兵藤一誠おっぱいを語る (空孫悟)
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兵藤誠一編
おっぱい


祐美
パラレルの木場。イッセーとは恋仲

パラレル世界
イッセーギャスパー以外の人物たちが性転換されている。


 輪廻転生。君たちはこの言葉を信じるか?

 俺は信じる。というか信じるしかない。なぜなら輪廻転生してしまったからだ。

 

 修学旅行で行った京都。そこで俺達は禍の団の英雄派に襲われた。一度目は退けたが二度目、二条城本丸御殿での戦い。その戦いの最中、俺は仲間をそして祐美を傷つけられた怒りに飲まれ覇龍(ジャガーノート・ドライブ)を使い死んだはずだった。

 

 しかし、目を覚ますと俺はどこか面影のある女性に抱えられていた、赤ん坊の体で。隣には昔見た俺の写真そっくりの赤ん坊が抱えられている。

 

「あなたの名前は誠一、兵藤誠一よ」

 

 理解、するのにしばらくかかった。だが納得することはできなかった。

 

「一誠お兄ちゃんと仲良くしてね」

 

 その瞬間、俺は絶望した。

 

 なんと俺は輪廻転生したのだ。自分の双子の弟として。

 

 

 

 

 

 

 

 それから七年後、俺はまだ絶望の底から抜け出せなかった。

 

 一誠は何度も俺を遊ぼうと誘ってくれる。だが俺は第二の衝撃より更なる絶望に落とされていた。

 イリナが女だったのだ。確かにイリナは中性的な容姿をしていたが間違いなく男だった、一緒に風呂も入ったしモノも付いていた。……だがこの世界のイリナは女だったのだ、母さんにも確認したから確定だイリナは女だった。

 

 そして絶望は続いた、前々からおかしいと思っていたのだ。父と母の雰囲気が逆だと。名前も違った、だが面影が残っていた、父は元母の、母は元父の面影を残していた。

 

 まさかと思い調べてみた。有名芸能人、幼稚園時代の友人、親戚。――全員性別が逆だった。

 

 つまり、俺の最愛の人は……祐美は……男なのだ、この世界では。

 

 

 兵藤一誠ではない記憶にない別の『誰か』に生まれ変わったこと、自分以外の全員が性別が変わっていること、そして何より俺のことを誰も知らない事実。それからは目に見えることすべてが絶望だった。

 

 

 父も母も俺によくしてくれる、人の和に溶け込まない俺のことを心配してくれる。俺、いやイッセーも心配しよく話しかけてくれる。

 

 だがどうしろと言うんだ。両親に言う?俺はイッセーだったんだって?

 それともイッセーに言うのか。俺はお前だったんだ、居場所を返せと。

 

 言えるわけないだろう。

 

 

 

 

「こっちだよ来て!」

 

 いつものように俺が公園のベンチで絶望していると聞き覚えのある声が聞こえて来た。

 

「おっちゃん、こいつに聞かせてほしいんだおっぱい昔話を!」

 

 その声は聞き覚えのある、とても懐かしい。そして絶対に忘れることのない声だった。

 

「そうか、坊や。教えてくれてありがとうな。それじゃあ今日は乳太郎の話だ――」

 

 その日、俺は希望を見つけ、情熱を取り戻した。ほかならぬ前世からの恩師の手によって。

 

 

 

 

 

 おっちゃんに出会ってから、俺はドンドン元気を取り戻した。正確には元気になっただが。

 おっちゃんのおっぱい紙芝居は俺の生気を取り戻し、情熱を取り戻し、生きる意味を再確認させてくれた。

 

 前世で俺はおっちゃんに託された通り、おっぱいをもんだ。吸うことはできなかったがあと一歩の所まで行くことができた。

 

 そして最近、寝る前に前世の行いを振り返ることが多くなった。前世の俺はいわば飢えた獣だった。女性のおっぱいのために生き、そして愛した女のおっぱいが傷つけられることに激怒し、暴走して死んだ。

 

 ならばどうすればいいか、簡単である。おっぱいは正義だ、愛だ、人生だ、象徴だ、そしてなにより平等だ。

 

 前世の俺は大きければいいと思っていた、いやハリや艶なども注目していたが一番は大きさだった。

 

