Angel Beats! 新たな人生 (二重世界)
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プロローグ 再会

俺は今、妹である初音と買い物をしているところである。

 

「やっぱりお兄ちゃんと一緒にお出かけは楽しいね」

 

「ああ、そうだな。お兄ちゃんも初音と一緒にお出かけ出来て楽しいよ」

やっぱり俺の妹は可愛いな。血が繋がってなかったら恋人にしたいくらいだ。

 

「にしても、もうすぐお兄ちゃんと一緒に学校に通えるんだね」

 

「ああ、楽しみだな」

 

俺と初音は両親が仕事で海外赴任することになったので親戚が大家をやっているマンションで二人暮らしをすることになった。

昨日、荷物を運び終わり今日は新しく住む町を散歩するついでに生活に必要な物の買い出しに来ている。

そして俺達が転校するところは小中高一貫の学校である。つまり校舎こそ違えど毎日、初音と一緒に登下校出来るのだ。ああ、楽しみだ。

だが俺は何かが足りない気がして仕方がない。それは昔からずっとなのだが何か大切なことを忘れているような、そんな気がしている。その何かがどうしても思い出せないが俺にとって忘れてはいけない物のような気がしている。

 

「お兄ちゃん、ボーとしてどうかしたの?もしかして初音と一緒にいるの楽しくない?」

 

「いやいや、何を言っているんだ。お兄ちゃんは初音が大好きなんだ。そのお兄ちゃんが初音と一緒にいて楽しくないわけないだろ」

 

「そこまで言われると恥ずかしいよ……」

ああ、照れている初音も可愛いな。まさに天使だ。……天使?あれ、何か思い出せそうな気が……。

 

「フンフン、フフン」

今、俺の隣を鼻歌を歌いながら白いワンピースを着た小柄な女の子が通り過ぎた。

ああ、一目見た瞬間に思い出した。何で今まで忘れていたのだろうか?

 

「かなで!」

俺は気付くと手を伸ばして彼女の肩を掴んでいた。

 

「……結弦?」

おお、かなでは俺のことを覚えてくれたのか。いや、俺みたいに今思い出したのかもしれない。だが、そんなことはどうでもいい。かなでにもう一度会えただけで幸せだ。

 

「……お兄ちゃん?知り合い?」

 

「え、あ、え~と……」

どうやって初音に説明しようか。本当のことを説明して頭のおかしいお兄ちゃんだと思われるのは嫌だ。それにお兄ちゃんに恋人がいると知ったら悲しむかもしれない。

 

「かなでちゃん、知り合いなの?」

げっ!ゆりも一緒にいたのかよ。

 

「……恋人?」

 

「何で疑問系なの?」

それは俺も同意見だ。そこははっきりと恋人だと言ってほしい。

て言うか、ゆりは思い出してないのか?

 

「……?」

首をかしげている、かなでも可愛いな。

 

「何で首をかしげているのよ」

にしても、ゆりまでいるとはな。日向とかはどういうしているだろう?直井には会いたくないな。

 

「こうなったら貴方に聞くしかないわね。本当にかなでちゃんと恋人なの?」

かなでに聞くのを諦めて、俺に聞いてきた。

 

「……え!お兄ちゃん……恋人がいたの?」

俺に恋人がいると聞いて初音が悲しんでいる。ああ、俺はお兄ちゃんとしてどうすれば初音を悲しませずにすむんだ。

 

「え~と……」

 

「おっ、ゆりっぺ。こんなところで会うとは奇遇だな」

 

「ところでそちらの方はどちら様なんですか?」

俺が答えに迷っていると今度は日向とユイがやって来た。お前らもちゃんと再会出来てたんだな。嬉しく思うと同時にイラッとくるな。俺よりも先に会っているなんて。

 

「グワッ!」

とりあえずムカついたので一発殴る。

 

「お兄ちゃん、急にどうしたの!」

 

「初音、心配するな。ただの挨拶だから」

 

「って良く見たら音無じゃねぇか!久し振りだな。いや、この場合初めてまして、なのかな?」

 

「おお、確かに音無先輩ですね。お久し振りです」

ん?こいつらはゆりと違って覚えているのか?

