唯一魔法が使える少年 (きゅうじょう)
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ブリタニア防衛・ガリア奪還
1話


どうも始めまして、きゅうじょうと申します。
何を思ったのかストライクウィッチーズのssを書きたい!
と思ってしまったので、書いてみます。
と言っても自分は三日坊主なのでいつまで続くか分かりませんが、なるべく完結に持って行きたいと思っています。

長々続けていてもしょうがないのでどうぞ!


「クソッ!なんでネウロイなんかがここにいるんだ!」

少年の上空には黒い塊が浮かんでいる。

その塊は赤いレーザーを放ち街を壊し、燃やして行った。

彼は力がある。

だが今はまともに使えない。

少年に魔法があると気づいたのはついさっきだ。

まだ魔法を扱う方法、ましてや練習なんてしたことがない。

未だ不確定要素が多いこの力を使うのは出来れば避けたいが今はその力を使う時なのだろう。

そして今手元にある武器はリベリオンと言う国にあるS&W(スミスアンドウェッソン)のM10と言う回転式拳銃一丁。

基地に避難しようとし、行ったらもぬけの殻だった。

そこで、せめて武器を持って行こうとしたので手に取ったのがのこの銃だ。

弾倉に弾は入っている6つの穴に6個の弾丸が。

そしてそれを確認したあと、今この街を荒らしているその黒い塊に向けた。

 

集中する。

少年は思いつきで弾丸に魔法力を込めて威力を強くしようと考えた。

装填されている弾丸1発に魔法力纏わせるようにし、貫通力を上げるために回転を強くする。

ここからは先は成功するか分からない事だ。

だがこの街を破壊していったネウロイには1発弾丸をお見舞いしたかった。

撃てばバレるかも知れない。

だがそんな事はどうでもいい。

少年は覚悟を決め、ネウロイの中心に向かって照準を合わせ引き金を引いた。

弾丸は真っ直ぐ吸い込まれるようにネウロイの中心へ飛んでいく。

そしてネウロイに当たった瞬間弾丸は爆発した。

煙が晴れるとネウロイの中に赤い結晶のような物が見える。

少年はそれに照準を合わせもう一度同じ工程を繰り返しネウロイに向けて放った。

また吸い込まれるように赤い結晶に向かって行く。

そして結晶に当たり砕けると同時にネウロイも砕けた。

「……やったのか?あんなに巨大な敵を倒したのに嬉しい気持ちが少ないのはこの景色のせいかな……。」

そして誰も居ない場所で1人残された少年は一先ず自分の国、扶桑へと向かった。

そしてカールスラントに別れを告げた。

 

だが扶桑まで遠すぎる、そして道に迷ってしまったりしたので、扶桑にはたどり着けなかった。

その移動中にネウロイに何回も遭遇しては何度もネウロイを落とした。

そして迷っているうちにあることを知った。

 

…あれから数年経ったある日少年は『自分が強くなれたか』この事を考えていた。

自分が強くなり他の人達を守るために。

どんな状況でも見えている人達全てを守れるように。

その少年は大空を駆けながらある場所に向かった。

 




最初のプロローグの部分なので超短めです。
文字数制限ギリギリでしたw
最初の舞台をカールスラントから始めたのは焼け野原になった場所がカールスラントしか知らないからです。
あのカールスラントの3人とは面識がありません。

さて妄想を小説にして書いたこの作品ですが、ストックがありません!
だから不定期更新なんですけどね。
と言うわけでいつ投稿されるか分かりませんがその時もよろしくお願いします。

ではさようなら〜


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2話

急いで執筆しました。
と言っても3分の2位終わってたんで全然時間が掛からなかっただけですけどねw

ではどうぞ!

※主人公が名乗った所にルビを振りました。


「結構時間が掛かるな」

俺は大空を飛びながら独り言を呟いていた。

「あ…また独り言を呟いてしまった…。この癖直した方が良いよな…?」

結局独り言を呟いていた。

「そんな事はどうでもいいか。

にしても遠い……。魔法で飛べるようになったとは言えいつまで掛かるんだ?もう1ヶ月位経つぞ…。」

暇なので装備の確認をしてみる。

 

今手元にあるのはあの日、ネウロイをたった2発で倒したM10一丁と、サイドアームのコンバット・ナイフ。

このナイフはM10が弾切れの時に使う最後の手段的な奴。

ナイフの刃に魔法を纏わせ、それを切るように振ると魔法で形成された斬撃が飛んでいく。

ただこの攻撃方法は燃費が悪い。

貫通力、攻撃力共に高いが、M10で撃てば周囲を巻き添えに出来るほどの力を出せるので、ナイフは滅多に使わない。

 

確認しながら飛んでいたら島が見えてきたので休憩の為に一旦降りる。

なんか凄い建物があるな。

此処が目的地なのだろうか?

とりあえずその建物に降りた。

 

「なんか、本当にデカイな…」

少年が周りを見ていると。

「そこの貴方、此処で一体何をしているのかしら?」

声に反応して振り返ると、赤い髪に赤い目をしている少女に出会った。

「あ、す、すいません。ちょっと休憩する為に此処に来たんですけど。」

「どうやって此処に侵入したのかしら?それに見張りにも気づかれないなんて…」

………しまった。普通に人がいた。

俺には魔法が有るからなんて言っても信じてもらえないよなぁ。

「いや、あの、あはは。どうやって来たんでしたっけ?忘れてしまいましたね〜」

「………。とりあえず貴方には聞くことがあるのでついて来て下さい。」

(めっちゃくちゃ睨んでるよ!?)

「あの、それって拒否権あります?」

「あると思っているの?」

「ですよね〜。

はぁ、ちゃんとついて行きますよ。

なんてそんなに睨まないでくれません?」

「………。」

(無視された………)

そして少年は少女に連れて行かれた。

 

 

ここは何処だろう?執務室って言うのかな?

そう思っていると少女が話しかけて来た。

「とりあえず貴方の名前を教えてください」

「そういえば言ってなかったですね。俺は月影(つきかげ)流斬(りゅうき)です。扶桑皇国出身の魔導師、まあ要は男版ウィッチですね。」

少女は疑いの目で俺の顔を見ている。

まあ、そうなるわな…

「それは本当ですか?」

「ええ、本当ですよ。

何なら魔法を使っても良いですよ。と言っても俺には飛ぶ位しか出来ませんが…」

「じゃあ、今から飛んで見てくれるかしら?」

「良いですけど、まず貴方の名前を教えて頂きたい。」

「あら、ごめんなさいね。

私はミーナ・ディートリンデ・ヴィルケです。」

「よろしくお願いします、ヴィルケさん。」

「ええ、此方こそよろしく。じゃあ、移動しましょうか。」

「移動なんかしなくても良いじゃないですか、ここですればいいんですよ。」

 

そう言うと俺は魔法で身体を浮かせ地面から足を離した。

 

「………え?なんでストライカーユニットを使ってないのに飛べるの?」

「さあ?これが俺の固有魔法なんじゃ無いですかね?」

「なんだか貴方には驚かさせますね。その魔法を使ってここに入って来たんですね?」

「はい、そうです。」

「何のために入って来たんですか?」

「この力を使いたかったんですよ。

ここは最前線だ。力は必要でしょう?なら力があれば此処に入れるのかな〜って、そんな所です。」

「…何故軍に入らなかったの?その力は珍しいわ。別に此処に来なくても軍でその力はを使えるんじゃないのかしら?」

「理由なんて簡単に思い浮かびますよ。多分男で魔法が使えるのは俺だけです。すると研究と称してモルモットにされるかもしれない。それが嫌だったんですよ。」

「そうならなかったかも知れないわよ。」

「それでも此処みたいな最前線に行けないと思いますがね。」

「まあ、良いわ。それで?貴方は此処に入隊したいのかしら?」

「ええ、そうですね」

「他の所は駄目だったのかしら?」

「ここはカールスラントに近いですからね。早く取り戻したいんですよ。住んでいた国ですし」

「あら、貴方は扶桑に住んでいたんじゃないの?」

「親の仕事関係でカールスラントに住んでいました。それで此処に入ってもいいんですかね?」

ヴィルケさんは少し悩んだ後に決断を下した。

「分かりました。良いでしょう。貴方は特別な力を持っています。その力を信じて月影流斬さんをストライクウィッチーズの仲間に入れましょう。」

こんなにあっさり決まって良いのだろうか?

少し心配になったので質問してみるか。

「それは嬉しいのですが、本人が言うのもアレですが、こんなにあっさり決まって良いんですか?俺は飛ぶ以外に何もしていませんよ?」

「ええ、大丈夫よ。この隊の隊長は私です。この隊に必要な人材は私が決めます。それに貴方は力があるのでしょう?」

「ええ、ありますよ。

ではご期待に添えるように頑張ります。」

「よろしい。本来男性がウィッチに必要以上に接触するのは禁止ですが、貴方は私達と一緒になって戦うので接触の問題は何も言いませんが変な事はしないように。よろしいですね?」

こう言うのって普通、厳しく言うべきだと思うんだが、笑顔で言われるとなんか子供扱いされてるみたいだ…

「分かりました。変な行動は極力しないのでよろしくお願いします。」

とりあえず窓の外を見て気分でも晴らそう。

この人話すと何か疲れてくるからな。

「綺麗な空だ。其処を自由に飛べる俺らは恵まれているんでしょうね。

ネウロイさえいなければですが…」

「そうね、この空を自由に飛べるのは素敵な事。でもネウロイがいなければこんな事も出来なかった、と思うと少し複雑ね…。」

…あれ。なんかシリアスになりかけている。

お、誰かがこっちに飛んでくる。

この隊のメンバーかな?

「…そうですね。ん?あの人はこの隊のメンバーですか?」

「ええ、そうよ。後で貴方の事を皆に紹介するから、その時に話したら良いわ。」

「そうですね。………ん?」

 

なんだろう?あの子の後ろから凄い勢いで突っ込んで来る黒い塊が……

ネウロイか!?

俺は素早く目に魔法を纏わせ遠くの方まで見えるようにした。

……やっぱりか。このままじゃまずいな。

とりあえず報告だな。

「ヴィルケさん!あの子の後ろの方、7kmくらい…ネウロイがいます!」

「なんですって!?」

「俺は先に行きます!一応援軍を送って来て下さい!」

 

そう言うと俺は机に置いてあった自分の愛銃を拾い、窓から飛び出した。

 

 

 

 

 

 

俺は高速で飛行しながら呟いていた。

「クソッ!何であの子は気がついてないんだ!?」

よくあの子を見てみる。

白髪の髪に黒を基調とした軍服、そして何より眠そうだ。

「眠そうな顔だ…だから気付かないのか?このままじゃ俺が到着する前にネウロイの攻撃にやられるぞ!」

とりあえず俺はあの子に向かって叫んだ。

「おーい!後ろからネウロイが来てるぞ!」

だが遅かったのかネウロイが攻撃して来た。

彼女は気づいたようで、ネウロイを見るなり緊急回避をするがビームが足を掠めて彼女のストライカーユニットが壊れた。

 

「きゃあ!」

 

壊れたストライカーユニットは黒い煙を吐きながら速度を上げて落ちていく。

「クソッ!届け!」

彼女に伸ばした手は何とか届いた。

「男の人…貴方は…?」

「そんな事より今は目の前の事をどうにかしないと!ユニットは動くか?」

「………駄目。……動かない。」

「……仕方ない」

そう言うと俺は彼女を左腕で抱いて支えた。

「え!?」

突然の事で顔を赤くしているが今は仕方ない。

M10を引き抜きネウロイに照準を合わせる。

そして弾丸に魔法を纏わせ撃つ。

弾丸が当たると爆発したがコアが見えない。

もう一度同じ事を繰り返すと、コアが見えたのでそこに向かって弾丸を放つ、するとネウロイ自体が砕け散った。

「す、凄い……」

隣にいる彼女が感嘆の声をかけて漏らしたのでお礼を言おう。

「ありがとう。でも何で気付かなかったの?眠たかったからかな?」

彼女は表情を暗くしながら

「………うん」

「いや、怒ってるわけじゃ無いんだ。どうして眠たそうにしてたのかなって思っただけだよ。」

「…私、夜間哨戒の任務で夜からずっと飛んでたから、眠く、なって……」

「あ、おい…」

「………」

「眠っただけか」

とりあえず持ち方をお姫様抱っこに変えて帰った。

(…結局援軍来なかったな。

戦闘時間も短かったし仕方ないか。)

そう思いながら俺の腕の中で寝ている少女の安心した顔を見た後基地に帰った。




夜間哨戒の人って言ったら分かりますよね?
その子大好きですw

さて、もうストックが無いので本当に不定期になります。
次は来月なのか半年後なのかそれとも1年後になるかは分かりませんが、早めに投稿したいと思います。

ではさようなら〜


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3話

ヤバイです。
何がヤバイって、部活が大会近くて練習が超キツイですし、さらにテストも迫っているんです!
これはマズイ。
まあ、その話は置いといて、今回の話は結構適当です。
入隊部分なんてなんて、書けばいいのか全く分からなかったので、かなり適当です。
それでもよければどうぞ!


「よっと…。ここだよな?滑走路みたいなのあったし……。」

「サーニャ!!」

今抱いている子と同んなじ白髪の子が駆け寄って来た。

サーニャと言われた少女がゆっくりと目を開けた。

…この子サーニャって言うのか。

一応安否を確認しておこう。

「えっと、サーニャちゃん?怪我は無いかな?」

「う、うん大丈夫……。」

「じゃあ降ろすよ?」

「……うん。」

何でそんな悲しそうな目をするんだ?

「えっと、ありがとうございます。危ない所を助けて頂いて。」

「いや、良いよ。助けに行ったとは言え、当たり前の事をしただけだから。」

あっ、とサーニャちゃんは思い出したかの様に言った。

「あの、名前言ってませんでしたね。私は、サーニャ・リトヴャクです。貴方は…?」

「そう言えば言ってなかったね。

俺の名前は月影流斬だ。よろしくね。」

あ、駆け寄って来た白髪の子の事忘れてた。

「君は?」

そう言うと何故か白髪の子はジト目でこっちを見てきた。

「おい、なんで男なのに飛べるんだよ。しかもストライカーユニット無しで」

そう言えば、と言うようにサーニャちゃんもこっちを見てきた。

どうせ後で知らされるけど今説明した方が良いか。

「俺はね、魔法が使えるんだよ。空を飛べるのは俺の固有魔法なんじゃ無いかな?」

「エ、エイラ自己紹介しなきゃ」

エイラと言われた少女はジト目のまま自己紹介して来た。

「…エイラ・イルマタル・ユーティライネン」

「よろしくね、エイラちゃん。」

「エ、エイラちゃん!?や、やめてくれ!なんか気持ち悪い!呼ぶなら呼び捨てで頼む!」

「そ、そう?分かったよエイラ。」

エイラちゃんでも良いと思うんだがなぁ…

「とにかくサーニャを助けてくれてありがとな。サーニャは私の…その…」

何故かモジモジしだすエイラ。

「…どうしたの?エイラ?」

「…その、し、親友だから!大切な人だから!だから、その、助けてくれてありがとう……」

サーニャちゃんはエイラに大切にされているんだな。

「よかったな、サーニャちゃん。

大切な友達がいて。」

「…はい。とっても大切な…友達です。」

控えめな、でもしっかりした笑顔でサーニャちゃんは答えた。

うん良い笑顔だな。

エイラはと言うと、照れながら笑っていた。

「あの…」

少し困った様な顔をして少し俯きながらサーニャちゃんが言った。

「私の事も、さ、サーニャって呼び捨てで、良いです。」

俯いた顔は少し赤かった。

「分かったよ、サーニャ。

改めてよろしくね。」

「はい、よろしく、お願いします。」

サーニャを助けたは良いけど、俺これからどうしようか?

とりあえずヴィルケさんに会いに行くか。

「ねえ、エイラ。今ヴィルケさんどこにいるか分かる?」

「なんで中佐を探してるんだ?」

「それは、秘密で。すぐに分かる事だしね。」

「まあ、すぐに分かるなら良いけど。ちょっと待っててくれ。」

そう言うとエイラは何故か魔法を使いタロットを出してカードを引いた。

探知系の魔法なのかな?

でも何でタロット?

「中佐なら後少しでここに来るから待ってたら会えるぞ。」

「なんで何で分かるんだ?探知系の魔法かい?」

「私は少し先の未来が見えるんだよ。そこでタロットを使えば相手が何処で何をするのか大雑把だけど分かるんだ。本当に大雑把だけどな〜」

それ結構凄いんじゃ…

それになんか魔法が視えた気がする…

何だろう内容って言うか、魔法の構造って言うのかな?

そんな物が…

「エイラありがとな。サーニャも何か固有魔法があるのかい?」

「うん、私は魔道針で広範囲にわたって飛行物体や電波を聴いたりできるの。」

「なるほど、サーニャは広域探査で、エイラが未来予知なのか。凄いな。

サーニャ一回魔道針を見せてくれないか?」

「?良いけど…」

そう言ってサーニャに魔道針を使ってもらった。

…やっぱりか、内部の構造が視れるな。

この構造を覚えたら魔道針も使えるかもしれないな。

「ごめん、少しその状態でいてくれないかな?」

「?分かった。」

 

集中する。

魔道針の内部構造の様な物をみる。

少しずつ読み取っていく。

魔法は恐ろしく複雑だ。

そして視る事は凄い集中力と体力を必要とする。

そして俺には集中力はあるが体力が集中力に比べて少ないと思う。

当然体力が少なくなると息切れが発生する。

肩で息をしていると、エイラがちょっと睨みながら発言した。

「おい、ちょっと気持ち悪いぞ。」

だがエイラの発言はあえて無視する。

後少しで全て見ることが出来る気がするからだ。

後少し、その時間は短いが体感的には物凄く長く感じた。

「ハァハァ……」

やっと終わったので地面に倒れる様に寝転がった。

「だ、大丈夫ですか!?」

サーニャは心配そうにこちらをみて、エイラば何をしたかったのか良く分からないと言う表情のをしている。

「あ、ああ、大丈夫だよ。

ちょっと集中してつかれただけだから。」

ちょっと困った様にエイラが呟く。

「後少しでミーナ中佐がここに来るんだけどこの状況みたら何か言われそうだな…」

それはフラグだぞ、エイラ。

「月影君。!?月影君、一体どうしたの!?」

ほら来たじゃん。

「大丈夫ですよ、ヴィルケさん。ちょっと集中して疲れただけなので。身体には何の心配もありません。」

「そうは見えないのだけど…。

そうなのサーニャさん?」

「魔道針をじっと見つめて暫くたったら疲れて倒れてしまいました…」

「それだけで倒れるなんて…。集中していたと言っていたわね?」

「ええ、集中してましたよ。かなりね。」

だいぶ、落ち着いて来たからそろそろ立てるな。

「よっと。もう大丈夫ですよ。戦闘での怪我では無いので大丈夫です。」

「本当に無理はしないでね?」

「ええ、無理はしてませんよ。そろそろ移動しませんか?」

「そうね。じゃあ行きましょう。

サーニャさんエイラさんも一緒に来て下さい。」

2人とも分かりましたと言ってヴィルケさんに着いていった。

そして最後に着いて行きながらまた、考え事をしていた。

…そう言えば俺に使い魔って出てなかったよな?

サーニャは黒猫かな?エイラは何だろう?黒い狐かな?

俺には出てなかったし…

まあ、例外はいくらでもあるんだろうな。

 

そして長い道を歩いて行くと会議室?ブリーフィングルームって言うのかな?そんな所に着いた。

「では3人はここで待っていて下さい。」

3人で分かりましたと声をハモらせて言うと、ヴィルケさんはまた何処かへ行ってしまった。

「今から何するんだろうな。知ってるかサーニャ?」

「ううん、私も知らないわ。流斬君知ってる?」

「あ〜うん、知ってるよ。」

「え?何?今からなにするんだ?」

「それは秘密って言った奴だから。

てか俺が此処にいるってだけて察して欲しいんだが。」

2人は少し考えたあと気づいた様にこっちを見てきた。

サーニャは嬉しそうに、エイラは何だそんなことかと言う様に見てきた。

…多分当たってるよ2人とも。

そして、話し合いが終わって直ぐに他の人達が入ってきたので、俺は寝たふりをした。

…こういうパターン嫌いだな〜

知り合いが2人いるだけまだマシか。

そして入ってきた人達はこっちを見ながら誰この人と言う視線を送ってきている気がする。

当たり前だろう。

知らない人がいたら普通は気にする物だ。

ヴィルケさんが前に立ち皆か静かになると同時に顔を上げた。

「皆さん今日は新しく仲間になる人を紹介します。月影君前に来て下さい。」

「はい。」

俺はヴィルケさんの横に立った。

「どうも皆さん月影流斬です。

扶桑皇国出身の一般人です。よろしくお願いします。」

少し微笑みながら自己紹介をした。

「なっ!一般人だと!ミーナ!ふざけているのか!」

「いいえ、ふざけてなんていないわ。ちゃんと理由があって月影君を隊に加えようと思います。」

「ミーナ。じゃあ、月影採用にはどんな理由があるんだ?」

少し間を開けてヴィルケさんは口を開いた。

「月影君は魔法が使えます。そしてストライカーユニットを使わなくても、空を飛べると言う固有魔法も使えます。それにサーニャさんを助けに行ったのは他でも無い月影君です。」

「何?男なのに魔法が使えるだと!?」

この事実は流石に驚いたのか他のメンバーもおぉ〜と声を上げている。

納得はしていない様だが喋っていた人も渋々腰を下ろした。

認めてくれたようだ、良かった。

「誰も質問などはありませんね?

では、今日から月影君は私達の仲間です。皆さん仲良くして下さいね?」

…でもこれで全員なのか?

いがいと少ないんだな。

聞いてみるか。

「ヴィルケさん。501部隊のメンバーはこれで全員なんですか?」

「いえ、本当は扶桑の人がもう一人いるわ」

「そうですか。じゃあ、皆さんよろしくお願いします。」

話を切り上げもう一回挨拶をした。

これらは此処で戦うことになる。

心の中で気を引き締めみんなに対してお辞儀をした。




いやーやっぱり適当でしたね。
自分は文才が無いのでかなりキツイですが、自己満足で続いている様な物なのでこれからもがんばって書いていこうと思います。

ではさようなら〜


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4話

どうも、きゅうじょうです!
更新が遅くてすいませんでした!
リアルが少し忙しかったもので…

さて今回は結構適当な部分が多いです。
いや〜オリジナルの展開になっているのかは分かりませんが、オリジナル展開は難しいですね。
暖かい目で見守ってくれたら嬉しいです。

ではどうぞ!


「月影君は後でリネットさんに施設を案内してもらって下さい。では、解散!」

ヴィルケさんが言うと皆が立ち上がり数人がこっちに来た。

「よっ!一般人なんて面白いこと言うな〜。」

俺の周りに着た人は、いま話しかけて来た人、オレンジの髪の色をしたグラマラスな人と、黒髪なのかな?でツインテールの背の小さい子と、

同じ位の身長で黄色なのかな?の髪をした子、そして、黒髪のツインテールで凛としたオーラを纏っている子、その後ろで困った様な顔をしている子がいる。

サーニャとエイラは戻ったんだな。

後1人金髪の子がいた気がするんだがな。

「まあ、本当の事だからな。カールスラントの御2人に比べたらまだまだだよ。」

「私達を知っているのか。お前は扶桑出身だろう?」

と、黒髪のツインテールの彼女、バルクホルンさんが言ってきた。

「ええ、俺は扶桑出身ですが。生まれてすぐにカールスラントに引越しましたからね。まあ、あの日までは楽しかったですよ…」

そう言いながら俺が俯くとバルクホルンさんとハルトマンさんが俯いた。

やはりこの話題は良くないな…

でも、自己紹介をする時はどうしてもこの話題が出てしまう。

「でもあの日があったから今俺は此処にいるんだって思いますね。

多分あの日あの場所にいなかったら、俺は今も呑気に過ごしていたと思います。

戦争なんか女に任せれば良いって、そう思い続けたかもしれません。」

「だが、あの街を守れなかったのは私達のせいだ!もっと私に力があれば…」

バルクホルンさんが話している時俺の胸も痛くなった気がした。

いや、気がしたじゃ無いんだろう。

「…ほんの少しだけ俺の話をしましょうか。何故此処に来たのかを。」

 

 

 

カールスラントが焼け野原の時だ。

俺はあの時女の子を見つけた。目の前で倒れていたのだ。

その子を見つけた時凄く悔しかったのを覚えている。

意識は無く、全く目を覚まさなかった。

呼吸はしていたが、目を覚まさない、うめき声をあげていたから本当は気づいていたのかもしれない。

だが、この事実は本当に胸に突き刺さった。

…もし男の俺に力があればこんなことにはならなかったのかもしれない。

そう思い倒れている女の子を病院へ運び俺は此処に来た。

もう誰かが苦しむのは見たくないから。

 

 

 

 

「まあ、簡単に言ったらこんな感じです。…もう嫌なんですよ、誰かが傷つき、苦しむのは。」

バルクホルンさんはこっちを見て驚いた様な顔をしている。

何処か可笑しかったかな?俺の話。

そう思っているとバルクホルンさんが話した。

「すまないがその女の子の名前は分からないか?」

「いや分かりませんね。でもどうしたんですか?」

なんでいきなり名前を聞いてて来たんだろう?