 

 そうおっぱいは平等だったのだ、小さかろうが大きかろうがすべてのおっぱいには母性の象徴が愛がある。つまり平等に愛でるものなんだ、おっぱいとは。

 

 

「おっちゃん俺、悟ったよ」

「どうした坊や」

「おっぱいはみんな平等なんだね」

 

 俺の言葉におっちゃんは歓喜のあまり大粒の涙を流していた。

 

「坊や、俺は嬉しいよ。まさかこんなにも早く真理にたどり着ける逸材を見つけられたなんて」

「おっちゃん、俺おっちゃんのおかげだよ!おっちゃんのおかげで絶望を乗り越えられたんだ!」

「いいや、それは俺の力じゃない君の力だ。俺はもうだめかもしれない。だがその時は君たちが思いを引き継いでくれ。君たちならできるさ、なにせ君たちは一人じゃない。二人じゃないか」

 

 おっちゃんは紙芝居をたたみはじめる。そして紙芝居の後ろから箱を取り出した。

 

「小さいおっぱいを持つ子の恥じらいも。大きいおっぱいを持つ子の困った顔もすべて平等でそこには愛と母性の象徴がある。それを忘れないでくれ」

 

 おっちゃんは涙がにじむ目を拭いながら俺達に箱を二つ手渡した。表紙には『おっぱいプリンA~Zまで』と書いてある。

 

 言わなくても分かる、おっちゃんの気持ちは……おっぱいを通じて理解している。

 

 

 

 次の日、おっちゃんは警察に連行された。おっちゃんを助けようとして警察に止められる俺達を見て、おっちゃんは何も言わなかった。ただ、託す目をしていた。

 

 俺達は息を飲んだ。あれがおっちゃんの俺達の恩師の眼だというのか。

 イッセーは嘆いた哀愁漂った諦めた目だと、俺は怒ったたとえおっぱいをもってしても超えられないものがあるのかと。

 

 戦慄する俺達におっちゃんは一言投げかけてくれた。

 

『おっぱいの素晴らしさを広めるんだ』

 

 おっちゃんは諦めているのではない、託しているのだ。後継者たるものである俺達に、おっぱいの素晴らしさを広めることを、たった七歳の俺達に託したのだ。俺達は叫んだ、おっちゃんが居なくては無理だと、おっちゃんの紙芝居ほど素晴らしいものはできないと。

 

 しかし、おっちゃんはそのままパトカーで連れていかれてしまった、そして悲痛のまま俺達は家に帰った。たとえ二回目だとしても、知っていたとしても許容できるものではない。

 

 おっちゃんを助け出したい、今すぐ無実だと訴えたい。だがしかしおっちゃんはまだ残していた、言葉を。

 

 それに気づいたのはその日の夜だった。いつものようにおっぱいを吸う練習をするため昨日もらった箱を開いたときそこにあったのは一枚の手紙だった。

 

 

 

 そこにはおっぱいへの愛と俺達への激励の言葉、そして紙芝居の隠し場所。最後には『諦めるな』の四文字が。

 気が付いた時には号泣していた。二段ベッドの下でイッセーと一緒に大泣きをした、母にばれないようにと声を押し殺しながら泣いた。

 

 おっちゃんは俺達のすべてだった。だが今、この瞬間に変わった羨望の心は目標への眼差しに変わり、いつの間にか涙も止まっていた。

 

 

 日が変わらないうちに俺達は家を抜け出し、紙芝居を回収した。額縁に納めたい衝動を堪え、おっぱいプリンの箱とともに机の裏に隠した。

 

 そして毎日おっちゃんのように読めるよう練習した。風邪を引いた日も旅行に出かけた日も練習した。二人とも弱音は吐かなかった。なぜなら諦めないことこそが俺達兄弟のおっちゃんへの恩返しなのだ。

 

 

 

 

 ――俺達兄弟には野望があるそれはおっぱいの素晴らしさを広めることだ。

 

 

 

 



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最高のおっぱいとは

なんとなくネタが思い浮かんだので投稿。続くかどうかは未定です。


――おっぱい

 

 