 

「……どうした?もしかして俺達のこと覚えてないのか?」

 

「いや、覚えている」

 

「そうかぁ、良かったぜ。これで覚えてなかったら俺達、ただの痛い人だからな」

 

「大丈夫ですよ、先輩。先輩はいつも痛いですから」

 

「それのどこが大丈夫なんだ!お前には俺に対する先輩への尊敬が感じられねぇ」

そう言うと日向はユイにプロレス技をしかけた。いやぁ、懐かしい光景だな。

 

「イタタタッ!先輩も見てないで助けてくださいよ」

 

「日向、周りが注目して恥ずかしいからいちゃつくのは家でやってくれ」

 

「別にいちゃついているわけじゃねぇよ」

そう言いながら日向は技をといた。

 

「日向くん逹も知り合いなの?いい加減に説明してほしいんだけど」

 

「ああ、こいつは音無。俺の親友だ」

 

「そうなの?」

 

「ああ、そうだ」

日向に助けられるのは癪だが、ここは話を合わせるか。

 

「音無先輩と一緒にいる可愛い女の子はもしかして彼女ですか?」

 

「…………」

かなでが無言で睨んできているのが怖い。

 

「こ、恋人だなんてそんな~」

今日……いや、今までに何万回、何億回思ったが知らないが俺の妹はやっぱり可愛い。

 

「いや、妹だ。今日は引っ越して来たばかりだから生活用品を買いにきたんだ」

だが、かなでの前だし一応否定しておくか。

 

「おお、そうだったのか。で、何処の学校に通うことになってるんだ?」

 

「天上学院だ」

 

「だったら私達と同じ学校ね」

 

「おお、そうなのか。それは楽しみだな」

まさか、かなでと再会出来た上に同じ学校に通えるとは。

死後の世界では神に抗っていたけど、今だけは感謝しかないな。




感想とか貰えると嬉しいです。


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第1話 転校

俺は初音と一緒に家を出て登校中にかなでに会って三人で学校まで来るという幸せを味わってきた。

そして現在は俺が今日から通うことになるクラスの前にいる。ああ、緊張する。かなでと同じクラスになれたらいいな。

 

「じゃあ、入ってくれる?」

俺は担任の先生に呼ばれて教室に入る。

担任の先生は若くてスタイルも良い女性だ。こんな先生と放課後の個人授業とかやってみたい。

 

「……」

寒気がしたと思ったら、かなでが無言で俺を睨んでいた。俺の考えが読まれたのだろうか?

というよりも、かなでと無事に同じクラスになれて嬉しいぜ。

 

「俺の名前は音無結弦です。これから宜しくお願いします」

俺は無難な転校の挨拶をして教室を見渡す。

 

「……」

知っている奴等ばかりだった。

 

HR中だというのに机に突っ伏して寝ているのは岩沢か?気持ち良さそうに寝ているな。その後ろの席にいるのはひさ子だな。俺の顔を見て驚いているけど覚えているのか?

無愛想な顔をしているのは遊佐だな。

堂々とパソコンをしているのは誰だっけ……?確かクラ……何だっけ?そうだ、クラウスだ。何か違う気もするけど多分間違いない。

ガラの悪そうな奴が二人いるけど、どっちが野田でどっちが藤巻だっけ?武器を持っていないから見分けがつかない。

何か全く思い出せないけど見覚えのある奴もいるな。

TKと松下五段もいるな。

日向がこっちに手を振っている。何か気持ち悪いから後で殴ろう。

ゆりは不愉快そうな顔で俺を睨んでいる。

直井はいないようだな。助かった。

 

「じゃあ、音無くんはあそこの空いている席に座ってくれる?」

 

「分かりました」

俺の席はかなでと岩沢の間の席だな。ラッキーだ。

 

「これからよろしくな、かなで」

席に座ると俺は、かなでに挨拶した

 

「よろしく、結弦」

 

「よぉ、音無。久し振りだな。日向から簡単に話は聞いているが私のこと覚えているか?」

ひさ子が後ろから俺に言ってきた。

 

「ああ、覚えているぜ、ひさ子。にしても、ひさ子は記憶があるんだな?」

 

「後、岩沢や他のガルデモメンバーも覚えているぞ」

 

「関根と入江もこの学校にいるのか?」

 

「ああ、後輩だがな」

本当に戦線のメンバーが全員揃っているんだな。。このメンバーで直井だけいないのは気になるが、何故か聞かない方がいい気がする。

 

「ゆりは覚えてないみたいだったが、他にも覚えている奴はいるのか?」

 

「いない。覚えているのはガルデモメンバーに日向、それとお前達だけだ。椎名とTKはまともにコミュニケーションが取れないからよく分からないが」

椎名もいるのか。さっきは見かけなかったが別のクラスなのか?

 

「あさはかなり……」

 

「ウワッ!」

後ろにいたのか。全く気付かなかった。

もしかして、こいつ。覚えているじゃないか?

