ソードアート・オンライン Ultimate miracle (小説家(笑))
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第1章 アインクラッド編
第1話 リンクスタート 


初めての投稿でおかしいとこもあるかもしれませんがよろしくお願いします。





ここは、大阪のとある家。

 

俺こと松永蒼汰は今、ソードアートオンライン初回限定版 大特価セールというamazonのサイトを見ていた。

 

「ウヒョー、マジでマジなのこれバーチャル空間で自分のアバター作っていろいろできちゃうって、これ絶対買わなきゃ損だよね。でもなー、10万は高いなー」

 

マウスで下のほうを見ると、『封入特典ナーヴギア付き』

 

「はい、購入。即、購入」

 

何の躊躇いもなく『カートに入れる』を押した。すると

 

「オイ、ゴラー!蒼汰」

 

蒼汰はあまりの怒号(母の)に椅子から転げ落ちた。下の階から、ドンドンと悪魔と化した母が階段を上がってくる。足音がドアの前で止まり

 

「蒼汰!どーなってるのよ。いきなり、画面に『ご購入ありがとう御座いました』ってでてきたんだけど。しかも10万、あんた何買ったのよ!」

 

突き出されたスマホを見ると確かにそう書いてある

 

「そ、ソードアートオンラインを買っただけだよ」

 

母の気迫におされながら言うと

 

「あら、SAO買ったのなら許してあげる。アタシもやりたかったのよ」

実は、家の母はゲーマーだったのだ。母は部屋を出て行こうとすると振りかえり

 

「あ、でも5万はあんたの負担だから10ヶ月小遣いなしね」

 

「えっ!10ヶ月も」

母は蒼汰の反論には、耳を傾けづに部屋を出て行った。

 

「しくしく、酷い酷過ぎる10ヶ月とかどうやって俺は生きていけばいいんだ」

 

 

翌日

 

 

「ヨッシャアー!届いたデー 早速、試運転と行きますか」

 

蒼汰は包みを雑に破り、ナーヴギアを取り出す。

 

「オー。これが新型のゲーム機か」

 

今度は、説明書の書いてあるとおりに進める。

 

「いよいよ、この瞬間が来ちまった」

 

蒼汰はベットに寝転び深く深呼吸をし、ついに―

 

 

「リンクスタート」

 

 

視界が部屋の天井から白い空間に変わり、『アバターネームとアバターを作成して下さい』と表示される。

 

「やっぱ、現実よりかっこよくしよーかな。でも、『リアルで会おう』とかいう風になって『お前かっこ良くし過ぎだろ』とか言われそうだしなー」

 

最初に言っておくが俺はイケメンじゃない。良く言って中の下だ。

 

「良し、ちょっぴりカッコヨクしよ」

 

俺はスラスラサッサとアバターを作り、アバターネームはオンラインゲームでよく使う『SO』

という名前にした。入力が終わると

 

『それでは、新たな世界へどうぞ』

 

そして、俺の意識が少しとぶ。

 

 

 

 

 

 

一番最初にきたのは地に足が着く感覚だった。次に、視界があけ俺は息を呑んだ

漫画とかでしか見たことがない世界が広がっていた

 

「スッゲエェー!」

 

俺は遂に来ちまったよ、この世界に―

 

 

 

 

 

 

 




第一話を最後まで読んで頂きありがとうございました!

感想、よろしくお願いします


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第2話 美化しすぎに注意

ヒロイン誰にしたらイイかなー


とりあえず周りを見ると...『皆、自分を美化し過ぎだろ!』と突っ込みたいくらい

美青年、美少女ばっかりだった

 

「まあ、現実を見ない奴らはほっといて、やっぱり最初はレべリングだよね」

 

俺はダッシュでモンスターの出るフィールドに向かった

 

「ふう~、ここがフィールドか」

 

フィールドに着くと早速、イノシシみたいなモンスター《フレンジーボア》が出てきた

 

「おッ、いきなり来たか」

 

初期装備の雑魚ソードを構えると フレンジーボアも俺を敵と認識したらしく、地面を蹄で掻き 俺に突進してきた

 

「来いやー!掛かって来いやー!」

 

ネットの掲示板に書いてあった『ソードスキルを発動するには、厨二病ぽく構えて

息を整え そして、[ぶっ殺ーす]ていう感じにすると後は、システムがやってくれる』

らしい

 

「うおリャアァァ!」

 

システムのアシストにより普通の剣速の倍以上の速さでフレンジーボアを斬った。するとボアの体が四散した

 

「うっしゃあー!取ったどー!案外簡単だなこれ。よし、ここら辺のボアたちを駆逐してやる」

 

 

 

 

 

駆逐開始から約4時間

 

「ぜえ、ぜえ。こんくらいやればレベルも上がって...って!まだ、3!レベル3

ええー、マジかよ。30体は駆逐したのに まあ、所詮スライムレベルってわけかよ」

 

視界の端の時計を見ると

 

「5時過ぎか。疲れたし、そろそろログアウトしますか」

 

サラッと空をなぞりメニュー画面をだし一番下のログアウトボタンを押…….

 

「はあぁ!何だよこれ、ログアウトボタンねえーじゃん」

 

すると、いきなり視界が真っ白になる。

 

 

 

 

視界が開けると そこは、数え切れないほどのプレイヤーが集まっていた。

見た感じ、プレイヤーの原点《はじまりの街》のようだ。周囲からは、

「どうなってるの」「これでログアウトできるのか」「早くしてくれよ」

などという言葉が聞こえてくる。

 ざわめきが苛立ちの声に変わっていき、「ふざけんなよ」「GM《ゲームマスター》出て来い」など喚き声まで聞こえてきた。すると誰かが叫んだ

「あっ…上を見ろ」

 

俺は反射的に上を見る

 

「なんだよ、あれ」

 

100m上空に、真紅の市松模様が染め上げていく。よく見ると、それは二つの英文が交互にパターン表示されたものだ。真っ赤なフォトンで綴られた単語は【Warning】、そして【System Announcement】と読める。運営のアナウンスがあるかと思うと、パターン文字の中央部分から赤い液体が垂れ下がり空中で身長2mほどの巨大なローブを被った巨人を作った。周囲から

「あれが、GM?」

などという声が上がる。すると、よく通る男の声が、遥か高みから降り注いだ。

 

『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』

『私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ』

 

「はあー!」

 

咄嗟に声に出てしまった。 茅場晶彦 俺はその名前を知っている。前にネットの掲示板に『茅場晶彦ってさ、前まで弱小ゲーム開発会社だった【アーガス】を最大手

と呼ばれるまでに成長した原動力となった、若き天才ゲームデザイナー量子物理学者でSAOの開発ディレクターであると同時にナーヴギアの基礎開発設計しゃなんだってさ』

ということが書いてあったことを思い出した。

 

『プレイヤー諸君は、すでにメインメニューからログアウトボタンが消滅していることはすでに気づいているだろう。しかし、これはゲームの不具合ではない。これは《ソードアート・オンライン》の本来の仕様である』

 

『諸君は今後、このアインクラッドの100層までたどり着くまで自発的にログアウトすることはできない』

 

『また、外部の人間のてによる、ナーヴギアの停止あるいは解除も有り得ない。もしそれが試みられた場合―』

 

僅かな間

 

『ナーヴギアの信号素子が発する高出力マイクロウェーブが諸君らの脳を破壊し、生命活動を停止させる』

 

「はは、マジかよ」

 

あるいみ、脳を電子レンジで蒸し焼きにするっていうことだな。

 

『より具体的には、10分間の外部電源切断、2時間のネットワーク回線切断、ナーヴギア本体のロック解除または分解または破壊の試み―以上のいずれかの条件によって脳破壊シークエンスが実行される。

 この条件は、既に外部世界では当局およびマスコミに告知されている。ちなみに現時点で、プレイヤーの家族友人等が警告を無視してナーヴギアの強制除装を試みた例が少なからずあり、その結果』

 

『―残念ながら、すでに213名のプレイヤーが、アインクラッド及び現実世界からも永久退場している』

 

どこからか、小さな悲鳴があがる。しかし、周囲のプレイヤーのだいたいは、信じられない、あるいは信じないというか放心したり、薄笑いをうかべていたり………え、俺はどうしてるかってこの俺が周りの奴等みたいなわけないだろ。そう、俺はただほんのちょっぴりチビッた……あーヤベなんか染みてきた。あーマジ、ヤッベーこれバレたらヤッベーよ。

 

『諸君らの体については、警察などが病院にナーヴギアの時間内に各地の病院に搬送されている。なので、安心してゲーム攻略に励んでほしい』

 

『それでは、最後に、諸君らにこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。諸君のアイテムストレージに、私からのプレゼントを用意してある。確認してくれたまえ』

 

周りも俺も、ほぼ同時にアイテムを確認する。ストレージにあったのは

 

   アイテム名 《手鏡》

 

オブジェクトボタンを押し具現化させる。すると、四角い手鏡が出てきた。なんの変哲もない鏡を見ていると周りがいきなり光りだし、視界が真っ白になった。

光はほんの2,3秒で消え、元のままの風景が広が…ってないな。周りを見るとそこら変にいそうな人達がいた。

 

「ブッサイのが一気に増えたな」

 

皆、周りの人が違いすぎて動揺している。手鏡を見ると俺の顔が写る。

 

「やっぱり、現実と似たような感じにしといてよかった。ん?寧ろ前よりかっこよくなってんじゃね」

 

『諸君は今、なぜ、と思っているだろう。これは大規模テロなのか?それとも、身代金目的の誘拐なのか?と』

 

『私の目的はどちらでもない。今の私には、すでに一切の目的も理由もない。なぜなら、この状況こそが私にとっての最終目的だからだ。私はこの世界を観賞するためにのみナーヴギアをSAOを作った。そして今、全ては達成せしめられた』

 

『以上で《ソードアート・オンライン》正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君の健闘を祈る』

 

最後の一言だった。巨人が跡形もなく消えていった。

数秒してから1万のプレイヤーが反応を見せた。

「嘘だろ…なんだよこれ」「ふざけるなよ!ここから出せよ!」「こんなの困る!この後約束があるのよ!」

「嫌ああ!帰して!帰してよおおお!」

悲鳴、怒号、絶叫、罵声、懇願。そして咆哮。

皆がさまざまな声を上げる。

 

「五月蝿せえなー。ここでほざいても意味ねぇーだろ」

 

俺は、辺りを見回し1本の通路を見つけて歩き出す。

 

「さあ、デスゲームの始まりだ……あーじんわり染みてきたよ 後でズボン変えよ」

 

 

 




感想、まってまーす。


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第3話 相棒ができた

さてヒロインの登場です!


一本の通路を見つけ、俺は歩き出す。すると―

 

「あの…」

 

いきなり声をかけられた。振り返ると、紺色の髪の少女が涙目で俺を見ている

 

「お兄さんは次の町に行こうとしてるの?」

 

さっきの話を聞いた性か、表情が少し暗い

 

「ああ、そうだよ~」

 

少女とは反対に俺は明るく答える

 

「…お兄さん、さっきの話聞いて怖くないの?HPがゼロになったら死んじゃうんだよ」

 

明るく答えたのが気になったのだろう(たぶん)。

 

「確かにさっきの話にはビビッたよ。つーか、チビった。でもさぁ、このままこの町にいてもレベルも上がらない、ただただ腐っていくだけだよ。だから俺は、次の町に行って攻略の幅を広げようって思ったんだよ」

 

少女は驚いた表情を見せる。ん?今、俺、名言言ったな。なんか、あったばっかり人に何言ってんだよ俺は……トホホホ…。

 

「SO」side out

 

 

 

in 少女side

 

僕は今までにHIVと闘ってきた。でも、1年前に姉ちゃんがAIDSになって死んじゃって僕もいつかそうなって死ぬんじゃないかと思った。どうせ死ぬ運命なんだったらいっそこのまま死にたいと何度も思った。

 

そんな僕に医師がプレゼントとしてSAOをくれたんだ。

やってみてすっごく楽しかった。でも、さっきのGMの話で、もう嫌になった。病院という牢獄で過ごさずにすむと思ったのにここでもまた牢獄で暮らす日々がつづくんだな、そう思った。でも、絶望の中にいた僕は、誰もが嘆いているなかで堂々と真っ直ぐ次の町に続くフィールドへの道に一人、たった一人だけ向かう、少年がいた。僕は、反射的にその少年に声をかけた。

 

「あの…お兄さんは次の町に行こうとしてるの?」

 

すると、彼は

 

「うん、そうだよ~」

 

彼に聞かづにはいられなかった。

 

「…お兄さん、さっきの話聞いて怖くないの?HPがゼロになったら死んじゃうんだよ」

 

「確かにさっきの話にはビビッた。つーか、チビった。でもさぁ、このままこの町にいてもレベルも上がらない、ただただ腐っていくだけだよ。だから俺は、次の町に行って攻略の幅を広げようって思ったんだよ」

 

僕は彼に驚いた。周りの人たちは、怒り、悲しみ、絶望している中で彼は、さっきの話をまるで気にも留めていなかった。

 お兄さんは強いな。

こんな強い人の傍にいたら、もしかしたら僕も強くなれるかな。僕はもう一度、この病気と闘えるかな。

 

 

 僕は――彼について行きたい

 

 

 

少女side out

 

 

 

 

 

in[SO]side

 

なんなんだろうな、この子。

周りのそこら辺に居そうな奴らとは違い、かなりカワイイ子が俺に話しかけて、話す感じからどこか怯えているようにみえる。んー、どうしたら良いだろうか。

 あっ、わかった

 

「僕といっ「一緒にくる?」……あれ?」

 

おっと、あっちも何か言いおうとしたみたいだ。

 

「君はなん「よろしく!」

 

あ、なんか返された。かぶり返された。まあ、いっか。

 

「ああ、よろしく。じゃあ、早速だけど名前は何ていうの?」

 

少女が瞳を一度とじ、カッとその栗色のキラキラとした目を見開き

 

「僕はユウキよろしく!」

 

最初に声をかけられた時と違い、少女は否――ユウキは元気に言った

 

なら俺も答えないとな

 

「俺はSO!よろしくな」

 

いい相棒ができたな。

 

 

 

 

 




出だしはちょっとというか かなり暗いユウキでしたが、これからは明るい
ユウキが登場します。

感想、待ってまーす。


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第4話 約束

「じゃあ、早速。出発と「ぐぎゅう~」……まずは腹ごしらえだな」

 

ユウキの腹が「お腹空いた~」という合図を鳴らす。人前で腹が鳴ったことが恥ずかしかったのか顔が赤い――かわいい。

 

「あはは、ごめんね」

 

ユウキが苦笑いをしながら言う

 

「いいよ、いいよ。ちょうど俺も腹が空いていたしさ。確か、あそこを曲がったとこにファミレスっぽとこがあったから、そこで昔話とか、お互いのことを食べながら話そうか」

 

「いいね、それ。名案だよ。じゃあ、早く行こうよ」

 

ユウキに手を引かれながらファミレスに向かった。そのとき、俺は気づいてしまった。手を引っ張る力がえげつない、ユウキの筋力パラメーターはどうなっているんだよ。

 

まあ、そんなこんなでファミレスに入りました。

 

「こちらの席にお掛けください」

 

NPCに案内され指定された席に座る。

 

「どうぞ」

 

NPCが水を置く

 

「はあ~、どれにしようかな」

 

ユウキは目を輝かせながら、メニューに目を通す。

ん?そういえば、水を飲みながらか考える。こういうのは俺が奢らないといけないよな。金足りるかな。メインメニューから所持金の確認をすると

 

「ぶふぅ!」

 

かなり派手に水をぶちまけた。って、ええ!マジでオイ、こんなにあるもんなの?城ひとつ立ちそうなくらいあるんですけど。

 

「ちょっとぉ、SO~」

 

あまりの金額に驚いてるとユウキが何か言ってきた。顔を上げると、そこには水浸しのユウキがいた。

 

「もしや、俺のせいでそうなったの」

 

「酷いよ、いきなり水をかけるなんて」

 

「わ、ワリィ。今拭くから」

 

俺はアイテムメニューからタオルを選択し具現化させ、顔や髪を拭く。

 

「SO、くすぐったいよ~」

 

ユウキが気持ちいいのか、それとも、くすぐったいだけなのか。良くわからないがまあ、嫌がっているわけではなさそうなので、そのまま、きれいに水滴をふき取った。その後、料理を頼んで今は

 

「はあ~、さっきはなんで僕に水をぶち撒けたんだい」

 

ユウキからちょっとした説教をくらっていた。

 

「いやぁー、まさか俺も自分の所持金に驚いて水をぶちまけるなんて思ってもみなかったからさ」

 

「ふ~ん。どれくらいあったの」

 

「城が一軒たつくらいはあった」

 

「城!」

 

ユウキの目がありえない物を見る目になった。

 

「SOはなんかチートでも使ったの?」

 

「嫌々、使った記憶なんてどこにも。可能性があるとすれば…あ」

 

一つ心当たりがあった

 

「俺、初回限定版買った時に、掲示板で見たことを思い出したんだよ。初回限定版を買った人の中から抽選で1名に特別なコードが着いてくるっていう事をさ」

 

「うん、うん。それで、それで」

 

ユウキが興味津々に聞く

 

「そんで、箱の底を見てみると」

 

「見てみると」

 

「何もなかった」

 

ズコっとユウキが椅子から落ちた。

 

「痛ててて。え、何それ、結局入ってなかったの?」

 

俺は今までに、こんなリアクションを現実でやると人を見たことなかったよ。

 

「入ってたよ。ナーヴギアの裏にさ。そんで、ログインするときにそのコードを入力したんだよ。んー、なんで俺、こんな大事なこと忘れてたんだろうな」

 

「あはは、SOってさ、かなり適当に生きてる感があるよね」

 

「グサリ、今何か刺さった。心にとんでもないダメージが」

 

「ああ、ごめん、ごめん」

 

そんな会話をしていると

 

「ご注文の超高級ステーキとごく普通のステーキになります」

 

「超高級なのは僕の」

 

「ちょっと、待てユウキ。何時の間に超高級ステーキなんて頼んだんだ。しかも、金はどうすんだよ」

 

「え?こういうのは男の人が奢るもんなんでしょ」

 

「確かに、こういうのは男が奢るもんだ。だがよ、俺の所持金を聞く前に頼んだよな。もし足りなかったらどうするつもりだったんだよ」

 

「SO。あくまでこの世界はゲームなんだよ。普通、ゲームだったら持っている金額以上は買えないだよ。買おうとしてもNPCが先に止めるしね」

 

「あ~なるほど。そういえば、食事でパーティメンバーと来るとそのパーティの合計の所持金で見られるとかネットに書いてあったような。ユウキに一本とられたな」

 

「ハイ、論破ってね~」

 

論破というか普通に俺の金をむしりとったって言うことだよね。ステーキ(普通の)を食いながら思った。

 

「そういえば、SOって、現実では何歳なの?」

 

「15だよ」

 

「へえー、SOは15なのか。僕は14だよ」

 

「へー俺大阪に住んでんだよ。ユウキはどこに住んでんの」

 

同い年だったことに親近感というか繋がりを感じて、遂テンションが上がってしまった。

 

「えーと。僕は、東京に住んでるよ」

 

なぜか、少しテンションが下がるユウキ

 

「あー、残念。結構離れてたか」

 

「SOは現実では、普段何しているの?」

 

「よくぞ聞いてくれました。実は俺の家、ヤクザなんだよ」

 

「ヤ、ヤクザ!」

 

これは事実である。

 

「親父が5代目、松永組 組長 松永慎二。母さんがヤンキーで関西最強の女ヤンキー

松永麻耶。でも、18の時に俺が生まれたからヤンキーを引退したんだってさ」

 

これも事実。ありえないって、それがあり得るんだよ。

 

「SOの家ってかなりすごいね~。ねえ、SOってさ名前から取ったの?」

 

「そうだけど」

 

ユウキは閃いたっていう感じに手をポンとたたいた

 