 それはこの世の真理にして愛だ。小さかろうとも大きかろうともそこには母性の象徴があり愛がある。小さいおっぱいを持った女の子が恥じらう姿も大きなおっぱいを持った女の子が恥じらう姿も、すべてに愛と男に与えてくれる幸福感、そして愛情が生まれる。

 

 問題は次だ、この世で最高のおっぱいとはなにか。俺の恩師ならこう答えるだろう、おっぱいは平等だ綺麗などといった言葉で片付けていいものではないと。俺の兄ならこう答えるだろう、ハリと艶そして大きさを兼ね備え物が俺にとっての極上だと。俺の友ならこう答えるだろう、小さいおっぱいそしてそれを恥じらう健気なロリっ娘(ここ重要)の姿だと。

 

 じゃあ俺はどんなおっぱいがいいか、簡単だ。愛した女のおっぱいが最高に決まってるだろう。

 

 

 

 

 

――その男に会ったのは奇跡だった。まさしく偶然が重なった奇跡とでもいうようなことだった。

 

 

 中学を卒業まじかにしていた俺達は祝勝会を上げていた。それは当然、受験合格の祝いのためである。イッセーや俺にとって最難関、無理、イッセーの性欲が無くなること並に行けないと言われた駒王学園、そこに合格することができたのだ。

 

 合格を知った俺達は狂喜乱舞した天にも昇る気持ちだった逆立ちしながらおっぱいプリンを吸った。

 

 いやホントそれぐらい奇跡だったんだ。前世で一度合格してたからまたイケるだろ!と楽観視していたが中学の模擬試験で応仁の乱の年号を言えなかった時はマジで絶望したね。

 

 結局そこから寝る間を惜しんで勉強した。紙芝居を読む練習は止めなかったがおっぱいプリンを吸う練習は中止した。なんでかって?そんなの一番遠い夢だからに決まってるだろ!

 

 死ぬ気で勉強したおかげか見事受験合格した俺達は祝勝会を上げるに至ったというわけだ。実は悪友となった松田と元浜も誘ったんだけどアイツらは部活の仲間連中との集まりがあるらしい。

 

 いやーそれにしても松田と元浜が友達になった時は驚いた。前世では俺を全力で拒否してきたからな松田なんて何度俺を足蹴にしてきたことか。俺のクラスメイトの友人は桐生ぐらいしか居なかった。

 ホント桐生はどうしてるんだろうか、アイツも性転換してるだろうからもしかしたら足蹴にしてくるかも知れない。

 

 

 現在はドラグ・ソボールの歌を歌い終わり喉が渇いたのでドリンクバーに来ている。

 

 まったく、イッセーには困ったものだ。性欲の塊と言われた前世の俺ですら学校にエロ本を持って来たりはしなかった。

 なのに今のイッセーときたら先生の眼につかないようにエロ本を持ち込んで……………もう……最高ですよね!前世の俺はおっぱいについて語り合える人間が少なかったと思う、少なくとも今の松田や元浜のような友人は居なかった。桐生は女子の尻にしか興味がないやつだったし。

 

 ああ前世の頃は毎日桐生と語り合ったものだ。尻より胸の方がいい、胸より尻の方がいい、間をとって腹……いやそれは無い。こんなやり取りを何十回も繰り広げていたものだ。

 

 

「うわっ」

 

 前世での思い出にふけているとやけに心地よいイケメンボイスが聞こえて来た。続いてビシャッという何かがかかる音、そして太ももにかかる熱湯。

 

「あっづ!」

「うわっご、ごめん!」

 

 何すんだコノヤローと思いながら右手を振り向くとそこに居たのはどこか見覚えのある金髪碧眼のイケメンだった。

 

「ごめん、コーヒーこぼして」

 

 そう言いながら頭を下げてくるイケメン。いつもならイケメン死ね!ぐらいに思うのに何故かこいつにはそういう感情が湧いてこない。

 そうだ当たり前だ。こいつはあまりにも似ている、俺の最愛の人に。

 

「いや、いいんだそれよりも拭こうぜ。床にコーヒーこぼれちまっているし」

「いや手伝ってくれなくても」

 

 こんなとこで止まってた俺も悪いんだと言いながら一緒になって床をふく。

 まずいこのままではコイツが誰なのかわからないまま終わってしまう。

 いや正体に察しはついている後は確証がほしいだけだ。

 

