我ら、性別反転組!!((殴 (RaruFlag)
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いつもの?(1)

きちんと更新しようかと思います。
あとほもじゃないです女います。


こんなドタバタ感のものを書きたかったんです←


「ねえ!ショウって女装似合うよね!!」

 

実家の自室。

その発言はあまりにも唐突で

俺からしたらあまりにも疑問符が浮かぶ物だった。

 

「…いきなりナトは何を言い出してんの?」

 

俺、金城 昴流(かなぎ すばる)

は今ナト(射藤汝斗)

と通話をしているわけで

なんか、唐突に話が変わって困惑している

 

てか困惑しざるを得ない。

 

ちなみにショウとは

俺の親友であり、ナトいわく男子の中で1番女装が似合う奴

盛賀谷 祥(もりがや しょう)の事である。

 

「え、カナギわかんない!?

なんかさぁ!!ショウってさ、童顔じゃん?

だから似合うと思うんだよね!

ほら、ショタの女装って可愛いじゃん…!

それと同じ理論なんだよ!」

 

 

それを聞いた俺は

 

((コイツあかん(確信))

と思ってしまったわけで

 

「ショウは確かに童顔だけど

ショタではないんだぞ?

俺らの同級生だからな??後あいつは足ごつい」

 

と、とにかく反論をしたわけであって

だって同級生に女装似合うとか理論がまずおかしいだろ。

 

つーかショウ野球部だぞ

足と体男だろ。

 

 

「足がごついのは隠せるよ〜

てか絶対可愛いって!!

あー…!見てみたいんじゃ〜〜〜!!」

 

俺の脳内では

 

(あ、もうコイツダメだわ)

(警察呼ぶか?呼ぶか??おっ??)

(おまわりさんこいつですー。)

(こいつ処す?処す??)

(俺の方が似合う。)

 

もう議論拒否されているようだった。

 

まあ、ナトは

【エオニズム】という少々変わっている性癖を持っている。

どのようなものかと言うと

別名、【異装症】と呼ばれているもので漢字&感じからしてわかる人はわかるのだが

 

そう。

女装や男装に萌える人間なのだ。

 

そこですでに変わっているのだ。

じゃなければこんな話題にはならないんだが…

 

とにかくもう呆れていた

 

「ショウの女装とか〜…

絶対可愛いよ〜〜」

 

まだ言うか。

ショウの身があぶねぇ(確信)

「取り敢えずその話題はいいから…

ショウも、もうそろそろ来るぞ?」

 

只今の時刻20:48

ショウのバイトが

「……あっ」

 

なにか思いついたようだ

 

「なんだよ唐突だな」

嫌な予感しかいないのだが

 

 

「カナギもさあ…女装しy」

 

「お前馬鹿なの?」

ピシャリと言い放った

 

多分だが言われてから最速でのツッコミが炸裂した。

 

沈黙が続いた

 

「………」

「……………」

 

「だかr」

「タヒね」

 

「………チッ」

「舌打ちすんなクソアマ」

 

「お前がすればみんなにばらまけるのに!!!」

 

「はぁ……」

 

深い溜息が出る

 

「考えがクソで尚且つ煽り耐性が無さすぎんよ、異装症さん。」

 

「うるせぇロリコン」

「そりゃどうも」

 

俺に煽りが聞かないことがわかっているようで

 

「けっ…」

ナトはそれだけ言って話題を変えた

 

煽り耐性0の異装症さんは今日も元気です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんて、思えてたのは

彼女がまだ本気を出していなかったから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうですかね?
この後からですよグヘヘヘヘ((


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俺の友達がこんなにうざい訳が無い。(2)

ホカヌポォ

てなわけで続けてまいりますよ〜
友情なんてなかったんや←


次の日

 

俺が昇降口につくとそこには

ナトがいた

 

「おはよー」

 

「おはよ!」

 

一緒にクラスの教室まで行くと

机の近くに来た

 

「あのさぁ

女装して次のイベント行こうよ!」

 

「ふぁ!?

お前まだ言ってんの?」

 

「だってさぁ…

女装してる二人の姿をさぁ…

写真に収めてばら撒きたいじゃん?」

 

「お前ほど最低な奴もなかなかいないゾ」

 

「知らなぁ〜い。

だからショウに言っといてよ!」

 

「俺が?」

「うん」

 

「ショウに?」

「yes」

 

 

「馬鹿じゃねーの」

「君ヨリ・馬鹿ジャ・ナイツ」

 

「俺よりそこら編の脳みそは馬鹿だよ、お前」

「一般教養はあるほうだよ?」

 

今日はなぜだか一段とうざい

このエオニズム野郎

 

「てめぇ今脳内でエオニズム野郎とか思ってんだろゴルァ(威圧)」

 

「ご名答。

じゃ、言ってきてあげるよ」

「マジィ!?

やったね!たえちゃん!

カナギの変な噂流せるよ!」

 

「…はぁ……お前とことんクソやな」

 

「草不可避」

 

「死ね」

 

 

 

「…随分と仲いっすね^〜」

 

 

 

 

 

…主役の登場ってか

 

「来たゾ」

「言うのはお前の仕事だぞロリコンメガネ」

 

「なんすか、俺にようか?」

 

いつもタイミングいいけど

とにかく今日の要件はいいたくない

 

なんでこんな奴の要求飲まなきゃ

アカンのですか神様ぁーwwwwww←

 

「あくしろよ」

ニヤニヤしすぎなんですがこのチビ

 

「ショウ、ナトが俺らの女装見たいって」

「おいてめぇふざけんなゴルァ

わしいっとらんぞゴルァ」

 

「言ってただろ。

俺に言わせるとこんなふうになるからな。次から覚えとけクソアマ」

「うるせぇよこのロリコンメガネ!!」

 

こいつうるさすぎ草不可避

あとロリコンロリコンうるせぇ

 

 

するとその様子を笑いながら見ていたショウが口を開いた。

 

「俺別にいいよ〜」

 

 

だよなー

やっぱり嫌だよなぁ〜……ん〜?

「カナギも一緒ならいいよ

てか顔怖いから俺逃げてもよろし?」

 

「ふぁあぁあ!?」

「てめぇふざけんなよ!?なんで俺まで巻き添え喰らわないといけないんだよ!!!!

つーかまず俺女装似合わねぇし!」

 

「でも…足細いじゃん?」

笑いこらえながらいうのやめてくれませんかね

クソハミロフィリア=サン

 

 

「あれれーカナギ君の女装とか誰得かなーウププ我ながら草不可避でござるぅ

腹がぁ腹がよじれるでござるぅ〜ホカヌポォ」

 

 

「黙れチビ」

「黙れぺドフィリア」

「あぁん!!!?」

 

「ま、まあまあ…

別にいいんじゃないかな?ってこと

まあ…

カナギの女装はクソワロタンバリンシャンシャンだけど…」

 

 

 

 

 

 

「お前ら全員皆殺しだわ」

俺の中に殺意の波動が目覚めた瞬間でした。(確信)

 

 




…リア友にバレてしまいました小説…w
モチーフになってる子がいるんですけどその子にバレてしまって…w

まあ!
続けますけどね!!!!、←


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とある帰路の走馬灯(3)

今回からお話の展開をどんどん変えていきます。
みなさんが予想できないような世界観を再現して見せたいです!
それよりも
カナギとショウの一人称が俺なのでわかりづらいですね…
頑張ります。


イベントの日に備えての準備が始まった

 

なにかと俺は楽しんでいたし

3人で買い物ってのも中々楽しかった

 

ウィッグ買ったり

カラコン買ったり……

 

 

お金無駄にしたなぁ…←

とつくづく思うわけなんだけども

 

まあ、買ってしまったものはどうしようもないからやるけどね

 

 

 

そしてイベント当日

 

着替えてその会場についた

すごい賑わいで周りを見れば

 

人、人、人

 

集中してみていないとナトなんかはすぐはぐれそうだった。

 

そして、少し広い所に出た

人が沢山いるのは変わりないが

やはり広いおかげか周りがほんの少しだが見渡せた。

コスプレエリアのようだ

 

「カナギ似合わねぇな…」

「ロリコンがロリの格好しても似合わないって事をあなたは証明できたのよおめでとう。」

 

「〜〜〜っ」

ナトとショウの言葉にただならぬ殺意が湧き出てきている。

俺は本当に言葉にならない怒りと恥ずかしさが混じり複雑である。

今の俺の気持ちは

こいつらぶっころ☆で済むことに

今気づいたわ…

 

 

お前らぶっころ☆

 

