり方を考えたけど、あっさり却下される。これは面目ない…。一応基礎から学ぶってことになってるからこれはこれで仕方がない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミユキ「お疲れさん。あなた達結構頑張り屋さんね。私もう次のスケジュールがあるから行かなきゃいけないの」

 

六花「あの、また練習に付き合うのはいつになりますか?」

 

そういえば一つ気になってたことがあった。今後の練習についての予定だ。

 

ミユキ「私達は普段あまり休みとれないから面倒見てあげられないけど、予定が空いてたら一緒に見てあげてもいいわよ」

 

真琴「本当ですか?ありがとうございます」

 

ありす「その時まで自主練習しておきますわ」

 

マナ「是非とも上達した姿を見てもらいたいですっ!」

 

六花「マナは時間かかりそうだけどねぇ……」

 

今後について聞くとどうやら定期的に見てもらえるらしい。これまた嬉しいプランだね。

 

真琴「そうと決まれば私がキッチリ指導するから覚悟を決めてね(えっへん)」

 

六花「まるで鬼コーチみたいな発言してるわ…」

 

ひとまずあたし達はミユキさん達と別れてそのまま帰ることにした。これからアマチュアダンスパフォーマーに向けての自主トレーニングが必要となってくるね。

 

その後、あたし達はこっそりジョーさんのところにいたシャルル達と遭遇した。

 

ランス「退屈だったでランス~」

 

ありす「お留守番ご苦労様です」

 

ダビィ「真琴の送り迎えした後に休んだからスッキリしたビィ」

 

真琴「ありがとね、わざわざ遠い場所へ送ってくれて」

 

ラケル「六花も随分上機嫌ケル」

 

六花「まぁね。今日は楽しかったわ」

 

シャルル「マナも楽しかったシャル?」

 

マナ「勿論だよ」

 

とりあえず最後にジョーさんのところへ寄り道することにした。さて、これからがきつくなりそうかも。



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第92話 自分なりの身構え

せつな「…ジョーさん、案外いい人だったかも」

 

あれから色々話を終えてひとまず役目を終了した。今度あの人に何かお礼しないと。

 

せつな「もうこんな時間か…。結構時間が過ぎちゃったわね」

 

それも無理はなかった。今の時刻は既に夜を迎えていた。きっと今頃ラブも帰ってきてる頃だろうし。多分心配かけてしまっていると思う。

 

せつな「この街は賑やかね。四葉町とはまた違う雰囲気を感じる」

 

私が今いるのは大貝町という場所らしい。商店街を歩いていると色々な店が賑わっていた。その影響なのか、お客さんもたくさんだった。

 

せつな「何かおみやげで買っていこうかしら」

 

とりあえずラブだけじゃなく、二人にもおみやげを買ってあげることにした。自分だけ都合が合わなかったお詫びとして意識しておく。

 

せつな「これください」

 

私が気になったものがいくつかあった。それはみんなにお披露目してからのお楽しみ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~二時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せつな「結局終電近くに乗る羽目になっちゃった…」

 

早い電車に乗ることができたものの、距離がかなり遠かった。時間を調べたがあれが終電近い時間だった。

 

せつな「…ただいま」

 

結果としては無事に家に到着。しかし既に灯りは消えていた。

 

せつな「誰もいないのかしら…。私が最初かも」

 

少し不気味な感じがしてきた。というよりは不安が過ぎる。

 

せつな「これは…、手紙?」

 

するとテーブルの上に置いてあったのは置手紙だった。何かが書いてあるようだ。

 

 

 

『せつなへ

 

今日は一人っきりで寂しかった?辛かった?でも大丈夫だよ。せつなには私達がついているから、ね?今度こそはみんなでどこかに出かけよう。約束だよ。あとそれから冷蔵庫にロールケーキ入ってるから食べてね。

 

PS 今度せつなに面白いものを見せてあげるから待っててね』

 

 

 

せつな「…ラブ。私のために心配してくれていたのね」

 

この手紙はラブが書いたもののようだ。これを見た私はなんだかとても嬉しい気分になる。心が楽になるっていうか、幸せが湧いてくるというか…。色々な意味が込められている。

 

せつな「…いただきます」

 

私はフォークを手に取り、ロールケーキを一口頬張った。その味は甘くてとても美味しい。凄く癒される感じでもあった。最近私を心配してくれるラブ、いやそうじゃない。ラブだけじゃなく私を支えてくれるみんなもいる。これだけでも十分ありがたい。いい。私にとって最高の宝物になるんじゃないかって思う。

 

せつな「さて、次はどうしようかな……」

 

それと、もう一つ思ったことがあった。今日出会った少女に、もう少し聞きたいことがあるということを。



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第93話 波乱の予兆

今更ですが過去に投稿した話をいくつか修正する予定です(誤字脱字など)。


ラブ「シフォン、今日は楽しかった?」

 

シフォン「プリプ~♪」

 

美希「喜んでくれてなによりね」

 

私達はあれからもう少しジョーさんのところへ滞在し、ようやく帰ることにした。今は無事にクローバータウンストリート方面へ向かう最中なんだけど、なんだかお腹が減ってきた。

 

タルト「さっきおやつ食べたばかりちゃうんかピーチはん?」

 

ラブ「要するに別腹ってことなの。私のお腹は丈夫にできてるからねぇ~」

 

祈里「あらら、あまり食べすぎるとお腹壊しちゃうわよ」

 

賑やかに雑談をしていると近くでいい匂いがしてきた。この匂いは、いつも私達が食べているあれの匂いかも…!

 

 

 

ラブ「カオルちゃん、やっほー!ドーナツ食べに来たよ!」

 

 

 

カオルちゃん「今日も来ると思ったよ、それはありがたいねぇ」

 

見覚えのある看板、ここがいつも私達が食べているドーナツ屋さん。今日も芳醇な香りを求めて食べに来ました。

 

美希「いつもご苦労さん」

 

祈里「私達の分もいただくわ」

 

カオルちゃん「そうしたところなんだが、残念ながら今日の分はあとわずかなんだ…」

 

ラブ「ガビーン!!」

 

そ、そんな…。折角ここまで来たのに、あとわずかだってぇ~!?

 

タルト「誰がそんなに食べたん?」

 

カオルちゃん「実はだな、昼過ぎに君達と同じくらいの女の子達が来てたんだ。まさかの大人買いってやつでね」

 

祈里「私達と同じくらいの女の子達?」

 

美希「どんな特徴だったの?」

 

カオルちゃん「まぁ有体に言ってしまえば、元気ある娘達だった。まさしく似た者同士ってことよ」

 

訝しむように特徴を説明しているカオルちゃんだが、想像だけではあまりピンと来ない…。

 

ラブ「それでその娘達はこの後何してたの?」

 

カオルちゃん「あの娘達は今日トリニティのダンスを見たんだ。それでダンスに誘われたんだ」

 

ラブ&美希「「ダンスの誘いだって(ですって)!?」」

 

祈里「まさかミユキさんが…?」

 

カオルちゃんの大胆発言に思わず発狂する私と美希たん。し、信じられない…。まさかミユキさんがあんなことをやるなんて……。

 

美希「どんな理由で誘ったのかしら」

 

カオルちゃん「要するにこれを見てくれ」

 

 

 

『全国のダンスが好きなみんな、今ここに集まれ!

 

アマチュアダンスパフォーマー開催

 

舞台は大貝町にある市民会館、これからダンスを始めたいみんなをプロ達がしっかりとサポートします。出場資格は問いません、経験のある人でもない人でも楽しくパフォーマンスして盛り上がろう!

 

受付等は下記の番号まで

 

0120-75―――』

 

 

 

カオルちゃんが見せてくれたのはアマチュアダンスパフォーマと書かれた申込用紙だった。まさかいつの間にこんなことがやるなんて…。

 

祈里「意外だったわね」

 

タルト「つまりダンスが好きな人でもこれからやりたい人でも気軽に参加できるってことやないか」

 

ラブ「今日はたまたまダンスの練習なかったけど、こんなことがあるなんてね。こうなった以上は私達も参加しようよ!」

 

美希「ラブ、これはあくまでダンス経験のない人向けの行事なのよ。そこは優遇させないと。でも経験ある人でもいいて書いてあるならまた話は変わるわよね」

 

今一度チラシを確認しておく私達。見返してみればわかる通り、経験のある人でもいいらしい。いっそのこと腕試しって考えればいいかも。

 

カオルちゃん「それなら出ればいいじゃないか。四人で」

 

ラブ「ありだよそれ!」

 

美希「なんだかその項目を見て拍子抜けしちゃったわ」

 

祈里「無理もないかも」

 

ラブ「そうだね、今すぐにでもせつなに見せたかったけどね」

 

丁度今ここでせつながいてくれたらよかったんだけど、明日見せよっかな。

 

カオルちゃん「なんだ、今日はいないのか」

 

美希「別の用事があったから、今日はいないの」

 

祈里「しょんぼりだわ」

 

ラブ「まぁともかく、当日までにどうにかしないとね。参加するかどうかはミユキさんに聞かなきゃいけないよね」

 

ちなみにこのアマチュアダンスパフォーマーはミユキさんと他のプロ達が主催した行事らしい。

 

カオルちゃん「景気づけにドーナツ食べる?」

 

ラブ「待ってましたぁ~!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブ「私、今日気になったことがあるの」

 

美希「珍しいわね、ラブから相談だなんて」

 

祈里「どんなことなの?」

 

ここで私はドーナツを頬張りながら二人に相談してみる。ちょっと洒落にならないだろうけど、とりあえずハッキリさせておきたい。

 

ラブ「今日私達の前に現れた女の人、なぜあそこまで感情を拒絶するのだろうかって。そう感じたの。なんだかあんまりよくない方向へと突き進んだに違いはないとも」

 

美希「きっとそれは何らかの影響かもね…」

 

祈里「だといいんだけど」

 

私達が戦った相手、一体何者だったんだろう。また出てきたらその真相を確かめてみたい。

 

ラブ「次会う時は、本気だと思う…」

 

おそらく、もっと強大な何かが現れそうな予感もする。その時はせつながいてくれないと…。

 

ラブ「なんてね。さて、そろそろ帰ろっか」

 

美希「そうね。細かいこと考えてもしょうがないわね」

 

祈里「続きはまた今度ね」

 

今日はもう遅いので私達はそろそろ帰ることにした。大方、この先に降りかかる脅威に合わなきゃいいんだけどね……。



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第94話 事前の準備

六花「マナ、今日はどうする?どこかに行かない?」

 

学校から帰宅した直後、あたしは六花の元へ移動した。今日は丁度ダンスの練習はないらしいから気楽に過ごせる。

 

マナ「じゃあありすの家に行こうよ。きっと楽しいから」

 

六花「と言ってるけど、本当はお菓子が目当てなんでしょ…」

 

マナ「げ!?どうしてわかったの…?」

 

六花「そんなのお見通しよ、バレバレだわ」

 

あたしの思惑を六花がことごとく見破った。さ、流石学年トップ……!

 

マナ「ごめ~ん。もう今日は生徒会の仕事で疲れ果ててるから甘い物がほしかったからつい」

 

六花「しょうがないわね、そしたらありすに頼んで甘い物を用意してもらおうか」

 

マナ「六花優しい~!!(ギュ)」

 

六花「く、苦しいわよぉ…!」

 

そうと決まれば早速ありすのところへレッツゴー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~通り道~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

六花「まこぴーはこれから仕事があるって言ってたから今日は無理そうね」

 

マナ「来れると思ったのになぁ~」

 

まこぴーに連絡を入れてみたが、どうやら仕事が結構あるため今日は来れないとのことだった。やっぱ有名ある人は忙しいよね。

 

シャルル「これからダンスで忙しくなりそうシャルね」

 

ラケル「疲れたら無理しなくていいケル」

 

六花「心配してくれてありがとう。でもね、当日まで頑張ろうと思っているの」

 

シャルルとラケルが心配するように声をかける。よくよく考えればこれからアマチュアダンスパフォーマーまでみっちり練習しなければならないため、結構スケジュールの管理が複雑になりそう。事前に大丈夫な日程を決めればそれはそれで済む話になると思う。

 

マナ「まこぴーなら十分にいけるけど、ありすはあまり身体を動かしたらダメかもしれないし」

 

六花「でもダンス程度じゃ余裕よ、格闘技なんかやれるし」

 

確かに、ありすは身体を鍛えてるからハードなスケジュールが出ても対応はできるはず。

 

六花「何はともあれ、まこぴーも本気でスパルタモードになるらしいからね、そこには気をつけないといけないわよマナ」

 

ラケル「想像するだけで悍ましいケル…」

 

シャルル「刺激の強い例えはやめてほしいシャル…」

 

マナ「まこぴーも心は広いけど、いざとなれば心が鬼になるから侮れない…」

 

考えるだけで戦慄の渦が漂ってきた、冷や冷やする……。

 

マナ「でも、ミユキさんなら親切に教えてくれそうな感じはするけどね」

 

六花「そこが甘いのよ。普段はああ見えても本当は至極厳しい人だったりもするかもしれなわ」

 

六花があたしの目をジッと見つめるように諭してきた。そんな目で見られると答えようがないかも…。

 

マナ「そうでなければいいけど―――あれ?あそこに誰かいるよ?」

 

六花「本当ね、何か紙を持ってるわね。見た目は私達と同じくらいの娘かしら?」

 

するとあたしは信号付近で紙らしい物を持った少女がキョロキョロしていた。一体誰なんだろう?

 

 

 

???「―――これで、間違いないわね」



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第95話 その少女、人見知り…?

あたしと六花が角へ曲がろうとしたら、紙を持ちながら信号を待っていた一人の少女がいた。

 

マナ「道に迷ってるのかな?」

 

六花「地図らしい物は持っているようだけど、そうなのかしら?」

 

とても気になってしまうが、ここは慌てないで聞いてみようか。

 

 

 

マナ「ねぇ、どこか行きたいところでもある?」

 

 

 

???「いやぁああああっ!!」

 

 

 

すると当然壮大に驚いてしまう少女。脅かしてないのに…。

 

六花「ちょっと、どうなってるのよ!?」

 

マナ「大丈夫かな…?」

 

悲鳴を上げた少女は思わず蹲ってしまう。結構ビビりなのかもしれない。

 

???「な、何ですか…?」

 

六花「ごめんなさい、急にビックリさせちゃって。私達は怪しい者じゃないわ」

 

寿命が縮んだかのような素振りを見せる少女に六花が代りに謝る。これで少しは楽になれたみたいだね。

 

???「よかった~…。私、行きたい場所があるの。これから向かうところだけど、道に迷ったら困るから地図を見ながら進んでるの」

 

マナ「行きたい場所?それはどんなところかな」

 

???「ちょっと口では言い表せにくいと思うけど、私の友達が待ってるんです」

 

六花「あなたにもお友達がいるのね」

 

その娘は照れながら笑っていた。案外可愛いかも。

 

マナ「そういえばあなたの名前を聞きたいな」

 

???「私はアイラって言います。友達のリムのところへ行くの」

 

マナ「よろしくねアイラちゃん」

 

六花「ふと思ったけど、あなたの頭に被ってる帽子とてもオシャレね。なんだか素敵な感じがするわ」

 

六花はアイラちゃんが被ってる帽子にさりげなく見惚れていた。結構オシャレに決めるんだぁ。

 

アイラ「この帽子は昔っからあって、私はこれが気に入ってからいつも被るようにしているの。ちょっと、センスが足りないかな?」

 

六花「そんなことないわよ、十分に決まってると思うし」

 

アイラ「ありがとう、あとはこの帽子を被っていたら恥ずかしくないし」

 

マナ「それってどういうこと?」

 

目をキョロキョロさせながら言葉を紡ぐアイラちゃんがちょっとあざといかも。

 

アイラ「実は私、昔から人見知りでいつも人前にいると恥ずかしくて顔を出せないから…。だから帽子を被ってあちこち移動したりしてて」

 

マナ「人見知りかぁ……。あたしだったら堂々といれるタイプかな」

 

六花「まぁ、マナだったら余裕よね」

 

人見知りをどうにかしたいのならどうやればいいのやら…。

 

アイラ「とりあえずどうにかして人見知りを克服しようと努力してみますね。そうすれば―――でも、大勢の人達に耐えれるかが問題かも」

 

六花「その時点で克服に時間かかりそうね」

 

う~ん、残念。うまく考えがまとまっていたけど、呆気なく崩れちゃったねぇ。

 

マナ「そうだ、よかったらこれ食べて。あたしの自慢の桃まんなんだ」

 

アイラ「これを私にくれるんだ、じゃあいただきます(パク)」

 

アイラちゃんにあたしがサクッと作ってきた桃まんを食べさせてみた。さて、どんな反応になるのかな?

 

アイラ「これ、とても美味しい。私の友達もこれとよく似た物を作れるの」

 

これは予想通りの反応だ。なんだかニコニコしてるね。

 

六花「流石マナね。ここまで味が上達してるなんて」

 

マナ「それほどでもないよ~」

 

ちなみに六花も一つ頬張っていた。どうやら美味しかったみたいだった。

 

アイラ「そうだ、ここで出会った恩として二人にこれをあげる」

 

マナ「なんだろうこれ?」

 

六花「さぁ」

 

アイラちゃんに渡された謎のオブジェ、これは何に使うんだろう……?



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第96話 乗り越える友情

アイラ「これを二人に持ってほしいの」

 

何かのオブジェを受け取ったあたしと六花が首を傾げた。一体これは…?

 

六花「よくわからないけど、これは何?」

 

アイラ「このアクセサリーを持っていたらきっと幸せなことが起きるの。そうなればあなた達は嬉しくなるかもしれないよ」

 

マナ「イマイチ理解できないかもしれないけど、とりあえず持っておくよ」

 

そのオブジェ―――アクセサリーの色は幸せを分け与えてくれるオレンジ色だった。でもこれだけだとあまり効果がわからない気がする。

 

アイラ「ただ手にするだけでは効果が出てこないと思う。多分どこかで効果は出はずだよ。これは私からのほんの些細な友情の証として持ってて」

 

マナ「友情の証!?やった~!あたしキュンキュンしちゃうよ!」

 

六花「あなたの言うことが確かであればこれは持っておくわ」

 

お守りみたいでとても嬉しい。アイラちゃんからの友情の証を貰ってウキウキするあたしと六花。それからお互いに持ち合うことにした。

 

六花「しかし、よくこんなのを見つけたわね。どこで手に入ったの?」

 

アイラ「これは昔リムと一緒に見つけたもので、よく身体に身に着つけていました。ちなみにリムは爽やかな白色のアクセサリーを持っているの。よくリムとこれらを持ち歩いて過ごして、毎日が楽しかった」

 

アイラちゃんが胸に手を当てながら昔話を思い返していた。へぇ~、アイラちゃんって結構友達思いなんだね。

 

マナ「だったらアイラちゃんもあたし達ともう友達だよね。このアクセサリーをくれたんだし」

 

六花「そうかもね。既にもう友達よね」

 

アイラ「そう言ってくれると私、かなり嬉しいよ…」

 

あたしと六花がそう言ってるのなら、それはもう必然的だと思う。

 

アイラ「あ、そうだった。私今急いでるんだった。もう行かなきゃいけないからまたどこかで会おうね」

 

マナ「もっと話したかったのにぃ」

 

六花「ダメよ、アイラちゃんの都合というのもあるでしょ?」

 

アイラ「私のことは気にしないでください。必ず再会できるはずだから」

 

そろそろアイラちゃんが目的の場所へ行かなきゃいけない時間になったのでここでお別れになるね。

 

マナ「あたし達もありすのところへ行かないとダメだね」

 

六花「予定より少し時間かかちゃったわね」

 

アイラ「じゃあまた会いましょう、キュアハートにキュアダイヤモンド―――」

 

 

 

マナ&六花「「……え?」」

 

 

 

そう言い残し、アイラちゃんはそのまま走り去っていった。

 

マナ「あの娘、あたし達のことを…」

 

六花「……なぜなのかしら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~某所~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイラ「今来たよリム」

 

リム「よく来たね、それじゃ始めようか」



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第97話 私は今のままでいれます

マナ「とりあえずアクセサリーもらえてよかったね」

 

六花「でもこれをありすやまこぴー、それと亜久里ちゃんに見せたらなんて言うかよね…」

 

シャルル「怪しまれるシャル…」

 

ラケル「油断大敵ケル」

 

あまり気にすることじゃないけど、どこで手に入れたかは確実は問われるだろう。六花はそう思っているが、あたしはそこまででもなかった。

 

マナ「けど、これを持ってるだけで幸せになれるってアイラちゃんが言ってたんだし」

 

六花「無理もないわね。結局あの娘、なぜ私達のことを知っているのかしら?」

 

それも定かだった。アイラちゃんは咄嗟にあたし達の名前―――いや、あたし達がプリキュアであることを知っていた。一体何の意味を成すのか…。

 

六花「とにかく、ここは先のことを考えちゃ混乱しそうだわ」

 

これ以上のことを語ると色々わけがわからなくなるからそっとしておくことに。しばらく黙々と歩いていると四葉家が見えてきた。

 

マナ「ありす~!来たよ~」

 

六花「遅れてごめんね」

 

 

 

ありす『いえいえ、気にしないでください。どうぞ中へ入ってください』

 

 

 

インターホンを押して軽く挨拶をする。そしてありすの指示に従いいざお邪魔。そのままいつもお茶会をしている広間へと直行した。

 

ありす「どこかに寄り道でもしてたのでしょうか?」

 

マナ「大したことじゃないよ」

 

六花「特に何もないわよ、ね?」

 

咄嗟に作り笑顔で誤魔化してみる。さっきのことはあまり話すべきじゃないし(とはいえ、そこまで大げさな話でもないが)、ここは別の話題を入れてみよう。

 

マナ「そういえばありすも自主的にダンスの練習をするんだってね」

 

六花「昨日ジョーさんのところへ寄り道した時にさりげなく断言したそうね」

 

ありす「はい、一生懸命頑張るマナちゃん達を支えていきたいと思いましたわ。私でも力になれたら嬉しいですわ」

 

ちなみに昨日に夜にジョーさんのところへ寄り道した時のことだけど、あれからありすもアマチュアダンスパフォーマーに向けて必死で練習に育みたいって言っていたらしい。

 

ありす「細かいことは真琴さんも協力するって言ってました。もう少し体力がつけば十分です」

 

六花「流石ありすね。でも十分に体力ついてきてるけど、ダンスでもっと鍛えれるかもしれないわ」

 

ラケル「とてもいい経験になれるケル」

 

ランス「早く上手くなったありすの姿を見たいでランス~」

 

途切れない笑みで意気込むありす。一応それなりの体力を持っているありすだけど、いざとなれば狂人的で柔軟な動きを見せてくれる。まこぴーが自主トレを監視するようなので細かい部分に関してはキッチリフォローするようだ。

 

マナ「ちょっと照れくさいかもしれないけど、みんなで頑張ろうよ」

 

シャルル「一致団結シャルね」

 

ありす「ありがとうございます。こんな私のためにフォローしてくれて」

 

六花「何かあった時はお互いさまでしょ?」

 

六花も納得するように頷いてくれた。できればそこで亜久里ちゃんがいてくれればもっといいアイデアがあったのかもしれない。

 

六花「亜久里ちゃんは明日まで合宿らしいわ。それまでに私達で乗り切ろうよ」

 

ありす「個人での事情があるのは仕方ないことですし、来てくれたらまた考えましょうか」

 

マナ「まぁね。亜久里ちゃんが入ればまた変わるだろうし、それまでに準備を整えてこうよ」

 

あたしが昨日どこかのタイミングで受け取ったスケジュール表を六花とありすに見せる。こういうのは大抵ハードな内容となっているため、早々油断はできない。

 

六花「自主トレは三日に一度あるわ。それ以外はミユキさんとトレーニングね」

 

ありす「真琴さんのスケジュールにも合わせているみたいですね」

 

ちなみにまこぴーの仕事の都合にも合わせているみたいだ。これなら安心してトレーニングに集中できる。

 

マナ「……あれ?」

 

六花「どうしたの?」

 

とここであたしが何かに目を窺った。その内容とは……、

 

マナ「二週間に一度だけハードスケジュールって書いてある…。なんかピンと来ないわ」

 

それは二週間に一度にあるハードスケジュールだった。どんなものなのか何一つ聞かれていない。

 

六花「ちょっと怪しいわね。もしかして長時間練習とか…」

 

ありす「そんなに大げさではないのでしょうか。私達にやらせる内容を、無碍にはできませんし」

 

とりあえずスケジュール表を最後まで目を通すことにした。今の引っかかる項目、どうしても気になるかも…。



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第98話 不思議な出会い

マナ「えっと、これでいいかな?個人の振り付けとかを決める方法は」

 

ありす「このようにやれば問題ありません。きっと上手くいくはずですわ」

 

次に個人でのポジションや振り付けなどを予め整理していた。いざとなればしくじらなようにしないとならない。

 

六花「ましてや初心者だけじゃなく経験のあるチームも参加するから細かい部分にも気にしなきゃね」

 

六花が裏紙にどんな動きをするかを指定させる。これはまこぴーから聞いたアドバイスを参考にしているらしい。ボールペンでそれぞれの位置を書いて矢印で進む方角までを書き出す。序盤までは万全に対策を練っているからここからどう繋げていくかが重要となる。

 

ありす「でもこれだけポジションを決めるとなれば相当時間かかりますわ」

 

マナ「そこなんだけど、あたしと六花の動きはだいたいわかってきたけどね。あとは上手く動きが咬み合うかどうかだね」

 

ポジションを確認しながら次に移る行動を積み立てる。もしも失敗してしまった時にはまこぴーが苛めないように対策を練るらしい。

 

六花「ここまでは順調ね。万が一の時はお互い助け合いしなくちゃ切り抜けないわ」

 

ありす「書き出したことを参考にして自主トレするってわけですね」

 

六花「平たく言えばそうなるわ。私だったらこういうことは必死になるタイプだから責任持って成し遂げるわ(もふ、もふ)」

 

悩むようにありすが用意してくれたマーマレードを頬張りながら答える六花。いくら頭がよくてもあそこまで悩めばまた話も変わる。

 

マナ「それで、ミユキさんにも相談した方が策かもしれないよね(もふ、もふ)」

 

ありす「マナちゃんの言う通りです。真琴さんも判断できない場合には相談するのもいい手だと思います(もふ、もふ)」

 

ついでにあたしとありすもマーマレードを頬張りながら考えていた。このマーマレード、味的には外国産のようだ。

 

マナ「いかにも、狙いどころは一瞬ってわけだね」

 

六花「ええ。つけいる隙は終盤だと判断できるわね」

 

ありす「なかなか頭が冴えわたりませんわ……」

 

紅茶を啜りながらそのまま脳裏を過ぎり始めた。どこかで成功する出口が見つかるはず……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~その頃~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真琴「これからしばらく休憩かぁ…。そういえばマナ達上手く考えが纏まってるのかしら?」

 

ダビィ「心配なの?」

 

真琴「なんだか、そう思ってるのかもしれない。私が自主トレの指揮をとるからそれまでの間に整ってればいいんだけど」

 

ダビィ「多分大丈夫よ。焦らないでいけばきっと乗り越えられるはずだから」

 

真琴「ダビィ…。そうよね、私が心配したって何も始まらないよね。マナ達だって落ちぶれてはいないはず。私も頑張らないと先を越されそうだし」

 

ダビィ「それでよし、流石は真琴ね。その意気込みを忘れちゃダメよ」

 

真琴「やってみるよ。マナ達が補えきれない部分は私がカバーするわ」

 

ダビィ「期待してるわね」

 

真琴「何事にもチャレンジしてみるよ」

 

ダビィ「それが一番よ」

 

真琴(マナ達、上手く考えが出てきたのかな……?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~そして今~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「今日はここまでにしよう。明日から自主トレだから、まこぴーも来れるみたいだからね」

 

六花「それに、もう帰る時間だしこの辺でお開きにしましょう」

 

ありす「わかりました。他のことはまた明日にしましょうね」

 

日の入りに差し掛かったので、そろそろ家に帰ることにした。ありすも負けずといわんばかりに努力するみたいだ。六花はこの後六花のお母さんと一緒に買い物に行くみたいなので近くのスーパー辺りで別れた。どうやら待ち合わせしていたらしい。

 

マナ「疲れた~。シャルルも疲れてない?」

 

シャルル「大丈夫シャル。ゆっくり寝たら元気シャル」

 

あたしは少し暇なので、またまたジョーさんのところへ行くことにした。まぁあまり迷惑かけないようにしないとね…。

 

マナ「こんばんわ、マナで~す」

 

ジョー「やぁいらっしゃい。アイちゃんを引き取りに来たんだね」

 

ちなみにさっきジョーさんのところでアイちゃんを預けていたのでその引き取りに来るために立ち寄った。

 

ジョー「アイちゃん気持ちよさそうに寝てるよ」

 

マナ「それじゃあたしは帰りますね」

 

ジョー「あ、ちょっといいかい?」

 

マナ「はい?」

 

ここで帰ろうとするとジョーさんに引き留められる。一体何が言いたいのかな?

 

ジョー「実は昨日、君のことが気になって会ってみたいって言ってた女の子がいてね。今度ここに来るといいよ」

 

マナ「あたしに会いたい人?」

 

ちょっとだけ首を傾げてしまう…。どんな理由だろうか。

 

ジョー「まぁそういうことだから、気をつけて帰るんだよ」

 

マナ「は、はぁ……。えっと、その娘の名前は?」

 

ジョー「確か、東…せつなちゃんだっけ?」

 

 

 

空はすっかり暗くなってきた……。

 

 

 

あたしは夜の帰り道をこっそり歩いてる。どこの住宅街も灯りと照らしていた。道はただ暗いまま。唯一の灯りは電信柱についていた灯りだけ。

 

マナ「あ…。誰かが灯りの前に立っている…?」

 

 

 

マナ「女の子……?」




えりひめアワー(ミニ)

えりか「今日は短いので簡単に済ませるっしゅ!」

ひめ「しばらくこのコーナーやれてなくて申し訳ありません」

えりか「でももう少しで再開するので待っててね」

ひめ「ぬる~いコーナーもまたやるのでお楽しみ!」



えりか&ひめ「「それでは、今後ともよろしくっしゅ!」」


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第99話 あなたと私

マナ「女の子…?」

 

灯りが照らされてる部分に一人の少女が何かを考えながら立っていた。その顔はやけに真剣だった。

 

マナ「もしかして、あの娘かも……」

 

シャルル「聞いてみるシャル」

 

気になったので一度話しかけることに。見た感じはオドオドしている様子ではないし、緊張はしていないらしい。

 

マナ「あの、もしかして…。あなたが東せつなさん…?」

 

その少女は、こっちに振り向きつつ軽く頷いた。どうやらその通りだった。

 

 

 

マナ(ジョーさんが言っていた通りだ。でも、一体何を考えてたのかな…)

 

 

 

じりじり…じりじり…

 

 

 

虫達のさざめきと共に冷たい風が吹き始めた。あたしは少し寒気を感じてしまう。昨日までは結構気温があったが、今は嘘かのように低い。

 

せつな「…これを着て。風邪ひくわよ」

 

マナ「あ、ありがとう……」

 

寒気を感じたあたしに薄着のカーディガンをくれた。ちょっと嬉しい気持ちかも。

 

マナ「東…さんはこんなところで何をしていたの?」

 

せつな「せつなでいいわよ、相田マナさん」

 

マナ「どうしてあたしの名前を?」

 

突然の一言で一瞬ビックリしてしまう。思い当たる節はただ一つ……。

 

せつな「ジョーさんから聞いたわ。あなたからの手紙を見てなんとなく会ってみたかったの」

 

マナ「なるほど…。そういうわけだったんだ」

 

さっきのジョーさんの言葉を思い返してみたが、やっぱり的中していた。

 

せつな「その子がアイちゃんかしら」

 

マナ「そうだよ、今はぐっすり眠ってるけどね」

 

眠っているアイちゃんの頬っぺたを軽く触れるせつな。勿論感触は柔らかくて気持ちいい。

 

せつな「ジョーさんに色々と教えてもらって…。どんな娘なんだろうって気になったからつい」

 

マナ「友達になってくれるなら喜んで歓迎するよ。丁度今、ダンスを習い始めてね」

 

せつな「私もダンス、好きよ」

 

無邪気そうにせつなが綻びを見せてくれた。何か特別なこだわりがあるのだろう。

 

マナ「まぁ始めたばかりでぜんぜん慣れないけど、あたしの仲間達と一致団結していくから大丈夫だよ」

 

せつな「誰から教わることになったの?」

 

マナ「ミユキさんかな。あの人なかなかセンスあるし凄いなぁ~ってね」

 

せつな「私もミユキさんの元でダンス練習しているわよ。まさか、他の人にも教えるなんてね」

 

どうやらせつなもミユキさんからダンスを習っているみたいだ。かなりの偶然なことだった。

 

マナ「ということは…、あたしより先輩ってことっすか~!?(ドッキリ)」

 

せつな「その顔だと完全に駆け出しからって顔ね。私も仲間達と共に一緒にやってるの」

 

マナ「お互いに携えてるものがあるね。なんかホッとしちゃうな」

 

となれば、ダンスのセンスもなかなかいいかもしれない。あたしより経験のあるせつななら今度手本になれるかも。

 

せつな「だから、私もあなたに負けないように精一杯頑張るわ」

 

マナ「精一杯頑張るっかぁ。興奮するようにキュンキュンしちゃいそ~」

 

せつな「それはどんな意味?」

 

マナ「つまりこれは愛なんだよ。胸がドキドキしてたまらないんだ」

 

せつな「愛…。幸せと似ているわね」

 

マナ「幸せって愛と同じっぽいよね」

 

それぞれが発した単語に耳を傾ける。きっと特別な意味がある可能性が秘めていそう。

 

せつな「幸せは人々と幸運に導いてくれるそうよ。私の仲間がよく口にするの。幸せゲットだよって」

 

マナ「凄く心が落ち着く。幸せ、それいいかも。愛と似たような雰囲気で嬉しくなっちゃいそうだよ」

 

いいこと聞けて正解だったのかもしれない。今まで感じたことのない躍動感を心から受け止められるのだから。

 

マナ「つまり世界が希望に満ち溢れている意味が込められているよ」

 

せつな「……。確かにそうなんじゃないかしら、あなたの言う通りだわ」

 

一旦言葉をとぎらせて深呼吸してから再度言葉を発するせつな。おそらくは彼女にとっては特別なことがあるのだろう。

 

マナ「とにかく、あたしが思ったのはこんなもんかな。自分なりのケジメってもんがあるし、目標に向かって突き進めばいつかは達成という道へと辿りつけるのだと―――」

 

せつな「―――(スッ)とりあえず今日はここまでにしましょうか。もう夜だし、この後寒くなるわ」

 

咄嗟にせつなの指であたしの唇に触れられて話を遮られた。そういえばもう遅くなっちゃったし、ここまでにするか。

 

マナ「せつな、あたし達はもう友達だよ」

 

せつな「そうね、マナの判断が正しいわね」

 

お互いに笑みを浮かべてそのまま帰ることにした。今日の出会いは偶然ではなく、決められていたことなのかもしれない。ちなみにこの後連絡先などを交換、これでいつでも会えるようになった。せつなが言う幸せ、あたしにも共感できるよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~深夜~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ(なんか眠れない…。明日も学校あるというのに)

 

不安そうに眠りにつかないあたしはさりげなく思った。そんな気持ちを抱きつつ、あたしの一日は終わった。

 

 

 

 



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第100話 苦難の練習

祝100話突破しました(厳密に言えば既に超えてますけど…)。

これからも楽しめる内容にするよう頑張ります。


今日ものどかな風が透き通る…。そのおかげで今日から始まる自主トレが快適に行えるからなのだ。そんな清々しい午後が、彼女達を支えてくれるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~市民ホール前~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真琴「集まったわね、じゃあ早速始めましょうか」

 

六花「マナ、どうしたの?なんかあんまり乗る気じゃないようだけど」

 

ありす「こういう時は甘い物を食べるといいですよ」

 

なんだかだるいあたしを六花とありすが心配してくれる。なぜなら今猛烈に疲労を感じているからだ。折角パフォーマーに向けてのミユキさん抜きの自主トレだというのに激しい睡魔が襲い掛かってきている。学校にいる時だってそうだった。散々先生達に叱られそうになったことか、指で数えきれないぐらいだ。一応保健室へ行った方がいいと心配してきたが、とりあえずそうすることにしてみた。それでも眠気が一向に無くならない。あまりハッキリできないまま今に至るのだった。

 

六花「こんな様子じゃ見るに堪えないわ…。少し休みなさい」

 

マナ「…ごめん、折角の練習なのに……」

 

真琴「仕方ないわ。その間に自分がやるところをメモしてる項目で見返すのよ」

 

かなり呆気ない事態であたしは思わず俯いてしまう。こんなの結構辛い。

 

ありす「どうやら頭痛してるみたいですね。これを飲んで元気出してください」

 

マナ「ありがとう……」

 

ありすに頭痛薬と水を受け取り、そのまま飲み干した。直後に近くのベンチで横になることにした。

 

六花「とりあえずやろっか」

 

ありす「まずは基本の動きからですね」

 

真琴「いくらマナでもあそこまではならないと思ってたけど、なんだか可哀想かも…」

 

やはり六花達もあたしのことを心配していたようだ。流石にあたしが抜けるとなれば相当な痛手だと感じる。

 

真琴「今日はマナの分まで頑張ろう。まずはこの前打ち合わせしたことの練習からよ。基礎から学ぶというのが現時点での目標だからね。ある程度私がフォローするわ」

 

まこぴーがお手本として六花とありすに自分の腕前を披露する。これを参考にすれば簡単なレベルをやりこなせる。

 

六花「なかなかスムーズね」

 

真琴「まぁこんなものよ。あまり深く考えずにやれば問題ないと思う」

 

まずは六花に足を上手に動かす方法を教えてあげることに。まこぴーが伝えようとしているのはテンポを掴むこと、それに左右の足を踏み込みのいい位置に合わせるかを見極めてほしいことだ。この二つのポイントをしっかり暗記すれば成功できるはずらしい。六花は言われたとおりの工程を聞き、ゆっくりやり始める。左右の足が交差するタイミングを測って前に踏み出す。それからテンポをとぎらせないようしっかり下半身に集中させる。

 

真琴「いい感じよ、感覚がつかめてるわ」

 

ありす「六花ちゃんは一度聞いたことはすぐ頭に入れますわ。真琴さんもその意味が伝わってますね」

 

真琴「六花の動きを見て素直に関心した。それだけでも十分かもね」

 

あんな一生懸命になってたあたし達だが、六花だけはズバ抜けて暗記力に卓越している。普段成績が優秀の六花もここまで本気になった姿を見たことがない。きっと好きなことに本気になれる、そんな思いが込められているのだろう。

 

ありす「私にもできることはあります?」

 

真琴「ありすにあまりハードな工程をやらせるわけにはいかないから、身軽にテンポを踏める動きをやってもらおうかな」

 

ちゃんとありすにもできるやり方をまこぴーが提供してくれた。ナイスだよまこぴー。

 

真琴「ストレートな感覚ね。だけどもう少しゆっくりでもいいかも」

 

ありす「そうでしたか、ならばもう一度やってみます」

 

まこぴーからの意見を聞いたありすは再度チャレンジしてみた。今度は落ち着いた動きになった。

 

六花「なかなかいいわよありす」

 

真琴「この調子でOKよ」

 

ありす「早くマナちゃんにも参加してほしいですわ」

 

ちなみにあたしは既に深い眠りについていた。早く復帰したいところだけど……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「―――ュアが集う……」

 

 

 

あの時の夢が……また?

 

 

 

???「―――ュアに恐怖―――」



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第101話 ハート・オーバー

マナ「……」

 

真琴「やっと起きたわね、さっき魘されてたわよマナ」

 

少し俯くようにまこぴーがあたしに心配してきた。一体何がどうなったの…?

 

六花「順調に練習していたら急に苦しがるような状態になってたのよ」

 

ありす「悪い夢でも見ましたか…?」

 

六花とありすも心配そうに声をかけてきた。多分個人的にはそう感じないけどどこかで悪い夢見たのかもしれない。

 

マナ「そ、そんなことよりもう眠気無くなってきたよ。そろそろあたしも練習に入るよ」

 

六花「気にしてないならそれでいいけれど…」

 

真琴「その心得はわかるけど、そろそろ夜になるわ。あと少ししか練習に付き合えないわよ」

 

マナ「そんなぁ~!折角回復できたのにぃ~!」

 

気がつくと日の入りが始まっていた。どうやら相当長く仮眠をとってしまった。

 

ありす「確かに、マナちゃんが練習できないなんて結構辛いと思います」

 

真琴「まぁそこまで言うならもう少しだけやってもいいわ。満足できる限りでね」

 

マナ「ありがとうまこぴー!(ギュ)」

 

真琴「く、苦しいわよぉ…!」

 

六花「それじゃ、引き続きやりましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~そのまま練習が続き―――~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真琴「マナ、そこで右足を捻るの。でなきゃ上手く回れないわよ」

 

マナ「右足に力を入れたらいいんだね。お、丁度いいよこれ」

 

それから少しずつまこぴーからアドバイスを受けたあたしはそれを覚えるなり受けた通りの動きを確認していた。まさか自分でもこんなに身軽な動きができるなんて思いもしなかった。

 

六花「結構順調ね。たった一時間以内であそこまで真剣になっちゃうんだもの」

 

ありす「この調子でどんどん成長できるかもしれませんね」

 

とりあえずそんなこんなで今日の練習が終わる。

 

真琴「今日はここまで、次はミユキさんに今日の成果を見せる予定だから気を抜かないようにね」

 

メモを取り出して細かく予定などを書き込むまこぴー。やはり仕事と兼ね合ってのスケジュールなのだろう。

 

マナ「さて、帰る支度しなきゃ」

 

六花「あまり遅くなるといけないからね」

 

あたし達もすぐに帰る用意をする。するととある女性達が何かを売り出していた。こんなところで売店なんて珍しいねぇ。

 

ありす「あれはかぼちゃですわ。きっとハロウィンに向けて一足早く準備するのでしょうね」

 

気が早いことだけど、どうやらハロウィンに向けての事前準備だとか。

 

六花「ちょっとだけ見てみましょうよ」

 

真琴「めぼしい物なんかあるのかしら?」

 

暇つぶしにその売店へと立ち寄ることに。どうやら他にお客さん達もいるみたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「やっと見つけた、愛の力を持つ者……」



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第102話 黒夜の影

市民ホールの近くで営業している売店でたくさんのお客さん達が賑わってた。なぜなら今後市民ホールが会場となるハロウィンが開催されるからだ。一足先に準備等が行われてるため、灯りが照らされている。売店では様々なハロウィングッズが並べられていて来た人全員を魅了されるぐらいだ。

 

マナ「そっか、今度ハロウィンパーティーやるんだね」

 

六花「なんでも大規模なイベントになるみたいよ」

 

ありす「是非とも私達もこのイベントに貢献いたしますわ」

 

真琴「亜久里ちゃんにも伝えておかないとね」

 

あたし達は固まって行動しながらあちこち巡っている。それにしてもこんな時間になってもたくさん人が来るなんて余程興味を示したということになる。まこぴーが売店でいくつか物を購入し、あたし達も便乗するように物を購入。

 

六花「かぼちゃの形をしたキャンドルね」

 

真琴「可愛かったから持っておきたいと思ってね」

 

マナ「あたしはストラップとキーホルダー買っちゃった♪」

 

お互いに何を購入したかを見せ合う。六花はデフォルメされたおばけとかぼちゃの柄が入った手袋にマフラーを買った。ありすは密かに大きな買い物を済ませたらしい、おそらくは今度みんなでハロウィンパーティー(市民ホール付近で開催される行事とは別で四葉家で開く)の事前準備を整えてるのだろう。支払に関しては請求書で記入するんだとか。

 

ありす「これで用は済みました」

 

六花「一体どんなものを……(ゾクッ)」

 

真琴「だいたい表情で察したわ」

 

六花「そんなんでわかるのっ!?」

 

はたまた別件で他の物を買い終えたありすがそのまま買ってきた物を取り出した。

 

マナ「美味しそうなかぼちゃパイだ~!」

 

六花「しかも結構あるわね…」

 

ありす「近いうちにみんなで食べようと思って買いましたわ。勿論みんな揃ってからです」

 

真琴「いい考えね」

 

今度は美味しそうなかぼちゃパイを複数買い占めた。流石のあたし達も喜びの顔をした。

 

六花「もうこれで買い物は済んだわね。そろそろ帰ろっか」

 

真琴「明日も自主トレだから本格的に見てもらうのは数日後になるわ」

 

まこぴーがスケジュール表を確認しながら色々決める。ここ何日間は自主トレとなっているので一緒について練習するのはまだ先の話のようだ。それとハードスケジュールってのも気になるし、気を緩めるわけにはいかない。

 

 

 

女性「あの、そろそろうちの店は閉店しますけど…」

 

???「そのキラキラしたかぼちゃ、俺によこせ」

 

 

 

マナ「…?」

 

すると左の店で何かの口論になっていた。一体どんな理由なんだろう。

 

 

 

女性「ですから明日の起こしを―――」

 

???「なら実力行使しかねぇな、スイッチオーバー(ビュン)」

 

 

 

六花「姿が変わった…!?」

 

ありす「怪しいですわ…」

 

突然の光景に思わず引き下がってしまう。益々恐怖が近づきそうな感覚だ…。

 

 

 

???「今回はこれを使うか。ナケワメーケ!我に使えよ!(ビシッ)」

 

 

 

真琴「何かを刺した…?」

 

一人の男がある物を刺した。その直後……、

 

 

 

ナケワメーケ「パンプキーン!!(グシャァ!)」

 

 

 

子供達「「「怖いよぉ!」」」

 

 

 

大人達「「「逃げろ、怪物だぁ!!」」」

 

 

 

マナ「…あの敵、見たことない」

 

真琴「少なくとも、ジャネジーを感じないわ」

 

六花「でもみんなが襲われてるわ、早く止めないと!」

 

謎の物質は展示されていたかぼちゃに刺さり、巨大なかぼちゃ型の怪物へと変貌してしまった。

 

ありす「すぐに食い止めましょう!」

 

あたし達はすぐに被害にあった場所へ移動する。そこには、

 

???「こんなところに遊びに来た小娘どもがいやがったのか…」

 

マナ「アンタ、なんてことするのよ!」

 

酷く崩れててしまった屋台がいくつか目撃してしまった。これは残酷としか言いようがない。

 

六花「折角のムードが台無しじゃない!」

 

ありす「あなた何者ですか」

 

???「そうだな、俺の名はR。この世界を崩壊しに来たのさ」

 

マナ「……崩壊?」



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第103話 暗雲漂う…

突如現れた謎の人物。あたし達はすぐさま食い止めるべく知らない怪物と相手をしようとする…。

 

マナ「この世界を崩壊ってどういうことなの」

 

R「俺はなぁ、そんな単純な質問に答える程バカな男じゃねぇ。それはお前ら自身で想像するんだな」

 

六花「だからって関係ない人達を巻き込むなんて酷すぎるわ!」

 

ありす「あなたのような人を見過ごすわけにはいきません…!」

 

R「前の世界ではそんなに豪胆な発言を聞いたことがねぇな」

 

真琴「前の世界…?」

 

今の言葉にもの凄く引っかかってしまう。一体あいつは何者なの…?

 

R「とりあえず俺はネオフュージョンのためにこの世界をぶち壊す。それだけだ」

 

マナ「ネオフュージョン…?」

 

真琴「私達の知らない何かってことだわ」

 

R「その目つき、俺は嫌いじゃないぜ。愛を手にする者ども」

 

高笑いするかのようにRと名乗る男があたし達を見下している。まるで弱った小鹿を弄んでいるかのような雰囲気だ。

 

六花「言わせておけば結構生意気ね」

 

マナ「あの敵は何?ジコチューじゃないの」

 

R「お前らじゃあれはわからねぇよなぁ。あいつは人間の心の闇から生まれたわけではない、よってジャネジーは放出されない」

 

ありす「ですがそれに匹敵する程のオーラを感じました。結局あれも私達にとって戦う意味のある存在だと思います」

 

確かに、怪物になってしまったかぼちゃにはさっきの謎の物体が刺されて今の姿になっている。また、人間を取り込んでいないためプシュケーはない。

 

R「いいさ。俺を楽しませてくれるってんならそれでいいぜ。お前らがどれだけの実力かをな」

 

やはりあいつ、あたし達がプリキュアであることを見通してる。もう後には引けまい……。

 

シャルル「かなり危険シャル」

 

ラケル「油断できないケル」

 

ランス「…震えるランス~…」

 

ダビィ「こんな時どうすれば…」

 

シャルル達も震えてしまい、思わずあたし達の元へ戻ってしまう。

 

R「ナケワメーケ、やつらを叩き潰せ」

 

ナケワメーケ「パンプキーン!!(ドン、ドン…)」

 

かぼちゃ型の怪物が徐々に近づいてくる。こうなってしまえばもう逃げるなんて手段はあり得ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~某所~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜久里「…何か、騒めきを感じる…?」

 

???「仲間が気になるのですか?」

 

亜久里「誰ですの?」

 

???「私は、あなた方プリキュアの勇士を見届ける者…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~市民ホール駐車場~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なるべく被害を最小限に抑えるため、駐車場へと場所を変えた。ここなら安全かつ人々へ害を及ぼす可能性はないはず。

 

R「かかってくるなら来いよ、一緒に楽しもうぜ…!」

 

マナ「言われなくても、みんな!」

 

あたし達は勇気を振り絞り、戦う決意を入れた。

 

 

 

一同「「「プリキュア・ラブリンク!」」」

 

 

 

シャルル達がラブリーコミューンへ変化し、それにラビーズと呼ばれるプリキュアの力となる物をセットする。中心部にハートを描くと、あたし達自身が姿を変える。変化する姿は、愛を司る戦士の姿となるのだ。

 

 

 

ハート「みなぎる愛、キュアハート!」

 

 

 

ダイヤモンド「英知の光、キュアダイヤモンド!」

 

 

 

ロゼッタ「日だまりポカポカ、キュアロゼッタ!」

 

 

 

ソード「勇気の刃、キュアソード!」

 

 

 

愛を司る物、すなわち伝説の戦士プリキュアである。この力が悲しみに満ちた心を救い出す。

 

 

 

一同「「「響け、愛の鼓動!ドキドキプリキュア!」」」

 

 

 

R「やはりこの世界だったようだな。ドキドキプリキュアがいるのは…」

 

こんなこと、一刻も早く終わらせなければいけない。これ以上好きにはさせない…!

 

ハート「愛を無くした悲しいかぼちゃさん。このキュアハートが、あなたのドキドキ取り戻してみせる!」

 

ダイヤモンド「ってあれはジコチューじゃないでしょ!?」

 

ロゼッタ「改めて見ますと悍ましいけど美味しそうですわ♪」

 

ソード「そこに着目するのかしら…(ハァ)」

 

ところがまだまだほのぼのムード状態だった。気になったところなんだけど、今はそれどころじゃないような…。

 

R「キュアエースはいねぇな。ま、いいか。やっちまえ!」

 

ナケワメーケ「パンプキン!!(ドン!ドン!)」

 

ハート「とにかく、あれを止めるよ。そうじゃなきゃ折角のムードが何もかも滅茶苦茶になるんだから!」

 

暗い夜での厳しい戦いが今、始まろうとしていた。これからどう立ち向かえばいいのかが重要な鍵となる。



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第104話 掻き消す愛①

かぼちゃ型の怪物を止めるため、一斉に散開して十字方向で包囲するあたし達。どこが狙われてもおかしくない位置でもあるため、かかってきたところを足止めすればいい。

 

 

 

ハート(確かに相手がジコチューではないのなら、どうやって浄化すればいいのかが悩まされる…。みんなにも負担をかけないようにしなくては…)

 

 

 

まずはダイヤモンドとソードが足元へ攻撃を放つ。一瞬仰け反った隙にあたしが背後に回り飛び蹴りをお見舞いする。ここまでの行動は上手くいった。そこからどう繋げていくのかが重要なポイントともなる。

 

 

 

R「瞬発力だけは褒めてやる。だがそれがいつまで続くか、今度はこっちの番だ。やれ、ナケワメーケ!」

 

ナケワメーケ「パンプキン…!!(ズドドド…!)」

 

ソード「地ならし…?」

 

ハート「そう見えるけど、なんだろう」

 

 

 

仕切り直しなのか、突然地ならしを始めたかぼちゃ型の怪物―――ナケワメーケの姿だった。あれが何の意味を成すのかよくわからない。

 

 

 

ソード「とにかく続けて攻撃するわよ」

 

ロゼッタ「早い内にどうにかしましょう!」

 

R「さて、ここから楽しませてくれよ?」

 

 

 

相手が動き出す前にこちらから突撃するまで。ロゼッタとソードは二人で拳をぶつけた。攻撃は見事に通った、きちんと風穴が開いた。

 

 

 

ハート「封じ込めたみたいだね」

 

ダイヤモンド「まだ油断できないわ」

 

R「こいつぁいい一撃だ。ナケワメーケに傷をつけるとは、いい度胸じゃねぇかよ。ならこれならどうだ、行けよやぁ!」

 

ナケワメーケ「…パン~プ!(ズギャァァン!!)」

 

 

 

その直後、もの凄い勢いで地震が発生した。完全に身動きが取れなくなるような強い揺れだった。これを利用してナケワメーケがおもいっきり飛び上がってあたし達に強烈な一撃を与えた。

 

 

 

ハート「ぐぅ…!」

 

ダイヤモンド「あんな図体なのに、あそこまで機敏な動きをするなんて…!」

 

ロゼッタ「侮れません…!」

 

ソード「でもまだまだやれるわ。気を引き締めて行くわよ!」

 

 

 

こちらも怯まず反撃を開始。まだまだ体力は余裕だ。

 

 

 

ハート「あなたに届け!マイスイートハート!(シュパァァ…!)」

 

ダイヤモンド「煌めきなさい!トゥインクルダイヤモンド!(ビュゥゥ…!)」

 

ソード「閃け! ホーリーソード!(バシュンッ!!)」

 

 

 

ロゼッタを除いた三人の一撃がそのまま一直線へと放った。このまま喰らえば御の字だけど、果たしてどうなるか…。

 

 

 

R「無駄だな、ほらよ!」

 

 

 

ビィン!!(結界を貼る音)

 

 

 

ダイヤモンド「嘘でしょ?攻撃が吸収された…?」

 

ソード「何かが来るわ!避けて!」

 

 

 

すると謎の幾何学模様の結界であたし達の攻撃を全て吸収してしまった。そして吸収した物を全て一つにまとめてそれを弾き返した。

 

 

 

ロゼッタ「私に任せてください!プリキュア・ロゼッタリフレクション!(キィン!)」

 

ハート「これで防げば…!」

 

 

 

ロゼッタリフレクションで何とか防げるかを試みた。案の定、真正面から吸収された技が跳ね返ってきて上手く相殺できた。

 

 

 

R「あめぇな、ほらよ(パチン)」

 

ハート「…え?」

 

 

 

するとRが何かを合図するかのようにあたし達を惑わせた。一体これが何の意味があるのか―――

 

 

 

ヒュン…、ボォオオオンッ!!

 

 

 

一同「「「きゃああああああ!!」」」

 

 

 

相殺したはずの技が消えてあたし達の後ろ側にワープしてきて被弾してしまった。ある意味想定外な出来事でもあった。

 

 

 

R「これは傑作だ。攻撃を消してワープさせるとはなぁ」

 

ハート「…ぐぅ、なんて力なの……」

 

 

 

予想打にしなかった行動があたし達を更に狂わせようとした。ここはどうすれば……!



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第105話 掻き消す愛②

ハート「こんなんじゃ、まともに攻撃を喰らったら身体が持たない…!」

 

ソード「今の一撃で痛烈なダメージを受けたようね」

 

R「おいおい?お前らの威勢はその程度なのかよ。笑わせてくれるぜ」

 

ダイヤモンド「こんなんじゃ、攻撃なんて予測できないわ…」

 

 

 

 

今のでおもいっきりダメージを受けたあたし達は、あまり立てる状態ではなかった。ましてや消えてワープする攻撃なんて普通で考えると有り得ない現象だ。

 

 

 

ロゼッタ「こんな卑怯な真似をするなど、外道にも程がありますわ…!」

 

R「外道で結構、そいつぁいい褒め言葉だぜ。さぁ、ここからどう反撃できる?」

 

ハート「勝負は、ここからなんだから…!はぁ!(ドン!)」

 

ダイヤモンド「諦めないわ!(ズガァッ!)」

 

ソード「敵も相当よろけてるわ、今がチャンスよ」

 

 

 

そして気を緩めずに再び攻撃を開始。あたしとダイヤモンドでナケワメーケに再度パンチを入れる。これくらいの傷ならまだまだ戦える。

 

 

 

R「だが、あまり体力が残ってないかもな」

 

ソード「アンタの相手は私達よ、ふん!(ガゴン!)」

 

ロゼッタ「やらせません!(ズガァ!)」

 

 

 

今度はロゼッタとソードがRに同時攻撃をしかける。それでも余裕の表情を見せるRは両腕で二人の攻撃を阻止した。流石に読まれていた行動だった。

 

 

 

ロゼッタ「まだです、はぁ!(ガガァ!)」

 

ソード「その隙に畳み掛ける!(ズシャァ!)」

 

ダイヤモンド「結構押してきてるわ、その調子よ!」

 

R「ナケワメーケ、突っ込め!」

 

ナケワメーケ「…パ~ン(ドン、ドン、ドン…!)」

 

 

 

Rの指示で再び動き出すナケワメーケにあたしは正面からキックをお見舞い。運よく相手を仰け反らせることができた。

 

 

 

ダイヤモンド「ナイスよ!」

 

ソード「安心するのはまだ早いわ。ここからは少しの油断が命取りになるから、慎重に行くわよ」

 

 

 

ソードがこの後のことを警戒する。確かに今ので相手の体制を崩したが、そこから反撃される可能性は極めて高い。個別で動いたら更にダメージが激しくなるだろう。

 

 

 

R「しっかし、この世界も大した柄じゃねぇな。まだ前来た世界の方がよっぽど面白かったのによぉ」

 

ハート「前の世界ってどういうことなの」

 

ロゼッタ「さっきからよくわからないことをおっしゃってますが、説明願いますか」

 

R「どうせお前らみたいな無能な子娘どもに説明しても理解できぁねぇがな」

 

ソード「何か重要な手がかりがあるかもしれないからそれは喋らないとわからないわ」

 

 

 

Rが溜め息を吐きながら何かを呟いた。この言葉にどうしても引っかかってしまうあたし達はその理由を聞かせる。

 

 

 

R「有体な話だが、お前ら以外にもプリキュアは何人もいる。俺はその中で手ごたえのある奴らを好む。チンタラしてる奴は興味ねぇ。俺が求めるのはとにかく―――力だ」

 

ダイヤモンド「力…?」

 

ソード「私達以外にもプリキュアは何人もいるっていうの…?」

 

R「俺がここに来る前に一度立ち寄ってからかってみたが、骨のある奴が一人いたんだ。そいつは夢を諦めないで前に突き進むような奴だった。お前らにもそういう才能ってぇのがあるかどうか見極めてみたが、何かが足りねぇんだよな」

 

ロゼッタ「私達もそれなりの覚悟はあります、あなたには到底理解できないでしょうけど…!」

 

R「やれやれ、聞き分けのない子供は嫌いだぜ…!」

 

ハート「聞き分けないのはR、アンタの方でしょ。そうやって必死でもがき苦しむあたし達を見下すなんて」

 

R「俺は知ってるんだぜ?お前らがジコチューと戦ってる様をな。いくら人の心を取り戻してもそれは本当の愛じゃねぇ。仮に例えるなら、偽りとでも言っておこうか」

 

ハート「偽り…?」

 

 

 

突然の世迷言で少しだけ錯覚を感じてしまうあたし。こんなにキュンキュンすることが、偽りになったら―――

 

 

 

ハート「―――それじゃ、あたし達が成し遂げたことも全部無駄だというの?」

 

R「完全ではねぇが、おそらくはそうかもしれねぇな」

 

ダイヤモンド「ハート!こんな奴の言葉に惑わされちゃダメよ!」

 

ロゼッタ「そうです、マナちゃんはいつだって前に突き進んでいました!今でもそう感じるはずです!」

 

ソード「私も何度か迷ったが、こんなデタラメな誘惑には負けはしない。だから、前に進んで!」

 

ハート「ッ!あたし、今迷走してしまうところだった…」

 

R「ほう、俺の言葉から逃れたってぇんか。結構根性あるじゃねぇかよ。お前、気に入ったよ。俺が求める相手に相応しい」

 

 

 

―――でも、この愛だけは譲れない…!!

 

 

 

ハート「あたしは絶対に挫けない、ここで立ち止まるわけにはいかない!!」

 

 

 

その意味を、あいつにぶつけたい。この拳で……!



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えりひめアワー第5回

長らくお待たせしました、再開します。


えりか「みんな~お久ぁ~!来海えりかだよぉ~!」

 

ひめ「みんな私を待ち望んでいた?そうだったら嬉しいぃ~!」

 

えりか「おいおいあまりはっちゃけるなよ…」

 

ひめ「だってこのコーナーやるの久ぶりじゃん?私のテンションマ~ックス!」

 

えりか「まぁいいよ、思う存分楽しめばいいし。それじゃ今回もつまらないことグダグダと雑談していきましょー!」

 

ひめ「いえーい、最高~!」

 

えりか「それでは張り切って行ってみよ~!」

 

ひめ「おっけ~!」

 

 

 

えりか&ひめ「「えりひめアワー始まるっしゅ!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「改めてお久、来海えりかです」

 

ひめ「白雪ひめです、ども」

 

えりか「今回は様々なことを適当に呟きながら過ごそうと思いますが、暇であれば最後までお付き合いしてくれるとありがたいです」

 

ひめ「短いですがお願いします」

 

えりか「ではでは、最近ダルいっすねぇ~」

 

ひめ「GOプリも既に後半だけどそれなりに物語が動いてない気がするねぇ」

 

えりか「個人的な感想だけどそうかもしれない」

 

ひめ「記憶を失ったカナタと再会できたんだけど、何も思いだせないらしいよ?」

 

えりか「何らかのショックで失ったんだと思うな。多分簡単には戻らないだろうけど」

 

ひめ「はるはる達相当ショック受けてたね、可哀想かも。けどそれを克服するように接してたところが関心したね」

 

えりか「私もそう思うのよね~。だって、これも心温まる話ってするし、結構好きかも」

 

ひめ「ほほう、流石ですなぁ」

 

えりか「でそでそ?共感してくれるよね?」

 

ひめ「ろんのもちだよぉ~!二人でいなきゃ始まらないし!」

 

えりか「ひめぇ~!!」

 

ひめ「姉さ~ん!!」

 

 

 

つぼみ「っていい加減にしてくださ~~いっ!!(ボガァ!!)」

 

 

 

えりか&ひめ「「ぶるぁああああ~っ!!」」

 

 

 

つぼみ「折角コーナーを何だと思っているんですか!?あなた達の知能サル以下のアンポンタンですか!?」

 

えりか「つぼみ口悪~い……」

 

ひめ「アンポンタンじゃないもん…(ぐす)」

 

つぼみ「それよりここ数ヶ月間コーナーを放置して何をやってたんですか」

 

えりか「休憩と見せかけて無断の長期休暇をひめとはちゃめちゃしながらとってました…」

 

ひめ「ネタが考えつかなかったから思う存分って感じで」

 

つぼみ「そんなんじゃ次章以降の出番がないですよ?しっかりしてください」

 

えりか「確かに、このまま老いぼれのままだと先輩の名が廃るかもね」

 

ひめ「みんなにも迷惑かけたくないし…。そうだ、ここで一つ企画を作らない?」

 

 

 

つぼみ&えりか「「企画ですって(だって)?」」

 

 

 

ひめ「そう、何かアンケートでも出して今後を盛り上げようと考えるんだ。これってありかな?」

 

つぼみ「悪くない提案ですね、私も賛成です」

 

えりか「その内容はまた次回にまで考えてみるよ」

 

ひめ「その結果次第で大きく動いたりして!」

 

つぼみ「できるといいですね」

 

えりか「まぁそんなこんなでそろそろお別れの時間となったのでまた改めて内容を決めておこう」

 

ひめ「私って天才?そんなこと、あるよぉう!」

 

えりか「じゃあ今回はここまでぇ~!」

 

 

 

えりか&ひめ「「えりひめアワー、次回もよろしくっしゅ!」」




内容はまた後日発表します。


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第106話 掻き消す愛③

ハート「今度は、あたし達が頑張るんだから!最後まで負けない!(ドン!)」

 

R「その意気込みだ、最高だぜお前ぇ!(ガッ!)」

 

ダイヤモンド「ハートがRと相手をしている内に私達はあの怪物を浄化するわよ!」

 

ロゼッタ「はい、このまま追い込めば勝てるはずです!」

 

ソード「突破口を開くわ!ソードハリケーン!(ビシュゥ!!)」

 

 

 

ソードハリケーンでナケワメーケの動きを封じる。あたしはその間にRとの熱戦を繰り広げる。時間を稼ぎつつもみんながどうにかしてくれることを祈る。

 

 

 

ロゼッタ「丁度いいタイミングです、ロゼッタバルーン!(ボン、ボン)」

 

ソード「これで動きを抑えられるかも…!」

 

ダイヤモンド「上手くいくわ」

 

 

 

ロゼッタバルーンでさらに動けなくさせ、余裕の隙を取れたみたいだ。一方あたしは多少苦戦を強いれつつも、Rを追い込んでいた。

 

 

 

R「おらおらぁ!もっとかかって来いよ!(ダン、ダン、ダン!!)」

 

ハート「こっちはやる気が違うのよ!(ズガァ!)」

 

R「それでいいぜ、俺を楽しませる最高の見せ物だぜぇ!(ドグァァ!!)」

 

ハート「そうはさせない!ハートダイナマイト!(バゴォン!!)」

 

 

 

お互いの攻撃が相殺される瞬間―――

 

 

 

ハート「プリキュア・ハートシュート!(ビュン…!!)」

 

 

 

もう一撃をお見舞いした…!

 

 

 

R「うぐぅ…!(ズギャァ!)」

 

ダイヤモンド「命中したわ!」

 

ソード「多分油断していたようね」

 

ロゼッタ「今の内にあの怪物を!」

 

ハート「わかった、これで止めを刺す!」

 

 

 

Rが仰け反っている隙に、そのままナケワメーケに止めを刺すことに。

 

 

 

R「お前ならまだやれる、行けナケワメーケ!」

 

ナケワメーケ「パ~ン!!(ドン!!)」

 

ハート「みんな、行くよ!」

 

 

 

一斉に横並びになり、狙いを定める。それから一斉に技を放つ。

 

 

 

一同「「「プリキュア・ラブリーフォースアロー!!(ビシュン…!!)」」」

 

 

 

ナケワメーケ「パンプキ~ン……(シュゥゥゥ…)」

 

 

 

 

R「ば、バカな…。やられちまっただと…!?」

 

ハート「あたし達の勝ちだよ、もう諦めて…」

 

ロゼッタ「これ以上の跳梁は見過ごせませんわ」

 

 

 

僕を失ったRは言葉を失いつつ戦慄していた。これがあたし達が頑張れる理由なんだから…!

 

 

 

ハート「答えて。さっき言ってたことだけど、世界がどうだかってどういう意味なの?」

 

R「それか、まだ教えるわけにはいかねぇな。それはお前らがネオフュージョンをに立ち向かうその時にならねぇとわからないだろうな」

 

ソード「とぼけないで!どうせ世界征服みたいなことを考えてるでしょ?」

 

R「冗談じゃねよ。本当の話だ。お前らも理解できているだろうが、ここ以外にも世界はたくさん存在する。そしてお前ら以外にもプリキュアがいるってことをな」

 

ロゼッタ「それはわかりますが…。だからってプリキュアを狙ってどうするつもりなんですか?」

 

R「言ったはずだぜ、プリキュアのいる世界を崩壊するってな」

 

 

 

企みの笑いをしながらRが暴露する。この顔を見るとどうも不愉快な雰囲気しかしないが、本当にこれが現実の出来事となるのだろうか……。

 

 

 

ダイヤモンド「もしも他にプリキュアがいるとなれば是非とも協力したいわ」

 

ソード「待って、突然そんなことを要求しても信じてくれると思う?」

 

ダイヤモンド「それは……」

 

ロゼッタ「確かに私もそうだと感じます。仮に今聞いたことが現実となったとして他の皆さんが来たとしても交渉は成立するとは限りません。きっとパニックになって苛立ちもするでしょうから…」

 

R「そうさ、人間は誰でも信じればいいわけじゃねぇぜ?その辛さもいずれは体験するだろうさ」

 

ハート「そんなことはない、絶対に助け合うことだって可能だよ」

 

ソード「マナ……」

 

ダイヤモンド「私も本当だったら疑いの目をするだろうけど、こんな危機的状況を打破する方法はそれ以外ないかもしれない。今は一致団結するのが先決よ」

 

R「団結だと…?」

 

 

 

するとRが突然睨むようにあたし達を威圧する。一体どういうことなの…?

 

 

 

R「俺はそんなポジティブな考えが嫌ぇだ。もっと残虐で忌々しい楽しみ方を求めてんだよ…!」

 

ロゼッタ「だからって自分の感情だけで混乱の渦に巻き込むのは迷惑千万ですわ」

 

ダイヤモンド「幾ら不可能で自己中な心だとしても、人間はきっと分かり合えるはず。アンタはそういう心を持ってないの?」

 

R「黙れぇ…!俺を愚かな下等生物と一緒にするんじゃねぇ…。まぁ、有体な発言をするとこうだな。俺達の邪魔をする奴らは容赦なく粛清する、てな」

 

 

 

今度は高笑いをするようにボソボソと言葉を呟いてきた。もうこれ以上あいつの御託を聞くのは精神的にも限界を感じてきた。

 

 

 

ハート「人々に手出しするなら、あたし達が許さないんだからっ!!」

 

R「ほざいてろ。今度会う時はキュアエースを連れて来い。次はこの意味を身体中どころか、生命までに刻んでやる。その時まではせいぜい生き延びるんだな、あばよ(ビュン)」

 

ダイヤモンド「消えた…?」

 

ロゼッタ「今度会う時は私達も容赦しません…!」

 

ソード「当たり前よ」

 

ハート「こんな気持ちって……」



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第107話 君の知らない表情

数日後、私達はミユキさんと一緒に遠くの街でショッピングをすることになった。ぶっちゃけ、ミユキさん自身も忙しかったらしい。

 

祈里「この服なんかどうかな?」

 

ラブ「とってもオシャレだよ~!(ピョン、ピョン)」

 

美希「飛び跳ねるのやめなさいよ…」

 

今は私と美希たんとブッキーの三人であちこちを巡っている。ミユキさんとせつなはエントランスホールのベンチで休憩中なんだとか。

 

タルト「そういえば最近妙な怪物が出なくてせいせいするで」

 

祈里「まぁね。このまま何もなければ御の字ね」

 

美希「こうやって時が過ぎればまた変な奴らが襲ってくる可能性だってあるわ」

 

ラブ「とにかく今は難しいことは忘れようよ。その時になったらでいいから」

 

美希「そうね、今は気楽に楽しみましょうか」

 

あれから怪しい影はなく、どうにか平凡な日常を過ごせている私達。ここのところ結構疲労が続いてダルかったらかね。でも今はまともな休みらしい一日が取れてホッとしたのでしばらくは平和なので思う存分元気に動ける状態だ。

 

ラブ「えーっと、集合時刻まであと僅か…」

 

美希「そろそろいい時間だから早く戻ろうか」

 

祈里「その次はみんなで食事の時間ね」

 

私は時間を確認して集合時間までの残り時間を見ていた。丁度いいタイミングのため、そろそろ戻ることにした。さて、みんなでどこかに食べに行きたいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一方その頃~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「どはぁ~!?集合時間まで間に合わな~い!」

 

六花「目的を忘れてのんびりするからこうなるのよ!少しは自覚しなさいよ!」

 

ありす「まぁまぁ、時にはそういうこともありますわ」

 

真琴「ありすは甘やかしすぎよ、これじゃダンスで優勝なんて夢のまた夢よ」

 

亜久里「事情はきっちり聞きましたので私もダンスに貢献しますわ」

 

あの時の騒動から数日後、あたし達は順調に練習に励んでいた。亜久里ちゃんもすっかり練習に参加するようになってからチームワークも整ってきている。

 

六花「この前利用した場所なら大丈夫ね」

 

真琴「クローバータウンストリートはダンスの練習する人達には打ってつけの場所だしね。今日もあそこで練習しようよ」

 

六花とまこぴーがスケジュール表を確認しながら今日の練習場所を決めていた。ここら辺の管理はしっかりしているから頼りになるかも。一方亜久里ちゃんは合同で練習するのは初めてだ。ここ数日間は個人で行っていたからみんなで合わせるのは心待ちにしていたに違いはない。ここからはあたし達がどのような感じでポジションを取っているかを一緒に整理しながら始める。

 

ありす「まずはここまでやったことをもう一度整理してみましょうか」

 

目的地であるクローバータウンストリートへ移動しながらここまでやったことを振り返ってみた。

 

 

 

基本な立ち位置についてだが、まずは中心に集まるような形となる。

 

 

 

大ざっぱに図で表すとこんな感じ(○はあたし、▵は六花、□はありす、▲はまこぴーで表す。そこにどこのポジションに亜久里ちゃんが入るかを決めてく)。

 

 

 

 

 

 

 

                正面

 

                 ▵

                ▲ □

                 ○

 

 

 

 

 

 

 

 

 

始まった辺りで一斉にポジションをチェンジしていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                正面

 

                 ○

 

              ▵     ▲

 

                 □

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある程度のポジション変えを行い、そのまま踊る。そこから次のステップへ踏むところから勝負。その際はこのような立ち位置となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                正面

 

               ○  ▲

             ▵      □

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここまでがあたし達が今やっているパートとなる。その他の具体的な動きはミユキさんから直接アドバイスをもらう予定だ。そこに亜久里ちゃんがやるところを練習しながら組み入れることにする。

 

真琴「私のイメージだとあまり端側にいないようにポジションしたいと思ってるんだけど。どうかしら」

 

六花「多分目立たないよりはいいと思うわ」

 

亜久里「もっと華麗にアピールできる立ち位置にならやれる感じですわ」

 

その答えは単純明快だ。最もまこぴーが指定した位置なら亜久里ちゃんも大いにアピールが可能だ。

 

マナ「あとは、スムーズに動けばどうにかなるかもね…」

 

歪だが、あたしも自分で整理したアピールを生かさなきゃいけない。ここはみんなに負けないくらいの勢いを見せつけなくちゃね。そんなこんなで目的地のクローバータウンストリートへと到着しつつあった。



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第108話 時の思い人

せつな「……今日はやけに爽やかな風が吹いてるわね」

 

のどかな青空に向かってせつなが清々しい風に当たっていた。今のところは変わった様子もないみたいだ。

 

ラブ「結局この後ストリートに戻るの?」

 

せつな「らしいわ。もう少しここで色々と見て回りたいけど、予定が急遽変更になったって」

 

祈里「ミユキさんにも考えがあるのよ。予定変更もよくあることよ」

 

せつな「まぁそれもありね。ここは気楽に楽しみましょう」

 

美希「賛成ね、もう少しここで見て回ってみよう」

 

食事を終えてもう一度見て回ることとなった私達は再度ミユキさんと指定の場所で合流するとこになった。それはそうとも、私達だってやるべきことがある。もう時期ダンスの大会(?)らしきイベントが開催されるそうだからそれに向けての練習だってやらなきゃいけないんだから、気を引き締めていくべきだと思う。

 

せつな「ラブ、何を考えてるの?」

 

ラブ「え、大したことないよ。今は気を楽にしようよ」

 

せつなが覗き込むように私を見つめてきた。なんでも、私はここ最近寝不足が続いてたような気がするなぁ…。

 

祈里「ラブちゃん怪しいかも…」

 

美希「嘘はいけないわよ?」

 

ラブ「そ、そうじゃないけどさ…。本当に何でもないから」

 

タルト「けどあんさんの目の下に隈できてるっぽいで」

 

ラブ「大丈夫だって、心配ご無用」

 

みんなからも疑われるけど、ここは敢えて平常運転で乗り切る。けどどうもならなさそうな感じでもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せつな「なんだかんだで戻ってきたわね」

 

美希「じゃここで練習になるかしらね」

 

祈里「縺れた身体を動かす時間だわ」

 

ミユキ「時間かけてごめんね、すぐ準するわ」

 

ラブ「まぁ、こんな感じがいいかな」

 

かかること数時間、結局クローバータウンストリートでダンスの練習をすることとなった。予想はしていたけどやっぱりそうだったね。

 

ラブ「私ちょっとの見物買ってくるね」

 

美希「今日のラブ気が利くわね、お願いね」

 

祈里「変な人に絡んじゃダメよ?」

 

唐突に答えた私はすぐさまみんなの元から一時的に離れた。一応正直に言ったつもりだけどさ…。

 

ラブ(そういえば最近ここで私達以外にダンスの練習している女の子達があるって噂を聞いたことがあるな。まぁそれはともかく、その娘達も必死になって頑張るってことにしておこう)

 

タルト「ピーチはん、ちょっとええか」

 

ラブ「どうしたのタルト、急に改まって」

 

ここでこっそり同行してきたタルトが私に尋ねてきた。どうせ大した話じゃないと思うけど、聞いてあげるか。

 

タルト「ここであんさん達と同じくらいの女の子達が来るって話を聞いてるか?」

 

ラブ「うん、それがどうかしたの?」

 

タルト「なんでも、ドーナツを根こそぎ買い占めることがあるらしいで……」

 

ラブ「もしかして、カオルちゃんの店で大人買いする人がいるの!?」

 

タルト「あくまで噂や、本当かどうかは本人に聞いてみないとわからん」

 

漠然と驚いてしまう話に私は腰を抜かしてしまう。まさか、そんなことが…。

 

ラブ「まぁいいか、別に気にしなくても」

 

そんな風に思いつつ、私はすぐにの見物を買ってくることにした。でも、これが本当になったら大変かも…。



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第109話 歩み

人にはそれぞれ夢を持っている。どんな人でも必ず何かしらの夢を持っている。目指したいことを実現できれば、それはそれで素敵なことだと思う。そんな気持ちで一生懸命努力をするあたし達も、負けてはいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~ストリート付近のベンチ~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真琴「みんな、順調にやれてるわね。あとは今の成果をミユキさんに見てもらいたいんだけど、もう少し整える必要があるかもしれないわ」

 

ありす「どこか改善する点もしっかり決めるのも手段ですね」

 

亜久里「いざという場合は本気を出しますわ」

 

自信満々な笑みを浮かべる亜久里ちゃんに対し、六花が囀るようなうめき声をあげていた。突然どうしたのかな…?

 

六花「……そうよ、絶対にやれるんだから……(ボソボソ)」

 

真琴「六花、どうしたの?」

 

六花「今念じてるのよ、私達が絶対に上手くいくっていう感じの…」

 

マナ「それじゃただの呪いの儀式だってばぁ~!」

 

亜久里「なんだか気味が悪いですわ…(ゾクッ)」

 

蝋燭をいくつか用意し、それに火をつけて円型に並べていた。こんなものを人前に見せたら大惨事確定だよね……。

 

ありす「六花ちゃん、祈るのはいいですが流石にこれは不気味な気がしますが…」

 

六花「はっ!そうだったわ、なんでこんなことをやってるのかしら…。もっと楽しくするはずだったけど、ここまで不気味な雰囲気になってたなんて」

 

真琴「ちょっとおかしかったわ」

 

マナ「まぁまぁ。細かいことは気にしなくていいからさ。六花は本当は嬉しい感じでやりたかったんでしょ?」

 

六花「まぁね。私も色々考えてみたんだけど、どうもしっくりこなくてね」

 

珍しくすぐ思いつく六花がミスしていた。こんな感じの六花も結構可愛いかも。

 

ありす「落ち着きましょうよ、ここは一つお菓子を食べながら寛ぐ時間を満喫してくださいな」

 

ここでありすがあたし達に冷たい飲み物とお菓子を用意してくれた。ここ連日、ありすは必死で練習に育んでいるあたし達に疲れを癒してくれるように気を使っているそうだ。本人も真剣に努力して練習しているが、焦らずに行えば疲労せずに済むということだ。

 

マナ「ありがとう、丁度喉が渇いてたから助かったよ」

 

六花「ありがたくいただくわ」

 

真琴「休憩したあと、また再開しよう」

 

亜久里「今度はもっと活かせる動きを教えてください」

 

ありすがそれぞれに飲み物とお菓子を配ってあげた。ちなみにあたしが飲むのは冷たくて美味しいミルクティー。六花はすっきとした味わいのレモンスカッシュ。まこぴーは眠気を抑えるアイスコーヒー。亜久里ちゃんは甘さを求めたりんごジュースだ。お菓子はありすの手作りのシフォンケーキだ。

 

マナ「とっても美味しいね」

 

ありす「ありがとうございます。早朝から作った甲斐がありましたぁ~」

 

亜久里「とてもブラボーですわ♪」

 

六花「こういったことも重要ね、これから気合入りそうだわ」

 

和みに和みつつ、あたし達はしばらく休息を堪能していた。さて、次も頑張らないとね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~某所~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジョー「さて、アイちゃんをみんなのところへ送ってあげるとするか―――あれ?これは一体…?」




次回は投稿一周年記念の話です。


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第110話 めぐりあいの少女

ラブ「あちゃ~。結構時間かかったような気がするなぁ。早くみんなのところに戻らないと」

 

すぐに済ませることが意外と時間かかってしまった。私はみんなの分の飲み物を買うのに選んでいたら悩みに悩んでいた。これじゃ周りから見られたら変な人だと思われてしまう。

 

ラブ「よし、これでいいかな。もう今頃待ちくたびれてるかもしれないし」

 

夢中になりつつも、急いで戻ることに。とはいえ、急にこんなことしても何かが変わるわけでもないよね。

 

 

 

それから数十分が経過した。

 

 

 

あの後私達は軽くダンスの練習をやって鈍った身体を解すように動かした。スッキリして気が楽になった美希たんとブッキーが日蔭でゆっくり休み始めた。

 

せつな「結構充実できたわね」

 

ラブ「それはともかく、きとっとミユキさんも考えがあるんだよ。さっきそう感じた気がするよ」

 

特に突然な予定でもなかったみたいだったし、あまり気に病むこともない。せつなも当然嬉しそうに練習していたみたいらしい。

 

ラブ「さてと、再開するまでちょっと気晴らしにドーナツでも買っておこうよ」

 

せつな「ちゃんとミユキさんに了解を得てからね」

 

ラブ「わかってるって。いきなりいなくなったら大変だもんね」

 

タルト「とか言って最終的に恥を書くのはあんさんやないか」

 

ラブ「余計なことを言うと尻尾捩じり回すよ?」

 

タルト「なんでもありまへん…」

 

ここで問題の噂も確かめておかないと。さっきタルトから聞いたことを直接聞かないと情報を得られないだろうから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~ストリート内付近~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブ「ふむ、早速突入しようか」

 

私は思い切って潜入を試みた。今行うのはカオルちゃんの店のドーナツが最近売り切れする日々が続いているという不可解な噂を暴くことだ。こんな日が続くとみんながいい迷惑だと思われる。

 

ラブ「カオルちゃん、聞きたいことが―――ってあれ?」

 

早速声をかけてみるが、カオルちゃんは今店を留守していた。

 

ラブ「こんな時間から留守なんて、どうしたんだろう?」

 

するとカウンターの端の隙間に置手紙らしいものが挟まっていた。私は早速それを読んでみた。

 

 

 

『今材料が切らしちゃったから大至急材料を調達してくるから待っておくれ~♪』

 

 

 

案の定、ドーナツを作るための材料が無くなっていたようだ。やっぱりこの噂は本当だったのかも。

 

ラブ(これは一大事かも…。すぐにみんなに知らせないと…!)

 

 

 

美希「ラブ、何を慌ててるの?」

 

 

 

ラブ「って美希たん!?」

 

ここですっかり疲れを癒した美希たんがコッソリとやってきた。び、びっくりさせないでよぉ~…。

 

美希「どうやら本当だったわね」

 

ラブ「え?美希たんも知ってるの?」

 

美希「まぁね。カオルちゃんが今いないってことはまさしく品切れということになるわ」

 

美希たんが少し蟠るように説明する。でも余程の目的ではない限り大量買いをする意味なんて滅多にないはず。

 

ラブ「でもいつ戻ってくるって書いてないし…。このままじゃドーナツ食べられないよぉ~…(ぐすん)」

 

美希「泣いても解決できないわ。とにかく、まずはカオルちゃんが戻ってくるまで待つしかなさそうね。まずは本人に直接話を聞くのが先決だし、今は我慢してラブ」

 

ラブ「そんなこと言われてもぉ……(しょぼん)」

 

思わず悲しみに満ちるように涙を徐々に零してしまう。こんなの悲しすぎるよ…。

 

 

 

???「ねぇ、お腹空いてるの?もしよかったらドーナツあげるよ」

 

 

 

するとどこかか私と同じくらいの年の女の子の声が聞こえてきた。これって奇跡かも…。

 

せつな「ラブ、どうしたの?ここで落ち込んで」

 

美希「せつな、丁度よかったわ。今ラブが凄く落ち込んでるのよ。どうにかしてあげて」

 

せつな「ちょっと聞いてみるわ」

 

更にせつなも駆け足でやってきた。どうせ慰めてもドーナツを食べるという幸せは戻ってくるなんて早々―――

 

 

 

せつな「あれ?もしかしてあなた、……マナでしょ?」

 

 

 

……え?

 

美希「せつな、知ってるの?」

 

せつな「知ってるも何も、この前話した娘よ。そしてその日に友達になったの」

 

ラブ「せつなぁ~!こんな悲しい時にいつの間に別の友達できちゃったのよぉ~!(しくしく)」

 

美希「落ち着きなさいよ(ゴッ)」

 

ラブ「ぎゃふんっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~閑話休題~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せつな「というわけなの。私の知り合いがこんなことになってごめんなさいね」

 

美希「お騒がせしちゃったわ。ところであなたがせつなと知り合った―――」

 

マナ「相田マナだよ。まさかまたせつなに会えるなんてキュンキュンだよ」

 

せつな「ありがとう。ほら、ラブも起きて」

 

ラブ「いてて、美希たん力加減してよね。私の頭は丈夫じゃないから」

 

美希「そこまで強くやってないわよ?」

 

そんなこんなで色々と落ち着いた私はこの状況を尋ねた。

 

ラブ「ところでさっき私にドーナツをくれるって言ったのはあなたなの?」

 

マナ「その通りだよ。だって凄く恋しい顔をしていたからついあげたくなっちゃったから…」

 

美希「まさに捨てられた子犬みたいね、ラブは」

 

ラブ「そうでもないけどね。自己紹介まだだったね、私は桃園ラブ。せつなの友達であり、家族なんだよ。もっともせつなが家族いないから私の家で暮らしてるんだけど」

 

マナ「それって一緒にいれるってことですとぉ~!?」

 

美希「このノリ、ラブとそっくりだわ…」

 

せつな「なんだか面白いわ」

 

ほっこりするようにせつなが笑みを浮かべる。とても嬉しそうだった。

 

ラブ「さてと、そろそろドーナツの噂の謎を解決しないと」

 

私もホッとしたところで例の件を再開することにした。ここでやらなきゃドーナツは食べれない、ただそれだけを意識するのだった。



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第111話 謎の真相

思わぬめぐり合いでひとまず落ち着くことができた私は状況を整理し、再び調査へと乗り込むことに。

 

ラブ「とりあえずカオルちゃんが帰ってくるまではやり過ごしするわけにもいかないだろうし…。まずはやれることをやるしかないかも」

 

迂闊だが、まずは自分で確かめなきゃいけない。もう一度謎を解明するために動き出そうとした時、

 

せつな「ラブ、そういえばさっきドーナツ食べたいって言ってたわよね?」

 

ラブ「そうだけど、どうしたの?」

 

ここでせつなが上手いタイミングで私を引き留めてきた。多分さのようなことを言った気はするけど、すっかり忘れてた。

 

せつな「実は……」

 

苦笑いするように横をチラ見するせつな。そこで目にしたのは……、

 

 

 

マナ「よいしょ……っと。六花、ありす、これでいいかな?」

 

六花「さっきこんだけ仕入れたのによく持って行けれたわね……」

 

ありす「いえいえ、折角の気持ちですのでおすそ分けでもしたいですわ」

 

 

 

ラブ「あぁ~!?あれはカオルちゃんの店のドーナツ!?」

 

向こうで大量に担いでいるドーナツの箱がびっしり詰まっていた。まさか…。

 

美希「凄い量ね…」

 

せつな「そうね、あれはあり得ないわ…」

 

マナ「遠慮しないで食べていいよ」

 

恐らく、原因はあれなんじゃ……。

 

ラブ「もしかして、ドーナツを大量買いしてるのって」

 

ありす「はい、私が全部買い取らせていただきました」

 

美希「ビンゴねラブ。これで問題は解決されたわ」

 

ラブ「そうだねぇ~―――って全然よくな~い!!」

 

そうだった!喜んでいる場合じゃない、私の生命よりも大事なドーナツを容赦なく買い占めるなんて!

 

 

 

カオルちゃん「たっだいま~―――って、これはどういう状況なんだ?」

 

 

 

ラブ「カオルちゃ~んっ!」

 

美希「話せば長くなるけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~事情を説明中~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオルちゃん「なぁんだ、そういうことだったのか。でも、Ⅾ-夏をたくさん買ってくれるってことはとても嬉しいことなんだよ。だけど、流石に他の人のことも少しくらい考えてほしいんだがねぇ、ははは」

 

せつな「私達と同じくらいの女の子っていう話は?」

 

カオルちゃん「そうさ、この娘達のことだよ。かなり元気一杯で羨ましいよ」

 

事情を話すと、カオルちゃんが喜ぶように笑っていた。とりあえずこの噂は一応わかったってことでいいかな?

 

祈里「みんな~、どうしたっていうの?」

 

ラブ「ブッキー丁度よかった。これこれこういうことがあったわけで」

 

祈里「もぉ~、ヒヤヒヤさせないでよね。でもラブちゃんが安心してくれてよかったわ」

 

昼寝から復帰したブッキーが駆けつけてきてなんとか無事に解決できた。だけど、どうしてあんなに買おうとしたんだろう?

 

せつな「マナ、なぜたくさん買ったりしたの?」

 

マナ「あたしじゃなくてありすなんだけどねぇ…(あはは)」

 

真琴「探したわよ、こんなところで油売ってたら恥ずかしいわよ?」

 

亜久里「全く、折角の女子の魅力が台無しですわ」

 

六花「まこぴーも亜久里ちゃんも来たみたいね」

 

祈里「なんか、私達と似てる気がするね」

 

そんなこんなで人数が増えてきたわけなので、ちょっと色々と整理しないとね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~色々と整理中~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブ「改めてよろしくね、こんなに友達できるなんて幸せゲットしちゃった」

 

美希「はいはい、おあとがよろしいようで」

 

祈里「あなた達も幼い頃からのお友達同士だったわけね。私達と一緒だわ」

 

みんなで改めて自己紹介し場を整え終える。それから本題へと移ろうとしたいんだけど、和みモードへと移る。

 

マナ「似た者同士でキュンキュンだね」

 

六花「はいはい、以下同文」

 

ありす「幸せっていい言葉ですね。私も嬉しくなりますわ」

 

真琴「本当に仲がいいのね、これこそ最高の生き甲斐だと思うわ」

 

さっきのことは後程窺うとしてより取り見取りなムードへと変化した。さてと、問題はここからだよね。



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第112話 知恵と努力

突然だけど、みんなは好きな食べ物がもしこの世から無くなったらどうする?それなしでも乗り切れる?ちなみに、私は何も生きる気力がない。だって、好きなものは好きなんだから。そんな恋しい気持ちを抱く私の目の前に数個のドーナツが置いてある。つまりこれを食べられるということになる。

 

 

 

ラブ「いただきま~すっ!(パク)」

 

美希「凄い食べっぷりね。余程恋しかったのねラブは」

 

せつな「とりあえずドーナツが食べれただけ幸せね」

 

みんなに配られたドーナツがまさしく待ち遠しかった。私はすぐにかぶりつくように頬張りじっくり味と触感を堪能した。

 

祈里「こんなにうれしい顔してるもの、とても興奮しちゃってるわ」

 

ラブ「ところでどうしてあんなにドーナツを買ったりしたの?」

 

マナ「その理由はあたしじゃなくてありすがわかるんだけど…」

 

真琴「意味深ではあるけど、聞いてあげて」

 

ありす「やはり噂は広まっていましたようですね、私達はここ最近この場所を使う機会を得るようになりまして」

 

せつな「何のために?」

 

首を傾げたせつなが尋ねる。あの様子だとここ出身ではないと窺えるようだけど、一体どんな目的なのかな?

 

六花「私達もダンスを習い始めたの」

 

ラブ&美希「「本当にっ!?」」

 

思わず私と美希たんがシンクロして驚いてしまう。まさかそんなことがあったなんて、これはもしかして教えてあげられるチャンスなのでは!?

 

祈里「ちなみに誰から教わってるの?」

 

夢中でドーナツを頬張るブッキーが便乗するように尋ねる。この場合相当の腕を持った人辺りが妥当な考え―――

 

 

 

真琴「その…、ミユキさんから教わってるわ」

 

 

 

ラブ&美希&祈里「「「えぇ~~~っ!?」」」

 

 

 

マジ!?そ…、そんなことってあったりするの!?ミユキさんが他で教えてるなんて……、これは阿修羅すら凌駕する出来事だったりして~!

 

ありす「とりあえず落ち着いてください…(あはは)」

 

せつな「ねぇマナ、詳しく教えてくれないかしら」

 

マナ「元々の言い出しっぺは六花なんだけどね」

 

亜久里「それ、わたくしも知らなかったですわ」

 

六花「そっか、亜久里ちゃんには教えてなかったわね。実はことの始めは私なのよ」

 

せつな「何かきっかけはなかった?」

 

冷静で対応するせつなが更に渋々と問いかける。いいよね、せつなは何も動じなくて…。

 

六花「これを話すのもなんだか恥ずかしいかもしれないけど。私、最近よくテレビでダンスをよく見るようになっていてその魅力に心が引かれてしまったの。当たり障りないストレートな感想だけど、これをやったらみんなでもっと盛り上がれると思って始めようと思った理由なんだ」

 

真琴「最初聞いた時は正直驚いたわ。なんとなく六花の気持ちに答えてあげられたらそれも誇らしいことだって自覚したわけでね」

 

ラブ「そうなんだ。みんなも一流のダンサーみたく優雅に踊りたい気持ちがあったんだね」

 

これを聞くと見過ごすわけにはいかない。こうなったら全力で応援するしかないね。

 

ラブ「もしものことがあれば遠慮なく聞いてね。色々と相談に乗るからさ」

 

祈里「でもそれ、ミユキさんで事足りてると思うわ…」

 

美希「残念ながらラブの発言は却下ね」

 

ラブ「そ、そんなぁ~っ!!(しくしく)」

 

亜久里「大の女子がお子様みたくべそ書くのはみっともないですわ…」

 

真琴「ちょっと変だけど、仲良くなりそうね…」

 

流石に唖然されても無理はないよね…。

 

六花「とにかく、応援してくれるなら私達も頑張れるから。気持ちは受け取るわ」

 

せつな「凄く関心しちゃった。精一杯頑張ってね」

 

マナ「ありがとう。ところで六花、さっきメモした紙出してくれる?」

 

六花「これのことかしら?どれどれ―――ってこれはっ!?」

 

祈里「ま、まるでラブレターのような内容…!?」

 

何?一体何が起きてるの?

 

マナ「いいから貸して」

 

六花「だめぇ~っ!それは決して破廉恥なものじゃないわ!何らかの間違いよ!」

 

ありす「六花ちゃん顔が赤いですわ…」

 

亜久里「どんな内容かは深く言及しません…」

 

なんだか賑やかだねぇ~…。さて、そろそろ話しを戻そうかね。例の真実を知りたいし。



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第113話 これから

六花「話を戻すけど、そもそもどうしてそんなにドーナツに拘るわけ?」

 

亜久里「そうですわ、食べれなきゃ生きていけませんの?」

 

せつな「ラブが凄く大好きでいつもかかせないのよ」

 

真琴「いわゆる依存症ね」

 

ラブ「褒めてるつもりだけど妙に酷いことを言われたような気が…」

 

ぶっちゃけ本当のとこだろうけどね。私はこよなく愛するドーナツを年中無休(盆と正月は忘れてる)追い求めているのがとても幸せなのです。

 

ありす「これですが、本当は地元のみなさんにもこのドーナツの素晴らしさを広めたかったんです」

 

祈里「地元って?」

 

マナ「あたし達はここじゃないところから来てるんだよ。大貝町からなんだ」

 

ラブ「確かこの前四葉タワーに行った場所だよね?」

 

美希「よく覚えてるわね。でもラブだけ知らなかったなんて信じられないわね」

 

ラブ「だって本当なんだもん。そういうこと前から―――」

 

ここで私はあることに気づいた。この前美希たんとブッキーと一緒に四葉タワーに行った時にも同じことを思いこんだ。

 

 

 

ラブ(もう一度整理しないと…。多分こういう話題一切口にしなかった覚えがある。そもそもあの時は別の目的があったはず、だとすれば夢かもしれないが何らかの影響を受けているのでは…?)

 

 

 

せつな「ラブ、どうしたの?難しい顔をして」

 

ラブ「な、なんでもないよ?わっははは~」

 

六花「とにかく、ありすが謝りたいからこうして話をしたいってわけなの」

 

ありす「流石にご迷惑でしたなら心よりお詫びいたします。ですが、どうしてもこの味の素晴らしさを知ってほしいと広げただけなのです」

 

 

 

カオルちゃん『その言葉を聞くと凄く感動しちゃうなぁ~…!気に入ってくれたならどんどん頑張るぞぉ~!』

 

 

 

ラブ「ってもの凄く喜んでるねぇ…」

 

遠くでカオルちゃんの感動した声が囁いていた。余程嬉しかったのだろう。

 

真琴「それよか、これで無事に解決できたわね」

 

美希「ラブが申し訳ないわ」

 

祈里「まさしく根性ドーナツちゃんって感じね」

 

亜久里「妙なネタが生まれましたわね、わたくし思わず吹き出しそうでぇ…(ぷっ)」

 

ラブ「笑わないでよぉ~!」

 

タルト(ピーチはん、それ否定できんで)

 

賑やかに盛り上がってくれるのはありがたいが、変なあだ名を炸裂されると傷つくなぁ…。

 

六花「ねぇ、ちょっとだけミユキさんと話してきてもいいかしら?」

 

そういえば大事なことが控えていた。そろそろミユキさんと合流しないといけない時間になってきたんだった。となれば都合がいいかも。

 

せつな「マナ達もダンス始めたんなら色々とアドバイスするわ」

 

マナ「せつな頼りになるぅ~♪」

 

真琴「マナ…、さりげなく浮気してるわね……(ボソ)」

 

ありす「どうやら六花ちゃんが嫉妬していますわ……(ボソ)」

 

亜久里「見てられませんわ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~ストリート中央~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「ところで美希たんとブッキーは毎日やって疲れたりしないの?」

 

六花「早速あだ名で呼ぶんかい…」

 

あたしは覗き込むように二人を尋ねる。これだけのスタイルのいい娘は早々いないと思ったけど、案外ものなんだね。ちなみに六花もあたし達の中ではスタイル抜群かもしれない。

 

美希「存外疲れないわね。やってて結構楽しいし」

 

祈里「ええ。とても心地のいい気分ね。気分が最高になるかもね」

 

六花「やる気十分って感じよね」

 

亜久里「是非ともその意気込みを蓄えられたらいいと思うのですが、どうかしら?」

 

せつな「悪くない考えね。まずは一緒に練習してからのステップとして考えておきましょう」

 

しばらくしてミユキさんが何かをメモしながらやってきた。これは今後の予定なんだろうか?