「紅茶か?だけど今茶葉は切れてるぜ」

「あ、ホントだ。しょうがないね、他ので我慢してもらうしかないか」

「待ってくれ、確か――」

 

 ここのドリンクバーは下の扉に茶葉がストックされてたはず。

 

「ああ、あったあった。だぶんこれだろ」

「うん、これみたいだ。ここには良く来るのかい?」

 

 よかったようやく話がつながった。にしてもイケメンだな、声もそうだし対応も。

 

「中一の時から来てるよ。ここってドリンクバーの種類が豊富でさ、あと部屋も綺麗だしな」

「そういえばそうだね。カラオケに来るのは初めてだけどここは綺麗だと思うよ」

 

 そうだよな、ここは祐美も綺麗だって言ってた所だ。部員みんなでカラオケに来たりしていた。

 

「俺、兵藤誠一。これから駒王学園に通う予定のピチピチの高校生だ」

「君も駒王学園に?僕も春から通う予定なんだ。申し遅れたけど僕は木場祐斗、よろしく兵藤くん」

 

 お互いに出した手を握り握手する。にしても祐斗か名前まで似すぎやしないか。

 

「兵藤じゃなくて名前で呼んでくれ。双子の兄弟でさ苗字で呼ばれるの馴れてないんだ」

「それじゃあ誠一くん、でいいかな」

「ああ、それで頼む。ま、一緒のクラスになれたらいいな」

「うん、そうだね。僕は紅茶を淹れなくちゃならないから。それじゃ」

「ああじゃあな」

 

 木場と別れて部屋に戻る。ったく笑顔まで似てやがる、なんで神は試練をお与えになるんでしょうかね。ああ神様居ないんだっけ。

 

 ホント、木場祐斗とか。男になってるとか、マジで――

 

「笑えねえよ……!」

 

 約束破って覇龍使った罰なのか?記憶が無いならまだしも、性別まで違うとか……。覚悟はしてたけどホントダメだな。涙がボタボタ出てきやがる。

 

 もう見れないのか……アイツの嬉しそうに笑うおっぱいも怒ったおっぱいも泣きそうなおっぱいも。

 

 面影はある、だが決定的に違う。木場祐斗と木場祐美には決定的な違いがある。おっぱいがあるかないかだ。いや、祐斗に至ってはいらんものも生えてたな。

 まあいいや、どちらにせよ祐美のおっぱいも祐美も帰ってこない。結局見れなかったよなぁ、祐美のメイド服……。

 

 いや、まてよ。確かあの時、アザゼル先生は性転換ビーム銃なんて物を開発してたよな。それを使えばもう一度祐美に会える……?

 だめだ、外見上は祐美であっても内面が違えばそれは別の誰かでしかない。ち○こが無くなっておっぱいが増えた祐斗でしかない。

 

 

――ちくしょう、救いは無いのか。

 

 

 その時、茫然としていた俺の横を見覚えのある紅髪が通った。

 そうあの、俺が忠誠を誓った。部長リアス・グレモリー先輩。同性も見惚れさせるほどのイケメンでカリスマがあり、所々子供らしさも忘れず、売られた喧嘩は買う主義でライザーにタイマン勝負してボコボコにした俺の主。だがそんな先輩も性転換しているだろう。

 

 絶望で濁り切った目で紅髪を追いかける。そこに居たのはイケメンではない。――女神だった。

 いや悪魔だろ。というツッコミはよしてくれ、悪魔とかそんなの関係ないくらいの好みドストライクだった。

 

 光の下でも映える紅髪、宝石のような碧眼、シミひとつない白い肌。そして何よりそのおっぱい。巨乳といって差し支えないそれはタユンタユンではない、バインバインという音を鳴らしながら揺れている。

 

 おっちゃん本当だったんだね。本当の巨乳はタユンタユンじゃない、バインバインなんだね。今なお、忌まわしき国家権力に屈しているおっちゃんに思いをはせる。おっちゃんは本当の巨乳を見た、だからこそあのようなタユンタユンではないバインバインと表現できたのだ。

 

 

