ありそうでなさそう (壬生咲夜)
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藍越学園の更識楯無 【IS】
入学式でのできごと


 

 

「――ありがとうございました。続きまして生徒代表歓迎」

 

来賓代表が席へと戻り、それと入れ替わるように生徒代表が檀上へとあがる。

 

「生徒会長の更識楯無です。新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。在学生を代表いたしまして、心からお祝いを申し上げます。皆さまの中にはこれから始まる学校生活への期待と不安が――」

 

スラスラと歓迎の言葉を述べる生徒代表。

その容姿はとても可愛らしく、水色の髪を後ろで結っているのもポイントが高い。

 

「なぁ、弾」

「なんだよ数馬」

「あの先輩めっちゃカワイくね? 俺、すっげー好みだわ」

「ん~、そうだな…」

「んだよ、ノリ悪いな。あ、解った弾はさっき司会進行やってた先輩がいいんだろ」

「んなっ、ば、そんなじゃ///」

「隠すなって、知的で優しそうな眼鏡美人だもんな~。カテキョとか似合いそう」

「………」

「おい、ムッツリ、鼻を押さえてそっぽ向いてじゃねえよ」

 

「以上、生徒代表 更識楯無」

 

赤髪の少年らがそんなやり取りをしていると、歓迎の言葉が終わったようだ。

だが、

 

「あ~それと、最後に1つ私事ですが……」

 

「「「「「?」」」」」

 

何だろうと皆、疑問を浮かべる中、

 

 

「私、更識楯無はこのようなナリをしていますが男です。そこんとこ覚えとけや、カワイイを連呼してる1年共!!」

 

 

爆弾が落とされた。

 

「な、」

「なな、」

「「「「「ナァニィィィィイイイイイ」」」」

 

新入生の席から上がる絶叫の嵐。

 

「ば、バカなあの容姿で男だ、と…」

「俺たちと同じバベルの塔が」

「イヤァァァ、聞きたくない」

「嘘よ、嘘って言ってよ」

 

皆、信じられない、この世の終わりだと言わんばかりの表情を浮かべていた。

すると今度はそれを遮るかのように在校生の席から声が上がる。

 

「会長! 俺たちは解ってるぜ!!」

「会長はとっても可愛い男の娘だってな!!」

「や~ん、今日も会長カワイイ♪」

「バッカね~。会長が可愛いのはこの世の心理よ」

 

「おい、そこの上級生(バカ)共…」

 

「「「「「男の娘! 男の娘! 男の娘! 男の娘!!!!」」」」」

 

「ダメだコイツら速く何とかしないと…」

 

頭が痛いと言わんばかりに手で頭を押さえる。

 

 

「よ~しお前ら全員後で生徒指導室に来い。O・HA・NA・SHIしてやる」

 

「「「「「フゥゥゥウウウウ///!!!」」」」」

「「「「「キャァァァアアア///!!!」」」」」

 

「…西村先生が」

「尊敬する人を二宮金次郎尊徳にしてやろう」

 

「「「「「ギャァァァァアア!!!???」」」」」

「「「「「イヤァァァァアア!!!???」」」」」

 

歓喜の声から一転、一瞬で絶叫に変わった。

 

「なぁ、数馬」

「………なんだよ弾」

「(死にそうだな…)俺、この学校だったら楽しくやっていけそうが気がするわ」

 

藍越学園の更識楯無君、始まります。




と、言う訳でTS楯無さんでした。
ISって一夏がTSする話はありますけど、他のキャラがTSするのって無いよな~って思って書いてみました。
ダレ得だよ!! と思われたかた、ごめんなさい。

続くかは本当にわかりません。

【キャラクター設定】
◆更識楯無
とっても可愛い男の娘。
藍越学園の生徒会長。
背が低い、筋肉がつかない、可愛らしい容姿を気にしている。
バッサリと髪を切りたいが、周りに止められ、仕方なく結って纏めている。
イメージはモンストのツナデ


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2話

 

その日、とある場所にて列が出来ていた。

 

ヒュッ

 

一人一人台の上へと上り、

 

ヒュッ

 

その頭上に鋭いモノが降ろされる。

 

「―――次、更識楯無」

 

名を呼ばれた少女ともとれる美しい容姿をした少年。

その瞳は暗く、前に進もうとしない。

 

「…早くしなさい」

 

痺れを切らした担当がやや強めに催促する。

やがて楯無は一度深呼吸をしてから台へと上がり

 

「お願いします」

 

と告げ目を閉じた。

だが、それでも恐れからかその唇は僅かに震えており、楯無の様子をを列に並ぶ人々が心配げに見つめている。

 

それらを担当は冷めた目で流し、

 

 何の宣言も無く

 

  少年の頭上へと

 

   断頭を振り落した。

 

 

 

 

 

「はい、153cm。去年と変わらないですね」

「なんでだぁぁぁぁあああああ!!!」

 

「「「「「イヤッフゥゥゥゥゥウウウウウウ!!!!」」」」」」

 

泣き叫び崩れる楯無と何故か逆に喜びの声を上げるクラスメイト達の声で張りつめた空気が一気に吹き飛んだ。

何故かと言うと―

 

「背の高い可愛い人、背の低い美人というのもまぁ悪くは無い。けどやっぱ会長はちっちゃくなくちゃな!」

「うんうん、ちっちゃいのは正義(ジャスティス)だ!」

 

―去年と変わらず生徒会長こと更識楯無の身長が小さくて可愛いままという事に安堵し騒ぎ始めたのだ。

そして一度騒ぎだしたら止まらないのが人の、この学園の悪いことろであって

 

「おい、会長の体重っていくつだった?」

「え? 確か42kgってまさか!!」

「そう、153cmに42kg……ネロちゃまと同じだ!!」

「つまり会長は皇帝だったのか!?」

「至急、手芸部に連絡。赤色のスケスケ衣装を作らせろ」

「いや、俺はブルマな会長を見たい」

「どっちにしろ愛でなきゃ」

「俺、会長の我儘なら全然許せる」

「むしろ我儘されたい///」

「会長、一度で言い。俺の事を奏者って呼んでくれませんか」

「あ! 貴様抜け駆けはズルイぞ!! こいつの事はほおっておいて俺を奏者と呼んでくださいお願いします」

「お前も抜け駆けじゃねえか!!」

「ハァハァ、我儘いっぱい聞いてあげるからちょっとお兄さんとあっちにイこうよ!」

「あ、もしもし西村先生。今目の前に変質者が…」

 

