ソードアートオンライン〜緋色の空〜 (戯言遣いの高校生)
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プロローグ
まだまだ拙い文章ではありますが書いていきたいと思います
ご意見ご感想等あれば遠慮なくお願いしますm(_ _)m
2022年11月6日、日曜日あるゲームの正式サービスが開始された。
そのゲームの名はソードアートオンライン。
初回ロット1万本しかないこのゲームは世界初のVRMMOとして注目を集めていた。
その内の一本を手に入れた幸運な少女がいた。
少女の名前は紅崎凛華、自他共に認めるゲーマーである。
凛華は頭にヘッドギア型次世代インタフェース、ナーヴギアをかぶってベッドに手足を投げ出して正式サービスが始まる午後一時を待っていた。
今の時間は12時50分を過ぎた頃、あと10分足らずでSAOにログインできるという緊張にも似た高揚感が凛華を支配していた。
『はぁ、あと10分か〜。長いようで短かったなぁ。
ベータテストの時よりもさらにおもしろくなってるんだよね?楽しみだなぁ』
今の時代には珍しくアナログの置き時計がカチコチと時を刻んでいる中、凛華はひとりごちた。
『凛華〜少し手伝って欲しいことがあるんだけど〜』
2階にある凛華の自室へ母親の声が届いた。
『もう!あと10分しかないのに!』
先ほどとは逆のことをぶつぶつとつぶやきながら凛華は
『ちょっと待っててー』と母親に返した
ナーヴギアを取り去り中にこもった少しばかりの湿気を頭を振って取り去りつつ部屋を後にした…
凛華が部屋に戻ってくるのとほぼ同時に時間になり置き時計のタイマーがピピピピと鳴った。
凛華は手を伸ばして枕元にあるそれを止め、
『危なかった〜遅れるのは嫌だからね〜、今ならまだ誤差の範囲で済むでしょ』と独り言を言いつつナーヴギアをかぶり直し、改めてベッドに横たわる。
そして夢の機械を動かすための、夢のような世界へ行くための魔法の言葉をつぶやいた。
『リンクスタート!!』
凛華の意識は体から飛び出し、視界はカラフルな色で埋めつくされる。基本事項のチェックを済ましベータテストの時のデータを選択する。
今度は視界が青に包まれてアバターの体が構築されていく。そしてガラスの破砕音のようなカシャーンという音とともに青の世界が砕け街の様子が眼前に広がった。
『やっと…やっと戻ってきたんだ!この世界に!これからどんなことが起きるんだろう!楽しみだなぁ〜』と言いつつ近くの建物のガラスに自分の姿を映しアバターに変わっていることを確かめる。まるで漫画のヒロインのような整ったかおだちをしていた。
武器屋で自分の好みの武器、曲刀を買い、しばらくの愛用品となるそれを握りしめフィールドへの第一歩を踏み出す希望に満ちた1歩であるはずのその一足は悪夢のような地獄の始まりとなることを凛華はまだ知らなかった…
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