涼宮ハルヒの全滅 (カオミラージュ)
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「A」涼宮ハルヒの事件

「A」ー涼宮ハルヒの事件ー

 

 

 

「この世界は謎が多い

 

 

キョン、僕は思うんだ。

大きな時空振も多元宇宙理論も

興味があるけれど全て憶測の段階だ。

 

僕はこの世界を愛してるとは言えないよ

 

 

でもね、キョン。君と話しているこの時間が

少なくとも僕はこの世界より好きだよ。

 

 

君は良いも悪いも混ぜた言い方で

僕のレーゾンデートルを教えてくれる

 

君さえ良ければもっと話していたいんだよ

 

…ふふ、僕らしくないね

 

 

 

ねぇ、キョン。

 

 

この世界は…」

 

 

 

 

 

 

…目覚めの悪い朝だ。

朝っぱらから小難しい夢を見た、、。

 

こんな日は早く起きて早めに学校に行くに限る。

こういう朝は大抵、色々起きるものさ。

 

またハルヒのやつが何か企んでる、とかな。

 

そうと決まればさっさと体を起こそう。

ん?携帯に着信?

しかも一時間前。朝の5時に誰だ。

 

掛け返すか。

 

 

 

 

「もしもし、こんな早くにどうした?

まだ寝てたんだ」

 

 

 

「…そう。朝早くの連絡を謝罪する。」

 

 

「いいって。 急ぐのか?」

 

 

「肯定。 事態は迅速を窮する

直ぐに部室に来て欲しい。

私は先に行ってあなたを待つ」

 

 

「なんだってんだ…。 とりあえずすぐ行くから、待ってろよ長門!」

 

 

「分かった。」

 

 

 

長門の声、心無しか焦っていた気がする…。

あの長門が…??

それほどの事態だと言うのかよ…

 

すぐ行ってやらねーと!

 

 

 

am:6時35分

 

 

ガラガラ…

 

 

「よう、来たぞ」

 

 

「待っていた。 直ぐに説明する」

 

 

俺が切らせた息を整え入った文芸部室には、見慣れた顔があった。

 

 

まずは呼び出した張本人、長門有希。

「情報統合思念体」という生命体により作り出された意思が集ったアンドロイド。

機械ではないが情報統合思念体との連結により強大な力を持っている。

寡黙。無口だ。

 

 

 

そして古泉一樹。

超能力者にて「機関」という組織を束ねている。

超能力は別空間ではないと強く使えないが、戦闘力だけではなく知識が豊富だ。

 

 

我らがSOS団の天使、朝比奈みくる。

朝比奈さんは可愛い。天使だ。

正直ずっと眺めていたい。

だが未来人だ。しかしポンコツだ。

TPDDという力で未来や過去を行き来可能だが上の位の人(未来の朝比奈みくる)による情報解禁を禁則事項として縛られている。

 

 

 

そしてこの場には居ないが一応紹介だ。

 

SOS団の団長、涼宮ハルヒ。

ハルヒは人間だが、「思ったことが確実に現実になる」能力を持つ。

世界を意のままに変えたり超能力者や宇宙人、未来人を呼び寄せたり。

ハルヒの望んだことは現実になる。

そしてハルヒのイライラや不安が募れば「閉鎖空間」が発動し世界は壊滅する。

それを防いでいるのが古泉たち「機関」の役目なのだ。

 

 

 

そんな愉快な仲間が今日は暗い顔で集っている。

嫌な予感だぜ。

 

 

 

「ハルヒ以外を呼んでたのかよ」

 

 

「あなたが最後。 座って。」

 

 

「貴方も呼ばれたのですね。

僕も先ほど長門さんから呼ばれて駆け付けた所です」

 

古泉はやや苦笑いしながらいつものペースで話す。

 

 

「あわわ… きょ、キョン君、汗びっしょりですぅ〜 」

 

朝比奈さんはパタパタしている。

相変わらずかわいいぜ。

 

 

「 長門、何が起きたのか教えてくれ」

 

 

「分かった。 朝比奈みくる、お茶は後でいい。

今は座って欲しい」

 

 

「えっ、は、はいっ 」

 

 

 

全員がいつもの席に着き、長門を見る。

長門は全員が話を聞く体制になると、話し出した。

俺は嫌な予感しかしなかった。

 

 

 

「情報統合思念体のヒューマノイドによる先制攻撃を察知。

目的は不明。意識の無い別離物体である事は明白。

わたしが感知したのはわたし達とは別の情報統合思念体による直接的牽制攻撃。

このSOS団を狙っている」

 

 

「ど、どういうことだよ」

 

分からなかったのは俺だけじゃなく、朝比奈さんもだった。

 

 

「つまりこういう事です」

 

古泉が話し出す。

 

 

「長門さんたち一派の「情報統合思念体」とは別の情報統合思念体による攻撃がこのSOS団に向けて開始されてるみたいです。

 

いつぞやみたいに長門さんの頭の中への情報攻撃ではなく、殴る蹴るという外的な攻撃を、してきているということです。」

 

 

「で、でも、俺はさっき普通に走ってきたけど全く何もなかったぞ!?」

 

 

「わたしが防御した。

最初に牽制を仕掛けてきたポイントで返り討ちにした。

逃亡を図った情報統合思念体がわたしにこう言った。

貴様の仲間を殺す事が我々の目的ではないが近しい、と。」

 

 

「だからそれはあなた達の事。

安心して欲しい。

全ての攻撃はわたしがブロックする」

 

 

な、長門…

「仲間」

と聞いて俺たちだと思ってくれたんだな。

ありがとな。。。真剣に嬉しいぜ。

 

 

「だがそれだとまた長門だけが傷付くだろうが!

ってか何なんだよ、なんで俺たちが狙われるんだ!?」

 

 

俺はつい声を荒げてしまう。

長門には頼りっぱなし迷惑かけっぱなしでなんの恩返しも出来ていない。

なのにまた長門一人に苦悩を押し付けてしまうのかと思うだけでやりきれない思いが募る。

 

 

 

「大丈夫。これは情報統合思念体が起こした災害

 

あなた達は被害者。

わたし一人で守ることに意味がある

それは情報統合思念体の油断を促す」

 

 

 

古泉が口を開く。

朝比奈さんは戸惑っているだけだった。

 

 

「落ち着いてください。貴方も知っているでしょう。

情報統合思念体の戦闘力は高い。

だとすれば現世では「力」を存分に打てない僕ですら歯が立たない相手に一般市民の貴方で何が出来るでしょうか。

だから今回僕らにできることは一つです。

 

僕らの「機関」や朝比奈さんの「TPDD」、そして貴方の行動力。

この3つを合わせ今回の情報統合思念体の攻撃がなぜ行われているのかを探ることです」

 

 

「だ、だけど…っ」

 

 

 

「それがいい」

 

 

 

「な、長門!?」

 

 

 

長門が初めて自分の意思を口にした。

「それがいい」なんて、賛同なんて。

 

 

「わたしは今回は防御に専念したい。

それでも力を使うことは可能

情報を得たらわたしに報告して欲しい。

古泉一樹、朝比奈みくる、勿論あなたにも。」

 

 

 

 

長門が専念したいと言うなんて。

今回の攻撃規模はそれほどなのか…。

そう思った俺は、無力な自分を恨みながらそれを了諾した。

 

 

そしてそこまで話した時ハルヒが登校してきた。

時間はすでに7.30分。

後15分でホームルームだった。

 

俺たちは一度そこで別れそれぞれの教室に向かった。

 

 

 

ハルヒ以外、心に不安を残してー。

 

 

 

そしてこの時俺は嫌な予感はしていたが心の底から危惧はしていなかったのかもしれない。

「全員で力を合わせれば」

今回だってなんとかなると思っていた。

 

 

 

そう、俺は甘かったのだ。

 

 

 

 

 

ーー 涼宮ハルヒの全滅ーー

 




どうも、カオミラージュというものです!

小説は昔から書いています。
初投稿は自分の代表作のような作品、「涼宮ハルヒの全滅」を載せたいと思います!

「ああ、なるほど!」という展開を何個か入れています。
キャラ崩壊などもないように原作を読み込み書きました。
誤字脱字確認はしていますが、あればすみません!

これからよろしくお願いします!
一人でも多くの方に全滅を読んでいただければ嬉しいです!


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「B」涼宮ハルヒの幽霊

「B」ー涼宮ハルヒの幽霊ー

 

 

 

 

〜宇宙〜

 

 

ー思念体ー 《涼宮ハルヒの襲撃に失敗》

 

ー思念体ー 《戦闘員の増強を申請する》

 

-思念体-《それは不許可。 他の情報統合思念体に思惑が発覚する恐れがある。

少数行動が原則 焦るな》

 

 

ー思念体ー《はぁ。 そうですか。 なら一人でやりますよマスター。

あ、でもマスター。 1人、協力を煽るのは構わないわよね?》

 

 

-思念体-《人物のシグナルコードを所望》

 

 

《許可》

 

 

ー思念体ー《はぁい、ありがと。 じゃ、、行ってくるね〜》

 

 

〜地球〜

 

 

 

「着いたわね。さて、と。闇雲に攻撃しても長門さんに邪魔されるしなぁ。

私の本気でも長門さんには到底叶わないもんね。

それに今の所情報統合思念体の助力のお陰で素性はバレて無いけど相手は長門有希。

時間を掛ければバレる恐れもあるわね。

 

早く協力を煽らないと…くすっ」

 

 

 

 

 

〜部室〜

 

 

「…飛来を感知。 攻撃のエネルギーは察知出来ず…。

様子見を続行する」

 

 

長門は何かを感じ取ったみたいだった。

 

「お、おい長門! その俺たちを狙ってるっつう情報統合思念体とやらが来てんのか!?

様子見でいいのかよ!」

 

 

「考えてみてください。

罠の可能性があります。

長門さんが討伐に向かえば残されるのは非力ではないですが立ち向かえない僕らだけ。

そういった意味合いでは長門さんの言う「防御」は敵の素性も知れる、僕らも守れる。

長門さんからして一番やりやすいやり方なのです」

 

 

 

「キョーーーーーン!!!!」

 

バタアアアン

 

 

「いってえええええ!!!!」

 

俺のケツは大きく腫れ上がる。

思いっきり蹴られたみたいだ。

やれやれ、こいつは…。

 

「何すんだよハルヒ!」

 

 

そこにいたのは、団長、ハルヒだった。

 

 

「部室に入ってみたら空気が重いんだから。

景気付けに蹴ったまでよ。他意は無いわ。」

 

「他意のかたまりじゃねーか!」

 

「それはそれとして、ねぇ有希、なんの話してたのっ?」

 

「大したことではない。 わたしが昨日、トラックに轢かれた猫を見たと言う話をしていただけ。」

 

 

「そっか、だから皆暗かったのね。

しっかしひっどいことする奴もいるもんね〜!

まるでキョンみたい!」

 

 

「なんでだよっ!!」

 

 

「それも悲しいけれど、今から私達がやることに似てるわね!」

 

 

おいおい勘弁してくれよ。

今はそれどころじゃ無いってのによ。

 

 

「やること…と言いますと?」

 

 

古泉は首を傾げる。

するとハルヒは立ち上がり、どこからかホワイトボードを持ってきた。

そして自信満々に大きくこう書いた。

 

「幽霊探索大作戦 パート1」

 

 

…大体なんのことか分かったがとても聞いて欲しそうだったからここは流れに沿って聞いてみる。

こんな物で閉鎖空間が出たらたまったもんじゃねーからな。

 

「ハルヒ、それは一体なんだ?」

 

 

「ふっふ〜ん! キョンにしてはいい質問じゃない!

そんなに聞きたいなら教えてあげるわっ!」

 

 

ノリノリだな…

 

 

 

「い〜い!? さっきの有希の話でもあったように、動物や人間は脆くてすぐ死んでしまうの。

そうすると、1日に大量の命が天国か地獄に行くわけでしょ?

