真のカリスマ (田中美鶴)
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01 白いコウモリ

あらすじになるまでの話です。

珍しいコウモリを吸収してしまうレミリア。

それがすべての元凶だということに、彼女は気づかなかった。


幻想郷…どこかにあると言われる幻の場所。そこは外界とは結界にて異界として存在している。その夜は綺麗な紅い満月が幻想郷を照らしていた。紅魔館の主であるレミリア・スカーレットは夜月に照らされて紅いワインを飲んでいた。

 

レミ「極上の月ね。少し散歩して見るかしら。咲夜?」

 

物陰からメイドが現れる

 

咲夜「そうですね。お嬢様。気をつけていただくこととしては、満月の夜は時を忘れてしまいやすいですから、敷地内の散歩にして頂けますか?」

 

レミ「そうね。満月の夜は咲夜にとって運命の日だからね。咲夜の目の届く範囲内で楽しませてもらうわ」

 

咲夜「感謝です。お嬢様。気をつけて行ってらっしゃいませ」

 

レミ「行って…きます。後は頼んだわよ」

 

紅の月下に大きな黒い翼を広げ、レミリアは舞い、レミリアは正面玄関の前の満月がよく見えるガーデンパラソルのテーブルに腰掛けた。

 

レミ「癒されるわ。紅い月に紅い葡萄に、紅いワインは格別ね」

 

そこへなぜか一匹の毛玉らしきものが、レミリア目がけて飛んでくる

 

レミ「毛玉?珍しいお客さんね。。。違う。毛玉じゃない」

 

それは珍しい白い紅い目のコウモリだった。

 

レミ「珍しいわね。。あなた、私と一つにならない?」

 

白蝙蝠「キュー」

レミ「さぁ、こちらに来なさい」

 

白蝙蝠は、レミリアの白く透き通る左手の上に着地したかと思うと、雪のように溶けた。

 

レミ「あぁ、あなたは今までの蝙蝠の中でも極上の蝙蝠ね。吸血鬼としての血が煮えたぎるようだ、、、わ゛っ!!・・・・・・」

 

突如、レミリアは体の内から猛烈な吐き気に襲われた。

 

レミ【何が、、、起きたの?、、くっ咲夜!】

 

咲夜「大丈夫ですか!お嬢様!」

 

突然何もないところからメイド長・咲夜が現れた。

 

レミ「・・・食中りね。。大丈夫。すぐ治るわぁ・・、、、」

 

レミリアは気を失ってしまった。

 

咲夜【まさか、あれほど注意していた野生の蝙蝠を食べてしまわれたのかしら・・・それより今は寝室へ】ーこの間0.01秒

 

咲夜は、急いでレミリアを抱きかかえ、妖精メイド達を起こして看病の用意をし、レミリアをクイーンベットに寝かせた。

 

咲夜「お嬢様、、私が付き添いしていればこういうことは起きなかった。。運命の日からあなたに付き添ってきたのに、こんな私は・・・」

 

???「・・・メイド長失格と思っているのかしら?それは早計よ」

 

涙ぐんでいる咲夜に、寝室の隣の待合室の方から誰かが語りかけた。

 

咲夜「パチュリー様・・・」

 

紅魔館の大図書館の主、パチュリー・ノーレッジだった。

 

パチ「あなたの目の届く範囲内に、主を導いたのでしょ?満月の夜だからといって、無作法に翼を広げないようにさせたし、異変にすぐに対応できたことは、レミィを第一に意識していた咲夜にしかできなかったことだわ。その行いを後悔してはいけないわ。結果、気を失ってしまったけれど、今こうしてその忠義を果たしている。反省はすべきだけど、顔を下げてはいけないわ。レミィの従者であるのなら、強く雄々しく顔をあげなさい。そうしないと、後悔が門口からあなたを監視続けてしまうわ。だからあなたはその思いをうまく制御しなさい。メイド妖精を育てるように」

 