俺は嫌味混じりに

「ショウは随分とにあっておりますねー」

と言葉を吐いた

 

 

 

 

 

 

「そりゃどうもっ」

俺はニッと笑って返事を返した

カナギ嫌味すぎんよー

俺はなんだかんだ言って楽しんでいる←

カナギの女装とか笑えるし…

俺は足が太いから全然女装になってないかもだけど

ナトはほぼ男だな。

 

胸ないし。

 

 

「よし、好きな作者さんの場所行こうぜ」

俺が二人に話しかけると

 

「行こー!」

「お前ら元気だな…」

 

二人とものってくれた

このイベントはとても楽しかった。

好きな作者さんとも握手できたし

ほかにも可愛いコスプレイヤーさんとかいたし…

兎に角楽しかったのだ。

 

俺の思考だと

女装ってこんなものなのかー…

て感じで終わった

 

楽しければ全てよし。

 

 

そして帰路

駅から少し歩いた場所に別れ道があるため3人で歩いていた。

流石にもう女装の洋服などは着ていなかった

ナトは男装のままだけど。

あぁ楽しかった

また行きたい。

バイトちゃんとしよーっと

 

 

そして道の曲がり角を曲がろうとした瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の意識が飛ぶ寸前なほどの激痛が体を走った。

大勢の人の悲鳴が俺の耳を貫いた。

 

少なからずとも俺の意識は飛ぶ寸前であるということが言える。

そして周りの人達が騒いでるのも聞こえる。

うるさい。とても

 

俺の目に見えたのは業務用トラックだった、こちらに突っ込んで来ていたのがハッキリと見えた

 

段々と意識が遠のいて行くのがわかる。

 

カナギの「..はぁー……はぁー……」

という肩で呼吸する声が聞こえた。

 

「シ……ョ…ウ……」

 

なんだよ

お前生きてるのか?

 

 

よかった。

 

 

カナギの声に安心するも、ナトの声は聞こえない

完全に意識が無いのだろう。

まあ、男装してようが体は女子だ

そこらへんの弱さは女子ならではだったのだろう。

 

「……しょ…ぅ….......…」

 

カナギの声も段々と小さくなっていく

 

先ほどの場面がフラッシュバックする。

そして楽しかった思い出が全て這い上がってくるように脳内に映し出される。

 

 

 

あ、これって走馬灯ってやつ?

 

 

全部見たいけど時間無いみたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんじゃ俺少し寝るわ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おやすみ。

 




次から性別反転させていきますよ〜
どんな形でさせるのかは考えます。

ちなみに異装症っ娘ナトちゃん活躍しますよ
こうごきたい!


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反転道へと…御招待〜…♪(4)

反転道 (はんてんどう)
死んだ者達が閻魔によって下された判決でのみ行くことができる道。
その人の何かが反転するといる不可解なことが起きる道な為子の名前がついた。 ※Saksyapedia参照




…うるさい声が聞こえる。

なにか明るい声だ

 

 

私の眠気はその声にて覚めた。

 

 

私が起き上がると巨大な人間がそこにはいた。

黒い着物のようなものを着用しいかにもなんだこいつって感じのやつだった。

 

私の周りは全て砂嵐だった。

音こそ聞こえないが音が聞こえれば

ザッーっという不快的な音が耳をつんざくことだろう。

 

そして

 

「やあ!やあ!はっはっはっー!ww

これまた随分と若い奴等が来たことwwwwwww」

 

目の前にいるその巨大な人間は私たちの姿を見るなり笑い出した。

 

意識を取り戻し、周りを見るとそこには見慣れた二人、カナギとショウがいた。

 

 

あれ?

 

 

 

ここはどこ?

 

 

 

 

 

「ところで君ら〜……

 

自殺かい?それとも殺された?事故?どんな死に方をしたのかな?」

 

死んだ時の記憶がない私は答えられなかった。

一瞬で意識が飛んだのだ

すべてが無くなった瞬間だった。

 

「あ、そうそう」

 

カナギが口を開くとそれを遮るかのようにその巨大な人間は言葉を吐いた。

 

「私の名前は閻魔大王。

君たちのこれからの道を決めるべき大王だからね!」

 

こんなやつが…か、

どこぞの日和系漫画に出てきそうな閻魔だなぁと思いつつマジマジと見てみる

 

 

そしてカナギは先ほど遮られた話を始めた。

「…はぁー……話題を戻していいかい?」

 

「どうぞ〜?」

 

「じゃあ…改めて説明するけど、俺らは大型の業務用トラックに轢かれて死んだんだ

死因は事故死なんだよ。」

 

カナギが冷静に言い放つ。

続けてショウが口を開く

 

「俺は少し意識があったから覚えてるけど

ナトは早くに意識が無くなってた。

その次にカナギの意識が途絶えてしまって

俺はなんか…吸い込まれるみたいに眠くなった。

それに身を委ねながら寝てて…起きたらここにいた」

 

 

全てが理解できる納得のいく説明に感心してしまった。

 

「なぁ〜るほどねぇ〜〜〜」

 

その巨大な人間はウザイ口調でそう言い放った。

 

「それは本当のようだね。

では、君たちに判決を下します!!!」

 

 

 

え?

 

 

「ちょっ…早すぎませんか!?」

 

私が閻魔に叫びかけると

 

「え?なんで?いつもこんな感じだよ?」

 

普通に言い放った。さも当たり前かのように

 

「え…あ……そうですか、…」

閻魔の威圧感などもあり私はそれしか言えなかった。

 

それ以上は言えなかった。

 

大きな閻魔の声がこの場に響き渡る。

 

「それでわぁ!!

判決に参りたいと思いまぁーす!!

 

この3名…

射藤汝斗 盛賀谷祥 金城昴流

のこれからの道は……」

 

なにこれ

えーと……地獄行きなの?

天国行きなの?

てかどこからの基準で天国か地獄なの?

頭の中でグルグルと渦巻いていた

【ナニか】が1つの答えへとたどり着いた。

 

 

 

…あ、この3人でいたいわ

 

 

その結論に辿り着いたと同時に

閻魔の声が耳に辿りついた。

 

 

「3名で!!

反転道へと御招待〜!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「「……は?」」

 

「へ?」

 

 

 

「ん??だから反転道よ?

ここをクリアすればまた現世の輪廻へと戻れるんだよ〜!!!」

 

 

その言葉はあまりにも理解出来なかった。

 

そもそも……

「【反転道】って…なんですか?」

 

第一にそこである。

 

「反転道…とは。

色々な指令をクリアしていく物だよ〜

反転道の“反転”とは君たちの中から何かを反転させるからだよ〜」

 

「た、例えば何を反転…させるんですか?」

 

「うーん……

ランダムなのよねぇー。

小さい事だと顔を真反対の顔にするとかだね。ブスなら美人に、美人ならブスに

大きい事だと性格や人格とかかな

優しい人は厳しくなり、

おおらかな人は短気になり…て感じよ。」

 

「で、その反転させる意味は?」

即座にカナギが質問する。

 

「特にないのよん♪

この反転道は閻魔の気まぐれで作ったものだから〜☆」

 

 

 

 

あ、コイツクソやわ

 

心から痛感した。

 

「てなわけでぇ!!

反転道へと…..いってらっしゃい…♪」

 

 

その声と共に私達の意識は一斉に途絶えた。

次目覚めるのはいつなのだろう。

 

 

そんなことをふわふわと考えながら

意識はなくなっていった。




次回から反転していきます!
なにが反転するか??タイトル回収行きますよ〜♪



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単独行動 is Best(5)

さあ、カナギくんぼっちです



察しのいい方はもうわかるのでは…?


「ん……?」

 

俺が目覚めると周りは荒れ果てた荒野だった。

 

「ナトー!!?

ショウー!!?!!」

 

二人の声は聞こえなかった。

周りを見渡しても人らしき影は何も見えず、生物の気配などもなかった

 

「……んだよ…」

 

1人…か。

 

すると上から閻魔声が聞こえた

 

「おや?君は一人っぽいね!