 

ラブ「さっき抜け出しちゃってごめんなさい、ところでどこに行ってたんです?」

 

ミユキ「大した用事じゃなかったわ。っていうか勝手に行動しろとは一言も言ってなかったけどね。ところであなた達も来てたのね」

 

六花「はい、あれから色々自主トレしましたけどその成果を見てもらいたくて」

 

ありす「何かご指摘がありましたらお願いします」

 

 

 

タルト(これも成長の課程やな、うんうん)

 

 

 

シャルル「ここで何をしているシャル?」

 

タルト「おわぁ!?なんなん?」

 

ラケル「それはこっちの台詞ケル」

 

ランス「怪しいランス~」

 

ダビィ「あなた何者ビィ?」

 

タルト(まずい、これでは不審者扱いされて危ない目に……)

 

 

 

ラブ(今、妙な騒めきを感じたような……?)



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第114話 前向きになりたいけど…

シャルル「あなた何者シャル?」

 

ラケル「どことなく怪しいケル…」

 

ランス「まるで怪獣みたいでランス~」

 

ダビィ「すこぶる怪しいビィ」

 

タルト「怪獣やないで…。ってかなぜにあんさん達はそんな目で見るん…?」

 

ラブ「タルト~、こんなところで何してるの?(ごそ)」

 

タルト「ピーチはん、お手数かけてもうたわ。ちょっと痛い視線を感じられてるような気が…」

 

マナ「シャルルそこにいたんだ、ってどういうことなのこれ?」

 

真琴「ごちゃまぜね…(はぁ)」

 

 

 

そんなこんなで色々と誤解を生みつつも一斉に解決し、話を聞くことにした。

 

 

 

タルト「というわけやけど…。ピーチはん済まなかったわ」

 

ラブ「別にタルトが悪いわけじゃないよ?ただその子達にとっては怪しかっただけで」

 

せつな「ちょっとそれは悪い例えだと思うけど…」

 

六花「ラケル、パッと見だけで判断しないの」

 

ありす「ランスちゃんはよくわからなかったんですね」

 

真琴「ダビィもちょっとは考えてよね」

 

亜久里「悪気はないと考えられるので目を瞑ってあげましょうか」

 

どうやらこれで無事になたようなのでちょっとしごくとするか。

 

ラブ「ところでタルト~?シフォンはどこに行ったのかな~?」

 

タルト「尻尾を捩じりながら問いかけるのやめてほしいでぇ~!(ギチギチ)」

 

祈里「無駄よラブちゃん、そんなんじゃ白状できないわ」

 

タルト「違うんや、シフォン自らがどこかに行ってしまったんや…」

 

ラブ「嘘でしょ!?」

 

美希「少し目を離した隙にこれなんだから……」

 

あまりの衝撃発言に思わず腰を抜かしてしまう。っていうかちゃんと見張っていたのにぃ~…。

 

亜久里「そのシフォンって子はどんな感じですの?」

 

祈里「なんていうか、小さくて可愛い赤ちゃんなの。とてもフワフワしてる感じが溜まらないわ」

 

マナ「なんだかアイちゃんと似てるね」

 

六花「そういえば今アイちゃんはジョーさんと一緒にお出かけ中なのよね」

 

真琴「どうせなら連れて行けばよかったかもね」

 

美希「って今はそれどころじゃないわ。とにかく、急いで探さないと」

 

祈里「ちょっと待って美希ちゃん。すぐに探すのはいいけど、まずはミユキさんと共にダンスの練習しなきゃならないからすぐには動けないかも…」

 

せつな「それなら私に任せて。事前に断ってくるからみんなは練習に専念してて」

 

するとせつなが前向きになるような意気込みを入れてブッキーにそう告げた。やっぱりやる気が違うよね、せつなって。

 

六花「私達が首を突っ込む場面じゃないし、ここで待ってましょうか」

 

マナ「いや、あたしも探すよ。何かあった時はお互い様だよね?」

 

せつな「マナ……」

 

ラブ「せつな、一緒に行ってあげて」

 

私もせつなに励ましのエール的なことを告げる。本当は私達も動きたいのだけれども、ダンスの練習がもう少しだけ残っているからここで切り抜けることが可能なのはせつなしかいないのかもしれない。

 

せつな「じゃあ、探してくるね。後で練習に入るから」

 

そう言い残し、せつなとマナはシフォンを探しに行くためここを離れた。

 

ありす「できるだけ早く戻ってきてください、マナちゃん…」

 

するとここでこんな言葉が発してきた。

 

六花「ところでタルトは何の生き物かしら?」

 

真琴「モルモットじゃないかしら」

 

亜久里「オコジョの可能性だって―――」

 

六花「いや、オコジョはこんな見た目ではないわよ」

 

シャルル「ハムスターの絶滅危惧種シャル?」

 

ラケル「イタチかもしれないケル」

 

ランス「カピバラに見えるでランス~」

 

六花「カピバラもあんな見た目じゃないわ」

 

ダビィ「じゃあ細長ネズミビィ?」

 

タルト「あんさんら、全然大はずれやで…」

 

確かに、初見だとタルトがどんな生き物なのかよくわからないよねぇ…。

 

ラブ「タルトはフィレットだよ。わかりにくいけどさ」

 

亜久里「フィレットってなんですの?」

 

ありす「詳しいことは後程ですわ」

 

さてと、こっちはこっちで踏ん張るとしますか…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~野外施設~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せつな「ごめんね、こんなことに付き合わせて」

 

マナ「全然大丈夫だよ。あたしも誰かのために頑張りたかったからさ」

 

ひとまずあたしとせつなはシフォンって子を探すのに全力を尽くしていた。偏見だとせつなはかなり精一杯努力しているような気がするな。

 

せつな「ところで、この前アイちゃんと遊んでみたけど。結構可愛かったわ」

 

マナ「でしょ?アイちゃんは自慢の笑顔が一番なんだ。その、シフォンもアイちゃんとおんなじ感じなんだよね?」

 

せつな「ええ。とても心が穏やかになるくらいの安心感があるわ。会ってみればわかるかも」

 

せつなが嬉しそうに微笑みながら答えた。確かにどんな感じなのかもあたしだって気になるし、きっとアイちゃんと同じような雰囲気だとは思うかもね。

 

マナ「とりあえず、手がかりとなる場所から探していこうよ」

 

せつな「そうするわ、フォローをお願いね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「……あれ……プリ……キュア……」



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第115話 シフォンとアイちゃん①

マナ「そっちはどう?」

 

せつな「なかなか見当たらないわ」

 

少しだけ二手に分かれてシフォンを捜索するあたしとせつなだが、簡単には見つけられなかった。

 

せつな「何かで誘えればいいんだけど……」

 

できればそうしたいが一応人が通る場所だし、そう上手く引き付けることなんて可能じゃないかもね。でもここは意地でも見つけたいし……ん?何か声が聞こえるような……。

 

マナ「せつな、ちょっと耳を澄ませて」

 

せつな「どこからか聞こえる気がする…」

 

マナ「おそらくはそうかもしれない」

 

幼くて可愛らしい声、徐々に聞こえてくる…。その先には―――

 

 

 

シフォン「キュア~」

 

アイちゃん「アイ~」

 

ジョー「これは参ったねぇ」

 

 

 

アイちゃんを連れたジョーさんが苦笑いする様子が窺えた。

 

マナ「あ、ジョーさんとアイちゃんだ」

 

せつな「シフォンがいたわ」

 

偶然通りかかったたようなので、これは助かったかも。

 

マナ「よかったぁ~。こんなところにいたんだね」

 

ジョー「どうしたんだい?そんなに安心しちゃって」

 

せつな「私達、シフォンを探していたんです。何か聞こえると思ってかぎつけてみたらそこにいたんだって安心したんです」

 

シフォン「キュア~♪」

 

せつな「もう…、心配したんだから…」

 

マナ「見つかって本当によかったね」

 

せつな「私よりラブが一番一安心すると思うわ」

 

とにかく、無事に見つかって解決できたみたい。危ない目にあわなくて大丈夫だったね。

 

ジョー「今丁度みんなにアイちゃんを送ろうと思ってたんだ。仲良く遊びたがってるようだし」

 

アイちゃん「アイ、アイ」

 

マナ「そうだったんだぁ~。アイちゃんも一緒に遊びたかったんだね」

 

せつな「相変わらず可愛いわね、アイちゃんは。シフォンと同じくらいよ」

 

ジョー「そういうわけだから、僕はこれから戻るよ。アイちゃんとも遊んであげてね」

 

嬉しそうに安堵するジョーさんをあたしとせつなが見送りをした。まさかこんなところでアイちゃんの世話を任されるとはビックリしたなぁ。

 

せつな「じゃあそろそろみんなのところへ戻りましょうか」

 

マナ「そうだね」

 

それじゃ、無事に見つけたという報告をするとしますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「お待たせ~」

 

せつな「シフォンがいたわ、何も問題ないそうよ」

 

ラブ「よかったね―――って…」

 

 

 

一同「「「アイちゃんもいるけど!?」」」

 

 

 

突然の光景に思わず一斉に驚いてしまう。一体何があったのやら……。

 

真琴「あの子がシフォンね、本当に可愛いわ」

 

六花「まるでアイちゃんみたいでほっこりしてるわね」

 

祈里「アイちゃん、久しぶりね。元気だった?」

 

美希「少しは大きくなったかな?」

 

美希たんとブッキーがアイちゃんの頬っぺたをぷにぷにしながらとても喜んでいた。そりゃ和めるよね。とにかくせつなが一番安心していたみたいかもね。

 

ラブ「どこで見つけたの?」

 

せつな「偶然ジョーさんがアイちゃんを連れていてアイちゃんがキョロキョロしていたシフォンを発見したそうよ」

 

亜久里「あの人、性懲りもなく余計な無茶をしてくれますわ。わたくしならちょっと慈悲なんてやりませんけど」

 

六花「そんなに怒らないの。けど確かにジョーさんはいつも謎に満ちた部分があるから意外と侮れないかもね…」

 

タルト「言った通りやろ。決して余計なことはしてへんと」

 

ラブ「はいはい、後でお詫び分のお世話をよろしくね」

 

タルト「ピーチはん、それ励みになっとらんでぇ!?」

 

私はせつなからシフォンを代りにだっこさせて軽くおでこを撫でた。これでも苦労はしてるんだけどさぁ……。

 

ありす「触ってもよろしいですか?」

 

ラブ「いいよ、とても柔らかい触り心地だからね」

 

六花「本当だ、超柔らかい~♪」

 

ありす「アイちゃんとはまた違った感触ですね」

 

真琴「傍にいてあげたい程愛らしいかもね」

 

シフォン「キュア~♡」

 

アイちゃん「アイ~」

 

マナ「もしかしてアイちゃん、一緒に遊びたいんじゃないかな?」

 

言われてみればそんな様子みたいだね。アイちゃん、シフォンと遊びたがってるようだし。

 

ラブ「シフォン、アイちゃんと遊んであげる?」

 

シフォン「プリプ~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「……ては……ネオ……のため……。プリキュア……倒……」



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えりひめアワー 第6回

おそらく今年最後の投稿となります。


えりか「みんなぁ~!メリクリ~!」

 

ひめ「ってもう昨日で終わってるよぉ~」

 

えりか「かたじけない。ってか私より先にリア充になったらアンタの首折るわよ?」

 

ひめ「まだまだ青春くるのは早いと思うんだけどねぇ~」

 

えりか「まいいか。どうせ私の方が早咲きになるでしょうけど。とりあえず今回もh締めていきましょ~!」

 

ひめ「いえ~い!いってみよ~!」

 

えりか「今日は年末特別編、といっても短いけどねっ!」

 

ひめ「手軽に済ませるよっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きらら「てかこのノリ、番組のスタッフ側からしてみればどうなのさ……」

 

トワ「これも一興ですわね」

 

えりか「そこ、聞こえてるっしゅ!」

 

ひめ「そろそろ準備しないと、いけな~い!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~しばらくお待ちください~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「ではでは今年の大きな出来事について触れていきたいとは思っているのですが…、ヒメルダ君!」

 

ひめ「はいっ!今年は色々ありましたが、爆買いが流行しましたね。中国人観光客やらで本当に大変でして人使いの荒い人達ばっかりでマジでうんざりでしたよ、はい」

 

えりか「報告ありがとう、私としてもそれは結構困る話でしてね。こりゃ生活に困る一方ですよホント」

 

ひめ「他にはこんなこともありましたね。今年のコミケは大勢の人でにぎ―――ごふっ!(ガッ)」

 

えりか「おいおい、真面目に答えれよ…。サルの脳みそでも食わせっぞ」

 

ひめ「冗談ですわよ?おほほほ~。今年流行した商品といえばココナッツオイルでしたね。美容にも使われているという優れたアイテムではありませんこと」

 

えりか「だよね~。これで素敵な女性になれるかしら?」

 

ひめ「いよ、大人の女性!」

 

えりか「次の報告をお願いっしゅ」

 

ひめ「イエスマム!続きましてはあのネタでブレイク(?)しましたね。確か心配してください、穿いてませんよ?だっけ―――ブルァアアアッ!(ゴキリっ)」

 

えりか「おめぇざけてんのかオルァ、便器の水飲ませっぞおい」

 

ひめ「すいましぇ~ん……」

 

えりか「それは置いといて、今年も色んあことがあったよね。来年はどうなるんだろうね」

 

ひめ「来年といえば次のプリキュアだよ、わかる?」

 

えりか「魔法使いプリキュアね。二人とも可愛いよねぇ~」

 

ひめ「魔法の言葉はマージ・マジ・マ―――ぎょおおおおお!!(みしみしぃ…!)」

 

えりか「ゴリラの鼻くそとしょんべんを口の中に入れられてぇのか?」

 

ひめ「冗談だってば~。魔法の言葉はキュアップ・ラパパでしょ?」

 

えりか「わかってるぅ~。流石は私の手下8号」

 

ひめ「ここは姉妹って答えてよ姉さ~ん!」

 

えりか「へいへい、少し落ち着きなさいな」

 

ひめ「っていうかそろそろお別れの時間だよ」

 

えりか「合点!みんな、今年もありがとう!来年もまだまだ頑張れるからよろしくね!」

 

ひめ「年明けには作者から重大(?)発表的な何かをするから楽しみにしてね~!」

 

 

 

えりか&ひめ「「それでは、次回もよろしくっしゅ!」」



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第116話 シフォンとアイちゃん②

今年最初の投稿となります。今年も精一杯頭を使います…。


それから時間が過ぎ、今日の予定は終了しつつあった。とりあえずミユキさんは次の予定があるため、先に行くことになった。残るは私達だけとなる。

 

六花「そろそろ夜になるわね。みんなはこれから帰る?」

 

せつな「丁度いいタイミングだし、そうしようかと」

 

亜久里「お言葉ですが、わたくしはあと少しだけ…」

 

マナ「亜久里ちゃん?」

 

祈里「もしかして、シフォンちゃんともっと遊びたいの?」

 

亜久里「なっ!?なぜそれを…!?」

 

ありす「顔を見ればわかりますわ。さっき楽しそうに遊んでいましたし」

 

真琴「アイちゃんといい、シフォンといいどっちも可愛かったのね亜久里ちゃんは」

 

確かにその気持ちは非常にわかるかも。だって可愛い子が大好きなのは誰だって一緒だよね。私とせつながあることを考えつつ、ちょっと時間をかける。

 

六花「そんなに一緒にいたいなら付き合ってあげてもいいかもよ?」

 

祈里「遠慮しなくてもいいのよ。その方が嬉しいだろうし」

 

亜久里「いいんですか?それならそうしようかしら…」

 

マナ「アイちゃんも亜久里ちゃんと同じ考えしてるよ」

 

アイちゃん「アイアイ」

 

せつな「それだったらどこかで寄り道して行きましょうか。このまま外にいたら風邪引いちゃうし」

 

マナ「それならいい場所があるよ。みんなで移動しようよ」

 

いい場所?一体どんな場所なんだろう?

 

ありす「私にもいい場所わかりますよ。よろしければ来てください」

 

せつな「とりあえず案内してこれないかしら?」

 

首を傾げるように黙々と移動することにした。まさか怪しい場所じゃないよね…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「やっと戻ってきた~」

 

ありす「セバスチャン、いつも助かります」

 

六花「まさか、大勢を乗せるための座席を確保するなんてねぇ…」

 

セバスチャン「お嬢様、到着しました。四名のみなさんもご歓迎いたします」

 

ラブ「で、でかい…!」

 

美希「こんな豪邸、住宅街にはなさそうな感じね…」

 

祈里「まさに四葉財閥って雰囲気ね」

 

せつな「とても大きいわ」

 

私達は初めて見て驚愕する。こんなに立派な豪邸を見られるなんて、猛烈に感動してしまう勢いだった。

 

ありす「セバスチャンが案内しますので、まずはみなさんでごゆっくり休んでくださいね」

 

セバスチャン「どうぞ、中へお入りください」

 

マナ「あたし達はちょっと用意するものがあるから、待っててね」

 

ひとまずは休めるみたいだし、結構気が利く執事さんもいるんだね。これは幸せかも。

 

ラブ「シフォン、もう少しだけアイちゃんと一緒になれてよかったね」

 

シフォン「キュア~」

 

タルト「深まる友情やなぁ。シフォンも大喜びや」

 

美希「大方予想通りの気持ちね。どうりで嬉しいわけだわ」

 

祈里「質問ですけど、後で送り迎えって可能ですか?」

 

ブッキーが覗き込むように尋ねてみた。今考えればここから私達の街まで相当時間かかる距離だし、徒歩だと確実に遅くなってしまう。

 

セバスチャン「勿論、後程送り迎え致しますのでご安心を」

 

せつな「ありがとうございます。私達、他所の場所から来たんです」

 

美希「ちょっとしたことで知り合って、今はこうやって歓迎される側にあるってことでして」

 

セバスチャン「はい、お嬢様から事情は聴きました。みなさんも元気一杯でいらっしゃるようですね」

 

ラブ「当然幸せをつかみたいからですよ」

 

なにはともあれ、この後はこっちから色々と聞けば何かがわかるかもしれないらゆっくりしてからが始まりだもんね。



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第117話 理想の形

せつな「こんなに私達の気を使わなくてもいいのに」

 

ありす「いえいえ、これも何かの縁です。こうやって過ごすのも今の内だと思います」

 

セバスチャン「お嬢様はみなさんと会えてとても嬉しいご様子です」

 

美希(それは当然かもね)

 

祈里(美希ちゃん、上手いことを言えたわね)

 

六花「ありすの家は何でも素晴らしいわよ。かれこれ色々なものも備えてるし」

 

ラブ「超豪華な設備もあるよね!?」

 

美希「いちいち騒がないの。本当にお調子者なんだから、ラブは」

 

そんなこんなで一休みの時間を入れることができた。一応みんなも一安心できている様子だった。そこで私はある提案を思いつき、みんなに話そうとする。

 

ラブ「ねぇねぇ、折角ダンスを必死で覚えたいなら何かテーマを決めた方がいいと思うよ」

 

マナ「テーマ?」

 

六花「そうね、まだそこまで決めてなかったわね。まだ基本の動きやステップの踏み方しか教わってなかったはずね」

 

真琴「それらしいことに進んではいるけど、まだ定まるには至らないわ」

 

美希「今度開かれるアマチュアダンスパフォーマーに参加するんでしょ?それならもっとミユキさんにどうしたらいいかを聞いてみるといいわ」

 

祈里「それに自分達の個性を生かした動きや華やかな雰囲気を見いだすことも大事なの。やり方は様々だけど、どうするかはみんなの頑張り次第ね」

 

私達も最初は上手くいかなかったことだってごまんとあった。こうやって苦労を積み重ねた結果が爽快だったのがこれまた清々しい。そんな気持ちが湧いてきたのは何かしらの偶然ではなく、必然なのかもしれない。今のでなんとなくはイメージついたかな?

 

マナ「そうだね、まだしっかりしたアイデンティティがなっかね。早速後日それを整理しようよ」

 

真琴「その日はハードスケジュールのらしいわ。どうなるかはわかないはずよ?」

 

せつな「ハードスケジュール?」

 

六花「私達の練習でそんな日が設けられているけど、内容は厳しいかもしれないし」

 

亜久里「わたくしもまだまだ始めたばかりでどうなるかわかりませんわ…」

 

ありす「でしたらその日まで考えておきましょう」

 

ようやく定まってきたみたいかも。さて、もうちょっとフォローを入れとこうかな。

 

ラブ「あとさ、出場するならチーム名決めた方がいいじゃない?」

 

真琴「そういえばそれもまだだったわね」

 

祈里「名付け方はミユキさんに聞けばいいわ」

 

ありす「はい、どうやら話が盛り上がってきましたね」

 

六花「どんな感じになるかワクワクするようね。アイディアも今の内に考えなくちゃ」

 

美希「ただし、気持ちを込めて考えことを忘れちゃダメだからね?」

 

美希たんがニコニコしながら紅茶を啜る。ぶっちゃけ、お楽しみはこれからってことかな?

 

ありす「みなさん、盛り上がってる中突然ですが飴でもいかがですか?」

 

せつな「何かしら?」

 

ありす「先日大阪で取り寄せた禁断のスイーツですが―――」

 

ラブ「いただくよ~!(パク)」

 

ありす「あ、まだ説明が―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後、私は二日酔いを患う羽目となった……。



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第118話 見つけたい答え

さっき言っていたこと、本当に活かせるのかな……。ちょっと気持ちの整理に追いつけにくいけど、みんなで頑張るしかないよね。

 

六花「アイちゃん、とても喜んでいるわね」

 

真琴「こんなに笑ってるもの、嬉しいに決まってるわ」

 

シフォンの遊び相手になっているアイちゃんが喜ぶ顔に六花とまこぴーが笑みを浮かべる。もうしばらくはそっとしておいてあげてもいいよね。

 

マナ「ねぇせつな…。ラブ、大丈夫なの?」

 

せつな「すっかり気持ち悪くなっているわね…」

 

ありす「私が事前に説明していればこんなことにならずに済みましたが…」

 

祈里「あれって何だったの?」

 

ありす「あれは大阪で一時期人気だった禁断のスイーツで―――」

 

真琴「私、ちょっと外の空気を吸ってこようかしら~…(すたすた)」

(副音声)「ヤよ!それ以上喋らないで!もうあんなトラウマ思い出したくないわよ!!」

 

するとまこぴーが突然姿を消し始めてしまった。まだ何も言ってなのにどうしちゃったの!?

 

ありす「真琴さん、どうしたのでしょうか?」

 

六花「全力で逃げた気がするけど」

 

マナ「まさか…」

 

あたしがそっと確認してみると、どうやらこれは納豆餃子飴らしい。以前まこぴーが口にしたことがあるらしいが、相当のトラウマになった覚えがあるようだ。とにかく、あんなんじゃ戻ってきそうになさそうかも…。そんな不満を胸に、一日が終了していくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~深夜~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ(うぅ…。全然眠れない…。やっぱりかなり疲れてるけど、眠気が感じないな…)

 

その夜、布団の中に入って寝ようとしたものの、全く眠れる気配すら感じられない。すぐに寝れるあたしがここまで追いつめられるのも珍しいことだった。

 

マナ(ちょっと夜更かししちゃうかもしれないが、散歩でもしに行くか…)

 

勿論、こんな夜中に出回るなんて尺の招致だが。まぁどうせ明日も休みだし、ある意味救いの出来事かも。

 

 

 

とはいえ、それで何かを考えるのも無理はあるし。そう簡単に―――

 

 

 

六花「マナ、こんな夜遅くからどこをほっつき歩いているのよ?」

 

マナ「って六花!?」

 

しまった!てっきり六花の家付近まで来ちゃったよ!なんだか自然と寄ってしまったというノイローゼだとか…?

 

マナ「六花も眠れないの?」

 

六花「まぁね。私もちょっと考え事していたし、だんだん眠くなくなってきたってわけ」

 

マナ「そうなんだ。ねぇ六花、ひとつだけあたしの話聞いてもいいかな?」

 

六花「一体何なの?」

 

あまり思考が回らないあたしは六花に聞きつけてみる。

 

マナ「あたし達ってさ、何のためにダンスを覚えようとしているの?」

 

六花「それは勿論、楽しみたいからに決まっているわよ?ていうかことのきっかけは私なんだけどさ」

 

マナ「うん、確かに全ての始まりは六花が言った言葉だったね。ただ、それを目標とした何かを実現できたらどうなるんだろうかって思ったわけで…。六花はどう受け答えてくれるの?」

 

六花「……」

 

ここで六花が突然黙り込んでしまう。いや、むしろ自分でも想像できていなかったことをどうするか迷っているのだろうか?

 

六花「私ね、色々悩んでいたけどやっぱりありのままの姿でいたいと思ってるの」

 

マナ「まさか、その気持ちを後にとっておくとか…?」

 

六花「いや……、多分みんなに共用してほしいかも」

 

淡々とした表情で答える六花。ちょっと顔を赤めているけど、気のせいだろうか?

 

マナ「共用ったって、どうすれば…」

 

六花「適当に答えたわけじゃないわ。一応本音で言ったつもりなのよ…」

 

益々俯いて言葉も出なくなってしまう六花だが、存外、あたしはその気持ちを受け止められている。

 

六花「と、とにかく…。私から言えるのはそれだけなの、それ以上問い詰められても返答しようがないわよ」

 

案外拍子抜けしたような様子だと感じたけど、六花はそれでいいのかな?

 

マナ「でもさ、あたしは別に気にしないよ?というのも、それぞれでやりたいことを見つければいいんじゃないかな?」

 

六花「まぁ、それもあるわよね。そこまで深く言及する必要もなさそうね」

 

マナ「じゃあさ、明日の朝までどうすればいいかを考えてみるよ。改めてさ」

 

六花「全く、世話が焼けるんだから。マナにいい考えがあれば任せてもいいわよ?」

 

そんなこんなで、もう家に戻って寝ることにした。あたしの考えで、ここから先がどう変わるかが決まるかもしれないね。



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第119話 チーム名は…①

六花「もっと足を踏み出すようにして、それじゃないと感覚つかめないわ」

 

真琴「最近六花も積極的に指摘するようになったわね」

 

亜久里「そんなにきつく言われてもヘトヘトになりますわぁ……」

 

数日後、あたし達はミユキさんと一緒に街外れの市民会館を借りてダンスの練習を行っている。なかなかいい感じには仕上がっているけれど、まだまだ感覚がつかめない部分も多々ある。

 

ありす「そういえば今日はスケジュールにも書いてあったハードスケジュールの日でしたね」

 

六花「具体的な内容は身体トレーニングらしいわ。ダンスだけじゃなく、身体能力もさらに磨かなきゃいけないらしいのよ」

 

マナ「六花~。そろそろ休憩したいんだけど~」

 

六花「だめよ、まだミユキさんが戻ってないから」

 

ちなみにミユキさん不在の場合は六花とまこぴーが指示している。やはり練習を怠らないための対策だとか。

 

ありす「マナちゃん相当頑張っていますね」

 

真琴「でも油断する一面もあるからこうやって六花も指摘するのよ」

 

マナ「とりゃあ~!!」

 

亜久里「そんなに飛び上がったら―――」

 

 

 

マナ「ほぉあぁ~!?(ゴキッ)」

 

 

 

六花「鈍い音したわね…」

 

思わず足を挫いてしまった…。折角張り切ってるのに、これは大失敗だよぉ~…。

 

真琴「そろそろ戻ってきたわよ。早速報告しなきゃね」

 

マナ「何を?」

 

六花「そんなの決まってるじゃない。そろそろ私達の明確なコンセプトを決めるってことを」

 

六花が訝しむように説明する。それはそうと、時期にアマチュアダンスパフォーマーのエントリーが始まる。それに向けて今までこうやってダンスの練習をしていたってわけ。あの時のことを思い出してやっと気づいた、あたし達が目指している目標を。

 

ミユキ「お待たせ~。ところであれからちゃんとテーマを決めたかしら?」

 

六花「はい、それを説明しようとずっと考えてました」

 

真琴「ダンスをやるにあたって大事なことだったので報告したいです」

 

ミユキ「聞かせてもらおうかしら、あなた達のテーマを」

 

六花「私達のテーマは―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「気合と根性でカバーだ~!!」

 

六花「そんなに走ったら疲れるわよ~!」

 

ありす「ランニングは一定のペースを保って走るんですよマナちゃん」

 

真琴「これじゃ優勝できるのは夢の夢だわ…(はぁ…)」

 

亜久里「乙女はもっと美しく優雅に生きるのですよ。そんな調子だとアイちゃんに笑われますわ」

 

それから身体を張ったトレーニングが始まり、必死で体力作りに力を入れる。こうなった以上は全力でやるっきゃない!

 

マナ「立派なダンサーになるんだからぁあああ~!!(ドドドドドド)」

 

この後あたしは疲労でダウンすることを知らずに走っていたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから夕方になり、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みんなが色々と予定を立てているところであたしは目を覚ました。

 

マナ「みんな、今日はごめん」

 

六花「全く無茶ばかりして、迷惑な王子様になっちゃうわよ?」

 

頭痛気味になり、少し気持ち悪くなっちゃっていた。今日は焦りすぎたよね。

 

ありす「まだまだ期間があるわけですし、ゆっくり休んでください」

 

真琴「チームワークを大切にね」

 

亜久里「困ったことはわたくしがフォローしますわよ?」

 

マナ「ありがとう…。あたし、嬉しいよ~!」

 

励ましの言葉を貰ってすっかり嬉しい気分になる。やぱりこんな時こそがいいよねぇ~。

 

六花「とにかく、明日自主トレだけど学校終わってからにしましょうか」

 

こうして、派手なトレーニングを用いた今日の練習は終わった。これからどのようにするかが問題となるかもね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~翌日の午後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「1、2、3、1、2、3っと」

 

真琴「いい調子よ。さっき体育の授業やってたからなかなか張り切ってるようね」

 

学校が終わり、あたしとまこぴーは先に自主トレを行っていた。六花達は後から来るとのことらしい。

 

マナ「シャルル、今のどうだった?」

 

シャルル「真剣になってるシャルね」

 

真琴「ダビィもいいと思う?」

 

ダビィ「上手くいって凄いビィ」

 

真琴「よかったわね、褒めてもらって」

 

マナ「いや~それほどでも」

 

シャルル達も関心していたみたいだね。一安心一安心。

 

真琴「マナ、ちょっと私も踊ってみるわ」

 

マナ「まこぴーの生披露!?」

 

真琴「いいから黙って見て。私だって素直に練習したいのよ…」

 

少しヤキモチを焼くように呟く。本当は一緒にやりたかったのかな?

 

真琴「今から風の流れをイメージして。そこからどんな後継が見えるかを想像してほしいの」

 

 

 

マナ「……あ」

 

 

 

言われた通りにそうしてみると、普段のまこぴーからちょっと印象の変わった光景を思い浮かんでくる。これはイメージする人間によるイマジネーションだろうか?

 

 

 

マナ(…これだ。あたし達がやろうとしたことは、これなんだ……)



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第120話 チーム名は…②

六花「ありす、行けそう?」

 

ありす「今日は少し疲労が溜まってしまっているようで…」

 

亜久里「お言葉ですが、ゆっくり休んだ方がいいですわよ?」

 

ありす「すみません…」

 

六花「めまいもしてるわね。薬飲めば明日にはよくなるけど…」

 

亜久里「今日は四人で練習しましょうか。まずは安静にしてください」

 

ありす「きっと明日には治しますね。その時はしっかり頑張ります」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ(あれがまこぴーの表現…。なんだがゆったりとした感覚、なによりも心が癒されるような気がする)

 

真琴「どうだった?何かイメージできた?」

 

あたしの顔を覗き込むようにまこぴーが尋ねる。一応、感じたって言えばいいのかな…?

 

マナ「その、爽やかですっごい綺麗な動きだったよ。ちょっと真似したくなっちゃうな」

 

真琴「今のをマナにも覚えてもらいたいな。多分思い切ってやってみるといいわ」

 

とにかく、まこぴーがやっていたことを真似すればいいよね。がむしゃらでやればどうにかなるし、いっちょやってみますか。あたしは感じたことを思い出しながらそのまま身体で表現してみる。

 

真琴「そんな感じね。これをもっと活用すれば上出来だと思うわね」

 

評価はなかなかだった。それにしてもどうしてこんな風にすればイメージつくのかな?

 

六花「二人とも、お待たせ~」

 

亜久里「今つきました~」

 

すると駆け足で到着した六花と亜久里ちゃんがすたすたとやってきた―――ってあれ?

 

マナ「ありすはどうしたの?」

 

六花「実は今疲労が溜まっているみたいなの…」

 

亜久里「ですので本日はお休みなんです」

 

真琴「ありすも苦労してるわね…」

 

六花「頭痛薬を飲ませるように勧めたし、今のところは問題なさそうかもね」

 

これは重大な支障をきたしてしまいそうなことだった。ありすは今日練習に行けるような状態ではなかった。昨日まではあまり疲れてる様子でもなかったのに…。

 

真琴「仕方ないわ。ありすの分までひとまずは頑張りましょう」

 

というわけで、ありす不在の自主トレを始めることにした。欠けてしまった部分を少しでも補うのには申し分はなさそうだろうけど…。

 

亜久里「ところで六花、ミユキさんに言いたいことは言えました?」

 

六花「昨日のことね。あれはなんていうか…、奇抜だったわねぇ」

 

マナ「結局何を喋ったの?」

 

ふと気がついたけど、昨日六花が言ったことってなんだったんだろう?

 

六花「あれなんだけど、ちょっと自分としては恥ずかしかったわ。自信を持って伝えたけどどうにもしっくり来なかったっていうか」

 

照れ笑いしながらもったいぶる六花。益々気になるなぁ~……。

 

真琴「六花、テンポが乱れてるわよ?」

 

六花「はっ!ごめん…。それじゃ、続きを言うね。あの時私が言ったことはね、『ありのままの形でダンスをやって、心から温まる表現力を身につけたい』よ」

 

一同「「「なるほど…」」」

 

なぁんだ、全然奇抜じゃなかったじゃん。六花は凄く正直者で関心するよ。

 

マナ「つまりみんな平等に楽しいダンスをやりたい、ということだな?」

 

六花「ふふっ、バッチリ当たってるわ」

 

真琴「随分嬉しそうね。さて、このまま続けてやるわよ。そろそろチーム名を決めておかないとね」

 

まこぴーの言う通り、残された期間はあまりない。ここからが正念場だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~翌日~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ありす「みなさん、ご迷惑をおかけしました。私はすっかり大丈夫です」

 

マナ「よかったよぉ~!!ありすが元気になってくれてぇ!(ギュ)」

 

ありす「マナちゃん…。嬉しいですわ」

 

六花「さてと、ここから巻き返すわよ」

 

翌日になり、疲労が溜まっていたありすがすっかり元気になって再びみんな練習を再開することとなった。さて、今日の予定はどうかな?

 

真琴「今日は色々と詰めていかなきゃいけないから、気合を入れるわよ。それと、ミユキさんから課題を貰ったわ」

 

マナ「課題?」

 

聞き覚えのない単語を聞いたけど、どういうこと?

 

六花「マナは聞いてなかったっけ?アマチュアダンスパフォーマーに出場するにあたっての条件を」

 

マナ「一体どんな条件なの?」

 

真琴「詳しくはこれを読んでみて」

 

するととあるチラシをまこぴーから渡される。ふむふむ、これはこれは…。

 

 

 

『アマチュアダンスパフォーマー(以後ADP)に出場するにあたっての条件

1 ADPに出場するチームは事前の課題テーマを披露する。

2 課題テーマはそれぞれのチームによる未発表のものに限る。

3 出場チームは個人での振り付けや課題とは異なる表現をする場合、チームのコーチに許可を入れてから変更可能のものとする。

 

 

 

マナ「なるほど、課題は未発表というわけか…」

 

露骨ではあるが、これなら条件が絞り出せるから判断のつきようがある。

 

 

六花「じゃあ、今日も頑張るわよ」

 

隙あれば練習、まだまだ道のりは遠い気がした。

 

 

 

それから数日が経過し、二度目の身体トレーニングも行い激しい労働(?)を繰り広げる。でも大変ではなかった。その後、ミユキさんからアドバイスなどをもらいつつ一週間が経過しようとしていたのだった…。

 

 

 

マナ「みんな、突然だけどいい?」

 

六花「どうしたのよいきなり」

 

ありす「マナちゃんから言い出すの久しぶりですね」

 

今日は練習のない日、あたしはみんなに重大発表を言うためにずっと堪えていた。

 

マナ「あたし、チーム名考えたんだ」

 

亜久里「ようやくですかぁ~…」

 

真琴「とりあえず聞かせてもらうわよ」

 

あたしは息継ぎをし、こう答えた。

 

 

 

マナ「あたし達は今日から、チーム‘ラブリンク‘だよ」

 



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第121話 共に歩む感情

真琴「ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、シックス、セブン、エイト」

 

亜久里「そろそろ休憩していいでしょうか?」

 

あれから時が流れ、だいぶ慣れてきている。あたし達はチーム名を決めてからそれぞれで得意分野をマスターし、今となれば相当腕を磨いた方だと思う。

 

六花「じゃあ休憩のあとは私が指示するわね」

 

真琴「こうやって交代しながらやっていけるの凄く助かるわ六花」

 

ありす「あらあら、マナちゃんも張り切ってますね」

 

マナ「張り切ってるっていうか、今はこうして運動神経を今の内に整えておかないといけないし。それだけの努力はしているよ」

 

とりあえずやれるだけのことは早い段階で済ませておくのが御の字だしね、余裕を持てば大丈夫ってね。

 

六花「明日も自主トレしてその数日後にはダンスの講習会に参加する予定でいるからしっかり復習しておくのよ」

 

六花がメモ帳に目を通しながら伝える。講習会っていうのはなんでもプロやベテランのダンサーが初心者や経験者などに教える行事が近々開くらしい。一応ミユキさんにも許可を得てるから最終段階に取り掛かるのには打ってつけだ。

 

マナ「それで、その講習会ではどんなことをやるの?」

 

真琴「基本的にはダンサー達がダンスを教えたりするけど、中には振り付けのやり方とかも学べる機会があるわ。差し詰め、ダンスの真髄ってわけよ」

 

亜久里「この前見たチラシをよく確認していたらわかりますわね」

 

頷きながらこの前見たパフォーマーの条件のチラシを再度目を通す亜久里ちゃん。項目の内に披露するのは各チームによる未発表のものに限ると記されているが、まさしくそれを完成させるための手段である。

 

六花「こうやって見返せばわかるけど、油断は一切できないわ。演技力が後々に影響されるし」

 

マナ「しっかりしないと台無しだよね」

 

亜久里「ですが逆にそれを利用するチームもありそうですが…」

 

真琴「そこまで考えなくてもいいわよ。本番で上手くいけば問題ないわけだし」

 

ここからは気を引き締めてやらないとね。あとはできるだけのことをやりつくすしかないね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~夕方~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「絶対成功させようねってまだ先の話かぁ…」

 

六花「気が早いわよ?とにかく明日は休日だけど早めの集合だから遅れないようにね」

 

ありす「疲れた身体を癒すのが一番です」

 

真琴「よく寝るのよ。次も忙しいから」

 

亜久里「わたくしは万全ですわ」

 

今日の練習が終わり、それぞれで解散する。前まで何の特徴のなかった部分をあそこまで補えたなんて思いもしなかったけど、残りの期間で完璧にしておく必要がある。それを踏まえてきっちり復習をするようにする。

 

 

 

その時、ふと感じたことがあった。

 

 

 

マナ(あたし達ってどうやってここまで来たんだろう…。努力?それとも喜び?)

 

 

 

それが、今後の結果に繋がってゆくものだと……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~???~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「……そろそろ生まれるね」

 

???「あぁ、新しい生命の誕生だ」

 

???「それこそが快楽ね」

 

 

 

ゴゴゴ…

 

 

 

???「私…は……、X。使うは……ヨクバール……」




次回、抜き打ちアンケートを行います。


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えりひめアワー 第7回

今回も短いです…。


えりか「みんなぁ~!元気ぃ~?大きなお友達のアイドル、来海えりかだよぉ~♪」

 

ひめ「ちびっ子達の人気者、白雪ひめで~す!」

 

えりか「私のことウザイって思ったやつら、夜道には気をつけなよ…」

 

ひめ「今日も元気に盛り上がっていきたいけど、今回はどんなことをやるのかな?」

 

えりか「え~とですねぇ…。今回はなななななんと!第三章のちょっとした情報を得ることができましたですます!」

 

ひめ「すごごご~い!」

 

えりか「今日はその情報を知っている限りを全てお伝えしたいと思います!」

 

ひめ「次の章に向けての予習ですな?」

 

えりか「いえ~す!それではいってみよ~!」

 

 

 

えりか&ひめ「「えりひめアワー、始まるっしゅ!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トワ「こんな感じ、いつまで続くのでしょうか…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「細かくはわからないのですが、現在は第二章をやっているわけでそろそろ終盤に入るところかもしれないです」

 

ひめ「ふむふむ。それはある意味盛り上がりのための伏線といえるべきですな」

 

えりか「私が知る限りは次でオリ敵幹部の四人目が正式に登場するという噂が流れてる感じがするの」

 

ひめ「前回生まれたばかりだもんね」

 

えりか「これからどんな展開で戦いになるのかがちょっと気になるところね。もうひとつは次のコンセプトについてなんだけど」

 

ひめ「次で私達の出番!?」

 

えりか「とは限らないけどね。次の章は少し今と比べて少し思考を変えようとしてるらしいわ。例えば、シリアス面に関してとか…」

 

ひめ「なんだが不気味かもね…」

 

えりか「まぁこれに拘った話じゃないけどさ、あとは日常とかもいつも通りにいくと思うし」

 

ひめ「ここで要望で~す!」

 

えりか「何?アンタついにリア充になったとでも?」

 

ひめ「違うよぉ~。次でもっと派手なバトルにしてほしいなぁ~って」

 

えりか「そんなのつぼみの拳で十分よ。かったるいことなんて面倒じゃん?」

 

ひめ「そこはあくまで私のイメージで」

 

えりか「却下ではないわね。それから私も一つ意見あげるね。異性とつるむ時は健全でいてやりたいの。童貞がいると見るに堪えないわ。むしろ贖罪してやりたいぐらいね」

 

ひめ「いやそれは危ないっしょ!?ってか童貞はいて当然だし!?」

 

えりか「そんな屁理屈はむふふなことを経験してから言いなさいよ」

 

ひめ「私だって、本気出せば絶対……(もじ)」

 

えりか「まだまだお子ちゃまですな、お姫ちゃん」

 

ひめ「今度こそ……!」

 

えりか「それは置いといて、次は―――ってあれ?私が集めた資料はこれで終わり?」

 

ひめ「ということは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「第三章についての情報はこれまで……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「みんなぁ~、今日はどうだった?」

 

ひめ「今日も楽しかったよぉ~!」

 

えりか「また次回で会おう!」

 

ひめ(ちゃっかりなかったことにしてるし……)

 

 

 

えりか&ひめ「「それでは、次回もよろしくっしゅ!」」




前回のあとがきの予定通り、今回はアンケートを実施したいと思います。

その内容は今後この作品に出てきてほしいキャラクターをあげてもらう形になります。とはいえ、具体的な内容はこのキャラをあのキャラと関わってほしい、またはこのキャラとの戦いも見てみたいなど、既存のキャラクターによる掛け合いとなります。

要望は皆さんの独断で構いません。また、いくらでも要望を入れても結構です。ただし、僕が最もピンときたものが優先される場合があります。敵幹部やサブキャラでもなんでもいいですので、皆さんの意見をいつでも募集致します。

アンケートの締め切りは3月末までとします。結果発表は4月頃の予定です。皆さんの知恵と勇気を振り絞ったイマジネーションをお待ちしております。

※注意事項
キャラを候補としてあげる場合は理由などを(大ざっぱでもいいので)書き込んでくださるとありがたいです。

追記
書き込む場合は感想の方で書いてください。


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第122話 確かめてみる?

今日は個人的な用事でダンス大会が開かれる会場へ下見することにした。どうやら今日来れたのは私とせつなだけだった。

 

せつな「ここが会場みたいね。私達が見てあげるだけね」

 

ラブ「今回のメインはなんてたって―――」

 

せつな「マナ達の晴れ舞台だからね」

 

一応私達の場合は出場するわけでなく、マナ達のチームを応援する役目がある。ここぞと言わんばかりに勘違いしてしまいそうだけど、そういうこととなっている。

 

ラブ「っていうか、ここまでがあっという間だったね」

 

せつな「何が?」

 

ラブ「なんていうかさ、マナ達ってダンスを覚えたいって言ってたでしょ?そろそろ大会が開催される頃だし、もう順調じゃないかなって思っただけだよ」

 

せつな「言われてみればそうかもね。私達が直接指摘してるわけじゃないけど影で応援するだけのことをしたまでだと実感するわ」

 

せつなが頷きながら答えると、私は思わず心が揺さぶってしまう。一言で表すと、共感したような感じかな?

 

ラブ「へぇ~。せつなにはそう感じたんだ。私とはまた違った考え方だね」

 

せつな「今までラブの色んな表情を見てきたんだもの。気持ちは同じでまた異なる言い方にはなるわよ」

 

ひたすら自分の思ったことを告げるせつなに私は関心するように安堵する。私達にはまだまだ理解していないところもあるけど、友達を大切にしている気持ちがあればわかってもらえる可能性だってあり得なくもない。それこそ、何かをひたすら頑張る仲間を見守ってあげたいという考えだって出てくるはず。

 

ラブ「マナ達にも、今のを教えてあげたいな」

 

せつな「もう時期もあまりないし、早い内に伝えておかないとね」

 

辺りを見回しつつ、早々と会場内に入っていく。ちなみにこの会場は大きな市民ホールが舞台となっているため、人が入ってくると相当の人数となる。

 

せつな「ラブ、ステージに誰かいるわよ?」

 

するとせつながステージ側へと指をさした。確かに、誰かがいるけど…。ってあれは―――

 

 

 

マナ「あ、せつなだ。お~い!」

 

六花「こんなことろまで来るとはね」

 

亜久里「偶然ですわね」

 

 

 

なんとステージ側にいたのはマナ達だった。こんなことろで会えるなんて…。

 

ラブ「三人だけ?」

 

六花「ありすとまこぴーは今日だけ不在なの。私達だけでここに下見しに来たのよ」

 

亜久里「勿論、あれから上達しました」

 

せつな「少しだけ見せてもいいかしら?」

 

六花「本当は本番までのお楽しみにしておこうかと思ったけど、ちょっとだけならいいわよ」

 

ラブ「本当に!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~披露中~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブ「おぉ~!こりゃ凄い!(ぐるぐる)」

 

六花「あなたが回ってどうするのよ…」

 

亜久里「興奮していらっしゃるようですわ」

 

せつな「なんていうか、結構上手になったわね」

 

マナ「えへへ、なんだか照れくさいなぁ。これでも結構練習したんだ」

 

ラブ「うひょ~―――うぐ…!」

 

六花「ほら、言わんこっちゃない…」

 

全部は言えないけど、とても上手だった。やっぱり上手くいってるもんだねぇ。

 

六花「二人とも、少し休もっか?」

 

亜久里「そうですわ。わたくし、少し喉の渇きを癒したいですわ」

 

せつな「マナ、ちょっといいかしら?」

 

マナ「別にいいけど?それより…」

 

せつな「ラブならすぐに立ち直れるから大丈夫よ」

 

ラブ「それ褒め言葉……?」

 

せつな「冗談よ。ラブはあとで伝えてほしいことがあるの」

 

ラブ「どんなこと?」

 

せつな「それはあとで教える」

 

そう言い残し、せつなはマナを連れてホール内をあとにした。一体せつなは私に何を言わせてほしいんだろう?



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第123話 これが私の見つけた志

アンケートはまだまだ募集しております。また、書き込む際は感想のページで書き込んでください。


せつな「あれから練習は上手くいってる?」

 

マナ「なんとか大丈夫、あとは残りの期間でどうにかするよ」

 

現在の状況をせつなに教えつつも残された時間でどう完成させるかを決めなきゃならない。そんなことを今あたしは抱いていた。ちょっと気を逸らすように言ったつもりだけど、案外普通に頷いてくれたようだ。

 

せつな「私ももう少しアドバイスをあげられたらよかったんだけど、本当に問題ない?」

 

マナ「まぁね。でも何かあったらそこは臨機応変でやるよ」

 

せつな「自信があるならそれで結構よ。私はマナ達が頑張れたらそれでいいと思ってるから」

 

マナ「なんかそれを言われたら勇気が湧いてきた気がしちゃった」

 

ちょっと照れくさいな、あんな感じに褒められたら。

 

せつな「あのさ、もしも優勝できたらみんなでお出かけしてみない?」

 

マナ「ふぇ?」

 

咄嗟の一言に思わず固まってしまう。そ、そんな急に言われてもぉ~…。

 

せつな「というのもそれは私じゃなくてラブが言ってたことなんだけどね」

 

マナ「どうしてそれを?」

 

せつな「単純な理由だけど、人数多い方が一番いい気がするって言ってたらしいわ。私もそれは間違いだとは思ってないし」

 

でも、これはある意味いい機会なのかもしれない。せつなは思い出し笑いをするようには話をつづけた。

 

せつな「なんだかちょっと嬉しくなった感じがするわ」

 

マナ「あたしもだよ、もしあの時六花がダンスをやるだなんて言わなかったら今頃こんなことにはなってなかったよ」

 

せつな(多分これは運命的な出来事のようね…)

 

マナ「だからせつな、最後まであたし達のことを応援してね(ギュ)」

 

せつな「ふふ…、マナったら…」

 

決意を振り絞るあたしにせつなが深く安堵する。その様子を見てあたしは強く抱きしめた。

 

マナ「本当に心から感謝しているよ、せつな」

 

せつな「えぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~ホール内~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブ「うへぇ…。やっとスッキリしたぁ…」

 

タルト「ピーチはん、大丈夫か?」

 

ラブ「私って最近不幸な目にしかあってないような……」

 

亜久里「それでしたらビタミンを多く摂取することをおすすめしますわ」

 

六花「これ、レモンを絞ってからアセロラドリンクに混ぜてみたけど。よかった飲んでいいわよ」

 

ラブ「…ありがとう(ゴクゴク)」

 

披露丸出しの私に栄養を蓄えている特性ドリンクを差し出してくれた。当然レモンの果汁が入っているから凄く身体にいいらしい。

 

ラブ「美味しい~…(ほわぁ~)」

 

亜久里「いいですの?それ、マナにあげるのではなくて?」

 

六花「そんなわけないでしょ!?ただ、心配だったから一口ぐらい飲ませただけで…。別にマナだけにあげるってじゃないのよ?」

 

亜久里(最近の六花は妙にマナへの愛情が強過ぎでですわ…)

 

ラブ「そういえば亜久里ちゃんは身体の痛みとかないの?」

 

亜久里「わたくしは全然平気ですわ?ピンピンしてますし」

 

ラブ「いいなぁ~、若い娘は気合が冴えるんだね」

 

無論、亜久里ちゃんだけに言えたことじゃないけどそれはそれでよしとしておこう。

 

六花「あのさ、次の休日にまた集まらない?そこで何かアドバイスがほしいの」

 

ラブ「アドバイス?あぁ、私そのことで二人に言おうと思ってたんだ」

 

亜久里「奇遇ですね」

 

ラブ「これだけは覚えてほしいの、ダンスは一人のためじゃない。みんなで力を合わせて初めて実現できるものなの。その心だけは忘れないでね」

 

六花「ちょっとイマイチわからないけれど…。やれるだけのことはやってみせるわ」

 

亜久里「期待していますわよ、先輩」

 

ラブ「せ、先輩…!?」

 

この時、私の心に何かが着火した。

 

 

 

ラブ「うっひょぉおおおお~、せせせせ先輩だなんて、私一度そう言われたかったんだぁ~!!うふふふ、おひょひょひょ、ふぇrwfjしfsgdfkねちおghjfjfkgふおrhふぃsjfsdjぎhぎsrjふぉあsj@。、「;・p「:l・l;・;l。l「;;・;「:・^-¥・;……」

 

 

 

タルト「ピーチはんが壊れてるで……」

 

六花「前言撤回、本当に大丈夫なのかしら……?」

 

亜久里「まぁ実力は本物ですしね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~夕方~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せつな「ラブ、私が伝えてほしいことは言えた?」

 

ラブ「うん、きっちり言ったよ。あとはマナ達が上手くいくことを願うだけだね」

 

すっかり夕方になり、私とせつなはマナ達と別れてそのまま帰宅した。ある意味凄い一日だった。

 

ラブ「さて、本番まであとわずかだから向こうもまだトレーニングあるらしいよ。次の予定でまた一緒にやろうよ」

 

せつな「わかったわ。それまでにどうにかなってほしいものね」

 

というわけで、そんな一日の幕を下ろしたのであった。

 

 

 

それから数日後、約束の日を迎えることとなった。



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第124話 時には真面目に、時にはにこやかに…のはずが

ラブ「そろそろ来る頃だと思うけど…」

 

私はみんなの到着を待っている。今日はマナ達のダンスレッスン最終日であるためがゆえに待ち遠しい。でも今来ているのは私とシフォンとタルトだけだった。

 

ラブ「せつな達はもうすぐ来るみたいだけど、マナ達は電車間に合ってるかな?」

 

タルト「勿論、遅れるわけにはいかへん。一応あんさんも応援するんやろ?」

 

ラブ「まだ早い気がするけどねぇ…。でもさ、本番で応援する方がしっかりしているんだと思うよ」

 

でも、問題は躓かないでテンポのいい動きにしなければならないってこと。それを突破できなきゃ勝ち抜くことは不可能だ。

 

ラブ「ちょっと様子を見てこようかな―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「行かせない……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブ「…誰!?」

 

すると、私の背後から黒い影が近寄ってきた。

 

???「…お前を仲間のところへは行かせはしない……」

 

ラブ「一体どういうつもりなの、ってタルト?」

 

タルト「…なんだか感じたことのある殺気や…」

 

シフォン「…ゥゥゥ」

 

突然タルトとシフォンがとてつもない身震いをし始めた。感じたことのある殺気っていうのは……。

 

???「…我は偉大なるネオフュージョンの欠片なり……」

 

ラブ「ネオフュージョン……?」

 

タルト「フュージョンと何か違うんか…?」

 

欠片「…お前が担いでいる―――インフィニティなる存在…。我々に必要な力だ…」

 

ラブ「シフォンをどうするつもり!?」

 

私ですら今まで経験したことのないような恐怖感が漂ってしまう。あいつは一体何をするつもり…?

 

欠片「…インフィニティなる者は我らを束ねる力となるであろう。そんなちっぽけなことで力を戒めにする必要もないのだ…」

 

タルト「ピーチはん、これは危険やで」

 

ラブ「わかってるさ。タルト、一つお願いがあるんだ。シフォンを連れて先に行ってて」

 

タルト「任せておき。何があってもみんなのところへ行くんや」

 

欠片「…ふん、賢しいだけの妖精風情が…」

 

ラブ「シフォンは私が守るんだから!」

 

そんな恐怖感を乗り切るように、私は挫けずに立ち上がる…!

 

欠片「…いいだろう、まずはお前から排除する…」

 

ラブ「チェンジ!プリキュア・ビートアップ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~改札口~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「みんな遅いなぁ~。あたしが一番乗りだね」

 

シャルル「集合が早すぎただけシャル」

 

ダンスの特訓も今日で最終日。この成果を是非とも見せてあげたい。あたし達を支えてくれた人達全員に。

 

シャルル「誰か来たシャル」

 

マナ「あの姿は…せつなだ!」

 

 

 

せつな「マナ~!」

 

 

 

すると改札口方面へとやってくるせつなの姿があった。ってか、ラブ達がいない?

 

マナ「久しぶりだねせつな。また会えてキュンキュンだよ~」

 

せつな「ラブ達は後から合流する予定よ。それより集合が早かったんじゃない?」

 

マナ「おかげで六花達はまだなんだ~」

 

せつな「じゃあこの駅の近くのカフェでお茶にしましょうか、みんなが来るまでの間に」

 

せつなの咄嗟のアイディアに関心するあたし。六花達には申し訳ないけど、これも女子の嗜みだもんね。

 

マナ「ところで当日あたし達が優勝したら、どんなお祝いしてくれる?」

 

せつな「……ちょっと唐突ねぇ」

 

マナ(今のは流石にまずったか…)

 

せつな「でも、その時は何かしらのことはするつもりよ。例えば大量のドーナツを食べさせるとか」

 

マナ「いい考えだね、じゃあ優勝したらみんなでドーナツを食べるっというお祝いでOK!」

 

せつな「マナって本当にラブにそっくりだわ」

 

マナ「ふぇ?」

 

今一瞬だけ思考が停止してしまう。もしかして、似た者同士ってことですか~!?

 

せつな「大げさだとは思うけど、これが私の本音よ」

 

マナ「どういう辺りがそっくり?」

 

せつな「何事にも一生懸命で常に幸せなことを大切に思ってることが羨ましいのよ。ラブみたいなめげない心が一番大事だって実感するから、それが私が今だからこそ言えることよ。そういうのがラブと似ているわ」

 

マナ「いやぁ~照れるなぁ~(ははは)」

 

せつな「それで、本番は頑張れる?」

 

マナ「決まっているよ。過去は気にせず、精一杯頑張るよ」

 

せつな「応援してるわ」

 

笑いながら二人で店に入ろうとしたその時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジリリリリリィ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男性「うわぁ!逃げろ~!」

 

老人「あれは…!おぁ~!」

 

女性「来ないで…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

欠片「…全ては偉大なるネオフュージョンのために…」

 

駅全体の警報装置が作動し、逃げ回る人々の光景を目の当たりにした。そこには謎の黒い影の姿が…。

 

せつな「マナ、どうやらカフェの時間はお預けね」

 

マナ「おやおや、そうだね」

 

勿論、この事態を見過ごすわけにはいかなかった。

 

 

 

せつな「チェンジ!プリキュア・ビートアップ!」

 

マナ「プリキュア・ラブリンク!」

 

 

 

当然、あたし達は立ち向かうのだった……。



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第125話 覚悟という名のケジメ

編集しようと思ったら間違えて削除してしまったため、再投稿+追加シーンありとなります。

ご迷惑をおかけして申し訳ございませんがあらかじめご了承ください。


欠片「…来るか、プリキュア」

 

ピーチ「ピンクのハートは愛ある印、もぎたてフレッシュ、キュアピーチ!」

 

 

 

ヒュゥゥゥ…!

 

 

 

欠片「……それでこそ戦う意味があるというものか。我に力が宿るぞ…」

 

ピーチ「どんな手を使おうとも、シフォンのところへは行かせない…!」

 

欠片「…一人で何ができるのだ?」

 

 

 

現状、今は私一人だ。それでもやらなければならないことがあった。シフォンを狙うやつらに好き勝手はさせない…!

 

 

 

ピーチ「てやぁあああ!(ガッ!)」

 

欠片「…ちっぽけな感情を出しては我を倒せないぞ(ゴシュ!)」

 

ピーチ「私でも、やれるだけのことはあるんだからぁ!(バギャ!)」

 

 

 

一瞬の隙を与えずにひたすら攻撃を咬ます私。たかが相手は強そうな相手ではない。ここで負けるような真似なんて真っ平のごめんだ。

 

 

 

欠片「…猪口才な子娘が…!これならどうだ…(グォアァァァ!)」

 

ピーチ「これは、衝撃波―――あぁああああ!!」

 

欠片「…我をただの通過点だと思わないことだな。それとも、今ので怖気づいたか?」

 

ピーチ「私はまだ戦える…!勝負はこれからなんだから…」

 

 

 

予想打にしない一撃を受けてダメージを喰らってしまったが、こんなの大したことじゃない。

 

 

 

ピーチ「はっ!えい!ふん!(ガッ、ズガッ!)」

 

欠片「…威勢はまだまだいいようだ…(ガシッ!ズゴォ!)」

 

ピーチ「このまま一気に!キュアスティック・ピーチロッド!(シュパァァ)」

 

欠片「…いいぞ。ここでお前の力を見せてみるがいい…」

 

 

 

どうやら決定的な隙ができた。今がチャンスだ。

 

 

 

ピーチ「貫けぇえええ!(ブシュゥゥゥ!!)」

 

 

 

ビシャァァァ…!!

 

 

 

???「あなたには私の大事な召使をやらせない……」

 

ピーチ「…誰なの?」

 

欠片「…これは、姫巫女様…」

 

ピーチ「姫巫女…?」

 

 

 

突然現れたのは少し幼くて黒いフードをまとった少女だった。まさか、あいつと関わりが…?

 

 

 

???「我が名はX…。偉大なるネオフュージョン様の力によって生まれた存在である」

 

ピーチ「アルファベット一文字…。まさか」

 

X「私はR様、H様、そしてLお兄様の手でこの世界に君臨することができた。そして、私こそが時期―――いや、これを話したところであなたには理解できるはずがない」

 

ピーチ「一体何の話?」

 

欠片「…お前如きが姫巫女様に語りかけるなど愚の骨頂だ」

 

 

 

Xという少女はネオフュージョンの欠片に近づき、あるものを取り出した。どうやら球体みたいなものらしいけど、あれはどんな……。

 

 

 

欠片「…姫巫女様、何卒我にお力を…」

 

X「…わかったわ。お兄様から託されたネオフュージョン様の生命細胞の一部、無駄遣いしないように……ん」

 

ピーチ「何それ、生命細胞の一部…?」

 

 

 

その直後、ネオフュージョンの欠片はその細胞で劇的に進化を遂げたのだった…。

 

 

 

欠片「…おぉ、力が漲ってくるぞ…!」

 

X「さぁ、今こそその力をもってプリキュアを殲滅しなさい…(ブュワ…)」

 

ピーチ「あ、待って!あなたに聞きたいことが…」

 

欠片「…もう無駄なことだ。所詮お前に話す舌などないからな」

 

 

 

こんなことになって、本当に勝てるの?一気に劣勢して軍配が上がらなくなった。

 

 

 

ピーチ「ここで倒れたりなんかしない!何があっても!」

 

欠片「…この威力を試してやろう…(ギュオォォォ…!)」

 

ピーチ「…!?」

 

 

 

ダイヤモンド「プリキュア・ダイヤモンドシャワー!(ヒュゥゥゥ!)」

 

ソード「プリキュア・スパークルソード!(シュバババ!)」

 

 

 

あ、あれは……?

 

 

 

欠片「…まだいたのか」

 

ダイヤモンド「英知の光、キュアダイヤモンド!」

 

ロゼッタ「ひだまりポカポカ、キュアロゼッタ!」

 

ソード「勇気の刃、キュアソード!」

 

エース「愛の切り札、キュアエース!」

 

ピーチ「ハラショー……」

 

 

 

まさかの展開が繰り広げようとしたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~駅付近~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美希「ラブ遅いわね…」

 

祈里「寝坊でもしたのかしら?」

 

美希「せつなも一緒らしいけど、大丈夫ね」

 

祈里「だといけれど」

 

 

 

ゴォォォ……!

 

 

 

美希「何が起きたの…?」

 

祈里「きっと向こう側からだわ」

 

 

 

欠片「…あそこに侵入者確認、直ちに報告をす……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~中央部~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パッション「真っ赤なハートは幸せの証、熟れたてフレッシュ、キュアパッション!」

 

ハート「みなぎる愛、キュアハート!」

 

 

 

ざわざわ……

 

 

 

ハート「愛を無くした悲しい欠片さん、このキュアハートがあなたのドキドキ、取り戻してみせる!」

 

パッション「どこから仕掛けてくるかはわからないけど、やれるだけのことはするわよ」

 

ハート「勿論さ!」

 

 

 

鈍い空気の中、あたしは勇気を振り絞りつつ前進した。それには迷いの文字などない。

 

 

 

欠片「……プリキュアを見つけた。直ちに排除する」

 

パッション「そうはさせないわ、てやぁ!(ドゴッ!)」

 

欠片「…俗人風情が、これならどうだ(コォォォ…!!)」

 

ハート「くっ…!はぁあああ!(ガシャァ!)」

 

欠片「…そのような攻撃など通用しない」

 

パッション「硬さはあるってことね…」

 

 

 

そう簡単には相手を仰け反らせることはできない。感触はとても固い、鋼鉄のボディみたいな頑丈さだ。

 

 

 

ハート(あの装甲…、もしかしたら圧力をかけて追いやれるかも……)

 

 

 

ここであたしはふとあることに気がつく。やれるかはわからないが、ここは賭けに出るしかない…!

 

 

 

ハート「たぁ!(グギャ!)てぇえええい!!(ドドドドドド!!)」

 

欠片「…押し出すつもりだろうが、そうはさせん(ギュォォォ…!)」

 

ハート「うっ…!これは、目くらまし…!?」

 

パッション「眩しくて、見えない…!」

 

欠片「……グロリアス・デウス…!(シュバァァァッ!!)」

 

 

 

その瞬間、視界が一瞬真っ白になりつつ膨大な波動が放出された。

 

 

 

パッション「危ないっ!」

 

ハート「こんなの、今すぐ掻き消す!ハート・ダイナマイト!!(ドシャァァァ!)」

 

 

 

だがしかし、こっちにも対策はあるんだから。ここで一気に―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハート「……動けない」

 

 

 

あたしは何も動けず、直撃を受けてしまった。



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第126話 届かぬ愛

ハート「か、身体が……」

 

 

 

全身が思うように動かない。まるで磁石に張り付かれたかのようにビクともしない。

 

 

 

パッション「立てる?」

 

ハート「全然…、足が上に…」

 

欠片「…まさか、耐えたとはな」

 

 

 

正直、自分でもビックリする程だった。何とか相手の攻撃を防いだため、ある程度のダメージは減少できた。しかし、その反動で上から押し潰されたかのような圧力が全身に響き渡ってしまった。

 

 

 

ハート「こんなところで、立ち止まれない…!」

 

欠片「…そんな身体で何ができるというのだ?」

 

ハート「身体が何もできなくても、心がやる気になれば…不可能なことはない!(ギュ…)」

 

パッション「無茶よ、今のままじゃ…」

 

ハート「だって、あたしは頑張り屋なんだからさ。みんなの苦労をまとめて背負っていけば苦しいことなんてないよ」

 

欠片「…まだまだやれるということか」

 

 

 

ここまで色々なことがあった。失敗したことだってあった。でもその苦労こそが自分への目標に近づけるという意味なのかもしれない。だから…、

 

 

 

ハート「この身が砕けようとも、決して臆することはない…!」

 

欠片「…そこまで言うのなら、とっておきのを用意してやろう(パチン)」

 

パッション「とっておき?」

 

 

 

ところが、その意思は瞬く間に散ってしまうことに。

 

 

 

ハート「っ!?」

 

パッション「危ないっ!」

 

欠片「…キュアハート、お前には少し実験台になってもらおうか」

 

ハート「実験―――うぅ…!うぁああ…!!(ビリリィ…!!)」

 

パッション「この障壁は何なの!?」

 

 

 

あたしの身体中を蝕むぐらいの電流と痛みが大量に放出されてゆく。謎の幾何学障壁がどんどん汚染する様子が目に見えるではないかと、つまりあたしの身体は徐々に弱まっていくというのだ。

 

 

 

パッション「ハート!」

 

欠片「…早くしなければこいつの生命の保証などない」

 

パッション「卑怯だわ!こんなやり方をするなんて!」

 

 

 

このまま脳に直撃すれば勿論即死確定だ。まさかこんな卑劣な真似をしてくるなんて…!

 

 

 

欠片「…当然こいつを解放することだって可能だ、他のプリキュアを全員連れて来れば、な」

 

パッション「その言葉に嘘はないわね…?」

 

欠片「…無論だがキュアハートが朽ち果てていれば保証はないがな」

 

 

 

ハート「あぁうぅ…!あ…あたしは……―――いやぁああああああ!!(ビリリリリ!バチィ!!)」

 

 

 

だめだ…。段々身体が言うことを聞かなくなってきた。これじゃ何もできないよ……。

 

 

 

欠片「……こいつは傑作じゃないか」

 

パッション「そこまでして何が楽しいの!」

 

欠片「…人間とは愚かな生物だ。これ程の苦痛すら耐えないとは、正直失望したとしか言いようがない。そして、無情だな…」

 

 

 

ハート(誰か…!誰か助けて…!お願いだから、何人来てもいいから…!だから、助けて……っ!ここで死ぬのなんて…イヤ……っ!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一方~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーチ「まさか、みんなもプリキュア?」

 

ダイヤモンド「全く、一人で戦うなんて無茶でしょ?」

 

ロゼッタ「ここは臨機応変ですわ」

 

ソード「とにかく、まずはあの敵をどうにかしないと」

 

エース「早く仕留めてダンスの練習の時間といたしましょうか」

 

 

 

まさか、こんなことが起きるなんて本当に奇跡だなぁ~。いや、ここで関心している場合じゃなかった。とにかく集中しないと…!

 

 

 

欠片「…キュアピーチにキュアハートを除いたメンバーが揃うとは。これはこれで悪くはない」

 

ソード「あなたがことの元凶ね。すぐに決めさせてもらうわ!」

 

エース「わたくしとソードが足止めします。その間に!」

 

ロゼッタ「わかりました、ここは囮を使うべきですね。ロゼッタバルーン!(ボンッ)」

 

 

 

まずはソードとエースが前方に回り、ロゼッタがおびき寄せ係りを担う。って、あんな巨大な風船出せるのぉ~!?

 

 

 

ダイヤモンド「驚いてる場合じゃないわ、行くわよ!」

 

ピーチ「わ、わかった!」

 

 

 

流れを読み、私とダイヤモンドが後方へと回る。あとは一気に畳み掛けるだけ…!

 

 

 

ソード「ソードハリケーン!(ビュゥゥ!!)」

 

エース「ときめきなさい、エースショット!ばっきゅ~ん!(バシュゥゥ!!)」

 

 

 

これならいけるかも…!果たして…!?



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第127話 この手で掴むために

ピーチ「一気に仕掛ければ!」

 

ダイヤモンド「でも、油断はできないわ。慎重にやるわよ」

 

 

 

私とダイヤモンドがチャンスを図っているが、いつ相手の反撃がくるかがわからない。そこでロゼッタ、ソード、エースの三人が足止めをするために上手く引き付けていた。

 

 

 

ロゼッタ「このまま持ちこたえてください…!」

 

ソード「どうやら私達の方が有利ね」

 

エース「大人しく降参なさい、えぇい!(バシュゥゥ!)」

 

欠片「…まだ終わらん…!(ドギャァァ!)」

 

 

 

しかし、向こうも負けてはいなかった。いとも簡単に三人の封じ込みを破壊してしまった。

 

 

 

ソード「流石に一筋縄ではいかないわ…!」

 

ダイヤモンド「あとは私達がやってみせるわ!」

 

ロゼッタ「頼みますわ」

 

ピーチ「タイミングはそっちに任せてもいい?」

 

ダイヤモンド「私に不可能なんてないわ」

 

欠片「…いいだろう。二人でかかってくるがいい」

 

 

 

口々に呟く相手を気にせず、真正面から突き進むように一撃を与える。まずは小手調べに連続攻撃で…!

 

 

 

ピーチ「やぁあああ!!(ズダダダダ!)」

 

ダイヤモンド「はぁあああ!!(ガガガガァ!)」

 

 

 

休む暇なくひたすら攻撃を繰り返していく。一応手ごたえはあるようで、上手くいっている。

 

 

 

欠片「…ふははは。それでこそだ、だが…!(シュバァァァ…!)」

 

 

 

だが、そうそうやれるものではなかった。相手が徐々にエネルギーをチャージし、それを放出しようとしていた。

 

 

 

欠片「…ここまでだ(ボォォォォ!!)」

 

ピーチ「やらせるわけには…!ピーチロッド!(ガキィ!)」

 

エース「間一髪でしたね…(ホッ)」

 

ソード「悪運は強いみたいね、まるでマナにそっくりだわ」

 

 

 

ギリギリで相手の攻撃を阻止できた私はすぐに反撃へ向かう。

 

 

 

欠片「…まだやられるわけにかん。折角与えてくれた力だ、使わずにはいられん」

 

ロゼッタ「気をつけてください、まだ何かを仕掛けてくるはずです!」

 

ピーチ「それならできなくするだけ!(ギィン!)」

 

欠片「…全員まとめて塵と化してやる…!(シュババババァ!!)」

 

 

 

すると全方位から無数の刃が私達に襲い掛かってきた。そしてそのまま直撃を喰らうことに…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一同「「「あぁあああっ!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前が真っ暗になりそうな程のダメージだった。これは厳しい状況へとなりそうだ。

 

 

 

ソード「こんなの、防ぎようがないわ…!」

 

ロゼッタ「一体どうすれば…」

 

エース「あれを見てください!」

 

ピーチ「…何?」

 

 

 

その直後、相手の身体がどんどん変化していくのがはっきりと目撃してしまう。これがあのネオフュージョンとかいう存在の力だっていうの…?

 

 

 

欠片「…ふはは。凄いぞ、この力は」

 

ダイヤモンド「これじゃ手の打ちようがないじゃない…」

 

ソード「まだ終わったわけじゃないわ。どうにかしないと」

 

エース「それより、わたくし達だけじゃなく―――」

 

ロゼッタ「マナちゃんも心配ですわ…」

 

ピーチ「というこは…せつなも一緒…」

 

 

 

ここで一つ気がついたことがある。もしかしたら私達だけじゃなくてせつな達の方も危ないかもしれない、それが一番の問題だった。

 

 

 

欠片「…仲間が心配か?今頃朽ち果てているだろうさ」

 

ソード「そんな勝手なことを言わないで!」

 

ダイヤモンド「決して諦めたりなんかしないわよ、アンタ達みたいなやつらに!」

 

 

 

相手の見下した言葉に耳を傾けずにダイヤモンドとソードが叫ぶ。確かに、こんな非常事態に放っておくなんてできはしない。

 

 

 

ピーチ「じゃあどうすれば……」

 

エース「悩むのも無理はないってことね…」

 

ロゼッタ「あぁ…どうしましょう」

 

ダイヤモンド(マナ……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一方~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パッション「このままじゃマナが…」

 

欠片「…憎いだろう?仲間が苦しむ姿を見て」

 

 

 

ハート「あぁああああ!!うあぁぁぁっ!!(ビリビリィ!!)」

 

 

 

いつまでたっても身体が動かない。このまま死を迎えるしかないの……?

 

 

 

欠片「…そろそろ身体中が絶えなくなってきたころのようだ…」

 

パッション「これ以上手を出さないで!てぇい!(ガッ!)」

 

 

 

それでもパッションが苦しまずに必死で戦っていた。こんな状況でも、怯むことなく突き進めるなんて…。

 

 

 

欠片「…嘆かわしいやつが、ふん…!(シュボォォ!)」

 

パッション「っ!?」

 

 

 

パイン「下がってて!(ビィン!)」

 

ベリー「たぁあああ!(ガギャァ!)」

 

 

 

パッション「ベリー、パイン!」

 

 

 

こ、この気配は……。

 

 

 

ベリー「ブルーのハートは希望の印、積み立てフレッシュ、キュアベリー!」

 

パイン「イエローハートは祈りの印、とれたてフレッシュ、キュアパイン!」

 

欠片「…これでキュアピーチがいない三人か」

 

 

 

この聞き覚えのある声、あれは美希たんとブッキーだ。まさか二人もプリキュアだったなんて。

 

 

 

ベリー「心配して来たらこんな状況とはね…」

 

パイン「でもラブちゃんがいないわ」

 

パッション「きっと大丈夫よ、ラブなら」

 

欠片「…予定は違うな。お前らが揃っても何の足しにもならん。キュアハートの仲間を呼べば戻してやろう」

 

 

 

躊躇のない言葉にみんなが口を塞いでしまう。ここまで無茶な真似はしなくていいのに……。

 

 

 

ハート「…パ、パッション」

 

パッション「え?」

 

ハート「先にラブのところへ行ってあげて…」

 

パッション「でもマナが…」

 

 

 

苦しみながらパッションを呼び止めるが、あまり言葉が出せない。それでも、

 

 

 

ハート「あたしは…、大丈夫だから。終わったらすぐに戻ってきて…ね?」

 

パッション「…マナ」

 

ベリー「今は信じよう、せつな」

 

パイン「絶対に戻ってこようね」

 

 

 

全力で振り絞りつつも、出せる範囲で告げた。普通ならこんな真似なんて不可能だけど、あたしはこんなところでやられるような馬の骨ではない。それを信じさせれば、きっと。

 

 

 

パッション「お願い、必ず耐えてね…!」

 

パイン「でもどうやって行けば…」

 

ベリー「あ、タルトが来たわ。シフォンも一緒ね」

 

タルト「あんさん達、ピーチはんがピンチや。すぐに来てほしい」

 

パイン「場所はわかる?」

 

タルト「今案内するで。それとシフォンも狙われてるんや」

 

パッション「おそらくはインフィニティの力を狙ってるってことなのかも…」

 

ベリー「どこまでしつこい連中なのかしら…」

 

パイン「とにかく、急いで案内して」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タルト「あそこで騒ぎが起きてるで」

 

パッション「あっちも苦戦してるみたいね」

 

ベリー「このまま特攻するわよ」

 

パイン「ええ」

 

 

 

ピーチ「あ、みんな!」

 

ソード「仲間が来たようね」

 

エース「冷や冷やしますわ…」

 

 

 

ここでベリーとパインとパッションの三人が援護に来てくれた。助かったぁ~。

 

 

 

ピーチ「じゃあ改めて…、レッツ!」

 

 

 

ピーチ一同「「「プリキュア!」」」

 

 

 

欠片「…フレッシュプリキュア。四人揃うと厄介だ」

 

ピーチ「ここで決めさせてもらうよ!」

 

ベリー「よくも仲間を痛い目に合わせてくれたわね」

 

パイン「覚悟してちょうだい!」

 

パッション「それ以上好きにはさせないんだから!」

 

ダイヤモンド「っていうかこれ、私達の出番ないんじゃない?」

 

ロゼッタ「でしょうね(あはは…)」

 

 

 

ここで逆転を狙うのみ!早く仕留めないとさらに厄介になるからね。まだまだこの戦いは終わりそうになかった。それに、今まで弄んでくれた落とし前をキッチリつけてもらわないと…!



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第128話 募る思いを今…

パッション「こっちも厄介なことになってるわね」

 

ピーチ「うん、ここはどうにかしたいし。みんながいればなんとかなるよ」

 

 

 

パッション達が増援にきてくれたことでこっちも一気に戦力が増した。これですぐに畳み掛けることができるはず…!

 

 

 

欠片「…ふん、人数が増えたところで何ができる?ふん…!(シュバ)」

 

ピーチ「私達だって負けない!えぇい!(ビュン!)」

 

ベリー「折角駆けつけたから、思う存分やらせてもらうわ!(ガッ!)」

 

パイン「大切な仲間が待ってるから、引き下がれないの!(ズガッ!)」

 

 

 

私とベリーとパインでY字のフォーメーションをとり、それぞれで攻撃を仕掛ける。ここまでなら順調にやれるし、難しくもないことだ。

 

 

 

欠片「…この程度、我の敵ではない…(バシュゥゥ!)」

 

パッション「危ないっ!(ビィン!)」

 

ピーチ「ナイスフォロー!」

 

パイン「あとは一斉にかかるだけ…!」

 

パッション「大人しく諦めなさい!」

 

 

 

その直後、相手の近くで並んで協力な一撃を放つ。

 

 

 

ピーチ「届け、愛のメロディ!キュアスティック・ピーチロッド!」

 

ベリー「響け、希望のリズム!キュアスティック・ベリーソード!」

 

パイン「癒せ、祈りのハーモニー!キュアスティック・パインフルート!」

 

 

 

三人で並び、同じ掛け声と共に奇跡の一撃が放たれる…!

 

 

 

ピーチ一同「「「悪いの悪いの飛んでいけ!プリキュア・」」」

 

 

 

ピーチ「ラブサンシャイン―――」

 

ベリー「エスポワールシャワー―――」

 

パイン「ヒーリングプレア―――」

 

 

 

ピーチ一同「「「フレェェッシュ!!(ドビュゥゥ!!)」」」

 

 

 

まさに三人の気持ちを一つにした混信の、魂の一撃だった。

 

 

 

欠片「…くっ!そうまでして抗うか…!」

 

パッション「私達はみんなで協力して支え合うことで強くなれる。あなたにはその気持ちはないの?」

 

欠片「…ふん、人間風情が何を諭すか」

 

ピーチ「そうやって闇雲に否定することだけしかできない者だと、それしかやれない。つまりあなたは仲間を大切に思わない限りずっと孤独のままなんだよ…!」

 

欠片「…孤独?それこそが我に宿る力なのだよ…」

 

ベリー「口で言ってもわからないようなら――」

 

パイン「私達が教えるわ!」

 

 

 

この感情を無駄にしないように、最後の仕上げへと移った。

 

 

 

ピーチ「クローバーボックスよ、私達に力を貸して!(コォォ…)」

 

欠片「…そ、その力は…!」

 

ピーチ「プリキュア・フォーメーション・レディゴー!」

 

パッション「ハピネスリーフセット、パイン!(ビュン!)」

 

パイン「プラスワン!プレアリーフ、ベリー!(ビュン!)」

 

ベリー「プラスワン!エスポワールリーフ、ピーチ!(ビュン!)」

 

ピーチ「プラスワン!ラブリーリーフ!」

 

 

 

四つの欠片が一つとなり、四色のクローバーが完成される。その力は強大なものだった。

 

 

 

ピーチ一同「「「ラッキークローバー・グランドフィナーレ!!(ヒョォォォ…!!)」」」

 

 

 

ダイヤモンド「な、何?この光は…?」

 

ロゼッタ「こんな光景、見たことありませんわ…」

 

ソード「神々しいわね…」

 

エース「こんな力、奇跡ですわ」

 

 

 

力が抜けていきそのまま佇む相手を優しく受け止める。

 

 

 

ピーチ「あんな悪い力を使ってはやがて世界は滅びてしまう、もっと自分が成すべきことをやればいいのに」

 

ベリー「もしも果せたら満足するの?」

 

パイン「私達は、嫌よ……」

 

パッション「いつまでも繰り返されたら自分自身が粛清されるつまり自分も消滅するのよ」

 

欠片「…無常な子娘共め。そんな理想郷でこの世界が拮抗できると思うのか?」

 

 

 

渋々と呟きを聞く私達。果たしてこれで満足できたのだろうか。いや、そうではない。

 

 

 

ピーチ「ただ、私達は争いのない世界が欲しいだけなの。みんなが幸せになる世界を求めているだけなの」

 

パッション「理想郷なんて、そんなものはいくらだって考えつくわ。あなたから聞けば私達は分別がないかもしれないけど、誰かを支えたい気持ちは一杯よ」

 

 

 

私達が例えたいのはこんな感じの事柄じゃない。もっと人々が平和的な未来を歩めるかどうかを証明しただけなのに…。あそこまで虚しく思うのは正直不思議な気分だ。

 

 

 

欠片「…これ以上我に無駄な口答えをすると―――(キュイィン!)ぐはぁ!」

 

パイン「え、何?」

 

 

 

x『あなた、折角ネオフュージョン様の力を与えたのに何も活かせなかったのね』

 

 

 

欠片「…せめて、我にもう一度―――」

 

 

 

x『役立たずに二度目はない。これじゃお兄様が呆れるだけ、栄養になってもらうわ…』

 

 

 

ベリー「何が起きて―――っ!?」

 

 

 

するとベリーが突然驚くように一歩下がってしまう。私達にはどうなっているのかさっぱりだけど、これは紛れもなくヤバイ光景だった。

 

 

 

欠片「…ヴゥゥ、ネオフュージョンに栄光あれぇ…!!(ギュィィィ!!)」

 

 

 

目の前にいた者は跡形もなく、消滅してしまったのだ。

 

 

 

ピーチ「こんな残酷なことって…」

 

ベリー「まだ何も言えなかったのに」

 

パイン「ましてや自分の部下を消すのって」

 

パッション「謎が多いってことかしら…」

 

シフォン「…うぅ」

 

ピーチ「シフォン……」

 

 

 

とりあえず今起きたことは正真正銘偽りではなかった。私達にはどういうわけかは知らないけど、あれは本気でヤバかった。

 

 

 

タルト「一応大丈夫やな、あとは…」

 

パッション「ハートを―――マナのところへ行くだけ」

 

エース「行きましょう」

 

ダイヤモンド(お願い、無事でいて…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一方~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハート「…はぁ、…はぁ」

 

欠片「…どうだ、仲間がいない辛さは」

 

ハート「全然…ヘッチャラ」

 

欠片「…孤独が嫌いか?」

 

ハート「流石に誰もいないと寂しいけど、今はそうでもない…。っていうか、ようやくこの痛みに慣れたところかしら……!」

 

 

 

ダイヤモンド「マナー!」

 

 

 

欠片「…ようやくおでましか、お前の仲間が」

 

 

 

あたしの方へとやってきたのは、ダイヤモンド。そして―――

 

 

 

ロゼッタ「マナちゃん、無事ですね…(ぐすん)」

 

ソード「心配かけさせてくれるわね」

 

エース「事情は聞きました。早速返してもらいますわよ!」

 

欠片「…いいだろう、約束通りだ」

 

 

 

他のみんなが一斉に来てくれた。これで助かる~…。

 

 

 

ハート「ごめんね、こんなことになっちゃって…」

 

ダイヤモンド「いいのよ、今はマナが無事で…!(ギュ…)」

 

ハート「も~、六花はあたしに甘えすぎだよぉ~…」

 

 

 

波乱の再開がてらにダイヤモンドとハグする。では、ここらで反撃と行きますか…!



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第129話 タコと偽善

エース「まさか、そのようなことがあったとは。劣悪ですわ…」

 

ロゼッタ「よくも苦しめてくれましたね、許しませんよ」

 

ハート「まぁやれるだけやるさ。とにかく、力を貸して」

 

 

 

来てみたらあんな出来事があったなんて、これは見過ごすわけにはいかない。パッションは事前に私達に状況を伝えてくれたから急ぎで来た甲斐があった。さて…、

 

 

 

ピーチ「私達の仲間を傷つけた報いを受けてもらうよ!」

 

ベリー「珍しくリーダーっぽい発言したわねぇ~」

 

パイン「ホント、素直ね」

 

欠片「…我が同胞の無念を無駄にはしない。かかって来るがいい」

 

 

 

妙な威圧感が漂う中、私達は一斉に飛びかかった。その間に掻い潜りつつ連続で攻撃を与える。

 

 

 

パッション「ここで立ち止まるわけにはいかないの!(ドガガァ!)」

 

ソード「必死で耐えたマナがどれだけ苦しかったのか、あなたにはわからないわ!(ガギャァ!)」

 

ロゼッタ「このようなことは言語道断です!(ゴッ!)」

 

エース「悲しい力はここで断ち切りますわ!(ズドドド!)」

 

欠片「…哀れみさえ感じさせる。実に愚かなことだ…(シュバッ!)」

 

 

 

ハート「せぇい!(ガキィ!!)」

 

 

 

ソード「ハート!」

 

エース「間一髪ですね…」

 

 

 

ギリギリで防御することはできたものの、すぐに相手の反撃が待っていた。

 

 

 

欠片「…さぁ、次なる懺悔の用意をしてやる(ブチ…!)」

 

ダイヤモンド「何あれ!?気持ち悪い…」

 

パイン「足が複数あるみたいだけど」

 

パッション「そう、ね」

 

ピーチ「っていうか、あのシルエットは…」

 

 

 

今度は巨大な魔物を召喚してきた。その姿はまるいで海に生息する赤い生き物だった。

 

 

 

ハート「それより、美味しそう」

 

ソード「焼いて食べるのもいいかもね」

 

エース「更にこれを茹でたら最高ですわね」

 

ロゼッタ「はい、なんて立派なタコ―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベリー「いやぁああああ~~~~っ!!(ブルブルブルブル)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーチ「思いっきり怖がってるしっ!?」

 

ダイヤモンド「もしかして…タコ嫌い……?」

 

 

 

そう、あの生命体を一番怖がる人物がいたのだった。それはもう私達の目の前に。

 

 

 

パイン「よしよし、怖がらなくてもいいのよ。ねっ?(スリスリ)」

 

ベリー「あああああれは食べれるよね、食べたらどってことないはずよね―――えwfhfhふぁcんvんすおbsbじゃじゃぴjghbんxpp「@;、l:kぱjfjjjjjbんspdjbv@pjbだvvdq2vvm、sd@おkgs~~~っっっ!!!」

 

 

 

近寄るタコの形した魔物が徐々に近づいてくる。ごめん美希たん…。今は慰めてあげられないみたいだよ……。

 

 

 

ダイヤモンド「それより早くどうにかしないと!」

 

ハート「ヴオ゛イ゛ズイ゛ダたィ、アネ゛デパミ゛!!(じゅる)」

 

ダイヤモンド「ってか食べる気満々でしょ!?」

 

パッション「早く、どうにかしましょうか…」

 

ピーチ「それにあのタコはマズそうだよ!」

 

ロゼッタ「あらあら、食べれないなら残念ですね。それではあの腐ったタコもどきをクシャポイしましょう♪」

 

ソード「頼むからもう少し真剣になってよね…」

 

パイン「でもやっつけたところで被害がなくなるというのはそう簡単になさそうだけど…」

 

欠片「…飯事はここまでか?ならば行け、プリキュアを飲み込め」

 

 

 

余裕を見せてる暇なんてなかったぁ~!!早くどうにかしなければ危ないし!

 

 

 

ダイヤモンド「そういうやつは凍らせてあげるわ!プリキュア・ダイヤモンドシャワー!(ヒョォォォ!)」

 

ロゼッタ「まきつかれるくらいなら、これをあげますわ!ロゼッタバルーン!(ポン、ポン)」

 

ソード「ふと思ったけど、タコのどこが嫌なのかしら?そんなことより、ソードハリケーン!(シュバババァ!)」

 

ハート「ダゴ!ダゴ!あたしの食料っ!!ここは正気を戻して、プリキュア・ハートシュート!(ビシュン!)」

 

 

 

ハート達が全方位で技を炸裂させろ。ロゼッタがおびき寄せ担当で残りの三人で畳み掛けるという戦法。なかなか連携が整ってるね。

 

 

 

ピーチ「ベリーが動けないなら、私達だけでもやらなきゃ!」

 

パイン「早く終わらせましょう!」

 

パッション「ここで引き下がるわけにはいかないもの!」

 

 

 

さぁて、そろそろこの戦いも大詰めと迎えたいところだけど。果たしてやいかに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~???~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

L「そこにいたんだね。隠れてないで出てきてよ。君はキュアハートに会いたいんでしょ?」

 

 

 

???「マナ…、今すぐでも会いたいなぁ~」



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第130話 心の善意と縋る気持ち①

タイトルや一部の内容を追加しての再投稿です。


ピーチ「ベリーがあのままじゃ全然拉致が明かないよ…。でも、やるしかないよね!」

 

パッション「仕留めれば問題ないはずよ、行くわよ」

 

 

 

私とパッションが上からキックをお見舞いし、相手を怯ませる。少なくとも結構なタイムラグを作ることができた。

 

 

 

ソード「これなら大丈夫ね、プリキュア・スパークルソード!(シュババババァ!!)」

 

エース「全方位に当てるようにしますわ、エースミラージュ!(ピカァ!)」

 

ハート「そのまま動かないで、ハートダイナマイト!(バァン!!)」

 

 

 

続いても同時攻撃で一気に相手の劣勢を生じさせる。タイミングもバッチリだし、あとは何とかなるかも。

 

 

 

欠片「…ここで倒れるお前ではないはずだ、やれ」

 

ダイヤモンド「まだ相手は動けるわ!」

 

パッション「私に任せて!歌え、幸せのラプソディ!パッションハープ!(キュイィ!)」

 

 

 

眩い赤い光が放出され、その源がパッションへ宿る。

 

 

 

パッション「プリキュア・ハピネスハリケーン!!(ブォオオオ!!)」

 

 

 

真紅の風が、相手の全身を覆うように巻き上げる。これがパッションが行える並外れた行動力だ。

 

 

 

欠片「……おのれ、まだやれるだろう?」

 

パッション「誰かに頼るあなたじゃ絶対無理よ。そうやって心を支配しようとしているとやがて自分自身を滅ぼしてしまう」

 

パイン「それに、憎しみを増して苦しめるだけしかできない考えなんてあるわけないじゃない」

 

ピーチ「さっき、あなたの仲間も同じような考えだった。だから間違った道を選んではどうにもならないよ?」

 

欠片「…せめて、インフィニティの力さえあれば…!」

 

ピーチ「シフォンは誰にも渡さない…!」

 

 

 

こんなどんよりした空気の中、ひたすら対抗しようとする相手にこれ以上聞きつけてもきりがない。どうにか、考えを改めたいけれど…。

 

 

 

ハート「あとはあたし達に任せて、幸せだけじゃ表現できないなら愛というものを教えさせるから」

 

パッション「愛…?そうか、それね」

 

ピーチ「パッション、どうしたの?」

 

パッション「ここはハート達に任せましょう、きっといい答えを導いてくれるはずだから」

 

パイン「え、えぇ」

 

 

 

私達の脳みそでは補えない部分を代りに埋めるってわけなのだろうか?今は信じるしかない。

 

 

 

ハート「人を見下しそうな思惑を持った根源なんてあるわけがない」

 

ダイヤモンド「仲間を不必要だと感じる限り、それは大きな間違いよ」

 

ロゼッタ「苦しい思いをしたマナちゃんの気持ちにもなってあげてください…」

 

ソード「ここまで言えばもう察しがつくでしょ?」

 

エース「あなた方の腐った根性を叩き直してあげますわ!」

 

欠片「…ほざくな、お前らのような小童に何がわかる?」

 

 

 

厳しく真剣になっているハート達が羨ましい。これは私達とはまた違った考え方なのかもしれないね。

 

 

 

ロゼッタ「いえ、私達だってまだまだ未熟さはあります。ですが、人々の笑顔を滅茶苦茶にするのはよくないことです。人の善意と―――」

 

ソード「夢と―――」

 

エース「希望と―――」

 

ダイヤモンド「可能性があれば―――」

 

 

 

ハート「それは愛と幸せになるんだから!」

 

 

 

欠片「…黙れ、我にはそのような言葉は必要ないのだ。崇高で美しい世界が全てだ」

 

 

 

対抗するような場面になったが、ここでもうケリをつけることになる。

 

 

 

ハート「みんな、行くわよ!」

 

 

 

ハートの指示と共に天空より君臨する神々しい翼が舞い降りる。その絃を引くと背中から大きな天使の羽が生まれる。大いなる聖域へ飛び立ち、愛溢れる聖なる一撃が放たれる…!

 

 

 

ハート一同「「「プリキュア・ロイヤルラブリーストレートフラッシュ!!(コォォォォ…!!)」」」

 

 

 

この光により、タコの形をした魔物は一瞬で浄化された。手下を失い、戦意消失してしまう。

 

 

 

欠片「…バカな、こんなことが有り得ない…」

 

ハート「それは他の手を使って利用したからそうなった。ここまでやりながらも自分を信じないアンタの負けよ…」

 

エース「どこまで己を見極めない外道ですの、あなたは…」

 

欠片「…ふん、それをお前らが理解できるはずがない。我はやりたいようにやるだけだからな…」

 

 

 

X『プリキュアを倒せなかったみたいね』

 

 

 

欠片「…申し訳ない。ミスを犯してしまいました」

 

ピーチ「また何かと喋っている…?」

 

 

 

さっきと同じような光景をもう一度見ることとなる。誰と話してるかがとても気になる。

 

 

 

X『でも、あなたは十分働いてくれた。帰還してちょうだい』

 

 

 

欠片「…了解です。プリキュア、いずれまたお前らと戦うことなる。今度は我が力を利用して幹部達が襲い掛かってくるだろう。さらばだ…(ビュワ)」

 

ピーチ「あ、消えた…」

 

ダイヤモンド「幹部ってことは、あの時のRとかいう男みたいなやつらってわけよね?」

 

パイン「私達もそれみたいな女の人と会ったの」

 

パッション「それより、早く起きて。もうタコはいないわよ」

 

 

 

敵もいなくなったことだし、ひとまずは一件落着。うん、一安心だね。

 

 

 

ベリー「……もう、いないわよね?」

 

パイン「大丈夫、怖がることはないわ」

 

ピーチ「ヒヤヒヤさせないでよね、本当に…(ホッ)」

 

ベリー「別に死んだわけでもあるまいし」

 

 

 

起きたベリーに私は手を刺しのばした。そして手を掴んで立ち上がった。これは今日の夜眠れなさそうかもねぇ…。

 

 

 

ハート「やっと終わった―――うぅ……(バタッ)」

 

エース「っ!?」

 

ソード「マナ…?」

 

ロゼッタ「……息してません」

 

 

 

ダイヤモンド「マナぁああああああああっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~某所の病院~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

医者「残念ながら彼女は精神的なダメージを負っており、現在意識不明です…」

 

六花「…そ、そんな……(ガクッ)」

 

ありす「あの、我が四葉財閥の医療班を要請しましたけど。マナちゃんは無事でいられますか…?」

 

医者「はい、少なくとも脳の神経に異常が発生しており心臓などの害に影響されるかと…」

 

真琴「集中医療室へ向かわせることは?」

 

医者「検討しています。今はゆっくり見守ってあげてください(ピシャ)」

 

 

 

亜久里「まさか、このような事態になろうとは…」

 

せつな「私がもっとしっかり守ってあげれば、こんなことにはならなかったのに…」

 

ラブ「せつな…」

 

美希「せつなのせいじゃないわ。悔やむことなんてない、今は祈りましょう」

 

亜久里「わたくしもせつなに同情しますわ。大切な物を救えなかったことに、深く心の傷を埋めたいって気持ちに」

 

せつな「亜久里ちゃん……」

 

ありす「まずはマナちゃんの無事を祈ってあげましょう。細かいことはそこからです」

 

真琴「回復したところで、これじゃダンスパフォーマーに出れそうにないわね…」

 

ラブ「じゃあみんなが練習した努力はどうなるの…?」

 

ありす「規則として、人数の足りないチームに補欠は入らないルールと聞きました。マナちゃんが回復しないと私達のチームの出場は辞退になってしまいます…」

 

六花「そんなの、私は嫌よ…(ダッ)」

 

真琴「り、六花っ…!」

 

祈里「そっとしてあげて。追いかけては逆効果だし」

 

亜久里「そのゆえ、一番ショックを受けてるのは六花ですわ」

 

 

 

一同「「「……」」」

 

 

 

ありす「この状況ですし、ああなってしまうのも無理はありません…」

 

せつな「こんな時、どうすればいいのかしら」

 

亜久里「六花の前では、控えておきましょう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~屋上~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラケル「一人でどうしたいケル?」

 

六花「放っといて…」

 

ラケル「泣いてたってどうにもならないケル…」

 

六花「放っといてって言ってるでしょ…!!」

 

 

 

美希「病院は静かにするのが基本でしょ?(ガラッ)」

 

 

 

六花「美希…?」

 

美希「ここは本来、立ち入り禁止のはずなんだけど?」

 

六花「ご、ごめんなさい…」

 

美希「なぁんて、嘘よ。だってここは自由に出入りできるから」

 

六花「ビックリさせないでよ~!(プンプン)」

 

美希「そんな顔してると折角の可愛さが台無しよ?」

 

六花「わかってるわよ…。私、どうしたらいいか全然」

 

 

 

ヒュゥゥゥ…

 

 

 

美希「風が気持いいわね」

 

六花「…うん」

 

アイちゃん「キュピ?(ひょこ)」

 

六花「アイちゃん?どうしてここに」

 

ラケル「多分、六花が心配で来てくれたと思うケル。マナの無事を祈るために」

 

六花「あっ…。あのね美希、ちょっと私の話聞いてほしいの」

 

美希「実はあたしも同じ考えだったのよ。六花から先にどうぞ」

 

六花「ありがとう。私達がダンスをやろうと思ったきっかけなんだけどさ、偶然テレビで見たダンスが凄くて。それからやり始めたの。最初はただ成り行きに進んでたけど、次第にどうすればいいのかをハッキリしてさ」

 

美希「目標とかはある?」

 

六花「特に拘った目標なんてあまりないけどね。ことの始まりは私だけどそれを支えてくれたのはマナだったの。私の憧れてる白馬の王子様みたいな感じで」

 

タルト「案外ロマンティックなシチュエーションを求めているんやなぁ」

 

美希「タルト、いつの間にいたのよ」

 

タルト「だってずっとあの中にいても暇なだけやん。ちょっとばかり外の空気を吸いたくてな」

 

美希「シフォンと遊んでればいいじゃない、今はそれどころじゃないわ」

 

六花「まぁまぁ。細かいことはそこまでにしてあげて?」

 

タルト「ホンマか?かたじけないわぁ~」

 

美希(あとでラブに扱いてもらわないとねぇ…!!)

