とある家族の異世界冒険記 コラボ編 (堕落天使)
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コラボ編3 第1話 やって来た2人の最強

どうも、堕落天使です。

このコラボ編3はマッスーHERO様のとある英雄の伝説大戦とのコラボとなっております。

このコラボ編3は1週間ごとに投稿する予定ですのでどうぞよろしくお願いします。

元々あっちの書き方を引っ張ってきているからアレな部分もありますし誤字脱字あると思われますが、それでもよろしければどうぞ。


宇宙の外には超空間が広がり、そこには別の宇宙が泡粒のように無数に広がっているという。

 

多次元宇宙、マルチバースである。

 

 

その中の一つ、アナザースペースで今、壮絶な戦いが幕を開けようとしていた。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「待ちなさい!ベリアル!」

 

「チッ、しつこい奴だ。ここでケリをつけてくれるわァ!!」

 

「上等!!」

 

 

私、ウルトラマンギンガこと神崎美鳥はカイザーベリアルとアナザースペースのとある惑星上で殴り合っております。

 

奴の四天王をウルティメイトフォースゼロの皆に任せて私はベリアルを追撃、幾つもの恒星を間近に見ながらマルチバースすら越えて追いかけ続けて人間時間で約1年。

 

 

長かった、長かった...!

 

バルタン星人の宇宙船に妨害されて苛立ち半分に消し飛ばしたり、どこにあったんだか知らないけどベリアルが殿に置いたダークロプス軍団を蹴散らしたりその他諸々...。

 

 

そんな事を考えつつ奴の赤黒い爪の斬撃を前転で回避、同時に右腕に展開した光の剣、ギンガセイバーで振り返りつつベリアルの足元めがけて薙ぎ払う。

 

でも奴はジャンプして回避、同時に右足で踵落としを食らわせようとする。

 

それに対して私は身体を倒して勢いづけた左足を上げて奴の足に当てて跳ね飛ばす。

 

でも空中で体制を整えられて着地される。

 

 

「なんだァ、その程度か?」

 

「じゃあその程度を相手に引くわけないわよね!」

 

 

ベリアルが挑発してくるけど私には意味がない。それを逆利用させてもらう。

 

挑発し返して私は胸の前で右手を前に出して前に出した右手首に左手首を重ねる。

 

 

「面白い...受けてやるゥ!」

 

 

そして奴の腕には赤黒いエネルギーが集まっていく。

 

分かっているねぇ...。そういう奴は嫌いじゃない。

 

 

私は腕を思いっきり広げて回す。右腕は下周り、左腕は上周りでね。

 

すると全身の水色のクリスタルが青く輝き始める。まあぱっと見、水色にも見えなかないけどさ、取り敢えず青って事で。

 

 

奴はポーズを変えずエネルギーを貯めていく。

 

そしてお互いエネルギーが限界まで溜まり動き出す。

 

 

「ギンガクロスシュート!」

 

「喰らえェェェェェェェェェ!!!」

 

 

私は掛け声と共にL字に腕を組む。縦になっている右腕から青い光線、ギンガクロスシュートが放たれる。

 

奴も十字に腕を組む。そして赤黒い光線、デスシウム光線を発射。

 

早いが話、お互い必殺光線ってわけですよ。

 

 

2つの光線がぶつかり合いスパークが起こりながらも私達は光線を撃つのをやめない。

 

あれだ、ゲームだとこの時皆はコントローラーのボタンをぶっ壊れるくらい連打してる頃だね。

 

 

だけどそんな押せばどうにかなる世界じゃない。

 

今でも拮抗してるけどエネルギーが切れた方が負け。

 

 

なら切れる前に一気に出力を上げて押し切る!

 

そう思って出力を上げようとしたその時だった。

 

 

「何ィ!?」

 

「んな!?」

 

 

お互いの光線が何故か消滅した。同時に嫌な予感がして上を見る。

 

 

「嘘でしょ!?」

 

 

嫌な予感の正体はすぐに見つかった。それは私がかつて自分の世界から飛ばされた時にあった黒い渦。

 

よりにもよってこんな時に出てくるの!?

 

 

「こいっつァ丁度いい...これでおさらばだァ!」

 

 

ベリアルがあの渦に突っ込んで姿を消す。同時に渦が収束していく。

 

待て、何故奴があの渦を知っている?いや、考えは後だ。今は奴を逃がさないのが先決!

 

私もあの渦に全力で飛んで突っ込む。

 

 

あー...皆にどう言い訳しようか...。後お土産用意しないと。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「到着...っと」

 

 

私、川北理恵はいつも通り空中に出現した渦から地面に降り立つ。

 

最初は顔から突っ込んじゃいましたけどもう大丈夫!あんな悲劇は繰り返しません!!

 

 

《それはフラグか?》

 

 

地の文に私の中に眠る竜が反応しやがりました。

 

というか酷くないですか、ドラゴン!

 

 

《はいはい、そうですねー。

だがここって路地裏だよな。取り敢えず外に出てみるか》

 

「ですね。まずこの世界がなんたるかを把握しなけ...れ......ば.........」

 

 

表に出た私の視界には高層ビル群が広がっていた。

 

でもその前に公園があって道路をドラム缶状の清掃ロボットが走っている。

 

そこにいる人達は基本学生で大人はほとんどいない。

 

 

嘘...です...よね?ここって...。

 

 

《マジかよ...。俺達、帰ってきたのか...?》

 

「みたいですね...。学園都市に...」

 

 

 

光の巨人の力を手に入れた欲望の女王。

 

そして勇気と海賊を手にした魔法使い。

 

彼女達が舞い降りる舞台は光と闇の総力を結集した混沌とした戦い。

 

彼女達は異世界で戦っている知り合いを見て何を思うか...。

 

 

 

とある家族の異世界冒険記:コラボ編3

 

とある英雄の伝説大戦編

 

第1話「やって来た2人の最強」

 

 

 

 

「強力な光エネルギー?」

 

 

私、TPC総監のイルマ・メグミは総監室でムナカタ・セイイチリーダーと共にミウラ・トモキ隊員からの報告を聞いていた。

 

 

「はい、それも嘗てメビウスやコスモスが来訪した時の数倍の規模です。

ですが...」

 

「一瞬...か」

 

 

リーダーがミウラ隊員の報告に眉を顰める。

 

正直私も信じ難いけど...もしそれがウルトラマンならと思ってしまう。

 

 

「分かりました、観測を続けて下さい」

 

「了解です、失礼します」

 

 

そう言ってミウラ隊員が私達に背を向けて退室する。

 

...どう見ます、リーダー?

 

 

「...複数のウルトラマンが同時にやって来た、あるいはそれこそウルトラマンノアの様な強力なウルトラマンが来たのか、ですよね」

 

「やっぱりその辺りが妥当よね」

 

 

でも何故か変な胸騒ぎが止まらない...。

 

何か不吉な事が起こりそうな感じがする...。気のせいかしら...。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

奴を追って三千里...って訳じゃないけど転移先は大気圏上層と来た。

 

周りには奴がいなかったから転移先が別と見た。

 

 

だぁぁぁぁぁぁ!!!逃がしたぁ!!

 

あんにゃろー...どこ行ったぁ!!ベリアルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!

 

 

取り敢えずここにいるのもまずいので急いで人間の姿に戻って近くの妙に見覚えのある私達の世界では終夜がその塔の主ごと薙ぎ払ったビルがある街の路地裏に舞い降りる。

 

そして一息ついて...感じた。

 

 

この気配は...理恵!?まさかのこの世界にいたぁ!?

 

こいっつぁ丁度いい!合流して手伝わせてやる!

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「ひぅ!?」

 

《おいおい、どうしたよ...。風邪でも引いたか?》

 

 

い、いえ。なんか...凄く誰かに狙われた感じがして...多分美鳥さん...。

 

 

《それはまた...。お前の嫌な予感は何かと当たるしなぁ...》

 

 

む、失礼じゃないですか?ドラゴン?

 

 

兎も角私は表に出たところは第7学区のクレープ屋台がある広場でした。

 

そこは嘗て佐天さん達と御坂さん達が始めて出会った場所でした。勿論私もいましたよ?

 

 

でもクレープ屋が黄色い猫バスを使った物でした。前の潰れちゃったんですかねぇ...。

 

それにしても忍クレープ...他人の空似ですよね?何かすっごい見た事あるんですけど...。

 

 

そういえばレールガンで吹っ飛ばされたあの車、どうなったんでしょうか...。

 

 

《スクラップだろ。あの破損だと修理するよりリサイクルの方が楽だ》

 

 

...随分詳しいですね、ドラゴン...。

 

まあいいでしょう。取り敢えず今は私達の家、神崎技術研究所に行くとしましょう。

 

 

《案外平行世界かもしれないぜ?》

 

 

もう...そんな事言わないで下さいよ!

 

なんかこう...不吉じゃないですか!

 

 

《おい、そろそろ着くぞ》

 

 

そんなこんなでもうすぐ私達の家です。

 

埃っぽくなってたら面倒ですね。いや、ここは誰かが既に帰って来てくれている事を願うしかありません!掃除は苦手です!

 

 

《それは自慢する事じゃねぇよ...》

 

 

ですよね〜。

 

そう思いつつ家にとうちゃ...く?

 

 

......あれ?いつから私達の家って空き地になってましたっけ。

 

...え?

 

 

「えええええええええええええええええ!!!!!?????」

 

「何やってんのよ、理恵」

 

 

驚いて思わず声を上げた私に後ろから声がかかる。

 

こ、この佐藤利奈ボイスは...。

 

 

「久しぶり〜、ゆかなボイスさん」

 

「美鳥さん!?貴方もこの世界に来てたんですか!?」

 

 

そこにいる彼女は灰色のWIND SCALE製のジャケットを羽織っていて同じWIND SCALE製の黒いパンツを履いている。

 

さらにWIND SCALE製のブロータイプの黒い淵の伊達眼鏡を付けている。

 

そして腰を越えるレベルで伸びている茶色い髪を揺らした女の人、神崎美鳥さんがそこにいた。

 

 

相変わらずWIND SCALE製好きですねぇ...美鳥さん。

 

 

「WIND SCALEいいじゃん、かっこいいし。

あ、でもこの眼鏡はWIND SCALE製のをベースに自作だけどね。

というかあんたも何その海賊っぽいロングジャケット」

 

 

美鳥さんは眼鏡の位置を調節しながら私の服をジロジロと見る。

 

 

「これは...絆です」

 

「絆?」

 

「はい、旅をしていた時に出会った人達との大事な絆です」

 

「そっか...」

 

 

美鳥さんはそれだけで色々と納得してくれた様です。

 

でも、美鳥さん。もしかして年結構取りました?

 

 

「うっさい!女の子に年を聞くな!」

 

 

一瞬で間合いを詰められて拳骨されました。かなり本気で。いたい...。

 

 

でもこう...変わりましたよね?

 

見た目は変わってませんけど中身が随分と。

 

 

「...やっぱ分かっちゃうか、そういう感は理恵が一番だったっけ」

 

 

少しの静寂の後、どうやら観念したらしくホールドアップしてやれやれといった感じの表情になる。

 

話して...くれますよね?

 

 

「ええ、私は」

 

 

その時私が来た方とは反対側の大通りから悲鳴が聞こえて沢山の人達が逃げている様が見えた。

 

 

「行くわよ、多分怪人騒ぎ。そんな感じする」

 

「お得意の電波レーダーですか...。羨ましいですね」

 

「...あんた、つくづく喧嘩売ってんだか分かんないわよねぇ...」

 

 

そうでしょうか?私はそんなつもりは...。

 

 

《お前は相変わらずの天然腹黒ってことだよ》

 

 

ほぅ...後でじっくりお話ししましょうか、ドラゴン...。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

ふむ、やはりただの人間ではこの程度か。

 

 

そう思いながら蹂躙されて悲鳴を上げる人間共を見る。

 

ある者は命乞いを必死にしてゴーミンに殴り飛ばされている。

 

そしてある者は能力で必死に抵抗するが無駄に終わりタコ殴りにされる。

 

 

やはり学園都市の能力者どもは恐れるに足らんか。

 

やはり脅威になるのはスーパー戦隊、仮面ライダー、そしてウルトラマン共か...。全く忌々しい!

 

だが新たに入った奴の力ならば...覚悟しておr

 

 

《Sound System Standby 『スキャニング・チャージ』》

 

 

何だ、この音楽は...。

 

何処からか大音量で音楽が流れ出した。歌ではない...一体なんだ?体の調子がおかしくもならない事から音波兵器の類ではない。

 

 

周囲のゴーミンやイーガロイド達も動きを止めて周囲を見渡す。

 

 

『セイヤァァァァァァァァ!!』

 

 

その、時空から緑色のオーズの大群がライダーキックで強襲してきた。

 

これは...ガタキリバコンボの分身か!

 

 

だが私達に気づかれずどうやって!?

 

そう思ったが今は私に向かってくるオーズを迎撃しなくては!

 

 

私は左手に持ったスーパーガイストカッターでバッタみたいな足で繰り出されたオーズのキックを防ぐ。

 

同時に右手で腰からスーパーアポロフルーレを手に取ろうとする。

 

これでオーズを突き貫いてやる!

 

 

「あまい...わぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「何ィ!?」

 

 

だが奴は身体を回転させて摩擦力で強化したキックでそのまま私を蹴り飛ばされる。

 

10m...くらいか。そのくらい吹き飛ばされて痛む体を何とか起こす。

 

そして気付いた。スーパーガイストカッターが砕かれている事に。

 

 

馬鹿な!?これは対仮面ライダー用に作られた盾のはずだ!この程度で砕けるなど...!

 

 

そして辺りを見回すと正確に私達の同志をキックで次々と葬り去る分身の姿。

 

そして倒し終えた分身共は1つになる。

 

だが今気づいた。あれは私達が知っているオーズではない。

 

 

確かに基本は似ているが胸の紋章が小さくなり全体的に生々しい形状に変わっている。

 

カラーリングも何処かメタリック基調になっている。

 

 

これはまるで怪人ではないか!

 

 

「何者だ、貴様!あのオーズとは違う者か!?」

 

「あのオーズって誰か知らないけどそいつってこんなでしょ」

 

 

そう言い奴は一瞬緑色の光に包まれて私達のよく知るオーズになる。

 

 

「そうだ!だから聞かせてもらおう、貴様は何者だ!!」

 

「やっぱりか...。言うなれば真のオーズ...かな?」

 

 

真のオーズ...だと。

 

私達の知るオリジナルのオーズですら偽物だと言うのか...?

 

 

「いんや。ある条件さえ満たせればどのオーズだってあの姿になれる。

その条件が果てし無く難しいけどねぇ...。一歩間違えれば暴走して地球ごと滅ぶだけだし」

 

「成る程...覚えておこう。さらばだ!」

 

 

そう言って私は足元にアポロショットを放ち撤退する。

 

 

腹が煮え繰り返る思いもあるが面白い情報も手に入れた。

 

これで今はよしとするが...いつか奴は必ず倒す...!

 

覚えておれ...真のオーズよ!!

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「嫌なこった。面倒くさいし」

 

「また電波ですか?」

 

 

...絶対この子喧嘩売ってるでしょ...!

 

 

拳を握り締めて震え上がりながらそう思い、がらんどうになった大通りを見回す。

 

細かい雑魚は理恵が蹴散らしてくれたしね。

 

周りの人達もすぐに逃げていた。こういう時だけは人間って逃げ足早いんだよねぇ...。

 

 

兎も角さっきのネタの正体は極めて単純。

 

まず私がオーズ、ガタキリバコンボに変身。

 

そして超高空に理恵がテレポートウィザードリングでテレポートさせる。

 

そして後は分身してスキャニング・チャージ、キックの雨あられを降らせる。

 

超高空からのキックで敵はほぼ全滅。

 

 

音楽が実は結構キモでね。

 

これで必殺技の音声を誤魔化してさらに敵の注意を引きつけて万が一学生達を盾にするのを防いだわけですよ。

 

 

そして微妙に取り逃がしたのも理恵がウィザーソードガンで正確に撃ち抜いて撃破。

 

極めて楽勝な敵でした、まる。

 

 

「それに能力開放ですよね。どんだけガチなんですか...」

 

「いや、ぶっちゃけめんどくさいし。

後長々といると...」

 

「わ、私!?」

 

 

げっ、この声は...。

 

 

振り返ると茶短髪で常盤台の冬服を着ているビリビリ女がいた。

 

その後ろにはよく知る都市伝説大好きな黒髪少女、ハッキングの天才な花畑少女、お姉様大好きな変態女がいた。

 

いや、これは予測できていた。学園都市だし...。

 

 

てかちょっと待て、私って何!?

 

あんたはそもそもオーズじゃないでしょうが!

 

...ん?確かこの世界は平行世界...。

 

 

まさか...。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

私、御坂美琴はフューチャーとの戦いを終えてゆっくりしていた時に怪人出現の報を受けて現場に到着した。

 

 

その場所は私達が始めて変身した公園からビル群を挟んで反対側の場所にある似たような公園。

 

そこは悲惨だった。

 

通りを挟んで反対側の銀行の防犯用シャッターが砕けていたり木が燃えている。

 

アスファルトもめくれ上がっていてめくれ上がったアスファルトには血がこびりついている。

 

遅かった...!もっと早く来ていればこんな事にはならなかったのに...!

 

 

そしてその惨劇の中には私の制服のスカートより少し長いスカートと白と赤がベースカラーなロングコートの上に海賊らしいコートを羽織った少女とオーズのガタキリバコンボがそこにいた。

 

ってオーズは私よ!?あそこのオーズは何!?

 

 

「あれって...」

 

「オーズの...偽物ですの?」

 

 

佐天さん黒子が唖然とした感じで声を絞り出す。

 

私達も同じ感じ。

 

 

「...ありました!過去にウルトラマンと敵対した宇宙人にウルトラマンになりすましたザラブ星人という星人がウルトラマンに化けて街を破壊しています!

他にもそういうことをしている星人も数多く確認されています!」

 

 

初春さんが手に持った小型モバイルパッド、TPCメモリーディスプレイで過去のデータを引き出してくれた。

 

ということは...。

 

 

「つまりお姉様に化けてこの惨劇を...」

 

 

黒子が全員が考えていた考えを口にする。

 

 

全く私に化けて暴れるなんて許せないわね!

 

 

それにあの偽物の近くにいるあの女も関係者?

 

どのみちとっ捕まえて話は聞かないと...。

 

 

私は懐からオーズドライバーとタカ、トラ、バッタのコアメダルを取り出す。

 

そしてドライバーを腰にセット。

 

 

黒子は警察手帳型のアイテム、SPライセンスを取り出して右側の方にあるスライドスイッチを「CHANGE」の部分に入れる。

 

 

佐天さんは携帯型のアイテム、モバイレーツを開いてスーパー戦隊の姿を形をした人形、レンジャーキーを取り出す。

 

そしてレンジャーキーの下半身が折り畳まれて鍵になる。

 

 

「レディ!」

 

 

初春さんは回転式の折り畳み携帯、アクセルラーの中央上部のボタンを押す。

 

 

これで変身前の前座が終了。

 

ここからが変身の本番!

