『僕たちはチョコレートがもらえない。』 (颷狐<ヒョウコ>)
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毎年毎年貰えるは罵声だけ

どうも初めまして、ヒョウコと申します。
えっと....初めての投稿です!
語彙力無いし文章拙くて読みにくいと思います。それでもがんばって面白くしようとしてますので、どうかよろしくお願いします!

こんな文でも、楽しく読んでもらえることを望みます!
アドバイスももらえたらとっても嬉しいです!できるだけアドバイスを生かせるようにしますので、是非是非コメント、アドバイスしてください!

では、これからよろしくお願いします!


「ふっ、今年もこの時期が来てしまったか…」

「そうか、もうそんな時期か、時が過ぎるのも早いものだな」

「だが、今年の我らは一味違う…!では、策戦決行だ‼俺のカウントに合わせろ?失敗は許されんぞ」

「おい…マジでやんのかよ…やめねぇか…?」

「もちろんやるに決まっているだろ。ここにきて怖じ気づいたか?さっきまでの威勢はどこへ行った?」 

 

彼はそう言うと、カウントダウンを開始した。

 

「3…」

 

ドクンッ

 

「2…」

 

鼓動が速くなる。

 

「1…‼」

 

そして僕は覚悟を決めた。

 

 

 

「「「チョコを下さい!お願いします‼」」」

 

 

 

ああ、終わった。サヨナラ、僕の輝かしい青春生活(ライフ)…。

 

 

 

朝八時十五分、この学校で登校してくる人が一番多い時間帯。1年生の教室の前の廊下に威勢の良い、そして悲しい声が響き渡った。

 声の主は、今、公衆の面前で土下座(若干一名は五体投地だが)をしている三人の男子だ。

 周りでは「あいつら可哀想すぎww」「お前チョコあげれば~?ww」「嫌だよ恥ずかしいww」など、色々な(主にばかにした)声が上がっている。そんな中チョコを渡す女子が....

 まあ、いるわけもないのは言わなくてもわかるだろう。

 

***

 

   キーンコーンカーンコーン

 SHR終了の鐘が鳴り響く。校内には「気をつけて帰りましょう。そして、また明日も元気に登校しましょう。」などと中学生かよっ!と、ついツッコミをいれたくなるような放送がかかっている。

 生徒達は皆、部活の準備や帰りの支度などを始めていた。

 そんな中、部活に出るでも帰るでもなく、ましてや生徒会活動に勤しんでいるわけでもない、基本的に何もしていない男子3人が学校の隅にある教室にいた。もちろん、朝の騒動を起こした奴らだ。

 

***

 

「おい、お前らチョコもらえたか....?」

 

 僕は恐る恐る聞いてみる。僕がもらえてないのは言うまでもないだろう。

 

「はっ、なはずww」

 

 まぁ、この反応は思っていた通りだ。こいつがチョコをもらえているはずがない。

 

「俺はもらえたぜ?」

「だろうな、僕らがもらえるはずが....え?今なんて?まさかとは思うが....もらえたって言ったか?」

 

 そう言いった僕とそれを聞いた笑哉(ショウヤ)が驚愕のあまり机を両手で叩きながら立ち上がったのはほぼ同時だった。

 そして「へへっ」と言いながらチョコを見せびらかす春人。なにが「へへっ」だ、気色悪い。

 が、その後小さな声で「親からだけどな」と半分泣きそうな声で呟いたのを聞き、僕らは何も言わずに肩に手を置いた。

 

「むっ、無言で手を置くなー!!余計に悲しくなるじゃねえか!!」

 

 口調は荒いが怒っているわけではないのはすぐわかる。と言うか本当に涙が浮かんでいるようにすら見える。

 

「いや、今のはお前が悪いだろ」

「本当それww」

 

 僕ら二人は笑いながらそう言った。

 

「んで、朝のあれはなんだったのかな?最高の案があるって言ってたから付き合ったんだが?しっかりと教えてもらおうか、春人君?」

 

僕はネットで言う「ニコッ❤」みたいな感じで殺意のこもった笑みを見せる。

 そして、春人と呼ばれた男(本名は足立春人{アダチハルト}。ここではリーダー的存在である。なぜ部長と言わなかったのかと言うと、ここは部活ではないからだが、今は関係ないので置いておこう)は、ひきつった声で答えた。

 

「い、いやぁ、あはははは、ああすれば俺らを哀れんでくれる人の一人や二人がチョコをくれるかt....」

 

 春人が言い終わる前に僕は

 

「ああ言った後でなんだが....言い訳は聞かねぇ。そして、最期の言葉も聞かん!!」

 

キメ顔(少なくとも僕はそうだと思ってる。というかそうであってほしい)でそう言うと、「うぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁ!」的な感じで雄叫びを上げながら春人に技をかけた。

 

「確か、卍固め(オクトパスホールド)だったか?」

 

 小声でそう呟き、見様見真似でかけたこの技が効いているのか気になり、なんとなしに力を強めてみた。

 

「あぁぁぁぁぁ!ギブ!ギブギブギブギブ!」

 

 力を入れたのが功を奏したのか、かけらている方は本気で叫んだ。

 そして、相当痛いのかお得意の演技なのかは分らないが、抜け出そうと必死に足掻こうとしている。(足掻けているとは一言も 言ってない。)

 それを見ている笑哉は笑いながら写真を撮り、その後動画までも撮りはじめた。それにしても笑いすぎだ。笑いすぎて泣いているようにさえ見える。

 と、そんなことをしていると突然

 

ガラッ

 

何かが開いた音がした。(とは言え、学校の三階にあるこの教室に外から開けられるモノなど一つ、つまりは出入り口となる引き戸しかないのだが。)

 (必然的に)僕ら三人の男どもは扉の方を見た。

 

「「「は....?」」」

 

 そして唖然とした。そこには女が立っていたからだ。それも、俗にいう絶世の美少女ってやつだ。(僕の目がおかしくなければだが。)

 なぜ唖然としたかって?学校の教室なんだから女子が来るのなんて普通だって?違う。何故ならここは学校の隅にある、普段は使われていない教室。そのうえ、ヴァレンタインチョコを土下座してでも(僕の場合は不本意だが)もらおうとして、悲しいことにそれでも貰えないような男の集まりなのだから。

 そんなことを言ったうえでこちらから質問させてもらおう。もしあなたがこの立場だったらここに来たいと思うか?普通の人ならそうは思わないだろう。少なくとも僕が女だったら絶対に思わないだろう。つまりはそういうことだ。(あれ、僕は誰に話しかけているんだ?)

 だから僕らはまず、見学に来た中学生が迷子になって教室を間違えたことを疑った。が、残念(?)な事に彼女も僕らと同じ学校の一年生(同学年)である。それは制服とリボンの色が物語っていた。流石に二月になってもまだ学校の全体像が覚えられない奴はいないだろう。(この間実に0コンマ1秒!)

 そして彼女は

 

「ここに朝の騒動を起こした三人がいると聞いて来まし..た..?あ、お取り込み中でしたか。また出直して来ます」

 

 と、言って扉を勢いよくピシャッと閉めた。

 

「....は?」

 

 何を言っているんだ、訳が分からない。そもそもお取り込み中なはずがない、ここには友達も彼女もいないただの暇人しかいないのだから(友達がいないってのは流石に言い過ぎたわ)。まぁつまり、やることがないから僕らはここにいるわけであって....

 

「あっ」

 

 ここまで来てやっと思い出した。僕が今、春人に技をかけていることを。そしてそれを何かのプレイだと勘違いしたのだろう。

 ってかあの女、なかなかの妄想力だな。それに気が付いた僕も僕だが。

 

「まっ、待ってください!僕たち、そういうのではなくて!」

 

 僕はそう言い、彼女を追いかけようとした瞬間、盛大にずっこけた。春人に技をかけていることをまたしても忘れていたのだ。それを見た笑哉は笑い転げた。

 そして僕はそれを睨みつけた。その意図を察したと思われる笑哉は

 

「へ~い」

 

 と気だるげな声を出して外へ出た。

 いやー、あれだけで分かってくれるから本当にやりやすい。偶に、いや、ほぼいつもウザいが。まぁ、嫌いじゃないけどね。

 などと思っていると

 

「たっだいまぁ~」

 

 帰ってきた。さっきの女もちゃんと連れてきている。どうやったのかわからんが仕事も早い。まったく、いい奴だ。ウザいが。

 

 

***

 

 

「で、君は誰?何の用だい?」

 

 う、上から目線うぜー!!客人にこんな態度..もし僕が客だったら絶対殴り飛ばしてるわ......!

 

「えっ、ええ!?同じクラスなのに覚えててもらえてないんですか!?ちょっとショックです....」

 

 と、俯きながら悲しそうに言う。

 因みに、同じクラスらしいが僕も笑哉も彼女のことを知らない。

 さっき来た時は大きな声でハキハキと喋っていたから、元気っ子だと勝手に思っていたが、こう見ると意外と大人しめの娘なのかもしれない。

 

 「まあいいです!私はあなた方と同じ二年B組、豊島憂美(トシマユミ)、ユミって呼ばれてます!足立春人さん世田(セタ)笑哉さん、そして渋谷梓紗(シブヤアズサ)さん!私はちゃんと覚えているんですからね!」

 

 あれ、結構元気っ子?ってかよく僕らみたいな目立たない奴らのこと覚えてたもんだな。

 僕がそう感心したのも束の間

 

「それと、ここに来た理由の前に一つ聞いていいですか?えっと、

 

 

  あなたたちはどっちから告白して、今はどこまでいったんですか!?」

 

 

 「あ、二つになっちゃいましたね、えへへ」などと言いながら真面目な顔でそう問うてきた。どこにえへへ要素があったのかわからない。と言うか前言撤回、どこが大人しめだ、まったく逆、そのうえ腐女子じゃねぇか!あ、そう言えば入って来たと時もそんな事言ってたな、忘れてた....。

 笑哉も笑哉だ、なぜそこを訂正してから連れてこなかった。そしてどうしてここに連れてこれたんだ。謎は深まるばかりだ....。

 

「えっと....僕たちそういうアレな関係じゃありませんからね?つーかこんな真昼間からそんな事する男子高校生がいると思ってて?アホの子なのかな?」

「おっと?三人って何?ってことはボクも含まれてる感じ~?」

 

 いや、当たり前だろ!そうツッコミたいがまぁ、めんどくさくなりそうだから無視という方向で。

 そうそう、僕と笑哉の一人称はイントネーションが違う。僕は下がるが笑哉のは上がる。ってこれ誰に言ってんだ?まいいか。

 

「あ、アホ!?私はアホじゃありません!頭は結構良い方なんですから!前なんて十八位ですよ!少なくともあなた達よりは良いでしょ!」

 

彼女はドヤ顔でそう言った。(頭「は」のところはつっこんだほうがいいのか?)

 確かに良い。およそ400人いるこの学年の中で十八位になれる、それは本当に凄いことだ。だが、

 

「なに、僕たちの順位聞いちゃうんですか?」

「も、勿論ですよ!あんなバカにされたらそう簡単に、はいそうですか、なんて言える訳ないじゃない!どうせあんまり良くないんでしょう!?早く言ってみなさいよ!」

 

 あれ、そんなにバカにしたっけ?寧ろ僕らの方がバカにされてね?まあいいや。

 笑哉は隣で笑うのを必死に堪えている。彼女の前では春人が「やっちゃた」とばかりに深い溜息をついた。彼女はその意味が分かっていないようでキョトンとしている。

 まあそれもそのはず、何故なら彼女と僕らは「一度たりとも」関わった事がない(はず)だからだ。加えて、残念なことに僕らは目立たない。つまり彼女は僕らの事を「名前以外何も知らない」のだ。

 

「はぁ....僕たち全員三位だよ。だから君は僕たちよりバカなんだよ」

 

 半分呆れた声でそう言った。(あ、なんでそんなに頭が良いのか、それは聞かないでくれ。悲しくなるから)

と、その時

 

 

「__じゃ...._い。___ろ」

 

 

「え?」

 

 彼女は俯きながら何かを呟いた。声が小さくてあまりよく聞き取れなかったが。

 

 

「私はバカなんかじゃない!訂正しろ!!」

 

 

 彼女はそう叫んだ。

 

「確かにあなたたちより順位が低かった。あなたたちより頭が悪い。それは認めます....。けどっ!それでも私はバカじゃない!私を、バカ呼ばわりするなぁ!」

 

 最初は弱弱しい声だったが、最後には絶叫に変わっていた。

 そしてその後もそれは続く。

 

「どんなに頑張っても報われない、その気持ちがお前らにわかるか!?わかってたまるか!こんな孤独、あじわったことあんのかよ!」

 

 その後も何か言いたそうにしていた。だが、それが口に出される前に彼女は我を取り戻したようだった。

 

「あ......ごめんなさい、ついカッとなってしまいました....今のは気にしないでください。忘れて下さい」

「い、いや、こちらこそすまなかった。そんなに怒ることだとは思ってなかったよ」

 

 僕はそう言うと深々と頭を下げた。

 

 

 予想外の出来事に僕らは皆、少しの間呆然としている事しか出来なかった。

 




最後までお読みいただき誠にありがとうございます!

どうでしょう....楽しんでいただけたでしょうか....?
もし楽しんでいただけたのなら幸いです!