 ははは。神は試練を与えるだけではない、希望も与えるのだ。とは誰の言った言葉だったか。ったく最高だぜ神様!最高のおっぱいを取り上げた代わりに完成した巨乳を見せてくれるなんて!だが祐美のおっぱいは見たりなかった、しょうがないここは脳内フォルダでまた我慢しよう。

 

 その時俺は忘れていた。部長(女)が祐斗を探しに来ていたことに、祐斗を探していた部長がすぐ後ろにいたことに。

 

 

 

 

 

――俺は最高のおっぱいを喪った。だが本当の巨乳を見た。



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赤龍帝はおっぱいドラゴン
おっぱいドラゴン


アクエリオンEVOLを見てアマタとカグラを見てたら思いついていた。


 

 

――兵藤一誠にとってその行為は本能でしかなかった。

 

 

 女性のおっぱいを押す。それは一誠にとって本能レベルで求められていた行為だ。しかし、まだ年端もいかない幼稚園児。押したい、揉みたいと思いながらもそれに見合うおっぱいを見つけることは叶わなかった。

 

 だがしかし、そんな彼に転機が訪れる。通っていた幼稚園に巨乳の保育士が来たのだ。彼女と会った瞬間、一誠の欲求は頂点に達した。

 

――おっきいおっぱい。押したい。

 

 一誠の思考はこの欲求で埋め尽くされた。

 次の瞬間には押していた。自分と話そうとする巨乳のお姉さんの胸を。

 

 本能的に動いた行為でありながら狙いは寸分たがわず、女性おっぱい。それも乳首と呼ばれる頂点部を押した。

 

 ずむっずむずむと埋没していく指。

 むにゅむにゅむにゅぅぅぅっ。

 弾力性、柔らかさ、ハリ、肌の質感。すべてが最高のおっぱいだった。

 こりっという固めの感触、一誠にとって何かは分からなかったがその感触も最高だった。

 

 一言で言うならば長年禁じていた大好物を食べる感覚。

 

 

 カァァァァァァァァ!!!

 

 兵藤一誠の体が光に包みこまれていく。嵐に等しき天気だった外が後光で照らされたかのようになっていた。

 

 

『おっぱい』

 

 一誠の口から一誠のものでない声が漏れ出る。

 

『おっぱい』

『オッパイ』

『おっぱいん』

『おぱーい』

『OPPAI』

『BUST』

『おっきいおっぱい』

『おっぱーい』

『おっぱいーん』

 

 老若男女入り乱れる声だった。場所さえ違えば、それは呪いの呪文に聞こえただろう。人さえ違えばそれが残留思念の声に聞こえただろう。

 だがしかしここに居たのは普通の人間たち。一般人でしかなかった。誰もがその奇怪な減少に困惑した、だが全員逃げるようなことはしなかった。なぜならば聞こえた声は皆、救われたような声をしていたのだから。

 

 一誠の体の光がさらに強くなっていく、光が部屋を照らし、幼稚園を照らし、町全体を照らし始めた。

 

――さあ、つつくのだ。

 

 一誠に自分の知らない、別の誰かの声が聞こえてきた。

 

――彼女の胸を押すのではない、つつくのだ。

 

 だめだよ、もうおしてるよ。一誠はそう思った。

 

――左手があるだろう。

 

 天啓だった。救いだった。これが神か。一誠はそう思った。

 

――ほら、ポチっと。つつきなさい

 

 一誠は命じられるままつついた。今度は左手で彼女の胸をおっぱいを。

 

 ずむずむっと埋没していく指さき。柔らかい感触、そしてコリっとした感触。

 しかし、だめだ。これではさっきと同じだ、まだ一押したりない

 

「ぁん」

 

 恥じらいを持った女性の恥ずかしそうな声。これだこの感覚だ。

 

 

 そのおっぱいをつつくという行為は兵藤一誠の――否、赤龍帝のすべてを吹き飛ばし新しい宇宙の始まりを見せた。

 

 

『おっぱいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!』

 

 

 一誠から宝玉が飛び出る。一つではない何個もの宝玉が飛びだし、一誠の周りを周っていく。飛び出た宝玉が20を超えたという所で宝玉は一誠の隣に集合した。

 

 宝玉が集まり人型の何かを形どっていく、そして最後の大きな宝玉が一誠から飛び出る。飛び出た宝玉は女性のおっぱいを触るように浮遊すると人型の何かに吸収される。

 

ピカァァァァァァァァ!!