と暴走が加速し続け、最早手が付けられなくなった頃に

 

ピキッ

 

楯無がキレた。

 

「……もう、皆には内緒だよ?」

「え?」

 

 

 

 

「えっくすカリバァァァー!!」

 

「それは青い方!!??」

「でも、ありがとうございます!!!」

 

 

これは原作とはかけ離れた世界で少しアホな学友に囲まれて過ごす一人の男の娘の物語である。

 




※嘘です。作者の単なる気まぐれの思いつきです。


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3話

思ったよりも好評だったので続きを書いてみました。


 

更識楯無にはどうしても叶えたい夢がある。

それは…

 

「…安西先生」

「西村だ」

「ムキムキのマッチョになりたいです」

 

そう、マッチョに憧れていた。

幼い頃はガタイの良い父をみていつかきっと自分も父の様な身体つきになるんだと思っていた。

 

だが、蓋を開けてみれば身長は低い、声は高い、可愛らしい顔立ち、髪の毛サラサラと言わば美少女要素をつぎ込んだ男の娘へと成長。

その姿は幼き母に瓜二つ。

 

幼き頃は周りから「中学に上がると一気に伸びる」と(血涙を流しながら)諭され続けてきたが、いざ中学に上がるも全く伸びない。

 

悩みに悩んだ末幼馴染に(自然と上目遣いで)相談したところ

 

「毎日牛乳を飲んでるからですよ♪」

 

と言われ、苦手な牛乳を毎日飲むも効果なし(何故かいつも視線を感じる)

早寝早起きを心がけるも家系状ムリ。

筋肉を付けようとトレーニングに励んだり、プロテイン等を摂取しても一定以上着かない。

意識して低い声を出そうとするも上手くいかず、周りからは暖かい目で見られる。

髪を染めたり切ろうとしたが、妹に「お揃いは嫌?」と上目遣いで言われて断念。

太ってみようと暴食の限りを尽くしても太らない。(これには女性陣に妬まれた)

他にも色々と試したが全てが失敗に終わっている。

 

そんな彼は自らが通う高校の教師――西村先生に憧れと尊敬の念を抱いている。

背が高い、声が渋い、ガッシリとした体格と正に理想の自分を体現したかのような人物で入学して直ぐに想いをぶつけてしまったのは良い思い出だ。(この時何故か幼馴染の少女が暗器を取り出してた)

それからというもの生徒指導室に訪れては相談に乗ってもらったり、愚痴を聞いてもらっているのだ。

 

 

だが彼は知らない。

陰から生徒が二人の様子を見て顔を朱らめてみている事を

裏で教師×男の娘の薄い本が出ている事を

眼鏡の従者によって殲滅が行われている事なんてもっと知らない。

 

そしてーー

 

「ナイスシュート!!」

「イエ~イ!! 楯無さんの大・勝・利v」

「更識、後半戦は休んでろ」

「え~、何でですか!!」

「お前のスペックが高すぎるのもあるが――」

 

「か、会長のヘソちら頂きました(ゴフッ」

 

「――……鼻から赤いのを出して倒れる生徒がこうも増えては授業にならん」

 

体育の授業で男女問わず鼻血を垂らしているのは知りたくも無かった。

 

 

 

【オマケ】

◆楯無(当時:刀夜)就任前

 

旧時代派

「刀夜様はまだ若すぎる! 現当主の補佐に着き経験をじゃな――」

新時代派

「いや、若いからこそ新たな時代の波に乗り道を切り開けようぞ!」

女尊男卑派

「新たな時代ならばISを動かせる妹様こそ当主になるべきよ!! 男なんて――」

 

と白熱とした議論が起きたが―

 

「とっても可愛い男の娘に使えられるの今だけだぞ」

 

この一言であっさりと就任したとか…

 

 

◆視線の正体

「ハァハァ…苦手な牛乳をチビチビと飲む若様カワイイww」

「オニイチャンカワイイ、オニイチャンカワイイ、オニイチャンカワイイ、オニイチャンカワイイ、オニイチャンカワイイ、オニイチャンカワイイ、オニイチャンカワイイ、オニイチャンカワイイ、オニイチャンカワイイ」

本音

「(…今日のご飯なんだろうな~)」

 



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頑張れ所長! 【FGO】
始まり


ピピピッ、ピピピッ

 

ある部屋にコール音が鳴り響く。

部屋の主である少女が手元のボタンを押すとモニターが現れた。

 

「なにかしら?」

『所長、最後の適正者が先程到着しました』

「…そう、なら検査が終わる頃にマシュを迎えに行かせなさい。スケジュールの変更は無しよ」

『わかりました』

 

プツリと言う音と同時にモニターが消えると少女は両手の指を絡めそこに自身の額をあてる。

暫くの間そうしていた少女だったがやがて――

 

 

「…やるわよ、オルガマリー・アニュミスフィア」

 

決意を決めたかのようにそう呟くのだった。

 

 

―――

――

 

始めましてマシュ・キリエライトといいます。

私たちは今、人理定礎崩壊を防ぐべく特異点F―冬木―に来ています。

人理定礎崩壊とか特異点についてですが説明が面倒なので他のSSやWikiを読んで下さいって何を言っているのでしょうか私は?

 

冬木に到着(レイシフト)してからは先輩と私は街を探索していたのですが途中でスケルトンと交戦中の所長と合流。

そのあと直ぐにランサーのサーヴァントに襲われましたが、キャスターのクー・フーリンさんの手助けのお陰で何とか撃退に成功しました。

 

戦闘終了後、学校で身体を休めて今後の方針を話し合い、聖杯があるという祠に向かう事になりました。

祠へと向かい、つい先ほど辛うじてセイバー―反転したアーサー王ーを撃退することに成功。

正直、所長の指示で戦闘経験を積んだり、クー・フーリンさんからの戦闘の心得(アドバイス)を受けてなければ確実に負けてたと思います。

 

アーサー王消滅後、クー・フーリンさんも「今度はランサーとして呼んでくれよな」と先輩と約束を交わして座に帰ってしまいました。

別れは寂しかったですが、召喚に応じてくれたらまた会える。そう思いカルデアに帰還しようとするその直後の事でした。

拍手の音と同時に死んだと思われたレフ教授が現れたのです。

ですがこの気配は、

 

「あ、ああレフ! レフ!!」

 

っ駄目です所長! レフ教授に近づいては!!