あまり面白くなかったけどとりあえず読んだ。という方ももしかしたらいるかと思います。
それでも次も一応読もうかな。と少しでも思っていただけたなら嬉しいです。

さて、次回予告でもしてみようかな?
次回は少し短めです!理由はちょっと言えないです(汗
....あれ?次回予告できるほどの内容なんてない....?
うわあ!なにそれ!
とりあえず次も読んでみてください!えっと...次は読んでからのお楽しみ❤的な(笑)

では、また次のお話で会えることを願っています!ノシ


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豊島憂美が仲間になりたそうな目でこちらを(ry

お久しぶりです!今回はあんまり長くないくせに時間がかかってしまい、誠に申し訳ありませんm(_ _)m

とりあえず、今回も?今回は?楽しんでいただけると嬉しいです!



「先ほどは誠に申し訳ありませんでした!」

 

 と、彼女は頭を下げた。

 

「いいよいいよ、頭上げてよ。別に気にしてないし!それに、君の嫌なこと言ったのは梓なんだし」

「ゔ....」

 

 何も言い返せない。

 

「だからほら、何も気にしないでいいんだぜ?」

 

 春人が最もなことを言っているのは分る。自分が悪いのも分かってる。だが、

なんかものっそいうぜぇ!

 叫んでやりたい衝動をどうにかこらえる。春人のあの言い方がどうも気に食わない。

 

「じゃあこの話は終わり!もう掘り返さない!同級生らしいし敬語も禁止!で、要件はなんだっけ?」

「すっかり忘れてた!ってあれ?言ってなかったっけ?」

 

 切り替えはっやいなー。

 

「う、うん、確か言われてない」

 

 さすがの春人もこの時ばかりは彼女の切り替えの早さに驚いたようだ。

つーか忘れてたのかよ!ツッコミを入れたくなるが、ここで入れたら負けな気がするから我慢する。

 

「私がここに来たのは、この部に入れてもらいたいからです!」

「「「......は?」」」

 

***

 

「「「......は?」」」

 

 沈黙が流れる。僕たち三人は、今彼女が言った言葉の意味が一瞬、わからなかった。

 

「す、すまない、もう一回言ってもらっていいか....?」

「はい?いいですけど....」

 

 春人の問いに対して彼女は首を傾けながらそう言い、その後もう一度さっきと同じことを言った。

 

「この部に入りたくてここに来た。って言ったんです。」

 

 やはり聞き間違いじゃないようだ。

そして再び流れる沈黙。それを破ったのはまた、立ち上がった春人だった。

 

「お出口は後ろ側です。手荷物、お忘れ物ございませんようお気を付け下さい。」

 

 そう言うと、春人は何もなかったかのように席に戻った。

 お前はなんだ!どっかのウエイトレスか!それともJRの駅員さんか!?だがしかし!お前の判断は間違ってない!寧ろ正解だ!GJはるぅと!(伸ばした方が読みやすいからそうさせてもらう!!)

 だが彼女は

 

「待って!?なんでそうなるんですか!私は本気ですよ!」

 

 と、訴えかけるように言ってきた。どうやら、入りたい気持ちは本物のようだ。しかし、こんな集まり、どうして入りたいのか、はっきり言って僕には到底理解できない。

そこに、今まで笑っていた笑哉が割って入って来た。

 

「いやぁ、だって、ね?ここってあれだよ?彼女いない歴=年齢。友達はいるけど喋「れ」ない。女の友達はいない。女の人と喋った記憶は、三年前に担任から「あなた友達いる?」って哀れみの目で見られながらきかれて「はっ、はいっ、一応、います」って涙半分に答えた思い出が一番、記憶に新しい。二次オタ。その他もろもろ、社会からあぶれた「あかん系男子」そんな奴らの集まりだぜ?ついでに、ここは部活じゃないからね」

 

憂美を含む三人は、途中から笑哉を同情の目で見る事しか出来なくなっていた。つーかまだ社会からはあぶれてないからね!?あと、あかん系男子ってなんやねん!

 

(因みに、僕の場合は親族を除けば、中三の冬休みが終わった一週間後ぐらいの日曜日、受験勉強の息抜きにと一人カラオケ、通称ヒトカラに行った時、偶々クラスメイトに会ってしまい「あっ....」と言われた後「じゃ、じゃあね、シブタニ....君?」とひきつった顔で言われ、訂正せずに「お、おう。じゃあな」と返したのが最後だったと思われる。

 この事は誰にも言ってない。未来永劫、誰にも言うことはないだろう。例え嫁ができたとしても。いや、まあできないだろうが。ってことで、この辛い過去は墓場まで持って逝く!!)

 

 それでもなお彼女は食い下がらずに

 

「なんだっていいんです!入らせてください!ん?部活じゃないのに入らせてくださいでいいのかな?あ、大丈夫か!」

 

 と言ってくる。

 

 

 その後いろいろとあり、やむなく彼女を僕らの集まりの一員として入れることになった。       

 何があったかはここでは割愛させてもらう(とは言っても、きっとそれが語られることはないだろう)

 

 四人の口論(?)が終わり、気づくと辺りにはすっかり夜の帳(トバリ)が下りていた。

 家や街灯の明かりはあるが校庭はライトがないためほぼ何も見えない。教室の時計を見ると、短針はすでに真下より少し(僕らからして)左を指していた。

 こうして僕ら四人は今日のところはとりあえず御開きにして解散していった。

 ついでに、僕ら男子四人は当然のことながら、一つのチョコレートももらえなかった。

 

 あの会話が二時間近く続けられていたことを、そして最後にはバカみたいな内容になっていた事に僕は帰ってから気が付いた。

 

「まあ、なんだかんだ久しぶりに面白かった....かもな」

 

 僕はそう呟いた。

 

(そう言えば、何で憂美があそこまで怒ったのかわかんなかったな....でもまぁ、あんまり触れない方がいいのかもしれないし、何も言わず気にしないでおこう。よし、忘れよう。全て忘れるのが僕らにとっても憂美にとってもきっと一番だ。)

 

 僕の中で渦巻いている何かにそう決着を付け、今日あったことは、朝の騒動も含め全部忘れることにした。

 

 

 あー、明日からは今まで以上にめんどくさい毎日になるんだろうな。はぁ嫌だ....。鬱になる....。

 

「ラブコメ展開になる確率、0%....。はは、笑えねえ」

 

 僕は小さなかすれた声でそう言うと、自嘲気味に笑った。

 

***

 

 その夜、僕は二通のメールが届いた。

 一通目は春人から。「来年こそはチョコもらおうな!それと、明日から大変そうだなww」というものだった。

 二通目は知らないメアドで、スパムだと思い消そうとしたがメアドの会社名がs○○○○○○kだったため、もしかして学校の誰かか?と思い開いてしまった。

 

 内容は簡単にいうとクソだった。

 詳しく言うと「明日から君の家にお世話になりまーす♪よろしくネ❤ps.今日は楽しかったよ、また楽しませてネ❤」といういかにもアホが書きそうなものだった。

 

「あ、スパムだわ」

 

 そう言って僕は、そのメールをソッコー削除した。

 ってか、俺にメールしてくる奴なんてあの二人と身内ぐらいしかいねぇじゃねえか!今更気づくなよ!

 そうして僕は、そんな自分に失望しながらベッドに潜り込み目を閉じた。

 

 

 そーいや今日、ウチにも頭のいいアホが来たっけな。ま、あいつが俺のメアド知ってるわきゃぁ(訳は)ないけどな。

 

 




どうだったでしょうか?もし楽しんでいただけたなら嬉しい限りです!(毎回言ってる気が....笑)
誤字ってたりしたら言ってもらえたら嬉しいです!ってな訳でよろしくお願いしますです!(笑)それと、「面白かった!」や、「次回も楽しみにしてる」など、プラスなコメントをくれるとそれもまた嬉しいです!

今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

では、次回もまたお会いできることを楽しみにしています!


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僕はいらないモノしか貰えない。

お久しぶりDEATH!!
って、これじゃあ久々の再開でいきなり死んでる!?

まぁ、茶番は置いといて、今回の話をちゃっちゃと簡単に説明しちゃいまSHOW!
今回はいつもに増して文が拙(つたな)いし、セリフとそれ以外のバランスが悲しいぐらいに合ってないから読みにくいかもしれません...。
それでも、できるだけバランスがよくなるよう頑張ったんです...!
(誰も内容の説明とは言ってないんだよなぁ。はい、調子乗りました。すみませんorz)

少しでも面白いと思ってもらえたら嬉しいです!(常套句化してるw)
それと、毎回ながら投稿ペースが遅くて申し訳ありません!この話を待っていてくれている方がいたのなら本当にすみません!(まぁ、いませんよね...はは...⦅自嘲⦆)

では!let us go!!


 「おっはよぉ~!起きろ!遅刻すんぞぉ~?」そんな誰かの声によって僕は夢の世界から現実へと意識を戻された。

 そうして僕のつまらない、普通の男子高校生としての一日が今日もまた始まる。

....はずだった。

 

***

 

 半ば未覚醒の状態で時計を見た。遅刻はしない程度の時間だ。だが、起こしてもらえなければ確実に遅刻していたであろう。さっき二度寝のためにアラームを止めたからだ。

 そして、まだ寝ていたいと反発する身体を無理やり起こした時――

僕は目を見張った。――

 そこには、ここにいるはずのない人間、豊島悠美がいたのだった。

 

 

 眠いという感覚はすでに無くなっていた。今あるのはただ、「なんでお前がここにいるんだ」という不信感と、少しの恐怖だけだった。

 僕が只々呆然としていると、彼女は僕が何か言いたそうにしている事に気付いたかのように言ってきた。

 

「ほ~う?その様子から察するに、何故私がここにいるのか気になっているようですね~?ちがいますかぁ?」

 

 確かにそうだ。八割がた合っている。だが、一つ間違っていることがある。それは――

 

 

「何故ここにいるかではない、『なんっで俺の家にいるのか』だよっ‼」

 

 

 ――朝から叫んでしまった。カルシウムが足りないのだろうか。よし、今日の朝食は子持ちししゃもと納豆、それに白米にしよう。

 

「あってるじゃないですかぁ~」

 

 「ムゥ~」と言いながら頬を膨らませている。くそぅ!悔しいが可愛いと思ってしまったではないか!これがこいつではなく、二歳ぐらい下の後輩だったら....。

 

「いや、違うから。『ここにいる』だったら僕の部屋にいる事がダメであって家にいる事自体は認めている事になるだろ。だが僕はそんなことを認めた覚えはないっ!よってお前は間違っている!そんな事もわからないのか、所詮は十八位だな!とりあえずまずは国語を学べぇい!」

 

 あれ?僕ってこんなキャラだったっけか?なんかこのまま男女男男女男女ってなりそうなノリだなあ....そんなことを思い一人苦笑した。

 

「じゅ、十八位って言うなぁ!ってか、十八位って十分いい順位だよね!?それと、あんた今すっごい失礼かつ気持ち悪いこと考えたでしょ!」

 

 ああ、確かに悪いわけではない。

 いやー、ね?なんでわざわざ十八位って呼ぶかっていうとね、昨日あんなドヤ顔で言ってきたのがちょ~っとイラついたからだよ?決して悪意とかはない....よ?別に、三位だからって調子乗ってるわけじゃないからね!?

 そう言えば、何で僕たちって頭いいのに社会からあぶれるんだろうな....せめて少しくらいモテてもいいよな....。え?頭がいいのとモテるのは全く別の問題だって?ああ、確かにそうだわ....。

 と、まあ、わかっていただけただろうか。ってかわかってください。ん?誰に説明してんだ?僕。

 

「なに泣いてんの?キモ....」

「えっ!?僕今泣いてた?ってか酷くね....?」

 

 気付かないうちに自らの言葉で泣いていたようだ。

 

「だってほんとにキモいんだもん」

「うぐぅ....」

 

 くっ、変な声が出てしまった。

 

「ま、まぁ、そんなどうでもいい話はおいといて、何でうちにいるんだ....?」

 

 「はぁ....」溜息しか出ない。朝からハイテンション過ぎて頭が痛くなってきた。吐き気もする。心なしか熱も出てきたような........。

 

「いつも以上にグロテスクな顔してるけど大丈夫?」

 

 そう言って顔を近づけてくる。そんな憂美の突然の行動に僕は驚き、後ろにのけ反った。そして

 

 ドンッ

 

 そんな鈍い音が鳴ったと同時に頭に鈍痛が迸(ほとばし)る。

 

「っつう....」

 

 痛みに顔をゆがめながら頭を抱える。

つまりまあ、後ろにあった(今まで寄りかかっていたわけだが)壁に勢いよく頭をぶつけたわけだ。

 

「いきなりなにすんだよ....、驚いて壁に勢いよく突っ込んじまったじゃねぇか....。くっそいてぇ」

「えぇ!?え、えっと、ごめん?」

 

 なぜか疑問形で謝ってくる。いや、まあ当たり前か。ただ心配してくれてやった事だもんな、あいつに悪意はないんだ、これで怒るのも非合理ってもんか。

 

「あ、いや、すまん、今のは僕が悪かっt....いやまて、グロテスクな顔ってなんだよ、心配してるっつーよりか、けなしてんだろ。それを言うならグロッキーじゃねえか?つーかこれ、そもそも全部お前のせいじゃね?」

「え?そうなの?違う意味なの?」

「いや、知らんけど。ってか一番大切なところサラッと無視すんなや」

 

 しかし憂美は「何のことやら」と首をかしげる。いちいち仕草が憎いぐらいに可愛いなおい!