 

六花「確かに今の例え、とても面白いわね。でも流石にロマンティックというわけではないかも」

 

ラケル「本当は恋人のような―――」

 

六花「だぁああめぇえええ!!(むぐむぐ)」

 

タルト「顔が赤くなってるであんさん?」

 

六花「べ、別に私とマナはその…。そういう関係とかじゃないからっ…!(カァアアア)」

 

美希「ガールミーツガール…?」

 

六花「と、とにかくだけど。マナはとても凄いのよ?リーダーみたくしっかりしてるし。時にはおっちょこちょいな一面もあるし」

 

美希「最高のパートナーになりそうね、正直」

 

六花「仲間がいたからこそなのよ。あんな風になれてるマナが羨ましくて、本当は私がしっかりしないとだめだったから。でも、さっきの事態がかなり心が痛んじゃって……。悲しくて胸が苦しいの……」

 

ラケル「六花…」

 

六花「今頃心の中でマナが泣いてる気がして、そんな顔見ようとしただけで……(ぐすん)」

 

美希「悲しみなんて、人にはあって当たり前よ。ラブだって過去に経験したことがある。六花も少なくはないでしょ?」

 

六花「わ、私……」

 

美希「おいで、今だけは慰めてあげる。まずは大いに泣くとあとからスッキリするわよ」

 

タルト「ベリーはん、上手いことを言うなぁ。感動してまう…(ウルウル)」

 

ラケル「今は思いっきり泣くケル。そうするとスッキリできるはずケル」

 

六花「うぅ…、私は……」

 

 

 

ビュゥゥゥ…

 

 

 

六花「うぁあああああああっ!あぁああああああっ!!」

 

美希「よしよし、これでこそ立派なお姉さんね」

 

六花(私は今、本当に泣いてる…。苦しい思いをしてるマナのために、盛大に…)

 

美希「ここまで耐えた六花は完璧よ、あたしにはわかるんだから」

 

六花「あぁああああああっ!わぁああああああああああっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時私は、初めて心の苦しみという涙を味わった。今のは決して、心に刻むのだろう。それに、かけがえのない感情なのだと思う。



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第131話 心の善意と縋る気持ち②

一部変更しての再投稿です。


ラブ「せーの、よっと。ふん、せいっと」

 

祈里「ラブちゃん、何をしてるの?」

 

ラブ「寂しい気持ちばかりじゃ収集つかないから少し身体を解しながらストレッチしてるの。ほら、ブッキーもやろ、ね?」

 

祈里「みんなも一緒させようかしら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この事態になってから早一時間が経過。医療班達が全力でマナの治療に専念している中、どうしても無事を祈ることばかりしか考えられない。恐らくは半日で治療は終わるとのことだった。心肺停止には至らなかったけど、すぐに意識を取り戻す状態ではないという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで私は嫌な気持ちを少しでも軽減するためにこうして身体を動かしているわけだった。

 

亜久里「どうしたんですの?こんな時に」

 

ラブ「待つだけじゃ暇でしょ?だからこうやって動けば不安なことだって乗り越えると思ってさ」

 

急に連れ出された亜久里ちゃんが蔑むように問いかける。そんな目で見られても…。

 

ラブ「ほら、早く回復したら一緒にダンスやりたいんじゃない?」

 

亜久里「それはできたらそうしていましたわ。今はそれどころではありません」

 

ラブ「気が進まないのはよくわかるよ。このまま待ってたって何も起こらないよ…」

 

亜久里「もし仮に回復できたとしてもすぐに復帰できるようなことでは済みません。一度治療を受けた人間を今すぐ参加させても拒否されるだけですわ。もしその役割を懐柔するような人がいればとっくに苦労はしていません…」

 

ラブ「亜久里ちゃん……」

 

そうだよね、あの時は余裕を持てたけど終わった途端に倒れてしまうんだし。余程精神が強かったんだね、私よりマナの方が。

 

亜久里「けど、マナはわたくしのことを思ってくれたんだと思っています」

 

ラブ「どういうこと?」

 

亜久里「ことの始まりは六花だったんですよ。それを実現したいって強く願望したのがマナでしたわ。マナのやりとげたいっていう気持ちにありすや真琴、わたくしも共感したんです」

 

ラブ「互いにやりたいことが一致してる、それって奇跡だと思うな」

 

亜久里「ただマナが言うならそれに賛成したまでですわ」

 

照れながらボソボソと呟く亜久里ちゃん。なんだか無邪気な表情を見せたって感じかも。

 

ラブ「私もさ、みんなが必死になってくれてとても共感できた感じがする。特にそれを言及する程の話じゃないけどさ。なんとなく自分なりの気持ちを伝わればそれでいいよ」

 

亜久里「人を煽てたって、そう簡単に気分は変わりませんわ…?」

 

ラブ「そういうことは、気にしない気にしな~い。それじゃ一緒にストレッチしよっか」

 

亜久里「って人の話を聞いてますかぁ~!」

 

私なりに言いたいことを言えたつもりだったけど、伝わったかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せつな「ラブ、どこに行ってたの?」

 

ラブ「ちょっとみんなで外で身体を動かしてたんだ。気分がスッキリしちゃった」

 

それからみんなで戻って来ると、せつなが眠たそうな顔をしていた。すっかり忘れてた、ヤバイヤバイ……。

 

せつな「ごめんなさい、折角待っていたのに私が寝てしまいそうになるなんて」

 

祈里「そんなことはないわよ?」

 

亜久里「それではレディとしてはまだまだですねぇ」

 

ラブ「ナイスツッコミ」

 

亜久里「それよか、ありすと真琴が戻って来てませんね」

 

祈里「さっきは一緒にいたけど、どこへ行ったのかしら」

 

ラブ「とりあえず気長に待とうか。そうだ、何か飲みたい物ある?私買ってくよ」

 

せつな「ラブに任せるわね」

 

亜久里「変なチョイスにはしないでくださいね。それにしても二人とも、どこへ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~屋上~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真琴「ありす、こんなところへ連れてどうしたの?」

 

ありす「ちょっと、気にかかったことがありまして…」

 

真琴「気にかかったことって?」

 

ありす「今はランスちゃん達、楽しく遊んでいます。だからこの機会を作ったわけでして。マナちゃんは回復するまで時間かかりますし、六花ちゃんには話しかけるだけでも困難が生じますし、今相談できるのは真琴さんだけなんです」

 

真琴「どういう事情かはよくわからないけど、亜久里ちゃんを巻き込むわけにはいかないものね」

 

ありす「ありがとうございます…。もしよければ私の話を聞いていただけますか?」

 

真琴「いいわよ。友達なんだからさ」

 

ありす「その、今までダンスの練習を欠席したってケースは私を除いてありました?」

 

真琴「欠席自体は全くなかったわね。そもそも、パフォーマーが近かったし闇雲にサボるなんてナンセンスだわ」

 

ありす「以前、マナちゃんの身体の動きが妙に鈍かったんです。多分日頃から溜まった疲労があるのかと」

 

真琴「あの時はたまたま疲れてただけじゃない。私だってそういうことに関してはしっかり見逃さないわよ。それが影響であんな事態になるなんて有り得ないもの」

                ・・・・ 

ありす「もし仮にその疲れが原因で予選落ちになったとすれば?」

 

真琴「……」

 

ありす「マナちゃんの体調管理は万全ではなかったというのですか?」

 

真琴「そんなの、自分でどうにかするんじゃないの?」

 

ありす「誰かを助け合うのが友達のやることではないのですか?」

 

真琴「私は前からマナには忠告したはずよ。何かあればすぐ相談することって」

 

ありす「相手に全て責任を委ねてもいいというんですか?」

 

真琴「ありす……」

 

ありす「答えてください、真琴さん……。今、あなたが言いだそうとしたことを」

 

真琴「わ、私は……」

 

 

 

ありす「うぅ…」

 

 

 

真琴「大丈夫?」

 

ありす「ごめんなさい。ちょっと私、お腹痛くて」

 

真琴「すぐに休んだ方が―――ってもしかしてありす、生理……?」

 

ありす「……」

 

真琴「治るまで黙っておくわ。誰にも口にしないから」

 

ありす「真琴さん…。本当にごめんなさい……(サッ)」

 

 

 

真琴(私が言いたい答え、か……)

 

 



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第132話 心の善意と縋る気持ち③

ダビィ「真琴、心配ビィ?」

 

真琴「なんで素直に言えなかったんだろう…。私、こんな時に限って…」

 

 

 

亜久里「真琴、こんなところへいましたね」

 

 

 

 

真琴「亜久里ちゃん…?」

 

亜久里「実は―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブ(みんなそれぞれで何かやっているのかな…?)

 

せつなと一緒に椅子に腰かける私。ちょっと空気がどんよりした感じでもあった。

 

せつな「ラブ、なんだか元気ないわよ?」

 

ラブ「そんなことないけど…。いつでも笑顔でいられるから。それよりさっき買ってきたジュース、早く飲まないと温くなるよ」

 

先程買ってきたジュースをお互いに飲み始める。気持ちを抑えつつ、乗り切りたいところだが…。

 

ラブ「ブッキーはどこ?」

 

せつな「ちょっとシフォンをあやしに行ってるわ」

 

ラブ「とりあえず、みんなが戻ってくるの待とうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~化粧室~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祈里「シフォンちゃん、楽になった?」

 

シフォン「キュア~…」

 

祈里「ふふっ、すっかり眠くなっちゃったみたいね」

 

 

 

ありす「あっ、祈里ちゃん…(ピシャ)」

 

 

 

祈里「ありすちゃん、お腹痛そうだけど…」

 

ありす「平気です、たまたまですから」

 

祈里「だって、足元に流血した跡があるけど…」

 

ありす「……」

 

祈里「もしかして、生理…?」

 

ありす「自分から言うのは抵抗がありました。最近妙に痛みが治まらなくて、ずっと悩んでいたんです」

 

祈里「人には言えない事情というわけね」

 

ありす「私が嘘をつくのは絶対よくないことなのはわかっます。けど、心配かけたくなかったんです。自分のことはしっかり責任を取らないといけないかったから」

 

祈里「辛そうなのは誰だってわかるけれど、言いたくない事情ってもがあるのね」

 

ありす「薬はありますが、まだ完全ではありません。ここは静かに過ごすようにしたいですし」

 

祈里「細かいことは後回しってことね。そじゃそろそろ戻ろっか」

 

ありす「はい、そうしましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~待合室~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美希「どう?少し気持ちが抑えられた?」

 

六花「なんとかね。私の気持ちを理解してくれてありがとう…」

 

美希「待ってる人のためなら手段なんて選ばないと思うわよ」

 

六花「そうなのかしら。私なら率直で思い込むけれど」

 

 

 

真琴「六花、そこにいたのね(ガラッ)」

 

亜久里「気分はスッキリしました?(ガラッ)」

 

 

 

六花「まこぴー、亜久里ちゃん?」

 

美希「二人だけじゃないわ、みんな来てるもの」

 

六花「えぇ?みんなどうして…」

 

亜久里「皆さんに集まってくれたのも他でもありません」

 

真琴「実はみんなに言わなければいけないことがあるの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~事情を説明中~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一同「「「治療成功?」」」

 

 

 

亜久里「ついさっき医者の人からの伝言がありまして、どうやらマナは無事でした」

 

ラブ「そうなんだ、それはよかったね」

 

亜久里ちゃんが説明するとみんなで一斉に胸を撫で下ろした。これでやっと…。

 

真琴「今メディカルルームで安静してるそうよ。軽い心臓のショックだったそうでね」

 

六花「よかった…。これで…」

 

せつな「一番嬉しいのは六花みたいかもね」

 

ラブ「なんだかもらい泣きしちゃいそ~う…」

 

亜久里「あと数分したら面会OKらしいので、すぐにでも行きましょうか」

 

ありす「そうですね、これで一安心ですわ」

 

真琴「ありす、あとでまた答えを言うから。ね?」

 

ありす「真琴さん…」

 

さてと、みんなで突入―――じゃなかった。様子を見にいかないとね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~メディカルルーム~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「……ぅぅ。こ、ここは……?」

 

目を覚ますと見慣れない場所へ留まっていた。いつの間にこんなところへ…。

 

シャルル「やっと目覚めたシャル!(ギュ)」

 

マナ「ちょっとシャルル!?どうしたの急に?」

 

シャルル「さっきまでマナが倒れて意識がなかったシャル」

 

マナ「あたしが意識をなくした?なんのこと?」

 

自分ですらそのようなことを実感していない。もしそうならみんなに迷惑かかってたかもしれない。

 

マナ(ちゃんと、理由を聞かないと……)



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第133話 愛と幸せ①

六花「マナっ!」

 

ありす「どうやら無事でしたね」

 

真琴「こんなこと、今でも信じられないわ」

 

亜久里「本当に心配をかける白馬の王子様ですわ」

 

数分後、喜びのあまりに思わずむせび泣く六花達が入ってきた。どうやら本当に迷惑かけちゃったっぽいかも。

 

マナ「そんなに泣かないでよ、大したことないし」

 

六花「もう…、このままマナが目を覚まさなかったら私…!」

 

自分では全く実感ないけど、それ程だったのだろう。なんだか面映い気分だ。

 

マナ「あたし、何もわからないや。とりあえず眠っていたことしか」

 

真琴「身体は大丈夫?」

 

マナ「一応手足なんともないけど?」

 

亜久里「しかし医師によれば甚大な部分があると」

 

その一言に妙に引っかかってしまう。別に大したことではないけれど、それのどこが―――

 

 

 

マナ「うっ…!」

 

 

 

立ち上がろうとすると、胸が苦しくなってしまう。

 

ありす「成功したものの、まだ完全ではないってことですね」

 

亜久里「一度医師と対談しましょう。そこで理由が明らかになるでしょう」

 

真琴「確かに、それが堅実ね」

 

みんながあたしの両腕を肩に乗せてそのまま松葉杖を持たせる。今動いたらわかるけれど、やはり胸が苦しい感じがする。

 

 

 

そしてそのまま医師のところへ行って診査結果を聞くことに。その後、結果を聞き終えたあたし達はすぐにメディカルルームへと戻る。

 

 

 

マナ「…そんな、今の身体じゃダンスできない…?」

 

真琴「嘘かもしれないけど、それが事実よ…」

 

ありす「先程の話を聞いた通り、マナちゃんの身体の一部や右足が麻痺状態とのことですわ」

 

あまりの衝撃的な結果に挫折してしまうあたし。もしこの症状が長かったら…、

 

マナ「じゃあダンスはどうなるの…?」

 

六花「…」

 

マナ「ねぇ六花、どうして答えないの?」

 

ありす「…」

 

マナ「ありすもどうして?」

 

真琴「…」

 

マナ「まこぴー、一言ぐらい…」

 

亜久里「…」

 

マナ「亜久里ちゃん…」

 

誰もが絶句して黙り込む。むしろ悲惨すぎて何も言葉を入れる余地もないのだ。

 

マナ「じゃあせつな達は―――」

 

真琴「これは私達の問題なのよ…っ!」

 

亜久里「今の状況じゃ、せつな達も何も言い返せませんわ」

 

ありす「残念ですが、そういうことです」

 

首を振るように切実に答えるありすと亜久里ちゃん。その表情からは、何も浮かばない。

 

マナ「でもすぐに万全な状態にして、できるようにしたいの!」

 

真琴「そんな身体で何ができるのよ!」

 

マナ「だって、ここまでやってきたんだよ?努力を積み重ねて必死で練習したんだよ?」

 

真琴「残りの期間はもう一週間もないわ。このままだと私達のエントリーは辞退ってことになる」

 

亜久里「このダンスのセンターはマナでしょ?センターが不在のダンスは、必要ありません……」

 

まこぴーまでもが責めるように答えてきた。そこまで強く言わなくても…。

 

マナ「いや、あたしはやる。みんなに心配かけたのはあたしのせいなんだ。あたしが責任を取らないといけないから」

 

ありす「マナちゃん…」

 

マナ「それを否定するなら、あたしはダンスを辞める…。辞めるよ……」

 

真琴「……辞めるって」

 

亜久里「いくらなんでもそれは酷いですわ」

 

マナ「みんなは今のあたしの状態を聞いて判断した。ならばそれを許さないのなら喜んで辞めてあげる。目標のないことに全力で頑張る必要なんてない。いっそのこと最初からやらなきゃいいじゃない」

 

せつな「……」

 

マナ「これ以上あたしを引き留めても意味なんてないよ。もう出てって…」

 

ありす「マナちゃん、私達は―――」

 

 

 

マナ「いいから出てってよ!!」

 

 

 

六花「…っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――パシン…ッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一同「「「……」」」

 

 

 

ここで、今まで経験したことのない痛みが頬に伝わった。

 

マナ「……」

 

六花「何が目標のないことよ…。自分だけが投げやりになってよくそんなことを平気で言えるわね…」

 

伝わる六花の非情さ、そして六花の悲しみ。それこそ感情を露わにしているに違いはない。

 

六花「みんなのことを考えないマナなんて…最低よっ!!(ダッ)」

 

亜久里「六花!」

 

真琴「悪いけど、今のマナは到底ダンスの練習には入れさせないわ…。私達だけで―――いや、足りないチームは出れないなからやる意味なんてないわ。みんな、今は出ましょう」

 

せつな「…マナ」

 

ラブ「どうして…」

 

まこぴーがそう言い残すと、全員がこの場から立ち去ってしまった。

 

ありす(マナちゃん……)

 

 

 

シャルル「大丈夫シャル?」

 

マナ「ごめんシャルル。今は一人にさせて…。そしてアイちゃんとも一緒に遊んであげて」

 

あたしがそう答えた頃には、既に一人ぼっちになっていた。もう誰も頼れる人なんていない、孤独の中にいた。

 

 

 

マナ「……うっ。うぅ……」

 

 

 

数分後、あたしは数えきれないくらいの涙を流したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~三日後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

医療施設での生活も今日で三日目。一応両親には軽い怪我ということを医師の人が話したらしい。

 

マナ「…あたし、これからどうすれば。そしてお腹減った…」

 

空腹状態のあたしは一人孤独で外の景色をずっと眺める。ちなみにここ数日前までは食欲もなく、全ての食事を食べずに終えてた。なので絶食状態が続いている。

 

 

 

医者『相田マナ様、面会の時間です』

 

 

 

マナ「面会?こんな時に誰が…」

 

ここで告げられた突然の面会宣言。今となれば動く気力すらない。

 

マナ(どうせ碌な話でもなさそうだし…。行くか)

 

しばしばと松葉杖を手にして移動する。もう片方だけでもいいぐらいの回復はしている。

 

 

 

そして面会室へと移動し、来客人を待っていると意外な人物と遭遇した。

 

マナ「もしかして、エルちゃん?」

 

エル「はい、心配になったからつい来ちゃった」

 

彼女は亜久里ちゃんと同じ学校で同じクラスの娘だ。でもどうしてここに…。

 

エル「実は私だけじゃないの」

 

マナ「他に来てるの?」

 

 

 

ミユキ「久しぶりね、あれから元気してた?」

 

 

 

マナ「えぇ!?ミユキさん!?」

 

あたしはここで思いもよらない人物と再会したのであった。



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第134話 愛と幸せ②

マナ「どうしてここに来たんですか?」

 

ミユキ「この前友達と喧嘩したんだって?」

 

マナ「あっ…」

 

忽然と放たれた言葉で一瞬固まってしまう。今の自分にはどうもできない状況ではあるものの、ここはきっちり解決したいところでもある。

 

エル「亜久里ちゃんから聞いたの。数日前からって」

 

マナ「あ、あたし…。あの時は酷いことを言ってしまった。どうやって謝ればいいのかよくわからなくて」

 

俯きながら喋るあたしにエルちゃんがあたしの手を握ってきた。さりげなく感じる温もりに思わず顔を上げる。

 

マナ「エルちゃん…?」

 

エル「私ね、事情はよくわからないけど亜久里ちゃんが言ってたの。マナが本当に望んでいるのは何かって。それって自分自身がやり遂げたいことなんじゃないかな?」

 

マナ「そうだと意識していたけど、どうしても譲れない気持ちがいっぱいなの。ただ自分の自己満足だけで動くなんてただのわがまま者だし、ましてやそんな事情で他人が受け入れるかと言われたらそうはいかないわけだし。あたしはただみんなと一緒に踊りたいだけなの」

 

まるで自分に対する贔屓を他人に押しつける感じの傲慢な考え方が表にあらわしなかった分は気持ちを制御できたけど、まだまだ心の整理がうまく整っていなかった。でも、あたしとしてそんなのあまりにもモヤモヤする。

 

マナ(確か、こんなこともあったかも…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~二週間前~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜久里「マナ、またたるんでいるんですの?レディたるものみっともないですわ」

 

マナ「ごみんごみん」

 

真琴「事実上マナがリーダーみたいなものよ。そのリーダーが責任とらなきゃどうするのよ?」

 

マナ「あのさ、あたしってリーダーに向いてると思う?」

 

真琴「いきなりどうしたの?」

 

亜久里「らしくない発言はNGですよ」

 

マナ「でもあたしだってみんなをまとめるくらいのことだってやれるよ。ただ、緊急でいなくなった時のことを考えるとどうしようって悩んでいてさ」

 

亜久里「いいこと?女子は一人前の女性になるために日々努力するものなんですよ。マナはわたくし達にはできないことをやれますから、そこが注目するべきポイントです」

 

真琴「特に六花とありすの前では不安な顔を見せないこと。それにいつもポジティブにいればみんなで乗り越えることができるわ」

 

マナ「そんなもんかなぁ…?」

 

真琴「こういう話を聞いて自分の考えを曲げない部分が悪い癖かしら。ちょっとは自信を持ちなさい?」

 

亜久里「六花とありすの前ではいつも笑顔です。投げ出したりなんかしたらわたくしが許しませんわ」

 

マナ(笑顔を保つことか…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~そして現在~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「そうか、亜久里ちゃんが言ってたのはこういうことだったんだ……」

 

記憶を過ぎらせると様々なことを思い出させた。

 

マナ(こんなに心配してくれたなんて…)

 

ミユキ「わかった?本当の気持ちが」

 

マナ「あ、あたし…もう一度考え直します。それからまたここに戻ります」

 

エル「ちょっと待って―――ううん、その時になったら戻ってきて、ね?」

 

マナ「ありがとう、そしてごめんね」

 

あたしは大事なことを思い出すためにケジメをつけることにした。六花、ありす、まこぴー、亜久里ちゃん、そしてラブ達にも。あたしの本当の気持ちを―――思いをぶつけるために……。



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えりひめアワー 番外編

えりか「大変よぉ~!」

 

ひめ「どったの?」

 

えりか「や、ヤバイわ…」

 

ひめ「何が?」

 

えりか「落ち着いて聞いて…」

 

ひめ「うん、いいよ」

 

えりか「数ヶ月前に企画した…」

 

ひめ「ふむふむ」

 

えりか「企画したアンケートの要望数…」

 

ひめ「うんうん」

 

えりか「なんと…」

 

ひめ「おう」

 

えりか「なんと…!」

 

ひめ「ワクワク」

 

えりか「要望数が…」

 

ひめ「ワクワク」

 

えりか「なんと!」

 

ひめ「おぉ!」

 

えりか「なんとー!!」

 

ひめ「どひゃぁ~!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「ゼロッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひめ「……ヱ?」

 

えりか「そういう結果でございました…」

 

ひめ「えぇえええ~!?」

 

えりか「これでわかったでしょ、現実は甘くないって」

 

ひめ「そ、そんなぁ~…。折角の企画が全部無駄骨になるっていうの…?読者少ないのに」

 

えりか(つーか読者少ないなら来るわけねーだろ…)

 

ひめ「とうとうこのコーナーも潮時となるわけか…」

 

えりか「んなわけないわよ!まだ自信を無くしちゃいけないわ」

 

ひめ「そうだよね、そう簡単には終わらないよね」

 

えりか「んで、御託はここまでにしてだけど耳よりな情報を入手したのよ」

 

ひめ「その情報とは何でしょうか!?」

 

えりか「間もなく第3章が始まるのよぉ~!」

 

ひめ「やっちゃよ~!」

 

えりか「んでね、どんな内容なのかが具体的に決まったらしいのよ」

 

ひめ「次は強烈なお笑い?それともムフフな―――ごふっ!(めきょ)」

 

えりか「いいから話聞けリア充」

 

ひめ「まだリア充じゃないけど…」

 

えりか「次のコンセプトは、恋愛色が強くなるらしいわね…」

 

 

 

ひめ「れ、恋愛ですとぉ~!?」

 

 

 

 

えりか「作者が迷いに迷った上での商用なんだって」

 

ひめ「じゃあどういう感じになるの?」

 

えりか「例えば既存キャラの掛け合いとかを主にやるっぽいね」

 

ひめ「キマシはどうなのさ?」

 

えりか「それはあまりやらない方向にあるみたいだけどね」

 

ひめ「それだったら今のマナりつはどうなのさ」

 

えりか「現行章終わる間際に入れるらしいわ」

 

ひめ「仮に私達の出番だったらめぐみと神様の―――いやぁ~!!」

 

えりか「落ち着けよ、っていうか自分が自爆してどうするのよ…」

 

ひめ「すっかり我を忘れてしまった、失敬。でも誰だろうといいと思うけれどね」

 

えりか「そこを侮っちゃいけないの。だからと言ってどうなるかはこれからの展開次第ってことよ」

 

ひめ「なるへそ~。今回はよく勉強できた気がします!」

 

えりか「まぁ単純なことだろうけど。それと次の章でどのキャラが登場するかは秘密になってるしね」

 

ひめ「いい情報、ありあとあした!」

 

 

 

えりか「今回は時間切れだからまた次回で会おう。それでは、失礼」



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第135話 愛と幸せ③

がむしゃらに速足で屋上へと向かうけど、その衝撃で全身に強い痺れを漂わせる。

 

マナ(あたしが本当に望んでいたこと…。みんなと交わした約束…)

 

そんな出来事があったかのように脳裏を駆け巡り、ひたすら思い出していく。そう、あたしは色々なことを経験して色々なことを聞いたからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

六花『『ありのままの形でダンスをやって、心から温まる表現力を身につけたい』よ』

 

 

 

ありす『どんなことでもめげずに頑張る姿がとてもお似合いですわ』

 

 

 

真琴『チームワークを大切にね』

 

 

 

亜久里『もっと華麗にアピールできる立ち位置にならやれる感じですわ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうだった。いつだってあたしはみんなに支えられてきたんだった。結局それを無駄にしてしまうあたしがどうしても許せない。本当は幸せな笑顔でダンスをやりたいだけだったんだ。でもそれってあたしにとって得するものなのか?

 

 

 

いや、そうじゃない。得とかそういう問題ではない。気の済むだけ楽しめればよかったんだ。それが例え誰も達成できなかったとしても不条理で言及する意味なんて何もないはず。

 

 

 

ならば自分達が変わればいい。あるべき理想の結末を迎えるためならそれが幸せものなのであれば、その現実を受け入れればいい。

 

 

 

ダンスがやりたいだけとかいう問題だけじゃない。みんなの笑顔を見せるためのダンスなのだから。ここが最大の道しるべならそれを実現しちゃえばどうってことない。なんてったって、あたし達がやらなきゃいけない最高の見せ場なんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あたしの中から生まれる感情を全部みんなが支えてくれた。今ならその気持ちがよく理解できる。あの時言ってしまったことが凄く後悔してるかがわかる。嫌だったこと、不快だったことを根こそぎ吐き捨てたい気分だ。なら、そんな自分の蟠りを今ここで断ち切りたい。それから…それから……。

 

 

 

マナ「はぁ…。はぁ…」

 

まだ身体が完全ではないためめ、息がそれ程長く続かない。

 

マナ(まだ間に合う…。やり残したことがいくらでもある。今なら吐き出せる)

 

身体が動かないまま、あたしは周りを見渡す。誰もいないことを確認して強く深呼吸した。そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「みんなー!あの時つまらないこと言ってごめーん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠くに聞こえるように盛大に大空に向かって叫んだ。この声が誰かに届けばいいけれど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~午後三時~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

六花「ん?今、聞き覚えのある声が聞こえたような…」

 

真琴「どうかしたの?」

 

六花「私の勘違いじゃなきゃいいけど、あれって…」

 

ありす「……」

 

真琴「まさか…」

 

六花「マナが呼んでる……」

 

亜久里「行くつもりなんですか」

 

六花「ごめん。私、行かなきゃいけないところがあるの。すぐに戻ってくるから…(ダッ)」

 

ありす「マナちゃんが呼んでいたのですか、六花ちゃん…?」

 

真琴「そんなわけが…」

 

亜久里「見せたくない感情は、これからのことをどう乗り切るかを見い出す答え…ですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「六花ー!怒らないでもう一度やり直したい!ありすー!まだ間に合うからありすにも謝りたーい!まこぴー!はぁ、はぁ…。つまらないことしてごめ…ん!あたしの下らない発言してごめん…!あ、亜久里ちゃ…げほっ!げほっ…!」

 

声が嗄れて今でも失神してしまいそうな程の勢いだった。それでもまだ謝らなきゃいけないことがたくさんあるのだ。

 

マナ「みんなでもう一回、ダンスをやり…たい…!だから…!」

 

 

 

六花「全く、どんだけ迷惑な幸せの王子様よ?」

 

 

 

マナ「り…六花?」

 

六花「私も謝るわ、あの時は本当にごめんね」

 

 

 

ここで初めて、あたしに幸福感とありがたみが芽生えてきた。

 

 



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第136話 愛と幸せ④

途方に暮れた入道雲が左へと流れてゆく。特に雨が降るとかいう予報なんてない。そんな青空を私はひたすら眺め続けていた。

 

ラブ「今日は暇だね…」

 

せつな「どうしたの?難しい顔をして」

 

私に気にかけるせつなが尋ねてくる。一応気分は悪いわけではないが、あまりいい考えが出てこない。

 

ラブ「なんていうか、あれだよ。何かがどんよりしてる感じがするっていうか」

 

せつな「そうね。最近のラブはいかにもそうやって抱え込んでいるわね」

 

そう、数日前に起きた出来事で少しモチベーションが下がってしまっている。私は特に問題ないけど、せつな達にとってはショックだったのかもしれない。

 

ラブ「ねぇせつな。もう一度行かない?」

 

せつな「どこに?」

 

ラブ「そんなの決まってるよ、ね?」

 

せつな「…うん、そうね」

 

でも過去のことは気にせず、私とせつなはめげない。もう一度、本当のことを聞きたいのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~商店街~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祈里「今日はどの食材がいいかしら」

 

美希「ビタミンが豊富な物や食物繊維のある野菜がいいと思うけど、健康のことを考えるとそれがいいかもしれないわよ」

 

 

 

ラブ「美希たーん!ブッキー!」

 

 

 

美希「え!?ラブ…?」

 

祈里「そんなに大声出してどうしたの?」

 

ラブ「後でちょっと私の用事に付き合ってほしいの」

 

せつな「事情は私が説明するから、ね?」

 

美希「ふふっ。なんとなく予想はつくわ」

 

祈里「まぁね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~駅前のショッピングモール~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真琴「マナがいる病院はここの近くでいいかしら?」

 

亜久里「さっき六花が慌てて駆け足で走って行きましたね」

 

ありす「実はあそこ、四葉財閥のグループの内の人達が設立した病院なんですよ」

 

真琴「うそ!?今初めて知ったわ…」

 

亜久里「ブラボーですわ…」

 

ありす「あら?誰かが来たようですね」

 

 

 

ラブ「ふぃ~…。ここに来るのに結構運賃かかるんだよねぇ~」

 

せつな「遠い町だし、仕方ないわ」

 

祈里「これじゃお小遣いでドーナツ買えないかもね」

 

美希「金銭感覚鈍ってなきゃいいけど」

 

 

 

亜久里「やっぱり来たんですか。なぜここまで」

 

せつな「どうしてもみんなで会いに行きたいとラブが思ってさ」

 

真琴「実は私達もよ」

 

祈里「となればこれで全員―――」

 

美希「ちょっと待って。六花がいないわよ」

 

ありす「六花ちゃんは一足先に向かったようですわ」

 

ラブ「じゃあ、このまま一気に向かおうよ」

 

 

 

こうして、みんなを集めて再びマナのところへ行くことにした。もう一回本当の気持ちを聞きたいし、何より自分が今どうするべきかを聞きたいから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~三十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「六花…。どうしてあたしのために…」

 

六花「そんなの決まってるじゃない…。私達には、マナが必要なのよ」

 

一瞬伝わる六花の温もり。なんだか心が和らげる感じだ。

 

マナ「あたし、ここ数日間わかったことがあるの」

 

六花「一体どんなこと?」

 

マナ「本当に大切なことはみんなで一緒に笑顔になること。それと幸せを忘れないことだって」

 

六花「いかにもマナらしい答えだわ。同感するわ」

 

マナ「あのねっ…。その、どうしても六花に言いたいことがあって…」

 

再度深呼吸をして気持ちを整えると、

 

 

 

ありす「マナちゃんには六花ちゃんがいた方がお似合いですよね?」

 

真琴「幸せの王子様は辛いわね」

 

亜久里「本当にお節介者ったらありゃしませんわよ」

 

 

 

笑顔であたしを励ましてくれたありすとまこぴーと亜久里ちゃんの姿があった。

 

マナ「みんな…!」

 

ありす「私達だけじゃありませんよ」

 

マナ「え…?」

 

 

 

ラブ「えへへ、来ちゃった」

 

美希「随分と痩せこけたみたいね。折角のスタイルが台無しかもよ?」

 

祈里「美味しいフルーツ買ってきたから後で食べる?」

 

せつな「マナ、心配かけちゃったと思うけど気にしないで」

 

 

 

なんとラブ達も駆けつけたという。こんな嬉しいことなんてそう簡単にはなかった。

 

マナ「み、みんなぁ~!(しくしく)」

 

あまりの衝撃に思わず嬉し涙を流してしまう。ちょっとこれは恥ずかしい…!

 

エル「遅いと思ったらこんなところに」

 

亜久里「えぇ!?来てたのですか!?」

 

エル「亜久里ちゃん、そんなに驚かないでよ」

 

真琴「これでようやく全員揃ったみたいね」

 

あたしは周りを見渡すと、いつもよりみんなの笑顔が微笑ましく見えてきた。それどころかみんなはあたしを励ますことしか考えていなかった。それに、

 

 

 

マナ「あ…。ミユキさん…」

 

 

 

後ろでガッツポーズをミユキさんが更に励ましてくれた。まさか、えへへ……。

 

真琴「そういえばマナに言い忘れたことがあったわ~」

 

マナ「ぎょえぇ!?まだ怒ってる…?」

 

真琴「そうかもね。むしろマナにとって嬉しいニュースよ」

 

マナ「嬉しいニュース?」

 

亜久里「実はですね―――」

 

ありす「パフォーマーが開催される次期が延長されたとのことです」

 

六花「なんだとて!?」

 

亜久里「六花まで驚いてどうするのです。知らなかったんですか?」

 

マナ「何か理由でもあるの?」

 

首を傾げてみんなに尋ねてみる。うそ、こんな奇跡って…。

 

ありす「主催者さんが別のイベントに参加するみたいでして。それで延期になったんです」

 

マナ「随分と単純な理由ね…(あはは)」

 

せつな「だから身体を正常にするのにまだ時間があるってことよ」

 

祈里「それまでリハビリできるわ」

 

案外拍子抜けしたような内容だったけど、これで少し猶予ができたわけだ。思う存分身体を治すことが可能になる。

 

六花「ねぇマナ。私さ、マナに言いたいことがあるの」

 

マナ「何さ今更。謝ればそれでOK―――」

 

 

 

六花「…ん」

 

マナ「……むぐ」

 

 

 

一同「「「えぇ~~!?」」」

 

 

 

この瞬間、一同が一番驚いた場面だった。




あと2話で第二章終わりです。


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第137話 いつまでも一緒に①

ありす「あらあら、なんて大胆でしょう」

 

真琴「いくらなんでも…」

 

亜久里「愛が芽生えちゃいますわね」

 

マナ「ちょ…今何した!?」

 

六花「決まってるじゃない。私からの気持ちよ」

 

一瞬の出来事だった。あたしが口を挟む余裕を与えずに六花が行動を起こした。その直後、あたしの口元に柔らかい感触が全体的に伝わった。も、もしかして……!

 

 

 

マナ「あたし、お嫁に行けないかも……」

 

 

 

流石にこればかかりは無理だと悟る一方だった。

 

真琴「でも悪くないかも」

 

せつな「ひょっとして二人は」

 

美希「お互いに」

 

祈里「愛し合って―――」

 

 

 

マナ&六花「「いやぁああああっ!!」」

 

 

 

恥ずかしい!こんなのあまりにも恥ずかしいよ!

 

ラブ「ハラショー…」

 

ありす「はい、ほぼ毎日のようですので」

 

六花「余裕で肯定しないでぇ~!!」

 

亜久里「まるで夫婦ですわ」

 

マナ「やめてぇ~!!」

 

せつな「一応この話はなかったことにしておいた方が御の字かしらね…」

 

祈里「まだまだ続きが気になるかもね~」

 

ありす「では今度マナちゃんと六花ちゃんの秘蔵映像をみんなで見ましょうか」

 

六花「それだけは勘弁してっ!」

 

 

 

~~閑話休題~~

 

 

 

マナ「とまぁこれくらいとして。六花が言いたいことって何なの?」

 

周りが落ち着いたところで本題へと差し掛かる。デレてる六花が俯きながら渋々と答え始めた。

 

六花「今日までこの話をしてこれたのも私がダンスの番組を見たのがきっかけだし、何しろ積極的に付き合ってくれたことに凄く嬉しいくて誇らしいって思うの」

 

せつな「人それぞれで違う考え方をしているらしいけれど、上手い具合で考え方が一致するところもあるかもね。その考え方はありよ、六花」

 

亜久里「たまたま六花がこれをやりたいって言いだしたんですもの。それなりの名残ってものがあるんでしょ?」

 

六花「うん…。当然私だってその時の名残はあったわ。こんな形でやれるとは最初は思いもしなかったし、むしろ嬉しかったわ」

 

照れ笑いをするように答える六花に対して、あたしは正直な気持ちを告げる。

 

マナ「ここまでこれたのも六花がやりたいって言いだしたおかげなのかもね。ただこうやって満足できればみんなだって同じ考えになるんじゃないかな」

 

真琴「責任があるのはマナかもしれないけど、全体を束ねてるのは六花じゃないかしら。私は最初六花がダンスをやりたいってい出した時は正直驚いたけど、徐々に真剣になっていく姿が羨ましいなって気づいたわ」

 

亜久里「こういう言葉をご存じですか?先代ダンサー達の技術をしのぶ、という言葉を」

 

ラブ「それ、幼い頃聞いたことがあるかも…」

 

咄嗟に亜久里ちゃんが口にした言葉に安堵するみんな。特にダンスの経験のあるラブ達がそうだった。

 

祈里「もう全く聞かないことだけど、私達が小さかった時にたびたびその言葉を聞いた覚えがあってね。精神力を高めて磨き上げる技術を世の中に広めるという感じでね」

 

ありす「今なら難しいことを経験せずとも自分なりのやり方で世間を魅了させるのが一番新鮮と言いますか、成功した経験者達は度胸と強靭的精神力から秘める未知なる可能性を携わっている象徴を担うもの。つまり先人方の教えがあってこそのダンスですね」

 

マナ「亜久里ちゃん、いつの間にその言葉を聞いたの?」

 

亜久里「こんなの知っていて当然ですわ。まだまだわたくしも捨てたもんじゃありませんよ?」

 

美希「じゃあ一回どのようにやってきたかを考えてみない?」

 

ここで一度今までどのようにしてきたかを整理してみることにした。

 

 

 

マナ「まずは振り付け…」

 

六花「その次はポジション決め」

 

ありす「それに欠かせないのが体力作り」

 

真琴「あとは動きや表現力といったところかしら」

 

亜久里「とにかく役割が重要でしたよ」

 

 

 

一同「「「ふむふむ」」」

 

 

 

ラブ達が頷きながら答える。経験者からしてみればまだ足りない部分が結構あるけれど、それなりに腕は上げている。やれるだけやってみることはできる。

 

美希「なるほど、よくわかったわ。それじゃ当日までもう一度練習を始めましょうか。勿論、全員揃ってからね」

 

祈里「まずはリハビリをしっかりしておかないとね」

 

せつな「絶対戻ってくることを待ってるから」

 

ラブ「無理はしなくてもいいんだよ。私達がついてるよ」

 

マナ「ありがとう…。こんな嬉しいことはないよ」

 

六花「やる以上には本気出してよね。きっと完璧になれるから」

 

ありす「マナちゃんが復帰できることを私、信じてます」

 

真琴「とにかく感覚を取り戻してね」

 

亜久里「やるからには精一杯頑張りますわよ」

 

みんなから激励の言葉を贈られたあたしはどんどんやる気が湧いてきた。そうだよね、ここで諦めたらそこで終了なんだから。徹底的にやらなきゃ!

 

マナ「みんな。優勝という名の幸せ、ゲットだよ!」

 

決意を胸に、もう一度立ち上がることとなった。勝つじゃない、最高の笑顔を得るために……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一週間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれからあたしはリハビリを続けていたけど、明日で退院できるとのことだった。すぐに身体の感覚を取り戻してもう何の支えもなしで歩ける。あとは、心の問題だけだ。

 

マナ「はぁ~。早くアイちゃんに会いたいなぁ~…。今はシャルル達が面倒見てるけど、顔だけでも見たいな…」

 

 

 

コンコン…

 

 

 

マナ「誰?」

 

六花「マナ、来ちゃった♪」

 

マナ「り、六花!?」

 

ノックする音が響き渡り、そこへ数種類のフルーツを持ってきた六花が入ってきた。

 

マナ「今日はもう面会時間過ぎてるよ?」

 

六花「明日で退院でしょ?だからそのお祝いよ。あと今日は私ここで泊まっていくわ」

 

さりげなく笑みを見せる六花。なんだからこっちも笑ってしまいそうになる気分だ。

 

マナ「あたしさ、大分食欲戻ってきたんだ。今ではモリモリ食べれるよ」

 

六花「あ、そう。それならよかったわ。ねぇ、あれからありす達で話し合ったけどやっぱりマナのやり方はそのままでいいっていうことにしたけど。それでいい?」

 

今日までにまとめたことをメモした紙をあたしに渡す六花。多分これまでやってきたことは変更しなくてもいいらしい。ならば思う存分やり甲斐があるというものだったりする。

 

マナ「折角報告してもらって悪いね。おかげで練習を怠らなくて済むよ」

 

六花「けど、もう一度やってもらうわよ。戻ってきたお祝いとして、ね?」

 

マナ(余計にハードへと変化するような…)

 

六花「ねぇマナ、お願い…あるんだけど…(もじ)」

 

マナ「ふぃ?」

 

すると六花が恥ずかしそうな顔してこちらを見つめ始めた。な、何故…?

 

六花「夜中、一緒に…しよ?」

 

マナ「でもここ物音には敏感の部屋だし、一人用の部屋なんだよ?それでもいいの?」

 

六花「いいの…。ただマナがいいっていうなら…、私は別に構わないの…。その、マナは私が相手じゃいやなの…?」

 

どんどんあたしの近くまで急接近していく六花にもはや成す術はなかった。

 

マナ「じゃあ…いい…よ」

 

六花「あ、ありがとう…。私、嬉しい…」

 

結局、六花のお願いを乗り越えることはできなかったのだった。流石にこれは効果抜群だし…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~深夜~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「六花…そろそろ……いい?(ハァ、ハァ)」

 

六花「来て…!私にマナの全部を……(あぁ…)」

 

マナ「ならあたしも…一緒に……(シュル)」

 

六花「あぁ…っ!マナ…マナぁ…っ!」

 

マナ「最後は…二人でイこう…?」

 

六花「来てっ!早く…!」

 

 

 

マナ&六花「「あぁああああああああ~~っ!!」」

 

 

 

こうして、六花との淡い一夜を過ごして快楽を味わったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数日後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「お待たせ、無事に復帰したよ」

 

ありす「それではやりましょうか」

 

真琴「仕切り直しといったところね」

 

亜久里「早くやりたいですわ」

 

六花「それじゃ、本番に向けて猛特訓よ!」

 

 

 

一同「「「おー!」」」

 

 

 

もう一度あたし達の挑戦が始まり、みんなとの固い絆を築き上げることを胸に刻んだ。




次回で第二章完結です。


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第138話 いつまでも一緒に②

今回で第二章完結です。


マナ「これでもう大丈夫だね」

 

六花「あれからすっかりペースを取り戻したわね」

 

パフォーマー前日、あたし達は最終調整のためにもう一度練習をしていた。身体の障害はすっかり無くなり、今では確実にペースを崩さないようにしている。

 

ありす「ようやく全ての準備が整いましたね」

 

真琴「いよいよこの時が来るわ」

 

亜久里「はい、色々ありましたけどこれでです」

 

みんなが喜ぶように心待ちをしていた。今までのことを思い返すと様々な経験があった。それが夢かのような出来事だと捉えてしまう程だった。

 

真琴「いよいよ明日ね。みんな、明日に備えて今はゆっくり休みましょうか」

 

マナ「うん。慌ててもいい結果は出せないよね」

 

特に一番微笑ましい顔を見せていたのはまこぴーだった。あたしが復帰してからあまりキツイことを言わなくなったのか、やたらと親切に接していたらしい。

 

亜久里「折角ですので、リラックスできることを考えたいです」

 

六花「正論ね。あと明日は一応みんなが来る頃だろうけど」

 

マナ「ジョーさんはともかく、ラブ達も来るんだよね」

 

ありす「既に約束は済んでいますよ。精一杯頑張れるので」

 

真琴「ねぇありす。この前の答えなんだけど、私にはどう受け答えるべきなのか…」

 

まこぴーがありすに申し訳なさそうな顔を見せる。一体何があったのか、ちょっとよくわからない。

 

ありす「いいですよ真琴さん。私も少し自分の行動力に不満を感じたもので」

 

真琴「でも私にも責任があったはず。ありすだけじゃないと思う」

 

六花「何があったか聞かせてもらえる?」

 

心配に思った六花が二人の話を聞いてあげることにした。

 

ありす「実は私と真琴さんで悩んでいたんです」

 

真琴「あの時マナが苦しんでいたのはよくマナを見ていなかったからじゃないかって悩んでいたから」

 

六花「そんなの悩むことでもないわよ?」

 

亜久里「過去のことは断ち切りましょうよ」

 

すると六花と亜久里ちゃんが平気そうな顔で無難に答えた。そうか、あたしが倒れた時にそんなことがあったんだ…。

 

マナ「とにかく、まずはいい結果を残そうよ。明日が待ってるから」

 

六花「えぇ。まずは休もっか」

 

期待を胸に、今日はここで解散することにした。明日、運命の日が訪れることはもはや必然的なのであろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~翌日~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナ「行ってきまーす!」

 

あたしは早起きして早朝の始発電車に乗ることにした。勿論事前集合が結構早いので数時間前の行動が必須だという。

 

マナ(シャルル達はアイちゃんと一緒にジョーさんが連れて行くそうだから後で来るのは確定してるよね)

 

そこから真っ直ぐバスへと乗り込み、近くの駅まで直行していく。

 

 

 

しばらくして六花とまこぴーが一緒に合流し、そこから改札口を通って電車へと乗った。

 

 

 

マナ「緊張して全然眠れなかったよ~」

 

六花「おかげで寝不足っぽいけどね」

 

真琴「とにかく今日は頑張りましょう」

 

ちなみにありすと亜久里ちゃんは後から一緒に向かうとのことだった。会場へと向かうこと一時間。ようやく到着することができたのだ。

 

 

 

マナ「ありす、亜久里ちゃん、おはよう」

 

ありす「おはようございますマナちゃん」

 

亜久里「朝早いのは流石に眠たくなりますわぁ~…(ふはぁ)」

 

渋々と呟きながたあくびをする亜久里ちゃん。亜久里ちゃんぐらいの年齢じゃこの早さにはキツイかもしれない。

 

六花「これで全員ね。あとは本番でみんなが来ると思うから」

 

真琴「そうね。みんな、ここまでこれたけど絶対にいい結果を残しましょう」

 

マナ「わかってるよ。それじゃ、気合を入れるよ」

 

ここで一斉に輪になって手を指し伸ばし、

 

 

 

一同「「「響け、愛の鼓動!目指せ最高のパフォーマンス!」」」

 

 

 

掛け声と共に集合場所へと向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開会式はあっという間に終わり、色々なチーム達の演技が繰り広げていよいよあたし達の出番。観客席にはラブ達、そしてせつなもいた。

 

ラブ「始まるね、もうワクワクするよ」

 

美希「最高のダンスを見せてあげて、完璧にね」

 

祈里「これは写真取る必要あるわ、きっと!」

 

せつな「頑張って、みんなならできるから」

 

そしてついに…。

 

 

 

マナ(やれる、絶対に…!)

 

 

 

あたし達の夢を繋げるための新たな物語は今始まろうとしていた―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

L「君には色んな世界に行ってもらうからね」

 

???「えぇ~、マナと遊びたかったのにぃ~」

 

L「大丈夫さ、いつかまた会えるよ。ね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

L「レジーナちゃん」




次回は第二章の振り返りに入る予定です。


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第138.5話 幸せを求め…

マナ(これまでたくさんのことがあった。それを全部引き出したい…!)

 

今日まで必死に努力してきた。仲間との絆を深めてこの舞台まで来ることができた。そその集大成は、ここで披露する…。

 

 

 

ところでダンスってどんな意味が込められていると思う?有体な考えだと楽しさ、臨場感、そしてワクワク感。どれも色々な意味が込められてると思うよね。あたしの場合は身体を動かせるし運動がてらの楽しさという考えだね。どんな感じで考えるかは人それぞれだけど、個人での楽しみ方は様々だし何より一番の宝物かもしれないよね。

 

 

 

そんな当たり前なことを思ったのは珍しいわけじゃない。ごく普通なことだった。今こうやって必死で踊っている自分に夢中になるくらいだ。でも、ここまで費やした努力が証明できた。それは、深まる絆で成立できたのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうやって周りを見ると、みんなが輝いてるように見える。あたしとはまた違った披露の仕方をしている。そして一斉にまとまった動きで次へと繋げる。今まで教わったことを活かしてそのまま繋げる。最後はみんなでフィニッシュ、これで披露は終了した。長いようで長くもない時間が終わった。

 

マナ(これでよかったんだよね、みんな…)

 

あたしは今培ってきた努力がここまで素晴らしいと実感している。やれることは全力でやったし、あとは結果を待つだけ。それまでは結構時間がかかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブ「みんな、やったね」

 

マナ「うん。最初から最後まで全力をつくしたよ」

 

亜久里「ちょっとしくじりそうになりましたが、なんとか上手くいきましたわ」

 

あたし達を出迎えてくれたラブ達が満面の笑みを浮かべていた。それにシャルル達や他の身内もそうだった。まず一言で表すと嬉しい、それだけだ。

 

せつな「それで、結果はもうわかってるわよね?」

 

祈里「早く見せて」

 

真琴「いいわよ、ほら」

 

まこぴーがつかさずトロフィーと賞状をラブ達に見せた。そう、この結果はというと、

 

 

 

マナ「惜しかったけど、銀賞だったよ」

 

 

 

あたし達は惜しくも金賞を逃したけど、銀賞を獲得することができた。

 

ありす「とても楽しかったです」

 

美希「発表の時もの凄く号泣してわよね、ラブは」

 

ラブ「あれはたまたまだけどさ、でも超よかったと思うよ」

 

六花「マナ、この経験はまだ終わりじゃないわ。次なる目標に向けてまた頑張りましょう」

 

マナ「そうだね、ここで終わりじゃない。むしろ始まったばかりなんだから。できれば、レジーナにも見せたかったけど…」

 

ありす「マナちゃん…」

 

マナ「いや、なんでもないよ。じゃあ早速次のダンスに向けて練習するぞ~!!」

 

六花「相変わらず張り切ってるわね」

 

真琴「それこそマナだと思うよ、だってそういうことじゃないかしら」

 

今日は最高の笑顔を得ることが目標だった。今ここで果たすことができて凄く嬉しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから数週間、あたし達はまた当たらな目標に向けて再びダンスをすることを決意した。今度はラブ達と一緒になりたいし、ワクワクする。これが実現できたかどうはこれはまた別のお話しで。




遅くなりましたが、今回をもって第二章終了となります。さて、軽くまとめに入りますが今回の章は戦うシーンを大幅に減らしたドラマパートが中心でした。

一つのことに必死になって頑張る彼女達の成長を描いた感じとなります。その現実の辛さや友情といった更なる目標が出せたかと思います。

短いですが今回はここまでとします。それでは次の章である第三章でお会いしましょう。


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第三章
第139話 花を揺らめいて


???「…助けて」

 

 

 

誰…?私を呼んでいるのは…。

 

 

 

???「早くこの世界を救って…。でないと大きな災いが……」

 

 

 

大きな災い?一体何を……―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「いつか、プリキュア同士による大規模な戦争が始まる……。その前に―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

待って…!あなたはなぜ―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆ、夢…?あれは何を意味して―――ってもうこんな時間!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~希望ヶ花~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「えりか、なんでもっと早く起こしてくれなかったんですかぁ~(ぷい)」

 

えりか「だってつぼみがいつまでたっても起きないからよ。迎えに来て損したわ」

 

つぼみ「ちょっとはデリカシー持ってくださいよ…」

 

私の名前は花咲つぼみ、今日も楽しく過ごしたくてウキウキしています。今日は親友のえりかと一緒にお買い物をする予定です。

 

つぼみ「今後はタイマーを複数設置しておけば寝坊はしないと思いますよね?」

 

えりか「……(ふっ)」

 

つぼみ「なぜ『そんなこと私に聞くなよ』って顔をするんですかぁ!?」

 

私の発言にやつれるように首を振るえりか。わかってましたよ、自分が情けないってことを…。

 

えりか「だいたいつぼみは一人でやらなきゃいけないことをどうして他人の手助けをする必要があるのよ」

 

つぼみ「だって昨日迎えに来るって言ってたじゃないですか」

 

えりか「わたしゃつぼみの嫁さんじゃないからね。それぐらいわかるじゃん普通」

 

次々とえりかの咎めた発言を受け止めてしまう私が醜いです…。

 

つぼみ「ところで今日買い物をする場所は決まってるんですか?」

 

えりか「近くのショッピングモールに行くわよ。そこでオーダーメイドとかする予定だからさ」

 

つぼみ「流石はえりか…。コーデに関してはカリスマレベル…」

 

えりか「えぇ~?もっと褒めてぇ~」

 

はぁ…。こんな調子でいいのやら、全然先が読めません…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで買い物を始める私とえりかがあることに気がつきます。

 

つぼみ「ところでシプレとコフレは…」

 

えりか「どうやらコフレが置手紙を残したっぽくてさ」

 

つぼみ「んで、なんて」

 

えりか「えーっと、『突然ですが、今日は用事があるため留守にするです。探さないでください』だって」

 

つぼみ「起きたらいなかったから多分自分探しの旅に―――」

 

えりか「それはないから、あの二人ができるわけないでしょ」

 

さっきからわかってたことですが、シプレとコフレはどうやら留守にしていたようです。

 

つぼみ「もし誘えたらいつきとゆりさんも一緒したかったですね」

 

えりか「残念ながらその二人も今日は用事で無理って事前に言ってたからね」

 

そう考えるとちょっと物足りなさを感じてしまいます。いつもいるためかいないとなると結構変わってしまうものでしょうか?

 

えりか「さて、今日はかなりの大漁になるわよ。みんなのためにひと肌脱ぐわよ」

 

つぼみ「ほぇ~…。時間かかりそうな気が……」

 

えりかが満面の笑みを浮かべる一方、私は不安の表情しか浮かびあげることができませんでした。大量に買ったら私はお荷物係。それだけは勘弁ですぅ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「ここが次の世界。そろそろ任務を開始しないと…」



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第140話 自分なりのコーディネイト

えりか「何かリクエストない?」

 

夢中になって色々な種類の衣服などを見て回るえりかがもはや真剣な表情をしていることが伺えます。一体金銭感覚どうなっているのでしょう…。

 

つぼみ「えっと、私はこの薄っすらとした温かい感じの配色をしたワンピースが素敵だと思うんですよね」

 

えりか「ふむ、悪くないチョイスかもね」

 

つぼみ「これとは別に薄紫のフリルとかもいいじゃないですか?」

 

難しい顔をしているえりかを更に意見を入れてみる私。すると、

 

えりか「どれもいいけれど何か足りないものがあるっていうか、アイデンティティっていうか…」

 

その結果は話のレベルが違ったみたいでした、とほほ……。

 

つぼみ「どんなのが理想なんです?」

 

えりか「一応今回ばかりは気合を入れたいところなんだけどさ。なぜか引っかかる部分があるのよ」

 

つぼみ「引っかかる部分?」

 

えりか「色を合わせるのは勿論いいけど、それと同時に見る方と見せる方のイメージが食い違うと断言するような…」

 

道理でえりかが悩んでいたわけだったんですね。それなら話は早いでしょうし。

 

つぼみ「ここは大胆な見せ方にしちゃいましょうよ!」

 

えりか「大胆?」

 

つぼみ「はい、もしそれくらいで手こずるなら思い切って勝負するんですよ」

 

えりか「勝負…。ふぉ!?閃いた~!」

 

ここでえりかの第六感が覚醒したようです。こ、この輝きは尋常じゃありません…!

 

 

 

えりか「つぼみ~!ここにあるもの全部見ていくわよ~!」

 

 

 

つぼみ「逆にはしゃいでいるようにしか見えない気が…」

 

そんなこんなで一件目の店にある品を全部確認しつつ、必要な物だけを購入。それから次の店へと向かいます。

 

つぼみ「ふふ、これだけでも似合うような気がしますね」

 

えりか「つぼみが着るとバッチグーっしゅ!」

 

試着室で私が色々な服を試着します。自分でもなんだか嬉しい気分になりそうです。

 

えりか「さてと、これでよしっと」

 

咄嗟に次の予定をメモするえりかに興奮してしまいます。これがプロの考えというものなんでしょうか…!

 

えりか「次行くわよ、まだまだ買い物は終わらないんだから」

 

つぼみ「はい、ですがあまり荷物は多すぎないように…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「そろそろ最後の店ね」

 

つぼみ「え~り~か~…。私、お腹すきましたぁ~…(げっそり)」

 

えりか「弱音吐かないの。あと少しなんだから―――って何か落ちてる」

 

つぼみ「黄色い包み紙に包まれてるのって…」

 

えりかの足元に何か飴玉のようなものを発見しました。各々と確かめてみることにします。

 

えりか「ふむふむ、とても甘さそうな匂いがする」

 

つぼみ「ちょっとえりか、落ちた食べ物を口にするのは―――って食べちゃいましたよ!?」

 

えりか「ペロペロ…。あ、あっま~いっ!!」

 

なんて強靭力!?流石はえりかです…。

 

えりか「ハチミツの味が凄く協調されてるって感じね」

 

つぼみ「一体だれかが落としたんでしょうね」

 

あまりの脅威に少し腰を抜かしてしまいます…。あれは誰のものでしょうか?

 

えりか「さぁ、グズグズしてないで早く行くわよ~」

 

つぼみ「やれやれ」

 

あとは全部買い終えるまで辛抱しますかね。関せしたらどうなるかが楽しみです。



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第141話 のどかでおっとりしたもの

買い物を終えた私とえりかはそろそろお昼ご飯をとることにします。

 

 

つぼみ「私、とてもいい店を知ってますよ」

 

えりか「何、もの凄いブラボーな場所!?」

 

つぼみ「ち、近いです…。とにかく、今から行きましょうよ」

 

えりか「いえ~っす!」

 

無邪気そうに喜ぶえりかを引っ張るように連れて向かいます。今日は色々と活躍したえりかに何かをご馳走させてあげたいですね。

 

つぼみ(そういえば、さっきから誰かに見られてるような気が…)

 

えりか「どったのさ?」

 

つぼみ「な、何でもありませんよ?」

 

妙な気配を感じ取った私は、恐る恐る進みます。嫌なことがなければいいんですが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~三十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「どうですか?ここの自慢のパンケーキは」

 

えりか「これはまさに味の革命祭りっしゅ!」

 

店に入り、それぞれで注文を済ましてからの食事。私は甘くて香ばしいフレンチトーストにあったかいコーヒー。えりかはブルーベリーソースとアイスを添えたパンケーキとレモンティー。どちらも人気メニューだったりします。

 

つぼみ「してえりか、戻ったら早速作業に入るんですか?」

 

えりか「とりあえず事前にオーダーメイドしてあるから作業が捗れるけどね。ここからいい感じに仕上げたいわね」

 

つぼみ「完成したら誰を試着させるんです?」

 

えりか「バカ、それを先に教えてどうすんのよ。それじゃ私のプライドに傷をつけちゃうじゃない」

 

つぼみ「ごめんなさい…(しょぼん)」

 

えりか「ともかくつぼみが上手く手伝ってくれたらこっちとしても鼻が高いからさ」

 

今日買った物をメモしていくえりかが再度見直していきます。これ以上余計なことを口にしない方が身の為なのでは…。

 

えりか「ほらつぼみ、口開けて」

 

つぼみ「ふぇ?いきなり―――」

 

えりか「どう?美味しい?」

 

突然口の中にパンケーキを押し込まれて動きが止まってしまいます。

 

つぼみ「お、美味しいですよ?」

 

えりか「一口ぐらい食べさせ合いしたっていいじゃない?」

 

つぼみ「これじゃまるで…、えりかが彼女みたいじゃないですか…(ボソ)」

 

えりか「今微かに聞こえたけど!?」

 

つぼみ「冗談ですよぉ~。きっとただの聞き間違いだと思うので」

 

えりか「最近のつぼみは爆弾発言をすることがあるから危ういのよ…」

 

透き通る寒気がえりかに襲い掛かります。別にそういうつもりで言ったわけじゃ…。

 

つぼみ「危ないことは言いませんよ、絶対に」

 

えりか「まぁそれならいいけれど。ともかく、早い段階で仕上げたいの。そのためにはつぼみの―――いや、できれば複数人の協力が必要となるけれど」

 

つぼみ「私は何やったらいいですか?」

 

えりか「細かい材料とかを用意。そこから私が手入れするの。これは私じゃなきゃできないことでもあるから、最高の仕上がりにしたいんだから」

 

無我夢中になりながらも必死で考えを整えるえりか。確かに腕に関しては否めませんよね。

 

つぼみ「そのためにはたくさん努力が必要ですよね」

 

えりか「いや、それ以上の根気よさね」

 

つぼみ「やれますよ、えりかなら―――っ!?」

 

えりか「どったのさ?」

 

つぼみ「今、どこかで…」

 

えりか「妙に鋭いわね…」

 

一瞬のことでした。私は何かを感じとることができました。きっとどこかで何かが…。

 

つぼみ「えりか、のんびりする時間はあまりありません。急ぎましょう」

 

えりか「よくわかんないけど、了解。さっさと食べなきゃ(もぐもぐ)」

 

私にはわかります。すぐ近くに邪気が近づいていることが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「ターゲットが近くにいたのね…。早速行動を開始しないと」



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第142話 暗黒の魔法

つぼみ「一体どこから…」

 

えりか「美味しかったわ~。また今度行きたいわ~」

 

つぼみ「って頑なに関心してる場合ですか~!?」

 

えりか「了解、さっさと行こうか」

 

私の感が的中したようです…。どうやらどこかで怪しいことが起きる模様。私とえりかが気配を辿るように慎重に行動します。

 

つぼみ(おそらくは東の方から来るはず…。なぜこれほどの気配を感じれたのでしょう)

 

身体中から来るプレッシャーに耐えつつ、少しずつ探していきます。そこには意外な光景を目の当たりになることになります。

 

 

 

ひゅう……

 

 

 

不気味な煙が徐々に漂ってきているようです。とても危ない感じです。

 

えりか「ちょっとつぼみ、あれ…」

 

つぼみ「うっ…!なんかこげ臭いですね…けほ」

 

えりか「こんなところで喫煙なんて冗談じゃないわよ…げほ、げほっ」

 

つぼみ「多分喫煙じゃないと思いますけどね」

 

更に近づいて様子を窺うと、予期せぬ出来事が起きてしまうのです。

 

 

 

えりか「うぅ―――あおIIOHGFHIOougyIPHIPHUIOGuoghilnhip…」

 

つぼみ「え、えりかっ!?」

 

えりか「コ…コウシンヲ―――IOAIOJIPHSUOHWOJCK+SZMKOMI…」

 

 

 

突然えりかが意味不明な言葉を唱え始めたようです。何かに操られたかのように。

 

つぼみ「ど、どうしましょ~!?えりか!しっかりしてください!(ブン、ブン)」

 

えりか「シュジンカクサマへ…ジュシン、カンリョウ。セツダン―――ふぁ!?わ、私一体何を…?」

 

つぼみ「目を覚ましたんですね、よかったぁ~!(ぎゅ)」

 

えりか「つぼみ!?なぜ突然抱きつくのよぉ!?」

 

正気を取り戻したえりかに、私は思わず咽び泣きました。も~、心配させないでほしいですよ…。

 

つぼみ「っ?あれを見てください」

 

えりか「ほえ?誰かいるわさ―――」

 

 

 

つぼみ&えりか「「っ!?」」

 

 

 

この時、異常な殺気を感じとりました。目の前に脅威となる者が現れることを。

 

???「ターゲットを発見。主君様、直ちに排除を致す」

 

???「その必要はないわ…。あなたは戻っていいから、あとは任せて」

 

えりか「あれは…?」

 

目の前にいたのは謎の黒い物体と一人の少女。どうやらあれが元凶だと思われます。

 

つぼみ「この事態はあなた達の仕業ですか?」

 

???「よくここがわかったね。私はX、プリキュアを消滅させるのが使命」

 

えりか「まさかのまさか」

 

 

 

ゴゴゴ…!

 

 

 

X「キュアブロッサム、キュアマリン。ここがあなた達の死に場所となるの…。魔法入りました。大いなる闇をまといしいでよ、ヨクバール…!(ゴォオオ…!)」

 

 

 

ヨクバール「ヨクバール!!」

 

 

 

つぼみ「何か出ましたよ!?」

 

えりか「やべぇ~っしゅ!」

 

Xと名乗る私達と同じくらいの少女が怪物を召喚してきました。あのどす黒いオーラがその証拠となります。

 

X「さぁ、あの二人を始末してちょうだい」

 

ヨクバール「ギョイ!」

 

つぼみ「えりか、行きましょう―――ってこんな時にシプレいないですよぉ~!」

 

えりか「あのバカコフレはどこで油売ってんのよぉ~!」

 

 

 

シプレ&コフレ「「ただいま来たです~!」」

 

 

 

つぼみ「シプレ!」

 

えりか「コフレ!」

 

なんと、起死回生のタイミングでシプレとコフレが駆けつけたみたいです。これでやっと…!

 

シプレ「怪しい気配を感じたからもしかしたらと思ってです」

 

コフレ「心配かけてごめんなさいです」

 

つぼみ「いいです、とにかくあれを止めるのが最優先ですから。ね、えりか?」

 

えりか「その通りだわさ!あれをどうにかしなきゃ解決できんのじゃ!」

 

仕切り直していざ戦闘態勢に入ります。

 

 

 

シプレ&コフレ「「プリキュアの種、行くです~!」」

 

 

 

シプレとコフレから放たれるココロの種を手にして、

 

 

 

つぼみ&えりか「「プリキュア・オープンマイハート!」」

 

 

 

その力で全身に凄まじいエナジーを宿します。その姿こそが、私達に光を照らすのです。

 

 

 

ブロッサム「大地に咲く一輪の花!キュアブロッサム!」

 

マリン「海風に揺れる一輪の花!キュアマリン!」

 

 

 

ブロッサム&マリン「「ハートキャッチプリキュア!」」

 

 

 

そう。私達は世界を守る伝説の戦士、プリキュアなんです。

 

X「ここで始末してあげる…」

 

さぁ、どこからでもかかってきてください…!私達が止めてみせます!



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第143話 吹き荒れる花びら①

漂う雲行きのよくない空間。目の前には恐ろしい脅威が佇んでいます。こんな相手にどう対抗するか、そこが重要となりうるはずです。

 

 

 

ひゅぅぅぅ……

 

 

 

冷たい風と空気。まるで寒気を感じさせます。そんな中、迷わずに行動を開始しようとします。

 

 

 

ジャリィ…

 

 

 

マリン「はぁあああっ!(ドガァ!)」

 

ヨクバール「ギョイ!(ガシッ)」

 

マリン「しまった…っ!?」

 

ブロッサム「マリン、後ろから来ます!」

 

 

 

ビィィ…!

 

 

 

迫りくる一撃を私が間一髪で耐えます。この隙にマリンが回り込んで足払いをします。

 

 

 

ブロッサム「早速嫌な予感がするみたいですね…」

 

マリン「気にせずに、一気に決めるだけ。でしょ?」

 

 

 

ゴゴゴ…

 

 

 

ブロッサム「次が来ます!」

 

マリン「躱して反撃するのみ!」

 

X「…ふふっ。あなた達にこれが避けられる?」

 

ヨクバール「ヨク…バールッ!(ドバァァァ!)」

 

 

 

巨大な砲撃を全力で避けようとするが、太さが尋常ではありませんでした。

 

 

 

ブロッサム「うっ…!ああああ!」

 

マリン「ブロッサム!この…っ!!」

 

ヨクバール「ヨクバールッ!(ブォオオ!)」

 

マリン「ぐ…っ!」

 

 

 

到底防ぎきる程の威力じゃありません。あの敵からは強烈な邪気を感じるあまり、私達が食い止めるぐらいの勢いがあるのでしょうか。

 

 

 

ブロッサム「まだです!プリキュア・ピンクフォルテウェイブ!!(バシュゥゥ!!)」

 

X「無駄…。やって」

 

ヨクバール「ギョイ!(クォォォ!)」

 

ブロッサム「そんな!これでもダメなの…」

 

マリン「まだまだぁ~!プリキュア・ブルーフォルテウェイブ!(シュバァァァ!!)」

 

 

 

今度はマリンが正面から一撃を放ちます。先程の私の攻撃が吸収されてしまい、驚きを見せてしまうことに。マリンならばやれるはずですよ、きっと…!

 

 

 

X「そのまま吸収して、跳ね返してあげて」

 

ヨクバール「ヨクバール!!(ゴゴゴ…!ドバァァァ!!)」

 

ブロッサム「なんてこと…」

 

マリン「私のでも無理なの…?」

 

 

 

ズガァァァ!!

 

 

 

やはり戦っていない相手と戦うのは無謀だったのでしょうか?でも、ここで諦めるわけには……!

 

 

 

X「どうして…?どうしてあなたがここに…?」

 

ブロッサム「…あれ?ダメージを受けていない」

 

マリン「何がどうなったのさ」

 

 

 

なんと今ので私達は見事に致命的な状態になるのを免れたようです。だとすればあれは…?

 

 

 

X「あなたはこの世界に来るべきではなかった。そうでしょ、レジーナ」

 

レジーナ「だって、ここにもプリキュアがいるって聞いたなら見過ごすわけにはいかないでしょう?ならばあたしにもそれを熟す義務があるの。違う?」

 

マリン「誰あの娘」

 

ブロッサム「さぁ…」

 

 

 

どうやら、またよからぬ事態を招くこととなるでしょう。



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第144話 吹き荒れる花びら②

レジーナ「あたしのことをよく知るあなただって邪魔されても当然なんでしょ?」

 

X「私は肉体がない頃からあなたを見てきたけど、やはり強情なのね」

 

マリン「さっきから自分達の話しかしてないでこっちにも集中してほしいんだけど~!」

 

ブロッサム「無視は嫌いですよっ」

 

 

 

バボォォ!!

 

 

 

レジーナ「今は取り込み中なの。用あるならあの怪物をやっつけてからね」

 

ブロッサム「今はあれを止めないと解決できませんよ。行きましょう!」

 

マリン「全く人使いが荒いことだわさ。すぐ行くから首を洗って待ってよね!」

 

 

 

シュバァ!

 

 

 

相手の猛攻を防ぎつつ、一気に接近する私達。確かにあのレジーナって娘が気になりますけど、それより早くやれることをやってしまわないといけません。

 

 

 

ひゅぅ…

 

 

 

ブロッサム「風が変わった…?」

 

X「ヨクバール、適当にいなしておいて」

 

ヨクバール「ギョイ!」

 

マリン「先手必勝!とりゃあああ~!(ズドドドド!)」

 

 

 

ここでマリンが真正面から連続攻撃を繰り出します。勢いがいいですね。でも、後ろでレジーナが退屈そうに嘲笑ってきたようです。

 

 

 

レジーナ「ふぅ~ん。この世界のプリキュアって意外と計画を立てないんだね。ちょっと残念かも。反撃してよ」

 

X「そいつは私の僕。勝手に指示しないで」

 

レジーナ「いいでしょう?あたし達は仲間であり、友達じゃないの」

 

X「自分勝手な解釈をしないで。お兄様にはちゃんと許可を得たの?ここに来ることを」

 

マリン「っていつまで揉め事してんのさぁ~!」

 

 

 

あっちはあっちで解決した方がいいんじゃないでしょうかぁ~……。

 

 

 

レジーナ「あぁ、L兄のことか。勿論許可を得たわよ。そうじゃないとここには来れないんだもの」

 

ブロッサム「あぁ~!どっちを相手にすればいいんですか~!?」

 

マリン「とにかくあいつを!」

 

ブロッサム「はい!突撃しま~すっ!(ボガァ!)」

 

X「何をしてるの。早く倒して」

 

ヨクバール「ヨクバール!(ブンッ!)」

 

マリン「ぴぎぃいい!?なーんていうとで…も!(ゴッ!)」

 

 

 

続けて相手の脛にめがけて裏拳をお見舞いします。あれはちょっと痛々しいですよねぇ~。

 

 

 

ブロッサム「だんだん弱ってきましたよ!」

 

レジーナ「ほら、しっかり指示しないとやられちゃうよ?」

 

X「まだこの世界に来たばかり。よくわからないわ…」

 

マリン「何が闇の魔法よ!所詮ただのはったりにしか過ぎないんですけど!」

 

ブロッサム「マリン、決めますよ!」

 

マリン「ほいな!」

 

レジーナ「やれるもんならやってみなよ?」

 

 

 

ブロッサム&マリン「「プリキュア・フローラルパワーフォルテシモ!!(ブシュゥゥ!!)」

 

 

 

眩い光が、一気に全体に包み込んで浄化していきます。

 

 

 

ヨクバール「ヨクバール…(シュン…)」

 

レジーナ「あ~あ、やられちゃったね」

 

X「あなたが邪魔しなかったらこんなことには―――」

 

 

 

L「元々は僕の責任だよ。僕から謝るよ」

 

 

 

X「お兄様…」

 

レジーナ「L兄、なんで来たのさ」

 

マリン「また何か来たし」

 

ブロッサム「誰なんですか」

 

 

 

ここでまた一人見知らぬ人物が現れました。次から次へと、本当に疲れちゃいますよ…。

 

 

 

L「初めましてかな、花咲つぼみちゃんと来海えりかちゃん―――いや、キュアブロッサムとキュアマリン」

 

ブロッサム「あなたもプリキュアを…」

 

マリン「そのむかつく面はどうにかならないの?」

 

L「まぁまぁ。僕の名はL、偉大なるネオフュージョンのために様々な世界を巡っている。現に妹のXもその一人」

 

マリン「でもあなたさっきまで肉体ないって言ってなかった?」

 

X「お兄様は私に肉体を作ってくれたの。来る時が来るまでは精神だけだった」

 

レジーナ「ねぇ、次はどうしたらいいの?」

 

L「本来この世界の住民ではない君も随分と張り切っているねぇ。まぁ君が本気出したら怖いと思うけどさ」

 

 

 

この世界?一体何の話なんでしょう…?

 

 

 

L「君達もせいぜい頑張ってね。どこかでイレギュラーな人物と遭遇するかもしれないし」

 

ブロッサム「イレギュラー?」

 

レジーナ「どうせあなた達にはわからないわよ。じゃあね(ビュワ)」

 

 

 

謎の言葉を言い残し、三人共姿を消してしまいました。イレギュラーとはどんな人なのやら…。

 

 

 

ブロッサム「これは何かが起きますね」

 

マリン「うん、ほぼ確実にね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~とある廃墟~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュバ!

 

 

 

ファントム「お前もプリキュアのようだな。ここで死んでもらう」

 

Dプリキュア「私はお前に負けはしない…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

X「イレギュラーな人物は、ダークプリキュアにプリキュアハンターであるファントム……。覚えておこうかしら…。ふふっ」



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第145話 STRIDE OF DEAD

一部修正の再投稿版です。


僅かに聞こえる小鳥達の囀り。それは到底いい方向ではなかった。それはむしろ逃げ惑う意味なのかもしれない。この空気を受け入れる者は絶対いるとは限らず、すぐに引き下がってしまう程のことだった。この地でただひたすら戦い合う者達がいるのも、珍しくもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファントム「ダークプリキュア?どこのプリキュアだか知らないが、お前を潰し甲斐があるようだ。ここで俺に狩られろ」

 

Dプリキュア「私は何者でもない。お前に倒される筋合いなどない。そこをどいてもらう」

 

ファントム「この俺を無視するとでもいうのか。随分と余裕な様子じゃないか。それとも、俺に恐怖しているのか?」

 

Dプリキュア「誰がお前なんかに。どうやら一度剣を混じいた方がいいかもな。覚悟はできているか」

 

 

 

どこからか恐怖心を漂わせるような威圧感。とある人物が認識しているイレギュラーな人物、この二人こそがその証拠だった。この世界の悪なるプリキュア、ダークプリキュア。そしてプリキュアハンターであるファントム。彼らはとある人物にとって何かを意識しているという。

 

 

 

X「ふふっ。見つけたわ、ダークプリキュアとファントム。この二人が揃うことで何かが共鳴する、私にも知らないエナジーを感じて闘争本能が湧き上がる。一体これは…?」

 

 

 

そう、この二人が戦うことで何かがシンクロするのだった。後に起きることへの伏線として。彼女の脳裏がそう確信したのだろう。やがて、この二人が共に行動することになるのを知らずに―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~同時刻、希望ヶ花市~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「結局、あの娘の言うことが気になります」

 

えりか「無理もないわよ、必然的にあーなるから」

 

先程の戦いから気になってたことがあり、それは彼女が言うイレギュラーな人物ということ。私にはどうもピンと来ないようです。

 

えりか「ともかく、あまり深追いする場合ではないかもね」

 

つぼみ「もしかして、ココロの種を狙ってきたりなんかしませんよね…?」

 

シプレ&コフレ「「その時は全力で守るです」」

 

えりか「えぇ~、コフレなんかにできんのぉ?」

 

つぼみ「気持ちはありがいたいですが、私達でどうにかなります。ね、えりか?」

 

えりか「当然、その時はスパっと解決するね」

 

不安と不満という心を背負いながら頑なに考える私。勿論心が動揺しているわけではありません。ただ後戻りするような真似はしたくないということです。

 

えりか「でもさ、さっきの変な怪物めっちゃ面倒だったじゃん」

 

つぼみ「でしょうね。あの者達は他にも何かを知っているはずですし」

 

無論、これからのことも気になるところでした。敵も侮れない程だったのでそこは気を引き締めないといけません。

 

つぼみ「とりあえず、そろそろ帰りましょうか。えりかにはやるべきことがあるんでしょ?」

 

えりか「うん、今は今後のファッション作りのためのコーディネイトを済ませなきゃね。まぁいつき達にも手伝わせようと思ってるし」

 

えりかの熱血っぷりにはとても関心しています。出来上がったらいつきやゆりさん、それに―――

 

 

 

つぼみ「あ……」

 

えりか「どったのさ?」

 

 

 

一瞬ボーっとしてしまいました。人混みの中に青髪の男性が歩く姿を見ました。私の中の何かが表に出たようです。

 

つぼみ「か、かっこいい……(ドキドキ)」

 

えりか「コッペ様いるのにもしかして…(ニヤニヤ)」

 

つぼみ「きゃあ!?え、えりか!」

 

えりか「まぁつぼみが好きな方を選べばそれでもいいけどさ」

 

今の気持ちは凄く尋常じゃありません。見ただけで魅了してしまう程の面影、これはおそらく……、

 

つぼみ「……」

 

えりか「こんなつぼみ、初めて見たかも…」

 

 

 

私は今日、一目惚れをしてしまいました……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「こんちわ~ってコッペ様しかいないじゃん」

 

いつき「僕もいるよ」

 

えりか「い~ちゅ~きぃ~!(ギュ)」

 

いつき「そんなに抱き付かないでよぉ。それより、今日はどれくらい買い物したんだい?」

 

えりか「たくさんよ、しかも気合を入れて!」

 

いつき「おぉ~!凄いなぁ!つぼみと一緒に選んだんだね!」

 

えりか「つぼみがいなかったらいい考えが思いつかなかったっつーか、アイデンティティっつーか」

 

いつき「とりあえず完成が楽しみだね。僕も少し手伝うけどね。ってそれよりつぼみは?」

 

えりか「それが―――」

 

いつき「え!?そ、そんなことが…」

 

えりか「今はそっとしてあげた方がいいと思うの」

 

いつき「確かに、悩みがあれば誰だってあんな風になるよね」

 

えりか「多分だけどさ、恐らく今まで経験したことのない気持ちなんだと…私は感じるけれど」

 

いつき「つぼみ…」

 

えりか(とうとう恋心が芽生えたってことか…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~つぼみの部屋~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ(こんな気持ち…どうやったら。っていうかまだ何も喋っていないのに…。それなのに……胸の鼓動が……)



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第146話 愛を秘めて

目の前が真っ暗だ。あれから何も見えない。突然の出来事だからあたふたしてるけれど、これだけは確信した。私達の知らない何者かの仕業だと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、これからどうなるんだろう…。みんなとはもう、お別れなの?そんなの嫌だよ…。ねぇ、誰か答えて、私を一人にしないで…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――み

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰の声だろう…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――きてよ―――く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう、こんな辛い思いなんてしたくないの…っ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひめ「おっきろ~っ!!(ガバッ)」

 

 

 

めぐみ「おわぁ~!(ズタン)」

 

 

 

い、いきなりたたき起こされたなぁ…。てか今ここは…、

 

めぐみ「まだ戦いの途中なのに、どうして…」

 

ひめ「はぁ?何を言ってんの?さっきまでずっとお昼寝してたでしょうが」

 

え?どういうこと?今必死でみんなを探してたのに。まさか夢…?

 

めぐみ「私心配しているの。離れ離れになって凄く―――」

 

ひめ「悪い夢でも見たんじゃない?ほら(ギギギ…)」

 

めぐみ「いだだ~!…はっ!やっぱり夢じゃない…」

 

おもいっきり頬を引っ張られて現実を直視した。一体どういうことなの、これは。

 

めぐみ「んで何をやって―――」

 

ひめ「まだわかんないの?今出かける準備をしていたのよ。だって今日は、自分でオシャレな服を買ってそれを自分なりにコーディネイトするの!(ワクワク)」

 

めぐみ「そ、そうだっけ?」

 

どうやら私の記憶が勘違いしたのか、あるいは何らかの事態で時が乱れたのか。それ以上のことはわからない。ただハッキリと断言できる。おそらく私以外の全員が気づいていないと思う、これは―――

 

ひめ「ほら、早くお昼食べよ?今日はゆうこがお弁当持ってきてくれたからさ」

 

めぐみ「あ、そうだね…。食べようか」

 

私だけ影響されていない何かがあるってことを……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の名前は愛乃めぐみ。今日も素敵な毎日を送って幸せ一杯で笑顔喝采。まぁ今はそうでもないかもしれないけど、いつも通り乗り切ろうと思う。今はひめと一緒にお昼ご飯うにするところ。今日はゆうゆうが特製の手作り弁当を持ってきてくれたから楽しみなんだ。

 

めぐみ「ところでゆうゆう達は?」

 

ひめ「それぞれで予定があるからいないの」

 

どうやらゆうゆう、それにいおなちゃんは個別で用事があるとのことだった。折角の休日だし、せめて一緒にお出かけしたかったな。

 

めぐみ「ブルーは?」

 

ひめ「神様も不在、リボンと一緒にね」

 

めぐみ「そっか、残念だね。となれば私とひめ。それに―――」

 

ひめ「誠司もいるわよ」

 

めぐみ「勿論だよ。今日は三人で過ごすしかないね」

 

誠司「お前ら、ちゃんと手洗ってから食えよ?」

 

めぐみ「わかってるよ」

 

私とひめが嬉しそうに喋っていると、割り箸と飲み物を用意していた私の幼馴染の誠司が戻ってきた。流石誠司、頼りになるねぇ。

 

ひめ「もうお腹ペコペコで我慢できないよぉ~!」

 

誠司「飯は汚い手で食べるなって大森が言ってただろ」

 

ひめ「だってぇ~!」

 

めぐみ「ひめ、ご飯は冷めても美味しいよ。まだホカホカだからさ」

 

ひめ「やったぁ~!さっさと済ませよー!」

 

誠司「本当に呑気なやつだな、ひめは」

 

はしゃいでるひめを見て苦笑いをする誠司とその隣で手洗いを済ませた私が頷く。まだまだ女の子の部分はあるよね、ひめは。

 

 

 

それから数分後。

 

 

 

めぐみ「いただきまーす」

 

ひめ「モグモグ…。うっまーい!」

 

誠司「日にちが経過する度に益々美味くなってるな」

 

三人でお弁当を堪能しながら喜ぶ。その喜びは比べものにならないぐらいの勢いだった。

 

めぐみ「いや~幸せですな~」

 

ひめ「ホンマやで~」

 

誠司「ところで二人は今日どうするんだ?」

 

ここで誠司が私とひめを見つめるように聞いてきた。そういえば…。

 

めぐみ「後でひめと一緒にお出かけしようと思ってね。よかったら誠司も来る?」

 

誠司「まぁ俺も丁度暇だったし、いいなら行こうかな」

 

ひめ「お買い物すると思うから荷物運ぶの手伝ってね」

 

誠司「結局その役目なのか…」

 

そんなこんなで誠司も加わり、三人で出かけることとなった。たまには気分転換したいし、それもいいかもしれないね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「次はこの世界か、面白い…」



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第147話 やってはいけないコーデのやり方?(よい子は真似しないでね♪)

透き通る空気、それに喉かな青空。小鳥達の囀りと共に吹く清々しい風。そんなお昼時を利用して私達は少し離れた場所で買い物をすることにした。

 

めぐみ「楽しい楽しいお~出かけ~♪ひ~めと一緒にショッピング~♪」

 

ひめ「相変わらずハイテンションですな~」

 

誠司「全く、そうだよなぁ」

 

ウキウキしつつも三人で横断歩道を歩く。今日の目的はひめの買い物を手伝うこと。要するに服を買うことだ。

 

ひめ「ところで一つ提案あるんだけどさ」

 

ここでひめがキョロキョロしながら尋ねてきた。うむ、なんだか怪しいな…。

 

めぐみ「提案って?」

 

ひめ「実は、今日私が買う服について色々と見てほしいの。ちょっと面倒だけどいいかな?」

 

めぐみ「勿論だよ!ひめのためなら私、なんだってやるよ!」

 

ひめ「め~ぐ~み~!」

 

誠司「でもなんで今キョロキョロしてたんだ?」

 

ひめ「そ、それはあれよ。みんな色んな服装してるし私も何かインパクト入れなきゃって思っただけだし」

 

確かにその気持ちはわかる。ひめだって負けられない気持ちはあるだろうし、ここは意地だと思うよね。

 

めぐみ「それじゃ早速突入しようよ―――ってどこの店行くんだっけ…」

 

ひめ「えーっと場所はわかるけど、名前が…」

 

誠司「きちんと調べていないんだな、お前ら…」

 

めぐみ&ひめ「「ごめんなさい…」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~三十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道に迷ったけど、なんとか辿り着くことができた。それにしても凄い人盛りだ。

 

ひめ「じゃじゃーん!こんなのはどう?」

 

めぐみ「ひゅ~!いけてるねぇ~!」

 

ひめが水色のワンピースに桜柄のポーチの組み合わせを試着してみた。なんていうか、ひめにはとてもお似合いの組み合わせだね。

 

めぐみ「じゃあ私が提案した組合せにしてみようよ」

 

ひめ「わかった。すぐに着替えるわね」

 

誠司「でもひめならどれも似合うと思うな」

 

めぐみ「誠司も優しい部分はあるんだね」

 

誠司「まぁ率直で無難な感想だ。悪くないだろ?」

 

めぐみ「それと誠司」

 

誠司「なんだよ…」

 

めぐみ「覗いたらダメだよ…?」

 

誠司「しねぇよ、変なこと考えてないし」

 

さてと、次なる組合せを探しておかないとね。

 

 

 

それから時間をかけて色々試行錯誤し、

 

 

 

ひめ「次はこのチュニックとキャミソールとデニムを…dっはうぇいfhww」

 

めぐみ「ひ、ひめ~!?」

 

ひめは疲れ果ててしまった。

 

誠司「おいおい、考えすぎじゃないのか?少し休めよ、な?」

 

ひめ「このくらい大丈夫よ…。私の辞書に不可能なんてないし」

 

めぐみ「まぁ思いっきり上下逆に着ちゃってるよね?」

 

誠司「髪の毛がボサボサだ。俺がとかして―――おわ!?」

 

ひめ「およっ!?」

 

思わず誠司がつまづいてしまい、ひめとぶつかってしまった。

 

めぐみ「二人とも、大丈夫…?」

 

誠司「あぁ。なんとか」

 

めぐみ「っていうか、それどころじゃ…」

 

誠司「え…?」

 

 

 

ひめ「せ~い~し~…、どこ触ってんのよ~~!!(ゴッ)」

 

 

 

この瞬間、忘れられない光景を見てしまったようでした…。



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第148話 鋭い乙女心

ひめ「…何か私に言うことあるわよね?」

 

誠司「悪かった」

 

ひめ「反省してるなら許してあげる。でも私の方が小さいってバカにしてるでしょ」

 

めぐみ「まぁまぁ。本人もすっかり懲りたからそれでいいんじゃない?」

 

ひめに平手打ちされた誠司が渋々と謝る。さっき誤ってひめとぶつかって色々とあったのが原因。ひめは自分の胸元と私の胸元を見比べつつちょっと悔しがっていた。

 

ひめ「…いつか私だって(ブツブツ)」

 

めぐみ「じゃあ、ここら辺で休憩しよっか?」

 

ひめ「まだ買う物はあるけど、少し整理しないとね」

 

端側のベンチに荷物を置いて一息つく私達。案の定大抵の荷物は誠司がまとめて持っていたそう。

 

めぐみ「そういえばどれだけ買うつもりなの?」

 

ひめ「よく考えてなかったけど、一応必要なものだけは粗方仕入れるつもりよ。まだ完全には定まってないけど私なりのアレンジを入れたいと思うの」

 

めぐみ「やっぱひめはここに来てから色んなことやるようになったよね。私、凄く関心するなぁ」

 

ひめの両手を握って羨ましく思う。これも必然だったのだろうか、それともひめの友達が私だったからこそ得たことなのだろうか。私達にはまだ知らないことがたくさんあるんだと思う。

 

めぐみ「それってなんだか未知なる運命って感じじゃない?」

 

ひめ「そうかもしれないね。だって、どれだけ一緒に過ごしていたと思ってる?」

 

めぐみ「毎日!」

 

ひめ「そう、毎日!わからないことだって解決できちゃうんだもん!」

 

誠司「ひめのそう言うってことは絶対正しいよな、関心するし」

 

だよね。ここまでいかなきゃ成し遂げなかったんだし。勿論ひめだけじゃない。ゆうゆうといおなちゃんもまたしかり。こんなに素晴らしいことを一緒に経験するのは普通の幸せではないってわけ。

 

めぐみ「二人とも、もう少し休んだら再開しようよ。ひめが一番頑張らないといけないんんだし、ね?」

 

ひめ「当然っ!ここで目立たないと女が廃るんだから!」

 

誠司「だろうな。なんか共感すると思うしな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キュイィィン…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ「何…?今の感じは」

 

ひめ「私も聞こえたわ。きっとあっちからよ」

 

誠司「どうか、したのか」

 

突然脳裏を過ぎるような激しい雑念を漂わせる音が響き渡った。それは私とひめだけがわかる感覚だった。

 

ひめ「行くわよ。おそらく何かがあるに違いない」

 

めぐみ「うん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~街外れの空地~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誠司「どこまで行くつもりなんだ?」

 

めぐみ「ここなの?」

 

ひめ「特に何もなさそうだけど…」

 

私達は音が聞こえた場所を探していると知らない空地へとやってきた。多分ここでいいと断定するけど…。

 

 

 

めぐみ&ひめ「「っ!?」」

 

 

 

その先には、とんでもない物が浮かび上がった。

 

 



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第149話 狂気の男

めぐみ「ひめ、どこからか聞こえる?」

 

ひめ「感じる、感覚を研ぎ澄ませれば…」

 

私とひめが目を閉じて耳を澄ませている。きっとこの近くに何かがいるはず。

 

めぐみ(落ち着いて、さっきのは絶対危険な感覚だったから。ゆっくり聞いたらわかる…)

 

 

 

キィィィィ…!!

 

 

 

めぐみ「あそこ…!?」

 

ひめ「誰かがいる」

 

後ろを振り向くと、そこには謎の人影が大きく目立っていた。

 

ひめ「ぎょえ~!何か出たぁ~!」

 

めぐみ「あなたは誰!?」

 

???「ふん、俺が放った音波を聞き取るとはな。流石じゃねぇか」

 

荒々しい風貌の男。その顔には勇ましい風格が漂う。

 

ひめ「私さ~、ああいう感じの男ウザいと思うの~♪」

 

めぐみ「あはは~…」

 

???「俺はR。お前らプリキュアを倒すためにやってきた。悪く思うなよ?」

 

めぐみ「どうしてプリキュアを…?」

 

相手が見つめる目から凄く嫌な気分にさせる。まさか…。

 

 

 

ゴゴゴ…

 

 

 

それと同時に雷雲も徐々に空に纏っていた。この時私達は少し身震いしてしまう。

 

R「まぁいいや。挨拶代りにちょっくら暴れてやるか」

 

めぐみ「ちょっと!一体何をするつもりなの!?」

 

R「決まってんだよ、そんなの。俺は世界を滅茶苦茶にするのが趣味ってな」

 

ひめ「どうも嫌な奴だと思ってたのよね」

 

めぐみ「こんなことして誰も喜びはしないじゃない!」

 

顔から滲む汗を振り払うように発言する。あいつはお遊びじゃない、本気でやるつもりなんだ。

 

R「お前らのことは既に知ってんだよ。愛乃めぐみ、それにヒメルダなんたらブルースカイ王女」

 

ひめ「ヒメルダ・ウィンドウ・キュアクイーン・オブ・ザ・ブルースカイよ!名前くらい覚えなさいよ~っ!」

 

R「人間の世界では白雪ひめって名乗ってるんだろ?わかるぜそんなの」

 

誠司「二人とも、こいつは危険だ。気をつけろ」

 

R「おいおい、何も力のないガキがここにいるなんて危険だ。さっさとママのところへ帰りな」

 

めぐみ「誠司に手を出したら私達が許さない!」

 

ひめ「そうよ!アンタなんかに勿体ない話よ!」

 

無防備の誠司にRが近づこうとすると私達は必死で両手両足を掴んだ。

 

R「ほう。威勢だけはあるな。だったら俺と戦え、それならいいだろう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

X(R様、なんだかむかつく…。それだったらL兄様の方が余程いいわ。さて、あの二人の実力はいかに…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

R(けっ。Xが見てるな。まぁいいさ)

 

めぐみ「行くよひめ」

 

ひめ「ええ!」

 

こんな奴に遅れなんてとりはしない…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

L(次のターゲットは……ほう、どうやらRがやってるみたいだねぇ。これからどうなることやら)



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第150話 野望の集約

めぐみ「なぜそうまでして自分のやりたいことに拘るの」

 

ひめ「不気味にも程があるのよね、本当に」

 

緊迫した空気の中、私とひめが警戒する。同時に相手も戦闘態勢に入ろうとしていた。

 

R「さて、俺も手を打っておくとすっか。今日は、これだ(パチン)」

 

するとさっきまで静かだった風の音が急激に強くなって、周りに飛んでいた小鳥達が次々と倒れていく。

 

R「今日俺が出すのは、デザトリアン。この鳥共のこころの花を奪わせてもらった。さぁ、思う存分暴れろ!」

 

 

 

ゴゴゴゴ…!!

 

 

 

ひめ「何が起きるの!?」

 

めぐみ「ここは危険だね、誠司は下がってて」

 

誠司「…無茶するなよ?」

 

めぐみ「大丈夫!私達ならなんとかなるから」

 

恐れる物なんかいくらでもある。だけど…!

 

 

 

バギャアアアッ!!

 

 

 

R「おうこれはいいじゃねぇか。ついでにスナッキー共も出してやるか」

 

めぐみ「あんな敵、見たことないよ」

 

ひめ「まるでサイアークみたいね」

 

R「早く始めようぜ?面白れぇ戦いってやつよなぁ!」

 

めぐみ「ひめ!」

 

ひめ「うん!」

 

私とひめの意思を一つにし、今立ち上がる…!

 

 

 

プリチェンミラー『かわルンルン』

 

 

 

めぐみ&ひめ「「プリキュア・くるりんミラーチェンジ!」」

 

 

 

プリカードをプリチェンミラーにセットし、お互いに変身する。それぞれ姿を変えつつ、徐々に変化していく。その姿は、どんな悪に打ち勝つ戦士だった。

 

 

 

ラブリー「世界に広がるビッグな愛、キュアラブリー!」

 

プリンセス「天空に舞う青き風、キュアプリンセス!」

 

 

 

私達は伝説の戦士、世界に幸せを与えたいと願う奇跡の存在。

 

 

 

ラブリー&プリンセス「「ハピネス注入幸せチャージ、ハピネスチャージプリキュア!」」

 

 

 

R(ふん、やはりな。戦いが如何に甘くないかってことを教えてやる)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~同時刻、某所~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

L「どうやら彼はまた暴れたいかもね。僕にはこの世界でやることなんてあまりなさそうだけどさ」

 

X「お兄様、本当にそれでいいの?」

 

L「大丈夫さ、気にすることでもないよ。この世界のどこかにまだプリキュアがいるかもしれないし、まだまだ詮索する必要があるよ」

 

X「ところでレジーナはあのままにしておいても―――」

 

L「好きにやらせておきて。どうせ君も仲間を新しく引き連れたんでしょ?」

 

X「ダークプリキュアにファントム。面白い人選なの」

 

L「ほう、本来なら敵対しそうな二人を連れるなんてねぇ。実に興味深いよ」

 

X「あとは彼らの思うままに動かせばいいのね?」

 

L「勿論さ、僕らの影武者として仕立て上げたらいいじゃないかな?」

 

X(影武者、ね…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~とある花畑~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いおな「そろそろ行きましょうか」

 

ゆうこ「うん、午後の一仕事でもするとしますか~」



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第150.5話 息吹くゆりの花①

透き通る入道雲の空の下、自然も豊かな空気を彩っている。今日はこの花畑に来るのに打ってつけだ。

 

いおな「この花、お姉ちゃん喜ぶかしら」

 

ゆうこ「かもね。いおなちゃんのお姉さん、こういう種類の花が好きだって」

 

私、氷川いおなは外国にいるお姉ちゃんに送る花束をゆうこと一緒に見ていた。私が好きなものはコスモス、それにハイビスカスだってある。ほかにも色々あるけど数えきれないぐらい。

 

ゆうこ「めぐみちゃん達も誘えばよかったね」

 

いおな「仕方ないわ。それぞれお予定があるもの。今日は二人っきりで楽しみましょ」

 

ゆうこ「みんなにもお土産も買っておくね」

 

並んでいる花を写真で撮るゆうこ。当然、ここにはたくさんの人達で一杯だし、観光目的で来る人達も少なくもない。写真を撮ってツイッターなどに投稿するケースだってあるらしい。

 

いおな「ぐらさん、神様と一緒に出かけてるのね」

 

ゆうこ「何か用事があるらしくてね」

 

いおな「最近忙しくなったわね、色々と」

 

ゆうこ「ん?誰か寂しそうに花を眺めているみたいだよ」

 

ゆうこが指を刺すと、一人の女性らしき人物が寂しそうに花を眺めていた。なんだか凛々しい雰囲気だと思うけど、あの人は一体…?