 

 莫大な赤い閃光。そしてもう一度放たれるおっぱいコール。

 

『おっぱい』

『おっぱい』

『おっぱい』

『おっぱい』

『おっぱい』

『おっぱい』

『おっぱい』

『おっぱい』

『おっぱい』

 

 「「「「「「「「おっぱい」」」」」」」」

 

 

 次の瞬間、兵藤一誠の真横にもう一人赤いメッシュが特徴の兵藤一誠が現れていた。

 

 

 

 




白龍皇は尻で分裂します。


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赤龍帝に俺はなる!

実は一番書いてみたかった物、連載もしたいけど色々怖いので勇気がでない。

普通に言うとイッセーレベルのおっぱい好きが女神の手によって二人目の赤龍帝として転生する話。

コイツも他に違わずおっぱいが大好きです。




 

 

 

――俺は変態だった。

 

 

 友人連中にもよく言われた、お前は飢えた獣だと、野獣だと、見れば孕ませられると。

 

 俺個人としては一般人よりちょっち性欲が強いだけだと思っていたし、これも思春期としては当たり前のことだと思っていた。

 

 だがいつだろうか自分が異常だと知ったのは、そう、確かそれは死ぬ直前だった――

 

 

 

 

 中学生を卒業した俺は一年間浪人しバイトに励んだ。その理由はただ一つ実家から遠くに離れた私立高校に通いたかったためである。

 

 ある日、ネットサーフィンをしていて読んだその記事。

 

――○○市の△△高校には巨乳が多い。

 

 動悸で死にそうだった。まさかと思い調べてみる、今年共学になったばかりだというその高校はやはり巨乳が多かった。

 ホームページに巨乳の女の子たちの写真がいっぱい貼ってあるんだぜ?五時間ぐらい見続けたよ。

 とにかく、その高校に入学するのを決めるのに時間はいらなかった、問題は金銭、あと距離だ。両親には一人暮らしは認めないと反対されたが死ぬ気で説得し特待生として入学すること、生活費は自分で稼ぐことで納得させ、一年浪人。朝方のバイトと昼からのバイトを行い、残りは勉学に回した。

 自他ともに認めるおっぱい大好きの俺ではこの生活に耐えられず、一度巨乳の母を変な目で見たことで父に殺されかけたことは今でも思いだせる。

 

 おっぱい、おっぱい、小さいおっぱい、大きいおっぱい、綺麗なおっぱい、大変なおっぱい、爆乳のおっぱい、卑猥なおっぱい。

 

 あの時の俺は廃人一歩手前だった、母の手によってエロ本を見なければ死んでいただろう。

 

 

 そんなわけで死ぬ気で一年間を息抜き俺は高校に特待生として入学した、そして自分の一人暮らしも開始だ。

 

 

 だが俺はこの時、あることを忘れていた、俺の鼻血体質を。

 

 

――入学式初日、廊下を緊張半分で歩いていると女子が前から歩いてきた。ネクタイの色からして同じ一年だろう。しかし、そんなことがどうでもいいぐらい俺の眼を引くものがあった。

 

 そう爆乳だったのである。90、いや100は行ってんじゃないかというぐらいのバストサイズ。ああ、今ここでサイズを測れるスカウターのようなものがあれば。

 悔しさに泣きたい気持ちを抑えながら、俺は彼女の横を通ろうとした。また会えるんだと我慢しながら。

 

 そこで幸福(後々考えれば悲劇)が起こる。

 

 彼女が躓いてしまったのだ。俺と彼女の横幅の距離は一メートル以上あったが俺は光速に達しそうな反復横跳びで彼女を受け止められる位置に移動した。

 

 そして爆乳の彼女が俺にもたれかかってきた。至福だ最高の瞬間だ、これが爆乳のおっぱい――

 

 最高の気持ちだった。死んでもいいぐらいに最高だった。

 

「ぁんっ」

 

 彼女が胸を押された衝撃で声を上げた。それと同時に胸がさらに押さえつけられる。

 

 柔らかぁぁぁぁぁぁい!!

