風見幽香でさえも、俺には勝てない。 (℃M)
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蜜柑一個目。

別小説が勢いで書きすぎて難産なのでこちらを投下。
なお、こちらも勢いで進むもよう。


 

「くっ……はぁ、はぁ……!!」

 

逃げなさい、風見幽香……!!

 

「ッ!!……八雲紫……あなたこそ逃げた方がいいんじゃないかしら……!!」

 

意地を張ってる場合!?早く、早くここから逃げなさい……私はもう……。

 

「諦めちゃだめよ!ここから生き残って出るんじゃなかったの!?」

 

そんなこと、わかってるわよ……!!でも、私には……うああああぁぁぁっ!!

 

「八雲紫ッ!ふざけるんじゃないわよ!!まだ頑張れるでしょう!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あのー、そろそろ静かにしてもらえないっすかねー』

 

「あら、ごめんなさい。でもあなたが悪いのよ?こんなにいい炬燵を用意したあなたがね」

 

『そんなこといわれたって……あちゃー、八雲さん寝ちゃったよ。炬燵で寝たら体が痛くなるのに……能力つかわなくちゃぁな』

 

「あら、どんな能力かしら?って、あまり聞かないほうがいいかしらね。」

 

『いやー、大丈夫っすよ。だって戦いにも使えないし。まぁ、自分の能力は

[心地良い眠りに就かせる程度の能力]と[暖を司る程度の能力]っすかねー。』

 

「二つもち……すごいじゃないの。って、司るなのね。操るじゃなくて」

 

『やっぱ珍しいっすかねー?でも司るの方が良いから気にはしてないっす』

 

「まぁ、暖かいからどうでもいいわよ。……あなた、私のペットにならない?」

 

『ペットっすかー……自分、あまり主従関係とか好きじゃないんですよねー』

 

「あら、そうなの?じゃあ居候……みたいな感じは?」

 

『それぐらいなら大丈夫っすね。いやー、最近この幻想郷に来たんで、それなら安心ですわー』

 

「私も安心よ。ところで、幻想郷に来る前は何してたの?」

 

『普通に炬燵やってましたよ?結構年寄りな家の。長年炬燵やってたんでもうそろそろ付喪神になれっかなー?って思ってたら亀になってました。』

 

「炬燵にこもった?」

 

『ええ。炬燵にこもった。』

 

「ふーん……そういえば、あなたのこと何て呼べばいいのかしら?」

 

『亀さんでいいっすよ。何なら風見さんが付けてくださっても』

 

「じゃあ付けさしてもらうわ。こもっているから……こたつむり?」

 

『亀なのに蝸牛とはこれいかに。でも語呂いいっすねー、それにしますわ』

 

「あら、ふざけていったのだけど……まぁいいわ。これからよろしくね?こたつむりさん。」

 

 

 

 

 

危険度:皆無  人間友好度:極高

 

二つ名『生きて帰れぬ炬燵』こたつむり

 

幻想入り、はじめました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え?ちょっとまって!?なんか暗い!ちょ、風見幽香!そこにいるのなら返事をして!!

 

 

『とりあえず、炬燵には頭から入らないようにしてくださいねー」

 



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蜜柑二個目。

せ、せ、戦闘描写が嫌いなんじゃあああ!!


 

◆翌日◆

 

 

「今更だけど……あなた、どれぐらい強いのかしら?」

 

『どのぐらいーもなにも、自分は戦いとは無縁だったんでわかんないっすわ』

 

「あー……ここ、幻想郷では妖怪同士の戦いもあるわ。どれぐらいがを知っとかないと、このあとがやばいわよ。」

 

『どーせこの家からあまり動かないつもりですし、そんなことをする必要はないですー』

 

「はぁ……あのね、自分で言うのもなんだけど、私は結構恨みを買っちゃうのよ。花を無意味にちぎってたりすると怒っちゃうのよね。」

 

『……まさか、この家を襲いに来る可能性が?』

 

「その通り。まぁそんなわけで、今から外でるわよ。」

 

『なぬ……?』

 

「ほら、早くしなさい!」

 

『いやだ、いやでござる!この家から出たくは……わかりましたよ!いきゃーいいんでしょ?』

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

「そんなわけで、私に思いっきり攻撃しなさい。私もするから。」

 

