東方幻想少女録 (水崎 鳴呼)
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幻夢異変編
覚めない夢の話


ウオオオオオオアアアアアアアアアアアアアーーーーーッッッッ!!!!!ヤったぞっ!!私はやってやったぞォォォォ!!!





―――――誰だって夢は見る。

どんなに滑稽な夢だろうと、どんなにご都合主義な夢だろうと、それは自分が望んだ夢だ。

――――だと言って………

 

これは少し酷くないか?

思わず声になりそうなところを慌てて押しこむ。

しかしこんな状況では寧ろ叫んでもいいと思うんだ。

だって…寝ようと思っての寝っ転がったら天井に人が居た。…なんて、一体どうなってんだよセ●ムさんよォォお!

 

「…………誰だ?」

 

「あらあら、名乗らないといけないかしら?」

 

そうでしょうが、貴女は一体何を学んだのですか?そう言いかけるのを抑えて、女性(?)を見て話しかける。

 

「名乗らないとこっちも何もできないぞ。」

 

「あぁ、そうでしたわね。」

 

女性(?)が暗がりに消えたので思わず起き上がると、目の前に人影があるのに気がつく。

人影は女性で、フリルのドレスを着ておりしかしそのドレスは華々しいものではなく妖艶と言うべき色気に包まれており、宝石の様な長い金髪でその前髪の合間から見える紫色の瞳は怪しい光を放っている。

……いまこの状態で思うのもなんだか、絶句する程の美人だ、綺麗より奇麗…と言うべき美貌だ。

………て言うか土足?人ん家に土足で入り込んでんのこの人?外人だからか?

そう思いながら女性を見る。一方女性は愉しそうにこちらを見る。

 

「名乗ればいいのでしょう?」

 

「ぇ……ああ、」

 

思わず気の抜けた声が漏れる。女性は小さく咳払いをし、令嬢とかがするスカートの袖を摘んで少し頭を下げる動きをして見せた。

 

「私の名前は八雲紫と申します。今回は頼み事をしに来たのですが…宜しいですか?」

 

「………ちょt」

 

「有難うございます、それでは要件を申しますと…」

 

わたしまだなにもいってない。勝手に進めんなよ八雲さん。

 

「簡単に申しますと、貴方には『異変』を解決して欲しいのです。」

 

「…異変?」

 

「はい、詳しいことは向こうに着いてからお話しますわ。」

 

…行く事決まってんのかな…しかし私は明日朝一でシフト入ってるんだか。大丈夫だろう。きっと。

 

「…行くのはいいが、一ついいか。」

 

「はい、どうぞ」

 

「荷物などは持っていっていいか?」

 

「ええ、着替えなどは持っていってもよろしいですよ。」

 

「そうか、じゃあ少し待っててくれ、」

 

そう言って違う部屋に向かう、えーっと…着替え着替えっと…

 

「これでいいのか?」

 

「ええ、危ないものは持っていませんね。」

 

危ないもの…?ナイフとか銃とか?

考えていると目の前に空間の歪のようなものがパックリと開いている。何だか不気味だ。

 

「そこに入ればあちらには入れますわ。」

 

「そうか…じゃあ…」

 

あっ…忘れていた、なんだか良く分からないがこんなことになったのも何かの縁だし

 

「紫…でいいか?」

 

「?…良いですけど…」

 

「私の名前は、立花 輝…よろしく」

 

そう言って手を伸ばして握手を求める。一瞬紫の顔がぽかんとしたがすぐに笑みを浮かべ

 

「こちらこそよろしく、輝?」

 

手を伸ばし握手をする。数秒して手を離し歪に飛び込む。

 

 

 

 

―――――私の夢はきっともう覚めない気がした。

 






今のプロットで行くんなら、シリアス:ギャグは3:7になると思います。女の子可愛いよ女の子
04/26
少し書き直しました。


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失楽園の素敵な巫女

シリアスは少ないと言ったな、あれは嘘だ





 

 

 

気が付くと地面に立っていた。都会では経験出来ない新鮮な空気が駆け抜ける。

……ここどこ?こんな自然の中でサバイバルなんか無理よ私。

兎に角、周りを観察しなi…

 

「動かないで。」

 

ぞわりと、感覚が寒気立つ。通常の生活では体験出来ないであろう。確か…これは…殺気…?

 

「見慣れない格好だけど、まぁ妖怪だったら退治するだけね」

 

「…私は敵j」

 

「喋らないで。」

 

「………………」

 

どうしろと、ああんもう、連れてきたんだったら助けてよ紫さんよォォお!

 

「…私は敵じゃない。」

 

「本当かしら?最近はそう言って騙すこともあったからね」

 

「…紫から聞いてないか?」

 

そう言うと後ろの少女は不審そうに声をあげた

 

「紫…?、……ああなるほど。」

 

そう言って少女は殺気をしまう、まだ少し警戒をしているが。

とりあえず後ろを振り向くと…吃驚した。

大きなリボンで髪をくくっており、紅白の巫女服を着ており、何故か脇のあたりをやけに露出している。そしてこれまた浮世離れした顔だが、俗に言う将来有望顔と言う奴だろう。綺麗だが、歳のせいかまだ可愛げのある顔で、ある種のお兄さんがたが見たら大興奮確定だろう。

 

「…それは本当?」

 

「ああ。」

 

「…そう」

 

素っ気なく言うと振り返り歩き出した、ついて来いとの意味だろう。

 

「あんた名前は?」

 

「立花輝だが…」

 

「私は博麗霊夢よろしく」

 

「…よろしく」

 

こっこれが噂のクールビューティーと言う奴か…!

 

しばらく歩くと神社の境内に着いた、そこには二人の人影があった。片方は紫で縁側に座ってこっちを見ると怪しい笑みをニヤニヤと浮かべて、もう片方は霊夢と同じくらいで白黒の可愛らしい服を着た外人らしい子で霊夢とは違い可愛い顔つきでニコニコとした笑顔を浮かべこっちを見ている。

 

「お前が紫の言ってたやつか?」

 

「多分…」

 

「そっかっ!私の名前は霧雨魔理沙だよろしく輝!」

 

元気な子だなー。そう思いながら握手する、その様子を見ながら霊夢は紫に近付いて何か話しかけている。

むぅ…ここからだと会話が聞こえないや…

 

「輝、今の状況を説明するからこっちに来て。」

 

霊夢にそう言われたのでついていき縁側に座る。

 

「まず、紫からなんて聞いてる? 」

 

「異変を解決して欲しいとだけだが…」

 

そう言うと霊夢は紫の方をキッと睨みつけた。が紫は気にしないと言わんばかりに扇子で口元を隠す。

数秒睨んで無意味だとわかったのか溜息を吐いてこっちをもう一度見る。

 

「異変て言うのは妖怪と人間のバランスが崩れた(幻想郷ではありえない事)の」

 

「バランスが…崩れた…?」

 

…いや、ここの説明からしましょうや霊夢さんや、

とにかく次の言葉を待つ、

 

「ここでは人間は妖怪に恐れを抱き妖怪は人間を襲う。これが前までの常識だったわ」

 

「でもある日、人間は妖怪を恐れなくなった。」

 

「それどころか妖怪を自分たちの支配下に置いた。」

 

そういう霊夢の目には微かに悔しそうな色が浮かんでいた。

 

「理由は、外から来た奴等のせいだった。」

 

霊夢に代わり紫がポツリと呟く。

 

「ここはもう昔の幻想の楽園じゃない」

 

紫はありったけの後悔の念を吐き出すように言った。

 

「ただの人間達の失楽園よ。」

 

 






弾幕?書ける訳ねぇ!と言うことでオリジナル展開ですた。


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紅い魔の住む館。

感想ありがとうごさいます!!!!これからも百合が増えるように布教していきます!!!!






 

 

「失楽園…か」

 

呟やいてみる、以前の幻想郷は知らないがそれなりに良いところだったのだろう。魔理沙も俯いてしまっている。

 

「私に…」

 

「…?」

 

「私に何か出来ない事はないか、私で良ければ力になるぞ、霊夢。」

 

そう言って霊夢に近づく、一気に顔の距離が縮まってまるでキスするような体勢になる。

と、さっきまで無表情を貫いていた霊夢に異変が起こった。

 

「……!!ちょっ!意気込みはわっわかったからちょっと放っ!はーなれーてー!!」

 

急に真っ赤になってブンブンと手を振る。気がつけば手まで握っていたようだ、確かにいきなり知ら会って間もない奴に手を握られたらこうなるな、素直に謝って離れる。

 

「すまない…」

 

「へ…?いっいや別にいいけど…」

 

そう言いながらも霊夢は私に握られた手をしきりにさすっている。そんなに嫌だったのか…

ふと、視線を感じてみてみると紫と魔理沙はニマニマと趣味の悪そうな笑みを浮かべている。

霊夢もそれに気がつくと、赤かった頬が違う意味で赤くなり、立ち上がり二人に向かって札のようなものを投げだした。

 

「何よその笑い!何か言いたいの!!?」

 

「いやーなにもー」

 

「そうね、霊夢も女の子だからね、仕方ないわよね」

 

「だーかーらー!!何がよ!!」

 

そう言いながら霊夢は魔理沙と紫を追い掛ける。てゆうか何気なしに飛んでません?

 

「…なぁ、話の続きは…」

 

「えっ、あっああ、ごめんなさい、えーっと…」

 

「私は何をすればいいんだ?」

 

「簡単よ」

 

何時の間にか戻っていた紫が隣に座って話す。

 

「貴方には敵の分散基地に入り込んで欲しいの。」

 

 

 

 

 

「…なぁ、これはどうやって飛んでいるんだ?」

 

「んー?気合とかかな?」

 

魔理沙の箒に乗って空を飛ぶ、どうやら魔理沙は魔法使いだったらしい。

空を飛びながら紫に言われたことを思い出す。『敵の分散基地に入り込む』何故私がしなければいけないかと言うと。基地には簡単に言うと、元々幻想郷にいるものは入れないと言う結界が張られているらしい、という訳で元々外の世界から来た私は入れるので、私が入った時の『私と結界の境界』を操り、広げて中に霊夢たちも入り込む…と言うことらしい。

まあ私には分からないのでとにかく殴り込みすればいいと考えている。

 

「最初はあの…緋い所か?」

 

「ああ、紅魔館って言うんだぜ。」

 

「…本当に大丈夫だろうか」

 

「大丈夫だって!危なくなったら霊夢とかが助けに来てくれるさ」

 

そう言って魔理沙は箒のスピードを上げた。

紅魔館か……目に悪すぎるな、目はいたわらないとダメだと習わなかったのだろうかあの館の主は…

そんなことを考える程度には私の思考は適応していた。

 






はい皆様気付いているでしょうが、輝は他人にはクール系の女子だと認識されています。


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力と代償と戦い

戦闘シーンはこの世で一番書きたかったものです。戦闘シーンは男のロマンです。



 

 

 

 

暫くすると紅い屋敷の前に着いた。

偉大とも言えるその屋敷は人には分からない何かが立ち込めている。

 

「凄いな…妖気がただ漏れだ」

 

そういって魔理沙は私の一歩前に出て正面の門を睨む。

そこには一人の人影があった。中国の拳法家なんかが着てそうな服に腰程の赤毛、何より顔が分からない。いや、もっと的確に言うならは、顔のあたりを包帯のようなもので覆い隠している。良く見れば体の至る所に同じように包帯が巻かれている。怪我などではなく只単純に顔を隠すためのものとも取れる。

…あー何だっけ、昔こんな感じのキャラが出てくるアニメがあった気が…

 

「輝…?どうした?」

 

「…いや何でもない」

 

「そっか…じゃああいつは私が相手をするから、お前は隙をみて中に入れ」

 

「分かった」

 

そう言うと魔理沙はポケットから何かを取り出した、八角形の小さな何か、それを上に掲げて――

 

「マスタースパーク!!!!」

 

「っ!!」

 

それからレーザーが飛び出す。光の棒は空彼方まで続いていた。門番もそれに気を取られているうちに簡単にクラウティングの態勢を取り、

 

「っ!」

 

走り出す。距離が短いからか、門番を一瞬で通りぬけ門をくぐる、とぴんっと何かに突っかかる感覚がしたがすぐに止んだ。そのまま走り抜ける時少し振り返ると、魔理沙はこっちを見てにかっっと笑って見せていた。

 

 

 

 

あいつが門をくぐり抜けたのを見届けて、門番と対峙する。

紅美鈴 紅魔館の門番の癖に昼寝癖があるのでよく咲夜なんかに怒られているのを見た事があるが。目の前のアイツは違う。と本能的に分かる、顔に貼られた札のせいで妖怪として舘の門番をしているに違いない。美鈴だったものはこちらを見ている、おそらくここを通さないためだろう。

もう一度八卦炉を美鈴に向ける。スペルカードルールは昔の幻想郷と一緒に崩れていった。けれども人間である私が妖怪に立ち向かうにはこれしかないから。できるだけ挑発するように言ってみせる。

 

「さぁかかって来い!私が相手だぜ!」

 

美鈴は何も言わずに走り出して来た。

 

 

 

 

 

 

 

この館廊下まで赤いのかよ。

そう思いながら走る、いや本当は中に入ったら歩いてもいいかなって思っていたんだが、

うわぉィっくのはャぃ

と言うことで、必死で逃げているのです。

てゆうか敵も敵でなぜかメイド服に甲冑の頭のパーツだけはめてるの?てな感じでそのメイド軍団に追い掛けられているのです。

 

「っ…こっちからもかっ…!」

 

挟み撃ちらめぇぇぇ!!慌てて近くのおっきい扉に転がり込む、鍵を閉めて中を確認すると。

 

「図書館…?」

 

膨大な量の本が収められている、古そうなものから新しそうなものまでよりどりみどりだ。

警戒しながら進むと、ポツンとあるテーブルの上に出しっぱなしの本に気がついた。

やけに古そうな感じで、書いてある字もかすれれていて良く読めない。

ふと、その本に紙が挟まっているのに気がついた。そのページをめくると紙に何か書いてあるのに気がつく。

 

「…くぉーるへざーとふぉーるあっと…?」

 

何だこれ?呪文か?

そう思っていると下にもう一つ何か書かれているのに聞か付いた

 

「…ファリスロードインフィニティ、……!!」

 

そう唱えると本のページから何かが出てきて私の体の中に入って来て――――

 

 

 

何も起きなかった!何ともない、変なものが見えるとかも無いから…盛大なドッキリ…?

バンッ!!!

と大きな音を立ててドアが破られる。やばいぞ逃げられねぇ!!

 

「っ・・・・・・!」

 

思わず手を振りかざす、と一瞬音が止んでビュンッ!と言う音がした。気が付いてみてみると、

手を振った垂直線上に大きく地面がえぐれていた。

 

「……は?」

 

おそらく漏れた声はこの場にいた全員の心の声を代弁した物だろう。

 

 







オリ主!(オリ主!)チート!!(チート!!)百合!!!!(百合!!!!) いえぇぇぇい!!!!!


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赤い悪魔と人間

戦闘シーンらしきものが書けないやう






 

 

 

少女は走っていた。

本が並べられた部屋の中を縦横無尽に、その走る少女を追ってメイド服を着た兵士達がそのあとを追う。

その兵士の中の一人はポツリと思った。

そういえばどうして私は彼女を追いかけているのだろう?

その問は頭の中を一回りする前に霧のように消えた。

 

 

メイド服集団の開けた扉に飛び込み廊下に出る、その時曲がり損なって壁に手をつくとドゴンッ!と言う音がして小さなクレーターが出来る。

何故かわからないが力がえげつないことになっていた。何を言っているのか私にもわからない、いやホントに。

走れば風を切る音がする、手を振れば地面がえぐれる……

チートキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!やばい何が起こったのかわからないが、これはチャンスだ!!そう思い一気に走り抜ける。

ふはははは!アイアム…えーとウインディ!

 

 

 

気が付くと豪華な扉が目の前にあった、しかし良く見ると血の跡やら何やらがある。

ゑ?コレまさか俗に言う『BGM無音』て奴ですかまさか。

取り敢えずゆっくり開けて中の様子を見ようと体重を扉に掛けt…

[ドゴシャァァァァ!!!!]

そのままの勢いで部屋にシュゥゥゥト!!!!!

超エキサイティング!!!!!

 

「!??」

 

「誰だ!!」

 

「捕えろ!!!!!」

 

「!?誰!!」

 

「」

 

なんでさ。私何も悪くない。チキショーめ!!!!!

とりあえず起き上がり周りを見渡す、部屋に似合わず…いやむしろ逆に似合うのか?小太りの小汚い服を着た巨体の男は狼狽えながら私の方を見た。男の近くにいた銀髪の明らかに洗脳されているメイドはナイフを構えた。メイドの他にも兵士達がこちらを見ている。

ここがこの場所の本陣と言うやつか。

 

「陣隊長は誰だ」

 

感情を押し殺して呟く。

 

「おっ…俺だっ!!」

 

それに答えて巨体の男はこちらを睨みつけるので私も習って睨んでみる。

 

 

「誠に失礼だが…」

 

腕を組み首を少し捻りできるだけ威厳を出すように言ってみる。

 

「この場所は私が貰い受ける。」

 

ヒュー!私カッコイー!しかもなんか怯んだのか向こうもあんまり動いてないー!ヤター!

 

「きっ…貴様、女一人で何が…!」

 

「一人ではないさ」

 

そういうと体のそばにあの歪がパックリと開く、そして…

 

「私の強い味方(友人)だ」

 

「友人だなんて嬉しいですわ」

 

「さぁ、退治されたい奴から前に出なさいっ!!」

 

おお流石博麗の巫女、心強い。あと紫マジ余裕。

 

「グッ…むかえ撃てぇぇ!!!!!」

 

その声を引き金に一気に部屋の中は乱戦になった。

そんな中鍬を持った痩せ型の男が部屋から抜け出すのを見つけた。

 

「・・・?」

 

不審に思い後ろからつけると、どうやら地下室に向かっているらしい。

そしてある部屋の前に行くと荒々しくドアを蹴り開ける。

そこには二つの影があった。

 

「…だ、お前らのせいだ、お前らのせいだ、お前らのせいだ、お前らのせいだ、お前らのっ!!!!!」

 

そう言って鍬を振りかざす

止めようと男の頭めがけて手を横に薙ぐとぱんっ、と地下室に音が響いた、男の頭部はどっかに行った。

男の頭部を一瞥してから部屋の中を見ると、小さな子が二人捕まっていた。

一人は薄青色の髪で悪魔の様な翼を持っており、もう一人は、金色の髪でまるで木の枝に宝石が成っているような翼とも言い難いものを持っており、薄青色の女の子は呆然とこちらを見ており、金色の方も呆然としていたが、突然ポロポロと泣き出した。とにかく縄を解き、とりあえず安心させるために二人を抱き寄せる。

 

「…もう大丈夫だよ。」

 

そう言ったのと紅魔館の奪還が終わったのはほぼ同時だった。

 

 

 

 








ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!展開がッ!展開が二番煎じになるよォァォォォ!!!!!


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オリ主設定。

本編では書かれていない設定だろうが吐き出していくので、純粋にネタバレなしで見たいんだ!と言う人はスルーしてください







名前 立花 輝 (たちばな ひかり)

 

性別 女

 

二つ名 真実の判定者

失楽園の聖少女

 

能力 力を増幅する程度の能力(術式発動時)

真と幻を操る程度の能力

 

容姿 焦げ茶色のセミロングに黒の目、銀と黒のウインドブレーカーと下は黒のTシャツ、ジーンズに大きめのブーツを履いている。顔は凛々しく男の様な目付き(本人は気にしてる)身長は高め

 

性格 基本的に善人で困っているなら助けてあげたくなるタイプ、思っていることの十分の一しか言葉に出ないのでよく勘違いされるがとても明るく楽しい性格、

 

 

性格が性格なので、他人に好かれやすい、(なぜか同性に対しては恋愛対象に映る、特に厄介なタイプに好かれる)微妙に不幸体質で物事が何故か上手くいかない。A型だと良く言われるが実はAB型。

 

外の世界では、昼間は飲食店でバイトをし、夜間学校に通っている。別に頭悪いわけじゃなく、学校に行くには学費がいる。しかし母は学費を払わない。つまり、働いて稼がないといけないと言う事で夜間学校に通っている。

父と母は小さい頃に離婚し、母がたに引き取られたが、すぐに新しい男を作っては、家を空けていた。そんな環境で育ったので適応能力が高いのだ(他人の家に泊まりに行くことが多かったため)

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

作者とお話しようのコーナー(テッテレー)

「…は?」

このコーナーはおり主と作者が話すだけのコーナーやで

「なんでさ。」

コミュニケーションは大事にしないとネー!

「…本心は?」

1000文字多いなーって

「最悪だコイツ!!!」

しゃーないやん!!お前の設定ほとんど決まってなかったんだよォォ!!!!

「最悪だコイツッッッッ!!!!!」

まあまあ、何か質問あったら聞いていいぜ( ´_ゝ`)

「えー…じゃ何で百合ハーレムオリ主にこだわってんの?」

嫌いじゃないけど私が百合スキーだから、「ちゃうねん!!確かにNLも好きやけど私が見たいのはGLやねんっっっ!!!!(血涙)」てなって…暫くしたらなんか悟って「無いんだったら自分で作ればいいじゃない。」てなって…で書いた。

「その意欲を違うトコに捧げろよ…」

んーまぁ、3話位書いて「あ…やっちゃった☆☆☆☆☆」てなったけど…凄く…楽しいです…。

「ダメだこの作者何とかしないと…!」

まあ昔から何か書いてみたいなーって考えてたから良かったよ

「…それでいいのかよ」

とりあえずこれを期に東方オリ主百合ハーレム増えろぉぉぉぉお!!!!!

「魂の叫びだな」

グダグダ喋るの楽しいやう

「ここまで見て頂きありがとうございます。」




あとお気に入りが二つもあって私とてもびっくり。
「コメントの七夜士郎さん有難う御座いました」
東方幻想少女録よろしくお願いします!!!!


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光と影

オリキャラだぜぇぇえ!!!!厨二!厨二!(皆様知ってるでしょうが、前書きは本編に関係ありません。)





 

 

 

「レミリア?」

 

二人の少女を連れてさっきの部屋に戻ると乱闘は終わっていた。て言うか霊夢なに知り合い?

 

「やっぱり霊夢だったのね…」

 

「やっぱりって何よ…ってフランも?」

 

「二人共々惨めに捕まっていたわよっ…」

 

そう言ってレミリアは霊夢の方に近づいていって・・・なんか振り返ってこっちみてる。

 

「…どうした?」

 

「えっ!?あっいや、あの…」

 

両手をパタパタさせながらついでに羽根も動かしながら何か言いたげにしてるが、言わなければ分からんのだが。

するとフランが何かに気づいたようにこちらを見た。

 

「お姉様、輝の事大好きなんだね」

 

「ファっ!?」

 

一気に赤くなったレミリアはフランに掴みかからんいきよいで反論し始めた。

 

「そっそんなことないわよっ!てかなんでそうなるのよ!!」

 

「えー?でもここに戻って来るまでずっと輝の手掴んでたよねー?」

 

「ぐうぅぅ……!じっじゃあフランはどうなのよ!!」

 

「私は輝のこと大好きだよ♡」

 

そう言って腕にしがみついてきて私と目が合うとにこーっと嬉しそうに笑うフラン。

私勝ち組やったぁぁあ!!!!

あっ違いますかそうですか。楽しそうに言い合っている二人をよそに霊夢の方に向かう

 

「霊夢、大丈夫か?」

 

「……別に」

 

あっやばい何かわからんけどなんか怒ってる。

 

「…それより貴方この扉どうしたの?」

 

コンっと粉々になっている扉を示して見せた。えーっと…

 

「…………わからない」

 

「わからないって…何かきっかけとかは…」

 

「………本かな」

 

「本?」

 

霊夢が不思議そうに聞いてくる。と言ってもわたし的には本開きーの、呪文唱えーの、強くなりーの…

ダメじゃねーかぁぁあ!!!全然わからねぇえ!

 

「……紫なんか分かるか?」

 

「へ?私?」

 

生き残っていた陣隊長と最初の巨体の男に尋問をしていたようで、話しかけられるとは分からなかったようだ。

 

「うーんと…これは魔法…かしら?」

 

「魔法?」

 

「それは私の作った術式よ。」

 

後ろから話しかけられて私とてもビックリ。振り向くと紫色のゆったりとした服を着た少女が立っていた。

 

「それは簡単に言うと『力を増幅させる』だけなんだけどね」

 

「そう…貴方がしたの?」

 

「まさか、私は図書館で隠れていただけだし、そもそもその術式は失敗だったのよ?」

 

なっなんだってー!!えっじゃ私どうなるん?

 

「失敗だったらどうして発動したのよ」

 

霊夢が聞くと少女はやれやれと言わんばかりに溜息を吐いた。

 

「それが分かったらどんなにいいことか、わからないから聞きに来たのよ」

 

そう言って私の方を向く、なんか…なんかしたか私……!!

 

「…ファリスロードインフィニティ…?」

 

「…!」

 

ふと、あの時の言葉を呟くと少女はわかり易く反応してくれた。

 

「何か問題があるのか…?」

 

「いいえ…ただ」

 

次の言葉を待つ。何かあるのだろうか。

 

「それは、とある高度魔法の詠唱なのよ」

 

「・・・どんな魔法なんだ?」

 

「確か『魔法の使用条件を低くする』…だったかしら」

 

はいドーンそれやんなんで使えたのか分からへんねんけど、変な大阪弁になるほど明確だ。

 

「…それ、使えないって言ってた方の魔法の使用条件を低くして、使えるようになったんじゃない?」

 

いつの間にやら会話に入っていたレミリアが言う、因みに紫は男どもの話を聞きに戻った。

 

「…かも知れないわね」

 

フム、と少女は悩む様に考え出した、こーゆータイプって考え出したら止まんないよなー。

 

「ああ、私の名前は、パチュリー・ノーレッジ。よろしく」

 

「よろしく、私は立花輝だ」

 

握手をして、その話はとりあえず置いておくことにしておいて、紫の方を見ると

 

影人様(かげひとさま)

 

男の一人が呟くともう片方も行き良いよく同じ方を向きいい笑顔を浮かべた。

と、同時に窓ガラスが砕け散った。

パラパラと飛び散ったガラスに反射した光が飛び込んで来た人影を照らす。

 

「……見つけた。」

 

冷たい声が響く、思わず見つめ直すと人影と目が合った。

 

「…お前は…」

 

「俺か?俺は…」

 

人影はニヤリと口を歪めた。

 

 

「てめーが諦めた全てだ。」

 

 

そいつは私と同じ顔だった。

 

 

 







シッリアスシッリアス!!伏線は貼って貼って拾える分だけ拾います。
コメント本当にありがとうございます!!!!!


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二律背反の存在

正直言って皆様が言っているプロットってなんだろなー
と思ってる




 

 

 

夢を見るのは残酷だ。

いくら夢の中で正義のヒーローになろうが。

嫌な奴を殺そうが。

神様になったって。

その場で少しでも「これは夢だ」と気づいたらすぐに覚めてしまう。

そうしたら残るのは、なんの変哲もないただの日常なのだ。

 

 

 

 

 

霧雨魔理沙は急いでいた。

美鈴から聞いた事を早く霊夢達に早く伝えなきゃいけないと思っているからだ。

 

「影人様…て何なんだ?」

 

美鈴から聞くことによると、ある日人間の軍勢が襲って来たらしい。その時人間を指揮していたのがその影人様らしい。

 

「霊夢!居るか!」

 

正面のボロボロになった門に飛び込んで、霊夢に呼びかける。当の霊夢は五月蝿そうに目を細めて飛び込んできた魔理沙を見た。

 

「…何よ、一体」

 

「霊夢!なんとこの異変の首謀…」

 

「知ってるわよ、影人様…だっけ?」

 

「おっおう…知ってたのか?」

 

「知ってるも何も…」

 

霊夢は少し気まずそうに視線を逸らす、逸らした先には考え込んでいる輝が居た。

 

「…?、どうしたんだ?」

 

「さっき本人が来たのよ」

 

「へー…って!」

 

霊夢に掴みかからんいきよいで魔理沙は矢次早に聞き始めた。

 

「ほっ本人が来たって…どうゆう事なんだ!?捕まえ…捕まえたのか!!?」

 

「捕まえたらもっと嬉しそうにしてるわよ」

 

そういって霊夢は割れた窓ガラスを眺める。

 

「…アイツはこの幻想郷に居てはいけないものよ」

 

「…?」

 

「あいつは妖怪を憎んでる…いや、嫌悪している…の方が合っているわね」

 

「…どうゆう事なんだ?」

 

「あいつは人里の人間達を洗脳していたらしいのよ」

 

「へ…どっどうやって…?」

 

困惑する魔理沙を他所に霊夢は先程のことを思い出していた…(友人)と瓜二つの少年のことを。

 

 

 

 

…あいつ一体なんなんだ…?

私は考えていた。アイツが現れたのはさっきだ。

現れたとき捕まっていた二人は分かりやすく喜んでいたし、正味詰んだ。と思った、が思い出しただけで寒気がする。あいつはこう言った。

 

『俺はお前が諦めた全てだ。』

 

『俺はこの世界を壊す。』

 

『妖怪と人間は争うべきだ。』

 

『どうしてお前は妖怪に肩入れする?』

 

『忌々しい。だか…』

 

 

『愛おしい。』

 

 

『お前は俺の嫁に相応しい。』

 

『俺のそばに居ろ。』

 

 

……あ、やばい鳥肌立ってきた。

以上突然の厨二野郎の黒幕宣言と何故かわからないがお前は俺の嫁宣言でした。

……何なんだよお前!!!なんで私なんだよォおォおオ!!!あとお前がこの異変起こしたのかよ!!巫山戯んなよ!!

しかもあいつ私になんか似てたし、あの目つきの悪さは私だ。

誰なんだよお前…あー・・・考えてたらなんか疲れた…

溜息を吐くと前に人が立っているのに気がついた

 

「大丈夫?」

 

「…ああ」

 

えーっと、あっそうだあのとき隣にいた銀髪の明らかに洗脳されていたメイドだ。

 

「済まない、名前は…」

 

「十六夜咲夜よ、助けてくれてありがとう」

 

「私は何もしてないが…」

 

「ここまで来てくれただけで十分よ。」

 

おおぅ…感謝が身にしみる…そうだな、私頑張ったんだし、今はあの厨二野郎の事は忘れよう。

うん。

 

「お嬢様が疲れているんだったら休んだほうがいいと言っていたけど…」

 

「そっか…じゃあ。」

 

いや待て、私は今さっきまでマラソン大会(笑)をしていたし・・・汗も半端ないだろうし…

 

「…ところで風呂は入れるだろうか?」

 

「えぇ、大丈夫だった気がするけど…」

 

「じゃあ風呂に入りたいんだが」

 

「それじゃあ、準備してくるわ、」

 

「ありがとう」

 

よーし、風呂に入って、ゆっくりと考えよう……

 

 

 

 






なんで女の子からモテるんに男子からモテへんの?おかしいやん。
と言うことで、
_人人人人人人人_
>突然の厨二野郎<
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


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立花輝は静かにしたい。

ヒャッハー!ようやくギャグ展開だァァ!!!
うわおふろたのしい。







 

 

 

…風呂に入ったら静かに出来ると考えていた時期が私にもありましたっと…

 

「・・・みんな疲れてたんだな」

 

「へ?あぁ、まあな…」

 

なんだ魔理沙そんな『いやそんな言葉て片付けるなよ』みたいな顔は。

今私は紅魔館の大浴場に居るんだが…何故かみんな入ってる。

 

「てかなんで紫まで入ってるのよ」

「良いじゃない、疲れていたんだもん」

「もんって…流石にもうアウt」

「霊夢?」

 

「私は別に良かったのに…」

「良い機会じゃない貴女中々お風呂入らないんだから」

「シャワーは浴びてるわよ…失礼ね」

「シャワーだけでは落とせない汚れもあるのよパチェ」

 

「美鈴、傷は大丈夫なの?」

「はい…大きいの一発頭に入れられただけですから」

「…それ本当に大丈夫?」

「咲夜さんこそ大丈夫でしたか?」

「ええ、何もされてないわ」

 

「お風呂だワーイ!」

「ちょ、泳ぐなって…泳げるのかフラン!?」

「泳いでないもーん、ねー輝ー?」

「なっ、輝の方に逃げるなよー!」

 

何かわからんけどとりあえず一言。

やったぜ!!私は勝ち組だァ!!

あっ違いますかそうですか。

んーまぁ、楽しそうだからいっか

 

「ねーねー輝ー?」

 

「?」

 

「輝ってさー」

 

どうしたさフラン?私の体を見て、なんで手を上げt…

 

「結構大きいよねー」

 

ムニュ

 

「ひャあ!?」

 

「「「!!??」」」

 

「わー柔らかーい」

 

「やっ…やめ…くすぐった…ひぅ!?」

 

ちょ、やめてーやめるのよー私の体なんも美味しくないから触るのやめてーくすぐったいのー

 

「あら、ほんとね。」

 

もにゅ

 

「ファっ!?」

 

「「「!!!!?」」」

 

「なかなかの触り心地・・・ね」

 

「まって…ゆか…変なトコ触んない…きゃあ!?」

 

いーやーたーすーけーてー紫セクハラしないでー

 

思わず霊夢の方に逃げ込む。

 

「あら、逃げられたわね」

 

「ねー」

 

悪魔め…あいつら人間じゃねぇ…あ、妖怪だった。

そう言えば霊夢に抱きついているのに気がつく。

 

「ごめん霊夢…霊夢?」

 

うわなんかリンゴ飴みたいに真っ赤だ、のぼせたのか?

 

「大丈夫か霊夢」

 

「…うわっ!はやっ早く離れて!!」

 

真っ赤になりながらバタバタと暴れる霊夢、ちくしょう嫌われた。まあ確かに知り合って嫌いな分類に入っている奴に抱きつかれたらこうなるわな。

 

「…わー・・・私霊夢さんがああなるの初めて見ました」

 

「私もよ」

 

ごめんなーごめんなー霊夢。なんか言われてるけど聞こえないんだ。

 

「あれで気づかないってどうよ」

 

「なにまさかレミィにも気づいてないの?」

 

「なっ!私がそんな分からやすいみたい言わないでよ!!」

 

「分かり易いじゃない」

 

あーもーなんかどーでもいいや。

どうでもいいけどそこ私のこと鈍感とか言わないで。

そんなこと無いから多分。

 

 





すごく楽しい(楽しすぎて白目)
あとコメント有り難うございます!


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幽雅に咲かせ、紅葉の葉

昨日思いついた展開を私はまだ思い出せない。





 

 

 

あの後は何事もなく、一晩ゆっくり休むと想像以上に疲れていたらしく七時まで寝てしまった。

 

「…寝過ごした・・・か?」

 

「そんなことはないわよ」

 

みーあーげてーごらんー うわぁ! のいきよいで反応しようかなと思ったがめんどくさいからあの歪(スキマと言うらしい)から身を乗り出している紫の方を見た。

 

「・・・あんまり驚かないのね」

 

「…慣れた」

 

はい嘘デース、毎回死にそうなぐらい驚いてるけど表に出す前にまぁいっか、ってなるだけなんです。

 

「…起こしに来たのか?」

 

「いいえ、見てただけよ」

 

そう言って満足そうに微笑んで見せる、

あらやだマジ優雅。ゆかりんマジ優雅。

因みにゆかりんとは私がいま即興で考えた紫の愛称だよ!

自分の事ながらキモいと思うよ!!

 

「ところで今日はどうするんだ?」

 

「え?そうね…」

 

しばらく考えるふりをして、そうしてポンと手を合わせて言った。

 

「私の友人の所に行きましょうか」

 

 

 

「で、なんで私までついてこなきゃいけないのよ」

 

「だって二人で行ってくるって言ったら貴女すごい顔してたから」

 

「そんな顔してなかったでしょ。別に二人で行けば良かったでしょふたりで(・ ・ ・ ・ )!」

 

そう言って付いてきてくれた霊夢はフンっと顔を背けた。

はいそうです、霊夢の好感度が0を突き抜けて-台に行ってしまっている私、立花輝です!正直泣きそう!!!

因みに魔理沙は紅魔館の復旧作業を手伝っているそうだ。

 

「……すまない」

 

しかしこんな嫌だったら帰ればいいのになと思ったが、きっと霊夢は優しいから放っておくことが出来ないんだろう。優しいな霊夢は。

…ごめんなー本当ごめんなー

 

「……っ!だいたい貴方がいきなりっ…!」

 

こちらに振り向いた霊夢はやけに赤い顔をしていて…、…!ここは場を和ませるために一つ…!

 

「霊夢…もしかして…」

 

そう言って霊夢の手を掴む。

 

「へ?いや待って、まだ心の準備が…」

 

「熱でもあるのか?」

 

うちゅうのほうそくがみだれる!

