ラブライブ! it's a show time! 〜君の夢が叶うのは〜 (あちゃぴん)
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いつも通りのプロローグを、あなたへ
手始めにと思って書いたものが、割とよくあるパターン+結構短めになってしまいました。
これから少しずつストーリーに肉付けをしていくつもりですので、まだ少しの間こんな感じで
進んでいくかと存じます。
それでは、「2つのμ’s」のお話、始まります。
音ノ木坂学院、その校門前。
ひらひらと桜の花びらが舞い、学校へ集う生徒達を出迎え、祝福する。
と、思いたいのだが、当の学校内はそんなお祝いムードではないらしい。
音ノ木坂は今、廃校の危機にある。
生徒達はさぞかし落胆し、困惑してるだろう。
そんな風にこれから自分の母校になるであろう学校の事態をまるで他人事のように考えながら、
俺は校舎へ向かって歩いた。
「…へへっ」
「音ノ木坂?」
「そうそう、こないだ南さんからモデル生にならないかって言われて。家からも近いし、いい更生の場になるんじゃない?」
「はぁ?意味わからん」
高校2年になって間もない4月、母さんから持ちかけられた話。
音ノ木坂学院高等部共学化に伴う男子モデル生の募集、とまぁ堅苦しいお知らせがうちに届いた。
もちろん俺はそんなのに興味なんかない。
「別に今まで通りでいいんじゃない?この1年そうやってきたわけだし」
「ダメよ。さすがに1年は目を瞑ったけど、あんた高校生なのに学校もいかないで終わりにするつもり?
家にこもって音楽やるのもいいけど、せっかくだし青春を謳歌してみたら?」
どうでもいいわ。青春なんて、くっだらない。
しかし、母さんの言うことも一理あるな。
俺は高校の最初の1年は通信教育で過ごした。
何故かって、学校が嫌いなんだ。いじめられたわけでも、非行で追い出されたわけでもない。
学校というコミュニティそのものが何となく気に食わない、ただそれだけ。
しかし、これからバイトだ就職だと大人の階段を否応無しに登らされる中で、高校3年間通信教育でしたはさすがに通用しない。
家からも近いらしいし、どうするかな…
「ついに来ちまったなぁ…」
気まずい。校舎に入る前から足が重くなる。
そもそも、共学化と言えど、女子校だ。
何でそんなところに男一人で放り出されなければならないのか。
どこかその辺のラノベや同人によくあるパターンだな。実に下らない。
そうやって今までは軽蔑していたが、いざ自分がそういう立場になると、焦ってしょうがないな。
例えるなら、アメリカ第7艦隊に竹槍で挑む気分だ。ブルーどころじゃない。
「やるしかねぇな…」
自分に鞭打ち、俺はついに学校へ足を踏み入れた−
HRの時間なのだろうか、生徒と一人も出くわすことなく理事長室まで来た。ヨッシャ!!
「失礼しまっす」
「あら、西村君。久しぶりね」
部屋の奥の立派な机の向こうから、いかにも優しそうな女性が話しかけてきた。
「お、お久しぶり、ですか?」
「ふふっ、やっぱり覚えていないのも無理ないわね」
聞いた話、ここの理事長と母さんは同じ音ノ木坂出身で、同級生だったらしい。
俺がモデル生として招待されたのも2人の高校時代のよしみで、そもそも母さんが勝手に
理事長に推薦していたらしい。つまり、遅かれ早かれ俺はこの学校に行かなきゃいけなかったんだ。
救いはないんですか!?
「最後に会ったのなんて、西村君がまだ3歳ぐらいだった頃かしらね。あんなおとなしかったのに、ずいぶん変わったのねぇ」
「え?えぇと、そう、すか?」
くそぉ、会話が弾まない!己のコミュ力のなさを嘆くぞ!
「まぁ雑談は後にして、とりあえず手続きを済ませましょうか」
手続きは割と簡単に済ませ、担任らしき先生に連れられてこれから自分の教室になるであろうところへ向かう。
先生からは、女子ばっかりだけどあまり緊張しなくていいぞ、とかこっちもクラスでなるべく受け入れやすい形をつくるよ、
とか言っていたが、俺は上の空で生返事をしながらぼんやり窓から外を眺める。
なんか、落ち着くなぁ。よさげなリフが思いつきそうだ。
新曲のことをボーッと考えているうちに教室についた。
「みんな知ってると思うが、今日は転校生を紹介する。例の男子モデル生はこのクラスで引き受けることになった。
みんな、それぞれ思うところはあるが、仲良くしてやってくれ」
教室内がわかりやすくざわめいている。マジで女子ばっかだ。当たり前だけど。
「さ、入ってこい」
はぁ、なんか気だるいや。まぁ適当にやるか。
俺はのほほんとした頭で、教室に入った。
閲覧ありがとうございます。
次回はちょっとしたキャラ説明をしようと思います。
本編の方も、これ以降は眺めに創っていければと思います。
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