『いやいやwwwwwここでゆうかりんを攻撃するとk「ゆうかりん?」すいませんでした。……いやですね、幽香様を思いっきりったってさすがにできませんよ』

 

「大丈夫よ。あなた程度じゃ私は倒れないわよ。さあ、来なさい。」

 

『……わかりました。ならば暇なときに練習した俺の最強ウルトラエクセレントアタックを「早くきなさい」……くぅらえぇぇぇ!!』

 

そう叫ぶと、こたつむりの炬燵に光の線が引かれていく。

 

長方形から正方形を切り取り、また残った長方形から正方形が切り取られる。その連鎖がされるなか、正方形の角の点を滑らかに、しかし確実につながれていき、うずまきができていく。

 

 

『ふーはははー!見ろォッ!これが黄金長方形の力だぁぁ!!』

 

「んなッ!………チッ!!」

 

幽香は舌打ちをすると、防御に使っていた傘を捨て横に避ける。

 

「……なかなかやるじゃない。ちょっとだけ本気を出そうかしら……?」

 

『そんなーんどーでもいいんですよぉー、まだやるんですかね?』

 

「ねぇ、どうしてそんな技を編み出せたのかしら?できればでいいから教えてほしいんだけど。」

 

『どうしてーもなにも、普通に遊んでたらできましたぁん。……で、どうする?[再び]かい?再びかァァァァァイ?』

 

「……今のはカチンて来たわ。カチン、てね。喰らいなさい、これが幻想郷での戦い方よ。」

 

そういうと幽香は、捨てた傘を拾いこちらに向けてくる。

 

そして何かを唱えると、傘の先の方に何かが集まってきた。

 

「……スパーク!!」

 

最初の方はぼそぼそと、そして最後にはっきりと叫ぶ。

 

……ってやっば!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、やりすぎちゃったかしら。」

 

『……やりすぎだっての……!炬燵の中に入ったから無傷だったものの、反応が遅れたら俺の人生おじゃんだぞ!』

 

「炬燵は壊れてないのね。」

 

『あったりまえだろー!……たしか、こーだっけか……よっしゃ!イメージなら完璧だ!今から撃つぜ!』

 

「撃つってなにを……なぁっ!?」

 

 

こたつむりが口を広げると、顔の前に光が集まっていく。

 

やがてそれは、炬燵一つ分の大きさとなった。

 

『技名は……決めた!うおおおぉぉ……』

 

 

『マスパースターク!!』

 

そう叫ぶと、光は全方向に、一本のレーザーとして飛んでいく。

 

 

「ちょ、マスタースパークじゃないのねって……ありえなッ……~~~!!っだぁ!」

 

そして砲撃は消えた。幽香は立っている。しかし、防御に使った傘は壊れていた。

 

 

 

◆◇◆◇

 

 

『ほんっとうにすまん!』

 

「だから、傘のスペアぐらいあるわよ。それより、あなたならこの幻想郷でもやってけるわね。……てか上位の方よ。」

 

『おおーう、まじですか。』

 

「ええ。まぁ、この幻想郷には「弾幕ごっこ」って決闘ルールがあってね?スペルカードってシステムを使って必殺技……さっきの砲撃のようなものを撃つのよ。」

 

『弾幕ごっこ……決闘なのにごっこって……プッフォォー!!』

 

「吹き出してないで……話を続けるわよ。それで、スペルカードってのは自分で作るのよ。あなたもここにいる以上、一つは作って損はないわ。さっきのあなたの砲撃のを作ってみる?」

 

『んー……そうだな。作っておこう。』

 

「それで、スペルカードはね?私の[花符「幻想郷の開花」]みたいに、名前を作るのよ。じゃあ、この紙で作ってみて。」

 

そう言うと、俺に白い紙を渡してきた。

 

「念じると作れるわよ。」

 

『念じる……こうか?』

 

目を開けると紙は、白くはなく、綺麗な絵が書かれている。ていうかまんま俺の砲撃だ。

 

『名前は……[偽符「マスパースターク」]に決めたぜ』

 

「偽?」

 

『ああ。ゆうかりんがスパークって呟いたのが元だかんな』

 

「またゆうかりん……まぁいいわよ。これで貴方も決闘ができるようになったのね。」

 

『おう。これで今度から家からでなくてもいいんだな。』

 

「はぁ……ダメよ。この幻想郷で生きるには絶対に会った方がいい人物がいるからね。二人の内、一人はあったことあるけれど」

 