 

「やぁオルガ」

「レフ、会いたかったわ」

「ふっ私も会いたかったよオルg「ガンドッ!!」ぶほぁっ!?」

 

…………へ?

 

「ガンドッ! ガンドッ! ガンドッ! ガンドッ! ガンドッ! ガンドッ!」

「がっ!? きさ、ま、やめっ」

 

あ、あの、所長?

 

「ガンドォォォォオオオッ!!」

 

―――

――

 

悪い夢をみたわ。

それも飛びっきりに悪い夢を

 

燃え盛る街でスケルトンやサーヴァントとの戦闘

重傷を負った47人のマスター候補生。

100を超えるのスタッフの死亡。

紅く染まったカルデアス。

そして――

 

そこから先を考えると身体の震えが止まらなくなる。

少しすれば落ちついたけれどそれでもやっぱり小刻みに身体が震えるし、何より一人で居るのが恐い。

 

誰か、誰かいないの?

 

「こんな夜更けにどうしたんだいオルガ?」

 

一人廊下を彷徨っているとレフが声をかけて来たわ。

そっちこそ遅くまでどうしたのか聞くと明日に備えてシバの再調整をしてたみたい。

その様子は私の良く知っているいつもの穏やかな姿。

…正直、今一番レフと会うのが恐かったけれど、それよりもレフを信じたいという気持ちが勝って夢の内容を話したわ。

 

全部話し終えたところで幾分が気持ちが落ちついてきて、夢の事であんなに脅えて「まだまだ君も子供のようだね」なんてレフに呆れられちゃうかしら?

もし言われたら顔を真っ赤にする自身があるわ。いえ、これを口実に添い寝してもらうなんて///

 

 

「…ふむ、イレギュラーは早めに対処しておくかね」

 

え?

 

おなか、痛い

 

どうしt……

 

―――

 

悲鳴を上げて布団から飛び起きる。

荒くなった呼吸を落ちつかせてから恐る恐る服を捲ってみると刺し傷なんて何処にもない。

 

また、悪い夢? でもあの痛みは――

 

事の詳細を確かめるべくシバの調整をしているであろうレフの所へ向かったわ。

 

シバのある部屋に着くと丁度作業を終えたみたい。

後片付けをするスタッフを尻目にレフに「私を、カルデアを裏切っていたのかと」問い詰める。

けれどレフには「…疲れているようだねオルガ」と言われ、周りからは「また所長がヒステリーを起こした」とまるで相手にされない。

 

嘘じゃない! 本当よ!!

 

夢で見た内容を話したりしたけれど聞いてもらえず、そのうちレフに「わかった一先ずロマニのところに行こう」と身体を抑えつけられる始末。

 

離してよ! この裏切り者!!!

 

「ちっ…下等生物が私の手を煩わせおって」

 

そんな言葉が聞こえたのと同時に私の胸元から何かが貫いたわ。

 

あ、これ、レフの手…

 

―――

 

何もかも信じられず自室の隅っこで布団を被って過ごす。

通信機器は全て破壊済み、時折外から人の声が聞こえたけれど布団を深くかぶってやり過ごしているとそれも無くなったわ。

 

何も考えずボーっと無駄な時間を過ごす。

外では私に変わってレフが進行役を務めてレイシフトの準備を進めてる頃かしら?

ふふっこれで私も終わりね。

 

そんな自嘲の笑みを浮かべていると突然部屋が爆発に包まれた。

 

―――

 

自分の部屋は駄目、どこか爆発に巻き込まれない場所に逃げなきゃ…。

 

そう思ってこっそり部屋を抜け出したけれど、何処に隠れても駄目。

爆発に巻き込まれるか、瓦礫の下敷き、酸欠で死ぬ事もあれば、レフに見つかって逃げようとして殺される事もあったわ。

そして幾度か繰り返すうちに施設内に私に隠れ過ごす場所が無いと言う事を思い知らされた。

 

中が駄目ならば外よ。と非常口を破壊して飛び出す。

後ろからスタッフの声が聞こえたけれどそれを無視して猛吹雪の中を我武者羅に突き進む。

けど、そんな無鉄砲が長続きするはずがなく、暫くすると体力がつきて雪の地面に倒れたわ

 

今度は凍死かしら? そんな事を考えていたら突然浮遊感を感じ、気がついたらいつもの部屋に居たわ。

 

―――

 

いつものようにレフや心配するロマニをやり過ごしてこっそりと部屋を抜け出す。

今回は何処に隠れようかしら? とそんな無意味な事を考えながら目に着いた部屋に入る。

部屋の中は初期のレイアウトのままで、誰も使ってないみたい。

 

使ってないなら丁度いいわ。今回はここで終わりにしましょう。

 

部屋に入りベッドに倒れ込む。

 

私、何をやっているんだろう。

どこに逃げても結局は死ぬ運命なのに、どうしてこんなことを……

 

 

そんな事を考えた時だったわ。

部屋のドアが開いて――

 

「あ、あれ? ここで合ってる…よね?」

 

――“48番目のマスター候補生”―藤丸立香―と出会った……いいえ、再会したの。

 



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あるいはこんな86
キチガイなスピアヘッド戦隊


86のアニメにドはまりし、再び執筆をとりました。

タイトルから察すると思いますが、原作のシリアスの雰囲気をぶち壊してます。
それでもいいという方はお進みください。




「総員、傾注。……………性懲りもなくレギオン(ゴミムシ)共がやってきた。諸君、これをどうする?」

 

 

 

「「「「「「「「殺ス、殺ス、殺ス!」」」」」」」」

 

 

「「「「「「「「壊セ、壊セ、壊セ!」」」」」」」」

 

 

「よろしい、ならば殺戮だ。奴らを一機も残さず皆殺しにしろ!!!」

 

 

「「「「「「「「「「Yeah――――!!!」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

今回のスピアヘッド戦隊は異常である。

 

いや、碌な教育も与えずに激戦区を4年間も生き残る連中が異常でないはずが無いのだが、今回はブッチギリの異常だ。

通年のスピアヘッド戦隊が“かなりガラの悪いオラオラ系(クラスに一人は居る不良)”なのに対し、今回は“話をを全く聞かないヒャッハー系(世紀末のヤンキー)”と言えば分かるだろうか?

