此処のゲーセンが少々鬼畜すぎるんだがwww (現実逃避を成した俺)
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第1区、見知らぬゲーセンのその上に
(前略)見知らぬゲーセンに特攻したった(*^^*)


皆さんはじめまして、現実逃避を成した俺こと
この作品の著者です!
ちなみに被教育者。
小説(というよりラノベ風)を今まで読んでいただけで
書くことはなかったのですが、ハーメルンがやりやすい
こともあり、自分でも小説を書くことを決めました!
経験も知識も0に近いですが、よろしくお願いします!!


 俺は高校2年生のちょっとゲーム好き(ちょっとかな?)

な男子。名前は加藤 悠太。ゲーム好き故にゲームを攻略することが大得意で、

面白いと思ったゲームならどんな鬼畜ゲーム(ムリゲー)でも時間さえあればすぐに攻略できる。そのためゲーム殺しの悠太とも呼ばれている。

 ゲーセンだって自分の住んでいる地域のことならマイナーなものでもすぐに分かる。

(じゃあ、とんでもなくゲーム好きじゃん)

 

そう。

ゲーム関連のことはほとんど知っていると確信していたんだが……

 

 

 

 

アレ?此処にこんなゲーセンなんてあったっけ?

名前は…Shelter、か。シェルターってw不覚にも、

聴いたことないな。なんか悔しい気持ちになってくる。

まあいい。此処を攻略すればもう他にここら一帯に未攻略ポイントは皆無なのだから、俺は本物のゲーム殺しになれるのだ...!不思議と嗤ってしまいそうになる。

 

さあ、細かい事はともかく、最後の扉を開けてやろうじゃないか!そう心の中で語り、自然と笑みが零れてくる。 あっ、ゲーム好きな俺は難しい漢字使いたがるから。

どうでもいいかもしんないけど、覚えといて。

そんな誰に言ってるか解らないことを呟きながら、

威風堂々と自動ドアを抜ける。

そしてゲーセンに入り、辺りを見回す。

太鼓の○人や、マリ○カートなど、王道中の王道なもの

が多く置かれている。...やっぱこの程度か。

いや、判断するにはまだ早い。とにかく全部見てみよう。

意外にもマイナーなものが隠れているかもしれん。

 

 

ーー20分後ーー

「はぁ。」

思わずセリフとして溜め息がでてしまった。

言えるとしたらは唯1つ、何にもねーーーーーーー!!!!!

あまりにもメジャー過ぎる!普通すぎるよぉぉ!!!

…見知らぬゲーセンとだけあって期待していたけど、どうやらその期待は大外れしたようだ。

………俺、なんか忘れてないか?

と、その時

「テーテレッテー テテテレテテーーテテテーテー......♪」

(モンスターハンターテーマソングより一部抜粋)

電話だ。俺のとびっきりイカす携帯(電話)に電話がかかってきた。

「あっ…」

そうだ、すっかり忘れていた。わざマシンを使うときに一つ(わざ)忘れるときのように...いや、そんな悠長な事をしている暇はない!俺は今迄(いままで)(めぐり)を待っていたんだった!

うわー、どうしよう。いくらあいつでも怒るよなー...

俺は電話にでる余裕もなくゲーセンを後にしようとするが、このまま電話にでない方がどうかと思い、

やはりでることにした。

「ご、ごめん!今、そっちに向かってるとこだから…。」

と、電話にでるなりソッコーで謝罪する。正直、ゲーセンのために20分以上いて待たせてたのだから、相当怒っているだろう。

「遅かったねー、どこいってたのー?」

「実は...ゲーセンに行ってたんだ。」

「めずらしいねー、ゆーくんがここらのゲーセンに長居するなんてー」

あれ?これ、怒ってるの?気になる。気にはなるが、聞いてはいけないと思ったので、聞かないでおく。

「面白いゲームでもあったの?それとも、新しい

ゲーセン?」

やはり自然に話しかけてくるので、マジでこれは怒ってるのか気になったので、

「そうだな。其処に未開の地があるから。」

調子に乗ったようなことを言っているが、自分の体は恐怖で相当震えていた。あいつは今迄本気で怒ったこと無かったから、逆に恐い。

「へぇ〜、ゆーくんにも未開の地なんてあるんだねー」

…。予定外だ。絶対怒ってると思った。まったく、あいつ(めぐり)と話すと調子狂うなぁ。

因みに巡とは幼馴染みで、家も近く、小学校から高等学校も

同じだ。塾とかも一緒だったから、学力も巡の方が少し良いくらいでさほど大きな差はない。まさにラノベでよくある

ような関係であるが、現実で起こることは殆ど無いだろう。

まあ、巡が親の仕事の関係で引越しするかもしんないとか、

俺が中学受験するとか色々あったんだけれども...。

まあ、その長い付き合いの所為(せい)で周りからは

付き合ってるだとか根も葉もないことを噂として流す奴が

いるんだが、そんなの無視するから自然と消えてしまう。

「ねーねー」

巡が話してくる。

「…ん?」

疲れによって乱れる息を抑え、返答をする。

「もう、目の前にいるよ?」

「…え?」

辺りを見回してみると、ここだよと言わんばかりに

手を振っている人がいた。無論、巡である。

疲れて止まっていた足に鞭を打って、俺はもう一度走りだす。

そこまでの距離じゃないけど。

「ゆーくんが行ってたゲーセンってなんてとこ?」

「んー、Shelterってとこ。あっちにある。」

「へぇ〜、そこに行ってみたいなー」

ほぅ。珍しい事もあるものだな。あまりゲーセンに行かない巡が自分から行きたくなるなんて。

まあ正直、あそこは何もないと分かってるけど、勿論、

断ることはできない。ってか、そもそも人と行くことは

殆どないからどうなるか楽しみなんだけど。

 

 