 

 

「変身!」

 

 

私は3枚のメダルをドライバーに装填して倒してから右手のオースキャナーで一気に読み取らせる。

 

《タカ!トラ!バッタ!タ・ト・バ!タトバ、タ・ト・バ!》

 

 

そして私の周りをメダル状のエネルギーが囲って上から赤、黄、緑のメダルが身体の前で合わさって一瞬大きくなって私の胸に移動。

 

囲っていたメダルが消えると緑の複眼で赤い鳥のような頭になる。

 

その体には黒いタイツの上に上半身は黄色、足には緑色な装甲が付けられる。

 

 

「エマージェンシー!」

 

 

黒子は前に突き出しながら上にあるスイッチを人差し指で押す。

 

 

「デカレンジャー!」

 

 

黒子はそう叫んで黄色く胸には4と書かれたスーツを装着した。

 

 

「フェイスオン!」

 

 

その掛け声で黒子はメットを装着する。

 

 

「豪快チェンジ!」

 

《ゴォォォォォォォカイジャー!!》

 

 

佐天さんはレンジャーキーをモバイレーツの鍵穴に差し込む。

 

するとモバイレーツの上半分がX状に展開してX状の光が放たれて佐天さんに重なって黄色い海賊服の様なのを着た戦士になる。

 

 

「ボウケンジャー、スタートアップ!」

 

 

初春さんはアクセルラーの中央上部のボタンを押す。

 

そして待機音を鳴らし始めたそれの下部にあるローラーを左腕の肩にあてて一気に拳まで走らせる。

 

するとピンク色のスーツが初春さんに装着され、さらにヘルメットが構築されて構築が終わると同時にメットのライトが輝く。

 

 

それぞれ仮面ライダーオーズ、デカイエロー、ゴーカイイエロー、ボウケンピンクに変身完了。

 

 

覚悟しなさいよ...偽物!

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

...うそ〜ん。

 

まさかの皆さんヒーロー?おまけにオーズまで...。

 

 

「あの...美鳥さん...?これってまずくないですか?

思いっきり敵対の意思が...」

 

「でも逃げられそうにもないし...やるしかない」

 

 

仕方ないので彼女らと正対してふと思い出した。

 

下手したらイタミガイストがこの世界のオーズに余計な事をする可能性がある。

 

不注意だったなぁ...。

 

...うし。

 

 

「下がってなさい。あいつらは私がやる」

 

「え、でも...」

 

「だいじょ〜ぶ。まさか私がやられると思ってるの?

それに相手にオーズがいるし...ね?」

 

 

そう言い私は一回ドライバーの傾きを戻してタカとトラのコアメダルを取り出してクワガタ、カマキリのコアメダルと交換する。

 

 

「...はぁ、分かりましたよ。でも無理はしないで下さいよ?」

 

「終夜を食い止めようとしたあの時の様な無理はしないわよ」

 

 

溜息をついて私に任せた理恵の声に最悪例を出して無理はしないと誓う。

 

 

うん、ガチ化したあいつの相手するのはマジで無理。

 

オリジナルの仮面ライダーやスーパー戦隊にそれらに匹敵するチート共が束になってかかっても纏めて蹴散らすなんて理不尽過ぎる...。

 

それに私の1億枚のセルメダル使ったグランド・オブ・レイジを受け止めつつ跳ね返したりもしてたねぇ...。

 

あんなのどないせいっちゅうねん...。

 

 

兎も角それは後回しだ。

 

私は奴らの前に出ながらバックルを倒してオースキャナーでスキャン。

 

 

《タカ!トラ!バッタ!タ・ト・バ!タトバ、タ・ト・バ!》

 

 

そしてタトバコンボに変身。でもその姿はあのオーズとは違う。

 

より生物的な姿に変身。その姿は最早仮面ライダーではなく怪人。

 

でもいいよね〜。だって仮面ライダーは基本同族殺しだし。

 

 

「何あれ...」

 

「オーズ...ですの?」

 

 

おーおー、驚かれとる。その反応が見たかった!

 

期待通り反応してくれてありがとう!お礼は真のオーズの力への足がかり!

 

 

「まあ、欲望開放形態、とでも言えばいいかな?

言うなれば真のオーズ」

 

「真のオーズ...ですって?」

 

 

凄く怪訝な感じだけど事実。いわばフルパワー、リミットブレイクだよ。

 

火野映司のオーズも無限にセルメダルを溜め込んでチート化したでしょ?

 

私は火野映司とは違い無欲の真逆、無限の欲望だから欲望の王であるオーズの力も高まっている。

 

 

つまり欲望こそオーズの力の源。

 

欲望が無限に溢れればコアメダルは活性化してオーズは無限の力を得る。この姿はその副産物。

 

その代わり暴走のリスクもあるけどそれは欲望をきっちりコントロールすれば問題なし。

 

 

チートと批判する?でもうちの家族内では私は中ボスよ?

 

いや、もうウルトラマンだし分からないか。

 

...やっぱ駄目だ。あの超常的な性能に太刀打ち出来る気がしない...。

 

 

「じゃあ万が一は私も混ざりますから...ご武運を」

 

《テレポート、プリーズ》

 

 

理恵はそう言い残して足元に魔法陣を展開する。

 

その魔法陣が上に上がると理恵が消失、テレポートした。

 

 

「ハイドロシューター!」

 

「ディーショット!」

 

 

それを見計らったのか知らないけどボウケンピンクが専用のボウケンアームズ、ハイドロシューター、そしてデカイエローが十手型のディーアームズ、ディースティックとナックル型のディーアームズ、ディーナックルを合体させた武器、ディーショットをそれぞれ発射する。

 

ふむ、正確な射撃だ。見切ったけどそれは動かなければ当たらない射撃...抑えにかかったか。

 

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

 

その隙にメダジャリバーを持ったオーズとゴーカイサーベルを持ったゴーカイイエローが空中から振り下ろしてくる。

 

これが本命か...分かり易い、もっと策を練れ!

 

 

私は両腕の3本のかぎ爪、トラクローを回転させて展開。

 

そして私の胸と腕を形成しているトラアームズと下半身を形成しているバッタレッグに入っているライン、ラインドライブが輝く。

 

腕はトラクローと手が一体化、その見た目はまさに肉食獣の手となる。

 

さらに足は膝から下が完全にバッタの足になる。

 

私はバッタレッグの跳躍力でジャンプ、一瞬であいつらの間合いの内側に入りすれ違い様に大きな5本のかぎ爪を持った両手で切り裂く。

 

 

「お姉様!」

 

「佐天さん!」

 

「心配する余裕があるとは余裕だねぇ!」

 

 

その勢いで気を取られた後衛を元に戻した足でドロップキック。

 

反応が間に合わず蹴り飛ばされて転がる後衛。

 

 

ほらほら、そんなもんか!この世界のヒーロー達!

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

この偽物オーズ...かなり強い!下手したらバスコよりも...!

 

 

「何なのよ...あいつ!」

 

「強い...!」

 

「そりゃぁ...真のオーズだし?」

 

 

偽物は私達の声に当たり前の様に答える。

 

 

「何が真のオーズですか...!本物は御坂さんのオーズです!」

 

「佐天さん...私達の力、あくまでも借り物ですよ?」

 

 

...何か風が吹いて枯葉が舞った気がした。

 

確かに私達の力は本物ではない。でもあんな化け物が真のオーズなわけないじゃない!

 

 

「あー...勘違いしてるかも知れないけど別にそこのオーズが偽物だなんて思っちゃぁいないよ?本物偽物は真のオーズには全く無関係だし」

 

 

私の反論に偽物は予想外の言葉を口にする。

 

じゃあ一体どういう事...?偽物じゃないなら...。というか本物偽物は無関係...?

 

 

「まあ後で教えてあげるから...」

 

《スキャニング・チャージ!》

 

『...え?』

 

「安心してお寝んねしなぁ!」

 

 

ええええええええ!!??教えてくれないの!?倒す気満々じゃん!少し期待した私の心を返せぇぇぇぇぇぇ!!!!

 

 

偽物はベルトのコアメダルをスキャンして空高く飛び上がる。

 

そして空中で前転して偽物と私達の間に現れた3つのサークルをくぐりながら両足での必殺キック。

 

ヤバイ、避けられない...!

 

 

《Fire Limit break》

 

《Final Attack Ride De・De・De・Decade》

 

《Tirgger Maximum Drive》

 

《「トリガー・フルバースト!」》

 

「明鏡止水!」

 

「んな!?」

 

 

その時多数の銃撃と砲撃がキック体制の偽物に襲いかかる。偽物は驚きながらも体を捻じって射撃の雨を蹴り飛ばす。

 

 

必殺技の嵐を蹴り飛ばした!?幾ら自分も必殺技発動しているのに!

 

 

「あべし!」

 

 

でも無理に蹴り飛ばしたから体制を崩して落下、顔面から地面に落ちた。

 

でも声がまた締まらない...。

 

 

「大丈夫か!てかなんだよあいつ!」

 

「怪人化したオーズ...ですか?」

 

 

ファイヤーステイツに変身したフォーゼとルナトリガーのWが私達に駆け寄ってくる。

 

 

「私は大丈夫。そしてあれは...」

 

「本人曰く真のオーズだとか。過去のデータベースにはそんなデータは一切ありませんけど...」

 

 

初春さんの言う通りTPCのデータベースには真のオーズの事は一切書いていない。

 

あるのは800年前のオーズが全てのコアメダルを取り込んだけど暴走した事とか...。

 

 

「関係ネェな。とっとと倒せばいィ」

 

《KAMEN RIDE KABUTO》

 

 

ディケイドが仮面ライダーカブトに変身するのを見てふとTPCメモリーディスプレイに視線を戻した。そしてその中の1つの項目に目がいった。

 

あれ?これって...。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

《KAMEN RIDE KABUTO》

 

 

やけに聞き覚えのある声のディケイドはバックルにカードを入れてハンドルを押して倒す。

 

するとディケイドは青くて丸い複眼を持っていて大きなカブトムシみたいな角と赤い薄手のアーマーを身に纏ったライダー、仮面ライダーカブト、ライダーフォームに変身した。

 

 

美鳥さんはそれを見て即座に中央のメダルを白のメダルに変えて再スキャン。

 

 

《タカ、ドラゴン、バッタ!》

 

 

美鳥さんの腕がクジャクアームに似ているけど白くて肩が非常に尖っているドラゴンアームに変わる。

 

つまり亜種コンボのタカドラバにフォームチェンジしたという事です。

 

 

「ついて来れるかァ?俺の速さに」

 

《Attack Ride Clock Up》

 

 

そしてディケイドカブト...以後Dカブトの姿が消える。

 

クロックアップですか!あれ結構厄介なんですよね。一応対策は色々ありますけど。

 

 

対して美鳥さんは胸の円形のプレート、オーラングサークルからドラゴン口を模した銃口を縦に2つ持った銃、ドラゴンガンブレードを2丁召喚して佇む。

 

まさか..見切るつもりですか!?

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

というわけでまた私視点。

 

 

私のクロックアップ対策。それはクロックアップ直後を攻め落とす。

 

残念な事に見切るのは極めて困難。だからクロックアップ直後でドヤ顔している間にぶちのめす。幸いディケイドだからカードを再装填する手間がある。

 

オマケにこのセロリが天道さん程なわけないから一回のクロックアップで攻め落とされる心配はない。

 

 

そんな呑気に考えていたら私は後ろから何かに蹴り飛ばされた。

 

そして右の腹にもキックがクリーンヒット。さらに胸にパンチを数発食らう。

 

そこから連撃を受けて吹き飛ばされて落ちる前にまた吹き飛ばされての繰り返し。

 

そしてクロックアップが終了したのか私は地面にゴロゴロ転がる。

 

 

この間、僅か1秒。

 

あー、結構痛い。流石に弱攻撃でも何発も食らえば辛いぜ...。

 

 

「ちょっと、あれって...」

 

「セルメダル...よね」

 

 

...あいつらの言う通り、今の攻撃で私の中のセルメダルが結構やられた。ドラゴンガンブレードも1丁落とした。

 

でもね...

 

 

「もらった!」

 

《スキャニング・ドライブ!》

 

 

私は素早く散らばっているセルメダルを6枚拾い上げて弾倉にセットしてグリップ内に収納、銃を向ける。

 

目標は私に背を向けて余裕状態のDカブト。

 

 

「ドラゴンブラストストライク!!」

 

「避けろ!」

 

 

フォーゼはDカブトに忠告するけど...遅...っ!?

 

 

《フレイム、シューティングストライク!ヒーヒーヒー!ヒーヒーヒー!》

 

「「そこか(ですか)!」」

 

 

私と物陰から出た理恵が嫌な予感を感じたビルの路地裏に砲撃を撃ち込む。

 

でもその砲撃は何かに弾かれて後ろのビルに直撃する。

 

 

そしてそれにより起こった爆炎の中から3つの影が姿を現す。

 

 

「久しぶり、涙子ちゃん」

 

「バスコ!?」

 

 

まず出て来たのは巻毛な黒髪に黒い海賊帽、深緑のシャツに赤いショール、首に白いふわふわを巻いているかなり派手な格好の男。

 

その名はバスコ・タ・ジョロキア。一言で言えば海賊戦隊ゴーカイジャーのライバルポジな奴。

 

ってこの世界は特撮ヒーローの叩き売りでもしてんのかっての!

 

 

「何のようですか!」

 

「いや?用があるのは君たちじゃなくてそっち」

 

 

ゴーカイイエローの問いにそう答えて私達を指差すバスコ。

 

あれ?何で私達の事知ってんの?

 

 

「私達?」

 

「そう。アポロガイストから聞いたよ。何でも真のオーズだとか」

 

 

...やっぱアポロガイスト挑発し過ぎたかなぁ...。余計な事を吹き込みやがった。ほんっとうに迷惑な奴だ。

 

流石イタミガイスト。アポロガイストとは大違いだ。今度会ったら絶対オーバーキルしてやる。

 

 

「出来れば僕がやりたいけどさ。生憎君には彼らがいいと思う訳よ。

というわけでいらっしゃーい」

 

 

バスコの呼びかけで残る二人が出てくるけど...。でも感じる二つの力は全く同じで影も同じ。

 

しかもこの気配...冗談じゃないわよ...!

 

 

「よォ、元気そうだなァ...ギンガァ!」

 

「こいつがお前の因縁の敵かァ...」

 

「ふっざけんじゃないわよ...。ベリアルが二人って...洒落にならないわよ!」

 

 

爆煙から現れた残り二つの影...二人のベリアルに私はつい叫んだ。

 

ったく一人でも糞厄介なのにそれが二人って洒落にならないっての!

 




後書き

美鳥:「というわけで始まったコラボ編3、如何だったでしょうか、ウルトラマンギンガ、そして仮面ライダーオーズの神崎美鳥です!」

理恵:「初めましての人は初めまして、久しぶりの方は久しぶりです。仮面ライダーウィザードの川北理恵です。
早速ですけど何やってるんですか、美鳥さん!」

美鳥:「はははー、何のことだかさっぱりわかんないやー」

理恵:「もう...私もちゃんと戦いたいですよ。脇役なんてごめんです。私も主人公なのに...」

美鳥:「大丈夫だよ、次はきっちり戦える...はず」

理恵:「はずってなんですか!
それはそうと美鳥さんのオーズって...」

美鳥:「うん、SICオーズ。
作者が惚れたんだって。特にタジャドルのロストブレイズ」

理恵:「確かに怪人チックですよね。
でもあれってもう仮面ライダーじゃ...」

美鳥:「だって私正義の味方じゃないしー」

理恵:「まあいいですか。それは私もですし。
にしても私達の設定は両方とも今書いているのより先ですよね」

美鳥:「だねー。私はサーガ編終了して随分経って、理恵はキョウリュウジャー編が終わってもう一つの戦いを終えたとこだって」

理恵:「...完全にネタバレじゃないですか」

美鳥:「うん、ネタバレだねぇ...」

理恵:「そして今回のクロスはハーメルンで連載中のマッスーHERO様のとある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ)です」

美鳥:「あっちの時間軸はフューチャー戦後。
つまりフューチャー戦終わって数日後に私達が来訪したってわけ」

理恵:「お互いネタバレしつつの展開になると思います。ご了承下さい」

美鳥:「でもネタバレの度合いだと圧倒的にこっちが上だけどね」

理恵:「ですよね。わたしの服や冒頭のあれ...もう頭が痛いです」

美鳥:「でもやるからにはクライマックスで突っ走るわよ!続けぇぇぇぇぇ!!!」

理恵:「えええええええ!!??待ってくださいよぉぉぉぉぉ!!」


(というわけで始まったコラボ編3。
1週間おきにストックした全3話を投稿いたします。
今日のED:川田まみ『No Buts!』)


美鳥:「でも私達だけでよかったよね。本当に」

理恵:「全員揃ったらこの世界に来たついででリベンジャーを完膚なきまでに叩き潰しかねませんからね...。特に終夜さんと遊梨さん」

美鳥:「あの極悪チートはねぇ...」



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コラボ編3 第2話 因縁とチートと彼女らの信念

どうも、堕落天使です。

第2話でございます。まあチートがチートしてチートする話ですよ。


 

「よォ、元気そうだなァ...ギンガァ!」

 

「こいつがお前の因縁の敵かァ...」

 

「ふっざけんじゃないわよ...。ベリアルが二人って...洒落にならないわよ!」

 

 

あの爆炎から出て来たのはバスコと黒い体に赤いライン、そして両手にかぎ爪を持つウルトラマンみたいな奴が二人。

 

そういえばあの偽物、私と声結構似てるわね...偶然?

 

 

「ベリアル!?」

 

「それにバ、バ、バ......バスケか!」

 

 

その時、後ろからウルトラマンメビウスとモモタロスが憑依した春上さんが変身した仮面ライダー電王ソードフォームが来る。

 

でもモモタロス。バスケじゃなくてバスコよ?

 

 

「バスケって酷くない?」

 

「モモタロスさんですし...。諦めて下さい。侵略云々も」

 

「それは出来ないなぁ」

 

 

あのちっちゃい子...モモタロスを知っている?

 

あんたは知ってんの、モモタロス?

 

 

「知らねぇよ。あんなガキンチ」

 

《チョーイイネ、サンダー。サイコー!》

 

 

その時あの子は右手嵌められた指輪を腹の手を模したバックルにかざす。

 

すると上空に緑色の魔法陣が出現、そこからモモタロスめがけて雷が落ちる。

 

 

...って何やってんの!?

 

 

「いってえなぁ!ビリビリ来たぞ、クソガキ!」

 

「誰がごま粒未満のチビですか!」

 

『いや、誰もそこまでは言ってない!』

 

 

これには敵味方関係なしに突っ込みが飛んでくる。

 

あの子もしかして自意識過剰!?というかそこまでコンプレックスなの!?

 

 

「まあいいですよ...。美鳥さん、ベリアル任せていいですか?」

 

「私にベリアル2人ボコせと!?分身出来るあんたでしょ、そこ!」

 

「私は4人だけですよ!?美鳥さんは50人じゃないですか!」

 

「そうでしたー!!」

 

 

...何このコント...。

 

 

 

 

光の巨人の力を手に入れた欲望の女王。

 

そして勇気と海賊を手にした魔法使い。

 

彼女達が舞い降りる舞台は光と闇の総力を結集した混沌とした戦いの世界。

 

彼女達は異世界で戦っている知り合いを見て何を思うか...。

 

 

とある家族の異世界冒険記:コラボ編3

 

とある英雄の伝説大戦編

 

第2話「因縁とチートと彼女らの信念」

 

 

 

 

「さて...やりましょうか」

 

「そうね〜。あんたらも手伝いなさいな」

 

 

そんな感じなコントは終わりにして戦闘モードに移行。

 

まあいい感じに緊張も解せたでしょ。それと混乱した頭の整理時間も兼ねて...ね。

 

 

まさかメビウスとモモタロスがいるとは思わなかったわよ!この世界カオス過ぎない!?

 

 

「そうだなァ。こいつの実験には丁度いい」

 

「じゃあ俺は帰らせてもらおうか。

こいっつァ置き土産だ」

 

 

そう言ってこの世界のベリアルは銀色のオーラの中に消えてそしてベムスター、ベロクロン、オイルドリンカーが出現する。

 

にしても何故にオイルドリンカー?完全に浮いている...。

 

 

「どうすんのよ!?今巨大ロボろくに使えないじゃない!」

 

 

オーズがそれを見て叫んでいた。

 

 

え?巨大ロボがろくに使えない?つまりでっかい戦いでもあったの?