「じゃあ、見た目は分かるか?」

「ええ、茶髪で小柄でしたね。

貴方によく似ていましたね。雰囲気とかが。」

俺は人を見る目があまり無いと思うがバルクホルンさんとあの子は少し被って視える。

そう思っていると、

「すまない!少し此処で待っていてくれ!」

と言いバルクホルンさんは部屋を飛び出して行った。

「何処に行ったんですかね?」

「思い出を取りに行ったんじゃない?」

とハルトマンさんが言った。

思い出か、俺にはもう親がいない。

あのカールスラントの悲劇で2人とも亡くなったのだ。

だが今ネウロイを恨んだってもう何も変えられない、だからこの記憶は今は思い出さないでおこう。

そう思い直してバルクホルンさんが帰って来るまで皆と自己紹介をした。

 

 

 

 

シャーリーさんとルッキーニは何と言うか楽しい人達だと思った。

ルッキーニが騒いでやり過ぎならシャーリーさんが止めると言ったやり取りが繰り返されるらしい。

ハルトマンさんは気楽そうに振舞っているが、周りの人達をしっかりと見ていると言うことが分かった。

…此処の人達個性強いな。

そんなに時間が経たずにバルクホルンさんが戻って来た。

「おい、月影。この写真の女の子を見たこと無いか?」

この子はまさに俺がカールスラントで見た女の子だ。

気を失っていて目は開けていなかったがしっかりと分かる。

「! この子ですよ。なんでバルクホルンさんがこの子の写真を持っているんですか?」

「私の妹だ。」

…え?マジで?

確かに雰囲気とか似てるけど…

「そうですか。妹さん今はどうしてるんですか?」

「妹は、目を覚まさないんだ。」

…そうだったのか。

バルクホルンさんや他の人達も少し目線が下がっている。

この話題は出すべきじゃ無かったな…

「すいません、貴方の事を考えていなかったですね。妹さん目を覚ますと良いですね…」

「いや、いいんだ。それとありがとう。お前には感謝している。妹を助けてくれてありがとう。」

「いえ、こちらこそ良いんですよ。自分の考えを実行しただけですから。

じゃあ俺はそろそろ部屋でも見てきます。

リネットさんお願いしますね?」

俺は逃げる様に立ち去った。

逃げる必要なんて無かったがこの空気に耐えられなかったんだ…

 

 

 

 

リネットさんに施設を案内してもらって今俺は部屋にいる。

どうしようかと考えていた時サーニャの能力を視たのを思い出し、使えるかを確かめた。

 

頭にレーダーの様なものが浮かんでいる。

これは何が出来るんだっけ?

確か広域探査だったか?

電波か何かを飛ばすのかそれとも受信するのか、それとも両方出来るのか。

まあ、一回やってみるか。

「こうかな?」

俺はレーダーから電波を飛ばすと言うイメージをした、すると遠くの物が分かる。

「結構便利だな。」

もう少し練習してみようと思い、もう一度同じ事をしていると誰かがノックしたので魔道針を消し扉を開けた。

「はい、誰ですか?」

そこにはサーニャが立っていた。

「あ、あの、此処で見たこと無い電波が飛んでたんですけど知りませんか?」

あれサーニャは分かるのか。

隠すことでもないし教えてもいいか。

…でもこう言うのって不思議と秘密にしたくなるな。

サーニャにだけ教えるか…

「ああ、知ってるよ?取り敢えず入って」

サーニャは失礼します、と言い入って、俺はドアを閉めサーニャを椅子に座らせた。

「さて、電波の前に俺が格納庫で疲れていた理由を説明しようか。

この話は他の皆には秘密だからな?」

そう言うとサーニャは小さく頷いた。

「よし!じゃあ俺が疲れていた理由だけど、俺はサーニャの魔道針を視てたんだ。

なんて言うかな?

俺、魔法の構造って言うのか、そう言うのが目で視えるんだ。」

「それじゃああの時私の顔を視てたのって魔道針の構造を見てたんですか?」

「そう。そしてその結果がこれ。」

俺は魔道針を出現させた。

サーニャは目を丸くして俺の魔道針を見ている。

「…つ、使えるようになったんですか?じゃあさっきの電波も…」

「そう俺だったりする。」

「す、凄い…。じゃあエイラの魔法も使えるんですか?」

「いや、それは分からないけど、使えるようにはなりたいよね〜。

あの魔法使い勝手良さそうだし。

魔道針との併用とか面白そうだしね。」

実際どんな風に併用するとかは知らないが。

て言うか併用して出来ることあるのか?

「あ、あの、さっき秘密って言ってましたけど…

ミーナ中佐に言って私と夜間哨戒してくれませんか?」

「どうして?まず理由を教えて欲しいな?」

サーニャは少し顔も赤らめて言った。

「あの、えっと…魔道針の使い方を教えたいなって思って…

その…駄目ですか?」

クッ!この子ただでさえ可愛いのにこんな涙目で上目遣いとか洒落にならん!

…仕方ない。

秘密にするのはやめるか…

「分かったよ。今度相談してみるよ。」

そう言うとサーニャは笑顔で

「…ありがとうございます!」

と言った。

「でもまず此処のいろんな事が分からないから、此処に慣れてからで良いかな?」

「…はい、分かりました。

一緒に夜間哨戒任務出来るのを楽しみにしていますね。」

そしてサーニャは部屋から出て行った。

 

 

 

そして、日にちが過ぎ入隊した時に話せなかった、ペリーヌさんとも自己紹介をして訓練などをしていると、入隊した時にいなかった扶桑の人が帰って来るとの話があった。

 

だが、その帰って来ている途中扶桑の人が乗っている船がネウロイに襲われていると連絡が入った。




いや〜適当でしたねw
ペリーヌとの自己紹介とか完全な手抜きでした。
ペリーヌファンの人すいませんでした。
批判バッチこい!

そしてサーニャちゃんは可愛い。

次回はいつになるか分かりませんが、あまり期待せずに待っていて下さい。
そろそろ作者の文章がおかしくなって来たので、これでお別れです。

ではさようなら〜


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5話

自分の書くスピードは早いのでしょうか?それとも遅いんですかね?

最近思ったのですが、自分の小説を読むと書き方が変わっているような気がします。
日によってばらつきがある気がします。
少し読みにくいと思いますが楽しんで頂けたら幸いです。

ではどうぞ!


サーニャに相談されてから次の日、俺は書類の作業をしていた。

やはり俺の事は軍の本部にも伝えるらしい。

ヴィルケさんは例え通らなくても無理矢理にでも通すと言ってくれているが、流石にそこまでしてもらう訳には行かないので何処か俺を必要としてくれる場所でこの力を使うつもりだ。

俺階級ってどうなるんだろうか…

とどうでもいい事を考えながら作業していると、部隊全員かブリーフィングルームに集められたので移動した。

 

今ブリーフィングルームにいないのは夜間哨戒で疲れて寝ているサーニャと扶桑の軍人だけだ。

「こんにちは皆さん。早速だけど緊急の連絡が坂本少佐から来たわ。

坂本少佐を乗せた軍艦がネウロイに襲われています。こちらの部隊から数名坂本少佐の救援に向かってもらいます。

シャーリーさん、ルッキーニさん、ペリーヌさんお願いします。」

そう言われると3人は

「了解!」

と言い、それを確認したヴィルケさんは

「では他の人は基地で待機。以上です。準備が出来次第出撃してください。」

そう言うと指名された3人は出撃の為に格納庫へ、他の人達は自分の部屋などに移動した。

…俺は書類作業でもするか。

 

 

 

 

結果として軍艦の救援は成功し3人が帰って来た。

出撃した時間が午前中で帰ってきた時間は昼くらいだった。

そして現在昼1時半くらい。

書類を片付けている俺の部屋を誰かがノックした。

「はい。すこし待って下さい。」

扉を開けるとヴィルケさんが居た。

「どうしましたヴィルケさん?なにか?」

「書類は終わりそう?」

少なくとも2時までには終わるだろう。

何故こんなに時間が掛かるかと言うと、俺はこう言う書類を書いたことが無い。

枚数は多く無いのだが勝手が分からないのだ。

だがもう分かって来ているので問題は無い。

そう考えヴィルケさんに伝えた。

「そう。終わったら執務室に持って来てね。」

「分かりました。」

そう言ってヴィルケさんは部屋を出て行った。

…さて俺は残っている書類を片付けますかね。

 

 

 

 

「終わったー!」

そう言って俺はペンを置いて言った。

今は大体1時55分くらいだ。

俺は書き終わったばかりの書類を持ち執務室に行った。

執務室の前に立って扉をノックして書類を持って来たと言うことを伝えるとどうぞと聞こえたので部屋に入った。

「書類片付けましたよ。これが通ると俺は軍人になるんですか?」

「ええ、そうなるわ。階級は分からないけど軍曹くらいにはなれると思うわ。」

「いえ、階級なんてどうでも良いんでそこは良いんですが、扶桑に戻ってこいとか言われないですかね?

そこが1番心配ですね。」

「大丈夫よ。そんなことにはならないわ。坂本少佐も貴方を追い返そうとなんかしないわ。」

「今日救援の連絡をして来た人でしたね。」

「ええそうよ。同じ扶桑の出身だし仲良くなれると思うわ。今日の夜ごろにこの基地に着くわ。」

…今日の夜?

それはちょっと遅いんじゃないか?

「今日夜ですか?何でそんな遅い時間に?」

「ちょっと寄る所がある見たいね。」

ここら辺に何かあったっけ?

まあ、いいか。

「ではヴィルケさん、俺はこれで失礼します。」

「ええ、ご苦労様。

あ、そうだ月影君。」

「なんですか?」

「私の事はミーナさんでも良いのよ?」

「分かりました。これからよろしくお願いします、ミーナさん。

ではこれで。」

俺は執務室から出て行った。

 

 

 

 

今日の夜、ミーナさんが言っていた様に2人の女の子が立っていた。

1人は背中に刀を携えて眼帯をしている。

もう1人はなんて言うか普通の女子だ。そんな感じ。

自己紹介は次の日に持ち越しになった。

多分魔法を使って疲れているからだろうと思った。

 

 

 

 

そして普通の女子の方が自己紹介をした。

「どうも初めまして、宮藤芳佳と言います。皆さんよろしくお願いします。」

「階級は軍曹になるので同じ階級のリーネさんが面倒を見てあげてね。

まだ月影君は軍人ではないから、続けて頼むことになるけど良いかしら?」

「はい、大丈夫です。」

宮藤さんは机に置いてある銃を見て少し目を細めて嫌そうな顔をしてミーナさんに言った。

「あのこれは要りません。」

そう言ってミーナさんに銃を渡そうとした。

「何かの時には持っていた方が良いわよ?」

宮藤さんは俯きながら呟いた。

「使いませんから…」

その光景を見ていた坂本さんと言う人が笑った。

「ハッハッハッハ!可笑しな奴だな。」

確かに何か会った時、自衛手段は持っていた方が良いが本人が持ちたくないなら俺は良いと思うが。

まあ、それで何か起こっても自己責任だ。

そしてペリーヌさんもルッキーニさんに何か言った後

「何よ、何よ!」

と言って怒って出て行った。

「あらあら、仕方ないわね。個別の紹介はまた後にしましょう。

では解散!」

全員が立ち上がりミーナさんが見渡し確認すると何も言わず出て行った。

…俺は坂本さんに挨拶でもするか。

「すいません。貴方が坂本少佐ですか?」

「ん?ああ私が坂本だ。お前が今度部隊に入るかもしれないと言う月影か。

同じ扶桑の人間として頑張ろうじゃないか!」

俺は思いっきり背中を叩かれた。

…結構痛いぞ…。

「よろしくお願いします…」

そして宮藤さんは他の皆に話し掛けられて自己紹介を済ました様だ。

「どうも宮藤さん。俺は月影流斬と言います。よろしくお願いします。」

「宮藤です。あの何処の部隊の人なんですか?」

「ああ、俺はまだ軍人じゃ無いんですよ。ただの一般人ですよ。」

「ええ!じゃあなんで此処にいるんですか!?」

「俺は魔法が使えるので此処で働けたらなと思いまして。」

「なんで男の人がいるのかなって思ったんですけどそう言うことだったんですね。

あ、私の事は芳佳で良いですよ?」

「分かりました。よろしくお願いします芳佳さん。」

「さんも付けなくて良いのに。」

芳佳さんは善意で言っているんだろうが、初対面の人に行きなり呼び捨てにするのは恥ずかしいものがある。

扶桑の名前は特に言いにくい。

何故か他の国の名前はあまり抵抗が無いのだが…。

「よし、自己紹介はそこまで。

各自任務に付け。リーネと宮藤は午後から訓練だ。」

「はい!」

おお、いきなり横から大きな声を出されたからびっくりしてしまった。

「返事だけは良いな、リーネ宮藤に基地を案内してやれ。」

「り、了解。」

「月影は今から訓練をやるぞ。」

「分かりました。」

そう言って坂本少佐の後について行った。

 

 

 

 

「今から訓練をやると言ってもそんなにみっちりとはしない。

なに、お前の実力が知りたいだけだ。

そのためにあの的に弾を当ててもらう、ただそれだけだ。」

「分かりました。自分が使っている銃で良いんですよね?」

じゃないと俺はまともに使えないと思う。

「ああ、それで良いぞ。」

俺は腰にあるM10をホルスターから抜き取った。

「お前がいつも使っているのはそのハンドガンだけか?」

「ええ、そうですよ。あの的に当てれば良いんですね?」

「ああ。やって見てくれ。」

あの的に当てればいい。

言うのは簡単だが実行するのは結構難しいと思う。

なんせ150mも離れている。

ハンドガンの距離じゃない。

一般的なハンドガンの有効射程はせいぜい50mだ。

さらに100mも離れている。

でも言ったからには当てる。

魔法を込め照準を少し上にズラして打つ。

的に当たったがギリギリだった。

左下角から少し中央に行ったくらいの位置に穴がある。

因みに俺が的に穴があると分かったのは、魔法で眼を強化しているからだ。

魔法ってすげー!

と言っても横にいる坂本さんはもっと遠くまで見えると思うが。

坂本さんは魔眼を持っている。

発動すると遠くの物が見える様になるのと同時に、壁など関係なく内部が見れるようになっている。

後半は簡単に言うと透視だ。

俺もその目が欲しいな〜。

とか思っていると、坂本さんはいきなり笑い始めた。

「ハッハッハッハ!お前はなかなか筋がいいな!筋がいいどころの話では無いがそれは、置いておこう。

月影は他の武器を使わないのか?」

他の武器…あまり他の武器を使いたいとは思わなかったが敷いて言うなら軽機関銃だろうか。

「強いて言うならMG42ですかね?

あれはレートが早いので俺は好きですね。」

「カールスラント組やエイラが使っている銃だな。次の訓練はMG42の練習だな。」

俺はこの馴れ親しんだこのハンドガンが1番好きなのだが。

サブアームとして持つか。

 

こんな感じで訓練は進んだ。

体力、スタミナと力の訓練をした。

この2つともいい結果を出せたと思う。

後は飛行訓練だがこれは他の2人が来てからやるとの事だった。

そして訓練が終わるその瞬間に昼御飯の時間になった。




さてやっとアニメの3話に入れましたが長いですね。
ちょっと挫けそうですw
ですが頑張って執筆しますよ!
例え批判だらけの感想欄になっても自分は完結まで持って行きたいと思います!

ではさようなら〜


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6話

アニメで言う3話です。
リーネちゃんも可愛いけどやっぱり一番はサーニャです。

ではどうぞ〜



昼御飯を食べた少し後訓練が始まった。

最初はランニングだった。

坂本さんが監督をしている。

「お前達の前には何が見える!」

「海です!」

「海の向こうには何がある!」

「ヨーロッパです!」

「ヨーロッパは今どうなっている!」

「ネウロイに占領されています!」

「そうだ!お前達はそこを奪還せねばならない。その為には訓練、訓練、さらに訓練だ!」

「はい!」

「走れ!お前達に必要なのは魔法力の前にまず体力だ!」

「はい!」

と言ったような言葉を言い続けている。

俺は2人よりも結構前にいる。

男として女の子には負けられない。

「よし!宮藤、リーネはラスト10本!月影は残り8本だ!」

「「はい!」」

「分かりました!」

 

ランニングが終わると腕立て伏せが待っていた。

「宮藤にリーネ、後2セット。」

「もうだめ〜」

「私も〜」

「頑張れよ」

俺は一足先に終わっていた。

芳佳さんにリネットさんはかなり遅かったので先に終わったのだ。

やはり女性には筋肉が付きにくいのだろう。

結構疲れていた。

「はあ。」

坂本さんがため息をついていた。

 

次は射撃訓練だ。

今はリネットさんが遠くの的に向かって撃っている。

ボルトアクション式のスナイパーライフルだ。

名前まで覚えていないが対装甲ライフルだったはずだ。

ドン!と大きな音を鳴らして弾丸が飛んで行った。

坂本さんは魔眼で結果を確認している。

「うーん。右にずれたな、もっと風を読め。」

…分からん。

球が見えない。

芳佳さんは弾を探している。

見えないだろう普通に考えて。

リネットさんはボルトを引きながら、

「はい!」

と言って次の準備をしている。

もう一度大きな音を鳴らして弾丸が飛んで行った。

「よし、命中だ。」

凄いな300mは離れているぞ。

「リネットさん凄ーい。的なんて全然見えないよ。」

「次は宮藤やってみろ。」

芳佳さんは坂本さんを少し見て俯いた。

あまり乗り気ではないらしい。

渋々やっていたが。あまりいい成果を出せていなかった。

「初めてはこんなものか。次は月影だ。」

と言って的が離れて行った。

「…いや無理でしょう。」

こっちはハンドガンだ。

なのに的はリネットさんの時と同じくらい離れている。

「そう言わずにやってみろ。」

「外れても文句言わないで下さいよ。」

風は弱い。

左からの風。

そしてハンドガンの有効射程と魔法での補正を考えて30度くらい上に傾け、方向を少し左に設定した。

「え?そんなに上に向けて当たるんですか?」

「まあ、見ておけ宮藤。

月影は当てるだろう。」

プレッシャーをかけないで欲しい。

そんなことはすぐに振り払い、引き金を引いた。

「…命中だ。かなりギリギリだったが当たっているぞ。」

「自分でも当てれたのが不思議ですね。」

そして射撃訓練が終わった。

 

飛行訓練だ。

そして何故か俺の目の前にストライカーユニットがある。

「…坂本さん、何故の俺の目の前にストライカーユニットがあるんですか?

俺の事はミーナさんから聞いているんでしょう?

俺はストライカーユニットを必要としないんですよ?」

「これも訓練だ。」

と言い俺もストライカーユニットを付ける事となった。

その時。

「坂本少佐。私も参加させて下さい。」

とペリーヌさんがやって来た。

「お、新人と一緒に自主訓練とは良い心がけだなペリーヌ。」

ペリーヌさんは少し顔を赤らめながら

「え、ええ。2人づつペアを組んだ方がやりやすいでしょうし。」

「いや、1人あぶれるだろう。」

と俺が発言すると、

「貴方はまともにストライカーユニットを付けて飛んだことが無いんでしょう?ならこの2人と一緒に練習するよりちゃんと飛べるように練習した方が良いと思いますが。」

「そうだな…。月影は1人で練習することになるが良いか?」

勿論俺は構わない。

だが分からない時に聞けないのはちょっと頂けない。

「別に良いですよ。分からない事があったら聞きますね。」

「ああ、助かるよ。」

一区切り置いてペリーヌさんは宮藤さんに自己紹介をした。

「私はペリーヌ・クロステルマン。

ガリア空軍中尉よ。坂本少佐にとてもお世話になっておりますの。今日は貴方に付き合って差し上げますわ。」

「あ、ありがとうございます。一生懸命頑張ります。」

宮藤さんは深々と礼をした。

「では、全員空で待っているぞ!」

坂本さんは先に飛んで行った。

俺ってユニット付けれるんだろうか?

恐る恐る入ってみると、光ながら足がユニットに入って行った。

初のユニットを付けての飛行。

成功するか分からなかったが、俺の願いは届いたのかなんとか飛べた。

それからは4人の事を気にせずに飛ぶ練習をしていた。

夕方ごろにちゃんと飛べるようになり、坂本さんとペリーヌさんが集まっているところに行った。

そこには疲れて倒れている芳佳さんとリネットさんがいた。

坂本さんとペリーヌさんが話し終わり俺に向き直った。

「訓練は此処までだ。月影。

2人をハンガーまで連れて行ってくれないか?」

「分かりました。」

そう言うと2人は空に飛んで行った。

あの2人はまだやるのか。

俺は先に帰るか。

「大丈夫ですか?立てます?」

「も、もうヘトヘトで、立てません。」

「芳佳さんは?」

「わ、私も〜」

仕方ない。

さて、どうやって運ぼうか。

1人おんぶで1人お姫様抱っこなら運べるな。

「では少し失礼して…」

そう言って宮藤さんを背中にリネットさんをお姫様抱っこしてハンガーに戻った。

リネットさんは顔を赤くして、芳佳さんは凄く眠そうだった。

 

 

 

 

それから毎日の様に訓練があった。

あの射撃訓練の様なことは無かったが、俺には新しくMG42が渡され、それを練習していた。

「訓練終了!」

坂本さんはハンガーに戻り俺も戻っていた時バルクホルンさんが芳佳さんに何かを話していた。

 

 

 

 

 

その日の夜。

偶然新人3人が海辺に集まっていた。

「…ここ、わたしのお気に入りの場所なんです。」

「そうなんだ、綺麗だよね。」

「確かにここは落ち着くな。」

芳佳さんが今日の事を振り返った、

「今日も怒られちゃった。もっと頑張らないと。」

「宮藤さんが羨ましいな…」

「え?何が?」

「諦めないで頑張れるところ。」

「同じこと通知表に書いてあった。」

笑ながら言う芳佳さんと違ってリネットさんは暗い雰囲気を纏っている。

「私なんてなんの取り柄もないし。

ここに居て良いのかしら?」

「良いんじゃないですか?リネットさんは上手くやっているじゃ無いですか。」

「そうだよ!リネットさんあんなに上手なのに。」

ううんと首を振って反論した。

「全然上手じゃ無いわ。訓練は上手く行くけど実践じゃ全然駄目で飛ぶのがやっと。」

「ええ!?訓練で出来れば…」

「訓練も無しでいきなり飛べた宮藤さんと違うの!

…ごめんなさい。」

「リネットさん!」

大声で反論した後リネットさんは走って行ってしまった。

俺は静かに聞いていた。

確かに緊張などで上手く出来ないことはある。

だが、あれ程の実力があってそれを発揮出来ないなんて…

きっと誰かが支えてあげたら上手く行くんだろう。

そんなことを思いながら俺も歩いて自室にもどった。

 

 

 

 

次の日ネウロイがやって来た。

「監視所から連絡が入ったわ。敵グリッド東114地区に侵入。

高度はいつもより高いわ今回はフォーメーションを変えます。」

「バルクホルン、ハルトマンが前衛。シャーリーとルッキーニは後衛。ペリーヌは私とペアを組め。」

「他の人は私と基地で待機です。」

「了解!」

呼ばれた6人が出撃した。

俺はブリーフィングルームで待機することにした。

 

もう一度ベルが鳴った。

「今出れるのは私とエイラさんだけね。サーニャさんは?」

「夜間哨戒で魔力を使い果たしている。無理だな。」

「ミーナさん?俺も出れますよ。」

「まだ月影君は軍人では無いわ。一般人を戦場に出すわけにはいかないわ。」

「それじゃあここに来た意味が無い!」

俺は机を叩いてしまった。

だがここでただ座って眺めているだけなんて耐えられなかった。

「俺はここブリタニアを守りガリアを解放するために来たんです!

こんな所で座っていられません!」

「月影…」

俺はミーナさんを睨み、エイラは心配そうに見つめている。

「駄目です。貴方はここにいて下さい。」

「わ、私も行きます!」

走ったのか息を切らした芳佳さんが来た。

「まだ貴方が実戦に出るには早すぎるわ。」

「足手まといにならないよう精一杯頑張ります!」

だがミーナさんはまだ納得できていない様だ。

「訓練が十分で無い人を実戦で出すわけには行かないわ。それに貴方は撃つことに躊躇いがあるの。」

「撃てます!守るためなら!」

「とにかく貴方はまだ半人前なの。」

「で、でも…」

「俺は良いと思いますよ。半人前なら、半人前2人を合わせれば1人前になるかもしれない。

でしょ?リネットさん?」

「はい!」

「リネットさん!」

「………90秒で支度なさい。」

「はい!」

良い返事をして2人は走って行った。

「…貴方のせいで2人ともやる気を出したじゃ無い。」

「あんなの俺が言わなくてもリネットさんが同んなじこと言いましたよ。」

「はあ、私も甘いのかしらね?