「僕、SOの本名わかちゃった」

 

あっ、やってもーた。親父の苗字いったらもう俺の名前なんてわかっちまうじゃねーか

 

「当ててみ」

 

「じゃあ遠慮なく、君の名前は 松永蒼汰 だ あってるかな?」

 

ユウキが首を傾け聞いてくる。なんか、かわいいぞ畜生

 

「正解。大正解だよ。でも、俺だけってのは不平等だよな~」

 

ユウキが「うーん」と唸りながら考える

 

「そうだよね。SOは家のこととか名前のこともいろいろ教えてくれたし僕も話さないといけないよね」

 

ユウキの顔が真剣になる

 

「SO、僕と一緒にこのゲームをクリアするまでずっと一緒に居てくれるって誓ってくれる?」

 

俺はこの言葉の意味をどう受け止めたら良いだろうか。これは、まさかの逆プロポーズかこれから話すことはユウキにとってものすごく話したくないことだけど意を決して俺に話そうとしているのか 間違いなく後者だな。後者しかない。

 

なら、ユウキが覚悟を決めてくるんだったら俺も逃げずに

 

「当たり前だ」

 

ユウキがスゥーと、息を吸い

 

「僕の本名は紺野木綿季。そして、僕は―――」

 

 

それから、ユウキの話は自分には姉がいたこと、自分がHIV患者であまり長く生きられないということ、いろいろ聞いた。

 

その話を聞いて俺が思ったのは―――

  

 

 ―――ユウキを救いたい

 

 

 

それだけだった。その思いは決して憐れみからくるものでは無かった。その思いは守りたいという思いに近かった。15年ものの間ずっと自らの病気と闘ってきた少女に何の救いもないのは可笑しい。これからの先の未来があと数年しかないなんて。

 この少女――ユウキを救える方法は1日も早くゲームをクリアし現実世界で腕利き

の名医を松永蒼汰の名において呼び集め、ユウキのHIVの治療をさせることだ。

 

俺はユウキの手を強く握り

 

「俺が、ユウキ――お前を守ってやる。絶対に死なせたりしない」

 

 

「SO」side out

 

 

 

 

 

inユウキ side

 

 

僕は人生で今、彼が言った言葉ほど力強い言葉は聞いたことがない。

 

今までに何度も医者が「君の病気を治して見せるよ」と言ってきたが誰一人として僕の病気を治せる人はいなかった。僕は次第に医師たちの言葉を信用しなくなった。「治せる」「救う」もうそういうのは聞き飽きた。どうせ、僕の病気を治せる人なんていない。そう思っていた。

 だけど、どうしてだろうか。SOが言った言葉は、本当に僕を治してくれる。そんな気がする。でも、SOでも治せなかったとき僕は、絶対に後悔しない。なぜなら、僕はもう、今の彼の言葉に救われているのだから。

 

彼の手を僕も力一杯握り

 

「うん、約束だよ」

 

 

 

 

 




今回で《はじまりの町》でのお話は終了。次回から、ボス攻略だ。

SO「ん?まだズボン変えてないな……」

笑「2話の話まだ引きづってんのかよ。つーか汚ねぇ」

感想、待ってマース。


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第5話 安らぎ

ユウキとの絆が深まったところで舞台は次のステージへ


ファミレスでの食事を終え、俺とユウキは次の町の向かうため剣、防具、アイテムを揃える。剣、防具は一番性能のいいのを買う。もちろん、金はユウキの分も俺が負担している。

 そして、時刻は夜の10時 ここに、アインクラッド攻略を目指す、剣士と侍がいた。

 

「さあ、次の町に向けて出パーツ!」

 

「出パーツ!」

 

ちなみに、俺がチョイスした武器は「曲刀」60cmの小太刀っぽいやつ、ユウキは

「片手剣」かなり重量の軽いやつ

 

レベルは二人とも「3」

 

道中、7体のモンスターの群れに出くわした。

 

「おっ、出やがったな」

 

「僕ワクワクするね」

 

二人ともビビルことなく、群れに突っ込む。

 

「ユウキは、そっちの3体たのむ。俺はこっちの4体を殺る」

 

「OK、怪我しないでよ」

 

「ユウキもな」

 

そう言い、俺はその場に座り込む。なぜ、座るのかというと抜刀は本来は座った状態から抜刀するモノだからだ。えっ、小太刀でできるのかって まあ、60cmもあればできる...たぶん。

 

 一応いっておくが抜刀の仕方はわかってるからな。

 

フゥーと息を吐き、敵めがけて駆け出す。相手のボアも気付いたのか、突進してくる。ボアが切っ先が届く距離に入ったところで抜き付け(横薙ぎ)をする。スっという空を切ったような感じがした。が、振り返ると

 「グギュウルル」

 

ボアが真っ二つになっていた。

 

「できチッタ」

 

空ぶったと思ったが、どうやら振りが速かっただけのようだ。そのとき、俺は目の前の一体しか見ていなかった。

 

「ゴボベホフッ」

 

横腹と背中にボアの突進が直撃した。今メッチャ長い変な声でたな。俺は派手に吹っ飛ばされ、床に叩きつけられる。HPがいっきにイエロー圏に入った。

 

「チッ、この野郎!やりやがったな!」

 

俺はすぐさま、体勢を立て直し、残りのボア3体に抜き付け、抜き打ち(上)、(下)を繰り出し、ボア2体が四散した。

 

「1体残ったか。なら、テメーは粉々になりやがれー!」

 

最後はソードスキルのフェル・クレセントで止めをさす。

 

「オルァ!」

 

フェル・クレセントを発動すると、抜いてから振りまで1秒足らずといって良いほどの剣速だった。

 

「すげえぇー」

 

思わず、感性をあげてしまった。これマジで威力ヤべーな。

 

ユウキの方を見ると、最後の1体に止めをさしているところだった。

 

「セイヤァー」

 

ユウキの一撃でボアが四散する。

 

「やったよぉ~」

 

「おっ、やるなあ~ユウキ」

 

「イヤァ~、僕よりSOの方がすごいよ。ソードスキルなしであの速度はすごいよ」

 

「ナハハ、照れますな~」

 

その後、何度か群れと遭遇したが2人で対処できるレベルだったので、意外と早く町についた。

 

「へえー、ここが...なんて町だっけ?」

 

「んー、俺もわすれた。まあ、どこでもいいだろ」

 

マジでこの町の名前忘れたな。そう思っているとユウキが

 

「ねえ、ねえSO。今日はもう宿に泊まろうよ」

 

視界の端に目をやると時刻は、深夜の0時だった。

 

「そうだな、もう遅いし、宿に泊まるか」

 

俺は辺りを見回し、宿を探す。

 

「あっ、あった!」

 

「見つけた..ってオオォー」

 

 

ユウキが宿を見つけた瞬間、俺の手をひっぱり走り出す。足、ハヤ!そんなこんなで、宿の部屋を借り、俺は武器やら防具を解除してベットにダイブする。寝心地はあんまりだが、今はこんなんでもすぐに寝れる。目を閉じ静かに眠ろうとすると、

 コンコン とノックの音がする。相手は大体、予想はというか1人しかいないな。

 

 「どうしたんだよぉ~、ふぁ~あ」

 

欠伸をかきながら、ドアを開ける。そこには、紺色のシルクワンピースを着た、ユウキがいた。

 

「SO、あのさ...って聞いてる?おーいSO~」

 

なんだよこれ、メッサ似合ってるんですけど、何これ、破壊力がエゲツねえ。ボフッ鼻血でた。

ん、ユウキが何か言ってる。

 

「き、聞いてるよ」

 

「ナラいいんけど。SO、お願いがあるんだ……鼻から血が出てる……」

 

「お願いって?」

 

「スルーするの!まあ…いいけどさぁ……言いにくいんだけど、僕...1人になるのが怖いんだよ。もし、朝 目が覚めてSOが居なくなってたらって思うと……」

 

ユウキが下をむき不安そうに言う。

 

「そんなわけないだろ。約束したろ、俺はお前を裏切らないし、1人にしないってな」

 

「なら...SO、僕を1人にしないって言うんだったら寝るときも一緒に居てよ」

 

はい、皆さん。皆さんはこんなカワイイ子に一緒に寝てくれといわれて、断れますか んなの、無理決まってんだろうが!鼻血が……

 

「ああ、わかったよ。ユウキがいいんだったらな」

 

ユウキの顔が明るくなり俺に飛びつく

 

「ありがとう、SO!」

 

いや、寧ろ礼を言うなら俺のほうだなんて口が裂けても言えない

 

「じゃあ、もう疲れたから寝るぞ」

 

俺は電気を消しソファーに寝転ぶ

 

「ちょっと、SO。なんでベットで寝ないの?」

 

「いや、さすがに15の俺と14のユウキが一緒のベットで寝るのにはいろいろ問題が……」

 

「あー、大丈夫、大丈夫。僕はそういうの気にしないから。だから、こっちに来なよ」

 

おいおい、マジか。会って初日で一緒に寝るとかあり得るのかよ。彼女いない歴=年齢の俺が偉くなったもんだな。

 

「なあ、ユウキ。一つ言っておくが、俺だって男なんだ、お前はその...もし、襲われたらとか考えないのか」

 

ユウキは腕を組み考える。そして、返ってきた答えが

 

「んー、僕もなんとなくだけど、SOは女の子が嫌がるようなことはしない。そう、思えるんだ」

 

アカン、これはアカンで、こんなこと言われたらガチで惚れてまうやないか。

 

俺はソファーから立ち上がりベットに移動する。

 

「じゃあ、ユウキの言葉に甘えて一緒に寝るか」

 

俺はユウキの隣でユウキの方とは反対向きに横になる。すると―ユウキが

 

「ねえ、SO。しばらく、こうしていていいかな」

 

抱きついてきた。

 

「こうしていると、昔よく姉ちゃんに抱きついて寝てたのを思い出して安心するんだ」

 

俺は安心どころか爆発しそうなんですけど。

 

「いいよ別に、俺なんかに抱きついて眠れるんだったら、いくらでも抱きついていいよ」

 

「ありがとう、SO」

 

 

その後、ユウキは安心して眠れたようで気持ちのよさそうな寝息を立てている。だが、俺は寝不足確定だった。

 

 




SO「俺の鼻血止まんねぇーな」

ユウキ「なんで鼻血なんか出んの……まさか!」

笑「そこで終ー了。SO 鼻血 ティッシュで吹け。ユウキちゃんも変な想像しない」

感想、待ってマース。


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第6話 口喧嘩(笑)

朝起きると、っていうか寝れてないんだけど。あれから、何時間も経ってるのにまだ、慣れねぇーんだよ。後ろの方は、爆睡してるのによぉ。

 そうだ、こういう時は逆に考えるんだ。今はユウキに背中を向けているが遭えてユウキの方に向くんだ。早速、実行。

 

「来るっとな」

 

見る向きを変えてみると、ユウキの頭があった。な、なんだこれは、さっきとは違い、見えない緊張感がない。これなら、寝れる!それに、ユウキからイイ匂いがするし。

 俺が全力で寝ようとすると

 

「ん、ん~」

 

ユウキが俺の胸倉あたりでモゾモゾしている。まあ、俺は眠り始める

「SOあったかいよ~」

 

ビクッ、俺の意識が現実に引きづり戻された。オイオイ、今の言葉なんだよ。めっちゃ興h...じゃなく刺激の強い言葉が発せられたような機がしたんすけど。

 

 

その後、結局眠れなかった。

 

 

 

時はすすみ、デスゲーム開始から一ヶ月が経とうとしていた。だが、未だ一層目の攻略がされていないと言うかつい最近、発見されたばかりで、今日、ボスの攻略会議が行われる。

 

 

町の真ん中で行われると聞いたので俺は今、その開催場所に向かっている。もちろん

ユウキも一緒だ。

 ちなみに、今のレベルは、俺とユウキともに11。

現在使用している武器

 俺、曲刀系の「小曲刀」切断力は優秀だが、固い物体に当たると簡単に弾かれる。

 

ユウキ、片手剣系の「ライトメタルソード」攻撃力が序盤の武器より低いが軽さと切断力に優れている。しかし、軽い分、耐久力が乏しい。

 

という感じだ。後は最近、曲刀の攻撃の合間に現実世界で喧嘩してたときみたいに相手をボコ殴りしようかなと思っている。

 

「SO、着いたよ」

 

「えっ、もうついたん」

 

顔を上げるとホール上になっている石造りの椅子に、十数名のプレイヤー達がいた。

すると、1人の男がホールの真ん中に立った。

 

「はーい、そろそろ始めさせて貰いまーす。今日は俺の呼びかけに応じてくれて、あ

りがとう。俺の名前はディアベル、気持ち的にナイトやってマース」

 

まわりの奴等が笑ったり、突っ込んだりする。何が面白いの?気持ち的にナイト、馬鹿

じゃねーの。ただ20チョい過ぎのおっさんが痛いこと言っただけなのになんで受ける

の?

 

「今日、俺たちのパーティがボスの部屋を発見した。俺たちはボ「はいはい、その辺の

前置きはいいからとっとと内容を話せよ」

 

前置きが長そうだったので俺が中断させる。すると...

 

「アアン、何だてテメぇ。せっかくディアベルはんがワイた「うっせえ」

 

俺は関西のどこの奴かは知らんが関西弁の奴を睨み付けると、ヒェーと言って帰ってい

た。

 周りを見るとなんか、メッさ周りの奴等とディアベルがビビッている。まさか、俺の

オーラが...ってアブねー、もう少しで厨二病が再発するとこだった。

 

「本題に入る。まずは、6人のパーティを作ってくれ。フロアボスはソロでは攻略でき

ないからな」

 

周りの奴らは知り合い同士できていたのか、組むのが割りと早い。

 

「なあ、ユウキどうする?このまま2人で組み続けるかそれとも新しく入れるか」

 

ユウキは顎に手を当て考える。すると

 

「そうだ。あそこに余っている人達がいるから、あの人達と組もうよ」

 

ユウキの指差したほうを見ると、2人ほど余っているのが見える。

 

「んじゃあ、聞きに行きますかっと」

 

すたすたと余り(ボッチ)のとこに行く。行ってみるとすでに2人は組んでいるみたい

だ。

 

「なあ、あんたら。俺らと組もうヤ」

 

俺が声を掛けると黒髪の子が

 

「ああ、俺は別に良いけど」

 

視線がとなりの赤頭巾みたいなものを被った子にいく

 

「ええ、私も構わないけど」

 

「なら、決まりだな」

 

俺達はサラッとパーティー登録をする。視界の端っこにユウキの名前以外にキリトと

アスナという名前が入る。

 

「ふ~ん、キリトにアスナか」

 

「キリトにアスナ。よろしくね」

 

ユウキが両手をだし2人に握手を求める。

 

「ああ、よろしく」

 

キリトも手を差し出す。コイツさっきから、絶対に「ああ」って言ってからしゃべる

な。アスナの方は

 

「わるいけど。あまり、馴れ合うつもりはないから」

 

そう言い席に座るアスナ。

 

「そろそろ、組み終わったかな、じゃあ「ちょう、待ってんか」

 

あっ、出た関西弁(笑)。関西弁(笑)は階段を駆け下り

 

「ワイは、キバオウってモンや。ボスと戦う前に言わせて貰いたい事がある。こん中

に今まで死んだ2000人に詫び入れなアカン奴が居るはずや」

 

クスクス。おっと遂笑ってしまった。キバオウってネーミングセンスの欠片すらない

やないか。

 

「キバオウさん。君の言う奴らというのはつまり、元βテスターのことかな」

 

「決まってるやないか。βー上がりのもんはこのクソゲームが始まったそのビギナー

を見捨てて、消えおった。うまい狩場やぼろいクエストを独り占めして自分だけポン

ポン強なりおって、その後もずっと知らん振りや。こんなかにも居る筈やでβー上が

りの奴らが。そいつらに土下座さして溜め込んだ金やアイテムを吐き出してもらわな

パーティメンバーとして命を預けられへんし預かれん!」

 

隣にいるキリトの顔が険しくなった。オイオイ、マジかよキリト。お前βーカヨ。

まあ、ここはパーティメンバーとして助けたろか。俺はユウキに

 

「ちょっと、耳ふさいどき」

 

「なんで」

 

「いいから、いいから」

 

ユウキが耳を塞いだのを確認すると席から立ち上がり。

 

「なあ、俺も聞きたいことがあるんやけど」

 

周りの視線が俺に集まる。

 

「なんやー!」

 

「キバ...じゃなくて、マキバオウさん」

 

「おい待てヤー!マキバオウってどういうことや、ワイはキバオウや!」

 

「ふん、どっちでもいいだろ!どっちもネーミングセンスなんて欠片もな

いんやからな」

 

「なんだt「まあまあ、君の意見はなんだい」

 

「そこの頭が凶器のやつの年齢を聞きたいだけだよ」

 

キバオウの眉間にしわがよる。

 

「38や」

 

「ならさー、アンタ。38にナってもまだおしめが取れてないんだな。

どこの使ってんのアンタの顔だとムーニンだな、ムーニンまだ使ってン

のかよ。恥ッずかしい!」

 

周りの奴らが笑いだす。

 

「オイゴらー。ナメとんのかー!」

 

ディアベルがキバオウを抑える。

 

「つまり、俺が言いたいのはβーの奴らだって、俺らと変わらねー一般人だッていうことだよ。デスゲームの宣告をされた日だれもが恐怖した。そんなかでβーはただ必死に自分達にある知識を使って生き残ろーとした。ただそれだけのことだ。それに、βーだって自分達の命を掛けてモンスターと戦って、それで集めたアイテムや金を奪おうなんてただ自分がβーじゃなかったことの逆恨みだ わかったか!」

 

俺は我ながらに筋が通ったことを言ったと思った。

 

「おい、ワイはまだ納得でき「空気読めよ(怒)!」

 

俺はキバオウの前に移動し全力で顔面を殴った。潰れてた顔面がさらに潰れた。

 

「他にしばかれたい奴は……いねぇよな」

 

その後、誰も文句を言う奴は現れず。ボスモンスターの名前は

『イルファング・ザ・コボルトロード』、『ルインコボルトセンチネル』という

取り巻きがいること。斧と盾を使うこと。

HPバーの4本あるうちの残り1本になると曲刀型のタルワールに持ち替え、

攻撃パターンが変わるということを伝え明日の10時に出発ということで解散した。

 

「SOはすごいね~。あんなに大勢の前であんなに堂々と意見を言えるなんて」

 

宿の部屋でボーっとしていると、ふと、ユウキがそんなことを行った。

 

「聞いてたんかいな」

 

「まあね、聞くなっていわれたら聞きたくなるが僕だよ」

 

「まあ確かにああいうのは、1対1で口喧嘩してると思えば緊張しないんだよ。

それが、コツっていうもの」

 

「でも、最後は殴ってたけどね」

 

「ほっとけ」

 

その後、他愛もない話をし明日に備え寝た。

 

 

 

 

 




次こそはボス戦


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第7話 ボス攻略

更新おそくなってスンません。


さあ、今日が待ちに待ったボス戦。時刻は朝の6時。楽しみすぎて早起きしてしまった。普通、早く起きたら俺は、「もう一回寝よ」って言って8時過ぎに起きるのでいっつも遅刻していた。だが、今日はボス戦、時間を1秒も無駄にできないのでユウキを叩き…じゃなくやんわりと起こして今、俺たちはフィールドに出ている。

 

「なにが『やんわり』となんだよ。朝からハイテンションだと思ったら、いきなり布団を剥ぎ取るなんてことをした癖に」

 

「な、なにユウキが回想を読めるなんて」

 

「それはね、回想はSOだけの空間じゃなくなったてことだよ。これからは僕も言うからね」

 

こんな感じにね。まあ、最初のトークが長いからこの辺で僕が占めさせてもらうよ。

 

「で、僕をこんなとこまでヒッパテ来てなにするの?」

 

「それはですね、俺たちはまだスイッチをしたことがない。なので、今から練習しようって思ってな」

 