では…1つめの指令だよー!」

 

「指令……早く下さい」

 

「なんだ…そっけないなぁ〜

では一つ目のミッションはこの文章を読んでね〜」

 

俺の目の前にタブが表示される。

 

するとそこには

 

::男は通れず 汝は通れる::

 

 

「は?」

 

そのタブを見た瞬間俺の目の前には壁が現れた。

 

「これ飛び越えりゃいいんだろ?」

 

俺はすんなりと飛び越えた

しかし向こう側の地面に足をつけようとすると

俺の体はまた壁の前へと戻されてしまった。

 

「え、」

 

そんな俺をさておき閻魔は話を進め始めた。

 

「では、君の何かを反転したいと思います〜」

 

俺の洋服と髪の毛が光り出す。

 

「え…!?」

 

あまりのまぶしさに目を瞑る。

 

ほんの10秒間程度だがとても長く感じた。

「……反転終了!」

 

閻魔の声にて、俺は目を開いた。

 

 

「……おい」

 

俺の第一声はそれだった。

 

「なに?」

 

「『なに?』じゃねぇよ、

なんだよこれっ!!」

 

「…んーと……

<ミリヲタ女子風!迷彩パーカー&迷彩ミニスカート、ニーハイ付き!!!>

だよ?」

 

「なんでミニスカとかなんだよ、

それにニーハイ……てかこの髪型なんだよ!」

 

緑色のベレー帽は全然いいとして

黒のロングヘアにカールがかかっている

 

ウィッグかと思ったが外れない。

 

「別にいいじゃん〜

これじゃないとこの指令はクリアできないんだし〜」

 

「はぁ!?」

 

俺の返答を待たずにあいつの声は消えた。

 

「?」

 

なにか俺の目の前にハートマークが現れた。

 

♡×39

 

と表示されている。

 

「もう…なんなんだよ……」

 

::男は通れず汝は通れる::

そういうことか

俺が:男:の格好をしていたらこの壁は超えられなかった。

:汝:つまり女になればいいってことだったのか。

 

とにかく俺は目の前の壁をよじ登った。

 

「…ぐっ……はぁっ」

 

 

今はあまり考え事をしないようにしよう。

悩んでいても仕方が無いから。

 

 

そんなことを考えながら俺が壁の反対がわへ行くと

 

ピコンと何かまたタブが開かれた。

 

<君の初期ライフポイントは40>

<お次の指令は

::お城へと忍び込み王子を滅せよ::

王子を滅するためならば好きな武器を与えよう。

そして、どれだけ他人を滅してもよしとする。>

 

 

 

あ、♡はライフポイントか。

 

 

 

 

「滅せよ?」

ころせってことか?

 

……嫌な予感がした。

 

おれには嫌な予感しかしなかった。

忍び込む?

王子を殺す?

 

まるで人魚姫だな。

 

 

しかし俺は自分の変化に気づく

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、やべぇ

 

俺興奮してるかも

 

このミスをすればライフが削られていく危機的状況な世界で

ライフがなくなれば輪廻転生は無し。

しかも次はスパイ活動でミスをすれば先に進めないしライフも削られる…

 

やべぇ…

俺ほんとやばい。

感性ぶっ飛んでるのかもしれないし

気が狂ったのかもしれない。

ゲームのやりすぎなのかもしれない

 

なんでもいい

今のこの状況が楽しくてたまらない。

あ、ここいろんな意味で天国だわ。

ニヤケが止まらない

この場所にいる時点で楽しくてたまらない。

指令のためなら人を殺してもいい。

新しい感覚を得られる優越感が楽しくて仕方が無い。

今の俺を見たらあの二人はどうも思う?

 

 

 

 

 

 

 

気持ち悪がる?

 

 

ドン引きする?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあいい。

 

俺は城へ行き王子を殺すために、

 

そして2人と出会うために目の前の道を走り出した。

 




次はナトとショウ回です!

お二人はどこへ飛ばされたのでしょう…?!


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三角関係?(6)

さあ!

さあ!!

楽しい!!!!(作者は壊れたようです。)


「……っ、….トッ……ナトッ!!」

 

聞き覚えのある声で目覚めた。

 

目の前には女装したショウがいた。

茶色の綺麗なロングヘアを片方へと出してカールしてある。

そして綺麗な空色のドレスを着ていた。

 

「!?」

 

周りの状況を把握すると

ここはどこかの寝室らしい

しかもだだっ広い。

 

「よかった起きた…

今さっき閻魔が声で通達して来たんだけど、指令をクリアしていけだそうだ。

視界にたまに見える♡はライフポイントだそうだ。

で、俺の指令はナト…お前も守ることらしい、姫の格好でな。」

 

話が早すぎる

 

「ま、待って

わたし達の反転したものってなんなの?

というかここはどこなの?」

 

「俺たちの反転したものは……

<見た目の性別>だ。

だからお前はショートカットになってるし少し身長も伸びてる。

 

ここは城の中だお前は王子という設定になってる…らしい。」

 

「それ程度か了解。

城ねぇ……まあ、権力があるのはいいことだな」

 

「よし、じゃあお前の指令を見ておけよ

俺は今密かに入り込んできただけだから…

明日舞踏会があるらしい、そこには何十人もの姫と王子、貴族が来るらしいぞ。」

 

「待って、ショウ」

 

自分への指令を急いで見る

 

そこには

 

::舞踏会が終わるまで生き残れ::

 

「だそうだ」

 

「お前何?誰かに命狙われてんの?」

「知るかボケぃ」

 

「…まあ、いい。

とにかく明日は俺を部屋に連れてこいよ」

 

「わぁーてるよ、

じゃあの」

 

「おう、」

そういうとショウは出ていった。

 

 

静脈が訪れる

「私が王子役……ねぇ…」

 

 

何となく私は考えていた。

ショウが女役。

私が男役。

となれば

 

きっと今現在ここにいないカナギも女役のことだろう。

あいつならきっとまた3人になるために追いつくなりなんなりするだろうが…

 

今は何故か嫌な予感しかしなかった。

 

 

そうして舞踏会の時間へとなってしまったようだ。

 

 

会場はとてもガヤガヤしており居心地がいいとはお世辞でも言えなかった。

 

「ナフィア様〜♡

ご一緒にシャンパンなどどうですぅ〜??」

「ナフィア様〜!」

 

 

 

こ い つ ら う る せ ぇ (確信)

 

「は…ははっ……」

思わず私も苦笑いである。

こんな表情なのにグイグイくる。

私の目の前にいる姫?は可愛いくないのだ…

 

すると私の視界に入ったのは

ショウの姿だった。

 

「おっ、」

 

姿を見るなり歩み始める。

どんどん距離が近くなる、向こうはまだキョロキョロしているだけだ。

 

 

ここは1つ、からかってやろう。

 

唐突に手を掴む。

 

「あなたの……お名前は?」

出せる限りの超絶イケヴォで囁く

 

それに驚いたようだがすぐに表情をニヤッとさせた。

「(バーカッ)」

口ぱくでそう言うと

「アモリイ….。

アモリイ・F・ウシュリア…

と申します。

あなたは?」

 

ぅわーぉ

見事な演技ですなぁデュフフコポォ オウフドプフォ フォカ(((

 

 

「この国の王子…

ナフィア・I・リヴァイブルと申します。

 

ともに…参りませんか?」

「もちろん」

 

手を改めてとると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の手首をそっと掴んだ人物がいた。

 

いきなりのことに一瞬身が固まる

 

「ナフィア・イノセンス・リヴァイブル様……」

 

そこにいたのは綺麗な白と黒の調和したドレスを着て、少し大きめの片眼鏡をかけた

他国の見知らぬ姫のようだった。

 

「失礼極まりないですが…

知り合いでしょうか?」

 

「えぇ、知り合いですとも。」

 

脳内を巡らせる。

誰だ?なんだ?

今の私の知り合いはショウもといアモリイしかいない

「私の名前を忘れたのですか…?」

 

「すいませんが…あなたのこと自体を存じあげません…!」

 

「あら…残念ですわ……。

 

では改めて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の名前は

ギカナ・リロードル・ルバス…

 

あなたを

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コロシニキマシタ…♪」

 

 

 

次の瞬間私の右肩にナイフが刺さったのは夢でしょうか。それとも現実でしょうか…。

 

 

 

 

 

 

 

 




さあ!
ギカナちゃんもといカナギは気づいているのでしょうか!!

気づいてませんね多分!!

次は多分々 …ん?