 

 

 

ひゅううう…

 

 

 

静かな風の音と共に感じるしなやかな空間。その意味を物語るものだと感じる。

 

いおな「……」

 

ゆうこ「どうしたのいおなちゃん?」

 

私は自然とその人の方へ近づいていく。何か初めてではない感覚が冴えるみたいで。

 

いおな「あの、その花は好きですか?」

 

???「ええ。これだけじゃないけど、色んな花があってとても気分がスッキリするの。癒すような気持で」

 

ゆうこ「ここは街のみんながよく訪れるは所なんですよ。あなたはここに来たことはありますか?」

 

???「いや、初めて来たわ。こんなところにも花畑があったなんて思いもしなかったから」

 

どうやらあの人はここに来ことがなかったみたいだ。凄く新鮮な反応していたからなんか意外だった。

 

いおな「もしよかったら―――!?」

 

 

 

すると私の目の前が花吹雪に囲まれてそのまま視界が真っ白になってしまった。

 

 

 

いおな(一体何が起きてるの…?ってここは…?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が見ているのは夢のような世界。いやむしろ夢なんかじゃない。あの人の夢の世界みたいだ。

 

 

 

いおな(微かにわかる。どうやらあの人、過去に大切な存在を失っていたのね…)

 

 

 

そこには無情にも大切な存在が思い浮かぶ空間だったのかもしれない。私は少し共感できたのだと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いおな(大切な、存在……)



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第151話 攻防の苦渋

ラブリー「そこまで言うならこっちも容赦しないんだから」

 

プリンセス「私達の力を舐めないでよね」

 

R「悪くねぇ気合だ。お前らの実力を見せてみろ」

 

 

 

ズサ……ッ

 

 

 

ラブリー「はぁあああっ!!(ダッ!)」

 

プリンセス「こっちだって!(ダッ!)」

 

 

 

砂利が響くと同時に一気に正面突破しようとした。しかし相手には巨大な敵がいる。まずはあれから片付けなきゃいけない。まずは左右から挟みこむようにパンチをお見舞いする。それがダメなら足払いをするまで。

 

 

 

うぅ…。意外にそう上手くいかないかも。サイアークには余裕だったけど、あの敵は全然見たことがない。ましてやビクともしなかったりする。

 

 

 

ラブリー「はぁ…はぁ…。こんなに苦労したっけ…?」

 

プリンセス「手ごたえが違うわねぇ…(ぜぇ、ぜぇ)」

 

誠司「油断するなよ、まだ負けてないからな」

 

 

 

尽かさず次の手を考えることにした。どうやら防御が高いらしい。ここで一つ疑問に思ったことがあった。あまり気にしすることじゃないけどどうにも向こうから仕掛けようとしない。どういうことなんだろう…?

 

 

 

R「まずは耐えるんだ、その後に盛大に暴れろ」

 

 

 

ラブリー(耐える…?一体どういう―――まさか、一気に…)

 

 

 

一瞬私はあることに気がついた。おそらくは耐え続けて一気に制圧するのが狙いかも…。

 

 

 

プリンセス「っていうか全然通用してないように見えたけど」

 

ラブリー「気をつけて、きっと敵は防御を固めて攻撃を蓄えているんだよ」

 

プリンセス「ほえ?」

 

 

 

プリンセスがキョトンとした顔で驚く。だってそうだよね、迂闊にダメージを与えるなんてできるわけないよね。

 

 

 

ラブリー「でも、気を逸らすだけなら問題はないはず。だったら…!」

 

R「ようやく気づいたな。さて、どうするよ?」

 

ラブリー「簡単に舐めないで!プリキュア・くるりんミラーチェンジ、チェリーフラメンコ!」

 

 

 

ここはチェリーフラメンコで対抗することにした。少しでも体制を崩せばいい。ただでさえ、攻略方法がわからないからやるせなさから乱れてしまいそうだ。

 

 

 

ラブリー「プリキュア・パッションダイナマイト!(ボゥ!ブォオオッ!!)」

 

R「熱い炎だな。俺は好きだぜ、そういう熱血的な見せ物をよ」

 

プリンセス「私だって!プリンセス・爆弾ボンバー!(ビュッ!)」

 

 

 

私の攻撃に続いてプリンセスが素早く仕掛ける。これなら多少は戦いやすくなったと思う。

 

 

 

R「だが、甘いな(パチン)」

 

デザトリアン「…ッ!!(ゴロゴロ…ッ!!)」

 

 

 

地ならしが激しく鳴り響き、そこから大量の岩石が私達を襲い掛かる。

 

 

 

R「詰めが甘いんだよ、やれ」

 

ラブリー&プリンセス「「ッ!?」」

 

デザトリアン「…ッ!!(ドバドバドバドバァ!!)」

 

 

 

ラブリー&プリンセス「「きゃああああっ!!」」

 

 

 

全包囲からの強力な一撃。さっき耐えた分だけでもここまでの破壊力を備わっていた。

 

 

 

ラブリー「こんなことができるなんて…」

 

プリンセス「ただのチートじゃないっ!」

 

R「おいおい、幻影帝国とたたかってきたお前らの力はその程度か?こいつは拍子抜けだぜ?」

 

誠司「嘘だろ…?」

 

R「さて、次のステップへと進むとすっか」

 

ラブリー「まだ、終わってないんだからぁっ!(ゴッ!)」

 

プリンセス「わ、私だって負けないんだから!(ゴッ!)」

 

 

 

強いダメージを受けても私は挫折せずにそのまま攻撃を繰り返す。気力があれば何度でも立ち上がれる、そうじゃないとプライドが傷ついてしまう。

 

 

 

R「キュアラブリー、お前は本当の自分を理解しちゃいねぇんだよ」

 

ラブリー「本当の自分…?」

 

R「あぁ。お前自身の心の中をさ」

 

プリンセス「訳がわかないわよ、そんなの」

 

 

 

本当の自分?まるで見当もつかない言葉だけど…。

 

 

 

R「今自分がここにいる場所は現実の世界なのか、わかるか?」

 

ラブリー「まさか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、夢にもあったことだった。何かがおかしい。そう感じたことがあったと。少女のような声が聞こえた気がする。私が今いるのは現実ではないのかもしれない。例えそれが偽りの世界だとしても、そこには生きる実感があるんだ。おそらくは私だけが影響受けていると確信できる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭の中が過ぎるこの記憶、これは現実だ。今私、いや私達はこの世界で踊らされているのだと言える。



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第152話 友として…大事な人として…

私にはどう捉えればいいのか。あいつの言う通り、本当の自分が理解できているのか。私が見てきたものは現実なのか、夢なのか、益々惑わされそうになる。

 

 

 

ラブリー「私の何がわかるっていうの!」

 

R「じゃあここは仮想の世界か?」

 

ラブリー「…それは」

 

R「お前、案外かわいいじゃねぇか。えぇ?その怖気づく顔をなぁ」

 

プリンセス「ちょっと、何をするのよ!」

 

 

 

こいつが私を惑わせようとしている。私という存在を認識させないために。こんな結末嫌に決まってるじゃない…!

 

 

 

ラブリー「確かに私にとっては仮想世界だと思う。だけど、仲間がいるから現実かもしれないのに」

 

R「口先だけかお前は。ここまでおろそかなやつを見たのは初めてだぜ?」

 

ラブリー「アンタなんかに私の―――きゃあ!」

 

R「ふふふ、お前の活かした面は実にいい手土産だ。あぁ、その不快な気持ちを是非俺のものにしてぇな」

 

ラブリー「た、助けて…っ!」

 

 

 

殴りかかろうとした私をRが一目散に躱して私の身体を締めつけた。苦しいのと辛いのと……悲しいのが一緒に混ざっている。

 

 

 

R「さて、このまま俺に抵抗できずに頂かれても楽だろうさ」

 

プリンセス「ラブリーから離れなさいっ!(ゴッ!)」

 

R「お前の相手はこいつだろ、やれ」

 

プリンセス「っ!あぁ!」

 

ラブリー「プリンセス!!」

 

誠司「ラブリーから、めぐみから離れろぉ!(ガシッ)」

 

ラブリー「せ、誠司…!」

 

 

 

プリンセスが必死になって私を助けようとしたが、デザトリアンに吹き飛ばされる。するとここで誠司が全速力でRの両腕を掴んできた。

 

 

 

R「力のねぇ小僧が出しゃばってんじゃねぇぞ、オラァ!(ゴッ!)」

 

誠司「うぅ…!俺には何もできないけど、せめて大事な人を守ることぐらいできるんだ…!」

 

R「力がない以上は無能だ」

 

プリンセス「誠司は無能なんかじゃない…。いつだって一緒いてくれた大事な友達だから…」

 

誠司「だからこそ、守ってあげたいんだよ」

 

ラブリー「ダメだよ、誠司じゃ敵いっこないってば…」

 

誠司「確かにお前の言うことは間違っちゃいない。でも、守られてばかりの俺ではいたくないんだよ」

 

R「ほう。悪足掻きもいいところだな」

 

ラブリー「何が悪足掻きなの?誠司だって心はいつも本気なんだよ!」

 

 

 

今の誠司の目は誰にも負けない勇気を携えてる目だ。こんな誠司を見るなんて早々ないことだった。

 

 

 

プリンセス「流石ね、やっぱラブリーの傍には誠司がいないとね」

 

誠司「ありがとな、俺はいつだって本気さ」

 

ラブリー「誠司にできないことは、私にはできるかもしれない。でも、私にできないことは誠司にはできるよ」

 

R「これが友情ってやつか、気が変わった。お前らの友情ってやつが本物なのか、俺に見せてくれ」

 

 

 

なんとRが少し笑い始めた。どうやらこの言葉を聞いて興味が湧いたのかもしれない。それと同時に私のあらゆる部分を掴んでいたRが離れていく。

 

 

 

R「お前も悪くなかった。でもお前らのメンバーじゃキュアハニーが一番好みだなぁ。ムッチリ感が俺は好みだし」

 

ラブリー「ちょ…っ!何を想像しているのよ!!(///)」

 

プリンセス「ほぇ、ゆうこが好みね…(はぁ…)」

 

誠司「確かに大森はスタイル抜群だと思う、あと氷川も一緒だけど」

 

ラブリー「誠司、それどういう意味なの!」

 

誠司「何でもねぇよ、聞かなかったことにしてくれよ…」

 

 

 

私のあの部分を触っておきながら…!!あいつ、本当に最低な男……っ!!

 

 

 

R「閑話休題だ。そろそろ再開しようぜ」

 

ラブリー「乙女を侮辱した落とし前、キッチリつけてもらうわ!」

 

プリンセス「今日のラブリー、ちょっと怖いかも…」

 

 

 

デザトリアンが総攻撃の準備をしようとする。しかしそんな悠長なことは気にしない。私はあらゆる手段を使ってデザトリアンの体勢を崩そうとする。

 

 

 

ラブリー「プリキュア・くるりんミラーチェンジ!ロリポップヒップホップ!」

 

プリンセス「ラブリーに続くぞぉ!プリキュア・くるりんミラーチェンジ!シャーベットバレエ!」

 

 

 

それぞれがプリカードを使って姿を変えて左右から攻撃を仕掛ける。

 

 

 

ラブリー「プリキュア・ポップンソニックアタック!(パン、パン!)」

 

プリンセス「プリキュア・アラベスクシャワー!(フワフワ…!)」

 

 

 

どっちを守ればいいか迷い、相手は無防備状態へとなった。そこから私達の同時攻撃が降り注ぐ。元に戻った後もそのまま攻撃を続行する。

 

 

 

ラブリー「ラブリービーム!(ビュイン!)」

 

プリンセス「プリンセスボール!(ボン!)」

 

R「くそ、これじゃ攻撃を蓄えた意味がねぇな…。もういい、そのまま特攻しろ」

 

ラブリー「プリンセス!」

 

プリンセス「えぇ!」

 

 

 

既に体勢が崩れて今となれば無防備へ。このまま止めをさせば…!

 

 

 

ラブリー「愛の力を聖なる光に!ラブプリブレス!」

 

プリンセス「勇気の力を聖なる光に!ラブプリブレス!」

 

 

 

ラブリー&プリンセス「「あなたにハッピー、お届けデリバリー!」」

 

 

 

私達のラブプリブレスに力を蓄えて腕に交差させて叩く。ぞれぞれ振り上げた両手にエネルギー弾を発生させ、2つのエネルギー弾を合わせ、金色のオーラをまとった中心にハートが入った円環形のエネルギー弾を出現させる。

 

 

 

ラブリー&プリンセス「「プリキュア・ツインミラクルパワーシュート!!(ギュイン!)」」

 

 

 

強力なエネルギー弾が敵に命中し、一気にフィニッシュする。

 

 

 

ラブリー&プリンセス「「ハピネスチャージ!」」

 

誠司「やったな二人とも!」

 

R「やられちまたか。悪くなかったぜ、今の一撃は」

 

 

 

僕を失ってもRは楽しそうに高笑いをしていた。マジでムカつく…!

 

 

 

R「お前らの力はよくわかった。また会おう(ビュワ)」

 

ラブリー「……」

 

誠司「めぐみ、怒ってるのか…?」

 

プリンセス「怒ってないよ、むしろ嬉しい気持ちみたいだし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

騒動は解決され、ひとまずやり残したことを済ませることに。

 

ひめ「ひゅ~、疲れた~」

 

誠司「結局最後まで俺は荷物係りかよ…」

 

めぐみ「まだ誰も戻ってきてないね」

 

ひめ「よし、早速作業に取り掛かるぞ~!」

 

ひめは購入した衣類を自分なりにオーダーメイドする作業に入る。忙しくなりそうだからあまり話かけない方がいいかもね。

 

めぐみ「誠司、ちょっといいかな…」

 

誠司「別にいいけどどうしたんだ?」

 

めぐみ「その、上の部屋に来てほしいの」

 

 

 

この時、私は本気で初めて誠司に恋心を抱いた瞬間を得たのだった。ブルーとは別に。



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第153話 淡く切なく…

めぐみ「ごめんね、わざわざ来てもらって」

 

誠司「いいよ、俺も丁度暇だったし」

 

誠司を連れて空き部屋へと入ることに。私の気持ちがどうしてもあやふやになりそうだし、ここははっきり伝えておかないと…!

 

めぐみ「あのさ…、その…」

 

ダメだ…。上手く言葉が出てこないよ…。それより、さっきから滲みだすこの心は何…?まるで身の毛がよだつような身震いをしている感じだ。

 

誠司「とりあえず、あったかい物でも飲むか…?」

 

めぐみ「あ、ありがとう…」

 

誠司「今入れてくるからちょっと待ってくれよ」

 

心配な顔をして私の顔を見つめた誠司がさりげなく気を使ってくれたようだ。うん、ここはあったかい物を飲んで気持ちを楽にしなくちゃね。とにかく、きちんと言いたいことをしっかり言わないと色々とムズムズしちゃうし…。

 

めぐみ(とはいえ、本当に私なんかが素直になれるのかな…?)

 

こんなに本気な気持ちなったのは稀でもない。むしろ自然とそうなったのではないかと自分でも疑う。

 

 

 

助けてもらったこと

 

 

 

これが妙に引っかかる。さっき必死になって私を助けようとした誠司が羨ましくて、とても賢くて、そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嬉しかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の中の何かがそう伝えているに違いはない。でも考えるだけでも精一杯になっちゃう。

 

誠司「冷めない内に飲んでおけよ。ほら、めぐみの好きなココアだ」

 

めぐみ「ありがとう、よくわかったね」

 

私の好きなココアをわかってくれただけでもありがたい。息を吹きかけ飲みやすくしてから少しずつ啜る。今日のココアはとてもまろやかで、ほんのり苦い。

 

めぐみ「…美味しい」

 

誠司「お前、昔っからあったかい物飲んで喜んでたろ?俺はそういうところもいいと思うんだ」

 

めぐみ「そういう誠司だって、昔よく喜んだ後に舌をやけどしたんじゃない?」

 

誠司「う、うるせぇな…。今はそこまででも―――あちっ!」

 

めぐみ「もう、そうやって喋りながら飲むからだよ?」

 

誠司「今のはたまたまだ。決して猫舌じゃないからな…」

 

なんだか少しだけ心が落ち着けたような感じがする。これなら誠司に伝えたいことを楽に言える気がしなくもない。

 

めぐみ「ふぁ~。温まるねぇ~」

 

誠司「かもな。後でひめにも入れてあげなきゃな」

 

そうだね、ひめは一人で作業を頑張ってるから大変だよね。よくひめは疲れてる時にチョコを食べると頭が冴えわたるって言ってたね。

 

めぐみ「ねぇ誠司」

 

誠司「ん?どうした?」

 

めぐみ「実は誠司にお礼が言いたくて…」

 

誠司「何のだ?」

 

ここで気持ちの整理がついたところで本題へと入る。今度こそちゃんと言うんだから…!

 

めぐみ「さっき戦いの時に誠司が必死で振り払おうとした時だけど」

 

誠司「あぁ、それか。正直抵抗するだけでも精一杯だったんだ」

 

めぐみ「あの時、誠司に助けてもらって……凄く嬉しかったの」

 

誠司「めぐみ…」

 

一瞬誠司の表情が固まった。多分全力で私を助けようとしたことが自分にとって一番の目標だったのだろうか。

 

誠司「それはあれだよ。いつもめぐみ達ばかりに助けてもらってるからさ。今度は俺が助けてあげないとって思ったことだ」

 

めぐみ「ううん。そうじゃないの」

 

誠司「どういうことだ?」

 

めぐみ「さっきのは、本気で怖かったの。私があのまま滅茶苦茶にされそうになって、自分を見失うところだったってことを。そこに誠司が本気になって助けようとした。それは、紛れもなく私を守ろうとした証拠だと思う」

 

誠司「そうなのか?あれぐらいは普通なんじゃないか?」

 

めぐみ「いや、私にとっては凄い嬉しいの」

 

こうやって表現したけど、実際こんなに喜ばしいことはなかった。

 

誠司「俺さ、いつかはめぐみの傍にいてめぐみを守れる男になるのが目標なんだ。もしお前がプリキュアになってなくてもその気持ちは変わらないかもしれない」

 

めぐみ「そうなんだ…」

 

誠司「でもお前ばかりに守られてちゃ俺の立場がないよな。だからその分まで俺がキッチリ追いついてやりたいんだ」

 

どうやら誠司も自分なりの筋があったみたいだ。何気に考えていることは素直だったかもしれない。

 

めぐみ「大丈夫、誠司ならできるよ」

 

誠司「一度決めたことは最後まで責任持ってやり遂げるよ。どんな時でも、お前の隣にいてやる」

 

めぐみ「……っ!」

 

最初よりとてつもなく胸の鼓動が早まってしまう。何だろう、この感情…。ドキドキがまらない……。

 

誠司「顔が赤くなってるぞ?もしかして風邪か?」

 

めぐみ「いや、違うから…!これはそういうことじゃなくて―――ぴぎぃ!?」

 

誠司「うん、熱はないみたいだな」

 

私のおでこに誠司の手がゆっくり刺し伸ばし、スッと触れた。その瞬間私の身体は大きく飛び跳ねてしまった。

 

めぐみ「い、今にゃにを!?」

 

誠司「顔が赤いから熱あるんじゃないかと」

 

めぐみ「こういうことは同性同士でやることで、こんなの不健全だよっ!?」

 

誠司「何を言ってるんだ…?」

 

めぐみ「……誠司のバカ(ボソ)」

 

誠司「さりげなくバカにされたような気が…」

 

めぐみ「なんでもないから」

 

あまりの衝撃的な行動にあたふたになって俯いてしまう。しかし今の感情からすると全く持ってヘッチャラだ。

 

めぐみ「じゃあ誠司、これからも私の傍にいてくれる…?」

 

誠司「当たり前だ、そうなじゃないと守れるやつがいないじゃないか」

 

めぐみ「誠司…」

 

誠司「めぐみ…」

 

お互いに目を見つめ合い、ゆっくりと目を閉じる。そしてそのままお互いを思い始めた。

 

めぐみ(目を閉じても誠司が見える。ある時は私が守り、ある時は誠司が守る。これは運命が導いてくれた答え…)

 

それぞれの意思を見出し、再び目を開ける。すると、

 

めぐみ「せ、誠司?」

 

誠司「すまんめぐみ。お、俺は…」

 

めぐみ「どうしたの―――きゃあ!?」

 

誠司が悲しそうな目で私をベットへと押し倒した。一体誠司に何が起きてるっていうの!?

 

誠司「少しの間我慢してくれよ…。すぐに終わるから」

 

めぐみ「ちょっと待って。私、何かやったの!?」

 

感情が高ぶるように私の服を脱がす誠司。何を思ったのか、なぜこうなったのかよくわからない。

 

誠司「悪い、こうするしかないんだ。誰にもめぐみを奪わせはしない…」

 

めぐみ「ちょ、誠司…!あぁ…、そこは…!」

 

そのまま私の敏感な部分を激しく触り始める。触れられると余計に気持ちよくなってしまう…。こんなのひめが聞いてたら…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひめ「はて?今何か物音が聞こえたような…。まぁいいか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ「あ…。せ…じ……!」

 

誠司「めぐみ、めぐみ…」

 

めぐみ「やぁ…!あぁ……!」

 

徐々に誠司の虜になってしまいそうな私を更にいじり出し、このままペースを速めた。

 

誠司「めぐみ、そろそろ…」

 

めぐみ「わ、私も…(もが)」

 

大声を出さないように誠司が私の口にハンカチを銜えさせる。それにお互いの心がもう限界寸前に近づこうとしている。

 

誠司「めぐみ、俺は…。俺は…!」

 

めぐみ「~~~~~~~~っ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誠司「…はっ!俺は一体何を…」

 

めぐみ「誠司、気がついたの?」

 

誠司「何で俺がベットに」

 

ようやく我を取り戻した誠司が目を覚ました。私は誠司のおでこに冷たいタオルを置いて目が覚めるのをずっと待っていた。

 

めぐみ「もう、本当に心配したんだからっ(プイ)」

 

誠司「そうだ!俺さっき何を思ってたっけ?」

 

めぐみ「って覚えてないんか~い!」

 

誠司「確かめぐみと一緒に目を閉じて、そこから全然思い出せないんだ」

 

どうやら本人すらよくわからない状況だったようだ。なんだか期待してた時よりちょっとげんなりしちゃう感じだ。

 

めぐみ「だ~か~ら!瞑想した時に見えたことだよ。私も誠司も一緒だったはず」

 

誠司「そうだったのか。俺、すっかり自分を見失ったようになったんだ。さっきのめぐみの表情を見て…」

 

めぐみ「全く、了見が狭いんだから…。だけど、誠司はずっと誠司のまま。ありのままの自分でいてほしいな」

 

誠司「めぐみ…」

 

なぜだかモヤモヤすることがなかった。これが私にとっての一番の存在だと確信したから。

 

誠司「じゃあそろそろひめの様子を見に行くとするかな」

 

めぐみ「だよね、ひめも心配だし」

 

そして躊躇うことなく、ひめのところへ行くことにした。

 

誠司「あいつのことだから、すぐめぐみにくっついてくると思うけどな~」

 

めぐみ「誠司」

 

誠司「おう、何だ?」

 

 

 

めぐみ「ううん、何でもないよ」

 

誠司「そっか」

 

 

 

私とって誠司は幼馴染であり、よき友達。そして…、私の大切な人……。



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第154話 モヤモヤを吹っ飛ばせ!

つぼみ「1、2、3、4、5、6、7、8―――」

 

えりか「こんな朝早くからジョギングなんて、冴えてないよね」

 

まさにその状況です。私は先週から自分のモヤモヤが取れなくて、解消するすべはないかと必死で考えていました。なぜジョギングをしているんですって?それは勿論気持ちをスッキリしたいからに決まってますよ、はい―――なんてこと、えりかには言えませんよね。トホホ…。

 

つぼみ「私、どうすれば迷いを断ち切ることができるんですか?」

 

えりか「そんなの自分の問題でしょうが。わたしゃ何もわかんないからパスパス」

 

つぼみ「酷いですぅ~!!先週のイチゴ大福、私の分まで食べたじゃないですか~!!」

 

えりか「話を脱線させて誤魔化すな(ゴッ)」

 

つぼみ「もぉ~。最近のえりかは冷たすぎます…(ボソ)」

 

いいですよ、私一人でも解決しますから。でも、また目合わせたら耐えれるかが問題ですし…。

 

えりか「それより、学校終わったら先日仕上げた衣類達をお披露目しようと思ってるけど。つぼみにも手伝ってほしいな~」

 

つぼみ「ついに出来上がったんですね!(ワクワク)」

 

えりか「見てからのお楽しみっしゅ!」

 

嬉しそうにガッツポーズをするえりかに共感しちゃいます。これはもう誰もがイチコロのはずですね!

 

つぼみ「そろそろ学校に行く準備を―――」

 

えりか「…もう時間ないけど?」

 

つぼみ「えぇええ~~!?それを先に言ってくださいよぉ~!!」

 

えりか「わたしゃもう知らん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~午後四時~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「よし、今度こそ恥をかけないようにしないと!」

 

えりか「まぁまずは身内らにお披露目するってことで」

 

学校から帰ってすぐに支度を終えて出発。えりかが全部予定を組み込んでいるみたいなので手間が省けるようです。

 

えりか「んじゃさ、つぼみはある程度の手入れ頼むね」

 

つぼみ「シワが出たらいけませんよね」

 

とりあえず準備は整いましたので早速参りましょう!

 

 

 

最初はクラスメイト達にお披露目。ちなみになぜえりかが服を見せているのかというと、近々ファッションショーが開催されるのでコーディネイトするための素材集めをしていました。先週私と一緒に衣類を買い納めえりかが自分でオーダーメイド。それから細かな装飾を慎重に仕上げたようです。

 

 

 

どうやらみんなの評価はいいようでした。次はえりかが個人的に立ち寄りたい場所へ突入。そこは大勢の客が来るファッションブランドのお店です。ファッションショーはこのお店が取り扱っているメーカーさんが主催するとのことでした。気合を注入しているえりかをコッソリ応援する私、凄まじい集中力ですね…!なにはともあれファッションに詳しい店員さんにどうすればいいのかをキッチリ聞くえりか。実際行われるファッションショーに相応しい組み合わせを頭に叩き込んでいるようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~二時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとは色々と見て回って無事にお披露目終了です。私も服をしまうために必死になって綺麗に畳んだ甲斐がありました…。

 

つぼみ「そろそろ帰りましょうよ…」

 

えりか「つぼみお疲れさん!よく頑張ったわね」

 

つぼみ「はい、足がもうパンパンですよ」

 

えりか「ありがとね。それに我ながらいい仕上がりをしたもんよ!」

 

沈着冷静な私を絵が笑顔で労うえりか。私の足のむくみをその場で解してそのまま私に褒美のシュークリームを差し出しました。

 

えりか「今日私に付き合ってくれたお礼よ、本当にありがとう」

 

つぼみ「え、えりかぁ~!(ギュ)」

 

えりか「だから苦しいんだっての!つーかこれでモヤモヤはなくなった?」

 

つぼみ「はっ!そうでした。まぁ多少は消えたっていうか…」

 

えりかが私の頬っぺたをこねくり回すように尋ねます。気持ちはスッキリするはずなんですが…。

 

つぼみ「じゃあこれでお開きします?」

 

えりか「そうしよっか」

 

 

 

???「君達、こんな遅くまでいると怪しい男に声かけられるよ?」

 

 

 

えりか「ってアンタ誰?」

 

つぼみ「っ!!」

 

後ろから声をかけてきたのは優しそうな男の人の声。振り向くと私が以前見た人にとてもそっくりでした。

 

???「君、顔が赤いよ?」

 

つぼみ「あ、あなたは……(もじ)」

 

えりか「まさか、つぼみが一目惚れした人って…」

 

つぼみ「…この人だと思うんです…」

 

動揺する私に彼が近づきます。近すぎて心臓が破裂しちゃいそう……!!

 

???「早く帰った方がいいよ。今日はもう寒くなると思うし」

 

えりか「だってさ。早く帰るよ」

 

つぼみ「あ、あの…。あなたのお名前を、聞かせても……いいですか?」

 

えりか「なんかくどいっしゅ!?」

 

つぼみ「わ、私は…花咲つぼみいいます…」

 

???「僕はブルー。覚えていたらまた会おう」

 

 

 

これが、私が彼に対する好意の始まりでした…。



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第154.5話 息吹くゆりの花②

ゆうこ「いおなちゃん…?」

 

いおな「ううん、大丈夫よ」

 

一瞬だけ見えた光景。おそらく私にしかわからないことなのかと悟った。

 

???「気が動転してるみたいだけど、平気?」

 

いおな「はい。特に心配ありませんよ」

 

何気に苦笑いで返事をしてしまう私だったが、へこたれることなく話を続ける。

 

いおな「ところでこの花はなんです?」

 

???「これは外国でしかあまり見れない花よ。ここではマイナーな種類でよく図書館とかで調べたことがあるの」

 

ゆうこ「よく見ると横一列に並んでますね」

 

???「えぇ。多分マニアとかしか知らないレベルでもあるんじゃないかしら」

 

いおな「なんていうか、かなりの種類の花が集まってとてもいい感じですよね」

 

それぞれが違う種類の花を眺めながら関心する。するとさりげなくゆうこが私の髪に何かを差し込んだ。

 

ゆうこ「鏡見て」

 

いおな「今何を―――なるほど、そういうことね。っははは」

 

どうやらヘアアクセサリーのように仕立て上げたみたいだ。ゆうこはこういう冗談が好きなのよね、本当に。

 

???「かわいいわ」

 

いおな「…ちょっと恥ずかしいわよゆうこ…」

 

ゆうこ「そう?私は似合ってると思うんだけどな~。この姿をお姉さんに見てもらったらどうかな?」

 

いおな「だから恥ずかしいわよ、そういうの~!」

 

???「そんなことないわよ。誰だって嬉しくなることぐらいあるんじゃないかしら」

 

いおな「本当なんですか?」

 

???「私もあなた達と同じぐらいの頃だけど、よく花を自分に身につけたことあるの。そうすると自分の中の心がとても穏やかになってスッキリしちゃうの」

 

いおな「そうだったんですね…」

 

正直凄くビックリしちゃった。案外この年頃になっても好む場合があるのね。

 

ゆうこ「いおなちゃん、折角止めた花がズレちゃってるわよ?」

 

いおな「ごめん、つい暴れたから」

 

???「私にやらせて」

 

いおな「え…?」

 

ここで彼女が私の頭についてた花の位置を戻し始めた。ぶれることなくしっかりヘアピンも使って固定してくれた。

 

???「これでもう大丈夫のはずね」

 

いおな「あ、ありがとうございます」

 

ゆうこ「よかったね、直してもらって」

 

いおな「なかなか照れちゃうけど、もう少しこのままでいたいな」

 

なぜだか心が安らぐような気持ちだった。今までにない程のことでもあるし、こんなの初めて感じたかもしれない。

 

???「ごめんなさい、私そろそろ行かないといけないの」

 

いおな「そうなんですか。あの、色々話を聞けて本当によかったです。ありがとうございます」

 

ゆうこ「あのですね、私こう見えてご飯屋さんを営業しています。よかったら立ち寄ってみてくださいね」

 

ゆうこが笑みで大森ごはんのチラシを手渡した。それを読んで少し笑ったみたい。

 

???「とても面白そうなお店ね。今度私の知り合いと一緒に来るわね」

 

いおな「えっとまだ名前を言ってなかったみたいですね。私、氷川いおなって言います」

 

ゆうこ「私は大森ゆうこです」

 

???「覚えておくわ。私はゆり、月影ゆりって言うの。またどこかで会いましょう」

 

いおな「ゆりさん、か…」

 

ゆうこ「いい名前だね」

 

今日のことは、私とゆうこにとって特別な一日だったのかもしれない。ゆりさん、また会えるといいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数日後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうこ「みんな、この後なんだけどさ」

 

めぐみ「どうしたのゆうゆう?」

 

いおな「まさかまた配達のお手伝い?」

 

ひめ「あれってチョー筋肉痛になる原因なんだよね~…」

 

ゆうこ「違うよ。今日はみんなで集まろうと思ってね」

 

天真爛漫の笑みで私達に提案するゆうゆう。でもやけに嬉しそうな顔をしてるっぽいよね?

 

めぐみ「集まるったって、いつものことだよ?」

 

ひめ「そんなのパーって集まればいいじゃん」

 

ゆうこ「ところで相良君は?」

 

めぐみ「夕飯の買い出しの手伝いがあるから今日は来れないんだって」

 

いおな「それよりひめ、この前から何か作ってるって聞いたけど」

 

ひめ「およよ!?あれはまだ、完成してないっつーか…。アイデンティティっつーか…」

 

いおな「随分とバレバレな反応ね…」

 

いおなちゃんに尋ねられて思わず思考が混乱するひめ、なのだが今回のひめは一味―――いや二味違った。

 

ひめ「そっれっは!出来上がってからのお楽しみ~!」

 

ゆうこ「相変わらず頑張りやね、ひめちゃんは」

 

ひめ「でそでそ?めぐみも一緒に見てるからバッチグー!(えっへん)」

 

めぐみ「じゃあそろそ行こうか」

 

ガヤガヤと賑わいながら、一度自宅に戻って着替えてから再び集合することにした。

 

 

 

それから数十分後のこと

 

 

 

めぐみ「お邪魔しまーすってブルーいないね」

 

ひめ「最近神様が一人で出かけることが多くてさ。あとリボンも一緒にいないし」

 

ゆうこ「まぁまぁ、ここはおやつでも食べましょう?」

 

いおな「私、紅茶入れてくるね」

 

いざ集合したものの、今日もブルーがいない。きっと何か大変な目でも…?

 

ひめ「めぐみ、どうして冷や汗かいてるの?」

 

めぐみ「気のせいだよ?多分、ね?」

 

ゆうこ「ストレスとかない?気になるなら夜あったかい物飲んだ方がいいと思うよ?」

 

めぐみ「本当に問題から。ありがとう二人とも」

 

多分そう思ってるのは私だけかもね。うん、心配なし…。

 

めぐみ(でも、ちょっと気になるな…。最近姿すら見ないし)

 

それから外が暗くなるまで私達は楽しくお喋りをしていた。ブルーが戻ってきたのはその数十分後のことだった。とにかく、どうして姿を見せないかを聞かないと…!



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第155話 私とブルーと友の心

ひめ「あ、神様が戻ってきたよ!」

 

いおな「こんな遅くまでかかったのね」

 

気づけばもう日が沈んでいた。ここでゆうゆうといおなちゃんが帰ることになった。残った私とひめは戻ってきたブルーを迎える。

 

ひめ「今日もずっといなかったでしょ?すっごい心配したんだよ」

 

ブルー「済まなかったね。実はある理由で留守にしてたんだ」

 

めぐみ「ある理由?」

 

私が聞くと、ブルーが座りながら説明を始めた。かなりの疲れが溜まっているような顔のようだけど、大丈夫かな…?

 

ブルー「最近、妙な胸騒ぎがして落ち着かなかったんだ。僕はリボンとぐらさんと一緒に街中を見回っていたんだ。どこかで何かが動く気配が気になってね」

 

めぐみ「そうだ、私達もそれと同じようなことが」

 

ひめ「うん、なんだか怪物を出す人物が他にもいたっていうか」

 

この前起きたことをブルーに全て話す。するとブルーは難しい顔をしながらこう答えた。

 

ブルー「なるほど。幻影帝国ではない別の脅威ということか。おそらく目的はそれぞれありそうだが、直接会わないと見当がつかないかもね」

                

ひめ「あとは私達以外の世界のプリキュアのことも…」

 

めぐみ「気になるかもしれないけど、一体どういう意味なのかわからないと思う」

 

なかなか安直な考えだけど、だからといってそれを蔑ろにするかと言われたらそうはいかない。

 

ブルー「細かいことはまたみんなが集まってから話そう。ひめ、あとでリボンの疲れを癒してあげて」

 

ひめ「最近見ないリボンも随分とご機嫌斜めになったものよね~」

 

めぐみ「そうでもなさそうだけど…(あはは)」

 

ひめはブルーが言われた通りに自分の部屋でリボンの疲れを癒してあげることにした。それに、ひめも眠たそうだしゆっくり休めるといいね。

 

ブルー「めぐみはそろそろ帰らなくてもいいのかい?」

 

めぐみ「もうこんな時間だし…。でももう少しだけ、ブルーといたいな…」

 

ブルー「心配かけないようにね」

 

スキンシップはあまりしないように心掛け、私はブルーの隣に座る。少し場所取り過ぎたかな?

 

ブルー「そういえば、今日と先週でめぐみとひめによく似た女の子二人に会ったよ」

 

めぐみ「私とひめに似た女の子二人?」

 

ブルー「厳密に言えば雰囲気が似てるというべきかな」

 

そんな娘達がいるなんて、かなり偶然そうな予感かも。

 

めぐみ「んでさ、どういう娘達なの?」

 

ブルー「一人がとても穏やかで静かな感じな娘、もう一人はわんぱくな感じの娘だったよ」

 

めぐみ「想像するだけでもピンと来ないなぁ…」

 

うん、わからなくもないよ?でも自分とよく似た人って早々いないと私は断定するんだけど…。

 

めぐみ「ねぇねぇ。名前は聞いたの?」

 

ブルー「ごめん、名前までは聞いてなかったよ」

 

実に怪しい気分が漂う気がするかも…。もしかしたら、ブルーはその娘達と…!

 

ブルー「めぐみ…?」

 

めぐみ「なな、なんでもないでごじゃるよ!?」

 

ヤバイ、思わず語尾がおかしくなっちゃったよ~!!

 

めぐみ「本当に大丈夫だから、うん」

 

ブルー「ならいいけど。今の妄想はあまり他言しないでね…」

 

やけにブルーがドン引きしそうな顔をしてるようだ。誤解なのにぃ~…。

 

めぐみ「私、その娘達と会ってみたいな。聞くだけでワクワクするし」

 

ブルー「出会いの数だけ友情が生まれる、めぐみはそう思ったんだね」

 

めぐみ「それから色んなことを知って友達になるの。これって愛じゃない?」

 

ブルー「人との繋がりは、自分を変えることができるよ。その心をいつまでも持ってほしいと僕は思う」

 

めぐみ「ブルー…!」

 

嬉しさのあまりに、私は立ち上がってブルーを後ろから抱きしめた。ブルーの言うことは未来に影響する、そう思っただけでも幸せが育まれる気がする。

 

めぐみ「私はいつまでもブルーのことを信じてるからね」

 

ブルー「僕もだよ。ただめぐみだけじゃない、みんなのことも信じるよ。自分が見つけた答えに嘘はないか、その意味をみんなで見つけよう」

 

めぐみ「うん!」

 

ここでもう完全に暗くなったので私はそのまま帰ることにした。人との繋がりは自分を変える、これこそが私が求めたイノセントかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファントム「よもや俺の知らないプリキュアがこの世界にいたとはな…。これは狩り甲斐がありそうだ」

 

X「私達の影武者として十分な戦果を期待しているから」

 

ファントム「仰せのままに。全てはこのプリキュアハンターであるファントムにお任せを」

 

Dプリキュア「私を忘れてもらっては困るな」

 

X「当然、あなたにも役目があるの。彼と同じように行動すればいいだけ。いい?」

 

Dプリキュア「了解。それからあのレジーナとかいう小娘はどうなんだ?」

 

X「あの娘は勝手に動いてるだけ。使命なんてどうでもいいと思ってね」

 

ファントム「やる気のない者に手柄を奪われる筋合いなどない」

 

X「十分に励んでちょうだい。プリキュアを一人残らず消去すると」

 

Dプリキュア「必ず成し遂げてみせる」

 

X(この二人を仲間に手なずけたのは、来るべき戦いの時に必要。あとはネオフュージョン様が復活なされた時に…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「ふぁ~…」

 

えりか「学校終わったってのに随分と寝不足気味よね」

 

なぜか私の眠気は収まりません…。昨日の疲れが残っているせいでしょうか…。

 

いつき「休み時間も結構睡魔に襲われてたもんね」

 

えりか「勉強以外で寝不足なの珍しいけどさ、今日のはあまりに大げさでしょ」

 

眠気覚ましにえりかが私の頬をおもちのように伸ばしまくります。そんなに伸ばすと私のアレが切れそうですけど…!

 

つぼみ「あんまり伸ばさないでください~!顔が元に戻らなくなたらどうするんですか~!」

 

いつき「顔が広がったつぼみもかわいいと思うなぁ」

 

つぼみ「も~いつきまでバカにするんですか~!?」

 

えりか「人間は愚かな生き物だ。しかし目標という名の光を求め、走り出した時―――ブルァ!!(ゴス)」

 

いつき「えりか、余所見はよくないよ…?」

 

えりかが誰かとぶつかっちゃったみたいです。大丈夫なんですか~!?

 

つぼみ「怪我してませんか?」

 

えりか「大丈夫だ、問題ない(ドヤ)」

 

いつき「君も大丈夫?」

 

そうでした、ぶつかった相手にも謝らないと…!

 

つぼみ「あの、私の友達が迷惑をしてすみません!」

 

えりか「余所見をしてしまった。つぼみ、薬は一番いいのを頼む…」

 

つぼみ「こんな時にふざけないでください!(ポカ)」

 

私とえりかが渋々と頭を下げると、

 

 

 

ひめ「いやいや~。全然平気だよ?ね、めぐみ?」

 

めぐみ「それよりひめの鼻血が…」

 

 

 

ひめ「ぎょぎょぎょ~~~!!?ウゾダドンドコドーン!!」

 

 

 

つぼみ「早く止血を~!!」

 

相手の方は勢いよく鼻血を噴射していました…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~しばらくお待ちください~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつき「どうにか落ち着いたね」

 

つぼみ「危うく殺人事件が起きたかと疑われるところでしたよ…」

 

えりか「とんだ超人だな…」

 

ひめ「ゆ、輸血を…」

 

めぐみ「ほらほら、もう大丈夫だよ」

 

慌てて応急処置が施されて一先ずは解決されました。もう色々とてんやわんやですよ……。

 

えりか「ごめんね、よく前見てなくてさ」

 

ひめ「こっちこそごめんね」

 

いつき「よかったね、無事で」

 

お互いが謝ると、今度はある物を凝視し始めました。

 

えりか「ちょっとアンタ、この袋に入ってる物を見せてくれる?」

 

ひめ「ぎょえ!?何故!?」

 

つぼみ「ちょっとえりか!他人の私物を勝手に見るなんて…」

 

ひめ「いいよ、大した物じゃないけど」

 

黙々と話を進めるえりかにもはや何も言えません。そしてそのまま真剣な表情で色々とチェックをしています。

 

えりか「ふむふむ。この服の作り込み、悪くないわね。むしろ自身の技術が培った結果?」

 

めぐみ「なんか真剣だね」

 

えりか「よかったら私の物を見てもいいわよ」

 

ひめ「いいの!?じゃあお言葉に甘えて~」

 

いつき「あっちも興味津々だね~」

 

つぼみ「えりかの腕に翻弄しちゃったりして、ですね」

 

このまましばらく無言が続き、お互いが持っていた衣類を返却します。

 

えりか「アンタ、才能あるわね」

 

ひめ「私も見たけど、今まで見た中でもとてもいい作り込みだったよ」

 

つぼみ「さて、どうなりますかね…」

 

 

 

ひめ「あの、姉さんと呼ばせてください!!」

 

 

 

一同「「「おぎょぎょ~~!!??」」」

 

 

 

なんという予想外な結果なんですかこれは!?

 

えりか「いや~姉さんか~。ちょっと照れるかも、ぐふふ」

 

ひめ「ねえ姉さん、私白雪ひめっていうの。よろしくね!」

 

えりか「姉さんと呼ぶのはいいけど、私の名前は来海えりか。ちゃんと覚えてね」

 

もう好きにしてください……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「まだ名前言ってませんでしたね。私は花咲つぼみです」

 

いつき「僕は明道院いつき。これでも、アレなんだ」

 

ひめ「すっごくボーイッシュな感じだよね!」

 

めぐみ「美少年のようなイメージかも。それに背も高いし。あ、私は愛乃めぐみだよ」

 

それぞれが自己紹介を済まし、賑やかなムードになりました。本当にさっきのはもう勘弁ですよ全く。

 

ひめ「そうだ!今からみんなを私の家に招待するね」

 

つぼみ「いいんですか?」

 

めぐみ「ひめの家はね、凄く大きいんだ。きっと驚くよ」

 

つぼみ「あの、お二人のことは…」

 

ひめ「気軽にひめって呼んでいいよ」

 

いつき「むしろそっちの方が呼びやすいよ」

 

えりか「一体どんな家かな~」

 

こうして、私達は彼女の大きなお家へと招待されることになりました。果たしてどのような感じなのかが待ち遠しいですね。



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第156話 心は非情である

ひめ「ついたよ、ここが私の家だよ」

 

いつき「大きいね、まるでお金持ちみたいな家だね」

 

つぼみ「なんて立派な家でしょう」

 

あまりに立派な家に思わず私といつきが見惚れちゃいます。しかしここまで凄いところに住むなんてお嬢様か何かですかね?

 

えりか「何人暮らし?」

 

ひめ「ふっふっふ。それはヒ・ミ・ツ」

 

いつき「そこは答えるべきじゃないのかい?」

 

めぐみ「ひめには色々事情があるの。そっとしてあげて」

 

えりか「むむ、なんとなく理由は察した。言及しないでおこう」

 

つぼみ「ご家族の事情とかもありますよね」

 

それの方が本人のためなら仕方ありませんね。とりあえずみんなで入ることにしましたが、入った瞬間から立派な感じがしました。

 

つぼみ「わぁ~。素敵ですね」

 

えりか「私の家と大違いだわさ」

 

いつき「住み心地がよさそうだね」

 

めぐみ「今お茶入れるから待っててね」

 

ひめ「んじゃごゆっくり~」

 

私達は好きな場所に座り、そのまま休むことにしました。

 

つぼみ「来たのはいいですが、これからどうすればいいんでしょう?」

 

えりか「悩んでも解決できないってば。それよりいつきに聞かせてあげなよ、例の話を」

 

いつき「例の話?」

 

つぼみ「いやぁ~!そんな顔で聞かないでくださいよぉ~!」

 

いつきの興味津々な表情に赤っ恥をかいてしまいました…。え、えりかぁ~…。

 

えりか「そもそも誤解されるような真似するからこうなるの、わかる?」

 

つぼみ「はい…、自分に素直じゃありませんでした」

 

自分だけビックリして余計損したような気分になります。はぁ、一体どうすればいいんでしょうかぁ…。

 

いつき「落ち着いて、ゆっくりでいいから」

 

つぼみ「実はですね、最近気になる人がいるんです…」

 

いつき「ふむふむ、珍しくもないことだね」

 

つぼみ「まだ許容の範囲内です。でも、凄く胸がドキドキしてしまう程の…」

 

思い出すだけでも全身が身震いしそうです。多少は解れたけれども、まだ完全ではありません。

 

えりか「最近のつぼみは相当緊張気味だから刺激は与えない方が御の字かもね」

 

つぼみ「いえ、ハッキリしない感じで終わるのは嫌です。気持ちをちゃんとしたいです」

 

いつき「なるほど。僕は直接見てないけど、その人と上手く打ち解けるといいね」

 

これでまともな受け答えが今後出そうな予感がします。それはそれとして…、

 

つぼみ「えりか、今何やってるんですか…?」

 

えりか「それはもう招いてくれたお礼としてここだけの―――」

 

 

 

つぼみ「いやぁあああ!やめてくださ~いぃ!!」

 

 

 

なんと私が大事にしていた秘蔵の○○○(←ピー音入る)をえりかが勝手に私の鞄から取り出しました。

 

いつき「これは?」

 

つぼみ「見ないでください~!!」

 

えりか「何水臭いこと言ってんの。あげるわけないでしょーが」

 

つぼみ「じゃあ最初から出さないでほしいです!」

 

頭が痛くなりそうです……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ「お待たせ~」

 

ひめ「さっき大声が聞こえたけど、どしたの?」

 

いつき「気のせいだよ、うん」

 

えりか「世の中には知らなくていいことがあるから」

 

つぼみ「…えりかが言わないでください」

 

それから落ち着いたところでみんなでお菓子を頬張りながら紅茶を飲みます。なんという奥深い味わい、とても美味しいですね。

 

つぼみ「この茶葉はどこのものですか?」

 

めぐみ「これはね、遠い国で有名な茶葉だよ」

 

いつき「場所覚えてないのかい?」

 

ひめ「いやいや~、細かいことは気にしないタイプだから~」

 

えりか「このクッキー誰が焼いたの?」

 

めぐみ「それ、私が焼いたの」

 

確かに、このクッキーはとても香ばしいバターの香りに甘い味わいが感じます。

 

いつき「いいお嫁さんになれそうだよね」

 

めぐみ「あ…。そうかな…?」

 

ひめ「今顔が赤くなったね」

 

めぐみ「これはその、照れるの意味だから…!」

 

つぼみ「うふふ、素直なんですね。えっと…」

 

めぐみ「どうしたの?」

 

つぼみ「あの、どっちで呼べばいいかと思って」

 

めぐみ「めぐみでいいよ」

 

つぼみ「ふえ?」

 

今の言葉に一瞬驚いてしまいます。今日会ったばかりなのにそれは…。

 

めぐみ「だって、もう私達友達でしょ?」

 

ひめ「私のことも気軽にひめって呼んでいいよ」

 

えりか「私はこういうの慣れてるから大丈夫~!」

 

いつき「じゃあそうしようかな。僕のことも普通に呼んでも構わないし」

 

やれやれ、結局はそういうことになるんですね。やはり変わった娘達でしたか。

 

つぼみ「そしたら…、つぼみって呼んでもいいですよ?」

 

それから全員で一瞬考え込みます。これでもうハッキリしました。

 

つぼみ「じゃあ……めぐみ」

 

めぐみ「うん!こっちこそよろしくね、つぼみ!」

 

えりか「私とひめはもう相性バッチリ~っしゅ!」

 

ひめ「だよね~!」

 

まずはこれで友達としての第一歩がつかめましたので、一件落着ですね。



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第157話 め・し・ま・せ

えりか「ふぇ~。疲れて腹減ったべ~」

 

つぼみ「新しい友達できてよかったです」

 

夕方に差し掛かり、私達はすぐに帰ることにしました。案外いい家に住んでいる友達ってあまりいない気がしますね。

 

いつき「何か買っていく?」

 

つぼみ「そうですね、折角ですしどこかいいお店に行きましょうよ」

 

私の提案に気持よく頷くえりかといつき。まずは見晴らしのいいところをみ見つけないといけませんね。

 

えりか「ここってあんまり来たことないよね~。随分と賑やかな場所だけど」

 

いつき「この街に来るのそこそこなさそうだけど、別に気にはしないと思うな」

 

コフレ「えりかが方向音痴なだけですね」

 

えりか「迂闊に顔出すな、見られたらどーすんのよっ(グリグリ)」

 

コフレ「痛いです~…」

 

ポプリ「いちゅきは食べたい物あるんでしゅ?」

 

いつき「僕は正直なんでもいいよ。美味しい物は色々あるからさ」

 

喋りながら歩いていると、行列ができているお店を発見しました。むむ、こんな時間に大量の列ができてるなんて、怪しいです…。

 

シプレ「どうしたです?」

 

つぼみ「あのお店に行ってみましょう!きっと美味しい物があるはずですよ!」

 

えりか「おわ、いきなりどーした」

 

いつき「めぼしいところがあったのかい?」

 

つぼみ「とにかく行けばわかりますよ、レッツゴー!」

 

えりか&いつき((今日のつぼみ、やけに張り切ってる…))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~同時刻、大森ごはん~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうこ「それじゃ、気をつけてね」

 

いおな「いつも申し訳ないわ。折角のお仕事を邪魔して」

 

ゆうこ「いいっていいって。この後めぐみちゃんとひめちゃんが来て売れ残りの飴をおすそ分けするから」

 

いおな「いつも私がここの花の手入れをしていたら迷惑じゃないかと思ったから」

 

ゆうこ「またお願いするからね」

 

いおな「うん、また明日ね」

 

ゆうこ「さて、気合いを入れないとね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「ようやく空いてきたようですね」

 

えりか「なんでもいいから早く食べたいど~!」

 

いつき「ドードー」

 

いよいよ私達の注文の時間がやってきました。一応お持ち帰りということになってますけどね。

 

えりか「とりあえず唐揚げとコロッケちょうだ~い!」

 

つぼみ「って早っ!?」

 

いつき「まだ決めてないよ…?」

 

どうやらえりかの腹の虫が治まる一方はなかったようですね…。

 

ゆうこ「いらっしゃいませ~。三名様ですね?ご注文はこちらをご確認してから決めてくださいね」

 

つぼみ「へぇ~。色々あるんですね」

 

いつき「どれも美味しそう」

 

たくさんある種類の中から選ぶのは相当時間かかりそうですし、気になった物だけを決めるとしますか。

 

つぼみ「私はクリームコロッケで」

 

えりか「唐揚げほしいっしゅ!」

 

いつき「僕はフランクフルト」

 

無難な物を選んだのは明確ということで、精算を済ませて近くのベンチで食べることにします。

 

ゆうこ「はい、今なら注文したお客さん全員に飴をプレゼントしています。よかったらどうぞ」

 

つぼみ「ありがとうございます」

 

外は冷え気味なので、手早く済ませます。まずはそれぞれ一口だけ頬張ります。

 

つぼみ「揚げたてで美味しいですね」

 

えりか「生き返ったっしゅ!」

 

いつき「香ばしいね、よく作りこまれてるって感じだね」

 

食感すら魅了される程の味わい、まさに家庭の味そのものです。

 

ゆうこ「こんばんは(ヒョコ)」

 

えりか「ぎょ!?」

 

つぼみ「ビックリしましたっ!」

 

すると突然さっきの人が目の前に現れました。心臓に悪いですよ、こういうの…。

 

ゆうこ「どうだった?うちのお店の味は」

 

いつき「とても美味しかったよ」

 

えりか「全く、こんな冗談をよく―――ぴょ~!!」

 

えりかがさっき貰った飴を舐めると気高く叫びました。今度はなんです?

 

えりか「この飴、あの時と同じ味でしょ!?」

 

つぼみ「あの時って―――あ~!」

 

包み紙をよく見ると、まさしくあの時えりかが知らずに舐めた飴と同じ包み紙であることを思い出しました。

 

ゆうこ「もしかして…」

 

えりか「超うまし!誰かさんが落としたけど、最高だった」

 

ゆうこ「そうなんだ、気に入ってくれて嬉しいわ」

 

つぼみ「ごめんなさい、えりかがあんなんで」

 

ゆうこ「いいのよ、私は美味しい時の顔を見れるだけでいいから」

 

意外と懸命に見てるんですね。確かにさっき食べた物のことを考えるとまだ心残りがあるような感じがしますし。

 

ゆうこ「折角だし、連絡先も教えちゃうね」

 

いつき「いいの?」

 

ゆうこ「またいつでも来れるようにね」

 

えりか「案外優しいかもね」

 

つぼみ「また来てもいいですか?」

 

ゆうこ「いつだって構わないよ。私は大森ゆうこ、よろしく」

 

つぼみ「花咲つぼみです」

 

えりか「来海えりかっていうの、よろしく!」

 

いつき「僕は明道院いつき、またよろしく頼むよ」

 

まさか今日で新しい友達が三人できるなんて、すさまじいにも程がありますね。

 

えりか「ねぇねぇ、ゆうゆうって呼んでもいい?」

 

いつき「いきなりだねぇ…」

 

ゆうこ「いいよ別に。私の友達にもそう呼んでる娘がいるよ」

 

つぼみ「そうだったんですね…」

 

えりか「だってこの飴美味しいもん!要は教祖!」

 

ゆうこ「いつでも来てね~。待ってるから」

 

つぼみ「帰りましょうか」

 

ここまで素晴らしい一日がまた訪れるのはそう簡単ではありませんよね。とにかく、私達はここで帰ることにしました。

 

つぼみ(結局、あのお方―――ブルーさんには会えませんでしたね…)

 

その時、私の心の中の何かがそう嘆いていました。まだこの気持は抑えそうにはないようです。



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えりひめアワー 第8回

今回はあの二人の登場です。


えりか「お久〜!来海えりかで〜す!」

 

ひめ「私天才?そんなこと、あるけどっ!白雪ひめで〜す!」

 

えりか「久しぶりのこのコーナー、今日も張り切っていきましょ〜!」

 

ひめ「第三章始まってからの最初の放送 、それでは行ってみよ〜!」

 

 

 

えりか&ひめ「「始まりまっしゅ!」」

 

 

 

みらい「今回のアシスタントを担当する、朝比奈みらいです!ワクワクもんだぁ〜!」

 

えりか「それでは今回の議題だが、モフルンは妖精の部類なのかそうではないのかを考えたい」

 

ひめ「モフルンとは大の仲良しなんだよね」

 

みらい「はい、私が幼い頃からの大切な宝物なの。モフモフして心が癒されるんだ」

 

ひめ「物を 大事にするのはいいことね。まるでウッデーーーヴォム‼︎(ゴリッ)」

 

えりか「トイなんたらの話はまた今度ね、ここでモフルンに来ていただきましょ〜!」

 

モフルン「甘い臭い と思ったら辛い臭いしたモフ」

 

みらい「唐辛子は食べてないからね?身体に毒だから」

 

えりか「激甘職人のモフルン、流石でやんす」

 

ひめ「ところで唐突ですが、あなたって妖精?それともただのぬいぐるみ?」

 

モフルン「モフルンはただのぬいぐるみじゃないモフ、みらいが一緒にいたいと願ったからこうしてお喋りできたモフ」

 

えりか「性別は?」

 

 

 

みらい&モフルン「「……え??」」

 

 

 

ひめ「そこ!とても怪しいって感じた。もしかして、オネェ?」

 

モフルン「オネェって何 モフ?」

 

ひめ「要はかくかくしかじか…」

 

みらい「それじゃわからないよ」

 

 

 

ひめ(もう手段がねぇ…)

 

 

 

ひめ「詳しいことはwikiで検索検索ぅ !てへぺろ♥︎」

 

えりか「満更でもねぇなおい」

 

みらい「でもよく思えばモフルンってどっちなのかな?」

 

えりか「性別すらなさそうじゃね?」

 

モフルン「モフルン、自分では全くそういうの深く考えたことないから適当でいいモフ」

 

みらい「細かいことはいいよ。モフルンはモフルン、でしょ?」

 

モフルン「勿論モフ。いつまでもモフルンが一緒にいるモフ」

 

ひめ「友情っていいよね、とても泣きそう…」

 

みらい「なんか私も嬉しくなっちゃったかも、聞いてくれてありがとう」

 

えりか「映画でのモフルンのシーンも感動的でしたな〜(※実話)」

 

ひめ「大切な家族としての存在感、それに…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひめ「唐突のくまモン」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「 異議なし」

 

みらい「メロン熊出たらダメだよね?」

 

えりか「ありゃアウトっしょ⁈リアルだし!」

 

モフルン「いつか友達になりたいモフ」

 

ひめ「それ以前に食われるべ!」

 

みらい「あの頭の断面図気になるよね。リコとはーちゃんに見せたいなぁ〜」

 

 

 

えりか&ひめ「「やめろぉ〜‼︎」」

 

 

 

モフルン「そろそろ時間モフ」

 

えりか「と、とにかく! 次回に続く‼︎次回は後半戦っしゅ!」



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第158話 男は皆正直だ

爽やかな休日はとても心地のいい気分だ。今日は私とひめが空手の自主トレをしている誠司に手作りケーキを届けに出かけていた。

 

めぐみ「誠司、喜んでくれるといいね」

 

ひめ「にっひっひ♪デコレーションはバッチリね♪」

 

めぐみ「それに、ひめ一人じゃ味付けは任せれなかったけどね」

 

ひめ「ちょっとそれどういう意味よ~!」

 

めぐみ「冗談冗談」

 

ひめ「でもそのおかげで少し作りすぎちゃったね」

 

ひめがケーキが崩れないように慎重に運びながらそう思う。本来なら人数分の分量だったけれど、結構余裕できてしまったみたいだ。

 

めぐみ「いけそうだけど、流石に食べきれないと思うな」

 

ひめ「あ~あ。リボンは神様と一緒に留守してるし、ここは誠司に頑張ってもらわなきゃね」

 

めぐみ「確かに。でもお腹壊す可能性あるよ?」

 

ひめ「なんとかなるなる~」

 

めぐみ「不安かも…」

 

まぁ無理はさせるつもりなんてないし、ここは無難にゆうゆうといおなちゃんにも分けてあげたいところではある。

 

めぐみ「どうにか分けてる方法はないかな…」

 

ひめ「思い当たる節あんの?」

 

めぐみ「いや、待てよ。もしかしたら…」

 

ここで私があることに気がつくと、

 

 

 

いつき「あれ?二人とも何してるの?」

 

 

 

健気な顔で尋ねるいつきの姿が見えた。

 

ひめ「チョリス!」

 

いつき「難しい顔だけど、どうしたの?」

 

めぐみ「あのね、実はケーキを食べてほしいの」

 

ひめ「いつきにも分けてあげようかな~って」

 

いつき「一体何のこと?」

 

めぐみ「あ、端折っちゃった。要するに―――」

 

 

 

~~事情を説明中~~

 

 

 

いつき「なるほど。だから困っていたんだね」

 

ひめ「勿の論」

 

訳ありなことを無理やり押しつけてしまったけど、わかってもらえてよかったぁ…。

 

いつき「それだったらつぼみ達にも分けてあげたらどう?僕一人だと少しきつそうだし」

 

めぐみ「いいね!そうしようよ」

 

ひめ「ときにいつき。その荷物は何だべ」

 

ひめがいつきの持っている鞄に指をさしながら尋ねる。あれってスポーツとかやってそうな量の荷物っぽいけど。

 

いつき「今日はあることをしようと思ってね」

 

めぐみ「あること?」

 

いつき「この近くに道場あるかな?」

 

ひめ「あるよ、私達も今からそこに行くところ」

 

いつき「じゃあ案内してもらえる?」

 

めぐみ(どうして道場なんかに…。もしかして、いつきって……)

 

謎が多いけど、とりあえず誠司のいる道場へと向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひめ「ついたよ、まぁ大したところじゃないけどさ」

 

いつき「いいよ、できればいいからさ」

 

めぐみ「こんなところで何をするの?」

 

いつき「ちょっとね」

 

黙々と中へ入り、そのまま誠司のいる部屋へ移動した。

 

めぐみ「お~い、誠司!」

 

ひめ「生きてるか~」

 

誠司「突拍子のないこと言うなよ、ちゃんとやってるから」

 

いつき「彼は?」

 

めぐみ「私達の親友の誠司、まだ言ってなかったね」

 

ひめ「空手が得意なんだよ」

 

私達の呼びかけに反応した誠司が一度こちらへ来た。やっぱり自主トレの真っただ中だった。

 

誠司「二人とも、そこにいるのは誰だ」

 

めぐみ「実はね、新しい友達ができたの。そのうちの一人なんだけど」

 

誠司「そのうちの一人ってことは他にもいるのか?」

 

ひめ「そゆこと」

 

いつき「僕は明堂院いつき、よろしく」

 

誠司「ってか俺より背が高いな…」

 

めぐみ「誠司もあれぐらいの背になりたいんじゃないの~?」

 

誠司「う、うるせぇな…。俺だってこんなもんは」

 

いつきの身長に少しヤキモチを焼く誠司。やはりこういうことになると男の子って負けず嫌いになるんだね。

 

いつき「早速だけど、ちょっと着替えてくるよ。すぐ戻るから」

 

誠司「お前、習い事してんのか?」

 

いつき「後でわかるよ」

 

めぐみ&ひめ「「ふむふむ」」

 

期待を持ちつつ、少しの間待つことにした。

 

誠司「まさかあんなに立派なやつと友達になるとはな。以外に俺とも話が合いそうだし」

 

めぐみ「まぁそうかもね」

副音声(誠司ってデリカシーないよね)

 

ひめ「同感でしょこりゃ」

副音声(確かに、コイツ絶対わかってないな…)

 

立ち話をしつつも、いつきが戻ってきた。

 

いつき「お待たせ、少し歪な見た目だけど勘弁して」

 

誠司「一応聞くが、習ってるのか」

 

いつき「そうだよ。試しに手合わせするかい?」

 

誠司「いいぜ、お前の実力を見せてくれよ」

 

いつき「僕だって君に手加減するつもりはないよ」

 

めぐみ「おぉ~!これは熱い戦いになるね!」

 

ひめ「いけいけ~!どっちも頑張れ~!」

 

誠司といつきがそれぞれの位置につき、一礼をする。ちなみに審判はひめが担当するらしい。

 

ひめ「勝負は三本、先に二本取った者が勝者とします。準備はいい?」

 

誠司「いつでもオッケーだ」

 

いつき「僕に負けても文句はなしだよ」

 

ひめ「それでは、始めっ!」

 

ひめの合図と共に、お互いが出方を窺い始める。両者共に真剣な目をしている。

 

めぐみ(誠司は結構腕を磨いてる。それに対していつきはどうやって来る…?)

 

数秒の沈黙が続く中、誠司が一番最初に動き出した。待ってたって何も起こらないと感じたのか、でもちょっと迂闊な気がする。

 

誠司「…えい!」

 

いつき「はぁ!」

 

誠司「しまった…!?」

 

いつき「ふっ!」

 

誠司の動きがことごとく読まれている。しかもいつきは全く衰えを見せることなく誠司の動きを躱した。

 

いつき「単調な行動だね」

 

誠司「まだだ…!」

 

いつき「せいや!」

 

誠司「うわぁ!」

 

ひめ「勝負あり、いつきに一本」

 

止めは誠司を足払いし、そのまま一気に仕上げた。ここまでやれるとは誰もが想像もできなかったことである。

 

めぐみ「す、凄い」

 

ひめ「あんな技見たことないよ」

 

誠司「くそ…!もう一回やらせてくれ!」

 

いつき「動きが読まれて悔しいの?」

 

誠司「今のはちょっと油断しただけだ。次こそは」

 

先程のいつきの行動で誠司の足が震え上がってきた。私もしっかり見たが、あそこまでに卓越した力量は本物のようだ。

 

ひめ「じゃあ第二試合、始め!」

 

誠司「おりゃあ!」

 

いつき「よっと」

 

誠司「そこか…!」

 

いつき「何!?真っ向勝負ということか…!」

 

今度はいつきが移動したところをそのまま正面から突っ込む戦法をとった。素早く動けば迷うことなく勝負できるのだ。

 

誠司「もらった―――おわぁ!?」

 

いつき「わぁ!?」

 

めぐみ「嘘でしょ!?」

 

ひめ「大丈夫~!?」

 

ところが、勢いがありすぎたか誠司が足を滑らせてしまいいつきと共に転倒してしまった。さっきの震えが治まらなかったか、予想もしないアクシデントに出くわしてしまう。

 

めぐみ「誠司、しっかりして…!」

 

誠司「俺は平気だ、それよりお前は?」

 

いつき「僕も平気だよ。それより、離れてくれないかな?苦しいんだけど」

 

誠司「悪い、今どけるよ―――っておわぁ!?」

 

ひめ「何を驚いて―――わぁ!!」

 

いつき「…僕は、何て言えばいいんだろう…?」

 

めぐみ「せ…」

 

ひめ「い…じ…」

 

誠司「あの…もしもし…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ&ひめ「「誠司のバカァ~~ッ!!(バシィ!!)」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響き渡ったこの騒動は、しばらく近所の間で噂になったとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「いつきまだですかね」

 

えりか「待ち合わせ場所ここのはずなんだけどさ。どうしたべ」

 

今日はいつきと約束したはずなんですが、どうやらまだ到着してないみたいです。

 

つぼみ「この氷川なんとかという場所に来るようにと聞いたんですけど」

 

えりか「とりあえず中入ろうよ。っていつきの靴ある。ってことはもう入ってんじゃん」

 

つぼみ「行きましょうか―――って何ですかこの悲鳴は!?」

 

えりか「突入するわよ、面倒なこと確実だけど」

 

つぼみ「はぁ~…」

 

何が起きたのか、一応この道場に入ることにしました。どうか不運でありませんように……。



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第159話 存外・論外・想定外

今年最初の投稿です。


ひめ「どうして誠司はこうもデリカシーがないのよ!」

 

誠司「何だよ…」

 

めぐみ「何だよとは何さ、ちゃんとこういうのには掟があるの」

 

誠司「どういうことだよ」

 

あまりの衝撃的な一面を目撃した私とひめは誠司に両方からの平手制裁を下した。しかし誠司は反省するどころか逆に首を傾げる様子だった。

 

ひめ「言い訳は無用、とにかく謝りなさいよ」

 

誠司「つーか、あいつって女だったのかよ…?」

 

 

 

めぐみ&ひめ「「……ゑ??」」

 

 

 

すると誠司の口から予想もしなかった一言が放たれた。もしかして…、

 

いつき「そうか、気づかなかったんだね。僕から言うつもりだったけどすっかりだったよ」

 

めぐみ「意外だった…ね」

 

ひめ「まさか本当に知らなかったの?」

 

誠司「……当たり前だ」

 

こういう時、どう説明すればいいんだろう…?

 

いつき「そうなんだ、それなら仕方ないよ。先に言わなかった僕の不注意でもあるし、僕の方こそ謝るよ」

 

誠司「あ、あぁ…」

 

ひめ「この勝負、お預けね」

 

めぐみ「折角いい試合だと思ったのに」

 

誠司「決着はいずれつけような」

 

いつき「望むところさ」

 

なんだ、誠司は知らなかったんだ。それなら私達の方が詫びるべきなのかも。

 

めぐみ「ご、ごめん…」

 

ひめ「私も、悪かったよ」

 

誠司「ったく、本当に世話を焼かせるよな」

 

とにかくこれで無事に解決。それにしても、なぜいつきはそうまでして…。

 

 

 

つぼみ「大丈夫ですか~!」

 

えりか「私様参上~!」

 

 

 

なんとここで大慌てでつぼみとえりかがやってきた様子。

 

いつき「二人とも、なぜ慌ててるの?」

 

つぼみ「今悲鳴のような声が聞こえたので」

 

えりか「それを調査しにきたんやでしかし!」

 

ひめ「姉さん!」

 

えりか「ひめ!」

 

 

 

えりか&ひめ「「ダ~~イブ!!」」

 

 

 

誠司「…暑苦しいな」

 

めぐみ「あの二人、本当に似た者同士だね」

 

ひめは嬉しいのか、えりかと一緒に共鳴を始めた。一体何のかは不明だが。

 

つぼみ「あの、あちらの男の子は?」

 

めぐみ「そうか、まだいつきにしか言ってなかったね。私達の親友の誠司だよ」

 

誠司「相良誠司だ、特技は空手だ」

 

つぼみ「いつきと同じですね、どうでした?」

 

めぐみ「見事にコテンパンだったけどね」

 

誠司「あいつ、強すぎだろ?」

 

まだまだ誠司には超える壁というものがあるようだ。自分より強い相手がいる程強くなれる心は持っているはずだし。

 

めぐみ「いつきはどれぐらい上手いの?」

 

いつき「僕の実家が道場だからさ」

 

ひめ「ぎょえ~!?マジっすか!」

 

誠司「そういえば大森と氷川は来るのか?」

 

めぐみ「二人とも、もうすぐこっちに来るってさ」

 

誠司「俺らの中でも道場持ちのやつがいるんだ」

 

いつき「凄いなぁ。今度手合わせしたいよ」

 

少しだけいつきが興奮をしている。それだけ興味があるのかもね。

 

つぼみ「ところでこの後どうします?」

 

めぐみ「偶然一緒になったから、ひめの家に行こうよ」

 

ひめ「結局そうなるのね」

 

誠司「お前の家なら広いし誰でも入れると思うよな」

 

えりか「じゃあ突入~!ひめ、後で持ってる服とか見せてもらえるかな?」

 

ひめ「イ~~エス!」

 

めぐみ「やれやれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~三十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所を変えてひめの家へ。ここでゆうゆうといおなちゃんが来る予定だ。

 

めぐみ「よかったら私達が作ったケーキ食べて」

 

ひめ「とっても美味しいよ」

 

誠司「結構作り過ぎだな、この量的には」

 

みんなで椅子に座り、手作りケーキを食べることに。口に入れるととても香ばしい味わいが口の中全体に広がっていく。

 

つぼみ「この生地の中に紅茶の香りがしますね」

 

めぐみ「それは少し紅茶をいれることで味を引き立てるようにしたの」

 

えりか「中のフルーツもいいねぇ」

 

ひめ「でそでそ?これは私が選んだんだよ」

 

ひめが天真爛漫の笑みで答える。これは全てひめの厳選による彩のため、見た目だけでなく味の組み合わせもしっかりしている。中身は新鮮なイチゴやメロン、それにアクセントを加えるためにキウイとイチジクも投入したらしい。

 

いつき「これは誰でも食べやすそうかも」

 

誠司「ひめにしては上出来だな」

 

ひめ「何よ~!私だってお菓子作りはできるのにぃ~!」

 

めぐみ「私も一緒に作ったからこその結果だよ、いいでしょ?」

 

ひめ「えへへ、そうでもあるけどね」

 

 

 

ゆうこ「こんにちわ~」

 

いおな「今来たわよ~」

 

 

 

丁度いいタイミングでゆうゆうといおなちゃんが到着した。でもいおなちゃんが持ってるものは一体…。

 

いおな「これ、ここに置けそうな花なんだけど」

 

ひめ「なぜ花を?」

 

少し重たそうな花を手にしてるみたいだけど、どこで仕入れたんだろう?

 

つぼみ「あなたも見ませんね」

 

えりか「まるで凛々しい感じ」

 

いおな「いつの間に友達が増えてるわね」

 

めぐみ「そうそう、これには深い訳があってね」

 

ひめ「要するにかくかくしかじか」

 

いおな「意外ね、私もビックリしちゃいそう」

 

苦笑いしつつ花瓶に水を入れて花を詰めるいおなちゃん。そうだった、大事なことを聞かないと。

 

めぐみ「なんで花なんかを?」

 

ゆうこ「実はね、ある人からの譲り物なの。だからあの花をここに持ってきたの」

 

誠司「お前らはここ数日間何をしてた?」

 

いおな「私とゆうこはひめの家をもう少し鮮やかに見せるために色々街を回ってたの。そこで花畑のある庭園に立ち寄ってそれにしようと決めたってわけよ」

 

つぼみ「あの、ある人って誰なんです?」

 

いつき「今僕も気になった」

 

いおな「確か…。月影ゆりさんって人からの…」

 

 

 

つぼみ&えりか&いつき「「「えぇ~~!?」」」

 

 

 

いおなちゃんの発言に対してつぼみとえりか、それにいつきが一緒に発狂した。この様子だと、何らかの関係があるのかも。

 

つぼみ「ゆりさんに会ったんですか!?」

 

えりか「そこんとこお答え願います!」

 

いおな「あなた達、なぜそこまで驚くの…?」

 

いつき「最近ゆりさんの姿見ないけど、何をやっているんだろうね」

 

三人の反応についていけない状態のいおなちゃんは地味に怯えてた。あの様子じゃ無理もないよきっと。

 

つぼみ「ともかくこの話はゆりさんが来たらまたしましょうか」

 

えりか「うん、今のままじゃちっとも理解できん」

 

いおな「ゆりさんは私にとってお姉ちゃんの次に大事な存在だと思うの」

 

いつき「お姉さんがいるんだ」

 

ゆうこ「いおなちゃんのお姉さんは今は外国にいるけど、とても大事な家族なんだよ」

 

誠司「お前らって知らないところで繋がってたんだな、これはビックリしちゃうぜ」

 

いおなちゃん達の事情は私も思わず共感する勢いの出来事だった。

 

ひめ「この後どうしようか?」

 

誠司「もうそれぞれの自由行動でいいんじゃね?」

 

つぼみ「いいですね。それじゃ…」

 

めぐみ「私に聞きたことがあれば何でも相談に乗るよ」

 

つぼみ「はい、でしたらこの街のいいところを案内してください」

 

めぐみ「勿論!私達、友達だよね!」

 

私とつぼみは二人でいい場所へ行くことに。

 

えりか「ひめの部屋どこにある?」

 

ひめ「私の部屋はあっち。色んな服を見せてあげる」

 

えりかとひめはどうやらファッションの参考のために動くとのこと。

 

ゆうこ「女の子ならもっと女の子らしい服装にしなきゃね」

 

いつき「一応つぼみとえりかが選んでくれるよ」

 

ゆうこ「いや、あなたには何かが足りないわよ」

 

いつき「な、何かな…?」

 

一方いつきとゆうゆうはちょっと危ない雰囲気の様子だった。

 

めぐみ「誠司といおなちゃんはどうするの?」

 

誠司「俺と氷川はこのまま二人で雑談するよ」

 

いおな「特にやりたいことはないわ」

 

めぐみ「そうなんだ。じゃあ私達は行くね」

 

それぞれの目的のために、それぞれで動くことにした。それにしてもこんなに賑やかになるのは自分でも有り得ない気がするかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~三十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いおな「相良君、一つ聞きたいんだけど」

 

誠司「どうした?」

 

いおな「最近、神様って頻繁に留守にしてるわよね」

 

誠司「だよな、俺も思ったんだ」

 

いおな「何か、訳でもあるんじゃないかしら…」

 

誠司「何もなければいいがな…」

 

いおな(もしかして…また危機が来る、とか…)

 

 

 

ギョロ……

 

 

 

いおな「…っ!?」

 

誠司「おいどうした」

 

いおな「今、誰かが私を見てた気がして…」

 

誠司「大丈夫だ、大したことはなさそうだし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Dプリキュア(キュアフォーチュン…。こいつはやつに似ている……)



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第160話 黒き花の息吹①

いおな(今誰かが私を見ていた、それも凄い憎悪が感じるように…)

 

身の毛がよだつ殺気を浴びた私は思わず動揺してしまう。そんな私を相良君が心配する。

 

誠司「氷川、きっと気のせいじゃないか。安心しろ」

 

いおな「うん、そうよね…。気にすることないよね」

 

相良君の言葉に少しだけ安堵する。ここ最近私が浮かない顔をするとめぐみ達が励ましてくれることがある。どこまで辛いことがあっても臆することなんてないはず。

 

いおな「私、ちょっと休むわね」

 

誠司「ああ。俺も少し寝るわ、さっき空手の自主トレしたから疲れが溜まってさ」

 

いおな「いつも頑張ってるのね、相良君は」

 

誠司「当たり前さ。めぐみを守ってやれる男にならないとな」

 

いおな「相良君って、めぐみのこと…」

 

誠司「まぁ、自分の気持ちをハッキリ伝えるのはいつになるかわからんけど…」

 

どうやら相良君も譲れない一面があったみたいね。ともかく私達は気持ちを整えるために少し眠ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「―――…チュン」

 

いおな(……誰?)

 

???「―――フォーチュン、お前を―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いおな「…っ!!」

 

夢の中から聞こえた謎の声。私は恐怖のあまり目を覚めてしまう。

 

いおな(やっぱり、誰かが私を呼んでいる…。ここの近くにいるはず…)

 

周りを確認してこっそり一人で外へと向かう。みんなには悪いけど、これは私の問題。それを解明することで何かがわかると思うから。

 

ゆうこ「いおなちゃ~ん、って……いない?」

 

いつき「どこにいったんだろう?」

 

ゆうこ「私、探してくるわ」

 

いつき「何が起きるかわからないけど、気をつけて」

 

ゆうこ「すぐ迎えに行くから」

 

 

 

プリチェンミラー『ポ・ポ・ポ・ポ・ポリス、かわるんるん!』

 

 

 

ゆうこ(いおなちゃん、一体どこに…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~某所~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いおな「当てずっぽうでこんなところに来たけど、どこに…」

 

 

 

???「待っていたぞ、キュアフォーチュン」

 

 

 

いおな「誰なの、姿を見せなさい」

 

どこか知らない場所に来て夢の中の声の主を探していると上から人影が見えた。なぜだろう、なぜか憎しみと悲しみが伝わるような感情を持っている人物だけど…。

 

Dプリキュア「私はダークプリキュア。キュアフォーチュン、お前はここで朽ち果てるのだ」

 

いおな「どうして私のことを…?それにダークプリキュアって…」

 

今でも感じる無情な心。彼女には今までと違う闇を漂っていた。

 

Dプリキュア「お前にはやつと同じ匂いがするみたいだ」

 

いおな「やつって…」

 

Dプリキュア「話してもお前には理解できまい、この私を倒さぬ限りな」

 

いおな「一体何が言いたいの…?」

 

Dプリキュア「ただ、お前には力が備わっている。その持てる力でこの私を捻じ伏せてみろ」

 

 

 

ゆうこ「いおなちゃ~ん!」

 

 

 

いおな「ゆうこ!?どうしてここに」

 

すると大急ぎでこちらにやってきた人物がいた、ゆうこだった。

 

Dプリキュア「ネズミが一匹増えたか。いいだろう、まとめてかかって来い」

 

ゆうこ「どういう状況かはだいたいわかるわ」

 

いおな「お願い、力を貸して!」

 

状況をを把握するゆうこに私は必死になって頼む。そして私とゆうこはそのまま戦闘態勢へと入る。

 

 

 

ゆうこ「プリキュア・くるりんミラーチェンジ!」

 

いおな「プリキュア・きらりんスターシンフォニー!」

 

 

 

ゆうこはプリチェンミラー、私はフォーチュンピアノを取り出してプリカードをセットする。その光でプリキュアへと変身する。

 

 

 

ハニー「大地に実る命の光、キュアハニー!」

 

フォーチュン「夜空に煌めく希望の星、キュアフォーチュン!」

 

 

 

これで対抗手段は得た。あとはあの黒いプリキュアを止めなきゃ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~駅前カフェ~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「美味しいです!こんなところに素晴らしいカフェがあるなんて」

 

めぐみ「でしょ?ここの絶品パフェはすっごく有名なんだ。そのカフェオレも人気なの」

 

つぼみ「感じたことのない香りが鼻の中から響きますよね、感激しちゃいます!」

 

めぐみが私のために連れてきたのは平日は学生達の行列で賑わっている駅前のカフェです。めぐみ曰く一度訪れると忘れられない心地よさとのことです。

 

つぼみ「私が頼んだイチゴパフェ、病みつきになりそうです」

 

めぐみ「つぼみが喜んでくれて嬉しいな。あのさ、つぼみって気になる人いる?」

 

つぼみ「ふぇ!?いきなりなんですか!?」

 

めぐみ「乙女の感ってやつかな?」

 

唐突に来ためぐみの大胆発言に腰を抜かしてしまいそうになりました。ほ、本気で腰痛になるところでしたよ…。

 

つぼみ「じ、実はですね…。最近そう思い始めたんです」

 

めぐみ「何かな~」

 

つぼみ「特徴は……優しくて、背が高くて…。とても印象的な性格でして…」

 

めぐみ「ふむふむ」

 

つぼみ「人込みの中に歩く姿に一目ぼれしたっていうか…」

 

めぐみ「なんてファンタスティックなシチュエーション!?」

 

つぼみ「いやぁああああ~~ッ!!死にたいです!マジで死にたいです~~ッ!!」

 

めぐみ「ちょっとどうしたの!?」

 

つぼみ「すみません…。かなり思考がおかしくなってしまって…」

 

めぐみ「とりあえず、落ち着こう……ね?」

 

今ので少しドン引きされた気もしますが、きっと気のせいですよね…?

 

つぼみ「めぐみにも気になる人はいるんですか?」

 

めぐみ「うん、凄く凛々しくてね。あとはあれこれ色々~!」

 

つぼみ「説明になってませんよ?」

 

めぐみ「ごめんごめ~ん、あまりにあり過ぎて言葉にできないや」

 

つぼみ「やっぱり、私達って似た者同士ですね」

 

めぐみ「そうかも、ね。どこか似てる部分あるよね」

 

こんなに面白いと感じたのは相当な話でした。私達はもう少しここで色んなことを話してから戻ることにします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~某所~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フォーチュン「はぁ!(ドガ!)」

 

Dプリキュア「狙いが甘い、ふん…!(ズガ!)」

 

フォーチュン「くっ…!全く攻撃が当たらない…」

 

ハニー「えぇい!(ゴン、ゴン!)」

 

Dプリキュア「ただ攻撃を繰り出せばいいものではない…。これならどうだ!(ゴォォ!)」

 

ハニー「あぁああ!」

 

フォーチュン「ハニー!」

 

 

 

二人で一斉にかかるが、相手には一切命中していない。それどころか、一方的に押されてる気がする。

 

 

 

Dプリキュア「私の知らないプリキュアの力はこの程度なのか?」

 

フォーチュン「あなたの綺麗事なんかに…!」

 

ハニー「私達はまだ諦めてなんかいない!」

 

Dプリキュア「口先だけは達者じゃないか。このまま潔く散るか?」

 

フォーチュン「まだよ!プリキュア・くるりんミラーチェンジ!パインアラビアン!」

 

ハニー「プリキュア・くるりんミラーチェンジ!ココナッツサンバ!」

 

 

 

プリカードを使って一時的に姿を変える。ハニーが後方支援をするように懐から追い打ちをかける。そして私は全力で相手の態勢を崩そうと正面突破を試みる。

 

 

 

フォーチュン「プリキュア・オリエンタルドリーム!(シュコォ!)」

 

ハニー「よし、そのままじっとしててよ!(ボン、ボン!)もう一度、プリキュア・くるりんミラーチェンジ!ポップコーンチア!」

 

Dプリキュア「小賢しい真似を…!」

 

 

 

案外効果的のようだ。でもここで油断をしてはいけない、すぐに反撃が来るはず。

 

 

 

Dプリキュア「だが、パターンを読めば臆することなどない。ふん!(シュバ!)」

 

ハニー「うぅっ!」

 

フォーチュン「まだぁ!プリキュア・くるりんミラーチェンジ!あんみつこまち!」

 

Dプリキュア「私も本気を出すとするか…(ゴォォォ…!!)」

 

フォーチュン「プリキュア・桜吹雪の舞!(ビュワァァァ!)」

 

 

 

休むことなく連続で大きな一撃を放つ。先程ハニーとの連携で多少は有利にはなってるとは思うけど…。

 

 

 

Dプリキュア「…痴れ者が(ブォォォ!)」

 

フォーチュン「そんな…!」

 

ハニー「あんみつこまちでもダメなの…!?」

 

Dプリキュア「はぁああ!(ゴッ!)」

 

フォーチュン「うぐぅ!」

 

 

 

ところが、相手が纏っている闇の波動により今の一撃がこうも簡単にかき消されてしまった。

 

 

 

Dプリキュア「私の闇の力を受けてみるがいい…!プリキュア・ダークフォルテウェイブ!(ゴォォォッ!!)」

 

ハニー「こんなの耐えれるけ―――あぁああああ!!」

 

フォーチュン「ハニー!!」

 

Dプリキュア「次はお前だ、ふん!(ゴォォォッ!!)」

 

フォーチュン「きゃああああああッ!!」

 

 

 

ダークプリキュアによる闇の一撃でことごとく致命的なダメージを負ってしまう。それに滲む憎悪も加わったためか、精神的なダメージも喰らう羽目に。

 

 

 

Dプリキュア「どうした、弱いな…」

 

ハニー「…どうして勝てないの…?」

 

フォーチュン「私達の力ってこんなものしかないの…?」

 

Dプリキュア「存外失望した。これじゃあいつ程の強さになるのは夢の夢やもしれん」

 

フォーチュン(ここで終わるの…?まだやるべきことがあるのに)

 

 

 

精神もズタボロになりかけた状態に成す術はあるのか、そのようなことを走馬燈のように思っていると、

 

 

 

???「もうやめなさい、無駄な戦いなんて必要ないわ」

 

 

 

Dプリキュア「やはり来たか、キュアムーンライト…!」

 

ハニー「また新たなプリキュア…?」

 

フォーチュン「キュアムーンライト…。月光の名のプリキュア?」

 

 

 

物陰からまた別のプリキュアが姿を現した。その瞳には信念を断ち切るような志を露にしていた。

 

 

 

ムーンライト「あとは私に任せて。その身体じゃもう無理よ」

 

フォーチュン「待って!まだ私達は戦える。戦えるんです!」

 

ハニー「そうだよね、まだ全てが終わったわけじゃない。きっと手段はある」

 

ムーンライト「あなた達、面白い考えをするわね」

 

フォーチュン「だってそれが諦めない意思なんです。希望を捨てない限り」

 

ハニー「失敗したっていい。とにかく目の前のことに集中するのが大事だと思います」

 

 

 

可能性はゼロじゃない、僅かの確率があれば不可能なことはないのだから。

 

 

 

Dプリキュア「お前らが正しいかどうか、この戦いで見極めてやる」

 

ムーンライト「こんなところでも阿漕なことをするなんて、不快ね」

 

フォーチュン「これ以上困らせるわけにはいかないもの」

 

ハニー「幸せな世界を築き上げるために…!」

 

 

 

まだまだ行方はわからないが、これでまた勝機は見えてきた気もする。その心を忘れず、再び立ち上がることにした。



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第161話 黒き花の息吹②

Dプリキュア「性懲りもなく私の邪魔をするか」

 

ムーンライト「理屈なんて聞きたくない、これ以上無駄な真似をするなら容赦しない」

 

Dプリキュア「猪口才なやつめ…」

 

ハニー「抵抗したらダメだから…ねっ!(ドン!)」

 

フォーチュン「もう恐れない、何があっても!(ズガ!)」

 

 

 

ゴゴゴゴ…!

 

 

 

Dプリキュア「この猛烈なエネルギーが私に力をくれる…実にいい感じだ」

 

 

 

ダークプリキュアが不吉な笑みで全身に力を蓄える。それは近づく者を消し炭にsてしまいそうな程の勢い。

 

 

 

ハニー「絶対にやめさせるんだから!はっ!(ドゴッ!)」

 

フォーチュン「一気に仕掛ける、えぇい!(バシィ!)」

 

Dプリキュア「我が闇の波動を受けるがいい…!ふん!」

 

ハニー&フォーチュン「「ぐぅ…!!」」

 

 

 

強大な力が私とハニーに襲い掛かる。気力で押されている感覚がとてつもなく伝わる。

 

 

 

ムーンライト「これじゃ近づくことができない…!」

 

ハニー「それにダメージが徐々に大きくなって―――あぁ!」

 

フォーチュン「全く進めない…うぅ!」

 

 

 

全速力で距離を詰めようとするが、全然近づける様子でもなかった。あんなものをどうやって…!

 

 

 

Dプリキュア「そろそろ終わりにしようか…」

 

ムーンライト「このままじゃ拉致が明かないわね」

 

ハニー「負けるのだけは嫌…」

 

フォーチュン「結局さっきの一緒じゃないの…!」

 

Dプリキュア「キュアフォーチュン、どうやら私の見込み違いだったな」

 

 

 

相手の気力に押し負ける私達に成す術はあるの…?

 

 

 

ブルー「そこまでだ、えい!(バッ!)」

 

Dプリキュア「何者だ」

 

ムーンライト「何か出てきたようね」

 

ハニー「神様!?」

 

フォーチュン「どうしてここに?」

 

 

 

すると背後から神様がダークプリキュアの気力を打ち消した。あれ程協力なものを簡単に壊すなんて、流石ね…。

 

 

 

ブルー「君は何者なんだ、答えてくれ」

 

Dプリキュア「どこの輩かは知らんが、私の邪魔をするつもりだな?」

 

ハニー「彼女はダークプリキュア。闇の力を持ったプリキュアなんです」

 

ブルー「ダークプリキュア…?」

 

Dプリキュア「それを知ったところで何になるのだ、所詮は私の力の通過点にしか過ぎない」

 

ムーンライト「あなたのエゴが世界を惑わせるのよ」

 

 

 

神様が真剣な表情で問いかけたが、相手は特に顔を変えることはなかった。

 

 

 

Dプリキュア「惑わせる?冗談も甚だしいな。私にはやらねばならないことがある」

 

ハニー「どういう意味よ」

 

ブルー「プリキュアである君がなぜこんな真似を」

 

Dプリキュア「お前がそれを知る必要などない。この勝負は預からせてもらう」

 

ムーンライト「待ちなさい、今度こそ逃がさないはずよ」

 

Dプリキュア「私にもやらねばならないことがあってな。お前との決着はいずれつける。それからキュアフォーチュン、お前のその瞳、本物かもしれん。残りのメンバーを連れてからまた私に挑むがいい(ビュワ)」

 

ブルー「めぐみ達全員でってことか…」

 

 

 

ダークプリキュアは私に一言言い残し、その場から去った。まだまだ謎が深まる部分が多いようだ。

 

 

 

ムーンライト「大丈夫?」

 

ハニー「えぇ、なんとかですけど」

 

フォーチュン「あの、あなたはどうですか?」

 

ムーンライト「私は平気、そろそろ元に戻らなきゃね」

 

ハニー「え…?」

 

フォーチュン「ってえぇ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファントム「どこで油を売ってた」

 

Dプリキュア「ちょっとな。なかなか面白い相手が見つかったからな」

 

ファントム「ふん、俺も少しばかりか手応えのあるやつらを探す」

 

Dプリキュア(残りは、キュアラブリーにキュアプリンセス…か)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ「もう戻らないと、早く出発しよう」

 

つぼみ「いつまでも戻ってないってことにはいきませんしね」

 

のんびり寛いだ私達はすぐさま戻ることにします。ちょっとゆっくりし過ぎたのか、それなりの時間が経過したようです。

 

 

 

???「見つけたぞ、力のある者ども」

 

 

 

つぼみ「誰ですか」

 

すると私達の目の前に黒いフードを被った謎の人物が現れたようです。

 

???「我は偉大なるネオフュージョンの欠片。よもやここにもプリキュアがいるとはな…」

 

めぐみ「アンタの目的は何なの!」

 

欠片「勿論、全てのプリキュアを倒すことだ。偉大なるネオフュージョンののために」

 

つぼみ「ネオフュージョン…?」

 

どこかで聞いたことのある言葉、私には少しわかる気がします。

 

欠片「お前達はあることがわかるが、それ以外のやつらにはそれがわからない」

 

つぼみ「あること、ですか」

 

めぐみ「もしかして…そうだ!」

 

欠片「お前にはわかるのか」

 

めぐみ「私、あの時みんなで一緒にいたことを全部覚えている。でも、突然視界が暗くなって目が覚めると―――」

 

つぼみ「それ、私も同じです。私も突然眠くなってしまって目を覚ますと―――」

 

つぼみ&めぐみ「「それです(だ)!」」

 

私とめぐみの思っていたことが偶然一致、むしろ完全といえばいいでしょう。

 

欠片「そうさ、お前達にしかわからない現象―――いや、その答えが導けるかどうかだ」

 

つぼみ「私にはしっかりわかります。なぜこのようなことが起きたか、きっとわかるはずです!」

 

めぐみ「夢じゃなかった。だけどみんなに話せばきっと理解できるはず」

 

欠片「どうせわかるまい。お前らでは永遠にな。さぁ、ここで朽ち果ててもらおうか」

 

つぼみ「どうすれば…」

 

めぐみ「見て、何かがこっちに来るよ!」

 

めぐみが指を刺すと、大慌てでシプレがやってきました。

 

シプレ「つぼみ~!大丈夫です~!?」

 

つぼみ「シプレ!?どうしてここに?」

 

シプレ「今嫌な胸騒ぎを感じたから急いでここに来たです」

 

めぐみ「えぇ!?これぬいぐるみだよね?」

 

つぼみ「ギクッ!」

 

そういえばめぐみには知られていけないことでした~…!!

 

欠片「どうする?やるのか」

 

つぼみ「もう!やりますよ、どうとでもなればいいじゃないですか!」

 

めぐみ「よくわからないけど、やっちゃっていいかな…?」

 

あとで爆死したいです、マジで。

 

 

 

シプレ「プリキュアの種、行くです~!」

 

つぼみ「プリキュア・オープンマイハート!」

 

めぐみ「プリキュア・くるりんミラーチェンジ!」

 

 

 

お互いに姿が変わり、プリキュアへと変身します。それぞれ力は異なりますが―――って!?

 

 

 

ブロッサム「えぇ!?めぐみもプリキュアだったんですか~!?」

 

ラブリー「それはこっちの台詞でもあるよ!?」

 

欠片「準備はいいな?」

 

ブロッサム「容赦しませんよ!」

 

ラブリー「何者の力かは知らないけど、覚悟してもらうんだから!」

 

とにかく、あの敵をどうにかしないといけませんよね!そう振り切った私は戦いに集中することにしました。



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第162話 私って、あれ不要ですか~!? 

予想もしなかった出来事に遭遇する私達はすぐに振り切ろうと試みる。結局、つぼみもプリキュアだったなんてビックリしちゃうよ…。

 

 

 

欠片「まとめて始末してやる。覚悟しろ」

 

ブロッサム「こんな大事な時に邪魔するなんて愚の骨頂ですよ!」

 

ラブリー「頭に来た!二人であいつをやっつけよう!」

 

欠片「キュアブロッサムにキュアラブリー。どれ程の力か見せてみろ、ふん(ボン!)」

 

 

 

何の躊躇もなく攻撃を仕掛ける相手に、私から正面突破した。それから一気に近づいて至近距離からの一撃を放つ。

 

 

 

ラブリー「ラブリー・ライジングソード!(ギュイィン!)」

 

欠片「いい反応だ。だが…(ジャキィン!)」

 

ラブリー「相殺されたッ!?」

 

ブロッサム「足元から来ます!」

 

ラブリー「嘘―――うわ!?」

 

欠片「その行動が命取りとなるのだ」

 

 

 

うっかり油断してしまった。防がれた直後に足元からの一閃が来て間一髪でジャンプして躱すことはできたけど…、数秒遅かったら両脚諸共粉砕されていた。

 

 

 

ラブリー「やはり一筋縄ではいかない、か…」

 

 

 

私は自分のミスを責めてしまう。それでも改善する余地はいくらでもあるはずだ。

 

 

 

ブロッサム「今度は私の番です、はぁ!(ドン!)」

 

欠片「気迫はあるようだが、果たしてお前に我を止めることはできるのか?(ガン!)」

 

ブロッサム「諦めなきゃ不可能はありません、どんな時でも!」

 

欠片「いい覚悟だ、ならば華々しく散れ(ゴオォォ!!)」

 

ブロッサム「させません!プリキュア・ピンクフォルテウェイヴ!!(ビュゥゥゥ!!)」

 

 

 

次はブロッサムが攻撃をする番で、相手も負けずと言わんばかりに技を繰り出す。それに対抗するようにブロッサムも自身の必殺技で立ち向かう。

 

 

 

ラブリー「う、凄い迫力…!」

 

ブロッサム「これでも倒せないなんて…」

 

欠片「恐れたか、我はこのような攻撃で朽ち果てることはない。むしろお前の攻撃が散漫だったというわけだ」

 

 

 

ところが、相手にはほとんどダメージを与えられずに終わってしまた。

 

 

 

ブロッサム「こんなの普通じゃありませんね。あなた、本当に何者なんですか」

 

欠片「この力は崇高で偉大だ。我もあの偉大なるネオフュージョンの一部、つまり何十分の一の能力はあるのだ」

 

ラブリー「たかがその程度、それさえわかれば恐れたりしない」

 

欠片「まだやるつもりか?」

 

ラブリー「当然、勝つまでね」

 

 

 

しかし大まかなことは理解した。結局は何十分の一の能力。つまり力は完全ではないということだった。

 

 

 

ブロッサム「なるほど、そうであればまだ勝てるチャンスありますよね」

 

ラブリー「簡単なことだったんだよ。要するに―――」

 

欠片「いつまでも御託を吐いてる場合か、ふん(ボン!)」

 

ブロッサム&ラブリー「「きゃあ!?」」

 

 

 

も~折角いいところだったのにぃ~ッ!!