 

 

はい平手打ち頂きました!やべぇ痛い。

 

 

階段をそんなことをしながら上がると古いが威厳のある屋敷が見えてきた。しかしなんか寒い…なんか白いの浮いてる…美味しそう

 

「幽々子ー?居るー?」

 

「紫ー?どうしたのー?」

 

そう言って縁側から一人の女性が現れた。

青色の浴衣を着た桃色の髪の美女だ、知ってたけど此処…顔が整ってないとダメっていう法律でもあるの?

 

「?誰なのその子?」

 

「あぁ、この異変を止めてくれる希望よ」

 

…きぼう?何ですかそれ私初めて聞いた。そんなこと思ってたのゆかりん。

 

「へーよろしく、西行寺幽々子よ」

 

「はい、立花輝です。よろしk…」

 

「はーい♡」

 

ぱふっ

あれ なんだか やわらかい …?

 

 







シリアスの反動でギャグが続くと思う。
コメントの A r e n.さん有り難うございます!毎回のコメントの七夜士郎さん、毎回死にそうになりながらコメント見ていますっっ!!!!!有り難うございます!!!


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私としては峰打ちを所望す

タイトルのいいネタがない。
前書きのネタも思い浮かばない。
ネタ大募集★!





 

 

前回までのあらすじ

『あれ なんだか やわらかい … ?』

 

…なんか暗い、しかし顔のあたりが柔らかいので何かに顔をうずめているのだろうか?

 

「ゆっ幽々子ーー!?」

 

霊夢の声がする、何を慌てているんだろ?それにしてもあったかいなぁ。

 

「…ねえ、幽々子これ大丈夫よね?」

 

紫の声もするや、何だかポカポカしてあったかいなぁ、明るくなってきたし、でもなんか寒いなぁ…

何だか眠くなってきたや。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「輝ーーーーー!!!?」

はっ!!

思わず顔を離すと幽々子の顔が見える、いわゆるいい笑顔(グットスマイル)だ。

 

「おはよう♡」

 

「…何したんですか?」

 

やめてそんな意味深な笑みはやめて!!

あとなんかまた霊夢、機嫌悪くなってるし!?

 

「全く…仕方ないわね」

 

そういう紫も気づいてる?かすかにお腹の辺り抓ってるの。すごく痛い。

 

「ふふん」

 

そしてドヤ顔の幽々子、一体どうしろと。

 

 

 

ただいま私、紫と霊夢は幽々子と話をしている。

そして私は紫から「外でも見てなさい。」と直々に言われたのだ!…戦力外通知とかじゃないって信じてる!!!

 

「あのー…」

 

「?」

 

近くに人がいる事にまた気が付かなかった。私…ダメなのかな…?

 

「如何した…?」

 

「へっ?…いえっあのっその…」

 

「……」

 

とりあえず隣に座るように促す、するとそっととなりに少女は座った。

銀色の髪のショートカットで緑色の服を着た可愛らしい顔で少し俯いている。

 

「…………」

「…………」

 

……どうしたのだろう?ただ黙って座っているだけ。

…無言は怖いのだがなぁーー…

 

「っっ…あのっ!」

 

「???」

 

ようやく意を決したように少女が話しかけてきた、

「私と…友人になってくださいますか!!」

 

「…いいけれど」

 

会話終了。

向こうは言っやったぞ、やったぞっみたいな顔をしているんだが…

 

「…君の名前は?」

 

「えっ、あっ魂魄妖夢です!」

 

「私の名前は…」

 

「知っています、立花輝さん…ですよね?」

 

おおっ!私ってば有名人ね!あれでも私来てすぐだよね…?

 

「そうか、よろしく妖夢」

 

「はっはい!」

 

きゃあ、背景に後光差すくらい嬉しそうだ。ふふふ…なんか嬉しいなぁ、

 

「輝?話は終わったかしら」

 

おお、いつの間にやら紫達の話は終わっていたようだ。どうやらあのスキマで帰るらしい。

帰る間際、妖夢が少し寂しそうにしていたので手を振って別れを告げた。

 

 

あの人が帰ってしまった。ふとあの人と握手した手をさすって見る、―――初めて会ったのは彼女がここに降りてきた時だ……好きになるのは一瞬だった、そのあと彼女のあとをつけてもっと好きになった。

彼女が困る顔を見た。

彼女が驚く顔を見た。

彼女が戸惑う顔を見た。

彼女が笑う顔を見た。

―――その全てを見ても私は彼女の事が好きになった。

 

「ふ…ふふふ…」

 

その顔を思い出すともう一つの顔も思い出す。

 

『俺の嫁に相応しい。』

 

思わず歯ぎしりをしそうになる。

あいつだけは……この剣で…

 

そんな思惑を巡らせながら怪しい笑い声を静かに上げる従者を見ながら幽々子は溜息を吐いた。

 

「あの子も罪づくりねぇ…」

 

心配する様なその声は本人には届かなかった。

 

 

 

 







妖夢ファンの皆様すみませんでしたぁぁ!!!!!(スライディング土下座


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二人の少女と1つの夢

霊夢がメインヒロイン並の可愛さを出せるようにがんばる。



 

はーいどうも、おはこんばんちわ。立花輝ですー…

ただいま私はなぜか機嫌がとても悪い霊夢といまーす…

気まずいなう…一体私が何をしたって言うんだ…

「………」

「……ねぇ」

うわぁ!どっどうしたんだ霊夢、私なんにもしてないよ!!?

「そんなに見られたらこっちもやりにくいんだけど?」

威圧感半端ねぇ。なんかごめん…

「…もういいわよ。」

「? 」

「あなたに何言っても無駄ってわかったから」

愛想つかされました。ほんと私何したんだろぉ?

「…霊夢」

「何よ…」

「私は何かしただろうか?」

霊夢の目を見て聞いてみる。綺麗だなぁ、と心の片隅で思う。

「私は霊夢のことは好きなんだが、霊夢は私のことは嫌いなのか?」

そう聞くと、一瞬ポカンとしていたが、次第に笑いを堪えるようにしそして一気に笑いだした。

「あははははっ!そっそんなこと気にしてたの!?あはは!」

「???」

なんか大爆笑してるけど、そんな変なこと言ったかな…あとやっぱ笑うと可愛いな。

「あーもー…なんか私がバカらしくなってきたじゃない…」

「…なんか変なこと言ったかな?」

そんな笑うとこっちが恥ずかしいんだが…考えていると霊夢がやれやれと言わんばかりに肩を揺らしてみせた。

「なんでもないわよ、全く…」

「…霊夢?」

霊夢もコッチを見つめて笑いながら言った。

「私も好きよ輝。」

おおっ!よかった嫌われてはないっぽいな!安心していると霊夢が「あーやっぱり分かってないかー」みたいな顔してるけど何だろ?

「ほら早く寝なさい、明日はまた奪還に行くっていってたわよ」

「そうか…」

まぁそうだったら早く寝て備えないとな。

「お休み霊夢」

「ええお疲れ様。」

しかし今日も疲れたな…

 

 

輝が寝に行ったのを霊夢達の他にも見ている影がいた。

「お休み、(大好きな人)

そう呟いた顔は輝と同じ顔で、まるで邪気の無い初恋の相手を見る瞳だった。

「少し良いかしら?」

「…妖怪と話す気はなかったんだが?」

少年は振り返らずに後ろに居た紫を察した。

「あなたはどうして彼女に執着するの?」

「理由がないとダメか?駄目だよな、そうだな言うなれば…」

少年は早口に伝えた。

「愛ゆえに…だな。」

「愛…ですって?」

紫は警戒しながら聞いた、自分はこの少年と前に話した事があった。その時の印象から、目の前の少年が『愛』と言う言葉を使うとは思えなかったのだ。

「あぁそうだ愛だよ。」

少年は続けた。まるで独白の様に。

「俺はあいつが好きだ、言葉にする事すら億劫がるほどにな。」

「だから―――あいつが俺以外を見ているのが許せない。」

「あいつが見るべきなのは()なんだよ。」

「だから俺は…」

『この世界を壊す』そう言い終わる前に紫の手がかざされる、その瞬間少年の体はまるで影のように消えてしまった。

一人残った紫は吐き捨てるように呟いた。

「輝…あなたは一体、何者なの…」




作者の後ろに這いよるシリアス!


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立花輝の受難

シリアスをぉぉぉお、ゴミ箱にシュュュュゥゥウ!!!!!超エキサイティング!!!!!


「今日は永遠亭に行くけど…」

そう言って紫が切り出したのに何か心配そうにしている。なんだろう…そんな危ないとこなのか?

「…ねぇ輝。」

「?」

「本当に影人とは初対面よね?」

「ああ、」

そう、と言うと紫は少し考え込んだ、あいつが何かしたのか…?

「それはそうと、永遠亭は元々占拠されていなかったんじゃ…」

霊夢がそう言うと紫は気を取り直すように答えた

「いいえ、占拠はされてい無いけど外部からの侵入を拒んでいるの、あの結界でね。」

あの結界。紅魔館で張られていたやつか、でもなんで…

「…とりあえず前のように突撃すればいいんだろう。」

「ええ、話が早くて助かるわ。」

僕3歳だから難しいことわかんにゃい☆

良し、今日も私はキモいぞー!なんか自分で自分の首を絞めるって気分!!

まぁ実は紫達に利用されて終わったらポイでも別にいいし。こんな楽しい夢が見れた(・・・・・・・・・・・)んだし…

あれなんか頭が痛い?どうした私?

「じゃあ近くまで送らないといけないんだけど…」

「私は別の用事があるから無理よ。」

霊夢はそう言った。…ってえーーー!?えっ何私何かしたかなあれかな寝相悪かったかなそれとも…

「結界の解除方法を探さないといけないし」

そういうと霊夢は一枚の札を出した。やけにボロボロだか…あれが結界の大元なのか?

「…じゃあ私は一人で行けばいいのか?」

「いやそれは危ないからダメね、人間達に対抗しようと雑魚妖怪たちも活性化してるから。」

なるほどつまり私一人じゃ一瞬で腹の足しにかならないと。ですよねぇー

 

「それはいいけど何でこうなった。」

そう叫びそうなるのを抑える。

私弱いから誰かと一緒に行け←わかる

じゃあ昨日偶然話してた幽々子に頼もう←わかる

じゃあ今度はそっちからハグプリーズ←は?

そんなふうに状況を整理しても目の前で手を広げ待っている幽々子は変わらない。一体この人は何がしたいんだ?

だがまあそこはまだいい、ていうか別にハグぐらいはしてもいいんだけど…

後ろのお三方の視線がとても痛いの!!!

霊夢は別に気にしてなさそうだけどオーラがただ漏れだし!

紫は紫で、笑ってるけど目が笑ってないし!!

妖夢に至っては殺意の波動に目覚めんばかりのオーラだし、かすかに目死んでるし!!!

詰んだ!!!詰んでいやがる!!!どうする!どうする私!続け!!

「んー難しいんだったらしなくていいわよー?」

「…スミマセン」

よしこれで私の命の危機は去った!!良かった!

「私の代わりに妖夢が行ってくれるわ。」

「へっ?幽々子様!?」

まぁそうなるわな。ごめんなー本当ごめんなー妖夢。




情報に出てくるUAってなんだろ?


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雑踏は竹林に消えて。

妖夢はヤンデレっぽい子で確定しそう(目を逸らしながら)




竹林の中は無音に近い、以前なら鳥の声程度はしたであろうが、この竹林には異様な空気だ漂っている、皆その空気を避けてこの場所には近寄らない。

その竹林に二つの足音が響いた。

 

 

たっけのこニョッキ、「「「「4ニョッキ!!!」」」」

竹を見る度この光景が映し出される、いやした事無いんだけどね。

そんなこと考えながら歩く、隣を見れば少し緊張したように妖夢が歩いている。

「…妖夢。」

「ヒャイ!?」

呼んでみると目に見えて分かるようにビックリする。

…そんなに緊張しなくても、てかむしろ何に緊張してるんだ?

 

 

今私は自分のいるところが信じられない。

隣を見て、顔を少し上げれば凛と前を向いて歩く輝さんが見える。

恰好いい、と素直に思う。

後ろから見るのとはまた違った良さがある。

ああ、出来ることならもっとお話s…

「…妖夢。」

「ヒャイ!?」

いきなり呼ばれて慌てて輝さんを見ると、心配そうな色が綺麗な黒色の瞳に滲んでいた。

そんなことより、いま…私の名前を呼んでくれた…!!

それだけで心が弾んでそのままどこかへ行ってしまいそうだ。

「…大丈夫か?」

「はっはい!大丈夫です!」

そう言うと少し安心した様な顔になる。

ああ、私は貴女の事が、大好きです。愛しています。

そう言いたい気持ちを抑えて前を見ると、

前に人影が見えた、いや人ではない頭から犬のような耳が生えており肩を出すデザインのドレスを身にまとっており腰あたりから尻尾が見えている。

何よりその目はまるで獣のような荒々しい色に染まっている。

目の前の人影はゆっくりと息を吸うと……!

「輝さんここは危な…!」

『アオォォォォォォォン!!!!!』

犬の遠吠えが聞こえる。一瞬置いて彼方此方から同じような遠吠えが聴こえる。

―――集まってきている!

ここは周りを竹で囲まれた小道、こんなところで戦うのは不利だ、逃げるにしたって輝さんが―――

「―――――――――」

ーー…?なんて言ったんですか…?

聞こうと口を開こうとした瞬間、抱き締められた。

そのまま、俗に言うお姫様だっこと言う体制になって今の状況がどうなっているのか分かった。

「へっ?ちょ、輝さ…!」

「永遠亭はどっちだ?」

「えっえーと…あっちです!!」

そう言って大体の方向を指差すと輝さんは満足そうに頷いて…

「しっかり掴まっていろ。」

「はっはい!」

そう言って飛び上がった。

 

 

やばいやばいよ、どれくらいやばいかっていうとマジやばい。

なんか吠えたなーて思ってたらなんかガサガサしてきたし、これやばくね?

しかしこんな場所じゃ妖夢も戦いずらいよなー…どうしょう…

よしっするか。

えーっと確かあの呪文はー…

「ファリスロードインフィニティ。」

そう呟いて、妖夢を抱える、なんかすごく慌ててるけど気にしない。

「永遠亭はどっちだ。」

そう聞くと、大体の方向を指さしてくれた。やっぱ妖夢すごいや、ありがと妖夢。

「しっかり掴まっていろ。」

そう言って全力で飛び上がった。うわ高い、一気に周りの竹の先端が触れる位まで飛べた、近くの竹を掴んで、周りを見渡す。すると向こうの方にポッカリと空間が空いていることに気がついた。よしっ。

気を入れ直してそっちの方に飛んだ。

 

 




スーパー影狼ターイム!!!
(U´・ω・)わんわんお


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雑踏は竹林に消えて。2

妖夢ごめん、正直言ってやっちゃったなーと思っている。
反省はしている、後悔はしていない。


竹林を駆けるはオオカミの姿をした妖怪、竹林を飛び跳ね逃げるは少女二人。

夜は始まったばかりだ。

 

 

 

 

 

そそり立つ竹を頼りに跳びながら下から狙ってくる犬(狼っぽい)から逃げるデスゲーム。

…誰も買わねぇよ。

そんな事を思いながらターザンよろしく竹に掴まって別の方に飛ぶ。

これが結構疲れる。いやマジで。片手に抱えてる妖夢はとても軽いからそっちはいいんだが…、

ジリっと掴まっている方の手のひらが熱くなる、ちらりと手を見ると真赤に染まっている。

……俺の右手が真っ赤に燃える!お前から逃げろと泣き叫ぶ !!

右手じゃないけど、なんかしっくり来る。

「輝さん!手!怪我してます!!」

抱えている妖夢が何か言ってる。これくらい子供の頃いっぱいしてると思ってるんだが…?別に痛くないし。

妖夢はそれでも犬に向かって弾幕(という何か綺麗なやつ)を打ちながら、こちらの身を案じる、

大きい音量で言ってるせいか顔が真っ赤だ。

「私だったら飛べますから!離してくださ…!」

「離したら妖夢が離れてしまうだろ?」

そう言うと呆然としたが、すぐに言い直した。

「大丈夫です!私が飛びながら後ろの狼を食い止めますから!!」

食い止める!そう言うのもあるのか!

いやでもしかし…

「大丈夫か?」

「大丈夫です!…けど」

妖夢は少し申し訳なさそうに言った。

「…一瞬でいいので、強く抱きしめてください。」

……妖夢なりのリラックス法なのか?

とりあえず身近な竹に掴まって妖夢を抱きしめる。

数秒してから離すと、妖夢はとても満足そうに微笑んでいた。

「…危ないと思ったら逃げるんだぞ」

「はい、分かってますよ。」

そう言いながら妖夢が狼の方に飛んでいったのを見届けて、自分も永遠亭の方に向かう。

……大丈夫だろうか…

 

 

狼の群れの真ん中に妖夢が降り立った、すぐに近くにいた狼が妖夢の喉元を掻っ切ろうと飛び出して―――

逆に自分の喉元が掻っ切られた。

赤い鮮血が舞う中妖夢は不服そうに呟いた。

「……ああ、こんな犬だらけの場所にいたらあの人の匂いが消えちゃいますね。」

ブンっと構えた剣を血振りする様に振りかざした。

「早く終わらせて…あの人の所へ…行かないと…」

その時目の前の笑う少女に狼たちが抱いた感情は「恐怖」以外の何物でもないだろう。

 

 

 

神社では霊夢が「結界」の解析を進めていた。

「…難しいわね。」

そう言って霊夢はゴロンと寝っ転がった、そこから見える月はまるで何時かの異変の時のようだ。と思った、

「…頑張れ、輝…」

まるで祈るように呟いて、もう一度起き上がり解析を続けた。

 

 




ヒャッハー!ネタが切れるまでマッハじゃぁぁ!!!!!


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月の兎と外の人

ファーーーーーーwwwwwwww(お気に入りが十二件もあって嬉しさのあまりきりもみ回転で五m飛んだあとに着地失敗して死亡)


月が真上に上がる頃、私は永遠亭の前に着いた。

扉をゆっくり(細心の注意を払って)開ける。

 

中には誰もいないであります隊長!!

よしっ!全軍突撃!!

やー!!!

 

以上脳内シミュレーションでした。

はい、何かもう疲れてるし手痛いし、またあの時の突っかかる感じがあるけどすぐ消えた。

よし進もう。

 

 

誰か来いよっっっっ!!!

暇ァァァ!紅魔館みたいに追っかけるれるのは嫌だけど一人で歩くのはさみしいな……そう思いながら、歩いていると

「動かないで。」

後ろから声をかけられる、思わず振り返りそうになるのをギリギリで踏みとどまる。

「…どこから入ってきたの。」

「正面の扉からだが?」

なんで素直に答えたし私。なんか適当に言っとけばいいものをォォォ!!!

「ふーん…ここに来た奴は追い出せって言われてるけど…」

声が近づいて耳元で囁ける位置まで近づいてきた、後ろから回された手の指先が首元で止まる。

「貴女…いい匂い(処女の香り)がするなぁ。」

爪を立てる、ヤバい。逃げられない。

 

 

 

今泉影狼が目を覚ますと一人だけになっていた。

先程までは仲間と一緒にいたはずでは…考えていると。

「目が覚めましたか?」

そちらを見ると妖夢が鬱陶しそうに狼達を追い払っていた。

「え…えーっと…私は…」

「大丈夫ですか。」

「あー…うん、大丈夫…だけど」

困惑する影狼を他所に妖夢は本題を切り出した。

「あなたが最後に見た人物は誰ですか?」

しばらくポカンとしていたが影狼は答えた、

「確かあの薬売りの兎だったと思うけど…」

「一体何をされたんですか?」

「え?えーと…?」

顔に手を添え考えるが、暫くすると溜息を吐いて

「覚えてないわ、ごめんなさい。」

と言った。

「いえ…」

そう言って妖夢は立ち上がった。その目にはしっかりと先に行った愛しい人が映っていた。

 

 

 

「わっ分かった…終わった…」

博麗神社では霊夢が絞り出すようにそんな声を上げた。

「あら、結構早かったわね。」

「少し分かればすぐだったからね」

スキマから身を乗り出していた紫に答える。

「分かったのはいいけど、どうするのこれ?」

「もちろん有効活用するわよ?」

「…そう」

大きく伸びをして霊夢は立ち上がった。

「もう行くの?」

「ええ、何か嫌な予感がするのよ」

「霊夢のカンは当たるからなー、早く行こうぜ」

声の方を向くと魔理沙が立っていた、…咲夜と一緒に。

「咲夜?どうしたの」

「お嬢様が輝の手伝いに行けと仰ったのよ。」

「ふーん」

「しかしこのメンバーはあの時を思い出すな!」

魔理沙は嬉しそうに言った。

それに咲夜は「そうね」と返し、

霊夢は何も言わずに魔理沙の隣に来た。

「さあ、アイツ()の手助けに行くわよ。」

 

 

 




永遠亭パートは長くなると思う。


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月の兎と外の人 2

R-15の可能性があります!!!
閲覧注意!!!





立花輝は友達は多かった。

男女分け隔てなく接するその姿は小学校での人気者だった。

しかし、中学生になり思春期や二次成長が近づくに連れ、男友達は減っていった。

もちろん整った顔立ちの輝は告白される事もあったが。

「ごめん、あなたのことは男として見れないんだ。」

もちろんこれは彼女の本音だ、いくら考えても彼女の中では、昔の友人が自分の恋人になるとは考えられなかった。

だから立花輝はこの歳まで異性と性的接触をしたことが無かった。

そしてその清い身体と匂いは妖怪を引き寄せる最上のエサだった。

 

 

 

後ろから回されたネクタイのようなもので視界が遮られる。困惑する暇もなく近くの壁に打ち付けられる。

「っっ…」

「へー抵抗しないんですか?」

そういう少女の声と腰の辺りに何か乗ってる感があるので、跨っているのだろう。

つうぅぅ…と指先が首元をなぞって鎖骨、そして胸の辺りに降りてきた。

次の瞬間首筋を舐められるような感覚がした

「んっ!?」

そのまま首筋を甘噛みしながら指は無駄にでかくなった胸を遊ぶように触って見せる。

「ふっ…ひぅ…!」

口から漏れる声を抑えようと手を動かすと、動かなかった、おそらく手は別に拘束しているのだろう。

首筋を少し強く噛んで少女は顔を離した。

「…ほんとーに生娘何ですね」

…?生娘って何だっけ。考えようとしても胸から伝わる快感に脳髄がまるで溶けるようになる。

すると次はTシャツの中に手を潜り込ませてきた。

「んんっ…!やぁ…まっ」

そしてその手は胸の先で微かに自己主張していた突起を思いっきり抓った。

「!?ひゃ!だっ…め…!〜〜〜〜〜っ!!!?」

びくんと身体が仰け反る。突然の感覚に目の奥がまるで星が散るようにチカチカする。

「まさか…こんなのでイっちゃたんですか?」

答えるまでもなく私の上に乗っている少女は私からでも分かるくらい息を荒くしていた。もう一度、手が伸ばされて―――

 

 

ガキンっとまるで刃物がぶつかり合うような音がした。

上に乗られていた感覚も消え、遠くから戦う音も聞こえる。

「輝!?大丈夫!?」

そんな声が聞こえたと思うと視界を塞いでいたモノが取れ目の前に霊夢がいた。

「…あれ?霊夢?」

「大丈夫?変なことされてない…いやされてたわね。」

霊夢が袖から札を取り出し見る先には、妖夢が誰かと戦っていた。

ブレザーに身を包んだウサ耳の美少女。

うわなんかいい歳したおじさんとかが好きそうな子だな…

「っち!別にいいでしょ!入って来たのはあっちなんだから私がどうしようと!!」

「ふざけるなあの人にそんな汚い手で触れたのかその手を出せ綺麗に痛みすら感じる暇なく切り取ってやる。」

…なんか妖夢怒ってる?聞き取りづらいけどなんか言ってるや。

「輝ー!」

おお、魔理沙たちの声も聞こえるや。良かった!

 

しかし私はさっき何をされかけたんだろう?




これの霊夢たちが来なかったら版を書きたくなってきた。



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月の頭脳と影の者

前回のあれ見たいですか!そうですか!書きます書きます!!


廊下を走りながら魔理沙と話す、

聞くとさっき妖夢と合流して私を探していると声が聞こえたと思ったら私がいたらしい。

「まぁ声が聞こえた瞬間霊夢と妖夢は飛んでいったけどな」

「魔理沙うるさい。」

笑いながら話す魔理沙を小突いて霊夢が私の横に来る

「しかし本当に大丈夫?変な感じがするとか…体が熱いとか…」

それにしてもさっきから霊夢は心配しすぎじゃないか?私はこれでも体は強いんだか…

「…しかしあのウサギもうちょいシメとくべきだったかしら」

「霊夢、怖いぞ。」

いやホントに、後ろに般若が見えるいきよいで怖い。

「御一行様で一体何の用事かしら。」

「!?」

後ろを振り向くと青と赤の服を着た女性が立っていた。

「ああ、ちょうど良かったわ」

霊夢はそう言って女性に話しかけた、

霊夢が袖から出したのはあのボロボロの札だ。

「どうしてあなた達がこの結界を持っていたの」

「親切な人から貰ったのよ。」

女性は肩を揺らして見せる、一瞬視線が私に向いたのが気になった。

「…結界を張った理由は?」

「最近物騒でしょう、うちの輝夜に何かあったら危ないからね」

「死なない癖に。」

「と言うか誰からソレを貰ったんだ?」

魔理沙が不審そうに聞いた、まぁ確かにそんなホイホイ有るもんじゃないしな。

すると女性は私を指さした

「彼女と同じ顔のやつに貰ったわ」

「…私と…同じ顔…?」

それって…もしかして…

「まぁいいわ、もう必要無いから結界を解いてくれる?」

「良いけれど…解き方なんて知らないわよ」

「…最悪ね…」

 

広い部屋に出た、その中心にはあの札が貼ってある。

…なんか魔改造現場みたい。違いますかそうですか。

「やるんだったら勝手にやって、見てるから」

「…あんた天才なんだから自分でやりなさいよ…」

ブツブツと文句を言いながら札に手をかざす、そして―――

「解くのはいいが周りに警戒ぐらいしろよ」

ぞわっと背筋を駆け抜ける寒気。まさか…

「なぁ、(俺の嫁)?」

あいつが立っていた。

「なっ何でアンタがここに!」

「自家製の結界を解かれそうになったからみにきたんだよ。悪いか?」

アイツは霊夢の声に軽く答えるように返事をし次に私の方を見た。

「逢いたかったぞ、(俺の嫁)

…ねぇー!なんか名前呼ばれているだけなのにルビで違う呼ばれ方してる気がするー!!

いやまぁ、気の所為だろうけど、信じてる。

「…輝はあんたに用は無いけど」

「俺はあるんだよ」

そう言って私を見つめる、するとだんだんその顔が笑みを創り出した。

「…憶えてないか」

「?」

「知らないか、俺は…」

あいつは満面の笑みでこう言った。

「いいや僕は…生まれた時から貴方を見ていたんだよ?」

知らねぇよ。




圧倒的輝ハーレムの包囲網。


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夢の末路。

影人様の内面心象です。






―――僕が生まれた時、君が僕を作ったとわかった。

小さい子が夢見るように、お伽噺を読むように。

僕は君のそばにいた。

子供が憧れる空想。理想。幻想。

僕も君が考えたモノだった。

僕は嬉しかった。君が僕を見てくれるのがとてつもなく嬉しかった。

僕はそれを愛と呼んだ。

 

しかし気づいた、()は君が望むモノ(幻想)じゃなかった。

幻想は永遠の願い、夢は一時の逃げ場。

僕なんかじゃ君の望んだものは与えられないと分かった。

でも良かった、幻想も夢も、大して変わらない。

君がどこかへ行くことはない。それだけで良かった。

 

 

 

―――嗚呼、神様、どうしてこの世界(幻想郷)を作ったのですか。

彼方の楽園、幻想の郷。

誰もが憧れる永劫の理想郷。

―――君はこの世界を愛するだろう。

この世界を護ろうとするだろう。

この世界を見続けるだろう。

――――――ふざけるな。

その目の先には僕がいないとダメじゃないか。

理想と現実。空想と解離。幻想と幻滅。

物事には光と影がある。

ならば僕は影だ。君の後ろで見守る影になろう。

―――諦められない。

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。

君の場所は―――

キミがいるべき場所は…僕の所なのに。

どうしてだ、考えた、ただひたすらに考えた。

ああ、そうか、といつしか理解した。

その場所を壊してしまえ―と。

だってそうだろう!幻想が無くなったら君は()のところに戻ってくる!そうか!

ああ何を悩んでいたのだろう?簡単じゃないか!

しかしただ壊すでは面白くない。

最も醜く、最も醜悪な最後――――――

『人間と妖怪』

あちらの妖怪はこっちに居たけれどこちらでは生きられなくなった(信じられなくなった)からあちらに逃げたのだ。

ならば…そっちの人間からも信じられなくなったら?

()は直ぐに行動した。

元々忘れられていた俺が入るのは簡単だ。

そして人間がたくさんいるところでこういった。

「全て妖怪のせいだ。」

皆が一瞬だけこちらに注目する。その時畳み掛けるように言った。

「なぁ、そう思うだろ?」

擦り付けるは「妖怪絶対惡」の精神。

そうだ、全て…妖怪が、人間が、この場所が、この世界が、何より――――――

お前が憎い(愛しい)!!!

 

妖怪と人間のバランスが乱れる。悪はあいつらだ。

きっとあの大賢者は元に戻そうとするだろう。そして外を見るだろう。そして――――――

君を見つけるだろう。

その時、その瞬間。

考えただけで脳が蕩けそうになる。

君に会えないのが悲しい、悲しい、悲しい、悲しい、悲しい、悲しい。

君に逢えるのが、哀しい、(愛しい)哀しい、(愛しい)哀しい、(愛しい)哀しい、(愛しい)哀しい、(愛しい)哀しい、(愛しい)

嗚呼、君の全てが欲しい。

 

 




お願い!死なないで輝!あんたが今ここで倒れたら、永琳や紫とのフラグはどうなっちゃうの?残機はまだ残っている。ここを耐えれば、影人に勝てるんだから!
次回「輝死す。」デュエルスタンバイ!


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愛憎劇は始まらない。

やっと20話達成!!!
話と前書きが一致しない!!!





「俺は貴方の夢から生まれた」

 

「言わばあなたの存在の一部なんだ」

 

「それなのに」

 

「どうして貴方は俺を受け入れない」

 

 

知らねぇよ。てめーのツラなんぞ見たことねぇよ。

あっ嘘ですごめんなさい私とおんなじ顔でしたねはい

「…黙って聞いてたら」

私が真面目に考えずにいたら隣に来ていた霊夢が口を開いた。

「どうしてアンタはそこまで輝に執着するの?」

「何でかって?もちろん…」

「愛してるからだよ。」

言い切ってみせた。その目には迷いも揺らぎもない。

…分からない、どうしてそこまで私を求めるのだろう。

わからないという気持ちがふつふつと何かに変わっていく。

「愛しているからこその狂気だよ。君達だっていつか現れるかもしれないよ」

「狂っていると分かってもなお愛し続けるこの気持ちが」

しんっと部屋の中の空気が静まり返る。

「迷惑すぎる愛ね。」

霊夢は反論するように言った。

「そこまで好きだったら相手の迷惑にならないように死んだほうがマシね。」

「ああ、俺もそう思った。」

嫌味のように放たれた霊夢の言葉に、あいつは同意するように言った。

「だが俺が死んだら、誰が輝を守ってやれる?」

そう言い放って、私の方を見た。

「さぁ、輝、俺と共にいる(夢を見続ける)か俺を拒絶するか、さぁ。」

――――――もういい。

何か言いたそうにしていた霊夢を手で制してあいつの前にたった。そして息を吸い込み……

「だァァかぁぁらぁぁ!!私はお前のことなんか知らないって言ってるだろォォォォォォォォォォ!!!!!!!!」

―――よしっ言ってやったぞ。

勝手に私とお前が面識あるみたいにするんじゃねーよ、初めて会ったのは紅魔館の時だっちゅーの

突然放たれた怒号に驚いた様だったが一番最初に言葉を発したのは…

「ッハ…ハハハハ!!」

アイツだった。まるで可笑しそうに顔を伏せて笑っている。

「なるほどっ!!」

顔を上げたアイツは笑っていたが目は何か黒い澱んだ色をしていた。

「お前は認めもせず拒否もせず俺の存在を!存在意義すら否定するのか!!!」

その言葉には怒りは含まれていないが何か違う。もっと澱んだ何かが混ざっているような感覚がした。

「だがまぁ…そうだな」

「俺は生まれるはずの無かった存在だ」

「否定されるのも無理はない」

アイツはゆっくりとこちらに近づいてきた

「だけどお前が教えてくれたんだこの愛する気持ちを」

そして私を抱きしめん距離でこういった

「だからこそ今伝える、俺の想いを伝えるよ」

「輝。」

 

「殺したい程愛してる。」

 

そう言われたのと、私の体をあいつが貫いたのは同時だった。

 

 





輝なんですぐフラグ立ててしまうん?




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少女の死。嗤う夢。

いーやー話がーシリアスにしか落ちないよー。





その部屋には七人の人影が存在していた。

そして今、一つの命が消え去った。

 

「殺したい程愛してる。」

そう告げると同時に右手を彼女へ突き刺した。

鮮血が舞う、呆然とした表情の彼女は。

そのまま地面に倒れこんだ。

赤く染まった掌を眺めてふと彼女の血を舐めてみた。

―――心なしか甘いなぁ。

そんなことを考えると横から妖夢が襲いかかってきた、左手で受け止め、右足で蹴り飛ばす。

そのまま壁に衝突したが、すぐさま起き上がり、

自分の命を刈り取らん、と斬りかかってくる。

「…危ねぇな」

すると次は後ろと上から何かか飛んできた。

よけて見るとそれはナイフだった、

その後ろから咲夜が懐中時計を握り締めていた。

自分の息の根を止めん、とナイフを投げてくる。

「…なんなんだよ」

そんなことを言う暇もなくさらには横から光線が貫く。

上に飛んでよけると光線は壁を突き破った。

横を見ると八卦炉を構えた魔理沙がいた。

自分の魂を焼ききらん、ともう一度構えた。

「おいおい。」

そんな軽口を叩く暇もなく前から札が飛んでくる。

慌てて札を振り払う。

焼きこげた札が散る中霊夢が佇んでいた。

自分の存在を滅さん、という覚悟を瞳に宿していた。

「…何を怒ってるんだ?」

思わず問いかけた。

「お前らに怒られる事をした覚えはないんだが。」

「―黙れ」

魔理沙が口を開いた。その瞳には涙が浮かんでいた。

「どうして…どうして輝を殺した!!!」

「…どうして、とは?」

「輝がお前を否定したからか!!」

「ちげぇよ」

その事は否定する。別にそれだけのこと(否定された)で彼女を殺した訳じゃない。

「俺はあいつを殺したかっただけだ。」

こんな惨めったらしい世界で生きるより、死んだ方がマシだろう、という気遣いだ。

「別に否定したことは怒ってないよ。」

そう言ってわざと輝の様に笑って見せた。

霊夢が札を投げつけ、体に当たる前に影のように消える。

「…っくそっ」

ギリっと手を血が出んいきよいで握り締める。

「輝…!」

「悔しがる暇があったら手伝ってくれないかしら。」

涙を堪えている霊夢に永琳が話しかけた。

「まだこの子死んでないわよ」

「えっ…」

「心臓のすぐ横を貫いているけどギリギリ当たらない場所よ」

「じゃあ…!」

「でも失血が多い、早くしないと手遅れになるわよ」

「なっ何をすればいいの!」

慌てて霊夢は永琳のそばへ行き輝の顔を覗き込んだ。

輝の顔は苦しそうに歪んでいた。

 

 

 

今私は川原にいる、少し赤い色の川が流れていて現世とは違う寒気がする、あー何か幽々子のとこに似ているなー…

よしっ。ここって三途の川だよね。

\(^o^)/オワタ

 

 

 





東方幻想少女録、完!!!(大嘘)



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その少女、三途でも変わらず

シリアス何かこうだー!!!(膝蹴り)


―――ここどこ。

自分に聞いてもわからないー♪他ーに聞く人見当たらない♪にゃにゃにゃーにゃにゃにゃー…

歌っててもわからんよ。

とにかく気を取り直して周りを見渡す。

赤く流れる川原、石を積む子供、ヒンヤリとした空気。

―――三途の川ってあるんだ

取り敢えず…渡らないといけないんだよね。

別に死んだら死んだだし、少し心残りがあるけど霊夢達だったら大丈夫。

とにかく話せる人を探さないと…!

そうも思いながら周りを歩く、そういえば死んだら魂みたいにあの丸いフォルムになるかなーと思ってたけどそんなこと無いみたい、何かいつもより色が凄く薄いだけだ。後なんか喋っている感じがしない…ぐらいか。

状況整理をしながら歩いていると木の根元に人が居るのに気がついた。

近付いてみると赤毛のツインテール(?)をした女性(特に胸がすごい)が寝ていた。

…いやここで寝ちゃダメだろ。

とりあえず起こしてみよう。

肩を揺らす、強く揺する、ガクガクと揺する、起きない。

……この人強い…!