こうして俺は(巡も)、あの見知らぬ

ゲーセンへと足へ運ぶのだった……。

 

〜To Be Continue〜

 

 

 

 

 

 

 




どうも、こんにちは兼お早うございます兼こんばんは。
"現実逃避を成した俺"です(⌒▽⌒)
プロローグ兼 第1話は、どうでしたか?
ネーミスグセンスが可笑しいとかそこら辺はご勘弁ください。(汗)
投稿頻度はだいたい月に3話程度だと思います!
目安としては1話2000〜4000字で、5000字を目標としています!
ときどき活動ができなかったりするときもあると思いますが、皆さんと共に成長していきたいと思います!
よろしくお願いします!!
コメント欄にて感想、アドバイスを歓迎しております!
(場を乱すような発言はご遠慮ください、お願いします)


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新たな入り口《エントランス》、そして新参者。

こんにちは、現実逃避を成した俺という意味の分からないペンネームを設定してしまった悲しく哀れなこの作品の著者です。前作投稿から間を開けてしまってすみません(汗)しかし、2回目となると初期設定を終えられた為か、なんだか筆が、いや手がスラスラと動いたのでイキナリ予定外の文字数となりました!
それでは、本編をどうぞ!


ーーーーー気がつけば、また此処に来ていた。

 

もう行くことはないだろうと思っていたが、直ぐに来てしまった。自分で蒔いた種だから仕方ないけど。

因みに午後2時前だから、長くなる可能性もある。

まあ、偶には人と一緒に行くのも悪くないからいいけど。

でも、自分からはあまりゲーセンに行きたがらない巡が、何故自分から行きたいと言い出したのだろう。まあ、其処は考えてもわからないからいいや。

 

「ところで巡はなんかやりたいゲームあるの?」

 

当然、聞く。

 

「とくにないけど?」

 

 

うん、そうかそうか…っておい!やりたいゲームなしかよ!!何の為に来たんだ!!うわー、最も厄介な奴だぞこれ。全く、ここのゲーセンを俺が認めた穴場(ゲーセン)と勘違いしやがって、巡の正直な(ところ)もここまできてしまうと面倒…しまった、ここからは禁忌(タブー)だ。決して言ってはいけない。すまんよ、俺が間違っていたよ。

 

 

 

そして俺はついに意識が脳内から帰って来た。

 

巡は表情が隠せないらしく、大丈夫かこいつぐらいの目で見てくる。その正直さが凶器に成ることもあるんだよ、巡。

なんとか先程の傷を誤魔化さなければならないので直ぐに話を切り出す。

 

 

 

「…ここでなにしようか?」

 

「だから、分かんない。ただ、来てみたかっただけ」

 

「あっ、でもせっかく来たんだし何かして…」

 

「…。」

 

もう何も言えなくなってしまった。ただ、来てみたかっただけ!?ん?来てみたかったってのはなぜだ?確かあいつ雑貨屋の前であんなことを言ってた気が…まあそんなことどうでもいいか。

 

 

 

 

「早く行こうよー」

 

と、自動ドア越しに巡の声が聞こえた。

 

「お、おう」

 

そう言って、急いで自動ドアを抜ける。

 

「なにやるかー」

 

と、巡に振る(・・・・)

 

「UFOキャッチャーでもやろうかなー」

…色々と突っ込まなければイケない所があったと思ったがとりあえず承諾する。

 

「で、なにとるの?」

 

「何とろうかなー」

 

まあ、そこで悩むのはよしとしよう。初めからUFOキャッチャーで取るものを決めてからゲーセンに行く奴は然程いないだろうし。

 

「あっ、これにしよー」

 

「なになに?」

 

「これです」

 

と、満面の笑みで言った。

 

「そういうの好きだもんな、お前」

 

巡が指差したUFO(キャッチャー)は引っかかっている目標(ターゲット)を落とす(タイプ)だ。まあ、難易度は

低めだろう。ただ、横にずらしていくしかないから、とるのは簡単だが、一発屋の持ち上げる式とかよりは金と時間がかかることが多い。

「じゃー、いっきまーす!」

 

巡は、なんだか嬉しそうに100円玉を入れる。

 

ーーーチャリン。

 

ついに 始まったか。ここまで来るのにどれだけ時間がかかったか…と、腕時計を見てみるとそこにはアナログな数字で、

 

『14:21』

 

と記されていた。あ、そう。もう無駄に尺伸ばしはしない。心の声は脳内で留めておこう。

 

さあて、UFO(キャッチャー)の方はどうかな?

そう思い、顔を上げーーーーーー…

 

「!?」

 

やばい、なんてこった。まさかたった一回(・・)で取ってしまうなんて…

 

「あ、なんか取れちゃったー」

 

そう言って、巡は続ける。

 

「ちっちゃい時にも親の目を盗んで2人だけでゲーセンに行っことあるよねー」

 

「…そうだっけ?」

 

「そうだよー、覚えてないの?」

 

「ごめん、覚えてない」

 

「そっか、でもしょうがないかー。結構前のことだもんねー」

 

「ごめんね、覚えてなくて」

 

 

「ま、まあ次は2人で太達でもやろーよ」

 

「…そうだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして太達(太鼓の○人の愛称)を見つけると、

 

「じゃー気を取り直して、今度は2人でやりますか」

 

「そーだね」

 

巡はもう一度笑ってくれた。今度は偽りのない、清々しい笑顔だった。

 

そう言って、俺は太達に100玉を2枚投入した。

 

 

「そういえば巡って音ゲーできるっけ?」

 

「太達ならできるにきまってるよー」

 

と 、少し不満気に言う。気を取り直してくれたようでなによりだ。

 

「それはそうかもな」

 

実際には少し違うんだが。

ドンちゃんのコスプレをさっさと決め、そして画面が曲選びに移る。

 

「なんの曲にするかー」

 

そう聞くと、完全にナメられていると思ったのか、

 

「これにする」

 

と指差したのは〆ドレー2000。いくらナムオリ(ナムコオリジナル)の一番端にあるからって…。

まあ、曲はなんでもいいか。

 

そして俺は当然、鬼を選ぶ。巡も、鬼を…選ぶ!?マジか!もしかして意地か!?意地張ってるのかぁぁぁぁ!!?