 

何それすごく見たい。出来れば設計図も欲しい。家で再現する為に。

 

 

「チッ、仕方ねぇ。一旦変身解くぞ!」

 

「僕も行きます!」

 

 

そう言って裏路地にモモタロスが行きすぐにウルトラマンコスモスが出現...ちょっと待てぇ!

 

モモタロス何の為に出てきたぁ!あれか!?バスケか!?バスケの為なのか!?

 

 

周りはそんな私の思い等知るはずもなく、メビウスは巨大化。

 

そして何処からかリドリアスまで現れて交戦開始。

 

 

まるで意味が分からんぞ!何だこのカオスわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

 

それは兎も角私の世界のベリアルが取り出したのはダークダミースパークと...それって!?

 

 

「ゼロ!?」

 

「知ってるんですの?」

 

「若き最強戦士、ウルトラマンゼロ。それにこの感じ...私の世界のスパークドールズ...!」

 

 

白黒の問いに答えて私はタトバ独特の構えを取る。

 

あの右手を前に出して左手を腰に置いて腰を下ろすスタイル。

 

 

これ、何というか自然にとっていたスタイルなんだよねぇ...。特に考えなんてない。

 

 

「何だ、分かってるじゃねェか。じゃあ分かるよなァ!」

 

《ダークライブ、ゼロダーク》

 

 

奴は闇に包まれたダークダミースパークをゼロのスパークドールズの左足裏の紋章に突き刺す。

 

するとゼロのスパークドールズが闇に包まれて黒ベースなカラーに赤の模様が入った姿に変貌。

 

 

「っ!?ウルトラマンが...」

 

「闇に...染まった...?」

 

 

でもまだゼロダークにならない...まさか!?

 

 

「その通りだァ!」

 

《ダークライブ、カイザーベリアル。

合体、ゼロダークネス》

 

 

そして闇に包まれてそれが晴れた時、奴の姿は変貌していた。

 

ゼロの見た目だけど黒ベースで赤い模様が入っている。

 

カラータイマーも紫に変わっていて額のビームランプは赤、目の色もベリアル準拠。

 

でも人サイズ。余裕の見せつけか?

 

 

「お前は...お前は何なんだ!」

 

「そうだなァ...前はギンガダークネスだったからなァ。今回はゼロダークネスとでもしておくかァ」

 

 

奴はフォーゼの問いに答えてゼロダークネスは軽く振り払う。

 

それだけで辺りに濃厚な闇のオーラが放たれる。

 

 

...チッ...。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「......けん.........い...よ......」

 

「ア゛?」

 

「ふっざけんじゃないわよ!

私の仲間の力を平然と使ってんじゃないわよ!気に入らない!!」

 

 

偽物のおーずがべりある...ぜろだーくねすに対して叫ぶ。

 

その勢いはまるでとうまがいつもみたいに説教する感じ...。

 

 

そんな偽物のおーずは何処からか紫色のコアメダルを取り出してベルトに乱暴に装填する。

 

 

「貴様は私が倒す。あの時の借りもあるしねぇ!」

 

《プテラ、トリケラ、ティラノ!プ・ト・ティラーノザウルース!》

 

 

そして腰のオースキャナーで読み取らせて変身する。

 

その姿はおーずの黒いのが銀色になっていてその上に恐竜みたいな紫色のアーマーが付いている異形の姿。

 

 

「ウォォォォォォォォォォォ!!!」

 

「何あのコンボ!?」

 

「恐...竜?」

 

 

変身した偽物は背中から翼、お尻からは尻尾を生やして強力な冷気と共に咆哮する。

 

その光景を見て短髪とひょうかが呟く。

 

 

ひょうかは兎も角同じおーずの短髪も知らないみたい。私も星の本棚で調べてみたけど鍵がかかってて調べる事が出来ない。

 

 

偽物のおーずは地面に手を打ち込んでその中から恐竜の頭みたいな斧を取り出して構える。

 

 

「行くぞォ!」

 

「グルァ!!」

 

 

ぜろだーくねすは素手で偽物のおーずと戦い始めた。

 

偽物のおーずの斧とぜろだーくねすの拳がぶつかって凄まじい衝撃波で呆然としていた私達はハッとする。

 

 

どうなってるの!?凄く因縁でもあるの!?

 

 

「私達も行くわよ!」

 

「おっと。君達は行かせないよ?」

 

 

助けようとした私達の前にばすこが立ち塞がってラッパにレンジャーキーをセットして吹く。

 

するとばすこの前に黒いキョウリュウジャーが出現する。全部で10人。さらにごーみんやすごーみんも沢山現れて、私達とばすこの前に立ち塞がる。

 

 

「さて、俺も頑張るかな」

 

 

ばすこも怪人体に変身して銃と剣を構える。

 

 

「邪魔しないで下さい!私達は貴方達に付き合っている暇はないんです!」

 

 

その時偽物のおーずと一緒にいた子が前に出て宣言する。

 

 

「じゃあ俺と付き合ってもらおうかな!」

 

 

そしてばすこはその子に向かって銃を連射。

 

周りの敵も私達に突っ込んでくる。

 

どうするの、これ!?

 

 

「取り敢えずこの場を切り抜けるぞ!」

 

《Hammer》

 

《Craw》

 

《Hammer On》

 

《Craw On》

 

「言われなくたって!」

 

《クワガタ、クジャク、チーター!》

 

 

とうまは右腕にアメジスト色の3つのかぎ爪、左腕に蜂蜜色のハンマーを装備して敵を殴り飛ばす。

 

短髪もクワガタみたいな緑色の頭の角から電撃を撒き散らしてゴーミンを蹴散らす。

 

 

「行くよ、インデックスちゃん!」

 

《うん!》

 

《Luna Joker》

 

 

私達も左側のメモリを黒いジョーカーメモリに変えてルナジョーカーにハーフチェンジ。

 

 

「《さぁ!あなたの罪を数えてください(るんだよ)!》」

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

あれ?美鳥さんもしかして半暴走してます?

 

だとしたらかなりやばいですよ!?オマケにプトティラって...!いや、スーパータトバよりはマシですけど。

 

 

「よそ見している暇があるのか!」

 

「残念ながら大有りです!」

 

 

私はそう言いつつバスコのカリブレードをウィザーソードガンで下からすくい上げる様に弾いてその勢いで顎に向けて左足での蹴りを叩き込もうとする。

 

でも流石はライバルキャラ。それを咄嗟に下がって回避して左手に持ったカリブラスターを連射する。

 

それを私は右足を振り上げてその勢いと気合いで強引に体を上昇させて紙一重で回避して着地する。

 

 

「やる...ねぇ!」

 

「くっ!」

 

 

バスコは私の着地と同時に袈裟懸けに斬りかかって来る。

 

咄嗟にウィザーソードガンで受け止めるけど返しでウィザーソードガンが弾かれてしまう。

 

 

「残念だが終わりだ!」

 

「誰がですか」

 

 

でも振り下ろされるカリブレードが私を切り裂く前に奴の体に火花が走り奴は地面に転がる。

 

 

奴が吹き飛ばされた原因は私が右手を振りかざす様にして放った赤い魔力砲撃。

 

それは強力な熱を伴ってバスコを飲み込む...はずだけど赤いバリアで威力が減衰して吹き飛ばすに留まる。

 

そういえばバリアありましたねぇ。そんな脇設定すっかり忘れてましたよ。

 

 

「へぇ...もしかして人間やめてる?」

 

「人間って常識に縛られてたら守りたい物、守れませんしね」

 

 

思えば故郷が滅んで今の家族に出会って戦い続けて時に負けて死にかけて。でも最後には勝ってそして全てが終わったら異世界への果てしない旅が始まって。

 

それもこれも人に縛られてたら絶対途中で死んでいる物ばかり...。人として強くなるって...難しいですね。

 

 

「でもこれで守れるなら後悔はしませんよ」

 

「ふーん...君、一体何なの?」

 

 

そのセリフで来ましたか...。

 

としたらあの人のセリフで返すしかありませんよね。

 

 

「通りすがりの仮面ライダーです。覚えようが覚えなかろうがどうぞご自由に。

でも貴方は殺させてもらいます」

 

《ドライバーオン、プリーズ》

 

 

そしてベルトの手形のバックルにドライバーオンウィザードリングを嵌めた右手をかざしてドライバーを召喚する。

 

そして左手の指輪を水色でちょっと豪華仕様なウォータードラゴンリングに変えてウィザードライバーのバックルの私から見て右側のシフトレバーを下ろす。

 

 

《シャバドゥビタッチヘンシーン!シャバドゥビタッチヘンシーン!...》

 

「変身!」

 

 

そしていつも通りの待機音は気にせず左手の指輪のバイザーを下ろしてバックルに翳す。

 

 

《ウォーター、ドラゴン》

 

 

すると私の前に青い魔法陣が出現する。

 

その魔法陣が私に近づいて私を通り過ぎると水の様な青い龍の幻影が私の周りを回り、水の様な魔力と共にドラゴンが弾けると私の姿が変化する。

 

 

《ザバザババシャーン、ザブンザブーン!》

 

 

いつものフレイムドラゴンの赤が青に変わった感じの見た目。

 

そして頭は雫みたいな菱形になって胸はフレイムドラゴンのクリスタル配置とはまた違う配置になっている。

 

 

そして何よりも...身長が伸びました!これぞ東映マジック!身長すら操作可能な永遠の謎です!!

 

 

...兎も角、私が変身したのは仮面ライダーウィザード、ウォータードラゴンスタイルです。

 

これは魔力の増幅率が高いので長期戦向きな水を司るドラゴン系フォームですね。

 

 

「あれは!?」

 

「あの時の確か...ウィザード!?」

 

 

あれ?知られてますね。私以外にこの世界にウィザードがいるという事でしょうか?

 

 

「へぇ、ウィザードだったんだ」

 

 

バスコも驚いた様な感じはしないけど一応驚いてくれた。

 

感謝?しませんよ、あんな奴に。

 

 

私は懐からリモコン状の機械、サウンドスピーカーシステムを取り出して操作、最後に音符のボタンを押して懐に仕舞う。

 

同時に周囲に滞空回線の技術を応用したスピーカーポッドがサウンドスピーカーシステムから吐かれた...筈です。

 

 

「やっぱりこの世界にもいるんですね。

さぁ、ショータイムです!」

 

《Sound System Standby 『Mystic Liquid』》

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

ウィザード...多分中の奴は前のとは違うけどその姿は紛れもなくあの時の仮面ライダーだった。

 

 

というか何だよこの音楽!どっから流れてんだよ!?

 

 

《コネクト、プリーズ》

 

 

ウィザードはバスコに向かいながら現れた魔法陣に腕を突っ込む。

 

すると落ちていた剣の近くに魔法陣が現れてそこに突っ込んだ腕が現れて剣を握って戻る。そして戻ってきた手にはちゃんと剣が握られていた。

 

 

その名の通り本当に魔法使いってわけか。あの時は任せて突っ走ったから戦い見てないんだよなぁ...。

 

そう思いつつ右手にドリルをつけて飛びかかってくる黒いキョウリュウピンクを右手のハンマーで殴り飛ばす。

 

 

見てみるとウィザードはバスコの剣を流れる様に躱しつつ一回転して勢いをつけた突きを左手に持った剣で繰り出す。

 

 

「はぁ!」

 

「チッ」

 

 

だがバスコはその突きを身体を捻って紙一重で回避して突き出された腕を掴んで後ろに捻る。

 

それに呻いて背中を相手に向けてしまい左手から剣を落とすウィザード。

 

 

あれ痛いんだよなぁ...じゃねぇ!早く助けないと!!

 

 

「じゃあね。指輪の魔法使いちゃん?」

 

 

バスコは全身に赤いエネルギーを纏ってそう告げる。

 

あればヤバイ!あんなのを至近距離から喰らったら...!

 

 

「残念、甘いですよ?」

 

《チョーイイネ、ブリザード、サイコー!》

 

 

その時ウィザードの前に青い魔法陣が現れてバスコに強烈な吹雪を当てる。

 

バスコは吹雪によって臨海寸前の赤いエネルギーが暴発、その爆発に巻き込まれて吹き飛ばされる。

 

 

あいつ...ちっちゃいけどかなり強いn

 

 

《チョーイイネ、ブリザード、サイコー!》

 

 

その時俺に吹雪が襲いかかった。威力は低いがその突風に吹き飛ばされた。周りの雑魚ごと。

 

てか地の文でも駄目なのかよ!

 

 

「いいえ、周りの雑魚を一掃したんです。感謝して下さい」

 

「出来るかぁ!」

 

 

あいつかなり強いけどかなり危ないぞ!?下手したらビリビリよりもおっかねぇ!

 

 

「余所見なんて余裕だねぇ!」

 

「おい、後ろ!」

 

 

そんな事をしている間にバスコが突撃してくる。

 

 

「最初に言っておきます」

 

 

ウィザードはそう言いつつ剣を上空に投げると同時に回り込む様にバスコの剣を回避。

 

 

《キャモナ・スラッシュ・シェイクハンズ!キャモナ・スラッシュ・シェイクハンズ!...》

 

 

いつの間にか手形を開いていて音声がなり続けている剣を左手で払う様に落下を止めてそれを逆手に持つ。

 

 

「私はかーなーり、強いですよ!」

 

《ウォーター、スラッシュストライク!

スィースィースィー!スィースィースィー!》

 

 

そしてその声と共に振り返って追撃を加えるバスコの剣をウィザードは自身の剣を勢い良く掴んだ勢いで体を捻ってギリギリのところで回避。

 

そのまま回転して水を纏っている剣を勢いのままバスコの背中に叩き込む。

 

 

バスコは水を纏った剣に切り裂かれて火花を散らしながら地面を転がる。

 

 

「飛天御剣流、龍巻閃。......仕留められないですか...」

 

「へぇ...ほんっとうにやるねぇ!」

 

 

バスコは倒れる勢いで振り向って銃を撃つ。

 

ウィザードはそれに対して剣を銃に変形させて射撃、間の空間に火花が散る。

 

 

にしてもあんな技まであんのか。あのウィザードは技を極めたトリッキーなタイプなのか?

 

 

俺ああいう技術云々とはあまり戦わないからなぁ...。魔術師は割と魔術ありきな奴多いし、怪人は基本的に力任せだしな。

 

 

にしてもあの一撃必殺レベルの攻撃を叩き込まれて生きているバスコもまた強いな。御坂達が苦戦するわけだ。

 

 

「死ねェ!」

 

『っ!?』

 

その声に咄嗟に振り向くとゼロダークネスがこっちに紫色の光刃を飛ばしていた。

 

 

俺の戦いの中で培ってきた感が告げる。

 

もう避けられないと。そしてあれを受けたら死ぬと。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

ゼロダークネスが偽物を振り切ってこっちに紫色の光刃を2つ飛ばしてくる。

 

 

まずっ...避けられない!

 

 

「ガァァァァァァァァァァァ!!!」

 

 

けど私達とゼロダークネスの間に割り込む影があった。それはあの偽物だった。

 

私達の前に入ったあの偽物をゼロダークネスが放った光刃が股から左肩を切り抜けて行く。そこから偽物は大量のメダルを撒き散らして後ずさる。

 

 

私はこっちに飛んできた白いのと今偽物が使っているコアメダル3枚ずつをキャッチする。

 

白いのってあのドラゴンとかの...。

 

 

「そうするだろうなァ...それが分かっていてやったがなァ!」

 

 

何て卑劣な...!分かってて私達をダシの使ったってわけか!

 

 

さらにゼロダークネスは偽物の懐に飛び込んでその手に持った2本のブーメランでX状に偽物を切り裂く。

 

その一撃で切り口からメダルを撒き散らしながら地面を転がる偽物。

 

 

ってかなりヤバくない!?

 

私達は駆けつけようとしたけど黒いキョウリュウゴールドがザンダーサンダーを進路を塞ぐ様に振り下ろして来るのを見て咄嗟に後退。

 

 

「どきなさいよ!」

 

 

私はタジャスピナーから光弾を撃ち出して強引に道を切り開く。でも遅かった。

 

 

「このまま死ねェ!!」

 

 

ゼロダークネスはブーメランを胸のカラータイマーの両脇につけて横に長い紫色の光線を放つ。

 

 

「美鳥さん!」

 

 

ウィザードが叫ぶけど私達は何も出来ない。私もチーターレッグの加速を生かせない様に塞がれている。

 

チーターレッグの売りは加速力だけど小回りが効かないし加速にも数秒のラグがある。

 

だから前に塞がれるだけで大分制限されてしまう使い所を考えるメダルである。

 

 

そして偽物はその光線の中に飲まれて消えた。

 

 

「あばよ、ギンガァ......ッ!?」

 

 

その時ゼロダークネスの下半身が氷に包まれる。

 

それに驚いたゼロダークネスの後ろにいたのは...あの偽物だった。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「貴様ァ!」

 

「このくらいで死ぬわけないでしょうが...。私を甘く見過ぎよ、ベリアル」

 

 

あー...死ぬかと思った。こんな感覚は割と経験してるけどやっぱゾクゾクするわ。

 

そう思いながら奴の首から下を氷漬けにする。無論至近距離で奴の首を掴んでいる私の足もだけど。

 

 

「あんたがセルメダル削ってくれたから大分理性が戻ってきた。

いやー...らしからぬ半暴走したなぁ...」

 

 

いやはやこんな暴走久々だよ...。

 

火野映司や800年前のオーズの様な暴走はないけどこんな感情の爆発による暴走は過去に何回かあった。

 

でもその度に皆にフルボッコにされて...何だろ、目から汗が出てきた...。

 

 

それはいいや。後でゆっくり振り返って泣くとしよう。

 

 

「ウォォォォォォォォォ!!!」

 

「何だァ!?」

 

「メダルが..集まってる?」

 

 

私は雄叫びと共にメダガブリューを天高く突き上げる。

 

すると周りに散らばっていたセルメダル推定10万枚がメダガブリューの口の部分に集まっていく。

 

それ等はメダガブリューのティラノサウルスの口を模したエナジーエンハンサーに飲み込まれていく。

 

 

ゴクゴク鳴ってるけどまあそれは気にしない方向で。そういう仕様だし。

 

 

それにディケイドとゴーカイイエローの言葉と今までの感じからしてあのオーズ...恐竜系コア持っていないな?

 

あれが一つの鬼門だけどあれ越えれば行けるかもねぇ。人を捨てる覚悟があるなら...か。

 

 

「あんたらの敵全部こっちに投げろ!纏めてぶちのめす!」

 

「はぁ!?あんた出来んの!?」

 

「出来なきゃ言わん!」

 

 

その声に全員が丁度いいタイミングで各々の敵を投げ飛ばしてくれる。

 

うーん、信じてくれるのは嬉しいねぇ。

 

 

「離せ...離せェ!」

 

 

ベリアルが必死にもがくけど私の全力で作り出した氷に動きを封じられている。

 

さて...フィニッシュ!

 

 

「セイ...ヤァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」

 

 

メダガブリューを思いっきり横に振り抜く。

 

すると恐竜の顎の幻影が現れて敵を片っ端から喰らいながら蹴散らしていく。

 

その幻影は二回に渡ってこいつらを喰らい消滅。

 

 

これが超必殺技、グランド・オブ・レイジ。これで大抵の敵は葬れるけど...。

 

 

「流石は...真のオーズと...自称するだけ...あるね」

 

「貴様ァ...覚えてやがれ!」

 

 

人間体に戻ったバスコとゼロダークネスへの変身が解除されたベリアル、こいつらだけは見事に生き残ってやがる。そして逃げられた。

 

セルメダルの量が足りなかったか...。もう少し私のセルメダル、派手に吹き飛んでもいいのに...。

 

でも戦闘はしばらく出来ないだろうし負けてはいないか...。怪獣も気づいたらちゃんと倒されていた。

 

 

それに一安心した時、急に体から力が抜けていった。

 

まずい...無理し過ぎたか...。

 

 

「美鳥さん!」

 

 

ウォータードラゴンなウィザード...理恵がこっちに走ってくる。

 

あー...結構眠いや。もう寝ても...いいよね?