「なるほどぉ~、スイッチって何?」

 

「聞くと思ったよ。まあ、説明しよーう。スイッチとは攻撃役を細かく入れ換えることで敵の意識の外から攻撃する機会を増やしたり回復する間を開ける事ができるという効率の良い戦い方でアール」

 

「へえ~。なるほど、確かに僕たちイッつも分担作業だったからね」

 

「そう、そうなんだよ。だから練習するぞ」

 

「ちょっと待ってよ。よくよく考えたらさ、SOの「小曲刀」はものすっごく弾かれ易くて、僕の「ライトメタルソード」は耐久力があんまりだしさ。僕たちの武器じゃ無理があると思うんだけど」

 

ハイ終ー了。練習終ー了。もう御仕舞い。もうやーだ。

 どうやら、ここは僕の出番だね。ヨシ、ボス戦までカーット。

 

 

 

時刻は朝10時チョい過ぎ。今、みんなと森ん中を歩いています。となりでキリトがアスナ、ユウキ、それに俺(?)に俺たちパーティのやることを説明している。まあ、簡単にいうと、周りの雑魚を駆逐しろっていうことだ。すると、目の前にいかにもボス部屋ですっていう感じのドアがあった。

 

「みんな聞いてくれ、俺からいうことはただ一つ勝とうぜ」

 

ディアベルが名言ではないがいいことを言いドアを開ける。

 

さあ、ボス戦の始まりだ。

 

ドアを開けると暗闇が広がっていた、進んでいくといきなりボッという音とともにロウソクに火が付いていきボス部屋が照らされる。奥にボスの『イルファング・ザ・コボルトロード』がいた。すると、飛び上がり俺たちに迫ってくる。そして、『ルインコボルトセンチネル』が3体出現する。

 

「攻撃、開始!」

 

ディアベルの声で皆、いっせいにターゲットに向かっていく。

「ウオオォォー」「ウラアアァァー」

 

 

ボス戦開始から数分、戦況は人数の差もあってか、こちらが押している。

 

「D、E、F隊!センチネルを近づけるな!」

 

ディアベルの指揮が予想以上に上手い。

 

「了解」

 

キリトが『スラント』攻撃を弾き

 

「スイッチ」

 

「3匹目!」

 

アスナがソードスキルの『リニアー』で串刺しにする。

俺はアスナのレイピアがスゲー速いことを知った。つーか、普通に速すぎ。

 

「グオオォォン」

 

どうやら、コボルトのHPが後少しのようだ。斧と盾を捨て、右手でタルワールを引き抜く。するとキリトが叫んだ

 

「だ……だめだ、下がれ!!全力で後ろに跳べッ!!」

 

「SO」side out

 

 

in「キリト」side 

 

次の瞬間、コボルトが垂直に飛んだ。ギリギリと空中で体を捻らせ武器に力を溜め、落下すると同時に、蓄積されたパワーが、深紅の輝きに形を変えて竜巻の如く解き放たれる。

 軌道―水平。攻撃角度―360度。カタナ専用ソードスキル、重範囲攻撃《旋車》。迸った6つのライトエフェクト。視界の左に表示されるC隊のHP平均値ゲージが、5割を下回ってイエローに染まった。床に倒れた6人にスタン状態である黄色いアイコンが表示される。コボルトが超大技を発動した硬直から回復した。それと同時にコボルトが

 

「ウグルゥオオ」

 

それと同時にコボルトが吼え両手で握ったカタナ―野太刀を床スレスレから切り上げた。ソードスキル《浮舟》。狙われたのは目の前にいたディアベル。

 《浮舟》は技自体に威力はあまりないがスキルコンボの開始技なのだ。赤い光が野太刀を包み、巨大な太刀がディアベルを襲う。目にも止まらぬ上、下の連撃。そこから一泊溜めての突き。三連撃技。名を《緋扇》。20m近く吹き飛ばされるディアベル。最後方の俺達の近くにまできた。となりに居たキリトがディアベルのとこまで駆け寄る。

 

「後を頼む。キリトさん。ボスを」

 

ディアベルは最後まで言い切ることなく四散した。

 

「キリト」side out

 

in「SO」side

 

たった今、指揮官がボスモンスターの攻撃で死んだ。俺は過去に指揮官を失った集団がどうなるかをみている。陣形はバラバラ、指揮官を失ったことへの動揺。こうなった集団が生き残る方法は2つ、1つは殿をおくこと。2つ目は新たな指揮官を置くこと。まあ、俺にできるのは前者だな。

 

「なあ、キリトお前は、指揮官になってこの集団を纏めろ」

 

「俺にそんな事できるわけない」

 

「それでも、やれ!その間、俺が――」

 

俺は走りだす。

 

「お前らを守る壁となる」

 

「壁になるのはSOだけじゃないよ。僕も一緒さ」

 

ユウキが隣に並ぶ。俺はユウキに「やめろ」と言おうとするが

 

「僕はSOの相棒なんだろ」

 

もう、なにを言っても無駄だな。

 

「ああ、わかった。まだやった事ないけど、武器がぶっ壊れる覚悟でスイッチ

いくぞ!」

 

「OK、任せといて蒼汰!」

 

「えっ、蒼汰って本みょ……まあ、悪くないな」

 

コボルトが硬直から解ける。すると、左の腰だめに構えようとする。抜刀系のソードスキルか。なら構える前に――ソードスキル《リーバー》を発動させ、構え終わるギリギリで弾く。

 

「スイッチ!」

 

ユウキは掛け声とともにユウキが剣を振り下ろそうとする。だが、コボルトの目が見開く。

 何か…来るな

 

「ユウキ!」

 

次の瞬間、コボルトの太刀が振り下ろされた。ユウキはギリギリでよけ《レイジスパイク》を放つ。

 

「セヤアァァー」

 

コボルトのHPが目に見える間隔で減る。

 

「次、行くぞ!」

 

技後硬直から解けた俺は、全精神力を集中さる。

 

だが、それも長くは続かなかった。ユウキと俺の必死の攻防は3回目に移るときユウキがコボルトの太刀を弾く

 

「スイッチ!」

 

俺が《リーバー》でコボルトの腹を斬り裂こうと刃を振るう。しかし、刃が腹に当たった瞬間、刃が砕ける。

 

「なっ!!」

 

俺は咄嗟にバックステップで距離を取ろうとするが、コボルトはその隙を見逃さず

《幻月》を繰り出す。俺は真下から来る太刀をくらい派手に飛ばされる。偶然、後ろにいたユウキも俺の下敷きになる。

 

「クソッ!」

 

前を見ると、コボルトが俺とユウキに止めの一撃を放つ。すると、後ろから緑色のライトエフェクトがコボルトの一撃を相殺する。

 

「あんたたちがPOTを飲み終えるまで俺達が支えるぜ」

 

さっきの一撃はB隊リーダーのエギルが放ったもののようだ。エギルはB隊の傷が浅かったメインの奴等を引き連れボスに向かっていく。

 

「ボスの周りを囲むと全方位攻撃がくるぞ!」

 

声の主の方を見るとキリトが指揮をとっている。指揮といってもエギル達だけだが。

 

「大丈夫!?」

 

声を掛けてきたのはアスナだった。俺は立ち上がりユウキの手を引っ張り立ち上がらせる。

 

「ああ、まだHPは7割くらいある。何とかなる」

 

ポーションを一気に飲み干し、新しい《小曲刀》に入れ替える。

 

「ユウキも片手剣を新しいのに替えておけ」

 

ユウキに指示しコボルトを見る。残りHPはだいたい一割か。このまま、エギルたちだけで押し切れるといいが。

 

「無理にソードスキルで相殺しなくても盾や武器できっちり守れば大ダメージは防げる!」

 

キリトの指揮もあってかエギル達は確実にボスのHPを削っている。残りHPが一割を下回ったとき、気が揺るんだのか仲間の一人が足を縺れさせる。よろめき立ち止まった場所はコボルトの真後ろだった。その瞬間、コボルトが囲まれたということを認識し巨体を奮わせ跳び、全包囲攻撃《旋車》――

 

「う……おおああッ!」

 

キリトが剣を右肩に担ぐように構え床を蹴りありえないほどの俊敏力で斜め上空に跳ぶ。右手の剣が黄緑色の光で包まれる。行く手にはジャンプの頂点に達したコボルトの太刀が真紅の輝きを生もうとしている。

 

「届……けェ―――ッ!!」

 

キリトの剣がコボルトの腰を捉え、ザシュウッ!という重い斬撃音。クリティカルヒット特有の激しいライトエフェクトが迸る。コボルトの巨体が空中で傾きそのまま落下する。

 

「ナイス」

 

俺は走り出す。

 

「ユウキ!ここで決めるぞ!」

 

「わかった」

 

俺とユウキは雄叫びをあげながら目の前のコボルトに

向かっていく。

 

『グヲオオォォ――――ッ!!』

 

コボルトが立ち上がり、太刀に赤い光を纏わせ、剣を振るう。俺はそれを弾く。

 

「オルァッ!」

 

ユウキがソードスキル《バーチカル》を放つ。

 

「セアァッ!」

 

コボルトのHPは残り3ドット。俺は曲刀を構える。青色の光が曲刀を包み刀身を右斜め下から斬り込む。

 

「ウルァッ!」

 

残り1ドット。俺は渾身の力を籠め斬り上げた刃を垂直に斬り下ろす。

 

「オルァ―――ッ!」

 

曲刀ソードスキル《リーバー》。

 

 コボルトの体がグラリと揺れ体中にヒビが入り四散し、野太刀が床に落ちる。その瞬間、力を使いきり膝を付く俺の視界に【You got the Last Attack !!】の文字が音もなく瞬いた。

 

 

 

 

 

 

 

 




戦闘シーンむずいね~

これからもがんばっていくんで評価おねがいしま~す


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第8話 論破ッパ

俺はそのばに膝を突きぜえぜえと呼吸を荒くしている。すると、視界に新たなメッセージが届いた。獲得経験値、分配されたコル。そして、獲得アイテム。

 同じものを見たその場の全員の表情が明るくなり、わッ!!と歓声を上げる。両手を挙げて叫ぶ者。仲間と抱き合うもの。そんな嵐のなかこちらに近づく影が3っつほど。

 

「SOもユウキもお疲れ様。すごい戦いっぷりだったね」

 

「いや~、なんかアスナに言われると照れるな~」

 

ユウキは照れくさそうにする。ん?ちょっと待てよ、今目の前にいるのは、キリト、エギルそして……誰?アスナ?栗色の髪に整った顔立ち。まさに、「美人とはこの私」というような人が。あの赤頭巾の中身かよ。どんなビックリ箱だよ。それと、ユウキ。いつの間に親睦を深めたんだ。

 

「なあ…聞きたいんだけどさ、アスナでいいんだよな」

 

「ええ、そうだけど」

 

アスナは一瞬えッ!なに当たり前のこと言ってんの馬鹿なの。見たいな顔をすると。俺が聞きたがっていることをわかった!っていう感じで

 

「SOとユウキがボスと戦っている間、後ろでセンチネルが出てきて倒してるときに

ケープが邪魔だったからとったのよ」

 

「あ~、なるホドね」

 

なーんだ、皆も戦ってたんだね。と思うと、エギルが

 

「さっきの剣技は見事だった。コングラッチュレイション、この勝利はアンタの物だ」

 

英語の発音マジ完璧。それに太い笑みを浮かべる。だが、この勝利に繋いだのは

 

「いやいや、俺なんて。あそこでキリトのソードスキルがなかったらあんな攻撃できひんし、それにユウキがいなかったら今頃、首がとんでたよ」

 

「はははッ!おもしろい兄ちゃんだぜ」

 

エギルが拳を突き出す。俺もそれに答えようと左手をだそうとすると

 

「なんでや!」

 

この声、それに関西弁。キバ...じゃなくてマキバオウ。

 

「なんでディアベルはんを見殺しにしたんや!」

 

怒号いや悲しみからきた叫びのような声がその場に響く。意味がわからなかった。なぜ、そんなことを言うのか。

 

「見殺し...?」

 

隣にいるキリトが俺の思ったことを言った。すると、返ってきたのは怒号だった。

 

「せや!そいつはボスの使う技しっとたやないか!。最初っから、あの情報を伝えっとタラ、ディアベルはんは死なずにすんだんや!」

 

血が吹き出るンちゃうかというくらいの叫びに残りのメンバーがざわめく。

「そういえば……そうだよな」「なんで……攻略本にも書いてなかったのに」

 マキバオウのとこにいた誰かがこちらに来て、キリトに指を突きつけ叫ぶ。

 

「オレ…オレ知ってる!!こいつは元βテスターだ!!だから、ボスの攻撃パターンとか、旨いクエとか狩場とか、全部知ってるんだ!!知ってて隠してたんだ!!」

 

どこの馬の骨ともわからないよな奴の叫び。そんな奴が人のダチを馬鹿にするとはいい度胸だゴラ!だが、ここは紳士的にいかんとな。

 

「まあ、一回落ち着け。ここは、キリトにも聞かないと」

 

俺はできるだけ刺激しない言葉で馬の骨クンに言う。これで、少しは落ち着く……と思った俺が馬鹿だった。

 

「ああ、お前はすっこ「ぶふぉあッ」

 

宥めると余計に言い出してきたので殴りとばす。ざっと5mくらいかな。

 

「やっぱ無理か。せっかく俺が心優しぃーく言ってやったのに逆ギレするとわな」

 

俺は一拍ためて思ったことをいう。

 

「お前ら、この攻略本の最後に【情報はβテスト時のものです。現行版では変更されている可能性があります】というメッセージが書いてあるのは知ってるよな。もし、キリトがβテスターなら知識はこの攻略本と同じだって事だろ」

 

「そ、それは...」

 

押し黙った馬の骨クンの変わりにシミター使いの男が憎悪に溢れる一言を発した。

 

「あの攻略本が嘘だったんだ。アルゴって情報屋が嘘を売りつけたんだ。アイツだって元βテスターなんだから、タダで本当のことを教えるわけなかったんだ」

 

「はッ、馬鹿じゃねーのお前。情報屋が嘘なんか書いてみろ、信用がガタ落ちして誰もその情報屋の情報なんて買わなくなって最終的に潰れるんだよ。なのに、なぜ、そんなことをするんだ?なぜ、わざわざ、嘘を売る必要があるの?嘘を売るんだったら別にβテスターなんて書かなくてもいいよね。ねえ、まだこの情報が嘘だと思う?なあ、オイ」

 

ハイ、論破。やった、やったよ俺。初めて論破しちゃったよ。だが、まだ消えていない火種があった。

 

「認めん!認めへんで、いくらお前が正しいことを言おうとワイは絶対に認めへん!」

 

「はっきり言って、ディアベルが死んだのは誰のせいでもない。それをお前はキリトが見殺しにしたという。ではなぜ、キリトが見殺しにしたという疑念が生まれたのか?それは、ディアベルがコボルトのソードスキルを受ける直前にキリトが後ろに跳べという台詞を言ったことで生まれた。はい!ここで矛盾点発生!もし、キリトが見殺しにするつもりだったなら、わざわざ、後ろに跳べなんて普通、言わねえよな」

 

またまた論破きたー!今日の俺、冴えてる。さすがに反論の予知なしと思ったディアベル宗教団体の人たちはしぶしぶ下がっていった。今、この場にいるのはユウキ、俺、キリト、アスナそれとエギルだった。

 

「さっきは…その…ありがとな」

 

キリトが礼を言ってくる。

 

「ダチが困ってんだ。助けるのが当たり前だ」

 

「それにしてもSOよくあんな事思いついたね」

 

「本当に私もビックリしちゃった」

 

「ああ確かに見事な力説だったぞ」

 

みんななんか褒めてくるな~。

 

「そんなに褒めるとは照れますな~」

 

思わず笑みがこぼれる。不意にアスナがこんな事を

 

「そういえば、ラストアタックボーナスって何だったの」

 

アスナが頭に疑問符というか?を浮かべる。そういえばどんなんだろう。

 

「あッ、それ僕も気になってた。SO見せてよ」

 

「ヨシッ!皆さんのご期待に応えまして披露しよう!」

 

俺はさらっと空をかきメインメニューから装備の覧にうつり獲得アイテムの《コードオブミッドナイト》を選択し装備すると

 

「なんじゃこりゃあぁ!」

 

ちょんちょんのコートだった。

 

「なんやこれ!バグなの!初めてのボス戦でゲットしたものがちょんちょんのコートとか有り得ねえ!」

 

みんな笑い出す。なんだかこういう時が幸せって感じるよな。

 

「あ~もう!こんなコート、イラねえ。キリトお前にくれてやらぁ」

 

俺はそのまま装備解除ボタンを押し、ストレージに戻ったコートを選択しキリトのアイコンをタッチし『渡す』を押す。

 

「いいのか!俺がもらって。これ今までで一番強いヤ「いらないよ」

 

俺はキッパリといいきり、パーティーの解除を押し、ユウキにパーティー申請を送る。

 

「行くぞ、ユウキ。さっさと宿を探さないと部屋無くなんぞー」

 

「ちょ、ちょっと待ってよSO」

 

第2層に上がるべく歩き出す。

 

「もう。じゃあね、アスナまたどこか出会おうね」

 

ユウキはさらっと指を動かしアスナにフレンド申請をおくった。

 

「ユウキ...」

 

アスナに手を振り、ユウキはSOの後を追う。

 

「…また、会おうね。ユウキ…」

 

アスナは小さな声でそうささやいた。一方そのころ2層では

 

「ねえ、SO本当にあげちゃっても良かったの?」

 

ユウキが顔を下から覗き込みながら聞いてくる。な、なんだこの角度は...ヤベェ

 

「いいんだよ。相棒さえいればな」

 

ユウキの頬がほんのり赤くなり、さらに...ヤベェ。ユウキは笑みを浮かべて

 

「じゃあ、僕も相棒というかSOがいればいいよ」

 

ピッチャーの剛速球が俺の胸にささるどころか貫く。その瞬間、俺の精神HPに多大なダメージを与えた。

 その後、いろいろトークをして、宿を見つけベットにダイブしわずか2秒で寝た。

 

 




どうでしたか今回の話は?
感想&評価 待ってマース!


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第9話 剣豪からの贈り物

さ~てユー二クスキルが出現です


1層攻略から約1年と10ヶ月。現在、73層まで攻略されている。俺ことSOとユウキは攻略組みのメンバーとして名を馳せている。ちなみに今のホームタウンは61層の《セルムブルグ》という城塞都市だ。市街は全部、白亜の花崗岩で造られ緑もあるいい町でユウキがここに住みたい!と言い出しこの町に一軒家を購入した。

 今の装備は、「インフェルノディザスター」というかなり禍々しい雰囲気の浅黒く内側に沿った片手用曲刀である。曲刀ソードスキルはコンプリートできている。ソードスキル以外には体術スキルと索敵スキルなどなどいろいろ上げている。その中でも体術スキルはコンプリート状態である。防具は動きやすい軽装備である。

 

 俺は現在、みんなとボス攻略NOW。

 

「SO!前見て!」

 

「ふぇッ!あだぁ―――ッ!」

 

余所見をしていたせいで73層の地味かっこいい鎧武者のボス《剣豪の成れの果て》最初この名前を見たとき驚いたよ。この名前は名前として受け取っていいのかと。

 まあ、慣れたら大した事じゃないけど。ボスは2mイクかイカないカくらいの身長で、このボスの一番の特徴は一見楽に見えるけど楽じゃない『フェアバトル』

っていうルールがあるということ。

 このルールは絶対に1対1でボスは相手が戦闘態勢に入るまで攻撃してこない。だからといって近づきすぎると斬りすてごめんなので注意だ。

 後は戦う前はHPをフル回復してくれて両者ともソードスキル禁止で自分の剣の

技量だけで戦い、HPは挑戦するプレイヤーと同じ数値になるということくらいだ。

 まあ、いい奴なのかわからない。

で、誰が挑戦する?となって俺が行くっていって絶賛、戦闘中のときに状況説明

をしてたら鞘でぶん殴られたというわけで

 

おっと今のでHPが2割トンだよ。

 

「こっからは俺の番だ」

 

俺はそう呟き剣豪の懐に跳び込む。跳び込んだ瞬間、剣豪の成れの果てというだけあって見事な反応速度と剣速で俺に斬りこむ。俺も剣で斬りこむ。二つの刃がぶつかり合う。ものっすごい衝撃派が生まれる。鍔ぜりになる前に俺は一歩引き、剣先が届く範囲で切りまくる。だが、ヒットしたのは最初の3,4回だけで後は受けられる。斬り終わりにバックステップで距離をとった。

 HPの残量は俺が6割、剣豪が5割強といったところか。これは長い戦いになり

そうだ。

 

[SO] side out

 

 

 

 

 

in ユウキ side

 

僕は今、ものすごいものを見ている。剣豪の素早い剣撃は並みのモンスターとは比べ物にならない位なのにSOはそれを平気な顔して何十回と避ける。

 それに、SOも剣の速さは負けてない。否、剣速は抜刀のときSOが上回ってる。

 

「やっぱりSOはすごいね」

 

「うん、SOくんはすごいね。強いし優しいしユウキが気になるのもわかるわ」

 

隣にいたアスナもSOのことを賞賛する。って、え?