とにかく、今回のスピアヘッド戦隊は異常なのだ。

 

今回のが補充されて既に一月立つが、戦死者(リタイア)が出るどころか、軽微の負傷者すら出ていない。

通常の軍であれば優秀な兵たちに喜ぶところなのだが、サングマグノリア共和国(腐りきった軍)からすれば()()()()()()()()()()()である。

最終的に彼らには特別偵察任務(事実上廃棄処分)に出てもらうのだが、任務に当たらせるのに弾薬や食料の出費は抑えたい。

そういった考えから上層部はスピアヘッド戦隊に対して()()()()を行うことにした。

 

 

()()()により軍備の補給が儘ならず。だが、そのままで現状(戦域)を維持しろ』

 

 

これで奴らも何人かリタイアするだろう。

そう上層部も思っていたのだが、それでも彼らは生き残った。

 

 

食料が足りない? なら現地調達だ! と偵察任務と称してひと狩り出かけ、現地や宿舎でキャンプファイヤー!!

 

機体が動かない? なら生身でどうにかするしかねぇ! と対応したレギオンが既にボロボロだったとはいえ、マジで小銃やシャベルなどでボッコボコ。

そして破壊したレギオンを持ち帰り、ジャガーノートを魔改造。

 

なお、この時の担当していたハンドラーが「Oh crazy……」と言って辞職した。

 

 

これに対し上層部は「豚共が、好き勝手やってんじゃね!!」と監視役を派遣。

なお、監視役に選ばれたのは堂々とサボってた若い軍人(ロビーで酒飲んでたり、死角になる場所や空き部屋で××してた奴ら)である。

 

給料泥棒達に無理矢理仕事もさせられるし、イカレタ豚共への行動抑止やストレスを与えることができる。

まさに東洋のコトワザ一石二鳥だ! と思っていたのだが、

 

 

なんと連中、「俺たちの監視なら戦場にも一緒に行こうZ☆E!」と監視役をジャガーノートに二人乗りして出撃した(棺桶に拉致して出かけた)らしい。

泣き叫ぶ監視役をBGMにヒャッハー☆するイカレタ豚共に二代目ハンドラーはドン引き。

 

戦闘を終えて隊舎へと帰還したと思ったら、「近くにレギオン(ゴミムシ)がいる」と隊長(アンダーテイカー)が呟いたと思ったら、整備・補充をしないどころか戦争●女(脱バー●ン)の余韻で気絶していた監視役を乗せたまま勝手に再出撃☆

再び現れた激しい揺れで気が付いた監視役は、再出撃(セカンドバー●ン)だというのも知らずに再び発狂して気絶した。

 

気絶(二度目とは知らない)から覚めた監視役は早々に当時担当していたハンドラー(二代目)を通して上層部に交代を申し出た。

上層部は「勝手な事してんじゃねぇよ豚共が!」や「軟弱な! これだから若い者は!」と思ったが、戦闘中に誤射で野生の動物を殺して持ち帰ったり、機体の不調と称して機体から出て食料を調達したり、破棄されたままのジャガーノートを持ち帰って機体の整備をされる可能性があったので、『任務続行』を通達。

決して“あわよくば給料泥棒が喚いて戦闘の邪魔して一緒に死んでくれればいい”とか思ってない。

 

 

『任務続行』の通達に監視役は絶望した。

そして現れる三度目の出撃。

 

 

監視役は逃げ出した。

 

ミス! イカレタ豚共(キチガイ共)から逃げられない!

 

棺桶に拉致された。

 

 

そんな事を何度か繰り返したいたのだが、監視役が気絶から目覚めてコクピット内で暴れまわれるのを患ったのか、ジャガーノート(棺桶)に括り付けて出撃するようになり、

 

「イヤァァァアアアアア!! せめて、せめて中に入れてぇぇええ!!」

「アルミ装甲に押しつぶされるか、アルミ装甲へ押しつぶされるしか違わねぇさ!!」

「違うぅぅぅぅううう!!! あ、掠った!? 今、レギオンの攻撃俺に当たりかけたからぁっ!!!」

「HAHAHA!! 気のせいだろう」

「イヤァァァァァアアア!!!!」

「ヒャッハァァァァアアア!!!」

 

といった声が激戦区に鳴り響いた。

 

 

 

なお、この時担当していたハンドラー(二代目と三代目)は良心を酷く痛めて(同族に対して何もしてあげられなかった事で)辞職した。

あと、監視役は一月の補給物資が運ばれるヘリに(泣き叫びながら)勝手に搭乗して帰還。

上層部から任務放棄の責を問われたが喜んで罰を受け入れて軍を辞めた。

 

 

次に上層部は誤情報や明らかに間違った指示を送るようにハンドラー(四代目)に命令したのだが、誤情報を全く信じず自分たちで好き勝手に暴れまわり、「命令を聞け!!」と叫んだハンドラーに対し間違った戦術・戦略を指摘した(ド正論で煽った)結果、元からの深酒と煽りによる興奮によって血管がブチ切れて入院。

 

ならば次はド新人(足手まとい)を送りつけたら、入隊間もないド新人が半月で洗脳されてヒャッハーの仲間入り。

 

 

 

どうしたら、どうしたらあのイカレタ豚共は死ぬんだ。

 

軍上層部は頭を抱え込んだ。

 

 




◆今期スピアヘッド戦隊
それぞれが激戦区を生き抜いてきた猛者にしてイカレタ連中。
偶々イカレタ連中が集まったのか、隊長のアンダーテイカーが洗脳(イカした)のかは不明。
※特に考えてないともいう

普段は割と大人しいのだが、戦場に出ると「汚物は消毒(レギオンは殲滅)だ! ヒャッハー」になる

元から居た整備班長のレフと新しく担当することになるレーナはストレスと胃痛で死ぬと思う。

◆軍上層部
その内廃棄処分直行なのだから放っておけばいいのに弾薬と食料をケチったり、生き残ってるのを気に食わなかったためアレコレ死ぬような指示を出した結果、あまりのイカレ具合に頭を抱える。
後に担当がレーナになった際は、嫌みや不満をレーナにぶつけてストレス発散すると思われる。