 

「あーもう!どうでもいいから、何でお前はこの家にいんだよ....!」

 

 本日二度目の同じ質問。

 ぶつけた痛みはやっと和らいできた。

 

「え?言ってなかったっけ!?私今日からここに住むことにしたから!」

 

 ほう、そんな理由か。そんな理由で僕は朝の貴重な時間を二日連続で邪魔されたのか....。あ?今なんて言った?僕の家に住むだぁ?住む?住む....住む....すむ....スム....sumu......。

 

 

 

―思考停止―

 

 

 

 サラッと言われた言葉に、僕の脳はついていけなかった。「ブッシュゥゥゥウ」と音を上げて僕の頭から煙が噴き出した。ような気がした。もちろん実際には出ていない。残念ながら人間にはそんな機能はついていない。

 

 

 

***

 

 

 

 そうしてどれだけの時間が経っただろうか。五分、十分、いや、もしかしたらそれ以上かもしれない。

 僕は少しの間の放心状態からやっと解放された。朦朧(もうろう)とする意識の中時計を見た。だが、その時計が意味していたのは―――

 

「五秒....だと....?」

 

 愕然とした。

 そう。実際には体感速度の三十分の一以下しか経っていなかったのだ。

いや、そんな事はどうだって。今一番大事なのは僕が放心した理由である、あの言葉だ。それについて問いたださなくてはいけない。

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?」

 

 だがしかし、そんな考えとは裏腹に、次に僕の口から出たものは(と、言うよりただの音に近い)は、驚嘆の声だけだった。

 もう、何が何だかわからないよ....。突然僕のうちに住むって、おかしいだろ、おかしいどころじゃないよもう......。そうだ、これは悪夢だ。きっと僕はまだ夢の世界にいるんだ....!そう考えたら気が楽になって来たぞぉ?ビバ夢!夢は最高!夢こそ正義だ!僕の夢に幸あれ!

 

 ――—なんてお花畑思考できっかあほがッ!もう嫌だ....。

 

 

「これが夢ならどれだけ嬉しい事か....。」

 

 僕は苦虫を噛み潰したような顔でそう呟いた。

 

「え?何?なんか言った?」

「言ってません」

「そう?ならいいけど。んんー....空耳だったのかしら?」

 

 その小さな呟きは幸いと言うべきか、憂美にはしっかりと聞こえていなかったようだ。

 もしも夢なら、これ以上に幸せな夢は一生ないだろうな........。現実だとわかっていると、そう考えっちまう生き物なんだよなぁ、人間ってモンはよぉ。

僕は今日、悟りを開いた。今なら空でも飛べそうだ....。勿論これも冗談だぞ?

 

 

***

 

 

 その日僕は頭痛と吐き気で学校を休んだ。

 飯はししゃもがなかったので、食欲もないという事もあり白米と納豆と味噌汁だけの「THE日本人!」なテイストの、質素なものにした。 

 因みに、憂美もその飯を「少ないし悲しい」などと愚痴をこぼしながらも綺麗に全部食べて出ていった。

 愚痴をこぼすなら食うな。別にお前のために作ったわけじゃないんだから!偶々多くなっちゃっただけなんだからね!勘違いしないでよネッ!そして顔をそむける。

 

 ―――などという事もなく、本当にあいつに食わせるために作ったわけではない。断じて違う。ツンデレは好きだがツンデレにはならないぞ?

 

「はぁ。もう体力がもたない。とりあえず寝よう」

 

 キャリーバッグ置いてったところ見ると、学校が終わったら帰ってくるのであろう....。まったく、先が思いやられるよ。

 

 

 こうして僕の輝かしい青春生活は静かに幕を閉じたのであった。いや、まだわからないか。んじゃ、終りを告げるであろう。

 

 

 そして僕はベッドに潜り込み、本日二度目の涙を流したのであった。その涙がラノベ展開のよる歓喜からなのか、それとも不安と憎悪から流れたものなのか。決して前者ではないと思う。そうでなくてはならないのだ。

 




...はいっ!どうでしたでしょうか!?

面白くないって思った奴→ちょっと表出ろ?(満点の笑み)
っていうのは冗談です、はい(笑)

面白くても面白くなくても!「どんなどころにそんな事を思ったか」や、「書き方はこうした方がいい!」など、そんなコメントをいただけると、少しずつでも面白くなっていくかもしれません!(もともとの頭の造りが残念だからあんまり変わらないかもだけどw)
とりあえず、この作品に関しての感想や注意点って言うんですか?改善点?そんな感じのをもらえると嬉しいです!(全てがくそって言われたら終わりなんだけどね...苦笑)

それと!重大発表!なんとなく違う話とも併用?w並行して作っていこうと思ってます!そっちも是非読んでみてください!(まだ載せてないけど、近いうちに投稿しますヨ!)

ってな訳で、今後ともよろしくお願いします!では!また近いうちに会いましょう!ってか(話の中で)会ってください!あとは...、投稿ペース上げようと思ってます。頑張りMASH!ノシ


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今日から僕は自分の時間がもらえない。I

お久しぶりでーす!(ねぎらい?とかじゃなく、まじめにお久しぶりです!)
いやー、言い訳するつもりはないんだけど、なんかテスト期間とか慣れない事が色々と重なって全然書けなかったんです!(バリバリ言い訳してるとか言わないで~w)
あー、それと、先に言っておきますが、前回言っていた(暇だから)新しく書く物語なんですが、『まったく書いておりません!!』と言うのも、ケータイでは結構いろんな話書いてるんですが、PCに書き写してないんですよね...。まじでごめんなさい...。ま、誰も見てないだろうし、いいですよね!
あ、でも、そろそろ長期休みだから、今度こそはもっと高ペースで出せると思います!

では、言いたい事はまだまだありますが今回の内容です!
突然現れたアホ(美優)、と主人公が織りなす冒険ファンタジー!(大嘘)
笑いあり、涙なし、DVあり!(ドメスティックじゃないけど)さあ!どんなお話なのか(いつもの事だが、ほぼなんも教えてないw)


「たっだいまぁ~!」

 

勢いよく開け放たれた玄関の扉の音が、寝ていた僕を無理やり起こした。

ついでに、無駄にでかい声でイラつく。猛烈に。わかるだろ?無理やり起こされて、そのうえギャーギャー喚かれるこの憎悪。俺の怒りが有頂天になるのは当たり前だろ?

え?ネタが古いって?うっせえ黙ってろ!

 ってことで、

 

ダッ

 

「うるっせぇよ!とっとと黙って出ていけぇぇぇぇぇぇぇえ!!このっ、おんぼろ雑巾風情がぁ!」

 

ダッ

 

「僕はてめぇがうちに『いる事』すら、認めてねぇんだよぉぉぉぉぉぉ!!」

 ッダンッ

 

「でゅらあ!」叫び声を上げ、階段の上からジャンプして、そうして腰にドロップキックをかました。

我ながら惚れ惚れするほど綺麗に決まったゼ(ドヤ顔)

 

「ぐへっ」

 

 女としては残念すぎる声(と言うか奇声に近いなw)を上げて横にブッ飛んだ。

 「はぁ、はぁ、オエッ」かました方もかました方で、ドヤ顔の後に息を切らしながらえづく。叫んで暴れたせいか、また気持ち悪くなってきた....。

 

「そんな事言わないでよ!ま、何と言われようとここに住むけどね!」

 

 何もなかったかのように、壁にめり込んだ体を起こした。不死身なのかこいつは。....めり込んだ!?

 そして僕はまた二階に上がっていく。

 

「ちょ!私を置いて上行くなよ!リビングでくつろぐぞ!?それより、痛いじゃないか!なんて事をするんだ、君は!」

 

「好きにしろ」とだけ言って部屋の扉を閉めた。

 

ってか、こいつマジで何なの?僕を殺したいの?胃に穴あきそうだよ?あっ、蹴りの方は完璧何もなかった方向でっ。

 

「ツーか何で?お前、親は?住んでる家は?僕の事情以前の問題だろ?」

 

 そう、自分以前にこいつの問題だ。

 

「いや、そんなのいいから。今私の親二人とも日本いないし」

 

 その言葉には棘がった。でも、それでも、その声の奥には少し、寂しさのようなモノがあったように思えた。

 

「ってことで」

 

 ....え?

 

「よろしく!問題ナッシングなのよさ!梓だって一人暮らしでしょ?寂しいよね?友達だっていないし?」

 

 さっきのは勘違いだったのか....?まぁ、それならいいんだが....。んん?今ものすごく失礼なことを言われた気が!?

 

「っおい!とっ、友達はいるからなっ!?」

「いないって聞いたんだけど......?」

 

 なっ!やめろ!そんな、ゴミを見る様な目で見るのはやめてくれ!いや、実際見えないから何とも言えないのだけれど!わかるよ!?それでもなんとなくだけどわかるからね!?

 

「い、いないのは女友達だけであって....、友達がいない訳じゃないから....。それより、誰からそんなこと聞いたし」

「へー、そーなんだー。どーでもいいけど」

 

 なんだよその態度、まるで僕が悪いみたいじゃないか....。

 

「おい、僕はお前の間違いを正してやっただけなのに、それは酷くないか....?それと、僕の質問は無視なのね」

「そー言えば、春人君と笑哉君、心配してたよ」

 

 またもやシカト!?

 

「いや、それこそどうでもいいわ。あんな奴ら」

「え、同じ部活だよね!?幼馴染なんだよね!?嬉しくないの!?」

 

 何で幼馴染なの知ってるんだ....?あいつら、この一日でいったいどこまで話したんだ?まさかあの事は....。

 

「いや、全然。同性から心配されても....ねぇ?嫌じゃないけど、でも別に喜ぶ様な事でもねえだろ?それと、部活じゃないから」

「ああ~、それもそうだね、男の子同士だもんね!あ、そう言えば確かに部活じゃないって言ってた!」

 あ、いや、話してないね。(*因みに、部活の下りはこいつが空き教室に来た時参照)

「あれ?でも、三人ってホm(モ)「だから違うって言ってるだろ!?タヒね!」

 

 あっ、ついネット用語を使ってしまった。ま、言いなおさなくていよn(な)

 

「それは酷いよ!?最後のは流石にへこむ!」

 

 ....おい。わかんのかよ。まあ、こいつもそっち系だもんな!ならいいや。

 

「知るか。おめぇが悪りい!」

 

 優実は「うぅ~、酷いぃ~、泣いちゃう~」などと言っているが顔は明らか笑っている。のだろう。

 

「とりあえず下りてきなよ~、二階に聞こえるように喋るの疲れる~」

「なら喋んな!そして早く帰れ!」

「何言ってるの?今日からここが私の家だって言ってるじゃない!だから帰ってるよ~?」

 

 ちっ。こいつは。

 

「はぁ?言い方が悪かったか?あぁ?ならこう言ってやろう。もともと住んでた家へ帰れ!」

「いやーだね!」

 

 即答!?

はぁ。もう嫌だ....疲れた....。

 

「い・い・か・ら・

 

          帰れええええええええ!」

 

本日三度目の怒声。二度あることは三度あるってな。はは、笑えねえ....。それでもあいつは、帰る気になないだろうけど。

 




面白かったですか?え?笑えなかった?そんなぁ~(苦笑)
次回は2~3週間後には出せるように頑張ります!テストはもうすぐ終わるんできっと!きっとできます!

そう言えば最近、いいことがあったのでちょっと話しますね!(こういうの、何ていうんでしたっけ?心境報告?近況報告?後者かな!)
何かと言うと、なんと、『好きな絵師さんのサイン』をもらえたんです!他にも、SVD(旧ソ連の狙撃銃、ドラグノフ)を買ったり、大切な人からリプが来たり!でも、人生良い事ばかりじゃないですよね...。ま、気分を害するかもなのでそれは言いません!良いことはみんなと共有、嫌なことはすぐに忘れるのが一番ですね!そのままやるべきこともなくなればいいのに...。(笑)

次回はこの続きです!他の二人も出てきます!
まだまだほのぼの?日常が続きます!

常套句は言いません!
では!また会いましょう!お願いしますね!