 

 

そう思いつつ変身が解除されつつ、私の意識はちょっと心地いい闇に閉ざされた。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

あの後落ちていたウルトラマンゼロのスパークドールズは6枚のコアメダルと共にTPCの科学アカデミアに送った。

 

 

バスコは偽物の攻撃でかなりのダメージを受けているだろうしあのベリアルとかいう奴もダメージで暫くは動けない。

 

 

でも私達にはそんな事が吹き飛ぶくらいの事があった。

 

あの偽物が変身解除して倒れた時に見えた顔に私達は驚いて固まってしまった。

 

その後偽物は第7学区のゲコ太医者のいる病院にいると聞いて私達はそこに来ている。

 

 

「白井さん、あの顔...」

 

「ええ...お姉様と同じ顔でしたの」

 

 

そう...あの偽物、私と同じ顔だった。違いは髪の長さや服装くらいで顔は本当によく似ていた。

 

あの子達に聞いたけど誰も知らず、ミサカネットワークにはいない個体だと言われた。

 

 

じゃああの子は一体誰?まさか裏であの計画がまだ進んでいるんじゃ...。

 

そう思うとゾッと鳥肌が立つ。

 

 

「...さか...ん」

 

 

でも今はオーズの力もある。多分昔よりは楽に...

 

 

「御坂さん!着きましたよ!」

 

「あ、ごめんね。佐天さん」

 

 

佐天さんに呼ばれて気づいたら例の病室の前にいた。

 

いよいよね...。でもどんな顔して入れば...

 

 

「外の人達〜、入っていいよ〜」

 

「気づかれた!?」

 

 

入ろうとしたその時、中からあの偽物の声がする。

 

どうやって私達に気づいたっていうのよ!?

 

 

でも取り敢えず入室許可は得た。私達はゆっくりとスライド式のドアを開けた。

 

そこにいたのは

 

 

「モグモグ...お代わり!」

 

「美鳥さん、食べ過ぎですよ!」

 

「おお!よく食べるねぇ!」

 

 

山盛りのカツ丼を食べ尽くしてお代わり宣言する偽物とそれを咎めるウィザード、それを見て豪快に笑っている伊達さんだった。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

私の病室に来たのは御坂美琴、白井黒子、初春飾利、佐天涙子、固法美偉、春上衿衣、枝先絆理、それと...重福省帆だっけ?あの眉毛。

 

 

そいつらが私が久々のご飯を食べている間に来た。

 

タイミングがいいんだか悪いんだか...。

 

 

「何か食べている途中で悪いけど色々と聞かせてもらうわよ」

 

「別にいいよ、来るのは分かってたしね。可能な限り答えるのは約束する」

 

 

御坂美琴が詰め寄ってくるのを左手で静止しながら答える。

 

取り敢えず可能な限りと言っておく。何処までとは言っていない。

 

 

「じゃあまずあんた達は一体何者?」

 

 

最早代表の様な立ち位置の御坂美琴がまず一番に私達の事を聞いてくる。

 

まあまずはそれ聞くよねぇ。自分のそっくりさんなんて御坂美琴にはいい思い出あまりないし。別にもう隠す必要性もないし...ん?

 

 

「...入っていいですよ?」

 

「え?あんた何言って」

 

「失礼する。君達が仮面ライダーオーズと仮面ライダーウィザードだね?」

 

 

やっぱりいた。気配と電磁波レーダーの二重警備網は早々破れはしないよ?

 

そして私の病室に入って来たのは...嘘ぉ!?こんな人物までいるの!?

 

 

「ムナカタ・セイイチ...ですよね?」

 

「...知っているのか。なら話が早い。

私はTPC総監補佐のムナカタだ。君達に私達TPCの本拠地まで来て欲しい」

 

 

彼はウルトラマンティガで防衛チーム、GUTSの副隊長を務めていたムナカタ・セイイチ。

 

まさかこの世界でお目にかかれるとは...。補佐という事は総監はまさか...。

 

 

「別にいいですよ。

でも御坂美琴達も同行させて下さい。丁度私達の事、説明しようとしていたんで」

 

「...分かった。なら繋がりのある星川先生に頼もう。すまないが少し待っていてくれ」

 

 

そう言って一回退室するムナカタさん。にしても星川先生ってもしかしてファイブマンの星川学?全くハチャメチャな世界だこと。

 

いや、私達の世界も大概か...。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「いや〜、エターナルは強敵でしたね」

 

「あんた何言ってんのよ...」

 

 

というわけで私達は少し邪魔が入りましたけど星川学さんのスターキャリアでTPCの本拠地に向かっていますけど現在は雲の中。

 

はて、どこにあるんでしょうか...美鳥さん?

 

 

「これは...空か。

となるとスターキャリアを収納出来るサイズである必要があってウルトラマン系も合わせると...あれか」

 

「何よあんた、もしかしてTPCの本拠地が分かったとか言うつもり?」

 

 

美鳥がブツブツ呟いているのに御坂さんが反応して話しかけている。

 

特撮厨な美鳥さんが気になるご様子です。まあ見た目が似ているというか瓜二つなのもあるのでしょうけどね。

 

 

「そういう貴方は何を聴いているんですか?」

 

 

その時私の右隣に座っていた佐天さんが聞いてくる。今私音楽聴いていたんです。

 

 

「Supernovaです。TETRA-FANGの」

 

「聞いた事ないですねぇ...。ちょっと私も聞いていいですか?」

 

「あ、どうぞどうぞ」

 

 

そう言って左耳のイヤホンを外して渡す。

 

 

TETRA-FANGというのは仮面ライダーキバのテーマソングやEDの為に結成されたユニットです。

 

ユニット名が4つの牙を意味していて4人のメンバーと『キバ』の名をかけているのがまた洒落ているんです。

 

あとちょっとズレますけど紅渡役でボーカルの瀬戸康史さんの進化がライブでよく分かるんです。

 

最初のDestiny's PlayではキバットバットⅢ世役の杉田智和さんの自由なサポートがありましたけどこのSupernovaだともう凄いのなんの...。

 

 

「へぇ...聞いた事ないけど凄いですね!」

 

「分かってくれて嬉しいです。音楽は世界すら超えるのが証明されました」

 

 

佐天さんはSupernovaを気に入ってくれたようです。

 

異世界でも共通文化で分かり合える。素晴らしい事です。

 

 

こんな感じであっさり分かり合えればどんなに楽だったか...。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

《ぼちぼち到着だぞ》

 

「そうですか。ありがとうございました」

 

《いえいえ、こんな事ならいつでも。帰りも彼女達送ってくので》

 

「すみません、お願いします」

 

 

...何この会話。何と言うか...伝説を感じる会話?

 

ほら、スーパー戦隊と防衛隊の人達の会話ってそんな感じしない?

 

私はスーパー戦隊VSシリーズでもそんな感じがする。スーパー戦隊同士の意外な繋がりとかなんか感じちゃうんだよね。

 

 

「それはそうと...そい!」

 

「ふひゃぁ!?」

 

 

私はセルメダルを弾いて理恵のオデコに直撃を食らわせる。マトモに食らった理恵は変な声を出して椅子から転がり落ちる。

 

ハハ、ザマァないぜ!

 

 

「理恵ちゃん、もう時間ですよー」

 

「随分荒っぽい起こし方ですの...」

 

「この程度優しいもんだけど?」

 

 

いやぁね?黒子ちゃんよ。

 

私達の中だと...兄に飛びかかった妹が当たり前の様に兄に投げ飛ばされたりさ。

 

 

「それって普通じゃない?私はいつもあれ...だし...」

 

「だってあいつその後にバズーカ撃ち込む事あるし。それも散弾で5発。勿論実弾」

 

「...それ死なないんですか?」

 

 

重福が私の言葉に当たり前の返事をくれるけど甘いねぇ...。

 

 

ぶっちゃけうちの家はチートの宝庫。

 

私のプロミネンスドロップを真っ向から迎撃するキチガイに散弾なんざ通用しないって。

 

ちなみにその兄は時間巻き戻したり文字通り神になった。全く訳が分からない。

 

 

「プロミネンスドロップって...タジャドルのあれ!?」

 

「どんなチートですの...」

 

「ついでに生身のパンチで張り合ってくる。」

 

『嘘ぉ!?』

 

「流石にエネルギー纏ってるけどね」

 

《おーい、着いたぞー。おーい?》

 

 

どうやら彼女らには星川先生の呼びかけは聞こえていない様です。

 

星川先生、ごめんなさい。でも反省はしない。この程度うちでは何時もの事だし。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

つーわけでやけにバリアフリーなTPCの本拠地、フェニックスベースに着艦して艦長兼総監室に移動。

 

 

あちらさんは圧倒されてたけど私達は...世界が世界だったしねぇ...。

 

うちで開発されていた宇宙戦艦乗ってた関係もあり、あまり驚かずにいれた。

 

 

そして私達の目の前にはTPC参謀、私からしたらGUTS隊長、イルマ・メグミがそこにいた。何故か車椅子に乗って。

 

ムナカタリーダーの時点で大方予想は着いていたけどやはりと言うべきか何つーか...。

 

 

「まずは...ごめんなさい」

 

「え?何でいきなり謝って...」

 

 

簡単な自己紹介を終えてまずイルマ隊長は皆に謝った。

 

事情がさっぱりだから何が何だか分かんねぇぜ...。

 

 

「貴方達を私達の戦いに巻き込んでしまった事よ」

 

「顔を上げて下さいよ!そんな謝る事...」

 

 

イルマ隊長は彼女らに頭を下げるが彼女らは必死にそれを諌める。

 

でもあえて偉そうに言わせてもらおうか。この世界の事をスターキャリアで粗方聞いた上で。これ、私のエゴ。

 

 

「確かに彼女達はあんたらを戦いに引き摺り込んでしまった。それは幾らあんたらが望んでいても決して許される事じゃない」

 

「でも私達の世界を守りに異世界から来てくれたんですよ!それなのに...!」

 

 

佐天さんが反論してくる。

 

まあ私間違った事は言っているつもりはないけど恩人...でいいのか?

 

兎も角恩人が批判されているとなっちゃぁ黙ってはいないだろうしね。如何にもらしいわ、あんたらしい。

 

 

「ありがとう佐天さん。でも彼女の言う通りよ。私達がリベンジャーをこの世界に逃がしてしまった」

 

「イルマさん...」

 

 

...口出しする必要なかったか?

 

まあいいや。こんな懺悔聞いている暇はない。強引に断ち切らせてもらう。

 

 

「ねぇ、口出しした立場で言えないと思うけどそろそろ話していい?」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

イルマさん達の暗い話を美鳥さんが強引に話を戻した。

 

こういうところ、羨ましいですねぇ...。私には出来ませんよ。どうしても遠慮する癖が治らなくて...。

 

 

「ではあなた達は一体何者なのですか?」

 

「私は神崎美鳥。...まあ異世界でオーズやってます」

 

「私は川北理恵。異世界の仮面ライダーウィザードです。他にも色々と...」

 

 

イルマさんの問いかけにここでは素直に答える。ここで誤魔化しても得はありませんしね。

 

 

「あれ?あんたウィザード以外あったっけ?」

 

「旅の結果ですよ。じゃ、お互い出しあいましょうか」

 

 

美鳥さんが疑問顔で質問してくる。そういえば見せてませんでしたか。

 

でも美鳥さんも何かある。それは分かっていましたので互いに見せ合う事にした。

 

 

そして美鳥さんが出したのは見慣れたオーズドライバーと銀色の短剣様なアイテム。

 

 

私はドライバーオンウィザードリングとガブリボルバーと0番の獣電池のセット、そしてモバイレーツの三つ。

 

...え、何です?それ...?

 

 

「あんたまさk」

 

「あんた何ゴーカイジャーになってんのよ!?」

 

 

御坂さんが唖然として私に聞こうとしましたけど途中で美鳥さんに割り込まれた。

 

というかここはゴーカイイエローな佐天さんじゃないんですかねぇ...。

 

 

ま、まぁ答えましょうか...。隠す理由もありませんし私が聞きたい事もありますし。

 

 

「私達の知っているマーベラスさん達とは別世界のご一行と出会ったんですよ。

というか何ですか、それ!?」

 

 

私が気になるのは銀色の短剣。

 

あからさまに何かのアイテムである事は明白。でも私も知らないという事は凄くマイナーなのか未知の物なのかですよね。

 

 

その答えは重福さんが答えてくれた。

 

 

「これはまさか...ギンガスパーク!?」

 

「やっぱり言い伝えはあるんだ、メビウス」

 

「何故僕の事を!?」

 

「単純。私もウルトラマンって事」

 

 

とんでもない事実に静まり返りましたか...。

 

...あれ?これって...

 

 

「理恵、みm」

 

『ええええええええええええええええええええええええ!!??』

 

「ほにゃぁ!?」

 

 

美鳥さんの警告するも間に合わず私は椅子ごとひっくり返った。

 

変な声は...ご、ご愛嬌で...。

 

 

というかウルトラマンって何ですか!?まさかの円谷ですか!?妙な気配を感じると思ったらウルトラマンだったんですか!?

 

美鳥さんはそんな私の心情など知ったこっちゃ無いと言わんばかりに再度自己紹介。

 

 

「んじゃ改めて自己紹介。

私の本名は御坂美鳥。仮面ライダーオーズで...ウルトラマンギンガ」

 

「え?御坂って...お姉様?」

 

「知らないわよ!」

 

 

白井さんが御坂さんに聞くけど知るはずも無い。あくまでも異世界ですしね。

 

 

というより凄まじい嘘を...。確かに妹ですけどそうじゃないでしょうに...まあいいですけど。

 

 

「あくまでも私は異世界のあんたの妹ってわけ、お姉ちゃん♪」

 

『お、お姉ちゃん!?』

 

「だから私は知らないって!」

 

 

...さり気なく御坂さんを弄りにかかりましたか。相変わらず腹黒い事を...。

 

そう思っていたら美鳥さんから腹パンもらいました。うぐぐ、結構痛い...。

 

 

「じゃあ君達は何故この世界に?」

 

 

星川先生にまず来訪目的を聞かれた。まあ聞きますよね。どういう方法で来たとか興味津々なご様子ですし。

 

 

「私は偶然です。元々全員バラバラになってそこから異世界を周る旅でここに来ましたから」

 

 

私はぶっちゃけこうとしか言えません。転移する世界は作者の都合で決まるご都合設定ですしね。

 

おっと。またメタ発言してしまいました、反省。

 

 

「私はあの黒いウルトラマン、カイザーベリアルの追撃中にイレギュラーでこの世界に転移しました」

 

 

美鳥さんは飄々と答えるがそれってさり気なくとんでもない事態ですよね!?

 

あの宮迫ボイスかなりチートですよね!?さっきもゼロダークネスとかになったりして美鳥さんを重傷に追い込んだりしてましたよね!?

 

というかあの会話だけしか聞いてませんけどどんだけ因縁があるんですか、あなたは!

 

 

「だからベリアルが二人いたのか...」

 

「片方はこっちの、もう片方は私達のいた所のですよ。ったくあのクソ野郎...」

 

 

す、スルーされた...。というかウルトラマンメビウス...ミライさん、問題はそこじゃ無いですよ...。

 

というか露骨に舌打ちして殺気を放出しないで下さい、美鳥さん。周りの人達が一歩下がっちゃいましたよ。ドン引きですよ、全く...。

 

 

「取り敢えず私達はベリアルをぶっ潰したらとっととおさらばしたい」

 

「...リベンジャーとの戦いに協力はしてくれないの?」

 

 

固法さんが美鳥さんの言葉に質問してくる。この辺りは美鳥さんに任せてますから私は口出ししません。

 

美鳥さんとは違うのです!美鳥さんとは!

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「取り敢えず私達はベリアルをぶっ潰したらとっととおさらばしたい」

 

 

美鳥...異世界の私の妹はそう言った。

 

確かに自分の世界を探し続けているからここに長くとどまる訳にはいかないのは分かる。

 

でも私達としては是非とも力を貸して欲しい。それを口にした人がいた。

 

 

「...リベンジャーとの戦いに協力はしてくれないの?」

 

 

固法先輩だ。先輩は私達の本心を代弁してくれた。

 

でも彼女達の答えは非情だった。

 

 

「だってそっちには関わる理由がないし」

 

「こういう言い方はあれですけど正義の味方だから...という理由はないんですか?」

 

「ない。私達はそもそもヒーローじゃない。同族殺しの破壊者」

 

 

佐天さんの言葉も完全否定。それどころかとんでもない事を口にした。

 

 

「同族殺しの...破壊者?」

 

「そうでしょ?1号2号はショッカーの改造人間。

あなた達で知っている例ならまずはクウガ。クウガの敵であるグロンギは人間とほぼ同じ存在。

次に飛んでディケイドとディエンドはライダーを破壊するべく大ショッカーが作り出した仮面ライダー。

さらにオーズはグリードの力そのもののコアメダルで戦い、フォーゼはゾディアーツと見た目こそ違うけど同じアストロスイッチで戦っている。

火を見るよりも明らかでしょ?」

 

 

ぐうの音も出ない反論に私達は言葉を詰まらせる。

 

反論出来ないのが悔しくてしょうがない。でも美鳥の紡いだ次の言葉にそんな気持ちは何処かに行ってしまった。

 

 

「ま、重要なのは気持ちって訳」

 

「気持ち...ですか?」

 

 

美鳥の言葉に初春さんが返す。

 

大事なのは...気持ち?

 

 

「仮面ライダーは怪人とぶっちゃけ同類って言っていい。なら仮面ライダーと怪人の違いは何か、それは心って事」

 

「私達は少なくとも正義を気取る気はありません。守りたい物を守る為に傷つけ続けて来ましたから」

 

 

その言葉の裏にある重みに私達はただ黙っていた。

 

私達は...どうなのかしらね。私達は少なくともそんな事を考えてはいなかった。兎に角敵を倒すことに夢中だった。美鳥達の様な考えは毛頭にもなかった。

 

 

「じゃあこう考えればいい。平和に生きる庶民の自由を奪って悲しみに突き落とす奴らから人間の自由を守るため。これじゃ駄目?」

 

「自由を...」

 

「そういうこった。戦う理由なんざ人それぞれ、掃いて捨てるほどあるしね」

 

 

掃いて捨てるほどって...人それぞれ戦う理由があるって事?そして人の数だけ正義がある...難しいわね、本当に。

 

その時美鳥と理恵が動かなくなった。ロボットみたいってわけじゃないけど何かに気づいたって感じがする。でも一体何に...?

 

 

「...理恵」

 

「はい、行きましょう。美鳥さん」

 

「え、何を言っt」

 

《第7学区に怪人出現。繰り返す、第7学区に怪人出現》

 

 

美鳥と理恵の言葉に私が聞こうとしたその時、艦内アナウンスが流れた。

 

って怪人!?気づいてたの!?

 

 

「気配察知。うちでは割とデフォな技よ」

 

 

何か色々負けてるわね、本当に...。気配察知って何よ。能力抜きに何をどうすればそんな事出来るのよ。

 

 

「長い間鍛え上げて来た鍛錬の賜物。

メビウス、コスモス。これでとっととエネルギーチャージしてから行きなさい」

 

「え?」

 

「スパークドールズはエネルギータンクの側面も持つ。あんたらのスパークドールズは当然あんたらの力ってわけ」

 

 

スパークドールズからそれぞれの変身アイテム、コスモプラックとメビウスブレスに光が流れていき2つの変身アイテムは光を取り戻した。

 

理屈は分かるけど本当にご都合主義の塊ね、本当に...。

 

 

「あ、ありがとうございますなの」

 

「じゃあ私は先に行ってるけどさ。戦う理由はちゃんと自分の本心で決めなさい。

正義だから何ていうのはただの逃げだからね」

 

「そうです。正義をあなた達がどう思っているかは知りませんけど私達にとっては糞食らえです。

ここで考えててもいいですけど早く来て下さいね。私達が全部持っていちゃいますよ?」

 

《テレポート、プリーズ》

 

 

そう言い残して二人は魔法陣の中に消えた。

 

私はそれを見て拳を握る。

 

 

どうしろって言うのよ...言いたい事だけ言って...!