 

しかし、俺の方が先に決定していたので、そのままどちらも鬼譜面へGoしてしまった。大丈夫かな…

 

 

 

ーーーそう思っていたが、やつは相当ヤバかった。太達にチョー手慣れしてんじゃん!もはや、初心者はおろか、普通に上級者じゃないか。周りが『すげー』という目で見てくれている。なかなか気分が良くなるものだ。

 

「す、すげー…ここまで出来るとは。巡もなかなかやるではないか」

 

やべっ、最後には倒されてしまうボスのような口調になってしまった…俺は負けないかんな!絶対負けるということはないからな!!

いやー、こんな近くに俺の戦友(ライバル)になり得る奴

がいたとは…勝手に戦友にしちゃってるけど。

 

因み巡のスコアは103万ぐらい。2、3乙しかしてない。やっぱスゲーよ。

あと、じゃあ悠太は?って聞かれそうなので先に言っておくが、フルコンでスコア119万と8000ちょいってところだ。久しぶりでも、案外大丈夫なものだ。

 

そして巡は、どうだと言わんばかりにドヤ顔していた。

ただ、こっちの様子を伺っているようにしか見えないんだけどな。

 

「だから言ったじゃ〜ん、あまりやらないだけでゲームは得意なんだって」

 

「そうだな」

 

「次はゆーくんが選んでいいよー」

 

「んじゃー、これにしていい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして俺と巡の、ゲーム好きによる、ゲーム好きのためのストーリーが始まるのだったーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー翌日ーー

 

 

『ジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリ…』

 

その音が聴こえると、俺は反射的に音を止めようと手を伸ばす。が、手を滑らせて例のブツは落下した。音は止まらない。

 

すると、

 

『バタンッ』

 

という音とともに急に外界の温度が下がることが分かった。

掛けてあった布を取られた…のではなく、自分が投げられたのだ。6時間という永き眠りから覚醒(めざ)めた直後でも、何が起きたのかはきちんと理解できた。

 

俺は今、宙を華麗に舞っている。そして…

 

『ゴツンッ☆』

 

後頭部を壁に見事にぶつけた。

 

「いってぇ…」

 

 

 

 

 

なんとかピントを合わせると、そこには怒り喰らうイビルジョー…ではなく、怒り喰らう姉貴が居た。

姉貴は空手初段、柔道3段というW黒帯で俺の周りで最強である。しかし、武道とは相手の安全を考慮するのが基本なのに、ヤツにはその考え方が存在しない。特に俺に対しては。

 

「さっさと起きやがれ!何時までもうっさいんだよ!!起きねぇんだったらはじめから目覚ましかけんな、迷惑なんだよ!!!」

 

相変わらず朝から元気だな、姉貴の野郎は。

 

「いいじゃんか、無視しろよそんなの。連休初日の朝ぐらいゆっくりすれば?」

 

「お前のその目覚ましの音の所為にゆっくり朝飯も食えねぇんだよ、こっちは」

 

普通に話しているが、以前から俺の目覚ましはなり続けている。

 

「分かったよ、これからはちゃんとそういうときは目覚ましつけないから」

 

「そんなのいいから目覚ましの音をなんとかしろよ、さっきから鬱陶しい」

 

そう言って、姉貴はドカドカと階段を降りていく。俺は目覚ましを止めて着替えた。もう一度寝ようとするが、さっきのでもう寝れなくなってしまった。全く、凄まじい破壊力だったぜ…。

 

 

 

痛む頭を押さえながら、俺は階段を降りていく。そろそろ準備でもするか

 

 

 

 

 

『ピンポーン』

 

突然、チャイムが鳴った。なんだ?届け物でもあんのか?モニターは階段を降りたしたにあるのでとにかく返事をした。

 

「はーい」

 

「あ、ゆーくん」

 

「え、巡!?どうしたの、こんな早く来て。まさか、俺時間間違ってたかな?」

 

「あっいや、そうじゃなくて。親の友達が北海道行ってきてお土産いっぱい買ってきてくれたから少し分けてって言われたからで…」

 

「そっか」

 

「まあとにかく上がれよ」

と言ってドアを開けた。

 

「じゃあ、お邪魔しまーす」

 

「なんかゆーくんの家に上がったの久しぶりだなー」

 

巡の声が聴こえたらしく、うちの姉貴が来た。

 

「めぐ久しぶりー」

 

このように、姉貴は巡をめぐと呼んで昔から可愛がっている。

 

「おひさしぶりです、さや姉」

 

一方巡も、俺の姉貴(彩佳)をさや姉と呼んでいる。実質、俺の姉は巡の姉でもある。

 

「最近うちに来ないからどうしたかと思ったよー」

 

「ほんとに久しぶりですもんねー」

 

巡とうちの姉が話すのは久しぶりだが、中々楽しそうに話すじゃないか。そりゃそうか。まさに姉と妹のように毎日俺がいなくても遊んでたもんなー。

因みにさや姉というあだ名がきっかけで俺が半殺しにされたという話もあるのだが、後ほどしておこう。

 

 

 

 

 

 

 

そして再会のあいさつも済んで、お昼になった頃。

 

「昼飯どうすっか」

 

と俺が言う。いきなり巡が来たもんだから、朝飯を食べていないので、腹がへっているのだ。

 

「お母さんいないしどっか食いに行くか?」

 

今日は、お母さんが朝から近所の集まりに参加していて居ないのだ。

 

「また外食?先週なんか2回も行っただろ、そろそろ飽きないのかよ」

 

「仕方ねーだろ、誰も作れねぇんだもん」

 

「少しぐらい作れるようになる努力をしろよ」

 

「だったらお前が作れよ」

 

「あ、あのぉ」

 

と、巡が話を切り出すと、

 

『ん?』

 

俺と姉貴の口喧嘩が一瞬で止まった。巡の力、TUEEE!