…貴方も支度なさい。」

「了解しました!」

俺もあの2人と同じ様に走って準備をしに自室にもどった。

 

ハンガーに着きユニットを穿いて空へ飛び立った。

「敵は3時の方向からこっちに向かって来るわ。私とエイラさんが先行するからここでバックアップをお願いね。」

「「はい!」」

「了解!」

「じゃあ、頼んだわよ!」

そう言って2人はスピードを上げてネウロイに向かった。

「宮藤さん、月影さん本当は私怖かったんです。」

「私は今も怖いよ。でも何もしないでじっとしている方が怖かったの。」

「俺も同じだな。俺は人を守るためにここに入ると決めたんだ。」

「何もしない方が、人を守るため…」

そう言ってリネットさんは少し俯いた。

「あそこだ!」

俺は指をさした。

「ネウロイ…」

「そうみたいだな。」

「近づいてくるよ!」

リネットさんは慌ててライフルを構えた。

慌てているせいか全然当たらない。

「駄目!全然当たらない!」

「落ち着くんだ。しっかりと狙ったら当たるさ。」

「私飛ぶのに精一杯で射撃がコントロール出来ないんです。」

「じゃあ、私が支えてあげる!」

芳佳さんはリネットさんの下に入り肩車の状態になった。

「これで安定する?」

「は、はい。」

「こんな方法があったのか。」

だが俺は出来ないな。

男だし。

そんなことを考えていると通信が入ってきた。

「リーネさん宮藤さん月影君、敵がそちらに向かっているわ。貴方達だけが頼りなのお願い!」

「はい!」

「俺は少し出てくる!コアを丸見えにしてやるからしっかり狙ってくれよ、リネットさん!」

「分かりました!」

俺は飛び出し、M10を構えた。

相当速度が早い本当に穴を開けるだけになるがあの2人なら大丈夫だろう。

弾丸に魔法を込め引き金を引いた。避けられたが2発目はもう用意してある。

ネウロイがよけ終わる所を予想してもう一度放つと、穴があきコアが露わになった。

…後は任せましたよ、お二人さん。

その直後リネットさんの偏差射撃でネウロイを撃破した。

だがあの2人は海へ落ちて行った。

「はあ、仕方ないな」

2人の所に向かうと2人共笑っていた。

「宮藤さんのお陰だよ!ありがとう宮藤さん!月影さんもありがとうございます!」

「俺は流斬で良いぞ。」

「私も芳佳で良いよ。私たち友達でしょ?」

「じゃあ私もリーネで。月影…流斬さんもリーネって読んで下さいね。」

「うん!リーネちゃん!」

「よろしくな。リーネさん。」

「はい!よろしくね芳佳ちゃん!流斬さん!」

リーネは芳佳さんの頭に抱きついている。

「リーネちゃん。苦しい…」

「はあ、ほら2人とも。

掴まれ。」

そう言って俺達は基地に戻った。




後半から疲れて文章がおかしくなっているかもしれません。
まあ、何時ものことですがね。
あと、宮藤さんか芳佳さんか分からなくなっているのでゴチャゴチャになっているかもしれません。

今度は4話ですね。

ではまた〜


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7話

どうも、遅くなってすいません!
きゅうじょうです!

書いている時もかなり時間が空きながら作業しているので、会話など色々可笑しくなっているかも知れません。

話は分かりますが最近ノーブルウィッチーズ一巻の小説を買ったのですが、凄く良かったですね!
ジェニファーちゃん可愛すぎませんかね?

そんなことより本編をどうぞ!


少女は焼け野原の街の空に居た。

そして同じ高さに黒い物体・ネウロイが居た。

少女は銃をネウロイに向けて発砲した。

「うおおおおぉぉぉぉ!」

装甲が薄かったのかネウロイのコアがすぐに露わになり弾丸がコアを貫いた。

「はぁ…はぁ…」

ネウロイが砕け地面に落ちていく。

落ちていく破片の下に泣いている少女がいる。

それは自分の妹。

少女はその泣いている妹に手を伸ばし

「クリス!」

その悪夢はそこで途切れた。

「なんで今頃あんな夢を…」

どうしてこんな夢を今になって見るのか少女には分からなかった。

 

 

 

 

今、月影は執務室に来ていた。

ミーナさんに呼ばれたのだ。

コンコンと扉を叩くと、

「どうぞ。」

と帰って来たので扉を開けた。

「失礼します。それで話って何ですかミーナさん?」

「ええ、貴方の正式な部隊への配属が決まったのでその通達に。

月影君、貴方は少尉よ。」

「少尉?何故です?大抵軍曹かその下では?」

「男のウィッチに期待しているんじゃ無いかしら?

その期待を裏切らない為にも頑張ってね?」

「了解です!」

そう言って俺は執務室から退出した。

 

 

 

 

さて今からどうしようか?

訓練はミーナさんに呼ばれるからと断ってしまったので行きづらい。

かと言って今から昼寝するのもいただけない。

そんな事を考えながら窓を見ていると訓練をしている人が2人。

バルクホルンさんとハルトマンさんだ。

だがバルクホルンさんがハルトマンさんに追いついていない時がある。

調子が悪いのかな?

(エースにだってそんなことはあるよな)

そう思い俺は午後から訓練に参加しようと思い準備した。

 

 

 

 

訓練が終わりその日の夜。

ミーナさんが皆に何かを配っている。

バルクホルンさんは拒否したようだが…

芳佳は貰って驚いているようだ。

「月影君ちょっとこっちにいらっしゃい。」

今度は俺か。

「はい、なんですか?」

「はい貴方へのお給料。考えて使うのよ?」

「はぁ、ありがとうございます。」

流石に他の人達に比べて少ないが俺には多過ぎる量だ。

貯めて大きな物でも買うか。

それから明日に備えて月影は自室に戻った。

 

 

 

 

「今日は編隊訓練を行う。」

坂本少佐が声を張り上げて言った。

「ねぇ私必要なの〜?」

「良いから静かにしていろハルトマン。」

「分かったよ…」

今ここにいるのは宮藤、リーネさん、坂本さん、バルクホルンさん、ハルトマンさんと月影の6人だ。

坂本さんは何か考えがあるのか宮藤とバルクホルンさんをペアにした。

そして坂本さんはリーネさんと、ハルトマンさんは俺とペアになった。

「よろしくね、月影。」

「こちらこそよろしくお願いします。」

ハルトマンさんはバルクホルンさんに連れて来られたらしい。

だがエースと一緒に訓練出来るのはありがたい。

でもバルクホルンさんはしっかりとしているのにハルトマンさんは眠そうだな。

「あの、大丈夫ですか?凄く眠そうですけど。」

「ああ、大丈夫大丈夫!訓練なんてさっさと終わらせて帰って寝よう!」

「やっぱり眠いんじゃあ…?」

そんな事は気にせず坂本さんが話を続けた。

「よし!説明は飛んでからにしよう!では全員空で待っているぞ!」

いつの間にか履いていたストライカーユニットで坂本さんは飛び上がって行った。

「じゃあハルトマンさん俺たちも行きましょう。」

「そだね〜。」

俺たちも空へ飛び上がった。

 

「よし、全員来たな!これから私達が逃げるのでバルクホルンたちはそれを追いかけろ。

ハルトマン達は審判役だ。

私達の後ろに10秒着いたらバルクホルン達の勝ちだ。

ハルトマン合図を頼む。」

「よ〜いドン!」

坂本さん達はすぐに加速し移動した。

「私達暇だね〜。」

今でも少し眠そうなハルトマンさんが欠伸をしながら言った。

「まあ、この訓練なら誰かが余るので仕方ないですよ。」

月影の話が終わった瞬間にサイレンが鳴った。

「ッ!ネウロイか!」

「行こう月影!」

ハルトマンさんはサイレンが鳴った瞬間別人の様に変わって眠そうな雰囲気は消え失せている。

「スイッチが入るとこんなに変わるんだな…」

少し飛んでいるとミーナさんとペリーヌさんがやって来た。

「よし、隊列変更だ。ペリーヌはバルクホルンにリーネはミーナに、宮藤は私の所に来い!

ハルトマンと月影はそのままだ!」

「了解!」

なんでペリーヌさんは宮藤を睨んでいるんだ…。

「見えたわ!」

「バルクホルン隊突入!」

「了解」

「少佐援護を」

「分かった、宮藤!ついて来い!」

「はい!」

皆がそれぞれの事をしている。

少し連携が上手く行っていない時もあるが、基本的には連携が取れている。

「ハルトマン隊突入!」

「行っくよ〜!」

「了解!」

すでにバルクホルンさん達と坂本さん達は攻撃を始めている。

遅れを取らない様にしないとな。

 

 

 

 

戦いの中で分かったが、バルクホルンさんが少し突っ込んでいる。

「トゥルーデ、突っ込み過ぎだよ!」

ハルトマンさんも注意するが聞いていない。

ミーナさんがリーネさんに指示して、リーネさんは指示された場所に撃った。

その場所はネウロイの赤い斑点の場所でバルクホルンさんから結構近い場所にある斑点だった。

撃ち抜かれた場所は無くなったが別の場所からバルクホルンさんを狙った。

「…!不味いぞ!バルクホルンさん後ろ!」

バルクホルンさんは後ろを確認したが少し遅かった。

バルクホルンさんとペリーヌさんがぶつかりバルクホルンさんにビームが飛んで行った。

ギリギリでシールドを張ったが間に合わず、弾倉に当たり誘爆してしまった。

「うわあぁぁ!」

「大尉!」

「バルクホルンさん!」

「トゥルーデ!」

バルクホルンさんを助けにペリーヌさん、宮藤、ハルトマンさんが駆け寄って行った。

俺はあそこにビームが行かない様にいないとな!

「おのれ!」

坂本さんが怒りながらネウロイにダメージを与えて行く。

月影も攻撃するが持って来ているのはMG42なので一発一発に威力が出ない。

その分弾数で補っているが中々削れない。

ビームが行かない様に逆転から狙っているが、バルクホルンさんが倒れている所にも数発行ってしまっている。

向こうに行ったビームはペリーヌさんとハルトマンがシールドで守っているから安心だがペリーヌさんがそろそろやばそうだ。

何とかしないと、そう思っているとバルクホルンさんが立ち上がり宮藤の機銃を持ちネウロイに向かって飛んで行った。

「うおぉぉぉ!」

と声を上げながら銃を連射する。

2丁の銃から放たれた弾は耐え切れなかったのか、直ぐにネウロイの装甲が剥がれていきコアを撃ち抜いた。

その光景に見とれていたがヴィルケさんがバルクホルンさんに駆け寄って行った。

「ミーナ!」

パァンとミーナさんがバルクホルンさんにビンタした。

「何をやっているの!貴方まで失ってしまったら私達はどうすれば良いの!?

故郷も何もかも失ってしまったけれど私達はチーム、いえ家族でしょう!

この部隊の皆がそうなのよ!」

ヴィルケさんはバルクホルンさんに抱きつき言葉を続けた。

「貴方の妹のクリスだってきっと良くなるわ。

だから妹の為にも新しい仲間の為にも死に急いじゃ駄目!

皆を守れるのは私達、ウィッチーズだけなんだから!」

バルクホルンさんは少し笑い

「私達は家族なんだな。

休みを…。休みをくれないか?

見舞いに行ってみる。」

そう言うとミーナさんは嬉しそうな顔をした。

坂本さんはやっとかと言う顔をして、ハルトマンさんはにししと言いながら笑っている。

「やっとその気になったか。」

そう言われたバルクホルンさんは安心した顔をして基地に帰投した。

 

帰投の間何故かハルトマンさんが俺によってきて、

「疲れた〜。月影運んで行って〜」

と言われた。

運ぶのは良い。

この前は宮藤とリーネさん2人を抱えて帰投したことがあるから平気だ。

でもこの人すでに背中にくっ付いている。

「分かりましたよ。でも背中は機銃があるから邪魔でしょう?」

そう言って首に回されていた手を取りハルトマンさんを前に移動させお姫様抱っこの状態に持って行った。

もちろんハルトマンさんの機銃は俺が背に掛けている。

「え、いや、あの。少し恥ずかしいな。」

「いや、勝手に俺の背中にくっ付いていたのに今頃恥ずかしいって少し遅くないですか?」

ハルトマンさんは少し頬を赤くし膨らませて反論した。

「顔が見えないから私は恥ずかしく無かったの。」

「俺は少し恥ずかしかっですけどね。」

と、余り心に思っていないことを言うと。

「…じゃあ今は恥ずかしく無いの?」

「………。」

正直今の方が恥ずかしい。

今まで意識していなかったから分からなかったが結構恥ずかしい。

「まあ、それは恥ずかしいですよ?

でもこんな美少女をお姫様抱っこしているんだから恥ずかしいよりもプレッシャーの方が大きいですね。」

ちょっと恥ずかしい事を言うと。

「そんな恥ずかしい事をサラッと言うなー!」

と怒られた。

それからハンガーに着くまでこの状態だったが、恥ずかしさからかあまり会話が無かったのは仕方が無いだろう。

 

 

 

 

次の日、バルクホルンが見舞いの準備をしていた時、バルクホルンは写真立ての前で独り言呟いていた。

「いつか、礼を言わないといけないな。」

すると廊下から宮藤の声が聞こえて来た。

「バルクホルンさーん、迎えの車が来てますよー!」

「今行く!」

バルクホルンは扉の前に立ち小声で言った。

「ありがとう。」

誰もいない部屋で小声で呟いたのに凄く大きくなり部屋に響いた気がした。




アニメ一期の4話ありがとうは結構好きな回なんですが
あまり上手に書けていないと思います。
次回もまた頑張って執筆するのでその時はよろしくお願いします!

ではまた〜


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8話

不定期だから遅くても仕方ない

ラストを少し変えました。物語に影響は無いので大丈夫ですよね?


ある日の朝、談話室に行くと頭を押さえている宮藤がいた。

「…どうしたんだ宮藤?」

「なんでもないの…」

と苦笑いの宮藤とリーネさん。

「あら、月影君いい所に来たわね」

とミーナさんが言った。

俺にはさっぱり分からないので聞き返した。

「どうしたんですか?何か連絡でも?」

「明日海へ行くの。

明朝10:00時にここに集合ね。」

海か。

俺は良いんだけど何をしに行くんだろうか?

(まあ、訓練だろうな。)

「分かりました。

でも俺、水着持ってませんよ?」

「あらどうしましょう…。男性用の予備なんてありませんし…」

「仕方ない、月影には別の訓練を用意するか」

「そうね。じゃあ坂本少佐、月影少尉の訓練の内容は任せても良いかしら?」

「分かった。月影、訓練はキツくするから覚悟しろよ?」

「分かりました。なんだって乗り越えてみせますよ」

そう言って俺は談話室を出て行った。

 

 

 

 

 

俺は今部屋にいる。

訓練は今日は休みだ。

訓練が無いからと言って休みの間部屋で閉じこもるのは面白く無いので、銃の手入れをしてから部屋を出た。外に出るとシャーリーさんが物凄い速度で飛んでいた。

「シャーリーさんって確かスピードレーサーだった気がするな」

ならスピードを測っているのだろうと思いその光景を見ていた。

かなり速い。普通のストライカーユニットでは出ないスピードだ。

多分改造してるんだろうと思った。

「俺も今度何か改造してみようかな?」

そんなことを思いながら俺は適当に散歩を始めた。

 

 

 

 

 

散歩が終わり暇を持て余していた俺は部屋に戻りもう一度銃の手入れをしていた。もう既に手入れは終わっているのだがあまりにも暇だったのだ。仕方がない。かと言って一度終わっている手入れでそんなに時間が潰せる訳も無かったのですぐに終わってしまった。

 

「………暇だ。凄く暇だ」

 

「そんなに暇なの?」

 

突然横から声がしたので慌てて振り返るとハルトマンさんがいた。一度も音が聞こえていなかったので何故かと思っていると部屋に入ったときにドアを閉め忘れていたのを思い出す。そこから忍び足で音を立てずに来たのだろう。

 

「まあ、暇ですけど。ハルトマンさんはどうしてここに?」

 

「たまたま部屋の前通って見たら窓の外見てぼーっとしてたからおどかしてやろうと思ってね」

 

「おかげでかなり驚きましたけどね」

 

「それは良かったよ」

 

突然ハルトマンさんがあっと思い出したような顔をして聞いてきた。

 

「そういえばサーニャに聞いたんだけど、月影って他の人の固有魔法を使えるの?」

 

「ええ、使えますよ。と言っても今はサーニャの魔道針だけですけどね」

 

「ねえ、ちょっとやって見てよ」

 

「良いですよ」

 

俺はサーニャが出していた魔道針と同じものを出した。今はまだ使い方がよく分からないのであまり使いこなせていない。

 

「わー!すごーい!月影そんなこともできるんだね!」

 

ハルトマンさんが少し大げさに言っているような気がしたがあまり気にせずに返した。

 

「この魔法解析のおかげで固有魔法が何個でも持てるというのはかなりありがたいですね」

 

「いいなーその固有魔法。ま、でも私は今のままでいいか。そうだ、この際私の固有魔法も覚えてみる?」

 

「ハルトマンさんの固有魔法ってどんな魔法なんですか?」

 

「私の固有魔法はね、大気を操るんだよ」

 

「大気ですか。ハルトマンさんが使っていた『シュトゥルム』って言う技の事ですか?」

 

「うん、そうだよ」

 

そう言ってハルトマンさんは手に圧縮した空気を作り出した。

 

「まあ、こんなことが出来るんだよ」

 

「少しそのままでいることって出来ますか?」

 

「うん?良いけど、少し出力落とすよ?」

 

「それで大丈夫です」

 

少し小さくなった圧縮された空気を魔法解析で見る。集中する。魔力の流れ、力の入れ所、魔力を使う場所それらをしっかりと見極める。

この魔法を使うと少しづつ呼吸が乱れてくる。ハルトマンさんも「大丈夫?」と声をかけてくれるが、言葉で返すことも出来ずに頷くだけになってしまう。

 

一分くらい経っただろうか。前回と同じ時間くらいで魔法を解析出来た。俺は見よう見まねで圧縮した空気を作り出した。

 

「わ!すごい!そうやって覚えていってるんだね。でも大丈夫?呼吸が荒かったよ?」

 

「集中しすぎただけなんで大丈夫ですよ。あの、ハルトマンさんが良ければ何ですけど、この魔法の使い方教えてくれませんか?」

 

「眠たく無い時なら良いけど。…そうだ。ねえ、月影いつも出て行く時扉に鍵かけるよね?」

 

ハルトマンさんが怪しい笑みをしながら聞いてくる。

 

「はい、掛けてますけど…。それがどうかしたんですか?」

 

「今度昼寝する時にこの部屋かしてくれないかな?」

 

何故この部屋を使うのかと考えると一つ思い当たる事があった。

 

「バルクホルンさんに邪魔されたく無いから、ですか?」

 

「そうそう。トゥルーデが起こしに来るから安眠出来ないんだよ。と言うわけでこの部屋をお昼寝に使わせてくれたら教えてあげても良いよ?」

 

なんだか変な条件を出されてしまった。これって俺がバルクホルンさんに見つかったら怒られるんじゃあ?

しかし魔法の使い方を教えてくれる良い機会なのでその条件をのんだ。

 

「分かりました。でも俺がバルクホルンさんにハルトマンさんの場所聞かれたら答えますよ?」

 

「それで良いよ。じゃあ私は寝るからまた今度教えるね!あと二人きりの時はフラウって読んでね!」

 

そう言ってハルトマンさんは自分の部屋に帰って行った。

その後の俺は暇だったので1人で射撃の訓練をして過ごした。




遅くなって本当にすいませんでした


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9話

サーニャとエイラが可愛い


俺たちは今海に来ている。芳佳とリーネさん以外は訓練が終わっているので海で泳いでいる。今さっき芳佳とリーネさんが海にストライカーユニットを付けながら飛び込んで行った(落ちて行ったの方が合ってる気がするが)。

俺はと言うと砂浜をひたすら走っていた。あともう少しで終わりだ。

まあ実際俺は魔法でユニット無しでも飛べるのでこの訓練はいらない気がするので面倒が減って…無いわ。俺走る方が嫌いだもん。

そんなことを考えていたらもう終わってしまった。俺は走り終わってすぐにその場に転がり息を整えた。

 

「はぁ…はぁ…」

 

正直言って、水着があっても走った後じゃ泳ごうとは思えない。俺は岩場の影に行って寝ることにした。

 

 

 

 

 

「………」

 

岩場の影に来たが全く寝れていなかった。岩場から見えるのは石とあまり好きじゃない海、そしてウィッチーズの皆だ。芳佳、リーネさん、シャーリーさんは寝転がって気持ち良さそうにしている。他の皆はまだ泳いでいるようだ。

俺は結局岩にもたれているだけになってしまった。暇である。

 

「ネウロイ!」

 

いきなりそんな声がして振り返るとシャーリーさんがハンガーに走っていた。

全員がミーナさんの指示に従ってハンガーに走っていく。だがルッキーニちゃんだけは途中で止まってしまった。

 

「ルッキーニちゃんどうかした?」

 

「えっとねシャーリーのストライカーを壊しちゃってね…。そのまま行っちゃったから…」

 

「お、おいそれはまずいだろ。ミーナさんにはいったのか?」

 

「隊長に報告したらなんて言われるか分からないから…」

 

しかしこれではシャーリーさんが怪我をしかね無い。ルッキーニちゃんには悪いがこれは報告させてもらおう。

 

「ルッキーニちゃんには悪いけどこればっかりはミーナさんに報告するよ。これでシャーリーさんが怪我をしちゃったら大変だしね」

 

「………うん」

 

「大丈夫だよ。俺も少しはフォローいれるさらさ」

 

ルッキーニちゃんの頭を撫でてやる。三回くらい撫でてミーナさんの元に向かう。

 

「ミーナさんに報告があります。シャーリーさんのストライカーユニットはルッキーニちゃんが壊してしまったらしく、いつ墜ちるかわからない状況です」

 

「なんですって!?坂本少佐!」

 

「分かった!」

 

ミーナさんが坂本さんに呼びかけるとほぼ同時に坂本さんがシャーリーさんに通信で呼びかける。

 

「大尉!シャーリー大尉!直ちに帰投せよ!」

 

坂本さんも呼びかけているがなかなか繋がらないようだ。

ルッキーニちゃんはこっちに追いつくなりヴィルケさんに拳骨を食らっていた。

 

「シャーリーさん……。宮藤さんリーネさん、早く追いついて……」

 

「クソッ!燃費はかなり悪いがやってやる!」

 

「月影君!?何をするつもり!?」

 

「あの三人に追いつくんですよ!俺の飛行魔法は魔力を多くかければいくらでも速度がでる!それで追いついて見せます!まだそんなに距離は開いてないはずです!」

 

「ちょっ、ちょっと!月影君!!」

 

ミーナさんに止められるがそれを聞かずに飛んでいく。皆は速いとかそんな感想を呟いていた。

 

 

 

 

 

「流石にシャーリーさんは速い!」

 

目の前に芳佳とリーネさんが見えるがシャーリーさんはまだ遠い。更に速度を上げるため更に魔力の出力を上げる。

 

「あ、あれ?月影君が後ろに…」

 

「は、速い!」

 

「悪い!横通るぞ!」

 

俺は体を少し捻って二人の横をすり抜ける。二人を抜かす位の速度はあるがシャーリーさんに追いつけない。短くなるどころか少しづつ離れている。するとシャーリーさんは突然減速した。

 

ーーーそしてそのままネウロイに体当たりした。

 

「んなぁ!?」

 

そしてその体当たりはそのままネウロイのコアを破壊しネウロイは砕け散った。

 

シャーリーさんは無事だったがストライカーユニットが外れ服が破けている。正直目を背けたいがそんなことをしたらシャーリーさんが死んでしまうので助けに行く。

 

「……!よし!掴んだ!」

 

シャーリーさんの手を掴み背中におぶる。せめて視界に入れないようにした。だが背中には柔らかい感覚があった。

 

(気にするな!無心だ!無心!)

 

しかし考えないようにすればするほどそっちに意識がいってしまう。

 

(クソッ!早く来てくれ、芳佳、リーネさん!)

 

それから二十秒も立たずに二人が来たがめちゃくちゃ長く感じた。

シャーリーさんは二人に任せて、二人の前で飛んでいたが魔力が無くなって来たので近くの浜辺で先に降りることにした。

 

「悪い、俺先に降りるわ。シャーリーさんの事頼んだよ」

 

「分かりました。こっちは任せてください…。芳佳ちゃんはこうなってますけど」

 

芳佳はさっきからシャーリーさんの胸を鷲掴みにして「おっきい…」なんて呟いていた。

 

「じゃあそっちは任せた」

 

そう言って俺は浜辺に降りた。

砂に足をつけると同時に眠気が襲ってくる。魔力を限界まで使ったので疲弊だろう。

 

「ああ、駄目だ…眠い……なんて、燃費の悪い……魔法だ……」

 

睡魔が俺を襲いその戦いに負けた俺は海に当たらない所までよろよろと歩いて仰向けで倒れて意識を手放した。

 

 

 

 

 

………目が覚めると知らない天井、では無いが、周りを見渡すとベッドが幾つかある。ここは医務室なのだろう。

 

「…あ」

 

自分のベッドを見るとサーニャとエイラが突っ伏して寝ていた。

 

「…ありがとう」

 

俺は寝ている二人に微笑みながら頭を撫でた。

 

「月影、起きてるかい?」

 

「シャーリーさん、どうしたんですか?」

 

突然シャーリーさんが医務室に入ってくる。二人の女の子を撫でていたので見られていたと思うと恥ずかしい。

 

「その、お礼を言いに来てね。ほらルッキーニも入って来なよ」

 

「うん」

 

「なんでそんなに悲しそうな顔なんだ?」

 

「ルッキーニ、隊長に怒られて今日から一週間トイレ掃除なんだよ」

 

なるほどと俺がつぶやく。

 

「ルッキーニちゃん、落ち込むなって。一週間なんてすぐに過ぎるさ」

 

「うん、がんばる」

 

「シャーリーさんも暇があれば手伝ってあげてくださいよ」

 

「あはは、そうだね。暇があったら手伝うよ。だからそんなに落ち込むなって。私も無事だったし月影も魔力を使いすぎただけだったし」

 

「そうだな、俺も結局無事だったし。なにも怒ってないよ?シャーリーさんも怒ってませんよね?」

 

「そうだね。音速を超えてこんな体験なかなか出来ないからね。それを考えたらこっちがお礼を言いたいよ」

 

ルッキーニちゃんが責任を感じないようにわざとらしく言ったけど大丈夫かな?と思ってしまう。

責任を感じてここに来ている、と思っている。俺としては別に死ななかったので問題が無い。怒ったりもしないので優しく微笑んで見る。

 

「ありがとう!シャーリー!流斬!」

 

「あれ?今、名前で呼んだ?」

 

「良いじゃん別に!」

 

もちろん断る理由は無いので、良いよ、と言う。

 

「じゃあ私も流斬って呼ぼうかな。流斬は私の事呼び捨てでも良いからね」

 

「じゃあそうするよ。もちろん、名前で読んでくれるのは嬉しいけど、サーニャとエイラが寝ているから今は静かにね」

 

「じゃあ、起こしても悪いし私達はこれではお暇するよ。行こう、ルッキーニ」

 

「流斬、またね!」

 

「ああ、またな」

 

シャーリーとルッキーニちゃんが部屋を出る。俺はサーニャとエイラの髪を優しく撫でる。この二人が起きるまでベッドから出れないのでもう一度寝ることにした。




エイラーニャに優しくし過ぎですかね?