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美男美女(美男(♀)美女(♂))(7)

カナギ君回ですねー

カナギ君のキャラは
なにかと頼れるんだけどショウのほうが接しやすい…

ショウには劣るって比べられちゃうタイプだと嬉しい←


 

 

【挿絵表示】

 

 

俺はとりあえず街につく前に

お金とドレス、そして移動の足などの必要なものをもらうことにした

 

「おーい、閻魔ぁ〜」

 

「なんだい?ぼっち君」

 

「そのあだ名やめろや。

お金とドレス…あと馬車、馬車操縦する人くれない?」

 

 

「おぉ、ちゃんとに忍び込むんだねぇ

さすがだよ。

では、これをあげるぞ〜」

 

俺の目の前に出てきたのは綺麗なモノクロのドレスだった。

 

そして何故かこの時代によく着られるであろうワンピースのようなものもくれた。

こちらはアンティーク調の茶色や焦げ茶を貴重にしたもので可愛いと思った。

充分に女になりきれる

 

そしてお金

額を聞くと15000Tarstほど入っていた。

しばらくはこれで食べて行ける。

 

最後に馬車と馬車操縦士?がそこにはあった

少し年老いている人だった。

 

「ありがとうございます。

ところで、なにかお城ではあるんですか?」

 

「もちろん。

今日は舞踏会があるんだよ〜」

 

「ほお……」

 

こりゃあいいぞ。

 

「王子の名前は?」

 

「ん〜〜とねぇ〜……

ナフィア・イノセンス・リヴァイブルって言うらしいゾ〜」

 

随分と女じみてる名前だな。

 

「それと仲良しなのが…

アモリイ・フラグ・ウシュリイ

だそうだ。」

 

「可愛いなぁおい」

 

 

「可愛かったゾ〜」

 

「鼻血垂らすな、きたねぇよおっさん。」

 

「ひどい…」

 

「で、俺の名前は?」

 

「…ギカナ・リロードル・ルバス……

隣国の姫様やでェ…」

 

この閻魔ヘタレや(確信)

 

「では…おっさんおさらばするぞ…」

 

その言葉で消えてしまった。

 

「あの変態野郎…

まあいい、ものは調達出来たんだ

街に早く向かわなければな」

 

 

そうつぶやくと馬車に乗り込んだ

シンデレラのような豪華なものではなく物などを運ぶ用のものだった。

 

「近くの街までお願いいたします。」

「了解いたしました」

 

外の景色はずっと荒野だった。

景色はほとんど変わらないため何もすることがなかった。

 

ワンピースにも着替えてしまったのでやることが本当に何もない

 

あ、武器。

武器もらうの忘れたなぁ…

 

ふと思い出す。

 

「あ、あのー…」

「はい?なんでしょう?」

 

馬車を操縦している人に問いかけた。

 

「武器になるようなものは…ないでしょうか?」

 

するとその人は

 

「武器になるようなもの…ですか……

ナイフとリボルバーしか…ないですが…」

 

ある。

それだけでも充分だった。

 

「あ、あの!

それを下さいませんか!?

お金払うので!」

 

必死になって懇願すると

少し俯いたが首を縦に振ってくれた

 

「いいでしょう。

私は使い慣れていないから差し上げますよ。

お金は入りませんよ。」

 

ニッコリとした口調で言ってくださり本当に嬉しかった。

 

「ありがとうございます…!」

 

少し仲良くなれたようで

街につくまでずっと会話をしていた。

 

 

そしてついに着いた。

来るまでの荒野とはうって変わって石などで地面は舗装されており、とても、歩きやすくなっている。

 

あの操縦士の方が言うにこの街の名は

【クロノス スウィーティッド】

時の女神に愛された街

だそうだ。

その名の通り、時計がとても有名でここで作られる懐中時計などは高額で取り引きされている…らしい。

あとは眼鏡作り、レンズ作りなども有名だそうだ。

 

そこそこ発展していて大きなお城もある。

城下ももちろん発展していて色々なお店があるという。

 

「ありがとうございました。」

「いえいえ」

 

お礼を告げ、そこらへんの店を見て回る。

 

お腹が減ったので昼食?をとろう。

近くのレストランのようなところに入った。

 

頼んだものは

ミートボールスパゲティとサラダ、そしてストレートティー。

 

胃袋の形、大きさはやはり変わってないようで山盛りのミートボールスパゲティもなんなく食べてしまった。

 

お会計で1000Garstほど払い店を出た。

 

また少し歩いていると、目の前にメガネ屋らしきモノを見つけた。

 

まだ夜まで時間があるため

片眼鏡でも作ってもらおうかな?

 

自分は、左目の視力は2.5ととてもいいのだが

右目が0.21ととても低いのだ。

 

お金を使うのはもったいない

と少し迷ったがそのメガネ屋に入った。

 

3時間ほどで片眼鏡は出来た。

値段は7000Garstと高かったがメガネにしたら安いほうだろう。

 

デザインもオシャレで気に入った

早速身に付けてみるととても見易く、機能性もバッチリだった。

 

 

メガネ屋から出てくると

泣いている小さな女の子を見つけた

見た目的に5歳ほどだろうか?

 

一言言えるのは…

 

 

超可愛い(ロリコン)

 

思い切って話しかけてみた

 

「き、君…大丈夫?」

あーナトがいればコミュ障発揮しなくてすんだのになぁ…

 

「う、う……」

女の子は少し泣きやみ、俺も少し安堵の表情へと変わる。

 

「お母さんと…はぐれちゃったのかな?」

思い当たりそうなのを言ってみる

 

「……うぅん………」

 

「違うの?

じゃあ、どうして泣いてるの?」

 

はぁああぁあぁあぁぁあぁあぁあぁあぁぁあぁあぁあぁあぁぁあぁあぁあぁあぁあぁああぁあぁ超可愛いよぉおぉおぉおおおぉぉぉおおお(((

 

「…あっ….めさ...ん.....」

「アメさん?」

 

その子が指差す場所には無残にも落っこちて誰かに踏まれたであろう棒付きのキャンディがあった。

粉々になっていて原型を止めていないが…

 

「……落としちゃったの?」

「ちが..う....」

 

違う?

 

「あ..の....おとっ.....このこたぢが...とってっ..ちゃって.....皆でっ...ふんづけっ...でぇえ…」

 

女の子が次に指さしたのはお店の前で遊んでいる男の子と女の子達だった。

男の子3人、女の子2人程度だ。

女の子が指さしているのに気づくと、

 

『お前んちビンボーだから

キャンディ踏まれたぐらいで泣いちゃうんだよなぁー!!』

『やぁーい!

ビンボー!!いつも同じ服着てんじゃねぇーよー!!!』

『やだーきたなーい、近寄らないでー』

 

そう叫んできた。

「…なっ……!!!!!?」

 

「お..かぁさん....がぁ..買ってくれ...たのにぃ......」

 

女の子はまた泣き出しそうだった。

どうにかして穏便に済ませる方法はないかと脳内を巡らせていた。

 

でも

 

『お前ん家、お母さんずーっといないもんなー!!

朝も昼も夜も!いないもんなー!!』

 

 

 

 

その言葉ならまだ許せた。

俺のことを言われてるわけじゃないけど、まだ許せた。

 

 

 

『お前はお母さんに嫌われてるんだろー!』

 

 

この言葉で俺はブチギレた。

 

「……ぃ…」

 

俺は立ち上がった。

女の子は不思議そうに立ち上がった俺を見上げた。

 

「お、おね..さんっ.....?」

 

「ちょっと待ってて」

 

女の子は小さく頷いた。

それを見て俺は安心したと同時に

 

爆発させた。

 

一歩ずつ近づいていく。

 

子供達は俺のことを無言で見ている。

 

目の前に来るとガキ大将みてぇなやつが俺のことを見ていった。

 

『お姉さんなぁに?

あの子のことかばうのぉー?』

 

 

ガッ!!!!!

 

「おい…あんまり弱いものいじめしちゃあ……いけねぇって…ママとパパから言われてねぇのかなぁ……!!!!?」

 

頭がメリメリといいそうなほどの力で頭を掴む

 

子供達は『ヒッ!!』と声を上げる。

 

「なぁ……君らがああいうことされたら……嫌じゃないのかなぁ…!!?」

 

全員おじけづいて逃げない。

好都合だった。

 

全員の持っていたお菓子を取った

 

棒付きのキャンディやドーナツ、はたまたスナック菓子のようなのもある。

 

それ全て地面に叩きつける。

そして全て踏んだ。

 

粉々になるまで、原型を止めなくなるまで

 

踏みつけた。

 

女の子2人は泣き出した。

男の子の内の1人が俺に歯向かってくる。

『何してんだよ…!!!!おばさん!!!!』

 

「…ア゙ア゙?」

 

ギロりと睨みつける

 

「おめぇらも同じことしたんだろ?」

『だ!だからって…!』

 

「だからって?

お前らはあの子の事を、あの子の家庭を…すべてを馬鹿にしたんだぞ。」

 

『……っ!

あんただってどうせ貧乏なんだろ!?