そんなに天地獄も広くないと思うのよね〜」

 

 

いやいや、そこは広くあってくれよ天地獄…。

ま、無駄な話か。

ハルヒが狭いといえば天地獄なんて狭くなるんだからな…ふっ。俺も諦観性が出てきたみたいだな。

 

 

「ってなると、溢れ出た魂たちはまだこの世に居ると思うの!

 

そ、こ、で!!

 

今からみんなで街に幽霊を探しに行くわよ〜っ!」

 

 

 

「なるほど、面白い仮説ですね、涼宮さん。

その理論なら溢れ出た魂たちはいるでしょう」

 

おい、古泉!

ハルヒの閉鎖空間を出さない為とはいえ賛同なんてしちまうと…っ!?

 

 

 

「でしょ!さすが古泉くん、話が分かるわね!

と言うわけで居残り食らってるみくるちゃん捕まえてさっさといくわよーっ!」

 

 

ボソッ

「長門、大丈夫なのかよ外に出て…

ハルヒの事だ…二手に別れるぞ…」

 

 

ボソッ

「大丈夫。 何があってもわたしが守る

それに信憑性95%で情報統合思念体は攻撃の手を休めている。

なんからのインターバルが必要な模様」

 

 

「有希は賛成意見確定よね!

キョン、なにか不満、あるのかしら?」

 

 

ここで「ある」と言えばお前が止めてくれるならメガフォンで言うぜ…はは。

 

「ねーよ、あっても無駄だろ?

さ、行こうぜ」

 

 

 

 

そして二年生の朝比奈さんを教室からさらい、俺たち一行は宛てもなく街に出かけるのだった。




今後の展開をご期待ください!


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「C」涼宮ハルヒの細工

「C」ー涼宮ハルヒの細工ー

 

 

 

 

 

 

そして街に出た俺たちはいつもの喫茶店に入る。

お金?

はは、3万は降ろしてきたさ。

さあ、コーヒーでもスペシャルショコラチョコムースサンデーでも好きなものを頼みやがれ!

どーんとこい!

 

 

「私はそうね、ティラミスとシトラスティーにするわ」

 

「では僕はアイスコーヒーを…。」

 

「わっ、わたしはその、こ、これを!」

 

そう言って朝比奈さんはチョコパフェを指差した。

なんて可愛いんだ。

にしても朝比奈さんはさすがだ。

「財布」なんか持ってないのに堂々とパフェを頼めるとは。しかも悪気はない。

そう、喫茶店はただで飲み食いできるとでもハルヒによって記憶が変えられてるんじゃないかと思うくらいだ。

 

もちろん朝比奈さんに奢る分には何万円でも構わないってもんだぜ。

 

 

ここはワンオーダー制だから勿論長門もなにかを頼む。

いつもは俺の負担にならないよう、と一番安いドリンクバーで一杯なのだが…。

 

思えばここから異変は始まっていたのかもな。

 

 

 

「長門はドリンクバーか?」

 

「…あなたさえ許可するならばこれを食したい」

 

 

…え?

 

食したい?「したい」だと…!?

長門が俺に「したい」と言ってくれた…だと!!??

 

俺は余りの嬉しさに『異変』になど一切気付かなかった。

 

そう言って長門が指差した「ロールケーキ」を俺は笑顔で注文するのだった。

 

 

 

 

 

「シトラスティーは間違いだったわね…。やっぱりあっちの…」ぶつぶつ

 

 

「カチャ ふう、相変わらず美味しいコーヒーです。」

 

 

「わぁ〜っ! キョン君キョン君っ! みてください!

ぽっきーがささってます!!」

 

 

可愛い、もうそれしか言えない…

このままでは財布から5000は無くなりそうだ、ハルヒが勝手に追加にレモンティーをたのんでやがる。

ここは自家製で凝ってる商品があるからそれが高いんだ。

 

 

 

だが何も言えないがこの朝比奈さんのパフェがもっとも群を抜いて高い。「1500円 」

 

 

だが、入ってるものに一々喜ぶ可愛さを見てればお釣りが帰ってくるようだった。

 

…そういや長門は?

 

 

 

「……はむはむ……はむはむ……」

 

無言ではむはむ食べてやがる。

こんな長門もこれはこれで……。

 

 

「美味いか?長門」

 

 

「…美味しい。」

 

 

その一言で、俺は報われた気がした。

 

 

まだ始まってもない今日の最後の笑顔だったのかも知れないな。

 

 

 

 

そしてお会計1万1050円を払った。

…な、なんだと!?

領収書を見たら…

この店の「ティー」系をほとんどたのんでるバカがいやがる。

俺が長門を見てる隙になんてやつだ…

 

さすがに古泉が半分出してくれた。

なんていいやつだ、神に見えた。

 

 

 

「さーて!喫茶店で決められなかったし今日の二分割のメンバーを決めるわよ!」

 

 

…なんで喫茶店に入ったんだよ!!

 

 

チョイチョイ

 

 

「?」

 

長門か?

 

 

 

「「あなただけの聴力をわたしの声しか聞こえない物に少しの間した。

わたしの声もあなたにしか届かない。

だから振り向かずそのまま聞いて」」

 

 

なんでもありかよ、さすが長門だ。

 

 

 

「「情報統合思念体による情報攻撃が私に始まった。

これは私に負荷を与える

あなたと二人になりたい。

静かに話したい事象がある

…いい?」」

 

 

俺は静かに頷く。

 

 

 

「「…細工する。聴力を戻す」」

 

 

「ーーん? ーーーーちょっとーーちょっとキョン!!!??」

 

 

「ん…あ、ああ!わ、悪い、ぼーっとしていた」

 

 

「…? 耳が急に…「「古泉一樹、あなただけの聴力を…」」

 

なるほど、そういうことでしたか…」

 

 

 

「キョンのくせに私を無視なんていい度胸じゃない。

その度胸に免じて今日はキョンからクジを引かせてやるわ!

私と同じになったらびっしばし使ってやるわよ!」

 

 

 

…すまんなハルヒ、今度、今度いつか、よ。

細工のないただのクジ、一緒に引こうな。

 

 

こうしてチームは

 

ハルヒ

朝比奈さん

古泉

 

のAチームと

 

 

長門

 

のBチームに仕上がったのだった。




展開はどんどん加速していきます。

ちなみに僕は長門が好きです。


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「D」長門有希の異変

「D」ー長門有希の異変ー

 

 

 

 

 

ここは長門の部屋だ。

幽霊探索は悪いがまた今度だな。

 

 

「…座って」

 

「あ、ああ。大丈夫か、長門」

 

「平気。周防九曜による情報攻撃には遠く及ばない拙い物。対処出来る。

既にわたしの中で防御が出来ている。」

 

すげぇな長門。

周防九曜の攻撃の時からやはりなにか情報攻撃に対する学習とかもしてるのだろうか。

 

 

「あなたと二人で話すことはそれではない。

「それ」は既にわたしにとって脅威ではない。

 

これを見て。」

 

 

そう言うと長門は何やら白紙の紙を広げる。

…まさか何も書いてないこの紙に何が書いてあるか当てろとか言うんじゃないだろうな。

 

 

長門はペンで何かを書き始めた。

 

 

 

長門「…これがわたしたち情報統合思念体の宇宙」

 

 

丸を書いて長門は真ん中に情報統合思念体と書いた。

なるほど、説明してくれるのか。。

 

 

「…そして」

 

隣に小さな丸を描く。

とても中に文字なんて書けそうにないほど小さく、だ。

 

 

「これが今回、攻撃をしてきている情報統合思念体の宇宙。

わたしたちには遠く及ばない。

外敵とも見做さない。 正体は不明。

情報インターフェースによる時間平面攻撃である事が発覚。

過去と未来のわたしと同期した結果、

 

 

 

朝倉涼子

 

 

 

の仕業の確率が55%で周防九曜よりも高い。

情報攻撃の時点で周防九曜の可能性は払拭。」

 

 

「朝倉…涼子だと!?

お前のバックアップだった、あの朝倉涼子か!?

でもあいつは確かに、お前に倒された後何度か出てきはしたが…

長門と同じ「情報統合思念体」のインターフェースだろ!?

なぜそんな隣の小さな情報統合思念体に…」

 

 

「恐らく自由を求め逃げ込んだと思われる。

隣の情報統合思念体も周防九曜ら「天蓋領域」の様に名付けるという概念も沸かなかった。

しかし今朝 情報統合思念体は隣空間を名付ける事を決めた。これも大きな進歩。

 

彼らは遥か彼方、海の底から宇宙に飛散した生命体

現在情報統合思念体は「潜泳疑念空間」と名付けた。

彼らの意志は支配欲に近い。

朝倉涼子を媒体として地球の支配を目論む可能性がある。

 

朝倉涼子は潜泳疑念空間と地球惑星を繋ぐバトンの様な立ち位置。

利用されていると言った言い方が正しいと思われる。」

 

 

こ、小難しいとか言うレベルじゃねぇ…けど!

カタカナ文字が少なかった、「利用されている」と分かりやすくも解釈してくれた。

俺のために少しでも分かりやすく説明しようと頑張ってくれてんだ、俺だって古泉ではないが理解してみせるぜ!

 

…質問はあるけどな

 

 

「じゃあ、その、せん…潜泳なんたら空間は朝倉涼子、を使って地球を侵略するってことか?」

 

 

「…ニュアンスは同じ。

しかし少しだけ外れている。

潜泳疑念空間は地球全土を支配する思惑は持たない。

簡潔に言えば「涼宮ハルヒ」「朝比奈みくる」「古泉一樹」そして、あなたとわたし。

この5名の殺害を目論んでいる。

 

そしてこの5名を殺して「文芸部室」を取ろうとしている」

 

 

「ど、どうしてそんなことを!?」

 

 

「あの部屋は既に異空間化している事はしっているはず。

そこに集う力を潜泳疑念空間は欲している。

 

そうする事による力の拡大、空間の創造。

本当の目的は一つ。隣空間にあるわたしたち情報統合思念体を飲み込むつもり。

そしてそれは宇宙全土の支配を意味する」

 

 

「そういう事かよ…。

で、でも、それなら俺たちを殺さずともこうやって部室を留守にしてる時を狙えばいいんじゃないのか?」

 

 

「それは不可能」

 

 

長門は少し残念な顔をした。

このくらいならもう分かる気がした、と言わんばかりに。

 

…ああそうだった。ごめんな長門。

聞くまでもなかったよな。

 

 

 

「涼宮ハルヒがあの部室を手放したくないと思っているから。

奪うことは不可能」

 

 

 

 

そうだった。ハルヒはあの部室やSOS団が好きなんだった。

ハルヒが望んでいる「部室」も「仲間」も奪えるわけないんだ。

 

 

「でもそれは涼宮ハルヒ自身の力の消失を意味する」

 

「えっ…?」

 

 

「涼宮ハルヒは自分の身よりわたしたちを案ずると思う。

最近の身の回りで起きる異変には少なくとも涼宮ハルヒは無自覚ながら気付いている。

鉄骨が急に落ちてきたり、本棚が倒れてきたり。

それがたまたま助かっていると思い込んでいる。

 

実際はわたしが涼宮ハルヒにばれないようガードしている」

 

 

「まさか、ハルヒのやつ、「自分がその災害の中心」だと思い込んでるってことか!?」

 

 

「こくっ」

 

 

「そうか、ハルヒは情報統合思念体とか潜泳疑念空間?とやらを知らねーんだもんな。

だからって自分が不幸の原因と思い込むか?