 

「どうしたんだ?うるさいぞ」

今の俺の叫びで岩沢が起きたみたいだ。

 

「ひさ子か?また胸が大きくなったのか?」

 

「いきなり何をいってるんだ、お前は!」

 

「痛いっ!いきなり何をするんだ、ひさ子」

ひさ子が岩沢に思いっきり拳骨をくらわした。

 

「って、あれ?お前、記憶無し男か?何でここにいるんだ!」

岩沢が俺に気付いて驚いた声を上げた。日向の話は聞いてなかったみたいだ。

 

「その前に俺には音無結弦っていう名前があるんだ。その記憶無し男というのは止めてくれ」

 

「分かった、結弦。で、何でお前がここにいるんだ?」

まさか、いきなり名前で呼ばれるとは思ってなかったから不覚にも驚いてしまった。

俺だから良いけど他の奴に、そんなに馴れ馴れしくしたら勘違いされるぞ。

 

「転校生、いきなり女子を口説くのは勝手だが、今は先生の授業を聞いてくれると助かる」

 

「口説いてません!」

いきなり何てことを言うのだろうか、この教師は。

それでも一応、先生の言うことが正しいので授業にも集中することにする。

にしても何で覚えている奴と覚えていない奴がいるんだ?いや、それ以前に皆が同じ学校に集まっている時点でおかしい。

 

『それはこの私が答えてやろう』

いきなり頭の中に変な声が聞こえてきた。幻聴か?

何か気持ち悪いな。病気にでもなったか、俺。

 

『幻聴ではない。私は神だ』

 

「はぁああ!?」

俺は驚いて、つい立ち上がってしまった。

 

「今度はどうした?疲れているようなら保健室に行くか?」

 

「いえ、大丈夫です」

先生に注意されて俺は席に座る。恥ずかしい。かなでも隣でクスクス笑ってるし。

 

『言葉に出さなくていい。念ずるだけで会話出来る』

 

『本当に神なのか?』

 

『ああ、そうだ』

本当にいたのか。

 

『で、その神とやらが俺に何の用だ?』

 

『面白い現象が起きてるから観察しに来た』

 

『面白い現象?』

 

『キミが以前に死語の世界で共に戦った仲間が集まっていることだ。これは私がしたことではない。キミ達の強い意思による結果だ。こんなことは今までなかった』

俺がかなでに会えたのも偶然じゃなくて自分で望んだ結果だということか。

 

『ところで何で覚えている奴と覚えていない奴がいるんだ?』

 

『死語の世界のことを思い出すにはきっかけがいるみたいようだ。キミが愛した女性と出会ったみたいに』

なるほど。かなでも俺と出会って思い出したのか。

 

『ちなみに彼女が思い出したきっかけは駅前の店の激辛麻婆豆腐だ』

知りたくなかったよ、そんな残酷な世界の真実。かなでにとって、俺よりも麻婆豆腐の方が印象的だってことか!

 

『キミには期待している。では私はこれで』

そして神の声は聞こえなくなった。

期待って何だ?それに何で俺に話かけてきたんだ?

 

そんな疑問を抱えたまま転校初日は終わり放課後になった。

 

「音無くん、ちょっといいかしら?」

ゆりが話かけてきた。何かめんどくさく予感しかしない。

 




感想待ってます。


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第2話 部室

「音無くん、ちょっといいかしら?」

 

「断る」

 

「そう、私に誘われるのがどれだけ光栄か分かってるようね。って、断るの!?」

断れることを想定していなかったのかよ。相変わらず自分中心で生きているんだな。いや、前は死んでいたか。何かややこしいな。

 

「……俺はこれから妹を迎いにいかないといけないからな」

 

「分かったわ。だったら、その妹も連れてきなさい」

初音をあの連中に会わせるのは確実に悪影響だから嫌なんだが。

 

「諦めろ、音無。ゆりっぺに逆らうことの恐ろしさをお前も知っているはずだろ?」

急に日向が表れて俺の肩に馴れ馴れしく手を置いて言った。イラッとするな。

 

「……ハァー。仕方ないか」

 

「物分かりが良くて助かるわ。じゃあ、妹と一緒に来てね」

それだけ言うと、ゆりはどこかに行ってしまった。

 

「どこに行けばいいんだよ?」

 

「それだったら俺が――」

 

「私が案内するわ」

 

「かなでも関係しているのか?」

 

「ええ」

まぁ、かなでがいるんだったら行ってもいいか。

 

「俺は無視か!?」

日向が何か叫んでいる。うるさいな。

 

「先輩の存在感は虫けら並ですからね」

いつの間にかユイが来ていた。

 

「それはどういう意味だ!お前は口が悪過ぎるぞ」

そして日向がユイにプロレス技をかける。ユイは学習しないのか?

 

「イタタタッ!ひさ子先輩、助けてください!」

 

「よぉ、音無。私もついて行って良いか?」

 

「だったら私も行こう」

そして、かなでと岩沢とひさ子と一緒に初音を迎いにいくことになった。

 

「だ、誰か助けてください!」

ユイの絶叫がクラス中に響き渡った。

 

 

 

 

「何で、こんな校舎から離れた場所にプレハブ小屋があるんだ?」

俺は今、学園の端の方にある人気の少ないところにきていた。

 

「これはゆりが部室として特別に作った物だからよ」

 

「これが部室!?」

部室でプレハブ小屋を作るとか、前よりも無茶苦茶がレベルアップしてるんじゃないか?