だからあの子を庇うんだな!!』

 

いちいち発想がガキ過ぎて草不可避

 

「……隣国の姫だとしても…

そんなこと君は言えるの?」

 

『へぁ…!!!!?』

 

「……ふぅ。

ギカナ・リロードル・ルバス…

隣国の姫だ!」

 

『と、隣の国の姫って…』

『お、おい…にげるぞっ!!』

 

とっとと逃がすほど馬鹿ではない。

 

「…君たち……この国の王子に言っておいてあげる。

そうすれば君たちの家は…無くなるからねぇ」

 

子供達は怯えた顔でこちらを振り向いた。

 

『…う…ぇえ……』

 

ため息が出る。

「はぁ……」

 

子供達は逃げていってしまった。

 

「あっ、」

いつのまにか周りに人が集まっていたようで、今の自分を見られてたと思うと赤っ恥である。

 

「み、みなさますいませんんん!!」

 

パチパチ……という微かな拍手が聞こえた。

「え…?」

 

「いやぁ!素晴らしいよ!

あの子供達は店の前で遊ぶから…正直邪魔でねぇ…ありがたかったよ。

ありがとう。」

先ほどの子供達が遊んでいた店の店主であろう人がお礼を言ってきたのだ

 

周りの人達も拍手をする。

なんだか恥ずかしかった。

 

すると先程の女の子が人ごみの中から来た

「お、お姉さん…」

 

怯えさせてしまっただろうか

だとしたら自分は馬鹿だなぁ…

 

女の子は俺に近づいてきて

「お姉さん。ありがとう…」

 

と言ってくれた。

小声で言われたその言葉に

笑みがこぼれた。

 

「…どういたしましてっ」

 

そんなことをしていたらいつの間にか夕日が出ていた。

そろそろお城へ行かなければ。

 

「それじゃあね、」

「うん!」

 

女の子に別れを告げ

近くの店でドレスに着替えさせてもらった。

髪型もセットしてもらいとても女に近くなった

 

お城へ向かう。

 

 

 

そして時刻は18:00…

 

舞踏会、もといパーティが始まった

自分はこの国の王子ナフィアを探す。

 

右手首の袖の部分にリボルバーを

左手首の袖の部分にはナイフを仕込んでいた

もとから少したるみがあるドレスなため仕込める余裕があった。

 

探していると少し先の場所に王子であろう人物がいる。

 

ブスな姫がまとわりついている

苦笑いしているほどだ

 

「俺なら逃げ出すけどなぁ…」

ぼそっとつぶやいた。

自分も先程から変な王子に絡まれて大変なのだ。

 

様子を見ていると

ナフィアに近づく姫が1人…

 

空色のドレスをまとった綺麗な女性だった。

 

2人で話している…

あぁ、アモリイとかいう姫か

 

少しずつ近づいていく

 

2人が違う場所へ移動しようとしている。

 

やばい

 

 

 

間に合った。

そっと手首を掴む

 

「ナフィア・イノセンス・リヴァイブル様……」

 

そっと呟いた。

そのナフィア王子とやらは驚きの表情で俺を見た。

当たり前である。

 

「失礼極まりないですが…

知り合いでしょうか?」

 

あれ?俺隣国の姫設定でしょ?

 

「えぇ、知り合いですとも。」

 

あれ…なんか……

いや、違うだろう。俺の勘違い…だよなぁ

「私の名前を忘れたのですか…?」

 

 

「すいませんが…あなたのこと自体を存じあげません…!」

 

あれ?この反応……ナトそっくり…

いや、ここまで来たなら

 

 

吹っ切れろ。

「あら…残念ですわ……。

 

では改めて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の名前は

ギカナ・リロドール・ルバス…

 

あなたを

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

殺しに来ました」

 

そういった瞬間に王子の右肩目掛けて、左の袖に仕込んであったナイフを抜く……そして

 

 

反動を利用し右肩に刺した。

 

王子がよろける

トドメの一撃…!!!!!!

 

とナイフを振り上げると先ほど王子と仲良く話していた姫がそのナイフを手袋越しだが掴んだ。

 

握り締めた

 

刃の、部分を

 

純白の手袋はとても薄い生地だったようでポタポタと赤い鮮血が流れ落ちる。

 

 

「なっ……!!!!?」

あまりの事に声が出てしまう。

 

「…カナギ……だな…」

 

その言葉と同時にみぞおちに拳を入れられる。

「グッ!!?」

 

少し怯んだ隙に首の後ろを手刀で思い切り殴られる。

 

「カッ……はぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「頭冷やせ、カナギ」

気を失う前に聞いた言葉は聞き覚えのある彼の声だった。




3人再開ですね!

でもカナギ君なんか性格変わりつつありますねぇ…
個人的に一番好いてるのはショウです。
おちゃらけてるけどやる時はやるし
なんだかんだ言って頼られてるタイプですね
友達が沢山いるけど表に出さない悩み事とかあったらそれはそれで素敵←


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狭間隙間(8)

なにも信じられなくなると人って恐ろしいデス(´∀)ヨ(∀`)ネー


 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

とにかく即座にカナギをおとなしくさせた。

 

見つからないようにこの2人を運ばなければならない

 

 

ドレスに血が多少ついたが気にしなかった。

 

そしてナトの寝室へと来た、あいかわらずだだっ広い

 

ベッドにナトを

床にカナギを乱雑に置く。

 

ナトは応急処置をし止血をした

消毒などもしたがほんとに軽いものである。

 

カナギに関しては殴って起こした

 

いきなり殴られたカナギは随分と驚いたようで1~2分ほど放心状態だった。

 

そして全て聞き出し説教をし今に至る

 

「…いくらなんでも殴って起こすとか……」

 

「友達刺されて普通でいられる方がおかしい」

 

「そりゃそうだけど…」

 

正論を返せばそれで黙るから楽である。

 

「…てか俺の指令はどうやってクリアすればいいんだよ……」

 

「は?」

 

こいつは馬鹿なのか

 

「この国の王子を殺せ

なんてどこに書いてあるんだ?お前の目は節穴か?」

 

「あっ…(察し)」

 

「とっとと行ってこい」

 

「ウィッス」

 

バタン

と扉が締まる音が聞こえた。

 

「…閻魔、いるんだろ?

出てこいよ全部聞いてるんだろ?」

 

俺がそういうと

 

「君には全部お見通しなのね…w」

 

床からニュっと首を出してきた

 

「なんでカナギに人殺しなんていう指令を出した?

俺らとはレベルが違うじゃないか」

 

「……はぁ…。

その理由は言わなければいけないのかい?」

 

閻魔は困った顔をする

「出来る限り答えて欲しいんだがな俺にとっては」

 

閻魔の顔はどんどん苦虫を噛み潰したかのような顔になっていく

 

「しょうがないね…

そんなにも……知りたいのならば教えてあげよう」

真面目な声になる。

少し自分にも緊張感が生まれた

 

「彼には、君らに隠している事がある。」

 

「?

それはなんだ?」

 

「それを出すために彼にあのような指令を出している」

 

「だからなんなんだよ、その秘密って」

 

「…そこまでは教えられない。

だけども、君にだけは言っておこう。」

 

あまりの変わりように息を呑む

そんなにも俺らに隠していることがあるのか?

 

 

 

 

カナギ

 

 

 

 

 

「【彼はキケンだ】」

 

「…は?」

 

言葉の意図がわからない

「どういう風に危険なんだよ、」

何故か冷や汗が垂れる

 

なにかが俺に危険を知らせてる。

 

 

「彼は…君たちにとっての驚異となる」

 

「だからあまり深く信じてはいけない。」

 

驚異?

何言ってるんだろう

 

カナギはなにか……するようなやつではない。

 

「先程、君がいたからナト君は助かった…それだけでわかるだろう?

逆に考えて見なさい

賢い君ならば、できるだろう?」

 

そういって消えた

あいつは消えた

 

俺がいなければナトは死んでいた。

 

 

 

逆に考える?

 

 

逆に…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【カナギがいるからナトが死にそうになった】

 

その考えが頭を走り抜ける。

むしろそれしか浮かばせないかのようにその考えが鮮明に脳内にこびりつく。

 

わからない

 

 

 

カナギと閻魔……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オレハドチラヲシンジル?