 

「ちょっ!気になるってどういうことアスナ!」

 

「だってユウキ、いっつもSOくんの傍にいて、SOくんだってユウキが辛いそうにしてたり悲しいときにユウキを励ましたり元気づけたりして二人ともお似合いだな~ってみんな思ってるよ」

 

なんだか、顔がどんどん熱くなっていく。確かにSOは強くて優しくてなにより僕を守ってくれるって言ってくれて優しい僕の大切な人...って、あれ?もしかして僕は本当に...

 

「ん?アスナ今、なんて……みんなって」

 

周りを見るとクラインはニヤニヤして、エギルはウンウンとうなづく。その他の攻略組みでよく会う人たちもニヤニヤしてる。えっ……うそ。こんなに大勢。

たぶん、僕の顔は真っ赤になってると思う。

 

 

ユウキ side out

 

 

 

in 「SO」 side

 

 

戦闘開始から約20数分そろそろ俺の集中力が切れてきた。剣豪の残りHPは2割弱。

ならそろそろ、決着といきますか。

 俺はあえて自然に自分の頭を空け、隙を作る。アイツが本当に剣の達人ならこの誘い

に乗るはず。

 すると、空けた瞬間に俺の頭に刀が振り下ろされる。

 

「うおるぁ―――ッ!」

 

剣豪の刀を斜め前で受け流し剣豪の腹に斜め上から斬り下ろす。さっ、という音とともに

剣豪の腹から背中まで斬り抜く。残りHP...おっ!5%ってとこか。

抜けた後、すぐさま振り返る。そして、上段から相手の頭めがけて剣を振り下ろす。

 

「グハぁ...」

 

剣豪が初めて声を上げる。

 

「……御主…強いな…この……勝負…我の負けだ……御主に…なら……我の…力を…

託せる…」

 

剣豪はそう言い、俺に手をかざす。すると光が出現し、俺を包み込む。だが2、3秒もすると光が消え元の景色に戻るとメッセージが届く。【You gave power!!】

 なんだ、このメッセージは?次に浮かび上がったのは《Error》なんだこれ?

 

「ふざけんなや!なんでなんや!なんで俺が止めさした時のボスはこうもふざけたモンばっかよしやがってぇ―――ッ!」

 

あーあ久々にぶ千切れたよ。後ろからユウキの声が聞こえる。

 

「どうしたの、SO」

 

「ぐすん。実は...」

 

俺はボーナスについて皆にはなした。皆酷いリアクションだった。

「おいおい、やっぱお前はボスに嫌われてんな」「あーあ、もったいね」

などなど皆ヒデェー。

 

「コンチクショー!」

 

その後、いろいろ話してその日は解散した。ホームタウンにユウキと戻り、現在、マイホームにいる。

 

「それにしてもSOってすごいよね。剣豪の斬撃をあんなによけて20分以上も戦っていられるなんて」

 

ユウキが唐突に言い出す。

 

「そ、そんなこと言うと照れるやないか」

 

俺は少し赤くなる。ん?そういえば...

 

「ユウキさあ。俺が戦ってる間、皆と何話してたの?」

 

今度はユウキが赤くなった。

 

「い、嫌~。なんだっけな~あっはっはっは」

 

ユウキが笑いながら、誤魔化す。怪しい~ね。

 

「誤魔化そうとしても無駄だね」

 

ユウキの顔がさらに赤くなる。おいおい。

 

「大丈夫かユウキ」

 

ユウキはスポン、スポンと白い煙をあげて

 

「うん大丈夫...大丈夫」

 

ユウキの傍にいき隣に座る。

 

「よし!今日は疲れたし。もう寝るか」

 

「う、うん。そ...そうだね」

 

ユウキの了承を得てから電気を消し、2人ともベットに入る。さすがに1年も一緒に寝ていればもう慣れて今じゃぐっすり眠れる。

 

 

~一方そのころユウキの心の中~

 

 

ああ~もう何でだろう。なんでこんなに体が熱いんだろう僕。アスナにあんなこと

言われたからかな。なんかもうこういう時はどうすればいいんだろう。そう考えた

時、頭にある言葉が浮かんだ『そういう時は逆に考えるんだ。あげちゃってもいい

さと』(by ジョースター卿) って何をあげるって言うんだよ!

 

 その日の夜、ユウキは眠れなかったという。

 

 ~翌日~

 

「ふぁ~あ~」

 

朝、目が覚めてそういえば昨日、獲得アイテムみてないな~なんて思った。アイテム

の一覧を見ようとメニューウィンドウを開き選択しようとするとミスってスキルウィ

ンドウを開いてしまった。

 

「おっと。ってん?」

 

よく見ると増えてる。なんか増えてるんですけど!

 

「え~と何々...ってパワードスーツ!!」

 

増えていたのは「Powered Suit」というとんでもないのが増えている。もしかして

あの剣豪がくれたのはこれか?これなのか!ありがとう剣豪。あなたに「糞ボス死

ねえぇ―――ッ!」って言ってごめんなさい、マジすんません。武器のほうも確認

すると昨日は《Error》とでていたとこが変わっている。

鎧型装備《義体》になってる。あれ、あれれれ。ワアーオ、

うっしゃアー!

 

俺のテンションがMAXになり叫ぶ

 

「俺の時代来た―――ッ!」

 

 

 

 

 

 




こんな感じのユニークスキルはどうでしょうか?モデルはメタルギアライジングの
雷電の義体で~す。

感想よろ


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第10話 気になる訳

ユウキ目線での過去エピソードです。


第73層を攻略して次の朝。僕は叫び声で目が覚める。

 

「うるさいな~」

 

目をこすりながら起きるとSOが叫んでいた。

 

「俺の時代来たぁ―――ッ!」

 

なんだよもう。僕は寝起きに騒がれるのはあんまり好きじゃない。それにしてもSOがこんなに叫ぶことは今まであったけ。うーん…あったような。

あっ!そうだ。あの時だ。あの時に僕はSOをいや蒼汰を好きになったんだ。66層のときにおこったこと…

 

第66層 迷宮区2階

 

僕はいつも通りSOと一緒に迷宮区の探索をしていたんだ。

 

「なあユウキ。疲れたときはいつでも言ってくれよ」

 

「わかったよ。ありがとうSO」

 

すると目の前に《ブロンズ・スカル》という銅色の骸骨で片手剣を持つモンスターが5体出現する。武器を持っているといっても《ブロンズ・スカル》通称「ブロスカ」はソードスキルを使用するのは極稀で大抵はソードスキルを使わずに倒されちゃうっていう見掛け倒しの骸骨くんなんだよ。

 

「ゲゲ、「ブロスカ」が大量じゃん」

 

「なんかいっぱい出てきた」

 

「まあ、こんくらい余裕~」

 

僕たちは背中を合わせて後ろを付かれない様にする。

 

「俺は前の3体をやるから、ユウキは残りの2体を頼む」

 

「OK、SOもあんまり無理しないでよ」

 

「お互いな」

 

そう言い、僕とSOは同時に相手の懐に飛び込みお互いに速攻で骸骨軍団を斬りまくる。

 戦闘開始からわづか8分で決着がつく。僕もSOも余裕で「つまらないな~」とか

「相手が弱すぎるんだよ」なんて感じで上の階に上ることにした。

 

「なんか、雰囲気が変わったな」

 

SOが唐突に言う。

 

「雰囲気が変わったていう事はボスの部屋が近いってことかな」

 

わくわく、わくわく

 

「まあ、その可能性が高いな。じゃあ、ボス部屋を探しますか」

 

「やったぁー」

 

やったね。これで僕たちが部屋を見つけて皆に言ったらなんて褒められるかな。それに

SOより先に僕がボス部屋を見つけたらSOはなんて褒めてくれるんだろう。

 

「じゃ、じゃあSO。2人で手分けして探そうよ!」

 

「えっ、でもこの階はまだマッピングされてない所があるから…………」

 

僕はSOの返事を聞かずに探索を始める。どこかな~どこかな~。迷宮区を走りながら

ボス部屋を探す。角を何回も曲がりときにはモンスターを蹴散らし、隅々まで行く。

 しかし、疲労が溜まってきたのか足を止めてその場に座る。落ち着いて周りを見回すとモンスターに囲まれていた。

 

「えっ!なんでこんなにモンスターがいっぱいいるの!」

 

いくらなんでも一気にモンスターが10体以上も出現するなんて。そこまで考えると

答えはすぐにわかった。探索途中に出現した「ブロスカ」や《シルバー・スカル》(シルスカ)とかの倒し残しが僕の後を追ってきて、それが溜まりに溜まってこんな大群ができちゃったポイね。

 僕って馬鹿なの

この数を一人で相手にするのは無理。だったらどうしたらいい、

 そのとき、ある案が浮かぶ。視界の右端にある地図を確認する。元いた場所に戻るには今僕が向いてるほうの真反対か。それなら、僕はさっと後ろに振り返りモンスターの大群の一部分に全力疾走をし、突っ込む。

 

「ぐっ なっ がは」

 

半ば無理やりモンスターの間を抜ける。だが当然、無傷ですむはずがない。今ので残りHPは6割くらい結構くらっちゃたかな。そのまま走ってSOと分かれた場所を目指す。しかし、急に足が前に進まない。そのまま、地面に顔をぶつける。

 

「痛ッ!」

 

足元を見ると足首の辺りに手がある。これは《クレイジーモーア》地中からの攻撃を得意とするモンスターで走っているプレイヤーや立ち止まったプレイヤーの足を掴み地中に引きずり込もうとするが掴んでいる手を斬るとすぐに逃げるので特に危険視する必要はないんだけどこういうときは一番注意しないといけない相手だ。

 手を斬りつけ「クレモ」は逃げていく。この間、僅か2秒だがこの2秒が命取りだった。後ろの大群はまだ数匹しかきてないけど、新しく出現する。

「ブロスカ」3体がもう目の前に迫って片手剣を振り下ろす。ガリっとHPが削れる。僕も反撃しようと立ち上がり目の前の「ブロスカ」を切り刻む。ザンっと後ろから攻撃される。残りHPが赤く染まる。

 う、嘘。こんなところで僕は……。

「ブロスカ」がさらに一撃と剣を斜め上に剣を振りかぶる。

 

「ここで終わりかな」

 

この状況を抜け出すのを諦め死を受け入れる。

 

ああ、こんなとこで僕は独りボッチで消えるのか。静かにまぶたを閉じ 「ブロスカ」の剣が振るわれ頭に当たる直前――――

 

「ユウキィ――――――ッ!」

 

ドカッ!という音が響く。目を開くとそこには、黒曜石のように黒い髪、黒と赤で彩られた服。目は純粋で一点の曇りもない赤い瞳の少年が剣を振り下ろそうとする「ブロスカ」に赤い光を纏った拳を叩き込むSOの姿があった。

 

「大丈夫かユウキ。立てるか?」

 

SOは「ブロスカ」を睨み付けたまま言う。

 

「ど……どうしてここに」

 

「話は後だ」

 

そう言いSOは周りを囲む「ブロスカ」を体術スキルの乱用で怯ませ、僕を抱えて体術スキル《壁面走行》で壁を走り大群を抜く。スキルの効果がきれて壁から離れる。その後はSOに抱えられたまま迷宮区を抜けた安全エリアまで来てSOは僕を下ろす。

 

「あ、ありが………」

 

パシッという音が響く。僕の頬に衝撃が走る。

 

「いきなり飛び出すなんてなに考えてんだよ!俺があと一歩遅れてたら死んでたんだぞ!」

 

「……ごめん」

 

SOを見ると目を閉じていた。

 

「でも……」

 

そう言いSOは僕を抱きしめる。

 

「……助かって良かった。本当に……良かった」

 

SOの言葉で今まで溜まっていた恐怖などの感情をが堰を切る。すると、目頭が熱くなり目から涙が止め処なく溢れ流れ出し、そのままSOに抱きつく。

 

「怖かった…すごく怖かった。このまま死んでいってSOや皆に会えなくなるのが……怖かったんだよ」

 

「あぁ、よく耐えたな」

 

SOは優しく僕の頭を撫でる。頭を撫でられ安心したのかそれとも泣きつかれたのか自分でもわからなかったが僕はそのまま寝てしまった。

 

 目が覚めるとそこは《セルムブルグ》にあるマイホームのベットだった。起き上がって周りを見るとSOの姿がなかった。どこに行ったのかと考えたとき自分の横からスゥースゥーと寝息を立て寝ているSOがいた。SOを見つると僕は自分が昂揚するのを感じた。

 

おかしいな今までこんなことなかったのに。イヤ、違うな。今まですぐ傍で当たり前のようにいてその当たり前を僕は失いかけてやっと気づいたんだ。

 

僕は……松永蒼汰が好きだ。

 

 

 

 

 

~現在~

 

「お~いユウキ~。聞いてる?聞いてますか~」

 

少し昔のことを思い出していたらSOは僕が起きた事に気づいたみたいだ。

 

「え~と~。何の話だっけ?」

 

「おいおい、俺の30分にも及ぶ長~い説明をいっこも聞いてなかったの!」

 

「えっ、30分も話してたの。それはごめんね」

 

フッフッフとへんな笑い方をしてSOは

 

「まあ~聞いていなかったのなら、また話してしんぜよう」

 

「いや、そこまで長いのは流石に……」

 

「なっはっは、案ずるな時間はたっぷりある。そうだなあどこから話そうかな……」

 

結局30分きっちり話され朝から少し疲れたような気がした。だけど、こういうのも悪くないね。

 

 




お気に入り登録者がぜんぜんいないよ~。誰かお気に入りしてくれ~。

感想、待ってま~す。


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第11話 俺TUEEEEEEE

投稿遅くなってスンません。


ユニークスキルが73層のボス《剣豪の成れの果て》のお陰(?)で誕生しちゃった。さあ、君ならどうする?

新しいおもちゃが手に入ったなら速攻で遊ぶよね。俺だってユニークスキルができたんだったら速攻………

使うに決まってンだろうがぁ―――ッ!

 

「迷宮区に行って来る!」

 

「えっ、ちょっと待ってよ!」

 

俺はユウキの静止を聞かずに迷宮区えGO!

 

 

 

~第74層・迷宮区……の手前~

 

「おっと先ずは《Powered Suit》着るときの決めゼリフを決めないとな」

 

う~ん、どんなのがいいかな。やっぱカッコいいのがいいよね。

 

-30分後-

 

「スピー、スピー」

 

「SOなにやってんだ?」

 

「SO君なにしてるの?」

 

「SO早く起きてよ~」

 

俺(キリト)がこの空間で話すとは思ってもみなかったよ。まぁ、状況を説明すると俺とアスナがパーティーと組むことになった。その訳はソロだと緊急事態とかに対処ができないことがあるという理由で半ば強制的に組まされた。

 パーティーを組んだから早速ボス攻略に貢献しようと迷宮区に来ると前をユウキが何かを探すようにキョロキョロとしていたので声をかけてみるとSOが新しくでたユニークスキルを試すために迷宮区に走っていった。でもハイテンションのSOの速さについて行けず見失ってしまったらしい。アスナは事情を聞くと「私たちも一緒に探すわ」

といい俺もSOのユニークスキルを見てみたいと思いから探すことにした。だが開始1分で見つかったSO。迷宮区の前で寝ているのを発見された。

 

「ん~、このヤロゥ~必殺、鎧着ちゃうんだからね(ツンデレver)を喰らえェ~ムニャムニャ」

 

「なんて寝言だ」

 

「SO君、なに言ってるのよ」

 

「たぶん鎧を着るときの決めゼリフを考えてたら寝ちゃったんだろうね」

 

「なるほど」

 

「確かにSO君ならありそうね」

 

「だけど、さすがに起きてもわないとな」

 

「じゃぁユウキ起こしてあげたら?」

 

「別に僕はこのままでもいいけど。まぁユニークスキルってどんな物なのか見てみたいしね」

 

ユウキはスゥーと息を吸い、そして

 

「起きろォ―――――ッ!」

 

ビクッとSOが跳ね上がる。

 

「うわ敵襲じゃあ!ってあれ皆なんでこんなとこに居るの?」

 

「SOを探しにてたらアスナ達が来て、一緒に探してもらってたんだ。でも1分くらいで見つかったけどね」

 

「あ~なるほどね。遂に最初ボッチだった2人が結ばれるっていうことか」

 

こっからはこのSOが担当な。そう言った瞬間、レイピアの切っ先が目の前に。ワ~オ。

 

「SOく~ンそれはどういうことかな~」

 

「アスナが怒るを通り越して冷静に絶対零度の笑みを浮かべてる」

 

ユウキが丁寧に解説してくれる。若干、キリトが震えているような気もするが今は俺の身の安全が優先だ。

 

「イヤ、お似合いのカップルですな~なんtヘプシッ!」

 

俺は空を飛んでいた。あっ、なんだかお花畑が見えてきた。あははははは。

 

「うわっ、SOが飛んだ!」

 

「おぉ!SO大丈夫か!」

 

「あぁSO君ごめんなさい。つい……」

 

-20分後 迷宮区-

 

「さっきは本当にごめんなさい」

 

「イヤ、悪乗りした俺が悪かった。すまん」

 

そんな会話をしてるとキリトが

 

「SOどうせ、試すんだったら奥のほうの強いモンスターで試そうぜ」

 

「確かにそれもそうだな」

 

だが内心、俺はキリトが言ったもっと強いモンスターより強いモンスターと戦いたかった。

 

-1時間後-

 

「SOまだ~」

 

「ん~リザードマンも骨野郎も確かに強いけどもっと強いのと戦いたいんだよね~」

 

俺たちはスタスタと歩いていくとマップで空白だったとこの先に明らかにボス部屋だと思う門があった。

 

「おぉ!俺の求めるものが今、目の前に」

 

「えっ!SO君。行くつもりなの」

 

「SO、様子を見るだけにしようぜ」

 

「そうだよSO。いくらなんでもボスでユニークスキルを試すのは……」

 

「皆、全否定ですか……じゃあ様子を見て倒せそうだったら殺るな」

 

皆ボス部屋の門に手を添え3、2、1で門を開ける。当然、中は真っ暗。抜き足、差し足で中に入っていき真ん中ら辺でボッと明かりが付いていき奥からでかい大きな悪魔の姿が現れる。青白く輝く目、捻り巻かれた角、マッチョな体、頭はヤギ、下半身はなんかの動物みたいな足。全身から俺こそが悪魔みたいなオーラを放っている。名前は…

《The Gleameyes》

輝く目という意味ですか。グリームアイズ、俺のユニークスキルの試し相手には十分だ。

 そこまで解説するとグリームアイズ略して「グリア」は雄叫びを上げる。

 

「いいnグフェ!」

 

「いやああああああああ!」

 

「うわあああああああああ!」

 

「きゃああああああああああ!」

 

俺以外の全員が悲鳴を上げ、くるりと振り向き、全力ダッシュする。ボスモンスターは部屋からでないっていうのに!それに

ユウキ!俺の首をHOLDするのはやめて!