 

「私、作りますよ?」

 

そこで、俺と姉は言った。

 

『お願いいたします!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、今回の昼食事件は丸く治ったのである。

 

え?巡は料理上手かって?んなもん、上手に決まってんだろ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして出てきたのは、姉がなんでもいいよと言ったので俺がリクエストした麻婆豆腐。作るのも簡単だったから、直ぐに出てきた。

 

「うんっ、美味しい」

 

と言うと、姉が続けて、

 

「やっぱめぐが作ればほんと何でも美味しいよねー、私も料理上手くなりたいなー」

 

と言う。だったら上手くなってみろよ、姉貴。もちろん口には出さない。言ったら半殺しは免れないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーなんだかんだで時刻は午後1時を廻った頃。

 

姉貴はこれから友達と遊びに行くそうだ。

 

「では、行ってきまーす」

 

「行ってらっしゃい」

 

 

「さあ、なにするか」

 

今この家に居るのは俺と巡だけだ。

巡の方を見ると、巡は少し頰を赤らめながら、顔を上げ…た!?

『ドキッ』

と心臓の音がする。誰の音だ!…ってやっぱり自分だよな。

 

「ねぇ」

 

「え、え!?」

 

思わず声が裏返ってしまった。

 

「ここ、ちょっと暑くない?」

 

「!?」

 

自分の頰が急速に熱くなっていくのが分かる。…ヤバイ。

 

「いや、もうストーブ消さない?」

 

「…。」

 

『バフンッ!』(顔の爆発する効果音)

 

恥ずかしい。とにかく恥ずかしい。どうにかなってしまいそうだ。しかし、いきなりそんなこと言われたら、誰でもこうなってしまうだろう。まあ、今回ばかりは仕方ない。

 

「ご、ごめんなさぁぁぁい!!!」

 

俺は急いで力一杯ストーブのスイッチを押した。いや、殴ったとも言える。そしてストーブは沈黙した。

 

「で、なんかする?」

 

一応昨日行くと約束したゲーセンは3時から行く予定だから、それまで大分時間がある。ゲーセン行ったら巡は帰るらしいし。

 

「なんかって言われても…ねぇ」

 

「ん〜…じゃあ、トランプでもやる?」

 

「あっ、ゆ〜くんの作ったカードゲームってまだある?」

 

「流石は巡、よくぞ聞いてくれた!名称を言ってくれれば完璧だったけどなぁ」

 

そして俺は自分の部屋から自作カードゲームセット×2を持ってきた。

 

「んじゃー、やっか!」

 

「負けないぞ〜」

 

そして俺と巡は俺の作ったカードの山でデッキを作り始めた。

 

ここで説明しよう!俺の自作カードゲームの名は

 

分岐点を選びし賭け(ルート・イン・ゲーム)

プレイヤーは初めからライフポイントを持っている。大体5000ポイントぐらいが基本。デッキは40枚。手札は4枚で、魔獣カードはバトルゾーンに置き、一度に5体まで置ける。魔法ゾーン(魔法カードを置く場所)は10枚まで。要塞カードはデッキには入れず、自分の城とする。カードによって効果とライフポイントが違い、敵はこの要塞のライフポイントを0にすることで勝利する。なお、通常相手のバトルゾーンに魔獣カードがあるときは、要塞を攻撃することはできない。

 

いまさらだが、カードは魔獣(モンスター)カードと魔法(マジック)カード、要塞(キャッスル)カードがあるのだ。もう言ってるけど。

 

魔獣カードは自らのライフポイントを削って1ターンに1体のみライフで召喚でき、敵(プレイヤー)を攻撃する。プレイヤーはライフポイントを払って魔法カードを使い、モンスターが居なくても防御できる。しかし、払うライフポイントを追加することで新しい能力を得たり、パワーがupする。最大まで追加すると、その魔獣カードは覚醒し、裏返すことで新たな能力を得ることができる。魔獣カード同士で勝負することもあり、その場合はほとんどモンスターのパワーが大きい方が勝つ。

 

魔法カードも自らのライフポイントを削って唱えることができる。しかし、魔法カードにはレベルがあり、そのカードの

レベルによって発動条件がある。レベルは0〜12まであり、レベル10以上はデッキに1枚しか入れる事が出来ない。

 

 

 

…、ざっとこんな感じか。あとは普通のトレーディングカードゲームと同じだし。ルールがすごい長かったのは悪かった。俺も巡も覚えるの結構大変だったからなー。でも、やってみると楽しかったりする。面白くするためにチートカードは一切ないし。カードの詳細は…後ででいいや。もう説明がめんどくさくなった。ごめんなさい。まあちょうど2人ともデッキが出来たみたいだし、丁度良かったか。

 

 

とにかく、俺と巡の熱き決闘(デュエル)が始ろうとしているのだ!