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今日から僕は自分の時間がもらえない。II

本当、毎度毎度投稿遅くてすみません....。前は、すぐ出せる!とか息巻いてたくせに、本当すみません。2ヶ月ですよ!?いやマジ、こんなに遅くなるとは思ってませんでしたよ....。><
最近では、偶に、本当に偶にですが、twitterで感想やコメントをもらえることもあって、本当に嬉しいです!それなのに、こんなになってしまい....,(いい加減しつこい)

では!今作?今話?もよろしくお願いします!
ちょっとだけどネタのキレも鋭くなってる....かもしれませんw


「....はぁ」

 

 その後もたわいのない....わけではが、とりあえず傍からすればバカみたいな会話を続けることになった。

 

 

「なにが悲しくてこんなZ(残念系)B(美少女)(仮)と一緒にいにゃならんのだ....」

 

 そう呟くと美優は「何か言った?」と睨んできた。ような気がする。ちょっと悪寒がした。何で二階から一階に僕の呟きが聞こえるんだ....。地獄耳かよ。

 

 ピーンポーン。ピ、ピ、ピ~ンポーン。

 

 そんな時インターホンが鳴った。

 おお、これはなんだ。神の助けか!こんなバカみたいな会話をやめる口実とするための、神がくれた助け舟なのか!そう思い玄関に出ようとした。が、同じタイミングで美優も出ようとする。

 

「おっ、おい!ばっ....」

 

 ドアを開けようとする憂美を止めようと、階段から玄関にいる憂美めがけダイヴ!....した時にはもう遅かった。

 

「ふびゃっ!」

 

 憂美をつかもうとした腕は空をかき、支えるモノが無くなった身体は勿論、ニュートンが見つけた法則に反することく地に落ちた。

 ガチャ

 憂美によってドアが開けられた。そこに立っていたのは....。

 

「よう。....え?」

「あっ....」

 

 自分の中で空気が凍り付く。

 まずい、まず過ぎる。これは非常にまずい事態だ。

 

「お前ら....そういう関係だったのか....?すまん、邪魔したな、では、さらば!お幸せに!」

「ぶはっww」

 

 そう言って走り去っていく。

 やっべ、めっちゃデジャブった....。じゃねえ!

 僕は全力で追いかけた。見舞いに来たと思われる春人と笑哉を。

 「あーもー!なんなんだよ!」心の中で叫びながら僕は走り続けた。

 

***

「ああ、そういうことなのか!つい勘違いしちゃったじゃないか~。まあ、知ってたけど」

 

 あの後、結局二分もしないうちに捕まえ二人をリビングに連れ、事情を話した。

 おい、軽いな。つーか女子と二人きりで一つ屋根の下暮らすのがやばい気がするのは僕だけなのか?って....、

 

「はぁ!?知ってただぁ!?知ってたってなんだよ!じゃあ、あの反応は!?」

「ちょっとからかいたかっただけ」

「ざっけんなぁ!?俺、一応病人だぞ!?」

 

 つい、一人称が俺になっちまった。興奮すると偶に昔の癖で....。なっちまうんだよな。

 

「で、何で住むこと認めたんだ?」

 

 こいつらがこんなにもあっさりとこの状況を受け入れたのはまぁ、憂美がこんな奴だって知ってるからなんだろうな。

 

「僕は一切認めてねえよ!むしろ納得してねえでこいつを家に帰すの手伝ってほしいぐらいだわ....。僕はこんな奴と住みたくないぞ?今日だって誰のせいで学校休んだと......」

「あー、そうだよね、やっぱりそうだよな。もっと普通の美少女が来て欲しかったよね。でも、こっちの方がラノベ主人公みたいじゃないか?それに、こればかりは俺にはどうもできねえわ」

 

 真顔で言ってくる。笑哉もうんうんと頷く。うん。わかってた。そう言われるのはわかてた。僕が逆の立場でも多分、全く同じ事を言っただろう。

 そう思いながら僕は自嘲気味に笑った。

 

「ねーねー、さっきから酷くない!?私にとてつもなく失礼だと思わない!?」

「でも事実じゃん」

 

 わぉ、バッサリと言うね~。確かにその通りだと思うから僕は何も言わないけど。

 

「私ってそこまで酷いです....?」

「うん、きっと君が思っている10倍以上酷いと思うよ?」

「そんなに!?」

 

 あ、やっぱり少しは酷いって自覚あったんだ。

 

「あ、少しは自覚あったんだ?ww」

 

 おい笑哉!なぜ口にした!?そして笑いすぎだ!

 今更だけど、春人がここまでハッキリ他人をけなすのって初めて見た気がするな....小学校でも中学校でももう少しオブラートに包んでたのに....。まぁ、ズバズバ言うのは変わってないけど。

 

「おい春人、今日学校で何かあったのか?ここまで酷く言うの、お前にしては珍しくないか?」

「いやー、何も無かったよ....」

「あ、それ気にしなくていいよww美優だけが梓の欠席理由知っててちょっと嫉妬してるだけだからw本っ当子供だよねーwwwww」

「おいっ!バカ!それ言うなって!」

 

 机を叩きながら叫ぶ春人。その顔は怒りからか屈辱からか真っ赤に染まっていた。やめろよ!これじゃあまるで僕たちがホm....

 

「それじゃあまるでホモですね❤」

「ヴーーっ!」

 

 無邪気な顔でそう言った憂美に、僕は口を付けた茶を盛大に噴き出した。

 ってかなんだよこいつら。エスパーか、エスパーなのか。

 

「ちょっ!汚いなぁ....」

 

 茶を流すため台所へと歩く。

 

「で、話し戻すけど、」

 

 席を立った憂美を気にすることなく話し出す。さっきまでの赤面は何処へやら、まるで何も無かったかの様に。

 

「こいつの事泊めて良いのか?」

 

 わかりきった事を言うな。良い訳ないだろ?と答えようとした、が

 

「いいよ~」

「「「お前に聞いてねぇ!!!」」」

 

 テヘッ。憂美は右目を閉じて舌を出した。あーくそっ!何でこういう時だけ可愛いんだか!

 不覚にもそう思ってしまう自分が一番許せなかったのは、言うまでもない。

 




あははー、全くネタの精度は変わってないねーww
....本っ当、さーせんっした!!(全力土下座)
楽しんでいただけましたか....?こんなに待たせたくせに、そこまで文が上手い訳でも、面白い訳でもありませんが、もし、ほんの少しでも楽しんでいただけたのなら、嬉しい限りです....!

もしよければ、コメント、お願いします!お待ちしています!w
今度は、今度こそは、2週間以内に出せるように頑張ります!!ですので、これからもお付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いします!読んでくれてる人、そんなにいないけど!(苦笑)
~See you again!~


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今日から僕は自分の時間がもらえない。Ⅲ

あれから三週間。僕は思ってしまった....、

投稿ペース遅過ぎね!?いやまあ、定期テストだったからしょうがないですよね。(逃げ)
社会になんて出たくねぇよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!

それともう一つ、最近のラノベ読んでると「ガキの書いた夢物語みたいでつまんね(鼻ほじり」とか、「こんなのだったら私の方が上手いの書けるわ」とか思うこと多かったんすけど、いざ書いて読んでみると「やべえ、全くもって人ん事言えへん....死にたくなるんじゃ^~」ってなるんすよね....はは。
「『つまらなくはないけど、さして面白くないな』『なんていうか、自分がやりたかった事を無理やり詰め込んだだけじゃん』『何度も見た使い古されたような典型だな』とか思って薄ら笑いで読ませてもらっていた○○さん、○○さん、○○さん、本当すんませんでしたぁ!」(全力土下座)

まぁ、そんなこんなで早く、そしてできるだけ面白い作品を出せるよう頑張りたいと思ってます!
今まで以上に頑張ります!では、本編へ!



 チラッ。軽く時計に目をやる。

時刻は午後11時を回ろうとしていた。

「住ませない」「住む」「こんな時間だから早く帰った方がいいぞ」「今家にいるじゃない」「いや、てめぇのだよ」などとほぼ同じ意味の会話を72週ほど繰り返したところだが、このままでは埒(ラチ)が明かない呆れた僕は、流石に時間も時間と言う事で今日だけは泊まることを許した。決して諦めた訳でも認めた訳でもないからな!?あくまでも泊まるのをだからな!?

 

 

***

 

その夜、思春期の男と女が一つ屋根の下と言うのは色々とまずいという事を口実に、春人と笑哉も「泊まって」いくことになった。

こんなアホ相手に欲情するかボケ。と言うのは言わないでおこう。

 

「あー、こんな近くに女との関係が微塵もなかったクソ男子が3人もいるってのに、よくもまぁ悠長に風呂なんか入れるもんだよな」

「そんなこと....言うって事は、覗きに行くって事かなぁ?」

 

 春人はそう言って「カカッ」と笑う。

 

「あんな奴の見たって嬉しかないわい」

 

 とは言うものの、ちょっと見てみたい気もしなくない。ちょっと、本当にちょっとだけだから!

 

「俺、行ってこようかな....風呂入ってるの忘れてたって言えばいける気がする....!!あいつバカだし?」

「やめとけって。っつーかやめてくれ。そんな事したら僕らが風評被害に遭うんだから!いけると言うか逝っちゃうから!いやマジで!」

 

 ああ、僕ら全員がぼこぼこにされた後天井に吊るされている姿が目に浮かぶ....。

 

「それでも....俺はやらなきゃいけないんだ!だって!今を逃したら、今一生こんなチャンス訪れねえ!絶対に!」

 

 一度大きく息を吸う。

 

「死ぬってわかっていても、男には、やらなきゃいけない時がある!」

 

 背にしたドアから漏れる光が後光のように射す。おいおい、カッコいい様な悪いような....。

 

「じゃあ、行ってくる。俺の最期、汚く咲いた花だけど、散り際、しかと見届けてくれ?」

「いってら。その代わり、僕らは外言ってるから。行くぞ笑哉」

 

 そう言って立ち上がった僕の後ろ付き、逃げるように『窓から』出て行った。

 それを見た春人は「え?」と、状況が全く読み込めていないようで目を開き首をかしげていた。因みに、ここは一階だから窓から出ても全く問題ない。と言うか窓の外は中庭だし。

 

「ちょっ、お前等何を....あっ」

 

 春人が僕らの行動の意味に気付いたのは僕らが出て行った約0.5秒後。

 その0.5秒は短いようで、彼の死を宣告するには十分すぎると言っても過言ではない時間だった。

 

***

 

「ギャァァァァァァア!!」

 

 家の外で聞く彼の断末魔はあまりにも虚しく、これまでに聞いたことのないほどに悲惨なものだった。

 

「くっ、今思うといい奴だったな....。お前の事はきっと(3秒ぐらい)忘れない....!」

 

 目を閉じ歯を食いしばる。

 

「人の夢と書いて儚い。お前のその夢は果たして、命をかける意味があるものだったのか....?惨めに散ったお前の命、きっと無駄にはしない....今までありがとう....ぶふっ!」

 

 おい笑哉....そこは笑ってはダメだろう....いや、僕ももう耐えられなかったけどww

 

 ガラッ

 

 笑っていると、さっき僕が開けた窓とは逆の窓が開いた。そこからは目を不気味に光らせた憂美が出てくる。

 

「人の夢と書いて儚い....あいつの夢も儚く散らしてやりましたよ。で、君たちも変な夢を抱いていると....?」

 

 と言うと彼女は無言で意味ありげに微笑んだ。うわ、怖え。ってか、ついさっき聞いたのと同じようなこと言われたなぁ....あと春人、後でマジ殺す。

 

「な、なぁ、ちょっと落ち着こう、な?」

 

 手を前にし、殺気を放つあいつを制止....

 

「問答無用!」

 

 できませんでしたぁ~。

 

 シュビッ!

 

 空気の揺れる音とともに憂美の姿が眼前から消える。

 

「どこ行った!?」

「遅い....!」

「げふっ」

 

 目が追い付かなかった。いつの間にか後ろに回り込んでいた憂美の拳が頸椎を揺らす。おい、これってあくまで普通の世界だよな?異世界バトルじゃないはずだよな....?

 

「梓ァ!」

「次は君だよ」

 

 笑哉の声が聞こえた気がしたが返事をすることはできなかった。すまない、僕はもうここまでのようだ。後は任せた....。

 

***

 

「ま、待てよ!ボクらが何したってんだ!」

「何を、だと?戯言をっ!回り込んで私の入浴シーンを見る手はずだったんだろう!?」

 

 何でこいつの攻撃こんなにキレッキレなんだ?

 

「ちょっと待てって!お前と目が合ってからボクら出てっただろ!?」

 

 そう言うと、一瞬だが攻撃の手がやんだ。

 

「....た、確かに」

「ほ、ほら、だからそこで伸びてる梓も連れて帰ろう....ゼ....え?」

 

 油断した。まさかこれでもまだ攻撃してくるとは思わなかった....。一瞬の隙の間に、鳩尾を拳で穿たれる。そして目の前が闇に染まった。

 

 




バトルモノを書きたかっただけかこいつ。って思った人、それは違うぜ?w何故なら、私にそんなモノを書けるような力も知恵もないからな!はっはっは!(書きたくなかったとは言ってないw)
と、安定のバカは置いといて、今回は楽しんでいただけたでしょうか?いただけたなら嬉しいです!

そういば最近、Twitterでも載せたようにSIG551買ったのです!チョー可愛い!部屋ではバイポッド立てたまま飾ってあります!でも、試しに撃った時、スコープが悪いのかサプレッサー?サイレンサー?が悪いのか、狙ったところに当たんなかったんすよね~(苦笑)それに、弾が出なくなったり....まあ、サバゲーやる時には気をつけますねw

ってな訳で、前置きは置いといてっと、次回は「うふっ、男の子だらけの乱交パーテイ❤」です!
ハイ嘘ですすみません。まあ、戦闘にもバトル(意味深)にもならないんで大丈夫です!安心して下さい。

そう言うことで、次も(?)楽しんでいただければ嬉しいです!それでは、ダスヴィダーニャ!