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10話

殆ど深夜のテンションで書いたので訳が分からない所もあります


とある日。坂本さんミーナさん芳佳がブリタニアから。サーニャは夜間哨戒で途中坂本さんらに合流して帰ってきた。だがその日サーニャは反撃してこないネウロイと戦っていた。

 

「それじゃあ今回の戦闘はサーニャ以外誰も見ていないのか?」

 

バルクホルンさんが聞き、坂本さんが答える。

 

「雲の中から出てこなかったからな」

 

「でも、なにも反撃してこなかったって言うけどそんな事あるのかな?それって本当にネウロイだったのか〜?」

 

ハルトマンさんが言う。俺としては信じられないが、俺はネウロイの全てを知っているわけでもないのでそんなネウロイが居ない、とハッキリと言えない。そしてそんなハルトマンさんの言葉でサーニャが少し俯く。

 

「恥ずかしがり屋のネウロイ!………なんてことありませんよね。ごめんなさい…」

 

ああ、リーネさん。場の空気を和まそうとしたのかは知らないけど思いっきり白けてしまっているぞ。

恥ずかしそうに頭を下げているリーネさんに心の中で手を合わせる。

 

「なら恥ずかしがり屋同士、気でも合ったんじゃなくて?」

 

俺が心の中でリーネさんに手を合わせていると、ペリーヌさんが言い放つ。その言葉に更にサーニャが俯く。その横でエイラがベーと舌を出してペリーヌに向けている。なんかサーニャが可哀想なので俺がフォローする。

 

「大丈夫だよ。俺たちはネウロイの全てを知ってるわけじゃ無いだろ?反撃してこないネウロイだっているかもしれないじゃないか」

 

サーニャは小さく「うん」と言うがやはり表情は暗い。目配せでエイラにも助けるようにやってみるが、エイラは首を振って無理と答えるだけだった。どうやって声を掛ければいいか分からないようだ。だがミーナさんが俺の言葉に続いた。

 

「そうねネウロイとは何か。それが明確に分かっていない以上、この先どんなネウロイが現れても不思議ではないわ」

 

「仕損じたネウロイが連続して出現する確率は極めて高い」

 

バルクホルンさんが言う。それにミーナさんが頷く。

 

「そうね。そこでしばらくは夜間戦闘を想定したシフトを敷こうと思うの。サーニャさん」

 

「はい」

 

「宮藤さん」

 

「あ、はい?」

 

「月影君」

 

「え?はい?」

 

「当面の間、あなたたちを夜間専従班に任命します」

 

「え、え?なんで私が?」

 

芳佳は何故自分が選ばれたのか分からないようだ。

 

「今回の戦闘の経験者だからな」

 

「でも私は見てただけで「ハイハイ!私もやる」」

 

「いいわエイラさんも含めて4人ね」

 

芳佳の言葉を遮ってエイラが参加すると言い、ミーナさんがそれを承諾する。そして俺が質問する。

 

「あの、なんで俺も入ってるんですか?」

 

「あら?月影君はサーニャさんと同じ魔道針が使えるのでしょう?」

 

「なんで知ってるんですか?」

 

「エーリカから聞いたのよ♪」

 

「なにバラしてるんですか」

 

「良いじゃん!別に減るもんじゃないでしょ?」

 

「まあ、そうですけど…」

 

回復はするが魔法力は減る。

 

「今回の訓練でサーニャさんに色々と教えて貰って下さい。きちんとマスターするのよ?」

 

「分かりました」

 

そう言って、サーニャをみる。

 

「と言うわけで。よろしくな、サーニャ」

 

「ごめんなさい」

 

「「え?」」

 

俺と芳佳の声が重なる。サーニャは申し訳なさそうに言葉を続けた。

 

「私がネウロイを取り逃がしたから」

 

「大丈夫、そんなつもりで言ったんじゃ無いから!」

 

芳佳は慌てて否定する。

 

「サーニャが謝ることじゃないよ。それに俺とは前から教えてもらう約束してたしね。それがちょっと早くなっただけじゃないか」

 

「…うん」

 

サーニャの顔に少しだけ笑顔が戻った。

 

 

 

 

 

次の日の朝。普通に起きて皆と朝食を食べる。その時に皆に配られたのはリーネさんの実家から送られてきたと言うブルーベリー。なんでもリーネさんの実家はロンドンでは名の知られた裕福な商家らしい。それを聞いた俺は(そんな人がウィッチにいるのか)と思った。そしてこのブルーベリーだが凄く美味しい。更に目に良いらしい。

 

「ブリタニアでは夜間飛行のパイロットがよく食べると言う話を聞くな」

 

とバルクホルンさんは言うが、なんか信じてなさそうである。その横ではボウル一杯のブルーベリーをかき込んでいるハルトマンさんがいる。

喉に詰まらなければ良いのだが…

 

「芳佳!シャーリー!ベーして、ベー!」

 

更に違う所ではルッキーニと芳佳とシャーリーさんは紫色に染まった舌を見せ合って笑っている。

 

「全くありがちな事を…」

 

貴族の出身であるペリーヌは上品に食べ終わるが、

 

「お前はどうなんだ!」

 

とエイラに口を横に引っ張られていた。そこに坂本さんが通り「…何事も程々にな」と呆れ顔で言った。ペリーヌは坂本さんに恋愛感情ではないにしても特別な感情を抱いているのは間違いが無い。まあ、女の子同士って言うのは一般的では無いので普通考えつか無いがここに来てペリーヌの様子を見ていると誰もが思ってしまうだろう。俺的には個人の自由なので別に良いと思うが。

ちなみに俺はと言うと平和にサーニャの隣で食べていた。

 

「美味しいな、これ」

 

「…うん」

 

こんな感じてゆっくりと味わって食べているのだった。

 

 

 

 

 

朝食を終えると坂本さんが頃合いを見てこっちにやって来た。

 

「さて朝食も終わった所で。お前たちは夜に備えて寝ろ!」

 

夜間の任務なので部屋に戻って寝ようと頑張ったが全然眠れなかった。

流石に無理だと思うんだ…




基本夜くらいしか時間が無いので許してください


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11話

お久しぶりです、きゅうじょうです!
まだ、就職は決まってませんが時間が空いてたので書いてました。早く決まって欲しいなぁ…。
あと今回は何故かはっちゃけてます。私がストレス溜まってたのか分かりませんがw
楽しげ読んでくれると嬉しいです!

ではどうぞ!


11話

 

 

暇である。俺はエイラやサーニャ、芳佳とは違う部屋なので喋る相手もいない。だからすごく暇だ。そして眠れない。部屋は真っ暗にしているが眠気が来ない。

 

「あ、そうだ」

 

俺は魔法を使って疲れたら眠れるという、ちょっと無茶なことを思いつき魔法を使った。魔道針の練習をしてこの日は眠った。

 

 

 

 

 

「夕方になったぞ、起きろ月影」

 

魔法を使い寝ていた所にバルクホルンさんが起こしにきた。

 

「もう夕方か…」

 

欠伸をしてベットから体を起こす。魔力は十分に回復しているので哨戒任務は大丈夫だろう。俺は乱れていた服をなおして、部屋を出た。

 

「バルクホルンさん起こしに来てもらってすいません」

 

「これも任務だ、気にするな」

 

そう言ってバルクホルンさんが歩き出したのでそれについて行った。

 

夕食の時間だったので夕食を食べ、今朝みたいにブルーベリーを食べるのかと思いきや、今度は紅茶があった。

 

「これは?」

 

俺が言おうとしていた疑問を芳佳が先に言った。それに答えたのはペリーヌさんだった。

 

「マリーゴールドのハーブティーですわ。これも、目の働きを良くすると言われてますのよ」

 

「でもそれって、民間伝承じゃあ……?」

 

ペリーヌさんの言葉に答えたのはリーネさんだった。

 

「失敬な!これは、お祖母様のお祖母様のそのまたお祖母様から伝わるものでしてよ!」

 

「ごめんなさい」

 

リーネさんの疑問は解消されなかった。多分リーネさんの方が合っているんだろうと思いながらハーブティーを飲んでみる。…俺もそうだがみんなの反応は良く無いようだ。

 

「そんなに美味しく無いな」

 

「そうだな」

 

「…うん」

 

エイラとサーニャも同じ気持ちのようだ。しかし出された物を放っておくということもできないので、ハーブティーを飲みきり出撃の準備をした。

 

 

 

 

 

「暗いな…」

 

俺が呟くと同時に滑走路のライトが点灯していく。しかし、ライトが点いたところで夜の空は何も変わらない。エイラとサーニャに挟まれた芳佳が呟いた。

 

「前が全然見えないよ…」

 

「まあ、夜だからな」

 

「そうだな」

 

「…うん」

 

「あ、あのサーニャちゃん、手繋いでもいいかな?」

 

暗闇に怖くなったのかサーニャに頼む芳佳。サーニャは魔導針と頬を少し赤らめて芳佳の手を取った。その光景を見てエイラはむーっとするが芳佳の横に行き手を取った。

 

「ホラ行くぞ!」

 

「え、ちょっ!心の準備が!あっ!あっ!あああぁぁぁ!」

 

「…なんか攫われたみたいだな」

 

俺は三人の後を追うように飛び始めた。

 

 

 

 

 

雲の上まで出ると芳佳ははしゃいで喜んでいた。

 

「凄いなぁ!私一人じゃ絶対ここまで来れなかったよ!ありがとうサーニャちゃん!エイラさん!」

 

「いいえ、任務だから」

 

恥ずかしさを誤魔化すようにサーニャは芳佳に返した。俺はエイラの横に行き小声で呟いた。

 

「あれって、照れてるよな?」

 

「ああ、照れてるな」

 

エイラと俺はニヤニヤしながらサーニャを見た。

 

「…何?」

 

「「いや、なにも」」

 

今度は俺達が誤魔化す番だった。

その後俺達は訓練をし、芳佳は夜間での飛行練習、俺はサーニャに魔導針を教えてもらいながら帰投した。

 

 

 

 

 

次の日いつも通り朝に起き、朝食を食べ誰かが持ってきた目に良い物を食べるのだろうと待っていると。

 

「これは?」

 

ペリーヌさんが目の前にある液体を見て言った。それに答えたのは芳佳だった。

 

「肝油です、ヤツメウナギの。ビタミンたっぷりで目に良いんですよ?」

 

「でもこれ生臭いぞ」

 

「魚の油だからな、栄養さえあれば味など関係無い」

 

ハルトマンさんとバルクホルンさんが会話しているのを聞いて俺はこう思った。

 

(いやいやいや、これ確かクッソ不味かった気がするぞ!)

 

両親どっちかの知り合いが、何故か肝油を送ってきた。本当に貰っても要らない品だったが、栄養が良いと付属の手紙に書いてあったので両親と俺は好奇心で飲んでしまったのだ。俺はあまりの不味さにトイレにゴーである。この時の俺の年齢は確か七歳である。俺の今の年齢が十七歳なので、もう十年前の事だが未だに頭にこの不味い液体の味が想像できてしまうあたり俺はこの液体をトラウマとして記憶しているようだ。

 

(だが俺はもう十歳も歳を取った!流石にこの液体をリバースせずに飲み干せるはずだ!)

 

こういう時は一気に飲んでしまったほうが良い!俺はそう思い、コップをつかむ。かなり小さいコップだが俺のコップを持つ手が震えている。

 

「月影流斬!いきます!」

 

「月影いきなりどうしたの!?」

 

ハルトマンさんにツッコミを入れられるが俺は気にせずに液体を口の中に入れ飲み込む。その瞬間、俺の今見えている景色がぼやけていった。

 

そして俺は机に倒れ込んだ。

 

「りゅ、流斬君!?」

 

サーニャが心配してくれるが俺にはもう無理だ。まさかこんな形で意識を落とすとは思わなかった。やっぱり肝油には勝てなかったよ…。

 

 

 

 

 

「う、うーん」

 

目を覚ますとそこは自分の部屋だった。窓を見るともう夕方くらいのようだ。立とうとして上半身を起こす。俺の部屋はまだ家具が少ない。机、ソファーベッド本棚。まだこんなものしか無いのだ。そして、ソファーに誰かが寝転がっていた。

 

「なんでここで寝てるんだ、ハルトマンさん…」

 

よく見るとご丁寧に自分の部屋から毛布を持ってきて寝ている。そして俺は少し前の事を思い出した。

 

「あ、そうか俺が許可したんだっけ」

 

俺が外出時はこの部屋で寝て良いとハルトマンさんに言ったのを思い出した。だが俺は外出していないのになんで寝ているんだろうか。取り敢えず状況を確認するためにハルトマンさんを起こした。

 

「起きてください、ハルトマンさん」

 

「うーん。後五分……」

 

「いや、俺との話が終わったらまた寝て良いので。とりあえず一回起きてくれませんか?」

 

「うーん。わかったよぉ〜」

 

目を擦り、欠伸をしながら身体を起こしたハルトマンさん。

 

「起きましたか、ハルトマンさん?」

 

すると突然ハルトマンさんは俺の顔に指をさして言った。

 

「フラウ」

 

「え?」

 

「二人っきりの時はフラウっていう約束」

 

「そ、そうでしたねハル……フラウさん」

 

「後、敬語も要らないよ?なんか堅苦しくてあんまり好きじゃ無いんだよね」

 

「いやでも上官ですし」

 

「サーニャんだって中尉だよ?」

 

「うっ!」

 

そういえば階級の話をしたことがなかったから分からなかったが、サーニャは上官である。

 

「え、エイラは?」

 

「エイラは少尉だったね」

 

「よ、よかった…」

 

「じゃあこれからは、敬語は無し!二人の時はフラウ!みんながいるところではエーリカと言う事で!」

 

「ああ、分かったよ…。ってうん?なんか増えた?」

 

「良いじゃん!気にしない気にしない!」

 

なんか腑に落ちないがまあ、いいかという思いだった。

 

「あ、そうだ。えっと、フラウ。今から暇か?」

 

「う、うん。特にすることは無いけど…」

 

「じゃあ今から固有魔法の事教えてくれないか?」

 

なんだか眠気も無くなったので魔法を教えてもらうことにする。てか、自分で名前で呼んでと言ったのになんで驚いているんだろうか?

 

「いいよ。じゃあ、移動しようか」

 

「?別にここでもよくないか?」

 

「いい場所があるんだよ」

 

 

 

 

 

フラウに連れてこられ来たのは湖…なのかどうかはよくわからないが結構景色が良いところだった。

 

「水も綺麗で良いな。ここでやるのか?」

 

「うん、そうだよ。じゃあ今日はしっかりと制御できるようにしようか」

 

「分かった」

 

俺はフラウに疾風の固有魔法の使い方を教わった。

 

 

 

「じゃあ、今日はここまでにしようか。お疲れ様」

 

「ああ、ありがとうフラウ。だけど流石に疲れたな。夜間哨戒までに魔法力が回復すれば良いんだが」

 

「あ、ごめんね。そうか、流斬はこの後夜間哨戒の任務があるのか。少しやり過ぎちゃったかな?」

 

「大丈夫だ。だが…」

 

俺はまた謎が出てきたのでフラウに聞く。

 

「なんで名前で呼んだの?」

 

「え?だって流斬は私の事フラウって呼んでるじゃん。じゃあ私も流斬って呼ぼうかって思って」

 

俺は問題ないので、分かったと返した。

 

「ちょっと休むか」

 

俺はその辺にある岩場に座る。周りが水なので落ちたら濡れるがここの景色が良いからだ。フラウも俺の横に座った。

 

「良い場所だな」

 

「でしょ?訓練の時にたまたま見つけたんだよね」

 

「フラウ、お前真面目に訓練してるのか?」

 

「ちゃんと戦闘では動けてるから問題ないじゃん」

 

「そういう問題か?」

 

「そういうもんだよ」

 

それはフラウだけだと思うのだが言わないでおこう。二人が静かになると聞こえてくるのは水の音だけだ。だが今は水以外の音がする。水の中を歩く音と話し声だ。

 

「フラウ何か聞こえないか?」

「ん?……そうかな?」

 

「じゃあ気のせいかな、って言っても気になるなぁ」

 

フラウは聞こえないと言っても俺は今でも聞こえてくるので気になってくる。

 

「俺ちょっと見てくるよ」

 

「うん、気をつけてね〜」

 

「おう。いってくるよ」

 

俺は飛行魔法で空を飛びながらこの辺りを散策する。それなりに飛んだところで話し声がかなり近くなってきた。そしてその声は芳佳とエイラ、そしてサーニャだった。俺は木の上に浮いているので近付こうと下に降りた。

 

「よお、サーニャ達ここでなn………」

 

「「「え!?」」」

 

俺は固まってしまった。そこには、裸になったサーニャ達がいたからだ。俺はすぐに目を逸らし一言。

 

「ごめん!」

 

俺はすぐに上空へと飛んだ。

 

「見てしまった。女の子のあられもない姿を…!」

 

男としての嬉しさよりも罪悪感が俺に襲ってくる。あの子達は可愛い。それは確かに思っている。だがいざ裸を見てしまうと、嬉しさよりも罪悪感きてしまう。そして頭が混乱している俺は、

 

「と、とりあえず逃げよう」

 

と、ひとまずフラウの場所に行った。

 

 

 

「おかえり〜。誰かいたの?」

 

「あ、ああ。サーニャとエイラと芳佳がいたよ…」

 

「?どしたの?」

 

フラウは気分が沈んでいる俺を気にするが、気にしないでくれと言った。

 

「じゃあ戻ろうか」

 

「うん、そうだね。って、え?」

 

俺はそのままフラウをお姫様抱っこして飛んだ。

 

「ちょっ!私は歩いて帰るから大丈夫だよ!」

 

「いや、気にしなくて良い。飛んだほうが楽だし」

 

「いや、私が気にするから!ちょっ、ちょっと恥ずかしいから降ろして!」

 

フラウは頬を赤く染めながら言うが、俺は歩いて帰りたくはない。あの場所を通るからだ。俺はフラウの言うことを無視し、そのまま飛んで帰った。

 

基地に着く頃にはフラウはもう何も言ってなかったが、恥ずかしかったのか俺を少し睨んだ。

 

「もう、恥ずかしかったんだから…」

 

何この人可愛い。少し上目遣いなのが良い。そんな事を思っても仕方ないので少し頭を撫でて答える。

 

「悪かったよ、フラウ。次からは無しにする」

 

「いや、別にしても良いんだけど、いきなりで恥ずかしかったというか…」

 

「すまん。次からはちゃんと許可をもらってからするよ」

 

「…OKするとは限らないけどね」

 

「分かった。じゃあ俺は部屋に戻るよ。今日はありがとうな」

 

「どういたしまして。じゃあね〜」

 

俺は部屋に戻り少し仮眠をとり、晩飯を食べてハンガーに向かった。

…少し気まずいがなんとかしよう。




まだ戦闘にも入ってないのに4000字超えるとは思ってなかった。戦闘で1000字行けるか不安です。
後サーニャとエーリカ可愛い!
はいそれだけですw
次もいつになるかわかりませんが投稿できたらよろしくお願いします。
それでは、また!


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12話

何か後半がおかしい気がする。
あと、エイラが少しキャラが崩壊していると思います。



夜間哨戒の任務2日目だ。

今俺は自室で準備をしている。フラウに教えてもらった疾風は、実戦ではまだ使えるほど上達していないので使用しない。だが、昨日サーニャに教えてもらった魔導針は使えるようになったので使う。そして、今まで使ってきたサイドアームのM10を腰のホルスターに入れる。そしてしっかりと装備を整えハンガーに向かう。

 

「まずはサーニャ達に謝らないとな…」

 

まずはその事を考える。あの三人の事なので実力行使はしないだろうが任務中にずっと睨まれる可能性はある。芳佳はすぐに許してくれるかもしれないが、エイラは長く根に持ちそうだ。

 

「しっかりと誠意を持って謝れば許してくれるかな…」

 

本当に怖い。正直ネウロイよりも怖いかもしれない。おとなしい子程怒ると怖いと言われるので、もしかしたらサーニャが一番怒るかもしれない。だが、そんな事を考えている間にあっという間にハンガーの目の前に着く。俺は深呼吸して、ハンガーに入る。もう三人は到着していたようだ。

 

「こ、こんばんわ…」

 

「…うん、こんばんわ」

 

「…ジー」

 

「あ、あははは」

 

どうやら芳佳はそんなに怒っていないようだ。サーニャは怒るというか困惑しているようである。だがエイラには凄く睨まれてしまった。

 

「あ、あの…。その、夕方はごめん。見ようと思って見たわけじゃないんだ。あれは事故であって…」

 

「うん、私も分かってるわ。怒ろうなんて思ってないから安心して?」

 

「サ、サーニャ。…ありがとう」

 

しっかりと頭を下げる。少しほろりと来た。サーニャなんて優しい子なんだ!エイラはサーニャの言葉を聞いてから強くは睨まなくなったが、ちょこちょこ睨んでくる。

 

「わ、私も気にしてないけど…。でも今度休みが取れたらサーニャと私に何か奢ること!そ、それでチャラな…」

 

「え?私は入らないんですか?」

 

「宮藤はあんまり怒ってないし良いだろ?」

 

「確かに怒ってませんけど…」

 

「分かった。今度四人で休みが取れたら街に行って何か奢ろう。約束するよ」

 

エイラは満足そうに、芳佳はやったー!とはしゃぎ、サーニャはふふふと微笑む。三人とも優しくて涙が出そうである。俺はといえば、機嫌が良くなり「じゃあ、行こうか!」と張り切っていた。

 

 

 

 

 

四人が夜空に出て暫く、芳佳が誕生日と芳佳のお父さんの命日という事を知らされた。

 

「こういう事は楽しい事を優先したって良いんだぞ?」

 

「ええ、そうかな?」

 

「宮藤さん、耳を澄まして」

 

「え?」

 

するとインカムに甲高い音と雑音が入り次第に音楽に変わっていく。これは…

 

「ラジオの音だな」

 

「…うん」

 

「凄い凄い!これどうやってるの?」

 

子供のようにはしゃぐ芳佳にサーニャが説明する。

 

「夜になると夜が静まって、山の遠くの電波も聞こえるようになるの」

 

「ある種、サーニャからの誕生日プレゼントだな」

 

横ではエイラとサーニャがひそひそと話している。

 

「ちぇっ、しょーがないなー」

 

「え?どうしたの?」

 

サーニャの顔を見る芳佳。

 

「うん、あのね…」

 

「だから、実はサーニャも」

 

エイラが話を続けようとした時に、何かの音が聞こえた。ラジオの音でも、通信の声でもない。この二つのどちらでもないが、どちらかというと前者に近い。ラジオの音ほど綺麗ではないが、それはしっかりと音楽となっている。サーニャが普段歌っているものに近しい。

 

「どうして…ッ!!」

 

「敵だ!このまま正面!距離は5500!」

 

「皆逃げて!」

 

サーニャはここにいる全員を振り切るように急上昇する。そして、ネウロイから放たれたであろう赤いビームがサーニャの左脚のストライカーユニットを吹き飛ばした。

 

「サーニャ!」

 

「一人でどうするつもりだ!」

 

「だってあのネウロイの狙いは私…エイラ?」

 

エイラは突然サーニャのフリーガーハマーを持った。

 

「流斬は私に敵の場所を教えてくれ。私は敵の動きを先読みできるからやられたりしないよ。あいつはサーニャじゃないし、あいつは一人だけどサーニャは一人じゃないだろ?私達は絶対負けないよ」

 

エイラの言葉に芳佳も強く頷く。俺もそうだなと声を掛けようとした時に、魔導針にもう一つ反応が出てきた。俺が周りをしっかりと見ていなかったせいだろう。サーニャは混乱しているので仕方ないが俺がしっかりしないと…!