普通さ」

 

 

「涼宮ハルヒは無自覚。

けれど涼宮ハルヒの中の力は気付いている。

「何者かが涼宮ハルヒを狙っている」と言う事象に。

しかしその意志は涼宮ハルヒに反映されない。

心に溜まる不安感が疑念を呼び「狙われている」から「私のせいで身の回りに不幸が起きている」と独自解釈。

 

そのため、ここ何日か涼宮ハルヒは周りのことしか考えていない。

「自分の周りの人間に何も起きませんように」と

まるで祈るように。」

 

 

 

そうか…。だからここ最近は俺の周りでは何にも起きねーんだな。

「何者かに攻撃されている」

と長門が朝っぱらから話してくれたあの日から一週間。

最初の2日くらいは椅子が急に壊れたり電球が落ちてきたり。

全て長門がバリア張ってくれたりハルヒの見てないところだと直接守ってくれたり、俺も気を張ってた。

でもこの5日間は何にもなかった。

てっきり、長門がずっと守ってくれてるんだと思ってた。

 

 

 

ハルヒ、お前だったんだな。

 

 

…馬鹿野郎、、俺たちのために自分一人で危ない目に遭いやがって…。

 

 

今ハルヒは、長門の力で一定時間だけ超能力の力を強められた古泉とあんまり戦闘面では役に立たないけど朝比奈さんが守っているそうだ。

 

 

 

にしても、この話を知らなかったのは俺だけだったのか。

朝比奈さんは未来から教えてもらったらしい。

古泉は自分で解釈して分かったみたいだ。

 

俺だけかよ…だから今日話してくれたんだな、つくづくごめんだぜ。

 

 

でも、その為だけなのか?

 

 

 

次の瞬間長門の口から想像を絶する言葉が出された。

 

 

「わたしの為に戦ってほしい」

 

 

 

秋風が優しくなる季節。

ハルヒの恩恵と長門の努力を俺は無駄にしたくない。

俺に出来ることならなんでもしたい。

 

そう思い、俺は頷くのだった。

 

 

だが俺は未だに拭えないでいた。

1週間前見た謎の小難しい夢の正体。

そして、長門に感じる異変の正体を…。

 




お気に入りの長門とキョンのやりとりがあるシーンです!


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「E」涼宮ハルヒの苦悩

「E」ー涼宮ハルヒの苦悩ー

 

 

 

 

私がキョンに恋をしたのは出逢った時だった。

 

私が何をしても離れないキョン。

どれだけ横暴にしても崩れないキョン。

そんな優しいキョンに惹かれるのなんて当然のことだった。

 

 

だから

 

 

 

キョンと回りたかったなと思うこともある。

 

でもみくるちゃんや古泉くんを嫌いなわけではない。

だから、これも楽しい。

有希は羨ましいと思うけどね。

 

 

「古泉くんー! なにか居た〜?」

 

「いえ、こちらには何も居ないようです」

 

 

「はわわ、涼宮さん、古泉さん、まってくださ〜い 」

 

 

「遅いわよ!みくるちゃん!

さあ!次はどこを探しましょ〜か!」

 

「涼宮さん、闇雲に探してもこんな昼間から見つかりはしませんよ、相手は幽霊です。」

 

 

「それもそうね、良い事言うじゃない古泉くん」

 

「恐縮です」

 

古泉くんは少し、微笑んでいた。

 

 

「なら、他に何か良い案はあるの?」

 

 

「そうですね、僭越ながら…。

仮に僕が幽霊だったとします。

だとすれば第一に「幽霊どこーっ!」と叫びながら走る集団には近づきませんね」

 

くすりと笑う。

確かにそうね…

 

 

「ならどうやって探すと言うのよっ」

 

 

「僕なら、まず手始めに商店街を探しません、ここは人が賑わっています。

幽霊ですから、墓場や曰く付きの孤島、人気のない場所が居る確率は高いと思われます」

 

「えっ、お墓にいくんですかぁ!?

こわいですぅ…」

 

「大丈夫です、今は昼間。

普通にお墓詣りだと思えばなんら問題はありません。」

 

 

「そうね、それも一理あるわ。

確かに商店街にはいなさそうね…

よし!なら古泉くん先頭でお墓までれっつごーよ!

いくわよ!みくるちゃんー!!」

 

 

「涼宮さんまってええ」

 

 

「ふふ、行きますか!」

 

 

私は涼宮ハルヒ。

宇宙人などの人外が好きだけど…

地球人でSOS団と鶴屋さん。

そしてキョン。

 

これだけは、譲れない。

・・・・・・・・・

私を犠牲にしてでも譲れない、

大切な人たちだ。

 

 

 

ーーーー

 

長門の部屋で長門は静かに瞑想をしている。

なにやらを唱えて、俺の背中に手を当てている。

 

 

遡ること10分前だ。

 

 

 

「お願いがある」

 

「ん?なんだ?」

 

「わたしのために戦ってほしい」

 

 

今、なんて言ったんだ?

長門が、自分の事を考えて…くれただと!?

 

「ど、どういうことだ!?」

 

「あなたたちはわたしがガードする。

だからあなたにはわたしの為に戦って欲しい。

わたしでは出来ない事がある。

 

それはわたしを軸にしあなたを媒体にする方法であなたの意識を潜泳疑念空間に飛ばすから」

 

 

「わかりやすく、説明してくれ」

 

こくっと頷く長門。

また白い紙とペンを取り出した。

そして、丸を書き…

 

「これが情報統合思念体。

そしてこっちが潜泳疑念空間。」

 

「ああ」

 

 

「あなたが飛ぶのはこっち。潜泳疑念空間の方。

潜泳疑念空間に現在わたしたちを攻撃している情報インターフェースが帰結している。

わたしたちの帰結方法も今からやる物と同じ。

意識だけを飛ばし、マスターと呼ぶわたしたち情報インターフェースの創造者との会合を試みる。

 

潜泳疑念空間の情報インターフェースが正確に誰なのかを見たい。

だけれどわたしは情報統合思念体の情報インターフェース。

潜泳疑念空間には飛べない。

潜泳疑念空間に飛べるのは潜泳疑念空間の情報インターフェースか何処にも属さないノットヒューマノイドだけ。」

 

 

「むむ…な、なんとか理解した、とりあえず顔を見てこいってことだよな!?」

 

「そう」

 

 

「もちろんだ、やっと、やっとお前の役に立てるんだな!

やってくれ、どこになと飛ばしてくれ!」

 

「あなたの身の保全は安心してほしい。

わたしはあなたの右目に同期する。」

 

 

「なるほど、顔を見てこいと言うか、確認したいから体を貸してくれ、使わせてくれってことだな、よし、いいぜ!」

 

 

「……う」

 

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

ありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

長門からこの言葉を言われるのは二回目だった。

それは俺の心にとても響いた。

 

 

「…おう!」

 

 

 

 

そして今に戻る。

 

 

「…ハッキング終了 接続準備 オン…」

 

 

(き、緊張する…。どうなるんだ、俺…

未来に飛ぶ時もこんな緊張感だったな…

でも長門が居てくれる。

なんとかなる…よな)

 

 

「完了。 今から飛ぶ。準備は良い?」

 

「ああ、ばっちりだ!」

 

 

「そう。では行く」

 

 

「転送」

 

 

 

 

ギュオオオン!!!

 

 

きた!!この感覚だ…っ!

意識が遠のく…そりゃそうか、遠くに飛ぶんだもんな…っっ

あぁぁぁああああああああああ

 

 

 

 

「はっ!!」

 

「起きた?」

 

 

「ここは…?」

 

 

「わたしの部屋」

 

 

「ど、どうなったんだ!?」

 

「転送のエナジーに気圧されたあなたはとんだ瞬間気絶した。

あなたの身体だけを借り、右目を使いわたしが確認してきた。」

 

 

(お、俺だせぇ!情けねぇ!

役に立つどころかお荷物だった……)

 

 

「朝倉涼子本人で間違いなかった。

憶測は仮定に変わり確信に変わった。

わたしはこれから朝倉涼子を消滅してくる。

涼宮ハルヒに不在を疑われないようカバーしてほしい」

 

 

「あぁ…それより、すまん長門…」

 

 

「…いい」

 

 

 

こうして長門はとある呪文を唱え、身体だけを布団に入れておいてとのメッセージを残し意識を飛ばし何処かへ行った。

恐らく潜泳疑念空間だ。

一度行った場所ならアクセス出来るとか言っていた。

 

時間は夜中だった。

着歴にはハルヒから50件。

古泉から2件、朝比奈さんから10件、妹から2件。

 

…心配かけてすまん。

 

そして長門が行く前に言っていたが家の前までハルヒが来たらしい。さて、どこで何をしていたかをどう説明したものか…。

 

 

長門の体を布団に置いた。

 

今もまさに戦っているのだろう。

「ハルヒや俺たちのため」とは言っているが、これはしていることは「世界を救う」ことだ。

長門たちの情報統合思念体を潜泳疑念空間が乗っ取れば長門よりも遥かに強いインターフェースが生まれるということだ。

 

しかもそれが戦いの思想持ちと来たもんだ。

こりゃ、地球は滅ぶな。

だから、長門のこの戦いは地球を守る最終決戦だよな。

 

 

お前にばっかりそんな役目を押し付けて…。

すまん長門、謝ってばっかりの俺を許してくれ

 

 

 

 

そう思い残し、俺は長門の部屋に鍵をかけエレベーターを使い外に出た。

 

 

目の前に広がる夜の空は情けなく倒れていた時間の長さとずっと付き添っていた長門の苦悩、心配して探し回っていたハルヒ達の苦悩を噛みしめる様な宵闇だった。

 

 

 

 

 

 




涼宮ハルヒの苦悩。

サブタイトルの中では一番気に入っています。笑


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「F」長門有希の剥奪

「F」ー長門有希の剥奪ー

 

 

 

 

 

 

ー思念体ー《長門有希、此処まで来るとは想定外》

 

「…朝倉涼子の行動の抑制を命ずる」

 

ー思念体ー《不許可。朝倉涼子インターフェースは我々の希望。

長門有希、涼宮ハルヒを殺せ》

 

「わたしと取り引きをするつもりならやめておいたほうがいい」

 

「わたしは「居場所」を決して裏切らない。

潜泳疑念空間思念体、朝倉涼子の行動を抑制しないのなら破壊する。」

 

ー思念体ー《朝倉涼子インターフェースは壊させない。

長門有希、長門有希は此処に封印する》

 

 

「わたしは情報統合思念体インターフェース。

潜泳疑念空間の拘束力でわたしを縛るのは不可能

仮にわたしを縛れたとして情報統合思念体は必ずあなたを消し去る

抵抗を止めれば破壊はしない」

 

 

ー思念体ー《此処は潜泳疑念空間。お前達が名付けた空間。

それは独立した空間を意味する

独立した空間の前には長門有希お前も情報統合思念体マスターも行動は制限される》

 

 

「…帰還」

 

 

ー思念体ー《不許可》

 

 

「これは…」

 

ー思念体ー《長門有希、我々の力でお前を破壊するのは不可能。

情報統合思念体も破壊は不可能。

だが意識を剥奪し封印することは可能》

 

 

「そぉ言うことですよ、な、が、と、さん♩」

 

「…朝倉涼子」

 

 

「はぁい、朝倉涼子でぇーす。

長門さん、悪いんだけど情報統合思念体を裏切るね。

貴女も此処で一生封印してあげる。

キョン君の身体さえ借りてれば私達ごとき瞬間で消せたのに、なぜ意識だけできたの?」

 

 

 

「彼は…」

 

 

 

『長門の役に立てる!』

『もしお前が今回の事に責任を感じて居なくなるとかいうなら俺は許さない!

必ずハルヒ達を呼んで記憶を戻してお前を探しに行く!忘れんな!』

『ドリンクバーでいいのか?』

『お前にばっかり負担かけてごめんな?』

 

『長門、辛くなったら、俺なんかで良かったらいつでも言えよな!俺たちは仲間だ!』

 

 

 

 

 

「彼はわたしの大切な仲間。

危険な事はさせない」

 

 

 

 

 

「…あっそ。なら封印されれば!?」

 

 

「意識が戻らない。

体への制限とアクセスを禁止されている。

迂闊。潜泳疑念空間が此処まで知能に長けていたのは予想外

情報統合思念体にエラーメッセージを送信

受諾 彼にメッセージを送信 完了

意識喪失までおよそ5秒

 

ーー後は任せた」

 

 

 

 

「しゃっと…だう…」

 

 

「…ちっ!