この後はとりあえずナトちゃん活躍させたいものです(震え声)


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目覚めのち閻魔(9)

天国はふわふわな雲の上でお花畑が一面に広がっていたらいい
地獄はマグマと少量の足場があればいい

そんな作者です。←


傷が痛むが体を起こす

 

ずーっと朦朧としていたが意識は確実に覚醒したようだ

 

右肩が痛い。

ズキズキと少し動かすだけで痛む

 

さっき刺してきた奴…

カナギに似てたような気がしなくもない。

そんなことを思っていると

 

ベッドの前にはショウがいた

何かうわ言のようにブツブツと言い続けている

 

大きなカーテンの隙間から月明かりが差し込み、ショウの体を照らす

表情は鮮明に見えなかったがそこに誰かがいてくれているという安心感へは繋がった。

 

「あー…ショウ?」

そっと話しかける

 

「ん…?あ、あぁ起きたのか」

いつもどおりのようでいつも通りではないようだった。

でも何がおかしいのかなんてわからない

笑っているけど目の奥では笑っていなかった

 

「右肩、まだやっぱり痛むか?」

「まぁ、少しだけどね。」

 

「そうか、ならよかった」

安堵の表情を浮かべた

こちらも少し安心したがやはり何かあるようでブツブツと戯言のように考え込んでいる。

 

何か世界が隔離されているようで嫌だった。

とにかく話題を見つける。

 

「さ、さっき刺してきた奴さっ…」

 

「ん?」

「カナギに……似てたような気が…するんだけど、」

 

「カナギだよw」

 

「へぁ!?」

思わず変な声を出してしまった

 

「あいつの指令は王子を殺すこと

で、あいつが変な誤解をしてこの国の王子を殺すことだと思い込んじゃったっぽくてさ」

なるほど…

 

「そっ…か……」

息が詰まる

何か複雑な気持ちが心の中で交差していた。

 

するとふとライフポイントゲージが目に入った

 

「えっ…!!?」

「…っ?

どうした?」

 

思わず声が出る

私の初期ライフポイントは40だったはず…!!

 

なのに…なんで……!!?

 

 

そこに表示されているのは

 

 

♡×25

 

 

15も減っていたのだ

「なっ、なんで!?

おかしい……おかしいよぉっ!!!、」

 

「どっ、どうした!?ナト!!?」

 

あまりの取り乱しようにショウも焦りを感じたらしくそばによってきた

 

「わっ、わたし…私の……ライフポイントがぁ……」

 

「ライフポイント…?」

 

「私の…私のライフポイントがっ……25に…」

 

「なっ…!

なんで……!!?まさか、

さっきのカナギからの攻撃で…!!!!?」

 

 

 

___________________

 

……ははっ

 

片方は取り乱し

片方はなだめる

そして論外君はその間に人を殺めている……

 

閻魔は水晶に映ったあの3人組をずっと見ていた。

 

1人は皆から頼られている分全て自分で抱え込み、挙句の果てに自分が崩壊するタイプ…

 

1人は強がりで周りの事を心配していて観察力も鋭いが…他人がいないと不安に駆られ心懐するタイプ……

 

1人は後先考えるということができずに最終的に困り果てるタイプ…

しかもかなりの戦闘狂……

 

「随分と変わった三人組だよねえ…

合わなすぎなんじゃない?」

 

そうつぶやく

「最初にこちらへ戻ってくるのは…

あの女の子かな…

この子は…あまりにも振り回されすぎてしまう。

逆にかわいそうだ…」

 

ナトをじっとり…と見つめる。

 

「早々と、女の子の判決を先に下しとくかぁー!」

 

 

そういうと閻魔は水晶を置き

 

机に向かいナトの生前での行いを調べ始めた。

 

 

 

 




ナトちゃん死んじゃうんですかねぇ…((

ナトちゃん死んだら色々危ういですが、ね…


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金城の独自優越理論

さて、カナギ君の役割が多いですが特にキーマンなのかと言われたらよく考えてないので否定すると思われますw

なにか3人組の起点になることをしてくれる役柄だと思ってます!


他人を1人殺した。

他国の王子とやらを殺した

近づいてきたから、気持ち悪いと一言吐き捨てて

腹部、喉元、左肩、胸元と次々に刺していった

 

血まみれになったがどうってことなかった

 

あるのは優越感のみだった

 

元の現世にいればこんな性格にはならなかったんだろうか?

俺は元からこんな人殺しをなんとも思わず更には優越感に浸るようなやつだったのか?

 

脳内で交差する。

様々な思考、意見、問題、疑問

 

すべてが全て、なにか快感へと変わっていくのだった。

 

そしてナトとショウがいる寝室へと帰ってきた

 

するとそこには閻魔が2人を腕に抱えていた。

 

「……へ…っ?」

あまりの事に反応が一瞬遅れた、飲み込むのも自然と遅くなる。

 

「なっ、何してんだよ…」

なるべく冷静を装い閻魔に問いかける。

「……残念だよ。金城昴琉君」

「は…?」

 

「君には、この反転道をクリアしても現世には輪廻転生させられない」

 

その言葉は何を示しているのかわからなくて

なにか怒りしか浮かんでこなくて

その怒りがふつふつと俺を苛立たせてきた訳で

何かが“ブチっ”と俺の中で弾けたわけで弾けたというか、切れたわけで

 

結論は、

俺が閻魔に殴りかかったって事で。

 

無言で素早く近づき右の拳を閻魔の右頬目掛けてめり込ませようとした

 

そう、『した』のだ。

 

でもその拳は届く事はなかった

 

閻魔の背中から真っ赤な腕が【グギッ…】と音を立てながら生えてきたのだ

その腕は俺の右手首を掴む

 

すかさず反撃しようと左手に持っていたリボルバーを取り出し構える

だがそのリボルバーは

 

構えた瞬間にバラバラになった

 

ただの鉄クズと化し寝室の絨毯の上へと崩れ落ちる。

 

閻魔のほうを見ると後ろからもう一本腕が生えていた。

そしてその2本目の腕は<鉈>をガッシリと握っていた。

 

あの数秒で?切り刻ん…だ??

 

「っ……」

同時に人差し指をもっていかれた。

引き金に付けていた人差し指は無残にも第二関節から上がボトリと床へ落下する

 

そのことを理解するのには俺には数秒かかってしまった

 

否…理解してしまった

「あぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁぁあぁあぁあぁあぁぁああぁあぁあぁあぁあぁぁぁあぁああぁあぁあぁ!!!!?!!?」

あまりの激痛に絶叫する。

指を抑えたいが右手は掴まれていて使えない。

 

痛い痛い痛いい痛いぃい

 

変な汗が出てくる

 

閻魔の背中の腕は俺の右手首を持ちながら

俺自身を軽々と持ち上げた

 

閻魔から…2人を助けなきゃ、

必死の思いで激痛が響く左手を閻魔へと伸ばす

すると次は俺の左腕が軽くなる。

不思議に思いみてみると

 

左腕が無くなっていた

 

肩から生えていた左腕が

さっきまであったはずの左腕が

綺麗なドレスの袖に包まれていた左腕が

無い、ない…無い。

 

先程までと比べ物にならないほどの激痛が脳天を貫いた

「っっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

全身が震えて声もまともに発せない

 

「あ…ぁう……ぁぁ…」

俺の視界に映ったライフポイントゲージは

♡×9と表示されていた

 

口から血を吐く

「…カハッ……」

 

目の前がチカチカする

吐き気がする。でも吐くのは血だけ

頭もクラクラする、

 

そんな俺の様子を見た閻魔はニッコリとしながら、消えていった

俺の体は閻魔の謎の腕から開放され、重力の赴くままに地へと落ちる

 

落ちた衝撃で脳が揺れた感じがした気がする

 

血が散乱する

出血多量で死ぬかな…俺

 

そんなことを思うと意識が飛びかける

俺こっちの世界来てから意識飛びまくってんなぁ…

 

【金城昴琉様

指令クリアいたしましたので

お次の場所へと転送します】

 

その声を聞くと俺は潔く、意識を手放した

なにか深い海へと落ちていくようで、気分は悪くなかった。

 




カナギ君は状況に飲まれやすいタイプですね
なにかキャラに関する質問などがあれば気軽にコメントしてくだされば嬉しいです。

質問コメントではなくとも必ず返信致しますので気軽に絡んでください


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さようなら、私の【スベテ】を君らに捧ぐ。(11)

更新遅れて申し訳ございません。

今回はナトちゃん大活躍回でございます。
ナトちゃんはどうなるのでしょうか…-


私は真っ白な場所にいた

 

真っ白な地面と雲が少しかかっている程度の空

その2つが映し出されている場所にいた

 

なにもない

地平線しかない

歩いてみようかな、いや、体力の無駄かな?

そんなことしか考えられなかった。

 

「…ショウ、カナギ……どこかね、」

見渡しても真っ白なのだいる筈がない

 

すると声が上から聞こえた、閻魔だろうか?