 

「エイラ。悪いが俺はここにいられない。もう一つ敵が来ていた。正面のやつより近い。そっちは俺がどうにかするから、エイラたちはこっちを頼む」

 

「なんだって!?じゃ、じゃあ宮藤をそっちに…」

 

「いや駄目だ。芳佳にはサーニャを守ってもらう。こっちは一人で相手をするさ」

 

「で、でも…」

 

エイラ、サーニャ、芳佳は心配そうにこっちを見ている。

 

「大丈夫だ。そんなに心配ならそっちの敵を早く倒して来てくれ。それに俺はまだ死ぬつもりはないからな」

 

「……分かった。気をつけてな。死んだらダメだぞ」

 

「ああ、行ってくるよ」

 

俺はもう一つある敵の場所に飛んでいく。

 

 

 

 

 

ここから少し離れているがサーニャ達が分からなくなるほど離れてはいない。しっかりとMG42を構え雲の中に隠れているネウロイに射撃する。

 

連射に優れている銃なので普段のハンドガンに爆発させる魔法はつけられないがそれを数で補う。何発もの弾丸を浴びせられ堪らなくなったのか、ネウロイが当然上に上昇して姿が露わになる。そして、その状態のまま赤いビームを放ってくる。

 

「見え透いた攻撃に当たるかッ!」

 

今は回避で捌けているが、このビームが密集すると少し厄介だ。何より俺はシールドを張れない。正確には張れないわけでは無いだろうが、まだ一回も練習をしたことがなく、出し方が分からないのだ。

 

「こんなことならしっかりとシールドも練習するんだったな…」

 

ネウロイが放つビームを避けながらMG42を撃つ。いつも相手にするネウロイよりも装甲が厚く弾かれてしまう。

 

「こうなったら…!」

 

使っていたMG42を後ろに回し、腰のホルスターに入れているM10を手にする。そして、いつものように爆発させる弾丸を魔法で作り出し狙い撃つ。

しかし今は真夜中だ。装甲が基本黒で染まっているネウロイは夜の空では見辛い。今はビームをっているから分かるが撃たずに隠れられると分からなくなる。

 

本当に見辛い。装填していた6発を使いきり、すぐにリロードする。

しかし焦ったてしまったせいで、弾を一つ落としてしまった。

 

普段の訓練では落としても気にせずに続けるが、焦った時の行動は無意識に自分を動かす。落とした弾丸を見てしまいネウロイから視線を外してしまった。

 

戦場ではその一瞬が命取りとなる。

 

ネウロイから放たれた赤い閃光はしっかりと俺の身体に向かってくる。

 

「ッ!!!」

 

無意識だろう。素早く右手を上げ魔法を手のひらで展開させる。シールドを張れたのだ。だが、咄嗟のことで全く耐久性がなかった。身体の大部分は守れたが、左の脇腹を赤い閃光が貫いた。

 

「あああぁぁぁ!!!」

 

左脇腹が焼かれるように熱い。無意識に右手が怪我を負った方に向かう。だが、触ると更に痛みが襲ってくる。

 

「ぐっ!!ああぁぁ!!!ま、まずい…」

 

取り敢えず距離を置こうと雲の中に移動する。その間もネウロイは絶え間なくビームを放って襲ってくる。今度は回避せずにしっかりとシールドを張り離脱する。

 

「さ、サーニャ達に助けを頼みたいが………まだ反応が二つあるか…!増援を頼むか……!」

 

インカムで管制塔に連絡を入れようとするが電波障害があるのか連絡が出来ない。

 

「クソッ…どうする……。まさか夜の戦闘がこんなにやりづらいものだとは…!ネウロイよりも高い高度に陣取ったら月明かりで見えやすくなるか…?でもこれじゃあ、分からなかった時が辛い…。どうしたら…!…疾風を使ってみたら行けるか?」

 

まだ制御ぐらいしかまともにできない疾風だがフラウにやり方を教わっているので、出来ないことはないだろうがこれも賭けのようなものだ。だが、両手でハンドガンを持とうとしても、脇腹が痛んでまともに力を入れる事が出来ない。

 

「ぶっつけ本番だ!これで決まらなかったら、無理にでもハンドガンで抑える!」

 

俺は作戦を決めるとネウロイので真下に移動し、急上昇する。前方にシールドを展開して進む。

こちらを見つけたのかネウロイはビームをを撃ってくる。なるべく回避しながら無理なビームはシールドで受ける。後20Mになったところでシールドを解除し、身体の周りに風を纏わせる。脇腹が痛むが少しだけと無視して突撃する。

 

「いっけえぇぇぇえ!」

 

更に風を纏わせ、高速で回転させる。そして、より速度を出すために纏わせた風を下方向に流す。

かなりの速度が出てネウロイの装甲をぶち抜きコアを貫通し、反対側の装甲をそのまま貫通させる。

回転が止まり風が霧散していく。

すると後ろでネウロイが弾け、周りに破片が弾け飛ぶ。

 

『おい、流斬!大丈夫か!?』

 

エイラから通信が入り。それに答える。

 

「おう、エイラ。悪い負傷しちまった。出血多量で死にそうだ…」

 

『な、なんだって!?い、今からそっちに向かう!さ、サーニャ!流斬の居場所は!?』

 

そこで通信が切れた。意識を途切れさせないようにゆっくりでもエイラ達の方向に飛んでいく。五分くらいたったところで、エイラ達と合流できた。

 

「流斬!」

 

「流斬君!」

 

「す、すごい怪我……」

 

この後三人が何か言っていたが、俺は落ちないようにエイラに倒れこむように意識を失った。

 

 

 

 

 

気づけばそこに医務室の天井が見える。周りを見渡すとそこには坂本さんがいた。

 

「お、目が覚めたな」

 

「坂本さん?どうしたんですか?」

 

「いや何、少し心配だったのでな。見に来たらちょうど目が覚めたんだ」

 

「そうだったんですか。そうだ、サーニャ達に怪我はなかったんですか?」

 

「ああ、サーニャはストライカーの破片で少し脚を怪我していたがお前みたいに意識を失うほど怪我はしていない」

 

俺は良かったと、胸をなで下ろす。

 

「後で三人に会ってくるといい。宮藤はお前の治療に手を貸してくれたし、エイラとサーニャは付きっきりで看病してくれていたんだぞ?」

 

見ろと言わんばかりに坂本さんは横のベットに顔を向ける。そこには熟睡はしているが目にクマが出来ている芳佳、エイラ、サーニャがいた。

 

「後で礼はしておくんだな」

 

「それは、分かっています」

 

そして坂本さんは立ち上がり扉に歩いて行った。そして思い出したかのようにこちらを向き一言呟いた。

 

「明日、宮藤とサーニャの誕生日会をするそうだ。お前もちゃんと祝ってやってくれ」

 

そう言い残して坂本さんは出て行った。芳佳が治癒魔法を掛けてくれたお陰か動くのには支障がなかった。後で、しっかりと礼を言わないとな。

 

「後お前らにも、な」

 

俺はそう言って三人の頭を撫でる。今はこういったことしかできないが、今度街に行った時に何か秘密で買ってやろうと思った。

その時にエイラがゆっくりと目を覚ました。

 

「んん…。あれ?…ん?り、流斬!?大丈夫なのか!?」

 

「エイラ。静かに」

 

「え?ああ、ごめん…。でも、流斬大丈夫なのか?まだどこか痛むか?」

 

エイラはかなり心配しながら俺を気遣ってくれている。

(ああ、俺はこんなに心配してくれる仲間がいるんだな。次からはちゃんとしよう)

と、嬉しくなった。

 

「エイラ」

 

「ど、どうしたんだ?やっぱりまだ痛むのか?………!?!?!?」

 

俺はエイラを抱きしめた。

 

「エイラごめん。心配かけちゃったな。次からはもっとみんなを頼ってみる。俺は自分だけでどうにかなると思い込んでいたらしい。その結果こうなってしまった。…ごめん」

 

エイラは流斬の後ろに手を回して優しい声音で言った。

 

「……ホントに流斬はダメだな。ちゃんと私達を頼らないからこうなるんだ。これからはちゃんと頼ってくれよな?サーニャだけじゃない。この501のみんながそう思ってる」

 

「ああ、次からはこんな真似はしないよ。約束する」

 

「もう一つ。これからは私達を心配させるようなことはしない事」

 

「分かった。約束だな。そうだ、エイラ」

 

俺はエイラから体を話して言った。

 

「今度、エイラとサーニャそれと芳佳の四人でブリタニアの街にでも行かないか?心配をかけたお礼にそこで何か奢るよ。行きたい場所があったらまた教えてくれ」

 

俺は扉に向かって歩き出し。出ようとしたところでエイラに向かって言った。

 

「あ、そうだ。明日、サーニャと芳佳の誕生日会をするらしいぞ。それだけだ。じゃあまた後でな。……ありがとう」

 

俺は扉を閉じ自分の部屋に戻った。

 

 

 

 

 

流斬が出て行くのを見届け、ほんの少しの時間が経った頃。エイラの固まっていた体がすぐに動きベッドに体を埋めた。

 

「わ、私に、り、流斬がだ、抱きついて!?!?!?!?!?」

 

年頃の少女の頭はパニックになっていた。さらになんか恥ずかしい言葉も喋っていたから顔が真っ赤になっていく。

 

「……流斬の体を大きかったなぁ。男の癖にいい匂いしてたし……ッ!!わ、私はなにを考えているんだ!?」

 

うわああぁぁ…と、エイラが悶えているとサーニャと芳佳が起きた。多分エイラが煩かったのだろう。

 

「…?エイラどうしたの?」

 

サーニャが不思議そうにエイラを見つめる。

 

「い、いや、その〜…!そ、そう!流斬がブリタニアの街に行って何か奢ってくれるって言うからどこに行こうかなって考えてたところなんだ」

 

「そう?ところで流斬君は?」

 

サーニャが辺りをキョロキョロとしながら聞いてくる。芳佳も流斬が寝ていたベッドを見ていた。

 

「ああ、流斬なら多分部屋に戻ったと思うよ」

 

「そうだ!エイラさん、ブリタニアの事で分からなかったらリーネちゃんに聞いたらいいんだよ!」

 

芳佳がそう言うとベッドから降りてサーニャの手を引っ張って行った。

 

「ま、待って!私も行く!」

 

エイラは何とかサーニャ達の気を紛らわせたが、まだその頬は赤色に染まっていた。

 

(流斬に抱きしめられたことは、死んでもサーニャには言えない!……恥ずかしすぎて死んじゃう!)

 

年相応の考えをしているエイラであった。

 

 

 

ーーーーー執務室ーーーーー

 

そこには今、ミーナと坂本がいた。

 

「美緒、月影君はどうだった?」

 

「ああ、いまさっき目を覚ましたよ。特に後遺症はおってなさそうだ」

 

「そう、良かったわ」

 

そう言いながらもミーナの手は書類作業の手を止めない。もう後少しで面倒な書類作業も終わると思うと自然と手が早くなる。そして、作業が終わっても一つの書類が机の上に残っていた。

 

「もう呼びに行くのか?」

 

「ええ、月影君という予想外の戦力確保があっても、やはりここは人材不足だから。彼に来てもらうわ。」

 

「なら、明日はリベリオンに行くのか?」

 

「いえ、近くにある補給基地に来るらしいからそっちに行くわ」

 

「そうか」

 

ミーナと坂本は書類を見つめる。そこには一人の少年の事について書かれていた。

 

303高地の英雄について。




最後会話文ばっかりで読みにくかったかな?
あと、後で恥ずかしいことしていたと気づいて悶絶する子って可愛くないですか?
可愛くないって?お前気持ち悪いって?
そうですか…。

今回は後半がおかしいと自分でも思っているので、批判コメント来そうで怖い。
あとサーニャ可愛い。エイラも可愛い


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13話

短ぇ…。
そして遅くなってすいませんでしたぁぁぁ!!
新キャラのオリジナルの導入って難しくて…。
俺はオリジナルのシーン書けねぇな………。思い浮かばないもん
あと、流斬の話し方おかしくないかな?

ではどうぞ!


501基地を北に進むと、弾薬などの備蓄がされている補給基地がある。そして今、この補給基地に一人の少年が来ていた。

 

「そろそろか」

 

彼はウィーラー・マッカダムス。リベリオンにある、ウィザード部隊の隊員である。そんな彼が何故この補給基地に来ているかというと。

 

「こんにちは。早いのね、ウィーラー大尉」

 

「こんにちは。ミーナ中佐。俺は予定時間より少し早めに着いただけです」

 

ミーナは「そうね」と返し書類に目を通す。

 

「ウィーラー大尉。501部隊の配属、ありがとうございます。まだまだ人手が少ないから助かったわ」

 

「そちらには一人ウィザードが配属されたと聞きましたが?」

 

「ええ、月影少尉の事ね。でも彼はまだ入りたてでね、元々軍人をやってたわけでもないから、少し心配なの。だから少しだけ予定を繰り上げて、あなたに来てもらったというわけ。じゃあ行きましょうか」

 

「はい、ミーナ中佐」

 

二人は車に乗り込み、501の基地を目指した。

 

 

 

 

 

今日は特に出撃予定もない日だが、ミーナさんから新しい隊員が来るらしくその報告がこれからある。やはり俺がこの基地に来ても人員不足は否めないか。もっと強くならないとな。

 

「どんな人が来るのかな?」

 

俺はほんの少しの楽しみを覚えてブリーフィングルームに来ていた。だが女の子がさらに増えると思うと、本当に男一人の俺は少し悲しくなってくる。気軽に話せる人はいるのだが、やはり同性の方が話しやすいものである。

 

「みんな来ているかしら?」

 

ミーナさんが部屋に入って、全員いるかを確認して前に立つ。

 

「今日は報告していた通り新しい仲間を紹介します。入ってください、ウィーラー大尉」

 

「失礼します」

 

入ってきたのは、身長170㎝くらいで茶髪。瞳は臙脂色。そして何より男だった。………男!?

 

「本日より501部隊に配属されたウィーラー・マッカダムスです。原隊はリベリオン陸軍、航空軍。第3新型装備研究開発チームで階級は大尉です。皆さん、これから宜しくお願いします」

 

俺は驚いていた。基本的にウィッチは女の子しかいないと思っていたからだ。自分の知識の低さに驚きである。

第一印象は、初めて会ったバルクホルンさんをほんの少しだけ柔らかくした感じである。実際は会話などをしてつかんでいくしかないが、それなりに仲は良くなるだろう。

この部隊に来て女の子だらけだったので少し嬉しかった。

 

「では、基地の案内は月影少尉にお願いします」

 

「はい。了解しました」

 

ミーナさんはウィーラー大尉に必要な書類と護身用のハンドガンを渡した。

 

「では、解散!」

 

ミーナさんが退出した後はウィーラー大尉にみんなが挨拶をしに行った。特に同じリベリオン出身のシャーリーさんはかなり嬉しそうだった。

 

「ウィーラー大尉。俺は月影流斬です。基地を案内します」

 

「ああ、宜しく頼む」

 

ブリーフィングルームから出て、まずはウィーラー大尉に割り当てられた部屋に向かう。

 

「君がこの部隊に配属されていたウィザードか。噂は聞いている…と言いたいところだが、まだあまり聞けていないんだ」

 

「あはは。俺はまだ新人ですからね。この前も負傷しましたし。それと俺のことは流斬でいいですよ」

 

「負傷しても次に生かせればいい。戦いで大切なことは死なないことだ。この事だけは徹底した方がいい」

 

ウィーラー大尉は無表情だったが、雰囲気が悲しそうだった。

 

「はい、肝に銘じます」

 

「そんなに硬くならなくていい。俺のこともウィーラーでいい。流斬のプロフィールを見る限りでは、同じ年齢なんだしね」

 

「そうなんですか。これからよろしく。ウィーラーさん」

 

「ああ、よろしく流斬」

 

話して分かったことは、この人は過去に仲間を失った事。だが、人の過去に軽々と触れてはいけない。初めて出会った男のウィッチ。またの名をウィザード。この人とは壁を作らず友人になれるように頑張ろうと思った。

 

 

 

 

 

色々な場所を見て回り施設を説明し終わった時にシャーリーさんと出会った。

 

「ねぇ、流斬。ウィーラー借りていい?」

 

「施設は案内し終わったから後はウィーラーさんが自由にしていいと思うけど…。俺じゃなくてウィーラーさんに聞いてくれ」

 

「そうだね。ウィーラーこの後暇かな?」

 

「ああ、今部屋に戻ってもすることはないしな」

 

「じゃあ今から故郷について話さないか?」

 

「ああ、いいぞ。というわけだ。今日の案内ありがとう。流斬」

 

ウィーラーさんは頭を下げながらお礼を言ってきた。

 

「どういたしまして。分からないことがあったらいつでも聞いてください。俺の部屋は隣ですしね」

 

「流斬プライベートで敬語はいらないぞ?」

 

「……分かった。プライベートでは敬語は無くすよ。じゃあまたな」

 

「ああ、また。じゃあ行くかシャーリー」

 

「行こうか」

 

ウィーラーはシャーリーさんと一緒に食事場に行った。後で聞いた話なのだがシャーリーにめちゃくちゃ飲まされたらしい。

 

コーラを。




ウィーラーうまく書けたかな?
イメージが違うかったら申し訳ないですね。
次はアニメで言う7話か。
また、間が空きそう………。
なるべく早く書けるよう努力しますね。


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14話

なんかもう死にそう。


14話

 

普段よりも少し遅れて、起床して朝食を食べに行こうとすると、風呂場の更衣室でペリーヌさんが叫んでいた。

 

「こ、これは事件ですわ!!」

 

「どうかしましたか?ペリーヌさん」

 

更衣室に向かって言うと坂本さんが返事を返した。

 

「ああ、ペリーヌのズボンが無くなったらしい。後で食堂に行くから先に行って待っていてくれ」

 

「はぁ。分かりました」

 

食堂に向かって歩き出す。と言ってもそこまで遠い距離ではないのですぐに食堂についた。

食堂にいたのは、バルクホルンさん、シャーリーさん、ルッキーニちゃん、エーリカ、そしてウィーラーだ。

 

「おはようございます」

 

「おはよ流斬!」

 

「ああ、エーリカ。おはよう」

 

「流斬。おはよう」

 

「ウィーラー。おはよう。どうだ?ここの生活は」

 

「今までとは違う。そうだな、一つ前の所は凄く厳しかったんだ。だけどここは新しい体験が色々できる。本当に楽しいよ」

 

「それは良かったよ。戦場でも期待してるぜ」

 

「ウィザードの戦い方、見せてやるよ。とりあえず今は朝食を食べようぜ」

 

「そうだな」

 

そう言ってウィーラーとエーリカの間に座る。ちなみにウィーラーの隣はシャーリーさんだ。どうもシャーリーさんはウィーラーのことが気に入ったらしい。同じリベリオン出身だからかな?

 

「芋だけ?」

 

「そうだよー?」

 

エーリカがなんの疑問も持たないが、これは俺だけなのだろうか?気にしていても仕方ない。あるものを食べよう。

 

ジャガイモを2個食べた所で坂本さんと、芳佳、ペリーヌさんが食堂に来た。

 

「あー、みんな聞いてくれ。先程風呂に入っていたんだが。ペリーヌのズボンが無くなった。そして、宮藤のズボンが更衣室に落ちていた」

 

それを聞いたバルクホルンさんは。

 

「これは、事件だな」

 

「あの、私の服を…」

 

芳佳がおずおずと聞くが。

 

「いや、これは証拠物件だ」

 

「え!?でも…」

 

さっきか、服の裾を掴み隠そうとしているので多分何も履いていないのだろう。バルクホルンさんもそれに気づいた。

 

「何も履いてないのか?なら、私のを貸そう」

 

焦りながら否定する芳佳。なんでもいいのだが、ここでやらないで欲しい。ウィーラーと俺、目のやり場に困る。ペリーヌさんもズボンを履いていないし。

芳佳は坂本さんの上着を羽織るようだ。

 

「では、捜査に入る。まずクロステルマン中尉のズボンが何故無くなったかだ。クロステルマン中尉の前に更衣室にいた人物は?」

 

風呂に入っていた人はある人物を見た。それにつられて他の人物もある人物を見る。その人物は芋を手に取りながら口に運ぶ最中に固まっていた。

 

「フランチェスカ・ルッキーニ少尉…」

 

バルクホルンさんが犯人の名前を呼ぶとルッキーニちゃんは芋をほり投げ、逃走する。少し躓いて芳佳のズボンに手をかけるとそのまま持って行った。それを追っていく探偵の皆さん。

 

「ウィーラー。どうする?」

 

「…一応手伝うか。俺はフランチェスカ少尉を追う。お前は真犯人を探してくれ」

 

「そうだな。ルッキーニちゃんがわざわざズボンを履かずに風呂までいって、そこから盗むなんて面倒なことはしないだろうし。そっちは任せるよウィーラー」

 

「ああ、任された。駆けっこと同じくらいでやってやろう。本気でやってしまってはすぐに終わってしまうしな」

 

「お前、楽しんでるな…」

 

「勿論だとも。じゃあ行ってくる」

 

「はいよ」

 

ウィーラーはいつもよりも軽めに走って食堂を後にした。

 

「…で?エーリカは行かないのか?」

 

「ん?だって興味ないし。あとフラウって呼ぶって約束でしょ」

 

「悪かったよフラウ。さて、どうしようか…。フラウ、誰か心当たりがある人はいないか?」

 

「うーん。そうだねー。そういう人は思い浮かばないかな?」

 

「そうか…」

 

さて、どうしようか。こうなったら頭の悪い俺じゃあ、総当たりしか思い浮かばないぞ?とりあえずエーリカを確かめるか。

 

「じゃあ総当たりするか。フラウ一応確認させてくれないか?」

 

その言葉を聞くとエーリカは目を逸らした。

 

「おい、まさかお前じゃないだろうな?」

 

「ま、まっさかー。私じゃないよー」

 

「…じゃあ確認させてもらうぞ」

 

心の中で断りを入れてエーリカのズボンを確認しようとすると、エーリカは走り出した。

 

「あっ!おい待て!」

 

食堂を飛び出し廊下を走り階段を駆け上がる。流石にエースなだけあってかなり速い。きちんと基礎訓練をした子である。

そのままエーリカは部屋に逃げ込み鍵を掛けられた。

 

「おい!開けろエーリカ!てか、なんで盗んでるんだよ!」

 

「だって!私のズボン見つからないんだもん!」

 

「じゃあ一緒に探してやるから開けろ!」

 

エーリカは少し考えて返事をした。

 

「やだ」

 

「なんで!?」

 

「この部屋見られるのやだ」

 

「…そんなに汚いのか?」

 

「………」

 

「図星かよ…じゃあ一緒に片付けてやるから。まずは開けてくれ」

 

エーリカは鍵を開けゆっくりと扉を開けた。そして顔だけひょっこりと出して聞いてきた。

 

「本当に汚いよ?」

 

「なら片付けないとな」

 

「引いちゃうくらい汚いよ?」

 

「引かないから。俺だって前は汚かったし」

 

「…分かった」

 

今度はちゃんと扉を開いて部屋を見せてくれたが…。

 

「予想よりも少し汚いな…」

 

少し引いてしまったが、声には出てないと思う。大丈夫だな。

 

「…流斬今引いたでしょ」

 

ジト目で聞いてくるエーリカに対して俺は、少し目を逸らした。

 

「やっぱり!やっぱり引いたな!」

 

「わ、悪かった!片付けはちゃんと手伝うから!」

 

5分くらいでなんとか宥めることに成功して、片付けを始めた。

 

「まずはズボンを見つけないとな。エーリカ今日表彰があるんだろ?それまでに見つけないとな」

 

「よし!頑張ろー!」

 

「はいはい」

 

 

 

 

 

探し始めて少し時間が経ち。

 

「あったぞ!ズボン!」

 

「えっ!本当!」

 

エーリカがこっちに寄ってくる。

 

「わぁ!ありがと〜!」

 

そしてここでルッキーニちゃんのズボンと自分のズボンを履き変えようとするが、ズボンに手を掛けた所で止まり。

 

「…早く出て行ってよ。恥ずかしいじゃん…」

 

「わ、悪い」

 

すぐにエーリカの部屋から出る。あの散らかっている部屋からズボンを見つけ出したことに達成感を感じて座ってしまっていた。これは俺が悪いな。……悪いのか?そもそもエーリカがきちんと整理整頓をしていればこうはならなかったのでは…?いや止めよう。

この思考が終わると同時にネウロイが来たことを知らせる警報がなった。

 

「エーリカ!行くぞ!」

 

「分かってる!」

 

階段を駆け降りてとある扉に近づくと誰かのため息が聞こえた。

 

(ん?この辺りに誰かいるのか?)