 

 最高じゃないかむにむにっとした最高級のクッションよりも良質であろうこの感触っ!

 

 そして、胸の頂にある硬めの感触。あれ?コレってもしかして乳首?この子ってノーブラ?

 

ブシャァァァァァァッッ!!

 

 梨汁ブッシャーならぬ鼻血がブッシャー。噴水のごとく天を突いた俺の鼻血は、豪雨のように俺と彼女の周りに降り注ぐ。

 

――キャァァァァァ!

 

 女子生徒たちの悲鳴が聞こえる。だが俺は力尽きるわけにはいかない。爆乳美少女を抱きしめながらそう思ってた。

 

 彼女の顔を見るまでは。

 そう彼女は、俺のことを異常者を見るような眼をしていた。

 

 

 

 

――死因、女生徒に抱き付かれたことによる失血死――

 

 

 

「ちくしょょょょょょょ!!俺がなにをしたっていうんだ!!」

 

 真っ白い、何もないただ広い空間で俺は叫んだ。なぜ俺が死ななければならない、なぜ彼女にあんな目で見られなくてはならない!

 

「何って自業自得ですよね、因果応報ですよね。」

「誰だちくしょう!」

 

 そこに居たのは絶世の美女だった。一言で言うなら女神。これ以外に合っている言葉があるだろうか、無い。

 

「言っても無駄だと思いますが、卑猥な目で見ないでください」

「べ、べつに見てないし!」

 

 確かに大きい、美乳というものだ。だがさっきの女の子の方が大きい。

 

「で、なんなんだキミはまさか女神なのか」

「そうです、理解が早くて助かります。突然ですが貴方には転生してもらいます」

 

 はあ?転生ってそんな。めんどくさいな断わって天国に早く行きたいんだけど。

 

「言っておきますけど、貴方は天国に行けませんよ。前世での行いが煩悩に溢れすぎています」

「んなバカな!じゃあ死んだ後ですらおっぱいを揉めないのか!」

「何言ってるんですか揉めるわけないでしょう。ですけど転生すれば揉めるかもしれませんね」

 

 なんだって?おっぱいが揉める?前世でも成し遂げられなかったことが出来るのか?

 

「マジか!揉めるのか!?」

「揉めます、それにあなたが転生する世界は美少女が多いです」

「マジかやったぁ!あなたが神か!」

「女神です」

 

 俺の言葉に不服そうにする女神様。あぁなんてすばらしい姿なんでしょうか、おっぱいが光輝いているように見えます。

 

「あなたが転生する世界はハイスクールD×D。小説の世界です」

「なんで転生するんだ?」

「急に態度が良くなりましたね」

 

 まあね、だって転生したいし。おっぱい揉みたいし。

 

「ハイスクールD×Dの世界では悪魔や天使や堕天使、妖怪などといった修羅神仏が跋扈している世界です」

「ちょ、ちょっと待ってくれよ。そんなんじゃ生きていけないだろ」

「人の話は最後まで聞いてください。いいですか、問題はその後です。主人公の兵藤一誠は神滅具という特殊な力を持っています。ここまでいいですか?」

 

 オッケー理解した。主人公が修羅神仏相手に戦う現代ファンタジー系か。

 

「大丈夫みたいですね。主人公の持つ特殊な力は対になる物と合わせて世界で二つしかありません。しかし今回、邪神がとある人間を転生させました。その者は主人公と対になる白龍皇の光翼を持って転生したのです」

「いや別にそれならそれでいいんじゃ」

「言い方が悪かったですね。転生した人間は二つ目の白龍皇の光翼を持って転生しました」

「それってかなりやばいよな」

「ええ、かなりヤバイです。神滅具はそれこそ単体で神を滅するレベルの力を所有者に与えます。白龍皇の力を止められるのは対になる赤龍帝の力です。そこで貴方に主人公と同じ赤龍帝の籠手を持たせて転生させます」

「は?」

 

 いや、ちょっとまてそれってつまり神を殺せるレベルの人間を増やすってことになるよなそれってヤバくないか?