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今日から僕は自分の時間がもらえない。IV

いやー、毎度毎度投稿ペーッス遅くてすみませんね....はは(苦笑)
今回は短いのに遅くて....これも全部妖怪のせいだ!(ネタが古いw)

毎回のような長い前置きはせず、ちゃっちゃと本文行きましょう!では、楽しんでくださいね!


 目を開けるとそこは、ここ3年間で一番よく目にした光景が広がっている空間だった。

 いったい何があってこんな所で寝ていたのか、思い出そうとするとそれを脳が拒絶するかのように頭が痛くなる。

 

「やっと起きたの?じゃあ、私は先寝るから」

 

 突如声のした方向へと顔を向けると、そこにはとてもすがすがしい笑顔をした憂美が部屋を出ていく姿があった。とてもこれから寝る奴の浮かべる表情ではないと思うのだが....。

 

「お、おう。何でそんな笑顔なんだ?とりあえずお休....み?」

 

 ん?頬に何かついて....血?

 動き出した憂美の風になびく髪の隙間から肉付きの良い整った形の頬が見えた。しかしそこには普段の血色のいい皮膚ではなく、文字通りの『血』が付いていた。

 

「なあ、その頬どうしたんd....」

 

そこまで言って言葉が詰まる。

なんだこの、のどに絡むモヤモヤとした感覚は。何か忘れている。大切な、何かを....。

 

『人の夢と書いて儚い』

 

「あっ」

 

 そうか。そうだ。そうだった。僕らはさっき、春人のせいで殺されかけたんだ。他でもない、憂美に!

 

「おい、ちょっと待て」

 

 思い出したからにはただじゃ済まさない....て、あれ?憂美は?

 さっきまで憂美が居た所はもぬけの殻、もうそこに憂美の姿は見えなかった。

 

「クソ....まあいいか、明日やれば」

 

 日付的にはもう今日だけど。と一言付け加えると脚を洗った後、敷かれていた布団に潜り込んだ。

 二人ももう寝たのか。早いな。

 

 うちに慣れていない二人のためにと点けている豆電を見ていると眠気はすぐにやって来たのだった。

 

***

 

 ガサゴソ。ガサゴソ。

 

「んん~」

 

バサッ。

 

「なんだこの音....」

 

僕は異様な音に目を覚ました。まさか、泥棒か?でもうちに盗むものなんて....あ、有るか無いかは泥棒は知らないから仕方ないな。

 

「さあ、行くか」

 

 ん?

 どこかで聞いたことのある声な気がした。

 いやいやまさか....。

 恐る恐る目を開ける。

 

「Let,s夜這い!」

 

 なんだ、ただのバカの音だったようだ。理不尽な同罪にはなりたくないから寝たふりしとこ。

 

「梓、起きてるんだろ?行こうぜ?」

 

 気付かれていたのか。それともわざと起こされたのか。

 

「なぁ」

「行くか?行くんだな?」

「いや、ちげえよ」

「じゃあ何、トイレが怖くて付いて来て欲しいって?」

「なぜそうなる」

 

 あー、でも確かに怖いかも。主にあの暴君(憂美)と、それにあんな事されておいて平然としているお前のその神経が。

 そう言や、こいつ死んでないからさっきのは断末魔じゃなくてタダの絶叫か。うん。どうでもいいや。

 

「そういうのいらんから。普通に寝てくれって言いてえんだよ。それと、ここ僕の家。家主が怖がるか?普通」

「ああ、それもそうだな」

 

 納得したかのようにうんうんと頷く。バカの子かこいつ。

 

「そんな事より、何で僕がここで寝なきゃいけないの?さっきも言ったけど、僕ここの家主。部屋あるの」

「それは俺に言うなよ。あいつに言ってくれ」

「そうだけどさぁ....」

 

 でもだって、寒いじゃん!ここすげえ寒いんだぞ!?自分の部屋あるのに何でこんな寒い思いしなきゃいけないの!?風邪ひくは!

 

「なに?私にそんな汚染物質(春人とお前)の居る部屋で寝ろというの?」

「僕が汚染物質なら、君は汚染地区で寝ている事になるんだぞ?ってうお!?いつからそこに!?」

 

 気付かなかった。いつからいたんだ。マジで。

 

「ちょうど、『憂美可愛すぎハァハァ』辺りからかしらね」

「んなこと一言も言ってねえよ」

 

 なに当たり前のように嘘ついてんだ....。

 

「あ、汚染物資って俺等の事か!?」

 

 今更かよ遅せぇよ。と、ツッコみたかったがツッコんだら負けな気がしてツッコむのはやめた。

 てか俺等て。僕も入れんな。お前には入れられたくないわ。

 

「あれ、今俺らって、俺等って言ったよこの人。ボクの事も入れてるよねこれ絶対」

 

 そしてまたいつも通りケラケラと笑う。

 って、お前起きてたのかよ!?静かだから気付かなかったよ!お前らマジなんなんだ、超能力で気配も消せるのか!

 

「どうでもいいけどお前に入れられたくないって卑猥だよな」

「突然何!?」

「いや、なんとなく思った」

「わけわかんない....」

「大丈夫。僕もだから」

 

 眠気で頭がおかしくなってるよ。寝なきゃ。

 

「じゃあ、寝るわ」

「あ、うん。じゃあ、おやすみ。汚物さんたち」

「あー、やっぱり僕も入れられてたか―」

 

 この扱いは慣れてるけど、慣れてるけども!それでも虚しいわ~。

 

「うわっ、それは酷いw、棒読み過ぎるなww感情入ってなさ過ぎww」

 

 その言葉で僕は目を閉じ、憂美は部屋に帰っていった。僕の部屋に。 

 あーこいつは本当ブレないなぁ。そんな音を思いながら僕は憂美が階段を昇っていく音を聞いていた。

 

「....あれ?春人は」

 

 衣擦れの音がしないことを不審に思い再び目を開ける。すると、そこにいたはずの春人の姿がなくなっていた。話に夢中で全く気付かんかった。それはきっと憂美も同じだろう。

 まあ、大体予想はできるけど。

 

 

 そうしてその後、案の定憂美と春人の叫び声が聞こえるのは、また少し後の話である。

 




....全然進まなくてゴメンね....?いやね?ほんとはこの話でココの話は終わらす予定だったんだよ?なのにタイピング遅くて....これ以上は投稿伸ばせないとか思った私はまた変なところで終わらせちゃったよ....(泣)
次の話で最低字数超えられるかな....(怯え)
てか、これ書いた後2日間投稿忘れてたの....その2日あったらもっと内容濃くできたよね!!本当さーせんした!!(全力土下座)
こんなこと書いてないで本編進めろとかは言わないで~

次回はとりあえずお泊り会終りの回になります!その予定です!

では、また次回も懲りずに読んでいただけると作者も喜んじゃうので、よろしくお願いします!
また、今度こそは近いうちに会いましょう!サヨナラ!(他国で多国の挨拶コーナーをやる余裕すらないヒョウコでした!涙)


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今日から僕は自分の時間がもらえない。Ⅴ

ふぁーはっはっは!
また投稿遅くなると思ってただろ!残念!一番分量が多いうえに一週間で出してやりましたよ!(空元気)
今回結構面白いんじゃない?とか思ってますw

前回短くし過ぎたせいで今回ほんと長くなってます....。すみません....。

では!皆さん楽しんで行ってください!


 憂美が階段を上る音が止み、僕の部屋のドアを開ける音、そして鍵を閉める音が聞こえた。その瞬間、

 

「おい、夜這いに行くぞ」

 

 隣でそんなささやき声が聞こえた。そんな気がしたがきっと空耳だ。うん。

 

「おい、夜這い行くぞ」

 

 一分程しただろうか、また同じ言葉が聞こえた気がする。

 その声のした逆側には、気持ちよさそうに寝息を立てている笑哉がいる。

 

「寝れないなー。耳鳴りがひどいなー。でも起こさない方がいいよなー。じっとしてよー」

 

 独り言のように小声で呟いた。ちょー、棒読みで。

 

「いいからさっさと夜這いに行くぞ!?」

 

 そしてまた一分ほどたったであろうその時、また聞こえた。

 今度のそれは、確かな、鮮明な声となって僕の耳に届いた。

 それと同時、(正確には数秒後だが)リビングのドアが開く音がした。

 あれ?そういやこいつ、今どこ行ってたの?てっきり憂美の(正確には僕のだが!)部屋に行ったとばかり。

 

「......」

 

 それに気づいた僕は起きていることを悟られないよう、只々息をひそめ静かにしている事しか出来なかった。

 寝返りをうつふりをして隣を見ると、そこには青ざめた顔をした春人と、それを見つめる安定の笑顔をした憂美の姿が見てとれた。

 先に言葉を発したのは当然憂美で、

 

「何の話をしていたのかな?楽しいお話?お姉さんにも聞かせて欲しいなぁ~」

 

 数秒の時が流れる。

 お姉さんって誰だよ。お前、僕らよりまだ1つ下やろ....。

 

「おい、何の話してたんだって聞いてんだよ」

 

 ひい!?何こいつ怖!

 その声音からして、少し怒っているようだった。と言うか、もうこれ、威嚇だよ。

 

「ひい!?」

 

 そんな情けない声が聞こえたが、そんなのお構いなしに憂美は言葉を続けた。春人の奴はきっとすごい顔してるんだろうなー。見れないのが残念だよ。

 

「もう一度だけ聞くね?これが最後だから」

 

 あー、アニメとかでよくある常套句だー。こんな言葉リアルで使う人初めて見たなー。

 そう思いながら寝たふりを続ける。

 

「今なんて言ってたの?いや、さっきから何の話していたのかな?」

 

 あー、何だ。最初から聞いてたんだー。てあれ?こいつさっきから話してるって言葉を....もしかして、僕も共犯にされてる?

 

「まあ、梓君はほぼずっと寝たふりかましてたし、それだけでも偉いからお咎めは無しでいいや。でも....春人君?君には少し、お仕置きが必要かな」

 

 語尾にハートが付きそうな言い方だ。しかしそれが余計に恐怖をそそる。

 てか、やっぱ僕も入ってたんだね。ま、僕が理不尽な仕打ちを受けなくて済むなら何でもいいや。

 

「おし....おき....!!」

 

 こいつもこいつでアホだ。前から分かってた事だが、やっぱりアホすぐる。

 

「そう、お・し・お・き❤」

 

 そう言い残し、憂美は春人を連れて二階へ戻って行った。

 

「これで寝られる....」

 

 春人のことなど一切、1ミクロも、金輪際、考える事無く寝ることにした。

 

「御愁傷様」

 

 !?

 お前起きてたの?だがいつものように笑ってはいない。耐えているのか?それともタイムリーな寝言か?

 まあ、そこまで気にする事じゃ無いから今は寝よう。

 そうして午前2時過ぎ、僕の最悪な一日は幕を閉じたのであった。

 

***

 

「はっ!」

 

 僕は夢が夢であることに気が付いた。つまりまあ、目が覚めたってことだ。

 なんとなく、いや、ものすごく重い気がする。昨日あれだけ騒いだ(騒がされた)からまだ疲れが抜けきってないのだろうか。だが、そんな重さじゃない。これはまるで重力が倍になったかのようだった。

 眠い目をこすり、やっとの思いで目を開ける。そして僕は驚くべき光景を目の当たりにした。

 

「うわぁ!?な、な、なんでお前が!?」

 

 あまりの衝撃に素っ頓狂な声が出てしまった。

 

(はっずかし….)

 

 僕は変な声を出してしまった恥ずかしさに身をもだえているがそんなこともつゆ知らず、僕の口元を抑え

 

「しっ、喋らないで。二人が起きちゃうでしょ」

 

 などと小さな声で言ってくる。因みに、僕の口元を抑えていない方の手は、人差し指が自分の唇当てられていて、整った綺麗な顔にどこかあどけなさを感じさせる。ってか何で僕が怒られてんだ….?

 そう、横たわっている僕の上にはなんと、憂美が跨(またが)るようにして座っていたのであった。それだけではない、彼女が身に着けているものは薄くて大きい、白い布一枚だけだった。

 

「まて、まてまてまてまて!何でこんなことになってんだ!?」

 

 そう叫ぶやいなや僕は、今までに出したことのないような力を脚に込め、ベッドの上に立ち上がった。

 

「い、痛いわねえ!何よ!」

 

 僕が立ち上がったことにより転げ落ちた彼女がそう言ってくる。まあ、当たり前か。

 

「何してんのか聞きてえのはこっちだわドアホ!」

「….変態….疎チン….」

「….は?」

 

 一瞬、なぜ突然そんなことを言われたのかわからなかった。だがその後すぐに気付く。もう一つの見落としていた問題に。そう、それは….

 

「なぜ僕まで….裸….?」

 

 バッ。取り敢えず大事なところを両手で隠す。

 

「さっきからあなた何言ってるのよ、まさか….忘れたの….?私に、あんな事しておいて….」

「….えっ?」

 

 まて、俺はこいつに何かしたのか?そんなはずはない。何故なら、春人が連行された後、僕はすぐに寝たからだ。うん、寝たはずだ….よな?