 

 

 

ラブリー「人が大事な作戦をしてるというのに…それを邪魔するなんて…」

 

ブロッサム「いいアイディアが浮かぶと思ったのに、私―――」

 

ラブリー「私、堪忍袋の緒が切れたわ!」

 

ブロッサム「え……」

 

 

 

絶対に許さないんだから!あいつだけは!!

 

 

 

ブロッサム「…出ましたね、堪忍袋……。あはは、あはは……」

 

 

 

ブロッサムが何やら唖然としているみたいだけど、大丈夫かな…?

 

 

 

ラブリー「大人しく覚悟しなさい!(ドゴ、ガッ!)」

 

欠片「いつまでも耐えれると思うとは、愚劣な(ボォォ!)」

 

ラブリー「ラブリービーム!(ビィィ!!)」

 

 

 

すぐに来る攻撃はその場で打ち消す行動を休むことなく連続で行う私。っていうか、マジでプレッシャーのかかる作業なんですけどぉ~!?

 

 

 

ブロッサム「私だってここでじっとするわけにもいきませんからね!今すぐ応戦しますよ!」

 

ラブリー「ありがとうブロッサム!これで二人で思う存分戦えるよ!」

 

 

 

なんとかブロッサムも駆けつけてくれたおかげで多少は楽になった。これを一人でこなすのは無謀にも程があるけどね…。

 

 

 

欠片「なぜそこまで頑張れるのだ?」

 

ブロッサム「それは、強くなりたいという切なる願いがあるからです。その意思を捨てない限りは何度でも立ち上がれます!」

 

 

 

私にも伝わるブロッサムの堅実な願い。これ程の未知なる可能性は経験したが、今のはもっと先へ行くための表現でもあろうことだ。

 

 

 

欠片「小賢しい連中め、それが何になる?」

 

ブロッサム「無駄な努力なんてことは決して有り得ません、私も苦しい時はいつだって仲間が支えあってくれました。やり直したいこともあるし、欠けた穴を埋める、つまり大切な何かを思い出すのに必死になりたいんです!」

 

ラブリー「だから、その気持ちを軽々しく台無しにはさせない!(ゴォ!!)」

 

欠片「女々しいぞ、実にな!(ジャキィン!)」

 

 

 

ここで相手の攻撃を放つ前に一気に仕留めることに専念した。

 

 

 

ラブリー「愛の光を聖なる力に!ラブプリブレス!」

 

 

 

ラブプリブレスに光を溜め込み、更に中心の円を一周させる。その直後に大きなハートを出してそれを飛ばす。

 

 

 

ラブリー「プリキュア・ピンキーラブシュート!!(ボォン!!)」

 

欠片「プリキュアの愛だと…!?」

 

ラブリー「愛よ、天に帰れ!(ブォォォ!!)」

 

 

 

相手を包んだハートが華麗に爆発する。そしてそのまま相手は光に包まれるように浄化された。

 

 

 

ブロッサム「やりましたね!」

 

ラブリー「まぁね、結構頑張っちゃった。えへへ」

 

 

 

x(キュアブロッサムにキュアラブリー…。まさかネオフュージョン様の欠片が一体倒されたなんて、でもまだ力は蓄えていらっしゃる。そろそろ次なる世界への視察をしなきゃね。そこにいずれ私の影武者を向かわせないと―――)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファントム(この近くにキュアラブリーが戦闘を行ったか。だが今は別のプリキュアを抹殺せねばならん。次なる世界のことも近々に、な)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブルー「まさか、君のような人がプリキュアだったとは」

 

ゆり「驚かせてごめんなさい、今の相手は私にとってとても重要な相手だから」

 

いおな「ゆりさんがプリキュアだなんて、凄いですね」

 

ゆり「そういうあなた達もプリキュアなのも驚いたわ」

 

ゆうこ「さっきの、ダークプリキュアだっけ。なぜゆりさんが?」

 

お互いに変身を解除して色々な事情を話し合うことにした。特に一番気になったことはゆりさんがなぜダークプリキュアに関わってるかだ。

 

ゆり「本当はこのことを話すのは気が引けるの。かつてそれが影響して…」

 

ブルー「その顔は、何かかけがえのない存在を失ったような感じだね」

 

いおな「無理はしなくてもいいですよ、いつでも聞きますし」

 

ゆり「大丈夫、もう過去のことだから。この話はいおなならわかってくれると思うし。後で聞いてくれてもいいかしら」

 

いおな「はい、私でよければいいですよ」

 

ゆうこ「人には言えない事情というものがあるでしょうね」

 

ゆりさんがさりげなく私に微笑んでくれた。多分私も同じような道に辿ったようなものだから。

 

ブルー「二人とも、そろそろ戻ろうか。僕も丁度戻る頃だし」

 

いおな「神様はどこに行ってたんです?」

 

ブルー「色々事情があったんだよ。複雑のね」

 

ゆうこ「んじゃ早く戻ろっか」

 

それはともかく、私達はゆりさんを連れてひめの家に戻ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~ひめの家~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「へいYO~!」

 

ひめ「ナイス!いい組み合わせですYO!」

 

えりか「いつきもどうだYO!」

 

ひめ「誠司もどうだYO!」

 

いつき「なかなか個性的だね…」

 

誠司「お前ら、少し喧しいぞ…」

 

えりか&ひめ「「二人揃って、マイティシスターズだYO!!」」

 

 

 

いおな「ただいま~って何をしてるのよ…?」

 

ゆうこ「いや~いい光景だね~」

 

 

 

誠司「大森、それに氷川も。どこ行ってたんだよ」

 

ゆり「広い家ね、とても居心地がよさそう」

 

えりか「ってゆりさん、どうしてここに?」

 

いおな「私達が連れてきたのよ」

 

いつき「そうなの?」

 

 

 

ブルー「僕がたまたま出会ったんだよ」

 

 

 

ひめ「って神様まで?」

 

ゆうこ「これはつまり、不思議な巡り合わせってやつだよ」

 

いつき「それで折角だからここに来たと」

 

誠司「随分と都合がいいよな」

 

ひめ「つかめぐみ達が戻ってきたよ」

 

 

 

つぼみ「ただいま~、すっかり遅くなりましたね~」

 

めぐみ「散々だったね」

 

 

 

えりか「つぼみ~!」

 

ひめ「めぐみ~!」

 

ブルー「おかえりめぐみ」

 

めぐみ「あ、ブルー!」

 

つぼみ「っ!?」

 

ゆり「どうしたの?」

 

いつき「まさか、つぼみが片思いした人って…」

 

えりか「まぁ、そういう関係だったってことね」

 

ひめ「何何!?これは新展開!?」

 

ゆうこ「あちゃ~」

 

いおな「どういうこと…?」

 

誠司「……」

 

ブルー「君は…、つぼみだね。また来てくれたんだね」

 

つぼみ「は、はい…。もう一度あなたに会いたくて…」

 

めぐみ「……」

 

 

 

この出来事で、私達の関係に大きく関わることになるのは避けて通らない事実なのかもしれない。これは、私達による恋のお話になる予感がする……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファントム(なる程、お前は俺の虜になりそうだな。キュア―――ル)



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第163話 それぞれで

あの出来事から数日後、つぼみ達がプリキュアだったことを聞いた。道理で同じような組み合わせだと思ったわけだ。それはさておき、今日はみんなでファッションショーを見るために遠くの街へと出かけている。

 

めぐみ「へぇ~。ひめも出るんだね」

 

ひめ「にひひ。凄いでしょ?」

 

その中でひめとえりかの二人が出場をする予定のようだった。

 

いおな「して、あの時二人が喋ってたのは?」

 

ひめ「このファッションショーで何を着てけばいいかを話してたらいつの間にか私も出ることになったんだよね~」

 

いつき「ひめはえりかと同じくらいのファッションセンスあるよね」

 

めぐみ「ひめだって負けてないよ?何でも組み合わせちゃうんだ」

 

ゆうこ「それよりめぐみちゃん、神様のことは―――」

 

めぐみ「大丈夫、平気平気」

 

とにかくひめはまともな表情だった。あれだけ真剣に考えて導き出した結果なんだから。ここは頑張ってほしいな。

 

誠司「そろそろ時間じゃないのか?」

 

ひめ「そうだった、早く姉さんと合流しないと」

 

誠司「姉さん、ねぇ…」

 

ゆり「私も来てもよかったかしら」

 

いおな「いいんです、こうしてみんなで楽しむのも気晴らしにはなるでしょ?」

 

ゆり「ふふ、いおなが言うならそうかもね」

 

さて、そろそろ客席に行かないとね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~控室~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「えりか、ここでしくじったら女が廃りますよ?」

 

えりか「今更だよ、わたしゃ素人じゃあるまいし」

 

控室で私はえりかの髪型を整えています。いままでの準備はこのためにあったようなものでしたね。

 

つぼみ「えりかがコーディネイトした衣装、とても素敵ですよ」

 

えりか「ちょっと…!そこまで言われたら認めざるを得ないじゃない…」

 

つぼみ「それにえりかって、かわいいですね」

 

えりか「やめろ~~っ!!(///)」

 

少し言い過ぎましたかね、ふふっ。

 

えりか「もう時間だから行くね、しっかり目立つからね」

 

つぼみ「わかってますよ、頑張ってくださいね」

 

えりかを見送った私はすぐに控室を後にします。最近の私はモヤモヤなんて一切なく、むしろドキドキでいっぱいでした。なぜなら…、

 

ブルー「やはりここにいたんだね」

 

つぼみ「はい…。あの、少しの間だけ二人っきりになりたいんです」

 

彼が、ブルーさんが私を出迎えてくれたからです。

 

ブルー「僕ももっと君のことを知りたいよ。なんでもいいから教えてくれないかな」

 

つぼみ「はい、私がプリキュアだってことはもうご存知ですよね?」

 

ブルー「うん、ゆりっていう人から聞いたよ。彼女も懸命だったよ。君達の力というのは…」

 

つぼみ「こころの種です。そこから話せばきりがないんですけど…」

 

ブルー「それって地球の恵みを感じるような物かもね」

 

ブルーさんが興味津々になりつつ頷きます。その気持ちはなんとなくわかりますが、何か特別なことを想像しているんでしょうか?

 

つぼみ「こころの種は私達にとって大切なものなんです。とても失いたくのないものでして」

 

ブルー「種は地球の希望みたいなものさ。どんな生命もそこから始まるんだよ。まさしくイノセントを感じる」

 

つぼみ「イノセント、ですか?」

 

ブルー「僕は色々なことを知り、色々なことを経験する。そんなことが一番だと思ったんだよ」

 

つぼみ「幸せを彷彿しますね」

 

とてもこだわりのある一言に共感してしまいます。もしも、今日や明日もこのような感じであればいいかと…。

 

つぼみ「はっ!そろそろ行きましょうか」

 

ブルー「ごめん、本当は僕も行きたかったけど用事があるみたいなんだ」

 

つぼみ「そう、ですか…」

 

ブルー「大丈夫さ。また会えるから。今度君から来るといいよ」

 

つぼみ「私からでいいんですか?」

 

ちょっとキョトンとした顔になりつつもブルーさんの話を聞きます。

 

ブルー「君が来るところにいつでも来るから、僕のことを知りたいならいつでも来てもいいよ」

 

つぼみ「わかりました、私からでよければ…来ます……ね?」

 

最後はちょっぴり嬉しそうに微笑み、彼と別れました。なんだか結構ホッとした気分でした、ともかく早く急がないと始まっちゃいます。えりかはどんな感じでアピールするかが楽しみです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「一体どこにいるんだろうね。あの娘以外にあの女神のことがわかる人物は……」



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第164話 つぼみの心とめぐみの気持ち

ゆうこ「あ、ひめちゃん達がもう来るよ!」

 

いおな「どんな魅せ方をするのかしら」

 

つぼみ「すみません、遅くなりました」

 

いつき「大丈夫だよ、まだ終わってないから」

 

大慌てで客席に移動したのですが、まだ間に合ったみたいです。いよいよえりか達のお披露目、いい感じでいてくださいね…!

 

めぐみ「……」

 

誠司「どうしためぐみ、随分と暗い顔してるじゃないか」

 

めぐみ「ふぁ!?な、なんでもないよ?ちょっとボーっとしただけ…」

 

ゆうこ「相良君、ここ最近めぐみちゃんいつもあんな感じみたいなの」

 

誠司「そうだな、あいつがここまで長い時間暗くなるなんておかしいかもな…」

 

つぼみ「…?」

 

いおな「見て、もう来るわよ」

 

ここでようやくえりか達が姿を見せました。うん、しっかり笑顔でアピールしていますね。一方のひめは…、

 

 

 

ひめ「これが一流モデルの集まるファッションショー…、すごごご~い!(ワクワク)」

 

えりか「バカ、今は集中しなさいな(バシ)」

 

ひめ「でもさ、これだけ人が集まるなんて素敵だよね」

 

えりか「へいへい。最後はかわいく決めるよ」

 

 

 

どうやらかなり羨ましがっていたみたいでしたね、流石です。そして最後は二人揃って笑顔で戻りました。

 

いおな「最後は華麗だったわね」

 

いつき「きっといい評価になるよ」

 

つぼみ「私もそう思います。あの二人に不可能なんかありませんよ」

 

ゆり「とても素直な答えじゃない?」

 

つぼみ「そうですかね、えへへ」

 

この後全ての披露が終了し、ファッションショーは無事に幕を下ろしました。えりか達も喜ぶことに間違いありませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「つぼ~み!」

 

つぼみ「素敵でしたよ、えりか」

 

誠司「お前って意外に凄いんだな」

 

えりか「意外にとは何よ~」

 

帰り道の途中、みんなで今日のことを嬉しそうに話をしていました。まぁあれだけ頑張ったからよしとしましょうか。

 

ゆうこ「でもよかったじゃない。褒められてもらっただけでもいいし」

 

ひめ「ねぇゆうこ、あとで飴たくさんちょうだい!」

 

ゆうこ「はいはい。ねぇ、めぐみちゃんはどうだった?」

 

めぐみ「…よかったと思うよ」

 

誠司「…めぐみ」

 

いおな「ちょっとめぐみ、いい加減――――」

 

めぐみ「私は本当に大丈夫だから、心配しないで?」

 

ひめ「……」

 

なんだか滞った空気になってしまいます。本当にめぐみはどうしたんでしょうか…?

 

つぼみ「めぐみ、一度私と二人きりになりましょう。ね?」

 

めぐみ「つぼみ…?」

 

誠司「おいそれで―――」

 

えりか「ここはつぼみに任せた方がいいよ」

 

ゆり「困った時こその相談相手なんだから」

 

つぼみ「ごめんなさい、すぐ終わらせますね」

 

私はみんなにそう伝え、めぐみを連れて近くの公園の大きな山へと移動します。

 

いおな「きっと神様のことなのかしら」

 

誠司「もしそうなら、俺…」

 

ゆうこ(相良君…)

 

外はもう時期夕方へと差し変わる頃、日が沈む前に何か相談でもできればいいんですが…。

 

つぼみ「めぐみは何に悩んでいるんです?」

 

めぐみ「…私、不安なの」

 

つぼみ「不安、ですか…?」

 

めぐみの口から放った不安、おそらくはブルーさんのことを…?

 

つぼみ「恋の悩み、なんです?」

 

めぐみ「ごめん。そうじゃないの」

 

ですが意外にも恋の悩みとかではなかったみたいです。じゃあ何を悩んでいるのか…。

 

めぐみ「ここ毎日夜中に同じ夢を見ちゃうの。みんなが離れ離れになる夢を…」

 

つぼみ「私も一緒です。いや、それ以上のことですが」

 

めぐみ「私、過去にみんなと戦ってたことがあって。その直後に謎の靄に包まれて誰もいなくなっちゃって…。そして謎の声も聞こえた、この夢を何度も見る羽目になった」

 

つぼみ「それ私も聞こえました。聞いた直後に目を覚ましてしまうんです」

 

めぐみ「そこで疑問だと感じたのが目を覚ますと違うところにいること。つぼみも何かそう思ったりしなかった?」

 

今度はめぐみが真剣な表情へと変えてきたみたいです。目覚めると違う場所にいる、これって私も…?

 

つぼみ「確かにめぐみの言ってることは間違いだと思いません。ですが他のみんなに聞いても何も知らない、明らかにおかしい話ですよ」

 

めぐみ「ひめにも何度も教えたけど、信じてくれなかったし。絶対に普通じゃないよね」

 

 

 

???「それは君達が特別だからさ」

 

 

 

つぼみ「誰ですか」

 

すると夕日の中から現れるみたいに謎の男が私達の前に姿を現しました。

 

L「僕はL。偉大な存在であるネオフュージョンに力を与えられし者だよ」

 

めぐみ「…っ!」

 

L「今ここで君達と戦うつもりはないよ。今君達が言ったおかしい話、それ本当のことだからね」

 

つぼみ「私達をどうするつもりです?」

 

あからさまに私達を見下すような視線でLがジロジロと見つめます。でもその裏には何か不思議な物があるような感じです。

 

めぐみ「そもそもネオフュージョンって何者なの、アンタ達の目的は何なの」

 

L「話は簡単、君達プリキュアが存在する世界。それら全てを一つにしてまとめて破壊する。だからその一環としてあの時君達にネオフュージョンの力の一部が具現化した欠片を送り込んだのさ」

 

つぼみ「じゃあ世界が繋がるというのは…」

 

L「本来世界は混ざり合うことはない。だけどそれを行ったことによって僕達にとってのいいシナリオができあがるからね。そして世界が繋がった影響は誰にもわからない。ところが君達みたいなプリキュアには影響されないということか」

 

簡単に整理すると、並行世界同士が意図的に統合されてそれに違和感を感じさせないためのこと。理論的に考えるとその世界にはないものがそこには普通に存在する、私達はただ単にそこへ移動したわけではないみたいです。

 

めぐみ「つまり私達の気づかないところでもう世界は混ざり合ったってことね…」

 

L「たくさんある世界を一つにすることによってネオフュージョンは機能する。あの方は全宇宙の狭間で力を蓄えているんだよ。そう、ネオフュージョンが目的としていることは来たるべき戦いに備えるための準備。君達プリキュア全員をまとめて排除することなのさ」

 

つぼみ「来たるべき戦い…」

 

L「ね?面白い話だろう?」

 

めぐみ「何が面白い話よ、そうやって自分達の自己満足だけで世界を滅茶苦茶にされるなんて嫌だよ!」

 

Lの言葉にめぐみがおもいっきり反論します。その気持ちは私だって同じです。

 

つぼみ「あなたがどう来ようとも、私達プリキュアが絶対食い止めます!」

 

L「いい覚悟だね。いずれ君達が立ち向かう姿が楽しみだよ」

 

めぐみ「何度でも行くよ、世界に平和が訪れるまで!」

 

X「お兄様、少し考え過ぎ…(ビュワ)」

 

つぼみ「あなたは…!」

 

めぐみ「次は女の子…?」

 

あの娘は…前に会った、Xっという娘でしたっけ…?

 

L「こらこら、折角いいところだったのに」

 

X「一人で勝手に盛り上がらないで。それじゃお兄様以外の立場ないもの」

 

L「程々にするよ。さて、帰るか」

 

つぼみ「次に会う時は、容赦しませんよ」

 

L「それ僕の台詞、でも楽しみにしているよ。じゃあね(ビュワ)」

 

X「せいぜい生き延びることね(ビュワ)」

 

そしてそのまま二人は帰ってしまいました。今まで起きたことは紛れもなく事実だったということですね。

 

つぼみ「…もう、後戻りできませんね」

 

めぐみ「うん。私達が止めなきゃね」

 

つぼみ「めぐみが困ったことはみんなでカバーしますよ」

 

めぐみ「私、なんだかスッキリしちゃった。ありがとう、相談に乗ってくれて」

 

めぐみは気分が穏やかになったのか、清々しい雰囲気になりつつ笑みを浮かべました。

 

つぼみ「これからもずっと友達ですよ」

 

めぐみ「だよね!」

 

それぞれの目標が浮かび上がり、前に突き進める感じがします。いつだって私達には仲間がいる、挫けない限り何度でも立ち上がれますから。

 

めぐみ「そういえばつぼみって、ブルーのことが気になる?」

 

つぼみ「ふぇ!?は、はぁ…(今めぐみ、ブルーさんを呼び捨てにしましたよね!?もしかして、めぐみって…)」

 

恐る恐る身振りしてしまいます。もしそれが本当ならば…、

 

つぼみ「私、今度ブルーさんと会う約束したんです!」

 

めぐみ「そう、なんだ…(///)」

 

つぼみ「実はあの人に一目惚れしてしまって…」

 

めぐみ「ふむ。つまりつぼみもブルーのことが……す、き…?」

 

勢いで言いましたが、めぐみも頬を赤くしてる様子ですね。

 

つぼみ「ヤキモチ、ですよね」

 

めぐみ「いや、なんていうかその…。気持ちが同じだったんだなって思って」

 

つぼみ「ぷっ、はははっ」

 

めぐみ「も~なんで笑うの~」

 

つぼみ「お互いに好きな人同士を、幸せにしましょ?」

 

めぐみ「そうするしかないよね。あともうみんなのところへ戻ろうよ」

 

いつに増して愛情というものが溢れるばかりです。気持ちが楽にあっためぐみを連れてみんあのところへ戻ることにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~夜~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誠司「それで、きちんと気持ちを伝えたのか?」

 

めぐみ「上手く言えたよ。みんなにも迷惑かけたくないからさ」

 

ゆうこ「…よかったね」

 

つぼみ達、それにひめといおなちゃんと別れた私と誠司とゆうゆうが灯りが灯る夜道を歩きながら話をしている。すっかり暗くなってしまい、人があまり通らない状態だ。

 

めぐみ「ちょっと喉乾いちゃった。飲み物でも買ってくるね。あと二人の分も」

 

誠司「お前から買ってくるなんて珍しいな」

 

めぐみ「たまには、ね?」

 

私は数メートル離れた自販機へと移動し、飲み物を買うことにした。

 

誠司「なぁ大森、めぐみの気分がスッキリしてよかったじゃないか」

 

ゆうこ「うん…」

 

誠司「俺、てっきり怖いことでも思い出したかと冷や冷やしちゃったんだよな」

 

ゆうこ「相良君」

 

誠司「ん、どうした?」

 

ゆうこ「…もうめぐみちゃんは相良君のことなんて意識しないよ」

 

誠司「は?どういう意味だよ」

 

ゆうこ「だって、めぐみちゃんは神様に夢中なんだよ?」

 

誠司「それだけは認めたくないけど、でも俺はめぐみのことを守りたい。今日でも、明日でも一緒だ」

 

ゆうこ「…さっきつぼみちゃんと話した後とても嬉しそうな顔してたもの。あの様子じゃもう、恋愛話したに違いない」

 

誠司「おい、お前が言ってること全然めぐみとの話には関係ないじゃないのか?」

 

ゆうこ「私はわかるの、だから当分めぐみちゃんは相良君のことは意識しない」

 

誠司「わかってるさ、こんなところで諦めたくないんだよ…!」

 

ゆうこ「じゃあこれからは私のことだけを見てほしいの」

 

誠司「一体何がどうなってんだかさっぱりじゃねぇかよ…」

 

ゆうこ「言い訳はなし。もうめぐみちゃんのことは諦めて、今度から私のことを考えて」

 

誠司「俺の話を少しは―――」

 

 

 

めぐみ「さぁーてと、これで二人は喜ぶかな―――……え?」

 

 

 

私が戻ってくると、誠司とゆうゆうの距離がほとんどなかった。それに、あの体制って……。

 

めぐみ「…何、してるの」

 

ゆうこ「相良君に飴をあげてただけだよ?」

 

誠司「気にすんなよ?」

 

電柱で上手く遮られていたためハッキリとは見えなかったが、変なことはしていないみたいだった。

 

めぐみ「それ飲んで帰ろうよ」

 

誠司「あぁ。ありがとな」

 

ゆうこ「もう帰らなきゃヤバイね、みんなで急ごうよ」

 

しっくり来ない気持ちを抑えつつ、今日一日が終わりを迎えたのだった。正直、私の心の奥底では何かが傷ついていたような気がした。



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第165話 私ら思う故に?

えりか「えーっと、第一回!」

 

ひめ「ものまね大会~!」

 

一同「「「いえ~い!」」」

 

ゆり「随分と面白い企画ね」

 

某日、私達はひめの家で唐突なものまね大会を開くこととなった。えりかとひめによる主催だとか。

 

えりか「その名の通りみんなの自慢のネタを披露することになっているわけではい」

 

ひめ「今回は私達も参加しちゃうぞ~!」

 

めぐみ「よ~し、頑張って優勝するぞ!」

 

ゆうこ「私も張り切っちゃおうかな」

 

いおな「あまりこういうことやりたくないけど…」

 

つぼみ「ここは全員でいいネタを披露できればいいと思いますよ」

 

いつき「そもそも言い出しっぺって…つぼみだよ、ね…?」

 

つぼみ「一度はやってみかったんですよ。だからえりか達に頼んでもらったわけなんですよ」

 

しかしこれをやったところで特に重要なことが起きるわけでもない、ごく普通の行事だと思う。それを気にせず、盛り上がることだけを専念する。

 

えりか「てなわけで審査員はゆりさんでよろしく」

 

ひめ「○×の札を出せばよろしぃ!」

 

ゆり「見るだけならいいと思うけどね」

 

ひめ「あともう一人の審査員もよろしくねー」

 

誠司「つかなんで俺まで…」

 

どうやら審査員としてゆりさんと誠司が見ることに。一方妖精達は…、

 

 

 

妖精達(((見てられないです(でしゅ)(ですわ)(ぜ)……)))

 

 

 

挫折するようにコソコソと小部屋へと籠っていく。流石に醜いとしか言えまい。

 

えりか「まずトップバッターはつぼみぃ!」

 

つぼみ「えーっとぉ…。花咲つぼみ、いきます。今でも罵ることを止めない女性の真似です」

 

ゆうこ「なんかマ○豚が喜びそうな発言ね」

 

いおな「さり気なく言っちゃったよ!?」

 

つぼみ「ふん…!マジでキモイわ…。アンタ、とんだ変態ね。バカみたいだわ、こんな男と一緒の部屋だなんて。一辺死になさいよ」

 

一同「「「……」」」

 

周りの淀んだ空気に一瞬言葉を失うつぼみ。すると、

 

つぼみ「じゃあ、その悪い癖を直したら……許してあげてもいい…わよ?」

 

えりか「来たぁ~!!」

 

ひめ「とどめの一言いただきましたぁ~!」

 

今度は褒めるかのような発言でアピールを続けた。その結果はいい方向へと導いた。

 

つぼみ「い、以上です…。は…はずかしいですぅうう~~~ッ!!(アワアワ)」

 

めぐみ「大丈夫だよ?ちゃんとうけたよ、ね?」

 

ゆうこ「これ元ネタあるの?」

 

つぼみ「言いたくありません…」

 

いつき「あるっぽいけど、恥ずかしくて言い出せないんだね…」

 

つぼみ(予想以上にうけなかったのが失敗でした、最後にアドリブ入れたのが幸いでしたが…)

 

というわけでゆりさんと誠司の審査が行われ、結果はどっちも○を獲得した。

 

いつき「ご苦労さん、ゆっくり休んで」

 

つぼみ「そうさせていただきますね」

 

ひめ「次、めぐみの出番!」

 

めぐみ「愛乃めぐみ、某アニメのキャラの真似でいきます!」

 

いおな「どう来るかしら?」

 

うん、私ができるといえばこれしかない。

 

めぐみ「おほん。○ックDEカルチャー!キラ☆」

 

ひめ「イマイチ」

 

めぐみ「そんなぁ~!!(しくしく)」

 

いおな「今のは、ねぇ……」

 

えりか「おっと!○と×が二つで微妙な結果になったぁ!」

 

誰も理解できなかったとは、無念なり…。

 

ひめ「では次どうぞ」

 

いつき「僕はしがない落語家の真似で」

 

つぼみ「斬新ですね」

 

次はいつきの番、どうくるか。

 

いつき「いやあこれがどうにも草臥れたたいまつでして、たいまつなだけにお粗末。なんつって、おあとがよろしいようで」

 

えりか「これ、渋いよね」

 

ゆり「落語ってあまりうけないかも、ね」

 

ひめ「こちらも○と×が一つずつで微妙な結果!さぁこれを超える評価は来るのだろうか!?」

 

えりか「はい次の方どうぞ」

 

ゆうこ「は~い。私は誰でも真似しそうな食レポの真似でーす」

 

ゆうゆうがやけに張り切ってるみたいだ。これは自信あるのかな?

 

ゆうこ「このカレーライス、辛さとコクが深くていい味わい。まるで、食の風呂場や~!」

 

ひめ「ぴょー!私も食べたくなってしまうような発言やないかー!」

 

えりか「審査はどっちも○、これはいい結果になったどー!」

 

いつき「流石、だねぇ」

 

めぐみ「なんか輝いてるかも」

 

えりか「次は私の出番、どこにでもいそうなガソリンスタンドの店員の真似」

 

つぼみ「それって普通じゃないですか!?」

 

えりかって意外に渋いチョイスするんだね、これもある意味面白いと思う…。

 

えりか「ウィゥスミィス!ラーッシュヮスィー!」

 

いおな「意味不明なんですけど…」

 

えりか「次はあまりに端折り過ぎて何を言ってるかわからない野球の審判」

 

いつき「そんなの気にしてたっけ?」

 

まぁいいか。楽しければそれでいいしさ。

 

えりか「レイボー!ライッターアゥ!チェェン!」

 

ゆり「却下」

 

誠司「同じく」

 

えりか「なんでさぁ~!?」

 

誠司「芸がないからだ」

 

ゆり「よってえりかは×二つね」

 

わぁ、厳しい審査だったねぇ~…。

 

ひめ「姉さんは無理だったから、次は私ぃ!私だったらいい評価が得られると思うし!」

 

いおな「早く帰りたい…」

 

ひめ「ここんぽいぽいここっ―――」

 

一同「「「却下」」」

 

ひめ「なんですとぉ~~!!?」

 

こうして卑劣なお笑いはここで幕を下ろしたとさ。この始末、はてさてどうなりますことやら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~夕方~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ(ここ最近の誠司とゆうゆう、絶対におかしい)

 

一人で夕焼けの空を眺めながらふと思い始めた。あの時の夜、二人に何があったのか。そこばかり気にしてしまう。

 

ひめ「めぐみ」

 

めぐみ「どうしたの?」

 

ひめ「ちょっといいかな?話したことがあるの」

 

ここでひめが私の顔を覗き込むように尋ねてきた。ひめから話したいことって一体何だろう?

 

めぐみ「別にいいよ、でもどうして?」

 

ひめ「気になることがあってね」

 

私に問いかけてきた今のひめの瞳には、ちょっとだけ疑いの意味が込められていた。



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第166話 恋心と不信感

ひめ「私、どうしても気になることがあるけどさ」

 

めぐみ「ひめが気になること?」

 

二人っきりになって落ち着く様子を見せるひめが答える。

 

ひめ「最近神様ってしょっちゅう留守にするでしょ?あれは原因を調査をするためって言ったらしいけど。本当は何か危ない目でも起きる予感がしたんじゃない?」

 

めぐみ「一応大丈夫なんだと思う。ブルーがそこまで怯える様子はないはずだよ?」

 

ひめ「それはともかく、あの変な敵だっているしそもそも私達のいる街にここまでおかしいことなんかないと…」

 

余程不思議に感じたのか、ひめが思いっきり頭を頷き始めた。今ひめが言った発言、だとすれば…。

 

めぐみ(あの時聞いたことは私とつぼみ以外に影響されないはずだよね、しかしどうしてひめがあそこまでに…)

 

ひめ「どったの?」

 

めぐみ「あ、なんでもないよ」

 

ひめ「もしも神様の身に何かあれば、見過ごせないよね」

 

めぐみ「ブルーならなんとかなるよ、だって地球の神様なんだから」

 

そうだね、ブルーがそう簡単に怖気ることなんか有り得ないよね。

 

ひめ「ねぇめぐみ。つぼみ達と出会ってからどう変わった?」

 

めぐみ「それ私も同じことを言おうとしたんだ」

 

ひめ「もう毎日が楽しいことばかりね」

 

私とひめが隣り合わせになって座り始める。ここ数日間で新しい友達ができて凄く嬉しい。向こうも今頃そう思ってるんだろうなぁ。

 

めぐみ「ひめ、今度みんなでお泊り会でもしようよ」

 

ひめ「それだったら私の家にした方がいいよ。広いし部屋に困らないし」

 

だとすればとても賑やかになるのかな?嬉しさのあまりもう待ちきれない状態間違いなしだね。

 

めぐみ「今度みんなにそう伝えようよ」

 

ひめ「うん!きっといいことになるね」

 

よ~し、そうと決まれば夜は楽しく寝る時も楽しくしなきゃね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~同時刻、つぼみ達~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「実は私、次の休日にブルーさんと会う約束をしたんです…」

 

えりか「ぎょえぇ~!?そりゃ大胆だっぺぇ!」

 

いつき「つぼみから誘ったの?」

 

つぼみ「ブルーさんからです」

 

もう日の入りする時間なので、ひめの家を出て一緒に帰ることにした私達。ここでみんなに私の気持ちを暴露することにしますが、教えた挙句に恥ずかしいですよこれ…。

 

ゆり「これが年頃の女の子の心かもね」

 

えりか「ゆりさんも何を言うんだべ!?」

 

つぼみ「とにかく、私の素直なことを彼に伝えたいんです!ど、どうでしょうか…?」

 

ゆり「男の人に他の誰でも聞かれたくない正直なことを言うのが自分自身の在り方じゃないかしら」

 

つぼみ「なるほど、そういうことですね。シプレ達はどう思います?」

 

シプレ&コフレ&ポプリ「「「いいと思うです(でしゅ)」」」

 

流石ゆりさん、難しこと気にせずに自分のいいようにやればハッキリする気がします。ここでしくじるとブルーさんに合わせる顔がありませんよね。

 

いつき「つぼみの初デートってやつかな?」

 

つぼみ「ちょっと!?それはその…」

 

えりか「まぁ頑張れってことよ、それまでにちゃんと準備するのよ」

 

つぼみ「やってみせます。絶対に失敗しませんから」

 

みんなの声があってからこそ得られた答なので、それを無碍にするわけにはいきませんね。

 

つぼみ(…あとは色々考えますか)

 

それからえりか達を別れて帰宅して自分の部屋のベッドに横になります。

 

つぼみ(ところで、めぐみ達と出会ってから色々変わった気がするかも…)

 

シプレ「何か楽しいことでも思い出していたです?」

 

つぼみ「少しだけですけどね。ここ数日間で新しい友達ができたことが凄く嬉しいんです」

 

自分でも数日間のことを思い出すと、今までにないワクワクを感じたのが何よりの証拠でした。ついでに色々な出来事にも出くわした場面だってありますし。

 

つぼみ「こうして思い返すと有り触れた気持ちが一杯なんです」

 

シプレ「そういえばつぼみはどうしてブルーって人が好きになったです?」

 

つぼみ「簡潔に言えば…私好みというか…。優しそうな雰囲気というか、とにかくストレートな感想であればかっこいいです…」

 

改めて思い返すと恥ずかしくなってしまう程のことでした。だって私しかわからない感情ですし、迂闊に喋るなんて無理です…!

 

つぼみ(私の気持ち、わかってくれるんでしょうか……)

 

ちょっと不安ですが、また会った時に考えましょうかね…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~深夜~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ(眠れない…。もしかしてコーヒー飲み過ぎたのかも…)

 

こんな夜中に目を覚めてしまうなんてちょっと不思議です。明日はどうせ休日ですし、少しだけ夜の散歩でも…。

 

つぼみ「へくしょん!うぅ、やっぱり夜は冷える…」

 

夜の気温に耐えながら小さな空き地へとやってきて木箱の椅子に腰かけます。

 

つぼみ「…あれって、コッペ様…?」

 

するとその直後に大きな影が道を通り過ぎる姿を目撃します。あの大きなシルエットはまさしくコッペ様に違いありません。

 

つぼみ「コッペ様も眠れないんですか?」

 

私が尋ねると、コッペ様は静かに頷きます。そしてコッペ様は私に抱きつくように身体を温めてきました。

 

つぼみ「ありがとうございます。とてもあったかい」

 

一瞬心がほっこりした気分になります。でも、どうしてコッペ様まで…?

 

つぼみ「何かを言いたいんです?」

 

私の質問にコッペ様が続けて頷きます。きっとコッペ様にしかわからないことがあるんでしょうか?

 

つぼみ「コッペ様、今この世界は何やら複数の世界と混ざり合おうとしてるんです。近い内に災いでも起きると思います」

 

こんな話をしてもわかってくれるとは到底思えないし、そして信憑性が高いとも言い難いし。

 

つぼみ「コッペ様…?」

 

その話を聞いたコッペ様が疑いの表情を見せず、すぐに納得しました。案外信じてくれるなんて想定外でした…。

 

つぼみ(こうしていられる余裕はあまりなさそうですね、時期に今後のことを考えないと…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

x(そろそろファントムに行動を開始させないと、プリキュアにいいようにやられてしまう。なんとか計画を敢行させなきゃ…)



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第167話 愛おしい、華やかしい

つぼみ「おまたせしました~。ここであってますよね」

 

ブルー「勿論さ。今日はどこに行きたい?」

 

つぼみ「そうですね…。でしたら―――(ヒソヒソ)」

 

ブルー「いいよ。折角の休日だし、君が楽しめたら僕はいいと思うよ」

 

つぼみ「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~ショッピングモール~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブルーさんとの約束の日がいよいよ訪れました。今日は私が行きたい場所をなんでも聞いてくれたのでとても嬉しい気持ちです。まずは気になっていた服や今流行ってるアクセサリーを見るために大きなショッピングモール内にあるファッションショップにいます。

 

つぼみ「うわぁ~。どれもかわいいです…」

 

ブルー「こういうのが好きなの?」

 

つぼみ「それは女子みんな目に入るものばかりですよ?だってこのヘアピンもオシャレじゃないですかぁ~」

 

結構な品ぞろいにこだわったセンスなども魅力的ですし、大人の女性も顔負けなものが一杯です。特にここは主に年頃の女子をターゲットにしたお店らしいのである意味考えられてると思います。

 

つぼみ(うげ!?これってこんなに高いの…?)

 

私がほしかったネックレスが予想以上に値段が高いものでした。

 

つぼみ「流石にダメでしたね、諦めましょうか…」

 

ブルー「身に着けると似合うと思うよ」

 

つぼみ「今日はそこまでの予算はありませんし、別の見ます」

 

中には高いものがいくつか紛れてます。見た目だけで判断してはいけないということでしたね、侮っていました…。

 

つぼみ「これもかわいいですね」

 

次はキラキラと輝く小物入れ、これは化粧品などが入るサイズのものです。

 

ブルー「おや?向こうでプレゼントしているみたいだね」

 

つぼみ「ここで買い物するカップルは彼氏が彼女の誕生日や何かしらの記念として買ったものをプレゼントするんですよ」

 

ブルーさんがとても喜ぶ様子ですね、きっと人々の幸せに共感しちゃったんだともいますね。

 

ブルー「ところで気になるものはあったの?」

 

つぼみ「あっ!そうでした、折角二人っきりで来たのになんて勿体ないことを…(そわそわ)」

 

私としたことがうっかり見惚れてしまって…、あ~どうしましょ~!

 

ブルー「つぼみ、少しベンチで休みなよ。焦ったら身体に悪いよ」

 

つぼみ「はい、すみません…」

 

私はお言葉に甘えて店の外のベンチに腰掛けます。ここで失敗したら一日が台無しに終わるところですね、今度はそれがないように肝に銘じときますか…。

 

ブルー「お待たせ、すっかり待たせたみたいだね」

 

つぼみ「いえ、そんなことないですよ。って、それは?」

 

ブルー「これのこと?これはね、つぼみ達に似合うんじゃないかって思ってね」

 

戻ってきたブルーさんが持っているのはそれぞれ違う色をした首飾り。まさかこれは―――あれじゃない、ですか…?

 

ブルー「これは君にあげるよ。そしてこれは他のみんなにやるといいよ」

 

つぼみ「ひょっとしてこれ私が買えなくて諦めたものの一つじゃないですか。わざわざなんで…」

 

ブルー「僕が君にプレゼントしたかったんだよ。さっき凄く嬉しそうだったから」

 

つぼみ「ふふっ、ありがとうございますっ♪」

 

今の気分はとても幸せでした。私の気持ちをすんなりと理解できたかのような素振り、予想以上に優しさと温もりが伝わります。

 

ブルー「次はどこに行きたい?」

 

つぼみ「もっと楽しめるところにでもいいです?」

 

ブルー「いいよ。僕は君が行こうとする場所にはなんでも行くからね」

 

のんびりしつつも、次の目的地へと向かうことにしました。今日貰った首飾りはえりか達にもあげなきゃですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~二時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「ちょっと休んでもいいですか?」

 

ブルー「僕も少し疲れたよ。そうしよう」

 

のどかな日差しを遮る日陰の場所に座る私達。ここでブルーさんがあることを尋ねてきました。

 

ブルー「そういえばつぼみはめぐみ達と仲良くできてる?」

 

つぼみ「知り合ってからほぼ毎週会うぐらいですので。でもどうしてそんなことを?」

 

ブルー「とにかく幸せに感じれば嬉しく思うんじゃないかってね。つぼみとめぐみはどことなく似ている気がしてね」

 

私とめぐみが似ている?言われてみると確かにわからなくもない話ですけど…。

 

つぼみ「めぐみは私の相談に乗ってくれることもありますし、私がめぐみの相談に乗る場合もあるんですよ」

 

ブルー「君とっての一番の理解者と例えるべきかもね」

 

つぼみ「一番の理解者…。でもえりか達もそうですよ。だって友達はみんな同じ気持ちなので」

 

ブルー「君もある意味、仲間思いだね。僕がこれまで関わった人はみんなそうだった。つぼみはありのままの自分でいればいいよ」

 

ありのままの私、これはブルーさんが言った仲間思いと関係あるんでしょうか?いや、私がそれを意識するようになったのも支えてくれる仲間がいたから、そういうことだと捉えるべきなのでは?今の言葉はブルーさんにしかわからない意味かもしれません。

 

ブルー「つぼみはどんな時でも諦めない心を持ってほしいと僕は思う」

 

つぼみ「はい、私はそういう心構えを大切にしたいです」

 

きっとこれは私に対する励ましのエールなのではないでしょうか。ちょっとホッとしちゃいました。



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第168話 ブルーの感情

つぼみ「風が涼しくて眠くなりますね…」

 

ブルー「気持ちのいい空気だね。とても清々しい」

 

透き通る風に身体が楽になりそうです。静かなこの空間での休憩がこれはまたいい気分だったりします。

 

つぼみ「あの、もしかして…泣いてます…?」

 

ブルー「あ、ごめん…。ちょっと昔のことを思い出しただけだよ…」

 

私が声をかけると、ブルーさんが涙を流していたようです。

 

つぼみ「昔のこと、ですか?」

 

ブルー「僕にはかつて大切な人がいたんだ。でも彼女はあるきっかけで僕の前から姿を消してしまって…。僕はそれ以来彼女が戻ってくることを必死で願っているんだ」

 

つぼみ「彼女っというのは、もしかして…」

 

ブルー「口ではいい難いけど、僕にとって素敵な存在なんだ」

 

ブルーさんが語るあるきかっけってどういうことなんでしょうか?

 

つぼみ「何かあったんですか?」

 

ブルー「実は、ある脅威が訪れて…。その出来事により彼女は僕の前に現れることはなく、自分の憎しみだけが正しいと強調して…」

 

つぼみ「ある脅威、それって…」

 

ブルー「ごめん。ここからは凄く複雑な話になってしまう。折角のお出かけ日和なのにここで話すなんてことは、君が不快に感じてしまうだろうと思う」

 

わざわざ私のことを心配してくれるなんて、きっと辛い訳があるんでしょうね…。

 

つぼみ「でも私はブルーさんが悲しむ顔なんて見たくありません」

 

ブルー「その気持ちはわかるよ。君もある意味人の心を大切にすることが好きなんだね」

 

つぼみ「べ、別にそれを意識してる訳じゃなくてですね…。その、困ったことがあれば相談に乗りたいだけなんです」

 

成り行きに言ったけど、ちゃんと伝わったんでしょうか…?

 

ブルー「そうなんだ。君がいてくれて僕の気持ちが少し和らぐ感じになるよ」

 

つぼみ「大したことじゃありませんけどね、えへへ」

 

ブルー「ねぇ、少しだけ僕の昔話に付き合ってくれないかな?」

 

つぼみ「ふぇ?昔話ですか?」

 

昔話って、どんなことですかね。少し気になる気がします。

 

ブルー「僕がこの世界に来る前の頃のことさ―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファントム(そろそろ作戦を実行する頃か。それと、この前のやつの分身をあと三つ生成しておくか…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~ひめの家~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「ひ~ま~っ!」

 

ひめ「どったの?」

 

えりか「他のみんなはそれぞれで用事があるし、残ったのは私らだけなのよ!?」

 

ひめ「別にいいじゃ~ん。私の家は広いし、静かで退屈じゃないでしょ?」

 

えりか「だからって何をやれってんだい」

 

ひめ「じゃあ二人で野球拳やる?」

 

えりか「却下」

 

ひめ「だよね~…」

 

えりか「ならしゃーないか。そんじゃ、ちょっと外へ出る?」

 

ひめ「そっちの方が早いと思うだけどな~。とりあえずゆうこのところへ行こうよ!」

 

えりか「賛成!」

 

ひめ「AAPA、じゃんじゃじゃん―――」

 

えりか「ピ○太○かよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~市街地~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「さっきの話、とても素敵でしたよ」

 

ブルー「僕にとっては大したことじゃなかったよ」

 

場所を移して人気が賑やかな市街地へ移動しました。先程聞いた話は彼が今までやってきたことの内容でした。神様ってそんなに凄いお方なんですね~。

 

つぼみ「あれって、めぐみ達ですよね?」

 

ブルー「丁度めぐみ達はここで予定を過ごすことにしていたんだね」

 

タイミングのいいところに、めぐみ達を発見することができました。でもいる人数は割と少な目で他はそれぞれで予定があるためかいません。

 

つぼみ「めぐみ~」

 

ブルー「張り切ってるね」

 

めぐみ「あ、つぼみ!あとブルーもいる」

 

いおな「ここで会うなんて奇遇ね」

 

ブルー「今日は二人だけなのかい?」

 

めぐみ「うん、ひめはえりかと一緒に遊ぶってやけに強調してたみたいで…。ゆうゆうもお店の手伝いがあるから無理だし、誠司も空手の稽古で行けなかったらしい」

 

いおな「だから私とめぐみでちょっとお買い物でもしようかとここに来たの」

 

めぐみ「それより、ブルーとは上手くやれてる?(ヒソヒソ)」

 

つぼみ「ひゃあ!?まだですよ!?」

 

こんな時に大事な質問されたら頭がパンクしますよぉ~!?

 

つぼみ「そんなこと言ったらめぐみはどうなんです?」

 

めぐみ「いや、その…ブルーとはよき信頼関係というか…あの……(///)」

 

いおな「めぐみ、顔赤いわよ?」

 

めぐみ「ちょ…いおなちゃん!!?」

 

ブルー「楽しそうだね。何か嬉しいことでもあった?」

 

めぐみ「違うからっ!」

 

段々めぐみだけが自爆している気がしますが、気にしてはいけないでしょうか…?

 

いおな「とにかく、折角ここで会ったわけだし何かおごってあげる」

 

つぼみ「いいんですか?」

 

いおな「いいの、私にも何かできればと思ってね」

 

ブルー「時にはお言葉に甘えてもいいだよ」

 

つぼみ「じゃあ…お願いします」

 

めぐみ「素直だね~。なんかホッコリしちゃう」

 

ここからめぐみ達と一緒に行動し、丁度いい時間になったのでそれぞれ家に帰宅することになりました。そしてしばらくした時の頃でした。

 

ブルー「今日は楽しかった?」

 

つぼみ「とても楽しかったです」

 

ブルーさんと二人っきりで夕日の道を歩きながら素直な気持を告げます。今は自分の気持ちは言えなくても、いつかきっと伝えたい。そう胸に潜めます。

 

ブルー「またいつでも僕に会いたい時は言ってね」

 

つぼみ「勿論です。あと、ありがとうございます!(ギュ)」

 

ブルー「しばらく僕は忙しくなりそうだから、その時にまったらまたおいで」

 

つぼみ「はいっ!」

 

何事にも正直に向き合う、ブルーさんはいつになってもその心を忘れることはないでしょう。とにかく私も色々と頑張らないと、ですね。



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第169話 片思い

めぐみ「ふぁ~…。早くご飯食べたい…」

 

ひめ「まだお昼じゃないでしょ、我慢して」

 

とても退屈な一日であり、とても楽にできない今日の一日はビッチリと試験前の勉強に取り組んでいる。今度の中間試験いい点数を取らないと成績が下がる危険性があるため、私とひめは向かい合わせになりながら一緒に勉強していた。

 

めぐみ「ねぇひめ、ここの英文どう訳せばいいの?」

 

ひめ「これは過去進行形の英文だから何何をやっていたとかさ。とにかくあまり成立しない文章に訳してもダメってこと」

 

めぐみ「ふむ。ここをこうして…っと」

 

ひめ「正解、次はこの文章を英訳ね」

 

めぐみ「ほげぇ~…」

 

終わりの見えない試験前の勉強、ひめは英語ができるから楽だろうけど私はあまり得意というわけじゃない。成績も下がるし受験にも支障を来してしまう。どちらにしろ苦手な科目も克服しなきゃ今後の進路にも影響されるというデメリットでもあるのだ。

 

誠司「お前、もう頭パンクするのかよ。他の教科ばかりができても意味ないぞ?」

 

めぐみ「何よ、そんなわけじゃないんだから」

 

誠司「俺はお前のために言ってやってんだ。本気でどうにかしないとヤバイって」

 

ひめ「誠司の言う通りだよ、めぐみもまだ可能性はあるんだからね」

 

めぐみ「わかってるよそれくらい…」

 

やっぱり残るものはプレッシャーしかない。これだけは乗り越えたいという気持ちが足りないためなのか、一方的に置いてきぼりになるばかりだ。

 

ゆうこ「こういう時はまず、リラックスすることが大事だよ。きっとめぐみちゃんにもできるはずだと思うな」

 

めぐみ「ゆうゆう…心の友よ~!」

 

誠司「静かにしろ」

 

めぐみ「ごめん…」

 

ひめ「あ~あ。まぁこれは地道な努力が一番よね」

 

苦渋と睡魔の両方が襲い掛かる中、必死で超えるべき壁を突破することを決意した私だった。今まで遊んでた分をしっかり中間試験で挽回しないとね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~昼休み~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひめ「めぐみ、よく頑張ったね」

 

いおな「まさか極限状態までに陥るなんてね」

 

めぐみ「ふぁ~。お昼ご飯食べた後の休み時間は格別ですなぁ~」

 

昼休みになり、廊下でいおなちゃんと一緒に立ち話をしていた。ひめは余裕な表情を見せていたのでとてつもなく羨ましい。

 

誠司「氷川はどうだったんだ?苦手なものはなかったのか?」

 

いおな「私はどれも平等に熟してるから大丈夫よ。試験になってもできると思うから」

 

めぐみ「いいな~、私もできるようになりたいな~」

 

誠司「ひめが教えてくれてるからどうにかなるんじゃね?」

 

もしこれで赤点なんか取ったら補習はまず確定だろう。そんなことにならないように全力で高点数を得なきゃならない。

 

ゆうこ「みんな張り切ってますな~」

 

ひめ「でそでそ?」

 

いおな「ゆうこはバッチリ?」

 

ゆうこ「問題なし、バッチグーよ」

 

どうやらゆうゆうも嬉しそうな顔で答えたようだ。できる人はみんなこんな感じというわけか。

 

めぐみ「猛烈に燃えてきた!ライバルが多くなった感じだし」

 

ひめ「当日までしっかり私がしごいてあげる、ファイトよ!」

 

めぐみ「ひめ~!」

 

自分のやるせなさが初めからないように勇気が沸いてきた。挫けたら何も解決できない、最後までやり遂げないと!

 

ゆうこ「相良君、ちょっといい?」

 

誠司「どうした?」

 

ゆうこ「そろそろいいよね?」

 

ひめ「どった?」

 

ゆうゆうが誠司を誘ってる…?一体どうしたんだろう?

 

誠司「ちょっと大森と参考書借りてこうようと思ってな。すぐ戻るから」

 

ゆうこ「ごめんね、急に席外しちゃって」

 

めぐみ「いいよ、別に止めたりしないからさ」

 

かしこまる顔で何度も頭を下げながら、ゆうゆうは誠司を連れて図書室方面へと移動した。

 

いおな「じゃあ私そろそろ戻るね。二人とも、気を抜いちゃダメよ?」

 

めぐみ「了解、女に二言はなしってね」

 

ひめ「そんな言葉存在しないよ」

 

めぐみ「テヘペロ☆」

 

私とひめも休み時間を利用して再び試験前の勉強へと移行することにした。まだまだ試練は始まったばかり、頑張るぞぉ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~屋上~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうこ「これで二人っきりだね」

 

誠司「なぁ、なんで嘘ついた?」

 

ゆうこ「それは相良君と一緒になりたかっただけ。ちょっと誤魔化しても気づかれないでしょ?」

 

誠司「それ、この前のめぐみと一緒だった時も同じこと言えるよな」

 

ゆうこ「……」

 

誠司「なぜ飴をあげたって言った?本当は違うだろ?」

 

ゆうこ「…相良君」

 

誠司「どうした…?」

 

ゆうこ「あの時は静かにしてほしいって口を塞いだだけなの。私の想いを届けかっただけなの」

 

誠司「おい。想いって…」

 

ゆうこ「私はめぐみちゃんと同じくらい相良君がかっこいいと思う。幼い頃からの相良君が逞しい、それだけで嬉しいの。本来ならめぐみちゃんと相良君がくっつくべきだろうと思うけど、もう無理よ」

 

誠司「それはわかるよ、俺だって。めぐみを守ってやりたいという心は今でもあるし、めぐみが俺の方を振り向かなくてもいい。両思いの方がいいが、片思いのままじゃ味気ないし」

 

ゆうこ「でも今の現状をわかってるでしょ?めぐみちゃんはもう神様一筋よ」

 

誠司「知ってた。でも俺は諦めない、めぐみの気持ちが変わるまではな」

 

ゆうこ「無理なものは無理なのよ?もう考えるのをやめて」

 

誠司「嫌に決まってんじゃないか。あいつは、俺にとっての大事な存在なんだよ…!」

 

ゆうこ「じゃあ私は?」

 

誠司「あ…」

 

ゆうこ「私も昔っから一緒の幼馴染なんだよ、一人だけ気持ちが違うのはあんまりじゃない…」

 

誠司「大森……」

 

ゆうこ「実は私も、相良君のことが……好きでした」

 

誠司「そんなこと初めて聞いたぞ…?」

 

ゆうこ「これが私の気持ち。私の本心よ」

 

誠司「それをめぐみ達が聞いたらどうなると思う?間違いなく言い争いになるだけだ」

 

ゆうこ「これが最後、もうめぐみちゃんには気にかけないと約束して」

 

誠司「俺にはわからねぇ…!どうすればいいんだよっ…!」

 

ゆうこ「これ以上面倒なことを引き起こすなら、私は何をするかわからないから」

 

誠司「少しは俺の話を聞けよ!なぜそこまでめぐみを諦めなきゃいけない理由がある!?」

 

ゆうこ「それはね―――(ヒソヒソ)」

 

誠司「まるで他人事だな。でもそれでいいのか?」

 

ゆうこ「相良君が構わないなら、私はそれでもいいよ」

 

誠司「そうか。あともう一つ聞きたいことがある。お前の俺に対する気持ちは本当か?」

 

ゆうこ「言ったじゃない。私もめぐみちゃんと同じだって」

 

誠司「……仕方ねぇな。めぐみのことはしばらく諦めろってことでいいよな?」

 

ゆうこ「私は本当だったら友達を騙したくなんかない。でも相良君がそれを望むのなら本望だと実感できる」

 

誠司「大森、お前のこと一方的に疑ってごめんな」

 

ゆうこ「いいよ。少しの間だけ私達は恋人同士というわけだから」

 

誠司「認めたくないが、お前の考えに乗るよ」

 

ゆうこ「決まりね。これでやっと理解してもらえてスッキリしちゃった」

 

誠司(本当にこれでよかったんだろうか。このことはめぐみ達に言わない約束だって言われたし…)

 

ゆうこ「改めて、しばらくの間だけ私と付き合ってください」

 

誠司「…わかった」

 

ゆうこ「ふふっ、かわいい顔っしちゃって」

 

誠司(許してくれめぐみ、少しの間だけどお前のことを意識できそうにないみたいだ…)

 

ゆうこ「もう戻ろう、午後の授業始まっちゃうし」

 

誠司「あ、あぁ…。早くしないと面倒だしな」

 

ゆうこ「相良君、忘れ物」

 

誠司「何だ?俺は手荷物なんか―――」

 

 

 

ゆうこ「……ん」

 

誠司「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~放課後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ「ふぇ~終わった~」

 

ひめ「私もクタクタ~」

 

放課後になり、みんなで下校することとなった。まだまだ道のりは遠いがこの勢いで精進するのが世の定め。

 

いおな「めぐみ、今度私も教えてあげるから」

 

めぐみ「いおなちゃ~ん!」

 

ひめ「それにしても、さっきから誠司の様子が変だよ?」

 

めぐみ「どったんだろ?」

 

ひめが首を傾げるように誠司の方へ振り向く。何かあったのかな?

 

いおな「相良君どうしたの?」

 

誠司「…ちょっと気が動転してるだけさ。どうやら読む参考書を間違えたっつーか」

 

ゆうこ「私の不注意だったかもしれないね、気にしないで」

 

とても顔が赤くなって俯いているのはきっとそのせいかも。まぁ男の子だし、仕方ないところもあるわけで。

 

ゆうこ「今日は私の家でご飯食べに来ない?勉強の疲れが取れると思うから」

 

ひめ「ひゃっほ~!」

 

めぐみ「ご馳走になるよ」

 

まずは疲れた精神を癒すため、みんなでゆうゆうの家で晩御飯をいただくことになった。色々辛い道はあるが、何事にも熱心にならないとね。



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第170話 亡き者との契り

めぐみ「ゆうゆう、美味しかったよ」

 

ひめ「ごちそうさ~ん」

 

ゆうこ「もう外は暗いから気をつけてね」

 

いおな「私はあっちだからめぐみ達もちゃんと帰るのよ」

 

誠司「大丈夫だって、夜道は慣れてるし」

 

めぐみ「じゃね~」

 

いおな「また明日」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いおな(今日も花吹雪が散ってる…)

 

夜空に星がいくつも散りばめている景色を見ながら舞い上がる花吹雪を気にする。今日の一日はとても疲れの溜まる日だった。私はめぐみ達の頑張る姿をいつも見守っていた。でも自分としては自分自身が頑張らなきゃいけないと自覚することもある。ただそれを蔑ろにするとは思わない、自分の思う通りにやっていけばいい。

 

いおな「あれって…」

 

私は電柱の灯りの方を振り向くと、見覚えのある人の姿を見た。あの凛々しい人はもうわかる、

 

いおな「ゆりさん、しばらくですね」

 

そう、ゆりさんだった。ゆりさんは今ここに来たかのような様子みたいだった。

 

ゆり「いおなもしばらくのようね。それに、あなたの知り合いもここにいるわよ」

 

いおな「知り合い―――ってぐらさんじゃない、どうしてここに?」

 

ぐらさん「いおなを迎えに行こうとしたら偶然会ったんだぜ、結構大人っぽい人だぜ」

 

まさかぐらさんとゆりさんが一緒だったのはとても意外ね、案外悪くもなさそうだし。

 

ゆり「その子を見てると、なんだか懐かしく感じたの」

 

いおな「懐かしく、ですか?」

 

ゆり「私にもかつて…パートナーがいたの…」

 

一瞬言葉を失ってしまう。そしてこの言葉にちょっと口が動かなくなった。

 

いおな「そのパートナーは…?」

 

ゆり「…もういないわ、それも大分前の話」

 

いおな「辛くない、ですか…?」

 

ゆり「最初はかなり辛かった。私もどうすればいいか迷ったこともあったし、でもいつまでも過去にとらわれたままじゃいけないと思い再び立ち上がれた」

 

複雑かつ迷いの見える話だと感じる。ゆりさんが語る過去には何が浮かび上がるのか、もう少しこの話を聞くことにする。

 

いおな「ゆりさんにも譲れない心はあるんですね…」

 

ゆり「失って悔しいという気持ちはあったし、悲しいという気持ちもあった」

 

いおな「今はどうしてるんですか?」

 

ゆり「私が再び立ち上がれた時からずっと彼のことを思い出している。これからも見守ってほしいってね」

 

いおな「その子、元気で頑張ってるんでしょうかね」

 

ゆり「きっと向こうで元気でいるはず。孤独な私の心を癒してくれるから」

 

ゆりさんが思う気持ち、伝えたい気持ちがわかる気がする。こう見えて本当はずっと傍にいてほしいと信じていたけれど、突然の別れを受け入れざるを得ない事態になっても一人で立ち上がれるという強い信念を抱き続けるから、私にとっての彼女は偉大な存在なのかもしれない。

 

いおな「実は私も辛いと思ったことがあるんですよ」

 

ゆり「聞かせてほしいわ」

 

いおな「私にはお姉ちゃんがいます。今では勉強するために外国に暮らしているんですけどね。将来は資格も取って十分な社会を築き上げたいと意識をしてます」

 

ゆり「いおなの辛かったことというのは…」

 

いおな「前までお姉ちゃんがいなくなったことです。色々と悲しい現実を受け入れて以来、厳しく接していた時期もありました。でもそれはかなり複雑な内容みたいなので…」

 

ゆり「いいの、細かいことは言及しないから。人には触れたくない事情があるものよ」

 

私の気を遣うようにゆりさんがそう答えた。おそらくゆりさんにも触れたくないこともあったのではないのかしら。

 

ゆり「もう時間も遅いし、ここら辺で帰りましょうか」

 

いおな「ええ。また明日でも会えますよね?」

 

ゆり「いおなも学校があるでしょ?終わった後でもいいから次は違う場所で集まりましょうよ」

 

いおな「はい、そうしますね」

 

ぐらさん「草臥れたぜ~、そろそろ帰ろうぜ~」

 

いおな「言われなくてももう行くわよ?」

 

もう本気で時間もヤバくなったのでここで引き上げることにした。また気になる話は明日するということで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~深夜~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いおな(これでいいかしら、手紙の内容は…)

 

日付が変わる数分前、私は寝る前に明日お姉ちゃんい出す手紙を必死で書き終えた。結構大雑把に仕上げた部分があったため、それを何割か修正を施していた。

 

 

 

~~お姉ちゃんへ~~

 

今でもお元気ですか?私は毎日元気よく過ごしています。つい最近新しい友達ができて更に楽しい毎日を送っているよ。でも時々辛いことを思い出したらいつもお姉ちゃんが送った絵はがきを見て気分をスッキリさせているし、何よりも私を支えてくれる友達がいるから。お姉ちゃんも体調管理には気をつけてね?向こうの国の薬も効き目はあるけど過度な摂取が必要になる場合があるの。だから家で毎日使っていた薬の方が効き目が出るわ。それから時々家にも連絡してくれたらありがたいし、お姉ちゃんが辛いと思ったことがあればしっかり私に言ってね?最後になるけど、お姉ちゃんと同じくらいの人と会ったの。今度戻ってきたら紹介するね。その時まで元気でいてください、そして変わらない毎日を送ってください。これからもお姉ちゃんのことを遠くから見守ります。

 

PS 次戻ったら今度こそお姉ちゃんに勝つからね!

 

 

 

疲れが溜まり、そのまま眠りについたのだった。ゆりさんのことをいつか紹介できればと夢の中で何度も願い続ける私だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~同時刻、めぐみの家~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ(試験、いい点数とれるかな…)

 

誠司「お前、大分テンパってんな」

 

めぐみ「あ、誠司」

 

私がベランダで腰かけていると、隣の部屋から誠司が平然と顔を出した。私の家と誠司の家はマンションの隣同市なのでこうやっていつも顔を合わせることとなる。

 

めぐみ「別にそういうわけじゃないよ?自分と向き合ってただけ」

 

誠司「とりあえず低い点数だけは避けなきゃな」

 

めぐみ「もしかして誠司も気にしているんだぁ~」

 

誠司「誰がそんなこと…バカも休み休み言え」

 

めぐみ「じゃあ私が低い点数取ったらどうするの?」

 

誠司「それは自分でどうにかしろよ、何でも俺に頼るんじゃない」

 

口ではそう表現するが、実際は結構心配していたらしい。

 

めぐみ「ソワソワしそうなんですけど~」

 

誠司「とりあえず気合いと根性でどうにかなれよ」

 

めぐみ「あのね誠司。試験が終わったらさ、みんなでひめの家に泊まりに行かない?」

 

誠司「みんなっていうのはいつものメンバーだろ?」

 

めぐみ「いや、つぼみ達も連れてくの」

 

ここで一つ、誠司にいい提案を持ち掛ける。納得する様子の誠司だが、ちょっと緊張気味でもあった。

 

誠司「もはや女子会じゃないか…」

 

めぐみ「遠慮しないの。きっと楽しいよ」

 

誠司「考えておく、とりあえずもう俺は寝るわ。お前も夜更かしするなよ」

 

めぐみ「わかったよ、おやすみ」

 

先のことは後から考えることにした。今は待ち受けることに集中することに専念する。私のできることをやりとげなきゃね。



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第171話 プリキュアハンター

えりか「じゃ~ん!新作をちゃっかり用意しました~!」

 

いつき「季節に合わせて厳選したんだね」

 

放課後、えりかが新しく手入れしたファッションを披露してくれています。というのもあの時からのコーデ魂が徐々に昂っているのが関係していたのかと推測されているようなされていないような話ですけどね…。

 

つぼみ「この仕上がり、とても絵になりますね」

 

えりか「ちょっと徹夜して思いついたんだよねそれ。でも満足してくれてよかった」

 

いつき「この調子ならいくらでも喜んでくれるよね、みんなから」

 

自信満々のえりかを飽きるくらいに褒めます。まぁこの程度だったらえりかは飽きるということには気づきもしませんしね。

 

つぼみ「そろそろ帰りましょうか。今日は少し寒くなるでしょうし」

 

えりか「風邪引いたら洒落にならないね」

 

いつき「じゃあそうしようか」

 

時間を見ながら行動し、三人一緒で帰ります。その途中、私とえりかはあることに気がつくのです。

 

つぼみ「あ…ノート忘れてしまいました…」

 

えりか「オーマイガー…」

 

いつき「大変だね、すぐ取りに行った方がいいよ?僕はここで待ってるから」

 

つぼみ「すいません…すぐ戻ります」

 

えりか「あーまずった」

 

動揺するような素振りで私とえりかは机の中に入れっぱなしのノートを取りに行くことにしました。こんなと時に忘れ物するなんて最悪です…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつき「ねぇポプリ、寒くない?」

 

ポプリ「大丈夫でしゅ、いちゅきも大丈夫でしゅ?」

 

いつき「僕は平気さ。慣れてるからね」

 

 

 

???「奇遇だな。ここでお前一人だけとはな」

 

 

 

いつき「…誰?」

 

???「俺の名はファントム、プリキュアハンターだ(バッ)」

 

いつき「どこから…?」

 

 

 

ファントム「お前のことは調べさせてもらった、いやお前だけではない」

 

 

 

ポプリ「あそこでしゅ」

 

いつき「どういうこと?」

 

ファントム「正確にはダークプリキュアとかいうやつから聞いた。こころの種を使う者どもというのはな」

 

いつき「なぜあの人を知ってるの、そこまでして何がしたいのさ」

 

ファントム「目的は単純だ。俺の知らないプリキュアと戦えばいい手鳴らしにもなるだろうさ。ここで悪あがきなどという飯事などやっても無駄だ」

 

ポプリ「好き勝手にしないでほしいでしゅ!」

 

ファントム「所詮妖精は何もできまい。抵抗してもただの飾り物でしかない。さぁ、ここで俺に狩り取られるか?」

 

いつき「口で言っても無駄なら、こっちも遠慮はしない!」

 

ファントム「いいだろう、かかってこい。俺の知らないプリキュアを潰せるのが光栄だからな」

 

 

 

ポプリ「プリキュアの種、いくでしゅ!」

 

いつき「プリキュア・オープンマイハート!」

 

 

 

ファントム(いい気になるなよ、ここで捻り潰されるのが運命さ…)

 

 

 

サンシャイン「日の光浴びる一輪の花、キュアサンシャイン!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~同時刻~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「やっと取れましたね…」

 

えりか「先生いたから説得に時間かかったべ~…」

 

ようやく忘れ物を取れた私達でしたが、先生が教室にいたので結構苦戦してしまいましたよ…。

 

シプレ「何か嫌な気配感じるです!」

 

コフレ「すぐにいつきのところへ戻った方がいいです!」

 

つぼみ「本当ですか!?」

 

えりか「えぇ~いこんな時に~!」

 

よからぬ事態、ということですね。すぐに向かわないといつきが危ないです…。

 

えりか「あっ!あそこ」

 

駆け足でいつきのいるところへ戻ると、そこには何かと戦ってる様子が見られます。

 

つぼみ「すぐに助けましょう!」

 

えりか「合点招致、やっちゃるっしゅ!」

 

 

 

シプレ&コフレ「「プリキュアの種、いくです!」」

 

つぼみ&えりか「「プリキュア・オープンマイハート!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~某所~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サンシャイン「はぁ!(ガッ)」

 

ファントム「てやぁ!(ゴッ!)」

 

サンシャイン(動きは鈍くない、やはり相当本気なのかも…)

 

ファントム「威勢だけで押しつけても俺を倒せない」

 

サンシャイン「いや、それは私の思う通りにやる。そしてあなたを倒す!」

 

ファントム「面白い、益々狩りたくなったな。ならば朽ち果てろ!(ズバァ!)」

 

 

 

ブロッサム「はぁああ!(ギィン!)」

 

マリン「とりゃー!(ズガァ!)」

 

 

 

サンシャイン「ブロッサム、マリン!」

 

ブロッサム「間に合いました~…(ホッ)」

 

マリン「まずは無事ね。それにしてもあいつは何なのよ!」

 

 

 

私とマリンは間一髪で相手の攻撃を防ぐことができました。しかし気になるのはあの敵ですね…。

 

 

 

ファントム「お前らが確か、キュアブロッサムとキュアマリンか。やつらに似てるな」

 

ブロッサム「あなたの目的は何ですか」

 

サンシャイン「そいつはプリキュアハンター。私達を狙おうとしているの」

 

マリン「よく知らないけど、さっさとやっつければいいでしょ?」

 

ファントム「まとめてかかってこい。すぐに消してやる…!」

 

 

 

気味の悪い佇まい、あの様子だと完全に見下していますね…。まさか未知なる相手が来ようとは想像もつかなかったことですね。けれど、ここで逃げるわけにもいきません。なんとか食い止めたいところです。

 

 

 

ブロッサム「いきますよ!」

 

ファントム「まずはお前からだ、大人しく散れ!(ガッ!)」

 

マリン「上よ!」

 

ブロッサム「っ!ふん!(ズガッ!)」

 

 

 

上から来る一撃を脚で弾き飛ばします。でも振動が激しく一瞬弾いた部分の脚部が麻痺してしまいます。

 

 

 

マリン「今度はこっちから!(シュ)」

 

サンシャイン「回り込む!(ブン)」

 

ファントム「させん(シュバッ!)」

 

マリン「と見せかけてストレートォ!(ドゴ!)」

 

サンシャイン「はぁああ!(ドン、ドン!)」

 

ブロッサム「いいコンビネーションですね!」

 

 

 

そのまま私の動きに便乗するように、マリンとサンシャインが左右から同時攻撃を仕掛けました。おかげで多少は相手の体勢を崩すことができました。

 

 

 

ファントム「邪魔なやつらめ(ビュン!)」

 

マリン「どわっ!?」

 

サンシャイン「この程度、はぁ!(ズガ!)」

 

ファントム「迂闊だ(ジャキィン!)」

 

サンシャイン「うっ!は、早い…」

 

ブロッサム(今の状況ですぐに持ち直した…?身体能力的が優れてるってことですね…)

 

 

 

しかし相手はすぐに体勢を立て直し、そのまま反撃を押しつけてきました。これは侮れない部分がありましたね、流石に油断は禁物ですかね…。

 

 

 

ファントム「これでできたと思うなよ、まだ戦いは始まったばかりだ」

 

ブロッサム「あなたが何を仕出かすかは大方理解できました。でも私達の力はこんなものではありません!」

 

サンシャイン「その憎悪が世界を混乱の渦へと巻きこむ、そうなる前にやるべきことを」

 

マリン「人の事情も知らないで面倒なことに巻き込まれた身にもなりなさいよね!」

 

ブロッサム「それは関係ないと思うんですが…(トホホ)」

 

 

 

とにかくファントムが危うい存在なのはわかりました。だけどプリキュアハンターという肩書があるならなぜそこまでしてプリキュアに執着するのでしょうか?

 

 

 

ファントム「俺は全てのプリキュアをこの手で仕留める。そうすることで俺の強さが証明できる。当然お前らも例外ではない、つくづくブルーという地球の神も無能なものだな」

 

ブロッサム「…ッ!」

 

マリン「ブロッサム…?」

 

 

 

今の言葉に、頭に来ました……。

 

 

 

ブロッサム「ブルーさんは無能ではありません!」

 

サンシャイン「ブロッサム…」

 

ファントム「ほう。あくまでやつを否定しないのか。それにお前のようなイレギュラーがやつと知り合いだとはな」

 

ブロッサム「侮辱など言語道断です…!ブルーさんは私に色々と教わりました、口では表現できないくらい素晴らしいことを」

 

ファントム「だがあいつは―――いや、これはあいつの方がよく知ってるようだな」

 

ブロッサム「あの人にも辛い過去はあったんです。私はなんとなく共感できた気がします。人の幸せをずっと見守る心を持っているんです!私はそんな人に出会えたことが…凄く幸せです…」

 

マリン「心から感謝していたんだね、つぼみは…」

 

 

 

まだ彼のことを全部わかったわけではありません。これからもあの人から笑顔を譲り受けたい、幸せに肖れたい、こんな気持ちをどう表現すればいいのかわからないくらい嬉しいです。あの人が支えてくれたからこそ、私は更に勇気が沸いてきます…!

 

 

 

ブロッサム「ファントム、あなたは私達が止める。止めてみせます!」

 

マリン「本当の勝負はこれからってね」

 

サンシャイン「この光は心を通じ合った者だけが持てる物。その闇を私達の光で照らす」

 

ファントム「女々しい小娘どもめ、本気で相手してやる。てやぁ!(キィン!)」

 

ブロッサム「負けはしない、絶対に!(ドゴッ!)」

 

マリン「たとえ可能性がなくても!」

 

サンシャイン「私達は最後まで立ち向かう!」

 

ファントム「今度はお前らの本気の技で来い、それを全部受け止めてやる」

 

 

 

再度攻撃を開始しますが、やはりダメージを与えにくい感じです。でも本気の技を使わせるのは何のために…?

 

 

 

マリン「遠慮はいらないよ、やろう!」

 

サンシャイン「言われなくてもね」

 

ブロッサム「やりましょう」

 

 

 

とにかく今は決着をつけるのみですね。野放しにしたら話になりません。

 

 

 

ブロッサム「プリキュア・ピンクフォルテウェイブ!」

 

マリン「プリキュア・ブルーフォルテウェイブ!」

 

 

 

まずは私とマリンが別々のタイミングで技を放ちます。そして次はサンシャインの番です。

 

 

 

サンシャイン「その光、私の光で照らしてみせる!プリキュア・ゴールドフォルテバースト!(ビカァ…!!)」

 

ファントム「……」

 

 

 

これで決まれば私達の勝ちです、果たしてどうなんでしょうか…。



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第172話 自分の欲望

ファントム「っ……!」

 

マリン「いくらなんでもこれは耐えられないよね!」

 

サンシャイン「…決まればいいけど」

 

ブロッサム「いや、あれを見てください…!」

 

 

 

私達の一撃を受け止めるファントム、ではなくむしろ攻撃を吸収し始めたようです。まさかわざと私達を誘うために…?

 

 

 

ファントム「ふふふっ…。ふははは!!」

 

マリン「何がおかしいの!」

 

ファントム「これで完成した、俺の新たな力をなぁ!」

 

ブロッサム「新たな力?」

 

 

 

ゴゴゴゴ…!!

 

 

 

ファントムの身体中から闇の波動が放出されます。それから先程吸収した物を自らの身体に埋め込んだのです。

 

 

 

サンシャイン「どういうこと?自分の身体に入れた…?」

 

ブロッサム「そこまでして一体何をしたいんですか」

 

ファントム「俺は更なる高みへと行く。お前らの力が手に入ったことで俺の計画が捗るからな。お前らは実にいい手駒だった、礼を言う」

 

マリン「手駒とは何よぉ~!」

 

ファントム(待ってろ、時期に俺が再び引導を渡してやる…。得にキュアラブリー、お前を仕留めるまではな…)

 

 

 

Dプリキュア「倒さずに生かすとは随分と分別のないやつだな、ファントム」

 

 

 

そこへ唐突と聞き覚えのある声の主がやってきました。やはりあれは、ダークプリキュアです…。

 

 

 

ファントム「いい収穫が取れた。お前も見たろ?この俺の実力を」

 

Dプリキュア「誰がお前を評価すると思った?世迷言も大概にしたらどうだ」

 

サンシャイン「なぜあなたがそいつと手を組んでいるの?」

 

Dプリキュア「それを教えてどうする。私は虐げられたこの世界を捻じ曲げようとしてるだけだ」

 

ブロッサム「だからって、それがあなたにとって一番のことなんですか!?」

 

Dプリキュア「お前もつくづくしつこいやつだ、私の邪魔をしようだなんて無駄なこと」

 

 

 

私達に見せる目は恨みを寄せる殺気に感じます。これは今まで私達と戦ってきた彼女だからこそ現す憎しみなんですね、非道すぎます…。

 

 

 

ファントム「もういいだろう、そろそろ引き上げるとするか」

 

マリン「ちょい待ちなよ、また何か企んでいるんじゃあるまいね?」

 

ブロッサム「次来たら容赦しません」

 

ファントム「構わん、その時はキュアラブリー達も連れて来い。いい物を披露してやる」

 

Dプリキュア「まだお前らとケリをつけるのは早い。せいぜい首を洗って待っているんだな(バッ)」

 

サンシャイン「なかなか手厳しくなりそうかも…」

 

マリン「そうね、絶対油断できないし」

 

ファントム「少し楽しませたことは傑作だ。次に訪れるのは、死だ(バッ)」

 

ブロッサム「……」

 

 

 

それからまもなく二人は去ってしまいました。これは勝ったと言えるんでしょうか…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファントム(やつらの能力に、今日得たこの力を加えれば…。ふん、完璧じゃないか。これで俺が直接なりすます必要もなくなる。他の世界に行く前の肩慣らしには丁度いいことだ。これさえあればあの力も完全に凌駕できる…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~夜~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「えりか、私って怯えてるんでしょうか?」

 

えりか「ほえ?何さ急に」

 

私の家で少しだけ服の手入れをしに来たえりかに、私がさりげなく尋ねました。いきなりこんなことを言ってもビックリするだけですよね。

 

つぼみ「その、ハッキリとはわかりませんけど。このまま立ち上がれなくなったらって考えてしまうのが怖いです」

 

えりか「怖いのは私だって一緒。でも怯えてるという表現は半分間違い、ただ一方的に引き下がるだけのモルモットなんていうのは洒落にならないの。そこはみんなで力合わせればどうにかなるのよ」

 

つぼみ「えりかにしてはまともな答えですね~」

 

えりか「にしてはは余計よ。私だってつぼみの役に立ちたいって思っているんだからね。困った時はお互い様ね」

 

余裕を見せるように私の質問にえりかが難なく答えました。今まで辛い時もありましたが、希望を捨てない限りは何度も挑戦できます。

 

つぼみ「じゃあ私はえりかのことをしっかり守りますからね」

 

えりか「だからそういうのはいいの、私もつぼみを守ってあげたいの」

 

つぼみ「も~、えりかは素直じゃないですね…」

 

えりか「これが私の気持ちなの。素直に受け取って」

 

つぼみ「私はいつでも―――むぐっ!?」

 

私が反論すると思ったのか、えりかは私の唇に柔らかいものを押しつけてきました。って何故~!?

 

つぼみ「なななな何を!?」

 

えりか「……私の気持ち、文句ある…?(///)」

 

つぼみ「いくらなんでもこれは…。まぁえりかが私に対する気持ちはわかっていますけどね」

 

えりか「だから尚更なの、今でも私ドキドキしてんだからね…っ」

 

つぼみ「えりか、もしかして今したいんですか…?」

 

えりか「んなわけないでしょ!?それに今やったらシプレとコフレに見られるってば!」

 

どうやらえりかは自分の欲望が抑えきれないようですねぇ、いや~これは満開ものですよ。

 

つぼみ「仕方ないですね~。今度してあげますね」

 

えりか「別に好きでやってほしいってわけじゃないのよ」

 

つぼみ「私はずっとえりかを信じてますよ」

 

えりか「全く、つぼみと来たら。私も信じてるかんね」

 

あたふたな感じですが、信じあえば苦難も楽勝ですよね。それにしても、世の中何が起きるのか本当にわかりませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~同時刻~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ「もう暗いね、そろそろ帰る?」

 

誠司「いい時間だよな、ちょっとランニングする時間長引いたかもな」

 

私は誠司の遅いランニングに付き合っていい距離まで走れてスッキリした気分に。どうやら誠司自身もとても満足できた様子みたいだ。

 

ゆうこ「よく頑張ったね二人とも」

 

めぐみ「ゆうゆうわざわざ差し入れありがと」

 

誠司「たまたま通りかかって見かけたもんな」

 

そう、ゆうゆうはついさっき私と誠司が走ってるところを偶然目撃したとのことだった。その影響なのか、地味に冷たいお茶を用意していた。

 

めぐみ「ほら誠司、タオル―――」

 

ゆうこ「相良君汗かき過ぎよ?ちゃんと拭かないと風邪引いちゃうからね」

 

誠司「悪りぃな、俺もしっかり体力つけていこうと決意したんだ」

 

めぐみ「あ……」

 

汗をかいてる誠司に私がタオルを渡そうとしたら、ゆうゆうが既に渡していた。ちょっと横取りされた気分かも…。

 

めぐみ「私、もう帰るね…」

 

誠司「どうした?そんな顔して」

 

めぐみ「ちょっと疲れただけだから。明日には元気になるよ、心配しなくても大丈夫だから」

 

ゆうこ「気をつけてね?」

 

余計に披露が溜まってしまったので、私はここで帰ることにした。それと同時に、あることに気がつく。

 

めぐみ(そういえば、最近ゆうゆうと誠司って妙に仲がいい気がする…。もしかして……)

 

ゆうこ「めぐみちゃん…?」

 

誠司「疲れているんだ、休ませてやろうぜ」

 

ゆうこ「じゃあさ―――」

 

そんな疑問を抱く私はちょっぴり寂しい気持ちへと陥ったのだった。これを時期に言わなきゃいけない時があるのだろうか、それは私だけでは抑えきれない事態なのだと確信する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

L「次の世界、どのに行きたい?」

 

R「そうだな…、ここはどうだ?」

 

L「いいねぇ。あの素敵な世界、そしてその世界のプリキュアもね…」



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第173話 女の子の在り方

ひめ「えぇ~!?めぐみが体調を崩したぁ!?」

 

誠司「あぁ、昨日は平気そうな感じだったけど急に熱が上がったらしいんだ」

 

ゆうこ「めぐみちゃんの家に相良君が入ったんだけど、とても行けそうな状態じゃなかったんだって」

 

ひめ「それでいつ治るの?」

 

ゆうこ「しばらくはかかるらしいの。だからお見舞いに行くのも無理そう」

 

しょぼ~ん…。折角めぐみが元気に学校に来るのを待ってたのにまさか高熱になるとは…。まぁ誠司が行ってあげたんならよかったよ。

 

ひめ「どうする?もうすぐ試験あるのに」

 

誠司「無理もない。今のめぐみじゃ到底来れそうにないし」

 

ひめ「じゃあ私達がめぐみの分まで頑張ろうよ」

 

誠司「おいおい、試験は流石に自分の力でやり遂げるもんだろ」

 

ゆうこ「でもひめちゃんなら大丈夫よね?」

 

ひめ「ま~ね~♪」

 

誠司「地味にムカついたような…」

 

めぐみが元気になるまで我慢か。でもすぐに一緒になれるかも、それまで耐えるぞ~!

 

ひめ「ん~…。とはいえ、それまでが退屈なのよね…」

 

誠司「じゃあつぼみ達のところに今日行くか?」

 

ひめ「そうしよっかね」

 

この後の予定もなさそうだし、退屈凌ぎとしていいかも。もとより私個人が満足したいだけなわけで。

 

ゆうこ「帰りに寄って行こうか」

 

ゆうこも頷いているし問題なしだね。とりあえずめぐみの件は話しておかなきゃね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~午後四時~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひめ「姉さ~ん!」

 

えりか「ひ~め!」

 

誠司「おっす、相変わらず元気じゃないか」

 

いつき「勿論さ。いつもこんな感じだよ」

 

ゆうこ「そういえばつぼみちゃんいないね」

 

いつき「今日は用事があって来れなかったんだ」

 

となれば計五人だね。いおなも忙しそうな感じのため今日は誘えなかった。ひとまず私達は近くの公園でのんびり雑談でもすることにした。

 

誠司「そうだ、お前ら何か飲みたいものあるか?」

 

ひめ「奢ってくれるの?」

 

誠司「いつも世話になっているからな。多少はと思ってさ」

 

えりか「私もいいの?」

 

誠司「要件は順番にだぞ?」

 

いつき「お言葉に甘えるよ」

 

ゆうこ「私は何でもいいよ」

 

なかなか気が利くじゃない、関心関心。このやり取りのあと、ゆうこといつきが真面目(?)になるように会話を始めた。内容が気になるけど、私はこっちでいいや。

 

えりか「それじゃいつものやってみよ~!」

 

ひめ「ぃえすっ!」

 

えりか「i,haba,apoo.i,haba,pan」

 

ひめ「~~~、panapoo」

 

えりか「これピ○太○やないか~」

 

ひめ「こんなんだったっけ?」

 

えりか「次いってみよ~」

 

ひめ「じゃんじゃじゃじゃん。ピハ!僕ピッキー・コロQ、気軽にド○え○んって呼んでね!」

 

えりか「ふざけているのかぁーッ!(バキッ!)」

 

ひめ「殴ったね!ダディにもぶたれたことないのに!」

 

えりか「オーイエー、そんな胡散臭いマスコットを雇った覚えなどない!」

 

ひめ「何を仰るのですか!ただでさえ安月給で生活してるというのに、その扱いはないじゃありませんか!?」

 

えりか「その理由を知りたいかい?それはね、お前さんが―――」

 

 

 

~~閑話休題~~

 

 

 

ひめ「ねぇ、二人は何してんの?」

 

ゆうこ「実はね、ちょっと女の子らしくできないかって聞いてみようとね」

 

いつき「照れくさいなぁ。僕に何が足りないの?」

 

どうやらゆうこはいつきに足りないものを指摘をするようだけど、何だろうね?

 

いつき「服はつぼみ達が選別するし、それなりにかわいい感じにしているつもりだよ」

 

ゆうこ「でも何かが足りないの、何かがね」

 

いつき「え…?それは一体」

 

ほえ?いつきに足りないものって何ぞや?

 

ゆうこ「ほら、あれよ。もっと雰囲気とかさ」

 

いつき「…なんか変なスイッチが入ったような…」

 

ひめ「これは嫌な予感…」

 

えりか「それより二人も一緒に遊ぼうよ」

 

ぐぬぬ、ゆうこの怪しい顔が出てきたみたい。ていうかあれはただの企みの顔でしょ!?

 

ゆうこ「ねぇいつきちゃん、ここは一つ私にいい考えがあるの」

 

いつき「さっきから伝わるこのオーラは何だろう…?」

 

ひめ「見てられないよぉ~…」

 

恐る恐る満面の笑みを浮かべながらいつきに急接近していくゆうこ。早く止めないと~!

 

ひめ「考え直してよゆうこ!別に無理矢理じゃなくてもいいのにぃ!」

 

ゆうこ「…私を引き止めたら二度とご馳走をあげないからね」

 

ひめ「いやじゃ~!!」

 

えりか「これはもう対処法ないっすねー」

 

いつき「えりかもなんでそんな涼しそうな顔を!?」

 

ゆうこ「も~っとかわいくなりましょうね~」

 

いつき「ちょっと待って、まだ何も―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~しばらくお待ちください~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうこ「じゃーん、こんな感じに仕上げてみました!」

 

えりか「おー!ナイス!」

 

ひめ「ゆうこがやろうとしてたのはこういうことだったのね…」

 

誠司「遅くなって悪いな―――ってどうしたんだ?」

 

いつき「ちょっと色々あってさ…」

 

しばらくして色々と複雑な出来事によりいつきがより一層かわいくなった。いやーゆうこは強敵でしたねー。

 

ゆうこ「ほら、鏡を見て」

 

いつき「どれ、えぇ!?これが僕…?まるで別人みたいだ…」

 

ゆうこ「女の子はね、幸せそうな顔だけじゃなくてオシャレやメイクでここまで変わることができるのよ」

 

えりか「どうしてこうもできるの?」

 

ゆうこ「その答えは沢山美味しそうにご飯を食べているからなんだよ。栄養やタンパク質、あとカルシウムにビタミンを摂取して栄養が満点だからこそやれるんだ」

 

ひめ「さっすがゆうこ~!完全に負けたよ!」

 

いつき「ビックリしたなぁ。てっきり襲われるかと勘違いして」

 

えりか「そこまでせんぞ」

 

誠司「しかし大森もいいところあるじゃないか。結構見直したぜ」

 

ゆうこ「相良君に言われると嬉しい…」

 

ご飯を作って食べてる人間だからこその愛情表現ってやつかな。きっとめぐみに聞かせたらビックリするね。

 

えりか「よかったじゃんいつき、これでもっと女の子らしくなれて」

 

いつき「まだまだ努力が必要かもしれないけど、頑張るよ」

 

ゆうこ「私といつきちゃんは相性バッチリよ」

 

ひめ「てか自分で言う普通?」

 

誠司「いいんじゃね?」

 

ひめ「まぁいいか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~夕方~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方になったので私達はもう帰ることにした。いつきもかなり喜んでいたようでとても清々しい気分だったような。

 

ひめ「めぐみ、早く元気になるといいね」

 

誠司「それは俺らだって一緒さ。な?」

 

ゆうこ「元気になったらまたご飯食べさせたいよ」

 

心配するように気にしている誠司とゆうこもいたって自然だ。でも一つ気になることがある。

 

ゆうこ「相良君、また明日わからないところあったら教えてあげるね」

 

誠司「大丈夫だって、そこまでわかんないとこないし」

 

私は二人の後ろから歩いてるけど、妙に仲がいいことに気づく…。



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第174話 言いたいこと

ひめ「ちーっす、調子はどうなの?」

 

めぐみ「わざわざ来てくれてありがとう…。まだ熱は下がりそうにないんだ…」

 

急な高熱でしばらく学校を休まざるをえなくなった私の見舞いにひめがやってきた。勿論しっかりマスクをして私の部屋に入っている。

 

めぐみ「ところでもう時期試験でしょ?やっぱり私は受けられないよね」

 

ひめ「当たり前よ、めぐみだけは後日なんだから」

 

めぐみ「そうでしょうね…残念」

 

やはり無謀なことをやらない方がよかったのだろうか。熱が出た理由は多分この前夜まで誠司と一緒にランニングをやったからだと思う。あの時は体力作りをしたいという私の理由だったけど、それがあだとなったのかな…?

 

ひめ「でもさ、めぐみが試験終わったら例の件をやろうね」

 

めぐみ「例の件?あぁ、あれね」

 

ひめ「そう。みんなでお泊り会~!」

 

私達が試験終えたらやる恒例の行事。今度はつぼみ達も誘いたいと思っている。

 

めぐみ「その時に私、みんなに料理振る舞いたいの。勿論ゆうゆうと一緒にね」

 

ひめ「ゆうこ一人だけいいとこ見せるわけにはねぇ。めぐみもお手伝いすればきっとゆうこも喜ぶよ」

 

めぐみ「やっぱりゆうゆうは料理が得意だし、それに―――……」

 

ひめ「…めぐみ?」

 

一瞬言葉が止まる。大親友の一人であるゆうゆうのいいところを言おうとしたけど、なぜかこの後の言葉が出なくなる。

 

めぐみ「それに…友達思いな部分もいい…よね」

 

ひめ「めぐみ」

 

めぐみ「どうしたの?」

 

ひめ「やっぱりめぐみもそう思ったよね、実は私もなの」

 

私の言葉の後に便乗するようにひめが気不味い顔で論しだす。どうやら考えていることは共通のようだった。

 

めぐみ「……ゆうゆうってさ、最近誠司と仲がいいよね」

 

ひめ「ぶっちゃけ、細かいところ私は何もしらないよ。二人に何があったのかすらね」

 

めぐみ「悪いようには言いたくないけど…、なんかちょっと馴れ馴れしいかも…」

 

友達には絶対言わない発言、今の私に感じるのはこの言葉だった。そして心も少し悲しい。

 

めぐみ「仲良くするのは悪いことじゃないよ?でもあまりにも見せつけているような感じで…」

 

ひめ「一体どうなったかが気になるし、何も好きでこういうことをやっているわけじゃないでしょ?」

 

めぐみ「そこはそうだけどさ。私はただなぜそこまでやるのかが気になるの」

 

ひめ「じゃあめぐみ、もし神様が他の女性と仲良くなっていたらどうする?」

 

今度はブルーを例として話すひめ。認めたくない例えだけど、もしものことが起きた時を考えれば有り得なくないと思う。

 

ひめ「めぐみはどっちが大事なの?神様なのか誠司なのか」

 

めぐみ「それを言われるとなぁ…。正直私には選べないよ。だってどっちも大切な存在だから」

 

ひめ「どちらか一つって決められたら?」

 

めぐみ「ごめん、選べない…」

 

ひめ「もうじれったいわね、私なら神様を選ぶわ。だってその名の通りだし」

 

めぐみ「そ、そうなんだね…」

 

ひめ「微妙に男気の足りない誠司より数百倍マシでしょ?私だったら断然神様が大事よ」

 

自分にとっての大事なものを選択するというのがとても答えられそうにないのは事実。私は色々なことが全部大切なんだと認識しているのだから。

 

めぐみ「私、みんなが集合した時にゆうゆうと話がしたい」

 

ひめ「なるほど、めぐみの気持ちを伝えたいってことね」

 

私自身の潔さをもっと上手に使いたい、ましてや中途半端で終わること自体そのものがとても遺憾だ。

 

めぐみ「人ってよくわからないね」

 

ひめ「同じ動物としては知能あるからね。でもそれ故の素養っていうものだってあるんだから」

 

めぐみ「ここまで真剣に話すのってなかなかないかもね。結構頭使うじゃない?」

 

ひめ「正論だねそれ。難しいことも頭に入れなきゃならないから余計面倒じゃん」

 

だからこその人だ。長い人生悩まされる部分は多い。けど自分達の長所を活かせば案外楽ではないかと感じる。存外複雑な理由も多いかったりもするからどうしても戸惑ってしまうという。

 

めぐみ「だから……。ゆうゆうの本当の気持ちを聞きたい、なぜそこまで誠司と一緒にいたいのかを」

 

ひめ「時期に訪れるよ、その時がね」

 

この後、私とひめは夜になるまでひたすら自分の思ったことを話し合った。どのようにハッキリしたのかをじっくりと考え込んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数週間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ「やっと終わった~!」

 

ひめ「結局めぐみだけは追試扱いだったね」

 

ゆうこ「でもめぐみちゃんが元気になってよかったね」

 

いおな「成績や単位は多分上がるんじゃないかしら。これでもう一安心ね」

 

私の追試試験が終わり、心も大分解消された気分で一杯だった。なお、ひめ達が受けた試験から数日後のことだから相当ブランクが空いたと言える。

 

誠司「よかったなめぐみ。無事に終わって」

 

めぐみ「みんなにはかなりお騒がせしちゃったみたいだね、本当にごめんね」

 

いおな「いいのよ、そんなに頭下げなくても」

 

達成感と共に誠司が私を労ってくれた。しかし随分と待たせたことも気になってつい頭を下げてしまう。

 

ひめ「じゃあめぐみ、そろそろ言ってあげなよ」

 

ゆうこ「何のこと?」

 

ひめのタイミングで、私は三人にあることを教え始める。

 

めぐみ「ごほん。実はね、今週の休みの日にみんなでお泊り会したいって思うの」

 

いおな「いいじゃない、私は喜んでいいわよ」

 

めぐみ「でもね、今回はつぼみ達も誘う予定なんだ」

 

誠司「お、それはいい提案じゃないか」

 

ゆうこ「人数多い方が盛り上がるよね」

 

予想以上の反応を見せてくれたみたいでホッとする私。ずっと決めていたことがこうして実現できるのは凄く微笑ましい。

 

ひめ「流石に人数多そうだから私の家でやろうよ」

 

誠司「ひめの家なら広いし部屋も沢山あるから問題ないかもな」

 

めぐみ「誠司、一つ聞きたいけどさ」

 

誠司「どうした?」

 

めぐみ「もしかして、誠司も来る…の?」

 

誠司「なぜ俺から離れるんだ…。俺だけ一人っきりパターンかこれは」

 

いおな「聞かれたらそうね。私達だけ楽しんでも味気ないわね。折角だから相良君も誘えばどうかしら」

 

ここで重大な事実を思い出し、うっかり誠司から距離を取ってしまう。だがいおなちゃんが提案してくれたおかげで距離を戻した。

 

ゆうこ「ここはいてくれなきゃ楽しくならないよ。ね、相良君?」

 

誠司「ビックリさせるなよマジで…」

 

ちょっぴり誠司が可哀想に思えてきた。更に本人は結構訝しむ顔をしていた。

 

めぐみ「とにかく、まずはつぼみ達にも声をかけるところから開始ね」

 

いおな「了解、上手く誘ってみるわね」

 

ゆうこ「私も手伝うよ、一人じゃ大変でしょ?」

 

誠司「俺も声かけるさ。無茶したら大変だからな」

 

いおな「無茶なんかしないわよ~。ていうか無理難題なんか押しつけないし」

 

こうして私達はつぼみ達にお泊り会に誘うところから始まった。手分けして探しては見つけて、すんなりと了解を得ることに成功。しかしゆりさんを探していたいおなちゃんは見つけたものの、別の用件があるという理由で来ることはできないと聞いたので集まった人数はつぼみとえりか、そしていつきの三人という結果となった。合計八人での楽しい夜を過ごすこととなっていてもたってもいられない気分で沢山だった。そして気がつけばもうその時が迎えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数日後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ「みんな揃ってる?」

 

誠司「随分と多くなったな」

 

ゆうこ「大人数でやるなんて初めてね」

 

いおな「ちょっと不思議かも」

 

時刻はもう時期夜になるところ。ここで人数確認をするために一人一人に確認を取っている。

 

つぼみ「わざわざ誘ってくれてありがとうございます。とても嬉しいです」

 

えりか「今日は楽しいパーティーにしよ~!」

 

いつき「最初から盛り上がってるねぇ。でも今日は楽しい夜になりそうだね」

 

ひめ「お~い!そろそろ入っていいよ!」

 

めぐみ「ところで今日はブルーいないよね?」

 

ここでひめが準備を済ませて私達を家に上がらせる。それと同時に私はひめにブルーがいるかどうかを尋ねる。

 

ひめ「神様は相変わらず留守。だから今日は結構はっちゃけることできるよ!」

 

つぼみ「今日も、いないんですね…」

 

ひめ「あ…。そうじゃないよ?帰りが遅いだけで」

 

いおな「そうそう、寝る前には帰ってくるから」

 

つぼみ「よかったぁ…(ホッ)」

 

あ、ヤバイ。つぼみの前で不快なことを喋るのは厳禁だった。次は気をつけないと。だけど安心させたのか胸を撫で下ろしていた。

 

ひめ「へいらっしゃ~い」

 

誠司「魚屋かよ(ププッ)」

 

ひめ「なんで笑うのよ~!」

 

ゆうこ「ほらほら、これを舐めて落ち着こうね(ヒョイ)」

 

ひめ「(モグモグ)うまし~!」

 

めぐみ「ゆうゆうのキャンディがいい薬になってるねこれ…(あはは)」

 

みんながそれぞれで済ませることをして席に座った。まずは夕食を食べるところからだ。

 

めぐみ「今日は私とゆうゆうでご飯作るね」

 

ゆうこ「できるまで自由にしてていいからね」

 

えりか「もうお腹ペコペコっしゅ~」

 

いつき(ところでシプレ達は留守しても大丈夫だったのかな…?)