 

「……一応、聞いておくが何の部活なんだ?」

 

「特に活動目的はなく駄弁っているだけの部活だよ」

 

「何で日向がいるんだ?」

 

「そりゃあ、俺も部員だからに決まってんだろ」

そんなことを聞いたんじゃないんだが。まぁ、日向だし仕方ないか。

 

「音無先輩が言ってるのは俺のハーレムの邪魔だから野郎はどっかに行け、ってことですよね?」

そんなに間違ってないけど、言い方がイラッときたな。

 

「……初音、目をつむって、耳を塞いでいてくれ」

 

「うん、良く分からないけど分かった」

俺の妹は純粋で可愛いな。

さて、その妹に悪影響を与える可能性は排除しないとな。

 

「……どうしたんですか、音無先輩。そんなに怖い顔をして」

 

「別に。ちょっと、こっちに来い」

俺はユイをプレハブ小屋の陰に連れていった。

 

「グギャャーー!」

 

十分後、生気の失った顔をしているユイを連れて皆に合流した。

 

「はい、私が全部悪いんです。音無先輩は全く悪くありません」

 

「ユイ!おい、ユイに何をしたんだ、音無!」

 

「別に大したことはしてないぞ」

少し反省してもらっただけなのに大袈裟だな。

 

「……音無。ユイのイタズラには私達、特に私が苦労していんだ。岩沢は音楽に没頭して全部、私に押し付けるからな」

そうか、ひさ子も苦労していたんだな。

 

「いや、俺は俺のやることをやっただけだ」

 

「一つ頼みがあるんだが、良いか?」

 

「ああ、いいぜ」

 

「ついでに関根にも罰を与えてくれると助かる。私だけじゃ手に負えなくてな」

 

「ちょっと、ひさ子先輩!何、恐ろしいことを言ってるんですか!?」

プレハブ小屋の中から凄い勢いで関根が出てきた。

 

「よぉ、関根。久し振りだな」

 

「お久しぶりです、音無先輩。って、違いますよ!何を良い感じに物騒な相談してるんですか!?」

 

「音無先輩。お久しぶりです」

関根の後ろから遅れて入江も出てきた。

 

「久し振りだな。ところで、どうしたんだ?」

 

「ゆりっぺ先輩に遅いから見てこい、って、言われました」

 

「ああ、そうだったのか。悪かったな」

 

「って、何私を無視して穏やかに挨拶してるんですか!?みゆきちも私がこれから酷い目に合うかもしれないっていうのに何も言わないし」

 

「だって、しおりんの自業自得だし」

親友に見捨てられて倒れ込む関根。

入江の様子からして苦労してそうだな。

 

「あの、お兄ちゃん。いつまで目をつむって、耳を塞いでいればいいのかな?」

しまった!俺としたことが初音のことを忘れていた。

 

「もういいぞ、初音」

 

「あれ?また知らない女の人が増えているけど、お兄ちゃんの知り合い?」

 

「ああ、岩沢とひさ子の後輩でバンドのメンバーだ」

 

「初めまして、音無初音です。いつも兄がお世話になってます」

 

「いえいえ、こちらこそお世話になってます。私はガルデモのドラムを担当している入江みゆきです。そして、こっちの倒れているのがベース担当の関根しおりです」

こういうのを見てると癒されるな。この後の展開を考えると癒されてばかりもいられないが。

 

「それよりも早く行かないか?」

岩沢に言われて、また話し込んでいたことを思い出した。確かに早く行かないと、ゆりが怖いな。いや、もう手遅れだど思うが。

 

「じゃあ、ユイは日向が運んでくれ。俺は関根を運ぶ」

 

「私も手伝いますよ」

 

「分かった、入江。じゃあ、俺が前を持つから足の方を持ってくれ」

 

「分かりました」

そして俺は地獄へと足を踏み入れた。初音だけは何があっても守ると決意をして。

 




今回でガルデモのメンバーは全員出ました。次回は野郎共の出番を予定しています。

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第3話 紹介

「遅い!何やってたのよ!」

案内された部屋に入ると予想通りに、ゆりが怒っていた。

 

「ああ、悪かったな」

 

「何が悪かった、だ。てめぇ、調子に乗ってんじゃねぇぞ」

いきなりガラの悪い馬鹿に絡まれた。

 

「お兄ちゃん、怖いよ……」

初音が怖がって俺の服の裾を掴んできた。

 

「初音を怖がらせてんじゃねぇよ、野田」

俺は鳩尾に蹴りを入れて黙らせた。

 

「もう馬鹿は黙らせたから大丈夫だぞ、初音」

そう言うと初音は安心して俺から離れた。そのままでも俺は良かったんだが。

 