 ユウキは結局、安全エリアまで俺の首を閉め続けた。

 

「ユウキ……俺…死ぬ」

 

「あっ!ごめん」

 

ユウキは俺の首を放す。ゲホッゲホッと俺は咽る。

 

「あー、死ぬかと思った」

 

「大丈夫SO?」

 

「撫で撫でしてくれたら大丈夫かも……なんちテ。あれ、ユウキさ~ん聞いてますか~」

 

ユウキはくるくる目を回して顔が赤くトマトみたいになってる。

 

「し、仕方ないね…ShOの頼みだからねぇ」

 

「お~い、ユウキさ~ん。冗談ですよ~。それに俺はSOだよソ・ウ。ShOだとショーだよ」

 

ユウキはまったく聞こえていないようだった。ふらふらの手で俺の頭にポンッと手をのっけてワシャワシャと撫でる。ん~悪くないねぇ~。

 

「あの~ユウキ。そろそろ……」

 

はあ~と息を吐き両手でユウキのホッペ引っ張る。

 

「ふぇえ、ひたいよ~SO~」

 

するとゲートから誰かが入ってくる。あれは……クラインとそのギルドメンバー達。

 

「おーキリト。しばらくだな」

 

クラインがキリトを発見し声を掛ける。だがキリトは少し曇った表情をする。

 

「まだ生きてたかクライン」

 

酷くね。いきなり会ってまだ生きてたかって酷くね。キリトは思いやりが足らないからボッチになるんだよ。一応言っておくがクラインと俺は攻略会議で数回しか会っていないからお互い顔と名前くらいしか知らない。あっ、でもユウキは結構、親しいみたい。

 

「ソロのお前が誰かと組むって珍し……」

 

「ああ、攻略会議で何回か会ったことあると思うけど一応紹介するよこっちはギルド風林火山のクラインでこっちは血盟騎士団のアスナそれと……」

 

「SOだ。んで、こっちは相棒のユウキ……って聞いてんのかオイ」

 

するといきなり、クラインがピシっとなりお辞儀で手をだし

 

「こ、こんにちはクライン24歳独身、恋b…グフTッ」

 

てんぱったクラインにキリトの腹パンが炸裂しそのまま後ろに倒れると。

 

『リーダー!』

 

ギルドの人達がクラインのことを一瞬気にかけたが…

「血盟騎士団のアスナさんじゃないですか」「お会いできて光栄です」などモブ発言連発。キリトがアイドルの警備員みたく手を広げ抑える

 

「ま、まあ悪い連中じゃないから。リーダーの顔はともかくグッ痛…お前…」

 

復活したクラインがキリトの足を踏みつける。

 

「ふっふっふお返しだ」

 

「オイ俺が解説にしか出てきてねぇーじゃんか。俺も混ぜろ空気は嫌だー」

 

俺も参戦してキリトの足を踏む。「痛ッ!」いいリアクションだ。キリトとクラインと俺がじゃれ合っているとユウキとアスナが笑い出す。

すると、クラインがキリトと俺の肩を組みヒソヒソ話をする。

 

「どういうことだよキリト」

 

「えーとそのー…」

 

また空気の俺。一層目のアスナの気持ちがわかった気がする。

 

「こんにちは。暫くこの人とパーティー組むのでよろしく」

 

「キリトてめぇ!」

 

クラインがキリトに飛びかかろうとすると。ゲートから全身中世の騎士みたいな鎧を着た集団が入ってくる。たぶん軍の奴らだな。

俺たちの5m先くらいで隊長らしき人物がとまり部下の方を向き

 

「休め!」

 

かなり太い声のおっさんだ。なんでこんな人がSAOやってんだろう。世の中の大人の信頼がこの世界に来てかなり減ったような気がするのは俺だけでしょうか。

 おっさんが俺たちの前で立ち止まる。

 

「私はアインクラッド解放軍コーバッツ中佐だ」

 

「キリト、ソロだ」

 

「君らはこの先も攻略しているのか?」

 

「あぁ、ボス部屋の前までマッピングしてある」

 

「ふむ、ではそのマッピングデータを提供してもらいたい」

 

「はぁっ#」

 

「お前マッピングする苦労が分かって言ってんのか!」

 

俺はムカつきの声をだしクラインも俺に便乗し声を荒げる。

 

「我々は一般プレイヤーに情報や資源を平等に分配し秩序を維持すると共に一刻も早くこの世界からプレイヤー全員を解放するために戦っているのだ!故に諸君らが我々に協力するのは当然の義務である!」

 

「あ、あなたね!」

 

「おじさん、それは横暴だよ」

 

「てめェ!」

 

アスナ、ユウキ、クラインがそれぞれの怒りを短く言う。するとキリトがクラインをてで止める。

 

「町にでたら公開しようと思っていたデータだ。構わないさ」

 

キリトがさらっと空を掻きメニューを開くのがわかる。俺はキリトの腕を掴む。

 

「まあ、待てや。なあ、あんた…えーと…コーバッ…じゃなくてスパッツさんよぉ」

 

俺がそう言うと部下を含めた、部下を含めたこの場の全員が笑いだす。

 

「でたよSOの合ってる名前を言いかけて最後に間違えたのを言うのクフフ…」

 

キリトが笑いをこらえながら皆に言う。アスナもそれにウンウン首を縦に振る。ユウキなんか腹を抱えて大笑いしている。クラインは悪乗りでスパッツを言いまくっている。部下なんか全員笑いをこらえて咽ている。

 

「き、貴様!無礼だぞ!」

 

スパッツは怒りの混じった声で俺に訴える。

 

「ワリィな、ちょっと度忘れが激しいモンでね。俺が言いたいのはマップデータはやってもいいが明日の午後にここに来たらだ」

 

「なにを言うか!何故、我々が明日わざわざここまで来なければならない!今すぐマップデータを渡せ!」

 

「マップデータを渡したとしてスパッツはどうするつもりなんだ。まさかと思うがボスにちょっかいを出そうってのか?」

 

「我々、解放軍は一日も早くこのアインクラッドを攻略せねばならない!一層、一層会議をしている場合でわない!」

 

「つまり、ぶっつけ本番でボスに挑むってか。はぁーあ、無能なスパッツ隊長の下に付く部下は大変だな~」

 

「私がスパッツだと!一刻も早く攻略をしようと日夜働いているこの私がスパッツだとぉ!!」

 

「あーそうだよ。無能な隊長が率いる隊は必ず全滅する。俺はそういうのを何度も見てきた。だから、わかるんだ」

 

昔から組どうしの抗争を見てきた俺は負けた側は何故、負けたのかと思った。その答えは数回、抗争をみると出てきた。負ける側はいつもリーダーが正しい判断ができていないことだ。明らかに戦力差がある抗争でもリーダーが正しい判断をすれば勝てる。「桶狭間の戦い」が良い例だろう。

 

「それにな、お前が引き連れている部下たちはかなり消耗していて戦闘時に動けなくなる可能性がある。もし、そうなったらどうなると思う。確実にボスの標的にされ殺される。しかも、全員消耗している何人か倒れてみろ、陣形が崩れてボスの攻撃で全員嬲り殺しだよ……これを聞いてまだボスに手を出すつもりか」

 

コーバッツは俺の考えが正しすぎる性か歯を食いしばり押し黙る。数秒間の沈黙が続くがそれを破ったのはスパッツだった。

 

「あぁ、わかった。ここは退こう。だが、明日の午後にここに現れなかった場合、そのときはどうなるか覚えていろ」

 

スパッツは部下達に

 

「さあ、立て!帰還するぞ!」

 

そう言い解放軍の連中はゲートから出て行った。

 

「まあ、ちったぁー話のわかる奴で良かった」

 

「おぉ、SOお前やるじゃねぇか」

 

「SO君って演説が得意なんだね」

 

「結局、SOは最後までスパッツって言い続けたな。皆、途中からコーバッツがスパッツって言われてもなんにも突っ込まないから逆に笑えてきてクフフ...」

 

「SOってさぁ、前から気になってたんだけど現実のほうではどういう環境なの?」

 

「え~とまあ、不良の母とヤクザの父から生まれたのがこの俺で昔から親父について行って組同士の抗争を見たりしてたんだ」

 

皆、目が点になった。

 

「えぇ!じゃあSOはヤクザの息子ってこと!」

 

「Yes!」

 

グッジョブマークで答える。

 

「まぁ、自分で言うのもなんだけどそこまで悪い奴じゃねぇから夜露死苦」

 

ビクッと皆、体が震える。おっとつい昔の癖が。

 

「じゃあ俺はボスんとこ行ってくる」

 

「えッ!SO今コーバッツさんにぼろ糞言ったのに行くって」

 

「だってさあ、どうせユニスキ試すんだったらさぁ強い奴がいいじゃん」

 

くるっと前を向きすたすたとボス部屋に向かった。

 

~ボス部屋前~

結局、皆ついてきて今はボス部屋の前で立ち止まり装備の変更をしようとしている。

 

「じゃあ行きますかな」

 

俺は武器の変更で曲刀から鎧型武器兼防具の『義体』を選択しようと変更ボタンを押す。すると全身が光に包まれて力が漲るのを感じる。光が消えて周りを見ると視界にはさっきと変わらない景色が広がっていた。

 しかし、それ以外はまるで違った。周りにいる皆の位置を感じ取り、五感なども鋭くなりまるで別の生物になったような気がする。新しく感じる気分に浸っていると唐突に左側に武者が写る。

 

『どうだこの鎧は気に入ったか』

 

誰だ!

 

今まで見たことも聞いたことの無い物だった。イヤ、この声はどこかで……

 

『ああ、確かに主は我の声を聞いている。それに一度、剣も交えている』

 

剣を交えているだと。何時だよ、何時!

 

『そう喚くな。もう面倒だ。我から真実を言おう。我は第73層のボス「剣豪の成れの果て」の成れ果てる前の姿だ』

 

アンタが剣豪…マジで。なんでここに居んだよ

 

『我は確かにお主に倒された。なんかもうこの言葉づかい疲れるはこっからはタメでいいよねタメで』

 

適度ーだな。つーかキャラ被ってたのかよ。アンタさぁほかの奴らにも見えてんの?今んとこ俺が心の声でしゃべってるみたいだけど

 

『俺はなお前の左目に居んだよ。自己紹介すると俺はAIの究極形みたいなんで感情に近いものを持っている。そして今はこの鎧を使うお前のナビをしてるわけだよ』

 

ちょいちょいちょい待てよ。お前AIなの感情あるって機会がか。そこは百歩譲ってOKとしよう、だがな~鎧のナビってどういうことだよ

 

『それはだな鎧の機能、状態など様々なことをお前に伝えるっていうことだよ』

 

OK、OKわかった。だいたい理解したよ。そろそろ現実に戻ろう

 

俺は今まで気にしていなかった周りに意識を向ける。すると、皆ポカーんとしたりしているまさか…

 

『現実のほうは10秒しかたってないよ』

 

えっ!マジでってかオイ。10秒たってもまだポカーんとしてんのかよ

 

「オ~イ皆~」

 

「SO」 side out

 

 

in ユウキ side

 

これなんなんだろう。SF?ここSAOだよ。なんでロボットが居るの。目の部分にはバイザーがある。するとバイザーが音をたて開く中からは左目の部分は眼帯、右目は青く鋭い目、顔は若干だけどSOの顔で首から下は完全に金属でできていて体は黒い鎧ですごくカッコいい。

 

「カッコいい」

 

僕は口から自然とその言葉が漏れていた。

 

「オ~イ皆~」

 

その瞬間、意識がはっきりする。

 

「SOその鎧すっごくカッコいいよ」

 

「おっ、マジで。俺まだ全体見てないからわかんねえーんだよ」

 

「じゃあ、ユウキ見てろよ~、俺がサクッと倒して来るからナ」

 

「いってらしゃ~い。SOがんばってこ~い」

 

「OK、OK」

 

周りはまだ、ポカーン状態から回復してない。なら、起こすしかないよね~。僕はクラインの後ろに廻りそこからクラインの又に蹴りを入れる。

 

「あひーん!」

 

クラインは変な声を出して飛び跳ねる。

 

「クフっはははは」

 

「オイ、ユウキなにっすんだ」

 

復活したクラインが突っかかる。

 

「だってポカーんとしてるクラインが悪いんじゃん。わかったならSOを見に行かなくちゃ。皆、起こすよ」

 

ユウキ side out

 

 

in SO side out

 

俺はボス部屋に入るとヤギ悪魔がいた。

 

「よぉーヤギ野郎さっきは出てっちまったけど今回は出てイかねーから」

 

俺は構える。

 

「グルヲォーン」

 

ヤギ悪魔が吼える。すると……

 

『オイ、SO。聞こえてんのかオイゴラッ!』

 

ハイハイ、聞こえてますよ。つーかお前、俺の口調パクッてない?

 

『へッ、最初に感情があるって言ったけどあれは少し違う。機械に感情なんてものはない。だから俺はAIとしての能力を活かしてお前を観察して喜怒哀楽を学んだんだよ。故に口調が似るのは当然』

 

イヤちょっと待て、観察ってどういうことだよ。何で俺なんだよ!

 

『だってお前が一番、人間で言う「かっこいい」があったからだよ』

 

「かっこいい」ってどこが。俺なんかただ家がヤクザで多少喧嘩が強いだけなのに

 

『いいじゃねーか。「かっこいい」で一番になれたんだからよぉー』

 

はあーあ、まあ話しは後だ。今は目の前の敵に集中するぞ

 

『おう!』

 

「さあ、俺の力がどんなものか試させてもらうぞヤギ野郎!」

 

俺はヤギ悪魔に向かって走りだした。

 

 

 

 




どうでしょうか。今回はSOがよく殴られたな~って思いました。それとですね

鎧のモデルは最終的にメタルギアライジングの「雷電」にしました。

感想よろしくお願いしま~す


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第12話 喰らえ!《スターバーストストリーム》えっ!海馬社長!

投稿ペースがゆっくりになってきましたね。スンません。


今回は俺(キリト)がこの空間の語りなんでよろしくな。

SOのユニークすぎるスキルを見た俺は一瞬だがそのSFチックな姿にカッコいいと思い見入ってしまったが今はユウキに蹴られてポカーン状態を抜け出している。早速、SOの戦っているところを見ようと全員でボス部屋の中に入る。すると中では一人であの悪魔型の「グリームアイズ」に向かって走り出したSOの姿が写った。SOは走りながら右手を背中から剣を抜くときのようにまわすと背中に光が集まり一振りの刀の形状に近いものが現れ右手で柄を握りそのまま引き抜く。その勢いでグリームアイズを一閃する。

 

「グルゥ…」

 

一瞬だが確かにグリームアイズの顔が歪む。しかし、巨大な大剣を振りかぶりSOめがけて振り下ろされる。

 

「SO!避けろッ!」

 

俺は思わず叫ぶ。SOは「ハッ!心配御無用~」と言い。自分の斬撃をグリームアイズの斬撃に対して放つ。ガンッ!と金属がぶつかる音とともにグリームアイズがよろめき剣が弾かれる。オイオイ、斬り上げだけでボスの攻撃を弾きやがった。なんて馬鹿力だ。SOは弾くと同時に数回手で斬撃を繰り出し、その後に足に刀を付け足から無数の斬撃を繰り出す。グリームアイズのHPがみるみる減っていく。だが、グリームアイズが剣を下から斬り上げる。

 

「ヲッ!あっぶね」

 

SOは刀で受けるがそのまま真上まで飛ばされボス部屋の天井に大の字で減り込む。

 

「痛ーな。この野郎」

 

SOはグッと力を入れ引き抜こうとすると……

 

「アリ……抜けね。オイどういうことだよオイッ!。フグッ、グヌッ……だ、だめだこれ。誰かーHELP!HELP!」

 

SOが焦りの表情を浮かべる。俺は今にもSOに飛び掛かろうとするグリームアイズに向けて斬りかかる。片手剣用ソードスキル《バーチカル・スクエア》を放つ。グリームアイズは俺のほうを見る。これでSOは安全か……でもこのままアスナとユウキと風林火山で倒せるかはハッきり言って厳しい。グリームアイズは俺を睨みつ上段からの斬撃を放つ。その攻撃をスンでのとこで受け流す。後ろからこっちに向かってくる足音が二つ。上を見るとアスナとユウキが単発系ソードスキルを放つ。その攻撃に怯むことなく剣を横なぎに放つ。地面に着地したばかりでバランスが取れていなかったところを攻撃されアスナとユウキが飛ばされる。

 このままじゃ……。頭にふと浮かぶ第27層 迷宮区でのでき事。俺の判断ミスでギルドのメンバーが全滅したこと。またあの時みたいに俺は助けられた命を……。そこまで思い返すとグリームアイズの突きが俺めがけて放たれる。俺は間一髪のところで剣で狙いを逸らす。

 クソッもう迷ってる場合じゃない!

 

「アスナ!ユウキ!クライン!10秒だけ時間を稼いでくれ!」

 

「わかった!」

 

ユウキの返事とともにアスナ、ユウキ、クラインが動き出す。俺は空を掻き装備の片手剣をもう一本選択する。

 

「よし。いいぞ」

 

アスナがグリームアイズの剣を弾く。

 

「スイッチ!」

 

俺は敵の正面に飛び込む。硬直から回復したグリームアイズが剣を振りかぶり炎の軌跡を引きながら下ろされる剣を右手の愛剣で弾き返し、左手を背に回す。青いエフェクトと共に現れたうすい水色に緑が少しかかった剣《エリュシデータ》の柄を握り振りぬきざまの一撃を見舞う。ようやく悪魔のHPが目に見えるかたちで減る。

 

「グォォォォォ!」

 

憤怒の叫び漏らし、グリームアイズが再び振りかぶり上段の斬り下ろし攻撃を放つ。

今度は両手の剣をクロスさせ受け止め、押し返す。体勢が崩れたところにラッシュを

開始する。右の剣で中段を斬り払う。隙をあたえず左の剣を突き入れる。右、左、また右。脳の回路が焼ききれんばかりの速度で剣を俺は振るい続ける。星屑のように飛び散る白光が空間を焼く。

 これが俺の切り札、エクストラスキル《二刀流》だ。その上位剣技

《スターバーストストリーム》連続16連撃。

 

「うおおおおおあああ!途中の攻撃が阻まれるのを構わず、左右の剣を敵に叩き込み続けた。視界が灼熱し、最早敵の姿以外何も見えない。グリームアイズの攻撃が体を捉える衝撃すらどこか遠く感じる。

 早く、もっと早く。限界までアクセラレートした神経には普段の二刀をふるリズムすら遅く感じる。

 

「………ぁぁぁああああああ!」

 

雄たけびを上げた最後の16撃目がグリームアイズの胸の中央を貫いた。

 

「ゴアァァァアアアアア!」

 

気付くと、絶叫しているのは俺だけではなかった。グリームアイズが口と鼻から噴気を

漏らしつつ咆哮している。その全身が硬直したと――思った瞬間。

 グリームアイズが膨大な青い欠片とかし四散した。

 

終わった……のか……?

 

自分のHPバーを確認すると赤いラインで残り数ドットで残っていた。他人事のように眺め全身の力が抜けるような感じ、床に倒れこみ意識を失った。

 

キリトside out

 

in SO side

 

俺ってクズだよな……

 

『まあ、そう自分を責めるな主よ』

 

だってさぁ、俺がイキって突っ込むから皆に迷惑かけて……

 

『まだ鎧に不慣れなんだから仕方ないさ』

 

なんだかお前がスッゲェーいい奴に思ったよ(初めて)

 

『オイ、初めてって何だよオイ』

 

そのまんまの意味さ……

 

『ムカッ、ウザッ。なんだよお前、せっかくAIが励ましてやってるってのによぉ』

 

つーか、ここにいつまで大の字で張り付いてんの?抜けないんだけど。どう力入れても無理なんすけど。なんか抜け出し方ねーの?