最終手段だ!耳元に口を近づけ…

―――――起きろおおおおお!!!

「ひゃい!すみません寝てました!って…」

いきなり飛び起きた女性は慌てて自分じゃない誰かに謝ったがすぐにこちらに気が付いた。

―――すみません、聞きたい事が…

話しかけようとすると女性の方がボーッとしている様だった、心なしか顔も赤いし、寝過ぎていたのか?

「…ハッ!えっいやその…こんなとこに何で居るんだい?」

―――多分死んだからだと。

むしろそれ以外ない、死なずに三途の川って…行けるの?

そう言うと少し女性は考えてるような素振りをした。

「んー…こんな事もあるか。」

が、すぐに止めたらしくニコニコと人懐っこい笑顔を浮かべた。

「あんた名前は?」

―――立花輝、宜しく。

「あたいは小野塚小町、よろしく」

そう言って握手をする。思ったとうりいい人みたいだ。

「しかし見る限り船代は持ってなさそうだね」

…ああ、六文銭の事か、確かに持ってない。無かったら渡れないんだっけ…

「まぁ何か事情がありそうだし、今回はお安くしとくよ。」

おお!何をすればいいんだ!

そわそわとしていると小町は意地の悪そうな笑顔を浮かべた。

「一発芸」

―――三途の川って泳げたっけ

「無理だから諦めな」

ケラケラと笑う、こいつ人間じゃねぇ…いや、だからだいたいここの奴等は人間じゃねぇんだ。

諦めて考える。一発芸なんぞ考えたこともない。

…よしっこれで行こう。

小町の方を向き深呼吸をして…

―――私のこの笑顔、六文!!

そして弾けんばかりのスマーイル!!

……はいっ滑ったー!スベリましたー!!!

 

 






こういう気休めも必要だよね。



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裁判官と被告人


独自解釈あります!




静寂が場を支配する。

 

風の音が耳まで届く。

 

そして私の心を支配していたのは……

 

 

今すぐにこの場から逃げたいっ!!

滑ったぁぁあ!!!清々しい位に滑ったぁぁ!!ほら向こうもポカンとしてるし!ああああ!!死にたいっ!!!

……あっ死んでたわ。

「……まぁ出血大サービスで連れてってあげるよ」

うわー!小町優っし!!でもなんか鼻からなんか出てるか大丈夫か!!?

 

船を漕ぎながら小町は私のことを聞いてきた。

基本的には向こうでは何が起こっているか、私が外から来たと知ると外の事などたわいのない話をしていた。

トンっと船が岸に着いたらしい、小町に連れられ入った場所は――――――

「黒です。」

即決で判定出された!!!

「ちょっ、四季様っ!?」

「って、小町、どうして此処に居るのですか?」

四季…と呼ばれた少女は少し驚いた様だったがすぐさま状況を理解した。

「―――小町、そちらの方は?」

「自分は死んだと言っているんですが…やっぱ変ですよねー」

「変だと思ったのならどうして連れてきたのですか?」

「うぐぅ!それは…」

「前々から思っていましたが、貴女は少しいい加減過ぎる、この前の件だって―――」

…なんか説教始まった。どうするよ、とめる?見とく?

「しっ四季様!今はあたいよりあっちの方が重要だと思います!!!」

「ああ忘れていました、すみません。」

ペコリと頭を下げる少女、思わずこちらも頭を下げる。

「―――で、どうしてあなたがここまで来たのですか?」

―――死んだからです。

即決。

そう言うと少女は溜息を吐いてとある手鏡を私にかざした。

「良いですか、これは浄玻璃の鏡と言い死者の過去(・・・・・)を見るものです…が。」

「ここに貴女の過去は映っていません(・・・・・・・・・・・・・)…その意味がわかりますか?」

…えーっと…つまり、私は死んでなかったってこと?

「まぁ今となっては遅いですが…、…?」

死んでないのかーそっかーじゃあ大丈夫だ(・・・・・・・)

死んでないというのが私にとっての現実(・・)なら―――

その現実に帰るだけだ。

夢から覚めるように、本を閉じるように。

暫く呆然としていたようだがほんの少し微笑むように言った。

「なるほど、それが貴女の能力ですか。」

―――いや名前はまだない。

何となくは分かるが名前がないと決まらない。

「そうですね…言うなれば―――」

『真と幻を操る程度の能力』

…かっくいー!なんそれ凄くいい!!!よし能力を聞かれたらそう答えよう!!

「……言い忘れていましたが。」

「私の名前は四季映姫・ヤマザナドゥと言います。」

―――私は立花輝だ。

体が向こうに帰る前に軽口を叩いてみせた。

―――もし私がまた来たら容赦なく地獄送りにしてくれ。

そう言えたのと同じに意識は消えた。

 

 

広い部屋に少女が二人、片方はほうっと息をつき、もう片方はしばらく考えて、

「…小町、彼女は長生きできますかね?」

「んー…もしかしたら、あの性格ですし後ろからグサリ…かも知れませんよ」

おどけて見せる小町に映姫は少し笑い

「かも知れませんね」

と返した。

 

 

 





えいきっき可愛いよえいきっき。


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月の兎と純粋な人。


輝に下ネタを言い続けたい。途中から「何言ってんのこいつ」みたいな顔になったら「イイネその顔興奮するっ!!」みたいなこと言い続けてガチ泣きするまでやりたい。


気がつくとベットに寝かせられていた。

―――知らない天井だ

言ってみたかったが誰か居たら恥ずかしいので言わないでおく。顔を左右に動かし何処なのか知りたかったが窓は閉められ、部屋の内装では分からなかった。

くそう、紅魔館のように部屋の中も真っ赤にしとけよもう。

「…目が覚めたかしら」

声が聞こえたほうを見るとあの時の女性…永琳…だったか?が扉を開けて立っていた。

「…何時間眠っていた?」

「87時間よ」

えっーと…三日半寝てたのか…!?

てか一瞬でソレ計算したのか…!マジ天才…!

私だったら十秒はかかるぞっ!

「体の具合は?」

「…大丈夫だ、問題ない」

あれ何か72通りの名前を持つ人が…

てか、霊夢達は大丈夫なのか!?あいつになんかされたとか…!

「霊夢達だったら帰したわ」

「…そうか」

良かった…!心配掛けたかな…

「まぁしばらく安静にしてなさい」

「そうか…」

しばらく…3日くらい?

「一週間ね」

一週間!そんなにか!って…いやまぁ貫かれたんだし…むしろ短すぎる位か…

てか傷は大丈夫なのか?

やばい、なんか心配になってきた。

 

 

一日寝ただけでどうでもよくなるっていくら何でもひど過ぎるだろ。

疲れも吹っ飛んだ。元気でもじっとしているのが焦れったい。

ふと、服をめくって包帯を解き傷口を見てみると生々しい傷跡が覗いていた。

うわぁ…言葉も失ういきよいだ。

触ったら…痛いよな。

てか包帯解いちゃったけど大丈夫かな?

しばらく待っていると扉がノックされて人が入ってきた。

「包帯の交換に…」

そう言って私を見るとハッとしたような顔になる。

てゆーかあの子って…この前私を食べようとした子だ!!!

「えっと、あの、そのえーっと…」

うわすごく混乱してるや。別に過ぎたことだからいいのに…

「こっこの前はごめんなさい!!」

「別に大丈夫だから頭を上げてくれないか」

ああああ!!そんな別にいいから!私特に何もされてないからっ!

「…じゃあ君の名前は?」

「へっ?…鈴仙・優曇華院・イナバですけど…」

きゃあ名前長い。えっーと…それじゃあ…

「鈴仙、私と友達になってくれないか?」

「…え?」

呆然とした顔の鈴仙、しかし!一度死んだ私はこの程度では引かないぞ!結構心折れそう!

「…はい、私で良ければ」

そう言って微笑む鈴仙、よっしゃ!目指せ友だち百人!!富士山にピクニックに行って一人置いてくるいきよいで!!!

握手を求めると恥ずかしそうな顔で握手を返す。

そのあとは元の用事だった包帯替えをして部屋を出て行った…今度から話し相手ができたなー。

 

部屋から出たところで鈴仙はヘナヘナっと座り込んだ。

「…反則でしょうがアレは…」

そう言って真っ赤になった顔を両手で隠す。

左手から香る匂い。

彼女からにじみ出る匂い(フェロモン)と純粋な心。

―――そして友だちになろうと言った時の嬉しそうな瞳。

「あーもー…」

鈴仙の顔の赤みはしばらく戻らなかった。

 

 






永遠亭パートが終わるので前に言ってた「月の兎と外の人2」のIfを明日あたりに短編であげようと思います。


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一杯のかけそば

永遠亭パートは前で終了です!
さぁ後半戦の始まりだ!!




一週間って早いなー。

それが私の感想だった、

永遠亭で一週間だけ過ごしたんだが、一瞬だった。

…もっとみんなと話したかったなー。

それで今いるのは人里…と言われる場所で人が一番居る所らしい…が。

殺風景だなー、いや人はいるんだがなんか皆…ピリピリしている、とでも言おうか、良く分からないけど緊張感というものが溢れている。

はい、どうして私がここに居るかというとそれは大体十時間前のこと――――――

 

「元気かしら」

「…ああ、まぁ」

ま た 貴様()

てか扉あるんだからそっちから来ようよ。

「今日出られるんでしょう」

「そうだが?」

何かやんなきゃいけない事があるのか?言葉を待ってると紫はクスクスと小さく笑い。

「そんな気張らなくてもいいわよ、簡単なコトだから」

―――なるほど、とても難しいんですねわかります。

 

――――――そして紫から言われたのは「人里の様子を見て来い」と言う指令だった…

以上説明終了QED

…いやQEDの使い方がなんか違う気がする。

ともかくしばらく彷徨いて大体わかったら外に出て来いとのこと。

人里にもあの結界(特に対妖怪性が高いもの)が貼られており紫が見ることすら出来ないと言っていた。

そんなことを考えながら歩いていると腹の奥が唸る、周りには聞こえてないようだがお腹が減った。

すぐさま近くの蕎麦屋に駆け込み。

「入れるか?」

「えっ!?あっはいっこちらにどうぞ!」

近くの女性店員に話しかけるととてもビックリされた。

なんかしたか私?

 

―――ホントなんかしたか私?

さっき蕎麦を頼んだけど周りの(主に女性)の目がなんか痛い。ああなんか言ってるけど聞こえないやう

「すみません、相席大丈夫でしょうか。」

考えていると男性店員が話し掛けてきたので頷きで返す、と

「済まない、いきなり店が混み出してな」

この席は二人掛けの机で、向かい合うように座るのだが向こう側に座った青のメッシュ(?)が入った銀髪に青いワンピースのようなものを着たこれまたまぁ麗しい人で…ヤバイ私なんかが此処に居ていいの?引き立て役にすらならんよ?

「かけそばお待ちしましたー」

「ああ、ありがとう」

そう言って女性は蕎麦を受け取り、私は無言で受け取るっと…畜生こんなところまで差ができるのかよ…!

とにかく蕎麦を食べる、ダシの旨さと麺の程よい香りが口の中いっぱいに拡がって美味しい。

無言で食べていると店の端に武器なんかがあるのが見えた、槍とか刀とかあと鎌。

「…少しいいか」

「なんだ?」

…なんかこれ字面的に分かりにくくね!?じゃなくて…

「あの武器は何に使うんだ?」

「ああ、万が一妖怪が攻め込んできたら退治できるように置いているんだと」

…ふーん…なるほど。

ふと、女性の顔をよく見ると少し疲れているような感じがした。何かこう…締め切った部屋の中にいる時みたいな…ああいう顔をしている。

「体調が優れないようだが…大丈夫か?」

「えっ…あっああ、心配される程ではないからな」

「…他人から言うのもなんだが」

「なんだ?」

「自分の身を大切にしたほうがいい」

そうだぞー!何時なんか俺はお前の夢だーとか言っていきなり告白された挙句いきなり殺されかけるかも知れないんだぞー!

一瞬ぽかんとしていたがすぐに笑みを作り

「ありがとう、心配してくれて」

いっよっしゃァぉァァァあぁ!!!何かわからないけどよっしゃぁぁぁ!!

「私の名前は上白沢慧音」

「私は立花輝、よろしく慧音」

「ああ、よろしく輝」

そして蕎麦屋で握手を交わした――――――せんせー!これは友達に入りますかー!

ギリギリ「挨拶した知人」でーす!

チクショーーー!!!

 

 





慧音と輝の口調が似すぎてる件

※「月の兎と外の人。2」のIf版ですが。短編としてチラシの裏に出してます!
気になったらどうぞ!


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後悔は夕暮れどきに


殆ど誰おま状態




博麗神社で茶を啜る。

ほうっと息をつき空を見る。

空はこんなに青いのに…なんて暇なんだ。

ときは少し遡る…

人里から帰ってきて霊夢たちに里での状況を説明し終わった頃―――

「じゃあ私紅魔館行ってくるから」

「私も…」

「アンタはここにいて」

以上説明終了QED―――やっぱり違うな。

ともかく霊夢に留守番してろと言われたので大人しくいるのですが…

す る こ と が な い !

お茶は飲み終わったし、寝っ転がると空の端が徐々に赤く染まっていた。

カラスが鳴くからかーえろ♪ってカラス朝でも鳴いてるし、その時は帰っていいのかな?

「暇そうね」

きゃあびっくりした。

横を見ると紫が隙間から体を出し優雅に微笑んでいた。

「まぁ…」

「隣いいかしら」

そう言って隣に座る。

…聞くんだったら答えるまで座るなよ。いや別にイヤとかじゃなくて、むしろ嬉しいくら((ry

「…何か話か?」

「ええ、少し」

そういう紫は僅かに悲しそうな顔になる。

「怪我。」

単語だけを言い私の体に身を近づける。

視線の先にはあの傷があった。

別に気にしなくてもいいんだけど…そんな酷いわけじゃないって言ってたし。

「気にしなくてもいい」

「いいえ気にするわ」

視線を私に向ける。

「今のうちに言っておくわ、こんな事に巻き込んで御免なさい。」

そう言って頭を下げる、いや、違う、謝らなきゃいけないのは―――

「謝らなきゃいけないのは私だ」

そもそもあいつがここを壊そうとするのは私が原因だ。

だから、紫が謝る必要はないのに。

「―――紫」

下げていた顔を両手で包み込み目を合わせる。

「私は最悪だ、最低な奴だ、今紫になんと罵られても足りない位酷いことをしていた。」

あの時―――紫が居なかったら私は何も知らずに、壊れていく楽園すらも知らなかっただろう。

「私は―――この世界()のためなら命だって惜しくない。」

「皆の役に立ちたいんだ。」

真っ直ぐに思いを伝える。どうしようもない位の真実。

「――――――」

暫く言葉を失っていた紫だったがふと、まるで眩しいものを見る様に目を細めて笑い、

「適わないわね、貴女には。」

そう言いつつ胸元に顔を埋めるように抱きついてくる。

ほんの一瞬迷って、背中に不自然じゃない程度に手を添える。

まるで子供みたいだ、と思ったが言ったらきっと怒られるな。絶対。

 

 

「……紫」

「何かしら?」

「そろそろ離れてくれないか」

「…イヤって言ったら?」

「……何時までこうしておくか聞く」

「霊夢が帰って来るまでって答えるわ」

「……そうか」

ゆかりん可愛すぎか。

 

 






次回からはただでさえ急展開だったのが消費税の割合で更に急展開になります!


物語は『加速』する。



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疑問は彼女達と共に


マッハ!マッハじゃぁぁぁぁぁ!!!


何かに追いかけられている。

何かは分からないが黒い、ゾワゾワとした、何かが後ろから追いかけてくる。

必死で逃げるがいくら走っても遠のかないし。

逆にその一定の間隔をあけていくら遅く走っても追い付いてこない。

ただ暗い中一本白い道を走っている。

走りながら何だか人生みたいだ、と思った。

じゃああの黒いのは「死」なのかな。

立ち止まり後ろを見るとそれも立ち止まるように後ろで蠢く。

―――別に今追いついてもいいんだよ。

黒いものは頭を降る。

死にも意思はあるのか、と思うと前をむいて長い道を眺める。

―――道は長いなぁ。

次は歩いてその道を進む。

後ろの黒いのもズルズルとついてくる。

ああ、なんか、夢みたい――――――

 

 

「…夢オチかよ」

思わず悪態をつく、あんだけリアリティがあるんだし、内面心象とかにしとけよ。

布団から抜け出し井戸まで歩き冷たい水で顔を洗う。

ふぅ…冷たいなぁ、いや目は覚めるんだけど。

「輝おはよう」

「…霊夢か…おはよう」

いいねぇ、普段見れないであろう寝癖が少しついた博麗の巫女。商品価値は高いな。

「よく寝れた?」

「…目覚めは悪かった」

いやまぁいつも悪いんだけどね、布団から出るのは至難の業だから。そんなことを言いながら霊夢も顔を洗う。

うわ顔洗って顔上げるときなんか神々しい、さすが霊夢。

 

ご飯を食べながら予定を聞く…が。

最近(三日くらいだけど)は特にない、が答えであることが多い。

ので、私の暇の潰し方は――――――

ただひたすら走るだけ。ほんとに走るだけ。

神社の階段を上がって降りたりとか…

体力を上げる練習だ。

体力あったらなんでも出来るから上げといたほうがいいって国語の先生言ってた。

階段を十回往復したぐらいに戻ると、久しぶりに見る顔があった。

「輝ー!久し振りだな!」

「魔理沙」

「輝輝輝輝輝!」

「そんなに呼ばなくても聞こえてるぞ」

「怪我は大丈夫?」

「心配要らない。ほぼ治ってる」

「…貴女本当に人間?」

「…確か人間だったはず」

俗に言う紅魔メンバーですね!ちなみに上から魔理沙、フラン、レミリア、咲夜、の順番だ。

「あっあの、輝さんっ!」

「妖夢?」

「本当に大丈夫ですか!?」

「大丈夫だ」

妖夢もいるし…向こうみたら幽々子と紫が何か話してる。仲いいんだなやっぱり。

…てか何でみんないるの?同窓会にしてはペース早いよね。

「アンタが帰ってきたって言ったら皆勝手に来たのよ」

縁側でやれやれと息を吐く霊夢、…人望あるんだなぁ。

「そうだ霊夢アイツのことなんだが…」

「何?なんか動きでも…」

「それがいろんな所にあった分散基地が無くなっていってるんだ」

「…どうゆう事」

無くなっていってる…?それは一体…

「どうやらそこにいた人間達が人里に帰って行ったらしいんだ」

帰った…?待て一体どういうことなんだ。

アイツが何かしたのか……?

 

 

 

 

 

『………輝。』

 

 







利き手の親指の爪辺りが抉れて痛い




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月夜に開幕の音が響く


ラァァストスパァォトォォ!!!!!!!





 

 

辺りは暗くなっている、そんな中この神社だけ灯りが付いていてなんか…田舎みたいだな…

そう思いながら室内を見るとみんなが酒を交えて話をしている。

未成年飲酒ダメ絶対!と言おうとしたが別にいっか、となる。

理由は一つ。

『嫌な予感がする。』

何かこう…傷が疼くというか…ザワザワするというか…変な感じがする。

「どうしたの」

「…別に」

隣にレミリアが座る、ほんのりと頬が赤いのはさっきまで酒を飲んでいたからだろう。

「…あなたは面白い運命をしてるわね」

そう言い私を指差す。

「貴方を取り巻く(運命)は全て貴方の為になるものなのに、その全てが貴方の命を奪おうとする。」

クククっと声を押し殺すように笑う。

その目には本来の獰猛さが見え隠れしている。

ふと仰ぐように夜空を見上げると、三日月が煌々と光り輝いていた。

「…私は」

レミリアの方を見て言う。

「今が一番幸せだ。」

後から死んでも構わない、今この世界に存在している事すら有り難く感じる。

「っ!!!」

突然驚いた様に体を震わせ、顔が赤くなっていく。

…急性アルコール中毒…?

 

その後は無難なことを話しながら時間をつぶす。

三日月が真上に上がりかける頃、『その時』は来た。

ガサりっと音がした気がした、

「……………… 」

「輝?」

立ち上がって階段の方に向かう。

階段の上から見下ろすと、人影があった。

ボロボロの服を着た褐色の男性、エルフの様な長い耳と、赤く染まっている長い爪が目に付く。

「…が…くそ……クソが…」

何かを呟きながらこちらに向かって来る。

その目は確かに私を――――――

「輝!」

その言葉にハッとすると、ソイツが私の首元目掛け駆け上がってくるのが見える。

爪の先を尖らせ突く動きがスローモーションのように感じた。

「っ!?」

身をよじり回避する、が服を掴まれ階段を転がり落ちる。

「うっぐうぅ…!」

背中いたぁぁ!!!クラクラと頭が揺れる感覚、何だか濡れてる感じもあるし…血でてね?

前を見ると臨戦体制を取る人…いや、妖怪がいる。

…私が何かしたのか?何もしてないと思うんだが。

「…おい 」

妖怪が私を指さす、瞳は澱んだ何かに浸っているようだ。

「お前が…タチバナヒカリだな。」

「そうだが?」

答えると妖怪はブルブルと震えだした。

「貴様のせいで…貴様のせいで貴様のせいで貴様のせいで貴様のせいで貴様のせいで貴様のせいで貴様のせいで貴様のせいで貴様のせいで!!!!!!!」

瞳の淀みは一気に憤怒に燃え上がる。

ああ、いつだっけ、えーっと、そうだ、紅魔館で―――

『…だ、お前らのせいだ、お前らのせいだ、お前らのせいだ、お前らのせいだ、お前らのっ!!!!!』

あの時の奴と同じ感じがする。

…てゆーことは、何故か笑いそうになるのを堪える。

「…おい」

次は私が問いかける。

アイツ(・ ・ ・ )は何処だ。」

「妖怪の山だ。」

アチラも素っ気なく答える。

てか私を殺す気満々じゃん。ちくしょう。

呪文を唱え、力を増幅させる。

「そうか、じゃあ」

「テメーに用はない。」

月夜にまるで開戦の狼煙のような妖怪の雄叫びが響いた。

 

 





輝の性格が定まらない



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いざ決闘へ。



輝ちゃんマジギレでござるの巻





 

暗がりの森の中、三日月の光だけが照らす先には―――

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」

声を上げながら褐色の妖怪は鋭い爪を相手に突き刺さんとしている。

「っ…!」

もう一方の凛とした顔の少女は出来るだけ静かに妖怪の攻撃を避ける。

月が真上に上がった頃だった。

 

 

あああああああああああっっっ!!!!!!

無理!あんなほとんど音速を超えてるようなもんを避けるだけで凄いよね!?それをさっきからずっとやってんのよ!筋肉がヤバたん!

基礎筋力を上げて必死でやってるのよ!あちらは気にしてないけどね!

こんな脳内だけど頭の中心らへんは冷静にどうするかを考えて、そして、行動する。

―――しかしこいつさっきから動きが単調だな。

ただその爪で私の首か心臓を狙ってくるだけ。

―――反撃、出来るな。

伸ばしてくる腕を一気に掴み投げる。

「!、!!!??」

ドサっと大きな音を立て地面に倒れ込む。

うわとてもテンパってる。

そのまま、腕の関節を逆に曲げる。

「グァァアァァ!!!」

おおっ、効いた…のか?

思わず力を抜くとブンっと腕を振り私を振り払う。

慌てて受身を取るがあっちはその隙を見逃さず私に飛びかかる。

「ばっ…!」

そのままマウントポジション(?)を取られる。

その拍子に肺の息を全て吐き出してしまいクラリとする。

月の光が逆光になり異様な雰囲気を醸し出す。

―――さぁどうするか。

しかし何かこの状況…て言うかコイツどう考えてもあいつの差し金だよな…あっヤバイイラついてきた。

「―――」

「ああっ?」

「クソがっつたんだよばーか。」

何とか右手を自由にしてあいつに向かって精一杯力を込め―――ぶん殴った。

「っでぇ!」

顔が少し抉れたけど気にせず私を睨みつける。

―――まあいっか。

爪が私の頭めがけて振り降りてき………

「きゅっとして…」

「ドカーン!」

妖怪の体が弾け散る。

パラパラと妖怪だったものが落ちる先に、

「輝!」

――――――やばい皆が来ただけなのになんか感極まってきた。なんか涙も出てきた。

「輝大丈夫…って輝!?」

てか服血だらけだ、いま黒のTシャツだけだから比較的目立たないけどあの上着着てたらアウトだったな…

「輝!頭から血出てるわよ!」

んー血って綺麗にできたっけ?まぁいっか、今はそんな事はどうでもいっか、今は―――

近くの木を全身全霊で殴る。

メキメキと音を立てて木が倒れる、けっこう大きい木だったんだな。

まぁいい。今は―――

妖怪の山とやらの何処か(多分てっぺん)に余裕かましてる黒幕様(あの野郎)に一発殴り入れることからだね!

 

 






休みのうちに…出来るだけ…!


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決意と願い

H:更新してもよろしいですか?
S:どうぞ。ところで一日に何本くらいお書きに?
H:三話くらいですね。
S:一話書く時間はどれくらいですか?
H:一時間半くらいですね。
S:なるほど。あそこにテストがありますね。
H:ありますね。
S:もしあなたが更新を控えていたら、
K:ちくわ大明神
S:平均点以上取れたんですよ。
H:あのテスト平均点取りましたけど。
S:誰だ今の



輝は激怒した、必ず、かの邪智暴虐(めんどくさい)あいつを除かねば (ぶん殴らなければ)ならぬと決意した。

以上私の心境。

 

音を立てて倒れた木を見ながら使命を感じていると。

「…気は済んだ?」

「…霊夢か」

あれ?霊夢いつの間に!?気付かなかったんだけど!?えーっと…他にも何か忘れているような…

頭を触るとヌメリとした感触、見ると掌の辺りが赤く染まっていた。

あれやばくね?でも痛くないし…?

………まぁいっか!

「輝大丈夫!?」

「大丈…ぐふぅ!」

いきよいよくフランがタックルしてきた。

なんかすごく痛い。

「しかし何だったのかしら…」

「私、他の所の様子を見てくる!」

紫が不審そうに呟き、魔理沙は箒で飛び立っていく。

私も立ち上がり霊夢に話しかける。

「霊夢」

「どうしたの?」

「妖怪の山は何処だ。」

少し考える様にしてから「あそこの大きい山よ」と教えてくれた。さっすが霊夢、それじゃあ…

「待って、何処に行こうとしているの?」

ああああっっっこっちが待ってよゆかりん、掴んだ肩が痛いよ。

「アイツの所へだ」

「せめて包帯ぐらい巻いてから…」

「そんな暇はない」

あいつの事だろうし…多分、他のトコにも差し向けてる筈だ。

被害が大きくなる前に私が……

「…輝」

「コレはアイツからの誘いだ、乗らなくて何が女だ。」

「そう…じゃあ私は何をすればいいかしら」

驚いた、今紫は私に指示を仰いだ。普通だったらありえない。これ終わったら私殺されるのか?

良く分からない恐怖に怯えながら伝える。

「出来れば人里の手助けに行ってくれ、きっと今人々の『洗脳』が解けた頃だ。混乱している時に妖怪たちが襲ってきたらひとたまりもない。他の皆は自分の場所を守ってくれ、可能性は低いがそちらにも軍が行っているかもしれない。それで…」

一通り言い終わってから霊夢に話しかけるの方を見る。

あーもー本当に迷惑かけるなぁ、ごめんな。

「霊夢は私と一緒に来てくれないか。」

霊夢は一瞬何かを言いたそうにしたが、言葉を飲み込み笑顔で。

「この異変が終わるまでとことん付き合うわよ、輝」

マジっすか、マジ心強いっす。

おっと、いけないいけない思考が脱線した、今はシリアスなんだし。

皆の方をみてもう一度言った。

「皆、お願い出来るか」

「当たり前じゃない。」

真っ先に答えたのはレミリアだった。

「そうね、貴女がそこまで言うんだったら。」

次に答えたのは幽々子。

そして最後は―――

「ええ、分かったわ。」

紫が答える。

「この幻想郷の未来を貴方に託していいかしら」

「当然だ。」

「この世界は私が守る。」

―――やべぇ、なんか恥ずかしいこと言ったかもしれない。

 






因みに前書きのSは作者でHは輝ちゃんです。



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山の洗礼



今回少しネタ多いです(今更)





森の中を走る二つの人影、一人は紅白の巫女服を着た少女。

一人は銀と黒の上着を着た少女。

少女達は妖怪の山という場所へ向かっていた。

そこには今この世界を壊そうとする少年()がいた。

 

わあたかーい。

私の山への評価だ。いや別に他に何かないのかって言われたらあるけど、夜だからあんまり見えないの。

まぁそんなことは置いといて。

今私は霊夢と妖怪の山にいる、やけにコソコソとしていてなんでと思っていたらすぐに分かった。

―――見られてる…?

さっきから視線を感じる、殺気は感じられないから観察程度か…

「輝」

どっふぁい、どないしたし霊夢。

「アイツがどこら辺に居るか分かる?」

「…おそらく一番上だ」

アイツなんかそういうの好きそうだし。

『ふははははははは!待ってい((ry』とか言いそう。

「そう、じゃあ居る所は大体分かっているのね」

「…霊夢?」

「私はここで雑魚の相手をしてるわ」

えーーーー!普通はそういうのって私みたいなんがする仕事ちゃいますん!?

「いいのか」

「大丈夫よ、終わったらすぐ行くから」

お…おう。何かフラグみたいなことを言わないでよ…恐い。

「何よ、私だって貴女にいいとこ見せたいのよ」

そう言い照れくさそうに笑う霊夢。

カメラあったら連写したいくらい可愛い。いやマジで。

「無茶はするなよ」

「そっくりそのまま貴方に返すわよ」

そう言い残して霊夢は飛び出していった…ほんと大丈夫かな…様子見て『夢想封印!』『ぎゃぁぁ!!!』…ここは霊夢に任せて先へ進もう!

そろりと離れて一気に駆け抜けた。

後ろを振り返ると綺麗な光が空に広がっていて、やっぱり博麗の巫女は強いなっと思いました。

 

てか私あんまり夜目利かないのよ。

唯一の光が月光って…どんなロマンチックだよ!!

そう言えば太陽光発電は聞くけど月光発電は聞かないよねー何でだろうねー。

さて、なぜ私がこんなふざけた事を考えているか、理由は、

「―――――――」

見られ(ストーキングされ)てる。二…いや四人か、後ろから視線を感じていた。

霊夢のところから私を追ってきたのかなぁ?やだなー怖いなー。

「…おいそこの人間」

畜生話しかけてきやがった。話し掛けんなよ。めんどくさい。私弱いのに。

「今貴様が居る場所がどこだか分かっているのか」

「………」

「ここは天魔様が管理している場所だ」

バサっと翼の音がする、振り返ると鳥の羽根を持った人達が私に話しかけていた。…て言うか天魔様って誰?

「死にたくなければ今すぐに立ち去れ」

「………」

「…聞こえているのか。」

「……」

「私達だって進んではあまりしたくないのだが」

「…」

「言葉を聞き入れすぐさま逃げれば良かったものを」

「死ね」

鳥が一通り喋ってから、口を開く。

「…あまり強い言葉を遣うなよ、」

 

「弱く見えるぞ。」

 

―――どうしよう、私の中で一生に一度使いたかった台詞第三位が…言えてしまった…!

 

 






カッコいい台詞は言ってみたいですよね。





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烏と人間


輝ちゃんチート過ぎるで候の巻


 

 

「…あまり強い言葉を遣うなよ、弱く見えるぞ」

そういうと同時に『威圧感を増幅』する。

「ッヒ…!」

びくりと鳥人間達は圧倒されるように一歩引いた。

…こんな使い方も出来るのか。凄いな。

「…先を急いでるんだ、通してくれないか」

「ふっ巫山戯るな!」

鳥人間の中の一人が咆える。まぁいきなり人間風情に気圧されたなんて嫌だろうね。

「貴様!私たちを侮辱した罪!その命で償え!」

侮辱なんかしてないと思うんだが…思春期か!

あーなんか面倒な事になっちゃったなー…

「侮辱などはしてないが、不快にさせたのなら謝ろう。」

「つっっっっ……!!!」

目に見えて怒りを顕にする鳥人間。まって私何もしてない、よね…?

そう思っていると鳥人間(仕分けがめんどくさいのでこいつはA)が蹴りを入れてくる。

それを横によけるが別の鳥人間Bが懐に入れていた小刀を振りかざす。

あーもーーーー!!真剣白刃取り!

小刀の切れないところを掴み一気にへし折る!!!

「なっ……!」

ま あ 驚 く わ な

私も驚いてる。流石に折れるとは私も思わなかった。

相手が困惑してるのを見てる暇もなく次は鳥人間Cが殴りかかってくる。

貫くようなスピードの拳を左手で受け止め右手でぶん殴ると2メートル位吹っ飛んで茂みに消えてった。

ヤバイ何か悪いことしたみたいな気持ちになってきた。

「あああああああああああああああ!!!!!!」

雄叫びを上げて鳥人間Dが襲いかかる…てか皆バラバラの攻撃してくるのね。優しいね。

そう思いながら今度は右足で蹴りを入れる、と片足をまだ上げている時に鳥人間Aが鋭い突きを繰り出してくるので、そのまま回し蹴り。

「グッ…!」

おおっ腹にクリティカルヒットした。うずくまる鳥人間Aを見下ろして、他の奴らに言う。

「…そこを通してくれないか。」

あまり他人が傷付くのは嫌なんだ…いや私がやったのか、最悪じゃねーか。

「…っ!粋がるなよ人間!!!」

今度は四人一斉に襲いかかってきた、

もう手は下したくないのになー…

仕方が無いので右手を翳して『能力』を行使する。

真と幻を操る程度の能力。

それは全ての真を見通し、(まぼろし)を魅せる事ができる能力だ、つまり―――

いま目の前にいる奴らに怖いものを見せるくらい朝飯前だ…多分。

「っ…つっっっっ!!!?」

全員が仰け反る、何を見せてるかは私にも分からない。

まぁ本人たちが一番怖いものを一番怖い状態でいるのを見せているだけだ…ほんとコレチートだな。

「…通ってもいいだろうか。」

「ひぃ…!いいっ!いいからコレを…!これを止めてくれ!」

「済まないな」

すごい怯えようだな、何を見ているんだ?

まぁ関係ないな、ごめんな鳥人間達、お前達に罪はない。

鳥人間達を通りすぎて先へ進む。

 

 






チート!チート!チート!!



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少女と烏天狗


最近pixivとハーメルンを行き来する日々




草むらの中を走り抜けていた、すんごい虫の数だけど気にしてたらやってられなかった。

―――急がないと…ヤバイ…!

急ぐ理由は一つ、再出血恐い。胸と頭からなんか流れてる、痛くないけどなんか出てる。

でも早くあいつをぶん殴らないと…死んでも死に切れない!

 

 

しばらく走ると少し開いたところに出る、その先には階段も見える。

―――結構走ってきたな。

さっきからなんか空気薄いかもと思ってたらてっぺん近くまで来てたやう。まぁ早く行かない―――

「あやややや、何処に行こうとしてるのですか?」

上から来るぞ!気をつけろ!と言わんばかりに黒い羽を持った少女が目の前に降り立った。

―――これなんて厨二。

そう思ったのは悪くない筈です。

「そこから先には行かせられませんよ。」

「…この先に用事があるんだ」

「行って無惨に死んだ人間の後始末をするのは私達なんですよ、分かりますか?」

それはつまり…心配してくれてるんですか!?

…違いますかそうですか。

「…通させてくれ」

「駄目です、どうしてもと言うんでしたら…」

「お願いだ。」

「………」

しばらく悩むように顔に手を当てる、そもそも戦いたくないの私。さっきのは能力(チート)使ったから勝てたけど、流石に分かる目の前の少女はさっきの奴らとは比べ物にならない。むしろそれしか分からない。

「じゃあ私の攻撃を耐え切ったら通ってもいいですよ」

………………なるほどここで死ねと。

 

「つっ!」

そんなやり取りをしてからもう数分、正直言ってキツい。いやマジでほんとに。

少女は扇のようなものを使い攻撃してくる、武器は多分風だ。

まるでかまいたちのように切り裂いて来て、ホント痛い。更にそれだけじゃなくて押し倒すような風が吹いてきてまともに移動出来ない、手も足も出ないとはこのことか。

―――悠長に考える暇あったら行動しろよ。

頭の端っこの方から声がする。

いや悠長に考えるしか出来ないのいま、多分今反撃したら一瞬だろう。私の命が。

「あら?反撃しないんですか?」

出来ねぇんですよ。出来る暇があったらダッシュで駆け上がるよその階段。

そう思って階段を見――――――

――――――まて、それはありかよ。

こっちは人間だぞ?それはアウトだろ。どんだけ帰って欲しいんだよ。お前ら手加減って言葉知ってる?