 焦りと不安からか、一筋の気持ち悪い汗が首筋を伝う。

 

「本当に忘れたの?私が寝ている部屋に突然入ってきて、逃げようとした私を無理やり押さえつけて、そのまま….」

「う……..うそだぁぁぁぁぁぁぁ!嘘だどんどこどーーーーーん!」

 

***

 

「どんどこどーーーーーん!」

 

 叫びながらと起きた先は常世....ではなく、普通のウツシヨ、現実の世界だった。そう、つまりさっきのは夢だったのだ。

 

「はぁ、はぁ..夢....だったのか....?」

 

 最悪の目覚めだ。本当に最悪だ。

 

「はぁ」

 リビングに敷かれた布団の上でため息をつく。

 と、その時、

 

「あ、起きました?」

「ギャァァァァァァ!?」

 

 うわ、ビックリした....思わず本気で叫んでしまった。

 

「なに!?開口一番失礼過ぎません!?」

 

 変な夢に出てきた奴がすぐそこにいたらそりゃ、ビビるわ....。はい、自分の勝手なものですすみません。

 あと、開口一番ではないかなぁ~。

 

「す、すまん」

 

 でも、勝手にウチに住もうとしてる奴に、失礼とか言われたくないなぁ~。

 

「あれ?二人は?」

「ん?ああ、笑哉君は帰ったわよ」

 

 マジか。早えな。

 

「んじゃ、もう一人の方は?」

「アホはほっときなさい。じき起きるわ」

 

 案の定、どこぞでのたばっているようだ。いやー、流石バカって感じ?

 

「思ったんだけど、お前喋り方変わったか?」

「え?えっと、これが普通の喋り方なのよ。昔から劇とかよく見てたから、自然とこんな感じになっちゃったのよね」

「そ、そうなのか。何か....どんまい?」

「なぜそうなる!?」

 

 食事を作る手を止めツッコまれた。

 こいつ料理できるんだ?

 

「いや、だって、さ?お嬢様口調(?)のアホキャラって....ね?と思ったけど、それもそれでありか」

「そういうもの?って、誰がアホキャラだ、誰が!私はむしろ頭がいい方だって何回言ったらわかるんだ!?このバカ!」

 

 あれ?喋り方戻った?

 

「んーあと573回ぐらいかな?」

「んなっ!473!?」

 

 驚いた顔をしたと思ったら「私はアホじゃない私はアホじゃない」と呟きだした。100回減らすなよ。

 

「あ、大丈夫みたいだ。戻ったよ。さっきのは気にしないでくれ」

「アホじゃな....はい?気にするわ!って、あ。忘れてt....いや、忘れてたとかじゃないよ!ちょっと焦っただけよ!おほほほほ~」

 

 今この娘忘れてたってガッツリ言ったよ~。

 

「おい。キャラづくりだったのかよ」

 

 ちっ、ばれたか。みたいな顔しやがって....。こいつ、バカなのか?あ、バカだったわ。忘れてた。テヘッ。

 

「うわあああああああああ!?」

 

 突然、叫び声が聞こえた。どうやら春人が起きたようだ。はぁ、面倒なのがまた増えた。

 

「嫌そうな顔してるけど、あなたも同じような叫び声で起きたわよ?」

「嫌そうなんじゃなくてその通りなんd....今なんて?」

「同じような叫び声で起きたって言ったのですわ」

「マジか」

「おおマジですわ」

「僕あんな起き方したの!?はっず!チョー恥ずい!」

 

 最悪だなおい!あ、あとそのキャラもういいんで。

 

「そうよ?あんな間抜けで阿保みたいな声を出しながら起きたのよ?いやあ、あなたも春人君もさぞ滑稽な夢を見ていたのでしょうね」

 

 語彙力無さ過ぎだろこいつ....。いつまでそのキャラ続けんの?僕もあいつもお前のせいでこんな事になったんだぞ?多分。と、言いたい事は沢山有るが今は言わないでおこう。

 

「何で!何で俺裸なんだよぅ!?」

 

 はっ!?

 ダンダンと大きな足音を立てながら階段を下り、僕と憂美の居るリビングへと入って来た。先ほど言った通りの『全裸』で。

 

「あ......あんたねぇ......」

 

 憂美は顔を真っ赤にして下を向きながらうち震えている。歯、食いしばりなさい。小さな声で呟いた次の瞬間、

 

 バッチ~ン!

 

 強烈な音が鳴り響いた。」

 言わずもがな、憂美が春人の頬めがけ平手打ちしたのだった。

 平手打ちを食らった春人は、まるで陸に打ち上げられた魚のように身を悶えさせている。哀れだ。

 

「この、ど変態がぁぁぁぁあ!」

 

 春人の腹には赤く綺麗な椛の形が付いていた。

 

「頬をめがけて腹に当たるのは、ある意味才能だね」

 

 僕のその言葉に憂美は目をそらしはにかんだのであった。

 

***

 

「なんで俺、裸だったの?」

 

 立ちなおってから最初に言った言葉はこれだった。まあ、起きたら裸だったとか、そりゃ、そう言うわな。

 

「なんででしょうねー」

「なあ、それは僕も気になるんだけど。まさかだけどセイコーとかは....」

 

 まさかとは思うが、ウチでそんな事があったとしたら、僕責任とれないし....。

 

「何言ってんの?バカなの?死ぬの?私がこんな奴とんな事するわけないだろ」

 

 で、ですよねー。

 

「じゃあ何で?」

「知らないわよ。真面目に」

「「えっ」」

 

 どういうことだ。昨日の夜の出来事を二人とも知らないだと?だが、これに関しては憂美が嘘をついているようには見えない。

 

「あの後何があったんだ?僕はすぐ寝たからわかんないんだ」

 

 何かがあったのは僕が寝た後、つまり春人が連れていかれてからのはずだ。

 

「えっとねぇ、あれからは春人君の事部屋でボコってから外に出してすぐ寝たわ。で、起きて廊下に出たら全裸で俯せになってる春人君がいたから見て見ぬふりしておいてきたの」

「あっ」

 

 ここで春人が何かを思い出したように声を出した。

 

「そうだ、あの後朦朧とする意識の中もう一度夜這いに行こうとしたんだ」

 

 ほんっと懲りねえのな!ドMか!ドMなのか!

 

「で、脱いで部屋に飛び込もうとした時ドアが閉まって、それに激突した俺はそこで気を失ったんだ」

「「........」」

 

 そして流れる沈黙。それはやけに重かった。

 

 

「「悪りぃの全部てめえじゃねえかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」」

 

 

 こう叫びながら春人を思いっきし殴ってやった。

 この時の僕と憂美のシンクロ率は、地震が起きた時のツウィッタラーに似たものがあった。

 因みに、ツウィッタラーとは、ツウィッターと言うSNSに廃人ほどではないにしろ入り浸っている人の事である。地震が起きた時は約二秒でTL(タイムライン)が地震に関するもので埋まるという。

 

「げふっ」

 

 そんな悲しい声とともに春人は崩れ落ちた。

 

 その後春人は全身が痛いからと言い家に帰っていった。

 こうして僕達の貴重な休日の半分と、最悪なお泊り会は終わりを告げたのであった。

 勿論、憂美は一向にうちから出ていく気配のないままだった。

 




どうですか?え?長いわりに内容薄いしつまらなかった?そんな事言わんといて!(泣)

と、いう事で無事と言うか何と言うか、お泊り会は第五回にして終わりました!ほんとは2~3回で終わらすつもりだったんだけどね....(ボソッ)
ここまで読んでくれた方、ありがとう!この物語自体はまだまだ続くので、応援してください!

あーでも、もしかしたら新人大賞的なアレに応募する作品書くのに時間かけるから、また次話投稿遅くなるかもです....。すみません!orz
できるだけ時間開けないように頑張ります!(ケータイで投稿すればもっと 早いんだろうな......はぁ)
では、また会いましょう!


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僕は胃液が足りない。Ⅰ

お久しぶりでございますどうも颷狐です。(4ヶ月ぶりぐらいですかね)
言い訳はありません。予定が詰まってたとか言いません(大嘘)
積もる話はありますが、今回は前書きをここら辺で終えて、是非本文を楽しんでください!今までと比べるとだいぶ長いかもしれませんが、よろしくお願いします!では!


「オェェェェェエ(反響)」

 

2月16日(土曜日)朝9時半頃、僕はトイレで盛大に吐瀉っていた。

ベチャベチャという、胃の中の物が水に落ちる音と僕の嗚咽が重なって、なんとも形容しがたい音楽を奏でている。って、こんな音、楽しめる奴いたら見てみたいわ。

 

「オェェェェェェエ」

 

....だめだ、吐き気が収まらない。

 

「いつまで吐いてんのよ!」

「こっちが聞きt....オェェェェェエ」

 

叫ぼうとして込み上げてくる吐き気。もう嫌だ....胃液しか出てこなくなってきたよ....。喉痛い......。

 

「オェェェェェェェェェェェェェェェエ......」

 

と、まぁ、10分近くこの調子で吐いているのだった。

 

***

 

時は遡ること30分程。あれは、そう、春人が帰って5分ほどした時だっただろう。

事件は、起こった。

 

 

 

「なぁ、なんか、焦げ臭くね?」

「え?あっ!朝ごはん作ってたんだった!」

「はぁ!?火ぃ扱ってんのに目ぇ離すとかアホか!早く止めろ!てかお前、料理できたんだ!?」

 

ガチャッ。という音を立て換気扇が回りだす。

 

「失礼かな!?レシピ通りやれば誰だってできるでしょ!」

 

ヒャァァア!若干焦げたぁ!などという叫び声が聞こえた気がする。普通、そのレシピ通りというのがなかなかに難しいはずなのだが。

 

「焦がしてる奴がそういうこと言っていいのかな」

「こ、これは不可抗力だよ!」

「お前それ意味わかって使ってるのか!?どこも不可抗力じゃねえ!ってなんだそりゃ!」

 

憂美が持ってきたのは真っ黒に炭化したのか元々黒いものなのかよくわからない、得体の知れぬものだった。

 

「それのどこがちょっとなのかお聞かせ願えませんかね!?」

「はい!?そんなに焦げて無いじゃない!このおにぎり!」

「おまっ、それ見て焦げてないってなに....おにぎりだったの!?」

 

その黒いの海苔だったんだ....?僕の知ってる海苔ってこう....もっと艶(あで)やかに光を反射してくれるものだった気がするよ?

 

「んなことより、何でおにぎり焼いたの!?」

「焼きおにぎりって知らないの!?」

 

驚きで危うく皿ごと落としそうになる憂美。食品扱ってんだから気をつけろよ。いや、マジで。こいつの場合前みたいに落としても食わせてくるんだろうけど。

 

「それ、焼き方違(ちげ)えよ!」

 

海苔ごと焼く奴とか見たことねえよ。そもそもレシピ通りってどこいったんだ。

あれ、そういえば前ってなんだ。こいつに会ったの2日前だぞ?いろんな記憶が混じってんな。はぁ。

 

「レシピではこう書いてあったのに?」

「そんなわけ....あっ」

 

憂美が見せてきた画面には、確かに海苔ごと焼くと書いてあった。もしかして、僕が間違ってんの?

 

「いぃや、いやいやいや!おかしいだろ!どこどう見たってそんな作り方ありえないだろ!つーかそもそも、焼きおにぎり作るのにレシピとかいらなくね!?」

 

なんか最近、と言ってもここ二日だが、朝から叫びすぎてて辛いっす。

 

「まぁ、少し焦げちゃってたり、君とは作り方違ったりでも、きっと美味しいから!別にお店じゃ無いんだもん、見た目より味と愛だよ!」

 

申し訳ないが君からの愛は要らない。とは言ってもいいのかダメなのか。まぁ、言わないでおこう。

 

「それに、他にも作ってあるからちょっと待ってて!今だすね!」

 

焼きおにぎりすらろくに作れねえ奴が他の料理など作れるわけがあろうか。いや、ありえない(反語)。

 

「........」

 

ゴクッ。

これから起こるであろう、いや、目の当たりにするであろうケイオスヘルイラストレーテットマップ(通称、混沌とした地獄絵図)を思い浮かべ、ただ無言で生唾を飲み込んだ。

横文字で言ってみたのはなんとなくだ。意味は無い。

 

「ほらほら、早く座って〜」

「お、おう....」

 

促されるままに席に着く。ケータイを見ると時刻は9時13分を指している。

天井を仰ぎ目を瞑る。きっと断頭台に立たされる囚人は同じような気分なのだろう。

 

「ほら、食べな〜」

 

机に並べ終えたらしい憂美が口にした。

 

「悪い、俺、死んだわ」

 

目を開く前に一言、死ぬ前に一度入ってみたいセリフベスト8を呟いた。本当はもっとかっこいいシチュエーションがよかったですまる。

目を開け最初に映ったのは15分を指しているケータイの画面だ。電源切り忘れてたのか。もったい無い。

2月16日土曜日。死亡推定時刻は9時15分から30分の間。死因は食中毒。というニュースが明日あたりには流れるのだろうか。ちょっと面白い。いや面白くねえよ!