『二人……その中の一人はあったことある?……俺、ここではゆうかりんと八雲しか……ハッ!?さてはゆうかりん……!!』

 

「残念。八雲紫の方よ。もう一人は博麗の巫女って呼ばれてる人物よ。まぁ、私よりも強いわ。」

 

『ゆうかりんよりも強いとか鬼ですかね。』

 

「どういうことかしらね?じゃあ、明日会いにいくわ。その時に、きっとだけれど、弾幕ごっこになる可能性があるから今日は寝たほうがいいわよ。」

 

『おっす!じゃあもう寝るわー……炬燵で寝るときはクッションか何かを使ったほうがいいぞ?』

 

「……それもそうね。」

 



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蜜柑三個目。

勢いで書きすぎたんだ。



しかし後悔なんてものはない。ないったらない。


◆翌日◆

 

博麗神社。そこには二人の妖怪と一人の人間が話をしていた。

 

 

「あー……いいわぁ……あったかいわぁ……」

 

「……そろそろ、話をしたいのだけど?」

 

「んー?……いいわよぉー……なんでもぉ……」

 

『……ゆうかりん。俺は博麗の巫女さんに話をしに来たんだが……どこにいるんだ?』

 

「貴方の中でぐうたらしてるのが博麗の巫女よ。」

 

『あぁ?この少女が?……んなわけwwwゆうかりんがこんな小娘に負けるわきゃないだろwwww』

 

「実際負けてるのよねー……それも、本気の戦いで。あー……[闘い]じゃないわよ?ガチな戦闘の方よ?」

 

『それこそないないwwwwこんな小娘に勝てるわきゃあ……まじで?』

 

「マジで、よ。」

 

「あー……そこの花妖怪……蜜柑とりなさい。」

 

「はぁ……ちょっとまってなさい。じゃあこたつむり、霊夢の話し相手よろしくね。」

 

『ゆ、ゆうかりんがオカンしてる……っと、お嬢ちゃんが博麗の巫女さんでいいんだよな?』

 

「………」

 

 

 

 

 

「ハァッ!?」

 

巫女さんがこっち向いて驚いてる。何か変な顔だったかね?

 

「こ、こ、こたつに顔が生えてる……」

 

『今更ですかい!俺は!妖怪のこたつむりってんだ!さっきから話してたよなぁ!?』

 

「そんなん全然聞いてないわよ!って寒ッ……」

 

あちゃー、そんなに急いで炬燵から出たら寒いに決まってんのに……。

 

「うぅ~、寒い寒い……暖かい……」

 

なんか、ゆうかりんの心がわかりますわ。こんなにも俺という存在を喜んでくれるなんて、心奪われますわ。

 

『あー、うんうん。眠かったら寝ていいからね。能力で気持ちよく寝られるはずだから。』

 

「だぁいじょうぶよぉ……眠くなんか……な……ぐぐぐぐぐ……」

 

うっわー、堪えきれなかったみたいだわー、すげぇ幸せそう。

 

「霊夢―、とりあえずこのくらい……って寝てるの?」

 

『幸せそうにね。この娘、霊夢ちゃんが寝ちまうせいで、まったく……話もできやしないぜ』

 

「ふふっ、あなた、とても嬉しそうな顔よ?」

 

『あったりまえだろ?俺のことをこんなに幸せそうに扱ってくれるなんて……人間だったら惚れてますわ……てか娘にしたい。』

 

「いきなり気持ち悪いことを言わないでちょうだい。……まぁ、わからないってことはないけれど。」

 

『俺が父でゆうかりんが母?』

 

「炬燵と結婚とかクソワロ。頭冷やすどころか凍らせて出直しなさい。」

 

『あちゃー、フラレたわー……んん?なんか腹のあたりがもぞもぞするな……』

 

霊夢さんや、そんなに動かないでくだせぇ。くすぐったいから。

 

「んん……父……さん…。」

 

 

 

 

 

 

『ゆうかりん!今俺、父さんって!?』

 

「だ、だだだ大丈夫よ、きっとこれは私のことを言ってるはず!」

 

『ダメだこいつ動揺してる!……こここ、これ、本当に俺のことかね?』

 

「た、たとえそうだとしても、何であんたのことを?」

 