脳内攫ってやろうとしたのに自分からシャットダウンですって?

あの状態からではバックアップも取れないでしょう、一度シャットダウンしたインターフェースは外部からの邂逅以外で再起動は不可能。

この状況に陥っても誰かが助けに来ることを待ってるんですかね…。

 

でも、これで長門さんを誘い出すのに成功しました。

わざと帰結するエネルギーを察知させて此処に来させる作戦も成功です。

 

キョン君も封印する予定でしたが、まさか一人で来るとはねぇ」

 

 

ー思念体ー《…分からない》

 

「どうしました?マスター」

 

ー思念体ー《長門有希ほどのインターフェースなら我々如きの策略など目に見えて居たはず

されど全ては把握していなかっただろう。

しかしいくつかの予測はできたはず

なぜわざわざ来たのだろうか》

 

 

「私にもよっくわかりませーん。

恋とか愛とか

私には無縁ですから♩」

 

 

ー思念体ー《愛とか…恋…》

 

 

長門有希が…

青年を連れて来なかった理由…。

 

こればかりは概念である我々には理解が出来ない様だな。

 

 

 

 

 

 

〜ハルヒの家〜

 

「きょ、キョン!?」

 

ハルヒは割烹着姿で目をぱちくりさせている。

 

「よう、ハルヒ。」

 

「な、何してたの!?

あー、鍋が…

ちょ、ちょっと待ってなさいよ!」

 

(キョン、無事だったのね…

真っ先に私のところに来てくれたの!?

え、え、そんなわけ無いわよね//)

 

 

 

〜家の中〜

 

 

「悪いな、長門と幽霊を探してたら長門が川に落ちてな。

助けてたら携帯が水没しちまって今修理に出した。

画面が黒くなるだけだ、明日には治る

何度も電話を無視しちまって悪いな、鳴ってたんだが取れなくてな」

 

 

「もう、心配したんだから!

それで、有希は無事なの?」

 

「ああ、だがなんか家に連れてったら長門の親戚がいてな。

旅行に行くらしい、だからハルヒに伝えてほしいだってさ」

 

「ああ、それできたの?」シュン

 

「いや、それもあるが正直それはついでだ」

 

これは本音だ。

だってこれは長門のアリバイを作るための嘘なんだ。思い入れなんてない。

長門が心配なのは本当だぜ。

 

だけど、ハルヒに先に逢いに来たのは、お礼を言いたかった。

 

無自覚でも俺たちを助けてくれてる。

そう思うと体が止まらなかった

 

 

ダキッ

 

 

「!!!???」

 

「…」

 

「ちょ、ちょっと!キョン!

ど、どした…の…っ///」

 

 

「…ハルヒ…すまん… すまん…!!」

 

俺は泣いていた。

 

「ど、どうしたの、なんで泣くの…っ!」

 

 

俺は泣いた。

 

長門のなんの役にも立てず…

危険な場所に一人で行くあいつに「いってらっしゃい」すら言えなかった。

不甲斐なかった。

そしてハルヒへの感謝より長門への不義理感に苛まれて泣いていた。

そんなハルヒへの感謝もできないような自分に呆れて涙が出ていた。

 

そして、なぜ泣いているのか。

それすらハルヒに説明することができないのだ。

 

全てを纏めて俺は泣いてしまった。

 

 

「…ハルヒ…く…うう…」

 

「きょ、キョン…」

 

 

ハルヒは俺の頭を撫でてくれた。

今日はやけにしおらしいじゃねーか。

いつもなら殴られてコーヒー10杯分ものなのにな。

 

暴君ハルヒ様も涙には弱いのかよ。

 

…なんてな。軽口たたいてごまかしてんだよ。。

ありがとな、ハルヒ…。

 

 

「何があったか気になるけど聞かないわ。

話したいなら話しなさい。

聞いてあげるから。

私に言えない事ならみくるちゃんや古泉くんにも話しなさい。

2人もちゃんと聞いてくれるはずよ。

いいえ、聞かなかったら私が怒るわ、団長命令よっ///」

 

 

「だからーーんっ!!

 

 

ごめんなハルヒ。俺は今日どうにかなってるみたいだ。

 

 

「んーっ!んーーーっ!」(きょ、キョンのき、き、き、きききききき////)ぷしゅー

 

 

 

ハルヒは俺を殴り飛ばし俺を追い出した。

そりゃそーだよな。

ごめんなハルヒ、ほんとに。

 

これは黒歴史だ。

家に帰って頭を冷やそう。

 

 

 

 

次の日、部室でハルヒは俺に顔を合わせてくれなかった。

完全に友達としても嫌われたな。

自業自得だ。

 

ってか俺はなんであんなことを……。

 

 

ー優しくしてくれたハルヒを大切にしたいー

 

そんな感情が芽生えたことに確信を持てなかった、俺が一人帰る帰り道に差す日差しは冷たいような気がした。

 

 




ハルヒはこんなんじゃない!

という意見がもしかしたらでる話です。
ですが、僕もちゃんと考えて書きました!
なので、最後までどうかみてください!


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「G」涼宮ハルヒの相愛

「G」ー涼宮ハルヒの相愛ー

 

 

 

 

 

ハルヒはあれから俺を無視している。

部活内容の為話さなきゃならないときは目線を合わせてくれない。

 

「くれない」なんて、自分で引き起こしたのにな。

 

2日も経った。

長門は寝たきりだ。

長門に合鍵をもらっているからな。

部屋の掃除と長門の様子見は俺がいつもしている。

 

俺は長門の部屋で埃がたまらないよう適度な掃除を終えた後長門の顔を覗き込む。

 

苦し悶えているわけではない。

淡麗だ。いや、しないぞ。

そこまで最低な男になりさがったわけでは無いぞ。

 

毛布がはだけている。

意識がなくても体がたまに動く「ジャーキング」だっけな。

授業中体がびくっ!とかなるやつだ。

 

多分それだな。意識がなくとも細胞はある。

毛布を元に戻し、俺は家を後にした。

 

 

 

…ハルヒ

 

俺を助けてくれ

 

相談したいことがあるんだ

 

宇宙人はいたんだ

 

長門がそうなんだ!

 

 

超能力者も未来人も!!

それで狙われてるんだ、助けてくれよ!

 

なあ、ハルヒ…ハル…ヒ…

 

「うっ…うっ…」

 

「うあああああっ!!」

 

 

長門、ハルヒ、古泉、朝比奈さん…!!

 

おれは、俺はっっっ

 

 

あああああっ!!!!

 

 

 

 

 

 

「…ふふっ、成功ね。

さすが…さんだわ。」

 

「ーーーべつーーにーー たいしたーーことでーーはなーーいー

もとーーもとーーこーーわれーーかけてーーいーーたーー

だかーらー少しーー心をかき乱ーしただけー」

 

「とりあえずコレで涼宮ハルヒに嫌われたキョン君はもう使い物にならない。

長門さんも帰ってこない…くすっ

涼宮さんにとってこれでキョン君は「特別」じゃなくなった。

 

後は…キョン君を…

殺すだけ♩

キョン君が死んでももう涼宮さんの「閉鎖空間」が出ることもないでしょう。

 

ありがとうございます、周防さん♩」

 

 

「天蓋ーー領域ーーの命ーーーー礼を言わーーれることーーでもーなーいーー」

 

 

キョンの心を弄ったのは長門や朝倉と同期に作られた「天蓋領域」の情報インターフェースだ。

 

周防九曜。

藤原や橘京子と共にキョンたちの邪魔をしようとした1人だ。

厳密には加勢はしていなかった、が。

 

 

 

「さっ、周防さん。

貴方の役目は暫く終わりよ。

次は涼宮さん、いえ、ハルヒちゃんを殺す時に必要よ。

隠れていて頂戴」

 

 

「りょーーーうーーかいー」

 

フォンッ

 

 

 

「さて、キョン君を殺そうかしら。

ナイフで、もう止める長門さんもいないことだし♩」

 

 

 

バッ!ギィォィン!!

 

 

「な、なんだっ!?」

 

 

先ほどまで長門の顔を覗き込み泣いてたはずなのに、ここはいつもの公園だった。

飛ばされたのか?

ワープ?

わけがわからん!

 

 

 

 

 

「キョン君。もういいんですよ?」

 

「あ、あさ…くら!?」

 

 

まさか、俺の体に起きた異変はこいつが!?

 

 

「おま…っ」

 

がきっ

 

「ぐあっ!」

 

キョンは蹴り飛ばされる。

 

 

「い…てぇ…」

 

「あら、痛かった?

それはごめんなさぁ〜い♩

でも、痛みを感じるならまだいいじゃない。

あなたはこれから死ぬんだから、ね?」

 

 

 

そ、そうか…

俺とハルヒを仲違いさせて……

ハルヒの「部室」や「仲間」に対する想いを薄くさせるつもりか…

確かに少しでも薄くなれば「神人」が出ても機関のように抑えることができるだろう…

 

…で、でも…だったら死ぬ前に…

 

 

「お、おい、朝倉!」

 

「あら、なにかしら?」

 

 

「どうせ殺すならこれだけ教えてくれよ…

なんで、なんで俺だったんだ!?

お前の…いや、「お前らの」企みは分かってる

分かってるんだが、分からないんだ

どうして朝比奈さんや古泉じゃなくて俺だったんだ!?

ハルヒの想いを薄くするのになぜ…」

 

 

「そんなことも気付いてないの?

マスターといいキョン君といい鈍いわねぇ…。

 

そんなの決まってるじゃない。」

 

 

 

「あ…」

 

 

待ってくれ…やっぱり言わないでくれ…!!

 

 

 

「涼宮ハルヒ。涼宮さんがーーー

 

 

 

まて

 

 

 

 

やめろ!!!!!

 

 

 

 

「貴方を好きだからよ」

 

 

 

 

 

 

ああ…

 

 

 

 

「…うそ…だろ…」

 

 

「ふふ。その涼宮さんに嫌われたのよ。

もう生きている理由もないわねぇ、

さあ!!死になさい!」

 

 

「…ったら…だったら、尚更死ぬわけには行かないな、ハルヒ。

お前にちゃんと伝えるために…!」

 

 

「うおおお!!」

 

 

キョンは走った。

朝倉涼子はすぐに追いつき、キョンを転がす。

そして上に乗りナイフを構える

 

 

「すまねえ長門…メールくれたのにな…

 

ははっ、「後は任せた」

 

ごめんな、何もしてやれなかったぜ…」

 

古泉…悪いな、明日のキャッチボールはどうやらドタキャンだ。

ハルヒとやってくれよな…。

 

朝比奈さん…ごめんなさい、新しいお茶の葉、飲めないみたいです

鶴屋さんに飲ませてあげてください…

 

 

 

ハルヒ…。

 

俺も、俺も…

 

お前のことーー

 

 

 

「走馬灯はすんだ? さあ、死ね!」

 

 

 

「ちょっと待っておくれよ」

 

 

「!?」

 

 

 

 

「何僕の親友の上に跨ってるのさ。

ほら、退いて退いて」

 

「何よアンタ、邪魔をーっ!」(閉鎖空間!?)

 

ばっ!

 

朝倉涼子が俺の上から退いた。

そして距離を置く。

どうしたんだ、一思いに…

 

 

「……佐々木」

 

 

「うむ、いかにも。君の親友の佐々木だよ。

何殺されかけてるんだい?キョン。

君の事は何でも知っていたつもりだけどまさか武装した女の子に跨られて殺されかけるのがマイブームだとはね。

僕の常識がイレギュラーを受け入れられてないよ」

 

 

「ま、まて!違うぞ!