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はライフを200削って艶燈精霊ララ・ミーレをLevel1で召喚!(パワー1200)無幻要塞バルカーナのスキル発動!『自分のモンスターをそのターンに初めて召喚する時にライフポイントを500追加することでそのモンスターは次の自分のターンまで破壊されない!!』そしてララ・ミーレの効果発動!『自分のターンにモンスターを召喚する以外に自らのライフを初めて削った場合、その分のライフを回復することができる!』よって、俺はライフを500回復!!そしてターンエンドだ」

 

俺のライフ4500→4300

 

「甘い、甘いよゆーくん!私のターン、ドロー!ライフを1200使用して煌名の覇龍グレゴリアスをLevel5で召喚!(パワー3200)グレゴリアスの効果発動!『このモンスターをタップすることで相手のモンスターを1体、3ターン行動不能にし、能力を3ターン無効化する!』さらにLevelボーナス、『このモンスターのLevel×200ポイント相手のライフポイントを削る』よって、ゆーくんのライフポイントを1000削ってターンエンド」

 

「な、なにぃ!?ズルいぞ、いきなりグレゴリアスなんてぇ!」

 

巡のライフ5200→4000

俺のライフ4300→3300

 

 

「しかし、敵よりも劣っている時こそ俺という人間は強くなるというもの、覚悟したまえ、巡!!!」

 

そして俺は力いっぱいカードをめくる。

 

「来いっ!俺のターン、ドロー!!き、来たぁぁぁ!!!ライフを2200削って、俺は冥界の覇王カイル・イクリプス(パワー4300)をLevelMAXで召喚!さあ、この背水の陣とも言える俺の攻撃に耐えきれるかな?イクリプスの効果発動!「このモンスターを召喚したターン、このモンスター以外の全てのモンスターカードを破壊することで手札のデイルと書かれたモンスターをLevel1で1体召喚することができる!』そして俺は暗黒の剣士デイル・ブリザード(パワー2100)を召喚、そしてこのモンスターを破壊して効果発動!『自分の手札にあるカイル又はデイルと書かれたモンスターを2体まで召喚できる!』そして俺は冥屠の戯戦王カイル・アルザード(パワー3500)と戦火の陣魔デイル・グラントス(パワー2200)を召喚!アルザードの効果発動!『自分の他のデイル又はカイルと書かれたモンスターを召喚したとき、次のターンまで、自分のモンスターをLevelMAXにする!』そしてターンエンド」

 

俺のライフ3300→1100

「どうだ、俺のカイル&デイルコンボは!」

 

「うん、上出来。でも、ちょっと相手が悪かったね」

 

「!?」

 

「私のターンドロー、ライフを500削ってグレゴリアスのLevelをMAXに!(パワー4200)そしてグレゴリアスの追加効果発動!『Level10以上の魔法カードを無条件に発動させることができる!』そして私はLevel12魔法カード(ゼロ)理想郷(シャングリラ)を発動!『相手のバトルゾーンに

あるすべてのLevelMAXのモンスターを手札に戻させる!」

 

「…え、え、なんて?(8.6秒バズーカ風に)」

 

「さらにライフを1500使って魔法カードLevel7のケイオス・ブラッドを発動!『このカードは自分のバトルゾーンにLevelMAXのモンスターがいるときのみ発動でき、山札の中からカオスと書かれたモンスターをLevelMAXで召喚でき、ライフを500追加することでそのモンスターの召喚酔いを無効化出来る!!!』そして私は山札から皇斬龍カオスクラノスをLevelMAXで召喚、効果発動!『このモンスターをLevelMAXで召喚した時に、このモンスター以外にLevelMAXのモンスターが居れば、そのターン魔法の効果は無効化される!」

 

「NooooooooooooooooooooooN!!!!」

 

「グレゴリアスで、ダイレクトアタック!!(ドッコォォォォン)」

 

俺のライフ1100→0以下

 

『チ〜ン(効果音)』

 

完敗だ…。完全に殺られた。カード編成、上手すぎだろ!いや、それ以前に巡絶対ギャンブル系強いだろ!

 

「くそぉ…」

 

「ふふふ〜(笑)」

 

ニッコリ笑顔だ、恐ろしい。ドヤ顔なのか喜びとして笑っているのか分からん。笑っているのか、嗤っているのか。

 

 

「も、もっかいやろ!」

 

「え〜、どうしよっかな〜」

 

「そこをなんとか!お願いします!!」

 

「また勝っちゃうよ〜?」

 

「安心したまえ、もう負けん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー1時間後ーーー

 

「ぐほぁっ」

 

「うふふふふ〜ん(大笑)」

 

「もう、駄目だ…」

 

「だから止めといた方がいいって言ったのにね〜」

 

「うぅ…」

 

この1時間で何回負けただろうか。3回?4回?いや、5回か。どんだけ弱いんだよ、俺。

 

 

そして3時近くになってしまったので、ゲーセンに行くことにした。

 

当然、目的地はShelterだ。

 

 

「なんかこういうの久しぶりだけど久しぶりじゃないみたいだよねー」

 

「だなー」

 

「結構日延びてきたねー」

 

「先週ぐらいまでもうこの時間でも日が沈みはじめる頃だったもんねー」

 

「あっちでなにすっかなー」

 

「そういえばラーメン屋の奥の空き地はどうなったんだろうねー」

 

「え、今ないの?」

 

「多分なくなってたよー、その分Shelterが広いってこともあると思うけど、そこまで奥には伸びてなかった気がするけど」

 

「へぇ〜」

 

ちょっと見てみるか。

 

 

 

 

 

なんてことを話しているうちにShelterの前に着いた。言われてみれば、奥の空き地はShelterになっていた。

 

 

そして今回はすぐに中に入る。

 

「ちょい奥見にいかない?」

 

「いいよー」

 

そうしてShelterの最奥地に向かった。すると途中で、可笑しな貼り紙があった。

 

『オリジナルZONEはこの奥です。』

 

なんだ、これは。オリジナルなんてつくるゲーセンってスゴいな、俺の中で史上初だ。

 

「どうする?行ってみる?」

 

「まあ、試しに行ってみてもいいかもね」

 

そうして俺達はついにこの物語のメインとなる、Shelterの最奥地へと足を踏み入れるのだった。と言いたいところだが、もう既に巡は中に入っていた。おい!!!