 

「このまま無干渉を貫いてもいいのですが、もし二人目の白龍皇が世界を破壊などしたらいろんな意味で困ります。そこで保険としてあなたが行くんです。一応私達も助けますが、目には目を歯には歯を白龍皇には赤龍帝をです」

「俺が悪いことするかもとかは思わないのか?」

「私達が見張ります、それにあなたは女性の胸が揉めればいいのでしょう?」

 

 確かに間違っちゃいないけどさ。なにそれ完全に俺を変態以外の何者とも見てないよね。

 

「あなたは変態です。認めなさい」

 

 人の心を読まないで!そしてついに敬語が無くなったな。

 

「いや、ちょっと待ってくれよ。力を与えたのは邪神なんだよな?元栓締めなきゃダメなんじゃないのか?」

「そこは大丈夫です。邪神は私の夫ですから」

「へ?」

「邪神は私の夫です」

「いや、二回も言わなくても分かってるよ!なに邪神って!?邪神と女神は戦うものだろ!」

 

 そう言うと、女神は俺のことをまるで養豚場のブタを見るような目つきで見た。おっぱいも心なしか怒っているように感じる。

 

「いつの時代の話をしているんですか。今の私たちは完全な夫婦ですよ」

 

 女神はその言葉と共に俺の後ろの方を目線で指す。俺はそれにつられて後ろを振り向くと――――邪悪として形容できないような巨漢が居た。

 いや、巨漢と言っていいのかすら分からない。人の見た目をしていないのだ、体色は人類ではあり得ないようなレザースーツのような紺色。顔面は頭蓋を削りだしたような起伏の無い顔をしており唇が無く歯がむき出しになっている、おまけには瞳には光彩が無い。頭頂部には後ろに流れるように角が二本生え、背中には一対の巨大な黒翼を持ってる。

 

 その容姿も問題だが最大の問題は――――正座をして足に石板を乗せられていることだ。

 

「え?え、え?」

「夫です」

「こんな姿ですまんな」

「シャベッタァァ!?」

 

 なんでだ、なんで唇無いのに流暢に喋れんだよ!そして無駄にイケボ!?

 

「まあ、邪神と呼ばれる俺も喋るさ。なにせ喋れなければ女性の素晴らしさについても語ることが出来ないからな!」

「何言っているんですか。昔は『言葉などいらん戦いで語るのみ』とか言っていたくせに」

 

 やべぇよやべえよ、この人紳士の上に変態だよ。邪神が平和な心を持つとこうなるのか。

 

「ていうか自分の夫のことぐらい自分でどうにかしろよ!!」

「そのことについては申し訳ないと思っています。ですが転生できるのです。これ以上にない特典だと思いますが?」

「前世でできなかった女のおっぱいを揉めるんだぞ?断ることはないよな?」

「あなたは黙っていなさい」

 

 ゴシャアという衝撃波を放ちそうな一撃を邪神に喰らわせる女神。うわぁスゲーシュールだ。

 

「まあ!おっぱい揉めるんならいいですけどね!」

「チャンスを与えるだけです」

 

 俺に突っ込む女神様。どうやら怒りも静まったようだおっぱいを見れば分かる。

 

「まあいいでしょう。これから貴方を転生させます。赤ん坊からではないから安心しなさい」

 

 そう言い女神が俺に手をかざす。なにかの魔法でも発動するようだ。

 

「私達もあちらの世界で貴方たちを支援します。安心して夢を見なさい」

 

 女神の美声に包まれ眠りに落ちていく。ああでも最後にその美乳だけでも脳内メモリに保存させてくれ。 

 

「あ、あと貴方は言動が卑猥すぎます。なので言動だけでも真人間にしますね。呪いを解きたかったら性欲を抑えてください。」

 

 え?

 

 

 

 

 次の瞬間には世界は変わっていた、目の前にはあの爆乳ちゃんがいる。そして俺は本能に命じられるまま左手を――

 

 

 

 




最初にこの短編集を書きたくなった理由はハイスクールD×Dの二次小説の主人公たちにあまりにも常識人たちが多いからでした。変態系の主人公も居ていいんじゃないかと思って。まあ変態系の主人公も居ないわけではありませんが。

補足ですがノーブラの彼女は驚いていただけです、異常者を見るような眼はしていません。


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