 

「私の作った料理、そんなに見た目悪い!?」

「いやだって、焼きおにぎりすら満足に作れない奴の作るものなんてたかが知れて......うおっ!?」

 

思わず奇声が出る。たかが知れていなかった。

一口大に角切りにされた野菜が浮かぶ、赤く艶(つや)やかなミネストローネ。

蛍光灯の光を弾くように瑞々しいサラダ。金色のゴマ油がまた、輝きを増させているように思える。

白い生地をほんのりと茶色く染め、その上にはしっとりと生地を濡らすクリーム色をしたバターが乗ったトースト。

そして何より異彩を放つ、目を奪うのは、すべてを吸い込むかのように深い黒の自称焼きおにぎり!

 

「ってなんでやねん!焼きおにぎり(?)のせいで台無しじゃねえか!他のは綺麗なのに!」

 

憂美は綺麗という言葉にエヘヘと照れた表情を見せた。いや、褒めてるけど褒めてねえから!

それにしても、まさかこんな料理が作れるとは思ってもいなかった。料理は性格によらないんだな。またうちに泊まるようなら、今度からつくらせよう。でも、炭水化物多いな。パンかコメか決めてほしいものだ。

 

「いただきます....!」

 

久々にこんなまともな料理を食べる気がする。最近は忙しくて(主にバイトという名のオタ活)まともな料理などしていなかったかr

 

「........!!」

 

はっきり言おう。めちゃくちゃまずかった。とりあえずミネストローネ(?)を口に含んでみたわけだが、油粘土を溶かしてお湯で薄めたような味がした。小さい頃にはあるよね、粘土って食べたくなるじゃん?紙粘土はならなかったけど。

 

「オェッ!なんだよこの味!どうしたらこんな味になるんだよ!味見しなかったのか!?」

「え?したよ?」

「マジで?」

 

一拍おいて、

 

「春人くんが。それに、美味しいって言ってたよ」

 

ハァァァァァルトォォォォォォオ!!だからお前は帰ったのかぁぁぁぁぁぁあ!てか自分でも味見くらいしろよ!

だがまぁ、サラダに失敗は無いだろう。てか、ぶっちゃけしようがないよな。うん。あとは大丈夫だよな!トーストも焼きおにぎり(仮)も味で失敗しようがない!

 

「ハムッ....つっ!?しょっぱ!!ちょっ!水!水!早くよこせ!んぁぁぁあ!?」

 

結果。死ぬほどしょっぱかった。

え、なにこれ、飽和食塩水でもかけたんですか?バカなの?タヒぬの?現在進行形で僕が死にそうなんだけど?

 

「ぷはぁ....死ぬかと思った....」

 

憂美が持ってきた水を2杯-ジョッキ並みの大きさのコップ。なぜそんなものに入れてきたかは助かったので問わ無いでおく-を飲み干した。礼は言わない。

 

「何よ大袈裟ね。ちょっとしょっぱかったぐらいで人間死なないわよ....」

「死ぬんだよ!人間は塩分摂りすぎると死ぬんだよ!醤油飲んで死ぬか!?てか何やったの君!」

「何って、塩水かけただけだよ?」

「何でだよ!」

 

本当に馬鹿なの?この娘(こ)!

 

「だって、食塩水に浸すと見た目悪くなら無いんでしょ?」

「は?何言って....ああ!それリンゴな!?」

「同じじゃないの?」

「同じかも知れんが少なくともサラダにそれする人はまずいないから!」

「なーに、私がいるじゃない」

「3秒間死ね!」

「3秒間って何!?」

 

こいつ、飽和食塩水にサラダ浸してたのかよ....まじ信じられねえ。これじゃシンジ君もランナウェイしちゃうよ。わかる人にだけわかればいいや。

あ、それと3秒ってのにも意味はないかな。

 

「ねえねえ、どうしたらこんなもの作れるの?ねえねえどうして?レシピは?レシピって簡単なんだよね?」

「簡単じゃつまらないじゃない?だから少し手を加えて美味しくしようかなって」

「はいっ、でたぁ〜!!普段料理しない奴に限って創作したくなるんだよね!創作ってかもはや迷走作品だよね!迷走しすぎて迷子になってるよね!走作かな!?これじゃぁレスキュー隊の捜索も間に合いませんね!」

 

何言ってんの?って目で睨まれた。うん、口じゃわから無いよね。文にして変換しなきゃだね、知ってたようん。カンジッテスバラシイ(漢字って素晴らしい)ネ。

 

「んで、そういう奴ってほんと、何を思ったか死ぬほど不味いの作ってくれるの。何故?why(ホワイ)?ある意味才能だよね。褒めてないよ?こういうのって漫画の中の話だと思ってたよ!ってか、そうであって欲しかったですよ!」

 

口の中ヒリヒリするし塩っぱくて唾液半端ないしで、ちょー喋りにくいよまったくもう。

 

「そんなに言っちゃう!?流石に泣くよ!?せっかく美味言っていってもらえればいいなって思って作ったのに!でも、このおにぎりは大丈夫だよ!美味しいはずだよ!美味しいものしか入れてないもん!」

 

そう言って強引にさしだしてきたのは真っ黒な焼きおにぎり(謎)。

 

「塩、どのぐらい入れた」

「3つまみぐらいを均等に振りかけたよ!」

「本当か?まぁ、おにぎりなんてそうそう失敗し無い(この時点で焦げたりしてるけど)よな。うん」

 

そしてそのまま一口齧った。見た目は悪い。だが、こいつもこいつなりに美味しくしたいと思ってやってくれたんだ。そう考えると、さすがに言いすぎた気が....-僕はこの時、気づいていなかったんだ。『美味しいものしか入れていない』という言葉の本当の意味を。いや、そんな事、知る由もなかった-

 

「イグァっ!?クィムツッ?ウベしっ!チョッコルェ!!!?」

 

言い過ぎていなかった。いや、むしろあれでもなまやさしいものだっただろう。

この世のものとは思え無い味がした。良薬口に苦しという言葉があるが、これは劇薬の上に苦いとかの問題じゃない。良薬すら凌駕するものがある。しかしそこには甘さなども含まれており、はっきり言ってわけがわから無い。どっかのレポーター風に言うならば、「頭ん中が味覚のオンパレードやー」とかかな。うん。口じゃなくて頭だよこれ。

 

「お前、僕に一体何の恨みがあるんヅァ....ゴブェェェェェエ」

 

突如、飲み込むことを胃が拒否しているかのように吐き気が込み上げてきた。うわ、劇物かよこれ。

 

「ドイレイッデグルゥ(トイレ行ってくる)」

 

椅子が倒れる事を気にする事もできずトイレへ駆け込む。何とかそこまでは出すのを我慢できたが、入った途端何かがプツンと切れる音がして、便器の中に盛大に吐き出された。

見たくもない内容物からして、きっとチョコや枝豆、イクラ、キムチ、梅干し(これは普通だ)等が入っていたのだと思われる。何故入れたし......。

 

「あっ。んっ!オエッ」

 

ここでようやく気付いた。『美味しいものしか入れてない』の意味を。いや、確かにどれもうまいけど、それでもなんか、いれたらまずいってわかるだろ!最後に一つ、梅干しの種がポトリと音を立てた。

 

 

 

そんなこんなで、今に至るのであった。




冒頭から吐くとかいう謎の展開ですみませんでした汚くてすみません。お詫び申し上げません。嘘です申し上げます。
並びに、4ヶ月も待たせてしまい申し訳ありませんでした。本当、遅すぎんよ〜。いや、待っててくれた人なんてい無いだろうけど。(真顔)
あと、フィクションとはいえ、食べ物を粗末にするような話ですみません。けど、これのおかげできっと2人は食べ物のありがたみを知れたでしょうね。(悟り)
梓「本当、今までまずいとか言って食ってたものすべてに感謝したくなったわ。シュールストレミングのほうがまだうまいだろうな」
憂美「もう料理なんてしない....(泣)」
お前らどっから出てきやがった!?
と、まぁ、茶番は置いといて、12月中にこの話載せるつもりだったんですけど、載せられなくて本当すみませんでした!orz
案外私も、この話をどう進めていくかって悩んでるんすよ。あと、なんか色々あってあんまりケータイいじれなかったりと、リアルのほうで予定つめっつめなんすよね....(苦笑)
あ、そうそう。バイトやめちゃいましたww(だからなに)

話長くなってしまい申し訳ないです。(いつもが短いだけか?)
なので今回も二羽三羽(ゴチうさ難民ですどうも)かけてここのところ終わらせようかなとか思ってますミネストローネ食べたい。

因みに、作者自身焼きおにぎりではないにしても、普通のおにぎりにココアかけたらうまいのでは!?どっちも美味しいし!とか言いながらかけて食ったら死ぬほどまずくて台所で吹いた思い出があったりします。あと、コーラを使った卵焼きとかも作りましたね。いやぁ、あの時は若かった(遠い目)*コーラ卵焼きはすべて父親が消化しました。すげぇ。
今思えば、食えない料理、飲み込むことを胃が拒否した食べ物、って、前にも後にも、そのぐらいしかないっすね。あ、揚げ出し豆腐(食べたら真面目に吐く)と茄子(無理すれば食え無いこともないかな?)以外での話です。その二つはほんと、キツイorz


ここまでお付き合いいただきありがとうございました!まだまだ続きますが、というか今回のも途中ですが、本当、読んでくれる人がいるって嬉しいです!コメントくださる方も偶にいて、そのたび死ぬほど喜んでます!ありがとうございます!

次話はすぐに出せるようにがんばりたいです!

あと、今回から早くするためにケータイでの投稿に変えたわけですが、推敲とかほぼして無いんで、誤植等多かったりするかもですが、温かい目で見てやってください!あと、なんか、あったら教えてくださいw

では、拙い文章でございますが、これからもワタクシ颷狐めと、この作品を、どうぞよろしくお願いします!
近いうちにまたお会いできることを楽しみにしています!


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僕は胃液が足りないII

皆さんこんにちは。おはようございます。こんばんは。どれかわからんからとりあえず一括してHELLO!毎度お馴染み颷狐でございます!誰だ!とかいう野暮なツッコミした奴とりま死刑な(黒ハート)
今回は前回の続き、そしてこの物語全体のウィークポイントです。ウィークポイントってなに?弱点じゃん。なんだよこの話の弱点って(作者的にターニングポイントとか、そういうことを言いたかったです)
とりあえずボケ倒してないでちゃっちゃと本文にいきましょうね〜。(一回しかボケてないね)
あー、そうそう、悩みに悩んだ結果、「伏線なんてものは私には張れない!」ということに気づいたんで、もうちゃっちゃとこの話進めていくことにしましたw偶に投稿ペース遅れることもあると思いますが、月に2回ぐらい投稿できるようにしていけたらな、とか思ってます!(色々と今更)
では、今回も読んでいただけると嬉しいです!!


「何?そんなに不味いわけ?絶対美味しいのに、ひどいなぁ....おえっ....何これ、油粘土だ....」

 

どうやら彼女もミネストローネを食べたらしい。人は同じような感想抱くんだね。いや、もしかしたらパンもそんな味なのかもしれないけど。

 

「で、でも、食べられないわけじゃない....おえっ」

 

いやいやいやいや!食べられないでしょ!あんた自身今吐きかけてたでしょ!

 

「うん、今のは確かに、美味しくはなったよ!でも、そんな、おにぎりは絶対美味しいはずだよ!」

「うっせぇ!お前がそれ全部食ったら全裸で逆立ちしながら町内一周してやんy(よ)オエッ」

「言ったね!?食べてやるんだから!そもそも不味いわけないもオェェェェェエ」

 

吐くなぁぁぁぁぁぁぁあ!いや、食われても困ってたのは僕だけど、でもリビングで吐くナァァァァア!もちろん洗面器使ってくれた....わけないよね。

 

「うわぁ....もう嫌だぁ....せっかくの休日がなくなっちまうよ....」

 

そういえばやっと吐き気収まったな。よかったよかった。よくねえよ。

と言うことでトイレから出る。瞬間『バサッ』っと音がしたと思ったら今度は憂美の嗚咽が聞こえてきた。どうやら風呂場で吐いてくれたようだ。

 

「おーい、大丈夫かぁ?あれを美味しいだろうとか思ってたアホは味覚もアホなのかなって思ってた梓が通りまーす」

 

うがいをしたり顔を洗ったりしたいので、とりあえず洗面所に入るついでに皮肉を言ってやる。

が、憂美はというとそんな調子じゃなかった。

 

「ごめんね、ほんと、ごめんね。食べ物粗末にしちゃってごめんね。迷惑かけてごめん、ねオェェェェェグヴェェェエ」

「おま、えぇぇぇぇぇぇえ!?」

 

目には少し涙が浮かんでいるように見えた。

お前、消えるのか?(死ぬまでに言いたいセリフベスト11)とかネタ言ってやろうかと思ったが、これは相当に重症っぽい。

あとできれば風呂場で直接じゃなくて洗面器にしてくれると助かったなぁ〜。

 

「ヴゲェェェエ」

「ちょっ、お前、まじ大丈夫か?僕もそんな感じだったのかな。いやいや」

「ほんと、ごめングェェェェエ」

 

とりあえずうがいをして顔を洗い、背中をさすってやる。痴漢とかセクハラって言われても否定できないよな。あの飯(?)も十分殺人未遂だったけど。ということでうん、不可抗力だ、大丈夫。

 

「わぁったから、もう喋んな。謝んなくていいから。腹減ったし後でラーメンでも食い行くぞ。奢ったるから」

 