様々な思いがかけめぐる私の視線の先には弓矢を構えた人影が木の上でこちらを狙っていた。

「…くそっ…!」

 

取り敢えず

これは全部影人様(アイツ)って奴の仕業なんだ。

と言う魔法の言葉を使おうそうしよう。(現実逃避)

 

 






輝 は 現実逃避 を 覚えた !
(てれれれってれー)



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夜嵐が吹き少女は駆ける。



そう言えば三十話おめでたう(今更)




前回までのあらすじ

やっとのことで鳥人間四人衆を切り抜けたと思ったら今度は何故か烏の羽を持った美少女に勝負(一方的)を挑まれる!切り抜ける手を練っていた私の視線の先には弓矢で私を狙う敵の姿があった!!

 

HEEEEYYYY あァァァんまりだアァアァ!!!!

何があってこんな目に遭うんだ!一体どうすれば良いんだ!?思考回路はショート寸前だよ!?ミラクルロマンスなの!?

そんな事を考えてるけどやはり脳の片隅は冷静に考えを纏める。

 

―――さて、どうしようか。

―――よけるのは普通の時だったら簡単だろう。

―――しかし今はそれどころではない。

―――あれを耐えながらなんて無理だろう。

――――――さて、どうしようか。

 

その片隅での考えを他人事の様に見る。

何より面倒なのは少女とアイツらがグルだった時だが…

どうやらその心配はいらないらしい、押し戻す風はどこかに押し留める感じはない。

て言うことは自主的に殺りにきたって事ですか…

私が何をしたんだよ!もうこの台詞ずっと言ってる気がするよ!!

―――まぁ落ち着け。落ち着けばあれはよけられるだろう。

まぁそうだけど。少し慌ててもいいじゃん。

―――そんな装備で大丈夫か?

一番いいのを頼む。…じゃねーよ!!?

脳の片隅すらも混乱しているな、どうしよう。

チラリと向こうを見るとまだ狙ってる、…二人か、二人一緒に撃ってくるのか?巫山戯るなキツい。

すると何かを察したのか二人で何か相談しだした。何がしたいんだ。

と思っていると一人は私、もう一人は―――

少女の方を狙った。

何故か、どうして、気付いているのか、大量の未処理情報がなだれ込んできて気持ち悪いぐらいこんがらがる。

しかし考える暇なく弓は引かれる。

少女からは死角、私からは見える。

―――罠だ。

片隅が何か言ったが知るか、なんかもうどうでもいい。

このままいったら体が切り刻まれるだろう、しかしそれは別に支障をきたすワケじゃない。

キリリと限界まで引かれた弓は後一秒したら放たれるだろう。

あーやだやだ

 

まるでコマを飛ばしたように結果が残る。

私は少女を抱き抱えて背後に刺さるはずだった矢を掴んで、私に刺さるはずだった矢は地面に刺さっている。

「…へ?」

腕の中で何か呟いた気がした、が私は気にせずにあいつらを睨む。

少し気圧されるような気配がする。

「…おい」

いやおいおい、私凄くドス効いた声出してんじゃん、何やってんのよもー

「どうして彼女を狙った」

「…お前が逃げないようにだ」

律儀に返してくるので、私もちゃんと返す。

「巫山戯るな。彼女を傷つける前に私を狙え。一秒早く私を狙え。」

正直言って何故この子も狙われたのかがイラつく。

本当にこの山の奴ら血気盛んなんだな、じゃあ教えてやろう。

『売られた喧嘩は高価買取(返品不可)。』

殺してバラして並べて揃えて晒してやんよ。いたいけな少女を狙うなどゆ゛る゛さ゛ん゛!

威圧感ましましで睨んでやると小さな悲鳴をあげて逃げていった。

「あのー…」

おっと忘れてた、離すと強く抱きして過ぎたのかな?顔が真っ赤だ。

「すまない大丈夫か?」

「はっはい」

―――てかこいつ妖怪だし気付いてたんじゃね?

そ の 発 想 は な か っ た

やべーまじやべー恥ずかし…

「…強いんですね」

「……いいや、私は弱い。」

能力が使えたって私は弱い。そんな漠然とした感覚がある。

「でも、私から見たらとても強いですよ」

そういう少女はまるで王子様を見るような目をしていた。

「私の名前は射命丸文です、貴女は?」

「立花輝だ、よろし―――」

「行くんだったら早くした方がいいですよ」

せやね、また何か集まってきてるやう。

階段の方へ駆け出して数段上がってから振り返り、

「ありがとう文。」

お礼を言ってまた駆け出した。早くあいつをぶん殴らないと!

…あれなんか私終始これ言ってる気がする…?

 

 

少女が駆け上がっていくのを追いかけようと一人が飛び出すと。

突風が吹いて押し戻され、さらに体の至る所に切り傷ができていた。

「あの人に返す恩は無いですけど、」

「あの人に恩を売ったら…面白そうですね。」

その先には団扇を構えた文が微笑みながら立っていた。

「さぁ、私は(恋する乙女は)強いですよ。」

次の瞬間、嵐のような風が吹き始めた。

 

 






文たんprpr



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二柱と無礼な人間。



テストなんて無かったんだ(白目)





月は少しずつ沈んでゆく。

名残惜しむように、最高の最後を迎えさせんと。

月は舞台を整えてゆく。

 

 

階段ダッシュの成果がここに…!!

息は上がっているがこれからもう一回山をダッシュで降りろと言われてもギリギリ持つくらいはある。

階段を上がった先を見ると神社があった、博麗神社と同じ…位の大きさかな。

―――あいつ何処にいるの?

奥の方だろ、てか普通に会話すんなよ。誰なんだよ。

心の中の第二の私に驚いていると向こうから人が来た。

一人は紫がかった蒼髪でサイドが膨らんだボリュームのあるセミロング、赤を多く使った配色の服、そして背中の……ポン●リング?

―――注連縄な。

ああ、それだ。大きな注連縄を付けたシルエットが特徴的だった。

後むっちゃ美人なのにむっちゃ機嫌悪そうな顔してる。なんかごめん……

もう一人は金髪のショートボブで青と白のワンピースみたいな服を着ている、そして頭の……帽子。なんか目玉ついてるし動いてるけど帽子ったら帽子。

こちらは私の方を見るとなんかお気の毒…みたいな顔された。なんでさ。

「んー…来ちゃったよ、どうする?」

「どうもこうも無い、来たら叩き返すだけだ」

「そっか、ゴメンねー」

謝る気のない返答。しかしその程度でキレる私じゃない。

「…その先に用事があるのだが、」

「通さないよ」

二人は同時に答え、片方はなんか丸太みたいなのを構え、もう片方は鉄の輪を構えて私を見る。

妖怪の山の住人は化物だらけじゃねーか!無理無理!勝てっこないよ!あんな人達(神相手)に…

何か不吉なルビが振られた予感。

いやまずここをどうする、誰か私の代わりに戦ってくれる奴が来ない限り…!

 

「輝ーーー!!」

そんな声と一緒に星が落ちてきた。いや星じゃないしこの声は…!

「魔理沙!」

「待たせたな!」

うわぁぁぁぁぁん!魔理沙ぁーー!!ありがとう!持つべきものはやっぱり友だな!!

「ここは任せてお前はアイツの所に!」

「ああ、」

そう言い残して私は二人の間をくぐり抜けて先に走って行った。

 

「追わなくて良いのか?」

「んー…別に追ってまで足止めしろって言われてないし」

「言われ…命令されたのか?」

「命令より強制かな?凡人凡妖怪には洗脳でまかり通ったんだろうけどね。」

「全く舐められたものだな」

「まぁ仕方ないよ、さぁて。」

「あの子を追いはしないけど、アンタを足止め位はしないとね。」

「ああ、戦うのは久しぶりだな、魔理沙。」

「んん?もしかしなくてもそうなるかやっぱり」

「そうなるよ」

やれやれと言わんばかりに肩を竦める魔理沙、しかしその目には決意が走っていた。

「さぁ!行くぜ!」

「こい!魔理沙!」

「うー…こういう熱血にはついていけないんだけどなぁ…」

諏訪子の小さな嘆きは月夜に消えていった。

 

 






キリのいい話数で終わらせたいっ…!



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夢の顛末。



そして夢は、光を見た。





 

 

歪に欠けた月は煌々と輝く。

この異変の張本人と原因の二人が舞台に揃ったのを見届ける様に、照らす様に。

三日月は堕ちていく。

エンドロールを流すために。

 

 

暫く走ると開けたところに出る。

息をつくなど油断はしない、何故ならば。

「…よう、輝」

すっかり薄くなった月の光に照らされてあいつが佇んでいた。

灰色の髪に赤色の瞳、Yシャツと黒のズボンと言う普通の格好とやけに合う黒のマントを羽織り、私と同じ顔で全てを許すような微笑みを浮かべていた。

「生きてたんだな」

「あの程度で死なねぇよ」

軽口を叩きながらあいつの目の前に立つ。

「…オレの能力は思考を強制させる程度の能力、別に洗脳なんてたいそれた事はしてない。」

ヒラヒラと手を振って誤解を招かぬように言い続ける。

「ただ里の奴らの思考を『悪い事全て妖怪が悪い』と考える様に強制させただけだ、」

「紅魔館でのあの男は」

脳裏には鍬を振りかざす男が浮かぶ。

それは察するようにアイツは頬を掻き、

「それは少しこじつけがましいがお前らに見つかって罰を下される事すらあいつら(妖怪)のせいにしたんだろうよ」

「そうか、じゃあもう分かっているけどあの結界は―――」

「俺のお手製だ」

ふんすっとドヤ顔を決めるアイツの顔をぶん殴りたくなるが話をするため我慢する。

「妖怪と闘うがあいつらの方が強いから少しハンディキャップ…って奴だな、条件はイーブンにな、イーブン」

「じゃあもう一つ、どうして私を襲わせた?」

「ああ、それはな」

そう言ってあいつは手を翳す、まるでアルコールが切れた中毒者の様にブルブルと震えていた。

「もう直ぐ俺は消える。」

「消える?」

「いや…この体は消えないがこの俺は消えるんだ」

「今までのツケか」

「んーーまぁ近いな」

かははっと笑って見せる。それだけでもう顛末が見えた。

しかし舞台(異変)が終わるまで俳優(主人公と悪役)は話し続ける

「そうか…全くもって」

「ああ、本当に」

「戯言だな。」

「傑作だろ?」

二人で顔を見合わせクスクスと笑う、私は曲識が好きだと言うと、俺は出夢くんがいいなとあいつが言った。

一頻り笑って互いの顔を見る。畜生、やっぱり似てるなぁ。

「それじゃあ」

アイツは笑っていたので私も習うように笑って。

 

 

「じゃあな、君のこと殺したい程大好きだったよ。」

 

 

「そっか、私は死ぬ程大嫌いだったよ。」

 

 

そう言い合って、あいつの胸に、アイツがしたように、腕を突き刺す。

血で濡れる感覚はなく、胸を中心にハラハラと融けるように消えてゆく。

ふとあいつの死に顔を見てやろうと視線を移すと、

朝日が目に染みた。

目が慣れてくる頃にはあいつはもう居なかった。

クラクラと脳が揺れていく。遠くからは聞きなれた声が聞こえてくる。

―――ああ、もう少しだけ。

まるで布団にすがりつく子供のように意識を投げた。

 

 





はい、これで一応幻夢異変編終了ですが。
エピローグと後小噺等を。


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夢から覚める話。



エピローグ。





 

紫が博麗神社に戻ってきた頃には霊夢と魔理沙が縁側でグッタリとしていて、もうその頃には日は高く登り、暖かな日差しは彼女達を差していた。

「大丈夫?」

「んァー…紫か」

ゆっくりと間延びしたような声で魔理沙は返事をした。

「いやーさっきまで寝ててな」

ググッと伸びてると、隣で転がっていた霊夢が起き上がる。

「……なんだ紫か」

「何よその間は」

少ししょんぼりするように紫は肩を揺らして、奥の部屋を見た。

「…まだ寝ているの?」

視線の先には布団に横たわる輝がいた。

輝の顔には大きめのガーゼが貼られており、毛布から覗く細い腕には包帯が巻かれていた。

「ええ、朝から一瞬たりとも起きてないわ」

霊夢も心配そうに輝を見つめる。

ただ静かに深く眠る彼女の横顔はまるで名画のようと揶揄されても遜色ないほど美しかった。

「輝も疲れているんだよ」

「そうだけでしょうよ、ほかの理由があったら溜まったもんじゃない。」

溜息を吐くと、3人の視線がばちりと噛み合う。

「ああ、そういえば」

話を変えるように紫は微笑んだ。

「少し片付けた方がいいかも知れないわね」

「なんでよ」

「あら、聴こえないかしら、(人妖達)の声が」

そういう紫と霊夢の顔は真反対だった。

魔理沙が耳をすませると、少し遠くから人声が聞こえてくる。

「……あんたが呼んだの」

「いいえ、ただ異変は終わったと言ったら皆自主的に集まって来たのよ」

はぁ、と大きなため息を吐いたが霊夢はそこまで嫌がってないようだ。

「あーもー…どーでもいいわ」

立ち上がって上がって来る気配を待つ、

「煩かったら追い出すだけよ」

少なくともその時の霊夢の顔には笑顔が浮かんでいた。

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

ぎしりぎしりと舟を漕ぐ音がする。

向こう岸が見えない川を渡るのは赤毛でふたつくくりの少女、もう片方は白い餅のようなフォルムでフワフワと浮かんでいる。

―――はぁ

先程からこの餅のような奴は溜息を吐き、明らかに理由を聞いて!オーラを出していた。

「…なぁアンタどうしたんだい」

流石にこれは聞かないとダメかと思ったのか赤毛の少女は問いかけた。

―――いや、いうほどでもないんだが…

いいから早く言えよ。と言いそうになるのを我慢して次の言葉を待つ。

―――実は、振られましてね

「へぇ、それはそれは」

これは目の前の餅が男性だったら結構痛い、いや女性でもあれだけど。

―――まぁ彼女は色んな人から好かれてて俺なんて異性とすら見られてなかったんですよ

再度はぁあぁ…と大きなため息を吐いた。

少女は少し同情しながらふと気になったことを言ってみた。

「もしかしてアンタがここに来たのって…」

―――え!?いや違う!全然違う!

慌てて否定する餅。もし手があったら大袈裟に振っていたかもしれない。

―――んーまぁ、交通事故みたいな奴ですよ

「へーそうかい」

―――しかも死に際彼女に看取ってもらったんですよ。

「…嬉しいのかい?」

何か誇らしいものを見せるような態度に少し気になる。

―――ああ、おかげで彼女の顔を忘れずに済む。

「そんなに好きだったのかい」

―――最初で最後の恋になっちゃったけどな。

「…その彼女の名前は?」

ふと気になって尋ねると、魂は懐かしむようにポツリと呟いた。

―――彼女は立花輝って言うんだけどな…

そこから岸に着くまで、思い出話を話し続けた。

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

ざわざわと声がする、楽しそうな声、まるで祭りにいるみたい。

見に行こうかな。

それじゃあ早く、布団から抜け出す前に、おはようと言う前に。

―――さぁ夢から覚めよう。

 

 

 

東方幻想少女録〜幻夢異変編〜完

 

 






後もう一話だけお付き合いください!!




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幻夢異変編あとがき

次は宴会と思っている人達の予想をぶち折っていくスタイル。
「コイツ一回読んでくださる全員に射殺されろ。」




祝☆東方幻想少女録〜幻夢異変編〜完!!!

「………」

んだよ、せっかく明るく始めたのになんでシリアス引きずってんの?

「いや、もしシリアスが続くと思ってたらどうs」

前書きで警告したSA☆

「前書きかよっっ!!!」

はいはい、あとがきという名の伏線回収なんだから。手伝ってよ

「本編で回収しろよ!!?」

まぁ明らかに『なんでさ!?』てなるような奴しか説明しないから。

「最悪だコイツ……!!」

はい、逝くよー。

 

『影人様(笑)が消えた理由って?』

「あーー」

さぁ!どうぞ!

「って私が答えんの!?」

お前が答えないとお前が来た意味ないだろ!

「最悪だコイツッッッッ!!!」

 

「えーーっと、あの時のアイツは『夢から生まれた自分』と『人から恐れられる自分』が存在していて、まぁ簡単に言うと妖怪化しかけてたんだ。」

その結果『輝を愛していたアイツ』が消えかけてて、それが嫌だったから輝に消してもらう道を選んだんだ。

「……あいつ良い奴だったのにな」

呼ぶか?

「やめろ」

 

 

「…………ゑ?」

特に(作者にとっての)疑問なかったな。

「はやっ早すぎだろ!!!」

大丈夫他に聞くことあるから!

「えっちょっと待ってなんでカンペ?」

さあどうぞ!

「…『東方幻想少女録〜日常編〜』?」

おう。

「…『幻夢異変編の正式な後日談という名目で本編で出来なかったイチャイチャをさせたいだけの作者の野望の具現化』…絵に書いたようなゲス野郎だな」

イイじゃん!本編に出てない子達を出したいんだよ!

「こんなんした末路は作者の嫁びいきになるぞ」

皆平等に出すよ!?てかそんな風に言われるの分かってるからアンケ取るんだよ!?

「取るの?」

取るよ!

てな訳でここまで見て下さった心優しい皆様、ぜひ活動報告の方を見てください!

「する場合は輝のハーレム構成力が倍プッシュされます」

とても百合百合しくなります!むしろそれしかない!

「1日の猶予しかないぞ!」

こんな上から目線の輝は嫌だ。

「テメーのカンペに書いてたんだよ!」

 

「こんな見切り発車で始めた小説をお気に入りして下さった心が運河より広い34人の皆様!」

コメントの七夜士郎さん、A r e n.さん、ID:m8/RVkrMさん、胡麻麦茶さん、本当に有難うごさいます!

毎回死にそうな程楽しく見ています!!

「正直すぐ飽きると思っていたら三十話も書けたのは見てくださった皆様のおかげです!」

『東方幻想少女録〜幻夢異変編〜』を読んで頂きありがとうごさいました!!!!!!

 






アンケートの部分を少し削りました!ご指摘有難うごさいます!


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日常編
平和の序章



みんなが書いていいって言ったから書くよ!
もう何も怖くない!!





 

 

 

―――少し前、具体的に言うなら半年前。

この幻想郷に大きな異変が起きた。

人と妖怪のバランスが崩れ、人は妖怪を克服した。

首謀者は、一つの夢だった。

そしてその異変を解決したのは白黒の魔法使いでも博麗の巫女でもなく。

外から来た人だった。

そうして元の平和が戻っていった。

なおこの『幻夢異変』を解決した者の名前は―――

 

 

そこで小鈴は読むのをやめた。

真新しい紙に書かれた天狗文字は半年前に起きたとされる異変について書かれていた。

幻想郷を揺るがす大異変、しかしこの人里ではその知名度は低い、いや寧ろ知らない人しかいない。…中には例外もいるが。

このような異変が起こったらただでは済まさない奴等もいる。しかしそのような者達が何もしていないというのがおかしいのだ。

「本当にあったのかなぁ…」

ぼんやりと字が書かれた紙を眺めていたが、見ても何もないと分かったのか立ち上がり上着を着始めた。

「霊夢さん…今日こそ話してくれるかしら」

少し前から小鈴は霊夢にこの異変について聞いていたのだが全て曖昧な返事で返されていた。

今日こそは!と意気込み店を出ようと暖簾をくぐると―――

「わっ!」

「…っ!」

出合い頭で誰かにぶつかる、慌てて確認すると。

ここらでは見かけない服を着ていて、身長は高めで顔を見ようと視線を上げると焦げ茶色の髪を肩を少しすぎる位まで伸ばし、美少女よりは美青年と言った方がいい程成端な顔つきの女性だった。

「…大丈夫か?」

「えっ?あっはい!」

どうやら見蕩れていたらしく恥ずかしさで顔を真っ赤にしていると、女性は店を覗き込み、小鈴をじっと見た。

「もしかして何処かへ行くのか?」

「はいっ!?…あっいや用事があるんでしたら…」

「いやいいよ」

そう言うと慌てる小鈴の頭をポンと撫でて。

「また、暇なときに来るよ」

そう笑って行ってしまう。

暫く顔を赤く染めたまま立ち尽くす小鈴だった。

 

 

はーい皆おはこんばんちわ。効率厨でお馴染みの輝デース!

ただいま私は人里にいます、さっき古本屋があるって聞いて来たら店番の子が熱で顔真っ赤にしてたから多分薬買いに行くんだと思う。

あれから半年、凄く長かった。いや長いじゃなくて暇だった。

まぁあんな高密度の1ヶ月を過ごしたら誰でも思うだろう。きっと

さて、どうして私が此処に居るかと言うと、あの後神社でお世話になるかもだったんだが流石にもう霊夢に世話はかけられないなーと言うことで独り立ちしてここに来たのです。

 

そんな事で今私は人里に住んでいます。

 






日常編は書くの楽しい。



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無駄に洗練された無駄のない無駄な説明



昨日のうちに書いてたのをドロドロと




 

 

 

「ただいま」

呟きながら家に入る、少し古いツリーハウスのような内装、あまり女の子らしいものはなく質素な感じだ。

靴を脱いで上着も脱いでハンガーにかけ、ソファーに倒れ込む。

あぁ^~ 心がモフモフするんじゃぁ^~

いやー大通りまで遠いんだよな此処。

私の家があるのは人が少なくて、結構風紀が乱れやすい場所。

勧めたのは紫で最初はなんでや!?と思ったがすぐに理由が分かった。

「あら、お帰りなさい」

「…ただいま」

後ろから声をかけられて口から内臓が出るのを堪える、本当にゆかりん驚かすの好きねぇ。

振り返ると何時もの微笑みより少し嬉しそうな色を滲まさせて紫がスキマから体を乗り出していた。

…いつも思うんだけどこれ後ろはどうなってるんだろ?見たら怒られるかな、

「どうしたんだ」

「いえ、少し貴方の顔が見たくなってね」

おおぅ、ゆかりんみたいな人に言われたら照れるなーてゆーかゆかりん結構暇なのね。

「…インスタントしか無いがいいか?」

「ええ何でもいいわよ」

 

インスタントコーヒーの味に病み付きなのです。

この前町で咲夜からもらったんだよなー、

レミリアコーヒー飲まないのかー勿体無いなーカフェイン美味しいのに。

そう思いながら紫とコーヒーを啜っていると。

ああ、また来るな。

そう察知した瞬間にドアは蹴破ったのかと見違えるほど大きな音を立てて開け放たれた。

「紫!アンタまた輝のところに来てたの!」

「あらいいじゃない。」

霊夢がガウガウと吼えるのを意に介さず。何故かこちらに寄りかかって。「ねー?」などと言ってる、

流石の私でも分かるくらい霊夢の血管が切れた音がした。

どうやら霊夢が話をしようとしていたのだが紫が逃げて来たらしかった。

その後引きずられるように紫達は帰って行った。

 

コーヒーを飲み干すとドンドンとノックの(その割には強い)音がする。

「どもー文々。新聞でーす」

そう言いながら開け放たれるドア、何か軋む音すら聞こえる。

「文か…」

「はい、清く正しい射命丸です、あっコーヒー貰いますね」

まるで勝手知ったる他人の家だ。文が自分の分のコーヒーを入れている間に新聞を読む事にした。

…………相変わらずの内容に何故か安心すらしてしまう。

「どうですかー?今回は?」

ニマニマと笑顔を浮かべながら隣に座り新聞を覗き込む。てか自分の奴なんだし見なくてもいいんじゃ…

「…嘘はいけないと思うんだか」

「やだなー嘘じゃなくて脚色ですよ」

そのまま語尾に「はぁと(笑)」が付きそうな声でペチペチと腕を叩く、てかそれ地味に痛い。

その他は特にこれと言った話はせずに空が暗くなってきたあたりで

「それじゃあそろそろ帰りますね」

といい、こっちが返事するより速く飛び出して行った

……そんな急ぐんだったらもっと早くに出れば良かったのに…?

 

その後、夕飯を食べ洗い物を終わらせ布団に入る頃にはすっかり夜だった、少し早い気がするがまぁいいだろう。

一日を振り返り思わず苦笑いを浮かべた。

―――そりゃまぁ妖怪やあの博麗の巫女様なんかがよく出入りする家を人通りが多いところに作れないわな。

「お休み」

誰かに言ってそっと瞼を閉じた。

 

 






なんか普通に感じるこの感じ。



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半獣と友人



楽しいこと書いたもん勝ちってけーねが言ってた。


 

 

「慧音」

散歩に寺子屋まで来てみると予想通り慧音が子供達と話してた。

「あっ輝か、待ってくれ」

「センセーさようならー」

「ああ、また明日」

笑顔で手を振る慧音、理想の先生像だな…美人だし。

「どうした?」

「いや特別な用はなかったんだが…」

んーーどうしよ、なんか慧音見れたらいいなーの気分で来ちゃったんだよな。

取り敢えず苦し紛れに

「お茶でも飲みに行かないか?」

と聞いてみると

「っ…!あっああ!」

とても嬉しそうな顔になる。最近慧音と話すようになって分かったんだがどうやら甘い物が好きらしい、時々こうやってお茶に誘うと嬉しそうにする。隣を歩く時に待ち遠しいのか頬まで染めてルンルンと歩く様はいくらでも奢ってやりたくなる。

 

「すまない、いつも奢ってもらって…」

「いや、慧音が嬉しいのなら私も嬉しい」

そんなことを言いながら団子を食べる。

うむ美味しい。

「っ!…そっそうだ、今度夕飯をご馳走しよう」

何故か顔を真っ赤にさせながら慌てて慧音が夕飯の約束をしてくれた。

すごく嬉しい。正直言って一人で食べるのは寂しかったんだ。いやなんか独り身三十路前OLの気分なんだよ。

「…それじゃあ今夜お邪魔してもいいか?」

「えっ?いや…ああっと、こっ今夜か!?」

内心期待しながら聞いてみると、普段では見られないほど慌て始めた。……流石にいきなり過ぎたか、

「うぅ…どっどうしても今夜来るのか…?」

「ああ、いや迷惑なら――」

「いっいや、迷惑ではないんだが…」

その時頭に声が響いた。

―――いいですか、慧音ともっと仲良くなりたくば少し無理に約束をするのです。

!…そうかありがとう!通りすがりの神様!

「それじゃあ今夜家に行くよ」

「えっちょ」

「じゃあ」

先に代金は払ってるからそのまま店を出る、後ろから声がかけられるがこの際気にしないことにした。

 

さて、満月が光り輝く夜にやって来ました、一応光はついてるから居るんだよね?

「慧音居るか?」

「ひかっ待って…!」

「入るぞ」

扉を開け靴を脱いで廊下を進みここだっ!と思う部屋の前に立ち止まる。

「慧音」

「………」

―――よし、開けるか。

いきよいよく扉を開けたら。

なんか全体的に緑っぽくなって角としっぽが生えた慧音がいた

「…慧音?」

「うぅ…」

顔を真っ赤にして涙目になっている、どうしよう悪いことしちゃった気分…

「…気持ち悪いだろう?」

「えっ?そんなことはないぞ」

すごく恐る恐る聞いてきて悪いが別にキモくない。

てかむしろ可愛い。尻尾モフモフしたい。

「どんな姿でも貴女は私の友人の慧音だ」

目を見て言う、こうゆうのはちゃんと伝えないとダメってセンセー言ってた。

「っ!…すま…ないっ…」

突然泣き始めた。えっ?ちょっと待ってごめんごめんなさい泣かないで下さいお願いいたします。

私が混乱していると慧音は私の胸に飛び込んできた。

……まあいっか。今日くらいは甘えればいいさ。

その夜丸々泣かれた。…別にいいけど。

 

 






しっぽモフモフ。(心の声)



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輝「外の世界について」



ひかりんという謎のあだ名を思いついた今日この頃。





 

 

 

はーい皆ー?こーんにーちわー!脳内と態度の温度差が北海道と沖縄程あると噂の輝だよー!

今私は自宅で何故か文にインタビュアーされてるよ!

わけがわからないよ!

「……聞いてますか」

「聞いてる。」

ごめん、ほんとゴメンだから抓らないで痛い。

なんかいきなり扉じゃなくて映画よろしくカッコ良く窓から侵入してきた文は

『貴方の二時間、たった今買取りました!』

という謎のアポなしインタビューを始めたのですはい。

 

「さて、まずは……博麗の巫女との関係は?」

「霊夢?霊夢はいい友人だな、面倒も見てくれたし。」

「……八雲紫とは?」

「紫にとってはちょうどいい暇つぶしか話相手だろうが私にとってはかけがえの人物だな。」

「……友人として、ですか?」

「…?そうだが?」

「………レミリア・スカーレットとは?」

「レミリアは何かこう…言っちゃ悪いが妹みたいな感じだな、フラン含めて。」

「―――これは想像以上でしたね…」

はあぁぁぁ…と大きな溜息を吐く文、何か変なことでも言ったか?

「どうした文」

「いえー取材相手の鈍感さに驚いているだけですよー」

「…もしかして私は嫌われているのか?」

なんか文が目頭を押さえてる、なんか呻いてるし…頭痛いのか?

「あーもー…はい。次の質問参りましょー」

「…………」

「普段何されてるんですか?」

突然の話題変更に驚きながらも普段することを考え…考え……

「…特に何もしてない」

「何も?」

「…具体的には人里を一周走ったり、お婆さんの荷物持ったり、屋根直したり、子供と遊んだり…」

「隠居した勇者ですか貴方は」

それは酷い。それ遠まわしに年寄りって言ってるんだよな

「…ああ、古本屋に行って外の事を教えたりはしてる。」

「古本屋…ですか?」

「ああ、時々外の本が流れてくるらしい。」

「…で教えてるというのは?」

「そうだな…外のは前事象を知らないと分からない記事とかがあるから、それを教えてやってる。」

ベルリンの壁とかソビエトとかニュートンとか…

教えると顔真っ赤にしてお礼言ってくれるからなー嬉しいんだよなー。

「…ところで」

「?」

「異変が終わったあと外の世界に帰ろうとはしなかったんですか?」

「しなかった」

即答。

まず帰るという選択肢自体がなかったし。

「私が幻想郷が好きだから、ここにいるんだ。」

―――それに私が気付かないほど此処を求めてたんだよな。

そんなことを思いながら、文に笑いかけてみる。

ああん、顔をそらされた悲しい。

 

「…まぁはい、色々聞けたので今日はこれくらいにしてあげましょう。」

そう言いながら割れた窓から身を乗り出す、いや玄関から帰れよ。

なんて思っているとふと振り返って

「…私の事はどう思ってますか」

などと聞いてきやがったので

「気の許せる友人だな。」

と答えてやった。

おおぅ、なんか後ろからでもわかるくらいオーラ出てる。

「そうですか!じゃあこれからも取材OKということですね!」

「えっ?」

どうゆう事や、と聞こうとすると飛び出し、振り返るとカメラを構えて私にシャッターを下ろした。

「それじゃ!」

そのまま呆然とする私を置いてものすごいスピードで飛び立っていく文。

 

―――まぁいっか。楽しかったし。

 

 






ひかりん鈍すぎだお。



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道具屋店主と凡人少女



こーりん難しいや。




 

 

森の道を通って香霖堂と書かれた店にたどり着く。

少し深呼吸をする、どうやらがらでもなく緊張してるらしい。

十分に落ち着いてから扉に手をかけ―――

「霖之助、あったか」

「…お生憎まだだよ。」

「…ちぇっ」

なんかいつもの挨拶と化したやりとりを交わして近くの椅子に座る。

「やることないんだから早くしろよ」

「…君は口を閉じていれば…いや開けても寄って来るか」

「何が言いたい」

「いや何でもない」

そう言いながら霖之助は棚の中からガサガサと色んなものを取り出す。

いま噂の自撮り棒やベイブレード、ファービーなんかもある

「どれから説明すればいい」

「そうだな…それじゃあ」

さて、どうして私がここにいるかというと―――

 

「輝ーお前ってさ外の事に詳しいんだよな」

「…一応外で暮らしてたからな」

人里に暮らし始めて1ヶ月半がたった頃、魔理沙が家に訪ねてきてこんなやりとりをしたのを覚えている。

「それじゃあ連れて行きたい場所があるんだ!」

嬉々としながら連れてきたのがこの店だった。

「……珍しい客だな」

店に座ってたのは白髪の若いメガネをかけた男性。

……しかし店にあるのは前の世界で見たものばっかり、なんでだろう

「此処には外の道具があるんだぜ!」

ドヤ顔の魔理沙、呆れる店主、どうすればいいか分からない私。そんな昼前だった気がする

 

 

 

―――って事があったのさ!

それからちょくちょくここに来てるんだが、懐かしいものもあるんだよなぁ、「モルスァ」と謎の声を出すフクロウみたいな玩具で遊びながら道具の説明をしていく。

「なる程、しかし大概のものはここでは使えないんだな」

「まぁそうなるな」

少し物足りなそうにポケベルをいじる霖之助。

この道具マニアめっ!お前魔理沙から好かれてんのわかってないのか!

一回その事を伝えてみたら「何言ってんのこいつ」みたいな顔された、解せぬ。

「ああ、そうだこれ」

むむむっと考えているとアイツからずいっと何かを渡され―――

「…スマホ?」

「使えないんだったらいらないし、こうゆうのが欲しかったんだろ」

確かに私は以前「何か遠くからでもやりとり出来るもの」を求めてたけど…まさかスマホとは…

「まぁ貰っておく」

「そうしてもらえるとありがたい」

未だに鳴き続けるフクロウをおいてポケットにスマホを入れる。

おおぅ、懐かしい重さが…安心する…

「それじゃあ帰るよ」

「気を付けて」

「お前も盗人には気をつけろよ」

そう言って外に出ると綺麗な夕日だった。

こうゆうの中々外の世界じゃ見れないんだよなー。

さて、帰ろうか。

 

 

 






因みに双方に恋愛感情は無いです。
仲のいい兄弟みたいな感じです。




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空を飛びたい少女



最近ハイテンションがデフォになってきたひかりん





 

 

はーい皆さん最近人里にいるのが飽きてきた輝ちゃんだよー!よっろしく!

いや飽きてきたと言うよりじっと出来ないから彷徨いてるだけなんだけどね。

という訳で博麗神社に久しぶりにやって来ました、階段を上ってちょっと歩くと

「あっ!輝!」

「霊夢」

ああ懐かしい…てか最近なんでも懐かしく思えてきた。

縁側で座ってる霊夢の隣に座って一息つく。

「どうしたの?」

「いや久しぶりに顔が見たくて」

「…あー…輝、気付いてないだろうけど不意打ちはやめて」

顔を背けてそう言われる、何もしてないのに…

「…そういえば」

「…?何?」

「弾幕ごっこって楽しいのか」

なんか魔理沙とかが楽しいって言ってたし、どうなのかな。

「…まぁ楽しいわね」

「そうか」

「してみたいの?」

「してみたいが飛べないから無理」

「あーー…」

はい、私未だに空飛べないんです!だから全移動徒歩です!万歩計あったらカンストする位歩いてるって自慢できます!

「じゃあまず、飛ぶ練習してみたら?」

「…どうやって?」

「…なんか念じてみたら、飛べーって」

そんなあやふやな…!これ数学出来る人にここ教えてって言って答え方しか教えてくれないみたいな奴だ…!

とにかく霊夢の前に立つ、そして…

ふおぉォォォォォ!飛べぇぇェえぇぇ!!

まるでペンギンみたいな動きしながらぴょんこぴょんこする。

―――まるで一向に飛べやしねぇ!

霊夢ー飛べな…!

「だっ大丈夫か!」

「大丈夫…大丈夫よ…」

なんか親指立てて鼻押さえてるけど大丈夫じゃないだろ!?なんかプルプルしてるし!

 

「んーどうやっても飛べないわねー」

「そうだな……」

あれから一時間もやってるのに全然飛べる気配がしない…!ちくせう!

「元から飛べないとか…まだ幻想郷に慣れてないのかしら」

「…それはあるかもな」

そうだよなーいくらここにいたって未だに常識に縛られてるからな……うーん…

「しかし空を飛ぶってどんな感じなんだ」

「…見てみる?」

「え?」

 

ふおぉォォォォォ!!?とっ飛んでるぅぅぅ!??

今なぜか霊夢に抱き抱えられて飛んでる輝ちゃんだよー!

重くないかなー!無駄に肉ついてるから重いよねー!なんかもうハイテンション!

「どう?」

「…凄いが少し怖い」

前を見るのはいいけど下見たらひぃっ!ってなるんだよなー

「…もっとくっついていいのよ」

「………」

お言葉に甘えて首元に抱きつくとほんのりと良い香りがする、おんにゃのこやなー。

「…ふふ」

「…霊夢?」

面白そうに笑う霊夢を見ながら前を見てみる。

―――いつか自分で飛んでみたいよな。

いや飛べても徒歩の方が多くなるよな、絶対。

 

 






書く事が無い事を書く




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薬売りと少女



更新ペースまた落ちるかも(白目)





 

 

人を避けながら道を歩く、近くの団子屋の香りが足を止めさせる。

―――ああ、いいな。

…休みの日って…いいな…

まぁ私毎日が日曜日状態なんですけどね!