 

 




後書き
美鳥「というわけで第2話です。神崎美鳥です」

理恵:「川北理恵です。...何と言いましょうか。先輩ぶっちゃいました」

美鳥:「でも実際私達結構戦ってるしいいんじゃない?仮面ライダーだってスーパー戦隊だって一年かけて一人前だし。私達はかなり長い間だもん」

理恵:「私は魔法使いとしては生まれた時からですけどね」

美鳥:「はいはい。そんなとこ自慢しなくていいの。んでエターナルは強敵でしたね」

理恵:「実はこのコラボ編、マッスーHEROさんが補完してくれるのです。エターナルはそちらの話の予定ですね。」

美鳥:「だから片方でも楽しめるけど2つ見る事でもっと楽しめる仕様ってわけ。お得だね!」

理恵:「金が絡んでいるわけじゃないのにお得ってどうなんですかね...。では今回はここまで。川北理恵と」

美鳥:「神崎美鳥でしたー。ではまた来週。グッバーイ」


(というわけでこんな感じです。
次回はチートが本気を出し始めます、本当に。
今日のED:仮面ライダーガールズ「Let's Go RiderKick 2011」)


理恵:「にしても御坂さん達大丈夫ですかね」

美鳥:「私は寧ろあちらさんの読者に受けるかが不安でしょうがない。後ハーメルンの規則に引っかからないか...」

理恵:「ですよねぇ...」


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コラボ編3 第3話「英雄VS復讐者-闇に染まった光は全てを滅ぼす-」

どうも、堕落天使です。

というわけでコラボ編3最終回。

まあ暴れます。暴れまくります。唐突にボケます。敵も強いです。

ではどうぞ。


「応戦しろ!弾幕絶やすなよ!」

 

「まさかここを狙ってくるとはな...!」

 

 

奴らリベンジャーはここ、科学アカデミアに狙いを定めて来た。

 

確かにここは彼女らをサポートしている重要施設。それを気づかれていなくても対怪人用兵器の製造施設、狙わない理由がない。

 

 

僕が戦う手もあるけど下手したらここの正体がバレる事になる。

 

それはリュウジさんや他の人達も同じ。どうすれば...!

 

 

「ここぶっ壊されると困るんだよねぇ」

 

 

だがその時、紫電を撒き散らす5つの閃光が走った。その閃光は直撃した怪人達を纏めて消し飛ばし、直撃しなくてもその紫電に触れた者は吹き飛んで行く。

 

 

「君は!?」

 

「私のメダルとスパークドールズ取り返す為に守る手間が出来るからね。

というわけで高山我夢さん、さっさと返して下さい」

 

 

そのビームの発射先には1人の少女がいた。

 

彼女は...例の異世界にオーズ!?

 

 

 

光の巨人の力を手に入れた欲望の女王。

 

そして勇気と海賊を手にした魔法使い。

 

彼女達が舞い降りる舞台は光と闇の総力を結集した混沌とした戦いの世界。

 

彼女達は異世界で戦っている知り合いを見て何を思うか...。

 

 

とある家族の異世界冒険記:コラボ編3

 

とある英雄の伝説大戦編

 

第3話「英雄VS復讐者-闇に染まった光は全てを滅ぼす-」

 

 

 

つーわけで返しに来てもらったのにこのザマ。

 

いや、悪いってわけじゃないけどさ。ちょーっとタイミングが悪過ぎやしないかなって思ったり。

 

 

にしても能力が効きにくいのはマジらしい。

 

こっちが撃ったのはビームマグナムよ?普通の雑魚程度かするだけであっという間に消し飛ぶのに。

 

所詮能力で作ったビームマグナムだしなぁ...。本物があれば話は違うのだろうけど。

 

 

そうこう考えていると相手のリーダー格であろうカマキリ型ファンガイアのマンティスファンガイアがこっちに威嚇してくる。

 

 

「邪魔をするなオーズ!」

 

「お前らごとき変身するのが勿体無い」

 

 

私は突撃してくる雑魚どもに対してオーズの重量系コンボに使われる白いコアメダル3種、サイ、ゴリラ、ゾウの力を発揮。

 

その力は重力制御。そして私は生身でもその力を使えるいわば人間の理性を持ったグリード。その力で奴らの頭にかかる重力をまずは10倍にしてみる。

 

 

「ぬがぁ!?う、動けん!」

 

 

う〜ん、愉悦!頭が地面にめり込んでこっちに土下座してやがる。

 

まあいつまでもそれで後は任せるのも手だけど面倒なんで...こうだ!

 

 

私は奴らの体と頭の重力を0にして代わりに首に50G位の重力をかける。結果は見た方が単純。

 

体と頭が浮かぶが首だけさらに地面にのめり込む。そして嫌な音がなって奴らの首が折れた。そして皆仲良く大爆発。

 

流石にアンデッドやグリードじゃない限り首折られたら怪人でも死ぬよねぇ。

 

 

なお、ここにドーパントやゾディアーツがいないからやれる。実際死ぬのは知ったこっちゃないけど流石に人をコキッとやると化けて出そうだし。

 

 

「という事で返して下さい」

 

「構わないがその前に一つ聞かせろ」

 

「藤宮!?」

 

 

あれま。ウルトラマンアグルの変身者、藤宮博也か。いきなり割って入ったな、おい...。

 

 

「お前は何故戦う。何がここまでの容赦の無さを作った」

 

「うん?ただ絶望し続けただけ。守りたい者を守り切れず絶望して、その度に私は家族に助けられて来た。それに...命を奪い過ぎた」

 

 

ぶっちゃければ力的には私は強いけど私は弱い。

 

 

私は元々妹達の10932号で唯一の成功例。だが私には感情があった。私を実験道具に使う奴、天井が気に食わない故に能力が使えないフリをした。

 

あの馬鹿はまんまと騙されて私は失敗作の烙印を押されて研究員達の慰め物になった。一方的な暴力や性的な事も何度も何度も数えるのが馬鹿らしいくらいだ。

 

そんなある日、いつもみたいに暴力を受けていたがその真っ只中、警報が鳴り響いた。配置されていた兵士が向かったがその侵入者、私の世界の学園都市Level5第3位神崎終夜の前には無力だった。

 

彼は私を助けてくれた。そして家に帰った私と終夜を皆が出迎えてくれた。あの時に早苗さんから渡されたポタージュの味と暖かさは今でも鮮明に覚えている。

 

 

その後も私は色々なトラウマで能力を、オーズの力を暴走させて数多もの命を奪った。さらに戦争でも私は命を奪った。死にたくないと懇願した敵でさえもだ。

 

 

はっきり言って私にはアニメの様な正義の味方に...ヒーローになる資格はない。

 

 

「だから私は...私達は守りたい者を守る為に遠慮する事が無かった。それにこれくらいしないと私達の世界は守れなかった。それでいい?」

 

「...分かった。悪かったな、昔の嫌な事まで思い出させて」

 

 

あれま、まさかの藤宮さんに謝られた。何かめっちゃレアな気がする。

 

 

「ううん。いい原点回帰になった」

 

 

そして私はゼロのスパークドールズとコアメダルを受け取ってチーターとバッタの力を足に宿して全速力で走った。

 

 

お節介でもう結論を出して戦っているであろうお姉ちゃん達を助ける為に。奴とのケリをつける為に。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

美鳥さんが科学アカデミアに行っているであろう頃、私はマシンウィンガーに乗って立ち塞がる敵を粉砕しつつ他の敵よりも強い力を感じる場所に向かっていた。

 

私は13歳ですけど細かい事は抜きで。気にしたら負けです。堂々とすればバレないものなんです。免許のありますし。

 

 

《おい、それは色々と駄目だろ。てか免許は俺達の世界...》

 

「うっさいですよ、ドラゴン。じゃあ今日は出番無しで...」

 

《すみませんでした。マジ勘弁して下さい》

 

 

ドラゴンの反論はこうすれば封じ込められます。

 

前はウィザードだけでしたが今はキョウリュウジャーとゴーカイジャーにもなれますからこの手結構使えるんです。

 

 

そんなこんなで私達はフォーゼ達のいるところに到着。見るとフォーゼ、W、シンケンブルー、メガブラック、ピンクターボ、オーイエロー、ファイブピンク、そして何故か白いキバが奮闘していました。その周りには色々な雑魚達...計300はいますかね?流石悪の組織、物量戦略とは...。

 

ブレーキを掛けずそのままウィーリーで乱入、スピンターンでひっちゃかめっちゃかに掻き回して少し離れた場所で停止する。

 

 

「何者だ!」

 

 

代表してこっちに問いかけてくるのはエナジードーパント。Wの最終回の奴ですか...。

 

取り敢えず答えるが世の情け。仮に覚えたところで消し飛ばせばオールOKですし。

 

 

「海賊です!」

 

「海賊...?ま、まさか!」

 

 

やっぱり気づきますか...。まあ元々こっち使う気でしたから問題ないでしょう。

 

 

《え!?あれ嘘なの!?》

 

「ごめんなさい。貴方は切り札という事で」

 

「お前...!?」

 

 

ドラゴンに言い訳しつつ私はマーベラスさんから貰った黒いナポレオン風のロングコートジャケットのポケットからモバイレーツを左手で取り出して反対の右手に私をウィザードではない別のヒーローに導く鍵、レンジャーキーを召喚する。

 

言い訳した理由?気が変わったなんて死んでも言えませんよ...。

 

 

「ちょっと!それって!?」

 

「というわけでやりますか。

ゴーカイチェンジ!」

 

《ゴォォォォォォォカイジャー!!》

 

 

吹寄さんに驚かれるけど当然ガン無視。取り出したレンジャーキーをモバイレーツの鍵穴に差し込む。

 

それにより変身システムが起動、モバイレーツの上半分がX状に展開して黒いX状の光が放たれて重なって黒がベースベースカラーで金色のラインが入っていているスーツを着用。

 

さらにマントを装着、そしてヘルメットも装備する。これで変身完了です。

 

 

「ゴーカイブラック!さぁ、ショータイムです!!」

 

 

きっちりマントをはためかせて名乗りを上げる。マントをちゃんとはためかせてないとどうも違和感があるんですよね、魔法使い的に。

 

 

《...もういいや...》

 

 

...あー......何かすごくすみませんな気持ちに...。

 

でも謝るのは後回し。私はそう考えつつ脳内のリミッターを解除。

 

そして私の視界は灰色に染まった。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

少女が変身したゴーカイブラックは気づいたらエナジードーパントの懐に入り込んでいた。慌ててエナジードーパントは殴りかかるが次の瞬間エナジードーパントはコケた。

 

ゴーカイブラックはコケたエナジードーパントの顔面に向けて右足を真上に豪快に振り抜く。エナジードーパントはそれを回避出来ず上空に吹き飛ぶ。

 

 

「何ですか今の!?」

 

「間違いない、あれは合気道じゃん...。でもあそこまでレベルの高いのは生では初めて見たじゃん...」

 

 

私の疑問に黄泉川先生が答えてくれた。

 

合気道って護身術の...。学校の授業でも少しやったけど極めればあそこまでいくのね...。

 

 

そしてゴーカイブラックはマントをはためかせながら流れる様に切り裂いていく。そのマントにも攻撃力があるのか、マントに触れた相手も同じく切り裂かれていく。

 

爆発の雨の中、その光景は確かにショーみたいに見える。流れが自然過ぎて当たり前の様に見えてもしまう。

 

でも少女の呟きが耳に入る事でそんな感傷は何処かに消えた。

 

 

「12、11、10、9...」

 

「何を数えているのでしょうか...?」

 

 

敵を切り裂きながら何かを数えていた。敵の数?いや、それならもっと先に言っていてもおかしくない。一体何を...。

 

その答えはすぐに示された。

 

 

「陸奥圓明流...」

 

 

ゴーカイブラックは剣を上空に放り投げてから地面を踏み砕いてその拳を突き出した。

 

 

「虎砲!」

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」

 

 

その拳は上空に打ち上げられて落下して来たエナジードーパントに寸分の狂いもなく直撃。爆散してその爆発から一人の制服を着た生徒が破壊されたメモリと共に吹き飛ばされた。その生徒はビルに頭を激しくぶつけて血を流しながらそのまま倒れた。

 

その姿を見て小萌先生が急いで駆け寄った。

 

 

「まさか今のカウントダウンって...」

 

「エナジードーパントの落下してくる時間?」

 

 

私の疑問に姫神さんが疑問系だけど答えをくれた。

 

 

そこまで計算して動くなんて並じゃない。どれだけの修羅場をくぐって来たのか想像出来なかった。

 

リーダーが倒されて焦ったのか、残った敵が向かっていったがゴーカイブラックは冷静に落ちてきた剣を持って空高く跳躍する。

 

 

「飛天御剣流...」

 

 

そんな動作を奴らは気にせずに着地点めがけて突撃。

 

そして空中で一回転して降りて来て

 

 

「飛天無限斬!」

 

 

ゴーカイブラックの剣が地面を叩き割った。そして無数のコンクリートの破片が周囲に撒き散らされてそれに撃ち抜かれたゴーミン達は次々と爆散していく。

 

爆炎がビルの谷間から吹いた風で薙ぎ払われてマントを傍目かせてゴーカイブラックの姿。

 

 

その鬼の様な強さに一応味方の筈なのに何故か恐怖を覚えてしまった。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

私はビルの屋上から屋上へとバッタメダルの力を発揮しながら跳躍、チーターメダルで加速はつけているからそこらのジェットコースターよりもずっと早い。

 

時折遊び半分で縦回転しながら進むとすぐに彼女らがいる第7学区のカエル医者の病院が見えた。

 

 

私は既に装着したドライバーに白い3枚のコアメダル、ユニコーン、ドラゴン、グリフォンを装填してオースキャナーで即スキャンする。

 

 

《ユニコーン!ドラゴン!グリフォン!ユ・ニ・ドラフォン・セイヴァー!》

 

 

そして私は最も自身に相性のいいオーズに変身する。見た目は...細かく解説!だって私にとって相性がよくてお気に入りのコンボだから!

 

 

まず頭部のユニコーンヘッドは複眼の色は黄色、額のオークウォーツは赤色の六角型でユニコーンホーンを装備。

 

胸のオーラングサークルはプトティラと同じく、コアメダルの縁と同形状に立体化した銀の縁が追加されている。

 

前にも使ったドラゴンアームには背中に新たに1対の翼、ドラゴンウイングが現れて飛翔能力を獲得。

 

最後に足のグリフォンレッグは爪先に3本、踵に1本装備している強靭な爪、グリフォンクロー。まあコンドルレッグに近いかな?

 

 

これがユニドラフォンコンボ。ついでに欲望解放状態、つまりSICみたいになっているとでも思ってくれればいい。

 

 

「そいやぁぁぁぁ!!」

 

 

取り敢えず勢いをつけて手近な雑魚、スティングフィッシュオルフェノクに踵落とし。

 

それは寸前まで気配を極限まで消していたため、私に気づかなかったスティングフィッシュオルフェノクの頭に直撃、そのまま体ごと地面にめり込んで爆散させる。

 

 

「美鳥!?」

 

「何でここに!?」

 

 

悠然と降り立った私にお姉ちゃんと佐天さんが戦いながら質問してくる。

 

ん...この気配...。

 

 

「そりゃぁ...奴を引き摺り出すためでしょうが!」

 

 

私は右後ろと左後ろから襲いかかった銃弾を右手のドラゴンガンブレードで切り払う。

 

そして最初の方向から考えて左から斬りかかって来た無礼者の赤く輝く剣、ファイズエッジを左手のドラゴンガンブレードで受け止める。

 

 

「超下がって下さい!ゲキワザ!瞬瞬弾!」

 

 

ファイズエッジを振って来た不届き者、仮面ライダーファイズがその声に後退。

 

そして私に黄色いチーター、ゲキチーターが高速で突進してくるが私はそれをドラゴンガンブレード2丁で受け流して雑魚の撃破に使用する。

 

 

向き直るとゲキワザを使用した奴、ゲキイエローはファイズの隣に並び立ちこっちにイチガンバスターを向けているイエローバスターと共に私の右斜め前に布陣。銃を撃った奴、仮面ライダーディエンドは仮面ライダーイクサと仮面ライダーサイガを召喚して私の左斜め前に布陣していた。

 

 

「ちょ...あんた達何やってんのよ!?」

 

「黙ってろ。てめぇ...何もんだ!」

 

 

お姉ちゃんの制止の声を無視してファイズ...恐らく第4位の麦野沈理が問いただして来た。

 

答えは...これしかないよなぁ!

 

 

「オーズもんだ!」

 

 

私の答えに周りの敵味方が全員仲良くズッコケた。

 

あっれー?何か変な事言ったかなぁ...。何もんだと来たらあれもんだでしょ?

 

 

「...兎も角、貴方から超ヤバイ感じがビンビンするんですよ...」

 

「だから是非聞きたいわねぇ。貴方、何なの?」

 

 

...ふーん、流石裏に精通している奴は一言違う。まあいっか。どうせこの世界に長く居座る気ないし。

 

というかこいつらズッコケたのをなかった事にしてるぞ、おい...。

 

 

「人間やめた。それだけ」

 

「人間を...やめた?」

 

 

私の返答にお姉ちゃんがさらなる疑問を投げかける。

 

ウルトラマンの時点で人間やめている?これはその前の話だからいいの、気にしたら負け。

 

 

「オーズの力の源、コアメダルは欲望を燃料に無限に力を発揮する性質を持つ。そしてセルメダルは欲望の増幅装置。そして私は非常に高いレベルで欲望を解放、制御出来る。つまり...」

 

「つまり貴方はグリードと同類...ってわけ?」

 

 

私の解説に口を出したのはお姉ちゃんじゃなくてしいたけ。

 

 

このしいたけ、グリードを知っているのか。どうせ佐天さんとかその辺りの記憶覗いたな?

 

 

「そーゆうこと。ついでに私は理性的だし人工的に作られた強化人間である事や、色んな所を冒険して鍛錬し続けて己を鍛え上げたというのも要因の一つだけどね」

 

 

人間やめたヒーローな例としてはヒビキさん達が変身する音撃戦士がある。つまり仮面ライダー響鬼系列。

 

彼らは己の心身を修行で鍛え上げて超常的な力を得た存在。学園都市の脳を弄って超能力者となるのとは根本的に違う。

 

 

でもって彼らは果たして普通の人から見て人間って呼べる?

 

残念だけど答えはNo。例え心が人間だとしても何も知らない周囲の一般人は絶対に認めないだろうね。実際私達もそんな状況に陥ったし...。

 

異端を恐れ、排除する。これが魔女狩りにも通じるわけ。

 

 

そして...ん?

 

 

「オーズゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」

 

「イタミガイスト!?」

 

 

その時私の後ろからイタミガイストがスーパーアポロフルーレを振りかざして来た。その光景に思わず声を出してしまった。

 

何故かめっちゃ怒ってる。激おこぷんぷん丸状態だよ。いや、激おこイタミン丸か?

 

 

兎に角スーパーアポロフルーレをギリギリで回避して腕を抑える。

 

でも奴は執念ともいえる頭突きで私を強引に引き剥がす。

 

頭の奴割れなくてよかったね〜。それすら気にかけないほど激おことは。

 

 

「私は貴様に迷惑をかけなければ気が済まn」

 

「煩い!」

 

 

...ムカついた。何と無く。

 

だから喋る事を許さない為にスーパーアポロフルーレをフェンシングの様に突いてきたイタミガイストの懐に奴の右腕の外側から潜り込んで右手を握りしめてアッパー。

 

私にとってはこいつが喋る事こそ迷惑。せめてアポロガイストならねぇ...。

 

こいつ?こいつはイタミガイスト、断じてアポロガイストではない!