憂美は小さく「うん」と呟くとまた吐き出した。料理にはここまでの力があるんだ、一種のテロが起こせる気がする。てか、損するの僕だけじゃん。

 

ピーンポーン

 

そんなことを思いながらも背中をさすっていたらインターホンが鳴り響いた。

 

「グヴェブォ」

「誰だよ!また春人達か!?」

「ええ!?怒ってます!?俺っすよ!俺俺!」

 

なんだ、ただの俺俺詐欺か。

 

「あー、うん。ごめん、多分開いてるから入って、どうぞ〜」

「オェェェェェェエ」

 

ドアが開く音、そして手すりに付けられた鈴が鳴る。

 

「??変な喋り方ですね。お邪魔します....って臭っ!?」

 

ふっ、一般市民にはわからないネタだったか。気になる人は真夏の夜の、いや、言わないでおこう。

 

「いやぁ、ゴメンね?朝から色々とあって吐いててね。あ、でも風邪とかじゃないから気にしないで。てか、なんか用事あった?」

「オェェェェエ」

「そうですか....でもこの匂い、吐瀉物以外の物も含まれているような....」

机に何かを置く音がする。

 

「ベチャベチャグチャッ」

 

ゲロ以外の匂いってなんすか....。

 

「あーえっと、母が作りすぎちゃったんで肉じゃがとカレーのお裾分けに来ました」

「メシヤ!」

 

さする手を止め来客に飛びついた。

臭いです....と嫌そうな顔をしていた気がするが僕はそんなこと気にしなかった。

タダ飯ってイイね。最高だ。

 

「オグェェェェェェェェエ」

 

因みに、メシヤとはメシア(救世主)と飯や!(感動)を合わせたギャグである。うん、分かりづらいね。

あと、うるせえ。

 

***

 

「カレーは後でも食べられるんで、冷蔵庫入れときますね〜」

 

瑛香(エイカ)君はそう言うと、冷蔵庫にカレー入りのタッパーを入れてくれた。そのぐらい自分でやるのに。ありがたや〜ありがたや〜。

にしても本当、毎回思うんだけど作る物偏ってるよなぁあの人。プロ並みにうまいから嬉しいっちゃ嬉しいけど。

 

「ねぇ、食べられる物もらえたのは嬉しいんだけどその子、誰?」

 

一通り吐き終わり、一応着替えて席に着いた憂美が耳打ちしてきた。まぁ、初めて会うのだ、こいつが疑問に思うのも最もなわけであって、

 

「ああ、渋谷瑛香君。その子っつってるけど一応広高通ってる同学年だからな?」

「えっ、嘘!?あんたも結構童顔だけど、この子同い年なの!?えええ!?信じらんない!春人君ぐらいが一番高1っぽいよぉ!てか広高!?うちより上じゃん!」

 

そう、染めてない割にわかりやすい茶色の短髪、身長は164センチと少し小柄で、顔は目が少し大きくて、どこかあどけなさがある。その容姿ははっきり言って中1と言われても疑問を抱かないぐらいには幼く見える。が、一応同い年だ。その上頭いい。モテるだろうなぁ羨ましい。あっ、言うてウチも偏差61ぐらいあるんだけどね?

 

「それが普通の反応だよねうん。実際僕自身瑛香君は瑛香君で、『君』外せないし。年下っぽいよね」

 

うんうんわかるわかる。とうなづいてみせる。

 

「なんの話ししてるんですか?すごく失礼なことが聞こえた気がするんですが?」

「いや、なんでもないよ。憂美にただ瑛香君のこと紹介してただけ。あ、そうそう、こいつは豊島憂美、同高のただのバカね」

 

え、紹介バカだけ!?などとほざいてる奴がいるがシカト。他に説明できるとでも?

 

「豊島憂美さんと言うのですね?すごく美人さんですが、梓さんとはどういったご関係で?もしかして、彼女さんですか?」

「やめろ気持ち悪い。こんなやつ彼女じゃねえ。ただの寄生虫。虫の方の寄生虫な」

 

こいつが彼女とか、死んでもありえねえ。でも、やっぱり見てくれは一応良いんだな。

美人....えへへ///などと照れているやつもいなくはないがとりあえずシカト。

 

「なら、僕がもらっても良いですか?」

「いいよ。こんなやつでいいならいくらでももらってってくれ。あっ、ごちそうさまな。美味かったよ」

 

昨夜の残りの米と一緒に肉じゃがを食ったがめっちゃうまかった。

 

「えっ」

「あっ、それはよかったです。母に伝えておきますね。でも、こんなに美人さんなのに、いいんですか?」

「いいよ。頭おかしいし」

「なら遠慮なく」

「おう」

 

見た目はいいけど瑛香君も瑛香君で変なやつなんだよな。主に女好きってやつ。僕の周りには変なやつしか集まらないのか。もしかして、類友ってやつ?

 

「やったぁ!憂美さん、いいですか?」

「え、ちょ、ええ!?」

「よかったな、これで将来安泰だ。一夫多妻かも知れんが」

 

珍しく憂美が慌てている。

つーか、知って間もなく名前呼びとか、すげえな。流石ヤリチン。いや、人の童貞事情なんて知らんけど。

 

「ごめんなさい、お気持ちは嬉しいんですけど、でも私、好きな人がいて....だから、その、ほんとすみません」

「えっ」

「えっ」

「えっ」

「えっ?」

 

こいつさらっと何言ってんの?好きな奴いたの?マジか初耳。ならウチ来んなよ。て、なんか一人多くなかった?

 

「!?おいこらガキぃ!てめぇもいたのか!」

「私はお兄たんにいつも付いてますから!」

 

いつ入ってきたのかはわからないが、そこには目がクリクリとしていて、身長は僕のへそと鳩尾(みぞおち)の間ぐらいの高さの栗色をしたボブヘアの少女がいた。

 

「何言ってんの?ガキ?誰?って、うわぁ!なにこの子!ちっちゃ!可愛(かあい)!」

 

あなたそっちの趣味もあったんですか。

 

「あーうん。瑛香君の妹の、香織(カオリ)ね。小2。いつもこいつについてきてるうっさいチビ」

「なんか、言い方酷くない?こんな可愛い子に!ねぇ〜香織ちゃん〜」

 

しゃがみこんだ憂美はそう言うとその小さな頭を撫でた。

あ。こいつ、死んだな。そう思ったのもつかの間、

 

「気安く話しかけんなです。黙れです」

 

香織の放ったデコピンが見事に命中し、憂美の額でペチッと音を立てる。

 

「いったぁ!!」

 

ほら、だからガキなんだ。可愛くねえよ。

 

「ただ、香織を可愛いと言ったのは褒めてやるです。もっと私を讃えなさい」

 

ほんと、どこでこんな口覚えてきたんだか。最近の小2は怖えったらありゃしねえ。

隣では憂美が悶えている。別に、憂美の反応は大袈裟ではない。なぜか小2のくせにデコピンはマジで痛いの。骨にクリーンヒットするのよ。ウィークポイント確実に狙ってくるのなんのって。

 

「あー、香織が来てくれたところ悪いけど、用事もありますし、俺らはここら辺で帰らせていただきますね?あ、それと憂美さん。メアド書いといたんで気が向いたら是非、いつでもメールして下さいね!」

 

さっきから静かと思ったら、そんな事してたのか。

 

「では、またご飯持ってきますね〜!」

「香織のお兄ちゃんに手出したら断頭台に掲(かか)げてやるんですからね!」

「おう。ハルさん、良くなったんだな。退院おめでとうございますって伝えといてくれ。あと、飯あんがとな。美味かったよ」

「まぁ、ぼちぼちってところですかね。前よりは良いですねそりゃ。薬効いたんですかね?了解しました。伝えときますねっ。それと、ご飯作ったの母さんですよ」

 

そう言えばそうだった。

瑛香君は僕らに一瞬笑みを見せ出て行った。香織はというと、憂美にアカンベをして行った。案外憂美に懐いているのかもしれない。というか、いつも通り謎に展開が早い奴だこと。飯はありがたかったけど。

因みに、ハルさんというのは遥瑛(はるえ)さんという人のあだ名だ。彼女は彼らの母親であり、詳しい事はわからないが、書類上一応僕の保護者にもなってくれた人でもある。僕はこの人に感謝してもしきれないぐらいの施しを受けた。生まれつき身体が強くないそうで、つい最近まで入院していたらしいが、飯を作ってくれるぐらいには回復したようで安心した。それなのに二人も子供を産んで、あろう事か女手一つで二人をここまで育て上げたというのだから驚いてしまう。

 

「断頭台に掲げられちゃうの!?私悪くないのに!?」

 

やっと痛みが引いたのか、身体を起こした-別に倒れていたわけでもないが-憂美。

 

「断頭台は掲げるものじゃねぇ。それを言うなら断頭台で斬った首を掲げる、だ。んな事より好きな人いるってマジ?誰?」

「え?ああ、マジマジ。誰でしょうねー」

 

チッ。ダリィ。別に気になんないしいいや。

 

「うぜぇからいいや。あと、洗い物しとけよ?」

「うざっ....え!?あ、いや、そういえば今更だけどあの二人も苗字渋谷なの?どんな関係?生き別れの兄弟?」

「あー、叔母さんかな?の子だから、えっと、多分いとこぐらいの関係。僕親いないから代わりに育ててくれたんさね。んで、苗字ももらった。ほら、ウチの表札渋谷じゃくて太田(おおた)っしょ」

「なんか、ごめん。親、いないんだ。そういうのだと思ってなかった....。あと、表札見てないから知らないや」

 

こいつ案外そう言うところはちゃんとしてるのな。気にしないと思ってたわ。それと、生き別れとかいうところには僕も触れないでおこう。ツッコむのさえめんどい。

 

「あー、気にしなくていいよ。別に僕そういうの気にしてないし、てか、親なんていらなかったし。もともといても死んでるような....いや、なんでもない」

「そっか、そうなんだ」

「うん」

 

憂美はそれ以上踏み込んではこなかった。二人は顔を合わせない。横目にちらりと見えた憂美は、少し悲しそうに俯いていた。

ちょっと、しんみりした空気になってしまった。僕こういう空気嫌いなんだけどなぁ....そう考えると笑哉と春人って大切な友達だわ。

 

「じゃぁ、ちょっと洗い物してくるね」

 

この空気に耐えかねた憂美が席を立つ。僕もどうすればいいのかわからない空気だったからありがたかった。

 

「お前が作った飯、全部食っとけよ」

「そんなバカなっ!」

「ほんと、バカな話だ」

 

その日は一日中、憂美の嗚咽が鳴り響き、隣の家から苦情が絶えなかった。などということはもちろんなく、勿体無いが流石に捨てることとした。まぁ、捨てたといっても食べなかったというだけで、一応庭にある植物の肥料(専門用語で言うとアスカマンと言う)にしたということだ。

 

後に聞いた話だが、他の人に同じ質問(どういう関係か、というやつ)を聞かれたら「同居させていただいています///」と答えていたらしい。吐き気しかしねえ。

 




なんか、グッダグッダですみません!薄々気づいてはいるんですが、私、文を書くハウトゥーを知らなすぎてよくわからない文章になっている気がするんです!!(←それ今更言う?)
もうちょい頑張って上手くなりたいですわ....(泣)

はい、今回は登場人物2人も(名前的には三人)増えちゃいましたねー。あんまり人出さないようにはしてるんですけど、仕方ないですねw(今考えてるところではまだ後二、三人は増える予定w)

先程も言いましたが(というかいつも言ってるっちゃ言ってますねはいw)、次回からはちゃんと定期的に出せるように頑張ります!と、言うのも、この作品の方針を、何も考えずただ行き当たりばったりで書いていく!ということに決めました!(ワー、キャー、パチパチパチパチ〜)
とは言っても、元々書きたいことがあったから始めた作品でもあるので、そこら変はちゃんとしていきますよ!

あーあと、これも前に言ったんですが、違う話もちょくちょく書いてるんです自分実はw(サイトにはあんま載せてないけど構成は結構作ってるってことね)それで、どうしても今が旬(自分の中でのインスピレーションが!って言う意味でw)の話があって、次は一話読み切りか、あって5話ぐらいのその話を書いていこうと思ってます。何話かになるならまぁ、並行してやれればいいな、って感じなんですけど、もし一話で収まる分量なら、少し時間かかってもそっち優先すると思います。てか、ぶっちゃけこの話のインスピレーションが全く沸いてない状況っていうかー?w
なので!この話しか読んでない方(そもそももし、私ごときの作品を読んでいただいている方がいるのならって話だけどw)、いらっしゃいましたら申し訳ありません、また、お待たせしてしまうかもしれません....。できることなら一話読みきりだったとしてもこっちと並行できたらいいなとか思ってるけど。

では、また会いましょう!いつも長々とした後書き前書きにお付き合いいただきまことにありがとうございます!
今後ともよろしくお願いします!

(今回早かったよね!出すの早かったよね!てか、これ書き上げたの一個前の話し出した2日後なんだけどね!wえっ、まだ収録終わってない!?ちょっ!バカ!先言えよ!)あ、あはははー、ではでは〜ダスピダーニャ〜〜ノシ
(本当、そういうこと先言ってよね!)

茶番にお付き合いいただきありがとうございます。ほんとごめんなさい。


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