『んー……きっと俺のことじゃないな。俺の能力のおかげで父親が出てくる夢でもみてるんだろう。』

 

「あー、[心地良い眠りに就かせる程度の能力]だっけ?それなら傾けるわ。」

 

 

しかし、父親の夢が心地良い?父親のことがよっぽど好きなのかね。

 

 

『この娘の父親も幸せだろうなー、反抗期なんてなさそうだわ。』

 

「……父親、ねぇ。」

 

『……どうしたんだ?ゆうかりんよ。』

 

「いや、この娘の父親ってどんな人なのかってね。」

 

『会ったことないのか?』

 

「この娘は小さいころから博麗の巫女として八雲紫に育てられてきたみたいだからねぇ……父親のことは覚えてないんじゃない?」

 

『……博麗ってのも大変なのなー。しかし、父親がいないってのも年頃の娘にゃ辛いだろ?』

 

「まぁ、親の温もりは知るべきだと思うわ。」

 

『そこで俺は考えた。父親がいない。この娘だって父親の夢を見るほど父親を想っている。』

 

「そ、そうね。とりあえず私に向けて顔を伸ばさないでちょうだい。」

 

『つまりはですな。俺が父親になろうと思うのよ。』

 

「……頭大丈夫?」

 

『正常です。』

 

「……少しでいい。少しで良いから考えてみて。自分は人間で、父親が炬燵に入った亀。……グレるでしょ?」

 

『最高ですな。』

 

「ダメだこいつ、早くなんとかしないと……」

 

 

良い提案だと思うんだがなぁ?まぁ霊夢ちゃんに判断を任せるか……。

 

 

「んん……んぅ?私、炬燵で寝てたのかしら……って、あの炬燵亀で寝てたのか……あら幽香。蜜柑もってきてくれた?」

 

「もう、ずっと前にね。幸せそうだったから起こすに起こせなかったのよ。」

 

「ごめんなさいね。何か……父親の夢を見たみたいで……あ、父親っていっても本当かどうかわからないわよ?雰囲気がそれっぽいから…まぁ、その雰囲気さえもわからないのだけど。」

 

『……霊夢さんや。』

 

「あら、亀さん。どうしたのかしら?」

 

『父親の夢を見たのかね?』

 

「……えぇ、そうよ。」

 

『そうか。父親はいないのか?』

 

「そうね。私には父親どころか親がいないわよ。いや、わからないって言った方が良いわね。」

 

『……父親、ほしいかね?』

 

「……何言ってるのかわからないけど、ほしいっちゃほしいわね。周りの話を聞くに、とても暖かい存在なんでしょ?」

 

『そうか。……どうだ、ここは一つ……この炬燵の娘にでもなってみんかね。』

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァッ!?」

 

『いやいや、嫌ならば断っても良いんだ。だって俺亀だし。炬燵だし。』

 

「えっと……父親になってくれるって気持ちは嬉しいのだけど、さすがに初対面ではね……あぁ、人間じゃないってのもあるけど。」

 

んー、やっぱりかぁ。娘ゲットのチャンスだと思ったのになぁ。

 

「まぁ、話し相手としての関係なら嬉しいわよ。……えっと、こたつむり?さんだっけ。今は、話し相手で良いかしら?」

 

『話し相手ってのも悪くはないな。……ん?今は?今後の気持ち次第で娘になってくれるってことか?』

 

「……そうね。妖怪の子供っていう人間もいるし。この気持ちが変わるかもしれないから。」

 

『それは嬉しいな。じゃあ、よろしく頼むよ。霊夢ちゃん。』

 

「えぇ。こちらこそ、よろしくね。」

 

あぁ……なんて良い笑顔なんだ。これは是非とも娘にしたい。これから頑張ろう。

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

「いきなりあんなこと言うなんて思わなかったわよ。」

 

『可愛かったんだ。しょうがないでしょー。』

 

「はぁ……あの娘が本当に娘になるって言ったらどうするつもり?」

 

『責任を持って育てさせていただきます。てか、あんなに可愛いおにゃのこを大切にしない親なんていませんよい。』

 

「おにゃのこ……なんか気持ち悪いわね。てか、今回の話で思ったんだけど……」

 

『ん?』

 

 

 

 

 

 

 

「あなた、キャラぶれ激しすぎない?」

 

『うっせぇ!こちとら美人に囲まれて動揺してるんじゃい!』

 



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