 

 

「黙れ!」

 

 

そしてアッパーから勢いで回転して右足での回し蹴り+左手に持ったドラゴンガンブレードで回し斬り。

 

 

「雑魚!」

 

 

そのまま回し蹴りに使った右足をイタミガイストの首に回して絡めてから首を締める。

 

 

「私が用がないのに出しゃばるな!」

 

 

そして思いっきり反対側に足を回転させて頭から地面に叩きつける。

 

だが奴はそこから頭を引き抜いて少し下がる事で体勢を立て直してスーパーアポロフルーレを私の首にめがけて突いてくる。

 

 

「は〜じ〜を〜」

 

《スキャニングチャージ!》

 

 

だが私はそれを仰向けに倒れ込むようにして回避、片手で逆立ちになる。

 

同時に右足にスキャニングチャージにより凝縮されたコアメダルのエネルギーが集中して虹色に輝く。

 

 

「知れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

そこから体のバネを活かして下から真っ直ぐ突き上げるように虹色に輝く右足でイタミガイストの顎を蹴り飛ばす。

 

まあユニドラフォンのスキャニング技、ファンタズムストライクの派生技になる。といっても蹴り方の違いだけど。

 

 

ジェネシックガオガイガーのヘル&ヘブンの様な感じでイタミガイストはぶっ飛んだ。

 

因みに最後は陸奥圓明流の孤月です。理恵からある程度は習ったからそれ位はうちの面子なら全員使える。

 

 

「私はまだ迷惑をかけていないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

 

イタミガイストは吹き飛ばされて見事に空のお星様になった。昼だから見えないけど。

 

作者からギャクキャラ認定されただけある。出しゃばらなければやられなかったのに...!まあ私の世界の話だけど。

 

何かとどっかの馬鹿どもが復活させては迷惑をかけたがり、あっさりあの世行きする迷惑者、それが私の世界のイタミガイストだ!

 

 

「さ、流石真のオーズと自称するだけの事はありますわね...」

 

「あんなのこっちのペースに引きずりこめば楽勝だって。

怒り心頭で雪辱を果たすと言わんばかりに何の考えもなしに振るう剣なんて怖くない怖くない」

 

 

実際、怖くもなんともないのは事実。

 

慣れているっていうのもあるけど、あんなの財団Xの連中の本拠地に殴り込んでボスラッシュよりずっとマシだって。伊達に最終決戦級のチートとの戦いを何度も切り抜けて来たわけじゃないのよ!

 

 

「それに戦いはノリだよ。いかにして自分のペースに引き込むか、それさえ上手くいけば多少格上でも押し切れるし、どんなに力が強くても何もさせなければただの雑魚だって」

 

「それはあんただけよ...」

 

 

失礼な。私が化け物見たいじゃん。

 

 

でも他にも理由はある。

 

あいつ、多分私みたいな戦い方をする奴と戦ったことがない。だからペースを乱されてそれを戻せなくなりヤケになってあんな暴挙に出た。相性の差である。

 

 

私に言わせれば所詮その程度だけど正攻法で戦うお姉ちゃん達には確かに辛い相手だ。ここでしっかり仕留めておけばよかったかなぁ...。

 

 

「んじゃ他のとこ行こっか。敵はここだけじゃないしね」

 

「じゃあ失礼するわぁ」

 

《Attack Ride Invisible》

 

 

あ、しいたけ逃げた。気づいたらアイテムの連中もいないし!

 

ちくせう。しいたけバリアが使えないのは残念だけどしょうがない。

 

 

手持ちの戦力でやるしかないか。まあ負けやしないでしょ。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「ず、随分と容赦ないんやなぁ...」

 

「そりゃ、敵ですから。手加減してますよ?これでも」

 

 

ドン引き気味なメガブラック、青髪の言葉に当たり前の様に返す理恵。

 

理恵が手加減しているのは事実。何故ならこいつは必殺技使っていない。使ったのはあくまで技、それも最後のを除いて奥義ではない。まあハンデにすらならなかったがな。

 

 

「あなた...何者?」

 

「そうですねぇ...。通りすがりの魔法使いとでも言っておきましょうか」

 

 

お前はディケイドか。もやしじゃないだろうが。

 

 

「でもやり過ぎた、とは思わないか?」

 

「貴方達には悪いですけど敵は確実に殺すんですよ、私」

 

「殺すって...!」

 

 

理恵はピンクターボ、吹寄の言葉に溜息をついて答える。

 

 

「貴方達もやってる事は同じですよ?

一方的な虐殺は無理だとしても敵を殺しているじゃないですか」

 

『ッ!?』

 

 

理恵の考えに彼らは息を呑む。

 

理恵の考えとしては怪人は倒すじゃない、殺すんだよ。

 

爆発したら元の姿に戻る御都合主義的なドーパントやゾディアーツは別として、どんな存在にしろ彼らは生きている。

 

 

普段は殺さない戦い方をするこいつにとっては非常に大きい。それは殺すしかない方向に追い込まれる事を意味するからな。

 

 

「あんたは正義の味方じゃないのか?」

 

「私は失い過ぎ、そして奪い過ぎた愚かな存在です。

自分の世界を失い、そして守る為と言いながらとある世界を滅ぼした。そんな奴に正義を名乗る資格はありませんよ」

 

 

フォーゼの上条の疑問にそもそも正義なんか何処にでも溢れている各々の思っている正しい事なんですけどね、と付け加えて理恵は答えた。

 

 

「じゃあ貴方は何の為に戦うのですか?」

 

 

ファイブピンク、声からして小萌先生が理恵に問いかけてくる。

 

予想通りなのか、理恵はその問いに即答した。いや、もうしっかり分かっているからか。

 

 

「あなたは少なくとも正義の為に戦っているわけではないですよね?だったら一体何なのですか?」

 

「決まってます。自由を守る為に戦います。その結果どれだけの業を背負おう事になっても覚悟の上です」

 

 

これは仮面ライダー全員に当てはまると言っていい。

 

仮面ライダーは同族殺し。それを理解している人はいないわけではないけどやっぱり上条達は理解してないか。

 

ついでにこの考え、仮面ライダーを作った人達の考えでもあるからな?だから仮面ライダーは敵に似た様な存在なんだよ。

 

ここは重要、テストに出ますよー。

 

 

その時、俺と理恵はおぞましい気配を感じた。場所は...あいつらの後ろ!?

 

 

「皆さん伏せて!」

 

 

理恵は呼びかけると同時にゴーカイサーベルに自身のレンジャーキーをセットしつつ同時にあいつらの上を跳び越えて

 

 

《ファァァァァァァイナルウェィィィィィィィィブ!!》

 

 

黒いエネルギーを纏った刃を一閃、斬撃を飛ばす。だがその斬撃は弾かれて俺達の横を通り過ぎ学園都市謹製のコンクリートをぶっ壊す。

 

そして斬撃を弾いたのか右手を左上に降ったままの状態で何故か赤いオーラを纏った金属生命体ドラスとその隣にはバスコがいた。ドラスとはまた懐かしいものを...。

 

 

「またですか」

 

「君相手じゃ俺が戦った方がよさそうだからね。それにゴーカイジャーだったとはねぇ。これも世界線の違いかな?」

 

 

理恵はバスコの言葉に軽く深呼吸して増援に駆けつけた奴らも交えて簡単な作戦を告げた。

 

 

「あいつは私がやります。その間に数の暴力でフルボッコして下さい」

 

「でも貴方だけじy」

 

 

佐天の反論を有無を言わせない威圧感を漂わせて強引に封じて理恵は構える。

 

 

「別世界のバスコと殴り合った事あるのでどうにかなると思います。この世界でも戦いましたし。

後...」

 

 

理恵は闘志を漲らせたバスコに目を向けて答えた。

 

 

「何か凄く私にご熱心なようなので...」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

つーわけでバスコは理恵に任せてこっちは総出でドラスをボコす事になった。だが流石というべきか半端なく手強い相手だった。

 

射線に上手い具合に仲間を入れてくるし、やたら範囲攻撃がお好きな様でたった今ディケイドとフォーゼ、ゴーカイイエローが吹っ飛ばされた。

 

 

「クソッ!アポロは使えない...ダイノバックラー!」

 

《Attack Ride S Rider Buckle》

 

《Kamen Ride Black RX》

 

 

起き上がったフォーゼはフォーゼドライバーがダイノバックラーに姿を変えてティラノレンジャーに変身、セロリなディケイドも昭和ライダーのマークが刻まれたバックルを召喚、入れ替えてRXに変身する。

 

バックルを入れ替えるとはまた面倒な。拡張システムみたいな物か?

 

つーかアポロってなんぞや。未知のアストロスイッチか?

 

 

んで二人はドラスに突撃、ティラノレンジャーは龍撃剣を、RXは光子剣リボルケインを振り翳す。

 

だがドラスは赤いオーラを纏い一気に二人の後ろを取り首を掴む。

 

だけどそこでシンケンブルーが本来レッドの武器である烈火大斬刀、そしてビルの上から飛び込んできた仮面ライダーアギトがライダーキックを食らわせて強引に引き離した。てかこの気配はあわきんことあわびか。

 

というか何気にあいつ除いて暗部メンバーじゃん。

 

 

「一人で突撃してどうするぜよ」

 

「何やってんのよ、情けない」

 

「チッ、お前まで来るとはなァ」

 

 

にしてもこう見るとオールスター的なあれだなぁ...。

 

やっぱり場違いだって、私達。何か居心地悪いし、さっきから変な干渉を受け始めてる。

 

世界が私達を追い出そうと必死なのかな?

 

 

「皆、これで行きましょう!」

 

「俺達も行くぞ!」

 

 

そんな事を考えているとお姉ちゃん、白黒、佐天、初春、春上、固法さんがモバイレーツと見たことがないレンジャーキーを取り出す。

 

そして上条、土御門、青髪、吹寄、小萌先生が理恵の...確かガブリボルバーをそれぞれの変身アイテムを変換して召喚、反対の手には獣電池。

 

 

『ゴーカイチェンジ!』

 

《トォォォォォキュウジャー!》

 

 

そしてまずはお姉ちゃん達が変身、線路を模したバイザーの付いた列車的なヘルメットで頭と左胸にはそれぞれ番号が割り振られていた。

 

お姉ちゃんが赤で1、白黒は青で2、佐天が黄色の3、初春が緑の4、春上がピンクの5、そして固法さんがオレンジの6。

 

 

『キョウリュウチェンジ!』

 

 

んであいつらも何処からか流れているサンバみたいな音楽と共に踊り出してガブリボルバーを上に撃って恐竜の幻影に食われて別の戦隊になった。

 

赤が上条、青が土御門、黒が吹寄、緑が青髪、ピンクが小萌先生。

 

 

『勝利のイマジネーション!烈車戦隊、トッキュウジャー!』

 

 

そして列車組改めてトッキュウジャーは子供のお遊びの様に腕を連結した感じにしてEXILEのChoo Choo TRAINの如く回転してポーズを取り、名乗った。

 

イマジネーション...想像力?いや、如何に厨二病なのが鍵を握るのか?

 

そう考えると納得してしまう。だって年齢丁度いいじゃん。

 

 

『史上最強のブレイヴ!獣電戦隊、キョウリュウジャー!』

 

 

んで恐竜組改めてキョウリュウジャーはトッキュウジャーに比べると地味というか個性に欠けた...比べるのがおかしいか。

 

兎も角ポーズを取って背後で大爆発。お決まりですな〜。

 

 

...あれ?

 

 

「...ゑ?」

 

 

それはそんな声が出てしまう程の衝撃だった。

 

え?私の知らない戦隊?まさかの?

 

 

......世界は広いなー...。

 

 

「何惚けてんのよ。行くわよ!出発進行!」

 

 

そんな事を考えているとお姉ちゃんに肩を叩かれた。

 

そしていかにも列車戦隊らしい言葉を合図に全員が突進。

 

 

...むっかーん。私に指図するとは...やってくれるな、おい!

 

 

「じゃあえげつないコンボ使わせてもらうか!」

 

《オニ!テング!キュウビ!オーニテンキューウ!》

 

 

私は3枚のメダル、オニメダル、テングメダル、キュウビメダルを取り出して装填、スキャンする。

 

二本の角と紫の複眼が目立つオニヘッド、クジャクアームの角を丸っこくして両肩に緑色の扇子、テングファンをぶら下げたテングアーム、今は収納されているが9本の尻尾が特徴的なキュウビレッグ。

 

カラーはゼロノスのゼロフォームの赤錆、銅が酸化することで生成される青緑色の緑青、鉄に出来る黒錆なカラー。こらそこ、ただの錆三連コンボじゃねーかなんて言わない。

 

 

これはこれで結構強いフォームだからいいの。

 

オニテンキュウコンボは基礎スペック低いけどそれをカバーするチート持ちなんだから。

 

 

私は皆が上手い具合に攻撃して離れた瞬間に一気に踏み込んで奴の懐に潜り込み、オニヘッドの角が分離して作られるオニクローを突き刺す。

 

同時にキュウビレッグの9本の尻尾を展開、先端から青い炎弾を放って関節に直撃させる。

 

 

奴はもがくけど動けない。

 

それもそう。キュウビレッグの尻尾から放たれる炎弾に触れたら空間に縛り付けられる要領で動けなくなるからね。関節に食らえばどうなるかは一目瞭然。

 

そしてオニクローには敵の生命力を吸い取る力がある。

 

 

というわけでオニクロー起動♪

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

オーズが突き刺したオニクローが脈を打ち始める。

 

するとドラスは苦しそうに悲鳴を上げ始めた。もがこうとしても動けずただ悲鳴を上げるだけ...って外道過ぎや!

 

 

「フハハハハァ!その命を残らず搾り取ってくれるわ!」

 

「げ、外道ですの...」

 

 

オーズはそんな光景を笑いながら凄まじい言葉を口にする。

 

その姿に周りはドン引き。勿論わいもや。

 

 

だがそんな外道戦法のお陰でドラスは立っているのも辛そうだった。同情するわぁ...。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

吸いつくしたと思われるので、取り敢えず蹴っ飛ばしてオニクローを引っこ抜く。

 

 

ふぅ、生命力吸ったら何かスッキリ。いい事だね!

 

乙女の美肌の秘訣は満ち溢れる生命力!なんつって。

 

 

「というかあんた、さっき人工的に作られた強化人間って...」

 

「そう、私はミサカ10932号。運命感じる数字でしょ〜」

 

 

お姉ちゃんが下がった私によってさりげなくさっきの発言について聞いてくる。

 

それはいつか来ると思ってた質問だったから答えは決めてある。

 

私はそれを思い出しながら小声で答えた。

 

 

でも10932号なんて運命すぎるよね。特撮にのめり込んでふとした時に気付いて自分でも恐怖したもん。周りは大爆笑だったけど。

 

まあ製造自体はかなり昔だったからセロリのレベル6計画の前に助けられたのは運が良かったとしか言いようが無い。

 

 

そう思い出しながらも炎弾の雨を飛ばしながら死ぬ寸前で苦しむ奴の動きは封じる。

 

死ぬ寸前でも決して私は手を抜きません。例えドン引きされようとも。

 

それで逆転されても困るからね〜。

 

 

にしても乱戦じゃこんな戦法は使えないし、炎弾のスピードもそれほどじゃないから敵が少なくて友軍が多い時こそ効果を発揮するんだよねぇ、このコンボ。

 

 

「さぁ、総攻撃の時間だ!や〜っておしまい!」

 

「...やっぱりあんたは私の妹じゃないわよ!」

 

 

失礼な。ただ環境の違いだけでしょうに。

 

遺伝子的にはクローンとはいえ妹なんだけど?まあ年はこっちが遥かに上だけど。

 

 

《スキャニングチャージ!》

 

《Joker Maximum Drive》

 

《Final Attack Ride DDDecade》

 

「ウェイク、アップ!」

 

「キングスマッシャー!」

 

『レンケツバズーカ!』

 

《ケントロスパイカァァァァァァ!》

 

《Sound System Standby 『熱風!疾風!サイバスター VerスパロボOG』》

 

 

つーわけで必殺技の準備とBGM。ついでに奴は動けない。

 

これで決まりだ!おとなしく死んでもらう!

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

ここからは必殺技のオンパレードだ。

 

というわけで解説しよう。

 

 

「獣電ブレイブフィニッシュ!」

 

《スパパァァァァァン!》

 

 

まずキョウリュウレッドの上条は皆に押し上げられてケントロスパイカーを上空でキャッチして投げつける。

 

同時に一方通行のディケイドも10枚のカードを潜り抜けての必殺キックであるディメンジョンキック、インデックスと氷華のWサイクロンジョーカーのジョーカーエクストリーム、姫神の白いキバのダークネスムーンブレイクが同時にドラスに刺さっているケントロスパイカーを押し出して刺さった腹を貫通、ドラスの腹に大穴を開ける。

 

 

本来ならこれだけの攻撃を食らったなら吹き飛ぶのだが美鳥のオーズのオニテンキュウコンボの持つ拘束力がそれを許さない。

 

この容赦の無さこそが美鳥の武器と言えよう。これに関しては彼女の家族達にも言えることではあるが。

 

 

「シュート!」

 

 

キングスマッシャーから黄色のビームが放たれる。

 

その弾丸は必殺キックのエネルギーの余波で出来た傷口を正確に撃ち抜く。

 

 

「レインボーラッシュ!オールヒーロークラッシュ!!」

 

《出発、進行!》

 

 

最後に御坂が引き金を引いて撃ち出されたエナジーレッシャーは一旦エネルギーになってから全ての戦隊や仮面ライダーの姿になる。

 

そのヒーロー達は次々とドラスを滅多打ちにする。

 

最早イジメであるが気にしたら負けである。

 

 

そしてそれでもなお吹き飛べないドラスが朦朧とした意識で見たのは紫色の炎に包まれた美鳥のオーズの姿だった。

 

 

「これぞ本家まるパクリ!かっこ変形なんてしないかっこ閉じ!アァァカシックバスタァァァァァ!!」

 

 

説明しよう。これはオーズオニテンキュウコンボのスキャニングチャージ技である。

 

紫色の炎を纏って突進するのだが、その姿は不死鳥ではなく北欧神話に登場する鷲の姿をした巨人、フレースヴェルグとはいえアカシックバスターに似ているのだ。

 

 

それ故に技名はデモリックバスター。

 

美鳥はその場のノリでアカシックバスターと呼称したが正しくはデモリックバスターである事に留意して欲しい。

 

勿論見た目だけが丸パクリなのでアカシックレコードに干渉はしない。

 

 

だがその破壊力はお墨付き。しっかりBGMも大音量で流してオーズはドラスの体を破壊し尽くす。

 

そして拘束が解除されたドラスは倒れて大爆発、粉微塵になった。

 

取り敢えず撃破と安心した彼女らの耳に声が聞こえた。

 

 

「それにさぁ...お前、殺す気ないだろ!」

 

「ッ...!?」

 

「理恵!?」

 

 

普通じゃないその声に全員が振り向くとそこにはゴーカイブラックの剣を胸に受けながら腹に剣を突き刺したバスコの姿があった。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

俺は奴のアクロバティックな動きを絡めての途絶えることの無い連続攻撃に舌を巻いていた。

 

兎に角しつこい。躱しても躱しても距離が離れないし攻撃が途絶えない。

 

 

「シッ!」

 

 

勢いに逆らって強引に柄を俺の右膝に叩きつけようとする。膝を砕きに来たか!

 

食らうわけはいかないので剣の方に前転する事で回避する。けれど奴の技は必ず繋がっている。だから素早く立て直す。

 

 

「飛天御剣流」

 

 

だが奴は勢いで素早く一回転しつつ姿勢を立て直した直後の俺に接近、僕の膝を砕こうとした剣を左手で刀身を支えつつ下から振り上げて今度は顎を狙ってくる。

 

着地を考えていたらやられるか!