「おい、音無。今のは野田じゃなくて藤巻だぞ」

そうだったのか。まぁ、どっちでも似たようなものだろ。

 

「藤巻くん、大丈夫!?」

誰かよく分からない奴が藤巻を心配してやって来た。

 

「大山くん、藤巻くんを隣の部屋に運んでおいてくれるかしら」

 

「うん、分かったよ、ゆりっぺ」

そう言うと大山は藤巻を隣の部屋に運んでいった。

 

「なるほど。大山だったか」

 

「音無、覚えてなかったのか?」

 

「ああ、特徴がないからな」

 

「まぁ、俺も最初はNPCと間違えたからな」

何かそんな話を前に聞いたような気がするな。

 

「おい、ゆり。ついでにユイと関根も運んできていいか?」

 

「勝手にしたら?」

 

「貴様、ゆりだと!慣れなれしすぎるぞ!」

また変な奴が絡んできた。

 

「なぁ、かなで。こいつが野田でよかったよな?」

 

「さぁ。私もよく覚えてないわ」

もうめんどくさいし、大人しくさせるか。

 

「よし、ひさ子。こいつを運んでくれるか?」

 

「……普通、女に頼むか?」

 

「そう言われても俺は関根を持ってるし、日向はユイを持ってるからな」

 

「……仕方ないな」

そう言うと、ひさ子は野田を引きずって運んだ。

俺は気になったことがあったので隣の部屋に運ぶ途中に日向に聞くことにした。

 

「そういや、野田は俺達のことを思い出してないんだな」

野田ならゆりに合ったのをきっかけに思い出すと思うんだが。

 

「一回思い出したんだけど、また忘れたんだよ」

 

「何故?」

 

「ゆりっぺに挨拶したら『貴方、誰?警察に通報するわよ』って言われてな。そのショックで忘れたんだよ」

確かに俺もかなでに同じことを言われたらショックで記憶をなくすな。

そんなことを考えながら、ゆりのところに戻ってきた。

 

「さて、やっと話が出来るわね」

 

「あれ?いつの間にか岩沢がいなくなってるな」

いつからいなかっだろうか?少なくともプレハブ小屋に入る時はいたと思うが。

 

「……音無くん。マトモに話すつもりないでしょ?」

ヤバッ!ゆりがキレてきている。

 

「いや、決してそんなつもりはないぞ!ただ、岩沢がいないことが気になっただけだ!」

 

「まぁ、いいわ。そこら辺についても話すつもりだったし」

ふぅ。一応、落ち着いたみたいだな。助かった。ゆりがキレると手がつけられないからな。

 

「まず、最初に言うわ。私達の部活に入りなさい」

 

「命令形かよ」

 

「当然よ。音無くんに選択の自由はないわ」

 

「はぁー。入ってもいいぜ」

予想通りの展開だ。

 

「後、え~と、初音ちゃん……だっけ?初音ちゃんも入らない?中等部でも大丈夫よ」

 

「ふざけるな、ゆり!初音をこんな馬鹿の集まりに参加させられるわけないだろ!」

前にゆり自身が言っていたからな。この集団の最大の弱点は馬鹿であることだと。初音がそんな集団に入って馬鹿が移ったらどうするんだ!

 

「……音無、間違ってないけど失礼だろ」

 

「貴方、最初から思ってたけど私達のことを知っているの?そう言えば日向くんやガルデモの皆も知ってたけど」

 

「ああ、知ってる。まぁ、そのうち分かると思うぜ」

そういや、他のメンバーのきっかけって何なんだろうな?俺があの世界に行く前の出来事だったら手の打ちようがないな。

 

「まぁ、いいじゃないか。それよりも部活の説明はしなくていいのか?」

 

「ひさ子さんが言うなら仕方ないわね。この話は後にしましょう」

そう言うと、ゆりは椅子に偉そうに座って説明を始めた。

 

「それじゃあ、まず部活の活動目的から説明するわ」

 

「活動目的なんてあったのか?俺はゆりっぺが楽しむだけに作った部活だと思ってたぜ」

 

「日向くんは黙ってなさい。後で野球部の部長に日向くんの練習メニューを倍にするように言っておくわ」

 

「それだけはやめてください、ゆりっぺ様。この部活のせいであまり練習に参加できないから、他のメンバーよりも多めに設定されてるんだよ」

いらないことを言うから駄目なんだ。やっぱり日向は成長してないな。

 

「て言うか日向は野球部にも所属してるのか?」

 

「ええ、そうよ。日向くん以外も色々な部活に参加してるわ」

まぁ、確かに戦線のメンバーは馬鹿だけど色々な能力を持っているからな。

 

「元々、別の部活に参加していたメンバーを強引に勧誘して部活にいれたんだよ」

ひさ子が小声で説明してくれる。にしても、ゆりは本当に無茶苦茶だな。でも、それで戦線のメンバーが集まっているんだから本能では分かってる、ってことか?