 

「やあ、射藤汝斗さん。」

「どうも、」

 

閻魔の様だ。

「君の周りには今…何がありますか?」

「私の周り?

私の周りには何もありません。

見上げれば空があります、見下げれば真っ白な地面しかありません」

 

「…そうですか、ちょうど良いです。

汝斗さん。君に質問をします」

 

「はい」

そう言い返す。

姿と見えない人物と会話をする。

 

「君は、

 

【仲間のために死ねますか?】」

 

……は?

脳内が理解してくれなかったようだ

と思ったのだが

「…はい。」

脳内では追いついていないはずなのに口は既に結論を声として発していた。

とても不思議な感覚に見舞われ、ふわふわとした雰囲気になる。

 

「そうですか……

では、貴方に分岐点を与えようと思います。

それを出来れば早く回答してください」

無言で頷いた。

それで通じるなんて、確証は無かったけれど兎に角頷いた、静かに

 

言葉を発せるようなしっかりとした意識を持っていなかったから

 

「では……

君が今、天国に行くと決意すれば、今君が残っている分のライフポイントを君の仲間に振り分けます。大幅にライフポイントの少ない方に行きますが、どうしますか?」

 

決意なんて、決まっていた

「…2人の残りライフポイントは、いくつですか?」

 

ただ、

 

「盛賀谷祥君は40

金城昴流君は9……となっているよ」

 

まだ好きな人に、

伝えて、いないことが、あって

絶対に伝えたくて

 

「そうですか…昴流はどうして、そんなに?」

 

なんか少し、

悪あがきとか、したくて

我が儘ばかり言っていて子供すぎるよなぁ自分

 

「…それは、教えられない」

 

一言だけ伝えたくて

でも重要なその気持ちを、

伝えたい、その彼が、ここにいなくて

 

「そう、ですか……」

 

なんか、悲しくて

 

「………」

でも、何があっても

あの2人には、…笑っていて欲しいから

ただ、私の願いはそれだけなわけで、

 

君らと一緒にいたかっただけで。

 

 

「……天国へと、行きます。

彼等の笑顔がまた見えるのならば…いくらでも死んでみせますよ。」

 

そう告げた。

笑った、ニッコリと笑った。

何かが私の中で崩れたような気がした。

それをひた隠す為に笑った。

最後まで素直になれないのか私は

 

「……わかった、それでは

君を、君の天国へと案内するよ」

 

閻魔、あなたが泣いててどうするんですか

 

背中に羽が生えた。

体が軽くなり浮き始める、なぜだろう、とても変な感情が、心の底から這い上がって来るようだった。

 

もう、あの2人には会えないのかな

あの2人と会話なんて出来ないのかな

一緒に笑ったり、カナギのこと怒ったり、ショウと一緒に出かけたりとか、できないのかな

 

あぁ、【一緒】にいたかった

最後まで【一緒】にいたかった

叶わないんだね、残念だなぁ…

 

目を瞑れば何かが頬を伝った。それはドンドン溢れ出てくる。

一度崩れたダムの様に、その何かはとどまることを知らない。

 

浮き上がっていく体はもう地上へと向かう事はないのだろう。

 

ドンドン溢れるその何かはこぼれ落ちる。

なんでこういう時に限って意識飛ばさないんだよ。馬鹿じゃないの?

 

 

さよなら、来世を楽しんでね。

 

 

君らへ告げる最期の想い。言の葉、

 

それは空を書いて心地よく吹く風によってかき消されていった。

私の意識は吸い込まれた、その澄み渡る青空へと。

 

 




という訳で、ナトちゃんはこの反転道から除外…というわけです。

ちなみに次回は天国の話を書きます。
書く予定ではいます。

ナトちゃんはもう少し輝けるキャラなので…輝いていただこうと思っております。
ちなみにナトちゃんの好きな人というのは次回でわかります。
だいたいあの二人のどちらかですがねw

なにか質問、意見等ございましたらコメントなどをお願いいたします。


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彼女の天国の話(12)

天国の話です。

ちなみにナトちゃんはここでは終わりません。


私は立っていた。

この場所に立っていた。

 

呆然と、漠然と立っていたのだ、周りには到底信じられないような数の花々が

雲の上に所狭しと咲き誇っていた。

雲がふかふかしていて気持ちよさそうだ

 

足場があり、花を踏むなんてことは無かったけれど…

 

そこには誰もいなかった。

私以外の誰もいなかった。

 

毎日の様に話しかけてくれたあの野球少年君も

 

 

_______大好きだった、ヘタレゲーマーなあいつも。

 

そこに存在なんてしなかった。

 

孤独感しかなくて、寂しさしかなかった。

 

とにかく一歩踏み出した。

私が踏み出したところに、足場が出来た。

 

私の進んだ場所には足場が、道が出来た。

 

この花々の果てまで歩いてみたかった

この世界の終末はどこなのだろう。

気になったから歩いてみたかったんだ。

 

どんどん歩き出す。

時間はたっぷりあるんだ、この場所の果てを見ようじゃないか。

 

そう思っていた。

するとだいぶ歩いた所に雲と雲の切れ目が現れた。

ここが果てなのかと思ったが違うようだ。

 

疲れたのでそこに座り込んだ。

すると、その切れ目の間に何かが映ったのだった。

 

「な、に…?」

 

映ったのは、あの2人だった。

 

「……っ!!

カナギ!!!ショウ!!!」

 

とっさに手を伸ばしてしまった

身体がガクンッと下へと落ち始める

 

「あっ…!?」

 

恐怖のあまり目をつぶってしまう

 

だが、私の身体は下へと落下する事はなかった

 

何かに体や額を押される感覚がした。

 

目を開けると花々の中に仰向けに寝転がっていた。

目をパチパチとさせる。

 

身体をムクリと起き上がらせると

私の周りには

 

 

大好きなあの2人の特徴を切って張り付けたようなぬいぐるみがそこにはいた

 

私を見上げている。

目はボタンだし、口元は刺繍だから表情は変わらないけれど、

そのぬいぐるみは確かに、泣いていたのだ

 

ポロポロと、ボタンの瞳から涙を落としていた。

 

「……君ら…悲しいの…?」

2人のぬいぐるみはコクコクと頷く。

 

「君ら…2人にそっくりだねぇ…」

手を少しだけ伸ばす。

避けられてもよかった、どうしても触れたかった。

 

その気持ちがわかったのかわからないけれど

 

そのぬいぐるみは擦り寄ってきた。

2人に似ているそのぬいぐるみは抱きついてきた。

私の服に小さな顔を埋める。

 

その小さな涙は私の服を濡らした。

 

なんでだろう。

さっき泣いたはずなのに、

 

自分まで涙が出てきた。

 

ぬいぐるみを抱きしめる。

彼等に温もりなんて無いはずだけれど、なぜか温かく感じた。

 

目から涙が次々と溢れ出た。

声を出して泣いた、泣きじゃくった。

 

すると、カナギに似ているぬいぐるみが、するりと腕から抜けた。

 

ぽふぽふという可愛い足音と共にどこかへと走っていった。

 

しばらくすると彼はどこかから花を摘んできた

彼の両腕には大事に2本ほど青薔薇が抱えられていた。

「あ、お…ばらっ……。」

その中の1本を前に差し出してきてくれたので、そっと受け取る

 

私は青薔薇の花言葉を知っていた。

【奇跡】そして【不可能】

 

そのぬいぐるみは、青薔薇を先ほどの雲と雲の切れ目へと投げ込んだ。

 

その花は…パッっと光ったと思うと、花びらとなって落ちていった。

 

彼らに奇跡を_____

そして、

こちらへと来ることを…

___不可能にしたい

 

その思いを込めて、自分自身もその青薔薇を投げ込んだ。

 

同じようにパッと光りを放ち、花弁へと変わり、

ゆらゆらと揺れながら落ちていった

 

それを見届けると、パフっと花畑に倒れ込んだ

 

ぬいぐるみも一緒に倒れ込む。

このたっぷりある時間を楽しもう。

時々、ああやって花をあの2人にあげよう、

 

 

だって今の私にはそれしかできないから




はい、というわけでナトちゃんはカナギの事が好きだった。
でも、伝えられずに終わるというあるある的なやつですね、


ちなみに投げ込んだ花の行方は…


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花弁散り落ちる頃に(13)

ショウ回です。

なかなかみんな揃いませんね。


俺は気づけば森の中にいた。

 

先程までナトと一緒にいたはずなのに……

 