 

「エーリカ少し待ってくれ」

 

「どうしたの?」

 

「はぁ、怒られるよね。勝手に警報のスイッチ入れたのばれたら」

 

「なんのスイッチ入れたって〜?」

 

なんかしてやったり見たいな顔をしながらルッキーニちゃんの前に歩みでたエーリカ。ルッキーニちゃん完全にビクビクしてるぞ。やっちゃった!見たいな顔してるし。

 

「お前が言えたことか!ちゃんとルッキーニちゃんに謝るんだ」

 

「分かってるよ〜。あの、ルッキーニ。ごめん!ルッキーニのズボン盗んだの私なの…」

 

「え!?あっ!私のズボン!」

 

「これでこの事件は一件落着。とりあえずっと」

 

魔法を使い、魔導針を起動して、ネウロイがいるか確認をする。

 

「よし!ネウロイもいないな。じゃあルッキーニちゃん、みんなに謝りに行こうか」

 

「……うん」

 

 

 

 

 

格納庫に急いでる時にミーナさんに会い、警報の誤報を伝えて今は格納庫手前。ミーナさんがみんなに誤報だと伝えた。ルッキーニちゃんを見つけたのはエーリカという事になっている。これは特に意味はない。みんなに話しかけられているのを見ながら、こっちに歩いて来たウィーラーに話しかけられた。

 

「で?真犯人はハルトマン中尉だったのか?」

 

「ああ。でも今はそっとしておこう」

 

「その方がいいな。俺もなかなか新鮮な体験をさせてもらったよ」

 

「それじゃあ、ハルトマン中尉の表彰をしましょう!」

 

 

 

 

 

この後の受賞は滞りなく進み、今は……

 

「後少しだから、ほらそんな所で寝転ぶなって」

 

「だって〜面倒くさいんだもん」

 

エーリカの部屋の片付けの続きだ。ズボンを探したときは少ししか片付けられられなかったがあの量も後少しである。なかなかに時間がかかった。

 

「はぁ、エーリカ後少しだけだろ?この一塊どうにかしたら終わるんだから頑張れ」

 

「分かったよ…」

 

渋々手を動かすエーリカ。なんだかんだきちんとやるのに、何故今までやらなかったのか気になる所。本当に後少しだけだったので、今エーリカが運んでいる荷物だけで終わりだ。あんなに散らかっていた部屋がもう見違えるほどに綺麗になった。

 

「やっと終わったな。じゃあ俺は部屋に戻るよ。今度は散らかすなよ」

 

扉の取っ手を回し、部屋を出る。

 

「流斬!」

 

少し廊下を歩いた所でエーリカが俺を呼び止めた。

 

「ん?どうしーーーッ!!」

 

突然エーリカがキスをしてきたのだ。

それと同時に何故か以前読み取ったエーリカの固有魔法の『疾風』の使い方・構造が、読み取った時よりも、より細かくなって脳内に流れ込んできた。ほんの一瞬の筈なのに、五分間魔法を解析した時よりも多く情報を得た事と、エーリカがキスをして来たという事に対して頭が混乱していた。

 

「今日はありがとっ!また明日!」

 

そう言ってエーリカは自分の部屋に戻っていった。

 

「なんだったんだ?今の………」

 

二つの事に対して呟いたが、誰も返してくれる人はいなかった。

 

 

 

 

 

エーリカは少し前の行動について恥ずかしそうに枕を抱えてベッドに寝転んでいた。

一番初めに意識したのは、バルクホルンが怪我を負った時。帰りに言われた言葉が凄く嬉しくなった。それから少しづつ話すことが多くなって今さっきの恥ずかしい行動に出てしまった。

きちんと笑えていたか、顔はかなり赤かっただろう。

思い出すだけでも頭から煙が出そうなくらい恥ずかしい。

 

エースとしてではなく一人の女の子として優しい言葉をかけてくれる彼。自分で言うのもなんだけどあんなに散らかっていた部屋を嫌な顔せずに一緒に片付けてくれた彼。

 

これらは自分がそう思っているだけかも知れない。でも別にそれでもいいやと、そう思ってしまう。彼は私だけにそうしているのではない。他の子にも優しい言葉をかけている。エイラなんかは完全に意識しているだろう。ルッキーニも少し意識しているかも知れない。サーニャは無自覚だけど、彼に依存しているところがある。これからまだ増える気がする。

 

「はぁ、ライバル多いなぁ」

 

ファーストキスを初恋の人にあげた女の子はそんな事を呟いた。




ウィーラーさんがいたら一瞬で終わりそうなので、手を抜いて遊んでもらいました。
ちなみに月影君しかいない状態なら普通にルッキーニちゃん追ってました。ウィーラーさんが新しく来たから真犯人探ししてもらいましたけど。
とまあ、そんな感じてオリジナル展開。そして綺麗になるエーリカの部屋。そして新たにわかる月影君の特殊能力。
キスしたら固有魔法が細部まで分かるようになるとかどこのエロげだよ!考えたやつ誰だ!(自分)

ラストのエーリカのシーン。書いてて凄く死にたくなりました(恥ずかしくて)
変になってなかったら良いんですけど。

俺の一番はサーニャ。エイラも可愛い。でもやっぱりEMT。
はい。暴走してごめんなさい。

こんな作者ですが次回もよかったら見てください!


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15話

遅れてすいませんでした!!
変わっていく環境、しんどい日々、グータラしていたGW(おい!)。

それと…仕事ってしんどいんですね。少し甘く見ていた気がします。上手くやれるか心配ですが、これからもSS投稿は頑張って続けていこうと思っているので、これからも宜しくお願いします。

今回の注意。ミーナさんの恋人を復活?させました。ご都合主義だということは分かっていますが、ご了承ください。批判が来そうで怖いです。

そして、前回の感想で主人公の事があったのでそれをここで紹介します。
Q.主人公の名前の読み方って?
A.月影 流斬(つきかげ りゅうき)でございます。今まで読み方を書いていなくてすみませんでしたぁ!!

それでは本編をどうぞ!


エーリカの部屋を綺麗にしてから数日が経ち、どんな状況か見るためにエーリカの部屋の前に来ている。

 

「おーい、エーリカいるか?」

 

「ん?流斬なにー?」

 

「部屋が綺麗な状態か見に来た」

 

「き、綺麗だよ〜」

 

なんか、返事が怪しい。掃除した時よりも汚くなっているんだろう。俺はエーリカの了承を得ず扉を開けた。

 

「うわぁ……」

 

予想どうり汚かった。前回掃除する前よりかはマシだが、それでも汚い。エーリカを見ると何故か焦っている。

 

「掃除はしようとしたんだよ…?ただ明日でいいかって思ってたらこんな事になっちゃって……だから、その、ごめんなさい……」

 

エーリカは部屋を汚くしたら俺が怒ると思っているようだ。いや、バルクホルンさんに怒られてるだろうけど。

 

「俺は別に怒らないぞ?」

 

「え?」

 

「なんで怒らないといけないんだ?俺はエーリカの為を思って言っているんだ。少し言い方はキツイが、それを聞かないのならエーリカはそういう人だって事だ」

 

「……もし流斬にお嫁さんがいて、こんな感じで部屋を汚くしてたらどうするの?」

 

「それは怒る。俺にもし嫁さんができるなら一緒に綺麗な家に住みたいしさ。まあ、俺に嫁さんができるかどうかなんだけど………俺大丈夫かな?」

 

考えると少し怖くなる。もし彼女すらできなかったら……。独り身かぁ。悪くはないんだろうが、寂しい人生になりそうだ。

 

「…うん。頑張ろう…!」

 

「ん?何か言ったか?」

 

「い、いや、なんでもないよ!」

 

「そうか?じゃあ俺は戻るよ」

 

「もう、戻るの?」

 

「ああ、部屋を見に来ただけだしな。面倒くさくても部屋は掃除したほうがいいぞ。じゃあまたな」

 

俺は部屋に戻り日課のハンドガンの整備をした。

 

 

 

 

 

また数日経ったある日。俺はミーナさんに呼び出されていた。一体なんだろうか、と思いながら部屋の扉をノックする。中から「どうぞ」と言われたので入ると、男性がいた。

 

「どうも初めまして。空母赤城の船長の杉田です。今日はこの辺りに停泊していたので宮藤さんへのお礼と、扶桑皇国生まれのウィザードがいると聞き会いに来ました」

 

「はい。私が扶桑皇国生まれのウィザード、月影流斬少尉です」

 

「貴方は何故、扶桑から遠く離れたこの地でウィザードをやっているのですか?」

 

「簡略に申しますと、最前線で戦いたい。そして、住んでいた街を取り戻したいというのがあります。私は生まれてすぐにカールスラントに引っ越しましたからね」

 

「そうですか。いや、こんな雑談をさせてしまって申し訳ない。これからも頑張ってください」

 

「はっ!」

 

俺は杉田艦長に敬礼し、ミーナさんに芳佳を呼んで来て欲しいと言われ、部屋を退出した。

 

 

 

 

 

「芳佳〜。ミーナ中佐が読んでたぞ」

 

いつの間にか敬語を付けなく無くなった芳佳を呼び出す。芳佳は洗濯物を干していたようだ。丁度見えている空母赤城の事を話していたようだ。

 

「うん、分かった〜!リーネちゃん行ってくるね!」

 

「行ってらっしゃい、芳佳ちゃん」

 

芳佳はタッタッタと走って行った。俺はリーネさんに向き直った。

 

「手伝おうか?」

 

「いえ、もう終わったので大丈夫ですよ」

 

俺は「そう」と、言い海を見た。

 

「思い出すなぁ。あの苦しい日のこと。でも凄く良かったと思える日のことを…」

 

「え?」

 

「いや、気にしないでくれ。それより芳佳のところに行かなくてもいいのか?」

 

「え?あ、そうですね。じゃあ私はこれで!」

 

少し遅い出発で芳佳を追いかけていくリーネさん。俺は海を見ながら昔を思い出していた。

 

 

 

 

 

 

少し前の話。俺がまだこのブリタニアに来る前の話だ。そろそろネウロイ達が占領している場所から逃げ出せる、と息巻いていたところ。パ・ド・カレーの基地が見えてきた。残弾も残り少なくなってきたので、物資を漁ろうとしていた時だ。物音がした。その方向に向かって叫ぶ。

 

「誰かいるのか!」

 

その音は一度大きくなり。ゆっくりとこちらの方に近づいてくる。そして現れたのは整備服を着た1人の青年だった。

 

「君は?」

 

「あ、俺は月影流斬。貴方は?」

 

「僕はクルト・フラッハフェルト。クルトって呼んでくれ」

 

「他の人はいるんですか?」

 

「うん、僕以外に3人。ついてきてくれ」

 

クルトさんと一緒に歩き出す。着いたところは基地の地下だった。ここはギリギリ崩落しなかったようだ。

 

「クルト。外はどうだっ……おい!俺らの他にも生存者がいたのか!」

 

他の2人もおお!と驚いた表情をしている。だが俺はそこではなく彼らの姿に目がいった。服はボロボロで所々から血が出た後があり、腕や脚。服の破れている内側にも包帯が見えている。

俺も多少負傷しているが、彼らほどでは無かった。やはり魔法力の恩恵があるんだろう。

 

「月影流斬と言います。突然ですいません。ここにM10っていうハンドガンの弾はありませんか?そろそろ底をつきそうなんです」

 

「ああ、38スペシャルだな?こっちも在庫が少ないが多少はあるぞ。約50ってところだ。これがどうかしたのか?」

 

「ええ、ここまでM10でネウロイを倒していたので。そろそろ無くなるんですよ。この弾を手に入れたら、水と食料を持ってブリタニアに脱出しましょう。俺は男ですが魔法力があります。それに固有魔法は『浮遊』です。この名前は自分でつけただけですが」

 

「脱出ったって、どうやって向こう岸まで行くんだ?」

 

「ボートかそれに代わるものってありませんか?」

 

「確か救命ボートがあったはずだよ。…成る程。これに僕らが乗って流斬が魔法で飛んで押すのかい?これだと君にしか負担がないけど、大丈夫なのかい?」

 

クルトさんが心配そうに顔をこちらに向ける。

 

「俺は大丈夫ですよ。さあ、早く準備しましょう。ネウロイに見つかると厄介です」

 

クルトさんを含めた4人は「おお!」と言って、準備に取り掛かった。俺は弾薬の装填。銃のチェックを行い問題がないか調べた。特に問題はなかったが。弾の残りは貰った54発含めて合計81発。この弾が尽きるまでに対岸に渡りたい。ネウロイが出なければそれは運が良かったと考えればいい話だ。

 

 

 

「じゃあ行きますよ!」

 

クルトさん達4人を乗せた救命ボートを飛びながら押していく。乗っている4人は見張り役だ。

ブリタニアは肉眼で認識できるほど近いのでネウロイとの戦闘は無かった。

 

あの4人は身体の問題が無ければ少しの療養期間を経てまた整備士の仕事に戻るそうだ。俺はクルトさんからこの501部隊を聞いた。クルトさんは501部隊を看護師の人から聞いたらしい。身体の傷が癒えれば501の整備士に志願するそうだ。

 

 

 

 

 

 

……あれからまだそんなに経っていないがあの4人は元気だろうか?俺は早くあの人達に会いたいと思う。だが、今は戦闘が多く無理だ。クルトさんは501に志願すると言っていたがどうなったのだろうか?

 

「おーい、月影〜?お前宛に手紙だってさ」

 

「ん?ありがとうございます」

 

手紙を渡しに来たシャーリーさんとルッキーニちゃん…と何故かご機嫌なウィーラー。

 

「ウィーラー。なんかいいことでもあったのか?」

 

「ああ、聞いてくれ流斬。シャーリーが作ったフライドチキン。少し味付けが違うが、昔食べた事のあるフライドチキンと良く似ていたんだ。俺はあの味が忘れられなかったがまさかここで似ている味付けに出会うとは…」

 

なぜか深く頷きながら語っているウィーラー。シャーリーさんも作った甲斐があるだろう。シャーリーさんも少しご機嫌なようだ。

 

「私はママの作ったご飯の方が好きだな〜。シャーリーが作ったのも美味しいんだけど一番はママの料理だね!」

 

「そうなのか。ルッキーニちゃんがそんなに言うなら俺も食べてみたいなぁ」

 

その土地の郷土料理なのだろうか?そういうのは少し興味がある。まあ興味があるが、そういうのを調べたことはない。

 

「じゃあ今度一緒にママの料理食べよう!絶対美味しいって言うよ!」

 

「ははは、楽しみにしておくよ。シャーリーさん手紙ありがとう」

 

シャーリーさんは「おう!」と言って歩いて行った。ウィーラーが「また今度作ってくれ」と言っている。そんなに美味しいのだろうか?今度俺も貰おうかな?

 

「さて、誰からかな?名前は………!!」

 

差出人は俺と一緒にここに脱出した、あの人からだった。

 




エーリカは頑張り屋さんです。表ではやってない風を装いますが、裏では努力する子なんです。(というイメージがアニメ放送時から自分の中にはありました)そういう女の子って可愛いと思いませんか?思わない?そうですか…。

ミーナさんあの人が帰ってくるね!やったぜ!

クルトさん以外の3人は名前考えてないです。今後登場する予定もないので。


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16話

昨日に書き上げたかった……!!
なんやかんや2年も経ってしまった。ほんと自分の投稿スピードの遅さには驚きです。
これから多めに時間は取る予定ですが、やはり遅いと思います。せめて月一投稿したいなぁ。

はい、今回の話。あまりにも制作時間が短く、話の内容が結構適当になってしまっています。
「これおかしくね?」と思うところがありましたら。ご指摘くれると嬉しいです。


今日は出撃日の予定である。この頃予報が当たっていないが今回はどうなるのだろうか。まだ警報がなっていないので、俺は部屋にいる。昨日の手紙を改めて確認していたのだ。

手紙の内容は整備員の補充、そして今日の夜にハンガーに到着するので案内をして欲しいという事だ。差出人は『クルト・フラッハフェルト』あの日一緒にブリタニア脱出してきた人だ。ミーナさんの恋人だそうだが、今回の話はミーナさんには知らされていない。この部隊の中で俺だけが知っている事だ。ミーナさんや他には整備員が1人来るとしか知られていないだろう。

 

「さてとりあえずは今日の出撃に備えないとな…」

 

愛銃であるハンドガンM10を点検をしていると警報が鳴った。俺はすぐにブリーフィングルームに向かった。

 

 

 

 

 

「ガリアから敵が進行中です」

 

「今回は珍しく予測が当たったな」

 

最近は予測とのズレが大きく、今回のように当たったのは久しぶりだった。

 

「高度は15000。進路はこの基地を目標に真っ直ぐきているわ」

 

「今回の搭乗割はバルクホルンとハルトマン、月影とウィーラーが前衛。ペリーヌとリーネが後衛。宮藤は私とミーナの直掩。シャーリーとルッキーニ、エイラとサーニャは基地待機だ」

 

坂本さんが今回の搭乗割説明する。ウィーラーと初めての共闘だ。足を引っ張るような真似はしないようにしないとな。

 

「流斬君、頑張ってね」

 

振り返るとサーニャとエイラがこちらに来ていた。サーニャは眠そうにクッションを抱きながら。エイラはそんなサーニャを支えている。

 

「ああ、頑張るよ」

 

サーニャの髪を優しく撫でながらエイラに声をかけた。

 

「じゃあ行ってくるよ」

 

「ああ、怪我するんじゃないぞ?」

 

「分かってるさ。もう2人には心配をかけないよ」

 

俺はそれだけ言うとハンガーに走って行った。

 

 

 

 

 

「敵発見!サイズは300メートル級だ」

 

「フォーメーションは何時ものね」

 

「そうだな。よし、突撃!」

 

各自ネウロイに突撃していく。俺はウィーラー大尉の後ろに入っている。

ウィーラーの使っているストライカーユニットはXP-80というユニット。しかしこれはレシプロではなくジェットストライカーなのだ。他の人とはスピードが違うが、そのあたりはもうマスターしているようだ。ジェットストライカーはGの掛かり方も凄いためウィーラーは耐Gスーツを身にまとっている。ちなみにXP-80のXとは試作品の意味らしい。

前衛4人がネウロイに向けて照準を合わせ撃とうとした所でネウロイに異変が起こった。

 

「分裂した!?」

 

前衛や後衛は驚いているがミーナ中佐は冷静に固有魔法を使っていた。

 

「右下方80、中央100、左30、ね」

 

「総勢210機分か、勲章の大盤振る舞いになるな。ミーナどうする?」

 

「貴方はコアを探して。バルクホルン隊中央。ペリーヌ隊左を迎撃。ウィーラー隊は右をお願い」

 

「「了解!」」

 

 

 

 

 

「80か…多いな」

 

「ですがやるしかないでしょうね!」

 

トンプソンM1A1を握りしめているウィーラー大尉が横にいる。サブにM1911A1というハンドガンを2丁持っている。更にロケット弾ポットがある。今回は持ってきていないが他にも、M2ブローニングとM9バズーカ砲がある。

………この人もある意味人外のようだ。

 

さて戦闘に戻ろう。今回の敵は80。一つ一つはかなり弱いが、数が多すぎる。さて有効な手段は……そうだなこれが良いか。

 

「大尉。ロケットポットを準備してくれますか?」

 

「良い案でも浮かんだか、少尉?」

 

「ええ、俺が『疾風』で大気を操り、ある程度の数を集めます。そこにぶち込んでください」

 

「面白そうだな。それじゃあそれでいこう。頼んだぞ!」

 

ウィーラー大尉はそう言うとネウロイを狙いトンプソンM1A1をネウロイに向けて撃っていく。俺の準備が終わるまで敵を引きつけてくれているようだ。

 

集中する。自分より少し離れた所を中心点としそこにネウロイ達が集まるように強風を呼び起こす。しかし此処でやると、他の場所で戦ってる人達も巻き込んでしまう可能性があるので、高度を下げ少し離れたところに中心地を設定する。ここにネウロイを集める為に、下降気流を作り高度を下げさせ、強風で一点にまとめる。………これ、魔法力足りるかな?とりあえずやってみよう。

 

少しずつネウロイの高度が下がり一点に集められていく。正直かなりの強風だ。てか暴風だ。台風と同じくらい危ないかもしれない。さて今は8割方集められている。

 

「大尉!そろそろお願いします!」

 

『ああ!任された!』

 

少し上方からロケットが何発も飛んでいきネウロイを吹き飛ばす。俺の作り出した風によってロケットはネウロイに吸い寄せられるように飛んで行ったのだ。そこにいたネウロイは全部倒せたみたいだ。

 

『よっしゃぁ!!どうだザマァ見ろ!』

 

大尉の気分も上がったし今回は大成功のようだ。

 

「さて後は残った敵の掃討だな」

 

『各隊員に通達。敵コアを発見。私と坂本少佐、宮藤さんで叩くから他を寄せ付けないで!』

 

『『了解!』』

 

さて、後はすぐだな。残った敵を倒すだけだ。

 

あの後はすぐに戦闘が終わった。しかもコアを破壊したのは芳佳だそうだ。

この戦闘の後ミーナ中佐がパ・ド・カレーに降りたが、坂本少佐が付き添い後は基地に戻った。

 

 

 

 

 

この後芳佳とリーネ、坂本さんが赤城を見送りしたり、ミーナさんの美声が聞けたりと良い時間が過ぎた。そして俺は今ハンガーに来ている。

 

「ようこそ。501統合戦闘航空団へ、クルトさん」

 

「久しぶりだね、月影君」

 

そこに降り立ったのは一緒にブリタニアに脱出した、クルトさんだった。

 

「では隊長の所に案内します。……病院に行ったんですよね?何か病気とかありましたか?」

 

「いや、特にそんなことは無かったよ。ただ軽度の栄養失調になっていたくらいだ。あそこでそれなりの時間を過ごしていたのに軽いもので良かったよ」

 

近況を報告しあい、少しの雑談を交えて執務室に来た。

 

「どうしてだろう。不思議と緊張するね」

 

「会いたい人に会えるんですから、そう思うのは当たり前だと思いますよ。では開けますね」

 

三回ノックをして確認する。

 

「ミーナ中佐、月影です。整備員の補充の報告と案内をしに来ました。今大丈夫ですか?」

 

「…ええ、大丈夫よ。入って」

 

なんだろうか。少し声が暗いな。大丈夫だろうか。

 

「失礼します」

 

ドアを開けると坂本さんと一緒にミーナさんがいた。まだクルトさんは入っていない。

 

「お取込み中なら後にしますけど?」

 

「いえ、良いの。私も少し考えていただけだから」

 

「それで、月影。新しい整備員はどうしたんだ?」

 

「そうですね。入ってきてください。……クルトさん」

 

「え?」

 

ミーナさんは入ってきた人物を疑うように見ている。それはそうだろう。亡くなっていると思っていた人は今目の前にいるのだから。

 

「本日より、501統合戦闘航空団の整備員に配属となりました、クルト・フラッハフェルトです。宜しくお願いします」

 

ミーナさんに対して敬礼をするクルトさん。坂本さんも驚いているようだ。

 

「クルトさんとは面識がありまして、今回の案内を頼まれたんですよ」

 

「……クルト。貴方なのね?」

 

「ああ、ミーナ。その服着てくれたんだね。綺麗だよ」

 

「うぅ…うわあああぁぁぁぁああ!!」

 

「心配をかけてごめん、ミーナ」

 

クルトさんに抱きつきながら泣いているミーナさん。余程嬉しかったのだろう。俺は坂本さんと一緒に部屋から静かに出た。

 

「俺のサプライズ。喜んでくれたでしょうか?」

 

「あいつは喜んでいると思うよ」

 

扉の向こうで抱き合っているであろう2人を思いながら俺たちは言葉をかわす。

 

「今はそっとしておいてやろう。私もまだ頑張らなければならないな」

 

「………少佐。魔眼を使ってもらえませんか?」

 

「どうしたいきなり?」

 

「いえ、一つ確認したいことがありまして」

 

坂本さんは訝しげながらも魔眼を発動した。俺は固有魔法ではなく、魔法力を見た。固有魔法を見るための俺の固有魔法だが、別に魔法関連なら見れるようだ。

 

「もう大丈夫ですよ。………少佐貴女はもう魔法力が残っていないんですね」

 

「………………」

 

「辛うじて飛ぶだけの力はあるがもうシールドは意味ないでしょう。仲間を悲しませたくないなら、もう飛ばないほうが良いでしょうね」

 

「いつから気づいたんだ?」

 

「今日の戦闘中です。貴女の魔法力は他の人達と比べると弱いんです。それが最近顕著になってきたので確かめました。俺の固有魔法の副産物か分からないですが、魔法力を使っている人の魔力の量がなんとなくですがわかるんです。やはり、年には逆らえないんですね…」

 

「そのようだな。それで?お前もミーナのように飛ぶ事を止めさせるのか?」

 

「本当はその気持ちが大きいです。やはり仲間ですしね。でも坂本さん。貴女は何かの思いがあって飛んでいるんじゃないんですか?惰性ならもう飛んではいないでしょうし」

 

「そうだ。私は宮藤がみんなの後ろではなく、みんなの前で飛んでいる姿を見たいんだよ。それまでは、飛ぶつもりだ」

 

この人の信念は強い。俺が何を言おうとこの人の信念は変わらない。

 

「俺は止めません。ですが、他の子達を悲しませないように。というお願いだけしておきます。どうかよろしくおねがいします」

 

俺は腰を折り礼をした後、その場を去った。




本当に適当だったと思います。
今後の話をどうやって絡ませれば良いか本当に悩んでいます。自分の足りない頭では浮かんでこなくなっています。
まあ、頑張りますけどね。

そして1期分終わってからの今後のこと。
ブレイブウィッチーズの方なんですけどやってほしいか、そのまま2期の方に行くか、どっちのほうが良いんですかね?ちなみに自分はニパとエイラーニャ、流斬の絡みがやりたいだけです。オーロラの魔女買ったので、エイラを昔話のネタで辱めたいだけです。あの時のエイラ可愛かった。
この事は活動報告でアンケートをとるのでどうかよろしくおねがいします。一つも意見が来ない場合は、うーんどうしようか。まあ、その時考えます。期限は5月末です。31日の22時までとします。

ではまた!


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17話

まだ6月だから月一投稿だな
はい、もう少し早めに頑張ります。


 

俺たちは今車に乗ってロンドンに向かっている。乗っているのは俺含めて三人。

俺こと月影流斬。エーリカ・ハルトマン。そしてゲルトルート・バルクホルンさんの三人だ。どうしてこのメンバーなのかというと、説明するには夜明け前まで遡る。

 

 

 

早朝。俺が起きてベットを整えていた時、バルクホルンさんが血相を変えて扉を開けてきたのだ。

 

「月影!いるか!?」

 

「え、ええ。いますよ?」

 

と言うかこんな朝早くから、と言うか夜遅く?から部屋に居ないのはサーニャくらいなものではないだろうか?