 

「そして、この部活の目的はあなた達が私を楽しませることよ」

よく、こんな部活の申請が許可されたな。どんな手を使ったんだか。

 

「じゃあ、私の部下の紹介をするわよ。まずはこのパソコンを弄ってる冴えない眼鏡はパソコン部に所属してるわ」

 

「僕は冴えない眼鏡ではありません。クライストとお呼びください」

クラウスじゃなかったのか。

 

「次はこの松下くんが――」

 

「柔道部だろ」

 

「……よく分かったわね」

 

「誰でも分かるだろ」

だって柔道着を着てるんだから。

 

「じゃあ、次は――」

 

「初めまして、自分はTKと言います。ダンス部に所属しています」

 

「!?」

TKらしき人物が丁寧に挨拶してきた。

 

「……おい、皆。こいつは誰だ?オリキャラか?」

 

「音無、お前も知ってるだろ。TKだ。オリキャラって何だよ」

信じられない。あの苦手なのにキャラ作りで頑張っていた英語はどうしたんだ!?

そんな感じで野郎共の紹介が続いたが正直、興味はない。

 




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第4話 襲来

「何を騒いでいるんだ、愚民共」

野郎の自己紹介が一通り終わったところで直井が教室に入ってきた。

ふぅん。やっぱり、いたのか。って、直井!?いたのか!?嫌な予感しない。

俺は即座に机の影に隠れる。

 

「お兄ちゃん、どうしたの?」

 

「いや、どうもしない」

口ではそう言いつつも俺は冷や汗を流していた。

 

「何か用かしら?普段は生徒会に行ってばかりで部活には顔を出さないのに」

もしかして直井もこの部活に入っているのか?それはイヤな情報だ。

 

「ふん。僕だって、こんなところには来たくない。だが、貴様がこの前やった問題について早く報告しろと先生がうるさくてな。仕方なく来たんだ」

 

「そんなの知らないわよ。適当に報告すれば、教師の犬」

二人共、仲悪いな。て言うか、ゆりはどんな問題行動をやったんだ?まぁ、気にするだけ無駄か。

 

「かなで、直井はこっちでも生徒会をやっているのか?」

俺は直井に声が聞こえないように注意しながら質問する。

 

「ええ、そうよ。副会長をやってるわ」

 

「じゃあ、会長はかなでがやってるのか?」

 

「いえ、私は生徒会に入ってないわ」

そうなのか。じゃあ、会長は誰なんだ?

 

「騒がしいぞ、文人」

今度は直井に瓜二つの人物が入ってきた。

 

「兄さん」

兄さん!?確か直井には双子の兄がいるとは聞いてが、それか。

まぁ、初音が生きているし直井の兄が生きていても不思議はないが。……ん?ということは、ゆりの妹や弟もこの世界では生きているのか?

 

「あれがこの学園の生徒会長、直井健人だよ」

聞いてもいないのに日向が説明してくれた。なるほど、そうだったのか。

 

「ここの部長と文人の仲が悪いから様子を見に来たが問題なさそうだな。じゃあ、俺は先に戻ってる」

 

「はい、こんな愚民共を従わせるぐらい余裕です」

絶対、問題あるだろ。催眠術でも使う気か?

そして生徒会長が戻ると直井がこっちを向いてきた。もしかして気付かれたか?

 

「ところで、さっきから気になっていたのだが、そこの女子中学生は誰だ?見たことないが」

 

「その子は新しい部員よ」

待て!俺はそんなの許可してないぞ!

 

「なら、一つ言っておこう。ここの部長は傍若無人で学園に迷惑ばかりかけている厄介者だ。普通の学園生活を送りたいなら、こんな部活には入部しないことをお勧めする」

そうだ、直井!もっと言え!

 

「え、え~と……その……」

初音を困らせるな。早く帰れ、直井。

 

「まぁ、困らせるつもりはない。自分で考えると良い」

何故か直井が良い奴に見える。

 

「はい」

 

「ここの連中に迷惑をかけられたら、いつでも僕のところに来るがいい。僕は生徒会副会長の直井文人だ」

 

「私は音無初音です」

 

「音無?」

ヤバい!直井が反応してる。

 

「ところで音無くんは何でそんなところに隠れてるの?」

 

「余計なことを言うな、ゆり!」

あ、しまった!