と言うことではい、皆さんこんにちは、最近腹筋が割れて女子らしくない身体に変貌していってる輝デース!

人里をうろうろしながらいいお茶屋ないかなーと探すのが最近の日課になって来ました!

そんなことを考えてると、道の端に少し人が集まってることに気が付いた。

「…あの、あそこで何をしてるんですか?」

「へぇっ!?えっあっ薬売りが来てるからみんな買いに来てるんですよ」

近くの人に聞いたところどうやら薬売りが来てるらしい

…傷薬はあるかな。

仄かな期待を込めて覗き込むと笠をかぶった人が藁を敷いた上においている薬の説明などをしてる、が…

「…鈴仙?」

「へっ?…えぇ!?」

 

「最近見ないと思ったら…こんな所に居たんですね」

「ああ」

歩きながら鈴仙と話す、何時もの制服じゃなくて男ぽいやつだから分からなかったや。

「少し前から住んでるんだ」

「え?住んでるんですか?」

「ああ…そうだ、来るか?」

「ふぁ!?いっいえあの…!」

何気なしに聞いてみたら顔真っ赤にして何かモゴモゴ言ってる。

「…今度からうちにも薬を届けて欲しいから家の場所を教えたいんだが」

「うぅ…じゃあ行きます」

「ありがとう」

すごく渋々と言った感じなので誤魔化すために笑ってみたらボン!っと音が出そうな勢いで更に赤くなった。

なんでや

 

「今飲み物を入れて……コーヒー飲めるか?」

「はっはい、大丈夫です!」

うわ凄く緊張してるのかガッチガチだ。

とりあえず二人分のコーヒーを入れ、片方に砂糖を一杯だけ入れる。

「…輝さんの匂い」

クッションに顔を埋めて何か言ってる鈴仙の前に砂糖を入れた方のコーヒーを置いて隣に座る。

「鈴仙どうした、顔赤いぞ」

「ふぇ!?いえ私は大丈夫です!」

んー…大丈夫そうじゃないから聞いてんだけどな。

ぐいっとコーヒーをひと口飲んで机の上にマグカップを置く。苦い!もう一杯!

「…あ」

鈴仙も飲んだらしく少し減ったマグカップを置いて

「砂糖入れました?」

「入れない方が良かったか?」

「いえそんなこと無いですよ」

嬉そうに笑う鈴仙、甘いほうが好きなのか?やっぱり、

「しかし一人で住んでるんですか…」

「外でもそうだったからな」

今思えばあの時の朝一のバイトどうなったんだろ…家賃とか学費とか…思い出したらキリがないな。

「…危なくないんですか?」

「?」

「例えば…一回貴方を襲ったことのある人と自宅で二人っきり、とか」

じぃぃ、と赤い瞳で見つめられる。クラクラと脳の奥が震えていく感覚。

「…鈴仙はしないって信頼してるから家に入れたんだ」

「信頼?」

「だって貴方は私の友人だ。」

そう笑って鈴仙の頭に手を置いて撫でてみる。

「〜〜〜〜〜っ!」

おお、また赤くなった。

 

…変なこと言ったかな?

 

 






彼女にとって友人は他人に対する一番目に信頼する相手に送る言葉です。



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半霊と少女



前に「そのうち後ろから刺されるんじゃないのかwww」的な事を言われたので書いてみました。

反省はしている後悔はしていない。




 

 

んーーー…春近いからかなんか頭がボーってするな…

熱ないのに…まぁ寝てたら治るか。

―――とやってて早一日、お腹減りました!

いや全然作る気とか起きないんですよ、仕方ないよ。

あーー…誰か来ないかなー

「輝さーん?いますかー?」

「…鍵は開いてるから入っていいぞ…」

「こんにちは…って大丈夫ですか?」

「……妖夢か」

多分鈴仙とかかなって思ってたら斜め上をかっとぶ人だったよ。

 

「…じゃあお粥かなにか作りますね」

「すまない…」

事情を話すと妖夢がご飯作ってくれるって!さすが妖夢!

そこにシビれる!憧れるゥ!

おおぅ、こうゆうこと考えると頭クラってするんだよな…

「あ…米は」

「知ってますよ、ここですよね?」

「うん」

……?

なんで知ってんの?前来た時教えたのかな?

てか妖夢きた事あったっけ?

「ハイできました」

「…ああ」

なんて考えてたら美味しそうなお粥ができてた。

……まぁいっか!どうせ忘れてるだけだろうし!

「…美味い」

「そうですか!良かったです!」

びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛ぃ゛!!!

私がお粥作ると「これただのオートミールじゃん!」てなるからなぁ…さすが妖夢。

てかむっちゃ喜んでるな、ぼんやりと尻尾が見えるくらいに。

 

「ごちそうさま」

「はい、洗い物もしときますね」

「いや流石に…私が後から」

「輝さんは寝てて下さい」

めっ!と子供を叱るように言われて布団に滑り込む、

うーん…することないなぁ

「でも駄目じゃないですか」

「ちゃんと夜は寝ないと」

「確かに春先で妖怪たちが興奮して壁を壊して直さないといけないですけど」

…?

「しかも最近1日3食ちゃんと食べてないですよね」

妖夢はこちらに背を向けたまま話している。

「さらに一昨日なんて一睡もしてませんよね?」

妖夢?

「ああ、いえ35分ほど微睡んでましたね。」

いや、あの…

「その後7時43分に家を出て、壁の修繕修復。」

―――

「18時27分に家に帰ってきても明日の予定を考えてそのまま眠らず…」

 

「本当に自分の体を大切にしてますか?」

ぞわりと脳髄に液体窒素を流し込まれている様な冷たさが駆け巡る。

「よ…妖…」

「でも安心してください。これからは私が貴方を守りますから。」

にっこりと笑う妖夢。しかしそのめには何か違うものが宿っている。

「だから…ね?」

 

「オヤスミナサイ」

 

そう言って手を伸ばし――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くぁwせdrftgyふじこlp!?」

ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!

………ってあれ?

窓から朝日が差し込み、爽やかな鳥の声がする。

「―――」

…………夢オチかよっっっ!!!びびったァ!

 

この後むちゃくちゃ生活習慣直した。

 

 





輝「…落ち着いて考えたら妖夢があんな性格な訳ないじゃん!!」



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宴会と少女 前編



二話構成とかできるかな?
そんなこんなで宴会編。




どうもどうもー!この前古本屋で適当に読んでたらまさかの欝漫画で三日三晩うなされた輝だよー!

さて、今私は………

博麗神社の宴会に参加してます。なぜかというと……

 

 

「宴会?」

「はい、この時期になるといつもするんですよ」

今回はちゃんと扉から入ってきた文はそんなことを言った。

宴会か…そういえばあの時もしてたけど部屋の中で寝てろって紫に言われて寝てたもんな…

「で、一緒に行きませんか?」

「今日は家の掃除でもするか」

「そんないきなり予定作らないで下さいよ!」

ポコポコと叩いてくる文。いやホント痛い。

しかし…そうゆうのって酒飲めないやつ行ってもつまんないだろうし。

「大丈夫ですって!輝さんはそこにいるだけでいいんです!」

「…私は招き猫か?」

「似たようなものです!」

 

 

………と押されまくって来たのです。

当たり前だが酒の匂いがプンプンする。

「輝ーーー!」

「フラっぐあッ!」

フラ…ン…タックルはやめて…しんじゃう…

「輝輝輝輝輝輝輝輝ー!」

「う…うん…わかったから少し…」

すりすりと頬ずりする様はとても可愛らしいが抱きしめる力がえげつない。なんか背骨がギリギリいってる気がする。

「――――――♡」

最後に一番強く抱きしめて放してくれた。

……やべぇ…死ぬかと思った。

「輝ー、一緒にお姉様の所に行こう?」

「…ああ」

しかし、なんで私はフランのお気に入りなんだろ?

「あら輝?」

「久しぶりだな」

酒呑みの軍団を軽々と避けていくフランをついていくとレミリアが優雅にワインを傾けていた。

なんか様になるな…

「一杯いる?」

「いや、飲まないよ」

隣に座り込む、はたから見たら親戚のババアとどっかの孫みたいな感じだろうね…いや勿論私がババアの方だよ?

「…髪伸びたわね」

「そうか?」

そう言って髪を触るレミリア、確かに肩にかからないように切ってたのにもうすぐで肩甲骨についてしまう程だ。

「…切ろうかな」

「あら?切るの?」

「ああ、鬱陶しいしな」

「このままでも良いんじゃない?」

「…そうか?」

「よく似合ってるわよ」

髪をすくい取りキスをしてみせるレミリア

「私は好きね」

「…私はレミリアの方が好きだな」

綺麗な水色だしさらさらだし多分いい匂いする。

ん?髪の毛の話だろ?そうだよな?

…あれ?レミリア顔赤いけど酔ったのか?

「…輝ー!」

「うおっ」

後ろから抱きつかれたらバランス崩しちゃうから、危ないから、ちょ、痛い痛い痛い痛い!首!折れる!

レミリアもフランと同じ腕力で抱きつかないで!お腹からいろいろ出ちゃう!

後見てるんだったら止めてよ咲夜ぁぁぁ!!

 

 





キャラ設定のとこに貼ってる絵は日常編の外見です。



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宴会と少女 後編



今回ひかりんが絶対言わない台詞
「貴方が私に答えを求めるのはお門違いでしょう?」





 

「はぁ…」

づがれだ…何かもう体中の骨が軒並み折れてる気がする…

しかしまだ呑むのか…凄いな…

そう思いながら縁側に座る。ふぅ…少ししか離れてないのに喧騒が遠い気がするなぁ。

真上には半月が上がっている。

―――なんかあの時みたいだな。

もっともあの時は三日月だったし、こんな騒がしくなかったし……やべぇなんか思い出したら泣きそうになってきた。

…アイツ多分いい奴だったのに…

「輝ー」

「…ああ、霊夢か」

いつの間にやら俯いていたらしく顔を上げると、霊夢…が誰か肩に担いでる。

「ちょうど良かった、これよろしく」

「え?」

異議を唱える暇なく私の隣にその人を置くと酒豪蠢く宴会に戻っていった。

なんだかその背中は赤い弓兵と似ている気がした。

……でどうしろと?

 

とりあえず隣に寝かせている。

緑色の髪に蛙と蛇の髪飾りをつけた霊夢と同じような巫女服を着た少女。

どうやら酔い潰れたらしく赤い顔で幸せそうに寝ているがたぶん起きたら二日酔いコースだろう。

暇に任せて髪を撫でてみると嬉しそうな声を漏らしたりしてる、……彼氏の夢でもみてんのか?

イヤだってこんなお年頃(外見年齢)の子を男がほっとくわけがねぇじゃん!

 

「んっ…んんっ」

呻き声をあげてゆっくりと少女の目が開かれる。

「………」

そして私を見た瞬間フリーズしました。

そんな怖い顔してるか私、目つきは悪いけど。

「え…えーと…」

「……とりあえず水を飲め」

今は混乱しているだろうが落ち着いて聞いてほしい。

それでもボクはやってない。

コップに入った水を飲み干す少女、それを眺める目つき悪い不審者(自己申請)、お巡りさん待ったなしである。

「…ぷはぁ!」

おお、イッキした。…結構入れてた…はずだよな?

おっと、こっちを不審そうに見てるや。

「…楽になったか?」

「えっと…はい」

「……私は立花輝だ」

「あっ!私は東風谷早苗、です。」

「よろしく」

そう言って握手を求めるとぎこちなく返してくれた。

最近の子はよくできてるなぁ……いきなり出会い頭に「お前は俺の嫁!」とか言わないんだよなあ…いい時代だよなぁ…

「あの…もしかして介抱してくれてたんですか?」

「?ああ」

おおぅ?顔を覆ってなんか言ってる!どうしたし!

「ご迷惑をかけてすみません…!」

「いや、いいよ」

「でも…」

「私がしたいからしたんだ、迷惑じゃない。」

そう笑って言ってみせる。

迷惑なんかかけてないよ!全然だよ!むしろ役得だよ!

「〜〜〜〜〜っ!?」

音が出そうな勢いで赤くなりだした!?酒がまた回ってきたのか!?

「だ、大丈夫か?」

「だいっだいじょうぶれふっ!」

本当か!?大丈夫そうじゃないけど!!ああんもう霊夢!早く戻ってきて霊夢!!

 

 

 

―――その日の夜はあの時とは違いあっという間に過ぎていった。

 

 

 

 







前編でも言いましたが更新ペース落ちます!
すみません!!!!!




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後日談の少女



私はゆかりんをどうしたいんだ。





 

 

一夜明けた博麗神社は死屍累々でした。

―――私の宴会に対する感想から一部抜粋。

 

境内のあちらこちらに人妖(98%妖怪)が酔い潰れてる…

なんか死屍累々…地獄絵図…とも違うなぁ…言葉に出来ない、これか!

「あー…ひかりー…みずー…」

霊夢ですら生きる屍と化してるし…てか死んでる。

井戸に行って冷たい水をコップに注ぎまた戻ってくる作業をさっきからしてるんですよ、さすがに疲れてくるよ!

「大丈夫か?」

「んー…頭グラグラする…」

「…毛布持ってくる」

「ありがとー」

さてっと、毛布毛布ー、もっふもふー!

むっちゃ浮かれながら押入れに手をかけて―――

「輝は飲まなかったのね」

「………紫は呑んだんだな」

あああああああああああああ!!!!!!?ビビったぁぁあ!!

いっつも後ろから来るから安心してたら前から出てきたぁぁ!この人自由か!

しかしスキマから体を乗り出す紫にも少しは疲労が見られる。……ゆかりんも疲れるんだぁ…

「ええ少し、ね」

やめて!人差し指顔に添えてウインクしながらの笑顔なんてやめて!惚れてまうやろ!

「…相変わらず美味しそうね」

「……?」

―――程よく肉がついてるってことですかやだー!

ああでも脂身多くてまずそう…

「…そんなに美味しそうなのか?」

「ええ、とても」

そう言って首に手を回す、出てきてる位置が低いからか私を見上げるような体勢になる。

見上げる目には捕食側としての何かが渦巻いている気がした。

「…紫は、私を食べてみたいと思うのか?」

「いつも思っていたわ」

突然のカミングアウトに私混乱。

え?いっつも?マジで?私なにげに命狙われてたの?

「…なんて冗談よ」

混乱していた私を見透かすようにくすくすと笑う紫。

てか冗談きっついすよユッカリーン!

「…ところで退いてくれくれないか」

「どうして?」

「毛布が取れない」

流石にこの状態では取れないんだよなぁ…抱きついたままだし。

「…じゃあ少しだけ」

そんなことを言ったと同時に背後を誰かに押されてバランスを崩し―――

「っ!?」

べちっと襖に顔面をぶつける。元からアレだけどこれ以上アレになるのは…!

その時ふと紫は大丈夫かと確認しようとすると。

「―――!?」

もぞりと胸元…とゆうか胸に何か感じる、

息というか口というか……って!

「紫何して…っ!」

何か言おうとするとすりすりと顔を動かされる。

フランと違ってなんかこそばゆいというか…ゾワゾワするというか…

離れようとしても腕でがっちりホールドされてて動けない。一体何がしたいんだ…!?

「紫っ…!ちょっとま…!」

顔全体で胸の感触を楽しむようにすりすりされる、てかなんか鼻息荒くない!?息苦しいの!??

「ーーーーっはぁ」

少しするとようやく顔を離してくれた。

あーこそばかった。

何やら思案するような顔になっている紫をできるだけスルーして毛布を取り出して霊夢のところへ戻って行く。

「…人をダメにするおっぱい…」

 

…何か不穏な気配がするがこれもスルーする事にした。

 






輝ちゃんのおっぱいモフモフと考えながら書いてた。
むっちゃ疲れてる。



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聖徳王と少女



神霊廟の描写は48%妄想で書きました。





 

 

宴会から三日たち、人里のあちらこちらに咲き始めた桜を傍目に見ながら歩く。

はーるがきーたーどーこーにーきたー♪

私の視界の中に入る範囲に来たー♪

私の脳内はいつでも春ですよー!ただの危ない人ですねはい!

さて今私が向かっているところは命蓮寺だ!(ババーン!!)

いやなんか噂とかで妖怪ばっかの寺って聞いて、

『オラわくわくすっぞ!』

とか思っていつか行こういつか行こうとしてたらなんか読経ライブ?みたいなのをすると人が言ってたので善は急げと命蓮寺に進んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

――――――と思っていた時期が私にもありました。

なんか転んだと思ったら気づいたら知らんとこにいたとか何てファンタジー。

何が轟々しい(語感的に合ってる気がする)中華風の屋敷がでんっ!と言う感じで立っててその周りには自然が広がっている。

「―――」

いや何より怖いのって目を開けたら道着っぽい服を着た男等が私の周りにいることだよな?

「お…おい、目覚ましちゃったぞ」

「えーと…弟子希望者ですか?」

「…は?」

「いや、だから…」

「何をしているのだ?お前等」

何故かおどおどしながら聞かれていると向こうから声がかけられた。

「も…物部様…」

うわなんかすごい冷や汗出てる。凄い人なのか?

「ん?お主見ない顔だな」

…よしこの子は大丈夫!なんかちっちゃいし!

とりあえず現れた灰色の髪の少女に事情説明する事にした。

「……実は」

「さては弟子入りを希望する者か!」

「……はぁ?」

ばばーん!と背景に書かれそうなくらい自信満々に言われてしまった。一体全体どうゆうことだってばよ!?

「それなら早く太子様のところへ挨拶をしにいくぞ!」

「え、ちょ、」

「まぁまぁ遠慮するでない、さぁ行くぞ!」

いや待ってここどこって聞いてんだけどぉぉぉぉぉ!!!!!

あと弟子入りって何がぁぁぁ!!!??

 

 

 

 

「太子様ー!新しい奴が来ましたー!」

ヒィィィィ!!おうち帰してぇえ!早くおうち帰ってにっころがし炊きながらサンテレビで韓国ドラマみるぅぅぅ!!!ここテレビないけど!

そんな良く分からない混乱した思考をもはや当たり前にいる片隅がどうどうとなだめるというカオスな脳内の私をひとり置いてどんどん話は進んでいく。

「…通してください」

その一言言われると灰髪の少女は躊躇いなく部屋の中へ私を放り込む。

「…っ」

慌てて姿勢を正すと流石にまだ寒いんじゃないかと思うノースリーブの服にまるで動物のような耳の髪、あと溢れ出るカリスマが印象的な少女か座っていた。

―――セーラームーン?

ちょwwwなぜにwwwセーラームーンwww

ああ、でもなんかセーラーぽい服だなぁ…

「さてと、大丈夫ですか」

「…えっと…」

「弟子になりに来たのではないのでしょう?」

……んまぁ、はい。

頷きで返すと、クスリと笑われる。

んー…適わんな。多分今から戦っても勝てないや。その直感だけはあるんだよなぁ…

「…ああ、私の名前は豊聡耳神子と申します」

「…私は立花輝という者だ」

兎に角向こうに習ってイイトコの子みたいに言ってみせるが様になってねぇぇ…

すると向こうが握手を求めて来たので手を握る。

うわぁ手柔らかい。

「…………」

…ん?なんかめっちゃ見られてる。めっちゃ見られてる。なんで?なんか怖いよ?なんかしたかな?

「…ところで」

「?」

「貴女は欲が無いと言われませんか?」

…エーット、小さい頃に少し、中学の時に何回も、高校になってからは数回、こっち来てから…は言われたことがないな。

「…少し言われてたな」

「ああやっぱり」

やっぱり?

「貴方から欲の声が聴こえませんでしたから」

「……良く分からないが、欲はあまり無いが、欲張りではあるぞ」

「へぇ?」

欲の声って聴こえるのかな?と思いながらも少しギザに行って見せる

「貴方に逢えただけで充分なのに私は貴方とあわよくば友人になりたいと思っているんだ。」

―――お前こうゆうセリフのセンスねぇな。

うるせェ黙れ。言ってるこっちは恥ずいんだよ。

「―――っあはは!」

暫く黙ってたけどいきなり笑い出した。そんなに変な言葉だったかなぁ?いや私は言われた瞬間に笑うけど。

「そうですね、じゃあ私と友人になって下さいますか?」

「…願ったり叶ったりですよ神子。」

そう笑って見せた。

 

 

その後迷い込んできた人間()を里に帰したあと。

ひとり部屋で膝を抱える少女。

「…輝…ですか」

そう呟いたあとにえへへへへ…と気の抜けた笑い声を漏らす少女の顔はまるで恋する乙女のようだった。

 

 

 






神子の服見てセーラームーンと思った人は私以外にも居るはず。




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小ネタ詰め



セリフだけの進行です。
思いつきネタです。
あんまり見なくても大丈夫です。
少し誰が言ってるかわかりにくいです。

それでもいいよ!と言う宇宙より大きな心を持った人のみどうぞ




 

 

 

『後日談の少女』その後

「ねぇ」

「何?霊夢」

「宴会の次の日の朝にさぁ…」

「このせんべい美味しいわね」

「話そらさないでよ、何してたの。」

「黙秘権を行使します」

「喰らえスペルカード」

「やめてゼロ距離夢想封印はやめて」

 

 

 

『道具屋店主と少女』その後

「なぁ」

「なんだい輝」

「お前っていつも何してんの」

「道具の調達や整理だね」

「することないんだな」

「自由に過ごしてると言え」

「霖之助の自宅警備員」

「じゃあ君は万年フリーターだな」

「ぐっ!」

 

 

 

『薬売りと少女』その後

「あのー輝さん」

「?どうした」

「この練乳って…」

「コーヒーに入れるんだ」

「美味しいんですか」

「ああ、入れるんだったらテープが貼ってある方を使ってくれ」

「どうしてですか?」

「もう片方は私専用だから」

「へー…」

「まぁ専用ってゆうか汚いが私がぶっかけたり飲んだりしちゃってるから…」

「そ、そうですか……!」

「大丈夫か鈴仙鼻血出てるぞ!?」

 

 

 

『半霊と少女』その後

「…なんか目覚め悪そうだなぁ…」

「……凄く焦ってますね…大丈夫かな…」

「…今日はちゃんと朝ご飯食べてますね…」

「…ふふっやっぱりちゃんと目を覚ましたらかっこいいなぁ…」

「…今日の輝さんは健康的な感じですねぇ…」

「…明日もこんな感じだったら良いなぁ…」

(なんかまだ寒気がする!!?)

 

 

 

『半獣と少女』その後

「すまない…」

「いい、気にするな」

「うぅ…」

「じゃあまた満月の時に遊びに来てもいいか」

「え!?えっと…」

「もう一度あの姿の慧音が見たいんだ」

「っ!!!あっああ!」

(次きた時にしっぽ触らしてもらおう。)

 

 

『平和の序章』その後

「霊夢さーん!」

「小鈴?どうしたのそんな急いで」

「さっさっき人里ですごくカッコイイ人がいたんです!」

「……焦げ茶色の髪に銀色の上着着てた?」

「はい!…って霊夢さん知り合いなんですか!?」

「知り合いっていうか…何と言うか…」

「霊夢さんどうしました?溜息なんかついて」

 

 

 

『空を飛びたい少女』その後

「すまない、重かったか」

「いやそんなことはないわよ」

「…もし飛べるようになったら次は私が抱えて飛んでやる」

「そうじゃあ楽しみにしてるわね」

「…っああ!」

(ああんもうなんでそんな嬉しそうにするのよぉぉぉぉぉぉ!!畜生!好き!!!)

 

 

 

『聖徳王と少女』その後

「ところで神子。」

「はい何ですか」

「髪を触ってもいいだろうか」

「…ああ、どうぞ?」

「……(うわーやっぱりモフモフしてるぅぅ!)」

「……(なんかすごく嬉しそう!可愛い!)」

 

 

 






あと50話おめでとう(いつも遅い)



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小さな少女


『ただ小さな輝が書きたかったんです。それだけだったんです。』などと意味不明な供述をしており―――






日差しが目に入りはよ起きろと怒鳴り込んでくる。

布団に潜りたいところを我慢してのそのそと布団から体をはじき出す。

…今日もちゃんと目を覚ました!布団なんかに負けないんだか…ら…?

違和感。

ふと地面を見ると、いつもより近く感じる。

―――?

……なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!??

 

良し、状況を整理すると私が縮んでいるという訳ですねハイ。

どうして、とかなんで、とかは考えないようにしよう。

なんか怖い。

しかしまぁ良かった。多分今日は誰も来…

「輝居るかー!」

そう言いながらもドアを開けるということはいてもいなくても入る気だったなこんちくしょう。

何か悟ってゆっくりと振り向くとビックリしている魔理沙と呆然とする霊夢が居た。

二人で来るってなんか珍しいなぁ…そんなこと無かったっけ?

「えっ…と」

おおぅ声もなんか幼くなってる。

「……っ!げふぁ!!」

「れっ霊夢ーーー!!」

「れいむーーーー!!?」

霊 夢 の 突 然 の 吐 血 !

なんか口と鼻から出てる気がするが大丈夫か!?

 

 

 

「…なるほど。つまり朝起きたら縮んでいたと」

「あ、ああ」

そんなことより魔理沙はん、最初来たときは霊夢と魔理沙だけだったのになぜ早苗が増えたの?なんで?すごく並んでいると信号機みたいよ?

後あんまりほっぺつつかないでよ赤と緑。

「しかしまぁ良かったわね」

「?どうして」

「いやもし、文とかだったら写真撮られまくるわよ」

「…べつにわたしはとられてもいいんだが…」

「ちょそんなこと言ったら」

「やった隠れて撮らなくていいんですね!それじゃあ早速一枚!」

颯爽と開けてた窓からアクション映画よろしく飛び込んできた文は言うが早いかパシャリと一枚撮る。

この間僅か三秒!流石幻想郷最速はダテじゃないぜ!

「…うわやっぱり居たのね…」

「あ、文さん久しぶりですねー」

げんなりとする霊夢と未だにほっぺをつつき続ける早苗を見てドヤッと笑って見せる。

てかさっきからほっぺ痛いんだけど。

……そういえば。

「ところでれいむ、ゆかりは?」

「ああ、紫だったら『見に行きたいけど多分行ったら死ぬ』って言ってた」

「どうゆうことなの?」

 

「いやー沢山撮れましたよー」

「……そうか」

ツヤツヤとした感じの文はホクホク顔でカメラのメモリを確認してる。……何枚撮られたっけなぁ……

「まぁ日も落ちてきたし、そろそろ帰るわね」

「え?大丈夫なんですか?」

「大丈夫だろ、輝だし」

「…ひどくないか」

そんなことを言いながら部屋を出る四人。

「それじゃまた今度」

そう言って扉が締まるとしんとした空気が部屋に篭る。

…ヤバイ、小さくなったって大丈夫かなと思ってたけどメンタルが結構きつい。すごいさみしい。

「……さみしい。」

口に出すと余計寂しくなるからぱっぱと寝よう、うん。

寝たら治るって。

 

 

 

 

 

 

 

そして次の日本当に戻っててぶつけようの無い怒りを掃除にぶつける輝の姿があったとさ。

 

 





誰の仕業だったのか?自分の胸に聞いてみな!
そいつが犯人だ!!


P.S.活動報告でリクエスト受け付けてます。是非書いてください!(迫真)



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不死鳥と少女


久しぶりにヴァンガードしたらシステムが変わっててむっちゃビビった私はオラクルシンクタンク使い。





「お茶を入れてくる」

「ありがとう」

慣れた手順で茶を入れる慧音、それを眺める穀潰し。

相変わらず酷い絵柄だ。なんか私が慧音に金せびってるダメ人間みたいだ。

………いやしてないよ!?今日は普通にお邪魔してるだけだからね!!?後自分で言っといてなんだけど穀潰しってどうゆう意味!?

―――落ち着けプー太郎。

誰がプー太郎じゃあ!

ごほんっ。さて少し温くなって上着を脱いで外に出ると風の冷たさに凍死しかけた私は慧音の家にお邪魔してます。これがもうすごく緊張するの!毎回!

「ああ、お茶請けも持ってくるよ」

「えっ、すまない」

おおぅ至れり尽くせりだ。

慧音が部屋を出たのを見て息を吐く。なんかいっつも緊張するんだよなぁ…部屋片付いてるからかな…?

…ん?慧音早いな足跡が聞こえて…

「慧音ー居るー…って」

突然部屋に入って来た白髪の少女は私を見た途端わかり易く動揺した。

私?脳内でサードインパクト起きそうなくらい困惑してるよ。なんか三周廻って落ち着いてるように思えるの。

「…あれ?妹紅来てたのか」

「…慧音」

「どうした?」

「もしかして慧音が言ってた気になる人?」

「んなっ!!?」

「…っ!ゴホッゴホッ!」

落ち着く為に茶を飲んでたらいきなり誤爆されて器官に茶が入って思わず咳き込む。

ビッびびったぁ…!何言ってんの!私はただ慧音の茶飲みに来ただけなのに…

「なっ何を言っているんだ輝に迷惑だろう!?」

顔を真っ赤にして否定してる…そこまで拒否するのか…なんか悲しい。

「ふーん…そっか…」

あとそっちも興味無いんだったら聞くなよ!

「私は藤原妹紅、貴方は?」

「…立花輝だ」

握手。なんか名乗ったら恒例行事の様にするよな。いい事だけど。

「そっか、よろしく輝」

「…?ああ」

なんか微かに頬が赤い気が…気のせいだよねーそうだよねー。

「そういえば慧音、里の警備についてなんだけど…」

「…それなら私は帰ろうか?」

こんな話私聞いても分かんないし。それに慧音もなんかさっきからチラチラこっち見てるから多分「早く帰らねぇかなこいつ…」みたいなこと考えてるんだろうし。

そんな慧音口悪くないけど、同じニュアンスのこと考えてるんだろう。なんて察しがいい私!

「えっああ…すまない追い出す様な感じになってしまって…」

「いやいいよ、慧音の友人なら仕方ない」

全然いいのよー全く気にしてないよーオーラを出しながら笑顔で言って玄関を出る。

……帰り団子でも買って帰るかぁ…

 

「…慧音ー」

「なんだ妹紅」

「輝のこと気にならないんだよね?」

「ぐぅ…」

「そっか…じゃあ私にもチャンスはある…って事よね?」

「っ!も、妹紅!?」

「あはは!冗談よ。…多分ね。」

 

今頃あの二人なんの話してるんだろう…なんかこむず「…くしゅん!」……まだ寒いなぁ…。

 

 






リクエストありがとうございます!

リクエストまだまだ受け付けてます!



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修羅場の少女


A r e n ,さんからのリクエストで「(意訳)輝が修羅場ってるやつが見たいです」と言われましたので私なりに修羅場書いてみました。
途中から「これ私が書きたい子書いてるだけだわ」とか考えてた。





 

 

「春祭り?」

「ええ」

家に遊びに来た霊夢がふとそんな話をし始めた。

「今度あるんだけど…いっ一緒に、行かない…?」

え?春祭りってそんな決死の覚悟で行かなきゃいけないの!?何それ怖い!

「私もどうせ暇だったから別にいいぞ」

「ほっ本当!?」

パァァァと嬉しそうにする霊夢。そんなに行きたかったのか…魔理沙とかと行けばいいのに…?

「それじゃあまた!」

「ああ」

すごく嬉しそうに家を出る霊夢。うふふあんな喜んでくれたらこっちも嬉しいなぁ…!

しかし今度か…ん?

「…今度って…何時だ?」

 

 

「あれ?輝ですか?」

「ああ、久しぶり神子」

ぶらぶらと街を歩いていたら見た事のある…姿が見えた。流石に寒いからかなんかカッコイイマントを着けている。やめて!カリスマが目に痛い!

「…そのマント似合うな。」

「え!?ホントですか!」

そのままの感想が口から出ると、神子はパァ!と嬉しそうな笑顔を浮かべる。

やっぱり女の子だから褒められるのは嬉しいんだなぁ、可愛いなぁ。

いつ見ても触りたくなる髪だ…おっと本音が。

「そういえば今度空いてますか?」

「今度か?…多分空いてる」

だから今度っていつ!何時なの!私分かんにゃい!

「それじゃあ一緒に出かけませんか?」

「ああ、わかった」

「ならその時迎えに行きますね!」

「ああ」

…まぁ春祭りの時じゃ無さそうだな。多分。

ああんなんか嬉しそうなオーラを醸し出しながら歩いていく神子。

…友達少ないのかな。

 

 

「輝」

「慧音」

団子食べてたら慧音に会う。なんか今日は人によく会うなぁ…?

「どうした?」

「あっえっと…今度でいいんだが」

「…一緒に遊ばないか?」

「え?あっいいのか!?」

やっぱりな、なんか今日は良く誘われるから逆に誘ってみる試み。

「そっそれじゃあ今度迎えに行こう!」

「お、おう…」

もう今度っていつは言わないよ。たぶんなんか大丈夫だよ。きっと

 

 

「…妖夢?」

「えぁ!?輝さん!」

家に帰ると妖夢が待ってた。なんか久しぶりに見たなぁ…

「どうした?」

「えっと…今度のお祭り、一緒に行きませんか?」

「…ああ」

まぁ私と二人きりはつまんないだろうから、よかった霊夢がいて。

「あっありがとうございます!」

うふふ嬉しそうだな…皆祭り楽しみなんだなぁ。

「じゃあまた今度!」

……幸せだなぁ友達いっぱい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……で?」

さて、件の『今度の日』が来たのですが―――

「これはどうゆうことかしら?輝?」

「………えっと…」

その全ての約束がカブるという奇跡を起こして見せましたよ奥さん!

さすがの私も地雷踏んだってわかるよ!

「しかし逆に良くここまで誘えたな」

「まったく…」

「ホントですよねー」

「ってなんでいるのよ文!」

慧音と霊夢が話していると窓から文が顔とレンズを覗かせる。

おおういつものグットスマイル、今は悪魔の笑みにか見えねぇ。

「いやー輝さんだったらこのような修羅場に発展してるかなぁ…と」

「……本当は誰もいないことを祈って誘いに来たんでしょ新聞記者さん」

「うわっちょ、な、そんなことないですよイヤだなーあはは…」

「顔赤いですよ文さん」

……怒ってるの文?

ちなみに喋った順番は文、神子、文、妖夢の順番。

てか良く分かるな神子。

「…輝、大丈夫か?」

「……自分で蒔いた種だからな…」

喋り合う少女たちを見ながら遠い目になる。

ああ、どうしてこうなった…

……なんかいろんな所から『自業自得だろバーロー』って聞こえるけど何で?

「あーもー埒があかないわね!輝!」

「!?」

「貴方は誰と行きたいのよ!祭り!」

「!!?」

いぎゃぁぁぁぁぁ!視線が痛い!なんで!?てか誰と、なんて分かんないし!うにゃぁぁ!!!

「わ、私は」

「?」

「みんなと一緒がいいなー…って…」

なんて笑って言ったら気恥ずかしくなってきて頬をかく、うわ顔熱い!

「……っああぁぁっ!もう!!!!!」

「!?」

どうしたみんな顔赤いぞ!?どうした!!

 

 

 

この後無茶苦茶お祭り皆で楽しんだ。

 

 






リクエストありがとうございます!

リクエストまだまだ受け付けてます!
…あれ?リクエストってコメント欄でも出来たっけ?



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現人神と少女

モノを食べるときはね誰にも邪魔されず自由でなんとゆうか救われてなきゃあダメなんだ。

by.輝





「本当にいいのか?」

「はい!」

私の目の前でふんすっ!と意気込み充分の早苗、割烹着まで着てノリノリだ。

さて、恒例のなぜこうなったかというと―――

 

「早苗?」

「あっ輝さん!」

おおぅ久しぶり…な事はなかったな。

でもなんかこうゆうふうに会うのはあんま無かった気が…

「えっと…買い物ですか?」

「ああ、夕飯を」

下げてる袋を少し持ち上げる。

「何を作るんですか?」

「…あー最近作ってないな…」

袋の中身は出来合いばっかり。いや最初の頃は作ってたんだけど人間楽を覚えたらダメだね。

「バランス悪く食べたらダメですよ」

「ああ、だから最近太ってきた。」

ん?なんか、いやそれはないみたいな顔された

「あっじゃあ作りましょうか!」

「え?」

 

というコトです。早苗マジ良妻。

とりあえずあるやつで適当に作ってって言ってるけどなんか他人が作ってるのを見るのってハラハラするね。

「できましたー」

「おおー」

そんな事をしてたらもう出来たようです。

目の前に置かれたのは……麻婆豆腐?

「辛いのって好きかな…と思って、嫌いでs」

「早苗」

「はっはい!」

「好きだ」

「ふぇ!?え!あっ良かったです!」

辛いのかー!最近食べれなかったんだよなー!作るの難しいからあんまり作らなかったんだよなー!うれしー!フゥー!!