 

「クリスが!クリスが目覚めたんだ!!一緒に来てくれ!」

 

「!!おめでとうございます!……でもなんで俺が?」

 

「カールスラントから逃げ出す際に月影はクリスを逃してくれたんだろう?ならクリスに紹介しなければな」

 

なるほど。俺がクリスちゃんを助けた後、すぐに他の人を助けに行ったしな。そのせいで俺は自力でカールスラントから脱出し、ブリタニアに渡る羽目になったのだがクルトさん達も助けられたし俺の選択は間違っていなかったと思いたい。

しかし覚えていてくれているのだろうか?あのネウロイに焼け野原にされた光景なんて俺でもあまり思い出したく無い。とりあえず行ってみるか。

 

「分かりました。俺とバルクホルンさんだけで行くんですか?」

 

「後はエーリカだな。あいつには車を運転してもらわねば」

 

「じゃあハルトマンさんの部屋に行きましょうか」

 

 

 

少年少女移動中……

 

 

 

「エーリカ!入るぞ!」

 

バルクホルンさんが許可なく部屋に入る。流石に無断で入るのはどうなんでしょうか?そして部屋を開けるとバルクホルンさんが固まった。呼びかけると、見てみろ、と言われバルクホルンさんは部屋の中に入る。

 

「…………」

 

部屋が綺麗だ。ここ本当にエーリカの部屋だよな?整理整頓されている部屋の主はそこでスヤスヤと寝息を立てている。

 

「エーリカ……ついに整理整頓が出来るように………!!うっ…うう……!」

 

なんかバルクホルンさんが涙している。早く行きたいのでは無いのだろうか。まあ、気持ちは分かるが。

 

「う……ううん?あれ?トゥルーデ、それに流斬も。何してるの?」

 

この部屋の主であるエーリカは目を擦りながら眠そうに起きてきた。バルクホルンさんはエーリカの元に歩いて行った。

 

「エーリカ。お前もついにカールスラント軍人としての自覚が出てきたんだな……!」

 

「あー…。うん、そうだよ?頑張ったでしょ?」

 

「本当によくあの汚部屋からここまで持ってきたな。凄いと思うぞ。凄い重労働だったろ?」

 

「まあね。でも頑張ったよ!」

 

溢れんばかりの笑顔でピースをしている。俺はエーリカに近づいて頭を撫でてやった。

 

「………えへへ」

 

なんかにへらってなってるが俺らの目的を忘れていた。エーリカから手を離し車を運転してもらえないか頼む。

 

「運転?いいよ、どこに何しに行くの?」

 

「ロンドンだ。妹のクリスが意識を回復したんだ。運転頼むよ」

 

バルクホルンさんが説明すると、すぐに用意するからハンガーで待ってて欲しいと言われたのでハンガーで待機するとこ約5分。

 

「それじゃあ行こっか?」

 

エーリカが到着してからすぐに車に乗り込み、出発した。

 

俺が運転すればいいって?俺まだ免許持ってないんだよ。最近整備の人達に教えてもらってるところだ。危なくて二人を乗せた状態で運転できないよ。

 

 

 

 

 

病院に着きクリスちゃんの病室を聞いて足早に歩くバルクホルンさん。そして病室に入るなり大声でクリスちゃんの名前を叫んだ。

 

「病室ですよ!お静かに!」

 

看護師さんに怒られてしまった。まあ、当たり前なんだが。

病室に入り、ベッドの上にいる人物は確かに俺がカールスラントが焼け野原になる時に助けた女の子だった。クリスちゃんはバルクホルンさんと談笑している。やっと目覚めた家族なのだ。今はゆっくりと話がしたいだろう。

ある程度話すとバルクホルンさんが俺の名前を呼んだ。

 

「はい?なんですか?」

 

バルクホルンさんとクリスちゃんの元へ歩く。するとバルクホルンさんが俺を紹介した。

 

「クリス、この人が月影流斬だ。…覚えてるか?」

 

「うん、覚えてるよ。月影さん、あの時助けてくれてありがとうございます。本当に感謝してます」

 

クリスちゃんは深々とお礼を言った。姉がいればこの妹ありだ。しっかりとしている。

 

「でもトゥルーデったらこの前まで無茶してたよ?よく突っ込んでたし」

 

「え、エーリカ!今日は見舞いに来たんだぞ!そういう話は…!」

 

「だってほんとじゃん」

 

「お姉ちゃん……」

 

「ないないない!!私はいたって冷静だ!!」

 

バルクホルンさんは全力で否定している。でもバルクホルンさんって宮藤が来てから少し焦った感じと言えばいいのかな?少しなくなった感じがする。と俺が言ってもあんまり関わりないので仕方ないが。今もエーリカが宮藤が来てから丸くなったとクリスちゃんに教えている。

 

「宮藤はお前によく似ているよ。いい友達になれると思う。……あ、似ていると言ってもお前の方が断然可愛いからな?」

 

「………姉バカだねぇ」

 

なにも言うまい。

 

 

 

 

 

病院から出てきた俺たちは車の前で佇んでいた。

 

「ミーナ宛に手紙?」

 

「これは怪しいね。ちょっと読んでみようよ」

 

「確かに差出人ないから怪しさ倍増だしな。俺も読んでみたいです。どうしますバルクホルンさん?」

 

「確かに怪しい。ミーナには悪いが読ませてもらおう」

 

そう言ってバルクホルンさんは手紙を開ける。

 

【深入りは禁物。これ以上知りすぎるな】

 

この一文が手紙にある。知りすぎるな?何のことだ?

 

「これはミーナに直接聞いてみるしかないな」

 

俺たちは車に乗り込んで基地に戻った、

 

 

 

 

 

基地に戻り。普段ミーナ中佐がいる執務室へ向かい、ノックをして入る。

 

「ミーナ。ミーナ宛に手紙があった。【深入りは禁物。これ以上知りすぎるな】これはどういうことだ?」

 

「興味あるね」

 

エーリカもそれに同調する。

 

「分からないわ。私達はネウロイについて調べていただけだし。それに私たちを快く思わない人達はたくさんいるしね」

 

「だがこんな品のない真似をするのはあいつしかいないだろう。トレヴァー・マロニー。空軍大将だ」

 

 

 

 

 

ミーナさんと坂本さんに尋ねたあと、俺は自室に戻りハンドガンの整備をしていた。すると突然警報が鳴った。インカムから坂本さんの声が聞こえる。

 

『月影、今すぐハンガーに集合だ』

 

「分かりました」

 

俺はさっさとハンドガンをホルスターに戻しハンガーに走った。

 

 

 

 

 

ハンガーに着くと出撃メンバーが集まってストライカーユニットを履いて空に飛んでいるところだった。そしてその中には坂本さんの姿もある。

 

(無理をしなければ良いんだが…)

 

俺はそう祈るしかなかった。本人の意思で飛んでいるのだからあまり他人が口を出して良いものではない。もしもの時にフォローしよう。

今回の出撃メンバーの中にウィーラー、サーニャ、エイラがいなかったのであの三人は待機だろう。

 

空に飛び出し先に飛んでいた人達と合流して進んでいくと、少し先にペリーヌさんが待っていた。

 

「少佐!あの、宮藤さんが命令を聞かずに先行してしまいまして…」

 

「なに!先を急ぐぞ!」

 

みんなが「了解」と返事をするとそれぞれ速度を上げていく。

 

ある程度進むと坂本さんの魔眼が芳佳を視認したらしい。更に、

 

「宮藤の他にもウィッチ?…あれはネウロイか!!」

 

そう言って坂本さんがいきなり速度を上げて突っ込んでいく。

 

(不味い!この状態で坂本さんに攻撃が来たら…!!)

 

俺も坂本さんの後を追い速度を上げる。周りの人は驚いているが、今はそんな事を気にしている場合ではない。ネウロイに向けて撃つと反撃が返ってくる。向こうもただではやられたくない。

ネウロイがビームを放ち坂本さんがシールドを張る。しかしビームは難なくシールドを貫通し、坂本さんに直撃する。その内の一発が機関銃に当たりそうになる。

 

(これ以上被害を出すわけにはいかない!)

 

俺はカールスラントから逃げ出す際にずっと持っていた大型のナイフを取り出し機関銃に付いている紐を切り銃を左手で掴む。

それと同時にビームが当たってしまう。坂本さんから引き離した。そして、投げようとした所で爆発してしまった。

 

「クソッ!!」

 

左手から爆発音が聞こえ正面からは痛みによる悲鳴が聞こえる。落ちていく坂本さん。血だらけの俺の左手。至近距離で爆音を聞き、左手にダメージを負った俺は意識を手放した。




クオリティが下がってきている気がする。
もし思う所があれば感想でお願いします、


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18話

なんやかんやでできてしまったぞ。
どうもきゅうじょうです!

「あっ!月一投稿してる!」って驚いているだろう。
自分が一番驚いてる。

今回は心配される流斬君とウィーラーさんの過去のお話。
ウィーラーさんの過去、白石442さんの物語より本当に少しだけ設定が付け加えられています。
…怒られないか不安だぜ!

ではどうぞ!


18話

 

何時間眠っていたのだろうか。何度か寝ていた医務室のベッド。隣のベッドには坂本さんが寝ている。まだ治療が済んでいないのか芳佳が汗を流しながら寝ている。

左腕を軽く動かしてみる。

 

「いっつ…」

 

肘まで包帯で巻かれた左腕はまだ動かせるが、やはり痛みがなくなるまでは治っていないようだ。強く握ると血が出てきそうだ。

隣で音が聞こえたのでそっちを見ていると、芳佳が顔を上げて治癒魔法を使っていた。

本能が必要な情報と感じたからか、自分の思いとは関係なく治癒魔法を解析し始める。ある程度するとまた芳佳が倒れてしまった。

俺は起き上がり坂本さんの近くによると治癒魔法をかける。一点集中で魔法をかけると少しは傷が塞がる。だがやはり覚えたてしかも病み上がりなのでほとんど治らない。中途半端に治してしまうと、余計に苦しむだけなので残念だがここで終わる。俺は医務室から出た。

 

医務室から出ると椅子に座っているのが何人かいた。一人はミーナ中佐。前々から坂本さんの魔法力の低下に気づいていただろう人。そしてペリーヌさん。坂本少佐に特別な感情を抱いているであろうその人はずっとこの椅子に座っていたのかここで眠っている。そしてエイラとサーニャ。この二人は俺が怪我をすると毎回心配してくれている。本当に良い人を仲間に持ったものだ。今回はエーリカも横にいる。この三人もペリーヌさんと同じように寝ている。

 

「月影君。左腕はまだ動くかしら?」

 

「ええ、まだ痛みはありますが動きます」

 

「そう。坂本少佐はやっぱり…」

 

「…はい。年齢による魔法力の低下でしょうね。俺がフォローに回ろうと思っていたのですが、力不足だったようです。申し訳ありません」

 

俺は深々と頭をさげる。

 

「ううん、月影君が謝ることじゃないわ。貴方は良くやってくれたもの。私こそごめんなさい」

 

「それも貴方が謝ることじゃないですよ。とりあえず俺は三人を部屋まで運びます。ではまた後で」

 

俺はサーニャとエイラ、エーリカを一人づつ部屋に運んでいく。そして俺はサーニャ達の部屋から出るときに「心配してくれてありがとう」と書き置きして自分の部屋に戻った。

 

部屋に戻った俺は治癒魔法で少しずつ左腕を治していく。ある程度治り左腕をきつく握る。

 

「いって…。やっぱりそこまで治ってはいないか」

 

だが医務室で試した時よりもかなりマシだった。これならM10を両手持ちしても大丈夫だろう。

 

コンコン

 

「はい、どうぞ」

 

「流斬君?」

 

「サーニャ?どう……うおっ!どうした!?」

 

サーニャが抱きついてきた。分かっていたがまた心配させてしまったようだ。本当に申し訳ない。驚いて硬直していたがゆっくりとサーニャを抱き寄せて優しく撫でる。

 

「また心配させちゃったな、ごめん。結果論だけど俺は大丈夫だ」

 

「…流斬君が帰ってきた時、血だらけで帰ってきてびっくりした。また無茶したんだって、前の時みたいに意識を失ってて。でもちゃんと帰って来てくれた。私はそれだけで嬉しい…」

 

「…エイラに心配させないって約束したんだけど、破っちゃったな。また、謝りに行かないと」

 

「エイラもきっと許してくれるわ」

 

ゆっくりと顔を上げて微笑むサーニャ。

その笑顔にドキッとしたのは本人には黙っておこう。

 

「でも、私とも約束。流斬君は無茶するだろうけど。ちゃんと帰って来てね…?」

 

「…ああ、約束する」

 

サーニャは何故か周囲を見渡し始めた。ここ俺の部屋だから他に誰もいないんだけど。そして俺を見た。

 

「約束、だよ?」

 

その言葉の後サーニャが近づいてきてそのままキスをされた。

エーリカにされた時のように魔導針の使い方がより複雑に鮮明に分かるようになる。

そしてサーニャの唇が離れる。彼女の顔は赤く火照っていた。恥ずかしそうに足早にこの部屋を出て行った。

あのサーニャが大胆な行動に出たのが驚きだ。

 

「…流行り?」

 

んな訳ないだろうよ、俺。

俺は何を言っているんだろうか。

ちなみにエイラとエーリカはキスはしてこなかったが、めちゃくちゃ心配されていた。申し訳ない気持ちと嬉しい気持ちが同時に込み上げてきた。他の人からも大丈夫?など聞かれた。良い仲間を持ったなぁ。

 

 

 

 

 

サーニャの大胆な行動の次の日。坂本さんが目覚めた。その後、芳佳の処罰の決定。独断先行。その結果上官が負傷で1週間の自室待機だった。なんか、軽いな。もう少し重くなると思っていた。その時芳佳は何かを言おうとしていたそうだが、ミーナさんに遮られてしまったので何を言おうとしていたかは分かっていない。

 

ウィッチーズ隊の女性メンバーはお風呂に入っているので、俺とウィーラーは食堂でコーラを飲んでいた。

 

「ウィーラー完全にコーラにハマってるな」

 

「シャーリーと会話する時はよく貰うんだ。そのせいかコーラが手放せなくなったよ。……流斬が怪我をした時は何事かと思ったが、とりあえず帰ってきて良かったよ」

 

「心配してくれてありがとうな。だが、今の問題は芳佳だ。あいつ下手な事をしなければいいんだが」

 

「人型のネウロイだったか。宮藤はそのネウロイに攻撃しなかったんだよな。……何か情報を得たのか、それとも人型だから撃てなかったのか。本人にしか分からんな」

 

今はその本人も自室にいないだろうけどな。多分風呂に入ってるし。

 

「ふと思ったんだが、流斬の両親は?」

 

「ああ、亡くなってるよ。母さんはネウロイの襲撃の時に俺を逃して。父さんは研究者で研究所にいたんだ。そこも襲撃されて亡くなったらしい。俺もハッキリとしたことは分からん。俺も自力でこっちに渡ってきたからな。しばらくあっちにいたし」

 

「そうか。すまないな」

 

「気にするな。お前の親はどうなんだ?辛かったら話さなくてもいいぜ」

 

「いや……どうせなら語ろうか。俺はリベリオンのスラム街に住んでたんだ。親父はマフィアに所属していたんだ。ある日出て行ったまま、帰ってこなくなったよ。母さんは親父が出て行く少し前から薬をやっててな。親父が出て行った後くらいからその頻度も多くなって、そのまま中毒死だ。正直俺自身よく覚えてないよ。ただ、この二つに関連する事…薬と殺人は絶対にしないって決めてたよ。

よく覚えてないまま気づけばストリートチルドレンになってたな。…この前、シャーリーにフライドチキン作ってもらった話したろ?あの時に言った『昔食べた味』って言うのはこの時によく万引きして食べてたやつなんだよ」

 

俺は静かに黙って聞く。

 

「ある日コーヒーショップに行ったんだよ。強盗するためだ、当時の俺らにはそれしか無かったからな。その日運悪く警察に見つかってな。更に銃で撃たれたよ。それで捕まって警察に言われたのが『このまま刑務所に入るか、犯罪経歴をチャラにして軍に入って最前線で戦うか』ってな」

 

「それで軍に入ったのか。その時から魔法力があったのか?」

 

「いや、その時は無かった。だけどすぐに頷いたよ。俺の誕生日はリベリオンの独立記念日なんだ。それだけが理由って訳じゃないけど、当時から人一倍愛国心はあったつもりだからな。軍の生活も当時は楽しかったよ。訓練はかなりキツかったけど、ストリートチルドレンの時よりも快適だったからな」

 

ここまで言い終わって急にウィーラーの顔に陰が差した。

 

「ある日部隊長にまでなって303高地っていうところで戦ったことがあるんだ。これまで一緒に戦った戦友。いや、もう兄弟って言っても過言じゃないと思うよ。あの日に一気に消えたんだ。俺を一人残して。皆消えちまった…。兄弟は死ぬ間際に笑顔で俺に『生きてくれ』って言うんだ…。出撃する前に『死ぬ時は小隊全員一緒だ』っていたのによぉ…」

 

ウィーラーは涙を流しながら語る。当時の辛い思い出を無理に笑顔を作りながら。

 

「……兄弟(アイツら)から『生きてくれ』って言われたんだ。だから……!だから俺は死ねない!俺が生きているのは兄弟の証だからだ!」

 

「ああ、そうだな。俺もお前が死ぬのは見たくない。だが俺たちは軍人だ。当然危険な事もあるだろう」

 

そう言って俺は立ち上がる。

 

「だけど約束しよう。俺は瀕死になった状態でも、這いつくばってでも帰ってきてやる」

 

いきなりの行動に少し驚いているウィーラーを見ながら手を差し出して言う。

 

「だから、お前も死ぬなよ。『ブラザー』」

 

「クッ……ハ、ハハハハ!」

 

ウィーラーは笑いながら立ち上がった。

やはり臭いことを言いすぎただろうか?

 

「カールスラント住まいの扶桑人が無理してリベリオン語を使おうとしてんじゃねぇよ。…俺は死なない。死にかけでも舞い戻ってやる。

約束。破んじゃねぇぞ?『brother』」

 

ウィーラーは俺の手をしっかりと掴んで約束してくれた。

 

…やっぱりあいつの方が発音いいなぁ。




ウィーラーさんの過去が全て語られていないという事実。魔法をどうやって手に入れたとか言ってないもんね。次の話で言ってもいいんだけど、どうしようか。
まあ、今後どうしようかまだ悩んでるからいいか。

とりあえずサーニャ可愛い。結婚しよ。

ではまた次回!


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19話

いや、本当に遅れて申し訳ないです。ごめんなさい。
それと今回、時間が空いていたので文章おかしいかもしれないです。

あ、最近自己満足のオリジナル書いてるんですけど、ヒロインが何回書き直してもサーニャになっちゃうんですよね。俺サーニャの事好きすぎるだろ。

アンケートの結果はどっちも同じだったので、今回は2番でブレイブに行かずにそのまま2期に行きたいと思います。アンケートに協力してくださった人、ありがとうございます。
ブレイブはまた今度別に書くかも?それは作者の気分次第である。


19話

 

「なに、宮藤が脱走!?」

 

芳佳が禁固刑をもらってからその夜に脱走した。刑罰が与えられてからすぐに行動とは軍人には考えられないだろう。まあ、俺も軍人じゃないが。

 

「これが上層部に知られたらマズイわ…!」

 

これが知れ渡ったら501部隊の尊厳に関わる話だ。下手したら存続の危険がある。ミーナさんが声を上げてから直ぐに電話が鳴り響く。直ぐにミーナさんが取り、少し経って電話を置いた。

 

「宮藤さんに撃墜命令が出たわ」

 

なに?幾ら何でも早すぎないか?俺たちだって知ったのはこの部屋に来てからなんだ。情報をリークしていた人物がいる?この早い段階でリークできる人。真っ先に思い浮かぶのは見張りの人だ。しかし俺がそれを考えてもどうしようもない。今必要なのは芳佳の安全を確保する事だろう。俺たちはハンガーへと走った。

 

 

 

 

 

今回の出撃メンバーはミーナさん、バルクホルンさん、エーリカ、シャーリー、ルッキーニちゃん、俺だ。ウィーラーも入ると思っていたが、今回は残るようだ。

メンバー全員が、かなりの速度を出している。みんな芳佳のことを心配している。この心配が安心に変わることを祈りながら俺たちは飛んでいる。

 

「いた!一緒にいるよ」

 

エーリカが指差す方向を見るとあの時の黒いウィッチのようなネウロイを見つけた。ビームの威力もかなり強い。

 

「正直相手はしたくないがやるしかないか…!」

 

「待って!様子を見ましょう」

 

俺が銃を構えるとミーナさんに止められる。そしてそのまま黒い雲のような物体。ネウロイの巣に入って行った。しばらく経っても出てこない。

 

「やはり罠だったのか!」

 

「いえ、まだ芳佳は無事です。戦闘も行われていないようです」

 

バルクホルンさんが声を荒げるがまだ芳佳は死んでない。無事だ。俺の魔導針にはしっかりと反応がある。それに縦横無尽に飛びまわっていないからな。だが、芳佳とネウロイはかなり近い位置にいる。一体中でなにが……ん?なんだ?なにが高速で迫って来ている!

 

「基地方向から、高速で飛行体が接近中!」

 

「なんですって!?」

 

「ネウロイの巣は目の前なのに!」

 

更に突如として芳佳をネウロイの巣の中まで連れて行ったネウロイが現れた。

 

「こっちも出て来たぞ!」

 

「もー!なんなの一体!」

 

「ブレイク!!」

 

「「「了解!!」」」

 

俺たちが散開したところに何本もビームが通る。後ろの敵も気になるが今は目の前の人型ネウロイをどうにかしないといけない。俺は相手の頭上を取りMG42を構えて撃つ。しかし相手もヒラヒラと余裕そうに避けて、お返しとばかりにビームを放って来た。避けきれないと思いシールドで受けたがこのビーム、細さの割には威力が強い。何度も受けてはいけない。そう思ったところで後ろの敵が到着した。その姿は戦闘機を思うが、突然変形して人型を模した機械となった。

 

「くそ、やっぱり来るまでに倒すなんてことはできなかったか!」

 

だが、俺の想像とは裏腹に謎の機械はネウロイに攻撃して行く。更にその攻撃方法がネウロイのビームだ。

 

(こいつはネウロイなのか!?だけどそれにしては特徴的な色合いが違いすぎる。こいつは一体…)

 

だがその考えは一旦置いてネウロイを倒さなければと俺はネウロイに向けて銃を撃った。今回も軽く躱されるが、躱した先に謎の機械のビームが着弾し、一撃で屠った。そしてそのビームはネウロイの巣を撃ち抜いた。

 

「一撃!?なんて強さだ!!」

 

「ミーナどうする!」

 

ミーナさんは少し考えるような仕草をしている。

 

「ん?うわぁぁあ!芳佳が!!」

 

先ほどのネウロイのビームで崩壊しているネウロイの巣の下の方で芳佳を見つけたルッキーニちゃんが急いで飛んで行く。

 

「シャーリーさん!」

 

「分かってる!宮藤!」

 

ここは最高速度、加速があるシャーリーさんに飛んでもらうしかない。今から行っても俺ではルッキーニちゃんに追いつけないからな。

あの謎の機械はネウロイを消しとばした後に基地方向に飛んで行った。

しばらくすると2人は芳佳を連れて戻って来た。芳佳はネウロイの事を気にするがミーナさんはそれを遮った。

 

「宮藤軍曹、無許可離隊の罪で拘束します!」

 

芳佳は言葉に詰まりながらも何かを伝えようとするがミーナさんは無視して帰投すると伝えて動く。俺たちもそれに従い、芳佳を中央にして進んで行った。

 

 

 

 

 

基地に着くとあの機械がいた。しかし着陸すると同時に兵士に銃を向けられて囲まれてしまう。

 

「まるでクーデターの様ですね、閣下」

 

「私は脱走者を撃墜しろと言ったはずだが…」

 

閣下と呼ばれたその人、トレヴァー・マロニー空軍大将は芳佳を一瞬だけ見て言った。

 

「部下は規律を守らない、その上司は命令を無視する。これでは君達にこの前線基地は託せないな」

 

「あっ!その後ろの」

 

芳佳は謎の機械を見ながら呟いた。

 

「これかね。これは我々が開発した兵器。ウォーロックだ」

 

「私見たんです!この機械が、研究室みたいな所で!」

 

「な、何を言っているんだ!」

 

一瞬慌ていたマロニーだが、後ろの足音を聞き振り返る。

 

「集まった様だな」

 

歩いて来たのは基地に残っていたメンバー。坂本さんは怪我が完治していないので車椅子だが。

 

「現時点をもって、第501戦闘航空団ストライクウィッチーズを解散する!これからはこのウォーロックが代わりとなってネウロイを殲滅する。………君の独断専行のせいなんだよ、宮藤軍曹」

 

「わ、私?