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キチガイなスピアヘッド戦隊 02

シンエイ・ノウゼン

 

サンマグノリア共和国軍東部戦線第一戦区第一防衛戦隊「スピアヘッド」の今期隊長を務める彼には異能がある。

それは『死者の声を聞いてしまう』というものだ。

元は『血族の心の声を聞く』というものだったが、とある理由で(実の兄に首を絞められ生死を彷徨った結果)死者の声を聞く力に変質。

移行、レギオンによって殺され、持ち帰られた彼らの怨念の声が、悲痛の叫びが、いつ、いかなる時、どんなに離れていても聞こえてしまう。

 

 

《帰りたい》

 

《…死にたくない》

 

《お母さん!!!》

 

《イタイ、イタイヨ…》

 

《イヤダ、イヤダァアアアアッ!!!!》

 

《タ、スケテ………》

 

 

こんな声が常日頃から聞こえる。それは一体どんな拷問だろうか………。

通常であれば、とっくに廃人へと化しているだろう。

 

 

だが、時にはこんな声もある。

 

 

 

《DTのまま死にたくねぇぇぇええ!!!》

 

《おっぱいに挟まれて死にたい人生だった……》

 

《処●のまま死ぬなんてイァヤヤヤアアア!!!》

 

《読みかけの本を残したままなんて死んでも死にきれねぇえええ!!》

 

《あ、枕の下に秘蔵の本いれっぱs……》

 

《あたしの食後のデザートがぁぁあああああ!!!》

 

お前ら、死に際のセリフがそれでいいのか? と問いたくなる。

たまに面白可笑しいモノ(中二病発言)が飛んできて、シンは勿論、戦闘中パラレイドで繋がっているスピアヘッド戦隊の腹筋を攻撃してくる。

常人であれば戦時下の不意打ちに気を取られて死んでいるところだが、キチガイ共は笑いながら汚物を消毒する。

特殊な環境下で生まれたキチガイは一筋縄ではないのだ!

 

 

 

そして、中にはこんな声も…………。

 

 

《アンジュ様ぁぁあああああ!!!!》

 

《カイエ様バンザァァァアアアイ》

 

《ミナたぁぁぁあああん!!!》

 

《レッカ様の為にィィイイイイ!!》

 

《ミクリィイイン!!》

 

《マイナたんhshs》

 

今期スピアヘッド戦隊女性陣が配属される前の戦線でナニをヤらかしたのか気になるところであるが……

 

 

 

「「「「「・・・(ニコッ」」」」」

 

 

聞かない方が賢明であろう。

 

因みに妹扱いしているクレナに関する声が聞こえた場合、即座にシンが処分し、本人には適当な嘘をついたり、若干アホなので言いくるめて納得させている模様。

 

―――

――

 

ヴラディレーナ・ミリーゼは困惑している。

弱冠16歳で少佐に上り詰めたエリートの彼女であるが、ハンドラーとしてはまだまだ素人。

全滅こそ未だに無いが己が担当する部隊に戦死者を出すこともしばしばあり、その度に謝罪と涙を流した。

 

今回で最後となる部隊の任務で、あまりの激戦で戦隊長を含めて数名の隊員が死亡。

任務後に伝えるつもりだったスピアヘッド戦隊への移籍(別の部署への移動)が、まるで彼らの怒りの声から逃げるようになってしまった。

 

自分のまだ拙い指示に従ってくれた彼らから罵倒を受ける覚悟でその事を通達したのだが、何故か生き残った全員から気まずそうに心配されたり、憐れみや励ましを受けた。

 

 

「(え、いったいどう言うこと何ですか?)」

 

 

そして彼女は知る。

イカレタ連中によるキチガイな行動を……

 

配属初日はまだ良かった。

叔父から若干問題のある部隊だと聞いていて、どんな問題児を抱えた部隊だろうと危惧していたのだが、蓋を開けてみれば気さくな人柄ばかりで着任時の挨拶も問題なく終わった。

事前に読んだ資料から、若干前に出すぎる(・・・・・・・・)ところはあるが、大戦果を挙げている優秀な部隊だ。

 

 

「(これのどこが問題なのだろう?)」

 

そう思っていた時期が彼女にもありました。

 

 

 

≪ヒャッハァァアアアッ!! レギオンは皆殺しだぁあああっ!!≫

 

≪いいレギオンはさっさとくたばったレギオンだ。それ以外はただのクソ蟲だ!!!≫

 

≪死ね! 死ね!! 死ねぇぇえええ!!!!≫

 

≪機体が動かないっ!? なら、生身でやるっきゃねぇよなぁああ!!!≫

 

 

 

「(…………こんなの聞いてない)」

 

今なら納得する。

転属を伝えた際に前部隊員たちの気遣った声が、配属を任命される際にどこか気まずそうにしていた伯父様の表情が………

 

 

こうしてレーナは数か月という短い間ではあったがキチガイ共に揉まれたり、軍上層からの嫌みや同僚からの妬みを受け続けた結果………

 

 

 

――数年後――

 

 

 

≪早く指令を、命令(オーダー)を下してくれよ鮮血女王(ハンドラー・ワン)!≫

 

命令(オーダー)? そんなのいつもと変わりません。見敵必殺(サーチアンドデストロイ)。さぁ、命令(オーダー)は下しましたよ。レギオン(クソ蟲共)を一機も残さず殲滅せよ我が下僕共(女王の家臣団)!!」

 

 

 

≪≪≪≪≪≪≪了解(イェス)我らが鮮血女王(マイロード)!!≫≫≫≫≫≫≫

 

 

 

見事に彼ら流に染まった。

 

 

なお、後に合流することになる元スピアヘッド戦隊(キチガイ集団)女王の家臣団(狂信者たち)による盛大な喧嘩が始まるだとか始まらないだとか……。

 




正直、シンの『死に際の死者の声を聞いてしまう』という設定を知った際、DTだとか処●のくだりを叫んでるのとか居そうだよな~と思い、それを書いてみたくて書きました。

因みに

「シンたぁぁぁん!!」

「死神殿hshs」

「シン君prpr!!」

といった声もあったりするのですが、彼らは「シィィィイインン!!」と叫んでる機体に速攻で破壊されているため、シンが知覚することは無かったりします。



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キチスピ戦隊 番外編「キチガイ共がギアーテ連邦にinしたようですよ!!」