あいつは朝倉涼子、前にあった周防九曜と同じインターフェースで俺を殺しに来たんだ!」

 

「おっと、そうだったのかい

それは御愁傷様。」

 

「っおい!」

 

「何よアンタ…。

なぜあなたが「閉鎖空間」を発生させられるの!?」

 

 

「おっとそういえば自己紹介が抜けていたね。

僕としたことが失礼した。

 

僕は佐々木。

キョンの中学時代の同級生で唯一の親友だ。

僕僕言っているが僕は女だよ。

好きな物は「宇宙真理」かなぁ。

宇宙人の君からしたらつまらない物だろうけれどね。

そして第二の質問だね、閉鎖空間とやらさ。

橘京子さんに教えてもらって初めて気付いたんだけどね。

 

本来、涼宮ハルヒの力はどうやら僕に宿る予定だったみたいだ。

だが何故か涼宮さんにあの力が宿った。

だから僕の元には閉鎖空間だけが残ったわけさ。

 

穏やかだから神人なんて見たこともないけどね。

でも、君がキョンを殺すなら僕の閉鎖空間は荒れに荒れて荒波になるだろうね。

 

それでもキョンを殺す?

それとも僕を殺してみるかい?」

 

 

「くっ、ここに来て邪魔が入るなんて…

しかも私の把握圏外…

潜泳疑念空間、殺害の許可を…っ!」

 

「…くっ、許可が下りない

 

それほどこの女は「要注意人物」だというの!?」

 

 

 

 

「それはその人が未来の分岐点に立っているから、ですよ」

 

 

 

 

「!?」

 

朝倉涼子は驚いている。

だが、俺も驚いているんだ。

 

殺されかけて、佐々木が助けに来てくれて…

そして、更に現れたのは…

 

 

 

大人の朝比奈さんだった…!

 

 

 

「あ、朝比奈さん(大)!?」

 

 

「キョン君、お久しぶりです!

大丈夫、ここは私と佐々木さんに任せて…ね?」

 

ウィンクが眩しい。

 

 

・・・・・

「…へぇ〜。 こうなったか。

これもあなたの思惑通り?

朝比奈みくる大人。」

 

 

「いいえ。これは既定事項ですから。

在るべくしてこの時間枠に私たちは存在しているのです。」

 

 

「キョン、立てるかい?」

「ああ、佐々木こそありがとな…」

 

「なあに、親友を助けるのに礼なんか要らないさ。

朝比奈さんとは先ほど近くで会ってね。

ここに連れてこられたと思ったらキョンが居るんだもの。

少し前にあった「藤原」という未来人が居たからね、今更別の未来人が、しかもキョンの知り合いでも、更に更に「未来人の未来の姿」が来ても驚きはしないさ」

 

「理解力が強くて助かるぜ…」

 

 

 

いつのまにか朝倉涼子はナイフをしまっていた。

どうやら潜泳疑念空間に殺害を許可されなかったんだな。

朝比奈さんが言ってた、「既定事項」

つまり、これは確定していた未来なんだ。

 

ここで俺は死んではいけない、そうなんでしょう?朝比奈さん。

 

朝倉涼子が殺しにきたからそれを修正するために未来から来た。

佐々木を呼び込んだのは「閉鎖空間」による朝倉涼子への牽制のため。

 

いくら俺とハルヒの間を壊しても別の閉鎖空間があれば手は出せないからな。

 

さすが朝比奈さんだぜ。

 

 

 

「長門さんは潜泳疑念空間が捕獲しちゃったぁ。

自分からシャットダウンしたからね、もう返さないよ」

 

 

「な、なんだと!!??」

 

 

「それに長門さんやわたし、つまり情報インターフェースが居ないと潜泳疑念空間にはたどり着けない。

助けることも不可能なわけ。

ここでわたしが逃げればもうお手塞がり。

 

諦めて殺されてくれない?きょーんくん♡」

 

 

 

「いいえ、それは違いますよ。ふふ。

朝倉涼子さん、私を誰だと思ってるんですか?」

 

 

「…使えないポンコツ野郎」

 

 

「あ、あんまりですわ…」

 

朝比奈さんを悪く言いやがって…

それに長門が捕まったなんて…

 

 

「ごほん。 言ったはずです。

未来の分岐点に立つ人が居る、と。

そう。

 

佐々木さんがね!」

 

 

 

「どうやらそうみたいだ」

 

 

場にいる朝倉涼子と俺は驚く。

 

 

「閉鎖空間が出せる程度のあなたに何が出来るの?」

 

 

「さあね。僕も言われた通りにしてるだけさ。」

 

 

「朝比奈さん、説明をっ!」

 

 

こうやって説明を求めるしか出来ない。

夜の風は冷たく俺の肩を撫でていった。

 

 




この辺りから「全滅」の物語が紐解かれていきます!

原作ハルヒに見倣ってややこしい話になっています。


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「H」朝比奈みくるの真実

「H」ー朝比奈みくるの真実ー

 

 

 

 

 

俺は朝比奈さんに説明を求めた。

もう混乱してて全く何が何だかわからない。

 

 

「はい、キョン君 

 

涼宮さんの力を一時的に佐々木さんに移行します。

その間およそ1分。

1分間、涼宮さんは能力を手放します。

すると、離れた瞬間人格が変わります。」

 

 

「え、ええ、ハルヒがハルヒで無くなるなんて…

それこそ、少し前に佐々木達と防いだ「佐々木への能力移行」じゃないですか!!」

 

 

「いいえ、今回は少し違います。

1分お借りするだけです。

その間、涼宮さんの人格をどう保てばいいか。」

 

 

 

「…簡単ね」

 

 

あ、朝倉!?

 

 

「ああ、考えるまでもない」

 

佐々木まで!?

 

 

「ええ。言うまでもないです」

 

 

朝比奈さん…教えてくださいよ!

 

 

 

「なんなんだ、何をすればいいんだ!」

 

 

 

 

「1分間、涼宮さんをドキドキさせてください。

何も考えられなくなるほど、キョン君の事を1分間1秒たりとも考えない時間はないほど。

キョン君の事さえ覚えていれば能力を戻した時、人格も戻ります」

 

 

「僕もその意見だよ。

涼宮さんに告白するんだ、キョン。

そして僕に力を移し僕はこう望むよ。

 

「長門有希を潜泳疑念空間から返して欲しい」と。

この能力は望んだことが形はともかく現実になる力。

しかもそれを自覚して使うんだから。

無敵だよね」

 

 

 

 

えっ…?

なんで話が進んでんだよ…!

そもそも、もう俺はハルヒに嫌われて…

 

 

「…少しだけ禁則を解きますね、キョン君。

涼宮さんはあの不意打ちのキスでキョン君を嫌ってなんかいませんよ。

照れているだけです。合わせる顔も交わす言葉もないほどに。」

 

 

「そ、そうなんです…か!?」

 

 

「キョン。君はこんな所で挫けるのかい?

 

いいかいキョン。

世界は常にルーチンワークを基盤に動いているんだ。

伝えたいのにこの関係を壊したくない

でも一歩進みたいのに伝えられない

このジレンマの先にキョン、君は何を望む?

交際かい? 想いを伝えて終わりかい?

誰もが思ってるんだよ。

レーゾンデートルを皆が求めているんだ」

 

 

 

レーゾンデートル…!?

 

まさか、2週間前に見たあの夢…

あの小難しい夢の住人は…っ!!

 

 

「そうですよキョン君。

あれは私が、情報インターフェース「黄緑」さんの力を借り、キョン君の夢の中に佐々木さんを登場させ語ってもらったんです。

その理由は、キョン君をこの時間枠のこの世界に飛ばすこと。

つまりキョン君。 ここはキョン君が元いた世界ではない別の世界です。

 

元の世界ではキョン君はまだ寝ています。

1秒たりとも経過していません。

長門さんとキョン君と佐々木さんだけをこちらの世界に飛ばしました。

長門さんと佐々木さんは同意の上です。

 

夢を誘導し、出口を変え起こした。

キョン君がこの世界でこの時間にここに居てくれないと全てのパラレルワールドが崩壊してしまう恐れがあったんです。

 

なぜなら…」

 

 

 

 

「あの世界は全パラレルワールドで、唯一

 

唯一、佐々木さんがキョン君に恋をした世界だからです」

 

 

 

「な、なんだって!?」

 

 

「…恥かしいな。」

 

 

「つ、つまりあれか!?

ええと…整理するとだな

 

 

俺たちが元いた世界はA。

ここは飛ばされたB。

 

A〜Bに移動してるのは

「俺、キョン」「長門」「佐々木」

の三人で、向こうの世界では時が止まっていて俺は寝ている、と…

 

んで、なぜ数あるパラレルワールドからあの世界の俺たちが抜かれたのかというと、佐々木が…その、俺に…恋をしているから…ですか?」

 

 

「うん、キョン君も古泉くんみたいになってきましたね!

正解です。

正確に言うと今この世界にいる黄緑さんもキョン君の居た世界の黄緑さんです。

 

ちなみにこの世界のキョン君、長門さん、佐々木さん、黄緑さんは存在しません。」

 

 

「な、なぜですか!?」

 

 

「…キョン君たちは死んでいるのです。

キョン君は二年前、車に轢かれて。

長門さんは去年、情報統合思念体の手により使えないと判断され解体されました。

 

佐々木さんは病気で先月。

黄緑さんに至ってはこの星に来てすらいません。

どこかで生まれましたが時空振に巻き込まれ大破したと聞いています」

 

 

 

 

この異常な事態を飲み込めない人が俺以外にももう一人。

そう、朝倉涼子だ。

 

 

「ば、ばかな…っ!

なら、わたしは…わたしたちが封印した長門さんはこの世界の長門さんじゃなかった…ってことよね!?

まさか、情報統合思念体が本当に長門さんを解体していたなんて…っ

てっきり惑わせるためのダミーインフォメだとばかり…」

 

 

 

 

ここで俺は気付いた。

そう、俺たちが呼ばれた訳。

そうだ。

 

 

「ハル…ヒ?」

 

 

「…はい。」

 

 

朝比奈さんが口を開く。

 

 

 

「キョン君、長門さんを失った涼宮さんの荒れ方は異常でした。

古泉くんも対処できないほどの神人がでるほどに。

だから涼宮さんは願った。望んだ。

 

 

「キョンと有希を返して」と。」

 

 

「それで、それで俺と長門…が、別のパラレルワールドから調達されたってことなんですか!?」

 

「ええ。でもさっきも言った通り、その世界の2人じゃないとダメだったの。

夢を誘導し、別の世界に意識を導くのは良かったんだけどね。

体はこちらで再構築したわ。

「佐々木さんがキョン君を心から好いている」からこそ導けた言葉なんだよ、キョン君」

 

 

だから、佐々木が唯一恋をしてくれた世界の俺たちが…ハルヒに呼ばれて…

 

 

「もちろん2人、佐々木さんと黄緑さんはとばっちりですね。

キョン君を呼ぶのには佐々木さんが必須だった。

同時に長門さんを呼ぶのには黄緑さんが必須だった」

 

 

「そして涼宮さんは2人が、いえ、四人がここに来た瞬間から全員の記憶の改変を行いました。

キョン君たちの死の記憶が消えたんです。

私や古泉くんの記憶はすぐさま長門さんと黄緑さんがブロックしてくれました。

朝倉さんは、ご自分でブロックなさったみたいです」

 

 

古泉、全部知ってたんだな…

俺たちがこの世界の俺たちじゃないことを…。

 

感じてた違和感や異変はこれだったのか。

いくら似ていてもここは俺たちの世界じゃない。

俺たちのSOS団はここには無かったんだ…。

 

 

でもまだ疑問がある…

 

 

「じゃ、じゃあ、この世界に閉じ込められた俺たち四人が元々居た世界は一生止まったままなんですかっ!?」

 

朝比奈さんは少し微笑む。

 

「いいえ、大丈夫です。

なぜなら。

潜泳疑念空間。

これは本来生まれなかった概念です。

これを壊せばキョン君の死や長門さんの解体、佐々木さんの死などは無くなります。

全ての辻褄を破壊したのが突如生まれた潜泳疑念空間です。

これらが全ての権化なんです。」

 

 

長門さんを呼び戻す。

そうすれば、帰れるんです、キョン君。

それ以外にも無理やり帰れますが…。

 

この世界をほったらかすと全てが壊れます。

 

 

だからキョン君。

 

お願い、走って!!