「いただきます」

「どうぞ」

手を合わせて麻婆豆腐に口をつける。

口に入れた時に最初に感じる刺激にピリピリと舌が反応する。

しかし次に訪れる豆腐の優しい感触に癒され、惜しみながらも飲み込むと、喉にもフワリと辛さを残し口内にはちょうどいい余韻が残され、思わずご飯をかっ込みたくなる。

うおォン、私はまるで人間火力発電所だ

おっととあるフリー雑貨輸入商が憑依してしまった。

「美味しいですか?」

「ああ、すごく美味しい」

「良かったです」

そう言いながらニコニコとしている早苗。いいなぁ彼氏にも作ってあげてんのかなぁ。

「いい嫁になるな、早苗は」

「え!ありがとうございます!」

パァァァと後光が差しそうな笑顔。

眩しっ。目が目がぁぁぁぁ!!

「ご馳走様」

「はい、お粗末さまでした」

手を合わせて食材にお礼を言う。

いやーこんなに美味しいの食べたの久しぶりだ。他人が作ったからかなぁ?

「美味しかったよ」

「あはは、それなら毎日作ってあげましょうか?」

「…これから毎日私の朝ご飯を作ってくれるのか?」

ふと言ってみると、少し顔を赤くして

「…はい、輝さんが食べたいのなら毎日美味しいお味噌汁を作りますよ」

と笑って言う早苗。

せんせー!私はしじみ汁がいいですー!

貴様は二日酔いのおっさんかー!

 

この後無茶苦茶ご飯食べた。

 

 

 





これが私の精一杯のグルメレポートです…受け取って…ください…!

リクエストまだまだ受け付けてます!
(御手数ですが活動報告に書いてください。)




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❮番外編❯姉妹と少女。


これは「殺人鬼姉と食人鬼妹」と姉妹と輝が喋るという
何でもありのクロスオーバーです。
「クロスオーバーなんぞ見たくねぇ!私は百合が見たいんだ!」という方はそっとブラウザを閉じるかマイページに飛んでください。




「やぁ」

「やぁ」

「!?」

「どうも『殺人鬼姉と食人鬼妹』の姉ですー」

「同じく妹ですー」

「まって」

「今日は輝の人気に跨ってこっち(殺人鬼姉と食人鬼妹)の閲覧数を伸ばそうと!」

「オネシャス!先輩!」

「いやおい」

「なんですか?」

「なんすかー!」

「こうゆうのはしちゃダメだろ!」

「馬鹿ですねぇ…」

「ダネー」

「なんでさ」

「遠まわしにネタ切れの作者の気持ちを考えろよ!」

「そうだぞー!こっちなんか本当に息抜きで書いた奴なんだぞー!」

「知らんよ」

「あなたにはわからないでしょうね!」

「ごのぉ!よのながをォ!がえだいっ!」

「(例のポーズ)」

「意外にノリいいね」

「クールって聞いてたけどそんなことはないんだね」

「なんかもうどうでもよくなってきた」

 

 

「それにしてもお前らは何してるのさ」

「私が殺してー」

「私が食べるー!」

「なん…だと…」

「と言ってもその描写はあんまない」

「ただしゃべるだけ。」

「なんかやだ」

「最近は妹がゴッドイーターの続編に狂喜乱舞してる」

「ピクニック隊長ぉぉぉ!!!」

「…なんか…楽しそうだな」

「楽しいよ」

 

 

「そういえば輝は何してるの」

「…ただしゃべるだけ」

「わたし達と同じやん」

「違うぞ妹よ、ハーレム物とギャグ物は似て非なる物だぞ」

「そっそうだったね姉さん!」

「何言ってんの」

「うるせぇ釘煮でも作ってろ」

「そして多く作りすぎて近所に配り歩け」

「何その呪い」

 

 

「さてここら辺で私達の宣伝させてねー」

「え?」

「『殺人鬼姉と食人鬼妹』主に日常会話の台詞のみのギャグ物デース!」

「ネタというかメタというか本当にありそうな会話ばかりです。」

「でも最近更新できてないよね?」

「それ以上いけない」

「まぁ基本的にだらだら見れるって自負しております」

「息抜きで見られるということだな」

 

 

「じゃあ改めてこれ(東方幻想少女録)のあらすじ的なのを…」

「おおー」

「えーっと、…」

「じゃあ私が代わりに言ってあげよう。

これは主人公、立花輝が七難八苦を不撓不屈の精神で異変を解決し百合ハーレムを造り上げるお話である…」

「大体合ってる」

「おい待てや。」

 

 

「さてそんなことを話してたらもう時間だね」

「あっという間だったね姉さん」

「もう帰るのか?」

「うん。」

「ほら私シンデレラだから」

「どっちかって言うと赤ずきんの方だけどな」

「じゃあ私白雪姫ー!」

「いつかは血まみれー!」

「……じゃなくて、帰らなくていいのかよ」

「酷いなー」

「あれだよー今度食べに行くよー!」

「やめて怖い、……んーまぁじゃあな。」

「「また今度、輝」」

 

 

 

 





リクエスト明日辺りに投稿します!

リクエストまだまだ受け付けてます!



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フラワーマスターと少女


作者「リクエスト書かなきゃいけないのにひかりんのスペカも書きたくなってきたぞーどうしよ…」
作者「そうや!いっそのこと同じ話にまとめてしまおう!ほらカツカレー理論とかあるし!よっしゃー!」
書き終わったあと
作者「でもカツカレー…胃もたれするよ…ね…(白目)」





夏が近づいてきたなー微かに暑いと感じるようになってきた。こんな日は家の掃除と称してオフてゥんと一緒に干されるのが良いんだが…それでも私は道を歩く。

なぜこうなったかと簡単に言うと「何!?向こうらへんにメルヘンよろしくのお花畑があると!え?危ない?大丈夫大丈夫!無問題!それじゃあ行ってくる!」的な感じです。わかんないですかそうですか。

しっかしここら辺なんだよな、花の香りも少しするし。

………妖怪の気配がしないんだよな…普通だったらあの木の陰あたりからバリバリ殺気感じるのに全然ないの。

里の皆危ないって言うから妖怪が良く出るのかなと思ってたのに…なんか北海道の時計塔みたい…

おっと、そんなことを考えてたら向こう側に光が射してるよ、どう考えてもあそこだね。

少し駆け足で森を抜けると―――

一面の向日葵。地平線が見えるんじゃね?と思う程にただ一面向日葵。

…うわすごくメルヘン。

こんな一面の花畑初めて見た…すげぇ…

全く…こんな綺麗なのにどうして後ろから殺気を感じるの?

振り返るとなんかゴーレムとドワーフを足して2で割った感じの妖怪がグルグル唸ってる。なんか明らかに強いぞー!って感じが半端じゃねぇ。

しかも私をロックオンしてるしちくしょう。

「Ч Ъ Щ ЛДотг¡¡¿」

アホか日本語喋れ。

「Щ тоЛД¡¡¡」

なんか叫びながらこっち来たから走って横に攻撃を逸らす。

あぶねー!あともう少しで向日葵折るところだったじゃねーか!堪忍袋の緒が切れたぞ!

ポケットから一枚の紙を出す。霊夢から護身用にと貰ってたんだが作っといて良かった。

「現調「道理そこのけ無理が通る」」

そう言って拳を相手にぶつける。普通だったらダメージはないが相手は森の奥に飛ばされていく。

簡単に言うとこのスペルは『実力差とか体格差とか距離とかその他諸々の(現実)をとばして相手に大ダメージを与える』という格ゲーだったらゲージMAXじゃないと使えないようなチートです。

そこ!術使えばいいだろとか言わない!

おおー立ち上がってこっち走ってきた。よーしもう一回ぶん殴tt

殴ろうと構えた瞬間後ろからビームが飛んできて妖怪を貫く。服の袖がチリチリ言ってるから生易しい威力じゃねぇ。殺せる威力だ。

「…煩いわね…」

後ろを振り返るとチェック柄のベストとロングスカートを着た緑髪の女性が傘の先をこちらに向けて立っていた。

んーもしかしなくてもこの人がやったの?あれを?…やばいダッシュで逃げたい。

なんかプレッシャーハンパない。えーっとなんてゆうんだっけ?妖気?が半端ない。

ちなみにさっきの妖怪は消し炭になってる。…南無三。

「…そっちの人間」

「……私には名前があるんだが」

人間って…それあれだからな!友達のペットに向かって「おおー犬可愛いなー!犬ー!お手ー!」とかいうのと同じだからな!

「そう…何をしていたのかしら?」

「…この辺に綺麗な花畑があると聞いて見に来た。」

なんか流されたけどまぁいっか。

「この辺は危ないから帰りなさい」

「大丈夫だいざとなればすぐ逃げる」

なんかすっごい顔を顰められたんだけど!?解せぬ!

「………」

「………貴女の名前は?」

「は?」

ひぃ怖い。何とかコミュニケーション取ろうとした結果がこのざまだよ!

もうなんか後ろに大魔王でも浮かびそうなプレッシャーだけど頑張って目をそらさず向かい合う。

正直言って今すぐに帰りたい。

「……風見幽香よ」

「…!立花輝だ」

おおぅ!何とか名前を教えてもらった!しかも握手を求めてくれてるや!うわーい!すぐに私も手を掴み――

「!?チョ待っ…いたっ痛い痛い!」

「ふふ、いい顔するのね」

うぎゃぁぁぁ!腕を反対に捻らないで!痛い痛い痛い痛い痛い!

後なんでそんな笑顔なの幽香さん!!?ほんとちょっとまっアッー!

 

 

そんなこんなでしっかり花の鑑賞とは行きませんでした。

 

 

 

 





yuttii♪さん!期待に添えましたか!

リクエストまだまだ受け付けてます!



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山と少女


椛を書こうと思ったらいつの間にか輝の夏服公開になってた。何を言ってるかわから((ry

画像おっきいです。




 

 

ざわざわと木が風に揺れる、葉の隙間から光が射し込みまるで幻想の様な風景が出来る。

ひゃーもう夏かー。もうすぐ梅雨かー。やだなー。

ジリジリと日差しが肌を刺す、暑いからって夏ver.にしなきゃ良かった…うあー…

【挿絵表示】

 

のそのそと山道を歩いていると少し向こうに人影が映る。そしてこちらに気付くと慌てて会釈して逃げてしまった。

この閉鎖社会妖怪の山にも顔パスでは入れるようになってしまった…

やっぱりあの時(異変の夜)四人ぐらい烏天狗ボコったのが悪かったかなぁ…でもまぁ向こうから売ってきた喧嘩だからしょうがないよね。

そう思いながらも歩くと岩の上に見たことのある人物が立っているのに気が付く。

「椛」

「あっ輝さん!」

声をかけると岩から飛び降りこちらに走り寄ってくる。

あーもー可愛い。撫でてやると目を細めて喜ぶとか可愛すぎる、なんかムツゴロウみたいになりそうだけどなってもいいくらい可愛い。

「今日も送ってくれるのか?」

「はい!まかせて下さい!」

ぶんぶんと尻尾を振りながら前を歩く椛。

フフフフフ…!私には分かるぞ…貴様、私を送るという名目でサボりたいだけだな…!

まぁ私を送るのも文から頼まれたから嫌々だろうからそれくらい褒美があってもいいよね!

 

暫く歩くと滝の辺りに友人の姿が見えた。

「おっ!輝ー!」

「にとり、…今日は何してるんだ…?」

河童の友人は今にも溶解炉に沈みながら「アイルビーバック」とかいいそうな奴を解体してる。どこから拾ってきたし。

「落ちてたのさ!」

「……そういえば前言ってた奴、持って来たぞ」

どこに?とかなんでバラしてるの?とかは聞かない。

一回聞いて話長すぎて途中から飽きてからはもう気になっても気にしない事にした。

こうゆうタイプって話し出すと長いんだよなー…

「ああ!えっと『すまぁとふぉん』って奴!貸してよ輝!」

「はい、ここでは使えないからやる。好きなだけバラしていいぞ」

「やったぁ!大好き輝!」

いつかに貰ったスマホをニトリに渡すと慌てて工具を取り出した、いつの間にか椛も作業を眺めている。

さてと二人が作業に熱中している間にー……どこにいるかなーっと…

キョロキョロと見渡すと少し離れた所に見つけたので川を横断して彼女に近づく。

「ひnうわっ!」

くぁwせdrftgyふじこlp!!!いったぁ!底に沈んでる石に小指打ったぁぁ!!

何とか転ばないようにバランスをとってヨロヨロと彼女の隣に座る。

「…大丈夫?」

「ああ、問題無い。」

すごい小指ジンジンするけど大丈夫。私強い。

そう思いながら隣を見ると赤い服にエメラルドグリーンの髪がよく映えていて翠色の瞳がこちらを心配そうに見つめている。

二回目ここに来た時に知り合ってからこうやって話し掛けてる。のだが進展はない、悲しい。

「毎回近づかない方がいいって言ってるでしょ」

「私は雛と一緒にいたいからこうやってるんだ」

優しく警告をする雛、それを無視する私。

でもなー話したいんだよなー厄神様とか分かんないけど雛は優しいから話したいんだよー

「…バカ」

顔を逸らされた。解せぬ。

「輝ー…それ以上のドンファン発言はダメだよー…」

「わっ」

「そうですよーなんかもう慣れましたけど聞いてるこっちも恥ずかしくなる程アレですよー」

「へ?何がだ?」

あれって何!?なんか悪いことした!?溜め息吐きながらこっち見ないでよ皆!!

 

―――夏が近いなーもうすぐで梅雨だなぁ。

 

脳の片隅が呑気にそんなことを言っていた。

 

 






輝の服はセンスが来い状態。

リクエストまだまだ受け付けてます!!
むしろリクエストください!



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妖怪の賢者と少女


怖い夢ってみたら吐きそうになるよね?
by.作者

ゲロとか吐いてます。




 

――――――怖い。

何かはわからないけど何かが追いかけてくる。

ぞわぞわと恐怖と吐き気がグルグルと頭を回る。

ただ走る。逃げるために走る。追い付かないように、追い付かれないように逃げ惑う。

ドクリッと心臓が震える。まるで背後から首を締められているみたいだ。

―――怖い。

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな!!!!!!!!!!!!!!!

「…っい!…あっぁ!!」

足が痛い。逃げてるのか逃がされてるのか分からない。

それが何なのか、どんなものなのかすら分からない。分かりたくない。何か、おぞましいもの。

ああ、だめだ、おいつい、てきた、くるし、い―――

 

「……っうあ゛ぁ!!」

思わず跳ね起きる。

呼吸が荒い。心臓が口から飛び出るぐらい煩い。寝巻きが汗で濡れているのが分かる。

……なんか気持ち悪い夢を見た…吐きそ―――

「っぐぅ!…おぐっ、おええっ…!」

…前言撤回、吐いた。

目頭が熱くなってきた、あーもーなんなんだよ。

「ひっ…くぅ…!」

「―――輝?」

声を押し殺して涙を流していると後ろから声が聞こえた。

「…紫か」

「大丈夫?」

布団の上で吐き散らかした私の隣に紫が現れた、いつもとは違い本当に心配そうな顔をしている。

「随分うなされたみたいだけど」

「…嫌な夢を見たんだ」

うぅ…思い出そうとするとモヤァ…としてそれがまた気持ち悪い…

「……輝」

「……どうしっ…がはっ!」

なんだ?と聞こうとすると吐くものはもう無いのに胃の奥がひっくり返りそうになる。

畜生、死にたくなってきた。

ああもう寂しい、淋しくなってくる。

「はっ…はぁ……紫…」

「?…ひか…」

人肌を求めて紫に抱きつく、あったかい。

すりと顔を寄せると他人の匂いがする。

ああ、なんか安心するや。

「…ごめん、紫」

 

 

 

ごめん、と呟いて輝は腕の中で眠り始めた。

ゆっくりと汚れてしまった布団ではなくソファーに輝の体を下ろす。

少し口元を拭いていると彼女が泣いていることに気付いた。

「…たまには吐き出す事も大切なのよ、輝」

何もかも背負い込んでしまう貴方には難しいでしょうけど。

少し皮肉げに心の中で呟いて、瞼に溜まった涙を口で吸い取るとスキマの中に足を踏み入れ――ようとしてもう一度輝の顔を見る。

愛おしい。と素直に思う、穢れのない少女の顔、純粋な処女の匂い。

彼女が欲しい。と素直に思う、しかしそれは食料としてではなく―――

そこまで考えて自分で小さく笑い今度こそスキマに体を滑り込ませた。

いくら愛しても彼女は人で私は妖怪で共には生きられないのだと、自虐的に笑いながら。

 

 






いつか訪れる結末。



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烏天狗と少女


シリアスをぶった斬る程度の能力。

こうゆう話は一回してみたかったんだよなー(笑)

あともう60話ですよ奥さん。




少しジメジメする空気の中を歩く。空は薄雲に覆われていて太陽の光が薄暗く照らしている。

梅雨…か。全く勘弁して欲しい、洗濯とか乾かなかったらどうしてくれるんだ、全く…!

ふと空を見上げると暗い雲が薄暗い光さえも遮っていく。

「…ヤバイな…」

早く買い物し…いやもう今日は帰ろう。傘持ってないし。

 

 

 

 

「ふぅ…」

良かったー!ギリギリ雨が降る前に家に帰れたー!

窓の外を見ると少し勢いのある雨が降り続いている、しかし今日は結構早くに降ったな…もうちょい持つかなと思ってたんだが…少し濡れちゃったし、

さーってすること無いから寝――『ドンドン!』――ようと思ったらなんか人きた。てか雨降ってる日に何の用だよ。

そんなことを思いながらドアを開けると。

「どうもー…」

「…文?」

扉を開けたら何故かびしょ濡れの文が立っていた…何を言ってるかわからないが私も((ry

「……どうして濡れてるんだ?」

「いやー帰る前に土砂降りになっちゃいましてねー…ちょうど貴方の家が見えたので雨宿りさせてもらおうと…」

「…そうか、じゃあ早く入れ」

んー文も私と同じくまだ降らないと思ってたんだな…可哀想に…

ドアを閉め、家に上がろうとしてピタリと動きを止める文。……あぁ!

「濡れたままでいいからそのままシャワー浴びて来い」

「えっ!いやでも…」

「風邪をひいたら困るだろう」

さぁ!と風呂場の扉を指さす。少し考えてから靴下だけ脱いで風呂場へ歩いていく文。

よしっ!これで風邪をひく可能性は減ったな!多分!

しかし文が傘を忘れるなんて…珍しい事もあるんだなぁ…

そんなことを思いながら少し濡れた床を拭いて、湯を沸かす。暖かい飲み物を飲ませたいしな。

さて、さっき見る限り着てた服はアウトだったし…なんか他人に着せれるのってあったかな…?

タンスからジャージを取り出し臭いを確認。よし、変な臭いはしないな。

まぁ服が乾くか雨が止むまでだし、少しは我慢してもらおう。

そう思って扉を開け―――

「文、代わりのふ…」

「あのー輝さん服ってどうす…」

間が悪かった。戻ろう。

さっき出たばっかか、空気読めねぇな私。

「ぅえッ!ひか、輝さ…!」

「あっ待っ!暴れ…うわっ!」

がっと扉の段差につまづいた文がこちらに倒れ…!

――うおっ?

一瞬意識飛んだけど、文は大丈夫か?なんか上に乗られてる感覚が…?

「……ひゃあッ!?」

ビクリッと自分の体が突然の衝撃に揺れる。

その衝撃の起こった場所を見ると、文が私の体に覆いかぶさっている。

はたから見たらまるで押し倒されてるようだ。いや今言うことはそこじゃない。

文の顔が私の胸に埋まってることだ。いや埋まっているというか…いつか幽々子にされたみたいになってる。

しかも倒れた時反射的に文を抱きとめようとしたのか頭を胸に押し付けるような体勢になってしまっている。

…もしかして、息できてない?

「あっ文ーーー!!?」

慌てて手を緩めると文は打ったのか鼻血を出しながらとても幸せそうな顔をしていた。

―――おお、ゆうしゃよ、死んでしまうとはなさけない…

変なナレーション入れんなよ!!!文!文ーーー!??

 

その日から文は「輝さんのおっぱいは人をダメにするおっぱい」と言う謎の発言をするようになってしまった……

 

 

 





輝ちゃんのおっぱいは人をダメにするおっぱい(真顔)


リクエストまだまだ受け付けてます!!!




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弾幕と少女


弾幕描写を頑張った結果がこれだよ(白目)

スペカの名前考えるのはすごく難しいしか分からない。





 

 

「輝ースペカ作ったって本当か!?」

「…誰から聞いた?」

久しぶりに晴れたので布団を干してたら遊びに来た魔理沙が突如そんなことを言った。

…いや本当に誰に聞いたの?私他人に見せたことないのに!

「いや前に霊夢が輝にスペカの元をあげたって聞いてな、それで輝だったら作ってるかなーってな」

どやっ!とする魔理沙、いやまぁ作ってるは作ってるけど…、しかし大体この後の発言はわかるぞ…!

「じゃあ私と「しない」なんでだよ!」

ガウガウと吠える魔理沙を傍目に見ながらコーヒーを啜る、うーん少し濃くしちゃったか…もう残り少ないのに…

「少し!チラッとでいいから!見せてよー!」

「……本当に見るだけか?」

聞いてみるとぱぁぁ!と顔が明るくなる。

うむ、霊夢とは違う可愛さがあるな…おっと話が逸れた。

 

 

そんなこんなで今私は家から少し離れた場所に居る。

魔理沙は箒にまたがって飛んでる、私?地面大好き!

「私からは撃たないから存分に見せてくれー!」

「…それは舐められてると判断していいのか?」

んーまぁ、確かに私誰かと弾幕勝負した事無いし…どんな感じなのか私も分かんないしな、魔理沙には実験体になってもらおう。

「いくぞ」

「おう!」

一応声をかけてからスペカを取り出す。まず一枚目は…これだ!

「疑符「真の偽り」」

宣言とともに弾幕が魔理沙に向かい撃たれる。

てか結構速いな弾幕。

「…?普通の弾…、!」

弾幕が魔理沙の目の前まで広がり、良く見える範囲までになると目を見開いて驚く。

ふふふ…聞いて驚け見て笑え!この弾幕は簡単に言うと凄くブレてる。まぁわかりやすく言うと一つの弾に十の弾が重なってる様に見えるんだ。しかし別に重なってるわけじゃない、ただ一つの弾にいくつもの弾が重なっているように見えるようにしただけだ。いやー私の能力マジ最強(チート)

「確かにっこれはよけっにくいなっ!」

そう言いながらもラクラクとよけていく魔理沙。

さっすが専門家!私の弾幕など意に介さない!ちょっと凹みそう!!

んー…このスペカはもうちょい改良がいるな。

さて、そろそろ終わるから次は…

「真偽「ライアーエイプリル」」

これは弾幕ごっこらしく見栄えのいいモノに仕上がってる…はず!

宣言と同時に弾幕が形を丸から三日月のように変形する。

その三日月はクルクルと回りながら魔理沙へ飛んでいく、外側は密度を高く、内側は弾幕自体を大きくしてある。

うーん…あんまりこの状態は普通の弾幕と同じだなぁ…失敗かな?

しかしこの弾幕は見栄えを気にしているが見栄えを重視している訳ではない。

弾幕を軽々とよける魔理沙を通過した弾幕が―――

「っ!うぉわ!?」

まるでブーメランの様に戻って来る。

驚き慌てて回避する魔理沙を見て内心ガッツポーズをする

よっしゃぁぁぁ!!!勝てばよかろうなのだぁぁ!!!

…うん、我ながらなんか嫌だわ。

「凄いなこれ!これはっ難しいっ!」

そう言いながらも満面の笑みの魔理沙。

さっすが専門家!そこにシビれる憧れるぅ!これは自信作だったからさすがの魔理沙でも…と思ってたらこのざまだよ!

 

暫くすると弾幕が消える。スペカが終了したのか。

ストっと降りてくる魔理沙、うわすごい笑顔。

「あー面白かったぜ!」

「……そうか」

んーまっいっか!いろいろ改善点がわかったし、それだけで儲けだな。

「じゃまた今度はちゃんと弾幕ごっこしような!」

「…ああ」

笑って次回の約束を取り付ける。

―――せめて瞬殺だけは避けたいよな…いやまず飛べない事には…

 

…改善点が多すぎるな…はは…

 

 

 

 

 






え?スペカの名前が厨二ぽいって?
それは調子に乗った輝が「これかっこよくね?」的テンションで作ったからだよ!


リクエストまだまだ受け付けてます!!!



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亡霊と少女


お気に入りが50人もいて死にそう
「お気に入りして下さった皆様結婚を前提にお友達になってください。と作者が言ってた」





 

 

ブーンブンシャカブブンブーン♪

フンフンフーンララミツバチー♪HEY!

脳内に軽快なBGMを流しながら桶に汲んでおいた水をまく。

んにゃぁ…しかし梅雨も一瞬だったな…ジューンブライド…いやしかしなんでこんな雨ばっかの時に結婚なんかしなきゃいけないんだよ、なんでだよ。

そう思いながら空を見ると夏らしい空、遠くからはまだ少ないが蝉の声も聞こえる。

―――夏だなぁ…暑いなぁ…

暑いのは苦手なんだがなぁ…どっかに避暑地的な場所は…

 

そうしてやって参りましたよ白玉楼!うわ涼しい!ここ夏でも涼しい…てゆうか寒いんだな。

いやーしかし階段登ってるとあの時を思い出すなぁ…しかしあの時なんでビンタされたのだろう?

のんびりと門をくぐってー…おや?

「…妖夢?」

「妖夢だったら里に買い物に行ったわよー」

どぅふぁい。びびった…!何なんなの?みんな脅かすの好きなの?

そっと後ろを振り向くと幽々子がふわふわ浮いてる。てかなんか近い近い近いって。

「……ああ、すまない土産を忘れてた。」

「んー?いいわよ別にー」

…何かこう…『がっ!』ってしたくなるよな、なんか。え?しない?マジで?

とりあえず家に上がり台所へ向かう。えーっとこの感じの間取りだったら…よし、見つけた。

お茶を入れてちょうど戸棚の上にあった饅頭を持って幽々子の所に戻って来る。

「あらありがとー」

「…普通逆じゃないか?」

「貴女が流れるような動きでお茶を入れに行ったんでしょ?」

…まぁそうだけど!いやなんかお茶入れないとなー…的な感じで入れに行っちゃったんだよ。

少し照れ隠しに持ってきた饅頭を頬張る。おおうまい。

「ん、この饅頭美味しいわね」

「そうだな」

のんびりとお茶を飲んでいるとふよふよと白い餅みたいなやつ(幽霊?人魂?)が近くに寄ってくる。

ひやぁ冷たい。半袖にはきついです、いやマジで。

……そういえば幽々子って確か亡霊…だったっけ?

隣を見るとモグモグと饅頭を食べる幽々子。冷たくないよな?幽霊と亡霊は違うのか?

「…なぁ幽々子」

「?」

「幽々子は亡霊なんだよな」

の割には人間っぽいけどなぁ…

「そうよ?どうしたの?」

「…いや…成仏とかしないのか?」

「んー…よくわからないけど、あの桜が咲けば何か起こりそうなのよねー」

「桜?」

そう言われて目の前の桜の木を見る、葉もついてないし蕾もついてない。

…咲くのか?これ。

「なにかって…何が?」

「なにかー」

「…もし次咲くときがあったら全力で止めよう」

「あらどうして?」

うおぅ。心の声がうっかり漏れてしまったやぁ。

え?いやだって咲いたら何か起こるって…嫌な予感しかしないんだけど…例えば木の下に誰か埋まってたり。

「…幽々子に何かあったら困る」

「!」

「私の大切な人だからな。」

笑って言ってみる。そう言えば最近笑って言うのが多くなったな。

うんうん、なんか私の周りで幽々子みたいな人って少ないんだよな、清涼剤的な?

「〜〜〜〜っ!」

「?どうした幽々子?」

「…貴方って結構性格悪いわね…」

拗ねた様な口調でそっぽ向かれた。

…なんか耳が赤いような…最近の亡霊は血行がいいんだな。

 

―――…いやー暑いわー

何でそんな棒読みなんだよ。てか暑くないだろ。

 

 

 





ゆゆ様難しい。

活動報告にてちょっとしたアンケートをとってます。暇なら参加よろしくお願いします。
あとリクエストまだまだ受け付けてますよ!!!



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記憶喪失の少女

七夜士郎さんから「意訳:記憶喪失の輝が既成事実作られる話がみたいです」的なこと言われたので書いたらえげつない量になった。多分自己最高。

三人称ムズい。





 

 

蝉の声が聞こえ日差しが私を殺さんと突き刺してくる。

カーンカーンカーンと金槌を振るい屋根の補強をしながらも汗が滴ってくるのが分かってしまう。

あっつい…!なんだよもう…!!私暑いの苦手って言わなかったけ?

ふと遠くを見るとこっちに鳥が飛んでくるのが見える。

いやー夏だなぁ…、…?こっちに飛んでくる?

慌ててもう一回見るともう結構近く―――

「うわぁ!?」

「どうし…!?」

あれ?なんか落ちて―――る?

「輝!!!」

 

 

 

 

「輝大丈夫!?」

人里のとある家に少女…霊夢が飛び込んできた。

霊夢の飛び込んだ家には四人の少女の姿があった。

「霊夢さん速いですね」

玄関に座っていた早苗が少し驚いたような声を出す。

「まぁ私が伝えたら慌てて飛び出していきましたからね」

「いやそれにしても速いでしょ…」

「…流石だな」

その奥の部屋には文、鈴仙、慧音が一人の少女を取り囲むように座っていた。

少女は頭に包帯を巻いて布団で眠っていた。

「どうやら鳥が飛び込んできた時にバランスを崩し屋根から落ちたらしい」

「鳥って…」

「ちょ!私の方見ないでくださいよ!」

部屋に入ってきた霊夢は慧音の説明を聞きながら無意識に文の方を見ていたらしく慌てて反論し出した。

「私だったらもっと上手く連れ去りますよ!」

「ツッコミ所そこですか!?」

「まぁそんなことしてもすぐ連れ戻すけどね」

「うわっ!」

どこかおかしい文の反論に早苗が突っ込んでいるとその隣の空間から紫が出てきた。

「紫…居たの?」

「輝が落ちたって聞いてね…具合は大丈夫なの?」

「ふぇ!?え、ええ命に別条はないけど…」

不審そうにする霊夢の視線を避けるように鈴仙に怪我の具合を聞く紫、もしかしたらまた何かほっぽいて来たのかも知れない、と霊夢が思ってると。

「っんんっ…」

「っ!輝!」

声を上げて起き上がる少女に部屋の視線が集まる、そして少女は―――

「……?此処は?貴女達は…どなたですか?」

波乱の幕開けのベルを鳴らした。

 

 

「えっと…あなたの名前は?」

「立花…輝…だと思います」

「…私達の事は?」

「……すみません覚えてません、ごめんなさい」

ペコリと頭を下げる少女…輝を見ながら質問をした鈴仙はゆっくりと後ろを振り返った。

「…記憶喪失…って奴かしら」

「そうみたいだな…」

少し悩むようにする霊夢と慧音。

「これも記事になるかもですねー」

「輝さん大丈夫ですかー?」

「は…はい」

気にしてない(ふり)をする文と早苗。

「―――」

珍しく真剣な顔の紫。

一人一人の顔を見て輝は意を決して発言をした。

「あっあの…!」

「私って…皆さんとどんな関係だったんですか?」

その瞬間輝以外の全員の目が光る。

「えっと…私は貴女の…姉よ!」

「はぁ!?」

わけのわからない事を抜かし始めた鈴仙に霊夢が噛み付いた。

「ちょあんた何言ってんの!??」

「これを期に距離を近づけようと!」

「それでなんで姉なの!?」

「そうですよ鈴仙さん!」

「おお!早苗もっといtt」

「輝さんは私の弟子です!」

「早苗ーー!?」

変な事を言い出した早苗の肩を霊夢が掴む。

「あんたまで何言ってるの!?」

「霊夢さん!これはチャンスなんですよ!あの輝さんに奉仕(意味深)して貰えるチャンスなんですよ!?」

「知らんわよ!」

「あやや…大変ですね霊夢さん。良いですか輝さん、私は貴女の…先輩記者です。」

「貴様もかーー!!」

意味不明な事をほざき始めた文をまたも霊夢が突っ込む。

「先輩記者って、まず輝は人間でしょう!?」

「分かりませんか!?あの輝さんに「文先輩…実は私…!」ってゆうイベントが起こるかもしれないんですよ!」

「大丈夫!半世紀経ってもそんなイベント起こらないから!」

「酷い!」

「わっ私は…ただの友人だ。」

「っー!…危ない、さっきの勢いでツッコミそうだった…」

少し寂しそうな顔をした慧音に霊夢が一寸の光を見ていると―――

「…あのー紫さん?」

「?どうしたの輝」

「貴女とはどんな関係だったんですか?」

「そうね…記憶の無い貴女に言うのもなんだけど…」

「ちょ紫何Itt」

「実は貴女と私は恋人だったのよ?」

「へ?」

「紫ーーーーー!!!!」

堂々と嘘を並べる紫に霊夢がとうとう叫んだ。

「あんたねぇ嘘にもほどが――」

「えっと…私が…紫さんと?」

「ええ」

「えっ…でも…女性同士ですよね…?」

その言葉が出ると同時に一瞬空気が固まったが輝は気付かなかったようだ。

「…そうね、それでも私の事を受け入れてくれたのは貴女なのよ?」

「そ…そうだったんですか…」

「ちょっと落ち着いて輝、紫は――」

「輝、貴女にその覚悟があるのなら今すぐにでも私を受け入れてくれるかしら?」

「ふぇ!?えっ、ええっと……分k「チェストーー!!」ぎゃん!」

思わず紫に誑し込まれそうだった輝の頭をお払い棒でぶっ叩いてしまう霊夢。

そのまま、布団に倒れ込み10秒ほど経つと―――

「…?皆どうした?」

「……輝、私の名前は?」

「?霊夢」

「私は?」

「鈴仙」

「わっ私は?」

「慧音」

「私は!」

「文」

「じっ…」

「…早苗」

「で、紫だろ?」

しんっとなる部屋、暫くすると、

「ひっ輝さんだーー!」

「がふっ!」

「お帰り…お帰り輝…!」

「待った…早苗苦し…!ちょ…皆助け…!」

ぷるぷると死にかける輝に全員で何故か拍手を送る少女たち。その光景はとても奇妙だった…。

 

―――ちなみに輝は記憶喪失の時のことを覚えてないそうな。

 

 





私は紫をどうしたいんだ。

リクエストまだまだ受け付けてます。



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小ネタ詰めその2


セリフだけの進行です。
思いつきネタです。
あんま見なくても大丈夫です。
少し誰が言ってるのかわかりづらいです。

それでもいいという小宇宙の如き心を持った方だけどうぞ。


あと後書きでちょっとしたイベントがあります。





 

 

 

 

『亡霊と少女』その後

「…幽々子様、ここにあった饅頭は?」

「え?食べたわよ」

「っ…幽々子様、ここに置いてあるものは食べ…」

「輝が持ってきたのよ?」

「へ?」

「すごく美味しいって言ってたわね。」

「今度同じ物を買ってきます。」

「…相変わらずね…」

「…輝さん来ないかな…」

 

 

 

 

『妖怪の賢者と少女』その後

「うぐぅ…あれ朝?」

「…あーあ、嫌な夢だったな…」

「さって顔洗ってサッパリと…」

「―――」

「…いま夜中の吐き散らかした私を殴りに行きたい…!」

「うわぁ…どうしようこれ…」

 

『修羅場の少女』その後

『おっおい…あれ博麗の巫女じゃ…』

『この前の宗教戦争の道士様もいるぞ…!』

『半霊の子もいるや…!』

『新聞作ってる烏天狗もいるぞ!』

『すげぇ…隣にいる慧音先生が普通に見える…!』

『『『立花輝…一体何者なんだ…!!?』』』

「りんご飴うめぇ。」

 

 

 

 

 

『小さな少女』その後

「しっかし昨日は何だったんだ…?」

「あ、輝大丈夫だったー!?」

「ああ、霊夢か」

「…戻っちゃったか…」

「どうした?」

「いや別に残念なんて思ってないわよ?」

「何がだ」

 

 

 

 

 

『烏天狗と少女』その後

「いやーすみません、つい我を失っちゃいました 」

「そっそうか…!」

「しかしこの服大きいですね」

「済まないそのサイズしかないんだ」

「…輝さん」

「どうした」

「彼シャツですね」

「?ああ。」

「…輝さん意味わかってます?」

 

 

 

 

 

『山と少女』その後

「―――なぁにとり」

「どうしたの輝」

「私はスマホを渡したんだよな」

「うん」

「これは?」

「バラしたあとにもう一回直した奴」

「どうしてパカパカ携帯に戻るの!?」

(パカパカ携帯…)

(言い方可愛い…)

 

 

 

 

 

『不死鳥と少女』その後

「慧音」

「ん?…輝か」

「昨日はどんな話をしたんだ?」

「ああ、東南の方の壁が脆くなり始めたから警備隊の巡邏に気を使ってほしいとの事だ。」

「そうか…東南の方だな。わかった」

「待て何がわかったなんだ工具を持つなこら輝。」

 

 

 

 

 

『記憶喪失の少女』その後

「ところで」

「どうしたの輝」

「記憶が飛んでる時、何を話してたんだ?」

「―――べつに、なにも」

「どうしてそんな棒読みなんだ」

「そうですよ、思い出さない方がいいですよ。その方が幸せです。」

「待て、やめて不安になる。」

 

 

 

 

 

 

『〈番外編〉姉妹と少女。』その後

「そういえば」

「どしたのー?」

「閲覧数伸びた?」

「うん!結構伸びた!」

「告知って凄いんだな…」

「だよねー」

「…ところで」

「?」

「進歩どうです?」

「進捗ダメです!!」

 

 

 

 

 

 

『弾幕と少女』その後

「それにしてもわかりやすい弾幕だな」

「?」

「なんか初心者が考えそうな奴だなーって思ってな」

「そうか…」

「あ、いやダメ出しした訳じゃ…」

「つまり王道でなくてもいいと言う訳だな。」

「…ああ、お前が想像する弾幕でいいんだぜ」

「……そうか…!」

 

 

 

 







さて、この作者の小ネタを見てくれたみんなに重大発表!
“東方幻想少女録『幻神異変編』”投稿決定!!
簡単な粗筋。
『とある夏の日、少女の日常は無情にも崩れ去った。
欠ける結界。壊れ出す精神。謎の銀髪の少女、義手の少年、人殺者の少女、狂った神。
そして全ての原初、立花輝。
噛み合う筈のない歯車が咬み合った時、彼女の幻想はどうなるのか。
そして物語の終結とは―――
「さぁラストダンスを踊ろうか?」
『幻神異変編』少女の、最後の夢。』

こうご期待!