 

「音無すわぁん!」

直井が俺を見た瞬間、全く予備動作なしで突っ込んできた。久し振りに見ると正直、気持ち悪い。俺はつい全力で直井を蹴っ飛ばしてしまった。

 

「おい、大丈夫か?」

 

「大丈夫ですよ。これも愛だと思えば痛くありません。むしろ気持ち良いぐらいです」

 

ヤバい。マジで気持ち悪い。前よりもパワーアップしている。

 

「お兄ちゃん、何あの人?さっきと別人みたいになって気持ち悪い……」

 

「初音。あれは知ってはいけない人種なんだ」

いや、もしかしたら、もっと恐ろしい何かかもしれない。とりあえず逃げよう。俺は全力で部室を飛び出た。

 

「お、おい、音無!どこに行くんだ!」

 

「俺は逃げる!俺に何かあったら初音を頼む!」

やっぱり直井が後ろから追いかけてくる。さっきの生徒会長のところに行くか。あの人なら、もしかしたら止めれるかもしれない。

 

「どこに逃げても無駄ですよ」

足早っ!このままだったせ生徒会長のところに着くまでに捕まるぞ。こうなったら、どこかの部屋に入って振り切るしかない。

俺はとりあえず近くの部屋に入る。

 

「岩沢?」

中には一心不乱にギターを弾いている岩沢の姿があった。俺が入ってきたのにも気付いてないようだ。

 

ここを出るわけにいかないし、岩沢の演奏を聴くか。

 

パチパチ!

 

演奏が終わったところで俺は拍手をする。

 

「やっぱり岩沢は上手いな」

 

「あれ?結弦?いつからいたんだ?」

やっぱり気付いてなかったのか。音楽に夢中になると周りが見えなくなるところは変わってないな。

 

「十分ぐらい前からだ」

 

「そうだったのか。で、私の演奏はどうだった?」

 

「さっきも言っただろ。上手いって」

 

「そういう抽象的なものじゃなくて、もっと具体的に言ってくれると助かる」

具体的にか。そう言っても俺は音楽はそんなに詳しくないし、どう言ったものか。

 

「……そうだな。相変わらずクールで格好よかったぜ」

 

「アハハッ!それは嬉しいな!」

何か変なことを言ったか?岩沢が楽しそうに笑っているが。

 

「ところで、ここは何なんだ?他にも色々な楽器があるが」

 

「ゆりから聞いてないのか?ここはガルデモの練習室だよ。当然、防音している」

このプレハブ小屋はどれだけの金をかけられているんだ?

あ、そうか。岩沢がプレハブ小屋に入ってから消えたのは、ここで演奏していたからか。

 

「ところで結弦は何でここにいるんだ?」

 

「……ちょっと変態に追われていてな」

 

「よく分からないけど、この部屋から出られないのか。だったら結弦もギター弾いてみるか?」

 




最低でも一ヶ月以内に更新する予定だったのに、ここまで遅くなるとは。次回はもっと早く更新できるように頑張りたいです。

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第5話 勧誘

「うぇぇーん!お兄ちゃん!怖かったよ!」

 

俺が岩沢と元の部屋に戻ってくると、いきなり初音が俺に抱き付いてきた。

 

「初音、何があったか知らないが大丈夫だ。お兄ちゃんが付いているからな」

 

とりあえず俺は初音を抱き締めて頭を撫でて安心させる。

 

「で、日向。何があったんだ?」

 

「目がマジでこえぇよ。復活した野田が初音ちゃんに絡んでビビらしたんだよ」

 

「馬鹿な!野田だと!奴は死んだはず!」

 

まさか地獄の縁から蘇ったというのか!?

 

「元から死んでねぇ!」

 

「藤巻は関係ないから黙ってろ」

 

「何回、間違えんだよ!もうわざとだろ!俺は野田だ!」

 

あれ?そうだっけ?まぁ、どっちでも一緒だから気にしなくていいか。問題は初音を泣かせたことだ。

 

「じゃあ、とりあえず貴様はぶち殺し確定だな」

 

「やれるもんならやってみろ!」

 

「いつまで私を無視するのよ。野田くんは邪魔だから黙っていて」

 

そう言うとゆりは野田に向かって椅子を投げ付けた。

 

「グワッ!」

 

野田は気絶した。相変わらず、すぐに殺られるな。

 

「遊佐さん、ゴミを片付けてくれる」

 

「分かりました」

 

遊佐が野田を引きずって、どこかに向かう。

 

「じゃあ、ゴミもなくなったところで本題に戻るわよ」

 

「ちょっと待て!野田はどこを連れていったんだ!?て言うか、死んでねぇよな!?」

 

日向がうるさくツッコむ。正直、俺の手で殺れなかったのは残念だが、初音を怖がらせる存在が消えたならそれで良い。

 

「うるさいわね。音無くんが中々、戻ってこなかったおかげでもうすぐ下校時間になるから早く話をしたいのに」

 

意外なことにゆりは下校時間を守るのか。変なところで律儀だな。

 