 

急いで全力のバックステップで下がり紙一重で回避する。

 

 

《ファァァァァァァイナルウェィィィィィィィィブ!!》

 

「龍槌翔閃!」

 

 

そして姿勢を崩した俺に上から襲い掛かる黒いエネルギーに包まれた必殺の一撃を両手でさらに後退の勢いを強める事で強引に回避する。

 

 

...成る程。剣での技量は俺より上。技も必殺級を何個も揃えている。そして何より迷いと容赦の無い神速の斬撃。これは彼女らとは大きな違いだね。凄い奴が来たもんだ、全く...。

 

けど戦っている内にこいつの弱点が見えてきた。チラチラと見え隠れするそこを突けば勝てる...と思う。

 

 

いやぁね?俺はあいつの全てを把握しているわけじゃないからさ。流石に勝てると確信を持てないんだよ。

 

そしてウィザードであるならアンダーワールドにウィザードラゴンがいる筈。そいつがいつ引っ張り出されるか分からない以上迂闊に攻め込めない。

 

 

「そいや!」

 

 

そんな事を考えている間にも奴は容赦無く攻撃を仕掛けてくる。この連撃を止める為に鎌をかけてみる。

 

 

「そういえばさ。お前、豪快チェンジしないの?」

 

「......」

 

 

この言葉に無言を突き通す奴。流石にこの程度じゃゆらがないか。

 

 

「恐らくお前はその力を手に入れて大して日が経っていない」

 

「...正解ですよ。私がゴーカイジャーの力を手に入れてからまだ2日も経ってませんからね」

 

 

憶測ではあるけど自分の考えを軽くぶつけてみると、彼女は少し間をおいて答えた。

 

 

2日でここまで...感心するね。適応力が高いのか?

 

だが2日なら本来の姿が限界か。まあよくやってる方だけどね。

 

 

「だから思い切って使い切れない豪快チェンジという選択を除外したわけだ」

 

「仰る通りですが...もう終わりです!牙突、零式!」

 

 

俺はカリブレードで胸のあたりを薙ぎ払うが奴はしゃがんで一回転する事で回避。

 

そして奴は剣を手の中で回して回転させた勢いと上半身のバネでこっちの胸を正確に貫く。

 

 

「グハッ...」

 

 

後ろに液体が落ちる音を聞きながらあまりの破壊力に思わず呻き声が出てしまったが一応予定通り。

 

エネルギーで奴を縛り付けて身動きを封じる。幾らすばしっこくても身動き出来なければ問題にならないからね。

 

 

「しま...!」

 

 

流石の彼女もこれには驚いて足掻くが腕を掴んで逃がさない。

 

にしてもこの破壊力...普通の怪人なら上半身と下半身が千切れ飛ぶ破壊力はある。何て化け物なんだか...。

 

 

「でもさぁ...お前、殺す気ないだろ!」

 

「ッ...!?」

 

「理恵!?」

 

 

青緑の輝きを宿したカリブレードをガラ空きの腹に突き刺す。突き刺したカリブレードから赤い血が流れる。

 

あっちの姿の変わっている真のオーズも思わず名前を叫び、他の偽物達も動きを止める。

 

 

ドラスはやられたか?まあ上手い具合に時間稼ぎしてくれたから良しとするか。

 

 

「さっきの胸への突き。あれのコースは人で言う心臓の部位じゃなくて心臓のすぐ脇に逸れていた。でも迷っている太刀筋じゃない」

 

 

語りながらカリブレードを引き抜くと彼女は変身が解除されて血を流しながら仰向けに倒れる。

 

 

「恐らく不殺の信念と殺さなければならないという板挟みが起こした結果だろうねぇ。哀れなもんだ」

 

 

つまり死ぬギリギリまで追い込むけど決して殺しはしないという事。だからこそこの捨て身の戦法でも死ぬ事はない。

 

俺の口癖、「何かを得る為には何かを捨てなければならない」。それは今回も当てはまる。

 

つまり自分の命の危機と引き換えに敵を殺す、そういう事だ。

 

 

彼女は残念だと思う。

 

それだけの力を持ちながらそんな悩みで全力を出し切れない。これは悲しいと思うね。

 

 

さて、倒れた相手にいつまでも構う必要はない。傷もこの分なら直しながらでまだ戦える。次は...涙子ちゃんかな?

 

 

「...はぁ。その洞察力は流石と言うべきでしょうか。ですが」

 

 

だが通り過ぎた時、仰向けに倒れている彼女から声がかかる。

 

 

「私は師匠達の教えを迷惑だと思った事はありませんよ!」

 

《エクステンド、プリーズ》

 

 

彼女は魔法で左足を伸ばして当てて来た。

 

まさかの不意打ちに俺は受け身を取るが吹き飛ばされてビルに突っ込む。

 

 

馬鹿な...あれだけの重症でまだこれだけの力が出せるのか...!?

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

実際痛いですよ、かなり。腹を貫かれましたから。

 

でもこの程度で止まる訳にはいかない。私は...私達は何としても帰らなくてはならない。元の世界へ、皆の所へ。

 

 

《ヒーリング、プリーズ》

 

 

このヒーリングウィザードリングで自然再生力を異常活性させれば傷はまず治る。

 

後は気合で立ち上がり右手に指輪をドライバーオンウィザードリングに付け替えてバックルに翳す。

 

 

《ドライバーオン、プリーズ》

 

《理恵...行けるのか?》

 

 

勿論です。こんな場所で死ぬなんて真っ平御免です。

 

この世界を救うのはついで。傲慢ですが私は帰る為に戦い...勝ちます!

 

 

「変身!」

 

《インフィニティ、プリーズ!ヒースィーフード、ボーザバビュードゴー!》

 

《Sound System Standby 『ZERO』》

 

 

左指に装備したインフィニティウィザードリングをバックルが変化したウィザードライバーに翳す。

 

そして私の足元に虹色の魔法陣が現れて結晶化したウィザードラゴンが私の周りを飛行、私は結晶に包まれて弾けるとその姿は各部に魔力の結晶体、アダマントストーンが散りばめられたウィザードになる。

 

これこそ最強フォーム、インフィニティスタイル。使いたくはなかったのですけど使わざるを得ないのです。

 

 

それにしても今回は小林竜之さんの「ZERO」ですか。

 

良い選曲です。これは個人的に好みですから。

 

 

私はドラゴンが変身した専用武器、アックスカリバーを構える。

 

気づいたら胸の血が収まっているバスコもカリブカリバーを構える。

 

 

「さあ、ここからが本当のショータイムです!」

 

「やってみろよ!魔法使い!!」

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

ビルの上から見下ろした先にいるのは敵の幹部を聞いた事がない歌を流しながら圧倒するダイヤモンドのウィザード...。

 

あのウィザードと幹部の戦いはある意味一方的だった。

 

 

違いは破壊力でもスピードでもなく、それを防ぐ防御力にあった。

 

幹部の剣はクリスタルの鎧に受け止められて弾かれる。

 

対してウィザードの斧と剣を組み合わせた様な武器での斬撃は確実にダメージを与えていく。

 

今も左下から斬り上げられた斬撃が幹部の胸に火花を起こして吹き飛ばす。

 

 

あれがウィザードの本当の力...。所詮私達は紛い物ですか...。

 

 

そんな事を考えて仲間と合流しようとした時、頭の中に声が響いた。

 

 

《聞こえているでしょうか?この世界のウィザード》

 

 

その声は恐らく今下で戦っているウィザードから。喋りながらとはまた余裕な...いや、防御力の差が歴然としているので余裕なのでしょう。

 

 

さて、何のようですか、本物のウィザードさん?

 

 

《一応ウィザードの先輩としてアドバイスを、と思いまして》

 

 

アドバイス...?

 

それは光栄ですね。本物のウィザードからのアドバイスとは。

 

 

《そんなに僻まなくても...。では言わせてもらいましょう。ウィザードは最後の希望です》

 

 

最後の...希望?

 

 

《そうです。希望は失われてはならない。失ったら残るのは絶望です》

 

 

成る程...希望と絶望が表裏一体なのは納得です。

 

そもそも魔術は才能がない人が才能のある人に追いつく為に作られた。

 

つまり魔術は才能がない人にとって希望そのもの。もし魔術が消滅したらそれは絶望でしょうね。

 

拝星教での事件もある意味絶望から逃げる為の行動と考えると違和感はない。

 

 

でも私達は紛い物と言うべき存在です。オリジナルの代わりに戦う代理人ですよ?

 

 

《紛い物だからオリジナルに勝てない理由はないですよ。だから守って下さい、この世界の人々の...最後の希望を》

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

ウィザードの魔法は絶望を打ち砕くする魔法。

 

 

あの絶望による地獄、サバトとそれによって起きてしまった世界の崩壊は一時も忘れた事はない。

 

 

希望は潰えてはならない。

 

希望無き未来は絶望ですからね。あの時の様に...。

 

 

あの時にお父さん達から生き残って幸せになれという希望、そして今まで関わってきた人達からも沢山の希望を受け取り続けて来たからこそ、私はどんな時でも立っていられる。

 

そして戦える!

 

 

《ターンオン!》

 

 

バスコのカリブラスターの射撃を全身で受け止めながら、刀身に描かれた紋章・ウィザードサインに左のインフィニティウィザードリングを当ててアックスモードに移行、さっきまで刀身だった部分を持ってさっきまでナックルガードだった部分を斧とする。

 

 

「はぁ!」

 

 

その状態のアックスカリバーを撃ちながら下がり続けるバスコに思いっきり振り下ろす。

 

それに対して横に回避しようとしたがギリギリで回避が間に合わなかったバスコの右肩から右の太腿にかけて火花が吹き荒れる。

 

 

「クソッ...化け物か...!」

 

 

バスコは倒れてフラフラ状態で悪態をつく。

 

 

まあ別世界の貴方から見ると自分の常識を超越した化け物でしょうね。

 

でもそうじゃないと守れないんです。私達の世界は戦争の世界ですから。力こそ全て、力がないと守れない理不尽極まりない巫山戯た最悪な世界ですから。

 

 

というわけで決めましょうか。いつまでも引きずる訳にも行きませんしね。

 

ハンドオーサーをインフィニティウィザードリングを付けた左手でハイタッチ。

 

 

《ハイタッチ!シャイニング・ストライク!キ・ラ・キ・ラ!キ・ラ・キ・ラ!》

 

 

そして周囲の魔力を集める為に振り回しているアックスカリバーが巨大化。

 

そして飛び上がって虹色の輝きを纏ったアックスカリバーを全力で振り下ろす!

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

虹色に輝いている巨大な斧を持ったウィザードがバスコにその斧を振り下ろした。

 

その刃は地面のコンクリートを破壊して煙を起こす。

 

 

バスコを...倒した?

 

 

「や、やったですの...?」

 

「馬鹿!それフラ...!?」

 

 

フラグ発言をした白井さんを窘めようとした美鳥さんがフラつく。

 

それを隣にいた御坂さんが咄嗟に支えた。

 

 

「ちょっと!あんた大丈夫なの!?」

 

「...流石に疲れたのかもね。でも駄目だったみたい」

 

 

美鳥さんの声に歌が終わり、煙が晴れつつあるバスコのいたところを見る。

 

そこは地面に巨大な溝クレーターはあるけどバスコは見当たらない。

 

 

まさかあの人が最後の一撃を外した!?

 

 

「手応えが不完全...逃げられましたか...。美鳥さん、もうヤバイ段階まで来てますね」

 

「その前にケリを付けたいんだけど...来たか」

 

 

ヤバイ段階?

 

その意味を聞こうとした時、何かが落ちてきた。

 

 

それが落ちた時の地震に耐えながら落ちてきた物を見たら、落ちて来たのは美鳥さんの敵、カイザーベリアルだった。

 

 

「よォ、元気かァ?」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「よォ、元気かァ?」

 

 

ベリアルは堂々と街に降り立って挨拶してくる。

 

元気かっておいおい...。敵の癖によー言うよ。

 

 

「でもあんただけ?案外人望ないんだ」

 

 

私の言葉の反撃に対して奴は鼻で笑った。

 

何気にムカつく...。宮里ボイスだからとかじゃないけど何故か自然と腹が立った。

 

 

「まさか俺だけだと思ったのかァ?」

 

 

ベリアルのその声で何処からか円が出現、そこからインペライザー3体と...嘘ぉ!?

 

 

「インペライザー!?それも3体...!」

 

「でももう片方の怪獣はドキュメントにデータありませんよ!?」

 

 

理恵と初春が出て来た奴らに驚く。

 

まあインペライザーはいてもぶっちゃけおかしくない。あれ機械だし。

 

 

でももう一つの黒い結晶を全身に貼っ付けたゴモラの姿につい叫んでしまった。

 

 

「スーパーアースゴモラ!?しかもレアなブラックプラズマソウルをあんなに貼っつけて...!」

 

「何よそれ!?」

 

「膨大なエネルギーを有する鉱石、プラズマソウルを取り込んだゴモラの一種、アースゴモラの突然変異体!それもレアでより高出力なブラックプラズマソウル付き!」

 

 

そう、奴はスーパーアースゴモラ。

 

簡単に言えばウルトラマンのいない宇宙、プラズマギャラクシーにいるゴモラの一種、アースゴモラの突然変異体。そのパワーは凄まじいの一言に尽きる。

 

 

でも相当な希少個体の筈。一体どうやって戦力にしたんだか...。

 

 

「あんなの倒せるのか!?」

 

「大丈夫!ゴジラとデストロイア、イリスにガメラと大混戦するより遥かに楽...な筈!」

 

『何があった!?』

 

「言葉の通り!さて...!?」

 

 

堂々と宣言してギンガスパークを取り出して気づいた。

 

ギンガスパークの裏側に亀裂が走っている。まさかベリアルにやられたあの時か!?最悪過ぎる!

 

同調してざっと損傷具合を確認したけど怪獣系列へのライブ不可能、さらに2体以上の合体を補助、制御するシステムまでやられた。

 

だがそれ以上にマズイ事にギンガのスパークドールズにも影響が出てる。変身出来なくはないけど必殺技の一部が使えないやら本来のスペックが出せないやら厄介な事に...。自己修復を最優先でかけてるけどどこまで期待出来るか...。

 

 

チッ、折角この世界で面白そうなゴジラとか合体でウルトラマンレジェンドやウルトラマンサーガとかやったら面白そうなのに!

 

仕方ない。ウルトラマン系列でいきますか。ここは...TPC総監があの人だしこれで行くか!

 

 

私が腰の四次元ポーチから取り出したのはウルトラマンティガのスパークドールズ。

 

それの左足裏のライブサインをギンガスパークの先端に刺してリード。

 

するとギンガスパークがウルトラマンティガの変身アイテム、スパークレンスに変化。

 

 

「変わった!?」

 

「大丈夫、私も最初は驚いた」

 

 

まさか変身アイテムが変身アイテムになるなんて...ねぇ。ワケガワカラナイヨ。

 

 

まあまずは奴らをぶちのめすのが先。ギンガスパーク改めてスパークレンスを一回体の前に構えてそして両腕をクロス。

 

さらに腕を大きく回してスパークレンスを空に掲げる。

 

するとスパークレンスの上部が開いて内部の水晶が露出、そして私は光に包まれる。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「TPC航空部隊から入電!ウルトラマンが現れました!」

 

「コスモスとメビウスか?」

 

「はい、ですがさらに別のウルトラマンまで...」

 

 

管制官がウルトラマン出現の報を口にして、リーダーが確認を取った。

 

 

別のウルトラマン...恐らく美鳥さんね。一体どんなウルトラマンなのか映像をモニターに投影してもらった。

 

そしてそこに映ったウルトラマンに私達は目を奪われた。

 

 

間違いない。額の結晶、乳白色に輝く目、赤と青紫そして銀のカラーリング、胸の金色のラインが入ったプロテクターと水色の光球。

 

かつて私達の世界を絶望の闇から救った超古代の光の巨人...

 

 

「ウルトラマン...ティガ」

 

「まさか...この世界でまた見る事になるとは...」

 

 

リーダーが呟いた。

 

 

彼女はティガ?でも変身アイテムは明らかに違っていたし、彼女はウルトラマンギンガと名乗っていた。

 

 

そこで気付いた。あの時、メビウスとコスモスにスパークドールズという人形を使って彼らの光エネルギーを回復させた。

 

 

そして彼女達を呼び寄せる前にベリアルが使っていたウルトラマンゼロのスパークドールズを調べた結果、そのスパークドールズは光エネルギーを内部に大量に保持していてさらにそのエネルギーを常になんらかの方法で光なしでもチャージしているらしい。

 

 

そこまで考えて気付いた。

 

まさか...彼女はスパークドールズを使って本来とは別のウルトラマンになれるというの!?

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

美鳥さんが変身したティガ、重福さんの見た目のミライさんが変身したメビウス、春上さんの変身したコスモスが光と共に降臨。これで3対5。

 

ウルトラマンギンガとは何だったのでしょうか...。

 

 

確実に美鳥さんとベリアルが殴り合うとすると後はスーパーアースゴモラのスペック次第ですかね。

 

 

「何か動かせる巨大戦力はないの!?」

 

「あ、そう言えばゴーカイオーとシンケンオーの修理、終わったらしいですよ?」

 

 

御坂さんの言葉に思い出した様に悪戯半分に返す。

 

 

念の為と美鳥さんから教えてもらいました。

 

自分はもしベリアル出て来たら間違いなく戦うからと。全くこんな事押し付けて...。

 

 

「本当!?じゃあゴーカイオーで行くわよ!」

 

「任せて下さい!」

 

「シンケンブルー!俺達もやるぞ!」

 

「勿論ぜよ!」

 

 

さて、これでは多分押し負けるので私もそれなりの戦力で行きますか。

 

 

《《発進!ゴォォォォカイガレオン!》》

 

《発進!ゴォォォォカイファイター!》

 

『...え?』

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

学園都市に現れたのはゴーカイオーとシンケンオーだけではなかった。

 

空中に巨大な赤いウィザードの魔法陣が形成、そこから2つの物体が現れる。

 

 

一つは飛行機というにはあまりにも無骨な空を飛び回る大型の機体。

 

そしてもう一つはゴーカイオーだがマストは黒く、そのマークはゴーカイジャーではなく髑髏。

 

 

知っている者はこう言うだろう。「何故偽ゴーカイオーがあるんだ!?」と。

 

まあ色々あったと言っておこう。だが一言言えば奪い取った物ではあると言っておくべきか。

 

 

「海賊合体!」

 

 

ゴーカイブラックに再変身した理恵の音声入力でゴーカイガレオンの内部の圧縮空間からゴーカイジェット、ゴーカイトレーラー、ゴーカイレーサー、ゴーカイマリンが次々と現れる。

 

勿論一部が黒いそれらはそれぞれ右腕、左腕、右足、左足となり胴体と頭部を構成するゴーカイガレオンに合体する。

 

さらにゴーカイジェットの後部にあったヘルメットがゴーカイガレオンの先端が開いて現れた頭部に合体する。

 

 

その姿は紛れもなくゴーカイオーだが何処からか現れた黒色のマントを羽織っていて刃の付いた海賊帽を被っていた。

 

そして右目には照準用の特殊レンズ装備してカラーリングが偽ゴーカイオー準拠まあ早いが話左手がフックじゃない偽ゴーカイオーである。

 

武装はゴーカイケン2基、頭部のゴーカイバルカン4基、両肩のゴーカイキャノン4対8基、両腕に連装ビーム砲のゴーカイブラスター、両目のゴーカイレーザーとゴーカイオーより重武装。元々ゴーカイオーを超えるゴーカイオーがコンセプトで建造された物なので妥当ではあるが。

 

 

「完成!カイゾクゴーカイオー!」

 

 

そして今回理恵はフル戦力ではないが可能な限りの手を打つことにした。

 

それがこれだ。

 

 

「海賊合体!」

 

 