 

つぼみ(私達だけで楽しんできていいとのことですから、ついお言葉に甘えてしまいましたよ)

 

さて、まずはご飯食べてそれからがお泊り会の醍醐味が始まる。これからが楽しみになってきちゃった♪



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第175話 秘密のお泊り会①

めぐみ「お待たせー」

 

ひめ「すごごご~い!」

 

ゆうこ「今日はとっておきだよ」

 

いおな「スパイスの香りが効いてるわね」

 

今日のメニューは私がゆうゆうにリクエストして作ったパエリア。他にはサラダにローストビーフも作っておいた。

 

つぼみ「貝もエビもいい感じですね」

 

えりか「魚介類沢山でマジ感動っしゅ!」

 

いつき「取り分けなきゃね」

 

誠司「それなら俺がやるわ」

 

食べるためにまずは取り分けなきゃいけない。私は誠司に取り皿を渡して、誠司が懸命に料理を盛りつける。ちなみに分量はきちんと人数分になるように調整しているが、多少は余ってしまう。でもこの時のために事前に買出ししておいてよかったかも。

 

めぐみ「今日はつぼみ達を連れてのお泊り会だけど、元気に盛り上がっていこう!」

 

ひめ「早く食べよーよ」

 

ゆうこ「わかってるよ。それじゃあ―――」

 

 

 

一同「「「いただきます!」」」

 

 

 

ゆうゆうの合図でみんなで食べ始める。それと同時にひめとえりかが同時にパエリアにダイブするように一斉に頬張る。口の周りに米粒がついても気にせずに食べ続ける。

 

いおな「ちょっと行儀悪いわよ?」

 

ひめ「うっま~い!」

 

いおな「って全然聞いてないし…」

 

誠司「確かに美味いよなこれ。とてもスパイスが効いてるし」

 

めぐみ「それほどでも、あはは」

 

個人的には我ながらよくできた方だと思うが、どうやら全員に好評のようだ。一応ゆうゆうに炊き加減などを再確認しておいた甲斐があってよかった。

 

つぼみ「お焦げもサクサクですね」

 

いつき「僕はこんな感じがいいかな」

 

えりか「ビーフや、マジで美味やんけ!」

 

つぼみ「えりかも行儀悪いですよ?」

 

ゆうこ「一杯あるから遠慮しないでね」

 

わいわいと盛り上がりながら食べていると、ここでいおなちゃんがあることを提案した。

 

いおな「ねぇ、食べ終わったらみんなで何かしない?」

 

ひめ「何するの?」

 

めぐみ「ここまで来たならトランプじゃない?」

 

えりか「ここは恋話~!」

 

つぼみ&めぐみ「「えぇ~~!?」」

 

やだ私…!何を意識しちゃって…っていうか唐突すぎるんですけどぉ~!?

 

いつき「あまりからかっちゃダメだよ。ほら、つぼみの顔を見てよ」

 

ゆうこ「相当赤っ恥かいてるね…(あはは)」

 

つぼみ「…そうじゃないんです、決して…」

 

みんなの反応に対して、つぼみは静かに俯く。これは流石にヤバイと感じるけどね…。

 

誠司「別に自分の好きなことを順番に言い合う方がいいんじゃね?」

 

ゆうこ「相良君、(ゴニョゴニョ)」

 

誠司「…お前、何を…!」

 

めぐみ「どうしたの?」

 

ゆうこ「何でもないよ?」

 

ひめ「あ~や~し~」

 

えりか「ここは武勇伝でも―――」

 

いおな「却下」

 

えりか「ですよねー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ「ねぇゆうゆう」

 

ゆうこ「どうしたのめぐみちゃん?」

 

夕食を食べ終え、私とゆうゆうが食器の後片付けをしている時に私はゆうゆうに尋ねた。

 

めぐみ「一つ聞きたいことがあるんだけど、いい?」

 

ゆうこ「私は構わないよ」

 

めぐみ「じゃあ…」

 

一度深呼吸し、喋る言葉を整理する。それからゆうゆうにハッキリと告げる。

 

めぐみ「ゆうゆうって誠司のことどう思っているの?」

 

ゆうこ「どう思っているかって?それは勿論頼りになる幼馴染だね」

 

めぐみ「私は今のゆうゆうが思っていることとは全然そうは感じない」

 

ゆうこ「え…?」

 

割と真剣な表情で次々と言葉を告げ、少し追い詰めようとしていた。

 

めぐみ「ちょっと誠司を独り占めしてない?」

 

ゆうこ「人聞きの悪い話っぽいねそれ」

 

めぐみ「悪くない、もしかして私に何か隠してない…?」

 

ゆうこ「……隠し事なんかしていない」

 

めぐみ「嘘つかないで」

 

徐々に目の敵をするような態度を取ってしまう私。でもこれだけはちゃんとしてほしいと決めていたことだ。ゆうゆうには悪いけど、今の私は本気だ。

 

ゆうこ「私はいつでも正直、友達に嘘なんか言わない。それが私の本心」

 

めぐみ「その態度がムカつくのっ!」

 

ゆうこ「めぐみちゃん……?」

 

めぐみ「私の知ってるゆうゆうはいつでもどこでも自分の気持ちをきちんと伝える優しい存在、でも現状はちっともそうには感じれない」

 

今までこんなことを言ったことがない。私の大切な友達の一人をここまで一方的に攻めるなんて……バカらしく思える。

 

ゆうこ「私だって、譲れない気持ちぐらいあるの…!」

 

めぐみ「え…?」

 

ゆうこ「めぐみちゃんが意識していることは、私も一緒。だから、私もめぐみちゃんと同じ気持ちなのよ…!」

 

めぐみ「でもその気持ちは私が最初に生んだもの…だから」

 

お互いに涙目になりそうな程の対抗。するとここで誠司が台所へとやってきた。

 

誠司「お前ら、何してるんだ?」

 

ゆうこ「相良君…」

 

めぐみ「あ…」

 

誠司がやってきたと同時に、ゆうゆうが真っ先に誠司の元へ寄り添った。この状況をあまり理解できない誠司が首を傾げてしまう。

 

誠司「つかなんで泣きそうな顔してんだよ、何かあったのか?」

 

めぐみ「やっぱり、そういうことだったんだ……」

 

ゆうこ「違うの、だから―――」

 

めぐみ「…もういいよっ!!」

 

誠司「おいめぐみ!どこ行くんだよ!?」

 

ゆうこ「私、めぐみちゃんを怒らせちゃった…」

 

誠司「あとは俺が―――あ…」

 

ゆうこ「めぐみちゃんには気にかけないって約束、したよね?」

 

誠司(済まない、めぐみ…)

 

見るに耐えない状況に、私は思わず叫び声を上げて部屋へと入ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時、初めて親友に裏切られた感じになってしまう。今日にとって、私の一番の辛い出来事へと誘ってしまったのだ。



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第176話 秘密のお泊り会②

つぼみ「みなさんそろそろあれ始めましょうか」

 

えりか「いいよ、もう待ってられないよ」

 

いつき「じゃあ開始だね」

 

ひめ「乙女の秘密のお話タ~イム!」

 

ひめの合図でみんなで盛り上がるこの空気、とても興奮しますね。あとはめぐみ達を待つだけですね。

 

ゆうこ「ごめ~ん、遅くなっちゃった」

 

ひめ「めぐみは?」

 

誠司「…少し疲れたから部屋で休んでいるそうだ」

 

珍しいですね、いつもならすぐに来るめぐみが今来てないなんて。一体どうしたんでしょうか?

 

ゆうこ「…まぁとにかく始めましょうよ」

 

いおな(ゆうこ、何か焦ってないかしら…?)

 

ちょっとだけ罪悪感のある表情をするゆうこ、やはり問題でもあったのでは…。

 

誠司「俺風呂入るからみんなで楽しくやっててくれよ」

 

ひめ「タオルとか用意しておかないとね。私出してあげるよ」

 

いおな「うっかり覗いたらダメよ?」

 

ひめ「へーきへーき」

 

いつき「まぁいいか」

 

ひめは誠司君にタオルを用意するために一度席を外します。いつまでもボーっとするのも勿体ないので早速始めます。

 

つぼみ「私からでいいんですね…?」

 

いおな「遠慮しなくてもいいわよ」

 

ゆうこ「とびきりいい特ダネをお願いね」

 

つぼみ「はい、では行きますね。私はブルーさんのことがとても気になります」

 

えりか「ここまでは全員わかるよね。それでどこが気に入ったの?」

 

トップバッターは私になり、ブルーさんのいいところを話します。でも言われてみればあの人のいいところって、まずは背が高いし優しいし。それから…、

 

つぼみ「……えっと、心が打たれる雰囲気だから…です(///)」

 

一同「「「なるほど」」」

 

ってそんなんでいいんですか私っ!?あまりにも表現し難いことを教えても何のメリットなんかないのに、でもそれはある意味間違いではないのでは?

 

いつき「意外に人を見るんだね、凄いよつぼみは」

 

つぼみ「それ程でもありませんけど…」

 

いおな「ビックリしたわ。神様ってあんなイメージだったとは」

 

ゆうこ「そこまで意識してないと本人は思うけどね…」

 

えりか「大丈夫、みんな共感してるから(笑)」

 

つぼみ「最後の(笑)はいらないですよえりか…」

 

ちょっとだけ注意力が散漫したじゃないですか、えりかの意地悪。

 

いつき「次は僕が言うよ。実は、最近あることを意識するようになったんだ」

 

いおな「あること?」

 

そういえばいつきがそんなことを言うのってほぼ初耳ですね、どんなことなんでしょう?

 

いつき「それは、女子力……なんだ」

 

えりか「えぇ!?今更かよ!?」

 

ゆうこ「そこについては私が説明するね。ここ数日間でもっと女の子らしい雰囲気にできないのかっていつきちゃんが悩んでいたの」

 

つぼみ「でもいつもなら完璧なはずなのに」

 

いつき「その気持ちは変わらないよ。でもね、将来を考えると改めないといけないことだってあるよ。例えば心とかね」

 

それは所謂大人の女性になるための準備というべきですかね?

 

いおな「誰だってそれを考えるわ。別に例外じゃないし」

 

えりか「いつきはありのままの自分でいれば十分。でしょ?」

 

いつき「ここ数日間で感じたのが自分らしさでありたいということかな。確かに例外じゃない話だけど地味なことでも一生懸命になるのも日々の努力かも」

 

そのためには色々と試行錯誤する必要があるようですが、いつきにはもっと研鑽の余地があるのかもしれません。

 

いおな「いい話が聞けたわ、とてもよかった」

 

えりか「次私~!」

 

ここでえりかの出番がやってきました。どうせ碌なことじゃないのは目に見えてますけどね…。

 

えりか「私、将来資格を取りたいと思っているの」

 

ゆうこ「何の資格?」

 

えりか「勿論ファッションコーディネーターよ。そのためにまずは勉強して資格取らなきゃ意味ないの」

 

言われてみれば納得する内容ですね、でもその仕事は結構大変なイメージだと私は感じるんですが、どうでしょう?

 

いおな「えりかって確かお姉さんいるのよね?」

 

つぼみ「そうですよ。ゆりさんの親友ですからね」

 

いおな「私この前ゆりさんから聞いたの。凄く美人ですって」

 

ゆうこ「今度会ってみたいな~」

 

えりか「まぁ貧相な私とは大違いだけど。ともかく私はいつか資格を手に入れたいの。もっとファッションのことを学ばなきゃ生きていけんのだ!」

 

つぼみ「余計暑苦しく見えますねこれ…」

 

でもえりかの好きな分野ですし、精一杯応援しますからね。

 

ゆうこ「結構盛り上がってますな~」

 

いおな「私達も何か言わないと」

 

つぼみ(こうしているとなんだか時の流れを忘れますね。でもそれにしても、めぐみは大丈夫でしょうか…?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~同時刻~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誠司「ふぅ…」

 

ひめ「ほい、コーラだけどいい?」

 

誠司「いいよ別に」

 

風呂から上がった誠司にコーラを渡し、そのまま一緒にソファーに座る。その直後、私は誠司にあることを尋ねた。

 

ひめ「ねぇ誠司。一つ聞いていい?」

 

誠司「どうしたんだ?」

 

ひめ「さっき、めぐみとゆうこ……何してたの?」

 

誠司「俺も途中から来たからよくわかんねぇが、少なくとも言い争いになったに違いはないな」

 

ひめ「普段あんなに仲がよかった二人なのに、なぜ…」

 

虚しい口調で答える誠司に対して少し身体がグッタリしてしまう。

 

ひめ「あのさ、最近ゆうこに変わったことないの?」

 

誠司「特にないけどさ、でも……」

 

ひめ「誠司…?」

 

今度は喋ろうとした言葉すら止まるようになった誠司。何かわけがあるのかな。

 

誠司「ひめ、ちょっと耳貸してくれないか」

 

ひめ「いいけど」

 

誠司「実はな―――」

 

ひめ「それってかなり強引ね。でもゆうこがあんなに真剣になるなんて見たこともない」

 

誠司「このことは誰にも言うなって言われてる。でもお前だったらわかってくれるんじゃないかって」

 

結構焦りが生じている誠司の心がよくわかる。だけど友達を騙すなんてゆうこらしくないと思う。

 

誠司「当然めぐみにも言わないでおけ」

 

ひめ「わかっている。このタイミングで教えたら確実に二人は絶交してしまうよ。どうにか仲直りさせたいよ」

 

誠司「それと大森が隠し事なんてできそうにないイメージだがな」

 

ひめ「あとは私に任せて。めぐみのことはね」

 

誠司「済まんなひめ、お前に任せて」

 

誠司が申し訳なさそうな表情で何度も私に頭を下げる。少なくともこれは誠司とゆうこの問題でもあるし、めぐみの問題でもあるから。

 

ひめ「今日はもう疲れたでしょ?ゆっくり休んで」

 

誠司「そうだな、じゃあそうするわ」

 

ひめ「身体には気をつけてね(チュ)」

 

通り過ぎる前に誠司の頬に軽くキスする。

 

誠司「い、今のはなんだよ…」

 

ひめ「いつもお世話になっているお礼。みんながいないからできたのよ、こんなの恥ずかしくてできないわよ…(///)」

 

でもこんなの見られたら間違いなくヤバイんだからぁ~!!

 

誠司「まぁいいか。じゃあおやすみ」

 

ひめ「おやすみ誠司」

 

部屋に入る誠司に軽く手を振る。結局ゆうこが最近馴れ馴れしかったのはこのためだったとはね、一本取られたわ。

 

ひめ(めぐみ、元気出してくれるかな…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「面白かったですね、また今度やりましょうね」

 

えりか「いい話聞けて満足ですたい」

 

いつき「もう遅いし寝ようか」

 

ゆうこ「ひめちゃん来れなかったね」

 

いおな「どうしたのかしら?」

 

よくよく思い出せばあとで来ると言ったひめが結局戻ってくることはありませんでした。ちょっと残念です。

 

つぼみ(めぐみ…)

 

いつき「つぼみ?」

 

つぼみ「いえ、なんでもないです。そろそろ寝ましょうよ」

 

えりか「私つぼみと同じ部屋ね」

 

いつき「僕はここでいいよ」

 

ゆうこ「ひめちゃんの家には沢山部屋あるからね。困らないよ」

 

いおな「私ももう寝るけど、ゆうこはまだ起きてるの?」

 

ゆうこ「もう少しだけね」

 

ここで私達はそれぞれの部屋に戻り、寝ることにしました。一方ゆうこはまだ寝る様子ではなかったみたいです。

 

えりか「つぼみ、今日は一緒に……したい(ヒソヒソ)」

 

つぼみ「もうえりかったら、しょうがないですね」

 

いおな「まるで夫婦みたいね…(あはは)」

 

とにかくもう遅いし、夜更かしなんてできませんよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~同時刻~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひめ「めぐみ、入るよ(コン、コン)」

 

めぐみ「…ひめ?」

 

誠司との会話のあと、私はめぐみのいる部屋へと入った。どうやらめぐみは相当やつれた顔をしているみたいだった。

 

ひめ「何かあったの?もしよかったら私が相談相手になるからさ」

 

当然誠司からは知らないふりでいてほしいとのことだからあえてこういう口ぶりで聞いている。

 

めぐみ「私、ゆうゆうに裏切られた…」

 

ひめ「裏切られた?」

 

めぐみ「必死で言ってるのに何もないって誤魔化すの。絶対に隠し事をしていた、それを言わないなんて……っっ!」

 

ひめ「でもゆうこなりの気持ちはあったんじゃないかな。めぐみを誤解するようには見えないよ」

 

きっとどこかで行き違いがあったような気がする。そうめぐみは捉えていたんだろうか?

 

めぐみ「ありがとうひめ。気持ちだけは受け取るよ。でももういいの、一度信用が失われたら修復が難しいから…」

 

ひめ「私、もう寝るね」

 

めぐみ「わかった。おやすみ……」

 

そしてそのまま気を失うかのようにめぐみは眠りについた。正直こんなにわだかまりを持つなんてめぐみにしてはらしくないのかも。

 

ひめ(心配かも…)

 

ブルー「おや?ひめ、どうしたの?」

 

ひめ「神様…」

 

リボン「とても暗い顔ですわ」

 

ここで遅くまで留守にしていた神様とリボンが戻ってきた。自分の顔を一度鏡で見ると、若干目の下に隈ができていた。

 

ひめ「あ…」

 

ブルー「疲れてるみたいだね。もう寝た方がいいよ」

 

ひめ「そうするよ。おやすみ神様、リボン」

 

ブルー「リボンも寝なよ、今日はもう遅いし」

 

リボン「わかりましたわ、おやすみなさい」

 

これでよかったのかな…?あまり悩みが解消できなかったけど、このまま関係が悪化しなきゃいいのに。そんな一日をジワジワと経験した私にとってはかなり遺憾だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誠司「うぅ……眠れないな…」

 

ゆうこ「相良君(ヒソヒソ)」

 

誠司「うわぁ!?」

 

ゆうこ「静かにして。みんなが起きちゃうでしょ?」

 

誠司「なんでお前が俺のところに…」

 

ゆうこ「私も眠れないから、相良君とその―――したいの」



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第177話 秘密のお泊り会③

今回は官能小説っぽい内容となっています。


誠司「したいって、お前…」

 

ゆうこ「うん。やっとこうやって二人の時間ができたんだもの、だから…私の身体で刻みたい」

 

彼女が何を伝えたいのかよくわからない、そう思ってしまう。今この時間が彼女にとってとても幸せな時間なのであれば、それは紛れもない好意かもしれない。きっと心の中では嬉しいと感じているだろう。

 

誠司「俺でよければ……いいぜ」

 

ゆうこ「ありがとう、私は凄く嬉しい」

 

誠司「あまりそんな目で見ないでくれよ、恥ずかしいじゃないか…」

 

ゆうこ「今でもドキドキする。こうして相良君の近くにいると、とても落ち着く」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、二人は今果実を実らせるかのように純愛の一時を過ごすこととなる…。

 

誠司「大森、案外上手だな」

 

ゆうこ「これでも女子の魅力を学んでいるからね」

 

周りの気配を気にすることもなく、二人はキスを繰り返す。それと同時に互いの大事な部分も気持ちよく感じる。

 

ゆうこ「相良君、私からやってもいい…?」

 

誠司「お前のペースでいいぞ。だから、ゆっくりでいいからな」

 

ゆうこ「じゃあそうするね…。ん…」

 

次は誠司がベットで仰向きになり、ゆうこが上に乗るようにして再びキスをする。口の中に舌を交えながらもひたすら繰り返した。

 

誠司「ちょっと息継ぎができない、少し空気を吸いたい」

 

ゆうこ「うん。それじゃあ次は相良君のここを弄りながらやりたいの…」

 

誠司「異性に触られるのってちょっとモヤモヤするがな…」

 

ゆうこ「いいでしょ…?」

 

ゆうこの頼みに少しだけ拒んでしまう誠司だが、ゆうこの上目遣いに負けてしまい仕方なく了解を得る羽目になった。

 

誠司「続き頼むわ」

 

ゆうこ「いいよ、それじゃ―――」

 

彼女が頷いた直後、そのまま再開した。どうやら誠司はちょっとだけおねだりというものが不得意だったりするが、ゆうこにはそうも思っていなかった。

 

ゆうこ「……ん、んん……」

 

誠司(大森の舌が俺の舌と交わっている、段々力が抜けていく…)

 

ゆうこ(相良君のここ……触れるだけでも気持ちいい。何でだろう、とても不思議な感じで…)

 

彼女に触れられている部分に思わず身体を振るわせる誠司と、誠司の敏感な部分に触れてドキドキするゆうこは共に快楽を少し味わっていた。既に互いに下着姿のため、余計に感じやすくなっていたようだ。

 

ゆうこ「どう…?気持ちいい…?」

 

誠司「ぎこちない動きが…余計に…」

 

ゆうこ「あ……相良君のここ、大きくなってる。それに先端が濡れてる……」

 

誠司「わ、悪い…」

 

誠司から一度降りようとしたゆうこが後ろに下がろうとすると、彼女のお尻に何かが当たった。それに気づいてすぐに確認すると、今の現状となっていた。

 

誠司「男ってこういうのに興奮しちゃうから、しゃあないんだよ…」

 

ゆうこ「そしたら……私がもっと気持ちよくしてあげるね…」

 

ゆうこがそう答えると、すぐに降りて誠司のところをゆっくりと触れた。脈打っていて熱を感じるため、彼女にとって興奮する欲望が高まっていた。

 

誠司「ゆっくりでいいからな…」

 

ゆうこ「大丈夫、あまり激しくしないから。ここをこうやって―――あ、結構ビンビンじゃない。余程私を求めたかったのね…」

 

まずは脱がさずにそのまま先端を少しずつクルクルと回す。その時誠司はちょっと感じるように震わせてしまった。

 

誠司「お前って彼氏できたらずっとやりたかったのか?」

 

ゆうこ「当たり前じゃない。恋人としての愛だからね…」

 

誠司「愛、ねぇ。お前の気持ちは間違いだと思っていないぜ」

 

ゆうこ「でも私ね、本当なら相良君にはめぐみちゃんがお似合いだと思うの。でもそれを私が奪ってしまった。だから責めて私が身体で感じて解消させたいの」

 

実際なら誠司にはめぐみがついている。彼が片思いしている人は今は別の人へ好意を寄せている。だから今の彼は一方的な片思いでしかないのだと誤解されることに。そこへゆうこがめぐみの心が少しでも変わるのではないかと悟り、誠司に好意を寄せ始めたというのだ。だが彼自身はかなり申し訳ない感情を抱きめぐみに現状の気持ちを伝えたいと決心したものの、ゆうこに止められざるを得ない状況へと陥った限りである。

 

誠司「もしめぐみが戻ってきたら…」

 

ゆうこ「そこはまだわからない、でもきっとだよ」

 

誠司「だけど俺…」

 

ゆうこ「その話は今日はおしまい。じゃあ続きするね…」

 

すっかり話をしていたら誠司のところが徐々に収まり始めようとする。ゆうこは尽かさず元に戻すように全体を触りだす。その直後、元に戻って再び触れ始める。

 

誠司「その動きがもっといい…」

 

ゆうこ「一度収まった後にすると、更にいいかもね…」

 

誠司「喜んでくれるならそれで―――ってなぜ脱がす!?」

 

ゆうこ「だって…我慢できないんだもん……。いっそのこと、直接触りたい…!」

 

彼女自身が更に感情が高ぶり、誠司の下着を脱がした。そして生で見るものに対して彼女はとても欲を増したのだ。

 

誠司「とうとう見られるとはな…。もういいわ」

 

ゆうこ「そんな言い方しないの、潔く私で気持ちよくなって……」

 

無我夢中になりつつ、誠司のところを再び触れるゆうこ。しかも先端が凄く濡れているので感触ですら虜になってしまう。

 

誠司「ヤバイ…。どんどん滑らかに…」

 

ゆうこ「いいよこの感触、私は大好き…(はぁ、はぁ)」

 

既に震えている誠司を見て興味津々なるゆうこは更に動きを早める。次は右手全部を使って擦り出した。

 

誠司「ちょっ大森…!もう…!」

 

ゆうこ「ビクビクしてるね、我慢しなくてもいいよ……」

 

その直後、誠司のものが絶項に達しゆうこの胸元へと吐き出された。

 

ゆうこ「きゃ…!?」

 

彼女の胸元に吐き出されたものを見て誠司は少し頭を下げた。

 

誠司「すまん、暴発した……」

 

ゆうこ「これが相良君の……」

 

飛び散った液体をゆうこがマジマジと見つめ、一口舐めた。すると、

 

ゆうこ「我慢させたから、ちょっと美味しい…」

 

誠司「バカかお前、それを口にするもんじゃないぞ…。普通は不味いし」

 

もの凄く美味しそうな顔をしてちょっとだけ微笑んだ。その思考に誠司はさりげなく追いつけなかったが。

 

誠司「っていうか、まだ収まってないし」

 

ゆうこ「だったらもう一度やるね…」

 

誠司(このまま続くのか、こんなことは)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~同時刻~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「えりか、もうイきそうですか…?」

 

えりか「はぁ…はぁ…!もっと、もっときて…!」

 

つぼみ「じゃあ気持ちよくなってください…」

 

えりか「あぁあああ~~…!!」

 

つぼみ「かわいい顔ですね、えりか」

 

えりか「今度は…一緒に、ね…?」

 

つぼみ(今頃みんなも、やっているんじゃないですかね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~リビング~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ「ごめんねブルー、ここに呼び出して…」

 

ブルー「いいよ、今は君が困ってる顔なんて見たくない」

 

めぐみ「私…どうすれば…あぁっ…!」

 

ブルー「だから今は、めぐみの悲しみを僕が受け止めるよ…」

 

めぐみ「ブルー……!キス、して…」

 

ブルー「君が望むなら…。もう限界だ…」

 

めぐみ「きて、私の不安をブルーのでかき消して…!」

 

ブルー「今度は自分の力で切り開くんだよ。迷っても前に進むんだ…」

 

めぐみ「ブルー…!」

 

ブルー「めぐみ…」

 

めぐみ「あぁああっ!!」

 

ブルー「これで気持ちは落ち着けた?」

 

めぐみ「ありがとうブルー…」

 

めぐみ(このままじゃダメなんだ。私、ちゃんとやらないと…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうこ「もう一回出そう?」

 

誠司「あぁ。あまりにも気持ちよくて…」

 

二度目の限界が近づいた誠司にゆうこが積極的に尋ねる。まだまだ自分の欲を抑える予知もなさそうだ。

 

誠司「う…」

 

ゆうこ「さっき出したのに、まだ勢いあるね…」

 

誠司「すまんな大森」

 

ゆうこ「もう…私の胸に沢山ついてる。相良君って本当に男の子って感じだわ」

 

二度目の絶項にも関わらずまだ誠司のものが活き活きしている。ゆうこは飛び散って胸元についた液体をもう一度舐め、ついたものは拭き取らずにそのまま放置した。

 

誠司「お前も気持ちよくなってんのか?」

 

ゆうこ「当たり前よ、だってもう私の部分はすっかり濡れちゃってるし」

 

誠司「じゃあさ。やりたい時は言ってくれよ。俺も我慢するからさ」

 

ゆうこ「わかった。それまではね」

 

発情しているゆうこの感情を理解する誠司。でも互いに快楽に達する時は早かったのでもう少し辛抱することにした。

 

誠司「まだ収まってない…」

 

ゆうこ「次は手じゃなくて、胸でいい…?」

 

誠司「お前がそうしたいなら…それでもいい」

 

ゆうこ「相良君は本当に素直ね」

 

今度は彼女の胸元で絶項に達しようとやってみる。誠司のものを挟んでゆっくりと動かす。

 

誠司「さっきより断然気持ちいい…」

 

ゆうこ「これでやりたいだなんて思う相良君は変態さんね…」

 

誠司「悪いかよ」

 

ゆうこ「悪くないよ、ただ身体が正直なんだなって思っただけ」

 

恥ずかしそうな顔で答える誠司にゆうこは多少同情する。けれど彼にとってのシチュエーションというものは彼女自身でも想像できる範囲なのかもしれないということだ。

 

ゆうこ(うぅ…逆に私の方が感じる…。こんなに必死でイかせようとしているのに、どうして…?)

 

思わず呻き声を上げそうになるゆうこ。それもずっと彼を快楽にさせるために精一杯やり遂げていることが関係したということになる。

 

誠司「この感じ、すっげぇよ…。すっげぇ気持ちいい…」

 

ゆうこ「よかった…。まだ全然ビクビクしていないけど、熱いし脈も打ってるからそれでいいかも…」

 

満足げに頷きつつもじっくり身体で刻む二人。するとゆうこはある工夫をすることにした。

 

ゆうこ「思ったけど、相良君のこれの下についてるものも触ればいいのね…」

 

誠司「そこは男にとってデリケートだから、慎重にやってほしい…」

 

ゆうこ「大丈夫、私に任せて」

 

誠司のものの下についてる部分をゆっくりと指圧をかけるようにやってみる。痛がらない程度にやり、その次はそれを口の中へ加えた。

 

ゆうこ(段々どこが気持ちいい部分なのかわかってきた、確かここを責めれば更にいいのかな…?)

 

口の中で色々と試し、徐々にコツを掴む。その直後口から出して胸に挟み込んだ。

 

誠司「結構やってんな…」

 

ゆうこ「まぁね。でもこれも悪くないかもね」

 

誠司「でも、今のでまた…」

 

ゆうこ「もう一回、私の胸に…」

 

またまた胸で擦って三度目の絶項に達しようとした。相当動いたゆうこもちょっと疲労が来ている。

 

誠司「大森…!」

 

ゆうこ「あぁ…!」

 

先程の刺激で前より勢いがある。そのまま彼女の胸元に男の液体が飛び散る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうこ「どれだけ出せば気はすむの…?」

 

誠司「んなこと言われても、俺の意思では無理なんだよ…」

 

三回も気持ちよくなっているのにまだ収まりそうにない、そう誠司は思っていた。だがゆうこもなかなか諦めが悪かったりする。

 

ゆうこ「あのさ、もうそろそろ…」

 

誠司「いいんだな?」

 

ゆうこ「うん、私のを相良君ので…」

 

誠司「じゃあ…入れるぞ…」

 

そろそろ心の準備が整ったようなので、誠司はゆうこの濡れている部分に自分のものを入れる。

 

ゆうこ「うぅ…!」

 

誠司「痛むか?」

 

ゆうこ「平気だよこれくらい。だから…」

 

誠司「あぁ。そしたら……動くぞ」

 

ゆうこ「あぁ…あぁ……!」

 

それから二人は気の済むまで快楽を味わい、朝方ギリギリになるまで続いたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誠司「……いつの間に夜明けか」

 

ゆうこ「もう、起きてたの?」

 

二人はすっかりベットで隣になって寝ていた。先に誠司が目を覚まし、それに便乗するようにゆうこも目覚める。

 

誠司「俺、どうすればいいんだろう」

 

ゆうこ「それはもう、自分のままでいればいいと思うわ」

 

誠司「いつか、めぐみに俺の本当の気持ちを伝えたい」

 

ゆうこ「相良君…」

 

誠司「めぐみが振り向いてくれた時に、改めて言うよ」

 

懸命な目でゆうこ告げる誠司。彼はまだ諦めていない精神があるようで、当然時を待てば告げることを決めている。

 

ゆうこ「その時は私、めぐみちゃんに謝るよ。今まで迷惑かけてしまったってね。勿論相良君もだよ?」

 

誠司「わーってるって。けどお前とも一緒にいれてよかったと実感できるんだ」

 

ゆうこ「それって自慢なのかなー?」

 

誠司「うるせぇな…」

 

ゆうこ「けど私も相良君と一緒にいれてよかったよ」

 

互いに喜びの感情を出して笑い合う。そしてそのまま起きて立ち上がった。

 

誠司「さっきので随分と汚れたな。シャワーでも浴びるか」

 

ゆうこ「私も一緒に入る。背中流すから」

 

誠司「みんなに見られたらアウトだぞ、わかってるのか?」

 

ゆうこ「大丈夫だって、心配ご無用」

 

誠司「お前ってやつは」

 

ゆうこ「相良君、ありがとう(ん…)」

 

最後に再び唇を重ね合わせる。誠司やゆうこはそれぞれの気持ちを忘れずに静かにその時を待つことを専念した、これからもずっと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ(あれ…?もう朝だ…。って自分の部屋にいる…。昨日は悪いことを言ってしまった…。ちゃんとゆうゆうに謝ないと―――でも…どうしよう……)



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えりひめアワー 第9回

えりか「ふぇ~…。みなさん、お久しぶりです。しばらくお会いできなくて申し訳ございません…」

 

ひめ「本編に集中していて気がつけば数ヶ月のブランクが空いたようです…」

 

えりか「てなわけで今回も張り切っていこ~!」

 

ひめ「立ち直りが早い気がするけど、お~!」

 

えりか「今回もこの二人が来ていま~す!」

 

ひめ「ワクワクもんだしっ!」

 

みらい「今回も引き続きアシスタントする朝日奈みらいです、ワクワクもんだぁ!」

 

モフルン「モフルンも頑張るモフ」

 

ひめ「モフちゃんかわゆいっしゅね~(なでなで)」

 

みらい「それで今回はどうするんだっけ?」

 

えりか「それがね、今日はチミの連れが来る予定だったけど急用があって来れないそうだね」

 

みらい「全然ワクワクもんじゃないし~…」

 

ひめ「でも今日はその代わりが来ているよ。その子はとっても元気らしいし」

 

モフルン「気になるモフ。あとちょっと甘い匂いするモフ」

 

えりか「じゃあおいで」

 

 

 

いちか「ホイップステップジャ~ンプ!ってぶつかる―――ぐほッ…!!」

 

 

 

ひめ「あーあ、早速セットを壊したよこの人…」

 

みらい「痛そうだね…」

 

えりか「大丈夫…?」

 

モフルン「痛いの痛いの飛んでけモフ~」

 

いちか「も~なんで上手くいかないの!?」

 

ひめ「いきなりダイナミックに来たらそりゃ着地失敗するってばよ」

 

いちか「まぁいっか。あ、申し遅れました。私は宇佐美いちか、今日は臨時で呼ばれてここにやってきました。みんなよろしくね」

 

みらい「いちかちゃん立ち直り早っ!?」

 

えりか「というわけで今回の議題は最近のプリアラについて語ろうと思います」

 

ひめ「いや~もう1クール分やりきるねぇ。まぁキャラも個性的で何よりだよ」

 

みらい「毎回色々なスイーツ作るよね。あそこまでのイメージがまた凄いよ」

 

いちか「あれでも結構苦労しますよぶっちゃけ。でも他のみんながいたからこそできたんです」

 

ひめ「あー今の青ポジの子いるね。今までとは違うギャップだし」

 

みらい「あと大人っぽい二人もいるよね」

 

えりか「黄色ポジも超スイーツオタクじゃん。スイーツは科学ですってマジギネスもんじゃない?」

 

モフルン「みんな個性がありふれているモフ」

 

ひめ「一つ聞きたいけどさ、最近のキラっとひらめいたのポーズが仮面ラ○ダーに似てないっすか?」

 

いちか「それはその…偶然じゃないかな…?」

 

みらい「別に意識はしてないんだね…」

 

えりか「そこは大目に見てやろうよ。多分癖だから」

 

いちか「私案外そういうのに影響されやすいタイプだから、つい」

 

モフルン「こういうのはあって当たり前の時代になってるモフ」

 

みらい「モフルン…それは違うと思うかも…」

 

ひめ「私あの中だといちかちゃんがかわいいなぁ~って感じる」

 

いちか「ありがと~♪ひめちゃんもかわいよぉ~」

 

えりか「おい似非プリンセス、見せつけんなし」

 

みらい「この人意外に口悪いね…」

 

モフルン「気にしたら負けモフ」

 

ひめ「ともかく、それぞれの特有の性格こそが一番だよね」

 

いちか「でしょでしょ?だけどそれだけじゃ魅力としては伝わらないの。もっと自分なりのアピールできれば更にグットだよ」

 

えりか「わかってますな~お嬢さん。結構カリスマ性あるんではないかな?」

 

いちか「いや~そこまででも」

 

みらい「じゃあもっと魅力が伝わる魔法を唱えてあげる」

 

ひめ「それはどんなのかな」

 

いちか「私もおまじないをしてあげる」

 

モフルン「二人とも嬉しそうモフ」

 

みらい「キュアップ・ラパパ」

 

いちか「キラキラキラルン・キラキラルン」

 

みらい&いちか「「笑顔一杯にな~れ」」

 

えりか「おほぉ~!猛烈に感動したっしゅ!」

 

ひめ「鼻水出てるよ、ほらティッシュ」

 

いちか「…あ、キラっとひらめいた!」

 

モフルン「どうしたモフ?何か考えついたモフ?」

 

いちか「それは、ヒ・ミ・ツ」

 

ひめ「どこに行くのかな?」

 

いちか「お待たせ~」

 

えりか「って早っ!」

 

みらい「それは何かな」

 

モフルン「とても甘い匂いモフ。そして美味しそうモフ」

 

いちか「これはね―――ってあれ!?消えたし!?」

 

ひめ「誰かが美味しそうな顔して持ってったよ」

 

えりか「泥棒じゃあ~!これは許すマジ!」

 

みらい「追いかけよう!」

 

いちか「ぐぬぬ~…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「これはまだ彩が足りない気が―――」

 

えりか「遠回りからの通せん坊~!」

 

???「きゃあ!?」

 

みらい「見つけたみたいだね」

 

いちか「こら~!私が作ったスイーツ返しなさい―――ってひまりん?」

 

ひめ「ほえ?知り合いなの?」

 

ひまり「ごめんなさいいちかちゃん…。まだ仕上げができてなくて…」

 

モフルン「とんだ勘違いだったモフ」

 

いちか「でもどうしてひまりんが?」

 

ひまり「本当は私も一緒にやろうとしたんですけど、都合が合わなくて…。でももう終わったのでこっそりやりたかったんです」

 

ひめ「そんなことだったんだ…」

 

いちか「けど今はひまりんがいてくれて嬉しいよ。一緒に仕上げしようよ」

 

ひまり「はい、自信一杯のものにしますね」

 

みらい「これで解決だねぇ」

 

えりか「いいムードのところ申し訳ないが、そろそろ時間がやってきました」

 

ひめ「みなさん、また次回でお会いしましょう。アディオス」

 

いちか「次は絶対にいいスイーツ用意するからね~!ってもう時間な~いっ!」

 

モフルン「続くモフ」



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第177.5話 秘密のお泊り会③(延長戦)

前回の話のめぐみ視点です。


めぐみ(私、どうやって説明できるのか…)

 

ひめが戻って私一人だけになったけど、さっきよりは冷静になれた。でも完全には至っていなかった。

 

ブルー「めぐみ、入るよ」

 

めぐみ「ブルー…?」

 

ブルー「今帰ってきたところだよ。それとひめから聞いたけど、随分と落ち込んでいるようだね」

 

就寝時間ギリギリでブルーが帰ってきて、私のいる部屋へ入り込んだ。そして私の顔をじっと見つめつつ頭を撫でてくれた。

 

めぐみ「ごめん、とても言い出せなくて…」

 

ブルー「事情は聞いたよ。ここは潔く謝るべきじゃないかな」

 

めぐみ「わかってるよ。でも……凄く胸が苦しくて」

 

ブルー「気にしなくていいよ。今自分が伝えたいことをそのまま言えばいいと思う」

 

私の目から垂れる涙をブルーがそっと指で拭き取る。もしこのまま私とゆうゆうでお互いに食い違いがあった場合は間違いなく親友関係の修復が厳しくなるところだった、それだけは断言できるとブルーは悟った。

 

めぐみ「ねぇブルー」

 

ブルー「何か言いたいことはあるの?」

 

めぐみ「えっと、あのね―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ「ん…んっ……ん」

 

ブルー「めぐみは頑張り屋さんだね、すっかり必死になってるし」

 

誰もいないリビングで二人っきりになってキスをしている。ブルーから伝わる温もりが私の心を虜にする。

 

めぐみ「だって…モヤモヤを消したいんだもん…」

 

ブルー「うん、僕も君の悲しい顔なんて見たくもない。だから嫌なことは忘れよう」

 

めぐみ「ブルー…んんっ…!」

 

キスするだけで絶項に達っしてしまいそう。それだけ感じてしまう程の勢いだ。

 

ブルー「めぐみのところ、濡れてる」

 

めぐみ「やっ…気持ちいい……!」

 

ブルー「まだ気持ちよくさせないよ。なる時は一緒にね」

 

機敏に動くブルーの指に一瞬身体が麻痺する。背筋をなぞるように動かされつつ、それから私のところをスッと撫でた。

 

めぐみ「今度は…ブルーを気持ちよくさせるね…」

 

ブルー「いいよ、めぐみのペースでいいから」

 

めぐみ(ブルーのここ、さりげなく温もりが感じる…。本当は誠司としたいけど、今は…)

 

ブルーのところを少し見つめて、それをそのまま咥えた。その瞬間、熱さが頭の中まで到達してきた。

 

めぐみ「ちゅ…んっ……んん」

 

ブルー「案外上手だね」

 

めぐみ「こういうのを知るのも、大人の女性になるための一歩かなって…」

 

ブルー「そ、そうなんだ…。ちょっとビックリしちゃったよ」

 

今さりげなくドン引きされた気がするけど…。

 

めぐみ「じゃあ、続きするね…」

 

ブルー「ゆっくりでいいよ」

 

気を抜いてしまったが、そのまま続きをすることに。少しずつブルーのものを刺激させていき、自分のところを自分で弄り始める。

 

めぐみ「…気持ちいい?」

 

私が聞くとブルーは静かに頷く。余程いいと思っているのかな。

 

ブルー「何事も懸命なめぐみ、僕は嫌いじゃないよ」

 

めぐみ「そう…?あ、そろそろ…」

 

ブルー「最後は一緒に、ね?」

 

めぐみ「…うん」

 

ブルーがそう言うと、私は立ち上がってブルーの方に振り向く。

 

めぐみ「うぅ……」

 

この時、私の頭の中に何かが過ぎった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの時私は幼馴染であるゆうゆうにかっとなってしまった。本当はこんなことを言いたくなかったけど、流石に唖然するレベルだ。でもゆうゆうの気持ちって何だったんだろう?

 

めぐみ『ちょっと誠司を独り占めしてない?』

 

ゆうこ『人聞きの悪い話っぽいねそれ』

 

めぐみ『悪くない、もしかして私に何か隠してない…?』

 

ゆうこ『……隠し事なんかしていない』

 

めぐみ『嘘つかないで』

 

さっきのゆうゆうの表情、とても冷静だった。疑われても動じない程の精神、けれど…。

 

ゆうこ『私はいつでも正直、友達に嘘なんか言わない。それが私の本心』

 

めぐみ『その態度がムカつくのっ!』

 

思わず本気になってしまう。彼女にとっては心の傷を負う羽目になりそうな感じで、自分も虚しさを感じる。

 

ゆうこ『めぐみちゃんが意識していることは、私も一緒。だから、私もめぐみちゃんと同じ気持ちなのよ…!』

 

そう、ゆうゆうも私と気持ちは同じだった。彼女が表現する言葉を素直に受け入れるべきか、それとも…幼馴染だからこその心なのか。この状況を今私なりに整理するとこうなる。

 

 

 

私と誠司は元々くっつくべきこと

 

 

しかし私はブルーに好意を抱く

 

 

それを発覚した誠司は虚しく思う

 

 

でも誠司に対する想いはゆうゆうにもあった

 

 

 

これらの過程は既に実現していること、もはや必然的な展開ということになる。このまま何も解決できないままでは嫌に決まっている。なんとしてもゆうゆうにしっかり気持ちを伝えたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ「ねぇ、改めて言うけどさ…」

 

ブルー「どうしたの?」

 

めぐみ「ごめんねブルー、ここに呼び出して…」

 

ブルー「いいよ、今は君が困ってる顔なんて見たくない」

 

今更ながらブルーに謝る。よく考えれば今いる場所は案外物音が響く、だから誰かが来たら結構問題になることは間違いないため故に気をつけなきゃいけない。

 

めぐみ「私…どうすれば…あぁっ…!」

 

ブルー「だから今は、めぐみの悲しみを僕が受け止めるよ…」

 

徐々に私の身体が震え上がる。その直後、私はブルにキスを要求する。

 

めぐみ「ブルー……!キス、して…」

 

静かにキスを繰り返していく中、ブルーにも限界が訪れた。

 

ブルー「君が望むなら…。もう限界だ…」

 

めぐみ「きて、私の不安をブルーのでかき消して…!」

 

ブルー「今度は自分の力で切り開くんだよ。迷っても前に進むんだ…」

 

自分の力で切り開く、つまりどんなことでも自分でやり遂げなきゃならないこと。だから私がこの後のことに直面しなきゃいけないということだ。

 

めぐみ「ブルー…!」

 

ブルー「めぐみ…」

 

そして絶項に達したブルーのものは私の元へ吐き出された。

 

めぐみ「あぁああっ!!」

 

全身が痙攣しそうになるくらいの勢い。でもブルーの愛だからこそ平気だったりする。

 

ブルー「これで気持ちは落ち着けた?」

 

めぐみ「ありがとうブルー…」

 

ブルー「めぐみならできるよ、でも血迷ったらダメだよ?」

 

めぐみ(このままじゃダメなんだ。私、ちゃんとやらないと…!)

 

思い返したことをどう謝罪へと繋ぐかを、私は必死で考えることにした。それと同時に、すっかり眠りについてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ「…ん?もう朝…?」

 

気がつくと、既に自分がいた部屋へと寝ていた。きっとブルーが運んでくれたのだろう。

 

めぐみ「まだ朝方か…。ちょっと散歩でも行くかな…」

 

私は目を覚ましたついでにちょっとだけ散歩に出かけることにする。

 

めぐみ「…つぼみ?」

 

つぼみ「おはようございます、めぐみも起きてたんですね」

 

めぐみ「つぼみも起きてたんだね」

 

外に出ると、誰よりも早く起床していたつぼみがいた。これは偶然なのかな?

 

つぼみ「よかったら私と一緒に散歩でもしませんか?」

 

めぐみ「丁度私も行くところだったんだよ。奇遇じゃん」

 

つぼみ「まだ冷えてますし、風邪引かないようにしましょ」

 

めぐみ「うん」

 

私とつぼみで早朝の散歩へと出かけ始めた。この間にゆうゆうに正直に気持ちを言わないといけない、あとちゃんと謝らないとね。

 



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第178話 影と憎しみ①

つぼみ「この街ってこんなにいいところだったんですね」

 

めぐみ「特にこの橋の下の道はランニングとかで利用する人達が多いんだよ。私はよく学校に行く時や帰りの時とかに通るよ」

 

つぼみ「川も綺麗ですし、朝方の景色と合いますよ」

 

早朝の散歩に出た私達、それに人が少ない時間帯のためにこうやって二人っきりで歩くことができている。つぼみにもっと教えたいことはあるけど、何よりつぼみ自身が見て楽しむ場所がいいと思う。

 

めぐみ(つぼみ…)

 

つぼみ「ん?どうしました?」

 

めぐみ「ううん、別に。そうだ、折角だからもっといい場所を教えるね」

 

つぼみ「そんなところがあるんですか?」

 

めぐみ「私に任せんしゃい、えっへん」

 

距離はだいぶ遠のくが、つぼみにどうしても連れて行かせたかった場所があったためそこに行くことにした。しばし歩くこと数分、まだ霧があるためにあまり景色は見えないが眺めはよさそうだ。

 

つぼみ「ここは…、なんだか懐かしい感じが…」

 

めぐみ「懐かしい?」

 

つぼみ「いや、その…。ちょっと似たような場所があって、私そこに来たことがあるんです。まぁ幼い頃の話ですし」

 

めぐみ「つぼみが気に入ってくれたなら嬉しいよ。ここの神社はね、結構街の風景が全体的に見えるところなの。だから一度つぼみをここに連れて行かせたかったの」

 

つぼみ「確かに眺めがいいですね。私、ここ嫌いじゃないですよ」

 

予想以上につぼみが興味津々の様子で私も思わず胸を撫で下ろした。私もここでブルーと…。

 

めぐみ「折角だし、何かお願いごとしようよ」

 

つぼみ「そうですね、ここに来た記念にですね」

 

ついでに二人で何かしらのお願いごともしておく。色々と縁があるためか、こういうのも意識するようになってちょっと不思議に思い始めた。

 

つぼみ(もっとみんなと一緒にいられる毎日が来ますように…)

 

めぐみ(みんな幸せでありますように…)

 

目を閉じてそっとお願いを込める。自分達が大事だと思っていることを素直に気持ちで表す。その直後、ある光景が見えてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???(キュアブロッサム、あなたは世界を変えるプリキュアの一人…。その心を託し、滅びの未来を変えて―――)

 

???(キュアラブリー、プリキュアとしての使命を、運命を導く糧に―――)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ&めぐみ「「……っ!」」

 

透き通る謎の声、そしてよく見えなかった人影。あの言葉の意味って何…?

 

つぼみ「そろそろみんな起きる頃ですし、帰りましょうか」

 

めぐみ「うん、そうしよう」

 

ようやく霧が晴れたので、一緒に戻ることにする。ところが…、

 

 

 

ファントム「こんなところまでノコノコ居座るとは好都合だ」

 

 

 

つぼみ「あなたは…!」

 

めぐみ「どうしてファントムがここに!?」

 

なんとここで宿敵の一人であるファントムが目の前に現れた。そこまでして邪魔するなんて…。

 

つぼみ「今度は何をするつもりですか」

 

ファントム「俺も少しばかりとっておきを用意した。あの時お前と戦ったことを活かさせてもらうぞキュアブロッサム」

 

めぐみ「つぼみ、ファントムと戦ったことあるの?」

 

つぼみ「はい。一度だけですが、とてつもない憎しみが伝わります」

 

ファントム「ついでにキュアラブリー、お前の仲間どもも時期にあいつにやられるだろうがな」

 

めぐみ「誰のこと?」

 

ファントム「それはこいつがよく知ってる相手だ」

 

つぼみ「まさか…、あの人ですね」

 

もしそうであればひめ達も危ない。ここで時間を過ごすわけにはいかない、早く急がないと!

 

ファントム「今から二時間まってやる。それまでにここに戻って来い」

 

めぐみ「私達を煽ってるの…?」

 

つぼみ「いえ、これは私達に有利な時間をくれるということじゃないですかね」

 

ファントム「万全な状態でのお前らとの戦いをしたい。無論こちらにもハンデをつけるがな」

 

ハンデと聞くと嫌なことしか想像できない、でも野放ししたらこの街全部を破壊するやもしれない。

 

つぼみ「行きましょうめぐみ」

 

めぐみ「…必ずこっちに戻るから」

 

ファントム(戻った暁には、俺から分離できたいあいつをお披露目してやる…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「ふぅ、お腹空きましたね。朝ご飯食べましょうか」

 

めぐみ「そうだね、腹空かしては戦はできぬってね」

 

えりか「二人ともどこ行ってたの?」

 

ひめ「いなかったから心配したんだよ」

 

ひめの家に戻ってきた私達は朝食を食べるためにソファーに腰かける。そこへえりかとひめがしかめっ面で心配してきた。

 

つぼみ「ちょっと散歩していまして」

 

めぐみ「眠れなかったからつい」

 

ひめ「朝から神様は睡眠しているからあまり大声は出せないよ。言いたいことは起きてからね」

 

いつき「それより早く食べようよ、冷めちゃうよ」

 

いおな「ふぁ~…。まだ眠いわね…」

 

ひめ「ところでゆうこと誠司は?」

 

そういえば既に二人はいるはずなのに、どうしたんだろう?

 

いおな「朝早くから出かけてるわよ。用事があるって」

 

めぐみ「……」

 

ひめ「めぐみ…?」

 

めぐみ「何でもないよ、それじゃあいただきます」

 

つぼみ(めぐみ……)

 

ここで体力をつけないと後がない、それとゆうゆうにきちんと気持ちを聞かないと…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~同時刻~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうこ「朝のランニングもいい気持ちだわ」

 

誠司「悪いな付き合わせてしまって。これも俺の日課なんだ」

 

ゆうこ「それはもうわかるよ、いつも見てるから」

 

誠司「だよな。なぁ大森」

 

ゆうこ「何?」

 

誠司「俺さ―――」

 

 

 

Dプリキュア「自分の気持ちを言いたいところだが、お前はまだ青い」

 

 

 

誠司「誰だ…?」

 

ゆうこ「あなた、ダークプリキュアね…!」

 

誠司「ダークプリキュア?なんだそれ」

 

Dプリキュア「お前の心を、試させてもらう(バッ)」

 

誠司「うわっ…!」

 

ゆうこ「相良君!」

 

Dプリキュア「こいつは預かる、返してほしいなら今から二時間後にぴかりヶ丘神社に来い。勿論他の連中も連れてな」

 

ゆうこ「待って、まだその余裕は…」

 

Dプリキュア「来ないとこいつの生命はない、それに楽しい物を見せられないからな」

 

ゆうこ「絶対来るからね、約束なんか破らないよ」

 

Dプリキュア「決まりだな。また後で会おう(バッ)」

 

ゆうこ(このことをみんなに知らせないと…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ「みんな、落ち着いて聞いてほしいの」

 

ひめ「何を?」

 

ゆうこ「みんな揃ってる?私から言いたいことが」

 

いおな「どうしてそんなに焦ってるの?」

 

私が説明しようとしていることを話そうとしたら、大慌てでゆうゆうが戻ってきた。でも誠司がいないけど、どうしたんだろう?

 

つぼみ「まとめるとですね…」

 

 

 

~~事情を説明中~~

 

 

 

ひめ「つまりダークプリキュアっていうのが誠司を連れ去って人質にしておいてそこへファントムがダークプリキュアと一緒に神社に来いってことなんか~いっ!!」

 

えりか「ひめ説明乙」

 

いおな「相良君を人質にしておき、私達全員で来るなんて…。これは罠じゃないかしら」

 

いつき「わからないね。とにかく気を引き締めていかないと」

 

いおな「でもゆりさんもいてくれたら…」

 

つぼみ「大丈夫です。私達ならどうにかなります」

 

一通りの内容を説明し、益々緊張感が昂ってしまう。でもいちど 起きたことは放り投げるわけにはいかない。

 

めぐみ(誠司……)

 

ゆうこ(めぐみちゃん…)

 

あとは時間通りに来れば準備は整う、それまでに万全にしておかないと…。



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第179話 影と憎しみ②

ひめ「ねぇめぐみ、一つ聞きたいんだけど」

 

めぐみ「ん?」

 

約束の時間が訪れたので、みんなでさっきつぼみと一緒に行った神社へと移動する。そこでひめが顎に手を当てながら私に尋ねた。

 

ひめ「本当にやるつもりなの?このまま一方的に負けるんじゃ…」

 

めぐみ「心配ないよ、力を合わせればできないことはないよ」

 

いおな「そうよひめ。不可能なことは全部可能にすればいいんだから」

 

正直私も少し不安な心はある、なんせ誠司が捕らわれているから。迂闊に手を出せば誠司の身も危うい。

 

つぼみ「ですが、相手は約束なんて守るんでしょうか…」

 

いつき「とりあえずやってみないとわからないよ」

 

えりか「ふむふむ。いざという時は本気でかかるのが一番、そうでしょ?」

 

つぼみ「えりか、いつき…。はい、ここで立ち止まると意味ありませんよね」

 

どうやらつぼみも勇気が沸いてきたんだね。勿論相手はファントム、それにダークプリキュアって言ってたっけ。さっき誠司を人質にしたってゆうゆうが説明したみたいだし。まずは誠司を返してもらうことが優先、罠だろうが振り切ってみせる。

 

めぐみ(なんだろう、もう一つ嫌な予感がするような…)

 

ゆうこ(……めぐみちゃん、私…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファントム「どうやらちゃんと来たみたいだな」

 

めぐみ「約束通り、誠司を返して」

 

ひめ「どんな手を使おうとも、私達が止めてみせるから」

 

それから目的地に到着し、まずは誠司の解放を要求する。だが向こうもそう簡単に渡す気はなかった。

 

ファントム「とりあえずこいつには何も施していない、安心しろ。けど、俺達に勝ってから返してやろう」

 

つぼみ「そう来ましたね…」

 

えりか「予想的中、大ボスって感じよね」

 

いおな「みんな、上を見て!」

 

いつき「もういたってことだね…」

 

上を見上げると、黒くて憎しみを感じさせる女の人が現れた。もしかしてこの人が…、

 

 

 

Dプリキュア「私の相手はこいつらと言いたいところだが、そこはお前に任せる」

 

 

 

いおな「ダーク…プリキュア…」

 

ゆうこ「前にいおなちゃんと戦った相手よ」

 

ひめ「これって私達と戦うフラグですと~!?」

 

めぐみ「みたいだね」

 

あの威圧感に思わず身体中が震え上がる。彼女こそがダークプリキュアと名乗る者…、その名の通り悪のプリキュアということだ。

 

ファントム「さぁお前達の相手はこの俺、プリキュアハンターのファントムだ」

 

つぼみ「こっちは私達に任せてください、決着をつけたいです…」

 

めぐみ「わかった、ファントムはつぼみ達に任せるよ」

 

これで準備は整った、あとは勝つだけ…!

 

Dプリキュア「折角だし、お前らに相応しいステージを用意してやる(パチン)」

 

めぐみ「うわぁ!?」

 

ひめ「ぎょえ!?」

 

ゆうこ「きゃ!?」

 

いおな「う…!?」

 

足元を見てみると、それは荒れ果てた砂漠のようだった。もしかしてあそこが戦う舞台…?

 

Dプリキュア「変身したらあそこへ移動される、準備はいいか?」

 

めぐみ「今更引き返すわけにはいかない!みんな、行くよ!」

 

今私達とダークプリキュアとの葬列な戦いの幕を開ける、負けたらそこでおしまいとなる…。

 

 

 

めぐみ&ひめ&ゆうこ「「「プリキュア・くるりんミラーチェンジ!」」」

 

いおな「プリキュア・きらりんスターシンフォニー!」

 

 

 

私とひめとゆうゆうはプリチェンミラー、いおなちゃんはフォーチュンピアノを取り出してプリカードをセットして掛け声とともにプリキュアへと姿を変える。

 

 

 

ラブリー「世界に広がるビッグな愛、キュアラブリー!」

 

プリンセス「天空に舞う青き風、(ヒュウ)、キュアプリンセス!」

 

ハニー「大地に実る命の光、キュアハニー!」

 

フォーチュン「夜空に煌めく希望の星、キュアフォーチュン!」

 

ラブリー&プリンセス「「ハピネス注入!」」

 

ハニー&フォーチュン「「幸せチャージ!」」

 

一同「「「ハピネスチャージプリキュア!」」」

 

 

 

Dプリキュア(これが、ハピネスチャージプリキュアか…。面白い)

 

その直後、私達はダークプリキュアのいる砂漠の空間へと突入した。それぞれで勝負をつけないと誠司は助からない、チャンスは一度っきり…!

 

ファントム「それでは、もう一度お前らの力を俺に見せてみろ」

 

つぼみ「行きますよ!」

 

えりか「ちゃっかりシプレ達も来たみたいだよ、これでオッケー」

 

いつき「ていうかいてくれないと変身できないしね」

 

つぼみ(無事でいてください、そして私達もすぐに向かいますから…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブルー「みんな、揃ってお出かけしんだね」

 

リボン「大変ですわ~!みんながファントムのところへ行きましたわ!」

 

ブルー「一体何が…?」

 

リボン「事情は後程説明します、とにかくみんなが危ないですわ!」

 

ぐらさん「全くいおなも勝手にいなくなるし、もう滅茶苦茶だぜ…」

 

ブルー「すぐに向かおう、このままでは危険だ」

 

ブルー(めぐみ、みんな……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブリー「…酷い」

 

プリンセス「砂漠だからってこんなの…」

 

ハニー「結構朽ち果ててるじゃない…」

 

フォーチュン「こんなものがあなたの求めていたものなの?」

 

Dプリキュア「私の求めていたものなど所詮はこの程度、今いる場所と同じだ」

 

 

 

見るに堪えいないくらいの荒廃した空間、そして血に染まっている空。これが彼女の心だというの…?

 

 

 

Dプリキュア「あの人は、私の…」

 

ラブリー「あの人?」

 

Dプリキュア「それを話して何の意味がある。ともかくここがお前らの墓場となる」

 

フォーチュン「言っても無駄よ、今はケリをつけましょう」

 

プリンセス「なんだか複雑な気分、でもそんなことはどうでもいい」

 

Dプリキュア「そろそろ始めようか、食物連鎖が連なる憎しみのロンドを…」

 

ラブリー「みんな!」

 

 

 

相手の先制攻撃と同時に、一斉に散開する。相手の目からは枯れた心を映し出していいるような殺気だ。

 

 

 

フォーチュン「てやぁ!(ガッ!)」

 

ハニー「えぇい!(ゴッ!)」

 

Dプリキュア「あの時の戦闘で既にパターンは見切った。うせろ…(ズババァ!)」

 

フォーチュン「ぐぅ…!」

 

ハニー「全然聞いてない…!?」

 

 

 

ハニーとフォーチュンが背後から攻撃を仕掛けるが、全て防がれてしまった。こうなった以上は同じ手はもう通用しないということになる。

 

 

 

ラブリー「次は私達が!はぁああ!(ガンガン!)」

 

プリンセス「ドリャあー!(ズガァ!)」

 

Dプリキュア「キュアラブリーにキュアプリンセスか。まるであの二人と一緒だな…何もかも…!(ズギャアン!)」

 

ラブリー&プリンセス「「あぁああっ!」」

 

 

 

今度は私とプリンセスで正面から叩こうとしたが、呆気なく相手の技で吹き飛ばされてしまった。まるで今まで私達が経験した動きを全て覆すかのような精神力、なぜあそこまで…?

 

 

 

Dプリキュア「人の心も幸せなど、所謂感情にしか過ぎない。不幸や憎しみさえ抱けばそれまでだ」

 

ラブリー「終わりなわけないもの。いくら感情でも、悲しい方向に進んだら誰も笑顔になれないんだから…」

 

プリンセス「大切な人だって幸せになれるんだよ、それが嫌なの?」

 

Dプリキュア「浅はかな、人間がどれだけ惨めで愚かなのかわるだろう?人間も結局夢や希望を捨てたら一生後悔する人生を送る、それがバカ共の末路だ」

 

ハニー「あなたの心は非常に悲しんでいるわ…」

 

Dプリキュア「何を戯言を」

 

 

 

一体彼女には何が起きたんだろう?きっと辛いことでもあったのかな…?

 

 

 

フォーチュン「私はあなたの気持ちに同情する、けど絶対に共感しないわ」

 

Dプリキュア「私の心はこの空間そのもの。どう這いつくばろうとも心を汚されるわけにはいかない」

 

ラブリー「もうとっくに汚れているじゃない…」

 

Dプリキュア「黙れ。まだ私は終わってはいない、勝負はこれからだ……ふん!(ビュン!)」

 

 

 

理由を聞き出す余裕もなく再び攻撃を続けるダークプリキュア。その表情は既に悪鬼のようだった。

 

 

 

ラブリー「何か他に方法はないの…?」

 

フォーチュン「とりあえず戦うしかないのね…!」

 

ハニー「ここは私が足止めする、みんなはその間に集中攻撃を!」

 

プリンセス「了解、んじゃ行くよ!」

 

 

 

こっちはこっちでどうにかしないといけないし、つぼみ達は大丈夫かな…?



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第180話 影と憎しみ③

私達はダークプリキュアとの決着をつけるために、つぼみ達とは一度場所がバラバラになってしまった。辿り着いたところは枯れ果てた砂漠、まさに非情な空間だった。それに彼女には何か訳がありそうだし…。

 

 

 

ラブリー「お願い、少しくらいあなたの話を聞かせて!」

 

Dプリキュア「言ったはずだ、お前らに話すことなどないとな。大人しく朽ち果てればいいものを」

 

フォーチュン「そうはいかないわ、私達だって負けられない理由はあるの!(グギャ!)」

 

プリンセス「せめて一言は欲しいよ!(ガッ!)」

 

 

 

次々と攻撃を阻止される中、プリンセスとフォーチュンが懐から仕掛けた。いくら機敏に動いている相手もここまで来たら避けることは難しい。ところが、

 

 

 

Dプリキュア「このままじゃれ合っても拉致が明かない。キュアフォーチュン、私と共に来い」

 

フォーチュン「え…?どういうこと?」

 

Dプリキュア「なぜかって?それはお前が私の感情を滾らせたからだ」

 

ハニー「滾らせた?」

 

 

 

唐突にフォーチュンを誘い出した。フォーチュンが彼女を滾らせたのって何の意味が…?

 

 

 

Dプリキュア「お前と初めて戦ってから、あいつと同じ気迫が伝わった。それは、私に対する執着心があるということだ」

 

プリンセス「誰のことなの?」

 

フォーチュン「キュアムーンライト…ゆりさんのことよ」

 

ハニー「確かに、二人は因縁の関係だしね。でもなぜそこまで…」

 

Dプリキュア「お前に選択の余地などない。早く来るがいい」

 

フォーチュン「望むところよ。これは私のプライドであり、ゆりさんのプライドでもあるの。私を共感してくれたし、私が共感できた人の……亡き者への契りを無駄にしないために!」

 

 

 

フォーチュンが…いおなちゃんがあそこまで真剣になったのも他にない。彼女のお姉さんがいながらもそれと同じぐらい大事だと言える人がいる、私はあまりわからないけどいおなちゃんにとってゆりさんは別の意味での特別な人なのかもしれない。

 

 

 

Dプリキュア「そうこなくてはな。ここに来い、すぐに始める」

 

プリンセス「本当に行くの?」

 

フォーチュン「絶対に勝つから」

 

ラブリー「何かあったら私が駆けつけるから」

 

Dプリキュア「残ったお前らにはこれを用意する、ファントム聞こえるか」

 

ファントム『準備は整った、これからそちらにあれを送る』

 

 

 

ここでダークプリキュアがファントムと通信を交わした。あれって何だろう?

 

 

 

プリンセス「見て、何か出る!」

 

ハニー「凄くおぞましいわね…」

 

ファントム『お前らにとっての悪夢は再び訪れる…』

 

ラブリー「…!?あれは…!!」

 

 

 

出現したのは謎の禍々しい球体。そこから徐々に人型へと姿を変える。変化したのは私にとっての一番の苦痛な者だった。

 

 

 

アンラブリー「こ・ん・に・ち・わ、えへ☆」

 

 

 

そう、以前戦ったことのある精神的に辛かった相手。その名はアンラブリー…。あまりの衝撃に一斉に足が震え上がってしまう。

 

 

 

Dプリキュア「随分と女々しいやつだな。まさかこれのために力を増幅してそれに打ち込んだと」

 

ファントム『これだけではない。後にこいつの仲間を生成する。楽しいゲームはこれから盛り上がるのさ、お前がキュアフォーチュンと相手をしている間にそれらでキュアラブリー達を葬ればいい』

 

Dプリキュア「面白い、やつの始末を終えた上での奇襲か。案外悪くない」

 

ラブリー「ちょっと待って、なんでファントムが変化していないの…?」

 

 

 

私がこのタイミングで疑問に思ったことがある、それは以前アンラブリーと戦った時にあれにファントムが姿を変えてた。なのになぜこうやって分裂しれいるのかが謎だ。

 

 

 

ファントム『教えてやろう、それは俺自身の力と他のプリキュアの力をかき合わせてできたものだ。だからこうして自我を持っている』

 

プリンセス「じゃあ今はファントムとアンラブリーは別々の意思だってことなの!?」

 

フォーチュン「如何わしいにも程があるわね、よくもやってくれたものね」

 

ラブリー「倒さないといけないよね、私は戦う…!」

 

 

 

油断はできないし、負けるわけにはいかない。私は決意を振り絞り、一歩前に出る。

 

 

 

ラブリー「あなたの相手は私が引き受ける!」

 

アンラブリー「きゃははは!いいよ、たぁ~っぷりかわいがってあげる」

 

Dプリキュア「決まりだ、第二ラウンドへといこうか」

 

フォーチュン(ここで引き下がると私のプライドが傷つく、なんとしても…)

 

 

 

この勝負、まだまだ終わりが見えない。勝機は訪れるのか、それは私達の運にかかっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブルー(みんな、今行くよ…)



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第181話 影と憎しみ④

シプレ&コフレ&ポプリ「「「プリキュアの種、いくです~!」」」

 

つぼみ&えりか&いつき「「「プリキュア・オープンマイハート!」」」

 

 

 

めぐみ達と一度離れ離れになり、私達でファントムに立ち向かうことになりました。一斉に変身してそのまま体勢を整えます。

 

 

 

ファントム(ふむ、ここからどうくる。どうせ俺には到底追いつけないだろうがな…)

 

ブロッサム「今度は勝たせてもらいますよ!」

 

ファントム「この前の続きといこうか、かかってこい」

 

 

 

こちらを挑発するようにファントムが様子を窺います。それを気にせず、マリンとサンシャインが左右に挟み打ちにします。

 

 

 

マリン「いちいちその動作がじれったいってのっ!(ブン!)」

 

サンシャイン「今の私は本気なの、舐めないで!(ガッ!)」

 

ファントム「…そう来ると思っていた、その程度では押し通せん…!(ズバッ!)」

 

マリン「おわっ!?危ないじゃないのっ!」

 

ブロッサム「ですが、これで少し有利になれたじゃないですかね…」

 

 

 

ここで攻撃を阻止されますが、爆風のおかげで多少相手の視界を遮ることができました。あとは慎重に攻めれば状況は打破可能です。

 

 

 

ブロッサム「てやぁ!(ドガッ!)」

 

ファントム「くっ…、迂闊だったか。でも一人だけで攻めるとは浅はかな…はぁ!(ズババァ!)」

 

サンシャイン「ブロッサム!やぁっ!(ピキン!)」

 

ブロッサム「ありがとうございます、守りがなかったらダメージは大きかったです」

 

 

 

私が後ろから攻撃を仕掛けようとしますが、ファントムが気配を察知して強力な一撃を放ちます。ですがサンシャインが間一髪で守ってくれました。本当に危なったです、冷や冷やしましたよ…。

 

 

 

マリン「そうやってデカイ攻撃ばかりしたら体力持たないんじゃない?そこが甘いんだからっ!(ドゴッ!)」

 

ブロッサム「いくら力で押しても勝てるとは限りません!(ズガッ!)」

 

ファントム「世迷言を、俺が何も考えずに攻撃すると思うか?せやぁ!(ズバズバァ!)」

 

ブロッサム&マリン「「あぁあああっ!!」」

 

サンシャイン「ブロッサム、マリン!」

 

ポプリ「危機一発でしゅ~…」

 

コフレ「まだ諦めたわけじゃないです、きっと負けないずです」

 

 

 

今度はマリンと一緒に攻撃しますが、簡単に破られてしまいました。流石はプリキュアハンターと名乗るだけはありますね…!

 

 

 

ファントム「お前らの全力はこの程度か、準備運動にすらならん」

 

サンシャイン「まだ終わりじゃない、私達はまだ戦える!」

 

ブロッサム(確かに私達の力が衰えているところがあるけど、ファントムの今の一撃は尋常じゃないくらいに……)

 

 

 

ダメージを受けた私はもう一度立ち上がろうとしますが、右足の感覚がイマイチ失いつつありました。一方マリンは腕の感覚が鈍くなているようです。

 

 

 

ブロッサム「まだです!」

 

マリン「そうよ、倒れるまでやれる!」

 

ファントム「いいだろう。まずはキュアブロッサム、キュアマリン、お前らか消してやる…」

 

ブロッサム「プリキュア・ピンクフォルテ―――」

 

???「プリキュア・オープンマイハート!」

 

ブロッサム「この声は…!」

 

 

 

すると上空から聞き覚えのある声の人がやってきました。その人は…、

 

 

 

ムーンライト「月光に冴える一輪の花、キュアムーンライト!」

 

ファントム「まだいたか、プリキュアが…」

 

ブルー「僕もいるよ」

 

ブロッサム「ブルーさん…!」

 

 

 

キュアムーンライトこと月影ゆりさん、そしてブルーさんが来てくれました。きっと嫌なことに気づいたのでしょうね。

 

 

 

マリン「どうしてここに?」

 

ブルー「ついさっき妙な異変に気づいてね、この子達が知らせてくれたんだ」

 

リボン「顔を合わせるのは初めてでしたわね、私はリボンですわ」

 

ぐらさん「そして俺はぐらさんだぜ」

 

マリン「グラサンだからぐらさんね…」

 

ぐらさん「なんだよ、随分と微妙な反応は~!」

 

ムーンライト「彼と偶然会って、一緒にここに来たらこうなってたから駆けつけたの」

 

サンシャイン「助かったぁ~」

 

 

 

とりあえずはブルーさん達が来てくれたことに感謝しなくちゃですね。ですがまだこれで喜ぶのは早い気がします。

 

 

 

ファントム「おのれ地球の神め、そうまでして俺の邪魔をするか…!」

 

ブルー「君のやっていることは許されることではない、それにそこまでプリキュアに執着してはいずれ己の身を滅ぼすことになる」

 

ブロッサム「あなたのエゴは払い除けても後世に残り続けます。だってそれは人々を苦しむものだもの、憎しみを生み出すんですもの!」

 

ファントム「賢しい世界を築き上げてもいつかは憎しみを生む、俺はそんな腐った世の中の反旗を翻して俺の求める理想的な世界に変える。だからその糧として消えてもらう…!」

 

ムーンライト「みんな、全力で行くわよ。いい?」

 

マリン「いいとも!」

 

サンシャイン「勿論」

 

ブロッサム「ここであなたの信念を断ち切ります!」

 

 

 

私達は全力をぶつけるために、一気に力を開放します。その姿は全てを浄化する奇跡の力をまとうのです。

 

 

 

ファントム「その姿、まるであれと似ている」

 

ブロッサム「スーパーシルエット、これであなたに勝つ…!」



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第182話 影と憎しみ⑤

ブロッサム「この力で…、あなたに勝つ!」

 

ファントム「俺を超えることはできない。勝負は最後までわからないものだ」

 

ムーンライト「いいえ、私達が勝つ。絶対に…」

 

 

 

間を入れて戦闘は再開されます。基本スペックは各段と上がったのでファントムを押し切ることが可能です。あとはよく動きを読んで無力化にするだけ…。

 

 

 

サンシャイン「はぁああ、ふんっ!(ドゴォン!)」

 

マリン「でやぁああ!(ガッガッガッ!)」

 

ファントム「強くなったからっていい気になるなよ、ぬぁあ!(ズバァ!)」

 

ムーンライト「危ない!はぁ!(ギィイン!)」

 

ブルー(やはり凄い腕だ。あの娘達はめぐみ達に匹敵する能力を持つ…でも、ファントムも容赦はしないはずだ…)

 

 

 

鋭い目でこの光景を見つめるブルーさん、やはり真剣ですね。彼にしかわからないことがあるのでしょうか…。

 

 

 

ブロッサム「人はそんな酷いことなんか考えたりしません、あなたにはわかるでしょう!?」

 

ファントム「お前達プリキュアがいる限り、破壊と恐怖を与えることができる。俺は世界中の者どもの不幸を響かせるのがとても傑作だと思っている」

 

ブロッサム「他に別な方法だってあるんですよ!それを理解しようとしないなんて…!」

 

マリン「言っても無駄じゃない?あいつにはそんな話を鵜呑みにする程軟ではないってこと」

 

ブルー「いや、彼には何かを捨ててまでも自分の信念を背負ているんだ」

 

 

 

ブルーさんが静かに頷きながら答えます。何かを捨ててまで背負う信念…?それは一体…。

 

 

 

ファントム「流石は地球の神だ。この程度で俺を止めるなど、あいつらの二の舞だな」

 

ブルー「彼女達は決してめぐみ達に劣ってはいない。心の強さがある限り」

 

ファントム「戯言を、所詮は一人一人の人間だ。甘い考えをしていては無駄に終わるのは当然だろ」

 

ブロッサム「確かにまだまだ未熟な部分はあります。でも決して心は弱くありません!」

 

ムーンライト「あなたも同じだったようね、自分の欲望だけで人々を犠牲にするただの痴れ者よ」

 

ファントム「お前らに俺の何がわかる!?生命をかけて成し遂げたいことは誰も同じはず。なのにお前らは…」

 

サンシャイン「その言葉を他人に通用すると思ったら大間違いじゃない?あなたと私達は弱者、この世に強者なんてどこにもいないの」

 

ファントム「そうではない。ただ俺の信念をお前らにわかってたまるか。ブルー、お前もだ」

 

 

 

更にこちらの視線にプレッシャーを与えるファントム。人の心を見下すのは苦しいですよ、ですが…。

 

 

 

ブロッサム「心が汚れてるあなたに、私達を超えられません!(ドカァ!)」

 

マリン「人はちっぽけで、何もできない。でもッ!(ズドドドド!)」

 

サンシャイン「愛を育めばこそ、幸せになれるの!(ガッ!ガッ!)」

 

ムーンライト「感情を抱かない者には、一生わからないことよ!(ズガァ!)」

 

ファントム(やはり、元の世界では俺の使命は果たされないのか…。ならもうここには用はない、次なる世界へ…)

 

ブルー「ファントム、君は今心の底から悲しんでいる。その気持ちを晴らさないと今の君でいられなくなる。この先何も得られない…」

 

ファントム「うるさい!自己満足だけで動くお前らと一緒にするな!(ドバァッ!!)」

 

 

 

猛攻を繰り返す私達に渾身の一撃が放たれます。その瞬間、サンシャインが全力で攻撃を防ぎます。

 

 

 

マリン「ふぅ~、間一髪ってね」

 

サンシャイン「大丈夫?」

 

ムーンライト「問題なしよ」

 

ブロッサム「ファントム、もう諦めなさい。あなたはもう終わりです」

 

ファントム「ぐぅ…っ!」

 

ブルー「彼は意気消沈しそうだ。これ以上力で押すのは意味がない」

 

ブロッサム「そうですね…。そろそろめぐみ達のところへ――――」

 

ブルー「待って、何かが映っている」

 

 

 

ファントムは力尽きた今、めぐみ達はどうなっているのかが気になります。すると空に謎の映像が映し出されていました。

 

 

 

ブルー「あれは、みんな…!」

 

ブロッサム「結構苦戦していますね…」

 

サンシャイン「あそこへ行く方法はないの?」

 

ブルー「残念だがあっちへ行く手段はない。彼女達が戻ってくるのを待つしか…」

 

 

 

今見た光景は自分達の闇の人格らしき者達と戦っているラブリー達が映し出されています。大分危険ですよこれ…。

 

 

 

ブロッサム(どうか、無事でいてください…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Dプリキュア「さぁ、そろそろ本気でやりあおうか」

 

フォーチュン(私一人で、どうにかするしかなさそうね…)



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第183話 影と憎しみ⑥

フォーチュン「はぁー!(ドガッ!)」

 

Dプリキュア「何度やっても無駄だ、お前では私には勝てない…!(ガン、ガン!)」

 

フォーチュン「うっ…。これでもダメなの…?」

 

 

 

休むことなくダークプリキュアに攻撃を繰り返していくが、全然命中しない。それどころか私の体力が意味なく消耗してしまう恐れが生じている。

 

 

 

Dプリキュア「どうやらお前では到底追いつけないな」

 

フォーチュン「まだよ!プリキュア・くるりんミラーチェンジ、あんみつこまち!」

 

Dプリキュア「姿を変えたところで何になる、ふん…!(バッ…!)」

 

フォーチュン「プリキュア・桜吹雪の舞!(ビュゥゥッ!)」

 

 

 

一瞬姿を変化し、再び技で押し付ける。でも呆気なく相殺された。それと同時に私とダークプリキュアは身体の痺れが下から伝わってきて少し体勢が崩れてしまう。

 

 

 

Dプリキュア「そこまでして意味があるのか…?」

 

フォーチュン「あるに決まっているわ。私はどうしてもあなたに聞きたいことがあるの」

 

Dプリキュア「言っただろう、お前達に話すことなどないと」

 

フォーチュン「いえ、あなたがそうだとしても私にはその心が感じるのよ」

 

Dプリキュア「あいつと同じ雰囲気だけはあるか…。いささか痛烈だ」

 

フォーチュン「過去に苦しいことでもあったの?」

 

Dプリキュア「うるさい…!気安く私の気持ちに同情するな…!」

 

 

 

私の言葉に拒絶するように頭を抱えるダークプリキュア。なぜだかわからないが、私は彼女の苦しさがよくわかる。きっとゆりさんも彼女と…。

 

 

 

フォーチュン「さぁ、何でもいいから話して?相談なら引き受けるから」

 

Dプリキュア「そこまでしつこいなら、お前の大切なものを壊してやる…。還付無きにな…」

 

フォーチュン「…え?」

 

Dプリキュア「そろそろ出番だ(パチン)」

 

 

 

彼女の合図で黒い靄が現れ、そこから人の形へと変化する。そのシルエットはよく知っているものだった。

 

 

 

フォーチュン「…あれはっ!」

 

Dプリキュア「やつの手土産だ。それもお前と同じ姿、名は…」

 

フォーチュンの影「……デスフォーチュン、愛と幸せに溢れたプリキュアに非ず。そして、あなたに関わるものを全部ぶち壊す存在…」

 

フォーチュン「デスフォーチュン……」

 

Dプリキュア「どうだ?恐ろしかろう。あのアンラブリーと同じタイプということだ」

 

 

 

やはりあの時のファントムが出した影の存在は他にもあった。このままいけば残りの二人の分も…。

 

 

 

フォーチュン(何…?突然身体中が怯えるように震える…。今までにない恐怖感が全身に伝わる…)

 

 

 

自分にもわからない恐怖感が漂い、更に緊張感が増す。それどころか、逆に相手が余裕の表情を見せていた。さっきまでのことを一切なかったかのようにするぐらいのことだ。

 

 

 

Dプリキュア「今からお前の大事なものを全部消える、こいつの手によってな。せいぜい頑張ることだな」

 

フォーチュン「待って!そんなこと言われても…」

 

デスフォーチュン「戦いに世迷言はいらないの。あなたに関わる全てを消してあげる。まずは、姉という存在をね―――」

 

フォーチュン「…っ!?」

 

 

 

この時、私の中の何かが脳内に浮かんできた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フォーチュン(ここは…、私の…)

 

 

 

自らの精神世界に入った私は、ある光景を目にする。

 

 

 

いおな「お姉ちゃん、こっち来て。ここならいい眺めにだと思うから」

 

まりあ「こらこら、あまり先走らないの。言われなくても行くから」

 

 

 

これはお姉ちゃんが外国に行く前日の出来事。清々しい顔で私のところへ来る様子が見える。しかし、ここからが問題だった。

 

 

 

いおな「この位置なら大丈夫だから―――お姉ちゃん…?」

 

まりあ「……」

 

いおな「どうしたの?ねぇ、お姉ちゃん…!」

 

 

 

その時の私が何度も呼んでも返事がない。むしろ、表情が固まって時が止まったかのような状態になってしまった。本当はこんなことなかったのに…。

 

 

 

ゴゴゴ……

 

 

 

いおな「何…?お姉ちゃんっ!行かないで!お姉ちゃんっ!!」

 

 

 

フォーチュン(嫌、酷すぎる…。あれ…?この出来事が脳から消えていく、やめて…お願い…!)

 

 

 

そのまま闇へと落ちていくお姉ちゃんに絶望してしまう私。お姉ちゃんこそが私にとっての大切なものの一つ。

 

 

 

いおな「また私は一人になるの…?嫌、やめて…っ!!」

 

 

 

フォーチュン「やめてぇええええええっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Dプリキュア「反撃する暇も無くなったか、哀れなやつだ」

 

フォーチュン「……」



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第184話 集まれ、愛よ①

ラブリー「はぁああっ!(ガッ!)」

 

プリンセス「てぇい!(ドッ!)」

 

ハニー「やぁああー!(ゴッ!)」

 

アンラブリー「袋叩きなんて、せっこ~い。でもね、数だけいたっていいわけじゃないんだよ?えい(バーン!)」

 

 

 

三人で一斉にアンラブリーを攻撃し、相手はそれを素手で受け止めている。その直後、強力な一撃をすぐさま打ち放つ。

 

 

 

ラブリー「ラブリービーム!(ビィィン!)」

 

プリンセス「プリンセス・爆弾ボンバー!(シュバァ!)」

 

 

 

それに反応し、私とプリンセスが同時攻撃で相殺する。なかなか手応えのありそうな一撃のため、喰らっていたら一溜りもないだろう。

 

 

 

アンラブリー「仕方ないなー。それじゃあこういうのはどうかな?かな?」

 

ラブリー「何を企んでいるの…?」

 

アンラブリー「どうせなら一対一でやりあうということ」

 

ハニー「でもあなた一人だけじゃない。どうやって…」

 

プリンセス「もしかして、まさか」

 

アンラブリー「あったり~♪あなた達に相応しい相手を連れてきたよ。おいで(パチン)」

 

 

 

プシュ……

 

 

 

アンラブリーの横から新たな靄が現れ、それらは人の形へと変化した。あのシルエットはもう、言い逃れはできない。

 

 

 

プリンセスの影「わたくしのお相手はこのようなポンコツですの?反吐が出ますわ。ごほん、申し遅れましたわ。わたくしはヘルプリンセス、何卒よろしく」

 

ハニーの影「…ご飯なんて食べる意味あるの?食べるより動く方がいいのに…。あ、自分…バッドハニー……そういうことで」

 

 

 

漂う禍々しいオーラ、そして不の心をも感じさせる程の勢い。これは相当ヤバイ気がする…。

 

 

 

プリンセス「私達の分まであるのぉ~!?」

 

ハニー「きっとフォーチュンも今頃…」

 

アンラブリー「仲間の心配なんて不要、じゃあ再開しよっか」

 

ラブリー「気をつけてプリンセス」

 

プリンセス「ケツ!あ、間違えた。勝つ!」

 

ハニー「……」

 

ラブリー(ゆうゆう…)

 

 

 

いざハニーに声をかけようとするものの、まだ関係が戻ったわけではない。きっと私だけじゃなく、ゆうゆうも辛かったのかな…?

 

 

 

アンラブリー「私の手の中で消えて?えーい(ズバァ!)」

 

ラブリー「もうその手には乗らないんだから!はぁ!(ボンッ!)」

 

 

 

不意打ちをするようにアンラブリーが攻撃を再開する。間一髪でそれを弾き返す。そのおかげで多少腕が損傷してしまう。

 

 

 

プリンセス「も~!なんでこんなことになるの~!?(ガッ!バキッ!)」

 

ヘルプリンセス「よろしくてよ?気のままに仕留めるのですもの、えい!(ドカァ!)」

 

 

 

一方プリンセスも突貫するようにパンチとキックを交互に繰り返す。だが相手はかなり余裕の表情をしていてプリンセスを見下していた。

 

 

 

ハニー「ご飯が嫌いなんて、それはあんまりだよ!(ズガ!)」

 

バッドハニー「…食べても形なんて残らない。食事なんかする意味もない…(ドゴン!)」

 

 

 

ハニーの方は苦戦を強いられながらも接戦していた。向こうはご飯が嫌いだという。

 

 

 

ラブリー「一刻も早く終わらせないと、フォーチュンと会えない!」

 

アンラブリー「面白くない言葉はやめて。だったらすぐに楽にさせてあげるから、絶望しながらね?」

 

ラブリー「私はここで終わりたくない、仲間がいる限り!」

 

アンラブリー「あなた達を倒さないと、ご主人様に申し訳が立たないの」

 

 

 

既に心も身体もダメージを負ってるけど、また私達の精神力が限界ではなかった。

 

 

 

ラブリー&プリンセス&ハニー「「「プリキュア・くるりんミラーチェンジ!」」」

 

 

 

プリカードを使って別の姿へと変化する。その姿は幸せ溢れる愛の姿。

 

 

 

ラブリー&プリンセス&ハニー「「「ハピネスチャージプリキュア・イノセントフォーム!」」」

 

 

 

その直後、一斉に攻撃を続けつつも有利な状況を作りだそうと粘る。

 

 

 

ラブリー「はぁあああ!(ドガァ!)」

 

アンラブリー「いいねそれ。心が滾るよ、でも無意味…(ズゴォン!)」

 

ラブリー「後ろから…っ!?きゃああああっ!!」

 

アンラブリー「素直に負けを認めれば生命までは残しておくのに」

 

プリンセス「ラブリー!…青い空よりも広い私の心も、ここらが我慢の限界よっ!(ドドドドッ!)」

 

ヘルプリンセス「余所見は禁物ですわ、あなたの相手はわたくしですから!(ゴォン!)」

 

 

 

アンラブリーの予測不能な戦術を読めず、背後から直撃を受けてしまう。しかもその能力で身体が侵食されるような激痛が走りだす。プリンセスは私の援護をしようとアンラブリーを阻止するが、呆気なく邪魔される羽目に。

 

 

 

ハニー「どうしたら…。でも今は自分のやるべきことを!えぇい!(ダン、ダン!)」

 

バッドハニー「食べ物なんか大っ嫌い…。みんな消えればいいのに…(ボォォォ!)」

 

ハニー「嫌いなわけがない!(バァ!)本当はお腹空いてるでしょ?満腹になりたいんでしょ?」

 

バッドハニー「全然。ご主人様の意思で動いているだけでご飯とは何も関係ないから…(ズドドドォッ!!)」

 

ハニー「…ッ!?」

 

アンラブリー「まずは一人、ね」

 

ハニー(う、間に合わない…!みんな…!)

 

 

 

ブシュゥゥゥ…!!

 

 

 

プリンセス「…え?」

 

ハニー「めぐみ…ちゃん…?」

 

ラブリー「…私の大切な仲間に、手を出さないで…ッ!!」

 

 

 

ギリギリの状況でなんとか防御に成功できた。が、私も結構体力を消耗してしまったのだった。

 

 

 

アンラブリー「庇うのそこ?信じられないんだけど」

 

ハニー「ラブリー…どうして…?」

 

ラブリー「あのねゆうゆう、落ち着いて聞いてほしいの」

 

プリンセス(めぐみ、ちゃんと決心できたのかな…?)

 

 

 

ずっと言いたかったことを今ここで話す時がきた、これを逃すともうおしまいだ。

 

 

 

ラブリー「昨日はその……ごめんなさい!」

 

ハニー「え…?」

 

ラブリー「私、ゆうゆうの気持ちもわからずにあんなこと言ってしまって…。きちんと聞くべきだったと後悔している」

 

プリンセス「そんな身体でよく…」

 

ラブリー「えへへ…」

 

ハニー「私の方こそ、隠し事してごめんなさい。私、嘘なんてつかないのにこうやって嘘をついてしまった。だから、言い出せなくて…」

 

 

 

募る思いがこうして口にできたのも心がスッキリする。本気で思う気持ちがすぐ見つかるはずだから。

 

 

 

ラブリー(そういえばフォーチュンは無事かな…?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Dプリキュア「さぁ、お前の仲間に自分が無様で愚かだということを証明しろ」

 

フォーチュン「……」



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第185話 集まれ、愛よ②

アンラブリー「友情ごっこしている場合?だったら一緒に向こうに行ってからやってね、えい(ブォオオッ!)」

 

プリンセス「邪魔しないでっ!(ボン!)必死で気持ちを伝えてる側の身も知らないくせに、えらそうにほざいて何様よっ!」

 

ハニー「プリンセス…」

 

アンラブリー「もういいよ、アンタ達なんか滅茶苦茶になればいいから」

 

 

 

私とハニーの会話を妨害しようとするアンラブリーをギリギリのタイミングで止めるプリンセス。だけどすぐさま第二波が攻めてくる。

 

 

 

アンラブリー「私達のために礎になってちょうだい?(ビュィィン!)」

 

ラブリー「させない!はぁあああっ!(ドガァ!)」

 

プリンセス「偽者なんかに負ける私達じゃない!(バキッ!)」

 

ハニー「本人に非ずな力など不快なんだから!(ゴン!)」

 

アンラブリー「果たしてそうかなぁ?」

 

ラブリー「え…?」

 

 

 

アンラブリーが上の方を指刺すと、そこにダークプリキュアが舞い戻ってきた。いや、それだけじゃない…。

 

 

 

Dプリキュア「こいつを出し抜いて他は無事か。どうやら精神力が強いやつらだったか」

 

ハニー「ダークプリキュア―――っ!?」

 

プリンセス「どったの?」

 

ラブリー「…うそ、でしょ…」

 

ハニー「彼女に何をしたの!?」

 

 

 

彼女の横で気力を完全に失っているフォーチュンの姿が確認された。フォーチュンの瞳にはもはや何も映っていない。

 

 

 

Dプリキュア「こいつの影がきっちり仕打ちをした。もうこいつはただの置物同然だ」

 

ハニー「フォーチュンの影、これで私達と同じ四人…」

 

アンラブリー「そう、私達は憎しみによって生まれたプリキュア。名づけて…、」

 

 

 

アンラブリー&ヘルプリンセス&バッドハニー&デスフォーチュン「「「ディープダークプリキュア」」」

 

 

 

今までファントムが私達の見ていないところで動いてたのは彼女らを生み出すこと(アンラブリーは分裂かつ蘇生)だった。姿を現していないから何もないと思ったがそうではなかった。

 

 

 

Dプリキュア「この四人は完全にお前らを凌駕するだろう。大人しく諦めろ」

 

プリンセス「こんなやつらに負けるわけがないでしょ!」

 

ハニー「フォーチュン、早く私達のところに―――」

 

フォーチュン「いやぁ…!」

 

プリンセス「…フォーチュン?」

 

ラブリー「怯えてる…?」

 

アンラブリー「ちょっとやり過ぎじゃないのぉ?恐怖状態だし」

 

Dプリキュア「あいつにとっての大切なものを消しただけだ。私に文句言われても困る」

 

 

 

ハニーがフォーチュンに手を刺し伸ばすと、なぜかフォーチュンが身体全体を震えながら頭を抱えた。まさかフォーチュンに仕打ちしたって言ったのは…、

 

 

 

Dプリキュア「キュアフォーチュンの影があいつ自身の大切なものを抹消した。よってこいつに戦う意思などもはやどこにもない」

 

ハニー「大切なものって言ったら、お姉さんの…」

 

フォーチュン「お姉さん?何それ…」

 

ラブリー「フォーチュン…」

 

フォーチュン「私には姉という存在はない…。私は常に孤独で、臆病なの…」

 

プリンセス「嘘だよそんなの!フォーチュンは一人じゃない、ずっと仲間がいたから笑顔でいられる明るい性格のはず!」

 

フォーチュン「やめてぇ!仲間なんていない、暗いところで静かに死ぬのを待つだけなの……」

 

 

 

必死で説得しようとしても言葉が届かない。じゃあどうしたらいいの…?

 

 

 

ラブリー「フォーチュンの大切なもの、その全部を返して!」

 

アンラブリー「私達に勝ってから返してあげてもいいんだけどね?」

 

プリンセス「汚い手使おうだなんて許さないからね!」

 

ハニー「人を道具のように使わないで!」

 

フォーチュン「……」

 

 

 

三人がかりでアンラブリーを押さえつけようとするが、逆に囲まれてしまった。今の状況だとこちらが三人に対してあっちは五人いるのだから。

 

 

 

Dプリキュア「私はそろそろあいつらも始末する。せいぜい遊んでいるのだな(バッ)」

 

ラブリー(つぼみ達のところへ行ったんだ、早く助けてあげないと。でも今は…)

 

プリンセス「ラブリー!私達でどうにかしないと!」

 

ラブリー「ねぇプリンセス」

 

プリンセス「…え?」

 

ラブリー「ちょっとだけフォーチュンと話してくるね。すぐ終わるから、その間に時間稼ぎしてほしいの」

 

プリンセス「無茶よそんなの!」

 

 

 

無謀なのは自分でもよくわかることだ。だがここで放っておくのはもの凄く遺憾だ。私は二人に足止めをお願いし、フォーチュンの元へ静かに進んでいく。

 

 

 

ハニー(めぐみちゃん、そこまでして…)

 

プリンセス「こうなったら私達だけでも止めてやらぁ~!!」

 

アンラブリー「とうとう壊れたの~?可哀想なお姫様、きゃはははっ!」

 

ヘルプリンセス「すぐに楽にしてあげてもよくてよ?」

 

バッドハニー「……炭になれ、ご飯なんか…」

 

デスフォーチュン「次はあなた達の番」

 

 

 

あっちも苦労するだろうが、私がするべきことに集中するのみ。

 

 

 

ラブリー「フォーチュン」

 

フォーチュン「…こないで」

 

ラブリー「大丈夫、怖くないから。フォーチュンに愛を教えようと思うの」

 

フォーチュン「その話をしないでぇ…!どうせ碌なことなんかありもしないのに、平気でそれを口にするなんて…」

 

ラブリー「だって、いおなちゃんの大切なものってお姉さんでしょ?」

 

フォーチュン「一人なの、私は。何も頼れない役立たずで咎められるだけの人でなし、生きてる意味もないのよ…」

 

ラブリー「お姉さんがもしこの場を見ていたら何て言うのかな?」

 

フォーチュン「お願いだからその話はもうやめてよ!家族すら恵まれてない私にいつまで諭すつもりなのよ!あなたは私の何!?」

 

ラブリー「それはね、醜い。そして私も…」

 

 

 

バシィ……!

 

 

 

フォーチュン「……」

 

ラブリー「……」

 

 

 

私が言いたかったこは、ここで表現された。

 

 

 

ラブリー「何自分だけ拒絶しているの!あなたはどんなことでも諦めないでやり遂げる性格でしょ!」

 

プリンセス「ラブ、リー…?」

 

ハニー「叫んでいる?」

 

フォーチュン「…私が?」

 

ラブリー「とぼけないで!心が無くなったからもう無理って話じゃ通用しないんだから!まだ心の奥底に本当の意思が残っているんでしょ!ありのままの自分でいたいならそんな大それたことを振り払うべきじゃない!希望を捨てないで前に進むのが氷川いおな、キュアフォーチュンでしょ!」

 

フォーチュン「…めぐ……み?」

 

ラブリー「この程度で怖気づくようじゃプリキュアの意味なんてない!どんなことでも屈しないのなら、もっと堂々と前に進みなさいよ!!」

 

フォーチュン(もっと前に進む…何だろう、この感情。私の中に大切な何かを思い出してくれるような温かい温もり―――)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いおな(ここって、お姉ちゃんが外国に行く前の日に行った場所。不思議ね、この風を浴びながら最高の景色を見るのが…)

 

 

 

スッ…

 

 

 

いおな(お姉ちゃん…?)