1人だけ中に入りやがって、そこは気持ちの良い第2話の終わり方をさせてくれよ!俺は急いで中に入る。

 

「ドォォン!!」といった感じに中は広かった。空き地ってこんな広かったんだなー、改めて感じる。

 

 

中を見回すと、『オリジナルZONE』だけに見たことも聴いたこともないようかゲームが所狭しと並んでいる。スゲー、なんだこのゲーセン、神じゃん!カンパニーじゃねえの、これ!?といった具合に。

 

しかし、少し気になった点があった。やたらとBOXゲームが多い。約半分はそうであろう。そしてさらに、ほとんどの人がオタク又はオタク予備群並みに手つきが良い。なんだ、ここは。裏エリアか?

 

そこで試しに初めにピンと来たゲームをやることにした。

タイトルは『リズムブレイカー』タイトルがシンプルで音ゲーだとすぐに分かる。しかし、音ゲーなのにリズムを壊すってwなんだよそのメチャクチャなタイトルは。

「巡、これちょっとやってみるわ」

 

「オッケー、んじゃそこで見てるね!」

 

そういって、巡は丁度ゲーム機の隣にあったベンチに腰掛ける。

 

「それじゃあ、始まりの終わりを始めよう!!!(2回目)」

 

チャリンと俺は100円玉を投入し、さり気なく腕を捲る。

すると、中々カッコいいBGMが流れてゲームが始まった。

 

「中々良いBGMじゃないか、これは期待出来そうだ。」

 

そしてゲームは初期設定に移る。どうやらメンバーズカードというものがあるそうだ。せっかくだから、200円追加して買ってみた。結構近いからこれからまた行くと思うし。

うむ、デザインはいい方だ。

そう呟きながら設定を進め、ようやくプレイ画面へと移り、曲選びへと進む。

 

「ただの音ゲーだな」

 

そう言いながら俺は曲を選ぶ。どうやらLevelは0〜13ぐらいまであるようだ。ギタドラみたいに小数点以下まである。そんで一通り曲を聞いていたら時間が危なくなってしまったので、とりあえずはじめにカッケーと思った曲にした。Levelは

なんだっけ、よく見る余裕がなかったから分かんない。まあ、相当無理ゲーじゃなかったら、イケるだろう。

 

「かかって来なさい、このオリゲーがぁぁ!」

 

「ゆーくんガンバレ〜!」

 

と横から巡の声がするが、もはや俺は興奮状態。もう周りの音など聴こえることはない。

 

そしてカッコいいBGMとともにそのゲームの実態があらわになった。説明には画面内にある半透明な球体(ミュージックボール)と画面外から流れてくる赤や青、緑の球体が重なった瞬間に流れてくる球体と同じ色のボタンを押すというものだった。他にも細かいものがあるが、そこはよしとしよう。

 

 

しかし、このゲームはそんな甘いものではなかった。

マジで頭可笑しいだろ!ミュージュクボールだかが2つあったり3つになったり移動したりだとか、おい!明らかに無理ゲーだろが!!しかも時々カラフルなボール?が尋常じゃない速さで突進してるよ!これLevelなんだよ、酷すぎるだろ!!!

 

結果は俺の惨敗。ノルマクリアさえできなかった。あと少しではあったが。

 

 

 

 

そして俺は気づいた。ここは裏コースだ。下手に近づいたら駄目なやつだ、と。因みにさっきやった曲のLevelは11.9だった。これより上がまだまだあるんだぁ…。

 

仕方ない、ここは初心に戻って1からやり直そう。なにがなんでも攻略してやる!!!そして次はLevel9.2の

『Fire Bird Dancing』という奴をやってみる。

 

『3、2、1、GO!』

曲が始まった。おらおらおらぁぁ!と心の中で叫びながら俺は画面を眺める。そして手が自然と動いている。そうだ、これだ。感覚を取り戻した俺はボタンを叩く。楽しい、楽しいぞぉぉ!!ソロでこんな楽しいのは久しぶりだ。このゲームは難易度がかなり高いものの、新鮮さがあって楽しい。

 

しばらくして曲が終わり、ゲームが終了した。1プレイ2曲のようだ。そんで一旦巡のとこに戻ると、なんだか知らないが、巡が口を抑えて悶絶している。

 

「ど、どうしたの?」

 

「いや、あの…ぷふっ…。あのね…」

 

「いやいや、何一人で爆笑してんの」

 

「だって、ゆーくんが…」

 

「ん?俺がどうした?」

 

「ゆーくんが1人でゲームやりながら叫んでたら周りの人が、ふふふ…」

 

「なに、周りの人がどうした」

 

「ゆーくんのことガイジだってふふふ…」

 

「なに!?」

 

くそ、どこのどいつだ、そんなこと言ったのは。てかそれで爆笑してる巡もおかしいだろ!全く感情を露わにしすぎだろ!少しは幼馴染みを大切にしてくれよ(泣)

 

ちなみにガイジとは論外のガイに児童の児でガイジ。そのまま論外な児童という意味で使っている。

 

その前に女子でガイジという言葉を使う人いるんだぁ〜。

 

てかそこが問題なんじゃない、俺がゲームをしている最中に叫んでいたことが問題だ!あまりにも楽しすぎて自分の世界に入り込んでしまった。なんたる不覚。

 

 

まあ終わったことだから仕方ない。とにかく今はこのゲームを攻略するとしよう。そうしてまた前を向く。と、

 

「…あれ、君はシソ高の2年生だよね?」

 

シソ高とは我らが『私立総舞高等学校』の愛称であり、そこには中々オシャレな格好をしたモデルのような美男子がいた。彼は俺と同学年でシソ高ではカッコいいことで有名になっているから知らないことはない。が、実際に喋ったことも会ったこともない。

 

「そうだけど」

 

と俺は応え、彼はこう言う。

 

「僕もシソ高の2年、君と同級生だ。名前は相澤 巧実。いやー、此処で君と会えるとは思っていなかったよ」

 

加藤悠太くん、と続けて

 

「そこに居るのは君の彼女さん?ごめんね、こんな時にデートの邪魔しちゃって」

 