その言葉と共に勢い良く飛び上がったカイゾクゴーカイオーの後ろにゴーカイファイターが接近、その腹をカイゾクゴーカイオーの背中にドッキングさせる。

 

そしてブースターの基部から関節が現れてただのブースターを推力偏向ブースターとする。

 

 

「完成、カイゾクゴーカイオーファイター!」

 

 

何故名前でファイターが後ろに来るのかというと、ファイターカイゾクゴーカイオーよりかっこいいらしい。

 

 

合体したカイゾクゴーカイオーファイターは飛び回り腕のゴーカイブラスターを連射モードで発射。

 

スーパーアースゴモラとインペライザー達を牽制しつつ着地してゴーカイケンを構えた。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

ウルトライブしてウルトラマンティガになった私はまず空中に飛翔してそこから手刀を作り一気に降下。

 

 

「ディバイディングフィールド!!」

 

 

そして地面に手刀を突き刺した。

 

すると突き刺した所から蒼いエネルギーが一直線に広がりその空間が押し広げる。そしてそこには半径20kmの巨大なフィールドが出来ていた。

 

私達はそこに着地する。

 

 

...はい。ガオガイガーのディバイディングドライバーです。あれ参考というかもろパクリです。でも便利だから謝らない、絶対に。

 

 

「何時ものあれかァ」

 

「街中だしねぇ」

 

 

ベリアルの言葉に答えながら一気に踏み込んでジャンプからの後ろ回し蹴りを叩き込む。

 

勢いをつけた蹴りならパワーで負けていてもそれなりの威力はある。

 

 

だからか、奴は受け止めず上半身を下げて潜る様に回避する。

 

 

「聞きたい事が...ある!」

 

「ほゥ...何だァ!?」

 

 

まあ避けるのは読んでいたから気になっている事を聞きながらハンドスライサーを3発発射。

 

ベリアルに命中はするけど効果なし。流石ラスボスと言わざるを得ない。

 

 

返しに爪を振るって斬撃を飛ばして来るので赤の部分の色が青紫になった機動力重視のフォーム、スカイタイプにタイプチェンジしてジャンプして回避、そのまま空中に静止しつつランバルト光弾を乱射する。

 

乱射と言っても一発一発は直撃コース。

 

 

ベリアルは悪役らしからぬ空中バク転や側転で回避した。あの爪でよく出来るな、おい...。

 

 

「何故あの渦を知っている!?」

 

「ああ、あれかァ。あれは俺がかつてゼロに敗れた時の事だァ」

 

 

私の怒鳴り半分な問いに何か悪役の癖に懐かしむ様に語るベリアルが生意気です。

 

ベリアルのくせになまいきだって事です。だってベリアルだし。

 

 

「俺様がアナザースペースに転移したのはあれのお陰でなァ。おかげさまでちっぽけだがエメラナ鉱石にありつけて進化出来たのさ」

 

「それがカイザーベリアルってわけか...」

 

 

まさかそんなサブストーリーがあるとはねぇ。

 

やっぱりあの渦は次元を繋ぐ扉だとしてもあまりにもタイミングが良過ぎる。

 

 

あの渦...何かある。それも途轍もない何かが...。

 

 

「話は終わりかァ?なら行く...!?」

 

「くっ...!?」

 

 

突っ込んでくるベリアルに気づいて思考を中断して迎撃しようとした時、力が抜けて地面に倒れる。

 

ベリアルやスーパーアースゴモラも同様で理恵のゴーカイオーを見るとゴーカイオーも地面に落下して動いていなかった。

 

 

因みに私は千早じゃないからね?胸あるからね?72と一緒にしないでよ?

 

 

「何だァ、これはァ!?」

 

 

爪や足先といった先端から粒子化しているベリアルはもがいていて動けない。

 

私もウルトライブが強制解除されて地面に突っ伏してしまう。

 

 

まずい...この世界が私達という異物を本格的に弾きにかかったか...!

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

取り敢えずコスモスとメビウスがスーパーアースゴモラを押さえ込んでいる間にインペライザーを撃破しようという事になりました。

 

 

3対3なので一機ずつ相手する事になり、このディバイディングフィールド内に散らばって戦闘開始。

 

私は高機動を活かしての上空からの射撃の雨嵐でインペライザーの一体を抑え込みつつ他の様子を見る。

 

 

シンケンオーはダイシンケンでインペライザーのインペリアルソードを受け止めた。

 

でもシンケンオーは約52m、インペライザーは60m。それにダイシンケンは刀でインペリアルソードは大剣という事もあり、シンケンオーは受け止め切れずに地面に倒れこむ。

 

だが流石と言うべきか、その勢いで強引に後ろに受け流して一太刀を浴びせている。

 

 

そしてゴーカイオーは巨大ロボットの割りには軽快な動きで敵の間合いの内側に切り込んではゴーカイケンでヒットアンドアウェイ。的を絞らせる余裕を無くす戦法ですか。

 

一方的ではありますけど装甲は抜けていませんから妙な均衡ですね。でもあれならちょっとしたキッカケで確実に崩壊する筈です。

 

 

じゃあこっちもちゃちゃっと決めますか。

 

 

メビウスとコスモスはスーパーアースゴモラのパワーに対抗し切れずちぎっては投げ、ちぎっては投げ状態ですよ。何ですか、あのチート。

 

 

兎に角助けた方がいいと思ってケリをつける為に一気に降下ようとして......力が抜けた。

 

慌てて力を入れようとしたが力が入らず、さらに全身に激痛が襲いかかる。

 

そんな状態で操縦が出来る訳なく、カイゾクゴーカイオーファイターはディバイディングフィールドの地面に落下する。

 

 

その衝撃で操舵輪を手放してしまいモニターとの間に転がり込んでしまった。

 

でも戻るだけの余裕もなくただ蹲るだけしか出来ない。

 

 

でも見えた。私の指先や足先から粒子が溢れている光景を。

 

元に戻った美鳥さんやスーパーアースゴモラ、ベリアルも同じ状態。

 

 

間違いない...この世界が私達を異物として弾き出そうとしている。

 

最大の敵は世界そのものってわけですか...。

 

 

《理恵...しっかり...しろ...ぉ!》

 

《ガ...ァァァァ...》

 

 

ドラゴンもトバスピノも人の事を心配出来る状況じゃないじゃないですか...。

 

でも...こんな所で...消える?そんな事...真っ平御免ですよ...!

 

 

周囲は一言で言えば大混乱。特にメビウスとコスモスはいきなり倒れて苦しむ相手に驚いて攻撃をやめてしまった。

 

インペライザーも主君たるベリアルの状態に機械のくせに混乱。その隙にシンケンオーとゴーカイオーに再生装置を剣で貫かれて機能停止。

 

 

私達同様、消えそうになっているベリアルは闇の力を垂れ流しながらゆっくりと立ち上がった。

 

 

「俺様が消える...だとォ!?...ならァ...この世界も道連れだァァァァァァ!!!」

 

 

ちょっ!?自分が死ぬなら皆死んじゃえばいいって方式ですか!?なんて無茶苦茶な!

 

 

もうヤケになったと見るべきですか...。

 

でも最悪過ぎますよ!対処しようがない!戸惑って動きが止まっているこの世界のみなさんはもう間に合わない!

 

 

私達のせいでこの世界が...滅びるんですか...?

 

そんな事をしない為にこれだけの力があるのに私は...!

 

 

「させるかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

その時、いきなり聞こえた怒声の聞こえた方向に目を向ける。

 

腹から絞り出すようにその怒声を上げた美鳥さんがあの短剣、ギンガスパークを掲げる。

 

すると銀河系みたいな光が溢れてその中から頭部・胸部・両腕・両足に水色のクリスタルを備えたウルトラマンが出現、飛び蹴りでベリアルの顎を蹴り飛ばす。

 

 

もしかしてあれが...ウルトラマンギンガ!?

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

ベリアルの自爆技をギンガにライブして飛び蹴りで強引に中断させて吹き飛ばして着地する。

 

 

あー、辛い辛い。正直立っているのも辛い。

 

ほら、カラータイマーも変身直後なのにもうピコピコなってるよ。

 

 

「大丈夫なのか?見るからに消えそうだが」

 

「始めましてになるかな?この世界のウルトラマンコスモス。一気に決めるよ、奴も消滅寸前なら力は削がれてる」

 

 

肩に手をかけてくるコロナモードのコスモスに答えながらしっかりと気合いで立ち上がる。

 

 

「でもあなたも...」

 

「まあどうにかなるよ。奴を速攻でぶちのめしてすぐに離脱すれば多分ギリギリ」

 

 

嘘です。こんなの詭弁です。

 

下手したら奴と同時消滅どころかこっちが先に消滅するのもあり得る状態です。いつまで持つかは悪運次第です。

 

 

でもここまでして命を懸ける理由はある。

 

 

「それにさぁ...私達のせいでこの世界が消し飛ぶのは気に入らないのよねぇ」

 

 

たったそれだけ。それだけの理由と笑うだろうけどこれだけの理由があれば充分。

 

 

いつも私達の戦いはこうだからね。

 

気に入らない何かをぶっ飛ばす。何て傲慢な理由で自分勝手な理屈なんだか。

 

 

「さて、こっちにはウルトラマン3体に戦隊ロボ3体!オマケに上空援護がありと来た!さっさと決める!」

 

《Sound System Standby 『英雄の詩』》

 

「面白い...かかって来い!全て叩き潰してやるゥ!」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

この音楽が流れながらの戦いは膠着していた。

 

 

シンケンオーの右からの薙ぎ払いを左手の爪で弾いて逸らしながら右足で殴りかかる僕の腹を蹴り飛ばす。

 

そして右手を空に翳して発生させた衝撃波を上空から突撃する戦闘機を発射されたミサイルごと纏めて叩き落とす。

 

 

リュウさん達は各々脱出システムで無事脱出してこの空間の外に降りるのが見えた。

 

これが本当に消滅寸前の奴の力なのか!?

 

 

《下がって下さい!一撃叩き込みます!》

 

 

ゴーカイガレオンと戦闘機が現れた時の魔法陣が再び現れてそこから青い機械の恐竜が出現、ベリアルに飛び込んでバク転しつつキックを叩き込む。

 

ベリアルは想定外の攻撃によろめく。

 

 

「ガァァァァァ!!」

 

「機械の恐竜だとォ!?舐めるなァ!」

 

 

さらに腕に噛み付いた恐竜を力任せに引き剥がすベリアル。

 

その後ろにあのカイゾクゴーカイオーが忍び込んでいた。

 

 

《この間合い...頂きます!》

 

 

ベリアルが咄嗟に振り向いて左手の爪を振るうけどカイゾクゴーカイオーは左手のゴーカイケンでそれを受け止めつつ引き抜く形で傷をつけた。

 

そして右下から振り抜いた右のゴーカイケンがベリアルの左手の爪のさっきつけられた傷に直撃して爪を斬り裂いた。

 

 

「貴様ァ!」

 

「させない!」

 

 

振り抜いた勢いで一気にブースターの加速も使って離脱するカイゾクゴーカイオーに対して怒り心頭で右手の爪を突き出すベリアル。

 

それを抑え込むのはコスモスさん。

 

 

コロナモードのコスモスさんは挟む形で押さえ込んだ腕を上に弾いて全身のパワーを集中させた拳をベリアルの腹に叩き込んだ。

 

叩き込んだ状態のコスモスさんの後ろから僕が飛び込んで錐揉み回転しつつキックを顔面にさらに叩き込む。

 

 

ベリアルは堪らず仰向けに倒れる。そして

 

 

《ゴーカイスターバースト!》

 

《ゴーカイガトリングブラスト!》

 

 

ゴーカイオーとカイゾクゴーカイオーの胸のハッチが開いて現れた大砲とガトリングからそれぞれ砲弾とビームの雨を起き上がったベリアルに撃ち込む。

 

 

「貴様ら...ァ!」

 

「まあ...運がないとでも思いなさいな」

 

 

起き上がったベリアルに声をかけたのは両腕をクロスさせて全身のクリスタルが桃色に輝かせたギンガ。

 

 

実は僕らが戦っている間、ギンガはずっとこのタイミングの為に光線の為にチャージしていました。

 

その甲斐はあった様で横に開いていく腕の間に一目で分かるほど膨大な虹色のエネルギーがチャージされている。

 

 

「ギンガサンシャイン!」

 

 

そして偶然音楽と合うタイミングで両腕を突き出した。そこから発射された虹色の光線がベリアルに突き刺さる。

 

ベリアルは踏みとどまるけど体から闇が漏れ出している。

 

 

「グォァァァァァァ!!??ギ...ギンガァァァァァァァ!!!」

 

「うっさい!とっとと死ね!死んで私に詫びろ!迷惑かけさせた罪をな!!」

 

 

やっぱり彼女は世間一般で言うヒーローじゃないようです。

 

ゼロよりも口悪いどころか言葉が悪役のそれですし...。

 

 

兎に角、ベリアルは何かが割れる音ともに爆発。この開かれた空間を爆発が包む。

 

 

凄まじい爆発の衝撃に逃げる事が出来ないからコスモスさんとバリアを張ることで耐える。

 

 

でもそのベリアルの爆発が消えた時、彼女達とスーパーアースゴモラは消えていた。

 

まさか...彼女達も消えた...?

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

ベリアルを中心に起こった爆発が晴れると美鳥達はいなくなっていた。

 

それを確認した直後、この美鳥の手で開かれた空間が元に戻ろうとしたから急いで離脱する。

 

 

コスモスとメビウスに引っ張られてぶら下がっている状態で黒子が呟いた。

 

 

「消滅...したのでしょうか...」

 

「でも脱出しているかもしれない。あの2人が為す術もなく消滅なんて想像出来ないわよ」

 

 

黒子の口からポツリと出てきた言葉に固法先輩が反論した。

 

そして...納得した。あれだけ好き放題暴れていたのにこんなあっさり死ぬなんてあり得ない。

 

 

それに決して馬鹿じゃない。前々から気付いている節はあったから当然対策は練っている...筈。

 

 

「あれ?御坂さん、足元に何か落ちてますよ?」

 

 

そう思っていると佐天さんが私の足元を指差して指摘した。

 

 

足元?佐天さんの言葉の通り足元を見てみると何かを包んだ紙があった。

 

 

拾って分かったけど結構ズッシリしている。そしてコインみたいなのが入っているのにも気づいた。

 

まさかだと思って包みを開くと、中には美鳥の使っていたユニコーン、ドラゴン、グリフォンのコアメダルとさらにサソリ、カニ、エビのコアメダルとデータチップが入っていた。

 

 

「これって...」

 

「美鳥さんから...ですよね?」

 

 

間違いないと思う。あいつはこうなる事も想定済みってわけ?

 

 

取り敢えずあの子達の助けもあって無事学園都市を守れた。

 

 

後で皆でこのデータチップは調べてみようと思う。

 

当然あいつにも渡してあっちでも見てもらう。

 

 

きっとただのデータチップな訳ない。必ず何かあると思うから...。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「し、死ぬかと思った...」

 

「こっちのセリフですよ、美鳥さん...」

 

 

取り敢えず危機は脱した。

 

小惑星帯の中を浮遊しているゴーカイガレオンの中で私は理恵と背中合わせにへたり込む。

 

 

脱出のタネは簡単。

 

私達ウルトラマンは次元ゲートを作る事が出来る。

 

それを感覚に任せて急いで作り、理恵のゴーカイオーとスーパーアースゴモラを強引に引っ張って脱出した。それだけです。

 

 

ベリアルは多分死んだ。カラータイマー割れる音が聞こえたし、ギンガサンシャインには闇を払う力がある。

 

本来なら最強技のギンガエスペシャリーを使いたかったけど私とギンガを繋ぐギンガスパークの損傷故に無理だった。

 

 

「でもスーパーアースゴモラまで助けてどうするんですか?一体...」

 

「ん〜...別に敵意はなさそうだしこのままカプセル怪獣にしよっかなーって考えてる」

 

 

理恵の問いに答えながらゴーカイガレオンの中から小惑星帯に降りたスーパーアースゴモラを見る。

 

あれだけ暴れていた割には随分と大人しい。

 

もしかしてベリアルに対する恐怖で必死に暴れてたのかな?見た目と性格って案外一致しないもんだねぇ。

 

 

「...またチートですか」

 

「あんたも大概でしょうが。でも絶対私達だけじゃないって、さらにチート化するの」

 

 

絶対終夜か遊梨はさらにチート化すると思う。

 

遊梨は未知数過ぎて何が起こったって不思議じゃないし、終夜は私達を完膚なきまでにぶちのめした神の力を完全コントロールしているわけじゃない。

 

もしコントロール出来る様になったら冗談抜きで神様よ。

 

 

ちくしょー!私は未だに中ボスかぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

 

 




今週のCM
美鳥:「というわけで出張版な今週のCM!神崎美鳥でございます!」

理恵:「川北理恵です。というわけで今回は今回コラボしたマッスーHERO様のとある英雄の伝説大戦です」

美鳥:「んじゃあらすじから。事は第3次世界大戦終結後からちょっと経った時、つまり新約3巻からの分岐ストーリーにあたるね」

理恵:「簡単に言えば学園都市に特撮の悪者達が結集した組織、リベンジャーが学園都市に大挙来襲。とある世界はヒーロー達の活動が制限される世界だったんです。私達も似た様な感じですね」

美鳥:「まあ細かくは後書きで。んでそこでヒーローがいないのをいい事に好き放題大暴れする怪人達。そんな怪人達に追い込まれるお姉ちゃん達!そして誰かを救える力を願った時!...世界は爆ぜた」

理恵:「爆ぜてませんよ!?まあこれから先はあちらをご覧下さい。
そして作品の特色は特撮リスペクトだと思うんです」

美鳥:「あー、成る程ね。確かに本家特撮メンバーも結構いるし話も本家の時の事が結構絡んでるからね。うちのにわか作者とは大違い」

理恵:「まあ今更ですし放っておきましょう。
というわけでどうぞご覧になって下さい。というよりあちらにはこの話の保管話が上げられている予定なのでそちらも含めて見ると一層楽しめるかと思います。
では川北理恵と」

美鳥:「神崎美鳥でした!次に会う時は途中で止まっている私達のストーリーだ!諸君!」

「そんなヒーロー対悪の軍団の戦いの日々、興味ある方は是非どうぞ。
http://novel.syosetu.org/5398/」

作者:「どうも、堕落天使でございます。今回は美鳥と理恵がお邪魔いたしました。
この作品は特撮を知れば知るほど楽しめる作品だと個人的に思っています。特撮オタクなら見覚えのある(?)のが結構ありますし、意外と奇策で乗り切る場面も多いのでこう来るか、と感嘆する事もあります。
毎回言っていますが、是非一度ご覧になってはいかがでしょうか?コラボしている事もありこちらのカバーストーリーを投稿してくれるとの事です。そちらも読んでくれればより楽しめると思います」



後書き
美鳥:「全3話のコラボ3編、終わったねぇ。あ、神崎美鳥です」

理恵:「お疲れ様でした。川北理恵です。今回は書き溜めてからですよね。いつからでしたっけ...」

美鳥:「確かコラボ募集していたのを見て4月14日にコラボを申し出て、無事に了承されてこうして書きためていたわけだけど遅過ぎでしょ!約8ヶ月ってなんだ!?」

理恵:「流石作者。遅過ぎです」

美鳥:「そもそも私達の話は途中なのにこんな盛大なネタバレをして果たして許されるのだろうか...」

理恵:「あ、あれです。先を知っているからこそ楽しめるのもありじゃないでしょうか...」

美鳥:「でも私達の話を蔑ろにしていいわけないじゃない。というわけで急ぎなさい。言いわね!」


(美鳥さん、マジですみません。急いで書く事を確約いたします...。
今週のED:ウルトラ超特急『Starlight』)


美鳥:「そうだよ〜。早く書いてくれないと困る訳ですよ。後続もあるんだし」

理恵:「ですよね。泣いてますよ、今頃きっと...」


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