86面白いですよね! 毎週楽しみにしてます。
本編通りに話を書きたかったのですが、まぁ色々(酒飲みながら)考えた書いてたら、こっち(2期)が出来上がりました。

セリフ多めです。



長距離砲のレギオンによって食糧庫を破壊され、空腹で倒れたキチガイ共。

ギアーテ連邦軍の偵察部隊に拾われ、某海賊漫画並みに飯を食い漁って連邦軍兵士に「(あんな空腹になるまで戦わせれたなんて可哀そうに…)」とか思われてたが、今話とあまり関りが無いので割合とする。

 

腹を満たした彼らは、やがて連邦の医療施設に入れられ、そこで精密検査を受けたのち、彼らの処遇についてどうするかで揉めた会議の末、「僕が全員引き取る!」といったエルンストの鶴の一声により、暫定大統領邸にて引き取られることになったのだった。

 

 

 

 

義妹(マスコット)登場

 

「哀れなお主らに宛がわれた可愛らしい妹が童じゃ。せいぜい可愛がってくれるがよいぞ兄様共!!!」

 

「「「「「…………」」」」」

 

「どうしたのじゃ? 早う可愛がるがよい!」

 

「……ああ、確かに可愛いな」

「うん、可愛いね」

「フレデリカちゃん可愛いわ」

 

「うむうむ、そうであろうそうであろう」

 

「ちっちゃくて可愛い!!」

「お人形さんみたい!」

「食べちゃいたい!」

 

「う、うむ!」

 

「ソーキュート!」

「イッツプリティィィイイイイ!!」

F(フレデリカ)M(マジで)P(プリティ)!!」

 

「あの、ちょ、もう…」

 

 

「「「「F・M・P!!」」」」

 

「「「「F・M・P!!」」」」

 

「「「「F・M・P!!」」」」

 

「「「「F・M・P!!」」」」

 

 

「っ~~~~////」

 

「イジメかいっ!!!???」

「違います可愛がって(からかって)るだけです」

「イジメだよね!?」

 

 

「っテレサ~っ!!」

「FMP…失礼、噛みましたフレデリカ様」

「テレサっ!?///」

 

こんな感じで新たな場所へ馴染むキチガイ共であった。

 

 

 

◆フレデリカの異能

 

各々の決意を旨に、養父(仮)へ再び戦場に立つことを告げたキチガイ共。

そんな彼らに対し、末っ子(苛められっ娘)のフレデリカも己が願いを、そして自らの異能を告げるのであった。

 

 

「見知った者の現在と過去を覗き視るのが我らが受け継いだ血の力じゃ」

 

 

「…それって、つまり筆記テストとかで出題者の過去を覗き見て、答案をまるっとコピーとかできるってこと?」

「そ、そそそんな事しておらぬぞ」

「あと、“今”を覗き見て絶好のタイミングでツマミ食いとかできそう」

「なぁっ!? なんのことだか童にはわからんのじゃ!!!!」

 

 

「…フレデリカ」

「お嬢様」

 

「ちょっとこっち来なさい」

「ちょっとこちらへ」

 

「ピィッ!!??」

 

この後、エルストン(暫定大統領)テレサ(メイド)から1時間の説教と反省として“おしりペンペンの刑”がされたとか……

 

 

◆憎悪に堕ちた騎士

 

 

≪殺してやる≫

 

キリヤ・ノウゼンは怒り狂っていた

 

クーデターを起こした者共(国民)を…

 

 

≪殺してやる≫

 

 

寝返った貴族たちを…

 

 

≪殺してやる!≫

 

 

仲間の命を奪った奴ら()

 

 

≪殺してやる!!≫

 

 

守りたかった少女(フレデリカ)の命を奪った奴らを

 

 

≪殺してやる!!!≫

 

 

今もなお、生き続けている元故郷の人々を

 

 

≪殺してやる!!!!!!!!!≫

 

 

その怒りは死んでレギオンに取り込まれても残り続け、数万の命を一瞬で消し去ろうとも決して衰えなかった。

 

 

「ヘイヘイ、キリヤ君ひっさしぶり~」

「元気してたぁ~?」

この間(長距離砲撃の件)はどうも~」

「僕たちには当たらなかったけどね~」

 

 

≪…………(イラッ≫

 

 

「あっ、この(機体に張り付けた)写真、気になる?」

「こちら、ウチのフレデリカ(マスコット)が寝ぼけて半裸で歩き回ってた時の写真で~す!

「こっちは嫌いな食べ物を前にして嫌そうな顔をしてる写真」

「あざとい仕草でおねだりしてる写真」

「カンニングがバレて説教されてる写真よ~」

「懲りずに異能使って摘まみ食いしてお尻ペンペンされてる写真!」

「こっちはうちの妹にドヤ顔してる写真だよ。ああ、僕の妹カワイイナ~」

「どうどう? 欲しいキリヤ君?」

 

 

「「「「「「「「「「あ~げ~な~い~よ~!!」」」」」」」」」」

 

 

≪殺してやる!!! 姫様を愚弄する奴らは全員殺してやる!!!!!≫

 

 

≪あと、写真寄越せ!!!≫

 

 

「…釣れたな。戦隊各員、作戦通りに殺るぞ!!」

 

「「「「「「Ya----っ!!!!!」

 

 

 

―――

――

 

「(あの子達から『長距離砲クソ蟲(モルフォ)を引き付ける策がある』っていうから任せたけど……)」

「もう、止めてたもう~!!!//////」

 

 

「……うん、酷いな~」

 

 

|ひとりの≪フレデリカの羞恥心≫犠牲を犠牲に、厄介な敵の始末に奮闘するのであった。

 

 

―――――――――――――――

一方その事

 

「なぁ、鮮血女王(ハンドラー・ワン)。あっちでなんかデカイの袋叩きにしてるイカレタ連中が見えるんだが……」

 

『十中八九先代スピアヘッド戦隊(キチガイ集団)ですね。直接の手出しは不要です。ただし、向こうへ駆けつけようとしているレギオン(クソ蟲)は抹殺してください』

 

「「「「「「了解。我らが鮮血の女王様(イェス・ユア・ハイネス)!!!」」」」」」

 

さりげなくキチガイ共を援護する元上司が居たとか…。

 




書きたい所だけ書きました!
副題は「フレデリカ苛め」です!