正確には森の中の小屋にいた。

木で作られた床へ直に寝ていた。

背中に痛みがジンジンと感じられ、快い目覚めではなかった。

 

しかし、その時はまだ良かったのだ。

 

なんでかというと、俺は危機的状況にある。

 

山賊に邪魔をされているのである。

「おじょうちゃあ〜ん。

おとなしく身ぐるみ置いていきな!」

 

デブな輩が怒鳴り散らす。

まだ女の格好なのでなんとも言えないが

 

おじょうちゃんと言われるのはとても不快だった。

 

今は、短剣しか持っておらず太刀打ちできる気がしない。

喉元を引っ掻き続ければ可能だがそれができるという自信などなかった。

 

野球部だけれど、そこまで運動できる自信はない。

 

山賊は5人。

自分に仲間はいないからこちらは1人。

 

最悪である。

 

そんなことを目まぐるしく考え、短剣を取り出すと、山賊の1人が襲いかかってきた。

真っ正面から来たため、左に身をかわしながら喉元へと短剣を持っている右手を振り切る。

 

見事にクリーンヒット。

ザシュッと音を立て、喉元を掻っ切った。

 

あと4人。

お次は3人ほど同時にくる。

流石に短剣では太刀打ちできないと考えたが、短剣で戦うしか方法はない。

昔少しだけ習っていた空手も使えるかどうかというところである。

 

1人目は右手をこちらへと勢い良く伸ばしてきたため、その手を思い切り短剣で刺す。

すると鈍い声を出し後ろへと倒れ込んだ。

2人目と3人目は同時に来た、しかも3人目なんて大きな斧を持っている。

 

斧を大きく振りかぶるのを目安に動きを見極めながら、もう2人目も視界に入る位置へと動く。

 

斧が振り下ろされたと同時に後ろへと避ければ、その斧は抜けないものとなりただの木偶の坊となった。

 

しかし、そこでふと俺は気づく

 

4人目が…いないのだ

前の3人に気が取られていて全く眼中になかった。

 

困惑していると後ろから体当たりされたようで前に倒される。

 

ドサッっという音を立て俺の体は倒れ、組み敷かれた。

 

短剣を取られ、なすすべもなくもなくなった。

 

先程の斧が、今度こそ俺に振り下ろされる。

俺自身の頭目掛けて、思い切り振り下ろされる。

 

死ぬ。

そう直感的に感じ取った。

 

しかし、俺には何かが見えた。

こんな危機的状況で、宙を舞っている花びらを見つけたのだ。

 

周りがスローモーションとなり、時がゆったりと進む。

しかし、その花びらだけはふわりふわりと舞い落ちてきた。

1つだけではなく、大量の青い花びらが降り注いできていた。

 

呆然とそれを見ていると、それは地へと落ちた。

 

 

その刹那

 

 

ズボッ、と言う音と共に何かが何かを貫いた。

貫いたものとは、大きく、刺が大量に生えているツタだった。

それが、俺を組み敷いていた山賊の胸を貫いたのだった。

 

解放された、と理解した俺はその死んだであろう物体を身体の上からどかし起き上がった。

 

他の山賊共は漠然としていた。

そして、我に帰ると生きている3人で俺に襲いかかってきた。

「グオオァアアァアッッ!!!!」と、雄叫びをあげながら。

 

しかし、落ちてきた花びらが地面に着く度にそのツタが生えてきて心臓や喉元、更には顔面までをも貫いたのだ。

 

目の前には血が散乱する。

その血から守るかのように、ツタは俺の前に伸びてきた。

 

ツタがどけて視界が開けたときにはもう、山賊の息の根などとっくのとうに無くなっていた。

 

 

…あの花びらはなんだったのだろうか。

俺を守ってくれたのは事実だ。

 

敵ではない?

味方なのか?

 

俺の脳内の問いに答えかけるものなんて誰一人いなかった。




彼女の落とした花びらが彼を救ったお話でした。



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無題と言う名の白紙(15)

無題。


橋の上にいた。

なんでかわからないけれど、俺は橋の上にいた。

 

左腕は無くなっていた。

 

街の中の小さな石造りの橋。

周りは真っ暗な闇夜だった。

 

俺は柵のところに腰掛けていた

 

月明かり照らさぬ、丑三つ時。

月は雲に見え隠れしていた。

 

俺は何故か嫌な考えしか、先程から浮かんでいなかった。

 

……俺の残りライフポイントは34

 

なぜこんなに増えている?

 

 

そこをめまぐるしく考えるしかなかった。

 

夜風に当たり、ドレスがふわりとなびく。

ふと、夜空を見上げると、青い花びらが振ってきた。

 

無意識に手を伸ばしていた。

手に触れた花びらを、優しく握る

 

すると、眩しい閃光を放った。

その光は、何か温かい。

 

俺はその光に飲み込まれたようだ。

気がつけば周りは真っ白な空間だった。

 

なにか、誰かの声が聞こえた。

その声は鮮明に俺の耳へと届いた。

 

【ねえ、】

……なに?

 

【カナギ】

…ナト?……

 

【ずっと言いたかったんだけどさ】

…なに?

 

【…え、か…さ

……き…だっ、よ】

なに?ノイズがひどくて聞こえないよ。

 

ノイズがその声を邪魔した。

 

…ナトッ……

 

そう手をひたすら伸ばした。

でも、その光は消えた。

 

炭酸の泡のように、一瞬の夢だったかのように消え去った。

 

ああ…なんだろう。

幻聴、かな。

 

一度寝ようか。

そうしよう、眠いから。

 

今行くわ、ナト。

 

 

 

俺は後ろへと倒れ込んだ。

頭から下の川へと落下する。

 

ドボンッ…

 

ゆったりと瞼を開くと、目の前に広がるのは真っ青な世界だった。

 

試しに口を開いてみると、ゴポゴポッ…と音を立て気泡が上へと向かっていった。

 

ゴツンッと鈍い音がして、頭が川のそこへと当たる、そこまで水深は深くない。

地味に痛いわ、クソぅ。

 

月が出たのかな?

月のような光が差し込んでいるようで、少し眩しい。

 

その光のせいなのかなんなのか。

 

眠い、眠いな。

さっきのナトだろ?合ってるなら正解なりなんなり言えよ…w

お前は生きてるんだろ?

 

こんなところで死ぬのかな俺。

もう、死んでるけどさ、この反転道とやらから脱落…?なのかな?

 

ショウ、お前だけは生き延びろよ?

俺は……お前に託すよ、この3人でずっと一緒にいたかったなぁ…

俺天国に行けなさそうだわ。

 

ナト、お前はいつまでも素直じゃないんだなぁ…

お前も生き延びろよ。

俺、絶対見てるからな。

 

今なら言えるよ。

 

ショウ、お前は俺の一番の友達だったよ。

 

ナト…ずっと好きだったよ。

 

 

2人とも、さような…

 

意識が途絶える瞬間なんて空気が読めないものだ。

 

 

…………………

 

 

 

 

 

 

ザッパァ!!

 

 

体がいきなり引き上がる感覚。

意識が一気に覚醒する。

 

「ぷはっ!?」

右腕を捕まれ引き上げられたようだ。

 

「おいっ!!!!」

怒鳴られた。

 

「は、はい!?」

反射的に顔を上げると、そこにいたのは

 

ショウだった。

 

「なに…してんだよ!!!!」

「はっ…?へぁ……」

両肩を掴まれ、揺さぶられる。

 

「なんでっ、なんで……死のうとしてんだよ!!」

「……んで」

「…は?」

 

「なんで…お前がここにいるんだよ!!」

死にたかったのは真実なのに、

誰かに助けて欲しかった。

でも、言えなかった。俺じゃ言えなかった。俺みたいなやつが助けを求めたら、気持ち悪がられると思ったから。

閻魔に言われた。俺は輪廻転生出来ない、と。その時点で何かが崩れていた。精神状態もズタズタになっていて、その気持ちが全部入り交じって出た言葉がそんな言葉だった。

そんなことを、ショウやナトが知っているはずないんだけども

 

今更なんなんだよ、と思ってしまったのだ。

後ろに下がると、ザバザバと音を立てながらショウが近づいてきた。

 

「…悪かった。

くるのが…遅れて本当にごめん。」

「なんなんだよ…今更!!」

 

どんどん近づいてくる。

真顔で迫ってくるショウに俺は焦りしか浮かばなかった。

 

「お前にいうことがある」

 

「なんだよ……!」

真面目な顔のショウの口から放たれた言葉は

 

 

 

「ナトは死んだ。」




白紙←

あれです。
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@mxgd1


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