「いや、彼女じゃない。幼馴染み(メインヒロイン)だ」

 

あ。何言ってんだ、俺。自分でも全く理解できないことを言ってしまった。やべ、どうしよう。

 

「なるほどね、その子は君の幼馴染みってことね」

 

そして、と彼は言う。

 

「少し君とは趣味が合いそうだ。ちょっと話がしてみたいな。しかし、生憎こちらもお取込み中だからね、また後で会えたら、ね。」

 

じゃあねと言って彼、相澤 巧実は去っていった。

 

「なんで相澤くんはゆーくんのこと知ってたんだろうね」

 

「さあな」

 

そう言って、また俺は例のゲームをやろうとするが、1人用のゲームだったようなので止めておいた。

 

「なにやっかなー」

 

「そうだねー」

 

あっ。と巡は思い出したように、

 

「そういえばメインヒロインってゆーくん言ってたのによく相澤くん幼馴染みだって分かったんだろうねー」

 

「…そこは、触れないでおこうか」

 

「なんか音ゲーじゃないのもやりたいなー」

 

「ん〜…」

 

と俺は、

 

「あとはアクション系しかねぇぜ?」

 

「いいよ、それで」

 

「んじゃーどれにすっか」

 

「ん〜、このDark…なんとかってやつは?」

 

「それ、見ての通りゾンビボコるホラーアクションだけどいいのか?結構怖いと思うぞ」

 

俺は構わないけど、と付け足す。

 

「むしろ、ドキドキして面白いじゃん?」

 

「そうか」

 

じゃあほんとにやるぞ?と確認を取ったのち、俺は100円玉を2枚、気づかれぬよう入れた。ここまで来て気を使われたくないからね。

しかし、巡は気付いてしまったようで、

 

「あれ、私100円払ってないよ?」

 

と言った。あ〜あ、気付いちゃったか。

 

「ごめんねゆーくん、気使わせちゃって。後できちんと返すから」

 

「いいよ、そんなん素直に受け取ってくれよ。その方が気つかわずに済むし」

 

「うん、ありがとう」

 

と巡は言ってゲーム設定を進め、モード選択になり、直ぐさま巡はHARDモードを選んだ。いや、選んでしまった。

 

「おいおい、イキナリHARDかよっ」

 

「あははは、ごめ〜ん」

 

「…むぅ」

 

 

そして俺たちの会話を待つことも無くゲームが始まってしまった。

 

「うわー、久しぶりにアクションゲームやったけど凄い難しいねー。一瞬でも気抜いたらやられそー」

 

と巡は言っているのだが、なんか必然的に俺が最前線で戦い、巡が後方支援(バックアップ)にまわっているため、一瞬でボコられることはあまりないだろう。まあ(ゾンビ)

は前方だけでなく背後からも、時々天井からも襲ってくるのであまり後ろに居ても死なないことはないのだけれども。

しかし、俺と巡の息はぴったりだ。互いに指示を出さなくともそれが通じ合っている。以心伝心といったところか。

 

 

「おらおらおらぁぁ!!」

 

俺はゲーム用コントロール・ガンを手に、引き金(トリガー)を引く。引きまくる。そして時々手榴弾。回復なんて要らん。無傷で帰還してやる。そして敵は見事に散ってゆく。

 

「来たきたきたぁぁぁ!!!」

 

「行けっ〜い!」

 

と、2人で騒いでいる。つい熱くなってしまっていると、

 

「あっ、ゆーくんもう少し静かに…」

 

「…ごめん」

 

そうしてゲームを進めていると、ついにボスまで辿り着いた。ここまでは無傷。残りはボスのみだ。

 

「やべぇ、このボスちょっとカッケー」

 

グロいけど、と付け足す。

 

「敵多くてびっくりしたけど意外と大丈夫なもんなんだねー」

 

「そりゃ俺と巡だからだろ」

 

確かに、ここまで楽に来れたのは巡と一緒にやったからだ。たとえ他のもっと上手い人とやってもこんなに連携が上手くいくことはなかったと思う。まさに最強のペア、スゲー。

 

「ボスはもう少し手応えのあるものだといいなー」

 

と、ボスの登場するムービーを見ながら言ってる間に始まった。

 

「おっと危ねぇ」

 

いきなり剣斧を投げ飛ばされたので驚いたが、ギリギリ回避できた。なんて荒技を繰り出してくるんだ。

俺は回避したのち銃弾を一発ぶち込んだが、弾かれてしまった。なんて硬いんだ、こいつ。巡も銃弾を飛ばすがやはり弾かれた。ならば、と思い手榴弾を投げようとするが、剣斧で斬りかかってきたので即回避。そして背後から雑魚(通常の敵)が襲ってきたので避けて射殺。雑魚分は頭を狙えばほぼ即死なのだ。そして隙を狙って手榴弾を投げるが、やなり効かない。

 

「ちっ、こいつ硬いな…」

 

「全然効かないよぉ」

 

とにかくもう一度撃ってみると、一瞬だが怯んでいるのが分かった。これはもしやと思い、銃をハンドガンからサブマシンガンに変えて連射した。巡も合わせてサブマシンガンで連射している。すると、ボスが時々大きく怯んでいるのが見えた。全て弾は弾いているはずなのに、何故だろうか。考えながら撃っていると、弾いた弾が関節の部分に当たると怯むのが分かった。これはイケると確信した俺は、とにかく関節部分を狙って連射した。全ての弾が当たることはないが、確かにダメージは与えているはずだ。そして俺はボスにダメージを与え、巡は雑魚分の処理とボスの足止めをするようになった。

 

しばらくして、ついにボスが倒れた。皮膚がボロボロになって返り血しか浴びていなかった体がより一層血だらけになっていた。…グロい。しかし、ボスは強かったものの無傷でクリアできたので良かった。