別にフレデリカ嫌いじゃないですよ? ただ、なんとなくイジメてみたくなっただけです(ゲス顔)

なお、写真の件については

シンエイ「……長距離砲(モルフォ)を討つには、フレデリカ(の恥ずかしい写真)が必要だ。協力してくらるか?」
フレデリカ「も、もちろんじゃ! 童にできる事なら何でも協力するぞ!!」
シンエイ「よし、本人の承諾を得た。さっそく(拡大化した写真を機体に張り付ける作業に)取り掛かってくれ」

整備兵s「「「「ウィ~ッス」」」

フレデリカ「!!!?????」

というやりとりがあったらしいです。



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こんな86はちょっとイヤだ

これはレーナが自らの過ちを謝罪し、改めて皆と交流をとりたいと話し、シンエイから所属している全プロセッサーの名前を聞き、生き残ってるプロセッサーからそれぞれ挨拶を返して貰った時のことだ。

 

『あ、すみません』

「どうかしましたかハンドラーワン?」

『アンダーテイカー、貴方の名前をまだ教えていただいてなかったと…』

「ああ、すみません忘れてました。アンダーテイカー、シンエイ・ノウゼンです」

『ノウゼンっ!? あの、もしかしてショーレイという方をご存知ですか?』

「っ……兄です。どうしてその名を?」

『以前、命を助けて頂きました。恩人です』

「…そうですか」

 

この時、ライデンらは奇妙な繋がりがあったもんだなと思っていた。

 

 

次の言葉が続くまでは

 

 

『では、貴方が話しに聞いていたシンたんさんなんですね』

「ブフォッ!!??」

 

(え、シンが?)

(あの鉄仮面野郎が?)

(我らが死神殿が?)

 

(((((動揺してコーヒー噴いた!?)))))

 

(((((てか今なんて言ったあの女!?)))))

 

「ゲホッ、ゴホッ……ハンドラーワン、今のは……」

『えっ? あっ! し、失礼しました!! ショーレイさんから貴方の事をお話しされたときにシンたんシンたんと言われてたので、ついそのまま……』

 

(あの無表情顔でシンたんwww)

(クールぶった顔でシンたんwww)

(ダメだ、腹痛ぇwww)

 

「(あいつら後でぶん殴る…)…いえ、大丈夫です。今日はもう遅いので、本日の通信は此にてーー」

 

この時、戦隊面々の思いは一つだった。

 

「「「「「(こんな面白い話、終わらせるわけには行かない!)」」」」」

 

「まぁ、待ってくれよハンドラーワン」

「おいライデン何を――

 「それ捕まえろ~!」

 「神妙にしろ死神殿~!」

 「ちょっと大人しくしようかシン君♪」

 「ゴ、ゴメンねシン!!」

 ―――お前ら…」

 

隊員それぞれがシンを羽交い締めにしたのを横目に確認したライデンは再び口を開く。

 

「実はシンのやつ、昔の…幼い頃の記憶が無いらしくてな」

『えっ、そうなんですか!?』

「ああ、そうなんだよ。だから、こいつに兄貴から聞いた小さい頃の話をしてやってくんないか? シンの為にも…」

『それでしたら後で本人に伝えてあげれば…』

「イヤイヤだからこそだ。俺たちの隊長であり大事な仲間なんだ。仲間の事(特に面白い話)は死ぬまで覚えて置きたいんだ」

『で、ですが許可無く他の方の話をするのは…』

 

「明日、俺たち死んじゃうかもしれないんだぞ(嘘泣)」

 

『うっ、わ、わかりました」

 

ハルトの定番のセリフが決めて(カイエが死んだばかりなのもある)となり、少しだけ話すつもりだったが、戦隊員らの合いの手もあってガッツリと話してしまうことになった。

 

曰く、

 

◆お兄ちゃん子でいつも後ろを付いてきた

◆おんぶや肩車をせがる仕草がホント可愛い。

◆頼ってもらえるよう、ワザとそう仕向けたことがある。

◆笑った顔がマジ天使

◆幼馴染の子と本気のかくれんぼをしたら相手を泣かせた事がある

◆割と強めの説教をしたら泣いて不貞寝をし、暫く口をきいてくれなかった。

◆俺の弟の泣き顔マジプリティ

戦場(ここ)に来る前、正気でなかったとはいえ、シンに酷いことをしてしまった。

◆土下座で謝って仲直りをしたい

◆許してくれなければ、ゴミを視る目をしながら頭を踏んでほしい

 

 

『私、一人っ子何ですけど、ご兄弟ってこんな感じなんですか?』

 

「「「「「いや、それは無い」」」」」

 

兄弟・姉妹の居た戦隊員らの言葉に、まぁそうだよなと一人っ子組は内心で頷いた。

 

「……ハンドラーワン、流石にこれ以上は明日に響きますので通信を終わりにしますがよろしいですね」

『あ、す、すみません! 長々とその色々話し込んでしまい…』

「…構いません。それではまた明日」

『はい、おやすみなさい』

 

パラレイドを切るとゆらりと立ち上がるシン。

その姿に流石にやり過ぎてキレたかと思い声をかける。

 

「シ、シン?」

「………本で知ったことなんだが」

「お、おう…」

 

「人は頭に強い衝撃を受けると記憶を失う事があるらしい」

 

(((((コイツ(シンのやつ)記憶がなくなるまで()る気だぁっ!!!???)))