 

 

 

「キョン。僕が君を好きなのは本当だ。

実は昔から好きだったんだ…よ。

恋愛感情など病の一種だと言ったね。

だけど僕はとっくに侵されていたみたいだ。

 

僕の言葉が君に届いて良かった。

君のことは切ないけれど諦めるよ。

早く涼宮さんに告白しに行ってあげて。

 

それが今すべき君のやることなんじゃないのかな。」

 

 

「佐々木…。朝比奈さん…。」

 

 

古泉…。

長門…。

そしてずっと知らない所で戦ってくれていた黄緑さん。

 

 

 

……ハルヒ…!!

 

ハルヒ、ハルヒ!!

ハルヒ!!!

 

 

 

ダッ!!

 

 

朝倉涼子はそれを見逃さない。

ここで本当にキョンがハルヒを釘付けにしてしまえば潜泳疑念空間が壊される可能性が出てくる。

それだけは、回避したかった。

 

 

「キョン君を先に殺せばいいのよ!」

 

 

「キョン!」「キョン君!!」

 

 

ガキーーンッ

 

 

黄緑「させません、朝倉さん。

うふふ。わたしがしばらくお相手しますね」

 

 

情報統合思念体側のインターフェース。

つまり長門の仲間。

 

黄緑さんだった!

 

「黄緑さん!」

 

「キョンさん。早く行ってあげてください。

朝倉さんはわたしが責任を持ってお相手致します」

 

 

「キョン君!佐々木さんがキョン君を諦めて涼宮さんに渡す選択肢をした時点で未来は分岐しました、あとはお願いします!」

 

 

「…佐々木ーっ! 俺なんかを好きになってくれてありがとうな、でもごめんな…!

俺は、俺はハルヒが好きなんだ!!!

でもお前とはこれからもいい親友で居たい…

勝手なことはわかってるっ!!

だから、俺が帰ってくるまでに考えててくれっ!!」

 

 

そう俺は叫ぶと皆に背を向けてハルヒの家へと走った。

 

 

誰かの涙の落ちる音が聞こえた。気がした。

気のせいだろう。

俺はこんな夜、詩人になったつもりになるからな

 




僕は小説も書きますが作詞家です。

展開は更にヒートアップしていきます!


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「I」涼宮ハルヒの告白

「I」ー涼宮ハルヒの告白ー

 

 

 

 

 

タッタッタッタ

 

「はっ、はっ、はっはっ!」

 

 

「ついた、はぁ、はぁ。ふう、ふう。」

 

 

言うんだ。

近所迷惑?知ったことかよ!!

 

そう思うと俺は息を吸い込んだ。

 

 

「ハルヒーーーーっ!!!」

 

 

 

 

 

ー家の中ー

 

(キョン…。キョンはなぜあの時私にキスしたのかしら…。

私の事が好きなのかしら、だったら無視してしまってるのはやめなくちゃ。

キョンが私を好きになってくれてるなんて、こんな嬉しいことなのに、どうして、どうして涙が出るのよ…)

 

「…キョン」

 

 

ハルヒーーーーっ!!!

 

 

 

「!!?き、キョン!?」

 

ガララ

 

窓を開けベランダに出る。

下を見下ろすと、そこには白い息を出す怪我をしたキョンが立っていた。

 

 

「キョン!?な、なんでここに…!」

 

「…ハルヒ!いいか!よーっくきけよ!!

 

俺は、俺はなぁ!」

 

 

 

黄緑(今です…!能力移行!)

 

 

 

 

 

 

「涼宮ハルヒのことが、大好きだああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

鼓膜を劈く激昂音。

しかしそれはハルヒの耳に確かに届いた。

そしてそれは涙に変わりハルヒの頬を垂れ流れる。

 

 

「…へへ、答えをくれよ、ハルヒ。」

 

「キョン…キョン…!キョン!!」

 

ダダダダ

 

 

ハルヒは階段に向かった。

 

 

そしてドアが開いた…。

 

 

「キョンっ!!」

 

キョンに飛びつく。

キョンはハルヒを強く抱き締めた。

 

 

「この野郎。ずっとシカトしてくれやがって。

傷付いたんだぜ?」

 

「馬鹿キョン…ばか、ばか…っ!」

 

「…キスしていいか?ハルヒ。」

 

「え、え…っ。。。

 

や、優しくしなさい…よ?//」

 

「んっ…んん……」

 

「ハルヒ…んっ…」

 

 

 

〜公園〜

 

朝倉涼子は倒れていた。

黄緑は圧倒的な力で朝倉涼子を打ちのめした。

情報統合思念体のインターフェースとまともにやりあって勝てるわけはなかった。

 

黄緑はキョンたちの告白を公園からのぞき、ベストタイミングでハルヒの力を抜き出し佐々木に移した。

 

「今です!佐々木さん!」

 

「了解だよ」

 

「キョン君…」

 

 

 

「…」(長門有希をここに呼んでほしい)

 

 

 

 

長門さん!!!

 

 

 

ーー全員の思いが届くーー

 

 

 

「こ、これまで…ね…。」

 

 

 

〜ハルヒ宅〜

 

 

「…もう、馬鹿キョン。

近所迷惑でしょ、あんな声出して。」

 

「…悪かったな」

 

「あんなに大きな声で名前呼ばれたら近所の人たちに会わせる顔がないじゃない。

考えてよねもう少しっ」

 

 

「へっ、俺に抱きつきながら言っても説得力ねーぞハルヒ!」

 

「なっ…ばっばか!いいじゃない別に!」

 

「…ハルヒ、ごめんな、気付いてやれなくてな。

もっと早く伝えるべきだった。

もっと早くにお前を守りたかった。

お前は一人じゃないんだ、俺でもいいし古泉や長門、朝比奈さんを頼れよ?

一人で泣くな。俺の事で泣くなら変だが俺に相談しろっ」

 

「…キョン…」

 

「あの日お前が俺に言ってくれた言葉に似せた

伝えたいことは同じだからな」

 

 

「…キョンのこと好きでどうしようってのをキョンに相談すればよかったのかしら?」

 

「いっ…やっ…そ、それはだな…」

 

「くすっ、 冗談に決まってるじゃない。

…ばかきょん。」

 

やっと、繋がれた。

キョンと想いが通じた。

 

私は満足だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜公園〜

 

 

「成功。涼宮ハルヒさんに能力を返却。

人格も無事です。

告白も成功ですって。ふふ。」

 

「そう言えば僕の人格は変わらないのかい?」

 

「1分ですからね」

 

「そういうもんなんだね。

この想いだけは変わって欲しくなかったからね。

キョンが誰を好きでも僕はずっとキョンを好きでいるよ!」

 

 

 

 

 

 

「…わたしを…壊しなさいよ」

 

 

 

「…いい」

 

 

 

 

「目的はまだある。

あなたはあなたのしたいことをやれ。」

 

 

 

タタタタ

 

 

「朝比奈さ〜ん!黄緑さん!佐々木!

無事にせいこ…」

 

 

「…ただいま」

 

 

 

「な、長門…

 

 

お、おう、おかえり」

 

 

 

「…潜泳疑念空間の消滅を確認…。

は〜ぁ。わたしもこれで消滅かあ。

したいことをやれっていわれても潜泳疑念空間のインターフェースになった以上潜泳疑念空間が壊れたら死ぬじゃない。

長門さんがしたんでしょう?」

 

 

 

「?…していない」

 

 

「…え?」

 

 

ゾクッ!!

 

 

な、なんだこの悪寒は…。

ハルヒへの想いも届いた。

長門も帰ってきた。

これでこの世界から帰れる。

そりゃ、せっかく付き合ったばっかりのハルヒなのにもうお別れでよ…。

俺が頑張ったのに俺らが帰った後この世界の俺がいい思いをするんだぜ。

 

納得いかないけど自分だし、いいじゃねぇか。

 

 

でも

なんだこの寒気は…

潜泳疑念空間も倒したんだぞ!?

あれ?でも、誰が?

 

 

 

「…コピープロセスに異常発生…。

長門さん、これって…」

 

「潜泳疑念空間の消滅は恐らく別インターフェースの仕業。

概念の根幹から崩壊している。

わたしではない。つまり、これを出来るのはわたしたちの知る限り一人」

 

 

「…うらぎ…ったわね?」

 

 

 

 

 

周防 九曜。

 

「あなただけだ」

 

 

 




この次の投稿でラストになります!

ラストはエピローグを含みます!

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます!!
あと一話、お楽しみください…!


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「J」涼宮ハルヒの帰還 「K」涼宮ハルヒの終章

「J」ー涼宮ハルヒの帰還ー

 

 

 

 

 

ヒュユッ

 

 

急に人が現れた。

空中に浮かぶのは見慣れてはないが見たくない顔。

 

「天蓋領域」周防九曜だった。

 

 

 

 

 

【少しわかりにくいので人物名前表記を少しだけします】

 

 

 

 

キョン「周防…九曜!? お前が潜泳疑念空間をやったのか!?」

 

 

九曜「ーーーーそーーーう」

 

 

 

涼子「手を組む…あいてまちがえ…た…わね…」

 

黄緑「朝倉さん…」

 

 

涼子「キョン…くん?」

 

 

キョン「な、なんだよ…」

 

 

 

「向こうの私は、大切にしてあげて…ね」

 

 

 

 

そう言い残し朝倉は消えていった。

 

 

 

 

「潜泳疑念空間の完全消滅を感知。

朝倉涼子も死亡したと思われる」

 

 

 

黄緑「周防 九曜さん。 あなたの目的はなんですか?」

 

 

 

「べーーーつにーーーーないーーよーーー」

 

「しいて…いう…なら」

 

 

「ひひひ、ひ、まつぶーーーーーし?」

 

 

 

 

ビュオンッ!!

 

 

 

「…周防九曜の存在を感知出来なくなった。

この世界から消えた模様。

あれは1兆七千三百四十二個目のパラレルワールドの周防九曜かと思われる。

ここに来た理由、潜泳疑念空間を発生させた原因を作ったのも恐らく周防九曜」

 

 

「な、本当に何をしに…」

 

 

「…本当に暇潰し、なんでしょうね。

…キョン君、何はともあれ未来が正常に動いています。

もうじき眼が覚めるでしょう。

だから、この世界の人たちに言うことがあるならば…

この後蘇るこの時代のキョン君が気まずくならないセリフで、お願い致しますよ?ふふっ。

 

この世界を守ってくれてありがとう、キョン君、長門さん。

 

またいつか。。会えたならば…」

 

 

 

 

「朝比奈さん…!向こうの世界でも、朝比奈さんを大切にしますから!!」

 

 

「ふふふ。気まずくならないものって言ったのに、照れちゃいます 」

 

 

そう言い残し大人朝比奈さんは消えていった。

 

 

するといつの間にか黄緑さんの姿はなかった。

どこかに行ったのだろうか。

お礼を言いたかったんだが…

 

 

「ちょんちょん」

 

 

「んっ、ど、どうした長門?」

 

 

「…涼宮ハルヒに告白したと聞いた。

それはあなたの意思?」

 

 

「…ああ、そうだ。

俺はハルヒが好きだ。った。」

 

 

「った?」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「この世界の俺は必ずハルヒを好きになる、そう確信したから。

この世界の俺のために、人生初告白ってのも悪くねーだろ?」

 

 

「…そう」

 

 

そう言った長門の顔は、心なしかどこか微笑んでいたようにみえた。

いや、微笑んで居たのだろう。

きっと、そうだ。

 

 

 

だってさ。この世界のハルヒは気付いていたんだ。

 

俺が俺だけど「キョン」じゃないこと。

ハルヒは自分が知るキョンじゃないことを確信はないけど心のどこかで俺たちが死んだことを覚えてたのかもしれない。

 

でもな、ハルヒ。安心しろよ。

大丈夫だ。しばらくしたらお前の知るお前の好きな「俺」が蘇るさ。

 

あと、「俺」!