 

『はぁー仕方ないな。なら、説明しよう!』

 

オイちょっと待て。俺埋まったときに真っ先にお前に聞いたよね。何で言わんかったんや!

 

『ツンデレって奴さ』

 

ぶっ殺す、ババァ

 

『そのネタあんま通じねぇーぞ。ザビエルなんか結構前ジャン』

 

いいんだよ別に!つーか、とっとと言え!

 

『ではまず右手に全身の力を込めるんだ』

 

俺は言われたとおり右手に全身の力を込めると右手にスパークが起こりバンッ!と音をたて壁から抜ける。

 

えっ、こんな簡単に抜けたのマジで

 

『こんな感じでドンドン抜いていこう』

 

左手、右足、左足と最後に胴から腰を抜く。

 

『オイ、一気にそんなに抜くと……』

 

あ……

 

体を吊っているものが無くなり落下する。

 

「オ~マイギャああああああ!」

 

ドスン!と背中から落ち背中に強い襲撃を感じ……ない。あれ、全然平気だ。おっかしいな~

 目の前にはキリトがぶっ倒れていた。

 

「ぬおおおおおお!キリトォー!大丈b「キリト君!」…あり?」

 

アスナが俺の言葉をさえぎりキリトに駆け寄る。ああ……この展開は…

 

「ユウキ、ちょっと…」

 

俺はユウキを手招きで呼び寄せる。

 

「SO~!ナにやってるのもう」

 

「いや~ダメージ的には全然だったんですけど…抜けなかったんだよ。マジ、ごめん」

 

「ん~SOだから許す!」

 

「なんて心の広いお方だ。まあ、そんなことはさておきユウキさあ~んここはやっぱり……」

 

俺はひそひそとユウキに耳打ちして考えてることを話す。

 

「いいねえ、それ。日頃からアスナにからかわれてるからそのお返しついでに」

 

「どんな事でからかわれてるんだ?」

 

「イヤ、え~と…その…女の子の事を詮索するのは良くないよ!」

 

「え、あの~スンません」

 

何故か怒られた。なんで!俺が何したって言うんだよ!ん?あっキリトが目を覚ましてる。おっアスナキリトに抱きつく。

 

「アスナ大胆……」

 

ユウキが口に手をあてて驚く……驚いてるのかこれ?なんか顔が赤いぞ。

 

「……僕もがんばらなくちゃ……」

 

今、ユウキが何か言ったような気がしたが……気のせいか。

 その後、俺とユウキは疲れたのでホームタウンに帰ることにした。アスナとキリトも一緒に帰るみたいだ。アクティベートはクライン達に任せた。ん~これでゆっくりできる~と思ったがこのときの俺は知らなかったマイホームでゆっくりすることができないという事を……。

 

 

 

 

 




どうでしたか今回の話は?最近いろいろ忙しくて書く暇がなかったんで遅くなりました
(言い訳)。

お気に入り&評価 お願いしマース。


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第13話 ヒースクリフからの挑戦状

朝の10時に目覚める。ちょっと寝すぎたかな。起き上がるとヤケに視線を感じる気がする。横にいるユウキを見ると

まだ、寝ていて俺の手を握って……え。

 

「マジかよ」

 

ユウキが俺の手を握っている。ここまでは何回かあった。だが……俺の手に果実が当たるまではなかった。なんて幸せな感覚だ……ダメだ、変な気分になる。俺は幸せな感覚とオサラバしてベットから降りて視線が気になるので外の様子を見るためドアを開ける。

すると……

「あっ!出て来たぞ!」

「マジで、おー!本物のSOだ!」

「ユニークスキルってどうやって出たんですか」

 

バタンッ!と勢い良くドアを閉める。

 

「どーなってんだよ!」

 

俺は思いっきり叫ぶ。

 

「なんでだよ。なんでアイツ等、俺がユニークスキル持ってんの知ってんだよ!」

 

『それは、お前があんな大勢の前でエクストラスキル、通称ユニークスキルを使うからだ』

 

足元から声がすると思うと狼っぽいロボットがいた。え……

 

「ぎゃああああああああ!狼がああああああああああ!」

 

俺はその場に腰が抜け座り込んでしまう。なんで狼がいんだよ!

 

『少し五月蝿いぞ』

 

「ひえええええええ!」

 

『いちいち叫ぶな。俺だ、剣豪だ』

 

「剣豪なわけあるか!どう見ても狼じゃねえか。なんで部屋にインだよ!」

 

『SOお前はもっと賢い奴だと、俺は思っていたぞ』

 

「うっせえ、狼なんざに言われたかないね!」

 

『先ず事情を説明しよう。私がこのような姿でここに居るのは昨夜、君たちが寝静まった後、私はSOが《義体》を付けた時しか会話ができないのは不便だと思い体を具現化しようと試みたんだ。だが結果はあまり成功とは言えない。体を具現化させる際に私は学習していた感情というモノの大部分を欠損しこのように口調や思考が機械に近くなった』

 

「ステイ、ステイちょっと待て、つまりお前は俺等が寝てるときに体作ってたら感情がどっかいって機械っぽくなったと」

 

『そうだ』

 

「OK、うん。理解した。てかお前、ちゃんと左目に戻れるんだろうな」

 

『ああ、できる』

 

「そっ、それなら良いが……って良くねえよ!こっちの野獣魔の件が片付いてねえー

じゃん。はっきり言って剣豪イヤ……狼《ウルフ》のことよりこっちの方が問題なんだよ!」

 

『安直な名前だな。だが悪くはない。SO、この問題を解決するのはそう難しいこと

でもないぞ。今すぐユウキを起こして出かけるぞ』

 

「どこに行くんだよ」

 

『俺たちみたいな事になっていそうな人物がいるだろう』

 

「ああーなるほどね。キリトんとこか」

 

立ち上がり、ユウキを起こすため肩を揺さぶるが起きない。

 

「はぁー、仕方ないなー」

 

俺はユウキの背中と足を持つ。いわゆるお姫様抱っこってやつだな。

 

『SO、本当にそれでいいのか?』

 

「別にいいだろ。とっと行くぞ、即行でキリトのとこまで行くぞ」

 

『キリトの第50層のアルゲートまで転移結晶を使うか?』

 

「ああ面倒くせえからそうする」

 

そうして一匹(?)の狼(?)と二人の少年少女はキリトのとこに向かうのであった。

 

 

同時刻、キリトは……

 

「一言コメントください!」

「弟子にして下さい」

「どうやってスキル出したんですか?」

「金だすから出し方教えろ!」

 

「ぬわわわわわ!」

 

キリトは情報屋や剣士に追い掛け回されていた。

 

 

-5分後-

 

「反応なしだな」

 

『データによればここで間違いないんだが』

 

キリトが今、寝倉としている宿にきて、ドアをノックして居るかどうか確かめるとまったく反応がない。

 

「ボッチなキリトを唯一かくまってくれそうなとこは……アソコしかないな」

 

俺はリズベット武具店に向かった。

 

-3分後-

 

「着いたー」

 

「スピースピー」

 

『ユウキは良く寝るんだな』

 

「いや今日はなんかやけに長いだけだよ」

 

 

「人の店の前でナーニやってんのよ」

 

すると目が据わっていかにもナニか良からぬものを見る目でこちらを見ている。ピンク色の髪の女の子が店から出てきた。彼女はリズベット。通称リズ。

 

「よおーリズ、久しぶりだな」

 

リズとは第60層あたりで俺の曲刀が不慮の事故で消えてしまった(持ち物の整理のときにウッカリ捨てちゃった)のでキリトの紹介で知り合った。

 

「ア・ン・タ、ねえ人の話し聞いてるの。私はね、どうして寝巻きのユウキちゃんを

お姫様抱っこして堂々といるのって聞いてるのよ」

 

「イ、イヤこれには深ーい訳がありまして……」

 

「詳しい話は中でしましょうか」

 

黒~いオーラを纏わせ店の中に引きずり込まれた。なんか今日のリズ怖い。

 中に入ると先客のエギルとキリトがいた。

 

「ふ……やっぱり」

 

「やっぱりってどういうことだよ!」

 

「別になんでもないよ」

 

キリトの返しをスルーすると、キリト何かにが気づいたかのような表情を浮かべる。

 

「SOお前、そんな奴だったのか……」

 

「オイオイ、若気の至りってやつか」

 

「なんなんだよ、オメー等!」

 

みんな顔を見合わせると

 

「「「どうみても、寝てる女の子をさらう変態じゃん」」」

 

グサッ、ザシュ、ブスッと三本の言葉の槍が突き刺さる。

 

「へ、変態だと……こ、この俺が…」

 

『まあ、傍から見ればそう言えるのは確かだ』

 

ウルフが喋るとみんなハッとウルフのほう見て…

 

「え、え、ええええええええ!」

 

「な、なによこれ」

 

「フュ~Unbelievable」

 

やっぱリアクションは叫ぶってのが多いよね。でも、エギル。相変わらず英語の発音がベリグッドだな。

 

『名乗り忘れていたが私は、元第73層ボス《剣豪の成れの果て》現在は名を改め

《ウルフ》だ。よろしく頼む』

 

「しゃ、喋った。コイツはAIなのか」

 

「ああ、そうだ。キリトの言うとおりウルフはAIである。まあ……話せば長いが実は

…なかくかくシカジカでな……

 

 

 

「あ~なるほど」

 

「そういうことだったのね」

 

「へえ~」

 

話し終わるとユウキが目を覚ます。

 

「ん、ん~…SO、ここどこ~」

 

目覚めたばかりなのでまだ寝ぼけているみたいだ。なので、現状説明しよう……と思ったがドタドタと赤と白の血盟騎士団の副団長ことアスナが入ってきた。

 

「どうしようキリト君。大変なことに……」

 

アスナの言葉がだんだん遅くなっていく。ちょうど血相かいてひざに手をついて頭を上げて俺とユウキを見てから……アハハハハ。

 

「アスナど、どうし…ヘブシッ!」

 

俺が言い切る前にアスナの右拳が顔面にクリーンヒットした。そのまま後ろに倒れる。ユウキは途中でアスナが華麗にキャッチ。いきなり殴るなんて酷い。

 

「何、ユウキにセクハラ行為してるのよ!いくらユウキがす「ア、アスナ!」ムグウ」

 

ユウキがアスナの口を押さえる。

 

「そ、SOな、なんでもないからね」

 

明らかになにかあるのは見え見えだったが今は顔面の衝撃がエグイのでそんなの気にしている暇自体ない。

 

「あ……ご、ごめん。私ついカッとなって」

 

「SO大丈夫ッ!?」

 

まあ、その後、かくかくシカジカで血盟騎士団の団長のヒースクリフがデュエルを俺とキリトに申し込むらしい……というアスナのタレこみが。

 

 

……で、現在。第55層・グランザムの血盟騎士団の本部で現在進行形でヒースクリフ

と話してます。

 

「ボス攻略以外で君たちと会うのは初めてかね」

 

「いえ前の67層の攻略会議で会いました。ヒースクリフ団長」

 

クソ退屈だ。ツーかこのおっさん嫌いなんだよね。なんつーか、「全部お見通しだ」みたいな目ーしてなんか気にイラねえ。

 

「……なのにキリト君、君は我が騎士団のトッププレイヤーを引き抜こうとしている」

 

「そんなに大事なら護衛の人選もしっかりした方がいいですよ」

 

「クラディールのことについては謝罪しよう。だが副団長を引き抜かれてハイそうですかと言う訳にはいかない……キリト君、欲しければ剣で二刀流で戦いたまえ」

 

「いいでしょう。剣で語れというなら望むところです。デュエルで決着をつけましょう」

 

俺は隣にいるアスナに耳打ちで話しかける。

 

「なあ、アスナ」

 

「なにっ」

 

アスナが少しキレ気味の声で答える。

 

「俺ってなんで呼ばれたんだっけ?さっきからあの二人だけで盛り上がっちゃってるんですけど」

 

「そんなことアタシに言われたって……」

 

「まあ、そりゃそうだな」

 

アーア時間の無駄だわなこれ。そう思って退席しようとすると……

 

「まあ待ちたまえSO君。君にも話があるんだ」

 

「オイオイ大人は子供が退屈しないように話を短くまとめねーと俺みたいにどっかいっちまうんだぜ」

 

「フハハハ、これは失礼したね。ところで、本題なんだが君にはキリト君が負けたら我が血盟騎士団に入ってもらうだがSO君、もし君が私に勝てばキリト君の血盟騎士団の加入は無し、キリト君の望むアスナ君も連れて行っていい」

 

「オイオイ俺にはなんの得もねえじゃん」

 

「もちろん、君が私に勝利したときは君の望むものを私ができる限り叶えよう。だが君が負けた場合、君も血盟騎士団に入ってもらう」

 

ふむ、悪くないな。

 

「ああ…良いだろう。その条件なら戦ってやる」

 

血盟騎士団 団長ヒースクリフとの戦い。これは気が抜けねえな。

 




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第14話 神聖剣 VS Powered suit

投稿遅くなってスンませんした。今回はヒースクリフとの戦いです。
どうぞ御覧アレ!


現在、闘技場のプレイヤー待機ルームで俺とユウキとアスナそしてウルフ………

…なんか多くね……。

 

『SO、時間があまり無い。手短だがその《義体》の使い方を説明する』

 

「そういうのは74層のときに言う事じゃん」

 

『あの時はお前が勝手に突っ込むからだ。そんなことより説明を開始する』

 

「SO、今からなにやるの?」

 

ユウキがこちらに近よる。

 

「ユウキをどうイジルかって話」

 

「え~SO、酷いよ~。そんな事言うなら僕はSOの秘密ばらそうかな~」

 

「そ、それはないだろ。あれは二人だけの秘密って……」

 

『イチャイチャはそこまでだ。話を再開するぞ』

 

「い、イチャイチャって……」

 

ポッとユウキがトマトみたいな赤くなる。

 

『その義体はお前の感情というものに敏感に反応する』

 

「それってどういう事だよ」

 

『つまりお前の感情が昂ると義体もそれに呼応するように、パワーも機動力も上昇する』

 

「なっ、そんなわけあるか!義体はAIじゃねえんだぞ。そんな芸当できるわけない」

 

「確かに普通の武器とかじゃ有り得ないことだよね」

 

『確かに、普通では有り得ないことだ。だがこの義体は普通の武器とは違う。SO、

最初に言っておこうこの武器はお前専用、お前にしか使えない最強の武器だ。だから

普通では有り得ないことがあって当たり前なんだ』

 

「な、なんだか良くわからないけど僕、今すごいこと聞いちゃった気がする」

 

「俺専用の最強の武器。ウルフ……じゃあ感情の昂りって具体的にどういう風なんだ」

 

『それは簡単にいうと正の感情は義体の性能を高める。負の感情は逆に義体の性能を

低下させる。だが負の感情の中に例外として「怒り」は義体の性能を極限まで高め

より思いどおりに動く』

 

「それって最強すぎね」

 

『いや、弱点も存在する。SO、お前は義体がなんの動力源もなしにそこまでのスペックを発揮すると思っているのか?』

 

「な、なにを動力源にしてるっていうんだよ」

 

『それは……お前の精神だ』

 

「精神……えっ、たったそれだけ。そんなもんだったら幾らでも使ったらいいじゃん」

 

『確かに精神だけではそこまで大したことではなさそうに思える。しかし、よく考えてみろ。精神を糧として動くということは義体を付けている時間が長ければ長いほどお前の疲労は溜まり、理性を失い続け、凶暴に乱暴に獣に近くなる』

 

「そ、それはちょっと不味いな」

 

「獣ってどんな風になるの?」

 

『具体的には自制心がなくなるといったほうがわかりやすいかもしれないな。動物と

人間の一番の違いもそこだ。動物は自制心がないから欲のままに行動する。しかし、

人間は自制心があるからその欲を制御できる。

 SOの場合、自制心という欲を制御する柵を義体が喰っていき動物に近くなる』

 

「わっかりやすいね。ウルフ君、学校の先生になれるじゃないの」

 

「確かにわかりやすいな。よし、ヒースクリフとの決闘も勝てる気がしてきたぜ」

 

『まだ戦闘についての説明は済んでいないんだが……まあこの話は後だ。ほら、俺達が話している間にもうキリトが負けてるぞ』

 

闘技場の外を見るとキリトが片膝をつき呆けた顔をしていた。

 

「なんか顔が呆けてるな」

 

「そんなにアッサリ負けちゃったのかな?」

 

「そんなこと言ってないでSO君は出て行かなくていいの?」

 

「うをっ!アスナいつのまに背後に回ってんだよ」

 

「いいから、早く行きなさい」

 

「ヘイヘーイ」

 

「SOがんばってねー!」

 

俺は拳をあげて応え、闘技場に出た。

「うおおおおおお!」「出たぞ!今度はSOだ!」「すっげえええ!」

観客達が歓声を上げる。クウー、気持ちいいー!キリトのとこまでくると

 

「おいおい、どうしたキリト。そんな呆けた顔してさぁ」

 

「SO、気おつけろ。俺の最後に放った一撃を恐ろしい反応速度で防いだ。あれは並の反応速度じゃない」

 

「アドバイスどうもー。でもなキリト、俺はこの決闘を楽しむつもりで来たんだよ。

だから、あんまりガチなモンちゃうから。そんじゃあなー」

 

俺はキリトと話し終えるとヒースクリフと5m位、距離をとる。

 

「SO君、君が勝てば君の望むモノ、キリト君の望むモノも叶えてあげよう」

 

「そいつはどうも」

 

指をサラッと動かし通常の装備から「義体」に変える。

「あれがパワードスーツってやつか!」「マジかっけええええええ」

ヒースクリフからのデュエルの申し込みがきたのでそれに「OK]と答え

10秒カウントが始まる。

《高周波ブレード》の柄に手をかける。

残り3,2,1……

 

デュエル開始

 

デュエルが始まったとたんバッと左足で踏み込みヒースクリフの真ん前まで距離をつめる。ヅバッと抜きざまの一撃を放つ。だが、ヒースクリフの大盾によって防がれる。

 

「チッ」

 

舌打ちしヒースクリフが次のアクションを起こす前にこちらから仕掛ける。

切り上げ、切り下し、横薙ぎ。全てヒースクリフの盾に弾かれる。

 クフハハハハハハ、なんか楽しいな 昂ぶれ…もっと…もっと、もっと昂ぶれ!

すると攻撃を繰り出すたびにどんどん速度が上がっていく…イヤ、思うように動く。

 ヤベェよ、この義体があれば俺はもっと、もっと強く、速く、最強になれる!

連撃を繰り出すが掠るくらいで致命的なダメージを与えられない。

 なら、隙を作って誘い込む

俺は盾に向かい突きを放つ。

 

案の定、ヒースクリフは受け流し俺は突きを放った勢いで直進する。

 

「フッ」

 

ヒースクリフが笑みを浮かべ無防備な背中に目掛けて剣を振り下ろす。

 キタッ!

クルリと身を翻し、剣をブレードで力を篭め弾く。盾で守られる前に攻撃を放とうとする。

剣を弾く際に力を篭めたときヒースクリフの剣も大きく外れたが俺の剣もヒースクリフから大きく外れている。

 このまま剣を引き戻してってヤッてたら間に合わんな

俺は左手に力を篭める。手から電気が迸りそれを溜め、放つ!

 これならクリーンヒット間違いなしだな

 

その瞬間、一瞬だが時間が止まっていたのかと思える感じがした。ヒースクリフの腹に拳が打ち込む。だが、俺の拳より速くヒースクリフの剣が俺に襲い掛かりザンと俺を切り裂き俺のHPがイエローにまで達した。

 

「はっ、嘘だろ」

 

すると、【You lose】という文字が現れた。俺は体から伝わる疲労感でその場に力なく座り込む。

 なんだよ今の、なんなんだよ!