 

「お、おい落ち着けシンたん!」

「そうだよいったん冷静になろうシンたん!」

「話し合おうぜシンたん!」

 

「…フッ」

 

その晩、スピアヘッド戦隊隊舎にて【真夜中の鬼ごっこ】が開催され、近隣の森まで隊員らの悲鳴や謎の鈍い音が響いたとか…。

その騒動は整備班長(アルベリヒト)が怒鳴り込んでも収まらず、朝方まで続いたらしい。

 

翌日、隊員の9割が(自称)記憶喪失と頭部のダメージで使い物にならず、当日の哨戒任務はシンが(自室から)一人で索敵をしたらしい。

 

 

 

そして、数カ月後

 

≪シンたぁぁぁぁんっ!!!!!≫

 

 

 

 

 

 

 

『…ライデン、お前達は雑魚の相手を頼む』

≪シンたんっ!≫

『お、おう! シンお前は…』

≪シンタァァァン…≫

『クソ兄貴を仕留めてくる』

≪シ~ンたん♡≫

『そ、そうか、その、頑張れよ』

≪シンたん! シンたん! シンたん!≫

『……ああ』

≪シィィンタァァァン!!≫

 

素直に頼られた事が嬉しかったが、ちょっとだけ内心複雑な思いを抱いたライデンだった。

 

(そういや、兄貴を見つけたって言ってたとき、ヤケにキレてたのはあの叫びが原因か…)

 

そう一人納得し、セオらと共に雑魚の相手をするのであった。

 

 

 

さらにそれから数年後、

 

≪シンたん!≫と叫ぶレギオンが出現し、第86独立機動打撃群(ストライク・パッケージ)の面々が腹部にダメージを負って一時戦闘不能に陥る事件が発生。

戦隊長自らが激戦の末に討伐したものの、何故が翌日に一部記憶喪失を自称する隊員が相次いだとか…。

 

なお、このレギオンは何度討伐しても時折ふらっと現れては、味方の様な行動をとり、最終的に戦隊長へ敵対行為(じゃれつき)をとるらしい。




ショーレイが超絶ブラコンだったらこうなるのかなと思って書きました。
レーナと戦隊員は原作よりも早くにそれなりの仲へと進展するが、やはり原作通り5名まで減ってます。

あと、シンは最初レーナに口止めを依頼しましたが、輸送ヘリが来ても「まだ話したりねぇ!」と語り続けており、当時の戦隊員(全員既に戦死済)や整備員、ごく一部の輸送隊は知ってると話して膝から崩れ落ちるというのも考えましたが、話に入りきれないので省きました。


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こんな86はちょっとイヤだ 2

 

この時ほど、フレデリカは己の異能に後悔したことはない。

 

共和国から流れ着いた86の少年少女らと同居することになり、そこそこの関係を築き上げてきた頃の事だ。

 

ふと、自身の異能“見知った相手の過去と現在を覗き見る”が発動。

対象は保護した86らの隊長であるシンエイであった。

 

 

申し訳ないと思いつつも、彼ら彼女らの深い信頼関係を羨み、その根本となる旅路(戦歴)を知りたいと思ってそのまま覗き見ることにした。

 

 

幼馴染からの罵倒と決裂。

 

突如、家から連れ出され、知らない場所(施設)での生活。

 

出て行ったまま帰ってこない両親。

 

怒りに染まって首を絞めつけてくる兄。

 

戦場で一人だけ生き残り、「なぜお前だけと」罵声を浴びせる整備士

 

“死神”と恐れられる自分に生き残って(着いてきて)くれたライデン。

 

戦友(仲間)たちとの何気ない日常。

 

侮蔑した白豚のお姫様(レーナ)を少しずつ認めていく日々。

 

一人、また一人と欠けていく戦友(仲間)たち。

 

 

そのあまりの過酷な過去にフレデリカの胸は締め付けられる想いでいっぱいだった。

 

 

 

次のシーンに移るまでは

 

 

 

≪フレデリカちゃまぁぁぁああああっ!!!≫

 

「んん?」

 

フレデリカの眼は点になった。

 

なんか、すごく聞き覚えのある声が自分を呼んでいたような気がするが、きっと聞き間違いだ。そうに決まっている。

 

 

もう一度、過去を覗き見てみた。

 

 

≪フレデリカちゃまぁぁぁああああっ!!!≫

 

 

「聞き間違いじゃなかったぁぁぁああああっ!!!」

 

どうした。 何があったのじゃ我が騎士よ!!

 

 

 

種明かし(ネタバレ)をしよう!

別にキリヤ・ノウゼンは変態ロリコン野郎ではない。

では、どうして幼女の名前を叫び続ける様になったかというと、単純にタイミングが悪かった。

 

本来は(原作では)『小さな王族のマントが血塗られた上に槍の穂先に刺さっている』のを見て、反乱軍によって幼き我が主が殺されたと勘違いをし、元帝国の民に対して【殺してやる】という恨みの声を叫びながらレギオンに取り込まれたのだが、この世界では銃剣の穂先に刺さった主の衣服をみたキリヤは

 

 

「フレデリカちゃ(・・)まぁぁああ!!!???」

 

“噛んだ”

 

度重なる戦闘による疲労と動揺によって噛んでしまったのだ。

しかも間の悪い事に、その直後にレギオンに殺されて取り込まれてしまったために本人は噛んだことを全く持って自覚していない。

 

 

よって、戦場で幼女の名を叫び続ける変体の出来上がり☆

 

 

試し打ちでクロトら4人が殺された時も

 

≪フレデリカちゃまぁぁぁああああっ!!!≫

 

レギオンに囲まれたシンエイを狙い撃ちしたときも

 

≪フレデリカちゃまぁぁぁああああっ!!!≫

 

今後、某共和国の壁を破壊するときも

 

≪フレデリカちゃまぁぁぁああああっ!!!≫

 

前線基地におびき寄せた三国の兵を皆殺しにするときも

 

≪フレデリカちゃまぁぁぁああああっ!!!≫

 

どんなにシンが頑張ってシリアスを演じても

 

≪フレデリカちゃまっ!!!≫≪フレデリカちゃまっ!!!≫≪フレデリカちゃまっ!!!≫

 

≪フレデリカちゃまぁぁぁああああっ!!!≫

 

フレデリカの眼は死んだ。

 

 

 

後日、再び戦地に戻る事を養父に告げたシンエイらにフレデリカは

 

「どうか、どうか我が“元部下”を討ってほしいのじゃ」

 

土下座。

圧倒的なまでの土下座である。

 

慌てたライデンらはとりあえず椅子に座らせて事情を聞いて、心の底からフレデリカに同情した。

信頼していた部下(知人)がレギオンに取り込まれて変態化し、戦場を転々と移動しながら自分の名を叫び続けるとか死にたくなる。

 

 

これに了承したシンエイたちは、エルンストから条件をクリアするために軍学校へ入学。

そして、フレデリカも頼むだけでなく「自身の異能を使ってほしい」と共に戦地へと赴くことになった。

 

 

なお、シンエイら旧スピアヘッド戦隊の面々(レーナも含む)の間で電磁加速砲型(モルフォ)の事を『フレデリカちゃま砲』と呼んでいたのは黙っておいてあげることにした。

 



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