「それなら明日でも良いだろ!野田は大丈夫なのか!?ここは死後の世界じゃないから死んでも生き返らないんだぞ!」

 

「死後の世界とか意味の分からないことを言ってんじゃないわよ。どうせ焼却炉で燃やされてるだけよ」

 

それなら安心だな。遊佐が仕事を失敗するわけないし。

 

「いや、何も安心できねぇよ!」

 

「うるさいですね、先輩。彼女の私を放置して燃えるゴミの心配をするんですか?もしかしてあっち系なんですか?」

 

ユイも復活していたのか。よく見たら関根も復活しているな。

 

「訳の分からないことを言ってんじゃねぇよ!」

 

日向がユイに毎度の如くプロレス技をかける。これで邪魔者は排除されたな。

 

「やっと本題に入れるわね。というわけで、音無くんと初音ちゃん。私の部活に入りなさい」

 

「何でそんなに俺らに入れたがるんだ?別に目的のある部活じゃないんだから、そこまで拘らなくてもいいだろ」

 

そろそろ初音が毎週、楽しみにしているアニメが始まるから早く帰りたい。

 

「よく聞いてくれたわね。音無くん、この部活のメンバーを見て足りないのは何だと思う?」

 

「知性」

 

何を当たり前のことを言ってるんだ?この部活の、特に野郎共は馬鹿ばかりだ。

 

「そう、この部活には知性が足りない。私が支配する組織が馬鹿だというのは耐えられないのよ」

 

だったら最初から頭の良い奴もメンバーに入れておけよ。

 

「そこで音無くんよ。日向くんに聞いた話だと医者を目指してるんでしょ?だったら野郎共のどうしようもない馬鹿をフォーロー出来るはず」

 

なんて期待をするんだ。こいつらの馬鹿さ加減は並じゃない。フォーローなんて不可能だ。

 

「……あの僕は馬鹿じゃないですよ?テストも学年でトップクラスですし」

 

冴えない眼鏡がゆりに反論する。竹山だったか?確かに竹山はパソコンが得意らしいし、頭は良いはずだ。

 

「竹山君は黙ってて」

 

「ですから僕のことはクライ――」

 

「後、知性以外にも足りないものはあるわ」

 

ゆりが竹山の台詞を遮って言う。他に足りないもの?何だ、それは?金はよく分からないが足りているだろうし。

 

「それは癒しよ。こんなむさ苦しい野郎共ばかりでは癒しが足りないのよ」

 

ああ、確かにそうだな。戦線の皆は馬鹿騒ぎをするにはいいが、休みたい時とかの癒しには向かないよな。

 

「何を言ってるんですか、ゆりっぺ先輩。癒しならみゆきちがいるでしょ?」

 

「ちょ、やめてよ、しおりん」

 

今度は関根が入江に抱き付きながら反論する。関根がどさくさに紛れて入江の胸を揉んでるような気がするが気にしない。羨ましいとかは思わない。

 

「確かに入江さんは癒し系よ。でも、バンドの練習があるからあまり来ないじゃない。それに入江さんだけでは、このむさ苦しい空間を癒しきれないわ」

 

確かにそれは言えてるな。後、一人はほしいところだ。

 

「だったら、ひさ子さんのこのデカイ胸とかはどうですか?揉み心地は最高ですよ」

 

「何を馬鹿なことを言ってるんだ、お前は!」

 

ひさ子が関根に拳骨を食らわせる。関根も学習しないな。

にしても、ひさ子の胸の揉み心地か。興味があるな。

 

「……弦結」

 

「……お兄ちゃん」

 

かなでと初音から白い目で見られる。何で俺の考えていることが分かったんだ?

 

「まぁ、馬鹿は放っておいて、その癒しのために初音ちゃんも入ってほしいのよね。初音ちゃん、可愛いし」

 

「確かに初音が可愛いのは認めるが、この基本的に馬鹿でむさ苦しい部活に初音を入れることに罪悪感はないのか!今後、マトモな学園生活を送れなくなるぞ!」

 

「んー、確かにそれは問題よね。でも、マトモな学園生活は送れない代わりに普通では体験できない学園生活を送れるわよ」

 

まさか傍若無人なゆりに人を気遣う心があったなんて!

 

「……何か失礼なことを考えなかった?」

 

「いやいや、何も考えていないぞ!」

 

俺はそんなに考えが顔に出るのか?

 

「まぁ、いいわ。もう下校時間だから初音ちゃんが入るかどうかの返事は明日聞くわ」

 

そう言うと、ゆりは立ち上がってそそくさと帰っていく。何て自由な奴だ。

て言うか、返事を聞くのは初音の分だけなのか?つまり、俺の入部はゆりの中で決定しているのか?




何故か野田の扱いが酷いことになってる。もしかしたら次回、死んでいるかもしれない。さすがにそれはないと思うけど。

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