その関係にてアンケートは休ませて頂きます…。



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幻神異変編
崩壊の足音は静かに。



新シリーズ堂々連載開始です!

このシリーズはオリキャラが多数出ます!





 

 

 

 

―――そう言えば小さい頃からとある神社を遊び場にしてたな。

その神社結構広いんだけど人が居なくて寂れたから遊んでると言うかお参りする人も見なかったなぁ。

御神木の周りをひたすら走り回ったり、境内の中を走り回って怪我したり…あれ走り回ってるだけだ?

まぁそんなことしながら遊んでたなぁ…懐かしい。

…しかし何でそんな事を思い出してんだ?走馬灯か?巫山戯んなまだ死なねぇよ。

ああもうなんか思考がこんがらがってきた。

―――もうヤダ起きよう。

 

 

 

「…うへぇ…」

うっわ…まだ夜中だし、なんか最近夢見悪いな…アイツの呪いか?

もう完全に目覚めちゃったし…朝まで本でも――

[こんこんっ]――…誰だよこんな夜中に…

「…はい」

「どうも、タチバナヒカリさん夜分遅くに失礼します。」

扉を開けた先には少女が立っていた。

腰まで届く銀髪に全体的に緑のワンピース、小さな背丈に合わない凛とした顔つき。

金のツリ目の瞳は私を見上げていた。

「突然ですが今から…そうですね、昼前まで家から離れていてください。」

「は?」

「その時大事な物は持って出ておいてください、もしかしたら壊れるかも知れませんので。」

「いやまっ、」

「それから出来るなら人が少ない場所にいてください、周りが危ないですからね。」

「…まて」

「待ちません。これは私の友人から伝えておけと言われたんですよ、こんな所でGAMEOVERなんてつまらない…って言ってましてね。」

「……君は誰なんだ」

「そうですね…通りすがりのお人好しです」

そう言い切って肩を揺らす、

…えーっと…つまりここから昼まで出ていけと?

なんで?と聞こうと思ってたがほんの少しまぁいっか、なんかあってからじゃ嫌だし、と承諾する自分が見える。

「まぁ分かったが…せめて理由を聞かせてくれないか?」「…めんどくさ…」

「おい今なんか言ったか」

「…ごほんっ。気のせいですよ。理由ですか…さっき言った通りGAMEOVERはつまらないんですよ、あいつは。」

「…いや、理由になってな―」

「はいそれじゃあさようならタチバナヒカリさん」

そういうと同時に強い風が吹いて思わず目を閉じ、そしてもう一度開ける頃には少女の姿は無かった。

…何だったんだ一体…!ゲームオーバーとか…縁起じゃ…もしかして本当にさっきの夢走馬灯だったんじゃぁ…!

うわぁ!怖っ!あーもー!

そう脳内で呟きながら家へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の昼前、人々がワイワイと活気づいてきた時。

地割れを伴う大きな地震が起こった。

被害は少なかったものの、震源地の真上の家は見るも無惨に崩壊していた。

―――その家の住人の名は「立花輝」と言った。

 

 

 

 






しょっぱなからブレーキを取り払うスタンス。




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前兆、前衛、前触れなく。


クッキーをクリックするだけの簡単な作業です。
そう言われて始めたのが最初だった…などと意味不明な供述をしており。





 

 

 

霊夢は焦っていた。

先ほどの地震。時たまこのような地震はあるのだがこの地震は何か違うと察していた。

(揺れた瞬間神気を感じた…偶然って事も無さそうだし…)

震源地と思われる人里に向かいながらひび割れた地面を上空から見る。

浅い地割れが広い範囲で見られる、その地割れに近づくとそれからも微かに神気を帯びている。

何かある。とは分かっていた、しかしその時霊夢の脳裏をよぎったのは――

「……輝?」

唐変木の友人が何かしたのか。と云う予感がしていた。

―――カンだけどね。

出来れば当たるな、と淡い願いを掛けて人里へと向かって行った。

 

 

 

 

「……!霊夢か!」

「慧音!輝は……?」

そう聞こうとして言葉を失った。

慧音が立っていた場所は輝が住んでいた家があった場所…の筈だがその場所には家らしきものは無かったし家の住人である筈の輝の姿も見えない。

ただそこにあるのは壊れた木材が重なっているだけ、何も知らない人から見たらただの廃材置き場だと思うだろう。しかし彼女達には違うものに見えた。

木材の下敷きになり端々しか見えないが毛布や割れた食器は確かに見たことのある物ばかりだった。

「――輝は?」

「いや…それが行方不明なんだ」

「…どうゆうこと?」

「家を探したが見つからないしどうやら人里には居ないみたいなんだ」

「……全く…」

とりあえず下敷きになってないことに安心してその場にしゃがみこむ。

しかしもう一つ心配事が増えた。行方不明の友人、謎の地震、神気を帯びた地割れ。

「…ちょっと天界行ってくるわ」

「え?あっああ」

兎に角心当たりを当たってみようと立ち上がった時――

「っ、うわっ!」

「余震か!?」

グラグラと地面が揺れ出す、先ほどの地震より

少し強い揺れだ。

(…!やっぱり神気を感じる…!)

疑問が確信に変わった時、

「―――!」

「…!輝!?」

「なっ、どうした霊夢!」

突然走り出した霊夢に驚き、声を上げるが霊夢には聞こえずまだ微かに揺れる地面を蹴る。

「っ…ひか――」

「あ?」

物陰に隠れていた人物に話しかけるとその人物は輝ではなかった。

がその場にいた少女は座り込み具合が悪そうな顔をしていた、流れる様な銀髪に緑のワンピース、伏せられた金目は話し掛けてきた霊夢を眺めていた。

「…えっと…大丈夫?」

「はい、ちょっと息切れしただけですから」

絶対嘘だ。と思ったが口は挟まないでおく。

「……?人探ししてたんじゃ…?」

「え?ああ、私の友人なんだけど立花輝…って知らない?」

「タチバナヒカリ…ああ知ってますよ」

「ほんと!?」

思わず手を掴みそうなほど喜んだのも束の間、目の前の少女がこう呟いた。

「ええ、これから起こる異変の張本人ですからね。」

 

 

 





初めて輝が一言も喋らなかった。なんか凄いけどどこ行った。




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片隅に流れるは懐かしき予感


一昨日、投稿後間違えてログアウトしてしまう→ログインしないと!→パスワードが違います。→
▂▅▇█▓▒ (’ω’) ▒▓█▇▅▂うわぁぁぁ!!


―――むっちゃ揺れた…!!

何あれ怖っ!あれ?私だけ?嘘やん。

内心ビクビクしながら溜息を吐く。

「なんだ一体…」

「…貴女また何かしたの?」

「またって…それはひどくないか幽香」

しかも何もしてないのに!まぁそんなこと言われ慣れたけどね!さっすが幽香!どS!!

さて、なぜ私がここにいるかというと夜の少女の言ってたことを信じて里を出たはいいものをどこに行くか決めてないし+α周りから妖怪の気配がいつもより5割増しで感じたので逃げてきた先がここだったのです。

だってここらへん雑魚妖怪いないんだもん!

そんなこんなで朝まで待ってたら幽香が出てきて何故かぶん殴られ今に至るのです。

―――我ながら意味わからん!

んーまぁ、とにかくさっきの揺れ…気になるなぁ…

「すまない、一旦里に帰ってみる」

「別に言わなくてもいいのに…」

「それじゃ…」

「――気を付けて」

「?、ああ」

どうしたんだ?そんな心配そ―――ああはい分かりました早く行きますからほっぺ抓らないで痛い痛い痛い!!

 

…しっかし昨日の女の子は何だったんだよまったく、もしかしてさっきの地震のことか?

いやしかしそれだけじゃない気がするなぁ、何と言うか…嫌な…違う悪い予感(・ ・ ・ ・)がするんだよな…

そんなことを考えながら里へと帰る道を歩く…のだが一向に進んでいる気がしない。

道に迷っていると言うより導かれてると言うか…

――――――!

「っ!!!?」

ゾワゾワと背中を何かに撫でられる様な感覚。

てか今さっき何か吠え…

「*****¡¡¡」

「っあ゛!?」

反射的に反転し妖怪をよける。その後によく見ると狼男のような2mある様な巨体に腕が異様に大きい、その腕は真っ赤に濡れており鋭い爪には生々しく皮のようなものまで引っ付いている。

「…マジか」

「*********¡¡¡¡¡」

聞き取れない程の音量で吼えてからもう一度襲いかかってくる。

慌ててよけて体勢を立てなお――そうとするが鋭い爪が自分の眼前に勢いよく突き出される。

マトリックスゥゥゥゥ!!!!あっぶねぇ!!てか何で襲われてんの私!!?

身体を仰け反りそのままの勢いで妖怪の顎に全力で蹴りを入れる。

「*****!!¿¿」

おお、少しは怯んだか。今度はちゃんと体勢を整え、相手の様子を良く見る。

焦げ色の体毛に埋もれる様な目からは怪しい光が溢れ、まるで洗脳されてるような―――

 

『――――――』

 

「まさか…」

脳裏をチラリと、しかし私に思い出させる程度には確実にアイツの顔を思い出した時、

「*****¡¡¡¡」

妖怪は勇ましく吼え私に向かい飛び掛り爪ではなくあえて牙を私の左腕に突き刺した。

「っがあ゛あ゛あ゛!!!」

自分の喉から出たとは思えないほど獣のような声が絞り出る。

てかむっちゃ痛い。叫べないぐらい痛い。いや叫んでたか。

そんな事を悠長に考える間に妖怪の牙は抜かれ私の体は重力に逆らわず地面に叩き付けられる。

あ、やばい、なんか肩熱い。ジンジンして動かねぇ。

ズリズリと近付いてくる狼、畜生また食われるのかよ、てかまだ食われたことねぇよ、あーもー思考がこんがらがってきた。

そして妖怪の手が私を捉え―――

「邪符「ヤンシャオグイ」」

ふとそんな声が聞こえたと思うと私を食おうとしていた妖怪がなんか吹っ飛んだ。何を言ってるかわかんねーが私も((ry

「大丈夫ですか?」

「え…ああ、ありが…とう?」

スペカが飛んできた方向を向きそこに居た青髪の女性に礼を言おうとして声が詰まる。

―――何か嫌な予感しかしない。

 

それは言い過ぎだと思うが、反論できない私がいる。

 

 

 






出したいキャラを出しただけ。反省はしている後悔はしていない。




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邪仙と幻真の夢の欠片


娘々の口調を調べようと色々見に行く。
→エンダァァァァァァァァァァァァァイヤァァァァァァァァ!!!
(意訳)にゃんにゃんは清楚可憐。

なかなか進展しない事で定評のある幻神異変編。




 

 

 

「…すまない、怪我の手当てまで」

「いえ、困ってる時はお互い様というでしょう?」

そう言いながらどこから出したのかご丁寧に包帯で噛まれたところを手当てされる。

ううむ、動きづらいが仕方ないな。

ぐるぐると肩を回してみると一箇所ズキリと小さく疼くだけで酷くはない。手をにぎにぎしても普通に動く。

んー…まぁ大丈夫か、さって…

「えっと…名乗るのが遅れたが私が立花輝だ、よろしく」

「立花…輝…ですか」

ふむ、と考え込む様にする女性、あれ?私会ったことあったっけ?なかったと思ったんだが…

「…ああごめんなさい、聞いたことがある名前でしたので」

「?誰から聞いたんだ?」

「豊聡耳様からですよ」

さらりと答える。豊聡耳…ああ。

「神子からか」

「ええ、昔からの縁ですので」

ばちーん☆とウインクをする女性、…けっこう明るい性格なのか?

「名乗り遅れましたが青娥娘々と申します、よろしくおねがいしますね」

「…娘々でいいのか?」

「―――」

えっと…間違えたのかなぁ…でも読み方娘々(にゃんにゃん)で合ってるよな?

「えっと…」

「…すみませんがもう一度呼んでもらえませんか?」

「え?あ、に…娘々?」

なんかプルプルしてるんだが…大丈夫か?

「――青娥と呼んでください」

「へ?あ、ああ…」

 

「こほんっ…さて、こんな所で何をしていたのですか?」

「何って…ただ歩いていただけだが…」

突然話題を変えられ困惑したが、まぁ無難に答える。

いやだって、知らない子から家追い出されてただただ気の赴くままに歩いていたってそれ只のボケ老人やん?

「ただ歩いていた…ねぇ…」

じぃぃと見つめられる。

んー…こんな事を思うことはあんまりしたく無いのだが何か邪悪?な気配がするんだよな…なんだろ?

その時またぐらりと地面が動く、今度の揺れは短い…と言うかほぼ一瞬だったがまるで上から突き上げられる様な揺れ。

その時微かにしかし確かに感じた事のある、似たような感覚がする。

 

『殺―――大――だ―――』

 

「アイツっ…!」

やっぱりまだあいつがっっっ!!?

とにかく慌てて里の方へ走…

「いっ…!?」

「待ってください」

まっ、待ちますからお願い肩っ離し…痛い痛い痛いから!!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!

落ち着いて青娥の方を向くと、少しムッとした顔をしていた。

「怪我がひどいんですから、いきなり走り出したら傷が開きます。」

「しかし…」

「…里へは私が連れていきましょう」

静かに青娥が告げる。その瞳には怪しい光が漏れていた。

「その代わり、『アイツ』について教えてくれません?」

触られてないのに傷が痛んだ気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「張本人…?」

所変わり、人里の片隅。

「ええ、」

一人は壁に寄りかかって顔色を悪くしていて流れる様な銀髪と相誤って儚げな印象を感じる。

もう一人は片方と向かい合うようにたっているが、その顔は呆然と、理解できない事を言われたような顔をしている。

「…つまり輝がこの異変を起こしたっていうの?」

「いえ、そうじゃないです」

肩を揺らしながらやれやれと言わんばかりに溜息を吐く。

「単にこの異変を起こした黒幕の理由が彼女というわけですよ」

「まって、意味が―――」

その時、また微かに地面が揺れる。

それだけじゃない。

「…ちょっ、何あれ…?」

異変に気が付き空を見ると。

ガラガラと、まるでガラスを割ったように空の一部が割れている。

「ほーら、動き出しましたね」

慌てて霊夢が少女の方を振り向くと、そこにはもう影すらも残っていなかった。

 

 

 

 






娘々の黒さが表現できなくて死にそう。
あと霊夢が変に不遇。




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最初の邂逅。



少し長くなったや、あとやっぱ輝の出番の振れ幅が激しい。





 

 

 

「「さっいしょはグー!じゃんっけんぽん!」」

薄暗い魔法の森に無邪気な声が響く。

「「…あいこっしょ!!」」

次の声が響いて三秒間の沈黙のあと、二つの対照的な声が聞こえた。

「あー!あー!絶対ズルしたって!でないと三回勝負ストレート勝ちなんで出来ないじゃんお前!」

バタバタと足を動かしながら右手はチョキのまま目の前の少年を指さす。

「やーめーろーよー言い掛かりやろーてか出来ないって…俺そんな運無さそうか?」

はぁ…と溜息を吐きながらもクリーム色の硬質的な右手はグーの形を保ったまま目の前の少女を眺める。

「うん」

「ひっど…」

もう一つ大きく溜息を吐くと座っていた切り株から腰を上げ、空を仰ぐ。

ある部分だけまるでガラスを割ったように空が欠けており、その欠けている部分からは真っ黒な空間が覗いている。

「…いやー凄いな、こっから見ると」

「そうだねープロテインだねー」

「話聞いてないやろ」

そんなことを言いながらぐぐっと伸びをする少年、それを真似るようにんー…と言いながら少女も体を伸ばす。

「さてっと…そこの魔法使い、出て来いよ」

少年がそう言い後ろを振り向くと木の陰から魔理沙が出てきた。

「へへっ…バレてたか」

「アホかそんな目立つ帽子被ってたら直ぐにバレるっちゅーの」

「え?でもお前ああゆうタイプ好きじゃないの?」

「だぼ、それだったらロングの聖母のようなナイスバデーなお姉さん呼んで来い」

「そんなのいないよ」

「うるせェ夢見させろ」

「…おーい」

まるで漫才のようなやり取りに毒気を抜かれながらも注意は怠らず、目の前の二人を睨む。

そんな魔理沙を見て気を取り直し、対峙する少年。

「…ゴホンッ、取り敢えずあの空を元に戻すには俺たちを叩けばいいと言う訳で来たんだな」

「ああ、そうだろ?」

「んーまぁ違いじゃねぇが…まっいっか」

少し悩んだ様にしたがすぐに辞め、右手を後ろに回す、

「それじゃぁ、死に物狂いで除けろよ?普通の魔法使い?」

そう言うと同時に後ろに回していた手を魔理沙へ向ける、そして発砲する(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ )

「!?」

驚き、慌てて上空に避難しその発射された物を訝しく見る。

少年の手に構えられた物は厳つい、実用性重視の外装のマシンガンだったのだが、外より技術が劣っている幻想郷で育った魔理沙にはその手に構えたものが分からなかった。

「さぁ、まだまだ撃つぞ、しっかり除けろよ?」

「っ…!まっ、何なんだよそれ!?」

弾幕とは違う、銃弾の嵐をそれこそ死に物狂いで除けながら問い掛ける。

その問には答えず、ただまるでハンティングの様に銃を撃つ少年。

しかし30秒経った頃に。

「…飽きたな、すまんね」

「―――っう゛ぁ!!?」

飽きた。と告げた途端に箒に跨っていた魔理沙の足に深く銃弾が掠る。

その痛みに思わず墜落する魔理沙。

ヤバイと感じてとっさに目を固くつぶる。

…だが、いつまで待っても地面に叩き付けられる感覚はない、ゆっくりと目を開くと―――

「魔理沙大丈夫!?」

「霊夢っ!?」

魔理沙はその場に駆け付けてきた霊夢に抱えられていた事に驚いていると…

「っ〜〜〜〜〜!!!ねぇ!!」

「なんや」

「二人目!来た!順番!!」

「んー…良し、アイツじゃないのが心残りだがまっいっか」

「やった!おーい!」

何故か興奮している少女を見ながらマシンガンを仕舞う少年。

その目には同情が滲んでいた。

「足大丈夫なの?」

「あ、ああ、結構痛いけど…、!霊夢!」

「分かってるわよ」

魔理沙を適当な木に凭れさせると、駆け寄ってきたのか、少し息を荒くしながら30m程離れた場所に立つ少女を見る。

「…私の相手はアンタってわけ?」

「うん!…まずは挨拶からだね?」

そう言うとニコニコとしたまままるで礼をするかのように首を傾ける。

「こんにちは、死ね!!」

言うが早いか動くが速いか、一瞬のうちに30mもの距離を詰め、何時の間にか構えていたサバイバルナイフで霊夢の首を刈り取ろうとしていた。

「っ!!」

ギリギリ回避するが、少し体勢を崩してしまう。

しかしその立て直す隙さえ与えぬ程素早く次の攻撃を繰り出してくる。

「…ちっ!」

舌打ちをしながら地面を転がるように少女から距離をとろうとする。

「霊…!」

freeze(動くな。)

動こうとした魔理沙の眉間に少年がトカレフを突きつける

「お願いだから動くなよ、俺だって年端のいかぬ女の子を撃ちたくないんだ」

しかしその銃口と目には無慈悲な色が滲んでいる。

「…しっかし、残念だ。アイツが執着している『立花輝』とやらに会ってみたかったんだが」

「輝…!?輝に何か…」

「んーまぁ出て来ないのは仕方ねぇし、奈々に見つかったら怒られるし…」

そう呟くと、トカレフの銃口を眉間から魔理沙の口に捻り込む。

「口封じでもすっかな…大丈夫だ、手と口以外は潰さねぇよ」

「ふっ…!」

その時、遠くから声が響いた。

「ねーえー!」

「ったく、なんだー!」

「ところでさー!」

その時少女の目の前には、服の端などを切り裂かれた霊夢を庇うように。

三人目(・ ・ ・ )の時ってどうするのー?」

「……あ゛?」

立花輝、張本人がそこに居た。

 

 

 

 






主人公は遅れてやってくる(白目)




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少女、少年、溺れる幻。前編



コラボとかしてみたいけどなー…うちの子使いにくそうだしなー…





いっ今起こった事をありのままに話すぜ、空が割れてる。何を言ってるかわかんねーが私も((ry

なんかガラーんって感じに…ああでもそこから虚とか出てきそうだな…てかやばくね?

嫌な…じゃ無かった、悪い予感がビンビンするんだ…[ガウンっガウンっ!!]…って!?

今の銃声だよね!?よくTVとかで聴いてた!えっなんで!?ああもう!あっちは…魔法の森か?

「すまない、あっちに…!」

「分かってますわ」

おおう察しいいな。そう思ってたら髪に挿していた簪を取り出し空中で丸を描くと、その部分だけがぽっかりと違う景色が浮かんでいる。

ってうおおおぅ!!?なにそれすごい!

「…手品か?」

「ちょっとしたズルですよ」

わぁ久しぶりに語尾に(はぁと)ってつきそうな言葉聞いた。

えっとこれを通り抜ければいいのか?

ヨイショっと…結構高い位置に作ったな…足痛い…!

「すまない青娥」

「いえいえ、貴女こそ」

…?まぁいっか。

せーのっ!

 

 

 

 

「――――――」

「輝!?」

―――はっ!突然の話題変更についていけなかった!

ゆっくりと周りを確認すると私の後ろに何故かボロボロの霊夢、そして私に向かいあって立っている…なんかイラストにしたら赤色の消費が半端じゃ無さそうな感じの女の子。ん?なんかナイフ構えてね?しかもサバイバルナイフ。

「…ねぇーえぇーー!!」

するといきなり叫んだ、多分どっかの誰かに話しかけてるんだろうけど。

「ったく、なんだー!」

うおうぅ!結構早く返ってきた!結構近い場所にいるのか?

「ところでさー!」

「三人目の時ってどうするのー?」

…?三人目?て事は私と霊夢以外…多分魔理沙か?

「…あ゛?」

すごくドスが効いた声が返ってきたんだけど?なんなのヤンキーなの?

「…輝、どこから来たのよ?」

「……親切な人に連れてきてもらったんだ」

んーまぁ間違いは言ってない。いま説明してたらややこしいし。さてっと。

「…今こっち来てるのかな、でも遅いよねー…ねー?」

語尾を疑問形にしてこっちを振り向く少女、ニコニコとしているけどなにか薄気味悪い感じだ。

…誰だコイツ。

「ちょっとは反応してよ「立花輝」ちゃん?」

「…誰なんだ?」

「誰だろーとテメーには関係ねーよ」

そんな声が聞こえたと思うと[がしゃん]と何かを構える音と学ランを着てショットガンと思うものを構える少年が少女の後ろに立ってい―――

[ガウンっ!]

「っな!?」

「よぉ…会いたかったぜ?「立花輝」?」

…ああはい今分かった。私今日は厄日だ。

 

 

 






誰でもいいからうちの子使ってくれる人大募集(迫真)





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少女、少年、溺れる幻。後編


さあ皆様、ようやく日本に修造が帰ってきたそうですよ!暖かくなってきたー!





 

 

 

 

「よぉ…会いたかったぜ「立花輝」?」

「…私はお前らと面識はないんだが?」

周りに瘴気が漂い、そのせいか目の前の少年達が霞んで見える。

少年が構えたショットガンのターゲットは確実に私を捉えている。

―――いやお前ら誰だよ。

うんまぁ確かに気になるけどそこまでじゃあ…いやそうじゃねぇ。

「お前に面識なくても俺らは知ってんだよ」

カチリ、とトリガーに力を掛ける。

よく見たら少女の方もまるでスケート選手のように前傾姿勢になってナイフを構えている。

「…霊夢、ここは大丈夫だから魔理沙のところに行っててくれないか?」

「え、ええ…」

そう言うと同時に一気に飛び出していった。

うーん…なぜ追わないんだ?いやまぁ私がガッツリ狙われてるからだよね。ちくしょう。

「よーし!いっくよー「立花輝」ちゃん!」

「っ……!!」

少女の方が言ったと思ってたら一瞬で距離を詰められる。それをギリギリで除け…たっ!!

あっぶねー!ほんとギリギリだよ!?なんなの究極生命体なの!?

「ほらほら除けろよ、当たっちまうぞ?」

[ガウンっガウンっ!!]と銃声が聞こえたと思うと後ろの気に何かがめり込んでいる。

―――って!?

ちょタンマタンマ!!流石に銃は無理!

慌てる私など気にしないように余裕綽々で弾を詰める少年。

「こっちからも行くよー?」

「んなっ!!?」

嘘っ!無理だって!そう思いながらもしゃがんでナイフを避ける。

今なんか髪切れたよね!?切れたって!

とにかく距離をとる為バックステップを踏み、その隙にアレを取り出す。

「んー?待ってよ「立花輝」ちゃーん?」

「っ…!ちゃん付けするなっ!」

「現調「道理そこのけ無理が通る」」

スペカを宣言して全力で心臓辺りを殴る。おお吹っ飛んだ。

「へぇ?それスペカだよな?」

「っ…」

ああそうだった銃男も残ってた!

「じゃあ俺も見せてくれよ?」

「…明らか様な挑発は乗らない様にしてるんだ」

「逆符「真の偽り」」

「って言いながらも乗ってくれるんだな!」

魔理沙の時から改良したスペカを放つ、ぶれてるのは変わらないが…密度は比じゃねぇ。

流石にこれは除けれ…

「んーじゃあ俺も観せてやろう」

「兵器「大日本帝国海軍~回天~」」

スペル宣言と同時にまるで魚雷の様な大きな弾幕が私の弾幕をかき消してしまう、しかもそのまま勢いは消えることなく突っ込んでくる。

慌てて回避しようと横にズレ…うわぁ!?

なっ…まさかこれ…追尾…!?よけてもよけてもついてくるし!?

「さぁさぁどうやってよける?」

余裕綽々の笑みを浮かべる少年、うー…!仕方ねぇ!

「真偽「嘘付き四月」」

そう宣言し追ってくる魚雷に向き合う。あと一寸程度に近づいてきた時―――私に弾幕が降り注いだ。

厳密に言うと私の周りギリギリに高速弾幕が降り注いでいるだけなんだけどね!てへぺろ☆

しかしあの魚雷は消せたらしくウザイ影はもうない。

よっし、このまま押すぜっ!

ダメ押しにもう一枚スペカを取り出す。

「不可能「現実の青いバラ」」

大量の弾幕が弧を描いて少年に向かい放たれ、一瞬後轟音が鳴り響く。

や、殺ったか…!?

その時砂煙が舞う中に一つの影が揺らめいた。

「…んー…っと!いやーすまんなつい瞬きをしてしまった(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ )。」

そう呟いて、悠々とこちらに歩みだしてきた少年。

その顔は笑みを称えていた。

 

―――マジかよ…

ほんとマジかよ。

 

 

 

 






ひかりんスペカ大放出の巻




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有我夢中


言葉とは時に何よりも痛いのです。







 

 

「いやーすまんなつい瞬きをしてしまった。」

そう言って煙の中から姿を現す銃男、うっそ…いまクリーンヒットしたよな…化け物なの?

いやしかしほぼ無傷って…うー…どないしよ…

「ん?どうしたどうした?もっと本気で殺ってこいよ?」

と、同時にショットガンを発砲する。

しかし一応手加減と言うかよけれる程度には間隔をあけてくれている。がしかし本当に気休め程度だ。

慌てて後ろに下がり距離をとる。その間にどうするか考えるが何故が今あいつに勝てないと漠然とした予感だけはある。

「ちっ!」

木の後ろに隠れて銃弾の雨をよける。

ざりざりと近付いてくる音が聞こえてくる、そして少し距離を置いたところで止まった。

「どーした?隠れてねぇででてこいよ」

「…馬鹿か、銃相手に素手だぞこっちは。」

「?何言ってるんだ?」

本当に不思議そうに聞き返される。

「「ナイフも怖いでしょ?」だろ?」

「―――え?」

声が聞こえた瞬間喉元にひやりとした感触がする。気がして慌ててその木から離れると、一瞬銀色が煌めいたと思うとズリズリと大木が切り倒される。

その向こう側にはさっき吹っ飛ばしたはずの少女が立っていた。

「んーよけちゃったや」

「ばーかお前ばーか」

「怒るよ?」

またも気の抜けたやりとりを交わす二人、しかしこの状態は悪い。どうしようか。

頭の中で考えを巡らせていると、突如周りを見渡してから少年がハァと大きなため息を吐いた。

「―――残念だな…」

…………え?

ゆっくりとした口調で少年がこちらを見る。

その目には哀れみの色が滲んでいる。

「せっかく期待したのに、弱いなぁ。」

ゆっくりと、しかしはっきりと、私に聞こえる声で告げていく。

「ホント失望したよ。」

グラグラと地面が揺れる。また地震か?

目の奥がヒリヒリする。森の瘴気だろう。

「期待してたのにな」

―――やめろ。

失望を顕にして少年はこちらを見る。少女も私の目を見つめてくる。

「最悪だね。」

ポツリと悪気なく少女も言い始めた。

「生きてる意味ないんじゃないの?」

存在の否定。また一層頭が痛くなる。やめて、これ以上。私を―――

「ねぇ、死んでよ。」

私を否定しないで(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ )

その時パンッと乾いた音が響いたと思ったら頬を銃弾がかすっていた。

その痛みで鮮烈に意識が覚醒する。

「―――もうひと押しか。」

ポツリと呟いて少年はいつの間にか持ち替えたトカレフの銃口をこちらに向け。

「お前の夢は大層弱かったんだな、今のお前に負けるなんて。」

―――巫山戯るな。

先程までの感覚がまるで霧のように消える。

巫山戯るなよ。お前らが、アイツを、どうして、侮辱する?

「…うるさい。」

口から言葉が溢れる。知らない間に手に力が篭る。

ドロドロと気持ち悪いものが渦巻いてくる。

「うるさい。」

イライラと、体全体が血沸き立ってくる。

もう嫌だ。

「うるさい…煩い煩い…!」

口からありったけのモノを吐き出す。

でないと気持ち悪くて死にそうになってしまう。

あーもう、嫌だ。

「煩い煩い煩い煩い煩い煩い煩い煩いっ!!!!」

そう叫んであいつらに飛びかかる。

しかし見透かされていたかの様に回し蹴りで突き飛ばされる、木に当たってもう一度襲い掛かろうとするといつの間にか少女が私の上に乗っていた。

振り降ろそうとするが上手く手も拘束してるらしくどうやっても動けない。

少女はそんな様子を見て満足気に微笑むと持っていたナイフの柄で私の心臓の辺りを打つ。

「があっ!?」

一気に肺の空気を吐き出され、まるで焼かれたような痛みが心臓を襲っていた。

そして少女がナイフの切っ先を私めがけ振り降ろさんとしている時に意識がブラックアウトしていってしまった。

 

墜ちる意識の中、最後の視界に銀髪が揺らいだ気がした。

 

 





輝は結構な確率で死にかける。


後コラボ受付中です。





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少女と少女。


目覚めた瞬間とは曖昧なモノです。





 

 

―――か―――ひか―――かり―――

誰か呼んでる?でも真っ暗で何も見えないよ?

ひ―――ひか―――り―――

どこなの?待ってよ、私はまだ…

 

 

 

 

「輝!」

「―――っ!?」

霊夢に呼びかけられて目を醒ます…と光が目に入りもう一度瞑ってしまう。

…てかここ…博麗神社?…なんで私……

未だ覚醒しない頭で思い出そうとすると―――

 

『お前の夢は大層弱かったんだな、今のお前に負けるなんて。』

 

かぁと頭が沸騰しそうなほど怒りが湧いてくる。

私の体が熱いのか外気が冷たいのか、その境界すら曖昧になってきた。

勢い良く飛び起き外に飛び出そうとすると霊夢に腕を掴まれる。

「輝、待っ…」

「離してくれ」

しかし腕を掴む手はさらに強く握られる。私も霊夢の方を向かないようにする。

多分いま私えげつない顔してる。

「お願いだから待って」

「…お願いだから離してくれ。」

「輝!」

無理やり手を解いて外に飛び―――

「待てってんでしょうが」

いきなり目の前に少女が現れたと思うのも束の間、次の瞬間には視界が一回転していた。そして背中に衝撃。

〜〜〜〜〜〜っ!イッタァ!?大丈夫これ?背骨折れてない?ほんと?

起き上がり目の前の少女を見直すと、月をバックに立っていて神々しい雰囲気を醸し出している、が…

「どうも」

「…あの時の?」

え?なんか私の記憶正しかったらあの時の予知少女!じゃないですか?何で居るんです?ん?

「輝、事情を説明するから戻って来て」

「…ああ、すまない取り乱してしまって」

のそのそと家の中に戻って布団の上に座る。

そして私から向かって右側に霊夢が、私と向き合うのは件の少女。

「…さて、何処から話しましょうか?」

少しめんどくさそうに少女が口を開いた。

 

 

――――――――――

 

 

 

 

時刻的には輝の意識が墜ちる一瞬手前、その時少女が現れた。

「はい、ストーップ。」

「!」

「あ、奈々ちゃん」

少女は振り下ろされかけのナイフを手で掴み物理的にナイフの動きを止めていた。

「あんたら何やってるんですか?」

「んー?チョットちょっかいかけに」

「馬鹿か」

そう言ってナイフの少女の頭を軽く叩く、そして掴んでいたナイフを奪い取り、少年の方に投げる。

少年は何も言わず投げられたナイフを取りナイフの少女に向かって

「さぁって、帰っぞー」

「えー」

まるで父の様な台詞をはきながら後ろを振り返り歩いていく。

しばらくムーっとむくれていたが諦めたのかナイフの少女も立ち上がり少年について行った。

「さて…と」

二人が立ち去ったのを見届けたのち輝に近づき肩を揺する。

反応が無いのを確認した後肩に担いで木の後ろに隠れていた霊夢たちに呼び掛けた。

「そこの二人も出てきてくださいよ」

「…バレてたか」

「それでバレてないと思ってたんですか…?」

少し照れくさそうに笑う魔理沙に深く溜息を吐き木の陰から出てきた二人に

「取り敢えずこれ、重いんで持ってくれます?」

そう言って少女は何気なく輝を預けた。

 

 

 

 

 

 

 






しばらくコラボの方を書きたいと思いますので更新止まります。
御迷惑かけます。




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斯くて彼女の罪を禁ず



夢の理由。知りたい様で知りたくないですね。




 

 

 

「―――――と言う訳なんですよ。」

 

「―なるほど」

 

一瞬遅れに話が終わったのだと理解する。

…つまり私はこの少女に助けてもらった、という訳だろう。まぁ途中から説明が飛んだり曖昧なところが有ったりしたのはまぁいいだろう。霊夢も何も言ってないし。

 

「…助けてくれてありがとう」

 

「お礼なんていいですよ別に」

 

やれやれと肩を揺らす動作に照れてるのか?などと考えていた時

 

「お礼なんて言われる道理はないですしね」

 

―――――?なんだ、今少し、違和感が―――

 

「そも、貴女がこの異変に巻き込まれた間接的な犯人は私なんですから」

 

「……は?」

 

反応したのは霊夢だった。

 

「あの時、空に大きな穴が空いたでしょう?それは私がしたコトです」

 

大きな穴。割れた空のことを言っているのだろうか、いやその前に。

――――目の前の少女がアレをした?