 

「確実に決まったと思ったんだが……」

 

ヒースクリフは少し焦りの表情を浮かべるが直に何時もと変わらぬ表情になる。

 

「SO君、今の一撃は少々私も焦りを覚えた。だからそれに敬意を表して君の望みだけを叶えることにするよ」

 

そう言い、後ろを向き去っていく。

 

「畜生……」

 

吐き捨てるように呟き、闘技場から出て行く。

 

「SO、大丈夫?」

 

地下に入るとユウキが声を掛けてくる。

 

「負けチッタよ~ユウキ~。俺を慰めてくれよ~」

 

ユウキに抱きつく俺。

 

「そ、SO!いきなり大胆に……」

 

「なんかさぁ~ユウキのお腹ってあったかいなあ~」

 

「も~うSO、なんか恥ずかしいよ~」

 

あれ…ユウキに触れて安心したら…なんだか…意識が……遠く……な…る

 

「あれ?SO、SO!」

 

「スピースピー」

 

「寝ちゃってる?」

 

『たった2回しか義体を着てないんだ。まだ体がというか精神のほうが慣れて

ないんだ』

 

「そんなものなのかな~」

 

『そういうモノだ』

 

「スピースピー」

 

アー結局、キリトの血盟騎士団行きはまぬがれなかったか……なんかゴメンな…

そこで俺の意識は完全に切れた。

 

 




結局キリトを血盟騎士団に入れるっていう展開になってしまった。まあ、騎士団に入らんとアスナとのアレが消えちゃいますモンね。

それでは感想&評価 お願いしまーす!


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第15話 戦闘訓練

目覚めると視界に映ったのは……

 

「知らない天井……でもないか…」

 

どうやらは俺はマイハウスのベットの上みたいだ。ご丁寧に布団までかけてくれている。

 でも、布団だけじゃないよな この暖かさ まっユウキがくっついてるのか

横を見ると

 

「あれ、ユウキがいない……ん 下のほうでナにか」

 

モゾモゾと布団の中でなにかが動く バサっと布団をどかすと

 

「なに人のベットで寝てんだゴラー!」

 

そこには猫みたいに丸くなったウルフがいた。

 

「コン畜生!変な期待させやがって!」

 

『痛ッ、いや痛くない……が何をする!SO これはどういうことだ!』

 

「ケッ、人のベットで寝てるやつが悪ーんだよ!」

 

『SO お前は俺のベットを用意してないぞ 故に俺の寝るベットはお前のベットしかない!』

 

「なにお前、なに語っちゃってんの つーかロボットがベットを要求するなー!」

 

『それは差別行為だぞSO ロボットにだってベットを要求する権利は有る!』

 

「じゃかあしいわ なにが権利だよ んなもんそこいらの豚にでも食わせてろってんだよ!」

 

『な……それは全国のロボットに対する冒涜だ!』

 

「アアン、テメェごときがなにほざいて「うるさーい!」

 

「もう、朝っぱらから僕の横で騒がないでよ!うう…耳がギンギンするぅ~」

 

「ああ……ゴメンねユウキ」

 

『すまないユウキ』

 

「じゃあSOなにかご飯作ってよ~」

 

「えっ俺、料理スキルとか全然上げてないんですけど」

 

「それでもいいからさあ」

 

「へいへーい」

 

俺は一様かたちだけあるキッチンに立ち料理を始める。

 

「えーと、まずは材料から……」

 

冷蔵庫(?)を覗くと

 

「うん、一様あるね」

 

適当にチョイスし真心こめ作る。

 

「よし、がんばるぞー!」

 

-5分後-

 

「ワー綺麗な黒こげの卵焼きっぽいやつだー……ってSO!なにこれ」

 

「だって仕方ないじゃん。リアルだったら世界各国の料理をだいたい作れるけど、ここでは料理スキルあげてないから謀アニメ銀○のお○さんみたいな黒焦げ卵焼きしかできないんだもん。仕方ないよ~」

 

「はあ~全くSO 仕方ないからこの僕がSOのために料理を作ってあげるよ」

 

ぷう~と頬を染め料理を作るらしいユウキ。

 なんか可愛いな~

 

-30分後-

 

「ワー黒焦げの目玉焼きだあ~……って、ユウキも一緒じゃねえか!てか、30分かけた意味は!」

 

「あれ~可笑しいな~料理には自信があったんだけど」

 

 

 

結局、朝飯は近くのファミレス(?)で済まして今は外に出てウルフから義体での戦闘方法を学んでいる。

 

『SO、義体での戦闘はなにがあっても短期戦闘であることだ。長引けば長引くほど

お前の精神が食われるからな』

 

「OK、OK」

 

『まず義体にはちゃんとソードスキルが存在する。例えば、飛び蹴りのソードスキル

≪雷刃落とし≫、SOは気づいていなかったかもしれないがヒースクリフとの戦闘の時に偶然発動した 拳に力を溜め思いっきり雷を纏わせ殴る≪掌底≫、無数の蹴りを放つ

≪乱れ蹴り≫、多少の障害物や崖なら上れる≪ニンジャラン≫などなど、まだまだいっぱいある』

 

「ほほう。なるほど、これを使えばもしかしたらヒースクリフを越えるかもな」

 

『SO、今から話すことが一番重要である。この義体の最大の特徴として相手の

パワーを奪いそれを自分の力とすること。試しにそこにいる悪魔型モンスターの

≪ゴレイアス≫を相手してみろ』

 

「オイオイ、アイツはこのフィールドでも1、2を争うつよさだぞ」

 

『いいからやれ。相手の心臓を捥ぎ取るだけでいい』

 

「はいはい」

 

ゴレイアスの前まで来て睨み付け、義体を展開する。そしてゴレイアスが雄叫びを上げて俺に襲い掛かる。薄黒い肌の巨人は拳を振りかぶり殴りかかる。

 

「今の俺には遅すぎるな」

 

そのまま懐に潜り込み指を揃えて人間でいう心臓の位置に手刀を打ち込む。

 

「グルアァ…」

 

短い嗚咽を吐く。だが俺の手が食い込まない。

 

「チッ」

 

「ガアァァァアアア!」

 

ゴレイアスが声を荒げそのまま振りかぶった腕を振り下ろす。

 

「糞が!」

 

俺は避けれないと判断し拳を片手で受け止める。

 

「おい、ウルフ。手刀が入らねえぞ!」

 

『そんな一発で入るなんて誰が言った。もう少しダメージを与えてから打ち込まないと入るものも入らないぞ!』

 

「わかったよ!」

 

ゴレイアスはもう片腕で俺を殴ろうとしたが俺がもう一方の手で受け止め力比べが始まった。普通のプレイヤーがこんな事したら2秒ももたないだろう。

 義体を着たこの俺に勝てると思ってるのか!

だんだんゴレイアスの手がギシギシとなりだす。そこで俺は思いっきり仰け反りそこから思いっきり頭突きをかます。

 

「ゴワアアァァ!」

 

ゴレイアスが手を離す。

 

『今だSO、心臓を捥ぎ取れ!』

 

返事をせず指を揃えて手刀を打ち込む!

 

「グルアァ……」

 

ゴレイアスの胸倉に俺の手が肉を貫き刺さる。手のひらを広げ心臓を掴む。

 

「キショク悪ぃ」

 

ドクン、ドクンとゴレイアスの心臓(?)は動いている。触れているだけで鳥肌がたってくる。少し戸惑いながらも俺は心臓を引き抜く。抜く時にブシャ!と音が鳴る。

 

「うわぁ、ガチでキモィ」

 

『そいつを握りつぶせ』

 

「はっ、マジで言ってんの!」

 

『ああ、マジだ』

 

仕方なく握り潰すとグシャア!と血が飛び散る。

 あれ?血?

ウルフの方を向くと顔が青白くなっているユウキがガクブルと震えて見ている。

 

「って、オイ!ウルフ、なんでユウキに見せちゃってるの!これ明らかにグロ注意の

R18だぞ!」

 

「だ、大丈夫だよ。僕はこのクライ耐えれるよ……」

 

ユウキの方に一歩、歩み寄ると

 

「キャアッ!」

 

その場で縮こまるユウキ。

 

「だから言わんこっちゃない」

 

現在の俺の見た目は完璧にビビられても文句を言えないくらいの怖さだろう。

だって顔や体に血の飛び散ったあとがあるんだから、ビビらない方が可笑しい。 

 

『どうだSO、力が漲ってこないか?』

 

「いや特にそんな事はないが……」

 

パラメータを確認する俺。見てみると

 

「確かに増えてるな。特に筋力が増えてる」

 

『どうやらうまくいったようだな。これで特にお前に話すことはないが……何か質問はないか?』

 

「んなの決まってるだろ。なんで血がでんだよ!普通、赤いエフェクトだろ!」

 

『それは、その義体で心臓部位を攻撃すると血が出るんだ』

 

「なんとおぞましい事だ!」

 

『些細なことだ。気にするな。それより次はユウキの戦闘訓練だ』

 

「えっ、僕!」

 

どうやらユウキも聞いてなかったらしい。

 

「よーし、僕 がんばるよぉー!」

 

SO side out

 

in ユウキ side

 

何故か僕も訓練するハメになってしまった。でもちょうど良いタイミングだったのかもしれない。前までは若干SOの方が実力が上って感じだったけど今は大きく引き離されてしまった。だから最近、強くならないといけないって思ってたんだよね。

 

「で、どんな感じの訓練なの?」

 

『基本的には反射神経の強化、後は剣速と威力の上昇だ。ユウキはゴレイアスと戦ってもらう。最終的な目標はゴレイアスを同時に3体を相手にとっても勝利することだ』

 

「ど、同時に3体……できるかなぁ?」

 

「まあユウキならいけるって。危なくなったら俺が守るからさ」

 

「ありがとねSO」

 

SOが応援してくれてるんだしがんばらないと

 

『では、ここでゴレイアスを数回狩ったあとゴレイアスが大量に出現する洞窟に向かうぞ』

 

「了ー解」

 

『まず、あそこに居るのをノーダメージで狩ってこい』

 

僕はウルフ君がさす方向にゴレイアスが居るのを確認して走り出す。

 

「待っててねSO。すぐ片付けるから」

 

ゴレイアスの目の前に立つと緊張感が襲ってきた。身長は2mちょいで肌は薄い黒で筋肉マッチョな見た目は間近でみるとかなりの迫力があり少し後ずさってしまう。

 ま、負けるもんか!

愛刀の黒い刀身が特徴の片手直剣≪ブラリエント オブセディエン≫。この剣はすっごく軽くて切れ味もよくてなによりすごいのが耐久力がすっごく高いんだ。僕はこの剣を100層まで使うつもりなんだよ~。あれ?僕はいったい誰と喋ってるんだろう………

…まぁいっか。誰でも。

 そこまで思考がいったとき頭上から勢いよく降り注ぐ拳の連打をバックステップで避ける。

 

「危なかった~。じゃあ次は僕の番だね」

 

愛刀を抜き神経をゴレイアスに集中させる。今の僕にはもうゴレイアスしか映っていない。フッと一息で相手の懐に潜り込み最速の剣技で5回、切り伏せ、飛び引く。

 

「今の攻撃でまだ8割残ってるか……だったら!」

 

そう言った瞬間に右足で踏み込みゴレイアスの懐に入らないギリギリの位置まで入る。

ゴレイアスが片手で殴打をする。その一撃を当たらないギリギリのとこで後ろに避ける。連続で3回、殴打を放って最後に両手を合わせてドカンッ!と殴る。僕は後ろに

ジャンプして避けると地面に大きなクレーターが作られた。

 

「ここだっ!」

 

この連激を放ったあと、ゴレイアスは数秒だけど絶対に動きが止まる。このチャンスを狙って僕はあえて懐に入らないギリギリの位置で止まって連激を誘い出したんだ。

 その場で構える。すると紫色の光が剣を包む。そしてソードスキル≪ヴォーパル・ストライク≫を発動させる。腕をつたってダメージの大きい頭にジェットエンジンの効果音と共に強力な一撃を放つ。

 

「ゴルウゥゥワアア!」

 

怒りの叫びか苦しみからの叫びかわからないがゴレイアスは叫び後ろ向きに倒れ、そのまま地面を頭を抱えのたうち回る。

 

「チャンスだね」

 

肩から飛び降りてできるだけ硬直が短いソードスキルを連続で打ちつづけるとゴレイアスは叫びながら四散した。

 

「ふう~まずは一体目」

 

なかなか早く倒せて良かった~。僕は気を抜く。だが後ろからの殴打に僕は気づかなかった。振り向いた時にはもう遅かった。

 

「しまっ……!」

 

グサッと何かが貫いたような音がした。上を見上げると、ゴレイアスの胸から

心臓(?)をもった赤く血に染まった手が出ていた。その手は心臓(?)を握り潰し引き抜かれる。飛び散った血が数滴かかるがゴレイアスは僕の横に倒れ四散する。

 こんな事ができるのは……

 

「油断は禁物ですよ。お姫様」

 

やっぱりSO。

 

「また助けられちゃったね。いつか僕もSOを助けるっていうか守れるくらい強くなりたいよ」

 

「アハハハ。そいつは頼もしいな。でもなユウキ、助けるって言ったけど俺はいつも

ユウキに助けられてるんだよ」

 

「え、僕が……」

 

意外な言葉だった。僕はSOに助けられてばかりだと思ったけど何時の間にか僕もSOを助けていたらしい。

 

「だって、後ろに背中を預けれる相棒がいるから俺は気兼ねなく前に突っ込んでいけるのさ。だからユウキいつも助けてくれありがとな」

 

「ムッ、ちょっと期待はずれの言葉だったよ」

 

「悪かったな。気の使えるカッコいい言葉がなくて」

 

「でも、ありがとねSO」

 

「オイオイ今このタイミングでそれ言いますか。ずりぃよ反則だよ」

 

ちょっと赤くなったSOを見てると何故かとてつもない衝動にかられそうになるけど今は少し抑えておこう。うん、それがいい。

 

『イチャイチャ中すまないが訓練を再開させてもらう』

 

「「イチャイチャしてないよ(ねえし)」」

 

その後、僕は20体近く狩らされてヘロヘロになってSOにおぶって帰ってもらった。

 

 

 

 




戦闘描写むずいよ!

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第16話 現実世界では

今回は現実世界での話です。


-松永家-

 

現在、松永家の中ではある問題が起こっていた。

 

「蒼汰があのゲームに入ってからもう2年か……」

 

ドスの効いた声で呟くのは髪型はクリロナショート、シルバーグレーの髪に着物を着ている蒼汰の父 松永慎二 現在は松永組の5代目頭首である。

 

「まったく馬鹿なことをしてくれたモンやな」

 

しわがれた声で言うのは、着物にロン毛を後ろで括る厳つい白髪ジジイの祖父 松永剛。

 

「まぁ仕方ないじゃない。蒼汰だってこんなゴタゴタに巻き込まれるなんて思とらんかったんやし」

 

蒼汰を庇うのは黒髪でネオウルフでセットされた髪。整った顔立ちの蒼汰の母 松永麻耶。

 

「セやけどなぁ、次の松永組の頭がゲームの中に閉じ込められて不在なんて下のモンがそろそろ黙ってないだろうな」

 

慎二は真剣な面もちで言うと

 

「せや、科学班の野郎達の研究の進み具合はどうなじゃ」

 

科学班とは松永組の組員の中で高学歴の者を選りすぐり集められ組織された班である。

その活動内容は新しい新兵器の開発から医療関係まで幅広い。現在はSAOに囚われた蒼汰の救助をしようとサーバーに接続できないかと研究中である。

 この部屋は剛の部屋で奥の壁には日本刀が飾ってある。すると、ドタドタと誰かが走ってこちらに来た。謎の人物は部屋の襖に手を掛けて勢いよく開ける。開けた人物は白衣を着たオールバックで眉間に皺が刻み込まれた男だった。この男は科学班の……

 

「お 安藤じゃねーか どうした何かあったんか」

 

ゼエゼエと荒い呼吸をしながら安藤愁は太い声で答える。

 

「た、大変です頭 や、やっと見つかりました!」

 

「ま、まさか……」

 

慎二がもしかしてと思うと。

 

「ええ 遂に見つけましたよ。SAOの世界に入る方法を」

 

その瞬間、松永家の全員が喜びの声を上げた。

 

「では頭 研究室まで来てください」

 

-研究室-

 

研究室は家の地下に設けられている。

研究室には最新の機器や医療器具まで揃っている。

 

「で その方法とはどんなもんなんや」

 

「はい それでは説明させて頂きます。まずはこれを見てください……」

 

-5分後-

 

「……という事です」

 

「なるほどな。端的に言ったらこう向こうに行けるのはたった一人でそれは二人目以降はシステムが侵入に気づいて接続できひんちゅーわけやな」

 

「そうです。ですからその一人は誰が行くかということなんですが……」

 

「ここは母親の私の出番かしら」

 

「いえ、その実は……」

 

「なんか文句アンのテメェー」

 

麻耶が若干切れると一人の若い男性が入ってきた。

 

「失礼します。その件 俺に任せて貰えないでしょうか」

 

ピシっと背筋を伸ばして身長170後半の長身、20歳、髪型はスポーツ刈り、黒髪の男 鮫島涼二。

 

「鮫島 お前が行くんか」

 

「はい、お願いします。組の若頭である蒼汰さんを必ず連れて帰ります」

 

鮫島涼二 彼は小さいころからの蒼汰の幼馴染であり年上ということもあって蒼汰は彼を兄貴と言って慕っている。

 

「鮫島 蒼汰のことは呼び捨てでかまわねぇよ。お前と蒼汰は物心付いたときからの付き合いだからな……よし、鮫島 蒼汰を……頼んだぞ」

 

「はい!必ず連れて帰ります」

 

「鮫島ちゃんが言うならしゃあねぇか」

 

麻耶も諦め涼二のSAOの任務を承諾する。

 

「な~に、腑抜け取ったら鍛えなおしたってな。お前が頼りなんやからな」

 

「ではステータスについて説明します。入手した情報によりますと 現在、SAO内では75層までクリアされています。ですから、予めこちらで用意させて貰ったアバターで鮫島さんは入ってもらいます。ステータスは攻略組みと呼ばれる攻略メンバーのレベル平均のプラス10くらいに設定しています。スキル熟練度というのがあるんですがそれは短剣、体術、索敵などだいたいカンストさせてます。武器の方は一様こちらで用意してますんで」

 

「だいたいわかった。ほな早速いくで」

 

涼二は研究室の片隅にあるベットで横になりナーヴギアを付ける。

 

「じゃあ『リンクスタート』と言ってください」

 

スゥーと息を吸いそして……

 

「リンクスタート!」

 

このとき、外部から新たなるプレイヤーが参加した。その人物が何故、危険なSAOに参加したのはたった一人の弟分を助け出すために自らを危険に晒し一人の男…否、漢が世界に降り立つ。

 




新展開ですな~。どうか今後ともこうご期待!

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第17話 侵入者

更新遅くなりましたぁ!スンません!


ではどうぞ!


視界が回復すると見慣れない建物が広がっていた。

 

「ここは……」

 

『調子はどうですか、鮫島さん』

 

いきなり、どこからか声が聞こえてきた。

 

「誰や!」

 

周りに警戒しながら声を荒げて言うと

 

『そない警戒せんとってください 鮫島さん 俺ですよ安藤ですよ』

 

「ああ 安藤か、お前どっからしゃべっとんのや」

 

『それはですね今、俺は研究室にいるんですわ。鮫島さんのアバターに仕掛けた無線プログラムでこうやって会話できとるんすわ』

 

コイツ。前と口調変わってないか?