そ、そんなわ、わたし…そんな…つもりじゃ……」

 

「芳佳ちゃん!」

 

芳佳がショックで倒れそうになるのをリーネさんが支える。

 

「各隊員は可及的速やかに各原隊に復帰せよ。以上だ。分かったかね?」

 

「…はい」

 

少し詰まりながら返事を返すミーナさん。そして突然マロニーは俺の方に向いた。

 

「君は確か月影流斬と言ったか。カールスラントから遥々とこの地に避難して来たんだったな」

 

「はい、そうですが」

 

「ならば君は我々の隊に来たまえ。本来は軍人ではないが、祖国のため少しでも早く奪還したいだろう?」

 

「……分かりました。これからはお世話になります」

 

俺は敬礼をしながらそう返す。俺がそう返事を返した時に他のウィッチーズ達から驚きの声が漏れたが、今は仕方ない。この人物の思惑を少しでも探りたかった。それにこのウォーロックと言う機会も。

 

「流斬君……」

 

後ろで心配そうに呼びかけてくるサーニャの声に少し体が揺れるが、今は言葉を返せなかった。

 

 

 

 

 

皆が部屋で帰国の準備をしている最中。俺は許可を得て皆に挨拶をしに行った。だがまた出撃があるらしく、20分で司令室に来てくれと言われたので実質時間は15分くらいだ。とりあえず向かったのはサーニャとエイラの場所だ。なんだかんだであの2人が一番俺を気にかけていてくれた気がするし、2人に感謝の言葉を言いに行かないとな。

俺はサーニャの部屋の前に来た。予想だがエイラもいるだろう。ゆっくりと手を動かしノックする。

 

「サーニャ、俺だ。入ってもいいか?」

 

「うん。どうぞ」

 

返事を貰い、部屋に入る。そこには予想していた通りエイラもいた。

 

「流斬君……」

 

やはりサーニャは俺を心配する様に見ている。エイラも同じ様な感じだ。

 

「流斬、どうして空軍大将の隊に行こうと思ったんだ?」

 

「どうしてか。そうだな、あの機械だ。あの機械をどうやって作ったのか。それにあの人がどんな考えで俺たちを追っ払ったのか。それが気になった。正直本音で言えば俺もサーニャやエイラ達についていきたいと思うよ。でも、なんだろう。あの機械、放っておくとマズイことになりそうな気がするんだ」

 

「マズイ事?」

 

サーニャが首を傾げながら聞いてくる。

 

「ああ、あいつネウロイのビームを使ってたんだよ。もしあれがネウロイのコアとかを用いて作ったなら、暴走があるかもしれない。そうなったら誰かが止めないといけないだろ?」

 

「だから流斬君が1人で残るの?」

 

「そう。大丈夫だ、アレは機械だけど俺は人間だからな。命第一にやるさ」

 

「うん、約束、ね?」

 

「わ、私とも約束するんだな!」

 

「ああ、2人との約束だな。きちんと果たして見せるよ」

 

ああ、この2人の笑顔を見ると守らないとなっていう使命感が湧いてくる。しっかりと守って帰ってこないとな。

 

「じゃあ、またな。長期休暇でも取れたらそっちの部隊に行くよ」

 

「うん。待ってるね?」

 

「絶対だかんなー」

 

そう言って2人に手を振ってこの部屋を立ち去る。

時間を確認するともう15分経ちそうだ。まだ他の人に挨拶していないんだが、仕方ない。俺は司令室に向かった。




何回読み直しても微妙な出来である。
そして深夜なのでテンションがおかしいですね。


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20話

明けましておめでとうございます!みなさんお久しぶりです、きゅうじょうです!
今まで投稿サボっててすいませんでした。
理由は単にモチベーションが下がっていたと言うことそれだけです。
楽しみにしていた方々本当に申し訳ございませんでした。
今は少しずつですがモチベーションも上がってきていますので、この調子で書けたらなと思います。
間が空きすぎて正直どんな感じで書いていたかも分からないので、文章おかしいかもしれませんがそれでもよければよろしくお願いします!

ではどうぞ!


 

「さて月影少尉。早速で悪いが出撃の準備をしてもらう。今からウォーロックはネウロイの巣に偵察をしに行く。君にはその護衛をお願いしたい」

 

司令室に呼び出されて言われたのは、早速の出撃。結果を急いでいるのだろうか。今はなにも反論することはない。偵察の護衛程度なら魔法力だって保つだろう。

 

「分かりました、直ちに準備します」

 

俺は敬礼をして足早に格納庫に向かった。

 

 

 

 

 

格納庫に行くと準備をしている整備士たちがいる。そこには最近基地に来たクルトさんももちろんいる。周りを見渡すが誰もこない。当たり前なのだが。そこにはまだ皆が使っていたストライカーもある。筈なのだが、ウィーラーが使っていたジェットストライカーがない。どこに行ったんだろうか。

 

「クルトさん。ウィーラーが使っていたジェットストライカーが見当たらないのですが、何処へ?」

 

「ああ、あの機体ならリベリオンに戻すみたいだよ。向こうの技術者も研究成果を取られたくないだろうしね」

 

成る程。確かに他の国に取られたくはないだろうなと思う。見るとジェットストライカーだけじゃなくその武装まで全て持って帰るそうだ。トラックの荷台に積めるのか?ジェットストライカーだけでもかなり大きいのに。普通のストライカーよりも少しでかいからな、あれ。

 

「月影君。いまから出撃なんだよね。そんなに休む時間もなかっただろうし無理は禁物だよ」

 

「分かっていますよ」

 

俺はそう言ってエンジンに魔法力を込めて起動させる。

 

「月影君!君が出撃してからすぐにこの扉に鋼材で蓋をするらしい!君が出撃から帰って来たら滑走路で待機していてくれ!」

 

「分かりました」

 

もう誰も一緒に出撃する人はいないが、上の怪しい行動に他の人が気づいているはずだし今は耐え忍ぶ時と思おう。

 

「月影機…出る!」

 

ハンガーから滑走路を出て先に飛び出しているウォーロックの後を追う。俺が追いつけるよう向こうが調整してくれているのか少しスピードが遅い。そして俺が追いつくと少しスピードが上がった。下には坂本さんと芳佳、ペリーヌが乗っている空母艦「赤城」が下にあった。

 

「あの船に危害がないように努力しないとな」

 

もうすぐに戦闘が始まる。気を引き締め直そう。

ウォーロックが戦闘機の様な形態でネウロイを攻撃し破壊して行く。方法が一撃離脱戦法と同じだが、機銃の火力がかなりあるのか一回の攻撃でかなりの装甲を削り2回目の折り返しでコアを剥き出しにして白い物言わぬ破片に変えてしまう。

 

「…な、なんだこの機械は」

 

改めて目の前の機械の凄さが分かる。俺が驚いている目の前で変形しビームを放ちネウロイを落として行く。一撃とまでは行かないがやはり高火力だ。

 

「俺の出る幕がないな。俺は赤城方向に行くビームを弾いておこう」

 

少し身を引きネウロイがいる集団から離れ赤城の方向で待機する。正直俺が何かする前に全てが終わる。俺のM10の弾丸が連続命中し都合よくコアに当たってもあそこまで早く終わらない。ウォーロックはそれを一対多数でやっているのだ。しかし高火力で押し切っていても次から次へと巣からネウロイが出てくるのでキリがない。流石に処理能力も限界がきたのか少し鈍っている。

 

「少し手を貸すか」

 

俺はウォーロックの近くにいるネウロイ一体に狙いを定めM10の引き金を引いた。弾が当たるとその場所が爆発する。当たった場所は結構端の方だがこちらに気は引けた様だ。

 

「そらこっちだ!」

 

M10をしまい、MG42を取り出しネウロイに当てて行く。まだ距離があるせいか上手く装甲が削れない。ウォーロックから少し離したところでそのネウロイに近づきMG42で中心らへんに向かって撃つ。もちろんネウロイもビームを放ってくるがウォーロックやあの時の人型よりかは密度が少なく避けやすかった。

 

「そこ!いただきだ!」

 

装甲を削り、露出したコアを狙い撃つと破片となって消えて行く。しかしまだ周りにはまだまだネウロイが飛んでいる。しかし、何か様子がおかしい。ウォーロックが光も放たずに突っ立っているだけだ。それに他のネウロイも動きが止まっている。

 

「な、どうなっているんだ?管制塔!今何が起こっているんだ!?」

 

『今ウォーロックの機能であるコアコントロールシステムを起動した。これでネウロイが操れる様になったはずだ』

 

「操れる様にって、ウォーロックの様子を見ると単に停止している様にしか見えないぞ」

 

『直ぐに動き始める』

 

それだけ言われ通信が終了する。ウォーロックの方を見ると確かに光を出し動き始めた。それと同時に周りにいたネウロイも動き始めた。

 

「ど、同士討ち!?」

 

ネウロイが唐突に同士討ちを始めたのだこれがウォーロックのコアコントロールシステムかは分からないがお互いに戦力を減らしてくれるならこちらも楽になる。しかし一体のネウロイがウォーロックに向かってビームを撃った。ウォーロックはダメージを受けた直後にやり返す様にそのネウロイにビームを放つが、また後ろからビームを当てられそれを繰り返している。

 

「管制塔!これは本当に操っているのか!?まさかとは思うが制御できてないんじゃないだろうな!」

 

『少尉。ウォーロックはこちらからの制御を受け付けなくなった。直ちにウォーロック周辺のネウロイを排除、ウォーロックを基地まで持ち帰ってくれ。以上だ』

 

「この数のネウロイを1人で倒せって!?無茶言わないでくれ!クソ!切りやがった!」

 

今ウォーロック付近のネウロイはざっと見ただけでも15くらいいる。この空域全体を見るともうどうしようもない。唯一の救いは同士討ちをしているということくらいだ。

 

「一体どうやって…な、なんだ?」

 

ウォーロックがあたりのネウロイを排除して行く。とんでもない速さでネウロイがやられて行く。機銃やビームを使い一体、また一体と数を減らして行く。周りのネウロイが消えるとこちらに向かってビームを撃ってくる。

 

「うわぁ!こっちは味方だってのに!」

 

ウォーロックのビームを避け、他のネウロイにけしかけるため移動する。何本もあるビームが俺の後ろから前に突き抜けて行く。数本俺の方向にきたがシールドで防ぐ。他のネウロイの近くに行きターゲットを変更させ同士討ち…だがやはりウォーロックの方が強く他のネウロイが直ぐにやられてしまう。逃げる際も常時シールドを張らないといけないので正直かなり辛くなってきた。何体もネウロイを囮に逃げてきたがまさかのネウロイが先に消え去ってしまった。もう俺のウォーロックの一対一だ。

 

「くそッ!」

 

シールドを貼りながら振り向きMG42を乱射する。しかしその鉄の装甲にたどり着く前にシールドに跳ね返されてしまう。

 

「なら!」

 

MG42を肩にかけ腰のホルスターからM10を取り出し魔法力を込める。この着弾時に爆発するこの魔法ならあの装甲を抜けるはずだ。

 

「喰らえ!」

 

照準を合わせ引き金を絞る。しかしウォーロックが速く当てられなかった。突如ウォーロックが方向転換しどこかに飛ぶ。

 

「一体どこに…まさか赤城に!?」

 

直ぐにウォーロックを追いかけるが、とてもじゃないが追いつけない。ウォーロックは赤城の側面に浮くとビームを撃ち始める。幸い当たらなかったからいいが早く追いかけなければ。

 

「管制塔!ウォーロックの緊急停止を頼む!」

 

『少尉!緊急停止を行なっているが止まらない!少尉の手で落としてくれ!』

 

「ッ!なんてこった!」

 

俺はウォーロックに向かってMG42で撃つがこっちには目もくれずもう一度赤城を狙う。外れてくれと祈るが現実は甘くなかった。全体の中程にビームを受け、少しずつ沈もうとする赤城。

 

「あ、あぁ…俺が上手く、上手く動いていればっ!くそぉ!」

 

戦闘中だと言うのに目を瞑って悔しがってしまった。油断すると痛い目にあう。それは分かっていたことなのに。

戦闘中だと思い出した俺は赤い光の方へ向くと既にウォーロックが俺にビームを撃ちこんでいた瞬間だった。

 

「流斬ィ!!!」

 

誰かが呼びかける声と目の前にきている赤いビームを見ると直ぐに視界が真っ白になった。



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21話

はい、皆さん……。

遅くなって申し訳ありませんでしたぁぁぁぁ!!
仕事が忙しかったのもありますけどこんなに長くなるとは思わなかった。というか完全に意欲が無くなっていたというのも困りもの。
こんな作者でこの作品大丈夫でしょうか…?

と、取り敢えずどうぞ!


 

目を瞑っていくら待っても痛みが来ない。誰かに掴まれている左腕を見るとウィーラーが手を掴んでいた。周りを見渡せば少し遠い場所にネウロイ化したウォーロックがいる。

 

「う、ウィーラー?なんでこんなところに。それに俺は…」

 

「はぁ、はぁ、間に合ったな…」

 

ウィーラーの呼吸が荒い。一体なにをしたのか聞くとウォーロックの視界に入れながら教えてくれた。

 

「俺の固有魔法の瞬間移動だ。俺を中心に半径5〜7キロまでを一瞬で移動できる。まあ、かなり魔法力を使うし、何よりどうやっているのか俺にも分からんが」

 

「…すまない、助かったよ。死ぬ寸前だった」

 

「ほんとはもっと叱ってやりてぇところだが、今はあいつをどうにかしないとな。確かトレヴァー・マロニーが寄越した対ネウロイ用の機械だったな」

 

「そうだ、ネウロイのビームと機銃を撃ってくる。それになかなか速いから手こずる」

 

「OK。じゃあちゃちゃっと片付けるか!」

 

「おう!」

 

短く返事をして2人同時に空を駆ける。左右の挟撃で倒そうと言う流れだがそう簡単に上手くいかない。ウォーロックは上空に退避しすぐにビームを撃ってくる。俺は堅実にシールドを、ウィーラーは回避をしてそのまま接近した。

ウィーラーの後ろからM10で援護する。ウォーロックはM10から撃ち出された弾丸をシールドを展開して防ごうとするが501の中で単発の威力が一番大きい俺の攻撃は防げなかったようで、そのままシールドが剥がれた。

 

「貰っていけ!」

 

シールドが剥がれた所でウィーラーは腰から手榴弾を取り出しウォーロックに向かって投げる。安全ピンを抜いて5秒後にウォーロックにちょうど当たるように爆発させた。流石歴戦の戦士だ。黒煙が晴れるとウォーロックの右手にあたる部分が少し中身が見えている。機械の装甲が少しだが剥がれたのだ。そのおかげで右手の機銃が撃てなくなっているようだ。

 

「よし!」

 

「流石だな!ウィーラー!!」

 

しかし機械には痛みは動きの低下にならないようで、速度は変わらず早い。俺もまだシールドは張れるが魔法力が尽きてくるのも時間の問題だろう。

 

「私も手伝います!!」

 

下から聞こえたのは芳佳の声。赤城には芳佳と坂本さん、ペリーヌさんが乗っていたのだが。ユニットは乗っていなかったはずだ。坂本さんが何か気を利かしたのだろうか?だが今は考えている暇は少ない。

 

「すまない、助かる!」

 

「とりあえず赤城から遠ざけよう!」

 

ウィーラーの指示で俺とウィーラーは赤城の反対側に回り、芳佳は赤城に乗っていた人たちをビームから守るために赤城側に回る。芳佳は基本的に攻撃せず、俺たちが気を引きつけるために攻撃する。するとウォーロックの攻撃目標が俺たちに変わったのか俺たちに向かって来ながらビームを撃ってきた。

 

「よし!こっちに向いたぞ!」

 

「もう一丁くらえ!」

 

もう一度ウィーラーが手榴弾を投げるが、今度はビームで消し去られた。

 

「チッ!流斬!もう少し赤城から離すぞ!」

 

「了解!芳佳も引き続き頼む!」

 

「はい!」

 

まだ赤城との距離が近いと思ったウィーラーが距離を離すぞと指示が飛び俺たちが気合いを入れ直すように返事をする。俺とウィーラーが後ろに飛びながらウォーロックに撃つと着いてくるように機銃を撃ちながら追ってくるがなんとかそれをシールドを張ったり回避したりと防ぐ。赤城との距離を確認するために赤城の方向を見るともう赤城は完全に沈み、そこには救難ボートが沢山あるだけになった。更に距離もかなり開いていたので大丈夫だろう。

 

「ウィーラー!距離はもう大丈夫だ!」

 

「そろそろ落としにかかろう!流斬、まだ魔法力は持つか!?」

 

「少し危ないが持たせてやるさ!芳佳は!?」

 

「私もまだ戦えます!月影君も無理しないで下さいね!」

 

「おうよ!」

 

三人とも散開してウォーロックを囲むような配置をする。お互いに流れ弾が当たらないよう注意しながら装備している銃火器を全て使う勢いで撃ちまくる。ウォーロックもそのままではなく反撃をしてくる。俺も魔法力が怪しくなってきているので基本回避で無理な時はシールドを張るが流石にキツイ。

 

「うっ…!くぅぅ……ちょっと不味いぞこれ…」

 

「宮藤!流斬につけ!」

 

芳佳はすぐに俺の前につきシールドを張りながら撃ってくれる。

 

「すまん。助かる!」

 

「いえ!さぁ!あと少しです、頑張りましょう!」

 

「おうよ!」

 

銃撃を再開しようとした時、視界の端に何かが見える。ウォーロックに注意してそれを目線で追うとリベリオンの国旗が描かれている飛行機。乗っているのはシャーリーさんとルッキーニちゃんだった。

 

「なぜこんなところに?」

 

行き先を見ると赤城に向かっている。よく目を凝らすとそこには…!

 

「これはやばいな…ウィーラー!シャーリーさんの飛行機を護衛してくれ!坂本さんとペリーヌさんを助けようとしてる!」

 

「分かった!少し頼むぞ!」

 

何故ウィーラーに頼んだか。それはまだ魔法力があり判断力が高いからだ。俺では殆どシールドで守りきれない可能性もあるからだ。それに俺も芳佳も判断力という面でまだそこまで優れているわけではない。

 

「しかし撃っても撃っても落ちないな…しぶとい」

 

「ウォーロックはここで止めなきゃ…!」

 

「仕留めにかかるぞ!」

 

「うん!」

 

残り少ない魔法力を固有魔法に使う。

 

「疾風!」

 

大気を操作し風を体に纏わせてウォーロックに突撃する。この攻撃でウォーロックの左腕が大破、というか完全になくなっていた。

 

「行きます!」

 

芳佳は声を上げて九九式二号二型改13mm機銃を撃ち出す。しかしやはり火力が少なくあまりダメージが与えられない。

しかし突如後方から弾丸が飛んでくる。それがウォーロックに当たり落ちていく。そして誰もいないであろう赤城にぶつかり、共に沈んで行った。

 

「これは対物ライフル?じゃあ…」

 

「リーネちゃんだ!」

 

振り返ると501のメンバーが全員集合していた。その中には先ほど助けに行ったウィーラーの姿もある。バルクホルンさんは芳佳のストライカーユニットを持っている。

 

「持ってきたが使わなさそうだな」

 

「これで終わりか?」

 

「………そうでもないかも。大尉宮藤にストライカー履かせた方がいいかも」

 

そう言ってエイラはタロットカード、『塔』のカードを見せる。その位置は正位置。

意味は…

 

「崩壊、災害、悲劇、悲惨、惨事、凄惨、戦意喪失、トラウマ、踏んだり蹴ったり、メンタルの破綻、風前の灯……だったか?」

 

「うん」と頷くエイラ。この状態での『塔』、その意味は…新たな敵もしくはウォーロック。可能性があるのは。

 

「下か!」

 

M10をウォーロックが沈んで行った方向に向かって構えて引き金を引く。水面に着くと同時に何かに着弾。爆発する。それと同時に赤城がネウロイ化した様なものが現れた。ダメージはあまり無さそうだ。

 

「な、なんだあれは!?」

 

「ウォーロックと赤城が合体した…!?」

 

空を飛ぶ船の如く浮上し、雲を海に見立てるように飛んで行く赤城。

 

「これはもうウォーロックでも赤城でもない。もう別の何かだ。我々以外アレを止めるものはいない!」

 

全員が静かに頷く。

 

「ストライクウィッチーズ、全機攻撃体制!目標、赤城及びウォーロック!」

 

「「「了解!!!」」」

 

「コアは赤城の機関部だ」

 

「外からは破れそうにないわね」

 

「私が行きます!」

 

いち早く芳佳が言う。俺も行きたいが内部は分からない。今回は援護に徹しよう。

芳佳の続きでリーネさんペリーヌさんに決まった。

 

「さて、俺らはあいつらの為に道を作ればいいんだな?」

 

「ああ、そう言うことになるな、ウィーラー」

 

「久し振りに2人で組もうぜ!」

 

「おうよ!」

 

ウィーラーを先頭にビームを避けながら赤城と並走するように飛ぶ。

 

「しかし俺らは割と魔力を使い果たしてる。あまり無茶はできない。そこで今回は輸送に徹底する」

 

「輸送?」

 

「俺の固有魔法で他のウィッチが開いた道に瞬間移動する。これでそこまでは安全になる」

 

「ウィーラーの負担がでかすぎないか?」

 

「今は成功に全てを賭けるんだよ。今この辺の脅威はあいつだけだ。もう巣もない。だからこれで行く。それに危なくなればお前に助けて貰えばいい」

 

俺はフッと笑う。なんて自分に負担がかかる作戦だろうかと。それを平気でできるこの男はやはり心が強い。俺が絶対に守ると信じている。これに乗らないわけがない。

 

「いいぜ、やってやるよ!絶対にお前を連れて帰ってやるさ」

 

「よし!ならまずは宮藤たちに合流だ!」

 

そこまで離れていない位置に飛んでいた。俺はすぐに作戦の内容を話す。

 

「─────と言うわけだ。切り開かれたらすぐにウィーラーにつかまってくれ」

 

「でも、大尉に負担が…」

 

「リーネさん、ここは惜しんでいる暇はありませんの。大尉、お願いできますか?」

 

「任せとけ。確実に運んでやる」

 

「流斬君も、そのあと気を付けてね」

 

「分かってるさ」

 

他のウィッチがそれぞれ攻撃しているが中々突破口が開けないと思っていると、シャーリーさんがルッキーニちゃんを凄い勢いで投げ飛ばし、ルッキーニちゃんの固有魔法、光熱攻撃で赤城の先端を吹き飛ばした。

 

「行くぞ捕まれ!」

 

その言葉に全員がウィーラーにつかまり、視界が白い光で包まれる。それが収まると先程吹き飛ばされた先端に移動していた。

 

「さあ、行け!」

 

「頼んだぞ!三人とも!」

 

俺はそういいながらすぐ入り口にある隔壁にM10の照準を向けて、引き金を引く。弾丸は隔壁に当たり、隔壁が吹き飛び道が拓けた。三人はそれを見ると、少しこちらを向き頷いた後に内部へと侵入していった。

 

「さあ、後は待つだけだな」

 

「ああ………危ない!」

 

隔壁の向こうに赤い斑点が見えた時には少し遅かった。ウィーラーの右から少し前に出てシールドを張るが間に合わずに左腕に当たってしまった。しかし飛び散ったのは赤い鮮血ではなく、白い液体。そして露わになる機械めいた断面。

 

「だ、大丈夫か!?」

 

詳細を聞きたいと言う願いを心の底に押し込めてまず安否を確認する。

 

「痛みはない!大丈夫だ!まずは離脱するぞ!」

 

「わ、分かった!」

 

もう一度その場所にM10を撃ち込み離脱する。そして過度に距離を取りもう一度確認する。

 

「ウィーラーその腕……義手だったのか…」

 

「ああ、痛みもない。気にするな…」

 

「しかし……」

 

「じゃあそうだな、これは貸しだ」

 

「貸し?」

 

俺はオウムのように返してしまう。

 

「次はきちんと守ってくれ。それだけでいいさ」

 

「…ああ、分かった。借りだ。そう言い聞かせるよ」

 

「それでいいさ」

 

赤城が砕け散ったのはその話が終わると同時だった。

 

「ウィーラーは………いや、いいさ」

 

「ん?どうした?」

 

「何もない」

 

『どうしてそんな体になったんだ?』俺にはそれを聞く勇気はなかった。これ以上傷口を抉るような話はできなかった。

ウィーラーが、少し暗い顔にならなければ俺は聞けたのかもしれない。

 

 

 

 

 

──────────────────

 

 

 

 

 

1944年9月。ガリア地方のネウロイの完全消滅が確認された。

 

各ウィッチたちは基本的に原隊に、ウィーラーはシャーリーさんに連れられ義手の管理をしている医師の所に向かうらしい。

 

俺は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「罪滅ぼしと言うわけではないけど、みんなの助けになりたいって思ったわけだな」

 

荒れている地上でそんなことをつぶやく。俺は今、ネウロイの巣に近い村に来ている。この近くで生存者の報告があったからだ。

俺はこう言う生存報告があるとその地に赴き他に生存者がいないか調査し、保護する。そう言う部隊にいる。カールスラントから自力で逃げ出して来たのがまさかの評価に繋がった。基本的には自由に、保護した先の基地で無線通信を借りて動いている。だから俺の場所は常に変わるからみんなからの手紙なんかも貰えない。

 

「まあ、また会えるさ」

 

俺はそういいながら村から危ない土地に入る。ここからはネウロイの勢力圏内。しかし絶対にしくじらない。慢心ではなく、確固たる信念を持ってそれを思う。

 

(まだ苦しんでいる人がいるからな…!)

 

自分を奮い立たせてその土地に足を踏み入れるのだった。




一応アニメ第1期の最終回でございます。正直流斬君がこの道進んだのがよく分からない。勝手に手が動いて新しい部隊つくってた。こんな部隊ねぇよ!とか思っても言っちゃダメ。

ウィーラーさんは番外編書く予定。あくまで予定なのでどうなるかわからない。それは作者の意欲次第です。

というかまさか一期だけで3年も使うとか思わなかった。やばい。2期までできるかどうか、いや頑張るけど!

もっと後書き書きたいけどここで止めときます。

それではまたいつか!


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