――――と言うか、異変?

グラグラと疑問が煙の様に渦巻いていく。

 

「ちょ、どうゆうことよ!」

 

「…つまり私は黒幕。と言うわけですよ」

 

ふぅ、と息を吐いて少女が私の方を見る、何故かその目には軽蔑の色を含んでいる様な気がする。

 

「…どうして異変を起こした」

 

「そんな理由決まってるじゃないですか」

 

そんなことは、そんな事など常識じゃないかと言わんばかりの態度で言い放つ。

 

「貴女ですよ。立花輝さん?」

 

「……なんだと…?」

 

「そもそもおかしいと思わなかったのですか?」

 

ゆっくりとまるで子供を諭すように静かに告げていく。

 

「夢なんていうあやふやなモノが自我を持ち、実体を持ち、力を持ち、その上願いなどという物を持ったりする事がおかしいと。思わなかったのですか?」

 

 

 

―――――そういえば、そうだ。

 

 

おかしい。そんなものが。どうして。あの場所に。どうやって。

ぐるりぐるりと疑問が溢れかえる頭に何故か凛と冷たい水のように少女の声が響く。

 

「アレはいわば世界の奇蹟だったのですよ。幻想より遥か彼方にある人々の永遠の憧れ。」

 

手を広げまるで演説の様に語る少女。

しかしその声などいつの間にかかき消されそうな程鼓動がうるさい。

 

「貴女はソレをどうでもいい、自分勝手な理由で壊したんですよね?」

 

「――黙れ」

 

「ただ自分がこちら(幻想)の方がいいと言う身勝手な理由で」「―――――」

 

パシリッと音が聞こえる。

次の言葉が聞こえる前に腕を誰かに掴まれる。

掴まれた腕を見るとどうやら紫に掴まれているらしい。

ん?どうして掴まれているんだ?

ああ、そうか。

殴りかけたのか、目の前の少女を。

 

「輝、落ち着いて」

 

「大丈夫だ、離してくれ」

 

そう言ってるのに紫は離してくれる気配はない。

それどころかさらに強く掴む。

 

「…どうしました?殴らないんですか」

 

目の前の少女は不思議そうに首を傾げる。

しかしその目は確かに愉悦が混じっている

――――ああ、なるほど。

彼女は私を試しているのか。

それが分かるとす、と何かが引いていく感覚がする

 

「……落ち着いたから」

 

「…そう」

 

ようやく紫が手を離してくれる、その腕をダランと下ろして少女を見る。

 

「………ふぅん…」

 

特に気にしてなさそうな風に少女が呟く。

……なんだかなー…

 

「…お前とは仲良くなれそうにないな」

 

「あれ、奇遇ですね私なんか仲良くなろうという気が起きませんでした」

 

クスクスと笑いながら少女は言う。

…絶対コイツ、性格悪いな。

 

そんなことを思う程度にはいつの間にか私は落ち着いていた。

 






はいすみません!更新バカみたいに遅れました!すみません!!

それと書き方変えてみました…どっちの方が見やすいですかね…?


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平和休題



わたしは神を信じます。
会ったことがありますから。







さて。

まず此処で今まで出てきた新キャラを整理しよう。

一人目、ナイフの少女。

焦げ茶に染めているが根元が黒のプリン頭を短いポニテにしており顔は人懐っこく愛嬌のある顔だが純粋なまで黒の瞳が不気味。

黒のTシャツに白のノースリーブの上着を着ておりデニムの少しボロついたズボンにホルスターを巻きナイフを取り付けている。

全体に血濡れのイメージが強い。

 

二人目、銃の少年

銀に染めたくせっ毛の髪に黒に紺混じりの目、まるで少年の様な無邪気な顔。

全体を黒で統一した学生服(所謂学ラン)に焦げ茶色の長ブーツを履いている。

語感の感じから関西出身の可能性が微レ存。

 

そして三人目

銀とも灰とも白とも取れる髪を腰辺りまで伸ばし一寸の汚れの無い金色の目は少しつり上がっており表情筋が死んでいる様だがそれでも愛らしい可愛い綺麗とも言える顔立ち。

薄緑色をしたノースリーブのワンピースを着ておりどうやら素足に膝あたりまであるブーツを履いているらしい。

おそらく絶対きっと性格悪いだろう。

 

────────────

 

 

 

「……なんか流したみたいな雰囲気だけど、結局あなたは何なのよ。」

 

時間にして二秒くらい少女と睨み合いをしていると霊夢に声をかけられる。

そういえば、なんか異変とかなんだとか言ってたな。

 

「えっとー…通りすがりですよ、ただの。」

 

「嘘ね」

 

「はい嘘です」

 

はぐらかそうとした少女と紫が真顔で向き合う。

……うわ、シュール…

その時、紫が急に睨みつける様な視線を少女に向ける。

 

「…そもそも、どうして貴女の様な者がこんな所にいるのかしら?」

 

何か、含みを持った言い方をする紫。

?もしかして紫は彼女を知っているのか?

 

「何よその言い方、紫もしかして知り合い?」

 

どうやら霊夢も気になったらしく聞いていた。

私もおとなしく聞き耳を立てる。

 

「……彼女は」

 

大賢者さん(・ ・ ・ ・ ・ )

 

「それ以上は」

 

少女の方を向くと人差し指を唇にあてがいほんの少し首を傾げて

 

「言わぬが花。でしょう?」

 

そう呟いた。

すんっと何か空気のような物が喉を通り抜ける感覚。

無意識に体に力が入る

 

「―――そうね」

 

ふうっと息を吐く紫。

なんだろ、こんな感じの紫は見たことが無い。

 

「私はただの通りすがりの暇人でいいじゃないですか」

 

「いい訳が…あーもーいいわよもう」

 

霊夢も何かを察したらしく少し乱雑な手つきで頭をかく。

ん?もしかして私だけ?私だけ取り残されてる?話に?

 

「ともかく、私が聞きたいのは貴女はどういう目的でここにいるのって事で…!」

 

「寝返り」

 

霊夢の最初の質問に少女は単語で答えた。

 

「少し面倒になったので此方に寝返ろうかと」

 

「…それで、はいそうですかと言うと思うの?」

 

「思います」

 

確実な声で少女は霊夢に語る

 

「私が寝返れば、少なくとも五割は優位に立てますよ?」

 

「っ…!あんたっ…!」

 

「霊夢」

 

淡々と話す少女にいらついたのか(霊夢だから無いと思う)霊夢が掴みかかろうとするのを今度は私が止める。

此処で争っても意味はないし。

 

「確かに彼女の言ってるのは正しいんじゃないだろうか」

 

「こちらに情報が回るのはまぁ、良いわね」

 

私の言葉に紫が答える。

…私?私はとりあえず止めただけですよく考えてません。

 

「…………まぁ、そうね。」

 

おお、霊夢も同意したか。

と言うことは。

 

「交渉成立。ですか?」

 

「ああ」

 

今度は特に笑うことなく少女は言う。

 

「じゃあ成立祝いに私の名前を覚えてください」

 

「…なな、奈々と言います」

 

「そうか、よろしく奈々」

 

「…予想以上に貴女に呼ばれるの嫌ですね立花さん」

 

「………………」

 

 

 

私 コイツ 嫌い

 

 

 

 

 

 

 






前書きは西尾維新さんの「サイコロジカル曳かれ者の小唄」から引用いたしました。


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始動音が響く。



少女は揺らがない。
揺らぐのはいつも世界だ。





 

 

 

「っ…んん?」

 

朝日が目に入る。

おかしい、いつもは私の布団に日が差し込むのは昼間だけだったんだか…

のそりと起き上がりああ、と納得する。

そっか、いま私神社に泊まってるのか。

 

ぺたぺたと廊下を歩きながら昨日を思い出す。

えーっと、昨日はー家潰れてーなんか二人組にボコられてーそしたらなんかちっこい子にバカにされてー仲間になってーバカにされてーとりあえず寝ろって言われてー…

 

「…訳が分からんな…」

 

自分でも苦笑いしたい。

 

 

 

「あ、おはようございます」

「おはよう輝、よく眠れた?」

 

「ああ、おはよう霊夢…と奈々」

 

部屋に付くとちゃぶ台に霊夢と奈々が向かい合わせに座っている。奈々は黙々と白米だけを食べ霊夢は他の副菜などと一緒に食べている。

とりあえず座っていただきます、と手を合わせて茶碗に飯をよそう。

 

「……所で傷は大丈夫ですか」

 

「へ?あ、ああ」

 

黙々と食べていた奈々がこちらを向き聞いてくる。

正直話しかけられるとは思わなかった、いやだってこいつ性格悪いし性格悪いし私の事嫌いそうだし。

 

「もし傷が残れば私の責任にされそうですし、あと貴女の事は嫌いで合ってますよ」

 

「…はっきり言うんだな」

 

「はっきり言いますよ、事実ですし」

 

「話してる暇があるんなら黙って食べなさい、後から話があるんだから」

 

バチバチと火花が散りそうな雰囲気を霊夢の一言で吹き飛ばされる。

まぁたしかに喧嘩してる場合じゃないよな。うん。

…てかこいつ心が読めるのか…??

 

「貴方は思ったことを顔に出しやすいんですよ」

 

うわぁ!!?

 

 

 

カチャカチャと音を鳴らして洗い物をおわらせる。

しかし、神社に帰るのもさしぶりだなぁあの頃は大変だったよなぁ…いや、うん。

 

「輝ー!ちょっと来て」

「どうした」

 

手を拭いて霊夢の居る(きっと奈々も居る)縁側へ向かう、半開きの襖を開けると短い銀の髪が揺れているのが見えた。

 

「妖夢、久しぶり」

「あっ、輝さん!!大丈夫ですか!?」

 

ん?大丈夫…ああ、傷かな?そんなに深くないから大丈夫だと思うよてかなんで知ってるんだろ。

 

「大丈夫だが…」

「そうですか…よかったぁ…」

 

答えるとほっと息を吐く妖夢。

んー心配されるのは良いなぁさっきも同じこと聞かれたけど全然高感度が違…はっ!!

ゆっくりと霊夢の隣を見ると奈々がジトリと見てくる。視線で「アホかこいつ」と言われる、様だ。

 

「しかし妖夢、どうしたんだ?」

「えっ、いや今日輝さんの家に行ったんですけど潰れてて慌てて霊夢さんの所に来たんです、そしたら昨日の異変にやっぱり関わってるって言うじゃないですかすごい心配になってそれで私っ…輝さん!これから危なくなったらすぐ呼んでください!地底だろうが天界だろうがすぐ飛んでいきます!飛んで貴方の邪魔になる者を切り刻んであげます!!」

「お、おう」

 

妖夢が熱くなってるな…そんなに心配してくれたのか…なんか目にハイライト入ってないけど光の加減だろう。

 

「これは…末期…ではないですね、まだまだセーフですかね」

「…自分で蒔いた種ね」

 

ん?なんか霊夢と奈々の視線が…

 

 

その後少し妖夢と話をしてこれからの事を聞かれていると

 

「その話をしに来たのよ」

「わぁっ!!?」

「紫、話って?」

 

妖夢は結構ビビったらしいが正直私にとったら日常茶飯事なのでそこまで驚かない。凄い紫は不服そうだけど。いや話を進めようよゆかりん。

 

「その異変、輝に解決してもらうわ」

 

うん。話が進みすぎたね…って、はぁぁぁぁあぁぁぁ!!!?????

 

「それは適切ですね、狙いは彼女ですし」

「でもそれ危なくない?」

「いざとなれば助けが来ますよ、ですよね妖夢さん?」

「えっあ、はい!!」

 

霊夢と奈々が話をしている。

いや、えっ、えーーーーーーーーーー…

 

「立花さん」

 

奈々がこちらを見る

 

「ご愁傷様、です」

 

「…仕方ないな。」

 

頭を抱えて答える。

ほんと、仕方ないなぁ…嫌だなぁ…

 

 

 








少女録を楽しみにして下さってる方々へ、いつも更新が遅れて申し訳ございません。



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太陽喰らいの黒



黒と光





 

 

 

「まぁ普段どうりに暮らしてたら勝手に襲って来ますよ」

「傍迷惑ね」

 

日が真上に差し掛かる頃、『解決といってもどうするか』について話していた時の奈々のセリフに霊夢がため息を吐きながら呟く。

うんほんとに迷惑、帰って。って…

 

「と言うかなんで輝を狙うのよ、あんた達は」

 

私の中にふと湧いた疑問を霊夢が心を読んだわけではないが口にする。

いやほんとに、なに?アイツの事ならほんとに謝るから。

 

「あれ?言ってませんでしたか?」

「聞いてないわよ」

「あーあれですよ、輝さん連れ去りたいんですよ」

 

「「「…は?」」」

 

…すごい綺麗に霊夢と妖夢と紫がハモった。

てか何でまた私なの?????なんで???

 

「…それは特別なケースだから?」

「ああいや違います単純に好きだから連れ去りたいんだそうです」

 

……………………空はこんなにも青いのに…

ハッ!危ない現実から逃避してた!危ない危ない。

 

「…ねぇ輝、あんたはどこでこんな面倒事持ってくるのよっ!」

「っいた、霊夢痛いっ」

 

霊夢に某元気すぎる五歳児に対する母親の折檻のようにこめかみを拳でぐりぐりされる。

いやほんとになんも心当たりないしてかほんと痛い痛い!!!!!

 

「…刀の手入れ、ちゃんとしないとなぁ」

 

てか妖夢なんか怖いよ!??

 

 

「と言うか誰が私のことが好きなんだ?」

 

切実な疑問。

あのナイフの子か学ランの銃男か…普通なら銃男だけど…

 

「んー…私の弟です」

 

やっぱり銃男か、ほら髪色とか似てるし

 

「いやそいつじゃないです 」

「なんだと」

「あーー…説明めんどくさい…まぁいつかわかりますよ」

 

んな大雑把なっ…

 

「てかそれならあんたの目的は何」

 

なの、と続けようとした霊夢が突然空を見る。

同じように空を見ると

 

「んなっ・・・!」

「あれって・・・」

「・・・」

「あーやっぱり」

 

三人が驚くのを尻目に奈々は気だるそうな声を出した

 

「先に言っときますけどリーダー格の奴の目的が立花さんであって、その他は違いますよ」

 

空、が黒ずんで太陽を隠そうとする。

黒、黒、黒黒黒黒黒黒黒。どこまでも黒い黒が。

 

「だって、私達はこの世界が気に食わないんですから」

 

ぱくん。と世界が暗くなる。

黒が太陽を喰べた。と表現したほうがいいだろうか。

呆然としてるとチリチリと何かの気配を感じた。

 

「っ、何この妖気はっ!」

「大勢の妖怪の気配がします!」

「・・・奈々」

「これは、まぁ、仕方ないですねぇ」

 

霊夢と妖夢が慌てて森の方へ視線を投げる。

紫が奈々へ問いかけとも思しき声をかけるとめんどくさそうに奈々が答える。

 

「完全に潰しに来てますね、アイツら」

 

―――――なんか既視感するな。

 

「・・・霊夢、どの辺が一番妖気が強い」

「あっちの方だけど・・・輝?」

「霊夢達は人里を見てくれ、私が行ってくる」

 

「この異変、どうやら私に喧嘩を売ってるらしいんでな」

 

売られた喧嘩は高価買取。

 

 






感想ありがとうございます。
なんとか完走できるようにがんばります。



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狼と半霊と少女



更新遅れましたごめんなさいL('ω')┘三└('ω')」





 

 

 

 

 

妖怪は強くなるほど人形に近づくと言う。

もちろんそんな事はなくはないのだろうがそれを信じて二足歩行を夢見た狼の妖怪もいる。

 

その中の一匹が多くの狼の中で石の上で座っている奴である。

全体的に焦げ茶色の体毛に覆われた大男、いや人ではない、あえていうなれば狼男だろう。

ギラギラと金の目を光らせ暗闇を睨む。

ギラギラ、ギラギラ。

いつの間にか狼達の千の目が暗闇を睨んでいた。

ギラギラ、ギラギラ。

獲物は何処だ、獲物は何処だ。

 

獲物は、お前か。

 

狼男は暗闇の向こうから近づいてくる気配に舌なめずりをした。

 

 

────────

 

 

 

暗くて何も見えねぇ!

なんだこれ!皆既日食か!あれ金環日食だっけ!?

どっちだっけ!まぁいいや!

ガサガサと草むらを掻き分けながら走る、霊夢からコッチらへんが一番妖気が強いって聞いてとりあえず走ってきた。飛べないもん。

 

「輝さん!大丈夫ですか!?」

「何がだ?」

「いえ、足とか!」

「舐めるな鍛えてる」

 

さっきから走りっぱなしだしてかさっき起きたばっかなんだよな私。いつの間にやら人間卒業してたよ私。

そんな私を心配してか何故か付いて来た妖夢が声をかけてくれる。

優しいな妖夢は、出来る事なら抱えてくれ飛んでるんだし。

 

「しっかし、だんだん妖気が強くなっていってるな」

「大丈夫です!輝さんは私が守ります!」

「いや妖夢は守られる側だろう」

 

体格的に私が守らないと、うん。

妖夢の方が数倍強いけど自分より小さい子に守られるのは・・・こう、人として。

 

「妖夢は私が守るから、妖夢は私の背中を守ってくれ」

 

イエェェェェイ厨二台詞イエェェェェイ!!!!!!!痛い!!!!!!!とても痛い!!!!てか日本語おかしい!!!!

ほら妖夢も頭抱えてる!なんか唸ってるし赤いけどどうした妖夢同行人がこんなんで幻滅したのか!HAHAHA!!!

 

「っ!わかりました!貴女の背中は私が守ります!」

 

うわぁお頼もし過ぎるぞ妖夢よ。

 

 

 

 

がさり、と一際深い草むらを掻き分けると開けた場所に出る。大きさ的には一般的中学校体育館の大きさの広さ位だろうか。

その中央あたりに茶色い人がいる。いや犬か?

ええい暗くて見えない。これじゃあ目星もろくに振れやしねぇ。

 

「・・・輝さん」

 

すっ、と妖夢が前に出た。

どうやら敵らしく、向こうも立ち上がった。

 

「・・・オイ人間、今オレハトテモ機嫌ガイイ」

 

はぁそうですかじゃあ見逃すか帰ってくださi

 

「ダカラ大人シク喰ワレロ」

 

ですよねーー!!!!

大犬(よくわかんないから犬で)が指をパチリと鳴らすと周りからぐるると唸り声が聞こえ出す。

 

「・・・っ!罠でしたね」

 

マジか罠だったのか知らなかった。

まぁ仕方ないね据え膳食わぬは男の恥ただし毒入りスープみたいな感じだしね。なるほど訳分からん。

 

「妖夢」

「はっ、はい!」

「私があの大犬殴るから、背中頼んでもいいか?」

「大犬・・・?・・・はい。大丈夫です。貴女の背中は私が守るって言ったじゃないですか」

 

隣で妖夢が笑う

 

「貴女を殺す者は私が殺します」

 

・・・頼もしい!頼もし過ぎるぞ妖夢ー!なんか背筋に寒気が走ったけど気にしなーい!妖夢の目にハイライト入ってない気がするけど気にしなーい!!

頼むぞ、と一言言って(あと脚に強化魔法かけて)大犬に走り出した。

 

私達の冒険はこれからだ!

嘘ですごめんなさい真面目にします。

 

 

 

 






真面目になれよ輝。

あとご指摘批判感想待ってます。


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最後に物言うは友情也



友情か何なのかは神のみぞ知る。





 

 

 

 

 

強化魔法―――とは言ったが細かく言えば違うのだろう。

力を増幅させる能力(昔取った杵柄)

何だかんだでお世話になってる能力だ、いやだって使い勝手が良さ過ぎるんだもん。

色々な力を増幅出来るのだ、例えば筋力とか威圧感とか声量とか、例えば脚力とか。

 

走る走る走る、まるで坂道を駆け下りる様に走る。

光を放つ狼の目を掻い潜ってるせいか流れ星になったような錯覚を覚える。

ガルルっと一際大きな唸り声が聞こえると一匹が飛び出してくる。

 

「輝さん!」

 

妖夢の声が聞こえる、返す間もないので心の中で返事をする。

大丈夫だ、問題ない。

あれ、問題あるよねこの言い方!!!?

そんな事を思いながらその場でターンする結果的に私の背中を掠める事になった狼に回った勢いのままラリアットを食らわす

おお、眉間にクリーンヒットした。ラッキー。

キャウンと可愛らしい声を上げて吹っ飛ぶ狼が後にいた(可哀想な)狼にぶつかる。

それを合図としてなのかは分からないが次々に狼が襲い掛かって来る。

っあぁぁ!面倒!ちくしょう動物愛護団体に訴えられたらどうしてくれよう!!

とりあえず情け容赦無く殴り飛ばす。

まぁ走る邪魔になる()だけを殴り飛ばしてる、他はかわしたりスルーする。だって面倒臭い。

 

「っ、ごめん妖夢、任せた!」

「はい!」

 

まぁ後ろにはとても頼りになる妖夢が居るから安心だけどな!!まじ妖夢さんのお陰でした!!

いつの間にか(腕が狼の毛だらけになる程度)あの大犬の前に着く。

目の前にすると改めて大きさが解る、軽く2mは超えて威圧感も凄い。いや張り合おうって気は無いよ。

 

「オ前、オイシソウダナ」

「それが私の名前か?」

 

なんか思い出したから言ってみた、あの絵本好きだったんだよな。

そんな私の心を知ってか知らずか大犬は飛び掛ってくる。それを大きな動作で避ける。

一歩、二歩、後ろに下がる。

大犬は腕をだらんと下げた体制でこちらを睨む。

・・・そういや何で私コイツと戦ってるんだろ。

 

「ガァァァァァァ!!!」

「っ、!」

 

だぁぁ!うるっせぇえぇぇ!!!

力任せに奮われる拳を両手でガードする。

びくり、と左腕が震えた。いや違う、熱い。痛い。

ガードは出来てる、寧ろガードから来た痛みなら左腕より前に出してる右腕の方が痛い筈だ。というより左腕がアレだから右腕を前に―――

 

「あ」

「ンンン?ドォシタ人間??」

 

察した時には既に遅し、もたついてる内に腕を大犬に掴まれる。

ズキリと左腕に強い傷みと熱さ、恐らくあの妖怪に噛まれた傷が開いたんだと思う、いや確実にそうだろ。

大犬の金色の目が右腕、左腕を見てそして私の顔を見る。ニタリとした顔で。

 

「ソォカ、コッチガ痛イノカ」

「っ、ぎぃっ・・・!」

 

ギリギリと左腕の傷を抉られる。

いや普通に痛い、マジで!痛い!

どうする、どうする、どうする、どうする?

目線を後ろに向ける。

妖夢は狼達の相手をしてコッチを見れてない、見る暇など無いほど猛攻されてる。

・・・迷惑かけるから助けは呼べない。

んーどうしよう。我ながら悠長だな。あれか場数踏んで来たからか。なるほど。

視線を戻して大犬を見る。金の目がギラギラと輝いている、まるで獲物を捕えて今首元に噛み付かんとする狼の様な―てかこいつ狼だよな、あっやっべ大犬って呼んでたごめん大犬。

 

「人間、イヤ、女ァ」

 

脳内で謝ってると大犬(面倒臭いから呼び方は戻さない)が更に笑う。ニタリといやらしそうに。

 

「女、イイ匂イがスルナァ、イイナァ」

 

ベロっと大きくてザラザラしてそうな舌を出す。

唾液に塗れてポタポタと汁を垂らしてる。

あと獣臭い。

 

「アァ、オレモ聞クダケデ見タコトナカッタガ、コレハ、ウマソウナ匂イダァ」

「っ・・・ステーキの匂いでもするのか?」

 

私の言葉を聞いてか何なのか知らないがニヤニヤとしたまま大犬は言う。

 

「生娘ノ匂イダァ」

 

ぞわり、と寒気がする。

なんとか手を離そうとすると首元に生暖かい感覚がする。

「っー!?」

「ハッハァ!コイツハァイイ味ダァ!」

 

舐められた。

その事実に全身に鳥肌が立つ。

気持ち悪い、気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。

ただただ純粋に気持ち悪い!!!

 

「やめっ」

「アーオイシソウダ、アイツラニモワケテヤロウ」

「っつっ!!?」

 

あいつら、て言うのは妖夢か戦ってる狼だろうか。

うっそぉ、やだやだあんな大勢に一気に喰われるのは、確実に死ぬ。

妖夢逃げれるかな。

 

「サテ、モウ一口」

 

べロリと大口を開ける。

今度こそ噛み付かれる、首を噛み切られる。

ぎゅっと目を瞑って覚悟する。

 

 

 

 

 

「・・・ア゛?」

 

・・・ん?

なかなか来ない痛みにゆっくりと目を開ける、と。

大犬が舌を切られてる。

長さ的に半ば辺りからスッパリと、血がダクダクと出てるのが見ていて辛いてかグロい。

 

「ア゛、ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!??」

「耳障りですね、黙ってください」

 

スパン、と大犬の喉仏が切り裂かれる。次の表現はパックリと言うのがピッタリだろう。

とか、考えてると不意に腕の拘束感が無くなる。

恐らく私の腕を掴んでる程の余裕は無くなったのだろう。

ってぇ!?落ちる!そんな高くないけど受身取れないって!

 

「っ・・・!・・・ん・・・?」

「輝さん大丈夫でしたか!」

「・・・妖夢」

「はい!」

 

地面に落ちると思ったら妖夢が受け止めてくれた。

やだ妖夢イッケメン・・・!惚れる・・・!

ん?いや妖夢、あの狼は

聞こうと思って後ろを見たら狼達が死屍累々となってるのが見えたので聞かないでおいた、やだ妖夢強い。

 

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!オ゛レノ゛!オレ゛ノ゛シタ゛ガァ゛!!??」

「なんだ、まだ生きてましたか」

 

ゴロゴロと喉仏から血を振りまきながら悶える大犬を冷めた目で見つめる妖夢、どうやら、てかどう考えても切ったのは妖夢らしい。

 

「流石に輝さんの前ですし、細切れになって無いだけいいと思ってくださいよ?」

「ヒィッ!」

 

おおう、脚がふらつく。腕めっちゃ血出てるし。

 

「輝さん、どうします?」

「え?、ああ」

 

話振られて慌てて考える、んーそうだな。

・・・なんか腹立ったから

 

「一発だけ殴る」

「わかりました」

 

一言言うと妖夢も一言答えて後ろに下がる。

よく出来た子だ。

とりあえずそこら辺に落ちてた金属バット(・ ・ ・ ・ ・ )を持つ

 

「ッ!!???」

 

ブウンブウンと素振りをする。うん。小さい頃は男子に混ざって野球とかしてた甲斐があったぜ。

筋力を増幅させて左腕のハンデをほぼ無くす。

大犬を見ると初めて見る金属バットに釘付けになっている。何をされるのか、と不安になってるのだろう。

安心しろ大犬。痛くねぇよ。一瞬だ。

 

「・・・多分な」

 

ぐっと、構える。

狙いはあの大犬の眉間。

よーくねらえ、クリーンヒットするイメージを付けろ。確実に当たるようにイメージを付けろ。

 

「ヤメロ、ヤメロナニヲスルヤメロヤメロ!!」

「せーのっ」

 

容赦なく大犬の頭にフルスイングする。

 

「ヤメロヤメロヤメロヤメウワァァァァ!!!!」

 

ぶん。と空ぶった。

手を下ろし大犬を見ると白目を剥き泡を出して気絶してる。

もうこれだと暫くは動けまい。はは、ざまぁ。

満足したので木の枝(・ ・ ・)を放り投げる。

 

「・・・輝さん、何をしたんですか?」

「少し幻覚を見せた」

 

真と幻を操る程度の能力。

この能力はとても強い、けど私が出来る事は幻を操り幻覚を見せるだけ。今はまだそれで充分だ。

まぁそんなことはどうでもいい。精神面のダメージは肉体にダメージが無くとも受けるという、脳がダメージを受けたと思えばそれはダメージだ。

まぁ少し悪いとは思う。なんかこれいいとこ取りになっちゃったけどごめんね妖夢。

っとぉ、

 

「輝さん!」

「あー・・・ごめん妖夢、迷惑かけた」

「いえ、私は、貴女が名前を呼んでくれるだけでいいんです」

「・・・妖夢は欲がないなぁ」

 

ヘラヘラと笑う。

どうやら左腕からの出血が多過ぎて失血死しそうだ。いやしないけど。でも意識飛ぶ。確実に飛ぶ。

 

「ありがと、妖夢」

 

目を閉じる前に空の黒が割れた気がした。

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

「どうやら妖気の中心を倒したようですね」

「・・・そうらしいわね」

「妖怪も住処に帰るでしょう、私達も戻りましょうか」

「ねぇ、奈々。あんた何を知ってるのか全く教えてくれないけど、何がしたいの?」

「・・・・・・さぁね」

 

「何時も人は神様の言うことなんか分からないって言うじゃないですか」

 

 

 






長くなっちゃった。

最後の会話は奈々と霊夢です。

ご指摘批判感想待ってます。


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休載救済休題





まぁのんびり行こうや、先はまだまだだぜ?




 

 

 

 

 

 

 

―――――知らない天井だ

言葉に出さなくて良かった私は一体何回この台詞を言おうとしてるんだなんだ私はとりあえずおはよう意識。

もぞりとベッドから体を起こして周りを見る。

ふむ、ふむふむ。なるほど把握。

永遠亭か、ひさしぶりだ。

 

 

体を見るとところどころ包帯や湿布、ガーゼが当てられており手当されたと言う実感が湧く、いやされてるんだけど。窓の外を見ると月が煌々と輝いており眩しささえ感じるほどだった、いやマジでまぶしい。

月明かりの中ぐぐっと手を伸ばし意識を完全に目覚めさせ記憶の整理を始める。

うーーんと?犬と喧嘩して、それで・・・あーなるほどその後ここに運び込まれたのかなるほどふむふむ、さっき月がくそまぶしかったからあれ(黒いの)はどうにかなったっぽいけどうむむどないしましょ。

とりあえずその異変は置いといてこの時間は少なくとも朝ではない、つまり深夜帯。

する事が無い。

どーしよっかなー退屈は人を殺すと言うし寝直すのもナンセンスだしなーうーん

 

「お暇のようね」

「なんだ居たのか」

 

くぁwせdrftgyふじこlp!?

突然横から声をかけられ口から肺が出そうになるのを堪えて声の主を見ると腰ほどの長いストレートの黒髪に朱色の目が月の光を反射してきらきらと瞬いている。

てか一体いつから横に居たの・・・??

 

「むー貴女って驚かないのよねーつまんなーい」

「つまんないか」

「まぁそういう所も良いわよね!良い!」

「良いのか」

「そう言えば傷大丈夫なの?」

 

ころころと顔を変えながら楽しそうに話す姿を見るとそりゃあ五人も六人も求婚に来るわなぁ、としみじみ思う。

かぐや姫。あの有名なとんでも話の主人公のかぐや姫、その張本人が彼女、蓬莱山輝夜なのだ。

私が何時かここに入院した時に知り合ってからはこう、気に入られた?のか?は知らないがある程度話せるようになった、まだヘタこいたらクビ飛ばされそうで緊張するけど。

 

「ねぇー聞いてるのー?」

「・・・ああ、傷なら多分大丈夫だと・・・」

「本当?」

「そこまで酷い怪我じゃないからな」

「ならいいのよ!」

 

ふんすっ!と何故か自慢げに笑う輝夜。

ふむ、なるほど、これは、帝が惚れ込むわ。

 

 

 

 

 

 

ちゅんちゅん、と雀の鳴き声が遠くから響いてくる。

朝日が殴りかかるような勢いで窓を通じて自身に降り注いでくる。

ぼんやりと天井と壁の境目を見ていた視線を自分の膝に落とす。

 

「んー・・・ふふぅ・・・」

「・・・はぁ」

 

何故か私がベッドに腰掛けるような体勢になり輝夜が寝転がり私の太股を枕替わりにして寝ている。

うむ、なんか、こう、足がそろそろ、疲れます。

あの後夜の暇つぶしにと話相手になってくれたのは嬉しかったが朝日がちらつき始めた途端に「眠い」と言い出しいつの間にかこんな状態で寝てしまってる。

なんだろ・・・私って流されやすいのか・・・?

 

「輝さん、おはようございま・・・」

 

がちゃりと音を立てて開けられた扉から見慣れた顔が覗く。桃色の長い髪にぴょこんと立ってる長い兎耳。

鈴仙はおそらく私の包帯を換えに来たのだろう、そしたら何故か自分達の姫様が寝てるんだ、そりゃあビビるわ。私もなんでこうなったのかわからない。

鈴仙の困惑の悲鳴が上がる一刹那に後ろに倒れ込み暴力的な朝日を目に取り込む。

 

 

うん。暗いよりかはましだけどくっそ眩しい。

 

 







月一更新を目指したいです。

御意見感想指摘お待ちしております


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作戦会議兼生存安否確認



さぁ話をしようか。





 

 

 

 

「貴女って馬鹿じゃなくて脳筋阿呆なんですね」

 

見舞いに来た霊夢と妖夢の大丈夫マシンガンをくぐり抜けたとおもうと付いてきてた奈々からショットガン喰らった。

何を言ってるか分からんが私も分からない。

 

「………………すまない、もう一度」

「だから貴女って」

「すまないもういい」

 

あっそ、となんて事無いようにまた視線を横にそらす奈々、ツンデレか?ツンデレなの?

 

「ともかくそこの無鉄砲考え無し単細胞脳筋思考の立花さんにもわかりやすく教えるとですね」

「まて」

 

無視しないでお願い!!ほんとに泣きそう!!確かに考えなしで単細胞だけど!!!

 

「まず大前提としてあの黒い空は状態異常を付与してくるモーションだと思ってください、あの状態になってると主に妖怪が活発化します、それは分かりますね?」

「…ああ」

「その異常ってのは妖怪だけなの?」

「いえ勿論人間にもありますけど少し気弱になってしまうだけです、活発化して張り切る妖怪の威勢に負けてへたり込んだまま食われる人間と覚えてください」

「覚えたくないです」

 

さらさらと答えていく、すげぇ…私でもわかりやすく教えられる……

 

「まぁその際に流石に媒体無しにあの規模の干渉は難しいのでこちらに楔と言うか錨というか釘のようなものを差し込むんです、それが貴方がこの前倒した狼ですね」

「ん」

「いや貴方がじゃなくて妖夢さんでしたねすみません」

「そうだな」

 

事実なのに滅茶苦茶心が痛い、事実だけど!!

 

「それで、私たちはどうすればいいの?その度に釘がわりの妖怪を倒せと?」

「それが一番手っ取り早いですね、そんな顔しないで下さい、流石に100回も釘を打つのは難しいですし準備もあります、三日は間隔が空きますから」

「三日って焼け石に水みたいなものじゃない」

「ですね」

 

霊夢の言葉に短く返すと私に対して目を向ける、えっ私何かした?私何も喋ってないよ??なに??

 

「一応あちらが狙う場所は大体分かってるんですよ、いつ来るか分からないだけで、所で立花さん、この幻想郷で太陽と言ったらどこを思い浮かべます?」

「……幽香の所か?」

「あ、いやそこは駄目です、本気でアレが来る。他にありません?力を持った人がいる所でも構わないので」

「んー…」

「八咫烏なら居るわよ、地底だけど」

 

横で霊夢が答える、てか地底あるの居るのなにそれ知らない私知らないんだけど???まって??私に話振る必要あったコレ???

 

「無いですよ、一応聞いただけです」

 

心読まないで!!

 

「とにかく八咫烏いるならそこが危ういですね、地底への行き方は分かりますか?」

「分かりやすく穴があるわ」

「良かったですね立花さん馬鹿でも分かりやすいですよ」

「……そうだな」

 

もうツッコまないぞー、泣いてないぞー。

 

「そうですねぇ、…地底に向かう前に山に行きましょう」

「は?なんで?」

「アイツらが行くかもしれない場所の一つなんです、数箇所ありますよそういうの」

「へー、他は?」

「寺」

「正式名称くらい言いましょうよ」

 

ぶっきらぼうな奈々にやや疲れ顔で指摘する妖夢、ふーんと考えるようなポーズをする霊夢、我関せずとばかりに伸びをする奈々。

何だかやることが分かったような分からない様な……まぁいっか、と分かったフリをする私は晴れた空を窓越しに眺めるのであった。

 

 

 







月一更新を目指したいとかほざいた結果がこれだよ。
多分次もこのレベルでの更新速度になるので気をつけてくださいごめんなさい(懺悔の土下座)






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