 

 

 

ヒュゥゥゥ…

 

 

 

いおな(ありがとう、笑顔で見ていてくれて。そして全部思い出した、私の大切な存在はすぐそこにあるから…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フォーチュン「お…姉ちゃん…。はっ!」

 

ラブリー「フォーチュン…」

 

 

 

この時、彼女がかけがえのないものを思い出した瞬間を目の当たりにしたのだった。



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第186話 集まれ、愛よ③

プリンセス「フォーチュンが…立ち上がった」

 

ハニー「嘘でしょ…?」

 

アンラブリー「うざ、怒鳴り声で立ち直るなんて聞いたこともないんだけど」

 

ラブリー「フォーチュン、おかえり」

 

フォーチュン「ごめんなさい、迷惑かけて。そして…ただいま」

 

 

 

フォーチュン自身の心が戻ってきて、すっかり我を取り戻した。そして彼女も自分の未熟さをできるだけ振り切るように自信を現した。

 

 

 

アンラブリー「あっちも四人揃ったってことね。ピッタリじゃん」

 

ヘルプリンセス「むしろ好都合なこと」

 

バッドハニー「不要物だ、あいつらなんて…」

 

デスフォーチュン「今度はこうはいかないから。覚悟して頂戴」

 

 

 

一方アンラブリー達も威圧感を漂わせるようにこちらを警戒する。戦力的にはどちらも同じで戦略次第で大きく動くことになるだろう。

 

 

 

フォーチュン「よくも私の心を踏みにじったわね、もう許さない!」

 

ハニー「みんな、次こそ勝つよ!」

 

プリンセス「ラブリー、行こう」

 

ラブリー「うん。私達の愛は決して費えることはない、イノセントな想いがある限り!」

 

 

 

みんなで一斉に並び立ち、その直後にフォーチュンもイノセントフォームに姿を変えた。力を合わせれば屈することなんてどこにもない、それが私達の強い願いだから。

 

 

 

ラブリー「はぁあああっ!(ダゴォン!)」

 

アンラブリー「粋がるのもここまでだね、えい!(ボゴォン!)」

 

プリンセス「アンタみたいなケバイおばさんに負けるもんですかっ!(ズドドド!)」

 

ヘルプリンセス「おばさんじゃない、お姉さんよ?口の悪い子にはお仕置きしてあげてよ、それ!(シュバァ!)」

 

ハニー「こんなことやめて、一緒にご飯食べよ?」

 

バッドハニー「…ご飯のことしか考えないアンタには負けない…」

 

フォーチュン「終わりにするわ、ここで!てやぁ!(ドン、ドガァ!)」

 

デスフォーチュン「オリジナルごときにやられるつもりはない!(ドゴッ!)」

 

 

 

それぞれが戦う相手と必死になって対抗する。基本的なスペックなこちらが勝ってる、だが相手の戦術も侮ってはいけない。ここまで来て引き下がるのは正直癪だ、今まで培ったことを無駄にしないためにも突き進むのみ。

 

 

 

ラブリー「私達は憎しみに囚われない!愛のない感情なんて悲しすぎる!(ドカァ!)」

 

プリンセス「そうよ!誰かの変わりは務まりもしないんだから!(ズギャ!)」

 

ハニー「愛もご飯と一緒、幸せを蓄えていればお腹一杯になる。それと同じことなの!(ダァン!)」

 

フォーチュン「闇雲に支配しようとしても結果は残らない、不幸なことよ!(バキッ!)」

 

アンラブリー「どいつもこいつも私の気に食わないやつらばかり…!もうおしまいにしよ?」

 

ラブリー「これ以上人々を不幸にさせない、そんな世界にしたいんだからぁ!(パァ……ボォォッ!!)」

 

 

 

限界を突き破るように全力で攻撃を繰り返す。肉体や精神もボロボロになりそうな勢いで相手の連携を次々と崩していく。

 

 

 

ブルー『みんな!大丈夫か!?』

 

 

 

するとどこからかブルーの声が聞こえてきた。一体どこから…?

 

 

 

ラブリー「ブルー?どこにいくの!?」

 

アンラブリー「地球の神…助言なんて意味ないのに」

 

ブルー『上を見るんだ、そこから通ると元の場所へ戻ることができる。みんなも待っているよ!』

 

フォーチュン「戻れる、なるほど。みんな、あそこへ飛び込むわよ!」

 

プリンセス「けどあいつらが…」

 

ハニー「出た後に決着つけるのね」

 

ラブリー「よし、行くよ!」

 

アンラブリー「逃がさないよ、ふん!」

 

 

 

ブルーが教えたポイントに一斉に飛び込む私達。これで元の場所に戻れるが、アンラブリー達との決着は出た後にすることにする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブルー「来たか」

 

ブロッサム「みんなぁ~!無事でしたか~!?」

 

マリン「無茶するんだからもう」

 

サンシャイン「私達と似た者同士だったね、結局」

 

ムーンライト「誰も犠牲にならなくてよかったわ」

 

 

 

さっきの神社へと戻ってきた私達をブルーとブロッサム達が迎えてくれた。同時にダークプリキュアもそこへ移動していて、戦力喪失状態のファントムのところにいる。

 

 

 

ラブリー「ファントムが挫折している…?」

 

ブルー「ブロッサム達がやってくれたよ」

 

ブロッサム「かなり苦戦しましたけど、彼に優しさというものを教えてあげました。少しは役に立ちましたか?」

 

ラブリー「すっごいね。私も嬉しくなっちゃうよ、うふふっ♪」

 

ブロッサム「私、こう見えても結構賢いんですよ?」

 

ラブリー「確かに」

 

 

 

思わず嬉しそうになってブロッサムとハグする。本当によくやったね、お疲れ様…。

 

 

 

マリン「…私とあろう者がいてつぼみは…(ぼそっ)」

 

プリンセス「???」

 

ハニー「触れてはいけない事情もあるんだよ、そっとしておいてあげて」

 

ムーンライト「お喋りはここまでよ。まずはあれを…」

 

 

 

そうこうしてる内にアンラブリー達が続けてやってきた。この戦いもそろそろ決着をつける時が来たみたい、絶対に勝ってみせる…!



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第187話 集まれ、愛よ④

ラブリー「まだこれで終わりじゃないと思う、まだ…」

 

 

 

ブロッサム達のところへ戻ってきた私達は少し落ち着つくように深呼吸する。が、安心するのは早い。

 

 

 

アンラブリー「そろそろ決着をつけようじゃない。どちらがプリキュアとしての素養があるかね」

 

ラブリー「もうやめようよ。こんなことを」

 

ブロッサム「あなたもこの戦いが無意味だと気がつかないんですか」

 

Dプリキュア「私は私の意思で戦ってるだけだ。指図される筋合いはない」

 

ブルー「ファントムは既に戦力を損失済みだ。君は悲しくないのかい?」

 

 

 

私達を警戒するように再び刃を向けるダークプリキュアとアンラブリー達。何をどうするのかは勿論決まっている、相手全員を無力化させるだけだ。

 

 

 

ブロッサム&ラブリー「「…?」」

 

マリン「どうしたの?」

 

ムーンライト「見て、ハートキャッチミラージュが光ってるわ」

 

フォーチュン「シャイニングメイクドレッサーも」

 

ブルー「一体何が起きているんだ…」

 

 

 

すると突然それぞれの持っているアイテムが同時に光り出した。え?何がどうなって…?

 

 

 

アンラブリー「あの忌々しい光、心が歪む感覚…!」

 

リボン「奇跡ですわ~!」

 

プリンセス「どういうこと?」

 

ブルー「おそらくはみんなの強い絆が応えてくれたんだ、僕でも信じられないことだ」

 

マリン「なんてご都合主義っ!?」

 

サンシャイン「だけど、諦めない心と、」

 

ハニー「最後まで貫く闘志と、」

 

ムーンライト「仲間を想う意思と、」

 

フォーチュン「かけがえのないものを手にして、」

 

ブルー「世界を愛に満ちていく者が強いんだ」

 

 

 

様々なことを経て得た奇跡、どんな時でもそうだった。そう、これは間違いなく本物だ。

 

 

 

Dプリキュア「そんな小細工すぐに消してしまえ」

 

アンラブリー「倒す倒す倒す。行くよ」

 

ブルー「みんな、この勝負に終止符を打つんだ!」

 

ブロッサム「はい!私達の明るい未来のために!」

 

ラブリー「そして、世界に愛を広げるために!」

 

 

 

この一撃に、全てをぶつける…っ!!

 

 

 

ブロッサム一同「「「プリキュア・ハートキャッチオーケストラ!(パァァァ…!)」」」

 

アンラブリー「こっちにも合体技があるの」

 

ブルー「気をつけるんだ!」

 

ブロッサム「大丈夫ですよブルーさん、必ず成功させてみせます」

 

 

 

まずはブロッサム達が技を放つ。その直後にアンラブリー達も一斉に放たれた。

 

 

 

アンラブリー一同「「「プリキュア・ディーププリフィケーション!(ゴゴゴ…!)」」」

 

ブロッサム「今です!」

 

ラブリー「わかった!みんな!」

 

プリンセス「あいよ!」

 

ハニー「ええ!」

 

フォーチュン「いつでもいいわよ!」

 

リボン「集まれ、愛の光!」

 

ぐらさん「高まれ、イノセントな思い!」

 

ラブリー「輝け!」

 

ラブリー一同「「「シャイニングメイクドレッサー!」」」

 

 

 

ブロッサム達が出した一撃が私達を守り、その間に私達も最大技で応戦する。相手も相当協力だが、こちらも負けてはいられない。

 

 

 

ラブリー一同「「「プリキュア・イノセントプリフィケーション!(ビュン、ビュン!)」」」

 

 

 

このチャンスを、無駄にはしない…!!

 

 

 

一同「「「いっけぇええええっ!!」」」

 

アンラブリー「私達が負けるわけが―――えぇ!?」

 

ブルー「そのような力では、一生勝てはしない。例え力で押しても」

 

アンラブリー「折角ここまで来たのに…ご主人様ぁ…!」

 

ラブリー「そんな憎しみのために使う力は…ラブじゃないっ!!」

 

アンラブリー「あぁああああああっ!!」

 

 

 

絶大なるパワーの前に、アンラブリー達は一斉に浄化されていく。その勢いを見つめていたダークプリキュアも思わず戦慄する。

 

 

 

Dプリキュア(これが愛に溢れた力か…)

 

ブルー「これで君達の負けだ」

 

Dプリキュア「あぁ。そうだな、もうここには用はない。帰るぞ(ビュワ)」

 

ファントム「…おのれ、プリキュアぁ!(ビュワ)」

 

ブロッサム「…ファントム」

 

ラブリー「これで、終わったんだね…」

 

プリンセス「どうやら、誠司も無事だね」

 

ラブリー「うん」

 

 

 

こうして熾烈な戦いは幕を下ろした。しばらくは脅威が来ることはないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日後、私にはまだやらねばならないことがあったのだった…。



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第188話 今でも、これからも①

つぼみ「いってきまーす」

 

えりか「おっはーつぼみ、今日も張り切ってるね」

 

つぼみ「おはようございますえりか。毎日が楽しいですよ」

 

今日も穏やかな一日が始まろうとしています。あの戦いから数日が経過し、特に問題が起きることのない日々が続いています。ひとまずえりかと一緒に学校へ向かうところから始まります。

 

えりか「あのね、今度みんなでファッションを存分と満喫するために集合させようとしてるんだけどどうかな?」

 

つぼみ「確かにいい考えですね、めぐみ達もきっと喜びますよ」

 

えりか「それでさ、めぐみ達のことが解決してからにしたいの」

 

つぼみ「ふぇ?」

 

えりかの言葉に一時的に固まってしまいます。はて、一体何のことやら…?

 

えりか「あれからちょっとずつ問題を抱えていたらしいけど地道に解決済みだって。でもめぐみの方はまだ完全ではないらしい」

 

つぼみ「具体的には何があったんですか?」

 

えりか「それはね―――」

 

 

 

~~事情を説明中~~

 

 

 

つぼみ「そんなことが…」

 

えりか「信じられないだろうけどそれが事実なの。めぐみ達にも苦しいことがあってね」

 

えりかが知っていること全てを話して、微妙に気持ちの晴れない顔をします。それは私だって例外ではありません。

 

つぼみ「とにかく、このことはめぐみ自身の問題ですよね?」

 

えりか「うん。私達が首を突っ込むようなことじゃないから。でもいつも通りにしていればいいじゃない」

 

つぼみ「はい…。次また会う時には大丈夫ですよね」

 

えりか「今難しく考えても意味ないし、そこら辺はそっとしよ?」

 

少しでも気分を損ねないようにえりかが明るく接します。きっとブルーさんも事情を知っていると思うしとりあえず見守った方がいいかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~夕方~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつき「凄い荷物だね。僕が持ってあげる」

 

つぼみ「ありがとうございます。今日の夕飯はカレーライスなんです、なんだか作りたくなって…えへへ」

 

えりか「つぼみが夕飯作りなんて冴えるっしゅ」

 

学校が終わってすぐに夕飯の買い出しをえりかといつきに手伝ってもらいました。相当荷物が多くなったのでいつきが少し持ってくれています。こうやって過ごしていると豊かに思えてきますね。

 

いつき「ねぇ、あそこにいる人って…」

 

えりか「どれどれ―――ってあの人は!?」

 

つぼみ「…ブルーさん?」

 

横断歩道を通り過ぎると、偶然横から歩いているブルーさんと遭遇しました。なぜここに…?

 

ブルー「しばらくだね」

 

つぼみ「はい、またブルーさんに会いたかった…」

 

えりか「つぼみ、鼻の下伸びてる」

 

つぼみ「ひゃあっ!?えりか~!」

 

ブルー「はははっ。とても賑やかじゃないか」

 

つぼみ「はぅ~、ブルーさんに恥ずかしいところを見られてしまいましたぁ~っ!」

 

いつき「一回落ち着こう…?ね?」

 

滅茶苦茶気持ちがギクシャクし、冷静さを取り乱してしまいました。ここで抱えても意味ないですよね、うんうん。

 

ブルー「今日の夕食はカレーなのかい?凄い荷物だけど」

 

つぼみ「そうなんです、とても食べたくなって」

 

えりか「神様って好きな食べ物ないの?」

 

いつき「それ僕も気になってた。一度聞きたかったんだ」

 

ブルー「僕は何でも好きだよ。美味しい物はいくらでもね」

 

つぼみ「でしたら……あの、もしよかったら……ブルーさんに私の作るカレーを食べてほしいんです…(///)」

 

えりか&いつき「「つぼみっ!?」」

 

きゃあ~!つい言ってしまいました~!私ったら恥ずかしいぃ~!

 

ブルー「いいよ。普通の家庭の味というのを味わいたかったところなんだ」

 

いつき「今までは違うの?」

 

ブルー「そうじゃないさ、ただ僕は地球の神だからこういう普通の人達の生活をちょっとでも理解したいなって考えてね」

 

えりか「是非とも学んでもいいですよ~!」

 

いつき「えりか地味に図々しいことを言ってるような…」

 

つぼみ「じゃあ私の家はここから更に曲がって真っ直ぐ進んだところにあります。それと家の隣には植物を育てている空間もあるのでそこでゆっくりしてください」

 

ブルー「ありがとう、お言葉に甘えるよ」

 

つぼみ「やった、ふふっ♪」

 

私の家までブルーさんを送り、そこでえりかといつきは自分の家に帰りました。ブルーさんが入る姿を地味にコッペ様が見つめていたりしましたが、特に気になりはしなかったようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「すみません、お待たせしました。熱いうちに食べてください」

 

ブルー「いい香りだ。それじゃ食べるね(パク)」

 

ブルーさんに用意したカレーを冷めないように迅速に運び、溢すことのなく無事に渡せました。とても関心しているのか、ブルーさんがすぐに一口頬張ります。

 

つぼみ(そういえばブルーさんとこうして話すのっていつぶりなんだろう…)

 

一瞬心の中でそう呟いてしまいます、これも運命の出会いの効果なのでしょうか?



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第189話 今でも、これからも②

つぼみ「…どうですか?」

 

ブルー「とても美味しいよ。心の底から温まる感じがする」

 

つぼみ「よかったぁ~…(ホッ)」

 

ブルー「君が喜ぶ顔を見ると幸せなんだなって思えてくるんだ」

 

つぼみ「嬉しいことがあれば誰だって幸せになりますよ。私にとってブルーさんがどれだけの人々を見てきたのかがよくわからないけど、喜んでいる姿を見ている側としては微笑ましいじゃないですか」

 

じっくり味わって凄く嬉しい表情をするブルーさんに自然と感心しちゃいます。でも…、

 

つぼみ「泣いてるんですか…?」

 

ブルー「……昔を思い出したんだ」

 

どうやらブルーさんの目からほろりと涙が流れていました。昔のこと、私も一度だけ聞いたことがあります。でもなぜ今頃…。

 

つぼみ「大切な人のことですね…」

 

ブルー「うん。彼女も僕のために美味しいご飯を作ってくれたんだ。離れ離れになるまでずっとなんだ。君が作ったカレーを食べたらつい…」

 

つぼみ(ブルーさんって、意外と苦しかったのかな…?)

 

彼の苦い顔を見ていると胸が閉まるような状態になってしまいます。けど、私はこのままなのは嫌です。

 

ブルー「つぼみ、一つ僕の話を聞いてくれないかい?」

 

つぼみ「はい」

 

ブルー「まだ話していなかったことがあってね。実はこの前君に話したことの続きだけど、彼女は今憎しみに己惚れている。彼女が戻ってきてくれるようにめぐみ達が必死で頑張っているんだよ。それはどういう意味なのかっていうと、プリキュアが愛を照すからさ」

 

つぼみ「ブルーさんの大切な人をめぐみ達が取り戻すために…。足りない物を埋める大事なことなんですね?」

 

ブルー「本来地球の神である僕自身が解決したいことだけど、到底僕一人ではどうにもならない。だからこそプリキュアが力を合わせてくれる。君もプリキュアとして何を得たい?」

 

つぼみ「私の得たいもの…考えたことありませんね」

 

ブルー「無理難題を押し付けちゃったね。別に強制したりしないさ。だた今の君の心境が気になってね」

 

つぼみ「え、そうだったんですか?」

 

一瞬だけブルーさんが私の目をじっと見つめてきました。私の顔に何かついているんでしょうか?

 

ブルー「ただ君が正直なところは僕でもわかる。それに君には素晴らしい仲間がいるじゃないか、得たい物はみんな一緒なんだと思うよ」

 

つぼみ「本当、ですね…?」

 

ブルー「僕の言うことに嘘はないよ。いつでも正直だからね」

 

つぼみ「私はいつでも信じていますからね、ブルーさんはいいお方ですから」

 

気づくとほんわかなムードになりつつありました。ぶっちゃけ話が逸れた気がしますが。

 

つぼみ「あ、すみません。ちょっと話が」

 

ブルー「いいよ、僕が言い出したことだから」

 

つぼみ「それでブルーさんの大切な人の名前、聞いてなかったですね」

 

ブルー「ミラージュ、それが彼女の名前さ。僕に勇気をくれた存在だよ」

 

素敵な名前でちょっと心が落ち着きますね。けどそこまでして彼女を連れ戻したいなんて…。

 

ブルー「いつかミラージュが戻ってきた時はまたたくさん話をしたい。勿論つぼみ、君も彼女に何か聞くといいよ」

 

つぼみ「そうですね。いつかきっと戻ってくるといいですね」

 

ブルー「そのためにめぐみ達が頑張っている、君達も大切なものがたくさんあるのなら全力を尽くしてほしい」

 

さっきまでの悲しみが嘘のように無くなったブルーさん。決意を振り絞っていれば苦労などありませんね。

 

つぼみ「あの…ブルーさん…」

 

ブルー「つぼみも何か言いたいのかい?」

 

つぼみ「えっと、その……」

 

ここで私は彼に伝えたいことを口にしようとします。でも少しだけ戸惑いがありますが、仕切り直します。

 

つぼみ「ブルーさん、私…ずっとあなたを見てきました。最初はかっこよさに一目惚れしましたが、段々会話をしていく内に幸せをもらい受けた感じがしました。迷いを一切見せずにみんなをまとめる姿が大好きです…」

 

ブルー「…つぼみ」

 

つぼみ「無理難題ですが、これからも私の傍にいてくれますか…?」

 

自分の正直な気持ちをここで告げ、心境を聞き出します。ブルーさんが出した答えは…、

 

ブルー「僕でよければそれでいいよ。僕はいつだってみんなの味方さ」

 

つぼみ「ブルーさん…」

 

答えを出したブルーさんは頷きながら微笑みました。それからしばらく彼を話をし、気がつけばもう遅い時間になってしまいます。

 

つぼみ「もう帰るんですね」

 

ブルー「今日はありがとう。それとカレー、とても美味しかったよ」

 

つぼみ「次みんなで会う時はまたブルーさんにも来てほしいです」

 

ブルー「今度はそうするよ。みんなが笑う姿を見ているだけで嬉しくなるし」

 

つぼみ「はい。あ、ブルーさん。最後に一ついいですか?」

 

ブルー「どうしたの?」

 

もうすぐ帰るブルーさんに私は耳元に顔を向けようとします。そして、

 

 

 

つぼみ「大好きです(チュ)」

 

 

 

さりげなくキスをしました。

 

ブルー「……じゃあ、またね」

 

つぼみ「はいっ…」

 

今日のことは私にとって凄く思い出に残る一日でした。またどこかで彼に会えるように、私も頑張ります…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~別の日~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ「ねぇみんな、放課後空いてる?」

 

ひめ「どうしたの?急に」

 

ゆうこ「別にいいけど」

 

激しい戦いから数日後、私達は問題なく毎日を過ごしていた。そこで私は放課後を利用してみんなを呼び掛けている。

 

ひめ「誠司も呼んだ方がいいの?」

 

めぐみ「誠司はもう既にいるから、屋上に」

 

ゆうこ「屋上に行くんだね」

 

ひめ「でもなんでそこまで距離置く必要が…」

 

めぐみ「とにかく、ね?」

 

ひめとゆうゆうが少し納得しない顔をしながらそのまま屋上へと向かう。そこには一人風を浴びている誠司の姿が。

 

誠司「来たか」

 

めぐみ「うん。言い出しっぺは誠司なんだよね?」

 

誠司「そうだ。実は俺らから話したいことがある。めぐみに」

 

めぐみ「…え?」

 

ひめ「あれれ、いつの間に気がついたんだ」

 

ゆうこ「知らないふり作戦、成功ね」

 

どういうことなのか、私の方が嵌められたような感じがする。一体何事?

 

誠司「大森からいいぞ」

 

ゆうこ「めぐみちゃん、この前のことだけど。あの時めぐみちゃんが謝ったでしょ?本当は私から謝るべきだったの」

 

めぐみ「まだ解決してないの?」

 

ゆうこ「うん。実は私、めぐみちゃんに黙って相良君と親しんでいたの」

 

予想を遥かに超えるゆうゆうの発言に一瞬ビックリする。

 

めぐみ「元々親しんでいるんじゃない?」

 

ゆうこ「違うの。相良君と肉体関係―――」

 

ひめ「ストーップ!それ以上はNGでしょ!」

 

ゆうこ「えっとね、本当はめぐみちゃんが神様と仲がいいからって相良君がとても落ち込んでいたの」

 

誠司「これだけは直接言いたくなかった…」

 

めぐみ「え?そうだったんだ」

 

案外スッとした発言にすんなり理解する私。誠司ってそういうことを悩んでいるんだ。

 

誠司「だぁーもうっ!とにかくそういうことだ!」

 

ゆうこ「それでめぐみちゃんが相良君を意識するまでの間私が代わりに親しんだってこと」

 

めぐみ「単純なんだね」

 

誠司「これでわかったろ、恋人ごっこはもう終わりだ」

 

ゆうこ「じゃあ相良君、ちょっと来て」

 

誠司「なんだよ」

 

 

 

バチィン…!!

 

 

 

めぐみ&ひめ「「ゆうゆう(ゆうこ)~ッ!?」」

 

波乱の展開勃発、この話はいつ終わるのやら…。




次回で第三章完結です。


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えりひめアワー 第10回

随分待ってしまったのでこの話でも。


モフルン「前回のあらすじモフ、いちかがみんなのために特製ケーキを用意したけど何者かに奪われてしまうモフ。そこでその人物を追いかけると、小柄な女の子がケーキをもっていったモフ。その理由はデコレーションが足りないから付け足すということだったモフ。それじゃあ続きが始まるモフ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひめ「これにもう少しアレンジしたいんだね」

 

ひまり「えへへ、ちょっと照れくさいことですけどね。一人でやるのが」

 

いちか「そんなことないよひまりん。これはひまりんが仕上げようとしたんでしょ?」

 

ひまり「自分の想像を形にすることはとても重要です。私のアイデアが詰まった素敵なケーキに仕上げたいなぁってワクワクしていました」

 

ひめ「ところで姉さん達どこぞや?」

 

いちか「さぁ…?」

 

 

 

えりか「こっちこっち、早く来て~」

 

モフルン「いつまでも外にいると風邪引くモフ」

 

みらい「ごめ~ん、もう撤収しちゃって」

 

 

 

ひめ「いつの間にそこに!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひめ「とりあえず事態は解決だね」

 

ひまり「今度こそ最後の仕上げです、見た目こそが一番の重要ですからね」

 

いちか「どうする予定なの?」

 

ひまり「私にいい考えがあるんです」

 

モフルン「早速やってみるモフ~」

 

えりか「あたしはその間にお昼寝~」

 

みらい「のんきなんだね…」

 

 

 

ひめ「ここからはダイジェストでお送りするよ。ひまりちゃんはいちかちゃんが用意したケーキの最後の仕上げをするんだけど、見た目と美味しさの両方を完璧にしないといけないの。まずは適度にフルーツを切り分けて並べるんだけど…」

 

 

 

みらい「イマイチピンと来ないな~」

 

ひまり「ちょっと見てくだしあ。こういう時は一つずつ違うものから交互に置くと見栄えがよくなるんです」

 

ひめ「どれどれ、わぉ!本当だぁ!」

 

いちか「でしょ、案外綺麗に仕上がるの」

 

みらい「すっご~い!尊敬しちゃうよ~」

 

 

 

ひめ「ハプニングとかはなく、スムーズにトッピングを進めて最後は…」

 

 

 

ひまり「いよいよ最後の仕上げです」

 

ひめ「待ってました~」

 

モフルン「できたら食べたいモフ」

 

いちか「ずばりラストは心を込めるの」

 

ひめ「愛情かな?」

 

いちか「そう。みんなで一緒にやればより一層美味しくなるよ」

 

ひまり「ではやりましょう」

 

 

 

ひめ「そんなこんなでケーキは今度こそ完成、みんなで食べることにしたよ。でもその様子はご想像にお任せするよ。スイーツの味は自分で確かめることが重要だからね、ふふっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「おっはよー…。ってもう終わりの時間…?まだケーキ食べてないけど後で食べよ。それじゃあ今回はここまで、また次回もよろしく~…っ。もっかい寝よ…」



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第190話 今でも、これからも③

めぐみ「ちょっとゆうゆう⁉︎」

 

ひめ「痛いよそれっ⁉︎」

 

突然の出来事に身震いをしてしまう私とひめ。けど平手を受けた誠司は特に苦しい顔をしていなかったのだ。

 

ゆうこ「今ので全部なかったことにしてあげる。これでいいでしょ?」

 

誠司「あぁ…。そういうわけだめぐみ、これで元通りさ」

 

めぐみ「心配して損したじゃない」

 

ひめ「寿命が縮まるところだった…」

 

でも存外私とひめには受け入れなかったことだった。折角いいリアクションしたのに…。

 

誠司「残念そうな顔されると余計困るんだが…」

 

ゆうこ「そうね…」

 

めぐみ「けどこれで一件落着って感じかな?」

 

誠司「俺らから話すことはこれだけだ」

 

どうにか場が落ち着き、一安心する。けどこれだけじゃ足りない気がする…。

 

めぐみ「…あのね、私からも話したいことが」

 

ひめ&ゆうこ「「いいよ」」

 

めぐみ「って即答かいっ!?」

 

誠司「めぐみ、後ろ」

 

めぐみ「ん?きゃあ!?」

 

いおな「驚いた?みんな楽しそうだったからこっそり来たけど、ビックリしたみたいね」

 

ひめ「その登場の仕方はちょっとね…(はぁ…)」

 

いおな「結構ひめにドン引きされてるけど気のせいかしら…」

 

ここでこっそりといおなちゃんがやってきたが、不安が募る空気に。怪しそうな雰囲気していたもんねぶっちゃっけ。

 

いおな「もうめぐみには伝えたの?」

 

ゆうこ「まぁね。やっとモヤモヤが解れたところ」

 

いおな「めぐみ」

 

めぐみ「何?」

 

いおな「めぐみが言いたいことは、ちょっと場所を変えようか」

 

いおなちゃんが私の顔を見つめながら答える。おそらくは私の心の奥の気持ちを和らげるための気遣いかもしれない。現に私自身も完全に気持ちが晴れたわけではないのだから。

 

めぐみ「そしたらそれでいいかも…」

 

ひめ「んじゃ決まりね」

 

いおな「それに、あの人にも心境を聞かせてあげたいから」

 

ゆうこ「あの人って?」

 

いおな「とにかく来たらわかるから」

 

誠司「一体誰なんだ?」

 

ひめ「さぁね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~夕方~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いおな「ごめんなさい、待ちました?」

 

ゆり「いおなが来るまで退屈だったから本を読んでいたの。ちょっと夢中になっちゃって周りを気にしていなかったから」

 

めぐみ「ゆりさん?」

 

ゆり「いおなにあなたをこっちに来るようにと頼んでおいたのよ」

 

私達が向かったのは見通しのいい山の辺り。そこには一人ベンチで読書していたゆりさんがいた。

 

ひめ「どうしてめぐみを呼んだの?」

 

ゆり「この前、めぐみの心がまだ晴れてなかったからちょっと心境を聞きたいと思ってね」

 

めぐみ「あの、まだ私…」

 

ゆり「いいのよ、あなたのペースで話せばそれでいいから」

 

準備が整っていない私に対してゆりさんが私をリラックスさせるように促す。ある程度感覚を空けて自分の素直な気持ちを伝え始める。

 

めぐみ「私、本当は自分を追いつめ過ぎていたかもしれません。誰かが好きになる気持ちはどうしても譲れないんです。勿論友達としてでもあり、大切な人としての両方ですけど」

 

ゆり「友達に聞こうとしたことがすんなり聞き出せなくて、相当悔やんでいたのね」

 

めぐみ「あ…」

 

ゆうこ「めぐみちゃん…?」

 

誠司「大森、今のあいつは正直だ。それが自分にとって乗り越えるべきじゃないかと自覚しようと…」

 

いおな「めぐみはいつどこでも間違ってはいないのよね、自分の志を」

 

ひめ「だって最高の仲間なんだしね」

 

ゆりさんの口から出た悔やむ、きっとこの前のことを思い出すのかも…。複雑そうで結構複雑、それが私の甘さということになる。抱えてきたことはいくらでも解決してきた、それでも無理なものだってあったりする。

 

ゆうこ「めぐみちゃん、やっぱり正直だね…」

 

めぐみ「苦しい気持ちだってあるけど、しっかり聞いたら気が楽になった。私の理想としている大切な人はすぐそこにいるんだってことを」

 

ゆり「誰のこと?」

 

めぐみ「それは…、ここにいますよ」

 

自分自身の甘さを乗り越え、導いた答えがある。私の大切な人は…、

 

 

 

めぐみ「ここにいるみんなです」

 

 

 

そう、ここにいる全員。だから、何かを比べるというのは関係ないと思う。

 

ひめ「めぐみらしい答えだね」

 

いおな「ホント仲間想いね」

 

自分なりの答えを出したけど、みんなも意義なしに頷いた。

 

めぐみ「……ありきたりだった、かな…?」

 

ゆり「素直だと思ったわ。優しさを持っている人こそが仲間に恵まれる、そういうものじゃないかしら」

 

めぐみ「そうなんですか?」

 

ゆり「今度は自分達の力で本当の答えを探してみなさい、きっと今よりもいいことがあると思うから」

 

ひめ「私達だけで?」

 

ゆうこ「面白いじゃない、それ」

 

ゆりさんがクスクスと笑いながら私達にそう伝えた。やけに無邪気な表情をしていると思えばゆりさんが笑うなんて想像もつかなかった。

 

いおな「じゃあ今度はそうしましょうか」

 

ひめ「賛成~」

 

めぐみ「…ゆりさん、私考えてみます。私達の本当の答えが見つかるかどうかを」

 

ゆり「応援してるわ、それじゃあ私はこれで帰るね」

 

ゆうこ「私達も帰ろっか」

 

ゆりさんは読んでいた本をしまい、そのまま私達と別れた。さっきゆりさんが言い残した言葉、本当に答えが見つかるんだろうか…?

 

ひめ「がむしゃらに考えても仕方ないよね。めぐみ、真実はきっと見えてくるよ」

 

めぐみ「そう、だね。私、頑張ってみるね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~数日後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみ「う~ん、誠司遅い…」

 

誠司「めぐみ~、遅れてすまない」

 

今日は久しぶりに誠司と二人っきりのお出かけ。私は近くの公園の噴水で誠司の到着を待っていた。

 

めぐみ「も~、どれだけ時間かかったのよ」

 

誠司「ちょっと色々あってな」

 

めぐみ「何それ?」

 

誠司「いやなんでも。それより行きたいところはあるか?」

 

めぐみ「そうだな…あ、私ちょうど行きたかった場所があるんだ。行っていいかな」

 

誠司「俺はお前が希望するところに一緒についていくだけだ、異議はないぜ」

 

めぐみ「やったぁ~」

 

私の要望に従う誠司が地味に微笑む。そして向かった先はいつも見る街並みのいい場所、私や誠司も馴染み深い場所だ。

 

めぐみ「誠司、わざわざアイス買ってくれるなんてありがとう」

 

誠司「まぁたまには奢ってやろうと思ったんだ。ここのアイスは人気なんだぜ?」

 

めぐみ「今度ひめ達も誘ってあげたいね」

 

私にアイスを買ってあげた誠司も自分の分を買う。こういった気遣いも流石だと思う。

 

めぐみ「誠司」

 

誠司「ん?」

 

めぐみ「あーん」

 

誠司「いきなりそれやるかっ!?」

 

めぐみ「食べたく…ないの…?」

 

誠司「自分の分あるから別に……だぁもう…!わかったよ、一口食べるよ」

 

無理矢理恋人っぽいシチュエーションを作って誠司に甘える。欲を抑えることができなかった誠司はそのまま私のアイスを一口頬張る。

 

誠司「意外と美味いじゃないかこれ」

 

めぐみ「だよね、誠司のも美味しいじゃん」

 

誠司「おいいつの間に…」

 

誠司が喜んでいる隙に私は誠司の分を素早く口にする。

 

めぐみ「じゃあ次は、あそこに行きたいな」

 

誠司「よし、時間かからないように急ぐぞ」

 

めぐみ「うん!」

 

それから私達は時間がある限りひたすら行きたい場所を巡る。その途中休憩を挟むことにする。

 

誠司「ほい。喉乾いたろ、これでも飲みなよ」

 

めぐみ「ありがと…」

 

あとずっと気になってきたことがあった。今日の誠司がやけに親切だってことが。

 

めぐみ(何だろう…。この気持ち、さっきから落ち着かない。あと胸が…)

 

誠司「お前、顔赤いぞ…?」

 

めぐみ「ぴぎゃぁ!?」

 

誠司「何を考えてたんだ?」

 

めぐみ「いや、その…別に……(もじっ)」

 

誠司「何もないわけないだろ、お前が思っていることはお見通しだ」

 

ドキドキが止まらない私に誠司が溜め息を吐きながら答えた。まぁ伊達に幼馴染やってないしね…。

 

 

 

ひめ「いいムードね(こそっ)」

 

ゆうこ「いいの?めぐみちゃんと相良君を追いかけても」

 

いおな「これもめぐみのためよ。本人の心境をハッキリさせないといけないんだから」

 

ゆうこ「そうだよね。よし、このまま見つからないように二人を追いかけよう」

 

ひめ「これじゃあ私達ただの不審者扱いだよね…?」

 

いおな「リボンやぐらさんは神様と一緒に行動しているから余計手間がかかるわ。ここは三人の力を合わせましょう」

 

ひめ&ゆうこ「「オッキュー」」

 

 

 

めぐみ「ん?今誰かが見ていたような…」

 

誠司「気のせいだ。さてと、一回休憩すっか」

 

どこからか知らないけど監視されているような気が…。でも何もないよね、うん。

 

めぐみ「あのね誠司、一つ私の話聞いてくれるかな…?」

 

誠司「なんだ?」

 

めぐみ「えっと、そのっ……(もじっ)」

 

ダメだ、上手く言葉が出ない…。えぇい、躊躇してる場合じゃない。やるんだ私、ファイトだ。

 

めぐみ「あの時誠司が言った言葉、今ならその気持ちがわかった感じがするの」

 

誠司「俺が何を?」

 

めぐみ「いつかはめぐみの傍にいてめぐみを守れる男になるのが目標なんだ。って。この前誠司が悩んでいた頃にその言葉を思い出すと、口では言い表せないぐらい……理解できた」

 

誠司「俺が、大森と一緒だった頃のことか」

 

めぐみ「確かに誠司は私がこのままブルーにしか目を向かないと思ったんだよね。それでゆうゆうとしばらくの間色々あったんだね」

 

今頃になって思い出す過去、私も誠司も両方悩みを抱えていた時が今となれば懐かしいと思える程おかしな話だった。しかし元々あった気持ちは、変わらず残っていた。

 

誠司「俺があの時言ったことは今日までずっと変わらない。お前が無理している時は俺が支えてやる。一途にその心は無くなることはないはずだ」

 

めぐみ「やっぱり、私の憧れている誠司だ…(ぐすん)」

 

誠司「なんで泣くんだ…」

 

めぐみ「しょうがないでしょ、嬉しいから泣いてるんだから…」

 

予想外にも涙がホロリと流れていく。嬉しいから泣いている、ただそれだけのこと。

 

誠司「お前の気持ちはわかる。だからこれからは焦るな、お前のペースでやっていけばいい。その、物事色々だ」

 

めぐみ「それは余計なんじゃない?私は何でもできる…から」

 

咽び泣くのを抑えつつ、そのまま答える私。やはり誠司の気持ちには乗せられやすいのかも。

 

めぐみ「私も無理はしないよ?ほら、また迷惑かけちゃうかもしれないし…」

 

誠司「お前は正直者だ、自分に嘘をつかないところが長所だろ?」

 

誠司からの励ましの言葉にちょっとだけほっこりする。って当たり前のことで喜ぶのは日常茶判事だし、見慣れているよね。

 

めぐみ「逆に言えば短所は不器用なところかも…」

 

誠司「昔から変わらないな」

 

めぐみ「も~!なんで笑うの~!」

 

誠司「悪い悪い、つい思い出してな」

 

めぐみ「忘れてよ~!」

 

誠司「でも不器用っていえばひめも同じだけどな」

 

めぐみ「デリカシーないなぁ」

 

軽く私を揶揄う発言する誠司、そして腹を抱える。地味に後味悪い雰囲気だな~。

 

めぐみ「いいことも悪いことも関係ないよ、それが個性なんだから」

 

誠司「だよな」

 

めぐみ「えっと…誠司は私のこと、どう思う…?」

 

誠司「そんなの当たり前じゃないか。とってもいい性格してるし、友達思いって感じだ」

 

めぐみ「…そうじゃなくて」

 

また話が逸れたけど、もう一度本題へと戻す。私自身の心の準備がまだ整っていない、けど言いたいことはしっかり告げたいと必死だった。

 

めぐみ「……私はね、一番誰が好きなのかっていうのは関係ないと思うの」

 

誠司「ん?」

 

めぐみ「誰が一番ではなく、みんな平等で公平的なんだと考えられる。私はひめが好きでもブルーが好きでも…誠司が好きでもない。私を支えてくれるみんなが大好きなの」

 

誠司「めぐみ…」

 

めぐみ「結構恥ずかしいって思われそうだけど、とにかく私が言いたかったのはそういうことだから。独り占めしないで助け合うのが大切だし、悩んでいる時にもいつだって仲間がいるから。寂しくない、怖くもない、だから…未来へ向かって前に進めるんだから」

 

今現在の自分の本心を告げていく。無我夢中な状態だけどしっかり伝わったかな…。

 

誠司「お前の本音を聞けてよかった。みんな平等ということか、俺も同じ気持ちだ」

 

めぐみ「そ、その……変かな…?」

 

誠司「それはないに決まっているだろ?変なんて一度も思ったことがない」

 

真剣な表情で私に必死になって答える誠司、その目には偽りがなかった。

 

 

 

ひめ「ぐぬぬ~…いい雰囲気ですぞっ…」

 

ゆうこ「もう少し様子を見ましょう」

 

いおな「でも流石にもうやばいんじゃないかしら」

 

ひめ「ちょっとずつ接近しちゃうんだからね(こそこそ)」

 

いおな「大丈夫かしら…」

 

 

 

しばらく無言の時間が気がつけば続いてた。私も誠司も申し訳ないような顔をしてこっそりとお互いの顔を振り向こうとする。

 

めぐみ「あっ…」

 

誠司「…悪い」

 

どうしても後ろへと向いてしまう。緊張感が微妙に高ぶるしこのままは話すのも本末転倒な気がままならない。

 

誠司「…なぁめぐみ」

 

めぐみ「何…?」

 

誠司「単刀直入に言うけどさ、お前の本当の気持ち聞けて……嬉しかった」

 

めぐみ「誠司…」

 

すると誠司の口から予想外の言葉で出てきた。

 

めぐみ「ふぇ?」

 

誠司「なんかすっげースッキリした気分になったんだよ。俺も悩んでた時が一時期あったけどさ、めぐみの一言でよくわかんねーけど吹っ切れた気がしたんだ」

 

めぐみ「もう少しわかりやすく説明してくれないかな…」

 

誠司「だーかーら!俺は今―――」

 

 

 

ひめ「も~我慢の限界じゃ~っ!」

 

 

 

めぐみ「ひめっ!?」

 

誠司「大森達もなぜここに!?」

 

いおな「もうひめったら…(ハァ…)」

 

ゆうこ「ごめんね二人とも。これには色々訳があるの…」

 

誠司が呆れ気味で答えようとしたら、ひめが突然転がっていくようにやってきた。勿論ゆうゆうといおなちゃんも一緒だった。

 

めぐみ「どうしてひめ達がここに?」

 

ひめ「めぐみと誠司が二人っきりでお出かけだなんて心配したんだからねっ」

 

ゆうこ「ひめちゃんがそのことを鵜呑みにしちゃった結果、私達も巻き添えになったの」

 

いおな「恥をかいてるのはどっちなのよ」

 

んで結局勢揃いという形になったと、私達は不思議な縁があるんだね。

 

誠司「でもまぁお前らも暇だったろ?丁度昼飯時だからみんなで美味い店でも探そうぜ」

 

めぐみ「誠司…その」

 

誠司「話は後回しだ、今は腹ごしらえだ」

 

ゆうこ「私がっつり食べられるところがいいかな」

 

いおな「私も同じく」

 

ひめ「早く行こうよ~」

 

細かいことは後にし、食事をとることにした。一体誠司は何を思ったんだろうか?

 

そんなこんなで食事を終えてそのままみんなが行きたい場所を満喫するまで巡った。満足した後は人が沢山集まる噴水のある場所へと向かった。結構歩いたため、一旦ベンチで座って休憩する。その途中ひめはあることを言い出した。

 

ひめ「めぐみ、ゆうこ。私達っていつでも一緒だね」

 

ゆうこ「うん。ひめちゃんの言う通りね」

 

めぐみ「よし。いっちょやってみますか」

 

いおな「何するの?」

 

ひめ「にひひ、行ってみよ~」

 

私とひめとゆうゆうは横に並んで決めポーズ的なことをやり始める。

 

ひめ「私達は、また一つ凄いことをした。数多の脅威から世界を救い、人々を笑顔に変えた。それはつまり、え・い・ゆ・う。私達のこと」

 

めぐみ&ひめ&ゆうこ「「「ドヤッ」」」

 

いおな「……」

 

誠司「なんだこれ…」

 

ところが二人は呆気なくドン引き。ひめ、どうやら無意味だったね…。

 

ひめ「し、しょんにゃ~っ!!」

 

ゆうこ「残念だったねひめちゃん、ドンマイ」

 

めぐみ「笑いの壷が違うみたいだね」

 

あまりの結果に思わず挫折するひめ。これに関しては本人にとっての心の傷となるだろう、多分。

 

めぐみ「それで誠司、さっきの続きだけど」

 

誠司「すまないな、何度も中断しちゃって。俺が思ったことはめぐみが常に正しくて意見を曲げないところが羨ましいんだ」

 

いおな「相良君、そんなことを思っていたの…?」

 

ゆうこ「誰よりもめぐみちゃんを知っているからね」

 

ひめ「誠司、顔赤いね」

 

誠司「うるさいな、そんなんじゃねぇよ…」

 

さっきの話の続きを言う誠司にひめ達がちょびっとだけ胸の鼓動が高まっていた。むしろそれは私の方なんだけどね、あはは…。

 

めぐみ「私には誠司が言った言葉の意味がよくわかるよ。大切な人のためならどんなことでもする意思がとても心に刻まれる。でも…たまには私に甘えても、いいんだよ…?」

 

誠司「もうガキじゃないし、俺だって真剣だ。大人になるための準備はもうしている」

 

めぐみ「も~強情なんだから~っ(すっ)」

 

誠司「ん?」

 

 

 

めぐみ「…んっ?」

 

誠司「……」

 

 

 

私が誠司の顔に近づこうとすると、逆に誠司の方から近づけてきた。そして…、

 

ひめ「えぇえええ~!?」

 

ゆうこ「これが愛なのね~♪」

 

いおな「相良君…やるわね」

 

私の口元に柔らかい感触が伝わってきたのだった。

 

めぐみ「…(///)」

 

誠司「こういうのは…俺からしたい」

 

めぐみ「ぷははは…。ありがとう、私の憧れの人…ふふっ」

 

ひめ「熱い、熱いですぞぉおおお~~~っ!!」

 

ゆうこ「将来の夫婦決まりかもね」

 

いおな「まだ仮だけどね、一応」

 

予想外なシチュエーションでひめ達は一瞬パニック状態になった。けど、

 

ひめ「誠司、上手くいったね」

 

めぐみ「え?どういうこと?」

 

誠司「俺だって緊張したからな…こういうことやるの…」

 

いおな「実はね、相良君はめぐみと―――」

 

誠司「だぁああ!それ以上言うなぁああ!」

 

ゆうこ「相良君顔真っ赤だね」

 

つまり誠司が遅れて来たのは…そういうことだったのか、なるほど。

 

めぐみ「誠司って本当に優しいんだね…」

 

誠司「めぐみまで…。まぁ俺なりの気遣いだ、そういうことにしておいてくれ」

 

ひめ「めぐみ、これで気持ちはスッキリした?」

 

ひめが私の顔を覗き込むように尋ねる。かつての出来事を思い返せば悩みがあった、けど今は…。

 

めぐみ「もう大丈夫。私、なんだか全部が解決できちゃった気分。みんなのおかげだよ、本当にありがとう」

 

ひめ「私達はいつだって友達だね!」

 

ゆうこ「これからも助け合う仲間として」

 

いおな「一生懸命頑張らないとね」

 

誠司「くれぐれも無茶はしないようにな、今後の成長としてさ」

 

めぐみ「…うん、そうだね!」

 

私には支え合いながら一緒に乗り越えていく友達がいる。どこまでもその先へ進めるように次のステージへの第一歩を踏み越えないとね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

L「今回は散々だったね」

 

R「無情だな」

 

ファントム「…この俺がこうも簡単にプリキュアに甚振られるとは」

 

R「ダークプリキュアは今回の仕事をもってしばらく休息をとるとのことだ、お前はどうする?」

 

L「レジーナちゃんも別の世界にブラブラしているからあまり戻って来ないね。そうだ、次君が行く世界だけどこんなところはどうかな?」

 

ファントム「ここは…?」

 

R「ここは不思議な力が秘められている。お前は次ここに行ってもらう、勿論そこの世界の人物にも依頼した。これからお前はそいつと行動することとなる」

 

ファントム「そこならば、俺の力は認められるんだな?」

 

L「くれぐれも僕達の期待を裏切らないようにね。失敗が二度もあれば君を雇った意味がないからね」

 

R「成果を楽しみにしているぜ」

 

ファントム「……わかった」

 

R(あの世界は、ちと厄介だろうがな…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぼみ「行ってきまーす」

 

薫子「…いってらっしゃい」

 

えりか「つぼみ~!いつまで待たせるのよ~!」

 

いつき「もう行くよ~」

 

ゆり「ホント、お節介な一面が多いわね」

 

つぼみ「大丈夫です、さぁ行きましょう」

 

シプレ「レッツゴーです!」

 

コフレ「えりかもはしゃぐのは程々ですよ?」

 

ポプリ「いちゅき今日もかわいいでしゅ」

 

私達は例え離れても一緒。どこまでも繋がっています。

 

めぐみ「おーい、こっちだよー」

 

ひめ「姉さ~ん、今日も張り切ろうよ~!」

 

ゆうこ「みんな賑やかで満腹ね」

 

いおな「楽しい一日になるかもね」

 

リボン「いい天気で何よりですわ」

 

ぐらさん「クールに決まりそうだぜ」

 

誠司「全員集合だな」

 

ブルー「まさか僕まで来ることになるとはね。でもこれはこれで悪くないかな」

 

もし友達と喧嘩した時は素直に謝ればいい、気持ちを伝えられればいい。私達に必要なのは感情、そして愛情と心。

 

つぼみ「めぐみ、どこに行きます?」

 

めぐみ「私はどこでもいいよ。つぼみもそう思うよね」

 

 

 

私達には、心と愛があるのだから…。




大変遅くなりましたが、第三章は今回をもって完結です。今回のテーマは恋愛を強調させましたが、途中で人間関係がギクシャクする場面もありました。最後はお互いの気持ちを理解してこその友達だと改めて実感できるのではないかと解釈しました。

そんな心を誰でも持てる辺りが、本当の成長へと繋がっていくでしょう。短いですが今回はここまでとします。また次回、第四章でお会いしましょう。


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第四章
第191話 始まりの魔法


???「…お前はどちらを選ぶ?」

 

 

 

どっちを優先すれば…。

 

 

 

???「これが世界を救った魔法使いの成れの果てだ…」

 

 

 

私の答えは、どっち―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チュンチュン…

 

 

 

んっ…朝だ…。

 

 

 

モフルン「起きるモフ、もう朝モフ」

 

 

 

このモフモフとした感触、きっと私を起こしてくれたんだ…。もう起床の時間だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男性「ここの屋台人気だなぁ」

 

老人「今日もイチゴメロンパン食べようかのう」

 

女性店員「お待たせしました、ただいま焼きたてをご用意致しました」

 

 

 

リコ「相変わらずの行列ね」

 

みらい「早く食べたいな~」

 

モフルン「焼きたてが一番モフ」

 

私、朝日奈みらい。毎日が素敵でとっても嬉しいんだ。学校帰りのイチゴメロンパンは格別でとにかく美味しい。ものすっごーく、ワクワクもんだぁ!

 

リコ「でもあまり甘いものを摂取するのはよくないわよ。栄養バランスをしっかり考えないと」

 

私の一番の友達の一人のリコが参考書を読みながら忠告してきた。好きなものを沢山取り過ぎると肥満の原因となるけれど、リコの故郷である魔法界でもそれが常識として捉えているらしい。

 

みらい「わかってるよ~、買い過ぎたりしてないし他に買いたいものだってあるのに」

 

リコ「嘘つきなさい、顔見ただけで欲がわかるもの」

 

ことは「はーちゃんは毎日甘いものでも飽きないよ?」

 

リコ「もう二人とも栄養というのを意識しないんだから…(ハァ)」

 

私に便乗するようにはーちゃんも答える。何よりも一番嬉しそうなのははーちゃんだったりする。

 

みらい「早く食べたいよ~」

 

ことは「待ちきれないよ」

 

リコ「順番よ、我慢しなさい」

 

みらい&ことは「「はーい…」」

 

今でもよだれが垂れ落ちる寸前までに陥っている状況、イチゴメロンパンへの欲望だけが注ぎ込まれていた。リコもどうやら人間(ナシマホウ)界に来てからすっかり知識が培われている。

 

リコ「そういえば今日は魔法界に行く日のはずよ。もう週末だし、みんなでお泊りでもしましょ」

 

ことは「はー!他のみんなともお話できるしはーちゃんとっても嬉しいよ!」

 

今週末を利用してリコの故郷である魔法界に行く予定を立てている。私も丁度週末が暇だったからいいタイミングでワクワクしている。

 

みらい「校長先生ともまた会いたいなぁ」

 

モフルン「モフルンも楽しみモフ」

 

リコ「それに向こうでやりたいことがあるの。それも兼ねてのだから」

 

立ち話をしている内にようやくイチゴメロンパンを購入できる状態になったのでまずはイチゴメロンパンを食べることにした。どうやらリコがやりたいことはお姉さんのリズ先生と資料などを整理するためらしい。

 

みらい「ん~っ、やっぱりこの味!この甘さが一番だよ~♡」

 

ことは「いつ食べても美味しいね、イチゴメロンパン」

 

モフルン「甘い匂いが香ばしいモフ」

 

リコ(ただでさえお小遣いがピンチだっていうのに…)

 

みらい「ほら、リコも食べて」

 

リコ「ふがっ!?(モグモグ)ってちょっとみらい!それくらい自分で食べれるわよ!」

 

みらい「だって難しい顔してたから…元気じゃないリコ、嫌なの…」

 

リコ「わかったからそれ以上そんな上目遣いで私を諂うのはやめなさ~い!」

 

私のお色気(?)作戦でどうにかリコを元気にさせる。でもやりすぎたかな…?

 

ことは「照れてる?」

 

リコ「はーちゃんも揶揄わないの!」

 

みらい「じゃあ続きは夜で―――」

 

リコ「きゃあ~っ!?」

 

モフルン「今日も笑顔で嬉しいモフ」

 

というわけで一度家に戻ってからそのまま魔法界へと直行することに。相変わらずな様子のリコがちょっぴりかわいいから結果オーライだねっ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~魔法学校~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらい「こんにちわ~」

 

リコ「校長先生、こんにちわ」

 

ことは「はー!」

 

校長「三人ともよく来たか。相変わらず元気そうで何よりじゃ」

 

まずは校長先生に挨拶をするために校長室に移動する。校長先生は今生徒達の成績表を確認しながらコーヒーを飲んでいる。

 

リコ「して今日の予定なんですが…」

 

校長「あぁ、そうじゃったな。少々多いが資料をまとめてほしいんじゃ」

 

みらい「リズ先生も一緒ですよね?」

 

校長「うむ。君達も手伝ってくれるか?」

 

ことは「人数多い方が早く終わるし、作業が捗るよ」

 

リコ「じゃあお姉ちゃんに伝えてくるわね」

 

私達より先にリコはリズ先生がいる図書室へと移動した。資料まとめは図書室で行うとのことらしい。

 

モフルン「大変そうモフ」

 

みらい「大丈夫だよ、すぐに終わらせるから」

 

ことは「それを済ませたら自由行動、ワクワクもんだし!」

 

その他の細かいことは校長先生から聞き、すぐに図書室へ向かった。するとリコとリズ先生以外に数人いた。

 

リコ「みらい、はーちゃん。ちょっとジュン達にもお願いしておいたの」

 

ケイ「私達丁度やることなかったの」

 

ジュン「大勢いればチョチョイのチョイさ」

 

エミリー「この資料を分ければいいんですか?」

 

リズ「えぇそうよ。あなた達にはそれをお願いしようかしら」

 

みらい「おー!助かるよー!(ジョバジョバ)」

 

リコ「涙を滝のように流さないの!」

 

モフルン「頑張れモフー」

 

ジュンにケイ、そしてエミリーも共にやってくれるみたい。作業はスタコラサッサっと済ませ、たった十分過ぎぐらいで終了した。

 

リズ「みんなありがとう、これで全部よ」

 

ことは「それほどでも…」

 

エミリー「モフちゃんも手伝ってくれてありがとね」

 

モフルン「我ながらいい働きぶりをしたモフ」

 

リコ「まぁ殆んど遊んでたけれど…」

 

ジュン「んでこれからどうするんだ?週末ここにいるのか?」

 

みらい「そのつもりだよ。夜は寝泊りするから」

 

作業を終えたあと、みんなで椅子に腰かける。調子に乗り過ぎたのか、私は少しだけ腰を痛めてしまった。

 

ケイ「無理に動くから…。はい、湿布張るから背中出して」

 

みらい「ぎっくり腰になってれば年寄り同然だった…(ふっ)」

 

リコ「そういえば週末に商店街でお祭りがやるそうよ。よかったら全員で行く?」

 

ことは「いいねいいね、是非とも!」

 

リコがテーブルに置いてあったチラシを手に取ってその広告を見せた。魔法界には色々と街がある、だから私が住んでいるナシマホウ界と同じぐらいの規模なの。

 

リズ「今日は無理せずにゆっくりと休んだ方がいいわ。お休みの日を利用して色々と予定を立てておくといいじゃないかしら」

 

みらい「じゃあそうしますね」

 

身体も疲れてきたところで今日の活動はここで終わりにする。私達は部屋でゆっくり休み、明日を迎えるのを待つように眠った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エミリー「……こっそりジョギングしてるけど、心配してないかしら…」

 

 

 

トン、トン…

 

 

 

エミリー「誰…?」

 

 

 

シーン……

 

 

 

エミリー「気のせい、よね……。っ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジュン「エミリー、こんな朝からどこに行ったんだよ…」

 

ケイ「きっとジョギングなんじゃない?」

 

ジュン「アタイは不安なんだがな…」

 

ケイ「何これ…?」

 

ジュン「どうしたケイ」

 

ケイ「血痕が滴っているんだけど、怖い…」

 

ジュン「見てみるか…?」

 

ケイ「う…ん(ゴクッ)。……っ!?」

 

ジュン「何かあった―――っ!?」

 

 

 

ポタ、ポタ…

 

 

 

ケイ「いやぁああああああああああああっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日から、私達の運命が大きく左右することになる。それを知らずに朝を迎えようとしていた……。



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第192話 絶望の悪夢:序章

校長「みんなを突然集めてしまって済まない。この時間みんなを集めたのは他でもない。実は今朝、我が校の生徒が何者かによって殺された」

 

生徒達のざわつきが体育館全体に響き渡る。

 

校長「被害者は胸を大きな凶器に貫通したと思われる。今現在警察による捜査が厳重に行われているとのことじゃ、皆もくれぐれもこのような事態に合わぬよう肝に銘じてほしい」

 

学校が休日にも関わらず突然の全校集会が行なわれ、生徒全員がそわそわしている。どうやらこの事件の第一発見者はジュンとケイらしい。

 

校長「今後この件は警察やその関係者達のみで捜査を敢行するそうじゃ。また学校のある日にまた各担任の先生方から話をするので皆は安全な生活を送るよう―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらい「そんな……エミリーが……」

 

リコ「どうしてこんなことに…うぅ…」

 

緊急の全校集会が終わり、改めて二人から話を聞いた私達。あまりのショックに今でも挫折してしまう。

 

ケイ「朝早くジョギングしようとジュンと一緒にエミリーを探したんだけど、無残な姿で…」

 

ジュン「くそぉ!(ドン!)一体誰がエミリーを…!」

 

さっきの校長先生の話によれば被害者であるエミリーは胸に凶器と思われる物で貫通されてそのまま即死したとのこと。死亡推定時刻はおそらく五時より前だと断定できる。

 

ことは「悲しいよぉ…(ぐす)」

 

親しかった友達が殺されることは心の傷が深いということ、つまり今回の事件はまたどこかで起きると思う。

 

リコ「はーちゃん、悲しいのは私達も一緒よ。でも今は…」

 

ジュン「あぁ。エミリーを殺した犯人を見つける、それだけさ…」

 

みらい「けど校長先生言ってたよ?後のことは警察の捜査で行うって」

 

友達が死んだことに同情するのは誰だって同じ、ここはみんなで犯人を見つけたい。しかし校長先生の言うことが優先される。魔法界の事件を担当する警察や捜査課などは私の住むナシマホウ界とはハードが違う。一般人が勝手に行動しても注意だけで済むナシマホウ界にとっては比べものにならない程厳重な捜査だというらしい。

 

モフルン「どうするモフ…?」

 

みらい「大丈夫だよモフルン、私達が探すから。それにモフルンは私が守るから」

 

リコ「じゃあ先生達や他の関係者に気づかれないように調べましょう」

 

今度は刑事が動き出すのも時間の問題だと判断し、手短に行動を開始した。軽率な行動はなるべく控えるよう、周りに注意しながら街全体を散策するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらい「そっちはどう?」

 

リコ「ダメだわ、全然手がかりなしよ」

 

ことは「もう足がパンパンだよぉ…」

 

私とリコとはーちゃん、それにモフルンは西と北へ。ジュンとケイは東と南へと二手に分かれて捜査を始めたものの、これといったことはなかった。その後箒で上空から捜索するが、それこそ見つけ出すことが困難のため森林の方へと着陸する。降りた直後はそのまま歩いて行動するが、なかなか手間のかかる。私達は諦めずにひたすら道を進んでいく。ところが長時間歩き続いたのか、はーちゃんは途中で足が動かなくなってしまう。

 

みらい「痛いの?」

 

ことは「うん、脹脛が肉離れしそう…」

 

リコ「はーちゃんに無理させてしまったわね、これでも食べて休むといいわ」

 

ことは「あっ、冷凍みかんだ…。ありがとう」

 

みらい「それと、キュアップ・ラパパ!足の痛みよ、治まりなさい(パァ…)」

 

そんなはーちゃんに楽させようとするために、私は魔法ではーちゃんの脹脛を冷やしてリコは冷凍みかんを食べさせた。

 

モフルン「はーちゃんが元気になったモフ」

 

ことは「二人とも、だーい好きっ!(ギュ)」

 

みらい「わぁ!?っははは、ちゃんと安静にしなきゃダメだよ?」

 

リコ「慌てん坊さんなんだから、ふふっ」

 

これではーちゃんを安静させることができたので、私とリコは引き続き捜索を再開する。モフルンははーちゃんを日陰の場所へと誘導させる、でもたった数歩の距離だけどね。

 

みらい「リコ、モフルンとはーちゃんよく眠ってるね」

 

リコ「寝顔がちょっとかわいいかも」

 

みらい「あまり距離を離さないようにしないとね」

 

リコ「逸れたら困るわよね」

 

それから三十分後、はーちゃんの足は少しずつ痛みが治まってきた。私達もだいぶ疲労が溜まってきたのでここらへんで休憩を取った。

 

みらい「痛みはどう?」

 

ことは「…ズキンズキンしないよ」

 

リコ「よかったわね」

 

はーちゃんは安心したのかまったりと胸を撫で下した。そこでリコがはーちゃんの脹脛を優しく触り、痛み具合をチェックする。

 

みらい「その顔は大丈夫って証拠だね」

 

リコ「安心したら行きましょう」

 

ことは「はーい」

 

よかったぁ、本当に。このままはーちゃんが動けなくなったらどうなるかと思ったよ~。

 

みらい(やっぱりこんな感じが一番かな)

 

 

 

???「友情はやがて、バラバラになる…」

 

 

 

ことは「…誰?」

 

モフルン「危険な臭いがするモフ」

 

突然私達の背後に現れる謎の影。その姿は靄が消えて初めて見えた。

 

みらい「何者なの?」

 

リコ「一体どういうことよ…」

 

???「我は偉大なるネオフュージョンの力から生まれた欠片の一部、お前達に絶望という名の悪夢を与えるためにやってきた…」

 

ネオフュージョン?闇の魔法使いでも終わりなき混沌でもない、何なの…。

 

リコ「あなたの狙いは何なのよ」

 

欠片「この世界には強大なる力を受け継ぎ者がどこかにいると聞いた。その力は闇を消滅させる程の圧倒的な光らしい、もしそれがこの近くにあるとすれば…」

 

ことは「…っ!?」

 

みらい「はーちゃん…?」

 

相手の目線が一瞬はーちゃんの方へ向いた直後、はーちゃんは身の毛がよだつように身震いした。

 

欠片「お前達はその力が何か知ってるか?」

 

リコ「それは―――」

 

モフルン「正直に話したらダメモフ」

 

みらい「うん…。私達は何も知らない。例えそれがわかっても教えるわけがない」

 

ことは「みらい…」

 

ここではーちゃんの秘密を他言したら何をしてくるかわからない、だから今のところは内密にする。

 

欠片「なるほど、敢えて白を切るか」

 

一同「「「…え?」」」

 

欠片「これでどうです?オルーバの旦那」

 

リコ「今なんて…?」

 

 

 

オルーバ「ご苦労さん、僕の情報は正しかったろ?君達のところについたのも何かの縁だね」

 

 

 

なんとすぐ後ろからオルーバがやってきた。どうしてオルーバが…。

 

オルーバ「あの力を手に入れえるなら手段は選ばなくていいよ、思う存分やっていいよ」

 

欠片「さぁ覚悟はいいか、プリキュア…」

 

ことは「こうなったらやるしかないよ!」

 

リコ「逃げ場なし、ね…!」

 

オルーバ「僕は高みの見物させてもらうよ」

 

嘲笑うオルーバは上空で見学をし始めた。結局戦うしかないんだね…。

 

みらい「みんな!」

 

欠片「地獄の時間の始まりだ…」

 

 

 

みらい&リコ「キュアップ・ラパパ、ダイヤ!ミラクルマジカルジュエリーレ!(パァァ)」」

 

ことは「キュアップ・ラパパ、エメラルド!フェリーチェファンファンフラワーレ!(パァァ)」

 

 

 

掛け声とともにリンクルストーンが現れ、モフルンにダイヤを、はーちゃんの持っているリンクルスマホンにエメラルドがセットされる。その直後、魔法の力で身体が大人っぽくなって徐々に姿を変えていく。

 

 

 

ミラクル「二人の奇跡、キュアミラクル!」

 

マジカル「二人の魔法、キュアマジカル!」

 

フェリーチェ「天音く命に祝福を(フッ)、キュアフェリーチェ!」

 

一同「「「魔法つかいプリキュア!」」」

 

 

 

オルーバ(また楽しませてもらうよ、プリキュア…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校長「…また何か、大きな災いが起きようとしている…」



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第193話 絶望の悪夢:ニンチ

欠片「…プリキュア、まとめて消し去ってやる」

 

オルーバ(さて、どんな戦いを見せてくれるのかな?)

 

 

 

ガサガサ…

 

 

 

静かに響く草の音、緊張と戦慄が身体中に駆け巡る。そして、こちらから先に仕掛けた。

 

 

 

欠片「…愚かな、ならば潔く死ね」

 

ミラクル「やぁあっ!(ドッ!)」

 

欠片「くらうがいい…(ズガッ!)」

 

ミラクル「くっ…!」

 

 

 

僅かに相手の方が反応が早い、そのおかげで見事に攻撃を阻止される。私は思わず反動で仰け反り、体制が崩れる。

 

 

 

マジカル「今のは油断しただけよ、次は大丈夫」

 

欠片「今度はお前達だ」

 

フェリーチェ「行きますよ、はぁ!(ダン、ガン!)」

 

マジカル「てやぁあ!(ドガァン!)」

 

ミラクル「へこたれない、せやぁ!(ゴッ!)」

 

 

 

ゴゴゴ…

 

 

 

三人で一斉に仕掛けると、再び不気味な音が響き渡る。ましてやどんどん音が近くでも聞こえてくる。この予感は、まさか…っ!

 

 

 

欠片「次はこれをお見舞いしてやる(ゴゴゴ…、ブォ!)」

 

マジカル「危ないっ!」

 

フェリーチェ「リンクル・ピンクトルマリン!(ピキィン!)」

 

ミラクル「う、間一髪だった…」

 

フェリーチェ「私達も負けていられません。食い止めましょう!」

 

欠片「まさか一瞬で防ぐとはな…。一人ずつなぶり殺しにするか」

 

 

 

思わぬ事態に対応するように、フェリーチェがギリギリで攻撃を相殺する。ただし周りに広がる爆風により多少被弾してしまった。ダメージはそこまでないものの、もう一度あの攻撃が出されて直撃したら一溜まりもない程の威力を持っている。

 

 

 

ミラクル「はぁああ!(ドゴッ!)」

 

マジカル「てやぁ!(ガン!)」

 

欠片「この世界のプリキュアも大したことないな、まるで期待外れのようだ…(ブシャァ!)」

 

ミラクル&マジカル「「ぐぅ…っ!!」」

 

フェリーチェ「ミラクル、マジカル!」

 

モフルン「大ピンチモフ!」

 

オルーバ「へぇ、魔法の力が宿していない割には結構頼もしいね」

 

 

 

再び特攻するが、またしても迎撃される。あの敵は私達が戦った相手とは違う、今までの戦法だと確実に通用しないのが痛手だったりする。

 

 

 

ミラクル(どうしよう…。どうも上手くいかない、それに闇の魔法すら感じない…)

 

 

 

予想外の恐怖感が身体から少しずつ染みついていく。そんな事態に偏らず、どうにか次の策を模索する。

 

 

 

欠片「ならば我の力を開放してやるとしよう…。ふん!(バァァ…!!)」

 

マジカル「どんどん力が増大してるわ…」

 

オルーバ「君達は勝てるかな?この敵に」

 

フェリーチェ「私が止めます!」

 

 

 

自らの力を開放しようとする相手に、フェリーチェが対抗しようとする。一瞬の隙を見逃さずに一気に仕掛ける。

 

 

 

フェリーチェ「フラワーエコーワンド!キュアーアップ!(キュアーアップ!キュアーアップ…!キュアーアップ…―――)プリキュア・エメラルドリンカネーション!(パァァァ…!!)」

 

 

 

フェリーチェが必殺技を放ち、威力を最大限までに引き出す。ここまでは順調に思われる…。

 

 

 

欠片「おぉ……ふんっ…!(ブァァァッ!!)」

 

フェリーチェ「お願い、振り切って……!」

 

 

 

相手も蓄えたエネルギーを集中し、瞬く間に放出した。フェリーチェの方が僅か数秒の差で有利になっている。なんとか振り切れるはず―――だが…、

 

 

 

欠片「単調な攻撃だ……(ブァァァッ!!)」

 

フェリーチェ「あぁああああっ!!」

 

ミラクル「フェリーチェ!」

 

マジカル「負けた…?」

 

 

 

その直後に相手の攻撃が徐々に威力を増加し、フェリーチェに致命的なダメージを与えてしまう。

 

 

 

欠片「どうやら迷いがあるようだな」

 

フェリーチェ「迷い…?どういうことですか」

 

オルーバ「君達が抱えていることさ」

 

マジカル「どうしてそれを知っているの、何が言いたいの」

 

オルーバ「なんでも、君達の友達が殺されたんだってね」

 

 

 

今度は私達に問いかけるように会話を始めた欠片とオルーバ。私達の顔を見て察知したのかもしれない。

 

 

 

オルーバ「それは君達にとっては認知上の世界にしか過ぎないよ。所謂現実的ではない場所ってところかな」

 

フェリーチェ「認知上の世界、つまりそれは…」

 

欠片「そうさ、お前達でいう魔法界とナシマホウ界の住民は全員個人個人の認知上の世界が存在する」

 

ミラクル「つまりエミリーが殺されたのは…」

 

マジカル「私達の認知上の世界ってこと…?」

 

オルーバ「正解、でも死んだのは事実。認知上の世界の彼女が死んでも他の人間達の認知上の世界では生存している可能性だってあり得る。けど彼女という存在が認知していない場合はどうなると思う?」

 

 

 

意味深な発言をするオルーバの言葉に少し耳を傾ける私達。ここまでの流れを大まかにまとめるとこうなる。

 

 

 

1 エミリーが殺されたというのは事実

 

2 だけどそれは認知上の世界だという

 

3 あくまでそれは私達の認知している世界の話

 

4 もし周りの人々が彼女の存在を認知していなかったら…

 

 

 

という結果になった。でもいつから認知上の世界だと認識されたのかが不明ということになる。

 

 

 

オルーバ「おそらく死んだということも知らず、何も触れない場合は現実(リアル)での意味の死になる」

 

フェリーチェ「そんなことはさせません」

 

マジカル「でもいつ認知上の世界になったのかが気になるけど…」

 

欠片「答えはただ一つ、既にお前達人間への絶望を送ったのだ」

 

フェリーチェ「目的な何ですか」

 

 

 

ただ一つだけ疑問に感じたことをマジカルが真剣な顔で問い出す。

 

 

 

オルーバ「当然、マザーラーパーパの力を持つ君を確実に始末するためだよ。それに―――」

 

欠片「我らがネオフュージョンの力へと吸収し、完全復活させるためだ。そうすればプリキュアのいる世界を全て破滅させることが可能だ。この目的を完遂するにはキュアフェリーチェの力を奪い取るというわけだ」

 

ミラクル「絶対にやらせない、フェリーチェは私達にとってかけがえのない仲間…大切な友達よ!」

 

オルーバ「ここでできなくてもいつかは彼女を狙う、僕は面白そうだったから彼に協力している。時が過ぎれば本気になって襲い掛かるだろうさ」

 

マジカル「その時は返り討ちにするわ」

 

欠片「ふん、だがお前達が現実に辿り着くのは時間の問題だ。せいぜい認知上の世界で彷徨っているがいい」

 

フェリーチェ「どんなことがあってもあなた達を許しません!」

 

ミラクル「マジカル!」

 

マジカル「えぇ!」

 

 

 

強い思いを抱き、再び攻撃を再開する。それに相手の目的を達成させないためには、必死で戦うしか道がない。

 

 

 

ミラクル&マジカル「「リンクルステッキ!永遠の輝きよ、私達の手に!フル、フル、リンクル!」」

 

 

 

リンクルステッキにダイヤがセットされ、力を徐々に漲らせる。巨大なエネルギーが一気に具現化し、最大限までに引き出す。

 

 

 

ミラクル&マジカル「「プリキュア・ダイヤモンド…エターナル!(バシュ!)」」

 

欠片「お前達の本気、試してやる…(ゴゴゴ…)」

 

 

 

この攻撃に迎え撃つ相手も相当の気迫を見せている。この重圧感は侮れない様子のようだった。

 

 

 

ドゴゴゴ……!

 

 

 

どちらかの攻撃だけが打ち破る瀬戸際の中、プレッシャーが益々漂う。ところが…、

 

 

 

オルーバ「そこまでだ(バァァッ!)」

 

フェリーチェ「きゃあっ!?」

 

欠片「っ…!」

 

ミラクル「攻撃が、かき消された…?」

 

マジカル「…なんてことを」

 

 

 

退屈そうな顔をしたオルーバが互いの技を打ち消した。何の真似なの…?

 

 

 

オルーバ「今ここでフィニッシュするのは早すぎる。プリキュアの三人にはこの真実を解いてもらわないとね」

 

マジカル「どういうことよ…」

 

フェリーチェ「どうすればいいんですか」

 

オルーバ「決着は後のお楽しみさ。今日のところは引き上げるよ、現実へ戻る方法をわかったらまた相手するよ」

 

欠片「命拾いしたなプリキュア。いずれはお前達を葬る(ビュワ)」

 

 

 

オルーバ達は不快な笑みを浮かべながらその場から去っていった。あの一連の言葉はどうも理解できそうにない。

 

 

 

ミラクル「……」

 

マジカル「考えてもしょうがないものね。ひとまず戻りましょう」

 

フェリーチェ「謎が多いですね…」

 

 

 

このことは念入りに考えることにし、今日の活動は終了した。きっと校長先生も黙ってはいられないだろうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校長「うむ、彼女達が戻ってきたか」



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第194話 恐れる感情

校長「それで、君達が接触した相手についてや起きた出来事があるそうじゃが」

 

みらい「そうなんです。話すと長くなりますけど」

 

魔法学校に戻り、校長先生に今日の出来事を報告する。ちなみに別で行動していたジュンとケイはまだ戻ってきていないらしい。

 

リコ「私が簡単にまとめたものをノートに書いたんですけど、どうです?」

 

校長「ふむ、君達が経験したことに関しては大方偽りではなさそうじゃ」

 

リコはさっきまで起きたことを校長先生に説明するためにノートで大まかに書き込んでいた。こういう対処方までしてくれるのは嬉しいことだと思う。

 

ことは「あの敵、何者なのかな…?」

 

校長「闇の魔法使いや終わりなき混沌でもない別の脅威、一体どこまで襲いかかるというんじゃ…。ともかくこれ以上被害を与えないように生徒達を疎開させたいところじゃ」

 

みらい「あともう一つ注目してほしい部分もあります」

 

校長「認知上の世界っと言ったな。それに関しては念入りに考えねばならない、ワシ自身にもわからないことじゃ。危険に晒さないようにしたいところじゃ」

 

ことは「私達はこれからどうすればいいのかな…?」

 

リコ「仕方ないわ、しばらくは後回しにするだけよ」

 

根本的なことにはあまり私達ではどうにもならない。そこで校長先生はこの出来事について調べるつもりではある。ただし直接経験していない故に私達の説明だけを頼りにせざるを得ない。

 

校長「君達には苦労もあったじゃろう、だから今日はもう休むといい。これ以上頭を使うと疲労に繋がるからリラックスするんじゃぞ」

 

モフルン「二人のことも心配モフ」

 

ことは「大丈夫だよ、戻ってきたら元気に出迎えしようよ」

 

あの時オルーバが言った言葉は今後にどう影響するのか、私達に待ち構える未来を思うと心が傷つきそうになる。とりあえず今日の活動はおしまいにするとしよう…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~二時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リコ「どうしたのよみらい、全然食欲ないじゃない」

 

みらい「ご、ごめん…。疲れてたから」

 

夕食の時間になり、食堂に移動して食事をとることにした。でも疲れが溜まっていてなかなか食欲が沸いてこない。ましてや今日は私の大好物があるのにとても勿体ない。

 

ジュン「はぁ~、無駄に動いたから疲れちゃったなぁ」

 

ケイ「結局何も解決できなかった…」

 

ことは「おかえり~、二人も早くご飯食べた方がいいよ」

 

しばらくしてジュンとケイが戻ってきて一緒の席に座った。こんなに熱心だったけど二人も冴えない表情をしていてなんだか落胆した様子だった。

 

ケイ「みらい珍しくあまり食べてないけど、どうしたの?」

 

リコ「大好物あるのにも関わらずこの様子なのよ」

 

モフルン「お腹が空いてないモフ?」

 

みらい「……ううん、ちゃんと食べるから心配しないで?」

 

ことは「食べないと栄養取れないよ」

 

みんなも私のことを心配してくれている。余程食欲がないことを気にしているんだね。

 

ジュン「残すならアタイが―――」

 

リコ「欲張り」

 

ジュン「ってまだ何も言ってないだろ!?」

 

みらい「ぷっ…、ぷはははっ」

 

ケイ「意外とうけてるね…」

 

ことは「みらい元気になった~!」

 

みらい「ありがとね。でも今日は疲れてるし早めに休みたいの、明日にはまた元気になるから」

 

リズ「みんなで一緒にご飯だなんて楽しそうね」

 

リコ「あ、お姉ちゃん」

 

ことは「こんばんわリズ先生」

 

元気を与えてくれてホッとしたところでリズ先生がやってきた。どうやらリズ先生も食事に入るところだった。

 

みらい「結局、何も解決できませんでした」

 

リズ「あなた達は十分やれたわ、あとは大人達に任せた方がいいから」

 

リコ「…もしこんなことにならなかったら、みんな元気で過ごせたのかしら…」

 

ことは「リコ…?」

 

突然リコが悲しそうな顔をしながら呟いた。リズ先生はリコの後ろ側に寄り添って頭をそっと撫でてあげる。

 

リコ「お姉ちゃん…」

 

リズ「もしかして連休の予定とかを思い出したのかしら?」

 

リコ「あっ…どうしてそれを」

 

リコが考えていたことを見抜くリズ先生。流石リコのお姉さん、姉妹の気持ちがわかるね。

 

ことは「はーちゃんも、同じこと思っていたんだ」

 

みらい「本当はそうしたかったことが、今ではもう実現できないことになったからね」

 

モフルン「危険な目に合わなかったらそうなってないってことモフ」

 

リズ「リコ、悲しいのは誰だって一緒よ。他のみんなもね」

 

予想もしなかった出来事を割り切るしかないのはやぶさかではないが、友達を失った私達にとっては一番辛い一日でもあったのだから。だからこそ、これからどう進むのかが、それぞれの決意によって決まる。

 

リズ「ご飯食べたらもうゆっくり休みなさい、それとナシマホウ界でも迷うことなく突き進むのよ」

 

リコ「お姉ちゃん…うぅ…」

 

この後私達はゆっくり休み、残りの日数は普通に過ごした。それからナシマホウ界に戻り、普段通りの生活を送ることにした。これ以上犠牲を増やすわけにはいかないので、これからどうするのかをじっくり考えないとね…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~校長室~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校長「さて、三人が言っていた認知上の世界とやらを知らべていきたいのじゃが…」

 

水晶「何か気になることでも?」

 

校長「うむ。我々のいる現実とは少し違うような気がするのじゃ。それでも解明できるかどうかはわからぬ、そもそもこういうのはあまり考えたことがない。手がかりがあれば助かるのだが…」

 

みらい「失礼します(コンコン)」

 

校長「今行く(ガチャ)、みらい君か」

 

みらい「あの…これからのことですけど、校長先生はどうするんですか?」

 

校長「とりあえず入りなさい。話はそれからじゃ」

 

就寝時間間近の時間を利用して、私は校長先生のところへ行った。ノックして校長先生がドアを開けるとそのまま中に入る。それから椅子に腰かけて校長先生が用意してくれた紅茶を啜る。

 

みらい「ありがとうございます」

 

校長「折角の機械じゃ、少しワシからも聞きたいことがあってな」

 

みらい「校長先生も何かあるんですか?」

 

水晶「かなり事情があるのよ」

 

難しい表情で話を進める校長先生。その直後に書き込んでいる紙を私に見せる。

 

校長「これを見てほしい。今日君達が接触した相手についてまとめたのじゃが、何か指摘する部分はあるか?」

 

みらい「えっと…、だいたい正解です。細かいことはリコが教えたので大丈夫ですよ」

 

校長「ネオフュージョンという存在が世界の脅威となるのは想像つく、詳しいことがもう少しわかれば助かるのじゃが」

 

みらい「私にもさっぱりです、せめて手掛かりがもっと掴めれば…」

 

ネオフュージョン、確かにその脅威が訪れたら世界は苦しむ。直接接触できればいいけど、またあの敵が来ない限りは全くのわからず仕舞いとなる。

 

校長「ということは、みらい君も同じこと思ってるんじゃろ?」

 

みらい「は、はい…。もしものことがあったら私達が食い止めますよ、どうなるかは定かではないですけど」

 

校長「そうか、このことはしばらくおあずけにしよう。君達は普通の生活を送ればいい、また何かあればその時は頼むぞ。あと、今日のことが二度とないようになりたいところじゃ」

 

みらい「そうですね、また何かあったらまた来ますね」

 

校長「もう今日は遅い、早く寝るんじゃぞ」

 

みらい「はい、お休みなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オルーバ「君達が僕を雇ったんだね」

 

R「威勢だけは本物のようだ。これからお前に協力してほしいことがある、そのための契約だ」

 

オルーバ「期待には応えるよ」

 

R(どうせこいつもいずれ使い捨てになるだろうがな…)



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第195話 個人の意思

平凡な日常、窓から見つめる景色はとても清々しい。退屈で暇なこの時間がまた丁度いい、そしてただひたすら時だけが過ぎていく。

 

みらい(魔法界は平和かな…。ちょっと不安かも)

 

私は先日起きた出来事を思い出し、少し魔法界のことが心配になり始める。ナシマホウ界はというとほぼ平常な感じだ。ともかく何事もめげないことを意識していきたい。

 

みらい(でも、ナシマホウ界にも危害来る可能性が…)

 

途方に暮れるような感情が出てくる。自分だけかもしれないが、ナシマホウ界まで危険が訪れるのではないかと疑う。そんなことを意識している内に午前の授業が終わる。心の底から思っていることがどれ程現実に起きるか…まだ未知なる領域になりつつあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことは「今日の風、ちょっと生暖かいね」

 

みらい「うん」

 

昼休みになり、私達は学校の屋上で時間を過ごす。はーちゃんが策の網目から風景を覗き込みながら涼むと、少しだけしけった空気が流れ込んだ。

 

リコ「今回の件、到底魔法界の住民じゃ対応できそうにないわね…」

 

ことは「オルーバの言葉を信用してもいいかな?」

 

みらい「本当だとすれば尚更疑いようもないよ、私は…このまま野放しするのは余計ダメなんだと思う」

 

リコ「そのためには色々と謎を解決したいわ。仮にナシマホウ界も脅威に脅かされたら手に負えない気もするし」

 

リコが首を横に傾けながら答える。リコまでもそう思うならば今後の光景も目に見えることになる、どっちみち戦うしか選択肢はないのかもしれない。

 

みらい「また…みんなが酷い目に合わないかな…」

 

リコ「次はジュンとケイに来るのかも、その次は…」

 

ことは「うん、その時はみんなでやっつけようよ」

 

みらい「それがいつ訪れるかが心配だね。このまま何もないといいけど」

 

考える程思考が一杯一杯になりそうになる。それを振り切ってまでしないと平和になれない、今はただ対策を練ることだけが精一杯だった。

 

みらい(他に目的でもあるかな…)

 

リコ「みらい…」

 

気がつけば既に昼休みが終わりを迎えようとしていた。教室に戻り、午後の授業を受けながら個人で方法を考え始めた。

 

そして学校が終わり、家に帰宅すると私はそのままベットに横たわった。

 

モフルン「疲れてるモフ?」

 

みらい「ちょっとね、リコとはーちゃんも一緒にね」

 

仰向けになってモフルンの頭を撫でる私。その直後、自然と眠りにつこうとしていく。

 

モフルン「お昼寝するモフ?」

 

みらい「夕方まで寝るね、お休み…」

 

モフルン「モフルンもお昼寝するモフ…」

 

リコ「入るわよ―――って疲れて寝ちゃったのね」

 

ことは「寝かせてあげようよ」

 

リコ「そうね、じゃあ…みらい抜きで―――」

 

ことは「本当はみらいがいてから話したいけど、二人だけで話そうか」

 

リコ「えぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リコ「はーちゃん、何を話したいの?」

 

ことは「私ね、あの時気づいたことがあるの」

 

熟睡しているみらいとモフルンをそっとしておき、はーちゃんの部屋で二人っきりで話を進めることになった。その前に宿題をやっていたため、会話するタイミングを考えていた。予想外の出来事に私は少しだけ首を傾ける。

 

リコ「一体何を気づいたの?気になるわ」

 

ことは「オルーバの言葉に引っかかってね。もしかするとマザーラパーパの力を狙ってくるんじゃないかと…」

 

リコ「仮にあの謎の敵も狙ってくるのかしら…」

 

ことは「まるで三つ巴みたいだね、でも絶対誰にも渡さない」

 

リコ「でもどうしてそこまで…」

 

あの時の戦いではーちゃんが気になったことをもう一度考えてみる。だからと言ってそれが本当かどうかは定かではないと思う。

 

ことは「リコはどう感じたの?」

 

リコ「ネオフュ-ジョンって言ってたわね。あの敵が本当に現れたらどうにもならないかも…」

 

ことは「よくわからないけどまた来る可能性あるよね」

 

あの頃に経験した恐怖心がフラッシュバックする恐れがある。他にマザーラパーパを受け継ぐはーちゃんに襲い掛かってその力を奪おうとする、一気に降りかかる障害がまた脅かされるというのかしら…。

 

リコ「はーちゃん」

 

ことは「ん?」

 

リコ「何が来ても絶対に大丈夫よ、みんなで力合わせれば負けないわ」

 

ことは「リコ…、よ~し!なんだか勇気が沸いてきた!」

 

リコ「テンション高いわね、でも無理しなくてもいいのよ?」

 

ことは「困った時は遠慮せずに頼るからね」

 

困難を乗り越えた私達だからこそ言える言葉、はーちゃんはやる気を最大限に引き出す勢いを見せる。けど調子に乗るのはちょっと慎むべきかもね。

 

リコ「はーちゃん、ありがとう。何かいい対策が練りそうだわ」

 

ことは「そうなの?」

 

リコ「私なりに方法を見つけるわ、みらいにも伝えた上でね」

 

ことは「頑張るぞ、おー!」

 

リコ(近々魔法界にまた行かないと、きっとあっちも大変かもしれない…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???(…お前は何を望む?何を選ぶ…)

 

 

 

私は…どうしたらいいの…?

 

 

 

???(仲間を蔑ろするのか、お前の迷いは人を不幸にする)

 

 

 

嘘よ、そんなことないわ…!

 

 

 

???(返す言葉もないか、ならば消えろ―――)

 

 

 

あぁ、あぁ……―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リコ「…っ!!…あ、夢…?」

 

目を覚ますと、小鳥達の囀りが響き渡る。自分が見た夢は全く覚えておらず、特に気にすることなく普段通りの朝を迎えて起床する。

 

リコ「んっ…」

 

カーテンを開けて日差しを浴びながら背伸びする。昨日の疲れはもう既になくなっていた。

 

みらい『リコ~、ご飯食べるよ~』

 

ことは『早く食べないと遅れるよ』

 

みらいとはーちゃんの呼び出しが聞こえてすぐに着替えて朝ご飯を食べることにした。さて、今後の心境はどうなるのかしらね…特にみらいの方が気になるだろうし。



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第196話 リコとはーちゃん①

ことは「みーらい!そろそろ帰ろ!」

 

みらい「ごめ~ん、ちょっと先生の手伝いしなきゃいけないからリコと先に帰ってて」

 

ことは「みらいが戻ってきた頃にはおやつ無くなってるかもよ~?」

 

みらい「も~冗談はよしてよ」

 

リコ「みらい、辛いと思うけど無理はしないでね。それじゃまた後で」

 

みらいが先生と一緒に書類やらを運ぶ手伝いをする都合上、私とはーちゃんで先に帰宅ということになった。大変そうなみらいをただ暖かい目で見守るばかりでちょっと可哀想に思えてくるのも無理はないと思うわね。

 

ことは「あのねあのね、帰ったら一緒にケーキでも作る?」

 

リコ「急にどうしたのはーちゃん?」

 

ことは「みらいにご馳走させたいなーって思ったんだ。それにみんなで食べた方がきっと美味しいよ。そこでリコにも手伝ってほしくてね」

 

はーちゃんが天真爛漫の笑みで私にそう言った。お菓子作りは普段はあまりやらないからいざこうして作るとなればそれはそれで無理難題な答えが出てしまいそう。

 

リコ「気持ちは嬉しけど、なんでケーキを作りたかったの?」

 

ことは「最近お菓子を上手くできるかどうかを確かめたくて一生懸命練習したの。一応腕は上がったと思うんだけど」

 

リコ「じゃあその腕前を見せてもらうわね」

 

ことは「まずは買い出しに手伝って」

 

リコ「ってそこからなのね…(ハハハ)」

 

というわけで私達は大変なみらいのために早速作業に入ることにした。買い出しは速攻で済まして帰ってくる前に始めるように調整する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~三十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことは「はー!あとは焼きあがるのを待つだけだね」

 

リコ「そうね、案外テキパキできたわね」

 

ケーキをオーブンで焼くところまで済まして、その間にフルーツを順番に切っていく。私はあまり均一にできないけど、はーちゃんは綺麗に大きさを合わせられている。するとはーちゃんは私にあることを聞き出した。

 

ことは「リコ、ちょっと聞きたいんだけど」

 

リコ「どうしたの?」

 

ことは「最近のみらい、無理してる気がするの。表情的に…」

 

リコ「私達以上に…かもね。あの時の出来事が影響されたんでしょうね」

 

思い出したくもないことを無理矢理過ってしまうが、一度聞いた事実は早々に忘れるのは難しい。私達の知らないところで抱えてる辛さというのがはーちゃんは感じたのかもしれない。

 

リコ「友達を失った苦しみは消えないわ…。だって出会った時からあんなに接してたもの、それをどう受け入れようが悲しいわよ」

 

ことは「…だよね、もしも救ってあげられたら…」

 

リコ「はーちゃん、そんな簡単な話なんてないのよ。現実はそこまで甘くないから……あっ」

 

ことは「リコ…?」

 

急に自分らしくない言葉が咄嗟に出てしまう。その直後、左目から涙がジワっと滲み出ていく。

 

リコ「どうして?どうしてこんな言葉を…うっ…」

 

ことは「泣いてるの?リコもみらいと同じ気持ちなの?」

 

リコ「ご、ごめんね…はーちゃん。どうも気持ちが整理できなくて、らしくない言葉も出ちゃって…。本当に自分がバカらしく思えてくるわ…」

 

ことは「私もね、嫌な出来事があればリコと同じ感じになったりするよ。そもそも結果なんて先に出たりしないから」

 

はーちゃんが励ますように私の頭をゆっくり撫でる。気持ちがギクシャクしているのだからこそ気を使っている様子だとは思うが、それでもはーちゃんは感情的にならないままでいられる。

 

リコ「そうよね…。このままだと何も解決なんて不可能よね…」

 

ことは「…リコが悲しい顔するの、嫌だよ」

 

ちょっと落ち込んでいる私に対して、はーちゃんはある行動をとった。

 

ことは「リコこっち向いて」

 

リコ「何…―――っ!?」

 

ことは「……」

 

すると突然はーちゃんに真正面から柔らかいものを押しつけられた。そのまま濃厚な感じになっていって口の中がとろけるような感覚になる。

 

リコ「ん…んん…っ!」

 

ことは「んっ……」

 

リコ(ヤバイ…、身体が震え上がって…足の力が…)

 

少しずつ足がガクガクする上に身体も解れるように身震いもしてしまう。はーちゃんだからこそやれるスキンシップだったりする。

 

リコ「はぁ…はぁ…」

 

ことは「どう?気分が解れた?」

 

リコ「ヤバ過ぎるわよこんなの……」

 

心が揺さぶられる気分の私に尽かさず凝視していくはーちゃん。感情も相手の様子なども読み取ることができる辺り、はーちゃんは色々と成長したりしていたのだ。

 

リコ「少しは手加減してよ…」

 

ことは「やーだ、リコが快感になるまでやめないよ。勿論みらいにもね」

 

リコ「そのおかげでちょっとは楽になれたのかも…」

 

どうやらはーちゃんのおかげ(?)で多少はネガティブ感が薄れてきた。やっぱりはーちゃんには敵わなかったみたいね…。

 

ことは「焼き上がるまでもう少しかかるから、部屋で―――したいな」

 

リコ「……しょうがないわね(///)」

 

この後滅茶苦茶はーちゃんとやりましたとさ、めでたしめでたし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらい「ふぅ~やっと帰れるぅ~…」

 

モフルン「お疲れ様モフ、よく頑張ったモフ」

 

みらい「ふぇ~モフルンを撫でると心が落ち着くなぁ。よし、早く家まで直行しなきゃね―――ん?あそこにいるのは…」

 

モフルン「よく見えないモフ。ん?みらい、どうしたモフ?」

 

みらい「…っ!?嘘、でしょ…?」

 

窓の下から見た光景に、私は思わず腰を抜かすこととなった…。



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第197話 リコとはーちゃん②

リコ「それじゃあケーキも焼けたし、デコレーションに入りましょ」

 

ことは「はー!待ってましたー!」

 

空気が落ついたところでケーキ作りを再開。私はスポンジケーキにクリームを塗る担当、はーちゃんは切ったフルーツを添える担当となっている。

 

ことは「どんなデコレーションにしようかな?」

 

はーちゃんが首を傾げながら悩んでいる。普段はすぐに閃くのに随分と時間がかかっている。

 

リコ「大丈夫?」

 

ことは「ううん、もう決まったよ。今回は見るだけで喜ぶような感じにしちゃうよ!」

 

リコ「楽しみだわ」

 

作業はテキパキとこなし、最後の仕上げと入った。とここで、

 

ことは「ここであれを使いま~す!」

 

リコ「あれって―――ふぁ!?」

 

はーちゃんが冷蔵庫から大きな果物を取り出した。取り出したものに対して驚きまくってしまう。

 

リコ「なんて大きいメロンなの…?」

 

ことは「えへへ、この前おじさまが近所の人にもらったけど余ったから自由に食べていいよって言ってたんだ」

 

リコ「…なんて贅沢な」

 

ことは「だから…こうしてっと、はー!我ながら綺麗に切れたー!」

 

冷蔵庫から取り出したメロンを使う分だけカットするはーちゃん。とっても迫力のあるものが出たわね…。

 

ことは「リコも切る?」

 

リコ「やってみるわ、よいしょ。身が柔らかくて切れやすいわね」

 

ことは「あとは盛り合わせるだけだね」

 

これでみらいも喜ぶはずだし、大成功する予感間違いなしね。

 

リコ「さてと、みらい戻ってくるまで休んでるわ。はーちゃんはどうする?」

 

ことは「後片づけしなきゃだから、大丈夫。早く三人で食べたいな~」

 

リコ「そうね、それじゃまた後でね」

 

私は自分の部屋に戻り、今日の課題の続きを済ませることも兼ねて少しベットに横たわった。それに段々眠気が徐々に伝わっていき、自然と眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リコ「ふぁ~…あれ?いつのまにこんな時間…」

 

目を覚ましたのは部屋に入って一時間後のことだった。私は居間に移動し、みらいが戻ってきたかどうかを確認する。

 

ことは「リコ、ちょっといい?」

 

リコ「はーちゃん?」

 

するとはーちゃんがかなり焦った様子で尋ねてきた。

 

リコ「みらい帰って来たの?」

 

ことは「ううん、まだなの。だからちょっと心配になってきて…。お願い、一緒に探しに行こうよ」

 

いつもとは違う感じの焦りが滲み出てくるようでかなりパニックになりがちのはーちゃん。それを聞かれると見過ごせないのでここは一緒に行動することにした。しかしもう時刻はそろそろ日の入りする頃の時間だ、もしみらいの身に何かあれば余計に心配になっていく。

 

リコ「もしかしたらまだ学校にいる可能性もあるんじゃないかしら…」

 

ことは「まずは行ってみよう、間に合うと思うから」

 

駆け足で学校へ移動し、みらいとモフルンが無事かどうかを祈る。しばらくしてあっという間に学校に辿り着いた。まだ校門に残っている先生達に頭を下げながら急いで中へ入った。

 

リコ「すみません、忘れ物しました!」

 

ことは「私もです!」

 

まずは廊下から回ろうとすると、横から何か不気味な空気を察知する。

 

ことは「リコ、あっちから何か臭う…」

 

一目散に気づいたはーちゃんは辺りを見回していく。私にそれを教え、グラウンド方面の奥の木の茂みへ向かう。

 

リコ「何かしら…とても途方もない空気は」

 

ことは「よくわからないものがあそこにある…」

 

リコ「暗くてよく見えないわ、ライトっと…(カチ)」

 

日陰で暗いので私がライトを使ってそれを確認する。そこに移ったのは……、

 

リコ「…嘘、でしょ……」

 

 

 

ガサササ…

 

 

 

ことは「なんで…?」

 

 

 

みらい『いやぁあああっ!!』

 

 

 

リコ「今の声、みらいよね…?」

 

ことは「急ごう、そんなに遠くはない」

 

ライトを照らしたものを見て足の震えが急激に始まり、今にも痙攣しそうな勢いになる。その直後、向こうからみらいの悲鳴が響き渡ったのを知り、すぐに校内に入った。

 

リコ「みらいー!」

 

ことは「あ、いた!みらい~!」

 

モフルン「リコ、はーちゃん。みらいが大変モフ…」

 

モフルンが私達の声に気づき、こっちの方へやってきた。その直後、恐怖のあまりに足の力が無くなっていたみらいが怯えていた。

 

ことは「みらい、大丈夫?」

 

みらい「ま…まゆみが……」

 

リコ「確か、勝木さんも……」

 

みらい「二人が……死んで―――(ガクッ)」

 

ことは「みらい!みらい!」

 

リコ「気を失ったのよ、あまりのショックに…」

 

とりあえずこの現状のことに関してはみらいが目を覚ましてから話すようにする。今はみらいが恐怖状態なのがとても心配ね…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校長「…またよからぬことが起きたそうじゃな…」



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第198話 朝日奈みらいをジャッジせよ

リコ「どうやらパニック状態だったみたいね」

 

ことは「うん、みらい相当怖がってた」

 

気を失ったみらいを連れて家に戻った私達はみらいの精神的不安を和らいだのを確認する。その直後、みらいは起き上がり何が起きたかを説明し始める。

 

みらい「…ごめんね、迷惑かけちゃって」

 

リコ「いいのよ。みらいが無事ならそれでいいから」

 

みらい「私はよくわからなかったけど、まゆみ達が既に…」

 

リコ「となれば、またあの時の二の舞よね」

 

みらいの言ったことに関して私はある出来事を思い出す。それは以前魔法界に訪れた時に起こった事件がまず頭に思い浮かべた。

 

ことは「でもさ、いくらなんでもナシマホウ界にも被害会うのはあまりにも都合よすぎないんじゃない?」

 

リコ「かもね。そんなことをするのは絶対に同じ犯人だと思うわ―――いや、もしや…」

 

私はふとあの言葉を思い出した。

 

リコ「『認知上の世界の人間』」

 

ことは「あ…」

 

みらい「そうなのかもしれない、ね…」

 

以前魔法界で起きた事件に対してオルーバが言った言葉、今でも信じられないんだけどそれが本当ならばどうやって解決するのかがまだわからない。

 

リコ「一体誰の認知上の世界なのかわからないわね」

 

ことは「…そういえばみらいはさっきの出来事をすぐに気づいたんだよね?」

 

はーちゃんが目を疑うような目線でみらいに尋ねる。でもなぜそんな目で…?