勇気を出してハルヒに告白したのは俺なのにお前はいい思いしやがってこんちくしょーめ!

 

…なんてな。

多分蘇ったお前は朝比奈さんたちの力で齟齬のない知識を共有するんだろう。

死んだことを忘れて、告白を覚えていて。

 

そうだと思ったからよ。

近所迷惑になるほど愛を叫んだぜ!

少しくらい黒歴史として恥ずかしい思いをするんだな!はっはっは。

 

 

 

…これも軽口だ。

世界は違えどお前は俺なんだから。

 

「俺」なら、ああ告白しただろう。

分かってるぜ、俺の事は俺が一番、な。

 

 

ハルヒ。こっちの俺にちゃんと幸せにしてもらえよ?

あんまりわがまま言うなよ!

 

長門。この世界の長門もきっと情けない俺をずっと見守ってくれてるんだろーな。

俺が迷惑かけるな、代わりに俺が謝ろう。

そしてこの世界の俺には、俺の世界の長門に俺の不甲斐なさを代わりに謝ってもらうとしよう。

 

 

朝比奈さん。

この世界の朝比奈さん。

大人になった時、別の世界からくる過去の俺を、よろしくお願いします!

この世界でも、いつの時代の俺でも、ハルヒにちゃんと告白出来るように。

 

 

古泉、超能力で不幸を自分一人に引きつけようとしてたハルヒを守ってくれててありがとな。

影のサポートで一番の活躍は間違いなくお前だぜ。

もっとボードゲーム強くなれよ!

 

 

 

「佐々木」

 

「…なんだい?キョン。

僕にはお別れの言葉はいらないよ、同じ世界に帰るんだから」

 

「俺の夢で俺をこの世界に導いてくれてありがとう。

お前の声は確かに俺に届いた」

 

 

「振った女に優しくするのはやめたまえ。

ああそうだ、キョン。親友の件だが。

 

迷いなく続行だ、これからも、まっ、一つ宜しく頼むよ、キョン!」

 

ぼそっ「長門さんのことも、相談に乗ってあげるよ、僕は優しいからね」

 

 

「ななっ!なぜそれを…っ!?」

 

「…?聞こえなかった、二人で何を話してる?」

 

「い、いや長門っ!なんでもないぜっ!?」

 

 

「…?…そう」

 

 

「あ、あのさ、長門」

 

「なに?」

 

 

「その…」ぎゅっ

 

「…これはなんの行為」

 

「…好きな奴に…する行為…」

 

「………そう」

 

 

 

 

これは今までで一番の長門の笑顔だった。

その笑顔を俺は忘れはしないだろう。

 

 

 

 

 

 

「K」ー涼宮ハルヒの終章ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーAm6時45分ー

 

ピピピピピ

 

 

「ん…んああ…」

 

はっ!

 

「ここはっ!?」

 

 

見慣れた景色。見慣れた風景。

カーテンを開けて進む時間。

減る腹。

鳴り響く携帯。

ハルヒからだった。

 

 

「もしもし?なんだよこんな朝早くに」

 

「キョン!? 今すぐ部室に来なさい!

いーい?1秒以内っ!」

 

つーつーつー

 

 

無理だろ…。

何があったのか、とりあえず俺は急ぐことにした。

帰ってきたばかりの世界を楽しめず、余韻に浸る間もなく着替えた俺は走り出す。

 

 

どうせあれだ。

「幽霊」でも探しに行くと言い出すんだろうな。

 

 

なんでそう分かるかって?

 

 

 

 

 

…電話越しの声が楽しそうだったから。

 

じゃ、不服か?

 

 

 

 

 

 

 

 

今日も世界は回る。

巡り巡る。

それぞれが誰も彼もレーゾンデートルを探して歩く。

その道のりは紆余曲折している。

だけど…どれだけ曲がり果てても。

 

 

 

この道は間違いなく仲間たちの場所へと繋がっているのだろう。

 

 

 

 

 




え〜どうも!カオミラージュです。

オリジナルストーリーのハルヒ小説

「涼宮ハルヒの全滅」「涼宮ハルヒの事件」「涼宮ハルヒの幽霊」「涼宮ハルヒの細工」「長門有希の異変」「涼宮ハルヒの苦悩」「長門有希の剥奪」「涼宮ハルヒの相愛」「朝比奈みくるの真実」「涼宮ハルヒの告白」「涼宮ハルヒの帰結」「涼宮ハルヒの終章」

いかがでしたでしょうか!

これにて全編終了となります!

ここから少しだけ解釈を。


まず本タイトル「涼宮ハルヒの全滅」の意味です。
これは、作中オリジナルで出しました「潜泳疑念空間」が「情報統合思念体」を乗っ取った時地球が全滅してしまう。

その前に世界を救えるのか。という意味合いです!


そして「涼宮ハルヒの告白」です。
原作でもハルヒとキョンは良い感じですが、告白とかはしてません。
世界観を壊すじゃないか!と思われるかもしれませんが、作中でも書きましたが一応ここでも書きます!

あのキョンに告白したハルヒは「パラレルワールド」のハルヒなのです。キョンを好きなハルヒのパラレルワールドですね。


佐々木がキョンのことを好きだというのは勝手な推測です。
話を運ぶためにも必要でした!
最後の長門を抱きしめるシーン。
あそこは微笑ましく見守ってあげてください!

作中何度かキョンが言っている「異変」はパラレルワールドと知っていた長門の動向が気になった、です。
長門といえど好きな人相手に隠せなかった、などの解釈を好きにしてください!

そして黄緑さんですが…
喜緑 江美里の間違いではございません、意図的なものです。
喜緑 江美里のバックアップとでも思ってください!
何故そうしたかというと、喜緑 江美里さんを周防さんと一緒にラスボスにしようとして温存してたんですが、途中でその展開をやめることにしたからです 
オリジナルストーリーということで、オリキャラとしてご許しください。。


今回はこの小説を読んでいただきありがとうございました!
また書きだめてる何かを投稿しますのでその際は良ければっ!


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「L」涼宮ハルヒの幸福 Inパラレルワールド

番外編です。

「全滅」の舞台になった世界で付き合ったハルヒとキョンのその後です。
少しラブラブします、キュンと少しでも来ればそれで…。


「L」〜番外編〜

ー涼宮ハルヒの幸福ーIn パラレルワールド

 

 

 

 

 

 

朝、目が覚めた。

俺はキョン。

SOS団所属のハルヒ曰く一番下っ端だ。

 

そしてその団長のハルヒと昨日から付き合っている。

 

告白は俺からした、近所迷惑になるレベルで叫んでな。

…だが、した覚えがないと思う自分がいることも確かに感じている。

気のせいか…?

 

 

いつもの時間に出て学校へ向かう。

教室に入り席に座ると谷口が話しかけてくる。

 

 

「よーっすキョン」

 

「ああ、おはよう」

 

「なあなあキョンキョン〜

良い女いねーの??」

 

「朝っぱらからお前というやつは…」

 

「そんなの居ないし知らねーぞ」

 

 

「やあ、キョン」

 

「おお、国木田」

 

国木田も登校してきて話に混じる。

 

 

「おい国木田、邪魔すんなよ、俺は今キョンに可愛い子を紹介してもらうところなんだから!」

 

「可愛い子?」

 

「おいおい、ホラ吹いてんじゃねーぞ谷口

俺は一言も紹介するなんて言ってねーぞ」

 

「可愛い子なら僕が知ってるよ?」

 

 

なんだと?

国木田の口からは到底飛び出すとも思わなかった言葉だ。

 

 

「ま!マジ!? 国木田さん〜教えてくださいよ〜」スリスリ

 

 

谷口よ…。それでいいのか…

今お前が全力で擦り寄ってるのはさっき「邪魔」と言い放った男だぞ…。

 

 

「いいよ、えっとね、先輩なんだけどね。

キョンも良く知ってるよ」

 

「なぁにぃ!?キョン、貴様というやつは…」

 

「待て待て、そんな知り合い朝比奈さんしかいないぞ!?」

 

 

「ええと、鶴屋先輩かな」

 

 

…あー、なるほど。

だが国木田、確かお前は鶴屋さんを追いかけてこの学校に入学したんだよな。

それ教えたら谷口の野郎がすっ飛んでくのにいいのか?

 

…まあ、谷口ごときでは鶴屋さんは手に負えないだろーからすぐ帰ってくるだろうけどな。

 

 

そう、もう谷口は名前を聞くと国木田から離れ走って三年校舎へ向かった。

 

 

「すごいパワーだね」

 

「…ああ、全くだよ」

 

 

「バカキョン!」ばぎいっ

 

 

!!??

 

後ろから背中を蹴られる。

 

 

「いっでえええ!!」

 

「何すんだよハルヒ!!」

 

 

「強烈だね〜」

 

 

そう叫び放ち、振り向いた先にいたのが我らがSOS団団長にて俺の彼女。

涼宮ハルヒその人だった。

 

 

「何もしてないわよ!」

 

 

「した!限りなくしたぞハルヒ、俺の背骨は悲鳴をあげている…っ!」

 

「うっさいわね〜。 自業自得よっ」

 

「俺がなんかしたってのかよ!?」

 

 

「良い女が居ない学校で楽しいのかしら?」

 

 

……ああ、なるほど。。

さっきの谷口との会話どっかで聞いてやがったな。。

 

まあ確かに居ないとはいったが、そんなの谷口相手だからに決まってるだろう。

真剣に言わせてもらうと朝比奈さんや長門、鶴屋さん、喜緑さん。可愛い人なんて沢山知ってるぞ。

 

中でも…

 

 

「なんで谷口にお前の可愛さを教えなきゃなんねーんだよ」

 

「えっ、えっ??」

 

「大体同じクラスに1年いてお前の可愛さに気付けず「良い子いないか」どーか聞いてくるやつに教える価値もないだろう」

 

「ーーっ///」

 

顔を真っ赤にしやがって。

わかりやすぎんだよこの野郎。

 

そうは思えどこれは可愛い。

ついつい調子に乗って頭を撫でるがそれが失敗。

 

「ば、バカキョン!人目のあるところで触んなっ!」

バギャァァッ

 

 

「ぎゃあああああ!!」

 

 

「凄いね〜」

 

国木田が微笑む中ハルヒの恥ずかしげな横顔を見ながら俺は床に空中を4回転半し、落下した。

 

 

 

 

ー保健室ー

 

 

「…ん、…んん…いつっ…」

 

目が覚めた。

ここは…?保健室か。。

ああ、そうだった、調子に乗ってハルヒに殴られて気を失ったのか。

 

今何時だろう。

時計を見たら12時を超えている。

 

 

四時間終わってやがる!!!!

俺は何しに学校へ…とほほ…

 

「ーーあ、起きたのね」

 

「!?」

 

なっ!横に居たのかよハルヒ!