と思ったのも束の間、ボスの皮膚が崩れ落ちて真の姿を現した。

 

「え!?」

 

「なんかやばそうだねー」

 

「んな呑気なことを言ってられるかっ」

 

まじかよー、さっきのより強いの出てくんのかよー。俺たちの無傷伝説がぁぁ…。

なんて思っていたが、復活したボスはムービーによって殺されてしまったのだ。なに、この無駄な終わり方。ただ焦らせたかっただけかよ…まあ実際に戦うことはなかったからよかったけど。

 

 

 

そうしている間に時刻は6時になるちょっと前になってしまった。そろそろゲーセンを出なければいけない時間なので急いで外に出る。外は6時近くになるとさすがに暗くなって

いた。

 

「もう暗くなっちゃったし、帰るか」

 

「そだね」

 

こうして、俺たちはまた来た道を歩いていった。

いやー、休みの日なんてあっという間だったなー。

 

 

 

〜To Be Countenue〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?楽しんでいただけましたか?
説明多くてすみません。以後気をつけます!
本文中によく解らない表現や謎の設定があったら是非ご指摘ください!これからの内容に大きく関わらなければ答えます!
※因みに、文字数が増える代わりと言ってはなんですが、次回から月1本程度の頻度となると思います!


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外伝:彩佳 さや姉の原点

こんばんは、現実逃避をなした俺です!今回は第2話の途中にさや姉について事件があったように書いたので、それについて書きました!
そして外伝なので短いです。ただの想い出話なので。

それでは、よろしくお願いします


今回は、少し前に言った思い出話と、俺の考えたカードゲーム(分岐点を選びし賭け)のルールを語ろうと思います。どうでもいいと思うかもしれないけど、思い出話は無駄じゃないと思うから、とりあえず半分ぐらいまでは読んでほしい。それじゃあ、

始まりの終わりを始めよう!!!by異能バトルは日常系のなかで:安藤寿来

 

 

 

 

ーーー今から4年くらい前、まだ姉貴が高校受験を終えて巡と再び遊び始めた頃。俺と巡がまだ中学1年生の秋。

その日は俺と姉貴と巡の3人でうちの庭で遊んでいた。

 

「そーぅれ!」

 

「うわっ(バシッ)」

 

「あっはははは」

 

「おいおいおい、酷いじゃねぇか!」

 

「ざまあねぇぜ、悠太」

 

「ふんっ。前言撤回するなら今のうちだかんな」

 

「誰がそんなんするか、前言撤回するのは貴様の方だ」

 

「ほほぅ、後悔するなよ」

 

『ドッコォォォォォオオオン!!!』

何か(・・)が爆発するような音?)

 

「ぐへぇ…」

 

ドスンッと自分の身体が崩れていく。その凄まじい威力はまさに、殺人レベルだ。

 

「ゆ、ゆーくん大丈夫!?」

 

大丈夫なはずがなく、俺は応えることも出来ない。唇と指先を動かすだけで精一杯だ。

 

「ほっとけ、この姉様に逆らおうとした罰が下されたのだ」

 

「おのれ…よくも…やった、な…覚え…て…ろ、よ…」

 

ようやくでた微かな声も聴こえるはずがなく、最後の悪足掻きも無駄となってしまった。

 

 

ーーー数時間後ーーー

 

覚醒(めざ)めると、そこはソファーの上だった。勿論、自分の家の。

 

「…う、ん…。」

 

「やっと気付いたか。とんだヘタレ野郎だ」

 

「そ、それはあんまりかと…」

 

「いいんだ、そんくらい言ってやんないと強い漢にはなれん」

 

「な、なるほど〜」

 

「納得すんなよ!!!」

 

俺が絶妙なタイミングで突っ込みを入れる。

 

「うっせーな、元気じゃねぇか」

 

「そうみたいですね」

 

「ひ、ひでぇ…」

 

なんか見捨てられた気分だ。最期の力を振り絞ってツッコミをしたのに、なんて様だ。心身ともにズタボロだ。

 

「あ、そういえばどうします?彩佳さん」

 

ちなみに、姉貴の名前の由来は、色彩豊かに性格の整った良き女性になってほしいということらしい。

そして俺の悠太というのは、どこまでも太く長く力強い漢になってほしいかららしい。

 

「う〜ん、何でもいいよ」

 

「そういうのが一番困るんですよ〜」

 

「じゃあさや姉でいいや」

 

「わ、分かりました(汗)」

 

「ぷふ、ふふふ…」

 

「ん?」

 

「ふふふふ…」

 

「何笑ってんだよ」

 

「いや、だってさや姉って…」

 

「あ?」

 

「さ、サヤエンドウじゃん!」

 

「あ、ゆーくん…言っちゃ…」

 

※サヤエンドウとは、エンドウの未熟の莢を食用とする場合の呼び方である。

 

そして読者の皆は想像つくだろう。この絶望的な状況を。

 

「てめぇ、今なんて言った」

 

「いや…あの、ごめんなさ…」

 

『ドス、ドス…』

 

「ごめんって、ここであの、アレをやったらマズいって…巡も居ることだし、ね」

 

「ゴチャゴチャうるせーな、もう諦めろよ」

 

「う、うわ…待って、ちょま…ぐわぁぁ!」

 

「ふんっ」

 

「ぎゃぁぁああ!!」

 

「ぐへぇぇぇ!」

 

「ヤバい、折れるって、もう…ぬぅぁぁああ!!!」

 

そして、あの余計な一言により、俺には1週間ほど、痛みが走り続けたのだった。

 

 

 

しかし、その後もさや姉というあだ名が残っているのは少し気になるところだ。

 

 

ーーー完ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




外伝、外伝です!しつこいですが、外伝です!!
ただの第1章の締めくくりとして書いたので、こちらについては月1本の換算には致しません!
本編は今月中には投稿しますので。
それでは、また会いましょう!


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