 

みらい「私が廊下の窓から偶然見かけたんだけど、モフルンもチラッと目撃した程度だったの。何かが去っていくような黒い影がすっと消えていくのをハッキリとわかった」

 

リコ「本当に?特徴はどうだったの?」

 

みらい「それはね……」

 

リコ「みらい…?」

 

するとみらいが突如黙り込んで下を向いた。みらいの様子に気づいたはーちゃんは、

 

ことは「リコ!(ガバッ)」

 

リコ「きゃ!?」

 

みらい「はーちゃん、どうしてそんなことするのかな?」

 

咄嗟に私を抱きかかえて瞬時に後ろに下がった。これはどういうことなの~!?

 

ことは「あなた、みらいじゃないでしょ…!誰なの!?」

 

リコ「ちょっとはーちゃん、いきなり何言ってるのよ!?」

 

みらい「あーあ、もうちょっとでうまくいくと思ったのに。気づかれた以上はもう茶番は不要か…(ガバッ)」

 

私達が見たのはみらいを装ってた謎の人物だった。なんとその人物はみらいに変装をしていたという衝撃的な展開だった。

 

ことは「となればモフルンも…」

 

リコ「あなたは誰なの、みらいはどこよ!」

 

X「私はX、あなた達プリキュアを倒すために生まれた存在。まさかこの世界にもプリキュアがいるとは本当だったのね」

 

リコ「なぜ私達に接近したの…?」

 

震えが若干感じる中、冷たい目線の少女目の前に苦渋が強いられる。

 

X「きっと今頃あなた達のお仲間はどこかで寂しがっているに違いないかもね、私はマザーラパーパの力を持つ者からそれを奪うために近づいただけ」

 

ことは「ダメ!これだけは誰にも渡さないんだから!」

 

リコ「はーちゃん…」

 

X「それとここは現実世界ではない可能性だってあり得る、人間一人一人の認知上の世界かもしれないし。気づかれてはもうやる気なくしたから今回はここまでにしてあげる」

 

リコ「教えて、本当の現実に戻れるの?」

 

X「まだ言うわけないでしょ。その真実を知らない以上は永遠と現実に戻れないから、それじゃ(バッ)」

 

Xと名乗る少女は意味深なことを言い残しその場を去った。こうしてはいられない、早くみらいを探さないと…。

 

ことは「みらいどこにいるんだろう…」

 

リコ「手分けして探すしましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~某廃墟~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらい「う~…痛っ…」

 

モフルン「大丈夫モフ?」

 

みらい「うん、なんとか…」

 

目が覚めると見知らぬ場所へと連れていかれた。なぜこんなことになったかというと、

 

みらい「こんなところにいる場合じゃない、早くリコ達と会わないと」

 

モフルン「知らない人が突然出てきて気がついたらここにいるのはわからなかったモフ」

 

私は先生の手伝いで帰宅が遅くなっていて、先程手伝いが終わった。しかし見慣れない人影が近づいてそのまま眠ってしまった。そして気づけば廃墟にいたという結果になってしまった。

 

みらい「早く出ようよ、ここ臭いし…(うぐ…)」

 

私はモフルンを抱きかかえて必死で出口を探す。しかもここは割とゴミとかが散乱していて臭いなどが充満している。帰ったらお風呂に入らないと…。

 

モフルン「みらい、あっちから甘い匂いがするモフ」

 

みらい「もしかしたらあそこが出口なんだね、やった~!モフルン天才だよ~!」

 

モフルンの自慢の鼻が頼りになったみたい、とにかくあそこに辿れば出れるに違いない。

 

みらい「やったー!―――ってあれ?甘い匂いの元がないね」

 

モフルン「でも無事に出られたモフ」

 

みらい「でもこの道全然わからないよ…。だけどホウキ使えばすぐ帰れるね、いや悪臭が全身に染みついてるから飛んだら街のみんなが苦しむだろうし…」

 

外から出ると全く行ったことのない場所だったため、すぐに帰れる手段を割り出す。しかし充満した臭いを街全体に散布させるわけにはいかないし、ここは徒歩で帰ることに。

 

みらい「ふぇ~、お腹空いたよ~…」

 

モフルン「ファイトモフ、もうすぐご飯が食べれるモフ」

 

こうして苦労を背負いながら自力で家まで帰ることを決意した私達だった。すると、

 

 

 

リコ「みらいー!」

 

ことは「モフルンもいたよ!」

 

 

 

ホウキに乗っているリコとはーちゃんが手を振ってやってきた。ここで無事に確保され、家まで帰宅できた。全く本当に不思議な一日だったよ…。



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第199話 みらいのこと、なんでもわかるよ

みらい「よかった~、無事に帰れて」

 

リコ「全く…心配したんだから」

 

ことは「モフルンも大丈夫だった?」

 

モフルン「大丈夫モフ、みらいがいたからモフ」

 

家に帰ってシャワーを浴びるために浴槽へと移動する。その途中、リコ達が私を心配するように声をかける。

 

みらい「とにかく、シャワー浴びてくるね。モフルンはリコに綺麗にしてもらってね」

 

モフルン「わかったモフ」

 

リコ「じゃあまた後でね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~家のベランダ~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことは「はー、今日も疲れたね」

 

リコ「ところではーちゃん、さっきなんでみらいじゃないってわかったの?」

 

モフルンを手入れし、二人で場所を移して会話をする。私はさっきのはーちゃんの発言が気になったので尋ねてみた。

 

ことは「みらいに化けてたことか…それはね、私の中にあるマザーラパーパの力としての直感だったの」

 

リコ「そこまで見抜けるのね」

 

ことは「気づいたのは途中からだったし、身の危険を感じる程の余地なのかも」

 

はーちゃんはみらいに変装していた少女、xのことを思い出していた。しかしすぐに見破るなんてそう簡単にいない。

 

リコ「あとどこらへんでわかった?」

 

ことは「みらいなら友達の身に何かあってもすぐに悲しまない、それにあんなに怯えたりしない。ずっと一緒にいたから様子なんかも全部頭に入っているよ」

 

リコ「はーちゃんもなんでも知ってるのね、みらいのこと」

 

ことは「当然、リコやモフルンだけじゃなく私だってみらいのことを知り尽くしているんだから」

 

はーちゃんの凄さに思わず笑ってしまう。それはみらいをよく見ているから言えることなんだと思う。私にはとても受け入れやすい感情なのかもしれないわね。

 

ことは「みらいから何されたか聞いてみないと」

 

リコ「もっとも気になるんじゃないかしら」

 

みらいが戻ってくるのを待つことしばらく時間が過ぎる。シャワーを浴び終えてゆっくりとリラックス状態へと突入するみらいはそのまま麦茶を飲む。居間に入った私とはーちゃんはみらいと交代でシャワーを浴びることにした、まぁ一緒には入らないけれど…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~三十分後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことは「みらい、あの時何があったの?」

 

みらい「複雑なんだけどなぁ」

 

リコとはーちゃんは私に何が起きたのかを尋ねてきた。勿論モフルンも例外ではなかった。

 

みらい「やることを終えて家に帰ろうとしたらなんだか小柄な女の子が薄気味悪い目で近づいてきたの。それから目の前まで来たところで突然眠っちゃって…」

 

リコ「きっと眠らされたのよ。なにかと邪魔だったから」

 

みらい「でも一体あの娘の目的って…」

 

リコ「彼女は私達の目の前にずっといたわ、みらいを装ってね」

 

モフルン「どうしてこんな真似をしたモフ?」

 

ことは「その娘はリコを惑わせようとした、でも私は最初みらいだって信じてたけど途中で違和感を感じていて瞬時に見抜けた」

 

わかりやすいように説明をする二人に私は坦々と頷く。引き続きその後の経緯を順番に話していく。

 

みらい「ハッキリわからないけど、凄いねはーちゃん」

 

ことは「役に立てたならそれでいいよ。あとね、もう一つ言わなきゃいけない話が…」

 

今度は悲しそうな表情で次のことを語り始めた。

 

リコ「…落ち着いて聞いてほしいことがあるの。驚かないで」

 

ことは「みらいがいない間に―――」

 

みらい「……えっ?」

 

衝撃的な事実を耳にし、腰を抜かしつつ身体がぐったりする。

 

リコ「残念だけど、今回も起きてしまったみたい」

 

みらい「…うん、だからっていつまでも悲しんでいる場合じゃない。これって単なる同じ悲劇を受け入れるばかりだと思う、多分やった人物は同じなのかな?」

 

どうやら二人の話を聞く限り私がハッキリ見てないだけでまゆみと勝木さんが何者かに斬殺されたとのこと。この出来事は前にも魔法界でも起きた事件であり、犯人は現状で同一犯だと断言できる。となれば…、

 

リコ「覚悟の上だけど、私達がどうにかするしかないわ」

 

ことは「でも校長先生はこの前こういう問題は大人達がどうにかするって言ってたみたい」

 

みらい「説得するあるのみだよ、ね?」

 

リコ「全く…わかったわ、私がどうにか説得させるから」

 

大人達が解決できる程の問題ではないため、校長先生に無理難題をおしつけるまでの勢いになっていく。仮に生命が無事でも身体は癒えにくい。

 

みらい「うーむ、これで許可出たとしてもここからどうするべきか…」

 

リコ「明日早朝までには校長先生に話すし、まずはそこからだろうけど」

 

ことは「そうだね。校長先生だったらわかってくれるよね」

 

行動するためには許可得ないと不可能、ここでリコが頼むことに。リコならば説得力はあるに違いない。

 

リコ「私にドーンと任せなさい、すぐに解決できるから」

 

ことは「頼りになる~」

 

みらい「じゃあ私達は待つだけだね」

 

ことは「ねぇみらい、その間に私とリコが作ったケーキでも食べる?」

 

みらい「本当に?ワクワクもんだぁ~!」

 

リコ「苦労して作ったのよ、じっくり味わうのよ?」

 

ひとまずリコがどうにかするので気長に待つのみ。ここからの行動がどうなるのか…まだその先が見えない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校長『仕方ない、君がそこまで言うなら任せるしかあるまい』

 

リコ「ありがとうございます…」

 

校長『じゃが勘違いせんでくれ、君達が行うことに関してはとても危ない行為じゃ。それの招致の上で動くのじゃぞ』

 

リコ「わかりました、頑張りますね」



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第200話 リコの真意①

みらい「どうだった?」

 

リコ「いいって」

 

しばらくしてリコが胸を撫で下ろすように戻ってきた。どうやら校長先生に許可を貰えた様子だった。

 

ことは「随分長かったみたいだね」

 

リコ「べ、別に大したことなかったし…。ただ、あることを言われてね」

 

リコが気まずそうな顔で答える。事情があるみたいだけど、なんだろう?

 

みらい「校長先生が言ったこと、詳しく聞かせてくれないかな」

 

ことは「どうしても校長先生の言葉が気になる」

 

リコ「…わかったわ、ちゃんと説明するから」

 

リコは椅子に座り、私達にどんなことを話したのかを説明し始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リコ「水晶さん、校長先生につなげてほしいんだけど…」

 

水晶「こんな時間になぜ?」

 

リコ「どうしても話したい内容があって」

 

水晶「わかったわ、今つなげるね」

 

私は無我夢中で何を話せばいいのかわからなかった。それでも一度決めたことだから、しっかり伝えなきゃ。

 

リコ「もしもし、校長先生」

 

校長『うむ、リコ君か。何か相談でもあるのじゃな?』

 

リコ「実はどうしてもお願いしたいことがあるんです…」

 

流石に校長先生相手では言葉が詰まる。どうにか伝えられるように頑張ってみた。

 

リコ「この前の件なんですが、やっぱり私達にもやらせてください!」

 

校長『む?一体どうしたのじゃ』

 

リコ「今日また、ナシマホウ界でまた同じ事件が起きたんです」

 

校長『そうじゃったのか。じゃが君達の気持ちはどうも賛成できん』

 

どうも納得のいかない感じで答える校長先生に言葉が止まる。先日経験した事件に排斥している人々を見てきた校長先生だからこそ引き止める理由がある、勝手に行動する行為に遺憾に感じている。

 

校長『それにもし君達までもが巻き添えになった時はどうもならん、流石のわしも君達の行いに賛同するわけにはいかない』

 

リコ「お願いです、私はこれ以上被害者を増やしたくないと思います。最後の希望は私達だけなんです」

 

校長『正体もわからぬ相手じゃ、万が一危険に晒されるのは…』

 

浮かない反応でそう答える校長先生だが、一概にもそれは起こりかねないわけではない。

 

リコ「どんな脅威に立ち上がれるのは、私達プリキュアだけなんです。みらいやはーちゃんもそれを望んでいるはずなんです」

 

校長『…少し考えさせてくれぬか。だからこのまま待ってくれ』

 

リコ「校長先生…」

 

すると校長先生は一旦会話を中断し、そのまま黙り込んだ。通話はそのままの状態で、まだ切ってはいないらしい。

 

リコ(お願い、どうか許しを得られますように…)

 

それからしばらくして、校長先生は再び会話へ戻ってきた。

 

校長『わかった、そこまで言うなら仕方あるまい。ただしどうしても守ってほしい約束があるのじゃ』

 

リコ「守ってほしい約束ですか?」

 

校長『もしも本当に危ないのならすぐに魔法界に向かうのじゃぞ。その時はみんなで逃げれるようになれるはずじゃ』

 

リコ「ですがそれですと―――」

 

校長『今は君達の生命が大事じゃ…!それを失うわけにはいかん…』

 

校長先生の態度が徐々に熱くなっていく。今まで聞いたことのない勢いの声も上げている。

 

リコ「……」

 

校長『リコ君、後でみらい君達にも意見を聞きたい。急ぎはしない、真剣に相談してほしい』

 

リコ「あの、私からもお願いを聞いていいですか…?」

 

私はそんな校長先生に対して自らも本気の答えを出そうとしていた。



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第201話 リコの真意②

リコ「私からも代わりにお願いしてもいいですか…?」

 

校長『聞かせてもらおう』

 

リコ「万が一魔法界が本当に危険になった時は、ナシマホウ界《こっち》に避難してください。その後に関しては私達が責任取ります」

 

校長先生にしっかりと言いたいことを告げ、返事を待つ。すると、

 

校長『安全が保障されるのであればそれでもよかろう。じゃが、ワシとて人々を守る義務は衰えてはいないぞ。君達ができる範囲なら、無理はせんでくれ』

 

リコ「じゃあ、私達は行ってもいいんですね?」

 

校長『仕方ない、君がそこまで言うなら任せるしかあるまい』

 

校長先生は安堵する様子でそう答えた。

 

リコ「ありがとうございます…」

 

校長『じゃが勘違いせんでくれ、君達が行うことに関してはとても危ない行為じゃ。それの招致の上で動くのじゃぞ』

 

リコ「わかりました、頑張りますね」

 

校長『最後に頼みがある。聞いてくれるか?』

 

リコ「はい…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リコ「というわけなの。だから私達が行ってもいいって」

 

ことは「はー!やったね」

 

みらい「だけど、校長先生凄く心配していたよね?」

 

リコ「勿論よ…でも、一度決めたことだから」

 

リコが戻ってきて一段落とく。校長先生との会話が長かったため、少し不安に感じたけどなんとか説得できたらしい。

 

みらい「して、いつ実行するの?」

 

リコ「週末の予定よ。その時また魔法界に行く。それとね―――」

 

熱心になって説明をするリコは段取りなどを細かく伝えだした。

 

ことは「うぅ~~~。ばたんきゅー……(へろへろ)」

 

モフルン「はーちゃんが倒れてしまったモフ!?」

 

リコ「仕方ないわね…キュアップ・ラパパ。はーちゃんのSAN値よ、戻りなさい(パァァ)」

 

ことは「深い眠りの底から復活ーっ!!」

 

みらい「中々大胆だねこれ…」

 

ところが、難しい話には滅法も弱いはーちゃんが倒れ込んでしまう。でもリコはしっかり話を聞かせるようにもう一度再起可能までに追いやった。

 

リコ「とりあえずしっかり準備をした方がいいわ、きっとこの先無事に戻れるかどうかわからないし」

 

みらい「ノープロブレム、絶対みんなで戻ってこようよ」

 

リコ「みらい…」

 

ことは「それまで色々整えておこうよ」

 

みらい「うん!一人はみんなのため。みんなは一人のため、でしょ?」

 

危険な行為ではあるが、無事を保証するしかない。それまで、しっかり備えないと。

 

リコ(校長先生が最後に言ってたこと、話してもいいのかしら……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一同「「「おはようございます」」」

 

校長「来てくれたか。ちゃんと準備は整えたようじゃな」

 

数日後、私達は一度魔法学校に行って校長先生に挨拶をしに来た。校長先生に状況を報告するのを忘れずに行なわないとね。

 

校長「リコ君、二人のことを頼んだぞ」

 

リコ「はい。私がしっかりフォローします」

 

校長「それと君達も無理はせんようにな」

 

みらい「わかりました。必ず戻って来ます」

 

ことは「ちゃんとみんなで帰ってこれるようにしないと」

 

軽く挨拶を終え、そのまま校長先生の指示に従って目的地へと移動する。さてと、ここから大変な道のりになりそうかな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「あの魔法使いが…なるほど。あいつの言ってたことに間違いはなさそうだな…」



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第202話 命がけの冒険

校長「君達が探している者はおそらく東の方角で一番端にある場所に向かったらしい。ワシは今朝それらしい影を見たのじゃ」

 

みらい「追いかけたらまだいるかもしれないってことですね?」

 

安直な考えだが校長先生の言葉に間違いはないはず。その方角を辿ればきっと追いつけると思われるかもしれない。

 

ことは「あまり時間ないね。急ごう」

 

みらい「何かいい策はないんですか?」

 

校長「済まないが、それ以上の情報はないのじゃ。君達ならいい方法はあるじゃろう」

 

リコ「…当然です、私達に任せてください」

 

校長「では君達の無事を祈る」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことは「結構距離あるね」

 

リコ「辺りもどんどん暗くなっていくわ。だってここは森だし」

 

みらい「それに不気味な雰囲気が漂うかも」

 

校長先生と別れてその影を追いかけるために必死で追跡を行っている。だが道を進むにつれ周りが薄暗くなっていく。

 

モフルン「怖いモフ…」

 

みらい「ほら、目を瞑っていて。私がいるから大丈夫だよ」

 

モフルンが怖がっているのでしっかり面倒を見てあげないといけない。そこではーちゃんがこの場を少しでも耐えれるように魔法を出した。

 

ことは「キュアップ・ラパパ!灯りよ、照らせ(パッ)」

 

リコ「助かるわはーちゃん」

 

ことは「これでしばらくは安心していられるよ。我ながら上手くいったかもっ!」

 

リコ「…あはは、相変わらずね」

 

はーちゃんが灯りを照らしてくれたおかげでだいぶ楽になった。しかしはーちゃんの魔法は私達とは一味違うのはなぜだろう?

 

モフルン「あの向こうに甘い匂いがするモフ」

 

ことは「本当に?どこどこ?」

 

みらい「あっちに何かあるみたい」

 

モフルンが甘い匂いを嗅ぎとる。すると灯りが示す道を見つけた。そこを辿ればこの空間から抜け出せるかもしれない。

 

リコ「相変わらずの嗅覚ね…。とにかく行ってみましょう」

 

ことは「全速全身~!」

 

ホウキで一直線で急行。この予感は果たしてどうなるのやら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらい「どうやら向け出せたね」

 

ことは「知らないところに出ちゃったね」

 

私達は外へ出ると辺りは海一色で包まれていた。きっとここは海の方角だ。

 

リコ「確かにここに繋がるのは間違いじゃなかったわね。でも何もなさすぎない?」

 

周りの風景を見て違和感を抱くリコ。この道のり事態が怪しく思っているらしい。

 

みらい「そうかな?特に異常ないと思うけど」

 

リコ「待って。どこから物音が聞こえるわ」

 

波の音に紛れて謎の物音が聞こえてくる。そして水面を覗き込むと渦が徐々に生み出していった。

 

モフルン「凄く大きくなっているモフ!」

 

みらい「一体何が…」

 

 

 

ザバァアッ!!

 

 

 

ことは「巨大なサメー!?」

 

リコ「でもどうしてサメが?」

 

海から現れた巨大なサメが上空に舞い上がる。その直後、私達に向かって牙を向けて襲い掛かってきた。

 

ことは「こっちに来るよぉ~っ!!」

 

リコ「早く逃げましょうよ―――きゃあ!?」

 

みらい「一気に飛ばすよ!(ビュン!)」

 

食べられる前に素早くホウキに乗って上昇する。ここまで来たら流石に追ってこれないはず…。

 

みらい「ふぅ~。一件落着」

 

リコ「全く、こんなことに遭遇するなんて私達に対する冒涜だわ…」

 

ことは「あのサメとても大きかったね…。ん?」

 

みらい「はーちゃん?」

 

はーちゃんがキョロキョロしながら真下の様子を見る。私も一緒に見ると衝撃な光景を目にしてしまう。

 

みらい「こっちに飛んできたよぉ~~!!?」

 

リコ「こうなったら実力行使よ!」

 

さっきのサメが突然飛び上がってきて大きな口を開いて牙を出した。まさに獲物を捕らえる体制だった。

 

みらい「ううぅ~、しょうがない。行くよ!」

 

 

 

みらい&リコ「「キュアップ・ラパパ!サファイア!ミラクルマジカルジュエリーレ!」」

 

ことは「キュアップ・ラパパ!エメラルド!フェリーチェファンファンフラワーレ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オルーバ「もしもし、こっちは順調だよ。プリキュアが気を逸らしている内がチャンスだから、君のペースでやってくれていいよ。わからなかったらいつでも聞きなよ、それじゃ……さて、彼の初陣はどうなるのやら」



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第203話 人食いザメにご用心を

静かな海には沢山の魚達が泳いでいる。その海中で、激しい戦いが繰り広げるとは知らずに…。

 

 

 

ゴポッ……

 

 

 

ミラクル「はぁーっ!(ガシッ、ブン!)」

 

マジカル「てやぁ!(ドガッ!)」

 

 

 

ゴォォォォ…!!

 

 

 

巨大なサメが暴れるように尻尾で攻撃をしようとする。相手が油断している隙に二人で挟み撃ちにした。しかし先程の渦潮の影響で海中での動きがなかなか鈍くなっていく、むしろ相手の方が有利に思えてきた。サファイアの姿であってもこの状況を打開するのはかなりの戦術をしなければならない。そこで私とマジカルが潮の動きに倣うように先回りして行動する。フェリーチェは地上で待機し、サメが上がってきたところを一気に拘束する作戦を試みた。これらの戦術が通用すればとりあえずは御の字のはず…。

 

 

 

グルグルグルグル…

 

 

 

ミラクル(あのサメ、一体どこから出てきたの…?とても自然だとは思えないんだけど…)

 

 

 

ゴゴゴゴ…!

 

 

 

マジカル「危ない!」

 

ミラクル「ッ!?」

 

 

 

ドカァ!

 

 

 

ミラクル「あ、危なかった…」

 

マジカル「ボーっとしてる場合じゃないわよ、とにかく早く止めるわよ―――?」

 

 

 

ブシャァァァ!!

 

 

 

するとサメは目にも見えない速度で尋常じゃない速さで加速した。そして大きな口を開いてそのまま私達を飲み込んでいった。……正直屈辱だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミラクル「…うぅ」

 

マジカル「ミラクル、大丈夫?」

 

ミラクル「ここは…?」

 

マジカル「どうやら私達、サメに食べられたみたいよ」

 

目を覚ますとここはサメの体内だった。最悪なことにモフルンはフェリーチェと一緒だが必要なリンクルストーンを持ち込んでいないためこの空間は殆ど真っ暗、肉眼で見通すのもやっとのことだ。

 

ミラクル「きゃ…!何このベトベト…」

 

マジカル「さて、ここからどうやって出るか問題ね」

 

ミラクル「この感じだとここって胃袋の中だよね?」

 

マジカル「だとすれば長居はできないわ。いずれは胃液で溶かされるだろうから早急に脱出するにこしたことないはずだから」

 

マジカルが眉を寄せながら考え込む。私も色々と方法を模索するもののあまりいいアイディアが浮かばない。というのも、

 

ミラクル「サメの身体の構造ってどうなっているのかな…?」

 

マジカル「まずそこから気にするの!?」

 

ミラクル「いやぁ~実はずっとそう思っていてね~」

 

マジカル(どういう思考をしているのかしら…)

 

他の生物に食べられた時の気持ちというのがあまり実感わかない。そういうのは漫画やアニメの出来事でしかないので想像程度で留めている。そこで私はどこから出ればいいか深く推理する。

 

ミラクル「確かSF映画だと身体をこじ開けていた印象があったんだけど…」

 

マジカル「そうした場合は海水が身体に浸水するわね。上の方からやった方がいいかもね」

 

ミラクル「下からだと胃液が広がって海水魚達に影響を及ぼすし、口からだとまた返り討ちされる可能性もあるし……も~どうしたらいいの~!!(ジタバタ)」

 

マジカル「冷静になりなさいよ、一応打開策はあるわ。一緒に掻い潜りましょう」

 

結局頭を抱え込んでしまう。私の考え方が単純な故に後々の誤算が生じてしまう、だからこそマジカルが私の足りない部分を補ってくれた。一度決めたんだから一気に乗り越えなきゃね!

 

ミラクル「はぁーっ!(ドゴッ!)」

 

マジカル「たぁーっ!(バキッ!)」

 

早速二人で胃の上側に穴をあけるために懸命に攻撃を開始する。だが皮膚が尋常じゃなく固く、全くビクともしない。

 

マジカル「分厚いわ、一体どれだけ頑丈なの…?」

 

腰を抜かす程の固さに戦く私達。人食いザメである以上ジョーズのような渋とさがあるのだろう。

 

ミラクル「うぅ~ダメか~…」

 

マジカル(…!?!?)

 

ミラクル「…?」

 

マジカル(今倒れたことでミラクルの…ミラクルの……)

 

マジカルが私のことをやたら凝視しているみたい。突然ジロジロ見られてもどう言えばいいかわからなくなる。

 

マジカル(水に被ったミラクル……凄くエロい……っ!!(シュッシュッポッポ~!!)」

 

ミラクル「ねぇマジカル、どうしたの?顔が真っ赤だけど…もしもし~?」

 

マジカル「なんで普通の時は小さいけどプリキュアの時は私より胸が大きいのよ~!!(ダバダバ)」

 

ミラクル「……ゑゑ??」

 

マジカル「私より品性なくせに大人になったら一気に追いつくという仕組みなの!?」

 

赤面で自暴自棄になっているマジカル。それに逆さまになってヘッドスピンを連発している、ちょっと不気味だったりするかも…。

 

ミラクル「別に自分の身体のこと意識してないと思うけどな~」

 

マジカル「そのたゆんたゆんが気になるのよ~!もしかして将来は私の方が小さいという方向なのでは…(ぞわぞわ)」

 

ミラクル「ひゃあ!?急にどうしたの?」

 

マジカル「わ~た~し~も~~~!こんな感じのスタイルになりたいのよ~~~っ!!」

 

私の胸を揉みしだいて徐々に涙交じりになりつつあるマジカルがちょっと可哀想に思えてくる。まぁともかく、

 

ミラクル「そういう話はまた後でね、気持ちはわかったから」

 

マジカル「うぅ~…。そうよね、今は目の前のことから解決しないと」

 

立ち直りだけは人一倍早いので誰よりも頼りになる。もう一回チャレンジあるのみ。

 

ミラクル「とりゃあ!はっ!せやぁ!(ガッ、ズガ、ゴッ!)」

 

ひたすらパンチとキックを繰り返し脆い部分を探る。この時の瞬発力を温存しないとこの先最善を尽くせない。例えそれが持久戦となれば尚更油断できないし、力を抜いたら差が大きく広がる。

 

マジカル「これなら行けるわ―――っ!?」

 

ミラクル「どうしたの?」

 

マジカル「もう消化が始まっているわ、早くしないと私達も胃液で溶けてしまうわ!」

 

すると天井からサメの胃液が漏れ始めた。どうやら消化が始まってしまったみたいだ。このままでは私達はサメの胃液によって溶かされてしまう羽目になる。

 

ミラクル「時間がないね、一気に決めよう!」

 

マジカル「ええ!」

 

時間がない中、タイミングを計って一斉に動き出す。

 

 

 

グォオオオ!!

 

 

 

弾みでもの凄い勢いで海から飛び出した。その直後、サメの上部を思いっきり貫通した。このまま上空に舞い上がり、フィニッシュする。

 

 

 

スッ……

 

 

 

ミラクル&マジカル「「プリキュア・サファイアスマーティッシュ!(ズドォォッ!!)」」

 

 

 

ザバァァァン!

 

 

 

サメは直撃し壮大に水面に叩きつけられた。その直後、

 

 

 

プシュゥゥゥ…

 

 

 

フェリーチェ「あとは私に任せてください、はぁ!(ギュイイイン!)」

 

 

 

コォォォ…!

 

 

 

地上にいたフェリーチェがサメの動きを封じ込めた。これで懲りたらしばらく抵抗はできないはず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとかサメ身体から出られた私達はモフルンとフェリーチェにその時のことを説明した。

 

フェリーチェ「本当に心配しました…」

 

ミラクル「これで一件落着かな?」

 

かなり無謀極まりない行為だが助かったならそれでよし、なかなかの出来事だった。

 

 

 

???「俺の僕をよくここまで追い詰めたな、褒めてやる」

 

 

 

マジカル「誰!?」

 

フェリーチェ「上です!」

 

ミラクル「あっ…!あの人…」

 

すると突如謎の人物が私達の前に現れた。あの白と黒の姿、それに赤い髪の青年。あの時夢に出てきた人物とよく似ている。

 

???「俺の名はファントム。プリキュアハンター、ファントムだ…」

 

ミラクル「ファン……トム……」



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第204話 寡黙のファントム

微訂正版で再投稿です。


ファントム「俺の知らないプリキュアか、これはいい情報を得そうだ」

 

ミラクル「……あなたはどこから来たの?」

 

フェリーチェ「ミラクル?」

 

マジカル「一体何を…」

 

ファントム「随分余裕な質問をしてくるものだな。今戦ったところでお前達に勝ち目などない、あの怪物が俺の試作品だ。あいつを倒したことだけは褒めてやる」

 

私達が倒した巨大なサメを操っていたのはファントムと名乗る男だった。彼は私達を試したのかわからないが、どうやら興味深い感じを見せている。

 

ミラクル「お願い、ここを通して。私達は急いでいるの」

 

ファントム「何を慌てているつもりだ?」

 

フェリーチェ「私達は友達を失ったんです」

 

マジカル「友達を殺った者を探していて…あなたは何かわかるの?」

 

ファントム「敵に情報を尋ねるか。お前達が追っている者はいずれ自ら姿を現す。お前達を倒すためにな。今回は残念だったな、だがそいつはこの世界の周辺に居座っている可能性がある。その手がかりをつかみたければしばらくここでさ迷うがいい」

 

ファントムが何か助言なる一言を答えてきた。これは私達を誘っている罠の可能性だって有り得かねない。

 

ミラクル「教えて、ここには街はあるの?」

 

ファントム「この海を横断すれば街に繋がるだろう。そこで休むといい、でも勘違いするなよ?俺はいつかお前らの生命を貰う者だということを忘れるな」

 

マジカル「元よりあなたを信用なんかしないわ」

 

ファントム「面白い。次会う時が楽しみだ、じゃあな(バッ)」

 

ミラクル(ファントム、一体何者なの…?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらい「ふぇ~、やっとついた~」

 

ファントムが去り、このまま街まで一直線で直行した。ついた街はそれなりに人がいて港町って感じだった。

 

ことは「これからどうしようか?」

 

みらい「ここに手がかりあるよきっと、でしょ?」

 

リコ「そうね、聞き込みから始めましょう」

 

モフルン「どこかに甘い匂いしないモフ?」

 

みらい「それはまだかな?」

 

とりあえずみんなで怪しい人物がいないかを確認するために街中で聞き込みを開始した。

 

みらい「う~ん。やっぱり誰も見てないんだって」

 

通りかかっている人々に粗方聞いたが、怪し人影は見なかったという。周囲の警備員も異常はないとのこと、本当にここにいるのかが問題になりそう。

 

ことは「歩き回ったらお腹空いた~…」

 

リコ「朝食は急ぐ都合上、少ししかとれなかったからね。どこかで軽食とった方がいいかも」

 

リコがどこかで食事をとれそうな場所を見渡しながら探す。すると偶然目にした店に決めたみたい。

 

リコ「ここがいいかも」

 

みらい「じゃああそこにしよっか」

 

いかにもリッチでオシャレなカフェを見つけたリコ。ここなら楽に寛げそうかも。というわけでエネルギーを充電をするために一休みに入るとしますか。

 

みらい「私ね、気になったことがあるの」

 

リコ「どうしたの?改まった顔をして」

 

席に座り、注文を終えて品が来るのを待っている間にさっきまでの出来事を振り返りをする。自分が思っていることを素直にカミングアウトする。

 

みらい「あのファントムって人、目的は何なのかなって」

 

ことは「私達に攻撃してこなかったよね?どうしてかな」

 

リコ「プリキュアハンターファントム…益々謎が深まるわね。みらいは彼が気になるの?」

 

みらい「少しだけどね…。とても威圧的な目つきをしていた、まるで最初から目の敵にするように」

 

さっきまで接触したファントムが頭から離れない。多分彼にも事情があるのだと思うが、プリキュアハンターである以上は敵に間違いはない。

 

みらい「私達、これからどう向き合えばいいのか…」

 

不安を過りながら疲れて寝ているモフルンの頭を撫でる。実際のところ色々と困難を乗り越えているがそれでも辛いと思う部分もある。こんな一方的な出来事は一刻も早く終わらせたいところではあるものの中々思うようには動けない。

 

リコ「私は正直彼の考えがわからないかも。いつどこで何をするのか」

 

ことは「『今は見逃す』っとでも言うべきかな。ファントムの目的が知ることさえできればいいけど…」

 

みらい「この世界の人間ではないというのは確かなはず。私は別の世界から来たのだと思う、何らかの目的がない限りそれを蔑ろにはしないよ」

                          

リコ「…そもそもファントム、敵意はあったけど見えない感情だけは捉えられるかもしれない。でもあんな目つきは尋常じゃないのは確かだと思えるのよね」

 

みらい「ファントム、私達と分かり合えるかな…?」

 

リコ「ともかく、今のうちに校長先生に現状報告するわ。これからの遠征でまた詳し情報を得る必要があるから。この結果はまだ予想の範疇、今後の行動を看過されるのも承知の上ね」

 

まずは第一段階の捜索は一段落つける。次の聞き込みまでしばし羽を休めることにした。この先もっと大変な目に合わないように気を引き締めていかないといけない。

 

リコ(ともかくできることを全力でやらないと、いそしむのみ…)

 

必死で対策を練るリコを見ると、その顔には信念が描かれていた。とても集中力が高い様子であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファントム(この世界のプリキュアは侮れない…まもなくサイは投げられる……)



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第205話 リコの迷い①

現在の天気は雨で時折大雨の予報となる。そんな中私達は次どうすればいいかを懸命に考えていた。細かい点も模索し、テンポよく行動できるよう慎重に考える。

 

みらい「ん~!このパンケーキ美味しいよぉ~!」

 

ことは「はー!口がとろけるね」

 

リコ「ってちゃんと考える気あるの!?味わうのもいいけど真面目にやりなさいよ!」

 

みらい「めんごめんご、あまりに美味しいからつい。テヘペロ」

 

リコ「食べるのはいいけど、完全にそっちの気分にならないでよね」

 

待っていた品が来てその味にまったりしる私とはーちゃん。しかしリコに一喝されてしまう。今が肝心な時だよね…。

 

ことは「う~ん。次の行く宛てどうする?」

 

リコ「そうね…とりあえず雨が止むまで待ちましょう。おそらく晴れるまで結構時間かかるだろうし」

 

みらい「やっぱりそうなるね。じゃあしばらく和もうよ」

 

リコ「べ、別に…。私だってそこまで暇じゃないし…」

 

外を見るとかなり降水量が半端ない。ここは止むまで動かない方がいいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらい「やっと晴れたね~」

 

リコ「でもそろそろ夕方ね。ここまでかなり時間かかったわね」

 

ことは「む~、どうして早く晴れてくれかったの~」

 

雨が止んだのは丁度夕暮れに差し掛かった頃、私達はひとまず喫茶店で軽食を終えて外に出る。ここでさっきまでぐっすり眠っていたモフルンが目を覚ました。

 

モフルン「よく寝たモフ、おかげでスッキリしたモフ」

 

みらい「よかったね。それよりそろそろ動いた方が…」

 

リコ「日が暮れるまでもうひと踏ん張りね」

 

多分この街にはいないだろうし、他の場所へと向かう必要がある。ただ闇雲に動いても意味はないが、地道にやるのもやぶさかではない。ここは次の目的地まではしばし移動を控えることにする。

 

ことは「これ以上探っても進展ないね」

 

リコ「誰も怪しい人物を見てないのよね、それと時間的にきつそうだし今日は宿で一泊しましょう」

 

みらい「別の街についた時に向かう形だね」

 

全員の意見が一致し、今日の捜索はここで終了することにした。今いる場所からそれなりに離れた場所へホウキで移動する。軽く数十分かかる距離のため、結構退屈な時間が余儀なくされるのも無理はない。宿に向かう途中でも水分補給は必要不可欠で忍耐力が試されるばかりだ。

 

ことは「ふぃ~まだつかないの~?」

 

流石のはーちゃんもこの通り、気力を使い果たしてしまった。その時リコがはーちゃんの手を掴んである物を渡した。

 

リコ「冷凍みかんよ。あとで食べて」

 

ことは「リコ…ありがと~」

 

リコははーちゃんに冷凍みかんを渡してホッコリさせた。皮を剥いて身を取って一口頬張る。

 

ことは「ん~美味しい~」

 

リコ「みらいの分もあるわよ」

 

みらい「ありがと、ん~(モグモグ)」

 

私も冷凍みかんを貰って食べる。その味はとても冷たくて甘さもしっかり凝縮されている。

 

リコ「じゃあ私も…たまに食べると美味しいわね。これで少し楽になった?」

 

ことは「いくら食べても飽きないね~。元気が出るよ」

 

はーちゃんは次々と冷凍みかんをちぎってパクパクと口に入れる。栄養も一気に詰まっているため、疲れ切っているはーちゃんには打ってつけの効果だ。

 

リコ「さぁ、もうひと踏ん張りよ。今日は近くの街の宿で宿泊しましょう」

 

みらい「賛成ー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらい「お風呂、お風呂~」

 

モフルン「モフルンはここで待っているモフ」

 

リコ「入ったら濡れちゃうわ。仕方ないと思う」

 

ことは「それじゃあまた後でね」

 

宿について早速入浴に入る私達。モフルンはちょっと無理があるのでマッサージ機のとこで待つことに。

 

みらい「モフルン凄く気持ちよさそう」

 

リコ「私達も後でね」

 

モフルン「いってらっしゃいモフ~」

 

早速入浴し、景色を見渡せる露天風呂を堪能する。私はちょっぴり新鮮さを感じて感激している。

 

ことは「ん~~~っ、最高だね~」

 

リコ「なんでもここはナトリウムやミネラルが配合されていて健康に最適らしいわ。昔お姉ちゃんが教えてくれたの」

 

みらい「ぶくぶくぶく~。生き返る感じがするよ~」

 

リコ「お行儀が悪いわよ?これでも天然の温泉なんだから」

 

みらい「ぶはぁ!?し、知らなかった…」

 

リコとはーちゃんもどうやら疲れが溜まってとてもホッコリしていたみたい。湯気が全体的に漂っていい雰囲気、そして上を見上げると星空がかなり綺麗だ。

 

みらい「見て!星が沢山あるよ」

 

ことは「はー!素敵だね~」

 

リコ「露天風呂から見るこの光景、素敵よね。毎日眺めていたいぐらいね」

 

みらい「ところでリコ、最近身体の変化はどう?」

 

ここで私はリコに近づき唐突な質問をする。それを聞いたリコは、

 

リコ「な、何をいきなり―――きゃあ!?何するのよみらい~!」

 

みらい「やっぱりまた胸が大きくなってる。リコって案外スタイル抜群だったりして」

 

赤面になって俯いた。それと同時にリコの胸をわしわしと揉んでにやつく。

 

リコ「今の内よ、どうせプリキュアになれば…」

 

ことは「それ正論!みらいはプリキュアになると反則級だよ!」

 

みらい「えぇ~?私全然意識したことないんだけど…」

 

しかし今度はリコが反撃を開始する。それに便乗するようにはーちゃんも乱入してきた。

 

ことは「私でさえ案外普通なのに、みらいは将来でかくなるの間違いないよ!」

 

リコ「そうよね、吸ったらどんな反応するのかしら―――」

 

みらい「段々私が恥ずかしくなってきたよ~!!(///)」

 

リコ「逃がさないわよみらい?女同士の裸の付き合いはまだ始まったばかりなんだから(ガシ)」

 

ことは「モフルンに助けを求めても無駄だよぉ?(ギュ)」

 

みらい「ぎゃあ~!!簡便しておくれ~~~ッ!!」

 

この後のぼせちゃうまで地獄の時間を味わうこととなったのは説明するまでもない。

 

そんなこんなで風呂上りのマッサージの時間がやってきた。

 

みらい「ふぇ~気持ちいいね~」

 

ことは「リコも後でやろうよ~」

 

リコ「ちょっと休んでからね。はいモフルン、コーヒー牛乳よ」

 

モフルン「甘くて美味しいモフ」

 

私とはーちゃんはマッサージ機でリラックスして、リコはベンチで座ってのんびりしていた。どうやらリコものぼせちゃったみたいだった。

 

リコ「……」

 

みらい「リコ…?」

 

咄嗟に見つめるリコの表情には、何やら迷いの表情を見せていた。



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えりひめアワー 第11回

ひめ「ぷしゅ~~、久々にやってまいりました~白雪ひめで~す…」

 

えりか「ご無沙汰しております、来海えりかっしゅ…怠い」

 

ひめ「ていうかこんなgdgdなノリでいいんかな?」

 

えりか「言ってることがメタいんだけど、なんか面白いことでもしゃべろうよ~」

 

ひめ「どうしよう~。テンション全然上がらないからこれといったことなんかないよ」

 

えりか「何さそれ」

 

ひめ「だって何の話題を持ち上げればいいのかわかんないよ~!」

 

えりか「しょうがないわね…ここはいっちょ人肌脱いで私の武勇伝を語ろうではないか」

 

ひめ「一体どんな内容なの?ワクワクする~!」

 

えりか「ちょっと待ってて。今準備するから」

 

ひめ「準備?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えりか「ようこそ、えりかの部屋へ。今回は特製スパイスの話について存分に語ろうではなかろうか。え?なんでスパイスの話だって?激辛のハバネロに漬け込んでやろうか?なんて冗談さ。まぁいいさ、ともかく今日はスパイスのことを語ろう。スパイスはカレーなどに使われてとてもいいアクセントを引き出す魔法のような調味料なのさ。勿論大変長保するし色々な料理などにも使われるのさ。でもスパイスのスを一つ取ったらスパイになってしまう。あぁ、スパイに関わったらもの凄く怖いし悍ましいし殺される可能性だってあるんだ。ほら君達も想像してごらん?命を狙われる恐れもある、もし組織の中で裏切者がいたとすればそれは間違いなくスパイの仕業さ。みんなもスパイに関わってしまったらすぐに警察に相談してくれたまえ。悪行を働く愚かな人間どもはすぐに裁かれる、もう平和への道はすぐそこに!―――って話が逸れたね。じゃあ話を戻そうか。えっと、スパイスについてだったね。自分もカレーを食べる時は辛い方を食べるんでね。おこちゃまは甘口の方がいいんだろうが、大人の自分は辛いものに限るのだよ。辛い方が味に深い意味が込み上げてくるからさ。まぁこの魅力がわかる人ならよっぽどの辛いもの好きの証拠。そうさ、みんなで辛い物を食べて元気になろう!明るい未来はすぐそこにある―――ってこれじゃ何も伝わらないのか。なるほど、それなら私の親戚のスパイスのおやっさんを呼んでこの素晴らしさを教えてやってもいいよ?でもただ呼んだだけじゃおやっさんは喜びやしないね。あいつは時には私のところに来て勝手に人の食事を横取りしやがるんだ。私は仕返しに鼻毛を全部抜いてやったんだ、痛そうにもがいてのた打ち回って痙攣するように身体をビクビクさせるんだ。それを見てとても気持ち悪いったらありゃしない。自分は悪いことしていないとほざくけどそんな煩雑で白々しい親父にはこれくらいの仕打ちは珍しくない。お灸を吸わせておけば懲りるはずさ。あれ?また話が脱線した、戻ろうか。スパイスのおやっさんに特製スパイスを貰えばきっといい香りと味になるはず、さぁみんなで最高の味を求めよう!」

 

ひめ「……(ポカーン)」

 

えりか「どうだい?まだまだ魅力が足りなかったかな?もしこの話の醍醐味がわからないやつがいたらそいつはもう木端微塵だったろうね。ははっ、なんて冷たい目をしてるんだ……。どうせこの話まともに聞いていなかったんだろ……私にはわかるんだよ。今回話題なくてただ暇そうに寛いで時間を潰そうと企んでいて、適当に終わりを迎えようと望んでいる君の心を……見損なったぜ……。お前はそんなに心の弱い人間だったのかよ、心底失望したぜ…。結局お前はその程度の人間だったってことなんだな、隣で彼女とイチャイチャしながら見ているお前の姿はお笑いだったぜ。このリア充め、灰燼に帰せ。所詮お前の頭はハッピーセットだったんだよ…。でもそんなお前の惨めな部分を見てイライラするんでな、男だったらさっさと立てよ…こんなところで終わってもいいのかよ!所詮はただの凡人だっていうのかよ、見苦しいなおい!え?そこまでやり合う気はない?いや~ん、バカ~ン♡そうなら初めからそう言えばよかったのに。本当は喧嘩なんか嫌いでしょ?そうであれば私感激ぃ~!これで君と私は仲直り、一件落着でありんす。でもせめて何かためになることがほしいよね。うん、お金だよ!お金があれば世の中は動く、お金があればなんでも手に入る!そうだよ。全てはお金があればこそなんだよ、いや~素晴らしいものですな~。世の中お金なしでは始まらない、はぁ~お金~おっかねぇ~……マジでおっかないっすね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひめ「帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ(今回は適当にやってしまいごめんね~次回はちゃんとやるので堪忍して~てへっ)」



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第206話 リコの迷い②

夜になり、すっかり満月が輝く時間帯になった。私達は眠くなったのでそろそろ就寝をすることにした。

 

みらい「ふぁ~、眠くなってきたね…」

 

ことは「明日は早いみたいだからね。もう寝ないと」

 

私とはーちゃんは既に眠りにつく状態に。一方リコは魔法で小さな灯りをつけて読書をしている。

 

リコ「……」

 

みらい「ねぇ、リコも早く~」

 

リコ「私はもう少し起きているわ」

 

片手にはココアの入ったカップを持っていてすっかり読書気分だ。そもそもリコは勉強などで寝るのが遅くなる場合が多々ある。おそらくはその名残なのだろう。

 

リコ「明日はすぐに捜索を再開するんだから、きっと上手くいくはずよ」

 

ことは「その割には一人だけ起きてるんだ」

 

リコ「べ、別にそういうわけじゃないし…」

 

はーちゃんがニヤニヤしながら答えるとリコが渋々と俯く。

 

リコ「ともかく私はもうちょっとだけこのままでいたいのよ」

 

みらい「それじゃ先に寝るね、お休みー」

 

モフルン「お休みモフ」

 

リコ以外全員眠りについて、リコはしばらく読書をしていた。

 

リコ(どうしよう、本当に私になんか…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらい「そろそろ出発しよっか」

 

リコ「そうね。今日もお休みだし捜索に専念できるわね」

 

宿から出て一斉にホウキに乗って上空に舞い上がる。早朝から向かったのは人影のない荒野、まずはこういった場所から向かうのも悪くない。

 

ことは「本当にここでいいの?」

 

リコ「まずは物陰の少ない場所から回ることから考えましょうか。きっと手がかりは見つかると思うわ」

 

いつもとはちょっと違うリコの判断。はーちゃんが首を傾げたのはこのためだった。一応私も同じような質問をする。

 

みらい「どうして人がいないところを選んだの?」

 

リコ「昨日色々考えたけどおしかしたら人の多い場所に行くのはベターだから敢えてこういう誰もいないところに行ったんじゃないかと私は思ったの。もしあってたら計算通りだし?」

 

普段ならもっと単刀直入に答えるリコだが、何だか説明が矛盾しているのが目立つ。

 

ことは「ねぇモフルンはどう思う?」

 

モフルン「リコがそう言っているならそうした方がいいと思うモフ。リコも精一杯努力したいと思っているモフ、でもいつものリコならもっとテキパキと手順を踏む気がするモフ」

 

リコ「気のせいよモフルン。ほら、一緒に探しましょうか」

 

色々不十分な点がちらほら目立つと思うが、みんなで昨日から追いかけている人物の捜索を再開する。しかし、普段のリコらしかぬ言葉にどうも引っかかってしまう。

 

みらい「あのさリコ、今日のリコなんだか変だよ?」

 

リコ「何言ってるの?そんなことないわよみらい?」

 

みらい「いつもならもっとしっかりとした答え方するよね?今の発言にはどうも頷けない気がする…」

 

リコ「そ、それは昨日ちょっと夜更かししてしまったから昨日頭に入れたことが少し抜けていたのよ。別にこれくらい問題ないし…?」

 

リコは必至で弁明するがその表情はどうも無理のある感じだった。私は更にリコに何かあったかを確かめるためもっと問いかけてみる。

 

みらい「いつものリコなら私達の意見を聞いてから答えを決めてるよね。私、ちょっと心配になってきたと思う」

 

リコ「私は常に冷静よ?動揺なんてしてないから」

 

ことは「こんなところにいるわけないのにその根拠はあるの?」

 

リコ「はーちゃんまで…」

 

今度ははーちゃんも疑うような眼でリコをじっと見つめてきた。本来ならこんな表情なんて見せるわけがないはーちゃんは相当呆れてた。

 

みらい「ねぇリコ。困ってたりしてない?」

 

ことは「例えば…悩み、とか」

 

リコ「…大丈夫だし、私が悩むなんて早々―――」

 

ことは「私達仲間でしょ、遠慮しないで正直に答えてもいいんだよ?」

 

リコ「……」

 

はーちゃんが遮った一言にリコの口が止まる。どうやらこの感じは言い逃れできないみたいだ。

 

みらい「リコ…」

 

モフルン「モフ…」

 

リコ「わかったわよ、言えばいいんでしょ言えば」

 

はーちゃんの説得により、リコは素直に自分の事情を説明した。それを聞いて私達は、

 

みらい「なるほど。一刻も早く捉えて死んでしまったみんなを早く元に戻してほしいとお願いしようと考えてたんだね。でも今の私達のいる世界は誰かの認知上の世界だよ?」

 

リコ「その認知上の世界っていうのがまた狂わせるのよ。あのファントムという人が出て来る前からそうなっていたのかもしれないし、ファントムが敵なのかまだわからないのよ?信じようにも油断ができないわ」

 

リコが悩んでいたことをすぐに納得した。そしてファントム、この人物について。彼はまだどういう人物なのか不明で元より認知上の世界という現実ではないところにいるのも未だに実感できない。あの時オルーバがそう言ったのも何かよからぬ事態が起きる予兆なのかと認知せざるを得なかった。今現在になってもまだこの一連の出来事の真実には到達できようもないため、私達がどう解決していくかが問題となる。

 

ことは「ふむ、これからどうしたものかな…」

 

リコ「この謎を知る者がいればわかるけれど―――っ!?」

 

みらい「どうしたの?」

 

すると遠くの方で爆発音が鳴り響き、僅かな地震が起きた。その影響で少し体制が乱れてしまう。

 

リコ「向こうで何かあったんだわ、急ぎましょう!」

 

みらい「よくわからないけど、うん!」

 

私達は急いでホウキに乗り騒ぎのあったところへ急ぐ。多分市民達に被害を及ぼすことかもしれない。直ちに急行しなければ…!

 

リコ「いたわ、あれよ!」

 

ことは「何これ…スライム?」

 

私達が目撃したのは大きなスライムのような何か。遠く離れた街が襲われていたようだ。

 

みらい「人々が襲われてる!」

 

リコ「止めるわよ」

 

今すぐあれをなんとかしないと更に被害が増えてしまう、とにかく大至急で対応を…!

 

みらい&リコ「「キュアップ・ラパパ、トパーズ!ミラクルマジカルジュエリーレ!」」

 

ことは「キュアップ・ラパパ、エメラルド!フェリーチェファンファンフラワーレ!」

 

プリキュアに変身し、街の救助活動かつあの怪物の駆除の両方が始まろうとしていた。



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第207話 急げ。さもないと、

校長「みらい君達は大丈夫じゃろうか。身の危険がなければよいが…」

 

水晶「何か察していらっしゃるのですか?」

 

校長「うむ。きっと彼女らはとてつもない者に出くわしている可能性がある、じゃがワシにはその先が予測できんのじゃ」

 

水晶「本当にそう思いになられると」

 

校長「プリキュアとしてやらなければならないことを優先しているはずじゃ。彼女らならそれを変えられる。どこかで何者かと遭遇しているはず、その時の状況を打破する手がかりは見つけられるじゃろうか…。如何せんワシらはただ静かに見守るだけじゃ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミラクル「何あれ、ブヨブヨしてるよぉ~…(オドオド)」

 

マジカル「怖がってる場合じゃないわ、早く止めるわよ」

 

フェリーチェ「待ってください。迂闊に行動するのは命取りです、まずは様子を窺いましょう」

 

 

 

ドン、ドン…

 

 

 

謎のスライム状の怪物はゆっくりと街の中心へと移動する。すぐに行動するのではなくタイミングを計ってから奇襲をかけるという作戦だ。フェリーチェは失敗した時の保険を担っているので多少はカバーをかけて私達の負担を軽減する。とにもかくにも少しでも誤れば返り討ちは確定であり、一網打尽にされてしまう。

 

 

 

ヌルヌル…

 

 

 

マジカル「私とミラクルで足元を塞げばいいのね」

 

フェリーチェ「相手は真っ直ぐにしか進んでいません。道を封鎖すれば動きは止まるでしょうね」

 

マジカル(そういうことなら深く考察する必要はないわね。あとは上手くやるだけ…)

 

ミラクル「よし、行こう」

 

 

 

ヌルヌル…

 

 

 

ゆっくり進んでいく中、謎のスライム状の怪物は辺りをキョロキョロと見渡す。きっと警戒をしているはず。今はまだチャンスではない。そこへフェリーチェがアイコンタクトで私達に合図を送る。どうやら左右から回れとのことだ。一応トパーズの姿だとああいう相手に立ち向かうのは有利でもある。トリッキーな戦術で敵を攪乱すれば一層相手を不利にできるし、私達の荒らしが覿面ならフェリーチェも楽に行動可能となる。

 

 

 

ミシミシ、ミシミシ

 

 

 

徐々に一直線に進む相手を更に視察していく。そろそろここが攻め時だ。

 

 

 

フェリーチェ「今です」

 

ミラクル「行くよ、マジカル」

 

マジカル「えぇ。せーっの…」

 

 

 

ドシィン…!!

 

 

 

私とマジカルは左右から攻撃をしかけて相手の態勢を崩す。少し仰け反ったのを確認し、フェリーチェが正面を塞ぎ出す。

 

 

 

フェリーチェ「リンクル・ピンクトルマリン!(ギュイン!)」

 

ミラクル「よしっ!」

 

マジカル「今度は私達の番ね」

 

ミラクル「リンクル・アメジスト!(カァ!)」

 

マジカル「リンクル・ペリドット!(パァァ…)」

 

 

 

ドシン、ドシン…

 

 

 

私とマジカルの一撃が効いたみたい。でもなんだか呆気ない様子でもあった。徐々に身体が縮むように小さくなっていく。

 

 

 

マジカル「小さくなってるわね」

 

ミラクル「やったのかな…?」

 

フェリーチェ「まだです、あれは…姿が変わって―――」

 

 

 

バチバチ…!

 

 

 

身体が小さくなって段々姿形が代わり果てていく怪物。今度はエイリアンのような姿へと変わった。その周りには無数の電気が纏っていたのだった。

 

 

 

フェリーチェ「来ます!ぐぅっ…!」

 

ミラクル「フェリーチェ!でやあぁ!(ドン!)」

 

マジカル「気をつけて、あれに触れると―――あぁああっ!」

 

ミラクル&フェリーチェ「「マジカル!」」

 

マジカル「うぅ…手が痺れて…動かない…!」

 

 

 

バチバチ…!バチバチ…!

 

 

 

マジカルを襲ったあの一撃、目にもとまらぬ速さだった。そして一瞬でマジカルが麻痺を負ってしまったのだ。

 

 

 

ギュイン…

 

 

 

ミラクル「こんのぉ!!(ズガッ!)」

 

マジカル「ミラクル!迂闊に攻めたら危険よ!」

 

ミラクル「だからって―――うわっ!危なかった…」

 

フェリーチェ「こんなの近づけません。離れて戦うしかありませんね」

 

オルーバ「どうやら実験は成功だったみたいだね」

 

一同「「「オルーバ!」」」

 

 

 

ゴゴゴゴ…

 

 

 

すると私達の背後からオルーバが現れて悠然とした様子で見つめてきた。あの様子だと、敵情視察らしい。ところがその直後、

 

 

 

ビュウウウ…

 

 

 

オルーバ「ここからが面白いショーの始まりさ」

 

ミラクル「どういうこと…?」

 

オルーバ「こいつは僕が生み出した試作品さ」

 

マジカル「試作品ですって…?」

 

フェリーチェ「何を企んでいるのです」

 

オルーバ「ごらん、徐々に姿が変わっていく。今度は今のようにはいかないさ」

 

 

 

ゴゴゴゴ…

 

 

 

あの怪物はオルーバが生み出したもの。最初のスライム状の姿、そしてエイリアンの姿から違う形に変化した。

 

 

 

ズガガガァ…!

 

 

 

ミラクル「人型の姿になった…」

 

オルーバ「これまで君達と戦ったドンヨクバールではもう使い物にならないからね。そこで僕はとある協力者に新しい力を得たのさ。当然僕自身の力を高めるための素材にもなれるものを用意してくれてるけどね」

 

フェリーチェ「自分の行いが間違っているのにも関わらず今度はそのようなことを…なんて傲慢なやり方なんですか」

 

オルーバ「君達の想像することなどたかが知れてるよ。これも全ては僕の計画の内なのさ、行くんだ」

 

 

 

ゴォォォッ!

 

 

 

人型の姿をした怪物は俊敏に私達に襲い掛かる。尽かさず反撃をしつつ体力も温存させておく。

 

 

 

バチバチ!バチバチ!

 

 

 

ミラクル「ぐっ!」

 

マジカル「厳しいわね…!」

 

フェリーチェ「私に任せてください、プリキュア・エメラルドリンカネーション!」

 

 

 

フェリーチェが前線に出て相手の攻撃を相殺させる。相手の行動パターンを把握しない限り籠城を余儀なくされる一方だ。それを気にしている内にオルーバの攻撃が私とマジカルを襲い掛かるのだった。

 

 

 

オルーバ「余所見をしていると痛い目に合うよ(ドン!)」

 

ミラクル&マジカル「「うぅ…!」」

 

フェリーチェ「しまった、二人が…」

 

ミラクル「まだまだぁ!(ブン、ズガッ!)」

 

オルーバ「全く、諦めの悪い娘達だね。少し痛い目に合わないとわからないのかな?」

 

マジカル「私達は足掻くわ。あなたの行いは絶対に許さないんだから」

 

オルーバ「あ、そう。少し早いけどこいつのとっておきの力を見せてあげるよ。さぁ、プリキュアに絶望を与えるんだ」

 

 

 

 

 

ズドドドドッ…!!

 

 

 

オルーバの指示と共に鳴り響く雷鳴。その直後、全方位から弓矢の如く一瞬で降り注いできた。

 

 

 

ドドドドドドドド!!

 

 

 

ミラクル「何これ、早い…ッ!」

 

マジカル「これじゃ幾ら避けても無駄じゃない!」

 

フェリーチェ「持久力が試されるってことですね…」

 

オルーバ「君達には荷が重いんだよ。そろそろ限界が来たかな?」

 

ミラクル「急に曲がって―――」

 

マジカル「きゃあッ!?」

 

フェリーチェ「あぁ!うぅ…」

 

 

 

ドドドドドドドド!!

 

 

 

まだ続く怒涛の連射。弓矢の軌道は瞬く間に変え、更に私達を翻弄する。この行動が何度も繰り返されていくため、段々粘れなくなる。

 

 

 

ミラクル「どこまでも追いかけて来る、これじゃキリがない…」

 

フェリーチェ「これでは拉致があきません、反撃しましょう」

 

 

 

バン、バン!

 

 

 

こうなってしまえば持久戦は流石に持たない。そこでリスクを背負いつつも撃ち落とし作戦を敢行する。

 

 

 

プシュゥゥ…

 

 

 

マジカル「これを突破して一気に決めるわよ!」

 

オルーバ「少しはやるじゃないか。君達がどこまでやれるかが楽しみだ、だがその身体では限界かな?」

 

ミラクル「いや、ここからが本領発揮だよ」

 

 

 

バシ、バシ!

 

 

 

連携を取るように弓矢を振り払っていき、本体へと突入していく。そしてそのまま協力な一撃を与える。

 

 

 

ミラクル&マジカル「「プリキュア・トパーズエスペランザ!」」

 

フェリーチェ「プリキュア・エメラルドリンカネーション!」

 

 

 

二つの技が見事に直撃、このままいけば倒せる。

 

 

 

ゴォォォォ…!!

 

 

 

オルーバ「流石に受けきれないか。どうやらまだまだ改良が必要みたいだね」

 

フェリーチェ「今度は何を…?」

 

 

 

ゴゴゴ…

 

 

 

浄化されていく相手をすぐに吸収しボール状に変えるオルーバ。悟った顔で私達を見つめつつ自身の身体の中に入れた。

 

 

 

キュォォォ…

 

 

 

オルーバ「これでだいたいの戦闘データは取れた。今後の戦いに活かせそうだよ」

 

ミラクル「あなたのやろうとしていることって何なの?」

 

オルーバ「当然、僕は更なる力を求める。協力者達と共にね。だから余裕を持っていられるのは今の内さ」

 

 

 

ビュゥ…

 

 

 

不快な笑みをしながらオルーバは去っていった。これが今後の事態に大きく影響を及ぼすかはまだ不明のままだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オルーバ「戻ったよ、プリキュアと邂逅し更なる戦闘データを得てきた」

 

R「とんだ素っ頓狂っぷりだったな、プリキュアも。だがこれで新たな力を得られるのは間違いないさ」



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第208話 冷凍みかんが恋しいよね

私達は戦いの疲労が溜まっていてやむを得ず街の近くの公園で休憩を取ることにした。疲れた後に吸う空気はとても気持ちいい。

 

みらい「結局大事態にならなくてよかったね」

 

リコ「そうね。とりあえず休憩終えたらあそこの街に寄ってみましょう」

 

ことは「はー!それで賛成」

 

でも気持ち自体は切り替えれる状態ではなかったりする。なんだろう、清々しい気分ではないっていうか…。

 

モフルン「みらい、どうしたモフ?」

 

みらい「っ…ごめん、ついぼーっとしちゃった」

 

リコ「珍しいわね、みらいがそんな顔するなんて」

 

リコとモフルンが心配してくれたようだ。ここは身体を十分に休める必要があるのでしばらくじっとすることにする。

 

みらい(このまま何もなければいいんだけど…。私達にできることといえば他に何が…)

 

ことは「こうしていると眠くなっちゃうかも。そよ風を浴びるとスッキリする」

 

リコ「はーちゃんってばすっかりリラックス気分ね。みらいはリラックスできそう?」

 

みらい「まあね。こんな緑溢れる場所で大きく寝っ転がれるなんてワクワクもんだぁ~」

 

モフルン「モフルンはみらいの横に寝るモフ(ぴとっ)」

 

みらい「くすぐったいよぉ」

 

まずは難しい内容を考えずただ休むよう身体の動きを止める。リコやはーちゃんもそっちの思考になったみたいだし。

 

ことは「この後どうするの?」

 

リコ「街に入ったらさっきの被害について聞き込みする予定よ。きっと少なからず目撃情報もあるだろうし」

 

ことは「その後でお昼にしようよ、お腹ペコペコだよ~」

 

みらい「私も~」

 

リコ「はいはい、わかってるから。とりあえず聞き込みしながらお店を探すわね」

 

みらい&ことは「「ありがと~!」」

 

リコ「まるで私が保護者みたいな立場じゃないの…」

 

私とはーちゃんの上目遣いにまんまと敗北するリコが赤面で頷く。リコはこういうシチュエーションには滅法弱いようだった。

 

リコ「早くしないとおいていくわよ」

 

ことは「待って待ってー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

休憩を終えて先程の街へと入り、そのまま聞き込みを開始した。市民達に対しては特に被害はないとのことだった。そして建物などの崩壊がなかったかを聞いてみると大きな崩壊はなかったらしい。ただこの街の建物の何割かが老朽化しておりいつ崩れてもおかしくない程の耐久性のところもあるとか。余程必死になって警戒していたのだろう。

 

みらい「結局大丈夫だったみたいだね」

 

ことは「すぐに対応できたからかな」

 

私とはーちゃんはベンチに腰かけながら胸を撫で下ろす。そこへリコが少し遅れて戻ってきた。

 

リコ「だいぶ回ったみたいね、喋り疲れたって感じがするわ」

 

ことは「口が動かないよ~」

 

リコ「その割にはまだ元気よね」

 

地味に体力がヘトヘトなはーちゃんは少しずつグダグダになる。そこでリコがあることを提案した。

 

リコ「仕方ないわね、頑張ったら冷凍みかんでもご馳走するわ。それでいでしょ?」

 

ことは「やったー!リコって優しいね」

 

モフルン「モフルンも一緒に食べたいモフ」

 

リコがSっ気で答えるとはーちゃんはすぐに元気を取り戻した。こういう場面に至ってははーちゃんに効果抜群だった。

 

みらい「私も手伝うからもう一踏ん張りといこうよ」

 

リコ「はーちゃんがこういう話に釣られやすいのはお見通しなんだから、すぐ甘えてくるのよね」

 

ことは「冷凍みかん、冷凍みかん。あぁ…それを想像するだけで世界がどれだけ変わるのか―――」

 

 

 

モフルン『世界中が冷凍みかんに包まれていくモフ~。幸せモフ~』

 

ことは『はー!毎日食べられるなんてワクワクもんだよぉ~。もういっそ冷凍みかんの家に住みた~い…』

 

 

 

リコ「って何を想像しているのよ~っ!」

 

冷凍みかんで頭一杯になりつい自分の世界に進出した気分になったはーちゃん。ついでにモフルンも。

 

みらい「あはは…。はーちゃんらしい想像だね」

 

リコ「ふざけているとこの話はなしだからねっ!」

 

ことは「それだけは勘弁して~」

 

よ~し、もうひと踏ん張りだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~一時間後~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらい「ふぅ~。これでおしまいっと」

 

随分と歩き回ったおかげですっかり体力が消耗してしまった。ここでリコが近くの店で小腹を満たす物を買ってくる。

 

ことは「私ヘトヘトだよ…」

 

モフルン「甘い匂いがするモフ」

 

リコ「お待たせ。はい、はーちゃんが一番食べたい物よ」

 

ことは「はー!冷凍みかんだー!」

 

リコが買ってきたのは冷凍みかんだった。どうやらこの街にも売っていたらしい。

 

みらい「やっぱり魔法界のどこでも人気なんだね」

 

リコ「この前雑誌で載っていたわ。場所によりけりってわけではないから当然ね、みらいもどうぞ」

 

みらい「わーい、いっただきま~す(パク)」

 

モフルン「モフルンも食べるモフ」

 

皮を剥いてみんなで一斉に頬張る。食べるだけで想像できるこの冷たさに凝縮された甘味、そして実際に口にしないとわからない食感と味わいが口全体に広がっていく。

 

みらい「これこれ!この味こそ私達の求めた楽園…!」

 

リコ「全身に染みつく冷たさ、まるで冷たい川に身体中つかる気持ちよさ…」

 

ことは「程よい甘さにほんのり酸味のあるエキス。これは禁断の果物や~!」

 

食べた後に出る幸福感はもはや言うまでもないが 、それでもこの快感はとても幸せだ。

 

みらい「いやいや癖になりますな〜」

 

モフルン「安心するモフ」

 

リコ「ナシマホウ界には夏しか売ってないのよね。年がら年中売っている魔法界が一番だわ」

 

ことは「もう埋もれたい気分かも」

 

リコ「さりげなく怖い発言しないで~!」

 

どうやら一番嬉しそうだったのははーちゃんらしい。その後はすっかり大人しくなったはーちゃんは真面目に活動をして頼りになったとか。今日はもう疲れたからこの街で休める旅館を探すことにした。だがはーちゃんは未だに冷凍みかんのことから頭に離れる気配がなかった。



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第209話 選択①

みらい「ふぅ~疲れた~」

 

ことは「このまま寝たいね」

 

宿についた私達は部屋でのんびりすることに。そこでリコが今日の出来事を振り返りをした。

 

リコ「ひとまず有益な情報は突き止められなかったわね。なんとか犯人を追い詰めないといけないのに、これじゃお手上げ状態ね」

 

みらい「あんな酷いこと、絶対許せないよね 。これ以上被害を広めさせるわけにはいかない」

 

何よりも相手の特徴を解明できない限り追跡そのものが頓挫することになりかねない。最もこれから被害が大きくなり人々がそれを恐れ排斥するのも時間の問題なのだから。校長先生曰く迅速に疎開させるようにと指示を受けている。

 

みらい「でもあのファントムって人が言ってた認知上の世界というのが気になる。それはどういう基準なのか…」

 

リコ「その人自身にとっての世界ってことかしら?」

 

モフルン「難しい話は苦手モフ、でもモフルンも力になりたいモフ」

 

ことは「…うんうん、こういう時の助け合いだね。ちなみに私は全然理解できない、 テヘペロっ☆」

 

リコ「はーちゃんは大人しくしていてね…(はぁ…)」

 

詳しくわからないが、何らかの原因があるかもしれない。今はこの話題に関して何も触れないでおくとして、リコが校長先生に今日の報告をする。

 

リコ「ここに電話があるから、魔法学校に連絡できるわ。校長先生にここまでの状況を伝えないと」

 

みらい「本当に解決できるのかな…?まだわからないことばかりだし」

 

我ながら至ってシンプルな答えだった。今日まで合った出来事を通しても根本的に解明できていない。有力な手掛かりがあればもっと楽なんだけど…。

 

リコ「校長先生、こんな時間にすみません。えぇ、実はですね…」

 

リコが校長先生に連絡を取っている中、私はモフルンの頭を優しく撫でた。

 

モフルン「疲れたモフね」

 

みらい「うん。もうそろそろ寝れるよ、ゆっくり疲れを癒せるし」

 

ことは「は~…。眠た~い」

 

リコ「はい。明日の夜には戻るようにします、その間に……わかりました。それじゃ、おやすみなさい」

 

校長先生との通話を終えたリコは再び椅子に腰かける。ちょっと疲労が溜まった顔をしているようだ。

 

みらい「大丈夫?」

 

リコ「これくらい明日になればへっちゃらよ。一応校長先生も特に心配そうな感じじゃなかったし、問題はなさそうかも、多分…」

 

リコが少し自信のなさげな口調で答える。ストレスとか溜まってるのかな…?

 

みらい「目がしょぼしょぼしてる、早くベットに入って」

 

リコ「ごめんなさい。私、ここ数日間忙しかったみたい」

 

ことは「そうでもないよ。私達も一緒だったし、ね?」

 

モフルン「みんなで疲れをとればスッキリモフ」

 

モフルンとはーちゃん、そして私はリコが楽になるよう少しでも励ましてあげた。するとゆっくりと微笑んでくれた。

 

リコ「それじゃあ一足先に休ませてもらおうかしら…おやすみなさい」

 

徐々に声も静かになり、栄養ドリンクを一本飲み干してから眠りについた。私達よりずーっと頑張ってたもんね、流石リコだね。

 

みらい「私達はもう少しだけ起きてよう」

 

ことは「うん。丁度今日は星空が綺麗なんだよね、色んな星が見れるみたいだよ」

 

モフルン「モフルンはリコの隣に寄り添うモフ」

 

昼間に外でぐっすり寝たし、それなりに目が冴えてる気がする。いい星空が見れそうでワクワクもんだ。

 

ことは「見て、流れ星だよ!何かお願いをぉ…(ブツブツ)」

 

みらい「はーちゃん慌てなくても大丈夫だから、ゆっくりお願いするんだよ」

 

ことは「そうか…一回で終わるわけじゃないよね。落ち着いてゆっくりと…」

 

降り注いできた流れ星にいくつかお願いをしてみる私とはーちゃん。どうかこの願いが届きますように…。

 

みらい「次はどんなものが見れるかなぁ?」

 

段々星空に夢中になっていき、気がついたら意識が遠くなってきた。今の私が見える景色は…、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「―――それがお前の答えか」

 

ミラクル「私の選んだ答えに、間違いはない…」

 

何これ…?あそこにいるの…私っ!?それに向こうにいるのは誰?ぼやけてよくわからない。

 

???「後悔しても知らないぞ、それでお前らが望む世界であるならば―――」

 

ミラクル「ここが…私の、いや…私達の本当のいるべき世界なんだから―――」

 

えっ?何、一体何が…うぅあぁ―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことは「―――らい、みーらーいーっ!」

 

みらい「ひやぁ!?あれ?夢…?」

 

ことは「もう朝だよ、みらいってばいつの間にか窓の前に寝ちゃって」

 

みらい「私、何だが知らない夢を見ていたらしくて」

 

はーちゃんに叩き起こされた時にはもう次の日になっていた。これは自分でも全く理解できなかった。

 

モフルン「おはようモフ。今日も元気モフ」

 

ことは「ねぇねぇ、リコがすっかり元気一杯だよ」

 

リコ「おはようみらい。随分と寝癖がすごいみたいだけど、どうしたの?」

 

みらい「変な夢を、見た…感じ?」

 

続けてリコとモフルンも一緒に目を覚まして私に声をかけた。リコはすっかり疲れが抜けた感じらしい。

 

リコ「さぁ、早く支度して。朝ご飯食べに行きましょ」

 

ことは「はー!私もうお腹ペコペコ~」

 

モフルン「遠くから甘い匂いがするモフ」

 

みらい「さてっと…。行こうか」

 

私達は着替えて近くのレストランで朝食をとることにした。でも今日がこれまでで一番長い一日になるとはまだ誰も予想もしていなかった。



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第210話 羽休め①

約2年と数ヶ月ぶりの更新となります。待たせてしまい申し訳ございません。


ことは「はー!このスクランブルエッグトロトロで美味しい〜」

 

リコ「魔法界では貴重で新鮮な卵を使っているらしいわ、どの料理にも相性抜群って感じね」

 

みんなで朝食を食べて賑やかに過ごす。どうやらはーちゃんはこういう場所での食事をとても楽しみにしていたみたいでウキウキな気分。一方リコは優雅にクロワッサンと見た目はブラックで砂糖をこまめに入ってるコーヒーをテーブルに並べていた 。私はモフルンと一緒にパンケーキをひたすら吟味していた 。

 

モフルン「どれも甘い匂いがするモフ、全部食べちゃいたい感じモフ」

 

みらい「その気持ちわかるけど全部は流石に無理じゃないかなー?」

 

他にもコーンフレークやグラノーラといった朝食シリアルがズラッと並んでいる。パンのコーナーは食パンは勿論、イチゴメロンパンも勢揃い。私とモフルンは尽かさず無言で確保した。

 

モフルン「これだけ取ったらお腹いっぱいになるモフ」

 

みらい「そうそう、朝はしっかり食べるのが一番。いざという時に身体を動かせないからね 」

 

リコ「だからって食べ過ぎは厳禁よ、お腹痛くなったらどうするのよ?」

 

クロワッサンを片手に取って頬張りながら心配するリコ。最近少食気味のリコはカロリーを摂取する方が効率的だと強調しているという。

 

ことは「でもイチゴメロンパンは別腹(モグモグモグ)、ん〜!最高〜」

 

そんなリコとは別ではーちゃんは無邪気になりつつどんどん食べる。でもこうして考えると本当に別腹っていうのはおとぎ話でしかないものだと思ってたけど人がその気になればなんでも食べてしまうことには納得せざるを得ないという実感が湧いてくる。だからいつも大好きなイチゴメロンパンをみんなで一緒に味わっていることに喜びを感じる。

 

みらい「まさかナシマホウ界以外で広まったのはビックリ、一体誰が広めたんだろう?」

 

リコ「たまたまじゃない?前までは全然出回ってなかったもの、そう考えると驚きね」

 

席に座り一度寄せ集めた食べ物を口にしていく。やはりイチゴメロンパンは私にとってメインディッシュとなるに違いはない。でも栄養バランスをしっかり意識しているリコは皿に盛りつけている料理は控え目だ。前菜でサラダを添えていて、その横には茹でたてでパリッパリなウインナーをチョイス。普段から栄養バランスをしっかり頭の中に叩き込んでいるだけはあるためリコの栄養管理は意外と侮れないのだ。それにしてもこういう思考なのはやはり親の遺伝なのかな?

 

ことは「細かいことなんて気にしない、食べられればいいんだから。あーん」

 

リコ「二人とも、たまには遠慮することも大事よ?さっきも言ったけど後でお腹壊しても知らないわよ。ね、モフルン?」

 

モフルン「モフルンは全く気にならないモフ。満足すれば結果オーライモフ」

 

とりあえず意見はそれなりにまとまったらしいがいかんせん個人差ということには変わりない。私は椅子に腰掛けて早速食事。

 

みらい「う〜ん!普段口にしているのと格が違うねえ〜」

 

リコ「ま、みらいが満足なら関心ね。それじゃ、このウインナーを…(モグモグ)はわぁ…ぢゅーひぃ…」

 

ことは「今度は和食にしよっと、えーっとどれがいいかなぁ?」

 

時間を忘れるように黙々と食べ進める私達、特にはーちゃんはやけに食欲旺盛だ。イチゴメロンパンを最後に和食にも手を染めた。

 

モフルン「みらい、あとで手入れして欲しいモフ」

 

みらい「そうだね 、昨日はできなかったからあとできちんとやってあげる」

 

リコ(みらいってばすっかり頑張り屋さんね、昨日より積極的になっちゃって。でもこのまま何もないといいんだけど…)

 

そんな中、周りの人達の会話を偶然耳にする。

 

老人「最近魔法界で人が襲われる事件が多発しているそうじゃのう」

 

男性「なんでも無差別で襲っているということもあるらしい」

 

女性「もしこの街にやってきたらたまったもんじゃないわね…」

 

どうやら観光で来た客の人達のようだ。表情もハッキリしてないし、色々不安を募らせてる。

 

リコ「あの人達、かなり警戒気味ね。でも人を襲うって話どこかで聞いた覚えが…」

 

ことは「人違いって可能性もあるんじゃない?私達が想像しているのとはきっと180度真逆だって」

 

ここで思い浮かぶものは現状なし。もし私達が追っている人物だとしても理由がハッキリしない限り不明瞭だ。いくら周りの話を鵜呑みにしたところで真相はそう簡単に出ない。

 

みらい「辛そうだね…。本当に魔法界が滅茶苦茶になったらどうしよう…」

 

リコ「その気持ちは十分伝わってるわみらい。でも時には割り切ることも大事よ、いざという時は私達が動かないと」

 

困ったことがあれば力を合わせていくのが私達の使命、市民達を危険に晒すわけにはいかない。今までだって上手くやれたんだから次もできるはず。

 

ことは「早く食べないと全部貰っちゃうよ~?」

 

モフルン「モフルンもいただくモフ~」

 

みらい「待って~!まだ完食してな~い!」

 

リコ「お気の毒ねみらい、誰にも食べられないように頬張るのが美しいレディの嗜みよ?」

 

みらい「あとヨーグルトと牛乳プリンとそれから―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後は慌ててしまったが朝食を終えてチェックアウトの準備をすぐに済ませる。はぁ、あそこのデザートが美味しくて今でも恋しい…。

 

みらい「身支度よし、忘れ物なし、準備完了っと」

 

ことは「今日は何からする?」

 

リコ「まずはゆっくり心を休めたいところね。各地にある観光スポットや有名なテーマパークとか、それから本題に入るって感じかしら」

 

羽休めということで思う存分遊ぶそうだ。リコが事前に調べておいた情報を頼りに色々と散策を予定する。

 

リコ「私のオススメはここかしらね、リッチでオシャレなファンシーショップとかはどう?」

 

ことは「はー!素敵~!」

 

みらい「私この店に興味あるかも!ねぇねぇ、順番に回ろうよ~」

 

リコ「全く仕方ないわね、モフルンはどうする?」

 

モフルン「モフルンはみんなが行きたいところならなんでもいいモフ」

 

みらい「今から楽しみでワクワクもんだぁ~!」

 

ことは「イエーイ!」

 

私とはーちゃんはノリノリでリコとモフルンは嬉しそうな表情で歩く。まず向かうのは老舗の和菓子屋さん、あそこの名物はモチモチで甘い大福。私達が到着した頃には既に色んな人達の列で埋め尽くされている。この待ち時間を少しでも気にしないようここではーちゃんが面白い変顔を披露した。

 

ことは「ふぉ、ふぉ、ふぉ。武士は食わねど高笑い~!」

 

リコ「それを言うなら高楊枝よはーちゃん。でも…ぷぷ、なんて顔をしてるのよ…ぷ~!」

 

ことは「そんなに面白かった?」

 

モフルン「その顔変モフ~、でもみらいが一番ツボに嵌るってるモフ」

 

みらい「ぶははははぁ~!!ヤバイヤバイ、それ絶対ヤバイって~!!」

 

リコ「みらいが一番受けてるみたいね」

 

大爆笑の沼に嵌る私は一目散に腹を抱えて思いっきり飛び跳ねる。テレビで見る時とは違う勢いだ。

 

リコ「次は私の番ね。たらり~ん、鼻から牛乳ー」

 

ことは「ははははははっ!何その顔ー!」

 

今度はリコが渾身の一発芸を披露する。ところが当の本人は凄く恥ずかしいようだった。

 

リコ「わ、私だって必死でネタを厳選したんだからね!これすっごい恥ずかしいかったのよ!」

 

モフルン「お笑いの番組を見た影響があるモフ」

 

みらい「よーし、最後は私が締めるとしよう。面白すぎて耳が……無くなっちゃったぁ!」

 

リコ「わかってないわね…」

 

ことは「うん、そうだね…」

 

みらい「えぇ~!?なんで私だけぇ~!?」

 

あまりに白けたのか二人が酒に明け暮れたかのようにやつれた。今のは渾身のギャグのつもりだったんだけどなぁ…とほほ…。

 

リコ「そろそろ空いてきた頃ね、早く行かないと後ろで待ってる人達の邪魔になるわ」

 

列がだいぶ減ってきたので時期に買えるようだ。メニューを確認しつつも黙々と順番が訪れるのを待つ。

 

みらい「やっと出番が来たね、待ってました!」

 

店員がメニューを伺い、順番に頼みたいものを決める。ここは常連の気分でテキパキと決めたいところだけどいざ口にしようとすると勿体振るような挙動をとってしまいそう。ただでさえ甘いものを好む身としては色々な種類を食べ尽くしたい気持ちが抑え切れないからだ。勿論、欲を抑えたいという気持ちはあるがいつの間にか食通気分で各地を巡ることを意識してしまうのだから余計に腹の中の虫が騒がしくなる。

 

リコ「えっと、ここのオススメは何ですか?」

 

リコがカウンターの前に貼ってあるメニューを確認しながら店員に尋ねる。今注文を伺っている店員は若い女性で笑顔を売りにしているらしい。

 

店員「当店のオススメはこちらのイチゴ大福になります。甘くて大きいのが特徴の自慢のイチゴを使用しておりますので大変人気の商品ですよ。本日は在庫に余裕ありますが、普段は開店から2時間弱で売り切れる程お客様に愛されております」

 

みらい「なるほど〜。まさに観光客お墨付きってことかぁ。ねえねえ、これにしようよ」

 

リコ「他の種類もあるから全部それって訳にはいかないわ。ただイチゴ大福となれば最初に食べてみたいわね」

 

そのあとも店員の説明が続き、色々と選んでから購入。最後にその店員は優しく私達に手を振ってくれた。少しだけ心が温まる気分で一安心した感じがまた清々しい。

 

みらい「いっただっきま〜す(モグモグ)、ん〜!!甘酸っぱくて水々しいイチゴが美味し〜!」

 

リコ「みらいったら、大福じゃなくてイチゴの方に夢中ね。でも、あそこの店員さんが言ってた通りだったわ。こんなにいい食感の大福を食べられるなんて、モチモチの食感に甘すぎないあんこが丁度良い塩梅ね」

 

ことは「イチゴメロンパンを食べ続けた身としては究極の至福…」

 

あまりの美味しさに身も心も魅了されてしまう私達。どこから例えるべきなのかよくわからないくらいの美味しさだった。

 

リコ「次はこの豆大福ね、実は一番食べたかったものだったのよね 。この香ばしく焼いた豆を柔らかい食感の大福で包み込むように…(モグモグ)、う〜ん!たまらな〜い!」

 

モフルン「豆が香ばしくて美味しいモフ」

 

リコとモフルンが次に食べたのは豆大福で如何にも和を強調する風味のようだ。それを頬張りながら啜る温かいほうじ茶もまた格別だ。

 

ことは「はー、何もかも忘れてしまいそう…」

 

最近豆を含むお菓子を少しずつ食べるようになってきたはーちゃんもこの表情だ。様々なスイーツ等を食べてきて思ったのがただ口にするだけではなく奥深く舌で味を確かめることにあるんだと思う。そんじょそこらの貧相なお菓子を幼い頃から食べ続けた結果、徐々に上品なものを求めるっていう考えは人それぞれだろうけど私達は常に美味しいスイーツが大好きで誰にも負けない欲が沢山あった。

 

リコ「今のところ季節はまだ微妙だけど、季節に合わせ食べたらもっと美味しく感じるわよね」

 

ことは「テレビでもやってたよね、今が旬のスイーツを季節に合わせて食べだたら一番いいって。えっと次はこの塩大福だね、どれどれ…(パクッ)」

 

モフルン「甘い匂いはしないけど塩の風味が絶妙なバランスをとっているモフ、モフルン気に入ったモフ」

 

みらい「ふむふむ、確かにモフルンの言う通りかもしれないね。こまめな塩分を補給するのにいいテイストだよね」

 

それから淡々と大福を食べ続けていき、あっという間に楽しいひと時が終わりを迎えようとしていた。

 

リコ「さてと、次はどこにしようかしら」

 

みらい「クァwせdrftgyふじこlp」

 

リコ「みらい、口の中の大福が無くなってから言いなさいよ…」

 

ことは「주요캐릭 름정리 허비랑 공한끝뮤 기터억이」

 

リコ「ってはーちゃんは口の中に大福入れ過ぎて訳のわからない言葉になってるわよ⁈」

 

リコは次の目的地をどうするか考えてた。最初に挙げていた候補は観光スポットや有名なテーマパーク、それからリッチなファンシーショップ。まずは行列のできる和菓子屋さんを巡ったわけだから全員で意見を一致させないと次の目的地まで行くのは難しい。

 

ことは「私、身体を動かしたいなぁ〜。さっきリコが言ってたテーマパークに行きたい!」

 

リコ「食べた分しっかり動き回るってことね、確かこのパンフレットにはここからすぐに行けるテーマパークがあるわよ。なんでも魔法界の中では屈指の人気を誇る場所なんですって」

 

モフルン「早く行ってみたいモフ」

 

みらい「よーし、そうと決まれば早速出発だ〜!今から有名なテーマパークについた方が勝ちね、よーいどーん!」

 

リコ「みらいー!場所わかるのー!?」

 

みらい「知らなーい」

 

リコ「じゃあ意味ないじゃな〜いっ!!」

 

ことは「私達はゆっくり行こうか」

 

モフルン「じっくりコツコツと進むモフ」

 

地道に行くのも吝かではないが私にとっては時は金なりだった。沢山大福を食べた分しっかりカロリーを消費しないとね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中明らかに煩雑な道が続いたがようやく次の目的地に到着。私はまだまだピンピンしていたけどリコ達は割とヘトヘトだったようだ。

 

リコ「進むの速すぎるわよ……ちゃんと私の言う通りにしていればこんなことにならなかったんだからね……(ゼェ、ゼェ…)」

 

既に息切れを起こしているリコが私の胸ぐらを掴みながら静かに怒っていた。この様子だと機嫌を直してくれるのも相当時間がかかるっぽい。

 

みらい「ごめ〜ん…私はつい楽しみ過ぎてワクワクもんだったから張り切っちゃって…」

 

リコ「じゃあ、ここでの昼食をみらいが私の分奢ってくれるなら許してあげても…いいわよ?」

 

みらい「わかった。リコが食べたいものなんでも買ってあげるね、だから…」

 

リコ「はいはい、これに懲りたらもう勝手に先に行かないこと。いいわね?」

 

と思ったらあっさり許して貰えた。ずっと一緒に過ごしてきたからリコにとってはこの程度ならビクともしない。本当にありがとう…。

 

モフルン「モフルンとはーちゃんもついたモフー」

 

リコ「意外と追いつくの早かったわね。そうか、私がヘトヘトだったから…」

 

ことは「聞いてよ、さっきのみらいF1並みにホウキで爆走してたんだから」

 

モフルン「やっぱりみらいのワクワクっぷりにはリコでも敵わないモフね」

 

遅れて数分ではーちゃんとモフルンが到着した。私ってそんなに突っ走ってたっけ?

 

みらい「ここはどんな感じかな?」

 

リコ「今確認するわ。この施設は魔法界ではかなり有名な場所で遊園地とショッピングモール、更に飲食店等がいっぱい並んであるの。今までは行ったこと無かったけどこうしてみんなで来るのは初めてね」

 

ことは「魔法学校から物凄く距離あるよね、旅行気分で来たみたい」

 

実際ナシマホウ界と違って観光やお出かけ目的で魔法界に来ることなんて意外と稀かもしれない。私達は授業の一環で様々な場所に行き来しているが本当の意味での遠征は滅多になかったりする。余程のことではない限りナシマホウ界ぐらいのペースで自由に回る機会自体簡単ではないのだから。特に未成年が結構な頻度で遠征するのは明らかにおかしい、それで魔法学校の教師や生徒の保護者達が厳重に注意してる事例があったりする。知識をしっかり理解していれば大人達が訝しむことにならずに済むはずだ。でも今回私達がこうして各地を転々と回っているのは先日の魔法学校間で謎の殺人事件が起きているからだ。既に私達の友達からも死人が出ている、しかしここでこれまでの出来事を説明してもキリがないよね、今は忘れよう。

 

リコ「まずは休ませて、まだ疲れが取れてないから…」

 

モフルン「モフルンも休むモフ」

 

まだ昼まで結構時間ある、朝早くから動いているが実はそこまで時間が経過していない。まぁ私がおもいっきり飛ばした分短縮されたってこともあるけどね。普段なら休日を満喫しているだけであっという間に時間が過ぎていくだけだしある意味効率がいいんじゃないかな?

 

みらい「じゃあちょっとの間仮眠しよーっと」

 

ことは「私トイレ行って来るね」

 

そんなこんなで休憩タイムに差し掛かる。しっかり身体休めてその後のカロリー消費に備えるとしよう。

 

モフルン「気持ちいいモフ、風がとても爽やかモフ」

 

みらい「このまま明日の朝まで寝てたい気分だねー。そうなったら風邪ひいてしまってそうだけど」

 

目を閉じて眠りにつくまでにのどかな空気を堪能する。なんたって嫌なことなんかすぐに忘れてしまう感じだから尚更心地いい。

 

みらい(こうしていると、また眠りにつきそう…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???(プリキュア、果たして彼女達に未来があるのでしょうか…)

 

誰だろう?昨日見た夢とはまた違うみたいだけど…。

 

???(どうすれば世界を救うことができるのか、全ては彼女達にかかっているはずです。答えはきっとーーー)

 

え?何?どういうことなの?一体何をーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらい「……!」

 

リコ「みらい…?」

 

夢だと言え、あまりの勢いで自然と目が覚めた。これは自分でもよくわからなかった。

 

みらい「私…一体どうしたんだろう…?」

 

リコ「また悪い夢…見たの?」

 

みらい「ううん、そうじゃないけど…なんていうか…。すごく不思議な夢だったんだ」

 

モフルン「ちょっと気になるモフ、でもみらいしか見れないから残念モフ」

 

ちょっぴり残念そうな顔をするモフルンが地味に可哀想。相談しておけばよかったのかも、と言いたいところだけど突然見た夢だから言いようがない。

 

ことは「ねえねえ、もうそろそろ遊びに行かない?退屈で仕方ないよー」

 

気づいたらそれなりに時間が経過していた。まだ昼まで若干時間あるけどはーちゃんがとても楽しみにしているしこのままじっとしてはいられないね。

 

みらい「お昼ご飯までの間にある程度回ろうか」

 

モフルン「賛成モフ」

 

ことは「まずジェットコースターに乗るー!」

 

みらい「おぉー!はーちゃん張り切ってる、ワクワクもんだぁ〜!」

 

リコ「ちょっと待って!いきなりジェットコースターに乗るなんて聞いてないわよ〜!!」

 

はーちゃんの要望により、ジェットコースターに乗ることになった。どうやらここのジェットコースターは一味も二味も違うらしい。

 

ことは「早く降りないかなー?」

 

リコ「大丈夫よ、こういう時の流れは大抵頭の中でシュミレーションしたから…絶対叫ばない」

 

どんどん上がっていきいよいよ下まで降りようとしていた。私も色々と楽しそうでドキドキワクワク状態、さぁいよいよ本番だね。

 

ことは「はー!気持ちいいー!」

 

モフルン「モフー!スリル満点モフー!」

 

みらい「わぁ〜!グルグル回るよこれ、大きくこまめに!」

 

私達はあまりの動きにテンションマックス。一方リコは、

 

リコ「@#¥&*()’l%-+=/;:,.$€£_^[]{}§|~…\<>!?^_^qawsedrftgyhujikolp」

 

口では言い表せないぐらいの表情と奇声で溢れていた。このジェットコースターは小さく派手に動いたり大きくこまめに回ったりするのが一番の特徴で、ある程度の耐性がないと楽しめないしすぐに酔ってしまうという。だからはーちゃんはウォーミングアップがてらに乗りたかったんだね、関心。にしてもリコにはちょっと刺激が強かったのかな?

 

みらい「あー楽しかったね」

 

モフルン「モフルン、本当に空を飛んでいる気分だったモフ」

 

ことは「またいつか乗りたいね」

 

リコ「よくそう簡単に言えるわね…ゲホッゲホッ…!」

 

みんな降りて一旦ベンチに腰掛ける。リコのこの様子だと、相当苦しかったんだと思う。

 

ことは「えぇ〜?面白くなかったの?」

 

リコ「こんなの、普通の人間じゃあ不可能よ…。はーちゃんは特別だからまだいいとして、みらいは異常……うッ、 もう無理…」

 

みらい「わぁ〜‼︎ リコ、ここで吐いちゃダメぇ〜‼︎」

 

ことは「お食事中の皆様には多大なご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます」

 

みらい「ってはーちゃんは誰に向かって言ってるの!?」

 

ことは「独り言だよ、気にしない気にしない」

 

と、とにかく次に移るとしようかな…。これじゃあキリがないしね。ちなみに道中で幼い姉妹にこのことが噂されたのは最早説明不要であった。

 

リコ「ふう、密かに持っていた冷凍みかんがなかったら今頃のたれ死んでいたわ。冷たくて美味しい」

 

スッキリしたリコは保冷していた冷凍みかんを次々と頬張っていた。いい非常食になるよね、 冷凍みかんって。

 

ことは「あれぇ?さっきまではやたら気持ち悪がってたのに随分ハキハキしてるね」

 

リコ「ち、違うし!私はたまたま酔っただけよ、決してああいうのが怖いわけじゃないし」

 

モフルン「今度はモフルンがちゃんと側にいてあげるモフ」

 

みらい「その通り。モフルンがいるだけで怖いものなんてあっという間だよ」

 

勿論ただの気休め程度にしか過ぎないけど。

 

ことは「次どこ行きたいかリコが決めて」

 

リコ「私が?そうね、折角案内しようと思っていたからもっと落ち着きやすいところにしたいわ」

 

さっきはあんなにもがいていたっぽいから行きたい場所をリコに譲歩させよう、きっと今度は上手くやりたい雰囲気だろうし。

 

モフルン「リコにとって一番いいのは何モフ?」

 

リコ「観覧車 …は最後のお楽しみで、メリーゴーランド…はあまりにも子供っぽいし。う〜ん、中々思うようにならないわね…」

 

みらい「お・ば・け・や・し・き…」

 

リコ「却下よ」

 

みらい「あー!リコってば現実から逃げようとしてるー!」

 

自分の苦手なところは極力避けたかったらしい。でもリコは頭を常に回転させて行きたいところを必死になって絞り出していた。

 

リコ「別に怖がってないし!私はもう心は大人だからわざわざ入らなくても平気よ?」

 

ことは「へえー、本当にそうなんだー。だったら今入っちゃう?」

 

リコ「あのねはーちゃん。そうやって誘ってもその手には乗らないわよ、もっと楽しくしなきゃだから」

 

モフルン「結局どこに行くモフ?」

 

こうしている間にどんどん人が増えていく。リコは今一度パンフレットを確認しつつ、どのアトラクションがいいか隈なく探す。

 

リコ「私が行きたいところはここよ。これ、みんなで楽しめるんじゃないかしら?」

 

リコが指差したのはゴーカートのページ。とても人気とされてるらしい。

 

みらい「おぉ、ゴーカートかぁ。いいねいいね、行ってみようよ!」

 

モフルン「面白ろそうモフ、いろんな景色見れるモフ」

 

リコ「まぁモフルンの言う通りかもね。ここのゴーカートはぐるっと一周回っていくタイプよ、途中で山や海などのいい眺めを堪能できるのよ」

 

ここならば安全第一に考えたいえるかもしれない、そうリコは思った。できるだけ苦しい経験を回避した選択だろうけど、そもそもリコって非科学的なものは平気だったのかな…?

 

ことは「ふふふっ、終わったら絶対お化け屋敷に連れて行かせるんだから…」

 

みらい「はーちゃんが呪いの力を宿している…」

 

モフルン「きっと気のせいモフ。あれは興奮した時に出る気持ちモフ」

 

リコ「それよか早く行きましょう、人が並ぶと順番回って来ない可能性あるから。ほら、急いだ急いだ」

 

ことは「もう一度競争だ〜!」

 

みらい「わあぁ〜!いきなりすぎるよ〜!」

 

モフルン「さっきのみらいを思い出すモフ。モフルンはリコと一緒に行くモフ」

 

というわけでリコが言っていたゴーカートのある南のエリアに急行。身も心を休んでのんびり過ごす羽休めはまだまだ続きそうだった。



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