気付かなかった俺もあれだが…

 

 

「勘違いしてもらっては困るわ。

別にバカキョンが心配で、その、毎休み時間ここに居たとかじゃないからっ!」

 

「それで、それで、どうしても心配になって購買にもいかずずっとキョンの手を握ってたとか、そんなことしてないからっ!」

 

 

は、ハルヒ…。

 

「そうかい、そりゃ悪かったな。

 

…寒いだろ、こっちこいよ」

 

「何言ってんのバカキョン!?///」

 

 

「うるせえ。誰も居ないんだからイチャコラさせろよハルヒ。」

 

俺は無言でハルヒを抱き寄せる。

 

 

「う…あ/// ち、ちょっ、ちょっとキョン…///」

 

 

そしてハルヒのおでこに自分のでこを当てる。

すると鼻の頭が互いにくっつく。

 

そして俺は目を閉じる。

ハルヒはパタパタしてやがる。

 

「ば、ばか!ばかばか…っ 人が来たら///どーすんのよ////」

 

 

「…へへ。心臓バクバク言ってんぞ…。」

 

「あ、当たり前…じゃないっ///」

 

 

そして1分ほどそれを続けるとうーうーうなるハルヒから離れる。

 

「満足した、悪いないきなり。」

 

「あっ…。 ね、ねぇキョン。

もう…//終わり?//」

 

 

なっ…

可愛すぎんだろハルヒ…反則だぜ…

 

そうしてもう一度抱きしめようとした俺だったが、すぐにやめた。

俺に向けて手を広げて抱きしめられようとしていたハルヒもとっさに上に手を挙げ「よくねたわ〜」とか言っている。

 

 

「あらどうも、お邪魔でしたか?」

 

と入ってきたのは古泉だった。

 

 

「あ、ああそんなことないぞ、って何言ってやがんだ」

 

「お元気そうで何よりです…ふふ。

あ、これ貴方の鞄から出してきたお弁当です。

食べれますか?」

 

「ああ、ありがとう」

 

そう言って俺は弁当箱を開ける。

今日は妹が用意してくれた物だが、今黒い何かが見えた気がした。

俺は気にしないぞ。何も見てないからな。

 

「ところで涼宮さん、寝ていたということは二人で添い寝でもされていたのですか?」

 

「なっ!」

「こ、古泉くん!?」

 

「そんな訳ないでしょ! わわわ私は…そのーっ!

ゆ、床!そう!床で寝てたのよ!」

 

ハルヒよ、それでいいのか。

「昼間っから飯も食わず保健室の床で寝る女子」

だぞ、それでいいのか…。

 

「そうでしたか」フフ

 

ふふふと笑う古泉。

まるで見破られてるのかと思うレベルだ。

 

「あれ、なんでお前は来てくれたんだ?

まさか弁当箱を持ってくるためだけにわざわざ来てくれたのか?」

 

「はい、後はお見舞いも兼ねて…ですかね?

どうしたのですか?僕が来るのがそんなに珍しいですか笑」

 

涙が…。

こんなにいいやつに見えたことは無いぜ古泉…

 

 

「お怪我は無事ですか? 良ければ病院も紹介しますよ」

 

うおおお古泉いいいい

 

「なんていいやつだ」

 

「貴方は大切な男子部員ですからね、貴方の身に何かがあれば誰が僕とボードゲームをするのでしょうか」

 

「明日も明後日もやろうぜ古泉いい」

 

「ちょっと、何二人でいちゃついてんのよっ!

なに?キョン、そっち系の趣味あったの?」

 

断じて違うぞハルヒ。

俺にはお前だけだ。

ただ、お前にも感謝してるんだぜ。

飯も食わず看病なんて、分かりやすすぎんだよお前はよ。

 

…まあ原因作ったのもお前なんだがな…

 

 

それは良いとするか、可愛いハルヒに優しい古泉が見れたことだ。

 

 

 

帰り道俺は長門と朝比奈さん、古泉が前に行くのを見てハルヒの手を掴み少し後ろに下がりキスをしてみた。

 

「ーーっ/// キョ、キョン…///」

 

 

「好きだぜ、ハルヒ。」

 

 

「ーーーーばか」//

 

 

 

この「ばか」は多分世界で一番可愛い罵り言葉だったんだろうぜ。

そして目をぱちくりさせるハルヒも頼もしいハルヒも怒るハルヒも笑うハルヒも照れるハルヒも。

色とりどりな表情を振りまいてくれる。

 

夕焼けの空は今日も色とりどりな団長に良く似た陽射しを俺に当てていた。

 

 

 

 

 

 

 




まだまだ番外編は用意しています!


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「M」長門有希の惑溺 In元の世界

番外編2、元の世界の長門とキョンの恋愛です。

これもまた、以外と好きです。笑


「M」ー長門有希の惑溺ー In元の世界

 

 

 

 

 

パラレルワールドに飛ばされてから早5日が経過した。

あの後幽霊探しに付き合わされ俺の体はもうクタクタだった。

そりゃそーだろ、世界救うために走ってきたんだぜ?

 

…まあ、ハルヒに告白して長門に抱きついただけなんだけどな、情けねぇ…。

 

 

 

 

そして学校に行く。

早く来すぎたな。

俺しかいない…訂正しよう先客がどうやら居たようだ。

 

 

「…相変わらず早いな」

 

 

「あらキョン君。おはよう」

 

朝倉涼子。

元長門のバックアップだ。

だが今はその力を喪失しただクラス委員としての仕事のために早く来ているわけだ。

 

その昔こいつには殺されかけてるから二人きりは怖いんだが、どうやらプリントを運ぶようだ。

 

へっ。手伝って欲しそうな目をしても無駄だ、俺はそこまでお人好しじゃないぜ。

 

 

 

 

なんで今職員室にいるか…そんなの聞くなよ…

一人で持とうとして転んでプリントをぶちまけてあたふたする朝倉を無視できるほど悪にはなりきれん…。

 

もともと手伝うつもりだったのが本音だがな。

 

「ありがと、キョン君は相変わらず優しいんだね」

 

「まあ俺は幾らお前だからって別段冷たくできない人間なんだよ」

 

「そう思っておくわ。」クスクス

 

「ところでキョン君。あなたはどうしてわたしを受け入れられるの?

仮にも殺そうとしたわたしを、不思議よ」

 

 

「別に受け入れちゃあいないさ。

だが今のお前に力はないんだろ?」

 

「ええ、そうね。情報操作能力も身体能力もないわよ」

 

「だったら愛想無くする理由がねぇよ。

確かに殺されかけはしたがな。

それはもう過ぎたこと…だろ?」

 

 

「ー。 …ふふ。長門さんが制御不能のエラーに落ちた理由も分からなくもないわ。

でもわたしには有機生命体の感情なんて未だに理解し難いんだけどね〜♪」

 

 

…全く、朝倉は変わらないな。

そう言うと朝倉は用事があるとかで校長室に向かった。

俺も教室に戻ろう。

そう言えばせっかく早く来たのに。

教室にはカバンを置きに行っただけなんだが、やめればよかったか?

まあ、朝倉もお礼を言ってたわけだし、仕方ないとするか。これも運命だ。

 

 

っていってもこんな早くから来てないだろうな、登校時間までにはまだ30分もある、大抵の奴らは今起きる頃だろう。

 

 

そう思うと俺は既に文芸部の部室の前に立っていた。

 

俺が早く来た理由。

それなんか一つだぜ。

寡黙なアンドロイド。

そして俺たちの大切な仲間。

 

ーー長門有希に早く会いたかったからだ。

 

 

ガチャ

 

 

 

「! よぉ、長門。早いな」

 

「…」

 

「入っても…大丈夫だった…か?」

 

「…いい。」

 

 

そう言うと長門は俺から目をずらす。

いつもはそんな事はない。

大抵は誰が入ってきたか識別すると本に目線を戻すか俺が長門の目線からフレームアウトする。

 

だがこの五日間はこんな感じだ。

俺は「あの日」を意識しているからだ。

嘘隠ししないぜ、自分に正直に生きたいんでな。

 

長門は、あの時の俺の行動をどう思ったのだろうか。

朝倉は言ってた、「有機生命体の感情なんて未だに理解し難い」、と。

 

長門はどう思ってるのだろうか。

やはりなんとも思ってないのだろうか。

 

俺は確かに伝えた。

「好きな奴にする行為」と言って長門を抱きしめた。

 

だがそれは情報統合思念体のインターフェース•ヒューマノイドの長門には理解できてないのではないか?

 

一抹の不安は次の一言で取り消されることとなる。

俺はこの今悩んでたことを頭の中で巡らせていた時、つい長門の方を見つめて思い耽ってたみたいだ。

 

長門はいつもならそんなの気にせず本を読む。

 

だが、今回は違ったんだ。

 

 

 

「……困る」

 

その大きいとも言えないが普段よりは少し大きめの声量に強く驚いた俺は一瞬で考察の世界から引き戻る。

 

 

「えっ!?」

 

 

 

「……そんなに見られては…

 

対処に困る…。」//

 

 

 

 

あ…!!!

あ、あの長門が……

て、照れている…だ…と!!??

 

馬鹿な、「消失世界」の長門は照れて可愛かったがこの世界の長門に照れなんて…っ

 

まさか、まさか、長門も俺を意識…して??

 

 

「あ、ああ、わ、わりぃ…」

 

俺目線をずらす。

長門はうつむきながら本に目線戻し、顔を俺から隠す。

 

俺は思い切って聞く事にした。

さっき言っただろ?

正直に生きたい、と。

 

 

 

「なあ、長門」

 

「…何?」

 

「お前、俺のことどう思ってる?

異性としてな」

 

 

「…っ」

 

 

「…なんとも」//

 

がーん

だが、諦めんぞ。

その頬の紅潮は俺を勇気付けるっ!

 

 

「俺は、その…

 

あんとき言った通りだ。

 

長門、俺はお前が好きだ。

仲間としても異性としても、な。」

 

 

「…わたしは情報統合思念体のインターフェース•ヒューマノイド。

有機生命体とは分かり合えない部分が大半。

わたしのことは忘れて」

 

「わたしの役目は涼宮ハルヒの監視 報告。

男女間の恋愛感情に促される行為は許されてない」

 

そうきたか…!だがっ!

 

 

「それは仮に、お前の親玉が許可したら俺と付き合ってもいいってことだよな??」

 

 

「…あなたが望むのなら……。

従う…。」

 

 

「お前の意思を聞かせてくれ、例えばお前がインターフェースじゃないとして!

ただの文学好きの女の子で

同じ部のこれといって特に取り柄のない男に告白されて!!」

 

 

「…っ」

 

 

「そしたら、お前は、なんて答えるんだ、長門!」

 

 

長くも短くもない沈黙の後長門はこう答えたんだ。

 

 

 

 

 

「…好き」

 

 

 

 

 

「…これはわたしの感…情?

教えて。」///

 

 

…長門…!

 

「ああ、そうだぜ。絶対に、言い切ってみせる!

許可なんていらねぇ!

なあ長門、本たくさん読んでたら知ってるよな。

 

目を閉じる意味を、俺が立つ意味も。」

 

 

「…こくっ」

 

 

頷く長門の肩を掴む。

長門の顔は真っ赤だった。

 

 

そして俺は小さな長門を包み込むようにキスをした。

 

これまた長くもなく短くもないキスの後本を閉じ、置いた長門は俺にこう尋ねた。

 

 

 

「…これは、なんの行為?///」

 

 

 

「好きな奴に…。

誰にも渡したくない…やつにする行為…」

 

 

 

「…そう」//

 

 

 

俺が長門の親玉に認められて交際ができる日は、果たして来るんだろうか。

 

もし来るならその時までに少しは力をつけねーとな。

「娘さんをください」をやるには、親父の「一発」というのがセットなんだろ?

 

SOS団の部室は、何故か知らないが大きな大きな温もりに包まれていたこと、長門じゃなくても観測出来ることだろう。

 

 

 

 




さて、これにて「全滅」はすべて終わりとなります!

あとは番外編「朝倉涼子の片想」「佐々木&キョンの苦悩」
「朝比奈みくるの寛容」があるので出来たらまたここに載せます。


そして、次の新作は「涼宮ハルヒの全滅」の次の話です。

タイトルは『涼宮ハルヒの壮絶』になると思います!
未来人たちとの戦いです。
また頑張るのでよろしくお願いします!


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