 

「そうか。それなら良いんだが、で ここはどこなんや」

 

『現在、鮫島さんがいるのは第1層ですんや』

 

「蒼汰が居るんは確か75層の町ちゃうかったけ」

 

『ああ 今行くのはお勧めしませんよ。だって鮫島さん、ソードスキルとか色々やり方  知らないでしょ』

 

「なに甘いこと言うとんのや 早く蒼汰探さんといかんやろ」

 

『行ってもいいですけど鮫島さんが今行ったところで若頭の足手まといになるだけですよ。この世界ではこの世界での戦い方があるんです。だから、その戦い方を覚えてからいってもかまへんと思うんですけど』

 

「チッ、しゃーない それじゃあ早くその戦い方っちゅうのを教えんかい」

 

『ではフィールドに向かってください』

 

-1分後-

 

安藤から武器の出し方を聞きメニューウィンドウからサッサと操作して出してみると…

 

「こ、これは……」

 

光が出現して消えるとそこには……

 

「スリーシャドータクティカルトリプルナイフ……」

 

腰あたりにシースに収まった3本のナイフが出現した。現実世界でもよく使っていた。

 

『どうですか?気に入った?』

 

「ああ ホンマおおきに くぅ~この世界でこれが振れるたぁな」

 

このナイフは一番大きいものから

全長約650mm/刃長約414mm/重さ約438g

全長約454mm/刃長約280mm/重さ約190g

全長約333mm/刃長約174mm/重さ約118g

 

となっている。重さはわからないが長さと刃厚は一緒だ。17から20までずっと使い続けてた。蒼汰が居なくなってから何度か抗争がおきてそん時にも使用している。

 

『えろ~気に入ったみたいですな~。鮫島さんはやっぱりそのナイフが一番似合うと思うんですよ。「六人斬りの鮫島涼二」がまさに目に浮かぶんですな。銃持った軍人3人に一人で突っ込んで3人全員八つ裂きにしたという生きる伝説がまさに今!

 おっと失礼。早速、説明します このナイフは短剣に部類されまして短剣のソードスキルが使えるんです。さらに通常だと3本の短剣なんて使えないんですけど俺が手を加えて3本いっきに使えるようにしたんです』

 

「それやったらソードスキルっちゅうのはどうなんねや」

 

『もちろん、ちゃんと使えちゃいます。ナイフをいつもの構え方で構えてください』

 

俺は言われるがままにいつものように左手に650㎜のナイフを順手で、右手に454mmのナイフを逆手で持ち右手を前にだし左手を腰の辺りで構える、足は左足を前に右足は左足の踵までさげる。

 

「これでどうするんや」

 

『まずはですね 左手を後ろにちょっと引いて突きを繰り出してみてください』

 

言われたとおりにやると刺突のときにナイフが赤く光そして予想以上の速度で突きが放たれる。シュッと空を切る音がこえた。

 

「すっげえ!マジかいな。こんなに速いんか!」

 

『その調子でどんどん行きましょう』

 

-30分後-

 

すべてのソードスキルを試しうちを終わった後、蒼汰のとこに向かおう思て転移結晶

っちゅうモンを買いに町に戻ると女の悲鳴が聞こえた。

 

「なんやいったい」

 

走って声のした方向に行くと、そこには布切れで身を隠し蹲って涙目の紺色の女性が西洋鎧を着たいわゆる騎士に襲われている。

 

「な、なんなんですかアナタは!」

 

「急に目の前にそんな格好で現れたんだから襲ってくださいって言ってんだろう」

 

「やめてください」

 

女性の声も虚しく男はそのまま女性に覆いかぶさるように襲い掛かるが…

 

「何やっとんのじゃあ!」

 

360°回転の回し蹴りが男の側頭部に直撃する。

 

「ええ年したオッサンがなにを若い子襲ってんねん」

 

女性のほうを鮫島が見ると

 

「あ、ありがとうございます」

 

「ええで別に礼なんて 俺はただ、女の子がオッサンに襲われてんのが見過ごせへんかっただけやから」

 

そう言うと女性はお辞儀をし立ち去ろうとする。

 

「ちょっ アンタどこいくねん。どっか行くあてでもあんのか」」

 

「いえ、ありませんがどこか身を隠せる場所を探しに行かないと……」

 

「そんなんしてっとまた襲われんで……ちょっ着いてき 俺が服買うたる」

 

鮫島は女性の手を引き歩き出す。

 

「いえそんな悪いですよ」

 

「フン、黙って着いてきたらええ」

 

(安藤どっか服屋ないんか)

 

『えーとですね、ベータテスト時の情報によりますと……その角を曲がってスグのとこです』

 

(おおきに 恩にきるで)

 

『いえいえ』

 

角を曲がり服屋に着き中に入る。

 

「わぁ、いろんな服があるんですね」

 

「どれでもええ 好きなん選び」

 

服屋の中は幸い誰も居なかった。

 

 

 

-1時間後-

 

「これにしよっかなぁ…あっ でもこれもいいかなぁ迷うなぁ」

 

女性はまだ服を選んでいる。鮫島もこれほど服選びに時間が掛かるとは思っておらず外はもう暗くなり時刻は夜の7時。

 

「まだかかんのか」

 

「あっすみません。もう少し待って下さい……これも可愛いな…」

 

グヌヌヌと鮫島はそろそろ我慢の限界がきていたので

 

「もう欲しい服全部買うたるから早くしてくれぇ」

 

「えっ!いいんですか……じゃあこれ全部ください」

 

女性は十着以上の服を選ぶと値段がクソ高かったのは言うまでもない。

 服を買った後、女性は買った服のダブルレイヤーカットアウトサイドという黒色の服を着ている。

 

「どうですか…似合いますか?」

 

首をかしげて聞いてくる女性。

 

「お、おうゴッツ似合っとるで」

 

「ありがとうございます。こんな見ず知らずの私を助けてくださるなんて……」

 

女性はだんだん声が小さくなり顎に手をあて何かを考える。

 

「どうしたんや」

 

「……一つ聞きたいことがあるんですけど…ここどこですか?」

 

衝撃の一言だった。何か飲み物を飲んでいたのかブフゥーと頭に安藤の吹く声が響く。

 

「それに私、あの男性に襲われる前の記憶がないんです。おかしいですねぇ…」

 

さらに女性は記憶がないという。

 

(安藤、どういうことや。説明せい!)

 

『無理無理。そんなの俺が知りたいっすよ』

 

安藤もお手上げのようだ。

 

「それって記憶喪失ってことやないか」

 

「そうゆう事になりますすねぇ」

 

くぅ…と頭を抱える。すると鮫島は肝心なことを聞き忘れていた。

 

「……そういやお前、名前は覚えてへんのか」

 

「ん~……思い出せませんね。あなたはなんて名前なんですか」

 

「それはやな……」

 

(アカンここでの名前の見方がわからん)

 

『フッフッフ…』

 

安藤がなにか笑っている。

 

(どないしたんや)

 

『鮫島さん右手をサッとしてみて下さい』

 

(なにを言うトンねん今は冗談言うてる場合ちゃうやろ)

 

『冗談やないですよ。サッとすると名前が出てくるんですよ。鮫島さん、まだ自分のこの世界での名前知らはらんでしょ』

 

(そゆうことか)

 

サッと右手を振ってみるとステータス的なものが出る。

 

「俺の名前はリョウ」

 

「リョウさんですか。どこか亀有のお巡りさんみたいな名前ですね」

 

「あははは……セや!アンタ、ちょっとこういう風に右手をサッとしてくれへんか」

 

「右手を……」

 

女性はサッと振ると。

 

「わっ、何なんですかこれ?」

 

「そこに名前みたいなんあらへんか?」

 

「え~と…ら……ん、ランって書いてますね。これが私の名前」

 

「ランっちゅうんか。ほな宜しくな」

 

鮫島(これからリョウ)は右手を出す。

 

「え、ええ こちらこそ宜しくお願いします」

 

いきなりだったので慌て気味で女性(これからはラン)は両手で握手をした。

 

 

 

 




今回は関西弁バリバリの鮫島回でしたね。そして謎の女性ランが登場。

今後どうなるのか。乞うご期待!


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第18話 姉は妹思い

今回はランの事情が明かになっちゃったり


リョウは記憶が無いという紺色の髪の女性ランと出会う。リョウはこのSAO世界について説明しランのレベルとスキルの熟練度について聞くとランのレベルはリョウと殆どかわらないがスキルの熟練度が中層プレイヤー位(安藤によると)だったので蒼汰に会った後に熟練度を上げることに付き合うことにした。

 現在は夜の8時過ぎ。今から75層に行き蒼汰が住んでいる層について聞き出す。

 

「今から75層まで行くんですか?」

 

「ああ 早う行かんと死んでもうてるかもしれないからな」

 

「転移《コリニア》!」

 

リョウとランは1層から一気に75層まで転移した。

 

 

 

同時刻 第75層 迷宮区

 

「ウルァッ!」

 

「セイヤー!」

 

迷宮区の一階で赤黒い肌の人型のトカゲのようなモンスター≪ブラッドリザード≫。右手には湾曲した剣が握られている。そのトカゲは現在、二人の少年少女と戦い残りのHPが虫の息に達している。

 

「ユウキ 次で決めんぞ!」

 

「OK SO」

 

SOは義体を着て両手で高周波ブレードを持ち下段で構えトカゲの懐まで踏み込み剣を弾きユウキに目で合図を送る。

 ユウキは頷く。突進と共にペールブルーの閃光と共に片手剣で突きを繰り出す≪レイジスパイク≫。

 胸倉にユウキの片手剣≪ブラリエント オブセディエン≫が突き刺さりHPを削りきりトカゲはそのまま四散する。

 

「ふう やっと終わったね」

 

「ん~結構かかったな~」

 

「え、そう?」

 

「よし ユウキの剣をちょっと改造すっか」

 

「じゃあ一旦、町に戻ろうよ」

 

「そうしますかな」

 

SOとユウキは≪コリニア≫に帰還する。

 

その時 リョウとランは……

 

「ここからどうするんですか?」

 

「まず聞き込みやな」

 

辺りを見回し近くにいたネズミの髭みたいなペイントをした小柄の子に話しかける。

 

「ちょっとスマンが蒼t『ちょっと待って』…なんや」

 

『若頭のプレイヤーネームはいつも使っているSOですよ』

 

(せやったな)

 

「なんか用カイ?旦那」

 

「SOって言うプレイヤー知らんか?」

 

「ああSO坊ね。SO坊の情報は1万コルくらいカナ?」

 

「金取んのかよ!つーか1万 高けーよ」

 

『いんや鮫島さんや ここでは1万コルは安いよ』

 

(そうなんか)

 

所持金を確認すると200万コルある。

 

「何が高いんだよ。これはかなり良心てきな価格ダヨ」

 

「そりゃあスマンかったな。1万コル払うから教えてくれ」

 

「まいど~。これからも情報屋アルゴをよろしクゥ~」

 

リョウはコルを払い情報を聞く。

 

「で どこにおんねや」

 

「それは……旦那のウシロ!」

 

テッテレェー!とリョウとランの後ろを指差す。さされた方向を見ると黒い髪に赤い目でどこか蒼汰の面影がある少年を見つける。

 

「はっ!後ろにいたんかい」

 

そういってる間にSOは移動し始める。

 

「あっ待ちやがれぇ!」

 

SOの元に走り出す。

 

「ちょ ちょっと!」

 

ランもリョウの後ろに続く。だがリョウとランは一歩遅く「転移 リンダース」と言って転移してしまった。

 

「ちっ一歩遅れた。ラン行くで」

 

「待ってくださいよぉ」

 

「転移 リンダース」

 

二人はまた転移する。目の前にはなんとも和やかな雰囲気漂う緑が広がり所々に川が流れている。

 

「綺麗ですねぇ」

 

ランが感嘆の声をあげる。

 

「せやな。おっいたいた」

 

少し奥のほうにSOと女の子が歩いているのが見える。

 

「じゃあラン 行くでぇ」

 

「ええ~。また走るんですか もう疲れましたよ~」

 

「んん~ しゃあないな」

 

リョウはかがみ込みランを見る。

 

「ほら おぶったるから。行くで」

 

ポッと赤くなるラン。

 

「えっいいんですか」

 

「ええから さっ早く」

 

「はい…」

 

恥ずかしそうにリョウの背中に乗る。

 

「よっしゃぁ行くでぇ!」

 

スタートダッシュからかなりの速度でとばすリョウ。みるみるうちに距離が縮まっていく。

 

(リョウさんの背中 暖かくて広いなぁ~)

 

するとSO達がどこかの家に入る。家の前までリョウが来るとその店は

 

「リズベット武具店?」

 

そう書かれた看板がかけてある店だった。

 

『ここはですね…』

 

(要するに武器屋ってことやろ)

 

『そうです』

 

ガランガランと店の中に入るとそこには

 

「あっ いらっしゃーい」

 

店員か店長かはわからないがピンク色の髪の少女がいらっしゃいと言う。だがそんな事より店員さんらしき人と話していたのは紛れもく松永組 若頭 松永蒼汰。蒼汰はこちらに顔を向けるとビックリという表情を浮かべる。その隣の女の子も同じ表情を浮かべる。

 

「「兄貴!(姉ちゃん!)」」

 

蒼汰と少女は同時に驚きの声を上げる。

 

「えっええええええ!なんで兄貴がここにいいいいってか姉ちゃん!?」

 

「えっええええええ!嘘!なんで死んだはずの姉ちゃんがって兄貴!?」

 

「ってユウキ!姉ちゃんって!?」

 

「SO!兄貴って!?」

 

「いいから一旦落ち着かんかい!」

 

どかんと回し蹴りがSOの顎にクリーンヒットし壁に激突 そしてピクピクと痙攣し気絶し場が静まる。

 

「いいか 今から言うことを良く聞いとけ」

 

「「「は、はい」」」

 

皆ビビリながら返事をし説明が開始される。

 

-10分後-

 

「……というわけなんや」

 

「へぇーSOの家ってヤクザだったんだ。それでユウキは何故かお姉さんがいたんだ……なんでこうなるのよ」

 

「いや~兄貴を見たときマジびびったは~」

 

「姉ちゃんが何でここに……」

 

皆それぞれのリアクションを取る。

 

「まあとりあえずや ランの件だ。ラン なんか思い出せへんか」

 

「ん~あなたが私の妹ねぇ~ん~」

 

手を伸ばしサワサワと顔を触る。

 

「でもこの感覚は久しぶりというか懐かしい感じが……」

 

「ん~たひかにひょくこんなひゅうにひゃれてたひょうな」

 

「なるほどねぇ~。じゃあよくお姉さんとしたことをやってみたら?」

 

「せやな。ユウキ あれやってみたら」

 

「あ~あれひぇ」

 

ユウキはランの手をどけ背中に抱きつく。

 

「おおお~この感覚は懐かしい……はっ」

 

するとなんか閃いた!っていう感じで立ち上がる。

 

「そうだわ……私は昔HIVにかかってそれが酷くなってAIDSになって……それでうんそうストレスが体に掛かるからってメデュキュボイドってので頭に被って体から意識を切り離してストレスが掛からないようにするってことでもし失敗したらユウキに死んだことにしてくれって言って結局なんかトラブってそんで気が付いたらここに……って感じだったかな」

 

「お、おいラン どしたんや。口調変わってるやないか」

 

「姉ちゃんは元々こういう口調なんです」

 

「おうよユウキ ちゃんと思い出したぜ サンキューな」

 

「でもね姉ちゃん。なんで僕には死んだことにしたんだよ」

 

「悪かったな……もし姉ちゃんが意識不明で生きてるって事だったらお前は優しいから私のことを心配し続けるからと思ったからさ。そんで死んだことにすれば多少悲しむかもしんねえけど心配もなんもしなくていいな……って思ったのさ」

 

「姉ちゃん……」

 

「そないなことが……」

 

「いろいろ事情があったんですね」

 

「馬鹿じゃねぇの」

 

「はあ」

 

SOが一人違うことを言う。

 

「確かに心配はしないというかしても意味無い けど悲しいだろ。たった一人の家族が死ぬのはよぉ。生きてるってわかっていればまた目え覚ますかも知れねえっていう希望が持てるんだよ。でもな死んだら希望もなにも持てないしユウキが独りボッチになったっていう孤独が残るだけだ」

 

「あ、アンタに何がわかるって言うんだよ」

 

SOの発言に苛立ちを覚え言い返すラン。

 

「私はただユウキが……」

 

するとランの言葉が途中で止まる。その原因はランの背中に涙を流し抱きつくユウキの姿があった。

 

「もう…いいよ。もう……十分、姉ちゃんの気持ちが伝わったから」

 

ユウキの言葉を聞いたランは「…あ…ぅ……」と自分がした事に対する罪悪感が溢れ頬に涙が伝う。

 

「ユウキ……ごめんよ。姉ちゃんのわがままで悲しい思いさせて」

 

ランとユウキは泣きながら抱き合う。二人は今まで離れていた時を寂しさを取り返すようにひとしきり抱き合い数分間何も言わずに抱き合う。少し時間が経つとこの静まり返った空気を破ったのはランだった。

 

「ああ 久しぶりにこんなに泣いたわ~。ふぁあ~あ なんか眠くなってきちゃった」

 

ランの言葉を聞くと時刻を確認すると10時をまわろうかという時だった。

 

「せやな。確かに俺もいろいろあって疲れたは」

 

「では家に帰るか」

 

「そうだね。帰ろっかSO」

 

皆、帰る気満々で席を立ち出す。だが……

 

「ちょっと待ってよ ユウキの剣はどうすんの?」

 

「明日また来るよリズ」

 

「それなら良いけどさ。それとランさんとリョウさんはどこに泊まるんですか?」

 

「SOが泊まるとこなんだろ。ん?そういえばユウキはどこに住んでんだ?」

 

ランがユウキに聞くと……

 

「それはですね 姉ちゃん。一様マイホームに住んでるんですけど……」

 

「けど……なに?」

 

「グズグズせんと早く家に帰ろうやユウキ」

 

場の空気が固まる。次に口を開いたのはリズだった。

 

「……え あんた達まさか……一緒に暮らしてるってわけじゃあ……」

 

「え?住んでるけど何か?てか言ってなかったけ?」

 

「言ってないわよ!なにあんた達 前から怪しい関係だと思ってたけどそこまで進行してるなんて……」

 

バッとユウキのとこまで行きリズはユウキの肩を揺さぶる。

 

「大丈夫ユウキ?なにか危ない事されてない?」

 

「はっ失敬な俺はそんなことはしないぞ!」

 

「いやお前ならやりそうや」

 

「兄貴まで酷い!」

 

「SO~家の妹は高つくぞ~」

 

「なんの話やねん!」

 

「ユウキ~お前はあ~ゆうのが好みやったんやな~」

 

「ちょ、ちょっと姉ちゃんもリズもからかわないでよ。SOとは一層からづっとコンビ組んできたから特に仲が良いだけで別にそんな仲じゃあ……」

 

「ユウキちゃんも照れることは無いよ~正直に言っちまえよ~」

 

リズがユウキに揺さぶりかける。それにカチンときたユウキは……

 

「そ~ゆうリズだってキリトに言わなくていいのかな~。早く言わないと取り返しの付かない事になるよ~」

 

リズは顔を真っ赤にして反抗する。

 

「ば、バカ言ってんじゃないわよ べ、別にキリトの事なんかこれポッチも思って…」

 

「青春やな~」

 

「そういう兄貴こそランさんといい感じやないか。一層で襲われてるとこ助けたんやろ」

 

「SOお前は大人というものが分かってないな~。大人って言うんはもっと複雑なモンなんやで~」

 

「けっ、何が大人だよ!とうのランさんは兄貴に絶対に惚れ……」

 

気が付くと喉もとに刃物が……

 

「死にたかったら続けても良いよ」

 

「姉ちゃん怖い……」

 

ランがニコニコと笑みを浮かべ恐ろしいことを言ってくる。

 

「結構です。もういいません。マジすんません」

 

「それでいい」

 

その後、結局ランとリョウはSOとユウキの家に泊まることになったのであった。

 

 

 

 




なんかランは物静かな清楚系の人というイメージの小説が多いんで
活発な子にしました。

また感想よろしくぅ~。


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