咲夜は恐る恐るパチュリーを見上げる。

 

咲夜「パチュリー様の仰るとおりです・・・従者としては改めることでしたね。説教をありがとうございます」

 

パチ「当然じゃない。私の大事な家族に親身にならないことはありえないわ・・・このことは、レミィには内緒よ」

 

咲夜「はい。わかりました。二人だけの秘密です」

 

パチ「ありがとう。。そういえば、レミィが倒れた原因は何なの?食中りではなさそうだけど?」

 

咲夜「はい、おそらくは野生の蝙蝠を吸収したようです」

 

パチ「・・・また・・か、、、うっかり属性があるのかしらね。まあ、満月の夜だから有頂天になってしまったみたいね。。。魔力の流れからして容態はあまり良くないけど、咲夜の瞬時な介抱のお陰で大丈夫そうね」

 

咲夜は安堵の息をついた。

 

咲夜「左様ですか。一安心しました。永淋様の所に連れて行こうかと思いましたが、ここで看病できるのですね」

 

パチ「そうね。ここの方が魔力での治療もできるから。本当の食中りだったら、連れていくしかないね」

 

その時、レミリアがうなされつつ声を発した。

 

レミ「・・・あっっく。。。眩しい。。。貴方はまさか・・・・」

 

咲夜「お嬢様!目を覚まされたのですか!・・・」

 

しかし、レミリアは気を取り戻す様子はない。

 

パチ【うなされているようね。にしても、"眩しい"、"貴方"という言葉は何かしら? レミリアが敬語を使うほどの人物がいたかしら?】

 

パチ「咲夜、その蝙蝠の特徴はわかる?すべて答えて」

 

咲夜「はい、白い蝙蝠だったと記憶しています」

 

パチ「白い?珍しいわね。毛玉の間違いじゃないの?低級すぎるものを取り込んだから体を壊したのよ」

 

咲夜「最初は毛玉かと思ったのですが、魔力の種類から蝙蝠で間違いなかったです。しかし、普通の蝙蝠とは明らかに異なることがありました」

 

パチ「ことなることって?」

 

咲夜「はい、種類は蝙蝠だったのですが、魔力の大きさが桁違いの大きさだったんです。妹様でも歯が立たない密度でした。妹様が何かしらの形で放った使い魔だとも一瞬思いましたが違いました」

 

パチ「何かしらね。。。誰かの使い魔かもしれないわね。もしくは未知なる妖怪の可能性があるわね。明日、妖怪の山に相談しに行った方がいいわね。霊夢にでも行かせて調査してみるわ。これは明らかな異変よ。専門家に任せましょう」

 

咲夜「はい。ここは顔の広い霊夢に任せるしかないようですね。借りはあまり作りたくはないのですが、お嬢様のためならば躊躇いません」

 

パチ「そう、そうよ。さっきの説教を早速応用したわね。その息よ。咲夜」

 

咲夜は苦しく息をしているレミリアのおでこに温くなったタオルを冷たいものに変えた。

 

咲夜「それでは、明日もお嬢様の看病をしますので、紅魔館に霊夢を招いて、パチュリー様が対応してもらえませんか?」

 

パチ「了解したわ。任せて頂戴。じゃあ、お休み咲夜。明日のために休憩させてもらうわ。これから夜通しで看病する咲夜に、体力の消費を抑える魔法をかけておいたから、能力と併用して使ってね」

 

咲夜「ありがとうございます。パチュリー様。それではお休みなさい」

 

パチ「おやすみ。咲夜、レミリアをよろしくね」




以前、はてなブログで掲載していたものです。今はもう削除してしまいまいした。黒歴史がたんまりと入っていたからです。今回の黒歴史部分は削除いたしました。跡かけらもないです。基本的には、約3000字ペースでいきます。10000字とかの膨大な話数は無理です。気軽にサクっと作成できるのがこれくらいなためです。

さて、レミリアが吸収してしまったのは、なんでしょうね。

ではまた。


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